委 員 森 山 由美子 委 員 村 上 ひとし
委 員 池 田 由 美 委 員 千 葉 なおこ
委 員 佐 藤 綾 委 員 石 川 さわ子
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開 議 午後1時
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○
小竹ともこ 委員長 ただいまから、第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、松井委員からは村山委員と、長屋委員からは千葉委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第8款 消防費 第1項 消防費の質疑を行います。
◆
森山由美子 委員 私からは、
消防団活動の充実についてと、ICTを活用した
救急活動についての2項目について質問をさせていただきます。
初めに、
北海道胆振東部地震の発生から見えてきた
消防団活動に関する課題と今後の対応について伺います。
昨年の
北海道胆振東部地震においては、地域の被害状況の把握や、傾いた
灯油ホームタンクへの応急対応、
火災報知機が鳴っている建物の安全確認など、多くの
消防団員が市民生活の安全確保のために活動されたと聞いております。一方で、初めての大規模な震災対応であったこともあり、複数の課題が浮かび上がったのではないかと思いますし、我が会派に所属する
消防団員からも、災害対応において幾つかの課題があったと聞いております。
そういった課題への対応の一つとして、
デジタル簡易無線機と
特定小電力トランシーバーを追加配備するために補正予算が提案され、さきの
総務委員会では審議が行われたところであります。全ての課題を一朝一夕に解決することは難しいことと思いますが、できることから少しずつでも解決していくことが、市民の安全・安心を確保する上で重要であります。
そこで、質問です。
さきの
北海道胆振東部地震では、いわゆる
ブラックアウトの発生もあり、市民生活に大きな影響を及ぼしました。そのような中、消防団としての活動においてさまざまな課題があったことがうかがえます。札幌市には、10の消防団がありますが、その10消防団として、
北海道胆振東部地震における課題をどのように捉え、今後どのように対応を進めていくのか、消防局としての認識について伺います。
◎川本 総務部長
北海道胆振東部地震の発生から見えてきた
消防団活動に関する課題と今後の対応についてお答えさせていただきます。
委員のご指摘のとおり、無線機の台数不足を初め、一部で円滑な活動が行えなかったことなど、消防団の活動において改善すべき点があることを認識したところでございます。
札幌市に10ある消防団では、実務的な検討を行う
本部長会議や消防団長の会議の中で課題を抽出するとともに、それへの対応策の検討を進めてきたところでございます。その中では、
消防団員に対する研修の実施や、無線機の追加配備を要望することについて決定したほか、活動する上で必要な資機材が不足していることもあったことから、新たな資機材等の導入について検討を進めてきたところでございます。
具体的には、転倒した
ホームタンクから漏れた灯油を処理するための
吸着マットや、市民に危険箇所を示す立入禁止のテープ、さらには、
消防団員が
災害発生場所を詳しく把握するための地図などが不足しているところでございます。このような資機材等については、今年度中の購入をするべく準備を進めているところでございます。
いずれにいたしましても、消防局としては、いつ起こるかわからない大規模災害に備えて、
消防団員などからの声を聞きながら、地道ではありますけれども、必要と思われる対応をしっかりと行ってまいります。
◆
森山由美子 委員
北海道胆振東部地震の発生から見えてきた
消防団活動に関する課題と今後の対応については理解いたしました。
消防団の方々は、消防・防災体制の
中核的存在として、ふだんから地域防災の
指導的役割を担っておられます。平時の災害はもちろんのこと、昨年の
地震のような大
規模災害発生時には、特に、その
地域密着性や
要員動員力、
即時対応力を生かして、地域住民の安全・安心を確保していただくことが大変重要であります。そういったことから、このたび挙げられた課題への対応は大いに評価できるものですので、今後も引き続き迅速な対応をしていただきたいと思います。
次に、平成30年に開催された札幌市
女性消防団員活性化推進会議の内容と成果について伺います。
札幌市の
女性消防団員については、政令市の中でも、団員全体に占める割合が1位、2位を争うぐらい極めて高いことが特徴と伺いました。令和元年9月1日現在、405名で、全体の22.7%と伺っております。こうした
女性消防団員は、地域での
応急手当て指導に精力的に取り組まれており、物腰がやわらかく、きめ細かい指導が好評を得ていると聞いております。そのため、札幌市に10ある消防団のうち、
女性消防団員のみで
救命指導隊を設けている消防団が七つになっているとも伺っております。
また、過去に2回、札幌市においても開催されておりますが、全国の
女性消防団員が一堂に会する
全国女性消防団員活性化大会がことしで25回目を迎えました。第1回大会は平成6年に静岡県沼津市で開催され、札幌市の
女性消防団員は、第6回
北海道大会を機に、毎回参加され、この大会を通じて、全国各地の
女性消防団員と活発な情報交換や交流を図り、
消防団活動の幅を広げられていると伺っております。
このようにいろいろな活動を通して活躍されている
女性消防団員ですが、我が会派からも、平成28年の
決算特別委員会の質疑において、
女性消防団員の10区全体の交流の機会を求めたところ、このときの答弁では、札幌市では、
女性消防団員同士の交流の場として一層の活性化を図ることを目的に、平成29年から札幌市
女性消防団員活性化推進会議が開催されるとのことでした。そして、平成29年の第1回目の会議では、参加した
女性消防団員からさまざまな意見や要望が出され、その幾つかが実現されるなど、非常に意義深い会議であったと伺っております。
災害が多く発生する昨今、防災、減災、災害対応など、女性の細やかな視点は市民にとって安心な視点です。また、一般的に見ても、女性の社会進出が目覚ましい中、市民感覚や市民目線を持っている女性の視点を生かすことは、
消防団活動を充実強化していく上でも極めて重要であると考えます。
そこで、質問ですが、平成30年に開催された第2回目の札幌市
女性消防団員活性化推進会議はどのような内容であったのか、また、どのような成果があったのか、お伺いいたします。
◎川本 総務部長 札幌市
女性消防団員活性化推進会議の内容と成果についてお答えいたします。
昨年の札幌市
女性消防団員活性化推進会議は、札幌市内の
女性消防団員が168名出席し、開催されたものでございます。会議の内容でございますが、
全国女性消防団員活性化大会の参加者からの報告を受けたほか、救命講習に関する知識の向上を目的とした講話の受講、さらには、
北海道胆振東部地震における対応をテーマに
グループミーティングなどを行ったところでございます。会議全体を通じ、救命講習を実施する際に疑問に思っていたこと、例えば、心肺停止になった
車椅子使用者への効果的な応急処置などといった新たな知識を共有したことや、今まで知らなかったほかの消防団の先進的な取り組みに触れることにより、今後の活動の向上につながるといった声が上がるなど、一定の成果があったものと捉えているところでございます。
消防局といたしましては、
地域防災力の一層の向上を図っていく上で、
女性消防団員の活性化が必要不可欠であると認識しておりますので、今後も
消防団活動の意欲が高まるような有意義な会議になるよう取り組んでまいります。
◆
森山由美子 委員 会議の内容と成果については理解いたしました。
女性消防団員の活性化や活動の推進を図るといった観点からも、さまざまなことについて意見交換し、また情報共有することは、
消防団活動の一層の充実に重要であると強く感じるところであります。
女性消防団員の活動の一つとして、具体的には、小・中学校の教職員やPTAの方に
女性消防団員による救命講習が日常的に開催されていることなど、その活動は多岐にわたっております。このような背景からも、消防団の一層の活性化は、
女性消防団員の活躍なくしてはないのではないかと認識しております。
こういったことをしっかり踏まえて、今後も、このような会議を開催して、
女性消防団活動を推進していただきますとともに、より多くの
女性消防団員が参加できるよう、平日、仕事が忙しい方や小さいお子さんをお持ちで夜の参加が厳しい方などにも配慮し、例えば土・日に開催をするなどといった方法についても今後検討を進めていただくことを要望し、この質問を終わります。
次に、ICTを活用した
救急活動について、2点伺います。
まず初めに、
画像伝送機能の使用実績と有効な使用事例について伺います。
消防局では、札幌市
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2015のICTを活用した消防と医療の
連携強化事業において、全ての救急車に配備した
タブレット端末を活用し、消防と医療が
コミュニケーションを密接にすることで、
救急活動の円滑化を図っているところです。
我が会派では、これまでもICTを活用した消防の
救急活動について議会で取り上げており、消防局では、平成28年度に全ての救急車に
タブレット端末を配備し、平成29年1月31日から
多言語翻訳機能を導入、平成30年2月1日からは
画像伝送機能の運用を開始しております。
多言語翻訳機能は、
外国人救急患者等との
コミュニケーションを円滑にするツールであり、現在、15カ国の言語に対応できるよう機能を強化したところです。
消防局の救急隊は、平成29年に401人、平成30年に428人の
外国人救急患者を搬送したと伺っております。今後も、
多言語翻訳機能の活用により、
外国人救急患者に対して安心を提供していただきたいと考えております。
続いて、運用を開始した
画像伝送機能は、救急現場で撮影した心電図や重篤な外傷等の画像を
インターネット回線を利用して搬送先の病院へ伝送するシステムです。昨年2月1日から、症状が急速に進行する心臓疾患を治療する病院と、
救命救急センターなど計23施設の協力により運用を開始しました。現在は、新たに1施設を加え、計24施設の協力により運用されていると聞いております。この
画像伝送機能は、救急隊と病院内の
医療スタッフが画像を共有できることから、消防と医療の連携強化に有効なシステムと考えております。
昨年の第1回
定例市議会予算特別委員会において、
画像伝送機能の
使用実績等について我が会派から伺ったところ、運用を開始した平成30年2月1日から28日までの1カ月間で四つの事例があったことを確認することができました。
そこで、質問ですが、運用開始から約1年半経過いたしましたけれども、画像伝送の使用実績について伺います。
あわせて、具体的な奏功事例についてお伺いいたします。
◎山本
救急担当部長 まず、画像伝送の使用実績についてでございますが、平成30年度中につきましては、心電図の画像伝送が32件、外傷などの画像伝送が8件、合計40件の使用実績がございました。
なお、今年度につきましては、7月末までの
速報値ではありますが、心電図の画像伝送が16件、外傷などの画像伝送が2件、合計18件の使用実績となってございます。
次に、心電図の画像伝送の奏功事例といたしましては、就寝中に胸が苦しくなった70歳代の男性の救急事案がございます。病院では、伝送された心電図を確認し、救急搬送中に患者の
受け入れ準備を整えることができたため、
救急隊到着後、直ちに適切な検査や治療を行うことができたところでございます。
急性心筋梗塞の診断でありましたが、これにより、長期入院することなく、退院に至ったところでございます。
また、40歳代の男性の右足に重量鉄骨が落下した救急事案につきまして、外傷の画像を伝送したところでございます。この外傷事案でも、同様に、病院では負傷した状況を画像で確認したため、
救急隊到着後、直ちに
緊急治療を開始することができたところでございます。
治療に当たる医師からは、病院到着前に傷病者の状態が把握できるため、迅速な検査及び治療につなげることができ、病院側にとっても活用の意義が高いとのご意見をいただいているところでございます。
◆
森山由美子 委員 有効に使用した事例があらわれていますし、治療に当たる医師から、迅速な治療等につなげることができ、病院側にとっても活用の意義が高い等と、具体の効果について意見をいただいていることからも、画像伝送は極めて有効なシステムであると改めて理解できました。これからも治療の向上等のすばらしい効果が得られるよう、より積極的に使用して事例を積み重ねていただきたいと考えております。
次に、
病院選定支援システムについてお伺いいたします。
消防局では、平成30年度予算で
病院選定支援システムを構築し、本年2月1日に運用を開始しております。昨年の第1回
定例市議会予算特別委員会において、我が会派から
病院選定支援システムの概要を伺いましたところ、救急隊が病院選定する際のさまざまな支援情報を救急隊の
タブレット端末にリアルタイムで表示し、全ての救急隊が情報を共有することにより、最適な医療機関の選定を迅速化するシステムとの答弁をいただいております。
病院の受け入れ可能な患者数が限られている中、
救急出動件数はふえ続けております。そのような中で、速やかに
受け入れ病院を選定することは難しいことだと承知しておりますが、救急患者は容体が短時間に急変し得ることから、効率的に
受け入れ要請を行うことが、多くの命を救い、病状の悪化を防ぐ意味でも大変重要であると考えております。
そこで、質問ですが、
病院選定支援システムによる効果はどのようなものなのか、お伺いいたします。
◎山本
救急担当部長 病院選定支援システムによる効果といたしましては、傷病者の容体に適した診察、治療などができる最寄りの病院を検索し、傷病者にとって最適な病院を選定できることがございます。また、ほかの救急隊の搬送状況などについて情報を共有できることから、同一病院への
受け入れ要請の重複を防ぎ、より受け入れやすい病院を選定することができます。
救急隊が現場に到着し、傷病者の処置や病院の選定などを行い、病院搬送を開始するまでの現場に滞在している時間につきましては、
システム導入前の平成30年2月から6月の5カ月と本年同月で比べたところ、
速報値ではございますが、出動件数が1カ月
当たり平均約300件増加している中で、平均約0.3分短縮されているところでございます。
当該システムは、運用を開始して間もないため、継続して状況を把握していきたいと考えているところでございます。
◆
森山由美子 委員
救急要請がふえ続ける状況にあって、このシステムの運用は迅速な救急搬送につながるものと考えておりますので、今後も有効に活用していただきたいと思います。これからも、
高齢者人口の増加などの要因により、
救急出動件数は増加していくと予想されます。また、札幌市で開催される
東京オリンピックサッカー競技や
北海道新幹線の札幌延伸などを考えても、
救急出動件数の増加は不可避であろうと思うところです。つきましては、今後の
救急出動に適切に対応するための有用なツールとして、
救急活動においてICTを活用いただきたいと思います。
加えて、これからの
ICT活用の可能性として、例えば、大
規模災害現場や、多数の負傷者が発生した現場での情報収集、情報共有に活用できる機能、また、日常活動の中でも救急隊員の事務処理の負担軽減や効率化に生かすなど、これまでにない新しい見地からのICTの有効活用や機能の強化が図られていく必要もあるかと思います。
消防局におかれては、
現場救急隊の
ICTシステム習熟の度合いを見ながら、適宜、
機能強化等に努めていただくことを求め、私の質問を終わります。
◆小田昌博 委員 私からは、
救急出動の増加に係る対応について、2点質問いたします。
1点目は、日中運用する救急隊の増強効果と
救急出動の増加に係る対応についてお伺いします。
札幌市の平成30年の
救急出動は9万8,182件と、平成23年から8年連続で過去最多を更新しております。
救急出動の増加に適切に対応することは、救急車を利用する市民の安全・安心にとって重要な課題と考えています。
このことから、我が会派においては、平成30年の
予算特別委員会で、消防局が予定していた救急隊の増強について、なぜ北区と東区に増強するのか、なぜ日中のみ運用する救急隊を配置するのかという2点を伺い、消防局から、平成28年に中央区に救急隊を配備した後も出動件数は増加しており、そのほとんどが日中の時間帯であることから、日中の時間帯に救急隊を配備し、その配備に当たっては中央区に次いで
救急要請が多い北区、東区としたとの答弁がありました。
そこで、一つ目の質問ですが、北区と東区に増強配置した救急隊について、その効果がどのように出ているのか、お伺いいたします。
◎山本
救急担当部長 増強配置した救急隊の効果についてでございますが、消防局では、平成30年10月1日から、北消防署と東消防署に1隊ずつ、日中の時間帯に運用する救急隊を増強配置したところでございます。
速報値ではございますが、この2隊の救急隊は、平成30年10月1日から平成31年3月31日までの半年間で合計1,634件出動しておりまして、増強配置前の同じ時期と比較いたしますと、札幌市全体の日中の時間帯の
救急出動件数が約1,800件増加している中、救急隊が救急現場に到着するまでの平均時間が0.2分短縮しているところでございます。
◆小田昌博 委員 北区、東区へ増強配置した救急隊の効果についてわかりました。
救急需要の多い地域に日中の時間帯に運用する救急隊を増強配置する手法で、効果的に対応したことについてもわかりました。
続きまして、一方で、今後、さらに高齢化が進み、
救急需要がさらに増加していくことが見込まれており、消防局では、増加する
救急需要に対してさまざまな対策を講じていると聞いております。救急車を利用する市民向けには、救急車の適正利用や救急車を呼ぶか迷った際の相談窓口である救急安心センターさっぽろの利用、高齢者の家庭内での転倒などによるけがの防止、夏は熱中症の予防、冬は雪道での転倒防止など、マスメディアや関係団体と連携して広報を行っていると聞いております。
その上で、
救急要請の増加に対し、心肺停止などの重症症例にはAEDなどの
救急資機材を積んだ消防車を先行して出動させる消防隊による
救急活動支援、例年、
救急要請が多くなる年末年始だけではなく、今年度から、熱中症に備えた夏の時期にも一時的に救急隊を増強する
特設救急隊の臨時配置など、
救急搬送体制の強化にも取り組んでいるようです。
しかしながら、
救急需要がこのまま増加し続けると、救急要請が一定の時間に幾つも重なり、その結果として出動できる救急隊がゼロになってしまう事態も想定され、懸念されているところです。他の政令都市においては、既存の消防車両や消防隊員を有効活用し、一時的な
救急要請の急増にも備えた体制を整備しているところもあると聞いております。
そこで、二つ目の質問です。
今後の
救急需要の増加に対しては、今ある消防車両や消防隊員を有効活用することも重要と考えますが、消防局はどのように考えているか、お伺いいたします。
◎山本
救急担当部長 救急需要の増加への対策についてでございますが、委員のご指摘のとおり、今後の
救急需要の増加に対しましては、救急隊の増強配置だけでなく、今ある消防局の人員、車両を活用した体制の整備も必要と認識しております。
そのような体制の一つといたしまして、心肺停止などの重症症例において、消防隊による
救急活動支援出動を行っているところでございます。
今後の対策といたしましては、一定の時間帯に
救急要請が重なり、出動可能な救急隊が残り少なくなった際に、一部の
消防出張所において、
救急救命士などの救急資格を持った消防隊員が消防車から非常用の救急車に乗りかえて出動する体制について検討しているところでございます。ことしの11月下旬からこの取り組みを試行的に行い、課題や効果などを検証していく予定となってございます。火災などの災害への対応を主眼とする消防隊の体制を維持しつつ、試行実施の結果を踏まえ、より効率的な救急車の出動体制の整備に向けて検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
◆小田昌博 委員 消防隊員が消防車から救急車に乗りかえて
救急出動する体制は、限られた行政財産の効果的かつ効率的な活用の観点からも望ましいことと考えます。また、
救急需要の増加に対し、救急隊の増強配置だけではなく、あらゆる方策について検討して取り組んでいる姿勢は心強く感じております。
最後に、救急車の利用に不安を感じることなく、札幌市民が安心して暮らせるよう、消防局が一丸となって
救急需要対策を講じられるよう要望し、私からの質問を終わります。
◆たけのうち有美 委員 私からは、道内他都市との連携、危険物の取り扱い及び事故防止について、大きく2点について伺います。
まず最初に、消防局の道内他都市との連携について伺います。
昨年発生した
北海道胆振東部地震では、札幌市内での災害対応に加えて、大きな被害のあった厚真町の
土砂災害現場においても、札幌市消防局が主体となって道内外の応援隊と連携を図り、無事に任務を遂行されました。このことについては、昨年の
決算特別委員会において、我が会派からも高く評価をさせていただいたところです。
この災害対応については、道内の消防部隊による対応のほか、道外からの応援部隊である
緊急消防援助隊も活動を行い、その多くは陸路とフェリーによる長時間の移動でした。具体的に、被災地までの時間は、北海道に一番近い青森県の応援部隊では、青森港から函館港を経由して約16時間、東京都からの応援部隊では、大洗港から苫小牧港を経由して約37時間もの時間を要したとのことで、災害活動を行うまでに大変なご苦労があったことと思います。
そこで、質問ですが、
北海道胆振東部地震での災害を受け、
緊急消防援助隊が速やかに災害現場へ到着するまでの課題はどのようなものであったのか、伺います。
◎岡本 警防部長
緊急消防援助隊の課題についてお答えいたします。
道外からの応援部隊である
緊急消防援助隊の多くが夜間の時間帯の移動となり、北海道に到着となりました。この時間帯に営業している給油所が限られ、被災地まで移動するための燃料供給体制に課題があったところでございます。そのため、燃料の確保につきましては、停電時でも給油が行える自家発電設備を備え、
緊急車両に対し、優先的に給油する中核給油所を有効に活用するよう、中核給油所との連絡体制の確保など、連携強化について道内の各消防本部に対して働きかけを行ったところでございます。
また、
緊急消防援助隊が到着するまでの間は、道内の応援部隊のみでの対応となることから、さらなる連携強化が必要と認識しているところでございます。
◆たけのうち有美 委員 応援部隊に対する夜間の給油体制についての課題が浮き彫りとなり、中核給油所との連絡体制を確保する取り組みを始めたとお聞きしました。今後も継続して取り組みの強化をお願いしたいと思います。
また、道内の応援部隊との連携強化は重要であると認識されていますが、今回の
北海道胆振東部地震は、内陸を震源とするもので、津波の発生はありませんでした。しかし、震源が海域の場合は、津波によりフェリーでの移動も断たれ、道外からの応援部隊の到着はさらに遅くなることが危惧されます。このことは、道内の応援部隊のみで災害対応をする時間が長くなることを意味しており、日ごろから顔の見える関係を構築し、さらなる連携強化を図らなければならないと考えます。
さらに、近年は、
地震のみならず、台風やゲリラ豪雨により、地元の消防本部だけでは対応ができない広範囲に被害が及ぶ災害が毎年のように発生している状況があります。
そこで、次の質問です。
消防局として、道内の消防本部との連携は具体的にどのように強化を図っているのか、お伺いします。
◎岡本 警防部長 道内消防本部との具体的な連携についてのご質問でございます。
委員がご指摘のとおり、災害対応に当たっては、道外の
緊急消防援助隊が到着するまでの間、道内の消防部隊のみでの活動となるため、顔の見える関係の構築を行い、さらなる連携強化が重要というふうに再認識したところでございます。
このことから、ことしの2月には、道内の8割を超える49の消防本部から554名の消防職員が参加した全道消防救助事例研究会を開催し、胆振東部
地震の土砂災害によって倒壊した家屋からの救出方法などの事例について発表を行い、情報共有を行ったところでございます。また、今月25日、26日に倶知安町で開催されるG20観光大臣会合では、地元の消防本部のほか、札幌市消防局や近隣の小樽市消防本部など五つの消防本部が連携協力し、現地の消防警戒に当たることとしており、災害発生時に万全を期するため、札幌市消防学校や現地倶知安町において、合同による研修や訓練を実施するところであります。
今後も、こうした大規模イベントなどさまざまな機会を捉え、研修や訓練などを積極的に行い、道内の各消防本部とさらなる連携強化に努める所存でございます。
◆たけのうち有美 委員 道内の消防本部とさまざまな連携強化に向けた取り組みがなされているとのことで、大変頼もしく感じたところです。
毎年のように発生する自然災害に加え、来年は、東京2020オリンピック・パラリンピックが開催され、ここ札幌市においてもサッカーの試合が行われます。オリンピック・パラリンピックなどの大規模イベントはテロの標的にもなり得ることから、一たび災害が発生すると大きな被害となり、道内消防本部からの応援も予想されるところです。そのため、災害対応をより円滑に行えるよう、消防局は、引き続き、道内の消防本部とのさらなる連携強化を図り、市民の安全・安心に努めていただくことを要望し、道内他都市との連携についての私の質問を終わります。
次に、大きな二つ目の質問として、危険物の取り扱いについて伺います。
まず、ガソリンの取り扱いについてです。
ことし7月18日に、京都市のアニメーションスタジオ会社、京都アニメーションで火災が発生し、従業員36名のとうとい命が犠牲となり、33名が負傷するという重大な被害が発生しました。この火災の出火原因は、容疑者の男性がガソリンスタンドにおいて金属製の容器で購入したガソリンをアニメーションスタジオの室内にまいて火をつけたとされ、炎や煙が一気に建物全体に広がったためとのことです。建物に消防法や建築基準法上の問題点は確認されていなかったものの、これほど多くの犠牲者が出たことは、ガソリンの持つ特性にも大きな影響があったと考えます。
ガソリンは、自動車や機械、器具の燃料として、私たちの生活の中で必要不可欠なものであり、特に北海道では、除雪機が一般家庭にも普及していることや、昨年の
北海道胆振東部地震を踏まえ、非常用発電機の普及も広がっていることなどから、自動車で使用する以外にも身近な存在となっており、ガソリンスタンドで容易に購入することができます。今回発生した京都アニメーションの火災においても同様で、悪意を持って犯罪などに使用される危険性があること、さらには、使用方法を間違えると大惨事につながるということを私たちは再認識しなくてはなりません。
札幌市内には、294カ所のガソリンスタンドがあります。そのうち、顧客みずからが容易にガソリンを給油できるセルフ方式のガソリンスタンドは117カ所あります。セルフ方式のガソリンスタンドでは、消防法により、自動車以外への給油は顧客みずからが行わず、スタッフに声をかけるよう促すステッカーが張られているのを目にしますが、セルフ方式という状況から、自動車と同様に携行缶などへの給油が容易にできる状況にあるのではないかと考えます。京都アニメーションの火災の後、悪質な犯罪を抑制するためにも、ガソリンの販売方法について規制を強化したほうがよいのではという意見もあります。
そこで、質問ですが、ガソリンスタンドでガソリンを携行缶などの容器で購入する場合の消防法の規制はどうなっているのか、伺います。
◎山陰 予防部長 ガソリンスタンドで携行缶などの容器にガソリンを入れる場合につきましては、消防法で火災予防上の安全を確保するためのルールが定められております。具体的には、危険物取り扱いの資格を持つ従業員みずから、または立ち会いのもとで、ガソリンを容器に漏れやあふれがないように入れることとなっております。
なお、ガソリンを入れる容器は、金属製の携行缶など消防法令に定める構造、材質に適合するものを用いることとされており、容器の容量についても制限されている状況でございます。
◆たけのうち有美 委員 ただいまの答弁にあったとおり、消防法に基づき、危険物取扱者が取り扱うことや立ち会うことを徹底することが必要と考えます。
次に、京都アニメーション火災を受けた対応について伺います。
事件があった京都市の消防局では、火災発生からすぐに、ガソリンスタンドに来店する市民に対して、身分や販売目的などの確認による犯罪抑止に協力するようリーフレットを配布するなど、ガソリン販売についての安全対策を行ったと聞いています。
ガソリンを悪用して放火される火災は、過去に、2009年7月、大阪市のパチンコ店で5人が亡くなる火災が発生し、今回の火災と同様に、ガソリンスタンドから携行缶で購入したガソリンによるものでした。当時、大阪市では、犯罪を抑止するための取り組みとして、地元の石油商業組合に対し、運転免許証等による身元確認や販売目的などの記録作成について協力を要請し、ガソリンを携行缶で購入する際のルールをつくり、京都アニメーションの火災が起きる前から取り組まれているそうです。
そこで、質問ですが、札幌市では、このような悪質な放火火災は幸いにも発生していないと聞いておりますけれども、京都アニメーションの火災を受け、どのように安全対策を行っているのか、伺います。
◎山陰 予防部長 京都アニメーションの火災を受けまして、総務省消防庁は、全国のガソリンスタンドの関係団体に対し、安全対策の要請を行うとともに、消防本部にも同様の内容を通知したところでございます。この通知につきましては、ガソリンの容器への詰めかえ販売を行う際に、身分証の確認、使用目的の問いかけ、販売記録の作成、不審者発見時の通報を行うことについて協力要請したものでございます。
この通知を受け、当局におきましては、直ちに札幌市内のガソリンスタンドを運営する事業所に、ガソリンを容器に販売する際の身分証や使用目的の確認など、安全対策の実施について協力要請を行ったところでございます。また、セルフスタンドでは、顧客みずからガソリンを容器に入れないよう、市民向けのリーフレットを作成し、配布していただくとともに、札幌市のホームページにも掲載したところでございます。
なお、身分証や使用目的の確認につきましては、札幌市内のガソリンスタンドの約7割の191カ所においてこのような安全対策を既に行っているところであり、未実施のところにつきましては、多くが実施に向けて検討中であることから、継続して協力要請を行っているところでございます。
◆たけのうち有美 委員 犯罪抑止のためにもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
次に、危険物の事故防止に向けた取り組みについて伺います。
8月末に九州地方を襲った大雨により、佐賀県の鉄工所において、河川の氾濫に伴い、建物全体が浸水し、金属加工用の危険物の油が大量に流出して周辺地域にも油が滞留するという事故が発生しました。油の流出は11万リットルに及び、広範囲に広がった油の除去作業は困難をきわめ、また、周辺の畑は、収穫を前に大きな被害を受け、社会的にも影響を及ぼし、大きくニュースとなりました。
このように、危険物は、私たちの生活に必要不可欠な存在ではありますが、取り扱いに誤りがあると大惨事につながりかねないため、保管や取り扱いには十分に注意を払わなければなりません。積雪寒冷地の札幌市においては、本州の都市に比べ、暖房用の貯蔵タンクの設置数が圧倒的に多く、特に灯油は需要が高く、一般家庭で貯蔵、取り扱いをしている身近な危険物でもあります。それゆえに、危険物の事故の多くは家庭用で貯蔵している灯油用
ホームタンクであり、毎年、危険物の事故全体の3分の2程度となる70件から100件もの事故が発生しています。昨年は、
北海道胆振東部地震の発生により、一般住宅に設置されていた
ホームタンクが転倒または傾くなど、
地震の影響で156件の事故が発生したと聞いています。転倒したものには、老朽化やタンクをしっかり固定していなかったといった原因もあるとのことです。
そこで、質問ですが、市民に身近な危険物を安心して安全に取り扱って生活できる環境づくりが必要と考えますけれども、
ホームタンクの事故が多い状況において、札幌市における危険物の事故防止に向けた取り組みはどうなっているのか、伺います。
◎山陰 予防部長 委員のご指摘のとおり、
ホームタンクの事故原因の多くは老朽化によるタンクの腐食や配管の亀裂によるもので、一般家庭ではなかなか気づきづらいことから、灯油販売業者などに協力を依頼して、配達時には外観などを確認していただき、異常があった場合には消防に連絡をいただくよう連携体制を強化して取り組んでいるところでございます。この取り組みにつきましては、
北海道胆振東部地震により発生した
ホームタンクの被害状況を踏まえ、タンクローリーで配達する危険物取扱資格者が灯油を入れる際に効率的に
ホームタンクをチェックしていただいているところでございます。
この効果としましては、危険物取扱資格者のチェックによって、市民からの相談もあり、
ホームタンクについての関心をうかがえたことから、採暖期を迎えるに当たり、より安全に安心して危険物を貯蔵、取り扱う環境が構築できるものと考えているところでございます。
◆たけのうち有美 委員 昨今、
地震や風水害などの大規模災害時において、燃料不足などに対応するため、ガソリンや灯油などの燃料の確保、供給体制が注目されています。一方で、危険物は、使用方法を一たび間違えることで犯罪などに悪用され、また、社会的影響の大きい事故が発生するものでもあります。
ガソリンスタンドでガソリンを購入する人への対策はもちろんですが、除雪機や発電機を購入する人に対しても、ガソリンの適正利用などの意識づけが必要であると考えます。危険物に対する適正利用と保安の確保について指導を徹底し、安全対策をさらに推進することが重要と考えますので、消防局には、引き続き、鋭意取り組まれることを要望し、私からの質問を終わります。
◆成田祐樹 委員 私からは、児童虐待を発見したときの対応と周産期救急の2点について質問をしたいと思います。
まず最初に、児童虐待を発見した場合の消防局の対応についてお伺いします。
本年5月に、札幌市で児童虐待を起因とする痛ましい事件が起こり、児童虐待への対応については、より高めてほしいという声が市民からも上がっているところです。
ここで、虐待を発見した際の法について少しだけ触れたいと思います。児童虐待の防止等に関する法律の第5条においては、「学校、児童福祉施設、病院その他児童の福祉に業務上関係のある団体及び学校の教職員、児童福祉施設の職員、医師、保健師、弁護士その他児童の福祉に職務上関係のある者は、児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならない。」と記されており、第6条においては、「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所又は児童委員を介して市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。」とされております。簡単に言うと、職務上、関係ある者は、さらに上乗せした形で児童虐待について、早期に対応しなければならない旨、法律にて定められているということになります。
参考までに、同じ政令市の福岡市では、福岡市消防救急業務規程の第22条において、「救急隊員等は、救急業務の実施に際し次に掲げる者を発見した場合には、虐待等に関する
速報により警防部救急課長に
速報するとともに、必要に応じ、関係機関へ通知するものとする」と規定され、児童虐待、配偶者からの暴力、高齢者への虐待についてそれぞれ記載されており、実際に、虐待に関しては警察と保健福祉局に連絡をすることで運用していると福岡市消防局の方からお話を伺いました。
札幌市においても、さまざまな災害現場に出動する救急隊が児童虐待を疑うような現場に遭遇することや、119番通報の受け付け時に児童虐待を疑うような通報というものもあるのではないかなと思います。
そこで、質問ですが、消防局において、児童虐待を認めた場合にどのような対応を行っているのか、お伺いします。
◎岡本 警防部長 児童虐待の発見時の対応についてお答えいたします。
消防局では、児童虐待の疑いを認めた場合を含め、児童相談所へ速やかに連絡、通報する体制を構築しております。具体的には、119番通報時に児童虐待の疑いが認められる場合、救急隊が現場到着時に児童虐待の疑いを認めた場合の二つの場合につきましては、指令管制センターを通じて速やかに児童相談所に通報しているところでございます。
◆成田祐樹 委員 札幌市では、児童相談所への連絡体制が構築されているとお伺いしましたので、安心したところです。
もちろん、本来であれば、児童相談所が中心となって児童虐待の防止や早期発見に努めなければならないところですが、119番通報を受ける指令管制センターでは、年間14万件を超える市民からの多種多様な通報に対応している状況とも聞いております。その中において、児童虐待を疑うようなケースがあった場合には、引き続き、関係機関への情報提供を速やかに行っていただくことと、その対応の周知につきましても引き続き局内でしていただくことを求めて、この質問を終わります。
次に、周産期救急時の体制についてお伺いします。
周産期救急には、母体、胎児の救急医療と新生児の救急医療がありますが、特に産科救急の場合、状況によっては自宅など医療機関外での分娩の可能性があるため、通報を受けてから助けるべき命が二つになる可能性があります。その場合に、救急隊は、母体と新生児双方への対応をすることになるかと思われます。通常、救急隊は1隊3名で活動されていると思いますが、仮に母体または新生児が心肺停止状態などで蘇生処置が必要になった場合、この1隊3名では対応が極めて難しいのではないかと考えます。
そこで、質問ですが、消防局では医療機関外分娩時の搬送をどのように行っているのか、お伺いいたします。
◎山本
救急担当部長 医療機関外分娩時の搬送体制についてでございます。
自宅などの医療機関外での分娩では、母体と新生児ともに正常な通常分娩時には救急隊1隊で対応しているところでございますが、通報時や救急隊接触時において、母体と新生児のどちらか、または双方が重篤な可能性がある場合は、救急隊1隊を追加指令し、2隊で対応しているところでございます。これに加えまして、必要に応じて
救命救急センターなどの医師を救急隊で救急現場まで搬送するいわゆるドクターカー運用も行い、対応しているところでございます。
◆成田祐樹 委員 今、医療機関外での分娩事案については、母体、新生児とも救急資源を最大限活用して対応に当たられているというお答えだったと思いますが、そのような体制を構築していただいていることは心強く感じているところです。
ただ、もう少しだけ確認させていただきたいのですが、周産期救急においては、通報を受けた段階では安定していても、分娩の前後においては母体と新生児双方が重篤な状態へと変化する可能性もあります。そのような症例への迅速、的確な救急救命措置のためには、ドクターカーの要請はもとより、複数の救急隊での早期対応が必要になることが考えられます。最悪の展開の場合、母体と新生児の2人に蘇生措置する可能性があることを踏まえ、本年1月に、高松市で実施された2019全国救急隊員シンポジウムにおいて、周産期救急のスキルトレーニングの場では、産科救急時には救急車を2台出すことについて触れられているところです。また、既に一部の消防では、分娩事案とわかった時点で2隊を出す形で運用している地域もあると聞いております。
そこで、質問ですが、消防局では、医療機関外分娩への早期対応についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
◎山本
救急担当部長 医療機関外分娩への早期対応についてでございます。
分娩時には、通報時などでも重篤な可能性を考慮して、救急隊の追加指令を行っているところでございますが、委員のご指摘のとおり、周産期救急においては、通報を受けた段階では安定していても、母体と新生児双方が重篤な状況へと変化する可能性はあると認識してございます。
今後、他都市の対応症例などの情報収集をしながら、早期に複数隊による救急対応について検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。
◆成田祐樹 委員 早期の複数隊による救急対応の検討についてお答えいただいたと思います。
先ほど自民党の小田委員へのお答えの中にも、さまざまな医療資源を利用するという話がございました。千葉県では、ポンプ隊と救急隊が同時出動、PA連携をしており、静岡県では、本年に入ってからPAA連携、救急隊2隊と消防隊1隊という形で3隊出しているなど、さまざまな連携方法があるというふうにも聞いております。ぜひ、先ほどお答えいただいたように、複数隊の対応についてご検討いただければと思います。
とりわけ、分娩事案については、搬送対象が2人になる可能性だけでなく、母子ともに急な状態の変化が想定されます。また、今後は、産科の医療資源の減少も想定されますことから、少しでも整った環境で対応できるよう、救急車の出動体制について検討を進めていただければ非常にありがたく思います。
最後に、母体や新生児蘇生を含めた研修体制についてお伺いしたいと思います。
これまで質問で触れてきた搬送体制も大事ですが、救急対応において何よりも大切なのは、救急隊員の知識、技術の維持や向上であるかと思います。隊員のスキルアップは、そのまま市民の命を守ることに直結することから、教育や研修、訓練についてはより一層の充実をお願いしたいところです。
ただ、日ごろの救急救命に当たっては、さまざまな研修があるかと思いますし、全体の件数を見ても、外傷などの研修に多くの時間を割くことも理解できるところです。周産期救急については、搬送件数が少ないことから、経験する機会も少ないと聞いております。
そこで、質問ですが、周産期救急の救急隊員への研修について、消防局の取り組みをお伺いしたいと思います。
◎山本
救急担当部長 周産期救急の救急隊員への研修についてでございます。
委員のご指摘のとおり、周産期救急については、搬送件数が少ないことから、経験する機会も少なく、救急隊員の研修については、救急救命の観点からも必要性は認識してございます。
現在、救急救命を担う医師による助言をいただきながら、各種研修会を開催し、知識、技術の向上に努めているところでございますが、今後につきましては、産婦人科医の協力もいただきながら、周産期救急への対応も含め、救急救命に万全を期するよう、研修体制の充実に向けて努力してまいりたいと考えているところでございます。
◆成田祐樹 委員 今お答えいただきまして、周産期救急の研修体制について、今後も積極的に取り組む旨のお話を伺えたのかなと思います。これまでの答弁の中で、研修や訓練の話が何度も出てきました。医師を交えての研修になると、当然ながら、講師料などの費用がかかると思います。また、これらさまざまな資格を取るとしても、高額な研修料や旅費など、消防局の職員の皆さんがみずから負担しながらスキルアップをしているのが現状だと思います。市民の命を守るためのさらなる向上を消防局職員自身の負担という善意だけに頼って果たしてよいのでしょうか。
ここからは、要望になります。
今回の質問で、虐待、周産期と2点お伺いしましたが、どちらも、結果的に必要なのは研修であるということです。虐待については、法解釈などについても考える必要があります。さらに、最近は、国が在宅医療を進めてきたことから、みとり救急の問題も出てきています。救急車を呼んだけど、救命処置を拒否されるといったことにどうやって対処していくのか、法的な部分も含めて議論がされていますが、こういった研修にも参加し、勉強しなければ、昨今、目まぐるしく変わる環境に対応できないことと思います。
先ほど回答いただきました周産期についても、外部から講師を招く必要がありますし、先ほど、我が会派のたけのうち委員からも消防の道内連携について触れておりましたが、いずれにせよ、こういった訓練や研修に関しては必ずコストがかかるということです。そして、何より救急隊の昨年の出動件数は9万8,182件、前年比で5%弱ふえるなど、物すごい勢いでふえております。ふえ続ける
救急需要に対して、市民の命と安全を守るには、何より訓練、研修、教育が必要であり、消防局には、その充実を要望するところです。特に財政局に関しては、命を守るために必要な研修、訓練に対して、今まで以上にしっかりと財政的な措置をとり、支援することを強く要望して、私の質問を終わります。
○
小竹ともこ 委員長 以上で、第1項 消防費の質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時58分
再 開 午後2時
――――――――――――――
○
小竹ともこ 委員長 委員会を再開いたします。
次に、第4款 環境費 第1項 環境計画費及び第2項 清掃事業費について、一括して質疑を行います。
◆千葉なおこ 委員 私からは、札幌市のヒグマ対策について、幾つか質問いたします。
南区において、ことし8月、簾舞、藤野の市街地で連日出没し、家庭菜園を荒らしたヒグマや、常盤地域や真駒内公園での目撃、石山陸橋付近での目撃情報などを含め、ヒグマの生息地が一番近い南区にあって、市街地に出没するヒグマの行動がこれまで以上に大胆でありました。
本市では、さっぽろヒグマ基本計画を策定しています。本計画は、市民生活の安全の確保を図りながら、ヒグマとの共生を目指すもので、そのために、ヒグマとのあつれきを軽減する方策として、特に市街地への侵入抑制策に重点を置くとしています。市内のヒグマ出没ゾーンは大きく三つに分かれており、特に市街地周辺ゾーンでの取り組みが重要であると書かれています。市街地への侵入を防ぐ対策では、ヒグマがやぶなどに隠れて行動する特性に着目し、開けた空間をつくる、つまり隠れにくい緩衝地帯をつくれば、ヒグマ侵入の抑制に効果があると書かれていて、実際に南区の石山大橋付近では草刈りなどで緩衝地帯づくりが取り組まれております。
そこで、質問ですが、そのような管理が必要な河畔林と林や茂みは、札幌市内でどのくらいあるのか、伺います。
◎菅原 環境管理担当部長 管理が必要な河畔林と林、茂みはどのくらいあるのかにつきましてお答えいたします。
札幌市は、ヒグマの生息する山林と市街地が非常に広範囲にわたって接していることから、山林からつながる河畔林も含めて、ヒグマが出没する可能性がある緑地が広く存在します。このような状況の中で、ヒグマ対策を目的とした管理が必要な河畔林や林、茂みを量的に把握することは困難であります。このため、出没情報がある地域を中心に適正な管理の普及を目指しているところであります。
◆千葉なおこ 委員 広範囲にわたり広く存在し、具体的には把握されていないというふうに受け取りました。
この間、さまざまなヒグマ対策について伺っている中で、いろいろな侵入経路はあるようですが、特に多いのが河畔林であるということでした。
そこで、質問ですが、ヒグマの一番の侵入経路となっている河畔林の適正な伐採や管理は、今どのくらい進んでいるのか、伺います。
◎菅原 環境管理担当部長 河畔林の適正な伐採管理の進捗状況につきましてお答えいたします。
さきにお答えしましたとおり、管理が必要な河畔林を量的に把握することは難しいことから、出没情報のあった地域に対しまして河畔林の適正な管理を働きかけているところであります。この中で、ヒグマ対策を目的とした河畔林の管理として本市がかかわっているものとしましては、石山地区で毎年実施している豊平川石山大橋付近の草刈りのほか、藤野地区の野の沢川の草刈りがあります。
◆千葉なおこ 委員 先ほども量的には把握していないということですが、石山地区の豊平川や野の沢川ではされていることがわかりました。
河畔林には貴重な動植物も生息していることから、環境に配慮しながら、適正な伐採の必要があるとお聞きしておりますし、豪雨などによる流木などといった災害時の管理もあわせて急ぐべき問題だとも思っております。
そこで、質問ですけれども、河川の管理者は国、道、市であることから、侵入抑制のためには、3者の担当部局がしっかりと連携していく必要があると考えますがいかがか、伺います。
◎菅原 環境管理担当部長 河畔林の管理に関する国、道、市の連携につきましてお答えいたします。
河畔林の管理は、治水や防災、動植物の生息環境の保全などのさまざまな目的に応じて行われております。このため、ヒグマ対策を目的とする河畔林対策につきましては、河川管理者と協力しながら実行可能な手法について検討することとしており、現在は、石山地区の豊平川石山大橋付近で、河川管理者の協力のもと、地域住民や大学と連携した取り組みを行っているところであります。今後も、出没が繰り返される場所等において連携を図って対応してまいります。
◆千葉なおこ 委員 河川は国や北海道、本市が管理しているわけですから、何より率先して取り組み、ヒグマ侵入抑制のために連携を強めていただきたいと思います。
次に、重要なゾーンとなっております市街地周辺の林、茂みの管理について質問いたしますが、市街地周辺の林、茂みの管理を土地管理者または地域に普及啓発とありますけれども、どのようなことですか、伺います。
◎菅原 環境管理担当部長 土地管理者または地域への普及啓発についてお答えいたします。
市街地周辺の林、茂みなどを適正に管理するには、ヒグマの市街地侵入抑制のための土地管理の重要性について、土地管理者や地域住民に理解を得ることが不可欠であります。したがって、まずは、その重要性について、出前講座やホームページ等により普及啓発を行っているところであります。
◆千葉なおこ 委員 重要性を地域に理解してもらうために、出前講座やホームページにより普及啓発を行っているというふうに受け取りました。
私は、今ご答弁いただいたような普及啓発だけで、適正な伐採や茂みの管理が本当に十分に行われるのかどうかということが少し心配です。もしこの中で課題があれば、伺います。
◎菅原 環境管理担当部長 出前講座やホームページなどで普及啓発を行っているところでありますが、平時におきましては、当事者意識が高まりづらく、十分な理解が得られないという課題がございます。このため、周辺で出没情報が寄せられた場合に直接働きかけを行うようにしているところであります。
◆千葉なおこ 委員 こちらも、まだまだ課題があるということを確認いたしました。必要なところには、市も積極的に電気柵をするなど、そのようにかかわっていくことが必要ではないかと思います。
次の質問に移ります。
耕作放棄地や不在地主の市街化調整区域などについては、手入れがされない里山などが餌となる作物を実らせ、侵入経路になり得るため、関係機関とともに予防的取り組みを行っていくよう検討するとのことですが、どのような検討をするのか、また、課題があれば伺います。
◎菅原 環境管理担当部長 耕作放棄地等に関する予防的取り組みの検討内容と課題につきましてお答えいたします。
耕作放棄地等につきましては、その周辺でヒグマの出没情報が寄せられた場合に、土地管理者に対して電気柵の設置や果樹の伐採、草刈りなどの管理を行うよう求めているところでありますが、高齢化や費用面といった課題のほか、土地管理者が必ずしもその地域の方であるとは限らず、土地管理者との接触が難しいなどの課題もあり、対応に苦慮しているところであります。
◆千葉なおこ 委員 電気柵の設置や草刈りを求めていることや、高齢化や遠くにお住まいになっているため、接触が難しいという課題もあることを確認いたしました。未然防止の対策においては、さまざまなこうした大きな問題があるということが、今回、本当にわかりました。
現在の危機管理体制としては、出没対策や連絡系統、対応手順といった職員研修やヒグマ出没時の連携体制はありますが、未然防止の点については、現在、専任係長1人という今の体制では、この大きな課題を考えても不十分ではないでしょうか。ヒグマの生息地と市街地が直接接するという世界的に見てもまれな札幌市でありますから、下水道河川局を初め、全庁的な連携体制を求めまして、私の質問を終わります。
◆小須田ともひろ 委員 私からも、ヒグマ対策について、3点ほど質問させていただきます。
昨年、ことしとヒグマの出没情報が加速度的に増加してきており、これまでは考えられなかったような場所や住宅街などでも出没情報が多くあります。今年度は、10月3日時点で過去最高の183件の出没情報が寄せられましたが、札幌市が駆除したのは、簾舞・藤野地区の住宅街に連日あらわれた1頭ということでした。このような状況が続くようですと、住宅街からなかなか離れない問題個体の発生や、人との接触による不測の事態なども発生するリスクが高まっていくのではないかと思います。
そこで、質問ですが、ヒグマの出没情報が急増している原因について、札幌市ではどのように認識しているのか、また、今後もふえる可能性は考えられるのか、伺います。
そして、ヒグマの出没情報に対し、札幌市ではどのような対応を行ってきているのか、あわせてお伺いいたします。
◎菅原 環境管理担当部長 ヒグマ出没情報が急増している原因と出没情報が今後も増加する可能性につきましてお答えいたします。
近年のヒグマの出没情報の増加には、さまざまな要因が考えられますが、専門家によれば、札幌市周辺のヒグマの生息数が増加傾向にあると考えられることに加え、高齢化や人口減少の進む市街地周辺に手入れの行き届かない緑地等が増加していることで、ヒグマの生息域が拡大していると思われることなどが、出没情報増加の要因に挙げられております。また、出没情報の件数は、人為的な環境に対する警戒心の乏しい個体が1頭でもあらわれると、同じ個体が繰り返し目撃されることで急増するため、年によって増減する可能性はあるものの、今後も出没は継続すると考えられます。
次に、ヒグマ出没時の対応につきましてお答えいたします。
ヒグマの出没情報が寄せられた際には、さっぽろヒグマ基本計画に基づき、市民生活の安全確保を第一に対応することとしており、具体的には、初動対応として、現地において、ふんや足跡などの痕跡や、餌となる植物やごみなどの状況を専門家とともに調査し、警察や学校、まちづくりセンターなどの関係機関と速やかに情報を共有しているところであります。その後におきましては、出没個体の有害性と出没地点の特性に応じて専門家と協議しながら、注意喚起や誘引物対策、追い払いなど適切に対応しているところであります。
◆小須田ともひろ 委員 全体的に出没情報は増加傾向ということであり、原因としましては、住宅街周辺の環境の変化などもあるということですが、先月の代表質問への答弁では、来年度に詳細な生息調査を行うとありました。さらに、道議会では、ドローンによる生体数の調査や狩猟期間の問題なども議論されております。それらの結果も踏まえながら、ヒグマの出没を抑制するための対策をより効果的に進めていただきたいと思います。
2点目の質問は、熊よけのための電気柵についてです。
8月に駆除されたヒグマは、家庭菜園の作物に餌づいてしまったために、繰り返し住宅街に出没するようになったということを踏まえますと、家庭菜園用の電気柵の貸し出しは、市街地付近に出没するヒグマを問題個体としないための重要な取り組みだと思います。
環境局では、この普及に向けて、平成29年度から貸し出し事業を行っていますが、これまでの進捗状況とその成果についてお聞きいたします。
◎菅原 環境管理担当部長 家庭菜園用電気柵貸し出し事業の進捗状況と成果につきましてお答えいたします。
家庭菜園用電気柵の貸し出し制度は、ヒグマによる被害の可能性がある地域の家庭菜園に対して、利用者からの申請により貸し出しを行い、その防除効果を体験してもらうことで、次年度以降、利用者みずからの購入、設置を促すための制度であります。平成29年度に開始し、1セット100メートルの長さのものを貸し出しており、これまで、累計で100世帯に対して計146セットの貸し出しを行ってきたところであります。
これまでの貸し出し利用者に実施しましたアンケートでは、9割以上の方から、効果があり、次のシーズンに向けて購入したいとの回答をいただいており、一定の成果を上げていると考えております。
◆小須田ともひろ 委員 効果があるので次のシーズンに向けて購入したいというような回答もあり、効果を実感している方々もいらっしゃいますが、まだ電気柵を設置していない家庭菜園は多くあり、十分に普及が進んでいるとは言えない状況だと思います。また、設置している家庭菜園と設置していない家庭菜園が混在していますと、市街地侵入抑制策として十分な効果を得られない可能性があるため、地域で一体となって普及していくことも重要だと思います。最初の質問への答弁のとおり、今後もヒグマの出没が懸念されている現状では、このような点にも留意しながら電気柵の普及をさらに急ぐ必要があると思います。
そこで、質問ですが、電気柵の普及を加速するための取り組み強化についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎菅原 環境管理担当部長 電気柵の普及を加速するための取り組み強化につきましてお答えいたします。
委員のご指摘のとおり、電気柵の導入を進めるためには、地域一体となって普及に取り組むことが効果的であると認識しております。このため、普及を働きかける際には、地域全体で取り組むことの有効性や、ヒグマに狙われやすい作物、電気柵の正しい設置方法、草刈りなどの適切な維持管理につきましてしっかりと伝えることにより、地域ぐるみで電気柵に関する理解を深めてもらうことに力を入れて取り組んでまいります。具体的には、出没情報が多い地域を中心に、出前講座等の機会や回覧板を活用するなど、町内会とも連携を図りながらさらなる普及に努めてまいります。
◆小須田ともひろ 委員 より効果的に普及を進められるように、町内会などとも連携を図りながら、電気柵貸し出し制度の周知や啓発に取り組んでいただきたいと思います。
先日、藤野地区、簾舞地区で地域の方々にお話をお聞きしましたところ、家庭菜園用電気柵の貸し出し制度を利用している方の中で、効果を感じて、来年度以降も設置していきたいと積極的におっしゃっていた方もいらっしゃいました。
しかし、今の仕組みでは、貸し出しは1世帯につき一度のみということになっております。同程度のものを購入しようとなると、4万円から5万円ほどかかるということでした。普及啓発や貸し出し制度に加えて、例えば補助制度も検討するなど、ヒグマ対策や電気柵に対する理解の促進とあわせて、負担軽減策も検討し、電気柵の早期普及に努めていただきたいと思います。
◆うるしはら直子 委員 私からは、大きく2点について伺います。
1点目は、災害時における家庭ごみの収集について、そして、2点目は、ヒグマとの共生について私どもの会派からも質問させていただきます。
まずは、災害時における家庭ごみの収集についてです。
昨年9月に起きました
北海道胆振東部地震から1年が経過いたしました。市民が暮らしていく上で、日々発生するごみの収集やその処理はなくてはならないものであり、札幌市には災害時であっても迅速にごみを収集することが求められています。
環境局におきましては、ことしの3月、災害廃棄物処理計画の策定に合わせまして、昨年の
地震での対応やさまざまな課題も踏まえ、災害時における家庭ごみの収集について定めた環境部清掃班業務マニュアルを改訂したと伺っております。
そこで、質問ですが、まず、このマニュアルの主な改正点について伺います。
◎吉田 清掃事業担当部長 環境部清掃班業務マニュアルの主な改正点についてお答えいたします。
北海道胆振東部地震の際には、割れたガラスや瀬戸物などの燃やせないごみを4週に一回の収集に出せず、長期間保管しなければならない方がいたことや、大型ごみの申し込みが集中し、電話がつながりにくくなるという課題もあり、改めて情報収集の重要性を認識したところでございます。一方、被害が大きかった一部の地域で燃やせないごみの臨時収集を実施した際には、排出場所の決定や住民への周知について、町内会にご協力をいただき円滑に行うことができたという事例もございました。
マニュアルの改訂に当たりましては、こうした課題や経験を踏まえまして、地域をパトロールすることに加えて、区役所などから被害状況等の情報を収集し、燃やせないごみの収集方法や大型ごみの受け付け体制を検討することを具体的に規定いたしました。また、市民仮置き場の設置に当たりましては、町内会等の理解や協力を得ながら、その要否を検討することなどを盛り込んだところでございます。
◆うるしはら直子 委員 ただいまの答弁では、燃やせないごみや大型ごみの片づけや収集、仮置き場の設置など、昨年の震災で浮かび上がりました課題などを踏まえて、より具体化した業務内容なども盛り込んだとのことで、災害後、約半年でマニュアルの内容を見直し、また改訂した迅速な対応については大変評価するところです。
しかしながら、この1年の間にも、
地震のみならず、さまざまな甚大な自然災害が全国各地で発生しており、先月発生した千葉などでの大規模停電を伴う台風被害や九州北部の記録的豪雨などでは、設置された仮置き場における未回収のごみが山積みとなったり、あるいは想定以上の量であったことや人手不足で受け入れを一時中止したなどとの報道もされております。また、被害が大きかった地域では、壊れた家電や家具、割れたガラスやトタンなどが多く発生し、空き地や路肩に投棄されてしまった状況もあったことなどから、ごみの収集を行うに当たっては、地域の被害状況なども把握することが重要と考えるところです。
札幌市においては、ごみステーションのパトロールや排出指導など地域に密着した仕事に従事をしているごみパト隊がおり、一般の収集作業とあわせてその役割は重要であると考えます。
そこで、質問ですが、災害時において、ごみパト隊はどのような役割を担うのか、伺います。
◎吉田 清掃事業担当部長 災害時におけるごみパト隊の役割についてのご質問でございます。
委員からご指摘もございましたように、ごみパト隊は、日ごろから地域に密着した業務を行っておりまして、その経験を生かして、発災当初は、道路や家屋の被害状況、ごみステーションからの収集が可能かどうかなど地域の情報収集を行います。また、市民仮置き場が設置された場合には、排出されるごみの収集が円滑に進むように、ごみステーションに加えて市民仮置き場のパトロールも実施することとしてございます。さらに、ごみの排出に支援を要する方を対象としたさわやか収集につきましても、被害状況に応じて可能な範囲で実施するほか、避難所から排出されるごみの収集を行いますとともに、ごみステーションや市民仮置き場からの収集の応援も実施することとしてございます。
◆うるしはら直子 委員 災害時におけるごみパト隊の役割については理解いたしました。
ごみパト隊は、日ごろから、地域を熟知し、住民や町内会などとかかわりも深いことから、災害時のパトロールにおいてもきめ細かく被害状況を把握して、行政としての市民サービスと適切な対応につなげていただきたいと思います。
また、さわやか収集は、支援が必要な方々を対象とするもので、年々、利用する市民の方もふえていると聞いております。これらの方々と直接接するごみパト隊が、災害時のごみの排出方法などについて親身に相談に応じることも必要であり、また、重要な役割であると考えます。
次に、災害時における市民への周知について質問いたします。
災害時には、被害状況によって、平常時と収集方法や収集時間などが異なることも想定されますが、このような中でも円滑にごみ収集を行うためには、市民の協力が必要不可欠となります。
北海道胆振東部地震では、おおむね大きな混乱もなく、ごみの収集を行うことができていましたが、収集の延期や変更等があったことについて、知らなかった、あるいは情報が得られなかったという市民もいたことから、災害時のごみの排出方法などについては十分な周知が必要であると考えます。
そこで、質問ですが、災害時のごみ収集に関する周知はどのように行っていくのか、お伺いいたします。
◎吉田 清掃事業担当部長 災害時のごみ収集に関する周知についてでございます。
災害の規模によりましては、ごみ収集を中止する場合やおくれる場合のほか、地域やごみの種類を限定して収集する場合も考えられます。一方、停電などの状況によりまして、利用可能な伝達手段が限られる場合もございます。
このため、ホームページやSNS、ごみ分別アプリのほか、報道機関を通じた情報提供、必要に応じて広報車による巡回など、さまざまな広報媒体を勘案しながら、その時々の状況に応じた適切な方法により周知を行うこととしてございます。また、区役所やまちづくりセンターと連携し、ごみステーションを管理している町内会やクリーンさっぽろ衛生推進員の方々にも協力をお願いするなど、円滑なごみ収集を実施できるように努めてまいります。
◆うるしはら直子 委員 災害時におけるごみの排出については、被災した市民の生活に直接影響するものであり、また、実施の可否や排出方法を十分に周知しなければならないと私も思います。また、他都市の災害における例で言いますと、被災状況、また被害の状況が長引くほど、悪臭や衛生上の問題、さらには、仮置き場での火災発生の心配もあることなどからも、行政の責任において、ごみの迅速な回収、その処理を行うことが重要であり、あわせて、市民のごみ出しに対する意識も必要となってまいります。
今後も、災害時におけるごみ収集の体制強化と実施における市民周知についてしっかりと取り組んでいただくことを要望するとともに、こうしたマニュアルについても実情に合わせてさらに改善し、平常時にも災害時にも市民が安心して生活できるよう取り組むことをあわせて求めまして、1点目の質問を終わります。
続いて、2点目のヒグマとの共生について、特に草刈りの展開についてお伺いいたします。
先日、第3回定例会における代表質問におきまして、我が会派から、さっぽろヒグマ基本計画における本市の適切な対応を求め、石山地区での草刈りの活動の取り組みなども紹介いたしましたが、本日は、その中でも、特に草刈り活動への今後の展開が重要と考え、追って質問させていただきます。
さっぽろヒグマ基本計画では、熊が出にくい環境づくりや、出没しても定着させない対策に取り組んでいますが、問題個体が出没を繰り返した際には捕殺を余儀なくされています。捕殺に至らないように草刈りや電気柵の普及をし、熊が出没しないよう環境を整えることがこの計画の目指すところであり、中でも、緩衝帯の整備は今後最も力を入れていかなくてはならない項目であると考えます。
しかしながら、先日の代表質問では、草刈りの対象範囲が広過ぎることが課題との答弁がありました。自然が相手である事業なだけに大変困難な部門とは思いますが、基本計画を着実に実行していくために、根気強い計画的な取り組みが必要だと思います。
そこで、質問ですが、草刈りの対象範囲が広過ぎるという課題に対して、札幌市は、今後、まずどのように取り組んでいくのか、伺います。
◎菅原 環境管理担当部長 草刈りの対象範囲が広過ぎるという課題への対応につきましてお答えいたします。
草刈りや樹木の伐採などにより、市街地と山林の間に見通しのよい開けた場所、いわゆる緩衝帯を設けることは、ヒグマの市街地侵入抑制に大変効果があるものと認識しております。
札幌市内の一部の地域では、河畔林の下草刈りによりヒグマの出没が抑制された事例もあります。したがって、このような活動の普及を目指しているところでありますが、札幌市の地理的な特徴として、市街地と山林の間に緩衝帯がない地域や、市街地への侵入ルートとなっている河畔林が多いことから、まずは、草刈りによる侵入抑制の効果が高いと考えられる地域を中心に取り組んでいくことが大切であると考えております。
このため、ヒグマの出没情報をもとに、専門家に意見を伺いながら、可能な限り取り組むべき地域を絞り込むことができないかを検討し、その上で、地域住民や関係機関との連携を図りながら草刈り活動の展開に努めてまいります。
◆うるしはら直子 委員 ただいまの答弁によりますと、ヒグマとの共生にはさっぽろヒグマ基本計画を着実に進める地道な作業が基本なのだなということがよくわかりました。
緩衝帯の整備には、なかなか手をつけにくい市街化調整区域、また、その所有者に関する問題などの課題が含まれています。我が会派の南区のあおい議員が地域の方々からお話をお聞きした中で、藤野や簾舞にお住まいの方々は、こうした状況も、またヒグマとの共生に関しても理解があると聞いておりますし、また、ヒグマ基本計画を遂行していくには、札幌市の地道な努力と地元住民との信頼関係が最も大事であると考えます。引き続き、本計画がよりよいものになるように、札幌市ヒグマ対策委員会などでさらに充実を図ることをお願いいたします。
次に、緩衝帯の整備と並行して、今回のヒグマ出没騒動における石山地区の取り組みについてお聞きいたします。
石山地区では、2012年から2013年にヒグマの出没が多かったことをきっかけに、先ほどの答弁にもございましたが、豊平川の石山大橋付近においてヒグマの侵入経路遮断のための草刈り活動が始まりました。現在までに、6年間、毎年継続して行われる中で、地域に親しまれるイベントにまで成長したと聞いております。草刈り活動は、大変地味な作業で、どの程度刈れば熊が出没しないのかという数字もありませんし、また、草が伸びる真夏の作業がメーンとなることからも、どうしてもつらいというイメージも先行します。
しかしながら、ハーブの小道で花を鑑賞するというように、楽しみの中に草刈りが存在する石山地区での取り組みなど、お金をかけずに楽しみながら地域住民の知恵で暮らしが守られているということも事実としてあります。石山地区のほかにも、所有する施設周辺の草刈りが行き渡っているところは熊が出ていないことや、裏山を伐採し、草刈りをしている住宅地には熊が出ないという効果を実際にうかがえる事例があることも聞いております。また、新聞にも取り上げられた藻岩高校の生徒による草刈り活動など、若い世代の協力は、今後の取り組みとしてぜひ育てていきたい活動ではないかとも考えます。ことし出没が多かった藤野・簾舞地区など、他の地域においてもこうした活動が浸透し、より多くの地域で楽しみながらこうした草刈りの取り組みが広がっていけばいいのかなと思っています。
そこで、質問ですが、石山地区の草刈り活動のように持続性のある取り組みを他の地域へと浸透させていくために、札幌市では今後どのように取り組んでいくお考えか、お伺いいたします。
◎菅原 環境管理担当部長 持続性のある取り組みを他の地域に浸透させていくための今後の取り組みにつきましてお答えさせていただきます。
石山地区の草刈り活動を主催している石山地区まちづくり協議会では、酪農学園大学とも連携しながら、毎年、草刈り活動を行っていますが、その際には、単に草刈りだけでなく、草刈り終了後に、地区会館において酪農学園大学の学生からヒグマの研究成果を報告していただくなど、ヒグマの生態や草刈りの効果を参加者に理解していただくための勉強会もあわせて行っています。また、この勉強会では、同協議会が主催してビンゴ大会を行ったり、お茶菓子を用意して学生と会食するなど、参加者が楽しめる地域の交流の場としても活用されています。
このような工夫が、石山地区において、幅広い世代を集め、持続性のある取り組みになっている要因の一つと認識しておりますことから、今後は、このような事例などを参考にしながら、出前講座等の機会を通して地域に働きかけ、地域住民、さらには地域外からも多くの方が参加できるような持続性のある取り組みとなるよう、他の地域に浸透させてまいります。
◆うるしはら直子 委員 少子高齢化がこれから進んでいく中で、草刈り活動を根づかせていくためには、今お話がありましたような取り組みや、また、高校生のようなより若い世代が地域の問題に積極的に取り組んでいくことが大変有効であるとも考えます。今後、札幌市には、地元住民と連携して持続的な草刈り活動の働きかけを行い、より一層、熊との共生に理解が得られるよう進めていただくことを要望しまして、私の質問を終わります。
◆
森山由美子 委員 私からは、委託事業者を含めた家庭ごみ収集の災害対応について、3点質問させていただきます。
昨年の
北海道胆振東部地震における
ブラックアウトや、本年9月の千葉県の台風における被害などにも象徴されますように、大規模災害時には広い範囲で停電が発生する可能性があります。今年度の補正予算においては、各清掃事務所への非常用電源の整備を進めることとされておりますが、委託事業者においても停電時の備えが必要と考えます。
そこで、質問ですが、委託事業者は、非常用電源の確保についてどのような対応をとっているのか、伺います。
◎吉田 清掃事業担当部長 委託事業者の非常用電源の確保についてお答えいたします。
災害が発生した場合には、本市と委託事業者との間で迅速に連絡をとり合うことが重要でございまして、停電時におきましても電話やファクス、パソコン等の通信機器用の電力を確保する必要がございます。このため、委託事業者により内容に違いはございますものの、各社とも発電機やハイブリッド車等により非常用電源を確保しているところでございます。
◆
森山由美子 委員 委託事業者がそれぞれ非常用電源を確保しているとのことでありました。災害時においても、家庭ごみの収集にできるだけ影響がないよう、引き続き委託事業者との連携に努めていただきたいと思います。
次の質問に移ります。
北海道胆振東部地震の際には、広い範囲で停電があり、
地震発生翌日のごみ収集を次の日に振りかえて実施するなど、対応に苦慮されたことと思います。また、東区や清田区では、道路の陥没等により通行どめとなった地域もございました。より大規模な災害時には、災害対策基本法においても、
緊急の必要があると認められる場合には、道路の区間を指定して
緊急通行車両以外の通行を禁止または制限することができるとされており、ごみ収集車が通行を制限された場合には、ごみの収集にも支障を来す可能性がございます。
そこで、質問ですが、委託事業者を含めた札幌市のごみ収集車については、災害時には
緊急通行車両に該当するのか、お伺いいたします。
◎吉田 清掃事業担当部長 ごみ収集車が災害時に
緊急通行車両に該当するのかどうかというご質問でございます。
災害対策基本法等におきまして、ごみ収集車は
緊急通行車両の対象になるとされております。ただし、災害時に
緊急通行車両と認められるためには、北海道公安委員会による確認が必要でございまして、この確認には事前届け出の手続が定められております。このため、本市及び委託事業者が、それぞれの車両につきまして既に北海道公安委員会への事前届け出を済ませたところでありまして、災害発生時には速やかに
緊急通行車両確認標章の交付を受けることとしております。
◆
森山由美子 委員
緊急通行車両として事前届け出を既に済ませており、災害時には確認標章の交付を速やかに受けることとしているとのことでありました。
また、
緊急通行車両であっても、ごみ収集を円滑に行うためには、十分な燃料の確保が必要となります。しかしながら、昨年の
地震の際には、給油可能なガソリンスタンドに多くの市民が燃料を求めて列をつくるような状況であり、ごみ収集車も給油に大変苦労したと聞いております。
そこで、質問ですが、災害時のごみ収集車の燃料の確保についてどのような対応をとっているのか、伺います。
◎吉田 清掃事業担当部長 災害時のごみ収集車の燃料の確保についてでございます。
昨年の
地震の際に、改めて燃料の必要性について実感をしたところでございまして、まずは、日ごろから車両の燃料を満タンに近い状態で業務を終えるよう心がけることとしております。
また、実際に災害が発生した際の燃料の確保につきましては、従前より、本市と札幌地方石油業協同組合との間で、災害時における燃料等供給の協力に関する協定書を締結し、燃料の供給が可能なガソリンスタンドの情報を提供してもらうなどの協力体制を築いてきているところでございます。これに加えまして、現在、ごみ収集車を含めて、災害時に業務を優先する必要がある車両等へ円滑に優先給油が行われるよう、協定の実効性をより高めるために必要な手続につきまして、本市と同組合との間で協議を進めているところでございます。
今後も、関係部局と連携を図りながら、災害時のごみ収集車の燃料の確保に努めてまいります。
◆
森山由美子 委員 燃料の確保に向けての対応をとられているとのことでした。
しかしながら、ごみ収集車が円滑に優先給油を受けるためには、災害時に業務を優先する必要がある車両であることを認識してもらうなど、市民の理解を得られるように努めていただくことも必要です。非常用電源や燃料の確保等、災害時に備えて取り組んでいるとのことでありましたが、今後も、市民の暮らしを支えるごみ収集が円滑に進みますよう、札幌市がしっかりと委託事業者との連携に努めていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。
○
小竹ともこ 委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後2時43分
再 開 午後3時5分
――――――――――――――
○田中啓介 副委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆佐藤綾 委員 私からは、地球温暖化防止と再生可能エネルギー推進の取り組みについて、幾つか質問いたします。
最初に、温暖化防止対策についてお聞きします。
9月23日に国連気候行動サミットが行われ、スウェーデンの16歳のグレタ・トゥンベリさんが発言し、大きな話題となりました。子どもの権利条約採択30周年を前に、12カ国16人の子どもたちが、条約に基づき、権利が侵害されていると救済を申し立てました。世界の指導者が気候変動への対応を怠り、子どもの未来を奪っている、そう、怒りを持って発言を行いました。
アントニオ・グテーレス国連事務総長は、今後10年間で温室効果ガス排出量を45%削減し、2050年までに正味ゼロエミッションを達成するために、2020年までに自国が決定する貢献を強化するための具体策、現実的計画を持ってサミットに参加するよう呼びかけ、77カ国が2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを表明しました。
石炭火発の新設を進める日本は、サミットで発言の機会さえ与えられず、首相は出席せず、環境大臣の不誠実な発言が問題となったことは、大変残念に思います。日本は、温室効果ガス削減目標の上積みに応じなかったため、発言の機会を与えられなかったと指摘されています。温暖化問題には、国と自治体、企業、また一人一人が取り組まなければならないと思います。自治体として、住民を守るためにも、責任が問われる問題でもあります。
札幌市は、第2次札幌市環境基本計画で、CO2排出を1990年と比べて2030年で25%削減し、2050年に80%削減するという目標を持っていますが、この間の温室効果ガス排出量の推移を見ると、2017年段階で、1990年の934万トンから30%近くふえ、1,208万トンとなっています。このままでは、温暖化が進むことになりますから、道内で人口や産業が集中する札幌市として、温暖化防止に率先し、積極的に目標を達成していくことが必要であると思います。
そこで、質問ですが、本市は、今後、CO2排出を2050年までに80%削減、701万トンにする目標に対してどう取り組んでいくのか、具体策と見通しをお伺いいたします。
◎大平 環境都市推進部長 温室効果ガス削減の目標達成に向けた取り組みについてお答えいたします。
昨年3月に策定した第2次札幌市環境基本計画では、2050年に目指すべき目標として、札幌市内から排出される温室効果ガスを現状より80%以上削減することを掲げています。そのための取り組みとして、高断熱・高気密な住宅建築物や高効率の給湯・暖房機器を積極的に普及させるなど、徹底した省エネルギー対策や太陽光発電、木質バイオマスなどの再生可能エネルギーのさらなる導入を進めるほか、次世代のエネルギーとして期待される水素エネルギーの活用を推進することで目標の達成を目指していきたいと考えております。
◆佐藤綾 委員 やはり、CO2の排出がふえているというのは大変深刻な問題だと思うんです。第2次札幌市環境基本計画が策定されてから、国際的な情勢が進んで、国連でもサミットなどで各国が目標数値を上げ、削減への取り組みが進んでいます。日本は、国として積極的とは言えません。消極的と言わざるを得ませんけれども、地方自治体が国に先んじて取り組んでいく、そうした積極的な姿勢が求められますし、温暖化防止にも必要なのではないかと思います。
自然豊かな北海道にある政令市として本市が率先して取り組むことは、道内、また国内にもよい影響をもたらすことになると思います。削減の見通しというのはお答えがなかったように思いますけれども、今後、ぜひこの目標を上回るような取り組みを進めていくべきと申し上げます。