これは、わが
まち特例と言われるものでございまして、国が一律に定めていた地方税の
特例措置につきまして、
特例割合、これは減額後の
負担割合のことを言いますが、これを法律で示す上限と下限の範囲内において、地方自治体が自主的に判断し、条例で決定できる仕組みでございます。さきに国会におきまして成立いたしました
生産性向上特別措置法の施行を前提といたしまして、機械、装置などの一定の
設備投資について
償却資産に対する
固定資産税のわが
まち特例が創設されたところでございます。
その概要でありますが、
対象資産は、
中小事業者等が平成33年3月31日までに取得する
生産性向上が図られる一定の
償却資産でございまして、
適用期間は、その取得の翌年度から3年間となってございます。
特例割合につきましては、ゼロ以上2分の1以下の範囲内で市町村の条例により決定することとされております。
適用要件については、市町村が
基本計画を策定し、国の同意を得ること、そして、その
基本計画に基づきまして、
中小事業者等が
導入計画を策定し、市町村の認定を受けることとされております。市町村が
特例割合をゼロとした場合の
優遇措置でございますが、事業者は
設備投資に係る国の補助金に公募した際の
優先採択と補助率の上乗せを受けられることとされております。
札幌市の
特例割合でございますが、ゼロとして、つまり、3年間、その
償却資産には
固定資産税を課さないものとして提案させていただいているところでございます。
なお、この
特例措置による減収分につきましては、
交付税措置の対象となるものでございます。
続きまして、資料をおめくりいただきまして、別紙2でございます。
本社機能の移転等に係る不
均一課税の延長・拡充についてでございます。
まず、不
均一課税ということでありますが、これは、特定の場合において、ある一定の範囲の納税者に限って条例によって税負担を軽減する仕組みでございます。現行の制度は、(2)のとおり、東京23区から
本社機能を
札幌市内に移転した場合の土地・
家屋償却資産に対して3年間の不
均一課税を行うというものでございます。減額後の
負担割合は、移転の翌年度を10分の1、その次の年度を4分の1、さらにその次の年度を2分の1としております。
今回の
条例改正の内容でございますが、2点ございます。
1点目は、今説明させていただいた
現行制度を平成32年3月31日まで延長しようというものです。
2点目といたしまして、東京23区以外にある
本社機能を
札幌市内に移転する場合であるとか、
札幌市内にある
本社機能を拡充する場合についても、新たに不
均一課税の対象といたしまして、減額後の
負担割合を
移転拡充の翌年度は10分の1、次の年度は3分の1、さらにその次の年度は3分の2にしようというものでございます。
なお、これら不
均一課税による減収分の一部につきましては
交付税措置の対象となるものでございます。
続きまして、お戻りいただきまして、最初の資料の2ページ目でございます。
4点目の
バリアフリー改修を行った劇場等に係る
減額措置の創設についてでございます。
これは、障がいの有無にかかわらず、
文化芸術活動やその鑑賞のできる環境を醸成するという観点から、
バリアフリー改修を行った劇場等に対しまして、最初の2年間、
固定資産税と
都市計画税を3分の1減額する措置を設けようというものでございます。
続きまして、5点目の
市たばこ税に関する改正でございます。
資料には記載しておりませんが、
たばこ税には、国税、
道府県税、
市町村税がございます。これらを合わせまして、1本当たり3円を3回に分けて引き上げようというものでございます。1回当たり、国と道と市で1円の引き上げとなりますが、その内訳は、国が50銭、道が7銭、市が43銭というものでございます。
資料の表は、1,000本当たりのものでございますので、プラス430円と表記しております。
また、これとあわせまして、近年、急速に市場が拡大している
加熱式たばこにつきまして、
紙巻きたばことの間に税負担の開きがあることから、その是正を図るため、所要の見直しを行うものでございます。
続きまして、6点目の特例または減額の延長でございます。
こちらは、
固定資産税については(1)から次のページの(6)まで、そして、(7)の
特別土地保有税の特例の延長についてでございまして、資料に記載のとおりであり、説明は割愛させていただきます。
続きまして、7点目のその他所要の整備でございます。
主なものを申し上げますと、(1)の資本金が1億円を超える法人について国税に倣って
電子申告を義務づけるというものとか、飛びまして、(6)の複数の
地方公共団体への納税を
電子納税システムを使って一度の手続で可能とすることに伴う所要の
規定整備などがその内容となってございます。
○
小竹ともこ 委員長 それでは、質疑を行います。
◆山口かずさ 委員 私からは、最初に説明のあった
個人市民税の件についてお伺いします。
先ほどの説明では、
給与所得控除と
公的年金等控除を10万円引き下げることに伴い、
基礎控除を同額の10万円引き上げて、
給与取得者や
年金取得者の負担は変えずに、個人で仕事を請け負っている方などの負担を軽減するとのことでした。一方、給与や年金の収入が一定以上ある場合などは税負担がふえるとの説明もありました。
そこで、質問です。
税負担となるのはどのような収入が幾ら以上ある方なのか、また、報道によると、子育てや介護を行っている方には負担増が生じないような措置が講じられているとのことですが、その具体的な内容はどのようなものであるのか、お伺いします。
◎毛利
税政部長 2点のお尋ねでございました。
まず、1点目の税負担がふえるのは、どういう収入が幾ら以上ある場合なのかというお尋ねでございます。三つのケースがございまして、一つは、
給与収入が850万円を超える場合、それから、
年金収入が1,000万円を超える場合、そして、
年金受給者で、かつ、年金以外の所得が1,000万円を超える場合でございます。
それから、2点目の子育てや介護を行っている方に負担がふえないようにする具体的な措置の内容についてでございますが、子育ての観点からは22歳以下の方、そして、介護の観点からは特別障がい者の方を扶養している場合です。特別障がい者というのは例えば寝たきりで複雑な介護を受けている方などが該当しますが、こういう方を扶養している場合には、
給与収入が850万円を超えていても、その
給与取得者に対して負担がふえない仕組みが講じられているものでございます。
◆山口かずさ 委員
給与収入が850万円を超える方、
年金収入が1,000万円を超える方、さらに、
年金受給者で、年金以外の所得が1,000万円を超える方については税負担が増加するとの答弁でした。また、最初の説明にあったとおり、所得が2,400万円を超えて
基礎控除を軽減されている方も税負担が増加するとのことです。
そこで、質問ですが、これらの負担がふえる
納税者数はどのくらいで、それは、市民税の納税者のうち、どれくらいの割合であるのか、また、例えば、
給与収入が1,000万円の
サラリーマンの場合は、道民税と合わせてどのくらいの負担増となるのか、お伺いします。
◎毛利
税政部長 今般の改正でもって負担がふえる
納税者数でございますが、平成29年度の実績から推計いたしますと、およそ2万6,000人と見込んでおります。その割合は、市民税の
納税者数が86万5,000人ほどおりまして、その約3%となります。
それから、
給与収入が1,000万円の
サラリーマンの道民税も含めた負担増の額でございますが、北海道におきまして
北海道税条例でも同様の改正が行われるものとして申し上げますと、市民税と道民税を合わせて年間で1万5,000円となります。
◆山口かずさ 委員 今回の
条例改正で増税になるのは比較的所得の高い納税者に限定され、しかも、子育てや介護をしているような
サラリーマン世帯は増税とならないとのことでした。そして、税負担がふえるのは納税者のうち約3%で、例えば、
給与収入1,000万円の方の場合、住民税は年間で1万5,000円の増との答弁でありました。
個人で仕事を請け負っている方など、今回の改正によって負担増となるケースもありますが、市民の理解を得るためには、
改正内容についてわかりやすく丁寧に周知を図っていただくことが肝要と考えています。信頼される税務行政を推し進める観点からも、この点を要望して、質問を終わります。
◆わた
なべ泰行 委員 私からは、
市税条例の改正に関して、
生産性向上設備にかかわる
固定資産税の
特例措置の創設について質問します。
今回、国において、
中小事業者等が取得する一定の
償却資産について、取得後、3年間、
固定資産税を軽減する
特例措置を設けられました。この
特例措置は、いわゆるわが
まち特例として導入されたものであり、
特例割合は市町村における条例で決定するものです。
そこで、質問ですが、なぜ国においてこのような
特例措置を設けたのか、
制度創設の背景について伺います。
◎毛利
税政部長 制度創設の背景についてでございます。
昨年12月に、国におきまして、新しい
経済政策パッケージが閣議決定されておりますが、その柱の一つといたしまして
生産性革命が掲げられ、平成32年までの3年間が
生産性革命集中投資期間と位置づけられたところでございます。この
政策パッケージにおきましては、
中小企業等への抜本的な対応といたしまして、新たな
設備投資を強力に後押しするといった観点から、
固定資産税の
負担軽減のための措置を講じることとされてございます。
これを受けまして、平成30年度の
税制改正におきまして、臨時、異例の措置としてこの
特例措置が創設されたものでございます。
◆わた
なべ泰行 委員 ただいまの答弁で、今回の
特例措置は、閣議決定された新しい
経済政策パッケージに基づき、その柱の一つとして、
生産性革命集中投資期間中の臨時、異例の措置として設けられたものとのことでありました。
札幌市におきましては、今回、
基本計画を策定した上で
特例措置を設けるわけでありますが、先ほどの説明で、
特例割合はゼロ以上2分の1以下の範囲内ということでしたけれども、本市は
特例割合ゼロを適用するとのことでした。
そこで、質問ですが、
特例割合をゼロとする理由を伺います。
◎毛利
税政部長 特例割合をゼロとする理由についてでございます。
札幌市といたしましても、市内の
中小事業者に
設備投資を促していくため、こうした環境を整えることで
生産性向上の取り組みを支援していく必要があると考えております。
特例割合をゼロとした場合には、事業者への
優遇措置といたしまして、国の補助金の
優先採択であるとか補助率の上乗せがございまして、市内の
中小事業者の
生産性向上に向けた
設備投資を税制面、
補助金面の両面で支援していく観点から、
特例割合をゼロにしたいと考えているところでございます。
◆わた
なべ泰行 委員
特例割合をゼロにした理由は、ただいまの答弁では、
特例割合ゼロを適用した市町村の事業者に対して国の補助金の
優遇措置が受けられる、それによって税制と補助金の両面から
設備投資を促し、
中小事業者の生産性の向上をバックアップしていくことができるようになるからだということでした。
ただ一方で、
指定都市20市の議長、市長が共同で
大都市財政に関して要望しておりますいわゆる青本については、
償却資産に対する政策的な減税を拡大、延長しないよう要望しております。
固定資産税は、基幹税であって、地方にとって極めて重要な自主財源であることから、これを存続していくことが重要であり、さらには、公平、中立、簡素な税制を構築していこうという考え方からもこの要望は大切だと思います。
しかしながら、今回の
特例措置は、3年間の
生産性革命集中投資期間において国を挙げて生産性を高めていくという観点であり、これも極めて重要なものであって、我が会派としても、
特例割合をゼロとする条例案は評価できるものであります。
これによって、
地域経済の活性化につながる効果的な
設備投資が促進され、
中小事業者の生産性の向上が図られるよう、関係部局と連携をとりながら、事業者に対しては制度の周知をしっかり行っていくことを要望して、私の質問を終わります。
○
小竹ともこ 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
小竹ともこ 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
◆池田由美 委員 私は、
日本共産党を代表して、議案第5号
市税条例等の一部を改正する条例案に反対する立場から、討論を行います。
議案第5号に反対する理由の1点目は、
給与所得控除から
基礎控除への振りかえが行われるからです。
全ての
給与取得者の収入から控除を10万円削減し、
基礎控除へ10万円振りかえるものですが、そもそも、二つの控除の意義の違いを無視して、全ての
雇用労働者に認められている
必要経費分の控除である
給与所得控除を引き下げ、
基礎控除に振りかえることは問題です。
また、この間、
給与所得控除の上限額は、2017年、2018年と連続して下げられ、既に少なくない市民が増税となっています。このたびの改正により、さらに、中間層である約3.1%、2万2,900人が増税となります。今回は、特別障がい者や23歳未満の扶養家族がいる場合の配慮があるものの、これ以上の増税は許されません。
2点目は、
本社機能の移転に係る不
均一課税の延長、拡充が行われるからです。
この改正は、2016年から行われていた東京23区から
札幌市内に
本社機能を移転する企業への
固定資産税の
減免措置の
適用期限を2年延長し、
適用対象を東京23区以外からの企業にも広げるものです。
本社機能の移転としていますが、内容は、調査・
企画部門、
情報処理部門、
研究開発部門、
管理事業部門など、
本社機能の一部を移転する場合でも
固定資産税を減免するものであり、
大手企業への優遇策となることから、反対です。
○
小竹ともこ 委員長 ほかに討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
小竹ともこ 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第5号を可決すべきものと決定することに賛成の委員の挙手を求めます。
(
賛成者挙手)
○
小竹ともこ 委員長 賛成多数であります。
よって、議案第5号は、可決すべきものと決定いたしました。
次に、議案第13号 西2丁目
線地下自転車等駐車場整備工事請負契約締結の
件議決変更の件を議題とし、理事者から
補足説明を受けます。
◎元木
管財部長 私から、議案第13号 西2丁目
線地下自転車等駐車場整備工事請負契約締結の
件議決変更の件につきましてご説明させていただきます。
本件は、平成27年12月2日の議決をいただきまして、岩田地崎・丸彦渡辺・
北土特定共同企業体を相手方として契約しておりますが、
地下埋設物の移設等に日時を要したことなどから、
竣工期限を平成30年8月31日から平成32年3月31日までの578日間延長しようとするものでございます。
○
小竹ともこ 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
ふじわら広昭 委員 議案第13号 西2丁目
線地下自転車等駐車場整備工事請負契約締結の
件議決変更の件について質問いたします。
同
整備工事は、国の防災・
安全交付金事業として、平成27年
札幌市議会第4回定例議会の12月2日の議会で可決し、工期は平成27年12月7日から平成30年8月31日までとなっておりました。同工事の延長距離は約160メートル、
最大収容台数は1,550台、内訳として、自転車及び
原付バイクが対象となっているところであります。
質問の1点目は、
地下埋設物の調査及び当初設計との乖離についてです。
本工事は、国の新
労務単価等の変更により、平成28年5月24日と平成29年8月3日の2回、合計約3,600万円の増額が専決処分されております。これは、労務賃の改善ですので必要なものだというふうに判断いたしますが、これ以外にも4回の
設計変更で、合計約1億5,100万円が専決処分されて今日に至っております。今回は、先ほどの説明にもありましたが、
地下埋設物の位置が当初の想定と異なっていたことに伴って工期を変更するということでございます。
そこで、質問ですけれども、
地下埋設物について、
設計段階でどのような調査をしてきたのか、また、設計とどの程度の乖離が生じたのか、最初に伺いたいと思います。
◎伊藤
道路工事担当部長 私から、お答えさせていただきます。
まず、1点目の
設計段階での
地下埋設物調査についてですが、
当該工事区間の歩道には、電気、通信、ガス、水道、下水道の
地下埋設物が埋設されております。これらについて、各管理者から
管理台帳図を収集して確認しているところでございます。さらに、加えまして、
当該箇所は、過去に
地下鉄東豊線が工事されている場所でございまして、交通局からも図面を収集して確認を行っております。
次に、設計とどの程度の乖離があったということでございますが、現地の
地下埋設物の位置につきましては、
管理台帳と最大で80センチ、平均しますと50センチ程度のずれでございましたけれども、それぞれがふくそうして埋設されている状況でございまして、ずれ方もさまざまでございます。現地の状況を受けまして、土どめ工の再検討を行いましたところ、くいの位置が沿道の建物に近い場所での変更となりまして、くいの約6割について、標準的な工法ではなく、施工に多くの時間を要するより精度の高いものへの変更が必要となったもので、このことが工期を延長する大きな要因の一つとなったものでございます。
◆
ふじわら広昭 委員 次に、
建設局土木部工事課は、この間、こうした工事をたくさん発注してきたと思いますが、設計の段階で
地下埋設物のための
試掘調査を行ってから工事に着手すべきであるというふうに思います。
そこで、今回、設計の段階できちっと
試掘調査を行ったのかどうか、その点を伺いたいと思います。
◎伊藤
道路工事担当部長 地下埋設物の位置が影響いたします工事につきましては、私どもも、設計の段階で
試掘調査を行うことが基本と考えております。しかしながら、西2丁目線につきましては、歩道の全面に
ロードヒーティングが敷設されている状況でございまして、部分的な試掘でございましても、その後、全面的な復旧をしなければならない構造でありますことから、沿道の商業者、歩行者への影響が極めて大きいと判断いたしまして、今回の工事では、設計の段階では試掘を行わず、工事の段階で確認を行うという方法をとったものでございます。
◆
ふじわら広昭 委員
ロードヒーティングが設置されているということでありました。私も、冬期間、あの場所を何回か通ってまいりましたし、最近も確認してきました。
今回は試掘をしなかったということでありますが、
建設局土木部工事課は、平成26年6月に、今回議案となっている案件と、
国庫補助事業で8・6・3西2丁目
地下歩道実施設計が発注されました。今、北1条西1丁目に
高層ビルが新しく建っていますが、そこに直結する
地下トンネルを発注する際の
実施設計の
業務設計書と
業務説明書を見てみますと、この
高層ビルに通じる設計書では、特記仕様として
試掘調査の業務が示されております。私は、部長の言われた
ロードヒーティングがあるといったことも理解いたしますが、やはり、しっかりした試掘をすべきであったと思います。
また、くいは、多分、380本打ったと思いますが、先ほど部長からそのうちの60%は位置を変更したという趣旨の答弁がありました。これを本数に直すと、当初に設計した段階とは違ったところに打たざるを得なかったものが228本で、
予定どおりにくいを打ち込めたのは380本のうちの40%ですから152本です。
私が冬に通ったとき、あそこでは簡易的な
ロードヒーティングのパネルを置いて歩行者の安全を図っておりました。今は本格的な工事が始まっていて、一回、
ロードヒーティングを撤去しなければなりませんが、試掘を含めると、お金は2回分かかる計算になるのかもしれません。しかし、しっかり
試掘調査を行っていれば、労務費を除いた1億5,100万円という専決処分での増額をしなくても済んだ可能性も十分にあると言えるわけであります。
札幌駅前通地下歩行空間をつくるときにも、データにはない
地下埋設物が出てきたりして大変苦労し、工期を延長したことは私も承知しております。そうしたことから言えば、今回もそうしたことをしっかり行うべきではなかったかと思いますが、この点については指摘をしておきたいと思います。
次の質問は、今回の教訓を今後どのように生かしていくのかということであります。
札幌市は、近い将来、
札幌駅前通地下歩行空間などと西1丁目、西2丁目の
地下歩道を結ぶ
地下ネットワーク構想を持っていると思います。今後、都心部の工事に当たっては、今回の状況を踏まえて、必ず事前に
試掘調査をすべきであると思いますが、今後の方向性及び考え方について伺いたいと思います。
◎伊藤
道路工事担当部長 委員からご指摘がございましたように、工事の前の設計の段階で試掘を行うことが基本だと我々も考えているところでございます。ただ、都心部の工事におきましては、今の西2丁目のように、歩道に
ロードヒーティングが入っていたり、そのほかにも
地下埋設物の量が多くあったり、深いところがあったり、さらには、道路の交通環境や沿道の状況など、試掘することによる沿道への影響等はその場所ごとにいろいろな状況にあると考えられます。
現地の状況を勘案しまして、事前に
試掘調査を行うことによって大きな支障がない場合は、設計の段階でしっかり対応してまいりたいと考えております。
◆
ふじわら広昭 委員 する場合としない場合があり得るのはある意味では少し理解しますけれども、中心部というのは古くから開けたところで、道路管理センターで持っているデータにはないものもあります。あるいは、ガスや電気等の工事においても、竣工図面のとおりにきちんとおさまっておらず、何十センチかずれている場合もあると思います。私も、今回の区間について、交通局から
地下鉄東豊線の図面を取り寄せて担当課長から説明を受けましたけれども、そうした図面を取り寄せていたのであれば、あそこにはかなりのものが埋設されていることがわかっていたわけですから、しっかりとした対策をとるべきだったということを申し上げておきたいと思います。
そこで、次の質問ですが、先ほどの説明では、ことし8月31日の竣工予定を578日間延長して約1年7カ月後の平成32年3月31日に竣工するとのことでしたけれども、今後、再度の工期延長の可能性があるのかどうか、この点について伺いたいと思います。
◎伊藤
道路工事担当部長 現在、現場の状況といたしましては、土どめぐいの施工が終わりまして、鋭意、掘削を進めているところでございます。今後、大雨による地下水位の急激な上昇など不測の事態が起こり得ないとは言えませんが、現時点では再度の工期延期を行うことは想定しておりません。
◆
ふじわら広昭 委員 ぜひ、しっかりとした工事を進めていただきたいと思います。
次の質問は、同地域の歩道などの復旧についてであります。
今回の工事区域には、南1条から国道36号の手前までのエリアに位置している二番街商店街振興組合という商店街があります。調べてみますと、同振興組合は、昭和59年4月に、当時、通産省発案のコミュニティ・マート構想モデル事業について、狸小路から南側の南二番街町内会と合併してこうした取り組みを行ってきました。具体的に申し上げますと、
地下鉄東豊線の埋め戻しに合わせて街路を新しくすること、また、地下鉄駅からの昇降口誘致のために歩道を7メートル拡張することなどを基本的な柱として、同商店街振興組合で部会などを設置し、整備を進めてきております。そして、昭和62年には、こうした功績が認められ、札幌市から街路としては初めて景観賞を受賞しましたが、そのことが、その後の札幌の近隣商店街の街路整備にもつながっていくことになるわけであります。
このように、この区間における商店街は歴史的に意義深いことをいろいろ進めてきておりまして、そういう意味からしますと、今後、今回の駐輪場の整備と並行した歩道の復旧に当たっては、駐輪場整備の前後の区間もあわせて、例えば街路灯や街路樹あるいはベンチなども、二番街商店街振興組合と協議し、地元の意見を十分に取り入れた整備をすべきだと思いますが、この点についてどう考えているのか、伺いたいと思います。
◎伊藤
道路工事担当部長 西2丁目線につきましては、新・札幌市バリアフリー基本構想におきまして、大通南線から国道36号までの区間が整備の対象となっておりまして、駐輪場の工事区間も含めてこの区間の整備を順次進めていく予定でございます。
整備の内容につきまして、地元商店街と意見交換を進めておりまして、その中では、現在の景観を保持してほしいという意向が示されております。今後につきましては、その意向を受けて、詳細な協議を進めてまいりたいと考えているところでございます。
◆
ふじわら広昭 委員 この議会が終わった後、工事担当の原局は工期が約1年7カ月延びるということを商店街振興組合に説明に行くと思いますが、その際には、ぜひとも、札幌市の考え方、きょう議会で答弁したことをしっかり伝え、バリアフリー化や街路樹、街路灯など、誠意を持ってまち並みの整備をしっかり進めていただきたいことを強く求め、質問を終わります。
○
小竹ともこ 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
小竹ともこ 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
小竹ともこ 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第13号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
小竹ともこ 委員長 異議なしと認め、議案第13号は、可決すべきものと決定いたしました。
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時40分
再 開 午後1時42分
――――――――――――――
○
小竹ともこ 委員長 委員会を再開いたします。
次に、議案第1号 平成30年度札幌市一般会計補正予算(第1号)中関係分及び議案第3号 平成30年度札幌市公債会計補正予算(第1号)を一括議題とし、理事者から
補足説明を受けます。
◎梅田 財政部長 初めに、議案第1号 平成30年度札幌市一般会計補正予算(第1号)のうち、財政局関係分につきましてご説明させていただきます。
今回の補正予算は、新たに国の予算措置の見通しを得たものや年度内に新たに予算措置が必要となったものにつきまして、その予算を追加いたしますとともに、平成29年度補正予算分の国庫補助の交付決定に伴い、平成30年度当初予算における関連分を減額するものでございます。
このうち、本委員会に付託されます財政局関係分は、歳入についてでございますが、補正予算に必要な財源につきまして、第22款 繰入金として、財政調整基金からの繰入金1億円、第23款 繰越金として、平成29年度からの決算剰余金5,500万円を追加するものでございます。
続きまして、議案第3号 平成30年度札幌市公債会計補正予算(第1号)につきましてご説明させていただきます。
公債会計の補正予算は、一般会計予算の補正に伴う市債の整理を行うとともに、一般会計における繰越明許費と高速電車事業会計及び下水道事業会計における建設改良費に係る平成29年度からの予算の繰り越しに伴う市債の整理を行うものでございます。
◎槙地 域振興部長 私から、議案第1号 平成30年度札幌市一般会計補正予算(第1号)のうち、市民文化局関係分についてご説明させていただきます。
歳出予算の補正でありますが、総務費、市民生活費のうち、区役所費は、中央区役所の建てかえに伴います仮庁舎の改修設計等を行うものでございます。
中央区役所の建てかえにつきましては、現地において、区役所、保健センター及び区民センターの三つの機能を複合化する方向で整備
基本計画の策定に向けた検討を進めているところでございます。この建てかえに当たりまして、ことし3月に取得いたしました大通西2丁目ビルを仮庁舎として利用することについて調査を行ってきたところですが、このたび、利用のめどがつきましたことから、改修の設計と仮庁舎への移転計画の策定に必要な経費を追加するものでございます。
仮庁舎には、現在、中央保健センター建物内にございます健康・子ども課や地域振興課につきましても、来庁者の利便性の観点から合わせて移転を行うものでございます。
なお、仮庁舎は、来年度に改修を行いまして、再来年度の2020年度に移転する予定でございます。
○
小竹ともこ 委員長 それでは、質疑を行います。
◆中川賢一 委員 私からは、補正予算案の中央区役所の整備に関しまして、3点ほど質問させていただきたいと思います。
現在の中央区役所でありますが、その周辺には、区民センターであるとか保健センターといった区役所の行政と密接に関連する公共施設がございます。私は、これまでも、こういった周辺施設も老朽化していくわけでございますから、これらをにらみながら、さらに、区民の利便性を最優先に、長期的な視点を持ち、区役所の建てかえに当たってはこれらの施設と複合化していくことなども検討するよう求めてきたところでございます。この点は、平成28年第3回定例市議会の決算特別委員会におきましても質問させていただきました。
先ほど槙部長から説明がありましたが、中央区役所の新庁舎の整備に際しまして、現在、この3施設を複合化する方向で検討を進めている、また、建てかえの期間中の仮庁舎においても保健センターと複合化していくとのご説明がございました。
そこでまず、質問ですが、新庁舎及び仮庁舎において、これらの施設と複合化していくと判断したその考え方につきましてお伺いしたいと思います。
◎槙地 域振興部長 新庁舎及び仮庁舎の複合化の考え方についてでございます。
中央区役所の建てかえに当たりましては、市有建築物の配置基本方針にのっとって、区民センターや保健センターとの複合化の検討を進めてきたところでございます。その結果といたしまして、これらの施設を区役所と複合化することで、施設の維持管理の一元化による効率的な運用が見込まれること、また、保健センターと区役所の双方での手続が必要となるケースも多く、窓口利便性の向上を図ることができるほか、これまで、区民センターを訪れたことがない方にもお立ち寄りいただく機会がふえることにより、さらなる区民センターの利用、活性化が見込まれることから、区民センターと保健センターを複合化することとしたものでございます。
なお、窓口利便性の観点から、保健センターの複合化につきましては、仮庁舎への移転時から実施したいと考えているところでございます。
◆中川賢一 委員 区民の利便性の観点から複合化する、また、今回の仮庁舎についても、進められるものは早い段階から進めていくということだと思いますので、こういったことに関しては評価できるのかなと思うところでございます。
次に、仮庁舎の改修の具体的な部分について少しお伺いしたいと思います。
仮庁舎となります大通西2丁目ビルですが、現在、1階に店舗があり、2階以上は事務所として利用されておりました。しかし、区役所という行政の庁舎ですから、たくさんの窓口が必要になってまいりますし、毎日、多数の区民が訪れる施設になっていきますので、これまでのような民間の事業用のビルで来庁者の利便性を確保していけるのかということが気になります。
そこで、今後の仮庁舎のフロア構成や改修内容につきましてご説明いただければと思います。
◎槙地 域振興部長 まず、仮庁舎のフロア構成についてでございますが、来庁者が多い戸籍や住民票の窓口を1階とし、これと関連の強い国民健康保険や福祉関係の窓口を2階にする一方、乳幼児連れのお客様などが多く、エレベーターの利用率が高くなる保健センターを4階、5階に配置したいと考えております。また、改修内容につきましては、各窓口の箇所数を維持するとともに、来庁者の動線に配慮したわかりやすい窓口配置とするための間仕切りの変更や、来庁者用トイレの増設などを行うこととしているところでございます。
◆中川賢一 委員 オフィスビルを区役所とか保健センターの用途に変えていくに当たり、利用者の動線に配慮して利便性を確保するということでございましたので、その辺はしっかりとよろしくお願いしたいと思います。
最後に、もう1点、利便性の確保の観点でお伺いしたいと思います。
建物内の使い勝手のよさも大変重要でございますが、利用する区民にとりましては、仮庁舎へのアクセスも大事になってくるのではないかと考えますけれども、仮庁舎の敷地内には来庁者の駐車スペースを確保できないように見受けられます。私も中央区でございますので、区民の方々から、時折、駐車場はどうなるのだろうかというようなことを耳にしたりいたします。
そこで、もう1点お伺いしますが、仮庁舎では来庁者の駐車場をどのように用意しようと考えているのか、この点をお伺いしたいと思います。
◎槙地 域振興部長 来庁者駐車場についてでございますが、今度の仮庁舎には、屋外駐車場が2台分、機械式駐車場は約10台分がございますけれども、敷地内の通路が狭く、また、仮庁舎の駐車場入り口では本庁舎駐車場の車列と重複することになってしまうことから、現在ある施設を来庁者用駐車場として利用するのはなかなか難しいと考えております。また、仮庁舎の周辺の民間駐車場の状況などを見ましても、区役所専用の来庁者駐車場を確保することはなかなか難しい状況となってございます。仮庁舎の立地につきましては、地下鉄や市電などからのアクセス性が高いこともありますので、基本的には公共交通機関での来庁をお願いしたいと考えているところでございます。
◆中川賢一 委員 基本的には、なかなか駐車場を確保できる環境ではなく、また、公共交通機関も非常に充実しているところなので、なるべくそちらを利用してほしいということですが、現状としては仕方がない部分もあるのかなと思います。
ただ、区役所を利用される方の中には、体に障がいのある方とか小さなお子様を連れて来庁される方もいて、地下鉄やバスで来庁されることがなかなか難しい方々もいらっしゃるのではないかと思われます。仮庁舎なので短期間ということではございますが、一定の利便性を確保することも必要ではないかと思います。
こういったことも踏まえますと、現庁舎と同等程度の駐車場の確保は難しいとしても、一定程度は来庁者の駐車場を用意することも考えるべきではないかというふうに思いますので、このことについて、改めてご見解をお伺いしたいと思います。
◎高野 市民文化局長 一定数の来庁者用駐車場を用意すべきではないかということでございますが、委員のご指摘のとおり、区役所には車での来庁が不可欠な方もいることが考えられますので、今後、中央区役所の現状をしっかりと把握するとともに、周辺の駐車場の状況をいま一度確認し、その上で来庁者用の駐車場については改めて対策を考えていきたいと思っております。
◆中川賢一 委員 仮庁舎での対応は一定程度の短い期間かもしれませんが、その間、多少なりとも不便になる部分も出てまいりますので、いろいろとご配慮をいただきながら進めていただきたいと思います。
◆山口かずさ 委員 私からも、中央区役所整備費の補正予算案に関係し、仮庁舎における駐車場についてお伺いします。
先ほどの中川委員との質疑では、来庁者用の駐車場について、周辺の民間駐車場などを調査していくとのことでありました。障がいがある方などへの配慮を考えますと、本庁舎正面玄関前のスペースを活用することも検討に値すると思われます。来庁者用駐車場の確保はもちろん重要なことであり、しっかり検討を進めていただきたいと考えています。
私からは、視点を変えて、公用車用の駐車場についてお伺いしたいと思います。
区役所の業務を円滑に行う上で、保護課などの職員が区内各地域への外勤に使用するための公用車は欠かせないものであり、そのための駐車場を区役所の敷地内あるいは近隣に確保しているものと思います。
そこで、1点目の質問ですが、現在、中央区役所において何台の公用車があって、その駐車場はどのように確保されているのか、お伺いします。
◎槙地 域振興部長 中央区役所の公用車につきましては、現在、職員が使用いたします公用車として30台を保有しております。これらの公用車につきましては、区役所等庁舎に附帯している駐車場のほかに、区役所近隣の民間駐車場を借りる形で駐車場を確保しているところでございます。
◆山口かずさ 委員 中央区役所には、公用車が30台あって、仕事のしやすさに配慮された場所に用意されているとのことでした。言うまでもなく、仮庁舎への移転後も公用車の必要性、重要性は何ら変わるものではなく、区役所職員の労働条件を維持するとともに、機動性を確保し、しっかりと市民サービスを実施していただくためにも、仮庁舎移転後も現在と同様の配慮をもって駐車場を確保すべきだと考えています。
そこで、質問ですが、仮庁舎移転後の公用車の駐車場の確保についてどのように考えているのかお伺いして、私の質問を終わります。
◎槙地 域振興部長 仮庁舎の公用車駐車場についてでございますが、公用車の利用の確保は、公務能率の観点からも不可欠なものでございまして、ひいては、委員からご指摘がありましたように、市民サービスにもつながる非常に重要な事項であると認識しております。公用車駐車場につきましては、仮庁舎が都心部に位置していることから距離的に多少離れる可能性はございますが、駐車場周辺の交通状況なども加味した上で、業務に支障のないように検討していきたいと考えているところでございます。
○
小竹ともこ 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
小竹ともこ 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
小竹ともこ 委員長 なければ、討論を終了いたします。
それでは、採決を行います。
議案第1号中関係分及び第3号の2件を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
小竹ともこ 委員長 異議なしと認め、議案2件は、可決すべきものと決定いたしました。
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時58分
再 開 午後2時
――――――――――――――
○
小竹ともこ 委員長 委員会を再開いたします。
次に、議案第14号 訴えの提起の件(貸金請求)を議題とし、理事者から
補足説明を受けます。
◎本間 市民生活部長 議案第14号 訴えの提起の件(貸金請求)につきまして、お手元にお配りいたしました資料の札幌市アイヌ住宅新築資金等貸付の訴訟提起についてに沿ってご説明いたします。
まず、1 事案の概要の債権の内容についてですが、債務者であります借り受け人Aと札幌市が、札幌市アイヌ住宅新築資金等貸付要綱により、住宅改修資金として平成10年3月に交わしました貸し付け契約に基づく元金、利息及び違約金であり、札幌市債権管理条例における非強制徴収債権に当たります。
請求する金額は、元利合計174万2,265円及び元金165万2,929円に対する各約定償還期日から支払い済みまで、年10.75%の割合による違約金であります。
次に、債務者等の状況についてご説明いたします。
借り受け人Aは、法人を経営しておりましたが、経営悪化とともに平成13年1月に弁護士に債務整理を依頼する状況となりまして、平成14年1月、競売により本件貸し金の対象となっておりました札幌市手稲区の自宅の所有権が移転しております。
なお、借り受け人Aが本債権への抵当権の登記を怠り、未登記のまま競売となったため、配当はございませんでした。
このときの債務整理では破産とはなっておりませんが、経営していた法人は、実質、倒産し、以後、個人事業主として仕事を続けております。
また、本債権には2名の連帯保証人がおりますが、競売後も借り受け人Aに対して直接働きかけを行ってきており、本人との交渉が断続的に続いておりましたので、保証人への請求は行っておりませんでした。その後、平成30年1月に債権回収を委任した弁護士グループから、保証人2名に対し、債務履行を求める文書を送付したところ、それぞれ平成16年6月と平成29年5月に破産免責になっていることが判明し、保証人への請求ができないことを確認いたしました。
次に、2 訴訟を提起する理由についてでございます。
札幌市といたしましては、借り受け人Aに対しまして、競売後も督促、文書催告、電話や面談による納付督励等の働きかけを行い、平成27年からは弁護士の助言を得ながら対応してきましたが、借り受け人Aから償還や納付計画の提出、債務承認を得ることができませんでした。
このため、法的措置を視野に進めることが妥当と判断し、平成29年12月、債権回収を弁護士グループに委任し、平成30年1月に催告を実施したところ、時効が援用され、平成12年4月から平成19年12月までの元利合計257万1,915円が消滅いたしました。その後、改めて、弁護士グループから、時効が完成していない平成20年1月から平成25年3月までの元利合計174万2,265円について借り受け人Aに請求を行いましたが、指定した期限までに応答がございませんでした。
働いていて、収入があるにもかかわらず、自主的な償還がない状況を放置することは今後の制度運用に重大な支障を及ぼすことからも、借り受け人Aに対し、上記の金員の支払いを求める訴訟を提起する必要がございます。
なお、本債権のうち、時効による消滅の時期が最も早いものは平成20年1月31日を納付期限とするものでございますが、平成30年1月11日付で弁護士グループから借り受け人Aに対して催告を行ったことから、民法第153条及び第140条の規定によりまして、催告翌日の平成30年1月12日から6カ月間、暫定的に時効が中断している状況となっております。この暫定的な時効中段の効力を確定させ、本債権の消滅を防ぐとともに、債務名義を取得し、借り受け人Aの財産調査を行った上で財産を発見できた場合に、これを直ちに差し押さえるためにも訴訟を提起することが適当であると考えております。
説明は以上でございますが、今回の案件につきましては、抵当権が設定されないまま競売されたことや、競売後も有効な債権回収の対策がとれず、債権の一部が時効で消滅したことについて深く反省しております。今後は、要綱や運用方針などの遵守はもとより、徹底した納付督励や法的な措置を適時適切に行いまして、滞納額の縮減や新たな滞納を発生させないよう努めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○
小竹ともこ 委員長 それでは、質疑を行います。
質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
小竹ともこ 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
次に、討論を行います。
そういう中で、これは寄附文化の醸成ということもあってのことだと思いますが、たしか、地縁にかかわる団体については除外すると書いてあったと思うのですね。しかし、今回出されている提言書の冒頭には、地縁を中心としたつながりの組織である町内会、自治会の役割がますます重要という書き方をされております。今、室長もおっしゃいましたが、これは、明らかに条例間でそごがあるのではないかなというふうに思いますので、十分な精査が必要だろうと思っています。
先ほど来あったように、町内会の負担について、大変だという認識はお互いに共有できていると思います。しかし、そもそも任意団体である町内会に対して、依頼事務ということで行政機関の作業の下請という言葉もありましたが、行政機関の一部として機能させてしまっているという問題点があります。あるいは、行政委員や民生委員・児童委員などの推薦ということで、地域の中で人材を見つけてもらうようなこともやっております。それに輪をかけてとなると、意義、役割を共有することはよしとしても、さらに町内会の仕事がふえてしまうという懸念を今の町内会の役員は強く持っているのではないかと思います。やはり、任意団体であるということをもってすれば、幾ら地域の中で重要な役割を担っていると言っても、条例にうたってまで位置づけていく必要性があるのかどうかということが大きな問題だと思うのです。
検討委員会の中でもそういう議論があったでしょうし、この間、原局としていろいろなところで声を聞く機会もあったのだと思いますけれども、そうしたおかしいのではないかという声をどういうふうに受けとめ、どういうふうに理解を求めるというのでしょうか、どういうお考えなのか、伺いたいと思います。
◎小島 市民自治推進室長 町内会が任意団体という中で、なぜ、あえて条例を制定し、支援していくかという質問だと思います。
確かに、地域には、町内会を含めてさまざまなコミュニティ組織がございます。ただ、町内会につきましては、ほかの組織のように特定の目的で結成されるものとは異なり、幅広い分野の活動を担っていることに加え、極めて地域の包括性が高い組織であるというふうに思っております。こうした町内会の意義、役割ということですが、まさに地域住民の生活をよりよくするために町内会の方々も地域の課題解決のために取り組んでくださっておりますので、市といたしましては、町内会の重要性などを広く市民全体で共有することにより、地域住民の参加意識が醸成され、ひいては、地域コミュニティーの活性化が図られるようにしていきたいという考えのもとで、今回、条例という形式にさせていただいた次第でございます。
◆坂本きょう子 委員 そちらの認識はよくわかります。地域全体を包括的に見ているのが町内会であり、さまざまな活動を束ねているのが町内会だというお話だったと思います。
ただ、地域の中には、まちづくりセンターがあり、連合町内会もあって、その単位として町内会があります。また、皆さんの住んでいるところもそうだと思いますが、福まちがあったりPTAがあったり、あるいは老人クラブや子ども会があって、いろいろなことをやられております。そういう中で、町内会に関しては、行政からお願いして、私が入っている町内会でも、ボランティア登録をして、町内会会員同士でサポートしながら、地域の中でご高齢の方や障がいを持った方の見守りをするといった取り組みがあり、全市的にも行われていると思います。そういうことをお願いしておきながら、全体で意義や役割を共有しなければならないから条例化だというのは腑に落ちるご答弁ではないと思うのです。福まちのほか、PTA、子ども会、老人クラブなどでさまざまな活動をしている皆さんがいて、地域のいろいろな思いを背負って、背負ってと言うと、負担と感じているか、いないかという言葉にもなりますが、地域に根づいてそうした活動をやっております。
そういうふうにしてボランティアでやっている方たちがいる一方、とりたてて町内会だけを条例として位置づけるというのでは、多くの活動に参加している市民やそこに住んでいらっしゃる方からは理解を得られないのではないかというふうに私は思うのですが、そこら辺について、これからどういう説明なり対応をしていくのでしょうか。
◎小島 市民自治推進室長 地域にはほかにも類似団体がある中で、町内会に絞り込んだ条例をつくることの意義についてのご質問だと思います。
一部は先ほどの答弁の繰り返しになりますが、町内会といいますのは、地域コミュニティーの中にあるさまざまな団体と比べ、非常に幅広い分野で活動されていて、地域を網羅している団体であるという点が一番大きな特徴として挙げられるかと思います。また、平成27年度に行いました市民アンケートを見ても、地域のコミュニティ活動を担う団体として重要だと思うのは何かという質問に対し、町内会という回答が一番多く、76.1%の方がそのように認識されておりますし、町内会の機能の面や認知度といった面を見ても、町内会が地域コミュニティーの中心を担っているものというふうに私どもでは思っております。
しかし、今、いろいろな課題を抱えて町内会の活力が低下してきているということでございますので、地域コミュニティーの中心を担っている町内会に対して、先ほど山口委員にも答弁させていただきましたが、あくまでも任意団体でもあるということで自主性、自立性を最大限に尊重しつつ、必要な支援をしていきたいというふうに考えているところでございます。
◆坂本きょう子 委員 地域に根差して活動しているグループ、団体はほかにもいっぱいあると思います。行政としては、そこも尊重して、そこにも支援しながら、また連携しながら活動を広げていっていただく、深化していただくということなのだろうと思うのです。
しかし、今ご答弁にあったように、アンケートで76.1%の人たちが町内会は重要だと答えている、機能や認知度は高い、けれども、今、活力が弱ってきているとおっしゃいました。そういう中で条例をつくって、役割や意義を市民全体で共有すれば町内会の裾野が広がっていくのかというところです。今回は理念条例というお話でしたが、町内会で活動している皆さんは、本当に大変だとおっしゃいますよ。楽しいこともあって、報われることもあるけれども、やっぱりつらい、苦しい、大変というのがあって、さらに、後継者が見つからないということです。そういう中で、具体的にどういう支援をしてくれるのかということを条例の中に盛り込んでほしいということが、実は多くの町内会の皆さんの本音だと私は思っています。町内会に入る、あるいは拒絶する、退会するようなときにトラブルなどがあります。法律相談をしたいと思っていてもなかなか適切な法律相談機関に結びつかない、だから、町内会の役員は、もしこの条例があって、町内会という存在がもっと公的に認められるのであれば、例えば法律相談などでも行政が支援をしてくれるのだろうかと、あるいは、町内会館を持っている町内会では、会館は財産ですから、これをどうやって守っていくのかというような財産管理なども含めて、もっと専門的な知恵が欲しいと思っているのです。こういう一つ一つをしっかりとすくい取っていって、そして、地域の柱になる町内会をつくっていく、支援をしていくということであればもっといろんなことができる、そういうことについて積極的に町内会に声をかけていく、これは今もやっているのかもしれませんが、そこは丁寧にやっていくことが必要だと私は思います。
それから、町内会の皆さんとお話をしていますと、せっかくうちの地域にこんなに市の職員が住んでいるのだから、顔を出してほしい、公務員の皆さんは忙しいのはわかるけれどもというようなお話もあります。働き手の町内会員がなかなかふえない、役員にならない、なれないというところでは、市の職員に対して、まちセンなどへのかかわりだけではなく、自分が住んでいる地域でもっと顔を出してくれないかというようなこともあります。
ちょうど職員部長がいらしているので、聞きたいと思いますけれども、今、ボランティア休暇であるとか時間休暇であるとか、いろいろな働き方がある中で、例えば町内の活動にかかわれるような仕組みが幾らかはあるのだろうと思うのです。そこで、これから先、最終的にどういう形に落ちつくかはわかりませんが、条例制定に当たってこういうことが議論され、それをサポートしていくために、一市民である市の職員の働き方を守っていくときにどういう取り組みがあるのか、職員部というお立場から答弁をもらいたいと思います。
そして、室長には、今、町内会からこういう形で具体的な支援をしてほしいという声が幾つも挙がってきていますが、条例に盛り込む、盛り込まないは別として、町内会が望んでいる支援に対して、条例化に合わせてどんな形で取り組み、具体化していこうとしているのか、その道筋についてお聞かせいただきたいと思います。
◎小島 市民自治推進室長 町内会のご意見、あるいは、支援に向けてのニーズをどうやって把握していくのかということでございます。
条例素案の中では、町内会活性化の施策に当たっては、町内会の意見を勘案することということで、市の一方的な考えのみで施策を押しつけないような整理をしているところでございます。その勘案の仕方につきましては、先ほど山口委員の質問にも答えさせていただきましたように、これまでは、町内会の皆様がどういう意見をお持ちになっているのかということについて不定期に単位町内会宛てにアンケートをさせていただいておりましたが、それをある程度定期的にやるなど、町内会の皆様のご意見を聞く仕組みを整えていきたいと思っておりまして、そういうスタイルで定期的に町内会の皆様のお考えを聞いていきたいと考えているところでございます。
◎山本 総務局職員部長 職員のまちづくり活動、町内会活動にかかわる取り組みにつきまして、私からお答えを申し上げます。
現在、札幌市職員に関しましては、自治基本条例に基づく市の職員の責務に関して、さまざまな研修を通じて職員に周知を図っているところでございます。その中で、一市民として、地域の住民として、市職員としてのスキル、物の見方を生かしながら地域活動に貢献している職員は実際に多数いると認識しております。
今後につきましても、私ども職員部として、こういった職員に対してどのような支援が必要か、引き続き検討してまいりたいと考えております。
◎高野 市民文化局長 今回の条例は、ある意味では、町内会の喫緊の課題である町内会の加入促進についてスポットを当てたものでございます。今、委員のおっしゃった内容につきましては、今後、今のご意見のほか、連合町内会連絡協議会やパブリックコメントでのご意見を踏まえ、新たに案をつくり、検討してまいりたいと思っております。
◆坂本きょう子 委員 わかりました。
いずれにしても、年度内に策定ということでありますが、先ほど申し上げたように、町内会関係者はもとより、地域にはさまざまな団体、組織があります。自主的に運営している団体もありますので、そこは個別のこととして済ませるのではなく、そういうところにもしっかりと報告や説明のほか、意見聴取をしていただきたいと思います。
私としては、町内会には、その活動を尊重しつつ、地域の中で全体的な目を持って幅広に活動していってほしいと思いますし、行政としてもそういうふうに思っているのであれば、本市として、そういう活動ができるような条件をきちんと整備していってあげてほしいと思います。そして、町内会と他団体が手をつないで連携していく、そういうネットワークづくりにもしっかりと配慮していっていただかなければ、自治基本条例、市民まちづくり活動促進条例はないのも同じとなってしまうと思うのです。
この3本立てで行けるようものがきちんとつくられるのかどうか、年度内と言わず、丁寧に市民議論をしながら、要望も聞きながらしっかりと対応していっていただきたいと思います。また、先ほども別の委員から出ていましたが、議会に対しては、随時、必要な報告をしていただきたいということを求め、終わりたいと思います。
◆
ふじわら広昭 委員 私からも、何点か質問させていただきたいと思います。
まず、1点目は、制定の背景は素案の中に示されておりますが、いろいろな条例などを見てみますと、昭和38年11月3日に札幌市民憲章が制定されておりまして、我々も含めて、札幌市民憲章があることはわかっていまして、その中にはまちづくりにつながっていくものが明記されています。そういう意味では、この条例の制定の背景に札幌市民憲章の位置づけもしっかりしておく必要があるのではないかと思うのです。
2点目は、特に、市の支援施策として広報活動などいろいろな表現がされております。例えば、区のホームページのリンクで町内会の情報にたどり着けたり、あるいは、ホームページを立ち上げている単位町内会や連合町内会があることも知っています。ただ、得意な人がいなかったらやれない面もあるので、ホームページを立ち上げる場合の基本的なソフトを市が準備して支援していくことも必要ではないかと思います。
3点目は、今後、連合町内会の会長などのご意見も聞くと思うのですが、そうした方ばかりではなく、やはり学生や若者もいるわけです。しかし、短期間しかいない、あるいは、町内会に余りかかわりたくないみたいなアレルギー反応がありますから、こういう人方を集めたワーキングを設定して、若い層の方はどういうふうに捉えて、どんなことがあれば自分たちも協力できるのかということを知ることも必要だと思います。それは、地域によって全く違うのですが、そうした取り組みもしていくべきだと思います。
また、関連して、京都市の条例を取り寄せてよく読んでみますと、事業者は従業員の地域活動に参加することに配慮するよう努めなければならないということが文章化されています。札幌市の場合、事業者についてはここに書いてあるような中身ですが、会社員として働いている方が気持ちよく地域活動をできるよう、商工会議所などいろいろな団体を通じてそうした取り組みを要請し、できれば明文化していくべきではないかと思います。
それから、表彰制度についてですが、各区単位で区長表彰や市長表彰もありますけれども、表彰の対象期間が平均すると10年ぐらいなのです。私が思うには、今は10年ですけれども、もう少し短くして極端に言えば5〜6年でも対象になるように基準の緩和を考えるべきではないかと思うのです。
こうした点について、すぐに結論は出ませんけれども、どのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
◎小島 市民自治推進室長 5点ほどご質問をいただいたかと思いますので、順次、答弁させていただきたいと思います。
まず、1点目は、市民憲章について、町内会条例ではどのように考えているのかということでございました。
市民憲章は、昭和38年に制定されまして、前章を入れると六つの章から成り立っております。市民憲章の内容というのは、札幌市のまちづくりの基礎といいますか、全ての条例の基礎となっている理念であると認識しておりますことから、その考え方は本条例におきましても当然引き継いでいるものでございまして、特段、町内会条例の中で市民憲章に触れている場面はございません。
それから、2点目の町内会の広報活動の支援といたしまして、ホームページについて、区役所からリンクを張ってより情報発信できるようにというようなご質問でした。
私どももインターネットでいろいろ情報発信を行っていますし、情報発信を検討している町内会がふえていることは聞いております。しかし、近年は、ホームページに比べまして、スマートフォンなどで誰でも手軽に利用できるLINEやフェイスブックといったソーシャル・ネットワーキング・サービスがふえておりますので、市といたしましては、こうしたSNSを活用した情報発信について町内会を対象に紹介や講習を行っているところでございます。
今後も、ホームページを含めまして、町内会のニーズを踏まえながら、インターネットを活用した情報発信を支援してまいりたいと考えております。
3点目は、大学生のような若い方々に町内会にもっと関心を持ってもらえるようなことをいろいろと考えていってはどうかというご質問だと思います。
私どもも、やはり、若い世代の方々が地域にかかわって自分たちのまちに愛着を持っていただくということは、同時に、町内会の役割や重要性について知っていただくことになりますので、非常に大切なことであると考えているところでございます。
そこで、今、市では、大学のサークルが町内会のイベントへ参加するといった支援や地域活動の成果を発表するまちフェスを実施するなどして、学生が町内会や地域活動へ参加することにつながる取り組みを行っております。また、高校生が町内会の役員に就任したり、大学生と共同して地域マップを作成するなどの事例もありますので、こうした事例を取り組みの参考としていただけるよう、適宜、各町内会にも情報発信をしてまいりたいと考えております。
4点目は、事業所の役割を設けていることから、従業員の町内会活動への参加も商工会議所等を通じて働きかけてはどうかということでございます。
今回の条例の中では、事業者は町内会活動への参加や協力に努めることとするという役割を明記しておりますので、今後、条例ができ、周知することに伴いまして、この事業者の役割によって従業員が町内会活動へ参加する意識が高まることにつながるよう期待したいと思っております。
それから、5点目の表彰基準についてですが、これが町内会の役員の高齢化の一因にもなっているのではないかというご質問だったかと思います。
市長表彰ですと、町内会長の場合、継続して10年以上の在職を要件としております。また、区長表彰では、役職等に応じて異なりますし、必ずしも各区の基準が統一されておりませんが、委員の地元である東区ですと、町内会長の場合は在職7年以上という要件が定められております。
ただ、こうした表彰基準と町内会役員の高齢化の関係性については、私どもとしてはこれまでアンケートなどをしたことがないため、残念ながら把握できていない状況でございます。
◆
ふじわら広昭 委員 事業者が町内会に参加するだけではなく、その事業所の従業員に対しても具体的に文章化すべきではないかと思います。
また、市民憲章についても、全文を載せなくても、前段の文章の中に、「わたしたちは時計台の鐘が鳴る札幌の市民です」というような文をきちんと入れていただきたいと思います。先ほど言われた条例も含めて、まちづくりや町内会の取り組みに寄与するようなもので具体的にわかりやすい内容になっているので、そうしたものも参考にしたらどうかと思います。
それから、きょうは職員部長にお越しいただいていまして、市がいろいろな支援をしていくということでした。ただ、これは強制ではありませんが、今もたくさんの職員がPTAや町内会の役員をやられていますので、そういう状況をしっかり支援していくことが必要ではないかと思うのです。
そこで、先ほど質問がありましたが、札幌市のボランティア休暇制度というのは、どのようなときに対象となるのか、ここ何年かの取得状況等について教えていただきたいと思います。
◎山本 総務局職員部長 ボランティア休暇についてのご質問であります。
まず、制度のご説明をいたしますと、札幌市職員が自発的に、かつ報酬を得ないで行う社会貢献活動に際して取得できる休暇であります。具体的には、被災地での被災者への援助活動、あるいは、障がい者、高齢者等への施設または居宅等における援助活動を指定しておりまして、期間については1年度につき5日以内という定めになっております。
最近の取得の実績について、最新のデータで申し上げますと、平成28年度の取得人数は3名でありました。それぞれ1日、1日、4日の取得でありまして、具体的には、当時、台風被害があった南富良野町の被災地支援で取得しております。
◆
ふじわら広昭 委員 これは札幌市人事委員会で規定していまして、今は半日単位の取得まで緩和されています。しかし、職員イコール市民でありますから、ぜひとも、この条例素案を検討していくことと同時並行して、職員部が人事委員会と連携を図り、例えば1時間単位とすることで、町内会の会合に早退して参加できたり、あるいは、おくれて出勤することもできますので、そうしたメニューをつくるべきではないかと思います。
そうした点について、今後、人事委員会と検討を進めていくべきだと思いますが、職員部としての基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思います。
◎山本 総務局職員部長 ボランティア休暇につきましては、札幌市においては、平成9年に導入されたものであります。これは、国と同時期で、制度内容も国とほぼ同様となっております。平成7年1月の阪神・淡路大震災の復興支援を背景に、被災地での支援活動とか、障がい者や高齢者といった方々の援助活動を行うための全国的な社会的要請の高まり、あるいは、それに携わる職員の資質向上にもつながることを踏まえて制定されたものであります。
そうした中で、従来から議論されておりますように、札幌市職員が町内会活動を初めとした地域コミュニティ活動に市民の立場で参加することにつきましても、行政とは異なる側面から市民生活に触れることになるわけでありまして、視野を広げる、ひいては行政面でもよい効果をもたらすものであると認識しております。
一方で、ボランティア休暇の対象をこうした活動に拡大するという検討に当たりましては、今申し上げた休暇制度が導入された経過における社会的要請に相当するものが必要だろうと考えております。具体的には、札幌市におきましては市民の皆様の声であったり、その声を集約するものが札幌市町内会に関する条例であると考えております。したがいまして、今後、この条例の議論の中で、条例が求める趣旨というものは何なのかと。そういった趣旨に応えていくために、札幌市職員を支える勤務条件、あるいは、制度のあり方、その運用につきまして、先ほどの答弁で検討のスタートとありましたが、国やほかの自治体との均衡も考慮しつつ、ご指摘にありましたように必要に応じて関係機関とも協議しながら検討してまいりたい、このように考えております。
◆
ふじわら広昭 委員 ボランティア休暇については、弾力的に取り扱いができるよう、ぜひとも人事委員会と協議していただきたいと思います。
京都市では、条例のほかに、規則をつくって、具体的に取り組みや活動を検証する審議会がつくられたり、あるいは、札幌市の条例では不動産関連事業者の協力依頼となっていますが、向こうでは、確認申請をする段階から、建設会社や不動産会社を含めて、誰が町内会の窓口になっていくのか、そういうことについて連絡先や氏名を登録させています。それがいいかどうかはわかりませんし、規則をつくれば何でもいいということではないですが、条例だけではなく、具体的な規則の中に重点的なものを入れて条例を発展させようとしているので、今後、市としても参考にして検討していただきたいと思います。
また、最後に、局長にもぜひとも頑張っていただきたいですし、私どもも応援したいと思うのですが、早ければ年内、遅くとも来年の第1回定例会までにこれをつくりたいというふうに我々も思っております。しかし、来年は市長選挙や市議会議員の改選期でありまして、当然、新年度予算は骨格予算となります。別に骨格予算だけをつくって、あとは知らないということにはなりませんが、こうした大事な取り組みに対して札幌市の本気度を見せるためには、骨格予算の中にも必要な予算の全額を配置していくような対応や取り組みが必要だと思うわけであります。
そこで、この2点についてお聞きして、質問を終わりたいと思います。
◎小島 市民自治推進室長 京都市の場合は、規則で建築申請のときからいろいろ協力できるような仕組みづくりをしているので、札幌市でもそういうことを検討してみてはどうかということでございました。
きょう、初めてスタートラインということで素案を提示させていただきましたので、この条例の効果をより高めていくために、本日のご意見もございますし、これから町内会の方からもご意見をいただき、その先にはパブリックコメントで市民からいろいろとご意見をいただく中で、どういった手段が考えられるのか、どういった形がより効果的なのかについて引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
◎高野 市民文化局長 予算にしっかり盛り込めということでございますが、現在の2条例が制定された後もかなりの予算措置がされております。
この条例制定は今年度中にというふうに考えていますが、現実的には、来年には選挙があるため、骨格予算となって編成作業は9月末ごろから始まりますので、なかなか間に合いません。いずれにしても、政策予算ですから、新市長のもとでそれを盛り込む、盛り込まないということが決定されると思います。
私どもとしては、新年度に向けて、町内会の支援施策の具体的なものをどのように予算に盛り込むのかは本当に重要だと思っておりますので、今の条例の検討状況を見据えながら、財政当局にしっかりと要望していきたいと思っております。
◆高橋克朋 委員 今、段々の意見がございましたが、私からは2点です。
まず、この条例では加入促進を進めるわけですから、市職員の加入率を調べる考え方はあるかということが1点です。
それから、100%ではないと思うのですが、これは市当局として提案するわけですから、今後、市職員についての加入を進めていくという方法、考え方についてお聞かせください。
◎小島 市民自治推進室長 まず、市職員の町内会への加入について把握する考えはあるのかどうかということでございます。
実は、退職を控えた職員に対しては町内会の加入状況について調査を行っております。毎年やっておりまして、平成30年2月に行いましたアンケートでは、92.9%の職員が町内会に加入していると回答しております。退職予定者以外の職員についてはこのようなアンケートを行ったことはございませんが、今、委員からご指摘がありましたように、今後、本条例の検討を進める中で、市職員も市民の立場で積極的に町内会活動に参加するという意識を持つことは大切かというふうに思う点もありますので、私どもとしても、一度、職員の現状を把握する必要があろうかと考えているところでございます。
それから、もう1点は、まさに具体的に職員の町内会活動の参加に向けてということでございます。
今、ご答弁させていただいたように、職員も市民の立場で積極的に地域活動に参加する意識を持つことは極めて重要だというふうに思っております。しかし、職員も職務を離れますと市民の一員でありますので、その職員に対して町内会活動に参画するよう強く勧めるということは、市民に町内会活動への参加を強く勧めることと同じことになります。そのため、本条例の理念からいきますと、そこはなかなか難しいのではないかというふうに考えているところでございます。
◆高橋克朋 委員 最後に室長が言ったとおり、一市民に返ったとき、勧めるのはなかなか難しいというのはよく理解します。
しかし、先般、この条例で課長から説明を受けたとき、私は、町内会の役割、あるいは、市、事業者の責務等がのっているけれども、一番大事な市民という部分が抜けているのではないかと思ったのです。市民というのが一番多いわけですよ。私のところも600世帯あるのに、いざ新年会や町内会の活動に出てくる人は本当にごく一握りです。ですから、私は、せっかくこの条例をつくっても、果たして本当に機能するのかなと心配しています。他都市では市民の役割ということをうたって明確にしているところもありますから、これから十二分に検討する余地があるのではないかと考えております。
これは、意見にとどめておきますが、私はそのように考えております。
◆石川佐和子 議員 番外なので、簡潔にお伺いいたします。
町内会に関する条例素案についてでありますが、町内会は大変身近な市民参加の場として地域コミュニティーの大きな役割を担っており、町内会の活動を応援することは大変重要なことだというふうに私も認識しております。
先ほど、自治基本条例と市民まちづくり活動促進条例がある中で、町内会に焦点を当てた条例の意義について質問がありました。私もそこはお伺いしたいと思っておりましたが、その答弁を受けまして、三つの条例の趣旨について整合性を図るべき点が私も気になっておりますので、そこは指摘をさせていただきたいと思います。
また、このたびの条例の趣旨である町内会が抱えている課題、いわゆる高齢化、なり手不足、役員や会員の減少などは町内会だけに限ったことではないと考えます。ほかのボランティア団体やPTAなどでも同様の課題があって、助成金もない中で活動を行っている団体もあります。そうした中で、町内会活動を対象にした条例を特出しするところに若干の違和感を覚えておりますし、そうした条例を制定する取り組みがほかの団体から見たときに理解を得られるのかという疑問も感じているところです。
先ほども申し上げましたが、市民のまちづくり活動を促進するために、市民まちづくり活動促進条例があって、皆さんもご存じのように、この条例に基づいて市民まちづくり活動促進
基本計画が策定され、調査審議をするために市民まちづくり活動促進テーブルという仕組みもございます。この計画の中では、進捗管理として、成果目標を定め、町内会加入率も定めております。平成30年度の目標として74%という数字を掲げ、それを達成するための施策、すなわち、まちづくりへの理解促進や多様な参加機会の提供、団塊世代、若者、子どものまちづくりへの参加促進など、それらについて、この間、積極的に取り組みを進めてこられていると私も理解しております。
しかし、事業検討部会の資料を拝見させていただきますと、地域活動の場や市民活動参加割合は確かに増加しておりますが、皆さんもご存じのように、町内会加入率は減少傾向であります。また、身近に交流の機会があると感じている人の割合も、2017年の数字は載っておりませんが、2016年にかけて減少している現状があります。
そこで、質問いたしますけれども、今回、町内会に関する条例を提案する背景として、私には市民まちづくり活動促進
基本計画による取り組みの効果が十分ではないというふうに受け取れますが、どのようにお考えか、伺います。
◎小島 市民自治推進室長 町内会の条例を制定するに当たって、市民まちづくり活動促進
基本計画の効果が十分ではなかったのではないかというご質問でございます。
町内会活動の推進に向けましては、今、委員からお話がありましたように、市民まちづくり活動促進
基本計画に基づいてさまざまな取り組みを進めてまいりました。その結果として、地域でのまちづくり活動は非常に増加しているという結果がある一方、町内会の加入率を見てみますと、ご指摘のとおり、全体としては残念ながら減少傾向になっております。これを区ごとに見ますと、中央区、直近でいけば東区、白石区、厚別区では加入率が上がっている状態が見られますが、トータルで見ますと、これまでの
基本計画に基づく取り組みでは町内会の加入率向上にはなかなかつながってこなかったのかなというふうに認識しているところでございます。
そこで、町内会のより一層の活性化を図るためには、計画に基づくこれまでの取り組みに加えまして、繰り返しになりますが、町内会の重要性や役割を広く市民の皆さんに知っていただき、それを共有していくことに加え、町内会の活動を市でしっかりと支援していくという市の取り組み姿勢を示すことが有効に働くのではないかと考えまして、条例を制定しようというふうに考えたところでございます。今後につきましても、市民まちづくり活動促進
基本計画を遂行していくことに加えまして、本条例の制定を進めることで、町内会活動のさらなる促進を目指していきたいというふうに考えております。
◆石川佐和子 議員 今、条例の役割の周知という答弁がありましたが、今おっしゃった条例というのは今回の町内会条例のことですね。私は、先ほど申し上げた自治を進めていく自治基本条例と市民まちづくり活動促進条例の二つの条例の周知もまだまだ徹底されていない、また、条例の役割の周知も不十分ではないかということを常日ごろ感じておりますので、あわせて、既に制定されている二つの条例の役割の周知を強く求めておきたいと思います。
次の質問に行きます。
札幌市がこの条例制定を目指していることが新聞に掲載されまして、その新聞記事を読んだ町内会関係の皆さんが非常に色めき立ったというか、この条例ができたことで加入促進が進むのではないかと期待する声がありました。この期待感はいいことかもわかりませんが、仮に町内会に関する条例が制定された場合、町内には加入活動に非常に熱心な方たちがいっぱいおられるので、そうした方たちは、加入理由にこの条例をつなげて、努力規定から踏み込んで加入を促進させないかなと懸念しております。
そこで、伺いたいのですが、町内会活動は自主的なものだということはこれまで何回も確認しましたし、条例によって加入を強く促すべきではないということは言うまでもありません。ただ、先ほども申し上げましたように、努力規定とは言いましても、加入促進に努めるという町内会の役割の表現の仕方についてどのようにお考えなのか、伺います。
◎小島 市民自治推進室長 町内会の役割における加入促進に努めるという考え方についてでございます。
これは、加入を促進するという前にある、地域住民の自発的な加入を促進するように努めるというところに力点を置いて捉えております。町内会長の皆様に行ったアンケートの結果では、確かに、この条例ができることによりまして、加入や参加を勧誘する際の後ろ盾になるというご意見が多くなっております。しかし一方で、町内会という団体は自主性、自立性が一番尊重されるべきところですので、町内会長の皆様方の加入促進によって加入されたとしても、その方々も含めて、地域住民が相互に協力していただきながら自主的に活動が行われていくことが非常に重要であり、そのことは基本理念にも盛り込んでおります。また、基本理念には、地域住民の相互の理解に基づき、さまざまな価値観や自主性を尊重することとして、決して強制的にならないように配慮する意味合いの考え方を盛り込んでおりますので、私どもとしましては、町内会の自主性、自立性がしっかり保たれるような条例にしていきたいというふうに考えております。
◆石川佐和子 議員 最後に、要望を申し上げたいと思います。
今おっしゃったような自主性、自立性を尊重する考え方を徹底し、説明会やパブリックコメントでも強調していただきたいと思います。
そして、私は、自治基本条例、それから市民まちづくり活動促進条例に基づいてさまざまな団体のまちづくり活動の支援を行っていくことが基本であって、今後も拡充していくべきだということを求めておきます。先ほど答弁にもありました市民まちづくり活動促進
基本計画は、現在、第3期に向けて見直し中であります。こうした計画の見直しの際には、町内会を初め、さまざまな団体のまちづくり活動の課題の解決に向け、きめ細やかな取り組みをさらに拡充させていくことを求め、私の質問を終わります。
○
小竹ともこ 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
小竹ともこ 委員長 なければ、質疑を終了いたします。