札幌市議会 2016-05-25
平成28年第 2回定例会−05月25日-02号
議案第4号 平成28年度札幌市
公債会計補正予算(第1号)
議案第5号 平成28年度札幌市
高速電車事業会計補正予算(第1号)
議案第6号 札幌市区の設置等に関する条例等の一部を改正する条例案
議案第7号 札幌市公衆に著しく迷惑をかける風俗営業等に係る勧誘行為等の防止に関する条例の一部を改正する条例案
議案第8号 札幌市
幼保連携型認定こども園の設備及び運営の基準に関する条例及び札幌市
児童福祉法施行条例の一部を改正する条例案
議案第9号 札幌市
児童会館条例の一部を改正する条例案
議案第10号 札幌市
国民健康保険条例の一部を改正する条例案
議案第11号 札幌市
環境影響評価条例の一部を改正する条例案
議案第12号 札幌市
建築基準法施行条例の一部を改正する条例案
議案第13号 札幌市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例案
議案第14号 札幌市
病院事業使用料及び手数料条例の一部を改正する条例案
議案第15号 札幌市図書館条例の一部を改正する条例案
議案第17号 財産の取得の件(
駒岡清掃工場更新事業用地)
議案第18号 財産の処分の件議決変更の件(工業団地用地)
議案第19号 住居表示を実施する市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法を定める件
議案第20号 市道の認定及び変更の件
――――――――――――――――――
〇出席議員(67人)
議 長 鈴 木 健 雄
副 議 長 恩 村 一 郎
議 員 村 山 拓 司
議 員 村 松 叶 啓
議 員 松 井 隆 文
議 員 中 川 賢 一
議 員 成 田 祐 樹
議 員 かんの 太 一
議 員 岩 崎 道 郎
議 員 松 原 淳 二
議 員 竹 内 孝 代
議 員 わたなべ 泰行
議 員 前 川 隆 史
議 員 平 岡 大 介
議 員 田 中 啓 介
議 員 中 山 真 一
議 員 伴 良 隆
議 員 阿部 ひであき
議 員 小 竹 ともこ
議 員 北 村 光一郎
議 員 中 村 たけし
議 員 林 清 治
議 員 村 上 ゆうこ
議 員 小 口 智 久
議 員 好 井 七 海
議 員 丸 山 秀 樹
議 員 池 田 由 美
議 員 太 田 秀 子
議 員 村 上 ひとし
議 員 石 川 佐和子
議 員 飯 島 弘 之
議 員 こじま ゆ み
議 員 佐々木 みつこ
議 員 宗 形 雅 俊
議 員 よこやま 峰子
議 員 小須田 悟 士
議 員 山 口 かずさ
議 員 小 川 直 人
議 員 しのだ 江里子
議 員 長谷川 衛
議 員 福 田 浩太郎
議 員 國 安 政 典
議 員 小 形 香 織
議 員 細 川 正 人
議 員 長 内 直 也
議 員 五十嵐 徳 美
議 員 山 田 一 仁
議 員 こんどう 和雄
議 員 峯 廻 紀 昌
議 員 桑 原 透
議 員 三 宅 由 美
議 員 ふじわら 広昭
議 員 大 嶋 薫
議 員 伊 藤 理智子
議 員 坂本 きょう子
議 員 高 橋 克 朋
議 員 勝 木 勇 人
議 員 宮 村 素 子
議 員 三 上 洋 右
議 員 武 市 憲 一
議 員 小 野 正 美
議 員 畑 瀬 幸 二
議 員 福 士 勝
議 員 本 郷 俊 史
議 員 涌 井 国 夫
議 員 堀 川 素 人
議 員 松 浦 忠
――――――――――――――――――
〇欠席議員(なし)
――――――――――――――――――
〇説明員
市 長 秋 元 克 広
副 市 長 町 田 隆 敏
副 市 長 板 垣 昭 彦
副 市 長 吉 岡 亨
交通事業管理者
交 通 局 長 相 原 重 則
水道事業管理者
水 道 局 長 岸 光 右
病院事業管理者
病 院 局 長 関 利 盛
危機管理対策室長 河 原 正 幸
総 務 局 長 野 崎 清 史
まちづくり政策局長 浦 田 洋
財 政 局 長 藤 原 知 朗
市民文化局長 池 田 佳 恵
スポーツ局長 石 川 敏 也
保健福祉局長 瀬 川 誠
子ども未来局長 村 山 英 彦
経済観光局長 小 西 正 雄
環 境 局 長 谷 江 篤
建 設 局 長 若 松 郁 郎
下水道河川局長 高 松 康 廣
都 市 局 長 大 場 里 樹
会 計 室 長 川 畑 恵
消 防 局 長 大 島 光 由
教育委員会教育長 長 岡 豊 彦
教育委員会委員 阿 部 夕 子
選挙管理委員会委員長 伊 藤 知 光
選挙管理委員会委員 川口谷 正
選挙管理委員会委員 馬 場 泰 年
選挙管理委員会委員 西 村 茂 樹
人事委員会委員 濱 田 雅 英
人事委員会事務局長 西 田 健 一
監 査 委 員 藤 江 正 祥
監査事務局長 木 村 義 広
――――――――――――――――――
〇
事務局出席職員
事 務 局 長 出 井 浩 義
事務局次長 泉 善 行
政策調査課長 中 田 光太郎
議 事 課 長 田 口 繁 治
調 査 係 長 石 堂 正 章
政策調整担当係長 長 尾 隆 男
議 事 係 長 深 井 貴 広
委員会担当係長 斉 藤 匡 朋
委員会担当係長 数 田 光 嘉
書 記 下 間 孝 洋
書 記 片 桐 巧
――――――――――――――――――
開 議 午後1時1分
――
――――――――――――――――――
○議長(鈴木健雄) ただいまから、本日の会議を開きます。
――
――――――――――――――――――
○議長(鈴木健雄) 出席議員数は、66人です。
――
――――――――――――――――――
○議長(鈴木健雄) 本日の
会議録署名議員として
松井隆文議員、
丸山秀樹議員を指名します。
――
――――――――――――――――――
○議長(鈴木健雄) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(出井浩義) 報告いたします。
本日の議事日程、議案審査結果報告書、質問順序表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
〔報告書は巻末資料に掲載〕
――
――――――――――――――――――
○議長(鈴木健雄) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第16号を議題とします。
委員長報告を求めます。
財政市民委員長 村上ゆうこ議員。
(
村上ゆうこ議員登壇)
◆
村上ゆうこ議員 財政市民委員会に付託されました議案第16号 西2丁目
地下歩道新設工事請負変更契約締結の件について、その審査結果をご報告いたします。
本議案は、新設躯体に係る工事の内容を一部変更し、契約金額を増額する
請負変更契約を締結するものですが、質疑・討論はなく、採決を行いましたところ、全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
○議長(鈴木健雄) ただいまの委員長報告に対し、質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木健雄) 質疑がなければ、討論に入ります。
通告がありますので、発言を許します。
松浦 忠議員。
(松浦 忠議員登壇)
◆松浦忠議員 ただいま上程をされております議案第16号 西2丁目
地下歩道新設工事請負変更契約締結の件であります。
本件は、平成27年7月16日に4億6,656万円で契約が締結をされました。その後、27年10月27日、第1回目の増額の契約変更、そして、第2回目が28年3月18日、そして、今回、またさらに3回目の
増額請負契約の変更であります。
建設委員の皆さんは、あの地下隧道、いわゆる
地下トンネル、これを視察されてご承知かと思うのです、前期の建設委員をやられた方は。あっ、今期になってから行かれましたか、いや、前期の方ですね。
あれは単純な話なのです。何でこんな単純な仕事が3回も設計変更、増額変更をしなきゃならんか。実は、私は不思議に思いました。
そこで、この設計に至る経過を克明に調べ、建設局土木部の
道路工事担当部長、担当課長、また、建築関係の担当係長、担当員などに克明に聞きました。そうしましたら、先ほど委員長報告があって、
財政市民委員会で質疑なしということを聞いて、私は、実は驚いたのであります。何かといったら、この当初の設計そのものが、ごく当たり前の調査をして設計していれば、こういう変更に至らなかったということが明らかになりました。何かといったら、今回の変更は、市役所のちょうど道路を挟んで向かい側の商工会議所のところの横の歩道にこの
地下トンネルに通じる階段の出入り口を設けて、その
地下トンネルの横腹に
階段出入り口用の階段躯体をまたつくって、その上にいわゆる上屋をつくるということで、土木と建築と両方でやっている仕事であります。
今回のこの設計変更の理由が、水を入らなくするため、外側の止水のための継ぎ手の荷重が、上屋が大きくなったので足りなくなったと。そこで変更して2,367万5,760円を増額するということであります。
何でか。実は、設計の段階で、荷重がかかるところ、下部部分であれば、最初に荷重が幾らなのかということをきちっと決めて、その後、下部の部分がどうもつかという構造計算をして決定をしていく、これが順序であります。ところが、設計の段階で上部のほうの荷重については全く計算されていなかった、建築のほうは。土木のほうで、
地下歩行空間の階段部分などと同じようなものだろうということで想定して設計を外部委託で発注した。それに基づいて設計がされてきた。
ところが、あの場所を実際につくってみることになったら、
地下歩行空間とはまた違い、多量の空気を外部に排出をしなきゃいかぬ。そうすると、外の地上部分の建屋の排気口の部分を大きくしなきゃいかぬ。寸法で言うと、30センチ高くしました。その分の荷重がかかる、こういうことなのです。
したがって、本来で言ったら、これは、設計変更を議会に提案する前に、正直に、
設計段階そのものの手順というよりも、初歩的なことの誤りでありましたと、まず、議会に対して釈明がなければならないんです。
これを、私が、執拗に何回も何回も、これはどうしたの、これはどうしたのと、手順を追ってそう言わざるを得ないところまで順序よく聞いていって、聞いてもわからないのです。土木部長と
道路工事担当課長が来て、設計事務所に聞いてみますと、これを何回かやりました。それで、初めてこの答えが出てきたんです。
私は市長に申し上げたいんですが、市長のいわゆる補助職員として一万三千数百人の職員がいますが、当たり前の仕事を当たり前にやるようにきちっと指導をしてもらわないと。議員は専門外の仕事が多いわけですから、議員になるまでに経験してきた仕事はわかっているでしょう、皆さん、私も含めて。それ以外は、市役所の大半の仕事というのは素人なんですから。したがって、素人にきちっと説明をしないと、わからなくて、先ほどのように委員会にかかっても質疑なしと、こうなっちゃうわけです。
これでは、市長の側も安心して部下職員に税金の支出決裁を任せるということは不安でならないと私は思うのです。もちろん、我々議員も、いいですか、我々議員も、市長が執行する仕事の内容、職員の仕事の仕方についてきちっと点検をしていくという法律上の義務があります。これを果たさなきゃならないんです。
今回は、率直に言って、土木部長、
道路工事担当部長、担当課長、そして、
財政市民委員会の皆さんも、私は、ある意味では一端の責任があるなと思っています。そういうことについて、私は、きちっとここで皆さんに明らかにして、特に市長には、職員の指揮監督、特に技術の職員について、今回の副市長の就任の人事で技術職を―魚住さん以来、上田さんの3期12年は技術職はいませんでした。そこで、技術職を上げるということで吉岡副市長の誕生となったんです。
この議会の中で、吉岡さんに反対したのは私一人です。なぜかといったら、こういうことが起きるから言っているんです。役割を果たしていない。市長、ひとつこのことをよくかみしめて、以降、こういうことのないように、まずは3人の副市長をきちっと指導して、とりわけ技術―この間の1定で水道局でもありました。これは吉岡さんの範疇です。こういうことのないようにきちっとやっていただきたい。とりわけ、私は、吉岡副市長、厳重にあなたに注意を申し上げておきたいと思います。
このことを申し上げて、私の討論といたします。
○議長(鈴木健雄) 以上で討論を終了し、採決に入ります。
本件を可決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(鈴木健雄) 異議なしと認めます。
したがって、本件は、可決されました。
――
――――――――――――――――――
○議長(鈴木健雄) 次に、日程第2、議案第1号から第15号まで、第17号から第20号までの19件を一括議題とします。
ただいまから、代表質問に入ります。
通告がありますので、順次、発言を許します。
村山拓司議員。
(
村山拓司議員登壇・拍手)
◆
村山拓司議員 私は、ただいまから、
自由民主党議員会を代表し、今定例会に上程されております諸議案並びに市政の諸課題について質問をさせていただきます。
質問に入る前に、4月14日に発生しました平成28年熊本地震により亡くなられた方々並びにご家族の皆様方に対し、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
また、被災され、現在も厳しい避難生活を続けておられる皆様方には、一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。
それでは、順次、質問をさせていただきます。
最初に、市長の政治姿勢について伺います。
先ほどの熊本地震による災害を教訓とした防災対策、特に札幌市における大規模地震などへの対応と対策について伺います。
まず、札幌市の
地震被害想定への対応策についてであります。
先ほど申し上げました平成28年熊本地震は、九州中央部を震源とする直下型地震で、その最大震度は7ということであります。その被害状況の映像を報道などで見ますと、本当に都市部で発生する直下型地震は恐ろしいものであると改めて認識したところであります。
札幌市が平成20年に公表した第3次
地震被害想定では、市域にも伏在活断層として野幌丘陵、月寒、西札幌の三つを札幌市独自に想定しておりますが、この活断層により地震が発生した場合には、札幌市でも震度7の強い揺れが生じ、最悪のシナリオである厳冬期の早朝に発生した場合、寒さによる凍死を含め、8,000人を超える死者が発生し、3万棟を超える建物が全壊するとのことであり、さらに、避難場所にはピーク時で11万1,000人が避難すると想定されているとのことであります。
このような大規模な地震が発生した場合には、市が行う防災・減災対策だけではなく、例えば、自宅の耐震化を図り、家具の転倒防止策を講ずる、さらには、食料を備蓄するなど、市民一人一人の活動が被害を最小限に食いとめる上で効果があり、重要であるということは、過去の例からも明らかであります。このため、今回の災害のような機会を捉え、市民の防災意識向上を一層図っていくべきと考えます。
そこで、質問ですが、札幌市では、第3次
地震被害想定を踏まえ、これまでどのような対策を行ってきたのか、伺います。
次に、被害減少に向けた住宅の耐震化の取り組みについてであります。
熊本地震での報道を見ますと、住宅の耐震化について市民の皆さん方の関心が高いことがうかがえます。
札幌市では、平成19年に札幌市
耐震改修促進計画を策定し、建築物の耐震化を促進するための施策として、
地震防災マップの公表やパンフレットなどによる普及啓発を行うとともに、耐震診断や
耐震改修工事の支援を行ってきていると認識してきております。しかし、札幌市の耐震化について、
木造戸建て住宅を例に挙げると、平成25年10月時点で約7万7,000戸が耐震性が不十分だとされており、耐震化率は75.5%、さらに、平成32年度の耐震化率の推計は81.2%とされており、耐震化が思うように進んでいないことが予想されております。
これらの状況を踏まえ、今般、第2次
耐震改修促進計画を策定し、木造住宅の
耐震診断無料化や耐震改修に対する補助額を拡充するなど、耐震化に積極的に取り組む方向性が示されたところであります。
そこで、質問ですが、これまで
木造戸建て住宅の耐震化が思うように進んでいない現状を踏まえて、今後どのように耐震化を推進していくのか、伺います。
次に、小・中学校の耐震化に向けた改築事業の実施についてであります。
基幹避難所として指定されております
市立小・中学校の耐震化は、平成28年度当初において、公立学校322校のうち、残り15校の耐震化が必要な状況となっております。このうち、2校については、現在、改築工事中であり、今年度は、中央中、本通小、中の島小の3校について改築工事に着手する予定でしたが、今般、国の補助事業であります
学校施設環境改善交付金の内示にて採択が見送られ、改築工事への着手と基本設計が延期されたところであります。
学校は、子どもたちが一日の大半を過ごす施設であり、避難場所でもあります。さきに述べた三つの活断層もあることから、小・中学校の耐震化は早急に実施すべきものであり、建設業の雇用及び経費的にも積雪前に工事着手することが必要であるため、先日、我が会派は、文部科学省に対しまして、今回採択が見送られた3校の改築事業の追加採択について、急遽、強く要望してきたところであります。
そこで、質問ですが、小・中学校の改築事業の実施に向け、札幌市としても、国に対し、財源確保を求める要望を行うべきと考えますが、市長の見解を伺います。
次に、
冬季避難対策のためのLPガスの避難所への導入についてであります。
熊本地震では、多くの市民が避難所に集まりましたが、避難所が手狭、あるいはプライバシーの問題から、屋外や自家用車の中で避難生活を送っている方も多くいらっしゃいます。
札幌市は、
避難場所基本計画を平成25年に策定し、寒さ対策と備蓄の基本的な考え方として、
最大想定避難者である約11万人に寝袋、毛布をそれぞれ1個、1枚を配給可能な体制とし、
移動式灯油ストーブを市立の小・中学校に1校当たり2台の備蓄を行っておりますが、これは体育館のためではなく、一部教室を暖めるためとのことであります。
しかしながら、東日本大震災においては、外気温がマイナス10度の場合、体育館は1度ぐらいの寒さだったと聞いております。避難されてきたお年寄りや病気の方の体調管理のためには、主たる避難生活の場である体育館での暖房をきちんと考えなければ、生命にかかわる問題と考えます。
このため、我が会派では、冬季の災害時の避難対策をより向上させるため、日常から、即効性があり、より暖かいと言われるLPガスを導入することを求めてきたところでありますが、前市長時代には、一番簡易であるという理由から
移動式灯油ストーブを用いるとして、LPガスの導入については前向きに検討いただけませんでした。災害時でも体育館暖房が速やかに行えるLPガスを導入しておくことがリスク分散の観点から重要であり、厳寒期における札幌の避難所の暖房について、あらゆる手段を講じて災害に備えるべきと考えます。
そこで、質問ですが、平時よりLPガスを避難所となる小・中学校に導入し、順次、災害時にもすぐに対応できるようにすべきと考えますが、市長の見解を伺います。
次に、経済対策について伺います。
最初に、景気動向と国の経済対策への認識についてであります。
ことし3月の内閣府の
月例経済報告では、我が国経済は、このところ、弱さも見られるが、緩やかな回復基調が続いているとの基調判断となっており、また、政府の
経済財政諮問会議においても、安倍内閣発足前と比較して、就業者数が110万人の増加、雇用者の賃上げ率も上昇、賞与は3年連続で増加というように、上向き傾向の経済指標が公表されているところであります。
中国経済の減速、テロや難民問題で揺れる
ヨーロッパ情勢など、世界経済の深刻な懸念要因や円高・株安基調による景気減速の懸念もありながら一定の景気回復を実現してきたことは、現政権の経済政策によるところが極めて大きいと考えます。
一方、本市の経済に目を向けましても、有効求人倍率は、昨年10月に1倍を超えて過去最高水準に達し、雇用環境が著しく回復、改善するなど、国の経済政策の効果が札幌経済の回復につながってきていることは明らかであります。
そこで、質問ですが、市長は、現在の札幌の景気動向をどのように判断し、また、政府の経済対策が本市にもたらす効果をどのように捉えているのか、認識を伺います。
続いて、札幌経済を支える企業の人材確保についてであります。
企業業績の維持・拡大には、それを支える人材の確保が大変重要でありますが、多くの企業で思うように採用が進まないといった声が上がっております。こうした事態を放置すれば、動き始めた好循環の流れをとめ、経済発展の停滞を招くことにもなりかねません。このため、政府は、各業界における労働生産性の向上策とあわせて、特に人手不足が深刻な介護や建設の分野で総合的な人手不足対策を講じているところであります。
札幌市においても、こうした動きに連動した人手不足対策を進めており、特にIT分野では、東京圏からの業務発注が活発化している一方で、人手不足から受注機会を逃している場合も多く、本年度から、地方創生加速化交付金を活用したインターンシップなど、人材確保の支援事業を実施することとしております。
また、札幌市が、我が会派の提言を踏まえ、人材還流の拠点を東京都内に設置するなど、大学生を中心とした若者の札幌経済への就職を促す取り組みを進めていることについては、一定の評価をするところであります。
しかし、今後は、各産業分野が成長していくために必要としている技術、経験のある社会人や、海外展開のためのグローバル人材の獲得に対する支援も求められるところであります。
そこで、質問ですが、札幌の経済を支える人材の確保が課題だと考えますが、どのように対応していく考えか、伺います。
続いて、札幌市への海外投資、海外企業の受け入れについてであります。
政府は、日本再興戦略において、2012年末時点で19.2兆円の対内直接投資残高を2020年までに35兆円に倍増するとの目標を掲げ、世界で最もビジネスをしやすい環境を目指して、法人実効税率の引き下げや国家戦略特区の実現など、立地競争力の強化に向けた取り組みを推進しており、これらの取り組み成果として、2014年の対内直接投資残高について大幅な増加を実現し、初めて20兆円を超え、23.3兆円に達したところであります。また、観光立国の実現に向けた取り組みにより、アジアを中心に訪日外国人数は急増しており、昨年は過去最多の1,973万人に達し、本市においても、外国人宿泊者数は大幅な増加傾向が続いております。
このような対内直接投資の増加や外国人観光客の増加といった状況を背景に、近年、北海道及び札幌市においても、旅行業や宿泊業、リゾート業などを中心に、海外からの直接投資、ビジネス交流の機会が増加しているものと認識しているところであります。
そこで、質問ですが、企業立地の観点からも、企業活動のグローバル化が進展する中、外国企業の札幌進出への対応やその誘致について積極的に取り組んでいく必要があると考えますが、市長の認識を伺います。
また、今後見込まれる人口減少社会や、これに伴う道内市場及び経済規模の縮小を乗り越えるためにも、本市においても、海外からの投資や外国企業の進出を積極的に受け入れる体制を構築すべきであります。
福岡市では、外国企業・投資誘致センターを設置し、中国語や英語で対応可能な外国企業立地相談員を配置した上で、海外企業からの問い合わせへの対応や会社設立の手続などの支援、関係機関・団体の紹介など、ワンストップサービスで対応できる体制の構築を推進しているとのことであります。
そこで、質問ですが、本市においても、立地競争力を高め、地域経済の活性化を図るためにも、海外からの投資を積極的に受け入れる体制を構築することが必要だと考えますがいかがか、伺います。
続いて、商店街の活性化について伺います。
近年の大型商業施設やインターネット通販などによる取引増加により、地域の商店街を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況にあります。そうした中においても、自動車を利用しない高齢者や子育て中の世帯にとって、地元地域の商店街は日常の買い物の場として大切な商業機能を担う存在であります。今後、より一層の高齢化が見込まれる本市においても、これまで以上に身近なところで買い物をしたいというニーズが高まることが予想され、経済的観点からも、こうした商店街にある店舗が存続することはとても大切であると考えます。
一方、商店街は、単なる店舗の商業的集合体にとどまりません。周辺住民が商店街にあるお店を訪れ、人や情報が交流するという、いわば地域コミュニティーの場にもなっております。さらに、地域の夏祭りの開催やコミュニティカフェの運営といった地域活動も行うなど、商店街はまちづくりの担い手としても重要な役割を果たしており、町内会のような地域コミュニティーとしての役割を担っているということは、今後、少子高齢化の進展が見込まれる中、その重要性が増すものと考えます。
このように、商店街には、商業機能の担い手としての側面と地域コミュニティーの担い手としての側面、その両方を兼ね備えているという視点で極めて重要であると考えているところであります。
そこで、質問ですが、これら二つの側面を持つ商店街の重要性について、どのように認識し、どのような支援を行おうとしているのか、伺います。
次に、観光施策について伺います。
まず、国の観光ビジョン目標設定に対する札幌市の認識についてであります。
本年3月30日に発表された明日の日本を支える観光ビジョンでは、国を挙げて、観光を我が国の基幹産業へと成長させ、観光先進国という新たな挑戦に踏み切る覚悟を掲げ、訪日外国人旅行者数を2020年には4,000万人、2030年には6,000万人と、従来の2倍となる目標を設定したところであります。
札幌市においても、平成26年3月に策定した札幌市観光まちづくりプランで、平成24年度に68万人であった外国人旅行者を、平成34年度には157万人にふやすという数値目標を掲げておりますが、平成26年には141万人となり、昨年度は上期だけでも86万人を超えていることからも、外国人旅行者の数値目標が達成されることは確実と思われます。
そこで、質問ですが、国の観光先進国目標である訪日外国人旅行者数倍増を踏まえて、札幌市においても、新たな数値目標を設定するとともに、それに応じた受け入れ環境の向上に努めるべきと考えますが、どのような認識か、伺います。
続いて、観光施策の推進におけるMICE施設整備の位置づけについてであります。
先ほど述べました明日の日本を支える観光ビジョンでは、観光は、真に我が国の成長戦略と地方創生の大きな柱であるとしており、まさに、札幌、そして北海道にとっても、観光は地方創生の切り札であります。そのためには、まず、札幌を含め、北海道の豊富で多様な観光資源を磨き上げ、道外や海外の観光客の皆様に満足してもらうことが必要であり、宿泊施設や交通など観光客の受け入れ環境を早急に整備するとともに、地域に雇用を生み出す裾野の広い観光産業の活性化が望まれます。
我が会派では、これまでもたびたびMICE施設に関連した質問をしており、本年第1回定例市議会の代表質問では、小竹議員が札幌に必要なMICE施設の機能や規模、立地条件について質問したところ、大規模MICEを開催するにはメーンホールや大小さまざまな会議室、大規模な展示ホールが同一エリアにあることが求められ、宿泊施設や飲食店の集積、交通アクセスのよさも踏まえると、都心部での施設整備が必要であると答弁されているところであります。
そこで、質問ですが、国では、観光先進国の実現に向け、観光産業を革新し、国際競争力を高め、我が国の基幹産業にすることを柱の一つとしており、将来的にはMICE誘致をオールジャパン体制で支援する必要があるとしておりますが、札幌市では観光施策を推進するに当たってMICE施設の整備をどのように位置づけているのか、伺います。
次に、スポーツ関連対策について伺います。
まず、冬季オリンピック・パラリンピック開催概要計画についてであります。
冬季オリンピック・パラリンピックの札幌招致については、我が会派がこれまで一貫して主張し、積極的に取り組んできたところであり、今後とも、その招致に向け、努力を惜しまないところでもあります。
このたび、その開催概要計画案がまとまりましたが、この計画案では、札幌らしい持続可能なオリンピック・パラリンピックの提案を基本理念に、1972年の大会のレガシー、200万都市札幌の都市機能、北海道の豊かな自然を生かしてアスリートに最高の舞台を提供し、新たなオリンピック・パラリンピックレガシーを創造するとのことであります。
また、招致に関する想定スケジュールでは、本年10月に、国、JOCにおける2026年大会立候補可否判断に向けて、開催概要計画書を国並びにJOCへ提出し、12月には、札幌市として正式な立候補を表明する流れとなっているところでありますが、アルペン競技やスピードスケート競技などは広域開催を視野に計画されている競技もある中で、特に、スピードスケートは真駒内と帯広の両論併記であります。内外に招致賛同を得る場合は、開催都市、地元自治体との一枚岩を示さなければならず、道や関係自治体との連携など課題が多いところでもあります。
そこで、質問ですが、この開催概要計画における広域開催を視野に入れた競技について、いつの時点で会場を決定するお考えか、伺います。
また、札幌市が行った1万人にアンケートの結果、冬季オリンピック・パラリンピックの札幌への招致に対する市民アンケートでは、6割以上の市民が賛成とのことでありましたが、最近の民間調査においても同様の結果が見られ、この調査では、経済の活性化や子どもに夢を与えられるなど、6割を超える札幌市民の賛成が得られるなど、期待の高い状況となっているとともに、各年代とも半数以上の支持がある中で、特に30代以下の若い市民の支持が非常に多いとのことでもあります。
しかしながら、他方では、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催における費用、経費の視点でその先行きに懸念を抱いております。
今回の開催概要計画書案に示されているとおり、開催経費が将来的な増加を織り込んだとはいえ、当初計画に比べて520億円の増額となるなど、反対される方や賛成とした方の中でも、今後も含め、開催経費の負担を危惧する声は少なくありません。
各種競技施設に関しては、今後、札幌市が目指すスポーツ都市札幌に向け、冬季スポーツ国際大会の誘致や国内大会、さらには、ナショナルトレーニングセンターやスポーツコミッションにも大きく寄与するとともに、冬季スポーツの振興へとつながるものでありますが、非競技施設については、大会期間中のみの稼働であり、その後における施設の利用並びに稼働率の高い施設へと、手戻りなく転用可能な施設整備をする必要があると考えます。
そこで、質問ですが、整備費用と大会後における管理費用を大局的に見きわめ、特に選手村やメディアセンターなどの非競技施設については、高い稼働率が見込まれる既存施設の活用など、将来にわたり経費負担の増嵩を招くことのないよう知恵を出して計画すべきと考えますがいかがか、伺います。
一方、さきにも述べましたが、札幌ドーム周辺を新たに総合スポーツエリアと位置づけ、大会期間中の選手村を新設配置する計画ではありますが、札幌ドーム周辺はご存じのとおり市街化調整区域になっており、羊ケ丘の自然環境は配慮が求められる場所であります。札幌市は、都市計画上、これまで一貫して市街化調整区域の開発に慎重な姿勢をとってきたこととの整合性を含め、果たして計画どおり進められるのか、懸念のあるところでもあります。
また、昨日来、話題となっておりますプロ野球日本ハムの新球場の建設問題につきましても、大きく影響を及ぼすことが懸念されます。
そこで、質問ですが、市街化調整区域である札幌ドーム周辺の開発について、都市計画の観点から、どのような方針で対応する考えか、伺います。
また、日本ハムの新球場建設検討についてどのように認識しているのか、あわせて伺います。
続いて、スポーツコミッションによる集客交流の促進についてであります。
昨年の第2回定例市議会における我が会派の宗形議員の代表質問において、スポーツコミッションの設立意義と目的について質問したところ、秋元市長からは、大規模な国際競技大会を開催することにより、札幌の魅力を直接伝える絶好の機会を得られる、集客交流の促進につながるとの答弁があり、今年度、スポーツ局を新設するとともに、3月31日に、北海道や札幌商工会議所を含む関係8団体で、スポーツ資源を地方創生に生かすための専門組織、さっぽろグローバルスポーツコミッションを設立したところであります。このことは、札幌の未来に資するべく、スポーツの振興にこれまで以上に力を入れていくという市長の強い姿勢が感じられ、私もしっかりと後押しをしていきたいと考えております。
国内においては、平成23年のさいたま市を皮切りに、各自治体がスポーツコミッションを設立し、国際大会や合宿誘致に成功するなど、地方の活性化に功を奏している状況であり、札幌市においても、こうした全国の取り組みを参考にしながら、戦略的かつ着実に合宿や大会の誘致などを進めていくことが重要と考えております。
とりわけ、冬の競技について、札幌は、1972年の冬季オリンピック以降、ノルディックスキー世界選手権やFISワールドカップのスキージャンプ大会などの実績があり、海外の競技団体が視察に訪れております。一方、夏の競技についても、ラグビー7人制の女子日本代表がリオオリンピックの事前合宿地として定山渓を予定しているとも聞いております。
そこで、質問ですが、今回設立したさっぽろグローバルスポーツコミッションは、今後、どのような取り組みを展開することで世界からの注目を集め、また、集客交流の促進につなげようとしているのか、伺います。
続いて、2017冬季アジア札幌大会に向けた広報、PRについて伺います。
2017冬季アジア札幌大会の開催まで残り270日ほどとなりましたが、アジア地域では、この2017年のアジア大会を初めとして、翌2018年には韓国の平昌で、さらに、2022年には中国の北京で冬季オリンピック・パラリンピックが開催され、まさにアジアのウインタースポーツ振興にとって新たな時代を迎えようとしております。このような中で札幌市が冬季オリンピック・パラリンピック招致を実現するためにも、今回の大会の開催を通して、ウインタースポーツにとって恵まれた自然環境と都市機能を有することや、さまざまな国際大会の開催により培ってきた高い運営能力を備えていること、いわゆる、アジアにおけるウインタースポーツの拠点としての存在意義を国内外へ向けて強力にアピールしていくことが重要と考えます。
そして、その際にもう一つ重要となるのは、市民や企業に対し、この大会の認知度を高めていくことが必要であり、特に将来の札幌を担う子どもたちがどのようにかかわり、大会を盛り上げていくかが重要になるものと考えているところであります。そのためには、まず、市民にこの大会の認知度を高めていくことが必要でありますが、これまで、組織委員会では、イメージソングの発表や大会のPRアンバサダーの決定、開催300日前イベントの実施など、市民への広報活動に努めていると聞いておりますが、現状は、市民の認知度が高いとまでは言えないのではないかと危惧しているところであります。
そこで、質問ですが、冬季アジア札幌大会を市民全体で盛り上げていくために、市民への広報、PRについて、今後どのように取り組んでいく考えか、特に、子どもたちが大会にかかわっていけるような取り組みが必要と考えますが、どのように考えているのか、伺います。
次に、都市整備関連施策について伺います。
まず、札幌駅交流拠点のまちづくりについて伺います。
札幌駅交流拠点は、現在策定作業中の第2次都心まちづくり計画において、広域的な交通ネットワークが結節する札幌の玄関口にふさわしい広域交流を先導する拠点として、都心まちづくりの骨格構造の一つに位置づけられている重要な地域であります。その広域的な交通ネットワークの一翼を担うものとして、平成42年度末に札幌へ延伸予定の北海道新幹線や、現在検討調査中の都心と高速道路間のアクセス強化が挙げられますが、これらの検討を一体的かつ総合的に行うことでその効果を最大限に生かし、北海道内外の人々の流れを活性化し、その経済効果を札幌市内だけではなく、北海道全体に波及、循環させていくことが極めて重要であると考えます。
そのためにも、札幌駅交流拠点においては、将来の冬季オリンピック・パラリンピックの開催も見据え、北海道新幹線やJRの在来線、地下鉄、バス、自動車などの各交通機関の乗り継ぎ利便性を高め、北海道内外はもちろん、国内外との連携、交流を一層促進するようなまちづくりを行わなければなりません。
しかしながら、その核となる北海道新幹線札幌駅のホーム位置については、さる4月27日に開催された4者協議において、認可に基づき調査した各案については対応不可能との報告がJR北海道からあったと聞いております。
市長におかれましては、JR北海道に対し、十分な根拠ある説明を求めるとともに、引き続き、現札幌駅に併設する認可案の実現に向け、総力を挙げて取り組むよう、北海道や鉄道建設・運輸施設整備支援機構とともに働きかけを強めてほしいと考えます。我が会派としても、北海道新幹線の札幌開業効果を全道へ波及させるため、道内最大の交通結節点である札幌駅における2次交通への接続の強化やホスピタリティーの高い機能導入など、道都札幌の玄関口にふさわしい顔づくりを行うべきと考えます。
そこで、質問ですが、札幌駅交流拠点のまちづくりとしてどのようなまちづくりを目指しているのか、市長の思いを伺います。
続いて、丘珠空港の活性化について伺います。
我が会派は、丘珠空港の積極的な活用について、一貫して主張し、提言をしてきたところであり、丘珠空港は、都心から約6キロメートルと近接する利便性の高い空港であり、これを十分に活用することで、経済の活性化や観光振興など、札幌や北海道全体の発展に寄与するものであると、本市も丘珠空港の価値を明確にしてきたところであります。
また、市民団体の活動や市と経済界の要望も相まって、地方活性化に力を入れているフジドリームエアラインズ、通称FDAが来月6月4日から10月29日までの毎週土曜日と火曜日の一日1往復で、丘珠空港と静岡空港間を結ぶ、丘珠空港史上、初めてのジェット機による定期便の開設が実現することになったところであります。
このように、確かに丘珠空港を取り巻く情勢は好転し始めておりますが、今後も定期便の就航が途切れることなく継続、発展していくためには、今期のFDA定期便が成功することが絶対条件であります。そのためには、まず、市役所側の主体性と熱意が当然必要で、今期定期便を札幌市民みずからが利用するような促進策、他都市から来訪されるお客様へのサービス向上策など、本市として具体的支援に間断なく取り組むべきと考えます。
また、このたびのFDAによる定期便化は、札幌側の意気込みを感じ、札幌への可能性を信じたFDA側の思いと経営判断によるものであると考えるところであります。本市は、目指すべき目標を明確化することで、ほかのエアラインの誘致にもつながるように、市民はもとより、国や道などの関係機関と綿密に連携しながら着実に取り組むべきであります。
そこで、市長の見解も含めてそれぞれ伺いますが、丘珠空港を取り巻く現在情勢についてどのように評価しているか、伺います。
また、FDA定期便の成功と来期以降の継続と増便に向けて、具体的にどのような取り組みと支援を行っていくのか、そして、地方創生と国土強靱化に資する丘珠空港を含めた総合的なまちづくりを実現していただくためにも、丘珠空港活性化にかかわる各種調査を早急に行い、丘珠空港の活性化に向けて、滑走路延長などを含めた空港と空港周辺の整備を検討していく体制を整えるべきと考えますがいかがか、伺います。
続いて、新さっぽろ駅周辺地区のまちづくりについて伺います。
現在、地域交流拠点におけるリーディングプロジェクトとして、新さっぽろ駅周辺地区開発の検討が進められております。当該地区は、3カ所の市営住宅を1カ所に建てかえ、集約することにより、広大な開発可能地が発生することとなり、今後、民間事業者を公募し、開発を進めていくものと認識しておりますが、この公募による開発については、今後の地域交流拠点開発のモデルとなるため、非常に着目しているところであります。
本件の公募対象地は、2カ所の市営住宅跡地と副都心開発公社所有地も含め、約6ヘクタールの広大な面積となり、これらの開発により、まちに多くのにぎわいと活力を与えることが期待されるところであります。一方で、新たな機能集積や施設整備がもたらす地域の活性化が一過性のものではなく、長期間持続させる必要があるため、今後の開発が非常に重要性を持つと思われることから、行政主体ではなく、地域や民間事業者が主体となって推進するべきと考えてきたところであります。
公募の検討に当たって、昨年度にまちづくりの主体となる民間事業者との意見交換を実施し、進められることを期待しており、この地区は、北海道、札幌市の玄関口であること、また、高齢化が顕著であるという地域特性を踏まえた独自性のあるブランディングとして、食文化と健康を当地区のコンセプトとした機能集積を図ることが非常に有効だと認識しているところであります。加えて、時代の変化や地域ニーズに対応するためには、民間事業者や企業のスピード感が重要であるため、市は、可能な限り早期の開発が可能となるように努力する必要があると考えます。
そこで、質問ですが、本件の公募全体のスケジュールについてどのように考えているか、伺います。
また、公募を契機として、持続可能なまちづくりをどのように実現しようと考えているのか、あわせて伺います。
次に、電力の小売自由化とエネルギー政策について伺います。
2000年から段階的に進められてきた電気の小売自由化が本年4月の全面自由化で完了し、電気供給事業に新規参入する動きが目立ってきております。これに伴い、電気料金の下押しが期待されますが、一方で、既に価格競争が激化し、ことしに入って日本ロジテック協同組合が経営破綻するなど、各事業者の経営及び安定供給力をしっかりと見きわめた対応も必要になっております。
こういった状況を見ますと、新電力事業者を見きわめる際は、経営安定性や電力の調達能力をしっかりと検討する必要があり、特に自社電源を持っているか否かは、調達力と価格決定力を大きく左右する重要な要素になります。また、新電力の有力事業者の大半は、本州の商社や大手エネルギー事業者系の企業でありましたが、今回の完全自由化により、道内にも電力供給に参入する事業者があらわれてきており、地域の新しい産業としても期待したいところでもあります。
一方で、公共団体の大口電力調達は、WTO政府調達協定の対象案件として一般競争入札が義務づけられており、自治体側でリスクや地域経済への影響などを判断する余地が全くない仕組みとなっていると聞いております。
本市においても、本庁舎を初め、多くの施設で既に電力調達の入札を行って新電力事業者との契約実績もあり、さらに、この秋以降は全ての公共施設で原則入札方式を採用すると聞いており、速やかに自由化に対応し、電力コストを少しでも引き下げようと取り組んでおり、評価するところであります。
しかしながら、ロジテック破綻に象徴されるようなリスクや地域経済への影響について、本市としても主体的に考え、自由化の波を地域にとってプラスとなるよう努力すべきと考えます。場合によっては、政府調達のあり方や入札参加資格の要件などについて、本市としての意見を国や道に発信していくことなども必要になるものと考えられます。
そこで、質問ですが、ことしの機構改革後、本市において、エネルギー政策を、安定供給面、環境面、地域経済的側面、自由化への対応など、総合的な観点から担う部局はどこになるのか、伺います。
また、完全自由化がもたらす地域の影響などを総合的に捉えた上で、エネルギー政策の方向性や調達のあり方などについて、本市として望ましい姿を主体的に描いておくことが必要と考えますがいかがか、伺います。
次に、子どもと高齢者施策の充実について伺います。
まず、待機児童対策についてであります。
札幌市は、昨年公表したアクションプラン2015において、重点課題の一つとして、女性が輝き子どもたちが健やかに育つ街を掲げ、女性がその持てる能力を存分に発揮できる環境をさらに整えていくこととしております。また、国においても、一億総活躍社会の実現に向けた提言の中で、女性の活躍は一億総活躍の中核にあると位置づけられており、国、地方を問わず、これからの経済成長の鍵になってくるものと考えられます。
そのためには、札幌市のアクションプランでも述べられているとおり、女性の活躍を支えるための環境を整えることが不可欠であり、子育て支援の充実や待機児童問題への対応は重要な課題であります。保育の定員を拡大しても、現場の担い手である保育士の確保が進まなければ、保育現場は児童の受け入れを行うことができません。その意味では、保育定員の拡大という量の拡大と現場の担い手である保育士の確保は、待機児童対策を行う上での車の両輪とも言うべきものであります。
こうした課題認識のもと、先日、我が会派の議員が先進的な取り組みを進めている横浜市の状況を調査してきたところであります。例えば、横浜市においては、求職者による市内保育所の見学バスツアーを実施し、各園の見学や園長との懇話の場を設定するなど積極的な情報提供に努めており、また、保育士向けに賃貸マンションなどを借り上げている事業者に対し、経費の一部を補助する事業を実施し、結果として、家賃の軽減や免除の取り組みを進めるなど、保育士確保に向けてさまざまな取り組みを進めております。
本市においても、これまで潜在保育士を対象として就職セミナーや合同就職面接会などを実施してきたと伺っておりますが、横浜市と比較すると不足感は拭えません。もちろん、横浜市と札幌市では、人口規模や保育士の有効求人倍率などさまざまな条件が札幌市と異なるのは承知しているところでありますが、札幌市としても、市の実情に見合う形で保育士確保策の一層の拡充が必要であると考えます。
そこで、質問ですが、札幌市がこれまで取り組んできた保育士確保の施策について、その内容や成果をどのように認識しているか、伺います。
また、そもそも保育士の確保が進まない背景には、月当たりの給料が全産業平均よりも10万円も低いと言われている処遇条件も大きく影響しており、この点も含めて、札幌市として、保育士のさらなる確保策の充実、拡充を図るべきと考えますが、その認識を伺います。
次に、高齢者の介護予防施策における健康増進策についてであります。
高齢者施策に関しては、介護問題が話題の中心になりやすいところでありますが、それ以前に、病気を予防して重症化を防ぎ、みずからの健康を維持していく健康寿命の延伸のための施策が重要であると考えます。札幌市における要介護・要支援認定を受けている方の割合は、高齢者人口の約2割と聞いており、8割の高齢者は自立した生活を送っていることとなります。
民間のスポーツジムに行きますと、高齢者の方がはつらつと体を動かしており、現役世代に負けない体力を持っている方もいるなど、健康度の高いアクティブな高齢者は、介護予防というより、健康増進、体力維持という意識が高く、こういう方々がもっとふえることにより地域が活性化するものと考えられます。行政が提供する介護予防施策はもちろん重要でありますが、介護保険財源を使うために高齢者を対象としなければならず、内容も虚弱な高齢者向けのイメージが強いのが現状でありますが、民間事業者では、年代を問わず、時間と空間を共有することができ、最近では、年齢や体力に応じたメニューを展開するなど、高齢者向けの工夫がされている実態にあります。
これからの介護予防施策は、行政主導の公的な事業という固定概念にとらわれず、例えば、民間サービスでは、行政が提供する介護予防事業、健診、相談などに関する情報を提供し、行政では、民間サービスの情報や介護事業を卒業した後のステップアップ先を紹介するなど、民間事業者との役割分担や健康づくり施策との連動が重要になってくるものと考えます。
そこで、質問ですが、介護予防における民間事業者との役割分担についてどのように考えているか、認識を伺います。
また、高齢者の介護予防施策と健康増進策の連携に係る今後の方策についても、あわせて伺います。
次に、地域マネジメントを通じた地域コミュニティーの活性化について伺います。
先ほど防災対策でも述べましたが、自然災害から身を守るためには、公的な支援が届くまで、特に地域住民の助け合う力が重要と考えられます。本市においても、市民向け防災パンフレットなどを通じて、平時から隣近所や町内会などの顔の見える規模の地域コミュニティーで防災活動に積極的に取り組むことの必要性が広報されているところであります。
また、昨年9月に市が行った地域コミュニティーをテーマとした市民アンケートの結果においては、まず、住民相互のつながりが希薄になっているかという質問に対し、そう思う、どちらかというとそう思うを合わせると89.8%となり、次に、地域コミュニティーは重要と思うかという質問には、そう思う、どちらかというとそう思うを合わせると94.9%でありました。さらに、地域コミュニティーを担う団体として重要だと思うものについての質問には、町内会と答えた方が最も多く76.1%であり、地域コミュニティーを担う団体の活性化の必要性についての質問には、必要、どちらかというと必要を合わせると91%でありました。このことからも、非常に多くの市民が住民相互のつながりが希薄になっていると感じており、地域コミュニティーの重要性とそれを担う町内会などの団体の活性化が必要であると考えます。
既に策定されておりますアクションプランの政策目標に、地域の課題を地域の力で解決する街があり、その施策の一つとして地域マネジメントの推進が掲げられております。地域マネジメントとは、一言で言うと、住みよいまちにするために、経営的な発想で地域のさまざまな活動主体が連携して取り組むことと考えます。
しかしながら、地域の方にとっては、言葉のなじみが薄く、取り組む方向性もわかりにくく、難しく感じるとともに、新たな取り組みに対する負担感から積極的にはなれないことも考えられます。今後、地域がみずから地域マネジメントを実施し、コミュニティーを活性化していくためには、地域の主体性を損なわないよう配慮し、市がしっかりと支援していくことが求められるものと認識しているところであります。
そこで、質問ですが、アクションプランの政策目標に掲げた地域マネジメントを、今後、札幌市はどのように推進する考えか、伺います。
次に、教育について伺います。
まず、開成中等教育学校についてであります。
中等教育学校の入学選考方法における最終選考を抽せんで行うことに関して、我が会派は、当初から問題視しており、初年度選考後から、内外でさまざまな議論が起こり、抽せん方式を批判する市民の不満の声が強まってきました。確かに、抽せんという方式それ自体は、一見、公平性が担保された仕組みに見えますが、将来を夢見て入学選考に真剣に挑む親子にとっては、心身ともに耐えがたい選考方式でもあり、ライバルを意識して努力してきた入学を希望している親子が果たして受け入れることができるかという納得性という観点からも大いに問題があります。
そこで、質問ですが、抽せん方式に対する我が会派のこれまでの指摘はもとより、多くの批判の声を真摯に受けとめ、いよいよ3回目を迎える入学選考を前にして、検証と議論を取りまとめ、早急に抽せん方式を取りやめ、健全な競争原理を担保できる公平・公正な選考方法への見直しを急がなければなりませんが、抽せん方式の是非決定に向けていかなる判断をしているのか、現況と見通しについて伺います。
次に、教育力のあり方についてです。
本市は、法定研修のほか、経験者研修や札幌市教育研究推進事業を通じ、教員としての基本的な指導力から、さまざまな分野に対応できるような教養や専門性を身につける機会を与えられています。これは、わかる・できる・楽しい授業を目指したものであり、子どもたちの総合的な学ぶ力、つまり、学力の向上に結びつくものです。
本市は、確かに、学力には学ぶ意欲と学んだ力と生かす力が好循環していることを重要とし、知・徳・体の調和のとれた育ちを通じ、いわゆる自立した札幌人を育て上げるとしています。これに加え、今日は、道徳の教科化に次いで、小学校高学年における外国語活動の教科化や
プログラミング学習の導入が近づいており、課題探究型の教えと学びを目的としたアクティブラーニングなど、コミュニケーション能力や課題解決能力を向上させるための教育が急がれています。
さて、札幌市は、求める教師像を、教育者としての強い使命感と子どもたちへの限りない愛情にあふれた教師、豊かな教養、人間性、社会性を兼ね備えた熱意ある教師、子ども理解にすぐれ、教育の専門家として確かな力量がある教師としています。
しかし、残念ながら、教育力に不足する教員も一部いるとの実態があります。例えば、基本的なコミュニケーション能力を初め、授業内容の目的や意義を伝える指導、振り返りといった復習や宿題などの管理、周辺地域や各家庭との意思疎通、研修などを通じた指導力の向上へのモチベーションなど、多岐にわたる分野で問題が指摘されています。
子どもたちの健康や体力と豊かな人間性と確かな学力といった一連の力は、総じて生きる力であり、人間力とも言われますが、その人間力形成のためには、学校と家庭や地域が目標を共有し、バランスよく役割分担をする協力的な育みが必要不可欠であり、目まぐるしく変わる制度にも即応しながら、求められる札幌人をつくり上げていかなければなりません。確かに、今後、新たに求められるようなレベルが高く領域も広い指導技能の定着も大事ですが、やはり、基本的な人間力を兼ね備えた教育力をまずもって徹底することが最も大切であると考えます。
そこで、伺いますが、研修を初めから受けようとしない教員や、研修を受けてもうまくいかない教員への対応を含めて、子どもたちに影響を与える本市教員たちの人間力について、本市の基本姿勢と課題と現状認識、取り組みの現況と評価に基づく効果、そして、今後の対応についておのおの伺います。
また、人間力を高めることは、子どもたちにとっても生きる力につながるため、大変重要です。確かに、英語などの外国語や
プログラミングといった能力を高めることでコミュニケーション能力や課題解決能力を高めていくことは非常に大切なことです。
しかし、それ以前に、人としての常識、心身の健康、基礎的な知識、技能といった根本が身についていない限り、本市や国も目指す自立したグローバルな人づくりどころか、表面的で不完全な人間を生み出し、かえって不幸で混乱した社会をつくり出すことになります。
そこで、国では、英語力には、日本人としてのアイデンティティーである日本の歴史、伝統文化や国語などの学習が必要とし、本市も、さまざまな地域や国で活躍していくためには、ふるさと札幌への理解を深める学習が必要で、豊かな心の育成には体験学習や道徳教育を推進することとしています。
しかしながら、学力・学習状況調査や市独自アンケートによると、基本的かつ健康的な生活習慣、基礎的かつ計画的な学習習慣、家庭や住んでいる地域へのかかわりなど、人としての基本を形成する重要な項目について、本市の子どもたちは全国比較で低い数値傾向が散見されます。
このような状況において、子どもたちが高度な知識、技能や新たな分野を身につけることも確かに大事ですが、生きる力の源泉となる確かな人間力をつけるための人としての基礎を身につけさせることこそが、教育において最も基本的かつ重要であり、まずもって優先されるべきであります。
そこで、伺いますが、本市の子どもたちの確かな人間力の形成と、課題を探究し解決していくための力を支える基本的な知識や技能をしっかり身につけさせることについて、本市の基本姿勢と課題の現状認識、取り組みの現況と評価に基づく効果、そして、今後の対応についてそれぞれ伺います。
最後に、西区の諸課題について伺います。
まず、1点目は、今後の雇用促進住宅の対応についてであります。
これまで、雇用促進住宅は、職業の安定を図るために、住宅の確保が必要な方々に対し、大変重要な役割を果たしてきたものと考えており、現在、市内に13団地、2,552戸の雇用促進住宅があり、我が西区も4団地、600戸を抱えております。
この雇用促進住宅については、平成13年及び平成19年の閣議決定に伴い、遅くとも平成33年度までに全ての処理を完了するとされたところであります。このことから、雇用促進住宅を管理運営する高齢・障害・求職者雇用支援機構は札幌市に対して住宅の取得意向調査を行ったところでありますが、札幌市は取得意向がない旨を回答し、その後、支援機構は雇用促進住宅の民間事業者への譲渡に取り組んでおり、西区の琴似宿舎においても、本年に入り、民間事業者に譲渡されることが決まったと聞いております。今後、残りの団地についても譲渡の手続が進められるものと考えますが、譲渡が成立しない場合、閣議決定に基づき、平成33年度までに廃止されるため、入居者は平成31年度までに退去することが必要とのことであります。
そこで、質問ですが、入居者の中には高齢の方も多く、自力で新しい住宅を見つけることが難しく、現実的に退去が困難となる場合が想定されますが、札幌市はこのような状況をどのように考えているか、伺います。
2点目は、横断歩道橋の今後の取り扱いについてであります。
札幌市が管理する横断歩道橋のほとんどは、昭和40年代に建設され、40年以上が経過し、老朽化している状況を踏まえ、市は、今後の横断歩道橋のあり方について検討を行い、平成25年に横断歩道橋の撤去に関する考え方を整理しております。そこでは、利用者の少ない横断歩道橋について、市から地域に対して撤去の提案ができることとし、当時48橋あった横断歩道橋のうち、14橋が撤去候補として位置づけられ、その後、歩道橋ごとに町内会や地域住民などで構成される協議会を設置し、合意が得られたものについて撤去する方向で進められております。
札幌市が横断歩道橋の撤去に関する考え方を整理してから2年が経過し、これまで4橋が撤去されたところでありますが、このうち、3橋は撤去候補に位置づけられたものであり、1橋は地元からの撤去要望に基づくものであります。
そこで、質問ですが、撤去候補として位置づけられた14橋の横断歩道橋のうち、これまでに3橋が撤去され、また、今年度、2橋の横断歩道橋の撤去が予定されておりますが、西区の1橋を含む残りの9橋について、今後どのようなスケジュールで撤去を進める考えか、伺います。
さらに、撤去候補に位置づけられていない横断歩道橋の33橋、その中には西区の7橋が含まれておりますが、それらについて、今後も老朽化が進み、維持管理も負担となるものと考えられますが、札幌市として、横断歩道橋の現状をどのように認識し、今後どのような方向性を持って取り組むのか、あわせて伺います。
以上で、私の質問の全てを終わります。ご清聴、まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(鈴木健雄) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で大きく5項目にわたってご質問をいただきました。
私からは、大きな1項目めの私の政治姿勢についてのうち、1項目めの防災対策から5項目めの都市整備関連施策についてお答えをさせていただきます。残余のご質問につきましては、担当の副市長、そして教育長からご答弁させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
まず、私の政治姿勢のうちの1項目めの防災対策についてお答えをいたします。
1点目の札幌市の
地震被害想定への対応策についてであります。
第3次
地震被害想定を踏まえ、平成22年に札幌市地域防災計画を全面改定いたしまして、積雪寒冷地の特性を踏まえた対策や防災協働社会を目指した取り組みなどの充実を図ることといたしました。これを受け、施設の耐震化の促進、避難所の防寒対策の充実、備蓄食料等の増強、さらに、
地震防災マップでの啓発や住民参加による災害図上訓練、いわゆるDIGでありますが、このことや避難所運営研修を行うなど、行政はもとより、地域における防災対応力の向上に取り組んできたところであります。
2点目の被害減少に向けた住宅の耐震化の取り組みについてでありますが、過去の大地震の被害を省みて、木造住宅につきましても耐震化支援を進めてまいりましたけれども、所有者の高齢化や改修に係る高額な費用負担等の理由から耐震化が進んでこなかったというふうに推察をしているところであります。
今年度は、支援制度を大幅に拡充いたしましたことや、熊本地震の影響などから、昨年度を大きく上回る相談や耐震診断の申し込みが寄せられているところであります。今後は、市民の耐震化への意識が高まっているこの機を捉え、
耐震改修工事に向けた補助制度等のPRを行うなどのフォローアップを図り、耐震化の推進に努めてまいります。
3点目の小・中学校の改築事業の実施に向けた国への要望についてであります。
小・中学校の耐震化は、子どもたちの日常の安全を確保する上で、また、災害時の避難所としての役割を果たすために非常に重要だと考えております。市内小・中学校の耐震化の完了に向け、残り15校の改築事業をできるだけ早期に進めていくことが喫緊の課題であると認識をしております。
今回の国の交付金未採択という事態を受け、北海道とも連携をして、文部科学省に必要な財源を確保するよう緊急に要望したところであります。今後とも、交付金の追加採択の実現に努めますとともに、来年度以降におきましても、計画的に改築事業が実施できるよう、財源確保について、さまざまな機会を捉えて国に要望してまいりたいと考えております。
4点目の
冬季避難対策のためのLPガスの避難所への導入についてでありますが、今後、避難所の暖房の熱源として災害時の即応性やコスト面などを総合的に勘案し、LPガスを含め、さまざまな手法について検討してまいりたい、このように考えております。
2項目めの経済対策についてであります。
1点目の景気動向と国の経済対策への認識についてでありますが、札幌市の景気動向につきましては、国と同様に、一部に弱い動きが見られますものの、緩やかな回復基調が続いているものと判断しているところであります。
国の経済対策への認識につきましては、平成24年から26年にかけて市内の事業所数や従業者数が増加していることに加え、札幌市の調査によりますと、経常利益が増加して設備投資を実施した企業の割合が増加するなど、企業の経営状況はおおむね改善しておりますことから、国の経済対策は一定の効果があったと認識をしているところであります。
2点目の札幌経済を支える企業の人材確保についてでありますが、札幌経済の発展のためには、市内企業の人材確保が何より重要であり、これまでも、企業説明会の開催などさまざまな取り組みを通じ、採用の支援に取り組んできたところであります。
一方で、ITや観光、食分野では、即戦力となる人材や海外への販路拡大等に力を発揮する人材獲得への需要も高まっていると認識をしているところでありまして、今後は、首都圏からの人材還流を目的に、東京都内に設置をいたしました札幌UIターン就職センターの活用を含め、こうした人材の採用支援に取り組んでまいります。
3点目の札幌市への海外投資、海外企業の受け入れということについてでありますが、海外からの投資の受け入れは、国際競争力の向上や地域経済の活性化に資するものと認識をしておりまして、特に海外企業の進出への対応については、これまでも首都圏の外資系企業の本社機能を誘致した実績がございまして、今後も誘致活動全体の中で積極的に推進してまいりたいと考えております。
また、海外投資の受け入れ体制につきましては、JETRO等の関係機関との連携による多言語に対応した情報発信や相談窓口の強化を進めるとともに、今後の投資動向や他都市の対応状況等を見据えながら、支援のあり方を検討してまいります。
4点目の商店街活性化についてであります。
商店街は、対面販売によって住民のさまざまな要望に応えるなど、地域に根差した商業者ならではのきめ細やかなサービスを提供するだけでなく、防犯、防災など地域課題の解決に向けた活動を行うなど、まちづくりの主体としても重要な役割を担っているものと認識しております。
こうした重要性を踏まえ、引き続き、商店街の取り組みを支援するほか、区役所におきましても、商店街によるまちづくり活動を支援するなど、商店街がより存在感や魅力を増し、活性化していくよう、しっかりサポートしてまいりたいと考えてございます。
3項目めの観光施策についてお答えをいたします。
1点目の国の観光ビジョン目標設定に対する札幌市の認識についてでありますが、このたびの国の観光ビジョンで示された目標設定の引き上げによって、国は観光政策の強化ということを表明しており、この国の動きに連動して、札幌市の観光施策もさらに推進していく必要があるものと認識をしております。したがいまして、昨年度の旅行者数や宿泊施設の稼働状況などを分析した上で、市内の経済活性化を意識した新たな数値目標の設定について検討してまいりたいと考えております。
また、新たな数値目標を踏まえて受け入れ環境の充実を図っていくということも重要でありますので、2次交通の問題、あるいは、宿泊施設の不足、多言語対応の強化などといった受け入れ環境の課題に民間事業者や関係機関と連携をしながら取り組んでまいりたいと考えております。
2点目の観光施策の推進におけるMICE施設整備の位置づけについてでありますが、MICE施設の整備は、国内外から人、物、投資を呼び込むために必要なものであり、まちづくりにおいて重要な施策の一つと位置づけているところであります。また、MICE施設を充実させることでMICE誘致の強化が図られ、閑散期などにおける観光需要の底上げや、観光客としてのリピーター確保、国際的知名度の向上につながっていくものと認識をしているところであります。
次に、4項目めのスポーツ関連対策についてお答えをいたします。
1点目の冬季オリンピック・パラリンピック開催概要計画案についてでありますが、まず、広域開催の競技会場の決定時期についてでありますが、真駒内と帯広の複数案となっておりますスピードスケート会場につきましては、今後、競技団体も含め、さまざまな関係団体と協議を進めた上で、最終的には、2017年秋以降と想定をされるIOCへの立候補ファイル提出までに会場を絞り込んでまいりたいと考えております。
次に、非競技施設については、例えば、選手村は国立ナショナルトレーニングセンターの誘致に取り組む、さらには、メディアセンターにつきましては多目的利用ができる展示場として後利用をするなど、将来世代に過度な負担を残さない計画づくりをさらに進めてまいりたいと考えております。
次に、札幌ドーム周辺の開発における都市計画上の対応方針についてであります。
本年3月に策定をいたしました第2次札幌市都市計画マスタープランにおきまして、市街化調整区域については、原則として住宅を初めとした新たな市街地の形成は行わないこととしておりますが、一方で、高次機能交流拠点周辺におきましては、拠点の機能や魅力の向上に資するよう、自然環境の保全や景観への配慮を前提に限定的に開発を検討するとしております。
選手村の整備を予定しております札幌ドーム周辺は、後利用も含めて、スポーツや集客交流産業の振興にかかわる拠点としてマスタープランの方針に即した計画となるよう検討してまいりたいと考えております。
また、北海道日本ハムファイターズの新球場建設検討についてでありますが、札幌ドームは、2002年のFIFAワールドカップサッカー大会開催の際に野球場としても使用可能な多目的施設として建設をしたものであります。このため、施設構造上、日本ハムファイターズが野球場として使用される場合に、少なからず支障があったということは以前から承知をしているところであります。
こうした中、今回の日本ハムファイターズによる新球場建設に係る調査検討につきましては、企業としてこれまで以上のファンサービス向上のためになされているものと認識をしております。現時点では、日本ハムファイターズとしても調査検討を初めた段階ということでありまして、まずは、具体的なお話をお聞きした上で、市民にとってよりよい方向性を探っていきたい、このように考えております。
2点目のスポーツコミッションによる集客交流の促進についてでありますが、さまざまな大会の開催実績を生かしながら、今後も、多くの国際競技大会や事前合宿などを積極的に誘致し、ウインタースポーツシティーとしての都市ブランドをさらに高めてまいりたいと考えております。また、スキーやマラソンなど、北海道におけるスポーツ環境の優位性にあわせ、食や自然などさまざまな魅力資源を総合的に発信することで、国内外からスポーツを通じた来訪を促すスポーツツーリズムによる集客交流の拡大にもつなげてまいりたいと考えております。
3点目の2017冬季アジア札幌大会に向けた広報、PRについてであります。
大会を盛り上げるためには、多くの市民や企業の皆さんの参加、協力というものが不可欠でありますことから、今後、市民参加型のイベントを行うほか、都心部でのバナーやポスター掲出など、企業や商店街などの協力もいただきながら、さらなる盛り上がりを図ってまいりたいと考えております。
特に、子どもたちに参加してもらうということは大変重要なことでありますので、小・中学校での各国、地域への自発的な応援活動や競技観戦を促し、子どもたちに大きな感動を与える大会にしていきたいと考えております。
次に、5項目めの都市整備関連施策についてお答えをいたします。
1点目の札幌駅交流拠点のまちづくりについてであります。
札幌の玄関口といたしまして国際的な交流拠点にふさわしい空間を形成し、都市機能の充実や交通結節機能の強化を図っていく必要があるものと認識をしております。
具体的には、北5西1、北5西2街区の一体的な整備による札幌のシンボルとなる空間の創出や、広域的な交通ネットワークの結節点としての機能拡充を図ってまいりたいと考えております。また、国際水準の高規格な都市機能の集積を進めますとともに、自立分散型エネルギー供給施設の整備を図るなど、環境・防災機能にすぐれたまちづくりを展開したいと考えています。
このようなまちづくりを通じて、世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街さっぽろの実現に寄与する拠点の形成を目指していく考えであります。
2点目の丘珠空港の活性化についてであります。
まず、取り巻く現在の情勢についてでありますが、今回の静岡線の新規就航によりまして、観光振興や道外とのビジネス交流の促進など、丘珠空港の新たな可能性を広げる契機になったものと認識をしております。
次に、フジドリームエアラインズ、FDAの定期便への取り組みと支援につきましては、観光やビジネスでの利用促進に加え、文化やスポーツなどさまざまな分野でも交流が進むよう、関係部署が連携をしながら需要創出に取り組んでまいりたいと考えております。さらに、空港ビルにおきましても、搭乗待合室の拡張など施設整備や事務所開設への支援など、さまざまな取り組みを実施しているところであります。
また、丘珠空港の活性化に向けての体制づくりにつきましては、空港民営化の動きなど取り巻く環境の変化を踏まえながら、道内航空ネットワークの拠点としての役割を十分に果たしていけるよう、国や北海道など関係機関としっかりと連携し、情報共有を図ってまいりたいと考えております。
3点目の新さっぽろ駅周辺地区のまちづくりについてであります。
現在、公募の実施に向け、協議、調整を行っているところでありますが、公募対象地の市営住宅団地につきましては、今年度末に解体を終えますため、一刻も早くその活用ができるよう、スピード感を持って取り組みを進めてまいりたいと考えております。
公募スケジュールにつきましては、ことしの秋に募集要項を公表し、今年度末までに最優秀提案者を決定するように進めたいと考えております。
また、持続可能なまちづくりについて、既存の商業施設を含む地域全体としてのエリアマネジメントが重要と考えておりますので、公募におきましては、その組織体制や仕組みの構築を含めた提案を求めていきたいと考えております。
今後は、既存商業施設を所有する札幌副都心開発公社と新たな事業者、そして行政が連携をしたエリアマネジメントを推進して、地域の魅力を引き出し、生み出すことでにぎわいのある持続可能なまちづくりを実現してまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○議長(鈴木健雄) 板垣副市長。
◎副市長(板垣昭彦) 私からは、大きな2項目の子どもと高齢者施策と充実について、3項目めの地域マネジメントを通じた地域コミュニティーの活性化について、この2項目につきましてお答えを申し上げたいと思います。
まず、2項目めの子どもと高齢者施策の充実についてであります。
最初に、待機児童対策についての1点目の保育士確保策の実績についてでございますけれども、札幌市では、これまでも、関係団体などと連携をしながら、いわゆる潜在保育士向けの復職支援に関するセミナーでありますとか合同面接会などを積極的に実施してきておりまして、過去3年間で約150人が採用されるなどの成果が上がっているところでございます。
さらに、参加をされました保育士や事業者からも、非常によい機会であった等の声が多く寄せられておりまして、札幌市といたしましては、非常に大きな効果的な施策として認識しているところでございます。
次に、2点目の保育士確保策のさらなる拡充についてであります。
保育士の確保に当たりましては、賃金面での処遇改善が重要であると認識しておりまして、引き続き、さまざまな機会を捉えまして、賃金改善措置の拡充を国に働きかけますとともに、こうした措置が適切に実施されますよう、事業者に対しても促してまいりたいというふうに考えております。
さらに、年内には保育士・保育所支援センターを開設いたしましてマッチングをさらに充実させることに加え、就業の継続に資する施策についても検討を進めるなど、保育士不足への対策を一層強化してまいりたいというふうに考えております。
次に、高齢者の介護予防施策における健康増進策についてであります。
1点目の介護予防における民間事業者との役割分担についてでありますが、これまでの介護予防施策は、高齢者の心身機能の回復を目的とした健康度や状態に応じた取り組みを行ってきたわけでありますが、最近では、民間事業者におきましても高齢者向けの介護予防プログラムを実施しているところでございます。
札幌市といたしましては、対象やサービス内容が重複して非効率とならないよう、行政が提供すべきサービスと民間で提供可能なサービスの相互の情報を共有し合いまして、来年4月の新総合事業の開始に向けて役割分担の明確化を図ってまいりたいというふうに考えております。
2点目の介護予防施策と健康増進策の連携に係る今後の方策についてであります。
高齢者が要介護状態となるのを防ぐためには、健康管理を一体的に行うことが重要であり、今後さらに、疾病の重症化予防と介護予防を連動していく必要があるというふうに考えております。このため、札幌市では、今年度、介護保険部門と健康づくり部門などで検討会を立ち上げるなどして、健康管理を含めた効果的な介護予防事業を構築してまいりたいというふうに考えております。
次に、大きな3項目めの地域マネジメントを通した地域コミュニティーの活性化についてであります。
地域マネジメントを推進するに当たりましては、地域における担い手不足の現状を踏まえまして、さまざまな活動主体同士のネットワークを構築することや、地域の特性に合わせた課題解決が重要であるというふうに認識しております。
そのため、これまで、統計データなどを活用し、地域ごとの課題の解決や将来像を展望いたします地域まちづくりビジョンについて、多くの方々が参加する中で話し合える場を設けまして、その結果を地域で共有できるよう支援してきたところであります。具体的には、地域カルテ・マップを活用した勉強会の開催でありますとか、地域が行うワークショップに専門家を派遣しまして運営を補助するなどの支援を実施してきたところであります。
今年度からは、それらに加えまして、地域が地域まちづくりビジョンを題材に意見交換を実施できるよう、手引書を配付するとともに、ビジョンに基づく実践活動に対しても助成金を交付するものとしております。あわせて、各区における地域ネットワークの促進や地域特性を踏まえた区民との協働事業についても、引き続き、課題解決に取り組む地域に対し、積極的に支援してまいりたいというふうに考えております。
私からは、以上でございます。
○議長(鈴木健雄) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 私からは、大きな1項目の市長の政治姿勢のうち、6項目めの電力の小売自由化とエネルギー政策について、大きな5項目めの西区の諸課題についてお答えいたします。
まず、大きな1項目めの市長の政治姿勢についての6項目め、電力の小売自由化とエネルギー政策についてでございます。
1点目の札幌市のエネルギー政策を総合的に担う部局についてでございますが、札幌市エネルギービジョンを所管いたします環境局が中心となって、関連部局と連携しながら総合的に対応してまいります。
2点目の札幌市としての今後のエネルギー政策の方向性についてでございますが、今後も、国の基本方針であるエネルギーの安全性、安定性、経済性、環境性を踏まえて、省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの導入拡大を引き続き進めていく考えでございます。
また、電力の小売自由化は、消費者の選択肢が拡大するとともに、地元でつくられた電力を主体とする事業者などの参入によりまして、地域経済の活性化や温暖化対策への貢献が期待されると認識するところでございます。
しかしながら、電力の小売自由化は4月に始まったばかりであり、流動的な側面もありますことから、今後の道内における電力市場の動向について注視し、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
次に、大きな5項目めの西区の諸課題についての1項目め、今後の雇用促進住宅への対応についてでございます。
雇用促進住宅の廃止に伴う移転先の確保などにつきましては、管理運営者である独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が責任を持って対応いただくべきものと考えるところではございますが、札幌市といたしましても、入居者の転居が円滑に進むよう、支援機構に対して丁寧な対応を求めてまいりたいと考えております。
次に、2項目めの横断歩道橋の今後の取り扱いについてでございます。
1点目の撤去候補の今後のスケジュールについてでございますが、撤去候補の残りの9橋のうち2橋につきましては、ご質問にもございましたように、既に協議会を設置し、現在、撤去に向けた議論を進めているところでございます。そのほかの西区の1橋を含む7橋につきましては、今後、撤去に向けて地域に対して提案を行う予定でございますが、撤去するか存続させるかは、地域の皆様のご意見を尊重しながら判断していくこととしているところでございます。
2点目の撤去候補外の現状認識と今後の取り組みについてでございます。
撤去候補に位置づけていない横断歩道橋につきましては、利用者が多く、現状では必要な施設であると認識するところでございます。西区の7橋を含みます現在ある横断歩道橋につきましては、適切な維持管理を行うため、日常点検のほかに5年ごとに法定点検を実施しており、損傷等が発見された場合には補修等を実施していくこととしております。
しかしながら、今後、歩道橋の周辺環境が変化した場合、その利用状況に応じまして撤去候補の見直しを行い、また、地元からご要望があれば撤去に向けた協議を進めていくとしているところでございます。
私からは、以上でございます。
○議長(鈴木健雄) 長岡教育長。
◎教育長(長岡豊彦) 4項目めの教育については、私からお答え申し上げます。
1点目の札幌開成中等教育学校の入学者選考方法についてでございますけれども、開成中等教育学校の入学者選考では、最終的な入学予定者をこれまで抽せんにより決定してきたところであり、この抽せんに対してさまざまな意見があることは教育委員会としても承知しております。
これまで選考方法の検証を進めてきており、一定以上の適性を有する者を定員内に絞り込む方法についても、さまざまな角度から検討を行ってきております。平成29年度の入学者選考の基本方針については、この28年6月の教育委員会会議において議論を行い、決定する予定でございます。
2点目の教育力のあり方についてでございます。
その1点目の教員の人間力の向上についてでございます。
札幌市では、求める教師像を強い使命感、豊かな教養や人間性、確かな力量を兼ね備えた教員として資質、能力の向上を図っておりますが、特に対人関係能力や組織的な対応力を高めていくことが必要と認識しております。
このことから、全ての教員が受講する法に定められた研修に加え、札幌市独自の経験年数に応じた研修においてコミュニケーションスキルやマネジメント力などの向上を図っております。また、指導に不安を感じている教員には、指導主事等の経験豊かな指導者が直接かかわり、個々の課題に応じてきめ細かい実践的な指導を行っているところでございます。
今後も、教科指導等の専門性を高める研修はもとより、人間性や社会性を高める研修を一層充実し、札幌市の教員に求められる資質、能力の向上に努めてまいりたいと考えてございます。
その2点目の子どもたちの人間力の形成と基礎的な知識、技能の習得についてございます。
各学校においては、学ぶ力・豊かな心・健やかな身体の調和のとれた育ちを目指し、教育委員会と連携しながら、学校の実情に応じたきめ細やかな計画を立てて取り組みを推進しております。今後は、子どもたちの成長をより確かなものにするため、学校と家庭、地域が一体となり、子どもの望ましい生活習慣づくりや、学習や運動に意欲的に取り組める環境づくりを進めてまいります。
また、札幌市では、基礎的な知識や技能の習得はもとより、学ぶ意欲、生かす力をバランスよく育んでおりますが、各種調査の結果から、思考力、判断力、表現力等の生かす力により課題があると認識しております。知識、技能の定着を図るためにも、学んだことを生かし、学ぶ喜びを実感できる授業を工夫するなど、子どもたちが主体的、共同的に取り組む学習を一層推進してまいります。
私からは、以上でございます。
(
村山拓司議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(鈴木健雄) 村山議員。
◆
村山拓司議員 それでは、私から、二つに分けて質問させていただきますが、本当は10カ所ぐらい気になるところがあったんですけれども、絞って質問させていただきたいと思います。
まず、雇用促進住宅についての対応ですが、国の所管であることはわかるんですけれども、地域の生活をつかさどる自治体として、今の答弁では不十分ではないかと感じました。札幌市域内において発生している問題をしっかりと受けとめた上で、住んでいる方々に対して、札幌市として独自に対応策を考えたり、あるいは、国に丁寧な対応を求めるだけではなくて、何らかの働きかけをしていくことが必要だと思いますけれども、そういったおつもりがあるのか、ないのか、お伺いしたいと思います。
それと、商店街についてなんですけれども、私から、どのような支援をしていくおつもりかと伺ったことに対して、しっかりとサポートしていきたいということだけでは、札幌市内にある商店街の皆さんは納得できないんじゃないかなと思うんですよ。
まず、秋元市長が新市長となられて、札幌市民、そして、例えば商店街の皆さん、雇用促進住宅に入っている方々を含め、私たちも、積極的な姿勢としてどういうことをしてくれるのか、アクションプランに掲げられたもの以外にどんなことをしてくれるのか、非常に期待しているところであります。
秋元市長に、もう少し踏み込んだ答弁を求めたいと思います。
○議長(鈴木健雄) 秋元市長。
◎市長(秋元克広) 商店街への対応についてでありますが、これまで、商店街に対するさまざまな融資でありますとか、さまざまなそういった活動というのは継続をしていくという前提のもとに、アクションプランの中でお示しをしている、今、商店街としていろいろな地域の課題を解決する取り組みでありますとか、そういった具体的なご提案をいただいたものについて応援をしていこうという新たな仕組み、制度というものをつくっております。
そういう意味では、アクションプランの中でお示しをしている以外のものという意味では、基本的に、アクションプランというのは、これから重点とするものを挙げてここに力を入れていきますというふうに言っていますので、まずは、そこに掲げたことをしっかりとやっていきたいというふうにお答えをさせていただきたいと思います。
○議長(鈴木健雄) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 雇用促進住宅にお住まいの方への対応についてでございます。
札幌市といたしましても、退去される方々の居住の安定が図られることは大変重要なことと認識しております。
このため、支援機構に対して丁寧な対応を働きかけていくとともに、札幌市といたしましても、お住まいを探している高齢者の皆様に対し、必要に応じて高齢者向け住宅の情報をご紹介するなど積極的に支援を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
(
村山拓司議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(鈴木健雄) 村山議員。
◆
村山拓司議員 一応、今の答弁も秋元市長に答えてもらいたかったところではあるんですが、雇用促進住宅に関しては、あと3年、もう3年しかないんですよ。3年後には退去しなきゃいけないんです。これに積極的に取り組むというのは、具体的に、いつぐらいから雇用促進住宅に入っている方々に対応していくのか、この辺もお伺いしたいと思います。
それから、商店街のことについてなんですけれども、まず、昨年の選挙が終わってから、秋元市長は、いち早く、発寒商店街の行事にみずから足を運んで来ていただいたことを覚えております。商店街に関しての知識も、また、どういう手だてを講じていけばいいのかはしっかり把握されていると存じておりますが、まだまだ議論の余地や追及の余地もあると思いますので、私もしっかり検証していきたいと思います。
○議長(鈴木健雄) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) いつから始めるのかというご質問でございますけれども、委員もご指摘のとおり、平成31年までの退去が求められるということでございます。そのためには、一刻も早い準備が必要と思いますので、お住まいの皆さんの声をお聞きしながら、私どもとしてもできるだけ早くお話を伺って対応してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(鈴木健雄) ここで、およそ30分間休憩いたします。
――
――――――――――――――――――
休 憩 午後2時51分
再 開 午後3時20分
――
――――――――――――――――――
○副議長(恩村一郎) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
松原淳二議員。
(松原淳二議員登壇・拍手)
◆松原淳二議員 私は、民主市民連合を代表して、本定例会に秋元市長が上程されました諸議案並びに諸課題について、順次、質問してまいります。
冒頭、沖縄県うるま市で、20歳の女性が、県内に住む米軍軍属の男性に死体遺棄される痛ましい事件が起きました。被害に遭った女性、ご家族の皆様に哀悼の意を表します。
今回の事件は、人間としての尊厳を踏みにじる極めて悪質な犯罪であり、将来ある若者の命を奪う卑劣な行為に、激しい憤りを禁じ得ないところです。
警察庁によると、全国の警察が検挙した米軍軍人と軍属、その家族による刑法犯事件は、昨年76件で、このうち沖縄は34件と半分近くを占めています。1995年、海兵隊員らによる少女暴行事件を契機に、殺人や強姦といった凶悪犯罪に限り、起訴前の引き渡しを認めるなどの運用改善が図られたものの、日米地位協定の改定や基地縮小による沖縄の負担軽減には手つかずの状態が続いています。
ことし3月にも、観光客の女性に性的暴行を加えたとして、海軍兵が準強姦容疑で逮捕される事件が起きており、再発防止に向け、日本政府や米軍、沖縄県が先月中旬に会合を開いたやさきに今回の事件が起きました。沖縄県の翁長雄志知事は、痛恨のきわみだ、これまでどおりの綱紀粛正では同じことの繰り返しと断じましたが、この発言は、沖縄県民の怒りが頂点に達している気持ちを代弁しています。こうした事件が起きるたびに綱紀粛正を求めるだけでは不十分であり、日本政府は、具体的な再発防止策と地位協定の改定や米軍基地の県外移設を含めた根本的な対策を検討する必要があると考えます。
また、4月14日から相次いで発生しました熊本地震により、亡くなられた方々に衷心より哀悼の意を表するとともに、避難生活を余儀なくされている方々に心からお見舞いを申し上げます。
たび重なる余震や定まらぬ天候のため、復旧作業も難航している状況にあり、一日も早い復興を願うとともに、これ以上被害が拡大しないことを切に願うところであります。
本市においても、最大限の支援に対応していただくよう願います。
それでは、順次、質問に入ります。
初めに、秋元市長の市政運営に対する基本的な考え方について伺います。
さきの第1回定例会で審議されました2016年度予算は、秋元市長としての1期目の最初の本格予算であり、昨年12月に策定した中期実施計画、札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015を具体的に実行へと移していくためのスタートとなる予算編成で、経済の活性化や子育て支援などを中心とした政策的事業が盛り込まれました。また、全ての市民が活躍でき、札幌の経済が躍進し、札幌が大きく飛躍していくための道筋をつけていく予算と位置づけ、未来の札幌の姿を実現するための四つの重点課題である、雇用を生み出す力強い街、女性が輝き子どもたちが健やかに育つ街、いつまでも安心して暮らせる街、魅力と活力にあふれた暮らしやすい街を力点に置き、時代の変化、社会の要請に即した、まさに一歩先を見据えたものとなりました。
このようにアクションプランに沿って予算編成をした結果、一般会計においては、過去最高だった前年度に比べ、大きく伸びを見せました。その要因は、子ども・子育て支援新制度に関する児童福祉費や障がい児通所給付を初めとする障がい福祉費の増などにより扶助費が増加したことに加え、市民交流プラザや再開発補助などの大型事業を予算に盛り込んだ結果、建設事業費が増加したことなどが挙げられます。
我が会派としても、2016年度予算は、人口減少・超高齢社会の進展や、1972年の冬季オリンピック札幌大会を契機に整備が進められた都市基盤が一斉に更新時期を迎えるなど、転換期を迎える札幌にとって、今後10年先、20年先の札幌のまちづくりを進めていくための礎となる重要な予算であったと受けとめております。
また、この間の市政運営に当たっても、秋元市長は、市民感覚を大切にする政治姿勢を貫いており、地域のさまざまな行事や活動などに積極的に赴き、多くの市民と触れ合う姿を目にしました。秋元市長の市民の声や現場の声を生かしていきたいといった姿勢が大きくあらわれていたものと考えます。
そのような市民感覚を大切にした市政運営を行う中で、今後、新たな課題や制度の矛盾が浮き彫りになることや、刻々と変化する社会情勢や国の政策・制度変更への対応が求められる場面も想定されます。アクションプラン2015の計画期間における歳入と歳出を推計した中期財政フレームを設定し、毎年度、収支の進捗管理を行うことを掲げ、施策の推進と健全な財政を両立するバランスを重視した財政運営を進めることとしておりますが、社会情勢の大きな変化などがあった場合には、持続可能な財政運営が維持されるのかといった懸念もあります。
そこで、質問ですが、市政運営に当たっては、アクションプラン2015の着実な実行に努めることはもとより、変化する社会情勢への対応など適宜・適切な判断が求められる課題にも柔軟に対応していくことが必要と考えますが、市長の基本的な考え方を伺います。
次に、機構改革についてです。
2016年度のスタートに当たり、札幌市が直面する課題を克服し、市政運営を円滑に進めるために、大規模な機構改革を行いました。大きな改革の一つとして、中長期的な視点を持った政策立案部門と、市街地開発、交通などの計画策定・事業実施部門が一体となったまちづくり政策局を新設し、組織横断的な企画調整機能を担っていた市長政策室を廃止しました。これまで市長政策室が担ってきた組織横断的な課題への対応については、各部局が主体的に連携しながら、それぞれの役割をしっかり果たしていくことが重要だと、さきの第1回定例会における我が会派の質問に対して秋元市長は答弁いたしました。
人口減少というこれまで経験したことのない社会環境の変化に柔軟に対応していくためには、雇用の安定化や子育て環境の充実など、さまざまな施策を組織横断的に進めていかなければなりません。あわせて、都心や拠点など、それぞれの地域が置かれている状況を考慮しながらまちを効果的に再構築していくことも大切です。こうしたこともまちづくり政策局が新設された大きな役割だと考えます。
そこで、質問ですが、今年度新たに設置されたまちづくり政策局はどのような役割を担っていくのか、改めて伺います。
次に、震災時における対応についてです。
我が会派は、東日本大震災以降、実効性ある防災計画や防災への意識向上など、さまざまな観点から、機会を捉え、質問や提言をしてきたところですが、今回発生しました熊本地震に関連して5点伺います。
1点目は、指定都市市長会行動計画に基づく対応についてです。
本年4月14日の夜に起きた益城町を震源とする熊本地震は、16日に本震が発生し、その後も大きな余震が続くなど、これまでに例を見ない震災であり、多くの周辺市町村に甚大な被害を与えました。政令指定都市の熊本市においても、避難者がピーク時で10万人を超え、人口の7分の1近くが避難生活を強いられています。東日本大震災や阪神・淡路大震災の経験から、震災発生直後に全国から多くの支援物資の提供や人的支援が行われ始め、余震が続く中においても、熊本県を中心とした被災者を助けたいという善意あふれる人々の姿が報道されておりました。
そのような中、2013年に策定された広域・大規模災害時における指定都市市長会行動計画に基づき、札幌市を含む各政令市が熊本市を支援しました。大規模災害時には広域的な応援体制が必要ですが、札幌市は、既に近隣自治体や関係機関、民間企業などと災害時の応援協定を幅広く締結しています。また、これに加え、政令市が一体となった行動計画に基づき、広域的な支援を受けられることは非常に重要です。
そこで、1点目の質問ですが、熊本地震の支援は、指定都市市長会行動計画を初めて適用した事例となりますが、今回の行動計画に基づく対応についてどのように評価しているのか、伺います。
2点目は、震災支援の経験を生かす取り組みについてです。
札幌市も、指定都市市長会行動計画に基づき、市長会を通じて調整を図りながら、4月18日に食料や生活用品などの物資を熊本市に送るとともに、人的支援も行ったところです。震災直後の16日に派遣した医師を中心とする災害派遣医療チーム、DMAT5名を初め、19日以降は、下水管調査、建築物の応急危険度判定、避難所運営支援などのため、合わせて300名にも及ぶ職員を熊本市に派遣しました。迅速に必要な応援を実施されたことは大変心強く、また、避難者受け入れのために市営住宅を無償提供するなどの措置を講じた札幌市の判断に対しても、我が会派として高く評価しています。
余震が続く危険な状態で被災地において支援活動を行った経験は、札幌市が同様の被害に遭った場合、大変貴重なものとなってきます。特に、政令市という規模が大きい都市において大規模災害が起きた場合の避難所運営は、多くの避難者が押し寄せるなど、大都市特有の難しさがあったと思われます。その経験をしっかりと札幌市にフィードバックすることが必要と考えます。
そこで、次の質問ですが、今回の熊本地震における現地対応の経験をどのように本市の災害対策に役立てていくのか、伺います。
3点目は、大規模震災時における物資の配送、配給についてです。
災害時の受援体制は、人的及び物的支援、災害ボランティアの受け入れなど多岐にわたりますが、その中の課題の一つとして挙げられるのが避難所運営における食料についてです。アルファ米やクラッカーなど保存性の高い食料は災害時の備えとして重要ですが、近隣からは、おにぎりや弁当などの賞味期限が短い食料も多く届けられます。
東日本大震災によって被災された人口35万人の福島県いわき市の清水敏男市長は、食料配給方法だけは事前に決めておくべきであると強くアドバイスを行っております。いわき市は、支援物資の食料を競輪場に集約しましたが、公平性を保つため、全ての避難者に行き渡る数に満たない食料は配給しない、また、安全性を保つために賞味期限が切れた食料は配給しないという方針によって、避難している市民に配給できず、食料を腐らせるという事態が4日ほど続きました。いわき市では、こうした事態を打開するために、食料配給の業務を民間のいわき青年会議所に委託し、配給に裁量を持たせたことで、高齢者や子どもへの配給を優先することや、賞味期限が1時間ほど切れた食べ物も、受け取る側の同意を得て配給することを可能とし、難を乗り切ったと聞いております。
大規模災害時においては、避難所運営や安否確認などに多くの人手が割かれることから、避難所への物資配送や食料の配給に携わる行政職員が圧倒的に不足することが明らかとなっております。賞味期限がある食料の配給については、他の物資と異なる対応を事前に考える必要があると思います。
今回の熊本地震においても、全国各地から支援物資が大量に届く一方で、これらの物資が集積場から避難所に届くまで長い時間を要していることや、避難所によっては届く物資に偏りがあったという報道がなされています。札幌市においても、熊本地震のように大勢の避難者が出た場合、食料や生活物資の配送については困難及び混乱をきわめることが想定されます。
そこで、質問ですが、他都市のケースなどを参考にしながら、物資の配給にかかわる業務を民間委託することなどの検討を進めるべきと考えますが、本市の見解を伺います。
4点目は、要配慮者への配慮についてです。
熊本地震においては、発生から1カ月を経た5月13日現在でも、1万1,000人の方々が避難生活を続けています。札幌市は、2008年に第3次
地震被害想定を公表しています。これによりますと、真冬に震度7の地震が起きた場合、11万人を超える市民が避難所生活を送ることになると想定しています。避難が必要となった場合に、市民は自治体が指定する避難所に避難することとされていますが、熊本では、いまだ続いている余震に対する不安や集団生活によるプライバシーが配慮されていないことなどを理由に、学校の体育館などといった避難所での生活を避ける方も多くおられます。避難所の生活は、特に高齢者や障がいのある方などにより一層の負担を強いることは明らかです。災害弱者あるいは要配慮者などと呼ばれる高齢者や障がいのある方などへの避難所における対応は、大変重要なものと考えます。
そこで、質問ですが、災害が発生した際に、札幌市の避難所において要配慮者に対してどのような配慮が行われるのか、伺います。
5点目は、福祉避難場所についてです。
要配慮者については、通常の避難所における生活が困難な場合、2次的避難所として福祉避難場所と呼ばれる老人福祉施設や障がい者施設などに避難することになります。札幌市においては、高齢者向けの福祉避難場所として、札幌市老人福祉施設協議会、北海道老人保健施設協議会、また、障がい者向けの福祉避難場所としては、札幌市知的障がい福祉協会及び札幌市身体障がい者福祉事業連携協議会、そして、障がいのある児童生徒のために北海道拓北養護学校とそれぞれ協定を締結し、現在、223施設を福祉避難場所として確保し、要配慮者の安全・安心の確保を図ることとしています。
今回の熊本地震では、福祉避難場所の開設や運営などについて、さまざまな課題が浮き彫りになり、問題提起されています。熊本市では、福祉避難場所の受け入れ可能人数を1,700人と想定していたものの、発災から10日後の時点で100人ほどの受け入れしかできませんでした。その原因は、福祉避難場所が被災で使用できなかったことや、施設の職員が被災者となり、人手不足が生じたことが挙げられます。また、福祉避難場所の周知不足も原因の一つです。利用者への周知が不足していたことに加え、福祉避難場所に関する情報を要配慮者に提供する行政職員への周知も不足していたとの指摘があります。
そこで、質問ですが、福祉避難場所が被災によって受け入れが困難な状況を避けるためには、今後ますます拡充していく必要があると考えますが、その方向性について伺います。
また、人員不足などの理由によって熊本地震で福祉避難場所が開設できない課題が浮き彫りになったことを踏まえ、今後どのように対応していくのか、伺います。
次に、2017冬季アジア札幌大会について伺います。
いよいよ来年2月に、2017冬季アジア札幌大会が札幌市と帯広市を会場にして開催されます。8回目となるこの大会は、過去最大の規模となることが見込まれており、約30の国と地域から約1,500人の選手、役員が参加する予定となっております。大会開催まで残り9カ月を切り、大会の成功に向けて着々と準備を進めていると思いますが、この大会を成功に導くためには、道外やアジアの国、地域から来訪される多くの方々に対して、札幌市と帯広市にとどまらず、北海道全体の魅力を感じていただけるよう、市民・道民が一丸となって最高のおもてなしでお迎えできる環境をつくることが重要です。
とりわけ、実際に大会運営を支えるボランティアの役割は、今後、札幌市が推し進めるスポーツ振興の観点からも大変重要な位置づけにあると考えます。
スポーツボランティア活動の成功事例としては、2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピックが挙げられます。ロンドンオリンピック・パラリンピックでは、7万人のボランティア募集に対し、その3倍となる24万人の応募がありました。これは、開催準備段階から、大会組織委員会が市民の関心を高めるよう熱心に取り組んできた成果であると考えます。例えば、大会運営ボランティアを、ゲームを一緒につくり上げていくという意味でゲームズメーカーと名づけるなど、ボランティアにやりがいを感じていただける工夫を凝らし、組織委員会が一体となり、大会を成功させたと聞いています。
こうした中、2017冬季アジア札幌大会組織委員会では、今月9日から札幌会場と帯広会場に合わせて5,000人規模のボランティア募集をスタートさせました。5,000人のうち1,900人の方々には、多言語対応ボランティアとして、いわゆる外国語でのお手伝いを考えていると聞いています。おおむね1人に4日間従事していただくことを前提に、延べ2万人規模に上るとのことです。
今回募集するボランティアは、大会期間中やその前後の期間に、各競技会場のほか、選手、関係者の宿泊施設や市内各地において、大会運営の補助あるいは観光案内、選手団のサポートなどに当たっていただくことになっています。札幌で開催された2007FISノルディックスキー世界選手権大会では約2,000人、2015年世界女子カーリング選手権大会では約600人のボランティアが大会運営を支えたとのことですが、今回、札幌市においては、これらをはるかに上回る5,000人という例がない規模となっています。多くの市民が、アジアのさまざまな国、地域から訪れる方々をおもてなしの心を持って迎え、有意義な交流ができるものと期待しているところでありますが、これだけの数のボランティアが実際に集まっていただけるのか、心配しているところです。
しかしその一方で、今回、必要な人数の確保を実現することができれば、本市にとって貴重な財産になると思います。今後、札幌市で開催される予定の2018年日本スポーツマスターズや2019年ラグビーワールドカップ、そして、先日、喜ばしいことに札幌市で初めて開催されることとなった2017年の障がい者ノルディックスキーワールドカップや、将来の冬季オリンピック・パラリンピックでも、今回のボランティアの経験を生かして活躍していただくべきだと考えます。
そこで、質問ですが、過去最大規模となる今回のボランティアについて、ハードルが高いとは思いますが、どのように募集を進めていかれようとしているのか、また、このような市民の活動をスポーツによるまちづくりの中でどのように生かしていこうとしているのか、その意気込みも含めて伺います。
さらに、今回参加されるボランティア活動を今後のスポーツ大会につなげていく仕組みが必要と考えますがいかがか、伺います。
次に、ふるさと納税制度について伺います。
1点目は、ふるさと納税についてです。
応援したい自治体に寄附をすると税金が減額され、さらに地元名産品などの返礼品が受けられるふるさと納税制度が、昨年4月から拡充されました。この制度は、地元の魅力を発信しながら財源が確保できるとして、自治体からも人気があります。納税先が選べる、個人が故郷の自治体を応援できる、大都市から税源が移管され、地方創生の起爆剤になるなど、ふるさと納税は、日本に寄附制度が定着すると期待される一方で、自治体間競争が過熱化し、寄附者に返礼品として換金性の高いものを特典としてプレゼントする例も横行している実態が問題視されています。
本来、見返りを求めないことが寄附の原点であるにもかかわらず、節税と豪華な返礼品をもらうことが目的化され、当初の想定と大きくかけ離れたものとなっている現状があります。一方、熊本地震の被災自治体に寄せられているふるさと納税は、ほとんど返礼品はありませんが、約23億円に達する寄附が寄せられています。このことを機に、返礼品の豪華さなどによる寄附金獲得競争をやめ、ふるさとへの思いや被災を受けた自治体への支援という本来の趣旨に立ち戻る必要があると考えます。
札幌市の2015年度ふるさと納税を含む寄附金総額は2億円を超え、20の政令市の中ではトップクラスです。本市では、5万円以上の寄附に対して感謝状を贈り、返礼品は用意していませんが、多くの寄附金を集めているという特徴があります。これは、2008年に、市民、企業からの寄附で市民団体を支援する市民まちづくり活動促進基金、通称さぽーとほっと基金が創設され、本市における寄附文化の醸成に一定の影響を与えたものと考えます。さぽーとほっと基金を初めとする札幌市への寄附の内訳は、まず、企業による寄附が多いことが挙げられます。個人による寄附については、件数は少ないものの、市民による大口の寄附が多いことが特徴です。しかし、2015年度の市外からの寄附金額は全体の5%程度にすぎず、市外からの寄附をふやすための工夫が必要と考えます。過度な返礼品競争に加わらず、札幌市の政策への賛同、評価で寄附をふやすことが肝要であり、そのためにも、例えば、寄附がどのようなことに使われているのか、その使い道をわかりやすくホームページやパンフレットなどで明示することが重要だと考えます。
一方、今回、札幌市においても新たな取り組みが始まるとのことですが、昨年の決算特別委員会で、我が会派は、ふるさと納税制度に全国の多くの人たちが興味を示している事実から、過度な返礼品競争に加わらないことを前提とした上で、この制度を札幌の魅力発信にも活用すべきと指摘しました。
そこで、質問ですが、今年度、新たに本市が取り組むふるさと納税制度を活用した事業の方針と概要について伺います。
2点目は、企業版ふるさと納税について伺います。
今年度から、従来のふるさと納税制度に加え、企業版のふるさと納税制度がスタートしました。この制度は、本社が所在する地方自治体に寄附を行う場合は優遇措置の対象から除外されるものの、地方自治体が企画立案し、国が認定したまち・ひと・しごと創生寄附活用事業に対する寄附を行った法人に対し、寄附額の3割に相当する額の税額控除の特例措置がなされます。これにより、企業にとっては、現行の軽減効果とあわせ、寄附額の6割に相当する額の軽減が図られることになります。既に、家具店大手のニトリが、財政再建を進める夕張市に対して総額5億円の寄附を表明しています。
しかし、一連のふるさと納税制度に対しては、地方自治制度を破壊するものと厳しく批判する専門家もいます。地域の行政サービスには、サービスを受ける人が税金を負担するという受益者負担の原則が存在していますが、企業は大口寄附となることから、個人のふるさと納税より深刻な影響が予想されます。ふるさと納税制度は、これをゆがめてしまう可能性があります。企業版の制度では、返礼競争が起きることを公共事業の入札談合といった不正につながりかねないとして、返礼を禁止する方針を固めています。
また、企業版の場合、どこに寄附しても減税の対象となるわけではなく、地域活性化の効果が高いと政府が認めた事業のみが対象となります。地方自治体とは、本来、みずからの意思で行政活動を行う存在ですから、減税対象となる自治体を政府が恣意的に決めるということは地方自治の基本に反すると考えます。
このほかにも、本来納付されるべき地方自治体への税額が少なくなり、地方自治体間の不毛な競争を招かないか、地方自治体との癒着や支配関係が生まれないか、あるいは、地方自治体に寄附するのであれば、その分を給料や配当に回してほしいという従業員や株主の不満をもたらすことにならないかなどが挙げられます。
しかし、地域再生に貢献したいという気持ちは非常に大事です。ふるさと納税の理念である自分の生まれた故郷や居住したことのある地域への支援による納税意識の向上、地域格差の是正、地域産業の活性化支援などをより促進することができれば、企業版ふるさと納税の創設は大きな可能性が秘められているとも言えます。
そこで、質問ですが、新たに創設された企業版ふるさと納税に対し、札幌市はどのように対応していくのか、伺います。
次に、いわゆるLGBTを含む性的マイノリティーの施策についてです。
札幌市では、2003年1月に施行された札幌市男女共同参画推進条例に基づき、同年4月に男女共同参画さっぽろプランが策定され、2007年には2次プラン、2013年からは3次プランが施行されており、男女共同参画社会の推進はもちろんのこと、時代とともに変化する価値観の多様化にも対応することが求められています。特に、3次プランにおいては、性的マイノリティーを支援するための取り組みを新たな視点として取り入れています。
2015年4月に電通ダイバーシティ・ラボが行った調査によると、日本における性的マイノリティーは全体の7.6%、960万人とされております。この比率を札幌市に置きかえると、10万人以上に相当するとも言われております。世界に目を向けると、性的マイノリティーに関しては、欧米を中心に一般的な認知が進んでおり、人権尊重の観点からも、当事者に対して生きづらさをなくす取り組みや制度づくりが進んでいます。
一方、性的マイノリティーの当事者においては、例えば、同性のパートナー同士では法的に他人と扱われるため、パートナーの手術に立ち会いができなかったり、家主が同居を認めないケースも多く、住宅への入居に際し、パートナーの存在を隠さなければならないなど、不自由な状況があることが報じられています。
他都市においては、同性間のパートナーシップの関係について、東京都渋谷区では条例、世田谷区や三重県伊賀市では要綱が定められているほか、宝塚市や那覇市でもこうした制度の導入について検討していると聞いています。これらの制度は、同性パートナーシップ制度と呼ばれ、お互いを後見人とする公正証書や同居を証明する資料を添えて申請すれば、パートナーシップ証明を発行することになっています。渋谷区においては、不動産業者などの事業者に夫婦と同等に扱うようにも求めており、違反した事業者の社名を公表するなど罰則規定を定めているものもあり、同性パートナーシップ制度の導入は各自治体で検討が進んでいくものと考えます。
LGBTに関しては、単なる性的指向の問題ではなく、先天的に備わった個人の特徴と考えるべきです。そういった意味では、みずからの性別に違和感を感じている子どもたちを支える取り組みも必要です。札幌市においても、秋元市長が掲げる誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街、世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街の実現のため、性的マイノリティーの方々の生きづらさをなくすため、札幌市としての周知・啓発活動や条例の制定などの制度づくりが不可欠です。
そこで、質問ですが、性的マイノリティーに対する認識について伺います。
さらには、同性パートナーシップ制度についてどのように考えているか、伺います。
次に、子育て支援策について、2点伺います。
1点目は、待機児童対策についてです。
先般、ことし4月1日時点での札幌市における待機児童数が発表されました。いわゆる国定義の待機児童数は8人となっており、昨年度から約9割の減となりました。これまでのさまざまな取り組みの成果として評価しています。
しかし一方では、国定義にカウントされない保育所などに入所できない児童の数は808人と、昨年度の665人から増加しています。秋元市長は、国定義にかかわらず、全ての保育ニーズに応えていきたいと話されているところで、今後とも継続的な待機児童対策が進められるものと認識しています。
国においても、一つのブログを発端としてさまざまな議論が展開されており、先ごろ、国から待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策が発表されたところです。この施策では、昨年4月時点のいわゆる国定義の待機児童数が50人以上いる市区町村などが対象とされていることから、札幌市も対象となります。
待機児童解消に向けての施策が喫緊の課題であることは間違いありませんが、子どもの健全な育ちを第一義に考え、場当たり的な対応であってはなりません。例えば、国は、人員の配置や面積基準において国の最低基準を上回る基準を設定している市区町村に対して基準の緩和を求めていますが、保育士資格を持たない方を採用することによって、有資格者である保育士にさらなる負担がかかる可能性があること、面積基準の緩和により、快適な子育て環境を悪化させる結果に至る可能性があるなど、多くの危惧の声が保育現場や保護者から寄せられています。さらには、優秀な人材を確保し、保育の質を担保するために真っ先に取り組まなければならない保育士などの処遇改善が不十分であることなど、現政権が打ち出している政策には多くの不備があると言わざるを得ません。
札幌市では、ここ数年、積極的に受け皿の整備を進めているほか、各区への保育コーディネーターの配置、さらには、今年度予算で(仮称)保育士・保育所支援センターの設置を盛り込むなど、着実に施策を展開してきたところです。我が会派としても、待機児童の解消に向けた札幌市のこうした対応は高く評価すべきものと考えており、今後ともスピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。
しかし、今回の国の緊急施策への対応を検討する上では、それに即座に対応することを第一とするのではなく、札幌市における保育の実態や基準などを形づくってきたさまざまな経緯などを踏まえ、より慎重に検討していく姿勢が必要ではないかと考えます。
そこで、質問ですが、今回の国の緊急的に対応する施策について、札幌市としての認識を伺います。
また、秋元市長は、以前から、いわゆる国定義にかかわらず、全ての保育ニーズに応えていくと話されていますが、今回の集計結果でも依然として残されている、国基準にカウントされない場合も含めた待機児童への対策をどのように考えているのか、伺います。
2点目は、ちあふる・ちゅうおうの整備についてです。
現在、厚別区と中央区を除く8区に整備が完了しているちあふるは、保育機能に加え、常設の子育てサロンを初めとするさまざまな子育て支援に関するサービスを提供しており、各区の子育て支援の中核として大きな役割を果たしています。札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015においては、厚別の新設整備に加え、老朽化している市営住宅団地に合築している西区のちあふる・にしについて建てかえ整備すること盛り込んでおり、より充実した1区1ちあふる体制に向けた取り組みが進められています。
しかし、このアクションプランでは、残るちあふる・ちゅうおうについては特段の記載がありません。アクションプランの設計期間は2015年度から2019年度までの5年間であり、この計画に記載がないということは、少なくともちあふる・ちゅうおうの設置は2020年度以降となると思われます。
中央区は、高度な土地利用が進んでいる地域であり、簡単に立地場所を決められるものではなく、他の公共施設との複合化も含め、検討課題が多いことは理解できますが、残り1区となった今、最後のちあふるがいつできるのか、中央区民の関心は非常に高いものと考えます。
また、中央区については、乳幼児から小学生までの子育てを支援するというコンセプトのもと、2004年4月から子ども関連複合施設として資生館小学校などとともに子育て支援総合センターが設置されており、全市中から集まった多くの子育て世帯などに利用されています。この総合センターは、本来であれば、ちあふるが提供すべき機能の一部、例えば中央区民のための常設子育てサロンの会場を提供したり、子育て講座を開催したりしている側面もありますが、ちあふるであれば本来備えるべき地域の子育て支援の拠点としての機能、すなわち、もっと身近な地域社会でお互いに支え合い、見守り合う環境づくりを進めるといった機能は持ち合わせていません。
現在、中央区においては、こうした拠点機能、例えば、地域による地域のための子育てサロンの立ち上げを支援したり、それが持続可能となるよう定期的に訪問、アドバイスしたりする役割は中央区役所の担当の係が担っており、いわばハードとソフトが分かれている状態になっています。ハード・ソフトの両面から中央区の子育て世帯を総合的に支援していくためには、できるだけ早くちあふる・ちゅうおうを設置する必要がある一方で、ちあふると総合センターとの役割分担も含めて、子育て支援体制を整理することが必要と考えます。
そこで、質問ですが、ちあふる・ちゅうおうの設置時期の見通しについて伺います。
また、総合センターとの役割分担を含め、ちあふる・ちゅうおうの設置に向けたこれからの検討に当たり、今後の全市の子育て支援体制についてどのように考えているのか、あわせて伺います。
次に、不妊症及び不育症治療の支援について伺います。
1点目は、第2子以降の特定不妊治療費助成事業についてです。
不妊症と不育症への対応については、我が会派は、2012年第4回定例会において、正しい情報提供をするためにホームページの見直し、充実を行うことや、医療費助成に関して国へ求めていくことを確認してきました。現在、日本産婦人科学会の報告によれば、妊娠を望む夫婦の10組に1組が不妊症で悩んでいると言われており、妊娠を考える年齢が上昇していることなどもあり、潜在的な割合は6組から8組に1組と言われています。
2013年1月1日から12月31日までの1年間の全国の出生児数は102万9,816人でしたが、このうち、特定不妊治療による出生児数は4万2,554人となっており、年々増加傾向にあります。札幌市では、2013年度1,759件の特定不妊治療費助成申請があり、新規申請は増加していると聞いています。国は、2015年度補正予算により、特定不妊治療費助成制度の充実を図り、本年1月より、初回治療費助成額増額と新たに男性不妊治療費助成が行われ、札幌市でも3月から事業を開始しました。北海道は、本年4月から、さらに、これまでの特定不妊治療費助成に加え、第2子以降の治療費助成を開始しており、札幌市においても、今年度内に助成拡充を図るべく、本定例会に補正予算案が上程されています。
特定不妊治療を経て第1子を授かることができた場合、同じ治療を行うことで第2子以降も授かる可能性が高いと言われています。高額な治療費を助成することで、当事者の経済的な負担を軽減することは、第2子以降の子どもを持ちたいと望む夫婦にとって大きな進展であり、政令市で初めてとなる取り組みに大きく期待をしています。
そこで、質問ですが、今年度に事業開始を予定している第2子以降の特定不妊治療費助成について、対象など具体的な事業の内容及び開始時期について伺います。
2点目は、不育症治療費の助成についてです。
不育症は、2回以上の流産、死産あるいは早期新生児死亡の既往がある場合を言い、妊娠を望む夫婦の1%に見られます。不育症の原因は、内分泌異常、子宮奇形や血栓性素因、夫婦どちらかの染色体に問題があるなど、さまざまな要因があると言われております。また、不妊症に比べて不育症は一般的に理解が進んでいないため、受診につながらないことや、産婦人科医にとって、要因が多岐にわたるため、診断が難解な疾患であり、原因不明のまま見過ごされてしまう事象も少なくありません。
しかし、不育症の治療を行った夫婦は、80%から85%の確率で出産に至るとも言われており、子どもを望む夫婦にとっては希望につながるものと言えます。
不育症診断の検査の多くは保険適用ではあるものの、それぞれの検査が高額であることや、多岐にわたる要因を特定させるには複数の検査を行う必要もあることから、不妊症治療同様に経済的な負担が強いられます。全国の自治体でも、不育症治療及び検査を受ける夫婦の経済的負担軽減を目的に、和歌山、福島、京都、長野、兵庫では府県内全てで助成を開始しており、現在、その実施自治体は400を超えています。2014年10月には京都市が政令市として初めてスタートし、初年度の2015年度は80件を超える申請があったと聞いています。道内でも、2015年4月に根室市、滝川市、新得町が開始し、本年6月から石狩市が開始を予定しており、全国で広がっております。
そこで、質問ですが、子どもを望む夫婦の経済的負担を軽減させるため、不育症治療費助成を行うべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、食品ロスについて伺います。
1点目は、家庭からの食品ロスについてです。
国連食糧農業機関の報告によると、世界で生産される食料のうち、約3分の1に当たる13億トンが廃棄されており、日本においても年間2,800万トンの食品廃棄物などが排出されています。そのうち、飼料や肥料化、エネルギー化などにされることなく廃棄されるいわゆる食品ロスは年間約642万トンと言われており、日本の米収穫量に匹敵し、本来食べられるべき多くの食品が焼却、埋め立て処分となっています。
食品ロスを削減することは、全世界的に求められており、国連では、2015年9月に、持続可能な開発目標として、2030年までに世界の小売・消費段階における1人当たりの食料廃棄量を半減させ、ポストハーベストを含む生産・供給段階での食品ロスを減少させることが採択されました。日本においても、2013年、国の6府省庁による連携で食品ロス削減国民運動が始まり、「もったいないを取り戻そう」を合い言葉に、食品ロス発生段階別に削減の取り組みを支援し、生活者一人一人がみずから意識し、行動することで、資源を無駄なく効率的に活用するフードチェーンづくりを進めることが提起されています。
札幌市では、2009年より、食育の観点からもったいない運動を実施し、家庭、学校、事業者など幅広く啓発を進めており、昨年度からは、家庭からの食品ロス削減に重点を置いたごみ減量キャンペーンを進め、市民への啓発に取り組んできたところです。
しかし、2013年、組成調査から、2万3,000トンの食べ残し、手つかずの食品廃棄が明らかになっています。家庭における無駄な買い物や調理の際のつくり過ぎなどを抑えることで、札幌市は、例えば4人家族で年間食品約50キロ、約3万円の節約につながることとされていますが、あと一歩、市民に広がっているとは言えない状況です。
ことし2月に実施された札幌市指標達成度調査の報告書によれば、生ごみの水切り実施が64.5%の回答があったのに比べ、食品の買い過ぎや料理のつくり過ぎをしないとの回答は51.4%と13ポイントの開きがあり、まだまだ実行の余地があると言えます。
そこで、質問ですが、札幌市は、2015年度家庭ごみの量が過去最少を更新しましたが、まだ減量の余地があり、市民に一層の協力を呼びかけていますが、家庭からの食品ロス削減についてどのように認識しているのか、また、今後どのような取り組みを進め、食品ロスの削減を実現しようとしているのか、伺います。
2点目は、事業系食品ロスについてです。
同様に、事業者から排出される事業系食品ロスは330万トンに上るとも言われております。事業者からの食品ロスは、製造、流通、販売における返品、過剰除去による調理くずや外食による食べ残しが挙げられます。札幌市では、2013年、スリムシティさっぽろ計画を改定の際、札幌市廃棄物減量等推進審議会において、事業系食品ロスについては、現在の日本の食品衛生・流通システムが過剰な食品ロスを引き起こす要因となっており、食品業界における検討の動向を把握しながら、食品ロスの削減に向けた取り組み、働きかけに努めていく必要があるとの答申が寄せられました。
しかし、事業者には3分の1ルールと言われる、製造日から賞味期限までの期間をおおむね3等分して納品期限及び販売期限を設定する商習慣など、個別企業では解決しがたいこともあり、事業系食品ロスの大きな要因と言われています。また、事業系食品ロスへの取り組みに理解や賛同する消費者をふやし、市民への意識啓発をすることも不可欠です。
国は、2012年から検証を始め、東京都では、2013年より食品ロス削減に取り組み、2015年には、品質には問題のないものの、通常の販売が困難な食品をNPOなどが食品メーカーや小売店から引き取り、福祉施設・団体、生活困難者へ無償提供する活動であるフードバンクへのマッチングセミナーなども開始しています。札幌市においても、最近、コープさっぽろがフードバンク事業を開始したほか、百貨店が3分の1ルールを見据えた売り切りセールを開催するなど、さまざまな取り組みが始まりました。
そこで、質問ですが、札幌市においても、食品関連産業の中で最も食品ロスの量が多い外食産業や食品小売業における対策を進めていく必要がありますが、市としては、どのようなお考えなのか、また、どのように進めていこうとしているのか、伺います。
次に、食産業の海外への販路拡大について伺います。
札幌市の経済は、これまで、札幌を中心にした北海道の人口増加に伴う内需拡大により成長を続けてきました。札幌市の人口も、今をピークに減少に転じることが見込まれ、道内市場や経済規模の縮小が懸念されています。今後も、札幌市経済が持続的に成長を続けていくためには、食や観光など札幌の強みを有する地域資源を生かして新たな価値を創出し、積極的に外需を取り込んでいくことが必要です。
このような問題意識を踏まえ、我が会派は、札幌市や北海道、北海道経済連合会、関係自治体が連携して推進してきた北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区における取り組みを初め、食産業の海外展開を積極的に推進するよう強く求めてきました。
札幌市においては、これまでも、成長が著しいアジア圏を中心に、食と観光を基軸に外需の獲得を図るため、海外展示会への出展支援やバイヤーの招聘のほか、輸出向けの食品製造や外食産業の海外展開支援を推進し、その結果、2014年の市内食関連企業の輸出額は前年より約20億円も増加して約53億円に達するなど、これまでの取り組みが一定の成果を上げているものと受けとめています。
しかしながら、市内の食関連産業を支えている企業の多くは中小企業や小規模企業であり、単独で新たな販路の開拓に取り組むことは体力的に非常にハードルが高いことから、十分なノウハウを有していない中小企業などが安心して海外展開に踏み切ることができるよう、札幌市と関係機関がこれまで以上に連携を深め、支援の強化を図ることが必要不可欠であると考えます。
このような中、さっぽろ未来創生プランにおいては、安定した雇用を生み出すことを基本目標に位置づけ、海外市場の獲得に向け、北海道、札幌の強みである食に関連する産業の高度化を図り、海外展開を一層強化することとしています。北海道、札幌で育まれる食の魅力を生かした産業の高度化を図ることは、外需を獲得し、今後縮小が見込まれる国内市場の需要を補うだけではなく、長期的には札幌市産業の国際競争力を高め、足腰の強い経済基盤を確立することにより、安定した雇用を生み出し、現在、道外に対して大幅な転出超過となっている若年層を中心に、地域に定着できる環境づくりに寄与すると思います。
世界においては、今後もアジア圏を中心に人口増加や経済成長に伴う中間所得層の増加が見込まれており、グローバル化の進展により国際競争が激化する中においては、常に各地域のニーズ把握に注力をし、先んじて新たな市場の開拓に取り組んでいくことが極めて重要です。昨今、中国経済の減速が報じられる中、6億人以上の人口を抱えるASEAN諸国は堅調に経済成長を続けており、今後、非常に魅力的な市場であります。
そこで、質問ですが、産業の国際競争力を高め、地域経済の活性化を図るためには、北海道、札幌の強みを有する食産業の海外展開支援をこれまで以上に強力に推進することが必要と考えますが、ASEAN諸国における新たな販路拡大に向けて、今後の取り組みの具体的方向性について伺います。
以上で、私の質問の全てを終了いたします。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)
○副議長(恩村一郎) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全部で9項目にわたり、ご質問をいただきました。私からは、1項目めの市政運営に対する基本的な考え方について、2項目めの震災時における対応について、3項目めの2017冬季アジア札幌大会についてお答えを申し上げます。その余の項目に関しましては、担当の副市長からお答えをさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
まず最初に、1項目めの市政運営に対する基本的な考え方についてお答えいたします。
1点目の変化に対応した柔軟な市政運営についてでありますが、市政運営に当たりましては、札幌のまちの魅力を次の世代につなげていくため、将来を担う人材の育成や観光振興などの経済の活性化、新しい時代に合った都市の再構築などを進めていきたいと考えております。
そこで、アクションプランには、未来への投資となる事業を積極的に盛り込んだところであり、計画全体の進行管理を行い、着実に実行していくことで、将来への確かな道筋をつけていく考えであります。さらには、常に変化する世の中の動きを市民感覚を持ってしっかりと捉え、将来世代への負担を考慮しつつ、新たな取り組みを速やかに実施することや、必要に応じ、制度改正や財政支援を国に要望していくことなどにより、地域課題や市民ニーズに的確に対応してまいります。
次に、まちづくり政策局の役割についてであります。
人口減少や超高齢社会の到来といった大きな社会環境の変化の中、雇用の場の確保や子育て支援、高齢者の活躍の場の創出など、各部局が進める政策課題について、まちづくり政策局が、時代の先を見据えつつ、総合的かつ中長期的な企画調整機能を発揮することによってアクションプランを着実に推進してまいります。また、政策立案部門と計画策定・事業実施部門の連携のもと、都心や拠点のまちづくりや都市交通施策のあり方に加え、ICTの活用など、官民一体となった取り組みを推進し、魅力と活力を創造し続ける札幌の実現に向けたまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
2項目めの震災時における対応についてお答えをいたします。
1点目の指定都市市長会行動計画に基づく対応についてでありますが、この行動計画では、全国を四つのブロックに分け、その管内で災害が生じた場合に、ブロック代表及び会長市が現地の状況を把握した上で必要な支援を決定することとしております。
今回は、4月14日の地震直後、直ちに情報収集体制をとり、16日の本震を受け、北九州市、広島市が速やかに現地に入りました。翌17日には、行動計画に基づき、札幌市を含め、各政令市が人的・物的支援に取り組んだところであります。行動計画は、これまでの事例を踏まえ、被災地からの速やかな情報収集とその後の適切な支援を行うことを目的としたものであり、今回の対応では、その目的を十分に果たせたものと考えているところであります。
2点目の震災支援の経験を生かす取り組みについてであります。
これまでも、大きな災害時におきましては、人命救助やライフラインの復旧などさまざまな支援を行ってきたところでありますが、今回は、特に避難所運営や罹災証明の発行などに多くの職員が携わったということが特徴であります。
これらの貴重な経験は、札幌市が被災した際にも大きな力となるものであり、他の多くの職員がその経験を共有しながら対策に結びつけていくことが重要だと認識をしているところであります。このため、国や被災自治体が行う検証とともに、実際に派遣をした職員へのアンケート結果などを取り入れながら、札幌市における災害対応力の強化に向けて必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
3点目の大規模震災時における物資の配送、配給についてであります。
札幌市では、運送事業者と災害時の運送協定を結ぶとともに、避難所における食料の提供に関する留意点などを運営マニュアルで整理をしているところであります。
しかし、今回の熊本の場合では、物資の配送が滞っていたとの報道もありましたことから、必要な物資が避難者の手元にしっかり届くよう、今後の検証を参考にしながら、民間からの一層の支援や集配拠点施設のあり方などについて検討してまいりたいと考えております。
4点目の避難場所における要配慮者対策についてであります。
札幌市の避難場所運営マニュアルでは、避難場所におきまして、プライバシーへの配慮が一定程度なされるなど、介助者等と過ごしやすいスペースとして、必要に応じて空き教室や保健室等を利用したいわゆる福祉避難室を設けることとしております。また、視覚障がい者の方々のために拡声器、聴覚障がい者の方々のために掲示板等を活用するなど、高齢者や障がいのある方などが少しでも安心して避難所生活を送ることができる体制、環境づくりに努めることとしております。
5点目の福祉避難場所の今後の取り組みについてであります。
まず、福祉避難場所の拡充についてでありますが、内閣府が策定をいたしました福祉避難所の確保・運営ガイドラインにおきましては、老人福祉施設や障がい者施設等の社会福祉施設のほか、宿泊施設なども福祉避難場所の例に挙げられております。このため、札幌市でも、福祉避難場所の拡充を図るため、社会福祉施設のみならず、さまざまな施設や団体と協定を締結できないか、その可能性について検討してまいりたいと考えております。
次に、想定される課題への対応についてでありますが、今回の熊本地震における福祉施設等での人員不足などの課題に対しましては、既存の道内市町村の社会福祉施設相互支援の枠組みを活用するほか、医療・福祉系大学との連携による応援体制の構築などを検討していくことで、その解消に努めてまいりたいと考えております。
今後も、積雪寒冷地という札幌市の特性を踏まえ、大規模災害においても配慮を要する高齢者や障がいのある方々が少しでも安心して避難生活を送れるよう、訓練等を通じて課題を解決しながら福祉避難場所の充実を図ってまいりたいと考えております。
3項目めの2017冬季アジア札幌大会についてお答えをいたします。
1点目のボランティアの確保とまちづくりへの活用についてであります。
大規模な国際大会を成功に導くためには、アスリートの活躍や市民の応援はもちろんのことでありますが、大会全体を支えるボランティアの存在が欠かせないものと認識をしております。そこで、より多くの方々にボランティアとして参加していただくため、早い時期から、市内はもとより、道内全域に対してこの募集を開始したところであり、特に若い世代の参加を促すため、例えば、道内の各大学に対するボランティア活動による単位取得制の導入の働きかけのほか、留学生や国内の外国語大学に対しても呼びかけを行っているところであります。
今後は、札幌ならではのボランティアの愛称なども検討した上で、より多くの市民の力を結集しながら、過去最大規模となる冬季アジア札幌大会を成功に導くとともに、冬季オリンピック・パラリンピックの招致に向けて、市民の皆さんとともに機運を盛り上げてまいりたいと考えております。
2点目のボランティアを今後のスポーツ大会につなげる仕組みについてであります。
これまでの札幌市のスポーツイベントにおけるボランティア活動は、その大会限りというものが多かったわけでありますが、今後のさまざまな大会の開催を考えますと、これを継続的なものとしていくということは極めて重要だと認識をしているところであります。
そこで、今回の大会に参加をしていただいた方々には、本年3月に設立をいたしましたさっぽろグローバルスポーツコミッションのスポーツボランティアとして登録いただき、引き続き、さまざまな国際大会の開催情報などを提供することで継続的な活動に結びつけるなど、札幌市のスポーツボランティア文化の浸透を図ってまいりたい、このように考えてございます。
私からは、以上であります。
○副議長(恩村一郎) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、4項目めのふるさと納税制度について、そして、9項目めの食産業の海外への販路拡大について、2項目についてお答え申し上げます。
ふるさと納税制度についてでございますが、1点目のふるさと納税制度を活用した事業についてでございます。
札幌市では、従来から寄附文化の醸成に取り組んできており、ふるさと納税制度もこれと方向性を同じくするものと考えております。加えて、札幌市のまちづくりを市外から応援していただく、いわゆる札幌ファンづくりにもつながり、オリンピック・パラリンピックの招致、開催など市の施策の推進に寄与するものと認識しているところでございます。
それから、返礼品の導入に当たりましては、例えば定山渓での宿泊や藻岩山での食事、円山動物園や時計台といった観光施設の周遊など、シティプロモートの観点をより重視しつつ取り組む考えでおります。
次に、2点目の企業版ふるさと納税についてでございますが、これは、寄附を通して札幌市を応援する企業づくりにつながるものであります。個人版のふるさと納税制度と同趣旨のものであると認識をしているところでございます。
この制度の活用に当たりましては、札幌市が進めている地方創生の取り組みを企業にご理解いただき、企業にとっても社会的意義を見出すことのできる事業計画を立案することが要件でありますことから、企業と意見交換を行いながら具体的な事業を検討してまいりたいと考えております。
次に、9項目めの食産業の海外への販路拡大についてでございますが、アジアの中でも経済成長が著しく人口規模の大きいASEAN地域は、非常に魅力的な市場であり、今後の食産業の海外展開を考える上では、戦略的に取り組みを推進することが極めて重要と認識するものでございます。
一方で、新たな販路開拓に当たりましては、現地ニーズに対応した商品開発や物流・商流ルートの構築等の大きな課題もございます。このような認識を踏まえ、今年度は、北海道がシンガポールに設置したASEAN事務所を活用し、北海道と札幌市が一体となって販路拡大に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えているところでございます。
具体的には、人口規模や経済成長の見通し、貿易事情等を総合的に勘案しまして、このシンガポールを拠点に、ベトナム等を先駆的な対象国と位置づけ、現地ニーズの把握やテスト輸出を実施し、物流、商流を開拓するなど、効果的な支援を行うことにより、ASEAN諸国への販路拡大につなげてまいりたいと考えるところでございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(恩村一郎) 板垣副市長。
◎副市長(板垣昭彦) 私からは、大きな5項目めの性的マイノリティーの施策について、6項目めの子育て支援策について、そして、7項目めの不妊症及び不育症治療の支援について、3項目についてお答え申し上げたいと思います。
まず、性的マイノリティーの施策についてでありますけれども、性的マイノリティーにつきましては、日本では社会的に理解が十分ではなく、誤解や偏見、差別意識が払拭されていない状況にありまして、当事者の皆様はさまざまな困難を抱えているものというふうに認識をしております。こうした状況を踏まえまして、札幌市では、第3次男女共同参画さっぽろプランの中で性的マイノリティーの方への支援を新たな視点として盛り込みまして、悩み事などの相談窓口を案内するなどの取り組みを行ってきたところでございます。
性別や性的な指向などにかかわりなく、市民一人一人の人権が尊重され、個性や能力が十分に発揮できる社会を実現することが必要であると認識しておりまして、今後とも理解促進に努めてまいりたいというふうに考えております。
自治体におけます同性パートナーシップ制度につきましては、当事者の思いをしっかりと受けとめ、社会的な理解を促進するための一つの方策として認識しておりまして、今後、関係団体などのお話をよく伺い、国や他の自治体の動向を踏まえつつ、制度の必要性も含めまして十分検討してまいりたいというふうに考えております。
次に、6項目めの子育て支援策についてであります。
そのうち、待機児童対策についてであります。
まず、1点目の国の緊急対策に対する認識についてでありますが、国の待機児童解消に向けて緊急的に対応する施策につきましては、規制の弾力化、人材確保、既存事業の拡充強化などを初めとします多くの取り組みが盛り込まれているところでございまして、こうした国の取り組みにつきましては、各自治体がその保育サービスや待機児童の状況に合わせて活用すべきものと認識しており、札幌市としても、実情に合わせて必要なものがあれば取り組みを実施してまいりたいというふうに考えております。
2点目の待機児童解消に向けた考え方についてであります。
さまざまな保育サービスの提供によって潜在的なニーズが喚起され、その結果、女性の社会進出につながっていること自体は、大いに歓迎すべきことだというふうに認識しております。そうしたニーズに応えるためにも、まずは、さらなる保育の受け入れ枠の拡大を図っていくとともに、とりわけ国定義以外の待機児童につきましては、その要因分析をさらに進めまして、必要な対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
次に、ちあふる・ちゅうおうの整備についてであります。
まず、1点目のちあふる・ちゅうおうの整備時期の見通しについてであります。
アクションプランにおきましては、平成31年度にちあふる・あつべつ、平成33年度にちあふる・にしの完成を予定しており、まずはこれら二つの区保育・子育て支援センターの整備を進める所存であります。
ちあふる・ちゅうおうにつきましては、公共施設の機能集約の視点も含め、立地場所や整備方法等についてまだ十分な検討期間が必要であろうというふうに考えておりまして、現在のところ、平成35年度以降の開設を想定しております。
2点目の今後の全市の子育て支援対策のあり方についてですけれども、市内に約300カ所ございます子育てサロンは、地域の皆さんが地域で子ども、子育てを支える役割を担っており、ちあふるはそれらを支える区の拠点という役割、そして、子育て支援総合センターは全市的な統括という役割をそれぞれ担っているわけでございます。これらが十分に連携し、相乗効果を上げることによりまして、子育て世帯に寄り添った全市的な支援体制づくりを進めてまいりたいというふうに考えております。
最後に、7項目めの不妊症及び不育症治療の支援についてであります。
まず、第2子以降の特定不妊治療費助成についてでありますけれども、助成対象は、現行事業による助成を受けて出産され、第2子以降の出産のため、特定不妊治療を受けるご夫婦であり、対象となる子どもごとに通算6回までの助成となっております。ただし、初回の治療開始時の妻の年齢が40歳から43歳未満の場合は通算3回という制度になっております。助成額は、1回の治療につき15万円を上限に助成しております。申請の受け付け時期でございますけれども、平成28年7月1日から開始することとしておりまして、平成28年4月1日以降に特定不妊治療を開始した方に遡及しまして助成対象としたいというふうに考えております。
次に、不育症治療費助成についてでありますが、晩婚化、晩産化が進行する中、出産を望む市民の希望がかなえられる社会の実現に向けて、不育症に悩む方への支援は重要だというふうに認識しております。不育症治療費への助成は、課題の一つと考えており、他の自治体の状況を把握しながら検討してまいりたいというふうに考えております。
私からは、以上でございます。
○副議長(恩村一郎) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 私からは、8項目めの食品ロスについてお答えいたします。
最初に、1点目の家庭からの食品ロスについてでございます。
家庭から排出される燃やせるごみのうち、生ごみが約4割を占めておりますことから、家庭からの食品ロスの削減は、ごみの減量にとって重要な課題であると認識しております。このため、昨年度から市民の皆様への普及啓発を進め、一定の成果があったと考えているところですが、今年度は、定期的な冷蔵庫内の食材の使用を呼びかけるなど、より実践的な内容のごみ減量キャンペーンを実施してまいりたいと考えているところでございます。
2点目の事業系食品ロスについてでございます。
事業活動に伴って発生するごみにつきましては、事業者みずからの責任でごみ減量・リサイクルの取り組みを実践することが求められているところでございます。
一方、札幌市といたしましても、食品ロス削減の機運の高まりを受け、関連する業種に対し、具体的な取り組みなどについてアンケート調査を実施したほか、各自治体における取り組み状況を把握してきたところでございます。また、外食時における食品ロス削減に向け、市職員による率先活動といたしまして、宴会開始後25分間、終了前10分間は自席で料理を楽しむ2510スマイル宴、この2510を「にこっと」とお読みいただきまして、2510(ニコッと)スマイル宴と称して本年4月から取り組んでいるところでございまして、このような取り組みを広めていく考えでございます。
家庭での取り組みも含めた食品ロス削減に向けては、市民の皆様のご理解、ご協力が何より重要でありますことから、ホームページやリーフレットなどによる周知のほか、関係部局とも連携し、さまざまな機会を捉えて食品ロス削減の取り組みの定着、拡大に努めてまいりたいと考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(恩村一郎) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日5月26日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(恩村一郎) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
――
――――――――――――――――――
○副議長(恩村一郎) 本日は、これで散会します。
――
――――――――――――――――――
散 会 午後4時44分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 鈴 木 健 雄
副 議 長 恩 村 一 郎
署名議員 松 井 隆 文
署名議員 丸 山 秀 樹...