札幌市議会 > 2018-10-29 >
平成30年第一部決算特別委員会-10月29日-09号
平成30年第二部決算特別委員会−10月29日-09号

  • JET(/)
ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2018-10-29
    平成30年第一部決算特別委員会-10月29日-09号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成30年第一部決算特別委員会-10月29日-09号平成30年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第9号)               平成30年(2018年)10月29日(月曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32名(欠は欠席者)     委 員 長  福 田 浩太郎      副委員長   阿部 ひであき     委   員  三 上 洋 右      委   員  宮 村 素 子     委   員  高 橋 克 朋      委   員  五十嵐 徳 美     委   員  長 内 直 也      委   員  小須田 悟 士     委   員  こじま ゆ み      委   員  飯 島 弘 之     委   員  小 竹 ともこ    欠 委   員  中 川 賢 一     委   員  松 井 隆 文      委   員  福 士   勝     委   員  小 野 正 美      委   員  大 嶋   薫     委   員  ふじわら 広昭      委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  長谷川   衛      委   員  山 口 かずさ     委   員  林   清 治      委   員  岩 崎 道 郎     委   員  成 田 祐 樹      委   員  丸 山 秀 樹     委   員  小 口 智 久      委   員  わたなべ 泰行     委   員  竹 内 孝 代      委   員  太 田 秀 子
        委   員  池 田 由 美      委   員  田 中 啓 介     委   員  堀 川 素 人      委   員  坂本 きょう子     委   員  中 山 真 一       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、中川委員からは、欠席する旨、届け出がありました。  それでは、議事に入ります。  議案第1号 平成29年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件中関係分に対する討論を行います。 ◆松井隆文 委員  私は、自由民主党議員会を代表し、第一部決算特別委員会に付託されました平成29年度の各会計歳入歳出決算認定の件について、これを認定する立場で、簡潔に討論を行います。  まず最初に、先月の台風と胆振東部地震という連続で発生した大きな災害を踏まえた都市災害への対応についてであります。  特に、先月発生しました胆振東部地震では、速報値ではありますが、市内で1名の方が亡くなられ、300名近い方々が負傷されました。ここに、改めて、お悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、被災された方々の一日も早い回復と復興を願うところであります。  被害状況は、相当数の建物被害を初め、道路の亀裂、陥没や断水、さらに、全道一斉の停電、ブラックアウトにより交通機関等が全面停止となったことから、物流の混乱を招き、水、食料を初め、災害対策物資品等が不足するなど、本市としてこれまでに経験をしたことがない災害に見舞われました。その影響は、特に清田区の里塚地区等における液状化により道路の陥没と住宅の損壊、傾きが激しく、ふだんどおりの市民生活が全くできない現状が今も続いているところであります。  市は、地震発生直後から、被災者のための避難場所の設置や、水、食料等の備蓄物資の提供を行うなど、災害初期段階の対応を積極的に行うとともに、幹線道路の陥没等に対し、応急的な災害復旧を講じており、議会においても、災害からの早急な復旧、復興を図るため、2度にわたり、総額約189億7,000万円の補正予算を可決したことは、一定の評価をするところであります。  また、これまで、安倍首相を初め、多くの大臣等が災害状況の視察に訪れ、市として積極的に被災実態を訴え、議会としても、激甚災害の指定を求める意見書を可決し、国へ提出するとともに、我が会派も積極的に要望活動を行い、その結果、早期に激甚災害の指定を受けたところであり、今後も、災害復旧等に伴う財源確保に向け、さらなる取り組みが望まれます。  今回、被害の激しい地区においては、今後の生活に不安を感じている方々が多く、その対策が求められておりましたが、今議会の中で、宅地と道路を一体的に土砂流出の再発を防ぐ液状化対策に取り組むことが決定し、さらに、観光の風評被害に対しては、メディアやSNSを活用した取り組みを行うとともに、観光産業の早期回復を図るため、観光関連事業者とともに復興割などの対策を講じるとのことであり、今後も、積極的な対策について、地域住民や関係機関と連携し、推進すべきと強く指摘いたします。  我が会派は、本定例会の代表質問及び委員会質疑において、今回の地震災害等による災害復旧について迅速な回復を図るとともに、避難を余儀なくされた方々への支援について、精神的不安の解消に向けてスピード感を持って対応すべきと訴えてきております。  特に、今回の災害を教訓として、避難所の環境改善と備蓄物資の見直し、停電対策への具体的な検討、震災を踏まえた札幌市強靱化計画の改定、地震被害における公費撤去の支援制度の拡充、災害時における観光客対策の強化、被害を受けた商店街や農業生産者への支援、高齢者の入所施設や保育所通園に対する継続的支援、消防団を活用した地域防災力の充実、ブロック塀等の倒壊を防止することによる子どもたちへの安全対策など、災害発生時の各種施策の充実について、被害を受けられた方々の目線に立って検討を行い、今後も、札幌での生活に支障がなく、住み続けたいと思える対策を講じるよう強く求めたところであり、関係する部局が連携を図り、積極的に対応することを望むものであります。  次に、平成29年度の決算内容についてでありますが、一般会計における補正後の最終予算において1兆円の大台に達し、決算における執行率も94.3%、決算額9,693億円に達したところであり、また、歳入における市税収入において、20年ぶりに2,900億円台に回復するなど、積極的な財政運営と歳入確保については評価する一方、今回の災害の影響は、今後の札幌市の経済、とりわけ本市の基軸である観光産業や企業の立地促進及び雇用といった面で影響を受け、後年度における歳入等にも大きく影響を及ぼすおそれも考えられることから、これまで以上に財政運営の健全性の確保に努めるよう強く求めるところであります。  それでは、我が会派として、本特別委員会等の中で質疑しました政策や事業を初め、今日的課題に対し、特に指摘や意見が必要と思われる事項について、簡潔に述べてまいります。  初めに、新たな都市づくりに向けた課題についてでありますが、まずは、今回の地震被災地である本市として、真に災害に強いまちづくりを目指すため、札幌市の強靱化計画の改定について、スピード感を持って行うことを求めます。  次に、北海道新幹線については、札幌延伸効果を高めることが重要となるため、バス、路面電車等の2次交通との交通結節機能の強化について十分に調査検討し、慎重に戦略をつくり上げるとともに、現在検討されている貨物新幹線との関係において、新千歳空港までの新幹線延伸や札幌貨物ターミナルとの連携など、札幌開業後の動向も視野に入れ、各種施策を検討すべきと考えます。  次に、文化振興の課題でありますが、札幌国際芸術祭については、市民のための事業となるよう、方向性や体制を見直し、効率的で実効性を伴う事業展開とすべきと指摘します。また、PMFの運営においては、新たな協賛企業の開拓を初め、札幌文化芸術劇場との相乗効果を図るなど、さらなる活性化に努めるべきと考えます。  次に、地域のまちづくりにおける課題についてであります。  我が会派の代表質問で取り上げました町内会に関する条例の進め方については、町内会の自主・自立性を尊重しつつ、町内会は何を望んでいるのかの原点に立ち返り、協働の精神に基づいた整理に努めるべきと考えます。  次に、市政執行の課題についてでありますが、市職員の障がい者雇用について、障害者雇用促進法にて義務づけられている法定雇用率を超えていないことが判明したことから、今後は、法律に従い、的確に運用し、法定以上の雇用に努めるとともに、障がい者差別の解消に向け、可能な範囲で合理的配慮を行うべきと考えます。  また、広報誌における著作権問題を初めとする知的財産権の取り扱いについては、重要性の認識において甘い部分が見受けられることから、本市として意識の向上と知識の習得に全庁を挙げて取り組むことを求めます。  次に、教育環境等の推進、充実の課題でありますが、これまでも代表質問等にて取り上げてきた学校における郷土資料については、子どもたちが地域の歴史を知るための貴重な財産であることから、その取り扱いについて、廃棄ありきではなく、さまざまな手法を検討し、地域の郷土資料として守るべきと指摘します。  このほか、特別支援学級の就学相談において、住みなれた地域での就学も含め、一人一人の子どもたちに寄り添った最もふさわしい教育環境を与えられるよう、丁寧な対応を求めます。また、登下校時のかばんの携行品については、児童生徒の健康に配慮し、負担軽減への取り組みを推進すべきと考えます。  次に、都市環境における課題についてであります。  今回の地震によるブラックアウトの事態は、本市196万市民の生活や安全を守る立場として、電力の安定確保の重要性について、平時から問題意識を持って北海道電力との信頼関係を築くことが必要であるため、当事者意識を明確にし、対応することを強く指摘します。  次に、子育て環境における課題についてであります。  児童虐待の増加により、家庭で養育することが難しく、里親や施設等の社会的養育のもとで暮らす子どもの数が今後さらに増加する可能性が叫ばれているため、里親の養育力を高める取り組みを充実させる方向で、児童相談所を初め、母子保健、教育機関等の各分野が実効性のある連携を図るべきと考えます。  以上、内容のみ述べさせていただきましたが、このほか、本特別委員会において、我が会派が質問し、留意すべき点や指摘しました内容について十分参酌され、スピード感を持って今後の事務事業の執行に当たられますよう強く求めて、討論を終わります。(拍手) ◆岩崎道郎 委員  私は、民主市民連合を代表し、第一部決算特別委員会に付託されました議案第1号 平成29年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件中関係分について、認定すべきものとの立場で、討論いたします。  2017年度決算は、歳出決算額9,693億円に対して歳入決算額は9,831億円となり、2018年度へ事業を繰り越した財源を除いた実質収支は72億円となりました。県費負担教職員の権限移譲による職員費の増など、大きな制度変更や喫緊の課題に対応しながらも、将来に過度な負担を残さない堅実な財政運営を行ってきたものと理解します。  また、市債残高の推移を見ると、企業会計を含めた札幌市全会計の市債残高は、2017年度末で1兆6,839億円と14年連続の減となっており、評価できますが、一般会計の市債残高だけを見ると1兆531億円と6年連続で増加しており、懸念を持っています。今後は、子育て支援や教育、福祉の充実と、公共施設の更新需要といった大きな課題への対応も必要となり、財政運営はより厳しさを増していくものと考えます。  加えて、台風21号に続く北海道胆振東部地震は、本市にも大きな影響をもたらし、全市的な長時間の停電、大きな住宅被害や道路の陥没など住民生活に直結する被害からは、さまざまな課題が浮き彫りになりました。  さらに、直近の10月27日には、前線の影響で市内でも局地的に雨が強まり、一部地域では、土砂災害の危険があるとして、避難準備、高齢者等避難開始情報が出され、避難所も18カ所開設されました。震災の記憶が消えぬ間の大雨被害に、市民の不安も大きかったと思います。一連の災害を受け、本市の危機管理対策、防災の取り組みについては、本委員会において、各委員が指摘したことを含め、全庁を挙げて早急に取り組んでいただくことを冒頭に求めておきます。  それでは、本委員会において、我が会派の各委員が取り上げました各局の課題について、提言を含め、順次、述べてまいります。  初めに、財政局についてです。  2017年度市税決算額については、前年度決算より43億円増加し、収入率も現行地方税制が施行されて以来、最も高い値となっており、収入未済額の大幅な圧縮とともに評価できます。今年度においては、災害に伴う市税収入への影響が少なからず出てくるものと思いますが、被災者へ寄り添った配慮や税制面での措置を適切に講じるとともに、税収の確保にも取り組んでいただけるよう求めます。  基金の活用については、財政調整基金の活用や災害に対応した新たな基金の設置、また、特定の目的のために積み立てている既存の基金についても柔軟に見直すことで、被災者支援へ対応していく必要があります。将来の目標へ向けて頑張っている札幌の子どもたちの夢がついえないよう、強く支援していくことを求めます。  公共施設マネジメントは、今後、人口が減少する見込みの中にあって、必要な施設を見きわめ、効率的に公共施設を配置し、管理していく上でも必要であり、早期の策定を求めておきます。また、長寿命化の観点では、建物の保全の際に初めて長寿命化について検討するのではなく、建築時から長く使用することを前提とした設計や工法を積極的に取り入れるべきです。  次に、選挙管理委員会についてです。  本市においては、幾つかの部局がSNSのアカウントを開設し、即時性のある情報を発信しており、特に、先日の震災においては、SNS上にさまざまなデマが飛び交う中、行政の信頼できる情報が非常に役に立ったとの声も聞いており、評価しているところです。そういった状況を踏まえ、若者への選挙啓発については、インターネット、特にSNSを活用し、選挙前だけではなく、日ごろより選挙に関する情報を発信すべきであると考えます。  総務局では、広報さっぽろについて、本年5月号から紙面デザインを一新し、より市民に手にとって見てもらえる広報を目指していることは評価していますが、6月号のいわゆるベルばら問題における著作権への認識不足と配慮の足りなさについて、再発の防止を求めるとともに、今回の騒動に委縮し過ぎることなく、これからも斬新で市民の目を引くデザインを追求してもらいたいと考えます。  災害時の広報体制について、大きな災害時には、停電などによって市民に対して情報伝達手段が限られてしまうことや、市に対する問い合わせ電話などがふえることにより、本来業務の負担になることから、市は、災害時においてはツイッターなどのSNSも利用し、より迅速かつ正確な情報発信について、さらなる強化を行っていくことを求めます。  2016年度に完了した基幹系情報システムは、依然としてシステムのふぐあい、障害が多数発生していますので、今後は、システム改修等に当たっては、区役所職員代表者等を含めた関係者が集まり、システムの改修、改善を図ることを強く求めておきます。  また、今回の外部システム監査の報告書の管理について、札幌市公文書管理規則に基づき、次回のシステム更新に活用すべきです。  危機管理対策室では、今回の震災では、被災者ほど情報が少なく、情報に飢えるということがよくわかりました。今後は、災害が起きた際、札幌市にいる全ての人に正確な情報を発信し、安全を高める方法を十分に検討していただくよう要望します。特に、正しい情報発信という観点から、防災ラジオのように、スマホを持たない人や高齢者でも正しい情報が得られる手段の構築は急務ですし、災害のような緊急時こそ、スマホの強みが存分に発揮できるよう、本市として公共施設におけるWi-Fi環境整備に努めていただくよう求めます。  次に、教育委員会では、現在、北海道には公立夜間中学校が一校も設置されておらず、市民ボランティアの方々による自主夜間中学校が受け皿となってきました。今後は、教育を受けることを希望する一人でも多くの方々に対して教育の機会を確保することが極めて重要と考えますので、札幌市教育委員会が積極的にかかわり、一日も早い公立夜間中学校の設置の実現を求めます。  巡回スクールソーシャルワーカーの取り組みについては、成果と課題について検証を進めていただき、学校だからこそ気づくことのできる困難を抱えた子どもたちを必要な支援へと結びつけ、社会全体で支えていく体制の強化の一助となっていただけるよう、スクールソーシャルワーカーのさらなる増員や取り組みの強化についてもあわせて要望します。  札幌市の幼児教育は、これまで、幼児教育センターが中核となり、市立幼稚園及び認定こども園と私立幼稚園の連携により、政令市の中でも質の高い幼児期の学校教育を推進し、大きな成果を出しています。今後は、特別支援を必要とする幼児や幼保小連携をレベルアップしていくためにも、市立幼稚園教諭の新規採用を行い、幼児教育指導員の育成を早急に取り組むことを強く求めておきます。  次に、市民文化局についてです。  性的マイノリティー支援に関しては、一部で認識不足や偏見から来る差別的な発言などがあり、大きな問題となりました。パートナーシップ宣誓制度を持つ札幌市としては、今後も、市民への理解促進と、当事者や関係団体への支援を進めるよう求めます。  札幌市民交流プラザの開館及び札幌文化芸術劇場hitaruこけら落とし公演の成功に向けたこれまでの取り組みと、今後、地元文化団体を支援するため、市民より多額の寄附をいただくことにつながった取り組みを高く評価します。また、中学生を対象としたクラシックバレエの鑑賞事業の実現を評価するとともに、今後の継続を求めておきます。  今後は、同劇場を含む交流プラザの各施設が貸し館事業に傾注することなく、多くの市民や地元文化団体等とともに、札幌の文化芸術の裾野を広げていくため、2年目以降も札幌市の継続した財政支援と財団のノウハウを生かした企画等を求めておきます。  公立大学法人札幌市立大学の運営については、第3期中期目標では、特に実社会とのかかわりをより一層深めることによって、D×N(ディー・バイ・エヌ)による教育、研究、地域貢献の取り組みを磨き上げていくことを求めており、新学長を迎えた今後は、D×N(ディー・バイ・エヌ)のさらなる進化と、特にAI技術などを生かした新たな研究など、札幌市の持続可能な発展に寄与する人材育成などに取り組むことを求めます。  大通東1丁目街区の再開発では、都心のまちづくりを先導するエリアとして、災害に強い機能導入を目指すとともに、東2丁目街区は今後の再開発や周辺整備をする上で非常に重要な土地であることから、民間の活力を最大限に生かした魅力的な施設を配置すべきです。  次に、消防局に関して、民泊の防火対策については、消防法令適合通知書の提出がない施設への立ち入りを着々と進めていただくとともに、民泊ならではの防災や大規模災害への備え、万が一の避難などについても配慮していただけるよう求めます。  北海道胆振東部地震について、消防局は、札幌市の対応だけに限らず、厚真町への派遣や道外からの応援隊についての調整など、危険な地域での任務をしっかりと遂行されましたが、現地での対応や経験などによってさまざまな気づきや教訓を得られたことと思います。今後も、その経験や検証をベースに訓練を続けていただき、これからも頼りになる札幌市消防局であることを求めます。  次に、環境局についてです。  今回、地震によるブラックウトで市民は非常に長い停電を経験しました。今後は、停電時の備えとして太陽光発電設備のさらなる普及が進むと考えられますので、引き続き、市民向けの補助をしっかりと進めていただくことを求めます。  加えて、市有施設においても電気の確保は重要な課題であり、まちづくりセンター地区センター、学校等においては、市民が情報を収集できるよう支援することが災害時には最低限必要であることから、積極的に市有施設へ太陽光発電と蓄電池を設置し、災害時にも活用できるように取り組んでいただくことを求めます。  また、ここ数年、全国的に大規模な自然災害が多発していますので、札幌市としても、早急に災害廃棄物処理計画を策定するとともに、市内の一般廃棄物収集委託事業者と災害時の収集協定を締結すべきです。  円山動物園のゾウ舎が完成し、もうすぐミャンマーから4頭の象がやってきます。子どもたちが待ち望んでいた動物園の主役を大切に飼育し、次の世代へつなげていける取り組みを進めていただけるよう求めます。  最後に、子ども未来局関係では、子どもの貧困対策について、子どものくらし支援担当課を中心に取り組みを進めていることは評価します。そして、ぜひ、今この瞬間にも貧困にあえいでいる子どもが本市にも数多くいるという現実に目を向け、子どもたちの境遇に思いをはせ、可能な限り、全庁的かつ積極的に子どもの暮らしにかかわっていただくことを切実に要望いたします。  以上が、本特別委員会で、我が会派に所属する各委員が提言、要望を交えて行った質疑です。市長を初め、各理事者におかれましては、各委員の指摘、提言について、来年度の予算はもとより、今後の市政運営に積極的に反映していただけますよう求めて、私の討論を終わります。(拍手) ◆小口智久 委員  私は、ただいまから、公明党議員会を代表し、本特別委員会に付託されました平成29年度各会計決算につきまして、これを認定する立場から、討論を行います。  平成29年度決算を振り返りますと、国の補正予算等を活用しながら、札幌市まちづくり戦略ビジョンアクションプラン2015で重点に置いている観光や産業振興、再開発支援などの取り組みに加え、女性活躍など、社会情勢の変化を踏まえた新たな取り組みを始めております。その結果、一般会計の歳出決算額9,693億円に対して、歳入決算額は9,831億円となり、平成30年度への繰り越し財源65億円を除いた実質収支は、およそ72億円の黒字となったところです。このことは、市税収入が予算額を42億円上回ったことが大きく寄与しているものと認識しております。女性の納税者数が伸び、また、固定資産税収入も前年を上回っており、今後もこの流れを促進する税源涵養に資する取り組みを行っていく必要があります。  一方、公共施設やインフラの更新費用が今後の財政運営を逼迫させる懸念があると指摘されております。本市においても、将来の費用負担を見据え、既存施設の更新と、将来のために必要な投資のバランスに留意しながら、積極的な取り組みを進めていくべきであると考えます。  9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震により、札幌市も大きな被害を受けました。復興に向け、被害を受けた方に寄り添い、スピード感を持った対応を行うことが必要であります。特に、災害に強いインフラ整備は急務であります。今まで以上に災害に強いまちづくりのために、創造的な復興に向けて取り組むべきです。  秋元市長も、アクションプラン2015において、財政バランスを重視し、めり張りのきいた財政運営を行うとしているところであり、以下、我が会派が述べる提言等を踏まえ、今年度の予算の執行及び平成31年度予算編成にも反映されることを望みます。  それでは、本委員会を通じて、我が会派が取り上げてまいりました主な諸課題について、局別に提言、要望等を述べてまいります。  最初に、財政局です。  地方公会計の取り組みについては、財政書類を分析することで、施設の更新需要等の行政課題を定量的に把握できることから、公会計の整備や予算編成等の意思決定に大変役立つものです。そのためには、日々仕訳による財務書類の早期整理が必要ですので、適切な準備を行うことを求めます。  次に、総務局です。  まず、札幌市本庁舎の維持管理と強靱化についてですが、災害対策本部機能は、行政機能が集約された本庁舎で対応すべきです。本庁舎内に関係部局を集約する必要性も含め、極力、早い段階で、本庁舎の今後について方向性を決定することを求めます。  続いて、障がい者雇用については、札幌市が積極的な姿勢を示すことで、民間への波及効果が期待される中、今回の再調査において、数値が不正確であったことは遺憾であります。職域の開発、支援のあり方、雇用・就業形態などの研究・検討を行うとともに、ハード面のみならず、ソフト面の寄り添った配慮など、これまで以上に障がいのある方の雇用に力を入れていただくことを要望いたします。  次に、危機管理対策室です。  まず、避難場所や備蓄庫の環境改善についてでありますが、避難所だけでなく、備蓄品目や備蓄庫の場所等についても、さまざまなふぐあいが発生したところです。改善点は早急に対応し、しっかり検証、また、現場の声も聞き取りながら改善していくことを求めます。  続いて、災害時の情報伝達です。  札幌市の防災アプリそなえは、今回の地震の際、緊急情報の発信が不足していたことから、アプリの改善、見直しを進めるとともに、市のさまざまなイベント等で利用促進を図っていくよう求めます。また、災害対策本部で集約した情報を速やかに公開できる体制を構築するよう要望いたします。  次に、教育委員会です。  公立夜間中学に関しては、我が会派も5月に早期開設を求める要望書を申し入れたところですが、一日も早い公立夜間中学の設置を目指していくことを求めます。また、新しい学習指導要領を踏まえた取り組みについては、子どもにこれからの時代を生きていくために必要な力を育むことを目指して改訂されましたので、教員の研修や実践例の共有などを行い、深い学びを実現するよう求めます。  次に、市民文化局です。  北海道胆振東部地震における災害義援金の配分については、広報をしっかり行う必要があることを指摘します。また、一部損壊の被害を受けた方についても、義援金が行き渡るよう、配分委員会において前向きに議論を行うことを要望いたします。  続いて、札幌市の芸術文化振興とサッポロ・シティ・ジャズについてですが、心を豊かにする芸術文化の取り組みは積極的に推進すべきであり、特に、サッポロ・シティ・ジャズは、市民参加型のプログラムを持ち、地域の活性化にも寄与するものであります。小・中学生に加え、全国の高校生が活躍する場をシティ・ジャズの事業として検討することを求めます。  次に、まちづくり政策局関係です。  まず、真駒内駅前地区のまちづくりについては、若年層を初め、多くの市民からの意見を幅広く聞き、南区民や次世代の方たちが誇りに思える、魅力あふれるまちになるよう検討を進めることを求めます。  続いて、新幹線延伸工事に伴う残土の処理についてでありますが、現在、重金属類を含む要対策土の本置き場が決まっていないことから、負荷の大きくなる仮置き場のしっかりとした安全確保を求めます。また、要対策土を資源として活用している例もあることから、さまざまな活用方法を研究することも要望いたします。  続いて、創成東地区におけるリノベーションまちづくりの取り組みについてであります。  この地区では、大規模再開発等が実施されている一方、歴史的な背景を踏まえたリノベーションまちづくりの取り組みも始まっており、このようなソフト・ハード両面でのまちづくりにより、都心の利便性を享受しながら、課題となっている住民間のつながりを生む人間性豊かなまちづくりを着実に進めることを要望いたします。  続いて、安定した電力供給体制の構築に向けたまちづくりについてでありますが、今後、分散電源の有無がオフィス選択の重要な要素となると考えられます。都心エネルギーマスタープランのアクションプランでは、リスク低減の観点から、都心部更新に分散電源施設を誘導する取り組みを検討することを求めます。  次に、消防局です。  消防団の充実強化についてでありますが、消防団が地域住民へ防災意識の普及啓発に積極的に取り組むことは非常に効果的であります。防災指導力のある消防団員の人材活用とともに、女性消防団員を含めた一層の充実強化を求めます。  次に、環境局です。  まず、札幌市のエネルギー対策についてでありますが、分散電源の導入は、環境対策のみならず、災害対応の面でも有効であることが示されました。今後も、エネルギー施策は、環境対策と災害対応の両面から、コージェネレーション等や次世代自動車の普及に引き続き力を入れるとともに、電力会社との連携や多様な再生可能エネルギーへの取り組みを検証していくことを要望いたします。
     続いて、災害ごみの対応については、被災した方が一日でも早く日常生活に戻るために、災害で発生したごみを早急に出せるような対策が必要であります。災害時のごみの出し方や分別の方法の普及啓発など、今後の対応を検討することを要望いたします。  続いて、食品ロス削減についてでありますが、国連のSDGsにおいても目標と定められております。アンケートの分析等を生かして、家庭への啓発を工夫するとともに、事業者への働きかけを地道に進めていくことを要望いたします。  続いて、円山動物園の災害時の対応と課題についてでありますが、円山動物園は、積雪寒冷地にあることから、電力への依存度が高く、温度管理の観点からも、非常用電源は十分に備えておく必要があります。非常用電源への燃料対策も含め、長時間停電への対応についても検討を行うことを求めます。  最後に、子ども未来局です。  まず、ひきこもり対策推進事業でありますが、ひきこもりの当事者に対しては、長い時間をかけて継続して支援していく必要がありますので、札幌市ひきこもり支援センターの運営はもとより、試行実施中の居場所づくり事業の継続実施を求めます。また、相談員の人材育成や相談体制の充実を検討するとともに、ハンドブックの作成など支援の充実を要望します。  続いて、子どもの自立支援と体制の強化でありますが、社会的養護のもとで生活してきた若者が、多くの人や関係機関とつながりを持って、自立に向けた一歩を踏み出せる仕組みの構築を求めます。また、増加する虐待相談への的確な対応や、社会的養護を必要とする子どもへの対応のため、第2児童相談所の設置など、児童相談体制の強化を要望いたします。  続いて、子ども未来局の停電時の状況と対応についてですが、子どもの安全・安心を守る重要な機能を有する子ども未来局は、危機管理の観点から本庁舎にあるべきであり、民間ビル入居を速やかに解消することを求めます。  続いて、保育士確保への取り組みについてでありますが、保育士の確保問題について、今般行われた実態調査を詳しく分析し、潜在保育士の掘り起こしとマッチングに際し、事業者や札幌市は効果的な事業を実施するよう要望いたします。  続いて、若者出会い創出事業でありますが、合計特殊出生率が極めて低い札幌市にとって、当該事業は有効であり、実績においても多くの市民が関心を持っていることが示されました。現在、20代、30代を対象としておりますが、40代の出産は20年前と比較して4倍となっていることから、対象世代の拡大について検討することを要望いたします。  以上が、本委員会の審議において取り上げてまいりました質疑等の概要であります。理事者におかれましては、これらの提言等を十分検討され、今後の市政執行に反映されることを強く要望し、私の討論を終わります。(拍手) ◆池田由美 委員  私は、日本共産党所属委員を代表して、本委員会に付託されました議案第1号 平成29年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件中関係分について反対の立場で、討論を行います。  一般会計予算の歳入は9,830億9,971万1,000円、歳出は9,693億902万7,000円でした。歳入から歳出を引いた形式収支は137億9,068万4,000円、翌年度への繰り越し財源65億4,085万円を引いた実質収支は72億4,983万4,000円の黒字でありました。この黒字は、特に市民要望の強い国保料金の引き下げや子どもの医療費無料化のさらなる拡充、保育料の引き下げなど、福祉施策の充実に使うべきでした。  議案第1号に反対する理由の第1は、マイナンバー制度に関連する事業が含まれているからです。  2017年度のマイナンバー関連事業費は、マイナンバー制度に対応するシステム改修費1億1,571万2,000円、申請した人へマイナンバーカードを交付するための費用1億8,143万4,000円、これらの総額2億9,714万6,000円となっています。マイナンバー制度は、市民の個人情報の流出を完全に防ぐ手だてはなく、危険です。また、保守管理や維持に今後も莫大な費用をかけ続けることになるため、やめるべきです。  理由の第2は、創成川通機能強化検討調査費508万6,800円が含まれているからです。  都心アクセス道路が計画されている創成川通の機能強化は、右折ラインなど交差点改良を中心とした道路整備と冬の除排雪強化策で進めるべきです。  札幌市は、これまで、創成川通の機能強化、都心アクセス道路の必要性を強調し、地下構造と高架橋、また交差点改良の3案を示してきましたが、さらに、ことし、新たに地下構造と高架橋が混合する上下分離案が出されました。この新たな案について、都心からの北上ルートは、北27条付近で地上に出る構造で、札幌北インターチェンジに直結しないなどさまざまな問題があります。地下からの出入り口など詳細な道路設計が決まらないと、交通量予測や効果も明らかにならないのではないかとただしました。担当部長は、国の計画段階評価に入ったところで、まだ出入り口などが決まっておらず、交通量の時間短縮効果は計画段階評価の後に国のほうで明らかにしていくと答弁しました。これでは、この間、市民に示してきた情報は行き過ぎではないかと指摘しました。  市は、4案について、いずれも有効な施策であり、現時点ではフラットであると考えていると答えています。今後のオープンハウスやパネル展では、交差点改良の利点や高架についても明らかにした情報を示し、フラットな議論ができるようにしていくべきです。  理由の第3は、札幌市ICT活用戦略事業費9,063万1,126円、地下空間におけるICT活用実証実験事業費3,657万3,806円が含まれているからです。  2016年12月、国会で官民データ活用推進法が成立しました。本市でも、情報通信技術、いわゆるICTの官民による活用を促進するために、複数の分野にわたる実証実験を行うとともに、そこで得られたデータなどを収集し、連携する共通基盤の構築をしようとするものです。  国会審議では、この法律で活用しようとする官民データは、個人情報保護法に基づいて匿名化処理をすることから、個人情報漏えいの心配はないと説明しています。しかし、本市が行った複数の情報を照合することで、特定の個人を識別できる可能性を指摘する専門家もいるなど、匿名化処理されて個人情報が流出する可能性は否定できません。  2015年、本市が行ったICTの活用に関するアンケートでは、情報化施策で、札幌市が注意すべき点として、76%の市民が個人情報やプライバシーの権利を保護することと答えています。匿名化処理をしても、自分の行動記録が知らないうちに企業の利益のために売られ、マーケティングに活用されることに対して、市民が不快感や気味の悪さを禁じ得ないのは当然のことです。個人情報の流出とその悪用が懸念されるため、反対です。  理由の第4は、オリンピック・パラリンピックの招致及び開催に向けて、基金造成費を10億円追加したからです。  既に、2016年、一般財源から積み立てられた30億円と合わせて約40億円となりました。オリンピック・パラリンピックには、招致経費、競技施設整備費、大会運営費など多額の財政負担が伴うことから、市民にも関心の高い問題です。  しかし、本市の財政的負担規模や大会が赤字になった場合に補填する国の財政保証も不透明です。市民への情報提供と理解の進まない中で、オリンピック・パラリンピック資金を先行して積み立てるべきではありません。  次に、代表質問並びに決算特別委員会で取り上げた諸課題について、順次、申し述べます。  総務局です。  会計年度任用職員制度について質問しました。  地方公務員法などの改正により、2020年4月より、本市が任用している臨時的任用職員、非常勤職員が会計年度任用制度に一本化されます。本市は、臨時職員の制度が法的に整理され、一定の評価ができるとしています。希望者は、全員、雇用継続されるのか、試験を行うなど採用についての自治体の判断についてただしました。法の改正による人員整理は考えていない、試験によらない選考を考えていると述べました。手当については、フルタイムの場合、期末手当や退職手当などを支給しますが、勤務時間がフルタイムより1分でも短いパートタイムは、期末手当のみの支給という格差が残ります。自治体の非正規職員は、一般事務はもとより、保育、給食調理、看護師など恒常的業務を担っているもので、本来、正職員とすべきものです。手当や労働環境の改善を図るべきです。  指定管理者制度について質問しました。  我が党は、指定管理者制度は、非正規雇用労働者を生み出し、官製ワーキングプアの温床であることを指摘してきました。2017年4月時点で、本市の424施設が指定管理施設であり、働く人のうち、65%以上が非正規職員です。低賃金、不安定雇用で働く職員の労働環境の維持・向上のため、非正規職員の正規化や、アルバイトやパートなどの有期雇用職員の無期化など、雇用の安定化を促すことが重要です。また、非公募の指定管理施設、特に福祉分野など専門性や利用者との継続的な信頼関係の構築が必要な施設には、指定管理者制度はなじみません。指定管理ありきでなく、施設ごとの性質を見きわめ、直営に戻すことも含めた抜本的な見直しを検討するべきと求めます。  まちづくり政策局です。  北海道新幹線の残土問題について質問しました。  本市のトンネル掘削工事で出される要対策土の搬出先が決まっていない実態があり、工事を急ぎ、要対策土の処分地が決まらない中で、仮置き場に掘削土が置きっ放しにされる危険性が懸念されます。工事スケジュールありきでなく、住民への丁寧な説明と掘削土の搬出先の決定なしにトンネルの掘削を進めるべきではないと申し上げます。  丘珠空港の利活用についてです。  1998年、地元意見を踏まえてまとめた空港整備に係る基本的な考え方では、滑走路については全長1,500メートルとすることが住民合意とされました。しかし、2018年2月に公表された北海道と札幌市による丘珠空港の利活用に関する検討会議の報告書には、滑走路を延長した場合、最大550億円の事業費の試算が出され、1,500メートルの滑走路を300メートル延伸、500メートル延伸などの案が示されています。これは、当時に近隣住民の反対で断念した滑走路の延長方針案以降、初の具体的に示された延長方針であり、問題です。新幹線の札幌延伸による主要路線、丘珠-函館便の影響は避けられず、減便の可能性もあります。道内の生活路線としての今後の役割をどう考えるのか、騒音の問題も疑問です。1万人アンケートを実施するとしていますが、周辺住民だけの問題ではありません。アンケートだけに終わらず、広く市民への説明会を開催すべきと求めます。  都心の低炭素なまちづくりについて質問しました。  本市におけるCO2排出量は、民生部門、運輸部門での割合が高く、都心部での自動車利用によるCO2削減が課題です。都心部での物流トラックの荷さばきの問題解決は、低炭素なまちづくりにとっても重要です。  2016年に行われた都心での物流トラックの荷さばきの課題解決のために行われたエリアマネジメント実証実験の評価と課題について質問しました。  配送時間や路上荷さばきの時間が短縮できたという成果があり、荷物を集積する十分なポイントの確保と配送の単価を下げることが課題、そうした仕組みを構築していきたいとの答弁でした。課題解決に本市が積極的にかかわり、共同配送の仕組みづくりを進めるべきです。  さらに、貨物の輸送に地下鉄が利用できないのか、検討を求めました。また、地下鉄駅で車から地下鉄へ乗りかえるパークアンドライドの取り組みは、都心に車を入れない低炭素のまちづくりにつながることから、さらに利用促進に向け、取り組むべきと求めます。  市民文化局です。  町内会条例について質問しました。  (仮称)札幌市町内会に関する条例素案について、市長は、記者会見で、いろいろな意見があることは認識しているとして、条例で全て解決できるとは思っていないと発言されているとおり、町内会長や役員から、条例化をこのまま制定すれば混乱する、町内会がもっと行政の下請機関になっていく、条例をつくって本当に町内会がよくなるのか、町内会の困難に札幌市から具体的な支援が欲しいなどの声が上がっています。町内会は任意の意思により自発的につくられた組織であり、その役割や責務を条例で規定することは、対等であるべき行政と町内会の関係がゆがめられる懸念があることから、条例制定ありきで進めるべきではないと申し上げます。  子ども未来局です。  民間学童保育の保育料の減免と家賃補助制度の拡充についてです。  2015年の国勢調査によりますと、本市のひとり親世帯は、母子、父子合わせて1万6,888人に上ります。民間学童保育所は、児童の放課後の保障だけでなく、社会から孤立しがちになる家庭などを親同士で支え合い、助け合って育ち合うことができるのが民間学童保育であり、その果たす役割はますます重要になっています。民間学童保育の保育料は、低所得世帯には経済的負担が重く、入所を断念するケースも多いと聞いています。子どもの貧困実態調査にあらわれている、特にひとり親世帯の生活の大変さは本市も認めているところであり、せめてひとり親世帯への減免制度の拡大が重要であると求めました。  家賃補助制度についてです。  本市は、学童保育所の運営費の補助として、児童数により3区分し、家賃総支出額の50%までを補助しています。それにより、児童が1人減って区分が下がると、同じ場所で保育をしていても補助額が下がってしまうため、毎年、何人の児童が入所するかわからない民間学童保育所にとっては大きな不安となっています。補助額は、児童数ではなく、家賃の総額で決定するなど内容の見直しを行い、民間学童保育所が安定して運営できるような家賃補助制度にすべきです。  保育士の処遇改善についてです。  厚生労働省は、保育士の低賃金改善のために、処遇改善等加算Ⅰ、処遇改善等加算Ⅱを行ってきましたが、対象になる保育士は限定的であり、全保育士の賃金を引き上げることにつながらないため、さらに処遇改善等加算Ⅱの運用の見直しを行うに至っています。保育士として働く全ての人の大幅な賃上げがされない限り、処遇改善とは言えません。  他都市では、保育士の確保の施策として、独自に保育士の賃金の上乗せや家賃補助制度、保育士配置基準の引き上げなどを行っています。本市で保育士資格を取得した若者が給料の高い本州の保育園に就職することが起こっています。国任せにせず、本市独自に保育士の賃金の引き上げ、配置基準の引き上げについて早急に取り組むべきと求めます。  環境局です。  再生可能エネルギーについて質問しました。  本市の2016年の再生可能エネルギーを使った発電量は、2010年比1.3倍の2億キロワットアワーとなっています。今後、2022年には4倍に、2030年には7.4倍にしていく目標です。次世代エネルギーシステム導入促進事業費が、2018年度は前年度比2,890万円減っています。目標に見合った予算を確保して取り組むべきと求めました。  また、今後、停電や冬場の災害を想定し、基幹避難所となる学校での太陽光発電量をふやしていくべきと求めます。  消防局です。  本市の消防団員の報酬が個人ではなく、分団に支給され、懇親会費などが天引きされていた問題についてです。  消防団員報酬の一部が幹部の参加する親睦会などに使われていたこと、本市の9消防団が札幌市民共済生活協同組合の火災共済契約を長年、団員本人に確認せず、一括で契約していたことをただしました。担当部長は、来年3月から資金前渡、いわゆる天引きの申し出によらない団員個人口座に振り込むよう変更する、また、今後、定期的に監査を行い、透明な運営をするよう消防団側に指導していくと答弁しました。  消防団は、地域住民と密接にかかわりながら活動していることから、信用を落とすことがあってはなりません。今後も、透明性のある運営を行うように指導していくことを求めます。  教育委員会です。  学校給食の無償化についてです。  本市の子どもの貧困調査で、子育て世帯の6割以上が生活が苦しい、17.2%の家庭が必要とする食材が買えなかったと答えており、文科省の子どもの学習調査では、副教材費、部活動費などの学校への納付金が、小学校は約10万円、中学校で約18万円にもなり、給食費は約4割を占めています。全国の給食費の無償化は、76自治体、一部補助などの実施は430自治体と、全自治体の3割まで拡大していることを示し、本市でも、無償化を実施すべきと求めました。無償化には年間72億円と大きな財政負担が伴い、難しいなどの答弁でした。72億円は、本市の一般会計予算約1兆円の0.7%にすぎず、子育て世帯を本当に応援する姿勢が問われています。第2子以降の半額や無料にすることを含め、検討するべきと求めます。  就学援助についてです。  本市が行った子どもの貧困対策計画策定に向けた実態調査によると、生活が苦しいという子育て世帯が6割を超えています。そのうち、就学援助を受けていない世帯は79.6%で、その理由として、申請しても認定されなかった、申請要件を満たしていなかったが約36%でした。本市の就学援助制度の対象基準額は、4人家族の場合、生活保護基準の1.1倍で、年間総収入369万9,000円以下となっています。これを他の政令市が行っている生活保護基準の1.2倍に拡大すれば、同じ4人家族で年収約403万円以下の世帯まで対象が拡大できます。就学援助の対象基準額の引き上げを図り、所得の低い子育て世帯への幅広い支援を強化すべきです。  学校統廃合の適正化に関する基本方針について質問しました。  基本方針では、これまで小規模校同士が隣接している学校での統廃合だった計画を、校区の隣接がなくても、適正な学校規模を下回る全ての学校を対象とするとしています。通学区域についても、統廃合により徒歩や公共交通機関での通学が困難になってしまう場合は、スクールバスなどを利用することで統廃合を可能としています。しかも、これまで5年ごとに地域を選定してきたものを、順次、取り組み計画を設定し、加速させ、迅速に検討するとしています。これでは、住民との合意形成を軽視した取り組みとなる懸念があります。これまでも、学校統廃合が進められるたびに、反対の陳情が出されてきました。  教育委員会は、地域住民との合意形成に丁寧に取り組むとしながら、今後進められる統廃合にも、これまでと同じ検討委員会でのやり方で進め、さらに迅速に進めるとしています。  学校は、地域の避難所でもあり、町内会活動など地域を規定する重要な役割があります。だからこそ、地域住民との双方向の話し合いが重要です。十分に住民議論が保障される仕組みとなるように、基本方針の見直しをすべきと申し上げます。  NON-JETのALTの処遇改善について質問しました。  2016年、教育委員会は、NON-JETのALTについて、1年間の委託契約から2年間の委託契約へ変更しました。しかし、ALTと受託業者との間では1年雇用のままであり、雇用の不安定さは変わりません。  さらに、社会保険加入について、委託費は社会保険料も含めて積算しているにもかかわらず、受託した業者は、雇用しているALTのうち、厚生年金や健康保険の加入割合が3割未満と少ないことは問題です。法令を遵守しているものと思うとの答弁ですが、委託した本市の責任として、委託先が税金である委託費で見込みどおりの賃金や社会保険料を払っているのか、確認することが必要です。  最後に、選挙管理委員会です。  投票しやすい環境整備について質問しました。  交通の便が悪いことが投票率にあらわれてきています。投票所までが遠いなどの実態が既に起きています。また、学校統廃合により、これまで投票所とされてきた学校がなくなることなどの対応も課題となってきます。高齢者や障がい者が投票しやすい環境整備を早急に行うべきです。  以上で、私の討論を終わります。(拍手) ◆坂本きょう子 委員  私は、本委員会に付託されております議案第1号 平成29年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件中関係分に反対の立場で、討論いたします。  この際、反対の理由のみ、簡潔に申し述べます。  この議案には、マイナンバー制度にかかわる決算が盛り込まれているからです。  社会保障・税番号法の制定により、2017年7月から、他団体、すなわち地方公共団体である都道府県や他自治体との情報連携を行うために必要となるシステム整備とデータ移行作業を行うためのものです。  本市のシステムが国の準備するクラウドシステムである中間サーバーとつながり、情報提供ネットワークシステムを通じて他団体とデータを連携することができるようになりました。団体間でやりとりされるデータは、いずれも重要な個人情報であり、プライバシーにかかわる重大なものです。行政は、住民のマイナンバーを使ってペーパーレスで迅速な情報の入手ができるとしていますが、一方では、中間サーバーはシステム上での新たな情報を詰め込むポケットとなり、そこに個人情報が集められるわけですから、住民の情報はさらに危険にさらされることになります。  法律の定めに従い、情報連携することで、本人の意思とは無関係に、行政事務の効率化を口実にして、住民の個人情報が他団体と共有されかねません。情報が一元管理されることの危険性をたびたび指摘してきましたが、さらに、この新たなポケットからの情報流出や本人が望まない個人情報が自治体間で共用されることが懸念されるため、この決算は認定できません。  以上で、討論を終わります。 ◆中山真一 委員  私からは、本特別委員会に付託されました平成29年度各会計決算につきまして、これを認定する立場から、討論いたします。  平成29年度一般会計最終予算額は、前年度比4.9%増の1兆281億円、それに対し、歳出決算額9,693億円と、予算執行に当たり、さまざま工夫がなされ、歳出抑制に努力されたものと受けとめております。  今後、本市財政は厳しい状況が続きます。この危機をどう乗り越えていくか。そのためには、一人一人が当事者意識を持ち、業務を見直していくこと、従来のやり方にとらわれることなく、仕事の進め方、考え方を変えていくことが不可欠です。まずは、このことを指摘させていただきます。  それでは、本委員会において質疑を行いました施策や事業について、提言も含め、順次、申し上げます。  まずは、市職員の通勤手当の不正受給についてであります。  何をやるにも、原資は市民の貴重な税金です。役所自身が税の使い方に強い緊張感を持つことは、当然のことであります。しかしながら、現状は、市役所のさまざまな施策や事業において、市民の税金を使っているという意識の希薄さが散見されます。今回の一連の住居手当や通勤手当の不正は、そんな市役所の組織風土を象徴している問題です。  これまで、通勤手当の支給に際し、規則に明記されているにもかかわらず、定期のコピーなど証拠書類の確認がなされていなかったことは、一般社会の感覚だと到底考えられないことであります。さまざまな手当について、市民から見て信頼に足る制度にするため、実効性のあるチェック体制を整備すること、市役所の組織風土を改めるため、特に幹部の皆さんが常日ごろから市民の貴重な税金を使っているということを念頭に置いた意思決定や仕事ぶりを職員に示していく、行動で範を示していかれることを求めます。  次に、今回の地震を踏まえた防災・減災対策について、4点申し上げます。  1点目は、避難所の環境整備についてです。  市民の皆さんの自助や共助を前提としつつも、避難生活における市民の安心・安全を確保するため、避難所においても最低限の環境整備は不可欠です。  そこでまず、短期的には、全ての基幹避難所について、LEDライトなどの照明器具及び簡易的な小型発電機の配備を求めます。  2点目は、ペットの避難についてです。  発災時のペットの避難は、車中泊や感染症など、家族や住民の健康被害にもつながる重要な課題です。しかしながら、現状の避難場所基本計画においては、ペットの避難について明確に位置づけられておりません。そこで、現在見直しを進めている計画においては、ペット避難所の開設について整理し、同伴用避難所開設などを計画に盛り込むことを求めます。  3点目は、今回の震災検証、防災対策見直しのための実態調査についてです。  今回の震災検証や今後の防災対策の見直しに当たっては、適切な実態の把握が不可欠です。何に困ったか、それに対してどう対応したかなど、特に高齢者や障がい者、乳幼児を抱えた子育て世帯など、配慮を要する方々に対する聞き取り調査や市民アンケート調査など、市民の記憶が熱いうちに行っていただくことを求めます。  4点目は、今回の震災検証、防災対策見直しの進め方についてです。  今回の地震においては、大規模停電が大きな問題となりました。市民の安心・安全を確保するためには、大規模停電に備えた危機管理、防災・減災対策が不可欠です。そこで、震災の検証や今後の防災対策の見直しに当たっては、有識者会議などに北海道電力とは違う視点も提供できる電力の専門家を入れることを求めます。
     次に、連携中枢都市圏構想についてです。  人口が減っていく中でも、地域の生活基盤や経済を持続可能なものにするためには、市町村の枠を超えた資源の活用が不可欠であり、連携による行政コストの削減や事務事業の効率化が必要です。その意味で、連携中枢都市圏構想には一定の期待をしているところでありますが、この仕組みを有効に活用できるのは、中枢都市としての札幌市の力量にかかっております。  中でも、圏域全体の経済成長の牽引は、簡単なことではありません。これまでの札幌市の経済政策においても、既存の補助事業など成果が明確でない中でもスクラップが進まず、財源においても、発想においても、思い切った新規事業の着手が困難な状況に陥っているのが現状です。施策の効果を上げていくためには、今までの延長線上のことではなく、経済戦略策定や経済実施において、従来の仕組みや手法を変えていくことを求めます。  あわせて、戦略の策定、実行に当たっては、一旦、地域に入ったお金をできるだけ外に出さず、地域の中で回していくという地域内循環の視点を重視することを求めます。  次に、病児保育についてです。  子育て世帯においても共働きが主流となってきている現在、病児保育は、子育てに不可欠なインフラとなっています。しかしながら、本市病児保育の施設拡大は、他都市に比べ、定数においても予算規模においても大幅におくれております。子育て世帯のニーズに追いついておらず、お母さんが働く環境が十分に整備されているとは言えないのが現状です。病児保育の実施施設の拡大をスピード感を持って進めていくことが必要です。  そこで、病児保育への参入のハードルを低減するため、稼働率を高めるための工夫やキャンセルの影響を低減させる取り組み、委託料の上乗せなど、多面的に取り組んでいくことを求めます。  あわせて、事業者へのアプローチにおいては、スピード感を持って同時並行的に幅広くアプローチをするなど、これまでと違う工夫をしていくことを求めます。  以上が、本委員会において取り上げてまいりました質疑等の概要です。各理事者におかれましては、これらの指摘や提言についての市政への反映を求めまして、私の討論を終わります。 ○福田浩太郎 委員長  以上で討論を終結し、直ちに採決を行います。  議案第1号中関係分を認定すべきものと決定することに賛成の委員の起立を求めます。  (賛成者起立) ○福田浩太郎 委員長  起立多数であります。  よって、議案第1号中関係分は、認定すべきものと決定いたしました。  以上をもちまして、本委員会に付託されました案件の審査を終了いたします。     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 委員長  閉会に際しまして、一言、ご挨拶を申し上げます。  阿部副委員長、また、各会派の理事、委員の皆様、そして理事者の皆様のご協力をいただき、この任を無事に終えることができました。心から厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。  さて、今期最後となる当決算特別委員会では、延べ79人の方が質問に立ち、質疑時間は21時間54分でありました。これまでに経験したことのない大地震の後、さまざまな課題を抱える中でしたが、各委員が札幌の未来に思いをめぐらせ、活発な議論をしていただきました。  理事者の皆様におかれましては、こうした思いを十分に理解していただき、今後の市政運営に反映されますようお願い申し上げ、挨拶とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手)     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 委員長  これをもちまして、第一部決算特別委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後2時9分...