札幌市議会 > 2018-03-23 >
平成30年第一部予算特別委員会−03月23日-09号
平成30年第二部予算特別委員会-03月23日-09号

ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2018-03-23
    平成30年第一部予算特別委員会−03月23日-09号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成30年第一部予算特別委員会−03月23日-09号平成30年第一部予算特別委員会  札幌市議会第一部予算特別委員会記録(第9号)               平成30年(2018年)3月23日(金曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32名(欠は欠席者)     委 員 長  こじま ゆ み      副委員長   村 上 ゆうこ     委   員  三 上 洋 右      委   員  宮 村 素 子   欠 委   員  勝 木 勇 人      委   員  こんどう 和雄     委   員  長 内 直 也      委   員  よこやま 峰子     委   員  飯 島 弘 之      委   員  阿部 ひであき     委   員  伴   良 隆      委   員  村 松 叶 啓     委   員  村 山 拓 司      委   員  福 士   勝     委   員  小 野 正 美      委   員  ふじわら 広昭     委   員  桑 原   透      委   員  長谷川   衛     委   員  しのだ 江里子      委   員  林   清 治     委   員  松 原 淳 二      委   員  かんの 太 一     委   員  涌 井 国 夫      委   員  國 安 政 典     委   員  好 井 七 海      委   員  小 口 智 久     委   員  前 川 隆 史      委   員  伊 藤 理智子
        委   員  太 田 秀 子      委   員  池 田 由 美     委   員  堀 川 素 人      委   員  石 川 佐和子     委   員  中 山 真 一       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○こじまゆみ 委員長  ただいまから、第一部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、勝木委員からは欠席する旨、届け出がありました。また、3月19日のまちづくり政策局関係の審査中、総務管理費中関係分等における松浦委員の質疑の際に勝木委員から動議の提出がありましたが、勝木委員本人から発言の一部に不適切な表現があり、この部分について発言を取り消したい旨の申し出がありました。  この件については、当職においても確認いたしましたので、そのように措置いたします。 ◆堀川素人 委員  発言をあなたの権限で取り消したりすることができるんですか、本人の申し出があったとしても。ここで発言した事実は、基本的にきちんと残さなければならぬ。こういうことなのに、あなたの権限でこれを取り消しますからとか取り消さないとか、こういうことを決める権限があなたにあるんでしょうか。 ○こじまゆみ 委員長  これにつきましては、申し出がありまして、理事会にお諮りしましたところ、皆様からご同意をいただきましたので、このようにさせていただきました。 ◆堀川素人 委員  これは、みんなの了解を得なければ。 ○こじまゆみ 委員長  皆様のご了解により理事会でお諮りさせていただいておりますので。 ◆堀川素人 委員  理事会でやっていると、一部の人方の理事会でしょう。 ○こじまゆみ 委員長  発言者ご本人の勝木委員からお申し出がありました。 ◆堀川素人 委員  聞きたいのは、あなたが今やったこと、理事会を通して、それでもってあなたの判断でやった、それは法的に問題ありませんかという、その根拠を聞いているんです。 ○こじまゆみ 委員長  理事会にお諮りいたしまして、このように決めさせていただきました。そしてまた、勝木委員ご本人からのお申し出ですので、このようにさせていただきます。 ◆堀川素人 委員  本人の申し出は関係ない。ここで取り消すべきなのか、残すべきなのかということですよ。 ○こじまゆみ 委員長  議事を続行させていただきます。  それでは、議事に入ります。  最初に、第4款 環境費 第1項 環境計画費 第2項 清掃事業費 議案第21号 札幌市証明等手数料条例及び札幌市消防手数料条例の一部を改正する条例案中関係分及び議案25号 札幌市廃棄物の減量及び処理に関する条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。 ◆よこやま峰子 委員  私は、札幌市における自動車の温暖化対策並びに次世代自動車の取り組みについて質問させていただきます。  パリ協定の採択、発効を機に、国際的に脱炭素化の動きが加速している中、我が国では、エネルギー安全保障と温暖化対策の切り札として水素エネルギーの利活用を推進しており、平成26年に世界に先駆けて燃料電池自動車の販売が開始されて以降、4大都市圏を中心に水素ステーションの整備が進められ、自動車における水素エネルギーの利活用が広がってきております。札幌市から排出されるCO2の約2割を占めているのも自動車であり、札幌市においても、昨年3月に燃料電池自動車普及促進計画を策定し、これを受けて、今月、市内では、1カ所目として最初の水素ステーションが豊平区にオープンする予定であり、自動車のCO2削減に向けて、今後の燃料電池自動車の普及や水素エネルギーに対する理解が進むのではないかと期待しているところであります。  一方、新聞やテレビなどでは、欧米や中国など諸外国において、自動車の電動化、ガソリン車やディーゼル車が電気自動車へ移行する、いわゆるEVシフトが急激に進んでいるという報道もございます。また、自動車の普及台数を見ても、道内の燃料電池自動車は、2月末現在で9台、全国でも2,000台程度ということであり、電気自動車に比べて普及がおくれているのが現状であります。  このような状況の中で、本当に燃料電池自動車水素エネルギーの普及が進むのか、国際的な電動化の動きの中でこのまま燃料電池自動車の普及に取り組んでいくと、世界から孤立して取り残されてしまう、いわゆるガラパゴス化してしまうのではないかという不安を感じている市民や事業者も少なからずおられるのではないかと思います。  そこで、質問ですが、国際的に自動車の電動化に向けた動きが進む中、札幌市では燃料電池自動車をどのように位置づけておられるのか、お伺いいたします。 ◎大平 環境都市推進部長  燃料電池自動車の位置づけについてでありますが、欧米等における自動車の電動化には、電気自動車だけではなく、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、そして燃料電池自動車も含まれており、各国においても水素利用に向けた取り組みが進められています。また、電気自動車には、現状では、走行距離に制約があるほか、大型車への導入が難しいといった課題があり、こうした課題を補完できる燃料電池自動車も有力な選択肢の一つになり得るものと考えております。  さらには、水素社会の形成に向けた国や北海道の動きを踏まえて、平成29年3月に札幌市燃料電池自動車普及促進計画を策定したところであり、本計画で目指している北海道の豊富な再生可能エネルギーを活用した水素社会の実現に向けて、着実に燃料電池自動車の普及を進めていきたいと考えております。 ◆よこやま峰子 委員  ご答弁によりますと、自動車の電動化には燃料電池自動車も含まれており、低炭素社会、さらには脱炭素社会の実現に向けて、電気自動車とともに普及を進めていく必要があるということでございました。  そこで、今後の次世代自動車対策の取り組みや考え方についてお伺いいたします。  次年度、2018年度の次世代自動車促進費の予算を見ますと、燃料電池自動車が補助の対象に追加された一方で、先ほどの電動化の定義に入るハイブリッド車やプラグインハイブリッド車といった自動乗用車への補助は廃止となっております。ハイブリッド車については普及が進んでいると思いますが、プラグインハイブリッド車についてはまだまだ普及が進んでいるとは言えず、補助を廃止するとどのような影響が出てくるのか懸念されます。  一方、今後の普及が期待される電気自動車については、家庭でも充電ができるほか、スーパーの駐車場などでも充電設備が見られるようになり、比較的インフラが整備されてきております。また、昨年、日産から発売された新型リーフは300万円台と購入しやすくなったなど、価格の低廉化や性能の向上も進んできており、購入のさらなる普及への後押しが必要ではないかと考えます。  また、燃料電池自動車については、普及が進まないのは、車両価格が700万円以上で高額であることや、全国的に水素ステーションの設備が十分に進んでいないことが要因と考えられます。札幌市では、このたび、市内に8の水素ステーションを整備し、さらに、次年度の予算では、普及啓発用に燃料電池自動車を公用車として2台リース導入する予定とのことであります。また、補助制度として、燃料電池自動車1台当たり50万円、30台分、1,500万円の導入補助費が計上されております。  しかし、実際にどこまで燃料電池自動車の導入が進むのかは未知数であり、より積極的な啓発や働きかけが必要ではないかと考えているところであります。  そこで、質問ですが、次年度の次世代自動車補助制度について、どのような考え方で制度の見直しを行ったのか、また、燃料電池自動車の普及に関して、補助制度の利用促進に向けた取り組み並びに普及啓発策についてもあわせてお伺いいたします。 ◎大平 環境都市推進部長  燃料電池自動車の普及促進についてのご質問です。  まず、1点目の平成30年度予算の補助制度の見直し内容についてでありますが、次世代自動車の補助制度は、環境性能がすぐれている自動車を対象に、普及初期における導入支援を行うことを目的としており、市内における次世代自動車の普及状況や国の動向等を見きわめながら、適宜、対象の見直しを行ってきています。平成30年度につきましては、市内初の水素ステーションが開設し、燃料電池自動車の導入環境が整備されたことや、電気自動車への関心が高まっていることを受け、乗用車については、補助対象を走行時にCO2を排出しない燃料電池自動車及び電気自動車に限定する予定としております。  2点目の補助制度の利用促進に向けた取り組みや普及啓発策についてでありますが、先行する自治体に燃料電池自動車の普及実績を確認したところ、普及初期は事業者の導入が進む傾向にあったことから、さまざまな広報媒体を活用した周知、PRに加えて、経済団体やさまざまな業界への働きかけも行いながら、導入促進を図っていきたいと考えております。また、この3月に導入する公用車2台には、よりPR効果を高めるために、札幌市立大学の学生がデザインしたラッピングを施しており、見せる広報車として活用するほか、区のお祭りやイルミネーションなどさまざまなイベントにおいて電源利用を含めた展示や試乗にも活用するなど、燃料電池自動車水素エネルギーへの関心、理解が進むよう、効果的な普及啓発を図っていきたいと考えております。 ◆よこやま峰子 委員  ご答弁によりますと、温暖化対策のためには、電気自動車や燃料電池自動車のように、走行時にCO2を排出しない自動車への転換を進める必要があるとのことであります。化石燃料で走る自動車から電気自動車及び燃料電池自動車への転換を進めることで、将来的には自動車から排出されるCO2を極限まで低減させることも可能ではないかと考えるところであります。  しかし、電気自動車も燃料電池自動車も、走行時にはCO2を出さないと言われていますが、現状では動力源となる電気や水素を化石燃料から製造しているので、その段階ではCO2が排出されてしまうという課題がございます。大幅なCO2の削減を目指すには、今すぐには難しいかもしれませんが、将来に向けて、再生可能エネルギーに由来する化石燃料ゼロ、すなわちCO2フリーの電気や水素の利活用を進めていかなければならないと思います。  そこで、質問ですが、札幌市は、電気自動車や燃料電池自動車におけるCO2フリーの電気や水素の利用を今後どのように進めていかれるのか、お伺いいたします。 ◎大平 環境都市推進部長  自動車の動力源となる電気や水素のCO2フリー化についてであります。  動力源のCO2フリー化を図るためには、北海道に豊富に賦存する再生可能エネルギーの導入拡大が不可欠でありますことから、国や北海道など関係機関と連携のもと、再生可能エネルギー比率の向上にも取り組んでいきたいと考えております。  一方、電気自動車につきましては、本市が普及促進を図っている家庭や事業場の太陽光発電からの充電も可能であることから、こうしたCO2フリー化手法についても、その普及に向けて検討を進めていきたいと考えております。また、燃料電池自動車に関しましては、現在、石狩市において風力発電の余剰電力を活用した水素製造の構想がありますことから、石狩市のほか、北海道や水素関連事業者とも連携しながら、市内の水素ステーションにおけるCO2フリー水素の活用を目指してまいりたいと考えております。 ◆よこやま峰子 委員  ただいまは、温暖化対策の面では、電気自動車や燃料電池自動車の普及だけでは不十分であるというご認識でありまして、電気も水素も再生可能エネルギーに由来するCO2フリーの利用を進める必要があるということでした。そして、そのためには国と道との連携もしっかりととっていかれるということでありますので、再生可能エネルギーの比率を高めるように努めていただきたいと思います。  また、電気自動車については、家庭や事業所の太陽光からの充電が可能であり、そうした手法も取り入れるとのことでありますので、ぜひ、再生可能エネルギーを生かした電気自動車の普及を推進させてほしいと思います。  さらに、燃料電池自動車に関してですが、本年度は、初の水素ステーションが豊平区に1カ所設置されるということです。しかし、1カ所では余りにも少なく、購入しようとするときに非常に不安で購入意欲がそがれると思いますので、ぜひ、少しでも早く水素ステーションの増設をお願いしたいと思います。  また、先ほどの答弁の中で、ことしは2台の公用車をリースなさるということでした。市立大学の学生によるラッピングとか、公用車を使ったいろいろな行事への参加もあるようですが、そうしたことをいろいろ取り入れて、市民が温暖化対策へ協力したいと思うような啓発にも力を入れていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆林清治 委員  私からは、札幌・エネルギーecoプロジェクトの推進状況を中心に、札幌市の再生可能エネルギーの拡大について質問していきたいと思います。  まずは、次世代エネルギーシステム導入補助事業に関してですが、昨年の第3回定例会決算特別委員会においても、札幌・エネルギーecoプロジェクトの補助制度に焦点を当てて質問させていただきましたので、その後の対応や来年度の予算への反映状況について、まず、質問したいと思います。  太陽光発電設備についてでありますが、今年度の市民向け札幌・エネルギーecoプロジェクトの補助実績を確認したところ、申請件数は354件、昨年度より17%の減になっている状況であります。2012年の802件をピークに、減少傾向に歯どめがかからない状況であると言えると思います。太陽光発電については、固定価格買い取り制度の買い取り価格が年々見直されている一方、設置コストが下がっていないという課題があります。普及に向けた支援策、誘導策の強化がさらに必要かなというふうに思っています。  さきの決算特別委員会の質疑では、効果的な導入方法を検証し、普及対策に努める旨の答弁がありました。また、積雪寒冷地である本市にとって、住宅のCO2対策は非常に重要であり、高断熱・高気密化の省エネ対策に太陽光発電など再生可能エネルギーを組み込み、CO2排出をゼロにする、いわゆるゼロエネルギー住宅の普及は、今後の温暖化対策として大いに期待されるものであります。その普及策として、補助制度の活用について積極的に検討する旨の答弁があったところであります。  そこで、最初の質問ですが、太陽光発電のさらなる普及やゼロエネルギー住宅の今後の普及に向けて、来年度の補助事業の見直しなど、どのような取り組みを行う予定なのか、お伺いします。 ◎大平 環境都市推進部長  太陽光発電やゼロエネルギー住宅の普及に向けた取り組みについてお答えいたします。  太陽光発電は、特に積雪寒冷地において設置にかかる工事費が高くなる傾向にあり、設置費用の回収が進まないといった課題があります。一般に、パネルの数をふやし、発電容量を大きくすることで、工事費の単価が下がり、設置費用の回収が早まることから、来年度は、1キロワット当たりの補助単価4万5,000円は変えませんが、補助枠の上限を5キロワットから9.99キロワットに引き上げることで導入のインセンティブを高め、発電容量の増加にもつなげたいと考えております。また、高気密・高断熱の住宅に太陽光発電を設置し、エネルギー収支をゼロにする、いわゆるゼロエネルギー住宅の普及は、積雪寒冷地のCO2削減に向けて有効な対策となりますことから、その普及促進のための支援の枠組みを検討しているところであります。  さらに、補助利用者にはエネルギー収支の報告をいただき、実績データを有効に活用しながら、ゼロエネルギー住宅の普及に向けた啓発もあわせて行っていきたいと考えております。 ◆林清治 委員  太陽光発電については、先ほど言った固定価格買い取り制度に後押しされている時代から、コスト削減が進んでいき、経済性が発揮され、加速度的に普及を伸ばしていく時代に移行していくのが一番大きな課題なのかなというふうに思っております。そのためにも、設置コストの低減につながる導入促進策がやっぱり必要であり、引き続き効果的な支援策を継続して進めていただきたいなと思います。  また、今の答弁にあったゼロエネルギー住宅の普及は、住宅の省エネ化技術の底上げに非常に有効であり、その技術力は市内のビジネスチャンスとしても活用できると思っております。必要な電気や熱を自己の設備で補うことができ、災害にも強い究極の分散型エネルギーシステムにもなり得ることから、普及に向けて積極的に取り組んでいただきたいと思っております。  次に、燃料電池の普及拡大について質問します。  札幌・エネルギーecoプロジェクトでは、市民向けの家庭用燃料電池、エネファームの補助を行っております。今年度は、117件の申請があり、昨年度から約10%増加したと聞いており、2011年の補助開始以来、着実に右肩上がりで利用件数が伸びてきている状況だと思っております。また、北海道ガスでは、耐寒性を備えた新製品を4月1日から発売するとともに、都市ガス供給以外のエリアにもLPガス用のエネファームを発売するという報道もありました。市内での家庭における燃料電池の普及は、さらに拡大することが期待されるのかなと思っております。  一方で、本市のCO2排出量は、家庭部門が38%、業務部門が33%となっており、今後の温暖化対策の推進に向けて、業務部門への燃料電池の普及が大きな鍵を握っているのかなと思っております。しかし、現在、業務系の燃料電池というのは、本州仕様のものしかなく、積雪寒冷地の本市に適した燃料電池は開発中であり、早ければ2019年には販売が始まるという話も聞いているところであります。積雪寒冷地の大都市として、本市には、業務系の燃料電池の導入、普及に向けていち早く対応していく役割や責任があると考えております。  そこで、次の質問ですけれども、今後、業務系への燃料電池の導入、普及に向けた検討や取り組みが必要と考えますがいかがか、お伺いします。 ◎大平 環境都市推進部長  業務系への燃料電池の普及に向けた検討や取り組みについてお答えいたします。  燃料電池は、電気と熱の同時利用が可能なエネルギー効率の高い発電システムであります。一方、業務分野では、業種や業務形態によって必要な電気と給湯や冷暖房などの熱量とのバランスが異なり、燃料電池の効率性にも違いが出てくることから、燃料電池の導入効果の高い施設を把握するため、まず、今年度は、大規模な建築物を対象として業種ごとの電気と熱の使用状況の調査を行っているところであります。また、来年度は、今年度の調査結果をもとに、具体的な建物を想定して必要な設備機器の使用や想定されるエネルギー収支などの詳細調査を行うとともに、中小規模の建築物での導入可能性についても調査することとしております。  これらの調査結果をもとに、また、寒冷地用燃料電池の市場動向を見ながら、業務系への燃料電池の早期普及を目指し、効果的な支援策や誘導策の検討を行っていきたいと考えております。 ◆林清治 委員  業務系の施設を対象に燃料電池の効果的な導入に関する調査を行いながら、早期に対応していきたいという答弁だったと思います。  製品化まで1年ほどとさほど時間がない中で、スピード感を持ってしっかりと支援の準備を進めていただきたいなと思います。また、民間の事業者への導入、普及に向けては、まず、市有施設への率先導入も必要だと考えられますので、市有施設の選定も含めた調査検討を行っていただきたいなと思うところであります。  低炭素社会の実現、さらには脱炭素社会を目指していくためには、再生可能エネルギーの大幅な導入が必要不可欠だということは共通認識でありますが、それには、太陽光発電に加えて、燃料電池の普及拡大が有効であります。また、燃料電池については、現在のガス改質型から将来的には純水素型に移行していくことでCO2の大幅な削減につながることも、本市が北海道内の水素の利活用、サプライチェーンの構築に貢献することができると考えております。  次に、市有施設への太陽光発電設備の導入について質問します。  札幌市では、かねてから、経済産業省の事業などを活用して市有施設へ太陽光発電設備の導入を始めており、2009年度には札幌・サンサンプロジェクト事業を立ち上げて、市民・事業者・札幌市の3者が協働して学校や市有施設へ太陽光発電設備を導入してきております。これまでに、155の小・中・高校、そして、そのほか50カ所の市有施設へ設置することができたと聞いております。ところが、最近では、国の補助金を受け取れないなどの理由から、市有施設への設置がなかなか進まなくなってきた状況も見受けられます。  そこで、次の質問ですが、来年度には、学校を含め、どの市有施設へ太陽光発電を設置する予定なのか、また、平成31年度以降の市有施設への設置見込みを含めて、今後どのような方向性なのか、お伺いします。 ◎大平 環境都市推進部長  市有施設への太陽光発電の設置予定と今後の方向性についてであります。  まず、来年度につきましては、学校の改築、新築に合わせて、栄西小学校と石山緑小学校に30キロワット、澄川小学校には10キロワット、また、ことし10月にオープンいたします市民交流プラザには30キロワットの太陽光発電設備を設置する予定であります。また、平成31年度以降の設置見込みにつきましては、平成33年度の水道局南部水道センターの改修に合わせて、20キロワットの太陽光発電設備の設置が予定されています。市有施設への太陽光発電の設置は、率先垂範の取り組みとして、普及啓発を目的に積極的に進めてきたところであり、太陽光発電の認知度を高めるという一定の役割は果たしたものと考えております。  今後の市有施設への導入につきましても、普及啓発を基本的な目的とし、太陽光発電に限定せず、小水力や地中熱などさまざまな再生可能エネルギーについて、導入の効果も見きわめながら検討していきたいと考えております。 ◆林清治 委員  学校への太陽光発電の設置というのは、啓発、環境教育という目的があって、その部分が非常に大きい位置づけになっていると思います。  私は、かねてから、市民が多く使う市有施設であるまちづくりセンターなど、市民が集まる場所に太陽光発電装置と蓄電池をセットで設置することで、災害時にも非常用電源として役立つ設備であることを多くの市民に知ってもらうよい機会になると訴えておりました。拡大も若干進んできたところですが、今まで多くのまちづくりセンターや地区会館などに導入してきた中で、国の交付金などの変更もあり、今年度と来年度は、学校併設ではなく、単独で改築するまちづくりセンター、地区会館には設置しないと聞いて驚いている状況でございます。  太陽光発電設備は、省エネ法によるCO2削減に寄与するものであることから、費用対効果の視点だけではなく、率先して市有施設へ導入すべきだと考えております。環境局のみならず、札幌市全体として、市民が利用するまちづくりセンターなどの新設、改築時には積極的に設置していってほしいと考えております。財政局も後ろのほうにいますが、今後も、しっかりと意見交換しながらそうした施策について検討していきたいと思っております。再生可能エネルギーの普及に向けて、市民を含め、みんなの力で温暖化対策をやっていかなければならない中で、札幌市は主体でもあることから、より効果的な支援策、誘導策を積極的に展開することをお願いしまして、質問を終わらせていただきます。 ◆好井七海 委員  私からは、新スリムシティさっぽろ計画について、何点かお聞きします。  まず、市民のごみ減量意識について伺います。  2015年に国連加盟国の全会一致で採択された持続可能な開発目標、SDGsでは、2030年までに廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減することを目指すこととしております。本市においても、平成30年度からを計画期間とする第2次環境基本計画の中で、ごみ処理について、市内で排出されるごみ量を大幅に削減し、資源の消費抑制を図ることを掲げております。  本市におけるごみ処理に関する方向性については一般廃棄物処理基本計画で定めることとなっており、これまで平成30年度以降の新計画の策定作業を行い、今月下旬に新計画である新スリムシティさっぽろ計画が公表される予定と聞いております。  新計画では、基本目標を「SAPPROいちばん! 減らそう100g〜ごみのいちばん少ないまちへ みんなで3R〜」と掲げ、政令市で一番ごみの少ないまちを目指すこととしております。3Rの三つのRは、ごみを減らし、資源を大切にするキーワードであり、一つ目のRは、リデュース、発生抑制、ごみになるものを減らすこと、二つ目のRは、リユース、再使用で繰り返し使う、そして、三つ目のRは、一番なじみのあるリサイクル、再生利用、正しく分けて、原料に戻し、新しいものに生まれ変わらせることです。本市は、これまでも、市民の高い環境意識により、大幅なごみ減量を進めてきたところでありますが、新計画で掲げる高い目標を達成するためには、日ごろからごみの減量行動を心がける市民をふやすなど、これまで以上に市民に高い意識を持っていただく必要があると考えます。  そこで、質問ですが、現在、市民のごみ減量に関する意識がどのような状況であるのか、お伺いいたします。 ◎三上 環境事業部長  市民のごみ減量意識について、札幌市はこれまでどのように把握してきたのかというご質問でございます。  これまで、「ごみ減量・資源化に関する行動・意識等」に関する市民意識調査を実施し、市民のごみ減量意識に関する把握に努めてきておりまして、過去10年間では、平成19年度、21年度、27年度の計3回実施してきているところでございます。この調査では、ごみの減量やリサイクル、分別、収集などごみに関することについて関心があるのかという質問に対して、大いに関心がある、または少し関心があると回答した市民の割合は、平成19年度では92.5%、平成27年度では89.3%と9割前後の高い水準を維持しているものの、やや低下している状況でございます。一方、ごみ減量意識のあらわれとして捉えることができるごみ排出量は、近年、順調に減少しており、平成27年度のごみ排出量は政令市4位の少なさとなったものの、今年度のごみ排出量は、1月までの実績では前年度比約1.4%増と微増になっている状況でございます。  新計画で掲げる政令市で一番ごみの少ないまちを目指すという目標を達成するためには、これまで以上に市民に高いごみ減量意識を持っていただくことが必要な状況にあるものと認識しているところでございます。 ◆好井七海 委員  新計画の高い目標を達成するためには、これまで以上に市民に高いごみ減量意識を持っていただくことが必要であるとのことですが、これまでも大幅なごみ減量を進め、政令市4位のごみ量になった現状において、さらなる減量により1位を目指すことは大変に難しいことであるのではないかと考えます。  そこで、目標達成に向けた取り組みについての質問ですが、今後、新計画の目標として掲げるごみの一番少ないまちの達成に向けてどのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎三上 環境事業部長  目標達成に向けてどのように取り組んでいくのかというご質問でございます。  目標達成に向けては、市民にごみを100グラム減らすという意識をいかに日ごろから持っていただけるのかということが重要でございまして、これまで以上に市民の意識や行動に訴えていく必要があるものと認識しております。  そのため、さまざまな広報手段の活用やその内容の充実を図っていくことが必要だということで、これから取り組んでまいりたいと思います。具体的には、新計画のスタートに合わせて、ごみの分別や資源化を詳しく説明する冊子であるごみ分けガイドを計画に沿う内容に全面改定し、市内全世帯に配付するほか、市のホームページについては、市民が必要な情報を探しやすく、わかりやすく、さらには見やすい内容となるようリニューアルを行うなど、内容の充実に努めてまいります。また、指定ごみ袋の外袋に小型家電の回収拠点の案内を印刷するなど、新たな媒体の活用も行ってまいります。さらには、行政から市民に一方的な情報を伝えることにとどまることなく、市民と双方向のコミュニケーションを行う広報についても内容の充実を図ることが必要であるものと認識しております。 ◆好井七海 委員  目標達成に向けてさまざまな広報の充実を図っていくことはわかりました。  我が会派は、これまでもごみ減量を推進してきておりまして、例えば、古着のリユースでは、平成27年第2回定例市議会において、クリーニング店における古着回収の取り組み強化に加え、一部の地域でモデル事業として実施していた地区会館等を臨時の拠点とする古着の移動回収の本格事業化に向けた要望を行ったところ、平成28年度からは移動回収を本格的に事業化し、平成29年度は25カ所の連合町内会の協力を得て実施したと聞いており、高く評価しております。  次に、市民の減量行動につなげるための取り組みについてですが、ごみ減量をさらに推進していくためには、広報の充実を図ることに加え、古着の移動回収の利用のように、市民の具体的な行動につなげるためにもう一歩前進できる働きかけが必要と考えます。  そこで、質問ですが、新計画において、市民のごみ減量行動につなげるための取り組みをどのように行っていくのか、お伺いいたします。 ◎三上 環境事業部長  市民の減量行動につなげるための取り組みについてのご質問でございます。  委員がご指摘のとおり、市民に具体的なごみ減量行動を実践していただくことが必要でございます。そのためには、広報の充実を図り、より高い意識を持っていただくことに努めることに加え、実際に行動することを通じてごみ減量意識の定着や習慣化に結びつけるような取り組みが効果的なものと考えております。  そこで、新年度からの新たな取り組みとして、クリーンミーティングや地域のお祭り等の機会に、家庭で不要となった古着に加え、小型家電、水銀体温計等の3品目の回収を行うことを通じて、近隣のクリーニング店や地区リサイクルセンターといった回収拠点を紹介する取り組みを実施してまいります。この取り組みは、回収の体験と回収拠点の紹介を合わせて行うことで、回収拠点の利用によるリユース、リサイクルの方法があることを市民に実感していただき、今後の具体的なごみ減量行動の定着につなげていただくことを目的としたものでございます。クリーンミーティングは、年間280回程度開催し、約1万4,000人に対して普及啓発を行っておりますので、この取り組みにより、多くの市民に新計画の目標に沿ったさらなるごみの減量を実践していただけるものと考えております。 ◆好井七海 委員  最後に、要望ですが、広報手段に加えて、たくさんの方にクリーンミーティングで伝えるということ、また、古着等を回収しながら回収拠点を紹介する取り組みをやっていく、それを組み合わせることで市民にごみ減量の意識を持っていただくということでしたが、それに加えて、高齢者にわかりやすい取り組みと広報も大事だと感じております。さらに、昨年8月から取り組んでおります東京オリンピック・パラリンピックに向けた「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」など、札幌市で行っているリサイクル制度も、札幌市ごみ分別アプリなどを使いながら市民に広く周知することで、具体的なごみ減量行動につながると考えられます。  一番大切なことは、3Rの中でも、2Rの減らす、繰り返し使う、リデュース、リユースが大事であり、今後、新計画の目標達成に向け、より効果的、戦略的な広報を行っていただくことを求め、質問を終わります。
    ◆伊藤理智子 委員  私からは、CO2削減について質問します。  我が党は、この間、全人類的課題となっている温暖化対策について、具体的な提案も含めて質問を行ってきました。昨年開催された国連気候変動枠組条約第23回締約国会議、COP23では、ことしの世界の平均気温は観測史上3番目に高くなる見通しを示し、世界は破壊的なハリケーンや火災、干ばつ、氷の溶解、農業を見舞う変化といった食料安全保障を脅かす極端な気候変動の渦中にあるとして、今、各国が迅速な行動をとらなければ、地球は回復不能な危機的状況に陥るという認識で一致しました。こうした中、地球温暖化対策を確実に進めるために、CO2削減に取り組むことは喫緊の課題だと考えます。  本市は、2015年3月に札幌市温暖化対策推進計画を策定し、中期目標として、2030年に1990年比で25%削減、目標排出量701万トンCO2を達成するためには、札幌の温室効果ガス排出量の実績である2012年の排出量1,322万トンCO2から621万トンCO2の削減が必要になるとしています。  そのうち、約20%を占める運輸部門の対策について伺いたいと思います。  まず、2030年までの中期目標達成に必要な運輸部門のCO2削減目標は約74万トンですが、これまで取り組んできた実績とその結果を踏まえて、今後、約74万トンの目標を達成するためにどのような対策を進めていくのか、伺います。 ◎大平 環境都市推進部長  運輸部門のCO2削減実績とその結果を踏まえた今後の対策についてお答えいたします。  まず、2015年のCO2削減実績といたしましては、運輸部門全体で7万トンの削減となっております。国の調査資料によりますと、北海道における自動車保有台数、それから走行距離は横ばいの傾向にありますことから、このCO2排出量削減は燃費の向上によるものと推測されます。  今後の取り組みといたしましては、さらなる燃費の向上に向け、次世代自動車やエコドライブの普及に力を入れていくとともに、公共交通の利用促進も呼びかけながら、CO2排出量の削減目標の達成を目指していきたいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  2015年の実績で7万トンの削減を行ったということでした。その理由は、自動車自体は横ばいになってはいますが、燃費が向上したことや、公共交通機関などに移行していく取り組みをされてきて、2030年までに運輸部門の約74万トンのCO2を削減する目標のうち、次世代自動車の導入で約71万トン、エコドライブの推進で約3万トン、公共交通の利用促進の目標削減量については、削減量の定量化が困難なためとの理由で目標の数字を明記していませんけれども、この三つを合わせて2015年の実績として7万トンを達成できたとしております。  私は、今後、目標数字を明記していない公共交通の利用促進が非常に重要になってくるというふうに考えております。公共交通機関や企業などに次世代自動車の導入をさらに進めていくことは、政策的に可能だと考えます。しかし、自家用乗用車については、環境基本計画ではイメージとして2050年までに自動車から出るCO2をゼロにすると明記しておりますが、全ての乗用車を次世代自動車に移行していくことはなかなか難しい課題だと考えます。パブリックコメントのキッズコメントを読みますと、その中には、お金のない人たちはどうすればよいのかと思ったという意見もありました。私も、そのとおりだというふうに思います。  今後、力を入れて取り組んでいくべきことは、公共交通機関などへ誘導していくことで、歩いて暮らせるまちづくりを推進していくことだと考えます。そのためには、確実に目標を達成していく上で、自家用乗用車から公共交通機関にどれだけ移行してきたのかを検証することが必要だと考えますがいかがか、伺います。 ◎大平 環境都市推進部長  公共交通機関への利用促進に関する数値化や検証に関する質問だと思います。  温暖化計画の計画書に記載のとおり、自動車から公共交通への転換によるCO2削減量を定量的に把握することは困難でありますが、運輸部門のCO2を削減する効果的な方策の一つとして、今後とも公共交通の利用を呼びかけてまいりたいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  例えば、地下鉄などの公共交通機関を利用している市民にアンケートをとる、本市が毎年行っている市民アンケートの項目に入れる、パーソントリップ調査で、新たにできる取り組みはないか、検証するために何ができるかなど検討していくことや、さまざまな場面で削減量を把握する努力を行って検証していくことはできるというふうに考えますので、ぜひ、しっかりと取り組んでいただきたいと求めておきたいと思います。  第2次札幌市環境基本計画(案)では、健康で安全な環境の実現に向けて私たちができることとして、自動車からの排ガスを減らすなどの配慮が必要、徒歩や自転車の積極的な活用により、自動車の使用をできるだけ控えます、市民の共有財産である公共交通を支えていくという意識を持ち、積極的に利用することで、さらに充実させていくなどを提案しています。また、積雪寒冷地に適した低炭素社会の実現では、道央都市圏の交通実態把握のために行った2006年の道央都市圏パーソントリップ調査では、移動の際の交通手段について、約半数が自動車を利用している結果となっており、自動車依存度が高いことがうかがえるとして、自動車から、公共交通機関など自動車に依存しない交通手段への転換を進めていく必要があることを指摘し、自動車から公共交通機関等への転換等のさまざまな対策を網羅的に進める必要があるとしております。  歩いて暮らせるまちづくりを推進するために、さまざまな対策を網羅的に進めていく上で環境局がイニシアチブを発揮して取り組みを進めていくことが求められていると考えますがいかがか、伺います。 ◎大平 環境都市推進部長  歩いて暮らせるまちづくりの推進に向けた環境局の役割についてのご質問であります。  札幌市環境基本計画は、環境保全に関する施策について、関連する各種計画とも連携を図りながら、総合的に推進することを目的として策定したものであります。委員がご指摘の歩いて暮らせるまちづくりの推進につきましては、まちづくりに係る全市的な課題として、関係部局と連携しながら総合的に取り組みを進めていくべきものと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  輸送に伴うCO2の排出量を減らすには、自家用乗用車に比べて、輸送量当たりのCO2排出量が少ない鉄道やバス、地下鉄などへの利用転換を促進することが重要となるため、本市では、公共交通の利用促進などにより環境負荷の低減を図るとしています。環境局が関連機関と連携しながら取り組みを進めていくことを求めたいと思います。  こうした取り組みを進めていく上でも、市民や事業者など多くの人たちに地球温暖化対策の重要性を認識してもらい、取り組みを加速させていくことが必要だと考えます。昨年からことしの初めにかけて行ったパブリックコメントでは、大人から寄せられた意見は10人で54件ととても少ないものでした。小学生、中学生から寄せられた意見は、87人、170件だったとのことです。全人類的課題となっている温暖化対策について、札幌市民や子どもたちに広く知ってもらうことが重要ですが、専門的な計画であることから、なかなか意見を寄せにくいということも考えられます。今後、市民に広く計画の重要性を知ってもらうことが重要です。  歩いて暮らせる楽しいまちの実現で、自動車に依存しない交通手段への転換を進め、地球温暖化対策の重要性を市民に広く知らせて理解を促進し、環境局が関係機関や市民、事業者を積極的にリードしてCO2削減の目標を達成するために力を尽くすこと、また、本市の環境基本計画が地球温暖化防止対策に積極的に取り組む計画となることを期待して、私の質問を終わります。 ◆阿部ひであき 委員  私からは、札幌市エネルギービジョンのこれまでの経緯と情勢変化におけるビジョンのあり方の観点で、幾つか質問いたします。  平成26年10月に策定されました札幌市エネルギービジョンは、平成34年度までの9年間を計画期間として、基本的にエネルギーの有効利用とエネルギー転換という方向性を示し、省エネルギーの推進、再生可能エネルギー及び分散電源の導入拡大を目指したものであります。ビジョンの中では、熱利用エネルギーと電力に関して数値目標を設定しております。具体的には、基準年である平成22年度に対して、平成34年度までに熱エネルギーの消費量を15%削減、そして電力消費量は10%の削減、再生可能エネルギーの発電量を基準年の4倍である6.0億キロワットアワー、さらには、分散電源発電量は2.3倍の4.0億キロワットアワーを目指すことになっております。  CO2の削減を目的とした温暖化対策推進計画に対して、このエネルギービジョンはエネルギーに焦点を当てた計画でありますが、計画期間の折り返しを迎えた現時点において、正直なところ、認知度が低く、これは果たして誰に向けたものなのか、また、何のためにあるのか、市民の理解度という観点からいってもその存在価値はなかなか感じられない計画となっているのではないかと考えます。  そこでまず、質問でありますが、札幌市エネルギービジョンは策定から5年目を迎えますけれども、現状におけるビジョンの意義と目標設定の効果についてどのように考えているのか、伺います。 ◎大平 環境都市推進部長  札幌市エネルギービジョンの意義と目標設定の効果についてお答えいたします。  平成23年に発生しました東日本大震災後、原発に依存しない社会の実現を目指す世論の高まりを受け、震災前に策定した札幌市温暖化対策推進ビジョンを補完する計画として、平成26年10月に脱原発依存社会と低炭素社会の実現を目指すことを基本理念としたエネルギービジョンを策定いたしました。  こうしたビジョンの策定意義は変わらないものであり、ビジョンで掲げている震災前の原子力発電相当分の50%を省エネや再エネ、分散電源へ転換するという目標の達成に向けて、引き続き努力していく必要があると考えております。また、これら目標につきましては、毎年の進捗管理の中で検証し、課題の抽出も行いながら、必要な施策や事業の見直しにつなげており、さらに、こうした情報を市民や事業者と共有することで、官民一体となった積極的な取り組みにつながるものと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  市民や事業者と情報を共有し、官民一体となってやっていくということですが、当然、そういう形でやっていかなければなりません。そういうふうに考えるならば、先ほどの言葉のとおり、市民や事業者に向けてしっかりと宣伝効果のある内容にならなければならないなと思います。  次に、ビジョンの具体的な内容について伺います。  先ほど紹介した数値目標について、平成27年度時点での達成状況を聞いたところ、熱と電力の消費量の削減、いわゆる省エネ、省電力に関しては目標に対しておおむね順調に推移しています。ところが、再生可能エネルギー発電量と分散電源発電量については、基準年、すなわち平成22年度から若干ふえた程度で、目標達成に向けては相当困難な状況となっております。特に、再生可能エネルギーの中心である太陽光発電については、目標としている導入容量41.9万キロワットに対して、平成27年度は4.6万キロワットと10分の1程度であり、目標に対して大きな乖離となっております。  太陽光発電については、先ほどから何度も出てきている固定価格買い取り制度、いわゆるFITの見直しが年々行われ、導入のインセンティブが働きにくくなっている課題があり、今後も同様の傾向が続くと考えられます。また、気候や天候に影響されて変動する再生可能エネルギーは、電力需要と供給が一致しなければならない、いわゆる同時同量の原則に対応できない大きな課題があります。こうした課題などがある中で、平成34年度の目標達成は困難であると言わざるを得なく、ビジョンで想定している再生可能エネルギーのベストミックスを根幹から見直す必要があるのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、再生可能エネルギー普及の現状を踏まえ、今後のベストミックスについてどのように考えるか、伺います。 ◎大平 環境都市推進部長  再生可能エネルギーのベストミックスについてお答えいたします。  札幌市内の再生可能エネルギーの普及状況といたしましては、平成27年度では、平成22年度比1.3倍の1.9億キロワットアワーであり、平成34年度の目標の6億キロワットアワーに対して3割程度の発電量にとどまっております。これは、FITの見直しによって太陽光発電の普及が鈍化していることが大きな要因と考えられますが、大都市においては、パネルの設置が可能な住宅やビルなどの建物が多く、太陽光発電の潜在力が高いことから、引き続き、太陽光発電を再生可能エネルギーの中心に位置づけ、普及拡大を目指していきたいと考えております。一方、北海道全体では、太陽光発電に加えて風力発電のポテンシャルが非常に高く、またバイオマス発電や地熱発電、水力発電など、天候に影響されない電源の確保も可能であり、こうした道内の豊富な再生可能エネルギーを大消費地である札幌が積極的に利用することで地産地消が進み、さらなる再生可能エネルギーの普及につながることが期待されます。  電力の自由化に伴い、地域間での電力利用も可能となったことから、先進自治体の事例も参考にしながら、北海道の他地域との連携も視野に入れた再生可能エネルギーのベストミックスについて研究を行っていきたいと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  本市としては、太陽光発電を再生エネルギーの中心に位置づけて普及拡大を図るとともに、風力発電やバイオマスなど天候に左右されない電源の確保も可能であるため、道内のほかの地域との連携も視野に研究したいとのことであります。  さて、平成23年の東日本大震災後、ちょうどエネルギービジョンが検討されるころでありますけれども、私も平成23年の選挙で初当選しまして、議員になったばかりでありました。当時、エネルギーの議論はさまざまな観点からあふれ返りまして、何よりも、震災前の原子力発電にかわる発電形態として太陽光発電が非常に注目されました。そして、あたかも、完全、完璧な発電形態であるようにもてはやされたというふうに私は捉えております。この件については、先々を十分に見詰めない中で、やみくもに太陽光発電を強力に推し進めようとするやり方でいいのかどうかといった立場も当然ありました。太陽光発電は、現段階では、先ほども言った同時同量の原則は間違いなくできない発電形態ですから、私も、1期生の時に、再生可能エネルギーの中心にはなり得ないのではないかという立場から幾度か質疑に立ったことが思い起こされます。非常に性急に再生可能エネルギーという言葉がどんどん走っていく中で、太陽光発電を普及させていっても本当に何でもない発電形態なのかどうかという検証が十分になされたのかどうか、まだ非常に疑義が残っているところであります。さらには、重要な観点が十分検証されたかどうかという点も今もって全く見えてこないので、きょうは、その辺のところをお聞きしたいなと思います。  一つは、太陽光発電の設備に使用される素材の問題であります。さらには、設備そのものは工業製品であり、冷蔵庫やパソコンと同じものであります。そうであれば、いずれは必ず寿命を迎えるわけであります。太陽光発電の寿命は大体20年から30年と言われておりますが、その後の廃棄処理の問題等々があります。もう何年前か忘れましたけれども、その件は非常に注意が必要であるという話に触れたことがありました。  当時、なぜそういうことを言ったかというと、太陽光発電ではカドミウム発電というものが非常に広まっていた時代でありまして、皆さんもご存じのとおり、カドミウムというのは非常に有害な物質で、イタイイタイ病の原因であります。そういった発電形態では、もし破損したりして大気中にカドミウムが出たとき、CO2どころの騒ぎではない部分が出てきます。しかし、日本ではイタイイタイ病の経験がありますから、カドミウムを使ったものは禁止されています。  それでは、今は何を使っているのかというと、単結晶型あるいは多結晶型のシリコンで、主流は多結晶シリコンであります。しかしながら、このシリコン自体も、製造過程における四塩化ケイ素などの有害物質の発生といった問題も当然あります。  また、寿命を迎えた後の廃棄の問題についても、さらに対策を講じる必要があります。先ほども言いましたように、太陽光発電の寿命は20年から30年でありますが、日本の場合は、この設備を一気に進めた時期がありますから、当然、寿命も一気に迎えることになります。2030年代になると、設備の大半を占める太陽電池モジュールの排出量は国内では1年間で80万トンに達するとも言われておりますが、今日でも廃棄処理のガイダンスやリサイクルシステムの構築はなされておりません。  また、太陽光パネルには、先ほど言ったカドミウムのほかにも、鉛あるいはヒ素、ポリシリコン、そうしたさまざまな猛毒性の物質が使われており、これらは現在の技術では処分できません。製造段階でも有害物質が出ますし、最終処分も非常に困難であります。産業廃棄物として将来に大きな問題になるのではないかという見解もあります。アメリカ等々の海外においては、太陽光発電も、そういう面をそれぞれきちっと見ていかなければならないということから、いろいろなところで検討されていまして、一部には裁判が出そうな場面もあるような話も聞いておりますが、日本はまだそこまで行っていないようであります。  言いたいことは何かというと、完璧な再生可能エネルギーというのはいまだに存在していないということであります。やはり、デメリットとメリットがそれぞれありまして、どれも一長一短のある発電形態であることを正しく理解しなければならないと思うのです。そういったことをしっかり理解して、再生可能エネルギーのベストミックスを検証することが重要であります。ただやみくもに太陽光発電ですと言うのは、将来的にかなり危険な場合があるということだけは忠告させていただきたいと思います。  さて、平成27年に、パリ協定において、今世紀後半に温室効果ガスの排出量をゼロにする目標が採択されました。先ほど伊藤委員からも話がありましたCOP23ですが、このとき、低炭素化から脱炭素化へ取ってかわりました。これを受けて、ヨーロッパ諸国、世界的な多くの企業、金融機関が脱炭素化へかじを切り始めております。アメリカのコカ・コーラ社では、コカ・コーラをつくる過程で出るCO2を平成32年までに25%削減し、最終的に排出量ゼロを目指すとしております。また、脱炭素化を掲げる企業は、生産から流通までの全ての過程において炭素を排出しないことを目標としているため、脱炭素化を行っていない企業とは取引をしないということまで明言している会社もあります。さらには、今、世界の投資家は環境ビジネスマーケットに振り向き始めておりまして、そのために、今後、脱炭素を目指さない日本企業は海外市場で大きく乗りおくれる可能性がますます高くなったと考えられます。  そこで、質問であります。  本市では、これまで、低炭素化を掲げて取り組みを進めてきましたけれども、今後は、脱炭素化にかじを切り、より積極的な姿勢を示す必要があると考えますがいかがか、伺います。 ◎大平 環境都市推進部長  低炭素化から脱炭素化への転換に向けた対応についてお答えいたします。  国におきましては、パリ協定を受けまして、2030年の温室効果ガス排出量を2013年の水準から26%削減、2050年には80%削減を目標としており、世界的な潮流となりつつある脱炭素社会の実現に向けて取り組みを進めております。こうした国の方針を踏まえまして、本市におきましても、平成27年3月に策定した札幌市温暖化対策推進計画、さらには、この3月に策定する第2次札幌市環境基本計画におきまして、国と同様に、2050年までに温室効果ガス排出量を80%削減する目標を掲げているところであります。  今後は、こうした長期的な目標と、その実現に向けた温室効果ガス削減の具体的なシナリオについてもわかりやすく情報発信し、官民連携のもと、積極的に温暖化対策を進めていきたいと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  日本では、2020年、平成32年以降、発電と送電を行う事業者を分ける発送電分離が予定されております。これは、電気事業者による独占的な環境を自由かつ公平、平等な状態に変えることで活発な競争を実現するためのものであります。イギリスなどでは、1990年に既に電力の自由化が行われており、国際競争力の強化が求められるところであります。脱炭素化を進めていくには、それぞれの企業が環境問題に対して関心を持ち、そして、世界の潮流に取り残されないようにしていくことが大事であります。そのためには、このエネルギービジョンの役割が重要であると私は考えております。  また、先ほどよこやま委員が触れましたが、水素エネルギーの利活用の取り組みについては、今月にも水素ステーションが開所する予定となっており、水素社会の実現に向けたスタートを切り、4大都市圏に近づく一歩を踏み出したところであります。今回の1定代表質問において、我が会派の中川議員から、世界に誇る環境首都にふさわしい札幌の姿とはどのようなものなのかということなどについて質問しましたが、札幌市は、国内外から手本とされるような脱炭素社会を実現するという視点から、水素社会に向けた取り組みを加速してほしいというふうに考えます。  そこで、質問ですけれども、水素の取り組みも含めて、エネルギービジョンを見直す必要があると考えますがいかがか、伺います。 ◎大平 環境都市推進部長  エネルギービジョンの見直しについてでありますが、エネルギービジョンの半年後に策定いたしました札幌市温暖化対策推進計画では、原発再稼働を見込まない前提で温室効果ガスの削減目標を設定しており、脱原発依存を目指すエネルギービジョンと整合を図った計画としております。また、第2次札幌市環境基本計画では、温室効果ガスの削減目標のほか、再生可能エネルギーの目標も掲げ、原発に依存しない持続可能な社会の実現を目指しており、さらに、今後の温暖化対策の有効策として期待される水素の利活用を施策の方向として位置づけたところであります。  エネルギービジョンは平成34年度までを計画期間としておりますが、この間に第2次札幌市環境基本計画を踏まえた温暖化対策推進計画の改定が予定されていることから、この中でエネルギービジョンの見直しや改定についても議論したいと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  ずっとエネルギービジョンの話をしておりますが、そもそもビジョンとは一体何でありましょうか。将来のある時点で、どのような発展を遂げようとしているのか、あるいは成長していたいかなど、要は、将来に向けた構想あるいは未来像をビジョンと言うのだと私は思います。  現段階における本市のエネルギービジョンでは、世界的な観点から見ても解決しなければならない問題が既に出てきている太陽光発電について、先ほどの答弁にもありましたように、これをどんどん推進していきたいとし、さらには、きょうは深く触れませんでしたが、別な環境問題で休止や廃止が相次いでいる風力発電もポテンシャルが高いというふうにみなして、それに対しても検討していきたいとしております。さらに、脱炭素化ならぬ低炭素化が目標というのでは、もはやビジョンというものではないのではないかなというふうに私は考えます。環境首都・札幌を掲げる本市のビジョンを、より明確に市民や企業に向けて発信できる内容にしなければならないと思いますし、いろいろな計画があるという説明もありますが、もっときちっと見やすい状態にしなければ、やはりアピールの度合いが変わってくるなとも思います。  エネルギービジョンの見直しあるいは改定は、第2次環境基本計画を踏まえた温暖化対策推進計画の改定の中で議論したいということでありました。しかし、再生可能エネルギーというものを神格化するというか、完璧なものなのだとする前に、一つ一つ、デメリット面の解決策とか、主に使用されている素材とか、その後のメンテナンスとか、あるいは、廃棄処理に至るそれまでの見通しを考慮しながら、現実に即したビジョンの確立を講じなければならないと私は考えるところであります。  そこで、最後に、4月より水道事業管理者となりますが、局長に質問いたします。  今の話でいけば、私は、ビジョンと言えるものではないと考えますので、今後しっかり見直すことを検討すべきだと思いますがいかがか、伺います。 ◎三井 環境局長  エネルギービジョンの見直しについてのご質問でございます。  先ほど来、部長から説明がありましたように、現在のエネルギービジョンは、平成23年の東日本大震災の後、エネルギーにまつわるいろいろな環境、状況が大きく変化する中で、時代の要請としてつくられた計画でございます。つくられてからことしで4年目を迎えますが、先ほど来ご指摘がありましたように、正直に言って、なかなか進んでいない項目の目標、取り組みもございます。また、段々のご指摘もございましたように、特に太陽光発電については、さまざまな問題があり、そして、ご指摘の技術的な課題も多いということでなかなか進んでいない状況でございます。  そんな中におきまして、エネルギービジョンの見直しについてですが、先ほど来答弁がございましたように、私ども札幌市では、エネルギービジョンと温暖化対策推進計画ということで、CO2削減に向けた二つの計画を持っております。この二つとも根っこはCO2の削減ということで共通しており、言うなれば、まさに兄弟計画、双子計画という感じの二つの計画でございますが、一方の温暖化対策推進計画につきましては、私どもとしては2年後あたりに改定を予定しております。その中では、当然、エネルギーミックス、今のエネルギー計画のあり方、そして、今後どうしていくのか、目標をどうするのか、そんなことも含めて一緒に検討されるものだというふうに考えております。そのようなことから、エネルギービジョンにつきましては、その温暖化対策推進計画の見直しの中で一緒に議論してまいりたいと考えているところでございます。  いずれにいたしましても、物事を進めるときにはしっかりとした計画が必要でございます。そして、その計画も、当然、適時適切に、状況に応じた見直しが必要になってくるところでございます。ただ、環境に関する我々の計画、目標につきましては、役所が何かを進めれば計画目標が達成できるわけではなく、市民一人一人の環境行動の積み重ねが結果として目標達成につながるものだと思っております。そういう意味では、我々は、計画は計画として大事に、そしてしっかりつくっていきたいと思いますが、何よりも、一人一人が環境行動を実践していける環境市民をつくっていくことこそ、我々の最大の仕事だと感じております。そして、そういう市民がたくさん住んでいるまち、それこそが環境首都・札幌ではないかなというふうに考えております。  そのようなことから、私どもは、そういう環境市民をたくさんつくるためのいろいろな努力をこれからも続けてまいりたいと思っておりますので、引き続き、議員の皆様にはご指導、ご支援をよろしくお願いいたします。 ◆桑原透 委員  私からは、駒岡清掃工場の更新計画について質問します。  駒岡清掃工場更新基本計画(案)は、3月5日の総務委員会で報告を受けたところであり、現在、パブリックコメントの実施中であります。この基本計画案は全18章で構成されていますが、この案の第7章の余熱利用計画では、災害発生時における外部電源喪失時に、清掃工場の起動が可能となるよう非常用発電機を設置し、これを活用した都市ガスコージェネレーションシステム、CGSを導入する計画とされています。また、第11章の災害対策には、新清掃工場で使用する燃料は耐震対策が進んでいる都市ガスを採用する計画であると示しております。  清掃工場は、これまでも、廃棄物を焼却処理し、発電や余熱の利用を行ってきています。新たに計画するガスコージェネレーションシステムによる発電や余熱利用は、従来、清掃工場で行う発電余熱利用とは性格の違うものと考えます。  そこで、質問ですが、都市ガスコージェネレーションシステム導入計画の考え方についてお伺いいたします。 ◎村田 施設担当部長  新清掃工場におけるコージェネレーションシステム導入計画の考え方についてお答えいたします。  新清掃工場は、強靱で災害に強く、災害時に発生する廃棄物を適正に処理することができる施設とするとともに、災害時の防災拠点としての活用を目指しているところでございます。強靱化機能の一つといたしまして、外部電源が絶たれた状態でも焼却炉を立ち上げることができる大型の非常用発電機の設置を計画しております。この非常用発電機を平常時においても都市ガスコージェネレーションシステムとして活用し、エネルギー利用のさらなる効率化を図ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆桑原透 委員  ただいまの答弁で、新駒岡清掃工場における都市ガスコージェネレーションシステム導入計画の考え方が示されました。こうしたシステムを導入することにより、災害発生時においても施設の点検後にスムーズに運転再開が可能となりますので、今後も廃棄物の適正処理に対応できる施設を目指して新清掃工場の事業を進めていっていただきたいと考えています。  次に、基本計画案の第17章の運営管理計画では、札幌市の清掃工場では初となるもので、設計、建設、運営管理を一括して発注する官民連携手法、DBO方式によって新清掃工場の整備、運営を行う計画が示されております。3月5日の総務委員会において運営管理について質問したところ、理事者からは、一般廃棄物の総括的な処理責任は自治体が有すること、新工場の竣工後は、運営状況を監視するため、市職員を清掃工場へ配置することを考えており、運営管理を確実に実施することで市民生活の安全・安心の確保に努めていきたいという答弁がありました。  昭和46年に運転開始した発寒清掃工場以来、札幌市の清掃工場は、公設公営により運営してまいりました。公設公営においては、清掃工場で働く職員が努力し、長年にわたる経験によって蓄積した技術力を発揮して、これまで安定的な焼却体制を維持できたのではないかというふうに考えます。新清掃工場で採用される官民連携手法では、事業者が事業者の裁量によって清掃工場の運営業務を行うと考えています。運営業務の適切な執行を確保するためには、理事者答弁にもありましたが、事業の運営状況を監視することが特に重要と考えます。  そこで、質問ですが、他都市の官民連携事業における運営状況の監視体制についてお伺いいたします。 ◎村田 施設担当部長  他都市における運営状況の監視体制についてお答えいたします。  他都市において、過去10年間に官民連携手法を導入し、処理能力が日量100トン以上の施設を調査しましたところ、自治体の職員が5名から10名程度配置されておりまして、清掃工場の運営管理のほか、市民対応等を行っているところでございます。 ◆桑原透 委員  今の回答では余り多くありませんでしたが、現状はそうなのかなというふうに思います。  本事業は、札幌市が初めて導入する官民連携手法であり、この事業について慎重に進めるべきと考えます。また、官民連携手法は、契約の段階で本市と事業者の間で適切なリスク分担を決めて事業を実施するものでありますが、本事業に関しては、一定程度の市職員を配置し、運営の監視はもちろんのこと、市民の問い合わせなどの対応や搬入されるごみの検査などについては市職員が責任を持って対応すべきと考えます。  そこで、質問ですが、新清掃工場における市職員の配置についてどのように考えているのか、市の考えをお伺いいたします ◎村田 施設担当部長  新清掃工場における市職員の配置についてお答えいたします。  官民連携手法を導入いたしましても、本市が施設の所有権を有することから、市民の財産である清掃工場を適正に管理する必要があると考えております。新清掃工場における本市の役割としまして、運営管理や市民対応のほか、他の清掃工場との調整、連携等が考えられることから、常時、現場で監視対応するために本市職員の配置が必要と考えているところでございます。  なお、現在、各清掃工場で行っている持ち込まれるごみを検査する搬入指導業務につきましては、搬入者に対する行政指導等を伴うこともありますので、本市職員が実施しておりますが、新清掃工場におきましても引き続き本市職員が行うように考えているところでございます。 ◆桑原透 委員  今回の新清掃工場で初めて官民連携手法を導入するに当たっては、市民が不安を感じることのないよう、適切に市職員が配置されるようにぜひ取り組んでいただきたいと思っています。  次に、官民連携手法を駒岡清掃工場に導入する理由の一つに経済性の理由を挙げておりますが、一般廃棄物の総括的な処理責任は自治体が有することを踏まえると、自治体がみずから施設を運営し、廃棄物処理事業を行うべきと考えます。先ほど、職員の長年の経験や技術力が安定的な焼却処理に貢献しているのではないかと指摘しましたが、これまで蓄積した経験や技術を生かしながら、その技術を継承していくことが安定的な廃棄物処理につながるものと考えます。  そこで、質問ですけれども、今後、他の2清掃工場の事業手法については公設公営でいくべきと考えますが、市の考えをお伺いいたします ◎村田 施設担当部長  他の2清掃工場の事業手法についてお答えいたします。  委員がご指摘のとおり、これまでの安定的な焼却体制の維持につきましては、清掃工場の職員が長年の経験によって蓄積した技術力を生かしてきたことが一つの要因であると認識しております。一方で、全国の廃棄物処理施設において官民連携手法の導入実績がふえてきておりまして、経済性はもとより、廃棄物処理事業における民間事業者へのリスク移転に伴う課題も整理されてきているものと考えているところでございます。  このような状況を踏まえまして、清掃工場更新事業において札幌市として初めて官民連携手法を導入するものでございまして、他の2清掃工場の更新時における事業手法につきましては、今後の新駒岡清掃工場の運営状況を十分検証の上、検討してまいりたい、このように考えているところでございます。 ◆桑原透 委員  二つの清掃工場については、今後、今回の新駒岡清掃工場を見て考えるとしていますが、これまで職員が担った業務を考えると、あとの二つは今後も公設公営でやっていただきたいと考えます。また、一般廃棄物の総括的な処理責任は自治体が有することを踏まえれば、経済性よりも安全性を優先すべきと考えます。  最後になりますが、安定的な廃棄物処理体制を確保するため、今後更新する清掃工場は、自治体がみずから運営する公設公営で行うことを要望して、私の質問を終わります。 ◆小口智久 委員  私からは、リサイクル施設等委託業務事業についてとアスベスト対策について、2点伺います。  まず、リサイクル施設等委託業務事業についてですが、具体的には、粉砕工場、プラスチック選別センター、雑がみ選別センターなどの廃棄物処理施設運転業務の委託について、2点お聞きいたします。  我が会派では、廃棄物処理施設の運転業務について、過去の委員会において何度か質問してきております。平成21年第3回定例会では、雑がみ選別センター運転業務への複数年契約の導入について、平成24年第3回定例会では、雑がみ及びプラスチック選別センターの運転業務における低入札価格調査制度の導入について質問しております。ほかにも何度かございますが、我が会派の質問や要望を踏まえていただき、複数年契約と低入札価格調査制度の導入が実現してきたことと思います。  さて、廃棄物処理施設は、家庭などから排出されるごみを衛生的に処理する基幹的施設であり、その運転に当たっては安全性、確実性が求められます。札幌市では、廃棄物処理施設のうち、粉砕工場、プラスチック選別センターなどの一部の施設について、既に3年間にわたって一般競争入札により運転業務の委託を行っておりますが、その中で、発寒破砕工場と雑がみ選別センターについては、現在の運転業務の落札率が設計額の6割程度となっております。建物の清掃、警備業務等には最低制限価格制度が適用されており、設計額の70%から90%の間で制限価格が決定されることから、過度な低価格による入札の防止が図られておりますが、廃棄物処理施設の運転業務には最低制限価格制度が適用されておらず、先ほど申しましたとおり、低価格による落札となっている状況にあります。それらの運転業務については、労働者の賃金が最低賃金を下回るような状況にはないと聞いておりますが、労働者の経験、技能、責任に応じた賃金の支払いなどの適正な労働環境の確保については疑問が残るところでございます。  そこで、質問ですが、廃棄物処理施設の運転業務における低価格による落札についてどのような認識を持っているのか、伺います。 ◎村田 施設担当部長  低価格による落札についてお答えいたします。  ご質問にありました発寒破砕工場と雑がみ選別センターの運転業務につきましては、一般競争入札による結果でございまして、従事している労働者の賃金につきましても、法律で定められている最低賃金は確保されております。これまでの業務履行におきまして特段のトラブルも発生していないことから、低価格による落札ではあるものの、現状におきましては業務の履行自体に問題はないものと認識しているところでございます。  しかしながら、今後も低価格の落札が継続することとなれば、労働者の配置が困難となり、適切な業務履行体制を確保できなくなる懸念がございますことから、長期的には望ましい状況と考えていないところでございます。 ◆小口智久 委員  ただいま、長期的には低価格の落札が望ましいとは考えていないという答弁でございました。
     昨今は業務に従事する人手が不足している状況にあり、業務の実施に当たっては安定した雇用も大きな問題かと思います。ごみの処理を滞らせることはあってはならず、そのためには適切な履行体制を整えることができる事業者の確保が重要ではないかと考えます。  そこで、再質問ですが、業務の受託者選定に当たり、入札価格ではなく、労働者の労働環境や業務履行体制の確保などの提案を総合的に評価する総合評価制度の導入も考えられると思いますけれども、これについてどのように考えているのか、伺います。 ◎村田 施設担当部長  総合評価制度の導入についてお答えいたします。  委員がご指摘のとおり、価格だけではなく、労働環境や業務履行体制の確保などの提案を総合的に評価する制度でありますことから、低価格の落札に対する一定の効果はあるものと考えております。また、環境省の通知では、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき、一般廃棄物の処分を委託する場合でも処理責任は市町村にございます。委託に当たっては、経済性の確保のみではなく、業務の確実な履行が求められているところでございます。  これらを踏まえまして、低価格による落札への対策だけではなく、適切な業務履行体制の確保にもつながるものと考えますことから、総合評価制度を試行的に導入したいと考えております。具体的には、次回の業務期間が平成31年からの3年間となる現契約で低価格により落札されている発寒破砕工場と雑がみ選別センターのほか、プラスチック選別センターなどの運転業務について、総合評価制度による入札を実施したいと考えているところでございます。 ◆小口智久 委員  先ほども申しましたが、ごみの処理は安全、確実に行い、滞らせることがあってはならないもので、そのためには適切な業務履行体制を確保する必要があります。また、低価格による入札への対策は、業務に従事する労働者の労働環境確保に資するものであり、これは、適切な業務履行体制の確保にもつながるものであります。まずは、雑がみ選別センターやプラスチック選別センターなどの施設で試行的に総合評価制度を導入したいとのことですが、これらの施設に限らず、ほかの施設についても、施設の重要性を踏まえていただき、同制度の導入を積極的に進めていただくことを求めて、次のアスベスト対策の質問に移ります。  我が会派は、これまで、アスベスト対策の特殊性を指摘し、札幌市には、国の動向に敏感に対応するよう求めてまいりました。特殊性というのは、アスベストは安価で多様な機能を有するため、社会に広く利用され続けてきた背景があり、国の対策は、現場の状況に合わせるように短期間でかなり変遷し続け、手探り感が否めないところでございます。例えば、たび重なる基準含有量の変更、対象とするアスベストの種類の増加に加え、子どもの自転車のブレーキパッドなどからもアスベストが見つかるという使用用途の拡大、そして、平成26年には、石綿障害予防規則が改正され、断熱材が規制対象になりました。  札幌市では、平成28年10月、煙突断熱材が剥離したことでアスベスト対策への認識が問われ、問題となりました。そして、一部の学校では温かい給食が供給できなくなるなど、市民の皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことは記憶に新しいところです。この件を受け、我が会派も、平成28年第4回定例市議会でわたなべ議員が質問し、札幌市からは、点検ルールを全庁的な仕組みである札幌市環境マネジメントシステムの点検項目に追加することで、各施設の管理者が確実にそのことを履行するようにしてまいりたいとの答弁をいただいております。現在は、アスベストの新たな点検ルールを定め、適切な点検の推進に尽力するとともに、飛散性の高いアスベスト建材から順に、可能な限り速やかに除去工事を進めていると聞いております。  そのような中、昨年5月30日にまたも環境省から通知が出され、石綿を含有する仕上げ塗り材のうち、吹きつけ工法により施工された壁などを解体する場合は、レベル1、つまり、細心の注意を払ってばく露防止対策を実施しなければならないとされました。  そこで、質問ですが、石綿含有仕上げ塗り材とはどのようなものか、いつごろから使われ、どのくらい普及しているのか、伺います。 ◎菅原 環境管理担当部長  石綿含有仕上げ塗り材とはどのようなものか、いつごろから使われ、どのくらい普及しているのかにつきましてお答えいたします。  仕上げ塗り材とは、建築物の壁などの仕上げに用いられる厚さ数ミリほどの塗装材料または左官材料であり、ひび割れや施工時の液垂れを防止するため、添加材としてアスベストを使用していた時期があります。石綿含有の仕上げ塗り材は、昭和20年代から普及し始め、当初は吹きつけ材と言われておりましたが、昭和50年代になると仕上げ塗り材という名称で呼ばれるようになり、平成11年ごろまで製造されておりました。その後、アスベスト含有製品の使用が禁止される平成18年まで、主に鉄筋コンクリート建築物の壁に仕上げ材として使用されておりました。 ◆小口智久 委員  今、塗り材の説明がございましたが、私の経験では塗装によって封じ込められた状態と認識しておりました。しかし、このたび、通知が出たということは、それなりに危険性があると判断したのだと思われます。  そこで、質問ですけれども、石綿含有仕上げ塗り材の危険性はどの程度か、飛散することはあるのか、伺います。 ◎菅原 環境管理担当部長  石綿含有仕上げ塗り材の危険性はどの程度か、飛散することがあるのかにつきましてお答えいたします。  仕上げ塗り材の中に含まれるアスベスト繊維は、合成樹脂などの結合剤によって固められていますので、表面が健全な状態におきましては飛散するおそれはないとされております。一方、仕上げ塗り材の除去などを行う工事の際、適切に施工しなければアスベストが飛散する可能性が指摘されております。このため、吹きつけ工法で施工された石綿含有仕上げ塗り材につきましては、飛散防止措置を講じた上で工事を行うよう環境省から通知がなされたところであります。また、石綿含有仕上げ塗り材が劣化していた場合であっても、アスベスト繊維が飛散する可能性は少ないものと考えておりますが、このことを検証するため、来年度は、まず、市有施設におきまして調査を行い、現状を把握することとしたいと考えております。 ◆小口智久 委員  解体すること以外に危険性はほとんどないとの判断というご答弁でございました。  しかし、過去に煙突断熱材が剥がれ落ちて問題となったことを考えますと、解体時までそのままでよいのか、疑問が残るところでございます。塗り材といっても、アスベストと顔料と樹脂との複合材料になりますので、劣化を受けるのは樹脂のほうが早く、また、アスベストの繊維はそのままといった点が考えられること、また、母材の上に塗られた塗り材の親和性によって剥がれてしまうことなども考えて調査を実施するということは、市民の安全・安心の確保といった面からも重要と考えます。  そこで、質問ですが、市有施設に対してどのような調査を行い、どのように対応していくつもりか、伺います。 ◎菅原 環境管理担当部長  市有施設に対してどのような調査を行い、どのように対応していくのかにつきましてお答えいたします。  吹きつけ工法による石綿含有仕上げ塗り材を使用した記録がある市有施設のうち、建築年や改修履歴などの条件から一定数の施設を抽出し、仕上げ塗り材の定性分析、劣化度合いの把握、大気濃度測定などの調査を行うこととしており、平成30年度は、学校などの68施設におきまして外壁の調査を行うことを予定しております。これらの調査結果を踏まえ、石綿含有仕上げ塗り材に係る点検ルールを平成29年3月に策定した札幌市市有施設における石綿含有建材対策要領に追加するなどして、より適切な維持管理を実施し、着実にアスベスト対策を進めてまいります。 ◆小口智久 委員  私は、10年以上前にアスベスト建材の劣化診断を行った経験があります。目視や打診、触診、そのほかに、建材の表面にセロハンテープを張りつけて、剥がしたときにアスベスト繊維が剥がれるか否かという新しい検査を提案し、実施したことを懐かしく思い出しました。まずは、選定した条件の施設に対して、確実に調査を実施していただきたいと思います。  我が会派は、これまでの質問で、アスベストのような有害物質への調査対応は、災害時と同じように市民の安全・安心を守るための緊急体制の強化が必要と指摘したことがありましたが、今回、石綿含有仕上げ塗り材については迅速な対応ができているのではないかと評価いたします。そして、今後は、調査結果をよく考察し、必要があるならローラー塗り施工法についても積極的に取り組んでいただきたいと思います。  最後に、昨年11月に、環境省から、事前調査の不徹底により石綿含有建材が把握されずに建築物等の解体工事が開始された事案について通知されました。原因としては、発注者や受注者の法規制の認識不足、情報共有の不徹底、建材知識の不足などが挙げられました。負の遺産であるアスベストの対策は息の長い取り組みですので、今回、国から提示された点に対応するためにも、継続教育や業界全体との情報交換に努め、対策を継続するよう要望し、私からの質問を終わります。 ◆石川佐和子 委員  私からは、事業系一般廃棄物、いわゆる事業系ごみの減量・リサイクルの取り組みについて伺います。  新スリムシティさっぽろ計画案におきまして、札幌市のごみの現状が示されております。札幌市の廃棄ごみと資源物を合わせたごみ排出量は、2016年度に59.1万トンであり、2008年度の74.8万トンと比べると約2割減少しております。2009年7月に導入された新ごみルールへの市民の理解と協力が得られた結果だというふうに思っております。一方、事業系ごみについては、2014年度に過去最少となっておりますが、その後は横ばいで推移しております。  計画案におきましては、資源物を含めた家庭系、事業系ごみ量全体の減量を進めるために、ごみ排出量の減量目標を2016年度の59.1万トンから2027年度にはさらに6.8万トンの減量を掲げておりまして、この目標の実現に向け、事業系ごみの減量やリサイクルへの取り組みが進むよう事業者による自主的な取り組みを促進するほか、適正排出指導の徹底、市による率先したごみ減量・リサイクル行動などを行っていくとしております。札幌市全体でのごみ排出量の減量目標を実現するためには、排出量の横ばい状況が続いている事業系ごみの減量を進めることが大きな課題と考えるところです。  そこで、質問ですが、事業系ごみの減量・リサイクルについて、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、また、その結果、どのような成果が得られたのか、伺います。 ◎新津 清掃事業担当部長  事業系ごみの減量・リサイクルについて、これまでの取り組みと成果についてお答えいたします。  事業系ごみの減量・リサイクルを進めるためには、事業者に自主的かつ積極的に取り組んでいただく必要があり、環境局としましてもこれまでさまざまな取り組みを行ってまいりました。  まず、ごみの排出量が多い大規模な事業所につきましては、平成21年度に減量計画書・処理実績報告書の提出対象を従前の約5倍の4,600件に拡大し、減量行動のさらなる促進を図ってまいりました。また、平成28年度には、ごみの排出状況や削減効果などを可視化する見える化システムを構築しまして、これにより、事務所や店舗など約700事業所にごみ減量の提案を行い、具体的に取り組んでいただいているところでございます。  一方、小規模な事業所につきましては、ごみの排出量が少なく、リサイクルが進まない状況にあるため、商店街やオフィスビル単位で古紙の資源回収を進める取り組みを行ってまいりました。参加する商店街やオフィスビルは、現在まで31の商店街、そして48のビルと年々増加しており、参加者からもごみ処理費用の削減につながった、古紙の売却益を地域活動に活用できたなどの声が寄せられており、効果のある取り組みと認識しております。  また、宴会での食べ残しを減らす2510(ニコッと)スマイル宴を推進するため、まずは市役所内で率先実施したところ、かなり食べ残しが減ったという声が寄せられておりまして、この結果も踏まえ、多くの企業に取り組みの呼びかけを行っているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  事業所などから出るごみは、いわゆる排出者責任に基づいて、処理は、原則、事業所が行うことになっております。ですから、事業者の意識が問われるところだと思いますが、さまざまな業種がある中、事業所が本業の事業活動を行いながら、さらに事業系ごみの減量・リサイクルに取り組むには、札幌市が積極的に情報提供や行動喚起を行い、その結果としての取り組み成果をわかりやすく示すことが有効というふうに私も思います。そうした観点から、今ご答弁にありました減量計画書・処理実績報告書の義務づけや、その実績を見える化をしてリサイクル向上のアドバイスを行うことで、地道なことだけれども、成果につながっているということであります。  しかし、新計画における目標を達成するためには、こうしたことで満足するのではなく、これまで回収し切れていない小さな事業所をカバーできるような効果的、実践的なアプローチが必要ではないかと考えるところであります。とりわけ、事業系ごみとして出されるものの中には、紙ごみ、生ごみがそれぞれ約3割を占めていると言われておりまして、札幌市においても同様と聞いております。こうしたリサイクル可能なごみの分別、資源化の多様なルートを確立することが重要というふうに考えます。  そこで、伺いますが、事業系ごみの減量・リサイクルをさらに進めるに当たって、今後どのようなことを課題として認識しているのか、また、それを踏まえて、今後どのような視点で取り組みを進めるのか、伺います。 ◎新津 清掃事業担当部長  事業系ごみの減量・リサイクルを進めるに当たっての今後の課題と取り組みの視点についてでございます。  事業系一般廃棄物を対象に行いました組成調査の結果を見ると、委員からお話のありましたように、廃棄ごみについては紙ごみと生ごみがそれぞれ約3割と大きな割合を占めており、これらの減量・リサイクルに重点的に取り組むことが事業系ごみ全体の減量・リサイクルにとって大変効果的でございます。  まず、紙ごみにつきましては、シュレッダーくずが資源として回収されることを知らない事業者も多くいると思われるため、今後は、この点を積極的にPRし、ごみ減量化をより一層促進したいと考えております。また、紙ごみのリサイクルを進めるためには、見える化システムによる支援が有効であり、今後は、これまでの事務所や店舗に加え、学校やホテル、医療機関など他の業種にも働きかけるとともに、業種別の状況を分析し、取り組みマニュアルを作成するなど、より効果的な方法を検討してまいりたいと考えております。  生ごみにつきましては、ホテルや飲食店における食べ残しを減らしていくことが重要であり、そのためには、飲食事業者が食品ロス削減の意義や経費削減メリットなどを理解して、協力していただく必要がございます。また、取り組みを進める上では、飲食事業者だけではなく、実際に飲食する市民の意識や行動が大きな原動力になると考えております。  今後は、このような視点から、事業者と市民の双方に共感をいただける効果的な仕組みを構築してまいりたいと考えてございます。 ◆石川佐和子 委員  事業者の取り組みとしては、さらに改善が期待できるところがあるというお話を伺いました。また、他都市の状況としては、清掃工場での搬入口の展開検査を行ってリサイクル可能な事業系古紙は搬入禁止としているところもありますが、今のご答弁によりますと、札幌市は、例えばシュレッダーごみは回収できると周知していくなど、まずは事業者が分別排出や資源化促進のために実践的な方策を継続していけるような取り組みを行っていくとお聞きいたしました。  そのような方針のもと、事業系ごみの減量・リサイクルを進めるためには、今、共感というお話がありましたが、今後、市民やより多くの事業者の理解や協力が不可欠であり、これまでの働きかけをさらに積極的に行っていただきたいと思います。また、私は、市民による事業者への評価があれば励みになるというふうに思いますから、環境局がそうした情報をしっかりとつないで、事業者の取り組みが継続するような取り組みにも力を入れていただきたいというふうに求めておきます。  次に、事業系ごみに関連して、イベントごみにおける啓発について伺います。  札幌市では、大通公園などにおいて、ビアガーデン、オータムフェストや雪まつりなど四季を通じてさまざまなイベントが行われ、多くの市民が訪れ、そして楽しむとともに、海外からの観光客も非常に多くなってきています。そこでは多様な食べ物や飲み物が提供されて、これが楽しみの一つではあります。ただ、その容器は、リユース食器が使われている場合もありますが、多くはワンウエーの使い捨て容器です。必然的にごみの量も多くなり、イベントとはいえ、その減量が課題だと私は思います。  また、お客さんが捨てるときの分別の仕方も、イベントによってさまざまな現状があるというふうに見ています。例えば、ごみ箱に何も書かれていないので、そこに捨てていいのか不安になったり、あるいは、食べ物の残渣も一緒に捨ててあったり、また、ごみ箱ではなく、ガムテープでビニール袋を張りつけていたり、見た目としても気になっていたところであります。  こうしたイベントの開催主体は実行委員会形式などになっておりまして、ごみの排出まではその主催者の責任だと考えますが、その後の処理は事業系ごみとして札幌市が行っております。札幌市としては、利用する市民や観光客にも理解していただきながら、なるべくごみを出さない工夫や、どうしても出されるごみのわかりやすい分別方法を働きかけるべきと考えるところであります。  そこで、伺いますが、こうしたイベントで出されるごみに関して、分別方法や排出削減に向けた啓発を行うなど、環境局として何かかかわってこられたのか、伺います。 ◎新津 清掃事業担当部長  イベントごみに関しての環境局のかかわりについてでございます。  ご指摘のとおり、イベントにおけるごみの分別や排出はイベント主催者の責任で行われるものでありますが、主催者だけではなく、市民も含めた全体の意識を高めていく必要があると考えております。  環境局としましては、これまで、イベントに限らず、事業系ごみの適正処理などの周知を行ってきたほか、大通公園などで行われるイベントでは、食品ロス削減に向けてパンフレット等を用いた周知を行ってきたところでございます。また、地域のお祭りや学校祭などのイベント向けに、洗って何度でも使用できるリユース食器の貸し出しを行ってきたところであり、今後はより効果的な啓発について検討してまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  パンフレットなどによる啓発やリユース食器の貸し出しなども行ってきたということであります。こうしたイベントが行われる際の紙皿やプラスチック容器などは、当然ではありますが、分別すればごみではなくなりますし、食品ロスの観点からも、食べ残しをなくすことへの呼びかけはさらに力を入れていただきたいと思います。また、事業系ごみとはいえ、家庭と同じ分別にすることは環境教育においても大変有効というふうに考えます。最近、それぞれのイベントで食べ物の出店がふえている中、新計画案でも示しているように、2Rを優先した3Rの取り組みを進めるためにも、イベントごみの削減や分別の徹底などの啓発にもぜひ力を入れていただきたいと思います。  このような中、2017年10月に環境省が大型イベントにおけるごみ分別ラベル作成ガイダンスをまとめました。この中には、コンベンション系施設や公共交通機関等において利用者向けに設置されているごみ箱の分別区分や処理方法、ごみ分別ラベルなどの調査をもとに、デザインや外国語表記など、ごみ分別ラベル作成における留意事項が示されております。そして、外国人にとってもわかりやすいごみ分別ラベルをごみ箱などに提示することでごみ分別を促進するとともに、ごみ分別の重要性や3Rの施策をアピールする機会となることが期待されるとしております。分別の表示を多言語化することや、文字と合わせてピクトグラムも大きく示すなどによって、ごみ減量効果もあるとの実験結果も一緒に示されております。  札幌市は、環境首都・札幌宣言、また、国際都市さっぽろを強く打ち出しておりまして、イベントごみの分別を誰にとってもわかりやすくして、ひいては事業系ごみの減量・リサイクルにつながるよう、こうした分別ラベルを参考にするなどして啓発を積極的に行っていくべきと考えるところです。  そこで、質問ですけれども、環境局として、環境省のごみ分別ラベル作成ガイダンスが出されたことをきっかけに、事業系ごみの削減に向け、イベント会場から出されるごみについて、主催者団体へごみの削減、分別の工夫などを働きかけるべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎新津 清掃事業担当部長  環境省から出されたガイダンスを受けた取り組みについてでございます。  昨年10月に環境省が作成した大規模イベントにおけるごみ分別ラベル作成ガイダンスは、現地調査やごみ分別ラベルを用いた実証実験の結果等を踏まえ、ごみ分別ラベルを作成する際の留意事項をまとめたものでございます。このガイダンスは、イベントの種類ごとに具体的な取り組み方法が記載され、実際の分別状況の写真も示されていることから、イベント主催者にとってわかりやすく、具体的な行動につながるものと考えられます。また、大規模なイベントにおいてこうした取り組みを進めることは、イベント主催者のみならず、多くの来場者の環境への意識や行動に訴えかけるものであり、ごみの減量・リサイクルの推進にとって大変有効と考えられます。  今後、関係部局とも連携を図り、このガイダンスの周知徹底を図ってまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  最後に、要望を申し上げたいと思います。  きょうも、ごみの削減に向けて、さらなるごみ減量の意識づけ、市民の日ごろの意識への働きかけが大事だということが出ておりましたが、こうした地道な意識啓発が本当に重要だというふうに思います。先ほどの答弁でリユース食器のことにも触れておられましたが、ごみ減量を進める2Rの一つであるリユースの中で、残念ながらアラエール号が廃止されたとはいえ、リユース食器事業というのは、リユース食器の有用性を示す事業だと思いますし、ワンウエー容器のごみの削減に向けても一つの役割があると思いますので、私は、イベントでの啓発活動としてやってみるのも意識づけとして効果的な取り組みではないかなというふうに思います。  また、イベントごみに向けたラベルにつきましても、全庁が連携しながらガイダンスの周知を徹底していきたいという答弁がありましたが、こうした分別の徹底も本当に欠かすことができないものであります。こうしたラベルを参考にして、イベントなどにおける分別表示の統一といった工夫も行いながら、札幌市の事業系ごみにおける減量やリサイクルが進むようにさらに取り組みを強化していただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ○こじまゆみ 委員長  以上で、第1項 環境計画費等の質疑を終了いたします。  次に、第7款 土木費 第6項 公園緑化費中関係分及び議案第3号 平成30年度札幌市駐車場会計予算について、一括して質疑を行います。 ◆松原淳二 委員  私からは、円山動物園における新たな施設の活用についてお伺いいたします。  先日3月13日、いよいよホッキョクグマ館がオープンいたしました。私もオープンを楽しみにしていた市民の一人として、先日、早速、見に行ってきました。ホッキョクグマが泳ぐ姿、そして、広場を走り回る姿を間近で見られました。また、雪のある施設の中にホッキョクグマがいるという北海道らしい、札幌らしい施設が整ってきたのかなと思っています。雨の降る平日でしたが、にぎわいがあったと思っていますし、オープン後の土・日に行った方に聞くと、その人数はさらに多かった、すごいにぎわいだったと聞いていまして、本当にすばらしい施設ができたのかなと思っています。また、ことしには、ミャンマーから4頭の象が来るということで、来年春、新しいゾウ舎がオープン予定とのことでございます。魅力的な施設ができて、札幌市民のみならず、道内外からの来園が期待できる施設になったのかなと思っています。  一方、多額の建設費が投入されたこの施設を今後維持していくためには、動物の飼育や施設の保守管理など、ランニング費用も当然必要となってきます。  そこで、質問ですが、2018年度、来年度の予算案の中で、ホッキョクグマ館の経費をどのように見込んでいるのか、大まかな内訳も含めてお伺いいたします。 ◎加藤 円山動物園長  ホッキョクグマ館の経費についてお答えいたします。  来年度のホッキョクグマ館の運営に係る経費につきましては、約4,400万円を予算計上しているところでございます。このうち、電気や水道などの光熱費が約2,000万円、館内の清掃やプールのろ過装置の運転管理業務などの委託料が1,400万円でございまして、残りは餌や消耗品代となってございます。 ◆松原淳二 委員  ランニングコストで4,400万円、そして、今ほどあったように、プールのろ過装置などで1,400万円ということでございます。あれだけ大きなプールですので、当然そういった費用もかかるだろうと思います。これらは、動物園で野生動物を飼育、展示していく上では必要な経費であるという点については十分理解しておりますが、これらが市民の貴重な税金で賄われていることから、その効果をしっかりと市民に還元していく必要があると考えます。  そこで、質問いたしますが、先日オープンしたホッキョクグマ館や来年春オープン予定のゾウ舎について、市民のためにどのように活用していこうとしているのか、伺います。  また、円山動物園では、2015年に、残念ながらマレーグマのウッチーの死亡事案の発生により、動物管理センターから改善勧告を受けており、その後、来園者数100万人を目指す目標を掲げた現在の円山動物園基本構想の見直しに着手しているとのことでございますが、先ほどの新施設の活用の考え方は現在検討中のこれらの円山動物園の新たなビジョンに沿ったものなのか、その点について、あわせてお伺いいたします。 ◎加藤 円山動物園長  施設の活用とビジョンの関係についてお答えいたします。  1点目の施設の活用についてでございますが、先日オープンしたホッキョクグマ館及び現在建設中のゾウ舎につきましては、絶滅が危惧されるホッキョクグマやゾウを通じまして、地球温暖化や森林破壊などの地球環境問題について学んでいただくことを重要な目的の一つとして整備したものでございます。このため、ホッキョクグマ館や今後オープンいたしますゾウ舎につきましては、市民の皆様に動物たちの生き生きとした姿を見ていただくとともに、館内のサイン表示の充実や職員によるガイド等を行うことで、環境問題、地球環境保全について考え、そして、行動を開始していただくきっかけづくりのために活用していただきますよう、しっかりと努力してまいりたいと考えてございます。  2点目の新たなビジョンとの関係についてでございますが、これからの円山動物園は、先ほどお伝えいたしました環境教育の推進や地球環境保全を大事にしていきたいと考えてございます。現在策定中の将来のビジョンにおきましても、これらの考え方を基本理念として策定を進めているところでございます。したがいまして、新施設の活用の考え方は、これに沿ったものと考えてございます。 ◆松原淳二 委員  新たにできたホッキョクグマ館、そしてゾウ舎を通じながら、絶滅危惧と言われている動物たちの環境をしっかりと学んでいただくこと、また、今後、ビジョンが策定されますが、環境教育、そして地球環境保全といったところにしっかりと力を注いでいただきたいと思います。先ほど申した100万人の来場者数目標も、当初は、多くの方に来ていただいて、こういった環境教育を学んでいただきたいというための数値目標だったのだと思います。しかし、それが数字ありきの傾向に至ってしまったことは非常に残念だと思いますので、その点にしっかり立ち返っていただきながら、多くの方に来ていただくことで、それが環境問題を学んでいただくきっかけになりますので、基本理念策定に向けてしっかりと進めていただきたいと思います。  また、先日お邪魔をした際には、円山動物園に外国人の観光客の方が多く見られており、外国語対応の看板もありましたが、いささか物足りない感じがしました。また、ホッキョクグマ館などでは動物紹介のブースもございましたが、外国語対応ができていないようでございました。また、飼育員の手づくりの動物解説も同様でございます。  今後、新施設のオープンによって、外国人の来園がさらにふえていくことは容易に想定されるのかなと思っておりますが、今、円山動物園としてどのような対応を考えているのか、お伺いいたします。 ◎加藤 円山動物園長  外国人対応についてお答えいたします。  現在、園内に設置しております主な案内看板や園内のパンフレットは、英語のほか、中国語、韓国語で対応しております。また、園内放送につきましても、平成28年度から同様に3言語で放送しているところでございます。  増加傾向にございます外国人対応につきましては、我々円山動物園といたしましても、ご指摘のございました案内表示も含めて課題と考えておりますので、今後は、他施設の状況も参考にしながら、外国人対応につきまして検討を進めてまいりたいと考えてございます。 ◆松原淳二 委員  ぜひ、札幌の魅力発信のために外国人観光客の方にも知っていただくことが必要だと思います。  また、動物園という特性もあって、先ほどもちらっとありましたが、ピクトグラムと言われる動物たちの写真や絵を使うことで、外国人のみならず、子どもたちでもわかる案内板なども工夫できるのかなと思っていますので、ぜひとも努力をお願いしたいと思います。私も、飼育員たちがつくっている手書きの説明を楽しく見せていただいておりまして、個体に応じたわかりやすい解説だったり、動物トリビアなどもあって、工夫されている点は理解できます。しかし、いざ、これを多言語対応するとなると、すぐさまというにはかなりの工夫が必要なのだろうなと思いますけれども、ぜひ、外国人の観光客にもそういった工夫を知っていただく努力をしていただきたいなと思います。手書きのものを外国語に直すのは難しいかもしれませんが、例えばスマートフォンアプリのQRコードなどを使うと、動物たちの特性であったり動物紹介、また絶滅危惧の背景といった説明などはお伝えできるものもあるのではないかと思いますので、そういったアプリも有効だと考えます。  また、円山動物園基本構想の見直しに着手して新たなビジョンを検討しているという点についても、しっかり市民に知っていただく必要があると思いますので、外国人観光客を含めて、来園された皆様に対してそのための努力を引き続き行っていただきたいと思います。  また、動物園が求められる使命の一つに、種の保存がありますが、これは、円山動物園だけでは決して解決できない課題であります。園内を見ると、どこどこの動物園に行っていますという形で、繁殖のために転出や転入をして他の動物園と連携している取り組みが見られました。民間の動物園や他の自治体とはそれぞれの立場が違うことから飼育員同士の人材交流はなかなか難しいかと思いますが、引き続き他の動物園などとも連携を図って、スキル、ノウハウの共有といったことではOJTも活用しながら知恵を使っていただきたいと思います。特に10年ぶりとなるゾウの飼育を行うこともございますので、そういった点に配慮していただきたいと思います。  多くの皆様に動物の生態や動物を通じて命の大切さなどを知っていただくためにも、円山動物園の意義は大きいものと思います。多くの皆さん、動物たちがともに楽しめる動物園、そして施設としていただくよう求めて、私からの質問とさせていただきます。 ◆村松叶啓 委員  私からは、円山動物園における高齢動物への対応についてお聞きいたします。  ただいま松原委員から新たな施設ということで質問がありましたが、ホッキョクグマ館は、私も、先日、先行見学会に参加させていただき、大変すばらしい施設だと思いましたし、ゾウ舎のほうも期待いたしております。  一方で、私は、動物園の動物の中でもカバが好きで、特に雄のドンの大ファンであります。以前から年間パスポートを購入し、時々、ドンの様子を見に行っております。ずんぐりとした巨体でゆったりと歩くところや、その一方で、水中での素早い動き、口を大きくあける愛らしい姿など、何度訪れても私は飽きずに見入ってしまいます。その元気なドンですが、48歳の高齢であり、現在、国内の動物園で最も高齢のカバであります。人間の年齢に換算すると約90歳とのことですが、まだまだこれからも現役で頑張ってもらい、多くの来園者を楽しませてほしいと思っております。  また、昨年、円山動物園で死亡したマサイキリンのユウマについても、国内のマサイキリンの雄としては最高齢でありました。近年、人間社会においては、少子高齢化の問題がクローズアップされておりますが、動物園の動物たちについても、全国的に高齢化が進んでいるとの記事を以前に読んだことがございます。  そこで、質問ですが、円山動物園でも長生きの動物たちが多いように感じておりますけれども、実際の状況はどうなのか、お伺いいたします。 ◎加藤 円山動物園長  動物たちの長生きの状況についてお答えいたします。  正確なデータを持ち合わせているわけではございませんが、動物園動物に対する栄養学や獣医学等の進歩によりまして、動物園や水族館で飼育されている動物たちは以前より長生きできる動物がふえているものと思われます。例えば円山動物園でございますが、先ほどの委員のお話にありました雄のカバのほか、35歳になる雄のダイアナモンキーや45歳以上の雌のオオワシ、それから、28歳になる雌のゼニガタアザラシなど、国内最高齢の動物がたくさんいます。  このように、全国的な流れと同様に、円山動物園においてもさまざまな動物たちが長生きをして、その結果として高齢の動物がふえてきている実態でございます。 ◆村松叶啓 委員  円山動物園でも、動物が長生きになった結果、高齢化が進んでいることがわかりました。そうしますと、人間で言うところの見守りであったり介護みたいなことが必要になってくるのかなという感じがいたします。  3月13日の北海道建設新聞の報道によりますと、円山動物園は、先ほども触れておられましたが、ことし秋に向けて今後の運営方針となる新たな基本構想を策定中とのことで、より動物福祉を重視して、常に最先端の試みや新たな情報、技術を取り込み、最も適した飼育方法や健康管理を実践していくとのことであります。さらに、円山動物園では、動物福祉の向上につながるよう、今年度から獣舎内に観察カメラを設置するなど、そうしたことに向けて既に取り組み始めていると聞いております。動物福祉については、全ての動物について取り組んでいただきたいと考えておりますが、とりわけ高齢になった動物たちの健康管理などについてはしっかりと取り組む必要があると考えます。  そこで、質問ですが、円山動物園では、高齢化する動物たちに対してどのような対応をしているのか、伺います。 ◎加藤 円山動物園長  高齢動物のケアについてお答えいたします。  年齢にかかわらず、また、どの動物にも共通することでございますが、高齢動物に対しては、特に可能な限り快適に過ごせる飼育環境の整備や飼育方法に努めているところでございます。例えば、屋内と屋外の展示場の出入りを自由にするとともに、天候が悪い日には無理に屋外に出さないようにするなど、動物の意思を尊重した飼育を行ってございます。  また、動物の健康管理につきましては、常日ごろから飼育員と獣医師が連携して行っておりますが、特に高齢動物につきましては、投薬の方法や餌の与え方についてより綿密に打ち合わせを行い、チームとして慎重なケアを行っております。今後におきましては、今年度設置いたしました観察カメラなども有効に活用しながら、動物の体調の変化をいち早く発見し、それぞれに応じた適切なケアができますよう、動物の観察を一層強化してまいりたいと考えてございます。
    ◆村松叶啓 委員  ただいまのご答弁によりまして、動物の意思を尊重し、しっかりとケアしていることがわかりました。高齢化が進んでいるということは、それだけ動物の適切な飼育管理を実践していることのあらわれかと思います。  また、私は、動物園の重要な役割の一つに、教育というものがあると思います。動物園は教育施設であり、野生動物の置かれている状況や環境問題などについて、市民や来園者に伝えていくことも重要ですが、一方で、子どもたちに対し、命の大切さや思いやりの心を育む情操教育も必要と考えます。私は、現在進めている高齢化する動物への対応については、そのことを伝えることができる最も適した教材となり得るのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、現在、動物の老いや死について子どもたちが感じることができるような取り組みをどのようにされているのか、また、高齢動物のケアや命を伝える教育について今後どう充実させていこうというお考えなのか、伺います。 ◎加藤 円山動物園長  命を伝える展示、教育についてお答えいたします。  動物園は、生き物の命の輝きを伝える生きた博物館でございます。このことから、命の教育、中でも、子どもたちに対する情操教育は極めて重要であると認識しております。  このことから、昨年10月に、もし人間であれば推定100歳を超える年齢で死亡したサーバルキャットにつきましては、子どもたちを初め、来園者の皆様に命の大切さ、力強さを感じていただくために、最期の最期まで力を振り絞って必死に生きようとする姿を展示し、ごらんいただいたところでございます。また、高齢動物を最期まで展示することの意義や必要性につきましては、動物舎の前に説明サインとして掲示することや、SNSなどを通じて情報発信したところでございます。  今後におきましても、全ての動物たちが、健康で、より長く、幸せに暮らしていけるよう、若いころからの健康診断や予防医療の充実に努めるとともに、元気な動物たちのみならず、最期まで力を振り絞って生きる動物たちをごらんいただくことで、命の大切さを感じていただける展示を心がけてまいりたいと考えております。 ◆村松叶啓 委員  サーバルキャットの事例を紹介していただきながら、今後も命を伝える教育を進めていただける、また、予防といったことにも取り組んでいただけるということでした。  動物園にとって、動物たちがその動物種らしく健康で長生きすることができる環境を整備することは極めて重要なことだと思います。今後ますますふえてくる高齢動物のケアにしっかりと取り組んでいただきますとともに、未来を担う子どもたちが豊かな心を育む情操教育に生かせるよう、その意義を確実に伝えていただきたいと思います。また、ことし秋に新たな基本構想を策定する上では、情操教育という観点も大切にしていただきたいということを最後に要望しまして、質問を終わります。 ○こじまゆみ 委員長  以上で、第6項 公園緑化費中関係分等の質疑を終了いたします。  以上をもちまして、本委員会に付託されました全案件に対する質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、3月27日火曜日午後1時から、討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後3時24分...