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平成28年第 4回定例会−12月06日-03号

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  1. 札幌市議会 2016-12-06
    平成28年第 4回定例会−12月06日-03号


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    平成28年第 4回定例会−12月06日-03号平成28年第 4回定例会               平成28年   第4回定例会          札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 3 号 )           平成28年(2016年)12月6日(火曜日)         ――――――――――――――――――――――――――― 〇議事日程(第3号)  開議日時 12月6日 午後1時 第1 議案第1号から第26号まで(市長提出)  ―――――――――――――――――――――――――― 〇本日の会議に付した事件 日程第1 議案第1号 平成28年度札幌市一般会計補正予算(第4号)  議案第2号 平成28年度札幌市土地区画整理会計補正予算(第1号)  議案第3号 平成28年度札幌市国民健康保険会計補正予算(第2号)  議案第4号 平成28年度札幌市後期高齢者医療会計補正予算(第1号)  議案第5号 平成28年度札幌市介護保険会計補正予算(第3号)  議案第6号 平成28年度札幌市公債会計補正予算(第3号)
     議案第7号 平成28年度札幌市病院事業会計補正予算(第1号)  議案第8号 平成28年度札幌市軌道事業会計補正予算(第1号)  議案第9号 平成28年度札幌市高速電車事業会計補正予算(第2号)  議案第10号 平成28年度札幌市下水道事業会計補正予算(第1号)  議案第11号 札幌市職員給与条例等の一部を改正する条例案  議案第12号 公の施設の指定管理者の指定の件(自閉症者自立支援センターデイサービスセン   ター)等)  議案第13号 公の施設の指定管理者の指定の件(二条はるにれ児童会館)  議案第14号 公の施設の指定管理者の指定の件(都市公園)  議案第15号 札幌市個人情報保護条例及び札幌市情報公開・個人情報保護審議会及び札幌市情報公   開・個人情報保護審査会条例の一部を改正する条例案  議案第16号 札幌市職員退職手当条例の一部を改正する条例案  議案第17号 札幌市基金条例の一部を改正する条例案  議案第18号 札幌ウィンタースポーツミュージアム条例の一部を改正する条例案  議案第19号 札幌市介護保険条例の一部を改正する条例案  議案第20号 札幌市指定地域密着型サービス及び指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設   備及び運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例案  議案第21号 札幌市都市景観条例の一部を改正する条例案  議案第22号 札幌市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例案  議案第23号 損害賠償及び和解に関する件  議案第24号 損害賠償及び和解に関する件  議案第25号 平成29年度当せん金付証票の発売限度額を定める件  議案第26号 市道の認定及び変更の件  ―――――――――――――――――― 〇出席議員(66人)  議   長       鈴 木 健 雄  副 議 長       恩 村 一 郎  議   員       村 山 拓 司  議   員       村 松 叶 啓  議   員       松 井 隆 文  議   員       中 川 賢 一  議   員       成 田 祐 樹  議   員       かんの 太 一  議   員       岩 崎 道 郎  議   員       松 原 淳 二  議   員       竹 内 孝 代  議   員       わたなべ 泰行  議   員       前 川 隆 史  議   員       平 岡 大 介  議   員       田 中 啓 介  議   員       中 山 真 一  議   員       伴   良 隆  議   員       阿部 ひであき  議   員       小 竹 ともこ  議   員       北 村 光一郎  議   員       中 村 たけし  議   員       林   清 治  議   員       村 上 ゆうこ  議   員       小 口 智 久  議   員       好 井 七 海  議   員       丸 山 秀 樹  議   員       池 田 由 美  議   員       太 田 秀 子  議   員       村 上 ひとし  議   員       石 川 佐和子  議   員       飯 島 弘 之  議   員       こじま ゆ み  議   員       佐々木 みつこ  議   員       宗 形 雅 俊  議   員       よこやま 峰子  議   員       小須田 悟 士  議   員       山 口 かずさ  議   員       小 川 直 人  議   員       しのだ 江里子  議   員       福 田 浩太郎  議   員       國 安 政 典  議   員       小 形 香 織  議   員       細 川 正 人  議   員       長 内 直 也  議   員       五十嵐 徳 美  議   員       山 田 一 仁  議   員       こんどう 和雄  議   員       峯 廻 紀 昌  議   員       桑 原   透  議   員       三 宅 由 美  議   員       ふじわら 広昭  議   員       大 嶋   薫  議   員       伊 藤 理智子  議   員       坂本 きょう子  議   員       高 橋 克 朋  議   員       勝 木 勇 人  議   員       宮 村 素 子  議   員       三 上 洋 右  議   員       武 市 憲 一  議   員       小 野 正 美  議   員       畑 瀬 幸 二  議   員       福 士   勝  議   員       本 郷 俊 史  議   員       涌 井 国 夫  議   員       堀 川 素 人  議   員       松 浦   忠  ―――――――――――――――――― 〇欠席議員(1人)  議   員       長谷川   衛  ―――――――――――――――――― 〇説明員  市   長       秋 元 克 広  副 市 長       町 田 隆 敏  副 市 長       板 垣 昭 彦  副 市 長       吉 岡   亨
     交通事業管理者  交 通 局 長     相 原 重 則  水道事業管理者  水 道 局 長     岸   光 右  病院事業管理者  病 院 局 長     関   利 盛  危機管理対策室長    河 原 正 幸  総 務 局 長     野 崎 清 史  まちづくり政策局長   浦 田   洋  財 政 局 長     中垣内 隆 久  市民文化局長      池 田 佳 恵  スポーツ局長      石 川 敏 也  保健福祉局長      瀬 川   誠  子ども未来局長     村 山 英 彦  経済観光局長      小 西 正 雄  環 境 局 長     谷 江   篤  建 設 局 長     若 松 郁 郎  下水道河川局長     高 松 康 廣  都 市 局 長     大 場 里 樹  会 計 室 長     川 畑   恵  消 防 局 長     大 島 光 由  教育委員会教育長    長 岡 豊 彦  教育委員会委員     池 田 光 司  選挙管理委員会委員長  伊 藤 知 光  選挙管理委員会委員   川口谷   正  選挙管理委員会委員   馬 場 泰 年  選挙管理委員会委員   西 村 茂 樹  人事委員会委員     祖母井 里重子  人事委員会事務局長   西 田 健 一  監 査 委 員     藤 江 正 祥  監査事務局長      木 村 義 広  ――――――――――――――――――事務局出席職員  事 務 局 長     出 井 浩 義  事務局次長       泉   善 行  政策調査課長      中 田 光太郎  議 事 課 長     田 口 繁 治  調 査 係 長     石 堂 正 章  議 事 係 長     深 井 貴 広  委員会担当係長     斉 藤 匡 朋  委員会担当係長     数 田 光 嘉  書   記       下 間 孝 洋  書   記       片 桐   巧  ――――――――――――――――――       開 議 午後1時  ―――――――――――――――――― ○議長(鈴木健雄) ただいまから、本日の会議を開きます。  ―――――――――――――――――― ○議長(鈴木健雄) 出席議員数は、65人です。  ―――――――――――――――――― ○議長(鈴木健雄) 本日の会議録署名議員として小須田悟士議員三宅由美議員を指名します。  ―――――――――――――――――― ○議長(鈴木健雄) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。 ◎事務局長(出井浩義) 報告いたします。  本日の議事日程、質問順序表は、お手元に配付いたしております。  以上でございます。  ―――――――――――――――――― ○議長(鈴木健雄) これより、議事に入ります。  日程第1、議案第1号から第26号までの26件を一括議題とします。  昨日に引き続き、代表質問を行います。  通告がありますので、順次、発言を許します。  わたなべ泰行議員。  (わたなべ泰行議員登壇・拍手) ◆わたなべ泰行議員 私は、ただいまから、公明党議員会を代表いたしまして、市政の諸課題につきまして、順次、質問を行います。  まず初めに、平成29年度予算編成と市長のリーダーシップについて質問をさせていただきます。  国の動向を見てみますと、我が党が政権与党に復帰してから約4年がたとうとしていますが、この間の経済政策、いわゆるアベノミクスにより、経済環境、とりわけ雇用環境は大幅に改善してきたところであります。一方、明るい兆しが見えてきたとはいえ、少子高齢化や人口減少、長いデフレ経済の中にあって、生活者という視点に立てば、ゆとりや豊かさをいまだ十分に実感できていないとの声も多く聞かれ、一日も早く成長と分配の好循環が隅々まで行き渡る経済状況となることが望まれます。  札幌においても、ここ数年のうちに人口減少が始まるとされており、本市が将来にわたって活力あふれる豊かな地域社会を築いていくためには、社会情勢を適切に見きわめ、新時代を切り開く新しい取り組みにも果敢に挑戦していく必要があり、このような生活者優先の社会を築いていくためには、市民の視点に立った着実な事業の実施を一つ一つ行っていく必要があります。  さて、来年度の予算は、市長の任期の折り返しとなる、とても重要な予算であります。平成29年度予算編成方針においても示されているところではありますが、アクションプランに掲げる計画目標の着実な達成に向け、一層、その取り組みを加速させていく必要があるほか、喫緊の市政課題にも対応していくため、策定当初においては計画に盛り込まれていなかった課題についてもしっかり対応していく必要があります。  さらに、札幌市の課題は、少子高齢化の問題や冬季オリンピックパラリンピック招致や新幹線延伸に伴うまちの再生など、一部局のみでは解決できない複雑な案件もふえてきているところであります。このたび問題となった学校の給食施設を初めとする市有施設のアスベスト問題についても、今後の対応についてはこれからの検証を待つこととなりますが、まずは、市長が施政方針にも掲げている市民感覚を原点とし、市民の視点に立って市役所が一体となって対応することが必要であります。  また、国においては、2020年度までのプライマリーバランスの黒字化を財政健全化の目標として掲げている中、先日発表された財政制度等審議会による平成29年度予算の編成等に関する建議においても、国、地方を通じた最大限の歳出効率化が求められている状況であり、地方交付税の算定に対するトップランナー方式の拡大など、地方財政全体においても厳しいものが想定されます。  加えて、本市においては、依然として高齢化の進行などに伴う社会保障関係経費の増大なども見込まれることから、将来に過度な負担を残すことのないよう、持続可能で健全な財政運営にも留意しながら、予算編成を行う観点についても引き続き留意していく必要があります。  そこで、質問ですが、このような中、市政のかじ取りを行うことは、市長の強いリーダーシップが求められるところであり、市長はどのようなことに留意して平成29年度予算の編成に当たっていく考えか、伺います。  次に、アスベストなど有害物質の対応について伺います。  アスベストに対する国の対策は、短期間でさまざまに変遷しており、例えば、建材のアスベスト含有量基準は5%から平成7年に1%に変更され、さらに、平成18年には0.1%へと変更されました。また、対象とするアスベストの種類についても、我が国にはクリソタイル、アモサイト、クロシドライトの3種類しか存在しないという見解だったものが、平成18年には6種類に拡大しました。さらに、吹きつけ材は除去等の即時対応でありましたが、断熱材への対応については強制的な対応が求められませんでした。しかし、平成26年の石綿障害予防規則の改正で断熱材が規制対象に追加され、それを受け、今回、文科省から調査の通知がなされたことなど、国の対応も手探り感が否めませんでした。  一方、それらの動向に追従するように、アスベストの調査方法も改良が加えられてきました。建材中のアスベスト含有量については、微量分析ができるエックス線解析法などが開発され、大気中におけるアスベスト繊維の測定は、分散染色法や、電子顕微鏡を用い、アスベストの種類まで特定できる方法が開発されております。このようにアスベストへの対応はさまざまに変遷しているため、札幌市としても、国の動向に敏感に反応しなければなりません。そして、調査手法についても、市民の安全・安心のため、過去の慣習にとらわれることなく、正確で精度のよい新しい評価方法を促すことが必要であります。  そこで、質問ですが、札幌市において、より正確で精度の高い方法を率先して導入し、その結果を市民に提供するなど、市民の安全・安心の確保に向けた取り組みを進めるべきと考えますがいかがか、伺います。  また、アスベストのような有害物質への調査対応は、災害時と同じような市民の安全・安心を守るための緊急体制の強化が必要です。これまでのアスベスト調査の対応を拝見しますと、特定の調査機関に集中し、時間を要したことなど、事前の準備ができていなかったように思います。したがって、今後の危機管理のためにも、分析・調査機関や協会等と連携し、非常事態が生じたときに円滑に調査が行える体制づくりが大切です。  また、今回問題となった断熱材などに分類されているアスベストに関しては、冒頭で述べたとおり、国の動きにも手探り感があったことも一因と考えられますが、アスベストを含む保温材、断熱材に関する危険性の認識が市役所内で不十分であったのではないかと思われます。専門知識を持った分析機関との積極的な情報交換や連携を図ることにより、さまざまな有害物質にかかわるさらなる認識の向上も期待されます。  さらに、今後、市有施設の点検ルールを新たに策定する予定であるとのことですが、その点検を行うのもまた市役所であり、点検のし忘れや形骸化しないようにするためには、今述べた有害物質の危険性を熟知させ、点検を義務化していくことが必要であります。  そこで、質問ですが、札幌市民の安全・安心を守るため、今回の問題を教訓として、市役所全体におけるアスベスト断熱材等にかかわる点検の確実な実施のための仕組みが必要と考えますがいかがか、伺います。  また、アスベストを初めとする有害物質に対する職員の意識向上のために、専門知識を有する企業との連携強化が必要と考えますがいかがか、伺います。  次に、地域経済の質の向上について伺います。  国の経済政策により、経済・雇用環境は大幅に改善しました。特に、雇用や賃金の改善は顕著です。賃金は3年連続で上昇を続けており、有効求人倍率は全ての都道府県で1倍を超えるなど高水準にあり、失業率も低水準で推移しています。一方で、課題も多く残されています。例えば、日銀の調査では、最近の業況について、よいと答えた企業と悪いと答えた企業を差し引いて算出する業況判断DIで大企業がプラス11であるのに対し、中小企業はマイナス4.0と、中小企業にはいまだアベノミクスの成果が浸透し切っていないのではないかと考えます。  その傾向は、札幌市でも同様であり、札幌市企業経営動向調査によると、経常利益について、前期に比べて増加したと回答した企業と減少したと回答した企業を差し引いて算出する数値では、大企業がマイナス2.9であるのに対し、中小・小規模企業はマイナス17.1と、まだまだギャップがあります。人口減少、自治体の持続可能の危機が指摘される今、これまでの経済社会モデルからの転換を促し、多様なライフプランを将来にわたって描ける地域社会の構築が必要であり、その基盤である地域経済の再興とゆとりや豊かさといった経済の質の向上を通じた市民生活の向上が不可欠であると考えます。  一つの典型例を挙げれば、平均的な収入が得られ、結婚し、無理なく子育てできる社会などが考えられます。そのためには、生活を支えるために欠かせない働く場としての産業が地域にあり、安定的に収入を確保していくことが大切です。  こうした中、本市では、社会経済情勢の大きな変化を背景に、年内の策定を目指して札幌市産業振興ビジョンの改定作業に取り組んでいるところであります。その改定案を拝見しますと、選択と集中により新たな経済成長の原動力をつくり出す重点分野として、現行の観光、食、健康・福祉、環境の4分野から、環境は環境(エネルギー)に絞り込む一方、健康・福祉は健康福祉・医療へと拡充し、また、新たにIT・クリエイティブ分野を重点分野に加えた5分野とする案となっています。  私は、人口減少に伴う市場の縮小という認識のもと、国内外の需要を獲得することができ、札幌の強みを発揮できる分野を特定し、それらに注力しながら地域経済を活性化させるという考えは重要であり、その意味からも今回の重点分野の設定は正しい方向性になっていると考えます。  一方、札幌には、重点分野にかかわらない製造業やサービス業などさまざまな産業があり、事業所数や従業者数など相当な厚みがありますが、人口減少社会の到来によるマーケットの縮小など、課題は同じです。直面する社会経済環境の変化に対応するよう行政が支えていかなければ、多くの市民が生活にゆとりや豊かさを実感する社会にはならないと危惧するところであります。  そこで、質問です。  ゆとりや豊かさといった地域経済全体の質の向上に向け、重点分野以外の産業の支援についてどのように認識し、どのような方向で活性化させていくことを考えているのか、伺います。  次に、女性の再雇用の促進について伺います。  国は、人口減少が進む中でも、消費を喚起し、経済成長を持続させるため、本年6月に閣議決定されたニッポン一億総活躍プランに女性や高齢者の就労をより一層促進するさまざまな施策を盛り込んでいるところであります。もちろん、これらの取り組みは、国民全体の給与所得の増加による消費の活性化だけではなく、企業の人手不足解消という点でも重要なものと考えます。  しかし、特に女性の就労に目を向けて見ると、キャリアを積み、企業の第一線で輝くことを望む女性もいれば、育児と仕事を無理のない範囲で両立するため、短時間での就労を望む女性もいます。こうした個々の女性のニーズに合わせたバリエーションのある就労支援策が必要なのではないでしょうか。  国においては、女性の就労を後押しするため、本年10月に短時間労働者の社会保険の適用範囲を広げたほか、最低賃金を引き上げるなど各種の改革を進めております。本市においても、我が会派の提案を取り入れ、女性が、結婚や出産を経ても退職せず、キャリアを継続できるよう支援する事業のほか、今年度からは、子育て女性の再就職に向け、セミナーと職場体験をセットにした事業を実施するなど、取り組みを強化していることは評価するところであります。個々の女性に向けた支援や環境づくりに国も自治体も積極的に取り組んでおりますが、今後、さらに女性の就労を後押しするためには、女性が、それまでのキャリアや経験を生かし、活躍できる仕組みづくりが求められるのではないでしょうか。  内閣府の調査によれば、女性が正社員として働ける環境が整えば整うほど、短時間での雇用も含め、女性全体の就労も促進されるとの結果も出ております。しかし、市内の企業では、結婚や出産により、一度、退職した女性がもとの勤務先に再度雇用された事例はまだまだ少数と言えます。正社員として活躍していた女性が、退職後も家庭環境や希望する就労時間に応じて容易にもとの勤務先に再雇用されるような仕組みをつくることは、経験ある人材を確保でき、企業にとっても大きなメリットがあるのではないでしょうか。  そこで、質問ですが、女性の就労ニーズに応じた柔軟な再雇用の仕組みが必要と考えますがいかがか、伺います。  次に、ダブルケア対策等について伺います。  初めに、ダブルケア対策について伺います。  女性の活躍や働き方改革が求められる中、近年、高齢化、晩婚化、晩産化等を背景に、育児と親の介護が同時期に発生する、いわゆるダブルケア問題が指摘されるようになりました。
     こうした中、政府は、女性活躍加速のための重点方針2015に基づき、ダブルケアの実態調査を行い、本年4月にその調査結果が公表されました。それによると、ダブルケアを行う方の人口は、女性が約17万人、男性が約8万人、合計で約25万人と推計されており、ダブルケアを行う女性は、男性に比べて周囲からの支援が得られておらず、男性の半数以上が配偶者からほぼ毎日手助けを得られているのに対し、女性は4人に1人にとどまっています。また、ダブルケアにより仕事量を減らした方が男性で約2割、女性で約4割、そのうち離職して無職になった方が男性で2.6%、女性では17.5%と、特に女性に多くの負担がかかっている実態が明らかになりました。さらに、ダブルケアを行う方が行政に望む支援策としては、保育施設の拡充、育児、介護の費用負担の軽減、介護保険が利用できる介護サービスの拡充が高く、勤め先に求める支援策としては、子育てのために一定期間休める仕組みとなっております。  全国を見ると、横浜市が官・民・学を挙げてダブルケア対策に取り組んでおり、例えば、ダブルケアを行っている場合の特別養護老人ホームの入所要件を緩和するなど、全国に先駆けた取り組みを行っています。札幌市も、晩婚化は深刻であり、ダブルケアで苦しんでいる方は相当数いると思われます。横浜市の取り組みなどを参考にしながら、対策を総合的に進めていくことを強く求めたいと思います。  ダブルケアによる負担は、子育て支援や介護サービスを利用することで軽減されるとはいえ、それぞれの制度や担当が異なるため、行政が十分なサービスを提供できていないのではと懸念されます。  そこで、質問ですが、適切な制度につながらず、負担を抱えたままの方々もいると思われますが、こうした方々への支援についてどう考えているのか、伺います。  2点目は、若年性認知症に関する取り組みについて伺います。  昨年、厚生労働省が公表した新オレンジプランでは、認知症の人が住みなれた地域で自分らしく暮らし続けていくことができる社会の実現を目指すこととしており、大きな施策の一つとして、若年性認知症施策の強化を掲げ、今年度からは、新たに若年性認知症支援コーディネーター設置事業をスタートいたしました。この事業は、都道府県を実施主体とし、若年性認知症の人とその家族からの相談とその支援にかかわる者のネットワークを調整する者を配置して、若年性認知症の特性に配慮した就労継続支援や社会参加支援等を推進するものであります。  北海道では、北海道認知症の人を支える家族の会に委託しているコールセンターの相談機能を活用して、1名の方に若年性認知症支援コーディネーターの機能も担ってもらっていると伺っておりますが、全道で1名だけで本当によいのか、疑問に思うところであります。  札幌市の患者数は、65歳未満で介護保険制度が利用できる方のうち、初老期認知症に該当する方はことし11月現在で155名、また、認知症機能低下を伴う何らかの疾患等で精神障害者保健福祉手帳を所持している患者数は323名と、利用する制度によって患者数も異なっております。若年性認知症は、他の疾患と見分けが難しく、診断に時間がかかり、また、診断を受けても職場への影響を考え、公表しない人もおり、介護福祉制度を使う段階になってようやく診断に至るケースもあるなど、患者の全体像をつかむことは大変難しいと伺っております。診断を受けても、仕事をやめざるを得なくなった場合の生活保障はなく、育ち盛りの子どもや介護を要する親を抱えて、みずからも介護を必要とする状態になることは苦痛のきわみと言えましょう。総合的な相談窓口や支援体制の整備を札幌市としても積極的に取り組むべきと考えます。  そこで、質問ですが、若年性認知症に対して、札幌市としてどのような取り組みを行っているのか、また、若年性認知症支援コーディネーターに係る札幌市の認識はいかがか、伺います。  次に、スポーツ振興について伺います。  1点目は、スポーツを通じた観光振興についてであります。  本市では、芸術の森やKitaraなど世界に誇る文化施設を生かして、サッポロ・シティ・ジャズ、PMFなど魅力的な文化イベントを開催しております。これらのイベントには、札幌市民のみならず、市外、道外、また海外からも多くの方が来札されており、まちが活気づくだけではなく、交流人口の拡大により多くの経済効果をもたらしております。こうしたイベントは、文化振興といった本来の目的のほかに、経済効果という副次的な効果も生み出し、本市の経済活性化の一助となっている例だと言えます。  一方で、スポーツの分野に目を向けてみますと、札幌には野球やサッカー、バスケットのプロチームがあります。一年を通してスポーツイベントが市内で開催されており、札幌は、今や、国内でも屈指のスポーツが盛んな都市であります。記憶に新しいことで言えば、北海道日本ハムファイターズの優勝パレードでは、約14万人の方々が沿道に集まり、そして、パレードの後に札幌ドームで行われた北海道コンサドーレ札幌のホーム最終戦では約3万4,000人の観客を集め、J2優勝、そしてJ1昇格を決めました。この日、各テレビ局もこの出来事を取り上げ、深夜まで特別番組が組まれたほか、新聞各紙も大きく取り上げるなど、スポーツの力で北海道が一つになった、そんな日であったのではないかと思うところであります。  さて、本市のスポーツ行政を所管する部局の変遷を見ますと、古くは、教育委員会体育課がスポーツ行政を所管しておりました。教育委員会が所管していたことからわかるとおり、当時のスポーツ行政は小・中学校における学校体育の延長線上に軸足を置いておりました。以後、平成に入ってからは、市民局スポーツ部、観光文化局スポーツ部と市長部局で所管するようになり、今年度は、観光文化局からスポーツを独立させ、スポーツ局を新設したところであります。  スポーツ局の新設の目的は、冬季オリンピック・パラリンピックの招致など、スポーツを通じたまちづくりを総合的に推進するためとのことで、この機構改革は、学校体育を軸に置いたスポーツ行政から、市民や観光客が楽しむための行政を経て、スポーツ振興が札幌のまちづくりそのものとなった大きな転換点を象徴したものであると理解しているところであります。  先ほど申し上げたとおり、スポーツイベントには市外からも多くの人が集まります。本市の冬季オリンピック・パラリンピック開催概要計画検討委員会の委員長を務めていただいた早稲田大学の原田宗彦教授の研究では、定住人口1人減による年間121万円の消費減は、宿泊の伴う国内観光者22人の消費額で補うことができるとのデータが示されております。日本全体で人口減少による経済活動への影響が懸念される中、私は、こうしたスポーツを通じた観光振興策に大きな可能性を感じているのであります。  観光文化局から独立したとはいえ、プロスポーツの観戦ツアーや札幌のセールスポイントであるウインタースポーツを目的に来札する人をふやしていく等、スポーツツーリズムを促進することで交流人口のさらなる拡大を目指すことは、変わらず重要であると考えます。  そこで、質問ですが、札幌の恵まれた自然などのスポーツ資源を生かした観光振興策についてどのようにお考えか、伺います。  2点目は、スポーツ人口をふやすための取り組みについて伺います。  冬季オリパラ招致を目指す本市としては、観光振興に加えて、実際にスポーツする人をふやし、やがて開催される北海道・札幌オリンピック・パラリンピックのときには、地元出身のアスリートがオリパラのひのき舞台で活躍する場面を見たいと思うわけであります。本市が今目指している2026年大会のころには、今の子どもたちが年齢的にはアスリートとして最盛期を迎えるわけであります。まさに、今の中学生ぐらいの子どもたちが金の卵となるのであります。  若者のスポーツ離れが叫ばれて久しいところでありますが、金の卵を育てるためには、まずはスポーツを楽しむ市民をふやすことが何より重要であり、裾野の広がったスポーツ人口の中から将来のオリンピック・パラリンピック選手が生まれることが理想であります。オリンピック・パラリンピック選手が一朝一夕で誕生するはずがありません。だからこそ、まずは多くの子どもたちがスポーツに親しむ、体験するという機会をつくり、そこから生み出される金の卵を育成強化していくという長いスパンで取り組んでいくことが重要だと考えます。オリパラの招致は2026年と10年先の話でありますが、選手の育成強化については今から進めていかなければならないのです。  そこで、質問ですが、子どもたちのウインタースポーツ人口をふやすための取り組みについてどのように考えているのか、伺います。  次に、町内会活動の現状と地域力アップを目指した取り組み推進について伺います。  平成28年1月現在、札幌市内には2,207の単位町内会、90の連合町内会があり、約65万世帯が町内会に加入しております。町内会は、地域のまちづくりの根幹を担い、地域の安全・安心、さらには、快適に暮らせるまちづくりのためにも重要な役割を担っています。その活動は多岐にわたっており、地域住民の親睦、高齢者の見守り、子育てに関する活動を初め、除排雪、ごみステーションの管理など、私たちの日常生活に欠かすことのできない活動を行っております。  しかし、時代の移り変わりとともに、事業所、店舗等での加入や大きなマンション単位の町内会が組織されるなどの状況がある一方で、町内会への加入率は年々減少しています。札幌市では、町内会の状況や意識を調査するため、ことし1月から3月にかけて市内の各町内会長を対象にアンケート調査を実施し、1,281件の回答を得ました。その結果によると、町内会の課題として、役員のなり手不足や役員の高齢化を挙げた会長は90%を超え、町内会活動の現状として、特定の人しか参加しない、活動への参加者が少ない、活動内容も慣例化しているとの回答が多く見られました。さらに、アンケートでは、今後、町内会として取り組みを進めたいこととして、災害対策や、子どもや高齢者の見守り、環境美化などの活動を挙げた方が多く、今後は、そうした山積する地域課題の解決に向け、今回のアンケート結果を分析し、これからの町内会活動に反映させ、住民の参加意識の醸成に役立てる必要があると考えます。  また、昨年度、秋元市長が就任し、策定された5年計画、アクションプラン2015において、政策目標の一つに地域の課題を地域の力で解決する街が掲げられ、その施策の中で、町内会に関連した主要事業として町内会活動総合支援事業、町内会加入促進に向けた調査検討事業等が計画されています。これらの事業を通じ、町内会活動を計画的に支援していくことが重要であります。  そこで、1点目の質問ですが、これまでの町内会アンケートの結果も踏まえ、札幌市では、町内会への支援をどのように進めているのか、伺います。  2点目は、職員並びにOBの町内会活動への参加について伺います。  市の職員やOBは、業務を通じて町内会活動の重要性を理解していると考えられることから、私としては、市職員を町内会の担い手として期待しているところであります。既に、町内会で活躍している職員が私の身近にもおりますが、そうした職員の姿は頼もしく、地域の中で活躍する職員の姿は行政の信頼につながるものと確信しますが、果たしてどのくらいの職員が自分の住んでいる地域とかかわっているのか、関心のあるところであります。  個人の町内会への参加はあくまで任意のものと思いますが、職員並びにOBの町内会活動への参加について、札幌市はどのように考えているのか、伺います。  さらに、学校教育を通じた町内会活動に対する意識醸成についても伺います。  子どもは地域の宝であり、町内会でお祭りや自然観察会などさまざまな行事や企画を立て、参加を促しております。子どもが町内会の活動に参加することは、子どもを通じ、親である大人の参加にもつながり、子ども自身の地域への深い愛着につながり、将来、地域活動の担い手として期待されるなど、その意義は大変に大きいものです。ついては、さまざまな学習機会を捉えて、町内会が自分たちの住む地域の中で一体どのような役割を担って活動しているのかを子どもたちにも理解してもらう必要があると考えます。  そこで、質問ですが、学校教育等を通じた町内会活動に対する意識醸成について、札幌市ではどのように考えているのか、お伺いいたします。  次に、自殺総合対策について伺います。  平成18年に制定された自殺対策基本法が、本年4月、10年ぶりに改正されました。自殺対策基本法の制定以来、我が国の自殺対策は大きく前進し、平成10年以降、長らく年間3万人を超えていた自殺者数は、平成22年以降、6年連続で減少し、平成27年には約2万4,000人にまで減少となりました。  しかし、平成18年から平成27年までの10年間だけでも我が国の自殺者数は約30万人に上り、平成27年においても、1日に平均66人が自殺で亡くなっており、人口10万人当たりの自殺者数を示す自殺率についても、我が国は先進7カ国で最も高く、また、10代後半から30代の死因の第1位が自殺であり、児童生徒を含む若年世代の自殺も深刻な状況のままであることなどから、非常事態はいまだ続いており、我が国の自殺問題は決して楽観できないとの共通認識があり、法制定時と同様、衆参両院において全会一致で可決、成立したものであります。  札幌市における自殺の状況を振り返りますと、長らく400人以上の高どまりが続き、特に平成22年、23年には480人という深刻な事態を迎える中で、我が会派は、たびたび札幌市の自殺総合対策の充実を求めてきたところであります。その後の自殺者数は、平成24年以降、減少をたどり、平成27年には345人まで減少しております。しかしながら、今もって年間三百数十人と言えば、ほぼ毎日1人の市民がみずから命を絶っていることとなり、札幌市の場合も依然として憂慮すべき事態が続いていることに変わりはないと考えます。  そこで、1点目の質問ですが、自殺対策基本法の改正経緯を踏まえ、札幌市が取り組んできた自殺総合対策の評価について、認識を伺います。  次に、自殺対策基本法の改正内容を見ますと、第1条の目的条項に、「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して、これに対処していくことが重要な課題となっている」との強い問題意識を書き加え、続く基本理念条項にも、自殺対策は全ての人がかけがえのない個人として尊重されるとともに、生きがいや希望を持って暮らすことができるための支援と環境の整備充実が実施されなければならない、また、保健、医療、福祉、教育、労働その他の関連施策との有機的な連携が図られ、総合的に実施されなければならないことが規定されました。  さらに、新たに、自殺予防週間9月10日から16日と、自殺対策強化月間3月を法律上位置づけ、都道府県のみならず、政令指定都市を含む全市町村に対して自殺対策計画の策定を義務づけ、これら地方公共団体の事業実施に要する経費に充てる交付金の規定が新設されました。このほか、基本的施策として、調査研究の推進及び体制の整備、人材の確保、心の健康の保持にかかわる教育、啓発の推進、医療提供体制の整備などの各条文で、より具体的に踏み込んだ修正、追加がなされるなど、全体として、国や地方公共団体に対し、より実効性の高い自殺総合対策の着実な推進を強く求める内容となっております。  札幌市におきましても、改正自殺対策基本法にうたわれるように、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して自殺総合対策を推進していくためには、庁内連携はもとより、庁外の有識者や保健、医療、福祉などの現場で活動している各分野の指導者との連携を強化し、これらの方々が持っている知見や経験に学び、積極的に取り入れていくことが大切になってくると考えます。  そこで、2点目の質問ですが、自殺対策基本法の改正内容を踏まえ、札幌市における今後の自殺総合対策の推進強化に向けた基本姿勢について伺います。  次に、教育の諸課題について伺います。  初めに、障がいのある児童生徒への学習支援についてです。  学校教育においては、発達障がいなどのある児童生徒も含めて、一人一人の教育的ニーズに応じた特別支援教育が推進されております。特別支援教育は、自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援するという視点に立ち、個別の教育的ニーズについて理解と認識を深めていくことが大切であり、個々の障がいの特性に応じた学習支援を進めていくことが必要であります。  例えば、文字を読むことが困難な状況にある児童生徒が教科書の内容を理解するための学習支援の一つとして、我が党が導入及び普及を推進してきたマルチメディアデイジー教科書を初めとする教科用図書に対応した音声教材があります。マルチメディアデイジー教科書は、教科書の内容をデジタル化し、パソコンで音声の再生と文字の拡大表記などを同時に行うもので、視覚と聴覚から同時に情報が入るため、読む力や学習意欲の高まりを感じられるなど、大変有効なものであります。  我が会派では、音声教材の有効性に着目し、平成26年1定の代表質問では、本郷議員が質問を行い、教育委員会から、活用の成果等を踏まえて積極的な活用を検討するとの答弁がありました。その後、本年に入り、文部科学省が来年度の使用教科書における音声教材等の需要数について初めて調査を行い、現状の結果が出たところであります。  札幌市においても取り組みが進められていると思いますが、今回の調査結果を踏まえ、障がいのある児童生徒のうち、音声教材等を必要とする全ての児童生徒に対して適切に教材を提供できるよう、広く普及啓発に取り組む必要があると考えます。  そこで、質問ですが、音声教材等を活用した学習支援の現状と今後の音声教材等の普及啓発の取り組みについて伺います。  次に、現在、我が国においては、本年4月に障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が施行され、8月には発達障害者支援法の一部が改正されるなど、共生社会の実現に向けた新たな取り組みが進められています。共生社会を築いていくためには、国民一人一人の意識のバリアフリー化が必要であり、そのためには、将来を担う子どもたちが早い時期から障がいのある人との交流や活動をともにすることが重要であり、学校教育の役割は大きいものと考えます。このため、学校教育においては、障害者差別解消法などの施行を受けて、障がいのある子どもと障がいのない子どもとが可能な限りともに教育を受けられるよう、インクルーシブ教育の推進や、さきに述べた音声教材等を活用した学習支援など、障がいのある児童生徒がその特性等を踏まえて十分な教育が受けられるよう、学習支援の一層の充実に努めていく必要があると考えます。  そこで、質問ですが、障害者差別解消法などの施行を受けて、障がいのある児童への学習支援を今後どのように充実していくつもりか、伺います。  次に、奨学金の返還支援についてです。  昨今、大学進学率が5割を超える中、経済的理由から奨学金制度を利用する学生が年々増加傾向にあり、2014年度、日本学生支援機構から奨学金を借りた大学生は全体の38.7%に上り、各自治体等の制度も含めると、多くの大学生が何らかの奨学金を利用していることになります。また、経済的な理由などから、奨学金制度を利用しても、就職後から始まる返還を滞納している事例が課題となっており、3カ月以上の滞納者は全国で約17万人に上るとされております。一方、地元企業においては、担い手不足がより深刻化し、人材確保が経営課題になっているものの、札幌市では20歳代の若年層が約3,000人も転出超過をしており、人材流出に歯どめがかからない現状です。  そういった状況の中、地元企業と大学生をつなぐ仕組みとして、地元企業への就業を条件として奨学金の支援制度を創設する自治体が広がってきております。例えば、秋田県は、県内企業に就職する若者を対象にした奨学金返還の助成制度を開始し、県が指定する特定業種の企業に一定条件で就職した場合に、3年間で最大60万円の助成を受けられ、対象者も年間1,000人に上っており、その他、新潟県では県内にUターン転職した人、山口県では理系大学院生を対象に返還補助を行うなど、全国各地で積極的な取り組みが開始されております。  我が党は、これまで一貫して奨学金制度の拡充を推進してきており、国も、来年度から所得連動返還型奨学金制度を開始し、負担軽減を図るほか、奨学金を活用した大学生等の地方定着の促進として奨学金返還を負担する基金造成を推奨しているところです。未来ある子どもたちの学ぶ環境を応援するとともに、地域における人材確保施策として、本市においても、こうした地元企業と学生をつなぐ奨学金の返還支援制度の創設を検討すべきではないかと考えます。  そこで、質問ですが、札幌で育つ大学生が勉学に集中し、地域に愛着を持つ環境をつくるためにも、本市における奨学金の返還支援制度の創設など、学生の負担を軽減し、地域に定着できる仕組みを検討すべきと考えますが、学生の現状や人材流出への課題認識を含め、その見解をお伺います。  最後に、南区の諸課題について伺います。  1点目は、南区の観光資源の活用についてです。  南区の人口は、平成10年が15万7,438人とピークで、その後、減少し続け、現在は14万26人とピーク時より11.1%減になり、人口減少率は市内10区の中で一番です。また、高齢化も進み、65歳以上の方が4万5,042人となり、32.2%が高齢者という現状で、高齢化率も10区内で一番になります。人口減少や高齢化とともに、町内会の自治運営が難しくなり、商店街のお客さんは減り、小学校の統廃合も起きており、南区全体が活気を失いつつある状況です。  そんな南区も、真駒内アイスアリーナや札幌芸術の森などでイベントが開催されるときには大変多くの方が訪れます。また、南区は、滝野すずらん公園や新たな桜の名所と期待される小金湯さくらの森、豊平峡、石山緑地、果樹園など、豊かな緑に囲まれており、開湯150周年を迎えた定山渓温泉や、世界トップクラスの雪質を誇る札幌国際スキー場、日本新三大夜景に選ばれた札幌の夜景が一望できる藻岩山、札幌の文化施設の象徴である札幌芸術の森、真駒内滝野霊園にある世界的建築家の安藤忠雄氏が設計した大型建築物などに、市内外から多くの方が訪れています。また、このほかにも、自然、文化、スポーツが体験できる施設がまだまだたくさんあります。  この自然を生かした観光スポットが多くある南区に注目していただいたある民間企業からは、駒岡に冬期間だけ氷と雪でできたホテル、いわゆるアイスホテルを建設し、地域や札幌の観光に貢献したいという声も聞いております。このように、見る人が見れば南区は宝の山であり、都心部には見られない数多くの個性豊かな観光資源を生かし、南区を訪れる機会をつくって交流人口をふやし、まちを活性化できれば、行く行くは南区に多くの方が移住してもらえるのではないかと考えます。  南区は、点在するさまざまな施設や商店などの事業者、地域住民の方々が魅力あるまちづくりのために個々に頑張っていますが、これらの観光資源を十分に生かし切れておらず、思うような結果が得られておりません。この状況を打破して南区にもっと多くの方が住んでもらえるようにするためにも、まずは、地域ならではの魅力的な観光資源を体感してもらえるような事業をより一層効果的に展開することが重要と考えます。  そこで、質問ですが、今後、南区を含めた地域の観光資源をどのように活用し、地域における観光振興をどのような考えで推進するのか、伺います。  2点目は、南区の交通課題について伺います。  ことしの8月、連続して北海道を襲った台風は、多くの道路や橋梁に被害を与え、札幌と道東を結ぶ道路である国道38号の狩勝峠は復旧したものの、国道274号は日勝峠付近の崖崩れにより道路が寸断され、先日の報道によると復旧は来年秋とのことで、まだまだ時間がかかる状況であります。このことにより札幌などから道東へ移動が制限されたことで、道民の生活のみならず、経済面、観光面でも大きな影響を与えたことは記憶に新しいところであります。  都市間を結ぶ幹線道路の重要性は明らかであり、我が会派が提唱した防災・減災ニューディールの理念が反映された、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法などを踏まえ、安全・安心な地域づくりへ着実かつ速やかに防災・減災対策を進めていくことが重要であると考えています。  南区に目を向けますと、都心部から藤野や簾舞、定山渓などの南部地域へとつながる第1次緊急輸送道路は、国道230号と国道453号のみであり、これらの道路が通行どめになるような場合や、災害時に緊急車両が集中するような場合を考えると、さらなる交通網の強化が望まれるところであります。平常時においても、これらの国道は、朝夕の時間帯、また冬季の降雪時においては大変混雑しており、特に国道230号における南36条の交差点では、札幌方面へ向かう車線で右折車が多く、南北に長く渋滞している状況であります。  この解決策の一つとして、以前より検討を行っている豊平川通の南伸計画があると考えており、国道から交通転換を促すことで交通混雑を緩和するとともに、災害時や防災の観点においても必要な事業であると認識しているところです。  また、今後の定山渓の観光振興において、また、オリンピックの開催を見据えた上で、札幌都心部からの南部地域への定時性や速達性の向上を図ることが必要であると考えます。とりわけ南区の人口減少の原因の一つに交通課題があることから、豊平川通の南伸の早期実現に向け、しっかり取り組むべきであると考えます。  そこで、質問ですが、豊平川通の南伸について、現在の検討状況と、今後どのように取り組んでいくつもりか、伺います。  以上で、私の質問の全てを終わります。ご清聴、まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(鈴木健雄) 答弁を求めます。  秋元市長。 ◎市長(秋元克広) 全体で10項目にわたりご質問をいただきました。私からは、1項目めの平成29年度予算編成と市長のリーダーシップについて、2項目めのアスベストなど有害物質の対応について、そして、6項目めのスポーツ振興についての3項目についてお答えさせていただきます。その余のご質問につきましては、担当の副市長、教育長のほうからもご答弁をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  最初に、1項目めの平成29年度予算編成と私のリーダーシップについてお答えをいたします。  平成29年度予算の編成に当たりましては、アクションプランの着実な実施はもとより、プラン策定時には想定をしていなかった新たな行政課題などについても機動的に対応してまいりたいと考えております。  行政ニーズの複雑多様化が進む昨今におきましては、市民の視点に立った施策展開を図る観点からも、特に部局同士の連携が重要であると認識をしており、このため、予算編成に先立つ政策分野ごとの計画策定や事業の実施方針の検討段階から、関係する各部局が情報や課題認識を共有し、さまざまな角度から検討するよう指示をしたところであります。  一方、地方財政を取り巻く環境は厳しさを増すなど、今後の見通しは楽観視できないという状況下におきまして、将来世代に過度な負担を残さない持続可能な財政運営の重要性はますます増しているということから、国への要望などを通じた財源の確保に努めますとともに、歳入歳出全般の見直しや市債の適切な管理などにより、その健全性の維持にも意を用いていく所存であります。  的確な施策展開と財政健全性の取り組みということを両立させながらの予算編成ということにつきましては、市役所全体が一体となって取り組むべきものであり、私みずからのリーダーシップを発揮してまいります。  次に、2項目めのアスベストなど有害物質の対応についてお答えをいたします。  まず、市民の安全・安心の確保に向けた取り組みについてでありますが、今回、断熱材の剥落を確認した施設につきましては、まずは煙突の使用を中止した上で、直ちに大気中のアスベスト濃度を測定し、その結果を公表するなど、施設周辺の環境状況についての情報を適宜お知らせしてきたところであります。  アスベストなどの有害物質につきまして市民の皆様にその特性や健康への影響などに関する正しい知識を持っていただくためには、それらの物質に関するさらなる正確かつ的確な情報提供が重要であると認識しております。今後は、最新の調査方法やその精度に関する情報をさらに積極的に収集し、必要に応じてより正確で精度の高い調査方法を用いるなど、市民の安全・安心の確保に努めてまいります。  次に、アスベスト問題への今後の対応についてであります。  まず、1点目の点検の確実な実施のための仕組みについてでありますが、今後、アスベストを含む煙突断熱材が剥落し、施設が利用できないというような同様の事態が生じることのないよう、継続して点検を行うことが必要であると認識しております。  今後、新たに策定する点検ルールを、全庁的な環境配慮の取り組みを推進する仕組みである札幌市環境マネジメントシステムの点検項目に追加することで、各施設の管理者が確実にそのことを履行するようにしてまいりたいと考えております。  次に、専門知識を有する企業との連携強化についてであります。  市民の安全・安心の確保に向け、札幌市といたしまして的確な環境保全対策に取り組んでいくためには、最新の専門知識や調査方法などの情報について、職員が高い意識を持って注視していく必要があると考えております。今後、アスベストを初めとする有害物質に関する最新の専門知識に係る情報収集に向けて、分析・調査機関など関係団体とも連携をし、情報交換に努めてまいりたいと考えております。  次に、6項目めのスポーツ振興についてお答えをいたします。  まず、1点目のスポーツを通じた観光振興についてでありますが、スキーやマラソンなど北海道におけるスポーツ環境の優位性を生かして、国内外から多くの来訪者を促すスポーツツーリズムの推進は、集客交流人口の拡大に向けて大きな可能性を秘めたものであると考えております。特に、ウインタースポーツによる集客は、札幌市における冬場の観光閑散期対策としても極めて効果的な取り組みだと認識をしているところであります。  そこで、今後、ウインタースポーツ人口の急増が見込まれるアジア圏をターゲットに、市内の近郊スキー場などと連携をしながら海外向け商談会でのセールスを展開するなど、札幌の都市機能と札幌のスポーツ資源を生かした観光振興策を積極的に進めてまいりたいと考えております。  次に、スポーツ人口をふやすための取り組みについてであります。  札幌の特色であるウインタースポーツを楽しむ文化を次世代につなげていくためには、子どもたちが気軽にスキーやスケートなどを体験できる環境づくりに取り組むことが極めて重要であると認識をしております。そこで、札幌市では、これまでも、小・中学校のスキー学習の実施率を高めるため、インストラクターの派遣を行うとともに、今年度、新たに小学3年生を対象としてリフト料金の支援を行うなど、子どもたちのウインタースポーツの体験機会の充実に努めてきたところでありますが、今後は、さらに、クロスカントリーやカーリングなど多彩なウインタースポーツに触れる、仮称でありますが、ウインタースポーツ塾、これを実施することで、ウインタースポーツの裾野を広げるとともに、将来の競技人口の拡大とアスリートの発掘、育成につなげてまいりたいと考えております。  私からは、以上であります。 ○議長(鈴木健雄) 町田副市長。 ◎副市長(町田隆敏) 私からは、3項目めの地域経済の質の向上について、4項目めの女性の再雇用の促進について及び10項目めの南区の諸課題について、この三つについてお答えいたします。  3項目めの地域経済の質の向上についてのご質問でございますが、札幌には多種多様な産業があることから、足腰の強い経済基盤を確立するためには、重点分野のみならず、幅広く産業全般について支援をしていくことが必要と認識しているところでございます。その支援の方向性といたしましては、低利融資制度や人材の確保、育成など、経営基盤の強化を図る支援に加えまして、新たな商品、サービスの開発や販路拡大に対する支援も積極的に行っていく考えでおります。  いずれにいたしましても、札幌経済を支えるさまざまな企業のチャレンジを積極的に支援することを通して企業の収益を向上させ、それを働く方に還元していただくことで、市民のゆとりや豊かさの実現につなげてまいりたいと考えているところでございます。  次に、4項目めの女性の再雇用の促進についてでございますが、企業が結婚や出産により一度退職した女性社員の再雇用の仕組みを整備することは、女性の活躍推進はもとより、有業率の向上にもつながり、本市の経済成長にとっても意義があるものと認識しております。再雇用に当たりましては、企業の中には、フルタイムに限らず、短時間勤務など柔軟な勤務形態を設定することにより、人材不足の解消や業績の向上を図っているところも見受けられます。今後は、こうした企業の先進的な事例を市内の企業に発信し、再雇用する仕組みづくりを働きかけていくことで、女性の多様な働く機会の確保に努めてまいります。  次に、10項目めの南区の諸課題について、1点目の南区の観光資源の活用についてでございますが、札幌は、自然、文化、気候、食という観光振興に適した条件を兼ね備えており、これらの観光資源を十分に活用することが新たな観光客の掘り起こしやリピーターの増加につながると認識しているところでございます。  このことから、南区を初めとする観光資源を生かした地域の主体的な取り組みを支援するとともに、多様な観光資源を有する地域と事業者の連携をより一層促し、定番の観光スポットを見るということだけではなく、札幌らしい魅力的な体験観光を推進してまいりたいと考えております。
     次に、2点目の南区の交通課題についてでございますが、豊平川通の南伸につきましては、南36条交差点などの渋滞の解消を図るとともに、都心部と南部地域のアクセスを強化する上で重要と認識するところでございます。  道路整備の手法につきましては、堤防敷地を基本として検討を進めているところでございますが、堤防上は限られた狭い敷地であるなど、地形的な制約により解決すべき課題も多いところでございます。現在、これらの課題を踏まえた上で、実現性が高い整備内容につきまして検討を行っており、引き続き、国道管理者、河川管理者などの関係機関と協議を進めてまいります。  私からは、以上でございます。 ○議長(鈴木健雄) 板垣副市長。 ◎副市長(板垣昭彦) 私からは、5項目めのダブルケア対策等について、7項目めの町内会活動の現状と地域力アップを目指した取り組み推進について、そして、8項目めの自殺総合対策について、3点についてお答え申し上げたいというふうに思います。  まず、5項目めのダブルケア対策等についてであります。  ダブルケア対策につきましては、ダブルケアの負担を抱えていらっしゃる方が子育てや介護の制度に適切につながっていくためには、困り事や悩みを制度の縦割りで捉えるのではなく、個々の世帯の事情に応じた制度との関連性を十分に理解し、受けとめていくことがまずは必要だというふうに考えております。このため、他都市の取り組みも参考にしながら、区役所における相談体制や各部局間の連携体制の強化、さらには、ダブルケアのような複合的な課題を抱えた方々の実態を踏まえました子育てや介護などによる支援のあり方について、検討してまいりたいというふうに考えております。  次に、若年性認知症に関する取り組みについてであります。  1点目の若年性認知症に関する取り組みについてでありますけれども、札幌市におきましては、平成19年度から認知症施策の方向性を検討するための認知症支援事業推進委員会を設置しておりまして、医療介護の専門職のほか、若年性認知症の人と家族の会の代表も委員として参画いただいているところでございます。この委員会の意見や市民ニーズを取り入れながら、札幌市独自の認知症コールセンターの設置や、介護従事者等を対象といたしました若年性認知症の専門研修を実施しているところでございます。  2点目の若年性認知症支援コーディネーターに係る認識についてでありますけれども、認知症支援全般に言えることではありますが、現役世代での発症につきましては、特に医療介護ニーズのほか、生活全般に係る支援や社会的なサポート体制の整備は重要であるというふうに認識をしております。都道府県に設置されますコーディネーターはこうした取り組みの核となるものでありまして、札幌市といたしましても、北海道のコーディネーターに積極的に協力してまいりたいというふうに考えております。  次に、大きな7項目めの町内会活動の現状と地域力アップを目指した取り組み推進についてであります。  まず、一つ目の町内会への支援についてでありますけれども、町内会は地域コミュニティーの中核を担う重要な団体でありまして、これまでも、町内会の方々の意見を伺いながらさまざまな支援を実施してきたところでございます。具体的には、町内会への加入や参加促進への取り組みといたしまして、多様な媒体を活用した活動のPRや、不動産関連団体などと連携いたしました転入者に対する働きかけのほか、地域ビジョンの策定に関するワークショップの開催などを行ってきたところであります。また、町内会運営や担い手の確保に向けた取り組みといたしまして、シンポジウムのほか、会計事務などの講座、取り組みの事例を共有する意見交換会を実施しております。  今後も、アクションプランに掲げました各事業を着実に進めるとともに、地域コミュニティ検討委員会からの提案なども十分に参考とし、町内会活動の活性化に向けた支援を充実してまいりたいというふうに考えております。  次に、職員並びにOBの町内会活動への参加についてであります。  まちづくりは、市民の参加により行われることが基本でありまして、札幌市職員も同様に市民参加の意識を持つことが求められるものというふうに認識をしております。札幌市職員につきましては、新規採用時にまちづくりセンターにおいて実地研修を実施するなど、町内会を初めとする地域のまちづくりや課題の理解に努めているほか、自己申告制度におけます面談などを通じまして、地域活動やボランティア活動への参加も奨励することとしております。また、退職時に行われます説明会におきましても、町内会活動への積極的な参加を呼びかけているところでございまして、今後も、こうした取り組みを通しまして、地域のまちづくりへの参加を働きかけてまいりたいというふうに考えております。  次に、学校教育などを通じた町内会活動に対する意識醸成についてでありますが、将来のまちづくりの担い手として若い世代の参画は重要でありまして、各年代に応じたさまざまな取り組みを実施しているところであります。例えば、小学3年生の副読本といたしましてまちづくり手引書を配付したほか、中学生と町内会役員との座談会の開催支援、高校生には公園のごみ拾いなどのまちづくり活動へ参加する機会を設けているところでございます。また、地域に対しまして学生団体を派遣する事業を実施しており、これらの事業につきましてはそれぞれに高い評価をいただいているところでございます。今後も、引き続き地域や教育機関と連携しながら若い世代の意識醸成を図ってまいりたいというふうに考えております。  次に、8項目めの自殺総合対策についてであります。  まず、一つ目のこれまでの自殺総合対策に対する評価についてであります。  平成21年度に、担当副市長を委員長といたします自殺総合対策推進会議を設置し、翌22年に第1次行動計画、平成26年には第2次行動計画を策定し、全庁的に取り組みを進めてきたところであります。具体的には、悩みのある人に寄り添うゲートキーパーの養成や事業所などのトイレステッカーによる啓発のほか、各区におきましては地域や大学と連携いたしました独自事業等を実施しておりまして、この間、自殺予防への理解が進むなど一定の効果があったものというふうに考えております。このような取り組みをさらに効果的に進めるためには、医療機関や福祉施設、教育機関、企業などとの連携をより一層強めまして、それぞれの機能や人的資源を十分に生かすことが重要であるというふうに認識をしております。  次に、二つ目の今後の推進強化に向けた基本姿勢についてであります。  札幌市では、今回改正されました法律や、国が来年夏に予定いたします自殺総合対策大綱の内容を踏まえまして、平成31年度をめどに第3次行動計画をスタートさせる予定であります。今後の自殺総合対策の推進に当たりましては、従来の取り組みに加えまして、特に自殺未遂者や自死遺族の支援、若年層の自殺予防対策の充実なども重要であるというふうに考えておりまして、庁内外の連携をさらに強化するなど、より実効性のある計画の策定を目指したいというふうに考えております。  このため、札幌市の附属機関であります精神保健福祉審議会に新たに部会を設けまして、自殺総合対策のあり方について保健、医療、福祉の関係団体を中心とした幅広い分野の有識者にご検討いただくこととしております。  私からは、以上でございます。 ○議長(鈴木健雄) 吉岡副市長。 ◎副市長(吉岡亨) 私からは、9項目めの教育の諸課題についてのうち、2点目の奨学金の返還支援についてお答えいたします。  貸与型奨学金の返還が卒業後の経済的な負担になっている現状は十分認識しており、返済義務のない札幌市奨学金の受給者数を段階的に拡大してきたところでございます。  また、将来を担う人材である若年層が転出超過となっていることは、札幌市としても喫緊の課題であり、この状況に対応するため、大学や金融機関と連携し、地元定着に向けた企業と大学生との接点づくりに取り組んでいるところでもございます。  今後は、経済団体や大学との連携を深めながら、奨学金の返還支援を含め、学生への支援内容やその効果、国の制度の活用の可能性など、若年層の地元定着に向けたさまざまな手法について検討してまいりたいと考えているところでございます。  私からは、以上でございます。 ○議長(鈴木健雄) 長岡教育長。 ◎教育長(長岡豊彦) 9項目めの教育の諸課題についての1点目の障がいのある児童生徒への学習支援については、私からお答えいたします。  1点目は、音声教材等を活用した学習支援についてでございます。  札幌市では、発達障がい等により教科書などを読むことが困難な児童生徒にマルチメディアデイジー教科書を利用した学習支援を行っております。現在、国において、このようなデジタルデータを活用したさまざまな音声機材等の普及促進を図っており、札幌市においても、個々の児童生徒のニーズを把握しているところでございます。今後、実践事例の紹介などを通して、音声機材等の理解、啓発を図るとともに、個々の児童生徒の障がいの状況に応じた適切な活用を進めてまいります。  2点目の障がいのある児童生徒への今後の学習支援についてでございます。  障害者差別解消法の施行に合わせ、法の理念や具体的な合理的配慮への周知を図るとともに、効果的な学習支援の事例をまとめ、検証をしているところでございます。今後は、具体的な事例をもとに、学校に対しまして積極的に情報提供や助言を行い、障がいのある児童生徒への学習支援の充実に努めてまいりたいと考えております。  私からは、以上でございます。 ○議長(鈴木健雄) ここで、およそ30分間休憩します。  ――――――――――――――――――       休 憩 午後2時13分       再 開 午後2時45分  ―――――――――――――――――― ○議長(鈴木健雄) これより、会議を再開します。  代表質問を続行します。  田中啓介議員。  (田中啓介議員登壇・拍手) ◆田中啓介議員 私は、日本共産党を代表して、市政にかかわる重要問題について、順次、質問をいたします。  最初に、市長の政治姿勢について伺います。  質問の第1は、日ロ領土問題についてです。  ロシアのプーチン大統領が来日することになり、安倍首相との首脳会談で北方領土問題がどのように話し合われるのか、注目されています。安倍首相は、ことしが日ソ共同宣言発効から60周年となる節目であり、新しいアプローチで領土交渉に臨むと語っていますが、歯舞、色丹の二島先行返還で平和条約を締結するとの声が政府内にあるという報道もあります。  もしそうであるなら、重大な落とし穴に落ち込む危険があります。平和条約を締結すれば、どんな留保条件をつけようと、両国間での公式の国境画定となり、それ以上の領土交渉は、事実上、不可能となります。それは、この二島返還で平和条約を結ぶという1956年の日ソ共同宣言でのソ連側の主張への全面屈服であり、歴代日本政府の60年にわたる立場を自己否定するものです。  1点目は、日本政府の主張の根本的な弱点についてです。  道民の悲願である領土問題をどうすれば前進させることができるのか、この点で、この60年間、領土交渉を前進させることができなかった問題の中心に、日本政府の主張の根本的な弱点があります。日本政府は、1951年に締結されたサンフランシスコ平和条約第2条C項で、日本国は千島列島に対するすべての権利、権限及び請求権を放棄すると宣言し、千島列島の領有権を放棄しました。ところが、その後、政府は、国後、択捉は千島列島には含まれていないと主張し始め、北海道の一部である歯舞、色丹を含む四島を北方領土と呼んでその返還を求めてきました。  しかし、この主張は、ウルップ以北の北千島を最初から領土要求の対象にしないという根本問題に加えて、国後、択捉の返還を求める主張としても全く道理のないものでした。1951年のサンフランシスコ会議で、日本側全権の吉田 茂首相は、演説の中で、国後、択捉の両島を千島南部の二島と呼び、ウルップなどについてもウルップ以北の北千島諸島と呼んでおり、国後、択捉から北千島の全体を千島列島と見る立場を明確に表明しています。また、サンフランシスコ平和条約を批准した日本の国会でも、西村熊雄条約局長(当時)は、サンフランシスコ条約にある千島列島の範囲について、北千島と南千島の両者を含むと考えておりますと、日本政府の公式見解として繰り返し表明していました。  この歴史的経過を見れば、国後、択捉は千島列島には含まれていない、だから返還せよという日本政府の主張は成り立つものではなく、世界に通用しないと考えますがいかがか、市長の見解を伺います。  2点目は、返還交渉に当たって、日本政府が確立すべき立場についてです。  日ロ領土問題の根本に、領土不拡大という第二次世界大戦の戦後処理の大原則を踏みにじったソ連の横暴と連合国の追随があります。第二次世界大戦の際、連合国は、領土不拡大を戦後処理の大原則にすると繰り返し宣言し、対日戦の戦後処理についても、連合国は、1943年のカイロ宣言で、同盟国は自国のために利得も求めず、また、領土拡張の念も有しないと宣言しました。ところが、1945年のヤルタ会談で、ソ連のスターリンが対日参戦の条件に千島列島の引き渡しを要求し、アメリカ、イギリスがこれに応じ、そして、サンフランシスコ平和条約では、アメリカの要求で千島列島放棄の条項が盛り込まれました。これは、連合国みずからが掲げた領土不拡大という戦後処理の大原則に反するものであり、この不公正にこそ正面からメスを入れるべきです。  一旦結んだ条約であっても、それが世界の道理に反するものであれば、廃棄、無効化することは不可能ではありません。そのことは、サンフランシスコ平和条約第3条で、日本は沖縄の施政権を奪われながら、この3条を廃棄することなく沖縄の本土復帰を果たしたことにも示されています。日本政府は、ヤルタ協定による千島列島の引き渡しとそれに基づくサンフランシスコ平和条約での千島列島の放棄は、領土不拡大という第二次世界大戦の戦後処理の大原則に反するという立場を明確にし、千島関連条項の廃棄、無効化と千島列島の全面返還を内容とする平和条約の締結に向けた交渉を行うべきです。政府がこうした戦後処理の不公正を正すという立場に立ってこそ、国際社会の理解を広げ、領土問題を前進させることができると考えますがいかがか、見解を伺います。  質問の第2は、南スーダンPKOへの新任務の付与についてです。  政府は、南スーダンPKOに派兵されている自衛隊に、駆けつけ警護、宿営地共同防衛などの新任務を付与し、先月20日、陸上自衛隊青森駐屯地から先発隊が、30日には主力の第1陣が南スーダンに派遣されました。新任務の付与によって、自衛隊が戦後初めて海外での戦闘で殺し殺される最初のケースになりかねない事態となっています。  南スーダンでは、2013年12月以降、大統領派と副大統領派の内戦が始まり、昨年8月には和平合意が結ばれたものの、ことし7月には首都ジュバで大規模な武力紛争が発生しました。政府は、これについて、衝突は起こっているが、戦闘ではないなどと言いますが、このような詭弁は通用するものではありません。  11月1日に公表された国連特別調査報告書は、7月の戦闘では大砲や戦車、攻撃ヘリが総動員され、国連南スーダン派遣団、UNMISSの施設にある建物182棟が銃撃やロケット砲によって被弾し、複数の住民保護施設も攻撃を受け、少なくとも73人が犠牲になり、中国のPKO隊員2名が死亡したと述べ、キール大統領とマシャール前副大統領との和平合意は崩壊したと断定しました。  これは、紛争当事者間で停戦合意が成立していることというPKO参加5原則が崩れていることを明確に示すものだと考えますがいかがか、見解を伺います。  また、PKO参加5原則が満たされていない以上、自衛隊を南スーダンから撤退させるとともに、非軍事の人道支援、民生支援に転換すべきだと考えますがいかがか、伺います。  次は、市有施設の煙突アスベスト問題についてです。  緊急点検の結果、アスベストの剥落が学校を含む計43施設で確認され、暖房や学校給食の停止など市民生活に影響を与えています。国に対して虚偽の報告を行ったことは極めて重大であり、本市はアスベストに対する認識が軽薄であったと言わざるを得ません。  質問の第1は、本市のアスベストに対する認識についてです。  1点目は、2006年に実施したボイラー煙突の煙導状況調査時の認識についてです。  先月15日の文教委員会の答弁で、担当部長は、内壁の剥落がないかどうかを調べるのが目的で、アスベストの存在を前提とした調査ではない、当時、アスベストの意識は恐らく全くなかったのではないかと述べています。  改めて、伺いますが、当時の調査の際、煙突の断熱材にアスベストは含まれていないと考えていたということですか、明確な答弁を求めます。  この調査の前年、2005年6月に、兵庫県尼崎市の大手機械メーカーのクボタの工場で働く従業員74人がアスベスト関連病で過去に死亡していることが明らかになり、工場周辺に住む住民にもアスベストによる中皮腫が広がった、いわゆるクボタショックが大きな社会問題になりました。  これを契機に、翌2006年には、大気汚染防止法や労働安全衛生法施行令、石綿障害予防規則など一連の改正が行われました。この中で、2006年1月に都道府県知事、政令市長宛てに公布された大気汚染防止法施行令の一部を改正する政令及び大気汚染防止法施行規則の一部を改正する省令は、アスベストが使われている建築物の解体作業等における特定粉じんの飛散防止の措置を拡充・強化するとして、吹きつけアスベストだけでなく、アスベストが含まれる断熱材なども対象にしました。その断熱材には煙突用断熱材も明記されています。  そして、これを受けて、本市では、札幌市生活環境の確保に関する条例等の改正が行われました。その第52条は、建築物等を解体し、改造し、または補修する作業を伴う建築工事を施工しようとする者は、大気汚染防止法第2条第12項に規定する特定建築材料の使用の有無を調査しなければならないとされています。この特定建築材料に煙突用断熱材が含まれていることは言うまでもありません。  この条例改正は、2006年12月に公布され、施行されたのは翌2007年1月です。学校のボイラー煙突調査業務も同年1月に報告書が出されていますが、それでも、この調査の際、煙突用断熱材にアスベストが含まれているという認識はなかったということなのか、改めて伺います。  2点目は、2006年の調査後の処理と対応についてです。  2006年の調査報告書によると、煙突に使われていた断熱材は、カポスタックとニューカポスタックであり、アスベストの含有量は70%から90%で、発がんリスクの高いアモサイトが多く含まれています。調査を行った150校のうち、53校の煙突内部に突起物、灰出し口に灰のたい積が確認され、中には、灰出し口のふたが外れているずさんな管理をしている箇所もありました。その後、ボイラーは運転しており、2006年から10年間、アスベストが飛散し続けていた可能性は否定できないと考えますがいかがか、また、調査の結果、13校で煙突の改修工事が行われましたが、アスベストへの対策が施されていたのか、伺います。  加えて、調査で確認された灰は、当時、誰がどのように処理をしたのか、伺います。  3点目は、実証実験についてです。  さきの委員会で、我が党は、ボイラーの稼働時と停止時では測定したときの測定濃度に差が生じることを指摘し、ボイラーの稼働時を想定した実証実験を行うべきと求めましたが、本市は、技術的に難しいと答弁しました。しかし、学校保護者や市民からは、ボイラー稼働時にアスベストの飛散はなかったのかなどの不安の声が寄せられており、専門家からも今回の測定調査を疑問視する声が上がっています。  NPO法人東京労働安全衛生センターが、2010年から2011年、劣化した煙突7本でアスベストが周りに飛散しない措置を講じてボイラー稼働をさせた結果、いずれも、煙突の出口で基準値の9倍から100倍以上のアスベスト濃度を記録しました。断熱材が落下した瞬間も濃度が基準値を上回ったと報告しています。専門家によると、ボイラーを稼働した状態で測定できるインピンジャー法という方法もあると聞きます。アスベストが飛散した可能性はあると市長も言うように、どれだけ飛散した可能性があるのかを明らかにすることは、市民の健康を守る本市の責任ではないかと思いますがいかがか、伺います。  改めて、専門家の意見も聞きながら実証実験をすべきと思いますが、そのようなお考えはないのか、伺います。  質問の第2は、民間施設への対応についてです。  今回、市有施設の煙突内のアスベストが大きな問題になりましたが、報道によると、民間施設を含めると、アスベストが含まれ、劣化しているという煙突が全国で約5万本もあると言われています。本市において、民間施設でどれだけのアスベストが使用された煙突があると把握しているのか、また、それに対してどのように対応していくのか、伺います。  次は、都心アクセス道路についてです。  創成川通の混雑度は0.87と、4段階ある混雑度の中で最低ランクです。国道36号線の豊平3条1丁目の豊平橋付近の混雑度1.93と比べても混雑度は半分以下であることから、アクセス道路の建設は必要ありません。交差点改良を中心とした道路整備を行うべきであります。  本市は、急速な少子高齢化と人口減少による交通量減少時代到来の中、これ以上、道路は要らないという世論が起きないよう、将来の交通量を除いた道路の機能と役割を強調してきました。しかし、その根拠は十分なものではありません。  例えば、期待される効果として、石狩湾新港の取り扱い貨物量が増加傾向のため、アクセス道路で連携を強化する必要性を示していますが、石狩湾新港に入ってくる貨物は、外国からはLNG、液化天然ガス、木材チップ、石油製品などが9割以上を占め、国内からは燃料系の石油製品、砂利と砂、セメント、LPG、液化石油ガスなどで9割以上を占めています。これらの貨物は、本市の都心部に入ってくるものではなく、石狩湾新港との物流による連携強化の根拠にはならないことを、この間、我が党は指摘してきました。根拠に乏しい情報提供は、市民を誤った方向に誘導することになり、問題です。  質問の第1は、本市が示す資料の根拠についてです。  本市は、市民に示しているアクセス道路で期待される効果の一つとして、救急搬送の時間短縮により、救命率が上がり、命を守るとしています。しかし、患者受け入れ病院の整備など、医療体制の充実こそ求められています。具体的には、医療機能と医師、看護師の人的体制の充実、救急車と救急隊の強化など、救急医療体制の充実で対応することを最優先にすべきであり、アクセス道路で命を守るというのは本末転倒だと言わざるを得ません。  1点目は、観光についてです。  本市の資料には、都心アクセス強化で期待される効果として観光客の移動負担を軽減させるとありますが、この根拠にも大きな疑問があります。  各種観光雑誌や札幌を訪れた観光客によると、新千歳空港や苫小牧港から観光客がレンタカーで札幌市内に入るルートは、大きく三つあるとされています。第1は、支笏湖を回り、国道230号線で定山渓に入る、第2は、国道36号線で恵庭市の道の駅を経由して羊ヶ丘展望台に入る、第3は、千歳市の道の駅、サケのふるさと千歳水族館、長沼町の道の駅を経由して国道274号線で入るルートです。高速道路を利用する場合でも、札幌南インターチェンジでおりて南郷通もしくは国道12号線で都心に入るルートが一般的だと言われています。  本市では、道外観光客の約4割、道内観光客の約7割がレンタカーやバスなどで道路を利用して都心に入るとしていますが、そのうち、創成川通を経由して市内に入るレンタカーとバスの割合を伺います。  また、都心発着の都市間高速バスの円滑な運行を確保できるとしていますが、1日約900便ある都心発着の都市間高速バスのうち、札幌北インターを利用する都市間高速バスの割合はどの程度なのか、伺います。  2点目は、札幌北インターの渋滞についてです。  どの都市でも、都心部の渋滞解消には車の流入を抑制する対策と公共交通の利用促進を図るのが有効であり、急がれるCO2削減と交通事故防止にも効果的です。  本市では、創成川通の現状と課題の一つとして、創成川通は、朝夕に車の混雑が著しく、千歳方面からの札幌北インターチェンジ出口の渋滞が激しいことを理由に、都心アクセス道路の必要性を強調しています。  道央自動車道、札樽自動車道は、札幌南から札幌西インターチェンジまで均一料金区間のため、区間内であればどのインターチェンジでおりても料金は同じです。この均一料金区間は、通常料金が普通車410円、軽自動車310円ですが、ETCマイレージサービスの平日朝夕割引を利用すると最大50%の割引となることから、清田区や厚別区などに在住で職場が北区、東区、中央区方面などの人は、通勤で高速道路のETCマイレージサービスを使用する割合が高いと考えられます。  高速道路とのアクセスを強化することは、さらに遠方からの高速道路の利用に拍車をかけ、結局、新たな渋滞を生み出す悪循環になると思いますが、そのような懸念はないのか、伺います。  また、札幌北インターチェンジ、創成川通の渋滞は、朝夕の通勤時間帯に集中する傾向から、パークアンドライドの利用を全市的に促進させ、車から公共交通へと誘導する新たな戦略が必要であると考えますが、認識を伺います。  質問の第2は、交通量減少時代についてです。
     2002年、国土交通省は、全国の道路を走る車の数、すなわち交通量は2030年まで増加し続けるという過大推計をしていました。交通量が減少することになれば、全国の道路建設に支障が出るということです。  しかし、2008年に、少子化や若者の車離れによる車の保有台数の減少と、走行距離が短い軽自動車の割合がふえていることを理由に、2030年の交通量を前回の推計よりも約13%減少する下方修正をしました。これは、女性や高齢者の免許保有率が高くても、その車の利用状況を見ると、頻繁に高速道路や高規格道路を使うのではなく、自宅周辺での買い物や通院、塾への子どもの送迎などが中心で短時間の利用が多いこと、運転免許があっても、日常的には車を運転しない高齢者が多い実態を国土交通省も認めざるを得なかった結果です。つまり、免許保有率と交通量は比例しないということであります。また、高齢者による交通事故が多発し、早目に免許証を返納する高齢者の増加が見込まれること、不安定雇用と低賃金の拡大で車の購入と維持を諦める若者が増加するなど、将来の交通量がふえる要素は希薄であると言わざるを得ません。  本市は、交通量減少時代の到来をどのように認識されているのか、伺います。  また、今後は、将来の交通量にふさわしい道路整備を計画すべきですが、本市の交通量の現状と将来見通し、そして、その根拠を明らかにしてください。  次は、介護保険についてです。  質問の第1は、来年度予算についてです。  2017年4月から新総合事業がスタートします。厚生労働省が策定したガイドラインでは、今後、高齢者人口の増加により、毎年5%から6%の割合で伸びていくと予測される要支援者の給付費を、後期高齢者の人口の伸びである3%から4%に抑え込んでいくよう指示しており、これにより、全国で新総合事業の給付費は2025年度で800億円、2030年度で1,500億円も大幅削減され、圧縮されていくのです。よって、各自治体には、新総合業事業の予算に上限がつけられ、本市も給付費の抑制を求められることになります。  新総合事業は、国の定める上限まで予算化できることから、例えば、年度途中で本市の予算不足が見込まれる場合には、サービスを抑制するのではなく、国の上限まで補正予算を組んで必要な方にサービスを提供すべきだと思いますがいかがか、伺います。  質問の第2は、特養ホームの特例入所についてです。  医療・介護総合法により、2015年から特別養護老人ホームへの入所は、原則、要介護3以上になりました。本市では、2015年、6,140人いた特養待機者のうち2,597人は要介護1と2でしたが、それらの人は受け皿の準備もないまま、特養入所から外されました。  しかし、厚労省は、認知症や知的または精神障がいがあり、日常生活に支障を来すような症状がある方、単身世帯であり、同居家族が高齢または病弱である等により家族等の支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分な場合、あるいは、虐待の被害者などで施設入所したいという方などには、要介護1と2でも特養への特例入所を認めています。  本市での特例入所は、2015年は1人、2016年は10月現在6人です。本市は、介護を必要とする方が適切なサービスを受けられるよう対応すると言ってきましたが、今後ますます特養に入りたい人はふえると思いますが、そのような認識はお持ちか、さらに周知を徹底し、運用を拡大し、必要な人が特養に入れるように取り組むべきと思いますがいかがか、伺います。  次は、教育費の負担軽減ついてです。  質問の第1は、就学援助制度についてです。  1点目は、就学援助の入学準備金支給時期についてです。  この間、我が党は、入学前に入学準備金を支給するよう議会で再三求めてきました。さきの決算特別委員会で、副市長は、ランドセルなど必要なお金は入学前に支給することが好ましい、どのように対応できるか、早急に検討していきたいと答弁しました。副市長の答弁は、親と子どもの願いに応える前向きなものです。そして、昨日の代表質問で、教育長は、制服などの購入費のために、中学生の入学準備金の支給時期を入学前の3月に変更する旨の答弁がありました。  2015年の小学生への入学準備金の支給総額は、わずか約4,100万円です。副市長は、ランドセルなどの必要のお金は入学前の支給が好ましいと答弁されました。中学生と合わせ、小学生への入学準備金も入学式に間に合うよう支給する決断をするべきと思いますがいかがか、伺います。  2点目は、就学援助制度の基準引き下げについてです。  2014年度就学援助審議会の答申では、一定期間は生活保護基準に連動させないことを決め、来年、就学援助審議会で改めて検討することになっています。労働者の実質賃金は、3年のうち、年額で17万5,000円も減り、平均賃金は1997年をピークに年収で55万6,000円も減少し、家計消費は実質13年連続で対前年比マイナスとなっています。働きながら生活保護水準以下の収入しかないワーキングプア世帯は、就業者世帯の4.2%から9.7%と2倍になり、貯蓄ゼロ世帯は30.9%と、1997年から2015年で3倍に急増しました。働く親にとって、今の経済状況は、好転しているどころか、厳しい状況となっていることは明らかです。  生活保護基準の引き下げに連動して就学援助基準の引き下げを実施すると、給料がふえない中でも生活保護を受けずに頑張っている世帯が、就学援助から外されてしまうことになります。審議会待ちにするのではなく、これ以上、子どもの貧困を拡大させないために、教育委員会が率先して就学援助の引き下げを実施させないという立場に立つべきと考えますが、本市のお考えを伺います。  質問の第2は、奨学金制度についてです。  1点目は、学生の実態把握についてです。  現在、国立大学の授業料は年間53万円、初年度納付金は82万円となっています。1969年と比べ、授業料は44倍から45倍、初年度納付金は50倍以上にもなっています。  札幌市に住むある大学生は、入学当初、親が入学金を払ってくれました。しかし、親の月収は17万円で、その中から、この学生の入学金と、弟の専門学校の入学金として借りたお金を毎月5万円返済しているため、電気代、水道代の料金も払えないときもあり、生活が大変です。この学生は、日本学生支援機構の有利子奨学金第2種を月5万円、4年間で240万円借りています。返済は利子を含めると総額約301万円、高校時代にも奨学金を利用しており、大学、高校を合わせると毎月2万円を超える返済が必要になります。  2012年時点で、日本学生支援機構の奨学金返済を延滞した人は33万人を超えています。2015年には、滞納額は900億円に上っています。この背景には、奨学金を利用する人がふえたこと、教育費が異常に高くて奨学金がなければ進学できないことがあります。また、卒業後に就職できない、非正規雇用で、賃金が安いなどで奨学金の返済をしながら生活していくことが大変な実態があります。  この学生の実態について、市長はどのように受けとめていますか。卒業後も返済に苦しむ若者と学生の声を聞くなど、実態を把握すべきと考えますがいかがか、伺います。  2点目は、本市の給付型奨学金の拡充についてです。  大学生活に係る費用は、授業料と食費以外に、教材費、通学費、下宿費、通信費などとなっています。日本学生支援機構が発表している2014年度学生生活調査報告によると、大学生活1年間にかかるおおよその金額は、国立大学で自宅から通っている場合は月約9万円、下宿している場合は月約14万円、私立大学で自宅から通っている場合は月約15万円、下宿している場合は月約20万円もかかっています。  本市で現在行っている給付型奨学金制度は、高等学校で志願者1,479人に対して採用者は1,039人、大学では志願者702人に対して採用者は259人となっており、利用したい人たちの半分しか受けられていません。  秋元市長の公約では、子どもたちがいきいきと健やかに育つ街をつくりますと、子どもの貧困対策を強化する項目で、子どもがみずから未来を切り開いていけるよう、給付型奨学金の創設や相談体制の充実に取り組み、学習支援、就学・就労支援を強化しますとしています。  しかし、秋元市長が就任して行った給付型奨学金制度は、大学進学奨励給付事業として、児童福祉施設入所児童が大学などに入学する場合に、進学に際して必要な生活費等を支給するものです。内容は、1年間のみで、1人1カ月5万円、年間60万円を10人に支給する600万円の事業であり、大切な施策ですが、十分なものとは言えません。給付型奨学金を希望する全ての人が受けられるように、対象者と給付金額を拡充した予算にするべきと考えますが、市長の認識を伺います。  次に、エネルギービジョンについて質問いたします。  11月4日、2020年以降の温室効果ガス排出量削減の具体的枠組みを決めたパリ協定が発効し、既にCOP22の開幕式が開かれて、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2度C未満に抑え、1.5度C未満を目指す努力が始まっています。本市の温室効果ガス排出量は、2014年度で1,307万トンと、政令市で7番目に多い順位となっています。日本における温暖化対策を急速に進めるため、環境首都・札幌を掲げる本市が先頭に立って実践を進めなければならないと考えます。  質問の第1は、固定価格買い取り制度と改正FIT法についてです。  太陽光などの再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が全量を固定価格で一定期間買い取ることを義務づけるこの制度は、施行後3年間は利潤配慮期間が設定され、買い取り価格が40円でしたが、2015年6月でこれが終了し、現在、24円と大きく下がっています。来年4月から施行される改正FIT法では、送電網への接続義務規定が削除されました。これでは、発電しても受け入れ側の都合で接続拒否が起こり、再生可能エネルギー導入にブレーキがかかることとなると考えますがいかがか、根本にはエネルギー基本計画で原発と石炭火力発電を重要なベースロード電源と位置づける国の姿勢があると考えますがいかがか、伺います。  電力会社が接続拒否できる仕組みを改めるよう国に求めるべきと考えますがいかがか、あわせて伺います。  質問の第2は、本市エネルギービジョンについてです。  本市は、環境首都・札幌、低炭素社会、脱原発依存社会を目指すことを基本理念に、エネルギーの有効利用、エネルギー転換を進め、2010年度を基準に2022年度までに電力消費量を10%削減し、熱利用エネルギーを15%削減することを目標とするエネルギービジョンを策定しました。2014年度の進行状況は、電力消費量は5%減となっていますが、熱利用エネルギー消費量は逆に5%ふえています。このままでは、本市の計画目標は達成できないと思いますが、この間の本市の取り組みについてどのように評価しておられるのか、また、どのようにして目標を達成させるお考えか、伺います。  質問の第3は、再生可能エネルギーの普及についてです。  1点目は、みずからつくる再生可能エネルギー利用の促進についてです。  本市の場合、エネルギー消費量は、電力が26%、熱利用が44%で、部門別では民生家庭部門と民生業務部門を合わせて6割以上を占めており、各家庭や小規模事業者でのエネルギー消費量の削減と再生可能エネルギーの導入が温暖化対策を進める上でのポイントとなると考えます。現在、本市に普及している家庭用再生可能エネルギーのほとんどが、発電では太陽光パネルですが、熱利用では化石燃料を使う高効率給湯・暖房機器の導入が中心のため、温暖化対策にはなりません。大規模施設は資力のある企業に頼らざるを得ず、送電網への接続も保障されないことから、省エネとともに、必要なエネルギーは自分たちで賄うという自給自足による再生可能エネルギーの導入を促進することが必要と考えますがいかがか、伺います。  2点目は、市民と中小事業者との共同についてです。  家庭で電気も熱も再生可能エネルギーを利用できる環境を整備するためには、今まで以上に視野を広げる必要があると考えます。市民生活への普及促進のために、市民、事業者、研究機関、NPOなどが連携し、協力しながら開発から設置まで進むよう、本市がコーディネートを行い、戸建て住宅が密集するエリアやマンションなど集合住宅が多いエリアで小規模な分散電源やコジェネを普及していくことが重要です。市民と中小事業者などが共同することに重点を置くべきだと思いますがいかがか、伺います。  3点目は、モデル事業の実証実験の促進についてです。  本市は、高断熱・高気密住宅に独自基準を設けた札幌版次世代住宅基準を5段階つくりました。例えばこれを活用した市営住宅を建設し、暖房の要らないトップランナー集合住宅と再生可能エネルギー利用を一体的に開発する、避難所となる学校の体育館は全て再生可能エネルギーを整備するなど、公的施設の省エネ、再生可能エネルギーの活用はまだまだ工夫すべき点が多くあります。  また、本市が掲げる観光、MICEの視点は、環境都市づくりをしていることを前面に押し出し、例えば、大通公園での各種イベントを全て再生可能エネルギーで行い、それを広くアナウンスする、狸小路などの商店街、時計台などの観光スポットを再生可能エネルギーで賄い、それらスポットを歩いて回るルートをつくるなど、環境としての視点を大きく掲げるといった発想も大事だと考えます。  冬の雪の降る大都市札幌で、世界有数の恵まれた自然環境を生かしたエネルギービジョンの実践をまちづくりや観光、MICEの中心にするなど、視野を広げていくために、まずはモデル事業や実証実験を促進すべきと考えますがいかがか、伺います。  最後に、人種差別の解消についてです。  質問の第1は、日本軍慰安婦問題の市長の認識についてです。  1993年に、政府見解として、河野洋平官房長官談話、いわゆる河野談話が出されました。日本軍慰安婦問題について、この談話が認定した事実は、第1に、日本軍慰安所と慰安婦が存在したこと、第2に、慰安所の設置、管理等に軍が関与したこと、第3に、慰安婦とされる過程で本人たちの意思に反していたこと、第4に、慰安所で強制使役されたこと、第5に、日本を別にすれば、多数が日本の植民地の朝鮮半島出身者で、募集、移送、管理など本人たちの意思に反して行われたとその強制性を認め、慰安所における強制使役、つまり、性奴隷状態とされ、慰安所における生活は強制的な状況のもとでの痛ましいものであったと認めています。  この河野談話は、現政権も含め、歴代政府が一貫して継承しているものです。河野談話が明らかにした日本軍慰安婦問題について、秋元市長の認識を伺います。  質問の第2は、市有施設の利用についてです。  2014年からことしにかけ、札幌駅前通地下歩行空間や札幌エルプラザを初め、区民センターなど市有施設7カ所で日本軍慰安婦に関するパネル展が行われました。このパネルの内容は、慰安婦問題は捏造された歴史、当時としては一つの商行為にすぎない、さらには、10万人以上もの韓国女性が現在売春を行っているなどというもので、明らかに人権侵害であり、慰安婦とされた方々の尊厳を踏みにじるものです。  多くの市民が利用する市有施設においてこのような展示をすることはふさわしくないと思いますがいかがか、伺います。  質問の第3は、市有施設利用の審査基準についてです。  大阪府門真市は、人種差別を規制する法律や条例がなくても、差別と捉えれば当然の対応と、公民館や公園など市の施設利用を認めないようにしています。本市の札幌市区民センター等の使用許可に係る審査基準の不承認とすべき事由に、特定の人種や民族に対する差別的な表現などを加え、民族差別を言うことは決して許さないという本市の姿勢を明確にすべきと考えますがいかがか、伺います。  以上で、私の質問の全てを終わらせていただきます。ご清聴、ありがとうございました。(拍手) ○議長(鈴木健雄) 答弁を求めます。  秋元市長。 ◎市長(秋元克広) 全体で7項目のご質問をいただきました。私からは、1項目めの私の政治姿勢についてと7項目めの人種差別の解消についての2項目についてお答えをさせていただきます。その余のご質問につきましては、担当の副市長、それから教育長からご答弁をさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。  まず、1項目めの私の政治姿勢についてお答えをいたします。  まず、日ロ領土問題についてであります。  択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島から成る北方四島は、我が国固有の領土と認識をしております。  政府には、今月予定をされている日ロ首脳会談において、これまでの歴史的経緯などを踏まえ、平和条約の締結、そして、領土問題の一日も早い解決に向けて交渉を進めていただきたいと考えているところであります。  次に、南スーダンPKOへの新任務の付与についてでありますが、南スーダンPKOへの派遣に当たりましては、政府においてPKO参加5原則を満たしているとの判断がなされたところであり、また、このたびの派遣に係る実施計画においては、この5原則が満たされている場合であっても、安全を確保しつつ有意義な活動を実施することが困難と認められる場合には撤収することとされているところであります。  政府におきましては、隊員の安全を常に考えていただき、適宜、現地の状況を踏まえた適切な判断をしていただきたいと考えております。  次に、7項目めの人種差別の解消についてのご質問にお答えをいたします。  まず、慰安婦問題の認識についてであります。  慰安婦問題につきましては、これまで、日本政府が多数の女性の名誉と尊厳を傷つけた問題であるとし、心からのおわびと反省を表明してきているところであり、このような認識を決して忘れてはならないものと考えるものであります。  次に、市有施設の利用、そして、その審査基準についてお答えをさせていただきます。  特定の人種や民族に対する差別的行為は、まことに恥ずべきことであり、許されないものと認識しているところであります。  しかしながら、公の施設の利用につきましては、地方自治法により、正当な理由がない限り、住民が利用することを拒んではならないとされているところであります。区民センターなどでは、条例上、公序良俗に反するおそれのある場合を不承認の対象としておりますが、過去の判例からは、公共の安全性が損なわれる危険性が具体的に予見される場合など、極めて限定的とするべきとされているところであります。  ご質問にありましたパネル展につきましては、新聞や個人の発言など既に公表されたものを中心に示した上で、主催団体の歴史認識を表明した内容となっており、このことで直ちに利用を不承認とすることにはならないと判断したものであります。公の施設の使用制限ということは抑制的に運用されるべきでありますが、現行の審査基準の中でも、民族的差別を助長し、明らかに公序良俗に反する場合であって、先ほどの判例に該当するようなものにつきましては、不承認にすることになる場合もあるものと認識をしております。  私からは、以上であります。 ○議長(鈴木健雄) 板垣副市長。 ◎副市長(板垣昭彦) 私からは、4項目めの介護保険についてお答えを申し上げます。  まず、一つ目の来年度予算についてでございますけれども、新総合事業は、介護予防と要支援者に対する訪問、通所等のサービス提供を一体的に進めていくものでございます。サービス提供に当たりましては、ケアマネジャーが本人、家族の状況や意向を確認した上で必要なサービスを決定するものでありまして、札幌市は、事業者のサービス提供実績に応じて事業費を負担する仕組みとなっております。その予算につきましては、今後の利用者の伸びを十分に考慮し、適正に計上するべきものというふうに考えておりまして、その上で、事業の適切な運営と予算の執行に努めてまいりたいというふうに考えております。  次に、二つ目の特別養護老人ホームの特例入所についてであります。  1点目の特別養護老人ホームの入所希望者に対する認識についてでありますけれども、近年の高齢者人口や認知症高齢者数のほか、高齢単身世帯数の推移を見ますと、特別養護老人ホームの入所要件に合致する高齢者はふえていくというふうに考えておりまして、これに応じて入所を希望する高齢者もふえるものと認識をしております。  2点目の特別養護老人ホームの入所要件の緩和についてでございますけれども、介護保険法の改正に伴いまして、札幌市におきましては、優先度の高い中・重度の要介護者に重点化しつつ、在宅での生活が難しい軽度の要介護者も特例的に入所できるよう、国の指針に基づき、事業者団体と協議の上、入所要件を定めているところでございます。今後とも、この入所要件が適切に運用され、介護や支援を必要とする高齢者が適切なサービスを受けられるよう、施設への指導などを通じまして周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。  私からは、以上でございます。 ○議長(鈴木健雄) 吉岡副市長。 ◎副市長(吉岡亨) 私からは、2項目めの市有施設の煙突アスベスト問題についての1点目の本市のアスベストに対する認識についてのうち、実証実験について、2点目の民間施設への対応について、3項目めの都心アクセス道路について、6項目めのエネルギービジョンについてお答えいたします。  最初に、2項目めの市有施設の煙突アスベスト問題についての1点目の本市のアスベストに対する認識についてのうち、実証実験についてでございます。  煙突からのアスベストの飛散には、断熱材の劣化度合いのほか、断熱材の種類、気温や気象などさまざまな使用環境等が影響しますことから、今回、断熱材が剥落した各施設の状況を実験において厳密に再現することは困難であると考えております。今後、アスベストの飛散の可能性などについて、専門家のご意見も伺いながら検証してまいります。  2点目の民間施設への対応についてでございます。  民間施設の煙突内の断熱材は、その使用や管理状況について報告や届け出義務がないため、把握はしていない状況にございます。  札幌市では、アスベストの飛散防止の観点から、煙突内の断熱材の劣化状況の確認や除去などの必要な措置について、リーフレットやホームページを通じて広く周知を図っているところでございます。今後も、引き続き、民間施設の所有者等に対しましてアスベスト飛散防止に関する情報提供や啓発に努めてまいります。  3項目めの都心アクセス道路についてでございます。  1点目の本市が示す資料の根拠についてでございます。  最初に、観光についてでございますが、都心アクセスの強化は、国内外の都市間競争が厳しくなる中、都心の魅力と活力を創造し続けていくためにも必要な取り組みと認識しており、観光や物流、救急医療、防災など、さまざまな分野において効果が期待されるところでございます。  ご質問の道路を利用して都心に入るレンタカーとバスのうち、創成川通を経由する割合については、観光客へのアンケートにより調査しているものであり、どの道路を経由したかは把握していない状況にございます。  また、札幌北インターを利用する都市間高速バスの割合については、現行の走行経路で約1割程度が利用している状況にございます。一方、現状においても高速道路を利用し、都心に発着する全自動車交通のうち、札幌北インターチェンジは約4割に利用されるなど、他のインターに比べ、都心とのアクセス面で優位性がございます。さらには、創成川通の機能強化により、速達性や定時性が確保されれば、今後、新幹線札幌延伸やインバウンド観光客の増加によるさらなる観光需要を取り込むとともに、全道へ波及することも可能になると考えているところでございます。  なお、先ほどのレンタカーやバスの経路などを含め、効果や課題に対して必要なデータについては、現在も調査検討を進めており、適宜、市民の皆様に情報提供してまいります。  次に、札幌北インターの渋滞についてでございます。  現状の渋滞状況については、今回の都心アクセス強化の検討に合わせて解決すべき課題の一つと認識しております。今後の整備により、交通量の増加も見込まれますことから、整備形態や整備範囲の検討に合わせ、将来の交通需要予測を行い、円滑な交通の確保ができるよう十分に検討してまいります。  なお、パークアンドライドは、都市内の自動車からの公共交通への利用を促すものであり、一方、都心アクセス強化は、道内の各地域や空港、港湾等と広域的な交通ネットワークを形成するものと認識しております。  2点目の交通量減少時代についてでございます。  札幌市を含む道央都市圏では、人の動きを把握するためのパーソントリップ調査に基づき、人口減少や少子高齢化などの社会情勢を加味した上で将来交通量の推計を行っており、札幌市の自動車交通量はほぼ横ばいに推移する見込みとなっているところでございます。この結果を踏まえ、平成24年に札幌市総合交通計画を策定しており、公共交通とバランスのとれた自動車交通の実現を目指し、札幌市として必要な道路整備を行っていくことが重要と考えているところでございます。  6項目めのエネルギービジョンについてでございます。
     1点目の固定価格買い取り制度と改正FIT法についてでございます。  国のエネルギー基本計画において、再生可能エネルギーは積極的に推進するものと位置づけられ、FIT法の改正も再生可能エネルギーの最大限の導入などを図ることを目的としており、今後も、現行の電気事業法の規定により、引き続き電力会社は接続義務を負うものと承知しております。  札幌市といたしましても、再生可能エネルギーの普及は重要と考えておりますことから、今後も改正FIT法施行後の動向を注視してまいります。  2点目の本市のエネルギービジョンについてでございます。  熱利用エネルギーについては、これまで、省エネ行動の定着は進んでいるものの、高断熱住宅や省エネ機器の普及が緩やかであり、また、近年のエネルギー価格低下の影響などにより消費量が増加したものと考えているところでございます。また、電力については、平成22年度原発相当分の50%を省エネ、再生可能エネルギー、分散電源により転換することを目標としており、再生可能エネルギー、分散電源による発電量は緩やかな増加であるものの、省エネによる電力消費量削減は着実に進んでおり、転換はおおむね順調に推移しているものと認識しているところでございます。  今後も、目標達成に向けては、省エネ節電の定着、実践をさらに進めるとともに、高断熱住宅や高効率給湯暖房機、太陽光発電などの普及に引き続き取り組んでまいります。  3点目の再生可能エネルギーの普及についてでございます。  最初に、みずからつくる再生可能エネルギー利用の促進についてでございますが、これまで取り組んできた住宅太陽光発電や燃料電池の導入支援などは、自給自足による再生可能エネルギーの普及促進策であり、今後も引き続き普及拡大に向けて取り組んでまいります。  次に、市民と中小事業者との共同についてでございます。  再生可能エネルギーの普及拡大に向けては、市民、事業者、札幌市の各主体が連携し、協力しながら取り組みを進めてきたところですが、今後もより効果的な連携を深めていく必要があると認識しております。  次に、モデル事業や実証実験の促進についてでございます。  エネルギービジョンのリーディングプロジェクトとして、低炭素なまちづくりを目指した取り組みを実施しており、今後もさまざまな視点を取り入れながら再生可能エネルギーの普及について検討してまいります。  私からは、以上でございます。 ○議長(鈴木健雄) 長岡教育長。 ◎教育長(長岡豊彦) 2項目めの市有施設の煙突アスベスト問題について、1点目のアスベストに対する認識のうち、2006年に実施したボイラー煙突の煙導状況調査時の認識についてと、2006年の調査後の処理と対応について、そして、5項目めの教育費の負担軽減については、私からご答弁申し上げます。  まず、2項目めの市有施設の煙突アスベスト問題について、1点目のアスベストに対する認識のうち、2006年に実施したボイラー煙突の煙導状況調査時の認識についてと、2006年の調査後の処理と対応についてでございます。  平成18年の調査は、煙突内の詰まりによりトラブルが発生したことから、他の学校施設で同様の事態が起こるおそれがないか調査したものでございまして、その際、断熱材にアスベストが含まれていることは確認しておりました。当時の法規制は、アスベストを含む断熱材等を使用している建築物、これを解体、改造または補修する場合は所定の手続が必要とされておりました。実施した工事は、解体等を行うことなく、新たな煙突を設置し、古い煙突を閉鎖したものでございます。当時としては、危険性が広く認識されておりました吹きつけアスベストと異なり、含有アスベストが劣化して飛散する可能性は認識していなかったものでございます。  アスベスト飛散の可能性については、当時、法規制にある解体等を行ったものではなく、その飛散調査も行っていないことから、その可能性についてお答えすることはできません。  また、調査の際の灰の処理につきましても、当時の記録がなく、お答えすることはできません。  5項目めの教育費の負担軽減についてのうち、1点目の就学援助制度について、小学校の入学準備金を入学前に支給すべきとのご質問でございますけれども、中学校入学前は制服など指定用品の購入費用が高額となることから、まずは中学校入学予定者に対する支給を試行的に実施する方向で検討を進めてまいります。  2点目の就学援助制度の基準引き下げについてでございます。  今後の就学援助の基準額については、来年度開催する就学援助審議会において、子育て世帯の生活実態や財政状況などを踏まえて検討を行う予定でございまして、その結果に基づいて慎重に判断してまいります。  次に、奨学金制度についてでございます。  1点目の学生の実態把握についてでございますが、貸与型奨学金の卒業後の返済が経済的な負担となっていることは認識しておりまして、これまでも給付型奨学金の創設などを国に要望してきたところでございます。  学生の実態把握については、ことし、札幌市奨学金の受給者に対し、利用者アンケートを実施したほか、現在、子ども未来局において、(仮称)子ども貧困対策計画の策定に向け、学生を含む若者の生活実態調査を行っております。そのほか、国の統計データなども参考にしながら、今後も学生の実態把握に努めてまいりたいと考えております。  2点目の給付型奨学金の拡充についてでございます。  これまで札幌市奨学金の受給者数を段階的に拡大してきたところであり、今後も、財政状況などを考慮しながら、一人でも多くの方に給付型奨学金を受けていただくことができるよう努めてまいりたい、このように考えております。  私からは、以上でございます。  (田中啓介議員「議長」と呼び、発言の許可を求む) ○議長(鈴木健雄) 田中議員。 ◆田中啓介議員 まず、介護保険のことで一つ申し上げておきます。  今、板垣副市長から、介護事業を進めていくに当たって必要なサービスを提供できるようにというような答弁だったと思います。福祉サービスを提供するのは福祉事業所です。経済センサス、また、本市の資料、事業所・企業統計調査によりますと、2013年、実質市内総生産は6兆7,000億円、その内訳、売上高を見ますと、1位が卸売・小売業、2位は建設業、そして3位が介護を含む医療・福祉分野で8,900億円、これは、観光など宿泊・飲食業の2倍以上になっております。産業別民営事業所数でも医療・福祉分野は卸売・小売業に次ぐ2位で12万人、1996年からの伸びを見ますと、どの分野よりも一番従業者数がふえております。医療・福祉の分野がこの札幌市、本市の経済を担っていることは明らかだというふうに思います。  しかし、介護分野を見ますと、求められている割には、介護職の賃金は全産業労働者に比べて月10万円も低く、やりがいはあるけれども、生活ができないでやめていくという方がふえ、慢性的な人員不足、この間の報酬引き下げで事業所の経営は大変になっております。福祉の分野というものは、卸売とか建設業と肩を並べて本市の経済を担っておりますので、本市は、そういう認識を持って、サービスを受ける側だけではなくて、サービスを提供する介護事業所もしっかりと経営と職員の生活を守る、そういう施策を必要なお金をつけてやっていくよう最初に求めておきます。  私からは、2点質問をいたします。  1点目は、アスベストの問題、2点目は就学援助についてです。  アスベストの問題は、吹きつけは認識があったが、含有は認識がないから、また、記録がないから答えられないということでしたけれども、先ほど私が質問した2005年のクボタショック、これは本当に大きな社会問題になりました。そして、2006年1月に法改正が行われて、それ以降、この札幌市も、アスベスト問題対策連絡会議の第6回、第7回が開かれ、9月には事業者向けマニュアル、アスベスト除去等作業における飛散防止対策についてが出され、札幌市アスベスト飛散防止対策推進月間に取り組み、専門家を招いた講演会も実施し、さらに、「アスベストって?」という市民向けパンフレットも発行しております。点検作業のときは、アスベストの有無は対象外であるかのような答弁でしたけれども、だから、認識はなかったという答弁でしょうか。  しかし、13校は、今、教育長が答弁しましたように、改修工事を行っております。条例も、第52条は、大気汚染防止法第2条第12項に規定する特定建築材料の使用の有無を調査しなければならないというふうに明記されております。これに関しても、この条例に違反することになるというふうに認識いたしますがいかがか、伺います。  2点目は、就学援助で、私が答弁を求めたのは、小学生にも入学前に支給をするようにという求めでございます。中学生に関しては、昨日、答弁を受けておりますので、小学生に対しても、ぜひ、入学式前に就学援助を支給するようにということです。  今、ショッピングモール、またはデパートなどでも、行きますと、売り場でランドセルを売っております。人気のあるものというのはどんどんなくなっていく。本当は3月でも遅いぐらいだというのがお父さん、お母さんの声です。小学校も中学校と同じ義務教育であり、中学生にできて小学生にできないという理由はないと思います。また特別に新たな予算を組むわけではなくて、毎年6月から7月にかけて約4,100万円支給している、これを4月前にずらすだけ、まさに市長の政治姿勢によって、政治決断によって、小学生にも入学式前に支給するよう改めて求めますがいかがか、伺います。 ○議長(鈴木健雄) 長岡教育長。 ◎教育長(長岡豊彦) まず、アスベストに対する考え方でございます。  先ほども答弁を申し上げましたけれども、当時の法規制、これは、アスベストを含む断熱材等を使用している建築物、これを解体、改造、補修する場合は所定の手続が必要ということで規定されてございまして、私どもの学校の13校で実施した工事は解体等ではございません。新たな煙突を設置し、古い煙突を閉鎖したものでございます。  含有アスベストの劣化につきましては、その当時として、飛散する危険性まで認識できていたものではないというふうに申し上げたいと存じます。  それから、小学校の入学準備金の支給の問題でございますけれども、新入学の小学生につきましては、その準備金を支給することにつきまして、時期的な課題もございますことから、今後、その可能性について検討してまいりたいというふうに考えてございます。  以上でございます。  (田中啓介議員「議長」と呼び、発言の許可を求む) ○議長(鈴木健雄) 田中議員。 ◆田中啓介議員 アスベストに関しては、法律、条例に明記されている解体、改造、修繕ではないと。  ただ、実際に、その前年にクボタショックによってアスベストというのは本当に危険なものだということが全国的に広まって、また、それに合わせるような形で法律が改正され、条例が改正された。実際にかかわる人がその認識が全くなかったというのは、実際に、建築の専門家の方でも、使われていたものがカポスタックと聞けば、これはアスベストが入っていたんだ、含まれているということはわかるのが普通ではないかというふうに言っております。その点でも、認識がなかったというのは、やはり、余りにもそれこそ認識が甘かった、軽薄であったというふうに思います。  今後、改修工事に当たるということも、今は、ボイラーがとまった状態で測定をしたということだけしか調査をしておりません。実際に、2006年から認識がなかったものが、10年間、飛散していた可能性もゼロではないということは、先ほどの質問でも私は言いましたが、秋元市長も言っております。しっかりと実証実験を行って、周辺の住民の方、また、ボイラーなどに従事していた方が不安のないよう、正確な調査、実証実験も含めて行うべきというふうに求めておきます。  また、就学援助、小学生は難しいというのが、私には理解ができません。毎年、札幌市は、支給総額として、2013年は4,317万6,780円、次の年も同じように4,300万円台、昨年は4,100万円、大体の予測はつくというふうに思います。  先ほど、教育長は高額だということを言いました。ランドセルも本当に高額です。秋元市長が掲げる子育て支援を本気で進めていくのであれば、中学生だけではなくて、小学生にも就学援助をすべきだと求めておきます。 ○議長(鈴木健雄) 以上で、代表質問は全て終了しました。  (細川正人議員「議長」と呼び、発言の許可を求む) ○議長(鈴木健雄) 細川正人議員。 ◆細川正人議員 委員会付託の動議を提出いたします。  ただいま議題とされております議案26件を、お手元に配付の議案付託表のとおり、関係の常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(鈴木健雄) ただいまの細川議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。  動議のとおり決定することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(鈴木健雄) 異議なしと認めます。  したがって、ただいま議題とされている議案26件は、お手元に配付の議案付託表のとおり、関係の常任委員会にそれぞれ付託されました。  〔議案付託表は巻末資料に掲載〕  ―――――――――――――――――― ○議長(鈴木健雄) お諮りします。  本日の会議はこれで終了し、明日12月7日から12月12日までは委員会審査等のため休会とし、12月13日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(鈴木健雄) 異議なしと認めます。  したがって、そのように決定しました。  ―――――――――――――――――― ○議長(鈴木健雄) 本日は、これで散会します。  ――――――――――――――――――       散 会 午後3時59分 上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。  議  長        鈴   木   健   雄  署名議員        小 須 田   悟   士  署名議員        三   宅   由   美...