委 員 村 上 ひとし 委 員 平 岡 大 介
委 員 松 浦 忠 委 員 石 川 佐和子
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開 議 午前10時
――――――――――――――
○よ
こやま峰子 委員長 ただいまから、第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、勝木委員、松浦委員からは遅参する旨、また、鈴木委員からは
宮村委員と、村山委員からは中川委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第3款
保健福祉費 第3項
老人福祉費、第11款 諸支出金 第2項 他
会計繰出金のうち関係分及び
介護保険会計決算について、一括して質疑を行います。
◆
宮村素子 委員 私からは、地震等により被災しました
高齢者入所施設への支援について質問いたします。
まず、このたびの
北海道胆振東部地震は、過去最大の震度と全道規模の停電によりまして大きな被害をもたらしました。いまだに苦しんでおられる方、被害に遭われた方もたくさんいらっしゃいます。そうした皆様に心よりお見舞い申し上げるところでございます。
今回の地震を教訓として、札幌市も
介護施設等の
運営事業者もともに今後の災害対策につなげていただきたい、そういう思いから質問してまいりたいと思います。
まず、このたびの地震においては、複数の
高齢者入所施設が被災し、その復旧に向けてご苦労されていると聞いておりますし、新聞等での報道も続いております。
そこで、質問でございますが、高齢者の
入所施設が被災して避難が必要な場合、札幌市としてはどのような対応をとられるのか、伺います。
◎佐々木
高齢保健福祉部長 高齢者の
入所施設が被災し、避難が必要となった場合の札幌市の対応についてでございます。
建物が被災した場合には、まずは入所者の
安全確保を最優先していただくことを事業者に要請いたします。被災の程度によりまして入所継続が危険と判断された場合には、入所者の
安全確保と
提供サービスの継続のため、札幌市から
避難候補先の情報提供を事業者に行いながら、原則として同じ
サービス種別のほかの施設へ速やかに退避していただくこととなりますが、同種の施設への移転が困難な場合には一時的に
類似サービス施設に避難するなど柔軟な対応を検討いたします。
◆
宮村素子 委員 今、基本的な対応ということで、その内容については理解したところでございます。
今回の地震においては、清田区の
高齢者施設において建物が傾くなどの被害により、最終的には自社の既存の
介護サービス施設を転用して入所者を一時避難させていると伺っております。しかし、必ずしも事業者が一時
避難施設を確保できるとは限りません。その場合は、事業の存続も危ぶまれます。
そこで、質問いたしますが、このように
入所施設が被災した場合、入所者の
安全確保は当然のことでありますけれども、あわせて、事業者の
事業継続への支援も大切だと考えますが、札幌市としてはどのような認識か、お伺いします。
さらに、事業者が一時避難所を確保できない場合も多々あろうかと思います。あらかじめ避難先となる建物を整備するなどの方策もあろうかと考えますが、あわせて、札幌市の見解をお伺いいたします。
◎佐々木
高齢保健福祉部長 災害の規模や対応はさまざまな実態が想定されますことから、札幌市といたしましては、入所者の
安全確保を最優先といたしまして、利用者やその家族のご意向、事業所の状況を踏まえた最善策を個々に検討してまいりたいと考えております。
あらかじめ
避難施設を整備することにつきましては、建設や維持管理の費用を含め、さまざまな課題があると考えておりまして、実現はなかなか難しいのではないかと考えているところでございます。今後、札幌市内で他の施設への避難が困難なほどの広範囲な災害が発生した場合を想定し、例えば、
高齢者向けに配慮された
福祉仮設住宅の設置なども選択肢の一つとして検討し、事業者が入所者に適切な
サービスを継続して提供できるように努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
◆
宮村素子 委員 ただいまのご答弁では、
高齢者向けの
福祉仮設住宅の設置なども選択肢の一つということでございました。私は、札幌市として、そういったときに転用できるような施設を持っていて、平時は何かに使っていても、大型の
高齢者福祉施設が被災して、高齢者を一気に大量に受けなくてはならないときには転用できるという約束のもとに市の建物があるといいな、そんなふうに思っていました。ただ、実際に使われていると、さあ、いざというときにここは高齢者の福祉の
入所施設にしますというのは、そう簡単にはいかないのかなと思います。しかし、これは考えてもいい一つではないかなと思うところです。例えて申しますと、
市立札幌病院のある病棟について、介護を受けている高齢者の避難場所が大量に必要な場合に、一時、
介護施設に転用するなど、それはただ私の発想ですけれども、何か既存の施設をそのように使い回せることも考えておくべきだということで、改めてそのことを申し上げたいと思います。また、一つの特養が被災した場合には大体80人規模の人たちが行き場を失うわけで、それだけ大規模に人を受け入れるのは物理的に非常に困難です。そういう意味で、
福祉仮設住宅の必要性というのは絶対に高いものがありますので、ぜひ、これを推進していただきたいと思います。
そして、その場合は、介護者もともに生活できる状態が必要ですので、そのことも含めてご検討いただきたいと思います。一般的には、札幌市が持つ情報を提供してそういった
入所施設を紹介するということでございます。しかし、今回は、15人が入所する清田の施設でしたが、その15人ですら入所に当たってはいろいろと困難をきわめました。また、本人たちが探すのもなかなか苦労されていたように聞きます。この
施設そのものも、臨時、応急の入所を特養と契約していましたが、そこで受け入れられるのは1人だけで、1人は違う特養にというようなことで、まとまった一定の人数が入所できるかというとなかなか難しいそうです。ばらばらでも入れればいいかもしれませんが、認知症で、グループホームでの一対一の介護で安定している人が、全然知らない環境の特養に回され、そこで違う人の介護を受けるというハンデを考えると、ぜひ、ともに入れることを根底に考えてほしいなと思います。
それから、情報の提供ですが、いい方法がないかということで関係者の中でかなり協力し合えるということも、私は、今回、いろいろな情報から得たところでございます。そうした情報をきちっと一元化するというか、行政が束ねて、いい情報伝達がしっかりとできるようにしていただきたい、そんなふうに思います。
また、この際、それぞれの事業者にも、もう一度、災害対策の見直しをしっかりと伝達していただいて、災害時に万全な形で機能できるようにしていただきたいということを求めまして、質問を終わります。
◆しのだ江里子 委員 私は、要
介護認定の迅速化についてと、
キャリアパス制度導入支援事業について質問させていただきます。
まず、要
介護認定の迅速化についてです。
団塊の世代が2025年までに
後期高齢者、75歳以上に達するいわゆる2025年問題に象徴される高齢化の急速な進展により、
介護保険制度の
サービスを必要とする方が全国的に年々増加しております。札幌市においても、同様に、
高齢者人口の増加に伴い、2017年度の要
介護認定者数は10万4,477人と前年よりも2,000人増加しておりまして、今後も要
介護認定者数の増加と
介護保険の
サービス利用者の増加が見込まれています。
介護保険の
サービスを利用するためには、まず、利用を希望する方が区役所の窓口に要介護・要
支援認定申請を行うことから始まります。その後、市では、市の調査員が申請者に面接して心身の状態に関する
認定調査を行い、この調査結果と
主治医意見書をもとに、
介護認定審査会による審査を経て要介護、要支援の状態区分の認定を決定し、申請者に認定結果を通知することになっています。申請者は、認定結果を受けてから、
ケアマネジャーと相談して
ケアプランが作成された後に、在宅での
介護サービスを利用することができることとなります。
介護保険法上では、この申請から決定までを30日以内に行うことを原則としていますが、札幌市では、この
法定期間を超えることが多い現状であり、時には2カ月から3カ月かかるということもあると聞きます。制度上では申請日から暫定的に
サービスを利用することが可能とされていますが、審査結果が非該当、または、予想よりも低い要介護度になった場合に備えて、
ケアマネジャーは
介護サービスを最小限にとどめる現状も見られております。したがって、認定の決定に至るまでの日数が
法定期間を超えていることによりまして、申請者である高齢者は心身の状態に応じた
介護サービスを安心して利用することができないといった問題に直面しています。また、在宅で介護しているご家族においても不安な気持ちのまま介護を続けるといった問題が生じています。
申請者の要
介護区分が決定されない場合は、申請者に合わせた適切な
ケアプランの作成におくれが生じることとなり、また、
介護サービスの事業所においても、例えば、
更新申請により継続して
サービスを利用される方に対して、高齢者の心身の状況に合わせた適切な
サービス等を供給することができないという問題が生じ、さらには、
法定期間内で認定結果を受けた方と迅速な決定を受けることができなかった方との間で、
サービスの利用に不公平が生じることも懸念されています。
そこで、必要とされる
介護サービスが速やかに利用できるよう、要
介護認定はできるだけ短期間で迅速に行うべきですが、申請から認定に至るまでの期間についての札幌市の認識と今後の方策について伺います。
◎岡島
地域包括ケア推進担当部長 要
介護申請から認定に至るまでの期間についての札幌市の認識と今後の方策についてでございますが、札幌市の要
介護認定に要する日数は平均で43.1日でございまして、
政令市平均の40.7日に比べて若干長いと認識しているところでございます。
迅速な決定のため、これまでも、
訪問調査事務の円滑化、医療機関に対する
主治医意見書の早期提出の依頼、また、
介護認定審査会における部会数の増であるとか、1
部会当たりの
審査件数の増などを行ってきたところでございます。また、
認定有効期間を延長する
制度改正が相次いで行われたことから、当面は要
介護認定件数の減少が見込まれているところでございまして、今後とも効率的な
認定事務に取り組み、迅速な決定に努めてまいりたいと考えているところでございます。
◆しのだ江里子 委員 札幌市においては平均43.1日であるということですが、やはり、実際にかかわる主治医の先生方とかさまざまな要件によって、この日数は変わってくるものだと思います。札幌市としては、これまでも、申請者への訪問調査の円滑化や
主治医意見書の早期提出をお願いし、
介護認定審査会の部会増、1
部会当たりの
審査件数の増などもされてきたことは理解いたします。主治医の先生には依頼日から2週間でとお願いしていると聞いておりますが、主治医の先生も通常の診察に加えてのこういったお願いということで、実態は難しいのではないかと思います。他
政令指定都市への聞き取りによりますと、部会の開催というのは、週2回から平日毎日、1日1回から3回までとさまざまでございまして、一日も早く認定につなげようとするそれぞれの自治体の努力もよく見えるのですが、これもやはり限界があるものと思います。
そこで、質問ですが、国は
審査会業務の負担軽減のため、ことしの4月に
制度改正を行っていまして、自治体の判断で
介護認定審査会の簡素化を認めていると聞きますけれども、その効果と札幌市の
検討状況はいかがか、伺います。
◎岡島
地域包括ケア推進担当部長 介護認定審査会の簡素化の効果と札幌市の
検討状況についてでございます。
簡素化につきましては、1次判定を経た申請者のうち、第1号被保険者であって
認定調査の内容が長期にわたって変化していないなど、一定の要件に該当する方を対象とするものでございます。国から示されている簡素化の方法の例示といたしまして、要件に合致した方の1次判定の結果を
審査判定結果とみなすことにつきまして、
認定審査会の包括同意を得ることをもって個々の
審査判定にかえる方法があるとされております。
札幌市においてこの方法を実施した場合の効果でございますが、
介護認定審査会の委員の負担軽減に加えまして、要
介護認定申請から
審査判定に至るまでの
所要期間が短縮され、要
介護認定の迅速化が期待できるところでございます。
現在、
介護認定審査会の委員を推薦していただいている各団体と調整を行っているところでございまして、引き続き簡素化の実施に向けて協議を進めてまいりたいと考えております。
◆しのだ江里子 委員
介護認定審査会の簡素化を進めるということは、2000年に
介護保険制度が施行されてから初めての試みとなります。
厚生労働省の想定では、
簡素化対象者の見込み数は全申請の22.7%、4人に1人と予測されています。
認定審査会の簡素化の運用が開始されるとなりますと、被保険者にとっては、
更新申請を行い、認定結果が判定されるまでの
所要期間が短縮されます。札幌市においても、今、団体との意見調整中ということですので、これが早期に進みますことを期待させていただきたいと思います。
次に、
キャリアパス制度導入支援事業について伺います。
今後、
介護人材は、2025年度末に245万人が必要とされ、毎年6万人程度の
介護人材の確保が必要とされることについて、このたびの私どもの代表質問で述べてまいりました。一方、
日本介護福祉士養成施設協会の調査で、
介護現場で
指導的役割を担う
介護福祉士を養成する学校への今年度の
入学者数が過去最低を更新することがわかり、介護職を目指す若者の減少に歯どめがかかっていないことが明らかになっております。
そこでまず、質問ですが、2025年度には札幌市において
介護人材はどのくらい不足するとお考えなのか、伺います。
◎佐々木
高齢保健福祉部長 札幌市におけます
介護人材の不足数についてのお尋ねでございます。
介護人材の
需給状況につきましては、現在の枠組みでは都道府県が推計することになっており、札幌市の
不足見込み数は不明でございまして、お答えすることはできません。これに関しましては、安定した
介護サービスの提供を継続する上で、札幌市において
介護人材の
需給状況を推計する必要があることから、保険者が把握できる仕組みの構築を国へ要望しているところでございます。
なお、北海道全体におきましては、2025年度には
介護人材が11万6,000人必要であるところ、9万7,000人と推計されておりまして、約2万人の
介護人材が不足するとの見込みでございます。
◆しのだ江里子 委員 この
需給状況は、あくまでも道が試算されているということで、札幌市においては試算がなされていないということでした。
今のご答弁によりますと、北海道全体での
介護人材は、2025年度の9万7,000人という推計に対し、11万6,000人が必要であり、約2万人が不足するということまでは明らかになっております。そうであるならば、2025年度の北海道に占める札幌市の人口割合は約40%となっておりますので、そこから推定しますと札幌ではおおよそ8,000人が不足するのではないかと私は思っております。
既に介護職についている方々についても定着化に苦慮しておりまして、2016年度札幌市
介護保険サービス事業者調査によりますと、離職理由の1位は給与でした。
介護職員が将来の展望を持って介護の職場で働き続けることができるよう、能力、資格、経験などに応じて適切に処遇がなされる仕組み、まさに
キャリアパス制度の導入、改善を支援するために、2015年度より、
人材マネジメント等に関する専門家である
社会保険労務士による
介護事業所への訪問相談が実施されています。
そこで、質問ですが、
キャリアパス制度導入支援事業において2017年度までに144事業所が相談されてきたと聞いておりますが、その効果をどのように認識されているのか、また、
介護人材の
離職防止にはどのように反映されているのか、伺います。
◎佐々木
高齢保健福祉部長 キャリアパス制度導入支援事業の効果についてのご質問でございます。
この事業は、
介護職員処遇改善加算の取得方法、各種の助成金の活用方法、あるいは、経験や資格に応じた昇給の仕組み、
人事評価制度の見直しなど、
事業所ごとに抱えているさまざまな問題に対して、専門家である
社会保険労務士が訪問し、個別に助言を行うものとなってございます。
この事業の利用によりまして、例えば、新たに
介護報酬の
処遇改善加算を得ることとなった事業所が22カ所、既に加算を取得していて
人事制度の改善により加算が増額となった事業所が12カ所と、一定の賃金改善が図られるなど、
介護職員が安定して働き続けることができる職場環境の改善が図られて
離職防止につながっているものと捉えているところでございます。
◆しのだ江里子 委員 要望です。
先ほども申し上げたように、私の勝手な推計でございますが、札幌市においても、2025年度におよそ8,000人の
介護人材を確保しなければならないということが言えると思います。そのためにも、現在、介護を担っている方が、しっかりとした将来展望を持って安心して働き続けていただかなくてはならないと思います。
今回いただきました資料によりますと、ことし8月の数字では、加算未取得の事業所が188事業所あると書かれておりました。
社会保険労務士に訪問していただき、そして、さまざまな問題の相談に乗っていただくことによってそれぞれの事業所で賃金の改善につながるということは、やはり大変大きなことでございます。対象となる全ての事業所において賃金加算が算定できるように、
介護保険課としてもしっかりと注視していただくことを求めて、質問を終わります。
◆
平岡大介 委員 私からは、
敬老優待乗車証、いわゆる
敬老パスについて、高齢者への
外出支援の影響と効果について、高齢者の実態に即した
外出支援策について、何点か伺いたいと思います。
本市では、3年に1度、70歳以上の札幌市民8,000人を対象とした
敬老優待乗車証利用者実態調査を行っております。
1点目の質問です。
この
利用者実態調査は、何を目的とした調査であるのか、また、その調査をどのように生かしていこうと考えているのか、伺います。
◎佐々木
高齢保健福祉部長 敬老優待乗車証利用者実態調査の目的とその調査結果の活用についてのご質問でございます。
この調査は、
利用実態等を把握し、今後の
事業運営の参考とすることを目的といたしまして、おおむね3年に1度実施しているところでございます。
2015年の
実態調査の結果では、例えば、
敬老優待乗車証制度の手続についての不便な点という設問に対しまして、有効期限までしか使用することができない、あるいは、指定された郵便局でしか交付を受けられないといった意見が多くあったことから、2017年4月の
ICカード化に際してこの点の改善を図るなど、
事業運営に生かしたところでございます。今年度に実施しております
実態調査の結果につきましても、今後の
事業運営にしっかりと活用してまいりたい、そのように考えているところでございます。
◆
平岡大介 委員 結果については、次の質問で聞こうかなと思っていましたが、当然、今後の
事業運営に当たって、調査結果についてはいろいろと総括されているのかなというふうに思います。
そこで、質問ですが、その調査結果についての認識、それから、直近の結果である2012年と2015年の変化についてどのように分析し、認識しているのか、伺います。
◎佐々木
高齢保健福祉部長 実態調査の結果に対しての認識、それから、2012年と2015年の調査結果についての分析ということでございます。
調査結果につきましては、先ほど委員からもお話がありましたとおり、毎回8,000人の方にアンケートを送付しておりまして、そのうち5,000人を超える方から回答いただいており、70歳以上の方からの大切なご意見であると認識しております。
また、2012年と2015年の調査結果の比較についてでございますが、
年齢階層別の交付状況や申請額の傾向などに大きな変化はなく、安定的な
事業運営ができていると考える一方で、
敬老優待乗車証の
利用目的という設問に関しましては、
ボランティア活動や家族や友人との交流と回答された方の割合がふえておりまして、
敬老優待乗車証が有効に利用されているものと分析したところでございます。
◆
平岡大介 委員
利用目的として、
ボランティア活動や友人と会うときに使用したということでありまして、非常に有効に使われているのかなというふうに思います。
私も、2012年と2015年の調査結果を比較させていただきました。私が気になったのが、特に5年前と比べた外出頻度という項目であります。2012年の結果は、変わらないが31.1%と最も多い状態、次いでかなり減ったが27.2%、やや減ったが26.4%、減ったという部分を合わせますと53.6%となっています。そして、2015年のほうは、5年前と比べた
公共交通機関の利用頻度、これは聞き方が若干変わっているのですが、変わらないが34.7%で少しふえて、最も多い状態です。次いで、ややふえたが17.3%、かなり減ったが14.5%となっています。つまり、外出がふえたという回答がふえて、外出が減ったという回答が減った結果になりました。
そして、2015年のみの記載で、5年前と比べて
公共交通機関の利用がふえた理由はという設問があります。これには、
敬老優待乗車証の交付を受けるようになったためという回答が52.9%と最も多くなっています。また、
敬老優待乗車証が地域に及ぼす効果の有無についての設問があります。その設問では、高齢者の外出する意欲を高め、健康増進や介護予防を推進する効果は88.7%の方があると答え、高齢者の
公共交通機関の利用をふやし、交通事故や渋滞を減らす効果は79.6%、高齢者が買い物や外出をするきっかけになり、消費をふやす効果は81.8%、高齢者の社会参加を促進し、孤立を防ぎ、生きがいをふやす効果は80.8%と、8割の方々がこういった項目に効果があると答えております。
そこで、伺います。
このような結果からも、
敬老優待乗車証の利用は高齢者の外出頻度を高め、さらに、外出することにより、さまざまな効果や影響があるものと考えますがいかがか、伺います。
また、高齢者の社会参加はますます重要になっているというふうに考えますがいかがか、伺います。
◎佐々木
高齢保健福祉部長 敬老優待乗車証の外出への影響及び外出による効果、それから、社会参加の重要性についてどう考えるかというお尋ねでございます。
高齢者の外出に与える影響でございますが、たくさんの調査結果をご紹介いただきましてありがとうございます。それらの数字にもあらわれておりますし、2015年の
実態調査の中で、
敬老優待乗車証が外出に及ぼす影響という設問がございまして、その結果では外出する機会がふえていると回答した方が8割弱、77.7%となっていることから、私どものほうでも、
敬老優待乗車証の外出への影響は大きいものと認識しております。
また、外出による効果や影響について申し上げますと、2016年11月に私どもが実施いたしました高齢社会に関する意識調査の中では、やはり、外出の頻度が多いほど要
介護認定を受けていない割合が高いというような数字があったり、また、本年7月に地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所が行った調査では、他人との交流機会が少なく、散歩などの外出も余りしないような高齢者は、6年後の死亡リスクという書かれ方でしたが、そうでない方と比べてそれが2.2倍になるといった結果が公表されておりまして、これらのことからも外出は介護予防等への効果が高いものであると認識しております。
また、高齢者の社会参加の重要性についてでございますが、社会参加というのは、他人との交流や外出機会の拡大のほかにも、将来にわたって社会の一員であることの意識の醸成につながることからも、重要なものであると認識しております。
◆
平岡大介 委員 次の質問に移ります。
2012年調査のみの記載の項目で、外出時の支出額について聞いている項目があります。その結果は、1,000円から3,000円未満が33.5%、3,000円から5,000円未満が25.6%、5,000円から1万円未満が18.8%と、外出が消費に結びついていることが明らかになっています。また、経済市場においても、日照時間やその年の天候が個人消費に影響する、つまり外出行動が個人消費に大きくかかわるということは、かねてから言われていることであります。
今、部長からも答弁がありました別の資料ですが、高齢社会に関する意識調査からも質問させていただきたいと思います。
この中の設問では、外出の移動手段としてタクシーを挙げる高齢者は、2011年、2014年、2017年を比較すると、全体は微増、横ばいという状況ですが、年齢別では80歳以上の利用の割合の高さが非常に顕著であります。タクシーを使う方もふえておりますが、家族や知人などに車に乗せてもらう方もどんどんふえています。つまり、高齢者が車を必要としている実態がこの調査資料から明らかになっているというふうに思います。
そこで、高齢者のタクシー需要についてどのように認識されているのか、伺います。
◎佐々木
高齢保健福祉部長 今、調査結果のご紹介がございましたが、やはり、加齢に伴い、認知機能あるいは身体機能が低下することにより、要介護等認定率の割合も高くなっていることから、タクシー利用の機会はふえるものと認識しているところでございます。
◆
平岡大介 委員 昨年度の厚生委員会の視察で新潟市に行ってまいりました。そこでは、免許の自主返納者に対してバスのICカード乗車券やタクシー券の発行を行うことで自主返納を促す取り組みを行っていました。ほかにも、買い物弱者への支援策という観点も含めて、タクシー券を年に幾ら分と設定して交付している自治体もございます。
これまで、我が党は、タクシーでも
敬老優待乗車証を使えるようにしてはどうかという提案を行ってまいりました。
そこで、質問でございますけれども、
敬老優待乗車証交付による外出頻度の増加や外出に伴うさまざまな効果、また、高齢者のタクシー需要に鑑みた
外出支援策が必要ではないかと考えますがいかがか、伺います。
◎佐々木
高齢保健福祉部長 一般的に、タクシーというものは自宅から目的地あるいはほかの
公共交通機関までの送迎が可能でございまして、高齢者に限らず利便性の高い移動手段の一つであると考えております。しかしながら、
敬老優待乗車証のタクシーへの利用拡大などにつきましては、
高齢者人口が増加している中、制度の持続可能性という観点からもなかなか困難なものであるというふうに考えているところでございます。
◆
平岡大介 委員 高齢者がどんどんふえていく状況であるということですが、今までに経験のない超高齢社会が到来するからこそ、前例にとらわれない施策展開が求められているのではないかというふうに考えます。
広報さっぽろのことしの7月号です。こういった表紙ですが、特集記事として、「幸せ人生計画」と題し、定年退職後の再就職や
ボランティア活動、趣味やサークル、地域包括支援センターや介護予防センターへの参加を呼びかけています。ここからは、超高齢社会を迎えるに当たって、社会から孤立しない元気な高齢者をふやしていきたいという札幌市の思いが見てとれます。
しかし、具体的に社会参加を促すための
外出支援というところでは、まだまだ不十分ではないかというふうに思っています。それは、今回の質問で取り上げた
敬老優待乗車証利用者実態調査にもあらわれています。この中で、交付を受けていないという理由に、身体的な事情から利用できないためというのが2015年で34.6%、2012年も同じく34.6%と最も多くなっています。これは、
敬老優待乗車証を交付されても、地下鉄の駅やバス停まで歩くことも困難だという高齢者が一定数いることをあらわしているというふうに思います。
先ほど、他の自治体でタクシーによる
外出支援を行っている事例も紹介しましたが、大手ファストフード企業のマクドナルドでは、愛知県警と共同で免許返納者が運転経歴証をお店で提示すると割引になるという
サービスを始めました。これは、高齢者がふえていきますので、ターゲットとして高齢者層にマクドナルドが浸透するかというある種のマーケティングという観点もあると思いますが、提示することで、自分だけではなく、一緒に来ている同伴の家族も割引になることから、車を手放しても家族やお孫さんと出かけていってほしい、そういった思いが込められているのだというふうに思います。
そこで、最後に、木下局長に質問してもよろしいでしょうか。
特に、本市では、厳冬期、冬という季節がございます。外出を控えがちになってしまう季節であります。冬の間、高齢者がほとんど外出せずに引きこもりがちになってしまうということは、先ほど部長からも外出しなければ死亡リスクが高まるという話がありましたように、高齢者は身体的にも精神的にも一気に衰えてしまう状況になります。
そのような冬がある本市だからこそ、どうしたら高齢者を引きこもらせずに外出を応援できるのか、何ができるのかを検討すべきではないかというふうに思うのですがいかがか、伺います。
◎木下 保健福祉局長 冬場にどのようにして高齢者を外へ出すかというお話でございますが、むしろ、歩いて通えるところでどういう形のものがつくれるか。以前でしたら、ウオームシェアといったこともございましたが、冬場ですので余り遠くに行くことはなかなか難しいかもしれませんので、交通機関を活用するまでもなく、むしろ歩いて暮らせるコミュニティーをつくっていくことによって高齢者の冬場の外出を支援していく、そういう方法もあろうかというふうに考えております。
◆
平岡大介 委員 歩いて暮らせるコミュニティーをつくっていくのだとおっしゃいますが、私がいろいろ聞いているところによりますと、スーパーがなくなってしまって買い物に行くのに物すごく苦労しているという話もあるのですよ。コンパクトシティと言いましても、スーパーなども潰れてしまってなくなってしまう、札幌市内にはそういった状況もあります。ですから、ぜひ、タクシーによる
外出支援をどういうふうに行えるのか、車を使った
外出支援についていろいろ検討していただきたいと再度求めて、質問を終わります。
◆小形香織 委員 先ほど、
高齢者入所施設の質疑がございましたが、今回の胆振東部地震によって高齢者が日常的に利用する
介護事業所等がどんな様子だったのか、本市がよく把握しておくことが大事だろうというふうに考えておりますので、それに関連して質問したいと思います。
まず、今回の地震における
介護事業所等の
高齢者施設の被災状況について、本市ではどのような被害があったか、あるいは、それが何件あったのか、現段階で把握しておられればその状況をお示しいただきたいことと、その把握した方法はどのようなやり方かということについても明らかにしていただければと思います。
◎佐々木
高齢保健福祉部長 介護施設等の被災の状況がどのような状況であったのか、それをどういう形で把握したのかというお尋ねでございます。
私どもは、
介護事業所のほうから被害状況の報告を受けておりまして、それによりますと、建物や設備の被害があったということで、壁や床のひび割れ、ボイラーの配管からの漏れなどがあったことは把握しております。また、主な人的被害といたしましては、
介護サービスの利用中というよりは、住宅系の施設で停電中に転倒してけがをした方がいらっしゃるという報告は受けております。数については、申しわけございませんが、今、手持ちがございませんけれども、複数の事業所から被害状況の報告をいただき、その中でこのような事例があったということを把握しているところでございます。
また、その把握の方法についてでございますが、私どもは、地震発生後、被災状況についてご報告いただけないかと直ちにファクスで一斉送信をいたしました。ただ、今回の災害は大規模停電ということでしたので、ファクスではなかなか受け取っていただけないのではないかと考え、あわせて電話かけをしております。ただ、それも当初は停電ということでつながらないところが多くございましたが、引き続き、停電の復旧状況に合わせながら電話あるいはメールによる確認を続け、状況把握を行ったところでございます。
◆小形香織 委員 複数の報告を受けた、市からもファクスを送信したり電話をかけてみた、しかし、停電もあってすぐにつながらないところもあったということでした。また、施設の中で転倒した方もいたということですが、それがどれだけの数なのかというと、全体像としては把握し切れていないということだと思います。
さらに、もう少し詳しくお聞きしたいのですが、通所の
介護施設では、地震があったために、実際には9月6日は多くのところで予定どおりの利用がなく、あるいは、その翌日の7日なども、急遽、利用されないということが発生したのではないかと思いますけれども、そのあたりの利用状況などについては把握されているのか、伺いたいと思います。
◎佐々木
高齢保健福祉部長 通所
介護事業所の地震発生時の
サービス提供状況についてのお尋ねでございます。
現時点においては、全事業所への調査は完了しておりませんけれども、メール等による被災状況の報告や事業所への個別の聞き取りの中では、地震発生日あるいはその翌日は多くの事業所が臨時休業する状況になったと認識しております。
その理由といたしましては、停電によって必要な
サービス提供が困難であった、あるいは、信号停止等によって送迎の
安全確保が困難だったことなどが挙げられております。また、地震発生の翌々日以降は、順次、営業を再開し、ちょうど3連休も挟んでおりますが、翌週にはほぼ通常営業となっているものと考えております。
◆小形香織 委員 私も、
介護事業所の方からいろいろお聞きしています。当日、ヘルパーたちが、自分が担当している高齢者の安否確認に行こうと信号機が動かない中でも回って歩いた、あるお宅では、行ってみたら食器棚から食器が落ちて床の上に散乱していた、食器が全部割れてしまっていたのですが、その方のところに行こうと思っても、それを片づけないことには部屋の中も移動できないということで、身体介護をするために、まずは部屋の中の片づけをしなければならなかったというお話もお聞きしました。
また、食事を提供している事業所では、七つの事業所を持つグループですが、停電によって冷蔵庫の機能がとまってしまい、ストックしていた食材を全部廃棄するしかなく、その廃棄した食材の金額は15万円を超えていたこと、そして、廃棄したので臨時に食材を購入した費用に大体2万7,000円ぐらいかかったので、結局、17万7,000円ぐらいの損害総額だったそうです。介護の事業所というのは、
介護報酬の中で運営していますので、こうした予想外の出費あるいは損害というのは大変大きな損失だったろうと思っております。
さらに、9月6日当日、
介護事業所では、被災状況とか利用者の安否の確認のために、出勤する予定のない職員に対しても職場に来てくれということで集合をかけたところもありましたが、直後ですので、さまざまな事情で職場までは行けなかった人もいるという話も聞いています。先週の
決算特別委員会で、私は福祉避難場所のことについて質問いたしましたが、福祉避難場所が災害のときに開設されるかどうかのポイントの一つが、やっぱり医療、福祉の専門職の人を集められるかということだと思っております。
そこで、各事業所では、職員の皆さんを集めようとされたかどうか、また、された場合にどんな問題が生じたのか、あるいは、行けたのか、行けなかったのか、職員の皆さんに声をかけて実際に事業所に集めることができたのかなどの細かい状況について、本市のほうでつかんでおられるのか、お聞きしたいと思います。
◎佐々木
高齢保健福祉部長 今のお話を聞いて、さまざまな
介護事業所でもご苦労があったのかなと思います。停電によって
公共交通機関が停止しておりましたので、職員の参集、通勤にも影響があったことは認識しております。
福祉避難場所となり得るような状況だったかどうかということにつきましては、先ほど答弁いたしましたファクス送信の後、電話かけをしている中で、各施設と私どもでお話をいたしました。その際、職員が足りているかというような個別・具体のことについて、どこまで細かく聞き取りできたか、できなかったかということは今ご説明できませんが、被災状況の聞き取りなどをいたしますと、福祉避難場所として受け入れできるというところが半数ぐらいはあったかなと思っております。一方で、当時、先に対する見通しもなかなか難しい状況でしたので、食料や水がちゃんと足りるであろうか、あるいは、電気が使えない中での
サービス提供ということから、福祉避難場所の受け入れは困難であるという回答をいただいた施設があったのも事実でございます。
◆小形香織 委員 もう一つ伺いたいと思います。
先ほど、
介護事業所の方が利用者のところに安否の確認のために回ったというお話をしました。その回っている途中や、回ろうとしたときに、車で移動しようと思ったらガソリンがなくて、給油しようと思ったけれども、実際ガソリンスタンドに行ってみたら3時間ぐらい待つような長い行列ができていて、給油に非常に時間がかかってしまい、すぐに利用者のところに行けなかったという実態も出されています。さまざまな災害のときに、必要な車にどう優先的に燃料を補給するかというのは全体の中で考えなければいけないと思いますが、こういう
介護事業所など、みずから安否確認して回ることが職務であるようなところに対しても、何らかの手を打つことが必要なのではないかと私は考えております。
そこで、今回の事態に対して、何か手を打つことをご検討されているかどうか、伺いたいと思います。
◎佐々木
高齢保健福祉部長 今回の震災に当たりまして、介護事業者が安否確認をされたという事例は確かに把握しております。実際に
サービスを提供されている事業者ですので、その
サービス提供が中止になるという連絡をとったときにあわせて安否確認をしていただいた、あるいは、
ケアマネジャーの中には、やはり心配な利用者がいるので直接訪問したというお話も私どもには届いております。
私どもで今申し上げられることで言いますと、
介護保険の制度ということになりますので、その中ではそういった活動に対して
介護報酬を算定できる仕組みにはなっておりません。ですから、なかなか申し上げづらいところではございますが、それ以外のガソリンの問題等については、これまでも災害対策という中で食料とか燃料の備蓄も必要だということを実地指導等のたびにお願いしておりますので、事業者には引き続きそのようにお話ししていくことになるのかなというふうに考えるところでございます。
◆小形香織 委員 一つは、福祉避難場所になるかもしれない場所については、先ほど質疑の中でメール、ファクス等で少し状況を確認されたと伺いましたが、やはり、実際にどんな課題があったのかということをつかんでいただきたいのです。
あわせて、福祉避難場所とはならないかもしれませんが、高齢者の皆さんを訪問したり、あるいは、通所していただいて
サービスを提供するという日常の業務の中で、今回の災害があってそれが十分にできなかった理由とか、どこに困った事態があったのかということについても、私は、今後の対策として大事なことだと思いますので、よくつかんでいただく必要があると思っています。先ほど全調査はなさっておられないとご答弁されておりましたが、どれぐらいの損失があったのか、また、
介護報酬にはならないけれども、苦労されてさまざまに対応している、そして、当初は利用者が来る予定だったのが来なかったために資金がうまく回らず、結局、
介護事業所そのものが一層の運営困難に陥っているという実態もあります。そういう意味では、本市では、やはり、事業者の皆さんの苦労や困難をきちんとつかんだ対応をしていただくことを求めます。
それから、恐らくもう既にされていると思いますが、厚労省から今回の胆振東部地震の
介護事業所のさまざまな対応についての事務連絡等が来ていると思いますので、それは、それぞれの事業所に周知徹底していただくとともに、国に求めることがあるのではないかという目線で今回の
介護事業所の対応をきちんと把握していただくことを求めて、質問を終わりたいと思います。
○よ
こやま峰子 委員長 以上で、第3項
老人福祉費及び
介護保険会計等の質疑を終了いたします。
次に、国民健康保険会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他
会計繰出金のうち関係分について、一括して質疑を行います。
◆伊藤理智子 委員 私からは、国民健康保険加入者の一部負担金減免制度について質問いたします。
国保の一部負担金減免制度とは、災害や事業の休廃止、失業などにより、収入が著しく減少した場合などの特定の理由によって医療費の支払いが困難になった世帯の自己負担金を減免または猶予するという制度です。国は、申請できる基準を設けていませんが、本市では、失業後6カ月を過ぎたら減免対象にならないと、政令市の中で最も厳しい対応をとってきました。失業から6カ月を過ぎていると制度を使えなくなることから、市民が使いやすい制度とは言えず、2015年には6件、2016年には3件、2017年には2件と、利用者も年々減少しているというのが現状です。
この間、我が党は何度も一部負担金減免制度の問題を指摘し、改善を求めてきましたが、申請期間を6カ月に限定してきたことが申請件数の少なさに影響してきた一つの要因だと考えますが、本市として、どのように考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。
◎西村 保険医療部長 6カ月の申請期間についてのご質問でございます。
札幌市では、失業などの事実発生月から6カ月の申請期間を定めておりますが、ほかの
政令指定都市の昨年度の状況を見てみますと、申請期間を定めていない市が17市ありまして、そのうち7市が承認件数ゼロとなっております。
一部負担金減免は、収入や資産要件などもありますので、申請期間だけをもって申請件数の少なさに影響していると考えることは難しいのではないかというふうに思っております。
◆伊藤理智子 委員 国民健康保険制度の一部負担金減免申請を却下したのは違法だとして、北区の女性が本市を相手に決定取り消しを求めた裁判で、札幌高裁は、ことし8月22日に、請求を棄却した一審判決を取り消し、裁量権の逸脱に当たるとして原告勝利の判決を出しました。この女性は、
介護福祉士として働いていましたけれども、狭心症で、2014年6月、退職されました。同11月には、失業給付が切られたため、同年暮れに減免申請をしますが、本市は、失業から6カ月以内との内部規定があると受け付けませんでした。2017年12月の札幌地裁判決では、裁量権の範囲内と原告の請求を棄却しました。しかし、高裁判決では、一部負担金支払いが困難になった事情や経緯などを当然考慮すべきとし、本市の裁量権の範囲を超え、濫用があったものとして、違法となるとの判決を出しました。
裁判の却下理由では、6カ月の申請期間を設けていることが指摘されております。裁判結果を踏まえ、申請期間をどのように対応することにしたのか、伺います。
◎西村 保険医療部長 申請期間の取り扱いについてのご質問でございます。
判決において指摘のありました申請期間については見直しを行いまして、10月1日から申請期間を定めないことといたしました。また、申請期間の見直しに伴いまして、減免の期間につきましても、申請月から最大6カ月としたところであります。
◆伊藤理智子 委員 見直しをしたということで、それは当然の対応だと思いますけれども、この減免の要綱を確認したところ、申請期間等について変更されておりません。
ここについて、どのように対応していくのか、伺います。
◎西村 保険医療部長 要綱の改正についてでございます。
今年度から国保の都道府県化がありまして、それに伴い、北海道では市町村の事務の標準化を進めておりますが、この一部負担金減免の取り扱いについても、標準例案が年内には示される予定であります。そのため、申請期間の取り扱いにつきましては、当面は通知により対応することとして、要綱の改正については北海道から示される標準例案を踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。
◆伊藤理智子 委員 申請期間を設けないことや減免期間を変更したことについて、個別に通知で対応するということですが、広く市民に周知していくことが必要だというふうに考えます。
実施要綱では、減免または徴収猶予の対象となる世帯の要件に、世帯主または被保険者の所有にかかわる家屋等の災害による損害面積が20%以上となるときと書かれています。今回の地震で対象となる世帯がかなりの数で出てきているというふうに考えますけれども、20%以上という判断はどこでどのようにするのか、今回の地震ではどのように対応されたのか、伺いたいと思います。
◎西村 保険医療部長 損害面積20%以上の根拠と、それから、今回の地震での対応についてのご質問でございます。
災害における家屋などの損害が20%以上の根拠につきましては、内閣府が定めております災害に係る住家の被害認定基準によるものであります。また、今回の地震では災害救助法の適用を受けましたことから、被害を受けた方に対しては、特例措置として、収入要件にかかわらず、半壊以上の罹災証明を受けた方を対象に一部負担金の減免を行っているところであります。
◆伊藤理智子 委員 今回の震災で対象となる世帯に知らなかったという方がいないように、制度が活用できることを徹底するべきであることを求めておきます。
また、高裁で本市が裁量権の範囲を超え、濫用があったものとして違法となるとの判決が出たことを真摯に受けとめて、国民健康保険法第44条の規定に基づく一部負担金の減免を積極的に市民に周知していくこと、また、本市職員自身が制度について知らない、周知されていないという問題も現実にあることから、職員への研修など、制度について周知していくこと、市民がわかりやすく使いやすい制度としてさらに改善していくべきであるということを強く求めて、質問を終わります。
○よ
こやま峰子 委員長 以上で、国民健康保険会計等の質疑を終了いたします。
次に、
後期高齢者医療会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他
会計繰出金のうち関係分について、一括して質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午前11時6分
再 開 午前11時9分
――――――――――――――
○よ
こやま峰子 委員長 委員会を再開いたします。
最後に、第3款
保健福祉費 第5項 健康衛生費の質疑を行います。
◆前川隆史 委員 私からは、たばこ対策、それから、ピロリ菌検査を含めた胃がん対策の2点について、順次、お伺いいたします。
まず初めに、たばこ対策、特に子どもに対するたばこ対策について質問いたします。
私は、これまで、市民の健康増進やがん対策、オリパラ開催都市にふさわしいまちづくり、また、国際観光都市としてのおもてなしといった観点から、継続してたばこ対策を訴え続けてまいりました。
札幌市においては、札幌市健康づくり基本計画、健康さっぽろ21において、成人の喫煙率を減らす、受動喫煙の機会を有する人を減らす、未成年や妊婦の喫煙をなくす、妊婦や子どもの受動喫煙をなくす等、ターゲットを明確にして目標を掲げてさまざまな取り組みを実施しております。そうした粘り強い取り組みが実ったのか、成人の喫煙率は、平成24年に20.5%だったものが、5年後の昨年、平成29年には17.4%まで低下しました。
ちなみに、男女別で見てみますと、男性が30.6%から25.2%に、女性は13.1%から11.9%へとそれぞれ低下いたしました。喫煙率の低下は全国的な傾向でもございまして、たばこの害について幅広く社会全体に理解が進んでいったのかなと思うところでございます。
一方で、たばこ対策を考えるときに、やはり、他人のたばこの煙を無理やり吸わされてしまう受動喫煙防止対策が重要でございまして、私も機会あるごとに訴え続けてまいりました。そのような中、ことし7月25日に、望まない受動喫煙をなくすという受動喫煙防止対策を強化する改正健康増進法がようやく公布されました。この改正法の趣旨は、望まない受動喫煙をなくす、また、受動喫煙による健康影響が大きい子ども、患者等に特に配慮する、そして、施設の類型、場所ごとに対策を実施する、大きくこの3点となっております。また、全ての施設において、喫煙可能な場所について、客、従業員ともに20歳未満は立入禁止が義務づけられるなど、子どもや未成年に対する受動喫煙防止がしっかりと規定されております。
皆さんもご案内のとおり、たばこの副流煙については、発がん性物質やニコチン、一酸化炭素などの有害物質が主流煙の数倍も含まれておりまして、喫煙者本人だけではなく、受動喫煙により、肺がんや膵臓がんの罹患リスクが高まるなど、周囲の人への健康に悪影響が及ぶことが各国の研究機関でも既に明らかとなっておりますし、札幌市がん対策推進プランにおいても、がん予防の重要な取り組みの一つとして受動喫煙対策を位置づけております。中でも、子どもへの健康影響としては、SIDS、乳幼児突然死症候群のほか、ぜんそくとか、せき、たん、息切れ等、呼吸機能への影響、また、中耳炎、虫歯などとの因果関係も示唆されているところでございます。
さらに、妊婦が受動喫煙にさらされますと、胎児の発育が妨げられて、生まれてくる赤ちゃんの体重が減少するなど、子どもの成長にもそういった大きな悪影響を及ぼすとも言われております。少子化が進む札幌市において、これは大変重要なゆゆしき問題でございまして、安心して子どもを産み育てることができるまちを目指すためにも、まずは、たばこ対策の中でも、妊婦や子どもの受動喫煙防止にしっかりと取り組むべきと強く訴えたいと思います。
そこで、最初の質問でございますが、現在、妊婦や子どもを受動喫煙から守るためにどのような取り組みを行っているのか、まず、お伺いいたします。
◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長 妊婦や子どもに対するたばこ対策についてのお尋ねでございます。
妊婦や子どもを受動喫煙から守るための取り組みについてでございますが、札幌市がん対策推進プランにおきまして、たばこ対策として子育て世帯の禁煙外来受診促進事業を位置づけ、平成29年度より禁煙外来を活用した禁煙への取り組みを支援しているところでございます。また、各区の保健センターにおきましては、妊娠届出書を受理する際に、保健師との面接を通しまして、喫煙が胎児に及ぼす影響についてリーフレットを用いて説明しているところであります。さらに、出産後の4カ月健診においても家族の喫煙状況を確認しておりまして、いまだに家族に喫煙者がいる場合には、赤ちゃんに対する健康への影響についてより具体的な説明を行い、できるだけ早く禁煙に取り組むようしっかりと指導するなど、妊婦や子どもの受動喫煙防止対策に努めているところであります。
◆前川隆史 委員 現状の取り組みについては理解させていただきました。
健康さっぽろ21の中間評価に関する平成29年市民意識調査の結果を見てみますと、受動喫煙に配慮する人の割合ですが、24年から29年の5年の間で、妊婦については68.5%から93.4%に、育児期間では76.4%から95.2%と、計画策定時と比較しますとかなり増加しております。ご答弁いただいた取り組みの成果が出てきているのかな、このように感じているところでございます。
また、この調査では、受動喫煙の頻度についても聞いておりまして、頻度で言うと、飲食店は月に1回程度という回答が最も多く、また、家庭ではほぼ毎日という回答が最も多い結果でございました。やはり、妊婦や子ども等が生活する家庭における取り組みが大変に重要であることがわかります。さらに、子どもに対する取り組みでは、札幌市がん対策推進プランの施策の一つとしてがん教育を位置づけております。学校と教育機関における健康教育の中での重要な課題ともなってございます。
そこで、質問でございますが、今後どのようにたばこ対策を強化していくのか、お伺いいたします。
◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長 今後のたばこ対策の強化についてでございますが、がん予防としてもたばこ対策は非常に重要でありますことから、12の関係団体から成る普及啓発キャンペーン実行委員会の今年度のテーマをたばこ対策といたしまして、それぞれが普及啓発に取り組むと同時に、子ども向けがん教育及び事業所の受動喫煙防止対策を推進しているところであります。具体的には、新たに小・中学生に向けたポスターの作成、配布や、がん予防メッセージの公募を教育委員会とも連携しながら実施するとともに、子ども向け新聞への記事掲載による普及啓発を予定しております。また、事業所向けには、職場での禁煙支援の事例紹介を行うこととしております。
改正健康増進法には、健康影響が大きい子ども等への配慮が位置づけられていることから、今後は、母親教室や両親教室、乳幼児全戸訪問等の母子保健事業を活用した普及啓発を強化いたしますとともに、これらの幅広い取り組みによりまして、市民意識をさらに高め、たばこ対策を一層進めてまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 一層の強化を力強く推進していただくことを求めたいと思います。
続きまして、ピロリ菌検査を含めた胃がん対策についてお伺いいたします。
我が会派では、これまで、継続して胃がん対策としてピロリ菌検査の導入が非常に重要であるというふうに幾度も訴えてまいりました。胃がんの大きな要因でございますピロリ菌感染は、幼少児期の親からの経口感染や井戸水などが主たる経路と考えられておりまして、日本では、ピロリ菌感染者は年齢が高いほど多く、感染率は各年代で減少傾向にあるとの報告がございます。しかしながら、胃がん罹患者数は、国立がん研究センターによる平成30年予測では、部位別で男性では1位、女性では3位、男女合わせると2位となっております。
10月2日に行われた我が党の代表質問においては、国のがんにかかわる指針の改正によりまして、胃がん検診の対象年齢が40歳以上から50歳以上に、受診間隔が1年に1回から2年に1回となったことを含め、札幌市の胃がん対策をどのように進めていくのかという質問に対して、平成31年1月より胃がん検診への内視鏡検査を導入するといった答弁がございました。加えて、それに伴い、40歳に対してはピロリ菌検査を含めた胃がんリスク判定を実施する旨の答弁があったところでございます。
そこで、質問でございますが、40歳に対して導入する胃がんリスク判定の目的と具体的な検査内容についてお伺いいたします。
◎小田原 健康企画担当部長 40歳に導入いたしますリスク判定の目的と、具体的な検査内容についてでございます。
胃がんの罹患率は40代以降に徐々に高まりますことから、40歳に検査を導入することで、胃がんリスクを早期に発見するとともに、50歳以降の定期的な検診の受診につなげるなど、胃がんに対する知識や意識を高めてもらうことを目的として導入するものでございます。
検査内容でございますが、血液で胃炎の状況やピロリ菌感染を判定し、胃がんになるリスクが高いか低いかを四つの群に分類します。そして、胃がんのリスクが高いと判定された方には受診を促し、治療に結びつけるというものでございます。
◆前川隆史 委員 答弁にありましたように、今後胃がんの罹患率が高まってくる40代において、胃炎の状況とかピロリ菌感染といった胃がんになるリスクを把握していくことが重要であるということでございます。我が会派が求めてまいりましたピロリ菌検査が導入されることで、胃がんの1次予防が推進されることを一層期待するものでございます。
今、40代への胃がん予防の取り組みについて確認させていただきましたが、50代以上を対象とする胃がん検診についてもピロリ菌除菌を進めていくとのことでございます。
そこで、質問でございますが、胃がん検診の内視鏡検査導入に合わせてピロリ菌除菌を推進するとのことですけれども、具体的にどのように取り組むのか、お伺いいたします。
◎小田原 健康企画担当部長 内視鏡検査の導入に合わせまして、どのようにピロリ菌除菌の推進をするのかということでございます。
内視鏡検査の結果、胃炎の所見があった場合には、その後のピロリ菌検査が保険診療となりますことから、検診受診時の説明の際にピロリ菌検査の追加の意向を確認することとしております。また、札幌市医師会とも協議し、胃がん検診の結果だけではなく、ピロリ菌検査の実施状況、除菌の結果などにつきましても検診実施医療機関から報告を受け、確実にピロリ菌除菌につなげる体制を整備いたしました。
◆前川隆史 委員 胃がん検診に内視鏡を追加したことで、胃炎の所見のある方に対して保険診療でのピロリ菌検査やピロリ菌除菌を推奨していくということでございます。
胃がん予防の視点を付加したこのたびの変更は、市民にとって大きな変更でありますので、市民に制度の内容についてわかりやすく普及啓発するとともに、検診機関や専門医などを含めた実施体制を整備して、質の高いがん検診体制と予防対策を進めていくことが重要でございます。
国においても、対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアルにおいて、胃がん検診の実施体制は一定の基準を備えた標準化されたものでなければならないとしております。
そこで、質問でございますが、内視鏡検査が導入されてピロリ菌検査が奨励されることになりましたけれども、新たな胃がん検診の実施体制の標準化をどのように図っていくのか、お伺いいたします。
◎小田原 健康企画担当部長 胃がん検診の実施体制の標準化をどのように図るのかということでございます。
内視鏡検査の実施に当たりましては、精度管理、実施手順、安全管理など実施体制の標準化は非常に重要であると認識しております。そのため、札幌市医師会と連携の上、平成30年11月、来月になりますが、検診実施医療機関の医師等を対象にした研修を予定しております。具体的には、内視鏡技術向上や安全管理対策のほか、胃がん予防に重要なピロリ菌検査の手法等の内容を実施する予定でございます。
こうした研修を継続的に行い、新たな胃がん検診の実施体制の標準化を図り、より効果的な胃がん対策を進めていきたいと考えております。
◆前川隆史 委員 来月、検診実施医療機関の医師等を対象に研修を予定している、そういったご答弁でございました。
胃がん対策につきましては、早期発見が大変重要でございますので、今回の変更を機に、市民にもがん検診の重要性やピロリ菌と胃がんリスクの関係を正しく伝えて、受診率の向上につなげていただきますようお願い申し上げまして、質問を終わります。
◆村松叶啓 委員 飼い主のいない猫への対策について伺いたいと思います。
犬や猫などのペットについては、大切な家族の一員として飼育される一方で、遺棄や虐待、不適正な飼育管理による近隣への迷惑行為など、さまざまな問題が後を絶たないといった実態があります。
札幌市は、これらのペットに関する課題解決に向け、平成27年5月に札幌市動物愛護管理基本構想を策定、平成28年3月に新たな動物愛護に関する条例を制定し、ことし4月には、数値目標と具体的な施策を示す札幌市動物愛護管理推進計画を策定いたしました。推進計画では、「人と動物が共生する社会の実現〜人と動物が幸せに暮らせるまち・さっぽろ〜」の実現を目標に掲げ、動物の愛護、管理、福祉を基本施策とし、動物愛護教育や適正飼育の普及啓発などに取り組んでいくことが明記されており、動物愛護の積極的な推進が期待されるところであります。
そうした中、札幌市のこれまでの取り組みもあり、現状は、収容される犬や猫の頭数は以前に比べ減少してきており、犬については平成26年度より殺処分ゼロを継続し、猫の平成28年度、平成29年度の殺処分数は、健康状態の回復の見込みがないため、残念ながら安楽死させざるを得なかった1匹ずつとのことであります。
しかしながら、近年、札幌市を含め、北海道全体で行政に引き取られる犬や猫の数は減少しているというものの、特に猫に関する実態としては、行政に引き取りを断られた多くの猫を動物愛護団体が引き取っている結果、行政の引き取り数が減少しているとの報道もあります。
そこでまず、質問ですが、近年、札幌市の猫の引き取り状況がどうなっているのか、また、どのような課題があると考えているのか、お伺いいたします。
◎高木 生活衛生担当部長 飼い主のいない猫への対策についてお答えいたします。