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令和 2年第二部予算特別委員会−03月25日-05号
令和 2年第一部予算特別委員会−03月25日-05号

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  1. 札幌市議会 2020-03-25
    令和 2年第一部予算特別委員会−03月25日-05号


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    最終取得日: 2021-04-26
    令和 2年第一部予算特別委員会−03月25日-05号令和 2年第一部予算特別委員会  札幌市議会第一部予算特別委員会記録(第5号)               令和2年(2020年)3月25日(水曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34名     委 員 長  池 田 由 美      副委員長   松 原 淳 二     委   員  武 市 憲 一      委   員  三 上 洋 右     委   員  高 橋 克 朋      委   員  山 田 一 仁     委   員  細 川 正 人      委   員  佐々木 みつこ     委   員  飯 島 弘 之      委   員  北 村 光一郎     委   員  小 竹 ともこ      委   員  松 井 隆 文     委   員  村 松 叶 啓      委   員  小 田 昌 博     委   員  小須田ともひろ      委   員  小 野 正 美     委   員  ふじわら 広昭      委   員  桑 原   透     委   員  山 口 かずさ      委   員  中 村 たけし     委   員  成 田 祐 樹      委   員  うるしはら直子     委   員  たけのうち有美      委   員  田 島 央 一     委   員  國 安 政 典      委   員  福 田 浩太郎     委   員  丸 山 秀 樹      委   員  前 川 隆 史
        委   員  森 山 由美子      委   員  村 上 ひとし     委   員  田 中 啓 介      委   員  佐々木 明 美     委   員  佐 藤   綾      委   員  石 川 さわ子       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○池田由美 委員長  ただいまから、第一部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、三上洋右委員からは遅参する旨、よこやま委員からは佐々木みつこ委員と、小口委員からは丸山委員と交代する旨、それぞれ届出がありました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第3款 保健福祉費 第1項 社会福祉費中子ども未来局関係分、第2項 子ども福祉費及び議案第4号 令和2年度札幌市母子父子寡婦福祉資金貸付会計予算について、一括して質疑を行います。 ◆森山由美子 委員  私からは、認定こども園にじいろでのICT導入の実証事業についてと、未就学児が日常的に移動する経路等の安全確保について、2項目について質問をいたします。  まず初めの質問です。  近年の保育の受け皿の拡大に伴い、現場の担い手となる保育士不足が喫緊の課題になっております。  そのため、今年度、札幌市では、保育士確保プロジェクトの緊急対策として、就労継続を目的とした一時給付金事業、潜在保育士の掘り起こしを目的とした短時間就労支援補助等、中長期的な視点から様々な取組を開始したところです。  一方、保育士不足に対応するためには、保育人材の確保に関するこのような取組と併せて、個々の保育士の業務負担を軽減するような取組を行うことも有効と考えます。  実際、札幌市が平成30年度に実施した保育士実態調査では、保育士として就労中の方が現在の職場で改善してほしい点に関する質問に対して、給与・賞与等、職員数の増員、勤務体制や休暇の取得という回答が上位を占める中、4番目には、保育現場における事務・雑務の軽減が挙げられております。  保育現場では、通常の保育業務に加えて、指導計画や保育日誌の作成、報告書の作成など、非常に多くの事務作業を担っており、それらが保育士不足の問題を抱える保育現場にとって大きな負担になっている様子がうかがえます。  このような状況を踏まえ、今年1月から市立の認定こども園にじいろでは、保育士の業務負担を軽減させることを目的にICTを導入したとのことです。私も、直接、にじいろを視察して、実際のシステムを見させてもらいましたが、これにより、園児の登降園の時間、園児情報、時間外保育の利用状況等をICTによって管理することが可能になったとお聞きをいたしました。  そこで、質問ですが、現在実施しているにじいろでの実証事業について、保育士や保護者の方からはどのような意見が上がっているのか、また、実証事業を通じて札幌としてどのようなことを目指しているのか、伺います。 ◎田中 子育て支援部長  ただいまご質問のありましたにじいろでの実証事業に対する意見、また、実証事業を通じてどのようなことを目指しているかについてお答えいたします。  まず、保育士にとりましては、これまで、紙媒体で記録及び管理をしていた登降園時間や園児等の情報を電子化することによりまして、事務負担の軽減につながっているものと評価してございます。  また、保護者からも、システムは操作しやすく、利便性も高いとの声が上がっているところでございます。  札幌市といたしましては、公立保育所等へのICT導入によりまして、多忙な保育士の事務負担を軽減し、園児や保護者とのコミュニケーションの時間を十分に確保することで、より安心してお子さんを預けられるような保育環境の体制づくりを目指したいと考えております。 ◆森山由美子 委員  実証事業は開始したばかりですので、今後、保育士や保護者の方々の意見を十分に聞きながら、じっくりと検証を進めてもらいたいと思います。また、実証事業の検証結果については、今後、保育士の業務負担の軽減を実現できるよう、活用していただきたいです。そして、さらに公立保育所において導入すべきと考えます。  そこで、次の質問ですが、今回の実証事業では、にじいろで導入したところですが、今後、ほかの公立保育所への展開はどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎田中 子育て支援部長  今後におけます他の公立保育所への展開についてお答えいたします。  まず、今回の実証実験を通じまして、どのような機能が保育士にとりまして業務の負担軽減につながるのか、そして、より活用するためにはどのような手法を用いたらいいのかなど、保育所等へのICT導入による効果や課題を十分に検証していく必要があるものと認識しているところでございます。  その検証結果を踏まえまして、今後、他の公立保育所の展開につきましても検討してまいりたいと考えております。 ◆森山由美子 委員  保育所等におけるICTについては、札幌市でも既に民間保育所等への補助事業を設けているところであり、導入が進んでいるところです。札幌市の公立園での実証事業の検証結果を踏まえ、できるだけ早いうちに、10区全てのほかの公立保育所でもICT導入を促進すべきと考えます。民間の保育所等も含めて、保育所等におけるICTのさらなる活用を図り、保育士及び保護者の双方にとって有用なものとなるよう求め、次の質問に移ります。  次に、未就学児が日常的に移動する経路等の安全確保について質問をいたします。  子どもの発達を支えるためには、保育施設と家庭及び地域社会における生活経験がそれぞれに実感を伴い充実したものになることはもちろん、相互に密接に結びつくことが重要であります。保育施設での遊びや活動の中で子どもたちが味わった様々な実体験が家庭や地域での生活に生かされるとともに、家庭や地域社会において、子どもが身近な環境に触れ、それぞれで経験したことが保育施設での生活に生かされていくことが大切であり、こうしたことにより、子どもは身の回りの事物に対する興味・関心を広げ、周囲の人々との関わりをより豊かなものにしながら、友達との関わりを深めていくことができると認識をしております。  このため、保育施設においては、保育所内外において子どもが豊かな体験を得る機会を積極的に設けることが必要であり、その際、特に保育施設外での活動においては、移動も含め、安全に十分配慮することはもちろんのこと、子どもの発達やその時々の状態を丁寧に把握し、一人一人の子どもにとって無理なく充実した体験ができるよう実施することが重要になると考えます。  こうした中、昨年5月に、大津市にて集団で歩道を通行中の園児らが死傷する痛ましい交通事故が発生してしまい、このように、子どもが犠牲となる交通事故を受け、全国の自治体において、未就学児が日常的に集団で移動する経路の緊急安全点検を実施されたところです。  そこで、質問ですが、市内の保育関係施設においては、この緊急点検の結果がどうであったのかをお伺いいたします。 ◎押見 支援制度担当部長  市内の保育関係施設における緊急安全点検の実施結果についてのご質問でございます。  今回の緊急安全点検では、まず、各施設において日常的に集団で移動する経路について、危険と思われる箇所の洗い出しを行い、各施設が道路管理者や警察と連携しながら、昨年9月までに合同点検を実施したところでございます。  認可保育所、認定こども園認可外保育施設等において、この点検結果を受けて、道路管理者等と必要な対策について検討を進めているところであり、対策が必要とされた箇所は192カ所となっております。 ◆森山由美子 委員  ただいまの答弁にありました対策が必要とされる箇所については、市として丁寧に状況を施設から聞き取り、子どもたちが安全に施設外の活動が行える環境を整えることが重要であると考えます。  また、こうした丁寧な対応も必要でありますが、子どもたちの安全確保は待ったなしの状況であり、可及的速やかに対策が必要とされる箇所における対応内容については検討を行い、対応方法を決定したものは速やかに実施していくことも重要だと考えます。  そこで、質問ですが、緊急点検での道路管理者等における対策が必要とされた箇所について、現時点での対策の進捗状況はどのようになっているのか、また、対策の内容はどのようなものか、伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  対策の進捗状況とその内容についてのご質問でございます。  合同点検の結果、対策が必要とされた192カ所のうち、99カ所については既に対策が実施されております。  主な内容でありますが、道路管理者等においては、まずは短期的に対応可能なものとして、舗装等の道路施設の修繕、青信号時間の延長等を行ったところでございます。  また、各施設においては、散歩経路の変更などの対応を行っております。  今後の予定としては、防護柵や歩道の設置、拡幅、ドライバーに注意を促す看板、路面標示等の設置といった対応が検討されているところです。 ◆森山由美子 委員  ぜひ、子どもたちの安全を守るために、引き続き対応できるものから、順次、速やかに対応していっていただきたいと思います。  一方、国においては、保育所等が行う散歩等の園外活動の安全を確保するため、今般、小学校等の通学路に設けられているスクールゾーンに準じて、キッズゾーンの設定について検討するよう、全国の自治体に要請しております。  キッズゾーンの設定は、保育施設が行う散歩等の園外活動等の安全を確保するために、保育所等の周辺で園児等に対する注意をすべきという意識の啓発、関係機関の協力により、特に配慮する必要がある箇所に対しての安全対策の一層の推進、それによる保育所等の周辺の道路における自動車の運転手等に対する注意喚起を行うことを目的とされております。  また、キッズゾーンの範囲は、保育所等の半径500メートルを原則として、地域の実情に合わせ、柔軟に設定するよう求めています。  子どもたちの育ちをより豊かにするため、札幌市として、保育施設外での活動をより後押ししていくためにも、キッズゾーンの設定については検討していくことが必要と考えます。  そこで、質問ですが、今後、市としてキッズゾーンの設定についてどのように考えているのか、伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  キッズゾーン設定への市としての考えについてのご質問でございます。  現在、道路管理者等において、対策が必要な箇所の防護柵の設置などといった直接的、物理的な安全対策について検討を行い、実施しているところです。  まずは、こうした道路管理者等における安全対策の実施を速やかに行っていくことが肝要と考えているところです。  キッズゾーンの設定に当たっては、キッズゾーンの基準や範囲、ゾーン内の安全対策など、種々の課題を整理の上、検討していく必要があると認識しており、積雪寒冷地である札幌市の特徴なども踏まえまして、効果的なキッズゾーンの在り方について、他都市の取組状況なども把握しながら検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆森山由美子 委員  キッズゾーンの設定、推進は、子どもたちの安全・安心な園外活動を行う上で非常に重要な役割を果たすものであると考えております。  私のところにも、保育施設等の近隣での子どもたちの交通安全に対する不安の声も、町内会長をはじめ、市民の皆様からも寄せられております。市として対策が必要とされる箇所に対する対応を進めていく中で、キッズゾーンの設定も含めた幅広い対策を行っていただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。 ◆佐藤綾 委員  私からは、民間児童育成会民間学童保育所について、幾つかお伺いいたします。  一つ目に、登録要件についてお伺いいたします。  民間児童育成会、民間の学童保育所は、保護者が働いている小学生の放課後の居場所として運営されております。  児童会館やミニ児童会館ができる前から、父母らによって設立され、継続されてきました。現在も、多くは保護者が運営し、本市では46施設あります。  この民間学童保育所で登録児童が10人未満になると、市の登録要件から外され、助成が受けられなくなります。  再度、10人以上となっても、実質、再登録ができないことから、保護者や関係団体から、長年にわたり、再登録ができるよう、要望や陳情が出されておりました。  昨年の第3回定例市議会の決算特別委員会では、再登録を認め、再び助成を受けられるようにすべきとの質問に対し、山本部長より、児童クラブの開設前から地域に根差して運営を継続してきたことなども勘案して、今後、検討してまいりたいとの答弁をいただいていたところです。  そこで、質問いたしますが、その後の検討についてお伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  再度、登録要件を満たした場合に再登録を認めることの検討についてでございます。  民間児童育成会の多くは、児童クラブ開設前から、その地域に根差した運営を継続して行っており、地域における留守家庭児童の居場所として一定の役割を担ってきたことを踏まえ、利用する児童への影響がないように配慮する必要があるものと認識をしております。  このため、登録児童数が10人未満となって登録から外れた民間児童育成会が、次年度当初の登録申請時までに登録児童数が10人以上となった場合には、再度登録を認め、助成を再開できるよう、今年度中に札幌市放課後児童健全育成事業実施要綱の改正を予定しているところでございます。 ◆佐藤綾 委員  10人未満になっても、再び10人以上になると再登録できるということでございました。これについては、運営する保護者や団体にとって大きな喜びであると思います。  本市として、子どもたちの放課後を豊かなものにしようと、長年、地域で民間学童保育所が担ってきた奮闘と実績を評価していただいたと思います。  陳情などの際にも、各会派の皆さんから支援すべきとの質疑が出されたことで、大変心強かったということもお聞きしております。  また、もし4月の段階で9人以下となってしまった場合、10人を回復するまでの期間を市の助成なく運営しなければならないことから、早期に再登録できるよう支援していただきたいと思います。  次に、放課後児童支援員の資格要件についてお伺いいたします。  昨今の全国的な保育士不足などにも見られるように、民間学童保育所の指導員についても、人材不足が懸念されており、確保が難しい状況です。  本市においては、国の基準である常時2人の配置を、放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準とし、条例により定められております。  この配置基準について、新たに採用した指導員について、教員や保育士などの基礎資格を有していても、放課後支援員認定資格研修を受講しないと支援員としての配置基準を満たさないため、研修の修了を前提で配置できるよう認める経過措置について、昨年の3定議会決算特別委員会で求めてきたところです。  このたびの第1回定例市議会で議案として、札幌市子ども・子育て支援法施行条例等の一部を改正する条例案が提出され、可決しました。  そこで、質問いたしますが、この条例改正によって緩和される具体的な内容と資格要件を満たすまでの対応により、どのような効果を見込んでおられるのか、お伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  放課後児童支援員の資格要件の緩和についてでございます。  まず、1点目の具体的な要件緩和の内容についてですが、事業の実施に当たっては、おおむね40名以下の支援の単位ごとに、放課後児童支援員を原則2名以上置く必要がございます。  平成27年度に、放課後児童支援員の資格ができて以降、保育士や社会福祉司といった基礎資格を有し、一定の要件を満たす者は放課後児童支援員とみなすことができる旨の経過措置が設けられておりましたが、この経過措置は今年度末に終了いたします。  このため、放課後児童クラブに新規採用された従事者のうち、基礎資格を有し、採用日から起算して1年を経過する日の属する年度の末日までに放課後児童支援員認定資格研修を修了することを予定している者は、放課後児童支援員としてみなすことができるよう、要件を緩和したものでございます。  次に、2点目の要件緩和により見込まれる効果についてでございます。  次年度以降に急な退職等で放課後児童支援員に不足が生じたときには、新規採用した職員が放課後児童支援員の基礎資格を満たしていても、認定資格研修を修了するまでは、放課後児童支援員として従事できないことから、人員配置基準を満たせず、運営ができない場合も想定されるところでございます。  そのため、今回の要件緩和により、このような不測の事態の際に、児童の受入れに支障を生じさせないなど、安定的な運営に寄与する効果があるものと見込んでございます。 ◆佐藤綾 委員  今回の条例の改正で、基準を満たす猶予ができました。ただ、この不足傾向は否めません。人材確保のため、本市では支援員の処遇改善がされています。さらなる改善を続けて、人材確保支援をしていくべきと申し上げます。  また、民間の学童保育所は、子どもたちの安心・安全な居場所づくりに、運営にも努力しています。財政的に厳しく、古い民間の建物を借りているところも多いため、耐震化がされていない建物もあり、国の制度を活用した耐震化を助成するように求めます。  耐震化については、地震の際の子どもたちの安全を確保するため重要であり、急がれる課題です。市としても手を尽くすべきです。  最後に、コロナウイルス感染症による影響から民間学童保育への支援について、2点お伺いたします。  コロナウイルスの感染を防ぐため、あらゆる対策がされているところです。  市職員の皆さんも、年度末の多忙期である上に、さらなる対応に尽力されていることと思います。  2月27日からの学校の臨時休業により、感染拡大防止のため、民間学童保育所は当初閉所しましたが、休業が長期なこともあり、安全対策をしながら、おおむね3月7日から9日以降は開所しています。学校があるはずの期間ですので、本来は午後からの開設ですが、朝8時過ぎから子どもを受け入れております。  また、分散登校は11時登校で時間が遅いため、朝、学童保育所へ行き、その後、登校することになります。そのため、いつもより指導員の勤務を増やし、確保にも苦労しながら、アルコール消毒液でこまめに拭く、換気もして子どもたちの熱も測るなどしながら運営しています。  こうした手だては、小規模だからこそ細かくでき、安心して子どもたちが通える場所ともなっております。  私ごとですが、休業となり、学童保育所も閉所となった当初は、子どもを実家に預けるなどしてしのぎました。ただ、実家が遠く、預かる人がいないなどに直面した保護者もおりました。学童保育所ミニ児童会館、児童会館が開所され、保護者は大変助かりました。  休業に関連し、児童育成会や関係団体から財政的な支援の要望も出されています。放課後児童健全育成事業に対する国による財政措置がされるということで報道もされ、全額、国の負担とし、国からの通知も出ていると思います。  質問いたしますが、休業に伴い、平日の午前中からの開所への支援、開所時間が増えるため、支援員など人材確保の費用、障がいのある子どもを受け入れている場合などでも支援などがあるとのことですが、本市の具体的な支援の内容をお伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  新型コロナウイルス感染症防止に係る支援についてでございます。  札幌市の具体的な支援の内容についてでございますが、国からは、小学校の臨時休業に伴う対応に費用を要する場合などに対して特例措置を行う旨の通知があったところでございます。  札幌市としても、国から示されました交付要綱等に基づき、小学校の臨時休業により、平日の午前中から開所した場合の経費や人件費、また、障がいのある児童を受け入れる場合に必要な専門的知識等を有する者を配置する経費、また、感染拡大防止のためのマスク、消毒用エタノール等の衛生用品の購入経費に関する助成を行うため、札幌市放課後児童健全育成事業助成金交付要綱を改正し、必要な支援を進めてまいります。
    ◆佐藤綾 委員  国の支援については、全て市のほうでも対応していただけるということでした。ただいま、感染防止のためのエタノールなどの費用についても財政措置がされるということでした。  この感染防止の支援についてですが、3月10日に出された通知において、3月13日までしか申請提出期間がなかったことから、申請ができなかったとの声が相次ぎ、国会において、17日に田村智子参議の質疑で、18日に追加申請に関する連絡を発出するとの答弁がありました。  こうして追加して申請が可能となりましたが、本市としても、当初のこうした極端に短い申請期間への対応は難しかったのではないでしょうか。  質問いたしますが、これらの国の財政措置について、各民間児童育成会への内容や申請方法などの通知についてはどう周知しているのか、また、申請期間が短いことから、支障なく申請できるよう、どう対応されているのか、お伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  国からの通知等の周知と申請手続に関してでございます。  まず、国からの通知等の周知についてでございますが、今般の件に係る国からの通知等のうち、交付金に関することや感染症対策の留意事項など、周知が必要なものにつきましては、インターネットメールやファクスなども活用の上、可能な限り、速やかに通知を行っているところでございます。  次に、民間児童育成会助成交付申請手続の状況についてでございますが、国から示されました通知時期との関係から、非常に短期間での申請手続となりますことから、申請手続が煩雑とならないように、可能な限り簡素な申請書にするなど、工夫をしているところでございます。  また、民間児童育成会からの問合せについても、そごが生じないよう、必要に応じて国に確認の上、速やかに回答し、期間内の申請ができるように対応しているところでございます。 ◆佐藤綾 委員  現場では大変ご苦労されていることと思います。  未来局としても様々な対応をされていることと思いますけれども、この申請ができなかったということのないように、ぜひ寄り添った支援をしていただくように求めまして、質問を終わります。 ◆小須田ともひろ 委員  私からは、第2児童相談所と児童相談体制強化について、2点質問させていただきます。  第2児童相談所の整備につきましては、市長2期目の公約にも掲げられ、まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2019においても、2022年度着工を事業目標に設定されております。  平成28年3定の代表質問をはじめとして、我が会派の阿部議員が、児童相談所が2カ所体制となったときの位置関係や、早期整備を目指す観点から、第2児童相談所について、旧白石区役所跡地での整備を提案してまいりましたが、昨日の予算特別委員会では、同用地は、地域の活性化につながるよう、公募提案型入札による売却を行いたいとのことでありました。  また、一部報道では、市として水道局白石庁舎跡地への整備方針となっているというふうにも出ておりました。  そこで、質問ですが、第2児童相談所について、どこに整備をしていこうと考えているのか、お伺いいたします。 ◎高橋 児童相談所長  第2児童相談所の整備候補地についてのご質問でございますが、これまで、必要な面積を満たす可能性のある市域東部の市有地について、敷地の状況ですとか、アクセス性、さらには、周辺環境などの観点から具体的な調査を進めてきたところでございます。  整備候補地とするためには、必要な建物の延べ床面積や駐車場の確保、さらには、所管している区域とのアクセス性がよいこと、そして、子どもにとって良好な環境を確保することが重要であると考えております。  このため、旧白石区役所跡地の南東側近くにあります水道局白石庁舎跡地でありますが、こちらはこれらの条件を高水準で満たすことが分かりました。今後は、この水道局白石庁舎跡地を有力候補地といたしまして、施設整備に向けた必要事項の整備を進めたいと考えております。 ◆小須田ともひろ 委員  水道局白石庁舎跡地であれば、整備候補地としての条件を十分に満たすということでありました。  水道局白石庁舎跡地に第2児童相談所を整備する場合の所管区とアクセス性に対する効果を確認させていただきます。  この場所であれば、旧白石区役所からも近く、地下鉄白石駅からの徒歩圏内であり、幹線道路からも近い位置にあるということですので、比較的アクセス性がよいのではと思います。  そこで、質問ですが、第2児童相談所は、どの区を所管し、その所管する区からの利用者にとってどの程度アクセス性が向上するのかをお聞きいたします。 ◎高橋 児童相談所長  第2児童相談所の所管区とアクセス性に対するその効果のご質問でございますが、水道局白石庁舎跡地に整備する場合でございますが、各区との位置関係やアクセス性を考慮しまして、白石区、厚別区、豊平区、清田区の4区を所管したいと考えております。  今年度の調査業務におきまして、自動車と公共交通機関によるアクセス性について、現在の児童相談所と水道局白石庁舎跡地との比較を行ったところ、これらの4区では、それぞれ約半分程度の時間でアクセスが可能になるという結果が出ました。  厚別区と清田区を例にとりますと、現在、自動車では平均で40分以上かかっており、地下鉄等の公共交通機関では平均で1時間以上を要しておりますが、水道局白石庁舎跡地でありますと、自動車では大体20分から25分程度、公共交通機関では約40分から45分程度まで短縮されると推計しております。 ◆小須田ともひろ 委員  その4区の利用者にとってはかなり利便性が上がるというふうなことでございました。  ただ、第2児童相談所のハードの整備は、あくまでも強化のスタートでありまして、人員体制を整え、十分に機能を発揮できるよう、しっかりと検討を進めていただきたいと思います。  次に、発揮すべき機能として特に重要であります児童相談所の2カ所体制化と各区の相談支援体制について質問いたします。  児童虐待の予防や重篤化防止のためには、第2児童相談所の整備だけではなく、今月11日に公表されました令和元年6月死亡事例に係る検証報告書でも提言されていますように、児童相談所が複数箇所となることを念頭に、各区を中心とした相談支援体制の強化を進めていくことが必要であります。  今月17日に開催された札幌市児童虐待防止緊急対策本部会議におきまして、各区家庭児童相談室業務の問題点を把握し、子ども家庭総合支援拠点の在り方について検討を進めるとのことでありました。  各区の在り方について、検討を進める上では、児童相談所との連携の観点も重要な要素と考えます。  そこで、質問ですが、児童相談所の2カ所体制化により、各区も含めた相談支援体制の強化にどのようにつなげていくのか、お伺いいたします。 ◎高橋 児童相談所長  児童相談所の2カ所体制化と各区の相談支援業務についてのご質問でございますが、児童虐待防止のためには、各区家庭児童相談室が要保護児童対策地域協議会の中核的な役割を担いまして、関係機関と連携して、きめ細やかな支援を進めていくことが何より重要だと考えております。  第2児童相談所の整備によります2カ所体制ということを進める中で、所管する区役所とのアクセス性が大きく向上するため、各区役所と児童相談所との日常的な連携もこれまで以上に取りやすくなると考えております。  各区役所が在宅支援の拠点として十分な機能を発揮しながら、専門的な相談ですとか、介入などが必要な場合、こういったときには私ども児童相談所が速やかに対応する体制を整えるということで、ますます相談支援体制の強化につなげていきたいと考えております。 ◆小須田ともひろ 委員  児童虐待の防止には、在宅支援体制の強化が非常に重要であると考えます。効果的な連携につながるよう、十分に検討を進めていただきたいと思います。  最後に、社会的養護を必要とする子どもの支援体制の強化についてお伺いいたします。  第2児童相談所に一時保護所を整備することで、一定程度、一時保護の受け皿確保につながると思いますが、一時保護後の支援という観点では、児童養護施設や里親などの社会的養護体制の整備についても併せて進めていくことが重要であります。  また、平成28年の改正児童福祉法の理念を踏まえ、子どもや保護者の状況に応じて家庭復帰を目指した親子関係の改善に向けた支援や、子どもの将来的な自立に向けた支援などを充実させていく必要があります。  そこで、質問ですが、第2児童相談所の整備など、札幌市の体制強化を社会的養護を必要とする子どもたちの支援体制全体とどのように連携させ、強化していくのか、お伺いいたします。 ◎高橋 児童相談所長  第2児童相談所の整備と社会的養護を必要とする子どもの支援体制の連携強化でございます。  社会的養護を必要とする子どもの支援を行う上では、子どもや家庭の状況を十分に把握することが何より大事だと考えております。  また、子どもの意見を踏まえまして、幅広い視点から支援方針を検討していくことが重要と考えております。  児童相談所の2カ所体制化をはじめとしました札幌市の体制強化と、各地域における里親の確保ですとか、小規模施設の整備、そして、多機能化、こういったことを併せて進めることで、子どもや保護者との面談ですとか、施設や里親などとの日常的な連携といったことが行いやすくなると認識しております。  また、親子関係の再構築や子どもの自立支援は、児童相談所の専門機関としての根幹的な役割だと考えております。  社会的養護の下で暮らす子どもたちへの支援の質を高めるためにも、第2児童相談所の整備後を見据えた効果的な支援体制の在り方について検討を進めてまいりたい、かように考えております。 ◆小須田ともひろ 委員  ハード面、ソフト面、併せてしっかりと検討していただきたいと思います。  最後に、要望です。  コロナウイルスの影響で学校や幼稚園などが長期間の休みとなったことで、子どもたちが自宅で過ごす時間がいきなり増えることとなりました。区役所などで行っている乳幼児健診など、定期健診も、当面の間、延期となっております。  そういったことから、子どもたちがほかの人の目に触れる機会が少なくなっております。そういった状況が続きますと、もともと育児に悩んでいる家庭などでは、虐待などの様々なリスクが高まることにつながりかねません。もちろん、ウイルスに対する対策は重要だとは思いますが、既に持っている情報を精査し、虐待などに苦しむ子どもたちに生じる様々な兆候を見逃すことのないよう、日々の業務に当たっていただくことを要望しまして、質問を終わります。 ◆うるしはら直子 委員  私からは、大きく2項目について質問します。  一つ目は、子ども食堂等への補助制度について、二つ目は、育児休業等取得助成事業の取得助成金についてです。  初めに、子ども食堂等への補助制度について伺います。  我が会派では、これまでにも、子どもの貧困課題への対策や子どもの見守り、居場所づくりの必要性について、質問などをして求めてまいりました。  昨年の決算特別委員会において、私から、子どものくらし支援コーディネート事業に関して、子ども食堂など、子どもの居場所との関わりについて質問をした中で、子ども食堂などの活動を後押しするための財政的な支援を検討しているとの答弁がありました。  そして、このたびの2020年度予算案において、子どもの居場所づくり支援費が設けられ、子ども食堂等の子どもの居場所づくり活動の実施に関わる費用に対する補助を新たに開始するとのことで、280万円の予算案が計上されております。  ご承知のとおり、子ども食堂は、近年、全国的に広がりを見せ、温かい食事や安心して過ごせる居場所を提供するだけではなく、遊びや体験、交流など、多様な活動が併せて行われ、子どもの成長を育む場としてさらに期待されるところです。  また、食事を通じて交わされる会話から、行政だけでは把握し切れない様々な子どもの家庭環境や、また、困難、異変に気づくきっかけにもなる重要な場であるということにも着目し、子どもを見守り、地域全体で子どもを支える環境の充実につなげていくため、子ども食堂等の活動に対する支援制度を立ち上げることとしたとお聞きしております。  日頃から、地域の子どもたちのために、心の籠った温かな食事や交流の場を提供している子ども食堂に、私も実際に何度も訪問し、活動の様子を伺っておりますが、運営者の皆さんが様々な工夫を凝らし、資金面や人材面など、日々尽力されながら活動されており、このたびの補助制度の立ち上げにも大変関心を持たれております。  そこで、質問ですが、まず、このたびの補助制度において、具体的な補助対象や補助内容についてお伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  補助制度の内容についてでございます。  現在予定しております補助制度は、子ども食堂など、子どもの居場所づくり活動について、新たに活動を開始する場合、または、内容の拡充や機能の強化を図って取り組む事業に対して、その活動に係る経費の一部を補助するものでございます。  補助対象となる要件としまして、食事の提供に加え、自主学習の支援や遊び体験、多世代交流など、居場所づくりに資する取組を行うことや、開催の回数、安全管理や衛生管理における配慮などについて、補助金の交付要綱の中で定める予定でございます。  補助制度の内容としては、居場所づくりの基盤となる会場の使用料や普及啓発費のほか、保険料や物品購入費などを補助対象経費とし、その3分の2以内の額を、1団体当たり年間10万円を上限に補助金を交付したいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  ただいまの補助制度の説明は、よく分かりました。  子どもたちのための活動を続けていく上で、助成支援だけでは解決できない、また、財政の支援だけでは解決できないものもあるものの、まずは、この補助制度を立ち上げるということで、これまでの子ども食堂との関わりにおいては、一歩前進したものと考えますし、大いに評価をするところです。  ただ、運営に当たっては、多くの子ども食堂などにおいて、その活動を支えている大方はボランティアによる部分が多くあります。  今回は、食材とか人件費、こうしたものは補助対象経費に含まれないようですが、今後、制度の利用状況や、さらに実態を把握しながら、実情に沿うように進めていただきたいと思います。  この補助金制度は、札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2019の子どもの居場所づくり支援事業の一環として新規に開始されます。  事業の目的として、地域全体で子どもを見守る環境の充実、子どもたちが安心して過ごせる地域の居場所づくりの推進を挙げていますが、これを進めていく上では、活動する団体のニーズに沿った制度としていくことが重要と考えます。  私が話を聞く中には、新たに子ども食堂を立ち上げたいと思っていても、どのように立ち上げたらよいのかわからない、また、衛生管理などの基本的な知識を得る機会を得たいという声を聞くほか、既に子ども食堂の活動をしている方であっても、学習支援を新たにしてみたいがノウハウがない、相談機関とのつながりを持ちたいと思ってもどのような働きかけをしたらよいのかわからないなど、様々な悩みを抱えているのが現状です。  加えて、最近の新型コロナウイルスの関連の影響で、2月下旬以降、学校の登校休止に合わせて、一旦、活動を休んでいる団体も多く、再開の時期や衛生管理、感染防止の一層の徹底など、活動団体がいろいろと悩まれており、今回の補助制度も予定どおり2020年度から開始されるのかとの不安の声もあります。  そこで、質問ですが、補助制度を実施するに当たって、活動団体にどのように周知や説明をしていくのか、今後のスケジュールも含めてお伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  補助制度の今後のスケジュールについてでございます。  補助制度の実施に当たりましては、募集期間や申請方法等について、広報さっぽろ、札幌市のホームページでの案内や、既存の活動団体には直接案内をするほか、募集開始時に説明会も開催する予定でございます。  また、補助制度の導入に加え、衛生面に関する講座や活動の立ち上げに向けた講座等も開催し、運営団体がより活動しやすい環境づくりも行ってまいりたいと考えております。  今後のスケジュールについては、新型コロナウイルス感染症の影響により、活動自体を中断している団体も多いことから、市内の感染状況のほか、子ども食堂の活動の再開状況なども踏まえながら、募集の開始時期等を検討してまいりたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  ただいまの答弁では、補助制度の実施に当たっては、広報さっぽろやホームページでの周知のほか、説明会や講座を開催される方針であること、また、スケジュールについては、新型コロナウイルスの感染状況等を踏まえながらとのことでした。  活動を続けていただき、広げていくためには、より利用しやすい制度となるよう、丁寧な説明や助言などをお願いしたいと思います。  要望を申し上げて、この質問を終わりたいと思います。  子ども食堂を運営している団体の皆さんは、日々、大変ご苦労をされながら子どもの居場所づくりを行っています。  また、特に今回のコロナウイルスで自粛要請があった中、子どもの預かり先に苦慮していた親や、1人で長時間を過ごす小さな子どもの不安など、様々な事情を踏まえて、衛生面や感染防止に相当な配慮をされながら、自己の責任を覚悟の上で、活動の継続に踏み切ったというところもあります。  また、活動を休止していながらでも、お裾分け事業などで個人宅を訪問したというお話なども聞いております。  子ども食堂などは、これからもこのように多様なニーズに応じて役割や活動のあり方が変化していくことも考えられます。今後も行政として活動の実態をしっかりと把握していただきながら、また、活動の団体に任せ切りにすることなく声を反映し、支援制度を進めていただくようお願いいたします。  また、こうした子ども食堂の活動は徐々に浸透してきているとは思いますけれども、まだ地域には十分に認知されているとまでは言えず、いまだ子ども食堂のPRに苦労している団体があります。子ども食堂の活動が安定的なものとなるためには、何より、地域の子どもたちに利用してもらうことが重要です。  札幌市のホームページを見ますと、2018年度に発行したガイドブックが掲載されていますが、いまだ更新がされていない状況でもありますので、今後、ホームページの改善など、行政側でも情報発信について検討していただくことを要望し、次の質問に移ります。  次に、育児休業助成事業について、特に男性の育児への積極的な関わりを求めるという観点から、ワーク・ライフ・バランスの実現に資する育児休業の取得助成金について質問します。  子ども未来局で昨年度に実施した就業前の児童を持つ保護者に対するアンケート調査結果によると、母親が就労する割合は、2013年度は約42%だったのが2018年度には約57%と、この5年間で実に15ポイントも上昇していることが示されています。  一方で、国の2018年度雇用均等基本調査によると、育児休業の取得率は、女性が87.9%、男性が8.6%となっており、女性に比べて男性の育児休業の取得率が圧倒的に低い状況となっています。  このように、母親の就労が大幅に増加はしたけれども、育児休業を取得するのは、やはり母親がほとんどということで、子育てと仕事の両立に大変苦労されていることがわかります。  育児休業は、育児・介護休業法で定められた休業制度であり、男女ともに会社に申し出て全ての従業員が取得することができる制度です。  また、休業中は、法律に基づき一定の条件を満たすことで、育児休業給付金が雇用保険から支給されます。  近年、厚生労働省では、両親が協力して育児休業を取得できるよう、様々な制度を改正していますが、男性の取得率が上がっていないのが実情です。  こうした状況を解決するには、やはり、父親の育児への関わりといったものをこれまで以上に市としても後押ししていくことが必要になると考えます。  現在、札幌市では、ワーク・ライフ・バランスの推進と女性活躍推進のためのワーク・ライフ・バランスplus企業認証制度があり、その優遇措置の一つとして、契約上の優遇や認証マークの使用に加え、育児休業取得助成金、また、育児休業代替要員雇用助成金、そして、男性の育児休業取得助成金の三つの助成金が位置づけられています。  この助成金の一つ目は、3カ月以上、育児休業を取得した社員が出た場合に、二つ目は、育児休業取得時に初めて代替職員を雇用した場合、そして三つ目は、男性が7日間以上の育児休暇をした場合に、それぞれ助成金が交付されるとのことです。  そこで、まず質問ですが、これら三つの育児休業等の助成金について、直近の交付状況、特に男性社員の取得についてはどのような状況であるか、また、課題をどのように認識しているかを伺います。 ◎山本 子ども育成部長  助成金の交付状況及び課題についてでございます。  今年度の補助金の交付件数についてでございますが、育児休業取得と代替要員雇用に関する助成金については、合計40件の枠に対し15件の申請にとどまっており、このうち、男性社員からの申請は1件となっております。  また、男性の育児休暇の取得助成金については、10件の枠がありますが、申請がなく、ゼロ件となっております。
     この要因としましては、中小企業の皆様にとって、助成金の交付を受ける際の札幌市や労働局に届け出る書類が多数ありまして、事務が複雑で分かりづらいといったご意見をいただいております。  また、男性社員においては、育児休業の助成金であれば3カ月以上の取得が必要であるほか、育児休暇の助成金については、当該企業は有給の制度を就業規則に位置づけること、7日間以上の休暇を取得することが必要であり、男性社員の申請の対応がなかなか難しい場合があるといったご意見が寄せられております。  こういった課題を踏まえ、札幌市としては、男性社員が育児休業などをより取得しやすくなるよう、環境整備を進めていくことが必要であると認識しているところでございます。 ◆うるしはら直子 委員  ただいまの答弁によりますと、せっかくの助成制度であるにもかかわらず、交付件数は伸び悩んでいるとのことであります。  この助成金を取得するには、まず、男女共同参画室で所管しているワーク・ライフ・バランスplus企業認証制度の認証を取得すること、さらに、就業規則に休暇制度の内容を位置づけ、労働局への届出が必要であると伺っています。そして、さらに、こうした手続を経た後、子ども未来局に助成金の申請が必要ということで、確かに、複数の機関への申請が必要であり、中小企業の方にとっては煩わしいというご意見があることも理解できるところです。  また、男性社員のための育児休暇の取得助成制度については、長期間の育児休業の取得は難しくても、配偶者の出産時の付添いなどで休暇制度を取る社員を対象としている事業ですが、まだ申請がゼロということでした。  確かに、育児休業であれば、法定で取得が義務づけられてはいますが、この育児休暇の制度は企業が独自に就業規則に位置づける必要があるので、企業の皆さんのご負担についても理解ができるところです。  一方、国や市の調査結果からも、子育て世代の働き方の見直しは今まさに求められているところです。  昨今の新型コロナウイルスの影響で、共働きの家庭における仕事と子育ての両立をする上での様々な課題が上がったことからも、男女がともに育児に関わることができるような環境づくりがやはり必要であると考えます。  そこで、再質問ですが、男性の方が育児休業を取得しやすい環境整備が必要という認識ということでありますが、来年度の助成金制度をどのように改定していく考えか、伺います。 ◎山本 子ども育成部長  来年度の助成金制度の改定についてでございます。  来年度は、男女ともに、より育児休業を取得しやすい制度となるよう、申請が伸び悩んでいる男性のための育児休暇の助成金は廃止の上、育児休業のための助成金制度を拡充したいと考えております。  具体的には、これまでは、その企業において初めて育児休業を取得した社員が出た企業を対象としておりましたが、来年度は、それに加えて、男性社員が育児休業を取得しようとした場合、連続する5日以上の育児休業の取得で、助成金の対象とする考えでございます。  その中でも、男性社員が育児休業を5日以上取得すれば10万円の交付でございますが、1カ月以上育休を取得すると30万円を交付し、より長期間の男性社員の育児休業取得を後押ししたいと考えております。  このほか、企業で有給の子どもの看護休暇制度を新たに創設し、これを社員が取得した場合も、助成金を支給するなどの拡充を検討しており、ここでも、男性社員の枠を設け、短期間でも育児に関わることを促してまいりたいと考えております。  これらの助成金制度の充実により、男女ともに仕事と子育ての両立の一層の推進に向けて支援を図っていきたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  助成金の変更内容については理解いたしました。  育児休業の取得に加え、子の看護休暇についても対応する制度にするということで、確かに、子どもが突発的に熱を出したときなどに会社で連絡を受けても、休みを取って対応するのは、結局は母親というケースが大変多いと聞いております。  また、子の看護休暇は、法定で義務づけられているものですが、必ずしも有給である必要はなく、無給の扱いと位置づけているところもあるため、年次有給休暇で対応しているといった話も聞かれています。  今回、本市にこの助成制度が新たにできることで、企業の仕事と子育ての両立支援に向けた取組を進める後押しとなり、男性社員にも取得させやすくなるのではないかと大いに期待をしているところです。  ぜひ積極的に広報、周知を行っていただき、企業の取得を後押ししていただきたいと思います。  加えて、さきに触れましたが、企業の皆さんにとって利用しやすい制度とするためには、まず、複数の機関への手続が必要だという点や、ワーク・ライフ・バランスに関して支援を行う部署が複数あるという課題も挙げられるのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、仕事と育児の両立に向けて取り組む部署は複数あり、関係する機関や庁内が一体となった連携した取組が重要であると考えますが、どのように取組を進めていく考えか、お伺いいたします。 ◎山本 子ども育成部長  庁内外の関係機関との連携についてでございます。  育児休業をはじめとする職業生活と家庭生活の両立支援につきましては、国においても、労働局で各種助成制度を設けていることから、双方で企業への周知を協力して行うことができるよう、調整を行っているところでございます。  加えて、子ども未来局において、来年度、新規事業として、父親の積極的な子育てを推進するための情報発信等に取り組む予定でございまして、そこでも、当該助成制度について、併せて周知したいと考えております。  このほか、ワーク・ライフ・バランスの認証制度や企業向けのアドバイザー派遣制度を所管する男女共同参画室、あるいは、女性活躍推進に向けた働き方改革ロールモデルづくり事業や、女性の多様な働き方を後押しするここシェルジュSAPPOROを所管する雇用推進部と一体となって、企業や市民に助成制度の周知を行うなど、連携した取組を進めていきたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  最後に、要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。  男性の育児休業の取得については、休業中の生活など、経済面での心配や取得のしづらさもありますが、仕事を離れる勇気がない、部署内には言いづらい、復帰後の昇格などへの影響が心配と思いちゅうちょするということもあると思います。  しかし、共働きが増える中で、女性の中でも、こうしたことの不安から、子どもを持つことさえもちゅうちょするという声も多く聞きます。  ただいま、庁内連携などに対しても大変意欲的に、そして、心強い答弁をいただきましたので、札幌市に暮らす若い世代の方々が安心して子どもを産み育てたいと思えるよう、制度の充実や手続の簡略化に向け、ぜひ全庁を挙げて取り組んでいただくことを要望しまして、私の質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、社会的養護に関して2点、一つ目は自立支援事業についてと、二つ目は里親の包括的支援について、順に質問をさせていただきたいと思います。  子どもは、安全で安心して暮らすことのできる環境の中で、親を中心とする大人との愛着関係の形成を基本として、日々の生活の中で、年齢に応じた社会性の獲得や、自立に向けて必要な力を身につけていくものであります。  しかしながら、保護者がいない、または、親からの虐待を受けるなどの様々な理由によって、家庭で暮らせなくなった子どもは、施設や里親など、いわゆる社会的養護の下で生活することになります。  このような子どもたちが再び家庭に戻って生活を送ることができるよう、児童相談所は、施設や里親、学校などの関係機関と連携して、家庭復帰に向けた支援を行っておりますが、家庭復帰がかなわずに18歳の年齢到達を迎える子が数多くいる実態の中で、自立に向けた支援体制を充実させることの重要性について、我が会派では、これまでも一貫して質問を続けてまいりました。  国においては、平成29年度に社会的養護自立支援事業を導入し、そのような子どもが安心して自立に向けた一歩を踏み出すことができるよう、生活に関する費用面での支援や、関係機関と連携して継続的な支援を実施するコーディネーターの配置などの支援メニューを制度化したところでございます。  これを受け、札幌市においては、平成29年度から、社会的養護自立支援事業のうち、生活に関する費用面での支援を先行して開始したところでありますが、社会的養護の下で長く生活をしてきた子どもには、自立した後も、家庭の代わりとなって、支える役割となる支援者の存在が必要であります。  このため、平成30年3定決算特別委員会で、北広島市にある向陽学院を通じて伺った話を含め、一人一人の状況に応じたきめ細やかな支援を継続して実施するためのコーディネート事業の早期導入を強く求めてきたところであり、札幌では、この支援コーディネーターの配置などを平成31年4月から新しく事業化いたしました。  そこで、質問でありますが、新しく配置をした支援コーディネーターの具体的な役割と支援実績についてお尋ねをいたします。 ◎高橋 児童相談所長  支援コーディネーターの具体的な役割と支援実績についてでございます。  18歳の年齢到達などにより、児童養護施設や里親への措置を解除された子どもの自立を支援するため、委員のお話にありましたとおり、今年度から、札幌市内の社会福祉法人に委託事業として、支援コーディネーターの配置を開始したところでございます。  この支援コーディネーターは、児童相談所や施設、里親などから、対象者の心身や生活の状況、進学先や就労予定先などの情報を収集しまして、アセスメントを行い、課題を把握した上で、個々の状況に応じ、自立に向けた支援計画を策定するものでございます。  また、この支援計画の策定後に対象者の状況に変化が生じました場合には、適宜、計画の見直しを行い、きめ細やかな支援を継続的に実施いたします。  今年度の実績につきましては、対象者は38人でございます。ますます関係機関と連携をしながら、この対象者の安定した社会生活の確保を行っているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  支援コーディネーターが中心となって、対象者の状況をしっかりとアセスメントした上で、自立に向けた支援計画を策定するということでございます。状況の変化などに応じて、計画の見直しもしっかり行うということでございます。  自立後も、継続して対象者に寄り添って支援をする仕組みを構築していくということでありました。  まずは、支援コーディネーターがしっかりと機能することで、社会的養護の下を巣立つ若者が安心して社会生活を送る環境の第一歩が整うことになると考えます。  今後、札幌市が事業を進めるに当たっては、委託事業者に任せるばかりではなく、事業の内容をきちんと検証し、より実りのあるものとしていく必要があると考えます。  そこで、質問ですが、今後、この事業を一層充実させるための取組の方向性について、お尋ねをいたします。 ◎高橋 児童相談所長  事業を充実させるための取組の方向性でございます。  この支援コーディネーター事業を円滑に実施するため、支援コーディネーターですとか、生活相談・就労相談支援事業者などを交えました会議を今年度は4回行ったところでございます。  この4回の会議の中では、対象者の状況によりまして、支援に入る時期を十分に早めることも必要だというお話がございました。  また、そのためにも、各関係機関との連携を強化する必要があることなどが課題として挙がっております。  来年度、4月以降の新年度につきましては、これらの課題に対応するため、支援コーディネーターと児童相談所を中心といたしまして、各関係機関との情報共有の機会を増やすとともに、引き続き、関係者同士の課題の洗い出しを重ねまして、事業の充実を図ってまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  これまで、コーディネーターとは4回の打合せをされてきたということで、早めの支援が必要であるということが確認されたということでございます。  また、今後も、情報共有をしっかり進めて、増やしていくということでございました。  実際の事業を行うのは、最前線で事業を担っていらっしゃる支援コーディネーターを中心とした支援に関わる方々でございます。  それら関係者と事業の実施状況を共有していただいて、課題を整理し、一つずつ解決をしていくことは、事業の実施効果を高める上で非常に重要なことであると思います。  引き続き、事業の実施状況をしっかりと検証して、社会的養護の下で育った全ての若者が安心して生活できる環境の構築をしっかりと進めていただきたいというふうに思います。  続いて、里親の包括的支援体制についてお尋ねをいたします。  札幌市では、令和2年2月現在、160人を超える子どもが里親の下で暮らしており、社会的養護における家庭養護の割合を示す里親等委託率は、平成30年度末で29.7%と全国平均を超えております。  平成29年8月に厚生労働省から公表された新しい社会的養育ビジョンの中では、里親委託の推進に加えて、里親への包括的支援体制の構築を求めておりましたが、平成30年7月には、フォスタリング機関、これは里親養育包括支援機関のことでありますけれども、フォスタリング機関及びその業務に関するガイドラインについて、厚生労働省より公表され、包括的な里親支援体制の指針が示されたところであります。  そうした国の方針が示される中、札幌市として、里親委託をさらに推進するため、里親への支援を包括的に進めていかなければならないと考えるところでございます。  そこで、質問ですが、今後、包括的な支援体制をどのように構築していくのか、お尋ねをいたします。 ◎高橋 児童相談所長  包括的な支援体制の構築についてのご質問でございます。  札幌市では、里親登録数、里親委託児童数が全国的にも非常に多くございます。児童相談所のみでの支援については限界がありますことから、これまでも、児童福祉施設や里親会などの複数の団体との連携協力をして里親支援を行っているところでございます。  その体制を今後はさらに強化いたしまして、一貫性を持った支援を行うため、里親の新規獲得や登録前後の研修など、一定程度の支援業務を包括的に委託する形で、民間の里親養育包括支援機関、お話にございましたいわゆるフォスタリング機関でございますが、こちらを令和3年度に設置予定でございます。  このフォスタリング機関を中心といたしまして、各団体がそれぞれの得意分野を生かした里親支援ネットワークを構築し、支援する体制を整えたいと考えております。  具体的な内容につきましては、関係機関へのヒアリングや、現在策定を行っております第3次児童相談体制強化プランの中で検討を進めてまいります。  また、このフォスタリング機関設置後も、支援内容などの見直しを随時行いまして、関係団体と連携しながら、包括的な支援体制を構築してまいります。 ◆福田浩太郎 委員  お答えによりますと、令和3年度に民間の里親養育包括支援機関を設置するということでございます。ぜひ、しっかりとやっていただきたいと思います。  ただ、児童相談所も既に様々な支援を行っているというふうに思います。やはり、里親家庭は、子どもが様々な過去の生活経験を経て里親と出会う中途からの養育であるなど、一般家庭の養育とは異なる面がございます。  支援に当たっては、そのような里親養育の特殊性や子どもの背景などを理解し、質の高い里親養育が提供されるよう、業務の目的を共有し、常に支援者が連携協力していくことが大切であると考えます。  そこで、質問ですけれども、民間の里親養育包括支援機関には、どのような支援を期待しているのか、お尋ねをいたします。 ◎高橋 児童相談所長  民間機関にどのような支援を期待しているのかというご質問でございますが、里親養育包括支援機関は、子どもに対するいわゆる措置権を、児童相談所とは異なっており、持っておりません。そういう立場でございますので、里親の思いに寄り添ったサポートが行いやすいと考えております。  また、人事異動のある行政機関と異なり、継続性や一貫性を意識した人材確保や育成といったことによりまして、専門性の蓄積がより可能と考えております。同一の支援者が子どもと里親に対しまして継続的に一貫して関わり、支援者と里親が一緒に子どもの成長を見守っていく伴走型の支援、こういったところに大いに期待をしております。  そうした民間機関のメリットを最大限生かしていくためにも、児童相談所主導のもと、支援が提供されることが重要でありまして、しっかりと連携して対応していきたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  私も、里親の方から、やはり、親権がないということで、実際の親とのやりとりで非常に子どもがかわいそうだと、そういうご相談を受けたことがございます。  お答えにありましたように、里親の思いを酌んで、ぜひ専門性の集積を図っていただいて、寄り添った里親支援を行っていただきたいと思います。  くどいようですけれども、民間の活用を決して児童相談所の負担軽減の手段にするのではなく、里親、そして、何よりもそこで暮らす子どもたちの最善の利益を実現することを目的に、包括的支援体制を構築するよう要請いたしまして、私の質問を終わります。 ◆村上ひとし 委員  社会的養護に関連して質問をいたします。  ただいま、里親関連について質疑が行われましたので、この場合、児童養護施設を中心にして質問をさせていただきたいと思います。  今、子ども・子育てをめぐる社会環境が大きく変化をする中で、全ての子どもに子どもの最善の利益を保障するために、良質な成育環境を保障し、子どもを大切にする社会の実現が求められています。  しかし、残念ながら、虐待を受けた子どもなど、保護者から十分な養育を受けられない子どもが増えており、そのような子どもたちにこそ、社会全体で公的責任をもって保護し、健やかに育んでいく必要があると思っております。  そのためにも、社会的養護の施設、特に養護施設などについては重要な役割を果たしていくということであります。  児童相談所は、毎年、業務概要を出しておりますけれども、この児童相談所の業務概要を見ますと、一時保護業務の概要のところにそれぞれ入所の状況などが記載されております。  そもそも児童福祉総合センター内の児童相談所では、児童の心身の健全な成長、育成にとって望ましくない環境から児童を保護する目的で、一時保護業務を行っております。  一方で、児童養護施設や里親などに一時保護を委託する場合、すなわち委託一時保護もあるわけです。2018年度、平成30年の児童養護施設への委託一時保護を見ますと、警察委託分を除くと、実人員で209人、延べ人員で7,335人でした。減少傾向にあるということでありますが、依然として高い数字であります。  また、相談種別推移を見ますと、例年同様、養護事情による入所が最多であるということであります。  そこで、お伺いをいたしますけれども、委託一時保護は、基本的に児童相談所から児童養護施設に対して入所依頼をすることになりますが、その際、児童相談所内部で情報共有と連携をどのように行っているのか、お伺いをいたします。  また、第2児童相談所をつくる上での課題についてもお伺いをいたします。 ◎高橋 児童相談所長  一時保護委託に関して、児童相談所内でどのように情報共有をしているのかというご質問と、第2児童相談所開設以後についてもいかがかというご質問でございました。  まず、前段の部分でございますが、児童相談所では、一時保護所を定員50名で現在運用しております。要保護児童を受け入れる場合に、その定員が超過している場合ですとか、あるいは、新生児、乳児といった2歳未満のお子さんの場合には、私どもではなくて、乳児院という施設に一時保護委託をお願いしております。  一時保護が発生するというのは、そういった保護が必要な状況が現に発生している場合でございます。  私どもは、児童福祉司、50名ほどで現在運用しておりますが、日々、様々な事案を取り扱っている状況でございます。一時保護のほかにも、実は、乳児院、児童養護施設等を活用する中身といたしまして、子どもショートステイという事業も札幌市では市町村事業として行っております。  これらの要件が、各区役所等を通じまして同時に複数発生する場合に、各施設にお願いをする、依頼をするという段階において、それぞれの担当者、児童福祉司が同時並行的に動くケースがまれにございます。  そういったことで、各施設には、瞬間的には複数の情報が行き交うわけでございますが、私ども札幌市の児童相談所の中でも、施設の担当という者を係長職で決めておりますが、こういったところが瞬間的には紹介を担当者同士の中で行っているという現状にございますので、まずは、ここを改めて一本化する作業を徹底していきたいと考えております。  あわせて、後段にございました複数化、第2児相ができた場合にはいかがかということでございますが、まさに建物も分かれて、それぞれがばらばらに動きますと、一時保護委託を受けていただく各施設のほうでも情報が錯綜する状況になりますので、複数化になったといたしましても、札幌市児童相談所として、どちらかが中央児童相談所という形になりますので、一本化、ここを徹底して進めていきたいと考えております。 ◆村上ひとし 委員  大変な中、児童福祉司の皆さんが対応しているということは分かるわけでありますけれども、しかし、養護施設の職員にとっても、いろんな形で児相の職員と連携・協働する必要があるわけであります。  私は、その養護施設の職員の方とヒアリングをさせていただきました。そうしますと、現在の1課、2課がございますが、同じ用件で2度、3度、違う担当者から連絡が来るんだということでありました。
     そうした中で、残念ながら、10年間に4度の虐待等による検証報告が行われたわけでありますけれども、この検証報告の中でも、職員の働き方に対する厳しい指摘、特に、情報の共有をどう進めていくのかということが課題であり、1人の職員の発する情報を職場全体で共有していくということは極めて重要になると思うわけであります。一層、養護施設との連携・協働を深めていくという上でも、児童相談所の中で、今、様々な作業をしている最中だと思いますけれども、一層信頼されるような体制で進めていただきたいというふうに思います。  次の質問に入りますけれども、養護施設の職員は、昼夜、平日、休日を問わずに児童に付き添う施設職員でありまして、その仕事は想像以上に苛酷であると言われております。  しかし、実際には職員の人手不足が深刻であり、被虐待児だけでなく、障がいを持つ入所児童の増加への対応など、様々な問題から、現場を支える職員は疲れ切っているのが実態と言われております。  養護施設の最前線で働く職員が疲弊していることは、児童の健全な育成にも支障を来しかねない深刻な問題だと思うわけであります。  施設に入所してきた子どもたちの生活は、家庭に代わる環境で、子どもたちとともに生活をする職員によって支えられております。特に、虐待を受けて入所してきた子どもは、保護者との間で愛着という対人関係の基礎が確立していないため、その後の人間関係の形成においても大きな課題を抱えております。  そのために、子どもが職員との間に愛着関係の再形成と信頼関係を築いていけるよう援助をしていくことが求められています。施設であっても、子どもが家庭で育つ場合と同じように、日常生活の中で大人とのきめ細かなやり取りが保障されなければなりません。  特に、北海道の状況で言いますと、保育士不足によりまして、児童養護施設では、依頼を受けても、定員まで子どもの受入れができないという傾向があると言われております。その結果、札幌市内に集中している傾向もあるということであります。  そこで、お伺いをいたしますが、札幌市内の児童養護施設における人的体制の課題についてお伺いをいたします。  また、職員に占める保育士の割合についてもお伺いをいたします。 ◎高橋 児童相談所長  児童養護施設における人的課題と保育士の割合というご質問でございます。  まず、人的な課題という部分でお答えをさせていただきます。  委員のお話にもありましたとおり、社会的養護体制の安定した運営を図るため、養護施設で働く保育士の方ですとか、その愛着形成のための心理の部分を担当する職員、こういった職員の確保というのは大変重要な課題だと考えております。  とりわけ、社会的養護分野で働く人材確保は、全国的な課題だと認識しておりまして、この点、私ども、大都市会議における国への要望としましても、児童養護施設等へ勤務する職員の処遇改善について、さらには、人材確保について、採用活動に係る経費の補助等々を含めまして、制度の充実、設計を要望しているところでございます。  2点目の保育士の割合というご質問でございました。  手元に数字はございませんが、児童養護施設における配置基準につきましては、施設長のほか、主な職員といたしまして、児童指導員及び保育士という基準になってございます。2歳未満であれば1.6人ごとに1人以上、2歳から3歳未満でしたら2人ごとに1人以上、そういった細かな基準でございますが、児童指導員が何人、保育士が何人という定まった基準ではございませんので、その人員配置の割合につきましては各施設の状況によるかとは思います。  手元に数字がございませんので、詳細についてはお答えできない状況でございます。 ◆村上ひとし 委員  社会養護を十分確立していく上では、保育士の役割というのは重要であるし、今、所長も、人的体制については重要な課題であるという認識を示されました。そのため、処遇の改善、あるいは、採用についても国に対しての働きかけをしているということであります。  私は、この点についても、児童養護施設の職員とヒアリングをしたときに、やはり保育士の割合が高いということでありました。もちろん、児童指導員と保育士が一体的に連携しながら子どもと向き合っているわけですから、どっちがどういう仕事をしているのかということではなく、本当に連携して仕事をしているという話も伺っております。  多分、札幌市内ですと、7割以上が保育士ではないかというふうに思われるわけであります。  そこで、保育所の保育士には、勤続年数が3年、6年、9年でしょうか、勤めている職員に対して、市から10万円の支給をするということでありますけれども、児童相談所の保育士には適用され、支給されているのかどうかについてお伺いをいたします。 ◎高橋 児童相談所長  児童相談所の保育士には、この制度は適用されておりません。 ◆村上ひとし 委員  なぜ適用されていないのか、お伺いをいたします。 ◎高橋 児童相談所長  お尋ねの制度につきましては、市内の認可保育所などに勤務する保育士、一定の就業達成に対して10万円を出しているというものでございますので、私ども児童相談所というお尋ねでしたので、直営、公立でございますから、この制度には乗っかっていないというものでございます。 ◆村上ひとし 委員  先ほど、高橋所長も、社会的養護を確立していく上での児童養護施設の人的体制は重要な課題の一つだということがありまして、全国的にも人的体制が厳しいと言われるような話がありました。  いろんな関係者に伺いますと、職員が、とりわけ保育士でありますけれども、児童養護施設では高度な専門性が要求される、しかし、実際は勤続年数が短いということになっている、物すごい誇りとやりがいを持って働いているわけでありますが、頑張れるだけ頑張って、燃え尽きるような仕事をして退職をしてしまう、そういう職員が後を絶たないということであります。  ある退職者の調査では、保育士の8割が、やめたのだけれども、実は養護施設での仕事を続けたかったのだというような結果もあるようであります。また、保育所の保育士が足りないということも社会的に大きな課題であり、その上に立って市としても手を打っていると思うのですけれども、しかし、それは養護施設でも実は同じではないでしょうか。  保育士は、通常の保育園と違いまして、夜間も休日も通じて親代わりもする、しかも、障がいのある子どもなども増えていて、あるいは虐待関連だということになりますと、それは専門性や経験を蓄積しながら対応せざるを得ないという仕事であるわけです。  しかし、保育士という資格を持っているということと、同じ札幌市内で働いているということを考えれば、私は、保育士として、札幌市が10万円を支給できないというのは大きな矛盾であると思いますけれども、町田副市長、いかがお考えでしょうか。 ◎町田 副市長  保育と社会的養護の両施設間の保育士の処遇について、差が生じるということは私としては好ましくないと思いますので、どういうふうな形が一番いいのか、今、保育士自体が非常に足りないという状況の中で、保育士の確保を地域で行っていくために、どういう形で制度をつくって、あるいは、国の制度を、どの年度の中でどう考えていったらいいのかということを併せて検討してまいりたいと思っております。 ◆村上ひとし 委員  保育士の確保で、全国的にも、そして、市にとっても大きな課題でありますし、保育士の資格を持っているという点でも、やはり、全ての市内の保育士にきちっとした形で支給ができるように、ぜひ検討を深めていただきたいというふうに思うわけであります。  町田副市長も、好ましくないという状況だということでありますし、私も養護施設の職員とのヒアリングの中で、なぜ保育士なのに養護施設の保育士には出ないんだということを厳しく、私自身、問い詰められましたけれども、現場は、やはり、そうした矛盾に満ちているということでありますので、できる限り早く結論を出して、同じような対応をしていただきたいというふうに思います。  次の質問に入ります。  社会的養護を進めていく上で、児童養護施設の小規模化、あるいは、地域の分散化の推進というのがありますけれども、これは、今後、計画策定予定の第3次児童相談体制強化プランの中で具体化を図っていくということになろうかと思いますけれども、今現在、どのように整理され、作成していくつもりなのか、お伺いをいたします。 ◎高橋 児童相談所長  現在の社会的養護体制の部分でございます。  平成30年7月に国が示しました基本的な考え方によりまして、今後、代替養育が必要な子どもにつきましては、里親への委託を推進するとともに、児童養護施設につきましては、お話がございましたけれども、今後は、小規模かつ地域分散化に向けた整備を進めることとされております。  札幌市といたしましては、この考え方を踏まえつつ、社会的養護が必要な子どもの養育の場が適切に確保されるよう、児童養護施設など関係機関との協議を続けておりまして、必要な取組を実施していきたいと考えております。  お話のありました第3次の強化プランでございますが、この中では、里親の一層の確保とか、先ほど質疑がありましたように、包括支援体制の拡充、そして、養護施設に対する小規模化、分散化の必要な事業、こういったところを盛り込んで仕上げていきたいというふうに考えております。  こういったことを進める中で、施設の機能強化の取組を通じて、札幌市全体での体制の安定的な運営を考えていきたいと思います。 ◆村上ひとし 委員  市が目指すべき方向性としまして、小規模化については、子どもと十分に寄り添える、また、専門性が発揮できる環境と職員体制をぜひ充実していただきたいというふうに思います。  また、地域分散化についてでありますけれども、これは、在宅支援の在り方だとか、特定妊婦の支援も強化していく必要があると思います。  いずれにしても、児童相談所や区役所などとも連携を深め、そして、児童養護施設の施設機能を地域における社会的養護の一つの拠点としていくことも重要であると思っております。  里親をはじめ、地域における社会的養護の担い手や子育て支援の様々な拠点や関係者が互いにつながりを持って、トータルなプロセスを保障し、社会的養護を必要とする子どもたちを、札幌市をはじめ、社会全体の力で支援していく体制をつくっていくべきであります。そのためにも、市の支援をあらゆる点で充実させていくべきだということを申し上げて、終わります。 ◆田島央一 委員  私からは、認可保育所等の入園希望について、まずお伺いをしていきたいと思います。  札幌市の待機児童の状況は、一昨年の4月時点、昨年の4月時点で、2年連続、国定義の待機児童はゼロとなっており、これまでの受け皿整備の効果が現れていると思います。  昨年10月から幼児教育・保育の無償化がスタートし、保育ニーズのさらなる高まりなどの影響も気になるところであります。  そこで、お伺いしますが、令和2年4月1日入所に向けた申込み等の状況について、結果は4月を待たなければなりませんが、1次調整の結果など、状況はどのようになっているのか、また、無償化の影響はどのようになっているのか、それぞれお伺いしたいと思います。 ◎押見 支援制度担当部長  1次調整の結果及び幼児教育・保育の無償化の影響に関するご質問でございます。  まず、令和2年4月1日入所に向けました1次調整の状況についてでございますが、新規の申込者7,795人に対しまして、内定者は5,359人、内定率は68.7%となっているところです。  また、前年度との比較でございますけれども、申込者は53人の増、内定者は217人の増、内定率は2.3%の増となっております。  次に、幼児教育・保育の無償化の影響についてでございます。  先ほど申し上げましたとおり、申込者が53人の増と大幅な増加という状況ではないことから、全体といたしまして、無償化の影響はあまり見られないと受け止めているところでございます。  いずれにいたしましても、2次調整の結果、希望した保育所等に入れなかった世帯に対して、認可保育所だけでなく、幼稚園における預かり保育や企業主導型保育事業も含めまして、多様な保育ニーズに対し利用可能な保育サービスを個別に提案しながら、預け先の確保を進めているところでございます。 ◆田島央一 委員  数字のほうも理解をいたしましたし、無償化の影響も大きく振れていないということで、当初は保育から幼児教育のほうに振れるんじゃないかということもありましたが、大きな影響は今のところないということで理解をいたしました。  次に、認可保育所等の利用調整基準表について、順次、お伺いをしていきたいと思います。  札幌市における認可保育所等を希望する際には、認可保育所等利用調整基準表を使い、該当する項目から加点する形で評価をしていくこととなっております。  ホームページ上で公開もされており、これを使用して、自身の家庭の状況を点数化し、希望する認可保育所等の定員と希望する方々との順位の動向を見ながら、入所できるかを判断していく重要な資料であります。  しかしながら、この利用調整基準表は大変分かりにくくて、一度、担当者に説明を受けないと分からないものであるとの声が入所を希望する保護者の方からも寄せられております。  その中で、この利用調整基準表なのですが、別表の2なんかは分かりやすくて、これに加点をしていくという形で、別表3に関しては、同点の場合、どこを優先するかということで基準があります。  しかしながら、別表1の部分に関しては、非常に分かりにくくて、父親、母親で満点であれば100点、100点ずつで200点なのですが、保育を必要とする事由の中が、就労だとか、妊娠・出産、疾病、介護だとか災害復旧に当たっているなど、項目が多岐にわたっていて、これを見ていくと、ぱっと見ると、加点をしていくものなのかと感じざるを得ない。ただ、途中で虐待の項目に該当する場合は999点という形になるので、これを見た限りでは、普通には加点していくのかなと思ってしまいます。  しかしながら、実際は父と母でここが200点満点になって、ただし、虐待の場合は999点と。200点の次は999点と上に上がってしまうので、これは非常に分かりづらいです。これは、インターネット上でも公開されておりますので、区役所だとかになかなか行けない親御さんなんかは、これを見て判断していくのですね。  その中で、これを見て、例えば、就労していて、父親、母親両方とも100点、100点になっているけれども、例えば、この災害復旧に当たっているという項目があったりして、自分は例えば自衛隊で災害復旧に当たっているというふうになれば、プラス100点で300点になるのかなと、本当に誤解を与えやすい表だと思っています。  ここで、お伺いしたいのですが、認可保育所等の利用調整基準表を理解しやすくする取組が必要だと思いますが、この点について、札幌市の所見をお伺いしたいと思います。 ◎押見 支援制度担当部長  利用調整基準表に関するご質問でございます。  利用調整基準表については、国の通知の規定に基づき、例えば、ひとり親世帯や育児休業明けなどといった優先利用事項を踏まえ、各市町村において利用申込者ごとに保育の必要度に応じて指数づけを行うものです。  札幌市においては、指数づけの優先事項等に関して、保護者の方がご自身の世帯状況を照らし合わせ確認できるように、基準表を市のホームページにおいて公表しているところです。  委員がご指摘のとおり、基準表について、保護者にとってより分かりやすくなるよう、補足説明をホームページに掲載するなど、区窓口の現場の声を取り入れながら工夫してまいりたいというふうに思います。  いずれにいたしましても、一人でも多くのお子さんが希望する保育サービスを利用できるよう、引き続き環境整備を行ってまいりたいと考えております。 ◆田島央一 委員  改善をしていただけるということで理解をいたしました。  本当に、あの表を見て、必要ない書類まで取り寄せたりだとかということをされている親御さんもいらっしゃいますので、ぜひとも、分かりやすく取組を進めていただければと思っています。  今回、コロナウイルスが蔓延して、札幌市内においても感染者が多数出ている現状にありまして、感染の対策で担当部局は連日ご苦労を強いられているのかなと思っております。  そんな中でも、子どもを持つ親の世帯、親が正確な情報の取得をどこにどうやって相談していったらいいのかとか、どう取得したらいいのかということに非常に気を使っている現状もあります。  ぜひとも、説明だとか情報を提供していくっていうことに力を入れていっていただきたいなと思っておりますし、これまで、子どもに関係する情報の出し方も含めて、一回、検証がしっかり必要なのではないかということも考えておりますので、その点を申し述べて、私からの質問とさせていただきます。 ◆たけのうち有美 委員  私からは、保育人材の確保について伺います。  来年度から、子ども・子育て支援事業計画の新たな5年の期間が始まり、この計画期間中、札幌市では約5,000人の受け皿整備を行うこととしています。整備は計画に基づいてしっかり行っていただくことはもちろんですが、同時に大きな課題となっている保育人材の確保を進める必要があります。  札幌市は、保育人材確保緊急対策として、昨年10月から、就業年数に応じた一時金の給付などの事業を創設しています。  そこで、質問です。  来年度予算案においても、引き続き、これらの事業に係る予算を計上していますが、まず、今年度の事業の執行状況がどのようになっているのか、伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  保育人材確保緊急対策事業の執行状況についてのご質問でございます。  令和元年10月から新たに制度を実施している保育人材確保緊急対策事業における令和元年度の執行状況について、概算申請の段階ではありますが、保育周辺業務を行う保育支援者の配置補助に関しましては、86人で、予算比45.3%、一定期間勤続した保育士等への一時金給付に関しては、867人で予算比66.2%、朝夕の短時間就労を希望する保育士の配置補助に関しては、49人で、予算比11.1%となっているところでございます。 ◆たけのうち有美 委員  それぞれの執行状況について、予算との比較について答弁がありました。  予算比で執行が少なかった理由をどのように分析し、さらなる活用についてどのように取り組むのか、伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  執行が少なかったことの分析、活用に向けた取組についてのご質問でございます。  予算との比較について、予算策定に当たりましては、事業概要を各施設へ示してニーズ調査を行い、得られた結果を基に、全市の対象人数を推計して事業規模を算出しております。  執行段階においては、事業化に当たって、補助要件等を整理し、制度の対象を明確にした上で、事業要綱を各施設へ示し、年度途中の10月より対象施設からの申請を受けており、これらのことから予算との差異が生じているところでございます。  活用に向けた取組については、申請時の案内とは別に、今年1月から施設に対して行っている実態調査や、今月行う施設への来年度の施設運営の補助金支給等に関する資料送付に合わせて本事業の案内を行い、加えて、令和2年度においても、適時、事業PRを行っていくことで、対象施設における積極的な制度活用につなげてまいりたいと考えております。 ◆たけのうち有美 委員  制度の詳細が決まる中で対象者が明確になり、また、対象施設からの申請受付が年度途中の10月となったことから、予算との差異が生じているとのことでした。せっかく導入した制度ですので、活用を促していただきたいと思います。  また、今後数年間実施する中で、関係者の意見を踏まえ、現場がより活用しやすい制度となるよう、改善に向けての見直しをすることを求めておきます。  次に、保育人材イメージアップ事業について伺います。  補正予算による保育人材確保緊急対策事業については、施設での保育士確保、就業支援のほか、将来の保育人材の育成という視点でイメージアップ事業についても実施しており、来年度予算案にも反映しているところだと思います。  そこで、質問ですが、保育人材イメージアップ事業について、今年度、どのようなことに取り組んだのか、また、来年度に向けてどのようなことに取り組もうとしているのか、伺います。 ◎押見 支援制度担当部長  保育人材イメージアップ事業に関するご質問でございます。  保育人材イメージアップ事業については、中高生やその保護者、一般市民等を対象に、保育職のやりがいや魅力をPRする働きかけを行うことで、次世代の保育を担う人材を育てることを目的としたものです。  今年度の取組については、中高生やその保護者に向けては、「WE LIKE 保育」といったキャッチコピーを作成し、チラシ等を市内の中学及び高校全校へ約8万5,000部配布したところです。  また、一般市民に向けては、専用のホームページを立ち上げたことに加え、地下鉄やバスにポスターを掲示いたしました。  さらに、市内の高校生、中高生のお子さんを持つ保護者の方、一般市民を対象として、LINEを活用して保育士のイメージに関する実態調査を行っているところです。  来年度の取組につきましては、このたびの保育士のイメージに関する調査結果を基に、イメージアップに向けてどのような事業が効果的なのかといった分析や、具体的な事業内容等の企画に関して、広告代理店等の専門事業者を活用しながら、次世代の育成に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆たけのうち有美 委員  今年度からスタートしたイメージアップ事業について、将来の保育を担う人材に対する働きかけのほか、LINEを使ったイメージ調査も行われており、その結果を来年度の企画に生かしたいとのことでした。  イメージアップ事業と同時に大切なのは、実際に働きやすい労働環境であること、誇りを持って働ける労働環境であることです。  2018年の厚生労働省の調査によると、勤続年数や業種によって異なるものの、保育士の賃金は、残業代を含めて全業種平均よりも低いという結果が出ていますし、子ども未来局が実施した保育士実態調査においても、賃金の改善を望む声が最も多くなっています。  また、同調査では、改善してほしい事柄の上位に、賃金以外では、休暇の取得、仕事の持ち帰りやサービス残業が入っていました。
     小さな命を預かり、その健やかな成長のために日々尽力している保育士が安心して働き続けることのできる環境づくりが何よりも大切です。札幌市として、各園の保育士の残業時間など、実態をしっかりと把握し、課題の解決に向けて早急に取り組むことを求めまして、私からの質問を終わります。 ◆成田祐樹 委員  私からは、児童相談所について何点かお伺いしたいと思います。  昨年の痛ましい虐待を起因とする死亡事例の検証委員会の報告書が先日公表されましたが、その検証結果において、専門職配置の必要性について記載がされていました。  その一文を取り上げますと、業務量に見合う人的体制の充実、いわゆる職員の増員という視点だけでなく、ソーシャルワークを担い得る社会福祉士をはじめとする経験と力量のある専門職を必ず配置の上、マネジメント機能を充実させることが求められるという文言があり、これは区を単位とした相談支援体制の部分ではありますが、配置が提言に強く記されております。  この社会福祉士と精神保健福祉士という二つの国家資格は、児童福祉司の任用資格でもあり、配置することで、即、児童福祉司の人数を増やすことができますが、札幌市職員として採用された職員の中で社会福祉士等の資格を持っている方の数は限られていると思います。  また、児童相談所に配属になった職員の中には、大学で心理学や教育学、社会学を専修した後、1年以上、相談業務に従事したり、社会福祉主事として、2年以上、児童福祉事業に従事し、任用前講習を修了することにより児童福祉司として発令可能な職員もおりますが、いずれにせよ、児童福祉司になるまでの時間を要します。  さらに、今回、検証報告書の中で、児童相談所の担当者のうち、経験年数がゼロから2年未満の職員が49人中32人であるという指摘からも、経験値の全体的な低さが明らかになっています。  今後は、予定されている第2児童相談所の開設に向けて、国の児童虐待防止対策総合強化プランに基づいた児童福祉司の人数確保も必要となります。  単純に考えても、児童福祉司については、現在の倍近い人数が必要であり、専門職採用を積極的にすべきと考えます。  ここで、お伺いしますが、児童相談所として、今後の有資格者の必要性及び採用についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。 ◎高橋 児童相談所長  今後の有資格者の必要性及び採用についてのご質問でございます。  今回の検証報告で、児童福祉司の採用や増員の着実な実施と人員体制強化の具体策の必要性について、ご指摘がありましたとおり、児童福祉司の人数が不足し、経験年数が短い職員が多い現状にあります。こうしたことから、児童福祉司の確保と専門性の強化は大きな課題と認識しております。  今後、国の新たな配置基準を満たすよう、児童福祉司の増員を着実に進めるため、お話のありました社会福祉士ですとか精神保健福祉士などの専門的な資格を有する方の採用は、人員の確保と専門性強化の両方の観点から効果的な手法であると考えております。  人員体制強化策について、専門職採用の必要性を含め、人事部局とともにしっかりと検討し、着実かつ計画的に相談体制の強化を進めてまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  これらの有資格者は、スクールソーシャルワーカーに回ったり、それらの連携ということもできますし、当然、児童福祉だけではなく、高齢者福祉、障がい者福祉、そういったところでも専門性を発揮できると思います。  ぜひ、有資格者の採用について検討いただきたいと思います。  もちろん、新卒採用で採るということも考えられますが、中には、もう既に民間で、もしくは他の行政機関等で相談業務に当たっている方がいると思います。そういった方は、ソーシャルワークの一定程度のスキルを持って中途採用になれば、そういったところで即戦力としての力を発揮できる方もいると思いますので、ぜひまた、新卒採用もそうですし、中途採用も含めて、今後の検討をいただければと思います。  次の質問をしたいと思います。  平成26年度に面前DVを心理的虐待と認定する取扱いが徹底されたことによりまして、札幌市の虐待認定件数は、平成25年度の402件から平成26年度は1,159件に大幅増加したと聞いています。  また、現在は直近の数字で平成30年度に通告件数が1,885件と、たった6年で4倍以上になっています。  これだけ大幅に件数が増加していながらも、一方で、児童相談所の職員数全体としての人数が、国基準に合わせて児童福祉司を緩やかに増員はしているものの、大きく増えたということはなかったと認識しています。  言い換えれば、職員1人当たりの負担は間違いなく大きくなっており、これらの課題が浮き彫りになっています。  とりわけ、それに関して大きく違和感を感じたのが、平成27年度の決算書において、児童相談所の予算執行率が99.7%であったことでした。  当時、決算特別委員会の前の各会派への説明の中で、この児相の予算執行率について、人と予算が足りてないのではないかという話を私から原局に対して問いかけた記憶がありますが、その後、私自身から、実際の議会での質疑には至らなかったこともあり、行政をチェックする議会の役割として、もう少し踏み込めたのではないかなと悔やんでおります。  検証報告書では、組織体制について多くの指摘がされていますが、そもそも予算や人員配置については、この検証報告書では深く触れられておらず、実際にはどのような状況であったのか、気になっているところです。  ここで、お伺いしますが、ここ近年の虐待件数増加に対して、児童相談所としては、財政局や人事部局にどのような要望を伝えていたのか、またその要望はどの程度反映されていたのか、お伺いしたいと思います。 ◎高橋 児童相談所長  財政部や人事部局への要望状況とその反映でございます。  まず、予算面でございますが、毎年の予算要求ですとかアクションプランの策定過程におきまして、児童相談所として必要な予算の要望を伝えてきております。  新年度予算を申し上げますと、56億6,000万円余と、前年度に比べまして12.2%と、これまでにない大幅増額となっております。とりわけ、児童虐待防止対策費でございますが、今年度の約2,000万円から約5,000万円と2.5倍に増額してございます。  内容としましては、新規に休日・夜間の虐待対応支援員といったものを設置いたします。そのほかにも、子ども安心ネットワーク強化費としまして2,300万円ほど増額しております。これは、子ども安心ホットラインの電話相談員を増員させるほか、児童相談所運営管理費といったものにつきましては、我々の事務費でございますが、調査に必要なレンタカー経費、こういった部分を増額して体制を充実しております。  また、人事面で申し上げますと、新年度は、緊急対応担当を中心に職員9名の定数増を認められております。そのほかにも、会計年度任用職員として、今し方、申し上げました休日・夜間の対応支援員、こちらも7名という枠で認められております。こういったことを増やしていただくことで、虐待通告に迅速に対応するよう努めているところでございます。  お話のありました国の新たな配置基準を踏まえますと、札幌市では、令和4年度までに68名の児童福祉司が必要になってきます。この基準を着実に目指せるよう、計画的な採用、配置、育成、こういったものをトータルで進めて、今後も人事部局と調整を進めていきたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  やはり、人と予算に関してはしっかり確保されないと、また痛ましい事件が起きてしまえば、本当に取り返しのつかないことになりますので、ぜひ、そういったところに関しては、人事、財政に対しても、私たちも議会側からしっかり、児相、子ども未来局をしっかり後押しするというようなスタンスをしっかり取らせてもらいたいと思いますし、ぜひ、それをもって原局に対して要望を続けていただきたいなというふうに思っております。  最後に、3点目の質問をしたいと思います。  先ほどから取り上げておりますが、職員定数の関係で、人数増には限りがあると思いますが、一方で、虐待の通告件数はかなりの勢いで増加しており、職場の負担が重くなるということは、客観的な数値からも把握できます。  このように、急速に負荷が大きくなったことも今回の事案が発生した一つの要因と考えますが、さらには、組織を横断したアセスメントや支援方針の共有が見られなかったことについても、検証報告書にて指摘がなされています。  人口200万人都市という大きな行政組織の中で、多くの虐待事案を抱え、さらに広い市街地を回らなければならないという負担の大きさについては、他都市との比較が難しい部分が含まれていると思っています。  では、少しでもほかに負担を軽減する施策はないのでしょうか。  先日、文教委員会で、公明党の前川委員がICTについて触れられていましたが、少しそれを後追いしたいと思います。  既に、児童相談所でその運用について始められているところがあります。三重では、昨年の7月2日より、国と連携して、AIを利用した児童虐待対応システムの実証実験を開始しました。  その内容としましては、平成26年からリスクアセスメントツールを活用したことにより、約6,000件の蓄積されたデータを利用して、様々な分析を行っているそうです。  このシステムについては、今年の1月に三重の鈴木英敬知事から、直接、このシステムの利用についてお話を伺い、その際に、知事からは、札幌市の虐待の案件についても含んだ、考慮した形でシステムの利用を始めたというお話もいただきました。  実際にこの中身なのですが、例えば、タブレットに、子どもや親、家庭の状況、傷のある、なしなど、これらについてかなりの数の項目にチェックを入れ、ベテラン職員や専門的見地を含んだAIが即時にその場で要保護の必要度を判断するというものだそうです。  それによって、経験の少ない若手の職員でも判断を後押しするツールとなったことから、一時保護をためらわない意識が職員の間で浸透したそうです。  また、その情報は、入力と同時にベテラン職員にもデータが共有され、チェック項目や傷の画像などを児童相談所内や離れた場所にいながらもリアルタイムに把握することが可能だと聞いております。  これも、広い面積を持つ札幌市では、非常に効率性を上げるものだと思われます。  さらには、タブレットでチェックを入れた項目などがそのまま書類としてアウトプットできることから、児相に戻ってからの事務作業の負担を大きく減らしているということです。  検証委員会にも取り上げられているとおり、組織体制及び情報の共有については、しっかり見直しを図っていただく、このことについては最優先の事項でありますが、一方で、業務効率を上げるツールの利用は間違いなく必要かと思います。  職員定数に限りがあることを考えると、あとは職員1人当たりの負担をいかに減らし、代わりにその空いた時間で情報の共有や適切な判断をうまくやっていくかという部分が、今後、問われてくると思っております。  ここで、お伺いしますが、AIを利用した児童虐待対応システムについて、児童相談所はどのように考えているのか、見解をお伺いしたいと思います。 ◎高橋 児童相談所長  人工知能、AIを利用した訪問ツール等の見解でございますが、私ども児童相談所では、児童の一時保護の必要性などを判断するために、対象児童ですとか、その家庭状況のうち、国が示しました、特に把握すべき項目、これらについてリスクアセスメントシートを活用して取組を行ってまいりました。  また、児童虐待通告の増加に対応するため、さらには、業務効率化の観点から、今年度、外勤時に使用するモバイルワーク端末を導入して、現在、取組を進めております。  さらには、児童相談所内のシステムを改修しまして、虐待通告の事務に対応した機能整備を進めております。  人工知能、AIを活用した訪問支援ツール等につきましては、お話のありました三重とか広島なども、今、取組を進めております。さらには、国におきましても、有識者による研究がやっと進み始めたところでございます。  札幌市としましては、現在、その動向を注視して、今後、考えていきたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  私の質問は、決してベテラン職員のスキルというものを否定しているわけではございません。やはり、本来であれば全ての職員がそういったスキルやノウハウを身につけることができるのが一番望ましいと思うのですが、一方で、やはり、これから一気に人数を増やさなければならないということとか、また、経験の若い職員がいるということを考えると、なかなか、それを現実的にうまくノウハウ、スキルを身につけさせるというのは難しいというふうに思っております。こういったツールを利用することで、少しでもそれがサポートになるのであれば、ぜひ、またその検討はしていただきたいと思います。  また、報告書の中にも、中堅職員からスーパーバイズの時間が取れてないということもございました。やはり、時間をつくるというのは大切だというふうに思っています。  また、このツールを仮に検討するに当たって、当然、児相内もそうですが、では、児相外との連携はどうなんだと。区を単位とした相談支援体制の部分でもしかしたら利用できるかもしれない。それこそ、保健師さんに入った情報を児相に相談するときに、電話で、当然、申し送りとかいろいろあるんでしょうけれども、そのときに、こういった過去の経緯や、そういう資料、画像があれば電話一本だけで済む話が、もちろん電話をしながらだと、もっと早く情報伝達、伝わるものが多くあるかと思います。  ぜひ、そういった部分に対して、国やほかの自治体の動向をしっかりチェックしながら、導入について検討をいただきたいと思います。  最後に、これは、あくまでも、職員を助けるためのツールではなく、何より子どもを助けるためのツールだということをまず第1に考えていただきまして検討を進めることをお願いして、質問を終わりたいと思います。 ◆石川さわ子 委員  私からは、多様な子育て支援の充実について伺いたいと思います。  まず1点目は、孤立した家庭への子育て支援についてです。  札幌市におきましては、子育て支援として約300カ所で子育てサロンが開催されておりまして、親子が自由に交流できる場として活発に活用されております。  しかし、サロンの現場では、スタッフが保護者と接しておりますと、既存の支援の仕組みではサポートし切ることができない気になる家庭が少なからずあるというふうに聞いております。  例えば、子どもと向き合うことができない母親から、いきなり子どもを手渡されたり、子ども主体の大きな広場ではなじめないという母親もいるということであります。鬱などの精神的疾患を患っていると思われる母親もいるということであります。  初めて見る赤ちゃんが自分の子どもである場合、困ったときにどうしたらよいのか分からず不安だというのは、私も理解をするところであります。  また、晩婚化が進んでおりまして、高齢出産が増加しておりますが、そうしますと、母親のその親も高齢のために預けることができなかったり、加えて、その親の介護もしなくてはならない、いわゆるダブルケアという状況も少なくありません。  母親とその実母の関係がうまくいっていない場合は、当然、親に預けられないというふうになりますし、母親は育児にも自信が持てず、精神的に不安定になりやすいものだと思います。  サロンや子育て広場のスタッフの方は、こうした母親の声に寄り添い、公的支援につなぐことを模索しているというふうに聞いています。  保育園や幼稚園に子どもを通わせている場合は、園の先生に相談することも可能でありますし、子育てサロンに出向くことができれば、保育士などのスタッフに相談をしたり、育児のアドバイスを受けることもできると思います。  しかし、子育てサロンに来ることができない孤立している母親もいるのが実態だと思います。  在宅で子育てしている保護者は、インターネット上の情報に頼りがちだということもありますが、そうした情報は発信元が様々であって、何が正しいのか分からず、余計に混乱してしまうことも多いと思います。  子育て支援として、子どもを預かったり、子どもと遊んだりするだけではなく、保護者のケアや家族の育児力を高める支援も、私は公的支援として必要だというふうに考えます。  家庭に出向き、母親に寄り添って話を聞くなど、自信を持って育児に向き合えるための支援が、今、求められていると思います。  そこで、質問でありますが、自分から相談することもできない孤立した家庭への子育て支援については、札幌市としてどのように考えておられるのか、伺います。 ◎田中 子育て支援部長  孤立した家庭への子育て支援につきましてお答えいたします。  身近に頼れる人がいない中で、不安を抱えながら子育てをしている家庭に対するご支援につきましては、安心して子どもを生み育てられる環境の充実を図る上でも重要と考えているところでございます。  現在、生後4カ月までの乳児がいらっしゃるご家庭につきましては、母子保健訪問指導員や保健センターの保健師が全戸訪問し、育児相談を行うとともに、支援が必要な場合は保健師が継続的に家庭訪問しているところでございます。  保育士につきましても、ご要望があれば、家庭訪問をいたしまして、育児や子どもとの関わり方についてアドバイスを行っているところでございます。  育児に関する正しい知識やノウハウを伝える方法、気軽に育児相談ができるような仕組みなど、様々な手段を用いた多様な子育て支援の在り方につきまして、引き続き検討してまいりたいと考えております。 ◆石川さわ子 委員  母子保健の訪問支援の制度など、連携しながら全庁的に多様な支援を進めているということは理解をしているところでもありますし、評価もしたいと思います。  札幌市におきましては、常設の広場を委託されて実施をしている団体が、2014年から自主事業として無料で利用できる訪問型支援を進めております。  公的支援の手が届きにくい家庭にいる子どもの育ちを一番に考え、母親に寄り添いながら、子どもへの関わり方を少しずつ伝えているというふうに聞いております。  こうした取組は、仙台市や熊本市におきましては、家庭訪問型子育て支援事業という言い方であるそうですが、取組、民間による家庭支援、または、保育士が家庭訪問するなどの支援を無料で提供しているということであります。  また、子育て訪問支援員の養成にも取り組んでおります。札幌市におきましても、子どもを預かるということのみならず、家庭訪問型支援のように、保護者の育児力を育てるなどの家庭支援に力を入れていくべきと考えます。  母であらねばならないというふうに家庭の中で頑張っている人を追い詰めることなく、自分のために時間を使っていいんだ、しんどいときは人を頼っていいんだと思えるサポートをすることで、ストレスの軽減が図られ、孤立感の解消につながると考えます。  こうしたサポートは、実際の問題の有無にかかわらず、児童虐待の予防支援としても重要と考えるところであります。  札幌市としては、こうした家庭への支援のニーズがあることを把握し、公的支援として、家庭訪問型子育て支援を実施していけるよう、取組を積極的に進めることを強く求めておきます。  次に、保育現場における専門職と連携した要支援家庭への対応について伺います。  社会構造や親子関係など、子どもたちを取り巻く環境が大きく変化している状況の中、保育園においても、多様な子育て問題への対応が求められていると思います。障がい認定は受けてはいないのですが、配慮が必要な子どもたちが増えているということは周知のことでありまして、保育現場では、保育士が、事実上、一対一で保育に当たるなどの対応もしている場合があると聞いております。  また、養育不安や子ども虐待のような親子の問題、貧困や家庭内暴力、子どもだけではなく、保護者の病気や障がいなど、通常の保育では対応し切れない場合があり、専門的なソーシャルスキルによる保護者支援が必要だという声が保育現場からも寄せられております。保育士と専門職が連携して支援が必要な家庭に対応することで、困りごとを抱えていた保護者も安心し、保育士の負担も軽減することができるのではないかと考えるところであります。  そこで、質問でありますが、保育現場と専門職が連携して、配慮が必要な保護者への支援を行うことについて、現状ではどのように取り組んでおり、また、今後はどのように取り組むのか、伺います。 ◎田中 子育て支援部長  保育現場におけます専門職と連携した保護者支援の現在の取組と今後の取組についてでございます。  保育現場におきましては、子どもの養育や母子の心身の健康など、様々な課題を抱える保護者と日々接しているところでございますが、保育士が相手に寄り添いながら、広範な、様々な課題に対応するためには、専門職と連携して適切な支援につなげられるよう、体制を整えることが重要と認識しております。  そのため、現在でも、配慮を要する子どもに対しましては、臨床心理士の資格を有します障がい児巡回指導員が保育所を巡回し、保育士に対しまして、子どもや保護者への接し方につきまして、専門的な見地によるアドバイスを行っているところでございます。  また、母子保健分野におきましても、子どもの発育、発達に心配のある保護者への相談対応や、適切な支援の橋渡しを行えるよう、令和2年度から、保健センターの心理相談員を増員し、保育所等へ出向くアウトリーチ活動の強化を図ることとしているところでございます。  児童相談所との連携も含めまして、今後も保育現場からできるだけ早く専門機関につなぎ、保護者が抱える悩みや心配事の解決に向けた適切な支援を行うことで、保護者の不安感を解消し、保育現場の負担も軽減できるような体制を整えてまいりたいと考えております。 ◆石川さわ子 委員  要望を申し上げて、質問を終わりたいと思いますが、障がい児巡回指導員はまだまだ数が足りないというふうに私は思っております。状況として、札幌市も様々な調査を行っておりますが、2018年12月から翌年1月にかけて行いました就学前児童のいる世帯を対象としたニーズ調査の結果を見ますと、子どもの育ちをめぐる環境として、子どもを見てもらえる人がいないと答えた方が20%、気軽に相談できる先はないと答えた方は1.6%、また、経済的な負担が増えるからという理由で欲しい人数の子どもを持てないという方は48.7%、自由記述におきますと、医療費、教育費等の補助など、経済的支援を求める意見が全体の24.5%と4分の1を占めております。  多くの方が経済的な困難も抱えている中で、子育て家庭に対し、多様な公的支援を拡充していくことは、私は喫緊な課題であるというふうに考えます。  国におきましては、保育士等が持っている専門性を生かした保護者の状況に応じた相談支援などを行う地域連携推進員、いわゆる保育ソーシャルワーカーを設置する要支援児童等対応推進事業を2020年度から予算化をしております。
     今まで、多忙な保育園の中では気になるけれども、結局、そのままであったり、あるいは、多分、大丈夫ではないかと見守りがちになっていた場合があると思いますが、こうした仕組みが機能していくことで、児童相談所に持ち込まれる前に保育所の中で親子の変化に気づき、言葉にならないメッセージを観察の中で受け止めるなど、適切に社会資源につないでいくことが可能になるというふうに私は期待をするところです。  札幌市におきましても、こうした国の事業を予算化し、速やかに事業化するなど、地域や民間と協力するなどして、子育て世代の包括的支援をさらに充実していくことを強く求めて、私の質問を終わります。 ○池田由美 委員長  以上で、第1項 社会福祉費中子ども未来局関係分等の質疑を終了いたします。  ここで、およそ60分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後0時24分       再 開 午後1時29分     ―――――――――――――― ○松原淳二 副委員長  委員会を再開いたします。  次に、第9款 教育費 第1項 教育委員会費から第9項 学校整備費まで、第12款 職員費 第1項 職員費中教育委員会関係分及び議案第28号 札幌市教科用図書選定審議会条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。 ◆田中啓介 委員  私からは、学校給食費についてとGIGAスクール構想に伴っての児童生徒1人1台のタブレット端末整備について質問をさせていただきます。  最初に、学校給食費について質問をいたします。  本市は、今年度、給食費の年額、例えば小学校6年生の場合は5万2,100円、中学1年生では5万9,950円となっておりますが、来年度、食材費の高騰を理由に、小学校6年生では5万4,500円、中学1年生では6万円を超えて6万2,950円、これは小学校の1年生から中学校3年生まで全学年の給食費の値上げをしていくとしております。  この小学校、中学校の子どもを持つ子育て世帯の負担は総額で言うと年額約2億8,000万円になります。  学校給食法は、食を通じた子どもの心身の健全な発達を目的とし、食育の推進をうたっており、学校給食は教育の一環として実施をされております。  文部科学省は、毎年、子どもの学習費調査というものを行っており、平成30年度の結果を見ますと、小学校では、学習費総額のうち、学用品や実習材料費などの学校教育費が約6万3,000円、学校給食費が約4万3,000円、憲法で無償とされている義務教育にもかかわらず、10万円以上の負担、これに学校外活動費を加えると、年額32万円以上を小学生の子どもがいる世帯では負担しているという調査結果でありました。  中学校では、さらに負担が増え、学習費総額は年間48万8,000円、約50万円も負担している結果になっております。  そこで、まずお伺いをいたしますが、日本の給食費を含めた教育費の負担は子育て世帯にとって重いと思いますが、本市の認識はどうか、伺います。 ◎永本 学校施設担当部長  給食費を含めた教育費が世帯にとって負担になっているのではないかというご質問かと思いますが、義務教育におきましては、授業料ですとか、教科用図書を無償とすることを国で定めておりまして、給食費や補助教材などについては保護者にご負担をいただいているところでございます。  保護者にご負担をいただいている費用につきましては、経済状況により就学困難な家庭に対し、就学援助制度等において必要な援助を行っておりますので、必要な支援がなされているものと認識しております。 ◆田中啓介 委員  就学援助とかの制度で必要な支援はできているという認識だということだと思いますが、内閣府が行っている教育費負担に関する国民の意識調査では、子育てすることは大きな経済負担がかかると思うかの設問に対し、そう思うが55.8%、ややそう思うが29.6%、合わせて85.4%、さらに、子育ての不安要因で経済的負担の増加が71.1%と、他の要因を大きく引き離していると分析しています。  また、経済的負担として大きいと思うのは、大学等の学校教育費との回答が最も多く、小・中・高の学校教育費などの回答が続いて多いと分析しております。  これら教育費負担軽減を図ることが、今、本市の子育て支援策として重要だというふうに思います。  本市は、来年度、子ども関連予算として1,971億円を計上しているとし、2015年度から580億円増額したとしておりますが、同期間の教育分野の予算を見ると、2015年度の教育分野予算は353億円だったものが、来年度、2020年度では387億円と34億円増えてはおりますが、今年度は、予算計上したのが443億円、これよりは56億円減っております。  この予算は、学校施設の新築等に伴うものが多く占めており、就学援助制度のさらなる充実や対象世帯拡大など、子育て中の世帯のお母さんやお父さんの、子どもが経済的な心配なく学校で楽しく学べるようにしてほしいというニーズに応える予算はあまり増やしてきておりません。むしろ、子育て世帯にとって負担増となる給食費は、過去10年間で、2008年度、2009年度、2014年度、2015年度と4回も値上げをしてきております。  値上げの理由の多くは食材費の高騰ですが、給食費に使う食材だけが値上げしているわけではありません。スーパーなど市場で売られている食材の価格も同様に高騰しております。  さらに、この10年間で、2014年、昨年の2019年、消費税率は合わせて5%も上がり、子育て世帯にとっては、食費を含め、生活必需品の負担は増え続けてきております。  2018年度の決算特別委員会で、私が、文部科学省が2017年度の学校給食費の無償化等の実施状況についての調査結果で、給食費の無償化など負担軽減のための支援策を実施している自治体が増えていることについて、また、無償化などを実施している自治体の取組についての認識を伺ったところ、定住、編入の促進、地域創生などを目的としている場合が多いと推察されると答弁されておりますが、文部科学省の分析は、給食費を無償化した自治体の目的は、保護者の経済的な負担の軽減、子育て支援、少子化対策を挙げております。  本市行政にとって、子育て世帯に対するこの視点こそが今求められていることではないでしょうか。  また、給食費を無償化している自治体についての設問に対し、政令指定都市では無償化している市はなく、そのほとんどが1万人未満の町村であると答弁されております。  しかし、今月17日に、政令市である大阪市は、2021年度から給食費の無償化を検討していたものを、今の新型コロナウイルスの感染拡大による学校休校で仕事を長く休むなどしている子育て世帯の経済的支援策として、子育て世帯は経済的に非常に苦しい状態だと思う、少しでも安心して子育てできるようにしたいと1年前倒しをして、2020年度から全ての小・中学校の児童生徒を対象に無償にすることを明らかにいたしました。  本市の子どもの貧困対策計画の基礎資料とするために2016年度に行った実態調査結果では、経済的な理由で給食費の支払いができなかったと回答した子育て世帯が、小学校2年生、小学校5年生、中学校2年生、それぞれ3.2%、3.1%、4.3%おりました。  また、同じ調査で、あなたは将来どの段階まで進学したいですかと子どもに聞いた設問で、高校までと答えた子どもに対し、その理由を聞いておりますが、進学に必要なお金が心配だからという理由が、非常に当てはまる、まあ当てはまるを合わせて、67.8%の子どもが答えております。  そこで、質問ですが、給食費の値上げは、子育て世帯にとって、教育費の負担増となり、経済的な理由による教育の格差拡大につながると思いますがいかがか、来年度からの給食費の値上げはやめるべきだと思いますが、併せて伺います。 ◎永本 学校施設担当部長  給食費の値上げは教育的格差につながるのではないかというご質問かと思いますが、学校給食に要する経費につきましては、施設整備・運営経費等を札幌市が負担しておりまして、食材費のみを給食費として保護者にご負担いただいているものでございます。  令和2年度の給食費については、学校長ですとか保護者、学識経験者等で組織される学校給食運営委員会においてご審議をいただいた結果、先ほどお話がございましたように、食材費が全般的に値上がり傾向にあること、また、年間の実施回数が見直しに伴い全体的に増加をすることから、現行の学校給食費では運営が難しいということで、値上げはやむを得ないというふうに考えているところでございます。  また、先ほどもご答弁させていただきましたが、生活困窮世帯に対しましては、就学援助制度等で支援をしておりますので、給食費を含めた教育費の保護者負担額については、そういったほかに様々な経費を低減するなどの方策によって、教育費の保護者負担額が最小限となるよう努めているところでございます。 ◆田中啓介 委員  学校の給食費の費用は食材のみだということで、先ほど私がお話をさせていただきましたけども、それと併せてスーパーで売っている食材も同じように値上げがされています。  そして、消費税が上がって、子育て世帯の可処分所得、生活費がいろんな意味でどんどん圧迫されてきている中で、就学援助制度だけではやはり支援し切れていないという部分があると思います。  そういう中で、大阪市では、思い切って、全小・中学校の世帯に対して給食費の無償化をするという決断をしたのだと思います。  そういう決断をしていくことが、今、札幌市に求められているというふうに思います。  給食費の来年度の値上げ分、保護者の負担軽減のために必要な予算というのは2.8億円です。これは、一般会計の1兆円から見ると、割合にしたら0.03%にすぎません。  子育て支援策として、学校給食費の無償化、また、負担軽減を行う自治体が増えてきているときに、その一般会計予算のうちの0.03%を子育て支援のために使わないで、食材費の高騰による2.8億円をそのまま子育て世帯に押し付けることは、子育て支援策としても逆行することになると思います。  学校給食は、教育の一環として実施されております。食材費の高騰による負担を、保護者ではなくて、教育の経済的格差是正を図っていくために、本市の子育て支援策の一環として公的資金を投入した経済的支援を行うべきと申し上げ、こちらの質問は以上で終わります。  次に、GIGAスクール構想に伴って、児童生徒1人1台タブレット端末整備についてでありますが、本市は、国のGIGAスクール構想に基づき、学校のICT環境の充実を図る目的で、本定例会の補正予算では、45億8,600万円、来年度の教育の情報化推進費として23億6,500万円が予算計上されており、小・中学校全児童生徒に1人1台タブレット端末整備を進めるとしております。  この教育の情報化推進というものは、もともと文部科学省が教育政策として進めてきている教育の情報化というものがありますが、その政策は、IT技術の発展と教育との関係だけで考えられており、教育の情報化とは、一つは、情報教育であり、子どもたちに情報活用能力を育てること。二つ目は、教科でICTを活用すること。三つ目は、校務のICT化でした。  文部科学省は、2016年、中央教育審議会で、コンピューター端末のデジタル教科書について、地域ごとにインターネット環境などが異なることや健康への不安があることから、全面的な導入を拙速に進めることは適当ではないと報告しております。  教育におけるICT活用は、教科や学年、教室での協働的な学びといった枠や段階を踏まえて学んでいくことは、崩さないという大前提でICTを有効に活用するということでありました。  そこで、まずはお伺いいたしますが、国のGIGAスクール構想について、本市教育委員会としてはどう認識されているのか、お伺いいたします。 ◎鈴木 生涯学習部長  国の考え方についてのご質問でございますけども、国のGIGAスクール構想では、これまでの教育実践の蓄積とICTを効果的に組み合わせることにより、学習活動の一層の充実を図ることを目指しておりまして、これは、これまで札幌市が取り組んできました、分かる、できる、楽しい授業のさらなる推進につながるものと考えております。  また、これまでも、タブレット端末の導入経費等を含む学校ICT環境整備に係る財源措置について国にも要望してきたところでございまして、GIGAスクール構想に基づく整備を進めるということは、札幌市が取り組んできました教育の情報化を一層促進するものと考えております。 ◆田中啓介 委員  GIGAスクール構想というものは、国がIoT、AI、ビッグデータという新しいテクノロジーの活用によって新たな経済成長が見込まれるという国家プロジェクトSociety5.0や、経済産業省につくられた未来の教室とEdTech研究会からの提言が教育分野に持ち込まれ、一人一人に最適な学びをなどとビッグデータを使っての個別最適化された学びの実現の方向性を打ち出したものであります。  この構想の中には、その個別最適化でより効率よく学ぶということが強調され、文部科学省のそれまでの、教科や学年、教室での協働的な学びといった枠や段階を踏まえて学んでいくという前提がなくなっております。  本市は、GIGAスクール構想による児童生徒1人1台タブレット端末整備をすることで、教育現場における効果については、今も答弁をされたと思いますが、この間の本市議会においても様々な場面で答弁されております。  そこで、お伺いをいたしますが、学校教育として課題はないのか、本市教育委員会としてどう認識しているのか、伺います。 ◎鈴木 生涯学習部長  ご質問のありました課題の認識についてでございますけれども、1人1台端末環境の整備を進めることで、児童生徒がより日常的にICTを活用できる環境が整いますことから、1人1台端末環境におけるより効果的な活用方法の検討や好事例の普及、校内研修体制の整備等を行うなど、教職員が新たなICT環境の活用について理解を深め、積極的に取り組む環境を整えることが必要であると考えております。 ◆田中啓介 委員  そういった1人1台のタブレット端末を整備することの課題がそういう認識ではちょっと違うというふうに思います。  個別最適化と一人一人の教科学習、あるいは、発展的な探求的学習だけがこの構想では強調されて、学校教育だからこそ学べる集団的学びというものがここにはありません。  例えば、クラスの誰かが間違えたとしても、その間違いからクラスのみんなが学び合うという実践、なぜそういう間違いをしたのかを考え合い、だから、正解を出さなくても、間違えることにも意味があるよねという学びは、一人一人がタブレットに向かってもなかなか学べないと思います。  また、特別支援教育、障がい児教育においても、文部科学省は個別最適化を強調しております。可能な限り企業就労を増やすことを目指して、一人一人の作業時間を増やしたり、インターンシップで何度も企業に行かせる、とにかくマッチングして就職させることが重要視されております。  この特別支援学校で教員をしている方のお話ですが、その教員の方は企業就労した卒業生の中で、どういう生徒がその後も仕事を続けられているかという追跡調査をしております。すると、学校時代に仲間づくりができた生徒が多いということでした。  つまり、作業時間に能力をつける生徒よりも、集団の学びの中で友達関係をつくることができた生徒は、卒業後、同じ職場でなくても、お互いに連絡をとって励まし合いながら仕事を続けている。一方で、学生時代に友達をつくれず、横のつながりがない生徒は、仕事の厳しさに負けて辞めている生徒が多いということでした。  つまり、学校教育で対面での教育を通じ、対話的な学びを通して自己の考えを広げ深めたり、コミュニケーション能力を養ったり、社会性を身につけることこそ重要であり、生徒同士、また、生徒と教師が顔を合わせ、学級で共に学ぶことが大切だということではないでしょうか。  また、この間の委員会、議会でも、様々な懸念が言われております。  一つは、先生と子ども、子ども同士がお互いの顔を見ながら会話をする機会が減少するのではないか。また、鉛筆を使って実際に書く機会が減り、文字を習得し、活用する力が後退するのではないか。長時間、ディスプレーなどの表示機器を使用することによる子どもの心と身体への影響、さらには、財政面で、ICT環境整備など、初期整備には国の補助がありますが、それらの維持管理費、通信費、光熱費などのランニングコストは、今のところ自治体負担になっております。  札幌市は、ランニングコストについて国に対して予算要望するとしておりますが、結局、それは従来の教育予算に食い込んで圧迫してくることにもつながってまいります。  これらの懸念についてしっかりと検証せず、また、対策を講じることも個別に対応するなどと言ったり、本当に子どもたちの心と体にとって安全かどうか、子どもの人間形成において健全な成長につながるのかどうかなどについて明確になっていない中で、全児童生徒にタブレット端末を整備することは、あまりにも拙速だと思います。  文部科学省は、教育に求められる要件の一つに、継続性、安定性の確保を挙げております。その確保に当たって、教育は結果が出るまで時間がかかり、また、その結果も把握しにくい特性があることから、学校運営の方針変更など、改革、改善は漸進的なものであることが望まれるとあります。つまり、生徒児童にとって、たとえ良いものであったとしても、慎重に進めていくべきということです。  そこで、お伺いをいたしますが、この教育に求められる要件として、文部科学省の考えについて、本市教育委員会の認識はいかがか、伺います。 ◎鈴木 生涯学習部長  文部科学省が示す継続性、安定性の確保との関係でございますけれども、札幌市では、これまでも、学校ICT環境の整備を段階的に進めてきたところでございまして、コンピューター教室のタブレット化につきましても、平成25年度からのモデル校における実証研究を経て、その成果に基づき、平成29年度から、順次、整備を進めてきたところでございます。  このたびのGIGAスクール構想に基づく国庫補助を受けることによりまして、これまでも進めてまいりました本市の学校ICT環境の整備がより一層進むものと考えているところでございます。 ◆田中啓介 委員  当初進めていた教育のICT推進では、3人に1台ということで当初進めてきていたと思います。でも、今回は全児童に1人1台、それも、来年度は5年生、6年生と中学1年生、再来年度はということで、国の予算が下りてくる2023年度までには整備をしたいというのが今の本市の教育委員会の進め方であると思います。  しかし、本当に、今、教育現場に求められているのは、まさに最優先の課題というのは、教員の長時間労働の是正、また、教員不足、これらの問題にまず最優先に取り組んでいかなければならないし、これらにこそ予算を割いていくべきだというふうに思います。  そのための教育予算の拡充、そして、その予算こそ、国に求めるべきであり、不安や疑問、疑念などについても検証や議論も不十分なまま、全ての児童生徒に1人1台タブレット端末整備はすべきではないと申し上げ、質問を終わります。 ◆小竹ともこ 委員  私からは、臨時休業中の学習支援と今後の対応について伺います。  教育委員会では、新型コロナウイルス感染症拡大を防止するための措置として、北海道の緊急事態宣言や国の方針を踏まえて、2月28日から3月6日の間、全ての小・中学校等を臨時休業とし、その後、市内の感染拡大状況を踏まえて、春休みまで期間を延長しました。  休業が長期となり、その間、中学校は13日、小学校は23日に卒業式が行われましたが、これもまた、感染拡大を防ぐため、やむを得ない判断ではあったと思いますが、式に参加したのは卒業生と教職員だけであったとのことであります。  小・中学校ともに、今日が修了式、離任式ですが、先週16日からは分散登校が実施されてきました。分散登校は、休業中に行われますので、出席しなければいけないものではなく、カウントもされないとのことでありますが、この分散登校についても、賛否両論、さらには、道内においては、給食ありなのが札幌市と岩見沢市だけと聞いておりまして、このことに対しても、また、様々なご意見が教育委員会や各学校に寄せられたとのことであります。  分散登校で子どもたちを迎え入れる学校、教職員の方々のご苦労も大変なものと聞いております。私の母校でもあります地元の月寒小学校の小野寺校長先生にお話を伺いました。恐らく、ほかにも似たような状況の学校があったであろうと推察いたしますけれども、休業中、教職員総出で消毒、除菌等の作業を行い、もともと十分ではなかったそれらの衛生用品も底を尽きかけたところ、とある地域の企業から提供いただけたとのことで、本当に助かったというエピソードのお話も伺いました。  そして迎えた分散登校の1日目は、奇数の学年が登校し、全校児童およそ600人、その半分の約300人のうち、休んだ児童が19人、2日目の偶数学年の登校日に休んだ子どもは13人だったとのことであります。  子ども同士、一定の距離を保たなければいけませんので、1クラス35人を二つの教室に分けて、2人の先生が1組となり、それぞれの教室を行き来し、ホームルームを1時間、その後、先生が配膳し、子どもたちは一人一人離れて着席し、給食をとって、短時間で下校となります。  給食前に手を洗うため、子どもたちが水飲み場で密集してはいけない、トイレに行く時間も集中してしまいがちということで、学校生活の中で子どもたちの安全を守るため、注意すべき点が非常に多く、ご苦労されている様子がうかがえ、本当に頭が下がる思いでありました。  分散登校は、子どもたち一人一人の心身両面での健康状態のチェックや生活リズムを取り戻すといったことが目的であり、また、何より久しぶりに先生や友達に会うことで、子どもたちが明るく元気になるということにおいて非常に意義があるものと思っております。  ただ、一方で、このように分散登校は、短い時間でもあり、授業をするわけではなく、子どもたちは、学校での教育の機会を失ったまま、今なお、自宅で長い時間を過ごしている状況に変わりはありません。  臨時休業が3学期ももう終わるという時期であったとはいえ、一部の学習内容が未履修になっていることや、日々の自宅学習が思うように進められないといった課題を感じていらっしゃる保護者の方々から実際に私の下へもその不安の声が届いております。  そこで、質問いたしますが、小・中学校の臨時休業による子どもの学習面への影響を踏まえ、どのような対応を行ってきたのかを伺います。 ◎相沢 学校教育部長  小・中学校の臨時休業による学習面への影響を踏まえた対応についてお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け、2月末から小・中学校を臨時休業とするに当たりましては、著しい学習の遅れが生じることのないよう、保護者の協力も得ながら、必要な対策を講じることが重要と考えたところでございます。  教育委員会では、臨時休業の開始前日に、学校で家庭学習の内容や方法を児童生徒に指導する時間を設けるとともに、休業延長の際には、家庭学習へのサポートにつながる情報を学校ホームページ等の活用により発信するよう、取り組んできたところであります。  また、分散登校の際には、これまでの家庭学習の状況を確認するとともに、文部科学省から提供されました学習支援資料等の活用方法を示すなどして、休業中、子どもたちが主体的に学習に取り組むための支援を行うよう、促してきたところでございます。 ◆小竹ともこ 委員  臨時休業期間の学習支援については、様々な制限がある中で可能な対応を工夫されたとの答弁でございました。  私も、もちろん全部ではありませんけれども、小・中学校のホームページを拝見しまして、各学年ごとに各教科の課題が掲載されておりました。また、文部科学省のホームページにも、臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト(子供の学び応援サイト)があり、その内容も非常に充実しておりますし、ほかにもネット上には無数と言ってもよいくらいの学習支援のサイトやソフト、アプリがあふれています。  このようなインターネットでの学習は、家庭にその環境があり、やる気のある子どもにとっては有効ですが、自分の好きな教科しかやらない、また、系統立てて学習ができないなどの問題もあるかと思います。  本来であれば、子どもたちが先生から直接指導をしてもらい、必要があれば、その場で質問をしたり、仲間と議論をしたり、あるいは、理科であれば、実験することで、よりその理解が深まるのだと考えます。  そのような学習が十分に行えていないという前提で、今後、学校が再開されたときには、やはり、可能なフォローやケアをすべきだと考えます。  そこで、質問をいたしますが、臨時休業により、十分行えていない学習内容等への対処を、今後、どのように進めるのか、その見通しを伺います。 ◎相沢 学校教育部長  臨時休業により十分行われていない学習内容等への今後の対処についてということでございますが、臨時休業が2月末からであったことから、多くの学習内容は履修済みではあるものの、学年によっては、最終の単元の一部や、1年間のまとめの学習について指導できていない内容があるというところは承知しているところでございます。  現在、各学校において、新学期以降に指導すべき単元や題材がどの程度残っているかを整理するとともに、その内容を確実に校内で共有し、新年度の授業の中で工夫して実施するための準備に取り組むよう、指示をしたところでございます。  また、おおむね内容を修了している小学校6年生につきましても、必要なものがあれば、中学校において補足できるよう、引き継ぎを徹底することとしているところであります。  今後、学校再開の際に、各学校がこの計画した内容を確実に実施することができるよう、指導主事の学校訪問の際などに、個々の状況を踏まえて支援をいたしまして、子どもがこのたびの臨時休業による学習上の不利益を被らないよう、取り組んでまいりたいというふうに考えております。
    ◆小竹ともこ 委員  昨日24日、新学期からの再開に向けて、文部科学省からのガイドラインが通知されたということを聞いております。  学校においても、換気、大人数で密集、近距離での会話、発声、この3条件がそろいやすいのではないかという不安ももちろんありますけれども、ほかにも、入学式、部活動、修学旅行、出席停止など、非常に細かいことにわたって、いろいろとガイドラインに示されております。  学校も、教育委員会のほうも、子どもたちの学習機会の確保と、また、学校生活での子どもの安全を守るという両面でのフォローやケアにますます大変なご苦労をいただくことになろうかと考えております。  今回、この質疑をするに当たりまして、保護者の方や先生にお話を伺う中で、子どもたちが置かれている家庭環境や臨時休業に対する考え方なども実に様々であることを感じました。  今回、この思いがけない長い休みの間に子どもがお手伝いをよくしてくれるようになり、親子のコミュニケーションが取れてよかったと前向きに捉えている家庭もありましたが、一方で、学校での給食が一日の中で最も栄養が満たされる食事となっている児童がいるということ、あと、自宅でオンラインというか、インターネットで勉強しようと思っても、パソコンやタブレットがなくて、また、Wi−Fi環境もないという家庭があるということも目の当たりにいたしました。  家庭教育が第一であると言うのは簡単ですけれども、そういった現実に置かれている子どもたちがいることを見過ごすことができないのは当然のことであると思います。  そういった家庭環境に置かれている子どもたちにこそ、私などが申し上げるようなことではないと承知しておりますけれども、学習支援も含め、きめ細やかな対応をしていただきたいということを強く求めまして、私の質問を終わります。 ◆うるしはら直子 委員  私からは、本市の学校給食における食器について質問をいたします。  札幌市では、教育の一環として、全ての小・中学校で給食を実施しています。現在は、新型コロナウイルスの影響で、この全ての小・中学校が臨時休業となり、今月16日から分散登校が開始されたことに伴い、給食も一部再開され、昨日で終了したところです。  学校給食では、ノロウイルス感染や食中毒防止で、日ごろから手洗いや消毒などの衛生管理が徹底されているため、今回の対応で、調理作業や食器の洗浄作業などは特に問題なく行われたと聞いています。  ですが、各学校で、学校の規模ですとか生徒の児童数ですとかによって対応は違いますけれども、全教職員が協力をして室内の消毒作業や感染防止に配慮しながら、セッティング、配食準備などを行い、中には、事前にシミュレーションを繰り返した学校もあったとのことで、そのような形で実施したと、学校現場としては相当な努力をされていたことと思います。  また、急な決定で、いっときは、ツイッター等で、特に給食提供についての賛否の声もあったようですが、開始されてからは、共働きの保護者やお孫さんなどを預かっている方などからも、とてもありがたかったという声が私のところにも多く届いていますし、何より、子どもたちが喜んでいたという声を現場や保護者の方々からも聞いています。  改めて、学校の役割と重要性、また、教育の一環として安全で安心な給食提供の必要性を感じているところです。  今現在は、収束のめどや今後の状況がまだ見えない中ですので、市教委のほうも様々な対応に追われていることと思いますので、給食に関するコロナウイルスの影響や、様々な対応の詳細については、また時期を見て改めて伺いますが、今は、いち早い収束と、また、新学期からの教育活動の通常再開に向けて、学校給食の準備を進めながら、新たな課題や、今ある課題にも並行して取組を進めていくことが重要であります。  そうしたことからも、より安全で安心な給食の維持・向上のため、現在、改善に向けて検討している取組があると聞いております。  その一つとして、本市では、学校給食で現在使用している食器の改善を検討しているとのことです。  札幌市で使用している食器については、これまでにも、アルマイトからポリプロピレン、そして、ステンレスと時代に合わせて変化をしてきた歴史があり、現在は5種類の強化磁器食器を使用しています。  この現行の強化磁器食器の導入からは20年がたち、また、全食器の完全移行からも10年以上が経過したことから、現行食器の評価及び課題を検証し、今後の学校給食における食器の在り方を検討すべく、学校給食運営委員会に諮問し、また、答申を受けたと伺っています。  2009年の文科省スポーツ・青少年局長通知では、食器具については安全性が確保されたものであること、また、児童生徒の望ましい食習慣の形成に資するため、料理形態に即した食器具の使用に配慮するとともに、食文化の継承や地元で生産される食器具の使用に配慮することとされています。  また、学校給食運営委員会は、学校給食に関わる様々な立場の方々から構成されているとのことですが、学校給食における食器のあり方の検討に当たっては、より多くの学校給食に関わる方々からの意見を聞くことが重要と思われます。  そこで、質問ですが、今回の学校給食運営委員会では、具体的にどのような検討を行ったのか、伺います。 ◎永本 学校施設担当部長  食器の在り方に関して、具体的にどのような検討が行われたのかというご質問でございますが、学校給食の運営について審議いたします学校長、栄養士、PTAなどから構成される学校給食運営委員会に新たな専門部会を設置いたしまして、その部会の中では調理員を加えて検討を行っております。  検討に当たりましては、児童生徒、保護者、学級担任、栄養教諭及び調理員を対象としたアンケートをはじめ、他都市の食器の使用状況調査、他材質食器との比較のほか、実際に学校に赴きまして、実際の調理作業や食事の様子を見るとともに、現場の教職員らの声を聞いたところでございます。  このような取組を通して、食器の在り方について、食育、安全性、作業性、耐久性及び経済性の観点から比較検討を行ったものでございます。 ◆うるしはら直子 委員  学校長、栄養士、PTAなどにさらに調理員を加えて、食育等の五つの観点から検討し、児童生徒等にアンケートを実施するとともに学校視察や関係者にヒアリングを行ったとのことでした。  現在の食器の変更は、1999年から7年間実施された楽しさとゆとりのある給食推進事業の一環として行われましたが、この事業が完了してから既に10年以上が経過しております。  私は、前職で札幌市の学校給食調理員をしており、市内の小・中学校7カ所で、22年間、学校職員として勤務しましたので、この事業と食器の移行に当たっては、当初から関わり、その後も教室への配膳や交流給食などを通じまして、毎日、児童生徒たちの食事や片づけなどの様子にも触れてまいりました。  この間に、子どもたちの食環境や食事情が様々に変化し、また、集団食中毒やウイルス感染、給食事故防止のため、学校給食法や衛生管理基準などが大きく変わり、学校給食の在り方自体が変化を遂げました。  また、災害対応を含めた学校の役割なども時代とともに変わってきた中で、今、この食器の在り方の検証を行い、改善を検討することは大変重要であると考えるところです。  限られた給食時間の中で、今後も子どもたちが笑顔で安全・安心な給食を食べることができるよう改善すべき課題があることも感じています。  そこで、質問ですが、今回の検討の結果、どのような課題が判明したのか、伺います。 ◎永本 学校施設担当部長  食器の在り方検討の結果、どのような課題が判明したのかということでございますが、食育の観点では、現行の強化磁器食器は、児童生徒の食事マナーや食文化を身につけるといった成果が見られます一方、丼は、盛りつけや食事の際に、特に低学年の児童にとっては、重く、扱いづらいという指摘がございました。  また、耐久性や作業性の観点では、現行の強化磁器食器は、食材による着色がないなどの利点がございますが、他の合成樹脂の食器に比べて重く、特に5種類ございます食器の中で最も重い丼と皿は作業負担が大きいという課題が見えてきたところでございます。 ◆うるしはら直子 委員  様々な観点から検討されたということで、その結果、丼、また、皿は小学校の特に低学年の児童には大き過ぎて、また、重過ぎて、扱いにくく、そして、調理員の作業負担が大きいということでありました。  現在、本市の学校給食で使用している強化磁器食器ですが、小皿、茶わん、カップ、丼、皿の5種類で、メニューによって1日に二、三種類を使い分けているわけですが、強化磁器食器は、家庭に近い食器であることから評判もよいものであることは認識しております。  しかしながら、アンケートでは、その中でも皿に関しては、児童生徒には大き過ぎて使いづらいの割合が他の食器と比べて高く、また、丼については、児童生徒、学級担任、また、栄養士、栄養教諭、いずれも、他の食器と比べ、大き過ぎて使いづらいの割合が高いという結果であったりということで、私も、そうした児童生徒の様子を多く目にしてきました。  特に、この二つの食器は、大きさがある分、他の3食器と比べると衝撃に弱く、破損したときの破片や飛び散り方も大きく、扱いに手間がかかる点は改善すべき課題だと感じています。  また、この丼と皿についてですが、40人学級の食器を入れた食器かご、1かごの重量は約10キロを超えています。10キロを分かりやすく例えますと、2リットルのペットボトルが1本2キロですから、約5本分です。確かに、小学校低学年の子どもたちが皿や丼の入った食器かごを持ち上げる際に、2人ないし3人で持っていましたし、また、調理員の作業負担については、この10キロのかごを例えば1,200食つくる学校では、1人、最低でも1日20回から40回程度、上げ下げや移動しますので、その負担については想像がつくことと思います。  そこで、質問ですが、答申では、これらの課題を踏まえ、どのような食器の在り方が望ましいとしているのか、伺います。 ◎永本 学校施設担当部長  課題を踏まえた望ましい食器の在り方についてでございますが、答申では、現行の強化磁器食器は、食育面で成果がございますことから、丼及び皿を除く茶わん、カップ、小皿の3食器については、使用を継続していくことが望ましいとされております。  また、丼や皿につきましては、強化磁器食器よりも軽量で扱いやすく、作業性に優れており、かつ、内分泌攪乱物質、いわゆる環境ホルモンを多く含まず、安全性が高いと言われておりますPEN樹脂、またはABS樹脂等の合成樹脂食器への移行を検討することが望ましいとされております。  教育委員会といたしましては、今回の答申を踏まえ、児童生徒をはじめ、学校給食に携わる方々にとってより望ましい食器の在り方について、引き続き検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆うるしはら直子 委員  5種類の食器のうちの3食器は継続しまして、また、丼、皿について改善を検討しているということで、その改善に関しては、環境ホルモンと安全性の高い樹脂製の食器に替えていくという答弁でございました。  答弁を踏まえまして、最後に要望ですが、今回の答申を受けて、PEN樹脂、ABS樹脂等の合成樹脂食器への移行を検討する際は、まずは、しっかりと試行の実施を行って、児童生徒、栄養士、また調理員などの意見を聞きながら決定していただくことを要望します。  ただし、あまり試行に時間をかけてしまいますと、移行に至るまで数年を要してしまう懸念もありますので、試行に当たっては、的確な計画やスケジュールの下に進めていただきたいと思います。  私は、東日本大震災で大きな被害に遭った小学校を幾つか視察したのですが、特に、この大きな強化磁器食器を保管していた給食室では、破損した食器が床に散乱し、足を踏み入れることができなかったという状況もありました。  学校の危機管理という観点からも、この大きな2種類の食器の改善に関しましては、計画的に、そして、的確な試行を経て、移行の食器が確定したときには、予算づけをしながら、速やかに移行していただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆森山由美子 委員  新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、教育委員会の皆さんには、休業への対応、卒業式の在り方、保護者への理解と、大変なご苦労が今もなおあると思いますが、児童生徒、保護者への丁寧な対応を引き続きお願いしたいことをまず冒頭に申し上げまして、子どもの学習環境向上のため、質問を行います。  私からは、SNS等のネット利用による子どもの犯罪被害について、学校における暑さ対策に関する調査について、学びのサポーターについての3項目について、順次、質問をさせていただきます。  まず初めに、SNS等のネット利用による子どもの犯罪被害について質問をいたします。  さきの警察庁の統計によると、2019年に会員制交流サイト、SNSを使って、性犯罪などの被害に遭った子どもは2,082人、前年比271人増ですが、過去最多を更新し、うち、中学生が847人、223人増に上ったことがわかりました。  被害児童が最も多かったSNSはツイッターで、警視庁は、スマートフォンの普及で被害が低年齢にまで広がりつつあると警鐘を鳴らしております。  昨年11月、大阪市に住む小学6年生女子児童が行方不明となり、6日後に栃木で保護されました。警察は、女子児童を連れ去ったとして男を逮捕しましたが、その知り合うきっかけとなったのもツイッターでした。  このように、SNS等のネット利用による犯罪被害に巻き込まれる子どもが増えている状況ですが、札幌市においては、ネットパトロールを行っていると聞いております。  そこで、質問ですが、本市で実施しているネットパトロールの現状について伺います。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  本市で実施しておりますネットパトロールの現状についてお答えいたします。  ネットトラブルから子どもたちを守ることを目的といたしまして、平成21年度から、専門業者によるネットパトロールを定期的に実施し、インターネット上の不適切な書き込み等を早期に発見し、対応してきたところでございます。  その後、年を追うごとに、個人への誹謗中傷や犯罪行為を示唆する不適切な書き込みは減少いたしまして、自分や友人の名前、画像をネット上に公開するなど、個人情報の流布についての検出が多くを占める状況に変化してまいりました。  現在は、SNS等を利用する子どもの増加に伴い、閉鎖的なネット環境の中で不適切なやりとりをする例が増加しておりまして、ネットパトロールでは発見するのが難しいのが現状となっております。 ◆森山由美子 委員  ネットパトロールだけではなかなか発見できないような新たな課題があるとのことでした。私は、連れ去り被害だけではなく、自画撮り被害など、性犯罪に巻き込まれるような事案から女子児童生徒を守る事前の予防策が、今後、大変重要と考えます。  特に、そのような事案については、ネットパトロールでは検索できないLINEなどのアプリを利用する中で、知らないうちに子どもが被害に巻き込まれ、事態が深刻化していることが危惧されます。ネットパトロールなどのハード面だけでは対応が難しいのであれば、子どもを守るためのソフト面での防止策など、さらなる工夫が必要と考えます。  そこで、質問ですが、今後、SNS等のネット利用による子どもの犯罪被害防止に向け、どのような取組を進めていくのか、伺います。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  SNS等のネット利用による子どもの犯罪被害防止に向けた今後の取組についてでございますが、犯罪被害を未然に防止するためには、ネットパトロールや家庭におけるフィルタリングの徹底などの取組に加えまして、子ども自身が自ら危険を予測し、被害を防止することができるよう、知識や意識を高めていくことがますます重要であると認識しております。  特に、情報モラルに関する指導につきましては、新たに教科化された道徳科の全学年におきまして、情報社会の倫理、情報セキュリティー等について、教科書を用いて学習するなど、学校の教育活動全体で取り組んでいるところでございます。  今後は、最新情報に基づいた指導や啓発ができるよう、警察と連携した校内放送による防犯教室の充実や、専門業者と連携した新たな映像教材の作成、活用をするなど、ネット利用による子どもの犯罪被害の未然防止に向けた取組を一層推進してまいりたいと考えております。 ◆森山由美子 委員  ただいまの答弁にもございましたが、今後、さらなる子ども自身への学校現場での注意喚起はもちろん、保護者へのご家庭でのスマートフォンの使用ルールなどを話し合う場を設けることへのなお一層の呼びかけや、子どもの変化に気がついたときに、ちゅうちょせずに連携できる相談しやすい体制の整備を求め、次の質問に移ります。  次に、学校における暑さ対策に関する調査について質問をさせていただきます。  近年、温暖化が急速に進み、北海道においても、夏場は非常に暑い日が続いている中、普通教室にエアコンが設置されていない札幌市立の学校現場では、子どもたちや教職員の体調が危惧されるところです。  このような中、昨年秋に、我が会派から、学校現場ではどのような暑さ対策を行っているのか、現場の声を聞くための調査を実施するようお願いしていたところでありますが、その調査結果について伺います。 ◎永本 学校施設担当部長  暑さ対策に関する調査結果についてでございますが、昨年の9月に市立の学校に対して、特に暑さが著しい教室があるか、ないかということと併せまして、扇風機等の設置状況ですとか、その他、学校で行っている暑さ対策について調査を実施したところでございます。  その結果、特に暑さが著しい教室があると回答した学校は約7割に上りまして、その暑さが著しい教室の多くというのは、校舎の3階ですとか4階といった最上階の教室であるというものでございました。  また、暑さ対策といたしまして、約3割の学校においては、全ての普通教室に扇風機を設置しておりまして、一部の教室等への設置も含めると、約5割の学校で扇風機が設置されておりました。  そのほか、学校におけるソフト面の暑さ対策として、服装についての指導ですとか、水筒の持参による小まめな水分補給等の取組を行っているという回答があったところでございます。 ◆森山由美子 委員  今後もますます温暖化が進行し、児童生徒や教職員の現場での環境はますます過酷になっていくと思われます。今回の調査は過去に教育委員会で実施した例がなく、我が会派がお願いして実施していただいたものであり、全ての学校から回答を得ていると伺っております。まさに、学校現場の生の声を集約した調査結果なのではないかと思われますが、この調査結果を踏まえた今後の対応について伺います。 ◎永本 学校施設担当部長  調査結果を踏まえての今後の対応についてでございます。  調査によって、全ての普通教室に扇風機を設置している学校数は、小学校で55校、中学校で33校ございましたが、扇風機を導入している学校からは、空気の循環することによって体感温度が下がるなど、暑さ対策として、やはり、一定の効果があるというふうに聞いてございます。  このため、今後は、普通教室への扇風機の導入について検討を進めますとともに、最上階の普通教室については、可能な範囲で低層階への移転を行うほか、引き続き、学校現場の状況把握に努めてまいりたいと考えております。 ◆森山由美子 委員  学校における暑さ対策としては、道外の自治体のように、学校の全ての普通教室などにエアコンを設置することが理想です。これまで、道外の自治体が多額の費用を投じてエアコンの設置を行ってきたのは事実であり、私は、今後の温暖化の進行を考えると、札幌市が将来にわたってエアコンを設置しないとするのは無理があると考えます。  しかしながら、そうは言っても、1校当たりのエアコン設置費は多額であり、維持費や機器更新費用のことを考慮すると、直ちにエアコンの設置というようにはならないのは理解をしております。  しかし、進む温暖化の状況に鑑みると、今回のような調査を教育委員会として定期的に実施し、学校現場の暑さ対策の実態を常に把握することは非常に重要なことであります。  繰り返しになりますが、この調査は、現場の負担にならないよう配慮しながらも、1年ごとに変化する気温の状況からも、今後も毎年行っていただき、その都度の調査結果に対して、学校における暑さ対策の検討を継続し、細やかに見直しに努めていただくことを強く要望して、この質問は終わります。  最後に、学びのサポーターについて質問をいたします。  札幌市においては、平成20年度より、小・中学校等の通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に対して、学校生活上、必要となる支援を行う学びのサポーターを配置しております。  事業については、活用校数を増やし、全校配置を可能としたことや、介助アシスタント制度を加えるなど、学校や保護者のニーズに応えてきたものと考えます。  学びのサポーターは、有償ボランティアで、学校が近隣に在住する人に依頼する形を取っており、学校ごとの地域性を十分理解した方が校内で支援してくれるため、多くの学校で成果を上げていると聞いております。  一方で、事業の開始から10年以上を過ぎており、事業について改めて検証することが必要ではないかと考えます。  そこで、質問ですが、学びのサポーター活用事業の現状と成果について伺います。 ◎相沢 学校教育部長  学びのサポーター活用事業の現状と成果についてお答えいたします。  学びのサポーターにつきましては、必要性の高い小学校から配置を開始するとともに、順次、配置校数を増やし、平成28年度からは、高等学校も含め、希望する全ての学校で活用が可能な状況となっております。  今年度は、小・中・高等学校等、合わせて284校がこの事業を活用しており、700名弱のサポーターが登録されているところでございます。  活用校からは、サポーターの支援により、授業の内容が理解しやすくなり、学習に前向きに取り組むようになる子が増えた、あるいは、体に麻痺がある子どもの介助をしてもらえることで、安心して学習活動に取り組むことができたなどの評価を得ているところでございます。 ◆森山由美子 委員  事業の現状や成果などについては承知をいたしました。  しかしながら、一方で、私は、サポーターへの支援の充実が必要と感じております。  学びのサポーターが子どもへの対応に苦慮したり、悩んだりしたときに、学校の教員が多忙なため、なかなか話をする時間が取れず、ともすればサポーターが校内で孤立してしまうことがあるようにも聞いております。  実は、我が会派の知人も、このような状況に陥り、いろいろと迷ったそうですが、最終的には学びのサポーターを辞めてしまった人がいます。学びのサポーターとして多くの児童生徒を支援しようとする姿勢でいた方が辞めてしまうことは、その学校に通学する児童生徒にとっても、自分たちの理解者が減った気持ちになり、ショックを受けることにつながるのではと、とても心配です。  そこで、質問ですが、学びのサポーターに対する支援を充実する必要があると考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎相沢 学校教育部長  学びのサポーターに対する支援を充実する必要性についてでございますが、各学校においては、学びのサポーターの活用に当たり、教員とサポーターが事前に打合せの機会を持ち、共通の認識に立って子どもの支援に努めているところでございます。  しかしながら、日々、子どもの状況が変化する中、サポーターが子どもへの対応に迷うことなどがあった際に、校内で十分に情報共有できず、苦慮するケースも見られているところでございます。  今後は、改めて全ての活用校に対して、校内におけるサポーターの相談窓口を明確にするとともに、子どもの支援の方向性等について、適時、サポーターを含め、校内の教職員で共通認識を図るよう周知してまいります。  あわせて、サポーターの相談窓口となる教員に対して、これらの内容についての研修を行うなど、学びのサポーターに対する支援を充実してまいります。
    森山由美子 委員  学びのサポーターが札幌市の子どもたちのために力を発揮しようとする意欲を失わないようにさせるためにも、ぜひとも、いろいろな角度からサポーターを支える方策をとっていただくよう強く要望しまして、私の全ての質問を終わります。 ◆小須田ともひろ 委員  私からは、帰国・外国人児童生徒への日本語指導について質問させていただきます。  近年、我が国に在留する外国人が増加していることに伴い、この10年で小学校、中学校、高等学校における日本語指導が必要な児童生徒数は1.5倍以上に増加しております。  また、国は深刻な人手不足を踏まえ、平成31年4月に、いわゆる入管法などを改正し、新たな在留資格、特定技能を創設したところであり、我が国に在留する外国人及びその家族の増加が見込まれております。  札幌市においても、日本語指導を受けている帰国・外国人児童生徒は、毎年、増加傾向にあり、居住する地域も市内全域に広がってきております。  そのため、日本語指導の要請があった学校へ派遣している日本語指導ボランティアの負担も増していると聞いております。  そこで、質問ですが、札幌市における帰国・外国人児童生徒への日本語指導の現状と課題についてお伺いいたします。 ◎相沢 学校教育部長  札幌市における帰国・外国人児童生徒への日本語指導の現状と課題についてお答えいたします。  帰国・外国人児童生徒が学校において、言葉の壁を乗り越え、安心して生活し、学習するためには、コミュニケーションが取れないなどの不安に寄り添いながら、一人一人の日本語の習得状況に応じた指導の充実を図ることが大切であると認識しております。  教育委員会では、昭和57年度に日本語教室を設置し、通級指導を始めるとともに、平成18年度からは、日本語指導ボランティアを学校に派遣しており、今年度は、55校、93名に対して個別の指導を実施しているところでございます。  しかしながら、日本語で学習内容を支障なく理解できるようになるには、子ども一人一人の状況をきめ細かく把握し、学校全体で計画的かつ継続的に指導を行うことが重要であり、さらなる指導体制の充実が課題であるというふうに考えております。 ◆小須田ともひろ 委員  さらなる充実に向けて課題を感じているということでありました。  人口が減少する中で我が国の活力を維持するためには、外国人の方々にも様々な場面で今以上に活躍していただくことが必要であります。  その基盤となるのが、帰国・外国人児童生徒が円滑に学校生活を送り、日本語や日本の文化、習慣などへの理解を進めていくことができる充実した教育環境であると考えます。  そこで、質問ですが、帰国・外国人児童生徒への日本語指導の充実に向け、どのような取組や仕組みづくりを考えているのか、伺います。 ◎相沢 学校教育部長  帰国外国人児童生徒への日本語指導の充実に向けた取組や仕組みづくりについてでございますが、日本語指導においては、日本語の習得状況に応じた指導が大切であることから、今年度は、受入れ初期における配慮事項を示した手引と実際の指導場面で活用できる指導資料を作成したところでございます。  来年度からは、日本語指導を専門的に担当する教員が複数の学校を巡回して、子どもたちを指導する体制を整備し、帰国・外国人児童生徒への日本語指導体制の充実を図ってまいります。  さらに、日本語指導の充実に向けて検討すべき視点は多岐にわたることから、学識経験者やボランティア団体、関係部局等と具体策を検討する仕組みづくりを進めまして、帰国・外国人児童生徒が安心して学び育つことができる環境を整えてまいります。 ◆小須田ともひろ 委員  子どもたち本人の置かれた環境に関係なく、しっかりと学力などの能力を高めていける環境づくりのために必要な措置を講じるよう要望しまして、私の質問を終わります。 ◆たけのうち有美 委員  私からは、特別支援学校に通学する児童生徒への保護者常時付添いについて伺います。  我が会派では、これまでも継続して、学則で保護者の常時付添いが求められる特別支援学校について、早急に付添いの撤廃に向けた環境整備を求めてきました。  その根拠は、2016年に施行された障害者差別解消法で求められている合理的配慮にあります。障がいのない子どもにはつけていない条件等を課すことは、子どもの学ぶ権利保障の課題であります。  また、私の教員としてのこれまでの経験からも、子どもにとって保護者と離れる時間も健やかな成長には欠かせないものであると実感しています。  保護者は、この常時付添いという条件のため、児童生徒の兄弟の行事への参加や、通院や自身の用事などに大きな制約を強いられており、早急な改善を求める声が私にも届いています。  2019年、第3回定例市議会決算特別委員会でも、私から、豊成・北翔養護学校の学則について、常時付添いの撤廃に向け、本人や保護者、学校や主治医、看護師など、関係者の声をしっかりと受け止めて取組を進めるよう、求めたところです。  教育委員会では、学則改正に向けて、関係者の意見聴取を実施し、保護者に対してもアンケートを行うと回答がありました。  そこで、質問ですが、豊成・北翔養護学校の保護者に対し実施した学則に関するアンケートにおいて、回答状況と、寄せられた意見の内容について伺います。 ◎相沢 学校教育部長  保護者アンケートの回答状況と、寄せられた意見についてお答えいたします。  学則の見直しに係る保護者アンケートでは、保護者の常時付添いに係る文言の見直しを前提に、その賛否や必要となる条件等について聞いたところでございます。  これまでに約75%の保護者より回答があり、その多くは常時付添いのその常時を外すことには賛成であるが、付添いしないことへの不安の声や、その実現に向けて必要となる体制整備を求める声などが寄せられていたところでございます。  また、学則の改正により、豊成・北翔養護学校は、重度の障がいのある子どもを対象とした学校という設立の趣旨が変わることがないようにといったご意見ですとか、現在、通学している児童生徒へ不利益が及ばないようにしてほしいとの意見もいただいております。 ◆たけのうち有美 委員  アンケートを実施するに当たって、市教委から保護者に向けて、事前にアンケートの目的を説明したり、保護者一人一人がアンケートを、直接、回答、送付できるようにするなど、保護者の意見や不安などの思いを丁寧に聞いていることに対し、保護者から市教委に対する感謝の気持ちが私にも届いています。  学則見直しについて幅広い意見が寄せられているようですが、豊成、北翔の学校設立の目的である重度の障がいがある子どもの教育の場であるという学校の在り方は変えるべきではないと考えます。  様々な不安を抱えた保護者に寄り添い、不安解消について丁寧な対応が必要です。  そこで、質問ですが、今後、教育委員会としてどのような取組を進めることを考えているのか、伺います。 ◎相沢 学校教育部長  今後の取組についてでございますけれども、学則改正を検討するに当たりましては、幅広く関係者から意見を聴取する必要があるというふうに考えておりまして、これまでに両校の学校長や保護者会の代表から意見を聞くとともに、個々の保護者を対象としたアンケートを実施してきたところでございます。  今後は、保護者の常時付添いを条件としない中で、子どもを受け入れる際の課題や必要となる要件等について、学校の教職員を交えて協議を行うこととしております。  あわせて、専門医から意見を聞くとともに、保護者の付添いがない日を試行的に設けるなどの取組を通しまして、保護者の不安解消に向けた運用方策を検討しながら、着実に学則改正に向けた学校の体制を整備してまいります。 ◆たけのうち有美 委員  医療的ケアの必要な子どもの学ぶ権利の保障と保護者の負担軽減のためにも、今後も引き続き丁寧に検討を進めていっていただきたいと思います。  私は、昨年12月と今年2月、実際に北翔養護学校と豊成養護学校を訪問し、登校時の様子や学校施設、授業や給食の様子などを見せていただきました。また、保護者の皆さんとも意見交換をする中で、様々な悩みや希望をお聞きしてきました。  その中で、保護者の一時外出の時間を延長してほしい、現状では往復時間を含めて必要な用事を果たすことができない、特に、下校後の放課後等デイサービスへの引継ぎのために、一度、学校に戻ってこなければならない、学校から直接引渡しができるようにしてほしいなどの声が多く上がっていました。  また、北翔養護学校は西区発寒、豊成養護学校は中央区に近い南区にあり、これは、市内全域から通学することを考慮して、北と南の2カ所の開設となっていると思います。しかし、高等部は北翔養護学校1カ所で、市内全域から通学するのは大変困難な状況にあります。保護者の方からも強い要望がありましたが、学則の見直しと併せて、ぜひ、豊成養護学校に高等部を開設することを強く求めたいと思います。  学則の見直しには様々な環境整備が必要なことから、時間がかかると思いますが、すぐに取り組めそうなことについては、早急に検討を進め、医療的ケアの必要な子どもの学ぶ権利の保障と保護者の負担軽減が少しでも図られるよう強く求め、私からの質問を終わります。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、青少年科学館について質問をさせていただきます。  最初に、新さっぽろ駅周辺の再開発を踏まえた青少年科学館の取組について質問をいたします。  現在、新さっぽろ駅周辺地区は、大規模な複合開発プロジェクトが進んでおり、区役所周辺、I街区と言っていますけども、ここが2023年の完成を目指して、タワーマンションや商業施設、ホテル、さらには、それと併せました病床数だけでも400床を超える専門医療の医療群が集積をする予定となっております。  またG街区と言われる青少年科学館側、こちらには大学と看護の専門学校が、教育施設として、これは来年、2021年の4月の開校を目指し、建設工事が進められております。  また、2日間で約7万人という来場者を迎えて開催されております区民まつり会場、この会場が青少年科学館の前にありまして、このふれあい広場も大規模な改修工事が予定をされており、開放的な憩いの場になる予定でございまして、ここ数年で、この新さっぽろ駅周辺地区は、町並みが大きく生まれ変わる予定となっているところであります。  この再開発における地区計画では、地域交流拠点としてふさわしい多様な都市機能の集積と魅力ある都市空間の創出を目指すこととしております。  そして、その計画に沿って、教育・地域交流複合地区や、また、商業、また業務地区といった様々なことが整備されることによって、新さっぽろ駅周辺地区は、これまでにない多様な人たちが訪れる、そうした場に変わっていく予定でございます。  そうした中、新さっぽろ駅にあります青少年科学館も、次期中期実施計画の中で、札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2019の中でも、展示ゾーン等の整備を行っていくという予定になっています。  周辺の再開発や町並みの変化は、今回、質問で取り上げる青少年科学館にとっても、機能の充実強化や集客力をアップさせる絶好のチャンスと捉えることができると考えます。  そこで、質問ですが、再開発による周辺地区のまちづくりが進む中で、青少年科学館はどのような施設を目指していくのか、お伺いいたします。 ◎鈴木 生涯学習部長  再開発の進展を踏まえました青少年科学館が目指す施設についてでございますけれども、科学館の再整備に当たりましては、新さっぽろ駅周辺の再開発に伴い、周辺地区との一体的なまちづくりにおける科学館の在り方も併せて検討する必要があるものと考えております。  このため、展示物や施設設備などの機能を充実し、施設の価値と魅力を一層高めていくことはもちろんではございますが、あわせまして、多様な市民が様々な目的を持ってこの地域を訪れることを踏まえまして、周辺施設とも連携した集客イベントなども企画してまいりたいと考えております。  このような取組を通しまして、これまで以上に多様な世代、多様な市民がより気軽に立ち寄り、楽しく科学に触れ、そして、学ぶことができるような施設になることを目指してまいります。 ◆丸山秀樹 委員  多様な市民ニーズに合わせた一体的な取組を進めていくという答弁でしたけれども、次の質問で、地域の活性化に資する青少年科学館の役割、そして、取組について伺っていきたいというふうに思います。  青少年科学館周辺には、現在でも、ショッピングセンターや水族館、劇場、体育館など、様々な施設があるほかに、科学館公園とか、さきに触れたふれあい広場といった緑と憩いの空間があり、地域の交流拠点になっているところでもあります。  そこに、再開発に伴って、札幌学院大学や看護医療の専門学校などの教育施設が来年の4月に開設されます。大学の新校舎には、一般利用が可能な図書館、さらには、そこで行われるようなシンポジウムも開催されることになっておりまして、地域住民の交流の場としても利用できる多目的ホールの設置が計画をされているほか、誰もが参加できる公開講座などが計画されるなど、地域に開かれた学びの場としての新たな魅力の創出がされることとなっております。  私は、これまで、代表質問や予決算の委員会で、札幌市内の中でも、この厚別区は高齢化が非常に著しいということもありましたものですから、この新札幌の再開発には、若い人を呼び込むにぎわいの創出と活性化、さらには、地域課題の解決につながる教育機関の誘致を一貫して述べてまいりました。  そして、このたび、青少年科学館横のG街区には、札幌学院大学と札幌看護医療専門学校が2021年4月に開校されるということになったわけでございます。  この札幌看護医療専門学校は、看護学科と視能訓練士学科、歯科衛生士学科、臨床工学技士学科が設置をされる予定となっております。この専門学校には、北海道ハイテクノロジー専門学校の4学科が移転をしてくるということになっておりまして、中でも、臨床工学技士学科は最先端の臨床工学を学んでおられます。  4学科とも、I街区にできる医療集積との連携も期待が膨らむところでもあります。その専門学生が研究実績であるとか、活動機会の場がこの青少年科学館の中に生み出されることができれば、より入館者に、近隣施設と青少年科学館との一体感や、医療や介護分野における科学技術を肌で感じてもらい、体験してもらうことにもつながります。また、学生との交流の機会も増えることとなると考えます。  特に、こうした医療や介護におけるAIやロボット技術などの分野は、日進月歩、発展、進化しているので、連携を深めていけばいくほど、青少年科学館も進化し続ける可能性も秘めております。  科学館周辺には、多くの市民が訪れ、そこに学び通じた様々な交流も広がり、これまで以上ににぎわいのある地域に変わっていくものとも考えます。  そこで、質問ですが、地域の交流拠点、地域に開かれた学びの場の視点から、科学館として地域の活性化のためにどのような役割や取組が考えられるのか、お伺いいたします。 ◎鈴木 生涯学習部長  地域活性化のための役割や取組についてでございますが、科学館は、展示を行うだけではなく、広く市民を対象にした公開講座を開催するほか、学習成果を発表する場を提供したり、市民ボランティアを導入したりするなど、科学を通して、市民が参加し、交流する機会の創出にも努めているところでございます。  今後も、地域コミュニティーの一員として、地域にある様々な施設、そして新たに開設される大学などとも連携しながら、市民が参加する取組をさらに充実させていくことで、地域の交流拠点、あるいは、地域に開かれた学びの場としての役割を果たし、地域の活性化に寄与できるように取り組んでまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  次に、3点目に、今、学習機会を青少年会館でもつくっていきたいと言っていていただきましたが、具体的に、この学生を取り込むための料金の設定についても少し触れさせていただきたいと思います。  科学館に隣接して開設される札幌学院大学、もう来ますけれども、ここには約1,600名の学生が来ることになっています。看護の医療専門学校には600人の生徒が在籍して、計画だと2,200名の生徒たちが、毎日、新札幌に通ってくるという状況が今後生まれます。  また、科学館から大学構内に続く遊歩道、いわゆるプロムナードが整備されることで、地下鉄駅から大学までを結ぶ回遊性のある連続した歩行空間も生まれることとなります。  これまでよりも多くの学生が科学館周辺に訪れる、これは、当然、想定されるところであります。これまで科学館に来館する機会が少なかった学生にも、新たな科学館を利用してもらう好機であると考えます。  学生が科学館に来館し、様々な先端科学に触れることによって、学生自身にとっても将来のキャリア選択にもつながるのではないかと期待をするところでもあります。  今後、学生がより科学館を利用しやすくするためにも、例えば、学生証を提示すると割引を受けることができる学生割引や、周辺の水族館と連携した学生向けの料金設定を行うなど、料金面での方策が必要であると考えます。  そこで、質問ですが、学生を取り込むための料金設定についてどのように考えるのか、お伺いいたします。 ◎鈴木 生涯学習部長  学生を取り込むための料金設定についてでございますが、ただいま委員からもご指摘のありましたとおり、大学等の開設により、科学館周辺を行き交う学生が増加することが想定されるところでございます。  リニューアル時の集客効果を高め、来館者数の増加につなげるためにも、これまで来館の少なかった学生を取り込んでいくことは大切であり、学生割引の導入は有効ではないかと考えております。  今後は、科学館の経営に与える影響や、大学等が開設された後の利用者の動向なども見極めながら、学生割引の導入に向けて検討してまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  今ご答弁いただいたように、若い人たちが少しでも多くの方が回遊を楽しむ中で、安い料金で楽しめる場所になっていくことが青少年科学館にとっても非常に大事ではないかと思うところであります。ぜひ、学生の料金設定については検討して進めていただきたい、このように思うところです。  また、青少年科学館のコンセプトであります見て、触れて、考えるに関連し、私は、昨年、触れて学べて体験できるという千葉の八柱にあります国土交通省の建設技術展示館というところを視察してまいりました。改めて、私たちの日常生活、生活環境の中に先端の科学技術が生かされているということを再確認して帰ってまいりましたけれども、中でも、近年、災害対策や災害対応、こうしたことに対する科学技術の応用には目を見張るものがありました。  建設技術展示館では、企業の最新技術の出展ブースが期間を設けながら、入れ替わり、立ち替わり、競うように行われておりまして、当然、そうした企業の方たちもそうですし、学生とかサークルといった団体の受入れも盛んに行われていたことが非常にびっくりしたところでもあります。  青少年科学館の目的の一つである北国の、そして、積雪寒冷地ならではの最新技術やテクノロジーを目にして触れる機会を身近につくれることは、学生の関心、また、科学館をより繰り返して訪れたくなるといった展示構成や展示手法の課題を検討する必要があると言われている青少年科学館にとっても、来るたびに青少年科学館は変わっていて発見がある、このようなきっかけづくりにもなるのではないかというふうに思います。また、建設業や製造業にとっても有益なマッチングの機会につなげることができるのではないかと考えるところです。  さらに、このたび、開校を目指している札幌学院大学から経済学部が来る予定ですけれども、2019年の就職先として、建設業は9.7%、情報通信業は9.7%、製造業は4.8%、合わせるだけでも約25%、4分の1がそうした建設系、または情報通信系、製造業系等々に進路を決めております。  来年、新札幌での開校時には、この経済学部のほかに経営学部も統合されて新札幌に来ることになっている、そして、産学連携を目指すことになっています。とすれば、学生が社会の中で生かされる科学技術の進歩をじかに目にする機会として、学生自身の可能性を開き、企業と学生のマッチングにも生かしていけるのではないかと考えるところでもあります。  学生が科学館に来訪し、様々な先端技術に触れることによって、学生自身にとっても将来の選択肢につなげていくこと、こうしたこともぜひご検討いただきたいと思います。  そして、そうした時期に合わせた開催なども青少年科学館のPRとして、ポスターを、大学内をはじめ、様々な周辺に新しくできるような施設にも掲示をしていく必要もあるのではないかと考えるところでございます。  ぜひ、この点も含め、準備の検討も進めていただきたいということを学生に対する支援の在り方として申し上げておきたいというふうに思います。  4点目ですけれども、青少年科学館に期待される知の拠点としての役割について質問をさせていただきたいと思います。  再開発では、大学や専門学校などの教育施設のほかに、医療施設や関連施設など、様々な都市機能の集積が計画されております。  大学をはじめとする教育機関では、タブレット端末の導入や遠隔授業の実施など、ICTを活用した新たな教育スタイルの普及が進んでおります。また、医療、介護の分野では、AI技術を活用する動きも加速しております。  例えば、がんや認知症を診断する予防医療や介護ロボットといった導入事例なども、病気の早期発見や治療、また、高齢者の生活支援に大きな期待が寄せられてもおります。  教育や医療などの多様な機能が集積する新札幌地区は、新たな技術やサービスが結集する知の拠点とも言え、また、社会的課題解決に資する先駆的な取組が行われる可能性を秘めて、大いに期待するところでもあります。  こうした流れの中で、科学館としても、知の拠点としての一翼を担っていくことが求められると考えられます。  そこで、質問ですが、青少年科学館に期待される知の拠点としての役割について伺いたいと思います。 ◎鈴木 生涯学習部長  科学館に期待されます知の拠点としての役割についてでございますが、科学館では、大学や企業などの協力を得まして、講座や講演会、ワークショップ、企画展などを開催しておりますが、今後は、新たに立地する周辺施設とも連携を一層強め、研究成果や技術の発表の場としても活用するなど、事業をより広く展開してまいりたいと考えております。  こうした取組を通じ、新しい技術やサービスなど、様々な情報を科学の視点から発信し、科学館の役割をしっかりと果たしていくことで、知の拠点としての一翼を担ってまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  今後できる施設の連携という観点で、さらにもう少し膨らませていただいて、最後に要望させていただきます。  青少年科学館の魅力である最先端の宇宙やロボット工学の強化について最後に要望を一つしたいと思いますが、今回、開学される札幌看護医療専門学校には、さきにも述べたように、北海道ハイテクノロジー専門学校というところから4学科が移転して、今回、新札幌に開校されるのです。恵庭市にあり、全国展開をしているところですけれども、滋慶学園グループの北海道ハイテクノロジー専門学校は、2021年に北海道で初めてとなる宇宙・ロボット学科、また、AIスマートアグリ学科というものも2021年に開校することが決定しているようです。  この宇宙・ロボット学科は、当然、宇宙開発技術者やロケットエンジニアを養成します。ロボット学科は、プログラミングやロボットの設計を行います。中には、やっぱり、道内の空知にあります植松電機さんなんかとも連携していくということももう決めているようです。  また、AIスマートアグリ学科では、ドローンやロボットを活用したスマート農業の研究開発にも取り組んでいくということになっております。
     ついては、新札幌に医療系4学科が来ることを契機に、そこからさらに交流を深め、今後、北海道ハイテクノロジー専門学校が開設を予定している宇宙・ロボット学科等とのつながりを深めていく、次につなげていく展開も考えられるのではないかと思うところであります。  今回の新札幌への医療連携を契機に、その効果を次につなげてほしいと私は要望したいと思います。  青少年科学館には、毎年、市内はもとより、道内各地から大型バスで小学生が見学に訪れております。中でも、この宇宙産業は北海道でも、ここ数年、大変に注目されている夢のある産業分野でもあります。多くの子どもたちに将来の夢を与えることにもつながるので、今回の新札幌の再開発事業を生かした事業展開を進めていただくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆佐々木みつこ 委員  私からは、高等学校段階における入院生徒に対する教育保障体制について伺います。  近年、15歳から39歳までの間の思春期、若年成人を指すAYA世代、Adolescent and Young Adultのがん患者への対応がクローズアップされています。  この世代の医療は、進歩が見られ、長期入院を要する疾患は、循環器疾患や血液腫瘍性疾患などに限られてきています。血液腫瘍性疾患で最も多く見られるのは白血病です。AYA世代の新規がん罹患者は、2016年で全国2万5,000人、北海道で約1,000人であり、がん患者全体の約2%と割合は少なく、循環器内科や血液内科などの病院で高齢者など、大人の中でぽつんと入院・闘病生活を送っていると思われます。同じ世代の患者同士が出会える機会も少なく、寂しい時間を過ごしていると想像します。  AYA世代は、中学生から社会人までとライフステージが大きく変化する年代であり、学業のこと、進学、仕事、結婚・出産など、がん治療入院中も、治療のことだけではなく、多岐にわたる不安があると思います。  一昔前には、がんは不治の病とされていました。しかし、昨年2月、19歳で競泳の池江璃花子選手に、突然、急性リンパ腫の白血病が発覚しました。9カ月の入院後、昨年12月に退院し、先週、406日ぶりにプールに入ったといううれしいニュースは記憶に新しく、池江選手は、またパリオリンピック復帰を目指しているとのことで、その笑顔に元気をもらった人が多いのではないでしょうか。夢をぜひ応援したいものです。  このように、今、白血病などのがんは70%から90%が治る病気になってきています。  しかしながら、半年から8カ月程度の治療に専念する期間が必要なのも事実です。長期入院になっても、小・中学生であれば、院内学級、訪問学級などで一応の学習支援が行われています。しかしながら、高校生になった途端、支援はありません。義務教育ではないこと、そして、道立、市立、私立と管轄が分かれていること、入院先もいろいろであれば、学習科目も多岐にわたるなどの理由で支援が少ない状況です。  高校生ががんのために長期入院になった場合、病気になったショックに留年のショックが加えられ、将来への希望が見え始めた矢先のその苦痛は想像に難くなく、何とかしてあげたいと思う医療関係者などは、患者ごとに個別対応で支援活動をしていると伺っています。  そこで、質問です。  市立高校に通う生徒ががんなどの疾病により長期入院した場合の教育保障体制について、札幌市が今までどのような対応をしてきたのかを伺います。 ◎相沢 学校教育部長  市立高校生が長期入院した場合の教育保障体制についてお答えいたします。  これまで、市立高校において、生徒が何らかの疾病などにより長期入院した場合、基本的には、その生徒が在籍する学校が個別に支援を行ってきたところでございます。  具体的には、進級や卒業に必要な出席要件を緩和するなどの配慮を行うとともに、教員が定期的に病院を訪れ、学習面のサポートなどを実施してきました。  また、北海道医療センターに入院や転院する場合などには、病院に併設する山の手養護学校高等部への転校として受け入れまして、長期入院中の生徒に対する教育保障に努めてきたところでございます。 ◆佐々木みつこ 委員  ただいまご答弁いただいて、個別に対応、そして、特別支援学校への転校という対応でございました。そういった対応も大事ではありますが、やはり、生徒の身になりますと、自ら選択して入学した高校での継続した学びを求めていると思われます。  しかし、目標は、学習内容のさらなる質の向上であり、単位を取得して元の生活に戻ることではないでしょうか。  国も、高校生の長期入院の7割が教育を受けられていないことを問題視し、学習支援に乗り出しています。2012年、小児がん拠点病院を全国15カ所指定した上で、2013年には、病気療養児に対する教育の充実についてにおいて、高等学校段階の病気療養児への指導を充実させるよう、都道府県に通知しています。  2015年には、療養中の生徒がICTなどの情報技術通信機器を活用し、74単位のうち36単位を上限として単位認定を行うことが制度化されています。  高校生の院内学習支援には、在籍校などの教師派遣や通信学校転籍、遠隔教育の3種類の方法がありますが、私は、ICTなどの遠隔授業が有効であると考えていました。  そんなときです。2016年7月23日付の北海道新聞の記事が関係者から私に届きました。見出しは、がん闘病の高校3年生、院内学級あれば、秋元市長に手紙実らず、やむなく退学とのものです。  この子は、市内の私立の高校2年生で、急性リンパ性白血病で入院しました。原籍校の教師は、1度面談に来ただけで、教育指導はなく、札幌市民である本人は、何とかしてほしくて市長に手紙を書きましたが、実りませんでした。友達は上の学年に上がり卒業する中で留年するということは、強い決意を強いられます。退学になりました。  記事について質問を受ける市長会見の様子がまたテレビで放映されたものを私はいただきましたが、会見記録も確認しましたけれども、現時点で何かに取りかかることまでは思っていませんとあり、その子を支援する関係者も大変ショックを受けたと聞いています。  そんな中、北海道小児血液研究会では、大学生の学習ボランティアを組織し、院内学習支援をしたり、原籍の高校の先生に病院に通ってくれるよう熱心に校長依頼を繰り返したり、支援を続けてきました。医師や看護師が医療・看護業務に加えてこのような支援をしていることは、本当に頭が下がります。  私も、その支援の様子を伺って、札幌市教育委員会にも相談してまいりましたが、市教育委員会からは、札幌市民や札幌市内の病院であっても、道立高校などの生徒であれば管轄ではないとのことでした。  また、そもそも市立高校は7校しかなく、石狩管内は私立が22に道立が38と、まずは北海道教育委員会の対応を見てとの見解であったため、私は、道議会自民党政審会を通じて、北海道教育委員会にも働きかけを行ってきました。  昨年の文部科学省の2019年度予算に、高等学校段階における入院生徒に対する教育保障体制整備事業が加えられ、全国からモデルとして5自治体を公募していましたが、北海道と札幌市は手を挙げられませんでした。  昨年1年間、実際の高校生の長期入院の複数のケースを見てきました。課題として、履修日数の確保、習得レベルの認定の考え方などが個々の校長判断に委ねられるという形があります。  判断は、様々な実態でした。その現状について、医療関係者及び北海道教育委員会の担当と勉強会などをし、北海道の校長会や国への要請をしてきたところです。  道教委では、このたび、令和2年度の文科省の入院生徒の学習支援に関わるモデル事業の申請を行うとともに、遠隔授業の拠点を道立の施設内に設置する方針を固めたと聞いています。  また、文科省においても、新世代の学びを支える先端技術活用推進方策のまとめの中で、高等学校段階の病気療養中の生徒に対する遠隔教育について、受信側に教員の配置を必要としていたこれまでの要件を緩和しました。  これに加え、先日の新聞報道には、長期入院する高校生の遠隔授業の単位上限の撤廃という記事がありました。長期入院している生徒にとっては、将来の希望を持って前向きに病気と戦う気持ちを後押しするきっかけになると考えます。  現状では、市立高校には該当する長期入院の生徒はいないと伺っていますが、今後、長期入院の必要な生徒が出てくることは十分に考えられ、その教育保障体制の整備を準備しておく必要があると考えます。  他でも、高校生の院内学習支援として、大阪府、神奈川、埼玉、東京都、青森県など、遠隔授業の現実的な取組をしており、京都市も平成29年度からICTを活用した学習保障での単位認定や復学につなげる仕組みをしています。  そこで、質問です。  高等学校段階における入院生徒に対するICTを活用した教育保障体制について、今後、札幌市ではどのように整備を進めていくつもりなのか、伺います。 ◎相沢 学校教育部長  今後、ICTを活用した教育保障体制についてどのように整備を進めるのかということについてでございますが、ICTを活用するなどして入院生徒が学校とつながりを持ちながら学習できる機会を保障するということは、生徒自身の学校生活への不安解消や闘病への意欲につながるものであり、大変重要であるというふうに認識しております。  教育委員会としては、昨年度から、市立高校でICTを活用した遠隔授業の実証実験を行ってきており、円滑な実施に向けては、通信回線や機器の整備、セキュリティーの確保等が必要だというふうに考えているところです。  今後につきましては、委員がご指摘のとおり、入院生徒に対する遠隔授業の実施に係る要件等も緩和されたということを踏まえまして、他都市の事例を参考にするとともに、この遠隔授業について試行を積み重ねるなどして、ICTの活用を含めた入院生徒に対する教育保障体制の整備に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  昨年からの実証試験にさらに試行を積み重ねて取り組んでいきたいということでした。先進事例を見てとも伺いました。  先日、私は、有朋高校の遠隔授業の実践を拝見してまいりました。タブレットやテレビカメラでの授業のやり取り、そして、宿題や成績を添付ファイルで提出したり、生徒による授業評価はQRコードでされていたり、ICT機器を使っての授業は、通常の対面授業と同様、もしくは、それ以上の効果が期待できると感じました。  タブレットを用いて、教室にいる友達と同じ授業を受け、生徒同士での交流や意見交換もできる利点、また、世代柄、対人ストレスを感じやすい生徒などにはかえって気楽に学習に取り組めるという環境になるなど、有効性と可能性を感じたところです。  仙台市でも、このたび、2020年度予算で、院内学級のない病院に長期入院している小・中学生、高校生に、タブレット端末を利用して学習のサポートを行う環境を整備すると聞きました。  その予算は、機材レンタル料、65万円の計上です。変動する利用者数に応じて、タブレット端末を必要数、確保する体制と伺っています。  そして、今、市内の道立高校に在籍で、白血病で12月に入院した高校生がいます。道教委と在籍校とその病院との連携と英断により、2月26日、病院内に機器のセットアップをし、遠隔授業での院内学習支援が始まりました。  医者を目指す高校生ですが、入院加療をしながら、友人、ライバルと同じ時間で、将来の目標を目指して学習に励んでいると聞いています。  コロナの感染不安がまだ予断を許さないところですが、この仕組みはこのような事態にも有効だと考えます。  また、本日から5Gもスタートです。環境はますます進化しています。若者の将来を応援するまちづくりを進めることは、行政の仕事です。本市も、道立高校では対応してもらえるのに市立では対応してもらえないというふうにならないように、早急に教育保障体制の準備を進めるべきと指摘して、質問を終わります。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、2項目、質問いたします。  1項目めは、札幌市立幼稚園の今後の在り方に関する方針について、2項目めは、青少年科学館展示ゾーン等の整備についてです。  初めは、1項目めの札幌市立幼稚園の今後の在り方に関する方針についてです。  最初の質問は、幼児教育支援員の今後の増員の見通しについてです。  私は、昨年の決算特別委員会で、市立幼稚園の教員の年齢構成は、20代の幼稚園教諭はゼロ、30代、40代、50代が中心で、園長を含めて正規の教諭は69名、平均年齢は48.6歳、市立幼稚園10園全体の相談件数は年間約3,300件程度、また、幼児教育センターで約1,400件程度、訪問支援員の訪問件数は約900件弱である現状を指摘してまいりました。  札幌市教育委員会が現在策定を進めています市立幼稚園の今後の在り方に関する方針においては、幼児教育支援員を増員し、教育相談の体制強化や相談場所の拡充を図ることを明記しております。  私は、かねてから、幼児教育支援員の重要性について、この間の予算及び決算特別委員会で取り上げてきたことからも、増員を行うということについては一定の評価をしております。  そこで、質問ですが、幼児教育支援員の今後の増員の見通しについて、どのように考えているのか、初めに伺います。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  幼児教育支援員の今後の増員の見通しについてお答えいたします。  現在、全市で10名配置しております幼児教育支援員につきましては、市立幼稚園の在り方検討会議におきましても、各幼児教育施設の代表者から、その役割について高い評価をいただくとともに、さらに充実すべきとのご意見も多数いただいたところでございます。  この幼児教育支援につきましては、こうした在り方検討会議のご意見や、地域の教育相談、私立幼稚園等の訪問支援のニーズが高まっていることを踏まえまして、全市で15名程度になるよう拡充するとともに、効果的な活用の在り方につきましても検討してまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  15名程度に拡充するということであります。今、10園ありますけれども、それは5年後に半減するわけでありますので、現在、先ほども申し上げましたけれども、正規教諭は69名おりまして、期限付の教員の方が34名、合計で103名の方が市立幼稚園でお仕事をされているわけであります。  単純にいきますと半分になるわけでありますから、そうした人数が生み出される余地もあるわけでありますけれども、この間も申し上げましたように、30代の方といっても、現在は36歳の方が正規教員の中では一番若い状況となっており、正規教諭で見てみますと、今後5年間で約20名弱の方の自然退職が想定されます。ただ、公務員の定年の年齢が法改正されれば、若干変わっていく可能性もあります。  また、これまで教育委員会から受けてきた説明、答弁の中では、支援員になるのは、誰でも、幼稚園教諭の資格を持っていればなれるということではなくて、様々な研さんを積んで、園長がその中から指名をして、本人のご理解をいただいて、そういう任務を担っていただくというふうに、今、伺っているわけであります。  そういう意味では、令和2年度に採用試験を行って、令和3年度から計画的に採用したとしても、10年かかるわけですね。そうすると、今いらっしゃいます正規の教諭で見てみますと、46歳の方からいますけども、そうした方々を含めて、50代の方の37名中32名が、現行の公務員の退職の法律の関係では32名が退職していくことになるわけであります。  私は、15名というのは、新規に増員するのか、もしくは、今、統廃合によって生み出される方々も含めてになるのか、改めて、その辺を、新規の方は何人なのか、あるいは、配置転換などによっての変動は何人なのか、今の時点でわかる範囲で改めて確認をしたいと思います。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  全体で15名程度の内訳のご質問であったと思いますけれども、今、これから5園に編成し直す中で、どのような人材でこの15名を充てていくかというのは、検討を進めているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  これから採用するわけでありますけれども、以前というよりも、この方向性を示した資料で説明をいただいたときには、今後、採用するに当たっては、小学校の教諭免許と幼稚園の教諭免許を持った方も含めて採用していくという説明を受けてきているわけであります。  現在、小学校の教諭は、市内全体で4,571名の方がお仕事をされておりますけれども、そのうちの723名の方が幼稚園教諭免許保有者であります。これは、今年の3月13日時点での数でありますけれども、私がこの間も教育委員会に申し上げてきたのは、安易に小学校にいらっしゃる幼稚園教諭の皆さんの人事異動をするのではなくて、少なくとも、こうした支援員の皆さんがお仕事を担うことができるのは、個人差もありますけれども、約10年かかるということであれば、やはり、しっかりとした計画の見通しというものを議会の中にも示していくべきではないかというふうに思うわけであります。  改めて、多少変更することはあり得るのでしょうけれども、現時点での15名の内訳というのは、例えば、今、小学校で働いている先生の中から何名持ってくるとか、あるいは、それ以外の分は新規採用して15名という形なのか、その辺の基本的な考え方を再度伺いたいと思います。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  幼児教育支援員の15名の採用と計画も含めてというご質問かと思いますけれども、幼児教育支援員につきましては、保護者の相談を受けます地域教育相談ですとか、また、私立幼稚園等へ出向いて特別な支援を要する幼児への関わり方や、個別の指導計画の作成を支援する訪問支援などにつきまして中心的な役割を担っております。  そうした資質を持った教員または経験者について、15名程度をどのように選定していくかということにつきましては、今後、様々な状況も踏まえながら計画を立てていきたいというふうに考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  今の答弁からすると、経験のある人ということは、仮に来年から採用すれば、そういう経験はないわけですから、小学校の先ほど申し上げた対象となる先生から15名確保するというふうに理解せざるを得ないんですけれども、そういう理解でよろしいんですか。違うんであれば、具体的に答えてください。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  これから採用を再開するに当たりましては、幼稚園教諭と小学校教諭の免許の両方を持っている人材を確保したいというふうに考えておりますけれども、これまでも、期限付教諭として幼稚園で勤務していただいた先生の中にも、小学校教諭の免許を保有されている方もいらっしゃいますので、そういう経験のある方の中からの採用等も検討の中には入れていきたいなというふうに考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  部長の言わんとすることはある程度理解はできますけれども、やはり、今後、教育委員会が、あるいは現場を担当する幼児教育センターが、学校の、今、小学校で活躍されている幼稚園教諭の資格を持った先生をすぐに支援員に任命するのかどうかということは、その人の経験年数とか資質にもよるのでありましょうけれども、ぜひ、新規採用に力を入れていただきたいというふうに思います。  なぜならば、議会に示したそちらからの資料では、今後の市立幼稚園の在り方に関する具体的な取組の中では、幼児教育施設の園内研修に市立幼稚園の教員を派遣する回数は、2024年度には年間150回を達成するのだということが記されております。また、現在も行われております幼児教育施設への訪問支援の回数は、2018年度で827回、年間で実施しているということになっておりますけども、これを50%引き上げて、2024年には1,200回、年間で達成するのだということが記されているわけであります。  私は、この取組がしっかりとしていかなければ、市が掲げる新しい方針の実行は難しいのではないかと思いますけれども、改めて採用のところで確認しますけれども、15人というのは、何年間で15人採用するのか、確認したいと思います。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  15名というのは何年間での計画かということでございますけれども、今いる10名の幼児教育支援を、再編に当たりまして数を縮小していくということではなくて、現在いる10名に5名をプラスして増員したいというふうに考えておりますが、これにつきましては、できるだけ、予算の確保ができ次第、早急に増員したいなというふうに考えているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  私どもとしては、予算の関係もありますでしょうけれども、やはり、将来を担っていく教員を、新規の教諭をしっかりと採用をしていくべきだということを申し上げておきたいというふうに思います。  また、令和元年度現在、10園で203名の何らかの特別な教育的支援を要する園児が在籍しておりまして、全体の定数の約30%となっているわけであります。  これまで、10園で203名でありますから、今度は5園になると、単純平均すると半分ぐらいしか特別支援を必要とする園児が集まらないかもしれないわけであります。  そうすると、私のいる東区の中でも市立幼稚園が廃止されるわけでありますけども、わざわざ北区の幼稚園までは行かないと思うのですね。幼稚園バスでもあれば別かもしれませんけれども、そうすると、やはり、今まで、多ければいいということではありませんけれども、そうしたほかの私立幼稚園、今後は私立保育園にも、幼保小連携の中で支援員が相談に乗ったり活躍をするということでありますので、やはり、ある程度の健常者や、また、特別な支援をする子どもたちにたくさん幼稚園教諭として携わっていかなければ、これまでのノウハウや新たなことに対応することができないのではないかというふうに考えますので、ぜひ、教育委員会としては、今後も計画的に新規の採用者の拡大を行っていただきたい、私ども議会としてもそうした取組をしっかりと応援してまいりたいというふうに考えております。  それでは、同じ幼稚園の関係で、市立幼稚園の魅力向上について次に伺います。  私が昨年の決算特別委員会で、市立幼稚園の在り方検討会議において検討された内容について質問をし、長谷川児童生徒担当部長の答弁は、これまでの取組について一定の評価をいただきましたが、一方で、研究成果の普及啓発、特別支援教育に関する相談支援などについては課題が見られ、一層の工夫、改善が必要との意見もいただいたところであります。  また、札幌市立幼稚園の向こう10年間の方針をつくっていく中で、どのような特色、魅力ある幼稚園として継続していくのか、また、市立幼稚園教諭の採用についても取り上げてきたところであります。  今年2月20日の文教委員会において、私どもの会派のたけのうち議員が、市立幼稚園を再編する目的について質問し、札幌市教育委員会からは、公立の幼稚園としての役割を強化するとともに、市立幼稚園の魅力も一層向上させる旨の答弁がありました。  公立の幼稚園として、研修や教育相談・支援など五つの機能の役割を果たすために、今後、園数が減少しないように、市立幼稚園において一定程度の園児数を確保する必要があります。  そこで、質問ですが、市立幼稚園の魅力の向上についてどのように考えているのか、伺いたいと思います。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  市立幼稚園の魅力の向上についてでございますが、市立幼稚園におきましては、幼稚園教育要領に基づき、遊びを通して、好奇心や探究心、思考力の芽生えを育むことを大切にした教育を進めており、園児の保護者にもご理解、ご支援をいただいているものと認識しております。  教育委員会といたしましては、今回の市立幼稚園の再編を契機として、限られた人材を5園に集約することで、幼稚園と小学校の円滑な接続や、いわゆるインクルーシブ教育の充実など、幼児教育に係る実践研究をより活性化し、公立幼稚園ならではの魅力を一層向上させたいと考えております。  また、こうした市立幼稚園の魅力が広く市民の皆様に伝わるよう、これまでの幼稚園公開やリーフレットの配布に加えまして、ホームページの改善やソーシャルメディアの活用など、より効果的な発信に努めてまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  新たな今後の幼稚園の在り方の方針の中では、現在、市立幼稚園の定員は1園につき90名となっており、定員充足率は、子ども・子育て支援新制度が開始された2015年以降、低下傾向にあると記されております。  9園の平均の定員充足率は、2015年度に89%であったのに対し、2019年度は78.1%と10%以上低下をしているわけであります。年度によっては、50%を下回った園もあるというふうに記されているわけであります。  私は、そういう意味では、あくまでも保護者や通園する子どもたちがどこの幼稚園に通いたい、通わせたいという判断をするわけでありますけれども、やはり、魅力あるという表現の中では、もう少し具体性を持った取組をしていかなければ、先ほど申し上げたような形で市立幼稚園に入園される幅広い子どもたちは年々縮小していくのかという懸念を持つわけであります。  ぜひとも、部長のほうからも、新たなリーフレットなどを活用したり、ホームページということもありましたけれども、やはり、若いお母さん、保護者がしっかりと札幌市の発信するメッセージ、内容を見たくなるような、そうした広報というか取組をしっかりしていただきたいということを申し上げまして、次の質問に移ります。  次の質問は、青少年科学館展示ゾーン等の整備についてでございます。  最初の質問は、整備事業のスケジュールについてです。  札幌市青少年科学館は、1981年、昭和56年の開館から38年が経過し、これまでの延べ利用者数は、昨年度末で1,345万人と、多くの市民に親しまれております。  青少年科学館に確認をしましたら、今年度は、コロナウイルス感染症の関係もあり、毎年約33万人ぐらいの平均利用者があるけれども、30万人ぐらいに落ち込むのではないかという報告を受けているところであります。  一方、展示物や施設整備などの老朽化や陳腐化が進む中、私は、2016年、平成28年の予算特別委員会から、この間、予決算特別委員会で、青少年科学館の展示物の更新計画、展示ゾーンや運営の在り方について、提言も含めて質問をしてまいりました。
     そのときの生涯学習部長は現在の教育長の長谷川教育長であります。いろいろな質疑を行ってまいりましたけれども、このたび策定されました札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2019で、青少年科学館展示ゾーン等整備事業が計画事業として位置づけられ、展示物や施設整備等の更新、改修と科学館機能の充実を目指したリニューアルが計画されております。  そこで、質問ですが、科学館のリニューアルは、今後どのような事業スケジュールで進めていくのか、初めに伺います。 ◎鈴木 生涯学習部長  整備事業のスケジュールについてでございますが、アクションプラン2019におけます今後の具体的なスケジュールといたしましては、令和2年度に、科学館活用基本構想に基づき、展示物の構成や配置などを決定する基本設計を行い、公募型企画競争により業務の受託者を決定する予定でございます。  引き続き、令和3年度に、具体的な展示物の製作や施設設備を改修するための実施設計を行い、令和4年度には工事に着手し、完成を目指してまいります。 ◆ふじわら広昭 委員  今後の整備のスケジュールについて答弁がありましたけれども、次は、青少年科学館展示ゾーン等整備事業の内容について、3点質問します。  一つずつ質問をさせていただきたいと思います。  最初は、整備の方向性についてです。  新年度は、答弁にもありましたように、公募型企画競争によって基本設計を行うということでありますけれども、科学館の今後の在り方を明らかにするとともに、展示や施設整備の更新等に関わる基本的な考え方を整理した科学館活用基本構想を2018年度、平成30年度に策定しており、その中で、現状と課題を踏まえた今後の在り方として、社会状況等の変化を踏まえた展示物や施設整備の機能の充実、市民の誰もが学べる環境づくり、学校教育との連携の推進を今後のリニューアルに向けた基本的な考え方と示しております。  そこで、1点目の質問ですが、基本設計の実施に当たっては、この科学館活用基本構想で示した考え方に基づき、今後の整備をどのような方向性で進めていくのか、まず伺いたいと思います。 ◎鈴木 生涯学習部長  整備の方向性についてでございますが、科学館の整備は、開館当初から掲げております展示テーマ、宇宙、北方圏、原理応用と、展示コンセプトでございます見て、触れて、考える、これらを踏まえまして進めてまいりますが、例えば、展示内容につきましては、老朽化、陳腐化した展示物を単に更新するだけではなく、施設全体の統一感も改めて見直してまいりたいと考えております。  そのため、展示物相互のつながりや関連性を明確にするほか、色彩による分かりやすい空間づくりや、認識しやすい案内表示などを取り入れるなど、市民にとって利用しやすい、楽しく学べる施設になるよう検討してまいります。 ◆ふじわら広昭 委員  2点目の質問は、展示物の数についてでございます。  展示物の中には、設置経過年数の長いものが多く、時代にそぐわないものや、故障により休止しているものもあります。  科学館活用基本構想を見ますと、例えば16年以上の展示物は、全体の約6割、147点を占めております。基本構想では、こうした状況を踏まえた課題として、展示の役割を十分に果たせないおそれや利用者サービスの低下に直結すると指摘をしております。  そこで、2点目の質問ですが、今年2月1日現在ある226点の展示物について、整備費の予算等や展示室の面積に限りがある中で、展示物の点数についてはどのような考え方で整備するのか、伺いたいと思います。 ◎鈴木 生涯学習部長  展示物の点数についてでございますが、展示物や施設設備の内容、また、それらの配置につきましては、新たに設置する展示物と今後とも活用する既存展示物の整理が必要になりますが、このほかにも、ユニバーサルデザインにも配慮し、よりゆとりある動線とするなど、一定程度のスペースの確保が必要になると考えております。  そのため、展示物につきましては、現在の展示点数よりは少なくなりますが、他都市の例を参考に、少なくとも130点以上を目安としながら、展示のテーマやコンセプトを踏まえて、必要な展示物を確保してまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  3点目の質問は、実験実習室の整備についてです。  基本構想の中では、科学を通した理科教育の普及啓発の観点から、学校教育との連携事業として、学びのきっかけとなるような取組も数多く実施していることが示されております。  その中で、科学館の学校利用の主な事例として、プラネタリウムは多く活用されていることが示されている一方で、実験実習室の面積は、160平米で、定員32名のため、授業で活用するためには機能面には課題があることを指摘しております。  そこで、3点目の質問ですが、実験実習室を、今後、有効活用していくためには、どのような整備が必要と考えているのか、伺います。 ◎鈴木 生涯学習部長  実験実習室の整備についてでございますが、現在、科学館では、学校教育との連携事業といたしまして、小・中学校の理科授業の支援を行っております。  しかし、使用する実験実習費と準備室につきましては、十分なスペースがなく、また、実験器具や備品の保管庫も不足している状況でございます。  そのため、収容定員数を増やすとともに、多様な実験に対応できるよう、実験実習室と準備室のスペースを拡張することで、より活用しやすくなるように整備してまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  40名程度入るような規模となると理解をするわけでありますけれども、やはり、学年によってはまだ少子化傾向はあるものの、2クラスがある学校もたくさんあるわけでありますので、ぜひともこの辺は弾力的に対応できるような科学館での取組を要望しておきたいと思います。  例えば、具体的には、2クラス分の実験室などが確保できないのであれば、今もやっているかもしれませんけれども、二つのクラスが来た場合には、一つは中をいろいろ見学してもらって、最初の実験をやっているクラスと替わるとか、そうした手法もあるかと思いますけれども、そうした取組をぜひとも取り入れていただきたいというふうに思います。  次は、最後の質問となりますけれども、プラネタリウムの年間パスポート導入についてであります。  私は、この間、青少年科学館のプラネタリウムのリニューアルをすべきだということを提言し、2016年、平成28年4月から現在のプラネタリウムがリニューアルオープンをしております。その年度においては、約44万人の利用者が科学館であったわけであります。  今後の青少年科学館は、展示物のリニューアルにより機能を充実させていく一方で、より利用しやすい施設になるよう、一層の市民サービスの向上を図っていくべきだと考えます。  私は、先ほど申し上げました2018年、平成30年の決算特別委員会において、受付システム更新後にプラネタリウムの年間パスポート導入について質問し、答弁は検討するとのことでした。  2020年度には受付システムの改修を予定しているということなので、年間パスポート導入の好機であると考えます。  そこで、質問ですが、プラネタリウムの年間パスポート導入について、その後の検討状況について伺います。 ◎鈴木 生涯学習部長  プラネタリウムの年間パスポートの導入についてでございますが、令和2年度に改修を予定しております受付システムは、既に導入しております展示室の年間パスポートに対応した機能を追加し、令和3年4月から稼働する計画でございます。  プラネタリウムの年間パスポートにつきましては、市民サービスの向上のため、導入に向けて検討しておりますが、令和4年度から科学館の再整備による休館が予定されておりますことから、リニューアル時の集客効果を高めていくことを勘案し、リニューアルオープンに合わせて導入したいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  1年ぐらいの猶予期間はありますけれども、年間パスポートですから、購入される方によって、12カ月、1年間利用されない不便さも生じてきますので、部長の答弁というのは一定程度理解できるわけでありますので、ぜひとも、リニューアルオープンに向けて、年間パスポートが発券できるように、しっかりと取組をしていただきたいというふうに思います。  要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。  先ほどの幼児教育支援員のところで一つ要望を申し上げるのを忘れましたので、1点だけ申し上げておきたいと思います。  札幌市の幼児教育センターには、指導主事がおり、札幌の市立幼稚園の取組に対する様々な連携を担っておりますので、今後の市立幼稚園の在り方におきましても、幼児教育センターには、幼稚園教諭の資格を持った指導主事がしっかり配置されて体制を組まれることを求めておきたいと思います。  改めて、次に、科学館についての要望でありますけれども、このパスポートの発行について私が問題提起したときには、円山動物園の例も事例に挙げました。それは、年間パスポートは、円山動物園では市内の企業からの広告料をいただいて作成しているわけであります。そういう意味では、科学館におきましても、リニューアルオープンに間に合わせて、市内の企業からの広告料のご協力をいただいて、経費の節減などをしながら導入を図っていただきたいというふうに思います。  また、山崎名誉館長が科学館の様々な課題についてのアドバイザーとしてご尽力いただいておりますけれども、今後、青少年科学館をリニューアルするに当たりまして、既にアドバイスをいただいていると思いますけれども、さらに、そうした事業者が選定された際には、改めて、山崎名誉館長からもアドバイスなどをいただいて、取組をしていただきたいと思います。  最後に、先ほど申し上げましたが、約百四十数点の16年以上たった展示品があります。今後、公募によって決められた設計コンサル会社と相談して、どのような機種を残していくのか、入替えをしていくのかということがありますけれども、もし、道内他都市の科学館で、札幌市がそれを利用しないという展示品があれば、ぜひとも、年数はたっておりますけれども、そうした希望のあるところには、そうした展示品を無償で提供するようなことも含めて検討していただくことを申し上げて、質問を終わります。 ◆石川さわ子 委員  私からは、サッポロサタデースクール事業について、それから、電磁波によって健康被害が心配される児童生徒への配慮に関する教職員への周知について、この2点についてお伺いしたいと思います。  まず、サッポロサタデースクール事業についてです。  札幌市教育委員会では、2014年度から、子どもたちにとって、土曜日をはじめとした休日が充実したものとなるように、地域の協力を得て、学習支援や体験学習、地域交流などのプログラムを企画し実施するサタデースクール事業に取り組んでおります。  プログラムは、自然体験や料理教室など、子どもにとって楽しく参加できるものであり、様々なプログラムの実施を通して、地域全体で子どもを育てる環境を醸成することを目的としております。  運営体制につきましては、学校を核として地域と学校で構成する運営協議会を設置し、地域の中からプログラムの企画や運営全般を担うコーディネーターを選任し、事業を組み立て、実施をしていると伺っております。  そこで、質問でありますが、サタデースクール事業は、2014年度に開始して今年度で6年目を迎えますが、この事業を通してどのような成果があったと認識しておられるのか、伺います。 ◎鈴木 生涯学習部長  サタデースクール事業の成果についてでございますが、平成26年度、当初は3校から始まったサタデースクールは、その後、着実に実施校を増やし、今年度は47校まで拡大しております。  この事業は、子どもたちに多様な遊びの場を提供するほか、地域と学校が連携協力し、一体となって子どもたちと向き合うことで、地域全体で子どもを育てる環境づくりに寄与していると考えております。  この3月に実施したアンケートの中では、参加した子どもたちからは、学校の授業ではできないことが体験できてうれしかった、地域のいろいろな人たちとの交流が楽しかったなどの意見が、また、保護者からは、地域のよさを知るよい機会になった、地域に育ててもらっていることを実感したなどの意見が寄せられておりまして、期待した成果が現れているものと認識しております。 ◆石川さわ子 委員  答弁を伺いながら、地域全体で子どもたちの学びや成長をしっかりと支えており、学校を核とした地域づくりを目指すというこの事業の目的が成果として挙げられているんだということを確認させていただきました。  実施校も、3校から始まり、47校まで増えてきたということであります。  生涯学習推進課のほうで発行しておりますサタデースクール通信というものを拝見いたしました。どんな取組が行われているかということが報告されておりましたが、地域の商店主が講師になった職業体験や、民間企業の力を借りての座学、ダンス教室など、本当に多彩であり、先ほどのアンケートにもありましたように、子どもたちにも大変好評と伺っているところです。  しかし、地域の方からは、この運営協議会の立ち上げのときのメンバー集め、とりわけコーディネーターの人材確保が難しいというお話を伺っております。  また、学校が核である活動がゆえに、教員の負担も場合によっては大きくなりがちだというふうにも伺っております。  この事業は、土・日が活動日であるわけでありますから、教員の働き方改革が進む一方で、ボランティアとしての協力には確かに難しさがあるのではないかなと感じているところです。  そのために、サポート役として統括コーディネーターを派遣しているというふうに伺っておりますが、現在2名しかいらっしゃらないということで、今後、事業の実施校を増やしていくためには、私は、人数が足りないのではないかというふうに考えるところです。  そこで、次の質問ですが、今後、サタデースクール事業を進めていく上で、このようなコーディネーターの人材確保や教職員の負担といった課題に対しまして、どのような取組を行っていくのか、伺います。 ◎鈴木 生涯学習部長  事業の課題とこれらに対する対応についてでございますけれども、サタデースクールは、PTAや町内会など、地域の人材と教職員により運営されておりますが、プログラムの企画や実施など、活動の中心となるコーディネーター役の人材を確保、育成することが難しいこと、また、そのコーディネーターの活動をサポートするなど、教職員に負担が生じていることが課題であると認識しております。  そうした課題を解決するために、現在は、コーディネーターを対象とした研修を実施するほか、アドバイザー役として統括コーディネーターを派遣し、支援を行っているところでございます。  今後は、現在2名の統括コーディネーターを増員し、人材発掘を含めた運営支援を行うことにより、教職員の負担軽減にも配慮しながら、サタデースクールの円滑な実施に向けて取り組んでまいります。 ◆石川さわ子 委員  課題の解決に向けて、今後、統括コーディネーターを増員していく計画があるということを伺いました。  先ほども申し上げましたが、この6年間でサタデースクールを実施している学校数は3校から47校まで増えていったということでありますが、札幌市内の小・中学校は300校ありますから、その数からしますと、1割強といった規模にとどまっているということがあると思います。  先日、近隣の町内会の町内会長さんに、サタデースクール事業の取組についてご存じですかとお伺いしたのですが、残念ながら、ご存じなかったということがありました。  実施校が1割というところもあると思いますが、地域では、町内会やPTA、NPOなど様々な活動団体が同じような目的で子どもを育む活動を行っておりますが、私は、まだまだそうした皆さんとの情報共有が進んでいないのではないかと考えます。  地域で子どもを育むことは大変重要でありまして、それを行っていく上で、サタデースクール事業は一つの役割を果たしておりまして、情報周知はもとより、今後さらに取組を広げていくべきと考えるところです。  そこで、この点に関わっての最後の質問ですが、サタデースクールにつきましては、地域で子どもを育むことの大切さを広く周知し、全市に展開していくべきと考えますが、今後どのように拡大していくおつもりか、伺います。 ◎鈴木 生涯学習部長  事業の拡大と全市への展開についてでございますが、現在、事業を実施している学校は、地域によって偏りがありますことから、今後は、各中学校区内にあります小・中学校で少なくとも1校は実施できることを目指しまして、市全域にこの事業を広げてまいりたいと考えているところでございます。  そのためには、地域での認知度を向上させる必要がありますことから、町内会をはじめとしました地域の団体やPTAなどに、各学校での取組事例や子どもたちの様子などを様々な機会を通してPRすることにより、各地域で子どもたちの学びや成長を支えてまいりたいと考えております。 ◆石川さわ子 委員  要望を申し上げて、次の質問に移りたいと思いますが、町内会をはじめとしました地域の団体やPTAなどへの周知にも力を入れ、札幌市全域への事業展開をしていきたいというお話でありました。  運営の核となりますコーディネーターの人材発掘が課題として挙げられておりましたことから、こうした地域の方々にこの事業について知っていただくことは、担い手不足を解消していく上で重要な意味があるというふうに考えます。  子ども未来局のお話ですが、第4次子ども未来プランにおきましては、地域における子どもの成長を支える環境づくりとして、大人と子どもが交流し、子どもがスポーツ・文化活動などの多彩な活動を展開できる地域での多様な取組の必要性に言及しておりますし、また、子どもの実態意識調査では、子どもに多世代交流や地域体験の機会が少なく交流が乏しいという認識が子どもにも大人にも多いということが結果として出ております。  こうした課題認識から、多様な地域資源が連携して子どもの見守りや居場所づくりを進めているということでありますが、子どもに関わる部局間での課題認識の共有も重要だというふうに思います。  地域では、子ども会活動ですとか青少年育成推進事業、町内会活動等、様々な子どもに関わる活動を行っております。子どもの豊かな学びや成長を目指し、今後は、こうした活動をしている団体の皆さんにもサタデースクール事業の取組をぜひ知っていただき、まちづくりセンターなどの協力も得ながら、サタデースクール事業に関わる情報の共有を進めるとともに、統括コーディネーターの拡充によるさらなる事業の展開を期待しまして、この質問を終わらせていただきます。  次に、電磁波によって健康被害が心配される児童生徒への配慮に関する教職員への周知について伺います。  2020年度予算のうち、教育の情報化推進費に関してであります。  札幌市では、これまで、国の教育のICT化に向けた環境整備5か年計画に基づき、コンピューター教室の端末のタブレット化や校内通信ネットワークの無線LAN化を進めるなど、教育の情報化に取り組んできております。  2020年度からは、このたび、国から示されましたGIGAスクール構想を踏まえまして、新たに小学校、中学校の全児童生徒のタブレット端末等の整備など、学校ICT環境の整備をさらに進めるということであります。  このように、学校の無線LAN環境の整備が一気に進むことで、電磁波による健康被害への不安を持つ児童生徒は、一層、学校に通いにくくなるのではないかと私は懸念をしております。  電磁波による健康被害の因果関係は、公的には明らかになっていないと言われておりますが、私たちの周りにも、電磁波によって心身の機能障害を受け、日常生活や社会生活に相当な制限を受けている子どもや大人がいることは事実です。  そうしたことから、私は、2017年の決算特別委員会において、学校における電磁波を発生する無線LAN機器の整備に伴う子どもへの健康被害の懸念について質問をし、使用しないときは電源を切るなど、電磁波被曝量が最小限になるよう配慮を求めました。  当時の生涯学習部長からは、ICT機器の電源を必要に応じて切ることができるような整備を行い、個別に対応していきたいという答弁がありました。  さきに行われました文教委員会におきましても、こうした懸念についての質問がなされ、生涯学習部長から、今後も同様の対応を続けていくという答弁があったと聞いております。  対応する学校現場において個別に対応していくということでありますけれども、こうした対応方針については、実際に対応に当たる教職員に周知をし、しっかりと認識していただくことが大変重要だと考えます。  そこで、質問ですが、電磁波による健康被害が心配される児童生徒への配慮について、教職員に対してどのように周知をしているのか、伺います。 ◎鈴木 生涯学習部長  児童生徒への配慮に関する教職員への周知についてでございますが、これまでも、全ての学校の管理職を対象とした研修や通知文書等により、保護者の方と相談の上、必要に応じて無線LAN機器の電源を切るなど、個別の配慮について周知を図ってきたところでございます。  今後も引き続き、学校に対してICT機器の使用に当たっての健康面への配慮に関する情報の周知を図り、安全・安心な教育環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆石川さわ子 委員  個別の配慮を求める周知を行ってきたということで、資料も見せていただきましたが、教育委員会では、2018年11月27日付で、電磁波過敏症の児童生徒への配慮についてというお願いを学校長宛てに通知しております。  電磁波による健康被害が心配される児童生徒へ対応されていることについては、私は一定の評価をしているところでありますが、しかし、電磁波過敏症の子どもの保護者が学校に無線LANのアクセスポイントの電源を、オンとオフができるように、スイッチつきに替えてほしいと要望した際に、学校ではできないという返答があったというふうにも聞いております。  通知によって対応をお願いし、学校で個別の対応をしていくとのことでありますが、学校現場での教職員の電磁波による健康影響に対する認識によって対応に差が出ていることを私は懸念をします。  日本においては、電磁波過敏症の方への対策が遅れている現状があります。しかし、海外におきましては、予防原則の観点から、子どもや教職員を守るために無線LANの導入を禁止したり、有線LANの推奨を求めたりしている自治体があるくらい進んでおります。  電磁波過敏症は、化学物質過敏症と同様、誰もが発症する可能性があり、授業の中でタブレットが学校全体で使われるようなWi−Fi環境の中に子どもや教職員が長時間いることによる健康被害を大変懸念するところです。  札幌市におきまして、子どもが安心して学校で学ぶことができるためには、こうした情報を収集するなど、電磁波によって健康被害を受けることについての認識をひとしく深めていただくことは必要不可欠であると考えます。  要望でありますが、今後、教育委員会が教育の情報化を進めるに当たりましては、学校現場に対する個別の配慮に関する情報の周知をさらに行い、学校現場が電磁波過敏症をはじめとした健康に関する不安を抱える児童生徒やその保護者の不安としっかり向き合い、健康状況を把握するなど、丁寧な対応をすることができるよう、取り組んでいただくことを強く求めて、私の質問を終わります。 ○池田由美 委員長  以上で、第1項 教育委員会費等の質疑を終了いたします。  以上をもちまして、本委員会に付託されました全案件に対する質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、3月27日金曜日午後1時から、討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後4時15分...