札幌市議会 > 2019-10-09 >
令和 元年第一部決算特別委員会−10月09日-04号
令和 元年第二部決算特別委員会−10月09日-04号

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  1. 札幌市議会 2019-10-09
    令和 元年第二部決算特別委員会−10月09日-04号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    令和 元年第二部決算特別委員会−10月09日-04号令和 元年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第4号)               令和元年(2019年)10月9日(水曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  村 上 ゆうこ      副委員長   中 川 賢 一     委   員  鈴 木 健 雄      委   員  勝 木 勇 人     委   員  こんどう 和雄      委   員  長 内 直 也     委   員  佐々木 みつこ      委   員  こじま ゆ み     委   員  伴   良 隆      委   員  北 村 光一郎     委   員  川田 ただひさ      委   員  村 山 拓 司     委   員  三 神 英 彦      委   員  藤 田 稔 人     委   員  大 嶋   薫      委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  しのだ 江里子      委   員  林   清 治     委   員  岩 崎 道 郎      委   員  かんの 太 一     委   員  あおい ひろみ      委   員  水 上 美 華     委   員  恩 村 健太郎      委   員  丸 山 秀 樹     委   員  好 井 七 海      委   員  わたなべ 泰行     委   員  前 川 隆 史      委   員  くまがい 誠一
        委   員  池 田 由 美      委   員  太 田 秀 子     委   員  吉 岡 弘 子      委   員  佐 藤   綾     委   員  千 葉 なおこ       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○村上ゆうこ 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、阿部委員からは北村委員と、竹内委員からは前川委員と、小形委員からは池田委員と、佐々木明美委員からは佐藤委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第3款 保健福祉費 第3項 老人福祉費、第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分及び介護保険会計決算について、一括して質疑を行います。 ◆藤田稔人 委員  私からは、高齢者への支援について質問させていただきます。  団塊の世代が全員75歳以上になる2025年問題が話題となり、それを見据え、政府は、9月に全世代型社会保障検討会議を立ち上げ、年金、医療、介護などを見直す議論を始めたところです。1947年、昭和22年生まれの団塊の世代1年生が、2022年、令和4年に後期高齢者となり、そして、2025年、この団塊の世代が一斉に全員後期高齢者となります。まさに、もう6年後ということで、あっという間のことかと考えております。そういった中で、医療では後期高齢者の窓口負担の引き上げ、年金では働く高齢者の年金減額制度の見直し、介護ではサービス利用時の自己負担について2割・3割負担の対象者を拡大するなどの議論がなされる予定です。  札幌市においては、平成27年10月は24.9%であった高齢化率が、ことし7月には27%になりました。また、高齢単身世帯も増加しており、2025年には、一般世帯のおよそ8世帯に1世帯が高齢単身世帯になると見込まれております。私の周りでも単身高齢者がふえていると実感することが多く、年を重ねて体力が低下していたり、あるいは、一見すると元気そうに見えるかもしれませんが、認知症を患っていたり、そういった方々を近隣住民が心配しながら見守っている例が見られます。  札幌市高齢者支援計画2018では、幾つになっても住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるまちづくりを基本目標に掲げ、状態に応じたサービス支援体制が示されております。札幌市において要介護認定等を受けている高齢者は、全体の約2割であり、8割が認定を受けていないことを考えると、必要に応じてサービスが受けられることはもちろん、要介護状態になる前に、日ごろから高齢者の健康を支える取り組みも非常に重要であると考えております。  そこで、質問です。  まず、札幌市では、平成29年度より、介護予防センターの人員を強化し、介護予防活動を推進するためのモデル事業を実施しておりますが、その取り組みと成果についてお伺いいたします。 ◎石川 地域包括ケア推進担当部長  介護予防センターのモデル事業の取り組みと成果についてでございます。  介護予防センターのモデル事業の取り組みとしましては、誰もが気軽にできるご当地体操でありますサッポロスマイル体操を作成し、介護予防の普及啓発のツールとして活用しております。また、リハビリテーション専門職の派遣などを通じ、自主活動化を目指した介護予防教室の実施と老人クラブやサークルなどの既存団体における介護予防活動の支援を行ってきたところでございます。  その結果、モデル事業で実施しました介護予防教室86カ所のうち、50カ所が自主活動につながり、また、既存団体123団体に働きかけを行った結果、84団体が介護予防活動の取り組みを取り入れるという成果が得られたところでございます。参加者の効果測定を行ったところ、歩行速度などに向上が見られており、今年度は全区のセンターにおいてこの取り組みを拡大しているところでございます。 ◆藤田稔人 委員  介護予防の取り組みについて一定の効果があったという答弁をいただきました。高齢者が心身の健康を保ち、地域で生き生きと過ごすことは非常に重要であり、今後も継続してほしいと考えております。  また一方で、高齢になると、健康や住まいの問題など、生活を送る上でさまざまな不安や心配事が出てくると思われます。  そこで、質問ですが、市内27カ所ある地域包括支援センターでは、介護保険を受ける前の高齢者に関する相談にも対応できているのか、その実態を伺います。 ◎石川 地域包括ケア推進担当部長  地域包括支援センターの高齢者の相談対応についてでございます。  地域包括支援センターには、住民からの直接相談だけではなく、関係機関や民生委員を通じて多くの相談が寄せられており、年々、認知度も高まっている状況でございます。相談内容としましては、認知機能の低下や心身の健康に関すること、体が弱ったときの生活の場所に関すること、消費者被害からの権利擁護など多岐にわたっております。地域包括支援センターでは、介護保険の公的なサービスのみならず、関係団体との連携を図り、民間サービスを含め、地域のさまざまな資源を紹介するなどして、高齢者の心身の状態に応じた支援を行っているところでございます。 ◆藤田稔人 委員  地域包括支援センターについては、非常に業務が多忙であり、大変とのお話も聞いております。  そこで、要望ですが、地域包括支援センターは、高齢者の相談や地域の活動において最前線に立つ機関であり、地域包括ケアの推進に向けた重要な役割を担っております。札幌市は、地域包括支援センターの人員体制を含めた体制整備を今後もしっかりと行っていただき、健康、長寿な札幌のまちをしっかりと実現していただきたいと考えております。 ◆くまがい誠一 委員  私からは、介護職の処遇改善についてと高齢者あんしんコール事業について、順次、質問させていただきます。  初めに、介護職の処遇改善について質問させていただきます。  介護人材不足が全国的な課題となっている中、介護職の処遇改善については、新たな人材確保や離職防止を図っていく上で切り離すことのできない問題の一つであります。公益財団法人介護労働安定センターが実施した平成30年度介護労働実態調査によると、介護職の離職率は15.4%とここ数年で見ると減少傾向にあるものの、他産業と比較するとまだまだ高い水準であります。  離職につながる労働条件、仕事に関する悩みの調査項目では、人手が足りないや、仕事の内容の割に賃金が低いなどが上位を占めております。国の仕組みにおいて行われる賃金改善については、平成21年度に創設された旧介護職員処遇改善交付金から始まり、過去5回の報酬改定により、月額平均5.7万円の改善が図られてきたことは承知しているところです。しかしながら、全産業の平均年収には達しておらず、介護人材不足の解消には至っていない大きな原因となっております。  平成29年12月8日に閣議決定された新しい経済政策パッケージの中では、介護人材確保のための取り組みをより一層進めるため、経験、技能のある職員に重点化を図り、勤続年数10年以上の介護福祉士については、月額平均8万円相当の賃金改善を図ることを算定根拠に、公費1,000億円を投じることとされ、この10月に介護職員等特定処遇改善加算が創設されたところです。介護人材不足の解消を図っていく上で、同加算の取得は介護事業所にとって必要不可欠であると考えます。  そこで、質問ですが、この10月に創設された特定処遇改善加算の届け出状況についてお伺いいたします。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  特定処遇改善加算の届け出状況についてのお尋ねでございました。  特定処遇改善加算につきましては、所定の要件を満たす事業所が取得可能でございますけれども、その対象事業所数はおよそ1,900事業所となってございます。8月末までに特定処遇改善加算の届け出を行った事業所数はおよそ1,200事業所であり、対象事業所の6割以上の事業所が届け出を行っているところでございます。 ◆くまがい誠一 委員  処遇改善加算については、一定の要件を満たしている事業所しか算定できないことから、介護職の賃金改善について事業所任せになっている一面も否めないのではないかと思います。  そこで、質問ですが、札幌市においては、処遇改善加算の取得促進を図るため、平成27年度からキャリアパス制度導入支援事業を開始し、希望する介護事業所に対して、社会保険労務士を派遣し、訪問相談を実施してきたと聞いておりますけれども、その実績及び成果について伺います。  また、現在も加算未取得である事業所への働きかけなどについてはどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  キャリアパス制度導入支援事業の実績、成果と、いまだに加算が未取得である事業所への働きかけについてのお尋ねでございました。  キャリアパス制度導入支援事業は、介護職の方が将来展望を持って介護の現場で働き続けることができるよう、能力、資格、経験等に応じた処遇が適切になされることを目的に実施しているところでございます。  平成27年度から平成30年度までの4年間で延べ166事業所からの相談がございましたが、その内容につきましては、各種助成金の申請方法や人事評価制度の見直しなど多岐にわたっております。加算に関しましては、79事業所からの相談があり、そのうち、40事業所が加算の新規取得や増額に至っておりますことから、一定の成果があったものと捉えているところでございます。  今年度は、これまで相談が多かった事例や加算を取得する上での留意点などを類型化した相談事例集を作成する予定でございまして、加算未取得事業所にこれを周知することによって、取得促進につなげていきたいと考えております。 ◆くまがい誠一 委員  一定の成果があることは承知いたしました。  しかし、加算未取得の事業所がまだ6割とのことでございますので、改善の余地があると考えます。今回の加算の取得の向上で介護職の処遇が少しでも改善されますよう、ぜひ、引き続きアドバイスをよろしくお願い申し上げます。  また、今回の加算では、介護職で勤続10年以上、また8万円の賃金アップという数字がひとり歩きしているという話を現場の介護職の方から伺います。医療の現場で働く介護職の方は対象外であることや、施設や事業所の報酬によって配分されるお金が違い、小規模の施設では少ない額になるところももちろんございますので、そのあたりは、説明と理解がしっかり行き届きますよう、今後もきめ細かな対応をよろしくお願い申し上げます。  次に、高齢者あんしんコール事業について質問させていただきます。  先ほどの質疑でもございましたが、近年、ひとり暮らしの高齢者、いわゆる高齢単身世帯の増加が続いております。平成27年に実施された国勢調査の結果によりますと、札幌市における65歳以上の高齢者のうち、ひとり暮らしの方の数は10万4,650人となっており、高齢者の実に21.6%がひとり暮らしをしている状況にあります。また、夫が65歳以上、妻が60歳以上の夫婦のみで構成されている高齢夫婦世帯も増加が続いており、同じく平成27年に実施された国勢調査の結果によると9万8,660世帯となっており、一般世帯92万415世帯に占める割合は10.7%となっております。高齢夫婦世帯については、昭和60年には1万9,247世帯であったことから、30年間で5倍以上になっており、高齢単身世帯高齢夫婦世帯ともに増加が続いている状況にあります。  今後とも、増加が見込まれる高齢単身世帯高齢夫婦世帯が地域で安全・安心に暮らしていくためには、こうした見守りの取り組みはますます重要になると我が会派は着目してきており、高齢者緊急通報システムから、平成25年にあんしんコール事業への移行を積極的に後押ししてきた経緯がございます。  高齢者あんしんコール事業は、高齢者の自宅に専用の通報機器を設置し、24時間体制で緊急通報ができ、そして、いつでも健康等の相談に対応する事業でございます。また、受信センターから定期的な電話がけ、いわゆるお元気コールという安否確認も行っており、あわせて、健康状態の確認を行うとともに、交流の機会を設けることで、社会的に孤立しがちな状態を予防する役割も果たすなど、高齢者の在宅生活の不安軽減に極めて有効な事業と認識しております。  また、高齢者のみならず、身体障がい者も利用することが可能となっており、利用者の幅も拡大されてきておりますが、さらに多くの方に使用していただけるよう、利用要件の緩和についても、毎年の重点要望の中でも取り上げてきたところでございます。  そこで、質問ですが、高齢者あんしんコール事業の近年の利用状況についてお伺いいたします。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  高齢者あんしんコール事業の近年の利用状況についてでございます。  高齢者あんしんコール事業は、先ほどの委員からのお話にもございましたとおり、昭和63年から実施しておりました高齢者緊急通報システム事業を拡充する形で、平成25年12月から実施しております。その際、85歳以上のひとり暮らしの方につきましては、心身の状態を問わず利用できるようにしましたことや、緊急時に利用者宅に駆けつける地域協力員の確保を必須から任意に変更するなど、要件の緩和を行っておりまして、旧制度では1,200件台で推移していた利用件数が、現制度では2,500件台へと増加している状況にございます。 ◆くまがい誠一 委員  今ご答弁いただいたとおり、平成25年12月実施以降、利用者数が大きくふえているとのことですが、先ほども申し上げたとおり、札幌市における65歳以上の高齢者のうち、ひとり暮らしの方の数が10万4,650人であることを考えると、周知方法のあり方を含め、まだまだ多くの利用拡大が図れるのではないかと考えます。有効な事業と認識しているからこそ、より多くの方に利用していただきたいと考えております。  高齢者あんしんコール事業で使用する専用の通報機器は、従来、固定電話に設置するものであります。しかし、近年、固定電話を持たず、携帯電話やスマートフォンに移行している方がふえていることから、さきにも述べたように、市の予算編成の要望の中でも、自宅に固定電話を持たない方への対策を求めてきたところ、この10月からは、固定電話を持たない方でも申請可能と広報さっぽろでも案内していることを確認しております。  そこで、質問ですが、固定電話を持っていない方であっても利用できることについて、改めて、その内容をお伺いいたします。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  高齢者あんしんコール事業につきましては、先日、令和元年10月から令和4年9月までの委託契約を行ったところでございます。契約に当たりましては、固定電話を有していない方の利用を可能とするため、モバイル型の通報機器を導入する仕様といたしました。  モバイル型の通報機器は、緊急通報や24時間体制での相談など、従来の機器と同様の機能を有しておりますけれども、スマートフォンをベースとしたつくりになっておりますので、画面をスライドさせるなど、若干、操作が複雑になっております。このことから、固定電話をお持ちの方は従来の機器を使用していただき、固定電話をお持ちでない方のみ、モバイル型の機器を使用していただくこととしておりまして、申請時に区役所で操作性をご確認いただくとともに、設置時には事業者が丁寧に操作方法を案内することとしたところでございます。 ◆くまがい誠一 委員  これまでの要望が形となり、固定電話を持たない方であっても利用が可能となったことは非常に喜ばしく、ぜひとも多くの方に利用していただきたいと思います。そのためにも、新しいパンフレットやチラシを役所等に置くなど、広く皆様に知れ渡るよう、ぜひ、工夫をよろしくお願い申し上げます。  今後も、増加することが見込まれる高齢単身世帯高齢夫婦世帯、さらには日中独居の方々が住みなれた地域で安心して暮らすことができるよう、取り組みのさらなる充実を求め、私からの質問を終わらせていただきます。 ◆池田由美 委員  私からは、老人クラブの補助金についてと、加齢性難聴の補聴器への助成について、2点質問いたします。  最初に、老人クラブへの補助金制度について、3点質問いたします。  札幌市の高齢者支援計画の中では、生涯現役社会の実現につながる社会参加の拡大を基本理念として、基本理念の実現に向けて、世代間協調、多様性、公共性の三つの観点から社会参加支援を進めていくとしております。その中で、意欲と気運を高める「意識醸成」、出番と役割を広げる「機会拡大」、意欲と行動とを結びつける「環境整備」の三つの基本施策を設定しております。  これらの計画推進には、老人クラブの活動が大きな役割を果たしていると考えます。しかし、老人クラブの運営は、町内会の役員や女性部、福まちの役員も重複して担っていることが多く、老人クラブ活動の背景には、高齢化による担い手不足も課題となっていると考えます。補助金の使い方についても、老人クラブの例会にはお茶とお菓子がつきものと考えますけれども、補助金をお茶、お茶菓子の購入には使えない、そういった細かな制約もあり、柔軟な使い方にしてほしい、そういった声も聞いているところです。クラブ数を見ても、2015年度の470から2019年度では436と減っているのに伴い、補助金交付決定額は、4,465万4,000円から4,013万1,000円へと減少してきております。  そこで、質問いたしますけれども、2013年度、地域を豊かにする活動を地域や市民に知ってもらう、また、老人クラブの加入率向上へとつなげる視点から、これまで一括して支払われてきた老人クラブの活動費補助金制度が見直されたとしています。  どのような補助金制度となったのか、伺います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  老人クラブ活動費補助金制度の平成25年度の制度改正の内容についてのお尋ねでございます。  改正に当たりましては、老人クラブが取り組んでいる社会活動をより広く地域や市民に知っていただくよう、会員数区分による定額補助部分に加えまして、新たに、地域を豊かにする社会活動、その活動実績による加算額を設けました。また、補助額の会員数区分を見直し、当時、全体の約6割のクラブが分布しておりました50人から79人という区分の上に新たな区分を定めまして、補助額を増額することにより、各クラブの会員増強に向けた動機づけの仕組みを設けたところでございます。 ◆池田由美 委員  社会活動を行っていることを市民に知ってもらうということで、社会活動の実績、ボランティアの実績によって加算していく、そういった中身になっているというふうに思います。  前段に言いましたけれども、老人クラブの活動を豊かにするボランティアの活動は、女性部や福まちの活動と重複して活動する皆さんが努力されているというふうに思いますから、その努力を補助金の算定に利用していくことは、地域の皆さんにとっては大変失礼な話ではないのかと私は思っているところです。また、ボランティアは任意の活動でありますから、さまざまな理由でボランティアに参加できない人は老人クラブに行きづらい、そういったことにもつながるのではないのか、先ほど答弁した補助金を出している意味に照らしても、逆行していくことになっていくのではないのかというふうに考えております。  質問いたしますけれども、ボランティア活動の参加人数によって補助金を算定していく考え方は改めるべきではないのかと考えますがいかがか、伺います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  老人クラブ活動費補助制度については、老人クラブの健全な育成を図るとともに、クラブの活動を活性化させ、高齢者福祉の増進や地域福祉の向上を図ることを目的としているものでございまして、やはり、各クラブが地域でどのように活動されているか、そのようなところに着目して補助金を交付させていただいているところでございます。  実際に、この改正後、9割を超えるクラブが加算要件を満たす社会活動にも取り組んでおりますし、この補助金の交付によってクラブの活性化につながっているものと考えております。 ◆池田由美 委員  9割のところで加算しているという話も今伺いました。  しかし、前段に言いましたけれども、やはり、私は、ボランティアは任意の活動であることと、加算を求めるためにやるものではないと思います。ですから、これをもって算定していくことは、やめるべきではないのかというふうに申し上げておきたいと思います。  そして、最後にもう一つお伺いしますけれども、85歳など一定の年齢に達した会員の会費の免除ということです。これまで貢献していただいた感謝の思い、そして、敬老の思いを込めて、会費の免除ということを進めているクラブもあります。しかし、本市の老人クラブの運営基準の中では、会員は、クラブ活動に充てるため、定期的に会費を納入するものとする、こういった項目で判断して、免除された高齢の会員の皆さんを補助金の算定人数から外す仕組みになっております。これでは、せっかくの地域での敬老の取り組みが台なしとなっていくというふうに私は思いますが、やはり実態に見合った見直しをしていくべきではないのかと思いますので、このことも伺いたいと思います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  運営基準に関して、会員の年齢に応じて会費を免除するクラブがあるので、それについてどう考えるかというお尋ねかと思います。  会員の年齢に応じて会費を免除するという各クラブの取り組みにつきましては妨げるものではございませんけれども、補助金の交付に当たりましては、対象者が当該クラブに所属して活動していることが対外的に明らかになることが必要であると考えております。このため、運営基準におきましては、会員は、クラブ活動に充てるため、定期的に会費を納入するものとすると定めているところでございますので、ご理解をいただきたく思います。 ◆池田由美 委員  敬老の思いでクラブの会費を免除することについて、運営基準は本市がつくっているものですから、私は、実態に合わせて変えていくことができるのではないかと考えるわけです。ですから、そうした地域で行われている敬老の思いを大事にして、しっかりと寄り添って運営基準を見直すことが必要ではないのか、見直すべきだと申し上げて、この質問は終わらせていただきます。  次に、加齢性難聴の補聴器への助成について、4点質問いたします。  生涯現役社会の実現につながる社会参加の拡大を進めるため、環境の整備が重要となっていると考えます。加齢による難聴は、家庭でも社会的にも孤立しやすく、高齢者の社会参加のバリアとなり、生きづらさにもつながっていると考えます。難聴であっても生活の質を維持し、向上させるための保障が必要です。補聴器を活用して聞こえのバリアフリーを進め、安心・安全に社会参加ができるように支援していくことが必要と考えます。  そこで、質問いたしますけれども、本市における難聴による補聴器への助成制度はどのように取り組まれているのか、必要な高齢者が適切に支援を受けられているのかどうか、伺います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  札幌市における補聴器の助成制度についてのお尋ねでございました。  札幌市におきましては、身体障害者手帳を所持する聴覚障がい者を対象に、障害者総合支援法に基づく補装具費支給制度により補聴器の交付を行っております。また、平成26年4月からは、身体障害者手帳の交付対象とならない軽度、中等度の難聴がある子どもの保護者に対し、補聴器の購入または修理に係る費用を助成する事業を実施してきているところでございます。  補聴器が必要な高齢者がこれらの制度を使えているかということですけれども、障害者手帳を所持する方に対する制度につきましては、年齢にかかわらず、申請があり、判定等により補装具が必要と認められた方に支給を行うものでございまして、高齢者につきましてもこの制度を適切にご利用されていると考えております。 ◆池田由美 委員  今の答弁でいきますと、18歳以下の子どもたち、そして、聴覚障がい6級と認定された方が受けられる助成があるということで、今生活していて難聴になってきている高齢者にはなかなか届きづらい制度になっているのではないのかというふうに思います。  加齢による難聴への補聴器への補助ということですけれども、耳の検診でいきますと、20デシベル、30デシベル以下だと正常だというふうにされているところで、聴覚障がいの6級は70デシベルです。70デシベルがどういう状態かといいますと、両耳で40センチ以上離れると会話の内容がわからなくなる状態だと言われておりまして、重度となってからようやく補聴器の助成になります。また、補聴器は、片耳分だけでも10万円、20万円と高額になります。両耳の場合は40万円、50万円となって、家計への負担は本当に大きいものになります。  そこで、質問いたしますけれども、負担の大きい補聴器への助成などの支援が求められていますが、必要性についてどのようにお考えか、伺います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  高齢者の方が聞こえが悪くなったときに助成が必要ではないかというお尋ねかと思いますけれども、難聴を含めました加齢に伴う身体機能の低下といいますものは、一般に多くの方に生じることでございまして、その支援につきましては、多額の費用を要することも見込まれますので、慎重な検討が必要であると考えるところでございます。 ◆池田由美 委員  多額の費用がかかるので、そういった面からも検討しなければならないというご答弁だったというふうに思うのですが、する、しないは別として、そういった助成が必要と考えるのかどうか、必要性を感じるのかどうか、もう一度伺いたいと思います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  繰り返しになりますけれども、難聴が進んで聞き取りが悪くなる、そのこと自体で、日常生活におけるコミュニケーションが取りにくくなるとか、社会参加にも少なからず影響があることは認識はするところでございます。  しかしながら、それに対して公費で助成を行うかどうかということにつきましては、やはり慎重な検討が必要であると重ねてお答えさせていただきます。 ◆池田由美 委員  慎重に検討するというご答弁ですが、必要だということです。  国の認知症施策推進総合戦略、新オレンジプランにも、難聴が認知症の危険因子と明記されております。介護サービスを利用して生活している高齢者にとって、インターホンの音が聞こえない、また、ガス漏れのアラームが聞こえない、こういった状態もございます。そして、日常的な生活の中でも、冷蔵庫があけっ放しになっているときにアラームが鳴るのですが、こういった音も聞こえないということが日常的に起こってくるわけでありますから、こういった問題は、介護を受けている当事者はもちろん、介護にかかわっている家族の問題でもあるというふうに考えます。  WHO、世界保健機構では、41デシベル以上となった場合は補聴器をつけたほうがよいと推奨しています。41デシベルという状態はどういう状態かといいますと、時々聞こえないことがある、中等度の状態になります。耳鼻科の医師にもお話を聞きましたが、障がい認定の6級は70デシベルで、先ほど言いましたように、40センチ離れると会話がなかなか聞こえないという状況ですけれども、そうなってから補聴器を使うより、早く使ったほうがよい、補聴器から入る音にもなれてきますし、やはり生活の質が向上していく、難聴が深刻になってからだと補聴器の音になれづらいという話もされておりました。また、難聴を放置するとコミュニケーションもとりづらくなって認知機能が落ちていく、鬱や認知症にもなっていく、そういったこともあるのだと話されておりました。  そこで、質問しますけれども、早いうちに補聴器をつけてなれていくこと、このことにより、重症化を防ぎ、生活の質が向上し、主体的に社会参加に取り組んでいくことができると考えますが、どのようにお考えか、伺います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  先ほどもお答えいたしましたけれども、難聴が進んで聞き取りが悪くなることが、日常生活あるいは社会参加等に影響があることは認識してございますので、補聴器は、高齢者のおのおのが必要とされたタイミングで使用していただくことが適当であると思うところでございます。 ◆池田由美 委員  日常生活や社会生活に影響があることは認識されているということでございます。  私は、聞こえのバリアフリーを進めることなしに、高齢者の社会参加を保障することは難しいのではないのかと考えます。既に、千葉県浦安市や岩手県大船渡市、東京23区では7区で実施されておりますし、北海道の赤井川村など、高齢者の補聴器購入の助成を実施する自治体が全国で広がっております。先ほども言いましたように、片耳でも10万円、20万円とするわけです。そして、安いものは、会話ではなく、いろんな音を拾ってしまうので非常に使いづらい、そういったことがあります。そして、お一人お一人の耳にフィットするもの、それをどう整備していくのか、そこにも時間がかかったりするわけですけれども、やはり、そういった支援が必要になってくるのではないのかというふうに思っているところです。  本市も、こういった他都市に学んで、どのような支援をしていくのか、やはり検討を始めていくべきではないのかと考えますがいかがか、伺います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  幾つかの自治体で独自の助成制度を設けていることは承知しておりますけれども、その助成の内容や対象はさまざまでございます。補聴器購入への支援につきましては、札幌市に限った問題ではなく、また、住んでいる地域にかかわらず、同じようなサービスを受けられることが望ましいのではないかと考えるところでございます。現在の聴覚障がい者や難聴がある子どもへの支援が国の補助制度により実施されていることに鑑みましても、高齢者の補聴器購入への支援につきましても、まずは国が検討すべきものと認識しているところでございます。
     先ほど委員からもお話がございましたが、認知症の予防という観点からも、国は、平成30年度から補聴器を用いた聴覚障がいの補正による認知機能低下予防の効果を検証するための研究を開始しているところでもございまして、まずは国の動向を注視してまいりたいと思うところでございます。 ◆池田由美 委員  今、国の検討が行われてきているので、そういった国の動向を注視していくというご答弁でした。  高齢化が進んできている、今こういった実態は待ったなしで来ているわけですから、高齢になっている皆さんが社会参加をしっかりと進めていく、このことは札幌市においても非常に重要なことだと、私たちも含めて皆さんも認識していると思うのですけれども、こういったことをしっかりと支えていく、私はそれが自治体の役割だというふうに思っているところです。人生を豊かに過ごすためには、聞こえるという問題は避けて通れません。高齢者の生活の質を向上させて、社会参加を保障するために、関連する部局と連携して、加齢による補聴器への助成の検討を始めるべきだと申し上げて、質問を終わります。 ◆佐藤綾 委員  私からは、介護保険について、幾つか質問させていただきます。  本市の調べによると、昨年度、2018年4月から2019年3月までの間に、介護事業所の廃止数は217件に上りました。そのうち、法人変更が69件で一時的に上がっていますが、ここ数年、実数で150件前後もの事業所が廃止という状況が続いております。昨年度に人員不足のため廃止となった事業所は、そのうち34件、その前年の2017年度は34件、2016年度は35件と、人員不足による事業所の廃止が多いことが続いています。  先ほどの質疑でも介護人材の不足についてございましたけれども、介護人材の不足は全国的な問題であり、全労連介護・ヘルパーネットが2018年10月からことしの1月まで行った介護労働実態調査によると、介護施設で働く方の平均年齢は44.8歳で、訪問介護では55.5歳、特に登録ヘルパーは58.7歳と高齢化が進み、60歳以上のヘルパーが51%です。20代の介護労働者は、施設で10.9%、訪問ヘルパーでは1%しかおらず、30代もヘルパーで5.9%と、深刻な状況であることがわかりました。また、全産業平均より8万円も低い賃金で、賃金改善への要求は切実です。  仕事をやめたいと思ったことがあると答えた方は、いつもが10.8%、時々が53.7%で、理由としては、仕事がつらい、忙し過ぎる、体力が続かないが55.9%、賃金が安いが39.9%となっています。介護事故を経験した人は75%、原因は現場の忙しさと人員不足との返答が78.7%と圧倒的です。  私が介護事業所にお聞きしたところ、介護人員不足で施設間で取り合いとなっている、資格のない介護助手も雇用しているが、労働環境の悪さに希望が持てず、やめてしまう、外国人の雇用を考えているといったことを伺っております。  札幌市が2017年に行った介護事業所への調査でも、人材確保の取り組みで、給与面を手厚くするが46.1%と最も高く、運営での問題点では、介護報酬が実態にそぐわないが64.8%、介護従事者の確保が難しいが63.1%となっており、外部研修へ参加しない理由も、時間の余裕がないが79.7%、離職理由として、給与が28.7%で一番高く、健康が26.1%となっており、給与が安く、健康を害するような忙しさであることがうかがえます。  先ほどの質疑で処遇改善のこともございましたけれども、本市として、介護人材確保のために今後どのように実効ある施策に取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  介護人材の確保につきましては、良質な介護サービスを安定的に提供していく上で重要な課題であると認識しております。  札幌市では、新たに介護事業に従事する人材を確保するため、介護事業者が適切に人材を確保できるように、採用力を向上させるためのセミナーやその実践の機会としての合同就職相談説明会を開催してきております。加えて、中学生、高校生を対象として、介護業務のイメージアップを図り、将来的な介護職志望者の増加につなげるため、啓発冊子を作成し、配付すること、また、事業所の職員が実際に学校へ出向いて介護の仕事のやりがいを伝えるというような出張講座も実施しております。また、介護職員の離職を防ぎ、人材定着を図ることを目的に、介護職員の労働環境づくりに役立つ各種研修を実施するとともに、先ほどのくまがい委員の質疑でもございましたが、処遇改善に資するよう、キャリアパス制度導入支援事業を実施しているところでございます。  さらに、今年度からは、職員の育成や処遇・職場環境改善についてすぐれた取り組みを行っている事業者を表彰するとともに、好事例集を作成し、ホームページ等で周知する事業を開始いたしました。今後も、改善を図りながらこれらの取り組みを継続的に実施し、介護人材の確保につなげたいと考えております。  あわせて、介護人材の確保あるいは報酬や処遇の改善につきましては、全国的な課題でもございますので、機会を捉えて国への要望も行いたいと存じます。 ◆佐藤綾 委員  介護人材の不足は待ったなしの問題であり、今後、この状況が続けば介護サービスに影響が出ることは間違いありません。本市としても、いろいろな取り組みを進めてきたところですけれども、やはり、イメージアップと言っても、希望を持って介護職についた方が離職しているという実態があるわけです。やはり、希望を持って働ける、きちんとやりがいを持って、それに見合ったお給料で働けるといった改善がされないと、イメージアップにもつながっていかないのではないかと思います。  また、経営悪化にもつながり、処遇改善加算が取得できない、給与が引き上げられない小規模な事業所もあります。国の動向を待っていられる状況ではないと思いますので、市として、処遇改善などを上乗せして、労働環境の改善と人材確保の施策にさらに取り組んでいくべきと申し上げます。  次に、介護認定からこぼれている、支援が必要な方の対策についてお聞きいたします。  札幌市の65歳以上の方のうち約20%が介護認定を受けていると先ほどの質疑の中にもございました。そのほかの8割の方は介護認定を受けていないことになりますが、元気な方ばかりではありません。総合支援事業では、介護認定を受けていない方でもチェックリストで認定されるとサービスを受けられるとなっており、そうした方が本市でも1,000人ほどいるとお聞きしております。しかし、要支援、介護サービスが必要である状態で、介護認定も受けずにいる方がいるのも事実です。  私がかかわった方ですけれども、80代で妻を亡くしてひとり暮らしとなり、それまで妻の介護をしていた元気な方でしたが、数年後、認知症を発症し、体調も悪化し、明らかに支援が必要と見受けられました。生活保護を受けていたにもかかわらず、介護認定も受けておらず、重篤な病気だったことが後にわかりましたが、医療にもつながっていませんでした。認知症による本人の判断力低下によるものと思われますが、介護サービスにつなぐ何らかの手だてがなかったかと思うケースです。そうした方がまだいらっしゃるのではないかと思います。  そこで、質問ですが、介護保険サービスが必要な方でも、まず、介護制度について知らない、包括センターなどにも行き着かない方もいることから、そうした方を介護サービスにつなぐためにどう支援していくのか、取り組みを伺います。 ◎石川 地域包括ケア推進担当部長  適切なサービス支援につなげるための取り組みということでございます。  札幌市では、広報さっぽろや出前講座などを活用し、広く市民に介護保険制度について周知するとともに、必要な方につきましては、民生委員や福祉のまち推進センターなどと区役所と地域包括支援センターが連携し、適切なサービスにつながるよう個別に支援を行っているところでございます。  一方で、認知症などにより、サービスを拒否したり、また、ご本人やご家族が必要性を感じていないなど、さまざまな要因でサービスにつながるまでに時間を要する事例もふえてきている状況でございます。そのような場合につきましては、地域住民や支援機関で構成されますケア会議などを通じ、見守りや連携体制を整備するなど、切れ目のない支援体制を構築できるよう取り組みを進めているところでございます。 ◆佐藤綾 委員  地域での介護予防の活動は大変重要なもので、役割を果たしているものと思います。こうした活動は、地域住民に支えられている面も多いですけれども、地域での高齢者の健康増進のための事業や老人クラブなどにも参加しない高齢者が多いのも事実です。そこには、出かけるとお金がかかるからという高齢者の貧困も隠されていると思います。そうした中で、重篤化していく危険性があるのは否めません。高齢であるにもかかわらず、介護認定を受けていない方に対し、地域の見守りなどの協力も含めて、本市が関係部署と連携し、調査などしてつかんでいくこと、そして、着実にサービスにつないでいくことが必要と申し上げます。  また、介護サービスを受けている方でも、経済的事由、貧困により、必要なサービスを受けられない事案もあります。高齢の親と親子2人暮らし、50代の息子が働いている間、親は認知症もあり、ひとりで心配で、デイサービスをふやしましょうとケアマネジャーが提案しても、利用料が払えないと言って週1回にしている、こうしたお話もお聞きしますし、介護虐待が心配される高齢者夫婦で、せめてショートステイでストレスを軽減したいと思っても、お金の問題で利用できないというケースもあるとのことです。  そこで、質問いたしますけれども、こうした必要なサービスが受けたくても経済的事由で受けられない方に対し、本市の施策として受けられる軽減策を講じるべきと思いますがいかがか、伺います。 ◎石川 地域包括ケア推進担当部長  介護サービスの負担軽減ということになるかと思います。  介護保険制度は、高齢者と現役世代が負担する介護保険料と、国、都道府県、市町村による公費負担の割合が法令で定められているほか、1割から3割までの利用者負担で必要な経費を賄います給付と負担の関係が明確な社会保険制度でございます。  低所得者の方につきましては、介護保険制度上も収入に応じた利用者負担の軽減策を講じており、例えば、利用者負担が高額にならないよう、一定額を超える負担については高額サービス費として払い戻すなど、制度上、可能な限りの配慮を行っている状況ではございます。  さらなる札幌市独自の負担軽減策につきましては、この制度における利用者間の公平性の観点や、また健全な介護保険財政の運営の観点などを踏まえますと、現状では適切ではないというふうに考えております。 ◆佐藤綾 委員  今、お金がなくてサービスが受けられないという方は、高額限度額まで行き着かないでも受けられないという方なんですよね。介護保険料を払いつつ、必要なサービスが受けられない、受ける人がふえると介護保険料にはね返る、そういった制度自体が問題ですが、せめて、介護面と経済面で大変な方たちがサービスを受けられるよう、市が支援すべきであると切に申し上げます。  介護現場では、経済的理由、貧困でサービスが受けられないといった事例を抱えながら、介護の矛盾にも心を痛めつつ、日々、利用者と接しており、人が足りないため、身体的な疲労とともに心のストレスも感じながら、仕事に見合わない給与と、休みも思うようにとれない状況で働いています。介護制度自体に大きな課題があると言われております。せめて賃金の引き上げをと、7月には、北広島市議会と石狩市議会で看護師と介護職の産別最低賃金の新設を求める意見書が採択されました。これまでも、余市町、仁木町、積丹町、寿都町、黒松内町の各議会で採択されています。本市としても、国へ強く処遇改善などの要望をしていくべきと申し上げ、質問を終わります。 ○村上ゆうこ 委員長  以上で、第3項 老人福祉費及び介護保険会計等の質疑を終了いたします。  次に、国民健康保険会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分について、一括して質疑を行います。 ◆吉岡弘子 委員  私は、国民健康保険における一部負担金減免制度について質問させていただきます。  国保の一部負担金減免制度は、災害や失業などで医療費の支払いが困難になった方が利用できる制度ですが、利用者は、本市では、2016年度は3人、2017年度は2人、2018年度の分は、胆振東部地震の被災者分を除くと、4人という目を疑うような少なさです。2017年4月から12月まで、窓口での相談件数は11件ありますが、利用は2件にとどまっています。本市の市民所得は、20政令市中最下位、国保加入30万世帯のうち、2件とか3件の利用です。制度がありながら、その役割を果たせないでいるというのが実態です。  そこで、質問です。  利用者が少ない要因の認識について伺います。  あわせて、制度の周知についてどのようにしているか、お尋ねします。 ◎西村 保険医療部長  利用者数の認識と周知方法についてお答えいたします。  一部負担金の減免は、災害や失業などの特別の理由に該当する場合に行う一時的、臨時的な措置でありますことから、減免の適用に当たっては、明確な基準のもと、厳格に実施されなければならないものと考えております。政令市の平成30年度の実績を見ますと、認定件数0件の市が8市、認定件数が1桁台の市が5市となっておりまして、札幌市が突出して利用者が少ないとは認識してございません。  周知方法につきましては、国保のしおり、国保加入者のてびきなどの冊子類やホームページへの掲載により、PRに努めてきたところでございます。また、高額療養費制度とともに、この制度を説明したリーフレットも作成し、PRしているところでございます。 ◆吉岡弘子 委員  一時的ということで厳格に扱っているというお話でしたけれども、札幌市の市民の貧困といいますか、生活の厳しい実態を考えたら、2人、3人というのは制度が利用しづらい、そしてまた、周知が十分にされていないのが原因ではないかと思われます。0の政令市もあるとおっしゃいましたが、その一方で、広島市などは数百件、また大阪市などは三十数件と、そういう政令市もあるわけですから、少ないほうと比較しないで、市民のために頑張っている、そういう市に対して目を向けることが必要ではないかと私は思います。  周知については、ホームページ、そして、国保加入者のてびきや国保のしおりに掲載していると思います。確かに、加入者のてびきは、5万8,000部印刷して区役所などに置かれていて、小さいスペースながら見出しもあります。しかし、28万5,000部印刷して国保加入者全員にお配りされている国保のしおりには、24ページに書いておりますけれども、見出しが全くありません。私は、けさの日刊紙の朝刊を見ましたが、見出しのない記事などほとんど見当たりませんでした。国保のしおりの23ページ、24ページを見開きで見ると、まるで、上のほうに書いている高額医療費についての続きのような書き方となっております。私は、周知するためのしおりとしては全くもってわかりにくい書き方だと思います。  そこで、質問です。  しおりや手引は誰が見ても一目でわかるものにすることとあわせて、ポスターを病院の待合室や地下鉄のホームや中づりなどに掲示するなど、制度の周知徹底を図るべきだと思いますがいかがか、伺います。 ◎西村 保険医療部長  制度の周知徹底についてのご質問でございます。  周知につきましては、先ほど申し上げたとおり、冊子類やホームページなどで行っておりまして、そういった一般的なPRもありますが、そのほかにも窓口での相談というものも重要であると考えております。加入者から、生活が困窮し、一部負担金の支払いが困難と相談があった場合には、相談者の話をよく聞きながら対応しておりますけれども、個々の事情に応じ、一部負担金の減免に限らず、ほかの福祉制度も案内するなどの対応を行っているところであります。  なお、既存の冊子類、あるいはホームページなどにつきましては、よりわかりやすくなるよう検討してまいりたいと考えております。 ◆吉岡弘子 委員  既存のしおりなどにつきましては改善するというお答えでしたので、ぜひ、早急にお願いしたいと思います。  10月7日の委員会で私が質問いたしました無料低額診療制度の利用者は、延べ人数で年間1万人を超えております。周知が十分であれば、一部負担金減免制度の利用者はもっとふえるはずです。不十分だからこそ、利用者がこんなに少ないのではないでしょうか。また、周知とともに、この制度そのものの利用のしづらさもあると考えます。  2010年9月13日付の厚生労働省保険局長の都道府県知事宛て通知では、QアンドAが示されております。「保険料を滞納している世帯に属する被保険者について、一部負担金減免を行うことは適当でないと考えるがどうか」という設問があり、それに対する国の答えは、「今回示した基準に該当する被保険者については、保険料の滞納の有無にかかわらず、一部負担金減免を行っていただきたいと考えている」と書かれています。ところが、本市の要綱第3条には、「世帯主に賦課された国民健康保険料のうち、納期が到来しているものについて完納していること」、つまり、保険料を滞納していると制度を使えないとなっています。  そこで、質問です。  本市の要綱は国の指導に沿っていないと思いますがいかがか、伺います。 ◎西村 保険医療部長  保険料の完納を対象要件としていることについてのご質問でございます。  保険給付は、保険料を納めることが前提ではありますが、滞納されている方の中には、やむを得ない事情がある方も多くいることは承知しております。そのため、窓口で生活状況などを把握した結果、区長が特に認めるときは滞納があっても減免を行う場合もありまして、柔軟に対応しているところでございます。 ◆吉岡弘子 委員  滞納があっても、窓口で個別に対応されているということでした。  要綱に明記しないと、そういう事例があったときに、結局、対応がそれぞればらばらになってしまう状況があると思います。行政区によっては、ある人は減免できて、ある人は減免できなかった、そういうことも起きるのではないでしょうか。国の通知は、国保行政としてこうあるべきとして示しているわけですから、ぜひ実施するべきと考えます。政令市比較で見ますと、20政令市のうち、12の政令市では滞納条件には記載なしとなっています。  そこで、質問ですが、国の通知に沿った要綱に改めるべきと思いますがいかがか、伺います。 ◎西村 保険医療部長  要綱の見直しについてのご質問でございます。  平成30年度からの国保都道府県単位化に伴いまして、北海道では市町村の事務の標準化を進めております。この一部負担金の減免につきましても、統一基準の策定に向けて昨年度から検討を続けてきておりますが、統一基準は年内をめどに示される予定となっております。そのため、札幌市の要綱改正につきましては、北海道から示される統一基準を踏まえ、検討してまいりたいと考えております。 ◆吉岡弘子 委員  道との協議を進めているということでした。  本市が今見なければならないのは、道との協議ではなく、市民の実態こそ、今見ることが必要ではないかと思います。昨年、一部負担金減免について争われた札幌高裁判決では、国民健康保険法第44条第1項における一部負担金減免制度の趣旨は、社会保障の観点から、経済的に困窮する被保険者も国保制度の枠内で療養の給付を受けることができるようにする点にあると解されると指摘しています。つまり、保険料を滞納していても、安心して受診してくださいというのが法の趣旨であることから、本市の要綱を早急に改めるべきと申し上げて、質問を終わります。 ◆三神英彦 委員  私からは、国保のうち、特定健診の部分について伺わせていただきます。  先日の補充質問でも触れましたが、人生100年時代と言われる中、市民が健康に生活できる社会を実現するためには、健康寿命延伸に取り組むことがとても重要であると考えています。国においても、健康寿命延伸プランを策定し、2040年の健康寿命の目標値を、2016年当時と比べて3年以上延ばし、75歳以上に設定したところです。健康寿命の延伸には、高血圧、糖尿病、脂質異常などの生活習慣病の予防に取り組むことがとても有効で、そのため、特定健診を毎年受診することは、生活習慣病の兆しに早く気づく上で、とても重要な役割を果たすと思います。  そうした経緯を踏まえ、まずは、札幌市国保の特定健診の現状と課題について伺います。 ◎西村 保険医療部長  特定健診の現状と課題についてお答えいたします。  平成29年度の結果は、対象者が約26万8,000人、受診者が約5万4,000人、受診率は20.2%となっておりまして、市町村国保の平均値37.2%と比べますと低迷している状況にございます。また、残念ながら政令市の中では最下位となってございます。年代別に見ますと、40代の受診率が11.2%、50代の受診率が13.6%と特に低くなっております。  平成29年に特定健診の未受診者3,300名の方にアンケートを実施しましたところ、受診しない理由としては、一番多い答えが、定期的に通院しているから、続いて、受けようと思っていたが、忘れてしまった、さらに、仕事が忙しくて時間がとれなかったという状況になっております。札幌市としても、さまざまなPR事業を実施しておりますが、受診率は伸び悩んでおりまして、健診の必要性、重要性をより多くの方に認識していただくことが課題というふうに考えてございます。 ◆三神英彦 委員  特定健診の受診率が政令市の中で最下位というのは、福祉のまちを目指す札幌市としては、至急、改善していかなければならないことではないでしょうか。  国保平均が37.2%に対して、札幌市の現状が20.2%と、ここから向上させるためにやれることは、まだまだいろいろあると思います。また、アンケートの結果を見るまでもなく、忙しい人だとか、ものぐさな人、そういった方に健診を促すというのもかなり大変な労力なのではないでしょうか。  このように、なかなか特定健診を受けてもらえない方々に対して、受診率向上のため、現在どのような取り組みを行っているのか、また、今後どのように展開されていく予定なのか、伺います。 ◎西村 保険医療部長  現在の取り組みと今後の展開についてお答えいたします。  これまでの取り組みにつきましては、電話による勧奨のほか、受診しますと協賛企業のプレゼントが当たるキャンペーンの実施や、協会けんぽと連携した市民公募によるPRポスターの作成など、さまざまな事業を行ってきたところでございます。昨年は、受診率の高い10地区の連合町内会を表彰しましたほか、未受診者約16万人にダイレクトメールを送付いたしました。このダイレクトメールにつきましては、AIや心理学を応用して、人の行動を変えるナッジ理論というものを活用したものでございます。その結果、速報値ではありますが、平成30年度の受診率は約22%と、前年度より上がる見込みとなっております。  今後の展開につきましては、AIなどを活用した受診勧奨が効果的であると考えられますことから、引き続き、この点に力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。また、他都市におきまして、SNSを使って健診を受けられる場所や検査項目を簡単に調べられるサービスを提供している事例もありますことから、そうしたPR手段についても調査研究してまいりたいと考えております。  特定健診の受診率の目標につきましては、保健事業プラン2018におきまして令和5年度に31%と設定しておりますので、目標の達成に向けてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。 ◆三神英彦 委員  周知活動などに力を入れて、イベントに工夫を凝らしたり、AIとかナッジ理論など、先進の技術を利用して露出効果を上げることに関しては、大変有効であり、今後も大いに期待できるのではないかと思います。しかし、認知度アップの数字も、実際の受診率も、まだ十分な数字ではないわけですから、31%の設定があるのでしたら、引き続き、今まで以上の工夫をお願いしたいと思います。  また、場合によっては利益相反となるかもしれませんが、病院とか介護施設だとか、そういったところと上手にコミュニケーションを図ることで、市民に健診を促すための協力者になっていただける可能性も模索できるのではないかと思います。また、もっと広く大きな話をすると、市が札幌全体の健康寿命を何とかしたいということであれば、国保の特定健診はシェアとしては少ないわけですから、市民の健康診断全てに対して情報を掌握する努力、そして、そこから適切なアドバイスを市民やまた医療機関などに返していくといった役割まで、行政としては高い目標を掲げてやっていただけたらと思います。そのための仕組みづくりの構築までを含めてお願いして、私の質問を終わります。 ○村上ゆうこ 委員長  以上で、国民健康保険会計等の質疑を終了いたします。  次に、後期高齢者医療会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分について、一括して質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前11時13分       再 開 午前11時15分     ―――――――――――――― ○村上ゆうこ 委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第3款 保健福祉費 第5項 健康衛生費の質疑を行います。 ◆前川隆史 委員  私からは、たばこ対策、そしてがん患者支援の2点について、順次、お伺いしたいと思います。  改正健康増進法がことし7月に一部施行されまして、来年4月からは全面施行となり、多数の人が利用する施設が、原則、屋内禁煙となります。また、北海道においても、受動喫煙防止に関する条例の制定を進めていると伺ってもおります。札幌市としても、さらなる受動喫煙対策の推進が求められていると考えます。  そこで、本市のたばこ対策について、まず、お伺いしたいと思います。  ことしの1定では、市民の健康寿命の延伸のためには禁煙支援と受動喫煙対策の両輪でたばこ対策を進めていく必要があるとのことで、今後の具体的なたばこ対策の進め方について質問させていただきました。それに対しまして、まず、子育て世帯に対する取り組みの強化、そして、改正健康増進法の市民、事業者への周知の重要性、そして、受動喫煙対策の円滑な導入のための体制強化など、そういった回答をいただいたところでございます。  その中の一つ、子育て世帯への対応につきましては、平成29年度より子育て世帯の禁煙外来受診促進事業を実施しておりまして、私も委員会で何度か取り上げさせていただいたところでございます。  平成28年度の国民生活基礎調査で、札幌市の喫煙率については22.6%と政令市ワーストワンでございまして、中でも、女性の喫煙率が14.9%と女性の喫煙率も政令市ワーストワンでございます。平成29年に実施された健康さっぽろ21(第二次)の中間評価によりますと、女性では特に40代から50代で毎日吸っている方の割合が高い状況でございましたが、子育て世帯の禁煙外来受診促進事業の対象者となっていない場合が多いかとも思います。  また、奈良県で行われました中・高生を対象とした調査では、家庭内に喫煙者がいた場合、子どもの喫煙経験が男子で2.3倍、女子で2.9倍高くなるという報告がありまして、家庭における子どもの受動喫煙対策に加え、喫煙の世代間連鎖を断ち切るためにも禁煙支援のさらなる充実が必要かと思います。  そこで、最初の質問でございますが、これまで実施した子育て世帯の禁煙外来受診促進事業の評価と今後の禁煙支援についてお伺いいたします。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  たばこ対策についてのお尋ねでございます。  禁煙支援についてでございますが、子育て世帯の禁煙外来受診促進事業は、アンケート調査や広報活動への協力について同意いただいた市民が、12週の間に5回の禁煙外来受診を完了した場合に1万円の助成を受けられる制度でございます。申請は、平成29年度が86件、平成30年度が71件であり、実際に助成を行った件数は、平成29年度は30件、平成30年度は35件となっております。  助成を行った方には、定期的にアンケートにご協力をいただいておりまして、平成29年度に助成を受け、アンケートの返送のあった24名の状況を見ますと、終了後1年の時点で禁煙を継続している方が21名、87.5%であり、9割近い方が禁煙を継続できている状況でございます。さらに、この事業が禁煙のきっかけになった、また、この事業がなかったら禁煙していなかったなどの回答もございまして、禁煙への動機づけや禁煙継続について効果的であったものと考えております。  今後の禁煙支援につきましては、より多くの禁煙希望者が禁煙に取り組めるよう、これまでの子育て世帯に加え、子育て世帯以外への対象拡大など、効果的な事業展開について検討してまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  大きな成果が出ていると感じております。この事業につきましては、ほかの都市からも私のところにたくさんの問い合わせをいただいておりまして、注目もされております。今後も、喫煙率の低下に向けて禁煙支援を継続していただきたいと思います。
     さらに、1定では、望まない受動喫煙を防ぐことを目的とした改正健康増進法の事業者への周知を実施することが重要との考えをお伺いしたところでございますが、改正健康増進法が全面施行される来年4月からは、屋内に喫煙できる場所を設置する施設においては、主たる出入り口の見えやすい場所に、喫煙できる場所であることを示す標識の掲示が必要になると伺っております。  東京都や大阪市においては、飲食店や事業者に対しまして、法で掲示が必要とされている標識を作成し、配付しているという報道もされておりますが、札幌市においても、現在、市内の中心部などで、札幌の時計台がデザインされて、禁煙や完全分煙、エリア分煙、喫煙などの喫煙環境を示す標識が掲示されている店を時々見かけます。我が会派の控室にも張ってございます。  そこで、2点目の質問でございますが、改正健康増進法における喫煙環境を示す標識について、2点伺います。  1点目は、現在、市内で見かける標識と改正健康増進法による標識とはどのような違いがあるのか、2点目は、飲食店については掲示の必要があると認識しておりますが、地域では、町内会の会館等でもさまざまなイベントが実施されておりまして、そのような施設にも掲示が必要なのか、また、飲食店や多くの市民が利用する施設への標識の掲示についてはどのように進めていくのか、お伺いいたします。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  喫煙専用室設置施設等の標識についてのお尋ねでございます。  まず、現在の標識との違いについてでございますが、現在の標識は、札幌市が健康増進法改正前の平成29年度に作成、配付したものでございまして、施設管理者等が任意で掲示しているものでございます。改正健康増進法による標識は、喫煙可能な場所がある施設に掲示することを事業者に義務づけるものでございます。義務づけられる標識といたしましては、厚生労働省は14種類を例示しておりまして、法の基準を満たす喫煙専用室を示すもの、店内全体が喫煙可能であることを示すもの、喫煙可能な場所への20歳未満の人の立入禁止を示すものなどとなっております。  次に、標識の対象施設についてでございますが、町内会の会館につきましては、改正健康増進法によりましては第二種施設に当たりますため、喫煙可能な場所を設けている場合は標識掲示が必要となります。今後、飲食店等の各事業者や町内会館など、多くの人が利用する施設の管理者に標識掲示の義務づけ等について周知・啓発を行ってまいりますとともに、札幌市ホームページから事業者が新たな標識をダウンロードできるようにするなど、改正健康増進法の全面施行時に標識の掲示がしっかり行われるよう、今後取り組んでまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  現在使っているデザインもすばらしいものだなと思いますけれども、今後とも、望まない受動喫煙にさらされないように環境整備にしっかり取り組んでいただきたいと思います。  それでは、たばこ対策についての最後の質問をしたいと思います。  北海道議会の新庁舎の喫煙所問題についてでございます。  現在、札幌市中央区に建設中の北海道議会の新庁舎に喫煙所を設ける、設けないといった報道が、連日、マスコミをにぎわしております。私は、健康増進法を改正して、国を挙げて、国民一丸となってたばこ対策に取り組もう、また、挑戦しようとしているときに、連日、こんなことが報道されることを大変残念に思っております。喫煙率が高い、肺がんの罹患率が高いということが北海道の大きな課題となっているにもかかわらず、平然と、テレビカメラに向かって、社会への影響をほとんど意識していないと思われるような発言を繰り返し語られる議員さんの姿に、道民税を納める北海道民の一人として失望しております。  そこで、伺いますが、来年度完成予定の北海道議会新庁舎に喫煙所が設置されたとして、仮に、たばこの煙の流出など、受動喫煙に関する情報提供、苦情が札幌市に寄せられた場合、他の施設同様に札幌市は対応するのかどうか、そして、対応するとした場合、どのような指導をすることになるのか、お伺いいたします。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  受動喫煙に関する情報提供への対応についてのお尋ねでございます。  北海道議会庁舎につきましては、健康増進法で定める第二種施設の取り扱いとなりまして、健康増進法の義務違反につきましては、施設所在地を管轄する保健所が対応することとなっております。  札幌市に第二種施設の健康増進法の義務違反が疑われる事案の情報提供があった場合は、事案の把握、施設管理権限者への連絡、違反の事実が確認された場合は、施設管理権限者等から、違反者に対し、是正を行うよう働きかけるなどの対応を行うこととなります。 ◆前川隆史 委員  大変苦しい答弁、ありがとうございました。  要望でございますが、健康増進法の施行によりまして、受動喫煙の防止はマナーからルールへと変わるわけでございます。繰り返しになりますが、道議会新庁舎の喫煙所問題は大変に残念ですし、札幌市内の施設であることを踏まえても質問させていただいた次第でございます。  折しも、2020東京オリパラの開催まで10カ月を切り、札幌としても、2030年の冬季オリパラ招致を目指して官民一体で取り組んでいるところでもございます。IOCとWHOが、2010年にたばこのないオリンピックを目指すとの合意文書に調印しており、札幌市が熾烈をきわめる招致レースに勝ち抜くためにも、たばこ対策は重要なファクターであると認識しております。札幌としても、冬季オリパラを、次の50年へ向けてのまちづくり、また、少子高齢化社会を乗り切るためにまちの力をつけるための重要な機会と捉えているわけで、道議会の皆さんの良識ある判断を期待したいと申し上げ、この質問を終わりたいと思います。  続きまして、がん患者への支援についてお伺いいたします。  現在、国の統計によると、がん全体における5年生存率は6割以上でございまして、医療の進歩に伴い、徐々に向上しております。こうした状況から、がんは長くつき合う病気としての意味合いが強まっておりまして、診断、治療後も社会生活が長く続くことが前提となってきております。また、がんによる入院日数も減少傾向にあり、外来患者が増加傾向にあるとのことで、このことにより、がん治療を行いながら、就労や家庭生活を送る方も、今後ふえてくるものと思われます。がんに罹患した方がまず直面するのが、がんという病気の情報不足への不安や治療への漠然とした不安であります。そして、情報を得て、具体的な今後の生活や治療についてわかった後には、金銭的な不安や、働いている方は働き続けられるのかといった不安などがあると考えます。  2016年に内閣府が行ったがん対策に関する世論調査の結果によりますと、がんに関する情報をインターネットを通じて得ている方は、39歳以下の方で約6割いるとのことでございます。しかし、インターネットによるがんに関する情報の中には、科学的根拠に基づいているとは言えない情報が多く含まれているとも言われております。その意味でも、正しい情報を得ることにより、不安が解消されて、今後のよりよい社会生活につながっていくものと思います。  札幌市においても、都道府県がん診療連携拠点病院が1カ所、地域がん診療連携拠点病院が7カ所と、非常に医療体制に恵まれていると言えますが、診療連携拠点病院に設置されているがん相談支援センターについては、本市のアンケート調査では認知度が46%と、その認知度、あるいは活用が不十分ではないかと思います。こうしたことを踏まえますと、がん患者が適切な相談窓口とつながり、正しい知識を得られる体制が重要になってくると思います。  そこで、質問でございますが、札幌市におけるがん患者への相談支援体制の現状についてお伺いいたします。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  がん患者への支援についてのお尋ねでございます。  がん患者への相談支援体制の現状についてでございますが、札幌市では、がん対策推進プランの取り組みといたしまして、相談支援体制の充実を掲げ、北海道がんセンターと連携した就労相談体制の強化や、ピアサポーターの活用による相談支援体制の充実に取り組んでいるところでございます。また、従業員が、がんに罹患した際の対応の整備や、がん予防に取り組む企業を認定するがん対策認定企業制度によりまして、企業が従業員向けの相談窓口を設置するなど、企業と連携した相談支援体制の整備にも取り組んでいるところでございます。平成31年3月には、がん患者やその家族向けに、がん診療連携拠点病院の相談窓口や支援制度などを整理したガイドブックを1万部作成いたしまして、がんの拠点病院等に配付するなど、相談支援体制の周知に努めているところでございます。 ◆前川隆史 委員  がんに罹患した方が適切な相談窓口とつながり、正しい情報を得られること、また、がんに対して理解のある企業で働き続けられることは、大切なことでございます。  しかしながら、近年、がん治療の選択肢は多岐にわたっておりまして、高額なものもふえていると伺っております。現在、先進医療である粒子線治療などの先進医療に関する費用の助成や、抗がん剤治療の副作用で頭髪が抜けるなど、外見の変化に対応するための医療用ウイッグなどへの助成も、都道府県レベルでは行っているところもあると伺っております。私も地域を回っている中で、抗がん剤治療の副作用による頭髪の脱毛に対応する医療用ウイッグは、保険が適用とならず、金銭的な負担が大きいと多くの方から相談をいただいているところでございます。金銭的な負担があることで、がん患者が治療に踏み出せないことや、外見上のハンデを抱え、生活を送る上で行動範囲を制限されることは、社会的にも損失につながるのではないかと考えます。  そこで、最後の質問でございますが、今後、がん患者の負担を軽減し、充実した社会生活が送れるようにするには、今お話ししたようながん患者への支援に取り組むべきと考えますけれども、ご見解をお伺いいたします。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  がん患者への支援についてでございますけれども、がん患者の多くは、身体的な苦痛に加え、心理的・社会的苦痛も抱えていることから、その苦痛を和らげるよう、がん患者に寄り添った支援が大変重要と認識しているところでございます。  医療用ウイッグへの助成など、患者及び家族のニーズを把握していくとともに、他の政令市や北海道のがん患者への助成制度等の動向を注視してまいりまして、情報収集をしてまいりたいというふうに考えております。がんになっても安心して暮らし続けられる社会の構築に向けまして、今後とも、がん患者への支援のあり方について検討を行ってまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  今後も、がん患者への支援体制の整備にしっかり取り組んでいただくとともに、特に、今お話がございました医療用ウイッグの購入に対する助成制度があれば、がん患者の治療や脱毛への不安を軽減することができますし、これまでのように安心して治療と仕事の両立や子育てや家事などの日常生活を過ごすことができると思います。抗がん剤治療の副作用などによる頭髪の脱毛に悩むがん患者の社会参加を後押しして、安心して治療に専念できるよう、医療用ウイッグの購入費用の助成について導入することを強く求めまして、私の質問を終わります。 ◆千葉なおこ 委員  私からは、若年妊婦への支援について、幾つか質問いたします。  10代の妊婦、いわゆる若年妊婦の出産では、多くの問題を抱えるケースが多く、出産後の子育てにも重大な影響を与えます。我が会派では、2017年第3回定例市議会の代表質問において、若年妊婦に対する支援について、保育所をふやすことを含め、手厚くするべきと訴えたところ、家庭訪問等により心身の状態や生活環境等を確認しながら、安全な出産に向けてきめ細やかな支援を実施しているところであり、適正な職員配置について検討し、若年妊婦の支援に今後も取り組んでまいりたいとの答弁がありました。  近年、出産年齢が高年齢化していると言われますが、若年妊婦の出産も一定数存在し、若年の出産においては、身体的なリスクが高いだけではなく、社会的に自立した生活に至っていないケースや、家族や父親となる相手との関係にも問題を抱えている場合が多いため、精神的、経済的に追い詰められた中で出産に至ることが多くなっております。  そこで、質問でございますが、札幌市における若年妊婦の現状と、その支援の状況について伺います。 ◎小田原 健康企画担当部長  札幌市における若年妊婦の現状と支援についてでございます。  札幌市における平成29年の出生数は1万3,821人で、そのうち、母親が10代である若年妊婦の出生数は121人、率にしますと0.9%となっており、ここ数年、1%前後の割合となっております。  札幌市におきましては、妊娠届けを提出し、母子健康手帳の交付を行う際に、各保健センターの保健師が全ての妊婦に面接を行っております。若年妊婦は、経済的に不安定であったり、生まれてくる子どものことや、夫、パートナーとの関係等に悩みを抱いている場合が多いことから、妊婦の気持ちに寄り添い、より丁寧に面接を実施しているところでございます。加えまして、妊娠中や出産後、早期に家庭訪問を行い、母子の状況を把握し、切れ目のない支援に努めているところでございます。 ◆千葉なおこ 委員  今、札幌市におきましても一定数いらっしゃるという説明があったと思います。  20週を過ぎての届け出というのも、2018年度、平成30年度には14%、132人に対し、19人であったというふうに聞いております。妊娠に悩み、どうしたらいいのかわからないなどで病院に行くのがおくれてしまったり、いずれにしましても、先ほど部長のご答弁にあったように、本市においても若年妊婦がさまざまな面で悩み事を抱えているということがわかりました。  現在、核家族化や地域との接点がないといったことからも、子育て世代は孤立しがちで、中でも、若年妊婦は予期せぬ妊娠や支援者が不在である場合が多いことから、誰にも相談できず、孤立を深めたまま出産し、生まれた子どもを前に、自分だけで対応しなくてはいけないと考え、悩み、ひいては、児童虐待というような行為にもつながってしまう、そうした事例も報告されているところです。ですから、若年妊婦への支援は、子どもの命を守るだけではなく、その若い母親をも守ることにつながる大切な取り組みであります。  そこで、質問ですが、さまざまな悩みや問題を抱えた若年妊婦に対し、寄り添う支援をさらに充実強化すべきと考えますけれども、今後どのように取り組んでいくおつもりなのか、伺います。 ◎小田原 健康企画担当部長  若年妊婦に対する支援の充実強化についてでございます。  児童虐待予防の観点からも、若年妊婦への支援は重要と認識しております。  若年妊婦は、さまざまな問題を抱えているにもかかわらず、みずから支援を求めてこない場合も多いため、今後は、妊婦との信頼関係を妊娠期からしっかりと築くことができるよう、母子健康手帳交付時の面接相談を充実させるなど、支援の強化に努めてまいりたいと考えております。さらに、若年妊婦と行政がつながり続けるためには、医療機関との連携を強化することが有効であるため、保健と医療が連携した育児支援ネットワーク事業などを活用し、情報共有を図りながら重層的な支援を行っていきたいと考えております。 ◆千葉なおこ 委員  若年妊婦との信頼関係の構築に努めるというようなご説明がありました。  子育ては、親だけではできるものではなく、誰であっても手助けが必要です。特に、若年妊婦は、母子健康手帳の交付時の面接から、医療機関を初め、さまざまな制度へつなげるなど、妊娠、出産、育児と切れ目のない支援、一人一人に寄り添った包括的な若年妊婦にふさわしい支援を引き続き求めていきたいと思います。  昨年8月に国が公表した社会保障審議会の専門委員会による全国での子ども虐待による死亡事例等の検証結果においても、若年妊婦が特集で取り上げられております。中には、ゼロ日での死亡というような事例もありました。こうした行為に至ってしまった母親の背景に目を向けていかなければ、事件を防ぐことはできないと感じております。若年の場合、妊娠が判明した後は、産むか産まないかというような妊娠葛藤の状況に置かれたり、産みたいと思っても、何をどうしたらいいのか、知識がないことから大きな不安や悩みを抱え、周りの誰にも相談できない、そうしたことがあるのではないかと思います。若年妊婦が、気兼ねなく相談できる窓口があることも、本当に重要ではないかと考えます。  そこで、質問ですが、現在、若年妊婦に対する相談体制はどのようになっておりますか。また、今後充実させていくべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎小田原 健康企画担当部長  若年妊婦の相談体制についてでございます。  国の子ども虐待による死亡事例等の検証結果では、母親が若年の場合、妊娠、出産について周囲に相談できず、出産直後に子どもを遺棄した事例もあるため、若年層が妊娠に関して相談できる体制を身近な場所で整備することを自治体に求めております。  そのため、現在、札幌市では、各区保健センターにおきまして、電話や面接で妊娠や出産に関する相談を受け付けているところでございます。しかしながら、若年妊婦は行政の窓口につながらないことも多いことから、必要なときに気兼ねなく相談できる窓口が重要と認識しておりますので、今後、相談体制のあり方などについて検討していきたいと考えています。 ◆千葉なおこ 委員  現在では、各保健センターがそうした役割を担っているということでした。  全国では、誰にも妊娠を相談できないでいたり、妊娠したけれども、病院に行くお金がないなどといった、ひとりで悩んでいる女性が電話で相談ができる妊娠SOS相談窓口というものが年々ふえている現状があります。  札幌市では、現在、先ほど部長が答弁したように保健センターが窓口となっておりますが、本市といたしましても、こうした電話相談窓口が必要であり、私は、設置すべきであると申し上げまして、質問を終わります。 ◆藤田稔人 委員  私からは、公衆浴場の設備設置補助について質問させていただきます。  公衆浴場、いわゆる銭湯は、各家庭に風呂が普及していなかったころから、公衆衛生の向上はもちろんのこと、地域住民の憩いの場として親しまれてきました。各家庭に風呂が普及してきた現在においても、公衆浴場は、地域住民にとってはコミュニケーションや健康増進の場としても重宝されております。  また、さきの北海道胆振東部地震あるいは熊本地震、先日の千葉県の台風被害の際には、浴場の無料開放を実施しているところもありました。非常時における公衆衛生の維持という観点からも、公衆浴場は必要な施設であると改めて認識しました。  しかし、多くの家庭に風呂が普及してきたことにより、ピーク時には札幌市内に約280軒あった公衆浴場が、現在では40軒に満たない数になりました。最盛期の7分の1という現状です。  施設が廃業となってしまう理由としては、利用者数の減少、燃料費の高騰といった厳しい経営環境、経営者の高齢化、そして後継者の不在、さらには、施設の老朽化といった要因が見受けられます。経営者が70代を過ぎて、息子も帰ってこない、そうしているうちにボイラーが壊れた、そういったことが重なりまして廃業へと追い込まれていってしまう現状です。公衆浴場がこれ以上少なくなることは、公衆衛生の維持のためには避けたいところであり、札幌市としても何らかの対策が必要であると考えております。  そこで、質問ですが、公衆衛生分野を所管する保健所では、公衆浴場に対し、補助事業を行っているところでありますが、現在どのような補助を行っているのか、また、その執行状況について伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  公衆浴場の設備設置補助についてお答えいたします。  公衆浴場に対する補助の内容及び執行状況についてでありますが、保健所では、公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律に基づき、公衆浴場にとって重要な設備でありますボイラーやろ過器などの更新を対象といたしまして、設置費用の一部についての補助を昭和58年度より実施しております。また、公衆浴場の利用機会の確保等を目的といたしまして、札幌公衆浴場商業協同組合が実施するイベントや保育園児の体験入浴などの事業に対しまして、公衆浴場振興・ふれあい交流事業補助を昭和63年度より実施しております。  次に、それぞれの執行状況についてでございますが、昨年度の執行額は、設備設置補助については予算300万円に対して254万円、公衆浴場振興・ふれあい交流事業補助につきましては予算240万円に対して満額を執行しております。 ◆藤田稔人 委員  公衆浴場について、ハード面とソフト面の両方からそれぞれ補助しているということでした。  今の答弁の中で挙がりましたボイラーやろ過器といった銭湯経営の根幹をなす設備の更新は高額となることが多く、施設営業者にとっては、補助制度が負担軽減につながり、大変有益なものとなっております。  一方で、公衆浴場の設備の多くは、設備が壊れたら直すという状況にありまして、毎年決まった予算を消化するというよりは、年によって執行率が変わってくることもあるかと思います。そして、これらには多額の経費がかかることから、保健所が行う補助事業の予算額や対象設備については、随時、見直しが行われるべきと考えております。  そこで、質問ですが、保健所においては、これまでも補助制度の見直しを行ってきていると聞いておりますけれども、設備設置補助に対して行った直近の見直しの内容と、見直し後の効果についてお伺いいたします。 ◎高木 生活衛生担当部長  設備設置補助の見直しについてでありますが、公衆浴場施設を対象とした経営状況調査の結果や浴場組合からの要望を受けまして、平成28年に札幌市公衆浴場設備設置補助金交付要綱を改正したところでございます。この改正におきましては、給水ポンプや蛇口など水配管関連部品の修繕、交換等を新たに補助対象とし、補助金利用の拡大を図ったところであります。  見直しの効果についてでございますが、この改正以降に行った補助件数のうち、水配管に関するものが半数以上を占めており、施設側の需要に一定程度応えられているものと認識しているところでございます。 ◆藤田稔人 委員  平成28年に要綱を改正するなどして施設のニーズを捉えた補助を行っていることは、評価したいと考えております。  ところで、ほかの自治体の補助制度を見ると、各設備の補助限度額や対象とする設備にそれぞれ特色が見られます。札幌市の現在の補助対象はボイラーなど基幹設備が主なものとなっておりますが、ほかの自治体では、例えば、内釜と外釜のボイラーそれぞれを別個に取りかえたり、あるいは、浴室や脱衣所の床、壁面などの改修に対して補助を行っている自治体も見受けられます。  このような中で、先日、札幌公衆浴場商業協同組合から札幌市に対して補助限度額や対象設備の拡大についてさらなる見直しを求める要望書が提出されたところであります。  そこで、質問ですが、浴場組合からの要望に対して、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いさせていただきます。 ◎高木 生活衛生担当部長  札幌公衆浴場商業協同組合からの要望に対する取り組みについてでございますが、公衆浴場につきましては、公衆衛生の維持・向上の観点から必要な施設と認識しておりまして、これまでも経営安定の一助とするため、設備設置補助制度を運用してきたところであります。  補助対象設備の範囲のさらなる拡大等につきましては、今後も、各施設の実情を踏まえた上で、他都市の制度及び活用状況も参考にしながら検討してまいりたいと考えております。 ◆藤田稔人 委員  ただいまのご回答の中で、現状に応じ、各自治体の補助も参考にしながらご対応いただけるということでしたので、これからも、公衆浴場が維持されるために、そして公衆衛生向上の観点からも、ぜひとも引き続きのご支援をお願いしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 ○村上ゆうこ 委員長  ここで、およそ60分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前11時52分       再 開 午後1時     ―――――――――――――― ○村上ゆうこ 委員長  委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆しのだ江里子 委員  私は、働く世代のがん患者への支援について、3点伺わせていただきます。  国の研究報告によりますと、年間約86万人の方が新たにがんと診断されており、このうち、約30%が20歳から64歳の働き盛りの就労世代であると推計されています。東京都が2014年に実施しましたがん患者への就労意向のアンケートによりますと、がんになっても働き続けたいと考えた方が80.5%、そして、働きたい理由は、家庭の生計を維持するためが72.5%、そして、がんの治療費を賄うためが44.5%と金銭的な理由が大きいのですが、働くことが生きがいと回答した方も57.4%おり、働き続けること自体が豊かな人生を送る上で重要な要素となっていると考えられます。  また、札幌市が2015年に行いました市民向けがん対策アンケート調査によりますと、実際に罹患した方で働き続けたい、続けたかったと答えた方は90%近い数字となっておりますが、就業先はがんにかかっても働き続けられる職場かと聞いたところ、働き続けられると答えた方は43.6%にとどまり、また、事業所アンケート調査で仕事とがん治療を両立できる職場づくりへの取り組み状況を聞いたところ、多くの事業所で必要だと考えているものの、実際には約90%の事業所が未実施であったと言われています。  少し前の2013年に行われました研究グループによりますがん体験者の悩みや負担等に関する実態調査では、がんと診断されたとき、雇用されている方の30%が依願退職し、4%が解雇されているとの調査結果もあります。これらのことから、現時点においては、がんになっても働き続けたい方がいても、企業の体制整備が進まなければ、就労継続が非常に難しい状況が見えてくるわけです。  このような実態も踏まえ、札幌市では、2018年2月にがん経験者の再就労につなげる取り組みの一つとして、市臨時職員への任用経験を今後の求職活動に生かすことを目的として、働く世代のがん患者への支援事業を実施し、これまでに4名の方が市の臨時職員として任用されていると聞いています。この事業で任用された方が、今後、民間などで正職員として働くためには、雇う側の企業の意識を変え、がん患者が安心して働き続けられる環境づくりを進めていくことが重要だと考えます。  質問ですが、がんに罹患した方が働き続けられる環境づくりに向けた取り組みの現状と、今後の取り組みについて伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  働く世代のがん患者への支援についてのお尋ねでございます。  がん患者が働き続けられる環境づくりについてでございますが、がんを含め、病気になっても働き続けられる環境整備について、厚生労働省においては、事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドラインを定め、企業に対し、がん患者への配慮や主治医との連携、対応手順の整備等を求めているところであります。治療と職業生活の両立支援は、経済産業省が進める健康経営優良法人の認定基準の一つとなっておりまして、札幌市では、その取り組みを推進するため、平成30年度より健康経営の重要性を広めるセミナーを関係団体等と開催し、これまで、216社の参加がございました。また、治療と職業生活の両立支援や受動喫煙対策、がん検診の受診促進に取り組む企業を認定する札幌市がん対策認定企業制度を平成29年度に創設いたしまして、20社が認定されているところであります。  今後も、関係団体等と連携の上、これらの取り組みを通じ、がん患者が安心して働き続けられる環境づくりを行う企業をふやしてまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  札幌市におきましては、平成30年にセミナーをしていただき、そして、このセミナーには216社の会社の方たちが参加された、そしてまた、平成29年から、がん対策認定企業というものを創設していただき、そして、実際に認定していただいているのが20社ということで、今、働く世代のがん患者が、猛烈な勢いで増加しているという言い方は果たしてどうかと思いますけれども、確かに増加しております。札幌市が、がん対策認定企業をしっかりと認定していくということは、とても大切なことだと考えます。ぜひとも、一社でも多くの企業が認定されるようになることを期待していきたいと思います。  昨年、ある保険会社が、がん患者、周囲の社員、そして経営者によりますがんと就労に関する調査報告を行い、がん患者を取り巻く直近の職場環境が明らかになっています。診断1年目の平均休暇日数が65.8日、そして、2年目以降は30.9日に及ぶと言われています。そして、有給休暇であるとか傷病休暇制度があることで離職しないで済むことにつながる、そしてまた、2年目以降にも柔軟に利用できる、そういう制度整備が何より重要になると考えます。重ねて、復職した患者の半数以上が体調は以前の7割以下と感じている一方で、周囲の方たちは罹患前を基準と見ているという実態もあります。こうした認識の違いが、やはり復職後の喪失感であったり、焦燥感につながっていくものと思います。また、経営者や同僚は、患者に支援したと思っているのですが、患者は支援がなかったとの回答も多く見られており、やはり、双方のギャップを解消し、ニーズに応じた細やかな情報提供を行って、お互いさまと思えるような環境であってほしいと考えます。  札幌市としても、がんに罹患しても働き続けられる、そして、離職後の再就労についても、既存の相談支援体制を活用しながら可能となる社会の実現に向けて取り組みを進めていただきたいと考えます。  また、働く世代は、ライフステージの中でも、特に出産や子育てなどと重なり、この時期にがんに罹患した場合、不安や悩みが特に大きいことが想像されます。私自身もがん経験者で、20年前に手術をすることになった際には、子育ては終わっておりましたが、今までどおり仕事に戻れるだろうか、そしてまた、声が出なくなったらどうしようかなどとさまざま思いめぐらすこともありました。私は受け入れることができましたが、例えば、若いご夫婦世帯などでは、がんに罹患することで冷静な判断ができずに、仕事をやめざるを得なかったり、出産や子育ての悩みを誰にも相談できないことなども考えられ、支援が必要と思われます。  国の第3期がん対策推進基本計画では、15歳から39歳の思春期と若年成人を示すAYA世代と言われる若い世代の相談支援における課題として、ほかの世代に比べて、患者数が少なく、疾患構成が多様であり、医療従事者に診療や相談支援の経験が蓄積されにくいこと、また、年代によって就学、就労、生殖機能などの状況が異なり、患者視点での教育、就労、生殖機能などの温存などに関する情報、そしてまた、相談体制などが十分ではないということを挙げています。若い世代の多様なニーズに対応していくためには、医療関係者のみならず、がんに罹患した人が抱える思いや悩みを理解しているがんの経験者が相談に乗るピアサポートの取り組みが何より重要だと考えます。  そこで、質問ですが、がん患者に寄り添うピアサポーターによる相談支援体制の整備に札幌市はどのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  ピアサポーターによる相談支援体制の整備についてでございますけれども、札幌市におきましては、がん対策推進プランの中で、重点施策といたしましてがん患者及びその家族への支援を掲げ、ピアサポートの取り組みを推進しております。平成29年度から、北海道がんセンターと連携いたしまして、これまで26名のピアサポーターの養成を行うとともに、平成30年度からは、がん診療連携拠点病院への派遣を開始したところであります。
     今後、がん患者会や医療機関等へピアサポーターの活用について積極的に働きかけるなど、相談支援体制の充実を進めまして、がん患者とその家族等の不安や悩みの軽減を目指してまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  まさに札幌市のプランの中の重点施策として、ピアサポーターの推進ということも大きく上げられているということでありました。  札幌市にも、患者会や患者支援団体がありますけれども、今回、26人のピアサポーターを養成していただけたということで、この方たちのお力というのは大変大きなものとなると思います。がん患者が年代に合わせて就学を続けられ、そしてまた、働き続けられる環境整備を進めるとともに、ピアサポーターが寄り添い、がんにかかっても、豊かな社会生活を送れるよう、支援の幅を広げていける体制を今以上に整備していただきたいとお願いいたします。  また、がん治療を若い世代が受けると、生殖機能に悪影響が出る可能性があり、国内では、2016年、日本癌治療学会が、小児、思春期・若年がん患者の妊孕性温存に関する診療ガイドラインを定めたことによりまして、がん治療医と生殖医療を専門とする医師との連携が図られ、女性は卵巣、子宮、男性は精巣などの治療後に、妊娠したいと希望する方のために、がん治療前に卵巣組織の一部や卵子、精巣から精子を凍結しておく妊孕性温存治療を行うケースがふえてきており、最近では若い方からこの治療に関する相談を受けることもあります。  これは、保険適用外のため、女性では20万円から50万円、男性では4万円から6万円程度かかりますが、がん治療に係る医療費への支援ということで、既に、埼玉県、福岡県を初め、12の府県で妊孕性温存治療に助成を行っております。そして、幾つかの市町村でも既に始まっておりまして、群馬県の高崎市では、妊孕性温存治療に助成を行い、助成上限額は、1人1回ではありますが、卵子、卵巣組織の採取、凍結などで25万円であったり、男性の精子の採取、凍結では5万円の助成が行われていると聞いています。  今後は、がんになっても子どもを産み育てたいと考える方への支援も必要と考えています。  そこで、質問ですけれども、札幌市でも妊孕性温存治療への助成を検討すべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  妊孕性温存治療への助成についてでございますが、がん治療が必要な若い世代にとりまして、将来の妊孕性の温存は重要な問題と認識しております。  しかしながら、令和元年5月に日本産科婦人科学会より出された未受精卵子などの凍結・保存に関する見解では、保存した卵子で妊娠する可能性や、妊娠した場合の安全性など、いまだ明らかでないことが多いとしており、十分な情報提供の上、自己決定してもらうことが重要とされております。  また、妊孕性温存治療の実施に当たりましては、がん治療医と生殖医療担当医との密接な連携体制の構築が必要とされており、がん医療と生殖医療のネットワークを整備している府や県もございますが、北海道におきましては現時点でそのようなネットワークは整備されていない状況となっております。  まずは、妊孕性温存治療に関しまして、国や関連学会、北海道を初めとした自治体の動きを注視していくとともに、積極的に情報収集をしてまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  妊孕性温存治療に関しては、まだまだ課題もたくさんあるということですが、積極的に北海道等と連携していただいて、検討していただけるということだったと思います。  妊孕性温存治療は、欧米では、がん診断後に若年がん患者に提供すべき一般的な治療法であると考えられていますが、日本では、まだまだ認知されていないのも事実で、この助成制度があることで治療そのものを知るきっかけになるとの声もあります。先ほど秋野部長からさまざまなお話もございましたが、札幌市では、不妊治療では第1子とともに第2子以降の特定不妊治療費や男性不妊治療費、そして、妊娠してもなかなか出産につながらない不育症治療についても助成を行っています。不妊症や不育症の治療においても、必ず出産できるとは限っていないわけで、それでも札幌では子どもを産み育てたいと考える多くのカップルの支援を行ってきたわけです。  札幌市においても、小児、思春期や若年がん患者を初め、若い世代の方ががんを克服し、子どもを産み育てたいとの願いをかなえることができるよう、妊孕性温存治療への助成の一日も早い実現を求め、私の質問を終わります。 ◆くまがい誠一 委員  私からは、結核対策について質問させていただきます。  私は、これまで医療現場で勤務してきたことからも、感染症対策の重要性を非常に強く感じております。医療機関では、院内感染症対策委員会等を設置し、日常的に感染症に対する対策を講じることや、職員に対し、定期的に研修会を開くことなどが義務づけられており、患者はもちろん、職員を守るためにも非常に重要な取り組みをしているところでございます。  そのような中、現在、札幌市では、感染症発生動向調査による医師からの届け出により、市内での感染症の発生を把握し、その対策を行っていることと思いますが、発生届のうち、結核の届け出が多いことに驚いております。感染症法で定められている感染症は、1類から5類までありますが、結核は、鳥インフルエンザなどと同じ2類であり、感染力、罹患した場合の重篤性などに基づく総合的な観点から、危険性が高い感染症とされているため、感染者への対応に非常に注意を要すると思われます。  札幌市の平成30年の新たな結核患者の届け出数は155人で、年々減少傾向にあるものの、日本全体では、今でも年間1万5,000人以上の結核患者が発生し、約2,000人が命を落としている日本の主要な感染症です。結核は、日本でも、1950年代までは国民病、亡国病と恐れられ、死亡原因の第1位でしたが、医療や生活水準の向上により、複数の結核治療薬を6カ月から9カ月間飲み続けることで治る時代となりました。それに伴い、罹患率も年々低下しておりますが、その背景には、結核患者への継続的な服薬支援、服薬管理や接触者の健康診断等、法律で定められている行政のかかわりが寄与していると考えます。  結核の罹患率、人口10万人当たりの新規患者発生数が10を切ると、いわゆる低蔓延と言われておりますが、札幌市の平成30年の罹患率は7.9、全国では12.3となっております。国では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに低蔓延国の仲間入りをするための対策が積極的に進められており、我が党としても、結核対策を注視しているところです。私自身、医療現場で勤務していたころに勤務先で結核患者と遭遇した経験もあり、接触者検診の対象となった職員が発生したときには、結核は過去の病気ではないと改めて感じるとともに、結核の感染経路や感染予防に関する正しい知識を忘れかけていたことに気づかされました。  そこで、質問ですけれども、結核という病気への偏見や昔の病気であるとの誤解がまだある状況だと思いますが、結核の感染や発病の特徴について、保健所で特に説明を心がけている点についてお伺いいたします。 ◎山口 感染症担当部長  結核の感染や発病の特徴についてでございますが、結核は、結核菌という細菌による慢性感染症で、主に肺の内部で結核菌がふえて、せき、たん、発熱、呼吸困難などの症状が出ることが多いです。しかし、肺以外にも、リンパ節や骨などの体のあらゆる部分に影響が及ぶことがあり、悪化すれば死に至る病気です。  主な感染経路は空気感染で、患者のくしゃみやせきによって空気中に飛び散った結核菌を肺の奥深くまで吸い込むことで感染いたします。感染の段階では、結核を発病したわけではなく、結核菌を人にうつすこともありません。結核菌に感染しても、多くの場合は免疫の働きで結核菌の増殖が抑えられ、生涯を通して8割から9割の人は結核を発病いたしません。発病する1割から2割の人につきましても、感染から発病までの期間は通常6カ月以上の期間を要します。このように、感染と発病は違うということが結核の特徴であり、結核患者や家族、接触のあった方々には必ず説明しているところでございます。  また、結核患者のみならず、結核患者の接触者ということだけで、入院の受け入れ拒否や介護サービスの利用休止、勤務先への出勤停止など、不必要に隔離されてしまう場合も少なからずあることから、感染と発病の違い、感染経路、そして発病に至るまでの期間や割合などを説明することを心がけております。 ◆くまがい誠一 委員  結核の特徴として、感染と発病の違いがあり、このことを正しく理解することが重要であることがわかりました。  ことしの4月には、働き盛りの50代の方が発病し、接触者検診の結果、15名の発病者、22名の感染者が発見される集団発生の報道があり、結核は過去の病気ではないことを広く市民の皆さんへ注意喚起されました。働き盛りの年代の方の発病による集団感染のほか、結核患者には高齢者が多いことや、外国生まれの結核患者がふえていることも注意すべきことと思います。  そこで、質問ですが、保健所として、今後、結核対策でどのようなことに力を入れて取り組もうと考えているのか、お伺いいたします。 ◎山口 感染症担当部長  今後の結核対策についてでございますが、市民や医療機関、関係機関の方々、特に高齢者にかかわる医療従事者や介護従事者の方々に結核について正しく理解していただくこと、また、職場健診等の機会を捉えて胸部レントゲン検査を受けていただくこと、そして、せき、たん、発熱などの症状が2週間以上続く場合は医療機関を受診していただくこと、このような点をさまざまな機会を活用して普及していきたいというふうに考えてございます。  また、年々増加してきております外国生まれの結核患者への対応についても、外国語等対応など、一人一人、丁寧に対応していくことが結核の感染の蔓延防止につながると考えてございます。 ◆くまがい誠一 委員  全国同様、札幌市の高齢化率は今後も上昇していくことはもちろん、答弁でもございましたとおり、外国人技能実習生も増加していくことが予想されることや、ことしのラグビーワールドカップでは、多くの国々から外国人観光客が来たこと、また、来年は2020年オリンピック・パラリンピックにおいてサッカーの試合が10試合予定されているなど、今後も、海外からのお客様などが多く札幌を訪れることからも、結核対策や感染症対策に引き続き尽力していただきたいということを要望しまして、私の質問をおしまいとさせていただきます。 ◆太田秀子 委員  私からも、在宅がん患者支援について質問いたします。  がんの予防と早期発見・早期治療のためには、検診率の向上に向けた取り組みが必要です。それと同時に、がんと診断されたその後の生活についての取り組みも、制度として充実させなければならないと思います。  2017年に策定されました札幌市がん対策推進プランによりますと、2008年、本市のがん罹患者のうち、3人に1人が15歳から64歳の就労世代であり、約30年間で就労世代の罹患率は倍になっています。さらに、現在もふえています。  2012年、NPO法人キャンサーリボンズの調査によりますと、がん診療連携拠点病院相談支援センターに寄せられたがんと診断された方からの相談内容を見ますと、生活費、治療費、社会保障など経済面についての相談が一番多くなっています。同年、がん患者団体支援機構とニッセンライフの共同アンケートによれば、平均年収は、がんと診断される前は約395万円から、診断後、約167万円に大きく下がっています。  私は、費用負担について少し調べてみました。これは、がんには限りませんけれども、がん治療の費用は高く、収入が減ることを想定すると、特段負担は重いものと考えられます。医療費は、入院で治療する場合、健康保険限度額適用認定証の交付を受けていれば、月内の退院時の窓口負担は、年収を370万円から770万円としますと、自己負担額は上限8万100円、年に3回以上であれば上限4万4,400円なのです。それでも、大きな金額です。しかし、通院ではそうなりません。治療費の3割をまず窓口で支払い、3カ月後に高額療養費の払い戻しが入金される、つまり3カ月たたないと差額が戻ってこないのです。毎月の治療が必要な場合もありますから、お金の心配をしながら治療を続けていいのかどうかと、そういうお話も伺ってきました。  抗がん剤治療は、入院から通院へと変化しているのですけれども、制度がその実態に適応していません。セカンドオピニオンを受けたいと思っても、これは医療保険が適用されませんから、7,000円から3万円の負担だと言われています。  生活福祉資金の貸し付けもありますけれども、これは回復の見通しが薄い場合は借りることはできないのです。障害年金は、人工肛門や尿路変向術などと同時に、抗がん剤の副作用による倦怠感、貧血などで仕事に支障を来す場合は受けられる可能性があります。介護保険のサービスは、40歳から64歳までの方で回復の見通しが薄い場合に限り、利用できます。まだまだ生活や治療費の心配に十分応えられる制度になっていないことがよくわかりました。  このように調べてみますと、さらに制度から外れる方たちがいることもまたわかりました。40歳未満や重症でないがんの場合、治療費や療養費のうち、公的医療保険の対象にならないものがあります。介護保険制度の在宅サービスも適用になりません。  全国では、若い世代を支援する必要があるという考えのもとで、独自の支援をしている自治体があります。抗がん剤の副作用で髪が抜けると、デリケートな問題なので隠している人も多く、相談することもためらい、外出を控えるというお話を聞きますけれども、宮城県などでは医療用ウイッグなどに係る費用への助成をしています。費用の5割を市町村と半額ずつ助成している県もあります。長野県などは、先進医療を受けるためにお金の借り入れをした場合、その利子の一部を補助しています。介護保険を使えない40歳未満の方に在宅療養の際の住宅改修や介護用ベッドのレンタルや購入への助成をするなど、さまざま行われています。全国26府県で行われていますけれども、報道によりますと、市町村単位で独自に助成するところもあるとされています。  そこで、質問いたしますけれども、本市も、介護保険制度の在宅サービスが適用にならないなどのがん患者へ、札幌市独自の助成制度を検討し、がん患者を支える仕組みをつくるべきと思いますがいかがか、伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  在宅がん患者への支援についてお答えいたします。  がん患者が、住みなれた地域において社会生活を行っていく上で、みずからの身体状況に応じた適切な在宅サービスを受けられることは重要というふうに認識しております。  今ご指摘をいただきましたとおり、一部の県や市におきましては、39歳以下の末期がん患者を対象といたしまして、介護用ベッドのレンタルなどの在宅サービスへの助成を行っていることは把握しているところでございます。介護保険制度が適用とならないがん患者の在宅サービスへの助成につきましては、がん患者やその家族のニーズを私どもで把握していくとともに、ほかの政令市や北海道の支援の動向も注視いたしまして情報収集に努めてまいりたいと考えております。 ◆太田秀子 委員  ニーズを把握して、他市の状況も見ていくという答弁は午前中の質疑の中でもありましたけれども、本市では、1976年からずっと死因の第1位はがんです。全国平均と比べても、がん死亡率が高いのが特徴です。がんでの死亡を減らすためには、おっしゃるとおり、その把握をしながら状況を正しく知ることと同時に、状況に応じた対策をとることが求められます。  罹患率もふえています。札幌市がん対策推進プランには、がんになっても安心して暮らすことのできるまちづくりを進めてまいりますと、市長の言葉で書かれています。それは、プランにも盛り込まれています。がん患者のみならず、多くの市民にとって、とても歓迎されるものになっています。  先ほどの答弁にありましたけれども、私は、そこを急いで把握しながら、検討しながら、やはり、お金の負担がとても大きくて、家族の生活も心配だから治療を続けていいのだろうかと、そういう思いで過ごされている方たちに、せめて、病状に合わせて介護ベッドを利用してもらえるとか、ウイッグをつけたい人に自分に似合うウイッグを選んでもらうとか、そういう優しい制度が急いで必要だと思うのです。  先ほどもお話ししたとおり、治療費の負担は重くて、受けられるサービスは少ないわけです。本市として、何らかの助成を急いでしていただきたいということと、そのための検討を早く始めていただけるように求めて、私からの質問を終わります。 ◆伴良隆 委員  私は、2項目質問させていただきます。  一つが、多死社会と(仮称)火葬場・墓地のあり方基本構想についてであります。もう一つが、がん検診に見る保健福祉施策・事業の課題についてでございます。  まず、多死社会についてであります。  ちょうど1年前の決算特別委員会におきまして、私は、死後のステージと題し、概念や課題等を質疑いたしました。その際に、市民が、生前から死や死後のあり方を考え、行動することは、本人も家族にも、死にかかわるさまざまな不安を解消し、生前である今の生き生きとした暮らしにもつながると主張したところ、市側も共通の認識を示し、人の死を扱う初めての構想を練り上げるとのことでございました。  そこでまず、再確認で質問いたしますが、基本構想について、策定することとしたきっかけと、火葬場や墓地行政における位置づけ及び検討状況について伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  多死社会と(仮称)火葬場・墓地のあり方基本構想についてお答えいたします。  まず、基本構想を策定することとしたきっかけについてでありますが、今後、札幌市におきましても、少子高齢化の進展によって、団塊の世代を初めとする多くの高齢者が寿命を迎え、亡くなる方の数が増加していく社会、いわゆる多死社会が訪れることが避けられない状況と認識しております。  このような社会状況の変化によりまして、火葬件数が大幅にふえ、火葬場が混雑して希望する日に火葬できない、お墓の管理を行う後継ぎがいないため、無縁墓となり放置されてしまう、ひとり暮らしの高齢者が孤立死によって無縁仏になってしまうなど、市民が不安に思うさまざまな問題が起こると考えられることから、この基本構想を策定することとしたところでございます。  基本構想の位置づけでありますが、団塊の世代が寿命を迎え、多死社会が本格化する15年先を見据え、火葬場や墓地の将来の目指す姿とその実現に向けた施策の方向性を示すものであります。  基本構想の検討に当たりましては、学識経験者や葬祭業者、墓地経営者、市民団体や公募市民など、さまざまな立場の方々で構成する斎場等あり方検討委員会を立ち上げまして、2018年9月からこれまでに合計6回の会議を開催し、それぞれの立場からご意見をいただいているところでございます。  今後、引き続き、検討委員会での議論や関係部局との協議を踏まえまして、基本構想の案を取りまとめ、パブリックコメントを経まして、2020年3月に公表する予定でございます。 ◆伴良隆 委員  いよいよ、もうすぐ構想ができ上がってくるといったお話でございました。  それでは、続いて質問でありますが、現在策定中の基本構想で示される火葬場や墓地の将来の目指す姿と施策の方向性はどうなるのか、また、検討委員会での意見をどう反映させているのか、伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  基本構想で示される火葬場と墓地の将来の目指す姿と、施策の方向性、そして、委員会での意見の反映についてでございます。  火葬場につきましては、火葬件数の増加に対応した安定的な運営の実現を目指しまして、希望する日に火葬できるようにする施設整備や、混雑による遺族の負担が少なくなるような運用などの検討を進めていく予定でございます。  墓地につきましては、無縁墓の増加が懸念される中、持続可能な運営の実現を目指しまして、墓の無縁化への対応、さらには、老朽化した市営霊園の機能改善などの検討を進めていく予定であります。  委員会における意見といたしまして、多死社会の到来による問題に対応するためには、火葬場や墓地を整備するだけでは不十分である、故人とお別れをし、弔い、しのぶ、いわゆる葬送の主役は市民であることから、多死社会における問題を伝え、自分事として考え、準備し、身近な人と共有するという意識を持つよう市民への働きかけも必要というご意見がありました。  このご意見を踏まえまして、火葬場や墓地に関する検討に加え、市民意識を醸成することも、基本構想の施策の柱として新たに盛り込んでいきたいと考えているところでございます。 ◆伴良隆 委員  今、検討委員会の場では、人の生前、そして死後について、これはいずれも家族もかかわっているわけでありますが、いろんな市政上の課題も含めて机上にのせていただいた、そんな段階に入ってきたと思います。その中の一つとして、今、市民の機運といいましょうか、理解の醸成ということが非常に大きな問題である、課題であるといった検討委員会でのお話があったということでした。  私も、昨年の質疑で検討を要請したとき、生前から死、そして死後、つまり揺りかごから墓場とその先まで、官同士と、官民の連携と役割分担について検討し、総じて共同体なるものをつくっていくべきと指摘したとおり、市民意識の醸成には、市側みずからの努力と、葬送に関するノウハウを持つ関係団体や事業者とのすり合わせと協働が必要でありますが、今後どのように進めていくのか、伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  市民の意識醸成における事業者との連携の進め方についてでございますが、生前のうちから、葬儀やお墓などについて考える市民がふえている状況もある中で、希望する葬送の形は人それぞれであり、ニーズが多様化してきております。一方、葬送について考えることを縁起でもないと避けたり否定的に捉えたりする声が依然として少なからずあります。このような状況から、市民がみずから意識を変え、行動していただくためには、葬祭業者や民間墓地経営者など、市民が葬送のことで接するさまざまな事業者のほか、NPOなどとの連携が不可欠であると認識しております。  これらの事業者との連携の場といたしましては、葬送関連事業者に加えて、学識経験者やマスコミ関係者、公募市民などで構成する協議体を立ち上げることを予定しており、この協議体では、具体的な取り組みの検討、さらには、市民に意識醸成の働きかけをする、そういう役割も担う予定で考えております。 ◆伴良隆 委員  市みずからも含めて、共同体、協議体なるものをつくられていくというお話でございました。  私が知る限りでありますが、地域では、ご自身たちの死や死後を元気なうちから表で話題にする人たちがふえてきておりまして、この構想づくりを初め、時世に合わせ、人の死を身近に扱う取り組みは必要であると思います。しかし、そうは言いましても、死を取り上げることは、縁起でもなく忌み嫌うものでありますので、市民が自分や家族の死を見詰め、行動することへの理解が深まり、広がらなければ、展開は難しくなります。そのためにも、人の死を広い視点で捉え、地道でやわらかい意識醸成に心がけるとともに、例えば広報さっぽろなど、市民に広く伝わるようなさまざまな手段で、根気強く周知するように強く求めます。  いずれにしましても、皆さん、長生きをしてまいりましょう。  それでは、次に入ります。  次は、がん検診に見る保健福祉施策・事業の課題についてでございます。  がん対策に関する政府への要望では、がんの早期発見が最も多く、がんにかかわる医療費等への対策を含め、早期発見・早期治療に向けた取り組みが必要であります。一方で、がん検診だけに限らず、子どもから大人まで、市のさまざまな保健福祉事業を健康意識や健康度に応じて見直し、系統的に実践されていくことが時代の要請であると考えます。  そこで、本市のがん検診事業を順次伺いながら、健康をテーマに全体的にも伺ってまいります。  さて、札幌市でがんと診断されるものを推計しますと、肺がんが最も多く、次いで、大腸がん、胃がんであり、特に肺がんの生存率はがん全体での平均生存率の半分であり、より注意が必要であります。  そこで、質問ですけれども、本市肺がん検診は他の部位の検診より受診者数が大幅に少ないようでありますが、実際にどんな状況か、また、その理由は何か、伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  肺がん検診の受診者数についてお答えいたします。  肺がん検診の受診者数は、平成30年度は1万8,392人と、委員のご指摘のとおり、ほかのがん検診受診者と比較して少ない状況となっております。しかし、国民生活基礎調査の肺がん検診受診率を見ますと、ほかのがん検診と同程度となっているところでございます。  理由といたしましては、札幌市の肺がん検診は、職場等でがん検診を受診する機会のない方を対象として実施しているものでございます。就労している方の多くは、労働安全衛生法に基づく定期健康診断として、職場の健診の中で胸部エックス線検査を受診していることによる影響と考えられます。 ◆伴良隆 委員  肺がん検診について、今は、企業、つまり事業所の従業員のお話をされました。ただ、後ほどお話ししますが、当然、それ以外の一般の方々も多くいるわけでありまして、私は、その方々はもしかしたら肺がん検診を受けられていないのではないか、こういうことを考えております。  各種検診は、中長期的な健康管理のために、受診者の検診結果の経年データを民間保険医療機関が同形式でストックし、こうしたデータ管理が引き合いとなり自然に顧客化が進むと言われます。本市がん検診では、利便性等で各区クリニック等を広く選択できますが、なぜか、肺がん検診だけは唯一の検診団体で受けなければならず、そのことが肺がん検診受診者数の低迷の一因ではと私は思います。  そこで、質問でありますが、特定健診などとともに、肺がん以外のがん科目と一括して、同日、同時間帯に同じ場所で受診したい市民もいるはずであります。肺がん検診だけをただ一つの検診団体に限定することで、肺がん検診を現に諦めている市民がいる実態、また、自宅から遠く、望んでもいないのにその一検診団体で他の検診科目と一括して受診させられる市民の不便に対して、本市はどう考えているのでしょうか。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  肺がん検診を特定の検診機関で実施していることについてのお尋ねかと思います。  肺がん検診につきましては、厚生労働省の指針によりまして、過去の肺がん検診のレントゲン画像との比較読影の実施や、複数の専門医による二重読影の実施等、適切な体制を整えられる医療機関で実施する必要がございます。  札幌市におきましては、このような適切な実施体制が整備されている結核予防会において実施してきたところでございますが、現在、同様の体制が整っている検診実施機関の追加について検討しているところでございます。 ◆伴良隆 委員  結核予防会にも大変協力をいただいているということは、いろんな意味で僕もよくわかっています。バス検診等々です。  しかし、市民に不便があってはならないわけであります。今、技術的な担保が非常に重要だと言うのは当然で、私もそう思います。しかし、そうだとすると、ほかのクリニック、病院等ではできないと見られてもおかしくない。医療政策担当部長も隣にいらっしゃいますが、地域医療、歩いて暮らせるまちづくり、そしてかかりつけ医、こういったことを含めて、もしどうしてもそこでなければいけないのだったら、市民に対してきちんと説明できなければなりません。そして、今、広がりを見せるということでさらに他の受診機関も検討するということですから、そこはきちんと技術を担保しているところに広げるようにしていただきたい。加えて、結核予防会との契約がどうあるべきかというのは、単価も含めてそれぞれご相談してください。  受診をためらうことなく、誰もが身近な機関で受診できる地域医療・福祉の実現を目指し、市民理解が得られるよう、検診場所について見直すか、きちんと説明責任を果たすように、今、改めて強く求めておきます。  続いて、質問でありますが、今年度の本市がん検診の決算見込み合計額は幾らか、また、受診率、要精密検査率と精密検査受診率、そして、がん発見率は高いと言えるのか、低いと言えるのか、伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  本市がん検診の決算見込みのお尋ねについてお答えいたします。  令和元年度の決算見込み額につきましては、現時点で約10億7,000万円となっており、平成30年度決算額より約5,000万円の増額となっております。これは、胃がん検診の内視鏡検査、子宮がん検診の実施件数が想定より多いこと、令和元年8月に乳がん検診に超音波検査を導入したことに加え、消費税増税分が要素として大きいと考えております。  続けて、がん検診受診率、要精密検査率、発見率についてのお尋ねでございますが、札幌市のがん検診受診率は、平成28年の国民生活基礎調査によりますと、胃がん、大腸がん、肺がん検診が30%台前半、子宮がん、乳がん検診が40%台前半となっております。子宮がん検診の受診率は全国平均より上回っておりますが、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん検診は全国平均を下回っている状況であります。国の計画では、これらのがん検診受診率の目標値を50%としておりまして、さらなる向上が必要と認識しております。  要精密検査率及び発見率につきましては、がん検診の効果的な実施に当たって重要な指標となっております。例えば、要精密検査率につきましては、高過ぎると過剰診断、また、低過ぎるとがんの見逃し等の可能性がございまして、適正な範囲内におさまっていることがよいとされております。国により、がん検診ごとにこの適正な範囲が定められておりまして、札幌市におきましては、要精密検査率は大腸がん、肺がん、子宮がんが、がん発見率については子宮がんがその範囲内におさまっていない状況となっております。 ◆伴良隆 委員  精密検査受診率は、お答えいただきましたでしょうか。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  精密検査受診率につきましては、今、後半でお答えいたしました子宮がんが適正な範囲内におさまっていない状況となっております。 ◆伴良隆 委員  何がいいかという数字は非常に難しいですし、後ほど申し上げますが、数字の根拠も立てづらいということも非常によくわかってはいます。  ただ、いろいろ比較すると、あらあらの数字ですが、受診率、精検のほうも含めて、全体的な傾向としては低目というふうに捉えております。発見率につきましては、私のほうでも申しますが、あらあらですけれども、5大検診等で言われるのは1,000人受けて大体2人という発見率でございます。これが高いか低いかはわかりません。  先ほど、三神英彦委員が本市特定健診に関する件で質疑しましたが、早期発見のための各種検診受診率の向上には、検診そのものを行う保健医療機関の協力をもっと必要としている実情にあります。そして、本市がん対策推進プランを見ますと、がんの早期発見・早期治療の現状と課題の中に、検診事業そのものの担い手である保健医療機関等の協力、つまり、患者への積極的な受診勧奨や検診科目と受診受け入れの拡大といった重要課題がほとんど触れられていません。健康さっぽろ21では、健康寿命の延伸、健康格差の縮小、健やかに産み育てられるを全体目標とし、いみじくも生活習慣改善の普及啓発とがん検診、健康診査の受診率向上を図るとしています。  そこで、質問でありますが、予防、早期発見・早期治療に通じる全ての各種検診そのものを担う保健医療機関に対する本市の課題認識と、今後強化すべき取り組みを伺います。
    ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  まず、がん検診を行う医療機関の課題認識と今後の取り組みについて、私から回答させていただきます。  札幌市のがん検診は、市内の医療機関に委託しておりまして、がん検診の精度管理のための研修等の事業を札幌市医師会と連携して行うなど、がん検診の効果的な実施に取り組んでいるところでございます。  受診率向上に向けましては、委員のご指摘のとおり、医療機関との連携も重要と考えておりまして、がん対策普及啓発キャンペーン実行委員会との取り組みや医療機関におけるがん検診のチラシの配架、あるいはポスターの掲示等、さまざまな機会を捉えて普及啓発を実施しているところでございます。  今後、精密検査の受診率向上等も目指しまして、検診実施医療機関との連携は重要でございますので、強化してまいりたいというふうに考えております。 ◎小田原 健康企画担当部長  がん以外の検診の受診の関係でございますけれども、国保その他、民間企業でありますと協会けんぽ等が保険者となって健康診査等を行っておりますので、やはり、そういった保険者等との連携も重要かと思っております。また、こういった保険者も最終的には医療機関に検診を委託していることが多い状況でございますので、やはり、医療機関との連携も重要と考えておりますので、今の秋野部長の答弁と重なる部分がございますけれども、医療機関等との連携についても今後十分に検討していく必要があると認識しております。 ◆伴良隆 委員  がん検診も含めてでありますが、全ての健康診査ということでございます。西村部長もいらっしゃいますが、国保もそうであります。  それで、これは、担い手となる事業所、つまり保険医療機関は、そもそも実際に患者を回すのに大変で、なかなか検診まで行かないという声もあろうかとは思います。ただ、今、小田原部長、秋野部長のお話もありましたが、やはり、検診の担い手の方々の協力をさらに強くお願いしていただきたい、このように思うところでございます。  さて、さきの第3回定例議会における我が会派の代表質問に対し、市内事業所従業員の健康意識向上や行動の継続に効果的なアプローチ手法の検討を行うとの答弁がございました。一方で、本市は、市のがん検診の対象外である事業所従事者等に対し、積極的な受診勧奨を行っておらず、職域によるがん検診などの正確な実態数値を把握できていない現状では、明確な改善策を立てにくい状況であり、市内企業、事業所のさらなる理解と協力も喫緊の課題だと考えます。  そこで、質問ですが、市内事業所従業員の健康向上に市役所がかかわるからには、こうした人々の検診情報を集約している協会けんぽ等との情報共有が不可欠でありますが、今後どうしていくのか、伺います。 ◎小田原 健康企画担当部長  市内事業所従業員の健康に関するデータの管理ということでございますけれども、協会けんぽ等で行っております検診の個別データにつきましては、個人情報等の関係がございますので、それを札幌市にそのままいただけるという状況にはございません。  現在、国のほうの動きとしましても、総合特区事業などを行っておりまして、国保や協会けんぽなどとの情報を一元化する研究なども進めておりますので、こういった研究の動向なども注視してまいりたいと思っております。 ◆伴良隆 委員  今の段階では、多分、それが精いっぱいなのかなと思います。ただ、国のお話が出ましたが、私は、これは目の前に迫ってきていると思いますので、先ほどがん検診で捉え切れていない数字もあるというふうに申しましたけれども、市内の事業所の従業員の方々の健康についてぜひとも協力していただけるようにお願いしたいと思います。  さて、事前に市側に確認しましたところ、がん検診の最大の目的は、当然でありますが、がんになっている人を早く見つけ、早く治療してもらうための事業であるとのことでございます。しかし、先ほど1,000人中2人とは申しましたが、実際は、健康意識が比較的高い人や受診勧奨してくれる環境にある人の受診が多くなっております。それは決して悪いことではございませんが、もっと早く受診すべき人が余り受けていない状況を考えますと、市のがん検診事業は、そもそも何のためにやっているのか、どのような健康意識で、どんな健康度にある人たちのためにやっているのか、約11億円をかけながら、最大の効果を発揮しているのかと、ふと思うところでございます。  そこで、木下保健福祉局長に伺ってまいります。  私は、ことしの議案審査特別委員会で、子ども医療費助成の質疑でも指摘いたしましたけれども、単なるお金の補助や免除だけでは、市民の真の健康は守れず、健康施策の基盤とは、健康への意識と健康的な生活、そして、医療や救急への正しい知識を持った市民を一人でもふやすことであると考えております。そのためには、健康に努力している人、健康に興味があるが、できていない人、健康に興味もない人、もともと体に無理がある方、こうしたそれぞれの人々に対し、納得を得られるような健康に関する施策と事業に、つまり補助や助成に組みかえていくべきであります。  そこで、質問でありますが、さまざまな健康意識と健康度にある市民の健康づくりをどう行うか、そのための本市の施策と事業はどうあるべきなのか、全ての保健福祉に関する施策、事業を健康意識や健康度の観点で広く見詰め直し、市民理解を得ながら改めるべきは改めてはと考えますが、いかがでしょうか。 ◎木下 保健福祉局長  私の所管の関係を超えてしまうかもしれませんけれども、今のお話は、まさに健康意識がある方に対してはそれなりにご自分でちゃんと動いていただけるだろう、そうでない方々に対してどうするかということでございます。まさに、我々の課題意識としましても、やはり、みずから余り動いていただけないような方、健康意識の薄い方に対して、どういう形で進めていかなければいけないのかということは大変大きな課題というふうに考えております。  今、特に中小企業では、働いていて、ふだんは暇がなくてなかなか検診にも行けないとか、40代とか50代の方の検診受診率が一番低いというデータもあります。このため、これから、そういう方々を対象に、企業の協力も得まして、どういう形のものを行えば、どういうインセンティブのものを与えれば、そういうふうに向いていただけるのかということを検証するための事業を考えております。そういったことを含めまして、これから、まさにどういう形で健康意識を醸成していくかということを検討してまいりたい、このように考えております。 ◆伴良隆 委員  さまざまな保健福祉事業がございます。いろんな特性がありますけれども、全部、押しなべて、何のために、どの人たちに向けて、何を目的にやっているのかということ、今まで、いろんな施策があって、事業があって、そこにブランチとしてぶら下がったさまざまな補助や助成がございます。相談窓口もたくさんあります。事業もたくさんある。受ける側も困りますね。何を受けたら自分は健康になれますかと。窓口に来た方にも、この人ならこういう事業を紹介したいということも、さまざまにいろんなことがあって、何だかよくわからない。  ですから、健康意識や健康度だけとは言いませんし、もともと体に無理がある人もいます。でも、さまざまな保健福祉のこの巨大な事業です。決算の額もそうですけれども、その中で、本当に必要な人に本当に必要な福祉をと。健康な方にも、ある種、プレゼントみたいな形でいろいろと事業をやるのも、それはそれで結構だと思います。しかし、消費税も上がりました。やはり、元気な高齢者という一つのコンセプトもございます。その中で、誰に、どの人に、どのような形で予算を投下していくのか。きょうは市長もいらしていただいておりますが、保健福祉にかかわる各種施策・事業については、ぜひ、時代の要請に沿いながら、長期的視点のもと、早急に工夫され、改善されるように強く指摘しますとともに、今後も継続的にその経過と結果を確認してまいりたいと思います。 ◆恩村健太郎 委員  私からは、児童虐待予防における父親の役割と、5歳児における健康診査や発達相談について、大きく二つの項目について質問いたします。  まず、一つ目に、児童虐待予防における父親の役割について、母子保健の観点から伺います。  我が会派は、2018年第3回定例会決算特別委員会において、母子保健における児童虐待予防の強化について質問し、小さなとうとい命が失われることがないよう、虐待を予防する母子保健施策の強化を求めてまいりました。さらに、2018年第4回定例会代表質問においても、引き続き、我が会派は、誰もが安心して産み育てていくことができるよう、産後の支援の充実について質問し、妊娠期からの切れ目のない支援の充実に努めていくとの答弁をいただきました。  しかしながら、残念なことに、本年6月、この札幌市において2歳女児の虐待死事件が発生しました。どのような背景で事件が発生したのか、なぜ防ぐことができなかったのか等については、警察の捜査や検証委員会による検証によってある程度明らかになると思われますが、児童相談所のみならず、母子保健に係る部門も関係機関と有機的な連携をし、特にサポートを必要とする家庭と接点をしっかりと持ち、子どもを守っていかなければならないことを再認識することを求めます。  児童虐待の発生については、本市の事件後も、痛ましい事件が毎日のように報道されており、児童相談所への虐待相談件数は増加の一途をたどっています。子どもを産み育てる過程においては、楽しいことやうれしいことばかりではなく、母親は不安や負担を抱え、孤立感を深め、ともすれば虐待に至ってしまう場合もあるのではないかと考えます。  本年8月に出された国の社会保障審議会の専門委員会による子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について、その第15次報告によると、虐待死事例のうち、主たる加害者は実母が48.1%、また、その支援者の有無を見ると、ありが52%、不明が30%、なしが18%でした。このありの内訳は、いわゆる子どもの祖父母である親が40%、配偶者、パートナーが36%であり、配偶者やパートナーが親よりも少ないという結果でした。児童虐待死事例においては、母親が加害者である場合が約半数を占めていますが、配偶者やパートナー、いわゆる父親としての役割を果たす男性が、ともに子どもを育てるという意識を持ち、母親をサポートしていたら防げた事例もあったのではないかと推察するところであり、児童虐待予防における父親の役割は、非常に重要であると考えます。  そこで、質問ですが、児童虐待予防においては、母親にとって最も身近な相談相手となる父親が、父親としての役割を自覚し、ともに育児をするように促すことが重要と考えますが、どのように取り組んでいるのか、伺います。 ◎小田原 健康企画担当部長  父親に対する取り組みについてでございます。  区の保健センターにおきましては、妊娠期に母親教室及び両親教室を開催しております。母親教室には父親も参加することができ、妊娠中からともに育児をするという心構えを身につけられるよう、お父さんの妊婦体験として、父親に妊婦体験ジャケットを着用してもらい、妊娠中の体の変化を実感できるプログラムを取り入れるなど、父親となる自覚が芽生えるような工夫をしているところでございます。また、両親教室は、平日の夜間や土曜日などに実施しておりまして、沐浴実習や料理講座、先輩パパの育児体験談を取り入れるなど、父親が育児についての具体的な知識や技術を学ぶことで、自身の役割についてイメージしてもらうような機会となるようにしております。  参加者からは、妊婦の大変さを実感できた、子どもが生まれてくるのが楽しみだ、あるいは、自分でもできることがありそうだといった声が多く聞かれておりました。 ◆恩村健太郎 委員  本市における現在の取り組みについては理解しました。  また、昨今の官民を挙げたワーク・ライフ・バランスや父親の育児休業取得などの取り組み等もあり、昨年実施した札幌市就学前児童のいる世帯を対象としたニーズ等調査において、子育ての主な担い手はという設問に対し、父母ともにという回答が38.3%から45.3%と、2013年度に実施した調査と比べて7ポイント増加していました。しかし、その一方で、子育ての悩みについて、子育てに関して配偶者の協力が少ないという回答が10.7%から12.4%と、1.7ポイント増加していました。  また、妊娠中に特に重要だと思うサポートについての設問に対しては、父親向けの育児教室と回答したものが36.2%と最も多かったという結果も出ています。母親の気持ちとしては、子どもが生まれる前から夫に育児についての知識や技術を習得してもらい、父親としての自覚を持ってサポートしてもらいたいという思いがあるのではないかと考えます。しかしながら、現状では全ての方々が育児教室を受講できる環境にはないことから、父親向けに育児に関する情報をもっと発信する仕組みを整えていくべきであると考えます。  そこで、質問ですが、児童虐待予防の観点からも、父親がともに育児をしていくことが重要ですが、いまだ十分ではない現状を踏まえ、積極的にともに育児をする父親をふやすため、母子保健施策として今後どのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎小田原 健康企画担当部長  積極的に育児を行う父親をふやすための取り組みについてでございます。  積極的に育児を行う父親をふやすためには、実用的な育児情報を幅広く発信することに加えまして、こうした情報に気軽にアクセスできるような仕組みが重要と考えております。そのため、各種教室のテキストや資料をさっぽろ子育てアプリや子育て情報サイトに掲載するなど、父親が有効に育児情報を得られるよう、関係部局と協力し、取り組んでまいりたいと考えております。  また、母親と父親が協力し、ともに育児に向かい合うためには、妊娠期からの働きかけが重要でありますことから、従来の母親教室や両親教室の内容の見直しも含め、これから親になる市民へのより効果的な情報提供や支援のあり方について検討を進めていきたいと考えております。 ◆恩村健太郎 委員  最後に、要望ですが、ただいまの答弁でさっぽろ子育てアプリ等の充実というお話がございました。私の周囲にも、さっぽろ子育てアプリを利用している方がおります。現在の子育て世代は、常にスマートフォンを携帯しており、情報の入手手段としては非常に有効であると考えております。一方で、多くの情報が掲載されているがために、必要な項目を探すのに時間を要する面もあるとの声も利用者からお聞きしています。父親向けの情報を整理し、情報発信することを求めさせていただきます。  あわせて、私としては、もっと母子健康手帳を活用するべきではと考えています。自治体間で差はあるものの、近年の母子健康手帳は、単なる記録簿にとどまらず、母親の心と体の変化、段階別の育児方法など、さまざまな情報が掲載されています。札幌市の母子健康手帳の見開きページには、子どもの権利条例前文が記載されており、母親だけではなく、父親に大切な子どもはともに育てることを意識してもらういい教材となり得るものです。ぜひ、父親の母子健康手帳一読キャンペーンなども進めてみてはいかがでしょうか。  妊娠、出産、育児というステージで、ともに支え合う環境を実現し、札幌市の子育て中のお母さんが子どもを産んで本当によかったと実感できるよう、施策を進めていただくことを求めて、私の一つ目の質問を終わります。  次に、5歳児健康診査、5歳児発達相談について伺います。  札幌市では、2014年10月から、切れ目のない母子保健サービスの提供を目指し、3歳児健診から就学時健診までの間に、5歳児における健康診査や発達相談を実施し、子どもの健やかな成長と発達を支援していると伺っております。5歳という年齢は、基本的な生活習慣が確立し、社会性が身につく重要な時期であり、保育園や幼稚園等において集団生活を経験することで、それまで明らかにならなかった軽度発達障がいや社会性の発達における課題が把握できる時期でもあることから、この時期の健診は非常に重要な意味を持つものと受けとめております。  しかし、私が以前保育士として保育園に勤めていたときの経験からも、その機会が十分に活かされていないのではと感じることがありました。保育現場では、集団生活の中で発達の心配がある子どもがいた場合、保護者が適切な機関へ相談に向かえるよう働きかけますが、そのことが、うちの子どもがおかしいというのかといったクレームにつながることもあり、就学時健診まで適切な機関につなぐこともできず、もどかしい思いをすることが少なからずありました。また、保護者に5歳児健診や5歳児発達相談の受診を促してみましても、全員が行かなくてもいいんですよねと、その必要性について理解されないことも多々ありました。  札幌市では、療育の専門職が保育園等を訪問し、職員へ子どもとのかかわり方などを助言する保育所等訪問支援事業を実施しています。しかし、この事業を利用できるのは、障害児通所支援受給者証を有している子どもであり、かつ、保護者からの申請があった場合となっております。子どもの発達や社会性に心配があり、何とか少しでも早く適切な支援につながってほしいと保育現場で感じていても、保護者に困り感や相談のニーズがない場合には、この保育所等訪問支援事業や5歳児健診、5歳児発達相談などの機会を活用できず、結果として就学時健診までどうすることもできないというのが現状です。  札幌市の乳幼児健診は、4カ月、10カ月、1歳6カ月、3歳児健診と実施されており、おのおのの受診率は全て90%以上となっております。しかし、5歳児健診、5歳児発達相談については、対象世帯全てに受診案内を郵送してはいるものの、保護者が、同封された表に基づき、セルフチェックを行った上で、体格や姿勢などに該当した場合は5歳児健診、言葉や社会性などに該当した場合は5歳児発達相談の受診を促す流れとなっており、全ての5歳児が受診する位置づけにはなっておりません。  そこで、質問ですが、2018年度の5歳児健診及び5歳児発達相談の実施状況について伺います。 ◎小田原 健康企画担当部長  2018年度の5歳児健診及び5歳児発達相談の実施状況についてでございます。  2018年度は、5歳児健診及び5歳児発達相談の対象者といたしまして、1万4,752人に案内を郵送しております。5歳児健診の受診者数は734名、受診率としますと5.0%となっております。その結果としては、保健師の指導を要した方が480名と最も多く、次いで、問題なしが127名、医療機関への紹介が75名となっておりました。  また、5歳児発達相談の受診者数は671名となっておりまして、受診率は4.5%でありました。その結果としては、他機関への紹介が381名と最も多く、次いで、相談のみで終了が251名、保健師等の継続支援が39名という状況となっておりました。381名の他機関への紹介先といたしましては、医療機関が最も多く195件、次いで、子どもの発達や就学相談等を実施している教育センターが134件、児童相談所が17件となっておりました。 ◆恩村健太郎 委員  2018年度の実施状況については理解いたしました。  札幌市のように3歳児健診と就学時健診の間に健診を実施している政令指定都市は川崎市など少数だと聞いておりまして、子どもの成長や発達を確認する機会としての札幌市の取り組みは非常に評価しているところであります。また、5歳児発達相談の結果では、関係機関への紹介の割合が半数以上を占めておりまして、この発達相談が親子の支援のきっかけになっていることもわかりました。  しかし、保護者が希望する場合に受診する仕組みであるとはいえ、対象者数の5%しか受診していないという状況は、ほかの健診に比べ、余りにも受診率が低いと言わざるを得ないのではないかと思います。現在、5歳児の99%が保育園や幼稚園に通っていると言われております。このことは、保育園等の職員は、集団生活の場における子どもの姿など、保護者の知らない情報を持ち得ているということだと思われます。保育現場の情報が子どもの発育や成長をさらに促すことに十分活用されていれば、受診率はもう少し高くなっていてもいいように感じます。  しかし、さきにも述べましたとおり、保育園や幼稚園だけで保護者に働きかけることには限界がございます。子どもの発達に困り感や相談ニーズのない保護者にもより広く働きかけ、家庭では気がつかなかった本当は支援が必要な子どもを早期に発見し、家庭と協力して適切な支援につなげていかなければならないと感じます。そのためには、従来の保育園や幼稚園などの保育現場と健診などの実施機関である各区の保健センターの情報共有や連携をさらに一歩前進させるべきではないかと考えます。  そこで、質問ですが、支援が必要な子どもを適切な支援につなげるために、保育園や幼稚園等と保健センターの連携強化が重要と考えますけれども、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎小田原 健康企画担当部長  保育園や幼稚園等と保健センターの連携強化についてでございます。  支援が必要な子どもを適切に支援につなげるためには、その子どもを取り巻く関係機関が情報を共有し、共通認識を持ちながら、それぞれの立場で働きかけていくことが必要と考えております。これまでにも、研修会や勉強会におきまして、保育園や幼稚園の職員と保健センターの保健師が情報交換する機会を設けていたところではございますが、今後、より連携を強化するために、保健センターの心理職や保健師が子どもの日常生活の場である保育園や幼稚園等に出向き、親子の状況を最も把握している保育現場の職員と情報交換を行うことで、できるだけ早く子どもを適切な支援につなげる体制を整備してまいりたいと考えております。  さらに、適切な機関につなげるだけではなく、その後も、年齢や成長・発達に応じた支援が日常生活の場で継続されるよう、保育園や幼稚園等と保健センターが顔の見える関係を築き、日ごろから情報を共有し、ともに支援が必要な子どもを支えてまいりたいと考えております。 ◆恩村健太郎 委員  最後に、要望となりますが、5歳児健診や5歳児発達相談は、親子の支援のきっかけとなり、子どもの健やかな成長・発達に寄与している有効な取り組みです。両親からの虐待で死亡した目黒区の5歳女児の事件の報道を耳にすると、もし健診を受診していたら虐待の兆候を早期に発見できたのではないかという思いにも至ります。乳幼児健診は、発育、発達の確認の機会のみならず、児童虐待の早期発見の機会にもなり得ます。児童虐待防止の観点からも、多くの子どもたちが5歳児健診、5歳児発達相談を受診できるよう、今後も取り組んでもらいたいと思います。  加えまして、私自身、保育の現場で経験したことだからこそ感じる部分でありますが、3歳児健診から就学時健診までの間の子どもの発達というのは、とても大きな差がございます。5歳児健診や5歳児発達相談を受診することは、発達に心配のある子どもを就学前までに適切な支援につなげられるせっかくの機会となりますので、ほかの乳幼児健診と同様に、全員受診を早期に実現させていただきたいことを要望いたしまして、私の全ての質問を終わらせていただきます。 ◆好井七海 委員  私からは、障がい者歯科保健対策について質問いたします。  昨年10月の決算特別委員会においても、私から、障がい者歯科保健対策について、障がい者施設における歯科保健対策の取り組み状況調査結果と今後の具体的な取り組みについて質問させていただいたところでありますが、その際の答弁としまして、施設の取り組み状況の調査結果については、施設利用者に対して定期的な歯科健診を実施していた施設は1割に満たない状況でありました。一方で、虫歯や歯周病等、何らかの歯や口の困り事がある利用者がいると回答した施設は、全体の約7割もの施設に歯科に関する問題が見られたとのことでありました。そして、札幌市が、さらなる実態調査として、施設利用者を対象とした歯科医師による口腔内調査を行った上で、今後の取り組みの検討を行うとのご答弁をいただいたところであります。  施設利用者の口腔内の問題については、施設職員の回答だけでも、施設利用者約2万人のうち、自分で歯磨きが難しそうな人が約4,500人おり、治療が必要な虫歯または歯周病と思われる人が約1,600人いるとの結果であったと聞いております。施設職員が気づいているだけでも、これだけの障がいのある方々に歯や口のトラブルがあったわけですから、実際に歯科医師、歯科衛生士による、専門家が健診で詳細な調査を行えば、さらに口腔内の問題の重篤さが明確になったと考えます。  そこで、質問ですが、昨年度に実施した施設利用者の口腔内の実態調査の結果についてお伺いします。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  障がい者に対する歯科保健対策についてお答えいたします。  障がい者施設利用者の口腔内状況調査の結果についてでございますが、この調査は、歯科健診等の口腔衛生管理が実施されていない障がい者施設に通所または入所している成人利用者218名を対象といたしまして、障がい者歯科に精通した歯科医師の協力を得て、現在の歯の本数、虫歯や歯周病などの歯科疾患の状況把握を目的に実施したものであります。  主な調査結果といたしましては、厚生労働省が国民を対象に実施した平成28年歯科疾患実態調査結果の歯の本数と比較しましたところ、入所施設利用者では、10歳代を除き、全ての年代で平均より少ない状況となっておりました。特に、40歳代では、平均27.8本に対しまして施設利用者は21.9本と5.9本少なく、また、60歳代の平均の22.5本よりも少ない状況でありまして、20年早いペースで歯が失われている状況が確認されたところであります。また、歯周病についても、40歳代で重度歯周病に罹患している割合は、平均の4.8%に対し、施設利用者が25%と約5倍多い状況となっておりまして、早期の歯の喪失は重度歯周病の進行によるものであることが強く示唆される結果でございました。  通所施設利用者についても、40歳代の治療されていない虫歯の本数は、平均の0.8本に対し、3.3本と約4倍多く、重度歯周病罹患率も、4.8%に対し、9.5%と2倍となっていたところでございます。 ◆好井七海 委員  施設利用者の実態調査結果では、大変深刻な状況であるということが確認できました。  入所施設を利用されている方の年代によっては、平成28年歯科疾患実態調査の全国平均と比べ、20歳も早く歯を失っており、重度歯周病に罹患している割合は、全国平均に比べ、約5倍も多いことがわかりました。とりわけ、通所施設を利用されている方においては、治療されずに放置されている歯が約4倍も多いことには大変驚いております。これは、私が考えていたよりも大変深刻な状況であり、このような現状は、もはや放置することは許されないと考えます。  私も、実際に歯科医療の現場を見てきた経験から、歯科疾患は、適切なケアによる予防と重症化する前の早期発見・早期治療が何よりも重要なことはもちろんですが、障がいを持つ方は、丁寧な歯磨きが難しかったり、痛みなどの症状があっても、周囲にうまく伝えることが困難な場合がありますので、歯科専門職による定期的な口腔内の状態確認が必要不可欠であります。  障がい者歯科保健事業の先進自治体であります京都市では、主に知的障がいのある方が利用されている市内117施設を対象に、歯科医師会や歯科衛生士会と連携しながら、年1回、希望施設に歯科医師及び歯科衛生士によるチームを派遣し、利用者に対する歯科健診や歯科保健指導、さらには、施設職員を対象とする口腔ケアの研修等を開催しているとのことでありました。政令市全体の状況を見ても、京都市を含め、8市において、障がい者に対する歯科健診等の歯科保健事業を実施しているとのことであります。  また、昨年度に札幌市が実施した施設調査においても、1,193施設のうち回収施設が853施設あり、回収率が71.5%と非常に高い回収率でありましたが、その中でも、約半数の施設において歯科専門職の派遣等の支援があれば歯科に関する取り組みを実施したいとの意向を示していることは、障がい者施設では大変に関心があり、ある意味、助けを求めているとも考えます。  そこで、質問ですが、札幌市においても、歯科口腔保健の推進に関する法律により、地方自治体の責務とされている障がい者の歯科保健対策に今すぐ取り組むことが必要と考えますけれども、今後どのように取り組んでいくつもりなのか、伺います。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  今後の障がい者歯科保健対策の取り組みについてお答えいたします。  昨年度の調査結果につきましては、大学有識者、歯科医療関係団体及び障がい者の家族等の関係者により構成いたしました障がい者(児)歯科保健推進対策検討委員会におきまして、今後必要と考えられる取り組みを含め、調査報告書として取りまとめております。この報告書におきましては、今後、必要な取り組みといたしまして、施設利用者に対する定期歯科健診、本人や介護者に対する歯科保健指導の実施、施設職員に対しては歯科保健に関する研修の機会の確保等が盛り込まれていたところでございます。  札幌市におきましては、報告書の提言に基づきまして、主に知的障がい者の方々が利用する施設に対し、歯科健診や歯科保健指導等の支援を行う歯科保健事業を早期に導入する方向で検討してまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  報告書に基づいて一つ一つ進めていかれるということでした。  最後に、要望です。  私も、実際に障がい者の治療や待合室の状況を見てきました。障がいのある方の歯科治療は、小さな虫歯であっても、全身麻酔が必要だったり、長時間、長期間かかるなど課題もたくさんあることもわかっています。ですが、障がい者歯科保健対策が地方公共団体の責務として位置づけられてから既に8年にもなるので、本人にとっても、保護者にとっても、本当に切実な問題でありますので、一日も早く取り組みを進めることを強く要望し、私の質問を終わります。 ◆水上美華 委員  私からは、子どもたちを含めた若い世代の性感染症防止対策、そして、性感染症対策について、8点伺いたいと思います。  スマートフォンの普及に伴い、子どもたちは、インターネットを通じて手軽に性に関する知識や情報を得ることができるようになり、さらに、SNSの爆発的な進化により、さまざまな情報交換を行うことが容易にできるようになりました。そこで、青少年インターネット環境整備法の可決以降、携帯電話、PHS事業者だけではなく、国や自治体でも、興味本位で有害なサイトにアクセスできないように、有害サイトアクセス制限機能の普及啓発、フィルタリングの普及に必要な施策を行うことなどが定められております。  しかし、実態としては、各種SNSやいわゆる出会い系サイトなどでのやりとりが引き金となり、性的なトラブルに巻き込まれてしまうなど、使い方次第では、子どもたちにとって、決してプラスな面だけではなく、マイナスな側面をもたらすこともあり、社会問題となっております。このように、リスクを伴う性行動の低年齢化も深刻であり、性感染症の問題もそれらが大きく関係しているのではないかと考えております。また、子どもたちは、大人が教えてくれなくても、スマートフォンなどから情報を入手することができる状態にあり、それが必ずしも正しく有益な情報でなくとも、それを信用したり、興味を抱いたりして行動してしまうことも少なくないと考えております。  この日本において、ここ数年、梅毒が爆発的に流行しているということは驚きを隠せないことでありますが、同じく、アメリカなどの先進国でも同様に増加している状況もあります。やはり、背景には、スマートフォンの増加に関連し、日本同様に出会い系サイトやマッチングサイトなどの普及もあると考えているところでありますが、専門家などの所見は、それとは若干異なっており、全体で梅毒などの性感染症がふえているのは確かではあるが、診断技術が向上したためという意見や、梅毒などの性感染症がふえているという情報を聞いて、自分もかかっているかもしれないと考え、実際はかなりのケースで無症状であることも多い梅毒などの検査を受検する人がふえたこともその一因とされております。その専門家の視点からすれば、これまでの性感染症対策で一定の成果が出てきたという考え方もできると思います。  ともかく、性感染症の大半は、自覚症状がないことが多いため、感染に気づかず、知らないうちに感染を拡大させてしまう可能性があります。今回の質問は、子どもたちを含めた若い世代で急増している梅毒などの性感染症についての問題です。実際には、30代から全ての年代で梅毒感染の報告者数は男性が圧倒的に多い状態となっており、さまざまな問題はありますが、適切に治療しなければ、生殖機能に深刻な問題を来し、不妊の原因にもつながってしまうだけではなく、女性が感染したまま妊娠すると、母子感染を引き起こし、妊娠や出産に、また、生まれてくる子どもにも大変な影響を与えてしまうことになってしまいます。今こそ、子どもたちや若い世代に、性感染症に関し、正しい情報を周知しながら、社会全体で性感染症防止対策に取り組んでいく必要があるのではないかと考えております。  そこで、質問させていただきます。  最初に、当市における性感染症の罹患状況について、特に若い世代の罹患状況の傾向についてお伺いします。  続けて、これまでも、各学校などと連携し、リーフレットの配布などを行われているとお伺いしておりますが、平成30年度の状況についてお教えください。  また、市の相談窓口などへ、主に10代、20代の方からの性感染症に関する健康相談などの問い合わせの状況について、把握されておりましたら教えてください。 ◎山口 感染症担当部長  札幌市の性感染症の罹患状況等についてお答えいたします。  1点目の性感染症の罹患状況につきましては、札幌市では、感染症法に基づき、HIVと梅毒の2種類については市内の全ての医療機関から、淋菌感染症、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマの4種類については14の医療機関から届け出を受理し、性感染症の発生状況を把握しているところでございます。  このうち、梅毒は過去5年間で年27人から年90人と約3倍に、淋菌感染症は年約400人、性器クラミジア感染症は年約1,300人で、緩やかな増加傾向となってございます。また、昨年の届け出数における30歳未満の方の割合ですけれども、梅毒が総数90人に対して36人で4割、淋菌感染症が385人に対して257人で約7割、性器クラミジア感染症が1,265人に対して927人で約7割となってございます。  2点目の学校等でのリーフレットの配布状況についてでございますが、平成17年度から、性感染症防止に関する内容を記載したリーフレットを市内の産婦人科、泌尿器科に配付を開始しており、平成18年度からは、希望する市内専門学校や短大、大学等に対して配付を開始してございます。平成30年度においては、市内産婦人科、泌尿器科の173カ所に約6,000部、学校等へは26校に約3,000部を送付しているところでございます。  3点目の性感染症の相談状況についてでございますが、各区の保健センターでこれを受け付けてございまして、平成30年度の相談件数は112件となってございます。この相談は、匿名で受け付けている相談となってございますので、年齢については把握しておりません。 ◆水上美華 委員  当市においても、他の自治体と同様に、梅毒、それから淋菌感染症、いわゆる淋病が増加傾向にあること、そして、性器クラミジア感染症のほうも増加していることがわかりました。  また、先ほども質問したとおり、その背景には、単純に増加しているという視点だけではなく、これまでの啓発成果により受検者数がふえたことで感染者数がふえており、実際、把握が前進していると捉えることもできます。しかし、感染した妊婦から胎児に感染すると、淋菌感染症では失明、梅毒では流産や死産など、さまざまな合併症を起こすおそれがあるため、妊婦への感染予防及び早期治療が重要であり、早期治療のためには普及啓発事業の強化は最優先事項であると考えております。  現在、当市では、妊婦一般健康診査を実施しております。その内容としては、妊婦は、自己負担なく14回分の健診を受診することができ、その中で梅毒については初期の段階で検査をするため、妊婦健診を適切に受けていれば、感染が判明しても早期に治療することができ、胎児への影響を最小限に抑えることも可能になってきております。  ただ、10代などの若年の場合、望まない妊娠であることも少なくなく、妊婦健診を受けないで出産することも考えられます。現状、15歳から19歳の患者数が全国の4.6倍となっている当市の性器クラミジア感染症は、女性の場合、骨盤内の炎症性疾病を来し、不妊症の原因となってしまう場合もあるということです。  平成29年度に実施した市民意識調査によると、16歳から19歳における性行動と感染症の関連について正しい知識を持つ人の割合は41.7%、また、避妊方法を正確に知っている人の割合は、前回調査時の34.6%より微増しているものの、35%にとどまり、決して十分とは言えない状況にあります。若い世代に対する性感染症防止対策は、当市において喫緊の課題であり、単に疾病の蔓延を防ぐだけではなく、健やかに産み育てるという母子保健の観点においても重要な取り組みであると考えております。  同じく、梅毒などの性感染症が急増し、対策を行っている例で、大阪市では、市内に設置している検査所において毎週土・日の即日無料検査を導入するとともに、週2回、夜間に即日検査を追加実施する取り組みをしております。その結果、国立感染症研究所の分析によると、大阪府においては、新たな患者報告数はやや減少の傾向に転じるなど、一定の成果が出ております。また、10代に特化した性感染症についての相談を完全個室、匿名、相談料無料で行うなど、先進的な取り組みを行っております。さらに、厚生労働省でも、梅毒と診断した際、医師に義務づけている届け出の項目に性風俗産業の従事歴や利用歴などの項目の追加を決めるなど、今後、これらのデータも活用しながら、例に挙げた大阪市では、感染拡大防止に向け、検査機会の拡充を図る取り組みを行っていくとされております。当市においても、性感染症を根絶させるためには、大変有効な手段ではないかと考えております。  そこで、質問させていただきます。
     1点目として、当市では、現在どのような検査体制で実態把握に努めているのか、検査を受けることができる受け付け時間や医療機関との連携などについての状況をお知らせください。  それを踏まえ、2点目といたしまして、当市においても、プライバシーに配慮した上で、性風俗産業の従事歴や利用歴などの把握を行っていくのかについても、あわせて教えてください。  また、行っていない場合は、今後検討の余地があるのか、お知らせください。  3点目に、子どもたちを含めた若い世代への性感染症防止対策について、当市は現在どのように取り組んでいるのか、また、今後どのような取り組みを行っていくのか、具体的にお伺いいたします。 ◎山口 感染症担当部長  若い世代への性感染症防止対策について、札幌市の性感染症の今後の取り組みについてのご質問をいただきました。  1点目の性感染症の検査体制につきましては、札幌市では、各区保健センターでHIVとあわせての梅毒検査を匿名、無料で実施してございます。検査は、平日検査、夜間検査、休日検査がございまして、平日検査は、月2回、午前中に10区の保健センターで実施しております。夜間検査は、月1回、18時以降、休日検査は、年3回、日中、いずれも中央保健センターで実施してございます。検査の結果が陽性の方につきましては、医療機関への受診につながりやすいよう、匿名のままで紹介状を交付してございます。  2点目の性風俗産業の従事歴や利用歴についてでございますが、平成31年1月より、感染症法に基づく医療機関からの梅毒の届け出様式が変更され、感染原因、感染経路の1項目としてこの項目が追加されておりまして、届け出の範囲内でこの情報を把握してございます。  3点目の若い世代への性感染症防止対策の現在及び今後の取り組みについてあわせてお答えいたしますが、医療機関及び教育機関へのリーフレット配付のほか、各区保健センターの保健師等が小・中・高校に出向く思春期ヘルスケア事業を活用し、性に関する健康教育を行ってございます。また、大学、専門学校では、外部講師により、性感染症防止をテーマに講義を行ってございます。教育機関以外につきましては、性風俗業界等へのリーフレットの配布や札幌市ホームページへの情報掲載を通じて、性感染症への正しい知識や予防方法について広く普及啓発に努めているところでございます。  今後は、さらに、若い世代に届くような啓発手法の見直しを図るとともに、行政のみならず、医療機関、教育機関等の関係機関と課題を共有し、取り組みを進めていけるよう検討してまいりたいと思います。 ◆水上美華 委員  それでは、再質問させていただきます。  最初に、大阪府のケースでは、まさにパンデミックとも言える増加傾向にあった梅毒が、毎週土・日の即日無料検査を導入するとともに、週2回の夜間即日検査に加え、毎週第3水曜日はレディースデーと題して女性スタッフによる女性のための検査や、また、男性に向けた普及啓発、相談窓口を開設するなど、積極的な取り組みを行っており、その結果、受検者数が定数を超える状況になっているなど、想定以上の反響があっただけではなく、事実として、新たな患者報告数はやや減少の傾向に転じるなど、一定の成果が出ている事例もございますので、参考にしていただき、検討をお願いしたいと思います。  また、10代や20代の若年層の性感染症対策として考えたとき、性感染症へのリスクが高い業種である性風俗店については、現在の風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律、いわゆる風営法では、営業時間や未成年者の労働の規制などに関する規定が中心で、衛生管理については規定されておらず、性感染症の検査は業者の判断で行われていることが実情であります。そこで、性風俗産業の従事歴のある方の属性情報をしっかり分析し、大阪府で行われているような性風俗産業の従事者に向けて、関係機関と緊密に連携し、特化した普及啓発活動を行う必要性もあると考えておりますが、所管としての見解をお持ちでしょうか、教えてください。  2点目として、スマートフォンを使ってのいわゆる出会い系サイトやマッチングサイトの普及により、10代を含む若年女性の性感染症への罹患リスクは、国内はもとより、世界的に増加傾向にあることを踏まえ、紙媒体などの従来の普及啓発ツールに加えて、SNS広告や、あらかじめターゲットを限定した効果的なリスティング広告の活用など、出会い系サイトなどを検索した人や性感染症を検索した人などに向けて、可能であれば年齢を限定した広告を市独自の普及啓発活動として行うことに加え、若い世代が性についてより相談しやすい窓口体制の工夫や、既にある仕組みとの連携の推進、例えば、普及啓発ステッカーやポスターを制作し、地下鉄ホームや車内、そして、コンビニエンスストアなど、10代を初めとする若い世代が立ち寄りそうな場所へ掲示してはいかがかと考えますが、見解をお伺いいたします。  3点目に、国立感染症研究所の調査によると、梅毒の総感染報告数では、全体の8割以上は男性で、女性は2割程度です。女性が梅毒に感染する経路として最も多いのが、約9割を占める異性間の接触によるものです。一方で、男性が梅毒に感染する経路としては、同性間の接触が約50%、異性間の接触が約36%、異性と同性間の接触が1.3%となっております。若い世代への性感染症を減らすためには、全国的に、30代以降の全ての年代で梅毒感染の報告数の多い男性の性感染症対策もあわせて行う必要性があると考えておりますが、当市の見解についてお伺いいたします。 ◎山口 感染症担当部長  性感染症防止対策の普及啓発事業についてお尋ねいただきました。  1点目の性風俗産業の従事者への対応につきましては、感染症法の届け出に基づく情報収集や業界団体等に対するリーフレットの配付を通じて、検査の勧奨や性感染症対策の普及啓発を継続してまいりたいというふうに考えてございます。  2点目の普及啓発につきましては、昨年度に新たに検査啓発ポスターを作成し、若い世代を含む幅広い世代が利用する市内の地下鉄駅構内や区役所、区民センター、薬局等に掲示を行い、性感染症防止の強化を図っているところでございます。  3点目につきましては、男性に限らず、引き続き、検査の勧奨や普及啓発事業を幅広く行うことで感染防止につなげていきたいというふうに考えてございます。 ◆水上美華 委員  質問の中で、大阪の取り組みを一例として取り上げました。  大阪市の梅毒の罹患状況は、平成30年で864名であり、当市は90名ですので、当市はまだそこまでの対応は必要ないと考えられるかもしれません。しかし、大阪市も、平成23年の罹患患者数は57名で、たった7年間で約15倍に患者数がふえています。当市も、平成27年は30名でありましたが、3年間で3倍にふえています。決して他人ごとではありません。  また、大阪府では平成21年、大阪市では平成26年に、先天梅毒の届け出以降、梅毒届け出数の推移を注視し、対応を行ってきておりますけれども、当市でも、既に令和元年に先天梅毒の届け出が確認されています。性感染症の対策は、早期の診断と治療が重要であり、その診断のために医療機関の受診や検査を進めるに当たり、必要な啓発をどうしていくのか、それが一番の課題であり、効果的な普及啓発が必要であると考えます。  最後に、2点要望させていただきます。  1点目は、近年、梅毒の届け出が全国的に増加している理由について、各新聞、医療関係者の報告、関係研究所の報告、さらには関係書籍を見ますと、スマートフォンの増加による出会い系サイト、マッチングサイト等の普及や、さらには、外国人観光客の増加が原因ではないか、同性愛者の増加が原因ではないか、性教育がしっかりされていないのではないか、または、性風俗産業からの拡大ではないか、さまざま論じられております。もちろん複合的に絡んでいるものとは思いますが、どれも裏づけとなっているデータがしっかりとあるわけではなく、確証のある理由ではないと考えられますし、また、それぞれの理由に反論している研究者の方々もいらっしゃいます。  このたび、厚生労働省は、梅毒と診断した際、医師に義務づけている届け出の項目に、新たに、性風俗産業の従事歴や利用歴などの項目の追加を決めました。全国と比べて性感染症の患者報告数が多い当市ですから、効果的な普及啓発を行っていくためにも、自治体独自で実態調査をすべきではないかと考えておりますので、検討していただけますよう要望いたします。  2点目に、大阪市では、HIV、梅毒に加え、患者数の多い性器クラミジア感染症の無料検査も行っております。当市でも、15歳から19歳の患者数が全国の4.6倍であり、また、20代以降の世代でも患者数が多いことから、当市でも性器クラミジア感染症無料検査の検討を要望して、私の質問を終わります。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、外国人患者の受け入れについてと、災害時のペット対策の強化について、2点質問させていただきます。  最初に、外国人患者の受け入れについて質問いたします。  札幌市を訪れる外国人宿泊者の実人数は、2018年で271万8,000人、延べ宿泊者で360万人と年々増加基調で推移しております。今後も、本市が外国人観光客の誘致施策を進める中で、滞在中に医療機関を受診される外国人患者数はふえてくるものと思われます。  そこで、最初に、外国人患者の救急医療体制について伺います。  外国人患者の受け入れにあっては、私は、これまで、本市の消防局との質疑で取り上げてまいりました。消防局では、救急車におけるタブレット端末を活用した多言語翻訳機能での対応を進めておりまして、現在では15カ国の言語で対応し、2017年で401人、2018年で428人の外国人患者を緊急搬送しているところであります。  また、市は、2016年10月より、救急安心センターさっぽろでの多言語対応を進めており、夜間の救急患者の受け入れ対応については、札幌市夜間急病センターへの集中を避けるために、札幌東徳洲会病院との間で夜間・休日における外国人救急患者の内科、外科の受け入れに関する協定を締結するなど、救急医療面での整備が進められていることは承知しているところであります。  そこで、質問ですが、現在の救急医療における外国人患者の受け入れの現状についてお伺いいたします。 ◎吉津 医療政策担当部長  外国人患者の受け入れについてお答えいたします。  救急医療における外国人患者の受け入れの現状についてでありますが、夜間急病センターにおける外国人患者の受け入れは、平成29年度が432人、平成30年度が572人、今年度は7月までの4カ月間で206人となっております。また、札幌東徳洲会病院における協定による夜間・休日の受け入れについては、平成29年度が642人、平成30年度が688人、今年度は7月までの4カ月間で203人となっております。  なお、電話相談窓口である救急安心センターさっぽろにおける外国語による対応状況は、平成29年度が43件、平成30年度が87件、今年度は9月までの半年間で60件となっております。 ◆丸山秀樹 委員  札幌市の救急医療体制における外国人患者の受け入れを聞いたわけですけれども、平成29年度では1,074人、平成30年度では1,260人、救急安心センターの電話対応は、平成29年度の43件から平成30年度には87件と、倍にふえているというような答弁だったと思います。  本市は、現在、外国人患者への受け入れに関する周知を市内の旅館、ホテル及び旅行会社にしていると伺っておりますけれども、外国人患者がふえると、外国人による救急医療もふえることが予測できます。私は、外国人観光客の動向については、今後、経済観光局やスポーツ局との連携、情報の共有、そして、情報交換というのも大変重要になってくるのではないかと思うところでございます。  具体的な例を一つ挙げますと、医療にかかる上で、やっぱり医療費の支払いがございます。大手旅行代理店によれば、団体、個人にかかわらず、旅行客には申し込みの際に旅行保険への加入を勧めておりますけれども、現時点では、加入は強制にまでは至ってはおりません。また、今は航空券をインターネットで手配してカードによる代金決済が当たり前のように行われておりますけれども、その旅行保険は、自動附帯であったり、旅行代金をクレジットカードで払った場合のみ対象になるというようにさまざまであります。また、既往症をお持ちの方が体急変によって受診された場合は、やはり保険対象外になってしまいます。実は、日本に来てから加入できる訪日観光客向けの海外旅行保険もできてきてはいますけれども、入国審査証の写しだったり、さまざまな手続があり、加入までにはやはり日数がかかるという現実もございます。こうして挙げると切りがありませんが、実際の医療機関での受け付け、そして窓口におけるこうした支払いに関する確認作業は、当然、必須となっております。  平成30年度の厚生労働省の調査によると、外国人患者の受け入れ実績のある医療機関の17.8%で未収金の経験があると回答しております。また、平成30年に北海道が行ったアンケートでは、外国人患者の受け入れ実績のある医療機関での未収状況はまだ5%と、全国の数字と比べると低いとはいえ、今後、外国人観光客の増加を考えると、外国人観光客の状況や推移にアンテナを張って関係部局と共有し、対応につなげていくことも大切ではないかと思うところであります。  先日、札幌で2試合行われたラグビーのワールドカップは、外国人滞在期間が長いということも特徴で、約80カ国の地域から2万人の外国人が来札されました。その際にも、消防局の出動があったと伺っております。さきにくまがい議員も話されておりましたが、2020年には東京オリンピックのサッカー会場として、5日間、10試合が行われるということもございます。外国人来札者の誘導、そして観光は、札幌市の大事な重点施策でもございます。それを医療という側面から支えていただく大切な役割を担っているのが保健所である、そうした意識で関係部局との働きかけや取り組みをしっかり進めていただきたい、このように思うところです。  次に、市内における外国人による医療機関の受診は、救急はもちろんですが、日ごろから円滑に市内の医療機関を受診できる体制を築いていくことも重要であります。  そこで、次に、救急のみならず、平時を含めた全般的な医療機関における外国人患者の受け入れについてお聞きしたいと思います。  北海道が2018年度に医療機関を対象に実施した調査では、道内の病院及び有床診療所の約6割が外国人患者を受け入れたことがあると伺っております。札幌市の9月1日現在の住民基本台帳では、外国人の方が1万4,027人おります。外国人については、在留期間が3カ月を超える場合には国民健康保険への加入対象となります。この要件はもう少し複雑なので省略させていただきますが、外国人の国民健康保険被保険者は、世帯で4,916世帯、5,691人、国は約120カ国・地域にも及んでおります。  さらに、公共職業安定所が公表している外国人を雇用している数は、札幌と札幌東、札幌北の三つの安定所所管では1,498事業所に8,684人となっております。この10年間で、全道で3.4倍にふえていると言われております。ついては、札幌市に在住している外国人の方が診療所などの医療機関で受診する際、多言語対応や意思の疎通、そして、医療、検査に対する考え方の違いなどの対応でも苦慮するような場面もあるのではないかと思います。  そこで、質問いたしますが、医療機関における外国人患者の受け入れに関するこうした課題に対し、行政としてどのような対応を図っているのか、お伺いいたします。 ◎吉津 医療政策担当部長  課題に対する行政の対応についてでありますが、札幌市では、公益財団法人札幌国際プラザと連携し、医療従事者向けに、食事や習慣などに関する外国人患者への配慮事項も盛り込んだ医療英語研修を平成28年度より9回開催し、1,380人に受講していただいております。この研修は、今後も継続してまいります。  また、北海道において、ことし4月に、院内の多言語掲示や医療費に関する留意事項、症状を説明するための指さしシートなどといった外国人患者受け入れに関する具体的な対応や先進的な取り組み事例が盛り込まれた対応指針を策定したところであります。北海道では、これに加え、インターネットによる医療機関向け外国語通信講習の開始を予定しているところであり、札幌市といたしましても、対応指針とあわせて活用していただけるよう、今後周知を進めてまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  平成28年度から1,380人を超える医療従事者を集めた研修会なども行っていて、今後は、医療機関を対象としたインターネットによる外国語通信講座、こうしたことも実施していくというようなお話もいただきました。外国人患者の受け入れを行うに当たっての課題に関して、行政の対応が本当に精力的に進められている、そうしたことも確認することができたところであります。  医療機関では、受け入れに当たってさまざまな苦労や努力をされているというように思いますけれども、外国人観光客に対しては、おもてなし、そして、本市に住み、そして働いておられる外国人に対しては、共生という意味におきましても、医療機関への研修や指針などの提供の支援はとても大切なことである、ぜひとも、今後とも進めていただくとともに、受け入れていただける医療機関の裾野をしっかり広げていくことが、外国人が安心して医療機関を受診できることにつながると考えます。今後も、外国人の円滑な受け入れ体制の充実は、本市の観光振興を支えるのみならず、札幌で生活される外国人の安心にもつながる大変重要な事業と考えます。  この質問の最後に、医療を受けたい来札外国人に向けて、受け入れできる医療機関に関してどのようにわかりやすく情報提供を進めているのか、お伺いしたいと思います。 ◎吉津 医療政策担当部長  外国人向けの情報提供についてでありますが、現在、札幌の公式観光情報のサイトや国際部が外国人向けに作成しているホームページを活用して、救急安心センターさっぽろなど医療に関する情報の多言語での発信を行っているところでございます。また、国において、外国人患者を受け入れる拠点的な医療機関のリストを作成し、多言語で診療科目などをわかりやすく検索できるよう、ホームページで掲載する取り組みを予定しているところであります。この取り組みについても、観光情報サイトや観光マップに掲載するなど、関係部局と連携しながら情報提供の充実を図ってまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  札幌市は、実は観光に関するさまざまなアプリを持っています。そうしたアプリなどともうまく連動させていただきながら、医療情報提供もしっかり進めていただきたい、このように申し述べたいと思います。  次に、災害時のペット対策の強化について質問させていただきます。  昨年度の北海道胆振東部地震から1年が経過し、その後、日本各地で豪雨などの自然災害が多数発生しております。記憶に新しいところでは、先月発生した台風15号の影響により、千葉県を中心とした広い範囲で大規模な停電が発生し、市民生活や企業活動にも大きな混乱が生じました。一部報道によると、猛暑が続き、断水や停電が長期化する中、千葉市では、ペットとの同行が可能な避難所を開設し、そこに獣医を常駐させるなど、迅速な対応をしたというように伺っております。一方で、ペットを自宅に残したまま避難した方や、避難所へ連れていくことをちゅうちょし、不安を抱えたまま、自宅や車の中でペットと一緒に過ごした方もいらっしゃったのではないでしょうか。  昨年9月に環境省が公表した飼い主向けの災害対策ガイドライン「災害、あなたとペットは大丈夫?」の中では、ペットを守るためには同行避難が重要であるとして、ふだんからのしつけやペット用の避難用品の準備など、十分な備えと飼い主の責任を果たす心構えを持つことの大切さを呼びかけているところであります。このようなことから、ペットを飼っている方に対し、避難所における同行避難のルールの周知をしっかり行うなど、いつ発生するかわからない災害に対し、日ごろから備えていくことが非常に重要であると考えます。  さらには、全ての方々がペットを飼っている、あるいは、動物が好きとは限らないということもございますので、避難所でのトラブルを防止するためには、同行避難というものの意味や目的を、ペットを飼っている方だけではなく、ペットを飼っていない方にも理解していただく、そうした努力や必要もございます。  我が会派は、これまで、日ごろから家族の一員としてともに過ごしているペットに対する災害対策が重要であるとの認識のもと、札幌市の取り組みについて繰り返し質問してまいりました。昨年の決算特別委員会では、我が会派の好井委員の質問に対して、同行避難を周知徹底していくことや、札幌市の総合防災訓練などで同行避難訓練を新たに盛り込んでいくという答弁をいただきましたが、先月行われた防災訓練では、動物管理センターが入り口正面の一番目立つところにブースを設けて啓発されている状況も確認させていただいたところであります。  そこで、質問ですが、昨年の北海道胆振東部地震以降、ペットとの同行避難に関して、具体的にどのような取り組みをされてきたのか、また、防災訓練に参加された方々の反応はどうだったのか、伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  災害時のペット対策の強化についてお答えいたします。  同行避難に関する取り組みと訓練参加者の反応についてでありますが、これまでの取り組みとしまして、ペットの防災に関するパネルや防災用品の展示、犬と猫の防災手帳の配付などによる市民への周知・啓発に加えまして、本年9月には、昨年の北海道胆振東部地震で浮き彫りになった課題を踏まえまして、札幌市避難場所基本計画及び避難所運営マニュアルを改定したところであります。  また、委員からもお話がございましたように、これまで実施しておりませんでしたが、先月、北ガスアリーナ札幌46で行われた札幌市総合防災訓練においては、飼い主が実際に飼い犬を連れてくる同行避難訓練を試行的に行い、避難所入り口での受け付けからペット避難場所への移動などの手順を確認したところであります。防災訓練に参加した皆さんからは、改めて、ペットとの同行避難の必要性を実感したとの声や、地域での同行避難訓練の実施、より積極的な啓発活動を望む声など、さまざまな反応があったところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  総合防災訓練では、初めて犬の飼い主との同行避難訓練を試行的に実施されて、地域でもこうした同行避難訓練の実施を望む声が寄せられたということは、私は大変に意義のあることだというふうに思います。  また、今年度は、札幌市避難場所基本計画及び避難所運営マニュアルを改定したということでした。従前の計画では、風水害や冬季の災害時においても、同行避難したペットは野外での飼育が基本ということでございました。その背景には、当然、鳴き声やにおい、また、子どもへの危害などの危惧、そして、アレルギーなどのトラブルといったこともあったということで、それは確かだと思います。しかし、今回の改定では、冬期間の寒さなどの気候等も考慮して、可能な限り、屋内または屋根のある場所に飼育スペースを設置することが記載されており、動物福祉に配慮した、より望ましい内容になったものと評価します。  しかしながら、これらの改定内容を実際の避難所運営にどう反映させるか。中でも、避難所の滞在スペースとは別に建物内のどこにペットの飼育スペースを確保すればよいのか、衛生管理をどのようにしていけばよいのか、新たに整理、検討すべき点も多々あると私は思います。計画やマニュアルを改定しただけでは終わりとせず、しっかりとした実施体制を整備し、具体的な取り組み、行動につなげ、より実効性が高まる内容に充実させていくことが重要であります。  そこで、質問ですが、今回の改定で、基本計画やマニュアルに記載したペットの同行避難者への対応を確実に行うためには、今後どのように取り組みを進めていくのか、お伺いいたします。 ◎高木 生活衛生担当部長  ペット同行避難者への対応を確実に行うための今後の取り組みについてでありますが、今年度の札幌市避難場所基本計画及び避難所運営マニュアル改定におきましては、委員のご指摘のとおり、ペット飼育スペース設置の基本的な考えを定めたほか、ペットを飼育していない方々とのトラブルを最小化し、ともに避難所生活を送るための具体的なルールも定めたところであります。避難所の運営におきましては、新たに定めたルールを理解し、災害時の対応を具体的にイメージした上で実践的な訓練を重ね、その訓練の結果をマニュアル等に反映させることが、いつ発生するかわからない災害への備えとして重要であると認識しております。  今後は、災害対策に係る部局と連携しまして、避難所でのペットの受け入れ体制を整備していくとともに、飼い主に対しましては、マニュアルで定めるペット飼育ルールの周知を図るなど、災害時のペット対策の強化に取り組んでまいります。 ◆丸山秀樹 委員  札幌市におきまして、ペットの同行避難に係る各取り組みを一歩ずつ着実に強化しているということに対しては、評価させていただきます。  今や、多くの家庭でペットが家族の一員として飼われている状況においては、最初に述べさせていただいた台風災害時における千葉市での対応のように、どのような災害においてもペットの同行避難は忘れてはならないものになっている、そうした認識が重要かと思います。今後、より実効性のある訓練と、特に日常におけるしつけに対する啓発の取り組みもしっかり展開していく必要があろうかと思います。動物管理センターでも、ぜひそうした取り組みを進めていただきたい、このように願うところです。  先ほど来、私は、一般の飼い主におけるペットの防災という観点から質問してきました。しかし、ペットの飼育ということを考えたときには、やはり、一般市民の飼い主だけではなく、ペットショップを初め、動物を扱う業者においても多くの動物が飼育されております。一たび、災害となれば、飼育する動物の数が多いほど、その安全の確保が難しく、また、夜間など監視する人がいない時間帯に施設から動物が逃走すると、対応がおくれたり、場合によっては逃走した動物が人に危害を加えることも想定されるなど、動物を扱う業者はペットの飼い主以上に災害に備えておく必要があると考えます。  これら業者については、動物の愛護及び管理に関する法律で、日ごろから災害などの緊急時に備えることが義務づけられておりますが、予測できない災害への備えとして、札幌市が、さまざまな災害想定からの事例を交えたアドバイスを行い、そして、監視・指導を徹底していくことで、災害対応に関する業者の意識をさらに高めることができるものと考えます。  そこで、質問ですが、これら動物を扱う業者に対し、これまでどのような指導をしてきているのか、また、昨年の北海道胆振東部地震を踏まえての認識と今後の取り組みについてお伺いいたします。 ◎高木 生活衛生担当部長  動物取扱業者に対するこれまでの指導と、震災を踏まえた認識、今後の取り組みについてであります。  動物取扱業者につきましては、年に1回、自治体が開催する研修を受講することが義務づけられており、札幌市では、その研修の中で、災害時における連絡体制や動物の避難方法の確立、逃走時の捕獲体制の整備、餌の備蓄などについて指導しているところでございます。また、ライオンやニシキヘビなど、人に危害を加えるおそれがある特定動物を飼育する取扱業者に対しましては、許可申請時に災害などの緊急時の対応マニュアル等の提出を求めているところであり、昨年の北海道胆振東部地震の際は、地震発生直後から、飼育動物の安全確認や飼育施設の点検等について指示し、問題がないことを確認しております。  昨年4月に策定いたしました札幌市動物愛護管理推進計画におきましては、動物取扱業者への監視・指導の強化を掲げており、飼育動物の安全確保や逃走の防止などについて、日ごろから災害時に備えておくよう働きかけることは重要であると認識しております。今後は、動物取扱業の登録や更新の手続、立入検査等、さまざまな機会を捉えまして、災害時の安全体制の確認など、動物取扱業者の意識向上に向けた取り組みを進めてまいります。 ◆丸山秀樹 委員  最後に、要望させていただきます。  災害時の対応に関する意識向上に向けては、市民だけではなく、こうした業者に対しても、丁寧にしっかりと普及啓発の取り組みを強化していただくよう要望させていただきます。  災害対策ということでは、実際に大規模な地震や風水害が発生した際は、被災自治体が単独で救護活動を行うには限界があります。迅速な救護活動を行い、市民の安全・安心を確保するためには、獣医師会やボランティアのみならず、こういった民間事業者にも応援していただいたり、また、連携・協働した受援体制を進めていくことも重要と私は考えます。昨年、北海道胆振東部地震の発生したときには、北海道や獣医師会とともに北海道胆振東部地震ペット救護対策協議会を立ち上げたり、札幌市災害時動物救護ボランティアによる一時ペット預かりなど、被災範囲や必要な支援ニーズに応じて柔軟に対応したというようにも伺っております。  現在、札幌市は、近隣市町村や民間事業者との直接の協定は締結しておりません。今後は、こうした協定などもしっかり視野に置いていただいて、北海道などとも連携し、災害時における動物救護活動に関する協定などの見直しや具体的な運用のマニュアルの検討を進める中で、関係団体や民間事業者、近隣市町村との総合的なネットワーク、物資提供等の協力体制の整備、強化などにもしっかり取り組んでいただくことを要望し、質問を終わります。 ◆あおいひろみ 委員  後期高齢者歯科健診について質問いたします。  高齢者が生き生きと元気で暮らすためには、体の健康はもちろん、歯と口の健康も重要であります。  最近の調査研究で、歯と口腔の健康は、全身の健康に大きな影響を与えていることが明らかになっており、特に、高齢者においては、歯の本数に加え、かかりつけ歯科医の有無も要介護状態になるリスクと関連することがわかってきました。先ほど好井委員も口腔内環境の重要性を言っておりましたが、口腔内環境を左右する歯周病菌は、糖尿病や心筋梗塞のリスクに関与しており、歯科医院で定期的に口腔内清掃を行うことにより、糖尿病の数値を下げ、結果的に薬を減らすことができる事例が報告されています。  2004年1月から本市で行っている歯周病検診は、国民健康保険の40歳と50歳が対象でしたが、2005年度に対象年齢を60歳と70歳に拡大、2015年より社会保険対象者まで拡大されたことにより、大幅に受診者がふえ、受診をきっかけに定期的に歯科医院への通院が促され、市民の歯への関心が高まってきていることは、市民の健康を守る上で大変よい状況になってきております。  このような中、高齢者にも定期的に歯科医院に通うきっかけとして、後期高齢者歯科健診制度が昨年10月より導入されました。後期高齢者歯科健診は、歯、歯肉の状態のほか、口腔機能の状態もチェックでき、誤嚥性肺炎などの疾病の予防の観点からも大変有意義な健診であることから、多くの高齢者に受診してほしい制度であります。しかし、2018年時点の対象者22万9,436人のうち、受診者は201人の約0.09%と、大変残念な受診率となっております。  そこで、質問ですが、本年7月に実施した市民意識調査において後期高齢者歯科健診に関する調査を行ったとのことですけれども、その結果についてお聞きいたします。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  後期高齢者歯科健診についてお答えいたします。  まず、市民意識調査の結果についてでございますが、この調査は、住民基本台帳から満18歳以上の男女5,000名の市民を無作為抽出いたしまして、本年7月に実施したもので、2,387名から回答を得たものであります。このうち、75歳以上の市民1,132名における後期高齢者歯科健診の認知度に関する回答状況でございますが、無回答の381名を除きまして、知っていて利用したことがあるが3.2%、知っていたが、利用したことはないが15.3%、知らなかったが81.5%となっておりました。  後期高齢者歯科健診につきましては、昨年10月に開始したばかりの事業でございますので、市民の認知度がまだまだ不十分な状況にありまして、後期高齢者歯科健診の周知や定期歯科健診の重要性について、さらなる普及啓発が必要であると認識しているところであります。 ◆あおいひろみ 委員  事業開始から1年未満とはいえ、半数以上がこの事業について知らないことが残念です。健診について、広く周知することが必要であると考えます。  お聞きしましたところ、実施医療機関は565施設とのことで、市内全ての歯科医療機関で受診することができないということは、通院している歯科医院が対象になっていない場合もあり、早急に実施医療機関をふやす対策が必要です。  また、歯科医が後期高齢者歯科健診を取り入れないということは、歯科医師から見た制度の使い勝手にも課題があるものと考えます。  そこで、質問ですが、事業開始からの実施状況と、多くの高齢者にこの健診を受けてもらうために、今後どのように取り組むのか、お伺いいたします。 ◎秋野 成人保健・歯科保健担当部長  実施状況と今後の取り組みについてでございますが、受診者数につきましては、先ほど委員からもご指摘がございましたが、事業開始の平成30年10月から31年3月まで201名が受診、今年度におきましては、8月までに220名が受診したところであります。  事業開始時の市民周知につきましては、年度途中の開始であったため、区の保健センターや地域包括支援センター等、高齢者が利用する施設への後期高齢者歯科健診のチラシの配架のみでございました。本年3月には、市内全ての後期高齢者に送付される後期高齢者健診、医科の健診のリーフレットのほうに新たに歯科健診の案内につきましても掲載を行いまして、個別に対象者への周知を行ったところであります。  しかし、市民の認知度はまだまだ不十分な状況にありますので、今後の取り組みといたしましては、地域の介護予防教室等、高齢者が集う場を利用し、後期高齢者歯科健診の周知及び重要性の啓発に取り組むほか、歯科医師会とも協力いたしまして、歯科医療機関における啓発や登録歯科医療機関の増加など、受診しやすい環境の整備にも努めてまいりたいと考えております。 ◆あおいひろみ 委員  徐々にふえているとはいえ、まだまだ周知が足りないと思います。出前講座などのお年寄りが集まる場所でチラシを配布するなど、いろいろな工夫をしてほしいと思います。  最後に、要望です。  命の入り口である口腔内環境を整えることはとても大切なことです。後期高齢者が定期的に歯科へ通うようになることは、札幌市のお年寄りの健康寿命を延ばすための重要な要素であり、お年寄りが医科にかかる前に、さまざまな病気の予防、発見につながり、医療費を削減できる一歩となります。  私の知り合いである歯科医師の話では、この健診は約12〜13分で終わってしまうので、受診した方が満足しない、よかった、また2カ月後に来るよという状況になかなかならないと言っておりました。そのようなことを考えますと、今後は健診内容の見直しも必要かと思います。さらに、毎日の正しい歯磨きへとつなげるブラッシング指導とか、個人の歯肉の状態を知った上でアドバイスができるスケーリングを取り入れていけると、患者の口腔内環境はもっとよくなり、受診率向上にもつながるのではと言っておりました。  後期高齢者歯科健診は、市民の健康を守り、国の医療費を削減できる重要な健診でありますので、この周知徹底と、歯科医の理解を得ることによってさらに受診率の向上を図ることを求めて、私の質問を終わります。
    ○村上ゆうこ 委員長  以上で、第5項 健康衛生費の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、明後日、10月11日金曜日午前10時から、農業委員会及び経済観光局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後3時29分...