そう見るなら、例えば、
地域活動に参加した経験について、
調査結果では41.4%となっておりますが、
市民全体からするとずっと低いかもしれませんし、今後、参加の意向を持っている人も40数%となっておりますが、
市民全体の中ではこんなに高くないかもしれないと思うところでございます。
もちろん、現実の問題として、回答しない人の傾向を把握しようとすることは容易ではありませんが、
計画が示している
地域共生社会の目指す姿というものは、全ての
市民が役割を持ち、
地域づくりや
生きがいづくりに参画する、すなわち、196万の
市民が全て担い手になってくるという
理念に基づいておりますので、そういった意味からは、6割以上の方が
アンケートを無視しているという現実も一つ重く受けとめるべきものだと考えます。ですから、今後、
計画の
理念に向かっていくために、この
調査結果が現状を反映したものなのかどうかというところは、慎重に見ていかなければならないと思います。
これは非常に困難なことですので、
調査の精度をさらに高めていきなさいということを申し上げるつもりはございませんが、今指摘したような点も踏まえた上で、現実を想定し、
地域福祉の
方向性を描いていかなければならないのではないかというふうに考えますけれども、この点のお考えをお伺いしたいと思います。
◎菱谷
総務部長 市民意識の把握についてのお尋ねでございます。
地域の
福祉活動の現状を把握することは、
地域福祉の
方向性を決める上で重要であるというふうに認識しております。
今回の
計画の策定に当たりましては、
委員がご指摘の
アンケート調査のほか、ことし7月には、各区1地区、全10地区で
地域福祉の
活動者と
意見交換を行うとともに、今後、
市民を対象とした
パブリックコメントを募集する予定があるなど、
市民意見や意識の把握及び反映に努めております。
今後も、
地域に身近な
関係機関との日常的な
情報交換はもちろん、
地域福祉の
活動団体との
ネットワーク会議や
地域住民等によるワークショップなど、さまざまな機会を活用して
市民意見や意識の把握に努め、
施策の効果的な展開に努めてまいりたいと考えているところでございます。
◆
中川賢一 委員 今後もいろいろ取り組まれるということでしたが、伺っていると、活動している方との
意見交換や、関心のある方の考えというのは把握しやすいですけれども、全ての
市民と言ったときに、今現在、活動の前面に出てきていない方の意見を浮き彫りにしていくのがなかなか難しいのかなというふうに思います。具体的な手法を持っているわけではございませんので、余り深くは追及しませんけれども、そういったところの把握は今後重要になって一つの鍵になるのかなと申し上げたいと思います。
全ての
市民がという
地域共生社会の
理念は、確かに崇高でございます。しかし、そこに向かおうということであれば、実態の捉え方もそういった視点から行われなければならないと思いますし、その
あたりを意識した
成果指標になっていくべきではないかなと指摘させていただきたいと思います。
そういった観点からしますと、本末転倒になるかもしれませんが、むしろ、今話題にさせていただきました
アンケート調査の
回答率といったものも、
計画の
理念や
目標の
達成度をはかる上ではいい
指標なのかなという印象を持って見ておりました。やはり、関心を持っている人から
アンケートが上がってきていると思いますので、その
あたりは、いろいろな手法をうまく使いながらやっていくといいのかなと思いながらこの
アンケート調査を拝見させていただいておりました。
また、
目標についても、市として行うことと、
市民に期待すること、そして、その実情をもう一度客観的に見詰め直してみることにより、
目標や
指標の
考え方、見え方が少し違ってくるということを最後に指摘させていただきまして、私からの質問はこれで終わらせていただきたいと思います。
◆小川直人
委員 私から、大きく2点質問させていただきます。
1点目は、
地域福祉活動の担い手の確保についてであります。
まず、
地域福祉活動の担い手に関する現状についてですが、新
計画を策定するに当たり、
地域に住む全ての人が安心して暮らし続けるために重要な役割を果たす
地域福祉活動の担い手について質問させていただきます。
現在運用されている第3期
札幌市
地域福祉計画における
取り組みについては、民間事業者等との見守り
ネットワークを構築したほか、
成年後見制度に関する相談窓口を設置するなど、おおむね
基本理念や
計画目標に沿って
施策を展開されてきたものと認識しております。
一方で、
計画を振り返ってみますと、
福祉にかかわる人材の発掘や育成等の面では、
地域見守りサポーターの養成人数が
平成23年度の1,202人から
平成28年度には328人減少したとしていました。
地域見守りサポーターは、近隣の方を日常生活の中で気にかける程度に見守っていただく方であり、民生
委員や
福祉の
まち推進センターによる見守りを補完するものでありますが、その養成人数の減少は
地域福祉活動の担い手の固定化や不足の一面を捉えたものではないかと考えております。
一方、
平成28年6月に閣議決定されたニッポン一億総活躍プランでは、
高齢者、障がいのある方を含む全ての人々が
地域づくりや
生きがいづくりに参加する
地域共生社会の実現を打ち出したところであります。その後、国が開催いたしました有識者会議の取りまとめでは、
地域で発生した
課題は住民が主体的に把握して解決を試みることができるような体制を構築していくことを自治体に求めていますが、
地域の問題を
地域で解決するためには活動の担い手の確保が必要であり、喫緊の
課題であると考えております。
そこで、質問ですが、
地域福祉活動の担い手の固定化や不足などの現状をどのように認識されているのか、お伺いいたします。
◎菱谷
総務部長 地域福祉活動の担い手に関する現状認識でございます。
新たな
計画策定作業の一環で行いました
地域福祉活動を実践している方との
意見交換会では、多くの地区から担い手の確保に苦慮されているとのご意見をいただいていることなどから、その活動の担い手の確保は引き続き重要な
課題であると認識しております。
地域福祉活動の大きな柱の一つでございます見守り活動につきましては、
地域において、
地域見守りサポーターのほか、民生
委員、
福祉の
まち推進センターの
福祉推進員や郵便局などの見守り協定事業者など、重層的な体制を形成しているさまざまな関係団体や
活動者が担っているところでございます。例えば、先ほど
委員からご指摘のありました見守りサポーターにつきましては、年度によって養成数にばらつきがある一方、
福祉の
まち推進センターの担い手でございます
福祉推進員を初めとした
活動者は、地道ながら増加傾向にあるところでございます。
いずれにいたしましても、今後は、
地域において
高齢や障がいなどによりまして日常生活における困り事を抱える方がますます増加していくことが懸念されるため、住民組織や関係団体などと協力しながら、
地域福祉活動の担い手のさらなる確保の強化に努めていく必要があると考えております。
◆小川直人
委員 今、担い手に関する現状認識について、担い手の確保に苦慮していて、引き続き担い手の確保は重要な
課題であるので、これからも担い手確保の強化に努めていくという答弁がありました。
次に、担い手の確保に向けた
取り組みという点でもう少し質問させてもらいたいと思いますが、
地域福祉活動の担い手の
高齢化、固定化が進んでおり、次の世代の担い手が重要であると認識しております。しかしながら、
地域福祉活動に取り組む
住民団体の方々からは、仕事をリタイアした団塊の世代の方々に協力を呼びかけても、思うように協力が得られないという話も伺っております。団塊の世代の方々の協力をなかなか得ることができない要因といたしましては、個人の価値観やライフスタイルの変化などもあるのではないかというふうに考えております。
昨年9月に保健
福祉局が行った
地域の
福祉活動における
市民意識調査によりますと、今後の
地域活動への参加意向を尋ねた設問では、約4割の方が何らかの
地域活動への参加を希望していることが明らかになっています。こうした
地域活動への参加に意欲的な方々に対して、
地域福祉活動への参加のアプローチを積極的に行っていくことが重要と考えております。
そこで、質問ですが、団塊世代を含む
地域の方々に
福祉活動に参加していただくために、今後どのような
取り組みを行っていくのか、お伺いいたします。
◎菱谷
総務部長 担い手の確保に向けた今後の
取り組みについてのご質問でございます。
より多くの方に
地域福祉活動に参加していただくためには、
地域福祉活動への参加の機運を一層高めていくことや、活動に興味や関心のある方を実際の活動に結びつける
取り組みを展開していくことが重要であると考えております。そのため、これまでも、広報誌、回覧板、ホームページなどによる
地域福祉活動に関する情報発信や、小・中学生を対象とした
福祉教育などに取り組んできたところでございます。
今後、これらに加えて、比較的若い層をターゲットとしたSNSなど、新しい手法による情報発信も行ってまいりたいというふうに考えております。また、ボランティア活動体験や研修など、幅広い世代のニーズに合わせた学びや体験の機会を提供していくことなどを通じまして、より多くの
市民の方々を
地域福祉活動につなげてまいりたいというふうに考えております。団塊の世代などの方々につきましては、豊富な経験や知識を有しておりまして、さまざまな場面での活躍が期待されるため、
高齢者の社会参加支援
施策と連携を図りながら、活躍の場の一つとして
地域福祉活動へ参加しやすい
環境づくりに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
◆小川直人
委員 私も、団塊の世代というのは、
地域の
福祉活動を
推進する上で非常に大きな力だと認識しております。
第5章の
計画の
推進の中で、ボランティアの研修受講者数や
福祉除雪の
地域協力員の
目標が設定されております。先ほど議論がありましたが、この
目標をしっかり達成できなければ、この
計画を遂行できないことにもつながっていくと思いますので、
地域で協力していただく方の確保はしっかり進めていただきたいと思っております。
それから、もう一段先を見ますと、今度は、2025年問題として、団塊の世代の方が支援を受ける時代に入ってまいります。そのときには、
協力員、ボランティアの方がこの数字よりもさらに多くいないと、この
福祉計画を
地域で遂行できないということになってまいります。ですから、少し先かもしれませんけれども、
福祉を
推進する上では
地域の皆さんのボランティアが大事だということを、今から
市民の皆さんにお伝えしていただきたいと思います。また、これから退職する方々に対しても、
地域にはこういう活動がありますので、ぜひ協力していただきたいと、市役所は当然ですが、そのほかの企業にも強力に働きかけて、担い手の確保をしっかりやっていっていただきたいと思います。
この質問はこれで終わりまして、次に、生活困窮者自立支援事業について質問させていただきます。
市は、生活困窮に至るリスクの高い層が増加する中、生活保護に至る前の生活困窮者への支援を強化するため、2015年度から3年間を期間とする
生活困窮者自立支援計画を策定し、関係事業に取り組んでまいりました。この
計画では、
基本理念として、生活困窮者の自立と尊厳の確保、生活困窮者支援のための
ネットワークづくりを掲げ、一人一人の状況に応じた支援や貧困の連鎖の防止など五つの
計画目標を立てております。市では、生活就労支援センターステップの設置や中学生に対する学習支援などに取り組んだ結果、新規相談受け付け件数や高校進学率等の数値
目標についてはおおむね達成したものの、一層の事業の
推進が必要との認識を示しております。
なお、今後は、本市の
地域福祉施策全体の中に生活困窮者自立支援事業を位置づけるため、
生活困窮者自立支援計画は次期
地域福祉社会計画に統合するとのことであります。
ご承知のとおり、生活困窮者自立支援制度は、従来までの安定的な雇用環境を土台とした社会保険制度等のセーフティネット機能と最終的なセーフティネットとしての生活保護制度との間のいわゆる第2のセーフティネットと言われています。不安定な経済環境にある生活困窮者を早期に相談、そして支援につなぐことが大きな
目標とされており、自立に向けた就労支援はもとより、家計や安定住居の確保などの生活
課題もワンストップで受けとめて、相談者を決してたらい回しにしないことが求められています。相談者等とともに一人一人の支援プランをつくりながら、最後までともに走る寄り添い型の支援を、縦割りではなくて分野横断的に取り組むという趣旨は、まさに
地域福祉の基本となる制度と言えると思います。
そこで、2点質問いたしますけれども、1点目は、2015年4月の設置から約2年半が経過したステップには、これまでさまざまな困難を抱えた方が多数相談に訪れていますが、その相談内容の傾向や特徴について伺います。
2点目は、寄り添い型の支援機関として、庁内外の
関係機関と連携し、各分野にまたがる相談者の
課題を解決するために、どのような
支援活動が必要となっているのか、その事例や
取り組みについてお伺いいたします。
◎大野 保護自立支援担当部長 相談内容の傾向と特徴についてです。
これまで、ステップには6,000件を超える新規相談が寄せられておりまして、その内容を分類すると、就職に関する相談の割合が最も高く、全体の約28%、収入不足など生活費の関係が約19%、立ち退きや同居解消など住まいの関係が約17%、病気や障がいに伴う相談が約11%の順でございます。これに続いて、借金など債務に関する相談及び子育て、介護、ひきこもりなど家族のことに関する相談がそれぞれ約8%となっております。1件の相談の中に経済的困窮にとどまらない複数の生活
課題が認められ、これらの要素が複雑に絡み合っていることが特徴と言えます。
次に、連携支援の事例と
取り組みについてでございます。
代表的な一つの例として、DV被害等で他都市から本市へ転入された子育て世帯への支援を挙げさせていただくと、離婚調停やさまざまな
福祉サービスの利用、子どもの就学や養育の支援、さらには、世帯主の病気や新しい就労先の確保などの諸問題について、同時並行で取り組んでいかなければなりません。ステップが起点となって、学校や区役所との連携はもとより、弁護士、
医療機関、
地域や就労先など、さまざまな社会資源と結びつけるための
取り組みが必要なところです。
ステップでは、生活困窮者に包括的な支援を提供するため、相談支援員が関係先まで同行するなどして
利用者の不安解消や必要な支援に確実に結びつけるための
取り組みを進めているところでございます。
◆小川直人
委員 ただいまの答弁で、ステップでは、複雑化、複合化した相談に対して、日ごろからさまざまな機関と連携を図り、スピード感を持って生活困窮者の自立に向けた支援に取り組まれていることが改めてわかりました。
さて、この制度の根拠となります生活困窮者自立支援法の附則第2条では、施行3年後の検討が規定されておりまして、現在、国では、来年の通常国会への改正法案の提出を含めた見直しの検討がなされていると聞いております。本市においても、制度改定に伴い、設置箇所や人数などの体制をどうするのか、みずから相談に来られない人の対応をどうするのかなど、今後引き続き検討を進めるべき
課題があるというふうに思っております。
そこで、最後の質問ですが、生活困窮者自立支援制度の見直しに向け、現在、国の社会保障審議会等において活発な議論が行われているところですけれども、本事業を一層効果的なものとしていくため、本市として国へ要望する事項はどのようなものがあるのか、お伺いいたします。
◎大野 保護自立支援担当部長
札幌市では、
平成27年4月の法律施行前である
平成25年から先行してモデル事業を開始するなど、これまで積極的に生活困窮者自立支援事業に取り組んできたところでございます。また、実務者レベルでは、国との
意見交換などの場により、本事業の円滑な運営や
課題について継続した議論を行ってまいりました。
来年に予定されている
制度改正に向けても、指定都市市長会を通じた活動などにより、事業実施に当たり十分な財源措置を行うことや、ホームレス対策など大都市特有の
地域課題を踏まえた実効性のある見直しを求めているところでございます。
◆福田浩太郎
委員 私からは、
施策6の新規の
取り組みである包括的な支援体制の構築に向けた
仕組みづくりについてお尋ねしたいと思います。
最初に、解決が困難な
課題に対する現行の対応についてお尋ねいたします。
今回、
次期計画において、
専門機関や
住民主体の組織を包括的に結びつける
仕組みということでございます。現状は、人口減少、家族、
地域社会の変容などにより、
地域では
福祉ニーズも多様化・複雑化しており、それに伴い、対応が困難なケースが浮き彫りになってきております。例えば、育児と介護が同時に進行するダブルケア、また、介護を要する
高齢の親がいて、そして、障がいのある子どもと暮らす世帯などの複合的な
課題を抱えるケース、また、日常生活において支援が必要とされる状態にありながら、
福祉サービス等を拒絶するようなセルフネグレクト、さらに、ごみ屋敷といった制度のはざまの
課題を抱えるケースも見受けられるところでございます。このような
課題は、単独の
専門機関や既存の制度では対応が難しいと考えております。
そこで、質問ですが、このような解決が困難な
課題に対して、現在、
札幌市ではどのような対応をしているのか、また、他都市ではどのような対応をしていると承知しているのか、お尋ねいたします。
◎菱谷
総務部長 まず、1点目の解決が困難な
課題に対する現行の対応についてでございます。
札幌市では、これまで、
地域包括支援センターや障がい者相談支援事業所など、
対象者や分野ごとに
相談支援体制を整備してきておりまして、単独の機関では解決が困難な
課題についても、区役所を含めた各機関の連携によって世帯への円滑な支援を目指してきたところでございます。具体的には、民生
委員や地区
福祉の
まち推進センターの
福祉推進員などの
地域福祉の
活動者が解決の困難な
課題を抱える世帯を発見した場合、区役所や介護、障がい、生活困窮などの各
専門機関へつなぎ、必要に応じて、適宜、関係する職員や
地域の
活動者らによる情報共有の場を設けるなど、複数の
関係機関などが互いに連携して
課題の解決に努めております。
2点目の他都市の対応でございますが、他都市におきましては、
地域だけで解決が難しい
課題を抱える世帯に、訪問などによって直接的な働きかけを行う、いわゆるコミュニティソーシャルワーカーなどの専門職が主に社会
福祉協議会や自立
相談支援機関などに配属されている例が多く見られます。その専門職は、解決困難な
課題を抱える世帯への個別支援のほか、行政や
関係機関、住民組織などの
ネットワークづくりの中核を担うなど、住民に寄り添って
地域が抱える
福祉課題の解決に取り組んでいるところでございます。
ちなみに、指定都市におきましては、コミュニティソーシャルワーカーなどの専門職を配置している団体は、
平成28年9月現在で20都市中12都市となっております。
◆福田浩太郎
委員 答弁によりますと、これまでも分野ごとの相談支援事業を整備しているし、それらが連携して支援してきているということでありまして、例えば、
地域から寄せられた声などを区役所などの
専門機関につないで、必要に応じて情報共有などを行い、解決に至ることができたということかと思います。また、他都市の状況としては、コミュニティソーシャルワーカーなどの専門職を配置して個別支援や
ネットワーク構築に取り組んでおり、昨年9月の時点で12都市が実施しているということでございました。
ことし9月まで開催されておりました国の有識者会議である
地域力強化検討会の取りまとめでは、包括的な支援が必要な
課題に対応するため、包括的支援体制の整備をすることを各自治体に求めております。また、
平成30年4月に施行される改正
社会福祉法においても、包括的な支援体制の整備が各自治体の努力義務規定として新たに盛り込まれたところでございます。
先ほどご答弁いただきました現行の
札幌市における
取り組みでは、解決が困難な
課題を抱えた世帯を発見し、その世帯へ直接的に働きかけることや、行政や
関係機関、住民組織等の連携により一体的に支える体制がまだまだ十分ではなく、適切な支援につながっていない世帯が
地域に埋もれてしまうことを危惧しております。このような世帯に対応していくためには、
取り組みの一層の強化や新たな
仕組みづくりが必要であると考えております。今回、新たに策定される
地域福祉社会計画では、複合的な
課題や制度のはざまの
課題を抱える世帯が
地域で埋もれることなく発見され、また、既存の
専門機関や
住民主体の組織を包括的に結びつけるような
仕組みを検討していくとしております。
そこで、質問ですが、
札幌市では、こうした
仕組みづくりに向けてどのように検討を進めていくのか、お尋ねいたします。
◎菱谷
総務部長 包括的に結びつけるような
仕組みの検討についてお尋ねでございます。
札幌市におきましても、複合的な
課題や制度のはざまの
課題により適切に対応するためには、
課題を抱える世帯が支援を円滑に受け入れられるような働きかけ、また、関連する
専門機関や住民組織の調整を担う協働の中核となる体制の整備など、新たな
仕組みづくりを検討していくことは必要なことと認識しております。
仕組みの検討に当たりましては、それら複雑化している
課題を抱える世帯が
地域で埋もれることなく適切に支援に結びつき、解決が図られているかどうかなど、現在の
仕組みにおける状況について、
地域福祉団体や
関係機関の方々から詳細に聞き取るなど、改めて確認する必要があるというふうに考えているところでございます。それらを踏まえた上で、包括的な支援体制の構築に向けて、より効果的な支援を行う
仕組みなどについて、他都市の事例や国の動向も参考にしながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
◆福田浩太郎
委員 現状を把握して、例えば、どんな
課題がどのくらいあり、なぜつながらないのかなどを整理して、そして、効果的な
仕組みを検討していくということでございます。
札幌市のこれまでの
地域の支え合い活動を支援していく
取り組みは、私も評価しているところでございます。しかし、先日の他会派の代表質問の答弁でもあったように、
地域での
取り組みには濃淡があるのも事実でございます。
3年前の
厚生委員会で大阪の豊中市にコミュニティソーシャルワークの
取り組み状況を視察に伺いましたが、豊中市では、中学校区圏域にコミュニティソーシャルワーカーを配置しております。
地域福祉推進のキーパーソン役であり、豊中市はこの事業を市の社会
福祉協議会に委託しておりました。このように、豊中市では、コミュニティソーシャルワーカーによって
地域福祉活動強化に
取り組み、そして
課題を吸い上げ、さらに事業者などにも協力を仰いで、公民が知恵と力を出し合い、解決の道を開いておられました。
このような役割は、果たしてボランティア活動で担えるのか、私は仕事として担っていただかなければ難しいのではないかというふうに感じております。どうか、今後の検討に当たっては、
地域福祉力を高める専従職の配置を求めて、質問を終わります。
◆
平岡大介 委員 私からは、民生
委員と児童
委員の欠員の補充について伺いたいと思います。
地域福祉社会計画では、第4章の
施策の展開の中で、民生
委員・児童
委員活動の支援が上げられております。しかし、民生
委員、児童
委員の定数、現員数、充足率を確認いたしますと、今年度12月、1月の時点で112人の欠員が生じております。これまでの推移を見ましたけれども、各地区の民生
委員児童
委員協議会から要望されている必要人数、つまりは各
地域からこれだけの民生
委員が必要だと言われている必要人数、定数を満たしたことがないことがわかりました。
第1点目の質問ですが、民生
委員の担い手が不足している要因をどのように考えているのか、伺いたいと思います。
◎菱谷
総務部長 民生
委員、児童
委員につきましては、まず、各地区の連合町内会など住民組織の方や地区民生
委員児童
委員協議会、また、学識経験者などがメンバーとなる地区民生
委員児童
委員推薦準備会から候補者を推薦していただいております。実際には、この地区推薦準備会のメンバーの方と
地域の関係団体の方々が協力し合いながら候補者を探しておりますけれども、引き受けてくださる適任者探しにご苦労されている
地域が多いというふうに認識しております。
担い手不足の要因につきましては、
地域でのつながりが希薄となっていること、
高齢になっても仕事を続ける方がふえていること、また、民生
委員の業務の責任が重いと思われていることなどが原因ではないかというふうに考えております。
◆
平岡大介 委員 今、部長からもご説明がありましたが、どのようにして民生
委員を選任していくのかというと、各地区の地区推薦準備会が、4カ月に1度、
地域の中で民生
委員にふさわしい人を探して推薦するという
仕組みです。しかし、答弁のとおり、適当な人がなかなか見つけられないといったこともあるそうです。それから、民生
委員が見つからない
地域では、別の民生
委員がやってきて相談活動を行うということで、大変苦労されているという話も聞いております。
前回、65歳未満であった新任の民生
委員の対象年齢を72歳未満に引き上げたとのことですが、年齢をいじくるだけでは根本的な欠員の解消にはならないのではないかというふうに考えております。地区の推薦準備会がふさわしい人を探してきて推薦しているというやり方ですけれども、こういったやり方だけではなくて、直接、本市が民生
委員のなり手を探していくといった
取り組みが求められていると思いますがいかがか、伺います。
◎菱谷
総務部長 直接、市が候補者を探すなどの
取り組みの必要性ということのお尋ねかと理解しております。
民生
委員、児童
委員につきましては、
地域の身近な相談役として活躍していただいておりますことから、
地域の実情に詳しいことに加えて、
地域の方々からの信頼が厚く、気軽に相談できるような方を選任する必要があると考えております。したがいまして、そのような方を把握している
地域団体や
関係機関で構成している地区推薦準備会から推薦をいただき、市の推薦会で審査するという方法をとっております。
しかしながら、
札幌市といたしましても、積極的に担い手の発掘を行う必要があると考えておりますため、ホームページや広報さっぽろを活用した民生
委員・児童
委員制度の周知や、定年により退職する
札幌市職員、また北海道職員などに対しまして、説明会などで民生
委員・児童
委員活動の紹介をするなどの
取り組みを行ってきたところでございます。今後に向けましては、これまで以上にまちづくりセンターや町内会などの住民組織と協力しながら、さらなる欠員補充のための候補者探しや発掘に向けた働きかけに努めてまいりたいというふうに考えております。
◆
平岡大介 委員 部長はこれまで以上にやっていくぞと言われましたけれども、これまでの充足率を見てみますと、
地域からの推薦というのは限界ではないかと思います。こういったところに手厚い
取り組みを行っていってほしいと思います。
次に、
地域によって違う民生
委員の
負担の軽減について伺いたいと思います。
地域によっては、若い世代が多く住んでいる
地域もあれば、
高齢化が進んでいる
地域もございます。また、新築のマンションが多いところでは、なかなかお部屋まで行けず、インターホンのところでとめられてしまい、住民にかかわることができないといった問題もあると聞いておりますが、逆に言いますと、古いアパートやマンションの多いところのほうがひとり暮らしの
高齢者や困難を抱えた人が多いというお話も聞いております。
つまり、何を言いたいかといいますと、今の民生
委員の1人当たりの世帯数は、
平成28年度で見ますと339世帯となっています。しかし、同じ世帯数を抱えていても、
地域によって
負担の重さや実情が違ってくるのではないかというふうに思いますが、その
負担の重さの違い、差についてどのように軽減を図っていくのか、その考えを伺いたいと思います。
◎菱谷
総務部長 地域の状況による
負担の差を軽減するための働きかけというお尋ねかと思います。
委員からのご質問にありましたように、
地域の特性による状況の違いがあると思われるため、3年に1度行われる改選時には、各地区の民生
委員児童
委員協議会からの意見を尊重しながら、
地域の人口増や
高齢化の進展の状況などによる実情を踏まえて定数を決定しております。また、民生
委員、児童
委員個人が担当する区域につきましても、地区民生
委員児童
委員協議会で個々人が担当する区域について定めることができますため、一人の民生
委員、児童
委員に
負担が偏ることがあれば地区割りの変更による柔軟な対応を行う
仕組みとなっているところでございます。
今後につきましても、実際に活動している民生
委員児童
委員協議会との連携を密にしながら、
意見交換などを行い、
負担の軽減に努めてまいりたいと考えております。
◆
平岡大介 委員 ぜひ、民生
委員のご意見をしっかり聞いて、
負担や
課題を本市が解決していくように取り組んでいただきたいというふうに思います。
この
計画の社会情勢や暮らしの変化に伴う現状と
課題というところを見ましても、
高齢者や障がいのある方などの増加に伴って、暮らしにくさや困り事を抱える
市民がふえる、社会的に孤立した世帯がふえると書かれております。やはり、現状のように民生
委員の確保もままならないままでは、
計画策定の
基本理念であるみんなで支え合い住み慣れた
地域で安心して暮らし続けられるまちさっぽろの実現とはなかなかならないのではないかと思います。
また、民生
委員のなり手不足だけではなくて、町内会や自治会ではさまざまな困難を抱えております。これまで行政がやっていた仕事を町内会に回されるといったことがふえているとも聞いております。この
計画の中でも自助、共助というのが強調されておりまして、ボランティアをふやしていくといった
目標も掲げられておりますが、行政としてやらなければならない仕事、役割は今後もしっかり担っていただきたい、このことを申し上げて、質問を終わります。
○
中村たけし 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
中村たけし 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、
委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午後2時11分...