札幌市議会 2019-06-13
令和 元年大都市税財政制度・災害対策調査特別委員会−06月13日-記録
令和
元年大都市税財政制度・
災害対策調査特別委員会−06月13日-記録令和
元年大都市税財政制度・
災害対策調査特別委員会
札幌市議会大都市税財政制度・
災害対策調査特別委員会記録
令和元年6月13日(木曜日)
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開 会 午後2時19分
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○伴良隆 委員長 ただいまから、
大都市税財政制度・
災害対策調査特別委員会を開会いたします。
報告事項は、特にございません。
議事に入る前に、私から、一言、ご挨拶を申し上げます。
委員長に選任されました伴 良隆でございます。
これから選任されます副委員長と一緒になって、議事整理及び秩序保持はもとより、当委員会の有意義な議論と発展のために精いっぱい努めてまいりますので、委員と理事者の皆様のご理解、ご協力をどうかよろしくお願いいたします。(拍手)
――――――――――――――
○伴良隆 委員長 それでは、議事に入ります。
最初に、副委員長の互選についてお諮りいたします。
ご発言はございませんか。
(三神委員「委員長」と呼び、発言の許可を求む)
◆
三神英彦 委員 副
委員長指名推選の動議を提出いたします。
副委員長には、
池田由美委員を推薦することの動議です。よろしくお願いします。
○伴良隆 委員長 ただいまの動議のとおり決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○伴良隆 委員長 異議なしと認め、副委員長には
池田由美委員が選任されました。
それでは、池田副委員長、ご着席の上、就任のご挨拶をお願いいたします。
○池田由美 副委員長 ただいま副委員長に選任をいただきました池田由美でございます。
微力ながら、委員長の補佐役として、誠心誠意、努めていきたいと思います。皆さんのご協力を心からお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○伴良隆 委員長 次に、理事制の設置についてお諮りいたします。
委員会の効率的な運営のため、理事制を設置することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○伴良隆 委員長 異議なしと認め、理事制を設置することに決定いたしました。
それでは、各会派から、順次、理事の氏名を通告していただきます。
(「
自由民主党・
三神英彦委員」「
民主市民連合・うるしはら直子委員」「公明党・
森山由美子委員」「
日本共産党・佐藤 綾委員」と呼ぶ者あり)
それでは、理事には、
自由民主党・
三神英彦委員、
民主市民連合・うるしはら直子委員、公明党・
森山由美子委員、
日本共産党・佐藤 綾委員の以上4人と決定させていただきます。
次に、本委員会の運営方針についてお諮りいたします。
運営方針については、先般、
理事予定者会議を開催し、各理事のご了解をいただいているところですが、お手元に配付しております原案のとおり、通称白本と呼ばれる国の施策及び予算に関する提案、通称青本と呼ばれる
大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望、
国家予算等に対する
本市重点要望事項の審査及び災害対策の取り組みに関する調査を中心に行うとともに、
特別委員長会議への出席、青本の
党派別要望運動、
本市重点要望事項の要請及び行政視察を行いたいと思います。
運営方針については、原案のとおりとすることにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○伴良隆 委員長 異議なしと認め、そのように委員会を運営することに決定いたします。
なお、具体的な進め方については、理事会にご一任願いたいと存じます。
それでは、次に、令和2年度国の施策及び予算に関する提案(通称〜「白本」)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。
◎福西 財政局長 本日は、
指定都市共同で取りまとめた令和2年度国の施策及び予算に関する提案、いわゆる白本提案の原案をご審議いただきたいと存じます。
人口減少と
少子高齢化が進行し、近年では、全国的に大規模災害も頻発している中、地方には住民に安全と安心をもたらす役割が求められているところでございます。とりわけ
指定都市は、圏域の中枢都市といたしまして、今後とも、
少子高齢化対策や都市の活性化、社会資本の
長寿命化等、緊急かつ重要な施策を、先駆的、先導的な役割を担い、推進していく必要がございます。そのためには、地方の税財源の充実や国における予算措置が欠かせないところでございます。
このような情勢の中、本市を含めました
指定都市全体といたしましても、政府並びに関係機関に対しまして、
指定都市の実情を踏まえながら、さまざまな提案を行っていきたいと考えております。
委員の皆様方におかれましては、提案の趣旨を十分にお酌み取りいただきまして、ご支援、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
それでは、白本提案の
具体的内容につきまして、
財政部長から説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
◎梅田
財政部長 それでは、資料に基づいてご説明させていただきます。
まず、配付資料の確認をさせていただきます。
2種類ございます。初めに、資料1は、令和元
年度国家予算等の状況と提案の主な結果でございまして、令和元年度の国家予算の概要と昨年度の白本提案の結果について主なものをまとめたものでございます。続いて、資料2は、令和2年度国の施策及び予算に関する提案の案でございます。こちらは、実際の提案書の形式でまとめたものでございます。
それでは、まず、令和元
年度国家予算等の状況と提案の主な結果につきましてご説明いたします。
資料1をごらんください。
まず、1ページは、国家予算の概要についてでございます。
令和元
年度国家予算のフレームと最近の推移をまとめてございます。
令和元年度予算は、
消費税増税に伴い、全世代型の
社会保障制度の実現や経済への影響の平準化に向けた施策を盛り込み、
歳出合計額は99兆4,291億円と前年度を1兆7,163億円、1.8%上回ってございます。歳入のうち、税収は62兆4,950億円と前年度を3兆4,160億円、5.8%上回っております。一方、公債金は、31兆8,786億円と前年度を1兆8,136億円、5.4%下回っております。
なお、公債残高につきましては、下の表の右下にありますとおり、前年度より17兆円増の897兆円と見込まれているところでございます。
次に、2ページをごらんください。
ここでは、令和元年度の
地方財政計画の概要をまとめてございます。
令和元年度についても、平成24年度から引き続き
通常収支分と
東日本大震災分の区分によって整理されておりますが、資料では
通常収支分を掲載しております。
今年度の計画は、歳入では、地方税を40兆1,633億円と、前年度比1.9%の増収と見込んでおります。また、
地方交付税についても、16兆1,809億円と、前年度比1.1%の増とされております。また、
歳入合計欄の一つ下にあります
一般財源総額につきましては、地方が安定的に
財政運営を行うことができるよう、62兆7,072億円と、前年度を5,913億円、1.0%上回る額が確保されております。
歳出につきましては、
一般行政経費では、子ども・
子育て支援等の
社会保障関係費が増加したことや、防災・減災、
国土強靱化のための3か年緊急対策などの
投資的経費が増加した結果、歳出合計89兆5,930億円と、前年度を2兆6,957億円、3.1%上回る額となってございます。
3ページからは、平成31年度国の施策及び予算に関する提案、すなわち昨年度の白本提案の主な結果を載せております。その主な項目についてご説明させていただきます。
提案項目4番目の
地方固有の財源であります
地方交付税の必要額の確保と
臨時財政対策債の廃止に関しましては、
一般財源総額は前年度を5,913億円上回る額が確保されております。中でも、
地方交付税は前年度を1,724億円上回る額が確保されたほか、
臨時財政対策債は前年度比7,297億円の減となりました。
提案項目の6番目の
児童福祉施策の拡充に関しましては、令和元年10月から実施する
幼児教育無償化に係る経費について、令和元年度は、
地方負担分を措置する
臨時交付金が創設されまして、全額、国費により対応されることとなりました。
提案項目7番目の
インフラ施設の
長寿命化対策に関しましては、防災・
安全交付金が、前年度に比べ、ふえたことによりまして、
社会資本総合整備事業の交付金の総額といたしましては、前年度を1,884億円上回る額が確保されております。
これらのほか、3ページ、4ページに記載しておりますとおり、学校、幼稚園における働き方改革の推進や
介護保険制度の円滑な実施などの各分野におきましても一定の成果が得られたものと考えております。
次に、令和2年度国の施策及び予算に関する提案の案についてご説明いたします。
資料2をごらんください。
表紙を1枚おめくりいただきますと、目次が掲載されてございます。税財政・
大都市制度関係と
個別行政分野関係、合わせて15項目となってございます。
提案項目の選定方法でございますが、最初に、
指定都市の各分野の所管局における各局長会議が白本としてふさわしい
提案項目を選定し、その項目の中から
指定都市市長会として特に重要性や緊急性の高いものをさらに厳選し、内容の重点化を図りまして15項目を決定したところでございます。
次に、右のページをごらんください。
提案書の前文が掲載されております。
令和2
年度国家予算編成に当たりまして、真の
分権型社会の実現に向け、適切な措置を講ずることを要請することとしております。
おめくりいただきまして、1ページをごらんください。
こちらは、税財政・
大都市制度関係と
個別行政分野関係に分けて提案事項を掲載し、
提案項目全体を一覧できるように掲載しております。
それぞれの提案内容の詳細につきましては7ページ以降に掲載しておりますので、恐れ入りますが、7ページまで飛んでください。
今年度からは、上の四角囲みの提案文と下の説明文について、(1)と(2)と番号を振りまして、それぞれリンクさせております。
それでは、税財政・
大都市制度関係の五つの
提案項目について順に説明させていただきます。
最初は、1項目めの真の
分権型社会の実現のための国・地方間の税源配分の是正でございます。
下段左側の図にありますとおり、現状における国・地方間の税の配分が6対4、税の実質配分が3対7となっておりまして、依然として大きな乖離がございます。真の
分権型社会を実現するために、消費税、所得税、法人税といった複数の基幹税からの税源移譲を行い、国・地方間の税の配分をまずは5対5とすること、さらに、国と地方の新たな役割分担に応じた税の配分となるよう、地方税の配分割合を高めることを求めるものでございます。
右のページは、2項目めの
大都市税源の拡充強化でございます。
ここでは、人口の集中や産業の集積に伴う
都市的課題から生ずる
大都市特有の
財政需要に対応するため、消費・流通課税や
法人所得課税の配分割合を拡充するよう求めるものでございます。
さらに、道府県から移譲されている事務・権限があるにもかかわらず、必要な財源については税制上の措置が不十分であるため、道府県からの税源移譲により、
大都市特例税制を創設するよう求めるものでございます。
おめくりいただきまして、3項目めの
国庫補助負担金の改革でございます。
これは、真に住民に必要なサービスを地方みずからの責任で自主的、効率的に提供できるよう、国と地方の役割分担の見直しを行った上で、地方が担うべき分野については
国庫補助負担金を廃止し、所要額を税源移譲することを求めるものでございます。
また、税源移譲されるまでの間は、国において必要総額を確保することや、自由度が高く活用しやすい制度にすることを求めるものでございます。
右のページは、4項目めの
地方固有の財源である
地方交付税の必要額の確保と
臨時財政対策債の廃止でございます。
地方交付税は、地域社会に必要不可欠な一定水準の
行政サービスを提供するための
地方固有の財源でありますことから、地方の
財政需要などを適切に見込み、必要額を確保すること、また、
地方財源不足の解消は、
地方交付税の法定率の引き上げによって対応し、代替措置としての
臨時財政対策債は速やかに廃止することなどを求めるものでございます。
おめくりいただきまして、5項目めの多様な
大都市制度の早期実現でございます。
基礎自治体優先の原則のもと、住民がよりよい
行政サービスを受けられるよう、特別自治市の制度の法制化など、地域の特性に応じた多様な
大都市制度の早期実現を求めるものでございます。
以上が、税財政・
大都市制度に関する提案でございます。
続きまして、
個別行政分野に関する提案事項についてご説明いたします。
まず、右のページは、6項目めの子ども・
子育て支援の充実でございます。
子ども・
子育て支援の量的拡充と質の向上についての財源の確保を求めるとともに、幼児教育・保育の無償化の事務等に係る経費への恒久的な
財政措置や
待機児童対策、保育士、
放課後児童支援員等の
人材確保策等についても
財政措置の拡充を求めるものでございます。
おめくりいただきまして、7項目めの
インフラ施設の
長寿命化対策でございます。
インフラ施設の老朽化が進行する中、予防保全型の修繕や更新を行うために必要な財源を安定的に確保するとともに、新たな技術等による
コスト低減手法の開発、支援、情報提供を行うことを求めるものでございます。
右のページは、8項目めの学校における働き方改革の推進でございます。
学校が抱える課題がより複雑化、困難化する中で、教員が子どもに向き合う時間を確保し、きめ細やかな教育活動を進めることができるよう、
部活動指導員やスクール・サポート・スタッフなどの人的配置の拡充など、教員の負担軽減に向けてより一層の
財政措置を求めるとともに、
教職員定数の改善を図るよう求めるものでございます。
さらに、今年度、新たな要請といたしまして、
育児休業者の代替措置として配置する
正規教職員を
国庫負担金の
算定基礎定数に含めることを求めるものでございます。
おめくりいただきまして、9項目めの
医療保険制度の
抜本的改革及び
国民健康保険財政の確立でございます。
国民健康保険会計は、被保険者に占める高齢者の方や所得の低い方の割合が高く、一般会計からの繰り入れに頼らざるを得ないなど、財政基盤が極めて脆弱でございます。国民皆保険制度を安定的で持続可能な制度とするため、国の責任において、
医療保険制度の一本化に向けた
抜本的改革を実現するとともに、一本化が実現するまでの間の必要な
財政措置などを求めるものでございます。
右のページは、10項目めの
義務教育施設等の整備促進でございます。
安全で良好な教育環境を確保するために、
地方公共団体が計画的に施設整備に取り組むことができるよう、必要な事業量に見合う
財政措置を講ずることを求めるものでございます。
さらに、今年度、新たな要請といたしまして、防災・減災機能の強化や
空調設備設置事業に必要な財源について、時限的ではなく、継続的に確保することを求めるものでございます。
おめくりいただきまして、11項目めの
子育て家庭等の
経済的負担の軽減措置や子どもの
貧困対策でございます。
子ども医療費助成について、国で統一的な
医療費助成制度を創設するよう求めるとともに、
ひとり親家庭の支援策や子どもの
貧困対策の拡充強化を求めるものでございます。
右のページは、12項目めの
介護保険制度の見直しと
財政措置の拡充でございます。
介護保険制度の制度改正や介護報酬の改定に当たっては
地方公共団体の意見を十分反映すること、また、
地域支援事業について必要な
財政措置を行うことを求めるものでございます。
また、
地域医療介護総合確保基金の運用改善のほか、保険料及び利用料について、さらなる
負担軽減策の実施を求めるものでございます。
おめくりいただきまして、13項目めの
下水道施設の改築への国費支援の継続及び
国土強靱化のための財源の確保でございます。
平成29年度の
財政制度等審議会におきまして、
下水道施設の改築について、原則、使用料で必要な経費を賄うことを目指すべきと、考え方が提示されたところでございます。しかしながら、
下水道施設は公衆衛生や水質保全など
公共的役割の高い施設でありますことから、改築に係る国費支援を確実に継続することを求めるものでございます。
さらに、今年度、新たな要請といたしまして、浸水対策や地震対策など
国土強靱化のための事業費について財源の確保を求めるものでございます。
右のページは、14項目めの福祉・保健・
医療人材確保の施策の充実でございます。
介護職員等の給与などの処遇改善を図るため、
財政措置を拡充するとともに、発達障がいなどの診断のできる医師の確保のために、養成機関の整備や診療報酬の改定を求めるものでございます。
おめくりいただきまして、最後の項目の生活保護の更なる適正化及び
生活困窮者支援に対する
財政措置でございます。
生活保護制度のさらなる適正化を推進するために、
生活保護費の
全額国庫負担等の必要な措置を講ずるとともに、
生活困窮者自立支援制度において、より実効性のある支援が実施できるよう十分な
財政措置を求めるものでございます。
以上が、白本本文の概要でございます。
最後に、今後の日程についてでございますけれども、本日、原案についてご審議いただき、その結果を踏まえまして、
指定都市の窓口・
財政担当局長による協議において最終案を決定いたしました後、6月26日に予定されております本委員会で改めて報告させていただきたいと考えてございます。
○伴良隆 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
三神英彦 委員
地方交付税に頼る割合の大きな本市にとっては、資料2の10ページの4項目めの
地方固有の財源である
地方交付税の必要額の確保と
臨時財政対策債の廃止は最も重要な提案の一つかと思います。そこで、この項目について質問させていただきます。
地方交付税総額の確保と
臨時財政対策債の廃止という趣旨は、昨年とは変わらないかと思いますが、細かい表現では幾つか変わっております。一つは、要請の背景(1)の社会保障と税の一体改革の後に、
人づくり革命等に伴う新たな
地方負担を的確に見込むということで、
人づくり革命という表現、それから、もう一つは、要請の背景の(2)で、
臨時財政対策債は
指定都市への配分が多くなる算定方法となっているため、
指定都市の
市債残高に占める割合は拡大しており、との表現が新たに追加になっているとのことです。
人づくり革命は、本年10月から始まる幼児教育・保育の無償化を初め、待機児童の解消、保育士の処遇改善、介護人材の
処遇改善等を含んだ全世代型の社会保障の実現に向けた施策ですが、
地方負担に対してはしっかり
財政措置される必要があります。
そこで、質問ですが、今年度の
地方交付税の
必要額確保の
指定都市提案に新たに
人づくり革命の記載を追加したことについてご説明をお願いします。
◎梅田
財政部長 人づくり革命の記載を追加した趣旨についてのご質問でございます。
昨年6月に閣議決定されましたいわゆる骨太方針2018におきまして、令和3年度までの3年間の
地方一般財源の総額については、平成30年度
地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保するというふうにされてございます。一方、幼児教育・保育の無償化を初めとする
人づくり革命に係る施策が、今年度に一部実施されますが、来年度は年間を通して実施されますとともに、保育需要が喚起されることも想定されますことから、
地方負担が大幅にふえることも見込まれるところでございます。
こうした状況を踏まえまして、
一般財源総額について、平成30年度と形式的に同額という意味ではなく、
人づくり革命等に伴う
財政需要の増も含め、地方の安定的な
財政運営に必要な
一般財源総額を確保していくべきとの考え方で、表現を追加したものでございます。
◆
三神英彦 委員 平成30年度の
一般財源総額と全く同額という意味ではなく、新たな
地方負担も考慮した上で、地方の安定的な
財政運営に必要な
一般財源総額を確保していく必要があるという趣旨での表現の追加との答弁でした。しっかり国に要請をお願いしたいです。
次に、
臨時財政対策債の廃止についてですが、提案文の下の表によりますと、平成30年度における
地方交付税と
臨時財政対策債を合わせた
実質的交付税のうち、
臨時財政対策債の割合は、全国総額では19.8%なのに対して、
指定都市総額では46.7%に及ぶとのことです。
臨時財政対策債の割合は、全国の倍以上となっております。また、一般会計の
市債残高に占める
臨時財政対策債残高の割合は、
指定都市では年々増加しており、平成29年度において32.4%に達しております。これらの状況を受け、新たに表現を追加したものと思います。
そこで、質問ですが、
臨時財政対策債はどのような算定方法となっているのか、それから、札幌市の
市債残高のうち
臨時財政対策債の割合についてどのような状況になっているのか、さらに、今後の見込みについてどのようにお考えか、よろしくお願いいたします。
◎梅田
財政部長 臨時財政対策債の算定方法と、
市債残高のうち、
臨時財政対策債の割合の現状、また、今後の見込みについてのご質問でございます。
臨時財政対策債の
発行可能額は、
基準財政需要額から
基準財政収入額を差し引いた
財源不足額に、都市の規模あるいは財政力に応じて算出されます
臨時財政対策債の割合を乗じて算定されることになってございます。
札幌市の平成30年度の算定を例にとって申し上げますと、
基準財政需要額から
基準財政収入額を差し引いた
財源不足額が1,560億円でありました。これに、
指定都市であることや
財政力指数を加味して算出されました約36%という割合を乗じた結果、
臨時財政対策債は559億円と算定されておりまして、残りの1,001億円が
普通交付税として交付されてございます。
次に、
市債残高のうち、
臨時財政対策債の割合についてでございますけれども、平成29年度の決算におきましては、札幌市の一般会計の
市債残高は1兆531億円、このうち
臨時財政対策債の残高が4,797億円となってございまして、割合は45.6%となっており、年々増加してございます。
資料10ページ下のグラフにありますとおり、
指定都市全体では割合が32.4%となっておりまして、札幌市の
臨時財政対策債の
市債残高全体に占める割合は非常に高くなってございますが、これは、札幌市の広義の
地方交付税、つまり、
地方交付税と
臨時財政対策債の合計額が他都市よりも多いことが原因となってございます。
今後の見込みにつきましては、国と地方の税収の動向によるため、見込むことはなかなか難しい面もありますが、
地方財政の健全性の観点から
臨時財政対策債の残高は縮減していくべきものでありまして、
地方交付税の
法定率引き上げと
臨時財政対策債の廃止を求めていくものでございます。
◆
三神英彦 委員 本市の一般会計の
市債残高に占める
臨時財政対策債の割合、それから、
指定都市総額を上回っており、
臨時財政対策債が半分近くを占めていることがわかりました。
また、
指定都市であるというだけで
臨時財政対策債が多くなるとのこと、こうした、
指定都市に共通であり、
大都市特有の課題こそ、
指定都市共同の提案である白本で、引き続き、国に対し、しっかりと要請していただくことを要望して、質問を終えます。
◆うるしはら直子 委員 私からは、国の施策及び予算に関する提案、いわゆる白本について、主に6番の子ども・
子育て支援の充実について質問させていただきます。
まず、国の施策及び予算に関する提案については、冒頭の記述にもございますように、毎年、国家予算の編成に当たり、政令市から特に重要な事項について提案し、国に要請を行っているところですが、昨年の白本とことしの白本を比較いたしますと、ことしは、先ほど説明にもございましたとおり、それぞれの
提案項目ごとに(1)(2)と番号を振るように変更となっております。この変更により、昨年までの長文の文章形式の提案書よりも、提案内容が見やすく、わかりやすくなったかと思います。そして、特に、
提案項目につきましては、昨年は
児童福祉施策が1項目であったのが、ことしは6番の子ども・
子育て支援の充実と11番の
子育て家庭等の
経済的負担の軽減措置や子どもの
貧困対策とに分かれており、こちらもより提案が具体的になったかと思います。
昨今、子どもを取り巻くさまざまな課題、問題が多様化し、また複雑化する中で、これまで、会派でも、機会あるごとに子ども福祉施策の対策強化について提起し、平成30年第2回定例市議会、第3回の定例市議会でも、子ども医療費の拡大や子どもの
貧困対策についても質問、要望してきておりますが、先日、本市において2歳の児童が衰弱死するという決して起きてはならない大変痛ましい事件も発生しております。本当に心からご冥福をお祈りするばかりですが、今後、一層の子ども・
子育て支援施策の強化・充実と、そして、財源の確保が必要だと強く感じているところでございます。
こうしたことも踏まえまして、私から、6番の子ども・
子育て支援の充実の中の(2)にある幼児教育・保育の無償化について質問させていただきます。
昨年12月に政府決定されました幼児教育・保育の無償化が、ことしの10月より実施される予定となっております。無償化されることは、利用者にとっても、また、これから子どもを産み育てたいと考える方、第2子、第3子を望む方にとっても、大変喜ばしいことだと思います。しかしながら、本市の財政においては、今後、多額の経費がかかるという点が心配されます。国が全額負担してくれるのであれば、地方への財政面の影響はないわけですが、昨年の白本の結果、成果の中にもあったように、国が全額負担する特別交付金は今年度のみということで、来年度以降の負担が多額となることが懸念されます。
そこで、質問ですが、幼児教育・保育の無償化による今後の本市の財政負担についてどのように見込まれるのか、お尋ねいたします。
◎梅田
財政部長 幼児教育・保育無償化で、今後見込まれる本市の財政負担についてのご質問でございます。
幼児教育・保育の無償化につきましては、昨年度の白本で
地方公共団体に負担を生じさせることなく、国の責任において着実に推進するよう要請したところでございます。その結果、私立の園につきましては、国が2分の1、道府県が4分の1、市町村が4分の1をそれぞれ負担するスキームとした上で、今年度に限り、全額、国費で措置されることとなってございます。
今年度予算では、札幌市の一般財源負担を半年分で約17億円として見込んでございますが、国からの交付金として同額の子ども・
子育て支援臨時交付金を計上しているところでございます。ただ、国費での対応というのは今年度限りとされておりますことから、来年度以降は、今年度分が平年度化されまして、約34億円程度の負担が生じるというふうに見込んでいるところでございます。
◆うるしはら直子 委員 来年度以降は、単年度で約34億円程度の負担が見込まれるとのことでした。
今回、無償化を実施するに当たっては、消費増税により予算を確保することを前提として国が決めた施策であり、今後も多様な子ども・
子育て支援施策を充実させていくためにも、地方に過度な負担とならないよう、継続的な
財政措置が必要と考えます。
提案文の(2)では、
地方公共団体の事務等に係る経費への恒久的な
財政措置を講ずべきとなっていますが、事務等に係る経費や、また、恒久的なという言葉が入っているところが他の項目と異なるように思います。
そこで、質問ですが、事務等に係る経費への恒久的な
財政措置とは具体的にどのようなことなのか、お伺いいたします。
◎梅田
財政部長 幼児教育・保育無償化に係る事務費等に係る経費の恒久的な
財政措置の
具体的内容についてのご質問でございます。
幼児教育・保育無償化に係る事務費は、本年度予算におきましては約1億8,000万円、これとは別に、システム改修費が約4,000万円と見込んでございますが、令和2年度までは、全額、国費で措置されるものの、その後は、全額、市町村が負担することとなってございます。
今回の白本では、事務費等について、来年度までではなく、恒久的な事務費等の
財政措置を講じるよう要請するものでございます。
◆うるしはら直子 委員 今後は、新たに認定外保育園の利用者に対する給付が始まるなど、事務負担がさらに大きくふえることになるかと思います。
事務などの経費についてしっかりと国に
財政措置を要請していただくこと、また、子ども支援施策についても、しっかりと白本要望の中でもお伝えしていただくことを強くお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
◆森山由美子 委員 我が会派からも、6番の子ども・
子育て支援の充実及び11番の
子育て家庭等の
経済的負担の軽減措置や子どもの
貧困対策について質問いたします。
まず、6番の子ども・
子育て支援の充実についてです。
この中で、幼児教育・保育の無償化に関する提案がありますが、幼児教育・保育の無償化は、子育て世帯の負担を軽減するため、我が会派、公明党が長年にわたり訴えてきた主張が実った制度であり、消費税率の引き上げと同時に、本年10月にいよいよスタートいたします。この幼児教育・保育の無償化は、人を育てる未来への投資であり、待機児童の解消を含めた子ども・
子育て支援の質及び量の充実が、今後もより一層求められていくものと考えます。
一方、ことし4月の本市の待機児童は、国が定義している待機児童はゼロであるものの、国定義以外を含めた待機児童は1,947人に及んでおり、待機児童問題の解消は、依然、喫緊の課題となっております。待機児童解消については、提案文(3)の中で、保育所等の施設整備に係る補助率のかさ上げ等について国に求めているところであります。
そこで、最初の質問ですが、本市における補助率のかさ上げの状況と、本市として具体的にどのようなことを白本提案の中で求めているのか、伺います。
◎梅田
財政部長 保育所等の施設整備に係る補助率のかさ上げの本市における状況と提案の趣旨についてのご質問でございます。
保育所等の新設や増改築につきましては、通常は国の補助割合が2分の1のところ、供給が不足している地域への定員増の対策をするという要件を満たせば3分の2にかさ上げされる仕組みになってございます。
本市の場合は、これまでのところ、この要件を満たしているため、補助率のかさ上げを受けられております。しかし、この地域の要件につきましては、札幌市の場合は区単位で判断されることとなります。区の単位で供給が足りていたとしても、さらに細かい地域で見れば供給が不足しているという場合もあり得るため、今後はその要件を満たすとは限らないところでございます。
こうしたことから、白本提案におきまして、この区単位で判断することとなるかさ上げ要件の緩和を初め、かさ上げ措置の継続及び補助率のさらなる拡充を求めるものでございます。
◆森山由美子 委員 ただいまの答弁では、札幌市の場合は保育所等の整備に係る補助率のかさ上げは区単位での判断となり、現状では受けられるが、今後は現状の要件を満たすとは限らないとのことでありました。
女性の社会進出や経済的事情などで保育環境の状況が刻々と変わる中、地域の中で本当に必要な場所に保育所等の整備が確実に推進できるよう、しっかり、国にかさ上げ要件の緩和を初め、
財政措置の拡充を求めていただくことを要望して、この質問は終わります。
次に、11番の
子育て家庭等の
経済的負担の軽減措置や子どもの
貧困対策についてです。17ページになります。
その中で(1)で求めている
子ども医療費助成については、本市においては市長公約として対象を小学6年生まで拡大することとしており、また、本定例会において、小学6年生まで拡大するためのシステム改修等を実施するための予算案が提案されており、今後、具体的な議論がされるものと思います。
そこで、ここでは白本提案を行っていく上での財政負担の質問にとどめたいと思いますが、今後、小学6年生まで拡大した場合の本市の負担はどの程度ふえるのか、伺います。
◎梅田
財政部長 子ども医療費助成を小学6年生まで拡大した場合の札幌市の負担についてのご質問でございます。
子ども医療費の助成は、国の補助制度がなく、一部、北海道の補助を受けて実施してございます。今年度の
子ども医療費助成は、通院については小学2年生までを対象としておりまして、今年度予算においては、事業費は約35億円を計上してございます。これらの財源については、小学6年生以下の入院と未就学児童の通院につきましては北海道から2分の1、約12億円の補助がございますが、残りの約23億円については、一般財源所要額となってございます。
札幌市においては、1学年拡大するごとに約3億円増加する見込みのため、小学6年生まで拡大した場合には、約12億円の負担増がございます。事業費にして約47億円、一般財源所要額としては約35億円となる見込みでございます。
◆森山由美子 委員 子ども医療費の助成について、小学6年生まで拡大した場合、事業費が約47億円で、必要となる一般財源は12億円増の約35億円との答弁であり、札幌市にとって、国の補助制度がないこともあり、非常に大きな財政負担となるものと思われます。
また、
子ども医療費助成は少子化対策の観点から全国の自治体が個々に行っている現状で、子どもが住んでいる都道府県や市町村の財政力などによって受けるサービスが大きく変わってくるということは、制度として問題があり、国が統一的な制度を創設すべきと考えます。
さらに、白本提案にも掲載されておりますが、自治体が独自に行う医療費の助成に対しては、国が国民健康保険国庫負担の減額調整措置を設けているというのも制度の問題点であります。
この点に関して、我が会派としても、引き続き強く主張し、少子化対策を推進していきたいと考えておりますので、白本提案においても、
指定都市一丸となって国に要請していただくことをお願いして、質問を終わります。
◆佐藤綾 委員 私からは、15項目めの生活保護の更なる適正化及び
生活困窮者支援に対する
財政措置についてお伺いいたします。
本来、
生活保護制度は、医療や介護などを含め、要件はありますけれども、生活に困り、必要な人がどなたも利用できることが本旨であり、そのための適正化が必要かと思いますが、要望の適正化についてどうお考えか、お伺いいたします。
◎梅田
財政部長 生活保護の適正化の意味についてのご質問かと存じます。
生活保護の適正化というのは、必要な調査に基づいて適正に保護費を支給するという意味でございまして、これは生活に困窮する方に対する必要な保護を確実に行うこと、また一方で、ごく一部の方によるものですが、不正受給の防止を図るという二つの面を持ってございます。こうした観点から、
指定都市共通の課題として、この白本で提案するものでございます。
◆佐藤綾 委員 今、不正受給というお話がございましたけれども、不正受給は全体の金額の0.45%ほどですが、生活保護の捕捉率は、厚生労働省の推計でも研究者の推計でも、所得だけで判定すると1〜2割、資産を考慮しても2〜3割にとどまります。要は、本来、生活保護を受けられるはずの7〜8割の方が受けられていない。これは、重大な問題ではないかと思います。
また、近年、生活保護を受けられている方の多くは、たび重なる扶助費の削減と、
消費税増税の影響で物価も上がり、苦しい生活を余儀なくされております。命と暮らしを守る点でも、生活保護を受けられている市民の立場をおもんぱかる適正化という視点を大切にするべきではないかと考えます。
次に、金融機関等への回答の義務づけという点でお伺いいたします。
生活保護制度のさらなる適正化推進のため、金融機関等への回答の義務づけ等、必要な措置を国の責任で講じることとありますけれども、具体的にはどういったことなのか、お伺いいたします。
◎梅田
財政部長 金融機関への回答の義務づけの具体的な内容についてのご質問でございます。
生活保護法第29条の規定で、保護の実施期間等は金融機関等に対して資産及び収入等の状況について報告を求めることができるというふうになってございます。平成25年の法改正によりまして、官公署等への情報提供の求めに対しては回答が義務づけられたところでございますが、金融機関については、現在は義務づけがなされておりません。生活保護の実施において、収入状況等に不明な点がある場合には、法第29条の規定に基づいて金融機関等に対して照会を行ってございますが、回答を得られない場合がありますことから、
生活保護制度のさらなる適正化の観点から
指定都市の共通の課題として
提案項目に挙げたものというふうに認識してございます。
◆佐藤綾 委員 現在、生活保護受給に当たって、申請者の了解を得て金融機関へ問い合わせをして回答を得ている、回答がないということは、数としてはなかなかないと思います。民間の金融機関に義務づけるということは、プライバシーや個人情報を守る点などからも問題があるのではないかと思います。本来、調査対象ではない被保護者に対して本人の了解を得ずに行うといった濫用につながる懸念、また、どういった基準で判断するのかなど、個人情報保護の点でも市民個人の権利が侵害される心配がないのか、そのことに十分留意して、要望の是非についても検討するべきではないかと指摘いたします。
また、国の言う生活保護の適正化は、乱給の防止対策を主眼として、適正化対策は保護申請の萎縮や保護率の低下を引き起こしてきたという指摘があります。本市では、1987年、母子家庭の母親の餓死事件、2012年、姉妹の孤立死、いずれも生活保護を受給できる要件でありながら、窓口で申請させず、生活保護を受けられず、亡くなっております。これらのことからも、適正化で生活保護が受けられず、福祉に絶望して餓死する、そういうことがあってはならない。札幌市はこのことを忘れてはならないですし、生活保護法は憲法第25条の生存権によるものですから、その趣旨に沿った適正化を要望していくべきであることを述べ、質問を終わります。
○伴良隆 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○伴良隆 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
最後に、令和2
年度国家予算等に対する札幌市重点要望事項についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。
◎小西 まちづくり政策局長 本日は、国の予算と制度の両面にわたりまして、札幌市が抱えております重要な問題につきまして独自に要望を行う令和2年度札幌市重点要望について、その原案をご審議いただきたいと存じます。
今年度につきましては、昨年度に引き続き、札幌市まちづくり戦略ビジョンの三つの重点テーマに沿いまして項目を重点化しており、12の大項目のもと、35の小項目を設ける構成としております。
札幌の目指すべき都市像であります北海道の未来を創造し、世界が憧れるまち、そして、互いに手を携え、心豊かにつながる共生のまちの実現に向けまして、委員の皆様のご協力をいただきながら、関係省庁や地元選出の国会議員の皆様に積極的に働きかけてまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、内容につきまして、政策企画部長より説明申し上げます。
◎芝井 政策企画部長 令和2年度札幌市重点要望(案)について、私からご説明申し上げます。
初めに、配付資料を確認させていただきます。
3種類ございますが、資料3の平成31年度札幌市重点要望の要望結果、資料4の令和2年度札幌市重点要望(案)、資料5の省庁別要望項目一覧でございます。
よろしければ、初めに、昨年度の要望結果についてご説明申し上げます。
資料の3をごらんください。
要望結果の主なものといたしまして、表の2番目にあります国道5号「創成川通」の機能強化の早期実現では、国が計画段階評価に着手し、1回目の北海道地方小委員会が開催され、四つの構造形式が示されたところでございます。
次に、5番目の子ども・
子育て支援の充実・強化におきましては、3歳以上の幼児教育・保育無償化が10月1日から実施されることが決定され、2019年度の無償化に係る財源は国が全額負担することが示されました。
次に、7番目の
国土強靱化に向けたまちづくりにおきましては、2018年度
普通交付税の算定において道路除排雪経費に係る算入額が増加されたところです。
要望結果の主な内容については、以上でございます。
委員の皆様方におかれましては、昨年7月30日と31日に、関係省庁などに対して札幌の現状や国への提言を直接お伝えいただきましたことにより、このように多くの成果が得られましたことを、この場をおかりして感謝申し上げます。ありがとうございました。
続きまして、資料4の令和2年度札幌市重点要望(案)をご説明申し上げます。
表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。
構成といたしましては、昨年同様、札幌市まちづくり戦略ビジョンの重点テーマであります産業・活力、暮らし・コミュニティ、低炭素社会・エネルギー転換に分類しておりまして、要望の大項目は全部で12個としております。
それでは、各要望事項の説明をさせていただきます。
まずは、1ページをごらんください。
こちらは、産業・活力分野に係る要望の背景や取り組み内容を整理しております。
札幌市まちづくり戦略ビジョンの都市像の一つであります北海道の未来を創造し、世界が憧れるまちの実現に向けまして、札幌市では、まちのリニューアルを進める中で、都心の再開発やMICE施設の整備などを進め、さらには、ICTやAIなどの先端技術を活用しながら、まちの魅力の向上を図ってまいります。また、交通面からは、新千歳空港の機能強化や丘珠空港の利活用のほか、北海道新幹線の札幌早期開業や都心と高速道路間のアクセス機能強化を図ることで、広域的な交通ネットワークの一層の強化を目指してまいります。
こうしたまちづくりの状況を踏まえながら、冬季オリンピック・パラリンピックを招致することにより、都市のブランド力をさらに高め、国内外から投資や人材を呼び込み、我が国全体の活力向上にも寄与してまいります。
2ページ目をごらんください。
大項目の一つ目の北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)の早期完成についてでございます。
1として、新函館北斗・札幌間の早期完成、2として、建設財源の確保及び
地方負担に対する財源措置の拡充、3として、青函共用走行区間等における新幹線高速走行の早期実現を要望いたします。
次に、おめくりいただきまして、4ページにございます2項目めの国道5号「創成川通」の機能強化の早期実現についてでございます。
1として、道路整備に必要な予算の確保、2として、国道5号「創成川通」の計画段階評価の促進を要望してまいります。
次に、5ページにございます3項目めの国際競争力の強化に向けた都市の魅力向上についてでございます。
1として、MICEの誘致支援と国際会議の本市開催、2として、新千歳空港の機能強化の着実な推進、3として、道内航空ネットワークの充実に向けた丘珠空港の利活用の促進、4として、都市機能の充実に向けた都市開発事業等への支援を要望いたします。
次に、7ページにございます4項目めの冬季オリンピック・パラリンピックの招致についてでございます。
1として、冬季オリンピック・パラリンピック招致に係る支援、2として、国内有数の施設に係る再整備等への支援、3として、冬季版ハイパフォーマンススポーツセンターの建設、4として、国際競技大会招致への支援、5として、交通輸送手段等のバリアフリー化に向けた支援について要望いたします。
なお、ただいま申し上げました項目のうち、2につきましては、バイアスロン競技など国内に数カ所しかない競技施設の運営、再整備などに係る国営に準じた財政的な支援について、今回新たに要望するものでございます。
おめくりいただきまして、10ページにございます5項目めのSociety5.0の実現に向けた支援策の拡充についてでございます。
こちらの大項目は、今回新たに要望するものでございます。
札幌市では、全国に先駆けまして、データプラットフォームを構築しましたほか、今年度からは除排雪などについてAI技術を活用して作業効率の向上や適正化を目指す基礎的な調査研究を始めたところでございます。Society5.0時代の地方の実現に向けましては、大学や地元企業と連携した地域課題の解決に資する基礎研究などに対する支援の拡充が重要であります。また、地方自治体が保有するオープンデータなどの集約や、それらを横断的に利用可能な環境整備などを推進していただくことが必要だと考えます。
そこで、1として、Society5.0の実現に向けた支援策の拡充を要望するものでございます。
11ページをごらんください。
こちらでは、暮らし・コミュニティ分野に係る要望の背景や取り組み内容を整理しております。
もう一つの都市像であります互いに手を携え、心豊かにつながる共生のまちの実現に向けまして、児童虐待の根絶に向けた相談体制の強化を図るとともに、医療的ケアが必要な児童への支援を拡充してまいります。また、保育所定員の拡充や保育人材の確保に取り組みますとともに、
子ども医療費助成の対象拡大を進めてまいります。
一方で、札幌市は、生産年齢人口の減少と老年人口の増加が急速に進むことが見込まれておりまして、質の高い地域包括ケア体制の構築や介護人材の確保が急務となっている状況でございます。さらに、平成30年北海道胆振東部地震からの復旧、復興を着実に進め、災害に強いまちづくりを進めるとともに、政令
指定都市への移行時期に整備された公共施設やインフラの更新に要する財源が課題となっている状況でございます。
12ページをごらんください。
6項目めの子ども・
子育て支援の充実・強化についてでございます。
1として、児童相談所の設置・運営に係る財政支援の拡充、2として、医療的ケア児に対する十分な支援体制の確保、3として、保育士等の処遇改善に向けた支援、4として、国による
子ども医療費助成制度の構築を要望いたします。
なお、ただいま申し上げました項目のうち、1につきましては、札幌市では、児童相談所2カ所体制に向けた検討を進めておりまして、一時保護所の職員の配置基準の法定化や財政支援の拡充、一時保護委託の受け皿を確保するための支援の拡充などについて、今回新たに要望するものでございます。
次に、おめくりいただきまして、14ページにあります7項目めの多様な教育環境の整備についてでございます。
1として、少人数学級の推進に向けた
教職員定数の拡充、2として、公立夜間中学の設置に向けた支援を要望してまいります。
次に、15ページにございます8項目めの介護基盤の充実についてでございます。
こちらの項目は、今回新たに要望するものでございます。
札幌市では、生産年齢人口の減少に加えまして、今後75歳以上の後期高齢者が急速にふえることが見込まれておりまして、地域包括ケア体制の深化や推進が急務となっております。そのため、保険者機能の強化に対する支援や、
地域支援事業などに対する財源措置の拡充が必要と考えております。また、
介護保険制度の安定的な運営を図るため、低所得者の介護保険料軽減策のほか、第1号被保険者の保険料抑制に係る財政支援の拡充が必要と考えます。さらに、介護従事者の人材確保、離職防止や定着促進の取り組みに対して財政支援を拡充していく必要があります。
そこで、1として、地域包括ケア体制の深化・推進に係る支援の拡充、2として、第1号被保険者の保険料抑制に係る財政支援の拡充、3として、介護人材の確保に係る取組への支援を要望いたします。
次に、17ページにあります9項目めの地震被害からの復旧と防災対策の推進についてでございます。
こちらの項目は、昨年度実施いたしました平成30年北海道胆振東部地震に関する要望のうち、今後も国による支援が必要なものについて、重点要望として新たに位置づけるものでございます。
北海道胆振東部地震では、清田区里塚地区において宅地や道路などに被害が発生し、現在地盤改良工事を進めておりますが、引き続き技術的な支援が必要であります。また、大規模停電、いわゆるブラックアウトの防止策として、北本連系線のさらなる増強なども急務となっておりますほか、宿泊施設や医療機関などの非常用電源設置について支援策の拡充が必要と考えます。
そこで、1として、地震被害を受けた宅地復旧への支援、2として、電力の安定供給体制の確立、3として、非常用電源確保のための支援の拡充を要望してまいります。
次に、おめくりいただきまして、18ページにございます10項目めの
国土強靱化に向けたまちづくりについてでございます。
1として、
国土強靱化へ向けた着実な施策の実施と財政支援、2として、学校施設整備に係る国庫補助の拡充及び財源の確保、3として、
下水道施設の老朽化対策に係る国費支援の着実な実施、4として、除排雪経費に係る
地方交付税措置の拡充を要望してまいります。
なお、ただいま申し上げました項目のうち、1につきましては、北海道胆振東部地震を踏まえまして、真に災害に強いまちづくりを進めていくため、防災・減災、
国土強靱化のための3か年緊急対策の着実な実施と
国土強靱化に資する本市の社会資本整備事業などに対する引き続きの財政支援について、今回新たに要望するものでございます。
22ページをごらんください。
こちらでは、低炭素社会・エネルギー転換分野に係る要望の背景や取り組み内容を整理しております。
札幌市は、2008年に環境首都・札幌を宣言するとともに、2018年3月に第2次札幌市環境基本計画を策定し、次世代の子どもたちが笑顔で暮らせる持続可能な都市、環境首都・SAPPOROを2050年に向けた札幌の環境の将来像として設定しております。この将来像の実現に向け、都心の低炭素化を進めるとともに、水素などの次世代エネルギーの普及、導入を促進し、積雪寒冷地に適した低炭素社会を構築してまいります。
また、ごみ減量化によって確立したスリムで効率的なごみ処理体制を将来にわたって維持するほか、アスベスト対策にも取り組んでまいります。
23ページをごらんください。
11項目めのエネルギー需給構造の多様化についてでございます。
1として、都心の低炭素化に向けたまちづくりへの支援、2として、水素社会の早期実現に向けた支援を要望してまいります。
次に、25ページにあります12項目めの環境負荷低減に向けた取組の推進についてでございます。
1として、清掃工場更新における
財政措置、2として、アスベスト対策への支援を要望いたします。
なお、ただいま申し上げました項目のうち、1につきましては、札幌市では3清掃工場によるごみ処理体制としておりますが、施設の老朽化が進んでいるため、計画的な施設更新が必要であり、国に対する適切な予算措置及び予算措置が不足する場合の補填策について、今回新たに要望するものでございます。
参考といたしまして、最後に、資料5でございますが、こちらは各要望項目を省庁別に分類して整理したものとなってございます。
○伴良隆 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
三神英彦 委員 私からは、今回の札幌市重点要望の要望項目そのものの考え方と、地震被害からの復旧、防災対策について伺わせていただきます。
札幌市重点要望は、白本とは違って札幌市固有の課題とその解決に向けた要望であると伺いました。その上で、今回の要望書案に目を通してみますと、まちづくり戦略ビジョンに掲げる三つの柱、産業・活力、暮らし・コミュニティ、低炭素社会・エネルギー転換ごとに個別の要望項目をまとめており、その中には新しいものも含まれているようです。
そこで、最初の質問ですが、今回の札幌市重点要望案は、どのような考えで取りまとめを行ったのか、要望項目の考え方について伺います。
◎芝井 政策企画部長 要望項目の取りまとめの考え方についてお答えいたします。
今年度の札幌市重点要望は、昨年度の9項目から12項目としたところでありますが、まずは、北海道新幹線の札幌延伸や冬季オリンピック・パラリンピックの招致など継続した取り組みが必要なものについて、状況変化を踏まえつつ、引き続き要望項目といたしました。その上で、札幌市を取り巻く社会経済情勢や今後のまちづくりの方向性を踏まえて、三つの項目を追加したところでございます。
具体的には、昨年度発生しました北海道胆振東部地震被害からの復旧、復興に向けた取り組みなど、災害に強いまちづくりに向けた要望項目を盛り込みました。さらに、急速な高齢者の増加に対応する介護予防などの取り組みへの支援や、Society5.0の実現に向けたAIを活用した地域課題を解決する基礎研究支援といった新たな課題に対応するための要望項目も追加したところでございます。
◆
三神英彦 委員 継続した取り組みが必要なもののほか、災害に強いまちづくりに関する取り組み、新たな課題に対応するための取り組みを要望項目に盛り込んだとのことです。
新しい要素を盛り込んだことはよろしいのですが、一方で、地震被害を踏まえた防災対策については、地震直後から行ってきた平成30年北海道胆振東部地震に関する要望の中身と比較すると、やや項目が少ないという印象を受けます。この緊急要望は、被災者の生活面の支援から避難所の機能強化、観光産業の早期回復など多岐にわたる要望を取りまとめ、市長や市議会議員がそれぞれ国や国会議員に対して継続して要望してきたものであります。
そこで、質問ですが、緊急要望の成果と重点要望における防災対策関連の要望項目設定について、どう関連づけて考えられたのでしょうか。よろしくお願いします。
◎芝井 政策企画部長 緊急要望の成果と防災対策関連のこのたびの要望項目の考え方についてお答えいたします。
昨年9月の北海道胆振東部地震に関しまして、発災直後から、さまざまな機会を捉え、地震被害からの復旧や被災者支援など7項目にわたる緊急要望を国に対して実施してまいりました。その結果、清田区里塚地区の復旧工事に係る補助率の引き上げや北海道ふっこう割の実施による観光需要の回復のほか、被災者支援についても一定の成果が上がったところでございます。一方で、今後も続く宅地復旧のほか、大規模停電に備えた電力の供給体制の確立、さらに、宿泊施設や病院の非常用電源対策などについては継続的に取り組むことが必要な状況でございます。
今回の重点要望では、こうした引き続きの取り組みが必要な3項目について国に要望することで、復旧と防災対策の一層の推進を図ることと考えております。
◆
三神英彦 委員 今回盛り込まれた要望項目については、復旧、復興の観点と防災の観点によるものであるが、中でも、宿泊施設や医療施設の安定的な運用は、昨年の大規模停電の際の混乱を思い起こすと重要度が高いものと考えます。
そこで、質問ですが、宿泊施設と医療施設の防災対策として、今後、札幌市としてはどのように取り組みを進めていきますか。
◎芝井 政策企画部長 宿泊施設と医療施設の防災対策に関する取り組みについてお答えいたします。
北海道胆振東部地震による大規模停電の影響によりまして、宿泊施設が営業を停止して、多くの旅行者が一時滞在施設などに避難を余儀なくされましたほか、医療施設においても、人工透析などの継続的な医療を必要とする方への対応に支障が生じたところでございます。このため、非常用発電の設置に関しまして、民間一時滞在施設として札幌市と個別協定を締結する宿泊施設や、入院設備を持たない医療機関などを対象とした札幌市独自の補助制度を創設することといたしまして、本日、補正予算を上程いたしたところでございます。
今回の要望は、災害に強いまちづくりを進めるこうした札幌市独自の取り組みについて、国の支援を求めるものでございます。
◆
三神英彦 委員 市独自の補助制度を設けて、当面の間、支援をしていくとのことでした。
最後に、要望ですが、我が会派でも、毎年、議員団の一員として先輩議員が国会議員や省庁に対して要望を行ってきております。その際には、各要望事項について札幌市自体の取り組みが問われることも多いそうです。せっかくよい要望項目を取りまとめたとしても、その要望項目について札幌市がどれだけ取り組んでおられるのか、相手方に的確に伝わらなければ、要望の効果も伝わり方によって変わっていくように思われます。先ほどの答弁のように、宿泊施設や医療機関に関する支援など独自の取り組みについて、ぜひとも伝え続けていただくべきだと考えます。
他の政令
指定都市もそれぞれ独自の要望を行っていますが、その要望活動のあり方はさまざまのようです。国家予算や制度にしっかり要望が反映されるよう、要望書の内容や要望活動の方法については、各都市の事例も研究いただき、今後もしっかり検討していただくよう求めて、私の質問を終わらせていただきます。
◆岩崎道郎 委員 私からは、要望項目6の子ども・
子育て支援の充実・強化、それと、要望項目8の介護基盤の充実について、数点伺います。
まず初めに、要望項目6の子ども・
子育て支援の充実・強化における要望内容の考え方について伺います。
先ほど説明がありました白本提案においては、
ひとり親家庭や生活保護世帯の現状を踏まえて、子どもの
貧困対策の改善、充実や
財政措置を国に対して要望することとしております。一方で、札幌市の独自要望であります重点要望においては、四つの小項目を掲げておりますが、白本提案のように子どもの
貧困対策に係る施策の充実を直接的に求める記載は見当たりません。加えて、2定の補正予算の概要、そして、少し前のものですが、1定の骨格予算の概要にも子どもの
貧困対策という記載はありません。
我が会派では、かねてから子どもの貧困について強い課題意識を持ち、これまでも代表質問や委員会において早期に取り組みを強化することを求めてきたところであり、昨年度から子ども未来局に子どものくらし支援担当課を新設し、子どもの
貧困対策計画を推進する体制を強化するなど、これまでの札幌市の取り組みについては一定の評価をしているところであります。
しかしながら、札幌市の子どもの
貧困対策は緒についたばかりでありまして、国に支援を求めながら、引き続き取り組みを強化していくことが必要であると考えます。
そこで、質問ですが、当該要望項目において、子どもの
貧困対策をどのように位置づけているのか、伺います。
◎芝井 政策企画部長 子どもの
貧困対策の位置づけについてお答えいたします。
今回の重点要望における子ども・
子育て支援の充実・強化に係る要望につきましては、人口減少や少子化といった札幌市に特徴的な行政課題に即して、できるだけ具体的な内容を国に要望することが効果的であるとの考えのもとで要望項目を選定したところでございます。
今回要望いたします児童相談所の設置、運営に対する支援や国による
子ども医療費助成制度の構築などは、さまざまな困難を抱えている子どもや家庭に対する相談体制の充実や
経済的負担の軽減につながるものと考えておりまして、子どもの
貧困対策にも大きく資するものと認識しております。
◆岩崎道郎 委員 中身は資するものがあるということ、これは私も十分に理解いたします。ただ一方で、子どもの貧困というキーワードをしっかりと伝えていくことにも一つ大きな意味があるのかなというふうに思っております。生まれた家庭によって、その環境によって未来が大きく制約されてしまう、こういった子どもたちを一人でもなくしていくという取り組みは、ゼロになるまでとことん続けなければいけないものだというふうに思っております。
そして、子どもの貧困というのは、子どもとはついていますが、当然、その根っこには家庭の貧困が必ず横たわっているのだというふうに思っています。そして、今や、子どもの貧困は、金銭的な部分だけではなくて、例えば、社会からの孤立とか、必要な情報がなかなか手に入れられないといったさまざまなところも貧困というふうに捉えることができるのかなというふうに思っております。ぜひとも、引き続き、さまざまな角度から国としっかりと連携していただいて、必要な支援、必要な人方に届くような取り組みを進めていただけるよう求めておきます。
次に、介護基盤の充実について、2点伺いたいと思います。
団塊の世代が全て75歳以上となるいわゆる2025年問題、これは、我が国において非常に大きな課題でありますが、当然、札幌市においても今後急速に高齢化が進展することが見込まれており、介護基盤の整備は今後のまちづくりを考える上でも大変重要な行政課題であると考えています。このような点を踏まえますと、今回、札幌市の独自要望として新たに介護に関する項目を加えたことは、非常に重要な視点であると考えます。
そこで、質問ですが、新規項目として介護に関する要望を盛り込んだ意図を確認しておきたいと思います。
◎芝井 政策企画部長 要望の新規項目として介護に関する事項を盛り込んだ意図についてお答えいたします。
札幌市におきましては、今後、全国と比べて、急速に高齢化が進展するとともに、単身高齢世帯数が年々増加して、2025年にはおおむね8世帯に1世帯が高齢単身世帯となることが予想されておりまして、介護や医療の需要はますます増加するものと見込まれているところでございます。
こうした課題に的確に対応するためには、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるように、地域包括ケア体制の充実を図るとともに、ますますふえる介護ニーズに対応するために介護人材の確保などが一層重要になってくるものと認識しております。
このような観点から、介護基盤の充実強化について、国に対して必要な支援を強く求めることとしたものでございます。
◆岩崎道郎 委員 もう本当に、これから人口が減っていくという局面に入りながら、それに加えて急激に高齢化も進んでいくという課題認識は非常に深いものがあろうかと思いますが、これを新たに要望項目に加えたということは時宜にかなったものであるかなというふうに私も感じていますし、評価できるところかと思っております。
高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けるためには、要望文にもあるとおり、住まい、医療、介護、介護予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケア体制の充実が急務です。私たちも、この間、選挙が終わったばかりですので、かなり地域を訪問して回らせていただきました。10の扉があれば10のそれぞれの問題があるというのは当然のことですが、特に高齢者の皆さん、おひとり暮らしの方々、そういった方々に出会うと、本当に多様でさまざまな問題を抱えているということを私たちは身にしみて感じているところです。ぜひとも、一人一人の生活に寄り添うような札幌市独自の介護に関する取り組みも進めていただきたいと思っております。やはり、地域の方々をしっかりと支えていくという観点では、これから非常に重要な仕事がふえていくのかなというふうに思っております。
そこで、2点目の質問ですけれども、地域包括ケア体制の深化・推進に係る支援の充実に関する要望について、その趣旨を伺いたいと思います。
◎芝井 政策企画部長 地域包括ケア体制に係る要望の趣旨についてお答えいたします。
地域包括ケア体制の強化に向けて、データに基づいて地域課題を分析し、施策に反映するなど保険者機能の強化を図り、高齢者の自立支援や重度化防止に向けた取り組みを推進していくことが、平成29年度の介護保険法改正によって制度化されたところでございます。
札幌市におきましても、高齢社会に対する市民意識や介護サービスの利用状況など、高齢者の実態把握に努めているところでありますが、身近な地域におけるより高度な課題などの調査・分析を行うために、国に対して専門的なノウハウの提供や財政的な支援などを要望するものでございます。
また、自立支援や重度化防止に向けた取り組みを進める上では、高齢者が要介護状態にならないように、介護予防や日常生活を支援する生活援助などのサービスを提供する
地域支援事業が重要でございます。この
地域支援事業につきましては、国の負担額に上限が設けられておりますことから、地域の実情に応じて多様なサービスが提供できるよう、必要な
財政措置を求めるものでございます。
◆岩崎道郎 委員 これからもさまざまな取り組みをどんどん進めていただきたい。そして、市長が施政方針で掲げておられました、安心して暮らせる強く優しいまちというこの言葉は、非常にいい言葉だなと思います。どなたでもそうですけれども、やはり、高齢者の皆さんが安心して暮らせるために、この方々を強く優しく見守るのは誰かということになりますと、今回の要望の3番の介護人材というところに言及がありますように、介護の現場を支える介護職員の方々もしっかりと支えていく必要があるのかなというふうに感じております。今回、保育士の処遇ということに関してはかなり踏み込んでいただいているので、我々も非常に大きく評価しておりますが、今後は、介護士、介護の職場で働く皆さんに対しても、札幌市でできる限りお支えをしていただきたいなというふうに思っております。
これから、必ず急速な高齢化に直面する札幌市です。これは逃げることができないと思います。こういった新たに盛り込んだ要望項目は、いずれも非常に大事な視点であることから、国に札幌市の現状をしっかりと伝え、必要な支援を求めながら、引き続き取り組みを推進するよう求めて、私の質問を終わります。
◆森山由美子 委員 私からは、まず、先端技術の導入による除排雪の効率化について伺いたいと思います。
要望事項の5番目のSociety5.0の実現に向けた支援策の拡充にかかわる質問でございます。
人口減少や
少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少が叫ばれる中、業種を問わず、人手不足が大きな課題となっております。特に、建設業については、道路などの都市基盤整備で市民生活を支えているばかりでなく、冬期間は市民の暮らしを守るためにきめ細やかな除排雪作業をしております。しかし、その担い手については、人材不足の傾向が著しく、北海道労働局が発表した本年4月の建設業の有効求人倍率は3.41倍と非常に高く、深刻な状況にあります。さらに、高齢オペレーターからの技術伝承の問題、また、かき分け除雪後の間口除雪が困難になってきているといったこと、さらに、年々上昇する除雪費への対応など、次から次へと課題が噴出し、一刻も早く除排雪の抜本的見直しを行わなければならないと考えているところです。
こうした中、AIを活用した除排雪の効率化に係る取り組みを札幌市が進める点については、まさにSociety5.0に向けた地域初の取り組みということで評価いたします。
そこで、質問ですが、除排雪の効率化に向け、どのような体制とスケジュール感で研究を進めていくのか、伺います。
◎芝井 政策企画部長 除排雪の効率化についての研究体制とスケジュールについてお答えいたします。
札幌市では、今年度から3年程度かけて、除排雪やごみ収集など人間の経験やノウハウに頼った労働集約型の業務につきまして、近年、技術革新が進んでおりますAI技術を活用して効率化につなげる取り組みを行う予定でございます。
そのうち、特に除排雪につきましては、担い手でありますオペレーターの不足のほか、労務単価の上昇に伴う費用の増加、排雪に必要なダンプトラックの確保など、さまざまな課題を抱えている状況でございます。このため、AI研究の第一人者であります札幌市立大学の中島学長を中心とした新たな研究室を立ち上げて、多種多量のデータをコンピューターに学習させて分析する、いわゆるディープラーニングの手法を取り入れた研究を進めていく予定でございます。
今年度は、さまざまなデータを分析して研究項目の抽出を行って、次年度以降、除排雪作業の効率化に資する試作システムの構築や実証実験などを進めていく考えでございます。
◆森山由美子 委員 除排雪の効率化に向け、市立大学と連携し、今年度内に研究項目を抽出する予定であるとのことでした。
人手不足は全国共通の課題であり、建設業のような労働集約型の産業は抜本的な変革を求められる時期に来ていると考えております。AIやIoT、第5世代移動通信システム、いわゆる5Gなど、Society5.0の構成要素となる先端技術を使えば、除排雪の効率化はもちろんのこと、除雪車の遠隔操作や半自動化についても夢ではないと考えます。そのためにも、札幌市は、除排雪に関する先端技術と先端技術を生かすための地域内雪捨て場の拡大など、除排雪が円滑にできるシステムを提案することが必要かと思います。
先端技術については、雪や氷の影響を受けないセンシング技術や、熟練オペレーターのように除排雪機械を円滑に操作するためのフィードバック制御や家庭用の小型自動除雪機の開発などが考えられますし、先端技術を生かすための地域内雪捨て場については、自然エネルギーを活用した融雪槽などの開発も必要かと思います。一刻も早く、効率的な除排雪の実現に向けて、国や他都市、さらには民間企業が行う取り組みとも連携を図りながら、調査や研究を継続して行うことを求めて、次の質問に移ります。
次に、保育士等の処遇改善に向けた支援と札幌市の取り組みについて伺います。
要望事項の6番目に当たる部分でございます。
国の就業構造基本調査によれば、札幌市における女性の就業率は平成19年の46.0%から平成29年には47.5%に向上していること、また、
消費税増税に合わせて本年10月に幼保無償化の実施が見込まれていることなどにより、保育ニーズについては今後も上昇傾向が続くものと予想されます。
札幌市では、2018年度及び2019年度で合わせて4,000人分の保育施設整備を行うなど、保育の受け皿確保を進めていますが、先日の記者会見によると、各施設における保育人材の採用困難などにより定員割れ施設が増加しているとのことでした。私自身も実際に保育に携わる現場の方から相談を受けた事例では、ゼロから2歳児の保育においては、おむつがえやミルクなど途切れることなく業務が続いており、ひとりでそれらを一手に担わなければならないため、満足に休憩をとることもできない深刻な状況も多いと聞いております。整備した受け皿をしっかりと機能させるためにも、大事な将来を担う子どもたちの保育に携わる保育人材の確保が急務になっているところです。
そこで、質問ですが、今回の保育人材確保に係る要望について、その趣旨を伺います。
◎芝井 政策企画部長 保育人材の確保にかかわる要望の趣旨についてお答え申し上げます。
国の賃金構造基本統計調査によりますと、全職種平均の勤続年数が約12年でありますのに対して、保育士などは約8年と大きな開きがあり、離職率の高さが見てとれるところでございます。また、昨年度、札幌市が実施しました実態調査によりますと、保育士が職場への改善を希望することとしまして、給与などの待遇面の改善や勤務時の負担軽減につながる人員体制の強化を求める声が多くございました。
こうしたことから、保育士の人材確保と職場定着のためには、賃金体系のさらなる改善が重要であり、加算措置の引き上げなど処遇改善策の強化を国に要望するものでございます。
◆森山由美子 委員 人材確保とその後の職場定着のため、賃金体系の改善につながる加算措置の引き上げなど処遇改善策の強化を要望するとのことでありました。
賃金体系の改善により、現場の保育士の給与面での待遇改善は図られると思いますが、業務負担の軽減、また、子どもたちへの細やかな行き届いた保育という視点からも、支援スタッフを含めた職員数の確保は大変重要であります。
札幌市では、人材確保に向けた支援を展開しているところですが、こうした取り組みを引き続きしっかり、かつ迅速に進めていくこと、また、我が党としても、2006年に少子社会トータルプランで方向性を示し、子育て世代の切実な声を受けとめる中、実現する幼保無償化を目前に、さらなる問題意識を持ち、一層の充実した幼児教育の人材環境が確実に整いますよう強く求めて、質問を終わります。
◆佐藤綾 委員 2項目めの国道5号「創成川通」の機能強化の早期実現の中で、2の国道5号「創成川通」の計画段階評価の促進についてお伺いいたします。
一つ目に、札幌市では、北海道新幹線札幌延伸に向け、札幌駅周辺の再整備を展開していくとともに、国道5号「創成川通」の機能強化に関し、引き続き市民との合意形成に向けた取り組みを推進していくとあります。札幌駅周辺のまちづくりの図を見ると、都心に車の乗り入れをふやすことをイメージしているのではないかと感じますが、四つの案、地下整備案1,400億円、一部高架整備案1,250億円、上下線構造分離案1,100億円、現道活用案170億円があり、市民との合意形成に向けた取り組みを推進する中ではどのような取り組みを進めるのか、お伺いいたします。
◎芝井 政策企画部長 市民との合意形成についてお答えいたします。
現在、国が行っております計画段階評価は、都心アクセス道路に必要な道路機能を検討して、地域の意見なども踏まえて複数案の比較評価を行うものでございます。地域の意見の把握に当たりましては、国は平成30年10月から11月にかけて、地域住民を対象としたアンケート調査や自治体へのヒアリングなどを実施いたしました。札幌市では、これと並行して区民センターや地下街でオープンハウスなどを開催して、市民との対話に努めてきたところでございます。
札幌市といたしましては、今後も引き続き、検討段階に応じて市民の皆様へ丁寧な情報提供を行いますとともに、重視すべき点や配慮すべき点などの市民の声に耳を傾けるなど、市民との合意形成に向けた取り組みを進めながら、国や北海道とも連携して道路の計画について検討してまいりたいと考えております。
◆佐藤綾 委員 これまでもオープンハウスやパネル展、ワークショップ、アンケートなどを実施してまいりましたけれども、この間、議会で指摘されている高架化や地下構造でのデメリット、地震や豪雨災害時の安全性、渋滞のランクの低いことなどからも、必要性や効果の根拠が不十分だと思われます。
4月の地方選挙で争点となったのが、この都心アクセス道路です。大きく報道され、市民からは数分の短縮に4キロメートルで1,000億円以上もかかる大型道路に批判的な声も少なくありません。短縮され、CO2が削減されると市は言いますけれども、車の乗り入れがふえるのであれば、逆に低炭素化とならないのではないか、知らなかったと驚く声も多く、肝心の市民の合意はとれておりません。四つの案のどれかを推進したいという立場でなく、市民に広く、また正確な情報を誠実に提供することが合意形成の大前提であるべきと申し上げます。
次に、都心と高速道路間のアクセスを強化し、札幌都心と北海道全域がつながる広域的な交通ネットワークの形成を早期に図り、北海道新幹線札幌延伸の開業効果を全道に波及させるためにも、国道5号「創成川通」の計画段階評価の促進を要望というところについて質問いたします。
北海道新幹線札幌延伸の開業効果の全道への波及について、アクセス道路との関係ではどのような波及となるのか、お伺いいたします。
◎芝井 政策企画部長 北海道新幹線札幌延伸の開業効果の波及についてお答えいたします。
国が行っております計画段階評価では、北海道新幹線札幌延伸の開業や札幌の都心周辺の再開発に伴う交流人口の増加によりまして、観光需要のさらなる増加が想定されているところでございます。都心と高速道路のアクセスを強化して、この効果を、札幌のみならず、全道各地にも波及させることで、北海道全体の成長力を牽引するものと考えております。
◆佐藤綾 委員 北海道新幹線は、開業の2016年度に54億円、2017年度に98億7,700万円の赤字で、JR北海道が開業前に3年間で150億円の赤字と試算していた額を2年で上回りました。その影響で経常赤字が過去最高となり、JRはこの10月から札幌市内で30%以上もの運賃値上げを表明して、市民に重い負担となることは否めません。新幹線延伸でも赤字が続くと、市民へのさらなる負担増となりかねません。赤字の場合、それを上回る経済的効果があるのか、また、新幹線開業効果を都心アクセス道路で北海道全体に波及するという点でも、しっかりとした裏づけ、根拠をもとに市民への説明が必要です。
市民の合意を得ていないということからも、一旦、要望を取り下げ、市民に問うことも検討すべきではないかと申し上げ、質問を終わります。
○伴良隆 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○伴良隆 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、本日の委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後3時58分...