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平成30年第 1回定例会−03月06日-05号
平成30年総合交通調査特別委員会−03月06日-記録

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  1. 札幌市議会 2018-03-06
    平成30年総合交通調査特別委員会−03月06日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成30年総合交通調査特別委員会−03月06日-記録平成30年総合交通調査特別委員会  札幌市議会総合交通調査特別委員会記録            平成30年3月6日(火曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時53分     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 委員長  ただいまから、総合交通調査特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、北海道新幹線札幌ホーム位置についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎中田 都市計画担当局長  本日は、北海道新幹線札幌ホーム位置について、それから、「丘珠空港の利活用に関する検討会議」報告書についての2点についてご説明させていただきます。  まず、北海道新幹線札幌ホーム位置の内容につきまして、新幹線推進室長の田中からご説明させていただきます。 ◎田中 新幹線推進室長  お配りした資料に沿ってご説明させていただきます。  資料は、本文2ページで、大きく三つの項目がございます。一つ目としては、新幹線札幌ホーム位置に係る経緯について、二つ目として、2ページの現時点での検討状況について、三つ目として、中ほどの札幌市の考え方についてでございます。また、別紙につきましては、JR北海道、鉄道・運輸機構、国土交通省、北海道、札幌市の5者協議における配付資料を添付してございます。2月9日に開催された際の資料で、別紙1が6枚、別紙2が2枚、別紙3が1枚、そして、3月2日に開催された際の資料で、別紙4が1枚、別紙5が5枚でございます。  それでは、資料の本文1ページ目をごらんください。  1 新幹線札幌ホーム位置に係る経緯でございます。  まず、平成24年6月29日に、新函館−札幌間の工事実施計画国土交通大臣から認可されました。当該計画におきまして、札幌停車場の位置は中央区北6条西3丁目、札幌駅併設と記載されております。その後、平成27年7月3日に、JR北海道が新幹線駅を西側に設置する案を検討との報道があり、同日、同社の新幹線計画部長が来庁し、1として現在の1、2番線ホームに乗り入れ、2として地下に新設、3として東側に新設、4として西側に新設の計4案につきまして今後検討を進めたいとの説明がありました。平成27年12月14日には、札幌市議会から、北海道新幹線札幌駅のホームを現駅に併設するよう求める決議をJR北海道に提出しております。  その後、JR北海道、鉄道・運輸機構、北海道、札幌市の4者による協議、調整を経て、平成28年10月18日の4者協議においては、札幌駅ホーム位置については認可計画及び東案の範囲内とすること、鉄道・運輸機構とJR北海道の両者において引き続き課題の検討を行い、年内をめどに成案として取りまとめ、その後、北海道、札幌市に説明することなどについて確認しております。平成29年10月10日には、JR北海道と鉄道・運輸機構の両者から、両案について引き続き検討を行うとともに、新たに地下駅案について工事費、工期、利便性等をJR北海道と鉄道・運輸機構が協力して検討を行い、地下駅案が代替案になり得るか判断したいという中間報告がございました。  その後、平成30年2月9日、3月2日には、これまでの4者に国土交通省も加えた5者による協議が開催されたところです。この協議における具体的内容につきましては、次の項目でご説明いたします。  続きまして、資料の本文2ページをごらんください。
     2 現時点の検討状況についてご説明いたします。  まず、平成30年2月9日の5者協議における協議内容についてでございます。  これまで検討してきた3案の検討結果についてご説明いたします。  別紙1の1枚目、札幌駅ホーム位置に関する比較表をごらんください。  まず、認可見直し案についてですが、工事費につきましては約570億円と算出されております。また、工期につきましては、平成42年度末の完成が可能となっております。また、課題となっておりましたエアポートの増発を含む在来線ダイヤへの影響につきましては、鉄道・運輸機構及びJR北海道による検証の結果、発寒中央駅の待避線と第2場内信号機の設置などにより、影響は問題ないレベルまで低減されることを確認いたしました。表の中央の東案と右側の地下案についてですが、工事費は、東案では約940億円、地下案では約1,600億円かかるとのことでございました。  次に、2枚目の北海道新幹線札幌ホーム位置についてをごらんください。  こちらは、現在の札幌駅とその周辺図及び認可見直し案、東案、地下案のそれぞれのホームの位置を示しているものでございます。  続きまして、3枚目をごらんください。  こちらは、認可見直し案の縦断面図及びホーム階、コンコース階それぞれの平面図を示しているものです。中ほどの認可見直し案ホーム階平面図の右側をごらんいただきたいのですが、西1丁目に新幹線専用コンコースを設ける計画となっております。また、一番下のコンコース階平面図をごらんいただきたいのですが、現在の在来線コンコースの南側に隣接して、赤い部分ですが、新幹線の乗りかえコンコースを設置、また、東コンコースの東側には新幹線専用改札口を設ける計画となっております。  続きまして、4枚目、5枚目になりますが、4枚目は、認可見直し案における在来線の設備改良といたしまして、発寒中央駅における待避線の設備増加、札幌駅11番線ホームの増設及び構内配線の改良、次の5枚目は、先ほども触れましたけれども、場内信号システムの改修を示しているものでございます。  続きまして、6枚目をごらんください。  こちらは、東案の縦断面図になりまして、ホーム階平面図コンコース階平面図を示しているものでございます。  以上がこれまで検討してきた3案の検討結果でございます。  続きまして、東案に関する検討結果、東案その2、大東案と言われるものにつきましてご説明いたします。  別紙2をごらんください。  この案は、JR北海道が東案において課題となっているJRタワー改修に伴う既存不適格対応について検討した結果、新幹線ホームを東案よりもさらに東側へ移動させる案として示したものでございます。ページ下の表のところでございますが、工事費は約625億円と試算されております。在来線の1番線を新幹線の下り、到着線として活用し、上り、発車線になりますが、上り線を新設することにより、ホームは2面2線となりまして、乗車ホーム降車ホームが分かれることになります。また、認可見直し案と同様、在来線用の11番ホームを新設することになります。また、新幹線と在来線の乗りかえのために、図の中ほどにありますが、乗りかえ跨線橋を新設いたします。  次に、工期ですが、平成41年12月末までに完成させることが可能となっております。  エアポート増発を前提とした在来線ダイヤへの影響はございません。  次に、ホーム幅等でございますが、次ページの図面もあわせてごらんいただきたいと思います。  ホーム幅につきましては、ホーム端から1.6メートルの幅を確保いたしまして、その柵の内側の幅は、下りホームの中央で約12.4メートル、上りホームでは全長にわたって8.4メートルとなっております。また、新幹線列車中央から乗りかえ跨線橋を経由して在来線5、6番線のホームに至るまでの水平移動距離は、約210メートルとなっております。そして、乗りかえコンコース及び改札を橋上駅部に新設し、乗りかえ跨線橋と接続、また、西1丁目の再開発エリア新幹線改札口のほかに在来線の改札口もつくることとなっております。  次に、コンコースの広さですが、乗りかえコンコースが668平方メートル、新幹線専用コンコースが1,011平方メートルとなっております。  以上が、JR北海道から提案された東案その2の概要でございます。  続きまして、2月9日の5者協議における会議のまとめについてご説明いたします。  別紙3、札幌駅のホーム位置についての考え方及び今後の進め方をごらんください。  まず、認可案につきまして、課題は解消され、駅としての機能は確保されることとなったことから、認可案が成立することが確認されました。ただし、北海道、札幌市、JR北海道の地元3者が他の案が望ましいとして認可案の工事費との差額を負担するのであれば、国及び鉄道・運輸機構としてその案を採用することも可能と考える旨の見解が示されたところです。一方、東案、地下案につきましては、駅機能の確保は技術的に可能であるものの、工事費が多額であることから、その差額を負担する者はいないと見込まれ、検討の対象から除外することとなりました。また、今般、JR北海道が東案その2を新たに提示し、認可案との差額を負担する意向を示していることから、鉄道・運輸機構においては技術的観点からの確認と事業費の精査を行うこととなりました。そして、この結果を踏まえまして、関係者間で調整の上、認可案と東案その2のいずれを採用するか、本年度末までに決定することといたしました。  以上が、2月9日の5者協議における協議内容でございます。  続きまして、2の平成30年3月2日の5者協議における協議内容についてご説明いたします。  別紙4、東案その2に関する技術的な検討事項をごらんください。  こちらは、東案その2につきまして、現在、鉄道・運輸機構とJR北海道の間で技術的な検討を行っている項目を示したものでございます。具体的な検討事項でございますが、まず、一つ目といたしまして、図で(1)と示した部分におけます新幹線の構造物と立体駐車場との間隔の検討でございます。二つ目といたしまして、図で(2)と示している部分におけます線路に付随する作業員用の保守用通路退避用通路幅の検討でございます。三つ目としては、図で(3)と示している部分におけます乗りかえ跨線橋在来線連絡通路に関する構造の検討でございます。四つ目といたしまして、図で(4)と示している部分で、写真にもございますが、連絡通路と在来線の既設架線ビームとの位置関係に関する検討でございます。これらの技術的事項につきましては、現在、JR北海道と鉄道・運輸機構の両者において、改善に向けて鋭意検討を進めているところでございます。  続きまして、認可見直し案、東案その2の旅客利便性についてでございます。  別紙5、札幌駅ホーム位置に関する旅客利便性についてをごらんください。  こちらは、認可見直し案と東案その2につきまして、旅客利便性の観点から整理した表となっております。  なお、2枚目と3枚目には、それぞれの案の図面も添付しておりますので、あわせてごらんいただきたいと思います。  まず、表の一番上の基本構造ですが、認可見直し案は、1面2線の島式ホームとなり、ホームの幅員は中央部で約10メートルとなっております。また、西1丁目の再開発エリア新幹線改札口を新設いたします。一方、東案その2は、2面2線の相対式ホームとなり、ホームの幅員は、下りホームでは中央部で約14メートル、上りホームでは約10メートルとなっております。また、西1丁目の再開発エリア新幹線改札口のほかに在来線改札口も新設するほか、乗りかえ跨線橋についても新たに設けることとなります。  次に、主なメリットについてですが、認可見直し案につきましては、新幹線と在来線の乗りかえ距離が近い、現駅併設で地下歩行空間への距離が近い、西1丁目の再開発エリアからの直接アクセスも可能という点が挙げられます。また、東案その2におきましては、乗りかえ跨線橋を設置することにより、既存コンコースを経由せずに新幹線と在来線の乗りかえが可能となる、相対式ホームにより到着ホーム発車ホームが異なるため、乗車、降車の動線を分離できる、西1丁目の再開発エリア新幹線改札口のほかに在来線改札口を新設し、利便性が向上するという点が挙げられます。  また、表の下段では、構造面や動線、移動距離、地下鉄との接続などについての比較を改めて整理しておりますが、このうち、表の二つ目の新幹線と在来線との移動距離につきましては、認可見直し案では5、6番線まで約80メートル、東案その2では同様に約210メートルとなっております。  別紙5の資料の4枚目をごらんください。  認可見直し案と東案その2のホーム位置と東案その2の乗りかえ跨線橋、連絡通路を札幌駅周辺の航空写真に重ね合わせたものとなっております。  5枚目は、改札内の面積につきまして、これまでご説明した認可見直し案と東案その2、既に開業している主な新幹線駅を比較したものとなっております。  次に、資料本文にお戻りいただきまして、今後の進め方についてご説明いたします。  3月2日の5者協議におきましては、3月中旬までに東案その2に関する技術的検討を終え、工事費を確定した上で5者協議を開催すること、最終的に3月末までに5者で結論を得ることについて確認いたしました。また、本日お配りした2月9日、3月2日の5者協議の資料は、JR北海道、鉄道・運輸機構のホームページで公開するとともに、札幌市ホームページからも閲覧可能にすることにいたしました。  以上が現時点の検討状況でございます。  続きまして、資料2ページ目の3 札幌市の考え方についてご説明いたします。  先ほどご説明いたしました現時点の検討状況を踏まえまして、札幌市としては、認可見直し案、東案その2のどちらにも、乗りかえ動線やホーム、コンコースの広さなどの点でそれぞれに利点があるものと認識しております。また、今後報告される東案その2の技術的検討の結果を踏まえ、利用者の利便性などの観点からホーム位置について判断し、関係者の合意を図っていきたいと考えております。また、新幹線のホーム位置は、北5西1、西2街区等の駅周辺の再開発を検討する上でも重要な要素であることから、現在策定作業を進めているまちづくり計画につきましては、ホーム位置の決定を受けてからできるだけ速やかに策定する予定でございます。  以上が、現在の札幌市の考え方でございます。 ○福田浩太郎 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆村山拓司 委員  先ほどご報告があったとおり、札幌市としては、現認可案を前提として、在来線、地下鉄、バスなどとの乗り継ぎ利便性の向上を念頭に札幌駅周辺のまちづくりの検討を進めてきましたが、平成27年7月、JR北海道から、認可案のほかに地下案、そして東側案、西側案の検討を進めたいとの説明がありました。新幹線ホーム位置の変更は新幹線と各交通機関との乗り継ぎなど駅周辺のまちづくりの検討に対して大きな影響を与えるため、札幌市議会として、平成27年12月10日、JR北海道に対し、利用者の利便性を損なうことなく、北海道新幹線札幌駅のホームを現認可案のとおり現駅に併設するよう求めるものであるとの内容の決議文を提出しております。その後、ホーム位置については、4者協議の場で継続的な検討が重ねられてきたところでありますが、先月、2月9日の5者協議において、JR北海道が提示した大東案の検討が了承されました。  そこで、質問ですが、決議の趣旨に照らし、札幌市として大東案をどのように認識しているのか、伺います。 ◎田中 新幹線推進室長  大東案に対する市の認識についてお答えいたします。  平成27年当時、JR北海道から札幌市に対しまして詳細な図面や資料の提示があったわけではありませんが、現駅から離れている地下案、東側案、西側案につきましては利用者の利便性を損なうと想定されたため、決議に至ったものと認識しております。その後、各案についてさまざまな検討が重ねられて、平成30年2月9日に東案の検討を解決する案としてJR北海道から提示されたのが東案その2でございます。この案は、決議内容の現認可案ではございませんが、認可計画と比較して、在来線乗りかえ距離が長くなるものの、新幹線ホームを上り下りの2面で整備することで乗降客を分離できること、乗りかえ跨線橋によって、一度、改札内の通路を経ずに、新幹線ホームから在来線各ホームへ直接移動できることなど、決議の趣旨である利用者の利便性について一定の利点があると見込まれているため、検討の対象に加えることを5者協議の場で合意したところでございます。 ◆村山拓司 委員  ただいまの答弁にもありましたように、平成27年の決議当時には大東案の具体的な図面や資料は示されていない状況でありました。一方で、今回、初めて大東案の具体的な図面や資料が示されたところでありますが、決議の趣旨である利用者の利便性を損なわないという点においては、大東案は一定程度の利点を持っているものと認識しました。  さて、さきの第1回定例会における当会派の中川議員の代表質問では、ホーム位置の決定に当たり、重視すべき観点の質問に対し、札幌市としては、利用者の利便性の観点を重視して判断していきたいとの答弁がありました。近年、札幌駅の利用者が増加傾向にあり、市民の皆様ばかりではなく、大きなスーツケースを持った観光客、海外からのお客様も多く見受けられます。利用者の利便性と一言で言っても、このように札幌駅はさまざまな方が利用されている状況であり、札幌市としてはどのような観点で利便性を確認していくのか、伺います。 ◎田中 新幹線推進室長  どのような観点で利便性を確認するかにお答えいたします。  委員のご指摘のとおり、近年、札幌駅の乗降客数は増加を続けており、新幹線の札幌開業によりさらなる利用者の増加が見込まれているところでございます。札幌駅は、市民の皆様はもとより、道内外の観光客、ビジネス客、インバウンドのお客様など、さまざまな方が利用しております。札幌市としては、ホーム、コンコースのゆとりやバリアフリーといった移動のしやすさ、動線のわかりやすさなど、各利用者の利便性を確認した上でホーム位置について判断してまいりたいと考えております。 ◆村山拓司 委員  利用者の視点はさまざまでありますが、特に高齢者や身体の不自由な方々に対してもその意見をしっかり受けとめつつ、利便性向上に努めていただきたいと考えます。  また、先ほどの大東案の件ですが、今回、具体的に図面や資料で示され、利用者の利便性を損なわない趣旨に反していないことにより、今後、議会で議論を重ねる必要がありますけれども、札幌市としても認可計画と大東案を比較した上でしっかりと判断しなければならないことを指摘し、質問を終わります。 ◆ふじわら広昭 委員  私からも、北海道新幹線JR札幌駅のホーム位置の問題について質問いたします。  室長から北海道新幹線札幌ホーム位置に係る経緯について説明、報告を受けたところでありますが、まず最初の質問は、北海道新幹線の札幌駅については、平成9年に札幌駅に併設の合意がされ、また、平成24年に工事実施計画認可が出たときに、札幌停車場の位置は、資料にも書かれておりますように、中央区北6条西3丁目、札幌駅併設と記載されて今日に至ったわけであります。札幌市として、この間、平成9年や平成24年のこうした経緯の中で、国や鉄道・運輸機構に対して、現JR札幌駅と併設としたことに対する理由というか、根拠について確認しているのか、この点についてまずお伺いしたいと思います。 ◎田中 新幹線推進室長  現駅併設を決定した根拠に係る認識についてでございます。  北海道新幹線札幌駅につきましては、平成9年8月に、当時の日本鉄道建設公団、JR北海道、北海道、札幌市の4者で現札幌駅に併設することを合意しております。これに先立ちまして、札幌市では、平成8年に駅のあり方について検討する有識者による懇談会を設置いたしまして、候補地として比較評価した札幌駅、都市周辺、西部、北部の4カ所の中から現札幌駅に併設することが望ましいとの提言を受けております。このとき、現駅併設につきましては、道内各地や新千歳空港への鉄道によるアクセス性、都市機能の集積状況、他の交通機関への乗り継ぎ利便性等に加えて、駅周辺地域への波及効果や相乗効果なども総合的に判断されたものと認識しております。 ◆ふじわら広昭 委員  ホーム位置にかかわる経緯の中で、特に後段ですが、平成30年、ことしに入って2月9日及び3月2日に5者協議が開かれておりますけれども、特にこの2回の会議の中で、札幌市は、鉄道・運輸機構やJR北海道、あるいは国土交通省に対してどのような意見を出し、また、どのような資料提出を求めてきたのか、伺いたいと思います。 ◎田中 新幹線推進室長  平成30年2月9日、3月2日の会議のときには、資料を求めていたのは3案で、そもそもの認可見直し案、東案、そして大東案の検討結果についてまず確認させていただいたところでございます。そして、先ほど説明させていただいたものの提示がございました。そのときにも、札幌市といたしましては、経費の面、利便性の面から早くその結論をということでお話を差し上げたところでございます。3月の会議のときには、先ほどご説明いたしましたさまざまな技術的な課題について検討を行っているという話がございましたので、その中で、札幌市としても、利便性等を含めて速やかに協議を終わらせ、早く報告してほしいという話をさせていただいたところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  3月2日の会議で、大東案に関する技術的な検討事項として鉄道・運輸機構から4項目を指摘されております。  この四つの項目についてどのような確認をしてきたのか、その点を伺います。 ◎田中 新幹線推進室長  3月2日の会議においては、技術的な内容の両者の確認、今の検討状況について確認したところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  例えば、ここに書いてあります(2)の線路に付随する保守用通路及び退避用通路幅の検討ということですが、こうしたことに対して、例えば鉄道・運輸機構はどのような主張をしていたのか、あるいは、JR北海道はどうであったのか、その辺については私どももわからないので、わかる範囲で説明をお願いしたいと思います。 ◎田中 新幹線推進室長  3月2日の技術的な検討事項に関する鉄道・運輸機構の説明とJRの対応でございます。  まず、2点目の線路に付随する保守用通路及び退避用通路幅の検討についてでございますが、ここの図に示しております(2)の点線の部分で、300メートルほど細長く示しておりますけれども、作業員の保守用の通路が十分とれていないのではないかという鉄道・運輸機構の指摘がございました。JRからは、その部分については、今、対策も含めて安全等について検討しているというような話がございました。 ◆ふじわら広昭 委員  この4項目については、難しい要素と考えられるのかもしれませんが、私が調べた限りでは、保守用通路とか退避用通路の幅の確保というのは、他の新幹線駅でも、ないところがあるのですね。これは、特例としてそういう扱いが認められておりまして、ないよりはあったほうがいいですが、絶対にないとだめかというと、そうではない新幹線の駅も幾つかございます。今後の会議の中で、この四つのことについてさまざまなやりとりがされると思いますが、ぜひ、札幌市としてもそうした認識を持っていただきたいと思います。  次の3番目の質問ですが、北海道新幹線の札幌延伸は、これまでの計画を前倒して2030年度末の完成、開業の予定でありまして、あと12年しかありません。今後、実施計画等に要する期間と開業1年前からの試運転が必要となることから、新幹線ホーム関連の工事は約7〜8年程度しかないのではないかと推測いたします。  そこで、質問であります。  工事期間中における在来線利用者に対する影響について、先ほどの室長の説明でも資料を用いて少し報告がありましたが、最低でも5年以上の工事期間が必要となりますので、その際には、例えば、利用者の動線や列車運行ダイヤ等は利用者にとって現駅案と大東案のどちらの案が一番影響が少ないと認識しているのか、あるいは分析しているのか、伺いたいと思います。 ◎田中 新幹線推進室長  工事期間中のダイヤや利用者の動線への影響についてお答えいたします。  新幹線札幌駅の工事に当たりましては、認可見直し案、東案その2のいずれにおきましても、線路やホームの切りかえであるとか信号システムの改修などのさまざまな工事が必要と聞いておりまして、列車のダイヤや利用者の動線に少なからず影響があるものと想定されます。これに加えまして、認可見直し案におきましては1、2番線の下に新幹線のコンコースと乗りかえ改札を設置することから、この工事に伴う利用者動線への影響が生じることをJR北海道から聞いているところでございます。  札幌市といたしましては、JR北海道、鉄道・運輸機構に対しまして、工事期間中も含め、利用者の安全を確保するともに、市民生活への影響を最小限にするように求めてまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  今の数字だけでは、どちらがどうという判断はなかなかできないということなのかもしれません。  そこで、改めて、ここ数年のJR札幌駅の年間及び1日平均の乗降人員の推移を把握しているのであれば伺いたいと思います。  あわせて、現JR札幌駅は昭和63年11月3日に新たに開業しております。設計等はその10年前にされていると思いますが、昭和63年当時、現在のJR札幌駅の1日の乗降客を約何万人と想定して建設したのか、この辺について確認しているのか、伺いたいと思います。 ◎田中 新幹線推進室長  まず、1日の乗降人員といたしましては、平成28年度は17万1,000人程度でございます。また、設計当時は、昭和40年代中ごろに計画されたと聞いておりますが、その当時における乗降客数の想定は把握しておりませんけれども、昭和63年度の開業のときの乗降者人員については約12万人ということでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  現在の札幌駅は、当時、乗降人員約16万人でさまざまな設定をされております。今、室長からも答弁がありましたように、1日の乗降人員は、平成28年度で平均17万1,000人程度ということでした。1万人を超えたからすぐにどうなるという問題ではありませんが、札幌市は、部署は違いますけれども、2月20日に札幌市観光まちづくりプランの改定案を公表しております。この中では、外国人観光客の2022年度目標を既に達成して157万人を350万人に、そして、札幌を訪れる国内外の観光客全体を1,500万人から1,800万人と上方修正しております。そういうことからも、今後、新幹線の札幌延伸に伴って、新幹線を利用して訪れる国内外の人は非常に多いと思うわけであります。  そういう状況の中で、現在の駅の機能は約16万人と設定されておりますが、いろいろ調べてみますと、最近では雪まつりのときの1日の乗降客が約23万人を超える状況、そして、20万人以上の乗降客がある月は年間12か月のうち9カ月にもなっています。  私もたまにJRを利用しますが、最近行ってちょっとびっくりしたことがありました。というのは、ホームに、警備会社の帽子とジャンパーを着たJRの職員ではない人が多数いました。なぜですかとJRの職員に聞いたら、乗降客がふえて、ホームの安全性なども含めて職員だけでは対応できないので、数年前から警備会社の人にも来ていただいて安全を確認しているというお話を伺いました。また、駅で働いている方にお聞きしますと、札幌駅では車椅子の方の利用が1日に5〜6件はあるそうです。それから、救急車の出動要請は4〜5日に1回はあるということでした。そういう意味では、市としても、認可案と大東案に対して、こういう細かな点を含めて利用者に対するさまざまな安全性を考えていかなければならないのではないかと申し上げておきたいと思います。  また、札幌駅では、時間帯別の乗降人員を見ますと、朝は午前7時ぐらいから8時半ぐらいまでで1万2,000人ぐらい、帰りは分散していきますから、夕方は1万1,000人ぐらい、閑散な日中の時間帯でも平均すると約5,000人が常に駅の構内で移動しております。さらに、駅前通地下歩行空間を見ると、北4条から大通ですが、直線にして520メートル、面積で1万平米、利用可能時間が19時間、朝の5時45分から午前0時30分まで、通行量は1日約8万人、1時間当たりの通行量は約4,000人から4,500人であります。  先ほど室長からお示しいただいた認可案あるいは大東案では、それぞれのホーム、面積、あるいは、東西には北から南に突き抜ける自由通路がありますが、これらの面積を足すとどちらもほぼ1万平米を超えるぐらいで、自由通路を除くと約5,000平米前後の面積になります。そこは、今でも、日中の閑散としているときでも5,000人ぐらいの人が行き来していますが、さらに、34往復の新幹線が到着することになれば、新幹線は10両編成で720名定員ですから、1時間当たりで少なくとも2,000人ぐらいは人がふえる可能性があります。こうしたことからすると、私は、しっかり安全対策をとっていかなければいけないと強く申し上げたいと思うわけであります。  改めて、3月末までに札幌市としてどちらかを判断するわけですが、その際にはどんなことを最重視していくのか、伺いたいと思います。 ◎田中 新幹線推進室長  ホーム位置の判断に当たりまして、札幌市が最も重視している視点についてでございます。  札幌市といたしましては、駅を利用する方の利便性を確保することが第一であると考えております。東案その2につきましては、認可計画と比較して、乗りかえ距離は長くなるものの、新幹線ホーム上り下りの2面を整備することで乗降客を分離できること、乗りかえ跨線橋により在来線各ホームへ直接移動できること等の利点があるものとしてJR北海道が提案したものでございます。現在、鉄道・運輸機構が東案その2について技術的な検討を行っているところであり、札幌市としましては、この検討結果を踏まえまして利用者の利便性の観点を重視して判断してまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  今申し上げたこと以外にも、そちらではさまざまな調査をされていると思いますが、さまざまな角度から総合的に判断して、どちらの案がよりいいのか、今後、最終局面を迎える中で札幌市としての考えをしっかり表明していただきたいと思います。  次の質問は、高森室長にお伺いいたします。  今まで、北5西1、西2について、今までも議会の中でいろいろやりとりされていたので、きょうは改めてお伺いしませんが、東1に新幹線のホームがかかるという状況の中で、今後、必要になった場合に、向こうのまちづくり計画、再開発はどういう手順で進めていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  ただいま、大東案になった場合、東側の再開発に対する影響や課題について、どのような手順で検討を進めるのかというご質問だったかと思います。  現在、JR北海道から示されている大東案によりますと、新幹線ホーム及び駅舎が北5西1の札幌市の所有地や市道区域を活用するという内容になってございまして、その結果、再開発事業の敷地面積が減少することになります。そこで、仮に大東案に決定した場合は、速やかに検討を進めまして、北5西1、西2の事業効果が最大限発揮されるように検討を進めてまいりたいと考えてございます。  また、北5東1のほうでございますが、こちらは、札幌駅交流拠点におきまして創成川を挟んだ東西の市街地を結ぶということについて非常に重要な街区だと考えておりまして、仮に、大東案に決定した場合は、まちづくりの観点から実際にどのような可能性があるのか、速やかに検討を行ってまいりたいと考えてございます。 ◆ふじわら広昭 委員  わかりました。そうなった場合には、速やかな取り組みをしていかなければいけないと思います。  最後の質問に入る前に、車椅子の利用者について、私は先ほど1日5〜6人ぐらいと申し上げたかもしれません。これは間違いで、車椅子の利用者は1日約40件と聞いておりますので、訂正をお願い申し上げたいと思います。  それから、今後、保守点検をする引き込み線は、今つくっている中央体育館付近まで延ばしていく予定になっております。引き込み線の長さは詳しくわかりませんが、大東案はかなり東側に寄ったので、大東案になった場合、10両編成ですから、こうした影響があるのか、ないのか、3月2日の会議での関係者のやりとりではこの辺について出ているのか、出ているのであれば伺いたいと思います。  二つ目には、在来線でなく、新幹線の部分で増額になった部分はJRが負担すると言っておりまして、今の案では55億円ですが、これらは膨らむ可能性も多少あるかと思います。2日の会議では、この辺について、多少膨らんだときも含めて、関係者の中でそうしたやりとりがあったのか、ないのか、あったのであれば、どういうやりとりがあって、JRはどういうふうに答えたのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎田中 新幹線推進室長  まず、1点目の引き込み線の関係でございます。  引き込み線の関係につきましては、最初、そのような懸念材料があるというお話でしたが、JR北海道と機構とで調整した結果では、車両基地というか、留置線は問題なくできるという話を聞いております。負担については、明確なお話はありませんでしたが、ある程度の部分であれば負担することも可能だというような話がございました。 ◆ふじわら広昭 委員  要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。
     私どもの会派も、代表質問で新幹線のホーム位置、それにかかわるまちづくりなどについて取り上げてまいりました。いずれになっても、室長も答弁されておりますように、多くの利用者が利用しやすい安全な動線、そして、わかりやすい施設となることが第一かなと思います。ぜひ、そうした視点をさらにしっかり持っていただいて、札幌市の最終的な判断をしていただきたいと思います。  それから、委員長に要望です。  先ほど村山委員からもお話がありましたが、平成27年に、議会として、この委員会の議論を踏まえた総意で、JRに対して現駅だという決議を上げていると思います。決議案に法的拘束力はありませんので、それを修正するとか取り下げる必要はありませんが、もし議会の総意として全体あるいは大多数の人が現駅案と違う方向で判断する場合には、決議案というものがまだ生きているわけでありますから、新たな決議案を出していくのか、そういうことも含めて、各会派の理事の皆さんともご相談してこの取り扱いをお願いしたいということを委員長に申し上げて、私の質問を終わります。 ◆わたなべ泰行 委員  私からは、北海道新幹線札幌駅のホーム位置に伴う札幌駅を拠点としたまちづくりの計画について質問いたします。  札幌駅交流拠点のまちづくりは、2030年度の北海道新幹線札幌開業を見据え、道都札幌市にふさわしい玄関口を形成していく上で、重点的かつ緊急に取り組んでいかなければならない重要施策であり、現在、札幌市では、札幌駅交流拠点まちづくり計画の策定を目指しております。計画と検討におきましては、地権者等から成る札幌駅交流拠点まちづくり協議会を設置し、土地の利用や広域交通の結節点としての基盤整備の基本方針等について議論を行っていると聞いております。  一方で、新幹線のホームの位置を、最近、新たにJR北海道からいわゆる大東案が提案され、一部の新聞報道によりますと、一躍有力な案となっております。ホームの位置を決定する条件は、先ほど来お話がありました鉄道利用者の利便性が第一に優先されるべきでありますが、駅はまちの顔でもありますので、ホーム位置はまちづくりに大きな影響を与えます。特に、本市は、観光産業に力を入れており、札幌市の玄関口となる札幌駅にはこだわりを持っていきたいと考えております。仮に大東案になった場合、現在検討中のまちづくり計画にも少なからず影響が及び、結果として策定がおくれていくのではないかと懸念しております。  そこで、質問ですが、札幌駅交流拠点まちづくり計画の現在の検討状況及び大東案がまちづくり計画に及ぼす影響について伺います。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  札幌駅交流拠点まちづくり計画につきまして、大東案により計画に及ぼす影響と現在の検討状況というご質問にお答えします。  札幌駅交流拠点まちづくり計画の検討状況でございますが、昨年2月に地権者や関係事業者等から成る検討部会を設置いたしまして、これまで空間形成、都市機能集積、交通機能強化、持続的なまちづくりなどの検討を進めてきたところでございます。まちづくりの基本方針や地区整備方針につきましては、協議会や各部会の検討を踏まえ、今年度、平成29年度中に取りまとめる予定で作業を進めてまいりましたが、新幹線ホーム位置など検討に当たっての前提条件が整わなかったことから、来年度に予算を繰り越すことで、本日、本会議で繰り越しについて議決をいただいたところでございます。  大東案がまちづくり計画に与える影響でございますが、創成東地区の土地利用や新幹線駅舎とつながる歩行者動線、その周辺の自動車交通などが考えられます。これらについては、新たに検討が必要であると認識しているところでございます。仮に新幹線ホーム位置が大東案になった場合、先ほども答弁させていただきましたが、速やかに必要な検討を行いまして、できるだけ早期にまちづくり計画を策定してまいりたいと考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  現在までもさまざまな検討をされてきて、また、新たに出てきた大東案によって早急な対応が必要になってくるという答弁だったと思います。  鉄道利用者の観点では、大東案は、認可計画と比較して、在来線と新幹線のホームが離れているから、高齢者や障がいのある方、また小さなお子様にとっては乗りかえに多くの時間がかかって、負担も大きくなっていくのではないかということを懸念しております。一方で、先ほどの説明では、新幹線のホーム幅が広くなるほか、高架橋の上の乗りかえ通路により、混雑している既存コンコースを経由せずに乗りかえができるなどの優位性もあると伺いました。  まちづくりの面では、新幹線のホームが創成川をまたいでいることから、我が会派が以前より関心を持っている創成東地区のまちづくりの促進につながっていくのではないかと考えておりますが、現大東案では、創成東地区から新幹線のホームに直接アクセスできないことや、高架南側の市道上にホームがかかるなど、さまざまな問題もあると認識しております。  そこで、先ほどもお話ししていましたが、改めて質問させていただきます。  新幹線のホーム位置が仮に大東案になった場合、札幌市として今後のまちづくりをどのように進めていくのか、お伺いいたします。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  仮に大東案になった場合、今後のまちづくりをどのように進めていくのかというご質問でございます。  今後のまちづくりにつきましては、先ほどもお答えさせていただきましたが、札幌駅交流拠点まちづくり計画に基づきまして進めていくこととなると考えてございます。  大東案は、この2月にJR北海道から提案されたばかりでございまして、今後、詳細な検討が必要であると認識してございます。まちづくり上の検討課題といたしましては、これまでの東案その1でも考えられてございました北5西1、西2の再開発との連携や、駅舎及びホームが北5西1の私ども札幌市の市有地や市道に直接影響することが想定されます。これに加え、大東案では、北5東1の道路への影響、また、創成東地区のまちづくりへの波及などが想定されております。仮に大東案となった場合には、これら具体の検討を進めながら、周辺地区の開発の促進や交通基盤の強化などを図りまして、新たな札幌の顔づくりを進めてまいりたいと考えてございます。 ◆わたなべ泰行 委員  最後に、要望をお話しさせていただいて、私の質問を終わります。  札幌駅交流拠点のまちづくりは、50年、100年先を見据えたまちづくりの理念のもと、札幌市民のみならず、道民の誇りになるようなものにならなければならないと思います。ホームの位置がどこになろうとも、広域交通結節点としての利便性をしっかりと確保しながら、駅周辺のにぎわいを札幌全体に波及していくことが大変重要だと思います。  また、国内外からの観光客は今後も増加することが予想されておりますが、観光客へのおもてなしという観点も重要です。もし、乗りかえ距離の移動が遠くなっても、来札される方の旅への期待に膨らむ心は決してさめさせてはならないと思います。道都札幌の玄関口であり、顔であるこの新幹線駅舎が国内外から評価されるとともに、市民の貴重な財産として次世代に引き継がれるものとなるよう、まちづくりをしっかりと進めていくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆堀川素人 委員  今回、大東案が突然出てきまして、今年度いっぱいでおおよその方向性が出てくるか、こう思っています。今の大東案、現駅の認可案も含めて3月いっぱいということですけれども、今まで時間をかけた経緯を考えるならば、大東案をもう少し時間をかけて検討しなければならないのではないか、こう考えるのです。  今まで、この議会からも、現駅案というか、認可案が望ましいというふうにして話をしていました。およそ、それでもって決まるのかなと思ったら、今度は大東案が出てくる。JRのほうでは、何でこのように現駅案と違う案が出てくるのか。現駅案が彼らにとっては好ましくない、こう考えているから大東案が出てきたのだと思うのですけれども、その理由はどの辺にあると思っておりますか。 ◎田中 新幹線推進室長  今回、JR北海道から東案の修正として東案その2が提案されたところでございます。  その理由といたしましては、今までのJRタワーの既存不適格の部分を改善した結果という報告がございました。また、認可案と比較いたしますと、ホームの面数、幅であるとか、上り下りのホーム、在来線の混んでいるコンコースを使わないで乗りかえできるとか、運行主体として駅を管理している立場から、いわゆる認可案よりも東案その2のほうが非常に利便性が高いということで提案があったものというふうに考えております。 ◆堀川素人 委員  要するに、これが東のほうに大きくずれますと、多少の混乱があるかもわかりません。やはり、札幌市とすれば、まちづくりの観点からいっても、今のにぎわいの中でまちづくりを進めるべきだし、多少の混乱があるならば、乗客に危険がない範囲で、僕はやっぱり認可案でもってやるべきだと。認可案は、できないわけではないわけですね、幅を一つ広げればいいわけですから。その辺について、JRのほうではどの辺に問題があると考えているのか。  それから、札幌市が検討した結果はどうなのか。そもそも、新幹線がどこに入ったら一番望ましいか、こういう知識を持った集団が札幌市にいたのか。札幌市から見たら、やはりJRのほうは専門家が多いと思うのです。ですから、足りなければ札幌市はどこかから力をかりてでも、札幌市を代表するような集団をつくって、きちっと根拠を持って札幌市としての考えを相手に示していかなければならぬ。そういうようなやり方をしてきたのか、それとも、札幌市の今の職員の中でこの検討をずっと進めてきたのか、これはどっちなのですか。 ◎田中 新幹線推進室長  札幌市の検討の関係かと思います。  札幌市といたしましては、平成28年10月に、いわゆる認可計画と東案の二つの範囲という話の中で、あとは運行主体であるJR北海道と、いわゆる建設主体である鉄道・運輸機構の両者の方々が技術的な検討をして駅を決定してくれというような話でございました。その後、若干時間がかかった中で、札幌駅を管理する運行主体のJR北海道から、認可案よりも利便性が高いということで提案されたというふうに考えております。 ◆堀川素人 委員  僕は、認可案から見たら、長い目で見たら、やっぱりどう考えても利便性は低いと思うのですね。在来の駅から行くならば、向こうに200メートル以上も移動しなければならぬ。特に北海道の場合は寒い冬場を抱えている中で、本当に向こうに持っていっていいのか。これは、札幌市が受け入れたということではなくて、マスコミの報道がそうなされているのか。いかにも大東案が極めて有力であるようなことで、また、余計にかかる費用についてはJRが持ちますよ、五十数億円の負担がふえるのはJRで持ちますよという中で、安易に大東案に流れてしまうことは避けなければならぬ。これは、本当に50年、100年の計ですから。こう考えたらば、最低でも200メートルか300メートル東に寄るということが、札幌市民や道民、それから観光客にとって本当に利便性の高い場所なのかどうかということはしっかりと検討してもらわなければならぬ。  ただ、しっかり検討すると言っても、素人が検討しても本当に検討に値した結論が出せるかどうかはわからない。僕は、札幌市自身がそういうノウハウを持った人方をきちっと集めて、JRなり鉄道・運輸機構といいますか、プロだと言われている人方に対峙して意見を言うことを考えれば、やっぱりそれだけのノウハウを持って対抗しなければ相手の言うとおりになってしまう。何の話し合い、何の交渉でもそうですけれども、そういうふうになってしまうわけですよ。それは、ぜひとも避けなければならぬのではないかと思います。その割には、札幌市の準備というか、心構えが少し足りないのではないか。もう相手に任せたままで、札幌市はただまちづくりと言いますが、このまちづくりにも極めて大きな影響が出るようになる。こう考えた場合に、もう遅きに失したのかもしれませんけれども、もう少し専門的なノウハウを集めなければだめではないか、こう思うのです。  その辺で、市長、どうでしょうか。今、大東案が急に出てきて、市長は、これをどういうふうにお考えになっているのか。案が出てくることは必ずしも悪いとは思いませんけれども、今この時期に出てくることについて、どう思われているのか。  それから、札幌市として、少し急いででも、専門家集団というか、そういう中で検討してから答えを出すようにしたらいかがかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。 ◎秋元 市長  これまでの段々の質疑の中でお話しさせていただいていることとちょっと重なる部分が出てくるかもしれませんけれども、一昨年の段階では、認可案と、いわゆる小東案ということで、現駅からある程度一定の範囲の中でホームを検討しようという2案でした。あとは、在来線への影響とか、駅のつくりといいますか、私どもは鉄道の運行に関してのノウハウはもちろんありませんから、鉄道を運行する専門家であるJR北海道と鉄道・運輸機構によって技術的なところを検討してくださいということでずっとやってきたわけですね。  そこで、在来線への影響もほぼ解決できるような状況となった一方で、小東案と言われる部分については、やはり、JRタワーという既存の建物への影響が大きいので、これは経費がかかり過ぎるという中で大東案が出てきました。大東案が出てきたという考え方は、私もJR北海道の島田社長から直接説明をいただきましたが、その一つは、在来線とのふくそうによって、今はただでさえ混雑している在来線ホームといいますか、乗りかえのエリアがあって、今後の観光客の増というようなことを考えると、新幹線の乗降客と在来線の乗降客の動線を分離したほうがよりスムーズなのではないかということがございました。認可案では島式のホームですから、おりる人と乗る人が同じホームにいます。大体、乗る方は何分か前からずっと並んでいますから、そういった状況の中でおりる客が出てくるということになると、海外からのお客さんも非常にふえてきたときに大きな荷物がぶつかり合ったりしますから、そこで、ホームを別にすることでこういったことも避けられるのではないかと。  もう1点、私がJR北海道の社長から説明をいただいた中で、在来線の本数を今とほぼ一致させるためには、発寒中央駅のところに、待機場所といいますか、引き込み線をつくり、あとは信号との関係で行くのだと。ただ、発寒中央駅の近くにそれをつくることによって、発寒中央駅付近の踏切の遮断時間がかなり長くなってくる、そうすると、そちらのほうの交通に影響してくるので、在来線に影響を与えないためにはそういった問題もあるのですというお話はいただきました。  そういった中で、大東案というのは、今までの合意とは少し違って、さらに東にホームが行くということになります。ただ、私が従前からお願いしていたのは、ホームの位置もそうですが、改札口をどこにつくろうと考えているのかということも含めて、ホームからの人の流れがどうなるのか、お示しくださいということでした。そして、今回、乗りかえの連絡橋の話とか、西1丁目に新幹線専用の駅をつくるということで、人の動線のようなことが示されてきたわけです。そこで、今、連絡橋なるものが技術的に可能なのかどうか、問題がないのかどうかということと、JR北海道が積算した費用が今後増嵩していかないのかどうかと。我々は鉄道の運行に関しては素人ですから、これは鉄道・運輸機構の皆さんにチェックしてくださいということをお願いして、今はその結果を待っているということです。  先ほど来、堀川委員のご質問の中に専門家というお話がありました。ただ、専門家には、鉄道の運行あるいは施設に関する専門家という考え方と、もう一つは、まちづくりに関する土木、建築という世界の中で人の流れをどうするか、あるいは、交通計画的に車の流れをどうするという専門家があると思っておりまして、後者の部分は、当然、市役所の中にいろいろな専門家集団がおります。ですから、私どもとしては、札幌駅の広場も含めて、土木、建築という面でのまちづくり、あるいは、人の流れをどういうふうにするかということですので、改めて外から専門家集団を集めて判断する必要はないというふうに考えています。  したがって、今回、一つは、技術的に連絡橋などをどうするかという鉄道施設の問題は鉄道・運輸機構が考えていかなければいけません。我々が考えていかなければいけないのは、人の流れを受けとめたときに、一般のお客さんが地下鉄なり在来線にどのぐらいの距離をどう動くのか、あるいは、出口はどこにあるのがまちづくりとしていいのか、周辺の道路への影響はどうなのか、こういったことであって、これは札幌市としてしっかり考えていかなければいけないだろうというふうに考えております。 ◆堀川素人 委員  まず、一つは、どこに駅をつくるか、これはまちづくりに影響します。そのどこにつくるかという部分について、JR、鉄道・運輸機構、それから国も入ってということになれば、札幌市は、専らまちづくりという観点で、駅がどこに決まるかということで、それがまちづくりにどう影響するかということだけでしか加わることができないみたいになります。今、在来の駅を使うというのは、線を北側のほうに1本はわせるかどうかということだと思うのです。それも、初めはJRのほうではできないということでした。しかし、できないことはないだろうということで認可されたわけですよ。そういう中で、今、大東案が出てきた、これを検討するには、今年度いっぱいなどと言ったら、あと二十数日しかないですよ。その中で答えを出すというのは危険ではないだろうか、僕はこう思うのです。  それから、もう一つ、前は、北側のほうに線を1本はわせることはできないと言っていた。でも、それができるというふうになったのに、なぜ大東案が提案されてきたのか。解せないんですよ。しかも、新幹線が乗り入れる駅をつくるのに五十何億円もお金がふえる、それでもなお東案というのはどうしてなのか、ちょっと理解しかねる部分なのですね。  僕は、全く素人の域を出ない素朴な質問しかできません。僕はこういう限界を感じながらこのやりとりを見ているのです。そういう中で、札幌市が混雑のことや安全のことを考えるのに余りにも素人の域であるならば、相手の言うとおりに従わざるを得ない、こういう弱い立場で会議に出席するというのは、僕は望ましくないと思うのです。そういう意味で、今、僕は松浦議員と一緒にやっていますが、松浦議員は長くこの世界にいました。国鉄時代には、特に信号なんかのことについて専門でやられていました。そういうことで、僕の後に松浦議員も質問して発言もあると思いますので、市長も、ぜひそれを聞いて今後の参考にしていただければ、こう思っています。 ◆涌井国夫 委員  段々のお話がありましたが、札幌駅のホーム位置については、平成24年6月の工事計画認可、実施計画認可の中に北6西3と明記されていることもあって、我々も恐らく現駅の中に入るのだろうと思っておりました。しかし、平成27年7月にこの4案が示されたということで、新聞がリークして出てきたものですから、大変唐突な形で、はっきり言って面食らって、どうなっているのかなと、市民の方も新聞を見て恐らくそういうふうに思ったのだろうと思います。その後、翌年の平成28年10月に、最終的には4者協議の中で、認可計画あるいはまた東案のどちらかに決まるのだろうなと。私ども議会の者としては、可能な限り、現駅案がふさわしいのであろうと、そもそも私たちはそうした判断でおりました。  そこで、この間、1年と半年ぐらい過ぎて、迷走と言うのかどうかわかりませんけれども、揺れ動いた経過に対する札幌市の受けとめ方というものについてお伺いしたいと思います。 ◎田中 新幹線推進室長  ホーム位置の検討に当たり、時間を要した件の札幌市の受けとめかと思います。  札幌市といたしましては、JR北海道と鉄道・運輸機構に対しまして、札幌駅のまちづくりのスケジュールに影響が出ないように、できるだけ早い時期にホーム位置を決定するよう要請したところでございますが、これほどまで決定がおくれ、まちづくり計画の策定スケジュールにも影響があったことについては大変残念に思っております。  しかしながら、これまでの検討によりまして、認可案につきましては、在来線ダイヤへの影響が問題のないレベルまで低減できました。東案につきましては、JRタワー改修に伴う既存不適格の影響の課題を解消する案として、東案その2が提案されました。両案のいずれかを採用するまでに至ったことにつきましては、JR北海道と鉄道・運輸機構が、札幌の顔にふさわしい駅とするため、互いに知恵を出し合った結果だというふうに認識しております。 ◆涌井国夫 委員  東案その2とか、あるいはまた、大東案とか小東案とか、余りイメージがよくわからない中で言葉もいろいろ報道されているようであります。確かに、新幹線が札幌に入ってきたときに、一番先頭の車両にはVIPの方たちが乗っているということで、一番奥におろして、ずっと歩くのかというような報道もありました。ただ、歩かないで済むように動く歩道もあるし、別に何も問題はないのではないかと、私は個人的にそう思っております。あるいはまた、JR北海道の今現在の置かれている立場を考えると、先ほどもある委員から札幌市は弱い立場かみたいなことを言われていましたが、私は、弱い立場は恐らくJR北海道ではないかなというふうに思います。というのも、新聞報道では、全道の鉄路の廃止の問題もありますし、あと2年、3年で資金ショートするみたいな話もありまして、大変気の毒だなというのが今のJR北海道の経営状況ではないのかなと思っております。  したがって、公的な企業であるJR北海道としては、企業を運営する上で、今後の財政状況をこれ以上悪化させないためにはどのような善後策が必要なのか、負担回避を考え、最少の投資で最大の効果を上げるように、そして、何とか札幌市民の皆さん、利用客の皆さんに負担をかけないようにどのようなことができるかと、真剣な悩みがあって恐らくこのようになってきたのではないかと思っているところでございます。  そんなこともあって、それをテレビや新聞報道で見ている市民の皆さんの関心が高いわけですから、最終的な札幌駅のホーム位置の決定に当たっては、ホーム位置の検討経緯、決定するまでの過程を市民がわかるようにすべきですし、そういう中で市民理解を得る必要性があると考えますけれども、その点はいかがですか。 ◎田中 新幹線推進室長  ホーム位置の決定に当たる検討状況やその経過など、市民へわかりやすく情報提供をすることについてかと思います。  平成28年10月の4者協議における合意以降は、JR北海道と鉄道・運輸機構の両者による技術的な検討が主体であったため、検討の内容や状況について市民にわかりやすく情報提供できなかったところでございます。  今後は、関係者による協議の都度、協議結果を公表する予定でありまして、先般の5者会議の資料につきましては、先ほどご説明を差し上げましたが、JR北海道や鉄道・運輸機構のホームページに掲載し、札幌市のホームページからも閲覧可能としたところでございます。ホーム位置の検討内容につきましては、引き続き、積極的に情報提供してまいりたいというふうに考えております。 ◆涌井国夫 委員  よくわかりました。  この問題は、大変揺れ動いたわけであります。雨降って地固まるではありませんけれども、やはり、札幌駅は、北海道あるいは札幌の玄関口として、札幌のまちづくりを考える上で大変重要な位置にありますので、ぜひとも、道民、市民の総力を挙げて、本当に札幌にふさわしい駅舎になるように期待して、希望を持って私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。 ○福田浩太郎 委員長  ほかに、委員の皆様で質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○福田浩太郎 委員長  なければ、委員外議員ですので、ほかの委員との重複を避け、簡潔にお願いいたします。 ◆松浦忠 議員  今まで質疑を聞いていて、まず、質問する方も全く肝心なことを質問されていない、答弁をするほうも全く肝心なことがわかっていない、これでは、これから何十年か何百年かわかりませんが、使う新幹線の駅のありようを議論する内容ではないなと私は思っています。  そこでまず、私からお尋ねしたいのは、平成24年に、現駅、今のJR札幌駅案で国土交通省が認可いたしました。国土交通省というのは、その組織の中に鉄道局というのがあって、全ての軌道あるいは索道などを含めたこういう事業の認可、監督をやっている専門部門であります。ここが現駅を認可したということは、十分にそれでやれますよということなのです。  そこで、尋ねたいのは、JR北海道から、その認可案では何の支障があってできないというふうに説明があったのか、具体的に答えてください。 ◎田中 新幹線推進室長  当初は、在来線の影響本数という話がございましたが、今現在は、JR北海道からも認可案ができないというような話は伺っておりません。 ◆松浦忠 議員  認可案が出て在来線に影響があると言われたときに、札幌市として、具体的にどの線区なのかと。札幌駅には、札沼線、函館線の小樽方面、そして、函館線の岩見沢、旭川方面から、そして千歳線、これらが乗り入れて発着しております。この中のどの線区、どの時間帯に、どういう影響があってJRが無理だと言ったのか、札幌市は具体的に問いただしたのか、たださないのか、お尋ねします。 ◎田中 新幹線推進室長  当初のJRの説明といたしましては、93本の在来線が入らないということで、JRと鉄道・運輸機構の間で整理した経緯がございますが、札幌市から特にそのような話を聞いたことはございません。 ◆松浦忠 議員  札幌市は聞いたことがないということではないでしょう。JRの駅というのは、札幌開闢以来ずっと、鉄道が通って以来、札幌市は駅を中心にしてまちづくりがされてきているわけですよ。それは今も変わらぬのですよ。そうしたら、入らぬとなったら、当然、どの線のどの時間帯か、どういうふうな時刻表を設定して入らないということなのか、これは、誰でも、素人でもわかる話です。ましてや、札幌市は地下鉄を持っています。当然、これは列車です。時刻表をつくっております。素人でもこのくらいのことはわかる話なのです。なぜ、そういうことを聞かなかったのか。  浦田局長、私は、あなたに、再三、この問題について部屋に来ていただいて話をしました。以前、私は、あなたに、こうだから現駅でやれるよ、しっかりやりなさいと言って、あなたもそうだねと言っていた。そうしたら、今度、小東案か東その1か知らないけれども、それが出てくる。当然、札幌市は、その案が出てくる前に、だめだと言われたときに、こうだから入るのでしょう、だからこの案で行きましょうよということをJRに求めていかなきゃならぬのですよ。それを何もしていない。どういうことなのかな、これは。  局長、答えて。 ◎浦田 まちづくり政策局長  先ほど来お話をさせていただいておりますように、最初は、平成27年に、JRのほうから、札幌駅の今の西側、琴似寄りのほうに新しい駅をつくりたいというお話がございました。そのときに、私どもは、今、議員からお話がありましたように、そもそも平成24年に、現駅に入ります、現駅案でできるということで事業をスタートしているので、まずは現認可案でできるように検討していただきたいというふうに申し上げました。  ただ、建設主体は鉄道・運輸機構でございますので、技術的な話については機構とJRとの話になります。そういう中で、当然、今お話がありましたように、駅の位置というのは札幌市のまちづくりにも大変影響がありますので、私ども、さらにはもともとの地元ということで北海道との4者協議の中で、なぜ当初の現認可案でできないのかというお話を再三申し上げてまいりました。決して何もしていないわけではなくて、まずは現認可案をできないかどうかをとことん追求していただきたいということでやってまいりました。ただ、最終的には技術的な話になったものですから、機構とJRとの話になったということでございまして、我々としては、議会の議決ももちろん大変重いものでございますので、これを実現すべく努力してきたという経過でございます。 ◆松浦忠 議員  今まで、私があなたを呼んでいろいろと話を聞いていても、努力した跡なんて全くない、はっきり言って。先ほど堀川委員も指摘したように、会議に参加しているいわゆる構成要員にすぎない。そして、あなたも参加しているのだから、応分の負担をしなさいと。  改めて、聞きます。札幌市は、新幹線が入るに当たって幾ら負担するのですか。 ◎浦田 まちづくり政策局長  札幌駅部に関しましては、国のほうで3分の2を負担いたしまして、残りの分について北海道と札幌市が等分に負担をするということで、今現在、札幌市負担分が350億円でございます。 ◆松浦忠 議員  もう一つ、浦田局長は、JRの社長が、大東案でいったら55億円余計にかかるが、札幌市に負担を求めないと言ったと。  これについて、本当に札幌市民は負担がないんですか、改めて聞きます。 ◎浦田 まちづくり政策局長  私はその協議に直接参加していないので、協議の雰囲気がどうなのか、はっきりしたことは言えませんが、JRのほうではこういうことでやりたいと。もともとの現認可案をオーバーしてかかる分については負担したいと、JR北海道が責任を持って言っている言葉にうそはないのではないかと思っております。 ◆松浦忠 議員  これは、担当局長、答えてください。 ◎中田 都市計画担当局長  2月9日の5者協議の中でJR北海道からご提示があったときには、認可見直し案より五十数億円ほど高いということがありましたが、それについてはJRとして負担する、そういう経営判断をしているという発言がございましたので、私どもや国土交通省、北海道を含めまして、それであるならば検討の俎上に上げましょうと判断したところでございます。 ◆松浦忠 議員  JRの株というのは誰が持っているか、あなた方は知っているでしょう。全部、国ですよ。そして、昭和62年、1987年に民営化するときに、北海道と四国、九州は鉄道事業だけでは収支がとれないからと言って、いわゆる赤字を埋めるための基金、北海道で言うと6,300億円余り、その利子をもって埋めるということで、それを持っているわけですよ。いずれにしても、全部、国民の負担になっていくんです。札幌市民も、私も、市民税、道民税、所得税と三つ、国にもみんなそれぞれ納めています。国民負担以外にないのですよ、これは。島田社長が一生懸命働いて、そして、黒字の会社で、税金も納めていて、利益の中から払うと言うなら私もわかりますよ。市民を目くらませるような発言に対して、市長を初め、そこに並んでいる皆さん、幼稚な姿をさらさないでください。みんな、札幌市民の負担にもかかってくるのですよ。まずは、そのことをきちっと学習しておきましょう。  そこで、質問です。  札幌市は、現駅案について、機構にお任せ、JRにお任せ、350億円の金を出す、出していながらお任せ、全く無責任な話だ。たとえ、びた一文出さぬとしても、JRの経営というのは、札幌市というまちがあって、人が住んでいて、駅を設置して成り立っていくわけですよ、その人が乗りおりしたり、そこを訪ねてきたりして。  私が、かつて、1959年に就職し、1982年までいた日本国有鉄道は、そのときは、勢いのいいときは、市町村が何を言おうと我々鉄道がこうやって通すのだ、こういうことでありました。しかし、分割民営化以降はそうはいかなくなりました。  これまで、札幌駅を中心にして、五番舘が撤退した後の空き地もあのまま置いています。ヨドバシカメラが買いました。今、あそこを何とかしましょうということになっています。今の札幌駅に新幹線が入るという想定のもとで、それらの再開発をめぐり、札幌市の職員費、それから、業者に委託しての資料の作成費など、かかった経費は一体幾らぐらいになっていますか。お答えください。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  札幌駅、北5条西1丁目、西2丁目にかかわる検討費の資料は、きょう用意してまいりましたが、周辺の取り組みまでの資料は現在持ち合わせてございません。したがいまして、今この段階ではお答えすることができません。 ◆松浦忠 議員  では、これはまた後日、場を移して質疑をすることにします。  そこで、私は、市民の誰に言ってもどうしても納得しないと思うことは、札幌市は、現駅案で入るものを、なぜそのことをきちっとJRに求めないのか。  私は、実は、かつての日本国有鉄道で、札幌駅のような大きな構内の線路を増設したり、信号機の改良工事といった面倒なことなど、15年間、設計も監督もいろいろなことをやってきました。よくわかりますよ、私は。わかるから、私は浦田さんが担当局長になったときに呼んで言ったのです、できるからやらせなさいと。今だって、できますよ、これは。  私どもの後輩がまだいてやっていますから、私は、先般、聞きました。何と言ったかといったら、島田社長が突然として大東案を出したのでびっくりした、こう言っているのです。JRの社員もですよ、信号関係の社員。実は、案が示されて、これでやれと社長から号令が出れば、私らはいつでもできる体制はありますと言うのですよ。人は大丈夫かと聞いたら、大丈夫ですと。現場の監督関係はと言ったら、大丈夫ですと。施工の業者はと言ったら、それは、全国共通で、東日本を中心にしてありますから人手は十分にありますと言うのです。  そうすると、私にしたら、ある日突然、島田社長が大東案なるものを出してきて、そして、日を置かずして、私は北海道新聞の22日の朝刊を見てびっくりしたんです。1面の真ん中に、知事の顔写真入りで、高橋はるみ知事が、私的には大東案がいいと思うと。私は、9時になって、すぐに道の新幹線対策室に電話しました。室長がいなかったから、主幹が出た。組織としてこれを検討したのかと言ったら、全く検討していないと言うのです。  そして、今の秋元市長の発言です。残ってくれたら私も少し聞こうと思ったのが、いないから、また場を改めて、堀川委員と相談して、予算特別委員会でその質疑ができる日に交代して、市長を呼んでしっかりと質疑したいと思っております。  無責任きわまりない。札幌市民であれ、JRであれ、鉄道・運輸機構であれ、国土交通大臣であれ、総理大臣であれ、何が一番大事かといったら、まず駅の中でどう乗りかえの利便性がいいかということなんですよ。距離が短いか、これが第一なんです。二つ目は、今度は、駅から外に出て、そのまちの必要な場所に行くときに、いかにそこから短い距離で移動できるかということなんです。この二つが駅の要点なんです。大東に行ったら、どれも満たされていない。200メートル以上も歩く。先ほど、混雑する、混雑するとどこかの委員で質問した人もいたようだったけれども、新宿に行ってごらん。渋谷に行ってごらん。東京駅に行ってごらん。こんなものではないでしょう。ちゃんとさばけているでしょう。東京なんかは、いろんな国の人がたくさん来ていますよ。  さっき、こういう話も出ていましたね。車椅子の人がいたり、あるいは、駅のホームに人がたくさんいるからといって警備員が配置されていると。これは、JRの経営上の問題なんです。本来なら、安全対策に必要ならば社員をきちっと配置してやるべきことなんです。金がないとかあるとかの話じゃないんですよ。 ○福田浩太郎 委員長  松浦議員、質疑に入ってください。 ◆松浦忠 議員  (続)したがって、こういうことについて、浦田さん、あなたは総括局長ですし、新幹線の担当局長もやってきた。だから、市長がいないから、私はあなたに言っておくけれども、こんなことで札幌市が大東案がいいだなんて言うとしたら、とんでもない話だ、これは。どうですか。私を加えて、おいでと言われたら私も行きますから、JRと機構のところに。そして、こんなのは、1週間もあったら、今の現駅案でやれると、私がなぜかということを具体的に説明して、社長を含めてきちっと納得させてあげますよ。JRの現職の社員も、現場の監督、施工する人たちも、信号の人たちも、みんな、手ぐすねを引いて待っていた。そして、先輩の仲間が行っている関係の業界に行って話したら、いや、俺らの仕事なくなったなと、これだ。現駅案であれば、何十回と切りかえをやるから、その都度、仕事が出る。仕事がなくなったな、おい、マツ、おまえ、しっかり頼むなと言うから、よし、わかったと、こういう話だ、これは。 ○福田浩太郎 委員長  松浦議員、質問に入ってください。 ◆松浦忠 議員  (続)いいですか、委員長。私は、先ほどあなたに市長を残してくれと言ったら、あなたは拒否した。私は、議会というのは、きちっと問題を把握して質疑をする、特に責任者である市長と質疑をする、これが議会の大事な役割なんですよ。 ○福田浩太郎 委員長  松浦議員、質問に入ってください。 ◆松浦忠 議員  (続)委員長はこれを拒否したから、きょうは、浦田局長、あなたに責任を持ってやっていただきたいのは、これだけは市長に伝えてください。少なくとも、今度、この議会で、あなたの担当局の予算審査がある。私は、堀川委員にお願いして、交代してもらって、そこに市長を呼んで質疑をする。それまでは、国交省や、あるいはJR、機構に札幌市としての回答をしないこと。なぜかといったら、わからぬ者と知らぬ者でやっていて、そして結論を出すなんていったら、これは噴飯物だ。  私は、わからぬ者と知らぬ者に恥をかかさぬように、札幌市民が怒らないようにきちっとやるから、それまで答えを出さぬということを市長にきちっと伝えてください。あなたはこの問題の市長の女房役ですから、市長に待たせるということを明言していただいたら終わりたいと思いますが、いかがか。 ◎浦田 まちづくり政策局長  議員のお言葉は、市長にしっかりと伝えたいと思います。 ◆松浦忠 議員  局長、マスコミの方もいらっしゃいますが、私は、堀川さんに本当に、何百回、頭を下げてもかわってもらいます。札幌駅というのは、私も、青春時代の24年間、ここに全ての情熱を注いで、設備の改良工事の監督に全力を尽くしてきました、国民、道民の、札幌市民の輸送のために。ゆえに、私は、札幌市のこのまちが続く限り、これはもう、乾坤一てき、何としても現行駅案で、札幌市民も、そして、JRの社員も気概を持って仕事ができる、こういう駅をつくり上げるために、新幹線を迎え入れるためにやらなければならぬというふうに私は思っているわけであります。
     そんなことで、ひとつ待っていてください。 ○福田浩太郎 委員長  ほかに、質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○福田浩太郎 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  ここで、およそ15分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時46分       再 開 午後3時59分     ―――――――――――――― ○福田浩太郎 委員長  委員会を再開いたします。  次に、「丘珠空港の利活用に関する検討会議」報告書についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎中田 都市計画担当局長  二つ目の議題といたしまして、丘珠空港の利活用に関する検討会議の報告書についてご説明させていただきます。  この検討会議は、平成28年度から、北海道と我々札幌市がともに検討してきた機関でございまして、2月2日に報告書を公表しております。  具体の説明につきましては、空港担当部長の田中から説明させていただきます。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  私から、丘珠空港の利活用に関する検討会議の報告書についてご説明させていただきます。  それでは、2月20日に公表いたしましたお手元の資料1、丘珠空港の利活用に関する検討会議の報告書につきまして、お配りしたA3判の資料2に沿ってご説明させていただきます。  それでは、資料2をごらんください。  こちらは、A4判の冊子、資料1の報告書の概要となっております。  報告書は、大きく三つの構成となっており、1枚目に1として丘珠空港の利活用に関する検討会議について、2として調査検討項目を、2枚目に3として丘珠空港の利活用策を記載しております。  それでは初めに、1枚目の左上の赤の欄の1.丘珠空港の利活用に関する検討会議についてご説明いたします。  この検討会議は、平成28年度から、北海道と札幌市の空港担当部局の行政機関の会議として開催しております。この会議の目的は、空港の民営委託の動きや航空機の技術革新など航空を取り巻く環境変化を踏まえ、丘珠空港の課題や役割などをさまざまな観点から検討し、利活用の促進策を協議することであり、その検討結果といたしまして、今回、報告書を公表いたしました。  この報告書の目的になりますが、丘珠空港の利活用策について、市民や有識者、空港関係者等が幅広く議論ができるよう、そのベースとなる情報をケーススタディーとして提示し、共有するものであり、丘珠空港に関する今後の方針や計画を策定しているものではございません。  次に、2.調査検討項目についてご説明いたします。  こちらは、(1)から(3)の三つに分かれており、一つ目では、丘珠空港を取り巻く環境の変化について、丘珠空港への影響を調査検討いたしました。道内空港の動き、地上交通機関の動き、その他の動きに分けており、抜粋してご説明いたします。  道内空港の大きな動きとして、2020年度からの道内7空港の運営の民間委託が始まります。この民間委託の条件といたしまして、丘珠空港を含む道内13空港全体のネットワークの充実強化が挙げられておりますが、民間委託の対象とされていないため、丘珠空港の競争力の低下が懸念されるところでございます。  次の欄の地上交通機関の動きでございますが、JR北海道の事業範囲の見直し、北海道新幹線の札幌までの延伸など、競合する航空路線に影響があることを調査しております。  その次の欄のその他の動きによる影響ですが、以前より低騒音で必要滑走路長の短い航空機が出ていること、国の動きとして離島路線などの地方航空路線の維持の動きなどを調査しております。その他の動きで、一番右下の欄になりますが、現在、国の動きといたしまして、滑走路の両端に90メートル四方の安全スペースをとる滑走路端安全区域、いわゆるRESAと呼ばれていますけれども、そのRESAを国際基準に合わせて整備することが決まっております。この整備により、現在、丘珠空港の両端にある空港緑地の一部が工事範囲となります。  以上が、丘珠空港を取り巻く環境の変化の調査結果の概要になります。  次に、調査検討項目の二つ目では、丘珠空港が抱える課題についてご説明いたします。  課題のうち、1点目は、丘珠空港特有の制約要因についてです。ご承知のとおり、丘珠空港は、防衛省が設置、管理する共用空港であり、積雪寒冷地に位置し、都心部から近い都市型空港でもあるため、これらが複合的に関係するさまざまな制約がございます。  まず、滑走路長の制約ですが、現在の丘珠空港の滑走路長は1,500メートルです。この延長では、現在、フジドリームエアラインズ、FDAで運航しているリージョナルジェット機やメディカルウイング、医療ジェットのことになりますが、これらが通年運航できません。今回、DHC8−Q400というプロペラ機、ERJというリージョナルジェット機、ボーイング737−800という小型ジェット機がどの程度の滑走路長で飛べるかということを調査したところ、Q400、ERJで1,800メートル、B737で2,000メートル必要だということがわかりました。  この二つの滑走路長で整備した場合の影響などを左下の表に整理しております。どちらの場合も、北西側に延ばした場合、南東側に延ばした場合、そして、両方向に少しずつ延ばした場合で検討しております。  上の図になりますが、1,800メートルの場合ですと、両方向へ振り分けて延伸する場合のみ大規模な支障物件移転は発生しませんが、片方向への延伸では発生いたします。その補償費用や制限表面と呼ばれる高さ制限に抵触する物件の移転を考慮する場合も含めまして、概算事業費は、最も安価な場合で約100億円、最も高くなる場合で約400億円と試算しました。1,800メートルですと、Q400とERJが通年運航できることになります。  次に、下の2,000メートルの場合ですと、どの方向へ延伸するにしても大規模な支障物件移転が発生してしまいます。よって、概算事業費も高くなり、約250億円から約550億円という試算となりました。小型ジェット機のうち、B737−800は、重量制限を行えば通年運航可能となりますが、多くのLCCが使用しているA320−200は、通年運航することができません。  次に、右のページに行きまして、発着枠の制約ですが、丘珠空港では自衛隊の訓練がありますので調整が必要となり、また、近くに住宅地があるため、騒音への配慮も必要となります。就航する機材によって騒音は大きく違うため、一律に便数で決めることは難しいというふうに考えております。  次の制約要因のうちの運用時間の制約、雪による制約、そして、空港アクセスと認知度につきましては、報告書に記載しておりますが、説明は割愛させていただきます。  次に、調査検討項目の最後に、丘珠空港が担う幅広い分野での役割について、六つの役割ごとに検討した利活用の方向性についてご説明いたします。  まず、丘珠空港の主たる役割となっております道内空港ネットワークの拠点空港としての役割です。  道内のビジネスや医療などの生活路線として貢献していること、都心部に近く利便性が高いことなどから、今ある道内3路線のほか、以前就航していた空港への再就航や便数などの拡大を検討いたしました。  次に、道外や国外とを結ぶ都市型空港としての役割です。  平成25年から三沢、平成28年から静岡とを結び、ことしの夏には、2週間ではありますが、松本と結ぶ便が就航することになっています。この動きをさらに促進していく検討をしております。国際線やLCCにつきましては、現段階では課題が多く、検討などを継続するという内容になっております。  三つ目といたしまして、道内医療を支える空港としての役割です。  丘珠空港の道内路線では、医療従事者や通院の利用が多く、また、昨年7月からは、メディカルウイングと呼ばれる患者と医師を搬送する専用のジェット機も飛んでおり、広域分散型である北海道の地域医療に大きく貢献しております。さらなる医療関係での利活用の促進のため、メディカルウイングの通年運航のための検討や、災害時に設置されるSCUと呼ばれる臨時の医療施設としての利用や、バリアフリーの促進などを検討しております。  四つ目は、防災機能を持つ空港としての役割です。  丘珠空港には、陸上自衛隊北部方面空港隊、北海道防災航空室、北海道警察航空隊の拠点がございます。さらなる機能強化の利活用の方向性として、札幌市消防航空隊の拠点化を検討いたしました。  五つ目は、ビジネスジェット機利用に対応する空港です。  現在の丘珠空港では、ビジネスジェット機は年間30回以上飛んできておりますが、専用の施設がないため、利用者にはご不便をおかけしておりますので、その利便性向上について検討しております。  最後は、報道、測量等で利用する小型航空機基地空港としての役割です。  都心部から近いという強みを生かして、さらなる利便性向上を検討しております。  これまで調査検討してまいりました内容をもとに、次のページに記載いたしました3.丘珠空港の利活用策についてご説明いたします。  繰り返しになりますが、ここで掲げております利活用策は、今後幅広く議論していくためのケーススタディーとして報告しておりますので、これらを実施していくということで決めたものではございません。  お手元のページは、主な利活用策につきまして、その利活用策を採用すると決定した時点からの取り組み期間を短期、中期、長期に分けた上で、効果と課題を記載しております。その取り組み期間ですが、おおむね5年以内を短期、5年から10年を中期、10年以上を長期として分類しております。  まず、ページの上半分からご説明いたします。  市街地の地図が載っている部分になりますが、こちらは、主に空港周辺地域の整備と誘致事業などの利活用策を記載しております。  左上から時計回りに説明いたします。  まず、栄町駅から交通広場までの案内標識整備についてです。地下鉄栄町駅の改札を出てから空港行きのバスが出る栄町駅交通広場までの誘導案内がわかりづらいという意見が寄せられておりまして、その対応として、駅構内のつり下げ式の出口案内看板や地上の案内標識を整備するという案でございます。  次に、右に行きまして、新交通システムなどによる2次交通の接続について、モノレールやロープウエーを念頭に地下鉄も載せております。多大な費用がかかること、空港側が市街化調整区域であり、人口が少なく、採算性の確保が課題となっております。  右上は、医療、防災での利活用という視点で、災害時にSCUとして利用可能とするための機材、システムの整備でございます。  その下は、丘珠空港の呼称の募集設定です。丘珠という名称については、多くの市民はご存じかと思いますが、市外や道外の方々には読みづらく、なかなか浸透していないという背景がございます。他の利活用策と連携した愛称の設定が必要と考えております。  右下は、定額タクシーの運行です。事例を調べましたところ、10%から50%の割引になる例もありましたが、いずれも市街地から遠い空港であり、丘珠空港のように都心部に近い空港では、採算性が課題となっております。  左下は、道外地方都市、主要都市間の新規路線等の誘致でございます。東北路線では、プロペラ機での就航も可能ですが、東北より南となりますと、航続距離などからリージョナルジェット機以上のジェット機での就航が必要であり、今の空港施設では通年運航は難しい状況です。  その上は、道内路線の誘致拡大です。過去に就航していた女満別や中標津、稚内などと結ぶ路線の再就航や、今、就航している路線の便数の拡大など、生活路線としての道内空港ネットワークの強化を図るものです。  それでは、下半分のほうに進みます。  こちらは、主に空港施設の整備とソフト事業などの利活用策を記載しております。  先ほどと同じように、左の上から時計回りにご説明いたします。  まず、左上から、除雪体制の強化です。滑走路は、自衛隊に除雪していただいておりますが、現在、自衛隊が所有している除雪車両は老朽化していることから、より高性能の除雪車の導入について検討しています。また、自衛隊では、人員に限りがある中で、道内の各部隊から人員を割いて民間空港のために除雪していただいているところです。こちらの改善案として、除雪作業の一部委託化についても触れております。  その右は、小型航空機用のエプロン等整備です。丘珠空港には、報道や測量などで使用するヘリコプターなどで事業を行っている運航会社が数社ございますが、そのほとんどが格納庫を大きくしたいという意向を持っております。しかしながら、今の空港ターミナルの近くには新たに格納庫を設置する場所がないため、空港ビルの反対側の北側にエプロンが整備されれば、格納庫は自前で各事業を行っている会社が建てたいとのことです。そちらに小型航空機用の格納庫が移転すれば、今の場所に新規航空会社の大きな格納庫を設置できる可能性もございます。  右上は、消防ヘリ、メディカルウイング用のエプロン等整備です。医療・防災機能の強化という視点になります。新たな拠点となるスペースとして、小型航空機の場合と同様に北側にエプロン等を整備する案として出しております。駐機するスペースがないことも、市消防ヘリが丘珠に拠点を置けない理由の一つとなっております。  右下は、施設のバリアフリー化です。丘珠空港は、通院で利用される方も多く、また、車椅子等の利用者もいらっしゃるため、バリアフリー化は必須ですが、現在、手荷物検査を受けた後の制限区域内から飛行機に搭乗する1階におりるエレベーターがございません。また、風雪が強いときにも、車椅子等利用者が移動する際の防雪対策としてエプロンルーフの整備も有効と考えております。  下の真ん中は、運用時間の見直しです。ビジネス利用者からは、遅い時間帯の就航先から丘珠空港へ戻ってくる便の要望が出ております。ただし、夜の便ですので、周辺地域への騒音の配慮も必要となります。  最後は、左下の滑走路延伸です。こちらは、先ほど課題のところでご説明いたしましたので、ここでは割愛させていただきます。  繰り返しになりますけれども、これらの利活用策は、今後、幅広く議論するためのケーススタディーでございます。来年度につきましては、市民、有識者、関係者などで構成する関係者会議を設置し、今回提示した利活用策案につきまして議論してまいりたいと考えており、また、幅広い範囲の市民を対象としたアンケートや説明会などを実施し、さまざまな意見をいただき、議論を深めてまいりたいと考えております。  なお、報告書のデータ等をまとめております報告書詳細版につきましては、後日、ホームページで掲載する予定となっております。 ○福田浩太郎 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆村山拓司 委員  私から、4点質問させていただきたいと思います。  初めに、今回、利活用策として提示された滑走路延伸についての質問であります。  今回の検討会議では、幅広く議論ができるよう、そのベースとなる情報をケーススタディーとして出したとのことでありますが、報告書には1,800メートルと2,000メートルの二つの場合についてのみ述べられております。丘珠空港の利活用を掲げられているのであれば、もっと大型の機材が飛べるような延長も検討すべきであると考えますが、なぜこの二つの場合のみ検討したのか、お伺いいたします。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  滑走路長の延長ケースについてお答えいたします。  今回の検討会議では、丘珠空港の主たる役割でございます道内空港ネットワークの拠点空港を念頭に、北海道内の空港間で就航している機材が運航可能となる滑走路長を検討したところでございます。北海道内の空港間で就航している機材は、プロペラ機のDHC8−Q400とリージョナルジェット機のERJ−170または175、そして、小型ジェット機のB737−800となります。これらの機材が通年運航できる滑走路長を調査いたしましたところ、1,800メートルと2,000メートルとなりましたので、今回はこの二つのケースで検討したところでございます。 ◆村山拓司 委員  もう1点、滑走路の延伸について質問させていただきます。  報告書に記載されている滑走路延伸のケーススタディーにおいて、想定概算事業費が1,800メートルの場合では約100億円から400億円、2,000メートルの場合では約250億円から550億円と大変大きな幅を持ったものとなっております。  なぜ、このような幅が発生しているのか、伺います。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  想定概算事業費の幅についてお答えいたします  二つの延長ケースにおいて、それぞれ北西側、南東側、または両方に少しずつ延伸する場合を想定して概算事業費を算出しておりまして、工事の支障となる道路や河川などが異なることから移設工事費が変わっております。  さらに、航空法によりまして、空港周辺では建築物等の高さに制限が設けられており、その範囲が滑走路延伸によりまして半径2キロメートルから3キロメートルに広がりますので、新たに支障となる高圧線の鉄塔や建築物等が発生し、その除却等を行うための費用が発生いたします。しかし、この高さ制限におきましては、離着陸する航空機の航行の安全を確保できる場合には、空港管理者の判断によりまして除却しない事例もあるので、これらの理由によりまして、想定概算事業費に差が出ているところでございます。 ◆村山拓司 委員  今回の報告書では、幅広い分野での利活用策を提示されておりますが、今ある丘珠空港という札幌市にとって有効かつ重要な資産の利活用を促進するためには、就航便数をふやし、航空利用者の増加につなげることが重要だと考えます。  そのための利活用策としてどのような案を提示しているのか、伺います。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  就航便数増のための利活用策についてお答えいたします。  運用時間を見直すことによりまして、まず1日当たりの増便を図ることが可能になります。また、過去に就航していた稚内や女満別、中標津空港などの道内路線の誘致や、現在就航している路線の増便、さらに、道外の新規路線などの誘致を利活用策の案として取り上げております。これらの課題といたしましては、増便に伴い、騒音が増加するため、周辺地域に対する騒音への配慮が必要となります。  なお、道内路線を増設するためには、北海道エアシステム、HACになりますが、現在保有している3機体制では対応ができないことから、就航に必要な機材数を確保しなければならないことなどの課題もございます。  道外路線におきましては、長距離の運航が可能な機材に対応した滑走路の延伸などの整備が必要となることがわかっております。 ◆村山拓司 委員  就航便数をふやし、航空利用者の増加につなげるという丘珠空港の利活用という視点で質問させていただきましたけれども、丘珠空港は、都心部に近く、自衛隊との共用空港であることから、防災の観点からも活用できる空港であると常々考えております。今回の報告書において、丘珠空港は防災機能を持つ空港という役割についても検討しておりますが、その役割に資する利活用策としてどのような案があるのか、伺います。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  防災機能に資する利活用策についてお答えいたします。  札幌市消防ヘリを丘珠空港に再整備し、防災関係機関の拠点を集約して、防災機能を強化するために、新たにエプロンや格納庫等を整備する案を取り上げております。また、東日本大震災の際に、岩手の花巻空港に設置されました臨時の医療拠点から新千歳空港や羽田空港などへ症状の重い被災者を搬送した事例のように、災害時には、丘珠空港におきましても、同様の臨時の医療拠点として活用するための医療器材や運用システムを整備する案がございます。その他の利活用策といたしましては、緊急出動の柔軟な運用のための運用時間の見直し、除雪体制の強化、被災者の受け入れのための施設のバリアフリー化、滑走路などの耐震化などを防災機能に資する利活用策として取り上げております。 ◆かんの太一 委員  私からは、「丘珠空港の利活用に関する検討会議」報告書と北海道の策定する北海道航空ネットワークビジョンについて、2点目として、空港の防災機能について、3点目として、利活用策検討における市民意見の反映について、3点お伺いいたします。  初めに、今回の検討会議の報告書と、現在、北海道で策定中の北海道航空ネットワークビジョンとの関係について質問します。  このビジョンは、北海道の航空ネットワークの持続的な発展に向けて、関係者や道民などが一層連携、協働して取り組むため、策定するものと聞いております。今回、丘珠空港の利活用を検討したわけですが、空港という施設は、他の空港と路線がつながって初めて交通施設となり得るものであり、丘珠空港だけの利活用を考えていてもその効果を最大限発揮できないものと認識しております。丘珠空港は、道内空港ネットワークの拠点空港として、道内の空港間のネットワークの構築に大きな役割を担っており、北海道で策定するビジョンにも今回の検討会議報告書の内容を反映させていくべきと考えております。  そこで、質問ですが、この北海道航空ネットワークビジョン策定に際し、市はどのように意見表明し、その結果、ビジョンにおいて丘珠空港はどのように位置づけられているのか、伺います。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  北海道で策定中のビジョンでの丘珠空港の位置づけについてお答えいたします。  検討会議は、北海道と札幌市の共催で行っておりまして、ビジョンにおける丘珠空港の位置づけにつきましても合わせて議論してきたところでございます。したがいまして、今年度内に策定予定のビジョンの中でも、今回の報告書で主たる役割としてお示しいたしました道内航空ネットワークの拠点空港として位置づけられておりまして、道内各地の経済、医療、防災を支える航空ネットワークの実現について記載されているところでございます。
    ◆かんの太一 委員  ただいまのご説明の中で、道内航空ネットワークの構築について、北海道と札幌市が連携して取り組んでいることがわかりました。  さて、先ほどの説明にもございましたけれども、2020年に予定されている道内7空港の一括民間委託の取り組みでは丘珠空港は対象とはなっていませんが、その委託を受けた運営権者には、民間委託されない空港を含む道内航空ネットワークの充実強化に向けた取り組みが求められております。丘珠空港も今回の民間委託とは無関係ではなく、先ほど丘珠空港の競争力の低下ということにも言及されていましたが、運営権者としっかり連携して丘珠空港の価値を高めていく必要があると考えます。  一方で、丘珠空港には、道内航空ネットワークの拠点空港としてだけではなく、幅広い役割での利活用について報告書でも示されており、これらの役割でのさらなる利活用は空港の価値を高めるものと考えております。その役割の一つとして、丘珠空港は、自衛隊や道警航空隊などが集積している災害時にも活用が可能な防災機能を持つ空港であると認識しております。  防災という観点から丘珠空港の機能強化を図っていくことが検討されておりますが、災害時の活用をどのように検討したのか、伺います。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  災害時の活用につきましてお答えいたします  委員のご指摘のとおり、丘珠空港には、陸上自衛隊、道警航空隊、北海道防災航空室の拠点があることから、災害時の輸送、救援、救命活動などに利点があるものと思われます。この利点を生かすために、丘珠空港を大震災などの災害時に、重篤患者の症状の安定化を図り、搬送を実施するための航空搬送拠点臨時医療施設、いわゆるSCUとして活用することが有効であるといたしました。SCUとしての位置づけや必要とされる医療設備等の保管場所の確保など課題はございますが、今回の検討会議において、利活用策の案の一つとして取り上げたところでございます。 ◆かんの太一 委員  今のご答弁にあったように、航空搬送拠点臨時医療施設、SCUとしての役割など、災害時の活用についてご説明いただきましたけれども、課題はかなり大きいものがあるなというふうに思います。  札幌市の消防ヘリの再整備なども検討課題として挙げられており、また、課題のところで格納庫のことなどにも言及されておりますが、もう一つ、管制塔が結構混雑していて、緊急離陸が必要なのに制限されるような可能性もあるということも担当部局から少しお伺いしておりました。たくさんの課題がある中でも、丘珠空港には、先ほどから言及している道内航空ネットワーク拠点や防災機能ということだけではなくて、医療やビジネス、観光なども担う幅広い役割がありますので、これからもそういった役割の推進を検討することが大切であると考えております。  報告書では、平成30年度から、市民などの意見を踏まえ、利活用についてさらに議論を深めていくとしておりますけれども、その際には、これまでの経緯も含めて、地域住民の声、市民の声を丁寧に受けとめることが必要不可欠であると考えます。  そこで、質問ですが、今後どのように市民の声を聞き、利活用策の検討に生かしていくのか、その考えをお聞きいたしまして、私からの質問を終了いたします。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  市民の声、その活用方法についてお答えいたします。  平成30年度には、市民や関係者などで構成する関係者会議を立ち上げるほか、市民アンケートや説明会などを行い、空港周辺地域の住民はもちろんのこと、広く市民の意見を聞くことを予定しております。そこでいただいたさまざまな市民の意見を踏まえまして、今後の空港の利活用について検討してまいりたいと考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  私からは、報告書にあります道内医療を支える空港の利活用策として提示されましたメディカルウイングについて質問させていただきます  メディカルウイングは、小型ジェット機に医師や看護師が同乗し、患者を搬送する航空機です。効果として、陸路より搬送時間がかからない、また、天候にも左右されづらく、ドクターヘリより騒音や振動、気圧変化が少ないので、患者の負担が軽いことなどがあり、高度な医療が必要となった重症患者には特に有効な搬送方法で、広大で医療資源の偏在が顕著な北海道においては、患者搬送に有効な手段として注目されており、我が党としても強く後押しをしてまいりました。  このメディカルウイングは、平成23年度から25年度にかけて、延べ12カ月間、北海道航空医療ネットワーク研究会が主体となって北海道で研究運航が実施されてまいりました。この研究運航の実績が評価され、昨年7月から、国内で初めて北海道でメディカルウイングが実用化されたところです。  そこで、質問ですが、昨年夏から北海道内にて運用されているメディカルウイングの実績はどうだったのか、伺います。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  メディカルウイングの実績についてお答えいたします。  昨年7月末から運用されたメディカルウイングですが、緊急搬送ではなく、日程や同乗する医師をあらかじめ決めた上で運航する計画搬送を対象としております。名古屋空港を基地空港といたしまして、道内の各空港へ飛来し、患者を搬送しているところでございます。これまでの7カ月間の実績ですが、出動実績が20件、そのうち、患者を丘珠空港に搬送した回数は、夏期は10件、冬期に入り、新千歳空港に搬送した回数が6件、残りは羽田空港などへの搬送でございます。 ◆わたなべ泰行 委員  今回実用化されたメディカルウイングにより、道内の医療過疎地対策が着々と進んでいることがわかりました。また、20件中10件と特に丘珠空港の活用が多いことがわかりました。やはり、札幌には、高度かつ専門医療施設が多いことが起因しているのかなと思います。こういった状況を踏まえますと、丘珠空港をメディカルウイングの基地空港として活用すべきと考えます。  そこで、質問ですが、今回の検討で丘珠空港でのメディカルウイングの運用に対する課題も整理していると考えますけれども、具体的にどのような課題があるのか、伺います。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  メディカルウイングの運用に対する課題についてお答えいたします  メディカルウイングでの利活用を検討するに当たりまして、ご質問にもございました研究運航を実施した北海道航空医療ネットワーク研究会や北海道医師会、運航会社などと意見交換を行いまして課題を整理したところでございます。丘珠空港をメディカルウイングの基地空港とするためには、日常の整備や夜間駐機するための格納庫が必要ですが、現状ではスペースがなく、新たに整備することとなると、基盤整備も含めて概算で約15億円の費用がかかることが想定されております。また、現在運用しているメディカルウイングの機材では、丘珠空港の滑走路長では夏期のみしか運航できず、通年運航ができないことから、滑走路の延伸が必要となることが課題となっております。  そのほか、通年運航ができるとなった場合の除雪体制の強化、さらなる活用のための24時間受け入れ可能な体制整備などを課題として整理させていただきました。 ◆わたなべ泰行 委員  今の答弁で、丘珠空港をメディカルウイングの基地空港としてさらに活用していこうというためには、施設、また除雪体制、こういったことの強化が必要だということがわかりました。  最後に、要望ですが、メディカルウイングの活用は、誰もが安心できる医療体制の構築を考えたときに、今後も続いていくであろう高齢化社会における役割はますます重要になってくると思います。さらなる活用を図ることを求めて、私の質問を終わります。 ◆村上ひとし 委員  私も、2点質問させていただきます。  まず、丘珠空港の利活用に関する検討会議の報告書、先ほど説明されたA3判の概要資料ではなくて、冊子になったほうの内容を中心に伺いたいと思います。  1点目は、2ページ目の2.調査・検討項目、(1)丘珠空港を取り巻く環境の変化です。それから、4ページ目の(2)丘珠空港が抱える課題(その2)の空港アクセスの問題、この2点についてお伺いいたします。  その前に、取り組み期間の問題で言うと、長期に位置づけた滑走路延伸では、300メートル延ばして1,800メートル化をすることで、現在は夏のみのFDAの小型ジェットの主要機種、あるいは、今も質疑がありましたメディカルウイングが通年で運航できると。それから、500メートル延ばして2,000メートル化する場合には、就航可能となる機種がさらにふえる。事業費で言いますと、1,800メートル化をした場合は約100億円から400億円、2,000メートル化で約250億円から550億円と試算をしているということであります。  この問題を考える場合に、かつての問題、つまり、丘珠空港の滑走路延伸については、1995年でしょうか、北海道と札幌が行政懇談会において丘珠空港のジェット化対応に向けた整備を国に対して求めるという方針を固めて、翌年の1996年度に、国に対しても、次期空港整備5カ年計画への盛り込みを要望したという経過がありました。  しかし、このとき、新千歳空港との役割分担などを理由に、同計画に丘珠空港のジェット化対応整備は盛り込まれなかった、また、生活環境の悪化を懸念する地元の反対の声もあったため、ジェット化対応の整備を実現することができなかったという経緯があります。つまり、住民の影響が大きいということであったと思います。  そうした経緯を踏まえれば、先に滑走路の延伸ありきの検討では、当然、住民の不信感を募ることになると思います。特に、丘珠空港の周辺は住宅密集地でもありまして、そういう点では、議論を進める上では何といっても住民の理解や納得、合意が大原則だということを最初に申し上げて、質問に入っていきたいと思います。  それでは、1点目の調査・検討項目の中の丘珠空港を取り巻く環境の変化についてであります。  道内空港の動きの中で、道内へのインバウンド客が4倍に増加し、そのうち4割が札幌市内に宿泊し、今後、丘珠空港の道内路線の需要が高まる可能性があるというような部分がありますけれども、このインバウンド客のうち、どの程度の方が丘珠空港を利用したのか、教えていただきたいと思います。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  インバウンド客の丘珠空港への状況でございますが、インバウンド客の状況につきましては正確な数字を把握しておりません。 ◆村上ひとし 委員  私は、インバウンド客が4倍にふえたということを持ち出す以上、どの程度の方が丘珠空港を利用しているのか、そして、現状の数字から言うと今後はどの程度が見込まれるのか、そのためにはどういうことが必要なのか、どういう影響があるのか、こういうことは当然必要であると思います。再三にわたって、この報告書は今後の方針や計画を策定するものではないというふうにおっしゃいますけれども、いずれにしても議論をしていくわけですから、使っている数字の根拠になるものをきちっと出していただきたいと思います。  次に、同じく、地上交通機関の動きというところですが、北海道新幹線の札幌延伸は、函館や東北などを結ぶ空路の利用客数に影響を及ぼすような記述があります。つまり、新幹線が札幌に延伸してくると、飛行機の利用客が減少することを懸念しているのかなというふうに思われますけれども、新幹線の延伸による丘珠空港の函館便への影響をどのように考えて分析しているのか、伺います。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  北海道新幹線の開業後の影響でございます。  札幌延伸後、北海道と東北の移動手段として新幹線のシェアが航空機を超えることが予想されております。ただし、新千歳空港も含めてですが、丘珠空港と函館や東北を結ぶ空路の利用客数がその結果によって減少すると考えており、特に、丘珠−函館便については影響が非常に大きいものというふうに考えております。 ◆村上ひとし 委員  丘珠空港で、函館便というのは最も多いのでしたか。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  一番多い路線となっております。 ◆村上ひとし 委員  非常に大きな影響がある部分だと思いますので、札幌に新幹線が延伸してくることによって、最も多い路線である函館便がどんなふうになっていくのかということは、もう少しいろいろ分析する必要があろうかと思います。  次の質問ですが、インバウンド客の増加に伴って丘珠空港の道内路線の需要が高まる可能性を強調する一方で、新幹線札幌延伸で飛行機の利用客が減るとしているのは、私は、矛盾があるような気がするのですけれども、どうお考えになっていますか。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  インバウンド客がふえた場合と新幹線が来た場合の矛盾についてご質問かと思います。  今現在、インバウンド客がどんどんふえており、道内に来られる方がふえている中で、個人旅行といったことにシフトしていることもありますので、丘珠空港から道内路線で各地に飛んでいる、丘珠空港の需要が伸びると予想しております。ただ一方では、新幹線が開業いたしますと、主要路線であります函館−丘珠、さらには、東北からの三沢−丘珠であるとか、ほかの部分についても減ると予想しております。一方ではふえる可能性はあるけれども、新幹線によって、現在の丘珠空港の路線であれば減る要素もあるというような調査結果となっております。 ◆村上ひとし 委員  先ほどは、インバウンド客が4倍にふえたけれども、丘珠の利用者数は把握していないということであります。また、インバウンド客の増加に伴って道内路線の需要が高まる可能性がある、丘珠空港も例外ではないとしながらも、一方で函館便の減少が懸念されますので、私は、札幌に新幹線が延伸してくることでかなり慎重な見通しを立てていく必要があると思いますし、そういう点ではいろいろな角度からの分析が必要であることを改めて申し上げておきます。  次の質問は、新千歳空港のことであります。  将来、新千歳空港では発着枠に余裕がなくなって、新千歳の国内線が丘珠空港へシフトされる可能性があるというふうにも書かれております。この点でも、新幹線の札幌延伸との関係をどのように分析されたのでしょうか、お伺いいたします。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  新千歳空港の発着枠が限度になることによって丘珠空港に就航する路線がふえるというお話ですが、現在、新千歳空港では、発着枠42で行っておりますけれども、今は主に外国の便を優先的にどんどんふやしているような状況でございます。そのような中で、例えば東北路線であるとか、丘珠に就航する可能性があるプロペラであるとか、外国便を優先した中で結果的にはそういったものが丘珠空港に移る可能性があります。一方、新幹線については、先ほど言いましたように、やはり東北や函館などの便は将来的に影響が出る可能性がある、そういうような検討結果になっております。 ◆村上ひとし 委員  いずれにしましても、新幹線が札幌に延伸してきた場合の丘珠空港への影響と、新千歳空港ももちろん含めた総合的な分析、検討が必要になってくると思うのです。  新幹線は、かつては4時間の壁と言われまして、4時間を境にして、鉄路なのか、あるいは空路なのかという選択肢が大きく変わると言われております。残念ながら、4時間とはならないようでありますが、そういうことも踏まえて、羽田あるいは成田から新千歳空港に来る空路の利用客が東京から札幌までの新幹線にどの程度シフトされるのか、あるいは、今以上に増客が見込めるのか、見込めないのか、このあたりはどうしても総合的な検討が必要だというふうに思っております。  次は、4ページ目の空港アクセスの件をお伺いいたします。  空港アクセスの部分では、冬期間は、都心部において道路が渋滞し、定時性の確保が難しいため、空港連絡バスは地下鉄栄町駅から空港間のみの運行となっているとあります。  現在、丘珠空港から自家用車あるいはレンタカーの利用者数はどの程度あるのか、お伺いします。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  自家用車やレンタカーで丘珠空港に来られる部分について、数値的なものは把握しておりません。 ◆村上ひとし 委員  これも把握しなければならないと思うのですよ。インバウンド客のところでも再三申し上げておりますが、それらの利用者が車をどの程度利用するのか、どこに向かって走っていくのか、そのあたりはきちっと分析する必要があろうかと思います。  そこで、そういう車の動きも把握されない中で、都心アクセス整備により、都心から丘珠空港までの車による移動時間は約8分、約4割短縮されるとあります。  これは、どんな整備形態を想定しているのでしょうか。 ◎田中 新幹線推進室長兼空港担当部長  丘珠空港からまちなかへのアクセス道路の関係でございますけれども、現在は、札幌駅周辺と丘珠空港間の所要時間は21分と見ております。その整備の状況によりまして、都心アクセス道路のみの整備の場合については、短縮時間は8分、また、ダイレクトアクセス、いわゆる丘珠空港から高速道路までも8分ということで、それを合計しますと16分というような計算になっております。 ◆村上ひとし 委員  創成川通の機能強化、いわゆるアクセス道路の資料の中には、高架あるいは地下構造の場合に、夏で約8分、冬で約10分短縮と記載されております。この部分とどんなふうな関係があるのか、あるいは、全くないのか、お伺いいたします。 ◎米田 総合交通計画部長  アクセスを担当している立場から、今のお話をさせていただきたいと思います。  実は、私どもの持っている調査と空港の調査というのは、直接、形態を考慮してやったということではなく、恐らく、最大限の効果がある形態をもって、最大限でこれだけの効果があるというふうに算出したものというふうに考えております。 ◆村上ひとし 委員  そういう話は通らないと思いますよ。創成川通の機能強化の資料にばっちり書いているわけですから。整備形態が高架あるいは地下の場合には夏で約8分短縮されるのだと書いているのです。  この整備形態は、今まさに検討中でありまして、既に決まったことではないわけですよね。そういう中で、この報告書の中で、都心アクセス整備により、都心から丘珠空港までの車による移動時間は約8分短縮される、こういうことを書かれますと、やっぱり誤解を生むのだと思います。それから、自動車自体の利用もつかんでいないのに、こういう必要性を強調するということになると、やはり、市民の理解はなかなか進まないのではないかというふうに私は思います。  この報告書の内容は、滑走路延伸の必要性をにじませるもので、それに必要な情報がたくさんちりばめられています。今後、丘珠空港の利活用策について、背後にある問題を考える上での情報としては極めて不十分な部分が多いと言わざるを得ないと思います。  今後、議論をする上でも、市民をミスリードしないために正確な情報と分析をさらにすべきであるということを申し上げて、質問を終わります。 ◆堀川素人 委員  丘珠空港の問題については、僕が議員になったときからずっと問題で、飛行機を乗り入れているところがやめたり、さあ、どうするかという中で問題になったり、道も札幌市も大変頭を痛めていました。それから、今度は、空港の建物の利用でも頭を痛めて、赤字になる、こういう中でもって、やっぱり悩んできました。  僕は、丘珠空港がなくてもいいのではないかと。逆に言うならば、新千歳空港をどうやって利用したら、北海道に来る人、北海道の人たちの空の交通利便が図れるか、これを真剣に考えたほうがいいような気がするのです。あるから、何とか利用しようとして頭を痛める、懐を痛める、こういうことをずっと繰り返している。僕は、丘珠空港は北海道の空の便のかなめだと言っても、ここ北海道だけではこれからもきっと成り立っていかないと思います。やはり、先ほど松浦議員も言っていたけれども、次にどう移動できるかというのがかなめになる。これは、空ばかりではなくて、陸路でもそうです。そう考えたときに、丘珠空港があることよりも、新千歳をどうやって札幌市民のために、また道民のために利用するかということを真剣に考えたほうが、頭や懐の経済性の部分で正しいのではないだろうか。あるから、何とかして使わなければならぬ、こういうふうに考えているから、無理に無理を重ねる。今の村上委員に対する答えも、ある意味では、なっていない。本当にやる気があるのかと疑わざるを得ないような答えがなされている。  局長、これは、どうなのだろうか。札幌市で本当に丘珠空港をたくさんの人に使ってもらえたら、こんなありがたいことはないと僕も思う。でも、それはなかなか大変だ。逆に言うならば、新千歳との交通アクセスをきちっとして利便性を高めることが、札幌市、北海道、それから、北海道に来る人たちの利便性が飛躍的に高まる可能性があるのではないか、こういうふうに思っているのですけれども、いかがでしょうか。 ◎中田 都市計画担当局長  丘珠空港は、都心から近くて利便性が高い空港でありまして、現在もビジネス、観光、医療といった市民、道民の生活に資する空港として利用されている、そのように認識しています。  先ほど、村上委員から段々のご指摘がありましたけれども、私どもは、来年度、平成30年度は、市民の代表の方も入れ、あるいは、航空関係者も入れた会議を立ち上げて、ここでまた幅広くいろいろと議論したり、アンケートをとったり、市民の方に説明会を開催してしっかりと情報を提供したいというふうに思っております。そういったときには、データの関係はきちんと精査して、今後も正確な情報をお伝えするようにしていきたいと思っています。また、その関係者の会議の中では、堀川委員からお話のあった新千歳空港との役割分担というか、どうあるのが道民あるいは観光客にとって意味があり、活用しやすいものになるのかということも改めて議論されるべきというふうに思っております。 ◆堀川素人 委員  この利活用のことについても、一応は説明を受けました。でも、ここでなければ絶対にできないというものは一つもない。やはり、どうしても、あるから何とか利用しなければと。気持ちは十分にわかりますよ。でも、人の集まらないところにどんな立派な建物を建てても、採算性からいってもそれは成り立たぬ。  例えば、新聞なんかで、ヘリポートからヘリが飛び立ってけが人を助けたとかなんとかというのを見たら、僕らも、ああ、よかったなと思いますよ。でも、新千歳から飛んだって、距離や時間からいったら大した問題ではないですよ。我々もヘリコプターに乗せていただいて何回か飛んだことがあります。驚くのはその速さで、そのことを考えたら、新千歳から道内のいろいろなところに飛んだとしても時間的には何も大きな違いなんかないですよ。  そうではなくて、交通アクセス、次はどこに行くのか、これを考えるべきです。僕は、特に南区にいて、札幌市内にいても大変遠い存在ですし、道もなかなかわからぬ。一発で丘珠まで走れる交通機関でもあるならいいですよ。でも、札幌の都心、駅に出てくるのでさえはっきりとはわかりづらいし、しっかりした道路もない、こういう中で、それをどう改善していくのかと考えるならば、僕は、そうではなくて、新千歳をうまく利用することのほうが頭を使う価値が出てくるのではないかと思います。本当は言いたくなかったけれども、そういう本心でいますから、この場であえてそのことを伝えて、終わります。 ○福田浩太郎 委員長  ほかに、質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○福田浩太郎 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後5時4分...