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令和 2年大都市税財政制度・災害対策調査特別委員会−08月25日-記録

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  1. 札幌市議会 2020-08-25
    令和 2年大都市税財政制度・災害対策調査特別委員会−08月25日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    令和 2年大都市税財政制度災害対策調査特別委員会−08月25日-記録令和 2年大都市税財政制度災害対策調査特別委員会            札幌市議会大都市税財政制度災害対策調査特別委員会記録            令和2年8月25日(火曜日)       ────────────────────────       開 会 午前9時58分     ―――――――――――――― ○伴良隆 委員長  ただいまから、大都市税財政制度災害対策調査特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、鈴木委員からは、欠席する旨、届出がありました。  それでは、議事に入ります。  大都市財政の実態に即応する財源拡充についての要望(通称〜「青本」)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎福西 財政局長  本日は、大都市財政の実態に即応する財源拡充についての要望、いわゆる青本要望につきまして、その原案をご審議いただきたいと存じます。  お手元にお配りいたしました要望文案でございますが、さきに行われました指定都市税制担当課長会議及び財政担当課長会議で協議し、作成したものでございます。  今後の日程といたしましては、本日ご審議をいただいた後、指定都市財政担当局長会議において最終案を決定いたしまして、その後、本委員会でご報告をさせていただくこととしております。  なお、具体的な要望活動につきましては、現時点でまだ確定はしておりませんが、例年でございますと、幹事市におきまして、各政党、総務省、財務省など関係機関に対して要望を行いますほか、各市の税財政関係特別委員会委員の方々による党派別要望を行っていただいたところでございます。  それでは、要望文案の具体的な内容につきまして担当部長からご説明をさせていただきますので、ご審議のほど、よろしくお願い申し上げます。 ◎梅田 財政部長  大都市財政の実態に即応する財源拡充についての要望通称青要望の原案につきまして、お手元の資料に沿ってご説明をさせていただきます。  それでは、資料の表紙を1枚おめくりいただきたいと思います。  左のページに目次がございます。要望事項全体を重点要望事項とそれ以外の要望事項に分けまして、それぞれに税制関係財政関係要望を記載してございます。また、右のページには前文を掲載しており、1ページめくりいただきますと、大都市の厳しい財政状況を図表などで示している要望の背景を掲載してございます。さらに、1枚おめくりいただきますと、要望内容全体を一覧できるように全ての要望を一旦掲載し、6ページ以降で各項目についての説明を加えてございます。  最後に、32ページ以降でございますが、こちらで指定都市の実態、課題を図表などで示した資料編を掲載しているところでございます。  私からは、要望の前文、要望の背景、それから、重点要望事項と、要望事項のうち財政関係分、そのほか資料編についてご説明をさせていただきます。税制関係分につきましては、後ほど、税政部長からご説明させていただきます。
     それでは、目次のページまでお戻りいただきまして、右側のページをご覧ください。  要望書の前文を掲載してございます。  ここでは、大都市財政需要に対し、税制上の措置が不十分であることに加え、市民生活地域経済を守るために多額の費用が見込まれるなど、財政運営が極めて厳しい状況に置かれていること、また、そのような中でも、指定都市が圏域における中枢都市として先駆的かつ先導的役割を果たすことが不可欠であることを述べてございます。特に、新型コロナウイルス感染症対策につきましては、今後の感染拡大や新たな感染症対策への備えを万全にするために、適切な財源が措置される必要があることについて強調して述べているところでございます。  これらを踏まえて、真の分権型社会の実現に向け、国と地方役割分担を抜本的に見直した上で地方税財源拡充強化する必要があり、そのために必要な地方財源総額確保するとともに、都市税源拡充を図ることなどにより、大都市の実態に即応した税財政制度を確立することを強く要望することとしてございます。  1枚おめくりいただきますと、要望の背景を掲載してございます。  左のページには、大都市特有財政需要によって指定都市の人口1人当たり歳出額が大きくなっていることや、大都市特例事務に係る税制上の措置が不足していることについて、数値とグラフで示してございます。また、右のページには、それに伴い、指定都市では人口1人当たり地方債現在高や実質公債費比率経常収支比率が高く財政状況が厳しいため、都市税源拡充強化など大都市の特性に合った税財政制度の構築が必要であることを示してございます。  続きまして、財政関係分重点要望事項につきまして、各項目詳細説明ページをご覧いただきながら説明をさせていただきます。  13ページをご覧ください。  まず、1項目め国庫補助負担金の改革でございます。  国と地方役割分担見直しを行った上で、地方が担うべき分野については、国庫補助負担金を廃止し、所要額を全額税源移譲することなどを求めるものでございます。また、税源移譲されるまでの間、地方が必要とする国庫補助負担金総額確保するとともに、地方にとって自由度が高く活用しやすい制度とすることを要望するものでございます。  おめくりいただきまして、15ページ、2項目め国直轄事業負担金の廃止についてでございます。  国と地方役割分担見直しを行った上で、国が行うこととされた国直轄事業については地方負担を廃止すること、また、現行の国直轄事業地方へ移譲する際には、所要額を全額税源移譲することなどを求めるものでございます。  おめくりいただきまして、17ページ、3項目め地方交付税必要額確保臨時財政対策債の廃止でございます。  地方交付税は、地方固有財源でありますことから一方的な削減を行わないこと、また、大都市特有財政需要を反映させるなど、必要額確保することを求めております。加えて、新型コロナウイルス感染症による影響に伴い生じる財源不足に対して、地方交付税額を増額確保することについても強く要望しているものでございます。  なお、地方財源不足の解消は、地方交付税法定率の引上げによって対応することとし、臨時財政対策債は廃止することなどについても要望してございます。  続きまして、重点要望事項以外の要望事項のうち、財政関係分について説明をさせていただきます。  29ページをお開きください。  まず、1項目め国庫補助負担金超過負担の解消でございます。  国庫補助負担金の改革がなされるまでの間、存続する国庫補助負担金について、超過負担の解消を図ることを求めるものでございます。  次に、右のページ、30ページでございます。  2項目め地方債制度の充実でございます。  緊急防災・減災事業債などについて令和3年度以降も延長すること、また、公共施設等適正管理の推進に係る地方債について、対象外とされている公用施設も対象とするとともに、恒久的な措置とすることを要望するほか、公的資金借入条件の改善などについても要望するものでございます。  以上が、財政関係分要望事項でございます。  最後に、資料編でございます。  33ページをご覧ください。  ここでは、指定都市の実態についてを掲載しておりますが、図表などにつきましては、現在、指定都市市長会事務局において数値の更新を行っているところでございますので、本日は前年度のものを添付してございます。  大都市は、人口や商業活動集積性都市機能や産業の高次性都市圏の中核を担う中枢性など、日本経済を牽引する役割を担ってございます。一方で、過密や集中による交通混雑や福祉の問題など都市的課題が存在するとともに、企業活動への支援やインフラ整備など大都市特有財政需要があるものの、必要な歳入が確保されていないといった厳しい財政状況にあることを、データを活用しながら説明してございます。 ◎増田 税政部長  私からは、税制関係分につきましてご説明をさせていただきます。  まず、重点要望事項でございますが、税制関係につきましては3項目ございます。  7ページをご覧いただきたいと思います。  初めに、項目1 真の分権型社会の実現のための国・地方間の税源配分の是正についてでございます。  ここでは、真の分権型社会の実現のため、複数の基幹税からの税源移譲を行い、国と地方役割分担に応じた税の配分となるよう求めております。具体的には、国、地方間の税の配分をまずは5対5とし、さらに、国と地方役割分担を抜本的に見直した上で、その新たな役割分担に応じた税の配分となるよう、地方税配分割合を高めていくことを要望するものでございます。  次に、9ページをご覧いただきたいと思います。  項目2 大都市特有財政需要に対応した都市税源拡充強化についてでございます。  こちらは、都市税源であります消費・流通課税法人所得課税について、大都市特有財政需要に対応するため、その配分割合拡充するよう要望するものでございます。  次に、11ページ項目3 事務配分の特例に対応した大都市特例税制の創設についてでございます。  道府県から移譲されている事務につきまして、指定都市の市民は、その指定都市から行政サービスを受ける一方で、その経費を道府県税として負担しており、受益と負担の関係にねじれが生じております。このねじれを是正するため、道府県から指定都市税源移譲するための大都市特例税制を創設するよう要望するものでございます。  次に、重点要望以外の要望事項でございます。  税制関係につきましては6項目ございまして、22ページをご覧いただきたいと思います。  まず、項目1 消費・流通課税の充実でございます。  消費・流通課税につきましては、市町村への配分割合が図にございますように3.0%と極めて低い現状にあるため、その拡充要望するものでございます。  次に、1枚おめくりをいただきまして、23ページになります。  項目2 所得課税の充実のうち、個人住民税についてでございます。  税収が安定しております個人住民税は、市町村基幹税目であることから、国、地方間の税源配分の是正を図る中で、より一層の充実を図るよう要望するものでございます。  続きまして、右の24ページになります。  項目3 所得課税の充実のうち、法人住民税についてでございます。  法人所得課税市町村への配分割合につきましては、左下の図にございますように4.5%と極めて低いことから、国、地方間の税源配分の是正により、その拡充を図るよう要望するものでございます。  次に、1枚おめくりをいただきまして、25ページになります。  項目4 固定資産税安定的確保についてでございます。  こちらは3点ございまして、一つ目として、市町村の重要な基幹税目であります固定資産税につきまして、公平かつ簡素な税制を目指すとともに安定的な確保を図ること、二つ目として、償却資産に対する固定資産税の制度は堅持すべきであり、国の経済対策などの観点からの見直しは行わないこと、三つ目として、土地の負担調整措置については、現行の商業地等据置特例を廃止すること、この三つを要望するものでございます。  次に、1枚おめくりをいただき、27ページ項目5 定額課税見直しについてでございます。  こちらは、相当期間にわたって税率が据え置かれている定額課税につきまして、社会状況の変化を踏まえ、適切な見直しを行うよう要望するものでございます。  最後になりますが、28ページ項目6 税負担軽減措置等整理合理化についてでございます。  こちらは、税負担軽減措置租税特別措置のうち、課税の均衡上、適当でないものや、主として国の施策により地方税影響を及ぼすものなどにつきまして、一層の整理合理化を進めるよう要望するものでございます。 ○伴良隆 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆三神英彦 委員  私からは、17ページの3番、地方交付税必要額確保臨時財政対策債の廃止について伺わせていただきます。  この項目は、来年度の国家予算編成に向けた提案である白本においても掲載されているものですが、本日審議の青本においても重点要望事項として掲載されているものです。  財政基盤が弱く地方交付税一般財源全体に占める割合の大きい札幌市においては、この地方交付税確保が特に重要な項目であることは言うまでもありません。それに加えて、いまだ全容が解明されていない新型コロナウイルス感染症の収束がいつになる分からない状態での影響、今後の地方財政に与えるダメージというのがどれほど大きなものになるのか、想像もつかないのではないかと危惧しているところです。  1点目の質問ですが、去る7月31日に、今年度の普通交付税額臨時財政対策債発行可能額が決定したところですが、その決定内容を改めて確認させていただきます。  また、今年度の決定内容に、この新型コロナウイルス感染症による影響があったのかどうか、併せて回答をお願いいたします。 ◎梅田 財政部長  今年度の普通交付税の額と臨時財政対策債発行可能額決定内容、それから、新型コロナウイルス感染症による影響についてのご質問でございます。  まず、今年度の地方交付税総額で1,491億円となりまして、うち、普通交付税決定額が1,036億円、臨時財政対策債発行可能額が455億円となってございます。予算と比べますと、総額では7億円の増、うち、普通交付税は5億円、臨時財政対策債発行可能額は2億円の増となってございます。  昨年度との比較で申し上げますと、普通交付税臨時財政対策債、合わせて60億円の減となってございますが、これは、社会福祉費の増加などによって基準財政需要額が増加したものの、昨年10月の消費税増税による地方消費税交付金が増加したことによりまして基準財政収入額もそれ以上に増加をしておりまして、財源不足額が縮小したというものでございます。  また、二つ目の質問、新型コロナウイルス感染症影響についてでございますけれども、今年度の地方交付税が、新型コロナウイルス感染症の拡大以前に、国の当初予算において見込まれた地方財政計画を基にしていること、また、交付税の算定に使用する数値は基本的に前年度以前のものを使用しておりますことから、需要、収入ともにほとんど加味されていないというものでございます。  なお、この新型コロナウイルス感染症に関する今年度の財政需要の増加に対しましては、国の補正予算におきまして計上された新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金で対応してございまして、本市の限度額として現在188億円が示されているところでございます。 ◆三神英彦 委員  今のお話、新型コロナウイルス感染症影響は今年度に関しては大きく受けていなくて、今年度は総額188億円の臨時交付金を活用して対策を行ってきたということですね。  しかし、税収については、新型コロナウイルス影響により、今年度、またさらに来年度以降に法人住民税個人住民税の大幅な減収も予測されるのではないでしょうか。今後、新型コロナウイルス対策に莫大な一般財源が必要となれば、税収と交付税を合わせた一般財源確保札幌市にとっても喫緊の課題であると考えます。  先週、政府が発表した4月から6月期の実質国内総生産、GDPの速報値をはじめ、我が国の景気は急速に悪化しているといろんな報道がされている中で、地方財政計画についても来年度以降はかなり厳しいものになるのではないかと懸念されます。そのような中、とりわけ感染の拡大が見られている札幌を含む政令指定都市感染症拡大防止対策はもとより、感染収束後の経済回復に向けて日本経済牽引役を担わなければならないというのも先ほどの資料にありました。引き続き、人口減少対策や防災・減災対策社会資本長寿命化など、待ったなしの課題にも同時に取り組んでいかなければなりません。  こうした背景を踏まえての質問になりますが、札幌市をはじめとした指定都市が喫緊の課題に主体的に取り組み、その役割を果たしていくためにも、新型コロナウイルス感染症以降、その次の感染症や他の自然災害に備えて、一般財源総額確保拡充を強く求めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、こうした財政需要に備えて、札幌市としては、今後どのような財政運営をしていくべきなのか、伺います。 ◎梅田 財政部長  一般財源総額確保拡充を強く求めていくべきではないかということと、札幌市としてどのような財政運営をしていくかということでございます。  新型コロナウイルス感染症によって発生しました新たな行政需要については、中長期にわたって存続していくものと見込まれると同時に、景気の悪化に伴い、地方税の減収も見込まれるところでございます。また、それと同時に、大都市特有財政需要や防災・減災対策人口減少対策など、従来からの課題にも取り組んでいく必要がございます。  そこで、今年度の青本におきましては、新型コロナウイルス感染症による影響中長期に及ぶことを前提として、地方税の減収と新たな財政需要を踏まえた地方交付税確保について盛り込んでいるところでございます。特に、自主財源が脆弱な札幌市の財政構造の特性を踏まえますと、地方交付税による一般財源確保が非常に重要な課題というふうに認識をしてございまして、国に対して地方一般財源総額確保拡充を強く求めてまいりたいというふうに考えてございます。  また、今後の財政運営についてでございますけれども、このたびの新型コロナウイルス感染症対策につきましては、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金財政調整基金の取崩しで対応しているところでございますが、収束後も新しい生活様式等に対応するために増加していく財政需要に対応していくためには、市税を中心とした使途に制限のない一般財源確保拡充、そして、基金の一定程度残高確保が肝要であるというふうに認識をしてございます。  そこで、今後とも、歳入歳出の改革や財政基盤の強化などの取組によって財源確保いたしまして、足腰の強い持続可能な財政構造への転換を図り、長期的にバランスの取れた財政運営を進めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆三神英彦 委員  今回の新型コロナウイルス感染症で、札幌市だけじゃないんですけれども、多くの市民が行政に求めたものは、今日は税財なので、お金に関して言うと、大きく三つに分類されるのかなというふうに思います。皆さんには釈迦に説法なのかもしれないんですけれども、一つは量的に確保すること、それからもう一つはスピード感、それから三つ目に適切な配分、これが上手にできると、多分、市民の方々は納得してくださったんじゃないかと思います。  量的な確保に関しては、これは、白本、それから重点要望、それから今回の青本だとか、そういったものでの国に対してのやり取り、それから平時での国とのコミュニケーションという中で、本当に、皆さん、ご努力していただいていると思います。  スピード感について、これは、市民の声により今後も応えていくためには、今後、次の機会に、今回よりももっと早く必要なところにお金を届ける努力が必要で、これは、国や道と協議するもの、それから札幌市独自で取り組むもの、全てひっくるめて取り組んでいくべきだと考えます。これは、市議会のほうはまたチェック機能ということがあって、これは、上手にやらないと、スピードを遅くさせる可能性もある話なので、市議会についても同じテーブルで同等に知恵を絞っていくべき案件だと思います。  それから、最後の適切な配分について、これは、当然、現状は、1〜2か月、まず、第一には、保健所、それから保健所からの検査システム、それから、そこからの医療、介護、福祉というような部分がまず一つのグループ、それから、二つ目には、経済復興案件、そこにお金をかけるということだと思いますが、次年度、また、それ以降というのは、これから適切な配分の在り方というのはきちんと考え抜かれて変わっていくべきだと思っています。  私が、一番、今、気にしているのは、将来を担う子どもたちだとか学生たちというのが、今、声も上げずにダメージを受けているんじゃないかと、だけど、それが数字にもお金にも出ていないので、私たちはちゃんと認識していないという可能性があると思います。それを、上手に、私たちもきちんと見ていきますので、引き続きお互いに注意して進めていけたらと思います。 ◆うるしはら直子 委員  私からは、新型コロナウイルス感染症に関連して、今回、文案に修正がありました重点要望事項詳細説明財政関係3の地方交付税必要額確保臨時財政対策債の廃止及び要望事項詳細説明税制関係4の固定資産税安定的確保の2点について伺います。  まずは、地方交付税必要額確保臨時財政対策債の廃止について伺います。  要望の文中にもありますとおり、新型コロナウイルス感染症は、観光業飲食業といった第3次産業を中心にマイナスの影響を与えており、ワクチンの開発などの効果的な解決策もいまだ出ていないことから、中長期にわたって地方財政影響が及ぶものと考えます。  従来から、この青本要望では、臨時財政対策債を速やかに廃止するよう文案に盛り込んでいますが、新型コロナウイルス感染症影響により企業の業績が悪化することで、交付税原資となる法人税などの国税の収入が減少し、交付税振り替わりである臨時財政対策債はむしろ増加するのではないかと懸念されるところです。  今回の青本文案によりますと、2018年度末の指定都市臨時財政対策債の残高は6兆2,705億円であり、一般会計市債残高に占める割合は35%となっています。また、2019年度の地方交付税に占める臨時財政対策債配分状況は、指定都市総額で4,945億円であり、地方交付税の40%が臨時財政対策債であるとのことが示されています。  そこで、1点目の質問ですが、こうした指定都市の現状を踏まえて、現在の本市の市債残高臨時財政対策債の状況がどのようになっているのか、伺います。 ◎梅田 財政部長  現在の札幌市の市債残高臨時財政対策債の状況についてのご質問でございます。  まず、札幌市の平成30年度一般会計市債残高は1兆728億円、うち臨時財政対策債の残高が5,093億円となってございまして、一般会計市債残高に占める割合は47.5%となってございます。指定都市全体が35.0%となっていますので、少し高くなっている状況になっています。  その要因でございますけれども、札幌市の財政基盤が脆弱で広義の地方交付税総額が多いということが一つ、また、建設債の残高が他の政令指定都市よりも比較的少ないということによるものでございまして、臨時財政対策債割合が高くなっているためというふうに考えられます。  なお、平成30年度決算ベースの市民1人当たり地方債現在高についても、20政令市中、少ないほうから7番目ということでございますので、そういう中で堅実な運営をしているものというふうに認識をしてございます。  また、令和元年度の地方交付税に占める臨時財政対策債配分割合については29.9%となってございまして、指定都市総額の40%よりも低い割合となってございます。  なお、先日、決定された今年度の臨時財政対策債発行可能額は455億円、これは、平成30年度の559億円から2年連続で減少してございまして、青本で継続して要望している臨時財政対策債の廃止に向けて一定の成果はあったものというふうに認識はしてございます。 ◆うるしはら直子 委員  ただいまの答弁で、まず、市民1人当たり市債残高が他都市に比べて少ないということで、これに関しては、過去に本市が市債残高を減らす努力を続けてきた結果であると言えます。  また、臨時財政対策債発行可能額もここ数年は減少が続いているとのことでしたが、今後の国の税収状況などによっては臨時財政対策債配分が増やされ、市債残高の増嵩につながるおそれがあります。臨時財政対策債に頼る財政運営は将来世代への負担が先送りとされることになってしまうことから、地方交付税法定率の引上げなどによって国が責任を持って対応すべきと考えます。  そこで、質問ですが、今後、臨時財政対策債が増加に転じ、より一層の臨時財政対策債の残高が増加する懸念を踏まえ、青本では具体的にどのように要望していくのか、伺います。 ◎梅田 財政部長  臨時財政対策債の残高が増加する懸念についてのご質問でございます。  以前より、青本におきましては、地方財源不足の解消は地方交付税法定率の引上げによって対応し、臨時財政対策債は速やかに廃止することを求めてきたところでございます。  新型コロナウイルス感染症対策による影響につきましては、例えば、リーマンショックのときと同様に、地方税等の減収をまず的確に見込んだ上で、地方財政計画の歳出に臨時的な財政需要を踏まえた歳出特別枠を設けることを求めているものでございます。また、この歳出特別枠の必要額確保に当たっては、国の一般会計歳出に計上されます地方交付税に別枠加算を設けることなどによって対応するよう盛り込んでいるところでありまして、臨時財政対策債ではなく、現金部分である普通交付税を増額するよう要望しているところでございます。 ◆うるしはら直子 委員  要望の方向性については分かりました。  新型コロナウイルス感染症への必要な対策、これを十分に行うこと、こちらももちろんですけれども、中長期にわたって安定的な財政運営を行うという視点も忘れることのないようにしっかりと要望していただきたいと思います。
     続きまして、25ページ要望事項説明項目4 固定資産税安定的確保のうち、償却資産に対する固定資産税について伺います。  要望文の(2)に記載されております償却資産に係る中小企業設備投資の特例措置については、2018年度の税制改正において創設されたものですが、青本においては、償却資産に対する固定資産税の制度は堅持すべきであるとして、国の経済対策などの視点からの見直しを行わないよう、以前より継続して要望してきたところと認識しています。  そこでまず、改めまして、2018年度税制改正において創設された償却資産に係る中小企業設備投資の特例措置の内容と、本市のこれまでの適用実績について伺います。 ◎増田 税政部長  ただいまのご質問で、まず、2018年度税制改正において創設されました償却資産に係る中小企業設備投資の特例措置の内容についてでございます。  この特例措置につきましては、地域経済の活性化に向けて、地域の中小企業等による設備投資の促進を図る観点から創設されたものでございます。その内容でございますが、平成30年6月6日から令和3年3月31日までの間に、中小企業等が機械装置など一定の生産性向上設備を新規取得した場合に、その固定資産税を3年間に限り減額するものでございます。  次に、本市のこれまでの適用実績についてでございます。  令和元年度課税分の適用事業者数は42者で、減税額につきましては約1,300万円でございます。令和2年度課税分につきましては、適用事業者数は77者で、減税額は約2,900万円でございます。 ◆うるしはら直子 委員  2018年度税制改正により創設された特例措置の内容及び、適用実績については理解いたしました。  これを踏まえて伺いますけれども、今年度の要望文、さっきの(2)には新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置として、対象範囲が拡大され、期間の延長も行われるとの記載があります。  そこで、二つ目の質問ですが、この税制上の措置で拡大される対象範囲と延長期間について伺います。 ◎増田 税政部長  税制上の措置で拡大されます対象範囲と延長期間についてでございます。  これは、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置といたしまして、令和2年4月7日の閣議決定に基づき、4月30日に地方税法が改正されたことによるものでございます。  この改正では、新型コロナウイルス感染症影響を受けながらも新規に設備投資を行う中小企業等を支援する観点から、これまでの対象でありました償却資産に加え、新たに事業の用に供する一定の家屋及び一定の構築物も対象とされ、適用期間も令和3年3月31日から2年延長となる予定でございます。 ◆うるしはら直子 委員  この対象範囲、また、期間については理解いたしました。  今回の新型コロナウイルス感染症における緊急経済対策税制上の措置、これは、あくまで臨時かつ異例の措置であるものと認識しております。したがって、以前からの要望どおり、固定資産税指定都市の極めて重要な基幹税目であり、安定的確保を図る必要があるものと考えます。今後も、青本では国の経済対策の観点からの見直しは行うべきではないとする要望を継続するなど、地方自治体としての財源確保を強く求めていくことを要望します。  最後になりますけれども、この青本は、中長期的な観点から大都市の実態に即した財源拡充に向けて税財政制度の改正を要望するものでありますけれども、内容的に様々な事情からなかなか実現しないものが課題として積み重なり、毎年継続要望となってしまっている項目が多くを占めているのが現状です。しかし、今般の新型コロナウイルス感染症による影響で、社会はこれまでにない大きな転換を迫られており、国と地方の在り方も例外ではありません。一方で、地方と同様に、国もまた財政運営が厳しい状況にあります。また、現在も感染拡大に伴う経済的な打撃が半年以上に及び、長期化もしています。  こうしたことを踏まえますと、今後の状況によっては、従来から要望してきた内容では時期にそぐわないものが出てくることや、新たな要望や提案の必要が出てくることも考えられます。さきに要望を提出しました白本においても同様のことが言えますが、来年度以降においては、新型コロナウイルス感染症の状況はもちろん、変化する世の中の動きを踏まえながら、要望内容が時代により即したものになるよう、改めて指定都市間で確認し、また、検討していくことを求めまして、私からの質問を終わります。 ◆森山由美子 委員  我が会派からは、要望事項詳細説明財政関係2 地方債制度の充実について伺います。  この項目には、今年度、新たに緊急防災・減災事業債及び緊急自然災害防止対策事業債の延長についての要望が盛り込まれております。  我が党は、国民の生活を守るための政策の一環として国民の命を守る社会インフラの強化を推進しており、近年、九州豪雨をはじめとする水害や地震などの自然災害が多発していることも踏まえ、原状復旧ではなく、改良復旧を進め、強い国土であるべきとの強い思いから、今年度の骨太方針にも防災・減災、国土強靱化に関する記述を盛り込むよう政策提言を申入れしております。その結果、3か年緊急対策後も中長期的視点に立って計画的に取り組むため、必要十分な予算を確保し、オールジャパンで対策を進め、国家百年の大計として災害に屈しない国土づくりを進めると骨太の方針に盛り込まれたところであります。  そこでまず、1点目の質問でありますが、今回、緊急防災・減災事業債等の延長を地方債項目に盛り込んだ趣旨について伺います。 ◎梅田 財政部長  地方債制度の充実の部分の緊急防災・減災事業債等の延長を盛り込んだ趣旨についてのご質問でございます。  毎年のように全国各地で頻発する大規模な自然災害を受けまして、国においては、平成30年12月に国土強靱化基本計画を改定するなど、強靱な国づくり、地域づくりを推進しているところでございます。札幌市におきましても、この動きを受けて、昨年度に札幌市強靱化計画を改定いたしまして、災害に強いまちづくりを目指して取組を進めているところでございます。  一方で、東日本大震災を受けて創設されました緊急防災・減災事業債や、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策に基づいて創設されました緊急自然災害防止対策事業債につきましては、今年度で終了する予定となってございます。これらの地方債は、いずれも充当率が100%、元利償還金の70%が交付税として措置されるということで、財源的にも非常に有利な地方債でございます。防災・減災に係る事業を強力に推し進めていくためには、これらの地方債は今後も必要であるという各政令指定都市共通の認識から、国に対して延長するようしっかりと訴えていくことが必要であると考えまして、今回の青本の文案に盛り込んだところでございます。 ◆森山由美子 委員  青本にもこの文案が盛り込まれたことについて、一定の評価をしているところであり、しっかりと訴えていってほしいと思います。また、延長を要望するということは、これまでこの事業債が生かされてきた実績があり、これからも必要とする事業があるからこそだと考えます。  そこで、二つ目の質問ですが、緊急防災・減災事業債等は、本市においてこれまでどのような事業に生かされてきたのか、また、今後、延長された場合、どのような事業に活用するつもりか、伺います。 ◎梅田 財政部長  緊急防災・減災事業債等の活用の実績と、今後どのように活用するかというご質問でございます。  札幌市におきましては、平成23年度に創設されました緊急防災・減災事業債を積極的に活用してきたところでございまして、過去には学校の耐震補強事業や消防ヘリコプターの更新費用などに充当をしてきたところでございます。この緊急防災・減災事業債は、令和2年度におきましては、地下歩行空間の非常用電源の整備、災害対策総合システムの構築、消防車両の整備などといった防災対策に資する事業に約20億円を充当する予定となってございます。  来年度以降も制度が延長となった場合には、こうした防災対策に係る様々な事業に引き続き生かしてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆森山由美子 委員  骨太の方針にも、緊急防災・減災事業債について、地方自治体の取組状況を踏まえ、適切に検討を行うとあります。我が党としても、この青本によって地方の声を届けることにより、今後も防災・減災を政治、社会の主流にとの方針の下、国民の命を守り経済を活性化していくための柱として防災・減災の取組の強化を訴えてまいりたいと思います。  札幌市も、来年度予算編成に向けて、新型コロナウイルス感染症影響で難しい財政運営が迫られることになると思いますが、国の動きも踏まえた上で防災・減災事業も積極的に推し進めることを強く求め、私からの質問を終わります。 ◆佐々木明美 委員  私からは、要望事項項目財政関係1 国庫補助負担金超過負担の解消について質問いたします。  最初の質問ですが、この要望書の29ページにあります国庫支出金対象事業における指定都市の主な超過負担の表によりますと、これは政令市の合計でありますから、札幌市ではどのような項目でどれぐらい超過負担しているのかを伺います。 ◎梅田 財政部長  国庫補助負担金超過負担について、札幌市の項目と金額についてのご質問でございます。  この29ページにあります表は、指定都市において超過負担が発生している主なものとして保育所等運営費、障害者自立支援給付費、小・中学校校舎建設費及び屋内運動場建設費を掲載しているものでございます。札幌市におきましては、このうち、保育所等運営費において、令和2年度予算で約32億円の超過負担が生じているものでございます。  なお、国庫負担率が2分の1であるため、不足する国庫補助金は約16億円ということになります。 ◆佐々木明美 委員  札幌市では、この中で保育所等運営費についてのみ超過負担をしているということですが、その具体的な内容について伺います。 ◎梅田 財政部長  保育所等運営費の超過負担の具体的な内容についてでございます。  国が定めます公定価格の水準や対象では、札幌市が最低限必要と考えている保育の質を確保することができないということで、単独で補助を行っているものでございます。本来であれば、本市が必要と考えている水準まで公定価格を上げるべきであって、不足する金額を超過負担というふうに認識しているところでございます。  具体的には、主なものといたしまして、国の基準に基づく必要保育士数よりも多く職員を配置した場合に補助をする加配保育士等雇用促進補助として25億円、給食業務を補助する際に配置基準より多く調理員を雇用した際の調理員パート雇用費補助として3億円などが挙げられるものでございます。 ◆佐々木明美 委員  ただいまその中身についても説明を受けましたが、この超過の件については2017年に我が党会派でも質問しております。当時確認した本市の超過負担と比べてその額が大変大きくなっているというふうに、今、説明を受けて思いましたが、その理由について伺います。 ◎梅田 財政部長  保育所の運営費の超過負担、平成29年、2017年のときとの比較について、その額と理由についてのご質問でございます。  平成29年の青本の委員会で同様のご質問をいただいた際には、25億円の超過負担が発生しているというふうに申し上げたところでございます。今年度は31億円となっておりますので、当時から6億円ほど増ということになってございます。  この要因につきましては、保育所の数が増えていること、また、人事院勧告の内容を踏まえた人件費の引上げを反映するなど、単価改定を行っていることが要因でございます。 ◆佐々木明美 委員  この6億円増になった中身についても、保育所が増えていたり人件費の引上げだということのご説明がありましたが、保育園は、働く親を支え、子どもたちの成長に寄り添い、社会的にも重要な役割を果たしています。  しかし、保育の現場はいつも人員不足でぎりぎりの体制で行っています。本市の保育所の待機児童は4月1日現在1,869人で、毎年4桁にもなる待機児童をなくすことと同時に、保育の質を守っていくことが求められています。国の予算が不十分なために、結局、自治体の負担になっており、公定価格の引上げによる対応が急務です。  コロナ禍の中で保育園は3密を避けるなどの対応が求められ、今後、ますますゆとりを持った保育が求められます。本市の状況や保育士の配置の必要性などをしっかり伝え、実態に見合った国庫負担となるよう強く要望すべきと申し上げ、質問を終わります。 ○伴良隆 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○伴良隆 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午前10時49分...