札幌市議会 > 2020-10-26 >
令和 2年第一部決算特別委員会−10月26日-08号
令和 2年第二部決算特別委員会−10月26日-08号

  • 狭あい(/)
ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2020-10-26
    令和 2年第一部決算特別委員会−10月26日-08号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    令和 2年第一部決算特別委員会−10月26日-08号令和 2年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第8号)               令和2年(2020年)10月26日(月曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  小 形 香 織      副委員長   岩 崎 道 郎     委   員  鈴 木 健 雄      委   員  勝 木 勇 人     委   員  こんどう 和雄      委   員  細 川 正 人     委   員  佐々木 みつこ      委   員  こじま ゆ み     委   員  飯 島 弘 之      委   員  小 竹 ともこ     委   員  川田 ただひさ      委   員  中 川 賢 一     委   員  村 松 叶 啓      委   員  小 田 昌 博     委   員  藤 田 稔 人      委   員  大 嶋   薫     委   員  ふじわら 広昭      委   員  しのだ 江里子     委   員  山 口 かずさ      委   員  中 村 たけし     委   員  松 原 淳 二      委   員  うるしはら直子     委   員  水 上 美 華      委   員  恩 村 健太郎     委   員  丸 山 秀 樹      委   員  前 川 隆 史     委   員  わたなべ 泰行      委   員  竹 内 孝 代
        委   員  くまがい 誠一      委   員  太 田 秀 子     委   員  田 中 啓 介      委   員  佐 藤   綾     委   員  千 葉 なおこ       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○小形香織 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、好井委員からは前川委員と、長屋委員からは田中委員と交代する旨、それぞれ届出がありました。  それでは、議事に入ります。  第3款 保健福祉費 第2項 子ども福祉費中関係分及び令和元年度札幌市母子父子寡婦福祉資金貸付会計歳入歳出決算について、一括して質疑を行います。 ◆田中啓介 委員  私からは、保育人材確保緊急対策費と札幌市保育士修学資金貸付事業について、大きく2点質問をいたします。  最初に、保育人材確保緊急対策費についてです。  本市は、国の定義の待機児童数は2018年度からゼロになっておりますが、国定義以外を含む待機児童数は、2020年4月1日時点で1,869名となっており、昨年度より減っているとはいえ、まだ多くの児童が保育所に入れていない実態が続いております。  保育所等の施設は、2015年度、330施設、保育所等定員は2万5,922名から、今年度、2020年度は、施設数は495施設、定員数も3万2,518名となっています。施設、定員数は増えている一方、定員割れ施設数の割合は、2020年度、55.96%、定員割れの児童数で換算すると、2,430名分、半分以上の保育所で定員の児童を受け入れることができない実態がございます。定員の児童を受け入れることができない大きな要因の一つに、保育士不足が挙げられ、待機児童解消のためにも、この保育士確保就労継続支援対策というものは重要になってまいります。  本市のこの対策として、保育人材確保緊急対策費という名目で、2019年第2回定例会において補正が組まれました。この対策費は四つの事業で構成され、それぞれの予算額は、保育支援者配置補助として1億260万円、保育人材確保に向けた一時金給付として1億3,100万円、潜在保育士短時間就労支援補助として5,280万円、そして、保育人材イメージアップとして560万円、合わせて2億9,200万円の予算が組まれております。2019年度決算局別施策の概要63ページを見ますと、この保育人材確保緊急対策費は1億1,307万7,543円でした。予算に対しての執行率は38.7%になります。  そこで、質問いたしますが、この四つの事業は、それぞれ年度内に実施するために必要な予算を見込んで予算を組んだと思いますが、執行率が38.7%にとどまっているのはなぜか、支援者配置補助、一時金給付、短時間就労支援補助イメージアップ事業、それぞれの執行率も併せて伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  ただいまご質問いただきました保育人材緊急確保事業につきまして、予算と決算の乖離が大きいというご質問についてでございますが、それにつきましては、補正でございましたので、事業の算定は、年度途中の段階で保育所等が最大限この事業を活用した場合、これを想定して事業費を積算したところでございますけれども、2定補正、その後、事業の開始が年度途中の10月からということから、制度の周知あるいは施設側の準備等が整わなかったということが大きな要因として挙げられるかというふうに思っております。  それから、それぞれの執行率でございますけれども、保育支援者配置補助につきましては2割弱、それから、一時金の給付につきましては7割弱、それから、潜在保育士短時間就労支援につきましては約8%ということでございます。全体では、4割程度の執行率となっております。 ◆田中啓介 委員  すみません、最後がちょっと聞き取れなかったんですけども、短時間就労支援補助と、あと、イメージアップ事業については、それぞれ執行率は何%だったのか、もう一度お願いします。 ◎加茂 支援制度担当部長  イメージアップ事業につきましては、予算執行率100%でございます。 ◆田中啓介 委員  すみません、聞き取れなくて申し訳ないんですけど、短時間就労支援補助は、何%だったか、もう一度お願いします。 ◎加茂 支援制度担当部長  短時間就労支援補助につきましては、約8%でございます。 ◆田中啓介 委員  予算と乖離があったのは、予算は保育所が最大限活用することを見込んだものだったと。ただ、実際は補正で年度途中だったということ、準備とか周知が行き届かなかったこと等々があったということだと思いますが、そこで、個々にちょっと聞いていきたいんですが、まずは、保育人材確保に向けた一時金給付について、予算に対して、今、答弁で執行率は7割弱だったと答弁がありました。つまり、3割以上の保育士は給付を受けることができる条件があったのにもかかわらず、受けることができていないと。この給付制度は個人が保育所を通して申請するというものですが、そもそも知らなかったという保育士はいなかったか、あるいは、手続的に申請しづらいということはなかったか、実際に行ってみての課題と当事者などの意見を聞き取ることが大切だというふうに思いますが、実態の把握については、していくべきだというふうに思います。  あわせて、条件を満たしている全ての保育士が給付を受けられるようにすべきだと思いますが、本市は、今後どのようにして漏れなく給付されるようにしていくのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  一時金の給付につきましては、委員がご指摘のとおり、100%に近い執行率とまでは行っていない状況でございます。  我々といたしましては、制度の周知に努めているところでございますが、一部、周知が行き届いていないところもあろうかと思います。  基本的に、個人から申請をしていただくという形を今年度までは取っておりますけれども、施設のほうを経由して、きちんと、その一時金の対象者を捕捉して、漏れのないように、我々としても、その周知方法について、今、関係団体と協議をしているところでございます。 ◆田中啓介 委員  ぜひ、漏れなく給付されるようにしていただきたいというふうに思います。  そもそも、この事業というものは、保育士として続けていこうという意欲の喚起が目的だとしております。保育士の年間給与額、これは、全職種の平均年間給与額よりも約150万円低い状態、また、勤続年数は4年以上短い実態がございます。そもそも、ほかの業種に比べて賃金が低い実態が、今なお、この保育士では続いております。子どもが大好きで、その子どもの健やかな成長のためにと日々奮闘している、それに見合った賃金の保障があってこそ、保育士の仕事に誇りと、また、これからも続けていこうという意欲につながるのではないかと思います。そのためにも、この一時金給付は、3年働いたら、6年働いたらなどではなくて、全ての保育士の賃金の底上げになる支援こそしていくべきと申し上げておきます。  次に、潜在保育士短時間就労支援補助事業についてですが、昨年の議案審査特別委員会で、潜在保育士の方が特に不足する朝夕の時間帯に働いた場合、時間単位の上乗せ、インセンティブを上げて保育人材の確保を図るためのものと説明がございました。  この事業の執行率は8%だったということですが、この執行率が8%と低いことについて、本市は、どのように捉え、分析をしているのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  潜在保育士短時間就労支援補助事業についてでございますけれども、これは朝夕の部分の保育士さんの穴埋めに対する補助でございますけれども、なかなかその働き手の保育士の方と実際に保育園側が求めているニーズ、そのマッチングがうまくいっていないということが原因かと思いますので、我々としても、潜在保育士の掘り起こしにつきまして、今後、積極的に取組を進めてまいりたい、このように考えております。 ◆田中啓介 委員  今、部長の答弁があったように、やはり、議案審査特別委員会のときの当時の部長も話していました。今回の決算の執行率が8%にとどまっているということからも、やはり、保育所等のニーズと潜在保育士のニーズのミスマッチの解消につながっていないということは明らかです。  そもそも、潜在保育士が保育士として働かない一番の理由として、低賃金または残業の常態化など、処遇改善がなかなか進まないことが挙げられております。保育士の仕事は、子どもの命を守ることが大きな役割になっていますし、発達を保障するためにも、専門知識を身につけて、さらに、現場での実践を積み重ねて専門性を磨いていくことが不可欠な仕事でもあります。現場で継続して経験を積んでいく、その過程の中で、子ども一人一人に、どんな保育がいいのか、また、どんな支援をしていったらいいのかということも身についていき、よりよい保育につながっていくのではないでしょうか。朝夕の時間、人手不足だから、その時間だけ保育士がいればいいというものではありません。  そこで、朝夕、短時間限定ではなくて、やはり、フルタイムで働く保育士を増やすための予算をつけることを最優先に検討することが、保育人材確保就労継続支援において重要だと思いますがいかがか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  昨年の2定の議会におきまして、この人材確保事業というものが立ち上がって、まだ1年が経過というところでございます。今しばらく、引き続き、この事業をしっかりと進めていくことで、保育士の就労支援に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆田中啓介 委員  部分的な対策ではなくて、やはり低賃金または残業の常態化などに対する保育士の処遇改善を進めていくことを早急に進めない限り、このミスマッチの解消にはつながらないと申し上げておきます。  次に、保育人材確保緊急対策費保育人材イメージアップ事業についてです。  保育士の仕事は、子どもたちの生活全般の世話をしながら、心身の発達を促し、社会性を養うこと、そして、食事や睡眠、排せつ、清潔さ、衣類の着脱などの基本的な生活習慣を身につけさせることです。子どもの成長にとって重要な役割を担っております。  また、今回のコロナ禍においても、仕事を休むことができない職業に従事している人、例えば、医療関係者などのエッセンシャルワーカーの子どもを預かり、決して子どもに感染させてはならないと、心身ともに緊張を強いられながら、子どもの健康を守るために保育に奮闘していました。改めて、この保育士の仕事の重要性が再認識されたのではないでしょうか。  保育人材イメージアップ事業は、中・高生やその保護者、一般市民などを対象に、保育士の仕事のやりがいや魅力をPRし、次世代の保育を担う人材を育てることを目的に「WE LIKE 保育!」というキャッチコピーを作成、中学、高校、全校へチラシの配布と、地下鉄等でポスターの掲示をいたしました。あわせて、LINEによるアンケート調査を行ったということで、その結果の資料をいただいております。そのアンケート調査の結果について質問をさせていただきたいと思います。  そのアンケート調査結果の質問に入る前に、昨年の第2回定例会の議案審査特別委員会で、私が、保育士に関するイメージの課題をどう認識しているのかという質問に対し、当時の部長は、我々が非常に心配しているのは、小学校のうちは、職業ランキングで保育士になりたいというのが上位につけているが、中学生、高校生とだんだん年齢を重ねていくうちに、保育士を志望する若者はだんだん減ってきている、その背景に、学校の進路指導の方が、保育士はなかなか重労働だという話を生徒たちにされている、親御さんも、保育士は重労働の割にはお給料があまりよくないと世間では言われているなど、マイナスイメージが定着していることが課題だと答えております。  そこで、確認ですが、学校の進路指導の方や親御さんには、保育士の仕事について、保育士としてのやりがいや意義のある仕事だということが知られていないという認識なのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  学校の先生方が、そういう認識がないのかどうなのかということでございますけれども、一定程度、お持ちであるというふうには認識しておりますけれども、さらに、我々としては、より一層、その内容を伝えていくという必要があるというふうに考えております。このLINEの調査によりまして、やっぱり職業選択に強い影響を与えるのは学校の先生というのも回答として上がっておりますので、そういった教育機関等にも、保育士の持つ重要性あるいは処遇の改善の状況、やりがい、その辺を生徒さんに伝えていただくように、改めて、我々のほうとしても周知を行ってまいりたいというふうに考えております。 ◆田中啓介 委員  議案審査特別委員会のときの部長の答弁では、実際に養成校などに通って、そこで聞き取りをしたと言っています。まさに、保育士さんの卵を育てて、立派な保育士さんにさせていくという養成校の先生に、一定程度しか知られていないというのは明らかにおかしいというふうに思います。  そこで、今、部長も答弁をされておりますが、改めて伺いますが、学校の進路指導の方、また中・高生の親御さんは、保育士としてのやりがいや意義など、本来の保育士の仕事についても併せて、子どもや生徒に伝えていると思いますが、どうか、そういう認識はお持ちでないのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  私は、まだ、直接、学校の先生とそのお話をする機会がございませんので、そこの確認はいたしておりません。 ◆田中啓介 委員  学校の進路指導の先生は、生徒がなりたいという仕事、また職業について、こういうものだというメリットとデメリットを含めて、その生徒に合っているかなども考えながら相談に乗っているというふうに思います。  また、子どもを持つ親も、子どもに苦労をさせたくないという部分も確かにあります。同時に、子どもがやりたいということを応援する、これが親だというふうに思いますし、こちらも、子どもがなりたいという職業について、その子どもに対してメリットとデメリットを含めて伝えていく、相談に乗っているというふうに思います。  その中で、保育士という仕事は、先ほど、大事な、特にこのコロナ禍でも本当に重要視された業種、仕事だということもお話をさせていただきましたけれども、それと併せて、やはり、全職種と比べて賃金が低いことなどは事実であり、それを生徒や子どもに伝えるのは当然であります。  今回のイメージアップ事業について、LINEによるアンケート調査を行ったということで、その調査の設問の一つに、志望職業選択時、影響を与える人はという設問がありました。その設問に対して、高校生で最も多かったのは、誰からも影響を受けていないでした。  そこで、職業選択時、影響を与える人はという設問に対し、誰からも影響を受けていないと回答した高校生が最も多かったことについて、本市はどう捉え、分析したのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  アンケート結果でございますので、誰からの影響も受けていない、自ら自分で考えるという学生、生徒が多いということは、逆に言えば、いろんなところから自ら情報を吸収しながら判断をしているということであると思いますので、我々としても、そういうような学生に対して、保育士の魅力を伝えていくというのは大変意義のあることだというふうに感じております。 ◆田中啓介 委員  この結果から明らかなのは、今、部長も答弁されていたように、本人が、様々な情報を集めて、自分はどんな仕事をしたいかを決めている、また、保育士についても、どんな仕事かなというふうに思ったとき、今はネットの時代です。ヤフーとか、またグーグルのサイトで、「保育士」、あるいは、加えて「仕事内容」、また「魅力」などのキーワードで検索すると、現役の保育士さん、保育所のサイトなど、様々なところで保育士の仕事のやりがいや魅力などについて知ることは十分にできます。本市がやるべきことは、イメージアップではなくて、保育士の仕事のよい面だけを伝えるのではなく、やはり、処遇改善であり、正確な情報提供が重要です。  次に、保育士になりたいと思う理由についての設問で、回答は、子どもが好きだからが9割以上、91.5%、次いで、楽しそうだから、以前から憧れていたからが上位を占めていることについて、本市はどう捉え、分析しているのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  やはり、保育士というものに興味を持つというお子さんにつきましては、そういった、子どもが好きだ、楽しそうだ、以前から憧れていた、こういうような感想を述べているものでございますので、我々としても、高校生になった段階でそういうふうに思っていただけるようなお子さんをたくさんつくるという意味で、保育士の魅力をPRしていくということは、大変重要なことであるというふうに思っております。 ◆田中啓介 委員  イメージアップ事業で、チラシなどで保育士の仕事について知らせなくても、保育士になりたいという人には、保育という仕事が周知されているということではないでしょうか。  次に、保育士になりたいと思わない理由についての設問では、ほかにやりたい仕事があるからが最も多く、次いで、給料がよくなさそうだから、忙しそうだからが上位を占めている結果について、本市はどう捉え、分析しているのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  保育士の業務は、昨今、様々な処遇改善等がなされているというような状況、それから、各種就労継続の事業、こういったものが進められているということをしっかりとお伝えしていきながら、保育士という仕事に魅力を感じていただく、そういった中・高生を増やしていくということが必要であろうというふうに思っております。 ◆田中啓介 委員  今、私が聞いたのは、ほかにやりたい仕事があるからが最も多い、その次に、給料はよくなさそうだからとか、忙しそうだからというのが上位を占めていることについて、本市はどう捉えたのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  処遇の面につきましては、国のほうでも処遇の改善というものをるる行ってきているという状況をしっかりと伝えることが必要なのかなというふうに思っております。 ◆田中啓介 委員  国は、処遇の改善については行ってきているということですけども、実際に、先ほども言いました全職種の平均の年収に比べて、保育士の年収というのは150万円も低い。国は、2013年以降、やってきてはおりますが、そのアップした額というのは、4万円、1年間では1%改善をしているにすぎない。まだ150万円低い段階で、国がやったのは4万円です。まだまだ、全然低過ぎるという、処遇改善をもっとしていかなければいけないという、そもそもの本質的な実態がございます。  そこで、伺いますけども、イメージアップさせる事業ではなくて、まずすべきは、保育士の処遇改善を図ることであり、これが、全職種の年収より約150万円低い、勤続年数も約4.5年も短い、人手不足など休暇が取りづらいというネガティブなイメージの払拭につながっていくというふうに思いますがいかが、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  保育士の就労期間が短いという点につきましては、我々としても、それを長くするために、就労継続支援の事業を行っておるところでございます。引き続き、その事業に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  また、保育士の処遇改善につきましては、基本的には、国の責任において公定価格によって行うべきものというふうに考えております。この間、国も、一定程度、加算等で改善を行ってきているものというふうに承知をしております。  我々としては、引き続き、機会を捉えて、国に対して要望してまいりたいと考えております。 ◆田中啓介 委員  今、部長が言いました本市が進める、保育人材の確保、就労継続支援のためには、やはり、保育士の低賃金、また過重労働の抜本的な改善をすること、これを、国がやるべきことではなくて、本市独自で進めていくべきです。  この問題を解決しない限り、イメージアップのためにとどんなに時間とお金をかけても、保育士の仕事に対する、本市が課題だと、マイナスイメージだと言っている低賃金や過重労働というイメージは変わらないと申し上げ、この質問は終わります。  次に、札幌市保育士修学資金貸付事業について伺います。  この事業は、市内及び札幌市に隣接する市町村に所在地のある指定保育士養成施設に在学中もしくは入学する予定の方に対し、修学資金や卒業時の就職準備金の貸付けを行うことで、養成施設への入学やその後の就職を容易にし、札幌市内における保育士の養成、人材確保を目的としております。  この事業の対象者は、保育士を目指し、札幌市内の保育所などで働くことを予定している人、条件として、家庭の経済状況等から、真に本貸付けが必要と認められる方などがあります。貸付額は、月額5万円以内、入学時に係る費用と卒業時の就職準備金としてそれぞれ20万円以内で追加できるとなっています。また加えて、市内の保育所で5年間保育業務に従事すると、貸付金の全額が免除になります。本市では、2017年4月からこの事業が開始され、3年がたっております。  そこで、この制度を活用したいと思っている人全てが受けられているのか、この札幌市保育士修学資金貸付事業の応募者数の推移、受けられている人数の推移など、実績等について伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  修学資金の貸付けの推移でございます。  修学資金入学準備金就職準備金と三つございますけれども、合計の数は、平成29年208人、平成30年183人、令和元年360人となっております。  この貸付けでございますけれども、基本的に、これまで支給要件に合致した申請者全てに貸付けを行ってきているというふうに確認をしております。 ◆田中啓介 委員  この事業を始めて3年間、208名、183名、360名、申請した人全てがこの制度を活用できているということでありますが、この事業を始めて3年、この事業は、実際に保育士を目指している人にとって支援となっているのか、把握していくこともまた重要だというふうに思います。  そこで、活用した人、活用している人から、アンケート調査や聞き取りはしているのか、伺います。  あわせて、例えば、その聞き取りをした中で、助成額をもっと増やしてほしい、あるいは、返還免除の5年という縛りを緩和してほしいなどがあった場合、それらの声に応えるため、本市独自の裁量で制度の改善等を行うことができるのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  この貸付けについて、現時点において、特段、利用者の方から、こうしてほしいという声を直接いただいているということはございません。  当該貸付事業は、月に5万円という貸付額でございますが、日本学生支援機構等の奨学金と比較しても、それほど見劣りのしない金額であるかなというふうに思われます。かつ、この貸付けの金額、月額につきましては、国の要綱で定められており、変更は厳しいものというふうに考えております。 ◆田中啓介 委員  国の要綱で定められているので、本市独自ではできないという答弁でよろしいでしょうか、確認です。 ◎加茂 支援制度担当部長  国の要綱で定められており、国からいただいているお金の枠内の部分の変更は厳しいものというふうに考えております。 ◆田中啓介 委員  国の要綱で定められている範囲外についてはできないということなのか、範囲内であれば変更は可能なのか、その点をもう一度お願いします。 ◎加茂 支援制度担当部長  月額の上限を超えるということは、不可能であるというふうに認識をしております。 ◆田中啓介 委員  当事者のほうからは、特段、声は上がっていないということでありましたが、実態調査については、実際に行っているのかどうかについてはご答弁がなかったのですが、アンケート調査などは行ったのですか、改めて伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  特段のアンケート調査等は行っておりません。 ◆田中啓介 委員  やはり、当事者の声を聞いていくというのは、本当に大事なことだと思います。その制度を今後運用していく、活用していく、また進めていく上においては必要なことだというふうに思いますし、実際に、その当事者の声を反映させていく、また、活用しやすいものにしていくということもまた大事なことだというふうに思います。  この事業、初年度、活用した方などは、現在、札幌市内の保育所で保育士として働き始めている方がいるというふうに思います。この事業を活用して、現在、保育士として働いている方の実態把握についてはいかがか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  実際にこの資金を借りて、既に保育士として働いている方々の確認につきましては、この事業の実施主体、これは札幌市社会福祉協議会になりますが、この社会福祉協議会のほうで、年に最低2回、在職証明等を求めるような形で実態の把握をしております。 ◆田中啓介 委員  札幌市社会福祉協議会が実施主体になっているので、そちらで、最低でも年2回、在職しているかどうかを確認しているということですが、実際に保育現場で働いてみてどうなのか、当事者の声を聞くことなどは、今、札幌市、本市が行っている保育士への様々な支援事業が実態に合っているのかどうか、それを把握する上でも重要なことだと思いますし、また、保育士として続けて働いていくことの支援にもまたつながっていくというふうにも思います。  そこで、在職しているかどうかだけではなくて、実際に働いてみて、何か困ったことはないかなど聞き取り、また、仕事の悩み等、相談に乗っていくことも、本市が行っている保育人材確保就労継続支援事業にとっても有効だというふうに思いますがいかがか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  在職証明等の確認の際、相談を受けるというお話でございますけれども、この事業の実施主体は社会福祉協議会でございますことから、現況確認の際にそういった状況確認を行うなどの運用変更を行うというのは、新たな体制構築が必要となったりする場合もございますので、これは、社会福祉協議会との協議等が必要になってくる事項であるというふうに思います。  札幌市といたしましては、昨年10月に人材確保の補正予算を組ませていただきまして、就労継続支援の施策を進めているところでございます。そちらのほうで、当面は、今後とも継続的に保育人材の確保に努めてまいりたい、現時点ではそのように考えております。 ◆田中啓介 委員  イメージアップ事業で作成したチラシにも、「札幌市は、保育に携わる人々を応援しています」と言って、支援項目の一つにこの保育士修学資金貸付制度を挙げております。やはり、実態把握と当事者の声に応える制度にしていくべきだと思います。  あわせて、この事業が適正に運営されているのか、チェックしていくこともまた重要だというふうに思います。本市の2016年度局別施策の決算の中に、保育士修学資金等貸付事業費として18億1,600万円が執行されたということになっております。しかし、その後、2017年度以降、予算、また決算についても記載はされてございませんが、それはなぜなのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  この保育士修学資金の貸付事業でございますけれども、札幌市では、社協等への間接補助の実施の場合、複数年にわたって事業が実施可能となる、そういった国の補助制度が当時ございまして、その補助制度を採用しております。したがいまして、平成28年度予算において、それ以降の4年間、事業が滞りなく実施が可能な額として約18億円を計上し、実施主体でございます札幌市社会福祉協議会に一括で補助をしたところでございます。 ◆田中啓介 委員  では、この事業が実際に、適正に行われているのかどうか、どのように誰がチェックをしていくのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  この貸付事業に関する進捗管理でございますけれども、札幌市として、事業の実施主体でございます札幌市社会福祉協議会から、当該年度の実績、それから翌年度の実施計画につきまして、年度ごとに報告を受けており、その機会を捉えて実施状況の確認を我々が行っているところでございます。 ◆田中啓介 委員  本市で確認を行っているということですが、予算、決算に計上されてこないということでは、本市議会で、確認または運営状況がどうなっているのかなど審議することができませんが、そこで、この事業の実施主体を社会福祉協議会ではなくて、本市にした場合は、本市の予算または決算に計上されるようになるのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  そういったスキームで実施をすればそういう形になると思いますけれども、これは、あくまでも間接補助を行った場合に国から補助を受けられる、そういうスキームのものを採用したということで、現在のような形になっているというところでございます。
    田中啓介 委員  2016年2月3日付、保育士修学資金の貸付け等についてという、各都道府県知事、各指定都市市長宛ての厚生労働事務次官の通知が出されております。その通知で、保育士修学資金貸付等制度実施要綱が示されておりますが、その実施要綱の第2に貸付事業の実施主体とあり、「次の(1)又は(2)のいずれかが行うものとする」とあり、(1)は「都道府県又は指定都市」、(2)は「都道府県等が適当と認める社会福祉法人、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人又は公益財団法人」となっております。  そこで、本市はこの事業を社会福祉協議会に委託しておりますが、本市を事業の実施主体としなかったのはなぜか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  当時、国の補助スキームの中で、こういった間接補助を前提とした補助スキーム、こちらのほうを採用したということから、現在のような形になっているというふうに認識をしております。 ◆田中啓介 委員  間接的な補助という形のスキームを本市は活用したということですけども、そこで、改めて伺いますけれども、社会福祉協議会から、今のこの実施主体を本市に変更することは可能なのかどうか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  現補助制度を採用している状況におきましては、それは不可能というふうに認識をしております。 ◆田中啓介 委員  国からの通知で、最初に、まず実施主体の(1)に挙がっているのは都道府県あるいは指定都市です。また、その実施主体を本市にすることによって、そのお金、予算あるいは決算等もしっかりと議会に明らかにできる、公的な事業が適正に行われているのかどうか、それは議会に報告されて明らかになるようにすべきだというふうに思います。そのためにも、今、不可能だということでありましたが、ただ、要綱の中にそのことは明記はされておりません。  改めて、実施主体になってこそ、この保育士修学資金貸付制度、これを利用されている方々の実態把握にもつながりますし、また、制度の改善等についても、この議会で議論ができて、よりよい制度にしていくことができるというふうに思います。そのためにも、やはり実施主体は本市に改めるべきだと申し上げて、質問を終わります。 ◆藤田稔人 委員  私からは、保育士の負担軽減策について、そして、子育てアプリについて、大きく2点質問させていただきます。  まず、保育所における保育士の負担軽減策について質問をいたします。  札幌市では、今春、市内の保育所や認定こども園及び近郊を含めた保育士養成校等を対象に、保育士の在籍人数や保育士不足の状況、養成校を卒業する学生の進路等に関する調査を行い、このたび、その結果が示されました。調査結果を見ると、約3割の保育所等において、保育士不足という状態となっております。また、保育士の採用環境は、例えば、令和2年1月時点での有効求人倍率が2.96倍となっており、依然として高い水準で推移しております。  以上の状況を踏まえますと、保育士不足への対応としては、保育士の採用支援という直接的な支援に加えて、保育士がより保育に専念しやすい環境を整えるという側面的な支援にも注力する必要があると考えております。  その側面支援の中で、例えば、保育士の負担軽減策として、保育日誌のデジタル化等、ICTの導入を推進することが必要と考えておりますが、現時点の保育所等におけるICTの補助実績と、ICT導入に対する施設の評価、札幌市の考えについてお伺いさせていただきます。 ◎加茂 支援制度担当部長  保育所等におけるICTの補助実績、それから、導入に対する施設の評価、札幌市の考え方についてご答弁申し上げます。  保育所等における保育日誌の作成や登降園管理等の保育業務支援に係るICT導入に対する補助につきましては、令和元年度末現在時点で、補助対象となる434施設中、これまで239施設、約55%の施設に補助を行っているところでございます。  保育業務支援システムの導入については、登降園の管理等において、パソコンへの入力事務がなくなったでありますとか、保護者への一斉連絡が簡単にできるようになったなど、保育士業務の負担軽減につながったという声をいただいておるところでございます。  しかしながら、その一方で、導入当初は職員がIT機器の操作に不慣れで負担感が増したという声も上がっており、ICT導入効果を職員が実感するまでに機器操作の習熟等の時間が必要、これが、若干、導入の妨げになっている場合があるというふうに認識をしております。  このため、我々といたしましては、公立園あるいは認可保育所等で、ICTの導入から一定程度経過した園がございますので、そちらにおける事例、それから、その効果、導入に当たって工夫した点などを紹介するということを進めて、各保育所に対する導入検討を促していきたいというふうに考えております。 ◆藤田稔人 委員  ICTの推進の方向性については理解いたしました。55%の施設に補助を出しているということですので、ぜひ、またこれからも積極的に推進していただきたいと考えております。  また、こうしたICTの推進に加えまして、保育士からは、保育以外の業務のサポートをしてほしい、あるいは、保育士はできるだけ保育に専念したい、そういったお声もよくお聞きいたします。保育以外の業務、例えば、保育室内の飾りつけや食事の配膳など補助的業務であれば、必ずしも保育士の資格を有していなくても、十分に保育支援者としての立場で対応できることがたくさんあるかと考えております。  札幌市におきましては、保育士確保に係る事業を様々実施しておりますが、中でも、保育支援者配置補助事業については、この保育支援者の雇入れに当たっての補助を行うものとして昨年度から実施しており、先ほど2割弱の予算執行ということでお聞きしております。  そこで、質問ですが、この事業の補助申請の実情や現状の課題についてお伺いいたします。  また、今後、この事業を推進するに当たり、その課題に対してどのように対処していくのか、お伺いさせていただきます。 ◎加茂 支援制度担当部長  保育支援者配置補助事業の現状、課題、今後の対応についてでございますが、まず、事業の執行状況についてでございます。  昨年度の執行率は、事前にニーズ調査の上、想定していた補助対象施設に対して、4割強、補助金額では2割弱という形になっております。この4割と2割の差につきましては、要綱上において設定をいたしました月上限額、これを単価にして予算組みをいたしましたけれども、実際には、上限に満たない額での申請、これが多く、施設数と金額の間に割合の乖離が生じたというふうに分析をしております。  課題といたしましては、委員がご指摘のとおり、令和元年度の補助実績が少なかったということが挙げられますが、これは、事業の開始が昨年10月からということで、実際の採用が困難な施設があったこと、それから、市民の方々の中の保育支援者という職の認知度が低かったということが挙げられるかと思います。  今後の対応につきましては、保育士採用のマッチングを現在行っております札幌市保育士・保育所支援センター、通称さぽ笑みにおいて、来年度、機能強化を実施いたします。その一環として、マッチングの対象職種を保育士以外の人材にも拡充する予定でございます。保育支援者についても、新たにマッチング対象とするよう、現在検討を進めているところでございます。  さらに、昨年度開始をいたしました保育人材イメージアップ事業の中でも、保育施設では保育士以外のこういう保育支援者のような方々が活躍しているということをPRし、応募者の増加につなげることで、この補助事業がさらに活用される環境をつくり上げていきたいと考えております。 ◆藤田稔人 委員  マッチング事業を機能強化していくということでございますので、ぜひ、現場の声を聞きながら、しっかりとお応えをいただきながら、改善していただきたいと考えております。  次に、子育てアプリの活用についてお伺いいたします。  総務省の最新の情報通信白書によりますと、個人のスマートフォンの保有率は、昨年で67.6%、実に3分の2に達しており、最近の子育て世代は、スマホ一つで、情報収集のみならず、買物でも何でもできる時代となっております。  このため、私は、本年の第2回臨時市議会の文教委員会でも、子育て情報サイトやアプリを活用した情報配信について、その有用性や可能性について言及したところです。このときには、子育てアプリを活用し、専門家が監修した子育てアドバイスなどの情報をお子さんの月齢や年齢に合わせて継続的に配信することを予定しているとの答弁があり、現在、さっぽろ子育てきずなメールの運用が始められ、それぞれの子育て世代に寄り添った情報発信が強化されたものと考えております。  さらに、さきの本会議における代表質問におきまして、我が会派の小田議員より、子育て世代への情報発信について、さらなる利便性の向上を求めるとともに、今後の取組について質問したところ、本年7月にアプリ利用者を対象にアンケート調査を実施し、利便性の向上に向けた検討を進めていると答弁がございました。  そこで、質問ですが、この利用者アンケートはどのような形で実施したのか、また、利便性に関してどのような声が上がっていたのか、お伺いさせていただきます。 ◎竹田 子育て支援部長  利用者アンケートをどのように実施したのか、また、どのような声が上がっていたのかについてでございます。  アンケートは、子育てアプリ上で、利用者を対象に今年7月に実施し、240件の回答があったところでございます。質問項目は、アプリでよく見る機能、情報の探しやすさ、情報の分かりやすさ、充実してほしい情報など、全14項目で実施いたしました。  この中で、アプリでよく見る機能の質問におきましては、子育てサロンと回答した方が全体の半数近くを占めておりまして、また、アプリを知って利用した施設の質問においても全体の半数近くが子育てサロンを挙げていることから、アプリが子育てサロンへの誘導ツールになっていることを再認識したところでございます。  また、利便性に関係する項目では、情報の探しやすさにおいて、探しやすいが15%、普通が65%、探しにくいが20%でした。また、情報の分かりやすさにおいては、大変分かりやすいと分かりやすいが合わせて84%、分かりにくいと大変分かりにくいが合わせて16%という結果でございました。そして、充実してほしい情報では、イベント情報やコロナ禍でのリアルタイムの休館・中止情報を要望する声などが目立ったものでございました。 ◆藤田稔人 委員  利用しやすいという声も多かったようですが、情報が探しにくいというお声が、探しやすいという答えよりも多いということですので、ぜひ改善もお願いしたいと思います。  また、アプリを通じて子育てサロンの情報を知り、利用している方も多いということでございました。私も、地域で主任児童委員として子育てサロンの運営に携わっておりますが、子育て世帯にどのようにして情報を発信するのかが課題と認識もしておりましたので、そういった意味では、大変ありがたいツールなのだなということで実感しております。  私も、日頃から子育て世帯との交流があり、いろいろなお声を聞いておりますが、先日お聞きしたのは、東京から札幌に転勤してきたご夫婦で、こちらで出産したが、身寄りは誰もおらず、子育てアプリを利用して子育てサロンを見つけて通っている、しかしながら、子育てアプリには市の主催するイベント情報しか載っておらず、民間も含めてもっとイベント情報を充実してほしいという声もございました。  そこで、質問ですが、このアンケートで得られた子育て世帯の声をどのように反映させ、便利なものにしていくのか、お伺いさせていただきます。 ◎竹田 子育て支援部長  アンケートで得られた子育て世帯の声をどのように反映させていくかというご質問でございます。  委員がご指摘のとおり、情報が探しにくいという利用者の声には早急に対応すべきと考えておりまして、各区のこそだてインフォメーションやちあふるなどでよく相談を受ける内容などを中心に、既存のQ&Aページの構成を見直し、容易に目的のページにたどり着けるように改修する予定でございます。  また、イベント情報の充実については、現在、子育て情報サイトやアプリで発信しているイベント情報は札幌市が主催しているイベントに限定していることから、今後は、札幌市が後援しているような子育て関連イベントの掲載など、対象イベントの拡大を検討していきたいと考えております。  そのほか、操作性の改善などにつながる改修を行い、これまで以上に多くの子育て世帯の活用につながるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆藤田稔人 委員  操作性の改善ですとか、あるいは、イベント情報も充実させていただくということでございますので、ぜひとも、市民にとって利便性が向上するように改修していただきたいと考えております。  子育てサイトやアプリの改修については、費用や時間がかかることも多いと思いますが、子育て世帯からの期待が大きいと思いますので、ぜひとも実施していただきたいと思います。今後も、定期的にアンケート調査を行うなどして、刻々と変化する利用者ニーズを把握し、必要な予算をしっかりと確保して、改修を一過性のものとせず、恒常的に利用できるようにお願いしたいと思います。  最後に、町田副市長に一言お話しさせていただきたいと思いますが、私は、今回の決算特別委員会で、ICT活用推進ですとか、SNS、アプリの活用ということで数多く質問させていただきました。来年度から小・中学校で1人1台のタブレットが導入されると、市立高校でもGIGAスクールを推進すると先日話がありましたが、そのような中で、例えば、保育士になりました、しかし、その子どもたちが、今までタブレットをずっと使ってきたのに、保育士になってみたら、紙の日誌をつけているとか、そういったことはあってはならないかなと思います。あるいは、タブレットをずっと使って情報を取ってきた子どもたちが、子どもを産んで、そして、何か情報を得ようと思ったときに、紙の回覧板を見るとか、そういったことでは今やっている取組が意味のないものになってしまいますので、こうしたことを全庁挙げてしっかりと連動させながらやっていただきたいなと考えておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。 ◆恩村健太郎 委員  私からは、保育所等における災害時の対応について、幾つか伺います。  我が会派では、2015年の第一部予算特別委員会において、子どもの安全を第一に考えた保育を提供するためにも、気象災害に対する警報発令時における保育所への対応について質疑、提言を行いました。当時の子ども未来局からの答弁には、非常時における体制を事前にある程度考えておくというのは必要なことだろうと考える、災害時の対応の検証の中で内部検討させていただいているところ、さらに、関係する各団体とも協議し、原則の対応も含め、検討していきたいとありました。  しかしながら、私が保育士をしていた2018年9月には、胆振東部地震が発生し、そのときは全道的に停電が起こり、携帯電話等もつながりづらい中で、開園すべきか臨時休園すべきかといったことも、子ども未来局と連絡がつかないことから、施設独自での難しい判断を迫られておりました。先ほど述べた2015年の我が会派の質問から胆振東部地震が起こるまでの3年間、率直に申し上げて、災害時の対応について教訓が生かされていなかったのではないかと感じます。  今年に入ってからも、7月には、熊本市の球磨川が記録的豪雨で氾濫し、8月には、本市においても、白石区の月寒川が、一時、自治体が避難情報を出す目安となる避難判断水位に達するなど、全国的にも自然災害が頻繁に起きている状況です。台風や大型低気圧による水害のみならず、新型コロナウイルス感染症の流行など、保育環境を取り巻くリスク要因は多岐にわたっています。このような状況下においても、安心・安全な保育所等の運営がなされるよう、また、そこで働く保育士等の安全の確保の観点からも、本市として、災害時などにしっかりとした支援を行っていくべきと考えます。  そこで、質問ですが、現在まで、保育所等に対し、本市は災害発生時などにどのような対応を行ってきたのか、また、災害発生時の対応に対する課題解決に向けての取組状況について伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  災害発生時における札幌市の対応、それから、課題に対する取組についてでございます。  札幌市では、これまで、気象災害に対しては、台風等への警戒に関する情報提供等を行う、また、災害発生時には、対象となる各保育所に個別に被害状況を確認するなどの対応を行ってきたところでございます。  しかしながら、北海道胆振東部地震においては、大規模停電により、連絡手段を十分に活用することができなかったことから、停電時における連絡体制の確保が課題となったところでございます。  このため、各保育所と札幌市との連絡が停電時でも可能となるように、令和元年度に保育所等における非常用電源購入に対する補助を行ったところでございます。また、今年度からは、全園を対象に災害時を想定した訓練を開始しておりまして、初回は、各保育所において被災状況の報告書を作成していただき、札幌市に報告するという情報伝達の訓練を行いました。報告先、送付タイミング、報告書記載に当たっての注意事項などの確認を行ったところでございます。 ◆恩村健太郎 委員  今ご答弁いただいた中で、全園を対象に災害時を想定した情報伝達の訓練を行われたという部分、本当に、いつ、何どき起こるか分かりませんので、こういった取組に関しましては、本当に評価をさせていただきたいと思っております。  ただ、2018年11月に公表された総務省の「子育て支援に関する行政評価・監視−保育施設等の安全対策を中心として−」の結果に基づく勧告の中で、「臨時休園の実施基準の設定を検討することについて地方公共団体に要請する必要がある」と記されておりました。  この勧告を受けまして、本年7月には、厚生労働省子ども家庭局保育課から、「保育所における災害発生時等における臨時休園の対応等に関する調査研究(周知)」と題した事務連絡が各自治体の担当部局に送られており、その中で「市区町村におかれましては、今回の調査結果を参考に防災対策等の観点から、臨時休園等の基準について策定をお願いいたします」と記載されております。子どもたちの安全を第一に考えた保育を提供していくためにも、保育所等に対し、災害時などの対応について、本市としての考えを整理し、臨時休園などに関する一定の基準を示すことが必要と考えます。  胆振東部地震のように発生予測が困難な非常事態がある一方、その前日に起きました台風ですとか、昨今話題となっている集中豪雨や大雨、また、現在流行している新型コロナウイルス感染症や今後流行するであろう季節性インフルエンザといった感染症の拡大など、発生がある程度予測できる非常事態もございます。いつもと異なる環境下での保育に起因する事故の発生や感染症拡大のリスク回避を考える上で、臨時休園を迅速かつ適切に判断できるよう、臨時休園を行うための基準をあらかじめ設定しておくことは重要なことだと考えております。  基準を作成するに当たっては、行政内部での検討や、専門家などの有識者から意見をいただくことももちろん大切です。しかし、実際の保育の現場を知っている施設長や各保育団体などから意見をいただくことが、本当の意味で実効性のある現場に即した臨時休園の基準の作成につながるのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、臨時休園などの基準に関する本市の進捗状況について、また、臨時休園の基準を作成するに当たっては、実際の保育の現場を知っている方々の意見も取り入れるべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  臨時休園の基準作成の進捗状況、それから、現場意見の聴取についてお答えをいたします。  お子様たちの安全確保のため、各保育所が休園判断を含めた対応を行える基準、これを作成し、現場の状況に応じて、より速やかに判断が行えるようにする必要があるというふうに認識をしております。  このため、厚生労働省から示されております臨時休園に関する考え方、それから、他都市の事例等も参考の上、積雪寒冷地である札幌市の状況等も踏まえながら、現在、素案の作成を進めているところでございます。この基準の策定に当たっては、素案の作成後に各団体と協議を行うなど、現場の方々のご意見もお伺いし、可能な限り反映をさせていきたいというふうに考えております。 ◆恩村健太郎 委員  臨時休園の基準の作成の進捗状況、また、作成における現場の意見聴取について、現段階での本市の考え方は分かりましたが、やはり、各団体からの意見、これは、ぜひ積極的に意見交換を行っていただいて、取り入れていただきたいと思います。  この臨時休園の基準を設定するに当たりまして、私がいただいたご意見の中には、現在の新型コロナウイルス感染症の流行も踏まえ、非常時には、休園以外にも、時間外保育の停止や受入れ定員の制限、また、受入れできる職種についてですとか、あとは、部分休園や部分開所など、細かく設定をしていただきたいといったお話もございました。  そこで、最後の質問になりますが、現時点での臨時休園の基準項目など、作成に当たっての基本的な考え方について伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  臨時休園の基準等の作成に当たっての基本的な考え方でございます。  地震発生時または気象災害の避難情報等が発令された場合に、現場での判断が速やかに行えるように、各保育所における対応方針をお示ししたいというふうに考えております。その対応方針には、この発令が開所時間内の場合だけでなく、開所時間外の場合も想定されますことから、そういった内容も含めていく予定でございます。  また、災害時に保育所などが速やかな対応を行うに当たっては、保護者の皆様のご理解、ご協力も不可欠となってございます。このため、災害時の基準を策定した際には、保育所等のみならず、保護者の方々にも速やかに周知を行い、今後の災害に備えていきたいというふうに考えております。 ◆恩村健太郎 委員  今のご答弁にもありましたけれども、やはり、預けていらっしゃる保護者の方々からのご理解や、またご協力も非常に必要となってくると思いますので、その点もしっかりと盛り込んでいただきたいと思います。  いずれにしましても、当時の我が会派が質疑、提言した2015年から、この災害等の対応につきましては約5年がたとうとしておりますので、より一層スピーディーな対応を期待しているところでございます。  最後に、要望いたします。  災害は、本当に、いつ発生するか分かりません。保育所や保育士の力だけでは、子どもの安全を守る上で限界もありますので、行政としての対応を早急に構築されるよう求めます。  また、今回の、先ほど述べた総務省からの勧告の中で、「厚生労働省では、自然災害発生時及び感染症流行時の双方ともに、必要に応じて臨時休園の措置を講ずることができることを明確に周知していない」との指摘もございました。やはり、政令指定都市である札幌市として、厚労省の通知を受けての対応ばかりではなく、本市独自の施策や厚労省通知を上回る取組を進めるといった、指示を待つばかりではなく、先んじて取り組む姿勢をぜひ示していただきたいと思います。  以上、要望いたしまして、私からの質問を終わります。 ◆前川隆史 委員  私からは、児童虐待防止対策について、大きく2点お伺いしたいと思います。  全国で児童虐待事案が相次いで発生しておりますが、札幌市では、昨年6月に女児の貴い命が失われました。何度も報道されておりますとおり、先月から母親の交際相手の公判が行われまして、来月には母親の公判も始まると伺っております。  有識者でまとめていただきました検証報告書で、厳しいご指摘も含めて、多くの提言がなされました。再発防止に向け、業務の見直しや体制の強化について、全庁を挙げて取り組んでいるところと思います。  そこでまず、子育てデータ管理プラットフォームの構築について伺ってまいりたいと思います。  昨年の事案を受け、我が会派は、市の各部署が持つ虐待のリスク情報が連携できていなかった反省を踏まえまして、抜本的な業務改善が必要だと議会の場で訴えてまいりました。そして、その具体的な対策の一つとして、各部署で持つデータ、リスク情報を共有できるシステム連携を進めて、適切かつスピーディーに、情報共有、必要な対応ができる仕組みを早急に構築していくべきであると繰り返し提言をさせていただいたところでございます。  それを受けまして、役所内で様々な検討がなされてきたと思います。今回の3定の補正予算で予算組みもされまして、いよいよ動き出して一歩前進、こんな思いを持つとともに、全国を見渡してもほとんど事例のないようなシステム連携だと思いますので、多くの人が注目しております。どうか、全国の児童虐待防止の取組にも追い風を送るぞという、そういう高い志を持って取り組んでいただきたい、このように思うところでございます。  そこで、早速、1点目の質問ですが、子育てデータ管理プラットフォームの構築を進めるに当たりまして、各システムの連携などについてどういった検討を行ってきたのか、まず、お伺いしたいと思います。 ◎山本 児童相談所担当局長  子育てデータ管理プラットフォームの構築の検討経過であります。  昨年発足いたしました札幌市児童虐待防止緊急対策本部におきまして、母子保健と児童相談の情報を共有化する新たなシステム構築について、当時の本部長であります町田副市長から指示がありました。具体的には、児童相談所と区の健康・子ども課の家庭児童相談室、そして母子保健を担う健やか推進係、それぞれ三つの部署が持つ三つのシステムの情報を統合しまして、基本情報やリスク評価の共有を目指すというものです。その後、関係部長級会議で方向性を固めまして、改革推進室、情報システム部、保健所、児童相談所の4部の担当者によりまして、具体的なシステム構築に向けた打合せを十数回にわたって行ってまいりました。  システムの構築に当たりましては、実際に子どもや保護者の相談に関わる職員たちの声を直接聞き、現状の課題を拾い上げて機能に反映させていくということが欠かせません。そこで、各担当の職員から丁寧にヒアリングを重ねてきたところでありまして、このたび、目指すべきシステムの方向性が固まったというところであります。 ◆前川隆史 委員  関係部局が集まって、十数回の議論を行って、様々な意見を集約しながらやってきたということでございます。  今回のシステム構築では、今もお話がございました児相のシステム、そして、家庭児童相談システム、母子保健システムの三つのシステムが持っている情報を連携するということで、例えば、リスク度の高い事案が発生するとアラートで表示されるような仕組みなど、新たな機能が追加されることとなっているようでございます。要対協の支援にも大きくつながるのではないかと思います。今後、プロポーザルで業者選定、そして開発と、システム構築が進んでいくことになりますが、ぜひとも、機能性が高く、実際に利用する職員が活用しやすいシステムにしていただきたい、このように思うものでございます。  話は戻りますが、先ほど職員へのヒアリングをされたという答弁がございましたが、実際にシステムを使用する職員からはいろいろな声が上がったと思います。  そこで、伺いますが、今回のシステム構築では、その声をどのようにシステムに反映し、また、それによって具体的にどのような効果が期待されるのか、お伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  ヒアリングの結果の反映と効果についてであります。  各職員からのヒアリングでは、関係部署間の情報共有が文書や電話によるため、時間がかかって事務負担が大きいといったようなことですとか、内容やタイミングに個人差があるという声があったところです。また、支援の開始や終了する際に行うリスク評価におきまして、部署の専門的立場ですとか携わる職員の見方によりまして、一定程度、判断の相違が生じるという声もありました。  そこで、プラットフォームでは、現行の三つのシステムの支援対象者情報を統合しまして、乳幼児健診の受診状況ですとか、各種福祉支援状況、こういったものを画面に一覧表示するといったようなことで、基本的な情報共有の迅速化を図るというものであります。さらに、三つのシステム情報を統合することで、今、委員からもお話がありましたが、点数化されたリスクが積み上がりまして、点数が高い、すなわちリスク度が高いといった場合に警報を鳴らすアラート機能を取り入れるということであります。このほか、更新されたデータを随時プラットフォームに反映させることで、継続的なリスク度の確認も可能とするものであります。  共有する情報と評価に基づくことで、要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協での支援を今まで以上に適切かつ効果的なものとしまして、子どもを虐待から守る取組を進めてまいる考えであります。 ◆前川隆史 委員  大変大きなシステム改修で大変かと思いますけども、かなり児童虐待防止に効果のあるシステム改修かと思いますので、着実に進めていただきたいと思います。  今回のシステム改修は、繰り返しになりますが、児相、家庭児童相談室、母子保健、この3分野のデータの連携のためのシステム改修でございますが、市役所全庁を見渡しますと、虐待の大きな要因になり得るような、業務を行っているシステムはまだほかにもあるかと思います。将来的には、そうしたシステムとの連携も行うことで、より強固なシステムになる可能性もございますので、ぜひ、今後は、こういったほかのシステムとのさらなる連携、改修も含め、広く検討を継続していただきたいと思います。  また、システムは構築されますが、児童福祉の業務に携わる職員がシステムを活用しながら子ども一人一人の立場に立って支援に当たることができますよう、職員の専門性も高めて人材育成にも取り組んでいただきたいと思います。  加えて、今回の取組は、行政改革という面でも大きな取組だと思っております。何か事故が発生したり、誰かから指摘をされて慌てて行革を部分的に行うのではなくて、今、行政のデジタル化の動きが全国的に加速しつつあります。今回のシステム連携で、勢いを、どうか、札幌市はつけて、市役所の業務全体の改善、そして、ICTの活用、デジタル化を進めて、市民サービスの向上はもちろん、札幌市の発展に大きな力を発揮できる新時代の組織へと挑戦していただきたい、このように思います。
     それでは、次に、我が会派が2定の代表質問で取り上げた児童虐待防止の相談を促す方策につきまして質問したいと思います。  言うまでもなく、児童虐待におきましては、重篤な事態を回避できるか否かは、やはり、いかに早く相談に結びつけられるかどうかが重要でございます。これまでも、各関係機関に相談窓口を周知するチラシを配布したり、コンビニに相談窓口を知らせるカードを置いたり、様々な取組を実施することで普及啓発を行っていただいております。第2回定例会では、子どもに向けた相談窓口を周知するミニカードなどの配付を検討している、こういった答弁もございました。  保護者や近隣住民からの相談も多くあると思われますが、特に、子ども本人からの相談につきましては、直接的に内容を確認することができるだけではなくて、直接SOSを求めるということで、事態が切迫している可能性も非常に高いことから、大変重要であるというふうに思います。  そこで、質問でございますが、子ども自身が困っているときに相談できる窓口の周知をどのような形で実施されたのか、お伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  子ども自身が相談できる窓口の周知についてです。  子どもたちが抱える悩み事は、学校の先生など、身近な大人には相談できない事情があるといったようなことがありますことから、それを念頭に、まず相談しやすい電話窓口があることを知ってもらうという工夫が必要だと考えました。  そこで、このたび、市内の小・中学校全ての児童生徒に対しまして、児童相談所や児童家庭支援センターなどの相談電話番号が記載されたミニカードつきチラシを初めて配付いたしました。このチラシは、名刺サイズのカード部分を簡単に切り離して携帯できるという特徴があり、「困った時などに連絡できるよう、切り取ってお財布などに入れておきましょう」という記載もあります。配付後には、子ども本人からだけではなく、子どもがカードを持ち帰ってきたということで保護者からの相談があるなど、既に効果が現れていると実感しているところであります。 ◆前川隆史 委員  そういった取組が、子どものみならず、保護者に対しても、相談を促すような、そういった効果があった、このようなお話でございました。  保育所や幼稚園、小・中学校で勤務する保育士や先生方は、日頃から子どもたちの様子を見続けていますし、一人一人の会話の内容や反応などから微妙な変化に気づくことも少なくないと思います。そういった意味では、子どもに日常的に接する方々に対しても、虐待の兆候の把握、相談された際に、相談する、しよう、そういったことを促していくなど、周知していくことも重要であると思います。  そこで、質問でございますが、学校や保育所等の職員に対してどういった取組を実施されたのか、お伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  子どもの虐待防止に向けましては、小・中学校や保育所などで子どもと日常的に接する職員が、ちょっとした変化に気づき、見逃さず、関係機関内で情報を共有して支援につなげていくといったことが重要であります。  札幌市では、児童虐待防止ハンドブックを作成いたしまして、虐待予防のポイントや要保護児童対策地域協議会、要対協による支援の枠組みを、その重要性について各関係機関にお知らせをしてきたところであります。要対協によります支援の枠組みを活用して、各区の家庭児童相談室や学校、保育所が連携いたしまして、子どもの様子をより注意深く見守った結果、虐待を未然防止して、家庭が安定したといったような好事例も見られているところであります。  そこで、この要対協支援の理解をさらに広げていくために、今申し上げましたハンドブックの要点をさらにまとめました概要版を作成し、保育所や幼稚園、小・中学校の全教職員向けに配付をいたしました。こうした様々な周知を通じまして、要対協による支援の輪を着実に広げていくことが、子どもたちへの切れ目のない見守りと支援に結びつき、虐待の早期発見と早期対応につながるものと考えております。 ◆前川隆史 委員  そういった様々な声かけ、いろんな方々への、頑張っていこうという、心を合わせていこうという、地道な取組が児童虐待防止につながっていくかと思います。  今日は、児童虐待防止についての質問をさせていただきました。特に、今回構築するシステム連携につきましては、縦割りと言われる役所組織の中でこれを実現するのはなかなか大変だったのではないか、このように、準備を進めていただいたことに、しっかり労をねぎらいたいと思います。  先ほど、町田副市長の思いも大変強いというお話が答弁の中でちらっと出ておりましたけれども、最後に、町田副市長、この機会に、取組というんでしょうか、思いを、そのご決意を一言述べていただいて、私の質問を終わりたいと思います。 ◎町田 副市長  各部局が仕事の範囲をもう一つ超えるという形で、いろいろな連携が起きて、そして、いろんなサービスが広がっていくと。先ほど、藤田委員のほうからもお話がございましたが、それをITがうまくつないでいくということによって、今まで、組織の中で、各セクションの中で抜け落ちる危険性があったというような市民サービスまで、ITがうまく拾い上げていけるというか、サービスをしていけるような形で対応してまいりたいと強く思うところでございます。 ◆佐藤綾 委員  私からは、子どもの虐待である面前DVと、児童相談所等の人員配置、異動についてお伺いいたします。  昨年6月に2歳の子が衰弱し、死亡するという事件から1年4か月が過ぎました。この間、本市では、子ども・子育て会議児童福祉部会により検証がなされ、3月に報告書が出されました。議会では、児童相談所と保健センターや警察等、関係機関との連携、また子どもへの対応についてなど、全会派から幾度も質疑が行われてきました。  秋元市長は、3月に全職員にメッセージを発出して、市役所の全職員が、人ごとではなく、自分のこととして報告書の最後の言葉を重く受け止めなければならない、また、市全体で本気で取り組む、さらには、不退転の決意を持ってこの取組に当たっていきたいと述べられています。また、検証報告や市民の意見、市議会での議論等を踏まえ、第3次児童相談体制強化プランを作成することとなっています。  最初に、面前DVでの子どもの対応についてお伺いします。  面前DVは、2000年に成立した児童虐待防止法が2004年に改正された際、心理的虐待の一つと認定されました。警察から児童相談所への児童虐待通告数は年々増加し、中でも、面前DV被害は、全国の全通告数のうち、約半分を占めています。  本市でも、虐待の内容の中で心理的虐待が毎年5割から6割であり、そのうち、実父によるものが最も多く、約6割です。母親がDVを受けている場合には、母親だけでなく、子どもへの影響が懸念されます。昨年の6月の2歳女児の事件や、野田市の小学4年生の事件でも、直接の子どもへの虐待とともに母親へのDVがあったことが明らかとなっています。  お聞きいたしますが、2016年から面前DVが心理的虐待での通告件数に数えられるようになってから、本市では年々件数が増えております。コロナ禍で休校や休業により自宅で過ごす時間が多くなった3月には、虐待通告が増え、中でも心理的虐待が増えていると報道もされております。そこで、本市の虐待通告での心理的虐待の件数、それによる一時保護などの昨年度と今年度の状況についてお伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  札幌市児童相談所で対応しております心理的虐待の件数、そして、一時保護をした件数ということであります。  まず、昨年度、心理的虐待の件数でありますが、1,339件でありました。今年度を申し上げますと、7月末までの統計は手元にございまして、今年度7月末までは460件という状況であります。昨年度7月末までの同じ時期までの間の心理的虐待の対応件数が423件でありましたので、8.7%増加しているという状況にあります。  そのうち、昨年度、心理的虐待で一時保護した件数は36件でありました。今年度は、7月末までで26件、一時保護をしているという状況であります。 ◆佐藤綾 委員  本市では、昨年度より少し増加しているという状況をお聞きいたしましたけれども、内閣府によると、政府や地方自治体の相談窓口に寄せられたDV相談件数が、5月、6月に前年度比の1.6倍、7月、8月には1.4倍に増えていたとのことですので、子どもの心理的な虐待通告は、少し増加ということでしたけれども、潜在的なものの懸念もあるかと思います。  DV被害者は、警察のほか、配偶者暴力相談センターなど、市や道の公的な窓口や民間のシェルターなどへも助けを求めています。先ほどの質疑でもございましたけれども、本市では、児童相談所と各機関の連携のため、システム構築を進めてきており、育児情報を共有し、リスクを点数化すること、あと、アラートも先ほど言及されておりました。継続的なリスク評価をしていくということもおっしゃられておりましたけれども、こうした強化をするとのことでした。  ここには家庭相談システムも入るとお聞きしましたけれども、新たなシステムではDVの情報は共有されることになるのか、お伺いいたします。 ◎山本 児童相談所担当局長  新たに構築するシステムでのDV情報についてであります。  DV相談そのものを主訴といたします相談に関しましては、新たなシステムには含まれないわけでありますけれども、いわゆる面前DVといったようなことで、子どもへの心理的虐待のおそれがあるということで、警察などから児童相談所に通告され、対応しているもの、これは家庭児童相談室も同様ですけれども、そういったものは、情報としてシステムに登録され、共有されるということになります。  今後、支援に向けた有効な活用をこの情報に基づいて進めたいということも考えております。 ◆佐藤綾 委員  それでは、続けてお聞きしますが、DV被害者から警察やDV相談センター、民間のシェルター等へ相談があって、子どもの面前DVが行われていた場合、子どもへの対応はどのように連携されているのか、伺います。 ◎山本 児童相談所担当局長  DV被害者の子どもへの対応の連携についてであります。  関係機関でいわゆる面前DVなど心理的虐待が疑われる事案を認知した場合は、その都度、児童相談所に通告をいただきまして、適切な支援ですとか、介入方法を協議の上、対応をしております。案件によりましては、要保護児童対策地域協議会、要対協を開催いたしまして、関係機関での、保護者や子どもに対するより綿密な支援方針の決定と役割分担の確認を行っているところであります。 ◆佐藤綾 委員  子どもへの直接の虐待被害がなくても、家の中で母親が父親から身体的・心理的暴力を受けることで、子どもには深い心の傷が残り、不安症状や発達障がいと類似した症状、また、腹痛や頭痛など身体的な症状が出ることも報告されており、PTSDや、数年後に症状が出ることもあります。最近では、面前DVにより、子どもの脳の発達に悪影響があること、特に暴力的な言葉を聞くという心理的虐待により、影響が大きくなることが研究で明らかとなっています。DVの被害者が多い中、相談に至っても、経済的理由やDVによる精神的支配によりすぐに家を出る、離婚することができず、加害者のいる家に戻らざるを得ないことや、一度、家を出ても、また加害者の下に戻ってしまうということも少なくありません。  お聞きしますが、DVの相談をしながら加害者と同居を続けている場合や、相談自体が断たれ、途絶えた場合、子どもには面前DVが継続し、影響し続けることが懸念されますが、そうした場合、子どもについてどう対応しているのか、伺います。 ◎山本 児童相談所担当局長  DV相談を在宅で継続している場合の子どもの対応についてであります。  いわゆる面前DVをはじめ、言葉による暴力というものも、子どもの心に大きく傷をつける、与える心理的虐待となります。こういった通告を受けた際は、直ちに児童相談所としては家庭訪問をいたしまして、保護者に対して助言・指導をしております。その後は、子どもが関係する関係機関で情報を共有いたしまして、必要に応じて心理面でのケアをしつつ、継続的に見守りを行っているところであります。  情報共有をしている中で、子どもが再び被害に遭っているおそれがあるといった場合は、児童相談所が改めて介入するなどいたしまして、子どもを最優先にした対応を行っているところであります。 ◆佐藤綾 委員  被害者からの連絡が途絶えたとしても、子どもについては、各関係機関が連携していく、きちっと見守っていくということでございましたが、DVの被害者の方は、周りにそういうことをあまり言わない、相談が途絶えたときは大丈夫だと言ってしまうということもございますので、ぜひ、連携を強めて見守っていただきたいと思います。  また、シェルターに入り、新たな生活となっても、離婚や別居などでDVがなくなっても、母親がPTSDなどで養育が困難になることや、期間を置いてから子どもへの影響が出るなど、親子ともに継続した支援が不可欠です。関係機関と連携協力が重要ですし、リスクの可能性、先々も含め、今は大丈夫だと思うが、先々もということを、懸念がないか、各機関で捉えることが必要だと思います。  子どもには、女性婦人相談センターの相談員が面談もするとお聞きしています。それで、児相か児童家庭支援センターで対応を判断するということをお聞きしていましたが、要対協で定期的に見直すことも含めて、面前DVを受けた子どもへ注意深く支援を継続していただきたいと思います。  次に、児童相談所への人員配置と異動の考え方、専門性の構築について伺います。  本市の児童相談所の2018年度決算は47億8,847万1,179円、2019年度は51億750万1,185円、2020年度予算は56億6,575万8,000円と増額されています。中でも、児童虐待防止対策費や子ども安心ネットワークなど、相談体制の予算を増やし、強化しています。  我が会派では、2019年第3回定例市議会の代表質問や決算特別委員会、今年の第1回定例会の代表質問、3月の文教委員会で、専門性の構築と経験を積むための人事配置や人事異動の在り方などについて質疑を行ってきました。  昨年度の児童相談所の職員は124名で、今年度は児童福祉司を9名増員するなどし、児相虐待通告の対応には、夜間・休日対応も含めて、会計年度任用職員制度の職員を配置し、135名の体制となりました。これは、休日・夜間は児童家庭支援センター三つへ委託していましたが、辞退により現在一つのセンターになっており、児童相談所で人的体制も整え、対応してきたという点も含まれると思います。  お聞きいたしますが、夜間・休日に児相職員が対応することを含め、変化があったと思いますが、よかったと思える点など改善された点、また、課題となっていることについて伺います。 ◎山本 児童相談所担当局長  体制強化の評価についてであります。  児童相談所の虐待対応部門では、会計年度任用職員として、警察や教員、児童施設の経験者など、専門的な知識、経験を持っている方を採用して増員することができました。正職員の増員も含めて、休日・夜間の虐待通告等に対しまして、児童相談所として、以前よりも直接的かつ速やかな対応が可能となったと考えております。  一方で、児童相談所における虐待調査や支援というものは、やはり、高い専門性が求められます。このため、研修や組織的な対応力の向上、さらには、関係機関との連携などについては一層の強化に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆佐藤綾 委員  今おっしゃられましたように、通告時の対応などには、緊急に一時保護をしなければならないときなど、職員の経験、判断力が重要になると思います。夜間・休日対応でも正規職員が入っての対応とのことで、職員体制もまだ厳しい中ですが、適切に対応が行われるよう、体制の維持、強化に努めていただきたいと思います。  次に、各区の家庭児童相談室の対応について伺います。  区の家庭児童相談室は、保健師である係長と事務職1人、会計年度任用職員1人が増員配置されてきました。区により3名から4名の配置となっていますが、区の相談室は要対協の事務局であり、ケース会議も増やしており、相談件数も増え、多忙であるとお聞きしています。相談内容は多岐にわたり、区の相談件数の違いもありますが、多いところは特に大変だと感じています。  お聞きしますが、会計年度任用職員制度で資格を持つ人材を採用しているということですが、制度では3年で雇い止めとなります。相談業務、対応などの経験の蓄積の面などからも、継続する雇用が望ましいのではないかと思いますが、お考えを伺います。 ◎山本 児童相談所担当局長  会計年度任用職員は、今年度発足した制度であります。まず、この枠組みの中で、急増している虐待対応など、複雑化する子どもの相談支援に最大限力を発揮できる、そうした体制づくりをまず課題として取り組んでいきたい、このように考えております。 ◆佐藤綾 委員  2022年には、3万人に1人の児童福祉司の配置基準で、本市でも68人を配置する計画と、第2児相の建設も具体化されてきております。相談や支援では、支援を受ける方との信頼関係、つながりが、業務上、重要であり、専門性と経験値の高い職員を増やすことを考えると、経験者の採用や経験を積めるような人事異動サイクルを広げることも考慮すべきではないかと思います。  そこで、人事異動についてお伺いいたします。  これまでも、経験を積めるような人事異動の在り方について、議会はじめ、子ども・子育て会議児童福祉部会や検証委員会でも提言されています。人事異動については、経験を蓄積できるような配置とともに、これまでの経験を生かし、後進の育成を意識した人事異動を行っていくと児童虐待防止対策推進本部会議の資料にありましたが、人事異動の在り方について、現在の検討状況、方向性を伺います。 ◎山本 児童相談所担当局長  専門性を高める人事異動の考え方についてです。  今年度、児童相談所や区の家庭児童相談室の正職員は14名増員されました。これは、子どもの相談支援に関わる人材育成の受皿の拡大でもあると認識をしています。  児童相談所と、家庭児童相談室など区役所の相談支援部門との人事交流が、専門性を高める人材育成に有効であると考えており、今後、こうした人事異動の規模が大きくなると期待もしております。  いわゆる異動サイクルといった、適切な在任期間の在り方も含め、児童相談支援に関わる職員の異動については、引き続き、人事当局とも協議しながら検討を進めてまいります。 ◆佐藤綾 委員  子どもの支援をする側からも、児相の担当職員と信頼もできた時期に異動となってしまう、小・中学生は感受性も鋭く、新しい担当に慣れるまでにまた時間がかかってしまうなどの声をお聞きしております。また、学校や保育園なども含め、様々な機関と連携し、対応する中では、専門性と経験が大きく関わります。道の児相との人事交流なども考えられるのではないかと思っております。視野を広くして検討していくべきと申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆小竹ともこ 委員  私からは、子どものくらし支援コーディネート事業について、2点質問をいたします。  この事業は、子どもや家庭への支援体制の充実を図る取組として、相談支援に豊富な知識や経験を持つ子どもコーディネーターが、児童会館や子ども食堂など、子どもと関わる地域の関係先、子どもの居場所を巡回して、貧困を含め、困難を抱える子どもを早期に発見し、必要な支援につなげるという事業であります。子どもに深刻な問題が発生した場合は緊急的な対応が必要になりますが、深刻な事態に至る前に未然に防止することが何より重要であり、その観点から、この事業について、私も注目し続けてまいりました。  昨年の議案審査特別委員会において、私ども自民党会派の三神英彦委員からも、この事業についての質問をいたしました。その質疑の中では、平成30年8月から開始されたこの事業は、初年度に374件の新規相談を受理し、支援の具体的なつなぎ先として、不登校や高校中退などにより社会的な自立に向けたサポートが必要となる児童、子どもを若者支援機関につないだケースが多く、ほかにも、子どもの発達が心配されるケースに関しては医療機関に、また、虐待が心配されるケースについては児童相談所や区の家庭児童相談室につなぐなど、個々の状況に応じた支援につないでいること、また、異変への気づきの観点から、体制、機能の強化に努めてまいりたい旨の答弁がありました。  そこで、質問いたしますが、事業開始から約2年が経過しましたが、2年目となる令和元年度の実施状況と、この事業をどのように評価しているのか、そして、その課題についても伺います。 ◎山本 子ども育成部長  子どものくらし支援コーディネート事業の令和元年度の実施状況と評価及び課題についてでございます。  本事業では、個々の子どもの状況に合わせて必要な支援につなげているところであり、令和元年度は、460件の新規相談を受け、初年度の平成30年度と同様に養育環境や発達・精神面などについての相談が多い傾向でございました。今年9月で事業開始から約2年が経過し、これまで、1,000件近くの相談を受理してまいりましたが、支援が必要と思われても自ら相談につながらない子どもや家庭に対しては、周辺者が気づき、子どもコーディネーターが巡回によって情報を得て、必要な支援につなげる仕組みが効果的であると評価をしているところでございます。  課題としましては、養育面や学習面、人間関係など、複合的な問題を抱えている事案も多く、個々に寄り添い、課題などをひもといていく息の長い支援が必要であると考えております。また、巡回対象地区としては、札幌市内の全域をまだカバーできていないため、必要な人員体制について検討することや、巡回する関係先を増やして地域の関係団体とのつながりを深めることも課題であると考えております。 ◆小竹ともこ 委員  9月で事業開始から2年が経過して、相談件数が1,000件近くということで、非常に多い数であると感じました。  その相談対応に当たっていらっしゃいます子どもコーディネーターの活動について、次に伺いたいと思います。  現在、子どもコーディネーターは、臨床心理士など、子どもの相談支援の経験を持つ5名の方が、児童会館の指定管理者であるさっぽろ青少年女性活動協会に配置されているとのことであります。日常的に子どもや保護者が接する児童会館と同じ組織のスタッフが子どもの居場所に出向くという点においても、行政の相談窓口にアクセスするよりもハードルが低く、冒頭に申し上げたような深刻な事態、なぜこうなる前に相談に来なかったのか、もっと早くに相談してくれていたらというような事例への対応策の一つになると考えます。  札幌市には、子ども安心ホットラインや各区の家庭児童相談室、また、子どもアシストセンターなど、子どもについての相談機関がたくさんあることは承知しておりますけれども、困り事や問題を抱えている子どもや家庭自らがそういったところに直接相談するのは、恐らくハードルが高く、また、それ以前に、どのような相談機関があり、自分の困り事に対してどこに相談するのが最もよいのか、分からない場合もあるかと思いますので、この事業のようにアウトリーチ型で当事者に寄り添う支援の在り方は、非常に有効なのではと考えております。  また、支援コーディネーターには幅広い知識や対人能力が求められ、実に様々な事例に日々対応されていると伺っております。先ほどのご答弁の中で、課題として、支援は1回相談を受けて終わりというわけではなくて、継続して息の長い取組が必要とされる事案も多いとのことでありました。周囲から見て心配なケースであっても、保護者自身がその困り事に気づいていない、自覚していなかったり、他人に悩みを見せたくないという気持ちからか、支援に対して拒絶的な場合もあり、そこにアプローチして各関係機関や支援につなげるには、時間もかかり、大変苦労をされているのではないかと推察をしております。  また、5名のコーディネーターは、1人で二つの区を、そして、まちづくりセンター単位では、1人当たり平均12地区程度という非常に広範囲のエリアを担当されているとのことであります。子どもたちが置かれている困難な状況や、相談の内容が複雑化、そして長期化している中で、コーディネーターの方が大変な数と広い範囲を担当されていることに驚きを隠せません。  そこで、質問いたしますが、現在の子どもコーディネーター5名の具体的な活動状況について伺います。 ◎山本 子ども育成部長  子どもコーディネーターの具体的な活動状況についてでございます。  子どもコーディネーターは、勤務時間の大半を児童会館や子ども食堂、学習支援会場など、子どもの居場所への巡回活動に充ててございますが、担当地区が広く、巡回先での面談可能な時間も限られるため、工夫をしながら、効率的に巡回活動を行っているところでございます。  また、定期巡回に加え、突発的な事案がございましたら、随時対応が必要となるほか、相談全体の約7割に当たる約700ケースは継続して関わっていく必要があり、適宜状況の確認を行っております。  さらに、学校、区役所、区の家庭児童相談室をはじめ、多くの関係先と情報共有し、支援方針の確認などを行うことや、毎週1回、コーディネーター全員と担当課が参加するケース検討会議におきまして、複雑なケースに対する支援内容を検討し、事例の共有化を図るなど、適切な支援を行う上で欠かせない業務も行っているところでございます。 ◆小竹ともこ 委員  単に数量的に多いというだけではなく、継続的な支援や、複雑、困難な事例はケース検討会議を行い、関係機関と情報を共有し、支援機関へつないでいるとのことでありました。  私は、新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会の委員を拝命しておりますけれども、さきの委員会では、コロナ禍において、子どもコーディネーターが関わってきたリスクが懸念されるケースや、コロナ発生後の巡回活動の中で、ストレス等による親子関係の悪化や休業中の生活の乱れ、また不登校児童の復帰の遅れなど、改めて子どもたちが置かれている困難な状況について把握したといった活動状況が報告されまして、このウィズコロナの時代において子どもコーディネーターの重要性がさらに増していることを理解したところであります。  そもそも児童会館に来ないなど、社会とのつながりが薄い子どもにどうアプローチするかという大変難しい問題もあり、この子どもコーディネーターの活動だけで全ての問題が解決するわけではないことは承知しております。先ほど、前川委員の質疑でも触れられておりましたけれども、私も、そういった社会や地域とのつながりが薄い子どもたちを何とか救うべく、様々なデータを共有し、情報もネットワークを張りながら、子どもたちを救うための仕組み、子育てデータ管理プラットフォームについても注目していきたいと思っております。  今回の質疑を通しまして、この事業が2年を経過して1,000件近くの相談を受理していることから、相談件数が非常に多いということ、また、必要な支援や重層的な見守りにつなぐなど効果が上がっていること、そして、子どもコーディネーターが精力的に活動をされていること、さらには、コロナ禍でその重要性がさらに増していることなどが明らかになったと思います。  この事業は、モデル事業として、コーディネーター1名体制で北区、東区の一部から始まり、それから徐々に予算がつき、現在は5名体制で10区に拡大してきました。しかし、まちづくりセンター単位では、市内全87地区中61地区、約7割しか行き渡っておりません。現在の5名体制で札幌市全域をカバーすることは、現実的に非常に難しいと考えております。この事業の取組、本来の目的を達成するためにも、さらなる体制の強化、人員の増強、そして、そのために必要な予算の検討をしっかりとするべきと指摘をさせていただきまして、私からの質問を終わらせていただきます。 ◆うるしはら直子 委員  私からは、大きく2項目、児童相談体制強化についてと本市のヤングケアラーへの対策について質問いたします。  初めに、児童相談体制の強化について伺います。  児童虐待対策は、国においても、児童福祉法の改正や総合強化プランが示されるなど、児童相談所や市町村の機能、体制の強化、専門性の強化に向けて、抜本的な取組が求められています。児童相談所の専門職の配置では、その基準が改定され、児童福祉司については再来年の2022年度、また、児童心理司についても2024年度までに大幅増員するよう示しています。また、様々な事情で保護者と離れて暮らさなければならない子どもの社会的養育については、家庭養育優先の原則から、都道府県が行うべき里親に関する業務が具体的に位置づけられ、質の高い里親養育と里親委託の推進の両立を図っていく必要があります。  本市におきましても、児童相談所と区役所の体制、里親養育包括支援、フォスタリング事業、また職員の専門性、これらの強化が課題となっており、昨年6月の2歳女児死亡案件の検証報告への対応とともに、早急に解決していかなければなりません。  こうした課題を踏まえて、本日は、本市の強化課題3点について質問をいたします。  まず、1点目に、児童相談所の強化として、第2児童相談所を整備し、2所体制とすることについてです。  現在、本市では、(仮称)第2児童相談所を白石区に建設を予定し、計画を進めておりますが、我が会派としても、これまで、子どもを守る環境の整備について、様々な角度から指摘、提言をしてきましたので、今後の動きには注視をしているところです。  現在、この第2児童相談所の開所に向けた地元説明会が開催されており、報道でも取り上げられましたが、4回実施のところ、おとといまでに3回終了したところです。説明会の前に行いました連合町内会の役員会などでの事前説明、これにおいては、設置に反対されるような声は、特に上がっていないと聞いております。  そこでまず、確認ですけれども、今回の説明会への参加状況と、役割と機能など、第2児相に関し、どのような説明を行っているのか、また、これまでで反対や心配の声といったものは出ているのか、伺います。 ◎山本 児童相談所担当局長  第2児童相談所整備の地域説明会は、今月20日からこれまでに3回開催しまして、合わせて43名の方が参加いただいております。4回目は、今週28日水曜日を予定しております。  ご説明した内容は、児童相談所がそもそもどのような機関なのか、どのような相談を受け、どういった支援を行うところなのかといったようなこと、そして、第2児童相談所は、市域の東側の白石、厚別、豊平、清田の4区を担当し、現在の児童相談所と同様の機能を果たすこと、旧水道局白石庁舎跡地で計画をしていること、一時保護機能を備えることなどです。  設置に反対だというご意見は今のところありませんが、児童相談所自体が知られているとは言えず、不安を持つ方がいる可能性があるため、十分に周知すべきではとの意見もいただいているところです。
    ◆うるしはら直子 委員  今回の説明会の状況については分かりました。  私も、同じ白石区の山口委員と次の説明会を傍聴する予定ですが、そもそもの児童相談所の果たす役割というものをしっかり分かっていただくことが設置への理解を進めることになると思いますので、残りの説明会でも丁寧な説明をお願いいたします。  また、この第2児相の施設の建設に当たってですけれども、一時保護児童もいるということで、来所だとか入所を知られたくないといった事情のある子どもや親御さんもいることと思います。部屋の配置ですとか窓の位置など、また、近隣のこれから建設予定の施設などについても十分に考慮をしながら施設のほうを建てていただきたいと思います。  また、今後ですが、体制強化に向けて、第2児相ができ、2所体制となった際には、それぞれに職員が配置されることとなります。専門職員の増員については、まず着実に進めていただきたいと思いますが、地区担当で2所に職員が分かれた場合、しっかりと統一的に相談や支援に当たる必要があると考えます。また、2所間でレベルや対応が異なるというようなことは避けるべきです。  そこで、質問ですが、どのように2所が統一的に業務を進めていけるか、想定しておく必要があると考えますが、現時点でどのように考えているのか、伺います。 ◎山本 児童相談所担当局長  第2児童相談所が開設されて、2所体制となった場合でも、両方の児童相談所で同じように相談支援が受けられるよう準備を進めていきたいと考えております。  子どもの支援に関しまして、両方の児童相談所の考え方に相違が生じないよう、支援方針会議などを合同で行うテレビ会議システムの導入も検討しています。また、継続的に支援をしている子どもの引継ぎを確実なものにするため、対面での引継ぎを原則にしていくなど、場面に応じたルール設定をしていきたいと考えております。  職員の研修は、現在の児童相談所が全体統括として企画、実施に当たる想定であり、2所体制が相乗効果となって、さらに専門性を高めていけるよう取り組んでまいります。 ◆うるしはら直子 委員  今後も、引き続き、運用面も含め、2所体制へ向けた検討を進めていっていただきたいと思います。  2点目に、里親養育への支援を行うフォスタリング機関の設置についてです。  さきの岩崎委員の代表質問への答弁では、民間団体が運営する包括支援機関を創設し、里親への一貫した支援を行いたいとのことでした。審議会である児童福祉部会においては、この支援機関を複数設置する際に、より支援対象を絞り込んだ機関を設置することについても議論されていると聞いております。  そこで、質問ですが、このような形で設置する場合、それぞれのフォスタリング機関がどのように役割を果たしながら里親支援を行っていくのかについて伺います。 ◎山本 児童相談所担当局長  フォスタリング機関の役割と里親支援についてです。  里親支援体制の強化は、急務の課題でありまして、来年度は、市全体を統括する支援機関を設置するほか、乳幼児の短期養育里親の確保を主な目的とした支援機関も別に設置することも検討しています。具体的には、統括する支援機関は、全市を担当区域とし、里親登録相談と養成を中心に行いながら、委託後の支援が円滑に進むよう、関係機関と調整を図るものです。一方、乳幼児に特化した支援機関は、乳幼児の短期養育に関心を持つ方々を対象に、登録を働きかけて養成し、子どもの委託後も、引き続き、きめ細やかな支援を行うというものであります。  このような形で複数設置することによりまして、それぞれの機関がその強みを生かしながら、里親の段階に応じた丁寧な支援を行うとともに、乳幼児の養育が可能な里親の確保にも努めてまいります。 ◆うるしはら直子 委員  このフォスタリング機関については、初めての設置となります。今の答弁の中でも十分分かりましたけれども、児童福祉部会では、かなり専門性の高い活発な議論がされているとお聞きしております。里親支援強化に向けた機関の在り方について、今後も、より議論を深め、支援に当たっていただきたいと思います。  次に、3点目は、専門的人材の確保のうち、弁護士の常時配置についてです。  児童相談所への専門的人材の配置については、2016年の児童福祉法の改正により、法的な助言・指導の下で適切かつ円滑に行うため、弁護士の配置、または、それに準ずる措置を行うものとされたところです。  札幌市においても、昨年度から、週1回、弁護士が児童相談所に来て法律相談を行っているとのことで、児相職員にとっても、法的な根拠を持って対応に当たることができるのは安心感につながっていると思います。  そこで、質問ですが、現在の弁護士の法律相談や、相談以外での活用などの状況について、改めて確認します。  あわせて、他の政令市では常勤の弁護士を配置するところもあると聞いておりますが、その状況についても伺います。 ◎山本 児童相談所担当局長  まず、現在の弁護士への法律相談などの状況です。  児童相談所が、弁護士へ法律相談した件数は、週1回の法律相談を開始した昨年度は72件と、開始前の一昨年の2件から大幅に増加をしました。定例の相談以外では、弁護士事務所での臨時の相談や、法的対応に関する職員研修の講師のほか、社会的養護を経験された方、すなわち、児童養護施設ですとか里親宅で生活をした経験のある方へのヒアリングなども行っていただいているところであります。  次に、他の政令指定都市の配置状況であります。  常勤弁護士を置く都市が増えてきておりまして、現在確認できたところでは、7市が児童相談所に常勤で配置をしているという状況であります。 ◆うるしはら直子 委員  現在、弁護士が週に1回来所しているとのこと、このことで一定の効果がある、そのことはよく分かりました。  しかし、現場の職員としては、毎日の業務の中で専門的な知識を持った人に気軽に相談できることや、担当している案件を継続して同じ人に相談できる状況こそが理想ではないでしょうか。  答弁にもありましたように、他の政令市では弁護士の常勤化が進んでおります。これは、児童相談所職員の多忙が常態化し、また、家族を取り巻く環境も複雑化する中で、守られるべき子どもを守ることができないという厳しい状況が求めてきたものだと思いますので、本市におきましても、過去の事例としっかり向き合い、常勤化に向けて検討を進めるべきと考えます。  そこで、最後に、児童相談所に弁護士を常時配置する利点をどのように捉えているのか、また、第2児童相談所の開設も視野に、弁護士の常時配置に向け、どのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎山本 児童相談所担当局長  弁護士を常勤で配置する利点は、子どもや家庭の状況変化に応じて速やかに、そして継続的に相談できること、そして、その専門的知見を背景として、家庭への介入をどのように行うのか、取り得る法的対応は何が想定されるかなど、随時、助言や指導を受けることができることなどが挙げられます。  今後は、勤務条件をはじめ、適切な人材の確保策や採用方法、身分や権限の取扱いなど、他都市の事例を参考に、人事当局や関係団体とも協議しながら検討を進めてまいります。 ◆うるしはら直子 委員  ぜひ、早急に検討をお願いいたします。  この弁護士の常勤化に向けては、整理しなければならない課題が残されております。例えば、弁護士を市の職員として採用する場合の処遇について、期限付採用とした場合、更新の際に後任の方がすぐ見つかるのかですとか、また、市職員になる場合、当然、今、弁護士として抱えている案件ですとか、また、顧問を全て手放さなければならず、数年後に弁護士として復帰することのハードルがとても高くなります。これらの課題は、本市のみで解決できることではありませんので、札幌弁護士会と意見交換や協議を重ねていただくようお願い申し上げます。  先ほど来、話が出ておりますけれども、現在、全国的に児童虐待の事件が後を絶ちません。今年の児童虐待に関する対応件数が過去最多ペースで増加をしているということが、厚労省のまとめで、先月、判明したとの報道もされております。児童相談体制の強化を図るということは、言うまでもありませんが、虐待はもちろん、子どもたちや親が抱えている問題に早く気づき、対応するためのその一歩であり、迅速に適切な対処をすることが何より重要です。  これまでの度重なる事件の教訓、また、厳しい指摘を受けて、日々、児童相談所の中でも努力を重ねていることと思いますし、また、このコロナ禍で思うように進まない部分もあるとは思いますが、今も虐待を受けていたり、声を上げることができない子どもが近くに存在するかもしれません。専門職員の増員や第2児相の建設までには時間がかかります。その間の対応や対策についてもしっかり整えること、さらにスピード感を持って進めていただくことを求めて、この質問を終わります。  次に、本市のヤングケアラーへの対策について伺います。  本年の第2回定例会代表質問において、私からケアラーとヤングケアラーについて質問をいたしました。  初めてこの言葉を聞いたなどの声を多くいただきましたが、これまで、この問題に早くから着手をしてきた日本ケアラー連盟の取組や、今年3月に埼玉県で国内初のケアラー支援条例が制定されたことなどを受け、昨今、報道番組や新聞記事などが潜在するヤングケアラーが抱えている問題について取り上げることが大変多くなっております。  このヤングケアラーの概念についてですが、厚生労働省の令和2年度子ども・子育て支援推進調査研究事業、この中では、年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負って、本来、大人が担うような家族の介護、これは、障がい、病気、精神疾患のある保護者や祖父母への介護などを含みますが、また、世話、これも年下のきょうだいの世話など、これも含めということで、これをすることで、自らの育ちや教育に影響を及ぼしている18歳未満の子どもと定義しており、要保護児童対策地域協議会を対象にした調査を昨年から2回実施しております。  本年3月に実施した調査の中では、このヤングケアラーという概念を認識している要対協は46.7%で、前年度の27.6%から20ポイント程度の上昇となっています。このことから、要対協の中では、ヤングケアラーの認知度が高まっていることはうかがえますけれども、ヤングケアラーの実態自体が明らかになっていないため、一般的な認知度はまだまだ低い状況にあると思います。  このような状況にある子どもたちの中には、家庭の事情で支援が必要な状況であるにもかかわらず、そのこと自体を本人が認識していないというケースも考えられますし、また、児童虐待や育児放棄などでこうした状況を強いられていながらも、訴えることができない場合も考えられ、学校や福祉をはじめとする様々な関係者や機関が入り口となって、支援の対象であるべき子どもに早い段階で気づける環境が必要であると考えます。また、家族に介護が必要な方がいる場合には、その介護やお世話等の実態を踏まえた上で、介護保険サービスや障害福祉サービスなどの適切な支援につなげていく必要もあります。  こうしたことを早期に把握し、適切な支援が行える環境をつくっていくためには、まず関係機関におけるヤングケアラーに対する正しい理解が重要と考えますが、札幌市はヤングケアラーについてどのように認識しているのか、改めて伺うとともに、ヤングケアラーの概念の周知についてのこれまでの取組について伺います。 ◎山本 子ども育成部長  ヤングケアラーの認識と概念の周知の取組についてでございます。  ヤングケアラーに対しては、子どもたちが豊かに成長し、社会的に自立する機会を確保するとともに、ネグレクトなどの権利侵害を防ぐため、行政をはじめとする周囲の支援者が権利の保障に努める必要があるものと認識しております。  次に、ヤングケアラーの概念の周知については、札幌市内部に向けては、今年8月に子ども関連の施策を総合的かつ効果的に推進するための組織横断的な会議体であります札幌市子どもの権利総合推進本部会議を、書面で開催し、ヤングケアラーの概念のほか、厚生労働省が行った調査研究事業の調査結果、また、他自治体の先進事例等について情報共有を図ったところでございます。また、札幌市外部の関係機関に向けては、今年8月に札幌市要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協、札幌市の要対協ですが、この代表者会議が書面で開催され、そこで厚生労働省による調査研究事業に基づいた資料を配付するなど、周知を図っております。 ◆うるしはら直子 委員  本市の中でも、この間、ヤングケアラーの内部での周知を行っている、また、内外通じての周知ということでいろいろ検討されているということで、少し安心をいたしました。引き続き、内外に向けての周知をお願いいたします。  次に、ヤングケアラーの実態把握について伺います。  さきの第2回定例市議会代表質問では、町田副市長より、ヤングケアラーの実態について調査を行うとのご答弁をいただきました。全国で行われているこのヤングケアラーの実態調査は、厚生労働省の調査研究事業のほか、埼玉県における実態調査や、日本ケアラー連盟が自治体に協力を得て行った調査など幾つかありますが、いまだ調査の実施事例が大変少なく、ヤングケアラーの詳細な実態把握には至っていないのが実情です。  このような状況の中で、先日、厚生労働省が全国の教育現場を対象とした初の実態調査を今年12月にも始める方針であり、また、来年の3月頃までにまとめるなどとの報道がありました。  そこで、質問ですが、札幌市が行う実態調査について、これまでの検討状況を伺います。 ◎山本 子ども育成部長  ヤングケアラーの実態に関する調査の検討状況についてでございます。  札幌市では、保健福祉局、子ども未来局、教育委員会の係長職によります検討を今年9月から開始し、全国で行われている調査の手法や結果を研究しているところでございます。また、報道によりますと、厚生労働省がこの冬に行う予定の実態調査は、表面化しにくいヤングケアラーの現状をつかむために教育現場を対象に調査が行われるとのことでございまして、ヤングケアラーの実態把握に大変参考になるものと考えております。  ヤングケアラーの実態に関する調査については、厚生労働省が行う実態調査の内容や手法、その結果も踏まえ、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  改めて、国が、教育現場に対し、実態調査を実施するということに当たりまして、今のお話では、本市が、これまでも、先行して調査する意向をまず示し、そして、この間にも準備を進めていたこと、ここは高く評価したいと思います。  このヤングケアラーの実態調査の検討については、関係局が連携して検討を進めているとのことでありました。  そこで、改めて伺いたいと思います。  今後のヤングケアラーへの取組については、より一層、関係局が連携していくことが重要と考えますが、庁内の連携についての考えを伺います。 ◎山本 子ども育成部長  ヤングケアラーへの取組に関する庁内の連携についてでございます。  ヤングケアラーに関する取組については、子どもたちと関わりの深い教育委員会ですとか、保健福祉サービスに係る制度を所管しております保健福祉局、また、子どもの権利の侵害からの救済を担う私ども子ども未来局など、関係する部局間での庁内連携が重要であると認識をしております。  ヤングケアラーの情報共有や実態把握などの検討については、これまで関係局で連携を行っているところでありますが、今後も引き続き、子どもの権利総合推進本部などを活用しまして、連携をしっかりと図り、対応してまいりたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  代表質問のときに引き続きまして、力強い答弁をいただいたと思っております。  このヤングケアラーを取り巻く状況や問題は、今始まったことではありません。私自身も、こうした子どもたちを何人も見てきておりますし、また、子どもたちに密接に日々関わり、また、そういったことを行政の支援につないだといった児童福祉施設などのお話も見てきております。  こうした調査をするということで、子どもたちの存在、このようなヤングケアラーのような子どもたちのことを多くの市民がまた理解し、寄り添うことにもつながると思いますので、ぜひとも、この調査については、札幌市独自の視点というものも盛り込んで調査をしていただくことを求めておきます。  また、この調査の後には、実態に合わせまして細かい支援を行っていく体制を整えていく、そのためにも、子ども未来局、教育委員会、保健福祉局をはじめ、多くの部局が関わらなければ成り立ちません。本市に暮らす全ての子どもたちが、安心して笑顔で毎日を過ごすことができるよう、連携しながら取り組んでいただくことを申し上げまして、私の質問を終わります。 ○小形香織 委員長  ここで、およそ20分間休憩に入ります。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時30分       再 開 午後3時50分     ―――――――――――――― ○岩崎道郎 副委員長  委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆くまがい誠一 委員  私からは、子どもの屋内での活動の促進について質問させていただきます。  本年は、コロナ禍の中、子どもたちが伸び伸びと活動する場というものが非常に制限されていると感じております。そうした中、夏休み明け頃から、公園で遊ぶ子どもの姿も見かけるようになりましたが、特に、幼児から小学校低学年くらいまでの子育て世代の家庭から、子どもを安心して遊ばせることができる場がもっとあればよいのにというお声をお伺いしており、私も、同世代の子を持つ親として同じように感じているところでございます。特に、これから寒い時期を迎えることになり、新型コロナウイルス感染症のほか、インフルエンザ等の感染症にも気を配らなければならず、ますます子どもの遊びが制限されるのではないかと懸念しております。  札幌市内には、天候がよくない日や冬場に利用できる屋内の公共施設としては、南区の滝野すずらん丘陵公園や白石区の川下公園などにそういった場所があり、非常にすばらしい施設でもありますが、少し離れたところで、アクセスもよいとは言えず、狭いスペースに中学生ぐらいの生徒が混在して遊んでいたりと、安全面でも課題があると感じているところでございます。  そうした中、先般、会派としても、屋内の子どもの遊び場に視察に行っており、例えば、旭川市のもりもりパークや千歳市のピッピちとせ、道外では、栃木県足利市のキッズピアあしかがといった施設ですが、いずれも交通の便のよい市内の中心部にあり、また、商業施設に設置されておりますが、大変な盛況ぶりで、本市にも子どもが伸び伸びと遊べる環境がもっとあればと思うところでございます。  また、近年、子どもの体力の低下も指摘されており、扁平足の子どもも増えてきているとの報道も耳にいたしますし、外遊びの減少や運動する子どもとしない子どもの二極化傾向により、子どもたちの運動能力の低下も指摘されております。学校やクラブでスポーツに取り組むことはあっても、こうした場から一歩離れると、元気に活動できる場は限られていると感じております。そうした子どもの体力向上という観点からも、特に、安全面を含め、様々な配慮が必要な幼児から小学校低学年くらいまでの子どもが伸び伸びと活動する環境が必要と思うところでございます。  そこで、質問ですが、屋内での子どもの活動について、子ども未来局としてはどのように取り組んでいるのか、その現状をお伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  取組の現状についてでございます。  子どもの屋内での活動については、放課後の子どもの遊び場や生活の場の提供という観点から、18歳までの子どもが様々な遊びや世代間交流を体験できる児童会館事業を展開しております。また、就学前の子どものいる子育て世帯を対象とした取組としては、社会全体での子育て支援の充実という観点から、児童会館などにおいて子育てサロン事業を展開してございます。こうした取組を通して、安心して子どもを産み育てられる環境の充実とともに、子どもの成長を支える活動の場を提供しているところでございます。 ◆くまがい誠一 委員  児童会館事業や子育てサロン事業など、子ども未来局における現状の取組については理解いたしました。  先ほども申し上げましたが、我が会派にも、子育て家庭から、悪天候時や冬場に向け、子どもを安心して遊ばせることができる環境の充実に関する要望が多数寄せられており、私も、再三申し上げますが、同世代の子を持つ親として強く感じてきた本市の課題と思っております。  そこで、質問でございますが、そうした市民のニーズに応え、他の自治体で見られるような屋内型の施設など、子どもの屋内での活動について一層促進させていく必要があるのではないかと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  屋内活動の促進についてでございます。  促進に係る具体的な取組といたしましては、児童会館事業におきましては、ダンスやスポーツといった体を動かすクラブ活動などを行っているほか、スポーツ大会を行うなど、屋内で子どもたちが伸び伸びと遊べる事業を展開しております。また、子育てサロン事業においても、平成28年8月には、都心部に利便性の高い常設の子育てサロン、おおどりんこを開設したほか、ちあふるや児童会館のホールを活用して体を動かすことができる環境を整えるなど、子育て家庭を支援する取組の充実を図っているところでございます。  このように、既存の施設において効果的な事業を展開することで、子どもたちが日常的に体を動かす活動などを行うことが可能となっており、今後も引き続き、これら既存の取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。 ◆くまがい誠一 委員  現状の取組については、一定程度、評価させていただきます。  今後は、それらの取組に加え、新たに季節や天候に左右されない屋内型の遊び場を整備していくことも視野に入れていただければと思います。  そうした場は、子どもたちの知力、体力の発達に役立つとともに、多世代交流の場となるとも考えます。また、集客力のある場は、多くの子育て家庭の交流を生み出す拠点として、孤立しがちな家庭を社会へつなぎ、適切な支援に早期につなぐ役割もあると考えています。必ずしも公設にこだわるものではありませんが、官民連携も視野に入れたり、他の自治体の例も参考に、本市にも屋内型の遊び場をさらに整備することについて、まずは研究し、検討していただくことを要望して、私からの質問を終わらせていただきます。 ◆千葉なおこ 委員  私からは、母子生活支援施設について、幾つかお伺いいたします。  母子生活支援施設は、札幌市ひとり親家庭等自立促進計画の中で、子育て・生活支援の基本施策のうち、生活支援の推進として位置づけられております。母子生活支援施設は、児童福祉法に基づく施設で、様々な困難を抱える中でも、母と子が離れ離れになるのではなく、一緒に生活をしながら、困難を乗り越え、母と子が再び社会で生活が送れるようにと母子生活支援と自立支援を行っていく大変重要な施設であります。  初めにお伺いいたしますが、本市の母子生活支援施設の現在の状況について、市内施設数と入所世帯数についてお伺いいたします。  また、どのような経路で入所に至るのか、入所を担当する窓口における相談件数も併せてお伺いいたします。 ◎竹田 子育て支援部長  母子生活支援施設の施設数、入所者数、入所に至る経路、また、相談窓口の相談件数についてのご質問でございます。  札幌市では、現在、五つの母子生活支援施設が運営されておりまして、そのうち4施設は札幌市の認可を受けた民営施設で、残りの1施設は市有施設になっております。そして、施設に入所している世帯の合計数は、定員100世帯のところ、9月末時点で70世帯になっております。  入所に至る経路につきましては、施設や入所手続の窓口である各区の保健センターに相談がある場合や、生活保護やDV相談などの関係機関から案内される場合など、様々ございます。入所に係る相談窓口である各区の保健センターにおいては、令和元年度中に母子・婦人相談員が受けた相談件数は、全区の合計で175件でありました。 ◆千葉なおこ 委員  先ほどからの質疑においても、本当に、今、あらゆる面で相談内容も多様化していたり、あと、件数も増加している、本当にますます深刻だと感じております。全国では、今、母子世帯や子どもを取り巻く社会環境の変化などから、支援を必要とする世帯は増加傾向にあると言われております。  しかし一方で、母子生活支援施設は、全国で施設数や利用世帯数が減少傾向にあります。全国母子生活支援施設協議会では、このニーズと現状のミスマッチに対応して、社会環境の変化に見合った支援施設の長期にわたった大きなビジョンが必要であるというふうに報告しておりました。母子の抱える課題は様々でありますけれども、共通して求められているのは、必要なときに希望する支援を提供することができる、そうした支援体制だと思います。  そこで、お伺いいたしますが、自立までの課題にどう支援し、取り組んでおられるのか、また、本市では、各施設の母子の自立支援状況の把握、これをどのように行っておりますのか、伺います。 ◎竹田 子育て支援部長  自立支援の体制に関するご質問でございます。  各施設では、入所者と面談の上で、個々の自立支援計画を策定しまして、施設長のほか、母子支援員や少年指導員、保育士などが、福祉事務所などの関係機関と密接に連携しながら、各世帯の状況に応じた支援を行っております。
     なお、区の保健センターでは、入所決定に当たって、入所者の処遇についての方針を立てておりまして、入所後は、施設と連携しながら、入所者の状況把握に努め、各施設での支援が効果的に行われるよう必要な指導をしているところでございます。 ◆千葉なおこ 委員  環境の変化という点では、母子が抱える困難な課題も多様化して、職員が獲得しなければならない支援スキルも増えていることから、専門職としての果たす役割もますます重要になっております。特に、DV被害や児童虐待を理由にした入所は、年々、増加傾向にあると言われており、一層の専門的な支援が求められていると思います。施設が適切な支援を行えるよう、ぜひ、本市が、積極的に、研修会の参加など、そうした案内をするなどして連携を取っていただくことを求めます。  私は、以前、入所していた方からお話を聞く機会がありました。自立するまでに8年かかったということから、相談や支援体制について改善を求めたいというようなご意見をいただいております。  5年前に、北海道大学大学院教育学研究院が、北海道の母子生活支援施設の現状について調査しております。市外の施設も含まれてはおりますけれども、アンケート結果を見ますと、居住期間については5年以上の方が最も多いという結果でありまして、退所に向けての考えについて、これを聞いたところ、早く退所したいが、まだ見通しが立たない、退所の見通しは立っていないという方が多いという、そういった結果が出ております。  そこで、お伺いいたしますが、本市は、こうした母子世帯の課題解決のためにはどのような支援が今後必要だと考えますか、お伺いいたします。 ◎竹田 子育て支援部長  入所世帯の課題解決に向けた支援についてのご質問でございます。  入所世帯の課題は、多様かつ複雑でありまして、その解決に向けて必要となる具体的な支援も様々ございます。また、自立までに要する期間も、各入所者の抱える問題の状況によって一様ではない状況にあります。入所者の意欲を自立に結びつけるためには、自立支援計画において、各入所者の課題や目標を明確にして、関係機関と連携しながら、それぞれに適した支援を効果的に行うことが重要であると考えております。 ◆千葉なおこ 委員  計画をきちんとして、問題を明確にしていくといったご答弁でありました。  調査アンケート結果によりますと、最も悩んでいることは経済的なことであり、世帯年収も200万円未満が68%となっております。利用者からの施設への相談内容では、就労に関してが最も多く、次に経済的課題、健康課題、子どもの病気・障がいなどの課題となっておりました。また、雇用形態は、正社員が29%、臨時、パートタイマー、派遣社員が64%であり、安定した収入で自立した生活を行えるための就労先や資格の取得など、情報提供を行うとともに、母親が働きやすい環境整備などが必要ではないかと考えます。  もちろん、経済的自立だけではなく、精神的にも自立しなければ家庭生活の安定はなかなか難しいのではないかとも考えております。母子生活支援施設は、子どもが18歳になれば施設を退所することになりますから、退所後のアフターケアも重要であるというふうに考えます。母子が継続して自立した生活を送れるよう、プライバシーにも配慮しながら、退所後もぜひ適切なサポートが行われるように求めます。  次に、老朽化している施設の改築についてお伺いします。  いただいた資料によりますと、5施設のうち、先ほども答弁にありました1施設が札幌市しらぎく荘、これの設置主体は本市であります。そして、指定管理で運営されております。残りの4施設については、法人ということでした。  築年数を見ますと、それぞれ、札幌市しらぎく荘は築46年、すずらんは築38年、伏見寮は築31年、もいわ荘は築40年、あいりん荘は築2年となっております。あいりん荘に関しては、アクションプラン2015で事業計画され、改築されました。  どの施設も築年数が経過しておりまして、老朽化が心配なところです。実際に、東区にあった築24年経過の母子生活支援施設は、2018年の胆振東部地震での被害がありまして、現在休止中であります。古い施設順でいきますと、札幌市しらぎく荘が、今のところ、先に改築になるのではないかなというふうに感じているところです。こちらの施設は、お風呂とトイレが共同なことや施設が古いということから、母子の入所に至らない場合もあるというふうにお聞きしています。  そこで、お伺いしますが、2019年アクションプランでは、母子生活支援施設改築費補助事業として計画事業費が2億3,600万円となっております。改築計画は、今現在どのように考えておられますか、お伺いします。 ◎竹田 子育て支援部長  老朽化した施設の改築についてのご質問でございます。  入所者の生活環境を良好に保つという観点から、施設の老朽化への対応の必要性は認識しておりまして、アクションプラン2019の計画期間中に、民営の認可施設1施設の改築について補助することを予定しております。  母子生活支援施設の入所世帯数は現在減少傾向にあり、その背景には、施設の老朽化のみならず、時代の変遷とともに母子家庭の状況やニーズが変化し、それに応じて母子家庭に対する支援が多様化していることも挙げられます。  こうした変化も踏まえながら、残りの施設の老朽化対応についてもできるだけ速やかに進めていきたいと考えており、母子生活支援施設全体の在り方に関する中長期的な方向性も含めて検討してまいりたいと考えております。 ◆千葉なおこ 委員  母子生活支援施設は、様々な理由で支援が必要な母と子の権利擁護と生活の拠点ですので、公設である札幌市しらぎく荘をはじめ、母子生活支援施設が、こうしたハード面でも、困難を抱えている母子にとって安心して住める施設であることを求めまして、私からの質問を終わります。 ◆山口かずさ 委員  私からは、保育ニーズへの対応についてお伺いします。  まず、保育所等の申込み状況についてです。  札幌市においては、待機児童対策として継続的に保育所の整備等を行ったことにより、2020年4月1日時点における国定義の待機児童数は、昨年度と同様にゼロにはなっています。しかし、国定義に含まれない、例えば、特定の保育所に我が子を託したいという広義の待機児童については、同じく今年4月1日時点では約1,900人と、昨年度と比較して100人ほど減少してはいますが、依然として、多くの子どもたちが保護者の希望どおりの保育所等に入所できていない状況になっています。  さらに、待機児童に関連する状況について見てみると、就学前児童数は昨年度より約1,600人減少しているのに、保育所等への申込み児童数は約1,100人の増加となっていて、少子化が進む一方で、保育ニーズが増加傾向にあることが分かります。今後、待機児童対策を進めるに当たっては、このような少子化の進行や保育ニーズの高まりについて、きちんと傾向を把握しておく必要があると考えています。  そこで、質問です。  就学前児童数が減少している中、申込み児童数が増加している状況について、札幌市としてどのように認識しているのかをお伺いします。 ◎加茂 支援制度担当部長  就学前児童数が減少する中、申込み児童数の増加している状況に対する認識でございます。  札幌市では、保育サービス等に係る市民アンケート調査の結果等を踏まえまして、今年3月に、第4次さっぽろ子ども未来プランにおいて、教育、保育等に関する需給計画を定めておりまして、これに基づき、保育の受皿の確保を進めているところでございます。子ども・子育て支援新制度が開始いたしました平成27年から今年までの5年間で、就学前児童数は約5,000人減少している一方、申込み児童数は約6,900人増加をしておりまして、この傾向につきましては、未来プランの計画値のほうに反映をさせているところでございます。  このように保育需要が高まっている背景として考えられることは、これは北海道の数字でございますけれども、新制度が開始した平成27年から昨年までの4年間で、女性の就業率は68.8%から77.2%と8.4%増加をしており、女性の社会進出が進んでいるということが大きく影響しているものと思われます。 ◆山口かずさ 委員  女性の社会進出が進むことで保育ニーズが増加しているということについては、私もそのとおりだと思います。昨年度から始まった幼児教育・保育無償化で、これまでは収入と保育料の見合いで働くことを選択してこなかった方たちも、無償であるなら働きたいというニーズの増加、コロナ禍による影響によって世帯の収入が減ったことで、今まで育児等に専念していた女性が働き始める等の、新たに保育を必要とする世帯が増えているのではないでしょうか。札幌市でも、女性の働きを応援している事業ももちろんたくさんありますし、今後も同様の傾向が続いていくと思いますので、引き続き、保育ニーズを適切に把握することで、子育て世代が安心して働ける環境整備に取り組んでいただきたいと思います。  次に、入所選考に当たっての利用調整の考え方についてお伺いします。  広義とはいえ、一定数の待機児童が発生しているこの札幌市で、認可保育所と認定こども園の保育所部門への来年4月入所申込みが、まずは11月2日から30日という期間で行われます。子どもを保育所に預けて仕事をすることができるかどうか、それは、保護者の就労や世帯の状況に応じてつけられる点数が高い順に入所できるという利用調整で決まります。ですので、多くの保育所等では、受入れ枠よりも申込数のほうが多く、競争になることから、これから申込みをされる方たちにとっては、入所選考の際に用いられる点数をどれだけ得られるのか、この利用調整が大きなポイントになります。  そこで、質問です。  利用調整の点数付与において、就労する女性に配慮した措置がなされているのかどうかをお伺いします。 ◎加茂 支援制度担当部長  利用調整の点数付与における就労女性に対する配慮についてでございます。  札幌市においては、保育所等の入所調整を行うに当たり、利用調整基準というものを定めております。まず、就労や出産、疾病、障がいなどといった保育の必要な事由に基づき、まず基礎的な点数を付与いたしまして、さらに、ひとり親、育休明け、兄弟姉妹の入所状況といった世帯の状況に応じて各種の加点を行うという形で点数計算を行っているところでございます。  この加点のうち、就労する女性に配慮している部分としては、まず、産休明け、育休明けで復職する保護者に対し、40点の加点を行っております。また、同じく、産休明け、育休明けで復職する場合であっても、既に兄弟姉妹が入園している状況で、第2子以降の入園を申し込む場合においては、40点よりもさらに高い100点の加点を行っているところでございます。 ◆山口かずさ 委員  就労する女性に配慮している部分としては、保育所等に入所しやすいように、産休明け、育休明けで復職する際に、条件に応じて加点を行っているということでした。  しかし、育休、産休という制度の対象者は、会社勤めの人のような、いわゆる被雇用者です。女性の社会進出の手法としては、被雇用者として働く以外にも、例えば、古着屋さんを開店したり、翻訳業を開始したり、セミナー講師やセラピスト、福祉事業所を開設したり、いろいろな形があります。このコロナ禍の影響で、ある専門学校では、在宅勤務に活用が可能なウェブデザインの講座が活況になっており、女性の受講者がとても多くなったという話も聞いています。  自ら創業したい、また、特定の会社や団体に所属せずに仕事に応じて契約をしたいと考える女性が増えてきている中で、いざ、子どもを産み、育てながら働くとなったときに、自営業、個人事業主、フリーランスだからという理由で子どもを保育所に入れることが難しいという現実がこの札幌市では待っているということを知って、愕然とする女性も多いのではないでしょうか。  自営業等という働き方を選択したことで、出産、育児等を経て仕事に復帰しようとした場合に、被雇用者ではないから加点措置の対象とならないということは、先日の新聞報道にもあったところです。国からは、2017年12月28日付で、多様な働き方に応じた保育所等の利用調整等に係る取扱いについてという通知が各自治体に出ています。その中には、各自治体は、育児等に伴い、休業する自営業等の保護者においても加点等について配慮するようにという旨が記載されています。  そこで、他政令市の状況をヒアリングしてみました。ヒアリングで回答を得られた13市中、就労証明書において、育児のため休業し、その後、復職する旨、記載されている場合は、自営業等であっても加点していると答えた市が5市ありました。また、育児休業明けの加点措置がないため、会社等勤務と自営業等の差異はないとしている市は3市でした。つまり、13市中、残りの5市だけが、札幌市と同様の育児・介護休業法に基づいた育児休業を取得している世帯のみを対象としているとの答えでした。  以上のような状況を踏まえて、私は、自営業や個人事業主、そしてフリーランスの方たちも、会社勤めの方たちと同様に、産休明け、育休明けの加点を行うべきと考えています。  そこで、札幌市としてのお考えをお伺いします。 ◎加茂 支援制度担当部長  自営業者等を加点対象とすることについてでございます。  委員がご指摘のとおり、札幌市においては、育休等の制度を利用して勤務先に復帰する保護者を加点措置の対象としており、自営業等の場合については加点対象とはしておりません。  先ほどお話のございました平成29年度の国の通知に基づき、札幌市においても、自営業等を加点対象に含めるかどうかについて内部検討を行った経緯がございます。結果、その時点におきましては、例えば、会社勤めの保護者の方々は、育休等の制度を活用していた旨、雇用主等に証明してもらった上で加点対象としている一方、自営業等の場合は自己申告に基づく形となることから、加点を行う上で若干課題があるという議論もございまして、他都市の状況等も踏まえて引き続き検討するとして、現在に至っているところでございます。  昨今のコロナ禍によって働き方が多様化していること、また、育休を取得するということが一定程度定着をしてきているという状況にもあることから、その点も踏まえまして、産休明け、育休明けの加点措置の在り方について改めて検討を行ってまいりたい、そういうふうに考えております。 ◆山口かずさ 委員  自営業等の方たちからは、仕事をしなくては生計を維持することができないのに、こんな状況の中、自分たちはどうしていけばいいのかと、切実な声が私にも届いています。入所できるまで仕方ない、もう1年、チャンスを待ってくださいなんていかない状況があることはご存じかと思います。  早急に、会社勤めの方と自営業等の方とで入所選考の際に用いられる点数に差が生じない働き方の選択ができるまちにしていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。 ◆竹内孝代 委員  私からは、保育所等における諸課題について、順次、質問をさせていただきます。  札幌市において、今年2月、市内の保育所や幼稚園、保育士養成校等を対象に、保育士に関する在籍人数や給与、また、確保状況、養成課程の卒業生の進路先等に関する実態調査を実施しまして、その結果がこのたび取りまとめられました。これまで私が直接お聞きしてきました保育業界の運営者、職員、子どもを預ける保護者からの直接の声と、今回の調査結果を踏まえて、幾つか伺ってまいります。  まず初めに、これまで繰り返し質疑等で取り上げてまいりました保育人材の確保について伺います。  今回の調査において、市内の約3割の施設で、保育士不足を実感しているとの結果が出ており、昨今叫ばれております保育士不足の状況が数値としても明らかになったところであります。  このような状況の中、特に、今年は、コロナ禍において保育士の採用環境にも影響が生じているのではと心配をしています。例えば、保育士の養成課程においては、例年、保育所等の現場で実施をしております保育実習の回数の減少、また、実施時期の遅れ等の事象が発生しており、また、それに伴って就職活動の時期もやや遅れが生じているというふうに聞いております。また、例年、札幌市などが開催をしております合同施設説明会等のイベントも、秋口までに予定されていたものは全て中止となるなど、保育士養成課程で学んでいる学生や保育士を採用する保育所等においては、就職活動に対して漠然とした不安が広がっているといった声もあります。志を持って保育業界に飛び込もうと決意をしている学生を、採用を必要としている保育施設に確実につなげていくには、札幌市のサポートが必要だと考えます。  そこで、質問ですが、このように、採用する側、応募する側の双方が、例年とは異なる状況の中で就職及び採用活動を行う中、保育人材の確保に係る現状に対する札幌市の認識と、現状に対して何か対策を講じるべきと考えますが、今後の取組についてそれぞれお伺いいたします。 ◎加茂 支援制度担当部長  保育人材の確保の現状に対する認識と対策についてお答えいたします。  このコロナ禍によりまして、採用する側の保育所等各施設と採用される側の学生や潜在保育士との接触の機会が減少するなど、採用に関わる環境に変化が生じておりまして、関係者それぞれが採用及び就職活動に対する困難さを覚える場面が多くなってきているというふうに認識をしております。  この現状を踏まえまして、密を避ける形での採用のきっかけづくりが必要であると考えており、具体的には、従来は対面にて実施してまいりました施設説明会、これについて、今年度は実施方式をオンラインに変更いたしまして、12月に2回ほど開催をする予定でございます。  また、このオンライン形式を採用することで、従来の対面型では参加が困難でありました遠隔地の学生なども参加しやすくなるというメリットもございます。幅広く応募者が参加いただける環境が整いますことから、来年度も同様の手法で実施回数をさらに拡大して行うことを検討しており、この説明会をきっかけに、コロナ禍においても就職・採用活動が活発化することを期待しているところでございます。 ◆竹内孝代 委員  これまで秋に行っていた施設説明会を、今回は形を変えて12月に2回、また、今後はもう少し回数を増やしながらオンライン形式でという答弁でありました。これは、採用する側、そして応募する側、双方にとって非常にメリットのあるものと考えますけれども、初めての試みでもありますので、実施に当たっては大変難しい面もあるかとは思いますが、保育士の確保というのは札幌の保育行政の根幹を支えるものであるため、ぜひとも成功をさせていただきたいと思います。  次に、待機児童対策につながっていく保育コーディネーターについてお聞きをします。  今般のコロナ禍によりまして、一部世帯では、世帯収入が減少する等の事態が発生し、この事態に対応するために、今までは家事や育児に専念をしていた保護者が、新たに働き始める等の状況が予測をされております。このように、新たな保育需要が発生している状況の中で、保護者としては、子どもを預ける、イコール保育所というイメージが湧きやすいのですが、実際の子どもの預け先の受皿としては、保育所以外にも、認定こども園であったり、幼稚園の一時預かりであったりと多様なサービスが供給をされております。  本市は、国定義による待機児童数は、先ほど何度かお話に出ておりましたけれども、ゼロになったものの、希望する園に行くことができずに待機をされる児童数というのは、昨年4月現在で1,947人、今年4月現在で1,869人と、昨年から78人減少し、微減傾向にはあるものの、依然として一定数いらっしゃいます。これまで、本市は、平成25年度以降に、各区役所に、順次、保育コーディネーターという職員を配置しまして、市民の保育ニーズの内容を丁寧に聞き取りながら、そのニーズに合った多様な保育サービスを積極的に情報提供するなど、丁寧な対応をされているということは承知をしております。  しかしながら、このような子どもを預けたい保護者のニーズに合った園を紹介するというすごく細やかな対応を行っている職員が区役所にいることについて、一部市民からは、知らなかった、知っていたら利用したかったといった声があります。  そこで、質問ですが、この保育コーディネーターの対応により、実際に入所が実現した実績と、今後の市民への周知方法についてどのように考えているのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  保育コーディネーターに関する実績とPR方法についてでございます。  まず、保育コーディネーターの相談を受けた実績についてでございますが、昨年度は全区で約1万件、1区当たり月平均90件程度の相談を受けております。その相談の中で、実際に入所に至った実績につきましては、それが相談の成果によるものなのか、または、保護者側の事情によるものなのか、なかなか線引きが難しいため、入所に至った実績という詳細な件数は把握しておりません。  ただ、入所につながった相談の実例といたしましては、保育所のみを希望する保護者に対して、預かり保育を実施している自宅近くの幼稚園を紹介したり、自宅近くの保育所のみを希望する保護者の方に対しまして、通勤途上にこのような保育所がありますよというようなことを紹介するなどして、入所につなげていったという実例がございます。  一方、委員がご指摘のとおり、保育コーディネーターの認知度につきましては、改善の余地もあるというふうに考えております。  今後は、従来の広報さっぽろでありますとか、子育てガイドへの掲載といったPRの手法に加えて、例えば、区保健センターで実施しております乳幼児健診等の機会なども捉えまして、必要とされる世帯に対し、的確にPRを行うなど、認知度の向上に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆竹内孝代 委員  相談件数が1万件ということで、大変にいろんな方に活用いただいているということ、また、もう少しコーディネーターの周知については検討が必要なんじゃないかといったご認識で、今後は、健診等に訪れる保護者の方に、ダイレクトで必要な方々に周知がされるということで、安心をいたしました。  この保育コーディネーターの存在というのが、今まで以上に市民の方々に知っていただくことで、今回取り上げております国定義以外の待機児童数の減少にも効果があると考えております。また、結果的に助かった、よかったという保護者も増えていく取組だと思っておりますので、積極的な広報に努めていただくことを求めます。  今まで、コロナ禍に関わって、保育人材確保という観点、また、利用する市民の観点のそれぞれからお聞きをしてまいりましたが、最後に、保育所等を運営する園の立場から質問をさせていただきます。  公明党は、2年前に、全国で100万人訪問・調査運動を実施しまして、生活に身近な子育て、介護などについてアンケートを行い、私も、地元地域をはじめ、市内各地でヒアリングを行ってまいりました。また、昨年は、幼児教育・保育の無償化に関する実態調査にも歩かせていただきまして、この二つの取組を通じて、私自身、前職で携わってまいりました保育業界の方々からのヒアリングで、事務処理に関するお困り事について多くのご相談をいただきました。  現在、保育所等の施設を運営するに当たっては、園は、各自治体に対して所定の手続を経た上で運営費を申請し、給付を受けております。この各施設が、自分たちで利用児童の状況や保育体制といった様々な項目を書類に落とし込み、自治体に対して申請することで給付を受けられる仕組みとなっております。例えば、こういった申請について、書類作成に大変時間がかかってしまうとの声がありました。またさらに、平成27年度からの子ども・子育て支援新制度や、昨年度スタートしました幼児教育・保育の無償化等、国の新たな制度が順次行われている中で、申請書類の作成等に従来以上に手間がかかり、困っているとの現場の声を受け、これまで議会でも取り上げてきたところであります。  そこで、質問ですが、札幌市においては、この事務負担増大に対してどのような認識をしているのか、また、これまで市としてどのような対応を行ってきたのか、初めに伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  保育所等におけます事務の増大に関する現状認識及びその対応についてでございます。  保育所などの各施設から給付費を適切に申請をしていただくためには、子ども・子育て支援新制度に関する基礎的な知識を習得した上で、度々行われます制度改正などにも適宜対応しながら事務を進めていただくという必要がございます。加えて、給付費以外にも、必要に応じて関連する補助金の申請を行っていただく機会も多く、保育所においては、それらの対応に多くの時間が割かれているという実情があるというふうに認識をしております。  これまで、札幌市としては、申請様式の改善、制度や事務手続に係る説明会の開催、個別の相談対応の実施や、理解が難しい項目につきましては、積極的に助言、説明するなど、様々な対応をしてきたところでございます。 ◆竹内孝代 委員  事務負担が増えてきているといったことはご認識されている、また、札幌市でも様式の改善とか、また、説明や相談対応といった適宜行ってきた取組については理解をいたしました。  しかしながら、それだけでは、大きく状況は改善しないのではないかと危惧をしております。特に、保育所では、園長や主任等がこういった書類申請等を行うことが多いのですが、こういった事務処理の経験が少ないために戸惑う場面も多く、実際に、私もこういった業務を行っておりましたが、監査時や年度末、年度初めの提出書類はもちろん、毎月の申請書類の作成を行いながら、本当なら、職員の人材育成や保護者対応、また、子どもとの関わりに時間を割きたいと思いながら、パソコンに向かって申請を行ってまいりました。  この給付費の申請においては、事務ノウハウのほかに、職員の勤務条件といった人事労務に関する知識なども必要であります。またさらに、コロナ禍に伴って、保育所側は施設の消毒等をはじめとした感染予防策、札幌市においてもコロナ予防に係る補助金等の給付事務など、新たな事務が増えてくる中、ウィズコロナ、アフターコロナのことを考えると何かしらの改善策が必要だと考えます。  そこで、質問ですが、このような状況を踏まえて、今後、札幌市として改善策を講じるつもりがあるのか、あるのであれば、具体的にどのような対応を行っていくのか、伺います。 ◎加茂 支援制度担当部長  事務負担軽減に関する今後の対応についてでございます。  各保育所等からは、制度の複雑さ、それから事務量の多さなどについての改善要望があることは承知をしておりまして、何らかの改善策の構築が必要であろうというふうに思っております。  そこで、札幌市主導の下、書類作成において必要となる専門的な知識を有する団体、企業と連携協定を結びまして、保育所等が専門家の方々に直接相談できる体制を整えていきたいというふうに考えております。具体的には、今年度、社会保険労務士、それから行政書士などの団体、企業と連携をして、保育所等における書類作成を支援するといった事務負担軽減を目的とするモデル事業を実施する予定でございます。  あわせて、この中で課題の抽出なども行い、将来的には、保育所等が専門家である団体、企業から個々に必要となるサポートを受けられる形、ひいては、今まで以上に保育に専念できる体制を整えられるように、札幌市としても支援をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆竹内孝代 委員  何らかの改善策が必要ということで、今、様々答弁がございました。社労士さん、行政書士さん等の専門家の方々の支援をいただいて、保育所の事務負担軽減を図っていくモデル事業をスタートさせて、また、将来的に各園でも使っていけるような、そういった取組につなげていきたいといった答弁だったと思います。こうした各企業・団体の強みを生かした連携協定を結んでいくということは、大変理解をいたしましたし、モデル事業についても、本当に全国的にも聞いたことがない、本当に先進的な取組であるというふうに思います。  現在の運営費給付の制度については、自治体レベルでの申請手続の大きな簡素化というのは難しいと私も感じております。他の自治体でも、保育現場はもちろん、審査する側の札幌市の行政側も、制度の難しさ、手続の複雑さに苦労しているというふうにも思います。  私は、札幌市内をはじめ、道内各市町村の保育現場の方々と意見交換をさせていただく機会があるのですが、その中でいろんな方々がおっしゃっていたのは、今般、コロナ対策において、国の医療従事者、また介護職員の慰労金に加えて、札幌市が独自で保育士に対して慰労金を給付したこと、また、先般の新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会の質疑でご答弁をいただきましたけれども、今後、第3波に備えて、札幌市が、本当に各園が共有できるようなQ&Aであったり、様々な事例について取りまとめを行って提示していく準備をしていること、また、保育人材確保のためのセンター、さぽ笑みの取組など、これまで、札幌市が新しい取組を始めると、それがきっかけで北海道が動いたり、また、それによって各市町村として取り組みやすくなることが多いので、札幌市には大変期待をしているんですといったお声を何度も伺ってきました。道都札幌の使命の大きさを再認識しまして、今回の新たなこういった取組も、他の自治体にとっても大変励みになるものになるかと思います。  今回の連携協定のように、札幌市が潤滑油的に専門家と保育所等の橋渡しをするということで、審査する側の札幌市、また、申請者である保育所等における事務負担の軽減が進むということは、これまで抱えてきました課題の改善に大きく寄与するというふうに考えます。  また、この改善によって、現場では保育などのコア業務に専念ができる、またさらには、徹底した感染症対策を踏まえながら、より質の高い保育の展開につながっていくのではないかといったことを期待いたしまして、私の質問を終わります。 ◆太田秀子 委員  私からは、子どもの貧困対策計画について質問をいたします。  子ども、若者やその世帯の家庭生活、教育、就労等の実態を把握することを目的として実施しました2016年度の本市の実態調査では、様々な課題が明らかとなりました。これらの課題に対応するために、2018年3月、2022年までの5年間の計画として、子どもの貧困対策計画が策定されています。策定時、市長は、困難を抱えている子どもとその家族への支援に全力で取り組んでいくための出発点、この計画を基に、全ての子どもが、毎日を安心して過ごしながら、夢と希望を持って成長していくことができる社会の実現に向けて全力で取り組むと述べております。  来年度は実態調査を行うとのことでありますので、貧困対策計画の現在の進捗状況などを伺います。  貧困対策計画は、基本施策1から5、10の指標でできています。困っている子ども、世帯を支援につないでいくところが一番大切であり、特に推進すべきものと位置づけて、困難を抱える子ども・世帯を早期に把握し、必要な支援につなげる取組の推進を施策の1番目に掲げています。それは、区役所の相談窓口に子育てや生活について相談する方法を知らなかった世帯の割合を、調査のとき、2016年は6%いましたから、2020年には0%、知らない人がいないようにする、そのために適切な支援につなげるコーディネーターを配置してきました。  コーディネーターについては、先ほど質疑がありましたので、具体的な数字は飛ばしますけれども、この10の指標は、毎年調査しているものが六つ、毎年と言いましても、2016年の当初値があり、以降、計画ができた2018年、2019年に調査・把握し、そして、2022年にも行うということです。ほか、5年ごとに調査するものが四つ、2022年に1回調査するということです。  ここで、伺いますけれども、毎年把握している六つの指標のうち、特徴的な変化、内容を伺います。 ◎山本 子ども育成部長  毎年把握している指標の変化についてでございます。
     札幌市の計画におきましては、委員からご指摘のありましたとおり、基本施策ごとの指標を全部で10項目設定しており、6項目は数値の変化を毎年把握することが可能であり、残りの4項目は5年ごとの実態調査により把握しております。  毎年把握できる指標について、例えば、妊娠・出産や子育てについて相談相手や情報収集手段があり、相談等により不安や負担が軽減されている人の割合という指標がございますが、これの平成28年度の当初値と令和元年度の数値を比較しますと57.3%から86.7%へ上昇するなど、目標値に届いている指標もございます。  また一方、子どもを生み育てやすい環境だと思う人の割合が56.1%から46.6%へと低下しており、ほかにも、生活保護世帯に属する子どもの高等学校等進学率などは、年によって変動している項目もございます。  今後も、来年度実施を予定しております実態調査により判明する項目を含め、数値変化の傾向を確認して、計画の推進状況の把握と必要な施策の検討などにつなげてまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  答弁いただきましたとおり、妊娠、出産や子育てについての相談相手や情報が、そういう手段があるかというところは、もう2022年の目標値を超えまして86.7%になっていますけれども、お話にあったとおり、これと関連が深い、子どもを生み育てやすい環境だと思う人の割合というのは、当初値が56.1%から46.6%に低下しているということで、5年ごとの把握でまだ一度も調査していないというものもありますので、先ほど施策の1番に掲げた項目と、子どもがいる世帯のうち、家計の状況がぎりぎりまたは赤字である世帯の割合、ひとり親家庭の親の就業者に占める正規の職員の割合、今後の生活に不安があるひとり親家庭の割合、これが5年に1回です。  2019年6月、子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律が成立し、目的として、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、子どもの将来だけではなくて、現在の生活等に向けても子どもの貧困対策を総合的に推進するということが明記されました。この法律に照らしても、そして、何より本市の実態調査の結果に照らしても、やはり5年ごとの把握では全く間に合わないと感じています。2年に1回は調査するなど、対策の見直しもしていく、そういうテンポが求められます。  この間、子どもの医療費の無償化は、就学前から小学校1年生に、そして3年生に、来年は6年生にと拡充されました。就学援助は、入学準備金が入学前支給になっています。給付型奨学金も、養護施設を出て進学する子には月5万円の生活費、10人分の予算給付がついています。このような施策の改善があり、私もとてもうれしいと思っています。  しかし、これらによって貧困状態がどれぐらい改善されたのか、数字で示されるものがありません。  そこで、伺いますけれども、今後、貧困が減っているのかどうかが分かる具体的な数値での把握が必要と思いますがいかがか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  子どもの貧困率に相当する具体的な数値での把握についてでございます。  現在の計画におきましては、先ほどお話がありました家計の状況がぎりぎりまたは赤字である世帯の割合ですとか、ひとり親家庭の親の就業者に占める正規の職員の割合などの指標を設定しておりまして、こうした生活実態などに着目した数値を把握していくことも必要であると考えております。  子どもの貧困率については、世帯収入から税金や社会保険料などを除いた可処分所得を基に算出した額について、中央値の半分の額に満たない家庭で暮らす17歳以下の子どもの割合を示すもので、2019年の国民生活基礎調査では、2018年の子どもの貧困率が13.5%と発表されたところでございますが、自治体ごとの貧困率は公表されておりません。また、札幌市独自の貧困率については、調査項目が増えることによる回答者の負担を考慮した点や、可処分所得を正確に把握することの難しさもございまして、現実的には算出することが難しい状況でございます。  したがって、子どもの貧困率に相当する数値の把握については、どのような指標を用いて子どもの貧困の実態をより的確に把握していくかという観点で、有識者等による会議も通しまして様々な議論を今後してまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  おっしゃるとおり、家計がぎりぎりまたは赤字ですとか、今の生活が不安だという、こういうせっぱ詰まった項目、指標が調査されませんから、これが調査されれば、どういう実態かというのがもっと見えてくると私も思っています。どの指標もやはり毎年調べていくということで、今よりももう少し分かりやすいものになるのかなと思います。  今お話のあったとおり、厚生労働省が、子どもの貧困率を13.5%と、7人に1人の子どもが経済的に貧困の状態にあると確認をしています。  今お話があったことをちょっと具体的に言いますと、本市は、2016年に行った実態調査で、その調査の仕方が、回答する方の負担を考えたためとして、世帯の収入のみを尋ねているんですね。税金や社会保険料などは尋ねていないんです。ですから、可処分所得が算出できていません。それによって、本市における国の相対的貧困率、子どもの貧困率に相当する数値などを算出できていないんです。でも、ここが必要だと思うんです。  次の質問に行きますけれども、来年度行う実態調査は、国の相対的貧困率や子どもの貧困率に相当する数値を算出できるものにする必要があると考えますがいかがか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  実態調査におきます子どもの貧困率に相当する数値の算出についてでございます。  先ほどちょっと答弁いたしましたが、子どもの貧困率に相当する札幌市独自の数値を調査することについては、回答者の負担から難しい面があるため、また、どのような指標を用いて子どもの貧困の実態をより的確に把握していくかについて、今後議論をしてまいりたいと考えております。  また、札幌市の計画においては、子どもの貧困を、経済的な問題にとどまらず、心身の健康や周囲との人間関係、また、学習環境など、子どもの成長や将来的な自立に困難な影響を及ぼしている状態と捉えておりまして、所得だけでは表れない困難の実態を把握するための調査項目についても今後検討してまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  調査に答えていただく方の負担からも難しいということでしたけれども、私は、しっかりした調査やデータがあってこそ、その具体的な、本当に必要な対策が取れると思いますので、やっていただきたいんです。そして、調査に協力していただく皆さんには、ちょっと手間はかかるかもしれないけれども、皆さんのお役に立つものをつくりたいので、ぜひご協力くださいと、そういう一言を書けば、皆さん、ちゃんと協力してくださると思うんですよね。  本市の貧困対策計画には、「子どもの貧困とは、単にお金がないというだけでなく、国連子どもの権利条約に明記されている生命に対する固有の権利など、すべての権利の否定と考えられる」と国連総会の定義が引用されています。まさに、今の答弁がそうだったのかと思います。  しかし、これは、お金の問題ではないと言っているのではなくて、貧困とは、お金がない状態のことであり、それによって、子どもの様々な体験の貧困を招くということ、親子で文化に親しむなどのささやかな幸せすら得られないということです。そういう視点で、基本施策5−2、ひとり親家庭への支援の事業・取組を見てみました。ひとり親の就業に理解のある企業を開拓し、就業の機会を提供する就職説明会の開催、児童扶養手当の対象世帯に様々な支援制度の案内を送る、そして、貸付けの周知、貸付け種類の追加など、取組として並んでいます。  私は、2018年の予算特別委員会で、実態調査で多かったぎりぎりの生活とは、必要なことでも、極力、我慢をして買わないことで帳尻を合わせる、余裕のない中で借金も貯金の取り崩しもできない状況だと言いました。貸付けなど借りられない、返せないんですから。  2016年、実態調査の支援者ヒアリングでは、ひとり親家庭の保護者は、生活費を得るため、ダブルワーク、トリプルワークをしていると指摘されています。ダブルワーク、トリプルワークをしていたら、もっと働いて収入を増やすことなど無理だと思わないでしょうか。  実は、同じような指摘が、今年9月に行われた札幌市子ども・子育て会議児童福祉部会で、子どもの貧困対策計画が議題になったときにも、同じような心配の声が出ています。子どもの貧困からの脱出の手段として、親の就労促進を施策として行っているが、就業しても相変わらずひとり親家庭の貧困率は50%を超えている、この状況で親が体を壊すと生活が成り立たない。貧困とはお金がない状態ですから、重要なのは現金給付です。貧困対策計画に足りないのは、困っている人に直接届く現金給付だと私は思っています。  アメリカで、貧困家庭にどれだけ現金給付をすればいいかという研究がありました。その世帯の現状の25%増し、生活費を25%増にすると、その家庭の子どもにまでお金が回るという報告があります。  現在の児童手当は、3歳まで1万5,000円、それ以上は1万円、第3子からは1万5,000円ですけれども、これではとても足りません。小・中学生の貧困対策で不可欠なのは就学援助制度です。現金給付で足りない分、このような社会保障として給付すべきなんです。まず、本市でどれくらいの子どもが貧困状態なのか、どのような生活実態なのかを知ることが欠かせません。  ここで、伺いますけれども、来年度の調査では、あと幾らあったら安心して暮らせるのか、月々、不足と思っている生活費を調べる設問項目を加えるべきと思いますがいかがか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  生活費の不足分を把握する設問の追加についてでございます。  平成28年度の調査におきましては、家計の状況や貯金額、経済的な理由による制限を受けた経緯など、世帯の暮らし向きに関する項目についても尋ねているところでございます。生活費やその不足分の調査につきましては、暮らし向きの状況を客観的に把握する観点から、どのような設問がよいか、今後検討してまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  やはり、あとどれぐらい足りないのかということがおおよそで分かって、じゃあ、どうやって援助していくのかと、社会保障で上乗せするのか、やはり現金給付がいいのか、そういうことが分かるわけですから、ぜひ、その検討をされるとおっしゃいましたので、設問項目に加えていただきたいと思います。  本市の調査では、制度を知らなかったという回答よりも、就学援助や児童扶養手当などを利用しているという回答が多く、制度を利用してもなお生活が苦しい実態が明らかとなっています。若者の社会的自立における課題では、進学を考えている世帯は、奨学金を利用する予定という世帯が多い一方で、若者は奨学金の返済が負担だと回答しており、2019年度実施状況で、本市は、貧困問題の長期化、貧困の連鎖を招きやすいと総括をしています。そして、本市の計画にも、生活基盤を確保するための経済的な支援が必要だと書いてあるんですね。どういう対策をいつまでに取るのか、目標を決めて取り組み、思い切った予算をつけることが重要です。  ここで、伺いますけれども、児童手当や児童扶養手当などの現金給付制度に本市は増額をすべきと思いますがいかがか、伺います。  就学援助制度など既存の事業を拡大し、必要な子どもが漏れなくきちんと利用できるように制度の拡充をするべきと思いますがいかがか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  現金給付の増額や支援制度の拡充についてでございます。  札幌市の計画におきましては、生活基盤の確保に向けた支援を基本施策の一つとして位置づけ、児童手当や児童扶養手当をはじめとした各種手当の支給を実施してきたところでございます。また、就学援助や子ども医療費助成の拡充、また、第2子保育料の無償化など、子どもの学びや育ちを支えるために様々な制度の充実に取り組んできたところでもございます。  今後も、子どもの貧困対策計画を進めていくに当たって、このような経済的支援のみならず、自立や就労のための支援も含め、暮らし向きの安定に向けた取組を着実に進めていくことが重要であると考えてございます。また、全国的な課題でもあります制度の拡充につきましては、今後も、国に対しまして、必要な財源措置も含め、要望してまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  制度の充実に取り組んできたことは、私も、先ほど言ったとおり、とてもうれしく感じているところです。  現金給付のみならずということだったと思うんですけれども、現金給付もセットで考えていかなければ、間に合わないということを訴えているわけです。やはり、国に対して求めていくことは賛成ですけれども、貧困で今困っているのはこの札幌で暮らしている子どもや親ですから、やはり、国に求めるのと同時に、それを待っているのではなくて、やはり、どこよりも先駆けて札幌市でやってもらいたいと思っているわけです。  施策2−2に子どもの学びの支援があります。  本市は、フリースクール等に2012年から支援の拡充を図ってきたことが書かれています。何らかの事情で学校に行けなくなっても、学校以外に学ぶ場があることはとても大事です。  フリースクールを利用する場合、地域の学校に籍を置いて、フリースクールに通います。我が党の議員が、フリースクールを視察しました。理事長は、フリースクールに通う家庭のひとり親世帯が増えている、どのように授業料を工面しているのか、心配だと言っておられました。フリースクールに通わせたいと思う親からの問合せで一番多いのは、幾らかかるのか、費用の問合せだということもお聞きしました。  どこで学ぼうと、どこを居場所にしようと、児童生徒の将来が社会の中でよりよく生きていけるように、学ぶことを保障するのが行政の役割ではないでしょうか。本市の大事な児童生徒です。貧困対策計画では、フリースクールへの支援の拡充を図ったところですが、お金が心配でフリースクールに行けないというようなことがないように、保護者への直接支援を求めます。  まず、交通費の助成をしていただきたいと思います。本市には、校区が広く、バス通学を余儀なくされている児童生徒に定期代を助成する義務教育児童生徒遠距離通学助成費があります。  ここで、伺います。  フリースクールに通う児童生徒をこの制度の対象に加えるべきと思いますがいかがか、伺います。  また、このような各部局による個別の事業を子どもの権利総合推進本部で議題にすべきと思いますがいかがか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  フリースクール等民間施設に通う児童生徒に対する遠距離通学助成費の適用拡大と総合推進本部におけます個別事業の議論についてでございます。  まず、義務教育児童生徒遠距離通学助成費につきましては、教育委員会が所管する制度でございます。学校外の施設に通学する場合の交通費を含む経済的に困窮した家庭の不登校児童生徒に対する経済的支援につきましては、現在、国で調査研究を行っているものと承知しており、まずは国の調査結果や施策の方向性を注視してまいりたいと考えてございます。  次に、子どもの権利総合推進本部における個別事業の議論についてですが、子どもに関連する施策や取組の検討に当たりまして、今後、具体的な支援の在り方を考える際には、関係局が限られていることから個別に議論するとともに、子どもの貧困対策計画全体の総合的な推進や進捗管理などは、全庁的な観点で検討できる子どもの権利総合推進本部で引き続き議論していきたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  教育委員会の所管だということをおっしゃいましたけれども、先ほど来、虐待の質疑のところにもありましたけれども、やはり、庁内で連携することが大事だということが今日の議論であちこちで出てきたと思うんですよね。  私は、実は、この間、子どもの権利総合推進本部で、議題にされていないということにとても驚いているんです。なぜならば、2018年予算特別委員会で、私は、国の貧困対策推進法では、内閣府に貧困対策会議を置き、文科省や厚労省を軸に運営するとされている、財務省や総務省が入っていないけれども、本市はどうするのか、貧困対策計画を議論する場に財政局や総務局も参加すべきではないかと質問しました。そのときの答弁は、計画を推進するのは、2019年度に設置する子どもの貧困対策を専門に担当する子どものくらし支援担当課、それと、さらに子ども未来局、福祉や教育などの関係部局と財政で構成する札幌市子どもの権利総合推進本部がある、そちらのほうで関係部局が一丸となって取組を推進する、こういうものだったからです。  先ほどのヤングケアラーの質問への答弁も、よく似ているなと感じました。貧困対策計画では、子ども未来局、教育委員会、保健福祉局のみならず、経済観光局、市民文化局、まちづくり政策局、都市局の個別事業が掲げられています。関係部局が一丸となって取組を推進するのが、子どもの権利総合推進本部だということだったんです。ところが、その推進本部が貧困対策に関わったのは計画をつくったときだけ、評価や検証は、集まることもなく、書面で確認するだけです。  貧困対策計画の策定時、2016年ですけれども、策定に関わる有識者委員から、関係機関の連携強化を呼びかける前に、まずは市の内部をつないでいくべきではないのかと指摘されていたのを覚えています。  2019年度実施状況総括の資料では、各取組から見えてきた課題に、関係部局が支援が届きにくい子どもへの支援の視点を意識しながら横断的なつながりを持つ必要がある、こう指摘されています。連携強化、横断的なつながりの役割を果たすはずだった子どもの権利総合推進本部が、一丸となるどころか、実質、関わっていなかった問題は看過できません。  今日はこの問題には入りませんけれども、これは大変な問題でありますから、引き続き、議会で取り上げていきたいと思っています。  2016年の策定時と2019年度の実施状況の中で、同じ指摘をされている二つの問題を挙げました。ひとり親の就労支援についてと関係部局の連携についてです。これらに表れているように、現状では貧困問題の解決には程遠く、4年たっても同じことを指摘されているんです。この実態を認識していただきたいと思います。  貧困対策は、待っている側、今、貧困の状態にある人にしたら、本当に一刻も早く何とかしてもらいたいと、この支援者ヒアリングなどで発言している方たちも、皆さん、そう思っていると思うんです。貧困対策というのは、支援を必要としている人の生活実態や思いに寄り添って、共感して、そして、貧困から抜け出せるまで支援することです。この認識に立っていただいて、子ども未来局として十分な予算を要求していただきたい、そして、財政局にはそれにぜひ応えていただきたいと思います。  貧困対策の取組を早急に強化するよう求めて、私の質問を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私は、2点、1点目はひとり親家庭等日常生活支援事業について、そして、2点目は里親制度の中で里親等委託率について質問させていただきます。  まず、1点目のひとり親家庭等日常生活支援事業についてです。  この事業は、母子家庭、父子家庭及び寡婦が、修学等の自立を促進するために必要な事由や疾病などの事由により、生活援助、そして保育サービスが必要な場合、または生活環境の激変により日常生活を営むのに支障が生じている場合に、家庭生活支援員を派遣し、生活の安定を図ることを目的とし、2014年10月から実施をされています。札幌市では、札幌市母子寡婦福祉連合会に委託をしております。  私は、2018年の予算特別委員会で質問をさせていただきました。  優れた制度ではあるのですが、あまり利用されておりません。第4次札幌市ひとり親家庭等自立促進計画の策定に当たり、ひとり親家庭などを対象に2017年度に実施しましたアンケート調査結果では、母子家庭で、ひとり親家庭等日常生活支援事業を利用したことがあると回答した方は僅か1.3%、利用したことはないけれども、制度を知っていると回答した方は18.6%、父子家庭でも、利用したことがある方は0.6%、利用したことはないが、知っているとのお答えが9.1%と、父子家庭においては10人に1人も知らないという結果が出ておりました。  質問では、ひとり親家庭等日常生活支援事業がより多くの方に利用されるために、認知度向上の今後の取組について伺いました。  答弁では、ひとり親家庭等日常生活支援事業を含めた多くの事業で、認知度がその5年前の2012年の調査を下回る結果となっており、広報の必要性が課題として明確になったとのことでありました。そして、2018年度から5年間の新たな取組として、ひとり親家庭の方を対象としたパンフレットを作成し、離婚届の提出時に配付することや、児童扶養手当の対象世帯に支援制度の案内を一斉送付することなどを検討中との答弁があり、また、2017年4月に立ち上げたさっぽろ子育てアプリの中にひとり親家庭専用のページを設けたことからこのパンフレット等の中にアプリのQRコードを掲載するなど、さらに効果的な広報に取り組むという考えが示されました。各種支援制度の認知度の向上が、制度利用者の増加、多くのひとり親家庭の自立促進へとつながるよう、より積極的な広報に努めるとのことでありました。  質問ですが、2018年の質問に対する答弁以降、実際に広報にどのように取り組んでいらしたのか、伺います。 ◎竹田 子育て支援部長  広報など、事業の認知度向上の取組についてのご質問でございます。  平成30年度から5年間を計画期間とするひとり親家庭等自立促進計画に基づきまして、ひとり親家庭が利用できる支援制度を分かりやすくまとめた冊子を作成して、離婚届の受付窓口などで配付しているところでございます。また、日常生活支援事業など、特にひとり親家庭に役立つと思われる制度について、4こま漫画入りで紹介するチラシを作成して、児童扶養手当の現況届のご案内に、全件、同封しているところでございます。またさらに、ひとり親家庭を対象に就業支援や情報提供を行うイベントであるシングルママ&パパ スマイルfestaにおきまして支援制度の紹介を行うなど、必要な支援につなげるための取組を進めているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  前回の質問のときにしていただけると言ったパンフレットを作っていただいたり、そしてまた、現況届で出していただいたり、そしてまた、イベント等でも提案をしていただいているということでした。  札幌市におきましては、2017年、2018年のこの派遣延べ件数は150回から160回台を35件の家庭に実施しています。そして、父子家庭では、それぞれ1件の家庭に2017年度は17回、2018年度は4回と、大変、利用頻度は低くなっています。  ひとり親家庭等日常生活支援事業は、利用料も、収入によっては無料であったり、極めて低額など、有効な支援ですが、利用者とサービスがうまくマッチングしていないのではないかと考えています。令和元年度包括外部監査報告におきましても、ひとり親家庭支援センターをはじめとするひとり親家庭支援策は、認知度が低く、利用割合も低い、ほかの地方公共団体の取組状況も参考にしながら、認知度と利用率の向上のための効果的な取組を検討すべきとあります。  さらに、この事業については、所得制限を設けていること、ひとり親支援センター内の窓口1か所での事前登録で不便であること、生活支援に、利用者の家庭での子育て支援は含まれているものの、それ以外の場所での子育て支援は行っていないこと、利用者負担金の支払い場所が金融機関の窓口のみとなっていることなど、使い勝手の悪さが指摘されています。  一方、他都市では、利用者の家庭以外でも子育て支援を実施しているところや、所得制限を設けずにひとり親全てを対象としているところがあるほか、申請を各区の窓口で受け付けている都市もあり、登録者が札幌市の4倍以上に上る例もあります。  日常生活に支障を来しているひとり親をしっかりサポートするという観点はもちろんのこと、この事業において、家庭生活支援員を担う母子家庭の母親や寡婦の収入増にもつなげるという趣旨からも、制度の利用拡大を図るということは重要であると考えます。  そこで、質問ですが、ひとり親家庭等日常生活支援事業について、令和元年度の実績はどうだったのか、また、サービスを必要とするひとり親が気軽に利用することができるよう、制度のさらなる充実を図るべきだと考えますがいかがか、伺います。 ◎竹田 子育て支援部長  令和元年度の利用実績と、それを踏まえた今後の事業の在り方についてのご質問でございます。  この日常生活支援事業の令和元年度の実績は、利用者ベースで前年度の約1.4倍に当たる49人、そして、派遣延べ回数ベースでは前年度の約1.5倍に当たる238件となりました。広報の充実を図ってきたことの効果が徐々に現れているものと受け止めている一方で、支援を必要とする対象者が制度につながっているかどうかにつきましては、今後さらに検証する必要があると考えております。  委員がご指摘のとおり、昨年度の包括外部監査の指摘も踏まえ、他の政令指定都市の取組も参考にしながら、より実効性のある制度運用について検討してまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  令和元年は、様々な広報の成果が現れ、母子家庭の派遣件数は、今おっしゃられましたように、前年160回だったところが1.5倍の238回、そして、件数も1.4倍の49件ということでありましたけれども、父子家庭の利用は全くありませんでした。果たして、この事業の目指すところはこの程度のことなのかと思うわけです。到底、そうは思えません。  今年度、令和2年度の国のひとり親家庭等自立支援関係予算に、ひとり親家庭等日常生活支援事業の実施が拡充されております。事業者の参入を促し、支援に必要な人材の確保を図るため、家庭生活支援員の派遣に係る補助単価の充実を図り、定期利用の対象範囲について乳幼児から小学生を養育する家庭まで拡大されております。今回、子育て支援や生活支援の単価が上がることを契機に、居宅外での子育て支援を加え、大阪市などで実施をしている収入制限の撤廃を考えてはいかがかと考えます。それにより登録者を増やし、結果、ひとり親の就労につなげていくこともできると考えます。  このひとり親家庭等日常生活支援事業は、国の事業であり、ほかの都市の様子を調査していただきましたが、大阪市、名古屋市を除きますとおおむね低調でありました。今後、札幌市でも、この事業が、ひとり親の母子、父子により使いやすい事業になるよう検討されることを強く求めます。  あわせて、現在、札幌市では、この事業が利用できない方はファミリー・サポート・センター事業などを利用することになりますが、このうちの緊急サポートネットワークでは、病児・病後児預かりの際に最初の3時間は補助がないということで、経済的負担が大きく、利用ができないと訴えているひとり親がおりました。重ねて、早急な対応を求めます。  次に、里親等委託率について伺います。  全国的に児童虐待件数が年々増加をし、最初に質問いたしました2011年の前年の2010年度は、全国で5万5,152件とその前年比で1万人も増えたことが注目をされましたが、その7年後の2017年度には13万3,778件と2.4倍、被虐待児をはじめとした社会的養護を必要とする要保護児童は激増しています。  要保護児童が、心の発達や豊かな人間性の向上を図り、将来自立して自らの家庭を築いていくためにも、様々な知識や経験を身につけていくことが必要と考えられ、全国では、過去10年間で、里親、ファミリーホームへの委託児童数は約2倍となり、一方、児童養護施設の入所児童数は約2割減、乳児院の入所数も約1割減となっています。  札幌市では、10年前の2010年度末でも、里親等委託率が16.2%と国の目標値を上回り、里親登録数は当時159組と政令指定都市の中では一番多い数字でありましたが、実際に養育されている里親数は約半分でした。実際に、里親をされている方から直接お話を伺いますと、里子に対し、愛情を注ぎ込んでも壊れてしまうのは一瞬のことという声もあり、また、里子との距離感を埋めていくためにも専門性や客観性が必要になり、時としては余裕がなくなることもあるということでした。実子であっても母親が子育てに窮することは誰にもあることで、地域やネットワークで育てる二重、三重のフォローが必要であると考えます。  2011年の質問では、里親委託の推進に向けた考え、そして、里親への支援策について伺いました。  特定の大人との愛着関係を築くことは大変重要なことだと認識されている上で、2011年策定の札幌市児童相談体制強化プランでは、2014年度までに里親等委託率を国の目標値16%を上回る18%とする目標を設定し、里親委託等推進委員会を設置し、関係機関と連携を深め、里親支援方法の検討などを行うなど、さらなる委託率の向上に努めることとされました。  里親への支援策については、それまでも里親同士の交流の場を設けたが、里親支援担当の専門職員を配置し、里親の負担軽減のためのレスパイトなどによる支援を実施する、初めて里子を受け入れた里親の支援として経験豊富な里親が養育上のアドバイスを行う取組を開始し、毎年開催の里親フォーラムなどの啓発事業を通じ、民生委員・児童委員をはじめ、多くの市民に里親制度の理解と地域の中での連携などについて協力をお願いしていくとの答弁があり、昨年、2019年度には、登録里親数は262組、ファミリーホームを加えた里親委託率は30.5%まで上がりました。  子どもの権利条約は、子どもは、家庭環境の下で幸福、愛情及び理解のある雰囲気の中で成長すべきとしており、国連の指針は、原則として家庭養護を活用することを求め、国連子どもの権利委員会は、日本の施設偏重が問題であると指摘をし、里親などの家庭養護を原則とするよう政府に勧告しています。  これを受けて、日本では、2016年に児童福祉法が改正され、子どもが権利の主体であることと、家庭での養育を優先させることが明記され、2017年に有識者会議がまとめた新しい社会的養育ビジョンを踏まえ、2018年に国が策定した都道府県社会的養育推進計画の策定要領において里親等委託率の数値目標を掲げたところです。  国が掲げる目標とは、3歳未満の乳幼児の里親等委託率をおおむね5年以内に75%以上にする、就学前の子どもの里親等委託率をおおむね7年以内に75%以上にする、学童期以降はおおむね10年以内に50%を実現するというものでありました。  先日、10月11日に札幌市里親会との共催によりましてチ・カ・ホで里親フェスタが開催されまして、里親制度の宣伝プロモーション映像の放映、里親に興味・関心のある方への個別相談会、里子の作品展示会を行っておりまして、通行する市民が興味深く見る姿が多々ありました。  札幌市及び里親支援機関でも里親募集については様々な取組がされておりますが、里親等委託率が、ほかの政令市に比べてさほど上がっていないのが現状であると思います。  そこで、質問ですが、里親等委託率の向上に向けて、どのようなところに課題があり、どのように取り組もうとされているのか、伺います。 ◎山本 児童相談所担当局長  里親等委託率の向上に向けての課題と取組についてです。  里親委託に当たっては、子どもと里親の良好な関係性の確保が大切でありまして、子どもたち一人一人の多様な特性を考えますと、里親登録者数をもっと増やしていくという必要があります。さらに、委託後の支援の充実も必要と認識をしております。  先日の里親フェスタでは、初めて地下歩行空間、チ・カ・ホで開催しましたが、映像などを活用した広報が多くの方々の目に留まりまして、その場で18名の方が熱心にお話をお聞きになるなど、手応えを感じているところであります。今後は、こうした里親制度の幅広い広報に加えまして、児童福祉に携わる方々など、対象を絞り込んだ働きかけも強めていくことで、里親登録の拡大に取り組んでまいります。
     一方、委託後の支援に関しましては、子どもを里親委託する前に、施設に短期間預けまして、里親候補者と交流するという試みを始めたところであります。交流中の評価をその後の支援にも役立てまして、里親の安心感にもつなげたいと考えております。  今後も、引き続き、市内各施設に配置されております里親支援専門相談員とも連携しまして、マッチングですとか、委託後の支援に努めてまいります。 ◆しのだ江里子 委員  これから、やはり里親をもっと増やすということと、そしてまた、里親をしっかり支援していくということが何より大切だと思います。  国は、今年度の予算で、子育て短期支援事業、ショートステイ、トワイライトステイの拡充を進めています。この事業は、保護者の病気やその他の理由で、家庭において一時的に子どもの養育が困難になった場合などに、児童養護施設などにおいて、一定期間、養育、保護を行う制度です。これまでは、里親において受入れを行う場合、児童養護施設などを通して行う必要がありましたが、今年度からは、児童の受入先として、市町村が里親等に直接委託することが可能となり、里親等へのショートステイの委託促進が期待されています。  昨年視察をいたしました兵庫県の明石市では、ショートステイの担い手に養育里親を活用して、地域での子育て支援、在宅支援の強化に取り組んでおりまして、短期間の養育から里親として活動できることが周知され、里親の登録拡大につながっているという声を聞いております。全ての子どもたちがそれぞれに合った居心地のいい場所で安心して暮らしていけるよう、就学前の乳幼児においては里親への委託率100%を目指しています。  そこで、質問ですが、札幌市においても、養育里親がショートステイなど子育て短期支援事業を担っていただけると思われますが、委託する場合の課題をどのように認識されていますか。 ◎山本 児童相談所担当局長  養育里親が子育て短期支援事業を担う場合の課題についてであります。  子育て短期支援事業、いわゆるショートステイ、これを手軽に利用できるよう、利用者の詳細な事前審査を必要としない一方で、子どもや保護者の状況や利用に至った経緯などの情報が少ないといった側面もあります。このため、養育里親が担った場合、里親側に不安が生じたり、適切な関わりが確保できるかといったようなことが課題と認識しております。  来年度から、里親養育包括支援機関、いわゆるフォスタリング機関の設置を予定しておりますことから、この枠組みの中で、どのような支援が効果的かなどを、関係機関とも連携しながら、課題を見極めてまいります。 ◆しのだ江里子 委員  来年度から、フォスタリング機関の設置が予定されているということで、大変力強いものであると考えます。  里親及びファミリーホームへの里親等委託率は、2018年度末では全国平均で20.5%にとどまっていますが、自治体の中にはこれまでの取組で里親等委託率が大きく増えたところもありまして、新潟市は55.9%、福岡市は48.8%など、大幅に伸ばしております。これらの自治体では、里親の広報、リクルートや、支援をする際に、NPOや施設、市町村などと連携をし、相互理解や成功体験の共有ができるよう工夫をし、自治体主導で里親委託に取り組むのではなく、市民の協力を増やしたことで、社会や地域で子どもを育てるという機運につながったということでした。  私どもの会派の今定例会の代表質問でも、札幌市でも、先ほどのお話がありましたフォスタリング事業ですが、民間団体のよさを生かして、長期的支援が可能となることを強みとしているという答弁がありました。  この事業も有効に機能することで、養育里親によります子育て短期支援事業、ショートステイ、そしてまたトワイライトステイも含めて、子どもたちの健全育成のために、年齢に合った里親等委託率の目標が実現できるように尽力されることを求めて、私の質問を終わります。 ◆わたなべ泰行 委員  私からは、子どもアシストセンターのLINE相談事業について、3点質問をさせていただきます。  2020年度の総務省の情報通信白書によりますと、10代の若者の携帯電話の平均通話時間は1日3.3分に対して、SNSの利用時間は1日64.1分という報告がありました。今は、中・高生のコミュニケーションツールはSNSが主流になっていることが分かります。この理由としまして、近年の子どもたちへのスマートフォンの普及とSNSアプリの充実があります。また、スマートフォンの利便性の向上に伴い、パソコン離れやEメールの利用の減少につながっております。こういった通信手段の変化に伴い、子どもアシストセンターでは、これまで、電話、Eメール、面談により、子どもに関する幅広い相談を受けてまいりましたが、子どもたちからのEメールの相談は大幅に減少していると伺っております。  この状況に鑑み、我が会派では、かねてより、行政の施策、とりわけ子どもたちの相談窓口にはSNSを活用することを強く要望してまいりました。このSNSを活用した子どもの相談窓口を全国で初めて行ったのが長野県の教育委員会で、2017年9月のことでした。翌年の2018年8月からは、北海道教育委員会で試行実施を行い、同年9月からは、札幌市の子どもアシストセンターでも試行実施が行われました。そして、現在は通年実施になりました。  この通年実施は全国でも先進的な取組ですが、現在、通年実施を行っている長野県では、対象を県内の中・高生とし、毎日行う集中期間以外は毎週水曜日の17時から21時に行い、北海道は、対象を札幌市以外の道内公立高校とし、集中期間以外は毎週月曜日の16時から21時に行っております。  そのような中、本市の子どもアシストセンターでは、対象は、特例もございますが、札幌市内の18歳未満の子どもとし、月曜日から金曜日は10時から20時まで、土曜日は10時から16時までと、電話やEメールの相談と条件を同じとしまして、全国の中でも幅広い実施内容となっており、通年実施の取組に加え、内容の充実にも高く評価をしております。  そこで、1点目の質問ですが、通年実施から半年を経て、LINEでの相談件数の推移について伺います。 ◎山本 子どもの権利救済事務局長  LINEでの相談件数の推移についてでございます。  LINE相談は、今年度は4月2日から開始をいたしましたが、開始当初は休業期間中で、子どもへの周知が十分にできなかったため、4月及び5月の相談件数は月40件程度でございました。6月の休業明けから、学校を通して市内の中学校、高等学校、特別支援学校に通う生徒に周知用カードを配付し、6月の相談件数は200件程度に増加をいたしました。その後は、相談件数が徐々に落ち着き、8月及び9月は月80件程度で推移をしてございます。LINEでは、今年4月から9月末までに、実人数287人から延べ550件の相談が寄せられており、電話やEメール、面談等を含めた子どもからの相談件数の延べ1,269件のうちの43.3%を占めてございます。 ◆わたなべ泰行 委員  ただいまの答弁で、新型コロナウイルス感染症対策で休業になっていた状況にもかかわらず、287人、550件、43.3%という高いこの結果がありまして、この結果を見ても、LINE相談が現代の子どもたちのニーズに合致していることが改めて確認できました。今後も、ぜひ継続していただきたいと思っております。  一方で、LINE相談は新しい取組であることから、実施に当たっては様々な課題があると思っております。  そこで、2点目の質問ですが、今後のLINE相談の実施に当たり、どのような課題があるのかについて質問をいたします。 ◎山本 子どもの権利救済事務局長  今後のLINE相談の実施に当たっての課題についてでございます。  課題としましては、LINEは、スマートフォンやタブレットなどで気軽に相談ができる一方で、入力する時間や返信を待つ時間で相談対応が長時間になりやすいこと、また、複雑な相談内容の場合に、短い文章のやり取りで正確な意思疎通を行うことはなかなか難しい、そういったことなどの課題がございます。そのため、LINE相談用の対応マニュアルの整備や研修の充実などで相談員のスキルの向上を図るとともに、内容に応じて電話や面接での相談に移行する、そういった必要があるものと考えてございます。  また、LINE相談のみではなく、ほかの相談手法とも共通した課題でございますが、子どもが、困ったり、悩んだりしたときに、すぐに相談ができるよう、子どもに対する一層の周知が必要と考えてございます。  子どもアシストセンターの周知のために、札幌市内の全小学校、中学校、高等学校、特別支援学校を通して周知用のカードを配付しておりますが、今年度は、カードの配付に加えまして、新たに周知用のステッカーを作成して各学校に配付して、日常的に子どもの目に留まる場所に貼っていただくよう依頼を行いました。今後も、子どもが相談したいときに容易に子どもアシストセンターに相談することができるよう、引き続き、周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  このLINE相談というのは、全国的にも新しい取組でありますので、今後の実施に当たっては、返信に時間がかかるとか、様々あると思うんですけども、改善の余地が十分にあると考えております。ですので、民間団体、また、他の自治体等、先進事例についても積極的に情報収集を行うなどして、質の高い相談体制を構築することを求めます。  また、文部科学省では、令和3年度の概算要求におきまして、都道府県と指定都市を対象にしまして、SNS等を活用した相談体制の整備推進についての予算要求を行っております。こういった国の動向にも、ぜひ注視していただきたいとも思います。  先ほどの答弁で、周知のことで、新たに、広報用のカードにプラスしてステッカーのほうのご答弁がありましたが、こういった子どもたちの中には、悩みを相談したいと思っていても、身近に相談できる大人がいない、どこに相談していいか分からない、そういった子どもも多いかと思います。そういった子どもたちが独りで悩みを抱えることがないように、深刻な子どもに手を差し伸べていこうという思いで、子どもアシストセンターは、これからも、どこに相談することができるのかを引き続き分かりやすく広報していただきたいと思います。  この期間限定でありました気軽に相談ができるLINE相談を通年実施することで、子どもたちの声を広く集められるようにもなりましたけども、一方で、子どもたちの相談内容は多岐にわたっておりまして、子どもアシストセンターだけでは問題解決が難しい場合があり、他の機関との連携協力が必要になる場合があると推察いたします。  そこで、最後の質問ですが、子どもアシストセンターで子どもが抱える問題を解決するに当たって、他の機関との連携状況について伺います。 ◎山本 子どもの権利救済事務局長  他の機関との連携状況についてでございます。  子どもアシストセンターでは、必要に応じて、何が子どもにとって最善であるかを関係者が共有して相互に理解しながら子どもを支援するために、相談者の同意を得た上で、関係者に対する調査・調整活動を行っております。また、相談事案によっては、ほかの適切な相談機関につないだり、また逆に、ほかの機関から子どもアシストセンターにつながる事例もございます。相談機関相互の連携協力を円滑にするために、子どもに関する相談を行っております、官民合わせて20の機関で構成しております子どものための相談窓口連絡会議を毎年開催して、情報交換などを行っているところでございます。  今後も引き続き、子どもにとっての最善の利益を様々な視点から考慮した支援を行うことができるよう、さらなる連携協力に努めてまいりたいと考えてございます。 ◆わたなべ泰行 委員  最後に、要望を述べさせていただきたいと思います。  先ほど話をさせていただきました長野県のほうに、この長野県の試行実施後の2017年12月に、会派の議員と行ってまいりまして、教育委員会の担当者の方たちからお話を伺ってきました。初めての試みだったために大変苦労をした、そういうお話でした。  当時、このLINE相談のプロジェクトチームを教育委員会で立ち上げたときに、メンバーの大半はご年配の方たちで、そもそもスマートフォンを持っていないという方たちが多くて、自分の子どもとか生徒にLINEの使い方を教えてもらうことから始めたそうでした。また、相談員にしても、初めての試みなので、子どもへの対応の仕方が分からなくて、相談員へアドバイスをしてもらう業務委託を大阪のカウンセリング会社にしていたんですけども、LINEの社員も心配になって長野県に来てくださって、皆さんが試行錯誤で取り組んできたんだという話を伺ってまいりました。  ちなみに、この相談員へのアドバイスの業務委託先を、東京など大都市で先進的にカウンセリングの業務を行っている会社に依頼したのですけども、どこの会社も、LINEを活用した子どもの相談というのはしたことがないということで断り続けられたそうです。そういった中、大阪のカウンセリングセンターという会社の社長さんが、初めてのことだけども、一緒に挑戦していこう、そういう決意をしていただいたという話を、この長野県に行った後、東京のLINE株式会社と大阪のカウンセリングセンターさんに直接伺ってまいりました。  そして、いや、本当に難しい事業だなということを実感させていただきましたけども、それでも、我が会派は、時代に合った相談窓口の必要性を今まで本会議や特別委員会の際に提言してまいりました。結果としましては、教育委員会では、検討していただいていたものの、無理でしたが、子ども未来局で実施をしていただくことになり、大変感謝をしております。  このLINE相談は、子どもが、悩みを友人や身近な大人に相談する環境がなくて、独りで悩み続けて抱え込んでしまっている、この声なき声を聞いて、苦しみを取り除き、希望を持っていただくための大切な取組だと思っておりますので、ぜひ、札幌市の聞く力と寄り添う力を発揮していただき、権利侵害を受けている子どもたちに対して最善の形で問題解決をするために、今後も、子どもの声を広く聞ける、時代に即した体制づくりに努めていただくことと、関係機関との連携を一層密接にし、子どもの権利救済に努めていただくことを求めて、私の質問を終わります。 ○小形香織 委員長  以上で、第2項 子ども福祉費中関係分等の質疑を終了いたします。  以上をもちまして、議案第1号中関係分の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月30日金曜日午後1時から、討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後5時47分...