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令和 2年第二部予算特別委員会−03月16日-02号
令和 2年第一部予算特別委員会−03月16日-02号

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  1. 札幌市議会 2020-03-16
    令和 2年第一部予算特別委員会−03月16日-02号


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    最終取得日: 2021-04-26
    令和 2年第一部予算特別委員会−03月16日-02号令和 2年第一部予算特別委員会  札幌市議会第一部予算特別委員会記録(第2号)               令和2年(2020年)3月16日(月曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名(欠は欠席者)     委 員 長  池 田 由 美      副委員長   松 原 淳 二     委   員  武 市 憲 一      委   員  三 上 洋 右     委   員  高 橋 克 朋      委   員  山 田 一 仁     委   員  細 川 正 人      委   員  よこやま 峰子     委   員  飯 島 弘 之      委   員  北 村 光一郎     委   員  小 竹 ともこ      委   員  松 井 隆 文     委   員  村 松 叶 啓      委   員  小 田 昌 博     委   員  小須田ともひろ      委   員  小 野 正 美     委   員  ふじわら 広昭      委   員  桑 原   透     委   員  山 口 かずさ      委   員  中 村 たけし   欠 委   員  成 田 祐 樹      委   員  うるしはら直子     委   員  たけのうち有美      委   員  田 島 央一     委   員  國 安 政 典      委   員  福 田 浩太郎     委   員  小 口 智 久      委   員  前 川 隆 史
        委   員  森 山 由美子      委   員  村 上 ひとし     委   員  田 中 啓 介      委   員  佐々木 明 美     委   員  佐 藤   綾      委   員  石 川 さわ子       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○池田由美 委員長  ただいまから、第一部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、成田委員からは、欠席する旨、届出がありました。  議事に先立ち、審査方法について確認いたします。質疑者、討論者及び答弁者は起立して発言を行うこと、答弁を行う部長及び課長は冒頭に職及び氏名を名乗ってから発言を行うこと、なお、同一委員への答弁が続く場合は最初だけでよいこととします。また、質疑及び答弁は簡潔を旨とし、前置きなどは極力省き、内容の重複等も避けながら、定められた審査日程のとおり進めることのできるようご協力をお願いいたします。  それでは、議事に入ります。  議案第1号 令和2年度札幌市一般会計予算中関係分ほか、付託議案12件を議題といたします。  最初に、令和2年度札幌市一般会計予算中、歳入のうち一般財源、第2款 総務費 第1項 総務管理費中会計室及び財政局関係分、第3項 税務費、第10款 公債費 第1項 公債費、第11款 諸支出金 第1項 財産取得費、第2項 他会計繰出金中財政局関係分、第13款 予備費 第1項 予備費、議案第8号 令和2年度札幌市基金会計予算及び議案第9号 令和2年度札幌市公債会計予算について、一括して質疑を行います。 ◆松井隆文 委員  私からは、入札契約制度に関しまして、複数年契約の労働集約型委託業務に係るスライド条項制度の導入について簡潔に質問をいたします。  私は、昨年の予算特別委員会におきまして、事業者が、人件費を生み出す環境を整えながら人材を確保し、業務に従事する者の適正な労働環境を確保するという観点から、複数年契約する清掃や警備などの労働集約型委託業務につきまして、工事請負と同様の、最低賃金額や積算労務単価などの賃金水準等の変動により必要があると認める場合には、契約金額を改定するスライド条項制度の導入を求めたところであります。これに対しまして、その委員会で、管財部長からは、この制度を導入している横浜市など他都市の取組状況等を参考に、複数年契約における賃金水準の変動への対応について検討してまいりたいとの答弁がございました。  そこで、質問ですが、複数年契約の労働集約型委託業務における賃金水準の変動への対応について、その検討状況をお伺いいたします。 ◎元木 管財部長  複数年契約の労働集約型委託業務における賃金水準の変動への対応の検討状況についてでございます。  昨年の予算特別委員会におきまして、スライド条項制度導入のご意見をいただきました後、横浜市など、この制度を導入している他都市の取組を参考にしながら、工事契約において導入しているインフレスライド条項制度との整合性も考慮いたしまして、対象業務や契約金額の変更方法、また、導入に伴います財政的な影響などについて検討、検証してきたところでございます。  これらの結果、労働集約型の委託業務に従事されます方のより適正な労働環境を確保するため、来年度、令和2年度から複数年契約の清掃や警備業務などにスライド条項制度を試行的に導入する予定でございます。現在、その実施に向けて、詳細な実施要領について最終的な整備を行っているところでございます。 ◆松井隆文 委員  ただいま、部長からは、令和2年度、来年度から複数年契約する清掃や警備業務などにスライド条項制度を試行的に導入する予定である、また、現在、実施に向けて詳細な実施要領を整備しているところであるという旨の答弁がございました。  そこで、その対象となる業務、また、実施時期及び契約金額の変更額の算定方法など、そういった具体的な実施内容についても伺いたいと思います。 ◎元木 管財部長  具体的な実施内容についてでございますが、まず、対象といたします業務でございますが、国土交通省が、毎年度、定めております建築保全業務労務単価を適用するなど、統一した積算方法で複数年契約をしてございます建物清掃、警備、ボイラー等設備運転監視等業務、電話交換業務の四つの業務、220件程度を対象と考えてございます。また、実施時期でございますが、令和2年10月以降、履行開始となる案件から随時適用してまいりますので、実際に契約金額が変更になるのは、履行開始から12カ月経過後の令和3年10月以降となる予定でございます。  次に、契約金額の変更額の算定方法についてでございますが、まず、契約変更前の積算を、改定された労務単価に置きかえて積算し直しまして、これに落札率を乗じた労務単価を変更した後の契約相当額を算出いたします。この金額から、変更前の契約金額及びこれの1%相当額を差し引いた金額を変更額とすることで考えてございます。 ◆松井隆文 委員  今、対象となる業務とか実施時期、また、算定方法について答弁いただきましたけれども、算定方法の説明の中で、契約金額の1%相当額を差し引くという説明がございましたけれども、そこのところについて、1%相当額というのはどういう趣旨なのか、確認のために質問させていただきます。 ◎元木 管財部長  1%相当額の考え方についてでございます。  このたびのスライド条項制度につきましては、変更前の契約金額からの変動額が合理的な範囲を超えた場合に契約金額を変更するということが基本的な考え方でございます。この合理的な範囲といたしましては、導入済みでございます工事契約のインフレスライド条項制度と整合性を図りまして、受託者の方の最低限の利益確保を考慮しつつ、変更前の契約金額の1%まではご負担をいただくことといたしまして、これを超えた金額を変更額とすることで考えているものでございます。 ◆松井隆文 委員  承知をいたしました。  その変更額の算定方法については承知いたしましたが、1点、この条項導入に当たって懸念される点というものがございまして、横浜市の場合、減額の場合でも変更ができるという制度であるというふうに聞いておりますけれども、この算出した変更後の契約金額がマイナスとなった場合、それはどのように対応するのか、お伺いをいたします。 ◎元木 管財部長  算出した変更後の契約金額がマイナスとなった場合の対応についてでございますが、委員のお話のとおり、先行して実施してございます横浜市におきましては、スライド額がマイナスとなった場合は契約金額を減額することとなってございます。  国の労務単価の状況を見ますと、職種により若干のばらつきはございますが、最新である令和2年度の単価も含めますと、8年連続で上昇している状況ではございます。しかしながら、今後の景気動向等によりましては、マイナスとなることもあり得るところでございます。  今後、こういった可能性がある中、複数年業務の契約期間中に労務単価が下がったことをもちまして契約金額を減額することは、従事される方の労働環境を不安定にさせてしまう、このような懸念もございます。初めにご答弁させていただきましたとおり、スライド条項制度は、委託業務に従事される方のより適正な労働環境を確保するために実施するものでございますことから、労務単価がマイナスとなった場合であっても、契約金額を減額することは考えていないところでございます。 ◆松井隆文 委員  マイナスの場合、減額対応してしまうというのであれば、この制度設計の趣旨とも離れてしまうと思いますので、減額しないということは大変評価できるところであります。  まずは、試行的に導入するということでありますが、導入後においても適宜見直しを行うなど、円滑な執行と、より実態に即した制度となるよう改善を図っていただきたいと思うところであります。  また、昨今、社会保険の事業主負担でありますとか、従業員の給与改善も含めた人件費全体の増加によりまして事業者の経営が逼迫している状況に鑑みまして、事業者が人件費を生み出す環境をより一層整えることができるよう、入札契約制度の改善に引き続き取り組んでいただきますよう求めまして、私の質問を終わります。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、入札制度について、3項目質問いたします。  1項目めは成績重視型入札について、2項目めは総合評価落札方式について、3項目めは最低制限価格の引上げについてです。  私が昨年の予算特別委員会及び決算特別委員会で質問をした中から、その後の改善に向けた取組について質問をいたします。  初めは、1項目めの成績重視型入札についてです。  最初の質問は、成績重視型入札における5年型と2年型の一本化の検討状況についてです。  昨年の決算特別委員会において、管財部長から、成績重視型入札の3年型への一本化について、2019年、令和元年8月から施行している3年型と5年型で運用した結果や、今年度予定している入札参加者へのアンケート調査の結果と併せて、再度、入札・契約等審議委員会に報告をし、改めて意見を伺うとの答弁がありました。入札参加者に対する入札契約制度に関するアンケート調査は、昨年12月に実施し、調査結果については先月下旬に取りまとめていると思います。  そこで、質問ですが、2019年、令和元年度の工事における成績重視型入札の型式別の発注状況と、3年型の試行実施した影響について最初に伺います。 ◎元木 管財部長  まず、令和元年度の型式別の発注状況についてでございます。  令和2年2月末現在の市長部局におけます数値となりますが、発注件数は、5年型が57件、2年型が35件、昨年8月から試行しております3年型が7件であったところでございます。  次に、3年型を試行実施した影響についてでございますが、予定した発注総数の約9割が終了いたしました8月以降の発注であったため、企業の入札参加意欲が低下し、成績重視型以外の案件と同様に、落札率の上昇、平均参加者数の減少、くじ引き発生率の減少が見られたものの、2年型を3年型に延長したことによる影響は特に見られなかったところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  今、答弁で、3年型については7件ほど試行して、2年型を3年型に延長しても特に影響が出ていないということであれば、入札結果についての検証は十分できたのではないかというふうに思うわけであります。  再質問は、工事における入札契約制度に関するアンケート調査の実施概要及び成績重視型入札の型式の一本化に向けた調査結果について伺います。 ◎元木 管財部長  まず、工事におけるアンケート調査の実施概要についてでございます。  入札契約制度の改善に向けまして、成績重視型入札、総合評価落札方式、また、くじ引き落札の抑制対策などにつきまして、業界のご意見を把握するため、平成30年12月から令和元年11月の期間におきまして、工事または道路維持除雪の入札に参加された663社に対しまして調査票を送付し、397社、率にいたしまして60%の企業から回答があったところでございます。  次に、成績重視型入札の型式の一本化に向けましたアンケート結果についてですが、今後の成績重視型入札をどのように運用すべきかとの問いに対しまして、2型式での運用をやめ、3年型に型式を一本化すべきが47.6%、これまでどおり2年型と5年型の2型式の運用を行うべきが37.3%、その他が15.1%と、3年型に型式を一本化すべきとの割合が最も高かったところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  入札参加者に対するアンケート調査の結果については、今、答弁がありましたように、397社から回答が寄せられ、60%の回答率、その中で、3年型に形式を一本化すべきだという回答が47.6%、二つのものに従来どおりにしていくべきだというのが37.3%という結果であったということであります。3年型に形式を一本化すべきという回答が最も多かったものと理解をするわけであります。  そこで、質問ですが、3年型の試行状況やアンケート調査の結果を受けて、成績重視型入札の型式の見直しについて、今後どのように進めていくのか、伺います。 ◎元木 管財部長  成績重視型入札の型式の見直しについて、今後どのように進めるかについてでございますが、まず、3年型と5年型で試行いたしました結果及びアンケート結果につきまして、今月下旬に開催予定の入札・契約等審議委員会にご報告をし、ご意見を伺う予定でございます。  アンケート結果につきましては、先ほどご答弁したとおり、全体としては一本化の割合が最も高かったところでございますけれども、くじ引き発生率が高い土木系工事の入札に参加されている企業の方々からは、これまでどおり2年型と5年型の2型式での運用を行うべきとの割合が最も高いことや、くじ引き発生割合が高く、過去3年間の受注実績がないことから、5年型を残してほしいといった意見もあったところでございます。  また、くじ引き落札の抑制対策として、様々な入札参加資格の設定を望む意見もございますことから、これらアンケート結果や入札・契約等審議委員会からのご意見なども踏まえまして、成績重視型入札の基準点の変更時期でございます8月までには、型式をどうするか、総合的に判断していきたいと考えてございます。 ◆ふじわら広昭 委員  業界からは、それぞれいろいろな意見があるかというふうに思います。  成績重視型については、やはり、平均点という言い方をしておりますけれども、平均点というのは二つ以上の工事を受注した場合に平均点が発生するわけです。最近の状況を見ますと、なかなか入札の精度が高くなりまして、くじ引きが多いということが指摘できると思います。1回しかとらなくても、確かにいい点数をとるところもあります。やはり、成績重視型は、平均点という札幌市の観点からいけば、やはり、今後はどのように回数を含むかということは検討の余地はありますけれども、3年型に一本化をしていくようなことを、しっかり審議会の中でも議論をしていく必要があるのではないかと思いますし、改めて、喫緊の入札・契約等審議委員会に諮って、3年型への一本化について検討することを求めておきたいと思います。  次の質問は、入札参加資格についてであります。  成績重視型入札は、工事の品質確保の観点から、過去の工事成績の平均点が一定の点数以上であることを入札参加条件として設定しています。一方、アスファルト舗装工事については、過去の工事成績のほかに、アスファルトフィニッシャーなどの舗装工事専用の建設機械の保有状況や、経験年数を積んだオペレーターの活用が、履行品質の確保の面から重要な要素であると言えます。仮に、舗装工事の専用機械を保有していない企業が受注した場合、機械を保有している企業に下請を出すことは、建設業法上、認められているものの、工事のより適正な施工体制の確保や品質向上の観点からは、やはり、受注企業が専用の機械を保有または長期リースしていることが望ましいと考えます。  そこで、質問ですが、舗装工事については、全てとは言いませんけれども、建設機械を保有などしている企業が元請企業となるよう、入札参加資格を設定すべきと思いますが、いかがお考えか、伺います。 ◎元木 管財部長  舗装工事におきまして建設機械の保有状況を入札参加資格として設定することについてでございますけれども、地方自治法施行令第167条の5の2におきまして、特に必要があると認めるときは、工事についての技術的適性の有無として設定できるものというふうにされているところではございます。  また、先ほどご答弁させていただきましたが、アンケート結果において、くじ引き落札の抑制対策として、様々な入札参加資格の設定を望む意見もあったところでもございます。特殊な建設機械の保有状況を入札参加資格として設定いたしますことにつきましては、今後、競争性の確保に留意をしつつ、他発注機関の状況も参考にしながら、関係部局と協議の上、検討してまいりたい、このように考えてございます。 ◆ふじわら広昭 委員  法律的にもそうしたことが可能であるわけでありますけれども、今後、発注部局との協議を行って、入札参加資格に設定をすべきではないかなというふうに思います。このことについては、また、決算議会の中で具体的な問題点を指摘していきたいと思いますので、ぜひとも実現できるように取組を求めておきます。  次は、2項目めの総合評価落札方式について質問いたします。  総合評価落札方式の評価項目の設定の見直しについては、昨年の予算特別委員会及び決算特別委員会でも取り上げ、評価項目に関する問題点を指摘し続けているところであり、履行品質の確保や建設業の担い手確保などの諸課題に対応するため、随時、見直しを行っていくべきものと考えております。  昨年の決算特別委員会で、管財部長から、評価項目の加点状況の分析や、入札参加者へのアンケート調査の結果及びさっぽろ建設産業活性化プランの策定状況などを考慮し、評価項目の見直しを進めていくとの答弁がありました。  札幌市では、企業の評価の一つに、配置予定技術者の雇用年数に応じた評価項目を設けていますが、私は、以前から、雇用年数が短期間であっても優秀な技術者は多数おり、建設業の担い手確保の観点からも、人材育成を重視し、技術者本人を評価する項目を設けるべきと指摘をしてきました。  そこで、質問ですが、総合評価落札方式の評価項目について、具体的な見直し項目及び実施時期についてどのように考えているのか、伺います。 ◎元木 管財部長  まず、総合評価落札方式の評価項目の見直しについてでございます。  現在、長期的な担い手確保、育成の観点から、新規学卒者を雇用した場合、加点を行っているところでございますが、建設業界におきましては、新規学卒者の採用が困難な状況にございますことから、新規学卒者のほかに、若年層の担い手確保に向けまして積極的に取り組んでいらっしゃる企業を評価するため、満35歳未満の中途採用者の雇用状況についても評価を行う予定でございます。  また、今まで、企業の評価として、民間団体の資格保有者の雇用状況、また、配置予定技術者の雇用年数を評価してございましたが、工事の履行品質に直接結びつかないとのご意見が関係業界からもございましたことから、企業としての評価をやめるとともに、工事の履行品質に直接影響いたします配置予定技術者の評価といたしまして、これまでの国家資格のほかに、一定の民間団体の資格を保有していた場合にも評価を行うことを予定してございます。  次に、今、申し上げた評価項目の見直しの実施時期についてございますが、本年4月の告示分より変更する予定でございます。 ◆ふじわら広昭 委員  答弁で、総合評価落札方式の評価項目の見直しについて、来月から実施をするための準備を進めているという答弁がありました。期待をしたいと思います。  しかしながら、現在、札幌市で策定中のさっぽろ建設産業活性化プランは、生産性向上や担い手確保の取組を推進し、建設産業の活性化を図ることを目的とした計画と位置づけていますが、先ほど管財部長から答弁がありました評価項目の見直しだけではまだまだ足りないのではないかと思います。  そこで、再質問でありますけれども、建設産業活性化プランの計画期間は5年と聞いておりますが、策定されたプランに合わせ、今後どのように評価項目の見直しを図っていくのか、その方向性について改めて伺います。 ◎元木 管財部長  今後の評価項目の見直しの方向性についてでございますが、今回実施をいたしました入札参加者へのアンケート結果や、委員がお話しの本年4月策定予定のさっぽろ建設産業活性化プランの取組目標及び施策を踏まえまして、技術力の向上や人材確保の取組などに積極的に取り組む企業の支援につながるような評価項目の見直しを、関係部局と協議の上、順次進めてまいりたい、このように考えてございます。 ◆ふじわら広昭 委員  ぜひ、そうした取組が早期に実現するよう求めておきたいと思います。  次は、3項目めの最低制限価格の引上げについて質問いたします。  昨年の決算特別委員会でも、最低制限価格の引上げについて取り上げ、石川副市長から、公共工事で働く労働者の賃金実態調査に向け、関係団体との環境づくりを進めている、また、その調査から得られる労働者の賃金をはじめとする労働環境などを踏まえた上で、最低制限価格の見直しについて総合的に判断するとの答弁がありました。  そこで、質問でありますが、工事の賃金実態調査に向けた関係団体との環境づくりの進捗状況について伺いたいと思います。 ◎元木 管財部長  工事の賃金実態調査に向けました関係団体との環境づくりの進捗状況についてでございますが、昨年の5月より、関係業界団体に対しまして、賃金実態調査の必要性、目的、実施概要案などのご説明をいたしまして、実施に向けた協力依頼を行ってきたところでございます。  この中で、調査の実施方法などについてご意見、ご要望等をいただき、協議、調整を行ってまいりましたが、昨年の12月に関係業界団体より調査の実施についてご理解が得られたところでございます。その後、調査票や調査対象企業向けの手引などについて検討を進め、事務の詳細を整理できましたことから、来年度より試行実施する予定でございます。 ◆ふじわら広昭 委員  ただいま、部長から、賃金実態調査について、昨年の12月に関係業界の理解を得られたので、来年度に試行実施をしたいという答弁がありました。工事に従事する労働者の賃金の実態把握を行うということであれば、なるべく正確なデータを把握する必要があり、調査対象となる企業に対して十分な周知が必要であると思います。  そこで、質問でありますが、工事の賃金実態調査の実施概要について伺いたいと思います。  また併せて、調査対象企業への周知方法について伺いたいと思います。 ◎元木 管財部長  まず、工事の賃金実態調査の実施概要についてでございますが、工事発注の際に、工事費の積算に使用いたします国の公共工事設計労務単価との比較を行うため、その設計労務単価の算定の基礎資料等を得るために行っております公共事業労務費調査に準じた調査を行い、職種ごとの平均単価を集計することを予定してございます。  調査対象といたします予定の工事につきましては、試行の初年度であることや、工事の施工体制が重層下請構造であるため、調査対象企業の事務負担を踏まえまして、おおむね設計金額3億円以上の工事の中から、土木系及び営繕系の工種から各5件を選定いたしまして、入札の告示においてその旨を明示する予定でございます。  これによりまして、調査対象となる企業につきましては、下請企業を含めまして約400社になるものと想定してございます。  次に、調査対象となる企業への周知方法についてでございますが、今月中旬までに、調査対象工事の受注が見込まれる企業が加入する団体に対しまして調査への協力依頼文を送付いたしますとともに、本市ホームページに賃金実態調査に関する専用のホームページを開設する予定でございます。また、調査対象工事の決定後、下請企業も含めます調査対象企業に対しまして、調査票の記載方法などにつきまして説明会を実施する予定でございます。 ◆ふじわら広昭 委員  今、賃金実態調査の実施概要及び周知方法などについて答弁がありました。ぜひともしっかりとした調査ができるように、期待をしているところであります。  工事の従事者の賃金実態を調査し、実際の市場における労務費などの実態を把握することは大変重要なことであり、必要な調査であると言えます。しかしながら、建設業における担い手確保については喫緊の課題であり、人材の育成には時間がかかります。  今月2日の建設委員会で示されたさっぽろ建設産業活性化プラン(案)の中で、工事等の落札率の推移を見きわめつつ、国や他の地方自治体の動向や、公共工事等の従事者の賃金をはじめとする労働環境、事業者の経営環境の状況を踏まえた上で、最低制限価格の設定の見直しについて判断していくとしております。  そこで、質問ですが、賃金実態調査の結果はいつまでに集計をするのか、また、その集計結果を踏まえた最低制限価格の見直しはいつ実施をするのか、伺いたいと思います。 ◎元木 管財部長  まず、工事の賃金実態調査の結果の集計時期についてでございますが、調査対象工事の施工期間のうち、10月中に支払われた賃金について調査を行いますことから、令和3年2月下旬に調査結果を取りまとめることを予定してございます。  次に、調査結果を踏まえました最低制限価格の見直しについてでございますが、賃金実態調査の実施結果に基づく労働者の労働環境の状況のほか、落札率の推移や事業者の経営環境の状況も踏まえました上で総合的に判断してまいりたい、このように考えてございます。 ◆ふじわら広昭 委員  期待の持てるような答弁であるけれども、また、先延ばしをするような答弁でもあります。  私は、建設局に対して、この活性化プランの素案の提出を求めて、報告を受けました。そのときの建設局が作成したプランの素案では、最低制限価格については見直しを図るという文言になっていたと思うのですけれども、その後の、いわゆる企画調整会議というか、市長を含めた最高会議の中で、これが、今、答弁のあったように、最低制限価格の設定の見直しについて総合的に判断をしていくというか、そうしたような趣旨に変わってきているわけであります。  判断することは理解をできるわけですけれども、判断と実施、実行は、全く意味が違います。これは、この任期中に何らかの改善を含めた見直しを図るというふうな判断をする、実施をするというふうに受けとめていいのか、改めて確認をしたいと思います。 ◎元木 管財部長  これまでご答弁させていただきました最低制限価格の見直しにつきましては、今まで申し上げましたいろんな条件等々を考慮しながら、上げるとしてもどのぐらい上げるのとかということも含め、そういうことを判断していく必要があるというふうに思ってございます。その結果、事業者の経営状況等も踏まえ、これは上げる必要があるだろうというふうな判断結果になることも可能性としてあるというふうに考えてございます。当然、そうなると見直しを図っていくという結果になるものと思ってございます。 ◆ふじわら広昭 委員  これ以上申しませんけれども、この間、各会派から、地元企業の経営状況などが大変厳しいということを指摘されているわけであります。ですから、改めて、そうした状況を確認する必要はありますけれども、やはり、判断と同時に、市長の残りの任期中に何らかの札幌市独自の最低制限価格の引上げを行うという、そうした対応をしていかないと困ると思います。  今、いろいろな産業に影響を及ぼしていますけれども、新型コロナウイルスの関係で、やはり、これから建設業に携わる皆さん方の現場などにも、今後、どのような影響が出てくるのかということも含めれば、やはり、しっかりとした判断をしていただきたいと思います。  最後に、要望を何点か申し上げて、質問を終わりたいと思います。
     1点目は、成績重視型入札の3年型への一本化を求めておきます。  また、入札の際の条件設定の見直しも併せて改善を求めておきたいと思います。  また、総合評価落札方式の技術者への評価にする項目は一定の評価をいたしますけれども、私が調べてきた中では、札幌市では技術評価点に差がつくよう、例えば、技術者の資格保有状況には、土木で申し上げますと土木の1級と2級の資格者のみを評価しております。部長の答弁にもありましたように、このほかに、民間などでもあります舗装の工事の資格ですとか、様々な資格が、民間の業界においても、独自に施工の仕方を含めた資格の研修会などをしておりますので、ぜひ幅広くそうしたものを組み入れていただきたいと思います。  また、最低制限価格の引上げにおきましては、先ほども申し上げましたけれども、今、秋元市長の任期中にしっかりと改善をして、人材の確保を含めて、企業がこれからの災害対応や冬の除雪にしっかりと取り組める体力を早期に確保するために、実現を強く求めて、質問を終わります。 ◆小口智久 委員  私からも、入札契約制度について、設計業務におけるくじ引き対策についての質問をさせていただきます。  社会資本整備における一連のプロセスを担う建設業は、担い手不足により品質と生産性の低下が危惧されており、その対策として、昨年6月には働き方改革の推進を柱とした新・担い手3法が成立しました。その一つである品確法では、設計、測量、地質調査、その他の調査についても、広く品確法の対象として位置づけられました。さらに、本年1月には、発注関係事務の適切な実施を目的に、発注関係事務の運用に関する指針、運用指針が改正されました。運用指針では、工事同様、公共工事に関する測量、地質調査を含む調査及び設計等の品質確保に関する多様な入札契約方式の選択と活用が示されております。  私は、建設業における設計の重要性を指摘しながら、札幌市の発注する設計業務は、最低制限価格付近の競争が多く、くじ引きによって落札者を決定していることが多い状況について、昨年の予算特別委員会及び決算特別委員会において設計業務におけるくじ引き対策を取り上げたところです。昨年の決算特別委員会において、設計業務のくじ引き対策について、管財部長より、令和元年8月から総合評価落札方式を試行導入し、4件告示を行っているところであり、今後検証を行っていくとの答弁がありました。  そこで、質問ですが、令和元年度の設計業務の発注件数及びくじ引きの発生状況について伺います。  また併せて、設計業務において、総合評価落札方式の試行件数及びくじ引きの発生状況について伺います。 ◎元木 管財部長  まず、令和元年度の設計業務の発注件数及びくじ引きの発生状況についてでございます。  令和2年2月末現在の市長部局におけます数値となりますが、発注件数は274件となってございまして、そのうち、くじ引きの発生件数は175件で、率にいたしまして63.9%となっているところでございます。  次に、設計業務の総合評価落札方式の試行状況についてでございますが、令和2年度の早期発注分を含めまして、これまで土木設計が2件、橋梁設計が3件、設備設計が一括審査方式1組6件を含みます7件の計12件を行ったところでございますが、いずれもくじ引きは発生していないところでございます。こういったことから、くじ引き対策としての総合評価落札方式の有効性は、設計業務においても認められるものと考えてございます。 ◆小口智久 委員  ただいまの答弁によって、この設計業務においても、総合評価落札方式がくじ引き対策として有効であったということが理解できました。  札幌市では、工事に合わせ、業務についても、入札参加者に対し、総合評価落札方式などについて、入札契約制度に関するアンケート調査を昨年12月に実施し、先月末に調査結果を取りまとめたと聞いております。  そこで、質問ですが、業務の入札契約制度のアンケート調査の実施概要及び総合評価落札方式の試行に関する調査結果について伺います。 ◎元木 管財部長  まず、業務におけます入札契約制度のアンケート調査の実施概要についてでございますが、工事のアンケート調査と同様に、入札契約制度の改善に向けまして、総合評価落札方式、くじ引き落札の抑制対策、成績重視型入札などにつきまして、業界の意見を把握するため、平成30年12月から令和元年11月の期間におきまして、業務の入札に参加をいたしました226社に対し、調査票を送付いたしまして、回答が159社、回答率は70.4%であったところでございます。  次に、総合評価落札方式の試行に関します調査結果についてでございますが、総合評価落札方式の拡大についてどう思うかというふうにお聞きをしましたところ、拡大に賛成が55.9%、一括審査方式の拡大についてのみ賛成が26.9%、その他が17.2%であり、拡大に賛成、一括審査方式の拡大についてのみ賛成を合わせますと、8割以上が総合評価落札方式の拡大について賛成とのご意見であったところでございます。  その一方で、総合評価落札方式に関する改善すべき点、要望といたしまして、幅広く受注できるよう、評価項目や配点の見直しを検討してほしいなど、評価項目の改善に関する意見が多く寄せられたところでございます。 ◆小口智久 委員  アンケートの結果から、評価項目に関する見直しの要望が多々あったということでありましたけれども、くじ引きの抑制効果がある総合評価落札方式の拡大については、多くの企業から理解を得られたということでございます。  そこで、質問ですが、本格実施に向け、総合評価落札方式の件数拡大や評価項目に関する見直しについて、今後どのように進めていくのか、伺います。 ◎元木 管財部長  今後の総合評価落札方式の件数拡大、また、評価項目に関する見直しについてでございますが、設計業務の総合評価落札方式の試行につきましては、今後も引き続き行うこととしてございまして、令和2年度は20件程度行う予定でございます。さらなる件数拡大につきましては、一般的な価格競争入札との発注バランスにも配慮をしながら検討してまいりたいと考えてございます。  また、評価項目に関する見直しにつきましては、先ほどご答弁させていただきましたアンケート結果を踏まえつつ、総合評価落札方式における入札参加状況、また、落札状況なども検証しながら、関係部局と協議の上、本格実施に向け、見直しを図っていきたい、このように考えてございます。 ◆小口智久 委員  それでは、最後に要望したいと思います。  私の前職の上司からは、建設業というものはどれ一つ同じ現場はない、また、日々変わる状況に対応する、そういうことが特徴であるということをよく言われました。このように、建設業というものは、経験によって得られた知識に重きを置きながら仕事を行っており、多くの若手技術者は、日々変わる現場状況に対応する先輩の技術、対応している先輩の背中を見ながら技術を学び、そして成長していくということでございます。  先ほども、ふじわら委員のほうでもありましたけれども、担い手不足で今までのようなこの技術伝承が難しくなっている昨今に鑑みますと、確実に土木、建設の衰退が進み、インフラの維持が困難になっていきます。それを抑えるためにも、若手技術者が安心して働き、やりがいのある職場になるよう、処遇改善につながる最低制限価格の引上げや、長時間労働の是正、情報化施工などのIT技術の導入を進めるべきでございます。インセンティブを与えるような施策が必要で、入札制度はその役割を果たす一つの方法でございます。しっかりと現場の声を聞きながら調査・検証し、取組を進めていただくことを要望して、私の質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  私からは、本市が発注する工事の現場、公的施設で働く人の実態や処遇、特に賃金について質問をいたします。  昨年の第3回定例会代表質問で、公共事業に従事している労働者の賃金実態の把握について、本市において公共工事設計労務単価が支給されているのかどうか、調査する必要があるのではという質問に対し、石川副市長は、調査を実施するには対象となる企業の負担軽減などの課題を整理する必要がありますことから、まずは関係団体からの協力が得られるよう、その環境づくりを行っているところでありますという答弁でした。  先ほど、ふじわら委員の質疑の中でも、管財部長は、工事の賃金実態調査については、来年度から実施をし、調査対象となる企業については、下請企業も含め、約400社になり、10月中に支払われた賃金について調査をする旨の答弁があったと思います。  3月2日、さっぽろ建設産業活性化プラン(案)について建設委員会で報告がされておりますが、そのプラン策定に向けて、建設産業の各企業の担い手確保などの取組に対する意識や課題等々を把握するためとしてアンケート調査を行っております。その調査対象企業数は、建設企業は794社、建設関連企業262社でしたが、来年度実施するという工事実態調査では約400社となっている、その理由は、先ほどこちらも答弁されておりますけれども、試行的に実施する、また、3億円以上のものということで約400社と考えているという答弁でありましたけれども、やはり、より多くの企業を調査対象とすることで、より正確な調査結果が得られると思います。プランでは建設関連企業を含めて約1,000社、実態調査では400社と違いがありますけれども、こちらも試行的なものだということで、狭めるのではなくて、やはり、多くの企業に対して実態調査を行っていくべきではないかということを、まず、一言申し上げておきます。  来年度から実施するという工事の賃金実態調査ですけれども、現場労働者の賃金については具体的にどのような調査をするのか、伺います。 ◎元木 管財部長  具体的な調査内容についてでございますが、労働者ごとの年齢、従事をしている職種、労働日数、労働時間、日給制なのか月給制なのかなどという賃金の支払い形態と、その賃金額を記載した調査票、これを個人が特定されないような形で調査対象企業から提出していただくことを予定してございます。 ◆田中啓介 委員  日数とか、個人が特定されないようにということではありますけれども、詳しく細かく事業者が記載した調査票を提出させるということではあるのです。そういうふうな答弁だと思いますが、やはり、正確にというのが、実態調査をする上においては本当に大切なことだというふうに思います。  そこで、賃金台帳での確認、また、労働者本人からの聞き取りやアンケートに答えてもらうようにすること、これが、本当に現場で働いている労働者の賃金実態をより正確に把握できるというふうに思いますけれどもいかがか、伺います。 ◎元木 管財部長  調査に当たって、賃金台帳での確認または労働者から直接聞き取りを行うべきではないかということでございます。  これにつきまして、先ほどふじわら委員へご答弁させていただきましたが、調査票について正しい記載がなされるよう、説明会を開催しますとともに、専用ホームページに記載マニュアルを掲載する予定でございますので、適正な記載がなされるものと考えているところでございます。また、工事の施工体制が重層下請構造で、労働者の方が多岐にわたるため、調査対象企業に一定の事務負担がかかりますことや、労働者の賃金が個人情報であることに鑑みまして、賃金台帳の提出や労働者からの聞き取りを行うことは考えていないところでございます。 ◆田中啓介 委員  先ほど、ふじわら委員、また小口委員からもありましたが、建設産業というのは、道路や橋梁、インフラ、公共施設の整備や維持、また、災害復旧、さらに、積雪寒冷地である札幌市の場合は除排雪作業の担い手であり、地域の守り手として市民生活の安全・安心を支える本当に重要な産業であります。  しかし、建設産業の就業者数は減少し続けて、高卒建設就業者の3年間離職率は48%、これは、全産業平均の離職率41%よりも高くて、まさに2人に1人が辞めていく、人手不足の上に、土木・建設関係の学生数も減少しているという傾向の中、この産業の衰退は市民の安全や安心な暮らしの低下にもつながってまいります。この産業を維持していくためにも、今現在、地域の守り手である公共工事現場などにおける建設業従事者の労働環境の改善はまさに急務であり、その改善のためにも正確に現場の実態を把握して、入札契約制度などの問題点を明らかにし、改善につなげていくことが将来の担い手確保にもつながっていくと申し上げておきます。  次に、役務、公的施設で、特に清掃の仕事をしている方々の労働条件、賃金について伺います。  清掃業務は、公共施設などの建築物をきれいに維持し、市民などの施設利用者や、施設で働く人に快適な空間を提供する大切な業務であります。本市としても、2015年の決算特別委員会における答弁で、公共施設で提供させていただいている市民サービスをよりよくするというのが、私どもに課せられている責務だと思っております、そういったサービスの質を向上させるには、清掃業務に従事されている方も含めて、労働環境を改善することが、ひいてはそういった良質な公共サービスを提供することにつながるということで、そういった方々の労働環境の改善を図ることも大変重要である、と述べられています。  この清掃業務は、本市が発注する予定価格の積算、入札参加資格者宛ての、清掃・警備業務等における適正な価格での入札及び労働者の適正な労働環境の確保についての、委託料における積算価格の構成と構成費目の内容に沿って行われていると思いますが、その構成は直接人件費というものがまず底辺にあって、その次に、実際に従事される方々の必要なもの、例えば清掃で言うと、その清掃に必要なものとして直接物品費、これが合わさって直接業務費、これに加えて業務管理費、さらには、その企業の利益とか、必要経費としての一般管理費とが加わって業務価格、それが消費税も加味した形での積算価格という形になっていると思います。  その業務について、国は建築保全業務労務単価で業務従事者本人が受け取るべき賃金として定められております。  そこでまず、確認ですけれども、国の建築保全業務労務単価で定められている単価は、本市の委託料における積算価格の構成と構成費目の内容で言うところの直接人件費のことだと思うのですがいかがか、伺います。 ◎元木 管財部長  今、委員がお話しの清掃の委託料を発注する際の積算においては、私どもも、国が定めます労務単価に基づいて、いわゆる人件費を算定しているというところで、間違いはございません。 ◆田中啓介 委員  国の2019年度建築保全業務労務単価についての資料を見ますと、日額基礎単価は、正規の勤務時間内に業務を行う場合の1日8時間当たりの単価であり、基本給相当額、さらには、これに加えて基準内手当として家族手当、住宅手当、通勤手当等、これに加えて、さらに臨時の給与、賞与等で構成されるとあります。2019年度の建築保全業務労務単価で、清掃の場合は実務経験年数などに応じてA、B、Cとそれぞれ単価が違います。例えば、清掃Cの場合は、2013年度の日額基礎単価は6,400円だったものが、2019年度では8,900円と7年連続で引き上げられております。  そこで、この単価は、日額で、基本給のほかに手当や賞与などが含まれておりますが、2019年度の労務単価を最低賃金と比較できる時給に換算した場合は幾らになると本市はお考えなのか、伺います。 ◎元木 管財部長  2019年度の労務単価を最低賃金と比較できる時給に換算した額につきましてでございますが、清掃業務の労務単価につきましては、今、委員のお話のとおりでございまして、1日当たりの賃金で、様々な手当等が入っているということでございます。一方、最低賃金につきましては、家族手当や賞与などは含まない1時間当たりの賃金でございます。したがいまして、この二つを比較するには、国の定めます労務単価から、最低賃金には含まれていない手当を差し引いた上で時給換算する必要がございますが、国においてはそれぞれの手当の額については示されていないところでございます。  しかしながら、労務単価と合わせまして、時間外手当1時間当たりの額を算出するための率が示されてございますので、それを労務単価に掛け合わせることによりまして、最低賃金ベースに近い賃金になるものと思われるところでございます。これによりまして算出をいたしますと、2019年度の清掃員Cの労務単価8,900円の時給換算額としては約997円となるものと考えてございます。 ◆田中啓介 委員  今、答弁ありました時給に換算すると約997円、しかし、実態は違っておりまして、本市が毎年行っているこの清掃業務従事者支給賃金状況というものがございます。2019年度の建物清掃業務従事者支給賃金状況という資料では、実績賃金は時給945円と52円低くて、こちらは総合評価落札方式も含まれておりますので、総合評価落札方式以外の清掃業務従事者の場合は時給880円と117円も低い実態があります。  さらに、この数字はあくまでも平均値で、実際には約3割、29.4%の方が最低賃金と同額、この2019年度の場合は最低賃金が835円、時給950円以下の従事者の割合は74.6%、1,000円以下になると88%、約9割の労働者が労務単価以下という実態だということも明らかにされております。  そこで、建築保全業務労務単価として、清掃業務従事者が受け取るべき賃金を受け取れていないという実態を改善すべきだと思いますがいかがか、伺います。 ◎元木 管財部長  労務単価より支給賃金が下回っている状況を改善する方策についてでございます。  労務単価は、業務費の積算に用いるためのものではございますが、清掃業務等で働く労働者の方々につきましては、経験や技能に応じて国が定めた労務単価に見合った賃金が支給されることが望ましいものと認識をしてございます。  そこで、業務に従事する方の支給賃金の底上げが図られるよう、清掃業務における総合評価落札方式においては、支給賃金の下限額をより高く提案した場合に評価を高くする方法に見直したところでありまして、この総合評価落札方式の拡大を進めていきますとともに、先ほどご答弁させていただきました複数年契約の清掃や警備業務などにスライド条項制度を試行的に導入する予定でもございます。  今後も、事業者が適正な賃金の支給ができる環境を整えられるよう、入札契約制度の改善に継続して努めてまいりたい、このように考えてございます。 ◆田中啓介 委員  総合評価落札方式のその評価の部分というのを、その下限額を上げた部分、さらには、複数年契約の場合のインフレスライド条項で引き上げていくという対策を今後検討している、また、進めていくということだと思いますが、実際、この労務単価よりも下回っているというのがもう7年以上続いております。  今、部長からもありました技術、また経験等もということで言うと、今回、私、取り上げさせていただいたのは清掃Cについてでありましたが、これは、あくまでも札幌市の出している平均の単価というものになっております。しかし、実際に労働団体のアンケート調査では、同じ施設で10年以上も働いているが、雇用されている会社の勤続年数が2〜3年というために、本来、そのような方は、労務単価基準で言うと清掃Aや清掃Bになって、賃金も時給に換算すると1,000円以上は当然、1,500円以上ということも、十分に、本当は受け取るべき賃金だというふうに思います。しかし、実際には、10年以上働いても、会社が違うということで、新人のような扱いの賃金になっていると。  昨年、第3回定例会の代表質問で、国が定めた労務単価より実際に支給される賃金が下回っている問題について、改善すべきとの質問に対しても、こちらも、石川副市長が、先ほど管財部長が答弁されたように、適正な賃金が支給されることが望ましいと認識している、適正な賃金が支給ができる環境を整えられるよう入札契約制度の改善に努めると答弁されております。  公共事業、また公共施設で働いている方々の環境を、まずは正確に把握をしていくこと、それと同時に、入札契約制度や調査のあり方などの見直しも含めて、適正な賃金、労働環境の底上げをするための対策を早急に講じるべきと申し上げて、質問を終わります。 ◆小田昌博 委員  私からは、市税の納付方法について、3点ほどお伺いいたします。  札幌市の市税の納付は、給与天引き、銀行窓口、コンビニ決済のほかに、キャッシュレス決済による市税の納付方法としてクレジットカード納付を平成29年に導入しておりますが、クレジットカード納付については、決済手数料が納税者負担で5,000円ごとに37円または38円が加算される仕組みになっており、利用率につきましては当初1%程度を見込んでいたと聞いております。  そこで、一つ目の質問です。  クレジットカード納付導入時の初期費用及び現在のクレジットカード納付の利用率についてお伺いいたします。 ◎増田 税政部長  クレジットカード納付導入時の初期費用と、現在の利用率についてということでございます。  まず、クレジットカード納付導入時の初期費用についてでございますが、約1億円でございまして、そのほとんどがシステム改修費用となってございます。  続きまして、現在のクレジットカード納付の利用率でございますけれども、令和2年1月末日現在における利用率は、件数ベースで約2%となっているところでございます。 ◆小田昌博 委員  利用率が2%、導入に係る初期費用は1億円ほどということでございます。1億円もかけたということであれば、もっと市民に知ってもらい、利用者を増やすことも考えなければならないかと思います。  そこで、二つ目の質問ですが、クレジットカード納付の利用者を増やすためには、現在、納税者の負担となっている決済手数料を市側の負担とすることも考えられますけれども、現時点での手数料負担についてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。 ◎増田 税政部長  クレジットカード納付の決済手数料を市が負担することについてということでございますが、決済手数料の取扱いにつきましては、総務省から納税者の均衡を考慮する旨の通知が出されてございまして、先行して導入した他の政令市におきましても納税者にご負担をしていただくという取扱いをしていたところでございます。  本市におきましても、ポイントが付与されるクレジットカード利用者と、そのほかの方法で納付されている納税者との公平性、それから他都市の動向、これらを考慮いたしまして、総合的に勘案した上で、決済手数料につきましては納税者のご負担とさせていただいているところでございます。 ◆小田昌博 委員  納税者の公平性の観点から、クレジットカード納付の決済手数料を納税者負担としているという答弁でございました。  次の質問になりますけれども、利用率は低いながらも、クレジットカード納付に限らず、今後より一層様々なキャッシュレス化が進む流れになるかと思われます。そうしたことが市民の利便性の向上につながり、市にとっても現金での市税納付率が下がることで市の事務負担の軽減につながるものと考えます。道内のほかの自治体では、既にクレジットカード以外のキャッシュレス決済も導入してきており、気がつけば札幌市が取り残される事態になってしまうと、市民の選択肢が少なくなる懸念が生じます。  最後の質問です。  札幌市として、クレジットカード決済以外の新たなキャッシュレス決済による納付方法の導入についてどのようにお考えか、お伺いいたします。 ◎増田 税政部長  新たなキャッシュレス決済による納付方法についてということでございますが、導入に当たりましては、納税者の利便性の向上ですとか費用負担、他都市の動向などについて、様々な観点から調査検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆小田昌博 委員  最後になります。  これからの流れはキャッシュレス化がますます進んでいくことでしょうし、その場合、納税者も、現金ではなく、より便利な方法を求める声が増えていくものと思われます。イニシャルコストやランニングコストが発生することにつきましては理解いたしますけれども、今後の動向や時代の変化にしっかり対応しつつ、長い目で見て有効なキャッシュレス決済の導入について将来を見据えていただきたいこと、クレジットカード納付についても、導入したからには利用促進を行っていかなければならないと思いますので、併せて、市民に知ってもらえるような告知を行うよう求めて、私の質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、財務会計システム再構築と地方公会計の取組について、順にお伺いをしたいというふうに思います。  最初の財務会計システム再構築については、初めにスケジュール、そして、全体的な概要についてお尋ねをしたいというふうに思います。  令和2年度予算では、財務会計システム再構築の関連費用としまして、会計室に1億3,800万円、財政部に1億2,700万円、管財部に4,200万円の合計3億700万円の歳入歳出予算が計上されております。そのほかにも、債務負担行為として、令和3年度から7年度までの5年間で14億8,000万円が計上されております。  財務会計システムとは、本市の職員が、予算編成や予算管理、そして予算の執行、財産管理などの財務事務に関する多くの場面で活用されている内部管理事務に不可欠なシステムでございます。聞くところによりますと、現在の財務会計システムは、平成17年度から18年度にかけて開発をされまして、平成19年3月に稼働開始となったとのことでありまして、稼働から、新システムが稼働開始になるころには15年以上が経過することになります。そのため、システムのハード・ソフトともに老朽化してきていることから、老朽改修に併せて幾つかの機能を付け加えて新たなシステムを再構築するとのことでございます。  そこで、質問ですけれども、このたびの財務会計システム再構築に関して、どのようなスケジュールで実施をしていく予定なのか、また、新システムはどういったものとなる見込みなのか、開発に当たっての全体的な概要についてお尋ねをいたします。 ◎市村 会計室次長  ただいまお話のありました財務会計システムの再構築のスケジュール、全体的な概要について、まず、再構築のスケジュールについてでありますが、令和2年度からシステムの設計、開発に入りまして、令和4年度中の稼働を予定しているところでございます。  次に、新システムの全体的な概要でありますが、現在の財務会計システムは、紙を中心とした業務方法を前提としていることから、支出命令書などの書類を職員が持ち運びや仕分けをしなければなりません。そういった課題を抱えているところでございます。  そこで、新システムに向けては、職員負担の軽減、事務の効率化、そして、正確な事務の確保といった二つの大きな柱を目標として検討を進めているところでございます。新システムでは、業務全般にわたって電子化を一層進めることとし、電子決裁や電子審査機能を導入することで課題を解決してまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  新しい財務会計システムのスケジュールについて、また、開発の全体的な概要、特に紙中心であったものを電子媒体に替えるということで、例えば支出命令書、これらを電子化するということでございます。聞くところによりますと、支出命令書は大変な量があるということで、30万件ほどあったというふうに思いますけれども、それらを、紙ではなくて電子化できるということでございます。  また、新システムでは電子決裁を導入するということで、この決裁は、支払いの決済ではなく、採否を決める決裁のことでありますけれども、これを導入するとのことでございます。この電子決裁の導入は、業務の効率化といった側面だけではなく、ご答弁にもありました適正な文書管理といった観点でも、国をはじめ、進められているところでもございます。ぜひとも、電子決裁の導入を機に、ご答弁にもありました職員負担の軽減と事務の効率化、正確な事務の確保について、大きな柱として達成をしていただきたいというふうに思います。  続いて、再質問といたしまして、札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2019にも掲載をされております会計業務の見直しと財務会計システム再構築についてお尋ねをしたいというふうに思います。  アクションプラン2019では、財務会計システム再構築について、行財政運営の取組の中で、内部管理業務を、簡素化などによる業務の効率化を図っていくということでございます。また、プランでは、財務会計システムの老朽化に合わせて、ICTの積極的な活用などにより、業務の正確性を確保しながら、業務見直しや区会計業務の本庁集約による効率化を図っていくことを予定しているとのことでございます。  市民から負託をされた税金を適正に使っていくためにも、会計業務は確実に執行管理を行っていく必要があり、そのためには、効率性と確実性を兼ね備えた会計業務の見直しと、そのために用いる財務会計システムはとても重要なものでございます。  そこで、質問ですが、アクションプランにも計上されております会計業務の見直しとは、財務会計システム再構築の中でどのような形で行っていく考えか、お尋ねをいたします。 ◎市村 会計室次長  会計業務の見直しについてでありますが、電子決裁機能の追加に合わせまして、予算の執行伺や契約の締結伺など、現在、財務会計システムでは対応していない事務の範囲についても新システムに取り込むことで、予算の執行における一連の事務処理についてシステムによる対応をしていきたいと考えております。また、現在、職員の目でチェックしております支払金額や口座情報を、ICTの技術を活用し、システムの中で自動チェックすることで、より正確な業務の確保を図ってまいりたいと考えております。これらに加え、さらに会計業務の見直しを進めていくことで、現在、区役所で実施しています会計業務につきまして、本庁への集約を行っていく予定であります。  このように、財務会計システム再構築においては、アクションプランにも掲載されていますとおり、内部管理業務である会計業務の一層の簡素化や効率化を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆福田浩太郎 委員  アクションプランに掲載をされている会計業務の見直しについては理解をいたしました。  昨今、働き方改革や内部統制など、行政の内部事務を取り巻く環境や状況が変わってきているところでございます。ぜひとも、新しいシステムの構築に当たっては、職員にとっての仕事のしやすさや、業務効率の改善、さらに適正な業務の執行など、前例にとらわれることなく、業務の効率化や正確な事務の確保といった観点に十分留意をしていただいて、ひいては市民サービスの向上につながるよう、よりよいシステムをつくっていただきたいというふうに思います。  次に、財務会計システムの再構築とあわせて検討が進められている地方公会計の取組について質問をさせていただきます。  私どもの会派は、これまでも、経営感覚を持った持続的な財政運営を進めていくべきとの考え方から、企業会計と同じ会計手法に基づく地方公会計の取組を推進してまいりました。国は、地方自治体の財政状況を比較できる統一的な基準に基づく財務書類の作成を要請しており、札幌市においても、平成28年度決算分からこの統一的な基準に基づく財務書類を作成、公表しております。  現在、札幌市においては、この財務書類を作成する手法として期末一括仕訳により行っておりますが、決算から財務書類の公表までに時間がかかっており、スピード感のある市民への情報提供が課題であると認識をしております。  昨年、平成31年の第1回定例会の予算特別委員会において、早期に財務書類の公表をするためには日々仕訳を採用することが重要であることを指摘し、導入に向けた検討状況を伺ったところ、日々仕訳の導入を含めた地方公会計への対応について、来年度中には検討を終えたいとのご答弁でございました。  そこで、質問ですけれども、日々仕訳の導入について、どのような検討がなされ、予算計上に至ったのかをお尋ねいたします。 ◎梅田 財政部長  地方公会計の取組におけます日々仕訳の導入についてお答えをいたします。
     財務書類を早期に公表するためには、日々仕訳への移行が必要でありまして、国におきましても、取引の都度、仕訳を行うことによって仕訳の精度が高くなり、また、内部統制にも寄与することなどから、日々仕訳が望ましいというふうにされてございます。  日々仕訳を導入する場合には、予算の執行段階で仕訳を処理することとなりますが、予算科目と仕訳科目のひもづけを可能な限り一対一で対応させるなど、職員の事務負担を増加させない手法の検討をこれまで行ってきたところでございます。  日々仕訳の導入に当たりましては、仕訳処理のシステム化が必須であるとの結論に達しましたことから、このたび、令和2年度から令和4年度までの財務会計システムの再構築に合わせて日々仕訳を導入するための経費を予算計上し、令和5年度決算から日々仕訳による財務書類を作成していくこととしたものでございます。 ◆福田浩太郎 委員  ご答弁によりますと、日々仕訳を導入するということでございまして、大いに評価をいたしたいというふうに思います。  ただ、日々仕訳による財務書類の作成は、システム開発が終了した令和5年度決算が最短であるということでございまして、いまだ先の話でございます。市民への情報提供という観点からは、市民に身近な事業を、ストック情報やフルコスト情報を明らかにした発生主義会計の考え方に基づいて公表することも重要な取組であると認識をしております。  札幌市では、これまでに、除雪業務や戸籍住民窓口業務など合計10事業を市民に身近な事業として公表をしております。令和元年第3回定例会の代表質問において、我が会派の好井議員から、地方公会計の取組を今後の財政運営へどのように活用していくのかとの質疑に対し、市長は、市民への情報公開の充実を図ることにより行政コストの見える化に努めるとのご答弁がございました。  その後、昨年12月に策定をされましたアクションプラン2019の財政運営の取組の中に、地方公会計の財政運営等への活用が掲載をされたところでございます。この中の具体的な取組を見ると、市民に身近な事業や分野のセグメント情報の公開を拡充し、財政情報公開の充実に努めるとあります。このことについて、我が会派は、日々仕訳の導入を待たずとも、できるところから拡充をしていくことが重要と考えるところでございます。  そこで、質問ですが、地方公会計の財政運営等への活用についてどのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。 ◎梅田 財政部長  地方公会計の財政運営等への活用についてのご質問でございます。  まず、発生主義による地方公会計の手法を活用することで、現金主義による歳入歳出決算からは把握できない減価償却費や退職手当引当金といった見えない行政コストを適切に把握できるようになります。さらに、事業別や施設別といった単位でコスト分析を行うセグメント分析は、市民への情報公開の充実を図るためにも必要と認識をしてございます。  今後、行政コストの経年比較や他都市比較などによりまして、予算編成や行政評価、公共施設マネジメントへの活用も期待できますことから、セグメント情報公開の充実は必要であるというふうに認識をしてございまして、来年度から対象事業などを段階的に拡充してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆福田浩太郎 委員  セグメント分析の重要性や、また、調査事業を拡大していくということでございます。また、これまでも、手作業での事業別行政コストの計算など、時間をやりくりしてこられて努力をしてこられたことを評価するところでございます。  最後に、要望でありますけれども、日々仕訳を活用して、アクションプランにあるような事業や分野のセグメント情報の公開を行うためには、大きく三つの必要な前提があるというふうに思うところでございます。一つが、全組織、全職員による複式簿記による会計処理であり、二つ目が、先ほどご答弁にもありましたけれども、予算科目を課単位に整理して課別・事業別行政評価を可能とすること、また、三つ目が、財務上、特に検討を要する事業について、財務情報の盛り込まれた行政評価シートを作成することだというふうに考えております。  これらの準備、検討を着実に進めていただきたいというふうに思います。特に、課別・事業別評価のために予算単位を1課1目とすることや、課をまたぐ事業の人件費の案分手法の検討など、手間をかけることなく比較、分析ができるように最善の準備を進めていただくことを求めて、質問を終わります。 ◆村上ひとし 委員  私は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う本市の財政に与える影響と、今後の財政運営に関して質問いたします。  昨日の報道によりますと、新たな感染者は30人、全国で803人で、そのうち北海道で148人に達していると報じられておりました。引き続き、市民の暮らしや地域経済に深刻な事態が続いているわけであります。  まず、財政に与える影響についてでありますが、昨年10月の消費税の増税により、国内消費と所得の低迷が続き、国民の生活と地域経済に与えるマイナスの影響が一層深まりました。また、日本と韓国の関係が悪化し、北海道や札幌市でも韓国からの観光客数が激減をしております。そして、さらには、新型コロナウイルスの感染拡大により、全国的にキャンセルが相次ぐ観光関連産業及び海外に生産拠点と取引のある企業への影響、各種イベントの延期や中止などが続いています。  これらの状況を受けて、市内の宿泊業をはじめとした観光産業や飲食店、製造業など様々な企業、特に中小企業、小規模事業者の売上げや収入の減少など、事業者と地域経済に大打撃を与えております。また、全国的に小・中学校の長期間の休業の影響を受け、正規雇用、非正規雇用を問わず、多くの保護者が仕事を休まざるを得ず、その結果、給与収入が減る不安の中で生活を余儀なくされております。  このように、感染の拡大は、企業収益の悪化と市民所得の減少による法人市民税、個人市民税双方の税収悪化が懸念され、当初の予算で見込んだとおりの税収を確保できるのか、市の財政運営にも相当に大きな影響を与えるのではないかと思われます。日々刻々と状況が変化する中、新型コロナウイルスの感染が今後どのようになるのか全く見通せない状況下でありますが、今回の新型コロナウイルスの感染拡大による今後の札幌市の財政に与える影響について現時点でどのようにお考えなのか、お伺いをいたします。 ◎梅田 財政部長  新型コロナウイルスの感染拡大による今後の札幌市の財政に与える影響についてのご質問でございます。  このたびの感染の拡大が長期化した場合には、ホテルや飲食店などの観光関連産業の落ち込みをはじめ、イベントの中止、消費マインドの冷え込みに伴う経済・雇用環境の悪化など、地域経済に与える影響は大きいものと認識をしてございます。  このことによりまして、企業業績の低迷による法人市民税の減少や、雇用環境や所得の低迷による今後の個人市民税の減少など、札幌市の財政に対しても影響を及ぼすことが想定をされます。このため、まず、現時点におきましては、感染の拡大を早期に収束させるため、あらゆる対策を緊急的かつ集中的に実施することが重要でございまして、国や北海道と連携しながらしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。 ◆村上ひとし 委員  今回の感染拡大が長期化した場合には、ホテルや飲食店、イベントの開催等についても大きな影響が出てくるだろうと。つまり、企業業績や所得の低迷などによりまして、法人市民税や個人市民税ともに減少をしていく、その場合、札幌市の財政に影響を及ぼすことが想定されるというようなお話でありまして、まずは、感染の収束をさせる上でのあらゆる対策に取り組むということでありました。  政府は、感染の拡大を防止するために、国民、企業、団体などに対して行動の自粛を要請しております。これは、同時に、雇用、経済への自粛にもつながり、地域の事業者と労働者のなりわいと暮らしに深刻な影響が出ております。また、新型コロナウイルスの感染拡大とその影響は日々刻々と変わり、しかも、地域や企業、団体などで、その影響の度合いは異なります。ですから、国の動きだけを当てにしているということでは、市民の命や暮らし、市内経済を守っていくことはできないわけであります。市の各部門で必要な対策に要する費用については、札幌独自の財政的な支援も、今後、当然必要になってくるかと思います。  そこで、今後の財政運営に関してでありますが、財政局として、今後の新型コロナウイルス対策についてどのような姿勢で臨むのか、お伺いをいたします。 ◎梅田 財政部長  今後の財政運営に臨む姿勢についてでございますけれども、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、現時点では、感染拡大の防止、これに最優先で取り組んでいるところでございます。また、中小企業に対する融資制度を拡充するなど、市民の生活を守るためのセーフティネットの構築にも取り組んでいるところでございます。今後は、感染状況などを慎重に見極めながら、観光需要の回復や消費拡大に向けた取組など、市内経済を回復させるための集中的な対策について、国や北海道と歩調を合わせて取り組んでいく必要があると考えてございます。  いずれにいたしましても、感染状況や社会経済状況など、今後の状況の進展を的確に捉え、既往予算による柔軟な執行や、補正予算を含めた財政措置による機動的な財政運営を行いまして、この難局を乗り越えてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆村上ひとし 委員  現在、財政局として様々な支援に向けて検討が進められていると思いますので、今日は、あえて、これ以上、具体的な部分についてはお伺いをいたしません。  しかし、多くの市民や事業者は、新型コロナウイルスの感染拡大による不透明な状況が続いており、強い不安を抱えているわけであります。特に、市内では幅広い業界、業種で売上げが減少しています。また、資材の仕入れだとか労働力の確保が困難となり、その結果、工期や納品の遅れ、あるいは、コスト増などで事業活動自体が行き詰まり、多くの事業者に混乱と被害が拡大をしていると聞いております。  この新型コロナウイルス感染症への対策は、国家的な危機管理上の問題でもありますので、その対策に要する費用については、国の責任において十分な財政措置を講じるなど、機動的な財政出動を本市からも国に対して強く要請をしていくことは当然でありますけれども、しかし、まず、札幌市としてこの事態を乗り切っていくためには、もちろん感染拡大を防止するという対策を最優先にするということも当然でありますけれども、同時に、あらゆる手段を講じて市の直接的かつ大規模な支援策が不可欠であると思います。  今後、各局で具体的な支援策に取り組む場合には、市独自の財政で実施していくことも大いに予測されるわけであります。市民や事業者にとって、迅速かつ有効な支援策に取り組めるように、財政局として財政運営すべきであるということを申し上げて、質問を終わります。 ◆石川さわ子 委員  私からは、長期的な財政見通しについて、3点にわたって伺います。  1点目は大規模な建設事業費の内訳について、2点目は今後の財政運営について、3点目は市民への情報提供についてです。  まず、1点目の大規模な建設事業費の内訳について伺います。  私は、議会のこうした場で、たびたび、札幌市の長期的な財政見通しや財政状況等の情報を市民に分かりやすく発信し、説明責任を果たしていただくことを求めてまいりました。  札幌市の財政状況につきましては、昨年12月に、まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2019で公表されました中期財政フレームを2020年度予算とあわせて更新した結果、プランの期間である2022年度まで基金活用額、市債残高は計画を下回っており、それをもって財政の健全性は確保されているとの説明を受けております。また、2033年度までの15年間の長期的な財政見通しにおける基金残高は、建設事業費や公債費の増に伴って一定の取崩しをしますが、行財政改革の取組などにより300億円程度を維持できる見込みというふうにも伺っております。  多くの市民の皆さんが懸念をしている市債残高の見通しにつきましては、札幌市としては、2022年度まで中期財政フレームで予想した額は下回るけれども、長期的な財政見通しでは、老朽化する公共施設などへの更新に係る建設事業費の増に伴って、当面、市債発行額の増加を見込んでおります。学校の建て替えやインフラの整備などの建設事業費は、そのメリットが将来世代にも及びますから、財政負担を公平に担うという考え方には一定の理解が得られるというふうに考えますが、これらによる市債元金償還等である公債費の増加が他のサービスに影響を与えかねないというふうに考えるところです。  また、地方交付税の振り替わりとしての臨時財政対策債について、国の財政状況の悪化からも発行が継続されることが想定をされておりまして、札幌市は後年次に国から財政措置されるというふうに言っておりますが、本当にそのようになるのかは疑問でありまして、市民の不安がさらに増大しているというふうに考えるところです。  また、冬季オリンピック・パラリンピックや新幹線などの大型公共事業を実施することで公債費が増加をし、市民サービスの低下につながるのではないかと懸念する市民の声が大変多く寄せられているところです。  そこで、1点目の質問でありますが、15年間の長期的な財政見通しにおける建設事業費について、可能な限り事業の平準化を行った上で、大規模なものは個別に積み上げているということでありますが、具体的にどのような事業を盛り込んでいるのか、伺います。 ◎梅田 財政部長  長期的な財政見通しにおけます大規模な建設事業費の内訳についてのご質問でございます。  今後15年間の長期的な財政見通しにおけます建設事業費の試算に当たりましては、まず、学校や市営住宅をはじめとする既存施設をそのまま建て替えるだけでも今後10年間に事業費が急激に増大をするため、人口に見合った施設規模の適正化や長寿命化の取組による負担の平準化を図っているところでございます。  また、アクションプラン2019に盛り込まれた新たな建設事業費や、今後15年間に着手すると見込まれている大型事業につきましても、将来見込まれる建設事業費を計上してございます。具体的に申し上げますと、プランの期間中に着手をいたします駒岡清掃工場の更新、札幌駅交流拠点の整備、新MICE施設整備といった事業のほか、冬季オリンピック・パラリンピックの開催に係る施設整備、また、北海道新幹線の建設費の負担金などを盛り込んでいるところでございます。 ◆石川さわ子 委員  長期的な財政見通しには、今ご答弁がありましたように、駒岡清掃工場でありますとか新MICE施設整備、また、オリパラや新幹線というふうな、そうした大型事業を盛り込んでいるということでありますけれども、私は、あらかじめ、こうした資料、内容を市民にわかりやすく情報提供していただきたいというふうに思います。  冬季オリンピック・パラリンピック開催に必要な経費でありますとか、例えば都心アクセス道路整備事業の概算事業費などは、それぞれ関係する部局から金額が出されておりますけれども、こうした大型の事業費が重なったときに、予算の内訳はどういう状況になるのか、また、財政を圧迫するのではないかと、市民は先々の不安を感じております。  一方で、札幌市は子育て支援の取組に大変力を入れておりますけれども、希望する保育園に子どもを入れることができない、また、本当はもっと子どもが欲しいと願っている人の願いをかなえることは、なかなか困難な状況が続いていると思います。今年度改定されました第2期さっぽろ未来創生プランでは、市は合計特殊出生率を2018年の1.14から、2024年に1.42に引き上げる目標を掲げておりますが、その数値は第1期計画期間で低迷をし、さらに、札幌が子どもを生み育てやすい環境だと思う市民の割合は60.7%から2018年度では50.9%と、この5年間で9.8%も減少しております。  札幌市は、建設事業費を1,000億円確保したという、そういう言い方で予算のポイントを説明しておりますけれども、将来の公債費の増加により、子どもを生み育てやすい環境づくりに予算をしっかり確保できるのか、また、こうしたことから、市民の不安が、私は増大をしていると感じております。子ども医療費の助成の拡充ですとか、保育士の人材確保なども行っておりますけれども、まだまだ市民の納得できるところには至っていないというふうに思います。  また、トンネル主体の地下案が有識者会議で採択されました都心アクセス道路整備につきましては、根拠となる費用対効果についての検証が、整備方針の決定後である状況の中で、整備が必要であるという考え方と、高額な税金を投入する効果を疑問視する市民の考え方とは、かみ合うことがなかったというふうに私は感じております。このように市民の懸念が置き去りにされたまま大型事業が予算に盛り込まれていることにより、市民の懸念は、繰り返して言いますが、大きくなる一方であるというふうに感じております。  そこで、2点目の質問でありますが、大型事業は長期的な財政見通しに見込まれておりますが、市民要望の多い福祉や子育てに予算を優先して配分すべきと考えますが、どのように認識をしておられるのか、また、今後の財政運営についてどのようにお考えなのか、伺います。 ◎梅田 財政部長  予算の配分と今後の財政運営についてのご質問でございます。  まず、予算の優先配分についてでございますけれども、今後、人口構造が大きく変化をしていくことが予想される中で、将来にわたって持続可能なまちづくりを進めていくためには、選択と集中をより一層明確化する必要があるというふうに認識をしてございます。めり張りのきいた財政運営の考え方に立ちますと、将来の税収増につながる再開発事業など都市基盤の再整備や、また、子育て世代の負担の軽減など子ども・子育て支援策はまちと人の未来への投資でありまして、いずれも積極的に資源を配分すべき政策分野であるというふうに認識をしてございます。  今後の財政運営に当たりましては、長期的な財政の持続可能性を見据えた上で、中期財政フレームに基づいた予算編成により市債や基金の残高を管理いたしますとともに、社会情勢に応じた不断の見直しと公共施設マネジメントの取組などを推進し、将来世代に過度な負担を残さない健全な財政運営を行ってまいりたいというふうに考えてございます。 ◆石川さわ子 委員  負担が将来世代に過度なものにならないように、基金残高や市債残高を管理していくということであります。  今のご答弁でも、過度という言葉がありましたけれども、この間、過度な負担にならないようにと札幌市が言う、その過度ということは、市民が受け止めるその過度ということと、私は、大きな開きがあるというふうに、この間、感じております。市民の将来世代の負担に対する不安感は、私は増大をしているというふうに思います。  2019年の3定の決算特別委員会で、長期的な財政見通しにどのような事業を盛り込んでいるのか、市民にわかりやすく情報提供することを質問を通して求めましたけれども、先ほども言いましたように、アクションプラン2019の説明資料には、先ほどお答えいただきましたような事業の説明ということはありませんでしたので、私は、説明不足というふうに言わざるを得ないというふうに感じているところであります。中期財政フレーム、また長期的な財政見通しにつきまして、さらに市民との情報共有に努めていくべきというふうに強く思うところであります。  そこで、質問でありますが、今後の財政見通しを含め、札幌市の財政状況につきまして、広報さっぽろ12月号にも掲載はされておりましたけれども、引き続き市民への情報提供に努め、今後の財政運営について市民意見を反映するよう努めるべきと考えますが、どのように取り組むのか、伺います。 ◎梅田 財政部長  市民への情報提供についてのご質問でございます。  札幌市の財政状況や今後の財政見通しを広く市民に情報提供し、いただいたご意見を財政運営に反映していくということは、非常に重要であるというふうに認識をしてございます。  広報さっぽろにおきましては、これまで札幌市の現在の財政状況を中心に掲載をしておりましたけれども、昨年の12月号では、今後の財政見通しと公共施設マネジメントの取組を新たに掲載したところでございます。  今後は、今月配布予定の、アクションプラン2019をわかりやすく解説したパンフレットにも財政運営の主な取組を紹介いたしますほか、毎年発行しておりますさっぽろのおサイフというパンフレット、こちらにもこれらの情報をできるだけわかりやすく掲載するなど、様々な機会を通じ、市民への情報提供を行い、市民の意見を反映してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆石川さわ子 委員  最後に、要望を申し上げて終わりたいと思いますけれども、市民の皆さんからいただいたご意見を財政運営に反映させていくというご認識を伺いました。市長もまた市民目線ということを強くおっしゃっております。ですから、市民が主体的に意見を発することができるように、わかりやすい情報提供を心がけ、行っていただくように強く求めておきます。  このたびのまちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2019のパブリックコメントにおきまして、子どもたちからの行財政運営への意見数は大人よりもたくさん寄せられておりました。その意見を、今ここで少しご紹介をしますが、公共事業をもっと進めてほしいという意見もありましたが、借金が増えないように行財政改革の取組をしてほしい、予算をもっと教育関係のことに使ってほしい、オリンピックは施設整備などによる財政の圧迫が心配など、自らと札幌の将来を想像して過度な負担にならないように心配をしているというふうに感じました。  行政としては、繰り返しになりますが、基金活用や市債残高を適正に管理していくということでありますけれども、今後、子どもをはじめ、市民意見を踏まえ、財政運営に取り組むことを強く求めまして、私の質問を終わります。 ○池田由美 委員長  以上で、歳入のうち一般財源等の質疑を終了いたします。  次に、第1款 議会費 第1項 議会費の質疑を行いますが、通告がありませんので質疑を終了いたします。  次に、第2款 総務費 第4項 選挙費の質疑を行います。 ◆小須田ともひろ 委員  私からは、若年層の投票率向上について質問いたします。  初めに、過去の選挙における投票率の傾向についてです。  近年、投票率は、全国的に低下傾向が続いております。昨年7月21日に行われた参院選における全国の投票率は48.8%と、投票した人は有権者の半分にも満たない状況となっております。  そこで、最初の質問ですが、札幌市の過去の選挙における投票率はどのような傾向にあるのか、お伺いいたします。 ◎岡本 選挙管理委員会事務局長  過去の選挙における投票率の傾向についてでございます。  政令市となりました昭和47年以降、知事、参議、衆議の投票率を見ていきますと、知事選挙では、昭和50年の78.79%をピークに右肩下がりの低下傾向を示しておりまして、近年の知事選挙では56.38%と過去最低となったところでございます。  しかしながら、国政選挙であります衆議院選挙、参議院選挙につきましては、長期的な視点で見ますとやや右肩下がりの傾向はあるものの、例えば、政権交代のありました平成21年の衆議院選におきましては71.97%と高かったものに対しまして、同じく政権交代がありましたその次の平成24年の衆議院選では57.11%となっておりまして、約15ポイントほどの差があるということで、選挙によってばらつきが非常に大きく、知事選のように明らかな低下傾向とまでは言えない状況になっているというところでございます。 ◆小須田ともひろ 委員  選挙の種類や時期によってばらつきがあるということでした。  選管が選挙のたびに行っている年代別の投票率の調査では、10代、20代の若い人たちの投票率がほかの年代よりも低い傾向にあり、昨年の知事選挙では10代は49.73%、20代は32.41%となっております。明るい選挙推進協会は、選挙後に全国の若者を対象とした意識調査を行っており、昨年の参議院議員通常選挙では全国の18歳から24歳の男女2,000人を対象に調査を行ったということで、平成28年の参議院選挙と昨年の参議院選挙での投票行動を調べた結果では、平成28年の参議院選挙で投票に行った人のうち73.2%が昨年の参議院選挙でも投票に行ったと回答している一方で、平成28年の参議院選挙で投票に行かなかった人は21.8%にとどまっております。  このことから、早い段階から投票体験を済ませた人の多くは、次の選挙でも投票する傾向があり、反対に、初めての選挙で投票しなかった人の多くは、次の選挙でも棄権する傾向が強いことが読み取れます。さらに、子どもの頃、保護者の投票について行ったことがあるというふうに回答した方の多くは、自分の選挙、投票にも行ったという回答が多いというような結果も出ているというふうに伺っております。  投票する人は、いわゆるリピーターが多いということであります。まずは、投票所に足を運んでもらうことが重要と言えます。そして有権者になる前、あるいは有権者になって間もない時期から、選挙を身近に感じてもらえるような取組を進めていくことが大切であると思います。選管として、若い人たちが投票に行くようにもっと積極的に働きかけていく必要があると思います。  そこで、次の質問です。  若年層の投票率について、選管がどのように認識しているか、また、若年層の投票率向上に向けて具体的にどのような取組を実施しているのか、お伺いいたします。 ◎岡本 選挙管理委員会事務局長  若年層の投票率に対する選管の認識と、それから、投票率向上に向けました取組についてでございます。  一般的に、投票率につきましては、選挙の争点とそれに対する有権者の関心、あるいは、候補者の顔ぶれというようなことが大きく影響を受けるものと言われておりますが、全体の底上げを図っていくためには、特に投票率が低いと言われている若い方々への働きかけが何よりも重要であるというふうに考えております。また、若年層の投票率が低いということは、これは、札幌市のみならず、全国的な傾向であり課題と捉えているところでございます。  選挙管理委員会といたしましては、有権者になる前からの働きかけが重要であるというふうに認識をしております。  次に、若年層の投票率向上に向けました取組についてでございますが、平常時においては、例えば小・中学校で模擬投票を取り入れました選挙体験授業を実施したり、あるいは、18歳になった方々にその誕生月に啓発冊子をお送りしているなどの活動をしております。また、選挙時においては、高校3年生向けに、学校を通じまして投票の方法を周知するためのチラシを配付したり、あるいは、高校生、大学生に実際に街頭啓発に参加をしてもらったりしているほか、高校生、大学生と協同で、街頭放送、あるいは啓発のキャッチフレーズを一緒に考えたりというようなことも行っております。このほか、ツイッターでの情報発信、加えて、親子で一緒に投票所へ足を運んでもらうということを期待いたしまして、塗り絵を配付するなどをしているところでございます。  今後も、5年先、10年先を見据えまして、関係機関とも連携をしながら地道に啓発活動に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆小須田ともひろ 委員  有権者になる前の子どもたちのうちから選挙の大切さを知っていただけるよう、今後も関係機関などと連携して取り組んでもらいたいということを要望しまして、私の質問を終わります。 ○池田由美 委員長  以上で、第4項 選挙費の質疑を終了いたします。  次に、第5項 人事委員会費及び第6項 監査委員費の質疑を行いますが、いずれも通告がありませんので、質疑を終了いたします。  ここで、およそ60分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後0時4分       再 開 午後1時5分     ―――――――――――――― ○松原淳二 副委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第2款 総務費 第2項 市民生活費中市民文化局関係分、議案第16号 札幌市証明等手数料条例の一部を改正する条例案中市民文化局関係分及び議案第17号 札幌市男女共同参画センター条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。 ◆小口智久 委員  私からは、丘珠縄文遺跡の現状と今後、また、まちづくりセンターにおける金銭管理等についての二つについて、順次、質問をさせていただきます。  まず最初に、平成30年5月にオープンした丘珠縄文遺跡の現状と今後について、質問いたします。  我が党は、北海道・北東北の縄文遺跡群の世界文化遺産の登録に取り組んでおりますが、このたび、今年度のユネスコ世界文化遺産推薦候補に決定をいたしました。縄文遺跡群が世界遺産登録となれば、これらを構成する北海道・北東北だけでなく、全国の縄文遺跡に世界からの注目が集まるものと考えます。丘珠縄文遺跡も注目される一つになればと期待しております。  私は、平成30年第1回定例市議会代表質問において、丘珠縄文遺跡のオープンに向け、市民の皆様への周知、PRに力を入れ、体験メニューの内容を充実していただきたいとの趣旨で質問をいたしました。その後、本市初となる縄文体験学習施設がオープンし、1年と10カ月が経過をしております。そこで、今回は、この間の施設利用実績について検証するとともに、それらを踏まえた今後の取組について質問いたします。  まず、丘珠縄文遺跡オープンから約2年がたった現時点での来場者数、体験学習参加者数、そして、その施設の目玉とも言える市民も参加しての発掘調査の実施状況について伺います。 ◎有塚 文化部長  丘珠縄文遺跡のオープンから、これまでの利用状況についてのご質問でございます。
     まず、年間来場者数でございますが、平成30年が、5月下旬のオープンでございましたけれども、約4万9,000人、令和元年度が、さとらんどセンターの改修工事による冬季休館がありますけれども、約6万人となっておりまして、通年ベースでは開設当初より目標値6万人を超えているといった状況でございます。  次に、体験学習に関しましては、無料の火おこし体験が、初年度約3,000人でございましたけれども、2年度目には約7,000人と倍増するなど、大きな伸びを見せているところでございます。  最後に、発掘調査についてでございますけれども、初年度は、延べ55人の市民の方に参加をいただきまして、土器、石器等約350点のほか、石器製作の際に生じるかけら約3,000点が出土いたしました。2年度目につきましては、延べ71人の市民の方に参加をいただきまして、土器、石器等約1,000点、さらには、縄文人が火をたいた後であります炉跡も発見されました。また、初年度に台風、地震の影響で中止となりました発掘現場の公開でございますけれども、2年度目には実施をいたしまして、9月中旬の2日間で約3,000人に来場いただいたところでございます。 ◆小口智久 委員  ただいま、年間来場者数の様々なデータが示されました。発掘成果についてのご答弁もありましたけれども、私が実際に施設を利用した方々からお聞き及びましたところ、縄文ロマンに触れることができる施設の誕生でさらに縄文時代に興味が湧いたという感想が多く聞かれ、全体的に上々の滑り出しと言ってよいと思います。  しかしながら、新規にオープンする文化施設等は、初めは盛況だったものが、2〜3年もすると、当初の話題性が薄れ、開業効果がなくなり、見学者数が低下の一途をたどることも珍しくありません。観光客を引きつけ、市民の皆様に何度でも足を運んでもらえる魅力的な施設であり続けるためには、絶え間ない工夫、努力が必要でございます。また、縄文世界遺産登録の動きを常に注視し、積極的に協力しながら、こちらの施設や事業をPRし、その相乗効果で北海道・北東北の縄文を大いに盛り上げていくことが、丘珠縄文遺跡が息の長い運営をしていくために有効であると考えます。  このことについては、令和元年第4回定例市議会代表質問において、我が会派の森山議員からの質問に対し、秋元市長は、丘珠縄文遺跡でのイベントの機会を捉えて北海道・北東北の縄文遺跡群の周知、PRの強化などに取り組むと答弁されました。  そこで、質問ですが、丘珠縄文遺跡について、オープン後約2年間の実績を踏まえ、3年目に入る来年度以降、世界遺産登録への協力も含め、どのような取組を考えているのか、伺います。 ◎有塚 文化部長  世界遺産登録への協力を含めた今後の取組についてのご質問でございます。  開業後3年目に入る今後につきましては、委員のご指摘にありましたように、何度でも足を運んでいただく、そういったようなリピーターの確保を意識した取組が必要であるというふうに認識してございます。  そのためには、まず、市民ボランティアの役割が重要であると考えておりまして、ボランティアの技術向上を兼ねた土器パズルの製作など、研修の充実を検討しているところでございます。その上で、各種の縄文体験学習では、例えば土器パズルや火おこしの難易度で分けたコースを設けまして、来るたびに少しずつレベルアップしていけるなど、何度来ても興味を持続できるような工夫を考えていきたいと考えております。  さらに、丘珠縄文遺跡の施設におきまして、北海道・北東北の縄文遺跡群に関連する企画、展示を行ったり、啓発グッズの配布を行うことなどによりまして、世界遺産登録のサポーターの確保につなげてまいりたいと考えております。 ◆小口智久 委員  要望を、まず、言っていきたいと思います。  北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録につきましては、本年、現地調査を経て、早ければ来年の夏に実現いたします。この実現に向けて、北海道・北東北はもとより、世界遺産の構成資産を持たない市町村も含め、縄文遺跡群を保有する全ての市町村が力を合わせて機運を高めていくことが何よりも重要です。オープン後、好調な滑り出しを見せている丘珠縄文遺跡が、これからもその機能を十分に発揮し、市民の縄文文化に対する興味を喚起することで、縄文遺跡群の世界遺産登録に貢献されることを要望して、次の質問に移ります。  続きまして、少々耳の痛いことを言わせていただきます。  まちづくりセンターにおける金銭管理等について質問いたします。  昨年11月、中央区の東北まちづくりセンターにおきまして、連合町内会の運営経費や会館改修費として集められた38万2,500円が紛失したという事実が発覚いたしました。警察へ被害届が出され、現在捜査中ですが、各町内会や市民から集められた大切な金銭を紛失するなどということは、極めて遺憾であり、許されることではありません。  さらに、本件を受け、白石区の菊水まちづくりセンターが金庫、残高を確認したところ、市の非常勤職員が同センターで保管していた会館修繕費、会館使用料、赤い羽根共同募金など471万6,771円もの大金を着服していたという事案が判明いたしました。菊水まちづくりセンターの着服金は、全額返還され、刑事告訴もしないということでございますが、私のほうでは、市民から、万引きでは警察に出される少年もいるというのに、どういうことなのだということも言われました。私もいろいろ調べましたけれども、一つ、ちょっと色合いが違うということで、過去の事案等も見ると、致し方ない、こういう対応だったというふうに認識しております。  いずれにしましても、こうした事件は、まちづくりセンターばかりでなく、市全体への信頼を失墜させることにもつながるものと憂慮いたします。  市の発表によりますと、まちづくりセンターが金銭を預かる場合、定期的に金銭の出納に関する帳票と預貯金通帳の記載内容や保管している現金との整合性を確認、チェックするということですけれども、菊水まちづくりセンターではそれが適切に行われていなかったことが着服の原因とのことでした。  まちづくりセンターは、地域コミュニティーの中心的役割を行っている町内会や地域団体等との連携等、様々な支援業務を行い、さらに、一部の地区では金銭管理のサポートもしていると聞いております。また、管理している通帳の数にも開きがあり、金銭管理に負担を感じている職員もおられるとのことですが、ほとんどのまちづくりセンターではトラブルなく健全に金銭管理を行っていただいており、非常にありがたく思っております。  しかしながら、今回、似たような不祥事が立て続けに起きたことに鑑みますと、まちづくりセンターにおける金銭の管理体制にはいまだ不十分なところがあるのではないかと考えます。平成24年度にも、まちづくりセンターにおいて、市の非常勤職員が地域団体の金銭を着服するという事件が起きておりますが、このときの教訓が生かされていないのではないか、市の見解について伺います。 ◎小島 市民自治推進室長  初めに、このたび、中央区東北まちづくりセンターにおきまして、金銭の紛失という不祥事がございました。また、白石区菊水まちづくりセンターにおきましては、非常勤職員による金銭の着服ということで、二つの不祥事を立て続けに起こしましたことにつきましては、市民の皆様の信頼を著しく損なうことでありまして、深くおわびを申し上げたいと思います。  平成24年度の金銭着服事件の教訓が生かされていないことへの市の見解についてというご質問でございますが、札幌市では、平成24年度の事件が起きた際、現金、通帳、印鑑、関係帳簿等を取り扱うに当たりましては複数の職員が確認するなど事務処理体制の再確認をはじめ、現金、通帳、印鑑の保管方法、関係帳簿類の定期的な確認など、具体的な事務処理方法について整理し直し、適切な出納事務等に取り組むよう、全まちづくりセンターへ周知を行いました。  しかしながら、周知いたしました内容は、各まちづくりセンターと地域の実情を考慮いたしまして、例えば、地域から預かりました現金につきましては、できるだけ事務室内管理とならないよう定期的に口座へ入金するなどと整理するにとどめまして、入金までの期限を明確にすることなく、その取扱いを各まちづくりセンター所長の裁量に委ねていたところでございます。  また、両まちづくりセンターにおきましては、所長の管理監督者という意識が希薄でありましたことから、委員のご指摘のとおり、預貯金通帳と関係帳簿等の突合確認が適切に行われておりませんでした。加えまして、人事異動で所長が替わる際に、適切な金銭管理の方法等について十分な引継ぎが行われていなかったことから、結果といたしまして平成24年度に策定いたしました対応策が徹底されていなかったものというふうに認識しております。 ◆小口智久 委員  まず、室長のほうから陳謝がありましたけれども、本当に残念なことでございますので、二度と起こらないように質問を続けていきたいと思っております。  今、平成24年度のこういう着服事案があって、また、様々な対策を講じた中ででも、やはり、金銭管理についての引継ぎが不十分だったということでございますので、しっかりと仕組みを構築していただきたいと思います。  この事件の概要というものは新聞には掲載されましたが、再発防止についてほとんど記載されておらず、市のホームページにも特段の情報がないため、市民の皆様からは、今後もまちづくりセンターに金銭の管理を任せていて大丈夫なのかと心配する声が私にも寄せられております。  そこで、質問ですが、今回の事件を受けて、市では具体的にどのような再発防止策を講じたのか、伺います。 ◎小島 市民自治推進室長  具体的な再発防止策についてでございますが、今回策定いたしました再発防止策につきましては、事件直後の年明けから速やかに実施をしているところでございますが、適正な事務処理方法について明確に示すという観点から、大きく三つの点につきまして見直しを図っております。  まず、1点目でございますが、現金等の管理方法につきまして、住民票交付手数料などの公金と同様の期間内に、口座への入金、または地域団体等への引渡しを行うことを明確にいたしまして、長期間の現金保管を行わないよう徹底を図りました。  次に、2点目でございますが、金銭の確認方法を明確にするため、金庫内の現金の出し入れ状況や保管金額を常時把握できる確認票の統一様式というものを今回新たに作成するとともに、預貯金通帳と関係帳簿等の突合確認を最低でも毎月1回実施するよう明示するなど、定期的な確認を確実に行うことといたしました。  3点目でございますが、まちづくりセンターで取り扱っております現金や通帳の状況を明確にするため、町内会費や募金など取り扱っている現金の種類、預かっている通帳の数などがわかるような一覧表を作成いたしまして、区市民部長への報告を義務づけるなど、組織的に状況を把握できるようにするとともに、人事異動で所長が替わる際には、当該一覧表も含め、必ず引継ぎを行う仕組みとしたところでございます。  また、これらの対策を継続していくためには、何よりも、所長が、まちづくりセンターにおける自らの役割と責任の重大さを認識し、業務に当たっていくという、そういう自覚を持つことが何よりも重要であると考えておりまして、今後の所長研修等においても意識の徹底を図っていくなど、再発防止に向けた取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。 ◆小口智久 委員  一覧表を作成するなど、様々な具体的な対策を構築しているようですけれども、現場においてそれが確実に行動に反映されなければ意味がありません。  昨年12月26日に石川副市長から出されましたまちづくりセンターにおける出納事務等の適正な事務処理の徹底について、こういう書類がございますけれども、そこには、具体的な対策の中で、鍵のかかる場所に保管をする、鍵のかかる金庫などと、そういうところに強調される下線が引いてありました。これは、私も一体どういうことなのかということを聞きましたけれども、そういう基本的なことがなかなかできていない、当たり前のことができていないということでございました。そのことを副市長に言わせるということは、本当に問題だなというふうに思っております。しっかり、その意味をかみ砕いて教育してほしいわけで、なあなあな職場にしてはいけません。  例えば、所長は厳格に印鑑や鍵などを徹底して管理していただき、要は、自分のデスクの鍵をしっかりかけて、いつも開けっ放しにしないとか、そういう具体的な話でございますけれども、職員は、所長が印鑑や鍵を、そういう管理をしているということをしっかりと認識して厳守する、誰でも引き出しを開けたりとかということがないようにしてほしいということでございます。  地域の皆様から大事な財産をお預かりすることを立派な地域貢献と位置づけ、職員一人一人が責任を持って取り扱っていただきたいと切に願います。今回の事件を受け、私自身、幾つかのまちづくりセンターに勤務されている方々からお話を聞きましたが、地域への支援は本当に様々なものがあり、所長をはじめ、職員の皆さんは、日々、市民の皆様のために尽力していることを実感いたしました。一部の職員で、まちづくりセンターは離れ小島のように感じるという、そういう意見もありましたので、市役所本庁や区役所は前線で頑張っているまちづくりセンターをしっかりとバックアップしていただきたいということを要望して、質問を終わります。 ◆佐藤綾 委員  私からは、LGBT、性的マイノリティーへの法的保護と、#MeTooやフラワーデモに見られるセクハラや性暴力を許さない運動に関連してお伺いいたします。  本市は、2017年にパートナーシップ宣誓制度を導入し、今年で3年となります。当時は、札幌市が全国で六つ目の自治体、政令指定都市では最初でした。現在は34自治体となり、市町村だけでなく、茨城県、大阪府など県レベルで導入するなど、この3年の間に大きく広がりました。2020年度は、40自治体を超す見通しです。  しかし、パートナーシップ宣誓制度は、婚姻に見られる法的な保護はありません。昨年2月14日に、同性婚を認めない民法や戸籍法の規定は婚姻の自由や法の下の平等を保障した憲法に反するとして、同性カップル13組26人が国に賠償を求めて札幌、東京、大阪、名古屋地裁に一斉提訴いたしました。憲法第24条婚姻の自由、第13条個人の尊厳と幸福追求権、また、第14条の法の下の平等との関係で、同性婚がどう位置づけられるのかが争点となっております。昨年9月には、同性カップルを事実婚と認めた判決が出て、控訴された二審でも同様に法的保護を認める高裁判決が出ております。  続けて、2点質問いたしますが、社会情勢は当事者の運動などにより大きく変化しております。こうした変化について、本市としてどう捉えているのか、お伺いいたします。  また、LGBTの方たち当事者の声を聞き、同性婚を含め、必要な法的保護について本市として国に要望していくべきと考えますがいかがか、2点お伺いいたします。 ◎丹尾 男女共同参画室長  同性婚訴訟や昨今の裁判例などの社会情勢の変化に関するご質問と、当事者の声を踏まえまして国へ要望すべきではないかという2点についてでございます。  まず、1点目の昨今の同性婚訴訟などの社会的な流れについてでございます。  以前より、性的マイノリティー当事者の方々からは、現行の婚姻制度と同等の取扱いがなされるよう法整備を求める声がございまして、それが同性婚訴訟につながっているのではないかと認識しているところでございます。  また、同性カップルに対しまして、婚姻に準ずる法的保護を認める判決が出ていることにつきましても承知をしているところでございます。現行法では同性カップルの婚姻が認められておりませんけれども、同性パートナーを家族として認めてほしいという当事者の気持ちは尊重されるべきもの、このように認識をしているところでございます。  また、当事者の声を踏まえまして、国へ要望すべきとのご質問についてでございますけれども、同性婚につきましては、様々なご意見があるところでございまして、同性婚訴訟などを契機として今後議論が深まっていくのではないか、このように考えております。  札幌市といたしましては、同性婚の制度化や同性カップルの法的保護につきましては、今後、国民的な議論や、当事者の声を踏まえ、国において議論されるべきものと考えております。  札幌市では、法的枠組みの中で、パートナーシップ宣誓制度をはじめ、性的マイノリティーの方々に対する様々な取組を進めてきておりまして、今後も性的マイノリティー当事者の方々の生きづらさの解消に向け、市民や企業などへの理解促進に努め、多様性を認め合い、お互いを尊重し合うまちの実現を目指してまいりたい、このように考えております。 ◆佐藤綾 委員  本市では、パートナーシップ宣誓制度を、現在、87組が利用しておりますけれども、同性婚カップルは、結婚の平等や税制、相続、年金制度など、多岐にわたり差別をされております。G7では、日本を除く国々で同性婚やそれに準じた制度を認めていますし、アジアでは2014年に台湾で同性婚を認めないのは違憲と判断されています。  さっぽろレインボープライドは、1996年に始まり、2020年は20回目となります。2003年からは上田前市長が参加、また、秋元市長もスピーチをするなどし、それが大きな支援となっていると当事者の方からも聞かれます。LGBTの方がありのままでいられる社会へ、全ての市民の権利を擁護するために、市として差別解消へ力を尽くすべきです。  次に、#MeToo運動、フラワーデモの広がりに見るセクシュアルハラスメントや、性暴力被害への取組についてお伺いいたします。  ジェンダー平等を求め、#MeToo、#WithYou運動が世界各地で広がっています。日本も例外ではありません。昨年、相次いだ性暴力の無罪判決に抗議し、フラワーデモが始まりました。実名を挙げ、民事裁判で勝訴した伊藤詩織さんには、多くの女性が勇気づけられました。  そこで、お聞きいたしますが、#MeTooや#WithYou、フラワーデモに見られる、被害者が発信し、始まった日本での社会的な市民運動の広がりをどう捉えているのか、伺います。  また、被害者をなくすためにも、性暴力被害者が偏見と周囲からの言葉で声を上げられないことや、性暴力を許さないという社会的な啓発活動をさらに広げる必要があると考えますがいかがか、併せてお伺いいたします。 ◎丹尾 男女共同参画室長  被害者が被害を発信する運動の広がりに関する認識についてと、その啓発活動を広げていくことについての2点のお尋ねでございました。  被害を発信する運動の広がりについてでございますけれども、被害者からの被害の訴えは、性暴力がない社会の実現に向けた勇気のある第一歩であり、性暴力を許さないという社会の意識醸成につながるもの、このように考えているところでございます。  また、啓発活動を広げていくことについてでございますが、札幌市におきましても、被害者が声を上げやすい社会づくりには、啓発活動は重要であると認識しております。  性暴力等の被害については、各区でのパネル展の実施や各種媒体を用いた相談窓口の周知、若年層に向けたデートDV防止講座などを行っております。今後も、性暴力を含む暴力の未然防止に向けた啓発の取組に力を入れてまいりたいと考えております。 ◆佐藤綾 委員  内閣府の2017年の男女間における暴力に関する調査では、無理やり性交等をされたことのある女性は1,807人の回答者の7.8%に上りました。被害を明らかにした後に周囲からさらに傷つけられる2次被害、セカンドレイプも問題です。性暴力の刑法改正を求めるネット署名は8万人を超え、不同意性交等罪創設を求めています。性暴力は実態に合った規定にするため、被害者が泣き寝入りの原因ともなる暴行・脅迫要件を見直し、意思に反するものには処罰するべきです。  フラワーデモの広がりで注目される中、12日に、名古屋地裁は、実の子への準強制性交等罪に問われた父親を無罪とした一審判決を破棄し、懲役10年を言い渡しました。  そこで、お聞きいたしますが、2017年に刑法性犯罪規定が改正されましたが、国際基準と比較しても後れており、法改正を国に求めていくべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎丹尾 男女共同参画室長  法改正に関する国への要望についてのご質問でございます。  2017年に改正が行われました刑法につきましては、施行後3年をめどに見直しを加えるとされておりまして、法務省におきまして、既に改正法施行後の実態調査報告書の骨子案がまとめられています。その中で、性暴力に関する犯罪の構成要件などにつきましても検討課題として指摘がなされている、このように認識しておりまして、札幌市といたしましては、こうしたことを踏まえた刑法改正に向けた国の動向を注視してまいりたいと考えております。 ◆佐藤綾 委員  ジェンダー・ギャップ指数が153カ国中121位とさらに順位を下げた日本では、ハラスメントの禁止規定さえありません。9日に、国連女性の地位委員会の第64回年次会合が開かれ、政治宣言を採択しました。具体的な行動をさらに取ることを決意するとし、あらゆる差別的法律を撤廃することなどを掲げています。選択的夫婦別姓や所得税法第56条、女性が、家事、育児、介護など、男性の3倍以上を担い、賃金も低く、正規雇用、役職者が少ないなど、あらゆるところで是正すべき問題があります。  SDGsの5、ジェンダー平等を実現し、差別をなくし、多様性を認め合う共生社会としていくためにも、本市として人権に関わる各部局の施策を総合的に進めていく人権課を創設すべきであると申し上げまして、質問を終わります。 ◆小田昌博 委員  私からは、博物館について、3点ほどお伺いいたします。  初めに、展示物等資料の収集についてです。  (仮称)札幌博物館につきましては、平成31年3月に展示・事業基本計画が策定され、展示概要が示されました。また、昨年12月の第4回定例市議会代表質問において、博物館候補地の中島公園への変更が表明され、整備の推進が図られているところであります。  博物館は、建物のみならず、展示物の収集、学芸員をはじめとする人員の確保等、多岐にわたる準備が必要となるのは言うまでもありません。展示物の見せ方ももちろん大切ですが、来館者を飽きさせることのないための工夫が重要と考えますし、展示の更新などを頻繁に行う必要があります。そのためには、第一として、数多くの資料が必要となってきます。  そこで、一つ目の質問です。  博物館建設に向けて、早い段階から資料を収集すべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎有塚 文化部長  博物館の資料を早い段階から収集すべきではないかというご質問でございます。  博物館の建設に向けて、早い段階からその資料の収集を行うということは、展示内容を充実させるという観点から極めて重要であるというふうに認識してございます。  (仮称)札幌博物館におきましては、札幌の独自性に焦点を当てた展示を想定しておりますことから、まずはそれに関連する資料の収集、整理を優先して行ってまいりたいと考えてございます。具体的には、札幌市内に生息する植物や昆虫などの希少種を学術標本として採取するとともに、市民の皆さんから寄贈いただいた未整理の約4万点の資料の分類整理なども予定しているところでございます。  今後も、(仮称)札幌博物館展示・事業基本計画を基に、展示に関する詳細な検討を行いまして、将来の博物館に必要な資料の収集に努めてまいりたいと考えております。 ◆小田昌博 委員  札幌の独自性に関連する資料の収集、整理を優先してということです。もちろん数がないとだめだと思います。ぜひ、その辺の部分は、優先してぜひ行っていただきたいと思います。  次に、収蔵庫の整備についてです。  現在の博物館活動センターには約9万5,000点の資料があり、そのほかに、先ほど答弁にありましたように約4万点の資料が整理を待っている状況ということであります。先ほど述べましたように、展示の更新を行い、様々な資料を見てもらう必要があります。そのためには、表で展示されているもののほかに、裏側には保管する収蔵庫が必要となります。大きさのほか、湿度、温度等の管理も保管には大変重要となります。  そこで、二つ目の質問になります。  (仮称)札幌博物館においても、資料を保管する十分な広さの収蔵庫が必要と考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎有塚 文化部長  (仮称)札幌博物館における収蔵庫についてのご質問でございます。  博物館にとって資料の収集、保存は、札幌の過去と現在を記録するという博物館の根幹をなす極めて重要な業務であるというふうに考えております。  一方で、博物館活動センターにおきましても、年々増加する収蔵物により保管場所が狭隘化しつつありまして対応に苦慮しているほか、他都市の博物館におきましても、収蔵スペースの確保対策は極めて大きな課題となっているという情報を得ているというところでございます。こうした状況を踏まえまして、博物館整備に当たっては、計画段階から将来的な収蔵物の増加に備えまして、十分な収蔵スペースを確保することは大変重要であるというふうに認識してございます。  収蔵スペースの確保につきましては、ご指摘の点も踏まえまして、博物館の施設規模や諸室構成の中でしっかりと検討してまいりたいと考えております。 ◆小田昌博 委員  一度集めた資料は、そのままどこかに行くのではなくて、常にたまっていくものだと思いますし、視察で伺った博物館においても、裏が煩雑になり過ぎてやっと人が通れるというようなところもありますので、ぜひ、表も大事ですけれども、そういった収蔵庫のこともぜひ考えながら進めていただきたいと思います。  次に、学芸員についてです。  建物自体の概要等が分かってきたところですが、これは、あくまでもハードの部分であり、一方で、学芸員の確保という点も、博物館運営において肝心なことになります。学芸員の方々は、言うまでもなく専門性が高く、自然史には生物系や地学系、歴史には歴史学や考古学といった分野があり、現在は2名の学芸員の方々がおられますが、主な自然史博物館10館の学芸員の平均人数は20.4名とのことでありまして、現状は、到底、足りる人員ではありません。私が視察で伺った北九州いのちのたび博物館では、年間スケジュールをはじめ、特別展、イベント等も学芸員のみで企画をしていると聞いてきました。  建物ばかりに目が向きがちですが、三つ目の質問です。(仮称)札幌博物館においても計画段階から必要な学芸員数を確保すべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎有塚 文化部長  学芸員の確保についてのご質問でございます。  平成30年度に調査したところによりますと、全国の主要な自然史系博物館におきましては、建設前の準備段階から学芸員を中心に相当数の職員が配置されているところもございました。委員のご質問にありましたとおり、全国の主要な自然史系博物館における学芸員数につきましては平均して約20名となっておりますけれども、比較的小規模の博物館におきましても職員数は平均して約15名、そのうちの学芸員の人数ですが、約5名となっております。  今後、博物館整備に向けた諸計画の策定や資料の収集を行うためには、早い段階から学芸員を配置することが必要であると認識しておりますので、今後、関係部局と協議をしてまいりたいと考えております。 ◆小田昌博 委員  ぜひ、学芸員の確保をよろしくお願いいたします。  最後になります。  建設候補地の中島公園には、先に新MICE施設も建設され、多くの観光の方も訪れると同時に、(仮称)札幌博物館は子どもたちの教育の場としての位置づけも重要となってきます。博物館が理科、社会科への学習意欲を持ってもらえるような施設にするとともに、そのための仕組みづくりを計画に取り入れて、市内外からの子どもたちの教育の場としての博物館であることもしっかりと念頭に置きながら事業を進めていくことを求めて、私の質問を終わります。 ◆うるしはら直子 委員  私からは、文化芸術推進事業におけます表彰制度について質問いたします。  現在、札幌市にはスポーツや教育をはじめとする様々な分野において表彰制度があります。市民の優れた功績や社会への貢献などを表彰することは、各分野における活動の発展や技術の向上、社会全体の発展にも資するものと考えます。文化芸術の分野におきましても、現在、札幌芸術賞と札幌文化奨励賞がありますが、この制度がつくられた目的としては、本市における美術、文学、音楽、演劇、舞踊等の芸術文化の進展に寄与した者を表彰し、本市の芸術文化の振興に資することとされています。この芸術賞、文化奨励賞は、それぞれ創設から50年近くもの歴史を持つ格式ある制度で、受賞された方にとっては大変名誉のある賞だと感じています。  一方で、このような制度があることを知らない市民も私の周囲にはおります。より多くの方に認知されることでさらに格式ある賞となり、文化芸術分野で貢献されている方々や団体への助勢になるとも考えます。また、特に、この賞は応募制ではなくて推薦制を採っていることから、もっと広く多くの市民に周知され、幅広い分野から数多くの推薦が上がり、受賞者が決定されることが望ましいとも考えます。  事前にお聞きしたところによりますと、過去3年間のこれらの表彰のそれぞれの被推薦者数と受賞分野については、芸術賞の推薦は約20件程度、また、文化奨励賞の推薦は10件以下にとどまっているとのことでした。また、同じく、過去3年間の受賞分野につきましては、芸術賞では美術、音楽、洋舞、書道、美学芸術学、文化奨励賞ではこれに加えまして写真、舞台芸術など様々な分野から受賞されているとのことで、制度創設当初に比べると分野の幅が広くなってきているものと思われます。また、私は、この市民文化の向上に今まさに貢献している方はもとより、これから札幌市でますます活躍される若い世代の方や新しいジャンルなど、さらに幅広い分野で多くの推薦が上がり、表彰することも大切と考えております。
     そこで、質問ですが、このような表彰制度があることを、若い世代や、これまで受賞の少ない、あるいは新たな分野の方などを含めて広く周知し、被推薦者数、また、推薦分野の幅を広げていくことが必要と考えますがいかがか、伺います。 ◎有塚 文化部長  表彰制度の周知と、被推薦者数や推薦分野の幅を広げていくことについてのご質問でございます。  芸術賞、文化奨励賞の推薦募集の開始に当たりましては、札幌市役所ホームページへの掲載、地上デジタルテレビのデータ放送への掲載、郵便局等で配布するイベント情報をまとめた冊子への掲載、マスコミへの投げ込み、関係団体や過去の受賞者等への推薦依頼などを行っているところでございます。  しかしながら、委員のご指摘もありましたとおり、文化奨励賞の被推薦者数が少ないということは事実でございまして、課題であるというふうに認識しているところでございます。そのため、様々な年代や分野等の方に対しまして、幅広く周知できる方法を検討いたしまして、特に文化奨励賞の被推薦者数を増やしていけるように努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆うるしはら直子 委員  周知活動、それから推薦枠を増やしていくような取組をしていくお考えはわかりました。  札幌市は、札幌市文化芸術基本条例を定め、市民が心豊かに暮らせる文化の薫り高きまちづくりを目指しています。また、本市が昨年6月に策定しました第3期札幌市文化芸術基本計画では、創造都市さっぽろを推進するとし、施策の一つとして、アーティストなどがステップアップするための支援や環境整備、発表の場の提供、そして表彰制度の実施が盛り込まれています。そうしたことからも、表彰制度は、札幌市をより活力のあるまちにしていく上で大変価値のあることでもあります。  現在の表彰制度の推薦の基準は、芸術賞は10年以上、文化奨励賞は5年以上、札幌市を拠点として活動していることが基準とされています。本市には、音楽、演劇、舞踊、映画、アニメーション、漫画等の様々な文化芸術分野で活躍をされている方、また、国際的な活躍をされている方も多くいらっしゃいます。こうした文化芸術の次代を担う世代の方たちや幅広い分野の方たちに表彰を励みにしてもらい、札幌市でさらに活躍してもらうことで、札幌の文化芸術のより一層の振興につなげられるとも考えます。  そのためには、現行の芸術賞や文化奨励賞の周知や被推薦者数の増加を図るのみならず、現在の文化奨励賞の受賞者数を増やし、また、より多くの人、より多くの分野の方が受賞することを可能とすることや、あるいは、現在の芸術賞や文化奨励賞とは別に、幅広い分野で活躍する若い世代の方を対象とした賞を新たに設けることなども有効だと考えます。  そこで、伺いますが、より若い世代の方たちをより幅広い分野で表彰しやすくするため、現行制度の改定や制度の新設をすることについてどのようにお考えか、伺います。 ◎有塚 文化部長  より若い世代の方たちをより幅広い分野で表彰しやすくするための制度の改定や新設についてのご質問でございます。  現在の芸術賞や文化奨励賞の選考数でございますけれども、要綱上、原則、それぞれ3件以内というふうにしているところでございます。この受賞者数を増やすことにつきましては、賞の目的ですとか格式を維持するという、そういった観点からは慎重に検討していく必要があるというふうに考えているところでございます。  また、文化奨励賞の対象でございますが、対象が本市に5年以上主たる活動の場を有する個人または団体としておりますけれども、メディア芸術などの新しい分野でも受賞の実績はあるところでございます。  また、賞の新設を考える際には、若い世代、それから、幅広い分野を、どのように定義をいたしまして、どのように評価するか、また、現在の文化奨励賞とどのようにすみ分けを行うか、また、誰が選考をするかなど、数多くの課題があるというふうに考えてございます。  こういった課題も踏まえまして、外部の有識者等の意見も聞きながら今後の表彰制度について検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆うるしはら直子 委員  改定や新設に様々な課題があることも十分承知しておりますが、この賞については、年に1回、数名というところがありますので、どうか早期に検討をお願いしたいと思います。  最後に、要望です。  現在、新型コロナウイルスによる自粛要請が続いている中で、本市の文化芸術の分野をなりわいとされている方々についても、演奏会や展示会等の発表の場や、また、子どもたちやその道を目指す教育活動などについても制限がされていて、生活にも大きな影響が出ています。今は、一日も早い事態の収束が望まれるときではありますが、表彰制度はもとより、今後、こうした方々が、これからも札幌市を拠点として継続して活動し、より一層、活躍、貢献していただけるよう、市としてもしっかり支援、サポートをしていだだくよう求めまして、私の質問を終わります。 ◆前川隆史 委員  私からは、2点、区役所の窓口サービスの向上について、そして、防犯カメラ設置補助制度についての2点について、順次、お伺いいたします。  それでは、最初に、区役所の窓口サービス向上について伺います。  これまでも、代表質問ですとか委員会質疑等を通じまして、何度も、市民に最も身近な区役所での手続の利便性向上についてもっと積極的に取り組んでいくべきである、このように訴えてまいりましたが、やはり、区役所の窓口というものは市民と役所の一番の接点となるところでございますので、そうした部分にどれだけ気配りができるかということが、結局のところは、市民目線に立った行政運営がなされているかどうかの一つの物差しになる、そういった重要な部分であるかと思います。  まして、秋元市長も、公約で窓口サービスの向上というものを強く大きく掲げておられます。  そこでまず、お伺いいたしますが、市民の利便性という視点で、現在の区役所窓口にはどういった課題があると認識しているのか、まずもってお伺いいたします。 ◎青山 地域振興部長  区役所窓口の課題についてのご質問でございます。  昨年12月に実施をいたしました第4回市民意識調査におきまして、市民が市役所に改善を望む手続の内容について尋ねたところですが、この調査におけます市民の回答を見ますと、複数の窓口で手続をしなければならないこと、手続ごとに申請書などを書かなければならないこと、手続に必要な書類などが事前に調べづらいこと、どの窓口で手続をするべきか分かりづらいことが上位となっております。また、今年度、一部の区役所で実施をいたしました来庁者アンケートにおきましては、これらのほか、待ち時間が長かったとの声が多かったところであり、こうした点が区役所窓口の利便性における課題であると認識をしているところでございます。 ◆前川隆史 委員  市民意識調査ですとか、どこの区か知りませんけれども、来庁者調査などのアンケートでは、複数の窓口で手続をしなきゃいけないだとか、どこの窓口で手続をするか分かりづらいだとか、待ち時間が長い、そういった声が寄せられた、また、そういったところに要するに不満を感じている、そういったことでございまして、そこが課題だということでございました。  私も、何度もこうした同じような市民の皆さんからのお声を伺ってまいりましたので、これまで、繰り返し、窓口の利便性向上について訴えてきたわけでございますけれども、そうした中で、例えば引っ越しが集中する3月から4月の繁忙期の待ち時間の解消については、転入転出届の開庁時間の延長ですとか土・日の開庁など、一定の取組を進めていただきまして、少しずつ改善しているのかと思っておりますけれども、しかし、しょせんといいますか、季節的な状況に対応した対症療法的な取組でございまして、一歩前進とは思っておりますけれども、やはり、抜本的な窓口サービスの向上という意味ではまだまだではないのかな、このように思っているところでございます。  他都市におきましても、分かりやすく簡単な窓口を目指した取組が多くされている事例も伺っております。  そこで、お聞きしますが、札幌市においても、市民が区役所で様々な手続を行う際の利便性の向上を目指して、区役所の各窓口を担当する職員によるプロジェクトを立ち上げまして、先ほど挙げていただいた課題の解決に向けた検討を行っていると伺っているところでございますけれども、どういった検討を行っているのか、お聞かせいただければと思います。 ◎青山 地域振興部長  区役所職員によりますプロジェクトにおける検討状況についてのご質問でございます。  本市では、これまでも、それぞれの手続窓口ごと、あるいは区役所単位では様々な改善を行ってきたところでございますが、今回のプロジェクトでは、全区統一で、かつ、戸籍住民票関係、福祉関係、国保年金関係といった区役所内の各種窓口を横断的に検証いたしまして、先ほど答弁させていただきました課題の解決に向けた検討を進めるために、それぞれの窓口を担当する職員によるプロジェクトを立ち上げたところでございます。  プロジェクトにおきましては、来庁する市民の動線調査、ニーズ分析や、他都市、民間の先進事例の視察を行い、それらを踏まえましてワークショップを行いました。このワークショップでは、書かせない、準備しやすい、歩かせない、迷わせない、待たせない、来させないといった六つのテーマを設定いたしまして、それぞれの解決策の検討を進めてまいりました。現在は、その結果を基に、具体的にどのようなスケジュールでどのようなことに取り組んでいくかを整理しているところでございます。  具体的な取組メニューの整理に当たりましては、複数の手続が必要な市民の動線に着目をいたしまして、こうした方々が、申請書類に繰り返し同じことを書かされたり、区役所でどの窓口に行くべきか迷ったりせず、スムーズに手続を進められるよう利便性の向上を目指してまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  市民目線に立っていろいろ検討されているということで、市民の動線というお話が繰り返されましたけれども、手続の流れでしょうか、そういったものをいろいろ想定しながら検討されているということでございました。  人生には様々なライフイベントがございまして、人生のその節目になるような出来事に伴う手続は多数の制度にまたがっておりまして、一番負担感を感じるところではないかと思います。特に、死亡の届出にあっては、戸籍窓口の届出の後に、医療保険ですとか年金、その他、また銀行など、区役所以外を含めて、法務局へ行ったり、いろいろ、遺族は多くの手続を行う必要がありまして、その必要な手続を調べるだけでも大変でございます。  私も、2011年に父を亡くした際には、長男として、様々な手続で大変苦労したことを思い出されます。いろいろ調べてみますと、他都市ではおくやみ窓口というものを設けておりまして、遺族に手続の案内ですとか書類作成の補助を行う仕組みをつくっているようなところもあるようでございます。市民の負担が大きく減って大変好評を博している、このようにも伺っているところでございます。  そこで、最後に、ずばり伺いますが、ぜひ、札幌市でも、こうしたおくやみ窓口的なものを、設置に向けて取組を進めていくべきではないか、このように思いますけれども、どのようにお考えか、お聞かせいただければと思います。 ◎青山 地域振興部長  おくやみ窓口の設置に向けた取組についてのご質問でございます。  死亡届とそれに引き続く手続を一つの窓口で行うことができる、いわゆるおくやみ窓口につきましては、先進事例調査を行った他都市でも設置している事例が多く見られまして、遺族の負担軽減の観点からも、区役所の窓口サービス向上を目指す上で有効な取組であると認識をしております。  このおくやみ窓口のサービス内容では、既に実施している都市でも差異がありまして、手続の案内にとどめているもの、手続の案内とともに申請書の作成を支援しているもの、手続を一括して行うことができるものなど、様々な類型がございます。今後は、これらの類型ごとの設置に係る予算や準備期間、効果なども勘案しながら、窓口サービス向上を実現するための手法の一つとしてさらに検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  おくやみ窓口設置へかなり前向きに検討していきたい、このように表明していただいたと思っておりますので、ぜひ早期に実現できるように取り組んでいただきたい、このようにお願いしたいと思います。  そして、今や、ICTの積極的な活用と行政改革というのはセットというのが常識でありますので、ぜひ、そういった関連部局ともよく連携を取っていただきながら、全庁を挙げて市民サービスの向上に取り組んでいただきますよう求めまして、この質問を終わりたいと思います。  次に、防犯カメラ設置補助事業についてお伺いいたします。  我が会派による提案が実りまして、平成30年度から補助制度が創設をされまして設置が進められております町内会における防犯カメラの設置も、2年目の整備を終えようとしております。防犯カメラの効果につきましては今さら言うまでもございませんが、実際に設置した地域の住民の方からも、町内の安心感が増した、実際に犯罪が減ったなどとの声も伺っております。先進都市に伺った際、京都市などでは、実際に防犯カメラを設置した地域では犯罪認知件数が半減しており、明確にデータとして出ておりますと、そういったお話も聞いてきたところでございます。  一方で、一昨年の12月には、白石区の本郷町内会でプライバシーに関する残念なトラブルが発生をいたしまして、一度設置したカメラを稼働前に全部撤去するという事案が発生いたしました。本郷町内会では、その後、1年かけて町内会の皆さんで話し合いを重ねて、設置場所を変更したり、回覧板や班長会議などで町内の皆さんに丁寧に説明するなどの努力をなされまして、先日、ついに念願の防犯カメラが4台設置をされました。本郷町内会の事案は、全国ニュースでも取り上げられるなど社会的にも大きな話題となってしまったこともありまして、その影響で、防犯カメラ設置を考えていたほかの町内会が設置をちゅうちょし、検討をやめてしまったという話もたくさん聞いております。  この防犯カメラ設置事業については、市民の方から1億円のご寄附をいただき、これをまちづくり推進基金に積み立てて、平成30年度から令和2年度までの3年間で600台を整備する計画で事業をスタートいたしました。しかしながら、昨年の決算特別委員会で私が質問した時点での設置は、今年度で45台、2カ年合計でも約110台強にとどまっておりまして、質問の際にも事業の3年目以降の継続を要望させていただいたところでございます。また、令和2年度予算案の防犯カメラ設置事業費は3,900万円で、240台分の予算規模とのことでございまして、これまでの設置状況からすると、来年度予算を全て消化したとしてもまちづくり推進基金は残るのではないかというふうに思われます。  そこでまず、改めて確認させていただきますが、防犯カメラ設置事業における平成30年度と令和元年度の設置状況をお伺いいたします。  また、令和元年度終了時のまちづくり推進基金の残高の見込みについてもお聞かせいただければと思います。 ◎青山 地域振興部長  防犯カメラの平成30年度、令和元年度の設置状況及び基金残高についてのご質問でございます。  まず、平成30年度と令和元年度の防犯カメラの設置状況ですが、平成30年度は28町内会で69台、令和元年度は20町内会で60台設置をされまして、2カ年で設置されたこれら129台に対する補助に要した費用は約2,000万円となっております。  次に、令和元年度末時点での基金残高についてですが、本制度の財源としてまちづくり推進基金に積み立てた1億円から、2カ年の補助金交付額である約2,000万円を差し引きしますと、令和元年度、今年度末時点で基金には約8,000万円残る見込みをしております。 ◆前川隆史 委員  2カ年で129台を設置した、基金も、約2,000万円かかったということですので、基金1億円から2,000万円を差し引きまして約8,000万円の残になるであろうということでございます。  そこで、次に、補助制度の継続及び上限台数の増、増やしていくということについてお伺いしたいと思います。  町内会に対する防犯カメラの設置補助について定めている札幌市安全で安心な公共空間整備促進事業補助金交付要綱には、第15条に補助の期間が定められておりまして、補助の実施期間は令和3年3月末日までとする、つまりは来年度で終了するということでございます。令和2年度の設置が順調に進んだとしても、来年度末でも基金には約4,000万円が残る見込みとなりますので、少なくとも基金残があるうちは、私は、制度を継続すべきであると考えております。  また、要綱の第4条では、補助申請台数の上限は1町内会当たり4台と定められておりますが、特に白石区内には規模が大きい町内会も多く、一部の町内会の方からは、大変人数も世帯も多いし、エリアも広いので4台では足りない、もっと多く防犯カメラを設置したい、こういった声もたくさんいただいているところでございます。  そこで、質問でございますが、来年度終了時においても、まちづくり推進基金の残が見込まれる以上、補助制度を継続すべきであると考えますが、見解をお伺いいたします。  また、1町内会当たりの防犯カメラの補助台数の上限を増やすことも検討すべきと考えますが、併せていかがか、お伺いいたします。 ◎青山 地域振興部長  補助制度の継続及び上限台数を増やすことについてのご質問でございます。  まず、本制度の継続についてお答えをいたします。  本制度につきましては、防犯カメラの早急な設置を促進して安全に安心して暮らせるまちの実現に役立ててほしいという寄附者のご意向を踏まえまして、短期間で防犯カメラの設置が進みますように、実施期間を平成30年度からの3年間としたところでございます。  現状では、防犯カメラの設置は計画どおりには進んでおりませんが、犯罪が起きにくい環境を整備するためには、町内会による防犯カメラの設置を今後も引き続き支援していく必要があると認識をしております。したがいまして、本制度につきましては、今後のまちづくり推進基金の残高を踏まえつつ、令和3年度以降の継続に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。  次に、上限台数を増やすことについてお答えをいたします。  本制度は、できるだけ多くの町内会で防犯カメラを設置していただけますよう、1町内会当たりの上限台数を4台としたところですが、人口や区域の規模が多い町内会からは、委員のご指摘のとおり、4台では少ないというご意見をいただいておりますことから、令和2年度の申請状況を勘案しながら、制度の継続に加えまして、上限台数の増についても検討をしてまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  今のご答弁にございましたとおり、ご厚志をいただいてこの基金が積み上げられてこの制度もでき上がっておりますので、そういったご寄附をいただいた方の思いも受けて、ぜひ、継続を検討というか、実現していただきたいなと。後ろの梅田財政部長にもぜひよろしくお願いを、ほかに使うなんて考えないようにしていただきたいなというふうに思うところでございます。  また、台数の上限も、いろいろ、今後、柔軟に少し検討したいというようなお話もございましたので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  最後ですけれども、来年度の事業の実施についてお伺いいたします。  私の地元の白石区では、本郷町内会をはじめ、四つの町内会がこれまでに防犯カメラを設置しております。一方で、設置するか迷っていらっしゃる町内会にあっては、そのプライバシーの問題ですとか、設置や維持管理に係る経費など、町内の住民に対して防犯カメラの設置を行うことについてどのように説明したらよいのか悩んでいるという、そういった声も伺っているところでございます。また、昨年は、先ほど申し上げた本郷町内会の様々な問題もございまして、市の補助事業の開始時期が6月にずれ込んだということもございました。そんなこともありまして、町内会の春の総会に防犯カメラの設置を諮ることができずに断念をした、そういった町内会もたくさんあったと伺っております。  防犯カメラ設置を積極的に進めるためには、札幌市として、町内会に対して早く情報を伝えるとともに、既に設置された町内会の状況、例えば、設置後にかかる経費、費用ですとか、防犯にどのように役立っているかというような、そういった情報を広く伝えてあげることが大事なのではないかな、このように感じております。  そこで、最後の質問でございますが、来年度の防犯カメラ設置事業の開始時期はいつ頃になる予定なのか、お伺いいたします。  また、防犯カメラに関する情報提供についてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。 ◎青山 地域振興部長  来年度事業の開始時期及び防犯カメラに関する情報提供についてのご質問でございます。  まず、令和2年度の事業開始時期についてですが、市内の全ての単位町内会に対しまして、4月中旬から補助申請の受付を開始する旨、今月中にお知らせができるよう準備を進めております。  次に、防犯カメラに関する情報提供についてですが、委員のご指摘のとおり、町内会の方からは、防犯カメラの設置を町内の住民にどのように説明すればよいのか分からないとの声が寄せられております。そういった設置を検討されている町内会の不安の解消や理解の促進を図るため、防犯カメラを設置した町内会の方から、例えば、プライバシーに関する説明や設置をしたことの周知を地域に対してどのように行ったかという事例に加えまして、地域の安心感が高まったなど設置してよかったと感じることや、設置にかかった費用、設置後にかかった費用について聞き取りを行ったところでございます。  これらについて、補助申請の手引やホームページで広く周知をするとともに、出前講座でも情報提供していくことで、来年度はより多くの町内会で防犯カメラの設置が進むよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  2年前、この制度の始まる直前に説明会を12階でやった際には、たしか3度にわたって説明会をやったと記憶しておりますけれども、もう満員で大変な注目と期待が集まった、そういった事業への期待感というのがあふれる、そういった説明会だったのを、大変思い出しております。  どうか、せっかくの制度でございますので、安全・安心な地域づくりのために、全ての皆さんが利用しやすい制度、事業へとしていただくよう、いろいろ工夫していただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆村上ひとし 委員  私は、消費者トラブルに関連をいたしまして、主に未成年者の状況、成人年齢の引下げに伴う対策、そして、消費生活相談員の資質向上について主に質問をさせていただきます。  現在、特殊詐欺や架空請求、不当請求といった消費者被害が後を絶ちません。高齢者や障がい者を狙った巧妙な手口によるものをはじめ、最近では新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う悪質な商法もあるというふうに聞いております。ですから、国をはじめ、本市としても、市民の財産を被害から守る取組を一層充実させることが必要だと思います。  昨年のデータでありますけれども、平成30年度、2018年度消費生活相談受付状況という資料をいただきました。これを見ますと、相談件数自体は、大体、毎年1万2,000件前後で推移をしてきているということでありました。それから、内容を見ますと、契約当事者が60代以上、つまりご高齢の方を中心とした相談の状況でありますけれども、ここでは、契約当事者が60代以上の相談件数は4,987件で、前年度比で195件、4.1%増加した、全相談件数に占める割合は39.9%であるということです。商品・役務別相談では、架空請求はがきに関する相談などが含まれる、いわゆる商品一般に関する相談が最も多いということで、1,370件、対前年度比で354件、34.8%増加しているということでありました。  その相談事例を見ますと、なかなかすごいんですね。携帯電話に、宅配会社の名前で荷物が届きましたというようなタイトルで、SMS、ショートメッセージが届くということであります。ちょうど当該宅配会社から届く荷物を待っていたため、疑いなくメールを開いて本文中のURLにアクセスし、再配達の希望のボタンを押してしまうというようなことであります。そして、次に何かをインストールするよう指示が出てくるということでありますが、この60代の女性は、宅配会社に問い合わせたところ、同様の相談が多数あるため気をつけてくださいと言われたということでありました。  これは、今、若者だけではなくて、商品をいろんな形で注文して、最終的には宅配会社が届けるという場合が非常に増えておりますから、この60代の相談事例というのは、本当に市民にとってみれば切実かつ重大な問題だというふうに思われます。  一方、20代の若者はどうかといいますと、相談状況が1,054件、対前年度比で120件、10.2%減少している、全相談件数に占める割合は8.4%になっていると。商品・役務別で見ると、賃貸アパートに関する相談が最も多いということで、続いて脱毛、エステに関する相談が127件で、対前年度比で32件、33.7%増加ということでありました。それから、20歳未満の相談状況、これはいわゆる未成年でありますけれども、相談件数は229件で、対前年度比23件、11.2%増加、全相談件数に占める割合が1.8%ということでありました。  詳細は省略をしますけれども、いずれにしても、これらは2018年度の数字でありますけれども、最近の札幌市消費者センターにおける消費者トラブルの現状、特に未成年者の状況についてお伺いをいたしたいと思います。 ◎丹尾 市民生活部長  最近の札幌市消費者センターにおける消費者トラブルの現状、特に未成年者の状況についてのご質問でございます。  委員からもご紹介がございましたが、札幌市消費者センターでは消費者と事業者の間のトラブルに関する様々な相談を受け付けておりまして、相談件数のほうは、ここ数年、約1万2,000件台で推移しているところでございます。  平成30年度の消費生活相談におきましては、全体で1万2,501件の相談を受けておりまして、そのうち、契約当事者が未成年である相談件数は、これも委員からご紹介いただきましたけれども、229件で、全体の2%弱となっております。昨年度は、未成年の相談では、出会い系サイトですとかオンラインゲームに関するご相談が多く寄せられているところでございます。 ◆村上ひとし 委員  まだ2019年の速報版も出ていないということで、平成30年度の数字ということでありました。  それで、私、もう一つ、資料も頂きまして、「社会への扉」というパンフレットですけれども、これは消費者庁が出しているものであります。この一番最後のほうに、「あなたの行動が社会を変える!」「消費者が主役の『消費者市民社会』では、消費者の行動で社会を変えることが求められている。『消費者市民社会』の一員として、自分自身の行動で変えてみよう。」ということでありますけれども、これは、特に若い人を中心に非常に重要なことだと私は思っていまして、この中で、消費者トラブルに遭った場合に行動しないとどうなるかというと、不正な取引や製品などの事故が続いていくということで、結果的に不正な取引やトラブル被害の拡大がされていくのだ、消費者としてはマイナスになるのだというようなことを言っているのですね。  それから、消費生活センターなどに相談をするとどうなるのか。積極的に行動するというパターンでありますけれども、そうしますと、不適正な取引や表示、安全性を欠く商品やサービスが改善されたり、消費者の積極的な行動によって安全・安心に暮らすことができる、つまり、消費者市民社会の実現ができるというようなことが書かれております。私は、これは非常に重要なことであるのですけれども、しかし、同時に難しいことでもあるかなというふうに思っております。  2022年4月、民法が改正され、成年年齢の引下げが行われることで、現在の未成年者に関するいわゆる取消権などがなくなりますと、若年層の消費者被害の拡大が懸念されております。  そこで、お尋ねをいたしますが、未成年者、特に高校生に対する消費者教育、啓発の取組についてお伺いをいたします。 ◎丹尾 市民生活部長  未成年者、特に高校生に対する消費者教育、啓発の取組についてのお尋ねでございます。  高校生につきましては、従来からの取組といたしまして、申込みに応じまして市内高校への講師派遣講座を行っておりますほか、札幌市独自の教材として漫画「クロサギ」を題材とした啓発冊子を作成いたしまして、高校生に配付してきたところでございます。  加えて、2022年の成年年齢引下げに伴い、今後、高校在学中に成年を迎える若年者が出てきますことから、消費者庁が「社会への扉」という先ほどの教材を作成いたしまして市内各高校へと送付をしているところでございます。この教材を有効に活用してもらえるよう、今年度から、高校での授業モデルを作成いたしまして、教育委員会とも連携の上、高校教員に向けた講座実施などの支援を行っているところでございます。 ◆村上ひとし 委員  積極的に、特に教育委員会と連携をして独自の教材なんかも使ってやっていただきたいと思うんですけれども、なかなか、教育委員会も、子どもの授業の中のどの時間でやるのかというのは相当難しい部分もあるかもしれません。しかし、今のうち、高校生に、消費者としてどういうことが求められているのかということを教育の場で行っていくと。学校での体系的な消費者教育や、消費者センターなどによる市民全般への消費者教育の充実は、極めて重要であると思います。その充実には、悪徳商法などから消費者を守り、消費者被害の解決のために活動をする消費者センターの相談員というのは欠かせない存在であります。  そこで、お伺いをいたしますけれども、消費者センターの相談員に関して、その資質向上に向け、どのように取組を行っているのか、お伺いをいたします。 ◎丹尾 市民生活部長  消費者センターの相談員の資質向上に向けてどのような取組を行っているかとのご質問でございます。  札幌市消費者センターにおける相談員の資質向上におきましては、相談員が国民生活センターで実施する研修に参加をできるよう機会を確保するとともに、その知識をほかの相談員と共有できるよう内部で研修も行っているところでございます。また、国民生活センターや北海道と共催で、札幌市において全道の相談員も参加できる研修会を開催いたしますほか、札幌市消費者センターの相談室に弁護士会から弁護士の派遣を受けて事例相談も行っているところでございます。  今後とも、相談員の資質向上に向けましては、多様化する消費者トラブルに的確に対応できるよう、最新の知識を得られる取組を進めてまいりたいと考えております。 ◆村上ひとし 委員  確かに、研修は非常に重要でありますし、弁護士をはじめ、様々な事例についても学んでいくということも大切であると思うのであります。  しかし、消費者に最も身近な消費生活相談員の資質向上はもちろん重要でありますけれども、同時に、そのためには、相談員の人的体制だとか、あるいは労働環境などが、私は、密接に関係するというふうに思います。その上では、相談員の資質、あるいは専門性を構築していく上で、例えば、人的体制がどうなのか、あるいは労働環境は十分なのかということなど、相談員に対するアンケートの実施など、本市としても何らかの形で直接意見を聞きながら参考にしていく取組も、私は、これから求められていると思うのですけれども、丹尾部長は、どのようにお考えか、お伺いをいたします。
    ◎丹尾 市民生活部長  相談員の人的体制や労働環境などについて、例えばアンケートなどを実施してはどうかということについてのお尋ねでございます。  札幌市消費者センターの相談員につきましては、公益社団法人札幌消費者協会のほうで雇用をしているところでございますが、こちらの人的体制につきましては、私どもの補助金で運営をしていただいているところでございまして、一定の労働条件が確保されているものと認識をしております。  また、労働環境につきましては、日ごろより札幌市消費者センターと密接に連携をして情報交換をさせていただいているところでございまして、そうした中で十分に状況を把握してまいりたい、このように考えております。 ◆村上ひとし 委員  ぜひ、今後、情報を把握する努力を積極的にしていただきたいと思うんですね。  なぜかというと、全国的には、やはり、相談員の方の労働環境、賃金や継続して働いている年数なども含めてでしょうか、非常に安定しづらいという傾向があるというふうになっておりますので、市民を消費者トラブルから守るというためにも、相談員の資質と専門性の蓄積が重要であります。そのために、必要な場合は相談員の処遇の改善や増員を図れるよう、市が今後も積極的に関与をすべきだということを申し上げて、終わります。 ◆村松叶啓 委員  私からは、再犯防止の取組について伺います。  札幌市における犯罪認知件数は、ピークでありました平成13年の4万1,290件から17年連続で減少が続いており、平成30年には1万1,718件と7割以上減少しております。  一方で、全国的に刑法犯により検挙された人員に占める再犯者の比率は上昇傾向にあり、平成30年には48.8%と、統計を取り始めた昭和47年以降で最も高い率となっております。罪を犯した受刑者は、刑務所などの矯正施設に入所しますが、その目的は受刑者の社会復帰であり、刑務所では受刑者の資質や環境に応じて、自覚を促しながら社会生活適応能力を育成しております。  刑務所生活を、刑務所の規則に違反せず、無事故で過ごすなど、一定の条件をクリアしている受刑者は、模範囚と認められ、満期終了前に仮釈放となる場合があります。有期刑の場合は、刑期の3分の1を経過した時点で対象とされ、無期懲役の場合は10年以上経過した時点で対象となります。また、仮釈放には身元引受人がいることが条件となっているため、無事故で過ごしていても出所後の身元引受人がいない場合は仮釈放を受けることができない、つまりは、出所後に社会復帰する環境がある方は仮釈放も早くなるということであります。  平成30年の犯罪白書によれば、仮釈放率は58%であり、約6割の受刑者が仮釈放となり、刑罰を維持しつつ社会内の更生復帰を目指しております。一方、残りの4割の受刑者は、仮釈放されず、刑期満了まで刑務所で過ごす、いわゆる満期釈放者となりますが、仮釈放では5年以内に再び刑務所に入る再入率が約30%なのに対して、満期釈放者は約50%であり、満期釈放者対策が再犯防止における課題と言われております。  満期釈放者の4割強は、出所する際に適当な帰住先がなく、こうした人たちは、帰住先の確保されている人たちと比べ、再犯に至るまでの期間が短くなっているとのことであります。また、仮釈放者や保護観察処分を受けた少年、保護観察つきの執行猶予者は、一定期間、社会において保護観察官や保護司による保護観察が行われますが、保護観察終了時に無職であった人の再犯率は、有職であった人の約4倍となっているとのことであります。このように、再犯防止の取組を推進するためには、特に出所時の住居の確保や就労支援が課題であると言えます。また、市民にとりましても、安全・安心な暮らしを守るために身近な犯罪をさらに減少させていくには、こうした支援も含めた総合的な再犯防止の取組が必要であります。  そこで、質問ですが、札幌市においても、再犯防止の重要性に鑑み、住居支援や就労支援など再犯防止の取組を進めるべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎青山 地域振興部長  再犯防止に関する基本的な考え方についてのご質問でございます。  札幌市における刑法犯認知件数は、委員のお話にもありましたが、17年連続で減少しておりますが、安全に安心して暮らせるまちの実現に向けてこの減少傾向を維持していくためには、刑法犯による検挙者の総数に占める比率が高まっている再犯者による犯罪を防止していくことが重要であると考えております。  再犯の防止には、まずは、罪を犯した人が、犯罪を心から反省し、罪を償っていくことに加え、更生を決意し、罪を犯すに至ったと考えられる原因を克服するなど、社会復帰のために努力することが重要となりますが、罪を犯した人たちは、委員のご指摘のとおり、住宅や雇用に加え、保健福祉、医療、教育など様々な分野においてそれぞれの事情に応じた問題を抱え、孤立する場合が多く、円滑な社会復帰をすることが困難な状況にあります。こうしたことから、罪を犯した人たちが再び社会の一員として更生していけるよう支援を行うことが必要であり、これは、国だけではなく、地方公共団体でも担うべき重要な役割であると認識をしております。  現在、札幌市におきましては、安全に安心して暮らせるまちの実現を目標に掲げる第3次札幌市犯罪のない安全で安心なまちづくり等基本計画を策定中でありますが、その過程で行われました外部有識者会議におきましても、再犯防止の取組についての審議が行われております。当審議会からは、再犯防止の取組は、過去に罪を犯したことがある人に着目をしまして、そういった人に再び罪を犯させないというものでありまして、市民一人一人や地域の防犯力を高めて犯罪の未然防止を図っていくというこの計画の取組とは性質が異なることから、その推進に当たりましては別に検討することが適当であると結論づけられた答申を受けております。  札幌市といたしましても、この答申を踏まえまして再犯防止の取組は、新たな枠組みの中で住宅や雇用、保健、福祉、医療、教育などを所管する庁内の関係部局と連携を図りながら検討を進めることが適当であると考えているところでございます。 ◆村松叶啓 委員  ただいまのご答弁では、さきの財政市民委員会で報告がありました犯罪のない安全で安心なまちづくり等基本計画とは別の枠組みで検討するということでありましたので、次に、地方再犯防止推進計画について伺いたいと思います。  政府においては、再犯防止の必要性、重要性が認識されるようになったことを受け、平成24年7月に、再犯の防止は政府一丸となって取り組むべき喫緊の課題であるという認識のもと、犯罪対策閣僚会議において再犯防止に向けた総合対策を決定いたしました。  総合対策においては、令和3年までに刑務所出所2年以内の再入率を20%以上減少させるという数値目標を設定し、主に刑事司法関係機関による取組を実施してきました。こうしたところ、犯罪者等の貧困や疾病、依存癖、厳しい生育環境や不十分な学歴等を背景として、犯罪者等が地域社会で孤立して再び犯罪に向かうことがないよう、息の長い取組を行う必要性が指摘されるようになり、そのためには、刑事司法機関のみならず、政府、地方公共団体、民間協力者が一丸となって総合的に施策を講じることが課題として認識されるようになりました。  私も、札幌市において、再犯防止の取組を進めていく上では、本市における矯正施設出所者などの状況を踏まえ、また、支援の担い手となり得る機関や民間協力者等の把握をしっかり行った上で、息の長い支援を行っていくべきと考えております。  そのような中で、平成28年12月には、再犯防止に関する国と地方公共団体の責務を明らかにするとともに、再犯の防止等に関する施策を総合的かつ計画的に推進していく基本事項を示した再犯の防止等の推進に関する法律が制定されました。再犯防止施策は極めて多岐にわたりますが、この法律では、先ほど申し上げた就労、住居の確保に加え、保健医療・福祉サービスや修学支援などの各課題に対応するための施策や、国と地方公共団体との連携強化による取組の推進について規定されているほか、地方公共団体に対して、国で定める計画を勘案して地方再犯防止推進計画を定めるよう努力義務が課されております。  そこで、質問ですが、札幌市において、再犯防止の取組を進めていくに当たっては、地方再犯防止推進計画を策定すべきと考えますが、市の見解をお伺いいたします。 ◎青山 地域振興部長  地方再犯防止推進計画についてのお尋ねでございます。  再犯防止の推進につきましては、地方公共団体だけが担うものではなく、これまで主として取組を担ってきました刑務所などの矯正施設や保護観察所などの関係行政機関、保護司会などの更生保護団体と連携しながら、それぞれの役割を果たしていくことが重要と考えております。  これに加えまして、札幌市が行う再犯防止の取組につきましても、住宅や雇用、保健、福祉、医療、教育など分野が多岐にわたりますことから、再犯防止の取組を総合的に推進していくためには、施策を体系的に整理した計画をつくっていく必要があると考えております。  北海道におきましては、法務省の地域再犯防止推進モデル事業を活用しまして、平成30年度及び令和元年度の2カ年で再犯防止の取組に関する調査検討を行うこととしており、その結果を踏まえ、令和2年度中に地方再犯防止推進計画を策定する予定と伺っております。そのため、札幌市におきましても、北海道で策定される計画との整合を図りながら、地方再犯防止推進計画の令和3年度中の策定を目指して検討を行ってまいりたいと考えております。 ◆村松叶啓 委員  札幌市においても、令和3年度の計画策定に向けて準備を進めていくとのご答弁でありましたが、令和3年度に策定と言いましても、再犯防止の取組については、再三申し上げておりますが、住居、就労、医療、保健福祉、教育など様々な部署にまたがった取組になりますので、できるだけ早期に庁内での議論を開始してじっくりと施策の検討をしていただきたいと思います。  次に、ただいま札幌市における地方再犯防止推進計画を策定いただけるとのことでありましたので、最後に、矯正施設や関係行政機関、更生保護団体との連携について質問したいと思います。  札幌市が再犯防止の取組を推進していく上では、これまでも様々な取組を行ってきた矯正施設等との連携は欠かせないものであります。とりわけ、刑務所や少年鑑別所などの矯正施設においては、自分が犯した罪の重さを自覚し、二度と同じ過ちを起こさないよう矯正処遇を行うほか、社会復帰に向けた様々な指導や支援を行っております。また、保護観察官や保護司などは、刑務所出所者などが、住む場所や仕事を見つけて地域社会の中で自立し、円滑に社会復帰ができるよう、保護観察をはじめとする更生保護の様々な活動をしております。札幌市が地方再犯防止推進計画を策定するに当たっては、特にこれらの方々と連携し、本市の実情に合わせた計画をつくっていくことが重要であります。  そこで、質問ですが、計画の策定に向けて、これらの矯正施設や関係行政機関、更生保護団体との連携をどのように行っていくのか、お伺いいたします。 ◎青山 地域振興部長  矯正施設や関係行政機関、更生保護団体との連携についてのご質問でございます。  まず、矯正施設や関係行政機関との連携につきましては、今年度は、札幌刑務所や札幌少年鑑別所において、施設での処遇や就労支援の状況を見学させていただきましたほか、法務省札幌矯正管区や札幌保護観察所との刑事司法制度や再犯の現状に関する勉強会を開始するなど、矯正施設や関係行政機関と札幌市との連携体制の構築がより進んだ1年となりました。また、更生保護団体との連携につきましては、過去に罪を犯した人の立ち直りを助け、再び犯罪や非行に陥ることを防ぐ更生保護の取組に関し、新年度に意見交換会の実施を予定しているところでございます。  今後、地方再犯防止推進計画の策定に当たりましては、さらに調査研究をしていくとともに、これら関係機関や団体の方々の経験や知識などに基づくご意見をいただく場を設けるなどして、計画の検討に生かしてまいりたいと考えております。 ◆村松叶啓 委員  罪を犯した人の立ち直りのためには、自らが犯した罪を真摯に反省し、これを償い、更生を決意し、自らが抱える問題を克服しなければなりません。こうした課題に対応するため、矯正施設では受刑者、少年院在院者に矯正処遇等矯正教育が実施されております。  また、地域の中で行われる更生保護においては、矯正施設や保護観察所等のパートナーとして、民間の保護司や更生保護施設の存在は欠かせません。本人の努力だけではなく、社会の中で居場所を見つけられるよう地域の環境をつくっていくために、矯正施設や関係行政機関、更生保護団体としっかり連携して、地方再犯防止推進計画の検討を進めていただきたいと思います。  また、先日の財政市民委員会において、私から犯罪被害者支援について質問をさせていただきましたが、犯罪被害者に対する支援と犯罪を行った人の立ち直りを支援する取組は相反するものにも見えますが、市民が安心して暮らせるまちづくりを進める上ではともに大変重要な取組であると考えます。  札幌市が来年度から実施する犯罪被害者に対する支援は、予期せぬ犯罪に巻き込まれた方に対する支援であり、市民理解も得やすいと思いますが、犯罪を犯した人に対する再犯防止の取組に関しては、なぜその取組が必要なのかということを市民の皆様にも十分理解していただくことが重要であると考えます。地方再犯防止推進計画策定の際には、市役所の各部局とともにじっくりと施策の検討を行っていただくとともに、市民理解の促進についても併せてご検討いただくことを要望して、質問を終わります。 ◆たけのうち有美 委員  私からは、次世代の活動の担い手育成事業についてと、男女共同参画の視点に基づいた広報の在り方についての大きく2点について伺います。  まず、1点目、次世代の活動の担い手育成事業について伺います。  札幌市の次世代の活動の担い手育成事業は、将来のまちづくりの主役である小学生から大学生などの若者に、ボランティア活動や地域との交流を通じてまちづくり活動を知ってもらい、実際に行うきっかけづくりを提供しているものであり、非常に有意義な取組であると考えます。  その中でも、小学生を対象とした取組では、まちづくりゲーム、MaGというものがあります。2016年につくられたと聞いていますが、人生ゲームのようなすごろく的なもので、まちづくりに関したクイズなどが書かれています。大人の司会者、ファシリテーターがいて、子どもの学びが深まるよう問いかけながら進行していくものです。まちづくりゲームは、毎年秋に開催されている市内の小学3・4年生を対象としたお仕事体験イベント、ミニさっぽろで体験することができます。私も、昨年10月にミニさっぽろの会場に行き、実際に子どもたちの様子を見てきましたが、子どもたちが自分で考えながらまちづくりを意識して取り組んでいる様子が見られました。また、このゲームは、小学校や児童会館にも貸出しを行っているとのことですが、昨年、小学校では初めて手稲区稲穂小学校の3年生が総合的な学習の一環として体験したと聞いています。  そこで、質問ですが、稲穂小学校が体験したまちづくりゲームを実施することになった経緯と、その効果について伺います。 ◎小島 市民自治推進室長  稲穂小学校におきまして、まちづくりゲームを実施することになりました経緯とその効果についてということでございますが、このまちづくりゲームでございますけれども、次世代の活動の担い手育成を目的とした小学生向けに、札幌市が考案、開発いたしましたオリジナルゲームでございます。  まず、経緯についてでございますが、昨年の2月、次世代の活動の担い手育成事業が教育専門誌で紹介されたことがきっかけで、稲穂小学校からどんなものか見てみたいとの打診がありまして、稲穂小学校では自分たちのまちについて学ぶ1年間の活動計画の中で、昨年11月に小学3年生86人全員に総合学習の教材として体験していただくことになったものでございます。  次に、効果についてでございますが、同小学校では、まちづくりゲームを体験した後に、学んだことをさらに深める学習の機会といたしまして、自分たちのまちをどのようなところにしたいかを考え、稲穂地区のオリジナルカードを考える取組を行ったというふうに聞いております。  このように、まちづくりゲームが小学校の総合学習という地域に近い現場で活用されることによりまして、子どもたちが、まちづくりについて抽象的に学ぶだけではなく、具体的に身近なまちづくりについて考えることにつながった、そうした効果があったと捉えております。 ◆たけのうち有美 委員  学習の中で子どもたちに身近なゲームという媒体を使うのは、大変ユニークで面白い試みであると考えます。  先ほどの答弁で、稲穂小学校の場合は、自分たちのまちについて学ぶ1年間の活動計画の中でまちづくりゲームを実施し、さらに、その後、自らのまちについて考える学習の機会として活用しているとのことでした。子どもの頃からまちづくり活動に身近に親しむことのできる環境づくりに寄与しているものと思います。  そこで、質問ですが、この小学生向けの事業は、今後も継続、拡大していくべきだと考えますがいかがか、伺います。 ◎小島 市民自治推進室長  この小学生向け事業の継続と拡大についてでございますけれども、札幌市といたしましては、様々な機会を捉えて、次世代を担う子どもたちに、町内会をはじめとした地域活動の大切さを知ってもらい、行動につながるきっかけにしてもらえたらというふうに考えております。  小学校で実施されます総合学習では、生活に結びついた様々な題材を取り上げていると聞いておりまして、その中の一つとしてこのまちづくりゲームをぜひ活用していただきたいという思いはございます。ただ、現状では、貸し出せるゲームの数に限りがありますが、より多くの小学生にまちづくりゲームを体験していただきまして、まちづくりについて学ぶきっかけとしてもらえるよう、各小学校から希望があれば可能な限り対応してまいりたいというふうに考えております。 ◆たけのうち有美 委員  実際に実践された稲穂小学校の先生たちにもお話をお伺いしてきましたが、自らのまちについて考える学習の機会としてまちづくりゲームが大変役に立っているとのことでした。子どもたちが楽しみながら学んでいる姿を写真でも見せていただきました。  学校現場は時間を生み出すのが大変厳しい状況であり、新しいことを取り入れていくのはなかなか難しい部分もありますが、今回実践された稲穂小学校のような例が増えていくことは大変望ましいことです。子どもの頃からまちづくり活動に身近に親しむことのできる環境をつくっていくためにも、今後、希望する学校が増えた場合にはしっかりと対応できるようにしていただくことを要望し、次世代の活動の担い手育成事業についての質問を終わります。  次に、男女共同参画の視点に基づいた広報の在り方についてお伺いします。  公的機関の広報は、市民にとって大切な情報源です。広報物の中で使われる表現は模範的であると受け取られることが多く、市民に大きな影響を与えます。特に、性別イメージの固定化は、家庭で広報物を見る機会のある子どもへの影響も大きいと考えます。  そこで、質問です。  札幌市では、男女共同参画社会の実現を目指すため、男女共同参画室が2004年に札幌市職員のための公的広報の手引きを作成しました。この手引をどのような目的で作成したのか、また、どのように活用されているのか、伺います。 ◎丹尾 男女共同参画室長  広報の手引きの目的と活用についてのお尋ねでございます。  札幌市職員のための公的広報の手引きは、札幌市の広報において男女共同参画の視点から望ましい表現を用いられるように、職員の認識を深めることを目的として作成したものでございます。この中で、例えば、広報上の留意点として、会社員をサラリーマンと表現したり、特定の職業を常に女性として表現したりすることは、性別による役割分担意識の固定化につながることなどを解説しております。  この手引につきましては、職員が広報物を作成する際のガイドラインとして活用できるように職員向けホームページに掲載いたしております。 ◆たけのうち有美 委員  手引作成の目的や活用方法については分かりました。  札幌市の広報物は、それぞれの局で責任を持って作成されていると思いますが、広報物の表現、特に使われているイラストに男女共同参画の視点が不足しているものもあると感じています。一例を挙げますと、多いのが、育児、家事、介護は女性の仕事であると連想させるもの、男性が中心的な存在で女性が周辺的な立場であるもの、子どものキャラクターで男の子が青系の服装、女の子が赤系の服装などです。実態に合わせたためとも考えられますが、性別による固定的な役割分担は、性別による差別的な扱いが行われたり、個性や能力を発揮する機会が奪われる可能性も多々あります。広報物を作成するそれぞれの局が、手引に記載されている観点に留意し、作成することが重要であると考えます。  そこで、質問です。  男女共同参画課として手引に記載されている内容が反映されるために、今後どのように取り組んでいく必要があると考えるか、伺います。 ◎丹尾 男女共同参画室長  手引の内容を反映させるための取組についてのご質問でございます。  男女共同参画の視点に基づく広報を行うためには、職員一人一人の中にある性別による固定的な役割分担意識を解消していくことが重要だと認識しております。  札幌市職員のための公的広報の手引きは、広報物を作成する上で基本となる内容を掲載したものであり、男女共同参画週間などの機会を捉えて改めて周知を図り、活用を促してまいりたいと考えております。加えて、eラーニングや研修による職員の意識醸成にも努めてまいります。 ◆たけのうち有美 委員  意識の醸成が何よりも重要ですので、その目的が達成されるよう、改めて取り組まれるとのことで、よかったです。  そのためのツールとしての手引は、チェックリストもあり非常に分かりやすいと思います。いま一度、各局が男女共同参画の視点を持ち、手引を活用して広報物の作成に当たっていただきたいと思います。多様性を尊重したまちづくりのためには、様々な視点が必要です。職員全体の意識が深まるよう、全庁的に広報の在り方を考えていく必要があると思います。  そこで、質問です。  男女共同参画の視点をはじめ、性的マイノリティーや障がいのある方、外国籍の方々など、多様性を尊重した共生社会に向けた広報の在り方について全庁的に取組を進めていくことが必要だと考えます。局がまたがる取組となりますので、副市長のお考えをお伺いし、私からの質問を終わります。 ◎石川 副市長  頂戴しました質問ですけれども、男女共同参画の視点に基づいた広報の在り方を全庁的にということでございました。  多様性に配慮したまちづくりを進める上で、行政による広報が果たす役割というのは大変重要となってまいります。加えまして、広報はもとよりでございますけれども、施策の立案、市民サービスの実施などあらゆる場面におきまして、委員からのお話にありましたとおり、男女共同参画、性的マイノリティー、障がいの有無、外国籍の方々など、様々な多様性に配慮した市政運営を行うことができますよう、職員の資質向上にも努めますことで、互いに尊重し合う持続可能な共生のまちづくりを進めてまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、2項目質問します。  1項目めは札幌市民交流プラザについて、2項目めは(仮称)札幌博物館基本計画に基づく整備推進事業についてです。  初めは、1項目めの札幌市民交流プラザについてです。  最初の質問は、稼働率について伺います。  同交流プラザには、札幌文化芸術劇場と札幌文化芸術交流センターが配置をされております。同交流プラザの中核施設であります札幌文化芸術劇場、hitaruでは、2018年、平成30年10月7日、8日の両日、イタリアオペラ「アイーダ」が上演され、来月、4月7日で開館1年半を迎えようとしております。同劇場、hitaruの年間稼働率は80%、貸し館事業で60%、主催者事業で20%と目標が設定をされております。  昨年の決算特別委員会において、同年10月から今年3月までの稼働率を質問し、答弁として、利用可能日数158日間のうち117日間の利用が予定されており、稼働率は74.1%とのことでありました。そのうち、主催者事業は34日間で稼働率は21.5%、貸し館事業は83日間で稼働率は52.5%とのことでございます。  そこで、質問ですが、札幌文化芸術劇場、hitaruの2019年度、令和元年度の稼働率はどのような見込みになるのか、伺いたいと思います。 ◎有塚 文化部長  札幌文化芸術劇場の令和元年度の稼働率の見込みについてのご質問でございます。  本年3月10日時点になりますけれども、年間利用可能日数が321日のところ、利用日数でございますが、主催事業が87日間、貸し館事業が144日間の合計231日となっておりまして、稼働率といたしましては72%となっております。 ◆ふじわら広昭 委員  次の質問は、新型コロナウイルス感染症による各ホール施設への影響についてであります。  今年度の稼働率は、先ほどもありましたように72%ということで、努力をしていることがうかがえるかと思いますけれども、一方で、昨今の新型コロナウイルスの影響により、文化イベントについても政府より中止や延期、また規模の縮小等の対応が要請される事態となっており、市所有の各ホールや劇場でもキャンセルが相次いでいると思います。  そこで、質問ですが、文化部所管の各ホール施設、例えば札幌文化芸術劇場、hitaru、また、教育文化会館、Kitaraコンサートホールにおいて中止や延期になった件数は何件なのか、また、キャンセル料の免除や主催事業を中心とした影響について、ホールのある施設ではどのくらいの収入減になるのか、見込みについて伺いたいと思います。 ◎有塚 文化部長  ホール施設の公演中止、または延期の状況等、収入への影響についてのご質問でございます。  各ホールの主催事業と貸し館事業を合わせた公演中止、または延期の件数につきましては、2月23日から3月末までの期間でございますけれども、札幌文化芸術劇場では予定されていた22公演のうち16公演、教育文化会館大ホールでは24公演のうち18公演、Kitara大ホールでは21公演のうち17公演となっております。  また、ホール施設の収入への影響についてでございますが、キャンセル料の免除や利用料金の返金対応によりまして、札幌文化芸術劇場、教育文化会館大ホール、Kitara大ホールの3ホールについて、合計で2,000万円超の収入減となる見込みでございます。  なお、主催事業を中止したことによる影響につきましては現在把握できておりませんけれども、今後精査してまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  文化部所管の各ホール施設におけるイベントの中止や、また、影響額が明らかになりました。  次の質問は、文化部所管の各ホール施設での収入減の対応についてです。  先ほども、その3施設では約2,000万円前後の損失、収入減が見込まれるということでありますけれども、札幌市としては、キャンセルなどに伴う収入減について、補填など、どのような対応を行う予定なのか、伺います。 ◎有塚 文化部長  キャンセル料等に伴う収入減の対応についてのご質問でございます。  キャンセル料が不要、または利用料金の返金の対応を行いました2月23日から3月19日までの期間につきましては、指定管理者のキャンセル料に伴う未収相当額を市が補填する予定でございます。  また、その他の期間ですとか主催事業の影響額につきましては、現時点で対応は未定でございますが、本市所管の指定管理施設に共通の課題でありますことから、対応については今後庁内で協議をしてまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  これは、今、部長からの答弁もありましたように、文化部だけではなくて、様々な施設が対象になるので、オール札幌として取組を早急に判断をして実行していかなければならないと思うのですけれども、特に、私は、この文化施設の関係について、現状を要望という形で申し上げておきたいというふうに思います。  部長からの答弁のように、3月19日までの利用キャンセル分については、利用料金の返済対応を行い、指定管理者への未収相当額を、市が今後補填を検討していきたいというような趣旨でありましたけれども、イベント主催者の中には、3月20日以降の開催予定についても、新型コロナウイルス感染症拡大防止への配慮から、中止または延期の判断をしている団体も多数おられ、そのような理由からのキャンセル料に対しても、3月19日以前と同様の返金対応を行うべきではないかというふうに私は考えているところであります。  また、2点目としては、事業の中止や延期を余儀なくされた主催者にとっては、チケット収入が失われる一方で、開催経費については一定の支払いが残るなどの負担が生じているものがあると思われます。小さな団体については、一つの公演の中止により運営が大変厳しくなることもあります。中には、札幌市内の地元文化芸術団体の中には、団員の中にお給料として月給を払っているところもあります。そういう状況からいけば、札幌市は中小企業に対しては様々な融資制度もいち早く打ち出しておりますけれども、私は、こういう芸術文化の分野におきましても、やはり、無担保・無利子の融資などを、早急に、やっぱりオール札幌の会議の中で検討して、実現をするためのメッセージを発していくべきではないかというふうに思います。  また併せて、振替公演時の優遇措置や、そうした一連の取組を、様々な支援というものを、引き続き早急に検討して具体化をしていただきたいというふうに思います。
     そのことを申し上げまして、次の質問は、今後の文化イベントについてでございます。  ホール公演など、次々と文化イベントの中止や延期などが続く情勢の中で、市民の心を癒やす文化芸術の活動はとても重要と言えます。他都市の状況を調べてみますと、無観客のコンサートを、インターネットを介して無料で配信された例が複数あります。  そこで、質問でありますけれども、今後、感染状況が落ちついてきた際には、市民が文化芸術に触れることができる機会をこれまで以上に充実させるなど、札幌市の文化施設を活用した積極的な事業展開についても今の段階から検討していくべきではないかと思いますがいかがか、お考えを伺います。  また、感染がさらに長く続くようでありましたら、Kitaraコンサートホールなどを活用して、コンサートの、インターネットを介した無料配信なども行うべきではないかと思うわけでありますけれども、どのように考えておられるのか、併せて伺いたいと思います。 ◎有塚 文化部長  文化イベントの積極的展開についてのご質問でございます。  市が主催するイベント、行事等につきましては、現在、不特定多数の方を対象とするものについては、当面の間、原則中止または延期としているところでございます。  ホール公演など様々な文化イベントの再開時期ですとか、事態の収束が長期化した場合における主催事業のあり方につきましては、今、委員のお話にもありましたとおり、他都市の事例ですとか市内の感染の拡大状況などを見据えながら検討してまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  ぜひとも、速やかな対応ができるように、札幌市も、また相手の文化団体もいろんな対策で大変お忙しいと思いますけれども、ぜひ、そういうきめ細かな対応をしていただくことを求めておきたいと思います。  次の質問は、指定管理初年度の事業内容についてです。  2020年度、令和2年度は、札幌市民交流プラザの次期指定管理期間の初年度となります。昨年12月の第4回定例議会において、新年度からの各指定管理者の議会承認が行われました。既に各団体における5年分の事業計画は提出されておりますけれども、昨年の決算特別委員会の質問に対する答弁として、市民交流プラザの今後5年間の基準管理費は、初年度が約10億4,000万円、その後の4年間は各10億3,000万円、そのうち、主催者事業が占める割合は5年間で全体の約1割強、単年度で2,500万円から3,000万円前後とのことでありました。  そこで、質問ですけれども、指定管理期間の初年度となります新年度は、文化芸術劇場ではどのような事業を展開するのか、伺いたいと思います。 ◎有塚 文化部長  札幌文化芸術劇場における事業展開についてのご質問でございます。  現指定管理期間におきましては、創造事業、鑑賞事業、普及育成事業、交流事業の4分野について事業展開をしてきたところでございますが、次期指定管理期間におきましてもこの4分野について多彩な事業を実施する予定でございます。  令和2年度におきましては、創造事業として、地元文化団体と新たな札幌発の舞台芸術創造事業を実施いたします。鑑賞事業におきましては、新国立劇場バレエ「眠れる森の美女」や、新国立劇場オペレッタ「こうもり」のほか、気軽に参加できる鑑賞機会として「hitaruのひととき」を実施いたします。普及育成事業におきましては、大学など教育機関との連携による公演に合わせた事前講座や、学生向け公開レッスンを実施するほか、青少年向け鑑賞事業を継続して実施いたします。交流事業におきましては、札幌文化芸術交流センター、SCARTSや図書・情報館との連携によりまして、プラザ全体で文化芸術に親しむ機会を創出していきたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  創造事業をはじめ、四つの事業を展開するということでありますけれども、私が以前調べた中で、東京都におきましても、こうした事業は以前から取り組んでおりますけれども、札幌と東京都は人口規模や予算も違いますから一概に比較はできませんけれども、この創造事業において、東京都は約50名の専属の職員というか、札幌市のように財団の職員だと思いますけれども、確保してやっております。  私は、そういう状況からいきますと、こうした事業を初年度から具体化をしていくためには、今後、少なくとも札幌市の文化芸術財団に最低10名ぐらいの人材をしっかり確保していかなければ、今、部長が言われたようなことは、なかなか実現が難しい要素があるのではないかということを指摘しておきたいというふうに思います。  次の質問は、支援内容についてでございます。  答弁の中でも、いろいろ、地元の団体との連携を図って舞台の創造事業などを実施していきたいということでありました。  そこで、質問でありますが、新たな指定管理期間において、地元文化団体をどのように支援していくのか、伺います。  また、地元文化団体にとってより利用しやすい施設であるためにも、利用料金への配慮も必要と思いますが、いかがお考えなのか、伺いたいと思います。 ◎有塚 文化部長  新たな指定管理期間における地元文化団体への支援についてのご質問でございます。  来年度より、市民交流プラザを活用した札幌発の舞台芸術を創造する事業を実施いたします。具体的には、令和2年度は、北海道二期会との共催によりまして、プッチーニ作曲オペラ「蝶々夫人」を実施する予定でございます。事業の実施に当たりましては、市民交流プラザが主催者となりまして、地元文化団体、教育機関、実演芸術家等の協力を得まして、企画制作から上演までの一連の創作活動を行います。また、オーディションによりキャストを決定するなど、団体の枠を超えた参加機会を地元アーティストへ提供していくということを考えております。  また、札幌文化芸術劇場でございますけれども、道内初の多面舞台や、最新の舞台設備を完備する施設でありますけれども、ニトリ文化ホールの1.1倍程度を基本とする料金体系としておりまして、ニトリ文化ホールでは設定がなかった様々な割引料金を設けているところでございます。具体的には、利用する客席数に応じて最大2割減額するほか、非営利団体が入場料を定額に設定した場合に最大5割の減額としてございます。また、設営、撤去やリハーサルにつきましては、3割の減額としているところでございます。  劇場は、会議や式典、コンサート、舞台演目など様々な用途にご利用いただく施設でありまして、今後も皆様が施設を利用しやすい環境とするために、スタッフによるきめ細かいサポートなど、利用サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  現在もいろんな減免をしているということでありますけれども、やはり、札幌、北海道においては、そういう文化芸術に接する機会がこれまで少なかったこともあって、いろいろな努力をされて公演をされてチケット販売もされているわけでありますけれども、例えば、札幌市の中では2,000円以下のチケットと2,001円以上のチケットでは利用料金が違いますけれども、私が言っているのは、地元文化団体というのはもうほとんどNPO、非営利法人だと思いますので、思い切った減免をして、チケット収入で得た利益については、その団体の運営とか、若い人をそこで育てていくとか、そうしたものに使えるよう、少しでも多くお金が回るようにしていくべきだということを指摘しておきたいというふうに思います。  次は、地元文化団体の意見聴取についてです。  昨年の決算特別委員会でも指摘をしましたが、事業を実施していくに当たっては、地元文化団体の意見を聞きながら実施することが重要と考えております。  そこで、質問ですが、その後どのように地元文化団体から意見聴取を行ったのか、また、今後どのように意見聴取を行っていくのか、改めて伺いたいと思います。 ◎有塚 文化部長  地元文化団体の意見聴取についてのご質問でございます。  これまで、劇場の企画専門委員会を通じまして、継続的に様々なご意見を頂戴してきたところでございます。2月に開催されました企画専門委員会では、多様なジャンルのアーティストが集結し、オペラをテーマとして新しい舞台芸術を展開したクリエイティブ・オペラ・ミックスにつきまして、これまでにない取組であるということで高評価をいただいたところでございます。  今後でございますけれども、劇場と文化芸術交流センター、SCARTSでそれぞれ開催をしておりました企画専門委員会を統合して再編するほか、舞台芸術創造事業において、複数の地元文化団体のメンバーによって構成される諮問会議を組織いたしまして、事業の企画段階から意見や提案を伺う機会を設けていくということにしてございます。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、昨年の決算特別委員会で、確かに企画専門委員会にも各ジャンルの代表者が複数入っておりますけれども、私が求めたのは、先ほどの答弁にもありましたように、新たな事業展開を、新年度以降、やっていく場合に、やはり、少なくても複数回、全部の地元の文化団体の代表者なり、それに代わる人を一堂に集めて、札幌市の考え方と、それぞれのジャンルの文化団体がどのように考えているのか、そうしたことを、しっかり意見を交換して共通の立場に立っていかなければ、四つの事業についてもできません。  例えば、先ほど答弁で、「蝶々夫人」が予定されているということがありますけれども、オペラとかオーケストラとか、いろいろな分野の方が出てくると思います。例えば、オペラの部分の中では、二期会が中心になってやるということでありましたけれども、いろんな団体が札幌市内にもあって、やはり一つの演目を表現するにも、やっぱり、いろいろなその流れの中で、必ずしも一致したものではないわけですよね。ですから、過去においても、10年ぐらいやってきた、そうしたいろんなジャンルの団体が、教育文化会館で取り組んできたことが、数年前に、やっぱり、そういう問題から、札幌市がきちっと対応しないから、それが空中分解というか、今はなくなっているのですよね。  ですから、やはり、そういうことを考えるのであれば、しっかりと、地元の文化団体の責任者に一堂に会してお集まりいただいて、札幌市が考えていることをしっかり説明して、理解をしてもらう、意見を出してもらう、そして、それに取り組んでいくということがなければだめだと思います。  最近では、主立った団体の若手、中堅クラスの人を集めた意見交換会をやっているかと思うんですけれども、私も、たまさか、ある場所で参加した方からお話を伺いましたけれども、やはり、どういうことを市がやろうとしているのか十分伝わってこない、だから、我々としてもどういうことを具体的にしていいのか分からない、それが、1回や2回の会議では、そんなことは、到底、十分、意見が出尽くしていかないということでありますので、やはり、そういう意味から代表者などの会議をやっていただきたい。  部長は、去年の決算特別委員会でも、個別的にやったと言うけれども、私は、個別はだめだと。やっぱり、団体の皆さんは市に対して弱い立場ですから、市からこういうふうに考えていると言われれば、なかなか、それをはね返すというか、こういうことも盛り込んでほしいというようなことは言えないわけですね。ですから、やはり、そういう配慮をしっかりしていただきたいというふうに思うわけであります。  次に、要望を申し上げて次の質問に移りますけれども、やはり、札幌市の芸術文化をしっかり育てていくためには、札幌市として何を重点に置いて強化をしていくのかということを、しっかりと打ち出していかなければならないというふうに思うわけであります。  例えば、北海道らしいという形での文化を提案して取り組んでいくとか、いろいろあるかと思うんですけれども、そうしたことを踏まえて、限られた補助金や助成金を、いい意味での差別化を図って、しっかりと、お金の使い道を、有効に取り組んでいかなければ、私は、いけないというふうに思います。  あと、最後は、先ほど部長の答弁の中にも、hitaruと交流センターの二つの企画専門委員会を統合するということでありましたけれども、私の承知している限りでは、この統合するということについても、地元の文化団体や関係者が、十分に、事前に連絡を受けていなかった、そういうようなことも情報として入っておりますので、今後は、しっかりと、どうやるのかについては、丁寧な説明、理解醸成を求めておきたいと思います。  次は、2項目めの(仮称)札幌博物館整備推進事業についてです。  最初の質問は、2020年、令和2年度の取組についてです。  札幌市における博物館の検討は、1986年、昭和61年に、札幌市の教育委員会において自然史系博物館の検討が始まり、この間、平成9年度に札幌市行財政改革推進計画に伴って、博物館活動を先行実施し、施設の建設については凍結が決定をされました。その後、平成10年度に、札幌市博物館建設準備委員会から開館準備活動計画に関する提言を受けて、平成13年度に博物館計画推進方針を策定して博物館活動センターを開設してきたわけであります。  平成23年度に、第3次札幌新まちづくり計画に新たな博物館計画策定を決定して、翌年度から次世代型博物館計画検討委員会を発足をさせて、平成27年度に新たな博物館に関する基本計画及び平成31年3月に札幌博物館展示・事業基本計画を策定してきているわけであります。  今年度は、博物館の諸室、いろんな部屋の構成や規模に関する検討に取りかかっているということでありますけれども、新年度予算では、他都市事例調査費として約250万円及び都心部イベントの実施として約350万円が計上されております。  そこで、質問でありますけれども、(仮称)札幌博物館整備推進事業について、新年度はどのような検討を実施するのか、伺いたいと思います。 ◎有塚 文化部長  令和2年度における(仮称)札幌博物館整備推進費についてでございます。  平成31年3月に策定いたしました(仮称)札幌博物館展示・事業基本計画を踏まえまして、諸室の構成や施設の規模、展示の内容や配置、展示に必要な面積など、施設に関する具体的な内容を定めたいと考えているところでございます。また、博物館建設候補地を中島公園に変更したことを受けまして、博物館全体の規模等についても算出をいたしまして、札幌市が定めるPPP/PFIの活用方針に基づいた検討にも取りかかりたいと考えているところでございます。  検討に当たりましては、国内では自然史博物館でのPPP/PFI事業の導入実績がないことから、科学館や美術館など他分野の類似の導入事例についても調査を行ってまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  しっかり調査をしていただきたいと思います。  次の質問は、都市公園法に関わる制約についてでございます。  これまで、博物館の候補地は、(仮称)札幌博物館基本計画において北1条西12丁目街区が候補地の一つとなっていましたが、昨年12月の第4回定例市議会の代表質問答弁で、新たな候補地の一つとして中島公園を検討していることが明らかになりました。理由としては、MICE施設の建設が決まったことや、札幌の自然、歴史、文化を体感できる、そして、交通の利便性が高いということが挙げられております。  そこで、質問ですが、中島公園内に博物館を造る上では都市公園法の制約も出てくるわけでありますが、都市公園法に関わる制約なども含めて、どのような制約があり、どのように解決していくのか、伺いたいと思います。 ◎有塚 文化部長  都市公園法による制約についてのご質問でございます。  まず、博物館は、都市公園法第2条第2項第6号、そして、都市公園法施行令第5条第5項第1号で規定されている教養施設のうち、陳列館として扱われておりまして、都市公園内に設置できる施設として位置づけられております。また、都市公園法及び札幌市都市公園条例で、都市公園内に設置できる施設の建設面積を規定してございます。そのうち、陳列館として扱われる博物館でございますが、都市公園の敷地面積の12%まで設置が認められておりまして、延べ床面積で1万から1万7,000平米を想定しております(仮称)札幌博物館は、十分、この中で対応が可能であると考えてございます。  一方、博物館の規模や位置によっては公園内の樹木が一部支障となる可能性なども想定されますが、そのような場合でもできるだけ影響を少なくする必要があるというふうに考えているところでございます。  中島公園は、都心の貴重な緑の空間でありまして、散策や子どもの遊び場等の様々な用途で利用されており、整備に当たりましては公園の施設であることを意識しまして、季節、天候を問わず楽しめ、幅広い層にとって学びの場、憩いの場となるように検討してまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  ただいまあった都市公園法の制約について、そういう認識で正しいかというふうに思いますけれども、やはり、ここで指摘をしておきたいのは、当然、これは、緑の審議会や都市計画審議会にも諮問されて判断、仮に中島公園ということになれば、札幌市が議会の理解も得て、そういう手続が今後必要になるわけでありますけれども、中島公園の告示面積は23万6,295平米となっておりますけれども、やはり、今、部長が、答弁でもありましたように、そこに建物全体として建てられる面積は約2万8,000平米として縛りがかけられていて、部長の言われるように残り1万4,000平米弱しか建物を建てられない。当然、その中でやっていかれると思いますけれども、やはり、ここは第1種住居地域に指定をされておりまして、高さ制限も33メートルと、ビルで言えば8階から9階で、大通近隣のデパートなどがほぼその高さに類似するものであります。  そういう意味では、今後、景観に配慮したり、また、樹木の伐採なども出てくるわけでありますけれども、市民からも、そうしたことについては、常日頃、大きな関心が寄せられております。中島公園内には既に25の施設がもうあるわけであります。そういう意味では、余り建物を建てていくと、中島公園そのものから、都市公園法の趣旨が失われていくことにつながるというふうに思いますので、ぜひとも、その辺を配慮していかなければならない。  また、駐車場についても、屋根つきのものは造れないということになっております。やはり、当然、大型バスが観光バスで来たり、社会見学での観光バスが来ることも想定されますので、やはり、公園の利用目的にやはり阻害しない形でしっかりとした分析をしていただきたいというふうに思うわけであります。  次の質問は、博物館における事業についてです。  平成31年3月に博物館展示・事業基本計画が策定をされて、博物館としての概要が少し市民や議会にも見えてきたかなと受け止めているわけでありますけれども、私ども民主市民連合は、この間も、博物館が市民に根強くしっかりと受け止めていただく博物館となるよう、リピーターを意識した活動が重要であるということを提言してまいりました。  札幌市は、博物館の分類も第1世代から第3世代までといろいろありますけれども、その第3世代の分類に、さらに、いわゆる情報通信や先端技術の利用、市民の教育、学術、文化とか様々なことを、市民参加の開かれた博物館という意味を含めて、先ほども申し上げましたけれども、次世代型博物館との位置づけをしているわけであります。  そこで、質問ですけれども、建設候補地の中島公園は緑が豊富なエリアですけれども、(仮称)札幌博物館ではどんな事業展開が可能となるのか、伺いたいと思います。 ◎有塚 文化部長  中島公園ということで、その地の利を生かした事業展開についてのご質問だと思いますけれども、博物館建設候補地を中島公園に変更したことを受けまして、まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2019において行うこととしております都心部イベントを中島公園を活用して実施することとしてございます。具体的には、公園内の緑ですとか、幌平橋の左岸において市民の活動により整備をされた河畔林でありますホロヒラタイを生かした体験学習会、鴨々川や創成川など札幌の土地やまちの成り立ちが感じられる見学会など、周辺環境を生かした事業を想定しているところでございます。  こうしたイベントを通しまして、実際のフィールドを生かした事業の検討を進めるとともに、事業に対するリピーターの確保などについても研究をしてまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  私も中島公園をいろいろ調べてみますと、札幌市内も全体がそうでありますけれども、樹木で言えば外来種、そうしたものもたくさんあります。中島公園には約5,000本近い樹木があるそうでありますけれども、その中で、やはり、結構、外来種が多い。私は、中島公園に造る場合であっても、また違う場所に建設される場合であっても、私どもが常任委員会とか会派で視察に行ったときには、ほとんどの自然史系博物館には、ビオトープという、そうしたものが設置をされております。ですから、そういうことも、ぜひ、検討されていると思いますけれども、そこに植える樹木は、外来種じゃなくて、在来種のものをしっかり取り組んでいただきたいなというふうに考えているところであります。  最後の質問ですけれども、学芸員についてでございます。  先ほども申し上げましたように、昨年3月に策定された博物館の展示・事業基本計画では、導入展示や三つのテーマに分かれた各展示の概要が示されております。例えば、導入展示では、北緯43°の街、キーワードは札幌を学び楽しむヒント、テーマ1、2、3とそれぞれありますけれども、こうしたことを具体化していくためには、札幌市は、ここでうたっている巨大生物の世界の化石とか、針葉樹と広葉樹が混成する森林と森に集まる動植物、豊平川の生態系や札幌のまちの成り立ちなど様々な展示が検討をされているわけでありますけれども、現在、札幌市の博物館活動センターには、平成10年度に採用された古生物学と、平成13年度に採用された植物学の学芸員2名が活躍をされているわけであります。  そこで、質問ですけれども、今後、博物館整備を進めていく上で、また、今後の運営を見据え、例えば動物、昆虫、地質、気象などの様々な分野の学芸員が必要だと思いますけれども、どのような分野の学芸員が現段階で必要と考えておられるのか、伺いたいと思います。 ◎有塚 文化部長  どのような分野の学芸員が必要かというご質問でございます。  (仮称)札幌博物館は、石狩低地帯形成の1億3,000万年前から現在まで、自然史の観点から札幌の自然、歴史、文化を明らかにすることを目的にしております。(仮称)札幌博物館展示・事業基本計画におきまして、巨大化石や積雪地札幌の多様性に富んだ植生、動物や昆虫、そして市街地の形成と自然の移り変わりなど、自然史の観点から様々な展示の展開を想定しているところでございます。  現在、博物館活動センターには、委員のご質問にもありましたとおり、古生物学及び植物学の分野の学芸員が各1名おりますけれども、こうした展示の展開に必要な、これも今ありましたけれども、動物学や昆虫学、気象学などの分野について、札幌の特殊性を研究できる学芸員が必要であるというふうに考えているところでございます。  また、他館の例を見ますと、市民と研究者をつなぎ、博物館を楽しんでいただくための博物館学、それから、資料を適切に保存し、活用していくための保存科学などの学芸員を配置している、そういった博物館もございまして、こうした分野の学芸員の必要性についても今後研究してまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。  1点目は、現在、札幌市の博物館活動センターには、基礎資料は1次、2次の資料を含めて約9万点あります。収集、保存されていますが、資料の分野は動植物が90%以上と偏っております。また、同活動センターの収蔵スペースも極めて狭い状況に、今、なっているわけであります。今後は、資料のデーターベース化や標本を扱う技術者、例えば、標本士など保存・管理技術者の配置を求めておきたいと思います。  また、自然史分野を中心に必要な分野及び魅力的な展示やプログラムを創造し、実施する学芸員の早期確保を求めておきたいと思います。  また、博物館の建設に当たっては、大規模な展示ができる展示室及び収蔵庫は、将来を見据えて広いスペースを確保すべきだというふうに指摘をしておきます。  また、建設と運営についても答弁がありましたけれども、建設については直営と民間活力を活用したもの、また、独立行政法人の中から判断することになると思いますけれども、私は、市の職員として採用する学芸員との関係からいきますと、札幌市の自然史系博物館を将来にも存続していく上では直営が妥当ではないかと思うわけであります。  今後も、中島公園ありきではなくて、今後の1〜2年は重要な検討時期となりますので、幅広くそうした道外の施設も含めた対応をして候補地を絞り込んでいただきたい。  同時に、最後でありますけれども、国内や海外との博物館とも、やはり、姉妹提携というようなものも今からしっかりと取り組んで、様々なノウハウや連携をとって札幌市民や訪れる観光客の方にも魅力のあるものにしていただきたい、このことを申し上げて、質問を終わります。 ◆石川さわ子 委員  私からは、野外彫刻の保全について、3点伺いたいと思います。  1点目は、2019年度に行った調査結果の詳細について、それから、2点目は、調査結果の活用と2020年度の取組について、3点目は、日常管理や予防保全について伺いたいと思います。  札幌には、大通公園など四季折々の美しい自然環境を背景に、数多くの野外彫刻が設置されておりまして、町なかの美として市民や観光客に豊かな潤いをもたらしております。  私は、2016年、それから、2019年の予算や決算特別委員会におきまして、設置から数十年経過している野外彫刻の深刻な劣化状況を踏まえて、速やかな、かつ本格的な保全の取組を求めてまいりました。2018年9月の胆振東部地震による野外彫刻への被害が心配されていましたが、緊急点検の結果、倒壊や著しい被害報告はなかったとのことでありましたが、その2カ月後、中央区にあるの高さ1.9メートルのコンクリート彫刻が、点検中に台座から落下をし、職員がけがをされました。  地震の影響はしばらくたってから出てくることが多いとのことであり、そうした危険性もあるということを踏まえて、札幌市は、2019年度、市が管理する415点の野外彫刻作品の保全調査事業を行ったと認識をしております。その調査では、損傷の度合いや必要な補修項目を把握するとともに、倒壊や落下等のおそれが高く、早急な対応が求められる作品の有無について調査し、管理台帳に集約したと聞いております。  今月3月2日の財政市民委員会におきまして、この調査事業の繰越明許費の議案審議があり、その際、調査結果についての市の説明によりますと、415点の野外彫刻作品を、損傷の度合いをAからDの4段階評価で分類したところ、補修が必要というレベルDは139点とのことでありました。  そこで、1点目の質問でありますが、評価結果のレベルDについては補修が必要という分け方でありますが、139点の作品ごとの劣化状況の内容や程度によって評価には差が生じているものと考えますが、どのような結果であったのか、その詳細について伺います。 ◎有塚 文化部長  調査結果の詳細についてということで、D評価のさらに詳細ということでございます。  今回の調査では、何らかの補修を要するとされたD評価の作品139点のうち、さらに4段階に分けまして、まず、損傷の内容や程度によりまして、目地やコーキング切れなどごく軽微な劣化が認められる状態として40点、剥離、欠損、ひび割れなど軽微な劣化が認められる状態として62点、これらの損傷が複合して著しい劣化が認められる状態として28点、そして、著しい劣化が認められ、第三者への被害が懸念されるため早期対応を要する状態として9点という、こういった評価を受けてございます。 ◆石川さわ子 委員  点検の結果、損傷がごく軽微なものから著しい劣化のものまであったというご報告でありました。また、そのレベルDをさらに劣化の度合いによって4段階評価に分けたということでありまして、Dレベルの139点の中で著しい劣化が認められた作品は37点もあるということで、また、そのうちの9点は、第三者への被害が懸念されるために早期対応を要する状態だということであります。  彫刻作品の補修や移設などの対応方法につきましては、安全性はもとより、芸術性や技術の専門性、制作者の意向などを勘案しながら慎重に検討する必要があるというふうに聞いております。実際に補修などを行う場合には、作家や遺族の方の承諾が必要であり、また、修復できる施工業者が少ないなど課題も多いというふうに伺っております。しかし、調査によりまして、ようやくこの野外彫刻の老朽化の深刻な状況が一元的に明らかになったことから、財政措置をしっかりと行い、速やかに、かつ計画的に補修等を行っていくべきと考えるところです。  札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2019におきましては、野外彫刻作品保全推進事業として2019年度予算に計上された調査費及び2020年度以降、2022年度までに行う補修移設費等の経費として3,000万円の事業費が計画をされております。  そこで、2点目の質問でありますが、今回の調査結果を、今後、野外彫刻の保全に向け、どのように活用していくお考えであるのか、また、2020年度はどのような取組を行うのか、伺います。 ◎有塚 文化部長  調査結果の活用と新年度の取組についてのご質問でございます。  まず、今回の調査では、市が管理する野外彫刻の損傷状態などについて一定の基準による分類を行いまして、優先的に補修などの対策に着手すべき作品を明らかにすることができたというふうに考えてございます。特に、その著しい劣化が認められた作品につきましては、委員のお話にもございましたけれども、今後、作家ご本人や彫刻補修に実績のある業者など専門家から助言を受けながら、補修や移設などの具体的な対応策について所管部局と検討を進めていきたいと考えております。  新年度におきましては、高所作業車などを用いた壁面彫刻の安全点検などの追加調査を実施いたしますほか、600万円の予算を計上いたしまして、2点の彫刻作品の補修に着手する予定であります。 ◆石川さわ子 委員  調査結果に基づきまして具体的な補修作業が計画されているように伺いましたので、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。劣化の状況によりまして優先順位を立てるというところは理解もするところでありますし、必要な補修を計画的に最後までしっかりと行っていただきたいというふうにも思いますます。  このたびの野外彫刻の調査事業の内容や結果は、彫刻の安全性だけではなく、今後の野外彫刻の保全に向けた、全国的な指針につながるものではないかというふうにも、私は考えます。大切な文化芸術を次世代につなぐ展望をしっかりと持ち、調査結果を生かす取組の展開をさらに期待するところです。  3点目に、日常の管理や予防保全について伺いますが、先ほど来のご答弁のように、調査の結果、予算措置と併せて、補修する野外彫刻が具体的になったことは大変よかったというふうに思う一方で、著しく劣化するまで彫刻に手をかけることができなかったということも、私は、事実だというふうに思います。  もちろん行政として何もしていなかったわけではなく、文化部では、2013年から2年がかりで野外彫刻の全庁的な調査を行い、設置場所や破損状況等の把握はしております。しかし、所管部局からの補修の問い合わせに対応はしても、結果的に予算等の理由から修繕などの対応には至らなかった場合が多々あったと承知をしております。やはり、今回の調査結果を生かすためには、公園や学校などに設置されている野外彫刻を日常管理している所管部局と結果の情報を共有した上で、構造的に限界が来てから補修するのではなく、その前に補修する予防保全の考え方で日常管理を行うことが重要と考えます。
     また、全ての野外彫刻が芸術作品であり、重要な観光資源でもありますことから、たとえ安全上は大きな問題がないものでありましても、作品の一部が破損していたり、鳥のふんなどが付着したまま放置されているようでは、札幌の文化度が問われると思います。そうした思いから、30年以上にわたり、野外彫刻の点検や清掃、補修などを行ってきた市民団体の活動は大変貴重でありまして、保全に向けては、こうした方々の実績やノウハウの力を生かしていただきたいと思います。  そこで、3点目の質問でありますが、彫刻作品を適切に次世代に引き継ぐためには、文化部が中心となって、今回の調査結果である管理台帳を所管部局と共有するとともに、予防保全の観点からも、民間とも協力して、小まめな補修や清掃などの日常管理を継続して行っていくことが重要だというふうに考えますがいかがか、伺います。 ◎有塚 文化部長  日常管理や予防保全についてのご質問でございます。  野外彫刻の維持管理や補修を行うに当たりましては、安全措置だけにとどまらず、芸術作品として日常的に適切な管理を行うということが重要であるというふうに認識をしてございます。  昨年度、庁内の野外彫刻所管部局により開催した会議におきましても、彫刻美術館の学芸員から作品の日常メンテナンスに関する情報提供を行うなどの取組を行っているところでございます。  今回の調査では、野外彫刻の安全点検結果を管理台帳として整備をしたところでございますけれども、今後も、市民団体の方ですとか専門家の協力も得ながら、所管部局とともに、野外彫刻作品の日常的な維持管理に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆石川さわ子 委員  最後に、要望を申し上げて終わりたいと思いますが、所管部局と、そういう全庁的な会議の中での情報共有をしているということも大きな前進だというふうに思います。  ブロンズの耐久性は数千年というふうに伺っておりますけれども、ブロンズ彫刻本体と台座を結合しているボルトの腐食が、風雪や凍結防止剤等によって進んでいるというふうに専門家の方が指摘をされております。今回の調査ではそのボルトの腐食状況の確認には至っていないというふうに思いますが、長年、彫刻や台座の亀裂を観察してきた市民団体の方々は、台座の接合部の亀裂やボルトの腐食を大変懸念しておられまして、早急な補修の要望も市に提出をされていると思います。今回の調査で、D3やD4というランクで著しい劣化と評価された野外彫刻は、どれも、腐食、ぐらつき、ひび割れ、亀裂など、安全性において厳しい評価となっておりますことから、早急に計画的な補修等の対応を進めることを求めたいと思います。  大切な野外彫刻をしっかりと次世代に引き継ぐため、今後も、文化部が野外彫刻の所管部局の中心となって、専門家や修復施工業者、市民団体の方々のお力もお借りして、しっかりと協議を行いながら、一歩一歩着実に野外彫刻の保全の取組を進めることを強く求めて、私の質問を終わります。 ○池田由美 委員長  以上で、第2項 市民生活費中市民文化局関係分等の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、3月18日水曜日午前10時から、消防局、危機管理対策室及び総務局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後3時55分...