• "基本調査"(/)
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  1. 札幌市議会 2021-03-26
    令和 3年第一部予算特別委員会−03月26日-09号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    令和 3年第一部予算特別委員会−03月26日-09号令和 3年第一部予算特別委員会  札幌市議会第一部予算特別委員会記録(第9号)               令和3年(2021年)3月26日(金曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  中 村 たけし      副委員長   中 川 賢 一     委   員  鈴 木 健 雄      委   員  勝 木 勇 人     委   員  こんどう 和雄      委   員  細 川 正 人     委   員  佐々木 みつこ      委   員  こじま ゆ み     委   員  飯 島 弘 之      委   員  小 竹 ともこ     委   員  川田 ただひさ      委   員  村 松 叶 啓     委   員  小 田 昌 博      委   員  藤 田 稔 人     委   員  大 嶋   薫      委   員  ふじわら 広昭     委   員  しのだ 江里子      委   員  山 口 かずさ     委   員  松 原 淳 二      委   員  岩 崎 道 郎     委   員  うるしはら直子      委   員  水 上 美 華     委   員  恩 村 健太郎      委   員  丸 山 秀 樹     委   員  前 川 隆 史      委   員  わたなべ 泰行     委   員  竹 内 孝 代      委   員  くまがい 誠一
        委   員  小 形 香 織      委   員  太 田 秀 子     委   員  長 屋 いずみ      委   員  佐 藤   綾     委   員  千 葉 なおこ       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○中村たけし 委員長  ただいまから、第一部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、好井委員からは、前川委員と交代する旨、届出がありました。  それでは、議事に入ります。  最初に、審査日程の変更についてお諮りします。  各位のお手元に配付しております日程案のとおり、審査日程を変更することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○中村たけし 委員長  異議なしと認め、審査日程は、本案のとおり変更いたします。  次に、第3款 保健福祉費 第2項 子ども福祉費、議案第4号 令和3年度札幌市母子父子寡婦福祉資金貸付会計予算及び議案第18号 札幌市児童会館条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。 ◆佐藤綾 委員  私からは、保育所の待機児童の解消について質問いたします。  全国的に少子化の下でも年々保育ニーズが高まっています。  本市では、2013年度の保育所等申込み児童数は2万3,413人でしたが、2020年度は3万3,306人、就学前児童数との割合では、26.8%から40.4%へと大きく増加しています。  コロナ禍で学校が休業となったときも、保育所は開設し、エッセンシャルワーカーなど働く市民を支え、なくてはならないものと再認識されたところです。  また、女性活躍推進を掲げ、女性の社会進出を進めていることもあり、今後も保育の需要は増加すると予想されています。  質問いたしますが、本市では、保育所の担う役割と重要性についてどう認識しておられるのか、改めてお伺いいたします。 ◎竹田 子育て支援部長  保育所の役割についての認識についてでございます。  保育所は、入所する子どもの最善の利益を考慮し、健全な心身の発達を図りながら保育を行うことを目的としているところでございます。  また、保育に加えて、家庭や地域の様々な社会資源と連携を図りながら、入所する子どもの保護者に対する支援及び地域の子育て家庭に対する支援などの役割を担っているものと認識しております。 ◆佐藤綾 委員  子どもたちは、保護され、必要なものを与えられるだけでなく、子ども自身が社会に参加する存在として、子ども一人一人の人権を尊重した保育をどうつくっていくか、本市の子ども未来プランにも貫かれているように、子どもの権利を大切にする環境の充実が大切だと考えます。  本市の就学前の児童のいる世帯へのニーズ調査でも、子育てについて気軽に相談できる相手として、配偶者や親、友人に続き、保育士が22.5%となっています。  ただいまご答弁にもありましたように、地域の方と一緒に連携して支援をしているという保育所は、頼りになる存在でもあります。  子どもの健やかな成長を考え、認可保育園という選択をする方が多いのは、園庭やホールがあって、子どもが伸び伸び遊べること、また、保育士の配置数などの基準が信頼されているのだと思います。保育所の数も増えておりますが、保育の質の向上と、安心して預けられる環境の整備が重要と考えます。  認可保育園に入りたいが、入れない子どもが多い現状を解消すべく、本市も努力しているところですが、2020年、昨年4月の国定義による待機児童数はゼロというものの、希望する認可保育園に入れない潜在的待機児童数は1,869人、10月には、国定義で299人、潜在的待機児童数は2,102人でした。  昨年10月、市民団体、保育園を考える親の会が首都圏と政令市の計100都市の4月時点の調査をした結果を公表、100市の中で、認可保育所を希望し、入所できなかった児童の割合が最も高いのが札幌市でした。  そこで、お伺いいたしますが、今年4月入園に向けた保育所の1次申込みの状況についてお伺いいたします。 ◎加茂 支援制度担当部長  本年4月1日に向けた入所申込みの状況についてでございますが、昨年11月に行いました1次募集においては、申込者数が約7,300人でございまして、前年に比べ、約500人の減となっております。  申込者が減少したのは近年では例がなく、その要因といたしまして想定されるのは、教育・保育無償化に伴いまして、幼稚園における一時預かり等の利用者が負担減になったことにより、保育所に申し込まないケースが増えていること、また、コロナ禍による保護者の方々の就労環境の変化などが考えられるところでございます。 ◆佐藤綾 委員  幼稚園の申込みが増えたのではないかと、また、新型コロナウイルスの影響ではないかということで、申込者数が昨年より減ったということなんですけれども、朝日新聞の調査によると、今年4月の入園に向けて申し込んだ1次選考で落選した割合について、札幌市は政令市中一番高いという結果が出ています。依然として、入りたいけれども、入れないという厳しい状態が続いています。  1歳児の待機児童が一番多いということで、昨年も4月1日時点で1歳が726人でした。10月の時点では、例年、ゼロ歳児が一番多い状況です。やはり、育児休業明けなどで保育所利用が増える年齢だと考えます。  お聞きいたしますが、1歳児やゼロ歳児が多い年齢別の待機児童数の傾向について、本市はどう分析しているのか、また、その分析結果を施策に反映させてきたのか、お伺いいたします。 ◎加茂 支援制度担当部長  1歳児の待機児童数が多いということでございますが、その理由につきましては、今、委員のご指摘のとおり、育児・介護休業法で定めます育児休業制度において、最初の休業期間が最長で1年ということになっておりますことから、育児休業を1年間取得した後、復職に当たり、保育園に子どもを預けたいという保護者のニーズが多いというふうに推測をしております。  1歳児をはじめといたしました待機児童の対応につきましては、保育所の受皿の拡大のために、保育所の新設あるいは幼稚園の認定こども園化への移行、これらに係る整備費用の補助を行ってきております。  また、3歳未満の保育の受皿が特に不足している地域においては、小規模保育事業に係る整備費補助を実施いたしまして、0・1・2歳の保育需要に対応してきているところでございます。 ◆佐藤綾 委員  今ご答弁にもありましたように、子どもの生まれ月や育児休業のタイミングにもよりますが、春生まれなら、ゼロ歳で翌4月入所、秋、冬の生まれであれば、次の4月は避けて、その翌年1歳でと考えることも多いと思います。ゼロ歳や1歳から入園し、通常は就学前まで通園しますから、一貫して同じ保育所に通えることが大前提です。ゼロ歳から3歳未満児までの小規模保育など、地域型保育事業においては、3歳以降は連携保育園が受皿となっていますが、3歳になったら、通える保育園がないということにならないよう、しっかり連携園へ継続させることが必要と思います。  本市が2019年1月に行った就学前児童のいる世帯を対象としたニーズ調査では、子育ての悩みのうち、仕事と子育ての両立が大変というのは31.4%で、この調査で寄せられた地域を変えて園に通うのは大変だから、園を増やしてほしいという声は、特定の保育所を希望する市民の気持ちを表しています。整備する上では、就学前まで通うことを考え、保護者、特に女性に子育ての負担がかかることなど、現実を踏まえての整備としていくべきです。  そこで、整備状況についてお聞きします。  自宅から歩いて行けるところ、また、通勤途中にあるなど、通える保育所がどこにあるかということは、保護者にとって大変重要です。  保育所等の施設整備費として、私立保育園への補助金の制度があります。本市では、申込件数などを分析し、保育需要が見込まれる小学校区を高い順からランクで示し、その地域に新設を促す選定の仕組みとするなどしています。  そこで、お聞きしますが、待機児童解消に向けた保育所の整備状況について、今年の状況を伺います。  また、札幌市の需要ランクで優先度を示した新設募集に対し、実際に事業者が応えてくれているのはどの程度あるのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  まず、保育の受皿拡大に向けました令和2年度、今年度の施設整備状況についてでございますが、予算2,049人分に対しまして、1,700人分を確保する見込みでございます。  次に、事業者の応募につきましては、保育の受皿が不足している区を単位といたしまして、新規の整備の募集を行っておりまして、直近3年間に累計で88件の応募があったところでございます。  札幌市では、自宅近隣の施設を利用したいという保護者の方々の要望が多いということを踏まえまして、小学校区単位で保育所整備の必要度を高い順からA、B、Cの3段階に設定をいたしまして、ホームページで公開をしておるところでございます。  そのうち、必要度が高いAまたはBの地区での応募、これが88件のうち62件と全体の70%を占めており、整備事業者の方々が立地を検討する際には、札幌市で設定しております小学校区単位の必要度区分、これが大きな判断要素となっているというふうに推測をしております。 ◆佐藤綾 委員  民間の保育所の設置についても、民間の方々も努力していらっしゃることがよく分かります。  本市の未来創生プランでは、認可保育所の定員を2018年の3万1,147人から、2022年には3万8,050人にするという目標を持ち、取り組んでおります。  今、88件のうち62件、70%は、必要度の高い地域に応募されているということをお聞きしましたけれども、2019年度の予算では、定員を2,163人増としながら、決算では1,200人と少ない結果でした。  土地など、適当な広さや場所が見つかるかなど、様々な理由があると思います。しかし、希望して入れないことをさらになくすために、保育所設置への支援を強めていただきたいと思います。  次に、認可外保育所についてお聞きします。  2019年、保護者の経済的負担の軽減に配慮し、子ども・子育て支援法が改定され、同年10月より、認可保育所、幼稚園、認定こども園とともに認可外保育施設なども含め、保育料が、3歳から5歳で無償化、ゼロ歳から2歳は非課税世帯で無償化とされました。  認可外施設については、法に基づく届出がされ、国の定める基準を満たす施設について適用とされましたが、法施行後5年間は、基準を満たさない施設であっても、法に基づく届出がなされている施設であれば、無償化の対象とする経過措置が設けられました。  本市もそれに倣い、また、認可保育所を希望しながらもかなわず、認可外保育所へ通園している方も少なからずいることを勘案し、5年の経過措置を定めています。しかし、2019年の4月の時点で、本市の認可外保育施設197施設のうち70施設しか基準を満たしていませんでした。5年の経過措置の後、無償化が適用されなくなった場合、困るのは利用者です。  そこで、お聞きしますが、現在、認可外保育所のうち、基準を満たさず、無償化の経過措置が適用されている施設はどの程度あるのか、また、経過措置の期間終了を見据え、基準を満たしていない施設に対し、どのように対応しているのか、伺います。 ◎竹田 子育て支援部長  まず、1点目、保育料無償化経過措置の対象である認可外保育施設と、そのうち指導・監督基準を満たしていない施設数についてお答えします。  現在、保育料無償化について、経過措置の対象となっている一般的な認可外保育施設事業所内保育施設院内保育施設及び居宅訪問型保育事業所は、市内に合わせて201か所あり、そのうち111か所が国の定める認可外保育施設指導監督基準を満たしておりません。  なお、この111か所のうち多くは、基準を満たさない理由が書類の不備など軽易なものであることから、継続的な助言・指導により、改善が期待できるものと考えております。  次に、2点目の基準を満たすための対策についてでございますが、今後も引き続き、改善確認のための立入調査や巡回支援等において、経過措置期間を意識しながら、基準を満たすために必要な助言・指導を行ってまいりたいと考えております。 ◆佐藤綾 委員  経過措置の終了後、利用者の負担とならないよう対応を進めて、困る市民がないようにしていただきたいと思います。  また、本来、認可保育所を希望する方が認可外や企業型保育園に行かざるを得ない状況はまだ多いのではないかと考えます。  そこで、定員割れの原因の一つである保育士確保についてお聞きします。  昨年4月は、半数以上の277保育園で定員割れとなり、過去最高となる2,430人分の定員割れが発生しました。市は、保育士不足が原因として、保育士確保を急ぐとし、3年、6年、9年の勤続で10万円の給付など、継続し、働いていただくための独自施策を実施しています。  私も、保育の質の向上としても安定した常勤職員が望ましいと考えます。  また、保育士の処遇改善についても国が行ってきて、ここ数年で保育士給与の引上げが行われています。しかし、全産業別で比較すると、まだ保育士の給与は低く、特に、年齢と経験を重ねても、給与額はあまり上がらないという特徴もあります。  国の調査では、資格を持ちながら保育職を希望しない方が約半数で、責任の重さ、事故への不安、賃金が希望と見合わない、休暇が少ない、取りにくいという理由が多く、勤続年数も短い状況です。  本市が昨年3月に公表した札幌市保育士等調査によりますと、フルタイムの保育士と保育教諭の平均年齢は34.6歳で、勤続年数は6.3年です。年代別人数も30歳未満が全体の42.3%で、フルタイム職員は圧倒的に29歳以下が多く、30歳から39歳までは25.7%に減少します。その間に退職する方が多いのだと考えられます。  そこで、お聞きしますが、本市では保育士等の勤続年数が短い理由をどう分析されているのか、お考えを伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  保育士の勤続年数のご質問でございますけれども、保育士の勤続年数が全職種平均よりも短いという事象は、札幌市のみならず、全国的な傾向というふうに認識をしておりまして、この主な要因といたしましては、保育士は資格職であることから、再就職が比較的容易であるなど、退職、転職に対する心理的抵抗が、ほかの職種に比べ、高くないということが想定されるところでございます。  また、平成30年度に実施いたしました札幌市の調査において、退職理由として、そのときに一番多く挙がった項目が結婚でございまして、退職者のうち約42%が、そのときの調査では、この理由を選択しておりました。  そのほか、長時間勤務であったり、給与面、健康上の理由ということも理由として挙げられていることから、職場環境による影響というものも、少なからずあるものというふうに認識をしております。 ◆佐藤綾 委員  退職する理由として、結婚が42%と一番多いということでしたけれども、結婚して、やはり家庭との両立、または子どもを産むということを考えた場合に、難しさというものを感じているのではないかと思います。  保育所は、朝の預かりも7時から、夜も7時までなど、自分の子どもを預けて仕事をするには時間の制限があります。やはり、出産、育児をしながら仕事をするのは、保育士という子どもに関わる職業でありながら、難しい面も多いと思います。  保育士は、育児休業が取得しにくいという声も聞かれ、民間のアンケート調査によると、育児休業の取得について、21%の方が取得していない、そして、産後1か月から法律上取得できる育児休業は1年ですが、その半分以下の1か月から5か月程度の方が合わせて32%という結果があります。  この結果から、産休等を取得することが、職場の雰囲気や仕事内容的に難しく、やむなく退職せざるを得ない状況になってしまったという実情が推測できます。  また、待機児童問題の深刻化から、保育士自身も自分の子どもの保育所入園のために、生まれて初めて迎える4月で育児休業を切り上げる方が多いことや、人員不足などから、早めに育児休業を切り上げ、職場復帰するケースが多い現状も伺います。  質問いたしますが、結婚や出産で退職する方が多いということですから、結婚や出産後も長く働き続けられるよう、処遇改善、保育士の職場の環境の改善など、就労の支援が必要ですが、どう支援していくお考えなのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  処遇改善をはじめとした就業継続支援についてのご質問でございます。  保育士人材確保におきましては、就業継続支援というものが大変重要なものというふうに認識しております。まず、保育士の処遇改善につきましては、自治体それぞれが行うものではなく、国の責任において行うべきものというふうに考えておりますが、札幌市といたしましては、その処遇改善が確実に実施されるように、保育士の賃金状況などをしっかりとお伝えしていきながら、引き続き、国に対して要望してまいりたいというふうに考えております。  また、就業継続支援に関する具体的な取組としては、これまでも、出産を控えた保育士がいる施設を対象に、産休を取得する保育士の代替職員の雇用費の補助であったり、そのようなものを、産休に対しては実施をしてきているということでございます。  さらに、保育士の負担軽減ということを目的として、園内のICT化を推進するための補助であったり、保育周辺業務を担う方の雇用費を補助する保育支援者配置補助、このようなものも行い、保育士の方々の負担軽減というものも図ってきているところでございます。  令和元年度から開始をいたしました市内保育所、並びに、そこで働く方々の保育士の実態調査、これを継続的に実施しながら、その結果を踏まえて、この事業効果を検証しつつ、必要に応じて事業内容の見直しを行うなど、引き続き、就労環境改善に向けて努めていきたいというふうに考えております。 ◆佐藤綾 委員  今、様々な施策は行っているとお聞きしましたが、この実態調査について、これからも継続して行っていくということでございました。  この実態調査の中で休暇が取りにくいなどの設問があったんですけれども、育児休暇などがどれくらい取れているかなどの調査がなかったものですから、ぜひ、そういう面も調査していただきたいと思うんです。  そして、札幌市で行っています勤続3・6・9年の一時金が励みになっても、やはり退職を選択せざるを得ないのは、日頃の働く環境の影響が大きいと考えます。女性が多い職場ですから、特に、出産や育児をしながら復帰し、働くことのできる環境整備が重要だと思います。  市の調査では、保育士が不足している理由として、求人をしても集まらないが9割、休職や退職が7割という状況で、職場環境の改善についての取組は、勤務形態の見直しや休暇取得を促進するが一番多くなっています。  国の調査によると、保育職に就業を希望しない理由が解消した場合、7割近い方が保育士として就業することを希望しています。現在の施策は、実際に就労につながる、継続につながる施策となっているのか、検証もして支援策に取り組むことが必要と思います。  また、国は待機児童が1人でもいる地域では、常勤1人の配置に対し、短時間パート職員を2人配置としてもよいと基準緩和をしようとしていますが、保育の質の向上のためには、常勤職員をしっかりと配置していくことが大切だと考えます。  本市の一時金給付の施策や、産休取得などへの事業所への支援もありますけれども、国の両立支援等助成金の育児・介護休暇の支援や、不妊治療への事業者への支援などの制度を保育所で積極的に活用するよう周知することはもちろんのこと、処遇改善や職場環境の整備が、就労継続、ひいては待機児童の解消につながることから、本市独自で支援策を上乗せすることを検討すべきであると申し上げ、私の質問を終わります。 ◆藤田稔人 委員  第3次札幌市児童相談体制強化プランは、先週パブリックコメント期間も終わり、間もなく策定と聞いております。  そこに盛り込まれております地域連携の在り方や、各区の家庭児童相談室について、第2児童相談所の整備計画、そして、若年女性への支援について、順次質問させていただきます。  まず、青少年を見守る店の活動を通じた地域連携の在り方について質問いたします。  地域での見守り体制の強化が重要な課題であることは言うまでもありませんし、子ども未来局から出される各種文書や議会答弁においても、地域との連携強化という言葉がよく使われております。  そこで、青少年を見守る店について取り上げさせていただきます。  この事業は、昭和63年から、地域の青少年育成委員会が中心となり、心豊かな青少年をはぐくむ札幌市民運動の一環として実施され、それぞれの地域の商店や事業所に対し、子どもたちに温かい気持ちと言葉で接することや、子どもの成長に悪影響を及ぼすような品物は売らない、見せないなどを依頼する取組です。市内90か所の青少年育成委員会が中心となって登録推進活動を行い、全市で約6,000店が子どもの見守りに協力してくださっております。  しかし、このような見守り活動を現在まで長年にわたって実施していながら、札幌市担当者があまりにも無関心ではないかと私は感じております。  青少年を見守る店を回りますと、青少年育成委員会各区担当者に訪問記録を必要に応じて提出しております。一般常識的に考えますと、そのような訪問記録は、集計されて、子どもを取り巻く環境に変化がないか、子どもが安全・安心に過ごすことができているのか検証し、その結果を青少年育成委員会にフィードバックして次年度に活用していくものだと考えております。
     しかし、札幌市担当者に聞いたところ、初めは何件の報告が上がってきているのか分からないという答えでした。そして、次に聞いたときには、約700枚の訪問記録がありましたということで、そういった700枚の記録があったということであれば、普通、集計してどういった傾向があるという分析があるのかと思いましたら、何の集計もせずに、まるで他人事のようでした。このような態度では、市内90か所の青少年育成委員会が約6,000店に対する登録推進活動を実施している意味がありません。  そこで、質問ですが、札幌市は青少年を見守る店の登録推進活動の意義をどのように認識しているのか、伺います。  また、この取組の実効性を高めるために、札幌市はどのように関与していくのか、お伺いさせていただきます。 ◎山本 子ども育成部長  青少年を見守る店の登録推進活動の意義と、札幌市の関与についてでございます。  青少年を見守る店の登録推進活動は、たばこや酒類の販売防止など、青少年を有害な環境から守る取組を進めるとともに、地域が一体となって青少年を見守る意識を醸成することに活動の意義があるものと認識しており、青少年育成委員会の委員からも、地区内の店舗とのつながりを深める機会になっているとのお声をいただいております。  お話のありました訪問記録につきましては、各地区の青少年育成委員会などが活動を行う中で、委員が店舗訪問時の状況を必要に応じて記録するために配付しているもので、各委員の負担などを考慮し、作成を義務としているものではありませんが、ご提出いただいた記録は、各区において地区の青少年を取り巻く状況把握のための参考にしているところでございます。  この取組の実効性を高めるためには、その時々の社会情勢を踏まえ、多様な観点から、情報を集め、青少年を取り巻く環境に対応した取組になるよう見直しを図っていく必要があるものと考えております。  今後は、これまで行ってきた青少年育成委員会の各区代表者が集まる全市の連絡協議会やコンビニエンスストアの業界団体などとの意見交換を通じた情報収集に加えまして、地域の情報をよりきめ細やかに収集する方法を検討して、必要な取組の改善につなげてまいりたいと考えております。 ◆藤田稔人 委員  今回取り上げさせていただきましたことは、小さなことかもしれませんが、せっかく地域の方々が汗をかいて尽力しているのですから、札幌市としても、このような地域の見守り活動を大切にしていただきながら、こういった活動が決して形骸化することのないように努めていただきたいと考えております。  次に、児童相談体制における地域連携の在り方について伺います。  現在、児童相談所や各区の家庭児童相談室に児童虐待の疑いがあるとして通告があった場合、それぞれ関係機関から情報を得ながら通告への対応をしております。  深刻な虐待を受けていれば、当然、子どもを保護するなどといった対応をとることになりますが、現場の話を聞いておりますと、虐待の疑いはあるものの、親子を引き離して保護すべき状況とまでは言えない場合も多く、また、虐待通告までは至らないが、気にかけておいたほうがよい家庭も一定数あるように感じております。  そのような場合、児童相談所家庭児童相談室が状況を把握しつつ、子どもや家庭に身近な地域住民が日常的な見守りを一定程度担うことになりますが、現状、そのような場合の支援体制はどのようになっているのか、お伺いさせていただきます。 ◎山本 児童相談所担当局長  児童相談における日常的な見守り体制についてであります。  児童虐待通告を受けた場合、直ちに、児童相談所などで安全確認を含め、必要な調査を行います。その結果、子どもを一時保護したり、相談を継続する場合は児童相談所などが支援を続けますが、それ以外は関係機関と調査結果を共有した上で見守りをしております。  具体的には、要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協でありますが、この構成員になっている保育所や幼稚園、小・中学校をはじめ、状況に応じて、病院や障がい児支援施設、地域の民生委員・児童委員などが支援の輪に加わって、見守り体制を構築しているところであります。 ◆藤田稔人 委員  いわゆる要対協の支援の枠組みについては理解いたしました。  ただ、要対協の主な構成員は児童福祉に関する機関であり、例えば、地域の町内会長であったり、子どもが住んでいる賃貸住宅の大家さんなど、一定の見守りをお願いできる立場にありながらも、個人情報保護の問題などもあって、正式な形で見守りをお願いすることが難しいということもよくあるのではないかなと考えております。  児童虐待における個人情報の取扱いの難しさは理解しておりますが、一方で、そういった地域の力を動員して、子どもを見守っていく体制をより強固にしなければならないのではないかと考えております。  そこで、質問ですが、児童福祉の直接的な関係者ではなくとも、地域の人材との連携や協働を図り、見守りなどの具体的な支援に加わっていただくことが欠かせないのではないかと考えておりますが、今後どのように考えていくべきか、お伺いさせていただきます。 ◎山本 児童相談所担当局長  地域の人材との連携や協働による支援についてであります。  現在、対象となる子どもの見守りに当たりましては、関係する機関が広く集まり、状況に応じて個別ケース検討会議を開催して、必要な情報共有を図り、方針を立てて支援を行っています。  一方、支援機関の方ではなくとも、地域にお住まいで、対象家庭との関係が深い方については、守秘義務を遵守し、情報共有について保護者の理解を得た上で、個別ケース検討会議への参加を呼びかける、そして、見守りなど具体的な支援をお願いするといったことも考えられるところであります。  子どもの見守りの実効性を高めるためには、子どもに関係する様々な立場の方がそれぞれできることをしていくということが重要であります。このため、例えば、児童虐待防止活動に協力をするオレンジリボン地域協力員、こういったものに登録いただくなど、児童虐待防止に向けた理解を深め、広く見守りの担い手になる方を増やしていくなどの取組も進めてまいります。 ◆藤田稔人 委員  今ご答弁いただきましたような地域の見守りの輪をぜひ広げていただきたいと考えておりますし、そういったことが児童虐待の未然防止にもつながっていくことではないかと思いますので、ぜひともしっかり取り組んでいただきたいと思います。  大枠では、要対協のネットワークを生かした支援ということであり、また、見守りに関しては、児童相談所が関与しつつも、区の家庭児童相談室が要となってくるのではないかと考えております。  そうなると、各区の家庭児童相談室が果たすべき役割は大きくなりますが、児童相談所はもちろんのこと、地域に身近な家庭児童相談室は、近年、相談件数が急増しており、今後もさらに増加が見込まれているということですので、必要な体制をきちんと確保しなければならないと強く感じております。  そこで、質問ですが、家庭児童相談室の今後の体制強化の方向性についてお伺いさせていただきます。 ◎山本 児童相談所担当局長  家庭児童相談室の強化についてです。  家庭児童相談室は、区単位で設置をしておりますことから、地域に身近な支援機関として、それぞれの地域の実情に応じて、きめ細かく関係機関とのネットワークを構築できるなどの利点があります。したがいまして、養育に不安のある家庭の見守りなど、支援を行うに当たっては、家庭児童相談室が中心的な役割を果たしていくということが効果的でもあります。  国は、子どもや家庭の相談支援を行う機能を、児童相談所だけではなく、子ども家庭総合支援拠点として全国の市町村に設置するということを求めております。  今後、札幌市においては、この子ども家庭総合支援拠点の機能を家庭児童相談室を含む各区の保健センターへ位置づける検討を進め、見守りを含めた支援体制を強化してまいります。 ◆藤田稔人 委員  児童虐待などがあった場合に、一足飛びに児童相談所ということではなくて、やはり、この家庭児童相談室の役割がこれから非常に重要になってくるかと考えておりますので、今ご答弁がございましたような強化について、しっかり取り組んでいただきたいと考えております。  次に、第2児童相談所について質問させていただきます。  第3次強化プランにおいて、第2児相を令和7年度中に供用開始したいとされております。これまで、我が会派としても早期の整備を求めてきたところであり、私としては、もっと早く整備していただきたいとも考えておりますが、まずは着実に整備に向けて進めていただきたいと思います。  令和元年6月死亡事例に係る検証報告書の中では、子どもの生活圏における支援体制構築の必要性が指摘されているところであり、顔の見える関係性の中で、子どもの在宅での支援体制構築が求められております。地域の関係機関と連携し、協働で支援していかなければならない世帯、例えば、民生委員・児童委員に見守りをお願いするような心配なお子さん、いずれにしても、児童相談所や各区の家庭児童相談室が地域の方々と一緒に取り組んでいかなければ、支えていくことができないものだと感じております。  児童相談所を2所体制に強化し、業務を行っていくに当たって、第2児相がその役割を地域によく理解され、協力をしていただける存在になっていくことが重要であると考えております。また、設置予定地の周辺地域の皆様にも、引き続き、周知を図るなど、理解を求めていくことが大変重要であると思っております。  そこで、質問ですが、第2児童相談所の整備に関して、地域での説明会以降、パブリックコメントなどにおいて、児童相談体制についてどのような意見が寄せられているのか、また、今後も地域への十分な説明が必要と考えておりますが、どのように進めていくのか、お伺いさせていただきます。 ◎山本 児童相談所担当局長  第2児童相談所の整備に係ります児童相談体制に関するパブリックコメントの意見を見ますと、設置に向けた職員体制の強化ですとか、専門職員の育成など、特に職員体制の充実を期待するものが多く寄せられました。  こうした声に対しては、第3次札幌市児童相談体制強化プランに基づきまして、計画的に職員を配置し、区や地域と一緒になって支援できるよう対応するとともに、体系的な研修による育成など、着実に取組を進めていく考えです。  次に、地域への説明についてです。  設置予定地の周辺地域に対しましては、昨年10月に4回の地域説明会を実施し、町内会や民生委員児童委員協議会の会議などでも説明の機会をいただいてまいりました。  先月からは、改めて、周辺の町内会に対しまして、第2児童相談所設置の計画に関する町内会回覧をお願いしているところであります。  今後とも、具体的な工事の内容やスケジュールが分かる段階などで、都度、丁寧に情報提供を行ってまいります。 ◆藤田稔人 委員  地域からしっかりとご理解いただけるように、今後も努めていただきたいと思います。  最後に、来年度の新規事業であります困難を抱える若年女性支援事業について質問させていただきます。  これも、第3次強化プランの中で、10代後半から20代の思春期、若年期の女性の支援は、各支援施策の制度的なはざまにあり、現状、施策としては不十分とされています。  また、令和元年6月に死亡した女児の事案においても、女児の実母は10代で様々な困難を抱えていたと言われております。  そこで、性的搾取や性暴力、DV被害、予期しない妊娠など、様々な困難を抱えた女性を支援するため、来年度、新しい事業を実施し、女性たちの支援を行っていくとのことです。  実際に被害に遭ったり、困難な状況に陥ったりした後、速やかに支援に結びつけ、困難を取り除くことも大事だが、そのような状況を未然に防ぐことも非常に重要になってくるのではないかと考えております。  そこで、質問ですが、事業の中で、思春期、若年期の女性たちが困難な状況に陥ってしまうことを未然に防ぐためにどのような取組をされるのか、お伺いさせていただきます。 ◎山本 子ども育成部長  困難な状況に陥ることを未然に防ぐための取組についてでございます。  若年期の女性たちが困難を抱える背景は、生まれ育った家庭環境や心身の問題、対人関係の不安定さなど多岐にわたるため、一つの問題だけを解決したとしても、また新たな困難を積み重ねてしまう、そういった可能性がございます。  そのような状態を未然に防ぐためには、問題を早期に発見していく必要があるものと認識しており、若年期の女性たちの生活環境の変化や、困難が発生した場合に関わりがある学校、児童相談所、母子保健、DV被害への支援、また生活支援などのほか、女性支援に取り組むNPOなどが連携して、支援に当たる必要があるものと考えております。  そのため、本事業では、公的機関と民間団体で構成する関係機関連携会議を設置しまして、相互に情報共有を図り、支援が必要な女性たちの問題の状況に応じて、関係機関につなぐこととしていきます。  各支援施策のはざまにいる女性たちを早期に発見し、困難な状況に陥ってしまうことを防ぐため、庁内外の関係機関が密接に連携して、適切な支援につなげていけるよう、支援のネットワークの構築に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ◆藤田稔人 委員  こういった問題に対しては、未然防止ということが非常に重要なことだと考えております。  子どもの数が減少の一途をたどっている中で、なぜ子どもに関わるこうした社会問題が増え続けているのかというのは、社会の皆様方にとっても非常に矛盾を抱えながら、そして、フラストレーションを感じているところではないかと考えております。  今日いろいろと取り上げさせていただきましたが、家庭児童相談室の強化や第2児童相談所の整備といった制度面での対応も非常に重要でありますが、そうしたことに加えて、こういった未然防止の取組にしっかりと努めながら、負の連鎖を断ち切って、こうした問題が少しでも少なくなっていくように、子ども未来局全体としてしっかり取り組んでいただきたいと考えております。 ◆水上美華 委員  私からは、大きく2点、困難を抱える若年女性支援事業についてと、社会的養護の子どもへの支援についてお伺いいたします。  初めに、困難を抱える若年女性支援事業について、3点伺います。  2020年第4回定例会の代表質問において、私ども会派から、困難を抱える若年女性の支援について取り上げました。その際、若年女性を対象に、どのような不安や困難を抱えているのかなど実態調査を実施しているところであり、その結果などを踏まえ、アウトリーチ型の相談支援や安心できる生活環境を整えるための取組を進めていくとの答弁がありました。  このほど、実態調査の結果が公表されたところですが、子ども未来局の担当から、事前にその概要について伺ったところ、このような調査は今までにあまり聞いたことがなく、大変貴重なデータが集まったのではないかと思っております。  しかし、過去の人間関係のトラブルや被害体験、援助交際など、非常にデリケートな内容に踏み込んで調査をされており、そのような質問に答えることにより、対象者の女性が忘れたい過去の嫌な記憶が呼び起こされてしまったのではないか、または、回答しづらかったのではないかと心配するところでもあります。  そこで、伺いますが、今回の調査を実施するに当たり、当然に配慮はなされたものと思いますが、回答する女性たちの心理的負担を減らすため、どのような工夫を行ったのか、お伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  調査における心理的負担の軽減のための工夫についてでございます。  今回の調査は、ヒアリング調査とアンケート調査の2種類を実施しております。  ヒアリング調査は、実際に困難な経験がある女性と、その女性を支援している団体から聞き取りを行いました。女性からのヒアリングにおいては、聞き手を女性のみで行い、いつでも中断してよいことなどを事前に説明して実施をしております。  一方、アンケート調査は、石狩管内の公立高校に通う女子生徒、また、公立高等支援学校の女子生徒、また、札幌市内に住む19歳から24歳の女性を対象に実施して、合計1,672名の方から回答をいただきました。  公立高校の女子生徒はインターネットで、19歳から24歳の女性は郵送あるいはインターネットでの回答を選択できるようにするなど、回答方法にも配慮をしたところでございます。  さらに、アンケート調査は、北海道大学大学院教育学研究院附属の子ども発達臨床研究センターと共同で実施をしまして、発達心理学の専門家の意見を聞きながら、直接的な質問を避けまして、言葉遣いを工夫するなど、回答者の負担に配慮をしたところでございます。 ◆水上美華 委員  非常にデリケートな内容も含むことから、専門家も入った上で、調査対象となった女性に対しては最大限の配慮が行われたものと拝察され、大変よかったのではないかと思っております。  今後も、本事業を進めていくに当たり、対象女性の心理的負担を減らす配慮を行っていただきたいと付け加えたいと思います。  続いて、2点目に、そのような多くの工夫と関係機関との連携や協力で実施されたこの調査から見えてきた若年期の女性が抱える悩みなど、その実態はどのようなものなのか、また、女性たちを支援するに当たり、見えてきた課題とはどのようなものなのか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  若年期の女性の実態、及び、支援するに当たり、見えてきた課題についてでございます。  ヒアリング調査では、困難を抱える女性は、客観的に見ると困難な状況であるにもかかわらず、本人たちには困っているという意識が薄く、誰かに相談するということが少ない一方、常に不安を抱えており、自己否定感が強い、そういった姿が見えてきたところでございます。  また、アンケート調査では、相談相手や頼れる人がいないことに関して、不安があると答えた人が一定程度の割合でいましたが、公的な相談窓口の認知度は低く、悩み事を抱えた際の相談先として、公的な相談窓口が選ばれることは少ない傾向にございました。  これらのことから、困難を抱える若年期の女性は、困難な状況に置かれているにもかかわらず、自ら相談窓口を訪れることが少ないため、支援のきっかけをつくることが難しい、そういった課題が挙げられるかと考えております。 ◆水上美華 委員  まさに、今を生きる若い女性たちの大変率直で貴重な声を把握できたのではないかと思います。  札幌市にも、子どもや若者向けの相談窓口、女性特有の悩みに応じる相談窓口、そのほか、道や他の行政機関にも多くの相談窓口があり、様々な悩みに対応しておりますが、悩みを抱えている女性たちには十分に活用されていないということであり、非常に残念なことであります。  また、その一方で、困っているということを周りに悟られないように必死に頑張っている女性たちは大勢いると推察いたします。人生こんなもんだという思いを持ち、自分自身でもその困難に気づくことが難しくなってしまっているのであれば、どんなに行政側が相談窓口をPRしたとしても、その女性たちには届かないのではないかと不安に感じています。  困難を抱える若年女性にアプローチしていくのは、非常に難しい取組と考えます。しかしながら、必要な取組であるのは言うまでもありません。  そこで、最後に伺いますが、今回の実態調査の結果を踏まえ、様々な不安や困難を抱えながらも、自ら助けてほしいと言うことができない女性たちが適切な支援につながるために、どのような取組を行っていこうとしているのか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  自ら助けを求めない女性たちを適切な支援につなげるための取組についてでございます。  本事業については、ふだん行政とのつながりが薄い方々たちを対象とすることを想定しておりまして、NPO等の女性支援団体などに委託して実施することを検討しております。  相談窓口についても、広報さっぽろやチラシ、ホームページによる周知など、従来の方法だけではなく、SNSを用いた呼びかけや、インターネット上で気になる投稿や書き込みをしている、そういった対象者へのアプローチ、また、繁華街の巡回による声かけなどを実施し、積極的に支援と情報を届けていくと、そういったことを考えてございます。  また、若い女性が気軽に立ち寄れる場所で、相談する、支援する、そういった堅苦しい形ではなく、友人同士のおしゃべりのような世間話の中から困っている状況を拾い上げるなど、従来の相談窓口とは違う支援のアプローチ方法をつくることが必要であると考えております。  今後の事業実施に向けては、庁内外の関係各所と、今回の実態調査の結果から見えてきた、そういった課題について共有しまして、より効果的な支援体制について検討していきたいと考えております。 ◆水上美華 委員  行政だけではなく、当事者以外のいわゆる大人たちがなかなか踏み込めないデリケートな問題もはらんでおり、何をどうすれば、効果的に、困っている若年女性にアプローチをすることができるのかなど、乗り越えなければならない課題が幾つもあることは容易に想像できますが、まず、その第一段階として、実態把握に本格的に取り組まれた点については、大変評価をしたいと思います。  ただいま答弁で今後の取組について伺いました。本当に大事なのは、この調査結果をどう政策に反映していくかだと思います。特に、若年女性という世代でくくったとしても、抱える問題や境遇は様々であり、本年8月からの事業開始に向けて、初年度となる今年は何に取り組むのかという点は非常に重要な要素でございます。間違っても、相談しなければよかったというふうにだけはならないように、失望につながらないように、この事業が多くの困難を抱える女性の支援につながることを切に要望いたしまして、この質問を終わらせていただきます。  次に、社会的養護の子どもへの支援について、3点伺います。  最初に、今後の里親登録者拡大に向けた取組について伺います。  児童福祉法改正により、子どもの家庭養育優先の原則が明記され、社会的養護が必要な子どもの里親等への委託の推進が掲げられました。委託を受ける里親は、日々の子どもの養育に加え、子どもの就学、自立などに向けた支援も担います。  里親と子どもとが共に安心して過ごすには、里親と子どものマッチングからアフターフォローまでの充実した支援が不可欠であります。  さきに公表された第3次札幌市児童相談体制強化プランの中でも里親支援の充実が示されており、今後の支援強化にもしっかり取り組んでいただきたいと思います。  中でも、里親の成り手をいかに増やしていくかが今後重要になります。全国で4万5,000人、札幌市でも900人いる社会的養護の子どもたちの現状を知り、自分にもできることをしたい、自信はないけれども、養育里親をやってみたいと思っている人もいると思います。また、複数の里親の中から子どもに最もふさわしい里親を探すためには、候補となる里親が多くいる必要があると考えます。  そこで、伺いますが、里親登録者の拡大に向けてどのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎山本 児童相談所担当局長  里親登録者の拡大に向けた取組につきましては、里親制度の積極的な広報に加えまして、対象者を絞った周知も重要と考えております。  これまでも、里親月間に合わせた普及啓発イベントを行ってきましたが、今年度からは、里親リクルート事業としまして、年間を通じた登録里親の増加に向けた取組を強化しております。  具体的には、里親養育の映像作品を札幌駅前地下歩行空間で上映しました里親フェスタ、あるいは、気軽に相談できるよう、カフェでの説明会であります里親“なんでも”相談会、子どもの一時預かりをする会員組織での説明会など、新たな取組を実施しました。
     里親登録は、例年であれば、毎年30組程度でありますけれども、今年度は50組を超える見込みでありまして、一定の成果が出ているものと受け止めております。  今後は、保護者による養育が困難となった場合に、細やかな世話が必要で預かり先が見つかりにくい乳幼児につきまして、受託可能な養育里親の拡大に力を入れた事業を開始する考えでありまして、里親登録者のさらなる拡大に努めてまいります。 ◆水上美華 委員  来年度から、新たに乳幼児の養育里親向けのリクルート事業を始めるということでございます。  また、今年度は、20組程度、例年よりも増えているということで、成果が現れてきているのではないかと思います。  地下歩行空間を利用した里親フェスタでのPRについて答弁で触れられておりましたけれども、私どもの会派の議員が参加をしておりまして、感想は、内容はとてもよかったんだけれども、ただ、事前の周知方法や、年1回だけの開催にとどまっているため、まだまだ改善の余地があるのではないかと言っておりました。  また、里親“なんでも”相談会については、より近い距離で養育里親の体験談を聞くという内容がとてもよかったと伺っています。  ぜひ、今後も、PR、それから、ターゲットを絞った中での周知も含めて、さらなる発信強化に期待をしております。  次に、自立を控えた委託児童の里親に対する支援の現状についてお伺いさせていただきます。  社会的養護の下で育つ子どもは、いわゆる一般家庭で育つ子どもに比べ、進学率が低いという調査結果があり、その大きな要因の一つとして、自立後の経済的な問題があると言われています。  国においても、今年度から大学等での授業料免除や給付型奨学金制度から成る修学支援制度を創設しているように、制度の充実は図られつつあるところですが、必ずしも社会的な認知が十分とは言えないと思います。就職にしても、進学にしても、自立を控えた子どもが希望した進路を選択できるよう、自立を見据えて、早い段階から里親や子どもにしっかり寄り添って支援することが重要と考えます。  そこで、伺いますが、自立を控えた委託児童と里親に対する支援の現状についてお伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  自立を控えた委託児童と里親に対する支援の現状についてであります。  児童相談所の里親担当職員や担当の児童福祉司の支援に加えまして、委託経験豊富な里親あるいは児童福祉施設に配属されております里親支援専門相談員が、それぞれの関係性や専門性を生かした訪問支援を行っております。  また、学齢児を養育中の里親同士の意見交換の場であるとか、高校3年生を養育中の里親に対しまして、進学に向けた給付型奨学金の一覧などの情報提供といったようなこともしているところであります。  ただ、里親宅から子どもたちが自立して安心して希望する進学や就職をしていくためには、可能な限り早い段階からの支援が必要であります。  そこで、来年度は、里親養育を包括的に支援いたしますフォスタリング機関というものを設置することから、関係機関がより一層連携しまして、進路の選択を支援する情報提供あるいは助言などを丁寧に行ってまいりたいと考えております。 ◆水上美華 委員  就職と進学、いずれにいたしましても、自立に向けた必要な情報提供や相談支援を、里親、そして委託児童双方にしっかりと行っていただくことを期待しております。  特に、進学を望む場合、高校生の子どもを養育している里親から、奨学金制度などが分からず、大変苦労したという話を伺っております。入学金や学費など、お金に関わる不安が大きいため、奨学金などの情報は、金額、申込み期限なども含めて、ぜひとも、早めの情報提供に努めていただくとともに、提出書類や入金日等の説明など、丁寧な対応に努めていただくことを要望いたします。  最後に、自立後の具体的な支援について伺います。  児童福祉法上、里親への委託措置などの公的な支援は、いわゆる措置延長を除けば、原則として18歳までとなっております。こうした年齢到達などにより、里親の元を自立する子どもをしっかりと支援するため、札幌市では、2017年から社会的養護自立支援事業を開始し、施設入所や里親委託措置による支援が解除された後も、支援コーディネーターが中心となって、引き続き、個々の状況に応じた支援計画を立てる仕組みを構築しています。  こういった保護者などに代わってしっかりと自立を支えていく取組は大変重要であり、事業の中心となる支援コーディネーターの動き方が、これら若者の安心した自立生活の確保に大きく関わってくると考えます。  そこで、伺いますが、この支援コーディネーターが行う具体的な支援の流れについてお伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  支援コーディネーターが行う具体的な支援の流れについてであります。  支援対象者が置かれている環境や進路はそれぞれ異なります。支援計画を作成するに当たっては、その状況や意向を丁寧に把握して、一人一人が抱える課題を整理する必要があります。  このため、支援コーディネーターは、措置解除となる日、これは、多くは3月31日になりますが、その3か月前から、児童相談所、里親、そして支援対象者本人などと打合せを重ねまして、支援計画を作成します。  就職、自立をしたが、やむなく離職するなど、状況に変化が生じることもありますが、こうした場合も、22歳の年度の末日まで、支援コーディネーターを中心に再度計画を立てるなどして、引き続き支援をしています。  その結果、離職してもすぐに次の就職先を見つけることができた、あるいは、職場の人間関係で悩んでいたが、転職も選択肢に入れて、安心して自分の進路を再検討することができたといった報告もありまして、自立を下支えすることができていると受け止めております。  このような支援を着実に実施していくことで、里親から自立し、安定した社会生活の確保、これをしっかり支えてまいりたいと考えております。 ◆水上美華 委員  最後に要望させていただきます。  今、支援コーディネーターが、関係機関や対象者本人と話し合いながら、自立に向けて必要な支援をしているということでございました。  里親は、充実した職員数の下、アフターフォローのノウハウが蓄積されている児童養護施設ではありませんので、里親ご自身が担う役割が大変大きいものと思います。そのため、子どもの安定した自立をしっかり支えるためにも、里親が安心して養育を担い、自立を後押しすることができるよう、里親を十分に支援することが重要であります。  同時に、委託児童にとっても、その後の自立という大きな局面を迎えることから、本人の思いが尊重される取組が必要であります。  そのためにも、委託された児童が主役であるという共通認識の下、支援コーディネーターには、里親、委託児童ともに丁寧に関わっていただくことを要望いたしまして、私からの質問を終えます。 ◆くまがい誠一 委員  私からは、社会的養護自立支援事業について質問させていただきます。  子どもが健やかに育ち、自立していくためには、安心して生活できる場所で成長に合わせて必要な社会性が育まれるとともに、悩み事や困り事を我が事としてしっかりと受け止め、相談に乗ってくれる保護者の存在が極めて大きいところでございます。  しかしながら、保護者がいない、または、虐待などにより、親元を離れ、児童養護施設や里親などの下で暮らす、いわゆる社会的養護が必要な子どもには、そういったよりどころが少なく、18歳の年齢到達により、置かれた状況によらず、自立を余儀なくされることもございます。  それら若者が、頼る人が身近にいない中、進学や就労をしながら自立生活を送ることは、決して容易なことではありません。  施設出身者の自立を支援している民間団体が平成30年度に全国の児童養護施設に対して実施した調査によれば、施設退所者の進学後1年での中退率は13.6%で、全進学者の中退率2.7%と比べ、大幅に高くなっております。  また、就職後1年での離職率も、全高卒就職者の19.4%に対し、施設退所者は25.4%であるなど、施設退所者は、その自立直後から不安定な状況にあることが見て取れ、自立した後も、そこで関係を終わらせてしまうのではなく、引き続き、当事者を支援していくことが必要なことは明白であります。  こうした中、札幌市では、平成29年度に社会的養護自立支援事業を導入し、従来の社会的養護経験者への就労支援に加えて、最長で22歳の年度の末日まで、自立のための準備期間として居住の場を確保する支援を開始いたしました。  さらに、平成30年第1回定例市議会の予算特別委員会における我が会派からの指摘を受け、令和元年度からは、自立後も継続して支援を行うためのコーディネーターが配置されたところでございます。  昨年度の予算特別委員会において、私から支援コーディネーターの役割について詳細を確認したところでございますが、社会的養護経験者の支援は、このコーディネーターが中心となって、個々の状況を分析し、生活・就労相談支援を担う事業者などと連携して丁寧な支援をしていくことが重要であります。  そこでまず、事業の核となる支援コーディネーターと生活・就労相談支援事業のこれまでの実績についてお伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  支援コーディネーターと生活・就労相談支援事業のこれまでの実績についてです。  札幌市では、平成29年度から、社会的養護自立支援事業を導入しまして、施設や里親の下から18歳あるいは延長後の20歳を迎えても自立が難しい場合、引き続き、22歳の年度の末日まで同じ施設や里親の下で生活できるよう、居住の場の確保の支援をしております。  さらに、施設や里親の下から安心して自立できるよう、令和元年度から支援コーディネーターを配置し、一人一人の状況に応じて、自立後も継続して支援する計画の作成を開始しております。  この令和元年度の支援コーディネーターは、37人に対して計画を立てて、関係機関と連携して支援を実施しており、今年度は46人に対して計画の作成と支援を予定しているところであります。  また、就職先が見つからない、離職して再度就職先を探すといったときに、支援として、生活・就労相談支援事業がありますが、これにつきましては、市内の専門業者に委託をして実施しているところでありまして、令和元年度は4名、今年度はこれまでに7名が就職に結びついているところであります。 ◆くまがい誠一 委員  支援コーディネーターを中心に、生活・就労相談支援事業などの関係機関と連携して支援を実施し、就職にも一定の効果が出ていることが分かりました。  社会的養護経験者の支援に当たっては、年齢到達による自立のときはもちろんのこと、自立後に様々な事情で、就職先、進学先をやめざるを得なくなった方についてもしっかりと受け止めて支援していくことが必要であり、まさに、社会的養護自立支援事業に求められている重要な役割と言えます。  そこで、質問ですが、その点を踏まえ、本事業における課題についてお伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  社会的養護自立支援事業の課題についてであります。  自立し、就職したが、離職したなど、社会生活を送る中で困難に直面する場面は少なくなく、そうしたときにしっかりと支えられるよう、自立後も関係機関が寄り添って丁寧に支援をしていく必要があり、施設や里親を頼ってきたときに、すぐに支援コーディネーターや生活・就労相談支援事業者と連携して対応する体制の確保は欠かせないところであります。  そのためには、施設や里親に対する事業の十分な周知と連携が必要でありますことから、これまで、個別説明を重ね、事業に対する連携を呼びかけてまいりました。特に、里親への周知には力を入れているところでありまして、今年度は、従来の里親会の事務局便りに加えまして、オンラインによる里親向けの事業説明を実施いたしまして、事業周知の強化を図っているところであります。  今後も、支援コーディネーターや施設や里親などの関係機関としっかり情報を共有しまして、事業を効果的に実施し、社会的養護経験者が安心して社会に巣立ち、自立して生活を続けられるよう支援をしてまいります。 ◆くまがい誠一 委員  自立した後の子どもは、就職、進学後に様々な困り事が出てくると思います。  そのようなときに頼りにするであろう施設や里親には、事業の十分な周知、そして、継続的な支援が必要であろうと思います。  これからも、施設や里親、さきに答弁がございましたが、特に里親に対しての周知を強化し、この事業が円滑に運営され、社会的養護の子どもたちが社会に出た後も安心して生活できる取組を進めていただけることを求めて、この質問を終わらせていただきます。 ◆千葉なおこ 委員  私からは、放課後の児童の居場所について、幾つかお伺いいたします。  まず初めに、放課後児童クラブの現状についてお伺いします。  この1年、働く保護者の子どもたちの放課後の生活を預かる公設児童クラブや民間学童保育は、新型コロナウイルス感染症による一斉休校への対応、様々な行事、活動の制限、また、感染症予防対策等を行いながら活動してきました。本市も、指導員への慰労金や、新型コロナウイルス感染症対策としての補助を行ってきたところです。  本市の放課後児童クラブは、児童会館やミニ児童会館である公設民営の児童クラブ、地域の児童育成関係者や父母等で構成する児童育成会が運営する民間施設である民間児童育成会、学童保育ですね、さらに学校法人等が運営し、札幌市からの助成金は交付していない、届出のあった民間放課後児童健全育成事業所の3方式により展開しています。  本市では、放課後児童クラブの登録児童数が年々増加しており、子どもが健やかに育つ環境として、こうした過密化の解消、これが課題となってまいりました。  そこで、最初の質問ですが、それぞれのここ数年、児童登録数の変化についてお聞きいたします。  また、現状についての認識、併せて、各体系の利用料、保護者の負担額についてお聞きいたします。 ◎山本 子ども育成部長  放課後児童クラブについてでございます。  まず、1点目の児童登録数の変化についてですが、まず、公設の児童クラブにつきましては、ここ数年は7%から10%程度の増加が続いており、令和2年4月末時点の登録児童数は2万1,000人を超えております。  一方、民間児童育成会につきましては、大きな変動はなく、1,300人台で推移をしてきており、届出事業所については、おおむね200人前後の登録児童数となっている状況でございます。  次に、2点目の札幌市の現状への認識についてですが、公設の児童クラブの登録児童数の伸びに伴いまして、三つを合計しました登録児童数全体も増加しており、放課後の児童の預かりのニーズは増しているものと認識をしております。  最後に、3点目の各方式の利用料についてですが、公設の児童クラブにつきましては、延長時間帯を利用した場合の利用料が月額2,000円となっております。  一方、民間児童育成会につきましては、令和2年4月時点での平均は月額約1万5,000円、届出事業所の平均は月額約2万8,000円となってございます。 ◆千葉なおこ 委員  児童クラブのニーズは、毎年7%から10%増していると、全体的にもニーズが増しているというようなご答弁だったと思います。  あと、利用料については、児童クラブは、延長は18時から19時の1時間だと思いますけれども、そこを使うと、月2,000円かかっていると。民間児童育成会は1万5,000円と、届出事業所は2万8,000円というご答弁でした。  これまでの児童クラブの過密化解消のために、放課後等専用区画を設けて解消してきたということですけれども、現在の過密化校区はどのようになっておりますか、お伺いします。 ◎山本 子ども育成部長  新年度、令和3年度の過密化校区の状況についてでございます。  令和3年度の各校区の過密化の判定に係ります事務作業としましては、現時点では、児童クラブの申込みを取りまとめている段階であり、結果が出ていない状況でございます。  また、今後、各小学校に児童クラブで利用可能な余裕教室について照会を行う予定であり、この照会結果と児童クラブの申込み結果などに基づきまして、判定を行うことになります。  なお、判定の結果、過密化校区が生じた場合、さらなる余裕教室の活用などについて、改めて学校と調整するなどして、早期に過密化の状態を解消していくこととなります。 ◆千葉なおこ 委員  これまでの過密化校区の専用区画の拡大については、令和元年度、2019年決特で、80校あって、そのうち63校において解消したというような答弁がありましたので、毎年のようにこういった過密化の解消に向けたことはされているというふうに私も認識しているところです。  次に、札幌市放課後児童健全育成事業実施要綱第9条の改正についてお伺いしたいと思います。  2月4日付で、各育成会に子ども未来局長のお名前で、要綱の改正についての通知文が届いております。  改正内容は、民間児童育成会の設置基準の変更、様式名の変更や、本市への書類提出方法の変更などで、施行日は令和3年4月1日というものです。  要綱第9条の改正前の設置基準は、当分の間、児童クラブに登録する児童の数と民間児童育成会に登録する児童の数の合計が、児童クラブの定員数と民間児童育成会の定員数の合計を上回っている小学校区においては、前項の規定にかかわらず、予算の範囲内において民間児童育成会を設置できることとするというものでした。  それが、改正によって、前項の規定にかかわらず、民間児童育成会の参入が可能な地区として、札幌市が指定した小学校区においては、予算の範囲内において、民間児童育成会を設置できることとするというふうに変更されております。  そこで、質問ですが、このたびの要綱改正に至った理由についてお伺いします。  また、参入が可能な地区は、札幌市が指定した小学校区とのことですが、どのように小学校区を選定し、どのような方法で設置する予定なのか、お伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  今回の札幌市放課後児童健全育成事業実施要綱の改正についてでございます。  まず、1点目の要綱改正に至った理由についてですが、現状では、小学校の余裕教室の活用などにより、札幌市の条例で定めます過密化に至っている校区は生じていないものの、地域によっては、かなりの混雑が見受けられる状況にございます。また、昨今のコロナ禍の状況において、児童クラブについても、できる限り、いわゆる密の状態を解消する必要が高まっているものと認識をしております。  民間児童育成会については、要綱上、従前から新規設置が可能となっておりましたが、今回の改正では、手続の透明性向上の観点から、より新規設置の必要性が高い地区を札幌市が指定することとしたものでございます。  次に、2点目の札幌市が指定した小学校区の選定方法等についてですが、児童1人当たりの専用区画が狭く、小さいことであることや、当面の間、面積の拡大につながる整備の予定がないことなどを考慮の上で、対象地区を選定し、公表することを想定してございます。  そのほか、指定した地区での事業の実施を希望する事業者がいた際の応募期間ですとか、具体的な手続などについて、詳細はこれから検討していきますが、決定後、札幌市のホームページなどで公開してまいりたいと考えてございます。 ◆千葉なおこ 委員  令和3年度は、お話を伺っている中では4校区選定されております。  札苗北小学校、宮の森小学校、厚別北小学校、太平小学校の4校区想定されているというふうにお聞きしております。この4校を公募して、この中の1か所参入予定、これは多分予算の範囲内ということだと思うんですけれども、詳細は決まっていないということですが、こういうふうに選定されていくのだと思います。  民間児童育成会の新規参入で児童会館の過密化を具体的に解消していくという、そういうことだと思うんですけれども、既存の児童会館の面積の規模、これを拡大しての過密化解消のお考えというのはないのでしょうか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  公設の児童会館の拡充などの手法で過密化解消を行わなかった理由の質問についてでございますが、札幌市におきましては、これまでも、学校改築時の児童会館の複合化ですとか、ミニ児童会館の拡充などを実施するとともに、民間児童育成会の新規設置も行いながら、児童クラブの環境改善に取り組んできたところでございます。  今後も、様々な手法を効果的に用いて、児童クラブの環境改善を図ってまいりたいと考えております。 ◆千葉なおこ 委員  今後の札幌市の計画の中では、増築というふうにはならないという答弁だったと思います。  今後、全ての新校舎には児童会館を併設していく予定になっております。中には、これまでの児童会館にあったような体育館が造られないなど、縮小されているところもありますが、私は、改めて、十分余裕を持った規模で造っていく、こういう考えで児童会館も新しく設置していただきたいなというふうに申し上げておきます。  今回の改正によって、専用区画が狭小である地区で学童保育が新しく設置されることにより、保護者の選択肢が増えて児童会館の過密化も解消につながるということは期待するところでありますけれども、選択肢に入れたくても、先ほど最初にご答弁の中にもあったように、民間学童というのは、月額約1万5,000円ということで、保育料が高く、なかなか利用できないというような現状についても、本市も認識しているところだと思います。  過密化している児童会館やミニ児は、午後6時までであれば、利用料がかからないで通うことができます。一方、民間学童保育は1か月約1万5,000円、保育料は保護者が負担しております。
     過密化解消のため、民間学童保育を今後増やしていくという計画であるのであれば、高過ぎる保護者負担、これを軽減する必要があると思いますが、いかがでしょうか。 ◎山本 子ども育成部長  過密化の解消に向けて、民間児童育成会の保護者負担を軽減して通いやすくすることの必要性の質問についてでございます。  まず、現在、既に民間児童育成会がある校区につきましては、札幌市内で特に児童クラブの混雑が著しいところはないものと考えており、既存の民間児童育成会に対しまして何らかの措置を行っても、現状で児童クラブの混雑が著しい地域の環境改善に対する効果は薄いものと考えております。  お話のありました民間児童育成会の保育料に係る補助につきましては、札幌市では、就学援助世帯への保育料の減免等について、札幌市の独自の事業として補助を行っているところでございます。  放課後児童健全育成事業に対します財政措置につきましては、これまでも国に要望してまいりましたが、今後も引き続き、機会を捉えて、さらなる財政措置について国に要望してまいりたいと考えております。 ◆千葉なおこ 委員  ぜひ、札幌市独自で、私は減免措置してほしいなというふうに思います。  私も、子どもが、今、民間学童保育でお世話になっております。先日、新1年生になる児童のいるママ友に民間学童保育をお勧めしました。そうしたら、体験に来てくれました。お子さんは、本当に短い間の体験でしたけれども、楽しかったというふうに言っていただき、お子さんも通いたいということをお母さんにお話ししていたようです。ですが、月の保育料が高過ぎるということで、お母さんのほうから諦めたいというようなことがありました。親子そろって、学童保育の雰囲気、これを本当に気に入っていただけただけに、私は本当に残念に感じました。  本市では、放課後児童クラブ利用世帯を対象としたニーズ調査を2013年と2019年に行っております。  児童会館等利用者限定に聞いている民間の放課後児童クラブの利用意向を見ますと、2013年は、利用したい、もう少し安価なら利用したい、合わせて14%、2019年では17.9%と、一定数、利用したいという保護者がおりました。また、希望金額については、半数以上が5,000円と答えており、次いで1万円となっております。  こうしたニーズ調査を行い、利用者の声を聞くということは大変重要です。ニーズ調査を基に、民間学童保育の保護者負担の軽減、これを行いまして、お金の心配なく利用できる環境の整備、これは本当に進めていただきたいと思います。  先ほどから、過密化している校区、これはないと言っておりますけれども、本来であれば、子どもたちが運動するところにマットを敷いたりなどで過密化を解消しているというのは、過密化を解消しなくてはいけないということでやっておられると思うんですけれども、これはもっと考えていただきたいなというふうに感じているところであります。  次に、本市の子ども・子育て会議放課後児童健全育成事業部会について、1点お伺いいたします。  部会では、これまで、事業の設備及び運営の基準や過密化解消について、札幌市児童福祉法施行条例の改正など、放課後児童健全育成事業全般と、制度の改正や運営課題の検証等について審議が行われてきました。  前回の令和元年12月に開催された放課後児童健全育成事業部会では、民間児童育成会の認定等、第7条の要綱の改正について審議がされ、委員からのご意見などを聴いておりますが、このたびの要綱改正では、部会にて審議されることなく決定されております。  その理由についてお聞かせください。 ◎山本 子ども育成部長  今回の要綱改正を放課後児童健全育成事業部会で審議しなかった理由の質問についてでございます。  今回の要綱改正につきましては、これまでの札幌市の方針を転換するなどの大きな変更を伴う、そういった趣旨ではなく、従前から行ってきた民間児童育成会の新規設置に関しまして、必要性などを考慮の上で新規設置可能な地区を札幌市が指定する旨を明記したものでございます。  したがって、部会で審議を行うべき内容とは考えておりませんが、今後、指定した地区や具体的な手続を公表していくに当たっては、適宜、部会等に対しまして丁寧な情報提供に努めてまいりたいと考えております。 ◆千葉なおこ 委員  札幌市としては、大きな変更ではなかったという、そういったご答弁だったと思います。  現在、本市の民間児童育成会は10区に46か所あります。そのうちの7割以上が加盟している札幌市学童保育連絡協議会は、1972年に準備会が結成されまして、これまで、学童保育の保護者、指導員、関係者などの連絡を密にして、学童保育の啓蒙、普及、発展を積極的に図り、学童保育の内容の充実、施設の拡充や制度化の運動など、こういったことを推進する母体となって活動を続けてまいりました。  保護者や指導員が制度や運営等で分からないところがあったりした場合などには、ほかの育成会ではどういうふうに対応しているかなど、この協議会でアドバイスを受けたり、様々な相談窓口としても本当に大変助けられております。また、コロナ禍でも、オンラインで各クラブの代表者とつながって、不安や悩みを出し合い、共に解決していくための本当に大きな支えとなっておりました。  各育成会と市連協にとっては、本当に今回の改正というのは突然のことであり、また、これまで、本市との懇談の中では、専用区画を拡大することで過密化は解消している、こういった説明で、新規に助成対象となる校区はないというふうに説明も受けてきました。ということで、民間学童をつくりたいというようなお話が協議会のほうであっても、それが、つくることができないというようなことがあったというふうにお伺いしています。  ですから、市連協とすれば、このたびの要綱改正というのは、180度、札幌市が方向転換した、そういった姿勢だったと、戸惑っているというふうにお話をしておりました。  本市が、今ある民間児童育成会に大きな影響がないものと考えたことでも、民間学童保育を運営する保護者や指導員の立場になって考えれば、丁寧に進める必要があったのではないかなと私は思います。  各育成会からの要望でも、話合いや検討の場を設けてほしい、そういったことに対して、本市は、札幌市子ども・子育て会議があること、市連協からも委員が参加していることで解消をしていると回答していることからも、部会において、やはり、議論、検討すべき事柄であったと私は考えます。  ともあれ、児童会館の過密化の解消は、本市として今後解決すべき課題でありまして、子どもに安心・安全な環境を提供していくことは、保護者が安心して働くための条件であります。  よりよい放課後の居場所づくりを目指すためにも、関係する団体が協力して、連携して取り組んでいっていただきたいなと思います。  そのことを申し上げまして、質問を終わります。 ◆小田昌博 委員  私からは、地域型保育事業における卒園児童の受皿の確保について、コロナ禍における保育人材確保への中長期的な影響への対処について、医療的ケア児について、以上を質問させていただきます。  令和2年4月に公表された待機児童について、国定義以外を含む待機児童は1,869人であり、このうち0・1・2歳の割合が70%を超えており、低年齢児を中心に、希望する保育施設を利用できないという状況が続いているものと思われます。  そうした低年齢児の保育ニーズに対応するため、入所対象をゼロ歳から満3歳未満までに限定し、少人数で保育を行う地域型保育事業があるわけであります。  保育対象が満3歳未満であることから、卒園後も継続的に保育が受けられる連携施設、いわゆる卒園後の受皿を確保しなければならないとされており、その一方で、連携施設が確保できていなくとも認可を受けることができる経過措置があり、札幌市内においても経過措置の適用を受けている事業者が存在しております。  地域型保育事業所に子どもを預ける保護者にとって、保育の内容のみならず、卒園後の連携施設の有無も保育施設を選択する際に大変重要であり、一部の事業者においては、懸命に努力をされているものの、卒園後の受皿の確保に大変ご苦労されている現状もあると実際耳にしております。  初めの質問になりますが、連携施設の確保に尽力する事業者が連携施設をしっかり確保できるよう、行政は支援をしていく必要があると考えますが、連携施設確保の現状と、それに係る札幌市のこれまでの対応、そして、今後どのような支援をしていくのかをお伺いいたします。 ◎加茂 支援制度担当部長  地域型保育事業における卒園児童の受皿の確保についてでございますが、現在の子ども・子育て支援新制度が始まりました平成27年度時点では約7割の事業者が連携施設を確保しており、その後、令和2年4月においては約9割の事業者が連携施設を確保しているという、こういった状況でございます。  この状況が改善に至った理由といたしましては、各保育事業者の継続的な努力に加えまして、札幌市としても、各事業者に対して連携施設に関するガイドラインをお示ししたほか、新規に開設をいたします保育所、認定こども園に対しまして、地域型保育施設との連携施設となることへの努力義務を課すといった取組が寄与したものというふうに認識をしております。  また、満3歳を迎えて地域型保育施設を卒園するお子様たちに対しては、連携施設へ入園を希望する場合はもちろんのこと、連携施設以外の認可保育施設への入園を希望する際にも、利用調整に当たり、優先措置を講じるなど、保育の継続に支障がないような配慮を行ってきているところでございます。  引き続き、札幌市といたしましては、連携施設を確保しておらず、経過措置が適用されております約1割の事業者に対しまして、連携施設確保に向けた取組を促していくとともに、連携の受け手となります新設保育所等に対し、札幌市からも協力を呼びかけるということを行っていきたいというふうに考えております。 ◆小田昌博 委員  我が会派に、実際に小規模保育事業を行っている三つの区で受入先がなくて苦慮しているということが相談としてありました。  答弁がありましたとおり、いろいろな配慮というのは、点数上とかいろいろあるんですけれども、実際には、連携施設があっても、そこは定員が埋まっていて、ほかを探してほしいという内容でした。  働く保護者にとって、受入先がないということは死活問題であります。市として、これから何ができるかということを注視してまいりたいと思います。私も、今後、ここのことに関しては質問をしていきたいというふうに思っております。  あわせまして、連携施設の確保に関する経過措置の期限はあと4年残されておりますが、その期限を待たずに、どの地域型保育所においても、保護者が安心して子どもを預けられるよう、連携施設の確保への支援をこれからもしっかりと取り組んでいただきたいということを求めて、この質問を終わります。  続きまして、2点目の保育人材の確保についてお伺いいたします。  地域型保育事業所の卒園児の受皿確保に当たっては、受入れ側の保育所で保育士が足りないために児童の受入れが困難となってしまっては、連携制度自体が絵に描いた餅になってしまうことから、保育所等の体制を整えることも重要であると考えます。  コロナ禍の中で、保育士は密を避けられない職業であることから、絶えず感染防止に気を配りながら仕事をしている大変な状況であると察します。新型コロナウイルスの収束がいまだ見えない中、当面の間は感染防止の徹底と感染への不安が続くことになります。  さきの代表質問において、我が会派でコロナ禍における保育人材の確保への影響についてという質問で、短期的には大きな影響はないと認識していると答弁をいただいたところでありますが、保育現場の密を避けられない状況を考えると、中長期的には、今後、人材確保に一定程度の影響が出るのではと、懸念が残っているところであります。  そこで、二つ目の質問になります。  保育人材の確保に向けて、当面のコロナ禍への対応と併せ、中長期的にどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。 ◎加茂 支援制度担当部長  コロナ禍における保育人材確保への中長期的な影響への対処についてでございますが、まず、コロナ禍における保育現場に対しましては、これまでも、消毒作業等を担う保育支援者の配置に対する補助でありますとか、感染対策に係る備品購入費等の補助などを行ってきておりまして、今後も引き続き、保育士の就労環境改善という視点も含め、コロナ禍の状況に応じて対処していくということが必要であるというふうに思っております。  来年度以降の人材確保の取組の件でございますけれども、今年度、オンライン方式で実施をいたしました合同面接会、この開催数の拡大に加えまして、保育施設の求人と求職者とをマッチングいたします札幌市保育士・保育所支援センター、通称さぽ笑み、こちらのほうで、ウェブマッチングシステムの新規導入や対象職種の拡大など、機能強化を図っていく予定でございます。  また、次世代の育成を目的として実施しております保育人材イメージアップ事業においては、例えば、実施内容の一つであります高校生保育職場体験メニューというのがございますけれども、こちらのほうで、新たにSNSを活用したPRを行ったり、体験の機会拡大なども予定しているなど、各種人材確保策を進めているところでございます。  将来の保育の担い手となる中・高生、それから、学生の将来の進路に強い影響を与えます保護者の皆様、加えて、学校の進路指導担当者などに対しまして、保育の仕事の魅力ややりがいを伝えていくということは大変重要であるというふうに考えておりますことから、このイメージアップの取組を継続するとともに、高校や養成校等関係機関ともしっかり連携を深めてまいりたいというふうに考えております。 ◆小田昌博 委員  保育人材の確保ということはコロナ禍以前から深刻でありまして、部長の答弁というのも、何度か聞いたような形で、魅力向上のためということになっているかと思います。  そういうことも含めて、様々な施策を行っているというのは承知はしておりますが、現在の環境で大切なお子様をお預かりするとなると、やっぱり、なかなか成り手がいなくなるのかなということで心配になっています。  私からは、市側が、何度も保育現場へ足を運んでいただき、実際の声をたくさん聞いていただき、コロナ禍の状況に合わせた施策、そして、中長期的な確保策を明確に示していただくことを求めまして、二つ目の質問を終わります。  最後に、医療的ケア児についてお伺いいたします。  医療的ケア児は、平成28年6月に成立した改正児童福祉法において、「人工呼吸器を装着している障害児その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児」と規定され、医療的ケアを要する障がい児が適切な支援を受けられるよう、各地方公共団体において、保健、医療、福祉、教育等の連携促進に努めるものとされています。  この医療的ケア児の支援に関する保育分野での対応については、札幌市では、令和元年10月から公立保育所においてモデル事業が始められ、医療的ケア児の受入れのための検証が行われていると聞いております。  平成30年8月の文教委員会における陳情審査にて、我が会派のこじま委員からの医療的ケア児の保育利用に係る課題認識に対する質疑に対し、課題として挙げられるのは保育所での看護師の配置などによる受入れ体制の整備であると答弁をいただいたところであり、こうした中、来年度予算では、私立保育所等における医療的ケア児の受入れ体制整備のための看護師配置の費用に対する補助金が計上されており、札幌市として医療的ケア児の保育所への受入れが促進されていくものと期待しております。  そこで、一つ目の質問です。  現在、札幌市内で受け入れている医療的ケア児の数と、ケアをどのように行っているか、受入れ状況についてお伺いいたします。 ◎加茂 支援制度担当部長  現在の医療的ケア児の受入れ状況についてでございますが、まず、公立保育所であります、ちあふる・しろいしにおいて実施しております札幌市医療的ケア児保育モデル事業、こちらのほうで入所しているお子さんが1名、そのほかに、私立保育所では1名が入所しており、合計2名の入所となっております。  この医療的ケアの実施状況でございますが、公立保育所の1名につきましては、市が直接雇用した看護師がケアを行っており、私立保育所の1名は、保護者の方が、1日に数回、保育所に来てケアを行っていると、こういう状況でございます。 ◆小田昌博 委員  平成31年3月19日に行われた札幌市医療的ケア児支援検討会において報告されている保育所等への医療的ケア児に関するアンケートの結果では、どのような状態にある子を医療的ケア児というか知っていると回答した園の割合は52.8%となっており、また、過去に医療的ケア児を受け入れたことがあると回答した園は5.2%となっています。  このように、医療的ケア児を受け入れたことがない保育所が大半であり、保育所では、医療的ケアに対するノウハウもないなど、現状では受入れが可能かどうかの判断も難しいところであろうと思います。  こうした現状を見ると、補助制度が始まることによって、私立保育所での受入れ体制整備に向けた第一歩を踏み出したわけですが、ただ単に受入れ体制整備に対する補助を行うだけでは、受入れ施設を増やすことはなかなか難しいというふうに考えます。  そこで、二つ目の質問になります。  今後、保育所等での医療的ケア児の受入れを促進するためにどのように取り組んでいくのか、考えをお伺いいたします。 ◎加茂 支援制度担当部長  保育所等における医療的ケア児の受入れ促進に向けた今後の取組についてでございますが、私立保育所等に対しまして当該補助制度に関する通知を行う際に、その制度内容の説明に加えまして、医療的ケアとは何かといった初歩的な内容をはじめ、医療的ケア児に関する理解を深めていただくような情報提供も併せて行うなど、医療的ケア児に対する理解の向上を図っていきたいと考えております。  加えまして、保護者の方からの入所相談が各園にあった際に、園側での受入れに向けた検討、これを積極的に行っていただけるように、札幌市から園に対し、助言を行う、それから、現在実施しております公立保育所でのモデル事業、こちらのほうで得られた知見、これも私立保育所のほうにお伝えをしていきたいというふうに考えております。  このような取組を行いながら、保育所における環境整備を図りまして、医療的ケア児の受入れ促進に努めてまいりたいと考えております。 ◆小田昌博 委員  医療的ケア児の受入れを進めるためには、看護師の配置や医療的技術の習得等の体制を万全に整えるとともに、医療的ケア児のその子らしい成長、発達を支える周囲の理解と協力が不可欠であります。  様々な医療的ケア児が想定され、戸惑いもあると思いますが、市はしっかりとサポートして準備していただきたいということをここで求めておきます。  医療的ケア児が機能的な障がいであっても、成長とともに健常児へと移行する医療的ケア児のケースもあり、身近な保育所等で受け入れられることにより、住み慣れた地域において、親子の孤立を防ぎ、就学に向けて社会性を育むためにも、大いに意義があるものと考えます。  今後も事業に対して引き続き関心を持って当たっていくことを述べまして、私の質問を全て終わります。 ◆恩村健太郎 委員  ここまで保育に関する質問がたくさん出てきておりますが、私からも、保育士としての経験を踏まえまして、保育施設等における子どもの安全を守るための対策について、本市の対応と考えを幾つか伺ってまいります。  昨年の決算特別委員会において、保育所等における災害時の対応について、私のほうから質疑させていただきましたが、その際、本市からは臨時休園の基準などの対応方針を示していきたい旨の答弁がありました。  そこで、質問ですが、災害時の保育所等における臨時休園の基準などの対応方針の検討状況について伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  災害時の保育所等における休園基準などの対応方針と、その検討状況についてでございますが、市町村から出される避難情報、気象庁の気象警報といった警戒情報の発令や地震発生の場合に、その内容のレベルに応じ、臨時休園等の措置を行う基準の策定を現在進めているところでございます。  また、警戒情報の発令、地震発生の時間についても考慮いたしまして、開所時間内に起きた場合、それから、時間外に起きた場合に分けて対応方針を検討しているところでございます。  現在は、関係団体と、その方針内容について協議を行っている段階でございまして、方針策定の際には、速やかに各園及び保護者の方々に周知をする予定でございます。 ◆恩村健太郎 委員  今、災害時の臨時休園の基準などの検討状況についてご答弁がありましたが、本市では、昨年、交通事故に遭った車が保育中の園舎に飛び込むといった事故がございました。  自然災害以外にも、保育所における危機管理について、やはり、一定程度、札幌市として対応方針を定めておく必要があるのではないかなと考えます。  そこで、質問ですが、札幌市として、自然災害以外の保育所における危機管理についてどのような対応を行っているのか、また、今後の危機管理の方向性についての考えを伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  自然災害以外の保育所における危機管理の対応、今後の方向性についてでございますが、自然災害以外に想定される事柄といたしましては、例えば、断水、停電などのライフラインの停止をはじめ、事故や犯罪など、その種類、それから危機度合い、これは多岐にわたり、全ての事象において個々に休園基準などの対応方針を定めるということは大変難しいというふうに考えております。  これまで、札幌市としては、各園に対し、様々な事件・事故等が発生した場合には、その情報を提供し、注意喚起を図ってきたところでございます。  この各園に対し、注意喚起に用いる情報といたしましては、警察などの関係機関から札幌市へ提供されてきた情報、それから、園で把握し、札幌市に提供されてきた情報、大きく二つに分けられるところでございますが、そのうち、園のほうから札幌市に寄せられる情報につきましては、市への報告内容でありますとか、タイミングなど、情報集約のルールを定めておらず、統一されていないことから、今後は、そちらのほうのルール化を図り、周知が必要な情報を適切に集約した上で、各園のほうに提供してまいりたいというふうに考えております。  各園が危機を回避するためには、いち早く正確な情報を入手して適切な対応を取っていただくということが大変重要であり、札幌市と各園との情報共有の在り方については、今後、引き続き検討を進めていきたいというふうに考えております。 ◆恩村健太郎 委員  今、情報提供の在り方についても、保育施設や関係団体等と意見交換を行うなどして、見直しを進めていただきたい、こういうふうに思います。  今の答弁の中で、自然災害以外の危機管理に関しては、一律の基準を設けることは難しいというような趣旨がございました。  しかしながら、保育所などでは、ゼロ歳や1歳など、一人で歩くことができない子どもも、もちろん保育時間中であればいらっしゃいます。子どもの安全を第一に考えるのであれば、自然災害以外でも、特に、空き巣被害ですとか、脅迫電話といった、犯罪や事件に関わる事案が発生した際には、最悪の事態を想定して臨時休園の措置を取ること、こういったことも必要ではないかなと思うところであります。  何件か保育施設の方々からご意見をいただきましたけれども、やはり、現状では、空き巣被害ですとか、脅迫電話まがい、そういったものを受けた場合であっても、臨時休園することができないというふうに認識されていらっしゃる施設さんもあるというお話を伺いました。  そこで、質問ですが、刑事事件に発展する可能性がある事案が保育施設で発生した際、子ども未来局への報告を前提にいたしまして、臨時休園等の措置を検討すべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  刑事事件に発展する可能性がある場合における保育所の対応についてでございますけれども、脅迫電話をはじめ、各園において刑事事件に発展する可能性がある事案が発生した場合、これまでは、その事案の内容でありますとか、警察の対応方針などを勘案し、臨時休園も含めた、その後の保育継続の可否でありますとか、その他、注意すべき点について、個別に各園と協議を行ってきたところでございます。  ただ、そのような事案が生じた際には、迅速な対応が求められることから、過去に起こった事例なども踏まえまして、想定される対応例について、先ほどご答弁申し上げました災害時休園基準の協議などと併せて、関係団体と共に研究をする機会を設けてまいりたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、子どもの安全確保が何よりも大事でありますことから、今後も、様々な危機的事象の発生、その予兆があった場合には、各園と密接に連携しながら対処してまいりたいと考えております。 ◆恩村健太郎 委員  ぜひ研究等を進めていただきたいと思います。  事件性のあるものに関しましては、今回、個別に各園と協議されているということでしたが、先ほど部長のほうからも答弁がありましたが、必ずしも保育時間中や行政が対応できる時間帯に事件等が起こるとは限りません。早朝ですとか、深夜帯に起きた事案などで、行政と連絡がつかない場合もあると思いますので、ぜひ、これから研究されていく中に、そういったことも含めて盛り込んでいただければなというふうにも思います。  何よりもやはり大事なのは、先ほど来、部長もご答弁いただきましたが、子どもの安全をいかに確保するのか、これに尽きると思います。  もし保育所などから事件性があるかもしれないといったような報告を受けた際には、一番最悪の事態を想定した対応を行政として取っていただくよう求めます。
     ただし、臨時休園等をする際には、やはり、保護者の方々にもご協力をいただかなければなりません。前回の決算特別委員会では、災害発生時には臨時休園もあり得ることを保護者に理解してもらえるように周知をする旨の答弁がありました。しかし、臨時休園は災害時以外にも起こり得るということも、しっかり周知していただきたいなと思います。  本来であれば、自然災害であっても、自然災害以外であっても、一番最悪の事態を想定して対応することが本当の意味での危機管理ではないかと思いますので、保護者理解も含め、子どもの安全を第一に考えた対応に取り組まれることを求めまして、私からの質問を終わらせていただきます。 ○中村たけし 委員長  ここで、およそ1時間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前11時59分       再 開 午後1時     ―――――――――――――― ○中川賢一 副委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆竹内孝代 委員  私からは、ひとり親家庭への養育費確保支援について、コロナ禍における子どもの見守り強化について質問をさせていただきます。  まず、養育費確保支援についてお聞きします。  新型コロナウイルスとの長い闘いの中、母または父が子育てと家計を一身に担われておりますひとり親家庭の方からのご相談というのは多く、子育て家庭の中でも、特に経済的な面でこれまで以上に困難な状況であることを心配しているところであります。  本定例会の我が会派の代表質問では、ひとり親家庭の家計を取り巻く社会問題の一つとして、養育費不払いの問題を取り上げ、国の動きを踏まえ、本市での具体的な支援の実施を求めさせていただきました。  町田副市長からは、養育費確保に向けた支援が必要であるとして、養育費取決めのための調停などに要する費用や、不払いの際に強制執行を可能とする公正証書等の作成費用、保証会社との養育費保証契約に係る保証料を対象とする補助事業の創設について示していただいたところであります。  この事業は、第1段階として、まず、取決めに向けた協議を支援する、第2段階として、養育費の取決め文書の債務名義化を支援する、さらに、第3段階として、債務名義を作成した養育費の不払いがあった場合に保証会社に立替払いをしてもらうための保証契約の締結を支援していくという3ステップが想定されていると理解をしておりますが、必要な方々にしっかりと届く制度にしていただきたいと思います。  そこで、質問ですが、各補助メニューにおいて、1件当たりの補助の上限額を幾らに設定されるおつもりなのか、また、それぞれどれぐらいの件数を想定されておられるのか、まず初めにお伺いいたします。 ◎竹田 子育て支援部長  1件当たりの補助の上限額及び交付件数の想定についてでございます。  1件当たりの補助の上限額ですが、まず、民間機関による裁判外紛争解決手続、いわゆる民間ADRを活用した養育費の協議に要する費用につきましては5万円を想定しております。  また、養育費の不払いの際に強制執行を可能とするための債務名義の作成費用については2万4,000円を上限とし、保証会社との養育費保証契約の締結に要する費用については5万円を上限としたいと考えております。  また、交付件数につきましては、民間ADRの活用に係る補助及び養育費保証契約の締結に係る補助についてはそれぞれ10件を見込んでおり、債務名義の作成に係る補助については75件を見込んでいるところでございます。 ◆竹内孝代 委員  上限額、そして、件数の想定について理解をいたしました。  この事業が効果的に活用され、当事者間の協議、さらには、不払いに備えた実効性のある手続が促され、養育費の確保の後押しとなるものと期待をしています。  一方で、せっかく創設された事業の効果を十分に上げるためには、前提として、実際にかかる経費をしっかりと踏まえ、負担を軽減するということが重要であり、補助金の額については適切に設定される必要があります。  そこで、次の質問ですが、1件当たりの補助の上限額をどのように算定されたのか、また、その根拠についてお伺いいたします。 ◎竹田 子育て支援部長  1件当たりの補助の上限額の算定についてでございます。  養育費の確保には、債務名義の作成が特に重要であると考えており、そのための公正証書の作成や家事調停に要する費用などについては、必要額をおおむね賄えるよう、上限額を想定しております。  その前提となる双方の協議を円滑にするために、民間ADRを活用する場合の補助の上限額は、申込料など、第1回の調停までに必要となる費用に相当する額を基にしております。  また、養育費保証契約につきましては、保証会社によって用意されているメニューに違いがございますが、保証契約に当たっての初回保証料におおむね相当すると思われる額を上限として計上しているところでございます。 ◆竹内孝代 委員  必要額を賄えるように設定をされたということを理解いたしました。  しかし、申請件数の見込みにつきましては、債務名義の作成に係る補助の75件というのはともかく、民間ADRの活用に係る補助及び養育費保証契約の締結に係る補助の10件というのは、かなり少ない印象を受けます。  この事業が実施されることは大変意義深く、対象者への周知をぜひしっかり行っていただきたいと考えていますが、周知が図られるということで、本市が想定している数を上回る申請がされる可能性もあります。想定以上の申請があった場合でも、しっかりと対応をしていただきたいと思います。  そこで、次の質問ですが、申請件数が見込みを上回った場合、本市はどのように対応されるおつもりか、伺います。 ◎竹田 子育て支援部長  申請件数が見込みを上回った場合の対応についてでございます。  申請件数につきましては、先行都市における申請実績を踏まえて、必要数を想定しているところでございます。また、この事業を通じて養育費の意義や取決め方法について広く知っていただくことも事業実施の大きな意義であると認識しておりまして、広報啓発にも積極的に取り組む考えでございます。  その結果、仮に申請件数が見込みを上回った場合でも必要な方に支援が行き渡るよう、適時適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  このたび初めて創設させる補助制度であります。  支援が必要な方々にしっかりと届けていただけるよう、ご尽力いただくことを求めまして、この質問を終わります。  次に、コロナ禍における子どもの見守り強化についてお聞きします。  昨年4月、国は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、学校等の休業、また、外出自粛が継続する中で、子どもの見守り機会が減少し、児童虐待リスクが高まっていることから、子どもの見守り強化アクションプランを実施しました。  様々な地域ネットワークを総動員して、支援ニーズの高い子どもたちを早期に発見する体制を強化するとともに、定期的に見守る体制を確保することとして、令和2年4月27日付通知により、各地方自治体宛てに適切な対応について依頼されたと承知をしております。  子どもの見守りについての全国の自治体の取組例としては、SNS等を活用した安全確認の実施のほか、子ども食堂や子ども宅食などの民間団体と協力して、子どもの状況把握や見守りを行う事例などが示されております。  本市においても、コロナ禍で、さらに子どもの見守りの機会が減少する中で、民間団体も含めた様々な地域のネットワークを活用して、支援ニーズの高い子どもを見守り、必要な支援につなげていく体制の強化をすることは重要だと考えます。  そこで、質問ですが、民間団体のこのような子どもの見守り強化活動について、本市はどのように認識をされているのか、まず初めに伺います。 ◎山本 子ども育成部長  民間団体の子どもの見守り強化活動への認識についてでございます。  民間団体が取り組む子育て支援や子どもの居場所づくり活動については、子どもの健やかな成長を育む場としてだけではなく、子どもを見守る観点からも、行政だけでは把握し切れない子どもの家庭環境や異変に気づくきっかけとなる重要な役割を果たしているものと認識をしております。  例えば、食事や安心して過ごせる居場所を提供する子ども食堂などの活動も、地域の大人との関わりを通じて子どもの見守りにつながっておりまして、札幌市としても、子ども食堂など、居場所づくり活動に取り組む団体に対し、支援を行っているところでございます。 ◆竹内孝代 委員  重要と認識しているということ、また、子どもの居場所づくりの活動をされている団体が、こうした見守り強化の役割も担われていくのではないかといった認識、理解いたしました。  国では、子どもの見守り強化アクションプランの取組を一層推進するために、民間団体が、要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協の支援対象児童等の状況を定期的に把握し、食事の提供や学習支援などを通じた子どもの見守り体制強化を図ることを目的として、支援対象児童等の見守り強化事業を実施し、各自治体に事業の募集を行っております。  しかしながら、全国の自治体からは、個人情報の観点などから、なかなか活用が難しいといった声もあり、北海道では、まだどの自治体でも活用されておらず、札幌市でも事業化する上での課題があるというふうにお聞きしています。  一方、国は、本事業における支援対象となる児童については、要対協に関わる子どもに限らず、市町村が見守りを必要と判断した子ども等が含まれるため、市からの委託事業だけではなく、民間団体への補助も含めて柔軟に活用できるようにと、運用を弾力的にして、他の政令市でも、大阪市、京都市をはじめ、他の自治体で事業化されているといった動きがあります。  私は、昨年、実際に厚労省を訪問し、この子どもの見守りに係る事業内容やその効果について最新情報を共有し、昨年の4定の代表質問で、この事業について取り上げさせていただきました。  その後も、どうしたら自治体が活用しやすいものになるか、厚労省と何度も連携し、弾力的な運用を確認し、本市の担当部署の方にも情報提供をしてまいりました。  同時に、日頃から地域の子育て支援を展開されている民間団体へのヒアリングに、前厚労副大臣の稲津久代議士と一緒に訪問してきました。国の考えられている見守り事業の目的やその内容を説明、事業者が抱えておられる課題を直接伺ってきました。  このコロナ禍の子どもの様子を心配して、子どものお弁当配達プロジェクトを展開して見守りを積極的に行ってきた民間団体からは、こうした補助制度があると、活動が単発的ではなく継続的に展開できるので協力したいといった声もいただいたところであります。  これまで、本市は悲しい事件を何度も経験し、児童虐待防止に向けた取組に全力を挙げておりますが、加えて、今般のコロナ禍による家庭環境の変化等から、機を逃がさない支援が必要だと考えています。  この子どもの見守り強化事業については、代表質問で取り上げて以来、市長への予算要望でも求め、本年1月29日には、我が会派から市長宛ての新型コロナウイルス対策に関する緊急要望書において、社会経済活動の変化による子どもの見守り機会の減少と児童虐待のリスクが高まっていることから、早期の実施を要望してまいりました。  そこで、質問ですが、本市としてはクリアしたい様々な課題があるかもしれませんが、ぜひご尽力いただき、今回の国の補助事業を活用して、子ども食堂などの活動支援を充実させるなど、子どもの見守り強化をしていただきたいのですがいかがか、お伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  国の補助事業を活用した子どもの見守り強化についてでございます。  新型コロナウイルス感染症による行動や生活様式の変化は、今なお、子育て世帯に影響を及ぼしておりまして、民間団体の見守り活動と連携した取組は意義のあるものと認識をしております。  子どもの見守り活動に対して補助する場合には、単なる食事の提供とは異なり、どの子どもを見守り対象とするかの判断や、行政と民間団体との適切な個人情報の管理などの課題が考えられます。また、一部の子ども食堂からは、見守りの責任を負うことを心配する声も聞かれまして、実施者となり得る団体がどの程度存在するのか、不確定な要素もございます。  令和2年度から開始しました子ども食堂などへの補助制度では、感染症による子育て世帯や子ども食堂の活動への状況の変化に応じまして、学校休業中における弁当提供への緊急的な支援ですとか、居場所づくり活動支援の補助の中で、感染症対策に係る経費も対象とするなど、弾力的に対応をしてきたところでございます。  令和3年度の事業実施に当たっては、国の補助事業の活用を検討する上での課題を整理しまして、民間団体を含めた地域での子どもの見守り活動を後押しする運用を早期に検討してまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  これまで、なかなかよい回答をいただかないでまいりましたが、ただいま早期に検討するといったご答弁がありました。ぜひとも実施に向けてお願いしたいと強く求めさせていただきます。  この補助事業は、コロナ禍における緊急対応の補助事業で、自治体負担のない10分の10の補助で、また、高額のものであります。大都市である札幌市としては、クリアしたい様々な課題があることは十分理解をしておりますが、実際に事業を開始した都市もあります。  また、先ほど申し上げたように、現在子育て支援を展開しておられる民間団体の中には、協力したいといった声もありますので、本市においても十分可能であると思っております。  このコロナ禍における支援制度というのは、スピードと確実性が求められますので、ぜひとも、実施に向けて、早期検討、そしてご準備いただき、民間には負担等がかからないような制度設計を構築いただきますようお願いいたします。  長期にわたる新型コロナウイルス感染症との闘いの中で、地域や様々な関係団体とともに、温かい目で子どもを見守る体制を強化していくといった取組は重要であります。  本日は、財政部長も同席をされておりますが、国のコロナ対応の補助制度は機を逃すことなく活用していただき、しっかりと財政投資をすることで、子育て支援を力強く推進していただくことを強く求めさせていただき、私の質問を終わります。 ◆太田秀子 委員  私からは、子どもの貧困対策について質問をさせていただきます。  2023年、次期子どもの貧困対策計画を策定するためのスケジュールが示されております。  我が党は、2017年の計画策定時から、子どもの貧困対策について質問をしてまいりました。本市は、経済的に苦しい思いをしている子育て家庭は多数存在している、子どもの貧困は、本市においても深刻な状況にあると受け止めていると答弁されてきました。  ここで、伺います。  子どもの貧困に対する本市の認識、また、子どもの貧困は、貧困状態にある子どもや社会、本市にどのような影響が及ぶとお考えか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  子どもの貧困に対する認識と、子どもや社会に及ぼす影響についてでございます。  まず、国におけます動きとしましては、令和元年の国民生活基礎調査によりまして、全国の子どもの貧困率は13.5%と発表され、前回調査より若干の改善は見られたものの、依然として子どもの7人に1人が貧困状態にあり、事態が好転しているとは言い難い状況であると認識をしております。  また、札幌市においては、子どもの貧困を主に経済的な問題を要因として、心身の健康や周囲との人間関係、学習など、子どもが生まれ育つ環境に様々な困難が生じている状況と捉えております。  こうした貧困の状態が続くことで、子どもの発達の諸段階において様々な不利や制約と結びつき、子どもの成長や将来的な自立に影響を及ぼし、結果として次世代への貧困の連鎖につながるなど、札幌市も含めて、活力ある社会をつくっていく上でも、大きな影響を与えるものと考えております。 ◆太田秀子 委員  子どもの貧困というのは、子ども時代を子どもらしく幸せに生きるために必要な暮らしが欠けている状態であります。  2016年から2017年にかけて本市が行いました貧困対策計画策定に係る実態調査の支援者ヒアリングでは、ひとり親家庭の保護者は、生活費を得るためにダブルワーク、トリプルワークをしているとあります。  2020年、子ども・子育て会議児童福祉部会では、ダブルワークやトリプルワークをしても、ひとり親家庭の貧困率は50%を超えていると指摘されています。つまり、ひとり親世帯は、所得と時間の両方の貧困に直面しているんです。  これは、当然、生活の質を大きく損なうことですから、生活習慣や健康、人間関係の貧困に関連します。今のご答弁にあったとおりです。  経済的な貧困では済まないということであり、時間や生活だけの貧困でもないと。これらは、ばらばらにあるのではなく、どれも連動していることが深刻であり、重大な問題であるということを共通の認識にして、本市は対策を取らなければならないと考えます。  そこで、2点目の質問です。  貧困対策計画の施策では、1番目に、困難を抱える子ども・世帯を早期に把握し、必要な支援につなげるとあります。  把握するということ、しっかりつかむというぐらい、貧困は見えにくくなっていますが、なぜ見えにくいとお考えか、また、早期に把握し、支援する必要性についてどのようにお考えか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  貧困が見えにくい理由と、早期に把握し、支援につなげることの必要性についてでございます。  困難を抱えている子どもや家庭ほど、相談相手がいない、あるいは、相談窓口を知らない傾向にあることや、困難の状況を自ら周囲に見せないことからも、ふだんの生活からは一見して貧困の深刻さが見えにくい傾向にあるものと認識をしております。  このため、抱えている問題が深刻化する前に必要な支援につなげることが何よりも重要であることから、現在の計画では、困難を抱える子ども・世帯を早期に把握し、必要な支援につなげる取組を子どもの貧困対策を進める上での基礎となる、特に推進するべき施策と位置づけているところでございます。 ◆太田秀子 委員  衣食住にも事欠くような絶対的貧困と異なって、一定基準、貧困線を下回る等価可処分所得しか得ていない相対的貧困は、一見すると分かりにくく、見過ごされがちです。  日本社会は、2000年代に入ると、子どもの貧困が大きな社会問題になり、2008年が子どもの貧困発見元年と言われていますが、2008年から現在までの間に貧困の家族間連鎖が起こっているであろうことは容易に想像できます。私は、貧困が見えづらい要因の一つに、貧困の連鎖があるだろうと思っています。  本市が行った若年期の女性を対象とした支援に関する実態調査では、ヒアリング調査をした4人中3人が、育った家庭は経済的に困窮していたと回答し、大人になっても自分から相談や支援を求めることはしていません。子どもの頃からの困難な体験から、耐性がついているため、困っているという自覚がないと言っています。耐性というのは、貧困であることに適応していくということです。  支援者は、この女性たちを、ひどい体験をしているほど、聞いても問題ないという人が多く、幸せや満たされることがどういうことか分からずに、常に不安を感じていると分析しています。  見えない貧困は、当事者が貧困を自覚できていない場合があり、支援を求められないという事実に表れているのではないでしょうか。  午前中の質疑にも、若年期の女性対象の調査のことが議論になりました。困難は一つではないですとか、未然に防ぐと。早期に発見して、官民の連絡会議を開いて、関係の機関につないでいくというふうにおっしゃっていました。  しかし、私は、早期発見と未然に防ぐということはイコールではないと思っています。深刻化する前に発見していくというときは、もう貧困の入り口に立っているか、もう既に貧困に一歩足を踏み込んでいるという状態だと思っていますから、先ほどの質問にご答弁いただいたときにも、孤立化や深刻化する前の支援をなるべく行いたいという答弁でしたけれども、やはり未然に防ぐことが重要だと思っています。  ヒアリングにあったように、育った家庭が生活困窮だったと言っているのですから、本気で未然に防止するということであれば、やはり貧困対策がとても大事だと思うんです。幅広い社会保障、貧困対策などが必要です。これらの対策を早く取らない限り、深刻化に陥る世帯が増えることは明らかです。  そこで、実態の把握が大事になります。  次の質問です。  次期計画策定に向けて、2021年度に実態調査を行うとのことです。私は、昨年3定の決算特別委員会で、実態調査は国の相対的貧困率や子どもの貧困率に相当する数値を算出できるものにする必要があるのではないかと質問しました。  今後議論していきたいとの答弁でありましたが、その後の検討状況はいかがか、伺います。
    ◎山本 子ども育成部長  子どもの貧困率に相当する数値の算出に関する検討状況についてでございます。  国の子どもの貧困率は、戸別訪問によって可処分所得を細かく聞き取る国民生活基礎調査を基に算出しているものでございます。  一方、札幌市の実態調査は、回答者の負担を考慮したアンケート形式による調査でございまして、単純比較ができないことや、所得に関する設問の回答率が低くなることから、施策の判断基準となり得る全体の状況を正確に反映している数値を得ることは難しいものと考えております。  また、先ほどもお答えしましたとおり、札幌市の計画では、子どもの貧困を、経済的な問題にとどまらず、健康面や学習環境面など様々な面で影響を及ぼしている状態と捉えておりまして、所得だけでは表れない貧困の実態を把握することも重要と考えております。  このため、令和3年度における実態調査の実施や分析、また、令和4年度における次期計画の検討の際に、有識者による会議などを通じて、どのような指標を用いて貧困の実態をより的確に把握していくべきか、議論をしてまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  昨年3定のときの質問で、同じように、できない理由は伺ったんですけれども、その答えてくださる皆さんが使い勝手のいいような制度にするからご協力くださいというふうに言って、調査を拡大してもらいたいというふうにお願いしたんですけれども、今も、比較が難しいものだというようなお返事でありました。  令和3年度、2021年度の実態調査で、貧困率が出せる設問をそこで設けてほしいということを質問しましたけれども、有識者会議などでの議論になると、令和4年度の計画改定に当たっても、そういうふうなご答弁でしたけれども、令和4年では、調査はもう終わってしまっているんですよね。  これまでも、2016年にも昨年の3定でも、今おっしゃったのと同じように、回答する方の負担を考えるとできていないとか、それから、2018年には、それでもやるんだったら、個人情報の目的外利用で数値を算出するとしたら、審議会の承認が得られるのかと、もし得られるとしても、時間と経費が問題なんだと、このようにして、貧困率を出せない理由を言ってきたわけです。  国は、先ほどもありましたけれども、厚労省が毎年行う国民生活基礎調査で、3年に1度、子どもの貧困率統計を示しています。全国的なレベルで集計できているのですから、市町村での子どもの貧困率の調査は可能です。  政府統計のうち、相対的貧困率を算出している調査は、ほかにも、総務省の全国消費実態調査、今は全国家計構造調査と名前が変わっていますけれども、これもあります。  この二つの調査は、それぞれ対象などに特徴がありますけれども、2015年に、内閣府、総務省、厚労省は、有識者からヒアリングを行って、この両調査の相対的貧困率について、どちらの水準が正しくてどちらの水準が正しくないとは言えない、両調査で水準は異なるけれども、変化の方向が同じであることを踏まえて、両調査を基に貧困率の傾向を見ることでいいんだとしています。  調査で100%正しい数字が出るかといえば、出ませんけれども、見えない貧困を可視化して、傾向を見て対策を取るということなんです。  私は、やはり、2021年度の実態調査は貧困率が出せるものにしていただいて、その出た結果を基にして、有識者の方たちに議論をしていただきたいと思っておりますので、それを改めて求めておきます。  次の質問です。  現計画の指標は10項目、うち6項目は毎年調査をしていますが、区役所の相談窓口に子育てや生活について相談する方法を知らなかった世帯の割合、子どもがいる世帯のうち、家計がぎりぎりまたは赤字の世帯の割合、ひとり親家庭の親の就業者に占める正規の職員の割合、今後の生活に不安があるひとり親家庭の割合、この4項目は、特に生活に直結する設問ですけれども、5年に1度の調査となっています。  5年ごとではなく、指標調査は少なくとも毎年行うべきと思いますがいかがか、また、次の計画ではこれらの指標項目を見直すおつもりか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  毎年指標を把握する必要性と指標項目の見直しについてでございます。  現在の計画においては、基本施策ごとに指標を設定しておりますが、数値の変化を毎年把握することが可能なものと、5年ごとの実態調査により把握しているものがございます。  指標の設定においては、計画の推進状況の把握だけではなく、施策の改善につながるなど、計画の実効性を高めていくためにもしっかり検討していく必要があるものと認識をしております。  したがいまして、子どもの貧困の実態について、より的確に把握するため、毎年把握が可能な指標の追加ですとか、項目の見直しを含めまして、計画の改定時に様々な議論をしてまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  調査回数や大事な指標項目を減らすことは論外ですけれども、ぜひ議論していただきたいと思います。  この4項目は、2016年に調査をして、次は2022年なんですよね。ですから、2016年に調査した指標をもって進むわけです。この間、調査で出た統計と実態が乖離すると、的確な対策ができなくなりますから、ぜひ毎年調査していただきたいと思います。  次は、具体的な取組について質問します。  計画を推進するのは、子ども未来局、福祉や教育など、関係部局と財政局で構成する札幌市子どもの権利総合推進本部です。推進本部としての会議は、2016年の調査から2017年の計画策定時にかけて開いたと聞いています。  計画策定後の会議はどのように開催されているのかを伺います。 ◎山本 子ども育成部長  計画策定後の子どもの権利総合推進本部会議の開催状況についてでございます。  現在の計画の策定後の子どもの貧困対策に係る会議の開催につきましては、まず、平成30年5月の会議で新たに立ち上げることとなった子どものくらし支援コーディネート事業について議論を行ったところでございます。  また、令和元年度及び令和2年度につきましては、前年度の取組状況の取りまとめと点検が議題であったことから、書面での開催に代えておりますが、子どもの貧困に関する課題認識ですとか、必要な視点についても、共有を図ったところでございます。 ◆太田秀子 委員  昨年の3定のときに、私は順繰り会議はされていると思っていましたから、年に1回なんだと、書面なんだということを聞いて、とても驚いたわけです。  毎年の評価、検証を行っているというふうに聞いたんですけれども、一堂に会して、全体がどうなのかということはやっていませんのでね、書面でこうやって行っているということでありますので、やはり、もっと具体的にしてほしいと思うんです。  続いて、伺いますけれども、日常的な会議を開催するものではないと、そういうことでありますけれども、それでは、貧困対策の推進は具体的にはどのように進めているのかをお答え願います。 ◎山本 子ども育成部長  子どもの貧困対策の推進の具体的な進め方についてでございます。  子どもの貧困対策の推進に当たりましては、子どものくらし支援担当課が、相談支援体制の充実ですとか、貧困への理解の促進に取り組むとともに、計画を統括する部署としまして、庁内の関係部局や様々な支援機関・団体との連携を図っているところでございます。  また、計画全体の総合的な推進に関する議論につきましては、全庁的な観点での検討が必要であることから、子どもの権利総合推進本部会議の中で議論をしまして、さらに、有識者などによる会議において、施策の取組状況や効果などを検証する体制となっております。  一方、個別の施策や取組の検討につきましては、例えば、子どもコーディネーターや若者支援施設による相談支援事業の拡充、また、子ども食堂など、子どもの居場所づくり支援事業の立ち上げなど、具体的な支援について考える際には、保健福祉や教育など関係部局と、個々の状況に応じて協議をしながら進めているところでございます。 ◆太田秀子 委員  計画の推進体制についてという資料がありますけれども、これを見ますと、子どものくらし支援担当課が部局間の連携を促進して、札幌市子どもの権利総合推進本部会議で、一緒になってその対策を推進すると。そこで話し合った中身を、今度は有識者などがいる子ども・子育て会議の児童福祉部会に報告をし、そこで施策の取組状況や効果などを検証して、必要に応じては施策の充実や見直しを図っていくと、そういうことになっています。  2018年には、子どもの権利総合推進本部で、関係部局が一丸となって貧困対策の取組を推進していくとおっしゃっていましたけれども、こういう資料に書かれているようなことが日常的に起こっているというものではなくて、やはり関係部局が個別のことは対応しているんだと、そういうことだったと思います。  連携した取組という文言で、本来、全体で取り組むべき責任を曖昧にすることなく、推進本部ができているのですから、積極的に連携して会議を開いて進めてほしいと申し上げます。  この計画を進める上で、貧困を減らすという目標が必要かと思います。  そこで、伺います。  次期計画は、子どもの貧困をいつまでにどこまで削減するのかを明記すべきと思いますがいかがか、伺います。  また、喫緊の課題として、現金給付や現物給付など直接支援が必要であると思いますがいかがか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  貧困の削減目標の明記と、現金給付や現物給付などの直接的支援の質問についてでございます。  まず、子どもの貧困に関する指標や目標値につきましては、令和3年度に実施する実態調査の結果から明らかとなります課題なども踏まえ、計画改定時の有識者等による会議において、どのような指標や目標値を設定していくべきか、議論をしてまいりたいと考えております。  現金給付や現物給付につきましては、現在の計画においても、児童手当や児童扶養手当をはじめとした各種手当の支給のほか、就学援助や子ども医療費助成の拡充、また、第2子保育料無償化など、様々な制度の充実に取り組んできたところであり、全国的な制度の拡充については、今後も、国に対して、必要な財源措置を含め、要望してまいりたいと考えております。  子どもの貧困対策を進めていくに当たっては、直接的支援だけではなく、困り事や悩みへの相談対応や、自立や就労のための支援も含め、様々な制度を用いて対応していくことが重要であると考えておりまして、次期計画における支援の枠組みについても議論をしてまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  令和3年の実態調査から指標なども決めていきたいということですから、この令和3年の実態調査がすごく大事だということを申し上げているわけです。  直接的な支援だけではないんだというふうにおっしゃいましたけれども、現在行っています医療費助成などの施策で貧困が減っているのか、あるいは、助成があっても初診料がかかるので病院に行けない人はやはりいるのか、今の計画ではつかめないわけです。  医療費助成の対象年齢が拡大されて、確実に喜ばれていますけれども、貧困が減ったかは分からないと。それは、今おっしゃったように、各部局でやっている施策が貧困削減にどう影響しているのか、それを調べていないから分からないんです。  けれども、これら社会保障の現物給付は、必ず貧困世帯に届きます。誰が貧困だか分からなくても必ず届きます。貧困に陥るかもしれないと、そう思っている世帯にも平等に届きます。  ですから、現物給付や現金給付が、一番早く確実に届く貧困支援策です。給食費の無償化、就学援助の拡充、児童手当、児童扶養手当の拡大、これらは新しいシステムが必要ではありませんから、予算をつければできることです。  貧困な予算では、貧困対策は成り立ちません。そして、指標にありますひとり親の正規職員の割合を増やすことなど、これらを同時に行うことで雇用環境が改善すれば、貧困状態でなくなります。こういうふうに総合的に進めるためには、やはり、各部局の日常的な連携が必要だと私は思います。  新型コロナウイルス流行の長期化によって生活が苦しいひとり親家庭のコロナ禍日記という手記を読みました。30代、小学生の子と2人暮らしの母子家庭です。働いていた職場の売場が閉鎖しました。  日記には、仕事がない、給料もない、米はある、よかった、一つだけはある、派遣募集のメールが久々に来た、応募するもタッチの差でなくなる、来月の生活、どうしようか、子どもは、毎朝起きると、真っ先に冷蔵庫と食料をしまっている備蓄戸棚に行く、生活に不安が出てきたらしい、おもちゃを見に行く、買ってもらえないことは十分理解している、いつも見ては帰宅する、いずれ買ってもらえる日を夢見て帰宅するとあります。  全国にも札幌にも、このような親子が今暮らしています。この子が食料を確認しないで暮らせるのはいつでしょうか。おもちゃを買ってもらえるのはいつでしょうか。  ここで、伺います。  平時でも貧困状態だったところに、コロナ禍によりさらに追い打ちがかかる深刻な状況です。  このようにつらい日々を送っている親子に本市はどのような支援をするのか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  新型コロナウイルスの影響によって、貧困が深刻化している状況に対する支援についてでございます。  札幌市では、これまで、コロナ禍において、ひとり親世帯臨時特別給付金の迅速な支給ですとか、学校休業中の子ども食堂等による居場所での食事提供に代えて、弁当を提供する取組への緊急的支援ですとか、また、ひとり親家庭向けの求人案内ポータルサイトの開設など、困難や不安を抱える子育て世帯に対し、様々な支援を行ってきたところでございます。  感染症による影響が長期化する中、現在、国において低所得の子育て世帯の生活を支援する特別給付金などの追加対策について準備が進められており、札幌市としても、必要な支援が届くよう、速やかに対応してまいりたいと考えております。  また、相談支援の現場におきましては、ストレス等による親子関係の悪化や生活の乱れなど、様々な問題が見受けられていることから、引き続き、一人一人の困り事に寄り添った丁寧な対応を行ってまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  国において給付金を追加対策すると、札幌市はこれまでもその給付金の迅速な支給をしてきたというふうにおっしゃっています。  子育て世帯への臨時特別給付金の動きがあるように聞いていますけれども、これは全額国費です。事務費も含めて全額国費です。  私は、早く支給してもらいたいと、今日は副市長に伺いたいところでしたけれども、動きがあると聞いていますので、私は、その決意がとても遅いと、取組が遅いというふうに感じているところです。  この給付金も、もう2回やっていますから、ノウハウもありますからね。もうさっさとできなかったのかと私は思っているわけです。1回5万円では足りないんです。先ほどの実態も言いましたけれども。ですから、国の給付金も大事ですけれども、それに上乗せするということは大事じゃないでしょうか。  例えば、1回5万円、国から入っても、その前後の月で、札幌市も5万円の支援をすると。困っている方は言ってくださいと。そのようにして、本市独自の給付が必要だと私は思っているわけです。  一人一人のお困り事に対応していくと言いました。今困っているのは、お金がなくて困っている人です。それがすごく大きいわけですから、ぜひそこに答えていただきたいと思います。  私は、次の計画では、子どもにメッセージを込めた、子どもでも分かる文章でまとめてほしいと思います。子どもの皆さんが子ども時代を幸せに生きるために、札幌市は最善の努力をするため、このような計画を立てたんだと発信をして、それにふさわしい十分な予算をつけて実行してほしいと思います。  先ほどの日記は、こう続きます。  子ども食堂から食品や日用品などを送ってくれるパントリーの案内が届く、私より必要な人がいるんじゃないんだろうか、迷った末に申し込む、米や化粧品、お菓子や調味料が届き、箱を開けて、ほっとして涙が出た、そして、社会から忘れられていないことを再確認できた気がすると、こう言っています。  社会とつながっているんだよと、そういうことを実感してもらえる施策が必要だと私は改めて実感しました。  まず、札幌には貧困対策があってよかったと、そう思ってもらえるような計画を一刻も早く作ることだと思います。  言うまでもありませんけれども、貧困は自己責任ではありません。社会構造から生み出される問題です。  最初の問題で、貧困が及ぼす本市への影響を伺いました。やはり、社会的な影響があるということをおっしゃっておりました。子どもの貧困を放置すると、社会的ダメージがあること、子どもの貧困を改善すると、労働力の観点からも大きな効果をもたらすことなどは、既に2015年に企業サイドのシンクタンクが「子どもの貧困の社会的損失推計」レポートとして発表しています。  子どもの貧困対策は、本市の将来、経済にとって緊急の重要な課題です。コロナ禍であり、貧困になるスピードは速いと思われますけれども、本市の貧困対策のスピードは遅いと言わざるを得ません。  スピードを上げて、積極的な財政投入で貧困問題の解決に力を尽くしていただくよう強く求めて、私からの質問を終わります。 ◆うるしはら直子 委員  私からは、育児休業等取得助成事業について、また、子どものくらし支援コーディネート事業についての2項目について質問いたします。  初めに、育児休業等取得助成事業について伺います。  男性の育児参画については、その必要性が言われるようになって久しいですが、男性の育児休業取得率については、昨年、政府が2025年には30%という高い目標を掲げています。しかしながら、昨年7月の国の雇用均等基本調査では、2019年度の女性の育児休業取得率が83.0%なのに対し、男性の育児休業取得率は7.48%にとどまっており、目標には、依然、程遠い結果となっています。  昨年の予算特別委員会において、私から男性の育児への関わりについて市がどのように後押ししていくのか質問したところ、今年度から、男女ともに育児休業が取得しやすい制度となるよう、助成金制度を拡充するとのことでした。  具体的には、まず、これまでの男性の育児休暇に対する助成金、これを男性社員が利用するには申請要件が厳しいことなどが要因で申請の件数が1件であったために、昨年度で廃止をしました。そして、新たに男性の育児休業取得助成金と、子の看護休暇有給制度創設助成金を創設し、まず長期間の男性社員の育児休業取得を後押しし、またさらに、子の看護休暇の助成金での男性従業員の利用分を一定枠確保するなど、男性が短期間でも育児に関わることを促すよう、制度が拡充されたところです。  さらに、この新設した二つの助成金制度の申請書類等の事務手続を簡略化し、申請要件を緩和したとのことで、男女ともに仕事と子育ての両立を一層推進し、支援を図っていく考えだと伺っております。  これらの制度変更が昨年の4月から実施され、ちょうど1年が経過するところです。  そこでまず、男性が育児休業を取得しやすくし、ワーク・ライフ・バランスを一層推進していくため、今年度から制度の拡充を実施した育児休業等取得助成事業について、その成果となる直近の助成金交付状況について伺います。  また、その結果をどのように捉えているのか、併せてお伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  今年度の助成金の交付状況についてでございます。  現時点での助成金の交付件数と交付金額は、35件、888万6,000円となっており、昨年度の16件、423万6,000円に比べ、倍以上の増加となっております。  そのうち、今年度新たに創設した二つの助成金のうち、男性の育児休業取得助成金が13件、250万円で、昨年度までの制度であった男性の育児休暇取得助成金よりも、交付件数、交付金額ともに大きく増加をしております。  その要因としましては、男性の育児休業についての社会的関心が高まっていることや、ワーク・ライフ・バランスに取り組む企業が増えている、そういったためと認識しております。  その一方で、もう一つの子の看護休暇有給制度創設助成金については、3件、30万円にとどまっております。  これについては、ほかの助成金に比べ、交付件数が低調なため、また、制度創設1年目であることもあり、今後、企業へのさらなる制度周知に努める必要があるものと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  まず、助成金全体の件数、これが前年度までの制度と比べて倍以上に増加しているとのことで、効果が顕著に現れたことはとてもよかったことと思います。  一方で、新たに創設した子の看護休暇有給制度創設助成金が3件にとどまっているとの答弁で、1年目とはいいますけれども、残念な結果だと思います。  先日18日に、子ども未来局が、昨年の12月に子育て中の約3,000世帯を対象に行った令和2年度札幌市子ども・子育てに関する市民アンケート調査の結果が公表されております。  これによりますと、まず、母親の就労状況は、現在、フルタイム、パート、アルバイトを含めて就労していると回答した方が62.3%、また、以前は就労していたが、現在は就労していないと回答した方が35.2%あることに比べ、父親の就労率は93.2%となっています。  また、母親がフルタイムで就労していて、産休・育休・介護休業中であると回答した方は15.3%いるのに対し、父親で産休・育休・介護休業中の方は僅か0.1%という結果が出ており、このことからも、まだまだ育児に関しては母親の負担が多いことが分かります。  さらに、どうしたら、仕事と子育ての両立の調和がより取られるようになるかという質問に対しては、突発的な休暇や早退が取りやすいこと、職場の上司や同僚の理解が深まることなどの答えが上位を占めております。  この突発的な子どもの病気、特に新型コロナウイルスやインフルエンザのような感染性疾患の場合は、連続した休暇の取得や、急遽仕事を抜けるなどしなければならないことを考えますと、看護休暇を取得できるよう、行政や企業側が進めて背中を押してあげることも必要と考えます。  昨年の予算特別委員会では、ワーク・ライフ・バランスの推進に関しては、制度の運用や申請受付の窓口などの所管が複数の場所にまたがることから、庁内外の関係機関が連携した取組や制度の周知が必要であることを指摘させていただきました。
     その際に、男女共同参画室や子ども未来局、あと、雇用推進部がしっかりと連携して取り組んでいくという強い意欲を感じたところでした。  そこで、質問ですが、庁内連携による制度の周知について、この間、どのような取組を行い、また、今後どのように進めていくのか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  庁内連携による制度の周知についてでございます。  令和2年度は、本制度を広く知ってもらうため、経済観光局が発行しております経済情報さっぽろと、札幌商工会議所が発行しております会員企業向け広報誌のさっぽろ経済に、当該助成金制度についてと、助成金申請の要件となっておりますワーク・ライフ・バランスplus企業認証制度についての記事を掲載したところでございます。  そのほか、厚生労働省と男女共同参画課が共催しました企業向けオンラインセミナーにおいて企業認証制度についての紹介を行ったほか、札幌商工会議所のメールマガジンへの記事掲載など、関係部署と一体となり、ワーク・ライフ・バランスの取組と助成金制度の周知に努めております。  来年度も引き続き、関係各所と連携しまして、助成制度の周知に努め、ワーク・ライフ・バランスに取り組む企業を支援していきたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  この間の取組、また、連携して取組を進めていることについては分かりました。  今後、こうしたワーク・ライフ・バランスの取組は、ますます重要になるものと思います。  本日は、制度を変更した初年度ということで、1年目の成果と、また状況について確認をさせていただきました。  要望を申し上げて、この質問を終わりたいと思います。  コロナ禍においては、在宅勤務が進み、家にいる時間が増えたことで、今までの働き方の見直しや、家庭内での育児や家事をどのように分担するのかという意識が高まっていることは、各報道でも取り上げられております。  今が男性の育児休業取得や企業の制度改正を進めていく好機ではないかと思いますので、札幌市として、この機を逃がさず、関係各所が連携し、積極的な企業支援と各制度の周知に努めていただくよう要望いたします。  また、先ほどの調査結果からも、子育てと仕事を両立して働く女性の数がまだまだ少ない状況にあります。ご家庭の経済状況ですとか、子育てに専念したいなど、個々の選択もあるとは思いますけれども、女性人口の割合が高い本市の特性からも、女性が社会で活躍できてこそのワーク・ライフ・バランスであると思いますので、さらに支援を進めていただくことを求めまして、次の質問に移ります。  次に、子どものくらし支援コーディネート事業について伺います。  本市がこの事業を2018年8月に開始して、2年半が経過いたしました。本事業は、子どもの貧困対策として、子どもコーディネーターが、児童会館や子ども食堂など、子どもの居場所を巡回して、困り事や悩みを抱えている子どもや家庭を早期に把握し、必要な支援につなげるための事業で、現在、公益財団法人さっぽろ青少年女性活動協会に委託して、段階的に地区を拡大しております。  我が会派では、これまでも、子どもの貧困対策をはじめ、潜在するヤングケアラーやジェンダー教育推進の取組などについても提起し、困難を抱える子どもやご家庭に対する対策や支援を求めてきましたが、昨今、子どもを取り巻く状況はますます複雑化し、そして、顕在化してきています。  こうした中で、社会的に弱い立場にある子どもや、置かれる家庭の状況が深刻な事態に陥る前に、早い段階でアプローチしていく子どもコーディネーターの活動は、重要な役割を担っていると認識しております。  現在、子どもコーディネーターが子どもの居場所を巡回し、受ける相談は、単に経済的な困難というわけではなく、養育環境面や、子どもの発達・精神面、学習・学校面における問題など、多岐にわたると聞いております。  そこでまず、子どもコーディネーターが、子どもの居場所への巡回活動をしてきた中で、具体的にどのような困難への気づきや発見があったのか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  巡回活動において発見される具体的な困難についてでございます。  子どもコーディネーターが居場所への巡回活動を通じて受ける相談の多くは、児童会館職員など日常的に子どもと関わる大人から、子どもの様子を心配して相談が寄せられているものでございます。  最も多い養育環境に関する相談については、親の傷病や養育能力、複雑な家庭環境が要因となって、子どもの生活面や食事、衛生面での問題が見受けられたり、保護者の精神的負担が大きくなっているケース、さらには、虐待が疑われるケースも存在をしております。  また、子ども自身の行動面や発達面の相談については、保護者や居場所のスタッフが、どうしてよいか分からず、悩みを抱え、適切な支援期間などにつながっていなかったと、そういったケースも存在をしております。  こうした困難の中には、複数の問題を同時に抱えていて、関係機関と連携しながら長期的に関わっていくものも多い状況にございます。 ◆うるしはら直子 委員  コーディネーターの巡回活動を通じて発見した子どもや家庭が抱える困難には、個々に様々な状況があるとは思いますけれども、親の困難な状況が子どもにも影響を及ぼす例もあると理解いたしました。  子どもの将来が生まれ育った環境や事情に左右されずに健やかに成長していくために、コーディネーターが行っているこうした活動は、今後、ますます必要で、また重要になってくると考えます。  この事業の実施区域については、当初は1名体制、2区10地区で試行的に開始されたものが、段階的に対象地区が拡大され、今年度は10区61地区で実施となりました。そしてさらに、来年度の予算案では市内全域に拡大するための経費が計上されているところです。  また、子どもの居場所との関わりという点では、特に、昨今、活動を幅広く展開しております子ども食堂との連携も、非常に重要であると認識しています。  こうした連携について、2019年の決算特別委員会で質問したところ、子ども食堂など、子どもの居場所へコーディネーターがこれまで以上に積極的に出向き、関係者による連携体制により一層強化してまいるとの旨の答弁がございました。  そこで、質問ですが、来年度に予定されている市内全域での実施体制はどのようになるのか、伺います。  また、現在、子ども食堂との連携はどのような状況であるのか、併せて伺います。 ◎山本 子ども育成部長  来年度の実施体制及び子ども食堂との連携の状況についてでございます。  令和3年度は、子どもコーディネーターの巡回対象地区を市内全地区に拡大することとしており、そのための人員体制を現在の5名から7名に増員することを予定しております。  今回拡大となる地区につきましては、これまでの活動で得られたノウハウをコーディネーターの間で共有しまして、まずは、児童会館をはじめとする子どもの居場所への巡回活動を通じて、着実に地域とのつながりをつくってまいりたいと考えております。  また、子ども食堂への巡回につきましては、居場所で気になる子どもがいた際に円滑に相談につながるよう、積極的に訪問をしてきておりまして、これまでに31か所の子ども食堂を訪問し、顔の見える関係性を築いていこうとしているところでございます。  その中で、実際に相談事例に至ったケースは、これまでに6件とそれほど多くはありませんが、事例の一つとして、発達面での悩みのある子どもについて、コーディネーターに相談した結果、自立に向けた支援にもつながって、コーディネーターが関わってくれてよかったと、そういった声もいただいているところでございます。 ◆うるしはら直子 委員  次年度からの実施体制については理解いたしました。  本市には、現在、児童会館がミニ児童会館も合わせて約200施設、そちらと併せて、子ども食堂は今年度で約60団体あると聞いております。その約半数を訪問したということで、今後、この7人で全区域ということが、タイトな実施状況になるのかなということを感じております。  子ども食堂の意義については、2018年と、また、昨年度に厚生労働省が各都道府県、政令市などに発出した通知においても、子どもの食育や居場所づくりにとどまらず、地域共生社会の実現に向けて大きな役割を果たすことが期待され、推進していくとされております。  昨年、白石区と豊平区の子ども食堂と区の家庭児童相談室との間で意見交換会が開催され、私も参加させていただきましたが、対象児童の相談支援について検討がなされた、こういった例があり、こうした動きは、児童の支援はもとより、関係機関の相互理解や信頼関係の強化という効果をもたらすという意味で、大変意義ある取組と認識しております。  また、子ども食堂や子どもの居場所を運営する方々からは、長い時間子どもたちと過ごす中で、やっぱり虐待かもしれないケースや、ヤングケアラーへの気づきがあるとの話も少なからずお聞きしております。  一方で、一部の子ども食堂からは、そうした気づきや相談があった際に、どこにつないでよいか分からない、また、どの範囲まで関わってよいのかと悩む声も聞かれます。子ども食堂を運営するのは、あくまで、子どもたちに温かい食事を提供したい思いで続けていきたいという方々ももちろんたくさんいらっしゃいますし、また、昨年は新型コロナウイルスの影響で活動を休止した団体もありましたが、少しでも子どもに食事の支援をと新たに始めた団体などもあって、その活動手法も目的も本当に多様化してきております。  こうした中で、子どもコーディネーターが、子ども食堂をはじめとする子どもの居場所との関係の中で、その声を聞いてつなげていくパイプ役として果たしていける役割が、まだまだ多岐にあるのではないかと考えます。  そこで、最後に、子どもコーディネーターと子ども食堂等、子どもの居場所との連携を強化すべきと考えるが、どのように認識しているのか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  子ども食堂との連携の強化についてでございます。  子どもの居場所におけるスタッフが、子どもの様子を心配と感じながらも、つなぎ先が分からない、あるいは、どう対応してよいか分からない、そういったケースもあるものと認識をしております。  豊富な相談経験を持つ子どもコーディネーターが支援などに関する情報を集約しまして、子ども食堂など、子どもの居場所と関わっていくことで、困難の早期発見と解決につながっていくものと考えてございます。  コーディネーターのこれまでの約2年半の活動から、個別ケースへの対応の積み重ねによって各団体から信頼を得て、顔が見える関係性ができてきている地域もございます。  関係性の構築は時間がかかることではございますが、地道な取組を積み重ね、子ども食堂など地域の団体と積極的につながりを深めていきたいと考えてございます。 ◆うるしはら直子 委員  顔が見える関係性、つながりを深めることは非常に大切だと思います。  最後に2点要望です。  子ども食堂や児童会館の方が、一度巡回や電話をくれたというコーディネーターに難しいデリケートな内容を相談しようかと思うまでには、やはり信頼関係が必要だと思います。そうしたことからも、今後さらに、コーディネーターの活動をまず周知していくことと併せまして、今の体制や人数については、区域を広げ、全区で実施をした後には、改めてこの活動を総括し、また新たな活動への展開を検討していくことを要望いたします。  また、もう一点、これまでにコーディネーターが聞いてきた相談の内容ですが、このことは、虐待や、先ほども話が出ていました若年女性の困難、そして、ヤングケアラーなどの課題、要因との共通点がかなり多くあると改めて感じています。  このヤングケアラーに関しましては、現在、本市では、支援につなぐため、保健福祉局、子ども未来局、そして教育委員会が連携を図り、国の調査を参考にした独自の調査の実施と今後の政策について検討を進めているところですけれども、国が先日ヤングケアラー検討委員会を立ち上げ、潜在化していた諸課題が顕在化し、必要な支援なども明らかになってきております。  今後も、子どもコーディネーターが巡回を拡大する中では、子どもの貧困対策に限らない、こうした多岐にわたる相談を受けることが増えていくことと思います。家庭児童相談室や相談機関、また地域とも連携して、早期に的確な子どもの支援につなげていくことが必要となります。  今後もさらに、各部局間での連携を強めて、札幌市の包括的な子どもの総合支援体制をしっかり整備することを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆前川隆史 委員  私からは、子育てデータ管理プラットフォームの構築について、そして、若者出会い創出事業、いわゆる婚活事業について、以上の2点について、順次お伺いしたいと思います。  まず最初に、子育てデータ管理プラットフォームの構築についてお伺いいたします。  一昨年の2歳女児が衰弱死した痛ましい事案を受けまして、我が会派は、これまで議会等で、繰り返し、各部署で所有するデータを連携する抜本的な業務改善の必要性を訴えまして、そのためにも児童に係るシステム連携による情報共有の必要性を提言してまいりました。  昨年の決算特別委員会の際にも、私から幾つか質問させていただきましたが、その際の答弁では、児童相談所と区健康・子ども課の家庭児童相談室、そして母子保健を担う健やか推進係のそれぞれが持つ三つのシステム情報を統合して、基本情報やリスク評価の共有を目指すということと、児童相談所や保健所、各区の健康・子ども課の母子保健や家庭児童相談室の職員から丁寧にヒアリングを重ねて、目指すべきシステムの仕様を固めたと、そういった答弁をいただいたところでございます。  そこで、早速1点目の質問でございますが、子育てデータ管理プラットフォームについて、その後、どのような検討を行って、どこまで構築作業が進んでいるのか、現時点での進捗状況についてお伺いしたいと思います。  あわせて、今後のシステム稼働開始までの見通しについてお伺いしたいと思います。 ◎山本 児童相談所担当局長  子育てデータ管理プラットフォームの現時点での進捗状況であります。  昨年11月にプロポーザル方式によりまして受託業者を決定した後、母子保健、児童相談の関連職員を交えた会議を合計8回実施しております。仕様に定めた業務要件の確認、画面レイアウトや管理項目などを検討し、基本設計を完了したところであります。また、周辺機器につきましては、入札・契約も終えまして、3月末までには調達が完了するという見込みであります。  次に、今後のシステム稼働開始までの見通しであります。  今後は、5月まで受託業者によりますシステム開発が行われまして、6月には、データ連携、各種テスト、操作研修を実施しまして、当初の予定どおり7月の稼働開始を見込んでいるところであります。 ◆前川隆史 委員  業者の決定後、8回ですか、各部局、議論を重ね、基本設計も完了して、5月頃にシステムの開発が終わり、そして、6月には、データの連携、テスト、研修等が始まって、7月に全国的に見ても先進的なシステムがいよいよ稼働する、そういう見通しであるといったご答弁であったと思います。  昨年の決算特別委員会の答弁では、このプラットフォームでは、現行の児童相談、家庭児童相談、母子保健の三つのシステムの支援対象者情報を統合して、乳幼児健診の受診状況や各種支援の状況などを画面に一覧表示することで、基本的な情報共有の迅速化を図る、さらに、三つのシステム情報からリスク評価を行い、リスク度が高い場合に警報を鳴らすアラート表示機能を取り入れるとのことでございました。  そこで、2点目の質問でございますが、これまでの検討、構築過程で、さらに機能の詳細が明らかになっているのではないかと思いますので、これらの機能の詳細と、その機能によってどういった効果が期待されるのか、お伺いしたいと思います。 ◎山本 児童相談所担当局長  子育てデータ管理プラットフォームの機能の詳細についてであります。  これまでの検討の結果、表示項目やレイアウトなどが確定したところでありまして、特に、ほかの部署が子どもや世帯に関わったことを表示して知らせる機能を設けることから、より円滑な連携が期待されるものであります。  また、虐待通告、特定妊婦の出産、乳幼児健診未受診や、健診結果に何らかの所見があるといった情報を各システムから検知して通知し、早期の対策を促すほか、転居、転出、世帯員変動、氏名変更といった情報も、変更の通知がされる予定であります。  次に、期待される効果についてです。  児童相談と母子保健、それぞれのリスク要因をカウントする機能を取り入れることで、担当者間や関係部署間で統一されたリスク情報の共有が図られまして、より一体的に支援が行えるものと考えております。  また、リスク要因をさらに踏み込んで分析し、将来的な虐待につながらないかといった危険性を予測する機能も取り入れます。  この予測機能は、三つのシステムから蓄積されますデータを繰り返し分析することで精度の向上が図られるものでありまして、虐待の予防、早期発見の一助となることを期待しています。 ◆前川隆史 委員  それぞれのところから得られる情報も、細かな動き、変化を見逃さないで、リスクの評価等々をしていって、さらに、虐待リスクの予測機能も取り入れると。そのデータがどんどん集積されることによって、また予測の精度も高まっていって、効果もどんどん高まっていくのではないか、簡単に言いますと、そのようなお話だったのかなと。  どんどん詳細が煮詰まってきて、機能も幅広くなってきまして、私も、一度聞いても、ちょっと答え切れないぐらい立派なものになってきたのかなというふうに思っております。  今伺っていますと、まさに、これはAIを活用した機能とも言えるのかなと、様々なデータを蓄積して、それをしっかり自己分析して、我々人間に、そういうリスクというものを提示していくという、そういった人工的なAI的な機能と言えるとも思います。ぜひ期待したいと思います。  来年度、市としては、新しい局でございますデジタル推進担当局もスタートすることになっております。市役所総体として、今デジタル化を進めようとしているわけでございますが、まさに先取りした取組とも言えるのではないかなと、このように思うところでございます。  一昨年の痛ましい事案があって、二度とこんな悲しい事件を起こしてはならないとの中で、システム連携の必要性を私どもは訴えましたけれども、特に、本日おいでの町田副市長のリーダーシップも非常に大きかったのではないかなと思ってはおりますが、システム構築もスピード感を持って真剣に取り組めたのではないかと思います。  ただひたすらに、市民のため、幸せを実現するためのデジタル化ということを、今後のデジタル化推進をしていく上で、非常に重要だということを肝に銘じるべきだと、このように同時に思った次第でございます。  最後に、要望を申し上げたいと思いますが、繰り返しになりますけれども、このプラットフォームの構築につきましては、組織間の情報共有や情報伝達が改善をされて、また、早期のリスク検知が可能になるなど、児童虐待防止の大きな効果が期待できます。  令和3年度途中から、7月からの稼働になるわけでございますが、実際に使用する職員がより効果的に活用できるように、さらなる検討を深めていただいて、システム構築を進めていただきたいと思います。  私は、先ほどの答弁にございましたリスク評価の機能、予測機能の精度の向上のためには、やっぱり、先ほど申し上げましたとおり、データの質というのが、集積の量も含めてでしょうけれども、非常に重要になってくるのだと思います。  そういう意味で、プラットフォームの運用に当たりましては、必須で入力すべき項目の徹底といった運用ルールの確立ですとか、それに伴うマニュアルの整備や研修などについても、システムの整備と、また人材の育成と併せて着実に進めていただきますことをお願いしまして、この質問は終わりたいと思います。  次に、若者出会い創出事業、いわゆる婚活事業についてお伺いしたいと思います。  札幌市における婚姻件数は、毎年減少しているようでございまして、さらに、昨年、令和2年は、新型コロナウイルスの感染拡大によりまして、婚姻件数にも影響が出ているのではないかと推測するところでございます。  そこで、最初の質問でございますが、まだ人口動態統計の昨年の婚姻件数は出されておりませんが、札幌市の令和2年の婚姻届出件数の状況についてお伺いしたいと思います。 ◎山本 子ども育成部長  令和2年の婚姻届の届出件数についてでございます。  令和2年の札幌市の婚姻届の届出件数は9,823件となっておりまして、令和元年の1万1,133件に比べて11.8%の減となってございます。また、平成30年の1万690件と比べると、8.1%の減となってございます。  なお、令和元年は、前年より443件、率にして4.1%増となっておりますが、これは、平成から令和への改元の日に入籍する、いわゆる令和婚による一時的な増加の影響があるものと思われます。 ◆前川隆史 委員  昨年は、令和婚ということもあって、1万1,133件、今年と比べて11.8%の差がありますけれども、特別にちょっと多かったのかなという部分がありますけれども、一昨年と比べますと、8.1%の減ということで、令和2年は9,823件、1万件を切ったのは初めてなんでしょうかね、どうなんでしょうかね。ちょっと分かりませんね。いずれにしても、1万件を切ったということでございます。減少傾向が顕著なんじゃないかなと、このように思います。  札幌市の婚姻件数につきましては、令和婚による一時的な増加や新型コロナウイルスの影響も受けていると思いますが、やはり、繰り返しになりますが、減少傾向が強まっていると思います。  未婚者が現在独身でいる最大の理由は、男女ともに、これまでも何十回も質問してきていますけれども、適当な相手にまだ巡り会わないから、出会いがないからということが最も多いわけでございますが、特に、コロナ禍において、出会いを求めたくても、人と会うことが制限をされ、そもそも外出もままならないという状況で、結婚への不安を抱える若者も増えているのではないかなと、このように思うところでございます。  札幌市の今年度、令和2年度の若者出会い創出事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けまして、事業が一切できなかったということでございました。  ちょっと致し方ないところもあるとは思うんですけれども、そこで、来年度、令和3年度の若者出会い創出事業についてはどういった内容で実施を考えているのか、お伺いしたいと思います。 ◎山本 子ども育成部長  来年度、令和3年度の事業内容についてでございます。  事業の内容としましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止を前提にした上で、民間事業者との連携により、出会いの場を創出しまして、これまで行政のみでは行き届かなかった参加者のマッチングに向けた支援についても進めていきたいと考えてございます。  また、出会いを希望する若者が幅広く参加できるよう、対象年齢も柔軟に設定し、札幌市だけではなく、周辺自治体と連携して、広域的な視点での取組についても考えているところでございます。
    ◆前川隆史 委員  民間と連携して、これまでにはなかなか手の届かなかった方にも、何とか支援の手を差し伸べたいと。また、年齢も柔軟にということで、以前より、40歳以上も何とかということでお願いしてまいりましたけれども、かたくなに抵抗をされてまいりましたが、いよいよ新時代を迎えるのかなということで、地域の皆さんからも、40代、50代、60代もやってほしいという声をたくさんいただいておりますので、ご検討をしっかりいただきたいなというふうに思います。  また、周辺自治体との連携のことも述べられておりましたので、いろんな工夫した取組をお願いしたいと思いますが、出会いの場といいますと、やはり、たくさん人数が集まって、おしゃべりをしたり、食事を楽しんだりというのが一般的なんでしょうけれども、このコロナ禍の中であっても、何らかの別の手法で出会いの場を創出して、パートナーとの出会いを希望する若者を支援していくのは、やはり行政の大きな役割の一つだと思います。  近年、全国の自治体においても、日進月歩、創意工夫を凝らした婚活支援を行っております。札幌市でも、新型コロナウイルスの感染状況を見ながら、出会いや結婚を希望する若者を支援できるような取組をぜひ検討していただきたいと思います。  そこで、コロナ禍におけるこの事業の工夫について、どのようにお考えなのか、お伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  コロナ禍における事業の工夫についてでございます。  現在、多くの自治体が感染防止を徹底しながらの少人数での婚活イベントですとか、オンライン婚活など様々な婚活支援事業を実施しているところでございます。  まずは、先ほど答弁した内容での事業展開を進めていきたいと考えておりますが、他都市の取組についての情報収集ですとか、民間事業者との情報共有や意見交換を進めまして、感染状況を見ながら、札幌市の状況に合った施策について、柔軟に検討していきたいと考えてございます。  来年度の事業実施に当たっては、札幌市の若者が結婚に少しでも前向きな気持ちを持てるよう、支援を行っていきたいと考えてございます。 ◆前川隆史 委員  なかなか考えるといっても難しいのかもしれませんけれども、オンラインですとか、少人数だとか、そんなことも含めて、他都市での取組ですとか、あと、民間とよく打合せして進めていきたいということだと思います。  それで、最後に、ちょっとご紹介もしたいんですが、先月、新聞報道でこんな記事が掲載をされておりました。  タイトルが「単なるマッチングじゃない? AI婚活へ補助、国も本腰」というものでございまして、ざっと読みますと、内閣府は地域少子化対策として、2014年度から自治体による婚活や新婚生活への支援、子育てしやすい社会の雰囲気づくりに補助金を出しているが、新年度、令和3年度ですね、その補助割合をこれまでの2分の1から3分の2に引き上げると。この3分の2に引き上げる施策の目玉は婚活のマッチングシステムにAIを活用した場合への補助だと、こんなような記事でございます。  既に先行しているところもあるということで、愛媛県なんですが、えひめ結婚支援センターは、従来の条件マッチングのほかに、ビッグデータを活用していると。まず過去のお見合い希望の結果から、好みが似ている同性のグループを見つけ、これを異性側でも行うことで、お互いにお見合い希望は出していないけれども、両思いになる可能性が高い組み合わせをビッグデータでPCが導き出して紹介すると。これを2016年度から本格的に始めてお見合いに至った割合は、それまでの13%から直近では33%まで跳ね上がったと。  この愛媛県の婚活、実は、私、1回視察に行ってきまして、これだけ婚活をやっているのかと、私もどん引きするぐらい物すごい、そこまでやるのというぐらい、こういう人、私、好みなんですと言っても、このビッグデータが、いや、あなたにはそういう人は似合っていないから、こういう人と結婚しなさいと、人生を物すごく強引に導いていくような仕組みで、これで問題にならないんですかと言ったら、全く問題は起きていませんと言っておりましたが、何かこの新聞報道にもありますように非常に成果も出ているということで、もはや、こういうふうに国も婚活にとうとうAIを活用しようと、愛媛県ではとっくにもう動いていますし、確かに、考えてみれば、結婚に関して他人がおせっかいを焼くと、たとえ、親切心だったとしても、ハラスメントになりかねないような時代でございますし、一方で、多くの若者が、結婚したいけれども、先ほど言いましたように出会いがないということで、結婚できなくて悩んでいるという実態がもう全国的に明らかになっておりますので、そういう意味では、こういった手法というものが導入されるということも、ある意味、当然の帰結なのかもしれません。  実は、九州経済連合会、うちで言うところの道経連ですね。九経連さんでも、北海道大学の川村教授、町田副市長とお友達らしいですけれども、この川村教授がAIを使ったAillという婚活アプリ開発の中心人物として活躍していまして、この川村先生の技術を活用して、今、九経連、九州経済界挙げて、AI婚活事業で九州全体の活性化をというスローガンを掲げて、思いっ切りやっているそうでございます。  もちろん、結婚や出会いということも目的の一つなんですが、そこで、彼らが、経済界として、特にもう一点で効果として挙げているのが、女性が結婚、出産した後の雇用継続にも非常にこのことがつながっているということで、いろんな副次的な効果もあるということで、九州経済界を挙げてやっている、AIを活用しているそうでございます。  AillのAI開発に携わった松原教授いわく、30年ほど前にはお見合いが頻繁に行われ、結婚適齢期の男女の世話を焼く存在がいたが、今やそうした機能が日本社会からなくなってしまった、お見合いが減った後も合コンなどで出会い、自然恋愛の末に結婚する流れがあったが、現在はその合コンすらなくなってきて、マッチングアプリのようなものでしか出会う機会がなくなってしまった現状がある、この出会いというものが極めて難しい状況がさらに進んでいると、このように述べているところでございます。  最後にお伺いします。  町田副市長、お友達の川村先生も登場しましたので、お答えいただきたいんですが、札幌市の若者出会い創出事業について、九州や愛媛では、先ほど、AIの導入も進んで国もその気でいるようでございますけれども、今後、若者の期待に応えていくために、どういった意気込みでこの若者出会い創出事業に取り組んでいかれるのか、その強い思いをぜひお聞かせいただきたいと思います。 ◎町田 副市長  委員からもお話がございましたが、最近は人口減少に危機感を感じた国あるいは経済団体、九経連のお話がございましたが、あるいは企業が、民間企業や大学の研究者と連携して、AIを活用したマッチングアプリ事業を立ち上げ、加盟企業の独身者の出会いを支援するという取組もあると聞いているところでございます。  札幌市におきましても、20代の若年層の道外への転出超過がずっと続いております。生産年齢人口の減少による労働力不足なども懸念されているところでございます。  本市の経済団体とか企業からも、若い社員に出会いがないという話を聞くこともございます。自治体として、若い世代が理想のライフプランを実現するために、何らかの手を打たなければならないと認識するものでございます。  今後、若者の出会いの環境づくりについて、産学官連携の下、より効果的な手法も視野に入れまして、あらゆる角度から検討していきたいと考えています。  若者が、このまちで働きたい、このまちで結婚したい、このまちで家族と生活していきたいと思えるような札幌市を目指し、子育てや教育、雇用など、あらゆる分野で魅力的なまちづくりの取組を進めてまいりたいと考えるところでございます。  昔になりますが、「恋の町札幌」という歌が、これは昭和47年の発売の歌でございますが、羊ケ丘にこの歌碑があります。その当時は、先ほど松原先生のお話でもございましたが、例えば、町内会とか地域には世話好きの方がいて、あるいは、会社には部下の面倒見のいい上司がいて、いろいろ出会いを求める者に対して、よい出会いを演出するというようなことが行われていた、それが、今はなかなかそういったことがない、よい出会いを求める者に対して、よい出会いを与えるような演出、環境、そういったものが、例えばAIを活用して地域で行われ、札幌が、また新しい意味での「恋の町札幌」になるというようなことを期待するところでございます。 ◆前川隆史 委員  非常にムードたっぷりな答弁を聞かせていただきまして、感銘いたしました。  「恋の町札幌」、今、副市長からもお話がございました。もう全く同感でございますので、なかなか地域ですとか、職場ですとか、中でそういった若者のお世話を焼くということが難しいような時代になってきた中で、こういった最新の技術でございますAIなんかも活用して、あらゆる、若者が喜ぶのであれば、何でもするぞという、そういった意気込みで、新しい「恋の町札幌」をつくっていくという、そういったご決意のお話だったと思います。  どうか、こういった新しい事例もしっかり研究しながら、札幌の新しい宣伝文句で「恋の町札幌」バージョン2ということで、札幌の新しいまちづくりにも生かしていけるようなことも考えながら、楽しく婚活に取り組んでいただきますことを最後にお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私は、ひとり親家庭等養育費確保支援事業についてと、ステップファミリー支援についての2点質問させていただきます。  まず、ひとり親家庭等養育費確保支援事業についてです。  この事業は、ひとり親家庭などの子どもの養育費の取決めや確保に向けた手続に関する費用を補助するものと聞いております。  私どもの会派は、昨年第1回定例会代表質問で、養育費確保について質問を行っております。  札幌市が2017年に実施したひとり親家庭等の生活と意識に関するアンケート調査によりますと、児童扶養手当を受給する母子世帯について、就労している割合は83.8%と、全国の母子世帯の平均より2ポイント高いのに、平均年間就労収入が200万円未満である世帯の割合が62.8%に上り、家計に困っていると回答した母子家庭が79.5%と圧倒的に多いことなどから、生活は極めて厳しい状況にあるということが浮き彫りになっております。  また、母子家庭において養育費の取決めを行っている割合は52.6%にとどまり、養育費の取決めをしていない理由では、相手に支払う意思や能力がないと最初から諦める回答が最も多く、相手と関わりたくなかった、相手が応じようとしなかったとの回答がこれに続き、さらに、養育費を現在も受け取っていると回答した母子世帯の割合は34.0%と大変低かったです。  しかし、この養育費とは、子を育てていくために必要な食費、住宅費、そしてまた教育費、医療費などの費用を言いまして、親は子が一人前になるまで子を扶養する義務があり、養育費の負担義務は、自己が負担可能な限度で負う生活扶助義務ではなくて、負担者の余力の有無にかかわらず、資力に応じて相当な責任を負う生活保持義務であると考えられています。  兵庫県明石市はじめ、各自治体で、養育費支払いを取り決める公正証書の作成や民間保証会社の利用に補助金を交付する制度を先駆的に導入し、国は、今年度、2020年度予算にひとり親家庭などの自立支援の推進として養育費確保に資する先駆的事業への補助を加えております。  札幌市は、2018年3月に策定したひとり親家庭等自立促進計画において、養育費の確保及び適切な面会交流の推進を基本目標の一つに掲げています。  昨年の代表質問の秋元市長の答弁では、養育費の受け取りは、ひとり親家庭の子どもの重要な権利であるにもかかわらず、母子家庭の半数近くが取決めをしていないことや、誰にも相談していない方が多い状況について課題であると認識をしている、今後は、養育費の確保に向けた新たな国の動きや他都市の状況なども踏まえ、より効果的な支援の在り方について検討するとおっしゃり、いよいよ2021年度から、札幌市でも養育費確保支援事業が始まることとなっております。  質問ですが、札幌市が令和3年度予算案に盛り込んだ、ひとり親家庭等養育費確保支援事業については、養育費確保に向けた補助対象として、大きく三つの特徴があると聞いております。  具体的にどのような方法で支援をするおつもりなのか、また、いつから事業を開始するのか、伺います。 ◎竹田 子育て支援部長  養育費確保の具体的な支援方法及び事業の開始時期についてでございます。  養育費の取決めは、強制執行を可能とする書面で行うことが重要であり、双方の協議を経て、公正証書を作成することが基本となることから、これに要する費用を補助することを第一に考えております。  また、双方の協議が調わない場合には、家事調停や審判といった家庭裁判所での手続を通じて強制執行を可能とすることができることから、その場合に要する費用も補助対象とする考えでございます。  そしてまた、裁判外紛争解決手続、いわゆる民間ADRの活用や、保証会社との養育費保証契約の締結がされる場合についても、補助を通じて負担軽減を図ることで、養育費の確保を支援してまいりたいと考えております。  予算議決後、補助要綱の作成を進めるとともに、広報や窓口での相談対応の準備を整えて、7月頃から補助申請の受付を開始することを目指しているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  三つの特徴があるということで、ご説明いただきました。  この中に養育費の取決めに関する協議のための支援として、民間ADRを活用する場合の費用についての補助をするというご答弁がありました。  この養育費の確保についての支援は、全国的な機運の高まりに伴いまして、各自治体に急速に広まっていると聞きますが、民間ADRの活用の際の費用の補助については、東京都港区が先鞭をつけたものの、その後、これに係る支援を明確に打ち出した自治体はまだ多くないのではないかと思います。  そこで、質問ですが、養育費の取決めに向けた協議において民間ADRを活用することのメリットはどのようなところにあるのか、伺います。 ◎竹田 子育て支援部長  民間ADR活用のメリットについてでございます。  民間ADRは、弁護士や法務大臣の認証を受けた機関などの調停者が、公正・中立の立場から、当事者双方の主張を聞き、話合いを支援するものでございます。  この制度が活用されるのは養育費の協議の段階においてであり、専門的知識を有する第三者が関与することで、当事者のみで協議する場合に比べて早期の合意が促進されるものと考えております。  中には、オンラインによる調停を実施している機関もあり、当事者同士が遠隔地にいる場合のほか、感情のもつれや新型コロナウイルスの状況などから、直接会うことに抵抗がある場合などに利便性が発揮されるものと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  札幌市では、相談窓口で離婚届を出す前に、子ども養育に関する離婚条件を決めておくことですとか、その方法についてのアドバイスを行ってきたと考えます。このため、札幌市ひとり親家庭等自立促進計画に基づき、区の母子・婦人相談員やひとり親家庭支援センターの相談員などの研修を実施してきました。  ただ、このひとり親家庭等養育費確保支援事業において、補助対象とすることが予定されておりますこの民間ADRについては、認知度が必ずしも高くないということが予想されておりまして、広報啓発や窓口での案内が特に重要であると考えます。  家裁で行われる離婚調停は、1〜2か月に1度のペースで、平日日中に開かれるために、仕事を持つ人には負担がかかると聞いています。結論が出るまでに1年以上かかることもあるということでありますが、一方、民間ADRは、先ほど答弁にありましたように、法務大臣が認証する専門機関で、元家庭裁判所の調査官をはじめ、離婚問題の専門家が調停者を務め、平日夜間や休日も利用でき、早期に解決が見込め、費用も安いという点でもメリットがあると思います。  いたずらに争うことなく、専門家の意見を聞き、双方が納得いく解決策を見つけていくため、親の離婚で傷つく子どもの心のケアの支援を受けることもできると聞いています。  大田区、品川区、港区では、離婚届を取りに来た方に対して、養育費や面会交流など離婚条件を話し合ったかどうかの確認をする際、話合いの方法として、調停や訴訟のほかに、この民間ADRという方法があるということを周知する文書を手渡していると聞いております。  質問ですが、今後、民間ADRも含めた養育費確保のための方法の周知をしていかなければならないと考えますが、どのように実施されるのか、伺います。 ◎竹田 子育て支援部長  民間ADRを含めた養育費確保のための方法の周知についてでございます。  養育費確保の方法につきましては、ひとり親家庭支援センターで弁護士や養育費専門相談員が相談に応じているほか、各区の保健センターでの相談対応の中でもご案内しているところでございます。  また、離婚届の受付窓口などで配付しています、ひとり親家庭向けの支援制度をまとめた小冊子にも、養育費確保について掲載しておりますけれども、令和3年度版の作成に当たっては、民間ADRの活用という選択肢も含めて記載したいと考えております。  このほかにも、多様な媒体を活用して周知を図るほか、国の養育費相談支援センターとも連携しながら、相談員の知識向上を図り、適切な支援に結びつけてまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  令和3年度に発行される小冊子には、この民間ADRについても記載をしていただけるということ、また、多様な媒体を使っていただけるということで、一人でも多くの方たちにこの民間ADRを知っていただければと思います。  養育費は、子どもの親としての責任であり、子どもの最善の利益を守る権利でもあります。  3月23日の報道によりますと、国の法制審議会で、養育費の請求権を子の権利として民法に明記する法改正が検討されることになったとのことでした。現行の民法には明文規定がなく、規定を新設し、子の権利であることを明記するということで、法律も一歩前進するというのは何よりだと思います。  そして、2020年4月には、民法が改正され、債務者以外の第三者からの情報取得手続が新しくつくられたことで、養育費を渋る相手の財産開示を取得することができるようにもなっております。  弁護士による離婚相談を充実するなど、養育費の取決めなど離婚前後の親支援の強化を求めてまいります。  また、DV被害者は、よりよく生きるために離婚を選択しますが、養育費を取引材料とした面会交流を求める事例が散見をされますが、同時に進めるべきではないということを申し添え、併せて、離婚により傷つく子どもたちの心のケアやカウンセリングなどの充実も対応を求めます。  次に、ステップファミリー支援について質問をさせていただきます。  ステップファミリーとは、離婚、再婚によって、血縁関係のない親子関係が1組以上含まれる家族関係であり、子連れ再婚家庭を指し、前婚が法律婚の場合も事実婚の場合もあり、また、離婚した場合と死別をした場合があります。  国の平成28年度人口動態統計特殊報告、婚姻に関する統計の概況によりますと、夫妻とも初婚は減少傾向になっており、構成割合を見ますと、夫妻とも再婚またはどちらか一方が再婚は上昇傾向にあり、2015年では、結婚全体の26.8%を占めており、今や子連れ再婚家庭となるステップファミリーも珍しいケースではありません。  海外に目を向ければ、ステップファミリーはよくある家族の形として社会に定着をしており、英国王室も、バイデン大統領も、トランプ前大統領の家庭も、ステップファミリーと言えます。  明治学院大学教授で家族社会学専門の野沢慎司氏によれば、日本では、家族が多様化した現代であっても、固定的な離婚・再婚観が今も支配的な力を持っており、離婚した親がひとり親になり、その後再婚すると、2人親に戻り、まるで普通の家庭のようになったとみなすが、そこに見えにくい問題を生み出していると語っています。  そこで、質問ですが、札幌市におけるステップファミリー、子連れ再婚家庭の存在はどのように認識をされているのか、まず伺います。 ◎竹田 子育て支援部長  札幌市におけるステップファミリーの存在認識についてでございますが、国や札幌市などが実施する統計調査において、ステップファミリーを想定する実態調査などの実績はなく、正確な数は把握できていない状況でございます。  しかしながら、札幌市衛生年報における平成29年の統計において、年間の婚姻件数1万134件中、31%に当たる3,141件が再婚であることに鑑みますと、ステップファミリーについても一定数は存在していると認識しております。  また、ステップファミリーは、初婚の子育て世帯とはその成り立ちが異なることから、特有の悩みを抱えていると思われ、その悩みに応じた窓口において支援を行っているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  今、平成29年の札幌市衛生年報のお話がありました。  この年報によりますと、その年の離婚件数が4,003件で、近年は4,000件を超えるところが大変多く続いているんですが、子どもなしの離婚は44.7%、1人もしくは2人子どもがありの離婚が48.6%、同居年数が5年未満が31.6%で、5年から10年が17.4%、そしてまた、離婚時の年齢は、夫、妻とも30代が多かったということで、まさに彼女、彼らが次のステップファミリーの予備軍だと考えます。  子どもを連れて再婚するステップファミリーは、初婚でつくられる家庭とは違い、多岐な問題を抱えている中で、ステップファミリー支援の民間団体が実施する国内では希少な実態調査が2015年にインターネットにより実施されています。  最終的な回答数は119人で、うち女性116人、男性3人、30代が46.2%、40代42.9%で、離婚からのステップファミリーが64.7%、初婚の継母、未婚の母、死別と続き、また、相手に連れ子がいる、また自分にも相手にも連れ子がいる家庭が71.4%と、継母からの回答が多く見られました。  その中で、アンケートにあった一例には、相手夫側の子どもとの養子縁組については、しているが25.2%、していないが40.3%、パートナーに子どもがいないが10.9%、一方、妻側の子どもとパートナーとの養子縁組については、しているが42.0%であるのに対し、していないが10.9%と低く、父親と養子縁組をしないと、再婚した母親と子どもの戸籍が別になってしまい、名字も別々にならざるを得ない現在の戸籍制度のため、必要に迫られて養子縁組をした、再婚届を提出に行き、初めて養子縁組の必要性を知ったとの声もありました。  また、別れた配偶者、父親からの子どもへの養育費の支払い率は低く、面会交流が実施されていても、養育費が再婚後に支払われなくなる事例も多々起きています。  元の配偶者やその家族との関わり、実子ではない子どもの子育て、大家族となった家事や育児の負担、経済的負担など、様々な問題が起きるとされていますが、相談の場所がなく、ストレスとなるケースも大変多いと言われております。  加えて、まさに親になったということで、周りの視線もありますし、また、パートナーからも、父親、母親としての役割を求められ、親にならなければというプレッシャーも生半可なものではないということです。  そして、継子、いわゆるまま子に対しても、それまでひとり親家庭で育ったことへのふびんさから、親になってあげなきゃという感情が芽生えて、必要以上の頑張りを自分自身に強いてしまうということもあったということです。  そうならないためには、まずは、当事者がステップファミリーの特徴を認識し、その悩みが自分特有のものではなく、ステップファミリーの方たちは、皆、よく似た経験をしているということを知ってもらい、悩みを抱え込まず、相談してもらうことが大切であり、また、相談員もステップファミリーについての正しい理解の下、対応していくということが大切だと思います。  そこで、質問ですが、ステップファミリー支援には、まず当事者への啓発と相談員への研修が必要だと考えますがいかがか、伺います。 ◎竹田 子育て支援部長  ステップファミリー当事者への啓発と相談員への研修についてでございます。  ステップファミリーの悩みについては、法律に関することや心理面に関することなど、多岐にわたっており、どこに相談したらよいか分からないですとか、こんな悩みは自分だけと思っているケースもあると考えられます。  そこで、子育て情報サイトや子育てアプリを活用しまして、ステップファミリーの特徴や、代表的な悩みをご紹介するとともに、それに応じた相談窓口を周知するなどして、相談しやすい環境整備に努めてまいりたいと考えております。  また、相談に携わる職員においては、ステップファミリーのように、家族の形態が多様化していることへの理解が必要だと思いますので、研修の場などを活用しまして、見識を深めてまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  要望です。  先ほどもご答弁の中で国の実態調査も全くないということで、本当にこのステップファミリー支援については極めて難しい課題だと思いますが、新しい家庭をつくるということは何よりでありまして、今後もますます増加が想定をされます。  当事者も周りも、ステップファミリーについての知識がないために、せっかく新しい家族となったのに、それぞれが孤独やストレスや悩みを抱えたままでいるのは、大変つらく厳しい、そして、特に、子どもであれば、喪失感から、混乱ですとか反発というのはなおのことだと聞いております。  悩みを抱えた当事者の相談に乗ってもらえる方がいるということで、前途は開けると思います。  札幌市男女共同参画センター独自企画で、今年度開催をされておりましたステップマザーピアサロンのような当事者同士のリアルなサロンや、オンラインサロンの開催も、市の子育てアプリなどを使い、多くの当事者の目に留まるよう、広く伝えていただきたい、そして、数少ない民間相談機関との連携も有効だと考えます。  また、2009年、大阪市では、小学生女児が虐待で死亡したことを受けまして、親子関係の構築が難しい再婚家庭や内縁家庭における中途養育に関して、子育てノウハウの提供に取り組むことが検証委員会より提言され、ステップファミリー支援が始まり、ステップファミリーを応援する冊子、大人編と子ども編を作成し、各区の保健福祉センターやこども相談センターに置いています。この冊子には、新しい家族への様々な困り事や対応方法などが記載されておりまして、まさに困ったときのお助けブックになっているということでした。  このような先進事例も参考に、札幌市でも、ぜひステップファミリーの当事者や子どもたちへの支援を一歩前に進めていただくことを求め、私の質問を終わります。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、児童相談体制強化に向けた取組について質問をさせていただきます。
     児童相談所につきましては、本日の委員会の中でも、会派の委員の中から、これまで取り上げてまいりました就労支援コーディネーター、子育てデータ管理プラットフォーム、さらには、コロナ禍における子どもの見守り強化なども取り上げさせていただいたところでございます。  これまで、会派におきましては、一貫して児童相談所の体制や機能の強化を求めてきたところであります。  毎年の予算編成の中でも、児童福祉司の増員、平成26年の1定などでも児童虐待事案の深刻な状況を踏まえて、北海道警察からの現役警察官を受け入れた地域連携担当課長の新設、平成27年3定でも、医学的な診断を行うような常勤医師職の配置など、地域の取組もオレンジリボン協力員の普及拡大、さらには、要対協との連携なども訴えさせていただいてきたところでございます。また、昨年の1定では、社会的養護の取組として、フォスタリング機関の設置が、本年から行うということが示され、本市が着実に児童相談所の機能が図られてきたことを評価するところであります。  また、第2児童相談所の設置につきましては、私も平成27年の第3回の代表質問で取り上げさせていただいたところでもあり、以上のような業務内容も含めまして、1点目として、第2児童相談所の開設に向けた取組についてから、質問をさせていただきたいと思います。  第2児童相談所の整備による2所体制化につきましては、第3次児童相談体制強化プラン(案)の中で示されておりました。令和7年度中に実施をされる予定となっております。  今からですと、第2児童相談所が供用開始となるまで、丸4年ちょっとということでございますので、平成27年の代表質問からもう既に6年余りがたっているので、供用開始までには大体10年ぐらいかかる事業というような大変大きな事業にもなってきているものというように思います。  この強化プランにおいては、施設整備の計画は示されておりますが、開設までの間に、建設に係る設計や工事はもちろんのこととして、これまで長く1か所で行ってきた、先ほど述べさせていただきました様々な業務について、どのように2所体制で行っていくのか、十分に検討していく必要があるものと考えます。  実際に、例えば市内10区との関係や、市内、市外も含めた関係施設との日常的なやり取りをどうするのか、要対協など関係団体とのネットワークはどうなるのか、虐待通告の電話はどちらにどのように入るのかといった細かいことまで、現在開発しているプラットフォームも含め、児童相談システムはどのように対応していくのか、一時保護所も含め、今の児相の一部だけをどう移転させるかなど、様々あろうかと思います。  また、体制強化として、専門職員の増員や研修の強化なども並行して取り組んでいかなければなりません。  もちろん、既に検討されていることもあろうかと思いますが、開設までに準備をしなければならない事柄を整理すると、恐らくそれほど余裕はないものと思います。  2所体制となった初日から円滑に運営ができるよう、計画を策定する現時点から準備に当たっていただきたいと思うところであります。  そこで、質問ですが、開設に向け、業務や運営に関して年次計画を立てるなど、早急に取り組んでいく必要があると考えますが、見通しについてお伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  第2児童相談所開設に向けた取組や見通しについてであります。  委員のご指摘のとおり、第2児童相談所の開設に向けて取り組んでいかなければならない事項は多くあるわけであります。例えば、担当者が業務に用いておりますマニュアルなども複数ありますけれども、現行の1所体制を前提として流れが組み立てられていることから、今後の業務の流れを再度整理しつつ、事前に改定しておかなければなりません。  このため、現在、施設整備により解決できるもの、業務システムなどの見直しが必要なもの、マニュアル改定など、運営面で準備すべきものの切り分けを行っているところであります。  来年度、基本設計を開始しまして、施設面の整理を行うのと並行いたしまして、開設時期から逆算して、各年度に行う必要のある事項を振り分け、計画的に今後の準備に当たってまいります。 ◆丸山秀樹 委員  今答弁がありましたように、基本設計と並行した、そうしたマニュアルの改定、さらには、業務の効率化を図る上での様々な取組をしっかり行っていく必要があるものというように思います。  開設と同時に漏れなく業務が行われることが求められるということでございますので、ぜひ、十分な準備を計画的に行って、期待に応えられるような施設を目指していただきたいと思うところであります。  次に、2点目ですが、地域での相談支援ネットワークについてお伺いをいたします。  今後は、児童相談所が2か所になり、また、区の家庭児童相談室も強化が図られることが計画されております。  児童相談所というと、どちらかというと虐待対応のイメージが強いのですが、実際には、子どもの福祉に関する相談を受ける専門機関として、例えば、保護者が病気になったときに、その子どもの生活をどうしていくのか、障がいのある子どもの支援、不登校、非行などの様々な相談に対応しているものと思われます。  私の経験した中でも、保護者の病気で長期に子どもだけになってしまうなど、突然、それまで想定もしていなかった困難に見舞われるというようなこともあり、そういったときに、地域や子どもに身近な人が、問題を把握して、速やかに相談機関につなげることが重要であると感じているところでもあります。  さらに、第2児童相談所が開設し、現在の1所から2所の体制となる際は、より地域の関係機関と密接な関係を築くよい機会でもあると考えます。2所体制となったときのネットワークの構築と強化について、十分考えていただく必要があるものと考えます。  そこで、質問ですが、要対協のネットワークは、児童虐待に関してといったイメージが強いものではありますけれども、それ以外の相談もさらに寄せられるよう、児童相談所や区家庭児童相談室には、子どもや家庭に困り事が発生した際、広く相談が寄せられる関係機関とのネットワークを強化してほしいと考えますが、今後どのように展開していくのか、お伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  地域での相談支援ネットワークについてであります。  児童相談所や各区の家庭児童相談室は、自ら相談に応じることはもちろん、相談内容によりまして、療育機関や医療機関、教育委員会、警察などが設置する相談機関と連携協力しながら、問題の解決を図っているところです。  要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協は、児童虐待以外の問題の解決のためにも有効なネットワークであります。関係機関各々の特徴や専門性を生かしながら、協働による支援を着実に積み重ね、連携体制を強化してまいります。  また、児童相談所の2所体制化は、より地域と密接に連携していく機会だと捉えております。  身近な相談支援機関として頼られるよう、一層の体制強化と、市民の皆様をはじめ、各関係機関への周知にも、引き続き取り組んでまいります。 ◆丸山秀樹 委員  2所体制化になることで、やはり地域とのネットワークがさらに強固なものになっていく必要があると思います。  そして、今お話がありましたように、療育、医療、教育、様々なネットワークも、今後もさらに強化していく機会にしっかり捉えていく必要があると思います。  今後とも、お子様のお持ちの方々が地域において安心して生活できるためには、困ったときにどのように相談でき、支援をしてもらえるかという周知と、関係機関がいかに気づき、情報を共有して相談に結びつけていくことができるかということが大事だと考えます。  次に、最後ですが、児童相談体制の強化に関連して、もう一点お伺いをさせていただきます。  ここ数年、児童相談所の職員体制の強化が図られてまいりましたが、増員された職員は、主に保護者や関係機関からの相談に対応する児童福祉司というように伺っております。  児童相談所では、令和元年10月に緊急対応担当課を設置し、児童福祉司の増員を図られました。緊急対応担当課は、児童虐待通告を受けて、初期調査を担うもので、昨年春に改正された児童虐待防止法の趣旨を踏まえ、介入的対応を行う職員と支援を行う職員に分け、その中でも介入的対応を行う職員を充実させたものと理解をしているところであります。  来年度の定数・機構編成に関する市長記者会見の中で、施設入所や里親委託等の措置を行った子どもや家庭に対する支援を促進するために、児童相談所に家庭支援課を設置する旨の発表があったところであります。  虐待対応をはじめとする相談件数が増加する中で、一時保護や施設への入所等が必要な子どもは増加していると思われますが、介入的対応だけでは保護しなければならない子が増え続けるばかりであり、支援も充実させる必要があると考えるところでもあります。  家庭支援課がその役割を担うものと期待をしておりますが、家庭支援課設置の狙いと、今後の業務の展開について、どうお考えなのか、お伺いをいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  児童相談所における新たな課の設置についてです。  児童養護施設などに入所している子どもの里親養育への移行や家庭復帰への支援、これを推進していくことは児童相談所の重要な役割です。特に、家庭復帰後は、学校や保育所、民生委員・児童委員など、地域の関係機関による見守りなどの支援が欠かせません。その要となる各区の家庭児童相談室に対して、児童相談所から助言などを行う機能の充実も必要になってまいります。  このような取組を強化するため、児童相談所に来年度から新たに家庭支援課を設置しまして、施設と連携して家庭復帰支援や地域支援を専任で行う係も新設いたします。  さらに、里親支援、一時保護、発達に心配のあるお子さんの療育支援を行う各係をこの家庭支援課に移管いたします。  これによりまして、施設や里親、一時保護所などの状況を一元的に把握しまして、保護先の円滑な確保に努め、生活指導や行動観察、療育支援の知見も活用することで、関係機関との協力関係の下、家庭復帰に向けた支援を充実させてまいります。 ◆丸山秀樹 委員  一元的な把握をしっかり行っていくということは、非常に重要な視点であろうというように思います。  最後に要望させていただきますが、施設入所などにより家庭を離れることになった子どもへの支援を手厚くし、家庭復帰を目指す取組は、強化していくべき支援であります。一時保護をしたときから、将来を見据えて、その子に合った長期的な支援をしていくことが、その子どもにとっての未来を開くことにもつながります。  新設された家庭支援課は、こうした点をしっかりと踏まえ、取り組んでいただくことを要望し、私の質問を終わります。 ○中村たけし 委員長  以上で、第2項 子ども福祉費等の質疑を終了いたします。  以上をもちまして、本委員会に付託されました全案件に対する質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、3月29日月曜日午前10時から、討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後3時10分...