札幌市議会 2018-12-06
平成30年第 4回定例会−12月06日-03号
平成30年第 4回定例会−12月06日-03号平成30年第 4回定例会
平成30年 第4回定例会
札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 3 号 )
平成30年(2018年)12月6日(木曜日)
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〇
議事日程(第3号)
開議日時 12月6日 午後1時
第1 議案第1号から第18号まで、第20号から第24号まで(市長提出)
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〇本日の会議に付した事件
日程第1 議案第1号 平成30年度札幌市
一般会計補正予算(第5号)
議案第2号 平成30年度札幌市
国民健康保険会計補正予算(第1号)
議案第3号 平成30年度札幌市
高速電車事業会計補正予算(第2号)
議案第4号 札幌市一般職の
任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の一部を改正する条例案
議案第5号 札幌市特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案
議案第6号 札幌市
職員給与条例の一部を改正する条例案
議案第7号
札幌市立学校教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案
議案第8号 公の施設の
指定管理者の指定の件(みかほ整肢園)
議案第9号 公の施設の
指定管理者の指定の件(南区保育・
子育て支援センター(
小規模保育事業
所))
議案第10号 公の施設の
指定管理者の指定の件(都市公園)
議案第11号 公の施設の
指定管理者の指定の件(
自転車等駐車場)
議案第12号 公の施設の
指定管理者の指定の件(
札幌市民ホール)
議案第13号
札幌市議会議員及び
札幌市長の選挙における選挙運動に要する費用の公費負担に関する
条例の一部を改正する条例案
議案第14号 札幌市
附属機関設置条例の一部を改正する条例案
議案第15号 札幌市職員等の旅費に関する条例の一部を改正する条例案
議案第16号 札幌市建築物における駐車施設の附置等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第17号 札幌市
地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例案
議案第18号 札幌市消防本部及び
消防署設置条例の一部を改正する条例案
議案第20号 財産の処分の件(新さっぽろ駅
周辺地区G街区及びI街区)
議案第21号 財産の処分の
件議決変更の件(
工業団地用地)
議案第22号 財産の処分の
件議決変更の件(
工業団地用地)
議案第23号 平成31年度
当せん金付証票の
発売限度額を定める件
議案第24号 市道の認定及び変更の件
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〇
出席議員(65人)
議 長 山 田 一 仁
副 議 長 三 宅 由 美
議 員 村 山 拓 司
議 員 村 松 叶 啓
議 員 松 井 隆 文
議 員 中 川 賢 一
議 員 成 田 祐 樹
議 員 かんの 太 一
議 員 岩 崎 道 郎
議 員 松 原 淳 二
議 員 竹 内 孝 代
議 員 わたなべ 泰行
議 員 前 川 隆 史
議 員 平 岡 大 介
議 員 田 中 啓 介
議 員 中 山 真 一
議 員 伴 良 隆
議 員 阿部 ひであき
議 員 小 竹 ともこ
議 員 北 村 光一郎
議 員 中 村 たけし
議 員 林 清 治
議 員 村 上 ゆうこ
議 員 小 口 智 久
議 員 好 井 七 海
議 員 丸 山 秀 樹
議 員 池 田 由 美
議 員 太 田 秀 子
議 員 村 上 ひとし
議 員 石 川 佐和子
議 員 飯 島 弘 之
議 員 こじま ゆ み
議 員 佐々木 みつこ
議 員 よこやま 峰子
議 員 小須田 悟 士
議 員 山 口 かずさ
議 員 小 川 直 人
議 員 しのだ 江里子
議 員 長谷川 衛
議 員 福 田 浩太郎
議 員 國 安 政 典
議 員 小 形 香 織
議 員 細 川 正 人
議 員 長 内 直 也
議 員 五十嵐 徳 美
議 員 こんどう 和雄
議 員 峯 廻 紀 昌
議 員 桑 原 透
議 員 恩 村 一 郎
議 員 ふじわら 広昭
議 員 大 嶋 薫
議 員 伊 藤 理智子
議 員 坂本 きょう子
議 員 高 橋 克 朋
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 宮 村 素 子
議 員 三 上 洋 右
議 員 武 市 憲 一
議 員 小 野 正 美
議 員 畑 瀬 幸 二
議 員 福 士 勝
議 員 本 郷 俊 史
議 員 涌 井 国 夫
議 員 堀 川 素 人
議 員 松 浦 忠
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〇
欠席議員(1人)
議 員 勝 木 勇 人
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〇説明員
市 長 秋 元 克 広
副 市 長 町 田 隆 敏
副 市 長 吉 岡 亨
副 市 長 岸 光 右
交通事業管理者
交 通 局 長 藤 井 透
水道事業管理者
水 道 局 長 三 井 一 敏
病院事業管理者
病 院 局 長 関 利 盛
危機管理対策室長 中 塚 宏 隆
総 務 局 長 木 内 二 朗
まちづくり政策局長 浦 田 洋
財 政 局 長 中垣内 隆 久
市民文化局長 高 野 馨
スポーツ局長 石 川 敏 也
保健福祉局長 木 下 淳 嗣
子ども未来局長 可 児 敏 章
経済観光局長 小 西 正 雄
環 境 局 長 平 木 浩 昭
建 設 局 長 河 原 正 幸
下水道河川局長 渡 邉 多加志
都 市 局 長 佐 藤 博
会 計 室 長 大 古 聡
消 防 局 長 萬 年 清 隆
教育委員会教育長 長谷川 雅 英
教育委員会委員 阿 部 夕 子
選挙管理委員会委員長 馬 場 泰 年
選挙管理委員会委員 西 村 茂 樹
選挙管理委員会委員 伊 藤 知 光
人事委員会委員 祖母井 里重子
人事委員会事務局長 谷 江 篤
監 査 委 員 藤 江 正 祥
監査事務局長 木 村 義 広
―
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〇
事務局出席職員
事 務 局 長 出 井 浩 義
事務局次長 泉 善 行
総 務 課 長 神 山 明 弘
議長会担当課長 深 井 貴 広
政策調査課長 烝 野 直 樹
議 事 課 長 田 口 繁 治
政策調査係長 土 屋 隆 明
議 事 係 長 川 村 満
委員会担当係長 数 田 光 嘉
委員会担当係長 中 村 憲
書 記 吉 田 亮 太
書 記 羽 貝 拓 己
――――――――――――――――――
開 議 午後1時
――
――――――――――――――――――
○議長(
山田一仁) ただいまから、本日の会議を開きます。
――
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○議長(
山田一仁)
出席議員数は、65人です。
――
――――――――――――――――――
○議長(
山田一仁) 本日の
会議録署名議員として
佐々木みつこ議員、
國安政典議員を指名します。
――
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○議長(
山田一仁) ここで、
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(出井浩義) 報告いたします。
勝木勇人議員は、所用のため、本日の会議を欠席する旨、届け出がございました。
本日の
議事日程、
質問順序表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
――
――――――――――――――――――
○議長(
山田一仁) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第1号から第18号まで、第20号から第24号までの23件を一括議題とします。
昨日に引き続き、代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
本郷俊史議員。
(
本郷俊史議員登壇・拍手)
◆
本郷俊史議員 私は、ただいまから、
公明党議員会を代表して、本
定例市議会に上程されました平成30年度
補正予算、その他諸議案並びに市政の諸課題について、順次、質問します。
まず、
秋元市政4年の検証と今後のビジョンについて質問します。
私が、この議場において、我が会派を代表し、
秋元市長に質問するのは、今回が最初であり、同時に最後となる予定です。そこで、平成も幕を閉じようとしている今、私の6期24年の
議員活動経験とこの間の市政の歩みを点描しつつ、
秋元市長の原点から現在に至るまでを振り返りながら質問したいと思います。
私は、
バブル崩壊後の平成7年に議席をいただきました。その間、我が国は、たび重なる地震などの自然災害に見舞われる一方、経済的には、いわゆる失われた20年とやゆされる未曽有の苦境に立たされてきました。こうした厳しい
社会情勢下においても、札幌市は、Kitaraや
札幌ドームの開業、新
ごみ分別ルールの導入など、ハード・
ソフト両面を織りまぜながら、市民の英知と力を結集し、市長と議会がまさに両輪となって、未来を見据えた
まちづくりを着実に進めてきたと認識しております。
この間、我が会派は、是々非々の立場から、時の市長による市政運営に真摯に向き合ってきたと自負しており、私自身の
議員活動で最も思い出深いのは、全議員により提案した
住宅耐震化促進条例、住宅エコ・
リフォーム条例の成立に微力ながらも主体的に携われたことであり、
議員活動の誇りと財産であります。
こうした激動と停滞が相半ばする平成の最後に、市民の負託を受けて登場した
秋元市長は、人を大事にすることを原点に据え、徹底した地域主義で
まちづくりを進める決意を表明し、
秋元市政をスタートさせました。就任後は、
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプランを策定し、施策を着実に進めており、豊富な行政経験に裏打ちされた、まさに
秋元市長ならではとも言うべき実績を積み上げているのではないかと考えております。
こうした実績に加え、我が会派が、その都度、提案してきた市民と地域に寄り添ったさまざまな施策についても真摯に受けとめ、
ヘルプマーク、
ヘルプカードの配付などその多くを取り入れていただいたほか、さきの議会において全議員の賛成により成立した決議に基づき、フェアトレードタウンの認証に向けた
取り組みに速やかに着手していることなどともあわせて鑑みますと、この4年間の
秋元市政には一定の評価をするものであります。
しかし、
秋元市長みずから、以前、この議場において発言され、
アクションプランの冒頭においても触れられているとおり、札幌のまちは、かつて誰も経験したことのない
人口減少・超高齢社会の到来を控え、時代の大きな転換期を迎えようとしています。さっぽ
ろ未来創生プランによると、将来の確実な
人口減少に対する市民意識として、不安を感じる市民は5割を超えるなど、時代の大きな転換期は市民の多くが不安や閉塞感を覚えがちです。このような転換期だからこそ、政治家としての熱き思いや原点、初心、あるいは抱負といったものに裏打ちされた
秋元市長ならではの札幌市の将来ビジョンや未来像といったものを市民に示し、語りかけていくこともまた重要であり、そのことが市民の不安を取り除いていく特効薬になると思うのです。
市長は、就任直後、メディアの取材に対し、炭鉱の閉山により経済基盤が揺らいだまちから友人が次々と去っていく夕張で過ごした幼少期の記憶に触れ、しっかりとした雇用・経済がなければ福祉も始まらない、だから、経済施策を重点的に訴えたいと述べられ、経済か福祉かではなく、経済も福祉も目指す姿勢を打ち出し、市職員に対しては、今の私は、皆さんと、35年間、一緒に仕事をした秋元ではないと述べられました。
だからこそ、市長におかれましては、いま一度、政治家としてのご自身の原点や初心に立ち返っていただき、元行政マンの視点とは異なる別次元の視点から
秋元市政の4年間の
取り組みをしっかりと検証し、時代の転換期のその先にある来るべき新たな時代につなげていただきたいと考えておりますし、市民の負託を受けた政治家として、そのプロセスは必要不可欠であると考えます。
そこで、質問ですが、
秋元市政1期4年を振り返って、
取り組み結果をどう評価しているのか、お伺いします。
さらに、今後の市政に対する
取り組み姿勢について、市長の考えを伺います。
次に、
北海道胆振東部地震からの復興に向けた対応について、順に質問します。
去る9月6日未明に発生した
北海道胆振東部地震は、震源に近い地域はもとより、札幌市においても、11月末現在で死者1名、負傷者297名、住宅の全壊87棟、半壊635棟、一部損壊3,803棟という甚大な被害をもたらしました。
まずは、このたびの地震で亡くなられた方々に対しまして心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された多くの皆様にお見舞いを申し上げます。
最初に、
災害対応の検証と
地域防災計画への反映について伺います。
地震の発生から3カ月が経過し、札幌市内では多くの市民が日常生活を取り戻しておりますが、大きな被害を受けた方々の
生活再建に向けた
取り組みは、まだまだこれからであります。
我が会派においては、発災直後から
災害対策本部を立ち上げ、情報収集と対応に努めてまいりました。発災当初、
札幌市内全域が停電に陥り、水道や
交通機関等のライフラインも遮断され、一時は1万人を超える市民や観光客などが避難所に身を寄せるなど、かつてない混乱が生じました。こうした中、我々のもとには、避難した被災者から、避難所におけるプライバシーの確保、食事環境の改善、
ペット同行の避難などの問題についての声が寄せられました。また、避難所の開設情報を初めとした重要な情報の迅速で正確な伝達方法のほか、停電時の
マンション高層階への給水や、災害により発生したごみの処理、さらには、住宅を含めた
生活再建に関する相談体制のあり方など、さまざまな課題が浮き彫りになりました。
そこで、質問でありますが、
災害対応の検証、さらには、その対策に当たって、どういった点を重視して進めていくのか、また、
地域防災計画への反映についてどう考えているのか、お伺いします。
続いて、住宅の
耐震改修の促進について伺います。
建築物の耐震化は、平成7年の阪神・
淡路大震災を契機として
耐震改修促進法が制定され、その後、全国的に大地震が頻発したことを受け、平成18年の法改正により、各自治体で
耐震改修促進計画を策定することが定められました。札幌市でも、平成19年に策定した札幌市
耐震改修促進計画や、平成28年の第2次札幌市
耐震改修促進計画に基づき、住宅や多くの方々が利用する施設の
耐震化率の向上に向けて、
市民向けセミナーの開催などによる普及啓発を行うとともに、
耐震診断や
耐震改修工事の支援を行ってきました。
住宅の
耐震診断については、平成17年度に、全
議員提案で札幌市
住宅耐震化促進条例が制定されて以降、申請件数が年間30件程度で推移しておりましたが、
熊本地震の影響もあり、平成28年度に211件、平成29年度には339件の診断を実施しております。また、今年度は、このたびの地震を受けて、既に予定を大幅に上回る申請があったと聞いております。一方で、診断後の
耐震改修工事については、平成28年度7件、平成29年度4件と伸び悩んでおります。これまでは大きな地震もなかったことから、地震の危険性や
耐震改修の効果についての認識がそれほど高くなかったことが、具体的な
改修工事に至らない要因であったのではないかと推測しております。
平成28年4月に発生した
熊本地震で大きな被害を受けた益城町中心部において
日本建築学会が行った調査によれば、昭和56年5月以前に建築されたいわゆる旧耐震の
木造建築物の倒壊率は28.2%に達しており、新耐震の建築物の倒壊率6.9%に比べて顕著に高く、旧耐震の建築物の耐震化の必要性を改めて示す結果となりました。
第2次札幌市
耐震改修促進計画の
取り組み目標は、平成25年度に87%であった
耐震化率を2020年度までに95%とすることとしております。
そこで、質問でありますが、平成17年度の
条例制定を皮切りに、札幌市の耐震化に向けた
取り組みも10年が経過しましたが、これまでの
取り組みについてどう評価しているのか、お伺いします。
また、市民の関心の高い今こそ、住宅の耐震化をより強力に推し進めるべきと考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。
続いて、被災者の
住宅再建について伺います。
液状化により深刻な被害を受けた清田区
里塚地区では、11月16日現在の
住宅被害は、全壊64棟、大規模半壊33棟、半壊27棟であり、そのうち、全壊家屋の住民60世帯余りの方々は、一時的ではありますが、
里塚地区からの転出を余儀なくされ、現在も市営住宅やみなし仮設、知人・親戚宅に避難している状況が続いております。
札幌市では、この地区の復旧に向けて直ちに地盤調査を実施し、その結果に基づき、被災した地区全体の復旧計画を取りまとめ、11月15日に開催した第3回目となる
地元説明会で住民に対策工法を提示しました。しかし、工事の着手が雪解け後の来春以降になる見通しであることから、復旧工事が終わり、住民がもとの生活に戻れるようになるまでにはまだまだ時間がかかり、この先への不安を抱えているというのも事実であります。今後は、
里塚地区に限らず、地震による
住宅被害を受けた市民に寄り添い、将来の不安を払拭できるよう、
生活再建に向けたさまざまな支援策を優先的に講じていくことが求められています。
我が会派では、地震からの復旧、復興を迅速かつ効果的に進めるため、札幌市が早急に
補正予算を編成、執行することや、一部損壊以上の
住宅被害を受けた市民に対し、一刻も早い
生活再建に資するよう、
応急仮設住宅への入居要件の緩和や義援金の迅速な配分など、
各種支援策の充実強化を図ることなどを求める要望書を
秋元市長に提出したところであります。
これに対し、札幌市では、さきの第3回
定例市議会において直ちに
補正予算を編成し、地盤沈下や住宅の傾きなど宅地被害の復旧に向けた支援制度を創設するなど、
住宅再建や
宅地復旧に向けた動きを加速させております。
そこで、質問でありますが、液状化で特に被害の大きかった
里塚地区の
宅地復旧、
住宅再建に向けてどのように取り組んでいくのか、お伺いします。
本項目の最後は、札幌市の強靱化についてです。
札幌市では、急速な高齢化の進行や
人口減少社会の到来といった課題に加え、
冬季オリンピックを契機に進められた都市基盤の老朽化という問題を抱えた大きな転換期にあります。こうした中、市民の生命のみならず、札幌の経済や社会を大規模な
自然災害等から守るためには、従前の発災後に行う対症療法的な対策ではなく、平時からの備えに重点を置いた施策が必要になっています。
この考えの転換の根底にあるものは、平成7年の阪神・
淡路大震災や、平成23年3月11日に発生した
東日本大震災における広範囲で甚大な被害がもたらした苦い経験であります。我が会派は、防災、減災の観点から、社会資本の再整備に集中投資を行い、市民の命を守るとともに、国内の需要や雇用を創出する防災・
減災ニューディールを提唱し、それが平成25年12月に
国土強靱化基本法として結実し、札幌市においても、平成28年1月には地域計画として札幌市
強靱化計画を策定するに至りました。
こうした中、このたびの災害で札幌市が被災することで、災害に強いまちのあるべき姿をみずからに問うことになったと思います。防災、減災に向けた
取り組みは、行政の不断の努力はさることながら、市民や企業が平時からの備えに対する重要性を認識し、災害を我が事として捉え、一丸となって連携することによって、初めてこれまで以上に強い都市を実現できるものと思います。そのためには、市長が強いリーダーシップを発揮し、札幌市の強靱化に向けて、目指すべき方向性をしっかりと示し、防災、減災、復興を
札幌市政や社会の主流にしていくことが極めて重要であると考えております。
そこで、質問でありますが、これまで以上に災害に強い都市の構築に向け、札幌市の強靱化をどのように進めていくおつもりか、そのお考えをお伺いします。
次に、災害時機能集約のための
市役所本庁舎の建てかえについて質問します。
北海道胆振東部地震による全道の
完全停電、いわゆる
ブラックアウトが発生した際、
市役所本庁舎では、非
常用発電設備の稼働により通常業務が可能であったことに比べ、
子ども未来局や
教育委員会など周辺ビルに入居する部局では、ビル全体の
完全停電により、全ての通信網が遮断し、業務に支障を来しました。
こうした事態を受けて、我が会派では、さきの
決算特別委員会でもこのことを取り上げ、日常の円滑な業務執行はもちろん、非常時にあっても正常に業務を遂行するために、本庁舎の果たすべき役割を改めて見直し、庁舎建てかえについて速やかに方向性を決定すべきと提言させていただいたところです。
さて、本市においては、札幌市
地域防災計画に基づく
地震防災対策の前提となる第3次
地震被害想定で最大となる被害想定としては、市域はおおむね震度5弱以上、市街地の大部分は震度6弱、6強の激しい揺れとなり、特に震源に近い東区、厚別区など市域の東側では震度7の激しい揺れとなることも想定されています。
本庁舎は、防災拠点として、大規模災害時でもその機能を維持することが求められています。しかし、平成24年度に実施した
耐震診断の結果に対する
第三者機関の所見では、目標とする
耐震診断の
設計基準値を満足していないことから、
耐震改修等の適切な措置が必要とされています。
今回の震災を超える震度6強の地震が発生した場合には、本庁舎が倒壊することはないものの、耐力壁のひび割れのほか、柱やはりなど重要な構造体にも被害が発生する可能性があると予測され、業務継続に支障が出る事態なども想定されます。本庁舎が被災した場合は、
災害対策本部は消防庁舎に移動しますが、迅速に状況判断をして指示、情報提供するためには、
災害対策本部は行政機能が集約された本庁舎において対応すべきであります。
こうした災害時の機能強化を目的に、庁舎の建てかえを計画、実施している都市があります。先日、我が会派が現地調査に伺った横浜市では、関係部局が本庁舎以外の周辺ビルに分散し、
東日本大震災のときに十分に機能を果たせなかった教訓から、議会においても調査特別委員会を設置し、その審議を通し、新庁舎整備基本理念の一つに危機管理の中心的役割を果たす市庁舎を掲げ、各機能の本庁への集約化を図るとして、新庁舎の建設に着手、2020年春、竣工予定となっております。また、震災復興に向けた
取り組みの参考に伺った浦安市においても同様で、
東日本大震災による液状化被害からの復興の
取り組みの一つとして、新たな防災拠点として平成28年6月に新庁舎を建設しております。そして、両市に共通していることは、危機管理対策室をワンフロア全てを使って配置していることでした。
そこで、質問でありますが、今回の震災を受け、本庁舎の果たすべき役割と必要な機能を明確にし、現在、民間ビルに入居している部局の本庁舎への集約化、市民を守り切る
災害対策本部機能を構築するために、本庁舎の建てかえについて、極力、早い段階で方向性を決定すべきと考えますがいかがか、お伺いします。
次に、行財政改革の観点から、交通事業の将来展望について質問します。
札幌市では、これまで、さまざまな行財政改革に
取り組み、522億円の効果額を生み出してきたほか、人口当たりの職員数の水準を相当低く抑えていることに一定の評価をしています。
しかし、こうした既存の
取り組みの延長線上のままでは、その効果にも限界があり、その一方、
人口減少・超高齢社会の到来という時代の転換期を迎える中、財政状況は、今後、より厳しさを増していくことは間違いないところです。そのような中においても、先ほど指摘した本庁舎の建てかえなど、多額の経費を伴う新たな市政課題も浮上しております。その解決と実現に向けては、財源確保の見通しと市民理解が必要であり、そのためにも、市民に見える形で大きな財政効果を生む大胆な行財政改革を示していかなければなりません。
そこで、交通事業の民営化を行財政改革の目玉として位置づけ、同時に、札幌市の未来の経済・産業構造の転換、強化を目指すモデルケースとして取り組むべきと考えます。
我が会派は、本年4月、大阪市交通局から民営化を果たした大阪市高速電気軌道株式会社、通称大阪メトロを視察したところですが、この大阪メトロは、安全確保はもちろんのこと、運行本数などサービス水準を下げることなく運営しており、さらに、大阪メトロから大阪市への納税、配当により年間100億円の財政貢献を果たす計画であることや、企業債の借りかえにより金利負担を2%から0.6%に圧縮し、その減少分を新たな利用者サービスの向上や新規事業に有効活用していくことなどについて伺いました。
民営化のメリットは、公営企業としての経営上の制約から解放され、民間事業所と連携して開発事業に参入することや、ホテル、不動産事業の誘致、展開に乗り出すことが可能になることによって、交通事業以外の事業を収益の柱に育て上げ、これらを交通事業の持続、発展につなげていくビジネスモデルをみずからの創意工夫と大胆な発想でつくり上げていくことにあります。
もちろん、札幌市交通局と大阪メトロの前身である大阪市交通局では、累積欠損金と債務超過の有無など、そもそも財務的に置かれた状況が異なり、民間金融機関からの資金調達に課題を抱えることから、大阪メトロの手法がそのまま導入できるわけでないことは十分に理解しているところです。しかし、大阪市では、民営化への過程において、資産の整理方針の策定や、企業債及び補助金等の取り扱いについて、国や民間企業などと粘り強く交渉し、返済、償還、借りかえに関するスキームをつくり上げていくなど努力を重ねており、そのプロセスは札幌市においても十分参考になるものと考えます。
民営化によりもたらされるメリットの活用、沿線各地域の
まちづくりとの連携、地下鉄の延伸といったさまざまな要素を札幌市の将来像に有機的に結びつけていくと、交通事業の民営化への検討は取り組まなければならない必然的な課題であり、逆説的に言うならば、民営化への検討自体が札幌市の経済・産業構造を転換、強化する方策や処方箋になり得るものと考えます。
現在、札幌市では、平成31年度以降の事業運営を示した次期経営計画を策定中であると聞いており、これについては、当面の実務ベースの計画として作業を進めていただくことを期待しますが、あわせて、中長期的スパンに立ち、札幌市の目指す将来像と絡めつつ、交通事業の将来的な民営化に向けて、市長の強いリーダーシップのもと、大阪メトロ関係者の招聘なども含めて、民営化に向けた検討に着手することも必要です。
そこで、質問でありますが、他都市の先例や動向も踏まえ、将来を見据えた視点をどのように取り入れ、次期経営計画をどのように策定する考えなのか、お伺いします。
また、同時に、将来の民営化等に向けた研究調査、検討を開始すべきと思いますがいかがか、伺います。
次に、
冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けた障がい者スポーツの振興について質問します。
我が国においては、近年、パラリンピックを初めとする障がい者スポーツにおける競技性が著しく向上していることなどを踏まえ、平成26年4月から、障がい者スポーツに関する事業のうち、スポーツ振興の観点から行われるものについては所管が厚生労働省から文部科学省に移管され、スポーツ政策の一環として、障がい者スポーツの普及促進と競技力向上の両面からさまざまな施策が展開されてきたところであります。そして、平成27年10月には、関係省庁の司令塔的な役割を果たすスポーツ庁が発足しました。さらに、平成29年3月に、第2期スポーツ基本計画が策定され、その中で、今後5年間に取り組む重要な施策として障がい者スポーツの振興が掲げられ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催も見据える中で、障がい者の競技スポーツを支援することやアスリートの育成強化を図ること、さらには、スポーツを通じて共生社会を実現していくことが強く打ち出されております。
一方、札幌市において、
秋元市長は、公約の中に
冬季オリンピック・パラリンピックの招致に向けた障がい者スポーツの振興を掲げ、障がい者スポーツ専用の学校開放による障がい者スポーツの普及拡大のほか、オリパラ教育の推進、平成29年3月には、札幌で初めてとなる障がい者のノルディックスキーワールドカップ大会開催などにも取り組んできたところであります。まさに、これらの
取り組みは、スポーツを通じて共生社会の実現を目指していくことになるものと理解しております。
そうした観点から、私は、平成26年第1回
定例市議会の代表質問において、オリンピック・パラリンピックを開催することは、競技施設はもちろん、宿泊施設や交通機関などハード面でのまちのバリアフリー化とともに、障がい者に対する心のバリアフリー化など、障がいのある方への市民理解を深める絶好の機会になると訴えたところであります。
札幌は、今、先ほど申し上げた障がい者スポーツをめぐる国の動向のほか、平成28年4月に施行された障害者差別解消法、さらには、将来における超高齢社会の到来などを背景とし、障がいのある方や高齢者も含めた全ての人にとって住みやすい社会をつくっていくこと、そして、誰もが相互に個性や人格を尊重し、支え合い、多様なあり方を認め合える全員参加型の共生社会を実現していくこと、加えて、誰一人取り残さないという理念を掲げるSDGsに貢献していくことが大きな課題となっております。
こうした中、来年3月に、再び、札幌で2回目となる障がい者のノルディックスキーワールドカップ大会が開催されますが、その成功を大いに期待するとともに、ぜひとも、それを初めての冬季パラリンピックの招致につなげていただきたいと願うものであります。
そこで、質問でありますが、冬季の障がい者スポーツの振興について、今後どのような
取り組みを行っていくおつもりなのか、伺います。
あわせて、2回目となる障がい者のノルディックスキーワールドカップをどのような大会にしたいと考えているのか、伺います。
次に、健康・医療分野の産業振興について質問します。
札幌市は、
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2015において、未来のまちの姿を二つ掲げています。一つが、誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街、もう一つが、新しい試みに大胆かつ果敢に挑戦し、世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街です。
私は、この二つの実現に向けて、健康・医療分野の産業が極めて重要な意義を持つと考えています。例えば、創薬ベンチャーやIT企業を生かしたヘルスケア関連のスタートアップは、さまざまなハードルを乗り越え、画期的な製品、サービスで、人々が抱えるさまざまな課題を解決するとともに、上場するなどの大きな成長が期待できます。このような成長企業を次々と生み出すことができるまちは、魅力と活力に満ちあふれ、世界都市として国内随一の存在感を発揮するはずです。
海外では、ボストンやサンディエゴなどのように、健康・医療分野のベンチャーやスタートアップが活躍しやすい環境のもと、産業が集積し、稼げるまちとなっている先進都市があります。札幌市は、海外の事例もよく学びながら、特に若い人たちが札幌で創業する機運を高めるとともに、成功に向けてハードルを乗り越えられる環境整備をより強力に進めるべきではないでしょうか。そうすれば、理系人材のUIターンや道外企業による札幌拠点の設置、さらには、先進的な
取り組みを札幌で実施しようという大手企業などがふえていくはずです。
また、こうした健康・医療分野の製品、サービスが市内で活用されるように、札幌市がサポートすることも重要です。これは、産業振興のみならず、市民の健康にも寄与するため、誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街につながっていくと考えます。
そこで、質問ですが、健康・医療分野の産業振興を進め、未来の札幌の姿を実現していくためにどのような環境整備が必要か、市長のお考えを伺います。
次に、健康・福祉について、順に質問します。
最初に、本市の健康寿命の延伸に向けた対策の推進について伺います。
厚生労働省が策定した21世紀における第2次国民健康づくり運動、健康日本21(第二次)では、高齢化の進展及び疾病構造の変化を踏まえ、生活習慣病の予防及び社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上等により、健康寿命の延伸を実現することが重要とされております。
札幌市においては、札幌市健康づくり基本計画、健康さっぽろ21(第二次)の全体目標の一つに健康寿命の延伸を掲げ、栄養や運動、休養など八つの基本要素ごとの
取り組みの推進に加え、社会全体として健康づくりに
取り組みやすい環境を整備していくこととしています。今年度は、10年計画である健康さっぽろ21(第二次)の中間年であり、中間評価を進める中で、働く世代が他年代に比べて肥満や運動習慣、ストレス、飲酒などの課題が多くあることが明らかになったと聞いています。
先日、我が会派が視察した長野県は、介護保険情報による平成28年の健康寿命は男女ともに全国1位でありますが、脳卒中や心疾患の原因となる高血圧や肥満、糖尿病などの予防を課題として捉え、これらの生活習慣病予防に効果のある、体を動かす、健診を受ける、健康に食べることを進めているそうです。特に、働き盛り世代への
取り組みとして、健康づくりの定着のために健康経営を推進しているとのことでした。
健康経営については、経済産業省において、超高齢社会に向け、生涯現役を前提とした経済社会システムの再構築の必要性から健康寿命の延伸が重要としており、健康管理を経営的な視点から考え、戦略的に実践する健康経営の普及を目指し、特に中小企業への普及や女性従業員へのサポートを推進しているところであり、働く世代の健康づくりに向けては有用と考えます。
長野県と同様に健康寿命が全国上位である滋賀県では、健康や医療、介護等に関する長寿要因を解析しております。この結果、喫煙者や多量飲酒者が少ない、ボランティアをする人が多い等の健康な生活習慣を持っている人が多く、関係の深い生活環境として失業者や所得格差が少ない、図書館が多いことなどが明らかになったそうです。このように、健康寿命の延伸に向けては、さまざまな角度からの健康づくりや環境整備のアプローチが必要と考えられ、
まちづくりの観点からの社会環境の整備も重要と考えます。
そこで、質問でありますが、今回の中間評価で明らかになった働く世代の課題への対策として、どのようなことが重要と認識されているか、伺います。
あわせて、昨今の国などの動向を踏まえ、健康寿命の延伸に向けた社会環境の整備についてどのようにお考えか、伺います。
続いて、認知症施策について伺います。
日本の認知症高齢者は、2025年には700万人となり、高齢者の5人に1人が認知症となる可能性があると推計されており、その対応は全国的にも喫緊の課題であります。国においては、平成27年1月に認知症施策推進総合戦略、新オレンジプランを策定し、
取り組みを推進しております。
我が党においては、平成29年8月に、公明党認知症対策推進本部を設置し、本人視点、介護者への支援、地域づくりなどについて、国に対し、政策提言を行ってきたところです。また、このたび、我が党では、住民の皆様の声を政策に生かすため、子育て、介護など四つのテーマで全国100万人調査を行いました。その中で、介護の部分については、ご自身が介護が必要になったときに一番困ることという問いに対しては、経済的な負担と認知症になることが上位を占めております。
札幌市の状況を見ると、単身高齢者や高齢者夫婦世帯が年々増加していることに加え、認知症高齢者についても、平成29年4月現在の5万3,800人から2025年には約7万5,000人と増加が予想されています。こういった状況から、札幌市においても、認知症は誰もが必ずかかわる課題であり、非常に身近な問題であると考えます。札幌市においても、受診を拒む人へのアウトリーチによる早期支援や、本人、家族が集う場づくりなど、新たなことに取り組んできたことは承知していますが、これらの
取り組みは、今後も体系立てて計画的に進めていく必要があると考えるところです。
そこで、質問でありますが、札幌市では認知症施策を今後どのように進めていくのか、お伺いします。
2点目として、認知症の本人、家族の悩みや不安について、どのように施策に反映させていくのか、伺います。
最後に、教育施策について質問します。
初めに、生涯学習の振興について伺います。
平成26年に
教育委員会が策定した札幌市教育振興基本計画では、札幌市の教育が目指す人間像として自立した札幌人を掲げ、その実現に向けて、学校教育を初めとした教育の振興を図ってきました。教育は、生涯学習の観点から見ると、乳幼児から高齢者までのあらゆる世代が対象となっていることから、その振興に当たっては、
教育委員会や学校だけではなく、社会全体で取り組むべきものであります。
平成29年に札幌市が策定した第3次札幌市生涯学習推進構想においては、多様な主体が連携した学びの場づくりを展開するとしております。ことし6月に国が策定した第3期教育振興基本計画においても、教育施策を展開するに当たっては、政府や大学、企業、NPOなどさまざまな主体が連携・協働することが重要であると示されています。また、この計画では、全ての人が生涯学び、活躍できる環境を整えることを基本的な方針の一つとして掲げています。
ことし10月に、我が会派が注目してきた札幌市図書・情報館が開館しました。その来館者は開館から1カ月で20万人を超えており、生涯を通じて学び続けたいという市民ニーズの高まりを実感しているところです。
思い返せば、平成14年3定
決算特別委員会で、ビジネス支援機能を有した公共図書館を誰もが利用しやすい都心に整備することを求め、平成20年には、我が国における先進事例並びに市民アンケート調査の分析を行った結果を報告書にまとめ、札幌市に対してその必要性と具体的な導入について提言を行いました。あれから10年がたち、我が会派による提言がこのたび実現し、市民の学びたいというニーズに応じるための場の整備が一層進んだことを高く評価するとともに、今後も、市民の多様な学びを支える生涯学習の一拠点としての機能を充実させていくことを期待しているところです。
現在策定中である札幌市教育振興基本計画の改定版の案には、基本的方向性の一つとして、市民ぐるみで支え合う仕組みづくりが前期に引き続き掲げられているところですが、さきに述べた生涯学習にかかわる状況を踏まえますと、計画策定から5年がたとうとしている現在においても大変重要な視点であります。
そこで、質問でありますが、社会全体で取り組む生涯学習の振興について、これまでの成果と今後の方向性について伺います。
次に、学校規模適正化について伺います。
少子高齢化・
人口減少社会と言われる中、政令指定都市である札幌も例外ではなく、これらの問題を解決していくことが喫緊の課題と言えます。札幌市の児童生徒数の推移は、政令指定都市への移行があった昭和47年ころから急激に増加を初め、昭和60年ころにそのピークを迎え、20万人を超えたところです。しかし、平成29年度にはピーク時の3分の2程度の13万人まで大きく減少しているところです。また、1校当たりの児童生徒数の推移を見ますと、ピーク時には小学校では1校当たり平均が850人を超えていました。しかし、現在では平均で450人を下回るなど、学校の小規模化が進んでいる状況にあります。
このような状況を踏まえ、平成19年12月に札幌市立小中学校の学校規模適正化に関する基本方針を策定し、この方針に基づき、学校規模適正化の
取り組みが行われていますが、地域住民や保護者には学校の統合に対する不安の声があることも事実であり、こういった声にも寄り添いながら不安の払拭に努めるなど、より一層、丁寧な
取り組みが必要であると感じるところです。
そこで、質問でありますが、札幌市として学校規模適正化を進める目的は何であるのかを改めて伺います。
そして、これまで、学校規模適正化の
取り組みを進める際に、どのような点に留意して取り組まれてきたのかについてお伺いいたします。
また、次の
取り組み地域を検討する際には、どのような観点を考慮して進めていくのかについて、あわせて伺います。
以上で、私の質問の全てを終わります。ご清聴、まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(
山田一仁) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 答弁に先立ちまして、ただいま代表質問にお立ちになられました公明党・本郷議員の長年にわたるご活躍、ご労苦に対し、感謝を申し述べさせていただきたく存じます。
平成7年の初当選以来、6期24年の長きにわたり、
札幌市議会議員として、市民の声をお届けいただき、市政の発展に寄与していただいたことに心から感謝を申し上げます。
とりわけ、建築士としての知見を遺憾なく発揮され、
住宅耐震化促進条例や住宅エコ・
リフォーム条例を初め、数多くの
条例制定にかかわっていただきました。また、平成24年4月からは、札幌市議会
公明党議員会の会長を務められ、
札幌市政の運営に対し、数多くのご指導、ご助言をいただいたことにつきましても、深く感謝の意を表する次第であります。
本郷議員におかれましては、引き続き、議員任期の残任期はもとより、その後におかれましても、これまでのご経験を生かし、大所高所から
札幌市政へのご提言、ご助言を賜りますようお願い申し上げます。
それでは、全体で8項目のご質問をいただきました。私からは、1項目めの
秋元市政4年の検証と今後のビジョンについて、3項目めの災害時機能集約のための
市役所本庁舎の建てかえについて、4項目めの行財政改革の観点からの交通事業の将来展望について、5項目めの
冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けた障がい者スポーツの振興についての4項目についてお答えをさせていただきます。その余のご質問につきましては、担当の副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
まず、1項目めの
秋元市政4年の検証と今後のビジョンについてのご質問にお答えをいたします。
私は、2015年、平成27年に市長に就任をして以来、誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街、そして、世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街の実現に向けて、
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2015を速やかに策定し、計画的に市政運営に取り組んでまいりました。その結果、市民の皆様にお約束をしていた政策や事業はほぼ達成することができたと考えているところであります。
また、私は、この4年間、大都市札幌の
まちづくりを進める上で、50年先、100年先のまちの姿を見据えた判断が重要と考え、市政を進めてまいりました。具体的には、北海道新幹線の札幌延伸に向けた札幌駅交流拠点整備や、都心アクセス道路整備の検討を進めたほか、49社に上ります企業誘致やMICE誘致の推進、観光振興などに取り組んできたことに加え、将来の
まちづくりを見据えて、真の共生社会の実現や国際都市としての札幌ブランドの向上に資する
冬季オリンピック・パラリンピックの招致活動を進めてきたところであります。
人口減少・超高齢社会という時代の大きな転換点を迎える中で、多くの行政課題がございますが、引き続き、人を大事にすることを原点に据え、私が描く札幌の未来像の実現に向けて全力で取り組んでまいりたい、このように考えているところであります。
次に、3項目めの災害時機能集約のための
市役所本庁舎の建てかえについてお答えをいたします。
市役所本庁舎の建てかえにつきましては、大通西1丁目街区を将来の移転建てかえの候補地として、北海道新幹線の札幌延伸を見据えた都心等の整備や、
冬季オリンピック・パラリンピック招致などの財政投資の状況を踏まえて、その実施時期を検討していきたいと考えております。建てかえに当たりましては、分散している部局の集約を含め、さまざまな課題を整理、検証し、災害時にも十分に役割や機能を発揮できるものとすることが重要であると認識をしているところであります。
なお、このたびの震災を教訓といたしまして、本庁舎の周辺ビルに入居する部局が災害時に本庁舎の会議室を直ちに臨時的な事務室として利用し、業務を継続できるよう、現在、通信回線などの緊急整備を行っているところでもあります。
次に、4項目めの行財政改革の観点からの交通事業の将来展望についてであります。
札幌市の交通事業は、今後の
人口減少により大幅な乗車人員の増加というものが見込めない中、老朽化した施設の更新やバリアフリー化、訪日外国人旅行客への対応と、時代に合った施設整備やサービス提供への
取り組みが強く求められているところであります。このため、現在策定中の次期経営計画では、将来を見据えたこれらの
取り組みを加速して進めるとともに、地下鉄事業においてはいまだ多額であります累積欠損金や企業債残高を着実に縮減し、経営力を強化することに加え、一般会計からの財政支援を段階的に見直していくことで、札幌市の財政運営にも資する計画としてまいりたいと考えております。
また、路面電車事業につきましても、上下分離の導入により経営基盤の強化を図るとともに、安全管理体制を維持・継続していく計画であります。
なお、交通事業の将来的な経営のあり方につきましては、ご質問にもありました他の事業者における先進事例や民間の
取り組みなどを参考として研究を行い、より効率的で持続可能な経営と安全・安心な運行に努めてまいります。
次に、5項目めの
冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けた障がい者スポーツの振興についてであります。
1点目の冬季の障がい者スポーツの振興についてでありますが、昨年度、学識経験者などによる有識者会議において策定をいたしました障がい者スポーツ普及促進プログラムでは、手軽に競技用具を使える環境整備や指導者の養成、さらには、体験する機会の確保といった
取り組みが重要との提言がなされたところであります。これを受け、今年度から新たに障がいのある児童生徒のスキー学習などに対応するため、市内のスキー場6カ所にチェアスキーを配置するとともに、指導者の養成講習会の開催やウインタースポーツ塾のパラスポーツコースの開設に向け、鋭意、その準備を進めているところでありまして、今後とも冬季の障がい者スポーツの環境整備と裾野の拡大に努めてまいります。
2点目の障がい者のノルディックスキーワールドカップについてでありますが、札幌市において2回目となりますワールドパラノルディックスキーワールドカップの開催に当たりましては、前回大会と同様に市内小・中学生の応援ツアーを企画するなど、障がい者スポーツの理解促進に向けた
取り組みを行いますとともに、新たに障がいのある子どもたちがウインタースポーツを始めるきっかけとなる大会にしてまいりたいと考えております。
そこで、現在、出場するアスリートなどが視覚支援学校等を訪問し、障がい者スポーツの魅力を伝える交流会のほか、競技場でアスリートと一緒にスキーを楽しめるイベントの開催について準備を進めているところであります。
冬季オリンピック・パラリンピック招致に向け、こうした大会を一つ一つ積み重ねながら、今後とも、障がい者スポーツの振興に積極的に取り組むことで、心のバリアフリー化を含む共生社会の実現を目指してまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○議長(
山田一仁) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、6項目めの健康・医療分野の産業振興についてお答え申し上げます。
本郷議員のご指摘のとおり、札幌市が掲げております二つの未来の姿の実現に向けて、拡大が見込まれます健康・医療分野の産業振興は非常に重要でございます。この分野で、若者を初め、多くの人が果敢にベンチャーや起業に挑戦するとともに、成長企業が数多く生まれるまちに札幌がなっていくためには、モデルとなる成功事例の創出や研究資金環境の充実に加えまして、強固な産学官連携による支援体制の構築などが必要でございます。また、健康・医療分野の製品、サービスを市民の健康に生かしていくためには、庁内横断的に取り組むことも必要と認識するところでございます。
今後は、医療を切り口とした産業集積を目指す札幌商工会議所などとの連携を一層深めながら、札幌市が中心となって、地域一丸でさらなる環境整備に取り組んでまいりたいと考えるところでございます。
私からは、以上でございます。
○議長(
山田一仁) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 私からは、2項目めの
北海道胆振東部地震からの復興に向けた対応についてお答えいたします。
1点目の
災害対応の検証と
地域防災計画への反映についてでございます。
災害対応の検証や対策についてでありますが、行政側からの視点だけではなく、被災された市民目線からアプローチすることも重視して作業を進めているところでございます。検証を行う中では、これまで整備してきた計画やマニュアルにおける不足や不備、あるいは、市民や職員への周知が不十分だったことなど、さまざまな課題が見えてきているところでありまして、それらの課題についてしっかりと整理、検討し、地震に限らず、風水害など多様な災害にも対応できるよう、マニュアル等を含め、
地域防災計画へ反映してまいります。
なお、短期的に対応可能なものはスピード感を持って進めることとしておりまして、既に運用面の見直しなど、対策を講じてきているところでございます。一方で、計画的に対応すべき事柄もございますので、これらにつきましては、十分に検討を重ねながら災害に強い
まちづくりに取り組んでまいります。
次に、住宅の
耐震改修の促進についてでございます。
1点目の耐震化に関するこれまでの
取り組みの評価についてでありますが、
条例制定を受けまして、
耐震診断に対する補助を開始して以来、補助の対象を設計や
改修工事へも段階的に広げるとともに、補助率も引き上げるなど、随時、制度の見直しを進めてまいりました。また、補助事業の実施体制の拡充に向けて、建築士を対象とした診断員の登録講習会を毎年実施するなどしてまいりました。このような耐震化を促進するためのさまざまな
取り組みを継続してきたことが、近年の診断実績の増加につながったと考えておりまして、一定の成果があったものと認識しております。
2点目の住宅の耐震化を推進する今後の
取り組みについてであります。
これまで行ってまいりましたホームページや広報さっぽろなどによる情報提供に加えまして、戸建て住宅の所有者に耐震化事業の紹介パンフレットを直接配付するなど、より積極的な普及啓発に努めてまいります。
次に、被災者の
住宅再建についてであります。
里塚地区の復旧においては、コミュニティーの再生が最も重要であると考えておりまして、時間の経過とともに再生が難しくなるという
東日本大震災の経験がございますので、ご質問にもありましたように、地震発生からおよそ2カ月後の第3回
地元説明会では具体的な対策工法をお示しするなど、スピード感を重視して取り組んでいるところでございます。同時に、被災者個々の状況には違いがありますことから、復旧工事との調整に当たりましては、それぞれのご事情に配慮しながら進めていく考えでございます。
今月には、第4回目となる
地元説明会の開催を予定しており、復旧工事の詳細と具体的なスケジュールを提示し、地域のご理解をいただければ、一日でも早く復旧が進むよう全力で取り組んでまいる所存でございます。
次に、4点目の札幌市の強靱化についてであります。
このたびの大規模な自然災害に直面し、改めて、平時からの備えを通じて、人命を守り、経済や社会への被害を最小化し、迅速に復旧、復興させることが重要であると認識したところでございます。まずは、今年度末までに取りまとめます
災害対応の検証結果などを踏まえ、できるだけ早い時期に札幌市
強靱化計画を改定し、今後の具体的な
取り組みを市民の皆様にお示ししたいと考えているところでございます。
その上で、行政の
取り組みだけでなく、市民一人一人が住宅の耐震化など平時から被害の軽減に取り組むことや、企業が施設などの耐震化や災害時における事業継続体制の構築に取り組むことなどの自主的な活動も促してまいりたいと考えているところでございます。今後も、札幌市がリーダーシップを発揮し、災害時に市民・企業・行政が互いに連携しながら、それぞれが持つ力を十分に発揮することができるよう強靱化に向けた
まちづくりに力を尽くしてまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(
山田一仁) 岸副市長。
◎副市長(岸光右) 私からは、ご質問の中の7項目めの健康・福祉施策についてお答えをさせていただきます。
まず、1点目の本市の健康寿命の延伸に向けた対策の推進についてであります。
働く世代への
取り組みにつきましては、これまで、企業との健康づくりに関する協定などを推進してまいりましたが、中間評価の結果を見ますと、十分な成果が上がっていたとは言えない状況であります。
そのため、今後は、従業員の健康維持・増進が企業の生産性や収益性の向上につながるという健康経営の観点から、企業が自主的に社員の健康管理に取り組んでいけるように支援を行っていくことが重要と認識をしております。
次に、健康寿命の延伸に向けましては、運動習慣や健康への関心が低い人においても、日常生活の中で体を動かし、健康につながるよう、関係機関と幅広い連携を図りながら、まち全体で健康に取り組める社会環境整備を進めていくことが重要と考えております。
2点目の認知症施策についてでございます。
まず、今後どのように進めていくかについてでございますが、札幌市では、札幌市高齢者支援計画2018の重点施策として認知症高齢者支援の充実を位置づけ、市民理解の促進や相談支援、介護サービスの充実などに取り組んできたところです。今後も、認知症の人とその家族が地域で安心して暮らせるよう、国の新オレンジプランとも連動させながら
取り組みを進めていく考えです。
次に、本人、家族の悩みや不安をどのように施策に反映させていくのかということについてでございます。
市民意識調査やサービスの利用実態などの分析に加え、医療、介護、福祉の関係者から見た課題や家族会等からの声を重視し、
取り組みに反映をしているところです。引き続き、本人の意思を大切にし、家族や地域の実態に即した認知症施策の充実に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは、以上です。
○議長(
山田一仁) 長谷川教育長。
◎教育長(長谷川雅英) 私からは、8項目めの教育施策についてお答えをさせていただきます。
1点目の生涯学習の振興についてでございます。
札幌市教育振興基本計画の前期プランでは、市民が学んだことを生かし、みずからが講師となる講座を企画するなど、市民が互いに学び合うことのできる機会の創出に取り組んでまいりました。また、学校におきましては、地域の方々や企業等と連携した学習支援や体験活動等を行う機会を拡大するなど、学校と地域が一体となって子どもの成長を支える
取り組みを進めてきたところでございます。こうした
取り組みを通して、学齢期の子どもはもちろん、あらゆる世代の学びを市民ぐるみで支え合う仕組みが整ってきたものと認識をしております。
今後、後期プランにおきましては、市民の学びの拠点である生涯学習センターや図書館等の連携強化を図るなど、学習環境の一層の充実に努め、人と人とが学びを通じてつながり、そのつながりをさらに広げていくことにより、社会全体で取り組む生涯学習の振興を図ってまいります。
2点目の学校規模適正化についてでございます。
札幌市では、子どもたちの教育環境を整えることを目的として、学校規模適正化の
取り組みを進めているところでございます。具体的には、児童数がふえることにより、子どもたちが多様な意見に触れる機会がふえ、切磋琢磨する環境の中で学習意欲が向上することや、学習発表会といった大人数で行う教育活動が充実するなど、子どもたちへの教育面の効果が期待されるものであります。
また、
取り組みを進める際には、保護者や地域の方などを中心とする小規模校検討委員会におきまして検討いただいており、その
取り組み内容や決定事項への理解を得られるよう、丁寧な情報提供等に留意しているところでございます。
新たな
取り組み地域の選定につきましては、今後検討することになりますが、その際は、これまでと同様に、学校規模だけではなく、将来の児童生徒数の見込みや隣接校の状況、通学区域や地理的状況などを総合的に勘案しながら進めてまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
○議長(
山田一仁) ここで、およそ30分間休憩いたします。
――
――――――――――――――――――
休 憩 午後2時4分
再 開 午後2時35分
――
――――――――――――――――――
○議長(
山田一仁) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
平岡大介議員。
(平岡大介議員登壇・拍手)
◆平岡大介議員 私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について、順次、質問いたします。
初めに、市長の政治姿勢についてです。
質問の第1は、国政に対する市長の見解と市政への影響と対策についてです。
1点目は、領土問題についてです。
安倍首相は、先月、ロシアのプーチン大統領との会談後、平和条約締結後に歯舞群島と色丹島を日本へ引き渡すと定めた1956年の日ソ共同宣言を基礎に、締結交渉を加速させることで合意したと述べました。これは、北方四島の帰属問題を解決してから平和条約を締結するとした日本政府の基本方針を転換するものです。
我が党の質問に、市長は、北方四島は我が国固有の領土と認識をしていると答弁していますが、帰属問題の解決の前に平和条約を結ぶことになれば、それ以上の領土返還交渉の道は閉ざされてしまう問題があると思いますが、市長の見解を伺います。
2点目は、憲法の理念に基づいた平和外交についてです。
これまで、安倍政権は、北朝鮮の脅威を最大の口実とし、辺野古新基地建設や安保法制、軍備拡大を進め、憲法9条改正の必要性を強調してきました。しかし、今、朝鮮半島では、歴史的な平和の激動が起きています。3回に及ぶ南北首脳会談と初の米朝首脳会談が行われ、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築を進めること、米朝両国関係を敵対から友好へ転換することが合意されました。我が党は、この合意を心から歓迎するものです。
約1年前、米朝関係はまさに一触即発の状況でした。北朝鮮がミサイル発射と核実験を繰り返し、アメリカからは戦略爆撃機や空母が北朝鮮のすぐそばまで派遣されました。まさに、軍事的緊張がエスカレートしており、いつ偶発的な軍事衝突が起き、戦争へと発展してもおかしくない状況でした。そのような状況から、米朝関係が敵対から友好に切りかわり、世界が核戦争の脅威から免れる道が開けたことに、米朝首脳会談の画期的な意義があると考えます。
国際平和を誠実に希求し、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄するという憲法9条が指し示す、軍事によらない、対話による平和外交が前進しています。特に、韓国の文在寅大統領は、朝鮮半島で二度と戦争を起こしてはいけない、対話しか解決の道はないとの信念で、米朝首脳会談を実現する外交イニシアチブを発揮しました。
そこで、質問ですが、本来、憲法9条を持つ日本こそ、平和による外交を先導する役割を果たさなくてはならないと考えますがいかがか、憲法9条の考えに基づいた外交が朝鮮半島をめぐる課題の解決に求められていると考えますがいかがか、伺います。
3点目は、原発問題についてです。
胆振東部地震で、苫東厚真石炭火力発電所の停止により、全道295万戸が停電する
ブラックアウトが起こったことと同時に、泊原発の外部電力の喪失により、非常用発電機を使わなくては使用済み核燃料の貯蔵プールを冷却することができなくなる事態となりました。国会では、ことし3月、野党4党が共同で、全ての原子力発電所の速やかな停止、廃止を内容とする原発ゼロ基本法案を提出しました。
胆振東部地震の教訓からも、北電に対し、泊原発の再稼働はやめ、廃炉に向けた検討を始めるよう、市民の命と安全を守る市長の立場から表明すべきと考えますがいかがか、伺います。
4点目は、消費税増税による本市への影響についてです。
2014年度上期の札幌市企業経営動向調査では、回答した企業の39.8%が消費税率の引き上げが業績に悪影響を与えたと答えており、特に、飲食・宿泊業では53.7%、小売では59.5%が悪影響があるとしています。また、増税に伴い、軽減税率、キャッシュレス決済時のポイント還元などの経済対策を導入するとしていますが、協同組合連合会日本商店連盟が巨額のシステム改修が必要になることから対応は不可能だと自民党に対して要望書を提出しているように、企業や国民への新たな負担や混乱を生む内容です。
内閣官房参与、いわゆる安倍首相のブレーンである藤井 聡氏は、日本がデフレに陥ったのは、1997年の消費税増税が原因だ、10%への引き上げは日本経済を破壊すると警鐘を鳴らします。
そこで、質問ですが、消費税増税は、市民の暮らしと市内経済の悪化をもたらすものであると考えますがいかがか、市長の見解を伺います。
また、政府に対して、消費税増税の中止を求めるべきと考えますがいかがか、伺います。
あわせて、今回の消費税増税に伴って導入されるインボイス制度は、中小零細事業者にとって深刻な問題です。年間の売り上げが1,000万円以下の免税業者はインボイスを発行できませんが、納入先はインボイスがなければ仕入れ税額控除ができずに過大な税負担を強いられるため、全国で500万を超える免税業者が取引から排除されてしまう懸念がありますが、市内の中小企業のうち、どれだけの企業に影響があると分析しているのか、伺います。
質問の第2は、市内経済についてです。
政府は、2010年6月、中小企業は経済を牽引する力であり、社会の主役であると位置づけ、安定的で活力ある経済と豊かな国民生活を実現するため、政府が中核となり、国の総力を挙げて、困っている中小企業を支え、どんな問題でも中小企業の立場で考えていく中小企業憲章を定め、各種の支援策に取り組むとしています。
1点目は、経済センサスから見た市内経済における市長の評価についてです。
札幌市産業振興ビジョンは、2017年に改定され、市内の国と地方公共団体を除く民間の従業者数と企業の売上高の二つを数値目標に掲げました。まず、民間の従業者数は、2014年実績85万8,000人を2021年までに90万人とする目標を掲げていますが、2016年は83万8,911人と、2014年実績値より約2万人も減少しています。一方で、企業の売上高は、2014年実績15兆7,794億円を2021年までに16兆8,500億円とする目標ですが、既に2016年には21兆1,623億円までふえ、目標を4兆3,123億円上回る結果となりました。
産業振興ビジョンでは、企業の売り上げ増加は、就業者の収入増加につながり、それが新たな雇用を創出する好循環を生み出すとされていますが、企業の売上高が急速に目標を上回るもとで、民間の従業者数が減少するといういびつな経済状況となっている要因を市長はどのように分析し、評価されているのか、また、今後、好循環を生み出すために必要な要素は何であるとお考えか、伺います。
2点目は、中小企業基本法と小規模企業振興基本法を生かした
取り組みについてです。
札幌市の企業は、9割以上が中小企業です。その中でも、小規模事業者が約8割を占めており、市内経済と雇用を支えています。しかし、日本の中小企業の中でも、特に小規模事業所数は大きく減少し、札幌市でも、2012年の経済センサスと比較すると、個人経営の事業所数は、2万1,147から1万9,314へ約2,000事業所も減少しました。これに伴い、従業者数も約6,000人減少する深刻な事態となっています。
産業振興ビジョンでは、横断的戦略として、札幌経済を支える中小・小規模企業への支援などを明記していますが、とりわけ小規模企業と個人事業主における事業の継続的・持続的発展の課題について、市長の認識を伺います。
改めて、中小企業基本法と小規模企業振興基本法の理念に基づいた独自支援施策の前進と関係団体との連携強化が求められていると思いますが、市長の見解を伺います。
質問の第3は、都心アクセス道路についてです。
1点目は、急激な社会の変化と環境に配慮した交通政策への転換についてです。
日本は、急激な少子高齢化に伴う
人口減少時代を迎えると言われ、社会問題化するほど、自動車を所有しない若者の増加と高齢者の早期運転免許証の返納が進み、都心部ではカーシェアリングが急速に普及しています。これらは、過去にない新たな社会現象として、今後も、一層、交通量を減少させる要因となります。また、CO2削減は、地球温暖化防止を図る上で、世界の緊急的な課題であり、各国でのモーダルシフトの推進や都心部への自動車の流入抑制はますます重要な位置づけとなっています。
このように、自動車をめぐる急激な社会変化、すなわち交通量が確実に減少する時代を市長はどのように認識されているのか、また、世界の各都市ではCO2削減に配慮した交通政策の転換が迫られていますが、都心アクセス道路はCO2削減に資するという科学的根拠をお示しください。
2点目は、市民意見の反映についてです。
10月に行われた冬季五輪・パラリンピックの招致に関する新聞の世論調査では、招致に反対が53%で、賛成の46%を上回りました。反対する理由の第1は、ほかにもっと大事な施策があると思うからが57%、第2位は、招致活動や施設の整備、維持にお金がかかるからが33%で、この二つで9割を占めました。
この結果は、少子高齢化、災害の増加、インフラの老朽化が進行する時代に、大規模開発事業のために税金を投入するより、市民の命、安全、暮らしに必要な事業を優先してほしいという市民意見の反映であると思いますがいかがか、伺います。
また、都心アクセス道路は、詳細な道路設計が決まらないと交通量などの予測もできず、計画段階評価最終盤でなければ費用対効果も算出できないと言われています。費用対効果を後回しにして1,000億円以上の巨費を投じる都心アクセス道路の建設は、市民意見に逆行するものであると思いますが、認識を伺います。
3点目は、世界の先進都市における都心部の交通政策の評価についてです。
米国オレゴン州のポートランド市は、全米で最も住みたい都市の最上位にランクされ、世界各国からも注目されています。その要因の一つとして、公共交通を軸とした総合的な交通政策が高く評価されていることが挙げられます。ポートランド市は、かつて都心部への高速道路の建設が計画されていましたが、それを取りやめて、かわりにさまざまな公共交通優先の施策と歩行空間や自転車道の整備を積極的に進め、都心部から車の利用を抑制することで都市としての魅力を飛躍的に向上させました。そのことが、結果的に、全米を初め、世界から高く評価されているのです。
市長は、新たに都心アクセス道路を建設し、都心部への自動車の流入をふやそうとされていますが、都心部への自動車の流入を抑制し、都市の魅力を向上させてきた世界の先進都市の交通政策をどのように評価されているのか、認識を伺います。
次に、災害から暮らしと命を守る市政についてです。
質問の第1は、災害に強い
まちづくりと公共事業のあり方についてです。
1点目は、老朽インフラの改修、更新と耐震化の促進についてです。
胆振東部地震で、停電に伴う水道の断水が市民生活を直撃しましたが、この生活に欠くことのできないインフラである水道配水管の
耐震化率はわずか27.1%で、総延長約6,000キロメートルの配水管全てを更新、耐震化するのに80年かける計画です。液状化の被害を受けた
里塚地区では、配水管の本管が破損し、大規模な断水が発生しましたが、やはり耐震化されていないものでした。
さきの第3回定例会の代表質問で、市有建築物や道路、橋梁など老朽インフラの維持・更新が急務となっている問題を取り上げ、同時に、本市自身が、その費用を充当可能な財源が十分に確保できるとは言いがたい状況と述べていることを指摘しました。
本市は、建設費1,000億円もの都心アクセス道路を推進することに加え、容積率を緩和して高層ビルを林立させる都心再開発に巨額の税金を投入しようとしていますが、最優先すべきは、現にある老朽インフラの改修、更新や建築物の耐震化の促進だと考えますがいかがか、伺います。
また、国の
耐震改修促進法に基づき、本市においても建築物の
耐震診断や改修を進めており、特に、不特定多数が利用する床面積5,000平米以上の大規模建築物について、震度6強から7程度に対する
耐震診断が所有者に義務づけられ、報告されています。
対象となる病院や店舗、旅館、飲食店など不特定多数が利用する大規模建築物90カ所のうち、倒壊、崩壊の危険性が高いが30カ所と3割を超え、倒壊、崩壊の危険性がある14カ所と合わせると、約半数の48.9%に上ります。これら大規模建築物の耐震化を早急に進める必要があると考えますが、どのように促進を図っていくのか、伺います。
2点目は、液状化や土砂災害への対策についてです。
本市は、今回の地震を受けて、市内全世帯に地震防災マップの配布を開始し、その地域の想定し得る最大の震度や液状化危険度などを示して、日ごろからの備えを呼びかけています。こうした情報を市民に提供していくことは重要ですが、同時に、事前防災と減災を進める上でも、本市が示す液状化危険度図や土砂災害危険箇所、大規模盛り土造成地の中で特に液状化や崩壊の危険性が高いと見られる地域を優先的に独自の調査を行い、対策を講じていく必要があると考えますがいかがか、伺います。
質問の第2は、災害時の対策についてです。
1点目は、避難所の整備と医療体制についてです。
避難生活の改善のために、市民を支える医療、福祉の体制を災害対策という角度から見直すことが必要です。現在、本市では、要配慮者は基幹避難所に避難し、必要に応じて介護・福祉施設などの福祉避難場所へ移動する仕組みのため、基幹避難所に福祉避難スペースが配置されることになっています。今回の震災では、21カ所開設されたと報告されています。要配慮者への備蓄物資の充実や、医療、福祉の人材体制の配置などを検討すべきです。
基幹避難所に要配慮者が家族などと一緒に避難し、福祉避難場所に移行するまで、または帰宅するまでの期間を過ごすため、ベッドなどの設備を整えること、小・中学校に要配慮者の避難場所を想定した多目的室などの整備を計画的に行うべきと思いますがいかがか、伺います。
また、避難所に避難する要配慮者は、多くが在宅介護であると思われるため、日ごろからつながりのある地域の開業医による避難所の医療体制について検討を始めるべきと思いますがいかがか、伺います。
2点目は、消防職員の増員と、医療、福祉など民間との連携についてです。
行政には、災害後も、救援活動や被害の拡大防止と同時に被災者支援という役割がありますが、避難所を初め、現場に派遣される職員の多くは、
災害対応と同時に日常の業務もこなさなければなりません。しかし、災害時のかなめとなる消防職員の定数が、10年前と比べ、44人減っていることは問題です。
2009年度札幌市消防局運営方針では、本市の10年後の社会は、災害が多様化し、消防活動が難しくなる傾向の中、大規模災害に対応できる消防体制の構築、さらなる自主防災の
取り組み推進が必要であるとしています。消防職員を増員し、市民の安全を守る十分な人員配置が不可欠と思いますがいかがか、伺います。
また、本市では、市立病院を初め、市と消防と訓練を行っている病院がありますが、胆振東部地震発災後、市内に12カ所ある災害時基幹病院のうち、停電に伴い、一部の医療機関では、当初、救急の受け入れができませんでした。昨年、消防と災害派遣医療チーム、DMATが参加して訓練を行った病院は、この訓練を通じて発災時の関係機関や病院職員の連携について確認ができたものと思われますが、さまざまな事情に対応し、市内の災害時基幹病院が相互に連携できるようにすることが重要です。
現在、災害時基幹病院が個別に行っている訓練を合同で実施する必要があると思いますがいかがか、そのために本市が率先して具体化すべきと思いますがいかがか、伺います。
次は、安心して子どもを産み育てられる札幌についてです。
生まれた子どもが差別や不利益を受けることなく、健康で自分らしく豊かに成長・発達していけるよう、本市は、2008年に子どもの最善の利益を実現するための権利条例を制定しました。この理念は、市が実施する全ての子ども施策並びに子どもの育ちや成長にかかわる大人への支援策に貫かれなければなりません。女性が妊娠し、出産するまでの間は、胎児の成長とともに母体も日々変化することから、不安がつきまとうものです。とりわけ、胎児の父親や同居する家族がいない、出産の費用負担が経済的に困難、保険料の滞納などで無保険状態になっている妊婦などは、産後の生活の安定が見込めず、一層の不安を抱えています。
質問の第1は、産後の支援策についてです。
1点目は、リスクを抱えた妊産婦への支援の拡充についてです。
本市は、産後ケア事業を2016年9月からスタートさせました。委託先の助産所に直接申し込み、宿泊型では利用料が1泊2日で8,000円、日帰り型では3,500円、市民税非課税・生活保護世帯はそれぞれ半額の自己負担となる事業ですが、経済的困難を抱える方やリスクを抱えている方などは、費用がかかるため、利用することにちゅうちょする方もいると聞いています。
産後の支援を必要としている方が経済的な心配をしないで利用できる仕組みを検討していくことが必要だと考えますが、どのように対処されるのか、伺います。
2点目は、産後ケアの充実についてです。
市内のある産婦人科では、母乳育児支援と同時に、母親のさまざまな不安や育児環境を把握し、継続支援が必要な母子を見逃さない目的で病棟の助産師による産後家庭訪問を行っています。育児不安と疲労により精神疾患が悪化した母親を受診につなげるなど、必要な支援を進めています。
現在本市が行っている母子保健訪問指導や産後ケア事業とあわせ、リスクを抱える母親を妊娠期から支援している病院の事例などを取り入れる必要があると思いますがいかがか、市内産婦人科、助産所、精神科、小児科などと情報を共有し、連携しながら、経済的困難やリスクを抱えた方への産後ケアを充実させる必要があると思いますがいかがか、伺います。
質問の第2は、保育所整備と待機児童対策についてです。
出産を終えると、子どものいる新しい生活がスタートします。夫婦共働きやひとり親の家庭は、産後間もなく仕事に復帰するため、保育所入所が必要となります。安心して預けられる保育所であることが親の願いですが、本市の保育施策は、入所の段階から親を悩ませる事態となっています。
ことし4月時点で、希望する保育所に入所できず、国定義には含まれない待機児童が本市には1,963人もおり、いまだに保育所不足の問題が解決できていません。この3年間で、保育施設は、既存施設からの移行も含め、認定こども園42、保育所45、地域型保育事業49、合わせて136の施設が整備されましたが、そのうち66施設がビルの一室など、園庭が十分に整備されていない代替園庭の保育施設です。また、地域型保育事業は2歳までしか預けられず、保育所を途中で変えなくてはなりません。にもかかわらず、本市は、区保育・
子育て支援センターちあふるを整備する都度、公立保育所を廃園にしており、今後もその方向を変えようとはしていません。
本市の行う保育所整備は、公立保育所を潰し、民間に任せるやり方であり、待機児童対策と言いながら保育を市場に売り渡すものです。保育所整備や待機児童対策は、女性が安心して働き続けるための中心的な課題です。
市長公約である待機児童ゼロ対策と子育て支援を強化する施策にふさわしく、従前以上の十分な予算を組み、保育士の処遇を改善し、園庭があり、就学前まで同じ施設に預けられる保育所の整備など、安心して保育所に預けたいという親の願いに応えるべきだと考えますがいかがか、伺います。
質問の第3は、子どもの貧困対策についてです。
本市が札幌市子どもの貧困対策計画を策定するために2016年に実施した実態調査では、家計の状況について、どちらでもなくぎりぎり、赤字を合わせた割合は62.6%で、子育て世帯が経済的に苦しい実態が明らかになりました。とりわけ、非課税世帯では81.8%、ひとり親世帯では78.2%と、より苦しい実態です。また、経済的理由により、家族が必要とする食料を買えなかった経験が、よくあった、時々あった、まれにあったを合わせた割合は、世帯全体が17.2%なのに対して、非課税世帯では34.9%、ひとり親世帯では30%にもなっています。病院等を受診したほうがいいと思ったが、受診させなかった経験があったの割合は、世帯全体が18.4%なのに対して、非課税世帯では24.2%、ひとり親世帯では22.3%と、本市の調査でも、経済的に苦しい子育て世帯が多く、とりわけ、非課税世帯、ひとり親世帯は、食事や健康など命にかかわる事項でできなかった経験がある割合が世帯全体より多いことが明らかになっています。
本市の子どもの貧困対策計画は、より効果的な支援につなげることを趣旨としていますが、実態調査で明らかになった、食事や健康など命にかかわる分野で経済的負担から子どもに提供できないことが、起きないようにすることを、計画の中に明記すべきだと考えますが、いかがか。
子ども医療費無償化の対象年齢の拡大、就学援助の対象拡大、学校給食の無償化など、保護者の経済的負担を軽減する施策が貧困対策として有効であり、施策の中心に据えるべきだと考えますが、どのようなお考えなのか、伺います。
質問の第4は、行き届いた教育の実現についてです。
子どもが小学校に通うようになると、行動範囲が広がり、地域とのかかわりが深くなります。とりわけ、学校は、地域コミュニティーの中心であり、子どもと教員、PTAの相互の関係を深め、安心と信頼を築き、子どもの個性を尊重しながら教育を進める重要な拠点です。
しかし、本市は、地域の合意のないまま、子どもを抜きに学校統廃合を強行し、地域住民からの信頼を大きく損ねています。また、学校規模適正化を進める理由として、人間関係が固定化する、切磋琢磨する機会が減るなどを挙げていますが、そのことについて具体的な根拠を本市は全く示しておりません。
子どもたちにとってよりよい教育環境を整えるための本市の役割は、現場の教員、保護者も強く求めている少人数学級を全ての小・中学校で早期に実現することです。学校長への少人数学級に関する意識調査では、小学1、2年生と中学1年生で実践している35人以下学級は、40人学級と比較して、生活面及び学習面の全ての項目で、向上した、やや向上したの数値が平均87%と高く、低下した学校は一つもないという結果が出されており、少人数学級がよりよい教育環境をつくることは明らかです。
一方、教員の長時間労働は深刻な実態となっています。本市
教育委員会が実施した2015年の教員の勤務実態調査では、休憩時間を余り自由に利用できなかった、全く自由に利用できなかったが87.1%、時間外勤務の月平均は全体で65.7時間、多い人は105時間もあるという深刻な数値が出されています。
全国的に問題となっている教員の長時間労働を抜本的に解決する方法を本市はどのようにお考えか、少人数学級を進め、教員1人当たりの受け持つ子どもの数を減らすことが有効だと考えますがいかがか、伺います。
本市子どもの最善の利益を実現するための権利条例第30条には、「職員が心に余裕を持って、子どもと十分にかかわることができるよう、必要な職場環境の整備に努めるものとします。」と明記しており、本市独自にでも、35人以下学級の拡大を実施すべきと考えますがいかがか、伺います。
最後に、いつまでも安心して暮らせる札幌についてです。
貧困と格差が広がる中、住まいや医療、介護など、市民生活への支援が重要です。
質問の第1は、高過ぎる国保料についてです。
1点目は、公費による負担軽減についてです。
本市の国保料は、2000年から平均保険料を15万1,543円とし、平均保険料が上がらないようにするためだけの一般会計からの繰り入れを行ってきました。本市の2017年国保加入者の平均所得は、一般世帯で約96万円であり、2000年の平均所得約140万円と比較すると、1カ月の収入が3万円から4万円引き下がっていることになります。
しかし、国保料は下がらず、所得の10%を超える高さです。毎年、市民から国保料の引き下げを求める陳情が市議会に提出されていることは、払える国保料にしてほしいという市民の切実な実態のあらわれだと思いますがいかがか、その認識を伺います。
全国知事会では、政府・与党に保険料引き下げのための公費1兆円の負担を要望しているように、国による財政措置が必要であることは全国共通の認識です。横浜市では、子どものいる世帯への減免制度をつくっており、同居している16歳未満の被保険者1人につき33万円、16歳以上19歳未満の被保険者1人につき12万円を控除して、子どもがふえても保険料が上がらない仕組みとしています。
同じように、本市が子育て世帯への減免制度を行う場合、負担は推計5億5,000万円です。本市は、一般会計から国保会計への繰り入れを昨年度比約16億円減らしています。この分を使えば、子育て世帯の保険料を引き下げることは可能だと思いますがいかがか、国の措置を待つのみではなく、本市独自で国保料引き下げを行うべきと思いますがいかがか、伺います。
2点目は、資格証の発行についてです。
本市の10月末現在の国保料の滞納世帯は6万4,126世帯、このうち、短期証が1万3,393世帯、病院窓口で10割負担となる資格証が7,638世帯に発行されています。本市は、資格証の発行について、滞納している方との折衝の場を持つためとしていますが、第1回定例会での我が党の質問において、電話や文書での連絡で折衝できなければ、短期証、資格証を機械的に発行していく実態が明らかとなりました。資格証の発行では、折衝の効果がないことは明らかです。
横浜市では、短期保険証の有効期限を延ばし、短期証の交付に当たっては、来庁を条件にせず、原則、郵送にするなど工夫し、資格証の発行を抑制しています。
全国の手おくれ死亡事例では、資格証や短期証の方がいますが、本市では、そのようなことが起こる懸念はないのか、資格証の発行はやめるべきだと思いますがいかがか、伺います。
質問の第2は、社会的弱者への生活支援策についてです。
1点目は、市営住宅についてです。
ことし1月31日に起きた共同住宅「そしあるハイム」の火災で、11名が亡くなりました。この痛ましい事故は、行き場を失った生活困窮者がこうむった悲劇であり、本市の住宅政策の課題を浮き彫りにしました。
市営住宅の応募倍率は、2014年度26.3倍、2015年度22.9倍、2016年度25.4倍と、何度応募しても入ることができない状況が続いています。にもかかわらず、本市は、次期住宅マスタープラン案で市営住宅の管理戸数を抑制する方向で、借り上げ市営住宅も1,178戸を解消していくという真逆の施策を示しています。これでは、ますます生活困窮者が行き場を失う事態が深刻となるため、戸数の抑制はやめるべきです。
今後、消費税増税や年金のさらなる削減など、貧困格差が一層広がる社会情勢のもとで、市営住宅への入居を希望する人の住まいの確保が必要だと考えますがいかがか、伺います。
また、市営住宅に入居できず、民間のアパートなどに入居せざるを得なかった世帯に対し、せめて市営住宅と同等の家賃とする新たな仕組みを検討するべきだと考えますがいかがか、伺います。
2点目は、福祉灯油の実施についてです。
札幌市消費者センターの調査では、灯油配達価格が108円となり、平均でも100円と高どまりしており、低所得者にとって死活問題です。この間、市民団体からの福祉灯油の実施への要望書が提出されています。しかし、本市は、実効性がないと、市民の願いに冷たく背を向けています。福祉灯油は、昨年、道内で過半数を超える96市町村で実施され、道民の冬の暮らしを支えています。
道都札幌において、経済的な理由から寒さで凍死者を出すようなことがあってはなりません。低所得者や高齢者、障がい者など、最も弱い立場の市民に配慮して、福祉灯油の実施をするべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の第3は、高齢者の外出支援についてです。
高齢者の健康増進、介護予防の促進のために、外出支援は重要です。他の自治体では、交通事業者、民間事業者、警察などとも連携し、公共交通機関に加え、タクシーの利用料金の助成を実施し、高齢者の外出促進策を図っています。特に、積雪寒冷地である本市の場合、雪道で転倒することを恐れ、外出を控えてしまう高齢者も多く、バス停や地下鉄まで歩くこともためらう実態があります。
これまで、我が党が、高齢者の外出支援は、健康増進のみならず、個人消費の増加や高齢者の免許返納を促す効果があることを示し、敬老優待乗車証、敬老パスの利用拡大を求めてきたことに対し、市長は、2017年第4回定例会の代表質問で、札幌市は地下鉄やJR、路線バスなどの公共交通機関により、ほぼ全域を移動できると答弁していますが、JRで敬老パスを使うことができません。市内には、周辺に地下鉄がなく、バス路線も廃止され、移動手段がJRしかないという高齢者もいます。
タクシーやJRでも敬老パスを利用できるよう改善し、高齢者の外出を支えるべきと考えますがいかがか、そのための関係事業者との協議や意見交換を行うべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の第4は、障がい者支援についてです。
共生社会を目指し、障がい者の自分らしい生活を保障するためには、障がい者福祉サービスの維持と向上が大切です。しかし、今年度の障害福祉サービス等報酬改定により、就労継続支援B型事業所は、目標工賃達成額の加算が廃止され、平均工賃月額の7段階のランク評価により基本報酬単価が決定されるようになり、平均工賃月額が1万円以上でなければ障がい福祉サービス事業所の減収となる可能性があります。平均工賃月額を上げるために仕事量や労働時間をふやすことは、より障がいの重い利用者を事業所から排除することにつながります。
今年度の報酬改定により、障がいの程度により工賃が低い利用者が多く通う事業所が大幅な減収となり、運営が立ち行かなくなることや、報酬改定に伴う本市の障がい者施設への影響について実態調査を行うべきだと思いますがいかがか、伺います。
以上で、私の質問の全てを終わります。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)
○議長(
山田一仁) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で大きく4項目のご質問をいただきました。私からは、私の政治姿勢についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の吉岡副市長、岸副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、私の政治姿勢についてのご質問のうち、1番目の国政に対する私の見解と、市政への影響と対策についてお答えをいたします。
まず、1点目の領土問題についてでありますが、政府には、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという基本方針のもと、一日も早く領土問題が解決することを願う元島民の方々の思いも踏まえ、交渉を進めていただきたいと考えており、今後の政府間による外交交渉の進展状況を注視してまいりたいと考えております。
次に、2点目の憲法の理念に基づいた平和外交についてでありますが、憲法9条は、平和主義の理念を具体化した規定であると認識しており、争いのない平和な世界を築いていくということは、何よりも大切なことであると考えているところであります。政府におきましては、こうした憲法の理念を尊重し、国民の安全・安心を確保するとともに、国際社会の平和と安定に寄与していくことが重要と考えているところであります。
次に、3点目の原発問題についてでありますが、泊原発の再稼働につきましては、現在も原子力規制委員会の慎重な審査が継続中であり、引き続き、この審査の状況について注視してまいりたいと考えております。
また、言うまでもございませんが、原発の問題のみならず、北海道電力には、電力事業者としての保安責任をしっかりと果たしていただきたいと考えているところであります。
次に、4点目の消費税増税による本市への影響についてであります。
消費税率の引き上げは、国及び地方を通じた社会保障の充実、安定化に充てる財源の確保を目的とし、さまざまな視点で議論がなされ、国政の場において決定されたものであり、札幌市の重要施策であります子育て支援の充実等にも資するものと認識をしております。
税務署への申告義務がない免税業者につきましては、国においてもその状況を把握していないというところでありますが、インボイス制度の円滑な導入に向けたさまざまな措置が講じられるものと承知をしております。
消費税率の引き上げに伴う市民生活や経済への影響につきましては、国において低所得者対策等を含めて各種の対策が議論されているところであり、まずは、その動向について注視をしていきたいと考えております。
次に、2番目の市内経済についてでありますが、まず、経済センサスから見た市内経済の評価についてであります。
民間の従業者数の減少につきましては、生産年齢人口の減少が影響しており、市内企業の人手不足感にもつながっていると認識をしております。このことから、全国と比べて有業率、仕事を持っている人の割合でありますけれども、これが低い女性や高齢者の就労支援でありますとか、首都圏等からのUIターンの促進による就労者増に力を入れているところであります。一方、企業の売上高につきましては、ほぼ全ての業種で増加をしており、活発な企業活動が行われていると評価をしているところです。
好循環を生み出すために必要な要素につきましては、雇用の場の確保、創出及び企業、従業者の収入増加であることは今後も変わらないものと考えており、産業振興ビジョンに掲げた施策を着実に行ってまいります。
次に、中小・小規模企業の支援についてでありますが、中小・小規模企業は、大企業に比べて資金面や新製品の開発といった新たな事業展開を図るための経営資源が不足していることに加え、事業承継などさまざまな課題を抱えているものと認識しているものであります。したがいまして、国、北海道や金融機関、経済団体などとの連携を強化しながら、市内企業の現状を踏まえた独自の支援策を実施してまいりたいと考えております。
次に、3番目の都心アクセス道路についてであります。
まず、1点目の急激な社会の変化と環境に配慮した交通政策への転換についてでありますが、今後、
人口減少や超高齢社会を迎えるに当たり、都心や地域中心核に機能を集積させるコンパクトな
まちづくりを進めていくとともに、それらを支える地域交通の再編、連携が重要であると認識をしております。
CO2削減につきましては、自動車の走行速度が上がるとCO2の排出量が少なくなりますことから、都心アクセス道路の整備による自動車交通の円滑化により、周辺道路を含む全体のCO2排出量が減少するものであります。
次に、市民意見の反映についてでありますが、市民からさまざまな意見が寄せられる中で、限られた経営資源を効率的・効果的に活用しつつ、災害対策やインフラの整備と老朽化対策などの必要な事業につきましては、適切な予算配分を行い、進めているところであります。
都心アクセス道路の費用対効果につきましては、現在、国が進めております計画段階評価において、概算事業費を示した上で、複数の案の比較、評価、そしてアンケート調査などが行われており、今後、新規事業の採択時において費用対効果分析を含めた事業評価が行われるものと認識をしております。
次に、世界の先進都市における都心部の交通政策の評価についてでありますが、それぞれの都市の状況に応じて公共交通と道路ネットワークを有機的に組み合わせた交通体系を検討した結果である、このように認識をしているところであります。
私からは、以上であります。
○議長(
山田一仁) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 私からは、2項目めの災害から暮らしと命を守る市政についてお答えいたします。
最初に、災害に強い
まちづくりと公共事業のあり方についてであります。
まず、老朽インフラの改修、更新についてでありますが、水道管、道路、橋梁などの公共インフラ及び建築物に関する老朽化対策や耐震化は、重要な課題でありますことから、既に計画的に進めてきているところであり、引き続き着実に取り組んでまいります。
次に、大規模建築物の耐震化の促進については、所有者の事業計画や建物の利用状況に応じたさまざまな検討が必要となりますことから、国や札幌市の支援に関する情報提供や、所有者との協議、調整を通じての耐震化に向けた働きかけをこれまで継続的に行ってきているところでございます。
なお、これらの大規模建築物は、耐震化に係る費用負担が大きいことから、一般的な施設よりも補助額を引き上げ、改修や建てかえを促しているところでございます。
今後も引き続き、所有者との連携を密にして、早期に耐震化が図られるよう努めてまいります。
2点目の液状化や土砂災害への対応についてであります。
札幌市では、これまで、大規模盛土造成地マップや地震防災マップ中の液状化危険度図などを活用し、液状化や土砂災害等の危険性について市民周知を図ってきたところでございます。このたびの
北海道胆振東部地震の発生に伴い、市内の数地区で液状化と見られる現象が確認できましたことから、
里塚地区や美しが丘地区、月寒東地区などでボーリング調査等を行っているところであり、今後は、これらの調査結果などを踏まえ、引き続き災害に強い
まちづくりへの
取り組みを進めてまいります。
次に、災害時の対策についてであります。
1点目の避難所の整備と医療体制についてでありますけれども、まず、避難所の整備につきましては、避難場所基本計画見直し検討委員会において、備蓄物資や要配慮者対策の充実についても検討を行ってまいります。
次に、避難所の医療体制についてでありますが、保健師等による巡回保健指導を行いながら、必要に応じて医療機関につなげるとともに、災害派遣医療チーム、いわゆるDMATや医療関係者で構成される医療救護班により対応することとしております。
2点目の消防吏員の増員と災害時基幹病院等の合同訓練についてであります。
まず、消防吏員の増員についてですが、消防職員定数減の主な要因は、交通や道路環境の整備が進み、迅速な出動体制が確保できるようになったことから、消防出張所の建てかえ時期を捉えて統合を行ったものでありまして、統合前と同様の市民サービスが提供できている状況にございます。
大規模災害時は、このたびの
北海道胆振東部地震の経験からも、市内の消防力に加え、地域住民や民間企業における自助、共助の推進、さらには、北海道内外からの広域応援など、総合力による対処が重要であると再認識したところでございます。これらを踏まえ、引き続き、関係機関との連携を強化するなど、消防・防災体制の充実を図ってまいります。
次に、災害時基幹病院等の合同訓練についてでありますけれども、災害時基幹病院が独自に行っている訓練を合同で実施することは、災害時における医療機関同士の連携を円滑に行うために重要と認識しており、今後、災害時基幹病院と連携した合同訓練について検討してまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(
山田一仁) 岸副市長。
◎副市長(岸光右) 私からは、ご質問の中の3項目めの安心して子どもを産み育てられる札幌についてのご質問の中の小項目の1点目から3点目までと、ご質問の中の4項目めのいつまでも安心して暮らせる札幌について、以上、お答えをさせていただきます。
まず、3項目めの安心して子どもを産み育てられる札幌についての1点目の産後の支援策についてであります。
まず、リスクを抱えた妊産婦に対する支援の拡充についてでありますが、各区保健センターの保健師が、母子健康手帳交付の際の面談におきまして、ひとり親や若年妊婦、経済的な不安等のリスクの把握に努め、個別の状況に応じた支援を実施しているところです。リスクを抱えた妊産婦につきましては、引き続き、さまざまな母子保健事業を活用しながら、産後を含めたきめ細やかな支援を行い、育児に対する不安や負担の軽減に努めてまいります。
次に、産後ケアの充実についてでありますが、リスクを抱えた産婦に対しては、行政と医療機関の双方向からの支援が不可欠であり、札幌市におきましても、平成15年から保健と医療が連携した育児支援ネットワーク事業を実施し、医療機関との情報共有を図っているところです。今後も、さらに、行政と医療機関等の顔の見える関係構築に向けた連携方法の検討を行うなど、産後ケアの充実に努めてまいりたいと考えております。
2点目の保育所整備と待機児童対策についてであります。
札幌市では、これまでも、多様な保育ニーズに対応するため、新・さっぽろ子ども未来プランに定める需給計画に基づきまして、幼稚園の認定こども園への移行や認可保育所、
小規模保育事業所の整備を行ってまいりました。また、ことし4月には、保育ニーズが増大しているという状況を踏まえ、需給計画の見直しを行い、さらなる供給量の拡大に努めているところです。さらに、札幌市では、例えば、代替園庭や保育士の配置を国基準以上に設定するなど、保育の質にも配慮をしており、今後も、利用者が安心して保育サービスを受けられるよう、保育所等の整備を進めてまいりたいと考えております。
3点目の子どもの貧困対策についてであります。
子どもの貧困対策計画におきましては、生活基盤を確保するための経済的支援の
取り組みや、子どもの健やかな成長、学びを支える
取り組みを基本施策の一つとして位置づけております。実態調査におきまして、困難を抱えていると考えられる世帯ほど社会的に孤立の傾向にあることが確認をされており、各種施策が有効に機能するためには、これらの世帯を早期に把握し、より効果的な支援につなぐことが特に推進すべき
取り組みであると考えております。今後とも、全庁を挙げて、施策の推進に取り組むとともに、検証を行いながら、子どもの貧困対策の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、ご質問の中の4項目めのいつまでも安心して暮らせる札幌についてであります。
1点目の高過ぎる国保料についてでありますが、まず、公費による負担軽減についてであります。
国民健康保険料につきましては、他の健康保険と比較をして、決して安いものではなく、加入者の負担感には強いものがあると認識をしております。横浜市では、平成26年度から、子育て世帯に対する保険料の減免のため、一般会計の繰り入れを行っておりますが、平成30年度からの都道府県単位化に伴い、こうした保険料の負担軽減を目的とする繰り入れは解消、削減すべき赤字とされておりまして、札幌市として同様の措置をとることは難しいものと考えております。
次に、資格証の発行についてであります。
医療保険制度におきましては、誰もが必要なときに安心して医療機関を受診できることが最も重要なことであります。資格証明書を交付している世帯から医療費の一時払いが困難である旨の申し出があった場合には、速やかに医療機関へ受診できるよう保険証を交付するなど、柔軟な対応を行っているところです。資格証明書は、折衝機会の確保のため、個々の世帯の生活状況などを十分に考慮し、法令に基づいて交付をしており、今後も適切に対応してまいりたいと考えております。
2点目の社会的弱者への生活支援策についてであります。
まず、市営住宅についてでありますが、今後の
人口減少や民間賃貸住宅の空き家の状況等を踏まえ、札幌市住宅マスタープランの見直しにおきまして、市営住宅の管理戸数は、現状水準の維持から転換をし、抑制していくことを基本としたところです。また、民間賃貸住宅の家賃低廉化に係る支援制度につきましては、他都市の動向も参考にしながら、本市の厳しい財政状況を踏まえ、課題を整理しつつ、慎重に検討を行っていくこととしております。
次に、福祉灯油の実施についてであります。
福祉灯油につきましては、給付金及び支給事務に多額の経費を要するものの、給付を受ける側にとりましては、冬期間の暖房費のごく一部が補填されることにとどまりますことから、施策としての実効性が高いとは言えないものであり、実施は考えておりません。
なお、今後も、灯油価格の推移については注視をしてまいりたいと考えております。
3点目の高齢者の外出支援についてであります。
敬老優待乗車証は、生活や身体状況などの個々の事情にかかわらず、全ての70歳以上の高齢者を対象に外出を支援するものです。高齢者がふえ、事業費が年々増加をしている中、制度の持続可能性という観点から、対象の交通機関はバス、地下鉄、市電に限定しており、他の交通機関への拡大は困難であると考えている次第でございます。したがいまして、関係事業者との協議や意見交換につきましても、現時点では実施する考えはございません。
4点目の障がい者支援についてであります。
報酬改定に伴う障がい福祉サービス事業所への影響につきましては、まずは、来年3月に公表が予定をされております国が行う報酬改定の検証調査結果を通して把握することが適当であると考えております。その結果なども踏まえ、札幌市といたしましても、さまざまな機会を捉え、事業所への影響の把握に努めるほか、必要に応じまして、国に対して報酬改定に関する要望などを検討してまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
○議長(
山田一仁) 長谷川教育長。
◎教育長(長谷川雅英) 私から、項目の3の安心して子どもを産み育てられる札幌についての4点目の行き届いた教育の実現についてお答えをさせていただきます。
教員の長時間労働対策につきましては、既に国からもその内容が示されておりまして、学校における業務の役割分担の適正化や勤務時間に関する意識改革、時間外勤務抑制のための措置など、総合的に取り組むことが必要でございます。このため、札幌市におきましても、夏季休校日や部活動活動基準の設定などを実施しているところでありますが、少人数学級につきましては、必ずしも長時間労働の解消につながるものとは考えておりません。
また、少人数学級につきましては、児童生徒にきめ細かな指導を行う上では有効であると認識しておりますものの、その拡大につきましては、長期的かつ安定的な制度運用が必要となりますことから、国が財源等を保障すべきものであり、引き続き、さまざまな機会を通じて国に要望してまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
(平岡大介議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
山田一仁) 平岡議員。
◆平岡大介議員 都心アクセス道路について、行き届いた教育の実現について、大きく二つ再質問をさせていただきます。
質問に入る前に、原発問題について、それから消費税について、一言申し上げたいというふうに思います。
原発問題について、先ほど、市長は、原子力規制委員会の審査を今後も注視していくというふうに答弁をされましたけれども、本日の新聞で、泊原発3号機の非常用ディーゼル発電機で端子の取りつけ不良が2009年12月の運転開始時から約9年間放置をされていたと、原子力規制委員会の更田豊志委員長は、トラブルが多過ぎるというふうに問題視し、北電の対応を厳しく検証していくということが報道されました。
改めて、道民と市民の不安をあおる、不安にさせるような、この管理もずさんな泊原発の再稼働はさせずに廃炉にすべきと、市長の立場から表明をしていただきたいというふうに思います。
また、消費税について、
秋元市長は、社会保障の安定、それから充実のために必要なんだということも答弁されておりますが、これまでも消費税の増税が繰り返される中で社会保障というのは削られてきておりまして、今後も、75歳以上の医療費を原則2割負担にすることや、要支援だけではなくて、要介護1、それから要介護2も介護保険制度から外すという社会保障の削減が、この増税案と一緒に、同時に検討されてきているところであります。
秋元市長は、子育て支援の充実のためにも使われるだろうと、こういった旨の答弁もありましたけれども、消費税は、所得の多さにかかわらず、同じ税率で商品やサービスにかかるものであり、所得が低ければ低いほど負担が重たいという逆進性のある税であります。10%への増税が、既に、家計がぎりぎりだ、食料が買えない、病院にもかかることができないと言っているこの子育て世帯にとって大きな打撃となります。
低所得者対策についても答弁で触れておりましたけれども、その中身は、クレジットカードを持っていない人は恩恵を受けることができないとか、そういった内容であり、本市の言葉をかりますと、実効性の低いものなのではないでしょうか。
また、インボイスの影響について、影響する企業の把握は難しいという答弁もありましたけれども、増税が強行された場合に、増税とインボイスがこの市内企業に与える影響を十分に調査し、必要な対策、支援を行うべきというふうに求めておきます。
それでは、再質問に入らせていただきます。
一つ目に、都心アクセス道路についてであります。
今定例会では、これまでで初めて、都心部の駐車場の設置義務を緩和する条例改正案が提出されています。具体的には、都心部の駐車場にあきが目立ち、利用率はピーク時でも6割から7割となっている。そこで、これからビルを建てる、または改築する事業者がバスや地下鉄などの公共交通機関の利用促進策を打ち出せば、つまりは公共交通機関を使いやすいつくりにすれば、駐車場の台数は従来の基準よりも少なくてもよいというものであります。
まさに、質問で指摘したとおり、車の交通量は減っていて、今後も減っていくことを見越した条例改正だと認識しておりますが、だとすれば、都心部の車の流入をふやす都心アクセス道路の建設を進めることと矛盾するのではないかと考えますが、この矛盾をどのように説明されるのか、伺います。
またあわせて、2017年に本市が行った都心アクセス強化に関するアンケートでは、混雑や渋滞は感じないという意見がある一方で、右折車線のわかりにくさや標識等の案内の不十分さを指摘する声も多いことから、創成川通のみならず、全市的に幹線道路の安全性と利便性の向上を図るべきだというふうに思います。
先日、私は改めて創成川通を見てまいりましたけれども、北33条から北24条までのほとんどで道路の白線が消えている状況でありました。それは、北に向かっていく車線でも同様の状況でございました。また、全体的に道路の路面の修繕後の継ぎはぎが多いのですけれども、特に北18条から北24条に向かう車線の路面の凹凸がひどい状況であります。
そこで、伺いますけれども、このような路面状況と右折車線のわかりにくさが、ドライバーの不安をあおり、減速や事故を誘発する要因となっていると考えますが、創成川通の走行路や標識、白線などの案内がどのようになっているのか、どのような状況であるのか、交差点を中心にドライバーの混乱を発生させる要因について検証することが必要ではないかと考えますがいかがか、伺います。
二つ目に、行き届いた教育の実現について質問させていただきます。
先ほど、私は、学校は、地域コミュニティーの中心であり、子どもと教員、PTAの相互関係を深め、安心と信頼を築き、子どもの個性を尊重しながら教育を進める重要な拠点であると申し上げました。しかし、残念なことに、11月27日の夕刻、市立小学校教員における体罰の疑いがテレビ報道されました。
教育委員会によると、7月20日から教職員課及び当該小学校に対して保護者から十数回にも及ぶ情報が寄せられ、9月25日には教育長宛ての投書があったということです。
教育委員会は、体罰行為や学級崩壊などは確認できないとしていましたが、その後、保護者との面談で体罰の疑いがあるとして、体罰事故調査委員会を立ち上げ、調査を実施するとしています。
そこで、質問ですが、最初の情報が提供された7月20日から約4カ月も経過していることは、学校における子どもと教員、PTAの相互関係の安心と信頼を損なったというふうに思いますがいかがか、伺います。
また、本市の学校全体に子どもの最善の利益を実現するための権利条例が息づいた教育が実践されていないあらわれだと思いますが、市長はどのようにお考えか、お聞かせください。
○議長(
山田一仁)
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 再質問いただきましたうち、都心アクセス道路の関連についてお答えをさせていただきます。
1点目は、都心への流入をふやすことになるのではないかということ、その他の政策との整合性はどうかということかというふうに思いますが、都心アクセス道路、これは高速道路等からの都心とのアクセスということであります。これからコンパクトシティを目指していく中で、それぞれの拠点とのアクセス性を高めていく、そのことを重要視した一つでございます。
そういう意味では、札幌の場合は、とりわけ冬期間の走行速度等に問題があり、これは、量をふやすというよりは、全体の、例えば高速道路を通じて道内の他地域に行く、あるいは、道内の他地域から入る、空港からの行き来ということ、これらをスムーズにしていくことによって人の流れをよくしていこうということであります。ですから、当然のことながら、流入をしてくる部分というものもございますけれども、出ていく車が出ていきやすくなるということも想定をしているわけであります。
白線等、あるいは道路標識等の点検はどうかということでございます。これらは、道路管理者、国道でございますけれども、国道として通行に支障があるのか、ないのかということ、路面状況については、逐次、道路パトロール等で点検をし、危険な箇所あるいは改善をすべきところについては改善をされているものと認識をしておりますし、私どもも、国道の管理者に対しまして、春先等の路面状況についてはこういった情報を提供させていただいて改善に取り組んでいただいているという状況でございます。
以上であります。
○議長(
山田一仁) 長谷川教育長。
◎教育長(長谷川雅英) 行き届いた教育の実現についての再質問ということでございますが、
教育委員会といたしましては、先ほど来お話のございました札幌市の将来を担う子どもの権利の保障につきましては、大変重要なものと考えております。したがいまして、これまでも、この権利の条例の理念に基づいてそれぞれの
取り組みを進めてきたところでございます。
少人数学級の拡大という再質問かと思いますが、これにつきましては、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、長期的かつ安定的な制度運用が必要となりますことから、国が財源等を保障すべきものであり、引き続き、さまざまな機会を通じて国に要望してまいりたいというふうに考えてございます。
私からは、以上でございます。
(平岡大介議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
山田一仁) 平岡議員。
◆平岡大介議員
秋元市長は、決して都心部の車の量をふやすわけではないというふうにおっしゃっておりましたけれども、北海道開発局がこれまで主導で行われてきた検討委員会の資料には、企業や商業、宿泊施設などが集積し、都心部において今後ますます人流、物流の需要増加が想定される、こういったことも想定しているわけですから、当然、車の量もふえていくと。ただ、そのときに、駐車場はこれから減らすという改正案でありますから、やっぱり、それとは矛盾するのではないかというふうに思います。
それから、質問の中で、ポートランドの事例というのも私は紹介させていただきましたけれども、それぞれの都市で状況に応じて検討した結果だというふうに答弁されましたが、世界や国内の他都市の先進的
取り組みというのは、学ぶべきところは学んで本市の施策に取り入れるべきではないでしょうか。ポートランドのように、都心部への車の流入を減らし、公共交通機関を充実させていくことは、自動車が減少する時代に求められているということを改めて指摘させていただきます。
それから、道路の状況についてでありますけれども、例えば、夜間や冬場の走行を考慮した電光標識の設置だったり、路面の白線に色をつけるなどの工夫をして走りやすくするための改善は十分可能であるというふうに思いますし、やはり、総額85億円から170億円でできると言われている右折レーンの設置を含めた交差点改良は、金額面もそうですけれども、工事の期間も比較的に短く、即効性のある対策であるため、本市の言っている混雑の解消に十分機能するのではないかというふうに思います。
地下トンネルや高架橋など総工費1,000億円超えの高規格道路の建設はやめるべき、必要ないとはっきり申し上げておきます。
2点目に質問いたしました行き届いた教育の実現についてでありますけれども、本市の子どもの権利条例には、施設関係者は、子どもの言葉、表情、しぐさなどから思いを受けとめ、相談に応じ、対話などを行うよう努めるというふうにあります。つまり、学校を初め、
教育委員会は、子どもの話をよく聞いて、受けとめて対応しましょうということが書かれているわけであります。7月20日に情報提供があったのに、なぜそういう姿勢で受けとめようとしてこなかったのか、なぜこうしたことが起きたのか、学校と
教育委員会はどう対応すべきだったのか、子どもの権利条例の観点から十分検証することを強く求めまして、質問を終わります。
○議長(
山田一仁) 以上で、代表質問は全て終了いたしました。
(小須田悟士議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
山田一仁) 小須田悟士議員。
◆小須田悟士議員 委員会付託の動議を提出いたします。
ただいま議題とされております議案23件を、お手元に配付の議案付託表のとおり、関係の常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
山田一仁) ただいまの小須田議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。
動議のとおり決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
山田一仁) 異議なしと認めます。
したがって、ただいま議題とされている議案23件は、お手元に配付の議案付託表のとおり関係の常任委員会にそれぞれ付託されました。
――
――――――――――――――――――
○議長(
山田一仁) お諮りいたします。
本日の会議はこれで終了し、明日12月7日から12月12日までは委員会審査等のため休会とし、12月13日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
山田一仁) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定いたしました。
――
――――――――――――――――――
○議長(
山田一仁) 本日は、これで散会いたします。
――
――――――――――――――――――
散 会 午後3時52分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 山 田 一 仁
署名議員 佐 々 木 み つ こ
署名議員 國 安 政 典...