札幌市議会 > 2019-10-11 >
令和 元年第一部決算特別委員会−10月11日-05号
令和 元年第二部決算特別委員会−10月11日-05号

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  1. 札幌市議会 2019-10-11
    令和 元年第一部決算特別委員会−10月11日-05号


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    最終取得日: 2021-04-26
    令和 元年第一部決算特別委員会−10月11日-05号令和 元年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第5号)               令和元年(2019年)10月11日(金曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34名     委 員 長  小 竹 ともこ      副委員長   田 中 啓 介     委   員  武 市 憲 一      委   員  三 上 洋 右     委   員  高 橋 克 朋      委   員  山 田 一 仁     委   員  細 川 正 人      委   員  よこやま 峰子     委   員  飯 島 弘 之      委   員  北 村 光一郎     委   員  松 井 隆 文      委   員  村 松 叶 啓     委   員  小 田 昌 博      委   員  藤 田 稔 人     委   員  小 野 正 美      委   員  ふじわら 広昭     委   員  桑 原   透      委   員  山 口 かずさ     委   員  中 村 たけし      委   員  松 原 淳 二     委   員  成 田 祐 樹      委   員  うるしはら直子     委   員  たけのうち有美      委   員  田 島 央 一     委   員  國 安 政 典      委   員  福 田 浩太郎     委   員  小 口 智 久      委   員  前 川 隆 史
        委   員  森 山 由美子      委   員  太 田 秀 子     委   員  池 田 由 美      委   員  長 屋 いずみ     委   員  佐 藤   綾      委   員  石 川 さわ子       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○小竹ともこ 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、小須田委員からは藤田委員と、村上ひとし委員からは太田委員と交代する旨、それぞれ届け出がありました。  それでは、議事に入ります。  第9款 教育費 第1項 教育委員会費から第9項 学校整備費まで及び第12款 職員費 第1項 職員費中関係分について、一括して質疑を行います。 ◆佐藤綾 委員  私からは、高等学校生徒通学費助成制度とALTについて質問いたします。  初めに、高校生の通学交通費助成制度について、幾つか質問いたします。  2018年4月から実施されている高校の通学費用の助成は2年目となりました。通学定期代が月額1万3,000円を超えた分の半額を助成するというものです。高校授業料の無償化とはいえ、私立高校では授業料もかかり、子育て世代には経済的に負担が大きいことから、市民に喜ばれている制度であり、お金の心配なく学べる環境をつくっていくことは、子どもの学ぶ権利を保障する上でも大切な自治体の役割です。  そこで、質問ですが、2018年度の高校生の通学費助成の実績についてお伺いいたします。 ◎早川 教育推進・労務担当部長  高等学校等生徒通学交通費助成制度の平成30年度の実績についてのご質問でございますけれども、高等学校等生徒通学交通費助成制度につきましては、子育て世代の家計の負担の軽減を図るとともに、自宅から離れた高校等に通学する生徒の定期券代を支援することによりまして進路選択の幅を広げることを目的とし、平成30年度から制度の運用を開始したところでございます。  初年度であります平成30年度におきましては、4月にホームページや電話による申請の受け付けを開始し、10月とことしの4月の2回にわたり、支給を行ったところでございます。その結果、助成の実績は、支給人数で合計583人、支給総額で約966万円となったところでございます。 ◆佐藤綾 委員  新規事業として制度の計画時、2015年10月の決算特別委員会で5,400人程度を想定と学校教育部長が話されておりましたが、開始された昨年度は、583人がこの制度を利用しており、総額で966万円ほどとのことでした。市の区ごとの内訳を見ますと、清田区が104人と一番多く、次いで、南区と中央区の83名となっております。清田区は、地下鉄もJR路線もなく、乗り継ぎが多く、通学費が高い、また、南区は、制度創設の前から要望が高かった地域で、地下鉄のある真駒内から定山渓まで広範であり、バスの運賃が高いことが利用者数の多い理由かと思われます。市内でも、やはり、交通網の弱い地域が経済的な面でも住民の大きな負担となっていることがうかがえます。  ただ、当初の想定より少ない利用者数であることからも、制度の周知、PRで多くの方に知っていただくことが重要であると思います。生徒はもとより、広く市民が知ることで、札幌市は高校生にこうした支援を行っていることがわかり、進学時に選択の幅が広がることにつながりますし、また、該当する多くの生徒が支援を受けてこそ、この助成制度の意義ともなると思われます。  そこで、質問ですが、高校生の交通費助成制度について、どのような方法で、宣伝、PRを行ってきたのか、お伺いいたします。 ◎早川 教育推進・労務担当部長  高等学校等生徒通学交通費助成制度に係る周知に関してのご質問でしたが、制度開始前におきましては、広報さっぽろでの周知に加えまして、札幌市内の中学校と石狩管内の高等学校に対し、制度の概要や申請方法等について説明を行うとともに、リーフレットの送付を行ったところでございます。また、平成30年度においては、改めてリーフレットを作成し、周知を図ったほか、地下鉄の駅やスーパーマーケットなどへのポスターの掲示に加えまして、ラジオ番組でのPRや路線バスの車内アナウンスを活用するなどの周知を行ったところでございます。  今後も、さまざまなPRの方法を工夫しながら、より広くこの制度が必要とする生徒に普及するよう努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆佐藤綾 委員  先ほど、バスの車内アナウンスによる広報もお伺いしました。じょうてつバスでは車内アナウンスがあることをお聞きしましたけれども、ほかの中央バスやJRバスでもしていくことも有効ではないでしょうか。また、地下鉄、市電でも使えるツールではないかと思います。  そして、掲示板では、高校の校舎内にポスターを張ることはもちろん、中学校にも、また、スーパーなどもございましたが、地下鉄駅だけではなく、バスターミナルやJR駅にも張っていただくなど、広い取り組みとしていくことは可能だと思います。さらに、SNSも高校生のツールですので、この活用も有効ではないでしょうか。ぜひ、広く周知し、制度の活用につなげていただきたいと思います。  次に、助成基準額についてお伺いいたします。  この10月から消費税が10%へ増税となり、市内バス、地下鉄、市電の値上げとともに、JR北海道では札幌近郊を中心に30%以上もの大幅な値上げがありました。10月に入って、JR駅の券売機の前で、こんなに上がったのと会話する親子の姿も見ておりますが、市民が驚く金額でした。消費税増税に伴い、食料品や日用品も実質は値上げされ、軽減税率の期間は未定ですけれども、市民生活にとって大きな負担となることは明白です。高校生は育ち盛りで食費もかかり、被服費や、部活動をしているとそれらの費用、部によっては遠征費なども多額の場合があり、参考書や塾などの教育費にもお金がかかる、また、進学を目指す場合は大学や専門学校の費用をどうしようと悩むなど、経済面が大変なことは子育てを経験した方は実感してきたと思います。  この制度は、石狩管内に区域を限定しておりますが、岩見沢、小樽、苫小牧など、遠くへ進学している生徒もおります。該当の区域を広げること、また、現在1万3,000円の基準額の見直しと、基準額以上の半額の助成も8割にするとか全額にするなど、引き上げも検討すべきではないでしょうか。高校生の活動や学ぶ環境を支援していく上でも、本市の支援は重要なものです。市民生活が大変なときだからこそ、対象となる生徒をふやし、目に見える形で市民の暮らしを応援していくことが必要だと考えます。  そこで、質問いたしますけれども、まず、高校生通学交通費助成の基準額1万3,000円を引き下げ、対象生徒をふやすべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎早川 教育推進・労務担当部長  現在の基準額の見直しについてのご質問でございますが、基準額を含めた制度の内容につきましては、この助成制度を創設後、間もないことから、助成の実績や財政状況等も踏まえた上で、今後、引き続き検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆佐藤綾 委員  高校生の子がいる方から、学校の休みなどの関係で購入時期がずれて、それが給料日直前だと、数日は現金で通学して、給料日後に購入するといったことも聞いております。  2016年3月の予算特別委員会の質疑によると、高校生の定期代の平均が約8,800円、一番多いのは6,000円から7,000円ということでした。現在は値上げもあって上がっているかと思いますけれども、1万3,000円という基準額は、一番多い定期代価格帯の約2倍となります。通学費が高く、負担の多い世帯に子育て支援の手を差し伸べることは、市民の賛同を得られると思います。基準額を引き下げて、多くの子育て世代に喜ばれる制度として、ぜひ拡充していくべきと申し上げまして、高校生の通学助成制度についての質問を終わります。  続けて、ALTについて質問いたします。  1987年に、外国青年招致事業、いわゆるJETプログラムが国によって開始され、外国語指導助手、ALTを英語教育に組み入れ、30年以上が経過しました。本市でも、当初、姉妹都市ポートランドなどから数人を迎え入れて英語教育に携わることから始まり、2001年には25名だったものが、今年度は125名となり、198の小学校、74の中学校、高校7校へ派遣されております。また、ALTのうち、35名は交付税措置がある教育センターに所属するJET、そして、85名が派遣契約のNON−JETという割合になっております。  2016年には、ALTの業務委託契約を落札した会社が人材を集められなかったため、契約時の条件が満たせず、札幌市は契約を解除し、市立の全小学校201校と中学校の71校が5月から予定していた授業がおくれ、7月からの開始となるなどの影響があったことは記憶に新しいところです。同年5月の道新記事では、ALTを確保できず、業者との契約解除は初めて、道教委によると道内他都市でも例がない、人材確保ができなかった要因として、給与や有給休暇など待遇面で問題があったことなども報道されました。  2016年の3定の我が党の代表質問で、当時の長岡教育長は、ALTの役割は、子どもたちが英語で積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度や能力を身につけるとともに、外国の文化について理解を深めると認識していると答弁されています。子どもたちが、英語を母国語とするALTのネーティブな発音をじかに聞き、国際交流、文化交流で、文化圏の違う方から、英語だけでなく、さまざまなことを学び、国際理解にも重要な役割を担っていると考えます。  そこで、改めて質問いたしますが、ALTの英語教育における役割とは何か、ALTの位置づけをどのように評価されているか、お伺いいたします。 ◎相沢 学校教育部長  ALTの位置づけと役割についてということでお答えいたします。  外国語指導助手、いわゆるALTは、英語を母語とし、小学校外国語活動及び中学校等の外国語の授業において、指導助手としての職務に従事しているところでございます。具体的には、ネーティブスピーカーの立場から、担当教員の指導を補助するほか、教材の作成補助に当たるなど、英語教育の充実を図る上で重要な役割を果たしているところでございます。 ◆佐藤綾 委員  外国の方と直接触れ合い、また、ネーティブスピーカーとして、発音を学ぶ子どもたちにとっても大変貴重な経験となると思います。  その仕事を担っているALTの契約形態についてお伺いいたします。  請負という業務委託から、今年度、派遣契約となりました。  2016年3定での代表質問で、長岡教育長は、業務委託について、経験や研修を積んだ優秀な人材が多く、急な帰国や退職の際にはかわりのALTが対応できるなど、子どもたちにとって効果的で安定的な指導を行うことができる利点があると答弁されていました。  これは、契約解除の問題があった年です。大手の会社でしたが、人材が集められず、対応ができなかったことは衝撃でした。当時のALTは、急な契約解除で仕事がなくなるなど、生活苦に陥った方もいるという報道もありました。学校現場も混乱し、新学期、5月から行うはずであった授業が7月におくれたことは、子どもたちが一番大きな影響をこうむった、その分、学べるはずの機会を奪われることになりましたが、そうしたデメリットが浮き彫りとなりました。  また、業務委託契約では、学校現場で授業の相談をすると偽装請負ともなることから、文科省から、請負契約では学校の指揮のもとに従事すると法令違反となるという指摘とともに、すぐれたALTについては正規教員としての採用を図るなど、外国語の指導体制の充実に努めるよう通知もありました。  我が党は、請負となる業務委託契約では、ALTは学校現場で先生と直接相談できず、チーム・ティーチングに支障があることを指摘し、先生とALTが綿密な話し合いのもとで進めることができ、より豊かな授業にするために直接雇用にすることを求めてきたところです。また、給与、待遇が、JETとNON−JETで大幅に違うことから、賃金、社会保険加入などについても改善できるよう、直接雇用をしているさいたま市や大阪市など他都市も参考にし、実施するよう提案してまいりました。  2016年3定の代表質問で、教育長は、ALTの雇用形態につきましては、優秀な人材や授業における指導水準を確保するなどの観点を踏まえ、引き続き検討してまいりたいと答弁され、同年10月の決算特別委員会では、我が党委員の質問に対し、学校教育部長は、ALTの人材確保の方法につきましては、それぞれメリット・デメリットがございますことから、今後、他都市の取り組みなどを参考にしながら、引き続き検討していきたいと答えております。そうしたことで、契約形態の見直しが検討されたのではないかと思います。  そこで、質問いたしますが、ことし、ALTが業務委託から派遣契約へと変更したことでどのような変化があったのか、お伺いいたします。 ◎相沢 学校教育部長  民間委託によるALTの契約を請負契約から労働者派遣契約へ変更したことによる変化についてでございます。  今年度からの派遣契約では、学校がALTに直接業務の指示ができるようになり、あわせて、教員とALTが協力して行うチーム・ティーチングの授業も可能になったところでございます。さらに、授業時間以外も勤務時間としたことにより、児童生徒が英語を使ってALTと交流する時間がふえるなど、より柔軟な対応が可能となったところでございます。 ◆佐藤綾 委員  生徒とのかかわりなど、学校現場で臨機応変にやりやすくなった、授業内容が相談できるというお話は、私もALTとして働く方からお聞きしております。チーム・ティーチングの面でも前進であると考えます。そうしたことから、やはり、請負という業務委託から派遣にかわり、改善が見られたと思います。  しかし、ALTの処遇面は、実際はほとんど変わっていないことをご存じでしょうか。私が直接お聞きしたところ、給与面では、夏休み、冬休みの長期に授業がない間、以前は、月給が下がり、大変だったことがありましたが、5月から2月の10カ月間は平準化され、長期休みでも変わらない給与となりました。しかし、社会保険や税金を引かれるので手取りは20万円を下回る、3月と4月は、入学、卒業、進級時ですが、月給が9万円以下になるとのことです。これでは生活ができません。  また、契約形態も、週40時間働く方は社保がつき、29.5時間の方は社保がつかないと説明されたそうで、その間がありません。週30時間を超えると社会保険を付与することになりますから、明らかにぎりぎりの時間を設定していると考えられます。こうした待遇面で会社と話しても、教育委員会との契約となっているからと言われてしまうそうです。  そうした中、生活が大変となり、体調を崩し、病院へ行くのにお金がなく我慢する、歯医者には日本に来てから一度も行っていないということもお聞きしました。母国の大学で教育の資格を取り、日本が好きで、子どもが好きで、日本で教えることに希望を持って来日したという方です。また、教える環境についても、1人で週6校回る人もいる、プランニングが大変で、学習に使う道具を作成する時間は給与に反映されない、1年目でも5年目でも、経験があり、資格があっても、同じ給与であり、努力が認められていないと感じる、キャリアアップもできず、やめてしまった人もいるし、そう思いながら働いている人もいるというお話でした。ことし4月から9月までの間に、知っているだけで6人のALTがやめられたそうです。  JETのALTは、給与も全国一律で、週35時間勤務、月に30万円ということですが、NON−JETの場合は、現在、週40時間勤務で基本給が22万円以下の契約です。これまで、教育委員会は、民間委託で優秀な人材も多くが確保できると言い、労働条件は雇用主との労働契約によるもので、教育委員会は入れないとの答弁でしたが、教育委員会が契約した業者の雇用主なのです。国が英語教育に力を入れ、小学3年生から授業に取り入れられており、ALTは、今後も学校教育の場で重要な立場となっていくでしょう。安定した収入や社会保障がなければ、優秀な人材は育たないし、優秀な人材は札幌に来てくれないということにもなってしまい、2016年の契約不履行のようなことが再び起きないとも限りません。そこで一番の被害を受けるのは、子どもたちの学ぶ権利です。  そこで、質問ですけれども、札幌市として、ALTを直接雇用にすべきだと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎相沢 学校教育部長  ALTの直接雇用についてでございますが、民間委託によるALTにつきましては、今年度、新たに2年間の派遣契約に変更したところであり、今後、ALTを活用した授業の内容等についてどのような改善が見られたか、学校現場の声を聞くなどして、その効果について検証していく考えでございます。  ALTの効果的な配置につきましては、札幌市の子どもたちや学校にとって、より一層充実した英語教育となるよう、他都市の動向等も踏まえながら引き続き検討してまいりたいと考えております。 ◆佐藤綾 委員  請負から派遣となり、入札も総合評価方式で行われ、一定の改善点はあったと思います。  しかし、ALTで札幌に来ている方たちは、真面目に教育にかかわり、日本の子どもに生きた英語を教えると意欲を持って来日した方がほとんどです。労働実態に鑑み、そうした思いに答えていくためにも、教育委員会としてALTの処遇や生活の状況をつかむことが必要ではないでしょうか。また、現場でチーム・ティーチングが円滑に行われ、豊かな授業で子どもの学びを高めていくためにも、直接雇用を進めるべきと申し上げます。  ALTがAETと呼ばれ、まだ8人しかいなかった1996年、「札幌市で安心して生活をして、また各学校での授業の中で存分に力を発揮できるように、私ども教育委員会並びに受入れの学校の先生方にお力をかしていただきながら、AETの方にアドバイスを与えたり、温かい人間関係が生まれるような配慮をこれから一層深めて、高めてまいりたいと、このように考えております」と、当時の指導室長が予算特別委員会で答弁されております。こう言われたように、教育委員会、学校の職場で、ALTの皆さんと温かい関係性を築いていくことも大切であることを述べまして、私の質問を終わります。 ◆小田昌博 委員  私からは、タブレット端末の整備状況と活用について、2点質問いたします。  1点目は、小・中学校におけるタブレット端末の整備状況について伺います。  急速な時代変化の中で、情報化が進み、小・中学校の学習の中でもICTを積極的に活用することが求められています。  令和2年度から、順次、実施されます新学習指導要領においても、各学校において、コンピューター情報通信ネットワークなどの情報手段を活用するために必要な環境を整え、これらを適切に活用した学習活動の充実を図ると明記されています。文部科学省が定めたICT環境の整備方針でも、児童生徒が、学校内のあらゆる場所、教室でICTを活用して学習活動を行うことを想定した上で、ネットワーク環境の整備や可動式学習者用コンピューターの整備等を進めていく必要があるとの方針を示しています。  そのような状況の中、本市においては、平成25年度からタブレット端末導入の実証実験を行ってきており、この件について、平成28年決算特別委員会にて、我が会派の質問の中で、平成29年度より、毎年50校程度の小・中学校を対象に、児童生徒や教員が使用するタブレット端末の整備を進めると答弁されております。  そこで、一つ目の質問ですが、まずは、これまで進めてきた小・中学校におけるタブレット端末の整備の状況についてお伺いいたします。 ◎鈴木 生涯学習部長  小・中学校におけるタブレット端末の整備の状況についてでございますが、本市におきましては、児童生徒が学校内のさまざまな場所で活用することを想定して、持ち運びができるタブレット端末の整備を進めてきたところでございます。具体的には、各校のコンピューター教室に設置しているデスクトップパソコンリース期限に合わせまして、これらのパソコン41台をタブレット端末に置きかえるほか、特別支援学級用として5台、そのほか、教員用として約20台のタブレット端末を整備しております。今年度末までには、小学校96校、中学校78校の合わせて174校、約1万1,200台を整備し、全小・中学校の約6割程度の整備が完了する予定でございます。  今後も、既存のデスクトップパソコンリース期限に合わせまして、タブレット端末を段階的に整備し、令和4年度までに全小・中学校に導入したいと考えております。 ◆小田昌博 委員  タブレット端末の整備状況については、段階的に進めてきており、今の段階で約6割ということはわかりました。  それを踏まえまして、次に、タブレット端末の活用方法と、活用されるための取り組みについてお伺いします。  タブレット端末を今後も整備していくことはもちろんでありますが、より教育効果を上げるためには、各現場において、まずは教員がタブレット端末を有効に活用した授業を行うことが非常に重要になってくると思います。そのためには、教員がさまざまな教科等の学習場面においてタブレット端末を活用できるよう、教育委員会としてもしっかりと支援していくことも必要だと考えます。  そこで、二つ目の質問ですが、学校においてタブレット端末はどのように活用されていて、また、各学校でさらに活用されるためにどのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。 ◎鈴木 生涯学習部長  タブレット端末の活用方法と、活用されるための取り組みについてでございますが、学校における活用事例といたしましては、コンピューター教室だけではなく、普通教室にタブレット端末を持ち込んで調べ学習をするほか、例えば、家庭科の裁縫では、教師がお手本として撮影した動画を子どもたちが繰り返し見ながら作業したり、体育の跳び箱では、自分が跳ぶ姿の動画を見て動きを改善するなど、子どもたちがみずから学び、解決する手助けとなっております。  現在、教育委員会といたしましては、授業等でタブレット端末を効果的に活用していくため、各教員が校務用パソコンでいつでも活用事例を参照できるようにするほか、全ての学校の情報教育を担当する教員が集まる場面で、タブレット端末の活用方法について周知しております。  今後は、本市の活用事例をより一層蓄積し、探しやすくなるよう教科ごとに分類するなど、紹介の仕方を工夫するほか、国や他都市の効果的な事例を収集し、取り入れるなど、さらなる活用促進を図ってまいりたいと考えております。 ◆小田昌博 委員  タブレット端末の整備については、まだ導入されていない学校も4割ほどありますことから、まずはそれらの学校に対して着実に整備を行うとともに、令和4年度ということでしたが、全小・中学校タブレット端末の整備が完了した際には、効果を見定めながら、さらなる台数増などを検討していただくことも強く求めたいと思います。  また、教育の質の向上が子どもたちの学ぶ力の育成にもつながっていくことから、教員がタブレット端末を使いこなし、さらにわかりやすい授業を行えるよう、スキルの向上にも力を入れていただきたいということも、あわせて求めます。  一方で、タブレット端末は、使いこなせると非常に便利でありますが、子どもたちが頼り過ぎると、考える力、書く力などを伸ばせないことも懸念されますので、適切に使っていただくことを指摘いたしまして、私の質問を終わります。 ◆たけのうち有美 委員  私からは、医療的ケアの必要な子どもの学ぶ権利保障の課題についてと、教員の長時間労働対策や負担軽減について、大きく2点について伺います。  まず最初に、医療的ケアの必要な子どもの学ぶ権利保障の課題にかかわって、特別支援学校に通学する児童生徒への保護者常時付き添いについて伺います。  第2回定例市議会議案審査特別委員会において、私は、学則で保護者の常時付き添いが求められる特別支援学校、具体的には市立の豊成養護学校、北翔養護学校について早急に付き添いの撤廃に向けた環境整備を求めました。  その根拠は、保護者の負担軽減や、保護者と離れて過ごすことによる児童生徒の健やかな成長はもとより、2016年に施行された障害者差別解消法で求められている合理的配慮にあり、障がいのない子どもにはつけていない条件等を課すことは、子どもの学ぶ権利保障の課題と考えるからです。また、2019年3月に出された文科省からの医療的ケアについての通知にも、保護者の付き添いは真に必要と考えられる場合に限ると記載されています。一方、環境整備を進めるために最も重要なこととして、本人や保護者、学校や主治医、看護師など、関係者のさまざまな声を受けとめて十分な協議を行うよう指摘しています。  そこで、質問ですが、特別支援学校に通学する児童生徒に付き添う保護者の負担軽減に向け、現在、どのような取り組みを行っているのか、伺います。 ◎相沢 学校教育部長  保護者の負担軽減に向けた取り組みについてお答えいたします。  教育委員会といたしましても、一律に保護者に常時付き添いを求めている状況につきましては課題と考えており、改善は必要と認識しております。  そのため、原則、保護者の付き添いがない中でも、児童生徒の安全を確保し、安心して学校生活を送ることができるような体制づくりに向け、関係者にヒアリングを進めているところでございます。具体的には、豊成、北翔の両養護学校の校長や保護者会の代表より意見を聴取しており、負担軽減に対する要望や、一方では、保護者が付き添いをしないことについて不安の声なども受けているところでございます。  今後につきましては、さらに個々の状況等をより丁寧に把握するため、保護者へのアンケートを実施するとともに、両校の教職員、看護師から意見を聞いたり、医師から助言を受けたりするなど、さまざまな情報を集め、保護者の負担軽減に向けた検討を進める予定でございます。 ◆たけのうち有美 委員  保護者付き添いに関し、私が求めていた保護者、教職員、看護師等の関係者からの意見聴取など、丁寧に取り組んでいただけることについては理解しました。  豊成養護学校、北翔養護学校は、重度の障がいのある児童生徒が通学する学校であるため、保護者が付き添わない状況を想定すると、児童生徒の安全のためには受け入れる学校側においてよりきめ細かな事前準備が必要です。例えば、保護者がいないとなれば、看護師の人数や業務範囲の拡大も必要となってきますし、看護師が安心してケアができるよう、個別のバックアップや研修の充実も求められます。また、看護師の採用にかかわっては、現在は、市教委が、直接、非常勤職員として採用していると聞いていますが、やはり医療的ケア児の支援のハブとなっている医療機関と連携して採用することで、医療的バックアップも同時に可能であると考えます。将来的には、地域の訪問看護ステーション等と提携できれば、長い目で子どもを見てもらえる体制をつくることができると思います。  そこで、質問ですが、保護者の付き添いをなくすには、児童生徒の安全確保に向けてどのような体制整備が必要と考えているのか、伺います。 ◎相沢 学校教育部長  保護者の付き添いをなくすための体制整備についてでございますが、両校では、医療的ケアを必要とする児童生徒が在籍者の6割を超え、その状況も多様であることから、保護者の付き添いをなくしていくためには、慎重に検討した上でさまざまな環境整備が必要になると認識しております。  まず、保護者の付き添いがない状況となることから、登校時の引き継ぎや体調等が悪化した際の対応、緊急時の連絡手段の確保など、これまで以上に保護者と学校の協力体制を強化することが必要と考えております。あわせて、一人一人の児童生徒の状況を踏まえた看護師の配置や、指示書を作成する主治医との綿密な情報交換、さらには、医師による巡回指導を行うなど、医療面のサポート体制をより一層整備することが必要と考えているところでございます。 ◆たけのうち有美 委員  学校側での準備については、順次、検討を進めていただきたいと思います。  今回の検討を通して、重度の障がいのある児童生徒たちの教育を担うという豊成養護学校、北翔養護学校の担うべき本来の役割、使命について改めて認識するとともに、その役割に合った入学条件等も必要に応じて見直す必要があると考えます。  次に、昨年度から実施している医療的ケア児が在籍する学校への看護師配置モデル事業について伺います。  このモデル事業において、看護師の配置については、人材派遣会社へ業務委託しており、今年度は、昨年度と異なる業者への業務委託になったと聞いています。業務委託となると、今後も年度ごとに受託業者がかわることが想定されます。年度ごとに医療的ケアを担当する看護師がかわらなければ、看護師側の児童生徒理解も深まり、児童生徒との信頼関係の構築にも役立つと考えます。  今年度後半には、看護師を配置する医療的ケア児の対象を広げるよう準備中と聞いています。  そこで、質問ですが、小・中学校への看護師の配置に当たり、モデル事業で具体的にどのような検証を行う予定なのか、伺います。 ◎相沢 学校教育部長  小・中学校でのモデル事業における具体的な検証内容についてお答えいたします。  昨年度から、小学校2校において実施している看護師派遣モデル事業では、たんの吸引など医療的ケアの頻度が高い子どもを対象として実施してきたところでございます。今年度、新たに、導尿やインスリン注射など、より幅広い医療的ケアを必要とする子どもに対象を拡大することとしております。  このモデル事業を通して、医療的ケアを小・中学校で実施するために必要な環境や、対象となる子どもの医療的ケアの状況に応じた看護師配置のあり方等について検証を行う予定であります。あわせて、今後も関係部局と連携しながら、子どもや保護者が、より安心して医療的ケアを受けられる体制の整備に努めてまいります。
    ◆たけのうち有美 委員  特別支援学校の子どもに比べ、医療的ケアの内容が重度ではない場合もあるかと思いますが、それでも、学校現場では医療的ケアを実施することへの不安も大きいため、巡回指導医の導入など、医療的ケア児支援のハブとなっている医療機関との連携もあわせて検討していただきたいと思います。  終わりになりますが、医療的ケアが必要なことで、プール学習など、いろいろな教育活動においてさまざまな制限を受けているという相談を受けることもあります。合理的配慮の観点からも、看護師を初め、学校や子どもをサポートする人的資源の活用をより一層進め、全ての子どもたちの学ぶ権利保障のための体制構築が充実されることが必要です。私がこれまで述べてきた要望が、アクションプラン2019に反映されることを強く求めて、医療的ケアの必要な子どもの学ぶ権利保障についての質問を終わります。  次に、教員の長時間労働対策や負担軽減について伺います。  我が会派では、これまでもこの問題について取り上げてきており、ことしの第1回定例市議会予算特別委員会でも質問したところです。教員にとっての大きな使命の一つである児童生徒にわかりやすい授業をするためには、十分な授業準備、つまり教材研究を行う時間が必要です。また、さまざまな課題を抱える児童生徒にしっかりと向き合い、言葉に出せない児童生徒の心のサインに気づき、寄り添うことも教員の大きな役割となっており、この大切な使命、役割を果たすためには、教員自身が時間的・精神的余裕を持たなければなりません。しかし、今、学校現場は本当に時間が足りない状況です。  2019年1月、文部科学省の発表によると、小学校教員の約3割、中学校教員の6割が月に80時間以上の時間外労働をしているというデータがあります。月に80時間以上の残業は、いわゆる過労死ラインです。多くの小・中学校の教員が過労死ラインで日々働いている現状は、非常に深刻な社会問題です。また、OECD国際教員指導環境調査、TALIS2018報告書によると、日本の教員の長時間勤務は、国際的に見ても異例であることがわかりました。  この間、市教委として、我が会派からの働きかけにより、幾つかの取り組みを行いました。公開研究会については、市教委のほうでも、各学校の負担とならないように工夫、改善の働きかけを行い、また、部活動については、生徒の負担を考慮し、休養日を設定するなどの活動基準を示すなどの取り組みを行いました。そのほか、夏季休校日の設定や学校の時間外の電話対応を自動応答にする転送電話の取り組みなど、市教委としてもさまざまな取り組みに着手しているところと認識しています。  しかしながら、学校の多忙な実態は、まだまだ大きく改善はしていないのが現状です。なぜならば、文科省は、教員の働き方改革を提唱する一方で、学習指導要領の円滑な実施を求めており、言ってみれば、これらは相反するもので、教員の長時間労働を生み出している要因と言っても過言ではありません。  働き方改革に必要なのはスクラップ・アンド・ビルドですが、現状は、残念ながら、ビルド・アンド・ビルドとなっています。しかし、各自治体が取り組める部分については早急に取り組んでいかなければなりません。  そこで、質問ですが、さらなる教員の長時間労働対策に向けて、その後、どのような取り組みを進めているのか、伺います。 ◎早川 教育推進・労務担当部長  私から、教員の長時間労働是正に向けた今年度の取り組みについてお答えいたします。  ただいま委員からご指摘のありましたが、これまで教育委員会が取り組んでまいりました夏季休校日や部活動休養日、時間外の転送電話などにつきましては、学校現場から負担の軽減につながったとの報告があるなど、一定の効果が出ているものと認識しているところでございます。  しかしながら、その対策につきましては、今後さらに進めていく必要があるものと考えており、そのためには、長時間労働の要因につながる学校課題について、これまでよりも詳細に掌握、分析し、実効性の高い具体的な改善策を検討することが重要と考えているところでございます。  そこで、今年度につきましては、外部からの客観的で専門的な視点による分析を行うため、民間コンサルタントに業務を委託いたしまして、小学校、中学校、高等学校の各校種ごとの課題整理を進めていくところでございます。具体的に申し上げますと、各校種のモデル学校において、執務室の環境や教員の働いている様子など、勤務時間外を含めて終日においてモニタリングを行うほか、職員アンケートやヒアリングを行うなど、学校の実態を詳細に確認し、課題解決に必要な対策の提案を受けることとしているところでございます。 ◆たけのうち有美 委員  外部からの客観的で専門的な視点による分析を行うとのことですが、教員の負担軽減につながるよう取り組んでいただきたいと思います。  次に、教育委員会の認識、対応について伺います。  今、学校現場が抱える課題は、本当にさまざまです。いわゆる課業期間中は、授業が終わってからも、授業準備や成績処理、学年や分掌の打ち合わせ、職員会議、児童会や生徒会の指導に加え、生徒指導や保護者などの対応に追われ、休憩時間もとれない日々が続いているのが実態です。  また、私自身、養護教諭として30年の経験からは、年々、学校課題が複雑化していると言えます。悩みを抱えている児童生徒や家庭をどのようにケアしていくか、学校として、より慎重な対応が求められています。それに伴い、ケース会議など、児童生徒一人一人について、養護教諭も含めて、関係者で集まる打ち合わせや対応もふえてきます。  学校は、授業準備などの時間をどのように確保するかという問題のほか、学校を取り巻くさまざまな課題を解決に導くために、どのように対処していけばよいかといった悩みを日々抱えているのが実態です。教員の負担軽減は、単に長時間労働を解決するだけではなく、このような学校側の精神的負担や悩みを解消していくことも極めて重要であると考えています。  そこで、2点目の質問ですが、このような学校の課題や悩みについて、市教委は、どのように認識し、対応に向けて取り組んでいくのか、伺います。 ◎早川 教育推進・労務担当部長  学校の課題や悩みに対する認識と、その対応に向けた取り組みについてお答えいたします。  教育委員会といたしましても、学校を取り巻く環境は複雑化・多様化しているものと受けとめておりまして、児童生徒だけではなく、保護者や家庭に対しても、より丁寧に対応していくための体制を整える必要があるものと認識しているところでございます。  そのため、指導主事やセラピストが学校を直接訪問いたしまして、さまざまな課題の解決に向けた助言を行うとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門的な人材を配置し、学校を支援するための取り組みを進めてきたところでございます。また、現在実施中の民間コンサルタントを活用した取り組みでは、さまざまな課題に対処していくため、教育委員会と学校がどのような体制を整備し、取り組むべきかといった視点による分析も行うこととしているところでございます。  今後は、コンサルタントからの提案等を踏まえ、教員の負担軽減に向けた取り組みを進めながら、これまで以上に、児童生徒や保護者に寄り添った対応ができる環境整備に努めることで、より子どもの笑顔があふれる学校づくりにつなげられるよう取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆たけのうち有美 委員  先日、文部科学省において、学校現場で起こるいじめや虐待、不登校や保護者対応など、法的アドバイスを受けることのできる体制を整えるため、全国にスクールローヤーと呼ばれる専門の弁護士を配置する方針が示されたとの報道がありました。  この間、市教委としても、スクールソーシャルワーカーや相談支援パートナーを初めとするさまざまな外部人材を配置し、学校課題に対応できる体制を整備してきたところではあります。しかし、どれも十分な配置時間ではないこともあり、問題の解決にはほど遠い状況です。今回、示されたスクールローヤーは、より複雑化している学校課題に対応できる有効な手段の一つと考えます。札幌市としても、早急に配置できるよう取り組んでいただきたいと思います。  長時間労働プラス複雑化した学校課題への対応の難しさは、教員の精神までむしばんでしまい、ともに働く仲間が体調を崩し、休職し、中には、現場に戻ることができず、退職せざるを得なかった事例を私は嫌というほど見てきました。全国の学校では、教員の志望者が減少傾向にあるという大きな問題も抱えています。札幌市の子どもたちにかかわる全ての大人がまず元気でなければ、子どもたちの豊かな学びと健やかな成長はありません。子どもの笑顔あふれる学校づくりのためには、まず先生の笑顔があふれる学校であることが大切です。先生の笑顔は、子どもたちにとって宝物です。そのためにも、教育委員会においては、引き続き、長時間労働対策と負担軽減に向けて、さまざまな取り組みをしっかりと進めていっていただくことを強く強く要望し、私の質問を終わります。 ◆森山由美子 委員  私からは、学校給食における食物アレルギーを有する児童生徒への対応についてと、高校生への修学支援についての2項目質問させていただきます。  学校においては、全ての児童生徒が給食時間を安全に、かつ楽しく過ごせる対応が求められております。しかしながら、平成24年、東京都調布市において、食物アレルギーを有する児童が学校給食終了後にアナフィラキシーショックの疑いにより亡くなるという痛ましい事故がありました。このような事故は、二度と起こさないようにしなくてはならないと思います。  食物アレルギー反応を引き起こす原因物質であるアレルゲンは多種多様であり、その症状も、軽症なものから、医師から緊急時に使用するエピペン、アドレナリン自己注射薬を処方される重篤なものまでさまざまです。また、食物アレルギー原因物質の誤食等による事故は命を落とす危険性があり、学校において、事故を未然に防止するとともに、事故が発生した際に迅速かつ適切な対応を行うことは大変重要なことです。  我が会派としては、平成26年の第3回定例市議会において、国の「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」に基づく、札幌市の学校給食における食物アレルギー対応に係る充実について求めており、本市においては、国の通知やガイドラインに基づいた「学校給食における食物アレルギー対応の手引き」(札幌市教育委員会平成26年9月改訂)により対応していると伺っております。当該手引の改訂から5年が経過しておりますが、この間、さまざまな取り組みをしてきたと思います。  そこで、質問ですが、給食における食物アレルギー対応の現状について伺います。 ◎永本 学校施設担当部長  給食における食物アレルギー対応の現状についてということでございますが、食物アレルギーを有する児童生徒への対応につきましては、安全の確保を第一としながらも、児童生徒に喜ばれる給食の提供に努めているところでございます。具体的な取り組みといたしましては、保護者との確認方法や校内連携体制を確立し、事故を防止するとともに、事故発生時の迅速かつ適切な対応に係る研修を実施してきております。また、食物アレルギー対応の献立において、栄養教諭等が中心になりまして、食物アレルギー原因物質を除去し、かつ、おいしさや栄養の確保及び衛生管理に配慮した献立の開発を行って提供してきております。  現在、各学校においては、校長等の指導のもと、栄養教諭や養護教諭、担任教員等と保護者が常に情報共有を図りまして、日々、献立の確認から調理、配膳等、児童生徒が実際に口にするまでの間、丁寧に対応し、安全で喜ばれる給食提供に努めているところでございます。 ◆森山由美子 委員  各学校においては、校長等の管理職を初めとして、栄養教諭や養護教諭、担任教員等が保護者と常に情報共有を図り、日々、児童生徒に安全な給食を提供するため、大変なご苦労をいただき、献立の確認から調理、配膳等、児童生徒に届くまでの間において細やかな対応を行っていただいていることがわかりました。  今後も、さらなる対応の充実を望みたいところですが、食物アレルギー対応における細やかな対応については、除去する食品をふやしたり対応を細分化することにより、処理や確認が煩瑣となり事故発生リスクがふえることが考えられますことから、事故防止の視点からは、各学校の状況等をしっかり把握し、慎重に考えて事故のない対応を行うべきであり、難しい面もあるものと思います。その一方、給食での対応が困難なことから、給食の一部または全部を食べることができない児童生徒の保護者の経済的負担への配慮については、保護者から要望の声もあると聞いております。  そこで、質問ですが、給食の一部または全部を食べられない児童生徒の給食費の現状について伺います。 ◎永本 学校施設担当部長  給食の一部または全部を食べることができない場合の児童生徒の給食費の現状についてということでございます。  給食費につきましては、牛乳費及び例えばパンや麺、米飯といった主食費、そしておかずや果物といった副食費の三つの区分により給食費を算出しております。いずれかの区分を全く食べない場合には、その区分の給食費について返金しているところでございます。また、例えばお弁当を持参して給食を全く食べないような場合には、給食費全額を徴収しない取り扱いとしているところでございます。 ◆森山由美子 委員  給食の一部または全部を食べられない児童生徒の給食費については、主食費、副食費、牛乳費、いずれかの区分を全く食べない場合、その区分の給食費を返金していること、また、弁当持参については給食費を徴収していないとのことでした。  しかし、児童生徒の給食費につきましては、今後、保護者の経済的負担を減らし、また、理解を得られるよう、さらに細やかな対応をすべきではないかと思います。  そこで、質問ですが、給食での対応が困難な場合のさらなる経済的負担軽減についてどのように考えているのか、伺います。 ◎永本 学校施設担当部長  さらなる経済的負担軽減についてでございますが、食物アレルギーをお持ちで給食の一部を食べることができない児童生徒を持つ保護者の方からの経済的負担をさらに軽減してほしいという声は、従前から寄せられておりまして、検討を進めていたところでございます。  令和2年度から、先ほど申し上げました主食費について、さらに米飯とパン及び麺に区分いたしまして、いずれかを食べない、全く食べられない場合には、その区分の給食費を返金できるよう準備を進めているところでございます。 ◆森山由美子 委員  来年度から、主食費について、さらに米飯、パン及び麺に分けて、いずれかの区分を全く食べない場合は、その分の経済的負担を軽減するよう協議を進めているとのことでした。保護者の経済的負担をさらに減らすべく、より細やかな対応を行う予定であることがわかりました。  給食の時間は、健康面での栄養摂取、食の流通理解や生産者への感謝、命のとうとさなど、食により心を育む学校における大事な食育の場であります。全ての児童生徒にとり、給食が安心・安全で何よりも心から楽しいと思える充実した時間になりますよう、さまざまな状況があるとは思いますが、今後も丁寧に対応していただくことを求めまして、この質問は終わらせていただきます。  次に、高校生への修学支援について質問させていただきます。  我が党では、結党以来の半世紀余りにわたり、全ての人に教育の光をとの理想を掲げ、目指してまいりました。それが、ようやく、幼児教育の無償化、高等教育の無償化、私立高校の無償化の三つの教育無償化ということで、いよいよこの10月から順次スタートすることとなり、大変喜ばしいことと思っているところです。  その中でも、私は、高校において教員として教壇に立っていた経験から、2020年4月から実現する国の就学支援金の上限額引き上げ、いわゆる私立高校授業料の実質無償化について高い関心を持っております。私立高校授業料の実質無償化については、2017年から我が党が公約の一つとして掲げていたものですが、これまでも、子どもが高校に通う年収約910万円未満の世帯には、年間11万8,800円の公立高校授業料相当分の就学支援金が助成されており、公立の授業料は実質無償化されていました。しかし、私立高校の授業料は、全国平均で年40万円程度に上るため、従来の就学支援金では賄えず、子どもが私立高校に通う家庭にとって大きな負担となっています。  今や、日本の高校進学率は99%近くに上り、ほぼ全員が高校に進学する時代です。しかし、好きな高校には行きたいが、私立は公立に比べて高いと、最初から経済的理由で希望する私立高校を断念する生徒もいます。また、公立高校の入学試験で実力が発揮できず、中には、志望する公立高校に入学することができず、そうした家庭では、私立高校の授業料が大きな負担となるため、経済的理由で進学を断念したり、中途退学せざるを得ないケース、学費を稼ぐためのアルバイトで学業がおろそかになるケースもあると聞きます。  公私間の負担格差をなくす私立高校授業料の実質無償化は、それまでの課題を解決し、生徒にとって幅広い進路選択を広げるものだと私は考えます。また、こうした制度について、進学を志す生徒や保護者の方々に十分な周知を図ることの大切さについては言うまでもありません。  そこで、質問ですが、札幌市は、高等学校等就学支援金の上限額引き上げについて、これから進学を予定する生徒や保護者に対してどのように周知を行っているのか、伺います。 ◎早川 教育推進・労務担当部長  私から、高等学校等就学支援金の上限額引き上げに関する周知についてお答えさせていただきます。  このたびの私立高等学校等の就学支援金の給付上限額の引き上げについては、学費負担の面で、中学校卒業後の進路選択を広げる大変有効なものであると認識しているところでございます。  そのため、国から各中学校に送られました制度の概要を説明するリーフレットが全ての生徒や保護者に届くよう、学校に対して通知を行うとともに、札幌市のホームページにも掲載いたしまして周知を図っているところでございます。  今後も、この制度が浸透し、必要とする生徒が確実に利用できるよう、学校とも連携をとりながら、引き続き周知を徹底してまいりたいと考えているところでございます。 ◆森山由美子 委員  制度の周知については、きちんと取り組んでいただいていると伺い、安心いたしました。  次に、札幌市奨学金について伺います。  札幌市奨学金制度は、昭和20年代に創設以来、市民の方からの寄附などを基金として積み立て、運用するなどして、これまで、多くの生徒や学生の進学などに寄与してきたことは言うまでもありません。  特に、返済義務のないいわゆる給付型奨学金では、毎年1,000人余りの高校生を支援しており、札幌市奨学金のホームページの多くの高校生らの感謝の声を拝見し、本当によい取り組みであることを実感しております。経済的に厳しい家庭にとって、この奨学金は、先ほどの国の私立高校授業料の実質無償化とともに、高校への進学を後押ししてくれる大変頼もしい存在であると私は感じております。  秋元市長は、さきの選挙でも、奨学金の拡充の必要性について語っておられたと記憶しております。繰り返しになりますが、私自身、この奨学金制度はすばらしい制度だと思っている一方で、さらに多くの高校生の応援団となることへの期待もあります。  そこで、質問ですが、高校生の修学を支援するためにも、札幌市奨学金の充実に取り組むべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎早川 教育推進・労務担当部長  札幌市奨学金の充実に関するご質問ですが、経済的な理由によりまして修学困難な生徒や学生が安心して学んでいくことができるためにも、返済の必要のない札幌市奨学金のような給付型奨学金の果たす役割は意義深いものであると認識しているところでございます。  札幌市では、高校生が、家庭の経済状況を心配することなく勉強や部活動に打ち込むことができるよう、札幌市奨学金において高校生への修学支援に力を入れているところでございます。今後も、引き続き、市民や企業等への寄附を募るなど、財源の確保に努め、より多くの高校生を支援できるよう、募集人員の拡大など、奨学金の拡充に向けて前向きに検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆森山由美子 委員  今後の拡充に向けて検討すると、より多くの高校生への支援が期待される前向きな答弁でございました。  高校の3年間は、人生の中でも、一人の人間として、身体的にも精神的にも一番伸び代が期待される大事な3年間です。高校生が経済的理由で将来の可能性を諦めることなく伸び伸びと高校生活を送れるよう、また、札幌市の未来を担う人材を育成するとの強い思いで、今後とも充実した修学支援を引き続きお願いし、私の質問を終わります。 ◆長屋いずみ 委員  私からは、子どもの権利推進にかかわる教育委員会の取り組みについて質問させていただきます。  本市は、子どもの権利条例を施行して10周年を迎えます。子どもの権利条例では、大切にしたい権利として、安心して生きる権利、自分らしく生きる権利、豊かに育つ権利、参加する権利を定めております。大人は、子ども自身の成長・発達する力を認めるとともに、言葉や表情、しぐさから、気持ちを十分に受けとめ、子どもの最善の利益のために、子どもが直面することについて、ともに考え、支えていく責任があります。子どもの権利を大切にすることは、子どもが自分の人生を自分で選び、自信と誇りを持って生きていくように励ますことです。それによって子どもは、みずから考え、責任を持って行動できる大人へと育っていきます。  そこで、質問です。  学校教育において、子どもの権利に基づく取り組みをどのように進めているのか、教職員や子どもの理解向上のために、具体的な取り組み内容についてお伺いいたします。 ◎相沢 学校教育部長  子どもの権利条例に係る教育委員会のこれまでの取り組みについてお答えいたします。  子どもが、自分の権利について正しく理解するとともに、互いの権利を尊重する態度を身につけるためには、子どもの権利条例の理念を踏まえた教育活動を充実させることが重要であると認識しております。  このため、教育委員会では、子どもの権利などの人権について学びを深める人間尊重の教育を札幌市学校教育の重点の一つに位置づけ、各学校において、教育活動全体を通して、子どもの権利の理念を踏まえた取り組みを推進しているところでございます。また、子ども未来局が全小・中学校に配付しております条例の理念等を掲載したパンフレットを授業を通して計画的に使えるよう、教師用指導書、教育課程編成の手引に活用場面を示すことに加え、先進的な授業を開発して公開したり、専門家等を講師とする人権教育フォーラムを開催したりするなど、教職員への支援を重ねてきたところでございます。 ◆長屋いずみ 委員  教職員への支援を重ねてきたというご回答でした。  次の質問に入ります。  各学校では、授業などで子どもの権利パンフがどのように使われているのか、また、現場の先生は、どのように考え、実践されておられるのか、先生の声を聞いておられるのか、取り組みについてお伺いいたします。 ◎相沢 学校教育部長  パンフレット等に対する教員の受けとめ、声ということについてでございますが、実際、公開授業に教員等が参加したことによりまして、このパンフレットの活用方法について非常に参考になった、あるいは、子どもの権利条例の理念への理解が深まったなど、前向きに受けとめているという声を聞いているところでございます。 ◆長屋いずみ 委員  公開授業以外で、子どもの権利パンフを学校の授業でともに学び合っている、実践されている、そういう認識でよろしいですか。 ◎相沢 学校教育部長  公開授業等の事例を参考にしながら、そういったような取り組みを進めている学校がございます。 ◆長屋いずみ 委員  授業を参考にしながらということでしたが、授業の中で、ともに学び合い、実践する中で出てくる課題を解決することが大事だと思いますけれども、その点についての認識をお伺いいたします。 ◎相沢 学校教育部長  先ほどもご答弁させていただきましたけれども、子ども自身がこの権利について正しく理解していく、そして、それによって、お互いの権利を尊重する態度を育むということにおきましては、子どもの権利条例の理念を踏まえた教育活動を充実することが大切というふうに考えておりますので、各学校におきまして実際に子どもたち同士が学び合うといったことを進めているところでございます。 ◆長屋いずみ 委員  子どもと先生が相対して子どもの悩みや困難に寄り添うことは、子どもたちの権利の醸成にとって、また、先生にとっても重要です。  本市の子どもの権利条例には、「市は、家庭、育ち学ぶ施設、地域等において、子どもが自分の権利と他人の権利を正しく学び、お互いの権利を尊重し合うことができるよう、必要な支援に努めるものとします。」と明記してあります。いじめ、体罰、不登校の件数の増加は、まさに子どもの権利にかかわる重要なことだからこそ、子どもの権利を学ぶことで、自分の権利だけではない、相手にも権利があるのだ、そういうことを学んでいくことになります。実践して、教育的な課題は何か、それを明らかにして、そこを教育委員会もサポートして次に生かしていくことが重要なことなのです。  しかし、先ほどご答弁されましたが、教師と子どもたちは、子どもの権利について、実際にしっかりと授業の中で話されているのか、私は、その点について疑問に感じました。私たちは常に指摘してきましたが、教員が多忙だということは、児童生徒とのコミュニケーションをとったり、悩みや相談を聞く、様子を確認する、子どもたちと向き合う時間など、権利条例で言われていることを確保できない、そういうことです。  先ほどの質疑の中で、子どもの権利をしっかりと学び、実践することが大事なのだ、そういう認識はあるというふうにご回答いただきました。学校は悩みや課題が深刻になっているという発言もありました。教育委員会は、子どもの権利条例が、教育現場で学び、生かされるよう、先頭で実践されるべきと申し述べ、私の質問を終わります。 ◆松井隆文 委員  私からは、学校における定期健診後の精密検査受診率について質問させていただきます。  学校におきましては、学校保健安全法に基づいた定期的な健康診断が実施されております。その結果は、文部科学省が学校保健統計としてまとめており、平成30年度に実施された健康診断の結果が平成31年3月に公表されたところであります。この結果によりますと、小学校においては、虫歯の者の割合が最も高く、約4割、次いで、裸眼視力1.0未満の者の割合が約3割、耳鼻咽喉科系の疾患が約2割、以下、眼科疾患などが見つかっており、札幌市の状況もおおむね同様な傾向であるというふうに伺っております。  私自身も、小学生の子どもがおりまして、学校から健康診断後に受診を促す書類をもらってきたことがありまして、実際、私も医療機関の受診に付き添ったこともございます。しかし、中には、子どもが書類をもらってきても受診させない家庭もあるというふうに聞いたことがあります。子どもたちの健康は、学校生活に直接影響を及ぼすものでありますし、中には、他人への感染といった可能性がある場合もございます。定期健康診断で疾病の疑いが見つかった場合には、早期に医療機関を受診し、必要に応じて治療を開始すべきものと考えます。  そこでまず、札幌市の学校における健康診断の結果、医療機関を受診するよう勧められた者がどの程度受診したのか、伺います。 ◎永本 学校施設担当部長  健康診断後、受診勧奨をして実際に受診した者がどのぐらいの割合かというようなご質問かと思います。  平成30年度の小学校における定期健康診断で疾病の疑いが見つかり、受診を勧めた者のうち、私どもで受診を確認できた者は、項目別に申し上げまして、結核、心臓、尿検査、これらで8割弱、視力、眼科、耳鼻科の疾患等で5割弱、歯科と聴力については約3割となってございます。 ◆松井隆文 委員  ただいまの答弁では、昨年度の小学校の結果で、結核、心臓、尿検査で8割弱、視力、眼科、耳鼻科で半分に満たない5割弱、そして、歯科と聴力ではわずか約3割ということでありました。  そこで、今の答弁について質問いたしますが、健診の項目によって受診率にかなりの差があると思うのですけれども、この受診率の違いはなぜ生じているのか、伺います。 ◎永本 学校施設担当部長  項目ごとに受診率に違いがあるのはどういうことかということでございますが、結核、心臓、尿検査の場合ですと、重篤な疾病がある場合も想定されますことから、複数回にわたって受診を繰り返し勧めておりますほか、詳細な受診結果について確認を行っているため、受診率については比較的高くなっているものと考えております。  一方、それ以外の項目では、典型的なものとしては視力になりますが、例えば0.9という比較的軽度な症状でも受診をお勧めしておりますことから、医療機関を受診しなかったり、直接、眼鏡を購入する場合等も考えられますため、受診率が低くなっているものと考えております。  なお、いずれの検査項目につきましても、受診後は、保護者から学校に書類で報告をいただくことになっておりますが、提出を義務づけることが難しいことから、実際は受診しているにもかかわらず、書類未提出のために未受診の扱いとなっていることも多い状況であるというふうに考えております。 ◆松井隆文 委員  ただいまの答弁で、結核、心臓、尿検査以外の項目については、比較的軽度な症状であることも考えられるが、それでも受診勧奨の対象となっているため、必ずしも受診しない場合が考えられるということでありました。また、受診しないほかに、受診後の報告をしていないケースもあるということでした。  しかしながら、未受診の場合には、その中に、例えば重症化のリスクなど、早期対応が必要なケースもあろうかと思います。健康診断の結果、疾病の疑いを指摘されたのであれば、やはり、医療機関を受診して必要な治療を開始する必要があるというふうに考えるところであります。  そこで、何らかの対策をとるべきではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。 ◎永本 学校施設担当部長  さらに受診を促す対策についてということでございますが、重篤な疾病が想定される場合につきましては、保護者が医療機関の受診の必要性を理解できますよう、疑われる疾病の情報を提供するなど、早期の受診につなげる工夫をしてまいりたいと考えております。  また、受診後の報告をいただけない理由として、治療が長引く場合などに、保護者がどの時点で書類を提出してよいか迷うことが考えられるところでございます。このため、治療を開始した時点でも書類を提出できることが保護者の皆様にわかりやすくなるよう様式を見直すなど、医療機関の受診率の把握に努めてまいりたいというふうに考えております。
    ◆松井隆文 委員  受診の必要性について、疑われる疾病の情報を提供するなど、保護者にわかりやすい周知をしていくこと、またあわせて、報告書類についても見直していくということでございました。  やはり、せっかく学校で定期健診を行っても、そのまま受診しない、放置されるということであれば、行っている定期健診が意味のないものになってしまう可能性もあろうかと思います。また、未受診の中には、例えば、深刻なケースであればネグレクト等のサインになり得るケースも含まれているかもしれません。  いずれにしましても、子どもたちが健やかに学校生活を送ることができることを考えまして、実効性のある取り組みを行っていただきたいということを求めまして、私の質問を終わります。 ◆田島央一 委員  私からは、流域貯留浸透事業整備後のグラウンドの維持管理についてお伺いしていきたいと思います。  流域貯留浸透事業は、札幌市の下水道河川局が所管しておりまして、その後、整備後のグラウンドの維持管理については教育委員会が所管していることを踏まえて質問していきたいと思っております。  札幌市では、昭和40年代以降に急速に都市化が進み、その結果、建物や舗装部分の面積が増加し、雨水が土の中にしみ込みにくくなり、河川への雨水流出量が増加するなどして洪水が発生しやすくなっております。そのような都市化による雨水流出量の急激な増加を緩和し、洪水被害を防止、軽減するため、札幌市内の二つの流域で流域貯留浸透施設の整備を行っております。この施設整備には、学校のグラウンドや公園が活用されております。整備箇所は、通常時は学校のグラウンドや公園として利用されており、大雨時には貯留施設に一時的に雨水貯留し、降雨終了後には地表面や暗渠を経て集水ますから下水道等への自然排水がなされ、流出量のピークを抑える効果があり、洪水防止に資する事業であると承知しております。  しかし一方で、この事業完了後、学校のグラウンドの土の状況が変化し、砂ぼこりが舞い上がりやすくなり、周辺の生活環境が悪化する状況が見られるようになっております。また、学校のグラウンドを利用する少年野球チームの指導者からも、事業の前はやわらかかったグラウンドが、事業完了後にはスライディングをするとけがをするのではないかというぐらいかたい状況になったと、変化を指摘する声もお聞きしました。  そこで、お伺いしますが、整備直後のグラウンドに見られるこういった変化やその状況を把握しているのか、札幌市の所見をお伺いしたいと思います。 ◎永本 学校施設担当部長  グラウンド整備後の状況把握についてでございますが、流域貯留浸透事業による整備を行った後に、乾燥したときに地面がかたくなった、もしくは砂ぼこりが舞いやすくなったというような報告は、確かに数校から受けているところでございます。  一方、当該事業以外の通常のグラウンド整備を実施した後にも、同様の状況が発生することも把握しているところでございます。 ◆田島央一 委員  結構いろんな学校でそういう状況が見られていて、私のすぐ地元でも整備した直後にそういった状況がありまして、そういう中から地域の方から特に要望を受けたりしたこともございました。また、ことし、地元の各地域の運動会を回らせていただきましたが、結構、砂ぼこりが舞ったり、いろいろな状況が見られましたので、その辺はしっかり把握していただきたいなという思いで質問させていただいております。  次にお伺いするのは、グラウンドから砂ぼこりが舞い上がりやすくなったり、グラウンドの土がかたくなったり、こういった状況を改善するために、今後どのように取り組んでいくのか、札幌市の所見をお伺いしたいと思います。 ◎永本 学校施設担当部長  砂ぼこり等の改善の対策についてでございますが、現状におきましては、砂ぼこり等が発生した場合に、各学校において、これを抑えるために散水や塩化カルシウムの散布など適切に維持管理を行っているところでございます。  しかしながら、これらの対策をとっても、風向きや日当たりなどの立地条件によりましては地面がかたくなったり、砂ぼこりが舞いやすくなったりということがございまして、そういう学校につきましては、土の入れかえとか防砂ネットを設置するなど、それぞれの学校の状況に応じた対策を講じているところでございます。  今後については、これらの対策に加えまして、他都市の学校グラウンドや学校以外の屋外運動施設における対策状況等を調査いたしまして、より効果的な手法を検討させていただき、グラウンド整備に反映してまいりたいというふうに考えております。 ◆田島央一 委員  確かに、グラウンドの周辺の環境によってまた全然違ってきているところもあります。私の地元だと、すぐ近くにマンションが建っているので、やっぱり風の巻き込みがあって舞いやすくなっていたり、状況によっても相当違うのかなと思っております。  また、散水などで対応していくというところも一部ありますが、正直言うと、学校の用務員が、もう消防の訓練じゃないかというぐらい水をまいて苦労されていたり、あるいは、用務員をなかなか確保できないとか、また、時間がずれた場合には学校の校長先生が対応されたりして、現場で苦労されているお話は結構よく聞きます。土の入れかえをできる余裕があれば、ぜひとも、そういったことにもしっかり取り組んでいっていただきたいなと思っております。 ◆前川隆史 委員  私からは、算数にーごープロジェクト事業の実施状況について、そして、えほん図書館の2点について、順次、お伺いいたしたいと思います。  最初に、算数にーごープロジェクト事業についてお伺いいたします。  現在、小学校においては、来年度から完全実施となる新しい学習指導要領の準備を進めておりまして、社会に出てからも学校で学んだことを生かすことができるよう、主体的・対話的で深い学びという観点から、授業の進め方の見直しや、また、子どもの理数離れが進んでいる状況を踏まえまして、小学校の段階からの理数教育の充実について進めていると伺っております。変化が激しく、予測困難な本当に厳しい現代社会の中にあって、これからこうした社会の中で活躍していく子どもたちには、みずから課題を見つけて、必要なデータ等をさまざまな方法で集めて、比較検討して解決策を探究していく、そうした論理的思考力を育んでいくことがますます重要になってくると思います。  札幌市では、平成30年度より、課題探究的な学習の充実の一環として、小学校5・6年生の算数を25人程度の少人数で行い、学習意欲と論理的思考力の育成を目指す算数にーごープロジェクト事業を全ての小学校で実施しております。先般、教育委員会が公表しました今年度の全国学力・学習状況調査結果報告や報道等で確認いたしますと、算数、数学において、判断の理由や解決の方法を考察し、数学的に表現することなどに全国同様の課題が見られるとのことでございまして、今後、身につけた知識、技能を活用すること、いわゆる思考、判断、表現の分野で一層の取り組みが必要と考えられます。  その意味でも、我が会派としても本事業に大いに期待しているところでございまして、最初の質問でございますが、こうした全市的な取り組みにおいては教育委員会のリーダーシップが大切であるということは言うまでもございませんけれども、これまで、教育委員会としてどういった取り組みを行ってきたのか、まず、お伺いしたいと思います。 ◎相沢 学校教育部長  算数にーごープロジェクト事業の実施に向けた教育委員会のこれまでの取り組みについてということでございます。  まず、全校で本事業を実施するに当たりまして、管理職向けの説明会を開催するとともに、教員用リーフレットを全ての小学校教員に配付するなどして、本事業の趣旨や推進方法等の周知に努めてきたところでございます。あわせまして、少人数の特性を生かして、子どもが主体的に意見を交わしながら学ぶ課題探究的な学習に各学校が取り組みやすくするため、独自の指導資料を開発し、学校に配付してきたところでございます。さらに、教員等を対象としたモデル校による授業公開、実際に授業を担当する講師を対象とした研修会を全ての区で開催するなど、本事業の円滑な実施に努めてきたところでございます。 ◆前川隆史 委員  円滑な推進に向けて丁寧に取り組んできたということでございます。  この事業は、今もございましたが、平成28年度からモデル事業を行った結果、自分で疑問や目当てを持って学習に取り組むことや、算数の授業で間違えてもいいから発表することなど子どもの学びの面で効果が得られ、そして、教員の側では、複数の教員が高学年の授業に携わることで児童への理解が深まったり、少人数になることできめ細かな指導と評価が充実するといった効果が見られたことを踏まえて、全校実施に至ったと承知しています。全校実施をするに当たっては、モデル事業で得られたような効果が全校での取り組みでも見られるように、教育委員会として、しっかりと必要な支援策を講じていくことが重要であると思います。  そこで、2問目の質問ですが、本事業の充実に向けて、教育委員会としての今後の取り組みはどうなっているのか、お伺いいたします。 ◎相沢 学校教育部長  本事業の充実に向けた今後の取り組みについてでございます。  本事業を通じて、子どもの学ぶ意欲や論理的な思考力がさらに向上するためには、少人数のよさを最大限生かして、教員によるきめ細かな指導や子ども同士による学び合いを一層充実させることが重要と認識しております。  全校実施とした昨年度に、本事業を検証するために設置いたしました教員や学識経験者等で構成する委員会では、全校で課題探究的な学習を充実していくためには、各学校の実情や課題に応じたサポート体制が必要との指摘があったところでございます。  今後は、学校の求めに応じて、指導主事や本事業における実践が豊富な専任講師を派遣し、授業を担当する教員を支援する体制を新たに整えるとともに、より授業で使いやすくなるよう指導資料の改訂を行うなど、教育委員会として一層の支援に努めてまいります。 ◆前川隆史 委員  現場の先生方の意見も踏まえながら、本事業の充実に向けてしっかり取り組んでいただきたいと思います。  次に、えほん図書館についてお伺いいたします。  えほん図書館は、多くの絵本に囲まれ、乳幼児が読書を楽しみ、学べる場、そして、乳幼児の読書活動や子育てに係る人を支援する場として開館されました。私も、地元白石区にできるということもありまして、開館前から大変な期待を込めて特別委員会等で何度か取り上げさせていただいたところでございます。  また、白石区を拠点に活動されているボランティアの皆さんからも、順調な運営が続いていると伺っております。長年、子育て支援や子どもの育みのために精力的に活動されているボランティアの皆さんがえほん図書館の運営に好印象を持っているということは、大変評価できることではないかというふうに思っているところでございますが、今後、ますます乳幼児が読書を楽しみ、学べる場となるためにも、さまざまな仕掛けが必要であるかとも思います。その意味で、まずは、読書のきっかけづくりといった意味で、さまざまな企画をしっかり練っていく、そして、それをしっかりPRすることによって、えほん図書館へ足を運んでもらうことが重要かと思います。そして、乳幼児の段階から読書の習慣を身につけてもらう、こうしたことに継続して取り組んでいくことが必要であるかとも思います。  そこで、最初の質問でございますが、えほん図書館として、これまでどのような事業に取り組んできたのか、お伺いしたいと思います。 ◎毛利 中央図書館長  えほん図書館のこれまでの取り組みについてのお尋ねでございます。  えほん図書館では、小学校入学前のお子さんの読書のきっかけづくりや読書習慣の定着化に向けましてさまざまな事業に取り組んでまいりました。主なものといたしましては、年齢別の読み聞かせの会でありますとか、幼稚園や保育園の団体利用、さらには、毎月実施しております図書館デビューなどがございまして、平成30年度は開館日のおよそ6割の日数でこれらの事業を行っております。  このうち、図書館デビューにつきましては、これまで定員を超えて参加をお断りするといったケースもありましたことから、ことしの8月から、1日2回の開催といたしまして対象とする年齢層を分けて行っております。  また、昨年度から、小学校入学までに絵本を1,000冊読むことにチャレンジいたします、めざせ!えほんマイスターという事業を実施しております。この事業では、読んだ冊数に応じまして、シートにスタンプを押したり、あるいはバッジを差し上げたりするなど、継続して本に親しんでもらうための仕掛けを講じております。今現在、非常に多くのお子さんにご参加いただいておりまして、1,000冊を読み切ったお子さんは、昨日現在で累計148人に上っております。 ◆前川隆史 委員  開館日の6割に当たる日でさまざまな事業を行っているということでした。図書館デビューにつきましても、1日2回の開催が8月からスタートしているそうです。また、今ご紹介がありました1,000冊読むことを目指すというえほんマイスターは、既に1,000冊を読み切った子が148人もいるということでした。私も、現場に行って見てまいりましたけれども、しっかり反省して、これからしっかり読書に励んでいきたいなと思った次第でございます。  さて、そのえほん図書館は、平成28年11月にオープンいたしまして、来月で丸3年を迎えます。オープン以来実施してきたアンケートでは、実に97%の方からえほん図書館の利用に満足との回答をいただいているとのことでございまして、私も大変うれしく思っているところでございます。  そこで、お伺いしますが、市民から高く評価されているえほん図書館でございますけれども、先ほどの答弁にもあったこれまでのさまざまな取り組みによりまして、開館から3年でどういった効果があったと評価しているのか、お伺いしたいと思います。 ◎毛利 中央図書館長  えほん図書館の開館から3年間の効果についてのお尋ねでございます。  子どもが幼い時期に多くの絵本に触れるということは、豊かな感性を育み、また、創造性を伸ばしていくといった観点から、極めて重要というふうに認識しております。  このため、いかに多くの方にえほん図書館にご来館いただくか、また、いかに多くの絵本を借りていただくか、つまり、来館者数と貸し出し冊数という指標になりますが、これが重要と考えております。まず、来館者数でございますが、平成30年度は18万6,000人、1日当たりにしますと560人でありまして、これは、地区図書館9館の平均であります14万5,000人、1日当たり450人を3割近く上回るものでございます。また、貸し出し冊数でございますが、えほん図書館の蔵書数は2万2,000冊のところ、平成30年度の貸し出し冊数は19万7,000冊と、1冊当たりおよそ9回貸し出されておりまして、市内のほかの図書館を大きく上回ってございます。  こういったことから、えほん図書館の開館によりまして、乳幼児の読書のきっかけづくりや読書習慣の定着化に一定の効果があったというふうに考えております。 ◆前川隆史 委員  一般の図書館に比べて利用者が大変多く、絵本に触れる機会が非常に多かったということでございました。えほん図書館の開館は、乳幼児が絵本に親しめる機会の充実に一定の効果があったということだと思います。日々、えほん図書館で業務に当たられている職員の皆さんのさまざまな工夫が、こうした結果につながっていると思います。皆さんの努力にねぎらいの言葉を贈らせていただきたいと思います。  ただ、この3年間、えほん図書館を運営しまして、さまざまな事業を実施していく中で浮かび上がってきた課題もあるのではないかと思います。  そこで、最後の質問でございますが、小さな課題は、都度、改善、解消してきているとは思いますけれども、えほん図書館として、今現在どういった課題があって、これに対してどう取り組んでいこうとしているのか、お伺いいたします。 ◎毛利 中央図書館長  えほん図書館の今現在の課題と、その課題にどう取り組んでいくのかといったお尋ねでございます。  さきにお答えいたしましたとおり、えほん図書館には、昨年度18万6,000人の方にご来館いただいております。利用者アンケートからは、来館者の居住区、お住まいは白石区とその周辺が多く、白石区から離れた地域にお住まいの方の利用は少ない傾向にある、こういったことがわかっております。このため、市内各所からお越しいただけるような、より魅力のある図書館としていくことが課題というふうに認識しております。  そういったこともありまして、開館3周年を迎えるに当たりまして、来月には全国的にも著名な絵本作家をお招きいたしまして、読み聞かせつきの体験型イベントを開催することとしております。そういった新規来館者を呼び込むための事業の実施とあわせまして、アンケートでありますとか、日々いただいております利用者の方々の声を丁寧に分析いたしまして、今後の事業に反映していけるようしっかりと取り組んでまいりたい、このように考えてございます。 ◆前川隆史 委員  来館者が白石区中心で、白石区以外の来館者が少ないといった課題があるということでした。どうか、利用者の声をよく分析して、よりよい図書館に成長させていっていただきたいと思います。  図書館の職員や司書の方にも人事異動等がありますが、えほん図書館から地区図書館に異動した職員が、えほん図書館での経験を生かして、これまで地区図書館ではなかなか実施が難しかった専門性の高い事業に取り組んでいる、そんなお話も伺っているところでございます。どうか、地区図書館での取り組みによる地域的な展開も織りまぜながら、積極的に事業を進めていただきたいと思います。  加えて、最後になりますが、きょうは質問しませんでしたけれども、我が会派としては、これまで3歳児を対象としたセカンドブック事業を早くやろうということで何度も訴えてまいりました。これまでの議会での議論の中でも、幼児期に絵本に触れることは子どもの心の成長に大きく寄与するものであり、セカンドブック事業は十分に意義のある事業であると認識している、また、できるだけ早期に実施できるよう検討を進めてまいりたい、こういった前向きなご答弁を繰り返しいただいてきたところでございます。答弁にありましたように、セカンドブック事業についても、なるべく早く実現できるよう、どうか検討のスピードを上げていただくことを最後に要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆池田由美 委員  私からは、就学援助制度と、不登校の子どもたちへの対応について、2点質問いたします。  最初に、就学援助制度について質問いたします。  就学援助制度は、学校教育法第19条「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童又は学齢生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。」、これに基づいて補助を行うもので、義務教育の円滑な実施に資することを目的として必要な援助を行っております。全国で子どもの貧困が7人に1人となっている現状において、就学援助制度の拡充は、子どもの貧困対策としても充実が求められているところです。  ことしから、小学生の入学準備金の2月支給が始まりました。我が党は、周知を徹底するように求めておりましたが、どのように実施されたのか、取り組みの状況と課題について伺います。 ◎早川 教育推進・労務担当部長  入学前支給となりました今年度の小学校入学者に対する入学準備金の支給状況についてでございます。  本年2月に第1回の支給を行ったところでございますが、今年度準備金を受けた方のおよそ4分の3に当たります1,310世帯、双子等もいらっしゃいますので、合計1,330人に対して入学前に支給することができたところでございます。  しかしながら、入学前に申請しなかった保護者の一部には、入学前の時点で制度を知らなかった方もいらっしゃったことから、この制度が浸透し、必要とする家庭が入学前に準備金を確実に受け取ることができるよう、今後も、就学時健康診断の案内など入学予定の子どもの保護者に個別に通知する機会を活用するとともに、ホームページなどで適切に周知に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆池田由美 委員  1,330人の子どもに2月支給を実施することができたという答弁でございました。入学準備金の支給に対して、さまざまな工夫がされてきたというお話も聞いていたところです。今後も、必要な全ての子どもが制度を利用できるように進めていくことを求めておきたいというふうに思います。  続いて、ことし3月に、国は、新たに卒業アルバム及び卒業記念写真の購入費を加えた要綱改定について自治体に通知していますけれども、本市も、支給項目に卒業アルバム代を加えるべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎早川 教育推進・労務担当部長  就学援助の支給費目に卒業アルバム代も加えるべきだという質問でございますが、子どもたちが、家庭の経済状況にかかわらず、安心して学ぶことができるためにも、就学援助制度の果たす役割は重要であると認識しているところでございます。そこで、支給費目につきましては、平成30年度に中学校の生徒会費を新たに支給費目に追加するなどの拡充を図ってきたところでございます。  今後、さらなる支給費目の追加につきましては、社会情勢や財政状況を踏まえながら、引き続き検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆池田由美 委員  検討していきたいというご答弁でしたけれども、卒業時には出費も非常に多く、卒業アルバム代は、国の試算を見ますと、小学生で1万890円、中学生では8,710円となっておりまして、家計にとっては大きな負担ではないかというふうに考えているところです。  先ほど国の試算を言いましたが、本市で試算しているのを聞きますと、小学6年生と中学3年生で合計約4,000万円かかるとお聞きしております。国は、2019年度の卒業時から支給するように進めていますから、本市もそれに合わせて実施を検討するべきだということを求めていきたいと思います。  2017年の就学援助審議会からの答申では、クラブ活動費、PTA会費、生徒会費の3費目の支給について追加に努めるべきとの考えが示されておりました。その答申を受けて、先ほどもご答弁にありましたが、本市も、昨年度から生徒会費が支給費目に追加されて拡充が広がってきているところです。  質問いたしますけれども、PTA会費やクラブ活動費についても支給費目に加えていくべきだと考えますが、どのようなお考えか、伺います。 ◎早川 教育推進・労務担当部長  先ほどのご答弁の繰り返しになりますが、新たな支給費目の追加を含めた制度の拡充につきましては、社会情勢や財政状況等を総合的に勘案しながら検討していくべき課題であるというふうに認識しているところでございます。  今後も、就学援助制度が子どもたちの学びにとってよりよいものとなるよう、支給費目の追加を含めた制度内容について、引き続き検証してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆池田由美 委員  社会情勢や財政状況などを踏まえて検討するというお話でした。  私は前向きに検討していただけるのだなというふうに思っているところですけれども、クラブ活動費については、経済的な理由で最初から部活動を諦めてしまう子どもたちがふえております。そして、させてやれない保護者からも、子どものことを考えると本当に切ない、そういった声も聞いているところです。  クラブ活動費では約2,300万円、そして、PTA会費では約4,500万円と試算されているというふうに聞いております。子どもたちが経済的な理由で部活動を諦めることがないように、きょうは財政局の方もいらっしゃると思いますが、子どもに係るこういった予算こそ、優先的に確保して子どもたちの学びを保障するべきであると、このことを申し上げて、この質問は終わらせていただきます。  続いて、不登校の子どもたちへの対応について質問いたします。  不登校の問題は、全国の課題でもありますし、札幌でも大きな課題だというふうに思っています。子どもが何らかの困難を抱えて学校に行けなくなっている状態、こういった子どもたちへの対応は、その子の思いに寄り添い、そして、その思いを受けとめながらしっかりと対応していくことが重要だと考えているところです。  2019年の文科省の調査では、全国の小・中学校の不登校の子どもたちが10万人を超えている、こういった報告もされているところです。本市においても、小・中学校の不登校数は、平成25年から29年までの5年間で、小学生が321人から529人へ、そして、中学生は1,451人から1,823人へとふえ続けております。  質問いたしますけれども、本市の学校に行けない、または学校に行かない子どもがふえ続けている実態について、どのように認識されているのか、伺います。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  不登校が増加している実態に対する教育委員会の認識についてお答えいたします。  札幌市の不登校児童生徒数は、全国同様、年々増加しておりまして、特に近年では、今ご紹介いただきましたように、小学校における不登校児童数の増加が顕著となっております。  教育委員会といたしましては、こうした状況を踏まえ、小学校段階から子ども一人一人の状況に応じた丁寧な支援をすることがより一層重要になっているものと認識しております。 ◆池田由美 委員  増加している実態に対して、小学生のときから丁寧な対応をしていく必要があるのだと認識しているというご答弁でございました。  さまざまな施策が取り組まれているというふうに私も承知しておりますけれども、少子化となって子どもが減っているにもかかわらず、学校に行けない子どもがふえているということは、やはり深刻であるというふうに思っています。  そこで、質問いたしますけれども、不登校とは年間30日以上の欠席があるということですが、実際には30日以下の欠席のお子さんがいらっしゃる、そして、学校に行けるけれども、教室に入れない、遅刻や早退が多いなど、何らかの困難を抱えている子どもがふえていると思っています。そうした子どもの抱えている悩みや困難に寄り添い、早期に解決していくことが重要であるというふうに考えているところです。  30日以上の欠席ではないけれども、困難を抱えている子どもたちへの対応として、スクールカウンセラーや相談支援パートナー、相談支援リーダーの配置で取り組まれていると思いますが、具体的にはどのような支援となっているのか、伺います。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  完全に不登校ではないけれども、不登校が心配される子どもに対してどのような支援を行っているかについてでございます。  登校している子どもたちの中にも、さまざまな理由で、朝、登校を渋ったり、また、教室に入ることに抵抗感を持ったりする子どもがおり、こうした子どもが不登校にならないために支援していくことは大変重要であると考えております。具体的には、子どもの様子を日常的に観察し、小さな変化や不登校の兆候を捉えるとともに、心の専門家であるスクールカウンセラーや保護者と連携を図りながら、子どもが抱えている困りや悩みを早期に把握して相談等につなげております。また、教室に入ることが難しい子どもにつきましては、相談支援パートナーが教室以外の場所で学習支援を行ったり、登校を渋る子どもを朝迎えに行ったりするなど、早い段階で丁寧な支援を行うことにより、不登校の未然防止や早期対応に努めているところでございます。 ◆池田由美 委員  学校に入れない子どもに対しては、教室以外でも対応されていること、なかなか学校に足が向かないお子さんには迎えに行くといった対応もしてきていることや、心の問題ではスクールカウンセラーの対応等、一人一人にさまざまに対応されているというご答弁だったかと思います。  子どもの抱える困難、そして悩みは、いろいろ複雑にあると思います。友達関係であったり家庭のことや学校のことなど一人一人に違いがあって、学校に行けない原因もそれぞれ違いがあるというふうに思います。悩みをすぐに言えない場合や大人を信用しないなど、いろいろなケースがあるのではないかと考えているところです。丁寧にかかわって大切にされる、そういった経験を重ねて信頼関係が構築され、子どもが意見や思いを話していくようになると考えます。時間はかかっても、子どもの思いをつかんで支援していくことが大切だということを述べておきたいと思います。  子どもが不登校だった経験のあるお母さんは、不登校の理由について、教室で騒ぐ子どもがいても、先生がその子を無視して授業を進めている、子どもたちも無視している、そういったことが嫌だったということを子どもから聞いたと言っておられました。このお話を聞いて、子どもにとってはさまざまな思いや受けとめがあり、悩んでいくのだなということを私も感じたところです。  そこで、質問しますけれども、相談支援パートナーの支援の様子、または子どもの変化など、クラス担任や学校の教職員と共有して支援の方向性を検討し合うことも必要だというふうに考えます。現場ではどのように進められているのか、伺います。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  不登校の子どもに対するさまざまな支援者等の校内の連携のあり方についてということで、お答えさせていただきます。  子ども一人一人の状況を丁寧に把握し、適切な支援を行うためには、担任だけではなく、学年の教員、養護教諭、スクールカウンセラー、そして相談支援パートナー等、複数の教職員で子どもの様子を捉え、情報を共有することが重要と認識しております。  現在、全ての学校に校内学びの支援委員会を設置しており、コーディネーターを担当する教員を中心に、不登校等の支援が必要な子どもについて、定期的に情報共有を図ったり、支援の手だてを検討したりするなど、教職員が連携した取り組みを進めているところでございます。またさらに、不登校が長期化している場合や対応が難しい事例につきましては、学校にスクールソーシャルワーカーを派遣したり、児童相談所等の関係機関を交えたケース検討会議を開催したりするなど、学校外の人材や関係機関とも連携した対応を進めているところであります。  教育委員会といたしましても、今後も、不登校やその心配のある子どもや保護者の心情に寄り添った丁寧な支援が行われるよう、取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆池田由美 委員  担任の先生ないし学校の養護教諭の先生、さまざまな学校職員との連携が必要だというお話もありました。そして、全ての学校で学びの支援委員会というのができており、定期的に情報共有し、検討もしてきている、ケース会議もされているというご答弁を伺いました。  子ども一人一人には、それぞれの原因があって、学校に行けない状態があるというふうに思いますが、今、こうした連携で情報共有もしながら行っているのだというお話もお聞きしました。前段で教職員の働き方の問題もありましたが、このことが行われていくとしたら、本当に相当な苦労があるのではないのかと想像するところです。教職員の働き方なども含めて、今後、検討していく必要があるということを申し上げておきたいと思います。  改めて、一人一人の子どもと向き合い、信頼関係を構築しながら、子どもの意思を受けとめ、丁寧に対応していくことが重要だと申し上げて、質問を終わります。
    ○小竹ともこ 委員長  ここで、およそ60分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前11時59分       再 開 午後1時     ―――――――――――――― ○小竹ともこ 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆うるしはら直子 委員  私からは、震災等に対する学校の安全確保について伺います。  昨今、国内において、地震や台風、水害などの大規模な自然災害がふえており、北海道でも昨年9月に胆振東部地震が発生し、また、先月には千葉県において台風15号の影響で大規模な長期停電が発生するなど、住民の生活に大きく影響を及ぼす災害が後を絶ちません。今後、より一層の防災・減災対策、そして安全対策が求められているところですが、災害はいつ起こるかわからず、札幌市でも、今、多くの市民が危機意識を持っているときこそ、災害に備えた準備を着実に進めていくことが重要と考えます。  本市においては、昨年の地震対応の検証などを踏まえ、ことしの9月上旬に札幌市避難場所基本計画と札幌市避難所運営マニュアルの改訂を行い、備蓄物資の充実や要配慮者等への対応の充実、避難所における生活環境の充実などを図ることとしたところです。  そのような中で、災害時に避難場所として指定されている学校においては、地域住民が避難する施設としての役割を果たす一方で、教育機能を維持、回復するための対応や対策も必要となります。特に、通常授業時に災害が起きたときには、まず児童生徒の命と安全を第一に確保し、被害状況の確認や施設・設備の修復を行い、早期に、授業や学校生活、給食などを再開するなどの迅速な対応をとらなければなりません。  熊本地震では、学校の施設・設備の被害が大きかったことや、避難が長期にわたったことなどから、熊本市の全ての学校で授業が再開されるまでには、実に2カ月を要することとなりました。学校現場においては、日ごろから災害時に迅速に対応するためのきめ細やかな体制を整えていくことが重要と考えます。  札幌市教育委員会では、先日、幼児や児童生徒の安全を確保し、安心して学校生活を送ることができるよう、昨年の地震や学校を取り巻く環境の変化を踏まえて、学校震災対応マニュアルを改訂したと伺ったところです。私も、学校現場に勤務していた中で、2014年の大雨による避難勧告の際にこのマニュアルを目にしていますが、主に震災での対応が中心の内容であったと記憶しています。また、このマニュアルですが、胆振東部地震の際に、私も想定外の状況の中でとっさの対応に苦慮したことからも、学校現場の現状と実効性を踏まえた多角的な視点でのマニュアル改訂の余地があることを感じておりました。  そこで、質問ですが、今回見直しが行われた学校震災対応マニュアルについて、どのような視点で改訂されたのか、お伺いいたします。 ◎鈴木 生涯学習部長  学校震災対応マニュアルの改訂の視点についてでございます。  これまで想定していなかった地震によるブラックアウトや、台風、大雨などによる大災害、Jアラート、全国瞬時警報システムによる警報など、新たな課題に対しましても児童生徒の安全を確保できるよう改訂を図ったところでございます。また、昨年の地震を踏まえ、災害時や学校再開時などにおける児童生徒の心のケアにつきましても、各学校でより一層適切な対応ができるよう、マニュアルの充実を図りました。あわせて、防災行政無線の操作方法や連絡先のほか、事前の危機管理対策や、災害時、学校再開におけるチェックリストなどの内容も掲載し、各学校において、いざというときに学校震災対応マニュアルを十分に活用し、適切に対応できるよう改訂したところでございます。 ◆うるしはら直子 委員  学校震災対応マニュアルの改訂については、地震によるブラックアウトや台風、大雨などの昨今増加するさまざまな大災害、Jアラートによる警報など、学校を取り巻く環境の変化による新たな危機事案での学校の対応が盛り込まれた、加えて、児童生徒の心のケア対応について充実させることに視点を置いたとのことでした。特に、心のケア対応については、災害時や学校再開時に大変重要なことであり、また、教育委員会が策定する災害対応マニュアルの中で特に重視して組み込んでいるところは、宮城や熊本などの大規模災害を経験した市町村以外の他都市ではまだそう多くはなく、札幌市教育委員会として適切な視点での改訂ではないかと考えます。  ただし、これから重要なことは、今回の学校震災対応マニュアルの改訂を踏まえて、市内にある幼稚園を含む小学校、中学校、高等学校など320以上の各学校において、平常時の防災対策や児童生徒の危機対応の意識向上を図っていくこと、加えて、大規模災害が発生した場合に迅速に対応できるようにしていかなくてはなりません。児童生徒の安全確保はもちろん、心のケアの対応などを含めて、想定されるさまざまな場面で適切に対応していく必要がありますが、そのためには、各学校において校長、教頭、教員、用務員、栄養士や調理員といった全ての職員が一丸となって業務を担わなくては、実際の災害時には対応できません。  東日本大震災では、津波により、多くの児童や教職員が犠牲となった宮城県石巻市の大川小学校の悲しく痛ましい事故がありました。2014年、石巻市に提出された大川小学校事故検証委員会の報告書によると、当時のハザードマップ上では、この大川小学校は地震による津波は到達しない地域とされていたため、津波を想定した避難訓練や児童引き渡し訓練が行われておらず、そうした知識や経験不足が対応と判断をおくれさせた要因になったとの報告が上がっています。  また、石巻市の別の小学校では、学校用務員の一人が、避難してきた子どもや住民をみずからの判断で最後まで屋上へと誘導し続け、津波にのまれ、命を落としています。こうした悲劇を二度と繰り返さないためにも、日ごろからの訓練、または、職員それぞれの役割や対応を確認し、研修などを行う必要がありますし、あわせて、防災教育についても進めていく必要があると考えます。  そこで、今後の対応について質問いたします。  各学校においては、学校震災対応マニュアルの改訂を踏まえ、学校の組織体制を含めてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎鈴木 生涯学習部長  各学校における取り組みについてでございますが、各学校におきましては、校長のリーダーシップのもと、学校震災対応マニュアルの改訂内容を踏まえ、児童生徒の心のケアを含めまして、さまざまな事態に適切に対応するため、それぞれの職員の専門性を生かし、学校全体で対応する組織体制を構築してまいります。また、児童生徒の一層の安全確保に向けて、さまざまな場面を想定した避難訓練を実施するほか、みずから危険を予測し、安全に行動できる能力を育むなど、防災教育の充実に取り組みます。  教育委員会といたしましても、学校震災対応マニュアルの改訂内容を周知するとともに、管理職を対象とした研修を初め、さまざまな機会を通じて防災意識を高めるなど、各学校における児童生徒の安全確保に向けた取り組みの充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  各学校において、全ての職員がそれぞれの専門性を生かした役割分担をした上で、具体的にさまざまな場面を想定した準備をしていくことが非常に重要だと私も考えます。また、さまざまな場面で児童生徒の安全確保、心のケアに努めていくには、学校のみならず、保護者や地域の方などとの一体となった取り組みが必要ではないかと考えます。  最後に、要望です。  文科省は、各学校において教職員の役割を定めた危機管理マニュアルの策定を義務づけておりますが、現在、札幌市での策定状況は学校によってまちまちで、まだまだ安全体制が確立できているとは言えません。各学校において適切な対応とマニュアルの策定が図られるよう、教育委員会においては、今回改訂したことで終わることなく、先ほどご答弁いただきました取り組みを進めていただくことをお願いします。  また、その中で上がってきた課題については随時精査をし、今後も、必要に応じて迅速に見直しを図るとともに、学校震災対応マニュアルを踏まえて、学校の職員への意識啓発などに引き続き取り組んでいただくことを要望しまして、私の質問を終わります。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、札幌市の幼児教育の推進について質問いたします。  今回策定する市立幼稚園の今後のあり方に関する方針ですが、札幌市教育振興基本計画の中には、札幌市教育ビジョンとして、2014年度から2023年度までの10年計画、それを前期、後期に分けて進めていく札幌市教育アクションプランがありますけれども、今回は、その後期の部分に関する計画を具体化し、また、このあり方に関する方針では、向こう10年間を展望した方針をつくろうとしており、市立幼稚園に関する部分について今後実施する具体的な施策や事業がまとめられるものと認識しております。  最初の質問は、これまで検討してきた内容についてであります。  いろいろな文献を見てみますと、幼児教育の重要性について、幼児期は、幼児にふさわしい生活や、自発的な活動としての遊びを通して、生涯にわたる人間形成の基礎を培う極めて重要な時期であると指摘されております。そして、ここ数年は、幼児期の教育がその後の学力や大人になってからの生活に与える影響に関する研究が進み、幼児期から質の高い教育を提供することの重要性が非常に高まっております。また、幼児の生活体験の不足などから、コミュニケーション能力が不足するなどの課題も指摘されております。さらに、子どもたちに生きる力を育み、幼児期の豊かな育ちを保障するための質の高い幼児教育を提供できる体制の整備が求められております。また、特別な教育支援を必要とする幼児は年々増加傾向にあり、早期から一貫性、継続性のある支援が必要であるということも記載されております。  私は、ことしの予算特別委員会で、第1は、市立幼稚園の今後のあり方に関する検討をどのように進めていくのか、第2は、その検討する場はどのような方々で構成していくのか、第3は、どのような内容を検討するのか、第4は、その中で市立幼稚園教諭の採用も検討するのかなどについて質問いたしました。  長谷川児童生徒担当部長の答弁要旨は、第1の質問に対して、ことし5月から検討会議を開催し、年内を目途に教育委員会の方針を固めたい、第2の質問に対しては、直接、幼児教育に携わる方々と、幼稚園児の保護者、市民からの公募委員など約10名程度で構成したい、第3の質問に対しては、今後求められる市立幼稚園の役割や機能について検討していく予定となっている、第4の質問に対しては、幼稚園教諭の採用のあり方についても検討したいとの答弁がありました。  そこで、質問でありますが、市立幼稚園の在り方検討会議は、ことし5月から8月まで4回開催されておりますけれども、同検討会議において検討された内容について、どのようなものか、伺いたいと思います。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  市立幼稚園の在り方検討会議において検討された内容についてお答えいたします。  この会議では、時代や社会的ニーズの変化、これまで行ってきた実践研究の成果、課題などを踏まえまして、市立幼稚園のあり方について検討が行われました。具体的には、札幌市の幼児教育の質の向上や、特別な教育的支援を必要とする幼児への教育、幼保小連携などの観点から、委員それぞれの立場に基づいた意見をいただきました。その中では、市立幼稚園が取り組んできた実践研究や幼児教育に関する研修、保護者向けの教育相談等について一定の評価をいただきましたが、一方で、研究成果の普及啓発、特別支援教育に関する相談支援等については課題が見られ、一層の工夫、改善が必要との意見もいただいたところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  次の質問は、今後の幼児教育をどのように考えて進めていくのかということであります。  答弁では、市立幼稚園の在り方検討会議で、各委員から、これまでの取り組みの成果や課題について貴重な意見が出されたという趣旨の答弁がありました。ことしの予算特別委員会では、検討会議での意見を参考に、市立幼稚園のあり方に関する方針を定めていくとの答弁がありました。方針を作成するに当たっては、札幌市全体の幼児教育の推進について、大きな視点を持って検討を行う必要があると言えます。  そこで、質問でありますが、札幌市全体の幼児教育をどのような考えで進めていこうとしているのか、伺いたいと思います。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  札幌市全体の幼児教育をどのような考えで進めていくかについてでございますが、平成29年に改訂されました幼稚園教育要領、保育所保育指針、認定こども園教育・保育要領では、幼児教育において育みたい共通の資質、能力等が示されたところでございます。このことを踏まえ、札幌市におきましても、幼稚園、保育所、認定こども園の施設形態にかかわらず、質の高い幼児教育が受けられるように、全ての幼児教育施設において適切な教育課程が編成されることが重要と考えております。また加えまして、特別な教育的支援を必要とする子どもへの支援や幼保小連携等の取り組みにつきましては、全市的な展開が求められておりますことから、今後、一層の充実を図っていく必要があると考えております。  そのためには、幼児教育センターと市立幼稚園がともに培ってきた研究実践園としての機能をさらに高めていくことなどによりまして、札幌市全体の幼児教育の振興に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  次の質問は、市立幼稚園の今後のあり方に関する方針の今後の策定スケジュールについてであります。  答弁では、教育委員会として、幼児期の教育の重要性を踏まえて札幌市全体の幼児教育の充実を図っていくということで、質の高い教育なども含めて取り組んでいくということでありました。  そこで、質問でありますけれども、市立幼稚園の今後のあり方に関する方針のスケジュールについてどのようになっているのか、伺いたいと思います。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  市立幼稚園の今後のあり方に関する方針の策定スケジュールについてでございますが、現在、在り方検討会議でいただきました議論を踏まえながら、市立幼稚園の今後のあり方に関する方針案を作成しているところでございます。今後は、本方針案につきまして、関係部局との調整や市民向けのパブリックコメントなどを行い、来年3月を目途に策定、公表する見通しとなっております。 ◆ふじわら広昭 委員  関係部局との調整、そしてまた、パブリックコメントを実施するということですが、ことしの予算議会の部長の答弁からいきますと、年内、遅くても年明けぐらいには方針をまとめていくということでありました。  私は、この間、特に、障がい児にかかわる特別支援を必要とする問題について取り組んできましたが、部長の答弁にもありましたように、今後は、幼児教育センター、そしてまた、その実践園であります市立幼稚園もしっかりと位置づけていきたいということでありました。方針はまだ固まっていないので、言えるところと言えないところはあるかと思いますが、私は、4回の有識者による検討会議の中でも、幼児教育センターと、その実践をしている市立幼稚園の評価はかなり高いというふうに理解しています。特に、出された意見などの中にも、私立幼稚園ではそうしたことができそうでなかなかできない、今後も幼児教育センターと市立幼稚園にそういう役割をしっかり担っていただきたいということであります。また、いろいろな意見の中では、市立幼稚園の定員の充足率が下がっているという問題も指摘されております。また、平成29年、一昨年に改訂された文部科学省の幼稚園教育要領の中では、特色ある幼稚園として創意工夫を凝らすべきだという表現もされております。  そういう意味では、現在、認定こども園も含めて市立幼稚園は10園ありますけれども、札幌市は、向こう10年間の方針をつくっていく中で、どのような特色を持った幼稚園として継続していくのか。  そして、二つ目には、市立幼稚園の数を減らしていくのか、現状を維持していくのか。有識者会議の中でもいろいろなご意見は出されておりますが、現状としては、市立幼稚園は相談機能も持っておりまして、やはり多くの皆さんが相談に行っていらっしゃいます。そういうことを踏まえますと、この幼稚園をどのように位置づけていくのか。  そして、これらにしっかりと取り組んでいくためには、いわゆるマンパワーである幼稚園教諭はしっかり確保していかなければなりません。以前も指摘したように、市立幼稚園では、20代の幼稚園教諭はゼロであります。30代、40代、50代はそれなりにおりまして、全体では、現在、園長を含めて69名で、正規の教諭の平均年齢は48.6歳という構成になっております。また、昨年度は、先ほど申し上げた市立幼稚園での相談件数は10園全体で約3,300件程度、また、幼児教育センターでも1,400件程度の相談があり、訪問支援員の訪問件数も約900件弱ぐらいになっております。  そういう意味では、今申し上げた特色ある幼稚園をどういうふうにつくっていくのか。私立幼稚園でも特色のある取り組みをいろいろしておりますが、将来を見越して、市立幼稚園は実践園としてどのようなことに取り組もうとしているのか、あるいは、10園の幼稚園をどうしていくのか、その上で重要な鍵を握る幼稚園教諭の採用についてどのようにしていくのか、まだ最終版は確定していませんけれども、この10年の方針の中でどのような位置づけをされているのか、答えられる部分だけ答えを求めたいというふうに思います。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  今策定を進めているこれからの方針の中身ということでございます。  繰り返しになりますが、先ほど申し上げましたように、札幌市全体の幼児教育を進めていくためには、特別な教育的支援を必要とする子どもへの支援、また、幼保小連携等の全市的な展開が求められることについて、幼児教育センター、市立幼稚園がともに培ってきた研究実践園としての機能をさらに高めていくことが大変重要だと考えております。  また、先ほど、園の数とか、また幼児教育支援員のこととか、いろいろなご指摘、ご意見をたくさんいただきましたけれども、今、在り方検討会議の中でいただきました中身も踏まえまして、市立幼稚園の園数や採用のあり方等についても検討を進めているところでございますので、先ほども述べましたスケジュールのとおり、この後、また公表していきたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  言わんとすることはよくわかりますけれども、教育委員会がどういうスタンスでこれを議論しているのかということなのですよ。  やはり、子どもの教育というのは、将来を担っていく人をしっかり育てていくわけですから、健常者であっても、障がいのある子どもであっても対応していく重要なものであります。我々議会に対しては、パブリックコメントの前に文教委員会が招集されますし、その前段にも概略的な説明は受けますけれども、今こうした視点を持って検討しているところだということなど、基本的な考え方については議会の場できちっと明らかにしていくべきではないかと思うのですが、いかがですか。 ◎長谷川 児童生徒担当部長  市立幼稚園のあり方につきましては、私たちは、幼児教育を進める上では非常に重要な中身だと捉えております。そういう意味では、社会情勢や、また札幌市の経済情勢など、さまざまなことを考えながら検討を進めておりますので、今、この中で私の口から軽々に途中経過をお伝えするのはなかなか難しいかなというふうに考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  それでは、教育委員も務めている長谷川教育長にお伺いしたいと思います。  今言ったようなことですが、やはり、議会の中にもそういう方向性をきちっと示して、今、我々は、そうした視点に立って、さらに具体化するために検討しているのだということをこの場で言う時期ではないかと思うのです。例えば、1月になるのか、12月末なのかわかりませんが、冒頭にも申し上げたように、やはり、素案以上の案がつくられて、それに基づいて、教育委員会の中で教育委員の皆さんが議論を積み重ねられていると思うのです。その辺について、もう少し責任ある立場から、部長以上の報告というか、考え方を示していただければと思います。 ◎長谷川 教育長  段々のお話がありましたが、話はちょっとずれますけれども、一昨日来、日本では旭化成の吉野先生がノーベル化学賞をとられたということで、非常に盛り上がっているところでございます。先ほど、ふじわら委員からもお話がございました幼児教育の重要性については、同じくノーベル賞をとっておられるアメリカのシカゴ大学のヘックマン教授も、さまざまなエビデンスからその重要性について説いているところでございます。  これまで、札幌市教育委員会、札幌市といたしましても、幼児教育センター、そして市立幼稚園、教育実践園ということでございまして、これらが協力して札幌市の幼児教育の質の確保、向上について進めてきたところでございます。まさに、市立幼稚園の在り方検討会議の中でもその重要性等々については言われているところであり、私どもも、今後ともこの役割、重要性について変わりはないというふうに思っております。  しかしながら、この10月1日に幼児教育・保育の無償化がスタートしたばかりでございますし、今後も幼児教育を取り巻く環境は多様化・複雑化していくものというふうに考えておりますので、そういったことも十分に検討しながら、今まさに方針の策定に着手したところでございます。重要性等々については、先ほど申し上げたとおり、変わりはありませんが、そういったことも踏まえて、しっかりと方針の策定に努めていきたいと思っておりますので、ご報告までにはいましばらくお時間をいただければと思っております。 ◆ふじわら広昭 委員  気持ちは何となく伝わってくるところも一部はありますけれども、要望を申し上げて、終わりたいと思います。  幼児教育センター、市立幼稚園の役割についてでありますが、言うまでもなく、幼児教育センターは研究、研修、教育相談と支援、保護者等の啓発支援、幼保小連携の推進という五つの機能を持ち、そして、市立幼稚園はセンターの補完的機能を担う研究実践園として役割を果たしているわけでありまして、検討委員会でも単純に幼稚園を減らすことはどうなのかという賛否両論の意見が出ております。今、各区に1園ずつ10園あるので、保護者も病院に行くより気軽に相談に行けると言われております。そういう意味では、今後、仮に財政局や職員部のほうから統廃合しろとかなんとかといったいろいろな意見が出てきても、単純に幼稚園を統廃合するような計画にはならないように、私は強く求めておきたいと思います。  そして、幼稚園教諭の新規採用がもう15年もないということは、異常なことでもあります。札幌市が幼児教育センターを設けて、そこに幼稚園教諭の指導主事を配置しているということは、他の政令市を含めて、私は札幌市以外にはないと認識しておりますけれども、こうしたものはきちっと存続して、今までのノウハウとか実績、経験を今後の幼児教育にしっかり生かしていかなければならないというふうに思います。ぜひとも、従来の市立幼稚園の研究、実践だけではなくて、市立幼稚園として特色ある幼稚園のあり方について、そうしたものにしっかりと取り組んでいただく、そして、幼稚園教諭の採用をこの5年間の計画の中でしっかりと位置づけられるように求めておきたいと思います。  幼児教育の重要性について、今やりとりしたようなことはごく一部でありますけれども、きょうは後ろに梅田財政部長も座っていますので、ぜひとも、財政局としてもしっかりと予算を確保していただくように強く求めて、質問を終わります。 ◆石川さわ子 委員  私からは、学校図書館司書について、学校給食における食物アレルギー対応について、それから、化学物質過敏症の子どもへの対応について、この3項目についてそれぞれ質問してまいります。  まず、学校図書館司書について伺います。  市民ネットワークは、これまで、子どもたち一人一人が知ること、学ぶことの楽しさやおもしろさを体験し、また、資料提供など教師の授業づくりのサポートなどにより、より豊かな学びができるよう、学校図書館の職務に専任として当たる学校図書館司書の全校配置に向けて取り組みを進めるよう求め、2013年の予算特別委員会、2015年の1定代表質問等において繰り返し質問してきた経緯があります。  教育委員会におきましては、2013年度から学校図書館司書を中学校1校に配置し、モデル研究を進め、2015年度に各区1校、計10校、2016年度に30校、2017年度に60校、2018年度に80校と配置する学校数を年々拡大し、今年度は全ての中学校への配置を実現したと聞いております。配置当初のモデル校や、その後配置された中学校においては、本の貸し出し冊数が、配置前と比較し、増加するなどの効果が見られたと聞いておりますが、学ぶことや適切な情報提供等の支援を受けるなど、子どもの権利が守られることの重要性に鑑みて全ての子どもに同じように学びの環境を整えるべきと考えることから、学校図書館司書が全ての中学校に配置されたことによる成果も期待しているところであります。  そこで、質問でありますが、全校配置に当たって、学校図書館司書が専門的に活動できるよう教育委員会による支援も重要であると考えますけれども、教育委員会としては、中学校への学校図書館司書の全校配置に当たり、どのような取り組みを進めてきたのか、伺います。 ◎相沢 学校教育部長  中学校への全校配置に当たっての教育委員会の取り組みについてでございますが、本事業が円滑に進むためには、学校と学校図書館司書それぞれの理解が重要であるため、モデル校の実践を踏まえて作成した活動マニュアル、学校図書館司書スタートブック(札幌版)を用いまして、管理職と学校図書館司書に対して説明会を実施してきたところでございます。また、全校配置後の各学校における活動を効果的・効率的に進めるためには、学校図書館司書への個別の支援も大切と考えまして、学校図書館司書研修会を開催し、司書同士が互いの経験や工夫などを実践交流したり日ごろから相談したりすることのできる体制を整えてきたところでございます。  現在、各学校におきましては、学校図書館司書の発想や働きかけにより、子どもたちにとって活用しやすい学校図書館の環境整備や読書に親しむ活動などが進められております。 ◆石川さわ子 委員  学校の中で司書が活躍しやすいような取り組みについて、この間のご報告だったと思います。私も、学校図書館司書の役割や連携などについて、学校の中での情報共有は非常に重要だと思いますし、そうしたことに取り組みながら全校配置を進めてきたことを、まずは評価いたします。  一方で、全校配置で終わるというわけではなく、むしろ、全校配置が実現した後の取り組みが重要だというふうに考えます。子どもたちの知る自由を保障し、学校教育をより豊かにするためには、学校図書館司書の資質の向上を図ることとあわせて、司書教諭などの教職員とともに学校図書館を効果的に運営し、子どもや教職員がいつでも利活用できる工夫を進めていくことが必要だというふうに私は考えます。  そこで、質問でありますが、学校図書館司書と連携した取り組みについて、今後どのように充実させていくのか、伺います。 ◎相沢 学校教育部長  今後の取り組みの充実についてでございますが、教育委員会といたしましては、子どもが、自分の課題意識をもとに新たな情報を収集したり、授業で学んだことをさらに深めたりするなど、学校図書館を活用し、主体的に学び続けようとする態度を育成することが重要であると認識しております。  このため、今年度は、研究推進校や有識者の協力を得て、学校図書館司書と司書教諭が連携し、学校図書館を活用した課題探究的な学習の充実に取り組むモデル事例につきまして研究を進めているところでございます。今後、学校図書館司書に加え、対象を司書教諭にも広げた研修等の機会を設け、モデル事例の研究成果を普及啓発するなど、学校図書館が子どもたちの多様な学びを支える場としての機能を高めていくことができるよう取り組んでまいります。 ◆石川さわ子 委員  学校図書館司書と司書教諭の連携によるモデル事例の研究といったことに取り組まれていることを伺いましたが、ぜひ、そうしたことをさらに進めていただきたいと思います。  司書教諭の役割は、学校図書館法によりますと、学校図書館の運営に関する総括、そして、図書館を利用した授業等の教員への助言とありますけれども、現状では、司書教諭が発令されても、充て職であるために担任や進路指導などとの兼任という中で、専任が保障されず、学校図書館司書にお任せになる場合もあるというふうに聞いているところです。  また、学校図書館司書は、札幌市のホームページで募集されていた要項を見ますと、1校当たり年間525時間、1週15時間程度の活動に対し、交通費込みで900円の謝金という形になっております。さらに、募集要項によりますと、活動内容としては、図書館資料の利用その他学校図書館の利用に関し、生徒に対し指導を行うこと、また、図書館資料を授業で効果的に活用できるよう教員への支援や情報活用能力等に関する児童または生徒への指導を行うこととあります。  学校図書館司書の人材確保については、これまでの議会のやりとりでは、実務経験を有する方からの応募が多数あるというふうに聞いてはおりますものの、ほかの自治体におきましては、学校図書館司書の任用方法を職員とするなどさまざまであります。私は、先ほど来言っております学校図書館法に照らした本来の役割、また、札幌市が求めている役割を果たすためには、有償ボランティア的ではなく、職員としての採用がふさわしいと考えるところです。  今後、子どもたちの豊かな学びをさらに充実させ、学校図書館の利活用を進めるためには、予算要求も含めて、学校図書館司書の任用のあり方についても検討していくことを求めて、この点についての質問は終わります。  次に、学校給食における食物アレルギー対応について伺います。  札幌市における食物アレルギーの児童生徒の現状としましては、直近3年間の学校保健統計調査の結果によりますと、在籍者数に対する食物アレルギーの人数の割合は、小学校では11%から12.3%に、中学校では13.3%から14.6%に、高校では10.9%から11.6%とふえる傾向にあります。文部科学省が2007年に明らかにした調査結果によりますと、児童生徒の食物アレルギーは2.6%と発表されておりましたから、これと照らして札幌市は比率が高いというふうに思います。アレルギーの症状としては、かゆみ程度の軽い場合もありますが、腹痛や呼吸困難、さらには、生命の危険も伴うアナフィラキシーショックに至る場合もあり、その危険性を認識することが重要だというふうに思います。  原因となるものを摂取しなければ症状は出ないわけでありますが、誤食や微量混入にも注意が必要な場合があり、学校給食においても細やかな対応が求められております。給食調理の対応としては、卵や乳製品など、アレルギーの原因となるものを除去する除去食、また、例えばアイスクリームのかわりにゼリーとする代替食、それから、給食調理以外の対応としてはお弁当の持参となっております。  そこでまず、1点目に伺いますが、札幌市の学校給食の食物アレルギー対応として、除去食、代替食の児童生徒、また、お弁当を持参している児童生徒はそれぞれ何人なのか、伺います。 ◎永本 学校施設担当部長  除去食、代替食及び弁当持参の児童生徒数についてのご質問でございます。  令和元年度の小学校、中学校の調査におきます各対応の児童生徒数でございますが、除去食対応が1,216名、代替食対応が491名、弁当持参が113名となってございます。 ◆石川さわ子 委員  次に、食物アレルギー対応の手引きに基づいた現状の対応について伺います。  札幌市におきましては、2008年に、学校給食における食物アレルギー対応の手引き、また、2010年に、札幌市立幼稚園・学校におけるアレルギー疾患対応マニュアルを策定しております。その中を見ますと、手引におきましては、例えば、児童生徒が給食で食物アレルギーを起こすことがないように学校内での体制づくりや食物アレルギー検討委員会の設置、また、教職員や関係者の役割等を定めるなど、さまざまな対応を詳細に規定しております。マニュアルは、主治医が作成した学校生活管理指導表に基づく具体的な実践方法をも可視化しております。  基本的に、各学校ではこれらに基づいた取り組みが行われているというふうに思います。しかし、私のところに保護者から相談がありましたけれども、その保護者のお子さんは中学生ですが、小学校からお弁当で、また、アナフィラキシーショックを起こす危険性が高い場合に医師が処方するエピペンを携帯しておりまして、そういったアレルギー対応の記録は進学先の中学校の養護教諭に伝わっていたということであります。しかし、担任の先生がエピペン等の研修を受けておらず、子どもに使い方を尋ねたりしていることがわかり、保護者は大変不安に思ったということであります。  また、複数の保護者は、小学校よりも中学校での学校との情報共有が難しいというふうに話されております。食物アレルギーを有する子どもたちの人数がふえていることもありまして、その対応には学校内での苦労もあるとは思いますけれども、定めている手引はしっかりと活用し、生かしていただきたいと思うところであります。  そこで、2点目の質問でありますが、給食の食物アレルギー対応については、手引においてさまざまなことが定められておりますが、小学校から中学校への引き継ぎや保護者と学校、また学校内での情報共有について、それぞれ実際にどのように対応しておられるのか、伺います。 ◎永本 学校施設担当部長  食物アレルギー対応の手引きに基づいた対応の現状についてでございます。  まず、小学校から中学校への引き継ぎにつきましては、小学校での児童の既往歴や経過、学校給食の対応の内容等を中学校に申し送りしておりますけれども、特に症状が重篤な場合につきましては、それぞれの教職員同士が直接やりとりして確実に確認を行っているところでございます。また、各学校では、保護者から提出いただいております個人調査票をもとに、面談等を通じまして児童生徒一人一人についてしっかり保護者との情報共有を行っているところでございます。また、校内におきましては、管理職や担任教諭、養護教諭、栄養教諭等を構成員として、委員からお話のございました食物アレルギー検討委員会を設置いたしまして、保護者の意向を踏まえた上で個別対応の内容について検討し、決定しているところでございます。また、その決定内容につきましては、職員会議等において全職員で共有し、学校全体で取り組んでいるところでございます。 ◆石川さわ子 委員  今、部長が答弁された内容は手引において定められておりますし、そのように対応されていれば、私は問題はないというふうに思いますけれども、実際のところを伺うと、そうではない場合があるということを申し上げているわけであります。  保護者は、この手引はもとより、今、校内の検討委員会のお話にも触れられましたが、そうした委員会が存在していることも知りませんでした。また、ほかの保護者のお話を伺うと、教頭先生の対応も、話を聞いてくれる態度としては非常に難しいということを感じていたとおっしゃっておりました。学校とか先生の対応によって、食物アレルギーの対応に違いがあることに保護者が苦慮している実態は確かにあると思います。  まず、食物アレルギーについて理解することが基本的なことでありますし、全ての教職員の方たちに食物アレルギーの理解の徹底を求めておきたいと思います。その上で、手引では情報共有の重要性を示しておりますが、手引においては対応の流れなどがある程度可視化されていることから、例えば、手引に沿って保護者に説明することで双方の理解はより進むのではないかとも考えます。
     そこで、この点に関する最後の質問でありますが、全ての学校や教職員が食物アレルギーについての理解を深め、適切な対応を行うために、今後どのように取り組むのか、伺います。 ◎永本 学校施設担当部長  適切な食物アレルギー対応への私どもとしての今後の対応、取り組みについてでございます。  最初にご指摘がございましたとおり、食物アレルギーは重篤な場合には命にかかわる症状を引き起こすこともございますので、対応する全ての教職員が高い意識を持って取り組む必要があるものというふうに認識しているところです。  このことから、食物アレルギー対応の手引きやアレルギー疾患対応マニュアルに基づいて各学校で校内研修を実施しているところではございますが、実践的な研修の取り組み状況については学校により異なっている状況でございます。そのため、昨年度から教育委員会主催の食物アレルギー対応に関する研修の一部におきまして、専門家を講師といたしまして緊急時に使用するエピペンの用途や使用方法などを学ぶ機会を設けたところでございます。参加した教職員が実践的な研修の必要性を認識しまして、食物アレルギー対応への意識の向上が見られましたことから、教育委員会としては、このような研修を全学校に広めていきたいと考えております。  今後も、全ての教職員が食物アレルギーに対する理解を深め、適切に対応できるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆石川さわ子 委員  今、部長がおっしゃいましたように、アレルギーは命にかかわる大変な問題であります。今後、そうした研修を全校に広めたいというお話がありましたので、そうした取り組みはぜひとも積極的に進めていただくことを求めます。  きょうは、手引のお話をしてまいりましたが、食物アレルギー対応の手引きの一番最初の「はじめに」には、学校現場である学校長を初めとする教職員やPTA代表、保護者、学校医などを構成メンバーとしてこの手引をまとめ、どの学校においても適切な対応が進むようにと、これをまとめた経緯が書かれております。どの学校においても、児童生徒、保護者、そして教職員の方たちが安心して給食の時間を楽しめるよう、学校給食における食物アレルギー対応の取り組みのさらなる充実を求めて、この質問については終わらせていただきます。  最後に、化学物質過敏症の子どもへの対応について伺います。  私は、この間、シャンプーや柔軟仕上げ剤等の香料などによって頭痛や吐き気などぐあいが悪くなることから、教室に入ることができない化学物質過敏症の子どもたちへの理解を深めることや、このように、ほかの子どもたちと一緒に教室で学びたくても学ぶことができない子どもたちの学習する機会を確保するための取り組みを求めてまいりました。昨年から、保護者や子どもの要望を受け、特別支援学級への入級によって化学物質過敏症の子どもが学校に通えるようになったことは、何よりも当事者が喜んでいることでありまして、評価するところです。  しかし、特別支援学級の設置は学校の空き教室の状況に左右されることや、設置した後も、隣の部屋など周りからの化学物質のにおいの侵入を防ぐことなど、課題があります。また、香料等によって不登校とならざるを得ない子どもの保護者からは、特別支援学級設置に向けた相談がふえてきているというふうに感じております。  そこで、質問いたしますが、化学物質過敏症の子どもに対し、どのような対応をしてこられたのか、また、今後どのように対応していくのか、伺います。 ◎相沢 学校教育部長  化学物質過敏症の子どもに対しまして、どのような対応をしてきたのか、また、今後どのように対応していくのかというご質問についてお答えいたします。  教育委員会では、子どもや保護者から化学物質過敏症について相談があった場合には、学校と連携しながら、子どもの状況などに応じて個別に症状の緩和につながる取り組みを進めてきたところでございます。例えば、小まめに教室の換気を行うことや、教科書を配付する前に天日干しをしたり、状況によっては通学する学校の指定を変更したりするなどの対応を行ってきたところでございます。あわせまして、対象となる子どもが在籍する学校におきましては、教職員はもとより、学校便り等を通じまして、柔軟剤等の使用に係る配慮などについて保護者にも周知するなど、学校内での理解の促進に努めてきたところでございます。  今後につきましても、本人や保護者の意向等を踏まえつつ、配慮すべきことを明確にしながら、個々の子どもの症状などに応じた丁寧な対応を進めてまいります。 ◆石川さわ子 委員  化学物質過敏症の子どもたちが学校に通えるようになるために、教育委員会の取り組みによりまして対応が少しずつ広がっているというふうに受けとめております。  しかし、学校内の理解の促進というお話ではありますが、教員の皆さんの理解不足が原因だと思われますけれども、強い柔軟剤などのにおいのする洋服を着ていることによって子どもが登校できない現状も依然としてまだまだあります。また、大規模改修工事等の化学物質のにおいに耐えられず、転校を余儀なくされる子どももおります。  他都市の状況を申し上げますと、特別支援学級の建築仕様においてにおいを放散させない工夫を独自にしている学校もありまして、札幌市においても、そうしたさまざまな方策については今後も検討していただくことを求めておきます。  現状の取り組みとしては、学ぶために指定校の変更という対応がやむを得ない場合もありますが、やはり、地域の学校でともに学ぶことができるよう、さらに方策を進めていただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ○小竹ともこ 委員長  以上で、第1項 教育委員会費等の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月16日水曜日午後1時から、総務局及び危機管理対策室関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後1時59分...