札幌市議会 > 2018-06-11 >
平成30年大都市税財政制度・人口減少対策調査特別委員会−06月11日-記録

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  1. 札幌市議会 2018-06-11
    平成30年大都市税財政制度・人口減少対策調査特別委員会−06月11日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成30年大都市税財政制度人口減少対策調査特別委員会−06月11日-記録平成30年大都市税財政制度人口減少対策調査特別委員会  札幌市議会大都市税財政制度人口減少対策調査特別委員会記録            平成30年6月11日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午後0時59分     ―――――――――――――― ○佐々木みつこ 委員長  ただいまから、大都市税財政制度人口減少対策調査特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、平成31年度国の施策及び予算に関する提案(通称〜「白本」)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎中垣内 財政局長  本日は、お時間を頂戴いたしまして、お手元にあります平成31年度国の施策及び予算に関する提案、これは通称白本と言われておりまして、例年、指定都市共同で取りまとめているものでございますが、この原案がまとまりましたので、ご審議を賜りたいということでございます。  申すまでもございませんが、指定都市ではさまざまな行政課題を抱えてございます。少子高齢化、人口減少、それからインフラの老朽化という全国的な課題に、地方のブロックの中枢都市として立ち向かっております。その効果を十分に発揮するためには、国の財政上、あるいは制度上の対応が必要ということで、このたびの提案に及ぼうという次第であります。  委員各位におかれましては、何とぞ趣旨をご賢察させていただいた上で、ご指導、ご支援を賜りますれば、これ以上のことはございません。よろしくお願いいたします。  それでは、詳細につきましては、財政部長からご説明させていただきます。よろしくお願い申し上げます。 ◎梅田 財政部長  それでは、資料に基づきましてご説明させていただきます。  まず、配付資料の確認をさせていただきますが、2種類ございます。初めに、資料1は、平成30年度国家予算等の状況と提案の主な結果でございまして、平成30年度の国家予算の概要と昨年度の白本提案の結果について主なものをまとめたものでございます。続いて、資料2は、平成31年度国の施策及び予算に関する提案(案)でございまして、こちらは実際の提案書の形式でまとめたものでございます。  それでは、まず、平成30年度国家予算等の状況と提案の主な結果につきましてご説明させていただきます。  資料1をごらんください。  まず、1ページは、国家予算概要についてでございます。  平成30年度国家予算のフレームと最近の推移をまとめております。平成30年度予算は、経済財政再生計画集中改革期間の最終年度となりますことから、経済再生と財政健全化を両立する予算として編成され、当初予算は前年度比0.3%増の97兆7,128億円となってございます。
     歳入のうち、税収は、59兆790億円と、前年度を1兆3,670億円、2.4%上回っております。一方、公債金は、前年度を6,776億円下回る33兆6,922億円となってございます。  なお、公債残高につきましては、下の表の右下にありますとおり、前年度より19兆円増の883兆円と見込まれているところでございます。  次に、2ページ目をごらんください。  ここでは、平成30年度の地方財政計画の概要をまとめております。  平成30年度につきましても、平成24年度から引き続き通常収支分東日本大震災分の区分によって整理されておりますが、資料では通常収支分を掲載しております。  今年度の計画では、地方が子ども・子育て支援地方創生等の重要課題に取り組みつつ安定的に財政運営を行うことができるよう、歳入合計欄の一つ下の欄にございます一般財源総額につきましては、前年度を356億円上回る62兆1,159億円が確保されたところでございます。歳入につきましては、地方税を39兆4,294億円、前年度比0.9%の増と見込み、また、地方交付税総額につきましては、前年度比2.0%減の16兆85億円とされております。歳出につきましては、子ども・子育て支援等社会保障関係費公共施設の適正管理の推進に係る経費が増加した結果、前年度を0.3%上回る86兆8,973億円となってございます。  3ページ目からは、平成30年度国の施策及び予算に関する提案、すなわち昨年度の白本提案の主な結果を載せておりますが、その中の主な項目についてご説明させていただきます。  提案項目4番目の地方固有の財源である地方交付税の必要額の確保と臨時財政対策債の廃止に関しましては、一般財源総額は前年度を356億円上回る額が確保されております。中でも、地方交付税は、その原資を最大限確保することにより、前年度比3,213億円の減にとどまったほか、臨時財政対策債は、概算要求時点で大幅増が見込まれていたところ、前年度比587億円の減となったところでございます。  提案項目6番目の児童福祉施策の拡充に関しましては、保育等の受け皿の確保のため、施設整備費の補助率のかさ上げが継続されましたほか、保育人材確保に向けた財政措置や保育料の軽減措置拡充が行われたところでございます。  これらのほか、4ページに記載しておりますとおり、インフラ施設長寿命化対策教職員定数の充実、改善などの各分野におきましても一定の成果が得られたものと考えてございます。  次に、平成31年度国の施策及び予算に関する提案(案)についてご説明させていただきます。  資料2をごらんください  表紙をおめくりいただきますと、目次が掲載されております。税財政・大都市制度関係個別行政分野関係を合わせて15項目となってございます。  提案項目の選定方法でございますが、最初に、指定都市の各分野の所管局による各局長会議が白本としてふさわしい提案項目を選定いたしまして、その項目の中から指定都市市長会として特に重要性や緊急性の高いものをさらに厳選し、内容の重点化を図りまして15項目を決定したところでございます。  次に、右のページをごらんください。  提案書の前文が掲載されております。  平成31年度国家予算編成に当たり、真の分権型社会の実現に向け、適切な措置を講ずることを要請することとしております。  おめくりいただきまして、1ページ目をごらんください。  こちらは、税財政・大都市制度関係個別行政分野関係に分けて提案事項を掲載し、提案項目全体を一覧できるよう掲載しております。それぞれの提案内容の詳細につきましては、5ページ以降に掲載しております。  それでは、税財政・大都市制度関係について提案項目を説明させていただきます。  5ページをごらんください。  最初に、1項目めは、真の分権型社会の実現のための国・地方間の税源配分の是正でございます。  下段の左側の図にありますとおり、現状における国、地方間の税の配分と税の実質配分には依然として大きな乖離がございます。真の分権型社会を実現するために、消費税や法人税といった複数の基幹税からの税源移譲を行い、国、地方間の税の配分をまずは5対5とすること、さらに、国と地方の新たな役割分担に応じた税の配分となるよう、地方税の配分割合を高めることを求めるものでございます。  続いて、2項目めは、大都市税源の拡充強化についてでございます。  ここでは、人口の集中や産業の集積に伴う都市的課題から生ずる大都市特有の財政需要や、道府県から移譲されております事務・権限があるにもかかわらず、必要な財源については税制上の措置が不十分であるため、個人・法人所得課税や消費・流通課税に係る国、道府県からの税源移譲により、大都市税源の拡充強化を図るよう求めるものでございます。  おめくりいただいて、3項目めは、国庫補助負担金の改革でございます。  これは、真に住民に必要なサービスを地方みずからの責任で自主的、効率的に提供できるよう、国と地方の役割分担の見直しを行った上で、地方が担うべき分野につきましては国庫補助負担金を廃止し、所要額を税源移譲することを求めるものでございます。また、税源移譲されるまでの間は、国において必要総額を確保することや、自由度が高く活用しやすい制度にすることを求めるものでございます。  右のページの4項目めは、地方固有の財源である地方交付税の必要額の確保と臨時財政対策債の廃止でございます。  地方交付税は、地域社会に必要不可欠な一定水準の行政サービスを提供するための地方固有の財源でございますことから、地方の財政需要などを適切に見込み、必要額を確保すること、また、地方財源不足の解消は、地方交付税の法定率の引き上げによって対応し、代替措置としての臨時財政対策債は速やかに廃止することなどを求めるものでございます。  おめくりいただいて、5項目めは、多様な大都市制度の早期実現でございます。  規模や地域で果たす役割などそれぞれが異なる特性を有する各指定都市が、基礎自治体優先の原則のもと、よりよい行政サービスを提供できるよう、地域の特性に応じた多様な大都市制度を実現するよう求めるものでございます。  以上が、税財政・大都市制度に関する提案でございます。  続きまして、個別行政分野に関する提案事項についてご説明させていただきます。  まず、右のページの6項目めは、児童福祉施策の拡充でございます。  幼児教育・保育の無償化について、地方公共団体に負担は生じさせないよう求めるとともに、待機児童対策を初めとした子ども・子育て支援新制度の充実、総合的な放課後児童対策子育て家庭経済的負担の軽減、子どもの貧困や児童虐待等について財政措置を拡充するなど、必要な措置を求めるものでございます。  おめくりいただいて、7項目めは、インフラ施設長寿命化対策でございます。  インフラ施設高齢化時代を迎える中、適切な維持管理や更新を行うために、継続的かつ確実な財源を確保するとともに、新技術等によるコスト低減手法の開発に努めることを求めるものでございます。  右のページの8項目めは、学校・幼稚園における働き方改革の推進でございます。  教員が子どもと向き合う時間を確保し、きめ細やかな教育活動を進めることができるよう、部活動指導員やスクール・サポート・スタッフなどの人的配置の拡充など、教員の負担軽減に向けてより一層の財政措置を求めますとともに、教職員定数の改善を図るよう求めるものでございます。  おめくりいただいて、9項目めは、医療保険制度抜本的改革及び国民健康保険財政の確立でございます。  市町村の国民健康保険は、被保険者に占める高齢者や所得の低い方などの割合が高く、一般会計からの多額の繰り入れに頼らざるを得ないなど、財政基盤が極めて脆弱でございます。国民皆保険制度を安定的で持続可能な制度とするために、国の責任において、医療保険制度の一本化に向けた抜本的改革を実現するとともに、一本化が実現するまでの間の必要な財政措置などを求めるものでございます。  右のページの10項目めは、介護保険制度の円滑な実施でございます。  介護保険制度の制度改正や介護報酬の改定に当たりまして、地方公共団体の意見を十分に反映すること、また、自立支援・重度化防止に向けた保険者機能の強化の取り組み推進につきましては、財政措置などの支援を行うことを求めるものでございます。また、所得の低い方への保険料及び利用料について、さらなる負担軽減策の実施を求めるものでございます。  おめくりいただいて、11項目めは、生活保護の更なる適正化及び生活困窮者支援に対する財政措置についてでございます。  生活保護制度のさらなる適正化を推進するために、生活保護費全額国庫負担等の必要な措置を講ずるとともに、生活困窮者自立支援制度においてもより実効性のある支援が実施できるよう、十分な財政措置を求めるものでございます。  右のページの12項目めは、義務教育施設等の整備推進でございます。  安全で良好な教育環境を確保するため、地方公共団体が計画的に施設整備に取り組むことができるよう、必要な事業量に見合う財政措置を講ずることなどを求めるものでございます。  おめくりいただいて、13項目めは、福祉・保健・医療分野における人材確保の施策の充実についてでございます。  給与、福利厚生の充実を初め、介護職員の労働環境の改善を図るため、財政措置を講ずるとともに、発達障がいなどの診断のできる医師の確保のために、養成機関の整備や診療報酬の改定を求めるものでございます。  右のページの14項目めは、中小企業における人材確保支援生産性向上及び若者、女性等の活躍促進でございます。  中小企業の人材確保は喫緊の課題となっている中、労働条件の改善や福利厚生制度の充実、求人採用力や定着率の向上など、働き方改革を推進する施策の実施を求めますとともに、各地域の実情に応じた施策を実施するため、財政措置も含めて支援するよう求めるものでございます。  おめくりいただいて、最後の15項目めは、下水道施設の改築への国費負担の継続でございます。  平成29年度の財政制度等審議会において、汚水に係る下水道施設の改築について、排出者が負担すべきとの考え方が提示されたところでございます。しかし、下水道施設は極めて公共性の高い社会資本でございまして、下水道法では施設の設置に加えて改築も国庫補助の対象とされておりますことから、改築に対する国費の負担を確実に実施するよう継続を求めるものでございます。  以上が、白本本文の概要でございます。  最後に、今後の日程についてでございますが、本日、この原案についてご審議いただき、その結果を踏まえまして、指定都市の窓口・財政担当局長による協議において最終案を決定いたしました後、7月2日に予定されている本委員会で改めて報告させていただきたいと考えております。 ○佐々木みつこ 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆中川賢一 委員  私からは、全体的な構成に関すること、そして、個別の項目に関することにつきまして、何点かお伺いしていきたいと思います。  ことしの白本提案でございますが、おおむね例年どおり税財政大都市制度関係で五つの項目、個別の行政分野関係で10個の要請項目となっております。中を見ますと、いろいろと入れかえ等もあったり、例年どおりかなというような項目も幾つか見られますけれども、いずれにしましても、指定都市が20市あって、それぞれに事情や課題が異なっている中で、指定都市として統一した要請をまとめ上げていくことは大変な作業でございまして、さぞかしご苦労されたのではないかというふうに考えております。さりとて、札幌市としましては、私は昨年の委員会でも同様のことを申し上げましたが、本市の課題に即した効果をしっかりと確保していかなくてはなりませんので、やはり戦略的に対応していく必要があるのではないかと考えるところでございます。  そこでまず、今回の白本提案全体の中で、札幌市として、特にどのような点に重点を置いて要請活動を展開したいと考えておられるのか、その点をお伺いしたいと思います。 ◎梅田 財政部長  このたびの白本提案における札幌市の重点事項についてのご質問でございます。  要望項目の選定に当たりましては、行政分野ごとの各指定都市の局長によって構成される局長会議において提案された項目から、重点化の観点で15項目まで絞り込んだところでありまして、これらにつきましては、札幌市にとってどれも重要な項目と考えております。その中で、今後の札幌市の財政運営への影響の大きさという観点で言えば、税財政・大都市制度関係では、4項目めの地方固有の財源である地方交付税の必要額の確保と臨時財政対策債の廃止が最も重要と考えております。また、個別行政分野で言いますと、7項目めのインフラ施設長寿命化対策、12項目めの義務教育施設の整備推進、それから、15項目めの下水道施設の改築への国費負担の継続など、公共施設の維持・更新に係る財政措置、あるいは、6項目めの児童福祉施策の拡充や10項目めの介護保険制度の円滑な実施といった少子高齢化への対応が重要項目として挙げられます。  いずれにいたしましても、指定都市共通の課題に対しましては、白本提案を基本としつつ、他の自治体や関係団体とも連携するなど、また、札幌市の重点要望や個別の要望等も組み合わせながら、要望活動を積極的に行ってまいりたいというふうに考えてございます。 ◆中川賢一 委員  交付税関係のことや、その他少子高齢化への対応、また、今後本格化していく公共施設老朽化対策といった部分が特に重要だというようなお答えだったと思います。  確かに、財政状況に制約がある中で、公共施設老朽化対策というのは頭の痛い課題でございまして、公共施設の全体状況の把握を通じて更新、統廃合、長寿命化、財政負担の軽減、平準化といったことを計画的に行っていくべきであることは、かねてから議会論議等を通じて私も認識を共有させていただいたところでございます。その一連の議論などを通じて、本市では、今年度から公共施設マネジメント担当課を新設して公共施設老朽化対策にも取り組んでいくことになったのは大きな進展でありまして、今後の取り組みに期待させていただいております。  そこで、次の質問でございますが、公共施設の維持・更新につきまして、今回の国への要請を通じて、今後はどのような戦略的な取り組みを想定しておられるのか、お伺いしたいと思います。 ◎梅田 財政部長  公共施設の維持・更新における今後の取り組みについてのご質問でございます。  公共施設マネジメントの取り組みは、将来の公共施設の維持・更新に係る費用の中長期的な見通しを立て、公共施設の総量管理、そして、事業費の平準化に取り組むことで、持続可能な財政運営を目指していこうとするものでございます。こうした取り組みを計画的に実施していくためには、維持管理や更新に係る財源の確保が必要不可欠となっておりまして、こうした状況は指定都市共通の課題でもあることから、指定都市共同で要請していこうというものでございます。  今年度につきましては、公共施設の基本情報や利用状況などの全体像を把握して、他都市との客観的なデータ比較を行える体制を整えているところでございまして、他の指定都市と課題を共有しながら、必要に応じて国に対して地方の状況を認識してもらえるよう訴えかけていきたいと考えております。 ◆中川賢一 委員  もう一つ、公共施設の維持・更新の関係でございますが、下水道施設老朽化対策は本市の深刻な課題の一つでございまして、札幌市の重点要望では昨年から要望しておられるようでございます。しかしながら、昨年度の国の財政制度等審議会におきまして、下水道施設の改築に対する受益者負担の観点が強化された形となりました。そういった流れを受けて、他の都市でもこの課題に対する認識が共有されて、今回の白本提案では、下水道施設の改善への国費負担の継続という項目が新たに盛り込まれました。この点は、本市としては、心強いところだというふうに一定程度は受けとめられるのかなと思います。  ただ、指定都市の中でも、札幌市が厳しい状況であることには変わりございません。そういった中で国に理解を求めていくためには、単に白本や札幌市の重点要望に項目としてのせていくだけではなくて、要望実現に向けた戦略的、積極的な取り組みが必要になってくるのではないかというふうに考えます。  そこで、この点についてお伺いしますが、15項目めの下水道施設の改築への国費負担の継続について、どういう戦略で要請内容を実現していこうとお考えなのか、お伺いしたいと思います。 ◎梅田 財政部長  下水道施設に関する国費負担の継続について、どういう戦略で要請内容を実現していくかというご質問でございます。  昨年度の財政制度等審議会におきまして、汚水に係る下水道施設の改築については排出者が負担すべきという考え方が提示されたところでございます。これに対して、本市を含め、指定都市各市では大変強い危機感を共有しておりまして、今回は、平成31年度以降も汚水を含めて、下水道施設の改築に係る国費負担の継続を求めるということでございます。  下水道は、公衆衛生の向上や公共用水域の水質保全など公共的割合が非常に高い事業でございまして、事業継続のために老朽化した施設の改築に対する国の支援は必要不可欠と考えてございます。施設の改築の財源確保に関しては、全国の自治体共通の大きな課題でありますことから、指定都市や道内の市町村等とも連携しながら、関係省庁に対して積極的な働きかけを行うことが重要と考えております。  今年度につきましては、今回の白本や、この後にご審議いただきます札幌市重点要望のほか、5月に札幌市で開催された指定都市サミットにおける提言、さらに、北海道市長会春季要望事項としてもこの項目を取り上げておりまして、今後も他の自治体や関係団体とも連携しながら、あらゆる機会を通じて要請活動を行ってまいりたいというふうに考えてございます。 ◆中川賢一 委員  この下水道の項目は、昨年、私が中央のほうに参りましたときに、この課題に関しては札幌市が非常に先行しているというようなお話もございましたので、道内市町村も含めて、ぜひとも議論の先頭に立っていただければなというふうに期待したいところでございます。  最後になりますが、先ほどの重要な要請の中でお話のありました10項目めの介護保険制度の円滑な実施に関連して質問したいと思います。  我が国の高齢化がますます進んでいく中で、高齢者介護をめぐる環境は一層深刻化しておりまして、今後、介護保険制度の運営も厳しさを増すことは改めて言うまでもないと思いますが、今回の白本提案でも、介護保険制度の円滑実施を求め、その中で地域医療介護総合確保基金の活用の改善を要請しております。本基金は、消費税の引き上げ財源等を活用し、国が3分の2、都道府県が3分の1の負担で各都道府県に設置しておりまして、この基金を財源に市町村に対する補助などの事業が実施されていると理解しております。  そこでまず、札幌市では、この基金を活用してどのような事業を行っているのか、どのような考え方で活用しているのか、この点をお伺いしたいと思います。 ◎梅田 財政部長  介護保険制度地域医療介護総合確保基金の活用についてのご質問でございます。  地域医療介護総合確保基金を活用した事業といたしましては、平成29年度において、特別養護老人ホーム改修工事費認知症高齢者グループホームの整備に伴う備品購入などの開設準備経費として約2億8,000万円、認知症支援に関する事業において約350万円、さらに、高齢者等の在宅医療ネットワーク推進事業において約2,000万円などについて財源とさせていただいているところでございます。  今後も、札幌市が去る3月に策定いたしました新たな介護保険事業計画、これは2018年から2020年度までの3年間の計画でございますが、この計画において目指している医療や介護、生活支援などが一体的に提供される地域包括ケア体制を深化、推進する取り組みの強化を目指して、この基金を積極的に活用してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆中川賢一 委員  昨今、高齢者向けのいろいろな施設の整備がかなり急速に進んでおりまして、特に高齢者の転入の多い札幌では、民間投資も含めて建築が盛んに進んでいるのかなと実感しております。  以前、日本経済新聞で、札幌市のサービスつき高齢者向け住宅の戸数は昨年12月の時点で1万600戸余りということで、東京23区や大阪市の7,000戸余りという水準を大きくしのいで断トツの1位だという記事を目にしたことがございます。この点は基金と直接関係あるのかどうかはわかりませんが、そういった施設の充実の一方で、今、介護の現場で叫ばれているのは介護人材の不足ということでございまして、多くの高齢者施設が人材確保に頭を大変悩ませております。今紹介したサ高住の事例も、札幌市で1万戸以上まで急速に膨らんだ結果、これに対応するスタッフが確保できずに廃業や業態変更に追い込まれている施設も少なくないというふうに聞いております。  地域医療介護総合確保基金の対象事業の一つにも介護従事者の確保に関する事業があると認識しておりまして、やはり、課題の深刻さに照らし合わせた基金の活用が求められるところでありますことから、本市としても、この点を意識した対応や働きかけをしていくべきではないかと考えるところでございます。  そこで、もう一つ質問させていただきますけれども、白本提案で基金の活用の改善を要請してく中で、介護人材の確保という視点を強く持って臨むべきと考えますがいかがか、お伺いしたいと思います。 ◎梅田 財政部長  介護人材の確保という視点を強く持って臨むべきというご質問でございます。  北海道におきましては、平成27年度から、地域医療介護総合確保基金を活用いたしまして、介護人材の確保、定着化に向けたマッチングやキャリアアップ研修の実施などの支援策を実施してきております。また一方、札幌市におきましても、単独事業といたしまして、介護事業者向けの採用力向上セミナーや介護事業者の合同企業説明会を開催するなど、介護人材の確保に向けた取り組みをしているところでございます。  このたびの提案の趣旨は、指定都市におきましては特に介護サービス事業所が集積しており、介護職の人材の不足が深刻化しておりますが、この基金は、地域の特性を踏まえた取り組みに柔軟に活用できる仕組みとなっていない面もございますことから、今回、より弾力的な基金の運用について要望しようというものでございます。  いずれにいたしましても、介護人材の確保と働きやすい職場環境の整備は最も重要な課題と認識しております。指定都市と連携して、今後も国に対して強く働きかけを行ってまいりたいというふうに考えてございます。 ◆中川賢一 委員  道のメニューの中では、基金を利用した人材確保策というものがあるようでございます。札幌市の場合は独自でというようなお話でしたので、このメニューをうまく活用できているかどうか、少し気になるところでございます。  先ほどのお答えの中でも、なかなか柔軟に活用できない基金の仕組みなので、この弾力的な活用を求めていくということでございました。指定都市の場合、人口が集積しておりまして、また、そんな中で高齢者の移住が多い地域でございます。そういったことで、都道府県全体とは少し異なった環境にあるのではないかというふうにも思うところでございます。こういった部分をしっかりと国に理解していただいた上で、やはり、他の都市とも協力して、指定都市として利用しやすい制度への見直しをしっかりと積極的に働きかけていただきたいと思うところでございます。 ◆成田祐樹 委員  私からは、白本の8ページの項目4の地方固有の財源である地方交付税の必要額の確保と臨時財政対策債の廃止について質問させていただきます。  地方の一般財源総額について、平成27年度と同水準を確保するとした政府の方針が平成30年度で期限を迎え、地方にとっては、果たして来年度以降の一般財源総額が確保できるのかがことしの骨太の方針の最大の関心事の一つとなっていました。昨年の白本や青本にかかわる本委員会でも、地方交付税を初めとする地方の一般財源総額の確保に向けて、国への要望や情報収集をしっかり実施していくよう求めたところです。また、先日の第2回定例市議会では、我が会派から地方一般財源総額の確保などを求める意見書案を提出し、可決されたところでもあります。この骨太の方針については、経済財政諮問会議等において議論が続いており、今月にも決定される見込みと聞いており、その動向が気になるところです。  そこでまず、最初に質問ですが、今後の地方の一般財源総額の見込みについて、現在どのように認識されているのか、お伺いしたいと思います。 ◎梅田 財政部長  今後の地方の一般財源総額の見込みに関する認識についてでございます。  去る6月5日に開催されました経済財政諮問会議におきまして、経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針の原案が示されたところでございます。その中では、平成31年度から3年間の地方の一般財源総額につきましては、平成30年度地方財政計画の水準を下回らないように実質的に同水準を確保するとされておりまして、おおむねこれまで地方が求めてきた内容となっているものと認識しております。  この骨太の方針の閣議決定は今月中に行われる見込みというふうに報道されておりますが、原案どおり決定されるかどうか、引き続き注視をしてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆成田祐樹 委員  今お答えいただきましたが、6月5日に示された骨太の方針の原案では、来年度から3年間の地方の一般財源総額について、平成30年度地方財政計画の水準を下回らないように実質的に同水準を確保するという話であり、その原案どおりとなれば、ひとまずは一定水準が確保される見込みであることは安心材料と言えるのかなと思います。しかし一方で、消費税が増税された場合の地方財政への影響についても懸念しており、その点についてもお伺いしたいと思います。  2019年10月に予定されている消費税率10%への増税について、骨太の方針の原案において、増税分の一部は幼児教育・保育の無償化の財源に充てるとされています。ただ、それによる自治体負担が一体どうなるのかは不透明なままであり、各地方公共団体における予算編成に大きな影響を及ぼすものであるならば、都市規模が大きい札幌市においては、後々の財政運営においても多大な影響を与えることが想定されるのではないでしょうか。
     また、社会保障の充実化が進められる一方で、各種公共事業などに関しては消費税の上乗せ分の支出増が見込まれることや、公立病院に至っては、材料費などに消費税が上乗せされながらも、その増税分が診療報酬において適切に補填されず、地方公営企業としての公立病院はさらに厳しい運営を強いられることが予想されます。増税分によって社会保障が充実されたとしても、社会保障費の自治体負担分において地方の持ち出し分が以前より多くなってしまえば、本当に持続可能であるのかどうか、そこは精査していかなければなりませんし、一方的な押しつけにならないよう、国側にはしっかりと理解していただく必要があるのかなと思います。  そこで、質問ですが、消費税の増税とそれに伴う社会保障の充実化が行われた場合、持続可能な地方財政の制度設計について、国に対してどのように求めていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎梅田 財政部長  消費税の増税とそれに伴う社会保障の充実強化が行われた場合の地方財政の制度設計に対する国への要請というご質問でございます。  昨年12月に閣議決定された新しい経済政策パッケージに基づきまして、幼児教育・保育の無償化が行われる見込みであります。これにつきましては、今回の要望項目の6項目めの児童福祉施策の拡充のところにありますとおり、地方に負担を生じさせないように要請してまいりたいと考えております。  また、委員がご指摘のとおり、来年10月からの消費税率の引き上げに伴いまして、社会保障と税の一体改革に伴う社会保障の充実といった取り組みや、札幌市が発注する工事や業務委託契約の支出の増といった歳出の増加要因が見込まれます。さらに、先ほど申し上げた幼児教育・保育の無償化につきましては、地方に負担を求める方向との報道もなされておりますが、もし仮にそうなった場合には、地方交付税による措置が必要不可欠になるというふうに考えております。  そのため、平成31年度の地方一般財源総額につきましては、これらの経費を適切に見込むことで平成30年度を上回る十分な金額が確保されますよう、今回の白本、あるいは今後の青本といったさまざまな機会を通じて国に対して要請していかなければならないというふうに考えております。 ◆成田祐樹 委員  ぜひ、国に対してしっかり要請していただきたいと思います。  これまでは、一般財源や地方交付税の全国総額というマクロの話に触れさせていただきましたが、地方独自の状況ということも大切な項目の一つではないかと思っております。おのおのの立地や地域状況が違う中で一律に財政状況を判断されるとすれば、それは間違いなくおかしなことになると思われます。  ことしの冬、2月ごろでしょうか、記録的な大雪が降った福井市では、除雪費が当初予算の4億円を大きく上回る50億円になり、財政調整基金が一気に底をついただけではなく、財政が危機的な状況になったことから、大型公共事業の先送りや職員の給与を平均5.8%カットする方向性などが報道を通じて発表されていました。  寒冷地特有の地域事情を考えると、札幌市も同様に、いつ財政調整基金を大きく切り崩すことになるか、予測できません。とりわけ、札幌市は自主財源が少なく、地方交付税に依存する財政構造という点にかんがみると、国の方向性のささいな変化で財政運営に大きな影響が出てくることが懸念されると思われます。  そこで、質問ですが、本市は、地方財政をめぐる国の議論について、それぞれの地域事情や地方交付税の必要性をどのように伝えていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎梅田 財政部長  札幌の地域事情、あるいは、地方交付税の必要性を国にどう訴えていくかというご質問でございます。  札幌市は、言うまでもなく積雪寒冷地であり、なおかつ、大都市であるといった地域事情を抱えまして、除排雪経費や北海道から移譲されている事務に係る経費など多額の財源が必要となります。これらにつきましては、この後でご審議いただきます札幌市重点要望や交付税算定に関する意見の申し出制度、あるいは、特別交付税に関する要望などにおいて、特殊な事情への配慮の必要性を訴えているところでございます。さらに、除排雪経費につきましては道内の各自治体とも連携いたしまして、また、大都市特有の財政需要は各指定都市と共同するなどして、共通の課題を抱える団体とともに国に対して要請をしていくなど、あらゆる機会を捉えて積極的に働きかけを行ってまいりたいというふうに考えてございます。 ◆成田祐樹 委員  最後になりますが、やはり、地方交付税については、どのような地域においても一定水準の行政サービスを確実に安定的に提供するための財源保障機能を持つ必要不可欠なものであるというふうに考えております。今後も、少子化などに伴って急増する社会保障ニーズへの対応など、地方全体のさまざまな財政需要はますます増加していくものと考えられます。それに対して、地方の一般財源総額が同水準のままで本当に安心できるのか、常に疑問を持ち続けざるを得ないことからも、札幌市は、今後も地方の財政需要や地域の特殊事情などを国にしっかりと求めていただくことを要望しまして、質問を終わりたいと思います。 ◆好井七海 委員  私からは、今回の白本提案の中で新たな提案項目として盛り込まれた14項目めの、中小企業における人材確保支援生産性向上及び若者、女性等の活躍促進についてお伺いいたします。  この要請項目は、先ほどの財政部長の説明にもありましたが、地域経済を支える中小企業などの成長、持続的発展のため、その人材不足の解消に向け、国による中小企業の働き方改革の推進や地方公共団体による施策への財政措置を求めているものですが、2018年度版中小企業白書において、中小企業の人手不足の背景として、我が国の生産年齢人口の減少や少子高齢化の進展といった構造的な問題が指摘されており、特に、女性や高齢者の活躍促進が今後ますます重要になってくるものと考えられます。我が会派としても、市内の多くを占める中小企業の人材不足については重要な課題と捉えており、若者や女性、高齢者の人材の活躍促進や労働条件の改善などの働き方改革はしっかり取り組んでいかなければならないと考えております。  そこで、今回の指定都市共同の提案である白本の説明文に、各地域の実情、課題に応じたきめ細やかな施策を実施する必要があるとありますが、まず、札幌市は、本市の実情や課題についてどのように捉え、中小企業の人材不足の解消に向け、どのような取り組みを実施しているのか、お伺いいたします。 ◎梅田 財政部長  中小企業における人材確保についての札幌市の実情、課題と取り組みについてのご質問でございます。  札幌市の企業経営動向調査によりますと、経営上の問題点に人手不足と回答する企業が50%を超えて最も多くなっておりまして、中小企業においては今後も人材を確保することが大変重要な課題であると考えております。また、全国的に雇用情勢が改善している中、平成30年4月の札幌圏の有効求人倍率は1.01倍と98カ月連続で改善が続いておりますが、市内の女性や高齢者の有業率は全国と比較して低く、さらに、道外への転出超過数のうち、20代が全体の70%を超えている状況にあります。  このような状況を踏まえまして、札幌市といたしましては、女性の有業率の向上に向けて、現在、女性専用の相談窓口の開設準備を進めておりますほか、高齢者につきましては、札幌市就業サポートセンターにおける支援メニューの充実や、体験つき仕事説明会であるシニアワーキングさっぽろを昨年度から開催したところでございます。さらに、東京都内に札幌UIターン就職センターを設置して若年層の人材の還流に取り組むなど、人材確保に向けたさまざまな支援を進めているところでございます。 ◆好井七海 委員  動向調査で50%が人材不足ということと、札幌市においては全国と比較して女性と高齢者の有業率が低いこと、また、20代の道外への転出が多いという実情や課題があるということで、札幌市もそうしたことに対する取り組みを行っているとのご答弁だと思います。ただ、これは、国が全国一律に実施すべきこともあるのですが、それぞれの地域の実情に応じて取り組むべきこともありまして、自治体がしっかり取り組みを進めていくためには国からの財政支援が不可欠であると思います。  そこで、質問ですが、今回の白本提案でも財政措置を含めて積極的に支援することを求めており、私も賛同するものでありますが、財政措置の方法にもいろいろある中で、札幌市として具体的にどのような財政措置を求めているのか、伺います。 ◎梅田 財政部長  国に求めていく財政措置の具体的な内容についてのご質問でございます。  現在は、労働関係に特化した交付金制度がないため、多くの施策は市町村が単独で実施したり、あるいは、先ほどお答えした取り組みも地方創生推進交付金事業以外は全て単独で実施しております。この地方創生推進交付金は、事業内容、実施体制、事業手法に関して先駆的な取り組みを要件とするなど、やや高いハードルが課されております。また、手続の上で、事業実施に係る地域再生計画の策定と国の認定が求められることなど、事務的にやや煩雑であるものと認識しております。  そこで、地方が各地域の実情、課題に応じて労働関係の施策に継続的に取り組む上で、十分な予算規模を安定的に確保し、なおかつ、弾力的に運用していけるような交付金制度の創設を求めようとするものでございます。 ◆好井七海 委員  交付金制度について、しっかりと求めていくというご答弁だったと思います。  最後に、要望になりますが、札幌市内の9割以上を占めるのが中小企業ですので、その中小企業が元気になっていただかないと、札幌市民も元気にならないと思います。  我が党では、全国の中小企業を対象にアンケート調査を実施しておりますが、その中で、行政サービスの事業承継税制や資金繰りの支援、税制サポートなどさまざまな制度や相談窓口をご案内し、さまざまな課題を聞いております。その声を聞いていますと、特に国のサービスについては1カ所で済まないとか、手続が煩雑で面倒だとか、そもそも制度自体を知らない企業が多く見られたところであります。やはり、市内の中小企業にとって国は遠い存在であり、地域の実情を把握している地元自治体が市内中小企業の実情を踏まえて取り組んでいくことが重要だと感じられます。  札幌市としても、国と連携しながら、中小企業に対してもっと積極的に制度を周知することなど、本市が地域の実情に応じた施策を展開できるよう、しっかりと国に要請していただくことを要望して、質問を終わります。 ○佐々木みつこ 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○佐々木みつこ 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、平成31年度国家予算等に対する札幌市重点要望事項についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎浦田 まちづくり政策局長  本日は、国の予算、制度の両面にわたりまして、札幌市が抱えている重要な問題について独自に要望を行う平成31年度札幌市重点要望について、その原案をご審議いただきたいと存じます。  今年度につきましては、昨年度に引き続き、札幌市まちづくり戦略ビジョンの三つの重点テーマに沿って項目を重点化しており、九つの大項目のもとに、27の小項目を設ける構成としております。このうち、一つの大項目と三つの小項目につきましては、今回新たに要望するものでございます。  札幌の目指すべき都市像である北海道の未来を創造し、世界が憧れるまち、互いに手を携え、心豊かにつながる共生のまちの実現に向け、委員の皆様方のご協力をいただきながら、関係省庁や地元選出の国会議員に積極的に働きかけてまいりたいと考えております。  内容につきましては、芝井政策企画部長よりご説明いたします。ご審議のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。 ◎芝井 政策企画部長  平成31年度札幌市重点要望(案)についてご説明申し上げます。  それではまず、配付資料を確認させていただきます。  3種類ございまして、資料3、平成30年度札幌市重点要望の要望結果、資料4、平成31年度札幌市重点要望(案)、資料5、省庁別要望項目一覧でございます。  初めに、昨年度の要望結果についてご説明申し上げます。  資料3をごらんいただきたいと思います。  要望結果の主なものといたしまして、表の3番目にあります国道5号(創成川通)の機能強化の早期実現では、2018年度の北海道開発予算において創成川通が計画段階評価を進めるための調査を行う路線として認められました。  次に、5番目の子ども・子育て支援の充実・強化では、2017年12月に閣議決定されました新しい政策パッケージにおきまして、3歳以上の幼児教育・保育の無償化を実施する方針が示されました。  次に、7番目の国土強靱化に向けたまちづくりでは、2017年度普通交付税の算定において道路除排雪経費に係る措置額が増額されました。  要望結果の主な内容につきましては、以上でございます。  委員の皆様方におかれましては、昨年8月1日、2日に、関係省庁などに対して札幌市の現状や国への提言を直接お伝えいただきましたことにより、こうした多くの成果が得られましたことをこの場をおかりして感謝申し上げます。  続きまして、資料の4、平成31年度札幌市重点要望(案)をご説明いたします。  表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんいただきたいと思います。  構成といたしましては、昨年度同様、札幌市まちづくり戦略ビジョンの重点テーマであります産業・活力、暮らし・コミュニティ、低炭素社会・エネルギー転換に分類しておりまして、要望の大項目は全部で九つとしております。  なお、昨年度までの要望におきましては、要望の背景や札幌市の現況を記載したリード文を九つの大項目ごとに設けておりましたが、各項目の背景など関連性があることを踏まえて、今年度からは三つの重点テーマの分野ごとにリード文を作成することに改めております。  それでは、各要望項目の説明をさせていただきます。  まず、1ページをごらんください。  こちらでは、産業・活力分野に係る要望の背景や取り組み内容を整理しております。  札幌市まちづくり戦略ビジョンの都市像である北海道の未来を創造し、世界が憧れるまちの実現に向けて、札幌市では、まちのリニューアルを進める中で、都心の再開発やMICE施設の整備などを進め、まちの魅力の向上を図っております。また、交通面からは、新千歳空港の機能強化や丘珠空港の利活用のほか、北海道新幹線の札幌までの早期開業や都心と高速道路間のアクセス機能強化を図ることで、基幹交通ネットワークの一層の強化を目指してまいります。  こうしたまちづくりの状況を踏まえながら、冬季オリンピック・パラリンピックを招致することにより、都市ブランドをさらに高め、国内外から投資や人材を呼び込み、我が国全体の活力向上にも寄与してまいります。  2ページをごらんください。  大項目の一つ目の北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)の早期完成についてでございます。  1として、新函館北斗・札幌間の早期完成、2として、建設財源の確保及び地方負担に対する財源措置の拡充、3として、青函共用走行区間等における新幹線高速走行の早期実現を要望いたします。  なお、ただいま申し上げました項目のうち、3につきましては、新幹線の経済効果を最大限発揮するために、速度が大きく制限されております青函共用走行区間の走行速度を向上させ、多くの方の利用を促進する必要があるため、今回新たに要望するものでございます。  次に、4ページにある2項目めの国道5号(創成川通)の機能強化の早期実現についてでございます。  1として、道路整備に必要な予算の確保、2として、国による国道5号(創成川通)の計画段階評価の促進を要望いたします。  次に、5ページにある3項目の国際競争力の強化に向けた都市の魅力向上についてでございます。  1として、MICEの誘致支援と国際会議の本市開催、2として、新千歳空港の機能強化の着実な推進、3として、道内航空ネットワークの充実に向けた丘珠空港の利活用の促進、4として、都市機能の充実に向けた都市開発事業などへの支援を要望いたします。  次に、7ページにある4項目めの冬季オリンピック・パラリンピックの招致についてでございます。  1として、冬季オリンピック・パラリンピック招致に係る支援、2として、ナショナルトレーニングセンターの建設、3として、国際大会招致と国際基準に合致した施設整備への支援、4として、交通輸送手段などのバリアフリー化に向けた支援について要望いたします。  なお、ただいま申し上げた項目のうち、4につきましては、まちのリニューアルを進め、冬季オリンピック・パラリンピックを招致する上で必要になる交通輸送手段や民間施設のバリアフリー化を一層進めるための財源措置などの支援について、今回新たに要望するものでございます。  次に、9ページをごらんください。  こちらでは、暮らし・コミュニティ分野にかかわる要望の背景や取り組み内容を整理しております。  もう一つの都市像である互いに手を携え、心豊かにつながる共生のまちの実現に向けて、女性のさまざまな場面における活躍推進に資する保育所等のさらなる整備や保育人材の確保支援に取り組んでおります。また、子どもたちを健やかに育成するために、通院医療費の助成対象の拡大や、小学校高学年を対象とした算数の少人数指導の市内全小学校への展開などの取り組みを進めております。  一方で、政令指定都市への移行時期に建築されました公共施設やインフラの老朽化による更新などの経費の増加が見込まれますほか、生産年齢人口の減少と老年人口の増加が急速に進むことによる社会福祉関連支出の増加が見込まれており、市民生活の安全・安心を確保する観点からも、これらへの対応が急務となってございます。  10ページをごらんください。  5項目めの子ども・子育て支援の充実・強化についてでございます。  1として、子育てに優しい社会の実現に向けた支援、2として、医療的ケア児に対する十分な支援体制の確保、3として、国による子ども医療費助成制度の構築、4として、母子家庭等自立支援給付金事業の拡充を要望いたします。  ただいま申し上げました項目のうち、2につきましては、日常的にたん吸引などの医療的ケアが必要な子どもの保育所などでの受け入れの支援体制を確保するため、今回新たに要望するものでございます。また、3につきましては、昨年度に引き続き要望する内容でありますが、要望事項の明確化を図るために独立して項目化したものでございます。  次に、12ページにある6項目めの多様な教育環境の整備についてでございます。  1として、少人数学級の推進に向けた教職員定数の拡充、2として、公立夜間中学の設置に向けた支援を要望いたします。  次に、13ページにある7項目めの国土強靱化に向けたまちづくりについてでございます。  1として、学校施設整備に係る国庫補助の拡充及び財源の確保、2として、下水道施設老朽化対策に係る国費支援の着実な実施、3として、除排雪経費に係る地方交付税措置の拡充を要望いたします。  次に、16ページにある8項目めの身近な地域課題の解決に向けた財政支援の拡充についてでございます。  こちらの大項目は、今回新たに要望するものでございます。  札幌市では、生産年齢人口の減少とあわせて老年人口の拡大が急速に進むと予想されておりまして、介護保険給付費や生活保護費などの社会福祉関連支出が行政運営上の大きな課題となってまいります。このため、財政の硬直化を防ぐべく、国に財政支援の拡充を求めていく必要があります。また、ことし1月31日に発生した共同住宅火災のように、防火対策が十分に講じられていない福祉施設などについての対策が急務となっております。特に、防火対策としてはスプリンクラーの設置が効果的でありますことから、設置に関する支援制度の継続と対象施設の拡大が必要と考えております。  そこで、1として、急速な人口構造の変化に伴う財政支援の拡充、2として、生活面の支援に伴う施設等の防火対策の拡充を要望してまいります。  18ページをごらんください。  こちらでは、低炭素社会・エネルギー転換分野に係る要望の背景や取り組み内容を整理しております。  札幌市は、2008年に環境首都・札幌を宣言するとともに、2018年3月には第2次札幌市環境基本計画を策定いたしました。この計画では、2050年までに温室効果ガスの排出を80%削減、エネルギーの80%以上を再生可能エネルギーに、化石燃料などの天然資源消費の大幅抑制の3点を達成することを目標としております。これらの目標の達成のため、都心の低炭素化と持続的に発展するまちづくりを進め、暮らしを取り巻く環境や生活の質をより高めながら次世代へ引き継いでまいります。また、北海道の豊富な自然を生かした再生可能エネルギーの地産地消を進めるため、太陽光や水素といった次世代のエネルギー導入を進めてまいります。  19ページをごらんください。  9項目めの環境負荷低減に向けた取り組みの推進についてでございます。  1として、都心の低炭素化に向けたまちづくりへの支援、2として、水素社会の早期実現に向けた支援、3として、アスベスト対策の支援を要望いたします。  参考といたしまして、最後に、資料5でございますが、こちらは各要望項目を省庁別に分類し、整理したものとなってございます。 ○佐々木みつこ 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆中川賢一 委員  私からは、大きく三つの観点で伺ってまいりたいと思います。  まず、オリンピック・パラリンピックの招致に関してでございます。  最近、各種の報道などを通じまして、札幌市がオリパラの招致について2030年を目指すのではないかということや、オリパラに間に合わせるために新幹線開業の前倒しを要望していくようなこともしばしば耳にいたしますし、一方で、先日は機構のほうで2030年は難しいのではないかというような見解を示したというようなこともありまして、いろいろな情報がかなりにぎやかでございます。情勢の変化等もいろいろございますでしょうし、ここは五輪招致の委員会ではございませんので、招致活動についての議論は深入りを避けたいと思います。ただ、ことしの要望書案を拝見しますと、昨年のものと比較してオリパラに関する取り扱いが随分変わっているようでございます。昨年はトップの1項目めに挙げられている項目でございましたが、ことしは4項目めで、ぱっと見でもかなり変わっているのかなというふうに見受けられます。  そこでまず、確認ですが、オリパラに関する要望の変更内容とその背景についてお伺いさせていただきたいと思います ◎芝井 政策企画部長  要望の変更内容とその背景についてお答えいたします。  委員からご指摘のございました要望内容の変化といたしましては、大きく2点挙げられます。  1点目は、昨年度は冒頭の項目でありました冬季オリンピック・パラリンピック招致の項目を4番目にしたことでございます。この背景といたしましては、先ほど要望書案1ページのところでもご説明申し上げましたが、まちのリニューアルを進める中で、都心の再開発やMICE施設の整備を進めるとともに、交通面からも空港、北海道新幹線、都心アクセス道路などの基幹交通ネットワークの一層の強化を目指しておりまして、こうしたまちづくりの状況を踏まえながら、冬季オリンピック・パラリンピックを招致することで、国内外から投資や人材を呼び込んでいくというまちづくり全体の姿を意識した構成としたものでございます。  変更内容の2点目は、7ページにございますが、冬季オリンピック・パラリンピック招致に関する要望において、2026年以降の大会招致の実現と記載したことでございます。この背景といたしましては、ほかの対話ステージ参加都市の情勢のほか、大会と今後のまちづくりとの連動を望む市民や経済界の意向を踏まえ、2030年の招致も視野に入れて、日本オリンピック委員会、いわゆるJOCなどの関係団体と協議を行っている状況でありまして、こうした記載としたところでございます。 ◆中川賢一 委員  要望の変更内容について概要をご説明いただきました。
     この件に関しては、いろいろとデリケートな背景や動きもあって、構成や文言にもかなり苦労されたのではないかということは想像がつくところでございます。  ただ、この要望は、市長もそうですし、我々市議会としても国に対して直接行っていくものでございますので、2030年の大会招致を目指すようになるなど方向性に大きな動きがある場合には、やはり、市議会との議論をしっかりなされた上でないと、責任ある要望活動をなし得ないのではないかと思っております。  そこで、もう一つお伺いしますが、市長や議会から国に要望する以上、議会ともしっかりとコンセンサスのとれた内容で確定していくべきと考えますけれども、実際の要望までのスケジュールの中でどのような対応を想定しておられるのか、お伺いしたいと思います。 ◎芝井 政策企画部長  実際の要望までどのような対応を想定しているのかについてお答えいたします。  本日の委員会でのご審議を受けまして、必要な検討を行った後、改めて、7月2日に予定されている当委員会においてご審議いただくことを想定しております。その後、市議会の皆様とともに国に対して要望活動を行ってまいりたいと考えております。  また、冬季オリンピック・パラリンピックの招致につきましては、これまで、冬季五輪招致・スポーツ振興調査特別委員会でご審議いただいておりまして、今後も同委員会を中心にしてご審議いただくものと認識しております。  今後も、冬季オリンピック・パラリンピックの招致内容や国への要望内容につきまして、適時適切に議会の皆様方に説明を行っていく考えでございます。 ◆中川賢一 委員  これから、7月2日にもう一度審議するというお話がございました。この要望書の確定まで状況の変化や進展がいろいろあるのかもしれませんが、やはり、関係者が一丸となった効果的な要望活動としていくためにも、今後とも議会との合意形成も丁寧に行っていただきたいということを求めておきたいと思います。  続きまして、二つ目の点でございますが、札幌市の重点要望の構成に関して質問させていただきたいと思います。  市の重点要望は、毎年、次年度の国家予算の概算要求時期に合わせて、市として、今後のまちづくりに必要不可欠な事柄をピックアップして、各省庁や国会議員に対して要望を行うものでありまして、いわば札幌市として最重点の施策を反映したものであるというふうに認識しております。  また、先ほどご説明がありました昨年度の要望結果としましては、一例として除排雪に関する交付税措置が増額されるということで、一定の要望成果があったというふうにえております。  ただ、今回の重点要望でございますが、これは、まちづくり戦略ビジョンを実現していくための手段という色彩を前面に出して、暮らし・コミュニティ、産業・活力、低炭素社会・エネルギー転換というビジョンで定める三つのテーマごとに要望項目を整理しておられるようでございます。ただ、個別、具体の要望項目を拝見しますと、多少、項目がばらばらに配されていて、それぞれの内容や全体の体系が戦略的または効果的にリンクしていないのではないかというふうに見受けられる部分もございます。国への要望でございますので、例えば、インフラ整備等の項目が主体となっておりますが、こういったインフラというものは、本来、相互に密接に関連しているはずでございまして、その上でまちづくりの方向性や戦略ビジョンの目指す姿を実現していく必要があるのではないかと考えます。  そこで、お伺いしたいと思いますが、まちづくり戦略ビジョンに掲げるまちづくりの方向性と今回の札幌市重点要望との関係はどのようなものと考えておられるのか、その点をお伺いしたいと思います。 ◎芝井 政策企画部長  まちづくり戦略ビジョンと重点要望の関係についてお答えしたいと思います。  まちづくり戦略ビジョンは、札幌市のまちづくりの基本的な指針でありまして、目指すべき都市像を示しているものでございます。その上で、ビジョンを効果的に推進していく観点から、暮らし・コミュニティ、産業・活力、低炭素社会・エネルギー転換の三つのテーマを設定しておりまして、それぞれのテーマごとに具体的な取り組みを進めているところでございます。  札幌市重点要望は、こうしたまちづくり戦略ビジョンに沿った取り組みを進める上で、国による予算や制度面からの支援が必要な事項を取りまとめているものであると考えております。 ◆中川賢一 委員  ビジョンに沿って取りまとめるというのは、作業的にはある意味で当然かなと思いますけれども、さりとて、相手がいることでございますので、この点が強く伝わらなくてはなかなか効果が出ないのかなと懸念いたします。  私も、昨年度、この要望の議員団として省庁への要望に参りましたが、その際、国交省などから、個別の中に入っていきますと、この要望からは、当事者である札幌自身がまちづくりやそれぞれのプロジェクトをどうしたいのかという具体的な姿がなかなか強く伝わってこないという指摘も受けました。やはり、相手に要望をしっかり伝えていくためには、まずは当事者である札幌市がまちづくりの全体像を明確に持って、それに関連する個々のプロジェクトのあるべき姿を明確に想定した上で要望内容を具体化していく、そうやって要望内容を体系的に位置づけていくことも必要ではないかというふうに考えるところでございます。  そこで、もう一つ伺いますが、要望の効果を最大限に発揮するという観点から、今年度はどのような点で改善を行ったのか、お伺いしたいと思います。 ◎芝井 政策企画部長  要望効果を高めるために行った改善点についてお答えいたします。  昨年度までは、九つの大項目ごとにその趣旨などを説明する形式をとっていたところでございますが、この場合、各要望項目の必要性を細かく説明することができる一方で、項目ごとの関連性がわかりづらい側面もあったかと考えます。  こうしたことから、各要望項目の実現によりまして、どのような成果を札幌のまちづくり全体にもたらすことになるのかをイメージしやすくできるように、要望の構成を見直したところでございます。具体的には、今年度の要望におきましては、産業・活力、暮らし・コミュニティ、低炭素社会・エネルギー転換の大くくりの分野ごとに説明文を付することといたしました。さらに、その説明文中にまちづくり戦略ビジョンの目指すべき都市像などのまちづくりの目標を示した上で、分野内の各要望項目の関連性を重視しつつ、背景や必要性などを記述する形に変更したところでございます。 ◆中川賢一 委員  構成にもなかなかご苦労されていることだろうと思います。例えば、要望項目の一つ目の新幹線の部分と二つ目の創成川通の部分を見ましても、これらは言うまでもなく密接に関連しております。さらには、先般、新幹線の駅ホームが大東と言われる案で動き出したところでございまして、創成川通の形状や構造、機能のあり方にも当然大きな影響を及ぼすと思います。こういったところは、やはり、実際の地元としての変化、そして、あるべきまちの姿をしっかりと国に示していきながら個別の要望項目を推し進めていくことが必要だと思いますので、謙虚さみたいなものも求められますけれども、札幌としてはどうしたいのかというところをできる限り伝えていっていただきたいと指摘しておきたいと思います。  最後に、要望書案全体のバランスについてお伺いしたいと思います。  この要望書案は、先ほども触れましたように、まちづくり戦略ビジョンの中で掲げられている産業・活力、暮らし・コミュニティ、低炭素社会・エネルギー転換の三つの分野をベースに九つの大項目に分類されております。ビジョンの構成にのっとって取りまとめているのは結構ですが、ただ、この三つの分野の内容を見ますと、低炭素社会・エネルギー転換の分野の要望は、大項目がたったの一つ、小項目も三つにとどまっておりまして、他の二つの分野と比べてちょっと見劣りするなという感じが否めません。  小項目が三つございますが、三つ目のアスベスト対策を見ますと、低炭素社会・エネルギー転換の取り組みと本当に言えるのか、むしろ、暮らし・コミュニティの項目としたほうがふさわしいのではないかという気もいたします。そういったところはおいておきましても、やはり、この分野の要望が少ないことは否めないのではないかと思います。  そこで、低炭素社会・エネルギー転換分野の要望項目が少なくなっている理由についてお伺いしたいと思います。 ◎芝井 政策企画部長  低炭素社会・エネルギー転換分野につきまして、要望内容が少なくなっている理由についてお答えします。  まちづくり戦略ビジョンの策定に伴いまして、平成26年度の重点要望から現在の三つの分野に項目を分類する構成としておりまして、低炭素社会・エネルギー転換の分野は、昨年度までは二つの大項目と四つから六つ程度の小項目で構成しておりました。今回、項目数が減少した理由といたしましては、先ほどの資料3の要望結果のところにもありましたが、北本連系線の増強が決定したことや、スプレー缶にかかわる札幌市独自の収集が本格実施されたことのほか、再生可能エネルギーの促進に関する要望を水素社会の早期実現の項目内に統合したことによるものでございます。項目数は減っているものの、低炭素社会・エネルギー転換に係る取り組みを進めていく上で必要となる要望は盛り込んでいると考えているところでございます。 ◆中川賢一 委員  昨年の要望から減少した理由として、一定程度のいろいろな進展があったというようなご説明でございました。  確認ですが、それは、すなわち、低炭素社会・エネルギー転換の分野における札幌市の取り組みが順調に進んでいるという理解でよろしいのでしょうか。 ◎芝井 政策企画部長  低炭素社会・エネルギー転換分野の札幌市の取り組みが順調に進んでいるかというご質問でありました。  地方公共団体の事務事業やまちづくりは、国の一定の関与や支援により進めているものや、一方で、地方の実情に応じて独自に進めているものがある状況でございます。したがいまして、国への要望が多いあるいは少ないことが、直ちに施策などの進捗度合いをはかるものとはならないと考えております。  また、まちづくり戦略ビジョンを具現化するアクションプラン2015に位置づけたこの分野の関連事業につきましては、おおむね順調に進んでいると考えております。 ◆中川賢一 委員  今回は国への要望でございまして、そのほかに地域として独自にやっているものもあるので、要望の多少で一概には見られない、また、アクションプランの中でこの分野に関しても進めているというようなお答えだったと思います。  私は、ことしの1定の代表質問におきまして、環境首都の姿と実現に向けた具体的戦略についてお尋ねいたしまして、その際、吉岡副市長から、第2次環境基本計画に基づいて、低炭素社会、循環型社会などの実現に向けて取り組んでいくというような答弁をいただいておりまして、特に、今回の要望書案にも記載されております省エネルギー性能の高い建物の普及や水素の利活用も含めた再生エネルギーの導入促進に積極的に取り組むということでございました。  しかしながら、札幌市の平成30年度の予算の概要を見て、まちづくり戦略ビジョンに掲げるほかの二つの分野である産業・活力、暮らし・コミュニティについては、これらに関する施策がそれぞれ十数ページあって、かなりしっかりと記載されていたと思います。しかし一方、低炭素社会・エネルギー転換の分野はわずか4ページしかなくて、私は、随分と寂しいなという率直な印象を受けたところでございます。  こういったことが象徴しておりますように、札幌市が環境首都を目指すと言う割には、そもそもこの分野で行っている施策が十分ではないのではないかという問題意識を持っておりまして、そういったことが国への要望の数としてもあらわれているのでなければいいなと懸念するところでございます。  そこで、もう一つお伺いしますが、要望全体の構成として、まちづくり戦略ビジョンに掲げる三つの分野で整理することが、見た目ではバランスを欠いていないかというところについてお伺いしたいと思います。 ◎芝井 政策企画部長  まちづくり戦略ビジョンの3分野での整理はバランスを欠くのではないかというご質問でありました。  重点要望項目といたしまして、産業・活力、暮らし・コミュニティの分野は大項目で四つございますが、低炭素社会・エネルギー転換は1項目となっており、要望項目は少ない状況でございます。  重点要望の構成を札幌市まちづくり戦略ビジョンの柱に沿って整理することは、札幌市のまちづくりの全体像と要望の関係をわかりやすく理解していただく観点から有効と考えます。その一方で、重点要望全体として、要望分野の間である程度バランスがとれることがそれぞれの分野の訴求力を高めるとも考えられますので、今後とも要望項目の選定に当たって念頭に置いていきたいと考えております。 ◆中川賢一 委員  必ずしも、要望の数が多ければいい、バランスがとれていればいいというわけではないと思いますが、やはり、他の2分野と同様に意欲的な施策を積極的に多く打ち出していけば、国に要望すべきことも自然に出てくるのではないかと考えます。そういった意味では、次期のアクションプランの策定に向けて、低炭素社会・エネルギー転換の分野におきましても、より戦略ビジョンの柱にふわさしいだけの意欲的な方向性や施策をどんどん打ち出していくべきでありまして、今からそのための研究や構想をスタートさせていかなくてはならないということを指摘させていただきたいと思います。  また、まちづくり戦略ビジョンにつきましても、計画期間は平成34年度までとなっておりますが、今後の改定につながっていくような検討、実行、検証が不可欠であるというふうに考えますので、この点もしっかりと踏まえながら今回の要望内容も検証していくべきであるということをあわせて申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ◆松原淳二 委員  私からも、札幌市重点要望案の中から質問させていただきたいと思います。  まずは、大項目の1項目めの北海道新幹線新函館北斗−札幌間の早期完成についてと、9項目めの環境負荷低減に向けた取り組みの推進について、大きく2点質問させていただきたいと思います。  まず、1項めの北海道新幹線の早期完成について伺います。  2030年度末に予定されている北海道新幹線の新函館北斗−札幌間の開業は、交通手段としての利便性の提供だけではなく、北海道と関東・東北圏との交流促進などを通じ、人口減少による消費活動の停滞が予想される道内経済の活性化にも資するものと考えます。こうした効果の一方で、整備新幹線の建設に当たっては多額の工事費が必要であり、50%の交付税措置はあるものの、建設費の3分の1は地方が負担することとなっています。  北海道新幹線の新函館北斗−札幌間については、2012年6月に工事実施計画が認可され、同年8月に起工式、そして、それからこれまで鋭意工事が進められてきたところであります。2015年1月には、当初予定されていた開業を5年前倒して、2030年度末開業を目指すこととされてまいりました。これまでも、機会を捉え、総合交通調査特別委員会でも報告や議論が行われてきているところではございますが、先日来、掘削処理残土の処理地などの影響もあり、トンネル掘削工事がおくれている旨の報道がなされているなど、心配の声も広がって聞こえてきています。  そこで、質問ですが、北海道経済のあすを担う北海道新幹線について、現在の工事の進捗はどのようなものとなっているのか、今後の見込みもあわせてお伺いいたします。 ◎芝井 政策企画部長  北海道新幹線工事の進捗状況と今後の見込みについてお答えいたします。  北海道新幹線新函館北斗−札幌間につきましては、総延長約211キロメートルのうち、トンネル部分の工事が先行して進められておりまして、平成30年6月1日現在の契約済み延長は総延長の約60%に当たる128キロメートルとなってございます。札幌市内における工事は、札幌駅とその前後の高架橋のほか、トンネルが3工区ありまして、このうち富丘工区と星置工区につきましては、入札公告がなされ、富丘工区については4月に入札が行われたところでございます。今後は、札幌市内でもトンネル掘削工事が始まるほか、新幹線札幌駅についても、鉄道・運輸機構から委託を受けたJR北海道が基本設計を行い、夏ころまでに鉄道・運輸機構が国から工事実施計画の変更認可を受ける予定となってございます。 ◆松原淳二 委員  今ほど、契約の状況などを確認させていただきました。また、これまで、長らく協議が続いていた新幹線札幌駅のホーム位置も大東案で決着したところでございます。新幹線開業を見据えて札幌駅周辺のまちづくり計画も策定される予定となっており、新幹線札幌開業は札幌市に大きな変化をもたらす一大事業と考えております。  また、先ほどの質疑で少しありましたが、冬季オリンピック・パラリンピック招致時期などの報道も相まって、冬季オリンピック・パラリンピックの招致時期の変更と新幹線開業の前倒しを連動させるべきとの声も聞こえてきて、早期完成や前倒しの期待が高まるのではという地域の声も広がってきている状況です。  しかしながら、前倒しと簡単に言っても、既に5年の前倒しをして、今後のさらなる前倒し、早期完成については、必要となる財源の確保も課題となると想定しています。また、先ほどもお話ししていたように、新幹線の開業にかかわる建設費の3分の1は地方負担でありますが、これは、札幌市だけではなく、当然、北海道並びに沿線の自治体も同じことであります。やはり、前倒しと簡単に言っても、財源の確保は課題となってくると思います。  そこで、質問ですが、新幹線開業の前倒しを想定する場合、費用負担に関してどのような課題が生じると考えているのか、お伺いいたします。 ◎芝井 政策企画部長  前倒しを想定した場合の費用負担の課題についてお答えいたします。  現在、オリンピック・パラリンピックの招致時期につきまして、JOCを初めとした関係団体と協議中でありまして、新幹線開業を前倒しすることについて正式に要望はしておりません。したがいまして、国や鉄道・運輸機構において、それを前提とした工期の短縮や工事費の増減について検討はされていない状況でございます。工事費の変動は、自治体の負担額にも影響することから、要望を行う場合には、北海道や沿線自治体ともしっかり協議、調整を行う必要があると考えているところでございます。 ◆松原淳二 委員  やはり、沿線自治体、特に北海道とはしっかり連携しなければいけないと思います。早期完成はもちろんでございますが、そういった連携も十分視野に入れながら取り組みを進めていただきたいと思います。  新函館北斗−札幌間の工事に当たっては、建設発生土の受け入れ地の確保や、札幌駅における在来線との乗り継ぎ利便性、わかりやすい周辺の動線確保など、さまざまな課題が残されております。また、新幹線は、札幌市だけのものではなく、北海道全体の新しいインフラとなるものと考えます。先ほども申しましたが、沿線自治体でも、自分たちの視点で新幹線を生かし、新しいまちづくりを検討していることと思いますので、前倒しも含めて、新幹線の建設推進に当たっては、沿線自治体など関係者の声もしっかりと踏まえていただくよう求めておきたいと思います。  次に、9項目めの環境負荷低減に向けた取り組みの推進についてお伺いいたします。  昨年、ドイツのミュンヘンを視察した我が会派の議員からは、ミュンヘン市の環境施策に大きな感銘を受け、中でも、高断熱・高気密住宅の普及に向けた取り組みは、同じ北方圏の札幌市として大いに参考になるとの報告を受けてきたところです。我が会派では、これまでも、高断熱・高気密住宅の普及を図る札幌版次世代住宅補助制度について、2012年度の制度創設時から機会を捉えて提言してきたところであり、昨年の決算特別委員会の中では、より多くの方が補助を受けられる運用に見直し、普及に努めている旨の答弁があったところです。  また、本年3月に策定した第2次札幌市環境基本計画においては、住宅建築物の高断熱・高気密化により省エネルギー対策を推進するとしております。このように、環境負荷低減に向けた取り組みの推進に向けては、高断熱・高気密住宅の普及促進は重要な取り組みの一つと考えます。  そこで、質問ですが、高断熱・高気密住宅の普及は低炭素社会の実現に向けた環境負荷低減の取り組みに資するところですけれども、高断熱・高気密住宅の普及に向けた札幌市の取り組み状況と国の支援の状況についてお伺いいたします。 ◎芝井 政策企画部長  高断熱・高気密住宅の普及に向けた札幌市の取り組み状況と国の支援策についてお答え申し上げます。  札幌市における高断熱・高気密住宅の普及に向けては、札幌版次世代住宅補助制度によりまして、住宅の性能が基準に適合するものを札幌版次世代住宅と認定し、条件を満たした住宅に対して建築費の一部を補助しておりまして、2012年の制度創設から昨年度までで583件の支給実績がございます。この補助には、社会資本整備総合交付金を活用しておりまして、事業費の50%が国費によって賄われているところでございます。設計事務所などを対象にした事業者アンケートでは、札幌市内で新築した戸建て住宅のうち、この札幌版次世代住宅基準のベーシックレベルを満たす住宅は、補助を開始した2012年度の約19%から2016年度には約54%まで上がっていることなどから、高断熱・高気密住宅の普及が進んできたものと認識しておりまして、引き続き取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆松原淳二 委員  今、583件ということで、引き続き行っていただきたいと思いますし、建築費に対する補助の50%を交付金で賄っていて、国からの一定の支援策もあるということでございます。一方で、高断熱・高気密住宅のさらなる普及推進に向けては、補助制度だけではなく、高効率化や低価格化など技術開発といった点も重要になると考えます。普及促進に向けた検討、そして、国に対して必要な要望も含めて、引き続き検討していただくことを求めておきたいと思います。  次に、大項目の9項目めのうち、小項目の1項目めの都心の低炭素化に向けたまちづくりへの支援について伺います。  本年3月に策定された都心エネルギーマスタープランでは、環境やエネルギーに関する先進的な取り組みを組み込んだまちづくりを進め、世界に発信、交流することによってまちの魅力や活力を高めていくことを札幌市の都心の将来像としております。この基本方針として、低炭素、強靱、快適・健康を定め、札幌の顔である都心部において世界トップレベルの先進的な取り組みを展開することにより、まちの価値や魅力をより一層高め、都市全体としての環境、経済、社会それぞれの側面において調和のとれた持続可能な発展へと導くものとしております。  今回の要望書案では、この基本方針の一つの低炭素の取り組みで掲げられているビル建てかえ時の省エネルギー化、コージェネレーション導入、熱導管整備といった都心のエネルギーの面的利用など、都心の低炭素化に向けたまちづくりへの支援を求めております。  そこで、質問ですが、この要望で言う都心の低炭素化に向けたまちづくりとは、具体的にどのような取り組みが展開されるまちの姿を言うのか、また、その姿を目指すに当たって、どのような国の支援が必要であると考えているのかについてお伺いいたします。 ◎芝井 政策企画部長  都心の低炭素化に向けたまちづくりへの支援についてお答え申し上げます。  都心部では、ことし3月に策定しました都心エネルギーマスタープランなどに基づいて、世界から注目と信頼を集める低炭素で持続可能なスマートシティづくりを目指しております。具体的には、2050年のCO2排出量について、80%削減するという目標の達成に向けて、今後の都心部の建物の建てかえに合わせて、建物の省エネルギー化、エネルギーの面的利用、再生可能エネルギー利用を最適な形で組み合わせて推進していくこととしております。これらの取り組みのうち、特に建物の高断熱化や省エネ、再エネ設備の導入、エネルギーの面的利用に向けた熱導管の整備やコージェネレーションの導入などに関して、補助金などの国の支援が必要であるというふうに考えております。 ◆松原淳二 委員  やはり、目指すべき姿と国の支援の必要性をよりわかりやすく説明することが求められていると思います。有益な要望結果を得ていくためにも、今後、国に対して要望を行っていくに当たっては、こういった目指すべき姿をしっかり伝えながら、どのようなまちをつくるために、どのような支援が必要なのか、この点についてもしっかり留意することを求めておきたいと思います。国の施策を通じながらも、こういった取り組みが札幌市のまちづくりに展開できるようしっかりと留意していただくことを求めて、私からの質問とさせていただきます。 ◆好井七海 委員  私からも、重点要望の中から3点伺います。  一つ目は、交通輸送手段のバリアフリー化に向けた支援についてであります。  昨年3月に、札幌市では初めてとなります障がい者スキーの国際大会であるIPC、ノルディックスキーワールドカップ札幌大会において、クロスカントリースキーとバイアスロンの2種目が開催されました。大会では、一人でも多くの方に競技を観戦してもらうため、地下鉄真駒内駅から車椅子対応の低床シャトルバスを無料で運行したほか、雪が降り積もった屋外という車椅子での移動が困難な会場に木の板とゴムマットを敷いて通路を設けるなど、障がいのある方にも競技を観戦しやすい環境を整える工夫が各所にあり、目を引きました。  我が会派としては、障がいの有無にかかわらず、誰もが互いにつながり、支え合う共生社会の実現を目指し、かねてから、パラリンピックの招致はもとより、障がい者スポーツの振興を訴えてきたところであり、この大会における取り組みを大きく評価しております。  冬季オリンピック・パラリンピックの招致を目指すまちとして、障がい者スポーツの振興のほか、移動手段や旅客施設のバリアフリー化の取り組みを進めることは、より重要となってまいります。  そこで、今回の重点要望では、旅客施設のバリアフリー化や、ノンステップバス、UD、ユニバーサルデザインタクシーの普及に向けた要望を行っておりますが、まず、札幌市の旅客施設におけるバリアフリー化について、これまでの取り組み状況を伺います。 ◎芝井 政策企画部長  旅客施設におけるバリアフリー化のこれまでの取り組み状況についてお答え申し上げます。  旅客施設のうち、地下鉄駅につきましては、平成23年度までに全駅で最低1経路の段差解消や多機能トイレ設置などの法定の整備を終えておりまして、現在は、エレベーター増設など、さらなるバリアフリー化の取り組みを進めているところでございます。また、JR駅やバスターミナルにつきましては、平成14年度から国と協調して整備費の3分の1の補助を実施してきており、現在、JR駅の約8割、バスターミナルの約5割の施設においてバリアフリー化が完了しているところでございます。このほか、駅周辺の歩道や駅前広場、駅に接続する自由通路などにおいて、あわせてバリアフリー化を進めてきている状況でございます。 ◆好井七海 委員  地下鉄駅は全駅、JR駅は8割、バスターミナルは5割ということで、これからのところもありますが、大分整備が終わっているというご答弁だったと思います。  しかし、交通体系全体を考えると、旅客施設だけではなく、車両のバリアフリー化を進めることも移動手段の確保にとって非常に重要と考えます。車両のバリアフリー化については、バス事業者はもちろんですが、タクシー事業者の協力も不可欠になると思います。  そこで、質問ですが、ノンステップバス及びユニバーサルデザインタクシーについての札幌市の支援制度の内容について伺います。 ◎芝井 政策企画部長  ノンステップバス及びユニバーサルデザインタクシーへの支援制度の内容についてお答え申し上げます。  ノンステップバス及びユニバーサルデザインタクシーは、高齢者や障がい者、妊産婦を含めて、誰もが安全かつ円滑に乗降しやすい車両でありまして、札幌市においても、交通面のバリアフリー化及び利便性向上などを図るため、その導入を促しているところでございます。ノンステップバスにつきましては、平成10年度から国と協調して導入を促進するための補助金として1台当たり70万円の補助を実施しており、また、ユニバーサルデザインタクシーにつきましては、平成29年度から1台当たり30万円の補助を開始しております。 ◆好井七海 委員  バス、タクシー事業者に対して補助をされていることが確認できました。  これらの施設や道路、車両などのバリアフリー化に向けては、札幌市の積極的な取り組みが必要ですが、国の支援も重要となってくると思います。  そこで、質問ですが、札幌市として、交通輸送手段等のバリアフリー化を推進していくために、国に対してどのような支援を求めていくのか、伺います。 ◎芝井 政策企画部長  国に対して求める支援内容につきましてお答えいたします。  交通事業者における旅客施設や車両のバリアフリー化への意欲は高まっているところでございます。冬季オリンピック・パラリンピックの招致に当たって、札幌市としてこれまで以上にバリアフリー化を推進していくためには、予算規模の拡充や確実な財政措置などの国の支援が不可欠であり、今回要望を行うものでございます。今後とも、誰もが安心して暮らせるまちづくりを目指して、交通事業者などと連携を図りながらバリアフリー化を推進してまいりたいと考えております。 ◆好井七海 委員  しっかりと進めていただきたいと思いますし、今回、新たにバリアフリー化の支援について要望項目としているのは、意義が大きいものと考えます。  要望ですが、札幌市は、雪国ということもあり、車椅子や点字ブロックなど障がい者にとって困難なところがあります。このようなところも含め、障がいの有無にかかわらず、札幌市民が実感でき、誰もが互いにつながり、支え合う共生社会の実現を目指す観点から、札幌市における取り組みの一層の強化を要望するとともに、我が会派としても、国に対する働きかけを強めてまいります。  二つ目は、医療的ケア児に対する十分な支援体制の確保についてであります。  平成28年6月の児童福祉法改正により、人工呼吸器の装着や経管栄養、喀たんの吸引など生活的な支援が日常的に必要なお子さん、いわゆる医療的ケア児への支援が法制化され、自治体へも適切な支援を課したところであります。埼玉医科大学が行った研究によると、医療的ケアを必要とする子どもは全国に約1万7,000人おります。その親たちは、周囲の理解が進まず、苦悩と不安な日々を送っているとも聞いております。札幌市においても、医療的ケアを必要とする子どもは250人から300人程度に上ると聞いており、年々増加しております。  そこで、質問ですが、今回の要望に上がっている札幌市における医療的ケア児の保育の利用状況はどのようになっているのか、また、国の支援をどのように改善すべきと要望するのか、お伺いいたします。 ◎芝井 政策企画部長  医療的ケア児の保育の利用状況と国への要望内容についてお答えいたします。  現在、札幌市内の保育所などでは、4人の医療的ケア児が保育を受けていると把握しております。保育所などの配置基準では、看護師などの配置は義務づけられていないため、独自に看護師などを雇用している施設を除いて、保護者が医療的ケアを行っている状況でございます。国におきましては、昨年度から、自治体において看護師などを雇い上げた際の費用を補助して、医療的ケア児を受け入れる保育所等に必要に応じて看護師などを派遣するモデル事業が実施されておりますが、1市当たりの単価が365万円と限定的であることなどから、全ての医療的ケア児を受け入れるためには、このモデル事業にとどまらず、恒常的に実施できるような財政措置が必要であり、要望を行うものでございます。 ◆好井七海 委員  4人の医療的ケア児の受け入れはあるものの、札幌市においても、看護師のいない保育所などでは保護者が医療的ケアを行っているとのことでした。医療的ケア児が地域において保育サービスを利用できるよう早急に仕組みを整える必要があると考えますし、そのために、保育を必要とする医療的ケア児が保育所などを利用できるよう国のさらなる支援が必要と感じたところであります。
     続いて、障がい児通所支援について伺います。  このたび、平成30年4月の障がい児通所支援事業所の報酬改定において、通常の人員配置に加えて、看護職員を加配した場合の報酬上の加算が創設されるなど、医療的ケア児に対する支援の充実が図られているところですが、今回の要望においては、この加算条件が限られるなど不十分な部分があるとして、医療的ケア児の受け入れに対する報酬の引き上げや加算のさらなる充実を要望するものとなっております。  そこで、医療的ケア児の受け入れを促進するに当たり、障がい児通所支援事業所の看護職員加配加算についてどのような点が不十分と考えて要望するのか、具体的に伺います。 ◎芝井 政策企画部長  看護職員加配加算の不十分な点についてお答えいたします。  障がい児通所支援事業所における看護職員加配加算は、通常の人員配置に加えて、看護職員を常勤換算で1人以上を配置して、年間平均で1日1人以上の医療的ケア児の受け入れ実績があることが最低限の要件となっております。そのため、体調不良で毎日通所できない医療的ケア児が多い事業所は加算の要件に該当しない場合があるほか、報酬単価が低いために、看護職員の人件費について事業所の持ち出しが発生する可能性もあると考えられるところでございます。  こうした不十分な点を踏まえて、より多くの事業所において医療的ケア児の受け入れが可能となるよう、医療的ケア児に対するさらなる報酬上の加算の拡充などを国に要望するものでございます。 ◆好井七海 委員  報酬の加算が必要だということだと思うのですが、医療的ケア児は、我が党が一貫して推進してまいりました。そして、我が党の提言を反映する形で初めて改正児童福祉法に位置づけたもので、我が会派としても重要視しておりますので、さらに推進してまいります。ケアの必要性の軽重はさまざまあり、きめ細かい支援体制の確立が求められるところでありますが、これからも保護者の精神的負担、肉体的負担を軽減するために、札幌市の取り組みをさらに進めていただくことを要望して、次の質問に移ります。  3点目ですが、生活面の支援を伴う施設の防火対策についてであります。  高齢者や生活困窮者が入居する施設には、生活面での支援が特に必要のない方から、単身での生活が難しく、何らかの支援を要する方まで、さまざまな方が入居しているケースが多くなっていますが、築年数が50年を超えるような物件も多く、防火対策が不十分なケースも散見されます。本年1月31日に東区の共同住宅「そしあるハイム」で発生した火災は、防火対策が十分ではなかったこともあり、不幸にも多くの方が亡くなられるという悲しい結果になりました。  札幌市重点要望において、この火災事故も踏まえ、生活面の支援を行う施設の防火対策が取り上げられましたが、我が会派としても、これまで、厚生委員会などで、防火対策制度の継続に向けて、機を捉え、国に要望してきたところです。事前にお聞きしたところでは、今回の要望は、制度の継続とあわせて、補助対象となる施設の面積制限を緩和するものとのことであります。  そこで、質問ですが、今回の補助要件緩和の趣旨及び想定している市内の有料老人ホームの状況についてお伺いいたします。 ◎芝井 政策企画部長  補助要件緩和の趣旨と市内有料老人ホームの状況についてお答えいたします。  生活面の支援を必要とする高齢者が入居する有料老人ホームは、規模にかかわらず、その施設の性質から、防火対策に有効なスプリンクラーの設置が望まれるところでございます。一方で、現在、スプリンクラーの設置に関する補助対象となっております有料老人ホームは、床面積が1,000平米未満に限られていることから、今回の重点要望は、この面積制限の緩和、すなわち1,000平米以上の施設も対象にすることを求めるものでございます。  なお、平成30年3月時点で、市内の有料老人ホームは415施設ありまして、そのうち、スプリンクラーの設置義務がなく、実際に未設置である施設は153施設ございました。さらに、そのうち、現行制度で補助対象となっていない1,000平米以上のものは58施設と把握しているところございます。 ◆好井七海 委員  最後に、要望ですが、床面積の大きな施設は入居者が多い状況にあると思います。その一方で、防火対策を推進する場合、規模が大きい分だけ相当な費用が必要になってくると考えます。病気や体力の衰えから生活面の支援を要する方々が安心して暮らしていくためには、受け入れ先となる各種の施設が必要であり、その施設は、規模の大小にかかわらず、安全が確保されていることが求められます。  今後、老年人口の拡大が一層進む中、防火対策を含め、安全な環境が整った施設を市内に確保していくことは、民間のみの力で進むものではなく、国や市がしっかりと取り組んでいかなければならない課題だと思います。本年1月に発生した「そしあるハイム」の火災で得られたさまざまな教訓を今後の環境整備に生かしていただくことを強く要望して、全ての質問を終わります。 ◆坂本きょう子 委員  私は、5ページに記載されておりますMICEの誘致支援にかかわって、簡潔に質問したいと思います。  2016年の外国人旅行者数は、直近の数字で2,403万人となり、過去最高を更新したほか、2015年には45年ぶりに外国人旅行者数が出国する日本人数を上回るという数字が出ております。こうした背景には、中国等の東アジアのほか、もちろん東南アジアからの旅行者数の伸びがありますが、観光目的はもちろんのこと、大規模な国際会議の誘致の結果として日本国内における会議開催数が増加していることがあると考えられます。国際会議等のMICEについては、会議開催、宿泊、飲食、観光等、経済消費活動の裾野が広く、また、滞在期間が比較的長い傾向があることから、大きな経済効果が期待できるとされております。こうした中、札幌MICE総合戦略を定め、これまでMICEの誘致に取り組んできたというのが本市の姿勢だと思います。  そこでまず、これまでのMICE誘致に係る本市の取り組み内容について、また、これからの課題についてどういうふうに認識しているのか、伺いたいと思います。 ◎芝井 政策企画部長  これまでのMICE誘致の取り組み内容と今後の課題についてお答え申し上げます。  札幌市では、観光消費の拡大と付加価値の向上をまちづくり戦略ビジョンに掲げる主な取り組みの一つに位置づけておりまして、MICE誘致につきましても札幌MICE総合戦略を策定して取り組みを進めてきたところでございます。具体的には、学術系の大・中規模会議のほか、インセンティブツアーや政府系国際会議などを重点誘致ターゲットに据え、開催経費の一部助成や海外見本市への出展などによって誘致を図ってきたところでございます。今後は、誘致の取り組みを拡充しつつ、大規模会議の受け皿となる新MICE施設の整備も進めていくこととしております。  一方で、国内外のMICE誘致にかかわる都市間競争の激化や、誘致を効果的に行うための大学と連携したプロモーション強化などが課題となっているものと考えております。 ◆坂本きょう子 委員  消費拡大、あるいは、付加価値をつけながら誘致に取り組んできたというお話だったと思います。  観光庁がことしに3月に発表したMICEの経済波及効果算出等事業報告というのがありますが、これによりますと、2016年に日本国内で開催された国際会議による経済波及効果が6,788億円と推計されており、さらには、雇用創出効果も約6万3,000人、これに伴う税収効果が525億円となっています。こういう推計からも、改めて国際会議等のMICE開催には大きな意味があることが明らかだと思います。  これから施設整備を行って、都市間競争に勝ち抜き、大学間でのさまざまな取り組みも進めていくということでありましたが、国際会議統計の基準というものがあって、これに基づく日本国内での開催件数は、2011年に1,892件あったものが、2016年には3,121件と増加しており、やはり、会議の需要の高まりがあるのだろうというふうに思っています。しかし、札幌市の統計では、本市における2016年のMICE、国際会議の開催件数は115件となっています。東京では574件、同じ政令指定都市である福岡が383件となっていまして、大きく水をあけられて8位になっております。  そこで、今回の本市の重点要望では、整備計画が策定された新MICE施設への支援とあわせて、大規模な政府系国際会議の誘致に取り組むため、国に配慮を求めるということが文章化されて掲載されておりますが、本市が誘致を目指している大規模な政府系国際会議はどのような会議を想定しているのか、具体的にお示しいただきたいと思います。 ◎芝井 政策企画部長  札幌市が誘致を目指す大規模な政府系国際会議についてお答えいたします。  観光庁では、会議の規模をはかる目安といたしまして、1,000人を超える会議を大規模会議と位置づけております。大規模な政府系国際会議といたしましては、2010年に札幌で開催されたAPEC貿易担当大臣会合クラスを想定しております。この会合は、参加国、地域が21ありまして、主要参加者である貿易担当大臣及び外務大臣のほか、随行などの関係者やプレスなどを含めると関係者証の発行は3,000以上に上るものでございます。また、大臣会合の会期は2日間でしたが、実務者会合などの関連会合を含めると全体では2週間程度行われており、大きな経済効果があったところでございます。  今後とも、このような規模の会議をターゲットにして誘致に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆坂本きょう子 委員  今、具体的に1,000人以上の規模のもので、具体例としては実際に2010年にAPECが行われたということで、私もそういえばというふうに思い出しております。こうした政府系国際会議も含めて、MICEの開催需要は今後も高まりを見せていくと思いますし、本市の強みをしっかりと生かしていけば、そういう需要も取りこぼすことなく誘致できるだろうというふうに思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  そこで、2025年に完成を予定している新MICEの施設ですが、中島公園にということで3月の常任委員会で報告され、やっと決まったところです。現在のパークホテルの建てかえに伴い、パークホテルと一体のものとして整備していくというお話でした。パークホテルと中島公園は、今も、多くの市民、またさまざまな観光客など、いろいろな方から親しまれて存在しているホテルであり、公園ですので、豊かな資源としてここを一体的に整備していくことが必要なのかなと思います。経済観光委員会のときにも公園との一体利用ということで質疑いたしましたが、中島公園の緑を損なわない形で調和したMICE施設をつくっていくことが大事なのかなと思います。やはり、緑豊かということが札幌の大きな強みでありますから、こういうところで会議の開催にこぎつけることも必要だというふうに思います。  常任委員会では、あわせて、施設の整備費用に280億円以上かかっていくようなお話もありました。そういうことでは、多額の工事費が集中して必要となってきます。もちろん、これは軽減していくことが必要で、市費負担を少なくしていく、あるいは平準化していくことが重要になってきますが、この新MICE施設の整備に当たって活用可能な国の支援制度を想定して今回の重点要望にも組み込んでいると思いますけれども、具体的にどのような支援制度を想定しているのか、伺いたいと思います。 ◎芝井 政策企画部長  新MICE施設の整備に活用可能な国の支援制度についてお答えいたします。  新MICE施設の整備につきましては、施設整備基本計画におきまして2020年までに基本実施設計を進めることとしておりまして、周辺の再整備なども含めて、本年度から事業を推進しております。基本計画では、新MICE施設の整備費用として概算で280億円としておりまして、再開発事業の活用などを念頭に、社会資本整備総合交付金や交付税措置がある有利な地方債などの支援を想定しているところでございます。 ◆坂本きょう子 委員  社会資本整備総合交付金等というのは重点要望の中にも書かれておりますし、有利な地方債というお話もありましたが、ここは効率的にしっかりと取り組みをしていっていただきたいと思います。MICE誘致の経済効果が非常に大きなものであることはもう周知のことになっておりますし、開催による直接の効果はもちろんのこと、先ほどはAPECでもプレスも含めて3,000人を超える参加証を交付しているということでしたから、ここに参加する方たちの個人消費も見込まれると思います。本市経済の大きな柱の中に、観光、そしてMICEが位置づけられておりますから、本市経済の好循環のために効率的・効果的に施設整備を行っていく、同時にMICE誘致にしっかり努めていただきたいということを求めて、私の質問を終わります。 ◆石川佐和子 委員  私からは、一番最後のページですが、大項目の9番目の環境負荷低減に向けた取り組みの推進のうち、2項目について伺いたいと思います。  まず、アスベスト対策への支援についてであります。  2016年10月に、札幌市内の小・中学校や公共施設の煙突でアスベストを含む断熱材が剥離していたことが明らかになり、煙突の緊急点検を行うとともに、改修工事が行われました。そして、総務委員会におきまして、札幌市からの報告や今後の対策について説明がなされてきました。また、札幌市においては、煙突断熱材等の石綿含有建材に対する点検ルールを定めた対策要領を作成し、2017年度、また2018年度においても点検、改修工事が行われていると聞いております。こうした対策とともに、何よりも市民の健康、安心感の視点から、速やかな、かつ適切な情報提供が重要と考えます。  しかし、この間の一連の情報提供の中で、アスベストが1リットル中の大気に何本のアスベストが含まれているのかというアスベスト濃度測定結果の数値が公表されてきましたが、その数値が問題ないかどうかという判断については、大気汚染防止法に基づく石綿製品製造工場に対する敷地境界基準である1リットル当たり10本という数値、また、建物の解体等の現場における漏えい監視の目安である1リットル当たり1本という数値との比較となっておりました。学校という環境、また、市民の公共施設という環境で、そうした基準と照らすことの妥当性に疑問があるという声が多くの市民や専門家からもあったと記憶しております。  このような観点から、市民の生活環境を守るため、一般環境中のアスベスト濃度の評価基準を国が設定するべきであり、私は、総務委員会の質疑を通して、札幌市が国に対して要望することを求めてきたところであります。このたび、2019年度の札幌市重点要望として、アスベストに係る日常的な維持管理や室内環境測定におけるアスベストの飛散に係る評価に当たっての法的な基準がないことから、法的基準の設定を要望することは、この間、煙突断熱材等のアスベスト対策を進めてきた札幌市ならではの要望であり、大変重要なことと考えるところであります。  そこで、質問ですが、環境の評価基準を定めることは国の役割でありますし、札幌市においては、大都市環境保全主管局長会議の国家予算要望に関する提案書を通じて、一般環境中のアスベスト濃度の評価基準の設定を要望していると聞いておりますけれども、こうした要望に対する国の認識と、また、具体的な取り組みがあればお伺いいたします。 ◎芝井 政策企画部長  評価基準の要望に対する国の認識と取り組みにつきましてお答えいたします。  札幌市では、大都市共通の課題といたしまして、一般環境のアスベスト濃度の評価基準を設定するとともに、継続的な環境モニタリング制度を整備することなどについて、大都市環境保全主管局長会議の国家予算に関する提案書の中で要望しております。これに対して、環境省からは、アスベストは、主として、発生源直近で高濃度になり、発生源からの距離に応じて濃度が急速に低下することから、まずは発生源における飛散防止対策が重要という認識であると聞いております。一方で、環境省では、大気中のアスベスト濃度の測定を平成17年度から毎年実施しておりまして、引き続き測定を継続するとしております。  札幌市といたしましては、今後とも、大都市環境保全主管局長会議などを通じて、一般環境中のアスベスト濃度の評価基準設定などに対する要望を継続していきたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  今、アスベスト対策にかかわる国の認識を伺いました。まずは発生源対策というお話でありましたが、今後も自治体がアスベスト対策を進めていくに当たっては、国の補助の拡充や法的基準の設定は欠かすことができないと思います。札幌市のこれまでの取り組みを生かして、今後も実効性の高いアスベスト対策を行っていくために、改めて、日常的な維持管理や室内環境測定に係る法的基準の設定を国に強く求めていただくことを指摘させていただきたいと思います。  また、札幌市における所管は環境局の環境対策課になりますが、要望内容等の情報については、今後もアスベスト問題対策会議でしっかり共有することをあわせて求めておきたいと思います。  アスベストに関する情報は、市役所内のみならず、市民や事業者にとっても大変重要なことであり、わかりやすく情報提供をしていくべきだと思います。しかし、大気環境や修繕、解体工事などは法令が多岐にわたっておりまして、札幌市のホームページでの情報提供も法令に沿う形で所管ごとに行われておりましたが、煙突の断熱材のアスベスト問題をきっかけとして、市役所内での情報の一元化が必要との認識に至ったという報告を総務委員会で聞いているところです。  そこで、質問でありますが、アスベストに関しましては、大気環境や修繕、解体工事など多岐にわたる法令があるということですけれども、市民、事業者に対してどのように情報提供を行っているのか、伺います。 ◎芝井 政策企画部長  アスベスト対策につきまして、市民、事業者への情報提供についてお答えいたします。  札幌市公式ホームページに関係法令やQアンドAなどアスベストに関する情報を集約したページを作成し、市民や事業者に対してわかりやすい情報提供に努めております。また、アスベストの物性や使用建材の種類、規制内容、さらには、健康影響などをわかりやすく紹介した市民向けのパンフレットを作成して、区役所などに配架して周知を図っているところでございます。事業者に対しましては、労働基準監督署などの関係機関にも働きかけを行い、7月にアスベストに対する講習会の開催を予定しているところでありまして、アスベストに関する知識の啓発などに努めているところでございます。  今後も、市民や事業者がどのような情報を求めているかに配慮して、よりわかりやすい形で情報提供するように心がけてまいりたいと思います。 ◆石川佐和子 委員  今後も、学校や市民の生活環境に対してどのような情報が必要かというところをしっかりとキャッチしながら、しっかりとアスベスト対策を行っていただきたいと思います。  次に、水素社会の早期実現に向けた支援について伺います。  原発に頼らない太陽光、風力発電など再生可能エネルギーへの転換は重要であり、再生可能エネルギー由来の水素利活用を促進していくべきというふうに私も認識しております。  しかし、風力発電におきましては、風力発電由来の低周波音による周辺住民への健康被害の報告が国内外においてなされております。札幌市周辺においては複数の風力発電事業が行われており、石狩湾新港地域での洋上風力におきましては、既に方法書、準備書等の環境影響評価の手続が行われております。準備書の縦覧では、低周波音等の環境影響を懸念する市民意見が大変多く寄せられておりまして、それに対する事業者の見解によりますと、音影響の評価手法については、風車騒音に特化した国による環境保全の観点からの基準または目標が定められていない状況にあり、解決すべき問題は残されているという認識を示しておりました。また、ほかの業者の風力発電所との累積的な環境影響の懸念は、環境大臣意見にも示されていたところであります。  このような状況の中、2015年5月には、環境省が風力発電施設から発生する騒音に関する指針や測定マニュアルを策定いたしております。しかし、風力発電事業の規模に大きな変更がないことから、風車設置後の健康影響を危惧する声が私のところにも多く届けられているところです。国や自治体においては、低周波音による健康影響について、実際はどうなっているのかという情報収集を被害者に寄り添う形でしっかりと行うべきと考えます。2017年、昨年8月には、北海道自然保護協会は、石狩湾新港周辺に集中的に建設されている4事業者の大型風力発電事業による札幌市民への健康影響についての要望の中で、石狩市民を初め、札幌市民にも健康被害が及ぶことを危惧し、札幌市として独自調査等も求めております。  そこで、伺いますけれども、札幌市が風力発電等による発電を主力電源に見据えた施策推進を国に対して要望するに当たっては、風力発電、風車の低周波音による人への健康影響の実態などの調査も予算措置とあわせて国に求めていくべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎芝井 政策企画部長  低周波による健康影響調査などを国に求めるべきではないかというご質問でありました。  環境省におきましては、風力発電の低周波音などによる影響調査に基づいて、風力発電からの騒音による生活環境への影響を未然に防止するための指針を平成29年5月に公表しております。この指針におきましては、国内外で得られた調査結果から、風力発電施設による騒音が人の健康に直接影響を及ぼす可能性は低いと示されております。一方で、依然として全国的に低周波音による健康影響に関する不安の声があることなどを踏まえて、大都市環境保全主管局長会議の国家予算に関する提案書において、より一層の調査研究を行い、その結果を、逐次、わかりやすい形で国民に対して情報提供を行うよう、引き続き国に要望していきたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  最後に、要望で終わらせていただきます。  先ほど申し上げました石狩湾新港地域の洋上風力の規模は、国内にも例がない4,000キロワット級の巨大な風車であって、札幌のような人口密集地の近くでの建設は例がないというふうにも聞いているところであります。先ほど、環境省での未然防止のための指針の設定ということを私も申し上げ、答弁の中にもありましたが、その中では、まだまだ直接の影響は低いというような考え方も示されておりました。しかし、実際に被害を受けられている方が多いのも事実であります。  低周波音の問題に関しては、ヒートポンプ給湯機の低周波音による健康リスクへの対策向上に係る意見書が2016年の第4回札幌市定例市議会において全会一致で可決しております。ヒートポンプ給湯機の低周波音が不眠、頭痛、目まい、吐き気、耳鳴りの発生に関与している可能性があるとして、低周波音による健康への影響を未然に防ぎ、苦しんでいる方々への対応を政府に強く要望しているものです。札幌市議会が低周波音による健康被害への理解を共有し、政府に意見書を提出していることを踏まえて、札幌市におきましても、国に対し、風車の低周波音による健康影響について、今後も積極的に実態調査や対策を要望していただくことを強く求めて、私の質問を終わります。 ○佐々木みつこ 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○佐々木みつこ 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、本日の委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後3時23分...