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  1. 札幌市議会 2018-12-11
    平成30年(常任)経済観光委員会−12月11日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2019-11-22
    平成30年(常任)経済観光委員会−12月11日-記録平成30年(常任)経済観光委員会  札幌市議会経済観光委員会記録            平成30年12月11日(火曜日)       ────────────────────────       開 会 午後0時59分     ―――――――――――――― ○佐々木みつこ 委員長  ただいまから、経済観光委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、議案第1号 平成30年度札幌市一般会計補正予算(第5号)中関係分を議題とし、理事者から補足説明を受けます。 ◎金谷 雇用推進部長  議案第1号 平成30年度札幌市一般会計補正予算(第5号)のうち、経済観光局関係分についてご説明いたします。  1点目は、歳入歳出予算の補正についてです。  議案の14ページをごらんください。  9段目の第6款 経済費 第2項 農政費 第1目 農務費を2,500万円増額するものでございます。これは、北海道胆振東部地震及び台風21号により被災いたしました農業施設及び畜産施設を復旧するためにかかる費用の一部を補助するものでございます。  次に、債務負担行為の補正についてです。  24ページをごらんください。  3段目の若年層ワークトライアル事業につきまして、受託事業者の参加及び競争性を確保するため、事業の開始時期を9月より年度当初に変更することから、平成31年度の債務負担行為5,200万円を設定するものでございます。 ○佐々木みつこ 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆しのだ江里子 委員  私は、若年層ワークトライアル事業について質問させていただきます。  近年の雇用情勢は有効求人倍率が1倍を超えるなど非常に改善が続いており、若年層についても、大卒の直近の就職率が、全国では調査を始めた1997年以降最高となる98%になりまして、北海道でも94.8%ということで、いわゆる売り手市場が続いている状況だと思います。
     しかし、就職したものの、就職後3年以内に離職する割合は依然として全国よりも約5ポイント程度高くなっておりまして、若年層の非正規就業者の割合も高い状況が続いており、若年層が安定した仕事につき、しっかりと収入を得て生活するということは、地元定着にもつながることから、若年層ワークトライアル事業は大変重要な取り組みであると認識しております。  先日、今年度の若年層ワークトライアル事業の進捗状況をお聞きしましたところ、9月から11月までの期間で、研修生70名の定員に対して114名の申し込みがあったということで、正社員就職を目指している方々からのニーズが非常に高く、数多くの若年者が必要としている事業と考えています。  一方で、2017年度の実績を確認したところ、研修生90人中50人が正社員就職しており、一定の成果を上げていることは理解しますけれども、研修期間中に正社員につけなかった方が、少なからずというか、かなりの数に上っていると思われます。  そこで、質問ですが、若年層ワークトライアル事業の実施に当たり、昨今の雇用情勢を踏まえて見えてきた課題、また、その課題に対する取り組みについて、あわせて伺います。 ◎金谷 雇用推進部長  若年層ワークトライアル事業における課題とそれに対する取り組みということでございます。  全般的に雇用情勢は改善しておりますけれども、職種によって求人倍率に大きな差があり、求職者と企業とのマッチングを行っていく上で、求職者の職業観を広げていくことが課題であると認識しております。実際に働いていらっしゃる先輩社員の声を聞いていただくような機会をふやすことによって、働くイメージがより鮮明となるような取り組みを進めているところでございます。  また、今年度のワークトライアル事業におきましては、定員90名で、45名ずつ二つのコースの受託事業者を公募しておりましたが、残念ながら、当初は、事業実績がない一つの事業者からしか応募がございませんでした。事業実績のある複数社にヒアリングいたしましたところ、年度後半からの事業では、運営スタッフが確保できないというようなことでございました。もう1事業者を選考するために事業実施期間を短縮するなどの工夫を行いまして、1カ月おくれで何とかもう一つの事業者を確保したところでございます。こうしたことから、受託事業者の参加をふやして競争性を確保していくことが課題であるというふうに認識しております。  こうしたことから、本提案のとおり、事業開始時期を年度当初に変更いたしまして、事前に公募することにより対応してまいりたいということでございます。 ◆しのだ江里子 委員  見えてきた課題、そしてまた、その課題に対する取り組みの中で、職種によって非常に有効求人倍率に差があること、そして、やはり求職者の職業観を広げていくことがとても大切なのだということが見えてきます。そしてまた、今のご答弁の中でも、受託事業者の確保について、やはり、年度後半からというのは厳しい状況であることがわかったわけです。一般事務などの職種は本当に人気が高い一方で、現場の建設や介護といった職種になりますとなかなか人材不足が顕著でありまして、求職者がさまざまな職種に興味が湧くよう、求職者、そしてまた企業の双方にとってよりよい事業となるように目指していただかなければならないと思います。また、受託事業者の確保についても、やはり事業者の体制を十分に把握した上で取り組んでいただきたいと思います。  ところで、札幌市では、この事業のほかに、2014年から、新卒時に就職できなかった若年層を支援対象として、正社員就職を目指すフレッシュスタート塾事業を札幌市の独自予算で実施しておりまして、私は大いに評価してまいりました。両事業は、支援対象者以外の実施内容、そしてまた、具体的には座学研修や職場実習を通じて正社員就職を目指すといったプログラムが類似しておりまして、次年度事業の開始時期をどちらも年度当初にするということでありますと、それぞれの事業の特徴が十分に生かされるのかと懸念するところです。  そこで、質問ですが、若年層ワークトライアル事業とフレッシュスタート塾の両事業がより効果的に行われるため、どのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎金谷 雇用推進部長  ワークトライアル事業とフレッシュスタート塾事業について、より効果的に行われるためにどのように取り組むのかというようなご質問だと思います。  委員がご指摘のとおり、両事業は、何らかの事情で正社員就職をしていない若年層の方を対象に、きめ細かく支援することによりまして市内企業への正社員就職を目指すという目的は同じでございます。ただ、対象とする年齢層、実施期間など、事業の枠組みに相違がありまして、それぞれ実績を上げてきたところでございます。  どちらの事業につきましても事業開始時期を年度当初といたしますことから、今後の運営につきましては、事業の一体的な実施も視野に入れながら、効率的・効果的な運営となるよう鋭意検討いたしまして、より成果が出るような取り組みとなりますよう進めてまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  まさに、売り手市場と言われながら、実際には就職できない新卒者がいらっしゃって、そして、正社員を希望しながら、非正規就業者も多くいるということがこの札幌の実情であると思います。今のご答弁の中に一体的実施も検討してという言葉もありましたが、より成果が上がるようにしっかりとした運営方法を検討していただきたいと思います。  また、現在の両事業ですと、おおむね35歳までが支援対象者となっておりますけれども、就職氷河期で就職活動を行い、雇用改善の恩恵を受けていない40歳前後の求職者や非正規就業者も多くいるために、こういった方々への支援についてもぜひ検討していただきたいと思います。  当事業での正社員就職を通じて地元に定着する若者がふえていくことを強く期待して、質問を終わります。 ○佐々木みつこ 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○佐々木みつこ 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○佐々木みつこ 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第1号中関係分を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○佐々木みつこ 委員長  異議なしと認め、議案第1号中関係分は、可決すべきものと決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時10分       再 開 午後1時12分     ―――――――――――――― ○佐々木みつこ 委員長  委員会を再開いたします。  次に、議案第3号 平成30年度札幌市高速電車事業会計補正予算(第2号)を議題とし、理事者から補足説明を受けます。 ◎吉江 技術担当部長  議案第3号 平成30年度札幌市高速電車事業会計補正予算(第2号)について補足説明いたします。  これは、事業者に十分な準備期間を確保させるため、早期の契約が必要な駅設備等の保守業務について、平成31年度から平成34年度までの事業費36億1,200万円の債務負担行為を設定するものでございます。 ○佐々木みつこ 委員長  それでは、質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○佐々木みつこ 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○佐々木みつこ 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第3号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○佐々木みつこ 委員長  異議なしと認め、議案第3号は、可決すべきものと決定いたしました。  最後に、路面電車事業の上下分離についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎渡邉 事業管理部長  私から、路面電車事業の上下分離につきまして、お手元の資料に沿ってご説明させていただきます。  まず、1ページ目の1 上下分離の導入検討までの経緯・背景をごらんください。  本市の路面電車事業は、厳しい経営状況が続いていたため、存廃議論が行われましたが、平成17年に事業の存続を決定いたしました。その後、札幌市路面電車活用計画(ループ化編)を平成24年度に策定し、上下分離の導入を含めた持続可能な経営形態への見直しを検討していくこととなり、同計画の策定後、その経営形態として、平成30年代前半に上下分離を導入することといたしました。  次に、2 経営形態の検討についてでございますが、これまで、路面電車事業の存続に関しまして、表に記載のとおり、経営形態の比較検討を行いました。その結果、収支採算性の確保や安全管理体制の維持・継続、路面電車のまちづくりへの活用などの観点から、先ほども申し上げましたけれども、上下分離を導入することが適切と判断したところでございます。  次に、3 上下分離の仕組みについてをごらんください。  左側のイラストにありますとおり、現在は交通局が運送や施設、車両の維持管理、保有、整備などを一体として行っておりますが、上下分離後は、右側にありますように、運送や施設、車両の維持管理は上の運送事業者が担い、施設、車両の保有、整備は整備事業者である交通局が引き続き担うことになります。  次に、資料の右側に移りまして、上下分離導入の手続(特許取得)についてをごらんください。  上下分離の導入には、運送と整備の事業者それぞれが、地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づき、国の特許を取得する必要がございます。その特許取得の手続といたしましては、平成25年に国土交通大臣の認定を受けました札幌市軌道運送高度化実施計画につきまして、上下分離を導入する旨の計画変更を申請し、国土交通大臣の認定を受けることになります。  次に、4 札幌市の上下分離についてをごらんください。  まず、札幌市路面電車事業の現状と課題でございますが、これまで、活用計画に基づき、ループ化や低床車両の導入などを実施し、利用者数の増加などの効果が生じてはおりますけれども、収支は、依然、赤字基調が続いております。また、安全管理体制の確保や非常勤職員制度改革への対応など新たな課題も生じていることから、これらの課題を早期に解決するためには、上下分離の導入が必要であると考えてございます。  次に、上下分離の導入時期についてでございますが、経営効率化の速やかな実現や将来にわたる安全管理体制を確保していくために、運行管理員の確保や技術職員の技術継承など、これらの取り組みを早期に実施する必要があることから、平成32年、2020年4月に上下分離を導入することを考えてございます。  次に、資料の2ページにお移りください。  上下分離により実現、維持が可能となる効果や取り組みでございますが、ここの囲みにありますとおり、上下分離により実現可能となる効果や取り組みにつきましては、3点ございます。  まず、1点目といたしまして、経営基盤の強化が図られると考えておりまして、運送事業に特化した経営や経費、人件費の縮減が可能となることで経営効率化につなげることができると考えてございます。  また、2点目は、安全管理体制の確保ですが、運行管理員の確保や非常勤運転手の身分安定などが図られ、また、施設、車両の維持管理に関しては、技術を習得した職員の継続的な配置などが可能となります。  3点目といたしまして、新たな事業展開による収益向上、利用者サービスの向上ということで、運送事業者につきましては、地方公営企業法の制約がなくなることで新たな事業の展開が可能となります。  なお、その下にあります上下分離の導入により維持できる効果や取り組みについてですが、交通局が施設整備を担いますので、路面電車のまちづくりへの活用など、引き続き市の施策に沿った取り組みが可能となります。  次に、運送事業の担い手をごらんください。  上下分離後は、運送と整備の事業者が分かれることになりますので、安全運行の確保のためには、両事業者間での密接な連携が必要となります。札幌市交通事業振興公社は、交通局所管の出資団体であり、非常勤運転手の移籍の協議などを円滑に進めることができることや、これまでの交通局との人事交流や業務の実績が豊富であり、非常時対応も含め、日常の業務連携がスムーズに行えると考えております。さらには、札幌市からのまちづくりの求めに対して協力を得ることも可能であり、同公社が運送事業の担い手として最も適切であると考えたところでございます。  なお、下に、参考として、平成28年度に実施いたしました民間鉄軌道事業者への参入意向調査の結果を記載してございます。こちらは、日本政策投資銀行に委託して民間鉄軌道事業者27社に対してヒアリング調査を実施したもので、各社とも、不動産事業などの兼業事業を重視していることや、積雪寒冷地での運行に懸念があることなどにより、参入意向を示す事業者はいなかったものでございます。  資料の右側に移りまして、上下分離後の収支について、そのスキームを収支モデルで説明いたします。  1の矢印のとおり、運送事業者は、乗車料等の収入を得て運送業務等を行い、2の矢印のとおり、交通局が所有する施設を使用する対価として施設使用料を交通局に支払います。この施設使用料は、吹き出しに記載のとおり、交通局が施設、車両の保有、整備と維持管理を行うために必要となる費用を算入しています。そして、交通局は、この施設使用料や3の矢印にある一般会計からの補助金等を得て施設、車両の保有、整備を行い、4の矢印のとおり、元利償還金等の支出や、5の矢印のとおり、施設、車両の日常的な維持管理のための維持管理費を運送事業者に支払います。そして、6の矢印のとおり、運送事業者は、運転手などの人件費や動力費、維持管理費などを支払うという流れになります。  表に記載している金額は、上下分離後26年間の平均の概算値でして、これらを整理いたしますと、運送事業者の収支は平均して2,000万円の黒字、交通局の収支は1,500万円の黒字となります。  次に、乗車人員と乗車料収入の推計ですが、まず、算定方法といたしましては、平成28年度に実施した利用実態調査の結果や国立社会保障・人口問題研究所が公表している札幌市の将来人口推計等に基づき、乗車人員を推計いたしました。その算定結果でございますが、現在の利用者が増加傾向にあることや中央区人口推計の伸び等を考慮しまして、平成42年度、2030年度まで利用者は増加いたしますが、それ以降は緩やかに減少していくものとなってございます。  次に、3ページ目に移りまして、収支推計の結果をごらんいただきたいと思います。  この収支推計は、前提条件として、人件費については非常勤運転手の移籍による効果等を織り込んでおり、また、経費や建設改良費などにつきましては、次期経営計画なども踏まえた支出を収支に反映させて推計しております。  それでは、まず直営継続の収支と、交通局及び運送事業者の収支を合算した上下分離の収支の比較についてでございます。  直営継続の収支は、点線の折れ線グラフであらわしておりますが、上下分離後26年となる平成57年度、2045年度では、約3億円の累積欠損金が残ります。一方、上下分離の収支は、実線であらわしておりますが、人件費の水準が下がるため、平成57年度、2045年度には、利益剰余金が約7億円となり、差し引くと約10億円好転する見込みとなっております。  次に、運送事業者と交通局のおのおのの収支でございます。  運送事業者の収支は、右側のグラフでは実線であらわしておりますが、平成32年度、2020年度の事業開始から黒字を維持し、平成57年度、2045年度には利益剰余金が約4億円まで増加する見込みです。  交通局の収支は、点線であらわしておりますが、平成29年度の累積欠損金約4億円が上下分離の前後で技術継承に係る費用等がかさむことにより一時的に増加するものの、平成38年度、2026年度以降は、経常収支が黒字となり、平成50年度、2038年度には累積欠損金を解消する見込みとなってございます。  なお、これらの収支につきましては、新年度予算編成前に整理したものでございますことから、今後、新年度予算の数値に置きかえて整理する予定でございます。  次に、安全管理体制の確保をごらんください。  上下分離への移行時は、現行の運行体制と同じ体制を維持することで安全運行の確保を図ってまいります。また、移行後は、交通局の職員が運送事業者において採用した職員に技術を継承し、運送事業者みずから体制を維持できるように人材育成を図ってまいります。  その下にあります組織の移行イメージ案ですが、左側の図は現行の電車事業所の組織体制でして、上下分離への移行後は、右側の運送事業者の組織イメージに移行することとなり、基本的に同じ体制を維持することを想定しております。  次に、資料の右側に移りまして、移行時の体制確保の手法をごらんください。  上下分離への移行時は、安全に関する責任者や運行管理員などの正職員を運送事業者に派遣し、また、非常勤運転手を運送事業者に移籍するなど、現行の運行体制と同じ体制を維持することで安全運行の確保を図ってまいります。  次に、移行後の技術継承でございますが、運輸部門の技術継承については、現在、非常勤運転手は運転指導員などとして育成を行っており、また、将来の運行管理員候補としての研修も行っております。このため、移行後は、これらの非常勤運転手の移籍により、運輸部門の技術がそのまま引き継がれるとともに、運行管理員の確保が図られるものと考えてございます。また、技術部門につきましても、上下分離後は派遣職員が運送事業者の採用職員に指導、教育を行い、技術継承を行ってまいります。  次に、利用者サービスについてでございますが、上下分離後も乗車料金などの利用者サービスは現行と同じ水準を維持していきたいと考えております。また、地方公営企業法などの制約や限界がなくなるため、特定の利用者への割引などのサービスも可能となります。さらには、新たな運送事業者による新たな発想に基づく事業展開も期待されるところでございまして、上下分離導入までには、公社とともに今後の取り組みについて検討してまいりたいと考えてございます。  最後に、5 今後のスケジュールについてでございます。  本日、上下分離について説明させていただきましたが、この後は、12月下旬から1月下旬にかけまして、市営企業調査審議会交通部会におきまして、本日と同様の説明を行い、ご審議いただきます。また、軌道運送高度化実施計画の変更申請をするには上下分離導入に関する議決が必要になることから、来年の第1回定例市議会におきまして同計画の変更申請のための議案を提出する予定でございます。そして、3月には交通局と運送事業の担い手との連名で同計画の変更申請を行い、その後、国土交通省において審査が開始され、計画の認定は平成31年、2019年の秋ころを見込んでございます。また、来年の4定におきましては、関係する条例の改正案を提出し、平成32年、2020年4月から上下分離を導入する考えでございます。 ○佐々木みつこ 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆村山拓司 委員  私からは、上下分離について、経営の観点から質問させていただきます。  路面電車事業の経営のあり方については、我が会派がこれまで再三にわたって取り上げてきており、経営形態を変更し、上下分離を行うことを条件としてループ化の合意をしたところでありました。  平成26年第1回定例市議会において、我が会派の小竹議員からの代表質問に対して、当時の市長から、路面電車の経営に当たっては効率的な運行と利用者サービスの向上を図ることが必要で、これらを両立できる上下分離が持続可能な経営形態であると判断したとの答弁がありまして、これまで交通局において平成30年代前半の導入に向けて具体的な検討が行われてきたのだと思います。また、ことしの第3回定例市議会決算特別委員会では、具体的な導入時期などが示されたところでありますが、上下分離は、路面電車事業の経営改善のために導入するものであり、上下分離後において収支状況が改善していくことが絶対条件になると考えます。  今回の交通局からの説明において、上下分離後の収支推計についても説明がありましたが、運送事業者は概算で年平均2,000万円の黒字で、2045年度には運送事業者の利益剰余金が4億円まで増加するということでありまして、上下分離を行うことで、直営継続の推計と比較して利益剰余金が10億円好転するとのことでありました。また、人件費の水準が下がることで収支が改善していくとの説明がありましたが、運送事業者が支払う7億円の施設使用料については、札幌市の軌道事業会計ではこれまでなじみのない概念であって内容が判然としないため、その積算の考え方などを明らかにしておいたほうがよいと思います。  そこで、質問ですが、運送事業者が交通局に支払う施設使用料とは、どのような趣旨の費用であって、その内訳はどのようなものなのか、お伺いします。 ◎渡邉 事業管理部長  施設使用料の趣旨等についてというご質問でございましたが、路面電車に関する施設、車両は交通局が保有しているため、運送事業者は、これらを交通局から借り受けて運送事業を担うこととなります。施設使用料は、これらの施設や車両を使用する対価として運送事業者が交通局に支払う使用料というものでございます。  この施設使用料の積算の基本的な考えといたしましては、停留場の改修など、交通局が行う施設の建設改良に要した費用などを全て算入することとしておりまして、その内訳といたしましては、交通局が借り入れた企業債の元利償還金、交通局が支払う人件費や事務費、施設、車両の保守点検などの費用が含まれるものでございます。このような内容で施設使用料を設定することで、交通局といたしましては、施設整備に要した費用を回収できるとともに、運送事業者といたしましても、施設整備の業務負担がなくなり、適正な水準での費用負担となることから、双方の収支採算性が図られるものと考えてございます。 ◆村山拓司 委員  施設使用料は、交通局が借り入れた企業債の元利償還金や施設、車両の保守点検などに要する費用を算入しており、この施設使用料のやりとりを通じ、交通局も運送事業者も収支採算がとれるとのことでありました。
     しかし一方で、今回提示された上下分離後の収支推計は、あくまでも一定の条件のもとに行った推計にすぎず、上下分離後26年の長期にわたる推計であるため、今後の経済情勢や社会情勢の変化などの影響によって実際に決算がどのように推移していくかは不透明であります。そのため、交通局と運送事業者のそれぞれが、例えば、10年程度といった中期の経営に関する計画を策定して路面電車事業に係る経営の方向性を定めるとともに、収支目標などを設定して運送、整備の各事業者が責任を持って経営に当たるべきだと考えます。さらには、経営計画で設定した収支目標どおりに進捗しているか、随時、検証を行っていく必要があると思います。  そこで、質問ですが、上下分離後における運送事業と整備事業のそれぞれの経営について、経営に関する計画などの策定や検証といった点を含め、どのように行っていきたいと考えているのか、お伺いいたします。 ◎渡邉 事業管理部長  上下分離後の各事業者における経営計画の策定、検証ということでございます。  まず、交通局では、現在、平成31年度を初年度といたします10年間の次期経営計画の策定に向けて作業を行っているところでございます。この中で、路面電車事業につきましては、上下分離を前提に整備事業者として効率的な経営と輸送の安全を両立させる計画とすることとしてございまして、計画に掲げる収支目標について、毎年度、その結果を検証していくこととしております。次に、運送事業者となる札幌市交通事業振興公社におきましても、次期の経営計画の策定を検討することとしておりまして、同公社は本市の出資団体でもありますことから、その経営状況については、交通局としてもしっかりと確認していくことになります。  いずれにいたしましても、上下分離の導入後におきましては、交通局、同公社におきまして、収益の改善や費用の検証などを行いまして健全経営に努め、路面電車事業を将来世代に継承していきたい、このように考えてございます。 ◆村山拓司 委員  路面電車事業の経営に関する計画は、今後、交通局と運送事業者のおのおので策定して、経営状況についても、毎年度、検証を行っていくとのことでありました。我々としても、上下分離後の経営が順調に推移していくことを期待しておりますが、そのためには収支状況をしっかりと検証していきたいと考えております。  また、将来的に、運送事業は札幌市交通事業振興公社が経営していくのではなく、収益の改善と市民サービス、利用者サービス拡大に向けて、新会社を設立するなど組織改革を図ることも重要であります。今回の上下分離は、導入して終わりではなく、路面電車事業を将来にわたって経営していくための第一段階のステップであると捉え、継続して収支改善の意識を持ち続けていかなければならないことを指摘して、質問を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私は、上下分離の導入に関して、3点質問させていただきます。  まず、運賃改定について伺いたいと思います。  交通局では、2012年に策定した札幌市路面電車活用計画の中で、新たな設備投資を必要とするループ化、低床車両導入、既設線の機能強化は、国の補助金を活用しながら税負担により整備する、そして、利用者へのサービス水準の維持を図るための費用や施設の老朽化対策に伴う費用などを乗車料収入で負担するとして、経営の効率化や運賃の見直しにより事業の収支不足を解消していくことと整理しています。その中でも、健全な経営の確立に向けた適正な運賃水準への見直しとして、2017年度に25年ぶりとなる路面電車の運賃本改定を実施しております。170円の運賃から200円へ30円の値上げというのは、市民生活に大きな負担を強いるものであるため、交通局では、札幌市企業調査審議会や議会での審議を丁寧に行うなど、慎重に手続を進めていたと認識しております。  私は、このような形で行った運賃本改定が、どの程度市民生活に影響があったのか、まずお聞きしたいと思います。  そこで、初めに、2017年度に実施した路面電車の運賃改定後の乗車人数、そして、この運賃改定の実施に伴い、2017年度の決算はどのような状況になったのか、伺います。 ◎渡邉 事業管理部長  さきの運賃本改定後の状況ということでございましたが、運賃改定後となります2017年度の乗車人員は、1日平均2万4,238人となりまして、対前年度比で2.5%の減少となったところでございます。この減少した理由につきましては、さまざまな要因が考えられますが、運賃本改定のほか、大通公園で行われた大規模なイベントの来場者数が減少したことや、冬期間の積雪が前年度と比較して少なかったことなどが影響したものと考えてございます。  一方、2017年度の決算でございますが、運賃本改定による乗車料収入の増が人件費や経費等の増を上回りましたことから、約1,600万円の純利益を計上して4年ぶりに黒字となっており、一定の収支改善が図られたと考えてございます。  なお、運賃改定に伴う市民生活への影響についてでございますが、定期の利用が通勤・通学ともに前年度比で増加となっていることから、この運賃改定の影響は限定的なものと認識してございます。 ◆しのだ江里子 委員  2017年度においては、乗車人員が1日平均2万4,238名で、残念ながら対前年度比で2.5%減少したということでしたけれども、決算としては1,600万円の純利益があったということで、一定の収支改善は図られているというご答弁を今いただきました。収支は4年ぶりに黒字へと好転しておりますし、定期利用なども非常に多くなっていることがはっきり見えておりますので、引き続き経営の効率化に努めていただいて、さらなるサービスアップに向けた取り組みを充実させていただきたいと思います。  次に、上下分離の導入に関して、分離後の運賃改定のあり方について伺いたいと思います。  ご説明によりますと、交通局は、これまで、公営企業として運賃改定も行いながら独立採算の経営を行ってきましたが、上下分離後は、安全運行はそのままに、経営が改善され、2045年度には利益剰余金が約10億円好転する見込みであり、乗車料金や運行ダイヤなどの利用者サービスについては現行と同じ水準を維持していきたいということでした。まさに、路面電車事業を将来世代へ継承可能になるということだと思います。  交通局では2017年度に運賃本改定を実施したばかりですので、当分の間は本改定する見通しはないものと思われます。ただ、先ほど村山委員からのお話にもありましたように、将来の景気動向や人口構造の変化など、当然、不透明な部分もさまざまにありますので、こういった場合、運賃改定を行わなければならない時期が来ることも考えられますが、新たな担い手となる運送事業者の判断で乗車料金が値上げされるようなことになりますと、市民にとっては想定外のこととなってしまいます。とはいえ、運賃改定を行うには国土交通省の認可が必要となることから、容易に改定できるものではありませんが、路面電車は市民の大切な足であり、運賃改定により利用される市民の生活に影響が及ぶことを考えますと、将来、このことが具体的問題となった場合、札幌市としても何らかの関与を行う必要があると考えます。  そこで、質問ですが、将来、公社が運賃改定を行わなければならない状況となった場合、交通局としてどのような関与をされていくのか、そのお考えを伺います。 ◎渡邉 事業管理部長  将来の運賃改定についてということでございますが、運送事業者は国の特許を得てみずからの責任と判断で運送事業を経営するものでございまして、運賃改定につきましても、一義的には、運送事業者の判断により、国に認可申請をすることとなり、その後、審査を経て認可を受けるという流れとなります。  しかしながら、交通局は、施設整備事業者として運送事業者とともに路面電車事業を運営することとなりまして、運送事業者から施設使用料をいただく立場にもあることから、運賃改定に関しましては何らかの関与が必要ではないか、このように認識しているところでございます。  また、運送事業の担い手となります札幌市交通事業振興公社は市の出資団体でありますことから、交通局としてはその経営状況を把握する立場にもあります。今後は、他の上下分離を導入している事業者などの考え方も参考にするなどして、どのような関与のあり方が望ましいのか、検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆しのだ江里子 委員  何らかの関与が必要であろうと言うことでしたが、札幌市としてどのような関与ができるのか、また、関与の内容も市民にオープンにしていただくような方法など、関与のあり方については今からしっかり検討していただきたいと思います。  次に、路面電車を将来にわたって持続可能な事業としていくためには、上下分離による経営の効率化に取り組むことは必要なことと十分理解しますが、これを推し進めることで安全性がおろそかになるということは絶対にあってはならないと考えます。  せんだっての12月5日の代表質問で、私どもの会派の成田議員が、非常勤運転手の確実な移籍が上下分離への円滑な移行のためには大変重要なことと指摘し、市の見解を伺ったところ、現在、公社や関係団体との間で移籍について協議を進めているという答弁がありました。安全運行の確保、そしてまた上下分離への円滑な移行のためには、非常勤運転手の経験とか技術、技能の活用が不可欠でありまして、そのためには、安定した雇用につながるような身分保障を確実に考えていただくことが重要であると考えます。  そこで、質問ですが、非常勤運転手の移籍に当たり、現在どのような協議を行っているのか、市の考えなども含めて伺いたいと思います。 ◎渡邉 事業管理部長  非常勤運転手の移籍についてということでございますが、現在、採用する側となる公社、そして非常勤運転手が加入している労働組合との間で、移籍後の給与も含めた勤務条件などについて協議を進めているところでございます。  この協議の詳細につきましては今後さらに詰めてまいりますが、非常勤運転手は上下分離後の運行を担う人材として育成してきており、安全運行の確保には、その経験や技能の活用は欠かせないものと認識しておりますことから、これら関係者の合意が得られるようさらに協議を進めてまいりたい、このように考えてございます。 ◆しのだ江里子 委員  上下分離後は運送事業者の判断によって運賃改定が行われるということでしたが、将来にわたって、乗車料金の適正な水準をできる限り維持していただけるように、市がしっかり関与していただける体制づくりを今から検討していただきたいと思います。  そして、札幌市路面電車は、年間6メートルもの降雪があるまちの中で一般の自動車と同じ道路を走行するという、本当に世界でも類を見ない厳しい走行環境だと聞いております。これまで積み重ねてきた札幌市固有の安全技術があり、技能、技術の継承は欠くことができないと思います。また、経営の効率化を推し進める余りに安全性がおろそかにならないのかと心配を抱く市民もいるというふうに聞いております。まずは安全確保の維持、その先の上下分離への円滑な移行のためにも、非常勤運転手の移籍について確実なものとなるようにしっかり取り組んでいただくことをお願いし、質問を終わります。 ◆前川隆史 委員  私からは、路面電車事業の上下分離に関しまして、収益や利用者サービスの向上への取り組みについてお伺いいたします。  先般、我が会派の本郷議員が代表質問でも触れましたが、大阪市地下鉄は、ことし4月に民営化いたしまして、大阪市高速電気軌道株式会社、大阪メトロとして新たなスタートを切りました。先日の代表質問では交通局全体の将来の民営化への研究・検討を進めるべきと主張しておりますが、私も秘めたる強い思いを持っておりまして、きょうは静かにしておきたいと思いますけれども、大阪市の事例では、この民営化によって、これまでの地方公営企業としての経営上の制約から解放されて、鉄道事業の枠を超えたホテル不動産事業や高齢者子育て支援事業など多様な事業展開が可能となるということが大きく取り上げられております。本市の路面電車事業においても、上下分離の導入に伴い、運送事業の主体地方公営企業である交通局から新たな事業者にかわるという全国的にも珍しい取り組みということでございまして、今後の展開に注目しているところでございます。  先ほどの交通局の説明では、上下分離の効果の一つとして、地方公営企業法の制約がなくなり、収益や利用者サービスの向上が期待されるということでございました。これは、大阪市の事例と単純に比較できませんけれども、方向性は同じである、このように思います。そして、札幌市民の皆さんにしますと、地方公営企業法の制約はそもそもどのようなものなのか、非常に関心を持たれるのではないかと思います。  そこで、最初の質問でございますが、地方公営企業法が適用となる公営交通事業には、法律上などの点でどのような制約があるのか、お伺いいたします。 ◎渡邉 事業管理部長  利用者サービス等に関しての地方公営企業法等の制約についてでございますが、地方公営企業法では、料金は公正、妥当でなければならないと規定されておりまして、そのためには、利用者の間で著しい不公平感がなく、社会的にも相当であることが求められるところでございます。また、地方公営企業は、地方公共団体の一部分でもございますので、公共性、公平性の観点も踏まえて事業を実施しなければならないと考えてございます。  このことから、これは例えばでございますが、公営交通事業者が路線沿線の特定の店舗と提携して利用客に特典を与えるなどといったことは慎重さが求められるところと考えてございます。また、交通局では広告や不動産賃貸などのいわゆる附帯事業を実施しておりますが、地方公営企業法上、その要件としまして、本来の事業と、性格上、密接な関係にあることとされており、その意味では附帯事業の実施内容には限界があるものと考えてございます。 ◆前川隆史 委員  地方公営企業法が適用となる公営交通事業では、民間と連携した新たなサービスの展開とか、附帯事業の事業内容にかなり制約がある、このようなお話でございました。  運送事業の担い手がかわりますと、こうした地方公営企業法などの縛りがなくなるということで、今後、上下分離後の路面電車事業は、収益や利用者サービスの向上などさまざまな展開が期待されますが、これまでになかった新たな発想や視点に立った取り組みが求められます。上下分離の導入効果として最も重要なことは、経営改善や安全管理体制の維持・継続によって路面電車を持続可能なものとして将来世代に継承することであり、これは言うまでもないことでございます。この点、交通局には上下分離への移行に向けた事務作業をしっかりと進めていただきたいと思います。しかし一方で、市民にとってみますと、そのメリットというのは実感しづらいものであるのではないか、このように思います。そのような意味では、市民にもわかりやすい上下分離の効果は収益や利用者サービスの向上への取り組みでございまして、市民はまさにそれを期待しているのではないかと思います。  交通局は、サービス向上などの取り組みの具体的な内容につきましては今後検討していくということでございましたが、本日の経済観光委員会は、上下分離導入の議論をする場でございますので、上下分離によって利用者サービス等がどのように向上するのか、少なくともその取り組みの方向性や現時点での考えなどはお示ししていただきたい、このように考えるものでございます。  そこで、最後の質問でございますが、収益や利用者サービスの向上に向けた取り組みについて、今後どのような内容を検討していくのか、現時点で想定している考えなどについてお聞かせいただきたいと思います。 ◎渡邉 事業管理部長  上下分離後の利用者サービスの向上に向けた取り組みということでございますが、交通局といたしましては、まずは上下分離への円滑な移行ということを優先し、現在は運送事業者における移行体制の整備や運輸・技術部門における技術継承の方法、そのための職員派遣、移籍の条件整備など、多岐にわたる検討、取り組みを行っているところでございます。このため、収益や利用者サービスの向上への取り組みなどについては、具体的な検討には至っていない状況で、今後の検討課題と受けとめているところでございます。  収益や利用者サービスの向上に向けた取り組みについては、ただいま申し上げた状況でございますので、まだアイデアレベルといったような状況でございますが、例えば、先ほども触れました路面電車沿線の企業や店舗と提携してその店舗などを利用した方が割引料金で乗車できる企画乗車券を発行するといったことや、提携先の商業施設の紹介をメーンとした沿線マップの作成など、まだアイデア段階でございますけれども、こういったことが考えられるところかなというふうに考えております。  いずれにいたしましても、法の制約が外れる、あるいは、運送事業者が新たな担い手となるということなどから、柔軟な事業展開としていきたいと考えているところでございまして、今後、上下分離の導入までの間に、運送事業者となる札幌市交通事業振興公社とともに検討を深めてまいりたいと考えてございます。 ◆前川隆史 委員  沿線の企業や民間の商業施設などと連携しながらのさまざまな割引サービスなど、そういったアイデアも出されているということでございました。上下分離の導入に際して、新たな担い手となる運送事業者による創意工夫や柔軟な発想に基づく新たな事業展開は、利用者となる市民の皆さんが一番期待しているところではないか、このように思います。また、市電沿線の企業や飲食店などさまざまなサービス業を営まれている方々にとっても、新たなビジネスチャンスのきっかけとして大変期待されているものと考えますし、また、インバウンドに対する新たな札幌の魅力創出の可能性も私は感じているところでございます。  今後は、利用者サービスの拡充はもちろん、札幌の新しいまちづくりに寄与できるよう、しっかり検討を進めていただけますようお願い申し上げまして、質問を終わります。 ◆村上ひとし 委員  昨今の社会情勢は、地域の高齢化と少子化の進展による人口減少時代の到来、急速な温暖化の進行による地球環境問題の深刻化、あるいは、海外からの観光客の増加などの要因により、大きく変化しております。路面電車は、公共交通として、もちろん市民生活を守り、維持・向上に欠かせない本市のインフラであると同時に、急がれるCO2の削減や観光振興とまちづくりにとっても極めて重要な役割を担っていると思います。特に、これまで経験のない超高齢社会を迎えるに当たり、自家用車を利用できない高齢者など、移動が制限される、いわゆる移動制約者が急速に増加していきます。こうした状況を踏まえ、本市として、市民の足を守るための交通、移動の権利をどのように保障していくのか、市民生活を守るために路面電車など公共交通の責任と役割がますます期待されているところだと思います。  また、路面電車は、環境に優しく、道路に軌道があることによって行き先がわかりやすい、また、車窓からもまち並みが見えたりすることから、子どもや高齢者、観光客に利用しやすいという特徴もあると思います。こうした点から、商店街の活性化あるいは観光振興など、まちづくりにも資する公共交通として世界の各都市でも改めて注目されていると言われております。そういう点で、議会としても、これらによく配慮された交通政策になるのかどうかということが非常に重要な視点だと思いますし、路面電車事業の上下分離をそうした角度から検証していくことが必要であると思います。  そこで、最初にお尋ねいたしますけれども、先行して上下分離を導入している他都市のプラスの面あるいはマイナスの面をどのように分析し、評価したのか、また、本市で導入しようとしている上下分離について、他都市との違いあるいは特徴についてお伺いいたします。 ◎渡邉 事業管理部長  他都市との違い、比較といったことでございますが、路面電車事業につきましては、現時点で上下分離で運行しているのは富山市のみとなってございます。ただ、そのほかに宇都宮市と芳賀町が共同して路線開業に向けた準備を行っているところと聞いております。それぞれ導入の経緯や既存事業者の存在の有無、走行環境などの点で違いがあるというふうに認識してございます。  それから、他都市での上下分離のプラス面、マイナス面ということでございますが、基本的には、富山市では特段の問題なく運行していると認識しておりまして、私どもとしては特にマイナス面は感じていないところでございます。  また、他都市との違いということでございますが、運行を行っている富山市との比較で申しますと、富山市では同市が主導して新設した路線部分について上下分離を導入しているのに対しまして、本市では既設線の路線全体で上下分離を導入すること、この違いがございます。また、富山市では、既設線で運営している民間軌道事業者がもう既に存在しておりまして、上下分離の導入後も運送事業を担っておりますが、本市では、当然ながら路線内には交通局以外に事業者がいない、こういった点が違いとして挙げられるかなというふうに思います。 ◆村上ひとし 委員  上下分離を導入しているのは富山市のみで、今後は宇都宮市などで準備もしているということでありますが、それぞれの違いは簡単に比較できないということだと思います。  196万都市で既存の路面電車を上下分離に踏み切るという点では、全国で初めての取り組みになっていくのかなと思いますが、この間、全国的な公共交通機関事故あるいはトラブルの背景を見ると、安全性よりも利益を優先するという事業運営が問題であるということが報道などでもたびたび指摘されているところであります。これは言うまでもありませんが、本市の路面電車でも、事業運営上、交通局として安全確保というのは最優先の課題として取り組まなければならないわけであります。そういう中で、例えば、運転手が運行中に車両あるいは軌道などの異常、異変に気がついたときなど、早急に情報を伝達するのはもちろんのこと、必要な対策を打っていくことが重要になります。しかし、そういうときに、上下が分離されていると、そうした運転手の情報をもとに事業者と整備事業者である札幌市交通局がどんなふうに連携していくのかという点では、課題もあるのかなというふうに思っております。  そこで、上下分離導入によって運送事業者と施設整備事業の各主体が分離されるわけですが、そういう点で安全を確保していく上で課題はないのかどうか、率直にお伺いしたいと思います。 ◎渡邉 事業管理部長  上下分離後の安全の確保、それについての課題ということと受けとめましたが、課題としては、当然、安全運行というのは至上命題といいますか、必ず守っていかなければならないと認識してございます。  上下分離の導入に際しましては、今、委員がご指摘のように、運送と施設整備の主体がそれぞれ分かれることになります。そして、運送事業者は、日々の運行に加えまして、施設、車両の日常的な維持管理も担うこととなってございまして、運行に伴う比較的軽微なふぐあい等への対応は、原則として運送事業者において対応することになります。ただ一方、施設、車両の更新や保全の計画を策定する場合、または事故や災害が発生した場合、あるいは、これらに限らず、安全に関する問題等が生じた場合には、相互の視点で意見交換や情報共有を行うための連携・連絡組織を設置することを考えてございます。上下分離後の安全運行を確保していくためには、整備事業者である交通局と運送事業者との連携は必要不可欠なものと認識しておりまして、この連携・連絡組織をより実のあるもの、実効性のあるものにしてまいりたい、このように考えてございます。 ◆村上ひとし 委員  今、交通局が一体的に管理運営しておりますが、それが上下に分かれるということで、連携・連絡組織もつくりながら情報を共有して連携するということだと思います。ただ、そういうことが必要になるということでありますから、やっぱり、今まで以上に連携を工夫しなければ安全性を確保していく上では不安も残る懸念があるということだと思うのです。そういう点で、上下分離が本当に安全を担保できるのかというのは、今後、検証も必要なのかなというふうに思っています。  それから、先ほど、乗車料金について、基本的に、交通局は乗車料金には関与しない、運送事業者の判断で決定していくのだというような答弁がありましたが、そうは言っても、関与のあり方は交通局としても今後検討していくのだろうと思うのです。  そこで、確認の意味で、今の交通局の一体的な運営のもとでは、乗車料金を上げる場合には議会の承認が必要でありますけれども、議会で承認を得る必要がなくなるという理解でよろしいでしょうか。 ◎渡邉 事業管理部長  将来の運賃改定ということでございますが、先ほど答弁しました一義的には運送事業者の判断でということは、私としては、法的には整備事業者が関与するものは何ら整備されていないということを申し上げたつもりです。法的なそういう手続は、法律上どこにも書いておりません。ただ、事実上の関与ということはありますし、公社という出資団体ということで、軌道事業とはまた別な観点からの関与の仕方もあろうかと思います。そういう意味では、我々としてどういう仕組みで関与するかというのはこれから具体的に検討してまいりますが、いずれにしましても何らかの関与はしていくことになるだろう、このように考えてございます。  それから、議会の関与というお話もございました。公社が行う料金改定があるかどうかはわかりませんけれども、直接関与するということでの法的な手続というのは、これについてもやはりないかと思います。ただ、私どもを通して状況をお知らせする、あるいは、法人の経営状況というのは毎年の決算議会のときに報告しておりますので、そちらを通していろいろ質疑をしていただくことはあろうかと思います。 ◆村上ひとし 委員  いずれにしても、今のシステムから言うと、乗車料金を変更していくときに議会の関与が薄まっていくことが懸念されると私は思います。そういう点でも、市民の足を守っていくのだという観点から、今の状況では簡単に理解しがたい部分もあるというふうに思っています。  そこで、最後の質問でありますが、今後、路面電車をまちづくりに活用する際、交通局として主体的にかかわっていく上での支障はないのかどうかについてお伺いいたします。 ◎渡邉 事業管理部長  路面電車のまちづくりへの活用に対する支障ということでございます。  路面電車のまちづくりへの活用につきましては、これまで新型低床車両の導入や停留場のバリアフリー化などを行ってきております。今後も路面電車をまちづくりに活用するには、引き続き、施設整備等を市が担うことが必要でありまして、これは今後も私どもが担っていくことになります。また、先ほども申しましたが、運送事業の担い手は札幌市交通事業振興公社を考えておりまして、これまでの地下鉄業務、またイベントなどでの連携を通して同公社とは意思疎通などが図られておりますし、市の出資団体でもあるということで、市の施策に対する協力関係は築かれているものと考えてございます。  これらのことから、交通局といたしましては、これまで以上に同公社と連携や意思疎通を密にしていくことで、上下分離後においても路面電車のまちづくりへの活用が図られる、このように認識してございます。 ◆村上ひとし 委員  連携もしていくし、何よりも出資団体であるということで協力関係もつくりやすいというようなことだと思います。  しかし、路面電車というのは、私が最初に言いましたが、市民の足を守るだけではなくて、さまざまな点で期待されるものが大きいです。そういう点では、都心部の交通の今後のかなめにもなっていくでしょうし、経済振興の中心にもなり得る公共交通であります。北海道新幹線が札幌駅に延伸してくるということで、札幌駅に対して、あるいはその他の延伸も含めて、路面電車をどう活用促進させていくのかということも今後はあろうかと思います。そうしたときに、運送事業者の財政上の問題とか、あるいは運転手の人的体制、それから、ダイヤをどうするのか、できるのか、できないのかということも当然生まれてくると思うのです。ですから、市が主体的にまちづくりを進めていく上では、出資団体といえども、交通局が一体的に管理運営している今より、やはり後退することが懸念されるのかなというふうに思わざるを得ません。  路面電車事業の上下分離は、地方自治体の関与と責任を弱体化する懸念があり、市民の足を守り、安全を確保する上で、施設あるいは車両の保有、整備にとどまらず、管理運営についても市が責任を負っていくべきだということを申し上げて、終わります。 ○佐々木みつこ 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○佐々木みつこ 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後2時12分...