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平成30年第一部決算特別委員会−10月16日-04号
平成30年第二部決算特別委員会−10月16日-04号

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  1. 札幌市議会 2018-10-16
    平成30年第二部決算特別委員会−10月16日-04号


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    平成30年第二部決算特別委員会−10月16日-04号平成30年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第4号)               平成30年(2018年)10月16日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32名     委 員 長  よこやま 峰子      副委員長   中 村 たけし     委   員  武 市 憲 一      委   員  宮 村 素 子     委   員  勝 木 勇 人      委   員  こんどう 和雄     委   員  細 川 正 人      委   員  佐々木 みつこ     委   員  北 村 光一郎      委   員  伴   良 隆     委   員  村 松 叶 啓      委   員  中 川 賢 一     委   員  畑 瀬 幸 二      委   員  恩 村 一 郎     委   員  三 宅 由 美      委   員  桑 原   透     委   員  しのだ 江里子      委   員  小 川 直 人     委   員  村 上 ゆうこ      委   員  松 原 淳 二     委   員  かんの 太 一      委   員  涌 井 国 夫     委   員  本 郷 俊 史      委   員  國 安 政 典     委   員  好 井 七 海      委   員  前 川 隆 史     委   員  伊 藤 理智子      委   員  小 形 香 織
        委   員  村 上 ひとし      委   員  平 岡 大 介     委   員  松 浦   忠      委   員  石 川 佐和子       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○よこやま峰子 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、勝木委員、松浦委員からは遅参する旨、また、鈴木委員からは宮村委員と、村山委員からは中川委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第3款 保健福祉費 第3項 老人福祉費、第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分及び介護保険会計決算について、一括して質疑を行います。 ◆宮村素子 委員  私からは、地震等により被災しました高齢者入所施設への支援について質問いたします。  まず、このたびの北海道胆振東部地震は、過去最大の震度と全道規模の停電によりまして大きな被害をもたらしました。いまだに苦しんでおられる方、被害に遭われた方もたくさんいらっしゃいます。そうした皆様に心よりお見舞い申し上げるところでございます。  今回の地震を教訓として、札幌市も介護施設等運営事業者もともに今後の災害対策につなげていただきたい、そういう思いから質問してまいりたいと思います。  まず、このたびの地震においては、複数の高齢者入所施設が被災し、その復旧に向けてご苦労されていると聞いておりますし、新聞等での報道も続いております。  そこで、質問でございますが、高齢者の入所施設が被災して避難が必要な場合、札幌市としてはどのような対応をとられるのか、伺います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  高齢者の入所施設が被災し、避難が必要となった場合の札幌市の対応についてでございます。  建物が被災した場合には、まずは入所者の安全確保を最優先していただくことを事業者に要請いたします。被災の程度によりまして入所継続が危険と判断された場合には、入所者の安全確保提供サービスの継続のため、札幌市から避難候補先の情報提供を事業者に行いながら、原則として同じサービス種別のほかの施設へ速やかに退避していただくこととなりますが、同種の施設への移転が困難な場合には一時的に類似サービス施設に避難するなど柔軟な対応を検討いたします。 ◆宮村素子 委員  今、基本的な対応ということで、その内容については理解したところでございます。  今回の地震においては、清田区の高齢者施設において建物が傾くなどの被害により、最終的には自社の既存の介護サービス施設を転用して入所者を一時避難させていると伺っております。しかし、必ずしも事業者が一時避難施設を確保できるとは限りません。その場合は、事業の存続も危ぶまれます。  そこで、質問いたしますが、このように入所施設が被災した場合、入所者の安全確保は当然のことでありますけれども、あわせて、事業者の事業継続への支援も大切だと考えますが、札幌市としてはどのような認識か、お伺いします。  さらに、事業者が一時避難所を確保できない場合も多々あろうかと思います。あらかじめ避難先となる建物を整備するなどの方策もあろうかと考えますが、あわせて、札幌市の見解をお伺いいたします。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  災害の規模や対応はさまざまな実態が想定されますことから、札幌市といたしましては、入所者の安全確保を最優先といたしまして、利用者やその家族のご意向、事業所の状況を踏まえた最善策を個々に検討してまいりたいと考えております。  あらかじめ避難施設を整備することにつきましては、建設や維持管理の費用を含め、さまざまな課題があると考えておりまして、実現はなかなか難しいのではないかと考えているところでございます。今後、札幌市内で他の施設への避難が困難なほどの広範囲な災害が発生した場合を想定し、例えば、高齢者向けに配慮された福祉仮設住宅の設置なども選択肢の一つとして検討し、事業者が入所者に適切なサービスを継続して提供できるように努めてまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆宮村素子 委員  ただいまのご答弁では、高齢者向け福祉仮設住宅の設置なども選択肢の一つということでございました。私は、札幌市として、そういったときに転用できるような施設を持っていて、平時は何かに使っていても、大型の高齢者福祉施設が被災して、高齢者を一気に大量に受けなくてはならないときには転用できるという約束のもとに市の建物があるといいな、そんなふうに思っていました。ただ、実際に使われていると、さあ、いざというときにここは高齢者の福祉の入所施設にしますというのは、そう簡単にはいかないのかなと思います。しかし、これは考えてもいい一つではないかなと思うところです。例えて申しますと、市立札幌病院のある病棟について、介護を受けている高齢者の避難場所が大量に必要な場合に、一時、介護施設に転用するなど、それはただ私の発想ですけれども、何か既存の施設をそのように使い回せることも考えておくべきだということで、改めてそのことを申し上げたいと思います。また、一つの特養が被災した場合には大体80人規模の人たちが行き場を失うわけで、それだけ大規模に人を受け入れるのは物理的に非常に困難です。そういう意味で、福祉仮設住宅の必要性というのは絶対に高いものがありますので、ぜひ、これを推進していただきたいと思います。  そして、その場合は、介護者もともに生活できる状態が必要ですので、そのことも含めてご検討いただきたいと思います。一般的には、札幌市が持つ情報を提供してそういった入所施設を紹介するということでございます。しかし、今回は、15人が入所する清田の施設でしたが、その15人ですら入所に当たってはいろいろと困難をきわめました。また、本人たちが探すのもなかなか苦労されていたように聞きます。この施設そのものも、臨時、応急の入所を特養と契約していましたが、そこで受け入れられるのは1人だけで、1人は違う特養にというようなことで、まとまった一定の人数が入所できるかというとなかなか難しいそうです。ばらばらでも入れればいいかもしれませんが、認知症で、グループホームでの一対一の介護で安定している人が、全然知らない環境の特養に回され、そこで違う人の介護を受けるというハンデを考えると、ぜひ、ともに入れることを根底に考えてほしいなと思います。  それから、情報の提供ですが、いい方法がないかということで関係者の中でかなり協力し合えるということも、私は、今回、いろいろな情報から得たところでございます。そうした情報をきちっと一元化するというか、行政が束ねて、いい情報伝達がしっかりとできるようにしていただきたい、そんなふうに思います。  また、この際、それぞれの事業者にも、もう一度、災害対策の見直しをしっかりと伝達していただいて、災害時に万全な形で機能できるようにしていただきたいということを求めまして、質問を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私は、要介護認定の迅速化についてと、キャリアパス制度導入支援事業について質問させていただきます。  まず、要介護認定の迅速化についてです。  団塊の世代が2025年までに後期高齢者、75歳以上に達するいわゆる2025年問題に象徴される高齢化の急速な進展により、介護保険制度サービスを必要とする方が全国的に年々増加しております。札幌市においても、同様に、高齢者人口の増加に伴い、2017年度の要介護認定者数は10万4,477人と前年よりも2,000人増加しておりまして、今後も要介護認定者数の増加と介護保険サービス利用者の増加が見込まれています。  介護保険サービスを利用するためには、まず、利用を希望する方が区役所の窓口に要介護・要支援認定申請を行うことから始まります。その後、市では、市の調査員が申請者に面接して心身の状態に関する認定調査を行い、この調査結果と主治医意見書をもとに、介護認定審査会による審査を経て要介護、要支援の状態区分の認定を決定し、申請者に認定結果を通知することになっています。申請者は、認定結果を受けてから、ケアマネジャーと相談してケアプランが作成された後に、在宅での介護サービスを利用することができることとなります。  介護保険法上では、この申請から決定までを30日以内に行うことを原則としていますが、札幌市では、この法定期間を超えることが多い現状であり、時には2カ月から3カ月かかるということもあると聞きます。制度上では申請日から暫定的にサービスを利用することが可能とされていますが、審査結果が非該当、または、予想よりも低い要介護度になった場合に備えて、ケアマネジャー介護サービスを最小限にとどめる現状も見られております。したがって、認定の決定に至るまでの日数が法定期間を超えていることによりまして、申請者である高齢者は心身の状態に応じた介護サービスを安心して利用することができないといった問題に直面しています。また、在宅で介護しているご家族においても不安な気持ちのまま介護を続けるといった問題が生じています。  申請者の要介護区分が決定されない場合は、申請者に合わせた適切なケアプランの作成におくれが生じることとなり、また、介護サービスの事業所においても、例えば、更新申請により継続してサービスを利用される方に対して、高齢者の心身の状況に合わせた適切なサービス等を供給することができないという問題が生じ、さらには、法定期間内で認定結果を受けた方と迅速な決定を受けることができなかった方との間で、サービスの利用に不公平が生じることも懸念されています。  そこで、必要とされる介護サービスが速やかに利用できるよう、要介護認定はできるだけ短期間で迅速に行うべきですが、申請から認定に至るまでの期間についての札幌市の認識と今後の方策について伺います。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  要介護申請から認定に至るまでの期間についての札幌市の認識と今後の方策についてでございますが、札幌市の要介護認定に要する日数は平均で43.1日でございまして、政令市平均の40.7日に比べて若干長いと認識しているところでございます。  迅速な決定のため、これまでも、訪問調査事務の円滑化、医療機関に対する主治医意見書の早期提出の依頼、また、介護認定審査会における部会数の増であるとか、1部会当たり審査件数の増などを行ってきたところでございます。また、認定有効期間を延長する制度改正が相次いで行われたことから、当面は要介護認定件数の減少が見込まれているところでございまして、今後とも効率的な認定事務に取り組み、迅速な決定に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  札幌市においては平均43.1日であるということですが、やはり、実際にかかわる主治医の先生方とかさまざまな要件によって、この日数は変わってくるものだと思います。札幌市としては、これまでも、申請者への訪問調査の円滑化や主治医意見書の早期提出をお願いし、介護認定審査会の部会増、1部会当たり審査件数の増などもされてきたことは理解いたします。主治医の先生には依頼日から2週間でとお願いしていると聞いておりますが、主治医の先生も通常の診察に加えてのこういったお願いということで、実態は難しいのではないかと思います。他政令指定都市への聞き取りによりますと、部会の開催というのは、週2回から平日毎日、1日1回から3回までとさまざまでございまして、一日も早く認定につなげようとするそれぞれの自治体の努力もよく見えるのですが、これもやはり限界があるものと思います。  そこで、質問ですが、国は審査会業務の負担軽減のため、ことしの4月に制度改正を行っていまして、自治体の判断で介護認定審査会の簡素化を認めていると聞きますけれども、その効果と札幌市の検討状況はいかがか、伺います。 ◎岡島 地域包括ケア推進担当部長  介護認定審査会の簡素化の効果と札幌市の検討状況についてでございます。  簡素化につきましては、1次判定を経た申請者のうち、第1号被保険者であって認定調査の内容が長期にわたって変化していないなど、一定の要件に該当する方を対象とするものでございます。国から示されている簡素化の方法の例示といたしまして、要件に合致した方の1次判定の結果を審査判定結果とみなすことにつきまして、認定審査会の包括同意を得ることをもって個々の審査判定にかえる方法があるとされております。  札幌市においてこの方法を実施した場合の効果でございますが、介護認定審査会の委員の負担軽減に加えまして、要介護認定申請から審査判定に至るまでの所要期間が短縮され、要介護認定の迅速化が期待できるところでございます。  現在、介護認定審査会の委員を推薦していただいている各団体と調整を行っているところでございまして、引き続き簡素化の実施に向けて協議を進めてまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  介護認定審査会の簡素化を進めるということは、2000年に介護保険制度が施行されてから初めての試みとなります。厚生労働省の想定では、簡素化対象者の見込み数は全申請の22.7%、4人に1人と予測されています。認定審査会の簡素化の運用が開始されるとなりますと、被保険者にとっては、更新申請を行い、認定結果が判定されるまでの所要期間が短縮されます。札幌市においても、今、団体との意見調整中ということですので、これが早期に進みますことを期待させていただきたいと思います。  次に、キャリアパス制度導入支援事業について伺います。  今後、介護人材は、2025年度末に245万人が必要とされ、毎年6万人程度の介護人材の確保が必要とされることについて、このたびの私どもの代表質問で述べてまいりました。一方、日本介護福祉士養成施設協会の調査で、介護現場指導的役割を担う介護福祉士を養成する学校への今年度の入学者数が過去最低を更新することがわかり、介護職を目指す若者の減少に歯どめがかかっていないことが明らかになっております。  そこでまず、質問ですが、2025年度には札幌市において介護人材はどのくらい不足するとお考えなのか、伺います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  札幌市におけます介護人材の不足数についてのお尋ねでございます。  介護人材需給状況につきましては、現在の枠組みでは都道府県が推計することになっており、札幌市の不足見込み数は不明でございまして、お答えすることはできません。これに関しましては、安定した介護サービスの提供を継続する上で、札幌市において介護人材需給状況を推計する必要があることから、保険者が把握できる仕組みの構築を国へ要望しているところでございます。  なお、北海道全体におきましては、2025年度には介護人材が11万6,000人必要であるところ、9万7,000人と推計されておりまして、約2万人の介護人材が不足するとの見込みでございます。 ◆しのだ江里子 委員  この需給状況は、あくまでも道が試算されているということで、札幌市においては試算がなされていないということでした。  今のご答弁によりますと、北海道全体での介護人材は、2025年度の9万7,000人という推計に対し、11万6,000人が必要であり、約2万人が不足するということまでは明らかになっております。そうであるならば、2025年度の北海道に占める札幌市の人口割合は約40%となっておりますので、そこから推定しますと札幌ではおおよそ8,000人が不足するのではないかと私は思っております。  既に介護職についている方々についても定着化に苦慮しておりまして、2016年度札幌市介護保険サービス事業者調査によりますと、離職理由の1位は給与でした。介護職員が将来の展望を持って介護の職場で働き続けることができるよう、能力、資格、経験などに応じて適切に処遇がなされる仕組み、まさにキャリアパス制度の導入、改善を支援するために、2015年度より、人材マネジメント等に関する専門家である社会保険労務士による介護事業所への訪問相談が実施されています。  そこで、質問ですが、キャリアパス制度導入支援事業において2017年度までに144事業所が相談されてきたと聞いておりますが、その効果をどのように認識されているのか、また、介護人材離職防止にはどのように反映されているのか、伺います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  キャリアパス制度導入支援事業の効果についてのご質問でございます。  この事業は、介護職員処遇改善加算の取得方法、各種の助成金の活用方法、あるいは、経験や資格に応じた昇給の仕組み、人事評価制度の見直しなど、事業所ごとに抱えているさまざまな問題に対して、専門家である社会保険労務士が訪問し、個別に助言を行うものとなってございます。  この事業の利用によりまして、例えば、新たに介護報酬処遇改善加算を得ることとなった事業所が22カ所、既に加算を取得していて人事制度の改善により加算が増額となった事業所が12カ所と、一定の賃金改善が図られるなど、介護職員が安定して働き続けることができる職場環境の改善が図られて離職防止につながっているものと捉えているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  要望です。  先ほども申し上げたように、私の勝手な推計でございますが、札幌市においても、2025年度におよそ8,000人の介護人材を確保しなければならないということが言えると思います。そのためにも、現在、介護を担っている方が、しっかりとした将来展望を持って安心して働き続けていただかなくてはならないと思います。  今回いただきました資料によりますと、ことし8月の数字では、加算未取得の事業所が188事業所あると書かれておりました。社会保険労務士に訪問していただき、そして、さまざまな問題の相談に乗っていただくことによってそれぞれの事業所で賃金の改善につながるということは、やはり大変大きなことでございます。対象となる全ての事業所において賃金加算が算定できるように、介護保険課としてもしっかりと注視していただくことを求めて、質問を終わります。 ◆平岡大介 委員  私からは、敬老優待乗車証、いわゆる敬老パスについて、高齢者への外出支援の影響と効果について、高齢者の実態に即した外出支援策について、何点か伺いたいと思います。  本市では、3年に1度、70歳以上の札幌市民8,000人を対象とした敬老優待乗車証利用者実態調査を行っております。  1点目の質問です。  この利用者実態調査は、何を目的とした調査であるのか、また、その調査をどのように生かしていこうと考えているのか、伺います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  敬老優待乗車証利用者実態調査の目的とその調査結果の活用についてのご質問でございます。  この調査は、利用実態等を把握し、今後の事業運営の参考とすることを目的といたしまして、おおむね3年に1度実施しているところでございます。  2015年の実態調査の結果では、例えば、敬老優待乗車証制度の手続についての不便な点という設問に対しまして、有効期限までしか使用することができない、あるいは、指定された郵便局でしか交付を受けられないといった意見が多くあったことから、2017年4月のICカード化に際してこの点の改善を図るなど、事業運営に生かしたところでございます。今年度に実施しております実態調査の結果につきましても、今後の事業運営にしっかりと活用してまいりたい、そのように考えているところでございます。 ◆平岡大介 委員  結果については、次の質問で聞こうかなと思っていましたが、当然、今後の事業運営に当たって、調査結果についてはいろいろと総括されているのかなというふうに思います。  そこで、質問ですが、その調査結果についての認識、それから、直近の結果である2012年と2015年の変化についてどのように分析し、認識しているのか、伺います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  実態調査の結果に対しての認識、それから、2012年と2015年の調査結果についての分析ということでございます。  調査結果につきましては、先ほど委員からもお話がありましたとおり、毎回8,000人の方にアンケートを送付しておりまして、そのうち5,000人を超える方から回答いただいており、70歳以上の方からの大切なご意見であると認識しております。  また、2012年と2015年の調査結果の比較についてでございますが、年齢階層別の交付状況や申請額の傾向などに大きな変化はなく、安定的な事業運営ができていると考える一方で、敬老優待乗車証利用目的という設問に関しましては、ボランティア活動や家族や友人との交流と回答された方の割合がふえておりまして、敬老優待乗車証が有効に利用されているものと分析したところでございます。 ◆平岡大介 委員  利用目的として、ボランティア活動や友人と会うときに使用したということでありまして、非常に有効に使われているのかなというふうに思います。  私も、2012年と2015年の調査結果を比較させていただきました。私が気になったのが、特に5年前と比べた外出頻度という項目であります。2012年の結果は、変わらないが31.1%と最も多い状態、次いでかなり減ったが27.2%、やや減ったが26.4%、減ったという部分を合わせますと53.6%となっています。そして、2015年のほうは、5年前と比べた公共交通機関の利用頻度、これは聞き方が若干変わっているのですが、変わらないが34.7%で少しふえて、最も多い状態です。次いで、ややふえたが17.3%、かなり減ったが14.5%となっています。つまり、外出がふえたという回答がふえて、外出が減ったという回答が減った結果になりました。  そして、2015年のみの記載で、5年前と比べて公共交通機関の利用がふえた理由はという設問があります。これには、敬老優待乗車証の交付を受けるようになったためという回答が52.9%と最も多くなっています。また、敬老優待乗車証が地域に及ぼす効果の有無についての設問があります。その設問では、高齢者の外出する意欲を高め、健康増進や介護予防を推進する効果は88.7%の方があると答え、高齢者の公共交通機関の利用をふやし、交通事故や渋滞を減らす効果は79.6%、高齢者が買い物や外出をするきっかけになり、消費をふやす効果は81.8%、高齢者の社会参加を促進し、孤立を防ぎ、生きがいをふやす効果は80.8%と、8割の方々がこういった項目に効果があると答えております。  そこで、伺います。  このような結果からも、敬老優待乗車証の利用は高齢者の外出頻度を高め、さらに、外出することにより、さまざまな効果や影響があるものと考えますがいかがか、伺います。  また、高齢者の社会参加はますます重要になっているというふうに考えますがいかがか、伺います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  敬老優待乗車証の外出への影響及び外出による効果、それから、社会参加の重要性についてどう考えるかというお尋ねでございます。  高齢者の外出に与える影響でございますが、たくさんの調査結果をご紹介いただきましてありがとうございます。それらの数字にもあらわれておりますし、2015年の実態調査の中で、敬老優待乗車証が外出に及ぼす影響という設問がございまして、その結果では外出する機会がふえていると回答した方が8割弱、77.7%となっていることから、私どものほうでも、敬老優待乗車証の外出への影響は大きいものと認識しております。  また、外出による効果や影響について申し上げますと、2016年11月に私どもが実施いたしました高齢社会に関する意識調査の中では、やはり、外出の頻度が多いほど要介護認定を受けていない割合が高いというような数字があったり、また、本年7月に地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所が行った調査では、他人との交流機会が少なく、散歩などの外出も余りしないような高齢者は、6年後の死亡リスクという書かれ方でしたが、そうでない方と比べてそれが2.2倍になるといった結果が公表されておりまして、これらのことからも外出は介護予防等への効果が高いものであると認識しております。  また、高齢者の社会参加の重要性についてでございますが、社会参加というのは、他人との交流や外出機会の拡大のほかにも、将来にわたって社会の一員であることの意識の醸成につながることからも、重要なものであると認識しております。 ◆平岡大介 委員  次の質問に移ります。  2012年調査のみの記載の項目で、外出時の支出額について聞いている項目があります。その結果は、1,000円から3,000円未満が33.5%、3,000円から5,000円未満が25.6%、5,000円から1万円未満が18.8%と、外出が消費に結びついていることが明らかになっています。また、経済市場においても、日照時間やその年の天候が個人消費に影響する、つまり外出行動が個人消費に大きくかかわるということは、かねてから言われていることであります。  今、部長からも答弁がありました別の資料ですが、高齢社会に関する意識調査からも質問させていただきたいと思います。  この中の設問では、外出の移動手段としてタクシーを挙げる高齢者は、2011年、2014年、2017年を比較すると、全体は微増、横ばいという状況ですが、年齢別では80歳以上の利用の割合の高さが非常に顕著であります。タクシーを使う方もふえておりますが、家族や知人などに車に乗せてもらう方もどんどんふえています。つまり、高齢者が車を必要としている実態がこの調査資料から明らかになっているというふうに思います。  そこで、高齢者のタクシー需要についてどのように認識されているのか、伺います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  今、調査結果のご紹介がございましたが、やはり、加齢に伴い、認知機能あるいは身体機能が低下することにより、要介護等認定率の割合も高くなっていることから、タクシー利用の機会はふえるものと認識しているところでございます。 ◆平岡大介 委員  昨年度の厚生委員会の視察で新潟市に行ってまいりました。そこでは、免許の自主返納者に対してバスのICカード乗車券やタクシー券の発行を行うことで自主返納を促す取り組みを行っていました。ほかにも、買い物弱者への支援策という観点も含めて、タクシー券を年に幾ら分と設定して交付している自治体もございます。  これまで、我が党は、タクシーでも敬老優待乗車証を使えるようにしてはどうかという提案を行ってまいりました。  そこで、質問でございますけれども、敬老優待乗車証交付による外出頻度の増加や外出に伴うさまざまな効果、また、高齢者のタクシー需要に鑑みた外出支援策が必要ではないかと考えますがいかがか、伺います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  一般的に、タクシーというものは自宅から目的地あるいはほかの公共交通機関までの送迎が可能でございまして、高齢者に限らず利便性の高い移動手段の一つであると考えております。しかしながら、敬老優待乗車証のタクシーへの利用拡大などにつきましては、高齢者人口が増加している中、制度の持続可能性という観点からもなかなか困難なものであるというふうに考えているところでございます。 ◆平岡大介 委員  高齢者がどんどんふえていく状況であるということですが、今までに経験のない超高齢社会が到来するからこそ、前例にとらわれない施策展開が求められているのではないかというふうに考えます。  広報さっぽろのことしの7月号です。こういった表紙ですが、特集記事として、「幸せ人生計画」と題し、定年退職後の再就職やボランティア活動、趣味やサークル、地域包括支援センターや介護予防センターへの参加を呼びかけています。ここからは、超高齢社会を迎えるに当たって、社会から孤立しない元気な高齢者をふやしていきたいという札幌市の思いが見てとれます。  しかし、具体的に社会参加を促すための外出支援というところでは、まだまだ不十分ではないかというふうに思っています。それは、今回の質問で取り上げた敬老優待乗車証利用者実態調査にもあらわれています。この中で、交付を受けていないという理由に、身体的な事情から利用できないためというのが2015年で34.6%、2012年も同じく34.6%と最も多くなっています。これは、敬老優待乗車証を交付されても、地下鉄の駅やバス停まで歩くことも困難だという高齢者が一定数いることをあらわしているというふうに思います。  先ほど、他の自治体でタクシーによる外出支援を行っている事例も紹介しましたが、大手ファストフード企業のマクドナルドでは、愛知県警と共同で免許返納者が運転経歴証をお店で提示すると割引になるというサービスを始めました。これは、高齢者がふえていきますので、ターゲットとして高齢者層にマクドナルドが浸透するかというある種のマーケティングという観点もあると思いますが、提示することで、自分だけではなく、一緒に来ている同伴の家族も割引になることから、車を手放しても家族やお孫さんと出かけていってほしい、そういった思いが込められているのだというふうに思います。  そこで、最後に、木下局長に質問してもよろしいでしょうか。  特に、本市では、厳冬期、冬という季節がございます。外出を控えがちになってしまう季節であります。冬の間、高齢者がほとんど外出せずに引きこもりがちになってしまうということは、先ほど部長からも外出しなければ死亡リスクが高まるという話がありましたように、高齢者は身体的にも精神的にも一気に衰えてしまう状況になります。  そのような冬がある本市だからこそ、どうしたら高齢者を引きこもらせずに外出を応援できるのか、何ができるのかを検討すべきではないかというふうに思うのですがいかがか、伺います。 ◎木下 保健福祉局長  冬場にどのようにして高齢者を外へ出すかというお話でございますが、むしろ、歩いて通えるところでどういう形のものがつくれるか。以前でしたら、ウオームシェアといったこともございましたが、冬場ですので余り遠くに行くことはなかなか難しいかもしれませんので、交通機関を活用するまでもなく、むしろ歩いて暮らせるコミュニティーをつくっていくことによって高齢者の冬場の外出を支援していく、そういう方法もあろうかというふうに考えております。 ◆平岡大介 委員  歩いて暮らせるコミュニティーをつくっていくのだとおっしゃいますが、私がいろいろ聞いているところによりますと、スーパーがなくなってしまって買い物に行くのに物すごく苦労しているという話もあるのですよ。コンパクトシティと言いましても、スーパーなども潰れてしまってなくなってしまう、札幌市内にはそういった状況もあります。ですから、ぜひ、タクシーによる外出支援をどういうふうに行えるのか、車を使った外出支援についていろいろ検討していただきたいと再度求めて、質問を終わります。 ◆小形香織 委員  先ほど、高齢者入所施設の質疑がございましたが、今回の胆振東部地震によって高齢者が日常的に利用する介護事業所等がどんな様子だったのか、本市がよく把握しておくことが大事だろうというふうに考えておりますので、それに関連して質問したいと思います。
     まず、今回の地震における介護事業所等の高齢者施設の被災状況について、本市ではどのような被害があったか、あるいは、それが何件あったのか、現段階で把握しておられればその状況をお示しいただきたいことと、その把握した方法はどのようなやり方かということについても明らかにしていただければと思います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  介護施設等の被災の状況がどのような状況であったのか、それをどういう形で把握したのかというお尋ねでございます。  私どもは、介護事業所のほうから被害状況の報告を受けておりまして、それによりますと、建物や設備の被害があったということで、壁や床のひび割れ、ボイラーの配管からの漏れなどがあったことは把握しております。また、主な人的被害といたしましては、介護サービスの利用中というよりは、住宅系の施設で停電中に転倒してけがをした方がいらっしゃるという報告は受けております。数については、申しわけございませんが、今、手持ちがございませんけれども、複数の事業所から被害状況の報告をいただき、その中でこのような事例があったということを把握しているところでございます。  また、その把握の方法についてでございますが、私どもは、地震発生後、被災状況についてご報告いただけないかと直ちにファクスで一斉送信をいたしました。ただ、今回の災害は大規模停電ということでしたので、ファクスではなかなか受け取っていただけないのではないかと考え、あわせて電話かけをしております。ただ、それも当初は停電ということでつながらないところが多くございましたが、引き続き、停電の復旧状況に合わせながら電話あるいはメールによる確認を続け、状況把握を行ったところでございます。 ◆小形香織 委員  複数の報告を受けた、市からもファクスを送信したり電話をかけてみた、しかし、停電もあってすぐにつながらないところもあったということでした。また、施設の中で転倒した方もいたということですが、それがどれだけの数なのかというと、全体像としては把握し切れていないということだと思います。  さらに、もう少し詳しくお聞きしたいのですが、通所の介護施設では、地震があったために、実際には9月6日は多くのところで予定どおりの利用がなく、あるいは、その翌日の7日なども、急遽、利用されないということが発生したのではないかと思いますけれども、そのあたりの利用状況などについては把握されているのか、伺いたいと思います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  通所介護事業所の地震発生時のサービス提供状況についてのお尋ねでございます。  現時点においては、全事業所への調査は完了しておりませんけれども、メール等による被災状況の報告や事業所への個別の聞き取りの中では、地震発生日あるいはその翌日は多くの事業所が臨時休業する状況になったと認識しております。  その理由といたしましては、停電によって必要なサービス提供が困難であった、あるいは、信号停止等によって送迎の安全確保が困難だったことなどが挙げられております。また、地震発生の翌々日以降は、順次、営業を再開し、ちょうど3連休も挟んでおりますが、翌週にはほぼ通常営業となっているものと考えております。 ◆小形香織 委員  私も、介護事業所の方からいろいろお聞きしています。当日、ヘルパーたちが、自分が担当している高齢者の安否確認に行こうと信号機が動かない中でも回って歩いた、あるお宅では、行ってみたら食器棚から食器が落ちて床の上に散乱していた、食器が全部割れてしまっていたのですが、その方のところに行こうと思っても、それを片づけないことには部屋の中も移動できないということで、身体介護をするために、まずは部屋の中の片づけをしなければならなかったというお話もお聞きしました。  また、食事を提供している事業所では、七つの事業所を持つグループですが、停電によって冷蔵庫の機能がとまってしまい、ストックしていた食材を全部廃棄するしかなく、その廃棄した食材の金額は15万円を超えていたこと、そして、廃棄したので臨時に食材を購入した費用に大体2万7,000円ぐらいかかったので、結局、17万7,000円ぐらいの損害総額だったそうです。介護の事業所というのは、介護報酬の中で運営していますので、こうした予想外の出費あるいは損害というのは大変大きな損失だったろうと思っております。  さらに、9月6日当日、介護事業所では、被災状況とか利用者の安否の確認のために、出勤する予定のない職員に対しても職場に来てくれということで集合をかけたところもありましたが、直後ですので、さまざまな事情で職場までは行けなかった人もいるという話も聞いています。先週の決算特別委員会で、私は福祉避難場所のことについて質問いたしましたが、福祉避難場所が災害のときに開設されるかどうかのポイントの一つが、やっぱり医療、福祉の専門職の人を集められるかということだと思っております。  そこで、各事業所では、職員の皆さんを集めようとされたかどうか、また、された場合にどんな問題が生じたのか、あるいは、行けたのか、行けなかったのか、職員の皆さんに声をかけて実際に事業所に集めることができたのかなどの細かい状況について、本市のほうでつかんでおられるのか、お聞きしたいと思います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  今のお話を聞いて、さまざまな介護事業所でもご苦労があったのかなと思います。停電によって公共交通機関が停止しておりましたので、職員の参集、通勤にも影響があったことは認識しております。  福祉避難場所となり得るような状況だったかどうかということにつきましては、先ほど答弁いたしましたファクス送信の後、電話かけをしている中で、各施設と私どもでお話をいたしました。その際、職員が足りているかというような個別・具体のことについて、どこまで細かく聞き取りできたか、できなかったかということは今ご説明できませんが、被災状況の聞き取りなどをいたしますと、福祉避難場所として受け入れできるというところが半数ぐらいはあったかなと思っております。一方で、当時、先に対する見通しもなかなか難しい状況でしたので、食料や水がちゃんと足りるであろうか、あるいは、電気が使えない中でのサービス提供ということから、福祉避難場所の受け入れは困難であるという回答をいただいた施設があったのも事実でございます。 ◆小形香織 委員  もう一つ伺いたいと思います。  先ほど、介護事業所の方が利用者のところに安否の確認のために回ったというお話をしました。その回っている途中や、回ろうとしたときに、車で移動しようと思ったらガソリンがなくて、給油しようと思ったけれども、実際ガソリンスタンドに行ってみたら3時間ぐらい待つような長い行列ができていて、給油に非常に時間がかかってしまい、すぐに利用者のところに行けなかったという実態も出されています。さまざまな災害のときに、必要な車にどう優先的に燃料を補給するかというのは全体の中で考えなければいけないと思いますが、こういう介護事業所など、みずから安否確認して回ることが職務であるようなところに対しても、何らかの手を打つことが必要なのではないかと私は考えております。  そこで、今回の事態に対して、何か手を打つことをご検討されているかどうか、伺いたいと思います。 ◎佐々木 高齢保健福祉部長  今回の震災に当たりまして、介護事業者が安否確認をされたという事例は確かに把握しております。実際にサービスを提供されている事業者ですので、そのサービス提供が中止になるという連絡をとったときにあわせて安否確認をしていただいた、あるいは、ケアマネジャーの中には、やはり心配な利用者がいるので直接訪問したというお話も私どもには届いております。  私どもで今申し上げられることで言いますと、介護保険の制度ということになりますので、その中ではそういった活動に対して介護報酬を算定できる仕組みにはなっておりません。ですから、なかなか申し上げづらいところではございますが、それ以外のガソリンの問題等については、これまでも災害対策という中で食料とか燃料の備蓄も必要だということを実地指導等のたびにお願いしておりますので、事業者には引き続きそのようにお話ししていくことになるのかなというふうに考えるところでございます。 ◆小形香織 委員  一つは、福祉避難場所になるかもしれない場所については、先ほど質疑の中でメール、ファクス等で少し状況を確認されたと伺いましたが、やはり、実際にどんな課題があったのかということをつかんでいただきたいのです。  あわせて、福祉避難場所とはならないかもしれませんが、高齢者の皆さんを訪問したり、あるいは、通所していただいてサービスを提供するという日常の業務の中で、今回の災害があってそれが十分にできなかった理由とか、どこに困った事態があったのかということについても、私は、今後の対策として大事なことだと思いますので、よくつかんでいただく必要があると思っています。先ほど全調査はなさっておられないとご答弁されておりましたが、どれぐらいの損失があったのか、また、介護報酬にはならないけれども、苦労されてさまざまに対応している、そして、当初は利用者が来る予定だったのが来なかったために資金がうまく回らず、結局、介護事業所そのものが一層の運営困難に陥っているという実態もあります。そういう意味では、本市では、やはり、事業者の皆さんの苦労や困難をきちんとつかんだ対応をしていただくことを求めます。  それから、恐らくもう既にされていると思いますが、厚労省から今回の胆振東部地震の介護事業所のさまざまな対応についての事務連絡等が来ていると思いますので、それは、それぞれの事業所に周知徹底していただくとともに、国に求めることがあるのではないかという目線で今回の介護事業所の対応をきちんと把握していただくことを求めて、質問を終わりたいと思います。 ○よこやま峰子 委員長  以上で、第3項 老人福祉費及び介護保険会計等の質疑を終了いたします。  次に、国民健康保険会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分について、一括して質疑を行います。 ◆伊藤理智子 委員  私からは、国民健康保険加入者の一部負担金減免制度について質問いたします。  国保の一部負担金減免制度とは、災害や事業の休廃止、失業などにより、収入が著しく減少した場合などの特定の理由によって医療費の支払いが困難になった世帯の自己負担金を減免または猶予するという制度です。国は、申請できる基準を設けていませんが、本市では、失業後6カ月を過ぎたら減免対象にならないと、政令市の中で最も厳しい対応をとってきました。失業から6カ月を過ぎていると制度を使えなくなることから、市民が使いやすい制度とは言えず、2015年には6件、2016年には3件、2017年には2件と、利用者も年々減少しているというのが現状です。  この間、我が党は何度も一部負担金減免制度の問題を指摘し、改善を求めてきましたが、申請期間を6カ月に限定してきたことが申請件数の少なさに影響してきた一つの要因だと考えますが、本市として、どのように考えていらっしゃるのか、伺いたいと思います。 ◎西村 保険医療部長  6カ月の申請期間についてのご質問でございます。  札幌市では、失業などの事実発生月から6カ月の申請期間を定めておりますが、ほかの政令指定都市の昨年度の状況を見てみますと、申請期間を定めていない市が17市ありまして、そのうち7市が承認件数ゼロとなっております。  一部負担金減免は、収入や資産要件などもありますので、申請期間だけをもって申請件数の少なさに影響していると考えることは難しいのではないかというふうに思っております。 ◆伊藤理智子 委員  国民健康保険制度の一部負担金減免申請を却下したのは違法だとして、北区の女性が本市を相手に決定取り消しを求めた裁判で、札幌高裁は、ことし8月22日に、請求を棄却した一審判決を取り消し、裁量権の逸脱に当たるとして原告勝利の判決を出しました。この女性は、介護福祉士として働いていましたけれども、狭心症で、2014年6月、退職されました。同11月には、失業給付が切られたため、同年暮れに減免申請をしますが、本市は、失業から6カ月以内との内部規定があると受け付けませんでした。2017年12月の札幌地裁判決では、裁量権の範囲内と原告の請求を棄却しました。しかし、高裁判決では、一部負担金支払いが困難になった事情や経緯などを当然考慮すべきとし、本市の裁量権の範囲を超え、濫用があったものとして、違法となるとの判決を出しました。  裁判の却下理由では、6カ月の申請期間を設けていることが指摘されております。裁判結果を踏まえ、申請期間をどのように対応することにしたのか、伺います。 ◎西村 保険医療部長  申請期間の取り扱いについてのご質問でございます。  判決において指摘のありました申請期間については見直しを行いまして、10月1日から申請期間を定めないことといたしました。また、申請期間の見直しに伴いまして、減免の期間につきましても、申請月から最大6カ月としたところであります。 ◆伊藤理智子 委員  見直しをしたということで、それは当然の対応だと思いますけれども、この減免の要綱を確認したところ、申請期間等について変更されておりません。  ここについて、どのように対応していくのか、伺います。 ◎西村 保険医療部長  要綱の改正についてでございます。  今年度から国保の都道府県化がありまして、それに伴い、北海道では市町村の事務の標準化を進めておりますが、この一部負担金減免の取り扱いについても、標準例案が年内には示される予定であります。そのため、申請期間の取り扱いにつきましては、当面は通知により対応することとして、要綱の改正については北海道から示される標準例案を踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆伊藤理智子 委員  申請期間を設けないことや減免期間を変更したことについて、個別に通知で対応するということですが、広く市民に周知していくことが必要だというふうに考えます。  実施要綱では、減免または徴収猶予の対象となる世帯の要件に、世帯主または被保険者の所有にかかわる家屋等の災害による損害面積が20%以上となるときと書かれています。今回の地震で対象となる世帯がかなりの数で出てきているというふうに考えますけれども、20%以上という判断はどこでどのようにするのか、今回の地震ではどのように対応されたのか、伺いたいと思います。 ◎西村 保険医療部長  損害面積20%以上の根拠と、それから、今回の地震での対応についてのご質問でございます。  災害における家屋などの損害が20%以上の根拠につきましては、内閣府が定めております災害に係る住家の被害認定基準によるものであります。また、今回の地震では災害救助法の適用を受けましたことから、被害を受けた方に対しては、特例措置として、収入要件にかかわらず、半壊以上の罹災証明を受けた方を対象に一部負担金の減免を行っているところであります。 ◆伊藤理智子 委員  今回の震災で対象となる世帯に知らなかったという方がいないように、制度が活用できることを徹底するべきであることを求めておきます。  また、高裁で本市が裁量権の範囲を超え、濫用があったものとして違法となるとの判決が出たことを真摯に受けとめて、国民健康保険法第44条の規定に基づく一部負担金の減免を積極的に市民に周知していくこと、また、本市職員自身が制度について知らない、周知されていないという問題も現実にあることから、職員への研修など、制度について周知していくこと、市民がわかりやすく使いやすい制度としてさらに改善していくべきであるということを強く求めて、質問を終わります。 ○よこやま峰子 委員長  以上で、国民健康保険会計等の質疑を終了いたします。  次に、後期高齢者医療会計決算及び第11款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分について、一括して質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前11時6分       再 開 午前11時9分     ―――――――――――――― ○よこやま峰子 委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第3款 保健福祉費 第5項 健康衛生費の質疑を行います。 ◆前川隆史 委員  私からは、たばこ対策、それから、ピロリ菌検査を含めた胃がん対策の2点について、順次、お伺いいたします。  まず初めに、たばこ対策、特に子どもに対するたばこ対策について質問いたします。  私は、これまで、市民の健康増進やがん対策、オリパラ開催都市にふさわしいまちづくり、また、国際観光都市としてのおもてなしといった観点から、継続してたばこ対策を訴え続けてまいりました。  札幌市においては、札幌市健康づくり基本計画、健康さっぽろ21において、成人の喫煙率を減らす、受動喫煙の機会を有する人を減らす、未成年や妊婦の喫煙をなくす、妊婦や子どもの受動喫煙をなくす等、ターゲットを明確にして目標を掲げてさまざまな取り組みを実施しております。そうした粘り強い取り組みが実ったのか、成人の喫煙率は、平成24年に20.5%だったものが、5年後の昨年、平成29年には17.4%まで低下しました。  ちなみに、男女別で見てみますと、男性が30.6%から25.2%に、女性は13.1%から11.9%へとそれぞれ低下いたしました。喫煙率の低下は全国的な傾向でもございまして、たばこの害について幅広く社会全体に理解が進んでいったのかなと思うところでございます。  一方で、たばこ対策を考えるときに、やはり、他人のたばこの煙を無理やり吸わされてしまう受動喫煙防止対策が重要でございまして、私も機会あるごとに訴え続けてまいりました。そのような中、ことし7月25日に、望まない受動喫煙をなくすという受動喫煙防止対策を強化する改正健康増進法がようやく公布されました。この改正法の趣旨は、望まない受動喫煙をなくす、また、受動喫煙による健康影響が大きい子ども、患者等に特に配慮する、そして、施設の類型、場所ごとに対策を実施する、大きくこの3点となっております。また、全ての施設において、喫煙可能な場所について、客、従業員ともに20歳未満は立入禁止が義務づけられるなど、子どもや未成年に対する受動喫煙防止がしっかりと規定されております。  皆さんもご案内のとおり、たばこの副流煙については、発がん性物質やニコチン、一酸化炭素などの有害物質が主流煙の数倍も含まれておりまして、喫煙者本人だけではなく、受動喫煙により、肺がんや膵臓がんの罹患リスクが高まるなど、周囲の人への健康に悪影響が及ぶことが各国の研究機関でも既に明らかとなっておりますし、札幌市がん対策推進プランにおいても、がん予防の重要な取り組みの一つとして受動喫煙対策を位置づけております。中でも、子どもへの健康影響としては、SIDS、乳幼児突然死症候群のほか、ぜんそくとか、せき、たん、息切れ等、呼吸機能への影響、また、中耳炎、虫歯などとの因果関係も示唆されているところでございます。  さらに、妊婦が受動喫煙にさらされますと、胎児の発育が妨げられて、生まれてくる赤ちゃんの体重が減少するなど、子どもの成長にもそういった大きな悪影響を及ぼすとも言われております。少子化が進む札幌市において、これは大変重要なゆゆしき問題でございまして、安心して子どもを産み育てることができるまちを目指すためにも、まずは、たばこ対策の中でも、妊婦や子どもの受動喫煙防止にしっかりと取り組むべきと強く訴えたいと思います。  そこで、最初の質問でございますが、現在、妊婦や子どもを受動喫煙から守るためにどのような取り組みを行っているのか、まず、お伺いいたします。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  妊婦や子どもに対するたばこ対策についてのお尋ねでございます。  妊婦や子どもを受動喫煙から守るための取り組みについてでございますが、札幌市がん対策推進プランにおきまして、たばこ対策として子育て世帯の禁煙外来受診促進事業を位置づけ、平成29年度より禁煙外来を活用した禁煙への取り組みを支援しているところでございます。また、各区の保健センターにおきましては、妊娠届出書を受理する際に、保健師との面接を通しまして、喫煙が胎児に及ぼす影響についてリーフレットを用いて説明しているところであります。さらに、出産後の4カ月健診においても家族の喫煙状況を確認しておりまして、いまだに家族に喫煙者がいる場合には、赤ちゃんに対する健康への影響についてより具体的な説明を行い、できるだけ早く禁煙に取り組むようしっかりと指導するなど、妊婦や子どもの受動喫煙防止対策に努めているところであります。 ◆前川隆史 委員  現状の取り組みについては理解させていただきました。  健康さっぽろ21の中間評価に関する平成29年市民意識調査の結果を見てみますと、受動喫煙に配慮する人の割合ですが、24年から29年の5年の間で、妊婦については68.5%から93.4%に、育児期間では76.4%から95.2%と、計画策定時と比較しますとかなり増加しております。ご答弁いただいた取り組みの成果が出てきているのかな、このように感じているところでございます。  また、この調査では、受動喫煙の頻度についても聞いておりまして、頻度で言うと、飲食店は月に1回程度という回答が最も多く、また、家庭ではほぼ毎日という回答が最も多い結果でございました。やはり、妊婦や子ども等が生活する家庭における取り組みが大変に重要であることがわかります。さらに、子どもに対する取り組みでは、札幌市がん対策推進プランの施策の一つとしてがん教育を位置づけております。学校と教育機関における健康教育の中での重要な課題ともなってございます。  そこで、質問でございますが、今後どのようにたばこ対策を強化していくのか、お伺いいたします。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  今後のたばこ対策の強化についてでございますが、がん予防としてもたばこ対策は非常に重要でありますことから、12の関係団体から成る普及啓発キャンペーン実行委員会の今年度のテーマをたばこ対策といたしまして、それぞれが普及啓発に取り組むと同時に、子ども向けがん教育及び事業所の受動喫煙防止対策を推進しているところであります。具体的には、新たに小・中学生に向けたポスターの作成、配布や、がん予防メッセージの公募を教育委員会とも連携しながら実施するとともに、子ども向け新聞への記事掲載による普及啓発を予定しております。また、事業所向けには、職場での禁煙支援の事例紹介を行うこととしております。  改正健康増進法には、健康影響が大きい子ども等への配慮が位置づけられていることから、今後は、母親教室や両親教室、乳幼児全戸訪問等の母子保健事業を活用した普及啓発を強化いたしますとともに、これらの幅広い取り組みによりまして、市民意識をさらに高め、たばこ対策を一層進めてまいりたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  一層の強化を力強く推進していただくことを求めたいと思います。  続きまして、ピロリ菌検査を含めた胃がん対策についてお伺いいたします。  我が会派では、これまで、継続して胃がん対策としてピロリ菌検査の導入が非常に重要であるというふうに幾度も訴えてまいりました。胃がんの大きな要因でございますピロリ菌感染は、幼少児期の親からの経口感染や井戸水などが主たる経路と考えられておりまして、日本では、ピロリ菌感染者は年齢が高いほど多く、感染率は各年代で減少傾向にあるとの報告がございます。しかしながら、胃がん罹患者数は、国立がん研究センターによる平成30年予測では、部位別で男性では1位、女性では3位、男女合わせると2位となっております。  10月2日に行われた我が党の代表質問においては、国のがんにかかわる指針の改正によりまして、胃がん検診の対象年齢が40歳以上から50歳以上に、受診間隔が1年に1回から2年に1回となったことを含め、札幌市の胃がん対策をどのように進めていくのかという質問に対して、平成31年1月より胃がん検診への内視鏡検査を導入するといった答弁がございました。加えて、それに伴い、40歳に対してはピロリ菌検査を含めた胃がんリスク判定を実施する旨の答弁があったところでございます。  そこで、質問でございますが、40歳に対して導入する胃がんリスク判定の目的と具体的な検査内容についてお伺いいたします。 ◎小田原 健康企画担当部長  40歳に導入いたしますリスク判定の目的と、具体的な検査内容についてでございます。  胃がんの罹患率は40代以降に徐々に高まりますことから、40歳に検査を導入することで、胃がんリスクを早期に発見するとともに、50歳以降の定期的な検診の受診につなげるなど、胃がんに対する知識や意識を高めてもらうことを目的として導入するものでございます。  検査内容でございますが、血液で胃炎の状況やピロリ菌感染を判定し、胃がんになるリスクが高いか低いかを四つの群に分類します。そして、胃がんのリスクが高いと判定された方には受診を促し、治療に結びつけるというものでございます。 ◆前川隆史 委員  答弁にありましたように、今後胃がんの罹患率が高まってくる40代において、胃炎の状況とかピロリ菌感染といった胃がんになるリスクを把握していくことが重要であるということでございます。我が会派が求めてまいりましたピロリ菌検査が導入されることで、胃がんの1次予防が推進されることを一層期待するものでございます。  今、40代への胃がん予防の取り組みについて確認させていただきましたが、50代以上を対象とする胃がん検診についてもピロリ菌除菌を進めていくとのことでございます。  そこで、質問でございますが、胃がん検診の内視鏡検査導入に合わせてピロリ菌除菌を推進するとのことですけれども、具体的にどのように取り組むのか、お伺いいたします。 ◎小田原 健康企画担当部長  内視鏡検査の導入に合わせまして、どのようにピロリ菌除菌の推進をするのかということでございます。  内視鏡検査の結果、胃炎の所見があった場合には、その後のピロリ菌検査が保険診療となりますことから、検診受診時の説明の際にピロリ菌検査の追加の意向を確認することとしております。また、札幌市医師会とも協議し、胃がん検診の結果だけではなく、ピロリ菌検査の実施状況、除菌の結果などにつきましても検診実施医療機関から報告を受け、確実にピロリ菌除菌につなげる体制を整備いたしました。 ◆前川隆史 委員  胃がん検診に内視鏡を追加したことで、胃炎の所見のある方に対して保険診療でのピロリ菌検査やピロリ菌除菌を推奨していくということでございます。  胃がん予防の視点を付加したこのたびの変更は、市民にとって大きな変更でありますので、市民に制度の内容についてわかりやすく普及啓発するとともに、検診機関や専門医などを含めた実施体制を整備して、質の高いがん検診体制と予防対策を進めていくことが重要でございます。  国においても、対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアルにおいて、胃がん検診の実施体制は一定の基準を備えた標準化されたものでなければならないとしております。  そこで、質問でございますが、内視鏡検査が導入されてピロリ菌検査が奨励されることになりましたけれども、新たな胃がん検診の実施体制の標準化をどのように図っていくのか、お伺いいたします。 ◎小田原 健康企画担当部長  胃がん検診の実施体制の標準化をどのように図るのかということでございます。  内視鏡検査の実施に当たりましては、精度管理、実施手順、安全管理など実施体制の標準化は非常に重要であると認識しております。そのため、札幌市医師会と連携の上、平成30年11月、来月になりますが、検診実施医療機関の医師等を対象にした研修を予定しております。具体的には、内視鏡技術向上や安全管理対策のほか、胃がん予防に重要なピロリ菌検査の手法等の内容を実施する予定でございます。  こうした研修を継続的に行い、新たな胃がん検診の実施体制の標準化を図り、より効果的な胃がん対策を進めていきたいと考えております。 ◆前川隆史 委員  来月、検診実施医療機関の医師等を対象に研修を予定している、そういったご答弁でございました。  胃がん対策につきましては、早期発見が大変重要でございますので、今回の変更を機に、市民にもがん検診の重要性やピロリ菌と胃がんリスクの関係を正しく伝えて、受診率の向上につなげていただきますようお願い申し上げまして、質問を終わります。 ◆村松叶啓 委員  飼い主のいない猫への対策について伺いたいと思います。  犬や猫などのペットについては、大切な家族の一員として飼育される一方で、遺棄や虐待、不適正な飼育管理による近隣への迷惑行為など、さまざまな問題が後を絶たないといった実態があります。  札幌市は、これらのペットに関する課題解決に向け、平成27年5月に札幌市動物愛護管理基本構想を策定、平成28年3月に新たな動物愛護に関する条例を制定し、ことし4月には、数値目標と具体的な施策を示す札幌市動物愛護管理推進計画を策定いたしました。推進計画では、「人と動物が共生する社会の実現〜人と動物が幸せに暮らせるまち・さっぽろ〜」の実現を目標に掲げ、動物の愛護、管理、福祉を基本施策とし、動物愛護教育や適正飼育の普及啓発などに取り組んでいくことが明記されており、動物愛護の積極的な推進が期待されるところであります。  そうした中、札幌市のこれまでの取り組みもあり、現状は、収容される犬や猫の頭数は以前に比べ減少してきており、犬については平成26年度より殺処分ゼロを継続し、猫の平成28年度、平成29年度の殺処分数は、健康状態の回復の見込みがないため、残念ながら安楽死させざるを得なかった1匹ずつとのことであります。  しかしながら、近年、札幌市を含め、北海道全体で行政に引き取られる犬や猫の数は減少しているというものの、特に猫に関する実態としては、行政に引き取りを断られた多くの猫を動物愛護団体が引き取っている結果、行政の引き取り数が減少しているとの報道もあります。  そこでまず、質問ですが、近年、札幌市の猫の引き取り状況がどうなっているのか、また、どのような課題があると考えているのか、お伺いいたします。 ◎高木 生活衛生担当部長  飼い主のいない猫への対策についてお答えいたします。
     札幌市における猫の引き取り状況と課題についてでありますが、動物管理センターが猫を引き取るケースとしては主に二つのケースがあり、具体的には、飼い主がやむを得ず飼えなくなった猫を引き取る場合と、市民が保護した猫を引き取る場合であります。  その引き取り数の推移でありますが、ここ数年は二つのケースの合計が1,000匹を超えていましたけれども、平成29年度は、飼い主からの引き取りが233匹、市民が保護した猫の引き取りが488匹、合計721匹となり、初めて1,000匹を下回っております。  この理由についてでありますが、飼い主からの引き取り数に大きな変動はないものの、平成28年10月に施行されました札幌市動物の愛護及び管理に関する条例の周知や、適正飼育の普及啓発などの取り組みによりまして、外で生活する猫や捨てられる猫が減り、その結果、市民が保護した猫の引き取り数が減少しているためと考えております。  次に、引き取りにおける課題についてでありますが、引き取り数全体の7割を占める市民が保護した猫は、保護された状況などからその多くが飼い主のいない猫であると推定されることから、これら飼い主のいない猫を減らすことが解決すべき課題であると認識しているところであります。 ◆村松叶啓 委員  札幌市でも、飼い主のいない猫への積極的な対策が必要と認識しているとのことでありました。  地域に住みつく飼い主のいない猫がふえ、庭や畑を荒らされ、困っているなどといったこともあり、推進計画で掲げる人と動物が共生する社会を実現する上では、このような飼い主のいない猫への対策も一つの大きな課題であります。  現在、札幌市内で、そうした飼い主のいない猫に関する課題を解決するために、市民や民間団体が一生懸命取り組んでいるところでもあります。飼い主のいない猫に関する課題の解決には、その数をふやさないようにすることが重要であり、その方法の一つとして不妊手術が効果的であることは、不妊手術を推進する取り組みを実施し、殺処分の数を減らしている他自治体の事例からも明らかとなっております。  市内の民間団体における飼い主のいない猫に対する不妊手術を進める取り組みとしては、札幌市小動物獣医師会がさぽーとほっと基金を利用し、飼い主のいない猫の不妊手術などを支援するさっぽろほごねこプロジェクトを実施しております。また、飼い主のいない猫の保護や不妊手術への助成を行っている愛護団体もございます。不妊手術の実施には多額の費用が必要であり、保護する市民も、助成があるというものの、自己負担しなければいけないという実態がございます。  一方で、市民の負担を軽減する取り組みとして、旭川市などは、市の獣医師が市民の保護した飼い主のいない猫の不妊手術を実施していると聞いております。札幌市の動物管理センターにおいても、旭川市と同様に獣医師が不妊手術を行うことができるのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、動物管理センターにおいて飼い主のいない猫に対する不妊手術を行っているのか、伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  不妊手術の実施についてでありますが、収容した猫の不妊手術を行うことで猫の性格が温和になるなど、譲渡推進への効果が期待できることから、動物管理センターでは、平成24年度より手術を実施しており、平成29年度は雄51匹、雌13匹、合計64匹の手術を実施したところであります。また、本年8月には、動物の福祉の推進と動物に関する教育研究活動の拡充を目的に、北海道大学獣医学部と連携・協働に関する協定を締結したところであり、この協定において不妊手術や負傷した動物のケアなどの連携した事業を検討しているところであります。 ◆村松叶啓 委員  動物管理センターで引き取った猫について、センターが不妊手術を実施しているとのことでありました。  しかしながら、市民が飼い主のいない猫の問題を解決しようとしたときは、不妊手術以外にも、まずは猫をどのように保護するのか、そして、手術後の猫を譲渡するのか、あるいは地域に戻すのかなど、解決すべき問題は多くあります。また、札幌市は、飼い主のいない猫への対策は積極的に解決すべき課題であると認識しているとのことでしたが、飼い主のいない猫で困っている市民に対し、動物管理センターが具体的にどのように取り組んでいるのか、余り伝わっていないとも感じます。  そうした中、飼い主のいない猫の問題を解決するためには、市民や動物愛護団体等でも取り組んでいただいているところですが、行政としても、市民への情報発信を含め、さまざまな方向からさらに支援を行うことが必要であります。  そこで、質問ですが、飼い主のいない猫に関する課題の解決のため、今後どのような対策を行っていくのか、伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  今後の対策についてでありますが、飼い主のいない猫に関しましては、委員のご指摘のとおり、庭や畑を荒らされて困っているなど多くの問題があり、その解決に向けては、猫を誰がどのようにつかまえるのか、不妊手術した後、譲渡するのか、それとも地域に戻すのかなど、多くの整理すべき課題があると認識しているところであります。  飼い主のいない猫の問題の解決のためには、問題の発生している地域に対して、これまで以上に動物愛護に関する周知を進めるとともに、行政、市民、動物関係団体等の役割を整理し、協働した対応が必要と考えておりますことから、札幌市動物愛護管理推進計画に基づき、関係団体と協議を行い、飼い主のいない猫への対応ガイドラインの策定を行う予定でございます。 ◆村松叶啓 委員  猫については、多頭飼育の崩壊も問題となっており、不妊手術の必要性を含めて、飼い主に対する適正飼育の周知が重要となってまいります。今後も人と動物が共生できる社会の実現を目指し、猫に関する諸課題の解決のため、積極的に事業を展開していただきたいことを求めて、質問を終わります。 ◆かんの太一 委員  私からは、母子保健における児童虐待予防の強化について伺います。  全国的な傾向として、児童相談所の児童虐待認定件数は年々増加しており、札幌市においても、平成29年度で児童虐待認定件数が1,913件となっており、深刻な状況が続いています。ことし3月には、東京都目黒区において、5歳の女の子が虐待を受けて死亡するという極めて痛ましい事案が発生しました。国は、緊急的に講じる対策として、転居した場合の児童相談所間における情報共有の徹底、子どもの安全確認ができない場合の対応の徹底、児童相談所と警察の情報共有の強化等を挙げていますが、児童虐待が起きてからの対策のみならず、児童虐待を未然に防ぐ、児童虐待を予防するといった観点からの取り組みも同様に進めていかなければならないと考えます。  平成28年の母子保健法改正では、国及び地方公共団体は、母性並びに乳児、幼児の健康の保持・増進に関する施策を講ずるに当たっては、当該施策が乳児及び幼児に対する虐待の予防、早期発見に資するものであることに留意することとされ、母子保健施策が児童虐待の予防に資するものであることが明確化されました。妊娠の届け出や乳幼児健康診査等、市町村で実施されている母子保健施策は、広く妊婦と接する機会となっており、悩みを抱える対象者を早期に把握し、相談支援につなげるもので、児童虐待の予防に資するものと考えます。  札幌市においても、妊娠届を受理し、母子健康手帳を交付する際に面接を行う妊婦支援相談事業や、初妊婦訪問事業、生後4カ月までの乳児全戸訪問等、さまざまな母子保健施策を実施しています。中でも、母子への支援の入り口となる妊婦支援相談事業については、予期せぬ妊娠や若年の妊娠、心身に問題を抱えている妊婦や支援者不在の妊婦等を早期に把握し、支援に結びつけることができ、児童虐待予防のために重要な事業と認識しております。  そこで、質問ですが、平成29年度の妊婦支援相談事業の実施状況について、まず、お伺いいたします。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  母子保健における児童虐待予防強化の取り組みについてのお尋ねでございます。  まず、妊婦支援相談事業の実施状況についてでございますが、妊婦支援相談事業は、区保健センターに妊娠届を提出した際に、保健師が面談し、母子手帳を交付するものでありますが、平成29年度は妊婦1万4,012人と面談し、実施率は99.3%となっております。面談では、妊婦が記載するアンケート等を参考にしながら、妊娠を知ったときの気持ちや既往歴、支援者の有無等を確認し、今後の育児を含めた支援の必要性をアセスメントしております。その結果、妊娠中から支援が必要と判断したものは全体の6.8%に当たる954人であり、保健師や母子保健訪問指導員が家庭訪問等により状況を把握しながら支援を行っているところであります。  支援が必要な状況といたしましては、若年妊婦や未婚、周囲のサポートがない、経済的な基盤が不安定であるなど養育能力や養育環境に不安がある場合や、精神的な疾患やメンタルヘルスの問題を抱えている場合などさまざまであり、これらが複合していることも少なくない状況となっております。 ◆かんの太一 委員  ただいまの答弁で、平成29年度中の妊婦支援相談事業の実施状況をご説明いただきました。私も、今5カ月の娘がおりますので、この相談支援事業はまさにタイムリーな事業でありまして、区の保健師が非常に丁寧に対応しているなという印象を持っております。また、先ほどのお話の中で99.3%の割合で面談を実施しており、その中でも要継続支援が6.8%で954人ということでした。  育児に支障を来す、育児に不安があると出産前に判断した場合、生まれてからではなく、妊娠中から支援を開始し、生まれた後も継続するということは、妊婦にとって自分の支援者が明確となり、関係構築に有効と考えられることから、妊婦支援相談事業は児童虐待予防に寄与する重要な事業であると考えます。また、妊婦支援相談事業においては、若年や未婚等でサポートしてくれる人がいない、経済的な心配があるなど、子どもを養育する環境に不安がある場合や、妊婦が精神的な疾患やメンタルヘルスの問題を有している場合等、今後の子育てにおいて支援が必要と判断されるさまざまな状況が明らかになることがわかりました。  せんだって、厚生労働省から公表された子ども虐待による死亡事例等の検証結果の第14次報告によりますと、心中以外の子どもの死亡事例については、ゼロ歳児が65%を占め、そのうち、月齢ゼロカ月が半数となっており、妊娠期から支援を必要とする対象者を早期に把握し、切れ目のない支援を強化していくことが課題として示されているところです。支援のスタートとなる妊婦支援相談事業やその他の母子保健事業においては、児童虐待のリスクを見落とすことなく、支援が必要な対象者を早期に捉え、顕在化している問題、潜在化している問題の双方に適切に対応することが求められており、支援者である職員の面接相談技術等の向上が不可欠であると考えます。  そこで、質問ですけれども、児童虐待予防の強化のためには、職員の資質向上が重要と考えますが、いかが。  また、その向上のために今後どのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  児童虐待予防の強化における職員の資質向上の重要性とその取り組みについてでございます。  児童虐待予防の強化につきましては、関係する職員一人一人の相談対応技術の向上と、組織としての対応力強化の両方の取り組みが重要と認識しているところでございます。今後は、アセスメント力の向上や相談対応技術の強化を目的とした研修の充実を図るとともに、新任期や転入職員向けなど系統的な研修体制を整備し、児童虐待予防における職員のスキルアップを図ってまいりたいと考えております。また、対応した事例の背景や支援経過等を丁寧に見直すことは、リスクを見逃さず、再発を防止する教訓を明らかにする有効な方法となりますことから、区保健センターにおける振り返りの事例検討の定着化を図りまして、組織としての対応力強化に取り組んでまいりたいと考えております。  今後も、全ての母子保健事業が児童虐待予防に資する重要な取り組みであるという認識を強く持ち、職員の資質向上に向けた取り組みの充実強化に努めていく考えであります。 ◆かんの太一 委員  ただいまの答弁で、職員の資質向上の取り組みについてご説明いただきました。  児童虐待は、子どもの命にかかわる問題であるとともに、最も信頼すべき親のもとで安心・安全な生活を送ることができる権利を侵されるという重大な人権侵害であると考えます。虐待は、子どもの心に大きな傷を残し、情緒や行動、社会性や対人関係に支障を来し、将来、親になった際にもその影響が及ぶと言われております。このことからも、児童虐待については、発生後の支援のみならず、子どもの命と人権を、生まれる前から、最初から傷つけずに守るという信念を持ち、支援に当たる必要があります。今後も、虐待の予防、早期発見・早期対応のため、従事する職員の資質向上の取り組みを進めていただきたいと思います。  育児中の不安やつらさ、睡眠不足等による心身の不調などは多くの方が経験することですが、そのような中で、相談できる相手や支援者がいると一息つけ、また育児に前向きになれます。しかしながら、シングルマザーやワンオペ育児、経済的困窮等、母親が孤立してしまう状況下では、容易に虐待のリスクが高まります。さまざまな問題を抱える親がいるとは思いますが、虐待は特別な家族に発生するという認識ではなく、どの家庭でも起こり得るものであると捉えた上で、より虐待のリスクが高い家庭においては、特にその不安や負担の軽減を図りながら、一人一人に寄り添い、支援を継続することが重要であり、母子保健の面からのアプローチは、小さな命を守り、育むために大きな意義があると考えます。虐待によってとうとい命が失われることがないよう、これからも虐待を予防する母子保健施策の強化を進めていただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆好井七海 委員  私からは、災害時のペット対策についてと、障がい者の歯科保健対策について、2点質問させていただきます。  初めに、災害時のペット対策について伺います。  このたびの北海道胆振東部地震では、札幌市内の住宅において、10月12日時点で全壊が77棟、半壊409棟、一部損壊は3,062棟など甚大な被害が発生し、特に、液状化現象が発生した清田区里塚地区では多くの市民生活を直撃いたしました。災害時に優先すべきは人命であることは当然ですが、飼い主にとって、ペットは家族も同然であり、飼い主がみずからの安全を確保し、ペットの安全を守ることが重要です。  環境省がことし9月に新たに作成した「災害、あなたとペットは大丈夫?」という飼い主向けの冊子を見ても、一つは、飼い主がみずからの安全を確保することが災害時にもペットを適切に飼養することにつながる、二つ目は、健康面やしつけを含めたペットの平常時からの適正な飼養が最も有効な災害対策になる、さらに、三つ目は、災害時にはペットを落ちつかせるとともに、けがや逃げ出すことなどに注意してペットとともに避難する、この3点が重要であると指摘されております。このため、行政は、飼い主が日ごろから行うべきペットのしつけや、発災直後にどのように行動すればよいのかなどの考え方について具体的に整理し、市民にわかりやすく提供しておく必要があります。  昨年の決算特別委員会で、我が会派の丸山委員の質問、指摘に対し、札幌市からは、災害時動物救護ボランティア制度の立ち上げや災害対策の普及啓発の促進などについてお答えいただいたところであります。  そこで、質問ですが、ペットの災害対策として、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、改めてお伺いいたします。 ◎高木 生活衛生担当部長  災害時のペット対策についてお答えいたします。  これまでの主な取り組みについてでありますが、札幌市では、飼い主に対し、災害への備えについて知り、準備していただくことを目的としまして、犬と猫の防災手帳の作成やペットの防災に関する出前講座など、市民啓発に関する取り組みを行っているところであります。  この犬と猫の防災手帳でありますが、市民にわかりやすく説明するガイドラインとしまして、札幌市小動物獣医師会の監修のもと、本年5月に約2万部を作成し、各区役所、保健センター、保健所、さらには市内の動物病院にもご協力いただいて配架しているところであります。また、ただいま委員からもお話がありました災害時動物救護ボランティア制度につきましては、昨年9月に立ち上げており、現在の登録数は47名となっております。さらに、昨年度には、避難所での具体的な取り組みとしまして、発災後、すぐに必要となるペット用の防災テントや折り畳み式のケージを各区に配備したところであります。 ◆好井七海 委員  ただいまご答弁がありました市民向けの犬と猫の防災手帳ですが、私も手にとって読んでみました。災害時にも持ち運びやすいサイズで、必要な内容がしっかりとまとまっていると感じております。また、動物訓練機関や動物病院、さらには動物愛護団体関係者からも高い評価を得ていることは、私も直接耳にしております。結果的に、災害発生前に配布することになったことは、とてもよかったと感じております。  札幌市では、さまざまなペットの災害対策を進めてきたと思いますが、実際に災害が発生した今回は、大規模停電の発生など、想定外の事態も多くあったのではないかと思います。実際に、私が各避難所を訪問し、見聞きした話として、ペットの飼育場所が屋外であったため、やむなくペットを自宅に残し、世話をするために避難所から自宅に通った方、ペットを残して避難できなかったために不安ながらもペットとともに自宅に残った方、そして、車中泊をされた方も多くいらしたようです。  そこで、質問ですが、今回の発災時のペット対策としてどのような対応を行ったのか、また、対応に当たってどのような課題があったのか、お伺いいたします。 ◎高木 生活衛生担当部長  今回の発災時の対応と課題についてであります。  まずは、発災翌日に、札幌市ホームページにより、全ての避難所において敷地内にペットの避難場所が確保されており、ペットと同行した避難が可能であることや、盲導犬などの補助犬は避難所室内への同伴が可能であることについて周知いたしました。また、避難所である区体育館などに獣医師職員を派遣し、ペットに関する助言を行ったほか、清田区体育館においては、避難所運営管理者と協議を行いましてペット用の室内飼育スペースも確保しております。さらに、市営住宅に入居を希望されている方に対しましては、ペットに関する相談を受け付けるとともに、災害時動物救護ボランティアを活用したペットの一時預かり制度を初めて実施したところであります。  次に、課題でありますが、避難所に同行避難が可能かどうかの問い合わせが寄せられるなど、同行避難に関して周知不足であったこと、また、発災直後は各避難所の同行避難の状況やペットに関するニーズなどを的確に把握できなかったこと、北海道や獣医師会などの関係機関、災害時動物救護ボランティアとの連絡が十分にとれなかったことなどが挙げられます。 ◆好井七海 委員  避難所にペット用の室内スペースを設置できたことや、一時預かりができたことなどは、避難者に寄り添った的確な対応だったと評価するものでありますが、一方で、私が避難所を回ったときには、避難所の受け付けで大変わかりづらい状況もありまして、ペットと一緒に避難していいのかどうかわからない方も多くいたようです。また、ボランティアとの連絡については、災害時にも強い連絡手段を確保するなどさらなる工夫を行わないと、せっかく登録いただいたボランティアの方々の善意を無駄にしてしまうのではないかと思います。  また、私は、平時から、ペット専用の食料、移動ゲージなどの災害用品の確保のほか、同行避難という自宅と別な環境下でもペットが問題ない状態を保つために、例えば、ゲージになれる訓練をしておくなど、飼い主が日ごろの準備、備えをすることも重要であると考えます。いざというときにこれらのことができるかどうかは、防災訓練等を通じて習慣づけることが大事だと思いますので、避難訓練にペットの同行避難を取り入れるべきだと考えます。  そこで、質問ですが、今回の災害を踏まえ、得られた教訓を今後どう生かしていくのか、お考えをお伺いいたします。 ◎高木 生活衛生担当部長  得られた教訓の今後の活用についてでありますが、今後は、発災時における動物管理センターと避難所の連携体制を強化するとともに、平時から、さまざまな媒体、イベントなどを活用しまして、ペットの同行避難が可能なことをさらに周知徹底してまいります。また、委員のご指摘のとおり、札幌市総合防災訓練や地域における防災訓練などにおいて、できる限りペットとの同行避難を取り入れていきたいと考えております。さらに、北海道や獣医師会などの関係機関、ボランティアとの連絡方法につきましては、メールやSNSなどの災害時に強いと言われる方法の活用を検討する必要があると認識しております。  本年4月に策定いたしました札幌市動物愛護管理推進計画におきましても、災害時における動物取り扱いの周知や災害時を想定した訓練を基本施策に基づく具体的な取り組み事項に掲げていることから、今後もこれらを積極的に推進することによりまして確実に防災力を高めてまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  この質問における要望になりますが、これまで災害が少ないと言われていた札幌市においても地震災害が発生しました。このことにより、市民も行政の意識も変わったのではないかと思います。寒冷な気候の札幌市で、冬に災害が発生した場合、ペットは屋外でいいのかという課題があります。また、冬期間だと雪が積もってマフラーを塞ぐなど、車中泊では大変な事故にもつながりかねません。ですから、同行避難訓練を実施するのであれば、冬場に災害が発生した状況をもとに、細かいことも含めて具体的にイメージし、実効性のある形で取り組んでいただきたい。  また、避難所では動物に対するアレルギーがある人も多くいると聞いております。そのような方も避難しており、アレルギーに対する配慮は必要不可欠であります。さらには、小動物、爬虫類も考えられますし、動物の鳴き声などによっての精神的なストレスを感じる人も多いことは当然です。さらに、施設管理上の問題や、ペット同士の感染症、衛生上の問題など難しい問題も多岐にわたって考えられます。我が会派はかねてから愛護センターの設置を求めてきましたが、今後とも、少しでもペットの飼育環境の向上に向けて検討を進めていただき、動物愛護施策を積極的に推進していただくことを要望し、次の質問に移ります。  次に、障がい者の歯科保健対策について伺います。  障がい者の歯科保健対策については、3月の予算特別委員会において我が会派のわたなべ委員から質問させていただいたところですので、その後の状況をお尋ねいたします。  主に知的な障がいのあるお子さんや成人は、歯科治療中にじっとしていることが難しく、鋭利な治療器具を用いる治療中に動いてしまうと非常に危険であり、時には全身麻酔による歯科治療が必要となるなど、極めて困難なものになる現場をたくさん見てまいりました。このため、国においても、歯科口腔保健の推進に関する法律において、障がいのある方々が歯科疾患になる前の予防対策の充実がより重要であるとして、歯科検診等の歯科保健対策の実施など、必要な施策を講じることが地方公共団体の責務として明記されております。  本年3月の予算特別委員会では、平成29年3月に策定した札幌市生涯歯科口腔保健推進計画の中で障がい者や障がい児が口腔ケアを受けられる体制の整備を掲げていること、そして、具体的な取り組みとして障がい者にかかわる歯科医療関係者や保護者の代表等により構成された検討委員会を設置し、市内の障がいのある方が利用する施設を対象に歯科保健の取り組み状況などについて実態調査を行う予定であるとご答弁いただいたところであり、我が会派としてはその結果に大変注目していたところであります。  そこでまず、この調査の概要とその結果についてお伺いいたします。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  障がい者に対する歯科保健対策についてのお尋ねでございます。  障がい者関係施設の歯科保健の取り組み状況等の実態調査の概要とその結果についてでございますが、まず、実態調査の概要につきましては、市内の障がい者関係施設、1,193施設を対象に、施設における歯科保健の取り組み状況等に関するアンケートを送付いたしまして、約7割の853施設から回答を得たところでございます。主な調査結果につきましては、施設利用者に対して定期的な歯科検診を実施していた施設は48施設、5.7%であり、施設全体の1割に満たない状況であった一方で、虫歯や歯周病等、何らかの歯や口の困り事がある利用者がいると回答した施設は565施設と、全体の約7割弱もの施設で歯科に関する問題が見られたところでございます。また、歯科専門職の派遣等の支援があった場合、利用者に対する歯科検診や歯科保健指導の実施を希望する施設は381施設、44.9%、職員に対する口腔衛生管理の研修を希望する施設は424施設、49.9%となっております。  これらの結果から、歯科の問題を持つ利用者がいる施設は多いが、歯科検診等の取り組みは余り実施されていない、しかし、歯科専門職の派遣等の支援があれば、約半数の施設では歯科に関する取り組みを実施したい意向を持っているとの状況が明らかになったところであります。 ◆好井七海 委員  アンケート結果は、物すごい回答率で、それだけ関心があるということではないかなと思います。障がいのある多くの方が適切な歯科治療につながらずに放置されている可能性が高い、そして、施設側も、歯科検診の実施状況は低い、しかし、行政からの支援があれば、多くの障がい者施設は歯科検診や歯科保健指導の充実に取り組みたい、そういった結果が得られたと思います。  私が勤務していた歯科医院では、障がいのある方だけを治療するために曜日、時間、場所を別にしたり、時には入院させて治療しておりました。その経験から言わせていただきますと、障がいのある方、障がい児はもちろんそうですが、歯科医院の椅子に座らせることが大変困難、そして、歯磨きが的確にできなかったり、口の中に違和感があっても自分でうまく伝えることができないのです。虫歯や歯周病が悪化すると食事が細くなって体重が減っていきますが、そこまで重症化して初めて周りの人が歯科疾患に気づくこともあります。そんな場合、本人はもちろんのこと、ご両親の苦痛、悩みをご存じでしょうか。子どものうちはお父さん、お母さんも何とか歯科医院に連れていって頑張れることも多いですが、障がいのある方が40代、50代になっていると、その保護者はもっと高齢化していて、保護者頼みも限界であります。虫歯や歯周病といった歯科疾患は、適切なケアを行っていれば予防することが可能な病気です。そして、自覚症状が出たときには重症化していますので、軽度のうちに見つける早期発見・早期治療が極めて重要であることは当然であります。  障がいのある方々の歯科保健対策の充実に早急に取り組むべきと考えますが、札幌市は、今後、この調査結果をもとに障がい者の歯科保健の取り組みをどのように進めていくつもりなのか、お伺いいたします。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  今後の歯科保健の具体的な取り組みについてでございますが、昨年度に設置した障がい者(児)歯科保健推進対策検討委員会におきまして、引き続き現場の課題や今後の対応策について協議を予定しております。また、今年度、追加調査といたしまして、定期的な歯科検診が実施されていない10の障がい者施設の利用者を対象として、歯科医師による虫歯や歯周病等の口腔内状況の調査を新たに実施する予定でございますが、昨年度に実施した施設の取り組み状況に関するアンケート調査結果及び今年度の利用者の口腔内状況の調査結果から、今年度内に調査報告書を取りまとめることとしておりまして、検討委員会での協議も踏まえつつ、今後の取り組みについてさらに検討してまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  今年度、追加調査を行った上で調査報告書を取りまとめることは大変結構なこととは思いますが、障がい者歯科保健対策が、地方公共団体、すなわち札幌市の責務として位置づけられてから既に7年になりますので、早急に進めることを求めます。  最後に、要望ですが、先日、障がいのある方の保護者と意見交換する機会がありましたけれども、やはり、保護者が高齢化して子どもの面倒を十分見られなくなってしまったときのことを一番心配されておりました。障がいのある方の親は、待合室で暴れたり騒いだりして他の人に迷惑をかけることを心配され、歯科医院に行くことすらためらうのです。要は、行きたくても歯科医院に行けないのです。障がいのある方々が成人し、高齢者になっても歯や口の病気から守ってあげられるかどうかは、札幌市の努力、姿勢にかかっておりますので、もっとスピード感を持って取り組んでいただくよう強く指摘して、質問を終わります。 ○よこやま峰子 委員長  ここで、およそ60分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後0時5分       再 開 午後1時9分     ―――――――――――――― ○中村たけし 副委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆伴良隆 委員  私は、斎場等のあり方検討と、市民の死後のステージについて伺ってまいりたいと思います。  ここ数年、私のところには、墓地の管理に関する高齢者の要望や引き取り手のない遺骨の相談などが少しずつふえてきて、また、墓地ではなく納骨堂を望む話題もよく聞くようになり、少子高齢化や核家族化に伴う課題が顕著になってきております。また、生前のうちに死や死後と向き合い、自分らしい最期を迎えるためのさまざまな準備や活動、つまり、人生の終わりのための活動であるいわゆる終活や、死に備えて自身の希望を書きとめておくノート、いわゆるエンディングノートなどの話題も耳にするようになり、死への意識が少しずつ変化してきているように思います。確かに、自分も人も、生きている間でしか死後のことを考えたり行動したりできないわけでありまして、まさに生きている今こそ、死後のことを考えるチャンスなのだと気づかされます。  さて、本年の予算特別委員会で、我が会派の佐々木委員が斎場のあり方検討事業にかかわる質疑をし、事業概要についてのご答弁では、少子高齢化社会の進展による墓地の無縁化の増加等、墓地や火葬場に関する状況が大きく変化しており、将来にわたって安定的な墓地や火葬場の運営を継続するため、あるべき姿とその実現に向けた取り組みを検討するとし、平成29年度は実態把握や基礎調査、30年度は専門家会議や自治体協議の場を設け、一連の検討を踏まえた後に基本方針を取りまとめるとのことでありました。  そこで、質問でありますが、9月11日に斎場等あり方検討委員会第1回会議が開催されましたけれども、この委員会ではどのようなことを議論していくのでしょうか。 ◎高木 生活衛生担当部長  斎場等のあり方検討についてお答えいたします。  斎場等あり方検討委員会で議論する内容についてでありますが、この委員会は、学識経験者や墓地経営者、葬祭業者のほか、市民団体や公募した市民委員で構成されており、委員会では、火葬需要に応じた斎場整備や市民ニーズに対応した墓地供給、市営霊園の再整備などについて議論することとしております。  第1回会議では、それらの議論を進める上での基礎となる札幌市の斎場や墓地に関する現状と課題について報告したところでございます。第2回以降の会議では、斎場や墓地に関する将来の目指す姿やその実現に向けた具体的な解決策を協議するなど、2019年度末まで会議を重ねる予定であります。 ◆伴良隆 委員  それでは、次に、第1回目のあり方検討委員会では、今ご答弁でも触れられましたように、斎場、墓地、そして遺骨と大きく三つの分野に分けて検討を進めるようでありますが、それぞれの現状と課題については具体的にどのようなものがあるのか、順次、伺ってまいります。  まず、斎場については、どのような現状と課題がありますでしょうか。 ◎高木 生活衛生担当部長  斎場に関する現状と課題についてでありますが、高齢化の影響によりまして、近年、火葬件数が年々増加しており、2017年度は2万件を超え、2054年度には約3万3,000件にまで増加し、現行の里塚斎場と山口斎場の二つの施設では対応し切れなくなることが想定されております。また、1984年から稼働している里塚斎場でありますが、2007年に大規模改修を行いましたけれども、雨漏りや外壁の剥離など老朽化が進んでおります。  これらを踏まえまして、火葬体制を維持するための斎場の整備や運用の方針について検討しなければならないと認識しているところであります。 ◆伴良隆 委員  それでは、次に、墓地に関する現状と課題について伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  次に、墓地に関する現状と課題についてでありますが、墓のことで子どもに負担をかけたくない人や、高齢で墓の維持管理ができない人がふえ、家族単位ではなく、共同で利用する合葬墓や樹木を墓標とする樹木葬、さらには散骨など、墓のニーズが多様化しているところであります。また、墓の後継ぎが不在となるなどして放置された無縁墓が増加しているほか、市営霊園の老朽化も進んでおります。  これらを踏まえまして、ニーズに応じた墓地の整備、墓地の荒廃につながる無縁墓への対応、市営霊園の再整備などの検討が必要であると考えているところであります。 ◆伴良隆 委員  それでは、三つ目は、引き取り手のない遺骨です。焼骨と言いますが、こういった引き取り手のない遺骨に関する現状と課題について伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  引き取り手のない遺骨に関する現状と課題でございますが、亡くなった方に身寄りが見つからなかったり、親族が遺骨の引き取りを拒否したりするなど、引き取り手のない遺骨が増加しており、2017年度は火葬件数の2%に相当する400体にも達しております。これらは、平岸霊園にある合同納骨塚におさめることとなりますが、後日、親族などが引き取りを申し出ることを想定いたしまして、火葬後3年間は合葬せずに保管しております。  札幌市では親族調査を行っておりますが、ほとんどが引き取られることなく、現在約1,000体を保管している状態であり、保管場所の不足や対応に係る職員の負担増などが問題となっていることから、解決策を検討する必要があると考えているところでございます。 ◆伴良隆 委員  市民の方々から私に問い合わせがあるようなことが、今、市のほうの課題認識と一致したところでございますが、こうした現状と課題は、内容的におおよそ想定できるものでございます。しかし、問題は、今、高木部長からお話がありましたような課題となるケースや、それに係る費用といったものの規模でございます。こうしたものは今後さらに倍増していくことを考えますと、今まさに、早急に基本的姿勢をかため、取り組みを実行していかなければならないことになるわけであります。  そこで、質問でありますけれども、このように多くのさまざまな困難課題があるのであれば、少しでも早くしっかりとしたビジョンを構築し、課題解決に向けた取り組みも進めなければならないと考えますがいかがか、伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  課題解決に向けたビジョンについてでありますが、委員のご指摘のとおり、斎場や墓地に関するさまざまな課題の解決に向けましては、取り組みの指針となるものが必要と認識しております。このことから、このあり方検討におきまして、市民意見の集約、反映や、庁内関係部局との協議、さらには、他都市の状況も参考にしながら検討委員会での議論を重ね、斎場や墓地の目指す姿とその実現に向けた取り組みを精査しまして、斎場や墓地の安定運営を実現するためのよりどころとなる基本構想を策定する予定であります。
    ◆伴良隆 委員  言うまでもございませんけれども、死は誰にでもひとしく訪れるものでございます。私個人としても、自分自身や近しい人の死について考えたり、準備するのは確かにすごくつらいですし、できれば考えたくないわけでありますが、あえて見詰め直してみますと、私自身もいずれは死を迎えるからには、自分らしい最期を迎え、できるだけ周りに迷惑をかけず、和やかな死後でありたい、このように思っているわけであります。  今、部長から、市として、やはり、そのよりどころとなる構想というものをつくっていきたいのだというお話がございました。  そこで、きょう、私の独断と偏見でございますが、なるべくわかりやすくしたいと思い、こういう図をつくってみました。  時間軸として、残念ながら、ここに人の死というものがございます。縦のラインがございますが、この死を境にして大きく分かれているのが生前と死後でございます。赤い矢印のところを例えば生前のステージとしたら、今、生きていて死に向かうまでをいわゆる人生と言うわけです。言葉どおり人が生きているわけで、ここからここが人生なのですね。そして、青のところが死後のステージでして、では、この死後のステージは何かということでございます。これは国際的な用語にもなりますが、よく揺りかごから墓場までと、でも、本当にそうだろうかというと、実は、行政としては墓場からその先までも扱っているわけでございます。  この揺りかごから墓場までという人生のところ、生前のステージに関しては、行政だけではなく、我々も主体的に、そして積極的にかかわっております。しかし、この死後の世界、死後のほうのステージというのでしょうか、世界と言うといろいろ語弊があるかもしれませんが、いずれにしても、死んだ後の墓場からその先に関してはどうしても受け身的で消極的だというふうに思います。考え方はそれぞれ自由でありますが、少なくとも行政として言えるのは受け身的であり消極的であったというふうに思います。  しかし、とわにという言葉がございますが、この矢印が、生きているところから死というものの線をまたいで、そして、ずっとその先までとなると、僕はここが人生の安心づくりだというふうに考えております。つまり、考え方として、この矢印はずっと続いていて、死を超えても人生の安心づくりというのはあるんじゃないかと。それでは、今、何を考えるか。死んでからは考えられませんので、今考えるしかないのです。今ですということでございます。  そこで、私の持論でもありますが、このように、自分の死や死後のステージについて心穏やかに向き合い、自分を見詰め直しながら、自分にとっての最良の最期は何かを考え、そのためにいろいろな情報を得たり、周りに相談しながら、死後にかかわる物事を整理し、選択し、計画していく、このことは、今を生きる私たちが抱える死後のステージの不安を解消し、生前のステージに安心感を与え、今をよりよく幸せに生きていくことにつながるのではないか、私はこのように思い直しているところでございます。先ほど、基本構想をつくるとご答弁がありました。人が死んでからのことを主にした構想や計画は見たことがございませんが、観念的な世界とはいえ、市役所も、死後のステージについて、火葬場や墓地、そして遺骨などを通じて実際にかかわってきており、考え方によっては実に現実的な世界でありまして、私は、市側の構想づくりや取り組みを応援していきたいと思います。  これまで、さまざまな立場からの意見をもらいながら、よりどころとなる基本構想を策定するにしても、人の死にかかわる分、受け身にならざるを得ませんでした。しかし、そうした本市の姿勢を改め、行政がこれから取り組もうとしていることが市民の一人一人に響かなければ、先ほど来の高木部長のご答弁にありました、今日、直面している大きな課題の解決は大変難しいのではないかというふうに思うわけでございます。今後は、先ほどの答弁にありました基本構想の実現のためにも、葬儀やお墓のことといった死後のステージを単に忌み嫌って避けるのではなく、生前のうちに死後のステージと真摯に向き合い、考えていく意義や意味を市民とともに共有し、取り組むことそ、本市として今求められているのではないでしょうか。  そこで、質問でありますが、行政は、揺りかごから墓場までだけではなくて、その先までも使命があります。そうしたいわゆる死後のステージへの考え方やかかわり方などについて、本市行政の基本的姿勢は今後どうあるべきなのか、どう考えているのか、あわせて、そうした基本的姿勢のもとに市民とともにどう歩んでいきたいと考えているか、しかるべきお立場の方に伺いたいと思います。 ◎矢野 保健福祉局医務監  今回の斎場等あり方検討を統括しております立場から、私からお答えさせていただきます。  ただいまの委員のお言葉をおかりしますと、死後のステージということに関しまして、行政は、これまで、葬儀や墓などに対して斎場や墓地の整備運営という受け皿を整えるところにとどまっておりました。また、市民の皆様も、生前からご本人や身近な方の葬儀や墓について考えたり準備することは積極的には行われてこなかったのが実態だと考えております。  しかしながら、近年、葬儀や墓などについて、生きているうちに準備をする方がふえているというふうに聞いております。これは、生涯を終えるに当たりまして、その準備のみならず、身近な方も含めて、死後に対する心配事を解消し、人生をよりよく過ごすことにもつながると考えております。このような考え方は、墓の無縁化や引き取り手のない遺骨の発生を防ぐなど、さきに挙げた札幌市が考えている課題の解決にもつながり、市民と行政の双方にとって有意義でありますことから、札幌市としましても、市民と積極的にこの考え方を共有していくことが重要と認識しております。  今後策定いたします基本構想は、斎場や墓地を一体で考える札幌市では初めての計画であります。市民一人一人が、みずからの人生の最期を考え、葬送に関する不安を解消し、よりよい人生を過ごす一助となりますよう、私どもも検討を進めてまいります。 ◆伴良隆 委員  これは非常に観念的な部分もございますが、行政はそういう中にもかかわっていかなければならないということで、技術、技能を持たれ、そしてこのことに関するトップである矢野医務監からお話があったことは、私としては重たく受けとめているところでございます。  確かに、考え方も価値観もあくまで個人の自由でありますが、行政も私たち市民も、死後のステージにどうかかわり、どう進めていったらいいのか、矢野医務監の今のご答弁を踏まえ、今後はできるだけ多くの人々が理解できるよう、お互いに整理していく必要があると思います。例えば、行政側の工程としては、順に、1、意識改革、2、概念構築、3、役割見直し、4、取り組み改革、5、連携と協働となりましょうし、市民側の工程としては、順に、1、意識醸成、2、自己分析、3、情報収集、4、選択と計画、5、伝達や依頼、このようになると思います。  そのためにも、今後は、木下保健福祉局長はもとより、生活衛生担当部長ご出身でもある石田高齢福祉担当局長を含めた局内連携、市役所関係部門との連携、そして、民間団体や業者とも意見交換しながら、広く共同体をつくり、死後のステージに関する市民への周知や相談、そして、生前依頼や死後対応まで市民とかかわっていく領域に対して、官民で役割分担を行いながら進めていくことも今後検討していっていただきたいと思います。  最後に、今回は縁起でもないような質疑内容だったかもしれませんが、ここにいる皆さんと市民の皆さんが末永く健康で幸せであるように心から願い、また、私自身も、とくとく健診、札幌市特定健診をしっかり受けて、健康で長生きができたらいいなと願いながら質問を終えたいと思います。 ◆しのだ江里子 委員  私からは、風疹の抗体検査について、予防接種、日本脳炎ワクチン、HPVワクチンについて質問させていただきます。  まず、風疹抗体検査についてです。  ことしは、関東を中心に風疹が大変流行しておりまして、10月10日現在で952人以上の患者が発生しており、昨年1年間の10倍以上の数となっております。風疹ワクチンを1回のみの接種、もしくは未接種の30代から50代の男性が8割を占め、1回のみの接種の30代の女性にも罹患が目立ち、妊婦への感染が心配されるとの報道もされております。妊娠20週ごろまでの女性が風疹ウイルスに感染しますと、胎児にも風疹ウイルスが感染して、目、耳、心臓に障がいを持つ先天性風疹症候群の子が生まれる可能性があるとされております。2013年には、全国で1万4,000人を超える方が感染し、この流行の間に45人もの方が先天性風疹症候群にかかってしまうこととなりました。  札幌市では、2014年6月から風疹抗体検査を市内医療機関に委託して開始し、妊娠を予定している女性とそのパートナーを対象として無料で受検することができるようになっておりました。しかし、2015年度末に事業は一旦休止されまして、2016年の決算特別委員会で私は風疹抗体検査の再開について質問させていただき、翌年2017年度より事業再開が実現されたところです。  風疹抗体検査は、十分な免疫を保有していない人への予防接種の勧奨につながり、風疹の感染予防に一定の効果を上げているものと認識しております。  そこでまず、質問ですが、札幌市における風疹患者の発生状況と風疹抗体検査の実績について伺います。 ◎山口 医療担当部長  風疹患者の発生状況と抗体検査の実績についてでございますが、風疹患者の発生状況につきましては、全国的に風疹が大流行した平成25年度が41人、平成26年度が2人、平成27年度から29年度までは発生はございません。平成30年度は、9月末時点で3人、いずれも男性で20歳代から40歳代となっております。  抗体検査につきましては、開始した平成26年度は約4,500件、平成27年度は約3,600件、平成28年度は休止のため件数はありませんが、再開した平成29年度は約2,600件、平成30年度は8月末時点で約1,600件となっております。また、いずれの年も月平均で約300件から400件となっております。 ◆しのだ江里子 委員  風疹というのは、やはり、5年に一遍ぐらいで大きな流行になるような状況が見えてきます。札幌市においては、再開された後には2,600件とか、そしてまた、今年度においては1,600件の抗体検査が行われているということでした。風疹は、症状がはっきりしない、いわゆる不顕性感染の人も周りの人に感染させてしまう可能性があると聞いております。ワクチンを接種していない、もしくは1回しか接種していない世代に対しても広く抗体検査を進めていくことで、妊婦が安心して出産できる環境になるものと考えます。  そこで、質問ですが、札幌市では、今後の風疹対策についてどのような対応を行うお考えなのか、伺います。 ◎山口 医療担当部長  今後の風疹対策についてでございますが、風疹対策として特に必要なのは予防接種前の抗体検査及び予防接種の推奨と認識しております。風疹抗体保有率が低い世代等に対しましては、予防接種の接種勧奨を進め、抗体検査の周知強化に向けて検討を進めてまいります。  一方で、風疹の定期予防接種は、子どもへ2回接種することとなっておりますが、就学前に行う2回目の接種率は、国の目標値が95%のところ、札幌市は約90%であり、接種率向上が課題となっております。そのため、厚生労働省は、ことし9月に全国の風疹の急激な流行を受け、接種率向上に向け、教育部門等と連携した取り組みの推進について通知を発出しており、札幌市では、教育委員会や子ども未来局と連携し、接種勧奨の強化を図ってまいります。 ◆しのだ江里子 委員  風疹は飛沫感染によるもので、麻疹、はしかのような空気感染ほど急激にはやることはありませんけれども、海外交流とか人の移動で流行が広まる可能性が考えられ、私どもが2年前に危惧したように、ことし流行しております。繰り返しになりますが、やはり、妊娠初期の女性が罹患した場合には、胎児に与える影響が大きいということをしっかり認識すべきだと考えます。しかし、いきなり予防接種をするのではなくて、やはり、妊娠を希望される方が抗体検査により自分の免疫状態がどのようであるかを確認した上で接種するのが望ましいのではないかと私は思います。ぜひ、妊婦への感染予防のために、しっかりと風疹抗体検査を周知していただくことを要望したいと思います。  次に、予防接種について、まず、日本脳炎ワクチンについて伺います。  2016年3定でも、同年4月から北海道での定期予防接種がスタートした日本脳炎ワクチン、同じく10月から定期接種化されたB型肝炎ワクチンについて、さまざまな質問をさせていただきました。  まず、質問ですが、定期予防接種開始から2年がたっておりますけれども、日本脳炎ワクチンの接種状況と副反応の状況を伺います。 ◎山口 医療担当部長  日本脳炎ワクチンの接種状況と副反応の状況についてでございますが、接種件数につきましては、平成28年度が延べ12万1,632件、平成29年度が延べ11万4,642件となっております。また、副反応報告数につきましては、平成28年度が3件、平成29年度が2件となっております。 ◆しのだ江里子 委員  日本脳炎が定期接種化されたのは1995年4月からですが、北海道では、予防接種法第5条第2項に基づく予防接種法施行令第2条によりまして、日本脳炎の発生状況を検討した上で、予防接種を行う必要がない区域と指定し、21年間、日本脳炎ワクチンの定期予防接種は全域で実施されず、通算40年間、日本脳炎に罹患する人もありませんでした。  ヒトからヒトへの感染はない日本脳炎でありながら、温暖化による気候変動や、国内外の人や物の交流の飛躍的な増加により、道民が感染する可能性が高まるからといって区域指定を解除するというのは大変飛躍した考えだと私は訴えてまいりました。  2016年度には、延べ12万1,632件の接種が行われ、副反応が3件、そして、2017年度は、延べ11万4,642件で副反応が2件起きておりまして、その中には、国へ健康被害申請を行った被害者が1名いらっしゃるということです。私たちが危惧していたとおり、日本脳炎の発生は全くなかったのに、予防するワクチンによって副反応被害を出したことは大変重大でありまして、子どもたちは、今後、病気の恐怖よりも、日本脳炎ワクチンの定期接種化がもたらす弊害にさらされているのではないかと思います。  そこで、質問ですけれども、定期予防接種後、日本脳炎の発生状況等はどのようになっているのか、この間、健康被害申請を行った方に対して医療費等の補償をどのように考えていらっしゃるのか、また、北海道に対して、副反応被害者が出たことを重く受けとめ、次年度においては日本脳炎定期接種を区域指定に戻すことを求めるべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎山口 医療担当部長  日本脳炎の発生状況、それから、健康被害申請者に対する医療費等の補償及び区域指定についてのお尋ねでございます。  定期予防接種後の日本脳炎の発生状況につきましては、全国において、平成28年度は11件、平成29年度は3件、北海道内はいずれの年も発生はございません。  健康被害申請を行った方への医療費等の補償につきましては、国の予防接種健康被害救済制度に基づき、札幌市は、予防接種健康被害調査委員会を開催し、その審議結果を国に進達することにより、被害認定を受けることとなっております。  日本脳炎ワクチンの区域指定につきましては、札幌市は、北海道に対して被接種者の副反応や健康被害等の状況を適切に報告する役割があるものと認識してございます。 ◆しのだ江里子 委員  全国では、2016年に11名、そして2017年に3名の日本脳炎の被害があったということですが、日本脳炎というのは、本当にヒトからヒトへということは全くなく、豚からコガタアカイエカを媒介してなるもので、それも、日本においては四国と九州のほんの一部の高齢者に起きているのが実情であります。これをもって、この北海道で日本脳炎ワクチンの接種を続けていかなければならない理由にはならないのではないかと思います。  しかし、残念ながら、区域指定を決めるのは北海道であって、札幌市は、政令市であっても、これに対しては、積極的に勧奨していかなければならないというお立場でありまして、きっと担当の皆様はじくじたる思いをお持ちになっていらっしゃるのではないかと思います。  次に、HPVワクチンについて質問させていただきます。  国は、2010年に事業接種として390万人余りの子どもたちにワクチン接種を進め、全国的に深刻な被害を多発させてきました。そして、2013年6月に国民に十分な情報が提供できないという理由で子宮頸がんワクチンの積極的勧奨を中止してから、既に5年がたっております。この間、被害の訴えが相次ぎ、国は因果関係を認めず、救済も行わないために、北海道在住の7名を含む当事者123名が国と製薬会社の責任を問う提訴を行い、それによりまして北海道在住者は東京地裁まで赴いております。  2017年10月、北海道は、ワクチンの接種に対する不安解消のために国の役割となっている事項について要望を行っていくという見解を示し、一つ目には、副反応症例の十分な検証による安全性評価の徹底、二つ目に健康被害に関する救済制度の一層の周知と申請に対する早期認定、三つ目に健康被害者に対する治療法の確立を挙げています。  そこで、質問ですが、2016年度と2017年度の子宮頸がんワクチンの接種状況と副反応状況、そして、2017年度以降、札幌市でこれまで副反応報告として上がった件数とその後の状況はいかがか、伺います。 ◎山口 医療担当部長  子宮頸がんワクチン接種状況と副反応の状況についてのご質問でございます。  接種件数につきましては、平成28年度が43件、平成29年度が78件となっております。この2カ年の接種による副反応は、現時点で報告はありません。また、平成22年度以降の副反応報告数につきましては、接種件数が約10万件であるのに対して、平成29年度までで19件となっております。  その後の状況につきましては、それぞれの方の具体的な状況を市が入手できる仕組みとはなっておらず、個別の状況は把握してございません。 ◆しのだ江里子 委員  今までに10万件の接種があり、その中で19件の副反応が出ているということでした。積極的勧奨をしていなくても、札幌市の子宮頸がんワクチンの接種状況は、2016年度は43件、そして、昨年、2017年度は78件と微増となっています。  国は、ことし1月、子宮頸がんワクチンをHPVワクチンと改名した新たなリーフレットを作成しております。疑問点が多々あるこのリーフレットですが、とりわけ記憶障がいとか学習障がいといった副反応は本人や保護者向けの2種類のリーフレットには全く記述されておりません。  全国123名の原告のうち102名が経験し、このうち70名が現在も苦しんでおり、日常生活に重大な支障をもたらす症状の一つがまさに記憶障がいであり、学習障がいです。医薬品医療機器総合機構、PMDAと申しますが、ここの医薬品副作用被害救済制度におきましても、昨年11月までに、接種との因果関係が否定できないとして、医療費や医療手当を給付された246件中、54%の134件で認知機能低下が認定されております。  また、日本医師会と日本医学会が2015年にまとめた子宮頸がんワクチンにかかわる副反応の診察の手引においても、問診の留意点として挙げられている症状である記憶障がい、学習障がいについて本人や保護者向けのリーフレットに記載されていないことは、情報提供として不十分なものであるということは明らかであります。札幌市では、昨年も78名が接種している状況を考えますと、医療機関では接種を希望する人に対して記憶障がいとか学習障がいを含めた副反応の十分な情報を提供し、そして、保護者、被接種者がHPVワクチンを受けるかどうかの同意をとることが大切だと思います。ぜひ、医療機関への指導をお願いしたいと思います。  札幌市では、HPVワクチン接種後から2017年度末までに19人の副反応報告がされておりまして、この方たちの現状を把握し、救済することも急務だと思います。先ほど、札幌市においては19人の方たちの状況を把握するすべがないというふうにおっしゃいました。接種後の身体の不調の原因がこのワクチンによるものなのか、本人や保護者が気づくまでに多くの時間や労力を費やし、因果関係の立証は極めて困難な状況にありますが、5年がたっても状況が変わらず、被害者は今も症状が継続している方たちがほとんどです。全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会に寄せられた被害状況を見ますと、原因が明らかになっていない、まさに体の広範な痛みであったり、不随意運動のみならず、知的障がい、運動障がい、睡眠障がい、記憶障がい、学習障がいなど、日常生活に支障が生じるさまざまな症状が重複して発生しております。  こうした状態を重く受けとめ、国やPMDAの被害救済が停滞する中で、横浜市、茨城県牛久市、神奈川県など、北海道では美唄市、恵庭市などでも、自治体独自に救済措置を講じ、医療費の助成を行っているところもあります。また、2016年5月には宮崎市、2017年2月には名古屋市、そして、その後、広島県でも全国市長会予防接種事故賠償補償保険制度を適用し、救済しているとの報告もあります。  そこで、質問ですけれども、札幌市においても自治体保険の適用を積極的に進めるべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎山口 医療担当部長  全国市長会予防接種事故賠償補償保険制度の適用についてでございます。  予防接種による健康被害の救済につきましては、定期予防接種については、予防接種法に基づく市町村による補償、任意接種につきましては、医薬品医療機器総合機構による補償の2通りの方法がございます。さらに、定期予防接種、または、行政措置として実施した任意接種につきましては、予防接種と健康被害の因果関係が認められた場合に、予防接種を実施した自治体が、全国市長会の事故補償保険制度を活用し、被接種者に補償金を支払うこととなっております。  札幌市といたしましては、本市が実施する予防接種の健康被害については、これまでどおり、国等が定めた救済方法に基づいて対応を行ってまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  札幌市においては、国が定めた救済方法でということでございます。しかし、私は、やはり、早急に札幌市でも被害者申請窓口における対応を改善していただき、そしてまた、学校教育機関における被害者の調査、掘り起こしと学習環境の手厚い保護、そしてまた、医療費助成の取り組みや被害者の実態把握を急ぐべきだと考えます。  先ほどの話にありました市が加入する全国市長会予防接種事故賠償補償保険制度というのは、予防接種と健康被害との因果関係が認められた場合、国や製薬会社の過失の有無にかかわらず金銭的な補償をする制度だということです。自治体保険適用に向けて、ぜひとも前向きな取り組みをお願いしたいと思います。  HPVワクチンについては、昨今、製薬会社は積極的勧奨の再開を求め、世界戦略とも言えるような動きが始まっております。現在、国内での接種率は1%を切り、新規の被害発生はほとんど報告されておりませんが、積極的勧奨を再開しますと新たな被害者が生み出されることは必至です。副反応で苦しむ子どもの姿は、再びあってはならないと思います。私は、勧奨の再開はすべきではないと声高らかに言ってまいりたいと思います。  予防接種につきましては、HPV、日本脳炎ワクチンに限らず、今、1歳未満児に13回と過密な接種スケジュールが組まれております。若い保護者は、子どものことが心配でワクチンを打つかどうか悩んでいます。これは、子ども未来局がつくっていて、お母さんたちのバイブルでもあるさっぽろ子育てガイド2018ですが、もちろんこの中にも予防接種という項目がありまして、お子さんとママの健康のためにということで予防接種について、るる書かれております。しかし、残念ながら、この中には副反応のことはもちろん一言も書いてございません。札幌市保健所がつくっている予防接種のリーフレットとかホームページに関しては、副反応のこともしっかりと書いていただき、そしてまた、保護者の判断ということがきちっと記載されておりますが、受ける、受けないの選択権が保護者にしっかりと保障されなければならないと思います。  今、ワクチン接種を判断するときに、副反応を含めた十分な情報提供をお医者様から得ることができず、同時接種を勧められるとか、同時接種でなければワクチンを打ちませんなど、ワクチンをためらう保護者に対してワクチンを強要するとか、医師の診察や検診がためらわれるなど、あってはならない状況が見られております。ぜひとも、行政から医療機関へのさらなる指導を求め、私の質問を終わります。 ◆こんどう和雄 委員  私からは、さっぽろ市歯周病検診について、2点質問いたします。  私は、市議として、市民に対する政策課題の一つとして、市民一人一人が地域でかかりつけ歯科医を持つこと、すなわち、大切な自分の歯を守っていただく歯のかかりつけドクターを早く見つけてくださいということについて、私がつくった市政報告書とともに、地下鉄駅の街頭等で機会あるごとに訴え、お願いしてまいりました。  私が各家庭でかかりつけ歯科医を持つことを強調する理由は、私の弟が息子と2人で豊平区平岸で歯科医院を開業していて、長い間、地域の歯の専門医として、歯の健康について大変危機感を持っていたからであります。患者は、本当に歯の状態が悪くなって初めて治療に来る、悪くならないとなかなか来院されないということです。弟は自分の病院の経営よりも患者のお体のほうが大事だと言うのですが、情けない話ですけれども、手おくれだという話を聞いて大変残念に思っております。心配なのは、40歳以上の成人の6割の方が気づかずに歯周病にかかっていることで、気づかれて治療に来ても、残念ながら手おくれで、ほとんどの方が入れ歯の治療をする状況になっているということです。私は、歯周病は早期発見・早期治療に尽きるのではないかと強く思っております。  また、歯周病により、この数年、認知症発症のリスクが高まっています。さらに、糖尿病を初め、生活習慣病にもかかりやすいと考えられ、特に最近では、口腔がん、食道がん発症の危険性も高まっていると指摘されているところでございます。  厚生労働省の調査では、歯周病は歯を失う原因の第1位となっておりますが、口腔のケアによる歯周病予防だけではなく、歯の治療は心身の健康づくりのためにも大切だと考えております。市民の皆様がいつまでも長生きし、健康で幸せな一生を送るためにも、虫歯、そして歯周病を予防して、80歳で20本以上の自分の歯を保つ歯の健康づくりに向けて、札幌市は歯を食いしばって何としても8020運動を成功させなければなりません。  札幌市生涯歯科口腔保健推進計画、さっぽろ8020推進プランは、歯と口の健康づくりの取り組みを強化し、8020運動をさらに推進するための実施計画として策定され、この計画の基本理念として8020運動推進のまち・笑顔のまち さっぽろを掲げております。そして、子どもから高齢者まで、誰もが食べることや会話を楽しみ、生き生きと暮らせるよう、札幌歯科医師会を初め、地域の各歯科医院の先生方のご協力をいただき、歯と口の健康づくりを目指して全力を挙げて取り組んでいると伺っております。  そこで、最初の質問ですが、札幌市民における歯周病の罹患状況と、近年の傾向についてお伺いいたします。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  さっぽろ市歯周病検診についてのお尋ねでございます。  まず、札幌市民における歯周病の罹患状況と近年の傾向についてでございますが、最新の平成29年度の状況によりますと、40歳で歯周病を有する人の割合は49.1%、50歳で54.9%、60歳で59.9%となっております。いずれの年代も、全国の歯周病の罹患状況を上回っている状況でございました。  また、近年の傾向といたしましても、全国の状況も増加傾向にありますが、各年代とも歯周病を有する人の割合がやや増加する傾向にございまして、特に60歳については、平成24年度の56.0%から平成29年度は59.9%と、5年間で約4ポイント悪化した状況となっているところでございます。 ◆こんどう和雄 委員  札幌市民は、全国と比較しても歯周病にかかっている割合が高く、また、国と同様、近年は増加傾向にあるという答弁でありました。  私としては、大変深刻に捉えるべき政策課題ではないかと考えております。歯の健康が全身の健康に及ぼす状況を考慮しますと、市民に対する歯周病の予防対策を、一層、充実強化していかなければなりません。まず、札幌市が市民の歯周病予防を目的に、40歳から10年に1回の節目検診として実施しているさっぽろ市歯周病検診事業をしっかりと実施し、やり遂げていくことが重要であります。我が会派としても、以前から、さっぽろ市歯周病検診の充実に向けまして、対象年齢の拡大や受診勧奨の徹底について指摘してきたところでありまして、秋元市政となってようやく平成27年10月から対象者一人一人への個別通知を開始いたしました。  そこで、最後の質問ですが、個別通知開始前後におけるさっぽろ市歯周病検診の受診率の推移と、さらなる受診率の向上に向けてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  さっぽろ市歯周病検診の個別通知開始前後の受診率の推移と受診率向上の取り組みについてでございます。  検診対象者への個別通知を開始する以前の受診率につきましては、1%に満たないような状況が続いておりましたが、平成27年10月から実施いたしました対象者一人一人への個別通知の開始によりまして、平成27年度は1.9%、平成28年度は3.9%となりまして、個別通知の開始前に比べますと受診率は大きく向上したと考えております。最新の平成29年度の受診率につきましても、平成28年度と同水準の3.8%となっておりまして、検診対象者への個別通知の開始によりまして市民の受診率が向上したものと認識しているところであります。  受診率向上の取り組みにつきましては、健康さっぽろ21の推進に関する企業との包括的連携協定等を活用いたしまして、企業とタイアップした大型ポスターの地下鉄駅構内への掲示を行うほか、歯科医師会とも連携いたしまして、通院患者に対する定期歯科健診の働きかけをさらに行うなど、引き続き受診率の向上に努めてまいりたいと考えております。 ◆こんどう和雄 委員  最後に、要望で終わりたいと思います。  繰り返しでございますが、歯周病検診事業は、非常に重要な事業でございます。本来は、他政令市で実施されているように、対象年齢を拡大し、1年に1回、毎年受診できるようにすべきであります。しかし、少なくとも個別通知の取り組みを開始したことで低迷していた受診率がようやく伸びたことは明らかでありまして、さらなる受診率の向上に向け、市民への普及啓発を充実することに加え、受診率向上の効果が明瞭に出ている個別通知の取り組みが後退することのないように強く指摘を申し上げ、質問を終わります。 ◆石川佐和子 委員  私からは、香料による健康被害に対する札幌市の取り組みについて、何点かお伺いいたします。  洗濯をする際に、柔軟剤入りの洗剤とか、柔軟仕上げ剤の使用、あるいは、さまざまなにおいをカバーするための消臭スプレーなどを使用している方は大変多いと思います。それらには香りづけがされておりまして、ミントとかバラとか森林浴など、多様な宣伝がされておりまして、昨今は、その香り、つまり化学物質でつくられている香料が何日も持続したり、触れるたびに香りがするなど、より強力な商品がふえてきております。  しかし、こうした柔軟剤等に含まれている香料によって、頭痛、吐き気、せき込みなどの健康被害を受けている方の声がふえております。化粧品や香水の香料による健康被害の声も以前よりありましたが、香りづけを強化した商品の増加に伴ってこうした声が本当にふえてきているというふうに思います。  昨年の7月と8月の2日間にわたって日本消費者連盟が香料の被害で苦しむ人を対象とした香害110番という電話相談を実施いたしましたところ、隣の家で干している洗濯物の香りなどによって日常生活を送れないほど苦しい症状を抱えながら、誰にも理解されないつらさを訴える声などが213件寄せられたとのことです。また、その5年前の国民生活センターへの柔軟剤のにおいに関する相談件数は年間65件だったとのことですから、急増している感があります。  このような中、ことし6月には、民間企業が、香りの問題に関して日本に新しい公害が生まれているとして、香りの漢字を「こう」と音読みして、香害であると指摘する新聞広告を出すなど、社会問題化してきているのではないかと考えます。また、全国的には、埼玉県や佐賀県、大阪市などでは、ホームページや啓発ポスターを作成し、香料の配慮や協力の呼びかけをしている自治体もあると聞いております。  そこで、1点目に伺いますが、札幌市は、この香料の問題についてどのような認識をお持ちか、また、その対策として、これまでどのような取り組みを行ってこられたのか、伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  香りの問題に関する取り組みについてお答えいたします。  札幌市の認識と、これまでの取り組み内容についてでありますが、香りの問題につきましては、発症するメカニズムなど、まだ医学的に解明されていない部分が多いものの、実際に頭痛や吐き気などの症状が出て苦しんでいる方々がいるという事実を多くの市民に知っていただくことは重要と考えております。  これまでの取り組みについてでありますが、市民からの要望を受け、香りの問題について啓発するためのポスターを保健所で作成し、昨年10月、市有施設に周知を行ったところであります。また、職員を対象とした施設管理に関する研修会等を通じて、香りの問題やポスターについて説明を行ってきたところであります。 ◆石川佐和子 委員  化学物質過敏症を発症していなくても、香料によって頭痛などぐあいが悪くなる方の声は、皆さんも、職場や地域などの身近で聞いておられるのではないかと思います。今もおっしゃいましたように、ぐあいが悪くなる原因が香料であるという因果関係は、日本においてはまだはっきりしていないとされておりますが、ぐあいが悪くなって困っている方が少なからずおられることは、今、札幌市も認識していると言われたように、本当に事実であります。札幌市は、こうした市民の声をしっかりと受けとめて、香りのエチケットというポスターを作成し、香りが苦手な人がいると周知していることは評価したいと思います。  しかし、保健所がポスターを作成し、昨年10月に全庁的に周知したということですけれども、私がいろいろなところを見て回りますと、ポスターを張っている施設と張っていない施設があり、ばらつきがあるように感じております。香りによる健康被害はまだ十分に知られていないのが現状でありまして、さらに積極的に周知していく必要があると考えます。  そこで、2点目の質問ですが、香りのエチケットのポスターについては、保健所が全庁的にポスター掲示を周知した後、どれぐらいの市有施設で掲示されているのか、伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  ポスターの掲示状況についてでありますが、ポスターを作成し、全庁に周知を行ってから1カ月後の昨年11月に、掲示状況等についての実態調査を行いました。その結果でありますが、回答のあった825の市有施設のうち、掲示している施設は3割に満たなかったものの、多くの市民や子どもたちが利用する体育館などのスポーツ施設や、保育園、児童会館などの子育て関連施設におきましては、8割以上に当たる146施設で掲示されている状況でありました。 ◆石川佐和子 委員  子どもは大人よりも化学物質に対する影響を受けやすいので、児童会館など子どもがたくさんいる場所における掲示の割合が8割と、ほかのところよりも高いのはいいことでありますが、ほかの場所においても市民周知に向けて積極的に掲示していただきたいと思います。  掲示状況の調査結果を見せていただきましたが、掲示した理由について、市民からの要望があったというのが85%、また、掲示しない理由としては、市民からの要望がないというのが約90%となっております。市民が要望しなければ掲示されないというのは、私は、施設管理者の認識が市の認識に伴っておらず、認識が低いのではないかと思います。いずれにしても、昨年の11月段階では825の市有施設の3割弱でしか掲示されていないという結果であり、先ほど全庁的に周知したと答弁がありましたが、保健所は継続して積極的に周知していくべきと求めておきます。  また、香りの感じ方は個人差があると思います。とてもいい香りだと思う方もいらっしゃれば、苦しくて息もできないというふうに感じる方がいることも踏まえると、私は、ポスターの内容、描き方も重要な要素であると考えます。柔軟仕上げ剤等の香りによって苦しんでいる人がいることを、より市民に理解してもらうために、当事者の意見の反映が重要というふうに考えます。
     そこで、3点目の質問ですけれども、香りのエチケットポスターの掲示場所をさらにふやすとともに、香りの問題を正しく理解してもらうために、ポスターの内容や周知方法を工夫すべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  ポスターの内容や周知方法の工夫についてでありますが、先ほどお答えいたしました掲示状況の実態調査結果を踏まえまして、掲示施設をふやし、より多くの市民の目に触れるよう、イラストや表現の見直しを行い、新たなポスターを作成することといたしました。具体的には、実際に香りの問題で苦しんでいる方々と意見交換を行い、要望を伺うとともに、関係部局とも協議を進め、本年9月に新たなポスターを作成し、全庁に周知するとともに、市民の方が誰でも利用できるようにホームページにも公開しているところでございます。  周知を行ってからは、さまざまな市有施設からポスターに関する問い合わせがふえていることから、香りの問題に対して、より関心が高まっているものと考えているところであります。 ◆石川佐和子 委員  ポスターの内容について、当事者の意見を反映させたなど、ポスターの内容を更新させていることについて大変評価いたします。  また、ポスターの掲示を全庁的に再度周知したこと、あるいはまた、ホームページにおいてもそのポスターを公開しているとのことでしたので、さらに市民への理解が進むものと期待いたします。  しかし、苦しんでいる方の苦しみは、依然として余り軽減されていないということも聞いております。国としての香料に関する法規制が課題であることは承知しておりますが、自治体としても、できることをさらに取り組んでいっていただきたいと思います。今後は、市有施設のみならず、民間施設など、たくさんの人が利用するさまざまな施設でもポスターが掲示され、市民への啓発を進めていくべきと考えます。香りの問題に取り組んでいるというほかの自治体においては、ポスターのほかに、回覧板によって市民へ周知するなどの工夫をしているとも聞いているところです。  そこで、最後の質問でありますが、札幌市として、香りの問題に対し、今後どのように取り組みを進めるのか、伺います。 ◎高木 生活衛生担当部長  今後の取り組みについてでありますが、新たなポスターの掲示に加えまして、より多くの市民に香りの問題について知っていただけるよう、広報さっぽろなどの媒体を活用して周知していきたいと考えております。さらに、国の動向や他自治体の取り組みなどについて情報収集を図り、新たな情報や知見が得られた際には、改めて市民の皆様へお知らせしてまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  最後に、要望を申し上げたいと思いますが、広報さっぽろなどさまざまな媒体を通して、香害の問題に苦しんでいる方の周知をしていただけるということを聞きましたので、積極的に進めていただきたいと思います。  戻りますが、昨年の11月に調査した結果では、全施設の12%でこのポスターのことを知らないと答えておりました。その後、改善されたというふうにも思いますが、指定管理者を含めて、庁内におけるこのポスターの周知、そして市民理解を深めていくことについて徹底していただきたいと思います。また、化学物質による体への影響とあわせて、そのことが誰にも理解されないつらさを抱えて苦しんでおられる市民がいることを多くの市民へ知らせる周知・啓発にも力を入れていただきたいと思います。  民間団体が行った電話相談での事例も紹介いたしましたが、札幌市としても、そういう声があれば受けとめることが必要だと思います。今後、香料による健康被害に苦しむ市民の声をしっかり受けとめ、こうした相談窓口を設置するなど、取り組みを進めていただくことを強く求めて、私の質問を終わります。 ○よこやま峰子 委員長  以上で、第5項 健康衛生費の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、明後日、10月18日木曜日午前10時から、農業委員会及び経済観光局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後2時21分...