札幌市議会 > 2018-03-22 >
平成30年第一部予算特別委員会−03月22日-08号
平成30年第二部予算特別委員会−03月22日-08号

ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2018-03-22
    平成30年第一部予算特別委員会−03月22日-08号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成30年第一部予算特別委員会−03月22日-08号平成30年第一部予算特別委員会  札幌市議会第一部予算特別委員会記録(第8号)               平成30年(2018年)3月22日(木曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  こじま ゆ み      副委員長   村 上 ゆうこ     委   員  三 上 洋 右      委   員  宮 村 素 子     委   員  勝 木 勇 人      委   員  こんどう 和雄     委   員  長 内 直 也      委   員  よこやま 峰子     委   員  飯 島 弘 之      委   員  阿部 ひであき     委   員  伴   良 隆      委   員  村 松 叶 啓     委   員  村 山 拓 司      委   員  福 士   勝     委   員  小 野 正 美      委   員  ふじわら 広昭     委   員  桑 原   透      委   員  長谷川   衛     委   員  しのだ 江里子      委   員  林   清 治     委   員  松 原 淳 二      委   員  かんの 太 一     委   員  涌 井 国 夫      委   員  國 安 政 典     委   員  好 井 七 海      委   員  小 口 智 久     委   員  竹 内 孝 代      委   員  伊 藤 理智子
        委   員  太 田 秀 子      委   員  池 田 由 美     委   員  堀 川 素 人      委   員  石 川 佐和子     委   員  中 山 真 一       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○こじまゆみ 委員長  ただいまから、第一部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、前川委員からは、竹内委員と交代する旨、届け出がありました。  それでは、議事に入ります。  第3款 保健福祉費 第2項 子ども福祉費及び議案第4号 平成30年度札幌市母子父子寡婦福祉資金貸付会計予算について、一括して質疑を行います。 ◆よこやま峰子 委員  私は、児童相談体制の強化と里親制度の推進についてお伺いいたします。  今月9日の報道で、警察が児童虐待の疑いがあるとして児童相談所に通告した平成29年度の全国の件数は過去最多の6万5,341人で、13年連続で増加していると発表されました。都道府県別では、大阪府の9,305人が最も多く、北海道は3,520人であり、これも過去最多でありました。また、札幌市が公表している平成28年度の児童虐待通告件数については、警察からは781件、さらに、近隣住民、各種機関を含めた全通告件数は1,398件で、過去最多でありました。平成29年度の通告件数は、さらに増加する見込みと聞いております。この増加の要因としては、児童の面前での夫婦間の暴力を警察が心理的虐待として通告する件数がふえたとともに、児童虐待防止の国民意識の高まりによって近隣住民などからの通報がふえ、これによって顕在化する児童虐待がふえていると見られています。さらに、札幌市における児童の養育や非行、育成等の平成28年度の全相談件数は6,735人であり、これも過去最多で、2年前の相談件数と比較して16%も増加しており、虐待通告以外の対応件数も大きく増加しております。  これだけふえ続ける児童の虐待通告や各種相談に対して速やかに調査、対応を行い、児童の安全を確保し、適切な措置や支援につなげていくためには、児童相談所の体制を含めた札幌市全体の児童相談体制の強化が急がれております。札幌市では、これまで、児童相談所の人員増や一時保護所の改修等を図りながら、平成29年4月には第2次札幌市児童相談体制強化プランを策定し、計画的に体制の強化を進めてきていると伺っております。  そこで、質問ですが、第2次札幌市児童相談体制強化プランについて、平成29年度の取り組み状況と今後の見通しをお伺いいたします。 ◎天田 児童相談所長  第2次札幌市児童相談体制強化プランの平成29年度の取り組み状況と今後の見通しについてであります。  まず、平成29年度の主な取り組みといたしましては、関係機関と共有の要支援世帯への評価チェックシート、いわゆるアセスメントツールの開発を進めてきたところであり、ことし1月末から試行運用をしており、この4月からは本格的な運用を開始する予定となっております。また、昨年12月から養育支援員の派遣による家事支援及び育児支援を開始しており、派遣した世帯では養育状況の改善等の効果が見られているところでございます。  次に、今後の見通しについてでありますが、来年度は、これまでの取り組みをさらに充実させていくとともに、第2児童相談所の設置検討や区家庭児童相談室の専門性の強化など、今後の児童相談体制のあり方を検討することとしております。この4月から新たに所内に配置される企画担当課が中心となり、中長期的な児童相談体制の強化に向けた課題を整理するとともに、他都市の事例調査や国の動向の情報収集等を行いながら、精力的に検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆よこやま峰子 委員  平成29年度の児童相談体制強化プランの取り組みでは、アセスメントツールを開発して、ことし1月から試験運用をしていらっしゃって、また、昨年12月からは養育支援員の派遣も開始したとのことでありますので、その効果を大いに期待したいと思います。  また、平成30年度からは、第2児童相談所の設置へ向けた検討が本格的になされるようであります。私は、相談所が一つふえるというのは、窓口がふえるということで、非常に喜ばしいことではありますが、その反面、職員というのは限られていて、その限られた人員の中でどのように運営していくのか、本庁機能はどこが担うのか、あるいは、各地区の家庭相談室との連携をどのようにしていくのかなど、さまざまな課題も多いのではないかと危惧しているところであります。しかし、ぜひ、そういった課題をクリアして、相談のあった事案に一つでも多く、そして、少しでも迅速な対応ができるような体制強化としての第2児童相談所の設置を望むものであります。  さて、重大な虐待や何らかの事情により親が育てられなくなった児童は、本来、受けるべき親の愛情に恵まれずに育っているケースが多く、愛着形成の問題やPTSDにより、生育の過程でさまざまな困難な状況が発生すると言われております。私は、これらの児童に提供する代替養育の場は家庭的な養育環境であるべきであり、そのためには里親への委託をより一層推進すべきと考えます。  施設や里親等の社会的養育に係る措置児童全体に占める里親、ファミリーホームへの委託率は、平成28年度末の全国平均では18%でありますが、札幌市は25%ということで、里親への委託を推進している状況がうかがわれます。札幌市は、里親委託を推進するための新たな事業として平成30年度に里親トレーニング事業を開始するとのことであります。  そこで、質問です。  まず、札幌市の里親登録の現状について並びに里親トレーニング事業とはどのようなものであるのか、どのような効果を期待しているのか、お伺いいたします。 ◎天田 児童相談所長  札幌市の里親登録の現状と里親トレーニング事業についてでございます。  まず、札幌市の里親登録の現状についてでございますが、平成30年2月末現在で、養育里親の登録数は201組となっております。このうち、児童を委託中の里親は92組であり、残る未委託の里親109組のうち、一度も委託の経験がない里親は52組となっております。この委託の経験がない、あるいは、長期間未委託となっている里親の中には、仕事、介護などの家庭事情や委託期間の空白による不安が解消されれば、児童の委託につながるケースが少なくない状況でございます。  そうしたことから、2点目の里親トレーニング事業の関係で、この事業の内容とその効果についてでございます。  この事業につきましては、まず、未委託の里親を対象に、児童を養育する上で必要となる基礎知識や子育ての技能まで学ぶ講義、そして、事例検討による子育てのイメージトレーニング、里親宅での実習による再研修プログラムなどを予定しております。  この事業によりまして期待される効果でありますが、即戦力となる委託可能な里親が養成されることが第1点です。そして、里親委託のさらなる拡大につながることが見込まれており、ひいては、委託児童の家庭的養育環境が促進されるというふうに考えております。 ◆よこやま峰子 委員  札幌市の平成28年度の措置児童全体に占める里親、ファミリーホームへの委託率は、全国平均が18%であるのに対して、札幌市は25%と非常に高くなっております。一方、ただいまのご答弁によりますと、札幌市の里親登録数201組中、児童を委託されていない未委託の里親が109組もおりまして、その中で一度も委託経験のない里親は52組もいるとのことであります。これは非常にもったいないような気がいたしますので、答弁にありましたように、研修、基礎知識などのいろいろなトレーニングによって不安や不明な点が解消されれば、児童を預かることをちゅうちょしている里親が児童の委託を受けることに踏み切るのではないかと大いに期待しているところであります。  さて、国においても、厚生労働省は、平成28年度から、学識経験者を委員に加えて、新たな社会的養育の在り方に関する検討会を開催しており、昨年8月に検討会の報告書として新しい社会的養育ビジョンが公開されました。この中で、児童の代替養育は、家庭と同様の養育環境を原則とし、里親への包括的な支援体制の抜本的強化と里親制度の改革を進めていく必要があることが示されました。これを受けて、国からは、近く里親制度の推進のための指針が示されると聞いており、札幌市としても、国の指針に基づき、具体的な検討に入ることと思います。  そこで、質問ですが、札幌市における里親の取り組みについて、現状における課題と今後の里親支援のあり方や推進策に関する考え方をお伺いいたします。 ◎天田 児童相談所長  里親の推進に係る現状の課題等と今後の里親支援のあり方、推進策についての考え方でございます。  まず、現状の課題等といたしましては、今後の里親の需要に対応するため、質の高いより多くの里親を確保すること、そして、里親に対する専門性の高いソーシャルワークの実現とそれを行う人材の確保、さらには、里親と児童との的確なマッチングなどと認識しております。  これらの課題等に対する取り組みといたしまして、第2次札幌市児童相談体制強化プランにおいては、里親への各種支援や新規開拓を継続して担うことができる拠点機能の整備を目指しているところでございます。また、国の検討会報告による新しい社会的養育ビジョンの中においては、里親の開拓から児童の委託を受けた里親の支援までの一連の過程を包括的に実施する機関が必要という考え方も示されております。国からは、この里親制度推進の指針が近く示される予定であると聞いておりますので、札幌といたしましても、この指針を踏まえまして里親拠点機能の検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆よこやま峰子 委員  要望でありますが、毎年増加する児童虐待に対して、警察を初めとする周囲からの通告に対して速やかに対応して児童を保護する、あるいは、多様な相談案件にしっかりと応えていくために、今後、ますます児童相談体制の強化が望まれているところであります。そのために、第2児童相談所の準備体制を早急に整えていただき、なるべく早い時期の第2児童相談所の設置を切に要望いたします。  また、里親制度に関してですが、私も、重大な虐待や何らかの事情で親が育てられなくなったこれらの児童の養育の場は、やはり家庭的な養育環境であるべきだと考えます。先ほどのご答弁からは、ソーシャルワーカーとその人材の確保、里親と児童のマッチングなど里親制度に課題があることも理解いたしますが、幸い、札幌市は、全国と比較して里親の登録数も多く、制度への関心も高いと思われますので、未委託の里親への里親トレーニングなど、有効と思われる研修を積極的に拡大させていただきたいと思います。  今後は、国も包括的な里親支援実施機関が必要とうたっており、それに対して札幌市は里親拠点機能を検討するとのことでありますので、ぜひ実現していただき、里親制度のさらなる推進を願いまして、私の質問を終わります。 ◆かんの太一 委員  私からは、子どもアシストセンターの取り組みについて、児童虐待防止に向けた関係機関との連携強化について、2点お伺いいたします。  まずは、子どもアシストセンターの取り組みについて質問いたします。  子どもアシストセンターは、平成21年4月の子どもの最善の利益を実現するための権利条例、いわゆる子どもの権利条例の施行とともに、子どもの権利救済を図る子どもの権利救済機関として新たに発足し、公的な第三者機関として、いじめや虐待などの深刻な権利侵害だけでなく、子どもが抱えるさまざまな悩みを幅広く受けとめ、必要な助言や適切な支援を行ってきたものと認識しております。  こうした取り組みを着実に行っていくことは、悩みを持つ子どもたちが、自分が大切にされていることを実感し、自分と同じように他の人も大切にするべき存在であるということを学び、互いを尊重し合うことを身につけ、規範意識を育むなど、子どもたちが健やかに成長していくためにとても重要なことであると考えております。  センターの最近の相談状況ですが、活動報告書を拝見しますと、平成28年度に寄せられた相談件数は、一昨年に比べて減少したとのことです。そこで、直近の状況を確認させていただきたいのですが、今年度の相談件数及び昨年度と比較した状況、また、相談内容の傾向についてお伺いいたします。 ◎有塚 子どもの権利救済事務局長  子どもの権利救済機関子どもアシストセンターの平成29年度の相談の実績についてのご質問でございます。  平成29年度の2月末までの相談件数は実件数で873件でございまして、昨年度の2月末と比較いたしまして15.8%増加しております。延べ件数は3,019件でございまして、同じく昨年度の2月末と比較して5.4%減少しておりますが、減少幅は改善しているところでございます。実件数の内訳でございますが、子ども本人からの相談が46.4%、母親からの相談が45.2%でございまして、合わせて実件数の90%以上を占めております。また、相談内容でございますが、友人関係や不登校などの学校生活に関する相談が半数以上を占めておりまして、いずれも例年と同様の傾向となってございます。  毎年、小学生、中学生、高校生の児童生徒全員相談カードを配付し、また、保護者には、広報誌、アシスト通信の配付や大人用相談カードドラッグストア店舗への配架、さらには、救済委員がラジオ番組に出演するなど、さまざまな広報・啓発活動を積極的に行っておりまして、相談実件数の増加はその効果があらわれているものというふうに認識しているところでございます。 ◆かんの太一 委員  ただいまのご答弁で、2月末までの実績ですが、実件数873件で、昨年度に比べると15.8%の増ということで、アシストセンターの取り組みとして、児童生徒全員へのカード配付、保護者には広報誌の配付やその他さまざまな方法で広報活動が行われていることは、一定の評価をするところでございます。  一方で、子どもに関する問題が多様化・複雑化する中で、相談内容によっては、子どもアシストセンターへの相談だけで解決、改善を図っていくことは困難なのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、子どもの悩みを受けとめ、権利救済を実現するため、関係機関に対し、どのような場合にどのように働きかけや調整を図っているのか、また、子どもの相談を受ける相談窓口は、公的なものから民間が行っているものまで数多くあり、たくさんあるがゆえに、どこに相談すればよいのかわからないといったことも起こり得るのではないかと考えます。  こうした子どものための相談窓口は、横のつながりを持って他の行政機関や民間団体も含めて幅広い連携が必要なのではないかと考えますがいかがか、伺います。 ◎有塚 子どもの権利救済事務局長  子どもアシストセンター等の関係機関の協力連携といったご質問でございます。  委員からもご指摘がございましたように、子どもを権利侵害から適切に救済する上で、調整活動や関係機関との連携が重要であると認識しているところでございます。  その相談対応だけで問題の解決を図ることに限界がある場合、子どもアシストセンター公的第三者として当事者間に入りまして、相談者の要望を学校などの関係機関に伝えるのみならず、相談者と関係機関が相互に協力して、子どもの置かれた状況を改善するために環境を整える調整活動を積極的に行ってございます。一方で、子どもアシストセンターから法務局や道警、民間団体など20の機関に呼びかけて子どものための相談窓口連絡会議を毎年開催して情報交換をしておりまして、各機関が持つ機能や特徴をお互いに理解するとともに、相談内容に応じて他の機関を紹介するなど、相談機関相互で円滑な連携を図っているところでございます。 ◆かんの太一 委員  子どもにとって最適なサポートが図られるように、子どもアシストセンターが、連携のための会議を呼びかけたり、調整活動の機能を駆使して子どもに関する問題の解決、改善に能動的に対応することは評価できますし、今後も子どもたちのためにこの取り組みを続けていただきたいと思います。  ところで、我が会派では、平成26年第2回定例会の文教委員会において、子どもからのEメールによる相談が減少していることについて質問し、昨年、第2回定例会の文教委員会においても、子どもたちアシストセンターを気軽に利用しやすくする工夫の観点から、相談相手にLINEなどのSNSの導入について質問し、その際には、想定される課題やその対応策について調査研究をしていきたいとの答弁があったところです。  子どもアシストセンターが果たす役割については、子どもに関する問題が多様化している昨今、間もなく開設10年目を迎えることも踏まえ、その重要性を再認識し、大いに期待しているところであり、それに応えていくためにも、悩みを抱える子どもたちの声を少しでも酌み取り、寄り添っていくことに有効な手段を取り入れることは大切と考えます。  そこで、質問ですが、今後も子どもアシストセンターを多くの子どもたちに知ってもらうための取り組みをどのように行っていくのか、また、相談方法にSNSを導入することについて、昨年の第2回定例会以降、どのような検討がなされているか、2点についてお伺いいたします。 ◎有塚 子どもの権利救済事務局長  より多くの子どもたちの声を酌み取るための取り組みということで、2点のご質問をいただきました。  まず、知ってもらうほうの取り組みでございますが、広報活動の取り組みが相談件数の増加に効果があることを実感しているところでございます。現在、広報物の配布に加えまして、相談員が直接児童会館に出向き、子どもアシストセンターを紹介する、あしすと子ども出前講座とか、家庭教育学級青少年育成団体などを対象にしたあしすと出前講座を行っておりまして、今後も広報、啓発の仕方には工夫を加えて、多くの子どもたちに認知されるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。  また、相談方法にSNSを導入することについてでございますが、LINEなどのSNSが子どもたちにとって身近なコミュニケーションの手段として浸透してきている状況から、有効な手段であると考えております。一方で、導入するに当たりましては、相談体制や経費、また、技術的な面でのさまざまな課題が考えられますので、その対応としてどのような方策が必要かなど、施行の実施に向けて調査研究を進めているところでございます。 ◆かんの太一 委員 要望です。  子どもアシストセンター活動報告書で言及されておりますが、札幌市が行う3年に1度の児童生徒の実態に関する基礎調査の質問の中に、困ったときに誰に相談することが多いですかという項目がありまして、誰にも相談しないと回答した児童生徒は、小学校5年生で11.3%、中学校2年生で15.3%、高校3年生で13.3%という数値が示されております。悩みを抱える子どもたちが、その気持ちを吐露できず、反社会的な行動や自傷行為などに追い込まれないためにも、子どもたちの悩みに寄り添い、地道に活動している子どもアシストセンターの役割は今後も非常に大切であると認識しております。  子どもの権利条例の前文では、「大人は、子ども自身の成長・発達する力を認めるとともに、言葉や表情、しぐさから、気持ちを十分に受け止め、子どもの最善の利益のために、子どもが直面することについて、ともに考え、支えていく責任があります。」と明記されています。子どもの出すサインを敏感に感じ取り、子どもを守っていくことは、全ての大人に課された責任です。先ほど言及したアシストセンターの認知度を高める周知・広報活動、また、より多くの子どもたちの声を酌み取るための取り組みを引き続き進めていただきますよう要望して、この質問を終わります。  続きまして、児童虐待防止に向けた関係機関との連携強化について伺います。  先ほどのよこやま委員の質疑でも触れられましたが、全国的な傾向として、近年、警察からの児童相談所への虐待通告が急増しております。本市が受ける警察からの虐待通告についても、全国的な状況と同じく増加傾向にあり、平成28年度は、全体の通告件数1,398件のうち、警察からの通告は781件で過半数を占めました。このような状況の中、児童相談所運営指針において、児童虐待における通告受理後の安全確認については48時間以内とする旨が定められており、110番通報等により警察が現場に臨場した後に警察から児童相談所に通告があった場合には、速やかに児童相談所の職員が児童の安全確認、調査を行うことが求められているため、その対応に追われる職員の負担は増大しているように感じております。  さらに、他都市の児童虐待死事案を受けて、平成28年4月に、警察庁及び厚生労働省から出された通達の趣旨に照らして、札幌市、北海道、北海道警察の3者により、平成29年3月に児童虐待の防止のための連携協定が締結されたところです。  そこで、質問ですが、これまで札幌市は警察との間でどのように連携してきたのか、また、連携協定の締結により今後はどのような取り組みを行うのか、お伺いします。 ◎天田 児童相談所長  児童虐待防止に向けた警察と札幌市との連携についてでございます。  まず、これまでの取り組みについてでありますが、児童相談所と警察とは、個別の事案について情報共有の上、協力して対応するなどの連携を図るほか、強制立入調査の合同演習や道警本部及び市内警察署との連絡協議会を通じて顔の見える関係づくりに努めてきたところでございます。また、平成26年度より、北海道警察本部から児童相談所に現職の警察官の派遣を受け、虐待の初期対応を担う部署への配置を行ったことにより、個別の事案における迅速かつ的確な対応が可能となり、警察との連携が円滑になってきたところでございます。  次に、連携協定締結後の取り組みについてであります。  昨年3月の連携協定締結後の状況といたしまして、警察は、110番通報等を受けて家庭に臨場した際に、児童虐待が明確な事案のみならず、少しでも虐待が疑われる事案についても児童相談所への情報照会、情報共有を徹底しております。今後におきましても、この協定に基づいて情報共有等の取り組みを継続することにより、児童虐待への適切な対応を一層進めていくことができるものと考えております。 ◆かんの太一 委員  ただいまの答弁で、連携協定の締結によってさらなる連携を図っていくことがわかりました。答弁の中で言及されていましたが、情報共有について、さきのマスメディアの報道によると、茨城県では、本年1月より、県内の児童相談所が把握している被虐待児童の情報を電子データにまとめ、県警に全件を提出する取り組みを開始したとのことです。本来、個人情報については慎重に取り扱うべきですが、子どもの命にかかわるこのような情報に限っては、緊急時に24時間対応する体制が整っている警察に児童相談所から積極的に情報提供していくことは、児童虐待の未然防止や早期発見のためにやむを得ないと考えております。札幌市においても、警察との連携協定の締結を契機に、児童虐待防止の分野については、警察との情報共有を強化していく必要があると考えます。  そこで、2点目の質問ですが、児童虐待の防止に向けた警察との情報共有について、札幌市では今後どのように強化していく考えか、具体的に伺います。 ◎天田 児童相談所長  警察との情報共有を今後どのように強化していくかということでございます。  警察とは、これまでも、個別の事案を通じて問い合わせを受けた際には、その都度、紙媒体や電話などにより情報共有を図ってきたところでございます。今後につきましては、他県の取り組みを参考としまして、児童相談所と各区家庭児童相談室が、要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協と呼んでおりますが、この要対協で進行管理しております児童やその世帯の支援計画等に関する情報を電子データにまとめまして、年3回、各区の要対協が開催している実務者会議の終了後に児童相談所から一括して警察に提供することを検討しております。これによりまして、緊急事態が発生した際、警察がこの電子データをあらかじめ確認することで、迅速かつ正確な対応が可能となるものでございます。また、札幌市としましても、特に、土・日や夜間に発生した事案について、警察から電話照会があった際に対応時間を短縮できることから、児童相談所の職員の負担軽減が期待できるものでございます。  今後におきましても、警察と児童相談所の効果的な情報共有について工夫してまいりたいと考えております。 ◆かんの太一 委員  警察との情報共有については、他都市の取り組みも参考に進めていきたいということでしたが、個人情報の慎重な取り扱いに留意しつつ進めていただきたいと思います。  一方で、情報共有を強化していけばいくほど、その情報に基づいて対応を求められる児童相談所の職員の負担が増大していくことは課題であると感じております。そのような状況に適切に対応していくためには、児童相談所の職員体制の増強が必要であることは言うまでもありませんが、それと同時に、児童相談所と地域や関係機関との連携の中で、包括的、継続的に児童を支援する体制づくりが必要であると考えます。  札幌市が平成29年4月に策定した第2次児童相談体制強化プランにおいては、そのような課題に対して、児童相談所と子どもにかかわる相談機関の適切な役割分担と連携体制の構築に取り組んでいくこととしており、とりわけ地域の相談機関である児童家庭支援センターとの連携強化に焦点を当てています。児童養護施設や乳児院に併設されている児童家庭センターでは、地域において子どもの福祉に関する相談に専門スタッフが対応しており、大切な関係機関の一つであると考えます。  そこで、3点目の質問ですが、第2次強化プランに掲げている児童相談所と児童家庭支援センターとの連携強化についてどのように進めていく考えか、検討の状況を伺います。 ◎天田 児童相談所長  児童家庭支援センターとの連携強化に関する検討状況についてでございます。  児童家庭支援センターは、現在、札幌市に4カ所設置されておりまして、この4カ所に対して児童相談所から連携強化に関するヒアリングを行いました。その結果、養護事情が解消し、施設から家庭引き取りとなった子どもとその親について、両機関が共同して支援していくことが特に重要であり、そのためには、お互いの機能や役割についてさらに理解を深めていく必要があるとのご意見をいただきました。また、各区の家庭児童相談室との関係性につきましても、連携を一層深めることで、地域においてより丁寧な相談、援助が可能となるとのご意見もいただいているところでございます。  これらの意見につきましては、来年度から、児童家庭支援センター、各区家庭児童相談室、そして、私ども児童相談所の係長級による定期的な連絡会議を実施し、話し合いを積み重ねていくこととしておりまして、今後とも、双方の専門性を共有し、共同による支援や相談内容に応じた適切な役割分担を整理するなど、連携体制のさらなる構築に努めてまいりたいと考えております。 ◆かんの太一 委員  最後に、要望です。  先ほどの子どもアシストセンターの質問でも子どもの権利条例に言及しましたが、子どもは、生まれたときから権利の主体であり、あらゆる差別や不利益を受けることなく、自分らしく生きていくことが保障されています。児童虐待は、その権利を侵害する最たるものであり、一旦、虐待を受けてしまうと、その後の人生に大きな影響を及ぼします。例えば、幼少期に両親から虐待を受けることで、必要な時期に十分な愛情を得られず、保護者との安定した愛着が絶たれたことによって、他人との良好なコミュニケーション、人間関係が築けないなどさまざまな障がいが出る、いわゆる愛着障がいが大きな社会問題となっています。負の連鎖が続くことのないよう、児童虐待の防止は、札幌市として全力で取り組むべき課題です。  平成30年度は、第2次児童相談体制強化プランに沿い、第2児童相談所の設置検討に着手するなどさまざまな施策を進めていくわけですが、今後の関係機関との連携のあり方、計画的な人材育成、人員体制の強化を意識しながら、引き続き子どもを虐待から守る取り組みを強力に進めていただきますよう要望し、私の質問を終了いたします。 ◆好井七海 委員  私からは、ひとり親家庭就業機会創出事業について伺います。  経済観光局が公表しているさっぽろ経済の動きでは、1月の札幌圏の有効求人倍率は1.08%となっており、95カ月連続で対前年同月を上回るなど、札幌市の雇用情勢は改善の方向に向かっております。  しかしながら、ひとり親家庭の親については、子育てと仕事をしながら、新たな条件のよい就職先を探したくても探す時間がないことから、意欲がありながらも思うような働き方ができていない方が多くいるのが現状であります。私が相談を受けた方々も、生活が苦しく、ダブルワークやトリプルワークで経済的困難な状況を少しでも克服し、2人、3人の子育てに奮闘している方々や、中には障がいのある子の子育てをしている方からのご相談もあり、本当に大変な状況にいる方がおります。ひとり親家庭の経済的自立のためには就業支援策が重要であることは言うでもなく、現在、策定中の第4次札幌市ひとり親家庭等自立促進計画においても就業支援の充実が基本目標の一つとされているほか、これまでにも、資格の取得や職業能力向上のための訓練、就職機会の創出など、さまざまな事業に取り組んでいることは承知しております。  その数ある就業支援策の中、ひとり親家庭就業機会創出事業は、ひとり親家庭に理解のある企業を開拓し、就職の機会を提供する合同企業説明会を開催する事業であり、我が会派の要望を受け、今月3日に4回目となるひとり親のための合同企業説明会が開催されております。当日は我が会派から何名かが視察しており、明るい雰囲気の中、にぎわいもあり、大変盛況であったとの報告を受けたところであります。  そこで、1点目の質問ですが、3月3日に開催された合同企業説明会の実施結果についてお伺いいたします。 ◎川原 子育て支援部長  私から、合同企業説明会の実施結果についてお答えさせていただきます。  合同企業説明会は、3月3日土曜日に札幌駅に隣接する商業ビルで開催いたしまして、趣旨にご賛同いただいた企業25社に参加いただいたほか、57社に求人情報の掲載をいただきました。当日は、弁護士等による専門相談や子どもの預け先に関する相談、新しい働き方の提案といたしましてテレワークセミナーなども実施したところでございます。また、子ども連れでも安心して参加できるようにということで、託児コーナーやキッズスペースを設置したほか、開催日が3月3日であったこともあり、7段飾りのひな人形を設置しての写真撮影会といったイベントも行ったところであります。その結果、154名の方にご参加いただき、加えて59名のお子さんにもご来場いただき、会場がにぎわったところであります。 ◆好井七海 委員  当日の参加者数などについては説明がありまして理解できましたし、今年度も多くの方が参加していたことは非常に喜ばしく思います。ぜひとも、一人でも多くの方が自分の生活状況に合った働き先に就職できることを願っております。  ひとり親家庭に対する就業支援策は幾つもありますが、ひとり親家庭就業機会創出事業は、ひとり親家庭の親とひとり親家庭に理解のある企業を結びつけ、就職の機会を直接的に提供するものであり、極めて有効な事業と考えます。  続けて、企業への働きかけについて伺いますが、この事業は企業の協力があってこそ成り立つ事業であり、企業側の理解の促進が重要と考えます。  そこで、質問ですが、今回の合同企業説明会の開催に当たって、参加企業の開拓や企業への理解促進にどのように取り組んだのか、伺います。 ◎川原 子育て支援部長  参加企業の開拓や企業への理解促進の取り組みについてお答えいたします。  企業への働きかけといたしましては、ダイレクトメールや電話、訪問により、市内企業計530社に対して参加への理解と協力を求めたところでございます。こうした働きかけの結果、32社から参加の意思をいただきましたが、ひとり親の希望に沿った幅広い業種、職種を前提に、ひとり親が働きやすい環境であるか、安定した雇用であるか、複数の求人があるか、そういった視点で参加企業を選定いたしました。働きかけの際には、ひとり親等を雇用することで企業に助成金が支給される特定求職者雇用開発助成金などの国の制度も紹介しており、参加に至らなかった企業に対しましても、ひとり親の雇用について理解の促進に取り組んだところでございます。 ◆好井七海 委員  事業の開始以来、安定的に多くの企業に参加いただいているようで、また、数多くの企業に参加を呼びかけ、理解を求める取り組みをされていることは非常に評価いたします。  今回の参加企業の業種は多様で、選択肢が広がり、中でもテレワークセミナーも席が埋まっており、好評で、4回目の開催も盛況に終わり、ひとり親家庭への就業支援策としてすっかり定着してきた感のある合同企業説明会でありますが、年1回の開催では、希望に合う仕事や企業に出会うことができなかったり、開催日に別の予定が入っている方は大切な機会を逸してしまうことにもなります。このことから、昨年の予算特別委員会において我が会派の丸山委員が質問し、合同企業説明会の複数開催について要望してまいりました。
     そこで、質問ですが、来年度以降の開催回数等について、現在のお考えをお伺いいたします。 ◎川原 子育て支援部長  合同企業説明会の開催回数等についてお答えいたします。  これまでの開催では多くの方にご参加いただいており、また、開催当日に行ったアンケート調査でも複数回開催を望む意見が多くありましたことから、平成30年度は開催回数を2回とする予定でございます。開催の時期につきましては、これまでにも開催していた3月上旬に加えまして、10月採用を見据え、企業の募集活動が活発となる8月から9月に開催したいと考えているところでございます。 ◆好井七海 委員  最後に、要望になりますが、合同企業説明会の年複数開催は我が会派が継続して要望していたことであり、平成26年度の事業開始、平成30年度の複数開催と、ひとり親家庭の就業支援策が着実に充実してきていることは評価できます。  そして、先ほど川原部長からもお話がありましたが、今回の企業説明会では本当に心配り、気配りが見えまして、保育ルームや託児ルームを分けていることや、生活相談や法テラスも来ておりました。さらには、3月3日という日でありましたので、入り口に大きなひな人形を置いて、ひな壇をバックに親子で写真撮影もできるようになっており、このような心遣いに感激した参加者も多かったかと思います。  来年度は、求人の多い秋とこの時期の2回になると思いますが、来年度の合同企業説明会は、ともに多くの方が参加され、一人でも多くの参加者が子育てしやすい生活状況につながる企業に就職でき、盛況に開催されるよう、引き続き充実に努めていただくことを要望し、私の質問を終わります。 ◆太田秀子 委員  私からは、札幌市子どもの貧困対策計画(案)について、3点質問いたします。  現在、社会的に解決すべき大きな課題となっているのが子どもの貧困問題です。国においては、2014年、子どもの貧困対策の推進に関する法律、いわゆる貧困対策推進法が施行され、本市は札幌市子どもの貧困対策計画策定に係る実態調査を行い、2018年から2022年までの5年間を計画期間としているところです。  本市の実態調査の結果からは、貧困状態が抜き差しならない待ったなしの事態であることが浮き彫りになりました。家計の状況について、ぎりぎりと赤字を合わせた割合は、世帯全体で62.6%、うち非課税世帯では81.8%に上ります。ぎりぎりという生活実態というのは、必要なことでも極力我慢して、買わない、支出しないことで帳尻を合わせているということであり、余裕のない中で借金も預金の取り崩しもできない家計状況にあることが考えられます。子どもが病院を受診したほうがいいと思ったけれども、受診させなかった経験があった割合は、世帯全体の18.4%、うち非課税世帯は24.2%、そして、保護者自身が受診しなかった割合は39.1%、うち非課税世帯は48.5%にもなっています。冬に暖房が使えなかった、食材を買えなかったなど、まさしく、子どもの貧困問題は、子育て世帯が貧困であり、そのもとで暮らす子どもの問題であります。この調査から、貧困であることがいかに切ない暮らしを強いられてきたのか、それを知る努力が求められており、何が必要か、どのような支援が有効か、考えなければなりません。  そこで、1点目の質問ですが、調査から現状を把握するだけではなく、具体的な改善目標を定めて、それをいつまでに達成するのかが大事であると思います。本市は、2022年の成果指標を設定していますが、そのうち、毎年現状を把握できるものは何か、具体的に伺いたいと思います。 ◎有塚 子ども育成部長  成果指標について、毎年把握できるものといったご質問かと思います。  具体的には、成果指標として10の指標を定めてございますが、例えば、市内の社会的養護体制における家庭的養育環境の割合とか、妊娠、出産や子育てについての相談相手や情報収集手段があり、相談等により不安や負担が軽減された人の割合といった数値は毎年把握できるものでございます。 ◆太田秀子 委員  2022年までの長いスタンスでの成果指標というのではなくて、今、教えていただいたとおり、毎年把握していけるものは、年々把握して、どこまで来ているのかを見ていただきたいということだったのです。  本市の貧困対策計画策定の趣旨には、子どもの将来が生まれ育った環境などに左右されることのないよう、困難な状態の連鎖を防ぐための施策に取り組んできた、そして、これまで実施してきた事業の拡充や仕組みの見直し、新たな事業の構築を行ったとなっています。事業の拡充や仕組みの見直しは、予算確保ができれば、すぐに貧困対策として役立ちます。そこで、私は、もっと思い切った事業の拡充を図り、各事業を利用できる世帯をふやすことが大事だと思います。  就学援助制度については、現在、生活保護基準の1.1倍である就学援助の基準を拡大することを教育委員会にただしました。給付型奨学金は、児童養護施設等入所児童への大学進学等奨励給付事業として取り組んでおります。18歳になり、児童養護施設を出て大学などに進学する児童の生活をフォローしようという目的で取り組まれており、月5万円、1年間10人分で600万円の予算です。大学中退率は、全体の数値よりも児童養護施設から入学した学生のほうがはるかに高い割合を示しています。実習などに参加するため、アルバイトを休まざるを得ないと収入は減り、学生生活が続けられないなど、学びの場も格差社会の現実の中にあります。中退の多くが経済的な理由を挙げています。ですから、この事業の目的を学びを支援することと改め、1年間ではなく、卒業まで支給するよう、また、入学金等の補助などを加える検討が必要ではないかと考えます。  子どもの医療費助成は、通院、入院の自己負担が原則無料となる対象を未就学児から小学1年生まで拡大しましたが、小学6年生までの拡大を早期に実現し、せめて、いつまでに拡大するのか、市民に明らかにすべきと思います。  2点目の質問ですが、子どもの貧困対策に恒常的に取り組む専門の部局が必要です。子ども未来局に子どものくらし支援担当課が新設されました。庁内の連絡会議を開催したり、計画の総括、管理を行うと伺っております。さらに、相談支援体制の強化に向けたモデル事業や子どもの貧困への理解促進などの事業を実施するとのことですが、このモデル事業による貧困への理解促進とはどのような取り組みなのか、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  相談支援体制強化のモデル事業や子どもの貧困への理解の促進の内容についてのご質問でございます。  相談支援体制の強化に向けて新たに実施するモデル事業でございますが、関係機関との連携によって支援が必要な子どもや家庭を早期に把握いたしまして、対象世帯に寄り添いながら必要な支援につなげるコーディネーターを配置する事業を想定してございます。このモデル事業の実施を通じまして、子どもの支援につなげるための適切な体制の構築につなげてまいりたいというふうに考えております。  また、子どもの貧困への理解の促進についてでございますが、子どもの貧困対策では、困難を抱えている子どもや世帯を早期に把握して支援につなげる取り組みが重要でございまして、この取り組みを推進していくためには、市民の皆様の幅広い理解と協力のもとに進めていくことが欠かせないものと考えてございます。そのため、日ごろから子どもとかかわるさまざまな関係者を初めとしまして、広く市民に対して、子どもの貧困の現状や対策など、子どもの貧困への関心や理解を深めるための普及啓発を図ってまいりたいと考えているところでございます。 ◆太田秀子 委員  いずれにしても、早期に把握していくためにいろいろやっていくということでした。  先ほども紹介した実態調査ですが、市民アンケートは2016年に行っております。アンケートからもう冬を2回くぐったわけですけれども、この冬も暖房を使えない日を過ごした子どもがいたのではないかと思うと、とても胸が痛くなります。2018年、新年度からの計画ですが、緊急対応が求められる課題と、継続的な対応が求められる課題を踏まえて取り組んでいただきたいと思います。  繰り返しますけれども、私は、この調査から、貧困であることがいかに切ない暮らしなのか、それを強いられていることを知る努力がまずは大事であり、知るからこそ改善できる施策が生まれると思うのです。  本市が貧困対策をしようとするとき、今、コーディネーターなどの配置とありましたが、例えば委託でモデル事業を行うとか、対策を立ててもらうとか、市民理解のためのパンフレットなどをつくるときに外注するとか、そういうことでは市民から本気度が問われてしまうと思うのです。本市みずからが市民の中に入り、実態を把握することを求めておきます。  質問の3番目ですが、貧困対策推進法では、対策実施を推進する貧困対策会議を置くとされています。内閣府に設置し、文部科学省と厚生労働省が軸になって運営されますが、財務省や総務省は入っていません。  本市において、国の貧困対策会議の役割を果たし、対策を実施するのは支援担当課になるのか、会議には財政局や総務局も参加すべきと思いますがいかがか、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  計画を推進する上で、そういった会議がどうなっているのかというようなご質問かと思います。  まず、庁内の連携を図っていく必要がございますが、そちらにつきましては、今回、子どもの貧困対策を専門に担当する子どものくらし支援担当課を来年度から設置いたしますので、施策の推進や部局間の連携促進を図っていきたいと思っています。  その上で、子ども未来局を初め、福祉や教育、また財政などの関係部も入りました子どもの権利総合推進本部がございますので、そちらのほうで関係部局が一丸となって取り組みを推進していきたいというふうに考えてございます。 ◆太田秀子 委員  子どもの権利総合推進本部には財政も入っているということで、安心しました。  私は、お金をかけない貧困対策などはあり得ないと思っております。国が社会保障費を削る中で、本市は市民にどう対応してきたのか、社会福祉、とりわけ女性や子どもの問題の取り組みが不足していたことを直視しなければなりません。子どもの貧困対策への取り組みは、一人一人を大切にする自治体としての発展の契機にしなければいけないと考えます。  2015年に、日本財団と三菱UFJリサーチ&コンサルティングが子どもの貧困の社会的損失推計レポートを発表しています。政策効果については、子どもの貧困を放置することによって、将来、所得総額が2.9兆円減少し、税や社会保障の純負担額が1.1兆円増加する、就業形態への影響については、子どもの貧困を改善すると、将来、正社員数が1割程度増加し、無業者数、仕事のない人は1割程度減少する、労働力の観点からも大きな効果をもたらすと、子ども貧困を放置するとこんなに社会的にダメージがあるのだと企業サイドのシンクタンクからこのように報告されています。  子どもの貧困対策は、困っている人を助けるという狭い視点に立つことではなくて、本市の将来、そして経済にとって緊急の課題であるという認識を持って、積極的な財政投入を行うことを求めて、私からの質問を終わります。 ◆村山拓司 委員  私からは、保育士の処遇改善について質問させていただきます。  待機児童の解消に向けては、事業計画の見直しによって、平成30年度予算案に盛り込まれている約2,000人分の整備を含め、新たに2年間で4,000人を超える保育の受け皿拡大が行われることになります。  先日、横浜のある認可保育所で、保育士を確保できないとして、新規の受け入れ停止などを余儀なくされているという報道がありましたが、全国的に保育士不足が問題化しており、首都圏などでは保育士の獲得競争とも言われるような状況となっております。また、保育士のなり手不足の原因の一つとして、処遇、待遇の問題があります。特に、賃金に関しては、保育士の賃金水準が全職種の平均を大きく下回っていることが問題視されており、国としても公定価格に処遇改善の上昇分を見込み、改善に取り組んでおります。保育士のなり手がいない、あるいは、すぐにやめてしまうなど、保育士の確保がままならない状況では、各園の施設運営にとってももちろん大きな問題でありますが、保育士にとってみても、勤務に係るさまざまな要因によって保育士として勤務する意欲を失わせている状況があるとお聞きしております。  今日まで多くの保育の受け皿整備が行われていて、これまで以上に保育士確保が重要になってきておりますが、そのためには、養成校の卒業生が保育士として職につきたい、既に勤めている保育士が継続して働き続けたいという魅力のある職業であり、職場であることが重要であります。国においても、昨年公表した子育て安心プランや新しい経済政策パッケージにおいて、待機児童解消に向けた保育人材の確保のため、さらなる処遇改善等の取り組みを打ち出してきております。  そこで、質問ですが、近年、働いている保育士にとって処遇や職場環境等の面で改善された点はどのようなことがあるのか、お伺いいたします。 ◎中出 支援制度担当部長  保育士の処遇や職場環境等の面で、近年、改善された点について回答いたします。  国で定めました補助制度等に基づきまして、平成25年からの5年間で約10%の賃金改善が図られたことに加えまして、平成29年度からは、技能、経験に応じて、全職員の3分の1を対象として月額4万円を支給するといった処遇改善、いわゆるキャリアアップ処遇改善というものを導入したところでございます。さらに、基準を上回る保育士の配置、いわゆる加配保育士と呼んでおりますが、あとは、正規職員化を促すための補助金の拡充を今年度からあわせて行うなど、保育士の処遇が改善されているものと認識してございます。このほか、保育士の就業継続支援を目的とした保育業務支援システム、ICT補助のことでございますが、その導入費用に対する補助につきましても、平成28年度の補正予算に続きまして、新年度の予算においても再び計上させていただいておりまして、従来、手書きで行っておりました保育日誌や保育計画の作成のOA化を図るなど、保育士の業務負担軽減に一定の効果を発揮しているものと認識しております。 ◆村山拓司 委員  保育士が安心して働き続けるためには、賃金はもちろん、安定した雇用や労働条件、さらには職場環境などさまざまな要素があります。  私のところでも、賃金水準のことや非正規雇用など、保育士の皆さんから処遇に関するご相談を受けております。保育士の皆さんからお話を伺う中で、数カ所の転職の経験があるという方々がほとんどでした。最初の就職についたときに、正職員ではなくて臨時職員という形で働かれる方がほとんどであります。臨時職員は、一般的には、正職員より労働条件も低く、また、雇いどめなどの不安も持ちながら働いていると思いますが、これでは保育業界としての安定的な雇用に結びつかないと考えます。  そこで、質問ですが、札幌市の認可保育園における保育士の正職員の割合と近年の動きについて伺います。 ◎中出 支援制度担当部長  保育士における正職員の割合と近年の動向ということでございます。  定期的に行っております職員状況調査におきましては、短時間勤務保育士を含む全保育士のうち、正職員が占める割合といたしましては、単純に人数のみをカウントいたしますと、平成29年4月1日現在で約56%となってございます。平成25年、27年の過去の調査におきましては、25年が52%台、27年が53%台という状況でございましたので、傾向としては微増という状況でございます。 ◆村山拓司 委員  正規職員の数も少しずつふえてきている状況があるとは思いますが、保育士の半数近くが非正規職員であります。そのほとんどが、パートであったりアルバイト、派遣社員、契約社員など、有期労働契約による雇用になると思います。平成24年に改正された労働契約法では、有期労働契約であることを理由として不合理な労働条件を設けることが禁止されているほか、ことし4月から、5年を超えて雇用される有期契約労働者の無期労働契約への転換など、新たなルールが規定されております。  そこで、質問ですが、このことなども含めて、保育士の安定的な雇用に向けた対応についてどのように考えているのか、伺います。 ◎中出 支援制度担当部長  保育士の安定的な雇用に向けた対応についてでございます。  保育士が安心して働き続けるためには、職員としての身分の安定は、賃金水準と並んで極めて重要な観点と認識しております。  職員の雇用形態等に関しましては、直接的には雇用主と労働者との関係もございまして、また、配置基準上においても特段の定めがないことから、具体的な基準等を定めることが難しいところがございます。そういったことから、私どもといたしましてもなかなかかかわりづらい面もございますが、先ほどご答弁させていただきました処遇改善につながるような補助金のさらなる活用等を促すとともに、今、委員からお話がございましたように、今回の労働契約法改正の趣旨等も踏まえまして適切に対応するよう、施設に対して指導してまいりたいと考えております。 ◆村山拓司 委員  今後も待機児童解消に向けて保育の受け皿拡大が行われていくことと思いますが、まずは、保育士の確保が大前提であります。皆さんには、保育士の処遇問題にもしっかりと取り組んでいただくことを要望することとあわせて、今後も注視していくことをお伝えしまして、質問を終わります。 ◆松原淳二 委員  私からは、大きく2点、1点目は保育人材の確保について、2点目は災害時における保育施設への対応についてお伺いいたします。  まず、1点目の保育人材の確保についてお伺いいたします。  今ほどの議論の中で、不足する保育人材の確保に向けて、処遇改善、労働条件の改善のお話がございました。今年度の予算案で2,000人規模の整備にかかわる予算が盛り込まれているということでございます。一方、保育士人材の確保が各保育施設にとって大きな課題となっていることが今の議論の中でもあったかと思います。  さきの代表質問においてもその点について質問をさせていただき、就業継続の支援や潜在保育士の掘り起こし、次世代の育成の取り組みを強化するとの答弁をいただき、安定的な人材確保に取り組む旨の答弁がございました。  保育の受け皿整備においては、ここ数年、実績ベースで1,000から2,000人程度の整備によって定員拡大が行われてきておりますが、2018年度の新たな整備予定ではこれまでにない規模となります。これを保育人材の点から考えますと、6人に1人の保育士ということで単純計算すると、これまでの1,200人規模の整備では約200人の新たな保育士が必要であるのに対して、2,000人の整備量となりますと例年の200人よりさらに130人ほど多い333人程度の新たな保育士が必要と考えられます。  そこで、質問ですが、整備量、いわゆる受け皿を2,000人に拡大することを計画しても、保育を担う人材確保が伴わなければ実質的な拡大につながらないと思います。予算案では、整備とともに保育士確保に関する予算も盛り込まれているとのことでございますが、保育施設の大半を民間に委ねている本市の現状において、保育人材の確保についてどのように算段しているのか、伺います。 ◎中出 支援制度担当部長  保育士確保の見込みについてでございます。  新年度におきましては、これまでにない約2,000人規模の整備を進めることとか、企業主導型保育事業についてもさらなる開設等が見込まれますので、概算で150名程度は例年よりも多くの保育士確保が必要になるというふうに見込んでおります。  保育士の採用につきましては、各園では養成校、ハローワーク、そこで働く職員とのつながり、さらには就職情報誌といったさまざまな経路で行っておりまして、札幌市といたしましては、合同面接会とか札幌市保育士・保育所支援センターで直接的に採用を支援する事業のほか、高校生の保育職場体験など、長期的、安定的な視点からの取り組みもあわせて行っているところでございます。養成校からの新卒採用者につきましては、学生定員等を踏まえますと今後においてもこれまでと同程度と見込まれますし、また、施設からは、経験のある人材を求める声もございますので、そういった点を考えますと、やはり潜在保育士の掘り起こしが重要であるというふうに考えてございます。  これらを踏まえて、新年度の取り組みといたしましては、毎年50名程度の採用実績につながっている合同面接会の開催数をこれまでの年1回から年2回に拡大するとともに、平成29年度においては100人程度の採用につなげることができた札幌市保育士・保育所支援センターの人員につきまして、現状の2人から3人へと相談体制の強化を図ることとしているところでございます。これらの取り組みによりまして、今年度との比較において、100人程度の採用の上積みを見込んでおりまして、これに各園における上積み分も合わせて必要数を確保したいと考えております。 ◆松原淳二 委員  先ほど、私は、単純計算でいきますと例年より130人ほど必要な保育士が多くなると言いましたが、今ほどの答弁では、企業主導型の保育事業所の開設も含めると、さらに多い150名との計算になるということでございます。また、本市が取り組みを行ってきた合同面接会やさぽ笑みなどの採用実績ということで、2016年度、2017年度と取り組んできており、2018年度はさらなる機会の拡充によって施設における採用につなげたいとのことでございます。  しかしながら、さぽ笑みや合同面接会での採用実績は、さぽ笑みが100名、合同面接会が50名、合わせて150名でしたが、この中には、働く園を移る転園の方も含まれていて、純粋な掘り起こしばかりではない、純増だけが150名というわけではないということでございます。昨年度を大幅に超える供給量を確保するため、養成校の新卒者の数はそうふえないとすると、保育士として従事する当面の人数をふやすためには掘り起こしによるしかないということでございます。  そこで、質問です。  面接会などの取り組みの充実ももちろん大事ではありますが、保育人材の確保のためには、子育てなどで一旦保育士の職を退いている方や、保育士の資格を持っているにもかかわらず、現在、保育士として従事していない潜在保育士に対する直接的なアプローチも必要だと考えますけれどもいかがか、お伺いいたします。 ◎中出 支援制度担当部長  潜在保育士に対する直接的なアプローチということでございます。  新年度におきましては、新たに、市内の保育士有資格者全員を対象といたしまして、主に現在の就業状況などに係る状況の把握を目的とした実態調査を初めて行う予定となっております。その調査におきましては、復職時の希望条件や離職理由についても調査内容に含めることとしておりまして、復職や就業継続のその後の支援策の検討につなげることは当然といたしまして、この調査に対して札幌市のほうに直接回答をいただくことを契機といたしまして、市内の潜在保育士と札幌市が直接つながりを持つことが可能となりますので、復帰セミナーや合同面接会などの案内を送ったり、札幌市保育士・保育所支援センターへの求職登録への呼びかけなど、直接、働きかけを行ってまいりたいと考えてございます。 ◆松原淳二 委員  今ほど、資格を持っている方、市内の対象の方に直接的なアプローチということで、状況把握を目的とした実態調査を行うということでした。しっかりと具体の取り組みにつながるよう求めておきたいと思います。  また、実態調査を行い、ニーズの確認をすることで、課題が浮き彫りになってくると想定します。実際に、単純に解決に至らない課題も当然浮き彫りになることが想定されます。先ほどの議論でもございましたが、昨今、特に言われている保育士の働き方や賃金、処遇といった点においても、やはり、引き続き国に求める必要があろうかと思います。内閣府が示した技能、経験に応じた保育士等の処遇改善においては、副主任保育士や職務分野別リーダー等の加算は施設での対象者数によって配分が変わってくることや、研修による技能の習得を通じたキャリアアップの仕組みでは、人員に余裕がなく、研修に参加させたくてもさせられないといった声もよく聞かれます。まだまだ課題は山積していると思いますので、その点は国にもしっかり提言していただくように求めておきます。  それでは、2点目の質問をさせていただきますが、2点目は、災害時における保育施設への対応についてでございます。  先日、3.11東日本大震災から7年が経過し、この災害を決して風化させることなく、いま一度、災害時における対応のあり方といった点について再認識する機会としての機運が高まってきた状況でございます。  我が会派では、2015年、平成27年第1回定例会予算特別委員会の中で、その前年に起きた自然災害における保育施設への連絡体制や休園の判断等について質問させていただきました。当時、休校や休園などに対する幼稚園を含む学校施設と保育施設における判断の違いにより、小学生か保育園児かによって休校、休園の違いが生じたことや、認定こども園などでは幼稚園児か保育園児かの違いで園内での対応に違いがあった点などを指摘し、自然災害が発生した際の対応を求めてきたところでございます。非常災害時に、学校であれば学校長の権限により休校等の判断を行いますが、保育所などの保育施設の場合は、保護者の仕事等の関係もあり、そう簡単にいかないことは理解しております。しかしながら、小学生よりも低年齢である保育施設入所の児童については、子どもの安全や迅速な保育の実施という点を考えると、施設の置かれた状況によってはむしろ小学校以上に迅速な対応が必要であると考えます。そのようなことも含めて、災害時における札幌市の施設に対する連絡調整や運営指導が大変重要なものと考えます。  そこで、質問ですが、さきの平成27年、2015年の1定で質問を行った以降、子ども未来局では災害時における対応についてどのような取り組みを進めてきたのか、お伺いいたします。 ◎中出 支援制度担当部長  平成27年第1回定例市議会以降の災害時の対応における取り組みということでございます。  前年、平成26年9月に札幌を襲いました豪雨災害におきましては、災害発生時の行動手順が明確でないなど局内連携の不備があったため、その後の毎年の災害対策訓練等によりまして、連携体制の強化、さらには再確認に努めてきたところでございます。あわせまして、設備上の問題から、各施設へのファクス送信におくれが生じるなど情報伝達における問題もあったため、各施設への連絡に当たりましては必要に応じて電子メールを併用する等の対策も加えたところでございます。自然災害はその後も全国各地において発生しておりまして、その都度、国からは、非常災害時の体制整備の強化、徹底に関する通知が出されるなどしておりますので、それに従いまして指導等を行ってきているところでございます。 ◆松原淳二 委員  当時、手順などに不備があったということで、さまざまな自然災害が想定される中で、連携体制の強化、そして情報伝達の手段を工夫されているとのことでございます。  自然災害時における対応については、休園等の判断基準も内部で一応の目安を設定しているようでございますが、先日、清田区において発生した長時間の断水といった例もございます。今回の清田区における断水のように、ライフラインにかかわる事象については一部で想定していなかったとの声も聞こえてきております。先ほど答弁をいただいたように、せっかく自然災害時における体制を整えてきているものの、応用力、適応力に欠いてそれを生かし切れなかったといったことは、少し残念に思われます。今回のようなライフライン単独の事故であっても、保育施設の運営に支障を来すことは紛れもない事実でございます。原因はそれぞれ違うものの、具体の事象は何ら変わらないことも想定されます。今回の断水の事例に関しては、施設の側から、給食の実施やトイレ使用時のことを考えると安全、衛生の観点で保育継続の判断は容易ではないことから、子ども未来局においてはもっと施設側の立場に立った具体的な対処方法等を教示いただきたかったとの声も聞こえてきております。自然災害もしくは人災など、原因は何であれ、こういったインフラ事案に対しては個別の判断が必要になってくると考えます。  そこで、質問ですが、今回の断水のような事例に対しても、自然災害時の対応と同じように発生した事象に応じた対応をしっかり考える必要があると思いますけれども、認識をお伺いいたします。 ◎中出 支援制度担当部長  断水のような事例に関する対応についてでございます。  確かに、非常時の対応という意味合いにおきましては、自然災害時に限らず、断水、さらには停電など、いろいろな場面が考えられるところでございます。  保育所におきましては、子どもたちの安全については最大限配慮しなければならない一方で、どうしても保育を必要とする保護者の要請にもしっかり応えていく必要があるといった施設の性格上、多少、通常とは異なる状況下に置かれましても可能な範囲での対応が求められると考えてございます。  札幌市としても、通常の園運営が困難な状況下にある施設に対しまして、例えば、給食対応に関する助言とか必要な情報の提供等について、それぞれの状況に応じて適切に対応できるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆松原淳二 委員  自然災害にかかわらず、ライフラインに影響を及ぼすような事例といったものは、やはり、保育施設にとっても判断が非常に難しいことがあろうかと思います。保護者の状況などもございますので、今ほど答弁いただいたように、可能な範囲といったことはあろうかと思いますが、個別の事象に丁寧に対応していただきたいと思いますし、こういったさまざまなライフラインの影響、特に停電の際には、先ほどいただいた情報伝達の手段も途絶えてしまうことも想定しながら、早急な対応を検討いただきたいと思います。  それとともに、非常時においては子どもたちの安全・安心をまずは第一義に考えた施設運営という観点で考えると、施設のほうでは休園等を考えなくてはならない場面もあろうかと思います。関係団体との意見交換なども積極的に行っていただくべきと考えます。そのようなことも含めて、子ども未来局においては、保育施設が円滑に運営できるよう適切な助言ができる体制をとっていただき、子どもたちにとって安全・安心な保育の実現に努めていただくよう求めて、私の質問とさせていただきます。 ◆竹内孝代 委員  私からは、若者出会い創出事業について、絵本のセカンドブック事業について、待機児童対策について、3点質問させていただきます。  初めに、これまで我が会派の前川委員が力を入れて取り組んでまいりました若者出会い創出事業、いわゆる婚活事業について、思いを酌んで質問いたします。  札幌市では、これからの人口減少を緩和させるため、さっぽろ未来創生プランに基づいてさまざまな取り組みを進めてまいりましたが、平成28年の合計特殊出生率は1.16と、前年から上昇するどころか、0.02ポイント減少しており、希望出生率1.5との乖離はますます大きくなって、東京都区部を下回る全国最悪とも言える状況であり、大変な危機感を感じております。また、札幌市は、未婚率が高いこと、また、夫婦間の出生数が少ないことに加えて、若い世代においては、市民アンケートの結果などからも、結婚相手の紹介を頼める人がいない人が非常に多いことが明らかになっています。こうした現状に対応するために、今年度から、子ども未来局において、結婚を希望する若者の出会いを支援する若者出会い創出事業が実施され、次年度も引き続き予算が計上されています。  そこで、質問ですが、若者出会い創出事業については、昨年の決算特別委員会において進捗状況について前川委員が質問したところですが、今年度の全てのプログラムが終了した現在、どのような内容で、どのくらいの参加があったのかなど、事業の実施状況についてお伺いいたします。  また、事業に参加した方の満足度などについて、把握しているものがあれば、あわせてお伺いいたします。 ◎有塚 子ども育成部長  若者出会い創出事業の実施状況と参加者の評価についてのご質問でございます。  まず、事業の実施状況についてでございますが、若者出会い創出事業は、共通の趣味やまちづくりへの参加などを通じて結婚を希望する若者が出会う機会をつくり出すものでございます。そういったことから、今年度は、子どもの職業体験イベント、ミニさっぽろへの企画・運営を行ったり、プロカメラマンに教わりながら大通公園で撮影会を行うカメラ講座、また、円山公園から大倉山を往復いたしますノルディックウォーキング、お気に入りの本を紹介し合うイチオシ本を語る会など13のプログラムを実施いたしまして、延べ参加者数は321名と大変多くの方にご参加いただきました。  参加者からの評価についてでございますが、各プログラムの終了後に実施いたしましたアンケート調査では、参加した感想として、満足したと回答した方が約77%おります。まあまあ満足と回答した方も含めますと、合わせて約95%の方が満足感を得た結果となってございました。一方、満足できなかったという回答はなく、ほとんどの方に満足いただけたというふうに考えております。 ◆竹内孝代 委員  今ご答弁がありましたが、13のいろいろなプログラムをされたり、また、延べ321人という大変多くの若者に参加いただいたこと、また、アンケートの結果からも、今、95%とありましたけれども、ほとんどの方が満足されたということで、事業の必要性を訴えてきた我が会派としても大変うれしく思っております。  一方で、今年度初めて実施した事業でもありますし、幅広い参加者を募るためにも13ものプログラムを準備したということで、さまざまな苦労や反省点もあったのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、課題をどのように検証し、その成果をどのように捉えているのか、お伺いいたします。 ◎有塚 子ども育成部長  出会い創出事業の課題の検証と成果についてというご質問でございます。  今年度、この事業を初めて実施したところ、プログラムによりましてはキャンセル待ちが出るなど人気の高いプログラムがあった一方で、比較的申し込みが少ないプログラムもありまして、応募状況にばらつきが生じたことなどを課題として捉えてございます。  当事業では、全てのプログラムが終了して、一定の期間をあけた後に、参加者に対して改めてアンケート調査を実施してございまして、約半数の方から回答を得てございます。それによりますと、当事業で出会った人と今でも連絡を取り合うことがあると回答した方が約38%、さらに、今でも会うことがあると回答した方が全体の25%いるという状況でございました。事業が終了しても、なお継続的に連絡を取り合ったり、実際に会ったりといった新たな結びつきを生み出すことができたことは、この事業の成果と捉えております。また、同調査におきまして、約47%の方が参加によって交友関係が広がったとか、25%の方が出会いや結婚に前向きになれたと回答しておりまして、この事業がふだんの生活で異性と知り合う機会の少ない若者の交流の幅を広げることに寄与し、さらには、結婚を希望する若者が一歩を踏み出す勇気につながる効果もあったものと考えてございます。 ◆竹内孝代 委員  キャンセル待ちになるぐらい人気のプログラムがあったり、また、定員に達しないものもあったとか、さまざまな検証があったかと思いますが、今のお話を伺いまして、一度の出会いを継続された方々、また交友関係が広がったりと、本当に大きな成果があったことがわかりました。  結婚したいと考えていても、仕事が多忙であったり、知り合う機会の少ない若者も多いと伺っていますので、そういう若者が気軽に参加して出会いのきっかけにできるということは、若者応援事業として大きな意義があると考えております。その意味で、この事業では、参加者が複数回出会える機会を設けていることに加え、初めて会った人同士で共通の企画や作業に取り組むことで、より深く知り合うことができるプログラムもあるなど工夫がされております。先ほどのお話にもありましたように、この事業が、若者の交流の幅を広げたり、継続的に出会うことがかなう場を生み出せたことはよかったのではないかと思います。
     そこで、質問ですが、このように参加した若者からの評価も高く、若者の交流を生み出すことにもつながるこの事業に次年度はどのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  次年度の取り組みについてでございます。  次年度につきましては、より多くの方にこの事業を知っていただくために、ウェブ広告を活用するなど広報、PRに力を入れつつ、今年度に引き続きまして、参加者の新たな交流を生み出し、結婚を希望する若者の継続的な出会いに結びつけられるような事業を展開してまいりたいと考えてございます。具体的には、各プログラムの企画、実施に当たっては引き続きまちづくりという観点を盛り込むなど、行政ならではの特色を持たせつつ、若者が一層興味を持って参加し、満足感を得られるような工夫をするとともに、より参加しやすい時間帯に実施するなど、多くの若者が理想のライフプランを実現できるためのきっかけづくりを支援してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆竹内孝代 委員  次年度は、さらに若者の皆さんが興味を持てるようなプログラムも考えるということでしたので、期待しております。  出会いを求める若者にとってこの事業が貴重なものであるとともに、札幌市の人口減少緩和のためにも重要な事業だと思っております。その意味でも、来年度はさらに多くの若者に出会いの機会を提供できるよう工夫していただきたいと思っております。  そこで、来年度へ向けて何点か要望させていただきたいのですが、先ほど来の話にもありますように、今年度の事業のよい点としては、若者が共通のテーマのもとに複数回の出会う場を提供できたことが挙げられています。しかし一方で、前川委員の知り合いの数人もこのプログラムに参加しましたので、その感想を聞いたところ、参加者の目的は、恋人や結婚相手を見つけたいという思いが強く、可能ならば、よい方がいればすぐにでも結婚したいというような思いの方も多いとのことでした。その意味で、多様なプログラムの中にも、例えば一昨年前の南区の婚活事業などのように、余り社会貢献活動とか共通の趣味などに縛られないタイプの参加しやすいプログラムが中にあってもいいのではないかと思いますし、実際に参加された若者からもそういった要望をいただいております。先ほどの答弁の中で、若者が参加しやすいプログラムを考えるとおっしゃっていましたので、ここにも期待しております。「一目会ったその日から恋の花咲くこともある」という昔の婚活テレビ番組のフレーズがあったそうですけれども、よい縁にめぐり合って、それが実るような事業になることを願っていますので、来年度の企画のご参考にしていただければと思います。  さらに、前川委員が地域や町内会などで札幌市の婚活事業のご案内をすると、いい取り組みだ、チラシなどを使ってもっと多くの人に宣伝したほうがいいよなどの声や、事業のチラシをお見せしたときに、婚活というより、若いボランティアの募集とか友達づくりのチラシみたいだから、もっと婚活を前面に打ち出したデザインにしたほうがいいなどさまざまなご意見もいただいており、今後は周知の工夫や改善も必要なのではと考えます。  結びになりますが、この事業はこれまでの札幌市にはなかったタイプの事業であり、秋元市長がいつも語られている市民感覚を大切にするがゆえにできた事業だと思います。どうか、広く市民に知っていただく工夫をし、若者の結婚したい思いが札幌のまち全体に育まれるよう、若者を思いやる心のこもった取り組みを求めて、この質問を終わります。  それでは次に、絵本のセカンドブック事業について質問いたします。  本市では、絵本を通じて親と子どもの心の触れ合いを応援するために、平成21年10月よりさっぽろ親子絵本ふれあい事業に取り組み、8年となりました。これは、10カ月の乳幼児健診に合わせて、健診に参加した親子を対象に会場で絵本の読み聞かせを行い、その際に好きな絵本を選んでいただき、プレゼントをするというものであり、その予算額は年間で約880万円、昨年は1万3,734人に絵本をお渡ししたことになります。これは、いわば人生で初めて出会う初めの一冊、絵本のファーストブック事業とも言うべきもので、とても意義のある取り組みであると考えます。  その後、特に3歳ごろは、人生の中で最も絵本を楽しむことができる読み聞かせ黄金期とも言われており、より一層、親子のきずなを深める機会になることはもちろん、子どもの想像力を豊かにし、文字や数に親しみ、心を育んでいく絵本の読み聞かせは、将来的に読書習慣につながるものでもあり、3歳児健診などの際に、再度、絵本のプレゼントを行うセカンドブック事業が有効であると考え、これまで、毎年、会派の予算要望の一つとして市長に提案し続けてまいりました。  平成26年第2回定例市議会の我が会派の代表質問において、セカンドブックの事業化について質問いたしました。当時の井上副市長より、幼児期に絵本に触れることは子どもの心の成長に大きく寄与するものであり、セカンドブック事業は十分に意義のある事業であるとの認識が示された上で、できるだけ早期に実施できるよう検討を進めてまいりたいとの答弁がありました。いよいよ事業実施間近であると期待しておりましたが、その後に策定されたアクションプランには入っておらず、現在審議中の平成30年度予算案にも盛り込まれておりません。  札幌市は、一昨年にオープンしたえほん図書館を初め、各区の子育て情報室などで一部の絵本の貸し出しができるなど、親子の読み聞かせの機会をつくれるよう、絵本に親しめる環境を大切にしていると思います。しかし、セカンドブック事業の意義は、さらに大きなものであると考えております。それは、全ての親子が図書館などに出向いていって利用できるわけではないこと、また、絵本を図書館で読んだり借りてきて読むのとは違って、大切な一冊を手元に置くことで、親しみを持って大切にしたり、繰り返し読むことができること、そして、何よりも、親や家庭の事情で購入できず、絵本に触れる機会が少ない子どもも含めて、一人も漏れなく全ての子どもが絵本に親しめる環境を保障するものであります。  そこで、質問ですが、本市の絵本に関する取り組みの状況は現在どのようになっているのか、また、今、さまざま申し上げたことを踏まえて、セカンドブック事業についての認識と今後についてはどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎川原 子育て支援部長  絵本に関する取り組みの状況とセカンドブック事業の今後についてお答えさせていただきます。  本市におきまして、絵本に関して取り組んでいる子ども未来局所管の事業といたしましては、区の子育て情報室において絵本の貸し出しやお便りでの紹介等に取り組んでいるところでございます。同室においては、去る3月8日の市長記者会見で公表いたしましたとおり、区子育て情報室は、親子がより気軽に立ち寄れる子育てインフォメーションとしてリニューアルすることを予定しております。このリニューアルにおきましては、子どもが絵本の試し読みもできる小スペースを用意したり、一部の区では、カラフルな表紙をギャラリーのように並べて楽しめる飾り棚を設けたりして、絵本のよさをアピールする要素も取り入れたところであります。また、絵本に関する事業といたしましては、新品絵本の寄附や中古絵本のリサイクルにも取り組んでおりまして、平成28年度は合わせて約1,300冊の絵本を保育施設等に配付いたしまして、親子の交流のきっかけとしていただいているところでございます。  絵本を通じて親と子が心を触れ合う機会をつくることは十分意義深いものであるという認識は基本的に変わっておりませんので、今後ともこうした絵本を活用した事業を進めるとともに、セカンドブック事業も含めまして、絵本のよさを生かす取り組みとしてどのようなことができるのか、引き続き検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆竹内孝代 委員 今回、各区の情報室の絵本コーナー等がリニューアルされるということで、一生懸命取り組んでいただくこともわかりました。また、セカンドブック事業についても、どのようなことができるか検討してくださるということなので、よろしくお願いいたします。  このセカンドブック事業の意義についてですが、親の子育て支援という視点から見ても大きなものがあります。3歳児というのは、成長過程の中で、自己主張が強くなったり、また集団行動がスタートする時期でもあり、親の中には、このころに子育てがうまくゆかず、自信をなくしてしまったり、不安を持つ方がふえる時期でもあります。こうした時期に、札幌市が提供するセカンドブック事業を通じて、今度は一冊の絵本を親と子どもが一緒に選び、家庭で読み聞かせをして、子どもとの楽しい時間を共有したり、子育ての楽しさを感じるきっかけにもなること、そして、先ほど述べた読み聞かせの黄金期である3歳児のタイミングでひとしく全ての子どもが絵本に親しめる環境を保障してあげたいとの考えから、絵本のセカンドブック事業の実現を求めて、この質問を終わります。  最後に、待機児童対策についてお聞きします。  これまで、待機児童対策については何度も取り上げてまいりまして、先ほど来、村山委員、また松原委員からも保育人材の確保についてお話がありました。  私からは、整備の面についてお聞きしてまいりたいと思います。  子ども・子育て支援事業計画につきましては、この年度末に見直し後の計画が策定されるということで、平成30年度予算案では、先ほど何度も出てまいりましたが、約2,000人分の保育の供給拡大という今までで最大規模の整備が示されております。この整備事業は、保育所の整備だけにとどまらず、約半分を占めるのが幼稚園からの移行などによる認定こども園の整備となっております。これは、平成28年度、29年度の実績等と比べても、整備全体に占める認定こども園の割合が高く、幼稚園の認定こども園化を最優先している本市の計画の考え方が反映されたものであると認識しております。  ますますふえていく保育ニーズに対応して待機児童の解消を図っていくためには、本市における整備計画を着実に実行していく必要があり、今回はこれまでにない規模の整備量であること、また、認定こども園への移行も各園のさまざまな事情や課題があることも伺っておりますので、簡単なものではないと考えます。先日報道があったように、この4月1日に向けての本市の保育所入所申し込みの1次選考の結果では、7,700人余りの申込者のうち、内定したのはおよそ5,000人、3分の1に当たる2,600人は1次選考でまだ入所が決まっておりません。これは最終結果ではなく、2次選考等で決まっていく方ももちろんいますが、新年度に向けてさまざまな準備をしなければならない方々にすると、待機児童数は少しでも早く改善しなければなりません。  そこで、質問ですが、本市の待機児童対策のため、今までにない整備目標を掲げており、着実に進めなければなりませんけれども、平成30年度予算案における整備を促進するために、これまでと比較してどのような工夫や対策をするおつもりなのか、伺います。 ◎中出 支援制度担当部長  平成30年度予算におけます整備促進策についてでございます。  新年度におきましては、これまでの1.5倍を超える整備量になることを踏まえまして、予算案の中では、施設整備に係る補助金の改善を盛り込んだところでございます。その内容といたしましては、委員からもお話がございましたとおり、まず、幼稚園を建てかえて認定こども園に移行するケース、この場合には、従来は耐用年数が経過していなければならないなど幾つかの条件を設定させていただいていたところでございますが、これを平成31年度までの2年間に限って撤廃するとしたところでございます。それから、賃貸物件を活用した保育所の整備につきましては、従来は、定員によらず、2,400万円が補助上限でございましたが、定員が60人を超える場合、定員規模に応じて最大で1,200万円を市の単費で上乗せすることを盛り込んでございます。また、小規模保育事業所の改修整備につきましては、これまでの補助上限額450万円を2,400万円に引き上げることとしてございます。  こうした補助金改善のほかには、これまでは、整備が必要な地域につきまして、募集の都度、お示ししたところでございますが、締め切りまでの約1カ月間という大変短い募集期間の中で土地・建物などの物件を確保する必要がございました。しかし、今回からは、この地域については常時公開することにいたしまして、整備に係る相談についても随時受け付けるようにするなど、事業者にとりまして、整備計画の検討、プランを練りやすいというような改善を図ったところでございます。 ◆竹内孝代 委員  ただいまの答弁では、整備促進策として、認定こども園の移行に関する補助体制の条件を2年間だけ撤廃するとか市の単費で上乗せするなど、さまざまな策を考えていらっしゃることが示されました。しかし、子ども・子育て支援新制度が始まった平成27年度から今年度までの3年間で私立幼稚園が認定こども園に移行したのは、この4月1日に移行する分を含めても36園と、全体の3割未満にとどまっています。幼稚園を運営する方からは、認定こども園に関心があっても、例えば、事務が煩雑になると聞いているとか、低年齢児の保育経験がないとか、職員確保や勤務条件の変更が大変だなどといった声があり、認定こども園に移行するためにはさまざま課題があって簡単なものではないと感じています。  こうしたことを踏まえ、昨年の第4回定例市議会代表質問において待機児童対策について質問したところ、事業者の抱える懸念や課題に応じ、より丁寧な情報提供や働きかけによって意欲的な事業者を支援することで、幼稚園の認定こども園への移行を初め、着実に拡大するようきめ細やかに進めていきたいとの答弁がありました。  そこで、質問ですが、待機児童を解消するためには、こうしたさまざまな課題を解決し、認定こども園に移行しやすい環境整備をすることが重要であり、幼稚園のさらなる移行につなげるためには、幼稚園団体との連携や協力が不可欠と考えますが、今後はどのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎中出 支援制度担当部長  幼稚園の認定こども園への移行にかかわる幼稚園団体との連携についてでございます。  平成29年の秋ごろからは、認定こども園への移行に関心を示していただいております15の幼稚園に対して、個別に訪問いたしまして、認定こども園の必要性とか、現状の制度において許されている移行に当たっての経過措置といったものを改めてご説明するなど、移行について直接の働きかけを行うとともに、そういった機会を活用して移行に関する懸念等についても個別に対応してきたところでございます。  また、先週になりますが、幼稚園団体と私どもで直接の意見交換の場を設けまして、中間見直し後の需給計画においても、保育の受け皿確保においては幼稚園の認定こども園への移行が大変重要だということを改めてご説明させていただきました。幼稚園団体側からは、移行に当たっての保育士確保、さらには設備対応など、さまざまな課題や懸念について情報提供をいただいたところでございます。その意見交換の場におきましては、今ご紹介した点以外にも、小規模保育事業所の連携施設としての協力、さらには、国が導入予定の幼稚園における2歳児の預かりなど、保育の受け皿確保に関して有意義な話し合いができたところでございます。  今後につきましても、このたび予算案に盛り込んでおります整備促進策を各幼稚園にもしっかりとPRするとともに、認定こども園移行に関する課題や懸念に対しては丁寧に相談に応じて解消に努めるなど、一つでも多くの幼稚園に認定こども園への移行を決断していただけるよう、幼稚園団体と緊密に連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  先週、幼稚園団体の方々と意見交換ができたことと、関心を持たれている園には、直接、きめ細やかに支援されていることを伺いました。  本市においては、整備をしても待機児童数はどんどん増加し続けており、特に、新年度からは、女性活躍の推進を加速させるというさまざまな取り組みが事業化され、働く女性がますますふえることが見込まれていること、また、将来的に幼児教育、保育の無償化が本格的に始まれば乳幼児保育の供給確保はますます重要になることが予測されますので、待機児童対策については一層の取り組みを推進し、乳幼児への良質な保育環境の整備が進むことを求めて、私の質問を終わります。 ◆池田由美 委員  私からは、民間児童育成会の移転関連費用の補助について、児童会館、ミニ児童会館の指導員の働き方について、2点質問いたします。  最初に、学童保育の移転関連費用の補助について質問いたします。  民間児童育成会の施設は、古い借家が多く、床が傾いている、すき間風が寒い、耐震への心配の声が多く、父母の会の多くは安心できる施設への移転を希望していましたが、引っ越し費用や初期費用の捻出が厳しく、移転に係る経費への支援を求める声が多くありました。  質問ですけれども、本市には現在48カ所の民間児童育成会がありますが、このように古い借家で耐震などさまざまな問題を抱える施設の実態について、どのように認識されているのか、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  民間児童育成会の施設の現状ということでございます。  民間児童育成会におきましては、戸建てなどを借りながら運営しておりまして、その中には老朽化している施設があることについては、私どもも承知しております。そういったこともございまして、子どもを預かる施設ということで、安全性の確保という観点からも、今回、移転費用を助成することといたしたところでございます。 ◆池田由美 委員  答弁にもありましたように、ことしから民間児童育成会の助成金に移転関連費用が加えられるようになっております。これまでも国の補助メニューには移転関連費用の項目がありましたが、内容がどのように変わったのか、またあわせて、移転ということは、敷金や礼金などの初期費用、引っ越し費用などがかかりますが、助成の内容について、それから、今年度の予算枠についても伺いたいと思います。 ◎有塚 子ども育成部長  平成30年度から導入する理由といったことかと思います。  まず、委員のお話にもありましたように、放課後児童クラブの移転に対する国の補助メニューは以前からございましたが、児童数の増加に伴ってより広い場所へ移転する場合を対象としておりました。平成29年度からは、防災対策としてより耐震性の高い建物に移転する場合も対象となったことから、今回、その部分を導入することとしたところでございます。  次に、移転費用の助成に係る対象経費、それから、予算のお話でございます。  移転費用助成の対象経費につきましては、国からまだ要綱が示されておらず、現在、私どもで検討している最中ですが、敷金等だけではなく、原状回復費用なども含めて対象とできるように検討していきたいと考えております。  また、予算でございますが、民間児童育成会からのこれまでの相談実績などを踏まえまして、助成基準額の上限250万円の5件分に当たります1,250万円を計上しているところでございます。 ◆池田由美 委員  耐震、防災の視点が加わったということで、今回、本市でも来年度から新たに移転費用が助成されるということ、そして、上限が250万円で、ことしは5カ所の1,250万円を組んでいるという答弁でございました。新たに耐震基準が助成金の項目に加えられて、民間学童保育の父母の会の皆さんにとっては安心となって運営の見通しにつながることというふうに考えます。  1回目の説明会を開催したということですが、大変喜ばれたと聞いています。今後、詳細な内容が決められるということですが、民間児童育成会の引っ越し先探しは、学童保育の施設ということで、常に子どもがいっぱいですので、当然、住宅の傷みも激しいという視点から断られるケースもありまして、探すにも苦労があると聞いています。引っ越しに当たり、学童が出ていく施設、入居する施設に対して、条件はありますが、本市が改修できることで物件探しの幅も広がるというふうに思います。今後も、助成制度を周知し、それぞれの育成会の実態に寄り添って、丁寧にかかわりながら使いやすい助成制度としていくべきと申し上げて、この質問は終わります。  次に、児童会館、ミニ児童会館の指導員の働き方について伺います。  子どもにとって、児童クラブは、毎日の生活を支える場であり、子どもが児童クラブで充実した生活を送ることは、保護者にとっても大きな安心と支えにつながります。それを保障するためには、学童保育の指導員の仕事は重要な役割があります。指導員の仕事は、小学1年生から6年生の子どもの生活、発達の特性を把握して、それぞれに応じたかかわりが求められます。けがや子ども同士のけんかでは、個々の子どもへ対応しながら、同時に子ども全体への対応を行う必要があり、専門的な知識と経験が必要です。  児童会館は、現在、さっぽろ青少年女性活動協会が非公募の指定管理者として委託を受けて運営されています。児童会館の職員は、指導員、専門指導員、サポートスタッフ、主任パート、職場限定職員、パート、地域パートなど細かく分かれております。非正規職員も多く働いております。  細かく分かれている職種の仕事の内容について、最初に伺いたいと思います。 ◎有塚 子ども育成部長  専門指導員や主任パートなど、そういったことで細かく分かれていることについてのご質問でございます。  児童会館におきましては、開館時間が長いとか、あるいは、学校の長期休業期間中など特定の時期に応じて対応が変わることもございまして、勤務ローテーションなどを組む関係で勤務時間などが違う職員がいるという状況でございます。 ◆池田由美 委員  さまざまな職種があると聞きましたが、非正規もいらっしゃるということで、そういった職種の中での仕事の役割などの分け方はないのかどうか、お答えしていただきたいと思います。 ◎有塚 子ども育成部長  正規職員と非正規職員の役割の違いというご質問でございます。  児童会館等で働く職員の役割につきましては、児童と直接接する場面におきましては、正規、非正規の大きな違いはないというふうに思います。しかし、保護者への対応や学校、関係団体との調整など、会館運営に関する中心的な役割を担っているのは正規職員でございますので、その役割には違いがあるものというふうに考えてございます。 ◆池田由美 委員  子どもに対しての保育の場面では、正規、非正規の仕事の違いはないのだという答弁でした。そのほか、正職員は、勤務表をつくったり、地域とのかかわりだったり、保護者との対応などの責任のところで役割があるという答弁だったかと思います。  児童会館やミニ児童会館では、児童クラブに登録している子どもたちのほかに、自由来館で来る子どもたちも一緒に遊びます。現場で働く職員は、先ほど答弁があったように、保育の中では、児童クラブに登録している子どもに対しても、自由来館で来ている子どもに対しても、雇用の違いや役割の違いはあっても、同じようにどの子どもにもかかわり、保育に当たっています。子どもたちから見ても、どの先生も自分たちにかかわってくれる先生として見ていると思います。  そこで、質問ですが、2013年に労働契約法が改定されております。その目的は、有期雇用の乱用を防ぎ、雇用を安定化することが狙いです。そもそも、仕事に期限がないのに有期で人を雇うのはおかしいことであるからです。児童会館などの指導員は、専門性と継続性が求められる仕事ですが、児童会館においてもミニ児童会館においても、半数以上が地域パートスタッフ、パートスタッフの3年の有期雇用の職員となっているのは問題と感じます。指導員の雇用は、子どもとの信頼関係を構築する上でも継続性が大切であり、それは保育の質にもつながると考えます。  3年の有期雇用ではなく、継続して働ける雇用の安定が必要と考えますがいかがか、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  職員を無期雇用化していくことが必要ではないかといった趣旨のご質問でございます。  児童会館の施設運営につきましては、質の向上のために長期継続的な人材育成やノウハウの蓄積といった観点から、一定数の職員を安定的に雇用して人材を育成していくことが必要というふうに考えてございます。そのため、運営団体である公益財団法人さっぽろ青少年女性活動協会といたしましては、選考の上、有期雇用から無期雇用転換を希望する職員に転換できる制度を設けておりまして、望ましい方向で取り組んでいるというふうに認識しております。 ◆池田由美 委員  協会のほうでは、非正規の職員を有期雇用から無期雇用へという形で、選考の上、働き続けられる方向で取り組んでいるというご答弁だったと思います。  今年度末にパート職員、職場限定職員82人が期間満了になると聞いております。そのうちの半分が無期雇用へ転換されるということですが、41人の職員は期間満了で退職となるとお聞きしています。働き続けていく意思があれば、引き続き働けるように努力を始めているとのことですが、その周知はどのようにされているのか、全員の意思を確認できているのかどうか、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  無期雇用転換制度の周知についてのご質問でございます。  今年度、有期雇用から無期雇用に転換できる制度を設けたことから、全ての対象者に対して通知を行っております。また、募集に際しましては、職場を通じて対象者に個別に案内を行うとともに、全ての職員が閲覧できる電子掲示板を用いて関係書類を掲載しておりまして、十分に周知を行った上で希望を取りまとめていることから、制度の周知については適切に行われたものと認識してございます。 ◆池田由美 委員  周知については、館長が全ての職員に言っていたり、電子掲示板に掲載して全ての職員に周知されているというご答弁だったと思います。働き続けるかどうかを個別に聞いていくことと電子掲示板というお話でしたが、全ての方が本当に見ているのかという立場で考えたときに、今後、聞いていなかったといった中身でトラブルになることも考えられるのではないかと私は思います。口頭ではなくて、全ての職員への周知が確実となるように、今後は書面での周知も検討していくことが必要ではないかというふうに求めておきたいと思います。  先日、児童会館とミニ児童会館を訪問し、保育現場を見させていただきました。60人、70人の異年齢の子どもたちが、ただいまと次々にやってきて、指導員の先生たちにお帰りなさいと受けとめてもらい、安心して好きな遊びに入っていく、子どもたちの話し声が室内に広がっておりました。子どもたちがやりたい遊びができるように、自分たちで話し合って体育室を30分ごとに区切って遊びを決めていくなど、遊びの援助や保護者に丁寧に子どもの様子を伝える姿がありました。また、学校や地域との連携で、協力し合って子どもたちを見守り、楽しい行事を準備し、取り組んでいる実践のお話も伺いました。1年生から6年生までの異年齢の集団の中で、それぞれに応じたかかわりや、4月、5月の新1年生への対応など、個別に特別なかかわりが必要な場合もあるなど、本当に専門性と経験が求められる仕事です。  指導員の処遇改善は、子どもたちの放課後の生活を豊かにすることに直結します。本市が指定管理者制度の指定期間を4年から5年へ延ばした理由には、人材の確保や育成がしやすくなり、労働者の熟練度も増し、ひいては、安定した雇用を生み出していくことが期待できると答えています。施設設置者である札幌市は、無期雇用の転換が広がるように徹底するべきです。子どもたちの豊かな放課後の生活を守るためには、運営者や自治体の都合ではなく、子どもの最善の利益を守るという視点で考えるべきだと申し上げて、質問を終わります。 ○こじまゆみ 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時14分       再 開 午後3時35分     ―――――――――――――― ○村上ゆうこ 副委員長  委員会を再開します。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆村松叶啓 委員  私からは、ひとり親家庭就業機会創出事業を見学させていただきましたので、そのことについて質問させていただきます。  厚生労働省の平成28年度全国ひとり親世帯等調査によりますと、ひとり親家庭は約141万9,000世帯あります。そして、就業率について見ますと、母子で81.8%、父子で85.4%、年間就労収入は、母子で平均200万円、父子で平均398万円、母子・父子家庭ともに、一般家庭に比べ、就業率が高い反面、育児との両立のために非正規雇用となるケースが多く、収入は押しなべて低いことがわかっています。近年、こうした状況を踏まえ、国も自治体も、ひとり親家庭への支援の重要性からさまざまな施策を進めておりますが、私は、生まれ育った家庭の事情等に子どもたちの将来が左右されることがないよう、本市による力強い施策の推進をすべきと考えております。  こうした中、札幌市は、現在、第4次札幌市ひとり親家庭等自立促進計画を策定しており、ひとり親家庭等に対するさまざまな支援策に取り組んでおりますが、その一つがひとり親家庭就業機会創出事業であります。先ほど好井委員からもありましたけれども、これは、ひとり親家庭に理解のある企業による合同企業説明会を中心としたイベントであり、3月3日に開催されました。小さな子どもを連れた若いお母さんが多く、託児コーナーに子どもを預けてゆっくりとセミナーに専念している姿や、参加企業との面談ブースで熱心に話をされている様子に、有意義な事業であることが見てとれました。  先ほど述べましたひとり親家庭の収入が低いという状況や、一口にひとり親家庭といっても、置かれている状況はさまざまであることから、それぞれの家庭に合った就職先に出会う機会を創出するこの事業の成果を上げていくことが求められます。この事業は、プロポーザルにより、専門知識や情報を多く持つ民間企業の中から選出し、委託しており、ことしで4回目を迎えますが、その効果も見えてきているかと思います。  そこでまず、初めの質問ですが、ひとり親家庭就業機会創出事業の4年間の成果についてどのように評価しているのか、また、4年間の効果を踏まえ、今後どのようなことに重点を置いて進めていくつもりか、伺います。 ◎川原 子育て支援部長  ひとり親家庭就業機会創出事業の4年間の成果及び評価並びに今後の取り組みについてお答えさせていただきます。  合同企業説明会は、お話がございましたように、これまでに4回開催しておりまして、計653名の方にご参加いただいているところであります。就業者数につきましては、把握できなかった年もありましたけれども、平成26年度には20名、平成28年度には13名の方が就業に結びついているところであります。  参加された方からは、ひとり親のための企画を開催していただき心強い、正社員の道は諦めかけていたが、意欲が出た、また参加したいなどの声も聞かれ、就職に直接結びつかなかった場合であっても、働く意欲の醸成といった観点からひとり親家庭の自立促進を後押しできたものと評価しております。  今後の取り組みについては、参加者数が減少している傾向にあることから、参加者数の拡大に重きを置き、効果的な広報手段や開催方法等を検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆村松叶啓 委員  参加人数や就業者数、参加した方の感想などのご紹介をいただき、また、今後については、効果的な広報に力を入れていきたいというご答弁でありました。  今回の合同企業説明会では、委託を受けて事業を担当している企業の方に案内していただきながら、さまざまなお話を伺ってまいりましたが、その中で今後の課題だと思われることがございました。まず、昨年の合同企業説明会も同じ企業が委託されていたため、昨年の様子を伺いましたところ、ことし同様に3月に行って、開催から約2週間で13名の方の採用が内定したとのことですが、受託企業と札幌市との事業委託契約は3月までのため、その後の採用状況が追いかけられていないことがわかりました。しかし、これではしっかりとした効果の検証ができないのではないかと感じます。  また、この受託企業は、6名体制でこの事業を推進しておりますが、参加する企業を開拓するための営業活動や、さまざまなところでチラシを配布したり、当日のイベントの運営などでは通常はこの業務にかかわっていない方々が応援に入り、30名近い職員が成功に向けて尽力していることがわかりました。さらには、会場費が捻出できないことから、自社の会場でイベントを行っていることもお話しいただきました。  そこで、次の質問ですが、採用状況が追いかけられていない課題にどう取り組まれるのか、伺います。  あわせて、この委託事業費については、どのような考えで予算を立てていらっしゃるのか、お聞きいたします。 ◎川原 子育て支援部長  1点目の採用状況の把握についてでございます。  この課題への対応ということでございますが、採用者数等の把握は委託している事業者の業務としておりますけれども、開催が3月であり、契約期間の関係から4月以降の採用件数が把握できていない状況でございます。このようなことから、平成29年度におきましては、参加企業の連絡先を聞き取り、私ども札幌市で継続して採用者数等を把握することとした次第でございます。  それから、2点目の事業費の積算についてでございます。  平成26年度の事業開始以降、280万円の予算で事業を実施していたところ、企画提案の参加事業者がなかったことや、十分な広報が行われずに期待する参加者数に届かなかったことがありましたことから、平成28年度から400万円の予算に増額して実施したところでございます。  積算に当たりましては、会場費や人件費、広告費等を積み上げた上で、合同企業説明会の実績のある企業から見積もりをとるなどしていることから、必要な広報によって安定的に事業を行える額と考えているところでございます。 ◆村松叶啓 委員  後追いのほうについては、今回から市で対応していただけるということでしたので、そちらはしっかり取り組んでいただきたいと思います。それから、予算については、積算し、過去に実績のある業者から見積もりをとっているとのことでしたが、ぜひ、先ほど申し上げたようなことが実情であるということを受けとめていただいて、今後の検討材料にもしていただきたいと思います。ただ、先ほどの好井委員への答弁で、来年度からは開催が2回にふえ、その分、予算もふえるということですから、今度はそうした中でのスケールメリットも期待できるのではないかと思いますので、次年度の状況を注視したいと思います。
     最後に、参加されている方からは、場所が札幌駅の近くでしたので公共交通で来るには非常に便利だと思ったのですが、一方で、子どもを連れてまち中まで行くのは大変だったといった声も上がっているようでありますから、場所についてはもう少し検討する必要があるのではないかと考えております。  そこで、質問ですけれども、これから行う平成30年度事業のプロポーザル内容では、開催場所についてより効果的な提案を求めるべきと考えますがいかがか、お伺いします ◎川原 子育て支援部長  平成30年度事業のプロポーザルについてお答えいたします。  今年度開催の合同企業説明会では、3割以上の方が子どもを連れて参加されていたこともございまして、多くの方にご参加いただくといった集客の観点からも開催場所は重要と考えているところであります。このことから、開催場所はもちろんのこと、開催日時や広報手段などについても、よりよい提案を求めてまいりたいというふうに考えてございます。  ひとり親家庭就業機会創出事業については、ひとり親家庭への就業支援策として有効な取り組みであると認識している一方で、先ほどもお答えいたしましたように、参加者数が減少傾向にあるといった課題もあることから、民間事業者の知識や経験、技術を生かしながら、より効果的な事業となるようにこれからも努めてまいりたいと考えてございます。 ◆村松叶啓 委員  子連れの方が3割以上ということで、そういう方に配慮した提案を求めるなど、民間企業のノウハウを生かした運営をしたいという答弁だったかと思います。  私の身近には、私の元家内を含めてひとり親家庭の方が結構多くおりまして、いろいろな話を聞かせていただいておりますが、やはり、就業に関しては、収入といった面もそうですけれども、職種を絞って探したいとか、お子さんの学校の近くがいいとか、この時間帯に働きたいとか、求める条件がさまざまであります。先ほどのご答弁では参加者に対する広報に力を入れていきたいということでしたが、企業への呼びかけにも頑張っていただいて、さらにより多くの企業に参加していただき、できるだけさまざまなニーズに応えていただきたいというふうに思います。  本日、質疑で伺いましたこの4年間の事業成果と課題を踏まえた内容による公募を行い、5年目に当たる次年度事業については、一人でも多くのひとり親の方々に活用いただき、必要な方々に本市の支援が行き届くことを期待いたします。実は、たまたま私の小・中学校時代の同級生がある企業の採用担当で来ておりまして、話を聞きましたところ、今、人手不足と言われている中で、企業にとっても、こうしたことを通じてひとり親への理解を深め、働きやすい環境を整えることで労働力の確保にもつながる大変いい機会だと、実際にそのようにおっしゃっていただきましたので、企業のメリットといった点も含めて本事業の拡充を求めまして、質問を終わりたいと思います。 ◆しのだ江里子 委員  私からは、子育て支援として、保育所以外の子どもの預かりサービスとひとり親家庭への支援の2件、そして、ひきこもり支援対策のあわせて3件について質問させていただきます。  まず、子育て支援の1件目ですが、保育所以外の子どもの預かりサービスについて質問させていただきます。  札幌市では、保育所や幼稚園といった施設入所型の預かりサービスのほかに、市民同士が助け合うボランティアの仕組みを利用したファミリー・サポート・センター事業に取り組んでいます。この事業は、通常利用を想定した子育てサポートセンター事業と病気や緊急時の利用を想定した緊急サポートネットワーク事業とに分けていますが、さらに、病気に関連した預かりということでは、病院事業者が実施している病後児デイサービス事業もあり、いざというときの預け先として、さまざまなサービスが用意されていると言えます。  これら三つの預かりサービスを利用するためには、事前に登録する手続が必要になり、これらの事業の担い手は、ボランティアや病院などでお子さんの状況、アレルギーや障がいの有無、緊急連絡先などを事前に把握しておく必要があります。また、預けるほうの保護者も、あらかじめルールやリスクの説明を十分に聞いて、納得した上で利用する必要があり、こうした確認のために事前登録というプロセスが不可欠であることは理解しております。  しかし、その事前登録のための窓口や手続がばらばらであり、それぞれ使いたいと思ったならば、保護者自身があちこちに出向き、別々に手続をしなければなりませんでした。これは、利用する市民の側から見ますと、同じ札幌市の事業で同じような預かりサービスなのに、いかにも縦割りのように感じられ、煩雑で手間がかかっていたことも事実です。  また、緊急サポート事業については、利用に当たり、預かってくださったボランティアに謝礼として定められた利用料を支払うこととなっていますが、この利用料の一部を補助する制度があります。これは、病気理由など一定の条件を満たした場合に市から一定の補助金を交付するものですが、この補助金を受け取るためには、利用後、保護者自身が自分で市役所へ申請しなければなりませんでした。後で補助金が出ることがわかっているのに、ボランティアに利用料を支払う時点では差し引いていただくことができず、一旦、全額を支払う必要があったのです。こうした事前、事後に係る手間暇は、これらの預かりサービスを利用する機会の多い、特にひとり親を初めとする子育て世帯にとっては、時間的な余裕のない中で大きな負担となっておりました。  私は、この点についてこれまでも改善を訴えてまいりましたが、このたび、2018年度予算案において、女性の活躍推進という観点で、これら三つの預かりサービスに関し、来年度後半から区役所に一括で受け付けする窓口を設けること、補助金を現地精算化することなどの費用が盛り込まれました。まさに市民が求めていたものであり、大きく利便性の向上につながるものと評価します。  さて、この一括受付窓口ですが、さきに公表された予算の概要によりますと、3区で試行となっております。初めてのことであり、いきなり10区全てで実施するのが難しいということは理解できますが、実施しない区の方たちにとっては利便性としてどうなのかという疑義もあるわけです。  そこで、質問ですが、今回の試行の考え方と、実施する3区をどのように選定する予定なのか、まず、伺います。 ◎川原 子育て支援部長  一括受付窓口の試行の考え方と試行区の選定についてお答えさせていただきます。  今回の取り組みは、初めての試みであり、どれだけの利用があるかが見込みづらいこと、実際にやってみてわかる課題や問題もあると思われることから、試行的に3区で実施することとしたものでございます。  なお、試行区におきましては、他の区民の方々の届け出も受け付ける予定であるため、交通の便や全市的なバランスも考慮して選定したいと考えてございます。具体的には、主要な公共交通機関である地下鉄3線の沿線に1カ所ずつ、その中でも、地下鉄駅近くに庁舎がある区役所が望ましいというふうに考えております。今後、候補となる区とも調整し、しかるべき時期までに試行区を決定してまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  実施区の選定の考え方に関しては理解いたしました。そしてまた、試行区ではない他区の方たちも利用していただけるということで、それに関しては安心いたします。  これまで、サービスによっては全市で1カ所しか受け付けることができなかったものもあったため、1カ所しかなかったものが4カ所にふえることを考えれば、これまでよりも便利になるということは言えると思います。しかし、実施されない7区の方たちにとっては、実施している3区と比べてまだまだ不便であることも事実です。今回は試行ということなので全区拡大も視野に入っていると思いますが、今後の試行状況を検証する必要があるものの、できるだけ早期に10区で実施できるように検討を進めていただきたいと思います。  次に、区役所内のどこで受け付けをするのか、伺っていきたいと思います。  一口に区役所庁舎と申しましても、本体のほか、区民センターや保健センターもありまして、庁舎内は広く、余り人通りのない目立たない場所も実際にございます。せっかく専用窓口を設けるのですから、やはり人目につく場所、とりわけ子育て世代の目につく場所で展開していただくことが望ましいと考えます。  そこで、質問ですが、この一括受付窓口について、区役所庁舎のどこに開設するご予定なのか、伺います。 ◎川原 子育て支援部長  区における一括受付窓口の設置場所についてでございます。  この窓口につきましては、去る3月8日の定例市長記者会見で公表いたしましたこそだてインフォメーション内に開設する予定でございます。こそだてインフォメーションは、これまで子育て相談や情報提供を行ってきた区子育て情報室を全区一斉にリニューアルしたものでございますが、今回を機に庁舎内での設置場所も見直した結果、そのうち4区では新たな場所に開設することとなったものでございます。  今後は、10区とも、保健センター出入り口や待合ロビーの近くなど、親子連れが必ず通る場所、よく目につく場所で展開するため、一括受付窓口としても立ち寄っていただきやすくなるものと認識してございます。 ◆しのだ江里子 委員  新たな一括受付窓口について、区子育て情報室をリニューアルしたこそだてインフォメーション内に開設する予定であるというご答弁がありました。まさに、親子連れの通るところ、そして、目につくところというのが何より大切だと感じます。  子育て情報室は、区における子育て相談、情報提供の入り口となる場所でありましたけれども、こそだてインフォメーションに衣がえをし、預かりサービスの受け付けまでできるようになることで、場所そのものの利用価値が大きく上がり、そして、知名度や認知度アップも期待できると思います。認知度などが上がれば、さまざまな悩みや困り事が持ち込まれる機会もふえ、より広範に子育て世帯を支援するきっかけづくりにもつながると考えますので、しっかりと準備をして、万全の体制で開始していただくようお願いします。  今回は、緊急サポート等の利便性の向上に力点を置いた改善策を講じたわけですが、これらのサービスを利用する方のうち、特に経済的に厳しい状況に置かれているひとり親世帯からは、道内中核市などで実施されている利用料負担の軽減を望む声も聞いております。しかし、あれもこれも一遍に改善していくのは難しいということは理解いたします。今回の取り組みが軌道に乗った暁には、ぜひ経済的な支援にも目を転じていただきたい、そのことを求めて、この質問は終わります。  次に、ひとり親家庭への支援についてです。  ひとり親家庭の方は、子育てや家事、仕事などのさまざまな場面で困難を抱えていることが多く、1人で子育てなどを行うひとり親家庭の親本人の努力だけでは解決できず、社会的な支援が必要な場面が多く見られます。また、ひとり親家庭には、ダブルワーク、トリプルワークと仕事に追われている方も多く見られ、日々の生活に支障を来すこともあると聞いております。  ひとり親家庭の生活を支援するための事業であるひとり親家庭等日常生活支援事業は、就学や疾病などの事由により生活援助などが必要な場合に家庭生活支援員を派遣する事業であり、生活保護世帯や市民税非課税世帯は費用も無料と非常にすぐれた制度であると認識しておりますが、余り利用されていないのが現状です。第4次札幌市ひとり親家庭等自立促進計画の策定に当たり、ひとり親家庭などを対象に実施したアンケート調査の結果では、母子家庭でひとり親家庭等日常生活支援事業を利用したことがあると回答した方はわずか1.3%でありまして、利用したことはないけれども、制度を知っていると回答した方も18.6%と、認知度が余りにも低い状況があります。  そこで、質問ですが、ひとり親家庭等日常生活支援事業がより多くの方に利用されるために認知度向上の取り組みが急務と考えますけれども、今後の取り組みについて伺いたいと思います。 ◎川原 子育て支援部長  ひとり親家庭等日常生活支援事業の認知度向上の取り組みについてお答えさせていただきます。  これまでも、パンフレットやホームページ、窓口での相談において制度の周知を行ってまいりましたが、昨年8月に実施したアンケート調査の結果では、ひとり親家庭等日常生活支援事業を含めた多くの事業で認知度が5年前の調査を下回る結果となっており、広報の必要性が課題として明確になったところでございます。このことから、新たな取り組みといたしまして、ひとり親家庭の方を対象としたパンフレットを作成し、離婚届の提出時に配付することや、児童扶養手当の対象世帯に支援制度の案内を一斉送付することなどを検討しております。また、昨年4月には、さっぽろ子育て情報サイトとさっぽろ子育てアプリを立ち上げ、その中にひとり親家庭専用のページも作成したところでございますが、今後、作成するパンフレット等の中にアプリのQRコードを掲載するなどいたしまして、さらに効果的な広報に取り組む考えでございます。  各種支援制度の認知度の向上が制度利用者の増加、多くのひとり親家庭の自立促進へとつながりますよう、より積極的な広報に努めてまいりたいと考えてございます。 ◆しのだ江里子 委員  パンフレットの配付であったり、児童扶養手当のときの一斉配付であったり、さまざまな広報をしていただけるということです。そしてまた、私どもが以前より求めてまいりましたホームページなどのサイトにおいて、ひとり親家庭へのという文言もきちんと入れていただけるようになりましたし、さらに、アプリという形で進んでまいります。  そういう中で、ひとり親家庭等日常生活支援事業は、利用料も無料であったり、極めて低額など有効な支援ですが、実際に必要とされる方とサービスがうまくマッチングしていないと思えるところもあります。主な提供会員は、退職された寡婦が多いということで、実際には提供会員不足も危惧されているとも聞いております。さまざまな周知によって潜在的にニーズが呼び起こされますと、現在のサービス主体である札幌市母子寡婦福祉連合会だけでは担い手として不足してくる可能性も出てくるのではないかと思います。しかし、まずは何より広報、周知に努めていただき、その上で、サービスの担い手の問題についても今後検討していただければと思います。  続けて、母子父子寡婦福祉資金貸付金について伺います。  母子父子寡婦福祉資金貸付金は、ひとり親家庭など専用の貸し付け制度であり、特に子どもの進学に関しては経済的に大きな後押しになっております。また、2月の文教委員会でも取り上げた看護師や保育士などの資格取得を支援する高等職業訓練促進給付金は、非課税世帯には月10万円、課税世帯には月7万500円を支給する制度であり、支給される方は、生活費の負担軽減を図りながら修学に励むことができますが、仕事と修学の両立は非常に厳しく、そして、学費や教材などを賄うにはこの給付金だけでは足りずに二の足を踏む方も多いと聞いております。このことから、母子父子寡婦福祉資金貸付金を組み合わせて利用したいという声もよく聞かれ、私は、ひとり親家庭の経済的自立が期待される場合には積極的に支援すべきと考えます。  しかしながら、この貸し付けを受けるためには、原則、連帯保証人が必要とされておりまして、保証人をお願いする人がいないがために貸し付けを断念するといった話も聞きます。  そこで、質問ですが、2009年度、平成21年度の母子寡婦福祉法施行令の改正では、児童本人への貸し付けを除き、連帯保証人がない場合でも貸し付けを可能とするよう要件が緩和されてまいりましたけれども、連帯保証人を必要とする場合の札幌市の基準について伺います。 ◎川原 子育て支援部長  母子父子寡婦福祉資金貸付金における連帯保証人を必要とする場合の札幌市の基準についてお答えさせていただきます。  平成21年度の制度改正時におきまして、私どもとして、その趣旨について厚生労働省に照会を行っております。そのときの制度改正の趣旨は、連帯保証人がいなくても返済が可能であると判断される方には単独での貸し付けを可能とするものであり、返済能力の有無については各実施主体で判断することという回答を得たところでございます。このことから、札幌市では、生活保護受給世帯及び住民税が非課税相当の収入である世帯を除き、連帯保証人がいなくとも貸し付けを可能としているところであります。  ただし、単独での貸し付けが可能な場合であっても、貸し付けの種類によっては、連帯保証人がいない場合、利率1.0%の有利子貸し付けとなることから、可能な場合には連帯保証人を得ることを推奨させていただいているところであります。  貸付金は、将来にわたり返済の負担が発生する制度でございますことから、貸し付けの可否に当たりましては、貸し付けを受けようとする方の資力や必要性、返済能力のほか、ほかに利用できる制度がないかなどを十分に確認させていただいた上で、ひとり親家庭の経済的自立に資するかどうかといった判断をさせていただいているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  札幌市においては、今おっしゃっていただきましたように、単独での貸し付けをしていただける方たちもおりますけれども、実際には、非課税世帯の方が職業訓練を受けて技能習得をしようと考えていても、やはり、連帯保証人が見つからずに、その機会を奪われてしまうケースが多々あるのだということを聞いております。もちろん保証協会の利用もありますが、これは1.0%の有利子ということで、負担として決して軽いものではありません。慎重な判断が必要とは思いますけれども、柔軟な対応をお願いしたいと思います。  先ほど、保育所以外の子どもの預かりサービスに関して、先行3区の一括受付窓口について質問させていただきました。ひとり親家庭への支援についても、今後、同じくワンストップ窓口で対応していただけるならばどれほど負担軽減につながるかと私は思いますので、ぜひ、今後を大いに期待させていただき、子育て支援についての質問を終わります。  次に、ひきこもり支援対策についてです。  2015年の4定では政審会として質問を作成させていただき、2017年の3定の代表質問では、私は、みずからひきこもり支援について質問させていただいております。2回の代表質問とも、高年齢化が進んでいるひきこもり者への実態把握、また、悩みを抱えるひきこもり者やその家族にしっかりと寄り添うことができるように、ひきこもりサポーター養成研修や有意義な仲間づくりができる常設の居場所など、支援の充実を図っていくべきと重ねて質問を行ってまいりました。  昨年の3定では、これまで、ひきこもり支援については、主に40歳未満の若者支援として教育委員会から子ども未来局に所管がえとしましたが、これから、ひきこもりの長期化、高齢化に伴い、40歳以上のひきこもり当事者が増加する状況を目の当たりにしますと、果たして子ども未来局所管がふさわしいのかと懸念する中で、札幌市ひきこもり地域支援センターの状況と40歳以上も対象に含めた実態調査の早急な実施、そして、本人や家族を支える民間団体との連携の方法を質問させていただきました。  副市長からは、2016年度のひきこもり地域支援センターの相談状況では、年齢により対象を区切ることなく、ひきこもりの当事者や家族からの相談に応じ、そのうち、40歳以上の相談者の割合が全相談者の27.1%を占め、さらに50歳以上についても9.5%という結果だったこと、そしてまた、実態調査の実施と民間支援団体との連携については、40歳以上の相談者が相当数いることが判明し、初回の調査から6年経過することから、札幌市のひきこもりの現状を把握し、より適切な支援を進めるため、40歳以上も調査対象に含めた実態調査実施の検討について答弁されております。また、連携については、相談に結びついていない方がまだなお多くいらっしゃるものと考えられ、今後は、当事者に寄り添いながら活動している民間支援団体との連携により、一層強化することで、どこにも相談せず、悩みを抱えているひきこもりの当事者や家族を相談窓口につなげる取り組みを広げてまいりたいとご答弁されております。  2018年度の今回の予算で、このひきこもり対策推進費が予算要求より100万円減額されましたが、ひきこもり地域支援センター運営に加え、ひきこもり実態調査、仮称)よりどころ運営の試行実施が予算化されたのは何よりと思います。  今議会冒頭の各会派からの代表質問で、実態調査についての答弁では、より効果的な支援の検討に当たり、人数推計も含めた本市の実態把握とともに、ひきこもりの当事者や支援団体など広く意見を伺うことが必要、そして、無作為抽出によるアンケート調査では、より精度を向上させるため、サンプル数を前回の5倍の1万人とし、また、ひきこもりの長期化、高年齢化を確認するため、対象年齢の上限を64歳まで拡大する、地域の実情に通じた民生委員、児童委員へのアンケート調査、そして、支援者やひきこもり経験者への聞き取りを実施していくと答弁されております。また、支援についても、ひきこもり地域支援センターの体制を強化し、より居住地に近い地域での出張相談会を大幅にふやし、訪問支援も拡充する、家庭以外での居場所であり、学び、交流機能、相談窓口をあわせ持つ仮称)よりどころを試行的に開設し、社会参加に向けた緩やかな動き出しを支援するとご答弁いただき、今まで声を上げてきましたひきこもり当事者やご家族にとって一歩前に進んだものと思います。  そこで、質問ですが、昨年12月30日の報道によりますと、内閣府は、2018年度に40歳から59歳を対象にした初のひきこもり実態調査を行うこととされていますけれども、札幌市が64歳まで調査対象を拡大する意義をどのように認識されているのか、また、この調査結果をどのように生かしていくおつもりか、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  調査の対象年齢を64歳まで拡大する意義、それから、調査結果の活用についてのご質問でございます。  質問にもございましたが、ひきこもり地域支援センターの相談状況では、40歳以上は全体の約3割、さらに50歳以上についても約1割あることから、札幌市におきましても、ひきこもりの高年齢化、長期化は深刻化しておりまして、社会的損失が非常に大きなものになっているのではないかと認識してございます。  このため、中高年のひきこもり者の実態と特有の課題も把握する必要があることから、これまでの40歳未満から、生産年齢の上限である64歳までを調査対象に加えることとしたところでございます。そして、この調査において把握する実態を踏まえまして、80代の親と50代の子どもから成る世帯が社会から孤立し、困窮するなど、いわゆる8050問題と言われておりますが、ひきこもりの高年齢化、長期化による課題への対応策の検討などに生かしてまいりたいというふうに考えております。 ◆しのだ江里子 委員  札幌市では、2011年にひきこもりに関する実態調査を行っておりまして、その結果、当時の札幌市内の15歳から39歳のひきこもり群の推計数は9,500人、同年齢層人口の1.6%と発表されておりましたので、40歳以上も含めますと、実際には推計で1万人をはるかに超えるひきこもり当事者が存在しているものと考えられます。当事者団体であるNPO法人全国ひきこもり家族会連合会が会員向けに実施した2015年の調査におきましても、平均年齢が34.1歳、年々高齢化し、引きこもっている期間の平均が10年を超えている状況にあったことが明らかになっています。今まで、信頼できる統計的なデータが札幌市には存在しなかったことで実態の把握ができない状況でしたが、今回の実態調査で札幌市の現状が明らかになってくるものと考えられます。  当事者団体によりますと、ひきこもり専門相談員の質の確保、養成研修、ひきこもりピアサポーターの活用とか仲間づくりとしての常設の居場所の設置など、さまざまな支援のあり方についての必要性を指摘しております。  そこで、質問ですけれども、このたび、家庭以外での居場所である学び・交流機能、相談窓口をあわせ持つ仮称)よりどころを試行的に開設されますが、どのように運営されるのか、また、このような居場所でピアサポーターを活用すべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  仮称)よりどころの運営とピアサポートの活用についてのご質問でございます。  仮称)よりどころは、ひきこもりのご本人にとっては家庭以外の居場所であり、また、家族にとっては精神的安定を得られる支え合いの場として、社会から孤立せずにつながり続けることができるような場としたいと思ってございます。来年度は、年10回程度、市内全域から集まりやすい場所での開催を考えておりまして、参加者にとって有益な時間となるように、支援団体や家族会等の意見を取り入れながら試行を重ねていきたいというふうに考えてございます。  また、ひきこもりのご本人やその家族が社会参加に向けた第一歩を踏み出すためには、これまでの苦悩を受けとめてもらえることが大切だと考えておりますので、ひきこもり経験を持つピアサポーターに、その一翼を担う立場でかかわっていただくことを予定しております。 ◆しのだ江里子 委員  仮称)よりどころを10回程度開設され、また、団体の声を聞くということでした。そしてまた、ピアサポーターにも一翼を担っていただくということで、まさにピアサポーターがしっかりと活用されるのではないかと思います。  先日、3月18日に、ひきこもりの人たちの高年齢化を考える集いという会が東京で開催されました。その集会では、社会学専門の愛知教育大学の川北准教授が自治体の151の生活困窮に関する窓口にアンケートを行った結果、ひきこもりに関する相談は、年代別では40代がおよそ61%と最も多かったと指摘しております。そして、准教授は、ひきこもりの人の多くは、家族以外との接触を持たず、親の病気や死亡をきっかけに経済的に困窮したり社会的に孤立したりするため、早い段階から地域で支える取り組みが必要だと指摘しております。  先ほど部長からもございましたように、今まさに8050問題が取り沙汰されておりまして、80歳の高齢の親が50歳代の息子とか娘を年金で養い、双方が立ち行かなくなり、命の問題にもなっております。稼働人口であります64歳までを調査対象とすることで、今回、札幌市が進めていかなければならないことがしっかりと見えてくると思います。居場所については、当事者が自主的に進めていくことがとても大切なことではないかと考えます。支援、支援と言うと、当事者をますます卑屈にしてしまい、居心地の悪いものにしてしまうことが往々にしてあります。障がいのある方たちからよくお聞きする言葉に、障がい者のことは障がい者を抜きに決めないでほしいということです。ひきこもりに関することも、ひきこもり当事者の意見をしっかりと聞いていただき、そして受けとめていただき、当事者の思いに沿った事業であってほしいと思います。  そしてまた、この実態調査の結果を検討した上で、子ども未来局から保健福祉局への移行の検討も求め、私の質問を終わります。 ◆國安政典 委員  私からは、社会的養護のもとで暮らす子どもたち、若者たちの自立のための支援について質問させていただきます。  さまざまな事情によって家庭で暮らせないために、施設や里親など、いわゆる社会的養護のもとで生活している子どもは全国で4万5,000人にも上り、札幌市内では500人を超えている状況であると聞いております。このような子どもたちは、家庭環境の改善によって家庭に戻ることができる場合もありますが、施設や里親などのもとで暮らしながら高校卒業を迎えることも少なくありません。  厚生労働省の調査によりますと、そのうちの約7割の子どもが高校卒業後に就職しているということであります。厚生労働省が昨年9月に公表しました新規学卒者の就職の3年以内の離職率は、高校を卒業した場合で40.8%、大学を卒業した場合で32.2%となっており、若いほど離職率が高い状況にあります。これは全体の数字でありますが、さらに、社会的養護のもとで生活してきた子どもの場合は、離職率がこの全体平均よりも高いという調査もございます。高校卒業までに家庭に復帰できないまま長期にわたって施設や里親などのもとで生活していた子どもの場合は、18歳となった後でも、親からの支援を十分に受けられず、離職とともに生活に困窮する場合も少なくないと思います。  平成28年の児童福祉法改正によりまして、全ての児童は健やかな成長・発達や自立等を保障される権利を有すること等が明確化されたところであります。しかしながら、社会的養護のもとで生活してきた子どもたちの自立を保障するためには、まだまだ支援が不足しているのが現状であると感じております。  このたびの札幌市の平成30年度当初予算では、18歳から22歳までの若者に対する児童養護施設等への入所等にかかわる支援として、社会的養護自立支援費3,700万円が計上されております。  そこでまず、質問ですが、社会的養護自立支援費を計上した具体的な目的について伺います。 ◎天田 児童相談所長  社会的養護自立支援費を計上した具体的な目的についてでございます。  児童福祉施設や里親などへの公的な措置による支援は、原則として18歳までとされており、18歳になった時点で引き続き支援が必要なため、措置を延長した場合にあっても20歳までが支援の限度とされております。  しかしながら、現状として、18歳や20歳になっても自立が困難な若者や、一旦就職しても、その後、離職するなどとなった場合、生活が安定せず、安心して戻れる場所を必要としているという若者も少なからずおられます。そのため、このような若者たちがこれまで生活してきた施設や里親などのもとで原則として22歳まで生活できるようにするため、居住費と生活費に関する支援を行うことで、自立に向けた生活基盤の安定を図ることを目的としているものでございます。 ◆國安政典 委員  自立に向けた生活基盤の安定ということで、この支援の目的については理解したところでございます。  私は、これまで、何度か社会的養護の関係の質問をしてまいりました。  きょうの質問に当たりまして、さかのぼって確認してみましたところ、約10年近く前になりますが、平成20年の第3回定例会決算特別委員会で、社会的養護体制の充実ということで、児童養護施設等を退所し、自立するに当たって、ほかの子どもたちと公平なスタートが切れるよう支援が必要であること、その中で、特に自立援助ホームの整備が必要であることを訴えさせていただきました。このときは、自立援助ホームは、北海道に1カ所、函館にできたばかりのところでありまして、札幌市にはまだございませんでした。お聞きしますと、現在ではそれが市内に4カ所、札幌市からの措置では昨年12月1日現在で12人の子どもが支援を受けていると聞いております。  約10年前のころの実態は、児童養護施設やその関係者など、こういった問題に直面した心ある方の善意に支えられていたところが大きかったと記憶しております。みずからアパートを借りて、そういった子どもを住まわせ、就職を支援している方にも実際にお会いしました。今でも少なからずそういった善意に支えていただいているところもあるかとは思いますが、そのころから考えると施策は進んでいるというふうに思います。このたびの社会的養護自立支援事業については、居住費や生活費に関する経済的な支援を行うということであり、そしてまた、それぞれの状況に応じて22歳まで生活することができるようになりますから、支援の幅が広がったという意味で評価させていただきたいと思っております。  さて、施設や里親のもとで22歳までの生活を保障することについては理解しました。しかしながら、生活を保障するだけでは、必ずしも社会的かつ経済的な自立につながらない場合もあるために、一人一人の状況に応じた計画的かつ継続的な支援が重要であるというふうに考えております。  国におきましては、平成28年の児童福祉法の改正を受けて、従来から一部の自治体で実施してきた施設や里親などのもとで暮らす若者たちの退所の際の生活支援と就労支援に加えて、一人一人に必要な支援をコーディネートし、関係機関と連携しながら支援を統括するための支援コーディネーターの配置が重要と考えているようであります。  さらに、昨年8月に国の新たな社会的養育の在り方に関する検討会で取りまとめられた新しい社会的養育ビジョンにおきましても、全国の自治体における自立支援の拡充を後押しするため、国において自治体で行う自立支援に関するガイドラインを策定することなどについて提言されております。このような流れの中で、札幌市においても、社会的養護のもとで生活してきた子どもたちの真の自立につなげるため、支援のメニューをさらに充実させるとともに、一人一人の状況に応じて支援をコーディネートするための取り組みを進める必要があると考えます。  そこで、質問ですが、施設や里親などのもとで暮らしてきた若者たちが、社会での自立した生活を営むことができるための支援のあり方について、どのように考えているのか、伺います。 ◎天田 児童相談所長  施設や里親などのもとで暮らしてきた若者たちの社会的自立のための支援のあり方についてであります。  自立に向けた支援では、若者たちがみずからの進路を決める過程において、若者たちの希望や適性を踏まえながら十分にサポートしていくことが重要と認識しております。  しかしながら、虐待を受けた経験によって心に深い傷を負っている場合や、退所後に親からの援助が受けられないことなどが要因となって、社会的にも経済的にも自立が難しく、よりきめ細やかな支援が必要となっている若者も見受けられているところでございます。  札幌市では、これまでも施設の退所予定者などへの就労支援を行ってきたところでございますが、このような若者たちの自立のためには、生活相談等の日常的な支援や一人一人に応じた支援をコーディネートし、計画的に支援していくことが重要と考えております。そのため、自立支援ガイドラインの策定など国の動向も見きわめながら、新たな支援の枠組みの構築や担い手の検討など、自立に向けた支援の充実に向けて検討してまいりたいと考えております。 ◆國安政典 委員  施設や里親などの社会的養護のもとで暮らす若者たちが真の意味で自立するためには、一人一人の希望を尊重しながら、自立に向けて継続的にかかわっていくような一人一人に寄り添った支援が重要であるというふうに考えます。  札幌市でも、先ほど就労支援とおっしゃっておりましたし、さらには、就職支度金や貸し付けなどさまざまな支援策を行っていることも聞いております。さらに、そういったことをしっかりとコーディネートしていく支援コーディネーターなどの施策の充実もしっかりと進めていただきたいと思います。  それから、障がい者の自立については、今では就労後3年間の定着支援が主流になってきております。社会的養護のもとで育ってきた若者の自立のための入り口である初めての就労時における継続的なフォローは、とりわけ重要であるというふうに考えております。私が調べましたところ、京都市では、退所児童自立定着促進事業という相談援助の事業をやっているようであります。ぜひ、他都市の先進的な事例も参考にしながら充実させていただきたいと思います。また、国の動きを待つだけではなく、支援コーディネーターの配置と生活支援の開始を早期に実現して、退所前から退所後数年間まで切れ目なく継続的に支援できる体制を構築して、社会的養護のもとで暮らす若者たちの自立に向けた支援のさらなる充実に向けて取り組んでいただきたいと思います。  私は10年前にも公平なスタートが切れるようにと申し上げましたが、横浜市にフェアスタートサポートというNPOがございました。これは、このような子どもたち、また若者を支援しているNPOでございます。この代表の方の言葉をおかりしたいと思いますが、施設出身者は、企業が採用して育ててみたいと思える要素をたくさん持っているとおっしゃるのです。ですから、基本的なスタンスは、かわいそうではなく、もったいないということだそうであります。要するに、社会的損失であるということのようであります。さらに、このようにおっしゃっていまして、本人自身に難しさがあるのではなく、本人を取り巻いてきた環境が機会不十分であった、もったいない若者を一人でも多く減らしていきたいという思いで活動を展開されているということでございました。札幌の子ども、若者たちが、生まれた環境や育った環境に左右されずに、公平なスタートラインから社会へ巣立つことができるように、誰一人取り残さないとのSDGsの理念を根底に据えて施策の充実に取り組んでいただきたいと思うわけであります。  最後になりますが、今月で退職される天田児童相談所長に、多少脱線しても大丈夫ですし、感想でも結構でございますから、ここには後任者もいらっしゃるようでございますので、ご示唆をいただいて、私の質問を終わります。 ◎天田 児童相談所長  子ども、若者たちが社会へ巣立つための支援施策の充実についてでございます。  感想めいた答弁になるかと思いますが、どうかご容赦いただきたいと思います。  児童養護施設や里親、そして自立援助ホームなど、子どものケアに携わる支援者の皆様は、子ども一人一人を大切にし、そして、できるだけの支援に当たっていただいております。この思いは、私ども児童相談所の職員も同じでございます。  しかしながら、先ほど答弁で申し上げましたとおり、現状では、施設や里親などのもとで生活し、退所した若者の中には、さまざまな困難を抱え、勉学あるいは仕事が長続きせず、苦戦している例も聞いてございます。若者たちが安心して学び続け、そして働き続けるための支援や、生活の安定などのための寄り添ったきめ細やかな支援が重要であると考えておりますが、現状におきましては、その支援施策は必ずしも十分なものにはなっていないというふうに思っております。
     平成28年の児童福祉法の改正では、18歳あるいは20歳を超えても一定年齢までの期間は公的な支援が行われるべきという考えのもとに、法律上の限界はありますが、予算措置など運用面での支援の方向性が示されたものと考えております。  札幌市としましても、社会的養護のもとで育ち、そして、そこから巣立っていく若者が、社会の中で当たり前に暮らし、勉強に励み、そして働き続けることができるよう、まずは、このたび予算計上させていただきました社会的養護自立支援事業の充実を目指していく必要があると考えております。  また、若者たちの支援施策につきまして、今、委員から一部についてご指摘がございましたが、他都市の先行事例や若者を支援している団体の取り組みを参考にしながら、一歩でも二歩でも充実できるよう検討してまいりたいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  私からは、待機児童対策と保育士不足の解消の対策について、2点伺いたいと思います。  初めに、待機児童対策について伺います。  2月末に、4月入所に向けた本市の認可保育所の1次選考で3人に1人が入所できなかったことが報道で明らかになりました。全国では4人に1人だと報道されておりました。認可保育所の1次選考に申し込んだゼロ歳から5歳児は7,706人、そのうちの2,629人、約34%が入所できなかったということです。  兄弟がいる世帯は選考基準で有利になりますが、それでも認可保育所に入れなかった世帯や保育料の負担が高い無認可保育所に入らざるを得なかった世帯など、3人に1人が入所できなかったという現状について、本市としてどのように受けとめているのか、伺いたいと思います。 ◎中出 支援制度担当部長  保育ニーズが増大する中、ここのところ、受け皿の確保に努めてきましたが、今、委員からお話があったとおり、多くの方が1次選考で入所の内定に至らず、引き続き預け先を探さなければいけない状況にあることにつきましては、一日も早く希望の保育サービスが受けられるような対応が求められているのだというふうに現実を強く受けとめているところでございます。今後も、引き続き、一人でも多くのお子さんがニーズに応じた入所につながるよう、一層きめ細かな入所調整を継続してまいりたいと考えてございます。 ◆伊藤理智子 委員  今回、我が党の代表質問で、秋元市長が公約に掲げた待機児童ゼロの実現では、新年度予算で整備しても、なお昨年10月時点の2,748人を解消できないことを指摘しました。市長は、この代表質問の答弁で、アクションプランを大幅に上回る保育定員の確保に加え、子どもの育成支援に力を注いだと言われております。しかし、今、部長も答弁されたように、3人に1人が認可保育所に入れない状況があることは、潜在的な保育需要を考慮した目標設定になっていたのかということが問われると考えます。  新年度予算では、私立保育所の定員を2,000人ふやすため、建設費補助に43億7,800万円を計上していますが、これで、秋元市長の本格予算の最終年度となる新年度に、市長が公約した待機児童ゼロが実現できるとお考えになっていらっしゃるのか、伺いたいと思います。 ◎中出 支援制度担当部長  新年度予算に計上している整備をもちまして、公約に掲げている待機児童ゼロを達成できるのかというご質問かと思います。  現在の計画は平成27年度から5カ年の計画となってございまして、その子ども・子育て支援事業計画におきましては、国の待機児童解消加速化プランに合わせて平成30年4月時点において供給量がニーズ量を上回る計画としたところでございます。しかし、その後、計画値を上回るニーズが発生した事実を踏まえまして、国の指針に基づき、計画の中間年度である今年度に計画内容の見直しを進めてきたところでございます。見直し後の計画におきましては、国が新たに定めた子育て安心プランを踏まえまして、計画期間の最終年でございます平成32年4月に見込まれるニーズ量に対して必要な供給量を確保するという計画内容としたところでございます。  計画の中間見直しにおきましては、先ほどからもご紹介いただいておりますが、平成30年度、31年度の2年間で約4,000人規模の保育定員の拡大が必要と見込んでおりますことから、30年度の予算案の中ではその半数の2,000人程度の整備を行うことといたしました。このため、この2年間での整備を着実に進めて、保育の受け皿をしっかりと確保してまいりたい、このように考えてございます。 ◆伊藤理智子 委員  現在は、5カ年計画で待機児童解消のために整備を進めているというお話でした。  我が党は、10年以上前から、待機児童を解消していくために認可保育所を整備していくように求めてきて、本市としても、待機児童を解消するために整備に力を尽くされてきていると思いますけれども、一方で保育ニーズがどんどんとふえています。それは、やはり、経済状況も非常に厳しくなっておりますし、子どもたちが本当に貧困の状況に置かれているという札幌市の現状の中で、新しい保育所が建つと、やはり子どもを預けて働きたい、そして、認可保育所であれば保護者は安心して預けて働けます。そういうことで潜在的な保育需要も広がっている中で、今までで最大の整備だと言われておりますが、それでも追いつかないほどの人たちが保育園に入所したいという願いを持っていらっしゃいます。ここ何年も応募しても入れない、しかも、ことしは3人に1人が保育園に入れません。このような状況を解消していくためには、さらに大胆な政策を進めていかなければならないということを指摘しておきたいと思います。  きょうは、保育士不足に対する問題意識について、各会派から、待機児童を解消するためには保育士不足を解消していくべきだという質問がそれぞれされておりました。本当に、ここを解消していかないと、せっかく施設を整備しても、そこで働く保育士がいないということになってしまっては安心して預けられない状況になってしまいます。待機児童を解消するために保育所の整備が進められていく中では、やはり、保育士不足を解消していかなければなりません。  保育士不足になる大きな要因は、子どもたちの全面発達を促し、健やかな成長を保障するというやりがいのある仕事であるにもかかわらず、先ほど、いろいろな支援もしてきて、この5年間で賃金が10%改善されたというお話もありましたが、それでもやはり賃金が安いという問題があります。  さらに、保育現場での実態を聞きますと、先ほど、事務を軽減するための支援策もいろいろ行われて、加配の保育士もいるというようなことが言われておりましたが、それでもまだまだ十分とは言えず、休憩中に事務会議や打ち合わせ行ったり、行事などの準備で十分に休むことができていない実態があると聞いています。例えば、毎月のお誕生会のメッセージカードやさまざまな行事の飾りつけ、小道具づくりなどは、自宅に持ち帰って行っている状況があります。また、時差出勤のため、職員同士の打ち合わせもなかなかできずに、休憩時間を活用することが常態化している状況もあるということです。さらに、超過入所が常態化している問題も解決されていませんから、人手不足で、子どもの安全を守るために超過勤務せざるを得ない実態もあるそうです。また、日中の保育が終わった後も、連日のように夜の研修や保護者との懇談会、保育会議などに追われて、保育士は長期間の疲労の蓄積などによる健康への影響も心配されているという実態もあると聞いております。  現場の保育士の皆さんからは、保育士が働き続けられずに離職する原因は、低賃金だけではなくて、苛酷な労働環境にあるということも指摘されていますが、本市は保育士の働く現場の実態についてどのように受けとめたか、伺いたいと思います。  また、本市としては、まずは現場の実態を詳しく把握することが必要だと考えますがいかがか、さらに、保育士不足を解消するためにも、今後、労働環境を改善する支援策を拡充していくことが喫緊の課題だと考えますがいかがか、伺います。 ◎中出 支援制度担当部長  保育士の労働環境についての現状に対する認識、さらには実態把握の必要性、また、今後の支援策の拡充といった質問だったかと思います。  まず、認識の部分でございますが、保育士の雇用環境改善のため、札幌市ではさまざまな補助制度等を導入しておりますけれども、これらを積極的に活用し、上手に利用できるかどうかという点につきましては、やはり、施設によってある程度のばらつきはあるのかなというふうに認識しております。  また、実態把握の必要性でございますが、保育現場の実態把握につきましては、監査の際に現地に入りますので、そういった機会を利用して、有給休暇の取得状況とか、今、委員からもご指摘がございましたように、時間外の状況、その前提となる勤務シフトの状況、さらには、保育日誌で具体の記載を確認しておりますので、一定程度は把握しているところでございます。そのほかにも、保育士個人から施設の実情等についてのお話がある場合もございますので、労働法規に違反するような事例については適切に指導しております。  それから、支援策の拡充についてのお話でございますが、保育士の労働環境に関する施設の対応につきましては、先ほど委員からもお話がございましたように、賃金面と並びまして、就労継続、離職防止といった観点からは大変重要なポイントであるというふうに私どもも認識しております。  今後とも、導入している現状の制度が使いやすい制度になるように、さらには、より効果的な手法になるように、他都市の取り組みの事例などもしっかりと参考にしながら研究を続けてまいりたいと考えてございます。 ◆伊藤理智子 委員  指導を継続することは、保育士を確保する上で大変重要だという認識を示されました。子どもたちの笑顔が輝いて、成長・発達を育む保育園を整備していく上でも、ぜひ、そこで働く保育士の皆さんが本当に元気で明るく子どもたちにかかわっていけるようにしていただきたいと思います。  また、定められている保育士の配置基準では子どもたちに安全な保育を保障することが難しくて、保育所独自に保育士の配置数を多くして努力している保育園も多くあると聞いております。決められた運営費の中では、保育士の人数をふやしている分、賃金が安くなってしまうようなこともあり、国の配置基準を見直すこと、本市独自に配置基準以上の保育士を置けるような予算を拡充してほしいという声も寄せられております。  先ほど、監査していて、さまざまな労働環境や実態については把握されているということでしたが、さらに、実態はどうなっているのかと保育士の皆さんや保育園の皆さんの声を具体的に聞くことで、どういう環境をつくっていけば就職された方がやめずに働き続けられるのか、そのためのきめ細かい具体的な対策にもつながっていくと思います。監査だけではなくて、そういうお話を聞く機会もぜひつくっていただき、さらに支援を充実させていただきたいということを強く求めて、私の質問を終わります。 ◆阿部ひであき 委員  私からは、子ども・子育て支援新制度の中での保育短時間認定について、何点か伺いたいと思います。  平成27年4月から子ども・子育て支援新制度というものが始まりました。保護者の就労時間等に応じて、保育時間を標準の11時間、短時間の8時間の二つの保育に分けられる仕組みとなっておりまして、就労時間が120時間以上の場合は標準の11時間保育、120時間未満の場合は短時間の8時間保育に分けられるとのことであり、自分の就労状況などに合わせて選択できるわけではないと聞いております。  そうした中で、パートタイム就労で保育園に入所する際、短時間認定に区分された方から、仕事の開始時間や残業などで必ずしも短時間の保育時間におさまらないといった声がありますし、また、短時間保育だから残業できないと会社に言っても、なかなか理解してもらえないという声も伺っております。あるいは、短時間保育で足りない時間は時間外保育を活用して補おうとすると、結果的に負担増となってしまうといったさまざまな意見が寄せられておりまして、短時間認定というのは制度として使いにくいという声が届いているところであります。  こうした標準時間と短時間区分の設定の考え方や認定のあり方は、制度化されて間もなく3年がたちますが、人材不足という状況の中でこれからもさらに雇用が促進され、就労形態も多様化していく現在とは合っていない部分があるのではないかと感じております。  そこでまず、質問ですが、どのような場合に保育短時間認定となるのか、就労時間で一律に決まるのか、伺います。 ◎中出 支援制度担当部長  保育短時間の認定の要件、さらには、それは就労時間で一律に決まるのかといったご質問かと思います。  保育短時間認定につきましては、主に両親の一方がフルタイムで就労し、他方がパートタイム就労、または、いずれもがパートタイム就労という場合を想定し、8時間までの保育の利用に対応するものとして、国の定めにより、就労時間が1カ月当たり120時間未満の場合に認定するものでございます。  ただし、札幌市におきましては、120時間未満であっても保育標準時間認定を行える特例措置を設けておりまして、その条件は、1日の就労時間の長さや勤務時間帯、さらには通勤に要する時間など、保護者の就労状況に応じて常態として施設、園が設定する保育短時間認定に係る利用時間帯を超えて利用せざるを得ない場合としているところでございます。具体的に申し上げますと、ちょっとややこしいのですが、まず、1日につき7時間以上の就労時間となっているようなケース、あるいは、就労の開始時刻または終了時刻が園が設定する利用時間帯の開始後または就労前の30分以内となっていて、送迎に関する時間等によって園が設定する保育短時間認定に係る利用時間帯、いわゆるコア時間を超えて利用せざるを得ないケースで、こういう状況が週3日以上または月12日以上ある場合は、総体が120時間未満であっても保育認定時間として認定しているところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  就労時間によって区分されていますが、1日の就労時間や開始時間などによっては、標準保育時間として認められる特例措置があるとのことであります。先ほどの答弁の中で常態としてという言葉がありましたが、週3日以上あるいは月12日以上というお話をされていたかと思います。そうした状況がある場合は特例措置もあるということですけれども、それは、あくまで就労時間で判断されて、恒常的に短時間認定の利用時間を超える場合に限られた話であります。時間外労働が多くても短時間勤務となり、時間外保育に頼らざるを得ない状況が発生しているようであります。  そこで、次の質問でありますが、短時間保育認定の利用者は、どのくらいの人数で、全体のどのくらいの割合なのか、また、標準時間認定と短時間認定とでは料金的にどの程度違うものなのか、伺いたいと思います。 ◎中出 支援制度担当部長  保育短時間認定の人数と全体に占める割合、さらに、標準時間認定と短時間認定の保育料の差ということでございます。  保育短時間認定の利用者数につきましては、2月1日現在のデータとなりますが、入所児童数が2万9,575人に対しまして、保育短時間認定を受けている児童は、そのうち2,213人となっておりまして、割合といたしましては7.5%となってございます。  保育料につきましては、世帯の所得に応じた階層区分によって設定されておりまして、市町村民税非課税世帯においては、標準時間、短時間のいずれも同じ保育料となってございますが、保育料の差が一番大きい区分は一番高い階層でございまして、その差は月額で1,290円となっております。 ◆阿部ひであき 委員  先ほども少し触れましたが、約2,000人の児童の保護者の中には、就労の実態と保育をしてもらえる時間がうまく合っていない場合があります。例えば、残業がたびたび発生するような場合や、また、私は地域性を考えなければならない部分もあるのではないかと思っています。札幌市はよく雪が降りますので、降雪、豪雪地帯ではそのときの天候などによって送り迎えをする時間が通常の倍以上かかるといった場合など、さまざま挙げられると思います。そうした幾つもの事例があって、使いにくいという声になって届いているのではないかというふうにも思います。  また、ただいま標準時間認定と短時間認定の料金の差も挙げていただきましたが、1カ月の間に数回の時間外利用料を支払うと、トータルの支払い金額では、結果的に短時間認定のほうが標準時間認定よりも支払が大きくなってしまうこともあります。また、これを抑えようとして保育時間内にとどめたいという思いを持ってやってしまうと、今度は就労時間の制限ということで、痛しかゆしの状況をつくり出している一因になっているようにも感じるところであります。  ご相談をいただいた方からは、残業しても、時間外保育となってしまえば、その分の保育料が上がってしまい、結局、収支は残業しないときとほぼ一緒の状態なのですということでしたが、当然そういうことになってしまうというふうに思います。働きたい人はどんどん働きましょうという社会の流れと、多様な働き方がさまざまにあらわれてきている中で、やはり保育の仕組みがうまくかみ合っていない部分が出てきているということを考えるわけであります。  そこで、質問ですが、多様化するニーズ、働き方に合わせた仕組みを考えていかなければならないと思いますけれども、市としてどのように考えて取り組んでいくのか、伺いたいと思います。 ◎中出 支援制度担当部長  保育短時間認定について、今後はどのように考えて取り組んでいくのかというご質問でございます。  保護者の就労状況によりまして、今、委員からご紹介いただいたとおり、保育短時間認定に定める上限の保育時間におさまらず、時間外保育を利用すること等で結果的に負担が多くなってしまうという声が実際にあることは私どもも承知しております。  今後につきましては、保育短時間認定に関するほかの自治体の運用状況や考え方等について、さらに情報収集を進めた上で、制度の運用とか、先ほどご紹介いたしました特例制度のあり方などについて研究を進めてまいりたいと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  社会的に変化する情勢の中で、私は、実情に合った仕組みにしていくことは非常に大事なことであるというふうに考えます。この制度も、国の制度であるということで、変えると言ってもなかなか時間がかかるかもしれません。一方で、その間、子どもたちを抱えて働いていらっしゃる保護者の皆さんは、不自由さを抱えながら利用することになるわけであります。  まず、保育の申請のときなどには、そうしたことをしっかりと念頭に入れて、制度の理解がなされないままに、竹を割ったようにあなたは短時間認定ですというだけの一言で振り分けられることのないよう、利用料の負担のことも含めて保護者に対してきちんと説明していただきたいと思います。さらに、こうした利用者の声は、国も耳にするかもしれませんが、実際に一番耳にするのはやはり札幌市など地方自治体ではないかと思いますので、本市としても、でき得る限りの取り組みをしっかりと構築して進めていかなければならないと考えるところであります。  私は、この短時間保育の件について言えば、先ほどからやりとりをしておりますが、就労時間120時間の設定はさることながら、さまざまな就労形態がありますし、先ほど言った冬の道路事情とか、それによって送り迎えに要する時間など地方の実情はさまざまですので、選択制、あるいは、地域性に鑑みた天候における特例措置ぐらいはあってもいいのではないかと思うところであります。国の制度だから仕方がないという姿勢ではなくて、制度制定から間もなく3年を迎えようとしておりますので、実際の運営の立場から札幌市としてやるべきことはやっていただかなければならないということを指摘して、質問を終わりたいと思います。 ◆宮村素子 委員  きょうは、母子保健・歯科保健担当部長もご出席いただきまして、ありがとうございます。よろしくお願いします。  私は、子どもの貧困対策計画についてお伺いいたします。  国は、養育支援訪問事業の実施等を通して子どもの貧困対策を進めよう、そのように申しているところです。札幌市では、市長は大変力を入れておられまして、子どもの生まれた環境にかかわらず、子どもの貧困を防ぐ、これを力強く訴えておりまして、新年度の重点施策に上げているところです。具体的には、子どものくらし支援担当課の新設、課長、係長、係が何人になるのかわかりませんが、部署ができると伺っているところです。また、それに先立って、市は、貧困対策計画策定に向けまして、子どもの貧困実態調査を行っております。  そこで、質問ですが、その調査の結果から、札幌の子どもの暮らしや養育上の課題をどのように認識されているのか、まず、伺います。 ◎有塚 子ども育成部長  子どもの貧困実態調査の結果についてのご質問でございます。  実態調査の結果でございますが、その結果からは、子どもの貧困は、経済的な要因を初めとして、心身の健康や基本的な生活習慣、また、周囲との人間関係や学習環境、進学、就労などさまざまな要因と結びついて、子どもの健やかな成長や将来の自立に影響を及ぼしているといった状況が示されているものというふうに考えております。一方で、困難を抱えている世帯ほど、子育ての負担もある中で、社会的孤立の状況に陥りまして、相談窓口や必要な支援策の情報を得られていない傾向が見られたところでございます。 ◆宮村素子 委員  ただいまの答弁では、貧困は、子どもの成長に大変大きな影響を与えている、そして、自立ということが非常に困難な状況がその中でわかるわけです。それから、社会的な孤立の傾向にもあるということでしたが、それは大変重要な視点ではないかというふうに思います。  一方、札幌市は、母子保健対策で、妊娠から出産、育児と切れ目のない指導、支援を行っております。私も、今までずっとその状況をいろいろお聞きしたりして理解しているところでございますが、札幌市では毎年約1万4,000人の子どもが生まれている中で、子どもの暮らしや養育上、支援が必要と捉えられている親子はどのぐらいいらっしゃるのか、そしてまた、どのような困難の傾向にあるのか、お伺いしたいと思います。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  子どもの暮らしや養育上、支援を必要としている親子の数と困難の傾向についてのご質問でございます。  各保健センターにおきましては、母子健康手帳を交付する際は保健師が全ての妊婦に面接を行っておりますが、出産後の養育について出産前から支援が必要と認められる妊婦は、平成28年度は370名でございました。また、妊婦の相談、面接以外におきましても、出産連絡票や医療機関からの連絡票、各乳幼児健診等によりまして、支援が必要と考えられる1,528件の親子を把握しているところでございます。  支援が必要とされる要因といたしましては、平成29年度の直近の傾向によりますと、育児不安や負担感が強いなど、保護者の精神的・身体的問題が全体の50%、子どもの発達、発育のおくれなど子どもの問題によるものが25%、ひとり親や未婚、経済的基盤が弱いなど家庭環境の問題によるものが25%となっている状況でございます。 ◆宮村素子 委員  母子保健の現場の中でも、やはり養育上の問題は大変大きいです。育児の不安や、育児のかかわり方をどうやっていいのかわからなくて、もう嫌と拒否する状況もあって、そういう中で親の疾患、子どもの疾患、さらに貧困ということが大きく挙がってきております。ですから、1番目に質問した札幌市の調査、そして、母子保健対策で捉えた支援が必要な対象というのは、札幌の中では結構オーバーラップしているというふうに思います。同時の突き合わせはしておりませんが、支援を必要としている困難な状況というのはある部分で共通していると言えると思います。  市の貧困対策、子育て支援というのは、今までずっとやってきていますし、充実してきているというふうに私も思っています。しかし、現実には、今の答弁の中にもありましたように、各施策につながらない親子がいます。つながりたくないとか、こんなに相談窓口を設けているのに、窓口がわからないとか、これは、それだけの意識がないということを裏づけているのですね。その貧困状況も、ひとり親家庭、母子家庭、10代の母、未婚の母などいろいろで、これらは母子関係に影響していきます。それから、虐待、ネグレクトの温床にもなっていて、子どもに、基本的な生活習慣が身についていきません。また、親も身についていない状況もあって、そうした困難な状況が親から子どもに引き継がれている、そういう状況がこのデータの中からはっきり言えると思います。  そこで、質問したいと思いますが、市の貧困実態調査、それから、母子保健担当課で捉えている子どもの貧困の状態を踏まえて、子どものくらし支援担当課は具体的に何をするのか、伺います。  先ほどの太田委員の質問でもこの部分はありましたが、特に何をするのか、お答えいただきたいと思います。 ◎有塚 子ども育成部長  子どものくらし支援担当課の実施業務についてのご質問でございます。  子どもの貧困対策計画の総括管理を行う部署といたしまして、計画の進行管理、関連部局の連携・調整を行う中で、子どもの貧困への理解促進、支援情報に関する広報の充実、また相談支援体制の充実など、困難を抱える子どもや世帯が着実に必要な支援につながる体制の整備を進めていくことを考えてございます。特に、相談支援体制の充実につきましては、子どもに係るさまざまな関係者との連携のもと、困難を早期に把握して適切な支援につなげていくコーディネーターを配置するモデル事業の実施を予定しております。こうした事業の実施によりまして、母子保健を初めとして、学齢期の子どもや若者、保護者に至るまで、必要とされるさまざまな支援が関係する組織や機関の連携を通して効果的に提供される仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。 ◆宮村素子 委員  特に、母子保健と連携して、コーディネーターを置いて、母子が置かれている状況に対応していくということかと思いますが、私は、やはり、どんな困り事があって、どんな人がどうすればいいのかということまで具体的にしっかりと考えていってほしいということは申し上げたいと思います。  この調査の中で、当事者の座談会がありまして、今後の支援の方向性として、一つには、居場所があって、そこで人とつながり、必要な情報が得られる体制が必要だという発言がありました。それから、もう一つは、子どもの貧困は、お金だけでは解決できないと言っています。これは、大変重要な視点だと私は思います。言葉で言うと、貧困の家庭の親子一人一人にきめ細かいサポートが不可欠ということになるのです。一人一人は違う、家庭も違うし、環境も違います。それから、この世に生を受けて生まれた子ども全てが親の愛情を受けて育てられるということが、何よりも人の出発として絶対に大事なことです。そのことを支援としてどうやっていくのかということがなければ、施策をいろいろ並べてみても貧困対策につながらないのではないか、私はそういうふうに思います。先ほど、よこやま委員からも、親に愛情を受けて育っていないことが虐待につながっているということが質問の中でありました。私たちは、今、そういうことを防がなければならない状況にあります。  じゃ、どうしたらいいのかということです。それこそ、離婚、望まぬ妊娠、貧困の中での妊娠など、子どもを受け入れようとしない中でも、生まれた子どもが親あるいは人の愛情の中で育つということをどうやって保障するか、その役割をサポートすることが必要なのです。それをアタッチメント、愛着と言いますが、皆さんもよくご承知のことです。  そして、この愛着は、子どもの世話をすることで生まれると思います。赤ちゃんというのは、産まれてすぐでも、しっかりと抱けば、動物本能というのでしょうか、笑うということではないけれども、やはり安心してふわっと抱かさってくるのです。それで、親はあっと思うし、それを受けとめて、ミルクを飲ませたり、おむつを取りかえたり、いろいろなことがありますが、それをやることによって赤ちゃんはちゃんと反応してきます。そして、親として育ち、喜びも育ち、それが赤ちゃんにもプラスになっていく、こういうことをどこかでかかわって指導しなければならないと思っております。  そういう意味で、妊娠中または出産直後からの親と子のアタッチメント、愛着をしっかりと育てる支援が必要だと私は思うのですがいかがでしょうか、伺います。 ◎秋野 母子保健・歯科保健担当部長  出産前後のアタッチメント、愛着の育成支援についてのご質問でございます。  委員がご指摘のとおり、親と子の安定したアタッチメント、愛着は、子育てを通して親を成長させ、また子どもの人格形成の基盤になると言われておりまして、私どもといたしましても大変重要なものと認識しているところでございます。  母子保健の取り組みといたしましては、各区保健センターにおきまして、健全な母性、父性を育む大切な時期である小・中学生から大学生までを対象として、出産、育児や命の大切さを伝える健康教育や普及啓発等を実施しているところでございます。また、妊娠期からの支援といたしましては、委員も既にご承知かと思いますが、全ての妊婦への面接、母親教室や初妊婦訪問、生後4カ月までの乳児全戸訪問等の中で、母親の健康保持や子どもの健やかな成長・発達への支援はもちろんでございますけれども、子どもへの愛着を持って子育てができるよう、そういった意識をしっかり持ってきめ細かな支援に努めてまいりたいと考えております。 ◆宮村素子 委員  今までの施策の中でもそれを踏まえてやっている、そんなふうにお答えいただいたと思っております。ありがとうございます。  しかし、もっと密着しなければならないと思います。施策としてはあるけれども、望んでいなかった子どもを育てる人の心境というのは大変なものだろうと私は想像します。そこで親となっていくには、誰かがしっかりとずっと寄り添って支えていかなければならないのです。そういうことから、今回、子どものくらし支援担当課に予算がついたわけですが、私は、アタッチメント、愛着を育成する機能をこの中で持たせられないのかと思います。ですから、そういうことができる熟練した人と予算をもっと多くつけるべきだと思います。  これは、副市長にお伺いしたいと思いますが、副市長は両方を受け持っておられますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 ◎岸 副市長  子どもの貧困対策の中で、特に出産前後のアタッチメントの育成サポートをどうしていくのかというようなお尋ねかと思います。  出産の前後、乳幼児期というのは、子ども本人にとっては成長の出発点となる非常に重要な時期でございます。また、保護者にとっても、出産を通して生活環境が大きく変化するということで、子どもと保護者双方への適切な支援を通して家庭全体を支えていくことが非常に必要な時期だと考えております。  このことから、母子保健の分野での保健師等による妊娠から子育て期にわたる切れ目のないきめ細やかな支援を念頭に面接・訪問事業を行ってきたところでございます。この中では、貧困が背景となって支援が必要なケースに対しても個々の状況によって支援をしてきたと考えております。ただ、こうした母子保健の取り組みも含めて、今、さらに一層の子どもの貧困対策を推進していくためには、我々庁内の関係部局の連携はもとより、子どもにかかわる施設あるいは関係機関、地域の方々の密接な連携協力も必要だというふうに考えております。  先ほどのコーディネーター配置のモデル事業の実施を含めて、今般、子どもの貧困対策計画を策定したことを一つの契機といたしまして、先ほど宮村委員のお話にもございましたが、子どもが置かれている環境あるいは世帯の状況は全て個々に違いますので、それぞれの子ども一人一人に寄り添うような形で子育て世帯を支えていく体制の充実強化につながっていくように努めていきたいと考えております。 ◆宮村素子 委員  一つの課では全部を完結できるとは思いませんので、連携していろいろな問題にしっかりと対応するということですが、具体的にその人にずっと寄り添い、変化を認め合うことで、その人が自信をつけていくようにならなければいけないと思います。貧困にもいろいろありますが、先ほど私が申し上げましたような事例では、かかわり方というのは特に重要かなと思っております。  あと少しだけ時間をいただきますが、一つの支援事例です。望まぬ妊娠をした10代の若年のお母さんがいて、子どもを出産してどうするかと。私は、いろいろなところから力をかりて生活の基盤を整えながら、それをずっと支え続けて、そのお母さんにずっとかかわってきました。そして、そのお母さんは、3年たってからこう言ったのです。一つだけ褒めてほしい、それは、この間、どんなことがあってもこの子に手を上げることはなかったと、10代の本当にまだ未熟な親ですが、こう言うのです。やっぱり、望まない妊娠でも、親としてちゃんと子どもに寄り添い、かかわって成長していく、やっぱりそこが重要だなと。本当は、家庭に入るのは行政の役割ではないと思いつつも、そんな時代になっているのです。  それからまた、別件で、高校の同級生同士で妊娠したカップルがいました。両方の家庭としては大問題ですね。子どもを産んではならない、子どもはどうするのだと。それから、いろいろ話をしていって、男性は退学して働くことにしました。彼女は、せめて高校を卒業して、その後はしっかり働くけれども、子どものほうを頑張る、また、親もサポートするということで、子どもを産んで育てることになりました。そして、高校の卒業式の日が彼女たちの入籍の日になりました。式が終わった夜に、クラスメートのみんながお祝いをしてくれましたが、そのとき、とにかく生きている子どもの命の大切さ、親になることの大切さ、そのことをこの2人から学んだということで、涙、涙の結果がありました。  今、困難な状況にあっても、支えることによって、親となり、きちんと子どもを育てられます。経済的にもたくさんの支援策がありますし、就労支援から何からあるわけですね。ですから、母子保健や子育て支援の中で残されているのは、そこをいかに大事にするかということだと思います。そこをしっかりすることが何よりも重要ではないかということを申し上げて、終わりたいと思います。 ◆石川佐和子 委員  私からは、保育所以外で子どもを預かるサービスについて伺います。  先ほどのしのだ委員の質問におきまして、保育園や幼稚園の送り迎えなど日常的な預かり、また、子どもの急な病気や保護者の残業、急な出張などの緊急時の預かり、さらに、病児、病後児の預かりなどの三つのサービスに関し、来年度後半から事前登録の一括受付窓口を区役所に設置するとの答弁がありました。以前より、保護者の方々、とりわけひとり親家庭の保護者から、子どもを預かるこれらのサービスの窓口が異なっており、手続をワンストップでできるようにしてほしいという声がありましたが、事業の使い勝手や利便性を向上させることは重要であり、利用者にとっても喜ばしいことだと感じます。  しかし一方で、子どもにとって安全性の確保の視点も欠かすことができないというふうに強く思います。特に、緊急サポートネットワーク事業については、名称のとおり、急な病気等の理由で子育て支援者が子どもを緊急的に預かるということですから、万が一にも事故やトラブルがないように、これまでは、事務所で事前に登録してもらう際に、アドバイザーが子どもや家庭の状況を詳細に聞き取り、その上で緊急時のサービスを提供していると聞いています。預かる子どもの状況もさまざまと聞いており、預かるに当たって特別な配慮が必要な場合もあるとのことです。確かに、1カ所で一括して事前登録ができることは利用者にとって便利でありますが、それぞれのサービスの内容とルールをきちんと理解した上で利用するのでなければ、事業者の方々の負担が大きくなってしまい、トラブルになるのではと懸念するところです。また、預ける方にとっても、子どもを他人に預けることに少なからず不安があるのは当然ですから、そうした不安を解消しつつ、利用に当たってのルールやリスクを正しく理解していただくことが大変重要です。  そのため、登録の受け付けを一括で行う窓口においては、実際に子ども預けるときにお互いに困らないように事前の確認をしっかり行う必要があると考えます。単に事務的に書類を受け取るだけではなく、子どもの養育や保育に関して専門的な知識を持った方が対応することが望ましく、また、それぞれのサービスの内容をしっかり把握した上で利用者にアドバイスをする力も求められます。そのため、適切な人材を配置する必要があると考えます。  そこで、質問ですが、保育所以外の子どもを預かるサービスについて、区役所に事前登録のための一括受付窓口を開設するに当たり、どのような人員体制で、どのように実施する予定なのか、伺います。 ◎川原 子育て支援部長  保育所以外の子どもの預かりサービスの一括受付窓口の人員体制等についてお答えいたします。  この窓口におきましては、保育や養育の視点も踏まえ、適切なサービスをご案内する必要がございますことから、保育サービス等に精通する非常勤の専門職を配置する予定でございます。この専門職は、サービス利用に当たりまして、必要な情報を聞き取ったり利用方法をご案内したりしますが、特に配慮が必要なお子さんなど、各事業者が追加の確認や説明が必要と判断した場合には、直接、申請者へ補足的に確認を行うなどの対応も想定しております。  いずれにいたしましても、安全性の確保と利便性の向上を両立させることが肝要でありますことから、各事業者とも事前に十分に協議しながら受け付け体制を整えてまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  この新しい受け付け体制のために、専門職を置いて対応していくというお話であります。さまざまなニーズがあることから、追加の確認が必要な場合など、事業者にも丁寧に対応して確認していく、利便性と安全性をしっかりと両立していく、そういう方針のもとで進められることを、今、確認させていただきました。  サービスを利用する方が事業の内容やルールをしっかりと理解し、利用する方も提供する方も混乱しないようにするためには、事前登録の段階での説明が大変重要だというふうに思います。その場で適切に説明できるように、専門職における研修等もしっかり行った上で進めていただきたいと思います。  一方で、保護者によっては、これまでどおり、実際に運営している事業者のところへ出向いて、顔を合わせながら直接説明を聞き、相談しながら利用したいという方もいらっしゃると思います。仕事などでそれぞれの場所に事前登録に出向くことが困難な方へのニーズに応えることも大事だと思いますが、じっくり説明を聞きたいという方のニーズに応えていくことも重要だというふうに考えます。  そこで、伺いますが、区役所で一括受付窓口を開設した後、これまでのように事業者の事務所で直接受け付ける方法についてはどのようになるのか、伺います。 ◎川原 子育て支援部長  事業者の事務所での直接受け付けについてお答えいたします。
     子育てサポートセンター等の事前登録につきましては、現在、各事業者の事務所などにおいて、事業内容に精通した事務局職員等が直接受け付けをしております。この直接受け付けにつきましては、区役所に一括受付窓口を開設した後におきましても、さらに詳しく説明を聞きたい方、あるいは、今すぐに急いで利用したい方などもいらっしゃるため、これまでどおり継続していく予定としております。 ◆石川佐和子 委員  今後も、今までどおりの受け付け手段も残して併用していくということであります。こうした複数の受け付けルートができることで、それぞれの家庭の考え方や状況によって選択肢がふえるのはよいことだと思いますが、いずれの方法によっても、利用する保護者や子ども、そして事業者が安心して預かりサービスを利用、提供できることが重要だと考えます。保育所以外での子どもを預かるサービスにおいては、単に子どもを預かるだけではなく、ストレスや不安を抱えた母親の心のケアも含め、子育て家庭の精神的な支えになっているという利用者の声も聞いております。今後、進められる事前登録に当たっては、各事業者ともこれまで積み重ねてきたものがあると思いますから、十分に協議して、皆さんが納得できる体制を構築していただきたいということを求めておきます。  次に、今回の取り組みに係る広報、周知について伺います。  事前登録の受付窓口が一本化される、また、その窓口が区役所にできること自体は利便性の向上につながる取り組みでありますが、この新たな仕組みを必要としている方に有効に使っていただくためには、これまでも、事前登録をしていないために、いざ必要なときに利用できなかったという声がありますことから、まず、事前登録の呼びかけをするなど周知することが重要と考えます。  今年度設置されました女性応援会議においても、本当に使いたいと思ったときにすぐに使えなかったといった意見が寄せられていますが、こういう方は、まさしく、本当に使いたいと思ったときまで、これらのサービスがあり、しかも事前登録が必要なことを知らなかったことから、すぐに使えなかったのだと思われます。保育所に子どもを預けている家庭でも、日中、突然、子どもが熱を出して保護者が引き取りに行かなくてはならないと困ったときに、このサービスがあるとわかって、使おうと思っても、事前登録をしておらずに使えなかったという声を聞いています。  それから、これらのサービス利用は、保育所に入所している子どもの家庭が多いとも聞いています。事業者が行ったアンケートなどによりますと、子どもが病気のときでも仕事を休みづらい職場環境であるため、不安を常に抱えながら保育所に預けているけれども、働きながら子育てをしていくに当たって、子どもの急病や自身の仕事の緊急時へのサポートを安心して頼めるサービスが欠かせないとのことです。そうした保育所の利用者にどのように周知しているかが重要になると思います。  また、事前登録の一括窓口を区役所に設置する一方、従来どおりの受け付け手段も併用するということで、仕組みが複雑になったと受けとめられることも予想され、わかりやすさも必要と考えます。  さらに、サービス提供者が行っているアンケートでは、子育てをしている方の周りに相談できる人や気軽に預けられる人がおらず、孤立している方も少なからずおり、緊急時の預かりのみならず、母親のちょっとしたリフレッシュのためにも利用できる日常的な預かりを含めて、必要な情報が必要な方にしっかりと届くよう、周知のさらなる徹底が重要と考えます。  そこで、質問ですが、今回の取り組みについて、特に主だった利用層である保育所利用者はもとより、子育てをしている全ての方々に対し、どのように広報、周知していくのか、伺います。 ◎川原 子育て支援部長  今回の取り組みの広報、周知についてお答えいたします。  子育てサポートセンターなどの三つの預かり事業につきまして、まずは、使い勝手や制度比較などをわかりやすくまとめたリーフレットを作成する予定としております。このリーフレットは、このサービスの主たる利用者と思われる保育所の利用者ないし利用申請者に対しては、区役所の保育所入所の申請窓口において一人一人に手渡し、事業のPRに努めますとともに、各ちあふる、子育て支援総合センター等においても一般配布して、広く事業を広報していきたいと考えております。また、昨年4月にリリースいたしましたさっぽろ子育て情報サイトや子育てアプリなども活用しながら、使いたいという方がそういった事業があることを事前に知ることができるよう、広く子育て家庭への周知を図っていく予定としております。 ◆石川佐和子 委員  わかりやすいリーフレットをつくって配付するとか、子育てアプリも活用していくということでしたが、そうした取り組みをしっかりと行っていただきたいと思います。  要望になりますが、保育所に入りたい方は少なくとも一度は区役所に来庁いたしますから、そこで事前の登録の案内を徹底することができれば、少なくとも困ってから初めてそういうサービスがあることを知る方は減少するのではないかと思います。保育所以外で子どもを預かるこうしたサービスについては、保育所に子どもを預けている方のみならず、在宅で育児をしている方やひとり親家庭の方など、子育て中の全ての方々が安心して子育てをすることができるよう、必要な情報をしっかり受け取って実際にサービスを利用できることが重要だと思います。その点を念頭に置かれまして、広報、周知に努めていただくよう要望して、私の質問を終わります。 ◆中山真一 委員  私からは、待機児童対策について伺います。  待機児童の解消には、大前提として、正確な現状把握、特に保育需要を的確に把握することが不可欠であります。本日もさまざまな議論がなされてきましたけれども、私からは、そもそも札幌市は保育のニーズ量を適切に見きわめられているのかという観点から伺います。  仕事をしなければ経済的にやっていけないけれども、保育園に入れない、まだ子どもと一緒にいたいのだが、1歳では入れないので、ゼロ歳で預けなければいけない、出産して喜んでも、次は保育園の心配をしなければいけないなど、私のところにも親御さんたちから切実な要望や不安の声がさまざまに寄せられております。秋元市長就任後のこの3年間、札幌市は機動的に受け皿確保に努めてきました。このことは、一定の評価をいたします。この1年間でも、定員を1,246人分ふやしてきましたが、ふえ続けるニーズに供給が追いついていないのが現状であります。  現在、札幌市では、女性が活躍できるまちづくりに力を入れております。本市の昨年10月の調査によりますと、女性が働きやすい環境づくりに向けて解決すべき課題はという設問に対し、希望するタイミングで保育園などに入園できないという回答が半数を占め、断トツの1位となっております。なぜ、待機児童が解消しないのか、これは当たり前のことですけれども、必要な分よりもつくる量が少ないからであります。なぜ、つくる量が足りなかったか。担当の皆さんには、計画どおりきっちりつくっていただいております。これは、需要の予測と結果が違ったということであります。だからこそ、需要の予測の精度を上げることが大変重要であります。正確な現状把握なくして、待機児童は解消しません。  本市では、現在、子ども・子育て支援事業計画の中間年度の見直しを実施しております。計画では、平成30年度、31年度の2年間で4,717人分の定員をふやすとしております。しかしながら、今回こそ適切に需要見込みが立てられているのか、心配しているところであります。保育ニーズ量の見込みは、就学前児童数の推計値、アンケート調査による保育の利用意向率を掛けて算出しております。  そこで、伺います。  平成26年の計画策定時に見込んでいたニーズ量と昨年4月時点の実績はどうだったのか、児童数と申し込み率、それぞれの見込みと実績の差について伺います。 ◎中出 支援制度担当部長  現在の計画におけます就学前児童数、さらには、利用意向率の推計と実績についてというご質問かと思います。  当初の計画におきましては、平成29年4月時点におきまして、就学前児童数を8万5,758人、保育の利用意向率については30.5%と見込んでおりました。一方で、実績におきましては、同じ平成29年4月時点ですが、就学前児童数が推計値を上回りまして8万6,365人、保育利用意向率は33.5%と、いずれも計画を上回る結果となったところでございます。 ◆中山真一 委員  今のお話で、就学前の児童数は微増、加えて、申し込み率は見込みと約3%違っていたというお話でありました。ただ、3%の差と申しましても、これを8万人以上の児童数に掛けると、この差は結局2,500人分以上の必要定員数の差となってしまいます。だからこそ、この利用意向率をどう予測するかが大変重要だということであります。当然、今回、新たに需要予測を見直すに当たっては、前回、予測と実績との差が出てしまった要因をしっかり分析、検証し、次の予測に生かすはずであります。  国も、手引において、ニーズ量の見込みについて、推計時に想定できなかった事情による児童数の増加や保育ニーズの高まりといった要素を分析し、必要な補正を行った上で算出することとしております。  そこで、続けて伺います。  保育ニーズの見込みと実績が違ったその要因をどう分析しているのか、伺います。  あわせて、今回の計画策定や調査に当たり、その分析をどう生かして反映されたのか、伺います。 ◎中出 支援制度担当部長  推計と実績に差が出ている要因についての認識と、それを受けての今回の計画への反映というご質問かと思います。  市民アンケート調査を行いました平成25年当時に比べまして、女性の社会進出の機運の高まりとか、新たな保育所の整備を進めたことによる潜在的な需要の喚起を利用意向率の上昇の要因と考えております。  今回の計画の見直しに当たりましては、直近における市民ニーズを把握するため、改めてアンケート調査を実施いたしますとともに、就学前児童数についても改めて再推計をするなど、計画値の修正を行ったところでございます。 ◆中山真一 委員  今のご答弁で、要因としては、女性の就業率が上がったこと、また、児童数も変化しているということがありましたが、保育所整備が進んだことで需要が喚起されたというお話もありました。その上で、改めて、ニーズ調査を実施され、就学前の児童数も推計し直したというお話がありました。  ただ、ここで考えなければならないのは、前回も同じような調査をされて、それで潜在ニーズを見込んだつもりだった、それでも需要予測が外れたということであります。平成26年の計画策定時の資料も拝見しましたけれども、そこでは、ニーズ量については、平成27年度をピークとして減少を続けることになることがわかると断言されております。一般社会、例えば民間企業だと、需要予測が間違って売り逃しや余剰在庫が出たら大問題となります。だからこそ、なぜ予測が違ったかを精緻に分析、検証し、できる限りずれが生じないよう、予測に当たって最大限のことをするのが一般的であります。いわゆる当たり前のPDCAでありますが、そもそも子ども・子育て支援制度において住民ニーズの反映は制度の根幹であります。子どもや親御さんにとって、保育所に入れなかったこの1年は二度と返ってきません。市にとっては今回も需要予測が外れたで済んでも、親御さんや子どもにとっては大問題であります。  国も、手引の中で、トレンドや政策動向、地域の実情等を十分に踏まえることが必要であり、特に女性就業率の上昇傾向については、全国的には平成34年度末までに女性就業率80%に対応できる保育の受け皿を整備することとしていることに留意いただき、女性就業率と1歳児、2歳児の保育所等利用率が正の相関関係にあることを考慮して、見込みについて補正を行うこととしております。社会状況が変化する中で、予測と実績が違ったのは、一面、仕方がないとも言えますけれども、教訓を生かさないというのは全く別の話で、私からすると、責任を果たしていないということであります。推計の手法が前回と同じなら、同じ間違いをするのではと心配をしております。予測が間違ったら、予測の方法を変えることが必要であります。少なくとも、ミクロの調査とマクロの統計を掛け合わせるなど、推計の誤差を減らしていくことが不可欠であります。  そこで、2点伺います。  一つ目は、前回の予測が違ったにもかかわらず、なぜ同じやり方で需要予測をしているのか、その理由を伺います。  二つ目は、札幌市も、今回の利用意向率の上昇は女性就業率の大幅な上昇等による影響と思われると、先ほどもおっしゃっておりました。にもかかわらず、今回はなぜ女性就業率の上昇を見込んでいないのか、その理由をあわせて伺います。 ◎中出 支援制度担当部長  ニーズの推計方法の考え方と女性就業率の増の見込みの部分についてのご質問かと思います。  今回、計画の見直しに当たりましては、先ほどもご答弁申し上げましたとおり、ニーズの再調査を実施して、前回の調査に比べて利用意向率が大幅に上昇していることが判明いたしました。これは、近年の女性就業率の大幅な上昇が影響しているものと、再調査の結果を受けて私どもも認識しているところでございます。  調査の手法について若干ご説明させていただきますと、まず、対象者といたしましては、現在、子どもを持つ保護者を対象といたしまして、調査時点での保育利用意向だけではなくて、将来的な保育の利用意向も含めて調査しております。そうしたことから、保育のニーズ増加分につきましても、一定の精度、確度を持って推定できる手法となっておりまして、算出された中には女性就業率の上昇による増加分についても一定程度加味されております。  ただし、保育ニーズについては、女性の就業率に限らず、出生数等の人口動態を初め、育児休業の取得状況などの労務環境、さらには、今、国のほうでも大きい議論をしておりますが、保育の利用負担等の経済的な要素の点など、子育てを取り巻くさまざまな要因によって変動するものでございます。  委員からご指摘があった女性就業率のさらなる増加が保育ニーズに与える影響につきましては、今、お話ししたような点がございまして、国の指針等によらずに、札幌市独自の手法をもって的確に推計することはなかなか難しいというふうに考え、今回の計画見直しに当たりましては、5カ年計画ですので残りは2年間となりますが、計画策定後におけるニーズの変化への対応については、そのニーズ量を迅速、適切に補正することでしっかりと供給量を確保すると記載いたしました。そういうことで、今回、札幌市独自の推計方法といった新たな手法はとりませんでしたが、そうした事態が発生した場合には、今お話ししたように、迅速にしっかりと供給量を確保するということを計画に盛り込んだところでございます。 ◆中山真一 委員  ただいま詳細なご説明をいただきました。  調査の中身のご説明は十分いただきましたし、今も、この先の意向もしっかり盛り込んだ調査になっているというお話がありました。ただ、これは前回の調査でも全く同じで、先のことを見込んだ調査になっているけれども、結果的には予測とずれていたというのが現実なのです。今、まさに部長がおっしゃるように、ニーズの予測というのは簡単ではないのです。だからこそ、工夫が必要になります。親御さんたちにしたら、推計は困難だからといって、それで諦められても困るというのが率直な思いであります。  私も、会社員時代、幾度も需給計画をつくってまいりました。民間では、通常、ミクロの調査とマクロの統計からの推計を重ね合わせ、変動要素を明確にした上で予測の精度を上げていくことが一般的であります。ところが、札幌市は、ミクロの調査のみで推計されております。それでは、予測が外れていくのも当たり前で、今回の計画も大丈夫か、ちょっと心配をしているところであります。  これまでも、札幌市のさまざまな事業の需要予測について中身を拝見してまいりました。例えば施設整備など、他の多くの事業の需要予測は甘過ぎる予測となっている一方で、この保育ニーズについては、逆に厳し過ぎる需要予測となっていると私は考えております。今後も、人手が減っていく中で、女性が仕事を見つけやすくなっていることもあり、女性就業率の上昇傾向は変わりません。これは、皆さんも、ほぼ異論のないレベルの想定だと思います。  国は、25歳から44歳の女性の就業率について、平成25年度から28年度までは年1.25%の伸び、平成29年度以降は年1.6%の伸びを想定しております。加えて、札幌市は、女性の活躍に力を入れるとして独自に予算もかけております。そもそも、2020年度末までに322万人の受け皿を確保するという国の子育て安心プランの考え方は、女性就業率をベースにつくっている計画であります。国会答弁でも大臣がおっしゃっておりますが、国は、これまでニーズ調査ベースでプランをつくってきた結果、実績とずれが生じているため、今回はマクロの推計ベースでしっかりと見ていきたいということで、子どもの各年齢ごとの母親の就業率の推計をもとにプランを作成しているとのことであります。子育て安心プランにおいては、女性の就業率と保育の申し込み率は明確に相関しているとして、3歳児以上は母親の就業率が1%上がると申し込み率は1.2ポイント上がる、1〜2歳児は就業率1%に対して2.5ポイント上がる、これらをベースに積算をしております。このように、マクロの推計を掛け合わせるなどの工夫をすれば、予測の精度を上げることは可能であります。  そこで、伺います。  今後、保育ニーズ量の算出に当たっては、推計の精度を上げることが不可欠であります。例えば、女性就業率などのマクロの数字をしっかり踏まえ、調査や推計についてPDCAを回して工夫を重ねていくことが必要と考えますが、見解を伺います。 ◎中出 支援制度担当部長  今後の保育ニーズ量の推計方法の精度についてのご質問かと思います。  事業計画につきましては、子ども・子育て支援法に基づきまして、全国の都道府県、市町村において策定が義務づけられている計画でございまして、これを踏まえて、これまで国から示された指針、さらには作業の手引といったものがございまして、それに基づいてニーズ量を算出し、その数値等を国等にもご報告してきたところでございます。  現在、国においては、先ほどもご答弁申し上げましたが、幼児教育、保育の無償化など、今後の教育、保育のニーズ量に大きな影響を与える施策について、その適用範囲等を検討しておりまして、その検討に合わせて、今後、将来的なニーズ量の把握についての考え方も国から示されるものと見込んでいるところでございます。こうした今後の国の動向等を注視するとともに、ニーズの調査手法については子ども・子育て会議でのご理解が前提となるものですから、必要に応じて札幌市子ども・子育て会議で意見もいただくなど、次期の計画に向けては的確なニーズの把握方法について引き続き検討してまいりたいと考えております。 ◆中山真一 委員  今後、国の動向等も変わってくることもありますので、国のニーズ量の把握に関する動向とか、札幌市独自でもよりよいやり方がないかということを研究していかれるということでしたので、ぜひ進めていただきたいと思います。  今、子ども・子育て会議でのご承認というお話があったのですが、私が議事録を拝見する限り、ニーズ量について詳細な議論はほとんどなされておりません。本来、ニーズ量推計の精度を上げて、それを反映して事業計画をつくっていくものですから、見込みと違ったことを真剣に考えて、見直しにどう反映させるか、頭をひねっていただけるのが子ども・子育て会議の役割だと思いますので、そこら辺も今後はぜひしっかりやっていただきたいというふうに思います。  先ほどのご答弁の中でもありましたが、今回の計画の中で、ニーズの変化への対応が明記されております。そこでは、今後の女性就業率の上昇や、予定されている保育の無償化などに伴う保育利用率の上昇、その他のニーズ変化には、量の見込みを適切に補正することによって対応するとしております。今後、ニーズの変化が顕在化した際には、迅速に対応していくことが必要であり、機動的な対応が求められますが、その一方で、受け皿確保には一定の時間がかかります。  そこで、今後のニーズ変化に対しては具体的にどう迅速に対応していくのか、伺います。 ◎中出 支援制度担当部長  今回の見直し計画の中に盛り込んでいるニーズ変化への具体的な対応方法というご質問かと思います。  市民の保育ニーズに対して、必要となる保育の受け皿を速やかに整備することは、言うまでもありませんが、喫緊の課題であると認識しております。  ニーズ変化への対応に当たりましては、本来的には、今回の中間見直しと同様、再度ニーズ調査をした上で、子ども・子育て会議等において十分な時間をかけて検討すべきものというふうに考えてございますが、残り2年間という短い計画期間でございますので、改めてこうした手順を経ることは現実として時間的に困難と考えております。したがいまして、見直し計画策定後、ニーズ量の変化により実績が計画値を上回る場合などには、計画上のニーズ量である量の見込みを国の指針等に基づいて適切に補正した上で、保育の受け皿のための予算等をしっかりと確保させていただいて迅速に対応していきたいと考えてございます。 ◆中山真一 委員  保育のニーズがふえればふえるほど、きょう、これまでもさまざまな議論がありましたけれども、事業者の確保や保育士不足への対応など、担当の皆さんのご苦労は大変大きくなると思います。簡単でないことは重々承知の上でお願いしていますが、今はぜひ踏み込んでいただきたいというふうに思います。  本来、少子化問題の解決につながるはずの出産が、いわゆる保活という罰ゲームのようなものになってしまいます。産まれたばかりの子どもを抱えて保育所探しに奔走するお母さんの姿を目にするたびに、札幌市は待機児童をつくらないという不退転の決意が必要だと痛感いたします。市長は、最近、利用者の視点ということをよくおっしゃっていますが、これは、まさにこの分野で求められることであります。保育の充足に対して利用者側と供給者側の認識に開きがある限り、待機児童問題の収束は困難であります。保護者の背景はさまざまであり、保育の利用意向に関する保護者の認識を客観的に捉えることは難しいことも事実であります。だからこそ、分析や推計に当たって可能な限りの工夫が必要であります。このことを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。 ○こじまゆみ 委員長  以上で、第2項 子ども福祉費等の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、あす、3月23日金曜日午後1時から、環境局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後6時8分...