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令和 3年(常任)文教委員会−01月26日-記録

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  1. 札幌市議会 2021-01-26
    令和 3年(常任)文教委員会−01月26日-記録


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    最終取得日: 2024-09-10
    令和 3年(常任)文教委員会−01月26日-記録令和 3年(常任)文教委員会            札幌市議会文教委員会記録            令和3年1月26日(火曜日)       ────────────────────────       開 会 午後0時59分     ―――――――――――――― ○小形香織 委員長  ただいまから、文教委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、公立夜間中学設置基本計画(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎相沢 学校教育部長  私から、札幌市公立夜間中学設置基本計画(案)についてご説明をさせていただきます。  本日、皆様にお配りしている資料は、札幌市公立夜間中学設置基本計画(案)の概要版と計画案の本書となっております。  本日の説明につきましては、計画案の概要版に基づいて説明させていただきます。  それでは、概要版をご覧ください。  まず、第1章の公立夜間中学の設置についてでございます。  平成28年12月に教育機会確保法が成立し、全ての地方公共団体公立夜間中学における就学機会の提供等の措置を講ずることが義務づけられることとなり、これを受けまして、文部科学省では、全政令指定都市及び全都道府県に最低1校の公立夜間中学が設置されるということを目指しております。  このような中、札幌市におきましても、学びのセーフティネットの役割として、公立夜間中学が必要と考え、本基本計画に記載する内容に基づき、札幌市立公立夜間中学を設置することとしたところでございます。  続いて、第2章の公立夜間中学とはについてでございます。  まず、全国の公立夜間中学の一般的な例を整理しております。  入学対象は、学齢期を過ぎた人であり、中学校を卒業していない人、または、卒業していても不登校等の理由により学び直しを希望する人となっております。
     指導者、履修教科等、授業日につきましては、通常の昼間の中学校と同様となりますが、授業の時間につきましては、教育課程の特例を活用することが可能であり、1こま40分の4時間授業が一般的となっております。また、公立夜間中学も公立の中学校となりますので、所定の課程を修了して卒業すれば、中学校卒業資格が得られる形となっています。  続きまして、全国の設置状況についてですが、現在、公立夜間中学は10都府県に34校設置されています。令和3年度には、徳島県、高知県での開校が予定されており、現在、全国で設置に向けた動きが進んできております。  続いて、資料右上の全国の公立夜間中学の状況についてです。  全国の公立夜間中学学校規模は、平均いたしますと1校当たりの生徒数が52.4名と小規模な学校が多くなっております。在籍生徒の状況は8割が外国籍生徒となっておりますが、年齢構成といたしましては、どの世代においても満遍なく在籍している状況にあります。卒業後の進路は、約7割の生徒が高校等への進学や就職といった次のステップにつながっております。  続いて、第3章の公立夜間中学に対する札幌市民ニーズ調査結果についてでございます。  まず、公立夜間中学への入学希望についてですが、入学したい、検討したいという前向きな回答をしている方は、高齢者で10名、不登校経験者で14名、外国籍の方で11名の計35名となっており、全ての層で一定のニーズがあると考えられます。そのため、札幌市においては、他都市のように外国籍生徒が8割を占めるということにはならないものと想定をされます。  続きまして、入学を検討する理由についてですが、高齢者の方は小・中学校の勉強のやり直しや読み書きの習得など基礎的な学びに対するニーズが上位にあり、不登校経験者は高校等への進学や就職といったニーズ外国籍の方は日本の文化に対する理解や日本語の読み書きの習得などのニーズが示されており、それぞれ異なる教育ニーズを持っております。  続きまして、2枚目をご覧ください。  第4章では、札幌市における公立夜間中学の設置に係る基本方針を整理させていただきました。  まず、札幌市が設置する公立夜間中学の目指す姿についてですが、多様な生徒が在籍することを踏まえまして、「生徒の誰もが安心して、学びの主役となれる多様性を尊重する学校」といたしました。  次に、この姿を実現するための学校づくりの視点といたしまして、大きく2点で整理しています。  1点目は、「一人一人の夢や願いの実現につながる多様性を尊重した学校づくり」であり、2点目は、「生徒の誰もが安心して学びの主役となれる学校の環境整備」でございます。  まず、多様性を尊重した学校づくりですが、具体的には、ア 多様さの尊重、イ 学び直しの実現、ウ 実社会で活きる学ぶ力の育成、エ 学ぶ喜びと自信につながる支援、オ 日本語指導の実施、カ 社会性の育成、そして、キ 自分らしい生き方への支援、以上7点で整理をいたしました。  続きまして、環境整備でございますが、こちらは、ア 少人数指導体制の充実、イ 学習支援体制の充実、ウ 教育相談体制の充実、エ 継続した学校生活に向けた環境への配慮、そして、オ 日本語や日本文化の不安への配慮、以上5点で整理をいたしました。  続きまして、資料右側の第5章の札幌市における公立夜間中学の設置の枠組についてでございます。  まず、入学対象ですが、学齢期を過ぎており、中学校を卒業していないか、または、不登校等により十分に学ぶことができなかった人で、原則、札幌市内に居住する人が対象となります。  ただ、米印にありますとおり、現時点ではこの公立夜間中学が北海道内に1校しかないことから、北海道教育委員会の協力の下に、連携の意向のある近隣市町村に在住の方につきましても受け入れる方向で調整を進めてまいりたいと考えております。  開校年次は、令和4年4月の開校を予定しており、設置形態は、教育活動の充実と独立性を重視し、教職員配置が最も手厚い単独中学校として開設することを考えております。  学校規模は、全国の公立夜間中学在籍者数の平均が52名程度であることなどを勘案し、1学年1学級の計3学級と考えております。  設置場所につきましては、市内全域からのアクセスや、夜間中学専用ホームルーム教室を3室確保できるなど活用可能なスペースがあり、大きな改修等をせずに早期に開設が可能であることなどを勘案いたしまして、資生館小学校内といたしました。  修業年限は原則3年としつつも、じっくり学びたい方へのニーズに応えるため、最長6年間の在籍を可能とし、入学については9月まで可能にするとともに、中学2年や3年からの編入学も可能とするなど、柔軟な体制を予定しております。  最後に、第6章のその他といたしまして、関係機関等との連携、継続的な改善への取組、研修体制の整備と他の市立学校への理念の普及、そして、市民への広報・周知の4点について整理をしております。  以上、札幌市公立夜間中学設置基本計画(案)について説明をさせていただきましたが、教育委員会としては、この基本計画の内容に基づき、札幌市にふさわしい公立夜間中学を設置してまいりたいと考えております。  最後に、本計画の策定に向けた予定についてでございますが、2月4日から3月5日までの期間にパブリックコメントを実施し、市民の皆様からご意見をいただき、必要な修正を行った上で、今年度中に基本計画を策定してまいりたいと考えております。 ○小形香織 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆小竹ともこ 委員  私から、ただいまご説明をいただきました札幌市公立夜間中学設置基本計画(案)について質問をいたします。  昨年の第4回定例会での私ども自民党代表質問において、札幌市で設置する公立夜間中学については、どのようにして十分な学校運営体制を整えるおつもりなのかと質問をいたしました。長谷川教育長からは、公立夜間中学設置形態については、適切な学校運営体制を構築するために、専属の校長を含めた、より多くの教職員を配置できる形態として、政令指定都市初単独校として設置するとのご答弁をいただきました。  長年、30年以上にわたり、自主夜間中学、遠友塾の運営と北海道に夜間中学をつくる会の代表として活動してこられた工藤さんをはじめ、スタッフの方々は、2部学級でもなく、分校でもなく、単独校として設置すると初めて聞いたときには、感激のあまり、体が震えたとおっしゃっていました。本日、本委員会にも傍聴に来ていらっしゃいます。  また、不肖、私も、市議会議員として初当選させていただいたのが10年前でございまして、議会に入って初めて夜間中学の存在を知りました。その現状や様々な課題について教えてくださったのが、平成30年に亡くなられた、私の1期先輩であった宗形雅俊議員でありました。その後、会派の議員共々、夜間中学への視察、勉強会、交流会などにも参加させていただきまして、私も、議会の場で、夜間中学に関して数回にわたり質問をしてまいりました。  自民党といたしましても、宗形議員が我が会派の幹事長であられたときに、遠友塾への様々な支援や、公立夜間中学設置に向け、各会派間の調整役を含め、中心となって推進してくださったことなどを思い出しまして、このたびの公立夜間中学設置には非常に感慨深いものがございます。  さて、最初の質問となりますが、設置場所については、本基本計画案で初めて公表され、今し方、ご説明もありましたが、資生館小学校内に開設するとのことであります。実際に夜間中学に通いたいと考える方にとって、設置場所については最大の関心事でもあると思います。  そこで、質問いたしますが、改めて、資生館小学校設置場所に選定した理由について伺います。 ◎相沢 学校教育部長  設置場所選定理由についてお答えいたします。  公立夜間中学の設置に当たりましては、生徒が市内の様々な地域から通学することが見込まれることから、交通利便性の高い都心部における開設が必要と考えたところでございます。  設置形態につきましては、全国の多くの事例のように、公立夜間中学を既存の中学校に併設した場合、教職員定数の面で学校運営体制を充実させることが難しいことから、中学校への併設ではなく、単独校として設置する必要があると考えたところでございます。  校舎につきましては、早期開設を第一に考え、新設ではなく、既存の中学校以外の学校を活用することとし、バリアフリーであることを前提に、空きスペースがあり、大幅な施設改修の必要がない場所を検討してきたところでございます。  これらのことなどを総合的に勘案いたしまして、資生館小学校内に公立夜間中学を設置することとしたところでございます。 ◆小竹ともこ 委員  選定の理由として、交通の利便性が高いこと、また、私どもも求め続けてまいりましたけれども、夜間中学を持ち望む方々にとって、早期の開設、開校が実現可能であるということもまた大変重要なことであると考えております。また、資生館小学校は、校内にエレベーターもあり、ご高齢の方や障がいのある方が通う場合などにも対応できるという点についても、望ましい場所の選定になったものと思います。  さて、先ほど、公立夜間中学の設置に当たっては、普通教室である3教室を確保するとのご説明がありました。一方で、公立夜間中学で学ぶ生徒は、学習の習熟度も含めて非常に多様であります。私も、これまで、自主夜間中学での視察や様々な機会を通じて、夜間中学で学ぶ方々が実に多様であるということを認識しております。  私も授業の様子を拝見しましたが、国語では平仮名や五十音、算数では足し算の段階から勉強する生徒さんもいらっしゃって、マンツーマンや少人数で個別学習を別教室で行っている実態があります。自主夜間中学、遠友塾のスタッフの方もご心配されていらっしゃいますけれども、このように教科によっては少人数教育を行うことも想定され、3教室のみの運用ではなく、一定程度資生館小学校と施設の共有が必要ではないかと考えております。  そこで、質問いたしますが、資生館小学校の施設を活用し、公立夜間中学に必要な教育活動をどのように行っていく予定なのかを伺います。 ◎相沢 学校教育部長  資生館小学校の施設における夜間中学教育活動についてでございますが、公立夜間中学の専用のホームルーム教室につきましては3教室を確保いたしまして、理科室や家庭科室、図書室などの特別教室や体育館につきましては、資生館小学校と共有して教育活動を行ってまいります。また、委員がご指摘のように、習熟の度合いによっては少人数での指導も必要であることから、この専用の3教室に加えまして、共有する会議室や音楽室なども普通教室と同じように活用して授業を行うということを想定しております。  加えまして、中学校教育内容を実施するために必要な図書や教材については新たに整備することとし、公立夜間中学として適切な教育環境を提供できるよう取り組んでまいります。 ◆小竹ともこ 委員  公立夜間中学教育活動に必要な場所について、資生館小学校と施設の共有を考えているということで、非常に安心いたしました。公立夜間中学は、様々な方が学び直しを行う場であり、必要な教育環境についてきちんと整備をしていただきたいと考えます。  さて、続いてですが、単独校での設置ということで、開校後の体制については、専属の校長の下、適切な対応が可能かと思いますが、開校前に様々な事柄を整理する必要があると思います。例えば、入学に関わる具体的な仕組みづくりや、通う生徒が負担する費用について、また、編入学が可能とのことですので、開校当初から1年生から3年生までのカリキュラムも準備する必要があります。  さらに、どのような教育ニーズをお持ちの方が、何名程度、入学してくるかについては、実際に募集をしなくては分かりませんが、どのような方が入学してきたとしても、学校として適切な対応を行うことが必要であります。また、しっかりとした開校準備体制をしくことが、入学を検討される方々の安心にもつながるのではないでしょうか。  そこで、質問いたしますが、来年度はどのような体制で開校準備を進めるおつもりなのかを伺います。 ◎相沢 学校教育部長  来年度の開校準備体制についてでございますが、これから開設する札幌市の公立夜間中学は、政令指定都市初単独校であり、他都市と状況も異なることから、検討する事項も多く、十分な体制を整え、開校準備を進める必要があるというふうに認識をしております。  このため、来年度につきましては、年度当初から開校準備を専門で行うための部署を立ち上げるとともに、担当職員として、教員経験者も含め、今年度よりも人員を増やす予定でございます。また、職員室の改修が完了する8月を目途に執務場所教育委員会から資生館小学校内に移し、より実践的な教育内容の検討はもとより、日常的に資生館小学校との調整や入学希望者への丁寧な相談対応を行うなど開校準備に全力を挙げ、この基本計画の理念を踏まえた学校づくりにつなげてまいりたいというふうに考えております。 ◆小竹ともこ 委員  開校準備についても十分な体制を整えるという力強いご答弁をいただきました。  本委員会の前に、遠友塾のスタッフの方々にお話を伺っていたところです。開設に向けて、これから募集であったり周知をしていくに当たって様々な案内の文書が出されるかと思いますけれども、スタッフの皆様がおっしゃることには、全ての文書に振り仮名をぜひつけていただきたいとのことであります。  このようなご要望からも理解ができますように、公立夜間中学には非常に多様な方々が在籍することが見込まれていることから、求められる事柄も実に広範で多岐にわたり、課題も多いかと思いますけれども、教育長もよく口にされていらっしゃいます、きめ細やかな対応を様々な事柄や場面でしていただくことを希望しております。  また、夜間中学資生館小学校が交流すること、さらには大通高校との連携なども図られていくということで、それぞれの学校に学ぶ子どもや生徒さんにとってもよりよい教育につながるものと私は確信をしております。  一方で、全国の夜間中学においては、在籍者の8割の方が外国籍となっているとのことであります。札幌においては、そういったことにはならないであろうという予想が立てられておりますけれども、ともすれば、最初の開校の理念からずれて、外国籍の方の日本語学校のようになってしまわないとも限りません。在り方検討委員会の中でも、札幌市の日本語教育においてどの部分を夜間中学が担うのか、明確にすべきとのご意見があったとのことであります。このような様々な課題に対しても丁寧な検討を加え、進めていただきたいと要望いたしまして、私からの質問を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私からも、2点質問させていただきます。  これまでも、私ども会派では質問を続けてまいりました。そして、直近の決算特別委員会では、教職員への周知、今後の開校準備について伺い、この基本計画案の策定に先んじて、校務支援システムの掲示板などを活用し、教職員への情報発信の取組を始めたと聞いております。そして、開校準備については、多様な教育ニーズを持った生徒が在籍する学校であることから、小・中・高校の様々な校種から専門性に優れた教員を集めたプロジェクトチームを編成し、学校経営の具体的な検討を始めていただいています。  第4回定例議会代表質問では、公立夜間中学に入学する方が通い続けるための支援を伺いまして、答弁では、校舎施設バリアフリー対応スクールカウンセラーの配置を含めた教育相談体制の整備、そして外国語通訳の活用など、生徒の困り事に寄り添い、学ぶ意欲の向上につながる支援の充実に努めるという答弁をいただきました。加えて、就学援助や給食の実施など、豊かな学校生活を保障し、全ての生徒が安心して学び続けることができる学校づくりを推進すると表明されております。  一人一人が個人として尊重され、多様な価値観や生き方を認め、互いに支え合いつつ、全ての人に居場所と出番のある共生社会を実現するためにも、公立夜間中学が果たす役割は大変大きいと考えております。公立夜間中学については、ここ数年、メディアでも取り上げられる回数が増えておりまして、全国的に注目が高まっているものと思います。  ただ、一般市民の方とお話をする中では、公立夜間中学が札幌市で開校されることについての認知度はまだまだ低いように感じます。せっかくすばらしい学校が設置されようとしても、このことを必要とする対象の方が知らなければ意味がないと思われます。特に、先ほども小竹委員の質疑の中でもありましたが、習熟度に関しては、遠友塾に通っている方たちの中にも様々な方たちがいらっしゃいました。こういった方たちを含めて、特に読み書きが難しい方についてもこの学校の対象であるということを考えますと、通常の周知の仕方では全く不十分ではないかと考えます。  そこで、質問ですが、基本計画案の中にも市民への広報・周知という記載がありますが、具体的にどのように進めていくおつもりか、伺います。 ◎相沢 学校教育部長  市民への広報・周知の進め方についてお答えをいたします。  公立夜間中学につきましては、北海道で初めての開校となり、委員のご指摘のとおり、やはり、まだその認知度も高くないということから、この学校を必要とする方に正確な情報を確実に届けることが極めて重要であるというふうに認識をしております。  このため、生徒募集に向けて今後作成する学校紹介パンフレットにつきましては、振り仮名つきに加えまして、英語や中国語などの外国語版も作成をし、自主夜間中学をはじめ、公立夜間中学入学対象となる方々を支援している団体と連携して配布するなど、積極的な周知に努めてまいります。あわせて、対象者本人への入学説明会はもとより、広く市民の方を対象とした公立夜間中学に関するシンポジウムを実施するなど、あらゆる機会を通して、対象者本人のみならず、市民全体の理解が深まるよう取組を進めてまいります。 ◆しのだ江里子 委員  まさに、関係機関であります自主夜間中学、遠友塾ですとか、札幌市若者支援総合センター、そして国際プラザなどに集う方たちから、ぜひとも、アイデアを聞き、うまく連携していただきたいと思います。  ただいまのご答弁では、正確な情報を確実に伝えるということで、多言語版のパンフレットを作成されるということでした。そしてまた、市民に対してのシンポジウムなどもしていただけるということで、幅広く、ぜひともこの公立夜間中学のことを知っていただきたいと思います。  この周知だとかに関しましては、私は、例えばルビを振ったポスターを地下鉄のコンコースに掲示していただいたりとか、それから、今日も報道機関が入っておりますけれども、夕方のテレビだとかにこのシンポジウムですとか入学説明会の様子なども放映していただければ、多くの方につながるのではないかと考えます。公立夜間中学にとっては、広報活動というのは非常に重要なものと思っておりますので、様々な工夫をしながら、ぜひ効果的な広報を行っていただきたいと思います。  そして、先ほど概要の説明をいただきましたけれども、第4章の基本方針の中では、「生徒の誰もが安心して、学びの主役となれる多様性を尊重する学校」という公立夜間中学の目指す姿があります。一人一人の夢や願いの実現につながる多様性を尊重した学校づくりを目指し、進路探究学習を通じて自分らしい生き方ができるよう支援をするとともに、生徒の誰もが安心して学びの主役となれる学校の環境整備を目指し、生徒が継続して学校生活を送ることができる環境に配慮するなど、様々な考えが示されております。大変、中身の濃いものだと思います。  そして、先ほどもありましたが、昨年、市民アンケートを取った際に入学の意向を聞いておりまして、ご高齢の方、そしてまた不登校の若い方、そして外国籍の方を合わせて、このときは35人の方が手を挙げていらしたと聞きました。それぞれの方は、一人一人の事情は異なるものと思いますけれども、様々な継続的支援が必要でありますし、開校して終わりではなくて、開校後も学校は変化し続ける必要があると思います。  また、第5章の設置の枠組みにおきましても、9月まで入学可能であったり、中学2年生、3年生という中途学年からの入学も可能とするということで、非常に柔軟な入学の仕組みとなっておりまして、様々なニーズを持った方々に配慮したものだと評価をいたします。  こうした学校を心待ちにしている方々の中には、いつ頃、説明会があり、いつ頃、応募できるのかという部分について知りたいと考えている方がもう既に多くいらっしゃるものと思います。  そこで、質問ですが、来年度の生徒募集スケジュールや、現時点で想定をしている実施内容について伺いたいと思います。 ◎相沢 学校教育部長  生徒募集スケジュール実施内容についてでございますが、来年度は、8月頃に、市民の方を対象としたシンポジウムに併せまして、入学希望者向け説明会を実施するとともに、9月頃には、資生館小学校を会場として、実際に使用する教室の見学を含む学校説明会を開催するなど、具体的な学校生活をイメージできるような工夫の下、公立夜間中学教育内容等について周知をしていくということを想定しております。  これを踏まえた生徒募集につきましては、入学を待ち望んでいる方の思いに寄り添い、可能な限り早期から開始することといたしまして、現時点では9月からの募集を予定しております。加えて、10月以降には、応募された方全員を対象に、学びたいことや配慮事項などについての個別相談を順次行い、それを踏まえたきめ細かな対応を検討するなど、全ての生徒が安心して通えるよう着実な準備を進めてまいります。 ◆しのだ江里子 委員  8月にシンポジウムを開催し、併せて入学希望者向け説明会もしていただけるということ、そして、9月になりますと、実際に資生館小学校を使っての学校説明会を実施していただけるということで、本当に着々と進んでいるなということを感じます。丁寧な相談もしていただけるということで、生徒の不安の解消にもつながるものと思います。この基本計画案にありますとおり、常に生徒が主役となる学校づくりを引き続き進めていただければと思います。  この札幌市立夜間中学については、今、現役の先生たちが非常に興味を持っていると聞いております。実際に私も、複数の先生から、様々なお話を聞いておりまして、こういった熱い思いを持って夜間中学の教員になってくださる方が一人でも多く集まることを期待したいと思います。  また、公立夜間中学は北海道では札幌市に初めて開校しますが、先ほどもお話がありましたように、原則、入学対象札幌市内に居住する人とするということになっておりまして、米印もついておりますが、なかなか、やはり札幌の近隣市町村から通学を考える方にとっては手を挙げづらいのではないかというふうに聞いておりますので、この応募要項に関してはより柔軟な対応もお願いしたいと思います。  今後、自主夜間中学、遠友塾の皆さんと意見交換をされるというふうに聞いております。まさに、当事者である皆さんの声をしっかり受け止めていただきたいと思います。本当に、札幌モデルと言われるこの夜間中学は、全国の夜間中学から熱い注目がされていると聞きます。開校後も、多様な生徒の意向を十分に生かして、よりよい学校づくりを深化し続けていただきたいと強く願いまして、質問を終わります。 ◆くまがい誠一 委員  私からも、2点質問させていただきます。  我が党においては、誰一人取り残さない社会の実現を目指すSDGsの推進に早くから取り組み、教育における重点政策の一つとして、学びのセーフティネットの構築を掲げております。会派といたしましても、これまであらゆる機会を捉えて質問をしてまいりましたが、公立夜間中学がまさにこの学びのセーフティネットを具現化するものであり、札幌市が東北以北初の公立夜間中学を設置することについて、大変評価しております。  さて、基本計画案において、第6章のその他に、札幌市若者支援総合センターや札幌国際プラザ自主夜間中学大通高校など関係機関等との連携を検討するとされております。私としては、この他の関係機関との連携という部分は非常に重要であると認識しており、基本計画案に記載している学習内容や学校生活などを実現するためには不可欠な取組ではないかと考えております。  そこで、質問ですが、この第6章のその他に記載されている関係機関等との連携について、どのような狙いがあるのか、お伺いいたします。 ◎相沢 学校教育部長  関係機関等との連携の狙いについてでございますが、公立夜間中学には、高齢者や不登校経験者外国籍の方といった多様な生徒の入学が見込まれておりまして、市民アンケートからも教育ニーズが多岐にわたるものと想定をしております。学校としても可能な限り充実した体制を整えていきたいというふうに考えておりますが、そうした多様なニーズにつきましては、学校以外の様々な方々とともに取組を進めていくことで、より一層、きめ細かな対応が可能であるというふうに認識をしております。  具体的には、悩みを抱える若者への支援に対しましては札幌市若者支援総合センター外国籍の方に対する支援に対しましては札幌国際プラザ、さらなる学び直しを求める方への学習支援の在り方につきましては、指導実績のある自主夜間中学大通高校との連携を想定しているところでございます。  教育委員会といたしましては、このほかにも様々な関係機関やボランティアの方々を含めた市民の皆様の協力をいただきながら、ともに生徒一人一人の夢や願いの実現につながる学校づくりを進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆くまがい誠一 委員  多様なニーズに対応するために、学校だけで取り組むのではなく、今、答弁いただいたように、様々な機関と連携しながら取組を進めることで、学びのセーフティネットの機能が充実することは非常に重要と考えます。我々といたしましても、市民全体で公立夜間中学を支援するような形になることを望むところでございます。  これから、そういった学校にすべく、教育委員会として開校に向けた準備を進めていくものと認識しておりますが、そうした準備の流れの中で、学校名についても検討していくものと思います。名は体を表すものであり、学校の名前はその学校に対する思いや願い、学校の姿勢のようなものも表現され得るものであり、市民全体に愛される夜間中学にするためにも非常に重要なものであると考えます。特に、公立夜間中学については、多くの方々が待ち望んだ学校でありますので、ぜひ、様々な方のご意見を聞いていただきたいと考えます。  そこで、質問ですが、公立夜間中学の学校名については、どのような形で検討する予定なのかをお伺いいたします。 ◎相沢 学校教育部長  学校名の検討方法についてでございますが、札幌市が設置する公立夜間中学につきましては、多くの市民にとって身近な存在である学校にしたいというふうに考えておりまして、そのためには、学校の象徴ともなる学校名についても広く意見を聞くことが大切であるというふうに考えております。あわせまして、市民の皆様に学校名を考えていただくに当たりましては、札幌市が設置する公立夜間中学の理念や内容についてご理解いただくということが望ましいものというふうに認識をしております。  こうしたことを踏まえまして、今後実施を予定しておりますパブリックコメントに併せまして学校名の公募を行うという、これまでにない初めての方法で取組を進めていきたいというふうに考えております。  また、資料の配布に当たりましても、一般に行われております区役所やまちづくりセンターへの配架に加えまして、市立学校や連携を予定している自主夜間中学などの各種団体はもとより、北海道教育大学などの協力いただける関係機関を通じた配布も行うなど、可能な限り幅広く情報提供を行ってまいります。  教育委員会といたしましては、こうした取組を進め、より多くの方に公立夜間中学に関心を持ってもらい、積極的にご意見をいただくなど、学校名の検討に向けた取組そのものを市民とともにつくり上げ、身近な存在となる学校づくり、そのスタートにしたいというふうに考えております。 ◆くまがい誠一 委員  多くの市民にとって身近な存在になるように、今回の学校名を決めるに当たってパブコメを取ったり、そういったことが市民の皆さんに周知していただく一つのきっかけになるように、また、広報の在り方もぜひ広く様々な検討をしていただきたいと思います。  また、学校名に併せて、市民の皆様や入校される皆様の意見を伺いながら、必要であれば校歌とか校章とか、そういったものもぜひ検討していただければ、さらに広く知れ渡ることとともに、卒業された皆様にとって思い入れのある学校になっていくのではないかと思いますので、そちらのほうもぜひ検討いただきたく思います。 ◆千葉なおこ 委員  私からも、幾つか質問いたします。  いよいよ公立夜間中学が北海道にも来年度設置されるということで、自主夜間中学、遠友塾の運営に関わる方や公立夜間中学の必要性を訴えられてきた方、学び直しを希望する市民の皆さんの長年の思いが実るんだと、大変喜ばれております。公立夜間中学に今後入学する方たち一人一人に寄り添い、安心して通い、楽しく学べる学校となってほしいと思います。  札幌市が設置する公立夜間中学の目指す姿、「生徒の誰もが安心して、学びの主役となれる多様性を尊重する学校」があります。その実現に向けての学校づくり環境整備について、在り方検討委員会を設置し、学識経験者や関係する機関の方々からのご意見をいただき、また、ニーズ調査のためのアンケートを実施するなどして、このたびの基本計画案が示されました。  本市議会では、これまで、2012年、2014年、2015年と、学習機会の充実、夜間中学の整備等を求める意見書を、3度にわたり、全会一致で可決し、2017年には、公立夜間中学の速やかな設置を求める陳情が全会一致で採択されるなど、議会としても一致して公立夜間中学を設置すべきであると求めてまいりました。  その背景には、自主夜間中学の遠友塾の皆さんの努力があったからではないかと思います。その活動が理解され、共感が広がったからではないでしょうか。「学ぶことが生きることの証と喜びになる」という言葉を掲げ、誰もが教育を受ける権利を有する理念の下、1990年に開設され、長きにわたり、札幌市内外から様々な事情により教育を受けられなかった方々を受け入れ、寄り添い、学びの場を提供されてきました。  これまで遠友塾の皆さんが行ってきた活動を本市はどのように評価しておりますか、伺います。 ◎小田原 生涯学習部長  札幌遠友塾自主夜間中学のこれまでの取組に対する評価でございます。
     札幌遠友塾自主夜間中学につきましては、様々な事情により十分な学びの機会が得られなかった方々のために、平成2年から学びの場を提供してこられて、この間、500人以上の方々が学ばれてきたと伺っております。このように、多くの方々の多様な学びを支えてこられましたその活動は、大変意義深いものと認識をしているところでございます。 ◆千葉なおこ 委員  北海道自主夜間中学交流会の記録集やインターネットの記事、受講生の声などを目にしますと、夜間中学に関わる皆さんが学ぶことの楽しさを実感し、夜間中学があってよかったと喜びにあふれていると感じております。公立夜間中学も、通ってよかったと思える学校を目指して、在り方検討委員会でご意見をいただいた遠友塾の工藤さんをはじめ、経験豊富な関係機関の皆さんと今後も継続して連携していく体制が不可欠だと考えます。  次に、本市が開設する公立夜間中学は、資生館小学校内の活用可能スペースを使い、設置形態については、夜間中学における教育活動の充実と独立性を重視し、単独校として開設し、国の基準に基づいて配置される教職員数は、校長を含め、11名となっております。  基本計画では、入学対象となる方は、主に、戦後の混乱期等で義務教育を未修了の方、不登校等様々な理由で十分に中学校に通えなかった方、本国で義務教育を修了していない外国籍の方を想定していると書かれております。  教える方は、中学校の教員免許状を有する教員とのことで中学校の先生となりますが、公立夜間中学は生徒の国籍や年齢、事情など多様な生徒が在籍することを踏まえ、教職員の配置や人事異動についてはどのようにお考えなのか、また、勤務する教員の研修はどのように実施していく予定なのか、お伺いいたします。 ◎相沢 学校教育部長  教職員人事に対する考え方と勤務する教員の研修についてお答えさせていただきます。  公立夜間中学には、委員のご指摘のとおり、学齢期に様々な理由により学ぶ機会を得ることができなかった高齢者や不登校経験者外国籍の方など、多様な生徒の入学を想定しております。  教育委員会といたしましては、このように多様な生徒の誰もが安心して学びの主役となれる学校の環境を整えることが大切であるというふうに考えておりまして、中学校のみならず、小学校等を含めた幅広い校種から教職員を配置するなど、多様な経験を持つ教職員がチームとなって学校づくりに取り組むことができるよう、体制を整備してまいりたいというふうに考えております。  また、教員への研修につきましても重要というふうに認識をしており、校内研修はもとより、国が行う日本語指導講習への参加や、他都市の公立夜間中学への先進事例の視察も行うなど、教員の資質向上に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆千葉なおこ 委員  多様な教育ニーズに対応できる学校を目指していくためにも、先生一人一人が年齢や国籍など生徒が置かれている様々な事情をしっかりと理解し、生徒にとって、信頼を寄せて学ぶことができる環境をつくっていただきたいのと、先生にとっても、夜間中学で教えるやりがいを感じていただけることが大切であると考えます。  2019年に産経新聞が全国の公立夜間中学校に行ったアンケートによりますと、回答した学校の約7割が教職員不足を感じているということが分かりました。多様なニーズに応えるため、教員へのサポート体制も充実してしっかり行っていただきたいということを求めたいと思います。  最後に、在り方検討委員会で各委員の皆さんからいただいたご意見を踏まえて申し上げます。  アンケートにない声、想定外に対して向き合っていくという姿勢は、夜間中学においては重要であると考えます。現在、想定している学校規模は1学年1学級ですが、公立夜間中学が市民に定着することで、入学希望者が増えるようなことも今後あるのではないかと考えております。開校時の姿が最終完成形ではありませんので、そうした場合には、学校づくりの視点の一つであります少人数体制の充実の視点で複数学級を検討することや、教員やサポーターを増員すること、また、夜に通えない人たちのためにも、昼間の部があってもいいのではないかとも思いますし、様々なニーズに応えていただく柔軟さを持ちながら、札幌らしい公立夜間中学を目指していただきたいと申し上げまして、質問を終わります。 ◆石川さわ子 議員  番外ですが、すいません、少し質問をさせていただきたいと思います。  札幌市公立夜間中学設置基本計画(案)には入学対象者が示されておりました。私ごとで大変恐縮でありますが、私の母は、敗戦後、引き揚げてきた混乱に際しまして、中学校に行くことができず、この対象者というふうになっております。母は、新聞記事で自主夜間中学、遠友塾の受講案内を見つけ、大変喜んで65歳で入学をし、途中、父が入院しましたので、その間は休みましたが、卒業まで足かけ9年ぐらいお世話になりました。学ぶことは生きがいだというふうに言って、本当に喜びに満ちあふれながら通っておりました。  そういう母のことをそばで見てきたということもありますが、遠友塾で毎年行っている交流会では、受講生やスタッフの方々の生活体験発表をお聞きする機会があり、学ぶことができなかったけれども、学びたいと思っている母と同じような多くの高齢の方の思いに触れ、私も、札幌市に公立夜間中学が開設されることについて、大変期待をし、また、会派としても、この間、求めてきたところであります。  基本計画案のご説明の中では、修業年限について、じっくり学びたい方へのニーズに応えるため、最長6年の在籍を可能とするというふうにあります。通常の中学校修業年限は3年ですから、じっくり学びたい方へのニーズに応えるために余裕のある在籍上限にする考えであることについては、よいことであるというふうに考えますが、一方で、自主夜間中学の遠友塾には、通常の1年生、2年生、3年生というクラスのほかに、じっくり学ぶ方のためのじっくりクラスという学ぶ場があります。通常のクラスでも同じ学年を何年も学ぶ方がおられると聞いておりますし、また、じっくりクラスに在籍される方は、本人の学ぶペースに沿って時間をかけて学んでおり、こうした方々が公立夜間中学に入学した場合、6年間で中学校課程を学び切れない可能性もあるのではないかと私は心配をしております。  そこで、質問でありますが、どのような考え方で公立夜間中学に6年までという在籍期間の上限を設定したのか、伺います。 ◎相沢 学校教育部長  在籍上限の考え方についてでございますが、公立夜間中学も学校教育法上の中学校でありまして、全国の公立夜間中学におきましては、法定の修業年限である3年に合わせて半数以上が在籍期間の上限を原則3年としている状況にございます。一方で、入学の可能性のある市民を対象に札幌市で昨年の1月から2月にかけて実施をしたアンケートによれば、小学校からの学び直しや、じっくり学ぶために4年以上の通学を希望する声などがありまして、札幌市の公立夜間中学におきましては、修業年限を原則3年としつつも、この多様なニーズに応えるという観点から必要に応じて最長6年までの在籍を可能としたというところでございます。 ◆石川さわ子 議員  多様なニーズにお応えするというお考えでありました。  この6年間という期間について、目標を持つという意味ではよいことではないかなというふうに思いますが、しかし、特に高齢の方は、ご自身の体力や学習内容の理解への不安など様々な不安を抱えておりまして、入学したいと思っても年限があることをプレッシャーに感じて、そもそも入学を諦めてしまうのではないかと私は懸念をするところです。  先ほど部長が引用されました札幌市のアンケートでも、入学しないと答えた方は、入学したいという方よりも多い割合を示しておりましたし、自主夜間中学の生徒さんやスタッフの方へのアンケートでは、中学校の勉強についていけない、不安がある、そういう声もありましたし、それが、まさしく、通いたくないですとか、通えない理由の一つになっているわけであります。  一方、全国の夜間中学におきましては、修業年限は6年または9年、あるいは、特に定めないとする学校もあるというふうに聞いておりますので、ゆとりのある修業年限の設定について検討をしていただきたいと思います。  また、高齢の方が入学された場合には、一人一人の長い人生経験に共感をし、根気強く寄り添いながら励まし、仮に目標の年数で学び切れないような場合については、柔軟な対応をしていただくということをまず求めておきます。  続いてでありますが、公立夜間中学は週5日の授業を行うということであります。これは、中学校課程を学ぶということでありますから、当然のことかなというふうには思いますが、通いたいというふうに思っている方の中には、週5日、通いたいけれども、何かの事情で通えないというような方もおられるのではないかなと想像をしております。先ほども触れました自主夜間中学の生徒さんやスタッフの方々へのアンケートの結果を見ますと、通えない理由として、毎日通う自信がないというのが一番多くなっております。遠友塾の塾生の方たちのように、週1回の通学が体力的にやっとだという方もおられるというふうにお聞きをしております。  そこで、質問でありますが、毎日通うことが困難な方については、夜間中学においてどのように対応するおつもりなのか、伺います。 ◎相沢 学校教育部長  毎日通うことが困難な生徒への対応についてでございますが、公立夜間中学におきましては、中学校の学習内容を学ぶ上で積み重ねや連続性が大切であり、1週間に5日間、毎日通学して学ぶということが基本であるというふうに考えております。  しかしながら、議員のご指摘のとおり、公立夜間中学に通われる方の中には、何らかの事情により継続的な通学が困難となる方もいるものというふうには想定しております。このような場合につきましても、生徒に寄り添い、通学できない理由を十分に聞き取るとともに、学校生活を継続するための具体的な方法について、生徒とともに考え、できることから実施をするなど、丁寧かつ柔軟な対応に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆石川さわ子 議員  毎日通いたいけれども、何らかの理由で通えない生徒さんに対する今のご答弁であったと思います。事情を聞いていただいて、継続的に学校生活を送ることができるよう考えるなど、丁寧かつ柔軟に対応してくださるという内容だったと受け止めます。  母がよく言っておりましたけれども、高齢の方の場合、教えてもらってもなかなか理解ができないし、また、理解をしても忘れてしまう、だから教えてくださる方に申し訳ないと思って通うことをやめようかと何回も思ったけれども、教えてくださる先生たちが、毎回毎回、自分が登校してきたことを喜んでくれて、分からなくても根気よく教えてくれて励ましてくれたから、気がついたら卒業ができた、卒業までたどり着くことができた、感謝しかないというふうに言っておりました。札幌市公立夜間中学がこれから設置されますけれども、私は、こうした姿勢で生徒さんに対応していただきたいというふうに強く思います。  母は、今88歳になりましたけれども、夜間中学の開設が決まったことをニュースで知ったとき、私も通えるかしらと、ぼそっと言いました。学ぶことへの希望は、本当に人に生きる力を与え続けるんだなというふうに大変驚きました。  このように、入学に尻込みをするのではなく、一人でも多くの方が安心して入学してもらえるように、一人一人のそのときの力と個性に柔軟に寄り添って、また、今後行われるパブリックコメントの意見なども十分反映し、まだ開設はされておりませんけれども、本当に長く続く公立夜間中学となるよう期待をして、質問を終わります。 ○小形香織 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○小形香織 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時59分       再 開 午後2時     ―――――――――――――― ○小形香織 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第3次札幌市児童相談体制強化プラン(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎山本 児童相談所担当局長  私から、第3次札幌市児童相談体制強化プラン(案)についてご説明申し上げます。  お手元、配付資料のうち、資料2、A3判の概要版の資料をご覧ください。  まず、1 強化プランの策定にあたってです。  児童相談体制強化に当たりましては、平成23年に強化プランを策定、平成29年に2次プランへ改定、体制強化の取組を進めてまいりました。その一方で、相談は増加し続けており、その内容も複雑、深刻化し、令和元年には市内で児童虐待死亡事案が発生したところであります。増加する相談への対応、検証報告を踏まえまして、児童相談体制の方向性を定め、さらに進めるため、本プランを策定するものであります。  本プランの計画期間は、令和6年度までとし、途中、令和4年度には中間的な点検、評価を実施いたします。  次に、2 札幌市の児童相談に関する現状であります。  まず、1の児童相談所の相談状況です。  虐待の相談を含む養護相談が、平成27年度に3,346件だったものが、令和元年度には4,615件と1,269件の増となりました。また、一時保護児童も、相談件数の増を背景に増加傾向にあり、一時保護の受皿の確保が課題であります。  資料の右側4の児童相談等に関する件数の推計のところです。  令和元年度から6年度にかけて、児童相談所の相談は8,453件から約1,000件の増加が、区家庭児童相談室では3,466件から約4,000件の増加が見込まれます。  その下、5の現行の2次プランの実施状況です。  これまで、アセスメントツールの開発、関係職員への研修の拡充、家庭児童相談室へのシステムの導入などを実施してまいりました。専門性の強化や職員育成、里親支援の強化などは引き続き取り組んでまいります。  次に、資料の2枚目をご覧ください。  6の令和元年6月死亡事案への取組状況です。  事案の発生後、乳幼児健診未受診者等の再点検の実施や、児童相談所での緊急対応担当部の設置、変則勤務等の導入によります虐待通告への夜間・休日対応を実施しました。  次に、3 札幌市の児童相談に関する課題と基本的方向性です。  児童福祉法の改正や2次プランの実施を踏まえた課題、検証報告書での課題に対応する方向性を五つ掲げております。ご覧のとおり、子どもの権利擁護、地域における相談支援体制の強化、専門的相談支援体制の強化、個々の子どもの状況に応じた社会的養護体制の充実、関係機関との連携・支援の体制や支援制度の強化であります。  これら五つの方向性に対する取組を、4 具体的取組に表で記載をしております。  右側になります。  まず、1.子どもの権利擁護です。  児童福祉法の改正を踏まえ、子どもの意見を聞く場の設定など、相談支援における権利擁護に取り組みます。  2.地域における相談支援体制の強化は、区の強化であります。各区家庭児童相談室の体制や、要保護児童対策地域協議会の機能強化、児童相談所によります区の支援などに取り組みます。  3.専門的相談支援体制の強化は、児童相談所の強化になります。専門職員の計画的な配置や育成、第2児童相談所の整備、仮設一時保護所の設置などに取り組みます。  続いて、資料の3枚目をご覧ください。  児童相談と母子保健情報等のシステム連携、検証報告での提言への取組状況に関する外部評価や、児童相談所業務の自己点検などに取り組みます。  4.個々の子どもの状況に応じた社会的養護体制の充実では、フォスタリング機関の設置による里親支援の強化や、里親委託の推進、施設機能の強化、施設入所児童等の自立に向けた支援などに取り組みます。  5.関係機関との連携・支援の体制や支援制度の強化では、引き続き関係機関との連携強化に努めるほか、既存の制度のみでは十分支援できていない思春期、若年期の女性への支援の在り方検討などを行います。また、各取組を連携するなど、取組が全体としてより効果が発揮できるよう進めてまいります。  最後に、右側、5 (仮称)第二児童相談所設置についてであります。  2所体制へと強化するために、第2児童相談所設置に向けた計画概要であります。  設置予定地は、白石区の旧水道局白石庁舎の跡地としまして、相談や支援、心理検査用の部屋、事務室、一時保護所などで構成されるおおむね4,000平米の施設で計画をしております。来年度から設計に入りまして、令和7年度中の供用開始を見込んでいます。開設後、第2児童相談所では、白石区、厚別区、豊平区、清田区の4区を担当する予定であります。ほかの6区は、現在の児童相談所が引き続き担当するということになります。 ○小形香織 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆藤田稔人 委員  私からは、ただいまご説明いただきました第3次札幌市児童相談体制強化プラン(案)について、何点か質問させていただきます。  まず、相談受理件数等の推計についてです。  第3次プランの策定に当たって、相談受理件数を推計しておりますが、令和元年度実績から令和6年度に向けて、児童相談所の相談受理件数が8,453件から9,557件に増加し、要保護児童数は787人から824人に増加するなど、今後も対応が必要なお子さんは増え続けるだろうという推計結果となっております。児童虐待通告件数が近年増加していることは事実であり、通告されずに潜在化していた事案が、市民の児童虐待の関心の高まりにより顕在化していることも考えられます。しかし、児童虐待等に対応するためのプランに基づく取組が、虐待等の相談件数の減少という効果に結びついていないとも受け取れる数字になっております。  そこでまず、一つ目の質問ですが、子どもの数は減少している中、児童虐待等への対策に取り組んでも、相談や保護の件数が減少しない事態をどのように認識しているのか、お伺いいたします。  また、様々な取組を通じて児童虐待をなくすことを目指す必要があるものと考えておりますが、その点についても併せてお伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  相談受理件数などについてであります。  ご指摘のとおり、児童虐待の通告件数は増加の一途をたどっておりまして、札幌市の令和元年度の通告件数は2,100件となっております。全国的にも虐待通告の件数が増加しておりまして、背景の一つとして、社会全体の児童虐待への関心の高まりといったものが考えられるところであります。子どもの泣き声が続くなど心配になることがあれば児童相談所などに知らせるということが、児童虐待への対策を進めていく中で関係機関を含めて浸透してきているということ、そういった中で、これまで支援に結びついていなかったケースもその中にはあるものというように考えております。  より早く安全を確認し、より早く必要な介入や支援を行うという取組が増加にも結びついているというようにも認識をしております。一人でも多く虐待に直面している子どもを守ること、あるいは、保護者に適切な支援をすることで、虐待を減らし、なくしていくということは何よりも重要だと考えております。児童相談所や各区の取組を通じまして、子どもや家庭に対する個別的な支援を充実させまして、虐待の予防、重篤化の防止、あるいは再発をさせないといったことにしっかり取り組んで、できるだけ早く減少を目指してまいりたい、このように考えております。 ◆藤田稔人 委員  児童虐待が一朝一夕に減少していくものではないということはもちろん理解しておりますし、今、山本局長がおっしゃったとおり、何かあったときに通報がないということが一番恐ろしいことでもあるということも認識しております。  そういう中ではありますけれども、やはり、児童虐待ゼロを掲げて、そのために必要な体制を取っていくことも大事なことだと考えております。今後、このプランに基づく取組を進めていくに当たり、関係機関と連携しながら、児童虐待を未然に防止し、件数を減少に転じさせていただきたいと考えております。  次に、一時保護体制についてお伺いさせていただきます。  一時保護が必要な子どもを受け入れる一時保護の定員確保が喫緊の課題であると書かれております。一時保護は、子どもの安全を確保する手段であり、定員いっぱいで受入れできないというわけにはいかず、しっかりと体制を整備する必要があります。また、子どもの状況によっては、必ずしも児童相談所の一時保護所での保護だけではなく、例えば、児童養護施設や里親への一時保護委託などの活用も進めるべきと考えます。  2点目の質問ですが、今後、どのように一時保護体制を強化し、子どもの状況に応じた一時保護に対応していくのか、お伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  一時保護体制についてであります。  子どもの生命の安全を確保するため、一時保護が必要な子どもを速やかに保護できるよう、その受皿をしっかりと確保していくことは大変重要であります。  これまで、子どもの状況に応じて、一時保護所による一時保護のほか、児童養護施設や里親、あるいはファミリーホームといったところへの一時保護委託というものも実施してまいりました。今後も、一時保護が必要な子どもは増加する見込みであります。一時保護所の増設や、児童養護施設における一時保護施設の設置を推進するなどして、子どもの安全をしっかり確保してまいりたい考えております。 ◆藤田稔人 委員  次に、各区における相談支援体制の強化についてお伺いいたしたいと思います。  地域における見守りや支援の重要性はこれまでも繰り返し指摘されてきた課題であり、令和元年6月の2歳女児死亡事案の検証報告書においても、支援体制強化の必要性について言及されております。身近な地域での相談支援体制の中心となるのは、各区の家庭児童相談室であると思いますが、ここが十二分に機能できるよう体制を整備することが必要です。  3点目の質問ですが、各区の家庭児童相談室の人員体制など、相談支援体制の強化にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  各区における相談支援体制の強化についてであります。  家庭児童相談室は、各区に設置されておりますことから、児童相談所に比べまして、地域ごとに展開する関係機関と緊密に協働しながら支援を展開できるという強みがあり、こうした特性を充実させていく必要があろうと考えております。一方で、児童相談所の専門的助言や、あるいは同行訪問といったような形を充実させていくことによりまして、家庭児童相談室での支援の専門性というものを一層向上させていくことも重要であります。  こうした課題を実現していくために、国が市町村に設置を促しております子ども家庭総合支援拠点、この機能を各区に備えることで、地域や区の機能を生かしつつ専門性の高い支援体制を確保していきたい、このように考えております。 ◆藤田稔人 委員  児童相談所が各区を支援していく取組は非常に重要であると思いますので、ぜひ積極的に連携を図っていただきたいと考えております。  私も、地域で活動していて感じておりますが、何かあったときに、やはり、一足飛びに児童相談所ということではなくて、今おっしゃったような区の取組、身近なところでしっかり解決できる仕組みというものがまず何よりも重要だと考えておりますので、そこで常日頃からきちんと対応できるように心がけていただきたいと考えております。  最後に、4点目として、第2児童相談所の整備についてお伺いさせていただきます。  先ほど、一時保護の定員確保についてもお伺いいたしました。また、今、児童相談所として区を支援する体制を取っていくことも確認させていただきました。いずれも、児童相談所として体制を充実させていかなければならないものだと考えております。  そこで、質問ですが、計画では、第2児童相談所の整備概要として、約4,000平方メートルを予定されているとのことですが、一時保護の定員確保や必要な機能を確保する観点から、これで十分な機能であるのかどうか、お伺いさせていただきます。
    ◎山本 児童相談所担当局長  第2児童相談所でありますが、その管轄区域といたしましては、白石区、厚別区、豊平区、清田区の4区を想定しております。その中で、増加が見込まれる相談者に対応できる面接室や心理検査室、医務室などを確保することとしております。一時保護所につきましても、学齢児は個室化を図ることや、専用の体育スペースを取るなど、子どもたちの生活環境に配慮した空間の整備を進めていく考えです。  おおむね4,000平方メートル程度あれば、児童相談所としての機能を網羅し、子どもに配慮した施設整備が可能と考えておりまして、相談しやすい施設を目指し、設計においてもそれを十分に反映させてまいりたいと考えております。 ◆藤田稔人 委員  最後に、幾つか触れさせていただきます。  この第3次札幌市児童相談体制強化プランにおける取組を通じて、この札幌のまちから児童虐待を根絶させていただきたいと心より願っております。  おととしの児童虐待による死亡事案の後、全国各地でもいまだに同様の事件が後を絶たない現状であります。児童虐待ゼロに向けて、札幌市は全庁を挙げて強い気持ちで臨み、スピード感を持って対応していただきたいと考えております。  私も、幾つかの事案に直接関わってきたこともありますけれども、やはり、まだまだ取組が甘いのではないかと思わざるを得ないことも正直あります。再三にわたり同様のことを言っておりますけれども、さらに徹底していただきたいと考えております。  また、児童相談所と関係機関との連携について、先ほど、各区の家庭児童相談室や児童養護施設、里親などとの連携ということも触れておりましたが、その他の機関も含めて子どもの見守り体制を重層的に構築し、それぞれの子どもの状況に応じてしっかりと寄り添った対応をお願いしたいと考えております。  また、情報の共有について、関係機関でシステム連携を進めるということもありますが、情報共有を徹底するとともに、単にデータを共有するのみならず、職員間の連携をさらに深めるためのツールとしていただきたいと考えております。  最後に、第2児童相談所の設置については、言うまでもなく喫緊の課題であります。これから具体的な設計に着手すると思われますが、予定地周辺、特に隣の認定こども園のご意見、ご要望などはしっかりと受け止めていただきたいと考えております。  また、先ほど令和7年度の開設予定とありましたが、できるだけ早急に開設できるようにご尽力いただきたいと考えております。 ◆水上美華 委員  私からも、第3次札幌市児童相談体制強化プラン(案)について、幾つかお伺いをさせていただきたいと思います。  先般、札幌市の一時保護所の男子フロアのほうを、中村たけし委員と一緒に伺い、見せていただきました。率直な感想として、フロアは全体がとても清潔で整然としており、規律正しく運営されているのだなという印象を受けました。  その一方で、施錠されたフロアの中での集団生活における数少ない自由時間、もちろん安全面での管理が必要であるということは十分に理解しておりますが、やはり、外出機会というのは少ないのだなと感じたところであります。例えばですが、資料でいただいた一時保護所の児童日課表のほうには、日曜日以外の月曜日から土曜日まで、毎日15時から90分程度の日課と呼ばれる、近隣の公園での遊び時間や、体育館での運動時間等が設けられております。ふだんは施錠されたフロアの中で集団生活を送る児童らにとっては、数少ない息抜きの時間とも言えます。しかしながら、実際の運用を伺ったところ、もちろん天候の関係もあるということではございましたが、毎日ではなく、自由時間として施錠されたフロアの中で過ごす割合も多いとのことでございました。  一時保護所の児童日課表と、私が、実際に一時保護所内の壁に貼り出されていた手書きの日課表にも異なる点があり、大きく異なるのは、90分とされている近隣の公園遊びとされる時間は、手書きの児童日課表によりますと60分程度しかない点など、異なる運営が行われる何らかの理由があるのではないかなと感じたところであります。  全国の児童相談所を取り巻く環境は楽観視できる状況になく、他自治体の児童相談所の現状を調べたところ、実際に一時保護所に入居した子どもからは、ドラマで見た刑務所のような場所と言われるほど厳しい状況にあるケースもあると伺っております。また、東京都内ではありますが、児童相談所について第三者委員がまとめた意見書には、厳しい管理ルールにつらい思いをした子どもたちの声が大きく示されておりまして、その中の一部には、一時保護所に行くぐらいなら死ぬといった声や、親からの虐待で家出し、都内の一時保護所で数日を過ごした17歳の少女は、入所のとき、下着まで脱ぐように言われ、裸にして調べられ、恥ずかしかった、小さな部屋から出ることを許されず、一時保護所には二度と行きたくないといったような声がありました。  札幌市の児童相談所において、一時保護所にある個室と呼ばれる1人部屋の運用についてお伺いしたところ、私は、少し改善の必要があるのではないかなと感じたところであります。  その個室は、集団生活を送る中で問題を起こした子どもに反省を促す際や、一時保護されたばかりの子どもが説明を受ける場所として運用されているために設置されているとのことでありました。そこに明確な運用指針や記録もないことから、担当する職員のスキルなどで利用の頻度が大きく変わることも多いのではないかと推察いたします。私は、個室自体は必要であると思いますが、その運用についてのガイドラインや利用した際の報告書などの記録を残す必要があるのではないかと思っております。  また、一時保護所の定員に対し、24時間体制で職員が常駐しておりますが、例えば、男子フロアだと、22人の定員に対し、日中は正規職員と会計年度任用職員の6名から7名、夜間については、正規職員1名、会計年度任用職員2名の3名体制となっておりまして、緊急で夜間に一時保護があると、3名中1名が付きっきりとなるため、結果として2名で運営することになり、仮に定員をオーバーしない状況においてもマンパワーの問題があります。さらに、児童相談所全体では増員があったものの、一時保護所については新たな配置はない状況が続いており、近年、職員の負担が増大している中で、札幌市児童相談所においても改善すべき課題として取り組む必要性を強く感じたところであります。  今回、札幌市では、第3次札幌市児童相談体制強化プランを策定し、痛ましい事案を再び繰り返さないため、児童虐待に対する専門機関である児童相談所の体制や、専門性の強化をはじめ、各区で子どもの福祉を担当する部署の体制や連携を強化し、改正児童福祉法に対応するために本プランを策定された点については、高く評価したいと思います。  前段、一時保護所におけることを中心にお話をさせていただきましたが、一時保護所一つを例に挙げても、現状、数多くの課題があり、プライバシーの名の下に情報が公開されず、内部の実態が明らかになることは多くはなく、第三者による評価や監査の仕組みはあっても、あくまでも、書類に不備がないか、法的手続が守られているかなどにとどまっている傾向にあります。  そこで、お伺いいたしますが、最初に、本プランにある具体的取組では、子どもの権利擁護に触れられており、大変よい視点であると考えておりますが、札幌市子どもの権利条例との関係性について、具体例としてどのような形で権利擁護が担保されているのかお伺いいたします。  また、第三者による定期的な立入り監査など、子どもの権利擁護や透明性を確保する上でも必要な取組であると考えますが、現状は実施されていない状況であり、実施に向けて前向きに取り組んでいただきたいと思いますが、児童相談所としての見解をお伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  まず、子どもの権利条例との関係性についてであります。  今回の3次プランに反映させた児童福祉法の改正と札幌市の子どもの権利条例は、いずれも国連の児童の権利に関する条約の理念を背景とするものであります。子どもの権利条例第8条の安心して生きる権利にあります、「いじめ、虐待、体罰などから心や体が守られること。」や、「気軽に相談し、適切な支援を受けること。」については、児童相談所等での相談支援活動、場合によっては一時保護などで権利擁護が図られているものと認識をしております。また、第11条の参加する権利にあります、「子どもは、自分にかかわることに参加することができます。」につきましては、社会的養護を受ける子どもの意見を聞く場の設定などの取組を通じて担保をしてまいりたいと考えております。  次に、第三者による定期的な監査などについてであります。  児童相談所が行う業務の質の向上に向けましては、評価を行って継続的に改善に努めていくということが今後必要であると認識をしております。  現在、国では、標準的な指標や実施方法等の策定に向けまして検討を進めており、ガイドラインの案なども示されております。今後、それらを用いた自己点検の実施などに取り組みまして、第三者評価の実施につなげてまいりたいと考えております。 ◆水上美華 委員  確かに、プライバシーの問題などもあり、何でも情報公開というわけにはいかないことはもちろんではありますけれども、権利擁護を行う上で、一定の透明性を確保する必要もあるかと思います。ぜひ、その自己点検から、今後、第三者の視点が入るような形での方向を進めていただきたいと思います。  また、先ほど、子どもたちの意見を聞く場の設定というような答弁がございました。例えばなんですけれども、一時保護所を退所する子どもたちに対してアンケートなどの提出をお願いし、個人を特定されない形で集積するといった手段も有効であると思いますし、また、千葉市では一時保護所内で生活する児童や生徒から不安や不満を聞く姿勢を大人側が常に示す必要があるという考えから、食堂の隅にあった目立たない意見箱を目立たせ、当直に関わらない幹部職員が中身を確認するというようなことを求めた例などもございます。  札幌市児童相談所としては、このような何か意見を聞く場ということを検討されていることがあればお示しいただきたいということと、それから、子どもの意見を聞く場の設定やアドボケイト制度の検討というのがこのプランの中にございますが、具体的にどのようなことを検討されているのか、お伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  権利擁護と透明性の確保についてでありますが、現在の児童相談所には、総合受付窓口と一時保護所の中に意見箱を設置しており、来所された方や子どもたちから直接意見を聞く仕組みがあります。また、子どもの最善の利益を確保するという観点から、弁護士の協力を得まして、社会的養護の経験者から、一時保護所や施設などでの生活で感じたことといったものを聞き取りまして、今後の運営の参考となる対応をしているところでもあります。  今後、子どもの権利擁護の観点からも、これまで以上に子どもたちから直接声を聞くことができるような取組、こういったものは充実させていきたいと考えております。  次に、子どもの意見を聞く場の設定やアドボケイト制度の検討であります。  子どもの意見を聞く場の設定というものに当たりましては、児童福祉に関する審議会を活用した手法というものが国から示されているところであります。こうした制度を活用しまして、子どもが意見表明できる機会を確保し、意見の調査、審議を行える枠組みを設定できるよう検討を進めてまいりたいと考えております。  アドボケイト制度に関しましては、子どもの意見表明を支援する職員等の育成などの先進事例といったものを参考に、相談や支援の各場面での子どもの状況に応じた制度の在り方について検討してまいりたいと考えております。 ◆水上美華 委員  それでは、次に、2点目として、職員の雇用環境と体制について伺いたいと思います。  専門的な知見を有する職員の確保や育成、配置が極めて重要になると考えます。私は、経験の蓄積なども重要である職種であることに加え、今後、児童相談所の2所体制化に向けて、職員確保については正規職員を安定的に配置することが望ましいと考えておりますが、児童相談所としての見解をお尋ねいたします。  加えて、現在の職員数を、正規職員と会計年度任用職員それぞれの数と、この2年間の間に増員配置された正規職員及び会計年度任用職員の人数について、それぞれお伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  まず、児童相談所への正規職員の配置についてです。  児童相談所を将来にわたって専門組織として機能させていくためには、正規職員を国の基準に基づいて計画的に配置し、経験値を高めていくということが必要であると認識をしております。  次に、児童相談所の正規職員あるいは会計年度任用職員の数であります。  現在の児童相談所内の正規職員は133人であります。一方、会計年度任用職員は100人であります。この2年間で増員された正規職員は16人、会計年度任用職員は22人ということであります。会計年度任用職員は100名と申し上げましたが、そのうち47名は一時保護所に勤務する職員であります。  この会計年度任用職員は、学校教育ですとか児童福祉の現場経験のある職員といった、そういった経験を生かして会計年度任用職員として採用し、勤務している者たちであります。あるいは、虐待対応の支援員が9名おりますけれども、これも学校教育ですとか警察の勤務経験のある方、こういったような、それぞれの職務に応じた特性、専門性を生かした技能を持つ方を採用し、配置しているということであります。 ◆水上美華 委員  先日伺った一時保護所の男子フロアについて、国の職員の配置基準に応じた適切な職員体制であると伺っております。  しかしながら、家庭の事情等も複雑化しており、仮に難しい保護案件が発生した場合、日勤の正規職員1名から2名程度が時間外で対応するといったケースも多く発生しているということでありました。  それら一時保護される子どもも年々増加傾向にある現状において、一時保護所を担当する職員の皆さんの仕事量も増える一方であります。慢性的に定員を満たした状態が続くこの札幌市の一時保護所において、先ほどお話しした、例えば日課表にあった公園での自由時間なども、職員の数に若干でも余裕があれば、昼夜を問わず、子どもたちと向き合える時間をつくることも可能になります。また、職員の数に対して子どもの人数が多いため、どうしても管理的になるのは、残念ではありますが、現状としては仕方がないことなのかもしれません。  厚生労働省から令和2年3月に出された運営ガイドラインの最新版によりますと、「子どもの権利が尊重され安心して生活できるような体制を保つよう留意する」と記述されてはおりますが、細かい生活ルールや職員の配置基準の改定などは定められておらず、曖昧な印象でございました。  増加する一時保護案件に対応するため、札幌市では、令和3年秋頃、仮設一時保護所の開設が予定されており、またさらには、令和7年度には第2児童相談所へ一時保護所の設置も予定されておりますが、一時保護所の担当職員についても、国による職員配置基準はあくまでも最低限必要な人数でありまして、多様な保護案件への対応や、子どもたちと向き合える時間を確保するためには、市独自の基準を設け、国の配置基準以上の人員配置が必要ではないかと考えますが、その点について、児童相談所としての見解をお尋ねいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  一時保護担当職員の配置基準についてであります。  一時保護所は、国が示す児童養護施設に係る児童福祉施設設備・運営基準の規定を準用するということで職員配置を行っているところであります。一方で、一時保護所は、24時間365日、子どもの受入れを行いまして、日々、入れ替わるといったような特性もございます。したがって、独自の基準を設けるように、全国児童相談所長会から国に対して要望を重ねているところではあります。 ◆水上美華 委員  先ほど、会計年度任用職員100名中47名が一時保護所のほうで働いているということでございましたが、やはり、児童相談所において、子どもたちに、様々、また、年々、複雑化していく案件を取り扱っていく中で、働いている職員の方々からも、様々、お話を伺っている中で、大変、精神的負担と体力的負担も大きいということとともに、やはり、生活の安定がなければ長く続けられる仕事ではないという結構現実的なお話も伺っているところであります。今、第2児相開設に向けてさらなる職員の増員というものも喫緊の課題であるかと思います。ぜひ、私は、原則として、やはり、正規職員としてしっかりと雇用して進めていただきたいという思いと、また、これは児童相談所に限った話ではありませんが、正規職員を配置するに当たって、現在、既に会計年度任用職員として経験を積まれている職員の方々がいらっしゃいます。こういう方々を正規職員へと移行がスムーズに行われるような、そういう仕組みなど、ぜひ必要ではないかと思いますので、検討していただきたいと思います。  続きまして、本委員会において質疑を行うに当たって、私も、北海道内で8か所の児童相談所と分室を運営する北海道の担当者にもお話を伺ってまいりました。児童相談所を取り巻く課題につきましては、おおむね札幌市と同様なケースであるというふうに伺っております。  一方、異なる点といたしましては、長い間、複数箇所を運営していることであり、児童相談所で経験の蓄積も行われているほか、各地での事例を用いた研修会の開催に加え、同じ道の組織ということもあり、警察との連携については円滑であることが多いのではないかということでありました。  多くの政令指定都市や中核市の場合、市内に児童相談所が1か所しかない自治体も多く、道立や県立のように複数の児童相談所を有する自治体と比較して経験の蓄積などが難しいとも一般的に言われておりますが、本プランを拝見いたしますと、児童相談所と区家庭児童相談室などとの人事異動により職務経験を重ねていくとされております。その点についても、一定の評価をしたいと思います。  また、体系的な研修の計画と実施についても滞ることなく進めていく必要があると考えておりますが、児童相談所として、その点についてどのようにお考えなのか、お伺いさせていただきます。 ◎山本 児童相談所担当局長  体系的な研修の計画あるいは実施についてであります。  専門職員の育成には、職位や担当業務ですとか経験年数に応じた体系的な研修によります知識と技術の習得が有効と考えております。こうした点は、外部の専門家のアドバイスなどもいただきながら、研修計画を策定する中で実効的な研修となるよう、その充実に努めてまいりたい、このように考えております。 ◆水上美華 委員  経験の蓄積や職員の皆さんのスキルアップというのは、一朝一夕にはいかないというところが多いとは思いますが、着実に進めていただきたいと思います。  また、北海道と合同で研修なども行っていくというようなお話も北海道のほうから少し伺ってまいりましたけれども、ぜひ、今後も、関係する施設などとしっかり連携していただいて、外部の力も借りながら経験の蓄積を積んでいただきたいと思います。  また、警察との関係について、座学の研修などもそうなんですが、実際に家庭などへの立入りの際などの研修などを実験的に行うなど、実践研修のほうの充実というものもぜひ進めていただきたいと思いますので、要望をさせていただきます。  それでは、最後に、一時保護所の運営状況についてお伺いいたします。  最初に、一時保護の在所日数の上限について、おおむね2か月程度と伺っておりますが、一時保護所において在所日数が4か月以上となる方の人数、そして、今、最も長い方で何日程度一時保護所に在籍している状況なのか、お伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  一時保護されている子どもたちの在籍日数でありますが、昨年12月末までの今年度の一時保護児童について確認しましたが、在所日数が4か月以上となる児童は39名おります。このうち、最も長い在所日数の子どもは409日ということであります。 ◆水上美華 委員  今の答弁の中で、定員50名のところに、もちろん入れ替わりはあるとは思いますが、4か月以上となる児童が39名ということで、率直に、長く在所される方も多くなってきているのだなと感じるところでありますし、やはり、1年以上、在籍、在所するお子さんもいるということが分かりました。  札幌市児童相談所の場合、ほとんどのケースで、在所期間中については学校への通学が認められないと伺っております。その間の学習は一時保護所内で行われておりますが、在籍・在所日数が長期になるケースなどは、例えば新潟県や岡山県、兵庫県明石市のように、通学が可能な児童生徒については、学校と連携の上、一時保護所より通学することができるといったような仕組みや、特に高校は、欠席扱いとなり、留年のおそれも出てしまうため、名古屋市などの取組のように通学可能なシェルターを利用することなどが必要であると考えておりますが、札幌市の一時保護所において同様の取組を検討する余地についての見解をお伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  一時保護児童の通学についてであります。  子どもの状況に応じまして、可能な場合には、児童養護施設ですとか里親などへの一時保護委託という形で、在籍している学校への通学が継続できるよう配慮はいたしております。  ただ一方で、一時保護所に来る子どもたちの背景というのは、虐待であったり、様々な要因がありますので、そこから通学ということが可能かどうかというのは、やはり子どもたちの状況に応じて様々であります。したがいまして、他の自治体の取組も参考にいたしまして、子どもたちの通学について状況に応じた確保策というものは検討してまいりたいと考えております。 ◆水上美華 委員  コロナ禍において、オンライン授業の整備などが進められてきております。一時保護所でも、対応できるような形を取っていただきたいなと思うところであります。  また、もちろん、自治体の面積の広さですとか、それから、対応している職員の配置人数などにも、今、大きく差が出てきております。短期・長期在所に関わらず、一時保護所から学校に通学させている自治体も出てきてもおります。特に高校は、欠席扱いになるので、留年してしまい、そのまま退学をしてしまうというケースも全国を見ると出てきておりますので、様々、家庭の条件に鑑みながら、できるだけ子どもたちが通学できる体制を検討していただきたいと思います。  様々な理由により、長期化する在所日数に対応するだけではなく、現在建設が予定されている第2児童相談所においてなんですけれども、今、大規模化から小規模化へとシフトされている児童養護施設と同様に、ある程度、プライベートが確保されるように、従来の大部屋から個室化への移行というのも今後必要ではないかと考えますが、こういった課題についての見解をお伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  一時保護所の居室の個室化についてであります。  一時保護所に入所する子どもは、その年齢ですとか、先ほど申し上げました一時保護を要する背景、これも様々であります。落ち着いた生活を送るためには、個室での生活は望ましいであろう、このように考えております。  第2児童相談所の整備に当たりましても、一時保護所の整備に当たりましては、学齢児には全て個室を予定しているところであります。 ◆水上美華 委員  本日、幾つか質問させていただき、その都度、要望のほうもつけさせていただきました。今、在所期間が延びる事案が大変顕在化する中、今後、私は、市独自に児童養護施設に準ずる施設の開設などの検討も必要になってくるのではないかなと感じるほど、長期に在籍する子どもたちが増えてきているのではないかと思っております。  また、児童相談所を運営するに当たり、やはり、安定的な人材の確保と同時に、担当する職員のスキルの違いによって運営体制が変わるようなことが決して起こらないよう、明確な運営指針や第三者による定期的な監査を行うなど、透明化にもしっかりと努めていただき、それらの知識の蓄積という観点からも、児童相談所の職員については、原則、正規職員として配置することを強く要望いたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。 ◆くまがい誠一 委員  私からも、第3次札幌市児童相談体制強化プラン(案)について、何点か質問させていただきたいと存じます。  まず初めに、要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協の機能強化についてでございます。  児童虐待を未然に防止するには、対象となる家庭を早期に把握した上で、対応策を練り、子どもや家庭に寄り添った支援を行っていくことが大切でございます。  我が会派では、昨年、第2回定例会の代表質問において、支援が必要な子どもについての情報共有を関係機関の間で確実に行っていくこと、子どもやその保護者に相談を促す具体的な方策を検討し、行っていくことが重要である旨、指摘したところでございます。今回の強化プランにおいてもそれらの点について取組を進めていくとあり、特に、地域における相談支援体制の強化については大変重要であると考えております。  子どもに関係する機関は、ふだん、子どもが通う学校、保育所や幼稚園といったところをはじめ、放課後の時間帯に利用する児童会館や子ども食堂、また、障がいのある子どもであれば放課後等デイサービス、さらに、医療機関や専門の相談機関など、まさに多種多様であり、個々の子どもの状況に応じた関係機関が一堂に会して対象家庭の情報を共有し、具体的な支援策を検討する要対協の枠組みを用いた取組を強化し、当たり前のように活用されていくことが不可欠と考えます。  そこで、質問でございますが、強化プランでも、要対協の機能を活用して各相談機関の機能や連携を強化するとあります。現行の第2次プランでも関係機関の連携を強化するといったことをうたっていたと思いますが、これまでの取組の具体的な成果について、まず、お伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  これまでの取組についてであります。  関係機関の情報共有や支援策の議論の土台となります在宅支援アセスメントシート、これを開発いたしまして、関係機関の連携や、児童虐待のリスク判断といった支援に生かしてきたところであります。その結果、今年度の個別ケース検討会議の開催数は12月末現在で833事例となりまして、昨年度1年間の786事例を既に上回るなど、支援の充実が進んできている、このように認識をしております。 ◆くまがい誠一 委員  在宅支援アセスメントシートを開発し、それを活用した、案件の事例が833事例と、この支援の充実がされたということでございました。第3次プランでもこうした取組を生かして、さらに支援をレベルアップさせていくことが望まれると思います。  それでは、今回策定する第3次プランでは、具体的にどういった取組を行い、要対協の機能を強化させていくのか、お伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  今後の要保護児童対策地域協議会、要対協の機能強化についてであります。  これまでの取組の中でさらに浮き彫りになりました課題に対して、第3次プランでは、効果的に取り組むことでこの要対協の支援機能を強化したいと考えております。例えば、子どもが生まれる前の段階から、特定妊婦など一定のリスクがある母親に対しまして、関係機関の連携を強化してこれまで以上に円滑な出生後の支援につなげていきたいと考えております。また、要対協の事務局を担います家庭児童相談室の職員につきましても、児童福祉部門間での人事交流などによりまして専門性を高めるなど、支援水準を向上させていきたい、このように考えております。 ◆くまがい誠一 委員  これまでの取組を含めて理解させていただきました。新しい取組はもちろんでございますが、これまで行ってきた取組を生かして次の手を打っていくことが、より効果的に支援の質を高めることにつながっていくと思いますので、引き続き腰を据えて取り組んでいただきたいと存じます。  次に、フォスタリング機関における里親支援の強化についてお伺いいたします。  社会的養護を必要とする子どもの状況について、平成30年度の児童養護施設入所児童等調査結果によると、虐待を受けている児童の割合は、里親では4割弱、乳児院では4割、ファミリーホームでは5割、児童養護施設では7割近くとなっております。また、障がいのある児童の割合は、里親では2割強、乳児院では3割、児童養護施設では3割強、ファミリーホームでは5割弱となっております。特に、里親において、養育の担い手が少ない中で、被虐待経験や障がいといった課題を有する児童の対応をすることになり、負担の大きさを感じるところでございます。  第3次札幌市児童相談体制強化プラン(案)において、里親、里子への支援を強化するため、令和3年度から新たに民間フォスタリング機関を複数設置することとしております。フォスタリング機関とは、里親のリクルートから登録のための研修、児童の委託後の支援まで包括的に支援を実施する機関のことでありますが、里親会、里親支援専門相談員が配置されている乳児院や児童養護施設といった既存の里親支援機関と緊密に連携することで、里親支援のネットワークが強化されることを期待するものであります。  そこで、質問でございますが、被虐待経験や障がいのある児童を受託する里親に対して、フォスタリング機関はどのように支援しようとしているのか、お伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  被虐待経験や障がいのある児童を受け入れる里親へのフォスタリング機関の支援についてであります。  現在、里親支援機関では、里親の当事者によるサロン活動ですとか、施設職員や先輩里親による訪問、育児技術向上を目的とした研修を行っているところであります。そうした中で、被虐待経験等のある児童の増加を背景に、里親支援機関にはこのような児童を受け入れる里親に対しまして、心理的な視点から助言や相談に応じていくことが求められております。  そこで、来年度から、業務委託をするフォスタリング機関に心理訪問支援員の配置を検討しているところであります。子どもたちの状況や関係機関の支援体制を的確に把握して、里親が安心して養育に専念できるよう、積極的な訪問支援を展開していきたいと考えております。 ◆くまがい誠一 委員  心理訪問支援員を配置ということでございましたので、被虐待経験や障がいのある児童を受け入れる里親への支援をぜひとも積極的にお願いしたいと存じます。  このような支援体制の強化とともに、里親の担い手も増やさないとならない状況と認識しております。第3次札幌児童相談体制強化プラン(案)において、里親登録数の増に向けて戦略的なリクルート等の取組を行うことで、社会的養護が必要となる児童のうち、里親への委託率を、令和元年度において30.4%だったところ、令和6年度においては38%まで引き上げることを目標としております。  国が各都道府県に対して平成31年度末までに策定するように求めている都道府県社会的養育推進計画の策定要領において、里親等の委託率について、おおむね7年以内、3歳未満はおおむね5年以内に乳幼児の里親等委託率75%以上、おおむね10年以内に学童期以降の里親等委託率50%以上の実現に向けて、国において取組を進めるといった基本的な考え方を示しており、取組の強化が必要となっております。このためには、新たに入所等が必要な児童を里親に委託することに加えて、乳児院や児童養護施設の児童を里親に移行させる取組が必要であります。  そこで、質問ですが、施設から里親への移行促進のため、今後どのような取組を行おうとしているのか、お伺いいたします。
    ◎山本 児童相談所担当局長  施設から里親への移行促進のための取組についてであります。  今年度、市内全ての乳児院や児童養護施設に里親支援の専門相談員が配置されました。これによりまして、入所児童が里親へ移行する際には、その児童の情報を里親と共有して移行を支援するという取組も進んでいるところであります。これによりまして、里親へ移行した後も、以前入所していた施設での一時預かりも円滑になりまして、里親の負担軽減にもつながるといった効果も期待できる、このように考えております。今後も、家庭復帰も含めました支援の充実を図るとともに、課題となっておりましたが、正式委託前の子どもを預かる際に発生してしまう里親の経済的負担といったものもありますので、こういったことの軽減策なども併せて検討してまいりたい、このように考えております。 ◆くまがい誠一 委員  示された数値目標の達成を目指し、取組を進めることも必要なことでございますが、子どもの健全な育成を図る、また、一人の子どもの幸福のためという目的を見失うことなく、里親への移行促進を丁寧にお願いしたいと存じますとともに、子どもたちが安心して生活できるよう、今後もきめ細やかな対応をよろしくお願いし、私からの質問を終わります。 ◆千葉なおこ 委員  私からも、端的に、幾つか質問いたします。  我が党は、過去に、幾度となく、児童相談所の専門性の構築と経験を積むための人事配置の必要性について訴えてまいりました。また、採用については、会計年度任用職員制度ですと3年で期限となってしまいますので、相談業務、対応などの継続、経験の蓄積の面からも継続する正規採用が望ましいとも申し上げてまいりました。  検証報告書の提言は、児童相談所の担当者のうち、経験年数がゼロから2年未満の職員が49人中32人と大半を占めていること、職員の育成及び人事異動の在り方について具体策を示すことが必要であるというふうに指摘されております。  これまでの質疑と重なる部分もあるかと思いますが、専門的な力量を持つ職員の育成や人事異動のサイクルについて、具体的にどのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。 ◎山本 児童相談所担当局長  専門的な力量を持つ職員の育成あるいは人事異動についてであります。  これまで、児童相談所や区の家庭児童相談室の職員を増員してまいりました。これは、一方で、子どもの相談支援に関わる人材育成の受皿の拡大でもある、このように認識をしております。  児童相談所と家庭児童相談室など区役所の相談支援部門との人事交流、これが経験を蓄積して専門性を高めていく上で有効であると考えておりまして、今後、こうした人事異動の規模は拡大していきたいと考えております。また、外部専門家の知見を生かして研修の実効性を高める仕組みを構築して、体系的な研修を通じまして、業務内容や経験年数に応じた育成が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆千葉なおこ 委員  児童相談業務は、様々な困難な場面に遭遇し、計り知れないご苦労が多くあるお仕事だというふうに思います。職員のスキルアップや経験の蓄積は、単純に、判断のミスをしないであるとか、知識、技術の習得ということだけではなく、子どもの命や健康、将来に影響も与える重要な福祉機関の職員として、誇りとやりがいを持って働くことにつながっていくものと考えます。そうしたことにも、ぜひ意識していただきたいというふうに思います。  次に、児童相談等に関する件数の推計についてお伺いいたします。  2019年から2024年までの児童相談所や一時保護児童数など、四つの件数に対しての推計が書かれております。児童相談所の相談件数、区家庭児童相談室の相談件数、これは本当に大きく増加するというふうに書かれております。このとおり増加することを想定する場合、児童相談所、また区家庭児童相談室の人員体制についてどのようにお考えか、お伺いします。 ◎山本 児童相談所担当局長  児童相談所や区の家庭児童相談室の人員体制についてであります。  まず、児童相談所の人員体制については、国基準に基づく児童福祉司や児童心理司の配置を計画的にしっかり進めていくというふうに考えております。また、区の家庭児童相談室は、地域に近いという特性を生かしまして、要対協のネットワークを生かした複数の目での見守りですとか支援、こういったものを充実させていくことで機能や体制の強化を図ってまいりたいと考えております。さらに、児童情報の連携システムの導入あるいは事務進行管理の見直しなどによる効率化、区の家庭児童相談室への児童相談所からの支援、こういったものを充実させて、こういった総合的な取組によって相談支援体制を確立していきたい、このように考えております。 ◆千葉なおこ 委員  最後に、昨年3月の第1回定例市議会代表質問文教委員会において、我が会派の議員が検討すべきと求めました児童相談所の第三者評価の導入についてお伺いたします。  第3次プランには、専門的相談支援体制の強化について、新規で児童相談所の自己点検の実施、外部評価の検討推進とあり、児童相談所業務の質の評価について検討とあります。先ほども質疑のあった部分でかぶる部分もあると思うんですけれども、他都市を見ると、一時保護児童の権利擁護と施設運営の質の向上を図るためとして、一時保護所の第三者評価を行っている自治体が多くあります。本市でも多くの社会的養護施設では第三者評価を行っておりますが、本市の一時保護所では行っておりません。第2児童相談所設置予定の中で、新たに一時保護の定員を拡充することからも、現在の一時保護所をまずは優先して第三者評価を行い、先ほど、質疑にも運用の在り方について指摘が多くございましたが、そうした日常の課題などを明らかにすることで、第2児童相談所にも生かしてはどうかと思いますがいかがか、お伺いします。  また、児童相談所の第三者評価の導入に向けて、今後、課題等がありましたらお伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  児童相談所業務への第三者評価の導入、あるいはその課題についてであります。  第三者評価の導入に当たりましては、国では、ガイドラインの案を示しておりまして検討を進めているところであります。評価を行う機関や体制をどうするかといった点が、やはり課題であろうというように考えております。  そこでまず、自己点検を先行させた上で、ご指摘の一時保護業務も含めまして、児童相談所業務の評価ができる限り早期に行われるよう、課題の整理を行いまして実施に移してまいりたいと考えております。 ◆千葉なおこ 委員  他都市でも多く実施しておりますので、ぜひ、本市も早急に検討して進めていただきたいというふうに要望しておきます。  検証報告書提言の7には、これまで複数回の提言が出されながら、市では、本事例の発生前に提言に対する実施状況についての自己評価、外部評価の機会は持たれていなかった、今後、自己評価はもとより、市内外の専門家の知見も活用して報告書の取組状況について評価をしっかりと行うべきである、何よりも二度と同じようなケースを生じさせないという職員の意識改革にもつながるのではないかと期待しているというふうに書かれております。  この提言をしっかり受け止めていただき、もちろん、国のガイドラインを待つことなく、まず第三者評価の導入をできるところから始めていく、そういった検討を求めまして、私の質問を終わります。 ○小形香織 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○小形香織 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後3時16分...