札幌市議会 > 2022-10-14 >
令和 4年第二部決算特別委員会−10月14日-04号
令和 4年第一部決算特別委員会−10月14日-04号

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  1. 札幌市議会 2022-10-14
    令和 4年第二部決算特別委員会−10月14日-04号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    令和 4年第二部決算特別委員会−10月14日-04号令和 4年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第4号)               令和4年(2022年)10月14日(金曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32名(欠は欠席者)     委 員 長  北 村 光一郎      副委員長   松 原 淳 二     委   員  三 上 洋 右      委   員  鈴 木 健 雄     委   員  高 橋 克 朋      委   員  長 内 直 也     委   員  よこやま 峰子      委   員  佐々木 みつこ     委   員  飯 島 弘 之      委   員  小 竹 ともこ     委   員  村 山 拓 司      委   員  小 田 昌 博     委   員  藤 田 稔 人    欠 委   員  小須田ともひろ     委   員  峯 廻 紀 昌      委   員  しのだ 江里子     委   員  山 口 かずさ      委   員  村 上 ゆうこ     委   員  中 村 たけし      委   員  岩 崎 道 郎     委   員  たけのうち有美      委   員  水 上 美 華     委   員  恩 村 健太郎      委   員  國 安 政 典     委   員  好 井 七 海      委   員  小 口 智 久     委   員  わたなべ 泰行      委   員  森 山 由美子
        委   員  小 形 香 織      委   員  田 中 啓 介     委   員  吉 岡 弘 子      委   員  長 屋 いずみ     委   員  佐 藤   綾       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○北村光一郎 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、小須田委員からは欠席する旨、また、中川委員からは村山委員と、丸山委員からは好井委員と、村上ひとし委員からは田中委員と、千葉委員からは佐藤委員と交代する旨、それぞれ届出がありました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第3款 保健福祉費 第5項 健康衛生費の質疑を行います。 ◆小田昌博 委員  私からは、新型コロナウイルス感染症における全数届出見直しについて、端的に2点お伺いいたします。  新型コロナウイルス感染症対策につきましては、政府は、ウイルスの特性の変化やワクチン接種の進捗などを踏まえ、当初の陽性者は原則として全員入院とする対応から、徐々に自宅療養を中心とした対応に切り替えるとともに、国民の行動制限や経済活動制限の見直しを行う政策を展開してまいりました。  令和4年9月8日には、内閣官房より、オミクロン株については若い世代での重症化リスクは低く、大部分の人は感染しても軽症で入院を要することはない一方で、高齢者のリスクは引き続き高いということなどを踏まえ、感染拡大防止社会経済活動の両立を図ることとする方針が示されました。  これを踏まえ、9月26日からは、全国一律で、感染症法に基づく医師の届出である発生届の対象を見直し、65歳以上の方、入院を要する方など4類型に限定化する取扱いが始まったところであります。  具体的には、従前のように保健所が全ての陽性者を把握し、健康状態などを詳細に聞き取る対応から、高齢者などの重症化リスクの高い方を守ることに重点を置き、一方で、若い年代での軽症の方については、発生届の対象外とし、体調不良など必要となった際に健康フォローアップセンターなどに相談してもらうという対応に転換したものであると言えます。この健康フォローアップセンターが全ての都道府県において設置できるめどが立ったことを受けて、このたび、全国一律での全数届出見直しへと変わりました。  一方、札幌市においては、第6波以降、さらなる感染拡大が起こった場合でも、陽性と診断された方への対応を迅速に行うため、4月25日に、陽性者自らの年齢や基礎疾患の有無、健康状態等を入力する療養判定サイトを立ち上げるとともに、5月1日には、自宅療養中の市民からの健康相談などを受け付ける陽性者サポートセンターを設置してきました。  この体制により、過去最大の新規陽性者が発生した第7波においても、健康観察等が行われてきており、このたびの見直しにより求められることとなった患者支援体制を、一部は先行して行ってきているものと考えます。  そこで、一つ目の質問です。  第7波において機能した患者支援の体制が、このたびの全数届出見直しに当たり、どのように生かされているのか、お伺いいたします。 ◎西尾 業務調整担当部長  第7波において機能した患者支援体制の活用についてお答えいたします。  本年4月以降整備した体制のうち、療養判定サイトは、陽性と診断された市民全員に健康状態等を入力していただくことで重症化リスクを速やかに判定し、リスクの高い方への重点的な対応を行う仕組みとして導入したものでございます。  全数届出の見直し以降、療養判定サイト問診サイトと名称を変えまして、入力をお願いする対象を発生届の対象者のみといたしましたが、引き続き、入力のご協力をいただくことで速やかな入院調整や健康観察を行ってきているところでございます。  一方、重症化リスクが低いと判定された方に対しては、陽性者サポートセンターを設置し、体調悪化をはじめとした療養中の各種相談を受け付け、必要な方には速やかに医療につなげる体制といたしました。  陽性者サポートセンターは、このたびの全数届出の見直しにおいて設置が求められた発生届の対象外の方に対する相談窓口としての機能を既に備えているものと認識しております。 ◆小田昌博 委員  札幌市においては、第7波で機能していた体制が生かされ、このたびの全数届出見直しにおいても、患者支援が途切れることなく実施されることについては、評価できるものであります。  しかしながら、このたびの届出見直しに伴い、発生届の対象外となった市民にとっては、保健所に対し、自ら何らかの形で陽性と診断されたことを示さなければ、陽性者サポートセンターに相談したり、医療を受けることもできないのではないかという不安を感じてしまうものと考えます。  二つ目の質問になります。  発生届の対象外である患者からの体調不良の相談をどのように速やかに必要な医療につなげることとしているのか、お伺いいたします。 ◎西尾 業務調整担当部長  発生届の対象外となる患者が体調を悪化した場合の対応についてお答えいたします。  発生届の対象外の方から陽性者サポートセンターに体調不良とのご相談が入った場合、まずは、ご本人の申出により陽性であることを確認しまして、相談者の体調等に応じて入院調整や健康観察等につなげることとしております。  また、従前より、体調不良時には、かかりつけ医等への相談もご案内していたところでございますが、今回の見直しに合わせて、電話で診療を受けられる医療機関のリストをホームページ上に公開しまして、陽性者サポートセンターを経由せずとも速やかに受診できる体制も整えたところでございます。  今後も、電話相談とホームページでの情報発信により、発生届の対象外の方も安心して自宅療養できるよう、しっかりと支援してまいりたいと存じます。 ◆小田昌博 委員  見直しに合わせて、速やかに受診できる体制を整えているということであります。  現在、陽性者数は減少しており、落ち着いている状況でありますけれども、この2年8か月にわたるコロナ禍の中で、大きな波が来るたびに、国はもとより、札幌市も様々な対策を打ち、対応をしてきました。この全数届出見直しでの対策は新しいフェーズとなりますので、札幌市の対応も新たなものになると考えております。体調不良の方の速やかな受診を受けられる体制と自宅療養の方にも安心していただけるよう支援をお願いして、私の質問を終わります。 ◆岩崎道郎 委員  私からは、医療費助成制度について、4点ほど質問させていただきます。  札幌市は、子ども医療費助成制度について、2018年度から段階的に対象を拡大してきており、昨年度から、対象が小学6年生まで広げられたところです。  さらなる対象拡大について、さきの代表質問では、町田副市長より、他の政令指定都市の状況、医療費助成制度とのバランスなどを勘案して検討する旨の答弁があったところです。副市長の答弁には、子ども医療費助成制度は、子ども・子育て施策の中でも重要度の高いものと認識しているとあり、大きな壁は財源なのではないかと推測をしております。  子ども医療費助成制度は、北海道からの補助があり、北海道と市町村との事業費負担は1対1となっております。2021年度の子ども医療費助成制度の決算額は38億円余りであり、北海道と札幌市の負担割合が1対1だとすると、北海道から決算額の半額の19億円が補助されているところですが、実際に北海道から受けている補助金の額は10億円ほどと聞いております。これは、北海道の補助基準が札幌市で対象としている年齢までカバーし切れていないからだと考えます。  そこで、最初の質問ですが、現在、札幌市は、小学6年生までの入院費と通院費が実質無料であり、中学生は入院のみを助成の対象としていますが、北海道の補助基準はどのようになっているのか、伺います。 ◎毛利 保険医療部長  子ども医療費助成制度の北海道の補助基準についてお尋ねをいただきました。  北海道の補助基準には、年齢に応じて三つの段階がございます。  まず、2歳まででありますが、これは、初診時一部負担金のみ、いわゆる実質無料でございます。札幌市の助成内容では、小学6年生まで実質無料となっておりますが、北海道の補助基準では2歳までとなってございます。  次に、3歳から小学校入学前まででございますが、これは、住民税の非課税世帯と課税世帯で分かれております。非課税世帯につきましては、引き続き実質無料でございますが、課税世帯は1割の負担となってございます。  さらに、小学1年生から6年生までは、今度は、通院医療費が丸々対象外となりまして、入院医療費について、非課税世帯は実質無料、課税世帯は1割負担となってございます。  なお、中学1年生以上は、入院も通院も対象外となってございます。  まとめますと、北海道の補助基準では、2歳までが実質無料で、3歳以降は段階的に縮小され、小学6年生まで実質無料としている札幌市との間で開きが生じてくるというところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  これまで恐らく札幌市と北海道である程度足並みをそろえながらこの制度を進めようというような狙いがあったと思うんですけれども、今のご答弁を聞きますと、なかなか北海道の基準に合わせていると、札幌市はいつまでたってもこの対象が拡大していかないのかな、かないそうにないなということを感じるところです。  一方で、来年度から、政令市の中でも次々と対象の拡大が報じられています。特に神奈川県では、横浜市と川崎市で来年度から対象拡大となり、両市とも、県の基準を超えて、市独自の予算で助成を行う予定であるというふうに聞いております。  そのほか、20政令市の助成対象範囲がどのようになっているのか、確認をしたところ、対象年齢としては、札幌市と同様に、小学6年生までを対象としているのが4市、中学3年生までを対象としているのが、今紹介した横浜市、川崎市を含めて9市、高校3年生までを対象としているのが7市という状況でした。  また、所得制限については、札幌市と同様に所得制限を設けているのが7市、所得制限を設けていないのが13市という状況で、現在設定しているこの7市の中でも、今申し上げました横浜市、川崎市、さらには仙台市について、所得制限を来年度から撤廃するという報道があったところです。  そこで、次の質問ですが、仮に札幌市が小学校6年生までの助成内容を中学3年生まで拡大した場合及び中学生に拡大した上で所得制限を撤廃した場合に、必要となる所要額はどのぐらいになるのか、伺います。 ◎毛利 保険医療部長  対象拡大をした場合の所要額についてお尋ねをいただきました。  まず、現在の小学6年生までの助成内容を中学3年生まで拡大した場合につきましては、およそ6億3,000万円が必要というふうに見込んでございます。また、中学3年生まで拡大した上で、さらに所得制限を撤廃した場合につきましては、先ほどの6億3,000万円に5億3,000万円が上乗せされまして、合わせましておよそ11億6,000万円というふうに試算をしているところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  子ども医療費助成については、2021年度予算額は約45億円でした。そして、決算額が約38億円と、予算と決算の乖離が約7億円生じております。非常に単純計算ですけれども、今、答弁いただいた中学校3年生まで拡大をして、これは所得制限つきですけれども、6.3億円ということなので、この7億円で賄うことができるのかなと単純に想像してしまいます。  コロナ禍ということで、一概にこういった様々な施策の結果というものは比較できないとは思いますけれども、今後、少子化の傾向になる中にあって、対象拡大が不可能ではないなということを感じているところです。  続きまして、代表質問の答弁にもありました、ほかの医療費助成制度についても質問いたします。  子ども医療費助成制度が創設された1973年に、ひとり親家庭等医療費助成制度重度心身障がい者医療費助成制度が創設されています。現在、ひとり親家庭等医療費助成制度は4万2,000人、重度心身障がい者医療費助成制度は4万人の受給者がおり、比較的に生活が困窮されやすい方の支えになっているものと認識をしております。  この両制度とも、子ども医療費助成制度と同様に、国の制度ではなく、地方単独事業であり、助成内容については、都市により違いはあるものと思われますが、政令市の数も多く、細かい違いまで見ると多岐にわたるとは思いますが、政令市間の大きな違いとしてどのようなものがあるのか、政令市の大勢を占める助成内容はどういうものか、また、札幌市の助成の内容はどうなっているのかを伺います。  あわせて、札幌市の助成対象が政令市の体制レベルよりも狭い場合、その拡大に必要となる所要額が幾らになるのか、伺います。 ◎毛利 保険医療部長  ひとり親家庭に対する助成制度、それと、重度心身障がい者に対する助成制度につきまして、政令市と札幌市の違いでありますとか、その違いを埋めるための所要額など、幾つかお尋ねをいただきました。  まず、ひとり親家庭に対する助成制度でございますが、これは、ひとり親家庭の親と子どもの医療費が助成対象となってございます。政令市間での大きな違いといたしましては、親の通院医療費を対象としているかどうかということでございます。札幌市は、北海道の補助基準にのっとりまして、親の通院は対象としておらず、入院のみ対象としてございますが、他都市は親の通院医療費も対象としてございます。  札幌市が親の通院も対象に加えた場合の所要額でありますが、およそ6億7,000万円と見込んでございます。  次に、重度心身障がい者に対する助成制度でございますが、こちらは、3障害を対象としてございますが、政令市の間で大きな違いがあるのは、精神障がいでございます。具体的には、障がいの等級でありますとか、入院、通院の両方が対象かどうかということなどによりまして、20政令市が実に六つのパターンに分かれてございます。このうち、最多の8市が精神障害1級の通院、入院とも対象としております。札幌市は、精神障害1級の通院のみを対象としてございまして、入院につきましては、北海道の基準にのっとりまして対象外としているところでございます。  札幌市が入院も対象とした場合の所要額につきましては、およそ1億5,000万円と試算をしているところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  やはり、今の答弁を聞きましても、札幌市は、この医療助成制度について、ほかの政令市と比べて非常に充実していないなということを感じます。特にひとり親の医療費というところに焦点を当てますと、ひとり親家庭でなかなか生活が大変だという状況の中で、子どもは何とか病院にかけられるけれども、自分はまあ仕方ないかなと思いかねないなということをすごく感じます。それは、本当に市民にとって不幸なことだと思いますし、やはり、できるだけ一人でも多くの方がこの助成を受けられる、そういったことが必要だと思います。  また加えて、答弁にありました障がい者の助成について、精神障がいの方への助成の拡大を求める声は引き続き多いものだと思います。私たちのところにも届いております。こういった制度の網からこぼれ落ちてしまう人をどのように受け止めていくのか、そして、制度の中で格差が生まれてしまっている現状については、まだまだ配慮すべき点、改善すべき点があるなというふうに感じております。  仮に札幌市が他の政令市の大勢を占めるような助成水準になるには、先ほどの様々な増加が見込まれる額をざっくり合計しますと、20億円程度であることが分かりました。この額をどう見るか、高いと見るか、低いと見るか、これは本当にいろんな意見があるかと思いますけれども、もうこの額が見えているのであれば、この額をどのように捻出していくのかということを考える時期にもう入っているかなというふうに私は感じているところです。  今申し上げたとおり、やはり、他の政令市とのバランスを見ていくという答弁があったように、そこだけを見ても、札幌市はまだまだ遅れていると言わざるを得ません。  そこで、最後に、町田副市長に伺いたいと思います。  このような本市と他の政令市の医療助成制度に差があることについて、どのように認識をされているのか、伺います。 ◎町田 副市長  委員のご質問にもございましたとおり、医療費の助成事業は、1973年、昭和48年に創設したものでございまして、これまで、半世紀にわたり、対象となる世帯の医療面における経済的負担を緩和してきた、非常に重要度の高い政策と認識するところでございます。  現在、医療費助成制度全体で約100億円に及ぶ予算を確保しているところでございまして、今後とも、制度の維持・継続に努めていかなければならないものと考えております。  一方で、他の政令市との間に助成内容の開きがあることは十分認識しておりまして、この点につきましては、長期的な財政収支、財源措置を見通しながら、委員のご指摘に鑑み、しっかりと検討してまいりたいと考えております。 ◆岩崎道郎 委員  ぜひ前向きに進めていただきたいと思いますし、最後に、一つだけ、今日は、保健福祉のところでこの子ども医療費の助成についてお話をさせていただきましたが、恐らくもうこの子どもに対する施策というのは、福祉的な分野だけではなくて、まちづくりに直結をしていく、そういった内容になってくるんだろうというふうに思っております。という意味でも、保健福祉だけに限らず、町田副市長の指揮の下、全庁挙げて子どもに対する様々な施策が前に進むようお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆森山由美子 委員  私からは、母子健康手帳の活用について、3歳児健診における視覚検査事業について質問をいたします。  まず初めに、母子健康手帳の活用について、2点伺います。  近年は、核家族化が進み、自分の親等の親族から距離的に離れたところで妊娠、出産することがまれではなくなっております。さらに、社会・心理的背景から親と子の関係に様々な事情を抱え、親を頼れない妊産婦が少なからずおり、妊娠、出産、子育てを家庭のみに任せるのではなく、生活している地域で様々な関係機関や人が支援し、孤立を防ぐことが重要であると考えます。  こうした背景を踏まえ、札幌市では、妊産婦、乳幼児等の状況を継続的、包括的に把握することや、必要な支援について、関係機関と連携し、切れ目のない支援を提供することで育児不安や虐待を予防することを役割とする子育て世代包括支援センターを、平成28年から各区保健センターに位置づけ、産前産後の取組として母子健康手帳を交付する際の妊婦支援相談事業、初妊婦訪問事業、産後ケア事業、生後4か月までの乳児全戸訪問などを実施し、妊娠期からの切れ目のない支援を行っているものと認識をしております。  妊娠期から子育て期の支援に当たっては、一人一人のニーズを妊娠期から把握し、子育て期まで継続的に支援が行われるよう、利用される方の目線でサービスを提供すること、また、医療機関や保育施設など関係機関と連携を図っていくということが重要と思います。  母子健康手帳の交付は、保健センターの保健師等が最初に妊婦の方たちと接する機会であり、妊婦の状況を早期に把握することが可能です。妊婦の方たちにとっても、母子健康手帳を手にすることが母子への支援の初めての接点となり、母親としての自覚に目覚める大切な機会です。  そのため、母子健康手帳交付の機会が妊婦の方たちにとって母子保健事業との最初の出会いと捉え、母親が妊娠期から困ったときには、保健センターが悩みを相談できる場だと認識をしていただけるように関わることが、継続的な支援につなげていく上で大変重要であると考えます。  そこで、質問ですが、妊娠期から育児期までの切れ目のない支援を行うため、母子健康手帳交付の機会における支援をさらに充実させることが必要と考えますがいかがか、伺います。 ◎中目 健康企画担当部長  母子健康手帳交付の際の支援についてお答えいたします。  母親の生育歴やメンタルヘルスなど、産後の育児に影響を与えるリスク要因がある場合には、これまでも支援が途切れないよう、一人一人に寄り添い、困り事へ丁寧に対応し、必要な支援につなげてきたところでございます。  このような妊娠期から継続支援を必要とする妊婦の方たちは、令和3年度の実績では18.9%と、母子保健相談員配置前の令和元年度と比較しまして約6ポイント増加しており、より一層充実した支援が必要と認識しております。  今後は、妊娠期だけではなく、産後も継続支援が必要な母親に電話や面接に限らず、訪問等による支援を実施するなど相談対応のさらなる充実に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆森山由美子 委員  続いて、低出生体重児母子健康手帳の活用について伺います。  母子健康手帳には、妊産婦、乳児及び幼児の健康診査及び保健指導に関する記載を行うことが規定されており、当事者が主体となって健康記録を所持、記載することで、妊産婦、乳幼児を必要な保健医療支援等に結びつけるとともに、当事者自身による健康管理を促す重要な手段となっております。  しかし、早産などで小さく生まれた低出生体重児については、通常の母子健康手帳における発育を記録するグラフの身長が40センチ、体重が1キログラムと設定されていることから、出生後しばらくは継続したメモリを記録することができず、一貫した健康の記録の管理ができません。  我が会派においては、平成30年度に低出生体重児に配布する母子健康手帳の必要性を要望したところ、すぐに低出生体重児用の身長、体重を記録できるリーフレットを作成していただいた経過があります。  しかしながら、最近の新聞報道でリトルベビーハンドブックが取り上げられ、その中に、札幌市在住の当事者の方の声として、身長、体重の成長を母子健康手帳に書き込めず、なぜ普通に産めなかったんだろうと自らを責めたということが紹介されており、今なお、低出生体重児母子健康手帳の活用は課題であると感じたところでございます。  厚生労働省の人口動態統計によると、全出生数に占める低体重児の割合は9.2%で、札幌市における低体重児の割合も9.3%となっており、およそ1割の親が同様の問題に苦しんでいる状況です。  国では、母子健康手帳、母子保健情報等に関する検討会において、近年の制度改正等の動きや母子保健情報等の電子化の現状等を踏まえ、母子健康手帳の見直しについて議論がなされておりますが、そこでは、低出生体重児や多胎、障がい児等の多様性に配慮した分かりやすい情報提供の充実が必要であるとの見解を示しております。  また、静岡県では、2018年に低体重児の成長を記録する専用冊子、リトルベビーハンドブックを配付しており、道内においても、2020年から、静岡県を参考に苫小牧市において導入している状況でございます。  さきに述べたとおり、札幌市においても小さく生まれるお子さんが約1割いらっしゃいます。札幌市においても、こうした取組により、当事者の苦しみに寄り添い、全ての母子が孤独感を抱かずに安心して子どもの成長を感じられるよう、小さく生まれる子どもへの理解を進めていくことは急務であると考えます。  そこで、質問ですが、札幌市においても、早産などで小さく生まれた低出生体重児の保護者の気持ちに寄り添った支援が必要と考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎中目 健康企画担当部長  低出生体重児母子健康手帳の活用についてお答えいたします。  委員からお話がありました平成30年度に作成したリーフレットにつきましては、今年度、見直しを行いまして、母子健康手帳に合わせたサイズに変更し、さらに、成長達成を記載する欄を設けるなど、記載しやすく、使いやすい内容としたところでございます。  このリーフレットは、保健師が家庭訪問の際に配付しており、リーフレットに記録された子どもの成長を通して、母親の思いに寄り添ったよりきめ細かい支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆森山由美子 委員  ぜひとも今後も充実に努めていただきたいというふうに思います。
     最後に、要望です。  最近のデジタル時代に鑑みて、若い世代の親御さんが多いため、母子保健手帳に記載する乳幼児健診や予防接種情報など、母子保健情報のデジタル化についても国において検討されていることから、今後、本市において、将来的に必要性があるのかも含めて、議論を十分されるよう求めます。今後とも、より保護者、子どもに寄り添った充実した母子保健の取組をお願いし、次の質問に移ります。  次に、3歳児健診における視覚検査事業について、2点質問いたします。  子どもの弱視は、早期に発見すれば、ほとんどの場合は治療で改善できると言われていることから、私どもの会派では、3歳児健診で弱視を発見し、医療につなぐことが極めて重要であるとの認識から、さきの予算特別委員会において、屈折検査の導入について取り上げ、今後取り組んでいくとの答弁をいただいたところであります。  屈折検査は、日常生活では気づかれにくい片側の目の弱視等を検出するのに有用であることから、令和4年度の国の予算においては、市町村が行う屈折検査機器等の整備に活用可能な補助事業として母子保健対策強化事業が創設され、あわせて、3歳児健診の視覚検査に関する体制整備についての通知も発出されております。  3歳児健診は、市町村が実施主体となっており、既に眼科医と連携して屈折検査が実施できている市町村もありますが、その現状には地域差があることが分かっております。また、令和4年6月の日本眼科医会の全国調査においては、屈折検査が導入されている自治体は4割、政令市においては11か所にとどまる結果となっており、札幌市においては、いまだ導入に至っておりません。  そこで、1点目の質問ですが、3歳児健診における屈折検査の導入に向け、どのような課題があるのか、伺います。 ◎中目 健康企画担当部長  屈折検査導入における課題についてお答えいたします。  導入に当たっては、検査を行う人員及び検査場所の確保、健診の流れの見直しなど健診体制の整備が課題と考えております。  また、現在の視力検査及び医師の診察では、受診者の3.4%に当たる480人が精密検査の対象となっており、屈折検査導入後は、精密検査の対象者が2倍となる見込みでございます。  そのため、現在、札幌市が委託する精密検査実施機関が11か所と限られていること、また、実施機関の地域偏在があることから、検査対象者の増加に見合った実施機関の拡充が課題でございます。 ◆森山由美子 委員  屈折検査を導入するに当たっては、実施体制の整備に様々な課題があるとのことでしたが、より精度の高い健診として屈折検査が有効であることが分かっており、遠視や乱視などの程度、斜視の有無を調べ、その場で弱視のリスクを判定できることが期待されております。  子どもたちの弱視が早期に発見できれば、就学児までに治療することで正常な視力が獲得できると考えられるため、導入に向けた体制の検討は急務と考えます。  そこで、2点目の質問ですが、3歳児健診における屈折検査の導入に当たり、どのように進めていくのか、伺います。 ◎中目 健康企画担当部長  屈折検査導入に向けた今後の進め方についてお答えいたします。  先行して実施しています自治体への調査を行うとともに、健診会場となります各区保健センターの検査場所や健診体制について実態把握を行うなど、課題の洗い出しと検討を行ってまいります。  また、導入に当たっては、モデル事業を実施して、実施方法及び実施体制について検証を行いたいと考えております。加えて、精密検査実施機関の拡充に向けた関係機関との協議、調整も行い、円滑な実施に向けて体制を整備してまいりたいと考えております。 ◆森山由美子 委員  繰り返しになりますが、弱視は早期治療をすれば、そのほとんどが治ると言われております。日本眼科医会によりますと、目の機能は3歳ごろまでに急速に発達し、6歳から8歳で完成するということです。弱視は50人に1人とされ、幼少期に異常が見落とされると、大人になっても十分な視力が得られない可能性があることから、弱視の見逃しがないよう、3歳児健診における屈折検査は、早期発見の上で非常に重要です。  来年度創設されるこども家庭庁の子どもの幸せを最優先にという観点からも、将来の大事な人材となる子どもの一生に関わる、見えるということをしっかり守っていただく施策を急がれることを強く求め、私の質問を終わります。 ◆長屋いずみ 委員  私からは、子どもの医療費助成に係り、5点伺います。  子どもの医療費無料化は、子どもが何かあったとき、お金の心配なく医療を受けたいという保護者や地域の皆さんの切実な願いから出発しました。  先ほど、政令市でも多くが中学卒業まで、あるいは高校卒業までとしている中、本市は小学校卒業までですから遅れている、こういう質疑がありました。  長引くコロナ禍や物価高騰の下で、一部負担金や所得制限をなくして、あるいは年齢の拡大をしてほしい、こういう声がさらに強まっております。  我が党は、これまで何度も拡充を求めてまいりましたが、本日も、子ども医療費助成の拡充を求める立場で質問をさせていただきます。  そこでまず、直近の全国の市区町村の医療費無料化と一部負担金、所得制限の状況についてお伺いいたします。 ◎毛利 保険医療部長  全国の状況についてお答えをいたします。  先月、厚生労働省から令和3年4月1日現在の全国の市区町村における実施状況について公表されたものがございますので、この中から、通院についてお答えをいたします。  まず、対象年齢についてでありますが、18歳までとしているのが817市区町村で全体の47%、15歳までが832市区町村で48%、12歳までが36市区町村で2%、就学前までとしているところが40市区町村で2%でございます。  一部負担金につきましては、これを設けているのが605市区町村で35%、設けていないのが1,136市区町村で65%でございます。  また、所得制限につきましては、所得制限を設けているのが220市区町村で13%、設けていないところが1,521市区町村で87%でございます。 ◆長屋いずみ 委員  昨年4月1日現在の状況でのご報告でした。  その後も、恵庭市などが拡充し、さらに、来年度から実施を決めた自治体もあります。本来、18歳までを子どもとしている以上、医療費負担の軽減は、国の制度としてどこに住んでも子どもの命は平等だという立場で確立していくものですが、このように自治体独自に工夫しながら子どもの医療費助成を拡大しているのはなぜか、本市のお考えについてお伺いいたします。 ◎毛利 保険医療部長  医療費助成の拡充が進んでいるというのはなぜかとのお尋ねでございますが、これにつきましては、それぞれの自治体の政策判断によるものというふうに認識をしてございます。  ただ、私どもといたしましては、そもそも、子ども医療費助成制度は、各自治体の個々の政策判断によるべきものではなく、全国一律の基準で運用されるべきというふうに考えてございまして、国に対して、その旨、繰り返し要望しているところでございます。 ◆長屋いずみ 委員  あくまでも国がやるべきことということでした。  多くの自治体は、保護者や地域の皆さんの切実な願いに応えようと工夫しながら拡充しているのです。市民の声に寄り添った施策にしようと頑張っている。その積み重ねが、今では、18歳の年度末まで助成する市区町村数が約半分まで広がっておりました。本市が助成をさらに拡充することで、国に対して、制度が必要なんだ、こういう強い声になっていくと考えますし、また、それは自治体間に生じている格差を解消する力にもなると私は思います。  次に、所得制限についてです。  本市は、子ども医療費助成において、所得制限を設けております。  そこで、質問ですが、所得制限によって医療費助成を受けられない子どもの人数をお伺いいたします。 ◎毛利 保険医療部長  所得制限の対象となっている世帯の子どもの人数でございますが、およそ1万4,000人でございまして、対象となる年齢層の約1割でございます。 ◆長屋いずみ 委員  1万4,000人ということですが、高所得層だから、それらの子どもが助成対象外になっているということでした。  昨年9月に、内閣府は、共働き世帯における社会給付、負担を考慮した所得の逆転というレポートを発出し、高所得層としている世帯では、収入から社会保険料、児童手当等の社会給付を考慮した可処分所得に逆転が生じている可能性があることが分かったと報告しておりました。  高額の税金や保険料、年金を納める一方で、児童手当や子ども医療費などの助成はないため、かえって苦しくなる世帯が出てきてしまうんです。所得制限をなくした自治体の中には、このようなことも政策判断の一つにしながら、所得にかかわらず、子育て世帯を支援しようと、同じ自治体に住む子どもたちを差別しないとしたのではないかと思います。対象人数は1万4,000人とご答弁いただきましたが、全ての子どもの支援とすべきだと考えるものです。  そこで、質問です。  本市においても所得制限をなくすべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎毛利 保険医療部長  所得制限をなくすべきとのお尋ねでございます。  札幌市の現行制度下、すなわち小学6年生までは入院、通院が対象、中学生は入院のみが対象と、こういう制度の下で所得制限を撤廃したという場合には、新たにおよそ3億9,000万円の財源が必要になるものと試算をしてございます。  さらに、所得制限につきましては、子ども医療費助成制度だけではなくて、ひとり親家庭等医療費助成制度、さらには重度心身障がい者医療費助成制度にも設けているものでございます。  このため、お尋ねにございました見直しに当たりましては、所得制限が持つ機能について十分に検討を加えるということとともに、事業の持続可能性や三つの医療費助成制度の間でのバランスというものを勘案しながら判断していかなければならないというふうに考えてございます。 ◆長屋いずみ 委員  各自治体は、どこでも財政が厳しい中で、工夫して広げておりました。十分に前向きに検討していただきたいと申し述べます。  次に、一部負担金と医療費助成の拡充についてです。  先日、昨年度の学校保健統計調査について、道内の子どもは視力低下と虫歯が多く、年齢が上がれば増加する傾向にあると報道がありました。  本市の学校保健統計調査を見てみました。子どもの視力低下と虫歯についてです。注目したのは、精密検査の受診割合です。小学生で精密検査が必要だと指摘されて受診する割合よりも、中学で指摘されて受診する割合が非常に低くなっておりました。経済的、あるいは部活で忙しい、忘れていた、いろいろと理由はあると思います。分析は必要だと思いますが、まず、お金の心配がなく受診できる環境が必要だと思いました。  また、無料といっても、一部負担金がかかりますし、現在、それを払えない、最も困窮し、支援が必要な世帯が受診をためらうこともあります。どの子もひとしく必要な医療を受けられる制度に、せめて中学卒業まではつくっていく必要があると私は考えます。  そこで、質問ですが、一部負担金の見直しと併せて、医療費無料化の年齢の引上げを検討すべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎毛利 保険医療部長  初診時一部負担金の見直しと対象年齢の引上げについてお尋ねをいただきました。  まず、子どもが必要な医療を受けられる、そういう環境を整えることは重要なことというふうに認識をしてございます。このため、札幌市では、平成13年度から、北海道の基準を上回りまして、子ども医療費の助成を行ってきたところでございます。  お尋ねいただきました件につきましては、将来にわたる事業の持続可能性などを踏まえて検討する必要があるというふうに考えてございます。  いずれにいたしましても、医療費助成制度は3制度ございまして、今後の在り方については、一つ一つの制度ではなく、三つの制度を総合的に捉えて検討していかなければならないというふうに考えてございます。 ◆長屋いずみ 委員  道の基準を上回っているということでしたが、コロナ禍が深刻になる中、さらに物価高騰、こういった中でどうやって全ての子どもに豊かな成長を保障していくのか、それは、本市の未来にも関わることだと思います。厳しい財政だからこそ、全ての子どもをひとしく応援するために積極的な努力をすべきと求めて、質疑を終わります。 ◆小竹ともこ 委員  私からは、本年6月に、我が会派が民主党、公明党とともに提案し、可決、成立した札幌市歯科口腔保健推進条例に基づいた具体的な今後の取組について質問をいたします。  条例の第1条の目的には、このように書かれております。  「歯科口腔保健に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって市民の健康寿命の延伸並びに健康格差の縮小を図ることを目的とする。」。  今回、我が会派としては、この健康格差の縮小が極めて重要であると考え、第1条にこの条例の最も重要な理念を盛り込みました。条例の内容の検討に際しては、歯科医師会や大学の有識者等を招いた勉強会や他自治体の取組の視察など、今の札幌市に何が必要か、プロジェクトチームのメンバーで議論をしてまいりました。  その中で、虫歯等の歯科疾患は、ほかの疾患よりも家庭環境などの社会的背景が要因となって大きな健康格差が生じること、調査研究の分析によりますと、家庭の経済状況や保護者の学歴によって子どもの口腔内の健康が大きく影響を受けているなどの事実を知ることになりました。そして、子ども時代に多数の虫歯をつくってしまうと、その影響は子ども時代だけではなく、その子の生涯にわたって歯科疾患が多い傾向が続き、将来的には食べる機能が損なわれてしまうとのことであります。  このような子どもたちの歯科疾患の健康格差は、決して容認してよいものではなく、解決できる方法があるのであれば、周囲の大人たちの責任として、その解決に努力をすべきであると考えます。  そこでまず、一つ目の質問ですが、札幌市における乳幼児の歯科疾患の状況並びに健康格差の状況はどのようになっているのか、伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  札幌市歯科口腔保健推進条例に基づく今後の取組についてお答えをいたします。  乳幼児の歯科疾患並びに健康格差の状況についてでありますが、まず、札幌市の乳幼児歯科健診の虫歯の状況につきましては、令和3年の3歳児の1人平均の虫歯の本数は0.31本、有病率は8.4%となっており、減少傾向となっているところであります。  しかし、虫歯のない3歳児が増加傾向にある一方で、一人で多くの虫歯を有している子どもが一定数見られる状況にあり、令和3年度に3歳児健診を受診した1万2,406人のうち、一人で4本以上の虫歯を持つ3歳児は377人、10本以上の大変多くの虫歯のある3歳児は65人となっておりました。  子どもの虫歯の罹患状況につきましては、家庭環境等による健康格差が明瞭に表れることが近年の研究等で報告をされておりまして、札幌市の子どもたちにおきましても、同様の健康格差が生じているものと認識をしているところでございます。 ◆小竹ともこ 委員  子どもたちの虫歯は、全体的には少しずつ減ってきているとのことですが、一方で、一部の子どもに非常に多くの虫歯がある状況ということが分かりました。  このような健康格差をいかに縮小していくかが重要であるからこそ、その具体的な方法として、条例の第3条の基本理念に、健康格差の縮小を図るため、公衆衛生的見地から効果的な施策の推進を図ること、そして、第11条には、その具体的で効果的な施策として、フッ化物応用の推進を盛り込みました。  北海道においても、多くの自治体で健康格差の縮小を目的に、保育所や幼稚園においてフッ化物洗口事業が実施されているとのことであります。  そこで、2点目の質問として、道内の保育所や幼稚園のフッ化物洗口の実施状況はどのようになっているのかを伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  北海道内の市町村における保育所、幼稚園のフッ化物洗口の実施状況についてお答えをいたします。  令和元年度に北海道が実施した調査によりますと、179市町村のうち約9割に当たる161市町村において、保育所等での就学前の子どもたちに対するフッ化物洗口が市町村事業として実施をされております。実施施設数といたしましては、保育所、幼稚園、認定こども園の合計が613施設、実施人数の合計といたしましては1万5,977人となっていたところであります。  また、令和3年度の最新の調査結果では、新型コロナウイルス感染症の影響による事業の一時休止等によりまして、令和元年度に比べ、実施人数が3,000人ほど減少しているところでございますが、今年度に入り、フッ化物洗口事業を再開する自治体が多くなっていると聞いているところでございます。 ◆小竹ともこ 委員  既に道内160以上の自治体の保育所や幼稚園では、行政と歯科医療関係者と現場の職員が子どもたちの健康格差の縮小のためという目的を共にして努力をしている状況であるということが分かりました。  札幌市においては、行政の支援はないため、一部の保育所と幼稚園においてのみ、現場の職員と園医である歯科医師の先生など、民間の努力で取り組んでいる状況であります。  今年4月、社会福祉法人日本保育協会札幌支部から、また、翌月には、一般社団法人札幌市私立幼稚園連合会から、フッ化物洗口実施を希望する幼稚園、保育所、認定こども園に対する公費助成を求める内容の要望書を我が会派を通じて札幌市に提出させていただきました。  そこで、最後の質問となりますが、このようなフッ化物洗口の実施を希望する保育所や幼稚園に対しては、道内他の自治体と同様、本市も共に取り組むことが必要だと考えますが、札幌市の認識を伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  フッ化物洗口を希望する保育所、幼稚園等に対する市の取組に関する認識についてお答えをいたします。  保育所、幼稚園等でのフッ化物洗口事業につきましては、子どもたちの健康格差の縮小を目的として、既に道内の多くの市町村で実施している事業であることは承知をしているところでございます。  札幌市歯科口腔保健推進条例におきましても、公衆衛生的見地から効果的な施策を推進し、健康格差の縮小を目指すこと、さらに、その具体的な施策としてフッ化物応用等の科学的根拠に基づく取組の推進、これらが市長の責務とされましたことから、保育所等に対するフッ化物洗口事業の推進は重要な取組と認識をしております。  今後、札幌市歯科口腔保健推進条例が掲げる基本理念、また、社会福祉法人日本保育協会札幌支部など各種団体からの要望も踏まえまして、札幌歯科医師会や関係部局と協議を進めながら、フッ化物洗口事業の実施を希望する保育所、幼稚園等の支援について検討してまいりたいと考えております。 ◆小竹ともこ 委員  私どものプロジェクト会議では、条例の制定に当たりまして、京都市、新潟市、神戸市など先行自治体の実施状況を視察してまいりました。これらの都市のように行政が積極的に取り組んでいる自治体では、保育所、幼稚園、小学校など、その実施率は極めて高く、現場の職員の方々も、保護者の方々にとっても、実施することが当然であり、日常に定着した事業になっておりました。  一方で、フッ化物洗口事業は、薬品を使う専門性がある事業ですから、実施責任を現場任せにしないで、市が行政側として実施方針をはっきりと打ち出すとともに、市の事業として最終的な責任は市が持つという確固たる姿勢を示すことが、現場で安心して取り組むためには不可欠であると痛感してまいりました。  新しい取組を進めていくためには、現場の調整や一部の反対意見への対応など、確かに苦労も多いことと思います。ですが、子どもたちを、本来は予防することができる病気、このような虫歯や家庭の状況によって生じる健康格差から守ってあげる方法がこうして実際にあるわけですから、ここは、札幌市として明確な方針を打ち出していくことを決断することが、子どもたちの健康に関わる私たち大人の責任ではないかと考えております。ぜひ、子どもたちの健康を最優先に考えていただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。 ◆恩村健太郎 委員  私からは、次期札幌市食育推進計画の策定と食育推進について伺ってまいります。  人生100年時代に健康で幸せな毎日を送るためには、健全な食生活を通じた健康づくりが重要でありまして、栄養バランスの取れた食事や規則正しい食習慣を心がけること、また、年齢やライフステージの変化に合わせた取組を実践していくことが大切です。  しかしながら、各世代の食生活を見ますと、例えば子どもや若者の世代では、偏食や欠食、また高齢者世代では低栄養といった傾向にあると言われておりまして、各世代にそれぞれ課題があります。こうした課題を踏まえ、健全な食生活を進めていくため、子どもから高齢者まで、各世代を通して切れ目のない食育を推進していくことが望まれます。  札幌市では、2018年3月に第3次札幌市食育推進計画を策定し、「食を通して豊かな人間性を育みます」を基本理念として、健やかで心豊かな食生活の実現、食の循環や環境・安全を意識した食生活、食文化の継承と食育推進体制の整備、この三つの基本目標を掲げ、目標に基づく指標や目標値を定め、食育の取組を進めているところです。  目標の達成に向け、各世代を対象とした講習会や講演会の開催、様々な媒体を活用した広報等を通じ、各種啓発活動を積極的に行っていると承知しており、一定の評価をしているところです。  国においては、昨年3月に第4次食育推進基本計画を策定し、重点事項として、生涯を通じた心身の健康を支える食育の推進を掲げており、本市は、それを踏まえた形で、現在、第3次札幌市食育推進計画に続く第4次札幌市食育推進計画の策定を進めていると承知しています。  そこで、質問ですが、現行の第3次札幌市食育推進計画をどのように評価し、次期計画に反映させていくのか、伺います。 ◎中目 健康企画担当部長  第3次札幌市食育推進計画の評価と次期計画への反映についてお答えいたします。  第3次計画では、23の成果指標を掲げ、関係部局が延べ148の事業に取り組んでいるところであり、計画の評価に当たりましては、各事業の取組実績の状況を把握するとともに、成果指標の達成状況等を明らかにするため、市民2,200人を対象に札幌市健康・栄養調査等を実施しているところでございます。  これらの取組実績や調査の結果を基に、学識経験者や市民委員等で構成される札幌市食育推進会議におきまして、次期計画の指標や目標値を見直すとともに、より効果的な取組について検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆恩村健太郎 委員  次期計画の策定に向けて、現計画の取組の成果や効果を食育推進会議において評価され、指標や目標値に今後反映させていくということだと理解いたしました。
     さて、現在も続いております新型コロナウイルス感染症の影響というのは、人々の意識や価値観、また行動などにも大きく影響し、各世代のライフスタイルはさらに多様化し、食生活にも変化が見られたと思います。また、人生100年時代を充実し、豊かに過ごすためには、やはり、いつまでも健康でありたいと願うところでありまして、健康寿命についての関心も年々高まっていると思います。次期計画では、ただいま述べました新たな日常への対応、そして健康寿命の延伸に向けた食育の推進、これが求められると私どもは考えているところでございます。  そこで、質問ですが、第4次札幌市食育推進計画をより実効性のあるものとするため、どのように取り組むのか、伺います。 ◎中目 健康企画担当部長  実効性ある次期計画とするための取組についてお答えいたします。  次期計画では、新型コロナウイルス感染症を背景としまして、出前やテイクアウト等を利用した食事が増加傾向にあるなど、食生活の在り方が変化しておりますので、こうした状況も踏まえ、ライフステージごとに分かりやすい施策をお示しし、推進していきたいと考えております。そのため、施策の推進に当たっては、企業のアイデアなどを取り入れた効果的な市民への啓発を目的としたモデル事業等も積極的に進めたいと考えております。  また、食育に高い意識を持つ地域の関係機関、企業、団体、ボランティア等の皆様と連携・協働した食育ネットワークや食育サポート企業等との取組をさらに充実強化していきたいと考えております。 ◆恩村健太郎 委員  次期計画において、各ライフステージ別の施策を推進するということがありましたが、質問の冒頭でも触れましたように、高齢者世代の低栄養が非常に問題になっているという現状など、そういったことに鑑みますと、各ライフステージで必要な栄養素は何か、どんな食事が必要なのか、こういったことが市民に正しく伝わっていないという部分もあると思います。  次期計画では、行政だけではなく、これまで進めてきた地域における食育ネットワークの強化や食育サポート企業のさらなる参画を図られて、より一層、連携を深めながら地域全体で食育を推進していく体制を構築していただきたいということを求めまして、私からの質問を終わらせていただきます。 ◆好井七海 委員  私からは、里塚斎場、山口斎場の残骨灰についてと成人を対象とした予防接種について、札幌市歯科口腔保健推進条例を踏まえた今後の歯科保健対策についての3点についてお伺いいたします。  最初に、残骨灰についてですが、残骨灰は、国内の収骨方法が東日本と西日本で違いがありますが、火葬場で収骨をした後に残る微細な焼骨や様々な灰のことです。そこには、有害物質と有価金属が含まれており、他の政令市では様々な方法で処理されております。  火葬や埋葬などの在り方については、墓地埋葬等に関する法律に明記されておりますが、灰の取扱いは各自治体に委ねられております。今後、団塊の世代をはじめとする多くの方が寿命を迎えられる多死社会の到来に伴う火葬件数は、2018年2万827件であり、2054年には3万2,792件と予測されており、多くの残骨灰が発生することが想定されております。  我が会派は、以前から、各斎場の残骨灰槽に保管できる容量に限りがあることから、持続可能な残骨灰処理の取扱いを検討する必要があるとともに、個人の尊厳の問題など、市民にも理解が得られる丁寧な議論が大切であると認識しております。  そこで、質問ですが、札幌市では、これまで残骨灰をどのように取り扱ってきたのか、お伺いいたします。 ◎金綱 生活衛生担当部長  これまでの残骨灰の取扱いについてお答えいたします。  札幌市におきましては、残骨灰は遺骨と同様に宗教的感情の対象になると考えておりますことから、里塚及び山口の両斎場に設置しました残骨灰槽に供養物として納めております。  加えて、残骨灰槽には、供養塚も併設し、遺族がいつでもお参りできるようにしているほか、毎年、斎場の職員等が供養祭を行うなど、個人の尊厳に配慮した取扱いをしているところでございます。 ◆好井七海 委員  個人の尊厳に配慮し、宗教的供養物として残骨灰槽に保管されていることが理解できました。  一方で、火葬場から排出される灰については、ダイオキシン類や水銀、六価クロムといった有害物質が含まれていることから、生活環境保全に支障が出ないよう、適切に処理する必要があるものと考えます。  さらに、残骨灰には、歯科治療などに使用される金、銀、パラジウム等の有価金属が含まれており、例えば、2016年、名古屋市で約5,000万円で売却されたとの報道がございましたが、現在は、貴金属の高騰により、金、銀、パラジウムは2016年のときの倍程度に高騰している状況にあると認識しております。  そこで、質問ですけれども、札幌市は、残骨灰の有害物質の含有状況等の扱いはどのようにされているのか、また、そこに含まれる有価金属を今後どのように扱っていくのか、さらに、市民感情への丁寧な理解と説明に配慮しながら、大切な資源でもあります貴金属の売却について、どのような意向をお持ちなのか、併せてお伺いいたします。 ◎金綱 生活衛生担当部長  残骨灰における有害物質及び有価金属について、3点ご質問をいただきました。  まず、残骨灰に含まれる有害物質につきましては、令和3年度に試験的に分析調査を実施しましたところ、六価クロムやダイオキシン類といった有害物質が含まれていることが明らかになっております。また、有害物質を含む残骨灰については、廃棄物の最終処分場と同等の遮断構造を持つ残骨灰槽に収容しており、外部に流出しないよう、安全対策を講じているところでございます。  一方、残骨灰には、金、銀、パラジウムも一定以上含まれておりましたが、データ数が少ないため、今後の取扱いについては、今回の調査結果を踏まえ、さらなる検証が必要と考えております。  加えて、有価金属につきましては、他都市の事例も参考にしまして、市民感情に配慮しながら有効活用について検討してまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  札幌市が保管されている残骨灰においても、有害物質と有価金属の双方が一定量含まれていることは理解できました。  残骨灰の処理については、国におきましても明確な定めがなされていないことから、売却して老朽化する火葬場の整備に充てている自治体もあれば、ほぼ無料で有害物の処理を委託するなど、何らかの方法で処理を行っている自治体が多いと聞きます。  一方で、札幌市におきましては、これまで長らく残骨灰の処理を行っておらず、政令指定都市の中で保管のみされているのは、札幌市1市と聞いております。地下水などが完全に遮断できる残骨灰槽に保管を行っておりますが、災害などの観点からも、どこかの時点で無害化処理も必要ではないかと思うところであります。  そこで、質問ですが、札幌市がこれまで処理を進めなかった背景と今後の取扱いの方向性について、市のお考えをお伺いいたします。 ◎金綱 生活衛生担当部長  残骨灰処理に関するこれまでの経緯と今後の取扱いについてでございますが、札幌市においては、先ほどの答弁で申し上げましたとおり、安全対策を講じた残骨灰槽に保管をしており、その容量にも余裕がありましたことから、これまで処理を行わずに保管をしてまいりました。  一方、多死社会の到来による火葬件数の増加や、近年の地震や大雨などの災害が増えている状況の中、安全性を確保し、持続可能な運用を図るためには、残骨以外の混合灰を分別して容積を減らしたり、無害化処理するなど、あらかじめ残骨灰のより適切な取扱いを検討しておくことは必要と考えております。このため、今年度は、残骨灰の一部を試行的に無害化処理して効果の検証と課題の整理を行い、今後の処理方針を定めていく考えでございます。  あわせまして、今後も個人の尊厳や遺族の感情に配慮しながら取り扱うことにより、安定的に火葬場を運営できるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  残骨灰の処理に関しましては、人間の死生観として捉えることでもありますことから、様々な配慮を前提とした処理に努めていただくことを求めます。また、処置に当たっては、災害想定等も踏まえ、有害物質の処理を行っていただきますとともに、有価金属に関しましては、透明性をもって処理をし、さきの答弁にありましたように、今後策定が見込まれる処理方法に沿って適正に行っていただき、委託業者の選定基準などを策定し、国に対しても、法整備を求めるよう要望しまして、次の質問に移ります。  次に、成人を対象とした予防接種について、初めに、高齢者肺炎球菌ワクチンについてお伺いいたします。  肺炎は、常に日本人の死因の上位を占めており、高齢者の健康を考える上で、肺炎予防は重要であります。誤嚥性肺炎などもありますが、細菌やウイルスを原因とする肺炎の中には、ワクチンで感染や重症化を予防できるものもあります。  肺炎球菌は、人の喉や鼻にいる細菌であり、新型コロナウイルスによる肺炎を除くと、成人の肺炎のうち、25%から40%が肺炎球菌を原因とするものと言われております。重症化が懸念される高齢者は、特に予防が重要です。この肺炎を予防するワクチンとして肺炎球菌ワクチンがありますが、札幌市では、65歳以上の高齢者等の対象者は定期予防接種として自己負担4,400円で接種を受けられるワクチンと聞いております。  この冬は、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行も懸念されており、市として、インフルエンザワクチンについても早期の接種を呼びかけているとのことです。高齢者肺炎球菌ワクチンにつきましても、接種対象者へ適切に情報提供を行い、早期の接種がなされることが肝要であります。そのため、まずは、この制度について、札幌市からしっかりお知らせすることが重要であると考えます。  そこで、質問ですが、札幌市が実施している高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種対象者への周知の内容、方法について、接種の状況についてお伺いいたします。 ◎山口 感染症担当部長  高齢者肺炎球菌ワクチンの周知内容、方法等についてでございますが、接種対象者には正確な情報をお伝えすることを目的として、各年度の接種対象者となる方へ個別に郵送でお知らせをしているところでございます。郵送するお知らせには、今年度に接種対象になっていること、対象年齢が5歳刻みであること、副反応に関する情報や、過去に一度でも接種を受けた方は定期予防接種の対象外となること等をお知らせしているところでございます。  今年度は、7月下旬にお知らせを発送した後、お知らせに関するお問合せをいただいておりまして、対象の方のお手元にお知らせが届きまして、今年度の接種につきましては検討を行っていただけているものと認識しております。  接種につきましては、市内の委託医療機関において実施をしておりまして、昨年度の接種対象者の接種率は約50%であったところでございます。 ◆好井七海 委員  周知状況や接種状況については理解いたしました。  次に、高齢者肺炎球菌ワクチンに係る市民の声について、高齢者肺炎球菌ワクチンの制度については、対象年齢が5歳刻みであることや、過去に一度でも接種した方は定期接種の対象とはならないなど複雑で、丁寧な説明を要するという印象があります。  個別に肺炎球菌のお知らせを送付しているとのことですが、手元に届いたお知らせを見ても、自身が対象であるのかという点についても判断が難しいという市民の声も我が会派にも届いております。  同じ文面でお知らせしても、対象者によって疑問に思う点や相談したいことはそれぞれ異なるものと考えられるため、お知らせにおいては、常々、工夫が必要であると思います。特に高齢者はネット検索は不慣れですので、市に寄せられる質問や相談への対応とともに、お知らせを受けた方がどのようなことに疑問を持たれ、相談をされているのかを把握し、次の周知へ還元することも重要であります。  そこで、質問ですが、これまで肺炎球菌ワクチンについて、市民からどのような質問や相談が寄せられているのか、また、質問や相談を受けて、次回の周知に向けた課題の認識についてお伺いいたします。 ◎山口 感染症担当部長  高齢者肺炎球菌ワクチンに係る市民の声についてのお尋ねでございますが、接種に関するご相談につきましては、保健所、それから、コールセンター、各区の保健センターなど複数の窓口を設けて対応しているところでございます。電話によるお問合せが多く寄せられておりまして、年齢が学年刻みで分かりにくいという声、それから、接種を受けたことがあるか、自身でよく分からないなどのご相談が寄せられているところでございます。このほか、肺炎球菌ワクチンとは、新型コロナウイルスワクチンのことではないのかというご質問が多く、どちらも肺炎の予防という観点では、肺炎球菌ワクチンは新型コロナワクチンとの混同が起こりやすいということが新たな課題であると認識をしているところでございます。  お問合せには、引き続き対応するとともに、新型コロナウイルスワクチンとの違いなど、お知らせの仕方を工夫してまいりたいと思っております。 ◆好井七海 委員  高齢者肺炎球菌ワクチンの制度が接種対象者に理解してもらえるように、今後も周知の工夫やそういったことを様々考えていただくことを求めておきます。  次に、同じく成人を接種対象としたワクチンですが、こちらは、市が行う定期接種ではなく、任意での接種の位置づけである帯状疱疹ワクチンについてお伺いいたします。  帯状疱疹の原因は、水痘、いわゆる水ぼうそうと同じ水痘・帯状疱疹ウイルスで、水ぼうそうに初感染した後も、体内の神経節に潜伏し続け、ストレスなどにより免疫力が低下するとウイルスが再び体内で活性化し、帯状疱疹を発生するなど、80歳までに約3人に1人が発症すると言われております。  実際に帯状疱疹を発症された方からも伺いましたが、私自身も、昨年、帯状疱疹を経験しました者として、顔が腫れ、神経に沿って痛みが走り、発熱など夜も眠れないほど大変につらい思いをしました。ワクチンで予防できるのであれば、ぜひそうするべきであるとつくづく実感いたしましたし、経験者からの声も同じく聞いております。これは、ごく限られた人の話ではなく、水ぼうそうにかかったことがある方は、誰もが帯状疱疹を発症する可能性があるという点で、予防の対象となる方は大変多いものと考えられます。  昨年、令和3年の市議会第4回定例会代表質問へのご答弁において、札幌市は、帯状疱疹の予防が超高齢化社会における今後の課題の一つと認識しているとのことでした。  昨今の帯状疱疹ワクチンのテレビCMなど、市民の認知度や注目度も高まっており、私も知っていたら受けたかったのですが、任意の接種を受けるワクチンとして、50歳以上の方が接種を受けられるものでありますが、接種経費がかかります。具体的な接種経費は、医療機関によって異なりますが、現状は、2種類のワクチンがあり、1回接種の生ワクチンの場合は約7,000円、2回接種の不活化ワクチンの場合ですと1回当たり2万円、2回接種で計4万円ほどであるとのことです。接種経費については、接種を受ける方が全額負担することになり、接種をためらう一因であるという声も聞いております。  そこで、質問ですが、こうした現状から、帯状疱疹ワクチンの接種を希望する方の高額な接種経費の負担軽減が必要と考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎山口 感染症担当部長  帯状疱疹ワクチンについてのお尋ねをいただいたところでございます。  お答えいたします。  札幌市におきましては、帯状疱疹ワクチンの任意接種に関する経費の補助等は、現状は行っていないところでございますが、国の検討におきまして、定期予防接種化についての議論が行われているところと認識をしてございます。  定期予防接種化された場合につきましては、さきにご答弁いたしました高齢者肺炎球菌ワクチンと同様に、少なくとも一部費用助成を行う対象となり、任意接種と比べて負担軽減を図ることができると考えてございます。このため、引き続き、国の動きに注視するとともに、定期接種化に関して、他自治体との協力による国への要望等について検討してまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  要望でありますが、高齢者の肺炎球菌ワクチンについては、自治体の独自の取組で、2回目以降の接種経費についても補助を行っている自治体もあると聞いております。帯状疱疹ワクチンと併せて、今後、札幌市におきましても、補助についての検討を要望しておきます。  また、予防接種全般で、接種データの管理システムが難しいところがあるのか分かりませんけれども、既に接種された対象者へも通知が行われているようで、先日も、市民の方から、コロナワクチンを4回目接種してすぐにオミクロン対応の接種券が送られてきて、打ってもいいのか、相談がありました。  そのような通知費用は無駄になることもあり、通知が行われた対象者は迷ってしまい、誤接種をするリスクがあるという現実がありますので、ワクチン接種は様々ありますので、今後の接種データの管理なども検討していただくことを強く要望し、次の質問に移ります。  次に、本年6月に公布されました札幌市歯科口腔保健推進条例を踏まえ、今後、市としてどのように歯科保健対策の充実に取り組んでいくつもりなのか、特に高齢者に対する取組についてお伺いいたします。  本市におきまして、高齢化への対応は待ったなしの問題であり、高齢者の全身の健康維持、健康寿命の延伸を図っていく上で、歯と口腔の健康が不可欠であることは、皆様もご理解いただいているかと思います。  また、近年、高齢者の虚弱状態を食い止めるフレイル対策の重要性が日本老年医学会等から提唱されており、このフレイル対策におきましても、歯と口腔の健康維持、いわゆるオーラルフレイルへの取組が、運動と栄養の取組と併せて不可欠であるとされております。  このため、我が会派も含めて提案させていただいた歯科口腔保健推進条例においても、第2条の定義及び第9条の基本的施策に、オーラルフレイルの概念を重視し、口腔機能の維持・向上を図ることを盛り込んだところであります。  国におきましても、経済財政運営と改革の基本方針2022、いわゆる骨太の方針に、健康寿命の延伸や医療費削減を図るため、国民皆歯科健診の検討を進めていくことが盛り込まれるなど、歯科口腔保健対策の重要性が、近年、一層増してきております。  このような状況を踏まえ、札幌市としても、高齢者の健康寿命の延伸、生活の質の向上を図るため、また、札幌市歯科口腔保健推進条例に基づき、オーラルフレイル対策をしっかりと充実していくことが極めて重要と考えます。  そこで、質問ですが、現在、高齢者のオーラルフレイルの対応としてどのような取組を行っているのか、お伺いいたします。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  まず、高齢者のオーラルフレイルに対する取組へのご質問でございます。  高齢者のオーラルフレイルにつきましては、札幌市歯科口腔保健推進条例におきまして、口腔機能の衰えを放置することで生じる心身の活力の低下、または要介護状態につながる状態と明記されておりますとおり、市民の健康の維持・向上に密接に関わりますことから、その取組は大変重要と認識をしております。  現在、札幌市におきましては、介護予防事業として歯科衛生士会と連携をしながら、住民主体の通いの場などに歯科衛生士を派遣し、口腔機能の重要性や口腔ケアにつきまして健康教育を行うなどの専門職派遣事業を実施しております。  また、令和元年度からは、75歳以上の後期高齢者を対象といたしまして、身近な地域の歯科医療機関におきまして、歯科疾患の有無に加え、口腔機能検査が受けられる後期高齢者歯科健診事業を開始するなど、市民のオーラルフレイルに対する取組を行っているところでございます。  また、来年度改定を予定している次期札幌市生涯歯科口腔保健推進計画におきましても、歯科口腔保健推進条例の基本理念を踏まえまして、オーラルフレイル対策を重要施策と位置づけ、取り組んでいく必要があると考えているところでございます。 ◆好井七海 委員  高齢者の通いの場でありますところに歯科衛生士によるオーラルフレイルに関する健康教育や、また、令和元年度から、75歳以上の後期高齢者を対象とする歯科健診事業を実施していることにつきましては、一定の評価をするところであります。しかし、現在の後期高齢者を対象とした歯科健診については、歯科医療機関を受診しての歯科健診事業であります。  先日、ご高齢のご家族の在宅介護をされている支援者の方から、札幌市の後期高齢者歯科健診は、歯科医療機関に出向かなければ受けられないので、全く使えていないと言われました。  私は、本当に歯科健診が必要なのは、このような歯科医療機関に通えないような、歯磨きも自分で十分にできない、在宅の要介護高齢者ではないかと感じております。同じ後期高齢者医療の保険料を払っているのに、要介護高齢者は歯科健診を受けられないのはおかしいのではないでしょうか。この方の話を聞いていて、全くそのとおりだと実感いたしました。本当に必要な人にサービスが行き届いていないということを痛切に感じた次第であります。  そこで、質問ですけれども、札幌市としても、オーラルフレイル対策の一環として、要介護高齢者に対する訪問歯科健診に取り組んでいくべきと考えますが、札幌市の認識をお伺いいたします。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  在宅の要介護高齢者の方々に対する訪問歯科健診についてでございますが、現在実施をしております後期高齢者歯科健診事業におきましては、高齢者の方々に歯科医療機関に来ていただいて受診をしていただくことが必要でありますため、移動が困難な在宅の要介護状態の高齢者の方々には、その利用は難しいところであり、課題として認識をしております。  このたび、議員提案条例として制定をされた歯科口腔保健推進条例におきましても、寝たきりの在宅要介護者の方など、介護やその他特別な配慮を要する方々への歯科健診の推進につきまして、基本理念に掲げられたところでございます。  歯科受診が難しい在宅要介護高齢者の方々を対象とする訪問歯科健診事業につきましては、北海道後期高齢者医療広域連合による市町村への委託事業のメニューの一つとして設定もされておりますことから、札幌市としても、この広域連合の制度を活用するなどによりまして導入に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  要介護高齢者の方は、適切な口腔ケアがなかなかできませんし、歯科医療が提供できなければ、誤嚥性肺炎を発症するリスクも高く、命に関わる問題でもありますので、ぜひとも速やかな対応をお願いいたします。  次に、このような歯科健診などの取組を充実しましても、利用していただけなければ意味がありません。日頃、高齢者の方々に関わる介護関係者との連携や、在宅医や主治医の先生方との医科歯科連携の取組を推進し、訪問歯科健診や在宅歯科医療を積極的に利用していただくことが重要と考えます。  条例の第9条の基本的施策においても、地域包括ケアシステムの構築に向けて、歯科医療関係者と保健医療、介護等の多職種連携の推進が盛り込まれております。  そこで、質問ですが、札幌市における地域包括ケアシステムの一環として、歯科医療関係者と医療や介護の関係者等の多職種連携を今後どのように進めていくつもりなのか、お伺いいたします。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  歯科医療関係者と医療や介護等の多職種連携の推進につきましてでございますが、札幌市歯科口腔保健推進条例におきましては、第12条におきまして、歯科口腔保健の推進に関する施策の審議を行うため、札幌市歯科口腔保健推進会議を設置することとしております。推進会議は、歯科医師会や医師会をはじめとした医療分野の関係者のほか、介護関係者や障がい者支援に関わる福祉分野の関係者の方々にも参加をいただきたいと考えておりまして、このような多職種により会議を構成する予定としております。  来年度予定をしております札幌市生涯歯科口腔保健推進計画におきましても、地域包括ケアシステムの構築に向けた歯科医療関係者と医療関係者との連携の充実は重要な検討課題となると想定をしておりまして、この推進会議におきまして、多職種連携の具体的な取組について協議を進めてまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  歯科口腔保健推進会議の設置ということで、先ほど、小竹委員からも保育園、幼稚園でのフッ化洗口というお話がありましたが、こういったところとも連携をして、現場で子どもの事例を見て、本当にかわいそうだなという姿を見てきましたので、その辺もしっかりと連携して進めていただきたいと思います。  また、最後に、一つ要望したいと思いますが、札幌市は、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンの策定に取り組んでおります。まちづくりの重要概念として、誰もが生涯健康で、学び、自分らしく活躍できる社会を実現するため、ウェルネス(健康)を掲げることとなりました。市民の健康づくり、健康寿命の延伸を図っていく上で、この高齢者の方々のオーラルフレイルに対する取組は極めて重要であります。  今後、戦略ビジョンの具体策を詰めていくことになると思いますが、元気な高齢者の方々、要介護高齢者の方々がいつまでも健やかに生活できるよう、歯科口腔保健の取組についても戦略ビジョンの中に明確に、そしてしっかりと位置づけていただくよう強く要望いたしまして、全ての質問を終わります。 ◆佐藤綾 委員  私からは、コロナ禍での医療機関に関連して、大きく二つ、発熱外来とクラスターに関わり、質問をいたします。  新型コロナウイルス感染が、本市では、2020年2月より始まり、昨年度は、第3波から第6波と大きな感染拡大が何度も起こり、補正予算も重ねて対応してきました。  最初に、発熱外来について伺います。  当初、発熱などの症状が出た場合、帰国者・接触者相談センターへ電話をして、条件に該当すると受診できる医療機関または検査場所などを案内されるということから始まりました。その後、かかりつけ医にまず連絡をし、診療を断られた場合、帰国者・接触者相談センターに連絡をし、病院を案内されるという対応となり、2020年10月からは、発熱など症状がある方の検査や診療する発熱外来として公表し、市民が直接病院へ連絡をして受診できるようになりました。  本市は、徐々に発熱外来を増やし、小児科や産婦人科など、リスクがある場合の対応を含め、努力してきたところです。  そこで、お聞きいたします。  発熱外来が設置されて以降の本市の発熱外来の推移や、市民が受診できるようにどのような取組がされてきたのか、伺います。 ◎柴田 医療政策担当部長  発熱外来の設置以降の推移、そして、受診しやすい体制の整備についてお答えいたします。  発熱外来は、令和2年の開始当初は約200施設程度でありましたけれども、感染拡大に合わせて、適宜、体制の拡充を図り、第5波の昨年9月時点で248施設、現在は309施設まで増加したところでございます。  また、従来、一部の発熱外来においては、濃厚接触者など感染の疑いが強い患者の診察、検査は行っていませんでしたけれども、令和4年4月からは、全ての発熱外来において、濃厚接触者なども含め、診療、検査を行える体制を整備いたしました。  さらに、市民の方が発熱外来をより受診しやすくなるよう、令和3年10月には、市公式ホームページに施設名、住所等のリストを公開し、令和4年4月25日には、新たに発熱外来マップを公開し、受診可能な発熱外来について、地図上で一目で分かるようにさせていただきました。 ◆佐藤綾 委員  最初、200だったものが、今はもう309施設というふうに、大変、皆さんも努力されて増やしてきていただいて、また、医療機関の方も協力していただいたんだというふうに思います。
     今年に主流となったオミクロン株は、爆発的な感染拡大が続き、波が終わらないうちに、また次の波が来るという状況が今も続いております。第7波では、7月末に3,000人を超えまして、8月19日には3,757人と過去最高を更新し、減少傾向ではあるものの、現在も1,000人前後と高止まりの状況です。5月の連休に入る前、4月21日と、第7波の拡大が顕著となっていた7月25日の新型コロナウイルス感染症調査特別委員会で、私は、感染拡大により症状があっても医療機関へ受診できなくなる懸念を述べ、PCR検査等を拡充すべきと申し上げてまいりました。  この時期、第6波、第7波では感染が広がり、発熱外来をしている病院にかけてもつながらず、♯7119につながり、受診可能な医療機関を教えてもらって、何件もかけてようやく受診できた、また、翌日以降になったなど、たくさんの市民の方にお聞きをいたしました。  一方、医療機関、発熱外来では、患者が多く逼迫した上に、職員の陽性者、濃厚接触者が増加し、人手不足の状況が続きました。発熱外来を一時ストップするなどの手だて、また、発熱外来の受診人数は1日何人と決めているが、超えて受け入れた、あるいは制限をしたり、断らざるを得なかったというお話もお聞きしております。  そこで、お聞きいたしますが、第7波の感染拡大時、発熱外来の逼迫などの医療機関の状況を本市として把握していた内容を伺います。  あわせて、本市の対応について伺います。 ◎柴田 医療政策担当部長  第7波における発熱外来の逼迫など把握していた状況と私どもの対応についてお答えいたします。  本市では、毎日報告を受け、当日、受付が終了となった発熱外来を市公式ホームページに公表しているところであり、発熱外来逼迫状況を示す指標の一つと考えております。  第7波における新規感染者の増加を受け、発熱外来には、診療時間や曜日の拡大をお願いするとともに、市長と札幌市医師会長との連名による追加募集を2回行ったところでございます。しかし、ピーク時である8月上旬から中旬にかけては、受診枠がいっぱいとなり、早々に受付終了となる発熱外来の数が、報告をいただいたものだけで150件前後に上り、8月15日には最大の184件となりますなど、発熱外来の混雑の状況が厳しいところでございました。 ◆佐藤綾 委員  市のほうでも大変努力をされて拡充にも努めてきたと。医療機関のほうでも、市民からの声を聞いて、もう大変な状況だったということが分かりますので、こうして数を聞きますと、医療機関としても大変苦労されていたんだなというふうに思います。また、発熱外来のマップですとか、外来一覧については、逼迫時に私も周りの方にもこれを見てお知らせするということで、大変役立たせていただきました。そういうところは努力をされてきたなというふうに、そのときにも感じておりました。  この夏には、子どもの手足口病、RSウイルスなども同時に増加しまして、小児科の発熱外来患者が急増したとのことでした。多くは発熱を伴い、症状だけで見分けるのは困難とのことで、特に子どもは、新型コロナウイルス感染症でも、ほかの発熱を伴う病気の場合も、脱水などになりやすく、受診を控えることは避けてほしいと、小児科の医師よりメディアなどでも伝えられておりました。  9月中旬以降も、子どもの感染が3割を超え、現在も3割前後、市内の学校でも学級閉鎖となっていると複数聞こえております。軽症でも子どもは急に悪化することがあると言いますし、リスクの高い高齢者などはもちろんのこと、逼迫時に必要と思っても医療機関を受診できなくなることは避けなければならないと考えます。  これまで、発熱外来を増やし、市民が受診しやすいよう努力されてきたところですけれども、医療機関にも限りがございますので、発熱外来の今後の拡大の見込みについて伺います。 ◎柴田 医療政策担当部長  発熱外来の拡大の見込みについてお答えいたします。  現在以上の大幅な増加は見込めないところでございますが、間もなくインフルエンザ等の流行期を迎えること、今後、一般診療との両立も視野に入れた医療提供体制の構築が必要でありますことから、引き続き、発熱外来の追加募集等を行ってまいりたいと考えております。 ◆佐藤綾 委員  大幅な増加の見込みはないということでございましたけれども、特に、日曜日、土曜日なんかは急激に少なくなるということもありますので、ぜひご協力機関を広げていただきたいと思います。  また、再度の拡大となりますと、再び発熱外来への受診が難しいという局面が出てくると思われますので、検査体制についてお聞きいたします。  本市では、PCR検査センターを設置し、検査体制をつくってきました。道の事業では、無症状の方への無料PCR検査ができるようになり、また、医療機関の逼迫などの負担軽減も含め、本市では、市民が検査できるよう、抗原検査キットを無料配付することや、抗原検査で陽性だった場合、陽性者が登録できるシステムなども今年度から始めております。  そこで、お聞きいたしますが、第7波で発熱外来が逼迫した7月から9月までの抗原検査キットの配付数とPCR検査センターの検査数についてお聞きいたします。 ◎西尾 業務調整担当部長  抗原キットの配付数、PCR検査センターの検査数についてお答えいたします。  まず、PCR検査センターに加えて、自ら検査が行える抗原検査キットを第7波において薬局で配付する体制を整えたところでございます。今年7月から9月の第7波における検査実績は、薬局における抗原検査キット配付数が10万329キット、PCR検査センターは8,283名となっておりまして、過去最大の検査数にもかかわらず、検査の要望にはスピード感を持って対応できたものと認識しております。 ◆佐藤綾 委員  検査キットについては、6月の1か月では約二千数百件とお聞きしていましたので、それが3か月で10万キット以上と大変な数であったと思います。こうした検査キットの配付をたくさんしておりますけれども、なお医療機関は逼迫していたということだと思います。PCR検査のほうなんですけれども、PCR検査センターは、6月に1か所を削減されたまま、感染拡大を迎えました。  必要なときに医療機関の逼迫で受診できないことのないよう、医療機関と市民の負担を考えると、検査体制の拡充がさらに必要と思いますが、いかがお考えか、伺います。 ◎西尾 業務調整担当部長  検査体制のさらなる拡充についてお答えいたします。  オミクロン株の特性も踏まえますと、簡便かつ迅速な検査が行える抗原検査キットのさらなる活用が必要と考えております。  薬局からの抗原検査キットの配付では、300施設を超える薬局に協力をいただいておりまして、さらなる感染拡大でも検査の需要には耐え得るものと認識しております。  また、一時的に薬局で抗原検査キットが入手しづらい状況となった場合でも、保健所から検査キットを送付できる体制を整えております。今後も必要とされる方に迅速な検査を行える体制を維持してまいりたいと存じます。 ◆佐藤綾 委員  13日の政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会で、今冬にインフルエンザと新型コロナウイルス感染症が同時流行すると75万人に及び、患者数の内訳は、新型コロナウイルスが45万人、インフルエンザが30万人とのことでした。同時流行となると、第7波を大きく上回る可能性があるとのことで、基礎疾患がある患者や高齢者、子どもは症状が出たら速やかに発熱外来などを受診、それ以外は抗原検査キットを使ってもらうということのようですけれども、抗原検査を自分で行うとなると、精度も低く、高熱となると病院へ行きたいと考える方が多いのではないかと思います。  PCR検査で判定できると確実ですので、病院がすぐ治療に当たれると援助ともなります。抗原検査キットももちろんなんですけれども、PCR検査センターの拡充もぜひしていただきたい、必要だと申し上げます。  次に、医療機関のクラスターとそれに伴う負担について伺います。  第7波の感染拡大で病床を持つ医療機関でも、患者や職員に広がりました。  そこで、お聞きいたします。  7月から9月、感染拡大時の医療機関のクラスター件数は何件あったのか、伺います。 ◎柴田 医療政策担当部長  第7波における市内医療機関の発生状況についてお答えをいたします。  医療機関からクラスターの可能性がある案件として札幌市に報告があった件数でございますが、7月は103件、8月が342件でございます。 ◆佐藤綾 委員  医療機関は、7月が103件、8月が342件と、9月はまだ出ていないということだと思いますけれども、新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会でお聞きしたとき、1月から6月末までで、医療機関は81件だったんですよね。クラスターが大分広がったのではないかというふうに思います。  新型コロナウイルス感染症の患者受入れ医療機関以外の病院でも、多数のクラスターが発生したと思われますし、第5波以降、複数回、クラスターが発生した病院もあるとお聞きしております。  そこで、質問いたしますが、病棟で感染が広がり、クラスターとなると、患者の治療と職員の感染や濃厚接触なども重なり、人材不足や感染拡大の懸念から、ほかの病棟も閉鎖することになるなど、医療機関には経営上も含め、多大な影響があります。クラスターが発生した医療機関にはどのような支援をされているのか、伺います。 ◎柴田 医療政策担当部長  医療機関へのクラスター発生に係る支援についてお答えいたします。  北海道では、院内感染の発生によりゾーニングして陽性患者の入院対応を行った医療機関に対しまして、患者受入れの休止を余儀なくされた病床数に応じました補助金を支給する制度を運用しております。  札幌市として、引き続き、補助制度の実施主体である北海道と連携しながら、この適切な制度の運用がなされるよう取り計らってまいりたいと考えております。 ◆佐藤綾 委員  今お聞きしました道の補助金なんですけれども、通常の新型コロナウイルス感染患者の受入れをしていない医療機関でクラスターが発生した場合、厳しい面があるとお聞きしております。  ある100床ほどの病院では、昨年は、クラスターが出た病棟だけではなく、ほかの階の入退院も制限をして、全館で感染症病床確保推進事業費補助金が認められ、補填されましたけれども、今年のクラスターでは、現実的にはほかの病棟の入退院も制限せざるを得なかったのですけれども、当該病棟しか認められず、クラスターが出た5月から6月の減収約1,720万円に対して、補助金は1フロア分だけが対象の約140万円の見込みという厳しい状況ということです。また、回復期病床などは、算定も低い仕組みです。コロナ禍で、受診控えやクラスターによる入院減や、職員の感染による受診抑制などの減収、感染防止のためのかかり増し経費の増大など、大変な状況であり、そこへ物価高騰が続いてさらなる打撃です。  本市では、今議会で、物価高騰対策として、福祉施設等への給食食材費の支援を決めましたが、医療機関は対象ではありません。新型コロナウイルス感染症で尽力していただいている医療機関についても、さらなる支援を道とも連携いたしまして検討していただきたいと申し上げまして、私の質問を終わります。 ○北村光一郎 委員長  ここで、およそ1時間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前11時57分       再 開 午後1時     ―――――――――――――― ○松原淳二 副委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆水上美華 委員  私からは、性感染症対策とHPVワクチンの接種勧奨について、2点お伺いいたします。  1点目に、性感染症対策について伺います。  私ども会派では、2019年決算特別委員会において、本市における性感染症に係る状況や対策について質問させていただきました。性感染症の発生状況については、梅毒やヒト免疫不全ウイルス、HIV感染症については全医療機関から、他性感染症のうち淋病感染症、性器クラミジアなどは市内14医療機関から届出がある仕組みとなっているとのことでありました。  2019年当時の直近5年間の感染状況においては、淋菌感染症と性器クラミジアは穏やかな増加で、梅毒については約3倍に増加しており、性感染症の罹患者の増加について懸念を示したところであります。  その後、感染症に関しては、新型コロナウイルス感染症の流行があり、現在も続いているところでありますが、こうした中においても、全国的には、性感染症は減少どころか増加の傾向にあるとの報道が続いております。以前の質問でも触れましたが、特に若い世代を中心とした流行が懸念されるところであり、引き続き発生状況を注視していく必要があります。  そこで、質問ですが、本市における梅毒やHIV感染症などの性感染症の直近の罹患状況はどのような状況にあるのか、伺います。 ◎山口 感染症担当部長  札幌市における性感染症の発生状況についてお答えいたします。  市内の全ての医療機関から届出を受理する性感染症のうち、HIV感染症につきましては、その届出は年間20人から30人の間で推移をしてございます。梅毒につきましては、近年増加が続いておりまして、令和2年は77件、令和3年は119件、令和4年は、10月2日までで285件となっておりまして、令和3年の同期と比べまして、今年の届出数でございますけれども、約4倍となっております。  全国的に梅毒は増加傾向にある中、人口10万人当たりの患者数では、札幌市は全国平均の約2倍となっているところでございます。  市内の14の性感染症定点医療機関から届出される性感染症の中では、性器ヘルペスウイルス感染症がやや増加傾向にございます。  委員が懸念されているとおり、特に梅毒につきましては、全国的にも過去最大の感染拡大となっておりまして、検査等により早期発見・早期治療につなげるべきものと認識をしているところでございます。 ◆水上美華 委員  性感染症について懸念していたとおり、梅毒は前年同期の約4倍と、人口10万人当たりの罹患者数が全国平均の約2倍となっているということであります。全国的にも爆発的に増加している梅毒が問題視されてから、かなりの期間が過ぎており、コロナ禍の2020年においては、前年よりも一時的に減少に転じたものの、その後は増加傾向となり、昨年は過去最多の報告数になりました。また、深刻なのは、本年はそれをさらに上回る爆発的な増加を続けている状況が続いているということでございます。  先ほどの答弁で、2021年度報告が本市は119件ということでございまして、北海道全体だと169件ですので、北海道で見ると、3分の2以上が本市で罹患報告があるという状況であります。これが4倍ということですから、今年度は500人前後となるのではないかと推察するところであります。  梅毒は、妊娠中の感染により、先天性梅毒として胎児にも深刻な影響を及ぼすことが分かっております。また、梅毒をはじめとした性感染症に罹患した状態は、人の粘膜組織が弱くなり、HIV感染症の罹患のリスクも高まること、そして、現在は、治療が可能な感染症であること等がこれまでの研究で分かっている状況において、性感染症を未然に予防することはもちろん、早期に必要な治療や医療につなげていくことが重要であります。  このため、性感染症に関する症状や感染経路、予防対策等の正しい知識について、特に若い世代に対して啓発し、予防意識の醸成につなげることが求められており、これらを関係機関と連携しながら進めていくことが必要となります。  また、それと併せて、当市において実施しているHIVや梅毒の無料検査等への検査アクセスを高めて、早期発見・早期治療につなげることが非常に大切であります。  そこで、質問ですが、梅毒等の無料検査及び性感染症に係る各種啓発について、現在の本市における取組の実施状況についてお伺いいたします。 ◎山口 感染症担当部長  性感染症に係る札幌市の取組についてでございますが、札幌市では、HIVと梅毒の検査が同時に受けられる検査を実施しておりまして、曜日や時間帯に幅を持たせて、検査を受ける機会の確保に努めているところでございます。  平日の日中の時間帯でありますけれども、市内10か所の各保健センターでそれぞれ月2回、さらに、白石保健センターを会場に毎月第2火曜日に夜間検査を実施しておりまして、このほか、6月と9月と12月の年3回、休日の日中に検査を実施しております。  HIVと梅毒のこの同時検査を令和3年度は451人が受検をしておりまして、うち19人の方が梅毒検査で陽性となっております。陽性となった方に対しましては、結果を知らせる際に医療機関宛ての紹介状を発行し、早期受診及び治療を促しているところでございます。  また、大学や専門学校の学生向けにHIVや性感染症予防に関する啓発カードを配付するとともに、HIVや性感染症予防の理解を深めていただく出前講座を実施し、若い世代に対する啓発に注力をしているところでございます。  さらに、梅毒の急増や同時検査等を周知するポスターを作成し、泌尿器科、産婦人科、皮膚科等に掲示していただくなど、引き続き、性感染症に係る注意喚起と啓発に注力してまいります。 ◆水上美華 委員  この梅毒につきましては、全国的に爆発的に増えているというように報道されておりますけれども、増加しているはっきりとした原因がまだ分かっていないというふうにも伺っております。ぜひ、この罹患者数の推移に注意をいただきながら、無料検査等々の周知・啓発を今まで以上に進めていただきたいと思います。  2点目に、HPVワクチンの接種勧奨についてお伺いいたします。  子宮頸がん予防ワクチンとも呼ばれるHPVワクチンは、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスへの感染を予防する効果が期待されており、このウイルスは性行為により感染することが知られています。  このHPVワクチンの効果を最大限発揮させるためには、性行為を行う前に接種を完了する必要があるため、定期予防接種の対象についても、小学校6年生から高校1年生の学年に相当する女子となっております。  HPVワクチンにつきましては、2013年4月にHPVワクチンが定期接種化されてから、接種部以外の体の広い範囲で持続する疼痛等が報告されたことを受けて、国では、HPVワクチンの副反応について、専門家の会議において、ワクチン接種の効果と比較した上で、定期接種を中止するほどリスクが高いとは評価されなかったものの、しかし、その会議では、接種部以外の体の広い範囲で持続する疼痛の副反応症例等について十分に情報提供ができない状況にあることから、接種希望者の接種機会は確保しつつ、適切な情報提供ができるまでの間は、積極的な勧奨を一時的に差し控えるべきとしてきました。  その後、専門家の会議において継続的に議論を積み重ね、安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められました。また、引き続き、HPVワクチンの安全性の評価を行っていくこと、接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関の診療実態の継続的な把握や体制強化を行っていくこと、都道府県や地域の医療機関等の関係機関の連携を強化し、地域の支援体制を充実させていくこと、ワクチンについての情報提供を充実させていくことなどを進め、昨年、国において積極的な勧奨を再開する方針が示されました。  あわせて、勧奨を控えていた期間中に接種対象年齢を経過した方についても、接種対象とするキャッチアップ接種の方針も示されているところであります。  しかし、8年以上、積極的勧奨が中止されていたこともあり、HPVワクチン接種に不安を持たれている方も少なくないのではないでしょうか。接種勧奨の再開に当たり、ワクチンの効果などと併せて、これまでの経緯や副反応の情報など、対象者や保護者が接種について検討するための必要な情報の提供がなされることが重要であると考えます。  そこで、質問ですが、HPVワクチンの接種勧奨に際し、対象者や保護者にどのような情報を提供すべきと考えているのか、お伺いいたします。 ◎山口 感染症担当部長  HPVワクチンに係る情報提供についてでございますが、接種対象者やその保護者に対しては、接種を検討する上で必要となるワクチンの接種スケジュール、また、効果や、副反応や健康被害が生じた際の救済措置等に加え、子宮がん検診や性感染症に係る情報等が重要と考えてございます。  対象者が10歳代から20歳代であることから、札幌市で作成したお知らせ資料にホームページにつながる2次元コードも掲載し、インターネットも活用していただけるようにするなど、情報提供の媒体について工夫を重ねているところでございます。  札幌市のホームページには、ワクチンの効果などの情報に加え、これまでの接種勧奨差し控えから、勧奨の再開となった経緯、副反応の具体的な症状や発生頻度等に関する詳細な情報を掲示しているところでございます。 ◆水上美華 委員  ワクチンの効果、対象者、接種回数に加え、これまでの経緯も考慮し、特に、副反応や接種後の健康被害発生窓口などについても、対象者に情報が伝わるようにお願いしたいと思います。  キャッチアップ接種の対象者も含めると、今年度の対象者は非常に多くなります。対象者に、接種について検討の時間を取っていただくためにも、可能な限り速やかに個別周知をすべきと考えます。  そこで、質問ですが、今年度の本市におけるHPVワクチンの接種勧奨の方法と実績について伺います。 ◎山口 感染症担当部長  HPVワクチンの接種勧奨の方法と実績についてでございますが、札幌市における接種勧奨は、札幌市作成のお知らせ資料、それから国作成のリーフレットと予診票を同封し、郵送する個別周知により行っているところであり、8月下旬に発送をしたところでございます。  定期接種の個別周知は、標準的接種期間に相当する中学1年生と、対象期間の最後の学年に該当する高校1年生に相当する年齢の女子、合わせて約1万5,000人を対象といたしました。  また、キャッチアップ接種は、本年4月から、3年間限定で始めた新しい制度のため、全てのキャッチアップ接種対象者約8万1,000人に個別周知を行ったところでございます。  なお、個別周知では、ワクチン接種のスケジュールや効果、接種した際に生じる可能性のある副反応のほか、子宮がん検診や性感染症についても併せて情報提供を行っているところでございます。 ◆水上美華 委員  高校1年生と中学校1年生で1万5,000人、それから、キャッチアップの8万1,000人はもう終わっているというような答弁でございました。  本市においては、今年度の個別周知の対象を中学校1年生と高校1年生としております。これは、国が通知において例示していた学年でもあり、一つの方法であると理解をしております。しかし、同時に、この個別周知においては、これまで個別の接種勧奨を受けていない中学2年生、中学3年生の学年に該当する方への配慮についても示されております。  また、標準的接種期間は中学1年生であり、中学2年生、3年生は、これよりも上の学年であることを考えると、いち早く個別周知を進めることが急務であります。  他都市においては、中学2年生と中学3年生についても個別周知の対象としているところが大半であると伺っております。  こうしたことから、本市では、今回の個別周知の対象となっていない中学2年生と中学3年生についても、接種について十分に検討する時間を確保すること、接種の対象であることに気づかずに接種の機会を失ってしまうことがないよう、個別周知の対応が必要であると考えます。  そこで、質問ですが、本市において、今年度の中学2年生、中学3年生に該当する年齢の対象者への周知についてどのように考えているのか、伺います。 ◎山口 感染症担当部長  HPVワクチンの接種勧奨の対象についてのお尋ねでございますけれども、個別周知につきましては、当初、国の通知に基づきまして、中学1年生と高校1年生に相当する学年の女子について行ったところでございます。  現在、中学2年生、中学3年生に該当する年齢の女子に対しましても、接種について十分な検討時間を確保できるよう、今年度中の個別周知について検討してまいりたいと思います。 ◆水上美華 委員  答弁で、今年度中の発送を検討したいということでございました。現在の発送の仕方でありますと、今現在、中学校2年生の方は、個別周知を受け取るのが2年後というような形になりますので、できれば今年度中にしっかりと中学校2年生、3年生にも個別周知が行くように対応を要望いたします。
     日本では、年間約1万1,000人の女性が子宮頸がんに罹患し、約2,800人が死亡しております。また、死亡に至らなくとも、負担の多い、苦しい治療を続けられている方も多くいます。子宮頸がんは、定期的に検診を受ければ、がんになる過程の異常や、ごく早期のがんの段階で発見できることが多く、経過観察や負担のない治療で済むことにつながります。検診を受けやすい環境整備は、子宮頸がんの早期発見に有効的でありますが、子宮頸がんの発症予防になるわけではありません。  厚生労働省によると、子宮頸がん予防ワクチンは、子宮頸がん全体の50%から70%の原因とされる2種類のHPVに90%以上の予防効果が期待されると報告されており、子宮頸がんの発症予防効果に期待をしております。  しかし、予防効果は100%ではないことや、ワクチン自体に抵抗がある方、身体的な理由のある方、さらには副反応に不安がある方など、様々な理由により子宮頸癌ワクチンを接種できない方もおります。子宮頸がん対策の有効な手段の一つとして、予防につながるワクチン接種と同時に、早期発見につながる検診が大変重要でありますので、ともにしっかりとした周知をお願いいたします。  また、積極的勧奨により、ワクチン接種に関する不安、接種後の体調不良や副反応などの相談が増加する可能性もありますので、保健所においては、道の協力医療機関や、道、国との連携した相談体制の強化を要望いたします。  加えて、保健所と教育委員会で設置したHPVワクチンに係る連絡会議が、コロナ禍で対面による開催ができなかったと伺っております。一方通行の情報共有にとどまらず、引き続き、相互による情報交換に努め、さらなる子宮頸がん対策の強化につなげていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆わたなべ泰行 委員  私からは、(仮称)動物愛護センター開設後の取組について質問をさせていただきます。  この新センターについては、昨年度、実施設計を経まして、今年度、間もなく着工し、来年度中に竣工、オープンをすると伺っております。オープンに向けて、動物管理センターの皆様を中心に、動物関係団体等と連携を図りながら、動物愛護の中心拠点になるべく、様々な取組の強化や体制の整備等を検討していることと思います。  私は、この新センターの開設による新たな取組の中でも、特に犬、猫に関する様々な取組が進むことを期待しております。  平成30年4月に策定されました動物愛護管理推進計画では、動物愛護管理に関わる推進体制の整備に関する数値目標として、犬については、殺処分ゼロの継続を掲げており、また、猫については、収容中死亡数を年間60匹以下まで減少させるとしております。  そこで、質問ですが、この目標の進捗状況について、平成30年4月に計画を策定して以降の犬の殺処分数及び猫の収容中死亡数はどのように推移をしているのか、また、その要因や課題について、どのように分析をしているのかを伺います。 ◎金綱 生活衛生担当部長  犬の殺処分数及び猫の収容中死亡数の推移についてお答えいたします。  まず、犬の殺処分数についてですが、平成26年度以降、ゼロを継続しており、また、猫の収容中死亡数については、平成28年度に122匹であったところ、ここ数年は50匹以下で推移をしている状況でございます。  この要因につきましては、犬、猫ともに、引取り頭数が減少傾向にあることのほか、動物管理センターの獣医師による健康管理や感染症対策、また、譲渡の促進に向けた市民への情報発信や保護ボランティアとの連携強化などの取組の成果と考えております。  一方、課題としまして、猫については、犬と比べましてセンターに収容される数が多く、また、収容時点で健康状態の悪い個体の割合も高いため、その結果、収容中の死亡が多くなってしまう傾向があり、その背景には、多頭飼育の崩壊や飼い主のいない猫の問題があると考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  ただいまの答弁で、犬につきましては、平成26年度から殺処分ゼロ、猫に関しまして、平成28年度から年々減ってきている傾向にあって、50匹以下と目標を達成しているとのことでしたけれども、しかし、まだ収容中の死亡個体があるとのことでした。  この死亡数をさらに減らしていっていただきたいと願っておりますけれども、先ほど、課題になっていくところが、多頭飼育や飼い主のいない猫等々のことがあったと思うんですけれども、私も、こちらのセンターに収容される前に、収容の数を減らしていく取組は重要であると考えております。  新センターでは、100人収容できるホールが整備されると伺っておりますけれども、こういったホールがあれば、セミナー、また体験型のイベントなどを開催して、動物愛護に関する様々な普及啓発の推進につながると考えております。  今後、獣医師会やボランティアなど、各種団体と連携をしていただきながら、新センターの施設を十分に活用して、普及啓発を強化していっていただきたいと思います。その際に、多頭飼育の抑制を含めた飼い主の適正飼育が進むことを期待しておりますし、併せて、飼い主のいない猫の問題の解決についても、新センターを活用した普及啓発をどのようにしていくのか、検討していく必要があると考えております。  札幌市では、令和2年6月に、飼い主のいない猫への対応ガイドラインを策定し、これに基づき、町内会への働きかけも進めていると伺っております。  そこで、質問ですが、飼い主のいない猫への対応について、現状、具体的にどのような取組を行っているのか、伺います。 ◎金綱 生活衛生担当部長  飼い主のいない猫への対応についてでございますが、飼い主のいない猫については、その数を新たに増やさないようにし、かつ減らしていくことが必要と考えております。そのため、札幌市が作成しましたガイドラインでは、猫を保護して飼い猫とする保護活動や、捕獲した猫に不妊・去勢手術を施して地域に戻すTNR活動、捕獲のトラップ、不妊去勢のニューター、地域に戻すリターン、これらの頭文字を取ってTNRと呼んでおりますが、このTNR活動などの具体的な取組を掲げており、地域の実情に合わせて、そこに住んでいらっしゃる方々に主体となって取り組んでいただいております。  動物管理センターでは、これらの活動をスムーズに進めていただけるよう、相談いただいた地域に対して助言を行うほか、新しい飼い主探しや不妊・去勢手術など、多面的に支援を行っており、TNR活動への支援につきましては、令和2年度から試験的に開始をしたところでございます。 ◆わたなべ泰行 委員  地域の実情に合わせて、TNR活動への試験的な支援を実施しているということでございましたけれども、新センターが完成した暁には、新センターの機能も合わせて使っていただきながら、本格的に全市で展開していっていただきたいなと思います。  そこで、質問ですけれども、新センター開設後の飼い主のいない猫に対する取組の強化について、どのような取組を想定しているのかを伺います。 ◎金綱 生活衛生担当部長  新センター開設後の飼い主のいない猫に対する取組の強化についてでございますが、飼い主のいない猫への対応につきましては、まず、そのような猫との付き合い方を広く知っていただくことや、TNR活動を主として飼い主のいない猫を増やさない取組を広げていくことが重要と考えているところでございます。  今後は、先ほど申し上げましたTNR活動を一層進めていくため、大学や獣医師会などと連携して支援体制の強化を図るとともに、委員からもお話のございました新センターのホールを活用して、町内会などを対象とした講習会等を積極的に行いながら、地域での取組をさらに促進してまいります。  あわせまして、子どもから高齢者まで、ペットを飼っていない方も含めて、幅広い層に対し、新センターを拠点として、動物愛護やペットの適正飼育に関する普及啓発を進めることにより、人と動物が幸せに暮らせるまち札幌の実現を目指してまいりたいと考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  大学、また獣医師会の皆様と連携を図って支援体制の強化を図っていくとのことで、その際にTNR活動の全市的な展開をしていっていただけるという答弁だったと思います。今回、新センターができて、ホールであるとか、そういった活用の仕方ですが、先ほど答弁にあったポイントだなと思ったのが、動物を飼っていない、ペットを飼っていない方たちへの働きかけもこのセンターを活用してやっていっていただける。それが、町内会であったり、お子様からご高齢の方まで、幅広くいろんな方に、人と動物が幸せに暮らせるまち札幌、これを目指してやっていただけるとの答弁でございました。  本当に、この新しいセンターは、私も、改めてできるまでの経緯を勉強させていただいて、地域の方からの陳情があったり、いろんな議論を重ねてきて、やっと札幌市にも動物愛護の精神が広まっていける拠点ができる。本当にこれは期待しておりますので、今いろいろ想定していることがあると思うんですけれども、また、実際に、センター開設後に地域の方やいろんな関係者の方と様々な取組を進めていくことによって、想定していないことが出てくるかもしれません。そのときもしっかりと検討をしていただいて、進めていっていただきたいと思います。  最後に、要望ですけれども、今回は、主に飼い主のいない猫についての問題に焦点を当てて質問させていただきましたけれども、犬、猫に関する様々な問題の解決に向けて、引き続き、ほかの自治体の例も参考にしていっていただきながら、新センターの機能を効果的に活用できるように検討を進めて、オープンに向けてしっかりと準備をしていただくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  私からは、午前中に質疑のありました医療費助成の三つのうちの重度心身障がい者医療費助成制度について質問をさせていただきます。  重度心身障がい者医療費助成制度は、重度心身障がいのある方の健康保持と福祉の増進を図ることが目的で、医療機関でかかる障がいのある方の自己負担分を補助しております。  この重度心身障がい者医療費助成制度の対象は、午前中の質疑の中でもありましたが、改めて、当初、身体障がいのある方で1級から3級の身体障害者手帳を持っている方、知的障がいのある方でAと判定された療育手帳を持っている方でしたが、2008年1月から、精神障がいのある方で1級の精神障害者保健福祉手帳を持っている方も対象になりました。  そこでまず、精神障がいのある方も対象にしたのはどういった経緯からなのか、伺います。 ◎毛利 保険医療部長  お尋ねの精神障がいのある方を重度心身障がい者医療費助成制度の対象とした経緯につきましては、平成20年1月に北海道の医療費助成の補助対象となったことに伴うものでございます。  これは、平成17年当時公布されました障害者自立支援法の趣旨でございます身体、知的、精神の3障害で別々であったサービスを平等のサービスに改めるという考え方にのっとったものでございます。 ◆田中啓介 委員  北海道の変更に伴ってということと併せて、障害者自立支援法の3障害に同一のサービスを提供するという趣旨だったということではありますけれども、こちらも、先ほど午前中のやり取りの中でありました、その対象として、精神障がいの方の場合は、通院医療費の自己負担分が認められますけれども、入院医療費は対象外となっております。  例えば風邪を引いて、その後、重症化して肺炎になる、また、健康診断などでがんが見つかり、手術、入院が必要、または、転んで骨折をするなど外科的な入院が必要となったときに、身体とか知的障がいの重度障がいのある方の場合は、入院医療費の助成の対象にはなりますけれども、精神障がいのある方は対象外で、3割負担になっております。  この障がいのある方の収入ということで見ると、障害年金がありますけれども、障害基礎年金の1級の場合は、月額約8万1,000円、また、重度障がいだからといっても、一般企業で働いていらっしゃる方もいます。  しかし、厚生労働省の平成30年度障害者雇用実態調査の結果によりますと、精神障がいの方の月額給与は、平均で12万5,000円になっております。精神障がいには、症状がよくなったり悪くなったりする障がい特性があります。働いて生計に必要十分な所得を得ることが難しいという実態があります。  一方で、ある保険会社の調査結果によると、入院1日当たりの自己負担費用の平均は2万3,300円、入院が長期化すればするほど、費用も高くなってまいります。この入院時の自己負担費用の平均は約21万円になるというようなデータがございます。  そこで、例えば70代の母親と2人暮らし、精神障害者手帳1級を持っている40代の方で国保加入者、所得が240万円の方が、けがあるいは病気で入院が必要になった場合、この精神障がいのある方が入院した場合の自己負担額はどれくらいになるのか、伺います。 ◎毛利 保険医療部長  国民健康保険には、所得に応じまして1か月にご負担いただく医療費の上限を定める仕組みがございます。ただいま、委員からご提示があった2人世帯で40代と70代の方がいらっしゃって、障害年金のほかに給与所得240万円というものがあるケースについては、その上限額が月額で5万7,600円というふうになります。  なお、過去12か月の間で、その5万7,600円というものの適用が既に3回あるという場合については、4回目からは月額4万4,400円ということになります。 ◆田中啓介 委員  精神障害手帳1級を持っている方には、その上限がある。確かに1か月の自己負担の上限額を超えた場合には、超えた金額が還付される高額療養費制度というものがございますが、今の答弁にもありましたように1か月5万7,600円は支払わなければいけないと。年3回はその額で、4回目以降であったら、少し低くなり、4万4,400円ということですけれども、やはり、年金収入で8万1,000円や、給与所得で12万5,000円から見たら、この1か月の自己負担限度額5万7,600円は、本人や、またその家族にとっても決して負担は少なくありません。  この重度心身障がい者医療費助成制度、精神障害1級の手帳を保持している方も対象にした場合は、さきの質疑の中でも、所要額が1億5,000万円と試算しているということでありました。  札幌市が、障がい者保健福祉概要の令和4年度版の札幌市の障がい者の現況の中で、精神障害者保健福祉手帳1級の所持者数は、2021年度は1,453名となっております。  そこで、伺います。  重度心身障がい者医療費助成制度を利用されている方は、今年度約4万人いらっしゃいますが、このうち、精神障害者1級の手帳を所持している方を入院医療費の助成対象とした場合、どれくらいいらっしゃるのか、伺います。 ◎毛利 保険医療部長  令和4年4月1日時点での対象者数がおよそ600名でございます。 ◆田中啓介 委員  この方々が入院が必要となったときに、入院費の支払いのために日常生活にかける費用が削られる、また圧迫されるなど、生活困窮にもつながってしまいます。また、生活困難になり、家族に迷惑をかけることによるストレスなどで精神障がいの特性上、精神疾患がより悪化するということにもつながってしまいます。精神障がいを持っている方が経済的な理由で必要な医療を受けられない、また、医療を受けることをためらうということがあってはなりません。  そこで、同じ医療、入院、治療が必要なのに、障がいの種別で違いがあってはならないと思いますが、この違いがあることについて、本市はどうお考えなのか、伺います。 ◎毛利 保険医療部長  障がいの種別で異なるということの認識でございますが、身体障がい、知的障がい、精神障がいの3障がいのうち、精神障がいのみ入院を助成対象としていないということは、北海道の医療助成の基準にのっとったものではございますが、課題として認識をしてございます。  こちらの点につきましては、政令市の状況でありますとか、あるいは他の医療費助成制度とのバランス、さらには、事業の持続可能性なども踏まえまして検討していかなければならないものというふうに考えてございます。 ◆田中啓介 委員  他の政令市の動向とか、他の医療制度とのバランスという答弁でありました。  ただ、この制度というものは、そのバランスということではなくて、まさに必要な医療の補助をその方、例えばこの障がい者医療費助成制度で言うと、障がいのある方の健康保持を目的にしているものであって、それが精神障がいという障がいが違うということだけで逆に負担が重くなるということは、決してあってはなりません。  今から30年近く前の1993年の障害者基本法の改定により、精神障がい者が身体障がい者、知的障がい者と並んで、法の対象に位置づけられました。その後、障がい者施策の推進がまだまだ不十分ではありますが、進められてきて、2013年に障害者差別解消法が制定、2016年度から施行され、行政の責任として、合理的配慮の提供となった現在、障がいの違いを理由として差別をするような制度や事業は、改善をするべきです。障がい種別によって、助成対象に差がある重度心身障がい者医療費助成制度において、精神障がいのある方だけ入院医療費の自己負担があるというこの課題は、早急に解決すべきと申し上げて、質問を終わります。 ◆たけのうち有美 委員  私からは、札幌市生涯歯科口腔保健推進計画、さっぽろ8020推進プランについて伺います。  歯と口の健康は、食べることや会話することなど、生命を維持し、社会生活を営む上で欠くことのできない大切な役割を果たしています。  本市は、これまで、さっぽろ8020推進プランを策定し、子どもから高齢者まで、誰もが歯と口の健康を保ち、生き生きと暮らせるよう、市民の歯科口腔保健の取組を推進してきました。本年5月23日には、この理念が盛り込まれた札幌市歯科口腔保健推進条例が制定されました。今後は、さっぽろ8020推進プランが改定されると聞いています。  そこで、質問ですが、さっぽろ8020推進プラン改定に向けてのスケジュールについて伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  札幌市生涯歯科口腔保健推進計画「さっぽろ8020推進プラン」のスケジュールについてお答えをいたします。  現行の札幌市生涯歯科口腔保健推進計画「さっぽろ8020推進プラン」は、平成29年度から令和5年度までを計画期間としておりますことから、令和6年度からの次期プランの開始に向け、今年度より市民意識調査などの準備作業に着手をしているところであります。  札幌市歯科口腔保健推進条例では、歯科口腔保健の推進に関する施策並びに計画策定の審議を行うため、附属機関として札幌市歯科口腔保健推進会議を設置することが義務づけられておりますことから、来年の令和5年1月には歯科保健医療に関する関係者を構成員とする推進会議を設置することとしております。次期プランの策定につきましては、推進会議における協議やパブリックコメントの実施などを経まして、来年度、令和5年度中の策定、公表を予定しております。 ◆たけのうち有美 委員  さっぽろ8020推進プラン改定に向けてのスケジュールについては分かりました。  さっぽろ8020推進プランによると、自分の歯を20本以上維持している人は、認知症の発症や転倒する危険性が低いことなどが報告されており、歯と口の健康の維持・増進が健康寿命の延伸に重要な役割を果たしていることが明らかになっているとのことです。また、歯と口の健康を維持するためには、歯磨きや食事のときによくかむことなどのセルフケアとかかりつけ歯科医によるセルフケアの指導、そして、かかりつけ歯科医によるプロフェッショナルケアが必要とされており、両者は車の両輪に例えられています。また、乳幼児、学齢期に関しては、8020運動の入り口であり、生涯にわたる歯と口の健康づくりのため、虫歯に加え、歯周病につながる歯肉炎の予防を進めることをうたっています。  このように、子どもの頃から食生活、歯の磨き方、歯茎の状態など、定期的に専門家に診てもらうことが、将来にわたって歯と口の健康を維持するためには大変重要と考えます。かかりつけ医がどれだけいるかの調査について、保健所の調べによると、2022年の最新の調査では、1歳6か月児が30.8%、3歳児は70.2%と、あと僅かですが、目標値には達していない状況です。家庭の自助努力ではなく、かかりつけ医が持てるような働きかけが必要と考えます。また、保護者が働いていてなかなか歯科医に連れていく時間がない家庭も多いと想定されることから、取組に工夫が必要であると考えます。  そこで、質問ですが、乳幼児のいる家庭に対してどのような取組をしてきたのか、伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  乳幼児のいる家庭に対する歯科保健の取組についてでございますが、札幌市におきましては、1歳6か月児や3歳児を対象に乳幼児歯科健診を実施しており、歯科医師による虫歯の早期発見並びに受診勧奨、歯科衛生士による歯科保健指導を実施しております。また、各区の歯科衛生士を児童会館や各種の子育てサロンに派遣しまして、乳幼児やその保護者を対象に、かかりつけ歯科医の重要性や食習慣などの健康教育を行う虫歯予防教室を市内54か所で実施しているところでございます。  さらに、乳幼児の定期的な歯科健診及び虫歯予防処置に対応いただける歯科医療機関697施設のリストを各区ごとに作成いたしまして札幌市のホームページで公表しておりますほか、かかりつけ歯科医の重要性や定期健診を勧奨するチラシを作成いたしまして、乳幼児健診や各種教室において保護者に配付、かかりつけ歯科医の重要性の周知に努めているところでございます。 ◆たけのうち有美 委員  乳幼児のいる家庭に対して様々な取組をされていることについては分かりました。今後、取組の推進に向けてさらなる工夫が必要であると考えます。  さっぽろ8020推進プランでは、乳幼児期から学齢期、妊娠期を含む成人期、また高齢期のライフステージごとの取組が記されています。また、歯科と介護の連携や、在宅医療を担う歯科医師の人材育成、障がい児・者の口腔ケア、災害時の応急歯科医療、口腔ケア対策など、様々な場面での具体的取組も掲げられています。  ライフステージの一部分である学齢期のことについて少し触れたいと思います。  学校に通っている子どもたちに関しては、学校健康診断で歯と口の健康状態が分かります。私は、養護教諭として、30年間、学校健康診断を実施してきた経験があります。歯科医院ほどの明るさがない、器具も不十分などの状況で、毎回、限られた時間の中で、子どもたちのプライバシーをどう守りながら実施するかが課題でした。このような状況の中で実施されているため、学校歯科健診の結果をかかりつけ医が見るのとは違う部分が出てくることも多々あります。  しかし、学校健康診断の目的は、スクリーニング、つまりふるい分けなので、大切なのは、歯科医院での歯科医による見立てのような正確な結果よりも、健康診断を通して自分の体の状態を知ったり、調子がよくないときはお医者さんに診てもらおうと思うきっかけになることです。  また、学校健康診断を実施していて感じていたことは、虫歯がなくても、歯磨きが十分にできていない、歯肉の病気になりかけている、歯並びに注意が必要などの状況が少なくない状況で見られ、決して、虫歯がないことイコール口腔の健康が保てているというわけではないということです。このような状態は、小さいときからかかりつけ医があればある程度解消できる課題だと考えます。  一方、スクリーニングとはいえ、学校に通っている子どもたちは、学校健康診断を受けることができます。しかし、学校に通えない、通わない子どもたちや、中学卒業後、働く子どもたち、高校中退の若者たちなど、多様な状況にある子ども、若者たちはさっぽろ8020推進プランからこぼれ落ちてしまっています。こういった子ども、若者は困難な家庭環境にあるケースも多いことが想定されることから、札幌市として対応を考えることが急務と言えます。冒頭に述べましたかかりつけ歯科医によるセルフケアの指導、かかりつけ歯科医によるプロフェッショナルケアをいかに小さいときから生活の中に取り入れることができるか、考え、実行する必要があります。  そこで、質問ですが、学校に通っていない子どもたちに対して、さっぽろ8020推進プランではどのような対応を考えているのか、伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  学校に通えていない子どもたちに対する歯科保健の取組についてのご質問でございますが、様々な事情によりまして学校などに通えておらず、歯科健診を受けていない子どもにつきましては、場合によっては歯と口腔の健康に大きな課題を抱えている可能性もありますことから、一つの課題として認識をしております。  今後は、次期の札幌市生涯歯科口腔保健推進計画の策定を行う中で、対応の可能性があるかを含め、検討するとともに、引き続き、子どもたちがかかりつけ歯科医における管理につながるよう、その重要性について市民への普及啓発に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆たけのうち有美 委員  子ども、若者の歯と口の健康に焦点を当てたとき、学校に求められることが増えていく傾向にあります。今は、次期計画策定の中で可能性があるかどうかを含めて検討、そして、かかりつけ医につながるよう、重要性について市民への普及啓発に取り組むということではありました。  しかし、本来、歯と口の健康は、乳幼児期から切れ目なく、学校に通っていても、通っていなくても、家庭が行政からのサポートを得られるのが本来の姿であると考えます。まずは、計画からこぼれ落ちてしまっている子ども、若者たちへの対応が必要と考えます。  今後改定されるさっぽろ8020推進プランでは、全てのライフステージにおいて、各家庭がかかりつけ医を持ち、歯と口の健康を維持し続けることができるよう取り組むことを求めて、私からの質問を終わります。 ◆小口智久 委員  私からは、働く世代への健康増進アプローチ研究事業について質問させていただきます。  現在、札幌市は、次期札幌市まちづくり戦略ビジョンの重要概念の一つとしてウェルネス(健康)を定めております。  先日、我が会派は、健康維持につなげる試みとして、2019年に全国に先駆けて開設した東京都豊島区のフレイル対策センターを視察いたしました。そこでは、高齢者が、フレイル、虚弱にならないよう、適度な運動、としまる体操、バランスのよい食事、定期的な体力測定、健康増進のため100円で入浴できる銭湯の推進など、健康寿命を延ばすために様々な取組をされている姿を拝見し、我が市でも取り組んでいく必要性を感じました。  ウェルネスを定める札幌市としては、高齢者ばかりでなく、全ての市民の健康行動を促進する取組が求められております。札幌市健康づくり基本計画「健康さっぽろ21(第二次)」の中間評価では、特に働く世代の肥満、運動習慣、ストレス、飲酒などの目標達成が他の年代と比べて遅れていることが明らかになりました。  このような課題に対し、我が会派は、令和4年1定の予算特別委員会において、健康寿命とヘルスケア事業について取り上げ、中小企業における健康増進対策や運動習慣の定着について質問をしました。そのときの答弁では、令和2年度から4年度に、市内中小企業に対し、働く世代への健康増進アプローチ研究事業として、健康増進対策に対するアンケートを依頼しておりますが、企業が感じている従業員の健康課題として、運動不足の者が多い、コレステロール値の高い者が多い、喫煙者が多い等が上がる反面、健康受診率100%を目指す取組を行っている企業が多かったとのことです。この研究事業につきましては、健康に無関心な層への意識の向上と、日常生活において継続して健康増進に取り組める効果的な方法を来年度末までに明らかにしていくとお聞きしております。  そこで、質問ですが、この事業の参加者の状況やこれまでの取組内容について伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  働く世代への健康増進アプローチ研究事業についてお答えをいたします。  まず、参加者の状況や取組内容についてでございますが、令和4年8月1日現在で、本事業の参加企業は18社、参加者は379名となっております。参加者の男女比はほぼ同じで、年代は20代から60代となっており、そのうち40代、50代で7割を占めております。  参加者は、専用のアプリを利用いたしまして、歩数や食事の記録により自身の健康状態の変化を知るとともに、健診受診や個人が選択した取組目標を達成した際には、その状況に応じましてポイントを付与いたしまして、モチベーションの維持を図る取組となっております。  今年度からは、スポーツイベントや公園などの公共施設とも連携をいたしまして、健康以外の目的で外出を促すような取組についても行っておりますほか、健康づくりの取組をなかなか開始できない人へのアプローチといたしまして、健康情報の配信や管理職の研修、また、企業の社長からのメッセージなど、様々な介入方法により効果的な取組について検証をしているところであります。 ◆小口智久 委員  様々な取組をしているということでございました。  人生100年時代と言われる中、従業員一人一人が心身の健康状態を維持することは、本人にとっても、企業としても重要と考えます。  しかしながら、日々、忙しく働く世代の人たちが、これまでの生活習慣を見直して健康増進に取り組むようになるためには、何らかのきっかけが必要ではないかと考えます。研究事業の参加者の7割が40代から50代ということから推察すると、健診結果のデータが思わしくない、体重の増減など、健康増進に取り組まなければならないという年代ではないのかと考えます。そこで、まずは若いうちから健診を受け、自分自身の体の状態を継続的に知るということが必要ですが、その結果を受けて生活習慣を変えるという認識を持てるかが重要であります。  そこで、質問ですが、本事業における成果と課題について伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長 本事業における成果と課題についてでございますが、これまでの成果といたしましては、個人が選択する取組目標におきまして、食事よりも運動を選択する人が多く、また、週5日以上の実施頻度が高い目標は選択されにくいといった傾向があったこと、また、休日に歩数の増加が見られたこと、休日でも簡単に実践できる歩く取組は運動習慣を形成しやすいポイントであることが明らかになったところであります。  また、参加者の1日当たりの平均歩数でございますが、令和3年4月の実証開始から令和4年6月までの比較で1,275歩の増加が見られまして、令和3年と令和4年の月ごとの比較でも平均974歩の増加が見られるなど、運動量の増加に一定の成果があったところであります。  また、事業開始当初は健康に対する関心が低かった人たちの中に、本事業をきっかけといたしまして歩数が大きく増加する人も一定数おりまして、健康行動を促す上で一定の効果があったのではないかと考えているところであります。
     一方で、アプリの使用やポイントの付与のキャンペーンなどに積極的に参加する人と参加をしない人の二極化が見られることや、企業に行ったヒアリングからは、開始当初は積極的に参加できても途中で脱落してしまう人もまた一定数いるといった課題も見られております。  現在、札幌医科大学にもご協力をいただきまして、参加者の血液検査の結果など健康診断の状況の変化につきましても分析対象に加えまして、最終的な効果検証を行っているところでございます。 ◆小口智久 委員  まず、一定の効果、歩数も増加したということもございましたので、よかったかなと思います。  歩くことは、取り入れやすい運動、身体活動であるだけでなく、生活習慣病のリスクを低減し、心肺機能の改善や骨粗鬆症の予防などの効果が見込まれ、これをきっかけに、食事や禁煙などを含め、健康的な生活習慣ができるよう取組を進めていただきたいと思います。  今後の課題として、健康無関心層との二極化ということがありましたけれども、そういう方に意識を変えていただき、健康に配慮した行動を取ってもらうことが最も重要であり、そのためには、個人の意識に頼るだけでは限界があると思われますが、今後どのような対応策が考えられるか、認識を伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  今後の対応策における認識についてでございますが、本研究事業におきましても、社長からのメッセージや管理職研修といった企業を通じた働きかけによりまして、参加者の歩数の増加や、取組を中断していた参加者が、再度、利用をし始めたといったことが見られまして、従業員の健康増進には、経営者や管理職の理解と働きかけが一定の効果があったと認識をしているところであります。  また、健康に対する関心が低い人については、引き続き、様々な媒体を活用して健康に関する正しい知識の啓発を行うとともに、無理のない範囲で自然と運動量の増加につながるよう、例えば、通勤時に歩く距離を少し増やすことや、社内の階段利用を奨励するなどの環境整備を企業全体で行うことも重要であると認識をしているところであります。  今後は、これらの研究成果も踏まえつつ、大学や企業と連携をしながら、働く世代の健康課題の解決に向けて引き続き取組を進めてまいりたいと考えております。 ◆小口智久 委員  経営者の働きかけというのは非常に重要だなと思いました。しっかりと対応していただきたいと思います。  札幌市内企業の9割以上は中小企業であるため、企業が独自に環境を整えることは困難と思われます。最終的な効果検証を行い、札幌の経済を支える中小企業の従事者が健康で働けるよう、健康づくり部門だけでなく、経済、公園管理など他の部署と連携していただきたいと思います。  公園については、先日、NHKの番組で紹介がありましたが、背中を伸ばす、そういうベンチ系の健康器具、また体をねじる運動ができるツイスト系の健康器具などを公園に設置することにより、健康増進を図っているという自治体が紹介されておりました。札幌市におきましても、市民の方がいつも行く公園などで気軽に健康寿命延伸に取り組めるような工夫も要望して、私からの質問を終わります。 ◆村上ゆうこ 委員  私からは、新型コロナウイルス感染症対策に係る保健所の体制、特に、今般の全数届出見直し後の体制について伺います。  最初に、感染症の第7波における保健所の職員体制の実績についてお聞きします。  10月に入り、BA.5対策強化宣言が終了し、第7波と言われた感染拡大も、ようやく山を越えたといいますか、落ち着いてきた状況なのかと思います。この第7波ですが、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などの行動制限はなかったものの、感染者数がこれまでで最多となり、これに伴って保健所の業務も多忙を極めたものと思われます。  そこで、質問ですが、今回の第7波における保健所の職員体制は、第6波と比較してどうだったのか、全庁からの応援職員数も含め、その実績を伺います。 ◎中目 管理担当部長  第7波の実績についてお答えいたします。  まず、第6波における1日当たりの新規陽性者数の最大は2,369人で、その期間中の保健所職員数の最大は、応援職員640人を含み、903人でございます。一方、第7波における1日当たりの新規陽性者数の最大は3,757人で、その期間中の保健所職員数の最大は、応援職員218人を含み、475人でございます。 ◆村上ゆうこ 委員  保健所の職員体制としては、感染者数が多かった第7波のほうが少なく、特に1日当たりの最大の応援職員数を比較すると3分の1程度だったとの答弁でした。  これについては、7月25日の新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会でも質疑がありましたが、できるだけ患者の方々を待たせないようにするために、第7波に先駆けて札幌市が5月初めには療養判定サイト、陽性者登録センター、陽性者サポートセンターから成る仕組みを導入し、保健所から全患者へ連絡するのではなく、患者側から保健所のほうへ連絡してもらう方法に切り替えたことが功を奏したものと思われます。  ただ、全国的にはまだそのような仕組みが導入されていなかったところも多く、また、特に自宅療養者への対応で多忙を極めていたことから、国は医療機関と保健所の逼迫を回避するため、第7波が収束する前に発生届の全数届出の見直しを実施することを決め、9月26日から全ての都道府県において一律に導入することとなりました。  見直しの実施後は、発生届の対象が65歳以上の方や妊婦など国が定めた四つの要件に該当する方のみに限定されたことにより、医療機関においてはその事務作業が大幅に軽減されたといった報道を目にします。また、他の県では、保健所の業務についても負担が軽減されたという報道も見られます。  そこで、次の質問ですが、全数届出見直し後、札幌市の保健所の業務量は負担が軽減されたのか、現状を伺います。 ◎中目 管理担当部長  全数届出見直し後の保健所の業務量についてお答えいたします。  医療機関から保健所に提出される発生届は2割程度に減少したものの、保健所が把握する新規陽性者数は依然として全数が基本であることや、療養中の方からの相談や支援も、発生届の有無にかかわらず、引き続き全ての患者が対象となっております。氏名などの患者情報を事前に把握しない中で必要な支援を受け付けることは、その方が陽性であるかの確認を行う作業が別途生じるなど、保健所の業務としては従来より手間のかかる場合もございます。  しかしながら、陽性者サポートセンターなど自宅療養者を支援する機能を以前から導入しておりました札幌市におきましては、全数届出見直しによる業務量の減少は限定的でございました。 ◆村上ゆうこ 委員  国の方針に先んじた本市の取組により既に一定の軽減が図られていたため、結果的には、今回の全数届出見直しによる業務量の減少は限定的とのことでした。  確かに、今回、国が示したウィズコロナに向けた政策の考え方は、新型コロナウイルスを5類化するというところからは遠く、保健所の業務は依然として残っているというのが現状ではないかと考えます。  しかし、発生届の対象外とされている主に軽症の方の療養方針が基本的には自主療養であることがこれから浸透していくと、日々、保健所が対応すべき患者の数は減っていくものと思われます。また、行動制限がかからない状況下で、札幌市の事務事業を停止することなく感染の波を超えた今回の第7波の経験を生かしていくということであれば、保健所の体制についても、今後は、5類化を見据え、パンデミックが起きる前の全庁からの応援を必要としない体制へ少しずつ戻していくことが必要と考えます。  そこで、最後の質問ですが、今後の保健所の職員体制について、特に応援職員の縮小についてはどのように検討していくのか、お考えを伺います。 ◎中目 管理担当部長  今後の保健所の職員体制の見通しについてお答えいたします。  委員のご指摘のとおり、今後の5類化を見据えるとともに、札幌市全体の事務事業を進めるためにも、応援職員の縮小など保健所の職員体制の見直しが必要であると認識しております。  現時点では、国の方針の変更がなければ廃止することのできない事務もございますが、オミクロン株の特性を踏まえたときに、役割を終えた事務などを廃止することや、これまでの経験を基に定型化された事務の委託化をより進めることなどによりまして、全体的に保健所の職員体制を見直してまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  要望です。  新型コロナウイルス感染症対策を着実に進めるに当たり、医療職や保健所の職員だけではなく、2020年4月以降、保健所業務に対する他部局からの応援職員の拠出も含め、本市の全職員が一丸となり、夜間や休日出勤も含め、業務への対応を行ってまいりました。これまでの真摯な努力には本当に頭が下がるところです。  特に、応援業務についている職員は、不慣れな応援業務、不在中の本来業務の進行状況に対する不安や引継ぎ資料作成などの負担増などがあったと思います。また、送り出す側の職員は、応援職員の担当業務分も受け持ちながら、市民サービスの維持・向上に努めてこられたというふうに思います。  しかし、本市の新型コロナウイルス感染症対策は、既に長期にわたっております。さらに応援が長期化するとなれば、これまでもずっと頑張って耐えてこられた多くの職員は、いろんな意味で不調を来してしまうことも考えられるというふうに思います。この間の感染症対策は、他部局の職員の応援を得ながら必要な人員体制を確保してきたものと思いますが、保健所の応援体制を強化するあまり、他の事務事業や業務に支障を来してしまうということになれば本末転倒だと思います。  職員の皆様が本来それぞれの職場で市民サービスを十分に提供できるようにするため、応援を常態化させるということではなく、具体的かつ実効性のある応援職員の解消策につきまして速やかに検討していただき、来春以降、できるだけ早めに応援職員の解消をできるように要望して、私の質問を終わります。 ○松原淳二 副委員長  以上で、第5項 健康衛生費の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時17分       再 開 午後2時19分     ―――――――――――――― ○松原淳二 副委員長  委員会を再開いたします。  次に、第3項 老人福祉費、第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分及び介護保険会計決算について、一括して質疑を行います。 ◆しのだ江里子 委員  私からは、認知症サポーター等養成事業について質問させていただきます。  認知症であるために、生活の様々な場面で暮らしにくさを抱えている方がいらっしゃいます。外出に不安を感じ、ちゅうちょしてしまう、そして、趣味を一緒に楽しむ友人を見つけることができないなどのときに、ちょっとした手助けがあれば認知症の方や家族はもっと安心して暮らしていくことができると考えます。  2005年度に全国で認知症サポーターキャラバンが開始してから17年以上が経過をし、今年の3月末時点では既に全国で1,380万人を超える認知症サポーターが養成されております。認知症サポーター養成講座を受けた認知症サポーターは、認知症について正しく理解し、認知症の人やその家族を温かく見守る応援者でもあります。決して、何か特別なことをする決まりはなく、偏見を持たずに接することからスタートし、その上でおのおのができる手助けをしていくこととしております。  それにもかかわらず、事業開始当初から、認知症についての正しい知識を得ることを契機に、地域や職域の認知症サポーターにより認知症の人への具体的な支援を実践する活動が自主的に発生し、全国各地で展開されております。このような自然発生的な活動をする認知症サポーターの取組の中には、認知症の人の日常生活を支え、住み慣れた地域での生活の継続に有用な社会資源へ結びつく例も多いと聞いております。  厚生労働省が発表している推計によりますと、2025年には高齢者の5人に1人、全国で700万人に上るとされております認知症の方の暮らしを地域で支えていくためには、近隣住民、地域で働く人たちの理解が必要であると言われております。  そこで、質問ですが、札幌市におけるこれまでの認知症サポーター養成講座の養成者数や実施回数、そしてまた、認知症サポーターの活動の状況はどのようになっているのか、伺います。 ◎阿部 地域包括ケア推進担当部長  認知症サポーター養成講座の実績、活動状況についてお答えさせていただきます。  令和3年度の認知症サポーター養成講座の養成者数は5,659人、平成17年度からの累計養成者数は13万人を超えております。また、実施回数は171回となっております。この実施回数につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響で例年より減少いたしましたが、代わりにオンラインでの実施を推奨し、対応できる講師を派遣しましたことで、令和3年度の養成者数は、前年度に比べ、増加しております。また、認知症サポーター養成者の中でボランティアとして活動を希望された方を登録しており、登録者は令和4年3月時点で573人となっております。  活動状況といたしましては、登録ボランティアの方に、認知症カフェの運営や各区で行う認知症関連のイベントに参加、協力していただいているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  札幌市における認知症サポーター養成者数は、昨年の場合はオンラインの活用などにより5,600人以上が学ばれたということでした。そして、累計では13万人にも上っているということ、さらに、認知症ボランティアとして登録をされる方が今まで573人いらしたということに関しては、よく分かりました。  7月に、非営利、独立、超党派の民間の医療政策シンクタンクでもあります日本医療政策機構というところが認知症政策プロジェクトを実施いたしました。この際に、理解し、見守り、支援するという形から、認知症の人と共に生きる、共につくるへ進化する必要性を示唆しております。認知症という呼称に変更された2004年以降、認知症に対する偏見を取り除き、正しい理解を推進するための啓発施策は全国で展開されています。その中心として現在まで続いているのが、2005年に改称されました認知症サポーター養成講座であり、これまでに養成された全国の認知症サポーターの数は延べ約1,380万人ということで、既に日本の人口の10%を超えており、これは大変すごい数字であると思います。この認知症サポーターは、国際的にも高い注目を集めておりまして、同様の取組を行う国や地域も増えてきており、啓発施策によって社会における認知症への認識は大きく変化をしていると考えます。  一方で、この認知症共生社会を構築していくためには、認知症サポーターを増やすだけでは十分ではないと思います。理解をしていることと、共に生きることの間には大きな隔たりがあり、認知症のある方の困り事を解決してあげるという姿勢から、パートナーとしてやりたいことを一緒に実現するという考え方への転換が求められています。共に体験を積み重ねていくことで、共によく生きる社会のつくり手になっていこうというフェーズに進むことができます。そのためには、これまでの社会全体に対する啓発施策にとどまるのではなく、認知症の方がより積極的に社会に参加することを後押しする取組が求められています。  先ほど、部長からのご答弁では、札幌市においても、認知症ボランティアには認知症カフェの運営ですとか各区の認知症関連のイベントに参加、協力をいただいているということでありました。この認知症サポーターキャラバンを進めております地域ケア政策ネットワークの調べによりますと、全国の活動を把握している自治体への調査によると、今までの認知症サポーターの活動状況については、見守りですとか、オレンジカフェの開催、または参加、そして、傾聴、認知症の方やその家族を対象とするサロンの開催、または参加とか、SOSネットワークなどへの登録などという形が現れております。今後は、今挙げたようなイベントなどへの参加なども含めた啓発・広報活動、そしてまた、地域での見守りや声かけからさらに一歩進めていく必要があると思います。  先ほど、札幌市における認知症サポーター養成者数も13万人を超えているとのご答弁をいただきました。私たち札幌市議会でも、かつて認知症サポーター養成講座を開催しまして、私もオレンジリボンをいただきました。しかし、もう既に何年もたっておりまして、当時の記憶も本当に定かではない、一体何を習ったかなというところで、大変もったいないと思っております。  国は、認知症サポーター養成事業の講座修了者にステップアップ講座を実施し、認知症に関する基礎知識、理解をさらに深めるための講義などを通じて、認知症の人やその家族の支援ニーズと認知症サポーターを中心とした支援をつなぐ活動に参画するなど、より実際の支援活動につなげることを求めております。  そこで、質問ですが、地域の認知症支援の充実のために認知症サポーターのフォローアップが重要と考えますが、現在どのように取り組んでいらっしゃるのか、また、今後どのように取り組まれようとされているのか、伺います。 ◎阿部 地域包括ケア推進担当部長  現在、そして今後の認知症サポーターのフォローアップの取組についてお答えさせていただきます。  これまでも、一部の地域包括支援センターで、認知症サポーターを対象として、認知症の基礎知識などの学び直しに加え、認知症の方への声かけや対応をロールプレーで体験するなど、実践的な内容を含めたフォローアップ講座に取り組んでいるところでございます。  今後も、認知症サポーターが認知症の方やそのご家族の応援者として活躍できるよう、知識や理解を深め、対応スキル等の習得につながるような研修機会と活動の場の拡大について検討を進め、全市的な展開を目指していきたいというふうに考えているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  要望です。  今のご答弁で、既に、一部の地域包括支援センターでは、認知症サポーターの学び直し、フォローアップに取り組んでいらっしゃるところもあるということをお聞きいたしました。本当に、今後も研修や活動の場の拡大についてぜひ検討を進めていただき、そして、全市的な展開を目指していただきたいと思います。  全国に認知症の人と家族の会という会があり、札幌でも活動されておりまして、私も会員として認知症の方や家族の方からお話を伺うことがございます。また、私の家でも、義理の母ですとか、4年前に亡くなりました父が、その数年前から認知症と診断をされまして、時折、激しい思い込みによりまして奇異な行動を取る姿を見てまいりました。徘回をして、見ず知らずの方に知らせていただいたこともありました。認知症の方は子どもに返ったと言われることがありますが、全く異なると私は思います。自分が取った行動がおかしいと理解したときには、本当に自分を卑下し、恥ずかしさを表します。認知症の方が自分らしく安心して共に暮らすことができる地域こそ、札幌の望ましい姿だと考えます。そのためには、多くの市民が、認知症の方を特別視せずに、しっかりと理解を重ね、認知症サポーターとして関わっていくことこそ望ましいと考えます。  今、ケアラー問題も顕在化しております。家族だけで介護などを抱え込まないでほしいと思いますし、そばにいる認知症サポーターがケアラーに寄り添うこともできるのではないかと考えます。札幌においても、認知症サポーターのフォローアップを早急に進めていただくことを切に求めまして、私の質問を終わらせていただきます。 ◆森山由美子 委員  私からは、高齢者の理美容について、2点質問をいたします。  最初に、寝たきり高齢者の理美容について伺います。  高齢化が進む現代において、高齢者が安心して住み慣れた地域で生活できるように、高齢者を対象としたサービスは今後ますます重要とされます。高齢者にとっても、身だしなみを整えることは、見た目をきれいにするだけではなく、気持ちを明るくするなど、精神的にもよい影響を与え、QOL、生活の質の維持・向上に効果があると言われております。  しかし、寝たきり等により、理容室や美容室に行けない方も多くいます。札幌市では、このような寝たきりの高齢者の理美容についてどのように考えるのか、認識を伺います。 ◎西村 高齢保健福祉部長  寝たきりの高齢者の理美容についてということでございます。  加齢等に伴う身体機能の低下によりまして寝たきりの状態にある高齢者の理美容の提供ということに関しましては、委員のご指摘のとおり、QOLの維持・向上などの観点から有効なものである、そのように考えております。  こういったことから、本市では、原則65歳以上、在宅で寝たきりの高齢者に対しまして、介護の充実、保健衛生の向上を図り、もって高齢者福祉の向上に資することを目的として高齢者理美容サービスを実施してございます。 ◆森山由美子 委員  次に、外出が困難な高齢者の理美容について伺います。  寝たきりの高齢者の理美容については理解をいたしましたが、寝たきりにまで至らず、独りで理美容室に行くことが難しい高齢者もいます。そのような方は、ご家族が理美容室への送迎を行っている場合も多いと思いますが、自身がご家族に負担をかけたくないとためらう方や、近くに同行してくれる方がいない高齢者もいます。また、介護保険のホームヘルプは、理美容室への同行は難しい場合があると聞きました。  また、例えば、認知症が進んでくると難しくなることの一つに洗髪があると言われております。本人は洗っているつもりでも、髪をぬらすだけで終わっていることもあれば、お風呂に入りたがらないケースもあると言います。また、理美容がきっかけで、髪がきちんと洗えていなく、頭皮が荒れ、湿疹が広がっていることから認知症が分かったケースや、認知症の初期であれば髪を切ることにより気分転換になることもあるようです。  東京都の中央区では、要介護2以上の寝たきり、または認知症の方で、理容所、美容所の利用が困難な居宅者を対象に、理美容サービス券を年間6枚まで配付をしているということです。  また、認知症だけではなく、外出が困難な方への理美容の提供は、フレイル予防の観点からも大変重要と思われます。  そこで、質問ですが、札幌市としては、外出が困難な方への理美容の提供についてどのように考えているのか、認識をお伺いいたします。 ◎西村 高齢保健福祉部長  外出が困難な方の理美容ということでございます。  理美容には、今もお話がありましたとおり、ふだん、落ち込みがちな方でも笑顔が生まれるでありますとか、先ほどもお話ししましたとおり、QOLの維持・向上に有益であるという一方で、確かに、寝たきりの方をはじめとして、様々な要因で理美容を受けることが難しい方もいらっしゃる、そのように認識しております。  外出ということに関しましては、例えば、要介護2以下の高齢者の外出の支援ということでは、社会福祉協議会において、ヘルパー等の資格を持つ協力会員が同行する会員制の地域支え合い有償ボランティア事業というものがございます。また、単独でタクシー等の公共交通機関を利用することが困難な要介護者等の外出ということでは、NPO法人等によるドア・ツー・ドアの個別輸送サービスということも考えられる、そういったところでございます。  本市で実施しております理美容サービスのほか、こういったサービスをご本人やご家族のニーズに合わせてご利用いただくことで、ご本人の外出を促していただくとともに、ご家族の負担の軽減も図っていただきたい、そんなふうに考えているところでございます。 ◆森山由美子 委員  身だしなみを整えるということは、気持ちを明るくするなど、精神的にもよい影響を与えるほか、人間の尊厳に関わることであるというふうに考えます。  しかし、このようなサービスを知らなかったことなどにより髪を整えることに困難を感じている方、また、最近では、お亡くなりになった方の身だしなみを故人や遺族の意向に沿って整えるエンディングカットという言葉も聞きます。医療サービスと同じように、理美容についても様々な面から寄り添えるサービスを市としても今後検討していただきたいというふうに思います。  また、高齢者が安心して住み慣れた地域で生活できるように、これらのサービスを必要とされる方へしっかりと周知を行うことを要望しまして、私の質問を終わります。 ○松原淳二 副委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時38分       再 開 午後2時59分     ―――――――――――――― ○北村光一郎 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆吉岡弘子 委員  私は、加齢性難聴の補聴器助成について質問させていただきます。  2020年2月に新型コロナウイルス感染が拡大してから、高齢者は外出の機会もほとんどなくなり、フレイル発症や要介護リスクが心配されてまいりました。ようやく介護予防教室や老人クラブなどが再開されてきたところですが、高齢者の方が楽しみにしている食事会などはまだ控えられている状態です。  加齢性難聴は、耳の奥の音を感じる細胞が、加齢に伴ってダメージを受けて起きる症状です。国際医療福祉大学三田病院耳鼻咽喉科の岩崎 聡教授によると、国内の研究では、60代前半で5人から10人に1人、60代後半で3人に1人、75歳以上で7割以上が加齢性難聴になっていると推計され、全国では1,500万人以上に上ると見られるそうです。岩崎教授は、50歳を過ぎた頃から聞こえにくくなったという自覚のある人は、加齢性難聴の始まりである可能性が高いと指摘します。  札幌市の補聴器助成では、身体障害者手帳の対象とならない軽度、中等度の難聴のある18歳以下の子どもと、聴覚身体障害6級と認定された市民が補聴器購入の助成を受けることができますが、軽度・中等度難聴の方には助成制度はありません。補聴器助成の対象となっている方は全年代で5,275人おりますが、そのうち65歳以上の高齢者は3,832人です。高齢になって聞こえが悪くなることで、他人との関わりを敬遠するようになり、コミュニケーションがおっくうになって、家に閉じ籠もりがちになる問題が指摘されています。また、転倒のリスクが高い、車の接近に気づかないなど、命に関わる問題でもあります。  そこで、質問いたしますが、札幌市高齢者支援計画2021では、認知症予防の施策や健康年齢の延伸の取組を掲げていますが、その実現のためには軽度、中度を含む難聴者への支援が欠かせないと考えますがいかがか、伺います。
    ◎西村 高齢保健福祉部長  軽度、中度の難聴の高齢者に対する支援の必要性ということでございます。  加齢に伴う難聴でございますが、年齢の進行で起こり得るものでございまして、症状が進行することで適切な聞こえが得られず、委員のご指摘のとおり、人とのコミュニケーションが難しくなって社会から孤立、また、そういったケースがあることで認知機能の低下につながる、そういう危険因子の一つであるということを承知しております。  一方で、認知症の予防といった観点におきましては、運動、社会交流、趣味活動などの日常生活における取組が認知機能低下の予防につながる可能性が高い、そのように言われているものですから、支援といたしましては、予防効果を考えながら、これらを適切に選択し、実施する必要がある、そのように考えているところでございます。 ◆吉岡弘子 委員  聴覚は、言語、思考、情動にも深く関わっており、コミュニケーション機能の中枢として極めて重要な感覚であり、ほかの感覚に比べて認知症との関係が強いと考えられています。  慶應義塾大学耳鼻咽喉科の小川 郁氏は、論文「認知症と加齢性難聴−認知症予防対策における補聴器の役割−」で、難聴は認知症の危険因子であり、難聴への介入は認知症の予防法として最も有効であることが明らかになっている、したがって、少なくとも軽度認知障がいの時点で、難聴がある場合はできるだけ早く補聴器の装用など対策を考える必要があるとまとめています。  2015年、認知症施策推進総合戦略、新オレンジプランの具体的な施策には、認知症の危険因子として初めて難聴が加えられました。早期発見が重要ですが、独り暮らしなどでは気づきにくく、また、少しくらいだからまだ大丈夫だと対応が遅れがちです。行政として、聞こえの気づきを促すことが必要だと考えます。  そこで、質問ですが、聞こえづらさを感じている方がどのような状況なのか、認知症予防の観点からも、本市として実態調査を検討してはどうか、伺います。 ◎西村 高齢保健福祉部長  認知症の予防の観点からの実態調査の必要性ということでございます。  加齢に伴う難聴の進行によりまして、高齢者が社会的孤立や鬱、認知症、フレイルに陥る危険性を高めるといった研究があるといったことや、あと、今お話がありました新オレンジプラン、認知症施策推進総合戦略のほうで、難聴は、加齢や遺伝性高血圧、糖尿病、喫煙、頭部外傷と併せて認知症の危険因子の一つとされている、そのように了解しているところでございます。  一方、適切に補聴器を用いることで認知症の発症を軽減させ得る可能性があるか、そういったことについては、現在、国において研究が進められている途中ということでございます。この研究により実態の把握が進められている最中ということでありますので、札幌市といたしましてはその結果を注視してまいりたい、そのように考えているところでございます。 ◆吉岡弘子 委員  札幌市高齢者支援計画2021では、いくつになっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるまちづくりを基本目標にしています。本市は、ほかの政令市とともに、国に対して、聴覚障がいの補正による認知機能低下の予防効果を検証するための研究の結果を早期に取りまとめ、医学的根拠を踏まえた上で、加齢性難聴者の補聴器購入に対する全国一律の公的補助制度の創設を要望しています。研究待ちではなく、難聴によって市民がどのような状況にあるのか、実態を把握すべきではないでしょうか。  本市は、次期介護保険計画に向けて市民と認定者へのアンケートを行うとのことでありますから、ぜひ、難聴、補聴器の項目を入れることを求めます。また、本市のとくとく健診や後期高齢者健診の項目に聴力検査を入れることや、耳の日や健康イベントなどで実施するなども検討されるよう求めておきます。  これまでの我が会派の質疑で、難聴が進んで聞き取りが悪くなることに対して、本市は、日常生活や社会参加に影響があることは認識している、補聴器は高齢者のおのおのが必要とされたタイミングで使用していただくことが適当であると答えられています。  しかし、そう言われても、数万円から数十万円と大変高額で、必要とされたタイミングで購入できないという声をよく聞きます。相模原市は、今年度、政令市で初めて助成制度が実施され、北海道では北見市、根室市に広がっています。北広島市では、補聴器公費助成の請願が全会一致で採択されています。  本市では、昨年10月に、市民団体から市長宛てに加齢性難聴者の補聴器購入の助成制度を求める署名と要望書が提出されたことをはじめ、市民からの声は高まっています。  そこで、質問ですが、札幌市でも加齢性難聴者への補聴器助成が待たれています。本市の認識を伺います。 ◎西村 高齢保健福祉部長  補聴器購入の助成に対する本市の認識ということでございます。  現在、国において進められている研究におきまして認知症の予防効果が認められる場合には、補聴器購入の支援については、やはり、住んでいる地域にかかわらず同じサービスを受けられるようになることが望ましい、そのように考えているところでございます。  先ほど委員からご指摘がありましたとおり、全国の21大都市合同で、国に対して、医学的エビデンスを踏まえた上で、加齢性難聴者の補聴器購入に対する全国一律の公的補助制度を創設するよう求めているところでございます。今後も、まず研究の結果というものを早期に取りまとめていただきたいこと、それから、補助制度等を創設する場合には、政策的、予算的に実現及び持続可能な制度となるよう要望してまいりたい、そのように考えているところでございます。 ◆吉岡弘子 委員  加齢性難聴者が安心できるコミュニケーションを補聴器によって取り戻すことができれば、心身の健康寿命の延伸にもつながります。加齢性難聴者への補聴器助成の速やかな実施を求めて、質問を終わります。 ◆藤田稔人 委員  私からは、コロナ禍における老人クラブの活動についてお伺いさせていただきます。  コロナ禍において、外出の機会が奪われ、閉じ籠もりがちになる高齢者が多くなっており、高齢者が心身ともに健康的な生活を送ることができているのか、私は大変懸念しております。老人クラブ活動は、閉じ籠りがちになる高齢者に、人と人とが触れ合い、笑顔や活力を与えてくれる身近で重要な活動だと考えております。また、様々なボランティア活動など社会貢献にも寄与しており、地域にとって重要な役割を果たしております。  しかし、コロナ禍の状況において、高齢者は重症化リスクが高いこともあり、老人クラブはどのように活動してよいのか判断に困ったところも多いと聞いております。  そこで、質問ですが、コロナ禍における老人クラブの活動に対して、市としてどのような要請をしてきたのか、お伺いさせていただきます。 ◎西村 高齢保健福祉部長  コロナ禍における老人クラブの活動に対する要請ということでございます。  昨年度は、緊急事態宣言でございますとかまん延防止等重点措置の適用を受けまして、本市からはクラブ活動の予定の中止や延期の検討を要請したことがございます。また、緊急事態宣言が解除された後におきましても、クラブ活動の実施に当たっては、感染症拡大防止対策の徹底、そういったことに努めていただくよう要請したところです。  このような状況もございまして、新型コロナウイルス感染症の発生以来、感染の流行の波に合わせまして、多くの老人クラブが活動の自粛と再開といったことを繰り返してきた、そのように認識しているところでございます。 ◆藤田稔人 委員  コロナ禍において老人クラブもほかの社会経済活動と同様に自粛と再開を繰り返しており、そのような中でクラブ活動をすることは様々な面で大変ご苦労があったことかと思っております。  私の近隣地域の老人クラブの方から、老人クラブを脱会する人が増えていて、クラブとして補助金の対象となる人数を確保するのにも大変苦労してという話を聞いております。  そこで、質問ですが、コロナ禍における老人クラブ数や会員数の推移と、実際に老人クラブの活動はどのように行われてきたのか、お伺いさせていただきます。 ◎西村 高齢保健福祉部長  コロナ禍における老人クラブ数、会員数の推移と活動状況ということでございます。  全てが新型コロナウイルス感染症の影響とは言い切れないところもございますが、新型コロナウイルス感染症が本格的に流行する前、令和2年4月1日の時点では、クラブ数は427クラブ、会員数は2万3,817人であったものが、令和4年4月1日現在では362クラブ、1万8,160人となっているという状況でございます。  コロナ禍における実際の活動ということに関しますと、例えば、クラブ活動の会場の広さを倍にするでありますとか、時間を短縮する、あと、雑巾縫い奉仕活動だと、例えば、訪問していたものを、材料を受け取りに行って縫製を届ける方向に切り替えるなど、各クラブがそういった様々な工夫をして活動していただいていた、そのように承知しております。 ◆藤田稔人 委員  コロナ禍において老人クラブが活動に大変苦慮しており、様々な工夫をされていらっしゃるということでございました。  クラブの数字のほうですけれども、クラブ数が427から362、約15%の減少、会員数も2万3,817人から1万8,160人、約24%の減少と大幅に減っているということで、老人クラブの方から会員数が減少していると聞いていたものの、あまりにも大きな下げ幅で、私もこの数字に衝撃を受けております。会員数が4分の1の減少というのも大変な数字でありますけれども、それ以上に、15%、65クラブの減少というのは、一度、クラブを解散して、再度、設立するのは非常に困難なことでございますので、そういった意味では大変厳しい現実と受け止めております。  今後、そういったクラブの解散という一番起きてはならないような事態をできるだけ回避できるよう、皆様方もご支援いただければと思っております。  さて、9月30日をもってBA.5対策強化宣言が終了し、今月11日からは全国旅行支援やイベント割が開始するなど本格的に外出の機会が多くなり、老人クラブの活動再開も本格化すると思われております。社会経済活動と新型コロナウイルス感染対策の両立が進められ、ワクチンも普及しましたが、新型コロナウイルス感染症は、高齢者や基礎疾患のある方が感染すると重症化するリスクは依然として高く、危険なウイルスであることは変わりないと考えております。  老人クラブの果たしてきた役割の重要性に鑑みると、社会経済活動と感染対策の両立をしながら、老人クラブの活動がコロナ禍前のように活性化していくことが必要です。老人クラブの活動が停滞していくのは、人との交流の機会に参加しないことに慣れてしまったり、価値観やライフスタイルの変化、趣味の多様化による影響があったりするのは否定できませんが、一方で、新型コロナウイルス感染症が落ち着いて活動再開が本格化したら、クラブに戻りたい、戻りたいけど、新型コロナウイルス感染症が怖いと考えている人も一定数いるのではないかと考えております。  そこで、質問ですが、このような実態を踏まえて、老人クラブが活動できるよう市としてどのような支援を行っていくのか、お伺いさせていただきます。 ◎西村 高齢保健福祉部長  札幌市の老人クラブ活動への支援ということでございます。  札幌市におきましては、札幌市老人クラブ活動費補助金におきまして、令和2年6月から、感染対策に伴い、発生する経費の一部、具体的には消毒液、体温計などの購入費を補助対象経費に含めることといたしまして、感染対策を実施しながら活動できるよう支援しているところです。  また、コロナ禍における活動の参考としていただくために、活動の好事例でありますとかマスク着用場面についての情報を、適宜、提供させていただくなど、クラブ活動の再開、継続に資する取組というものを行ってきたところでございます。  今後も、新型コロナウイルス感染症防止対策と社会活動の推進、その両方の視点を持って適切に支援してまいりたい、そのように考えているところでございます。 ◆藤田稔人 委員  今後も、感染症対策と社会活動の推進の両方の視点で支援をしていきたいということでございました。  本日は、保健福祉局の質疑ですので、老人クラブについて取り上げさせていただきましたけれども、私は、老人クラブを含め、町内会などほかの地縁団体でも社会活動の再開に向けて同様の苦労があるのではないかと感じており、地域活動が衰退してしまわないか、大変懸念しております。ウィズコロナ、アフターコロナにおける活動への支援に当たっては、新規会員を増やすために、老人クラブが従前にも増して楽しく魅力的な場となり得るのか、あるいは、クラブに戻りたいけど、戻れない方、戻りにくい方にどのようにアプローチできるのかという視点も工夫が必要であると考えております。  人と人が交流して生きがいを与え続ける老人クラブの果たしている大きな役割を考慮し、一方で、新型コロナウイルス感染症が高齢者にとって依然として軽視できない危険を持った感染症であることを踏まえ、今後も状況に応じて老人クラブに対して積極的かつ効果的に支援を行っていただきたいと考えております。 ◆小口智久 委員  私からは、認知症の方と家族を支える仕組みづくりについて質問させていただきます。  札幌市の高齢化率は、2022年7月現在において28.1%という値を示しておりますが、団塊ジュニア世代が65歳を迎える2040年には40%近くまで増加すると言われております。それに伴い、高齢者の認知症が増加することが予想されるため、認知症の方とそのご家族への支援が今後喫緊の課題となります。  このような中、我が党では、様々な現場の声を政策に生かすため、昨年12月から本年2月にかけ、アンケート運動を展開し、合計で15万7,135件の回答を集めました。その中で、高齢者支援についてのアンケート結果では、困っていることや心配に思っていることはという質問に対し、自分や家族が認知症になったときという答えが64%と最も多い結果となりました。  昨今、認知症は、誰もがかかり得る病気ですが、症状に対する対処法、治療法が確立されていないため、高齢者やそのご家族に恐れや不安を抱かせております。さらに、認知症という現実を受け入れられない心の葛藤や、どうしたらよいのかと思案しているうちに時だけが過ぎ、その結果、症状の進行により生活上に大きな混乱が生じ、そこで初めて外に助けを求めるという事例も少なくありません。  令和元年6月、国は、認知症施策推進大綱をまとめ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の方とご家族の視点を重視しながら様々な施策を進めていくことを掲げております。  その一つとして、地域において把握した認知症の方の悩みや家族の身近な生活支援ニーズ等を具体的な支援につなげる仕組みであるチームオレンジを、各自治体に整備するよう求めております。チームオレンジは、ボランティアでチームが組まれますが、地域の認知症の方にもチームの一員として参加いただき、当事者となる認知症の方とご家族の困り事を早期に継続して支援することを基本理念としております。その内容は、見守りや話し相手など認知症の方本人への支援にとどまらず、例えば、認知症の方と一緒に地域の単身高齢者への声かけや児童の下校時の交通安全活動に参加するなど様々ですが、地域のニーズに合わせ、柔軟に取り組むことが求められております。  さきの第2回定例市議会代表質問において、我が会派は、認知症の方と介護するケアラーの支援について取り上げ、市からは、認知症の方と家族介護者等のケアラーのニーズを捉え、より効果的な支援体制を検討するという答弁をいただきました。認知症の方はもとより、そのケアラーを支える仕組みとしてもチームオレンジは極めて有効なのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、認知症の方と家族介護者等のケアラーと支援をつなげるチームオレンジは、今後の認知症支援において重要な仕組みと考えますが、その必要性についてどのように認識をしているのか、伺います。 ◎阿部 地域包括ケア推進担当部長  チームオレンジの必要性の認識についてお答えさせていただきます。  チームオレンジは、地域において把握した認知症の方の身近な生活のニーズへ支援するとともに、認知症の方自身もチームに参画することで社会参加を後押しすることにつながる有益な取組でございます。また、家族介護者等のケアラーに対しては、その悩みや不安を傾聴するボランティアや共有できる場につながることにより、介護負担の軽減が図られることも期待できるところでございます。  これまでも、地域包括支援センターを中心に、地域での見守り活動の体制整備等に取り組んでおりますが、今後さらなる認知症高齢者の増加を見据え、様々なニーズに対応した地域での支え合いの仕組みづくりを進めるために、チームオレンジの枠組みを活用していくことが重要であるというふうに認識しております。 ◆小口智久 委員  今の答弁にありましたように、チームオレンジの重要性や必要性については認識をしているということでございました。  令和2年度の国の実績調査によりますと、39都道府県、138市町村において415のチームオレンジが設置され、認知症の方に対する傾聴ボランティアや相談相手、外出支援、見守り支援など、そのニーズに即した多岐にわたる支援が展開されております。  現在、札幌市では、65歳以上の高齢者の9人に1人が認知症と推計されておりますが、2040年には高齢者7人に1人が認知症となり、認知症の方とそのご家族、ケアラーを地域で支えることが重要になると思われます。  たとえ認知症になっても、住み慣れた今の場所で、希望を持ち、安心して生活していきたい、こういう地域だったら暮らしやすいのにと考える認知症患者は少なくないと思います。そうした認知症患者に寄り添うまちづくりを推進することがチームオレンジの役割であり、認知症の方だけではなく、たくさんの方にも優しいまちづくりとなると考えます。市では、この理念をしっかりと考え、取り組んでいくことが重要であると考えます。  そこで、質問ですが、今後、チームオレンジの取組をどのように進めていくのか、伺います。 ◎阿部 地域包括ケア推進担当部長  今後のチームオレンジの取組についてお答えさせていただきます。  今後は、まず、日頃から認知症の方とそのご家族を支援している地域包括支援センターや各区の保健師と連携し、地域における支援ニーズの把握に努めてまいります。さらに、支援の担い手であるボランティア等の活動状況などの実態を把握し、人材の育成、確保につながる効果的な仕組みを検討していくことが重要と考えております。  今後の認知症支援におきまして、チームオレンジの取組は大きな役割を果たしますことから、認知症の方とご家族の安心・安全な生活に寄与できるチームオレンジの在り方につきまして検討してまいりたいと考えております。 ◆小口智久 委員  ぜひとも、札幌市版チームオレンジの仕組みを早急に検討していただければと思います。  チームオレンジにおける支援の担い手のボランティアは札幌市で養成している認知症サポーターと聞いておりますが、地域の見守りなどを支援する担い手として活躍できるよう、取組を進めていただきたいと思います。  また、チームオレンジにはチームの立ち上げや運営支援を担うコーディネーターが配置されることになっておりますが、札幌市においてチームオレンジを検討する際には、高齢者支援の窓口として地域に根差した活動をしている地域包括支援センターに、コーディネーターの配置、またワークショップを行うなど、市民の身近な場所に置いて取組が推進されるよう期待をします。  認知症になっても誰かの役に立てるという実感や生きがいを持ち続けられるよう、市にはしっかりサポートしていただくことを要望し、私からの質問を終わります。 ◆佐藤綾 委員  私からは、小規模の介護施設に関わり、4点質問いたします。  団塊の世代が75歳以上を迎える2025年以降へ、国は在宅医療や介護のシステムの構築を含め、急務の課題としているところです。本市の札幌市高齢者支援計画2021の基本目標、いくつになっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるまちづくりでは、高齢者と家族を支える支援体制の充実、高齢者やその家族の状態やニーズに応じ、必要なサービスが切れ目なく提供できる環境を整備するとしています。  本市の介護サービスの今後の見込みでは、2025年には介護認定者数が今より1万人以上増え、介護サービスの利用は8万3,000人を超える想定です。地域密着型サービス利用者数も増加し、地域密着型の小規模施設は、今後、高齢化社会で必要さが増してくるであろうと考えるところです。  特養など比較的大規模な施設と、地域で、近くで利用できる小規模な施設など、それぞれ役割を担っております。家庭的な雰囲気、地域に密着ということで、大規模とは違うよさがあると思っております。  そこで、お聞きいたします。  大規模な施設と小規模施設はどちらも必要だと思いますが、小規模施設であることの利点についてどうお考えか、伺います。 ◎西村 高齢保健福祉部長  小規模事業所の利点ということでございます。  ただいま委員からご指摘のありましたとおり、札幌市としては、札幌市高齢者支援計画を策定いたしまして、いくつになっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるまち、そういったまちづくりを基本目標に環境整備を行っているところです。その中におきまして、小規模な事業所は、種類は様々ございますが、例えばということで認知症グループホームに関して申しますと、家庭的な雰囲気の中で、地域住民と交流を図りながら、地域で安心して日常生活を送ることができる、そういった小規模ならではの利点といったものがある、そのように認識しているところでございます。 ◆佐藤綾 委員  私も、小さな施設のところを見ますと、フレンドリーですごく雰囲気もいいなというふうに感じるところです。  本市では、介護保険施設についての目標を持ち、2021年度から2023年度に特養ホーム600床、認知症グループホームを210床、特定施設入居者生活介護は250床を整備するなどの計画です。2021年度決算では、特養ホームは180床の増設、今年度は200床の予定で進められております。認知症のグループホームも、決算で63床から90床と整備を進めていますが、29人以下の小規模な施設の目標等は見られません。  そこで、お聞きいたします。  今後、高齢者が増加することから見ると、小規模施設についても増やすことが必要ではないかと考えますがいかがか、お考えを伺います。 ◎西村 高齢保健福祉部長  小規模事業所を増やしていく必要性についての考え方ということでございます。  今後も、高齢者人口の増加というものに伴いまして介護サービスの利用者数は増加していくことが予想されておりますので、地域密着型サービスである小規模事業所のサービス提供といったものは、今後も必要になる、そういうふうに考えているところでございます。  札幌市といたしましては、特別養護老人ホームや介護老人保健施設に代表される入所・居住系サービスや、小規模事業所における各サービスの利用者の推移、そういったものを見ながら、それぞれのニーズに合わせて必要な介護サービスを受けることができるよう適切な整備を行っていきたい、そのように考えているところでございます。 ◆佐藤綾 委員  国は、包括ケアシステムの構築に向けて、自治体の計画に基づいて、地域密着型サービス等、地域の実情に応じた介護サービス提供体制の整備を促進するための支援を行うとして、地域医療介護総合確保基金を活用した介護施設等の整備を行っております。これは、国が3分の2、道が3分の1の負担割合で、新規開設や増床を行う整備事業者に対し、国、道による基金を活用して、備品購入費等の補助や地域密着型サービス施設の整備についても補助対象としております。  そこで、お聞きいたしますが、この地域医療介護総合確保基金を活用した本市の助成事業について、どのようなものがあるのか、伺います。 ◎西村 高齢保健福祉部長  地域医療介護総合確保基金における本市の事業ということでございます。  今、委員からもお話がありましたとおり、この基金は、国が3分の2、都道府県が3分の1という財源負担で都道府県に設置されているものでございまして、各地域の実情に応じて必要な支援をできるよう数多くの支援メニューが用意されている、そういったものでございます。  札幌市におきましては、その中で、介護施設等における新型コロナウイルス感染拡大防止対策といたしまして、簡易陰圧装置やゾーニング経費の支援、また特養やグループホームなどの開設準備経費、そういったところに活用している、そういう状況でございます。 ◆佐藤綾 委員  開設準備については、割と大規模なグループホーム、特養に支援があるということでございました。  長く続くコロナ禍で、介護施設等も疲弊して、東京商工リサーチが7日に公表した新たな調査レポートでは、今年の介護事業者の倒産件数が9月までに100件に達したと公表されております。今年、倒産した事業者は、デイサービスを中心とする通所、短期入所が45件で最も多く、次いで訪問看護が36件、有料老人ホームが10件など、原因は売上げ不振が6割超とのことです。全体の8割弱は従業員が10人未満と小規模なところが大半を占めておりまして、新型コロナウイルス感染症や物価高騰の影響もあると分析されています。  今後、高齢者が増えることから小規模施設も重要ではないかと考えますけれども、開設には資金もかかるため、支援が必要だと思われます。また、融資を受けてということになりますので、回らなくなるとこのように閉所してしまうという事業所も出てくるのではなかったかというふうに思います。  国の地域医療介護総合確保基金は、地域密着型サービス等の整備への助成として開設時の補助事業がありますが、本市の補助事業では29人以下の小規模施設は対象となっておりません。本市でもニーズがあると思いますが、国の支援メニューがあっても、窓口となる本市で実施しないと事業者は活用できません。本市が現在実施していない補助についても、国の制度を活用して実施し、支援をすべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎西村 高齢保健福祉部長  現在実施していない施設への補助についての制度の活用ということでございます。  さきに答弁申し上げましたとおり、札幌市といたしましては、まず、この基金を有効に活用しながら、各年度、事業に優先順位をつけながら補助を実施している、そういう状況でございます。小規模の事業所といたしましては、公募により整備を行っているグループホームについても、この基金を活用して進めているといったところです。  ただ一方で、例えば小規模多機能型居宅介護のように、現時点では171事業所と全国で最も整備が進んでいて、1年間で11事業所が開設するなど、民間の活力を生かしながら整備が進んでいっている、そういったものがあるのも事実でございます。  今後も、その時点その時点の各サービスの利用者の推移であるとかニーズ、そういったものを見極めながら、基金を有効に活用しながら計画的な支援というのを進めていきたい、そんなふうに考えているところでございます。 ◆佐藤綾 委員  ただいまのご答弁でも、年間で11事業所が増えているということでございました。  これを開設するとき、やはり、補助金というのは事業者にとっては重要な位置づけにもなるかと思うんです。国や道の補助事業でも、本市が窓口とならないと市内の事業者は利用できませんので、本市としてもぜひ活用することを検討していただきたいと申し上げまして、私からの質問を終わります。 ◆わたなべ泰行 委員  私からは、介護人材の定着支援と介護人材の確保について、2点質問いたします。
     初めに、介護人材の定着支援について質問をいたします。  先月公表されました令和4年版厚生労働白書によりますと、先ほど来、話が出ておりますが、今年より、日本の年齢別人口におきまして最も層の厚い団塊の世代が75歳を迎え始め、2025年までには毎年約200万人が75歳以上となると見込まれ、3年後には団塊の世代の約800万人が後期高齢者となり、国民の5人に1人が75歳以上、65歳以上は人口の3割を超えます。一方で、若者世代は減少傾向にあります。このことは、2025年問題としてこれからの社会の課題となっておりますが、こうした高齢化の進展に伴い、介護を必要とする高齢者のさらなる増加が見込まれていることから、介護サービスを支える介護人材の果たす役割は非常に大きなものとなっていると考え、我が会派では、これまで、介護現場におけるICT等の導入や業務の効率化、介護人材の定着、確保の取組状況を質問するなどして、ハード・ソフトの両面から介護分野における支援体制の拡充を一貫して訴えてまいりました。  公益財団法人介護労働安定センターが実施いたしました令和3年度介護労働実態調査によりますと、北海道の介護職の離職率は11.9%と前年度より下回っておりますが、長引くコロナ禍においてエッセンシャルワーカーとして現場対応に当たっていただいている職員の方々は、不安を持ちながら働いている方もいると伺っております。  また、この調査によりますと、介護関係の仕事を離れた理由は、処遇やライフイベントによる要因ではなく、職場の人間関係に問題があったためという回答が最も多かったのですが、医療、介護以外の職場で働きたいとの回答は全体の3.9%しかなく、職場環境の改善により職員の定着や離職率のさらなる改善につながると考えられます。  そこで、質問ですが、介護人材の定着化の支援についての取組状況について伺います。 ◎西村 高齢保健福祉部長  介護人材の定着化の支援といったところでございます。  介護人材の職場定着に向けた取組といたしましては、まさに介護事業所の労働環境、職場環境といったことの向上でございますとか、業務に役立つ知識等の習得を目的といたしました研修事業を実施しているところです。  令和3年度は、オンラインでの実施だったのですが、7種類の研修を全11回、介護従事者299名にご参加いただきました。受講後アンケートでは、97.4%の方が実践で活用できる、やや活用できると、前向きな回答をいただいているところでございます。  令和4年度も実施する予定でございますし、今後とも、働きやすい職場環境づくりや介護人材の定着、育成に資する研修事業といったものを実施していきたい、そのように考えているところでございます。 ◆わたなべ泰行 委員  研修等の取組で介護人材の定着化の支援を行ってきた、オンラインでも299名が参加した、また、97.4%の方たちが実践で活用できる、内容もよかったというような答弁だったと思います。今後も、引き続き介護人材の定着への支援を進めていただくことを求めてまいります。  次に、介護人材の確保について伺います。  健康上の問題で日常生活を制限されることなく生活できる期間である健康寿命、こちらも、令和4年版厚生労働白書によりますと、令和元年に、女性が75.38歳、男性が72.68歳と延びてきておりますが、先ほど触れたとおり、高齢化の進展に伴う介護や医療を必要とする方は年々増えることが見込まれますので、今後、介護サービスを支える介護人材の確保はますます重要なものとなってきます。必要な介護人材を継続的に確保していくことは、将来にわたり安定的に介護サービスを提供していく上で必要不可欠なことですが、昨年、2021年7月に国が公表した推計によりますと、2025年における介護人材の不足見込み数は全国で約32万人、北海道では約1万人と示されております。札幌市においても、2021年中の人口増加数はマイナス280人と戦後初めての人口減少となり、介護分野のみならず、労働力の低下が懸念されるところです。  そこで、質問ですが、少子高齢化や人口減少を見据えた介護人材確保支援について、今後どのように取り組んでいくのかを伺います。 ◎西村 高齢保健福祉部長  少子高齢化、人口減少を見据えた介護人材確保ということでございます。  介護人材を継続的に確保するためには、これまで介護分野に関わったことのないような多様な人材を対象にしていく、そういう必要性も高いのではないかというふうに考えております。  そこで、若者、子育て世帯、アクティブシニアなど、対象別に介護の仕事の理解促進を目的とした啓発動画といったものも作成いたしまして、そのDVDを中学校、高校160校に配付するとともに、札幌市の公式ユーチューブチャンネルにも掲載させていただきまして視聴いただいているところです。  今後も、関係機関と連携しながらとなるのですが、コロナ禍以前は現役介護職員による出張講座などもやっていましたので、そういったことも併せまして、役割分担を行いながら効果的な人材確保といったことに取り組んでまいりたい、そのように考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  これまで介護に関わってこられなかったと想定される若者、子育て世帯、アクティブシニアなど、具体的に啓発動画を作成して啓発していくということでございました。  要望ですが、多様な年齢層、特に先ほどお話が出てまいりました人生経験が豊富と思われますアクティブシニアの介護業界への参入、こちらのほうはコミュニケーションが非常に大切な要素である利用者ケアにおいてはサービスの質の向上にも大きく寄与すると考えられます。また、高齢者の就業率の向上、社会参加の促進にもつながるため、継続的に実施を要望いたします。  また、アクティブシニアの方たちが安心して能力を発揮していくためには、介護業務の身体的・精神的負担の軽減、効率化を進めた環境づくりが不可欠であると考えております。その有効なツールといたしまして、介護ロボット、ICTの導入が注目されております。国や北海道におきまして補助、また支援事業が実施されておりますけれども、札幌市におきましても、市内事業者に対しまして導入促進が図れるよう支援することを要望して、私の質問を終わります。 ○北村光一郎 委員長  以上で、第3項 老人福祉費及び介護保険会計等の質疑を終了いたします。  次に、国民健康保険会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分について、一括して質疑を行います。 ◆森山由美子 委員  私からは、国民健康保険の予防、健康づくりのための計画である保健事業プランについて、3点お尋ねいたします。  保健事業プランは、国が各保険者に策定を求めているデータヘルス計画と特定健診等実施計画を札幌市の国保として一つの計画にまとめたものであり、平成30年3月に策定されております。その計画期間は平成30年度から令和5年度の6年間であり、残すところ1年半となりましたが、令和6年度からは新しい6年計画がスタートすると聞いております。  現行の保健事業プランは、幾つか、数値目標を掲げております。その中で、特定健診受診率、特定保健指導実施率について見てみますと、特定健診受診率は、目標値31%に対し、令和2年度の実績値が19.0%、特定保健指導実施率は、目標値23%に対し、9.1%と、それぞれ目標を大きく下回る結果となっております。  令和元年度末から新型コロナウイルス感染症の影響があったとはいえ、これらの数値からは国保加入者の健康面が大きく懸念されます。現在の取組にどういう課題があったのか、しっかり振り返った上で次期プランを策定してほしいと考えます。  そこで、質問ですが、現行の保健事業プランの取組状況を踏まえ、次期保健事業プランをどのような考えで策定しようとしているのか、伺います。 ◎毛利 保険医療部長  次期保健事業プラン策定の考え方についてのお尋ねでございました。  現行の保健事業プランにつきましては、特定健診・特定保健指導、生活習慣病の重症化予防事業を主な内容とするものでございまして、それぞれかなり高い目標値を設定してございます。このため、その達成に向けては、計画の実行段階におきまして特定健診の受診勧奨にAIを活用するなど、計画外の事業にも取り組んでまいりました。一方で、レセプトや健診データなどを丁寧に分析するということ、事業の優先度を勘案して取組を進めていくということ、この二つの観点がやや不足していたのではないかというふうに考えてございます。  次期保健事業プランにつきましては、これらの観点に十分留意をして策定を進めることといたします。 ◆森山由美子 委員  今、ご答弁に高い目標値という言葉がございました。確かに、現行の保健事業プランの数値目標は、特定健診受診率を毎年度1.5ポイント、特定保健指導実施率を毎年度2ポイント上げていくものとなっており、達成にはかなりの困難が伴うものと思われます。PDCA、計画、実行、評価、改善、これをしっかり回していくためには、適切な目標値の設定が欠かせないものと考えます。この点、指摘をしておきたいと思います。  また、データ分析が不足していたとの答弁もありました。コロナ禍でデータ分析もままならなかったのかもしれませんが、計画策定においてデータ分析は欠かせないものであり、そこから見えてくる事実を読み解き、感覚的な政策決定ではなく、データによる裏づけをもって、より確実性の高い政策決定を行っていただきたいと思います。  次に、取組内容についてお伺いいたします。  まだ次期保健事業プランの具体的な中身については検討されていないものと思いますが、現時点においてどのような取組を考えているのか、答弁にあった優先度という視点も含めて、今時点のお考えがあればお示しいただきたいと思います。 ◎毛利 保険医療部長  次期保健事業プランの取組内容でございますが、大きくはチェックとフォローというふうに考えてございます。  まず、チェックでありますが、これは、健診によって自らの健康度を確認してもらうということであります。今後は、優先度を考慮いたしまして、例えば、医療機関にかかっておらず、健診も受けていないため、自らの健康状態を把握できていない、こういった加入者に対しまして重点的に健診の受診勧奨を行うなど、めり張りのある事業を実施してまいります。  次に、フォローでございますが、これは、健診結果やレセプトの内容に応じた適切な支援を行っていくということでございます。こちらにつきましては、現在、国が各種保健指導の大規模検証を行っているところでございまして、その結果を踏まえまして効果的な事業を展開することといたします。 ◆森山由美子 委員  次期保健事業プランの事業内容についてはチェックとフォローという答弁があり、大枠のイメージについては理解をいたしました。人やお金には限りがあるので、効果の高い取組となるよう優先度を判断していってほしいと考えます。  ところで、現行の保健事業プランには、加入者のQOLの維持・向上、ひいては医療費の適正化に資することを目指すとあります。加入者のQOLについては、保健事業として当然目指していくべきであり、しっかりと効果を上げるべきと考えますが、医療費の適正化についてはそう簡単ではないように感じます。保健事業を進めることで、皆が生活習慣病を予防でき、医療機関にかからなくなります。このことで医療費の適正化が図られるとのお考えかと思いますが、そこに至るにはかなりの年数が必要であると考えます。  そこで、質問ですが、6年スパンの計画の中で医療費の適正化を目指していくというのはかなりの困難を伴うと考えますが、この点についての認識を伺います。 ◎毛利 保険医療部長  医療費の適正化ということへの認識についてでございます。  現行の保健事業プランには、委員のご指摘のとおり、医療費の適正化を目指すという記載がございますが、これは、将来的に医療費の適正化につなげていくということを述べたものでございます。一方で、予防、健康づくりの取組が医療費を下げる効果があるかということにつきましては、国内外の有識者の間でも種々議論がございまして、現時点では明確なエビデンスは確立されておりません。この点は、国の財政制度等審議会においても指摘がされているところでございます。これらのことを踏まえまして、次期保健事業プランの目的について今後整理してまいります。  なお、医療費の適正化ということに向けましては、今後とも、レセプトの審査でありますとかジェネリック医薬品への切替え勧奨など、医療費の縮減に直接効果のある事業に取り組んでまいります。 ◆森山由美子 委員  現行の保健事業プランの中間時点である令和2年度末には中間評価を行い、その結果を、ホームページのほか、冊子にまとめ、公表しております。中間評価後の令和3年4月から現在までの1年半をかけてさらに詳細なデータ分析を行い、事業のあるべき姿について議論を深め、根本的なところから考え方を整理してきたと聞いております。次期保健事業プランのスタートまで1年半を切っておりますが、人生100年時代を見据えつつ、まさに、国の2024年秋を目指してのマイナンバーカードと健康保険証の一元化も発表されたところですが、今後、マイナンバーカードと例えば健診結果等のひもづけなどを含めて、視野に入れながら、さらに議論を加速させ、加入者の健康増進に資するプランを策定することを求めまして、私の質問を終わります。 ○北村光一郎 委員長  以上で、国民健康保険会計等の質疑を終了いたします。  最後に、後期高齢者医療会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分について、一括して質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月18日火曜日午前10時から、農業委員会及び経済観光局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後4時1分...