札幌市議会 > 2014-10-28 >
平成26年第二部決算特別委員会−10月28日-07号
平成26年第一部決算特別委員会−10月28日-07号

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  1. 札幌市議会 2014-10-28
    平成26年第一部決算特別委員会−10月28日-07号


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    平成26年第一部決算特別委員会−10月28日-07号平成26年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第7号)               平成26年(2014年)10月28日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人(欠は欠席者)     委 員 長  細 川 正 人      副委員長   山 口 かずさ     委   員  三 上 洋 右      委   員  鈴 木 健 雄     委   員  勝 木 勇 人      委   員  村 松 正 海     委   員  村 山 秀 哉      委   員  小須田 悟 士     委   員  宗 形 雅 俊      委   員  こじま ゆ み     委   員  飯 島 弘 之      委   員  小 竹 知 子     委   員  阿部 ひであき      委   員  西 村 茂 樹     委   員  畑 瀬 幸 二    欠 委   員  大 嶋   薫     委   員  ふじわら 広昭      委   員  恩 村 一 郎     委   員  三 宅 由 美      委   員  桑 原   透     委   員  小 川 直 人      委   員  林   清 治     委   員  植 松 ひろこ      委   員  涌 井 国 夫     委   員  本 郷 俊 史      委   員  國 安 政 典     委   員  丸 山 秀 樹      委   員  宮 川   潤
        委   員  坂 本 恭 子      委   員  小 形 香 織     委   員  伊 藤 牧 子      委   員  小 倉 菜穂子     委   員  堀 川 素 人      委   員  金子 やすゆき       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時 ○細川正人 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項ですが、大嶋委員からは欠席する旨、勝木委員、桑原委員からは遅参する旨、川田委員からは飯島委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第8款 消防費 第1項 消防費の質疑を行います。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、2点、市民によるAEDを使った応急手当てと今後の普及啓発についてと、救急搬送する際の医療機関の受け入れ状況について、それぞれお伺いいたします。  AEDは、従来、医師や看護師などの医療従事者にしか使用できないものでありましたが、平成16年7月からは一般市民でも使用できるようになり、ことしでちょうど10年がたちました。この10年の間、AEDは、新聞やテレビなどでたびたび取り上げられたこともあり、最近では、学校や区役所、地下鉄駅などの公共施設のほか、デパートやホテルなどの大規模集客施設などでも見かけるようになりました。  我が会派は、これまで、市民によるAEDの使用とAEDを使った応急手当て講習の普及啓発について、さまざまな機会を捉えて札幌市の取り組みについて質問し、要望してきたところであります。これらに対し、札幌市では、平成17年4月から、従来の普通救命講習にAEDの使用方法を追加した講習が開始され、当時、我が会派の議員全員が講習を受講いたしました。さらに、平成18年6月から、倒れた人にいち早く手を差し伸べるため、応急手当てのできる職員がいて、いざというときに積極的に協力してもらえる事業所にAEDが設置されている旨のステッカーを表示するさっぽろ救急サポーター事業を開始し、本年9月末現在では1,788施設が参画していると伺っております。  そこで、1点目の質問ですが、さっぽろ救急サポーター事業に参画している施設において、これまでに、一般市民がAEDを使い、救命し、社会復帰に至った事例がどのくらいあったのか、お伺いいたします。  また、新聞報道によると、総務省消防庁の最新の統計では、市民が心臓疾患に起因するいわゆる心原性の心肺機能停止を目撃した件数は2万3,797件あり、この中で一般市民がAEDによる電気ショックを実施した症例は3.7%、880件ほど、この症例のうち、1カ月後の生存率は41.4%、また、社会復帰率は36%と掲載されておりました。  そこで、2点目の質問ですが、これらの札幌市の状況についてお伺いいたします。 ◎大島 警防部長  1点目のさっぽろ救急サポーター参画施設での奏功事例についてでございますが、平成18年の事業開始以来、これまでに34名の社会復帰事例がございました。具体的には、大型ショッピングセンターや地下鉄などにおきまして、突然倒れた方を目撃された通行人や従業員の方々が協力してAEDを使用した応急手当てを実施し、救急隊到着時には脈と呼吸が再開し、中には話ができる状態まで回復されていた事例もございます。  2点目の市民がAEDを使用し、応急手当てを行った際の生存率及び社会復帰率についてでございますが、札幌市におきましては、平成24年中に市民が心原性の心肺機能停止を目撃した件数は262件ございました。このうち、市民によりAEDを使用したものは6.5%で全国平均より2.8ポイント高く、1カ月後の生存率も70.6%で全国平均より29.2ポイント、また、社会復帰率についても58.8%で全国平均よりも22.8ポイントそれぞれ高い数値となってございます。 ◆丸山秀樹 委員  ただいま、消防局から、さっぽろ救急サポーター参画施設で市民がAEDを使って救命し、社会復帰した事例は34例あったというお話を伺いました。非常に多い数字でびっくりしましたし、また、市民がAEDを使用した割合が6.5%で生存率が70.6%、社会復帰率が58.8%と、全国平均よりも非常に高い状況であることを伺うことができたと思います。これは、我が会派が今まで訴え続けてきましたことを消防局が前向きに取り組んでいただいた結果であり、このことにつきましては高く評価させていただきたいと思います。今後も、札幌市の高い救命率を維持するために、さっぽろ救急サポーター事業を継続していただくとともに、コンビニエンスストアなどの参画も促していただきたいと思います。  コンビニエンスストアのAEDにつきましては、千葉県船橋市で、設置場所の提供と受け渡し業務のみを行うものとして200店舗のお店で設置されているほか、愛知県尾張旭市でも、本年5月1日からセブンイレブン、ローソン、サンクスなど市内のコンビニエンスストア全店にAEDを設置し、AED登録施設の表示を店頭で行い、24時間、いつでも誰もがAEDを活用できるよう整備いたしております。札幌市でも、積極的なコンビニへの働きかけを強く要望するものであります。  次に、応急手当ての普及啓発についてお伺いいたします。  札幌市においては、平成25年4月から、応急手当ての裾野を広げるため、短時間でもAEDを含む応急手当てを学べる救命導入講習救命入門コースを新設したところであり、若い世代がより受講しやすく、応急手当てを学ぶ環境が整っていると聞いております。応急手当て講習は、AEDの使い方や心肺蘇生法など救命の実技だけではなく、命の大切さを学ぶ重要な機会でもあります。  そこで、質問ですが、現在、消防局では、「教えて!ファイヤーマン」やジュニア防火防災スクールなど、小・中学生を対象に事業を展開しておりますけれども、これらを活用した少年期からの応急手当てを学べる体制など、今後の取り組みについてお伺いいたします。 ◎大島 警防部長  今後の応急手当ての普及啓発についてでありますが、少年期から救命に対する意識づけが行えるよう、可能な限り若い世代から応急手当ての必要性を学ぶ機会をつくりたいと考えております。具体的には、ただいま委員からもお話がありました小学校4年生を対象にした「教えて!ファイヤーマン」は、市内のほとんどの小学校で実施しておりますことから、今後はこの中に新たに応急手当ての項目を設けてまいります。また、中学生を対象としたジュニア防火防災スクールも、既に市内の約半数の中学校で実施しております。中には、応急手当て講習を既に実施している中学校もありますことから、さらなる拡充を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆丸山秀樹 委員  応急手当てを学べる体制として、市内のほとんどの小学校4年生を対象に「教えて!ファイヤーマン」を行っている、また、中学校については半数で応急手当てを学べる体制をつくってきているという答弁をいただいたと思います。  これからの時代を担う若い人たちが、この講習で学んだ知識や技術を突然倒れた人などへ速やかに行うことが今後の安全・安心都市札幌の将来につながるものと思いますので、消防局には、関係機関と連携を図っていただき、ぜひとも少年期からの命の大切さを学ぶ機会を数多くつくっていただきたいと思います。  次の質問ですが、救急搬送する際の医療機関の受け入れ状況についてお伺いいたします。  救急隊の活動は、救急現場で負傷者を観察し、必要な応急処置を行いながら、その傷病者の治療に最も適した医療機関を選定し、救急車で迅速に搬送するもので、医療機関の選定については、救急隊が当番病院や傷病者のかかりつけ医療機関に傷病者の状態や観察内容を伝え、受け入れ確認をすると聞いております。  医療機関の受け入れについては、過去に新聞やテレビなどで受け入れ困難症例が全国的に話題になったところであります。特に、平成18年に関西地方で発生した妊婦の受け入れ困難症例を契機に、消防庁においては、毎年、病院受け入れ時の確認回数の調査を実施しております。  そこで、質問ですが、札幌市では、平成20年に産婦人科救急医療体制を構築し、産婦人科のオペレーターを配置して、受け入れ医療機関をコーディネートしているところでありますけれども、札幌市の産婦人科における医療機関受け入れ確認回数は、他の政令指定都市と比較してどのような状況にあるのか、お伺いいたします。  また、産婦人科を含めた全体の医療機関受け入れ確認回数についても、他の政令指定都市と比較してどのような状況にあるのか、あわせてお伺いいたします。 ◎大島 警防部長  医療機関の受け入れ状況についてでありますが、平成25年中における総務省消防庁受け入れ実態調査結果では、産科周産期症例、いわゆる産婦人科につきまして、札幌市が1回目の受け入れ確認で医療機関が決定するのは90.3%で、他の政令指定都市の平均である79.9%より10.4ポイント高くなっております。また、全体の受け入れ確認回数では、札幌市が1回目の受け入れ確認で医療機関を決定するのは84.4%、他の政令指定都市の平均は79.4%ですので、こちらも5ポイント高くなっております。 ◆丸山秀樹 委員  産科周産期症例については90.3%と、全国の79.9%からするとかなり高い数字であることがわかりました。多分、これは、ふだんから産科にかかられている方が大変多いという実態もあるのかなというふうにも思います。また、全体にしても84.4%と全国の79.4%より高いということで、他の政令指定都市と比べて高くなっており、これも高く評価させていただきたいと思います。  最後に、要望となりますが、突然、目の前で倒れ、助けを求めている人に対し、市民が速やかに応急手当てを行い、到着した救急隊が引き継ぎ、迅速で適切な医療機関を選定し、速やかに搬送することがその人の予後に大きな影響を与えることになります。  これまで質問で触れてまいりました消防局が行っている応急手当て講習やそれに関連したさっぽろ救急サポーター事業は、今後、応急手当て講習の受講者や少年期からの講習を通じて学ぶ機会がふえることによって、救急サポーター事業のあり方が問われる時期が来るものと考えます。今後も、増加する救急需要に的確に対応し、傷病者を速やかに医療機関へ搬送するとともに、救急サポーター事業のあり方について検討いただき、市民の安全・安心の推進に努力していただくことを求め、質問を終わります。 ◆小形香織 委員  デイサービスを行う介護施設の消防設備について質問したいと思います。  代表質問で、デイサービスを行う介護通所施設で、要介護者を介護保険の適用外で宿泊させていることについて質問いたしました。宿泊している実態を把握しているのかと尋ねたところ、答弁では、2013年5月に市内470の通所介護施設宛てアンケート調査をし、そのうち約64%から回答があり、うち48施設が宿泊サービスを行っており、その平均利用者数は約2名ということでした。通所のための介護施設には、ビルなどの一室のほかに、個人のお宅を手直しした施設などもあります。通所の介護施設ですから、主に日中の食事とか入浴サービス、趣味の活動を行ったり軽い体操をするために用意されている施設ですが、ベッドを置くことは義務づけられておりません。  こうした施設に宿泊させているとなると、ベッドが用意されているのか、あるいは、そのスペースがあるのか、個人のプライバシーはどうなのだろうかなどなど、心配なことが浮かび上がってきます。そこでお泊りをしているということですから、その泊まった日の夜に何かあったらどうするのだろうかと。2010年に本市で起きた「みらいとんでん」での火災事故のようなことが起きるのではないかなどの心配があります。  消防局では地域を巡回していると思いますけれども、デイサービスを行っている介護施設の消防設備について実態を把握されているのか、伺いたいと思います。  通所介護施設で宿泊もさせている施設を把握されているか、それらの消防設備はどのようになっているのかなど、伺いたいと思います。 ◎佐藤 予防部長  1点目のデイサービス事業所の実態把握の方法についてでございますが、本市におきましては、デイサービス事業所を行う場合の申請時には、介護保険関係法令に基づきまして、建築基準法令等に適合していることが確認できる書類の提出を必須条件としております。このため、新規に開設するデイサービス事業所につきましては、建築基準法令に基づきまして、建物の新築または用途が変更になる際の消防局への審査書類であったり、札幌市火災予防条例に基づく消防用設備等を設置する際の届け出や、保健福祉局における事業所の開設情報などにより実態を把握しているところでございます。  2点目の消防設備等の状況につきましては、保健福祉局からの情報提供によるデイサービス事業所数につきましては、平成26年6月26日現在、当局におきましては573施設と把握してございます。このうち、消防用設備等が必要な施設は542施設ございます。この542施設が入居する建物で消防法令違反があるものは195施設で、主に消防訓練の未実施や誘導灯の非常電源の容量不足などが見受けられたところでございます。 ◆小形香織 委員  代表質問での答弁では470施設とおっしゃっておりましたけれども、その後、ことしの6月に実施して573施設であるということですね。そのうちの542施設については、消防法適用の対象施設であるので、それに基づいて審査しているということでした。違反しているところへ指導していることは承知しましたけれども、そうすると、対象になっている573施設のうちの31施設は、そもそも消防法上の対象にはなっていないということなのだろうと思います。つまり、多くの通所施設は、マンションだとかビルなどの一室を利用してデイサービスを行っていて、先ほどのような建築時の確認申請などの形でやっていくのだと思いますが、残る31件というのは、一般住宅だったものを少し改築して、中を変えて通所の施設にしていくところがほとんどだろうと思います。もともと一般住宅ですので、消火器もスプリンクラーなども設置されていない、しかも、消防法上の対象にはなっていないということで、そこで宿泊を行うことは消防設備のない介護施設で宿泊することになり、そうすると、ここが火事になったときに大丈夫なのかという心配が起きます。  デイサービス宿泊サービスについては、国のほうでも動きがあると聞いております。今回、消防法も改正されて、来年4月からは新しい消防法が施行されると聞いておりますが、いわゆる一般住宅を利用した宿泊を行っている31の通所介護施設は、消防局ではどのように把握し、指導を行うのか、今後どういうふうにされるのか、その辺について伺いたいと思います。 ◎佐藤 予防部長  規制のかからない小規模な施設を含めた消防局の取り組みについてのご質問だと思います。  委員のご指摘のとおり、消防法令の改正がありまして、平成27年4月1日より宿泊サービスを行っているデイサービス事業所の規制が強化されることから、現在、デイサービス事業所の宿泊状況について実態調査を実施しているところであります。この調査については、7月に実施した聞き取り調査において宿泊サービスを行っている事業所と聞き取り調査に無回答であった事業所を優先に、平成26年9月9日から平成27年1月9日まで実施しているところでございます。また、「宿泊サービスを実施していない」と回答した事業所に対しては、消防法令の改正内容について郵送にて既にお知らせを行っております。  なお、消防用設備等の設置を要さない施設、今、委員から質問がありました小規模な31施設におきましても、順次、これらを含めた全ての事業所の実態調査を行っていく予定でございます。  さらに、このたびの改正にあっては、消防用設備等を設置するまでの間、設備の種類に応じて猶予期間が設けられておりまして、消火器や誘導灯につきましては平成28年3月31日までの1年間であり、スプリンクラー設備自動火災報知設備、消防機関へ通報する火災報知整備につきましては平成30年3月31日までの3年間となっております。  今後、実態調査の結果を踏まえまして、関係機関と連携して、猶予期間内に消防用設備等の設置指導を行いますとともに、現在、消防法令違反のある施設につきましては、立入検査や実態調査時に継続して是正指導を行っているところであります。 ◆小形香織 委員  猶予期間中にきちんと設備を置くように指導したいというお答えだったと思います。  消防法令の改正で、どういうふうに変わっていくのかということを今お聞きしました。例えば、消火器ですが、延べ面積で150平米以上のデイサービスを行っているところに消火器を置かせるということで、逆に言いますと、150平米未満の施設は消火器を置く対象にならないということなのです。詳しく聞くと、宿泊する高齢者のうち、要介護3以上の人が宿泊サービス利用の5割を超えて、なおかつ、直近3カ月の半分以上の日数がその状態にある場合には消火器などの設備も置かなければならないとなっています。しかし、先ほどお知らせしましたように、保健福祉局の調査では、宿泊サービスの利用者は一つの施設に平均で2名程度ですから、要介護3以上の人がどのぐらいの日数でというと、なかなかこの基準に該当しないのではないかと思うのです。  そういう中で実態を調査されるということですが、消防法が改正されるとはいえ、対象とならない施設があり、そこに高齢者が実際に今も宿泊しているということはいろいろな調査でわかっております。「みらいとんでん」ではスプリンクラー設備の義務がなかったことが問題になりましたが、あれも、結局、事故が起きてから設置について改善されることになりました。本当にこれを教訓とするなら、どんな少人数であっても、宿泊させている高齢者の施設には何らかの消防設備を用意させるような指導をしていくべきではないかと考えますが、その点はいかがか、伺いたいと思います。 ◎佐藤 予防部長  先ほども申し上げさせていただきましたが、まずは、実態調査を踏まえまして、関係部局である保健福祉局からもう間もなく国のガイドラインが示されるという情報を聞いておりますので、それらの情報の共有を図りながら、委員がご指摘の部分についてしっかりと進めていきたいというふうに考えてございます。 ◆小形香織 委員  しっかりと取り組んでいただくよう求めて、質問を終わります。 ◆伊藤牧子 委員  私からは、避難のために患者の介助が必要な病院、有床診療所における防火安全対策についてお伺いいたします。  昨年10月に福岡市にある有床診療所において火災が発生し、入院患者10名が亡くなり、負傷者5名が被害に遭われたという大変痛ましい事故から1年がたちました。また、本年3月には、佐賀県の嬉野温泉病院で入院患者2名が亡くなるという火災も発生しております。  超高齢社会を迎え、高齢者の入院、通院が増加する中、医療施設には、病気を抱えて自力では逃げられない人や、場合によっては手術中の人など、また、消毒用のアルコールや電気を使った医療器具などもあり、他の施設に比べて一たび火災が発生すれば大惨事につながる危険性が高く、その意味からも、施設における防火安全対策の徹底はもちろんのこと、消防機関による施設の安全確認や指導が重要であることは言うまでもありません。  市民ネットワークは、これまでも、グループホームや病院、有床診療所における防火安全対策について質問しており、本年の第1定の予算特別委員会では、福岡市の有床診療所の火災を受け、札幌市消防局が市内の入院設備のある病院、診療所を対象に実施した緊急の立入検査について質問いたしました。そのときのご答弁では、立入検査を行った212施設のうち、61施設で消防法違反を確認し、このうち、30施設の違反を改善させたものの、残る31施設の違反については改善されなかったことから、これらの施設に対しては、早期是正に向け、継続指導を行っているということでした。  そこで、質問いたしますが、31施設あった消防法令違反の現在の改善状況についてはどのような状況であるのか、また、総務省消防庁では、福岡市の有床診療所の火災の教訓を踏まえ、有床診療所及び病院等の火災被害拡大防止対策、また、火災予防行政実効性向上等に関する検討が進められ、本年7月に報告書がまとめられたとのことですので、その検討結果はどのような内容であったのか、伺います。 ◎佐藤 予防部長  1点目の消防法令違反があった施設の現在の改善状況についてのご質問でございますが、委員ご指摘のとおり、当時、消防法令違反があった31施設のうち、28施設が改善しております。現在、未改善である3施設のうち、防火対象物点検報告未報告の2施設につきましては間もなく改善予定でありまして、残る消防用設備等が一部不備の1施設につきましては、警告書を交付して強く是正指導を行っているところであります。  2点目の総務省消防庁によります検討結果についてでございますが、今回の検討結果は、有床診療所のほか、病院なども含めた防火安全対策についてのものであり、大きくソフト面とハード面から対策について提言されたものであります。ソフト面からの対策につきましては、従業員等の教育や、夜間など職員が少ない体制で火災が発生した場合を想定した避難訓練の実施方法、防火対象物自主チェックなどについて提言されております。また、ハード面からの対策につきましては、主にスプリンクラー設備などの消防用設備等の設置基準の見直しについて提言されております。 ◆伊藤牧子 委員  消防法令違反のある施設は3施設で、最後の1施設に対しては警告書を出して是正指導に努めているということでした。このことに対しては、しっかりと対応していただきたいなと思います。  また、先ほどの消防庁による検討の結果、ソフト面とハード面のいろいろな対策が提言されているということでした。ソフト面におきましては、実践的な訓練や防火対策の自主チェック体制を通じた防火管理体制の向上ということがありました。前の福岡市の有床診療所の火災のときも、管理責任者がかなり高齢であったり、いろいろなことが指摘されていますので、ソフト面での防火対策もぜひしていただきたいと思います。また、ハード面の防火対策については、今、グループホームや有料老人ホームでは、275平米以下の小規模な介護施設であっても例外なくスプリンクラーの設置が義務化されています。また、病院、有床診療所のハード面からの対策については、昨年12月に行われた消防法令の改正により、既に自動火災報知機設備の設置基準の見直しが行われていますが、今回の検討結果ではスプリンクラー設備などの設置基準の見直しについても提言されております。設置基準の見直しが拡大されれば、施設の安全性がより一層高まることが期待されますが、先日、これに関連して消防法令が改正されたと聞いております。  そこで、質問ですが、今回行われた消防法令の主な改正内容について伺います。  また、この法令の対象となる施設はどのくらいなのか、あわせて、この改正を受けて、本市においても、関係する施設への指導などさまざまな取り組みを進める必要があると思いますが、今後どのように取り組んでいくおつもりか、お伺いいたします。 ◎佐藤 予防部長  1点目の検討結果を踏まえた消防法令の主な改正内容の対象となる施設についてでございますが、今回の改正によりましてスプリンクラー設備の設置基準が見直され、患者の介助が必要な病院や有床診療所につきましては、原則的に建物規模にかかわらず設置が義務づけられたものであります。このほか、消防機関へ通報する火災報知設備などの消防用設備等についても設置基準等の見直しが行われております。この設置基準等の見直しは、既存の病院や有床診療所などに対して消防設備ごとに設置までの猶予期間が定められております。また、対象となる施設につきましては、今後、病院、有床診療所等を対象とした実態調査を行って詳細に把握するものであります。  なお、実態調査の対象は、病院、有床診療所等の221施設を予定しております。  2点目の消防法令の改正を受けた本市の対応についてのご質問でございますが、今後、実態調査の結果を踏まえまして、対象となる施設に対し、改正内容の周知や必要な指導を行っていく予定でございます。また、周知や指導に当たっては、関係部局との連携を密にし、きめ細やかに対応していきたいと考えているところでございます。 ◆伊藤牧子 委員  対象となる施設は、規模にかかわらず、全てのところでスプリンクラーの設置が義務づけられたということで、こういう火災事故とか、飛行機事故もそうですが、何かがなければ改善できないという状況ですけれども、さまざまな教訓を受けて、ぜひ改善を進めていただきたいと思います。また、対象となるのは221施設とかなり多いと思いますが、丁寧にしていただきたいなと思います。  最後に、要望になりますが、火災の発生や法改正の都度、今申し上げたように、消防局としては施設の安全についてさまざまな対応をしなければならないと思います。特に、このような超高齢社会にあって、病院や有床診療所はとても大事な施設だと思いますが、火災で避難するときには介助が必要ということなので、グループホームと同じように、気をつけて配慮してやっていただきたいと思います。  このような超高齢社会になった中で、誰もが安心して利用できるためには、いかに市民の安全を守るかというところが消防局に課せられた使命だと思いますし、今後、市民の期待はさらに増すものと思います。今回の消防法改正では、消防用設備設置の猶予期間が2025年までとまだまだ長い期間となっておりますが、何度も申し上げますように、超高齢社会の中で市民が安心して利用するためには、消防局としては、速やかに体制を整備し、前倒ししてでも設備設置に向けてしっかりと取り組んでいただきますことを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆村山秀哉 委員  私からは、北海道との連携と、2機ある消防ヘリコプターのうち、予備機の状況について、簡潔に質問させていただきたいと思います。  現在、我が国は深刻な少子化問題を抱えていますが、ことし5月、増田元総務大臣を中心とするメンバーで構成される日本創成会議から、2040年までに20歳から39歳の女性人口が50%以上減少する市町村、いわゆる消滅可能性都市というものでありますけれども、北海道においては147市区町村に及び、本市の厚別区と南区も該当しているという大変ショッキングな発表がございました。少子化対策については別の場所で議論するとしても、就労人口の急速な減少は十分な税収を確保できず、行政サービスの低下を招くおそれがあることから、今後、行政機関はさまざまな機関と連携を図りながら効率的に運営していかなければなりません。  とりわけ、札幌市においては北海道との連携が重要になりますが、今後も従来の枠にとらわれない柔軟な発想で取り組んでいく必要があります。北海道にとっても、札幌市との連携は重要事項の一つと認識しており、本年の第2回定例道議会において、我が党の岩本議員から、消防力の向上に向けた取り組みの中で札幌市とのさらなる協力関係の構築について質問があり、高橋知事からは検討、協議する場を新たに設けるとの答弁がございました。  消防の分野においては、これまでも、緊急消防援助隊や北海道広域消防総合応援協定の枠組みの中で、東日本大震災を初め、有珠山の噴火や苫小牧のコンビナート火災などにおいて他の機関と連携した活動を行ってまいりました。特に、北海道の代表消防機関としての本市消防局は、本道の消防力の向上を図るという役割も担っております。このように、既に連携の実績のある消防局には、北海道とのさらなる連携を模索する上で、北海道全体をリードするくらいの意気込みを持って取り組んでいただきたいと思っており、この点については大変注目しているところでもございます。また、さきの代表質問において我が会派の小須田議員から防災対策に関して質問した際には、北海道とのヘリコプターによる救急救助活動の連携体制は消防連携強化連絡会議において協議を進めるとの答弁がございましたが、その後の状況についてお聞きしたいと思います。  そこで、質問でありますが、北海道との消防に関する連携・協議はどのように進んでいるのか、お伺いしたいと思います。 ◎大崎 総務部長  北海道との連携・協議についてでございますが、第1回目の北海道・札幌市消防連携強化連絡会議を11月5日に開催する予定でございます。この会議の議題といたしまして、札幌市からは消防学校と消防ヘリコプターの二つの連携について提案しているところでございます。今後、第1回目の会議で正式に議題として取り上げられた後、事務レベルで構成する専門部会を設けて具体的な検討を行っていく予定でございます。 ◆村山秀哉 委員  今の答弁をお聞きしますと、第1回目の会議が11月5日に開かれ、議題として消防学校と消防ヘリコプターの連携について提案するということでしたので、今後の検討、協議が進みますようお願いしたいと思います。  これに関連して、次に、消防学校についてお聞きしたいと思います。  札幌市消防学校は、本市の都市構造あるいは災害内容に応じた実務直結型の教育訓練を行うため、平成11年に独自に設置して以来、15年が経過し、新採用職員約800名を卒業させてきたとお伺いしております。  先日、大規模災害を想定し、本市消防学校と北海道消防学校の学生が協力して、重量物である消防資機材の搬送や、担架で負傷者を収容して16キロもの長距離を歩く様子をテレビで拝見させていただきました。私も、先ほど申しました北海道との連携が教育訓練の観点からも取り組まれていることを認識したところでございます。採用間もない両校の学生諸君が、炎天下の中、協力し合って訓練でともに汗を流している姿と、東日本大震災に派遣され、活動する全国の消防部隊、特に北海道隊の姿が重なり合い、苛酷な環境を想定し、採用時から顔の見える関係づくりが進められていることに対し、非常に心強く、また、頼もしく思えたところでもあります。また、万一、札幌市において大規模災害が発生した場合にも、いち早く応援の手を差し伸べてくれるであろう全道の消防職員の皆様にも大きな期待を抱いたところでございます。  そこで、質問でありますが、本市消防学校の顔の見える関係を意識したこれまでの取り組みについてと、ことし行われた合同訓練による成果はどのようなものであったのか、お伺いしたいと思います。  また、災害が大規模、広域化する中にあって、広島県における豪雨による土砂災害や御嶽山噴火などに見られるように、全国的に緊急消防援助隊などの活動が増加してきており、消防職員の顔の見える関係の構築は大変意義のあることであり、消防学校の取り組みを評価するところでもあります。そこで、このたび連絡会議が設置されたことを契機として、これまで重ねてきた交流をさらに発展させるため、今後どのような連携の取り組みを考えているのか、お伺いしたいと思います。 ◎萬年 消防学校長  1点目の本市消防学校のこれまでの取り組みについてでありますが、平成12年度から実施しております初任教育において、両校合同で、部隊の敬礼、行進要領などの規律訓練や体育大会などを実施して交流を深めてきているところであります。東日本大震災の教訓を踏まえ、道内消防職員との顔の見える関係構築を一層進めることが必要との認識に立ち、本年3月に両校の教育訓練に関する申し合わせを取り交わしたところであり、新たな試みとして実践的な合同訓練や教官が互いの学校紹介を行うなどの授業を始めたところであります。  2点目の今年度実施した合同訓練の成果についてでありますが、肉体や精神の極限において仲間を思いやる気持ちが生まれ、厳しい体験を通じて両校学生の団結が強まるなど、より親密な関係を築くことができ、一定の成果につながったものと認識しているところであります。  3点目の今後の連携についてでありますが、これまでの交流実績を踏まえ、合同での授業や訓練がより効果的な内容となるよう協議していくとともに、学校教官による相互授業の機会拡大、さらには両校が有する施設の有効活用など、積極的な連携方策について検討を進める予定であります。 ◆村山秀哉 委員  次に、北海道との会議でもう一つの議題となっております消防ヘリコプターについてお聞きしたいと思います。  消防ヘリコプターは、札幌市と北海道のそれぞれの機関が保有していますが、一体的に運航することができれば、活動面での強化や経済的なメリットも生まれるのではないかと思います。今後、消防局には、これらのことを含め、しっかりとした連携の形を模索していただきたいと思いますが、北海道との検討、協議にはそれなりに時間もかかることが予想されますので、まずは、お互いの機関において今ある消防航空体制を維持していくことが重要であると思います。  これまで、我が会派は、空からの消防力を365日確保するために2機体制の必要性を村松議員が訴え続けておりましたが、そのかいもあって、平成21年には念願の消防ヘリコプター2機による通年運航体制を実現したところであります。これにより、例えば、郊外で発生した重症傷病者をいち早く高度な医療機関へ搬送できる体制が整い、昨年のヘリコプターによる救急出動件数は258件とほぼ毎日のように出動している状況で、1機体制のときの30件程度と比較しても件数は飛躍的に伸びているところでございます。札幌市においては、先ほどの公明党の丸山委員の質問に対する答弁でもありましたが、心肺停止の方の救命率は全国と比べても非常に高い数値となっており、救急医療体制の高度化や応急手当ての普及の効果はもちろんでありますけれども、消防ヘリコプターの活躍もその一翼を担っているものと思います。  このように、今後とも2機体制の維持は必要なのでありますが、最初に導入した機体である現行の予備機については、既に導入から23年を経過し、全国76機ある消防ヘリコプターの中では一番古い機体となっているようでございます。また、東日本大震災では、札幌市内の出動体制を維持しつつ、津波で取り残された人を救出するため、被災地を飛び回っていたほか、これだけ多くの救急出動に対応することとなったことから、予備機については、2機体制となったときに予想していたときよりも大幅に飛行時間が延びており、今では6,000時間を超える飛行時間となっているとお聞きしております。  また、ヘリコプターについては、毎日、毎年の点検のほか、飛行時間に応じた点検があり、必要なところでは、その都度、部品交換を行っているとのことでありましたが、安全運航上の問題はないのでしょうけれども、飛行時間がふえることによって点検、整備が頻繁になると運航体制に影響しないものなのか、心配するところでございます。また、機体が古くなると、どうしても修理費が増嵩したり必要な部品の調達に時間がかかったりするなどして、これも運航体制に影響しないものなのか、心配しております。  そこで、質問でありますが、予備機の飛行時間の増加による運航体制への影響についてお伺いしたいと思います。  また、予備機の修理費用の推移と部品供給体制はどのような状況となっているのか、お伺いしたいと思います。 ◎大崎 総務部長  予備機の飛行時間の増嵩による運航体制への影響についてでございますが、飛行時間の増嵩によりまして点検、整備に要する時間はふえているところでございますけれども、予備機ということもございまして今のところ運航体制に影響は出てございません。  また、予備機の修理費用の推移と部品供給の状況についてでございますが、修理費用につきましては、機体が古くなりますと交換部品がふえますので、結果といたしましては年々増加傾向にございます。部品の供給体制につきましては、予備機と同機種のものが製造中止となりましてから20年が経過してございます。そのため、部品によっては、市場に出回っている数が少なく、調達に時間を要するものがあるのも事実でございます。しかしながら、これまで、部品調達のおくれによる運航体制への影響は出てございません。 ◆村山秀哉 委員  最後に、要望を申し上げて、終わりたいと思います。  繰り返しになりますが、札幌市にとっては、北海道との連携がこれからの重要な課題の一つと私は考えております。こうした中で、消防学校においては、北海道との合同訓練により徐々に顔の見える関係ができているということでしたので、この取り組みをきっかけとしてさらに連携を深めていただきたいと思います。  また、予備機については、点検、整備の頻度がふえているものの、今のところ運航体制には影響は出ていないということでありました。しかし、年々、修理費用がふえており、部品によっては入手に時間を要するものもあるということでございました。今後、さらに部品の調達が難しくなると、安定的な空の消防力の確保に大きな支障を来すおそれがありますので、予備機についてはそろそろ更新を考えたほうがよいのではないかと思っております。  これらのことから、私は、北海道とのさらなる連携と消防ヘリコプターの更新について早急に検討を進めるよう要望いたしまして、質問を終わります。 ◆植松ひろこ 委員  私から、京都府福知山市花火大会火災を踏まえた火災予防条例の改正にかかわる本市の対応についてお伺いいたします。  質問に先立ちまして、先日、札幌市消防局では、女性初の救急隊長として、気管挿管認定救命士が誕生したという報道を目にいたしました。私は、ことしの第1回定例会予算特別委員会の際にも、女性消防職員の職域拡大について質問するなど、かねてより女性職員の活躍の場を広げるよう要望してきたところでありますが、このたび、このような報道を目にいたしまして、とてもうれしく思っております。今月17日から19日には、札幌コンベンションセンターにおきまして日本女性会議2014札幌が開催されまして、男女共同参画社会の実現に向けた意識の高まりを感じております。今後も、このような女性職員がますますふえるような取り組みを一層進めていただきたいと考えております。
     それでは、京都府福知山市花火大会火災を踏まえた火災予防条例の改正に係る本市の対応についてお伺いいたします。  火災予防条例の改正につきましては、第2回定例会にて可決、公布され、ことし8月1日に施行されたところです。この件につきましては、昨年の第3回定例会決算特別委員会、ことしの第1回定例会予算特別委員会では私から、さらに、第2回定例会総務委員会におきましては我が会派から質問いたしました。その際には、条例公布に向けた取り組み経過や改正予定の内容等について説明を受けました。  改正内容といたしましては、火気器具等を祭礼、縁日、花火大会、展示会、その他の多数の者の集合する催しにおいて使用する際には消火器を準備すること、火気器具等を使用する露店等を出店する場合には所轄の消防署に届け出を行うこと、特に、北海道神宮例祭やすすきの祭りといった1日当たりの人出予想が10万人以上かつ主催者が出店を認める露店等が100店を超える屋外での大規模な催しで指定催しと定められた場合、その主催者には防火担当者の選任が義務化されたほか、火災予防上、必要な業務に関する計画を所轄の消防署に提出することが義務づけられました。  ところで、条例規制の対象となる祭礼、縁日、花火大会、展示会、その他の多数の者の集合する催しと一言に申しましても、数万人以上が集まる大規模なイベントから町内会の夏祭りなど大小さまざまなものが考えられます。  そこで、1点目に、火災予防条例の改正における規制の対象となる催しの範囲について、どの程度の規模の催しが対象となっているのか、お伺いいたします。  また、本市におきまして条例改正の契機となりました京都府福知山市花火大会火災のような大惨事を繰り返さないためには、イベントの関係者等に対して改正内容を広く周知徹底することが重要であると考えております。  5月30日付で公布された改正条例には施行まで経過措置が設けられており、これは改正内容が新たに市民に義務を課すものでもあり、その内容を周知するため、一定の期間が必要であることは理解しております。  そこで、2点目に、条例施行までの間、改正内容の周知についてどのように図られてきたのか、また、条例施行後における露店等開設の届け出状況についてお伺いいたします。 ◎佐藤 予防部長  1点目の条例規制の対象となる範囲についてでございますが、このたびの条例規制の対象となる催しにつきましては、大規模なものには、委員がご指摘のとおり、北海道神宮例祭などが該当し、それ以外のものは町内会の祭りや大学の学園祭、神社の縁日等も含まれ、火気器具等を使用する全ての催しが対象となっているところでございます。  2点目の改正内容の周知方法及び届け出状況についてでございますが、市民や催しの関係者等への周知につきましては、広報チラシを3万3,000枚作成しまして、まちづくりセンターや土木センター、そして保健センターに市民の利便性を考慮した配架を初め、札幌市内全ての小・中・高等学校、専門学校や大学へ配付したほか、北海道イベントプロモーション協会などの関係団体に対して直接配付し、説明するとともに、その会員等への周知のための協力を依頼したところであります。  また、指定催しとして想定される北海道神宮祭及びすすきの祭りの主催者に対しては防火担当者を選任することなどの義務について直接説明しておりまして、地域で行われている催しに対しては町内会会議等の機会を捉え周知しております。さらに、条例改正について広報さっぽろに掲載したほか、札幌市公式ホームページなどを活用して市民に周知させていただいたところであります。  なお、露店等の開設届け出は、10月20日現在まで当初の予想を上回る525件の届け出を受理しておりまして、この中には、例年開催される町内会等の催しに加え、企業が開催するイベント等の届け出もあり、条例の改正内容が浸透しているものと考えております。 ◆植松ひろこ 委員  条例規制の対象となる催しの範囲、そして、条例施行までどのように条例改正内容を周知させたのか、また、届け出の状況については理解いたしました。この条例改正により、火気器具等の使用についてはさまざまなケースが想定され、防火安全対策を徹底するためには、改正内容について露店等の開設者や市民の方々に容易に理解していただく必要があると私は考えております。  そこで、ことしの第1回定例会予算特別委員会におきまして、私から、イベントにおける防火安全対策につきまして、主催者や個々の露店業者が容易に理解し、実践できるよう具体的な実施項目をまとめておくなどの措置を提案し、運用の手引として実施項目をまとめたものを作成し、主催者や露店業者に周知する旨の答弁がありました。さらに、札幌市独自の取り組みとして、火気器具等を使用する露店関係者みずからが火災リスクを評価し、火災を防ぐための留意点を確認するチェックシートにより自己点検を行わせることを提案しております。  そこで、火災予防条例の改正にかかわる運用の手引の内容と自主チェック体制につきましてどのようなものとなったのか、お伺いいたします。 ◎佐藤 予防部長  運用の手引及び自主チェック体制についてのご質問でございます。  運用の手引につきましては、コンロやストーブなどの火気器具等について写真を掲載するなどわかりやすい内容で作成しておりまして、例えば、消火器につきましてはどのようなものを準備すればよいのか具体的に示すとともに、露店等を開設する場合、届け出までの流れについて図を用いたフローチャートを作成したほか、大規模な催し物である指定催しにつきましては、火災予防上、必要な業務に関する計画の具体的な記載例示を掲載し、作成のポイントを明示するなど、運用に当たりまして露店開設者や市民等に容易に理解していただける工夫を行ったところでございます。  また、自主チェック体制につきましては、露店開設者等みずからが、火気器具等やガスボンベの点検を初め、消火器の準備、火災発生時の対応方法の確認など、7項目から成る自主点検チェックシートによる点検確認を行う体制を確立させていただきました。 ◆植松ひろこ 委員  この条例改正におけます運用の手引と自主チェックの体制の内容についてはわかりました。  イベント会場の事故防止を図るために、イベント関係者がみずから事故防止策を確認するチェックシートの作成は、ぜひ実現していただきたいこととして我が会派が強く求めてきたことであり、自主チェック体制に盛り込まれたことは高く評価するものです。  今後におきましても、屋外のみならず、屋内でも露店等が出店されるイベントの開催が予想されますので、イベントの主催者や露店等の関係者に対して改正内容を周知することはもちろんですが、事故を未然に防ぐためには関係者への事前の防火指導が非常に重要ではないかと考えております。また、8月に開催されたすすきの祭りでは、消火器を設置していなかった露店等も一部あったという新聞報道がありました。  そこで、イベントの主催者や露店等の関係者に対して、本市ではどのように防火指導をしているのか、お伺いいたします。 ◎佐藤 予防部長  露店等の関係者に対する指導内容についてのご質問でございます。  露店等の関係者に対する指導につきましては、このたびの条例改正に伴い、催しにおける指導事項を定めまして、これに従い、実施しているところであります。具体的には、指定催しにつきましては、防火担当者を選任する場合、管理的または監督的な立場にあるなど、防火管理業務を適正に遂行できる権限を持つ者を選任するよう指導することとしております。それ以外の催しにつきましては、火気器具等を使用する露店等の関係者に対して、消火器の準備、自己点検チェックシートによる点検の実施及び自己点検後の点検シートの掲示を行うよう指導することとしております。委員のご指摘のとおり、新聞報道があったすすきの祭りにおける消火器の未設置等につきましては、職員が現地確認した時点で必要な指導を行いまして、即日、是正されております。  今後も、条例等に基づき、必要な指導を行いまして、本市において同様の事故が発生しないよう指導の徹底を強化してまいりたいと考えているところでございます。 ◆植松ひろこ 委員  少し前になりますが、本市同様、8月1日に条例が施行されました東京都内の夏祭りにおいて、露店のカセットコンロに起因する火災が発生したという報道がありました。先ほどの答弁で、条例の施行から約3カ月が経過した10月20日現在まで525件の届け出があるとお伺いいたしましたけれども、本市におきましては幸いにもそうした事故は報告されておりません。これは、ただいまの答弁にありましたとおり、火災の未然防止のため、届け出に基づき、消防署が露店等の関係者に対して適切な防火指導を行っている結果であると私は考えております。  市民生活の安全・安心を確保するためには、改正した条例の内容を露店等の開設者や市民が容易に理解し、遵守する環境を整える必要があると考えております。消防局では、あらゆる機会を捉えて市民周知を図っているとのことであり、周知に当たりましてはご苦労されていることとも思いますが、今後におきましても、継続してまちづくりセンター等の関係部局と連携を図るとともに、関係団体に改正内容を周知するなど、きめ細やかな広報を行っていただきたいと思います。  本市におきまして、福知山市花火大会火災のような惨事を繰り返すことなく、市民のみならず、観光客等が安心してイベントを楽しむためにも、この条例改正をもとに、イベントにおける防火安全対策に万全を期していただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆こじまゆみ 委員  私からは、救急車の適正利用と救急安心センターさっぽろとの連携についてお伺いいたします。  札幌市では、市民に救急車を正しく利用していただくため、平成18年から救急車の適正利用について啓発活動が行われております。この啓発活動は、ポスターやチラシを札幌市医師会と保健福祉局の連名で作成し、市内の医療機関や路線バス内にポスターを掲示していたり、予防行事や救命講習会ではチラシを市民に配布されたり、さらには、まちづくりパートナー協定に参加しているショッピングセンターや飲食店、コンビニエンスストアなどには適正利用のステッカーを張っていると伺っております。私はこれを手に入れましたが、「救急出動が増えています、本当に必要な人が使えるように、今一度考えて下さい!」と書いてあるステッカーです。こうしたさまざまな取り組みもあり、本年6月に実施された市民アンケートでは、約9割の方が救急車の正しい利用方法を理解しているとの結果でありました。  しかしながら、アンケートの中には、「救急車で病院に行けば早く診察してもらえそうだから」や「どの病院に行ってよいかわからないから」など、救急車の正しい使い方を理解していない回答も見受けられました。私も実際に病院で仕事をしていたときに、救急車で搬送されれば順番を待たずに早く診てもらえるのではないかと思って救急車で来ましたという事例が実際にございました。  そこで、質問ですが、消防局では、このように救急車の正しい使い方を理解されていない方々に対する広報をどのように行っていくのか、お伺いいたします。 ◎大島 警防部長  救急車適正利用の普及啓発についてでありますが、今回のアンケートでは、「救急車で病院に行けば早く診察してもらえるから」と回答された方は10歳代の方が多く、また、「どの病院に行ってよいかわからないから」と回答した方は逆に70歳代以上の方が多いという傾向にございました。こうしたことから、特に、若い世代に対しましては、今後、学校での防火防災や応急手当ての指導の機会などにリーフレットを配付して救急車の正しい利用について理解を深めていただくほか、高齢者には、今後とも、保健福祉局と連携して、町内会の行事や老人クラブ等で、救急安心センターさっぽろも含めて積極的にPRしていきたいと考えております。 ◆こじまゆみ 委員  ただいま答弁がございましたが、特に、札幌市の高齢化が進展する中で高齢者の方々が安心して医療相談ができる窓口として救急安心センターさっぽろは大変重要な役割を担うものだと思いますので、保健福祉局と連携した積極的なPRを今後も進めていただきたいと思います。  さて、救急安心センターさっぽろは、平成25年10月1日に開設され、今月でちょうど1年が経過しましたが、新聞報道によりますと、この1年間に救急安心センターに寄せられた相談件数は3万195件、そのうち、医療相談は1万7,711件、医療機関案内が7,288件あり、この医療相談のうち、救急車が必要と119番に転送したものなどが3,645件であったとのことです。119番への転送は、消防指令管制員を監督員として救急安心センターに配置し、電話相談の内容をモニタリングしながら、相談の中に潜む危険を消防の専門知識や経験を生かして対応しているということであります。  そこで、1点目の質問ですが、119番へ転送された方のその後の傷病の程度についてお伺いいたします。  また、2点目として、相談内容をモニタリングしている監督員の判断により、救急隊及び消防隊の出動を指示したものがあると伺っておりますが、その件数についてもお伺いいたします。 ◎大島 警防部長  1点目の119番へ転送された方の傷病程度についてでありますが、119番へ転送され、救急出動した件数は、先ほど委員からもお話があったとおり3,645件です。そのうち、約7割は軽症でありましたが、3週間以上の入院が必要であった重症は31件、3週間未満の入院が必要であった中等症は768件あり、この中には心筋梗塞や大動脈解離など一刻を争う重症症例もございました。このことは、潜在的な重症者の掘り起こし、いわゆる救急車を呼ぶことをためらう人のセーフティネットとしての機能が果たされたものと考えております。  2点目の監督員の判断によって救急隊、消防隊を出動させた事例でございますが、監督員がモニタリングしている中で、正常な会話が行われていないなど、監督員が緊急と判断し、通常の手順ではなく、直ちに救急出動を指示した件数は41件ございました。また、相談内容から、不完全燃焼などにより一酸化炭素中毒の疑いがあるものや着衣着火によりやけどをしたものなど、消防隊を出動させたものは13件ございました。 ◆こじまゆみ 委員  救急安心センターへの相談件数についてお伺いしたところ、この相談の中には、相談員が重症症例を疑い、早期受診を促した事例や、監督員が消防の知識、経験を生かした判断を行ったことにより大事に至らなかった奏功事例があることは、救急安心センターの相談員と監督員との連携が図られていることがうかがえるところであります。実際に、ろれつが回らないということは脳梗塞の前駆症状であったり、心筋梗塞で胸痛があったりということで、監督員がそのお話を伺っていればすぐに救急車を出動させたほうがいいという判断に至るのであろうと思います。  実際に、私がお世話になっている方のご主人は、自宅で動けなくなって救急車を呼ぼうかどうしようか悩んでいらっしゃったのですが、私は、去年、総務委員長をさせていただいておりましたので、日ごろから♯7119をお知らせしていたこともあり、このとき、救急安心センターをご利用いただきました。救急隊のみでは搬送が困難だった様子で、実際に消防隊員の応援もあってチームプレーで救急搬送していただき、非常に感謝されておりましたので、ここでお伝えしておきたいと思います。こうやって連携が図られている様子は、地域の方々からも伺わせていただいております。  ところで、私は、みずからが家庭で自己判断できる仕組みづくりが必要ではないかというふうに以前から要望させていただいていたところ、本年5月23日から、緊急度自己判定、いわゆるセルフトリアージが札幌市のホームページ上で掲載されております。これは、119番通報すべきかどうか迷っている方が、電話相談以外にも、簡便にパソコンや携帯電話で緊急度判定をセルフチェックするものであり、その判定結果は電話と同様となるようにプログラミングされているということでした。現在までの約4カ月間で市民からこのホームページ上に3,762件のアクセスがあったと伺っておりますが、より多くの市民がセルフトリアージを活用することで、速やかな救急要請と医療機関での早期受診が行われるものと考えております。そのためにも、セルフトリアージが広く市民に周知される必要があると思います。  そこで、質問ですけれども、今後、セルフトリアージをより多くの市民に知ってもらうために、消防局も救急車適正利用の普及啓発にあわせて積極的に広報していく必要があると思いますがいかがか、お伺いいたします。 ◎大島 警防部長  セルフトリアージの市民周知でありますが、緊急度判定につきましては、総務省消防庁におきましても、実証研修を通じて特に家庭での自己判断や電話相談について各自治体に導入を促してございます。こうした動きも踏まえまして、消防局といたしましても、セルフトリアージの活用について広く広報していきたいというふうに考えております。  現在は、札幌市公式ホームページの消防に関するページ画面からもセルフトリアージへアクセスできるようにしておりますが、今後は、ただいま委員からご提言がありました救急車適正利用のポスターやチラシ、さらにはステッカーに、救急安心センターさっぽろの案内に加えまして、さらにセルフトリアージについても掲載し、PRしていきたいというふうに考えております。 ◆こじまゆみ 委員  最後に、要望になりますが、このステッカーにぜひとも♯7119を入れていただきたいと思います。困ったな、119でもいいのですけれども、ぜひお願いしたいと思います。  救急車の現場到着時間が平成25年には過去最長の平均6.5分となり、救急車の増車を検討されていることを新聞紙上で目にしました。到着時間の延長は、高齢化を背景に出動件数の増加が原因であると伺っております。札幌市の救急需要が今後ますます増大することが予想される中、市民に対する救急車の適正利用を普及啓発していくことは、救急車を効率的に運用し、市民からの要請に的確に応えるためには必要であると考えます。  消防局は、救急車適正利用のPRを市民全体に行うことはもちろんのこと、若い世代から高齢者に至るまで、きめ細かに説明を行っていただきたいと思っております。これは、学校における防災教育の中でも行われるということでしたが、子どもたちにも、おじいちゃん、おばあちゃんが倒れていたときにはこうしましょうねといった形で救急に対する教育を行っていただければ幸いです。  また、市民がセルフトリアージを行うことや、直接、救急安心センターさっぽろへ医療相談を行うことで、実は重症にもかかわらず救急車を要請することをちゅうちょしている人が速やかに医療機関を受診することで、手おくれ防止、アンダートリアージを防止することにつながることと思います。  消防局には、今後とも保健福祉局と相互に連携していただき、救急安心センターさっぽろが市民の安全・安心となるよう要望し、私の質問を終わります。 ◆小川直人 委員  私からは、大規模災害時の消防対策についてと山岳救助ヘリコプターの有効性について、2項目質問させていただきますが、最初の大規模災害時の消防対策は、9月11日の大雨に伴う消防体制及び活動の内容から伺ってまいりますので、よろしくお願いいたします。  近年、日本列島においては、地球温暖化によると思われる異常気象で豪雨などの風水害や土砂災害が多発しております。本市においては、9月10日の夜遅くから11日未明にかけて断続的に雷を伴う猛烈な雨が降り続き、11日未明に大雨警報、土砂災害警戒情報が発表され、さらに、その後、数十年に一度の大雨が予想される大雨特別警報が初めて発表になり、これまでに経験したことのないような豪雨になったところであります。そして、本市では、11日午前3時9分に災害対策本部を設置、その後に南区の一部に土砂災害避難勧告が発令され、その後も市内複数区において土砂災害や洪水の危険がある地域に次々に避難勧告が発令されました。今回の大雨では、幸い人的被害はありませんでしたが、住宅への浸水や河川の氾濫、土砂崩れなどの被害が相次ぎ、孤立した地域も発生いたしました。  消防局では、本市の体制に基づき、消防局独自の体制を構築し、災害の対応に当たり、大雨の中、消防士が市民を背負って膝下まである水の中を懸命に救出している姿がテレビに放映されました。まさに一分一秒を争う急性期の救出活動であります。危険が迫りくる中で、市民の生命、健康、財産を守る強い使命感によりこうした活動が進められまして、心より敬意を表するものであります。救出された市民の皆さんは、消防隊員をたくましく感じ、感謝の気持ちでいっぱいだったというふうに思っているところであります。  そこで、質問ですが、9月11日の大雨の際に、消防局においては、具体的にどのような体制を構築され、また、どのような活動を実施されたのか、お伺いいたします。 ◎大島 警防部長  9月11日の大雨に伴う消防体制及び活動内容についてであります。  まず、消防体制につきましては、午前0時36分に本市に大雨警報が発令され、市内で水害の発生が予想されましたことから、119番通報を受け付ける指令管制員の増強招集を行い、災害受け付け体制の強化を図りました。また、土砂災害警戒情報の発表に合わせ、一部の地域に避難勧告が発令されるとともに、本市に災害対策本部が設置されましたことから、消防局では第1非常警備体制を発令し、消防局に警防本部を、各消防署には署隊本部を設置するとともに、消防局長以下400名の職員を招集いたしまして、情報連絡体制の強化や、非常用車両を活用しました特設隊24隊を編成するなど、警防体制の強化を図っております。さらに、午前5時35分には、本市に特別警報が発令されましたことから、第2非常警備体制を発令し、さらに職員490名を招集して警防本部及び署隊本部の体制強化を図ったほか、各消防団におきましても団本部を設置しまして、全団員の約半数に当たる975名が参集または自宅待機しております。最終的には、午後5時12分に札幌市災害対策本部が解散されるまでの間、この体制を維持して、この間、119件の災害に消防隊延べ145隊、574名が出動し、対応しております。  次に、活動の主な内容でございますが、気象警報の発表に合わせまして、消防隊による崖地や河川等の警戒活動を行うとともに、日の出とともに消防ヘリコプターによる崖地等の危険箇所や河川の被害状況等の確認を行い、上空からの映像など、災害対策本部を通じて関係機関への情報提供を行いました。特に、豊平川を流れます望月寒川では、河川の水位が堤防を越水したため、土のうによる浸水の防止や、自力で避難できない住民の救出活動に当たりました。また、南区常盤では、浸水により避難路が寸断された地域からの救助活動を北海道開発局や警察等の関係機関と協力して実施しております。 ◆小川直人 委員  大雨という進行性の災害に対して、今、部長から報告があったとおり、速やかに体制を構築するとともに、迅速に災害対応に当たられたことに対しては評価したいと思っております。  この体制をしいて活動されたということであります。その中でも、今回、いろいろな経験をされて得た教訓があると思いますので、そういったことを次の災害への備えとして生かしていただきたいというふうに思っております。  次に、豪雨災害を踏まえた関係機関との連携強化について伺ってまいります。  本年8月に、広島市の複数箇所で大規模な土砂災害が発生し、多くの人的被害をもたらしたほか、礼文町においても2名が亡くなられるなど、全国各地で甚大な被害が発生いたしております。広島市においては、高い使命感を持って住民の救助活動を行っていた消防職員が、再び発生した土石流に巻き込まれ殉職されたことはまことに残念なことでございます。広島市の災害では、緊急消防援助隊等の消防機関を初め、自衛隊、警察、国土交通省等の関係機関が一体となって多数の倒壊家屋や土砂からの救出活動を展開されたと伺っておりますが、被害が拡大すればするほど消防機関のみの活動では限界があるのではないかというふうに思っております。  そこで、早い段階から関係機関と連携を図り、初動時に多くの人員や資機材を一挙に投入し、救出活動を実施することができれば、より多くの人命を救うことにつながると思っております。このためには、関係機関との定期的な情報交換や合同訓練の実施など、顔の見える関係を構築し、また、急性期の救出活動に必要な装備品の充実強化を図ることが災害時の迅速な活動につながる大変重要な問題であると認識しております。  そこで、質問ですが、このような豪雨災害を踏まえ、消防局としてどのように関係機関と連携強化を進めていくのか、お伺いいたします。 ◎大島 警防部長  豪雨災害を踏まえた関係機関との連携強化についてであります。  広島市や礼文町で発生した土砂災害や、全国各地で発生している局地的な大雨による災害を踏まえますと、気象や土砂災害に精通した専門家の助言なども必要であります。こうしたことから、今後は、専門家を招聘した研修や訓練を行うとともに、災害発生時には、専門家や関係機関に早期に要請し、現場で協力して活動が行えるように関係機関との迅速な協力体制を構築してまいりたいと考えております。  また、総務省消防庁におきましても、今回の広島市における土砂災害を踏まえ、有識者や専門家による検討会を設置し、大規模な土砂災害での救助活動を安全かつ効率的に実施するため、関係機関との緊密な連携活動要領等を本年度末に策定する予定であるとのことでございます。このような国の動向等も踏まえながら、関係機関それぞれの保有資機材の把握や災害対応時における役割等を分担するなど、関係機関相互のネットワーク構築に向けた協議を進めてまいりたいと考えております。 ◆小川直人 委員  広島市や礼文町の土砂災害を踏まえまして、専門家や国を初めとした関係機関と連携強化を図っていくという答弁でありました。これからも、ぜひ積極的な取り組みをお願いしておきたいと思います。  次に、大規模災害発生時の消防水利の確保についてお伺いしてまいります。  今、大雨の関係について質問させていただきましたが、大雨というのは雨が降ってきてから大雨になっていくまでの経過がありますけれども、地震というのは突然発生するもので、事前に予知することは非常に困難であります。一たび、大規模な地震が発生しますと甚大な被害が発生し、多くのとうとい命も奪われるおそれがあります。平成7年に発生した阪神・淡路大震災は皆さんの記憶に新しいかと思いますが、加えて、東日本大震災が発生して3年しか経過していない状況であります。  阪神・淡路大震災では、地震が原因による火災で多くの方が亡くなられております。火災が多発、拡大した一因として、断水によって付近の消火栓が使用できなかったことが挙げられております。これらの教訓から、消防局においては、阪神・淡路大震災以降、防火水槽を逐次設置されていると伺っております。大規模災害が発生し、断水になっても消火活動を行うためには、消火用水を確保することが重要であります。そのためには、消火栓に偏ることなく、早期に消防水利の整備を図っていくことが必要だと考えております。  そこで、質問ですけれども、消防局において、今後、震災等の災害時の消防水利をどのように確保していく予定なのか、お伺いいたします。 ◎大島 警防部長  今後の震災等の災害時の消防水利の確保についてであります。  消火栓が断水した際に消防水利を確保する対策としまして、委員からもお話がありましたが、阪神・淡路大震災の発生以降、毎年、計画的に100トンの防火水槽を整備してきたところでございます。現在、100トンの防火水槽は62基、40トンから60トンの防火水槽を含めると合計700基ございます。加えて、昨年度末には、北海道コカ・コーラボトリング株式会社及び札幌生コンクリート協同組合と協定を締結するなど、消火用水の確保と搬送する枠組みを新たに構築しまして、機動的な水利として補完する体制もとっております。さらに、現在は、アサヒビール株式会社北海道工場から消火用水の協力をいただくことについて内諾を得ているほか、水再生プラザの有効活用なども進めております。  このように、あらゆる水資源を消火用水として活用していることや、建物の不燃化によって火災1件当たりの消火用水量も減少しているといった状況の変化も踏まえながら、それでもなお消火用水が不足している地域への防火水槽の設置につきましては、今後、その水量や設置基数も含めて検討してまいりたいと考えております。  いずれにしましても、民間企業との協力体制を拡大しながら、震災等の災害時に備え、早期に消防水利を確保できるよう積極的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆小川直人 委員  今の答弁で、民間企業、さらには水再生プラザとの協力体制を構築されているということでございます。あらゆる水資源を消火用水として確保されていることは、資源の有効活用や被害を軽減する観点からも有益な取り組みだと思っております。今後とも、関係機関及び民間企業とさらなる連携を図るとともに、消火用水の確保、消防水利の整備、装備品の充実など災害の備えを進め、災害に強い負けないまちづくりに日々邁進されることを期待して、1点目の質問を終わりたいと思います。  次に、2点目でありますが、山岳救助活動におけるヘリコプターの有効性について質問させていただきます。  先月の9月27日に、長野県の御嶽山噴火により、多くの登山者が犠牲となる災害が発生いたしました。登山者の救出活動は、消防、警察、自衛隊など防災関係機関が合同して行われましたが、連日の報道を見ますと、捜索、救助に向かった部隊は、火山灰が降り積もって非常に足元が悪く、さらに火山性ガスが発生する危険な状況下、加えて厳しい気象条件と困難をきわめる中で懸命に続けられておりました。このような山岳救助におけるヘリコプターの役割は、非常に大きなものがあるというふうに感じております。私も過去に山岳救助に参加したことがありまして、あの当時も自衛隊や警察のヘリコプターが活躍していたと記憶しておりますが、山岳地帯では非常に機動力があると実感している一人でございます。  道内には、平成12年に大きな被害をもたらした有珠山を初め、今回の御嶽山と同様の警戒レベル1の火山が5カ所あります。幸い札幌市内にはそのような火山はありませんけれども、市内には、札幌岳を初め、標高1,000メートルを超える山々が連なっており、登山ブームにより、中高年や家族で登山を楽しむ方々、山菜をとりに入山される方が年々ふえていると伺っております。そういたしますと、滑落事故や遭難、急病など、山岳での事故の増加が懸念されます。事故が発生し、地上から救助に向かう際は非常に時間を要する場合があります。ヘリコプターでいち早く上空に到着して救助活動を行うことは、非常に有効であると思っております。  そこで、質問ですが、市内における山岳事故に対するヘリコプターの有効性とその実績についてお伺いいたします。 ◎大島 警防部長  消防ヘリコプターの有効性についてでございますが、ヘリコプターの機動力を生かし、水難救助や高層マンション火災などの救助に活用するとともに、特に山岳救助におきましては、陸上部隊では進入が極めて困難な場所や到着に時間を要する場所の上空にいち早く到着し、迅速な捜索、救助活動を行うことができます。  本年8月には、南区八剣山において、登山中の小学生が山頂付近から35メートルも滑落する事故が発生いたしました。出動した消防ヘリコプターが直ちに山頂付近に到着し、上空から救急救命士の隊員を降下させ、切り立った斜面から迅速に救出し、そのまま病院に搬送した事例もございます。このように、札幌市の消防ヘリコプターには、常時、救急救命士が搭乗しており、早期に降下して傷病者に接触し、直ちに救急救命処置を行いながら機内へ収容、直接、救命救急センターのある市立札幌病院など、高度な処置ができる医療機関へ搬送する体制をとってございます。  また、山岳救助におけます消防ヘリコプターの活動実績につきましては、通年運航体制が確立いたしました平成21年からの5年間で、出動は77件、救出人員は38名となってございます。 ◆小川直人 委員  今の部長の答弁では、市内の山岳事故に対して、航空隊の救急救命士がヘリから降下して、直ちに救命処置を行い、救出後はそのまま病院へ搬送できる体制が札幌市の消防局で既に構築されているということでした。そして、77件、38名を搬送されたということで、今の答弁でヘリコプターの有効性を改めて認識させていただきました。  このように山岳地帯においてヘリコプターが救助活動や林野火災に対応するためには、上空にとまって活動するホバリング性能の高いヘリコプターが求められると思います。今の部長のお話でも、八剣山というのは岩場が多くて非常に険しい山で、ヘリコプターが着陸するようなところがなくても、空中にとまってホバリングしてピックアップできると思います。ただ、そのようにホバリングして人をつり上げたり、林野火災の消火のために必要な水を積むには特殊な装備が必要だと考えております。  そこで、質問ですが、山岳地帯での活動を想定した場合に、必要となるヘリコプターの性能や必要な装備についてお伺いいたします。 ◎大島 警防部長  消防ヘリコプターに求められる性能についてでありますが、札幌市内の山岳地では一番高い余市岳が標高1,500メートル近くありますし、道内では大雪山系の旭岳が標高2,000メートルを超えることから、その山頂でホバリングを継続しながら救出活動できるエンジン性能などがまずは必要でございます。また、機体の大きさにつきましては、操縦士、整備士、救助隊員のほか、複数の要救助者が搭乗可能であり、担架や救助用資機材、さらには、救出後の傷病者に対して救命処置を行うスペースなども必要になってございます。  装備品につきましては、先ほど委員からもお話がありましたが、隊員を降下させ、さらに、傷病者を機内に救出するための必要なつり上げ装置を初め、要救助者の捜索に大変有効な赤外線カメラや、災害現場の上空からの映像を消防局指令管制センターや現場の指揮本部へ送るためのヘリコプターテレビ伝送システム、さらに、林野火災などにおいては、飛行の制限がなく、迅速に空中消火活動を行うことができる消火タンクなどが必要となっております。 ◆小川直人 委員  最後に、要望で質問を終わらせていただきたいと思います。  山岳地での救助や消火活動におけるヘリコプターの有効性、あわせて、山岳地で活動するために必要な機体性能を有したヘリコプターの必要性について、今、答弁をいただきまして改めて確認、認識させていただいたところであります。  私の地元の厚別区は、中心部から約10キロぐらい離れております。そういった関係で消防ヘリコプターのお世話になることも多くて、緊急離着陸場として公園が使用されております。ここは多くの市民が利用する場所ですから、私は、看板を設置して日ごろから周知してはどうかと提言させていただいておりました。その後、消防局で公園のトイレなどにステッカーを張っていただいて、ここはヘリコプターの離着陸場だなという認識が少しずつ広がって市民の協力が得られているのではないかなと思っているところであります。  このように多目的に使用される消防ヘリコプターは、市民生活の安全・安心に欠かせないものだと実感しております。今後も、高い性能を有するヘリコプターによる通年運航体制を確保し、空陸一体となった消防救急活動を展開していただくことを強く要望して、質問を終わります。 ○細川正人 委員長  以上で、第1項 消防費の質疑を終了いたします。  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時42分       再 開 午後3時     ―――――――――――――― ○細川正人 委員長  それでは、委員会を再開いたします。  次に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中危機管理対策室関係分の質疑を行います。
    ◆小倉菜穂子 委員  私は、地域防災にかかわる取り組みに関して、原子力防災についてと地域防災への女性や障がいのある方の参加について、2点伺いたいと思います。  市民ネットワークは、原発ゼロ社会の実現を目指すとともに、原発事故によって一人の犠牲者も出してはならないという北海道や札幌市の原子力防災の実効性の問題に取り組む方々の声をいただきながら議会で取り上げてきました。そのような中、去る10月24日には、2014年の北海道原子力防災訓練が実施され、札幌市も、昨年の通信連絡訓練に加えて、今回初めて避難者を受け入れる訓練を行い、泊村の住民が230人、仁木町から130人を受け入れたということであります。  今回の事故想定は、震度6の地震が発生し、泊3号機が自動停止して放射能が漏れた、西風が吹き、泊原発の東側に位置する泊村、仁木町、共和町、倶知安町、赤井川村が避難対象地域、そして、受け入れ先は風下の札幌市となっています。現在、全国の自治体の中には、風向きによる放射性物質の飛散方向を考慮して避難先を選定するシステムを検討しているところもあると聞いておりまして、西風であるのに風下の東に避難するという今回の北海道の訓練には疑問を感じているところでもあります。また、札幌市が行った訓練においては、昨年に引き続きまして、札幌市民が実践に加わるといったようなことではなく、淡々と進行したものであったと考えています。  一方、訓練が行われた日に、現地の泊村に赴きました。そして、訓練の状況を見学した札幌市民からは、1万1,000人が訓練に参加ということであるけれども、札幌市などに避難した人は1,100人、避難訓練に参加されている方はまだまだ少ないのではないか、また、現地では高齢者の多くが入所する施設がたくさんあるので、そういった方々の避難に力を入れるべきではないか、また、昨年は天候により実現しなかったのですが、船による避難というものがあったそうで、ことしは西風であったのに船による避難は予定されなかったなど、現地で感じた問題点を伺っています。そうしたことからも、泊の原発周辺にお住まいの方々が安全に避難するにはいまだにたくさんの課題があるなというふうに感じているところです。  そこで、質問ですが、実際に事故が発生した場合には、札幌市に最大で5万人以上が避難してこられることから、札幌市として懸念される課題は本当にたくさんあると思っておりますけれども、現時点でどういったことが想定され、札幌市としては、次回以降の訓練においてどのように取り組んでいくことが必要と今考えておられるのか、お伺いいたします。 ◎小笠原 危機管理対策部長  原子力防災訓練の課題についてのご質問でございます。  今年度、初めて避難受け入れ訓練を行ったところでございますが、特段の混乱もなく、滞りなく実施できたというふうに思っております。  想定される課題といたしましては、駐車場の確保とか要配慮者への対応、スクリーニングを済まさずに避難場所へ来てしまった方への対応といったことが想定されると考えております。これらの課題につきましては、北海道が総合調整役として解決策を検討していくことになりますが、本市といたしましても、避難受け入れ先としての立場や視点から検討に参画していくこととしたいと考えております。  現時点におきまして対応方針が決まっていないこれらの事項につきましては、今回の訓練において盛り込むことができませんでしたが、北海道及び避難元町村と検討を進めていく中で、方針が決まり次第、今後の訓練計画に順次盛り込んでいくことになると考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  今回、そんなに混乱はなくできたということでした。駐車場のこととか、現地には高齢者や要配慮者が多いというお話もありましたが、そういったことには今後の方針を決めてから取り組むということですので、北海道としっかり話をしていただきたいと思います。当然ながら、一人でも多くの方が放射能の影響を受けることなく避難できなくてはなりません。現在、札幌は、参加協力機関という立場だと聞いておりますが、5万人の受け入れを想定している自治体ですから、北海道の取り組みの中にさらに積極的にかかわっていっていただきたいと思っています。  私どもがいつも申し上げているのは、そうした重大な事故時に札幌市が何の影響も受けない状態はあり得ないだろうということです。2011年3月の福島第一原発事故の際、原発から約60キロの福島市は、避難指定を受けていませんが、現実には放射性物質の影響を受けて、今も、札幌市を含めて全国に多くの方が避難しておられます。そうした福島市の現状を考えますと、札幌市の放射能汚染の可能性は否定できません。札幌市には、これまでも札幌市民が避難することを考えてほしいといったことを何度かお話ししたことがありますが、現在のところ、原子力防災計画の中ではそうしたことが進んでおりませんので、なおさら、今の計画の中で位置づけられた各施策に早急に取り組むべきだというふうに私は思っています。そのため、今年の予算特別委員会では、札幌市への避難者受け入れとともに、各施策について質問してきたところです。  そこで、予算特別委員会において伺いました避難受け入れの関係で、覚書を締結して今年度中に実施要綱を定めるとしていたこと、また、環境放射線モニタリングについても今年度の早い時期に実施要領を定めるとしていたことについて、その進捗状況を伺いたいと思います。  そして、安定ヨウ素剤については、今回の代表質問においても準備を急ぐように求めたところですが、原子力規制委員会の検討部会の動向を注視するということでした。検討を待つばかりではなく、国や北海道などにも強く働きかけるといった積極的な取り組みが必要だというふうに思いますが、その点についてはどうか、お伺いいたします。 ◎小笠原 危機管理対策部長  まず、実施要領の進捗状況についてでございます。  避難の受け入れにつきましては、この3月に覚書を締結いたしまして、原子力防災訓練に向けて北海道と避難元町村と協議を重ね、10月に手順書を整備したところでございます。環境放射線モニタリングにつきましては、大気、水及び食品等を所管する関係各課によりまして9月までに実施要領を定めたところでございます。  原子力災害につきましては、目に見えない放射性物質の拡散を伴う特殊性に加えまして、広域にわたる可能性が高くて、一自治体で対処可能な範囲は限られておりますため、国の規制委員会が責任を持って対策指針を定めて、各自治体はこれをもとに各種の対策を進めていくことになります。  国や北海道への働きかけについてのご質問でございますが、規制委員会におきましては、札幌市も含まれる30キロ圏外の具体的防護措置に関する検討チームが1年8カ月ぶりに再開されたところでありまして、今後は、この動きを注視しながら、安定ヨウ素剤など本市のとるべき防災対策を検討していくこととしたいと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  最初に伺いました2点について、取り組みが終了しているというお話が今ありました。私は、覚書の締結にかかわる一時滞在場所運営マニュアルを拝見しました。先ほど要配慮者のお話もありましたが、泊村の住民数1,825人のうち要配慮者は722人となっておりまして、実際に事故が起きた場合に、全ての方が安心して生活することができる場や人員を確保することは容易でないというふうに感じております。そうした手順書などができてまいりましたが、保健福祉局などとの連携になるのでしょうか、今後は、積極的に検討を進め、取り組んでいただきたいと思っています。  モニタリングについても、回数は当然ふやしていくと思いますが、測定機器の拡充なども欠かせないと思っています。財源の問題はあると思いますけれども、本気で対策を進めるためには、今後、検討していただきたい事柄です。ヨウ素剤についても、少なくとも子どもの甲状腺への影響があってはならないというふうに考えていますので、繰り返しで恐縮ですが、とにかく準備を急いで進めていただきたいと思っています。  こちらについては最後の質問になりますが、ことし6月と10月には、泊原発付近でぼや騒ぎがありました。私はそれをテレビ報道で知りましたが、現在の通報・連絡体制は、そうしたことに対応できるものではないため、このような事故情報は札幌市に届かない、届いていないというふうに聞いています。これまでも、重大事故にかかわる情報は北海道電力から、直接、札幌市に届くことが必要ということで、これも何度も求めてきましたけれども、規模は小さくても、このような事故が続くと、改めて、日ごろから北海道電力から情報が直接届くことが必要だというふうに感じています。札幌市民の安全・安心な生活を支え、そして、大規模な避難者受け入れなどを担う立場にある札幌市にとりまして、泊原発における事象については、事柄の大小にかかわらず情報を得ることは当然だと思っています。  そこで、今後どのような通報・連絡体制を構築していく方針であるのか、お伺いいたします。 ◎小笠原 危機管理対策部長  北海道電力からの通報・連絡体制についてでございます。  委員からのご指摘のとおり、軽微な事象とはいえ、原発敷地内の異常事象につきまして関係機関から情報提供されないという現状は、本市としても憂慮するところでございます。原子力事業者である北海道電力からの直接通報というのは最も正確かつ迅速でありまして、的確な災害対応を行うためにも極めて重要な事項であると認識しております。軽微な事象も含めて、敷地内での異常事象に関する通報・連絡体制のあり方について、今後も引き続き、連絡会議などあらゆる機会を通じて北海道及び北海道電力に対しまして本市の考えを伝えてまいりたいと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  そういった連絡体制ができたという話を一日も早く聞きたいなと思っています。事故時には、一秒でも早く情報を入手することが市民の生命に直結します。日ごろからの連絡のあり方が何よりも大切です。こんなにも基本的なことがなぜいまだに実現しないのか、本当に理解できないと思っています。札幌市民のために、また、避難してこられる原発周辺住民のために今後も粘り強く求めてください。  そして、重大事故の際に、大量に放出した放射能が30キロでゼロになるはずがないということは誰もが思っております。福島市では、今年度、事故後2回目の放射能に関する市民意識調査を実施していて、今、集計中ということでありますが、放射性物質が市民に及ぼす影響はこうしたことからも深刻であると思っています。改めて、これが原発から60キロメートルの自治体の現実であることをしっかりと受けとめていただくことを求めて、こちらの質問を終わります。  次は、地域防災への女性や障がいのある方の参加の促進について、簡潔に伺います。  2011年3月11日の東日本大震災以降、また、近年の異常気象に起因する豪雨などの災害が頻発する中、地域防災への関心が高まっております。特に、東日本大震災の際には、避難所での女性への配慮不足が指摘されたり、障がいのある方が多く犠牲となるなど、防災に関する数々の課題が明らかになりました。そのため、私ども市民ネットワークは、2011年第3定の代表質問において、防災に関する取り組みには女性や障がいのある方の視点をしっかりと盛り込むべきと提案したところです。この間、札幌市では、2013年3月に策定した避難場所基本計画づくりに女性が参加するなど、取り組みが進んだというふうに認識しております。  そのような中、先日開催された日本女性会議では、「日常から考える、防災における男女共同参画」と題した分科会で、有限会社インタラクション研究所代表の安田睦子さんが、地域防災は自主防災組織が主体であるが、防災リーダーは町内会の防犯防災部長など男性が圧倒的に多い、今後、防災活動への女性の参加や女性が防災知識を得る機会をふやすこと、女性防災リーダーの養成が重要といったことを示しておられます。  そこで、質問ですが、こうした防災への女性の参加にかかわる現状について、札幌市はどのように認識しているのか、伺います。  また、障がいのある方が、いざというときのために防災に関する知識を得たり防災訓練に参加することは大変重要だというふうに考えています。東日本大震災以降、特に障がいのある方々の団体が数多くの防災に関する学習会や講習会を実施されておりまして、私も何度か参加させていただきましたが、そうした場で、移動の困難さだけではなく、その障がいの特性によって災害情報が的確に伝わらないこともあるなど、さまざまな困難、課題があることを伺うことができました。  そこで、質問ですが、私は、障がいのある方が地域の防災訓練に実際に参加されることが、当事者にとっても、また近隣の方にとっても大変重要と考えていますけれども、障がいのある方の地域防災訓練への参加の現状はどのようになっているのか、あわせてお伺いいたします。 ◎小笠原 危機管理対策部長  まず、防災への女性の参加にかかわる現状認識についてでございます。  委員からのご指摘のとおり、防災活動により多くの女性に参加いただきまして、その力を発揮していただくことは大変重要なことだというふうに認識しております。本市におきましても、これまで、避難場所基本計画に多くの女性委員の意見を反映させていただいたほかに、女性の視点を取り入れた防災訓練や避難場所開設運営訓練等を行っているところでございます。今後とも、より多くの女性が防災活動の場に参加できるように引き続き努めてまいりたいと考えております。  2点目の防災訓練への障がい者の参加の現状についてでございます。  今年度の本市の防災訓練では、総合防災訓練を行いました豊平区を初め、四つの区の防災訓練に障がい者40名が参加したところでございます。特に、総合防災訓練では、車椅子の障がい者ご本人が避難者として参加いたしまして、地域の学生や住民が避難の支援を行う訓練を実施したところでございます。このほか、各区の防災訓練では、消火訓練とか煙道通過訓練等に参加いただきまして、消火器の使用方法や避難の方法を体験していただいたところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  女性の参加については、当然ながら大変重要だということで、訓練や避難場所の開設などにも参加されていることを伺いました。  2011年の3定の代表質問で女性の視点をというお話をさせていただいたときに、2011年当時は札幌市防災会議への女性委員の参加が61名中4名と、大変少ないことも指摘いたしました。女性が積極的にかかわることが重要であるといった認識でおられるのであれば、防災に関する取り組みの決定機関である防災会議に女性が多く参加することが、地域の防災で女性がさらに力を発揮しやすくなる原動力になるのではないかと思っています。国でも指導的地位に女性が占める割合を2020年には30%ということを掲げておりまして、こうした勢いを活用して、少なくとも目標を30%とするなどして取り組むことが必要ではないかというふうに思います。  そこで、防災会議への女性の参加状況はどうなっているのか、また、今後どのように参加を進めていくのか、伺います。  また、障がいのある方への防災訓練の参加については、総合訓練や各区の訓練の中で、当事者が訓練に参加しているのだというお話も今伺ったところです。しかし、私の周りの当事者にお話を伺うと、地域の身近なところで実際に参加したことがあるといった方々はまだ少ないのかなというふうに感じております。適切な情報を得ること、そして移動手段などを確保すること、緊急時には地域の方が身近な介助者ともなりますので、日ごろからのかかわり合いをふやすことももちろん欠かせません。また、各区の訓練でもそうですが、地域の方々も、当事者がより参加しやすい工夫をすることが必要ではないかというふうに考えています。  そこで、質問ですけれども、今後、地域防災訓練への障がいのある方の参加をどのように拡充していこうと考えておられるのか、お伺いいたします。 ◎小笠原 危機管理対策部長  まず、防災会議への女性の参加状況と今後の取り組みということでございます。  防災会議の女性委員は、現在、全委員65名のうち6名でございまして、9.2%の割合となっています。女性委員の登用率を上げるために、新たに委員を委嘱する際にはできる限り女性を推薦していただくように依頼を行っておりますけれども、参画機関の役職に男性が多いということでなかなか進まないのが現状でございます。難しい課題ではございますけれども、防災対策には女性の視点が欠かせないものであると認識しておりまして、今後とも引き続き女性の推薦依頼を継続して女性委員の登用率の向上を図っていきたいと考えております。  次に、防災訓練への障がい者の参加の拡充についてでございます。  防災訓練に際しましては、障がい者団体からの訓練参加の要望や、障がい者ご本人から訓練参加の取り組みを広げてほしいという声をいただいておりまして、今後とも、要配慮者に関する担当部局と連携を図りながら、防災訓練への障がい者等の参加に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  2011年当時に代表質問をする中でも、防災会議への女性の参加はなかなか難しいというお話を聞いてきた経緯もあります。今、参画機関の役職者は男性が多いということでありまして、数字にこだわり過ぎるのもどうかと思いますが、そうした時流をともに感じ取っていただいて、それを追い風にして一歩一歩進めていただきたいなと思います。やはり9.2%というのはとても少ないなと思いますので、さらに積極的に取り組んでいただきたいと思います。  障がいのあるご本人からも参加したいといったお声があるということを伺いまして、今、お声が届いているのだなと思いました。これから、自立して地域の中で生活される方々も一層ふえていくと思います。お一人お一人にわかりやすい情報提供であるとか、参加しやすい環境をともにつくっていっていただきたいなと強く思います。  最近、聴覚に障がいのある方々とお話しする機会がありますけれども、情報が音声として届かない方々の不安というのは私たちにはとても想像が難しいものです。札幌市としては、そうした方々に対しても、まずは防災に関する出前講座などを利用していただくとか、そういったことから丁寧に取り組みを進めていっていただきたいなということを申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆堀川素人 委員  僕のほうから、今回の9月11日の大雨のことについて、少し確認させていただきたいと思います。  まず、一つは、河川があふれるような形の中で災害が起きるのではないかと思っておりまして、今回の9月11日の大雨では被害の概要がどうなっているのか。やや1カ月半がたちまして、人的被害がなかったということだけは聞いておりますが、土砂災害というのか、川があふれるような被害がたくさん出たと聞いておりますし、僕の周りでもたくさんあります。  そこで、現在のところ、どういう集計がなされているのか、お聞きしたいと思います。 ◎小笠原 危機管理対策部長  被害の状況ということでございますが、今お話がありましたように、人的被害はありませんでした。物的被害となりますと、床上浸水が6件、床下浸水が12件、住宅の一部損壊が1件、火災に位置づけられるものが1件、そのほか道路冠水が98件、道路被害が12件、土砂崩れが9件、河川氾濫等が40件、下水道の損壊が1件、その他と位置づけられるものが13件、合計で193件が記録されております。 ◆堀川素人 委員  土砂災害と言っても、川の氾濫等が40件と言っていましたが、他府県から比べると北海道では川の整備がまだまだ行き届いていない、整備が非常におくれている状態だというような報道を耳にしております。僕が特に感じるのは、法定外公共物の水流管理が大変おくれているなと。  今言う法定外公共物たる水流管理という言葉自体はおわかりでしょうか。簡単に言いますと、河川という名前がついていない小さな流れを持った水路の管理が極めておろそかになっていて、札幌市とすれば、それに対する管理責任の意識に欠けるのではないかと思われるわけです。ふだんは大変穏やかな流れが、雨が降りますと濁流になって周りを襲うことがたくさんありますが、そういうような水流を持った自然由来の河川というのは札幌市にどれほどあるとお考えになっているか、このことについてお聞きしたい。 ◎小笠原 危機管理対策部長  大変申しわけございませんが、私は、河川の数などは、承知しておりません。 ○細川正人 委員長  堀川委員、法定外公共物の水流管理という言葉は、下水道河川部では承知しているということになりますか。 ◆堀川素人 委員  はい。 ○細川正人 委員長  ということであれば、そこのところについては危機管理対策室に対する質疑になりませんので、そのあたりをお願いします。 ◆堀川素人 委員  今、危機管理対策室としてこのことをわかることが極めて大切なのですよ。河川が暴れたときの対策自体に頭が行っていないから、それをいつまでも放ったらかして手つかずの状態になっている。やっぱり、危機管理として、土砂崩れとか、川があふれるとか、要するに水流を管理できない状態にならないようにしっかり水流管理をしていくことは極めて大事です。きょうここで言うのは、これは、危機管理の中の大事な管理部門であるということをぜひ頭に入れておいていただきたい。河川法の管理の状態が変わって、国にたくさんあったものが都道府県におり、これが市町村におりてくる状態なのですね。こういうふうになった。ところが、法定外公共物たる水流の管理というのは、昔から市町村が行うべき管理範囲に入っているわけですよ。こうしたところの土砂災害とか河川があふれることに頭が向いていなかったら、金も向いていかないわけですよ。それで、何度も何度も、その地域の人方に迷惑をかけているという現実がいつまでも繰り返されるわけです。  それについては、非常に大事なことだと思うので、もし今言っていることがわからなければ、ぜひともしっかりと認識していただきたいと思いますけれども、今言っていること自体はおわかりでしょうか。 ◎相原 危機管理対策室長  所管ということについて言うつもりはございませんが、今、委員が言われた内容については、私はわかります。  それから、部長が先ほど申し上げましたけれども、この場でわからないというのは、今、委員がおっしゃったとおり、河川の管理の一端の中に非常時の対応ということがございまして、札幌市の危機管理体制の中ではそれぞれの所管がしっかりと状況を理解して対応するというのが札幌市全体の対応の基本であります。したがって、我々は、総合調整役としてやる際に、必要な知識として、委員が言われたことも含めて勉強してきちんと対応させていただきたいと思います。 ◆堀川素人 委員  この数というのは、本当に何百もあろうかと思うのですよ。ですから、まずはそのことを頭に入れてもらって、それを一つ一つ管理する。管理をすると言っても、法定外公共物たる水流というのは、大体は底地です。底地は、水が流れている土地の持ち主のもので、札幌市のものではないのです。ですから、管理と言っても札幌市が必ずしも側溝を掘ってやるというものではなくて、土地の持ち主と協議しながら協力してもらう、こういうのも管理の一つで、そういうことをきちんとしていかなければいつも水があふれているところはいつまでも直りません。どうやって対応しているかといったら、道路に水が上がってくるから、道路維持の関係で道路の部分だけは直さなければならぬ。わからぬがゆえに、そういうように部分的にしか処理しないということがあります。今、室長からあったように、この辺をしっかりやらなければ、危機管理の大事な一部が抜けてしまっていると言わざるを得ないと思うので、勉強も含めてしっかりとやっていただきたいなと思います。  次に、緊急配備体制のことですが、大雨警報が出て、それで災害対策本部がつくられましたと。それで、札幌市では第1次非常配備体制がしかれたわけですが、まず、非常配備体制というのは、そもそも何段階に分けて考えておられるのか、そのことをお聞きしたいと思います。 ◎小笠原 危機管理対策部長  第1種非常配備から第3種まで、3段階ございます。第1種非常配備につきましては職員の3分の1、第2種につきましては3分の2、第3種は全職員の出動であります。 ◆堀川素人 委員  それで、今回は、第1次非常配備体制で、第2次はしかれなかったと聞いておりますけれども、僕の不勉強か、それとも第2、第3まで行ったのか。 ◎小笠原 危機管理対策部長  第2非常配備まで行っております。 ◆堀川素人 委員  第2次非常配備体制までしかれたということでありまして、職員の3分の2まで出勤することになっていますが、それは充足されましたか。 ◎小笠原 危機管理対策部長  職員の参集人数ということでお答えしたいと思います。  今は11日の朝7時30分現在の数字しか手元にございませんが、これで申し上げますと、7時30分現在、各局においては第2非常配備人数が3,903名おりまして、このうち984名、区においては配備人数が2,303名のうち1,225名が集合しております。 ◆堀川素人 委員  これは午前7時半ですよね。雨がすっかり上がったような状態かと思います。  そこで、第1次非常配備体制がしかれて、何時ごろにはその体制が完了いたしましたか。 ◎小笠原 危機管理対策部長  第1非常配備体制を出したのが午前3時9分でございます。先ほど数字を申し上げましたが、これが全て満たされた時間というのは、集計中ということで、まだ把握しておりません。 ◆堀川素人 委員  つまり、第1次非常配備体制が何時までに完了したのか、何時までに完了する予定で配備をしいたのか、そのことが今はまだわからぬという状態であれば、問題かなと思います。出たなら、例えば1時間後とか1時間半後にこの体制を完了するということで僕は聞いておりますけれども、どのぐらいの時間をもって第2非常配備体制をしいて充足がどうであったのか、このことについてお聞きしたい。 ◎小笠原 危機管理対策部長  午前3時9分の段階で第1次の非常配備体制ということでございまして、5時35分の段階では第2の非常配備体制を指令しております。先ほど申し上げた数字は、これから2時間後の7時30分現在の数字でございまして、第1次から2時間後には第2次の配備体制とされていたものですから、第1次がどうだという集計は特にとっておりません。 ◆堀川素人 委員  そういうことではだめだと僕は思うのだな。第1次の配備体制をしっかりしくという中で全力を挙げなければならないじゃないですか。時間が来たから第2次配備体制だ、こうであってはならないのではないですか。  僕はなぜこのことを言うかといえば、人的被害もない9月11日の大雨は、体制を点検する上では大変いい機会でした。一部、被害を受けてご迷惑がかかっている人もいますが、札幌市にとっては極めて大事な時間だったのではないだろうかと。それなのに、第1次の体制をしいて、いつまでにその体制が完了したのか、第2次体制をしいて、いつまで完了したのか、この点検の必要性を危機管理対策室の中で余り強く感じていないとするならば、これはまた危機管理対策室として反省すべき材料だなと思います。  そこで、最後にお聞きいたしますけれども、この時間は公共交通機関がどこも動いておりませんが、第1次非常配備に参加された人はどういう移動手段をとってここに集結するか、このことについてはどういう想定の中でなされたのでしょうか。 ◎小笠原 危機管理対策部長  参集方法につきましては、特に定めておりません。 ◆堀川素人 委員  公共交通機関がないときにどうあるべきということをきちんと職員に指示しなければ、職員自体が困ってしまいます。具体的に言いますと、この配備に合わせて緊急に登庁した、そうしたらタクシー料金が4,000円ほどかかったと。これについて、職員がこれはどこからお金が出るのでしょうかと聞いたら、いや、札幌市とすれば出せませんという答えであった。こんなばかな話がまかり通っていいのでしょうか。これは公務でやったことですよ。その命令に従ってやって、公務をなした人間、それをなすために駆けつけた人間は、そのためのお金は自分の懐からしか出せない、こういうことでいいのでしょうか。これは総務局勤労課の話ですが、危機管理対策室としては、こういう形で移動しなさい、移動してもいいですよということをしなければだめだと僕は思うのです。それがなされないで、総務局勤労課に聞いたら、これは出せませんという非常識な答えが札幌市の責任ある立場の総務局勤労課から出るということは非常におかしいのではないか。  前に、手話通訳の関係で、サービス残業も認められていますなどというあほらしい答えをした人がいましたが、これに似ているのではないかと思いました。僕は、正直言ってそれは絶対におかしいよと言って、今、交渉していたのですが、危機管理対策室として、緊急配備のときに急いで登庁した人間の交通費を誰が負担すべきかということについてどういう見解をお持ちなのか、このことについて改めて聞いておきたいです。 ◎小笠原 危機管理対策部長  参集のときにどういう方法を使うかというのは、そのときに最も合理的な方法を選んで、自転車が早ければ自転車でしょうし、タクシーが早ければタクシーで参集すると思います。通常は、タクシーを使った場合はチケットを使うことになっておりますので、それで本人の負担は発生しないことになります。  今回の例は、たまたまチケットを使えなかったというお話だと思います。これは、ご本人に瑕疵がなくて公費のために使ったお金であれば、私は公費で負担されるべきものではないかなと思います。ただ、いろいろな手続上の問題があってなかなか難しいのかもしれません。  いずれにしても、今回、個人で負担したタクシー代金につきましては、関係部局において、鋭意、整理、検討しているところでございます。 ◆堀川素人 委員  手続の方法については、こういう方法でやろうよと検討しても構わないですが、誰が負担すべきなのかということは検討すべき問題ではない。公務です。要するに、命令が下って、それで動いた、そのときに、今言う合理的な方法というのがあって、タクシーばかりではないです。でも、あの大雨の中ではタクシーを使うのが合理的で、それ以外にはちょっと考えられませんので、それを使って登庁した人間が自分で負担するということはないと思います。  僕は、小笠原部長にも聞きました。小笠原部長は、きちんと、そのとおり、本来、公務の命令によって出たものだから、それは命令を出したところが支払うものであると言いましたけれども、ほかのところではそうではないのですね。調べましたら、これはほかにも何件かあるみたいです。  今回お願いしたいのは、危機管理という面から見ても、緊急配備のために命令で移動するものは当然公務であるから札幌市が負担するものである、これを明らかにしていただきたい。こんなものは出ません、なぜ出ないのかと聞いたら、その手続がないと。手続がないならつくればいい。あべこべに考えたらだめだと思うけれども、最後に、いかがかと聞いて質問を終わりたいと思います。 ◎生島 副市長  まさしく委員のおっしゃられたとおりで、職務命令で出勤せよと命令が下ったわけで、それに必要な合理的な経費は札幌市が負担すべきであります。 ◆宗形雅俊 委員  今、堀川委員から、先月、9月11日の大雨警報による避難勧告等のお話がありましたが、私からも、そのときの避難勧告の対応、また市民の動き、もう一つは札幌市避難場所基本計画についてもあわせてお聞きしていきたいと思います。  9月11日に、大雨による土砂災害の危険性から避難勧告が発令されましたが、ちょうど33年前、私の家の裏の一軒家が流されたことを思い出しまして、またそのようにならなければいいのにという思いでございました。また、避難所、まちづくりセンターを初め、特に、数年前から大雨が降りますと中ノ沢や北ノ沢で雨の影響があったということで、道路、橋などの被害状況の把握のために見回りました。先ほどから出ているように、人的被害がなかったことは幸いでございますが、滝野の知り合いの商店や、その奥のビニールハウスに土砂が流れ込み、出荷前の白菜やホウレンソウが被害を受けております。その後、心配になってお伺いしますと、被害があって心穏やかでないにしろ、前向きに考えているということで、一応、安心しているところでございます。  この件については、今議会の代表質問でも取り上げられ、市長からも、当日の対応状況の精査、避難行動の実態把握などの調査を行い、調査結果を踏まえて検証を進める予定であり、有識者から助言をいただきながら、課題の抽出と対策の検討を行い、防災体制の強化に生かしていきたいと答弁があったところです。  そこで、質問でございますが、先ほど堀川委員から課題の提起がございましたけれども、現時点において、今回の避難勧告発令に伴い、どのような課題を認識しているのか、また、その改善、強化などの方向性をどのように考えているのか、まずもってお伺いいたします。 ◎小笠原 危機管理対策部長  9月11日の避難勧告の発令に伴う課題認識と改善、強化の方向性についてのご質問でございます。  現在、各局・区の当日の対応状況を取りまとめて分析を進めているところでありまして、これにつきましては、有識者から助言をいただきながら、年度内をめどに検証結果を出す予定としております。  現時点で認識しております課題といたしましては、避難場所の運営に関すること、市民への情報伝達に関すること、職員の参集に関することなどが挙げられるかと思っております。  これらに対する改善、強化の方向性でございますが、共通の背景といたしまして、大雨特別警報が出るといったこれまでに経験したことのない気象状況のもとで、33年ぶりとなります避難勧告の発令でございまして、災害の対応になれていないこと、また、それを補う訓練や研修の不足も否めないところがあると感じているところでございます。したがいまして、今後の改善につきましては、今進めております検証結果を踏まえてということになりますが、マニュアル等の見直しや訓練、研修の拡充などを行いまして、市役所全体の災害対応力の強化を図る必要があると考えております。 ◆宗形雅俊 委員  どちらかというと、今までは地震を想定したものが大変多かったのではないかなと思います。ですから、今回の大雨への対応というのは、同じ対応でも地震と大雨では大きく変わっているのではないかということだと思います。これから、分析等々をして年度内にさまざまな対応をしていくということでございます。  私の地元の南区の南沢では、数年前に土砂災害警戒地域ハザードマップづくりに取り組んでおりました。ですから、今回の避難勧告については、住んでいる方々が敏感に反応して、150人ほどの方々が近くの避難所に集まったと聞いております。札幌市全体としては、勧告対象人数は約78万人でございましたが、避難したのは私の記憶では479人だったのではなかったかなと思います。夜中のこととはいえ、余りにも少ない人数にもちょっと驚いているところでございます。  そこで、避難勧告対象地域の方々は、今回、どのような行動をとったのか、行政の対応に課題はなかったのか、さらには、避難勧告の発令が町内会連合会の名称で行われ、その呼称が住所と一致していないために、たまたま最近越してきたとか、ふだんは町内会とのかかわりが薄い方の中には自分の家が避難勧告地域に入っていないと認識された方もいらっしゃったということもあります。  また、緊急速報メールでは避難してくださいとなっていて、後追いでどこの地域はどこの小学校と出ましたけれども、私も実際にフェイスブックなんかを見ていますと、どこに避難したらいいのだなんていう投稿も飛び交っておりました。さらに、避難所はどこの学校といっても、学校が避難所ということを知らない方もいたという事実には私も大変驚いているところでございます。  また、今回、一部の避難場所開設のおくれも指摘されております。避難場所の開設者である学校の先生と駆けつけた市職員の避難場所開設後の役割は決まっていると思うのですが、中には、駆けつけたものの、何をしていいのか、役割をわかっていない職員もいたり、お互いに役割を譲り合っていたといった場面もあったと聞いておりまして、改めて市民や職員に向けての周知のあり方に課題を感じております。
     そこで、3点質問ですけれども、避難勧告が出ても避難しない人が多数いた理由をどのように認識しているのか、お伺いいたします。  また、今後は、土砂災害の避難勧告区域を受け手にわかりやすく住所として示すべきだと考えるがいかがか、伺います。  加えて、避難場所開設時の対応状況及びその課題についてどのように認識しているのか、あわせてお伺いいたします。 ◎小笠原 危機管理対策部長  1点目の避難しなかった方が多数いた理由についてでございます。  これは、あくまでも現段階での認識でございますが、まず、避難勧告が出たことを知らなかった方もいらっしゃるのかなと思っております。また、避難勧告を受け取った方の中でも、自宅が避難勧告の対象地域であることや災害の危険性を認識していないことで避難行動につながらなかった方もいらっしゃるのかなというふうに思っております。一方で、自宅内で避難行動をとった方、あるいは、自宅周辺の状況などから、避難所への避難は不要と判断されて自宅で待機された方もいたものと考えております。  これにつきましては、専門的な分析が必要と考えておりまして、現在、市民の避難行動に関する意識調査について研究機関と調整を行っており、今後、調査を実施することを予定しております。  2点目の土砂災害の避難勧告を住所で示すべきだとのご指摘についてでございます。  避難勧告の区域をわかりやすくお知らせすることは、大切な視点であるというふうに考えております。ただ、その一方で、避難勧告の区域の示し方を連合町内会単位から住所に変更した場合、物理的に文字数がふえることになりますので、緊急速報メールには文字数の制限がございますことから、送信すべきメールの数が大幅にふえることにもつながるのかなと思っております。この結果、避難勧告のお知らせに時間を要するとともに、自分に関係する情報を見逃してしまうようなことも懸念されるのかなと思っております。  そこで、今後の対応でございますが、例えば、危険区域が少ない連合町内会は、住所で避難勧告の区域を示したとしてもメールの数をふやさずに対応できる部分もあるかと思いますので、これらのことを勘案しながら、今後、速報性とか地区の状況に応じた効果的な避難勧告区域の示し方について検討を加えてまいりたいと考えております。  それから、3点目は、避難場所開設時の対応状況とその課題についてどう認識しているのかというお尋ねでございました。  ご指摘にありましたとおり、一部の避難場所におきましては、市の職員と教職員の相互の連携が図られなかった事例とか、具体的な役割を十分に果たせない状況も見られたことから、私どもといたしましても避難場所にかかわるさまざまな課題があったと認識しております。現在進めております検証作業の中で具体的対応策を検討いたしまして、避難場所の開設、運営にかかわる対応力の向上を図っていきたいと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  今のお話に出ていましたが、携帯電話の普及に伴い、今回は、緊急速報メールの活用によって広範囲の同時性、即時性の面では非常に効果があったと思っております。しかしながら、逆に、情報弱者に向けた周知も課題として浮き上がったのではないかと思います。また、避難行動に不自由を感じる方々に向けた地域の対応はどうであったのか、これは、庁内ということではなくて、対象地域の人たちのサポートにおける課題も検証していく必要があるのではないかと思っております。  そこで、今回の勧告発令直後の初動期において、町内会や自主防災組織などの動きはどうであったのか、その対応についてお伺いいたします。 ◎小笠原 危機管理対策部長  避難勧告発令直後の町内会あるいは自主防災組織などの活動状況についてでございます。  現在、把握しているところでございますが、中央区の町内会で見守りを担当されている方が、付近の高齢者2名の安否確認を行い、高齢者とともに自主的に避難行動をとったという事例とか、南区の連合町内会が住民への情報の周知と地域の状況把握を行ったという事例がございます。今後の調査で、さらに実態を把握していきたいというふうに考えております。 ◆宗形雅俊 委員  実態を把握するということでございました。  私も、全てではありませんが、南区等々の町内会の役員や会長にお伺いすると、私の地元の連町会長は朝からあちこち回ったということでございますけれども、現実的には、未明だったこともあって、全体的には自主防災等の活動が十分に機能していなかったのではないかなと思います。そういう意味では、大雨警報の避難勧告というものに対する認識がなかなか周知されていないといいますか、そういうときの対応ができていないのではないのかなと思っております。  そこで、自主防災というのは町内会で行われることが多いと思いますので、今後、町内会に対して、大雨にかかわらず、避難勧告に関する周知を含めて、災害時における自主防災組織の活動啓発をどのように進めていくのか、改めて見解をお聞きします。 ◎小笠原 危機管理対策部長  今後、災害時における自主防災組織の活動啓発をどう進めていくのかというご質問でございます。  自主防災組織の活動に対しましては、これまで、自主防災マニュアルの配付や各地域における訓練等を通じて普及啓発を行ってきたところでございます。災害による被害を最小限に抑えるためには、地域の自主的な防災活動が重要でございまして、地域に根差した町内会や自主防災組織等の活動が期待されるところでございます。今回の豪雨における自主的な防災活動について、ほかのお手本となるような事例などを把握いたしまして、それらを踏まえて今後の普及啓発に役立ててまいりたいと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  その辺の総括は後でしたいと思いますが、次に、札幌市避難場所基本計画についてもお伺いしたいと思います。  札幌市では、平成13年に札幌市避難場所整備運用計画を策定しましたが、その後、平成23年3月に東日本大震災が発生し、かつてないほどの人々が長期の避難生活を余儀なくされまして、災害時要援護者への配慮や物流機能停止による物資不足等も課題として挙げられるところとなり、全国的にも避難場所や備蓄物資の見直しが進んで、これまで以上に災害に対する備えが必要との認識が高まって本市においても平成24年度に札幌市避難場所基本計画が策定されました。  しかし、この基本計画の中で、収容避難場所というのは基幹避難所と地域避難所に分けられておりますが、基本計画以前から収容避難場所に指定されていたところの所有者や管理者の中には、特に民間等々ですけれども、指定されていることはわかっていても、新たに基本計画が策定されたことを知らなかったり、いざ、避難場所として使用するとき、どう対応していいのか、その役割を理解していないところも大変多いのではないかと思っております。実は、超有名な私立高校が指定されておりましたが、その校長先生と話し合ったときに、「宗形さん、我々は何をすべきなのだ」と言っておりました。今は、どちらかというと基幹避難所の対応がよく論じられますが、今回の9月11日のような大雨では、まず近くの地域避難所に避難するということもあると思います。  そこで、2点質問ですが、地域避難所に指定されている施設に対して、その役割や災害時の対応についてこれまでどのようなアプローチをしてきたのか、お伺いします。  また、今後は、こうした地域避難所の役割とか、災害時にどのような使われ方をするのかということの周知が必要と考えますが、この2点について質問したいと思います。 ◎小笠原 危機管理対策部長  札幌市避難場所基本計画におけます地域避難所に関するご質問でございます。  災害時には、開設体制とか備蓄の問題、設備の問題、収容力などから主に基幹避難所を使用することといたしますが、災害発生時の被害の偏りとか、基幹避難所が被害に遭ったとか、あるいは道路の被害の状況などによりまして、地域避難所がこれを補完するものとしております。このことにつきましては、平成25年3月の基本計画を策定した際に、全ての施設管理者にこの計画を配付して周知を図ったところでございます。また、災害対策基本法の改正に伴って本年7月に指定避難所の指定を行った際には、お問い合わせのあった地域避難所に説明させていただいたところでございます。  しかし、委員からご指摘もございましたことから、地域避難所の役割につきましては、今後も引き続き周知に努めてまいりたいと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  基幹避難所の整備は十分わかりますけれども、やはり、人間というのはまずは一番近いところに行くだろうと思いますので、行ったときに混乱がないように徹底をお願いしたいと思います。  それから、大雨による避難勧告について、市民一人一人へのきめ細かい周知が大変難しいというのはわかっております。ただ、正直に言って、今回は人的被害がありませんでしたが、一たび、人に何かがあったときには、その対応はもっともっと大きな問題になるのではないかと思います。広島市とか礼文町のようなことがあれば、一番先に責任を問われるのはやはり行政だと思います。今回はそれがなかったということで非常によかったと思いますし、今、検証しながら、年度内にはということでございますので、今後もそういうことがないようにお願いしたいと思います。  ただ、避難所に逃げなさいと言っても、地域の人たちは、あそこの小学校の裏は山だよということもあるのですね。だから、逆に逃げないで自宅にいたという実態もあるわけです。ですから、もし検証するのであれば、各機関の中だけでやるのではなくて、その動向をきめ細かく調査し、対象者の特殊事情、地域性も十分に考慮した中で土砂災害の対応を考えていただきたいなと思っております。  言えば細かいことがまだたくさんありますけれども、今後、いろいろな課題解決に向けて対応していただくことを要望しまして、終わりたいと思います。 ◆小川直人 委員  私からも、9月11日の豪雨時の避難勧告について質問させていただきます。若干重複する点があろうかと思いますけれども、ご容赦いただきながら質問させていただきます。  まず初めに、避難勧告が無視されるおそれへの対策についてお伺いいたしたいと思います。  9月11日の土砂災害の避難勧告は、9月1日の判断基準の改定直後、初の運用となり、土砂災害の避難勧告はわずか1時間半ぐらいの間に6度にわたって次々と発令され、その結果、土砂災害だけで約61万人もの市民が勧告対象となりました。勧告基準の改定は、ことし4月に公表されました内閣府のガイドラインに沿ったもので、土砂災害警戒情報が発令された場合に対象地域を特定して避難勧告を発令するもので、従来より迅速に発令できるように変更されたものと聞いております。  全国的にもこのガイドラインに従う自治体がふえており、10月5日から6日にかけて東日本を中心に非常に激しい雨をもたらした台風18号の通過の際には、12都県の87市町村が避難勧告や指示を発令し、合計で約357万人が対象となっております。例えば、千葉県松戸市では、台風が迫った6日午前に、全市民である約48万7,000人を対象に避難勧告を発令しております。ただ、避難所に身を寄せたのはわずか15人だったと聞いております。また、東京都港区においては、約4万5,000人を対象に土砂災害の避難勧告を発令いたしましたが、避難所利用者はわずか6人にすぎなかったということであります。札幌市の場合は、土砂災害と洪水を合わせて78万人の避難勧告対象に対して、避難者は479人でありました。松戸市や港区では、避難所へ行く避難人数の割合は札幌市より少なかったという状況であります。  このように、対象人数の多い都市部では、避難勧告により住民が避難所まで行くことは少ないという現象が見られました。さらに、翌週の台風19号の際にも、静岡市で、全市民の7割に当たる約50万人に対して土砂災害の避難勧告を発令いたしております。これら一連の勧告の考え方としては、空振りを恐れず発令するということであります。これは、広島市や礼文町の事例を踏まえると当然であるとも言えます。札幌市におきましても、新しい基準の運用により、今後も、空振りを恐れず、避難勧告が出やすい方向にあるというふうに考えております。  しかし一方で、頻繁に避難勧告が出されますと、また出た、我が家は大丈夫だといったように、勧告を軽視することも懸念されるという声が届いております。そして、空振りが何回も繰り返し続くと、今度はオオカミ少年のように、住民が勧告に従わなくなってしまうことも懸念されるのではないかなというふうに私は思っております。このように、避難勧告が軽んじられ、無視され、避難勧告の効果がなくなるおそれに対して何らかの対策を講じなければならないと考えておりますが、今後どのような対策をとっていくのか、お伺いいたします。 ◎小笠原 危機管理対策部長  避難勧告が軽んじられることへの対策ということでございます。  9月11日、過去最大級の大雨が降りましたが、住宅が少ない山間部に雨が集中したこともございまして、幸い、けが人や死者はなかったのですけれども、住宅浸水や土砂崩れなどの被害が発生したところでございます。我々が最も恐れておりますのは、災害が起こる前に避難勧告を出しそびれてしまって、命を守ることができなくなるということでございます。そのためにも、今後も危険な状況の際にはちゅうちょせずに避難勧告を発令いたしますとともに、市民に対しては避難勧告に基づく適切な行動が必要であることを浸透させていくことが重要であると考えております。避難行動をとったのに何も災害が起きなかったから避難が無駄だったということではなくて、何もなくてよかったと思ってもらえるような意識を持ってもらうことが大切だというふうに考えております。  したがいまして、今後とも、ホームページやパンフレットの活用はもちろんでございますが、さらに、防災訓練や出前講座など、さまざまな機会を捉えて啓発を重ねてまいりたいと考えております。 ◆小川直人 委員  出しそびれがないように、そして、これからもちゅうちょすることなく出していくということで、市民の皆様に何もなくてよかったなという気持ちを醸成していくようにするという回答でございました。災害に対するそういった意識については、市の考え方を市民にきっちりとお伝えして、そして、避難時の行動につなげていくことが最も大事だと思いますので、そういった視点に立ってこれからもしっかり取り組んでいただきたいと思います。  それから、避難となりますと、直感的に小学校、中学校などの安全な場所へ移動しようと思いますけれども、今回の避難勧告の伝達網をよく見ますと、最後に、取り急ぎ、山側から離れた2階以上の部屋に避難してくださいとありました。これでは、メールを受け取った市民は、避難を促しているのかどうかと判断に迷うことがあるのではないかなと思います。確かに、広島市の土砂災害では1階から2階に移って全員が無事だった家族がいたように、垂直方向に移動することも避難の有効な手段だと考えております。  そこで、避難とはどういったことを意味するのか、また、避難勧告を受けたときに市民はどのように行動すればよいのか、確認の意味を込めて、今の危機管理対策室の考え方をお聞きしたいと思います。 ◎小笠原 危機管理対策部長  避難の意味と避難勧告の際の市民の行動についてのご質問でございます。  まず、避難の意味につきましては、この4月に改定されました内閣府の避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインというものがございますが、これでは、避難とは命を守る行動のことであると定義されております。その上で、従来の避難場所への移動だけではなくて、家屋内にとどまって安全を確保することも避難の一つだというふうにしております。  次に、避難勧告を受けた際の具体的な市民の行動についてでございますが、その時々の状況を踏まえまして、避難場所に避難するか、あるいは、建物の上の階に避難するといった行動をとっていただきたいと考えております。そのためには、日ごろから、お住まいの場所に潜む危険性について市のハザードマップなどで確認した上で、いざというときにどのような避難行動をとるか、あらかじめ考えておいていただきたいというふうに考えております。 ◆小川直人 委員  確かに、ガイドラインが変更になりまして、テレビでも命を守る行動をとってくださいということが頻繁に私の耳に入るようになりましたし、市民の皆様も、聞いていて、何か変わったなと認識されていると思います。ただ、具体的に、自分の住んでいるところが危険箇所に指定されているのか、警戒区域になっているのかということでは、町内会単位できちんと対応されているところは認識されていると思いますけれども、どのエリアがそうなのかという認識までは十分に浸透されていないのではないかというふうに思っております。  今、市民の皆さんにハザードマップで確認していただきたいという話でしたが、町連単位などでの出前講座を含めて、ガイドラインを変更した意味とか、その地域の危険箇所、避難行動についてもう少し積極的に周知し、認識してもらう取り組みをすべきだと思っておりますので、そのことは危機管理対策室に求めておきたいと思います。  次に、避難勧告発令の単位についてであります。  先ほども宗形委員の質問にありましたが、9月11日の土砂災害の避難勧告は、最初に南区からスタートいたしまして、中央区、豊平区、清田区、厚別区と5区に及んでおります。ただ、発令の単位を見ますと、連合町内会単位ということなので崖地や土石流の危険区域に比べて広い範囲が対象となっておりまして、私が住んでいる住宅を例に挙げると、そんなに崖地ではなくて、ちょっとした小高い丘にありまして、危険を感じないのであります。大きく町連単位になると、やっぱり崖地があったりして危険な箇所があるので、今回、私自身もそのことは再認識させていただきましたけれども、そういうことを考えれば、避難勧告を出す単位をもう少し狭めて、町連ではなくて単町単位ぐらいだと、受けたほうの市民の感覚はもう少し鮮明になり、あそこは危険だとか、ここは危険が迫っていると認識しやすいのではないかというふうに思います。  そこで、連合町内会を単位として勧告を発令してきた理由と、今後これを狭める考えはないのか、お伺いいたします。 ◎小笠原 危機管理対策部長  まず、連合町内会単位で避難勧告を発令した理由でございますけれども、札幌市では、平成21年に土砂災害に係る避難勧告の基準を整理しております。このときには、避難勧告などの範囲につきまして、地理的に気象条件に差がないこと、地域単位で避難活動を行うことを想定いたしまして、原則として連合町内会単位で発令することとしておりますので、今回はこの考え方に従って避難勧告を発令したものでございます。  次に、避難勧告区域を狭めることについてでございますが、9月11日につきましては、わずか1時間半ほどの間に29の連合町内会に、順次、避難勧告を出したところでございます。こうした切迫した状況では避難勧告を迅速に発令する必要があるために、連合町内会単位で発令したことは適切なものと考えております。  ただ、その一方で、委員がおっしゃるように、避難対象となる区域をできるだけ限定的にお示しして避難行動をとるべき人を明確にすることは、市民に避難行動をとってもらう上で重要と認識しております。例えば、連合町内会の中でも危険区域が部分的であるようなケースでは、そうした対応をできる可能性があるというふうに考えております。もろちん、緊急速報メールの文字数の制限など解決すべき課題もありますので、今後、これらの事柄も勘案しながら、勧告区域の絞り込みの可能性について検討していきたいと考えております。 ◆小川直人 委員  今までの回答で、出しそびれることなく、ちゅうちょすることなく、これからも一定の危険な状況なら避難勧告を出していくということであります。ただ、情報を伝達するということは極めて重要なことだと思いますが、それを市民が的確に受けてどう判断するかがキーワードであります。情報だけを出せば市の責任は終わったということにはならないと思います。市民に的確に行動をとってもらい、犠牲を出さないというのが最終的な目標であります。  したがいまして、先ほどの繰り返しになって恐縮でありますが、勧告を出す、情報を提供することはこれからも重要でありますけれども、市民の皆さんに災害に対する認識をきちんと持っていただき、適切な行動をとっていただくことが災害による犠牲を出さないことにつながっていくと思います。そういったことをしっかりと受けとめながら、これからも、災害のないまち、災害から身を守るための取り組みをしていただきたいということを申し上げて、私の質問を終了いたします。 ◆丸山秀樹 委員  私からも、災害時の情報伝達について質問させていただきます。  先ほど来それぞれの委員からお話がありましたように、災害情報というのは、9月11日の豪雨の中では大きな課題でもあり、また、大変重要な位置を占めていたように感じるところでもあります。今回、33年ぶりの避難勧告で、人的被害はなかったということでありましたが、災害情報の市民への伝達のあり方、また避難場所開設のおくれなど、さまざまな課題について現在検証しているということでございましたが、その辺のお話もさせていただきたいと思っております。  我が会派は、その日の朝、午前3時30分に災害本部を立ち上げまして、各議員が浸水に弱い場所に向かいました。既に、道路の冠水やトイレの水が流れないといった被害が発生しているところもあり、町内会の役員と住民が対応に追われている状況を目の当たりにして、私も、区役所や土木センターと連携をとり、避難所の開設をお願いしたところもございます。  そこでまず、質問ですが、9月11日の豪雨について、避難勧告等の災害情報について、市民にはどのような手段でどのように周知されたのか、お伺いいたします。 ◎小笠原 危機管理対策部長  災害情報の伝達手段についてのご質問でございます。  今回の豪雨における市民への情報提供につきましては、携帯電話会社のサービスである緊急速報メールを活用した市内全域への情報配信を初めといたしまして、テレビ、ラジオ、市のホームページ、ツイッター、さらには広報車による広報活動により避難勧告等の周知を図ったところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  ただいまの答弁で、災害時に必要な情報を市民に伝達する手段として、市内全域の緊急速報メールのほかに、テレビ、ラジオでの呼びかけ、ホームページ、広報車による広報などを行ったということでした。私も、広報車が避難所となる体育館の周知に町内を回っている様子を実際に見たところです。そして、緊急速報メールを何度も受け、区内の災害状況の確認や、避難場所に赴き、避難状況の確認をさせていただきました。被害の少なかった地域の方々には緊急速報メールが迷惑だったという話もありますが、避難勧告が出された地域を確認できるなど、非常に重要な役割を果たすものであったと考えます。それは、中には避難所をつぶさに確認していた住民がいたということでもあったからです。  中でも、先ほど法定外の河川の水流について話がありましたが、河川の氾濫は非常に大きな課題だったと私も思っております。河川全体で判断を行ったために、災害があった河川から遠い小学校で避難所が開設されていても、近くの小学校では開設されていないところもありました。被害の大きさで言うと、避難所の開設がおくれた状況もあり、開設されてからそこに22人が避難するといったこともありました。  今回の豪雨は、局地的に大変激しい雨が降りました。日ごろから、ここは大雨が降るとかなり危険だと思っていたところが、やはり被害を受け、冠水しました。また、周りは被害がないようでも、道路より傾斜の下に建つ住宅で床下浸水するなど、思わぬところに被害が起こっていたところもあり、私の住む厚別区では24カ所が冠水しました。夜明け前にマンホールを押し上げ、周辺に雨水があふれている道路も確認しました。アスファルトで整備された道路は、水を吸い込まず、低いほうに勢いよく流れます。厚別区では、12号線と南郷通を結ぶ大谷地周辺も冠水し、通行禁止となりました。改めて、都市構造のもろさは意外なところにあると感じたところです。  そこで、質問ですが、緊急速報メールは広く市民に災害情報を周知できる有効な手段の一つと考えますけれども、今回の豪雨での使用状況と課題についてお伺いいたします。 ◎小笠原 危機管理対策部長  まず、9月11日の豪雨における緊急速報メールの使用状況についてでございます。  午前3時10分の避難勧告を皮切りに、避難場所情報や最後の避難勧告の解除まで、23回の緊急情報を市内で使用されている携帯電話とかスマートフォンに配信して情報提供を行ったところでございます。緊急速報メールは、広く市民に災害情報を周知できる有効な手段の一つと考えておりますが、避難勧告が発令されない地域にも情報が配信されることや、伝えられる文字数の制限も課題と考えております。まずは、配信エリアを全市一斉ではなくて区単位とすることが可能かなど、緊急速報メールの有効性を高める取り組みについて検討してまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  午前3時10分の避難勧告からその解除までに23回の配信、また、今後、区単位の送信も携帯電話会社と検討するということでしたが、しっかり検討を行っていただきたいと思います。  また、携帯電話やスマートフォンを持っていない方やパソコンを利用したことのない方、特に高齢者の中にはそのような方がたくさんおりますが、災害時に情報を入手できない方々に対しても必要な情報を提供していくことは大変重要であります。このような方々には、日常使いなれたテレビ、ラジオを利用するなど、携帯電話、インターネット等を利用しない人を考慮した情報の伝達方法も考える必要があります。  そこで、質問ですが、携帯電話、スマートフォン等を所持しない方、インターネット等を使用しない方への災害情報の周知についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎小笠原 危機管理対策部長  ご質問の中にもございましたが、緊急速報メールによる災害情報の提供を受けられない方々につきましては、日常的に使用しておりますテレビ、ラジオが情報を受ける主な手段だというふうに考えております。今回の豪雨では、行政が発信する災害等の情報をテレビ、ラジオなどの多様なメディアを通じて住民向けに迅速かつ効率的に一括配信するために、この夏から利用が可能となりました公共情報コモンズを活用いたしまして避難勧告等の情報を提供したところでございます。  本市といたしましては、情報の伝わりにくい方を含めまして、今後とも災害情報を多くの市民に伝達し、的確な避難行動につながるように、他都市の取り組みも参考にしながら検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  最後に、要望いたします。  最近は、技術革新も進んでおりまして、避難勧告発令時にスイッチが自動的に入って避難勧告情報を入手できる防災ラジオの開発も進んでいるようでございます。厚別区では、堀澤区長が陣頭指揮をとられて地域のコミュニティFMにも情報を提供しておりました。1定の予算特別委員会で、私は防災アプリの製作を求めましたが、避難所があらかじめわかるスマートフォン向けの防災アプリの開発もますます進んでいるようであります。さまざまな方法が考えられることから、防災情報について、一人でも多くの市民に確実に伝わるよう、今後も検討を進めていただくことを要望し、質問を終わります。 ○山口かずさ 副委員長  以上で、第1項 総務管理費中、危機管理対策室関係分の質疑を終了いたします。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後4時35分       再 開 午後4時37分     ―――――――――――――― ○山口かずさ 副委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第7款 土木費 第4項 都市計画費中、市民まちづくり局関係分の質疑を行います。 ◆伊藤牧子 委員  私からは、路面電車ループ化区間の安全対策についてお伺いいたします。  現在、ループ化区間となるすすきのから西4丁目の駅前通は、2015年10月以降、年内の完成を目指して工事が進められております。路面電車活用計画によりますと、人が主役のまち札幌の魅力と交流のシンボルストリートとして、多くの市民や観光客の憩いの場に変わり、オープンカフェやショップが並ぶ開放的でおしゃれな空間が広がる、また、歩道には高齢者や障がいのある人などが乗降しやすい狸小路の新停留場が設置され、グッドデザイン賞に輝いた新型低床車両を中心とした新しいまち並みが示されており、期待する市民も多いかと思います。  一方、自転車を利用する市民からは、ループ化後に車道を走行できないのかという声も聞かれます。駅前通のサイドリザベーション方式は、これまで、道路中央に軌道を敷設していたセンターリザベーション方式と異なり、軌道は、歩道に接して、車道の左側ぎりぎりに敷設されます。特に、自転車は、道路交通法では軽車両であるため、車道の左側を走行することが原則ですが、駅前通では、電車の軌道があるため、自動車の左側を走行することになり、走行するには勇気が要るのではないかと思います。駅前通の自転車の走行については、私も何回か現状を見ますと、車道を走行する自転車のみならず、歩道を走行する自転車も多く、歩行者と自転車双方の安全対策が必要と考えます。  そこで、3点ほど質問いたします。  1点目は、ループ化区間における自転車の車道、歩道別の利用実態ついてお伺いいたします。  2点目に、駅前通の自転車の走行については、これまでどのような検討がなされてきたのか、確認の意味で伺います。  3点目に、ループ化された後の自転車利用の安全対策についてはどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎山形 路面電車担当部長  まず、1点目のループ化区間の自転車の車道、歩道別の利用実態についてお答えいたします。  ループ化区間の自転車通行量につきましては、平成24年10月に調査を行ったところでございます。その結果、午前7時から午後7時までの12時間におきまして、平日では約2,100台の自転車通行量があり、そのうち、車道を走行している自転車の割合は約7%程度でございました。休日では、約2,400台の自転車通行量があり、そのうち、車道を走行している自転車は約11%程度でございました。したがいまして、ループ化区間におけます自転車の車道、歩道別の利用実態は、おおむね車道通行が1割、歩道通行が9割となっております。  次に、2点目のループ化区間の自転車走行の検討経緯と3点目の自転車利用者の安全対策につきましては、関連がございますので、あわせてお答えさせていただきたいと思います。  自転車は、道路交通法上、軽車両と定義され、原則、車道の左側の端を走行することとなります。ループ化区間では、歩道のすぐ横を電車が通る軌道となり、軌道敷内は軽車両の通行ができないため、自転車は軌道と車道の間を走行することになります。このため、ループ化後の自転車安全対策といたしましては、自転車が誤って軌道へ進入することを防止する対策が必要と考えてこれまで検討を行ってきたところでございます。  その結果、現況の道路幅員では、物理的に軌道と車道を分離するための施設を設置することができず、また、車道の拡幅などを行って新たなスペースを生み出すことも困難でございますことから、現況の道路幅員の中でより実効性のある自転車の安全対策をとることが必要と判断いたしました。そこで、車道を走行する自転車に対する安全対策といたしましては、軌道敷へ誤って進入することを防ぐため、軌道敷をカラー舗装することによって明確化することとか、注意喚起を促すための路面表示、さらには、路面電車が自転車に接近する際に音を流して電車の存在を知らせるメロディーホンの使用などを考えてございます。  また、先ほど述べましたとおり、歩道上の自転車利用が現状では9割という状況となっておりますことから、自転車、歩行者双方への安全対策として、自転車の押し歩きを推奨する取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◆伊藤牧子 委員  駅前通は、車道を走る自転車が1割ぐらいで、あとは歩道を走るということ、また、自転車が車道を走るためにさまざまな取り組みをしていることはわかりました。それから、自転車の押し歩きも今後検討していくということでした。  最近、自転車事故に関するさまざまな事柄が報じられております。10月初めに、新潟県加茂市長が、市内で自転車に乗っていた中学生が自動車にはねられて死亡した8月の事故をきっかけに、市内の全小・中学生になるべく自転車に乗らないようにと文書で呼びかけたことが報じられて、大きな波紋を呼んでいます。専門家からは、危ないから隔離、禁止ではなく、危ないから、危なくならないよう、交通安全対策を講じるのが行政の責任と指摘しております。  また、神戸市では、自転車を運転中の小学生が散歩中の女性に接触して寝たきり状態にさせてしまい、裁判所はその親に9,500万円の高額な賠償を命じる判決も出されました。この事故を受けまして、兵庫県では、自転車購入者に自転車保険の加入を義務づける全国初の条例を制定する方針を明らかにしています。
     札幌市においても、全自転車事故の負傷者数は2013年1,051名、死者数は4名であり、そのうち自転車対歩行者事故の負傷者数は2013年14名と、歩行者や自転車利用者にとっても不幸な事故が起きています。歩行者、自転車のそれぞれが交通ルールを守るのは当然のことですが、先ほどのご答弁では、歩行者を保護する観点から駅前通の自転車の押し歩きについて検討しているとのことでした。  そこで、自転車の押し歩きについて質問いたしますが、2012年度、13年度には、駅前通において自転車押し歩きの社会実験を実施し、2014年度も押し歩きを呼びかけるキャンペーンを行ったということですけれども、2年間実施した自転車押し歩きの社会実験はどのような結果であったのか、お伺いいたします。 ◎浅野 地域振興部長  自転車押し歩きの社会実験の結果についてお答えいたします。  自転車押し歩きの社会実験は、自転車の走行ルール・マナーの向上を目的に、平成24年度と25年度の2回にわたり、駅前通の南1条から南4条の区間の歩道で実施いたしました。実験内容につきましては、自転車利用者に対しまして、歩道を通行する場合は歩行者との衝突事故を避けるために自転車をおりて押して歩くことを呼びかけ、あわせてアンケート調査やビデオ調査を実施したものであります。  先ほど、駅前通では自転車の多くが歩道を通行しているとの説明がありましたが、この調査の結果、歩道上にはさらに自転車の10倍近い歩行者がいることがわかりました。アンケートの結果、こうした歩行者の約78%の方が「歩道を走る自転車を怖いと感じたことがある」と回答しており、歩行者の多い駅前通の歩道では、歩行者保護の観点から、今後も継続して自転車の押し歩きを呼びかけていく必要があることがわかりました。 ◆伊藤牧子 委員  駅前通では、自転車の多くは歩道を通行している、また、歩道上には自転車の10倍近い歩行者がいて、歩行者の78%が自転車を怖いと感じていて、押し歩きは歩行者の安全を確保する上で有効であるということでした。  私も、自転車の押し歩きを行っている都市はほかにないか調べてみますと、川崎市や福岡市でも行っており、福岡市は、全国で初めて自転車の押し歩き推進区間を定めた福岡市自転車の安全利用に関する条例を2013年4月より実施しています。市内でも歩行者の多い西鉄福岡(天神)駅沿いの約400メートルの歩道区間ですが、ことし3月までの1年間の調査結果によりますと、条例に違反して自転車に乗っていたのは全体の56%で、延べ14万人に上った、指導する推進員がいないと、自転車をおりなかったり、注意しても無視する悪質な違反者も後を絶たず、市は、ことし4月から推進員を増員して対策の強化を行っていると聞いております。札幌市の押し歩き区間に置きかえてみますと、自転車を走行している人は数多くいますし、歩道にはたくさんの自転車が違法に駐輪していて、マナーが徹底されるのはなかなか難しい状況もあるかと思います。  そこで、質問ですが、社会実験を実施した結果、浮き彫りとなった課題と、課題を踏まえた今後の方向性についてお伺いいたします。 ◎浅野 地域振興部長  混雑する歩道での自転車の押し歩きを進めていく上での課題と今後の方向性についてお答えいたします。  まず、課題についてでありますが、ただいまのご質問の中にもありました他都市の事例と同様に、札幌市の社会実験におきましても、啓発員による呼びかけがない場合、看板などの広告物のみでは押し歩きに協力してくれる市民が少ないことが課題として挙げられます。  今後の方向性につきましては、将来的には、市民が駅前通以外でも、混雑する歩道を自転車で通行する場合には進んで押し歩きを実践していただけますよう啓発員による押し歩きの呼びかけを実施するとともに、駅前通を通行する自転車の多くは反復して利用する方であることがわかりましたので、地元の商店街や企業に対して従業員への周知を依頼するなど、効果的な広報に努めるなどの対策が必要であると考えております。  あわせまして、自転車に乗って安全に車道を走行する本来の用途が実現されるように、自動車のドライバーに対しては、車道の左端を走る自転車に留意して思いやりの気持ちを持った運転に努めるよう啓発していくことも必要であると考えております。 ◆伊藤牧子 委員  福岡市の事例のように、啓発員が押し歩きを呼びかけないとなかなか効果が上がらなかったのではないかと思います。  将来的には、先ほどおっしゃっておりましたように、自転車のルール、マナーが浸透していけば、混雑する歩道では自発的に押し歩きをしてくれるということでした。私もそのとおりだと思います。ぜひ、歩行者、自転車、自動車が共存する安心・安全なまちにしていただきたいと思いますし、共存する社会に向けて市民とともに頑張っていただきたいなと思います。  私は、ループ化区間は歩行者の安全を守るためには自転車の押し歩きが必要な区間だと思いますが、あくまでもイレギュラーな対応ではないかと思っております。自転車は、路面電車と同じく、CO2を排出しない環境に優しい交通手段として、利便性が高く、年齢や男女を問わず多くの人に利用されております。低炭素社会の実現、温暖化対策を推進する環境首都・札幌としても自転車利用は大事な取り組みです。自転車は、本来、車道の左側を走行することが原則ですが、都心部の車道は、路上駐車や客待ちのタクシーが非常に多く、歩道を走行することが多くなるため、都心部の歩道で押し歩きとなるとほとんどの区間で押し歩きすることになり、自転車で走行するメリットがなくなると思われます。やはり、自転車が安全に走行できるようにするためには、駐輪場の確保、車道における自転車走行レーンの確保、また、自動車側にも一定の不便さをお願いするような環境整備の取り組みも必要だと思いますので、要望しておきたいと思います。  また、来年の今ごろは、ループ化区間の駅前通は、買い物客や観光客、自転車を押し歩いている人など、さまざまな人たちが行き交う場になると思います。また一方、札幌で初めてのサイドリザベーション方式の路面電車が走りますので、初めて訪れる観光客、また市民や子どもたちがサイドリザベーション方式に戸惑い、不注意で誤って軌道に出ないように、歩行者に対する安全対策や周知をしっかり行うことも重要であると考えます。  そこで、最後の質問ですが、このループ化区間における歩行者の安全対策についてはどのように取り組むおつもりか、お伺いいたします。 ◎山形 路面電車担当部長  ループ化区間の歩行者の安全対策についてお答えいたします。  ループ化区間の歩道上は、植樹帯あるいは地下街の出入り口、さらにはオープンカフェなどの路上施設が連続している箇所が多く、これらの施設によって交差点を除く歩道延長の約8割程度の区間で歩道と車道が物理的に分離されております。したがいまして、これらの区間では、現在、歩行者が容易に歩道から車道へ入ることができない状況となっております。  そこで、ループ化後の歩行者の安全対策といたしましては、現状で歩道上に施設がない箇所におきまして歩道と軌道敷の物理的な分離を行うことが必要だと考えております。その方策としては、植栽を施したプランターを連続して設置することとしておりまして、このことにより、歩行者の危険な車道横断や飛び出しの防止につなげてまいりたいと考えております。また、先ほどの答弁でもお話ししました軌道敷をカラー舗装で整備することは、歩行者が電車を通る場所を視覚的に判別できるようになりますことから、歩行者の安全対策にもつながっていくものと考えてございます。  これらハード対策に加えて、広報さっぽろやパンフレットによって広く市民へサイドリザベーション方式における交通安全に関する啓発を行うほか、街頭におきましても自転車の押し歩きや歩行者の危険な車道横断の防止について啓発を行うなど、今後、ソフト対策についても関係機関や地域と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 ◆伊藤牧子 委員  今のご答弁にありましたように、ソフト対策も含めた歩行者の安全対策をぜひ進めていただきたいと思います。  最後に、要望になりますが、あの辺にはすてきな商店街もたくさんありますし、いろいろな会社も入っております。そのような地元商店街や企業と協力しながら、誰もが安心して行き交う通りとなるよう、サイドリザベーション方式、ループ化によって大通地区が魅力あるまちとなるような取り組みを進めていただきたい。そのために、今、ソフト面の対策がありましたが、市民に、また、観光都市さっぽろとして観光客にもしっかりと周知をお願いしたいと思います。  私は、毎日のように路面電車に乗っております。新型車両が1台から3台にふえて乗る機会もふえ、市民も目にすることが多くなっていると思います。乗ってみますと、やはり乗りやすくて、高齢者や子どもたち、また、障がいのある方も本当に利用しやすくなっていると思います。  路面電車も自転車も、CO2排出量が少なく、まちの中で有害な排気ガスを出さない、環境に優しく、誰もが利用しやすい乗り物です。過度に自動車に依存しない、歩いて暮らせるまちづくりを進めるためにも、歩行者、自転車利用者がともに安心して通行できるような安全対策をしっかり行うことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆宗形雅俊 委員  私からは、札幌市まちづくり戦略ビジョンにあります地域の特性に応じた交通の確保と公共交通料金の格差是正について伺います。  昨年度、札幌市まちづくり戦略ビジョンがまとめられ、その中に歩いて暮らせるまちづくりの実現に向けた地域の特性に応じた交通の確保が掲げられておりますが、まずはこの件についてお伺いします。  札幌市まちづくり戦略ビジョンには、生活交通の確保に向けて、自動車を持たない市民の利便性を確保するため、地域の需要に応じた路線バスルートの見直しなどの運行の最適化を図る取り組みや、多様な主体と連携した生活交通を確保する取り組みなどの推進と、地域特性に応じた交通の確保を上げております。今後、少子高齢化が進行し、本市においても人口減少時代に突入することが見込まれておりますけれども、地域の実情に応じた交通ネットワークを維持していく取り組みが一層重要になってくると思います。  そこで、質問でございますが、地域の足の確保に向けて、具体的にどのような取り組みを行っているのか、まず、お伺いいたします。 ◎新津 公共交通担当部長  地域の足の確保に向けた具体的な取り組みでありますが、現在、札幌市においては、地域の実情に合った交通ネットワークの構築や利用促進の取り組みの推進など、地域の交通体系の確立に向けた考え方をまとめる札幌市地域交通基本方針の策定を進めることとしております。この基本方針の策定に向けましては、平成25年度から、東区の元町、伏古本町、札苗地区をモデル地区としまして、地域住民、バス事業者及び行政の3者による地域協議を実施しているところであります。  この地域協議では、地域特有の現状や課題について3者が共通認識を持ちながら、今後とり得る施策について検討を進めており、その結果を基本方針に盛り込む予定であります。また、検討した施策の一部については4月から実施したところであり、具体的には、始発・終発時刻の見直しや、利用者に使いやすいバスダイヤへの見直しなど、地域のニーズに応じた取り組みを行ったところです。さらに、今後、地域にわかりやすいバス路線図や時刻表を掲出するなどの情報提供に関する取り組みや、バス待合環境の改善に向けた取り組みなど、バス利用者の利便性向上施策を進めていく予定でございます。 ◆宗形雅俊 委員  今、東区の一部をモデル地区として、地域と協議しながら、バスなどの利便性向上に向けた取り組みを進めているということであります。  現在、札幌市内の郊外住宅地においては、この地域以外でもバスの利用、地域の足の確保に対して不安を感じている地域も大変多いと思います。私の地元の南区のある地域のバス路線は、この春のダイヤ改正によって以前より1割も減便してしまったこともありまして、その沿線に住む人たちの中には、さらなる減便、そして将来の路線廃止の懸念を抱く方々もおります。このような状況の中、不安解消のためにも、早急に対策を進めていく必要があるのではないかと感じております。地域交通の実情や課題は、札幌市内で共通の部分もありますが、それぞれの地域の特性があり、特有の課題があることも事実であります。そういうことから、地域ごとの対応も必要であると考えております。  そこで、次の質問でございますが、現在、モデル地区で行っている取り組みを今後どのように他の地域に広げていくのか、スケジュールも含めてお伺いいたします。 ◎新津 公共交通担当部長  モデル地区で行っている取り組みを今後どのように広げていくかとの質問であります。  モデル地区につきましては、地域の少子高齢化や人口減少、将来バストリップの検証といった要素に加え、バス路線の系統ごとの収支状況を踏まえ、東区の元町、伏古本町、札苗地区を選定したところであります。このモデル地区における地域協議の結果を平成26年度中に地域の計画としてまとめ、その結果を踏まえ、全市の指針となる札幌市地域交通基本方針を平成27年度中に策定する予定であります。基本方針の策定後は、モデル地区の選定と同様、人口の動向やバスネットワークの状況などを勘案し、順次、市内の他の地域においても地域協議を進めたいと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  モデル地区において本年度中に地域計画をまとめ、平成27年度中に全市の指針となる札幌市地域交通基本方針を策定し、策定後は、順次、他の地域においても取り組みを進めていく予定ということであります。  ただ、現在、そのような課題を抱える他の地域では、策定ということよりも、特にスピード感が大事ではないのかなと思っているところでございます。順次と言って、協議を始めたときには現状が大きく変わっていることもあり得ると思います。ぜひ、広範囲に取り組みをしていくように要望しておきたいと思います。  次に、地域の足を確保するという観点から、これに関連いたしまして、南区の定山渓沿線におけるバス料金の問題について質問いたします。  この件につきましては、議会において過去に何度も取り上げられております。特に、南区石山地区以遠の定山渓沿線地域については、他地区のバス路線と比較いたしますと同じ距離でも2倍以上の料金負担をしている事実がございます。歴史的には、市営バスが民間業者に委託した経緯と、それ以前から独自路線として当初から運行した事業者が適正な事業利益を勘案した公共バス料金を設定するのは経営上の問題として理解いたしますけれども、片方では、公共交通という観点から市内全域において公平性を担保して市民の皆様がひとしく享受できるようにすることは本市の使命の一つだと思います。  そこで、質問でございますが、何度も聞いている話かもしれませんけれども、移動距離にかかわらず公共料金に格差があることについて、札幌市の認識を改めてお伺いしたいと思います。  また、定山渓沿線地域のバス料金の格差是正については、長年、この課題解決を求める定山渓沿線協議会の役員の皆様が、昨年10月25日、市長に対し、これに賛同する方々2万1,584人の署名をもって要望したところでございます。その際、市長からは、高校生の通学費についてどうにかできないかといった趣旨の発言があったと認識しております。  そこで、高校生の通学費について調査したと伺っておりますけれども、調査内容とその結果はどのようなものであったか、お伺いいたします。 ◎新津 公共交通担当部長  最初に、定山渓沿線地域におけるバス料金問題の認識についてでありますが、市内のバス運賃の大部分は、均一の料金体系である特殊区間制を採用しております。一方、定山渓沿線地域のバス運賃は、距離に応じて運賃が決まる対キロ区間制が採用されており、特殊区間制を採用されている路線に比べて負担感や不公平感をお持ちの利用者が多くいらっしゃることは強く認識しております。  次に、高校生の通学費調査における調査内容とその結果でありますが、ことし5月から6月にかけまして、市立中学校の平成23年度から25年度までの卒業生約4万3,000人を対象として、その通学先を調査したところであります。この結果をもとに、中学校から高校までの一般的な通学経路を想定し、その通学費用を試算いたしました。この結果、市内の高校生が通学に要する費用の1カ月当たりの平均額は約8,800円でありました。また、月額が6,000円台となるケースが全体の3分の1程度を占めている一方、月額が2万円を超えるケースもございました。 ◆宗形雅俊 委員  対キロ区間制というのは、過去からわかっているところでございます。要するに、そこをどう是正してもらえるのかといったことが今回の議論でございます。特に強く認識しているということについては、同じ思いであるのかなと思っているところです。  高校生の通学費については、今回、定山渓沿線連絡協議会の要望書に端を発する問題でありますが、これは札幌市全体として考えていかなければならないだろうと思っております。調査結果では平均額が約8,800円でありまして、全体的には1カ月当たり6,000円程度の負担が大勢を占めている、また、中には2万円を超えていて、原局が事前にいただいた資料によると、最高額は月2万8,000円ということであります。通学に係る費用負担の格差は大変大きいと思いますし、今、経済格差、教育格差といったことも言われておりますが、こうした負担の格差も大変大きいことが明らかだと思います。  高校生の通学に関する問題につきましては、ある意味では進学先の選択にも影響を及ぼすのではないかなと思っておりまして、一日でも早い対応策を実現してほしいと強く願うところでございますが、その要望書を出したときに、上田市長からの通学費は何とかできないものなのかという言葉は、私は大変重いと思います。  そこで、今回の調査結果を踏まえて、札幌市としてどのような対応を考えているのか、改めてお伺いしたいと思います。 ◎新津 公共交通担当部長  調査結果を踏まえた札幌市の対応についてであります。  今回の調査により試算した結果、高校生の通学費について、高額な負担をしているケースがあることを改めて認識したところでございます。今後は、この調査結果を踏まえ、市のさまざまな施策とのバランスを考慮しつつ、どのような対応ができるのか、検討を進めたいと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  当然、南区の問題に端を発していますが、先ほども言いましたように公平性の担保はしていかなければならないと思います。先ほど言いましたように、私は上田市長の言葉は重いと思いますが、報道によりますと、上田市長は今期限りということなので、生島副市長、この辺の言葉の担保をぜひとりたいのです。当然、お金の問題だとか、具体的にどこの通学費を検討するのか、仮に負担しようとしても、線引きとかいろいろなことがあると思います。そういう意味では検討するということでございますが、もうちょっと踏み込んだ答弁をできないものなのか、副市長の答弁を求めて、終わります。 ◎生島 副市長  なかなか踏み込みづらいお話ですが、今、部長から回答申し上げましたように、相当な差があることは事実でございます。市長が高校生の通学費は何とかならないかというふうに申し上げたのは確かに重いお話で、自分が住んでいるところによって教育を受ける選択肢が狭まってしまうというのは非常に悲しいお話です。特に、小学校、中学校は、普通、自分のところから通うだけですが、自分はどういう高校に行きたいのかなと考えるときというのは極めて夢の多い時期です。そのときに、自分の家は遠いから、余り遠いところへ行ったら親の財布はどうかなみたいなことを考えさせるのは、ややセンチメンタルに考えればつらいところがあるのかなと、そういう気持ちで検討を進めてまいりたいというふうに思います。 ◆三宅由美 委員  私からは、真駒内駅前地区まちづくり指針に基づく取り組みについて質問いたします。  真駒内地域は、緑が豊かで閑静な住宅地として整備されてきましたが、少子高齢化、人口減少に伴う小学校の統廃合や、1972年の冬季五輪及び政令指定都市への移行に伴って集中的に整備された公共施設の建てかえなど、解決すべき課題に直面しています。また、20代、30代の女性がほとんどいなくなるということで、2040年には南区と厚別区は消滅するのではないかというようなことまで言われておりまして、みんな、大変不安に感じているところです。  このような状況を踏まえ、ことしの1定の予算特別委員会において、私は、真駒内地域の再生に向けた取り組みである旧真駒内緑小の活用と土地利用再編について、真駒内地域はもとより、南区のまちづくりにとって重要な課題であることを指摘いたしました。そして、そのために、札幌市が2013年5月にまとめた真駒内駅前地区まちづくり指針に基づく取り組みを、地域の声を十分に聞きながら、また、ほかの地域の方も含めた幅広い議論を重ね、着実に進めることを要望いたしました。旧真駒内緑小の跡利用施設については、地域に新たな交流を生む場として有効に活用されることを期待しており、2015年の跡利用施設の開設に向けて、今年度は耐震改修などの施設面での準備を進めているということでした。また、施設のオープン時からこの跡利用施設が有効に活用されるためには、多くの市民に参加していただき、ことし3月に開催したまちづくりイベント「まこ×まち2014」を単発のイベントで終わらせることなく、継続的に旧真駒内緑小のPRを進めていくべきであると私は考えています。  そこで、質問ですけれども、旧真駒内緑小の跡利用施設の周知などに向けた取り組みの状況についてお答えください。  また、真駒内駅前地区の土地利用の再編に向けた議論の活性化を図ることを目的として、真駒内の未来を考えるまちづくりアイデアコンペを実施し、全国からさまざまなまちづくりのアイデアを募集しました。募集に際しては、専門家からのアイデア以外にも、地域住民のちょっとした気づきなども提案できるよう、パネル応募の部とA4判応募の部の2部門に分けて多くの方が参加できる仕組みとなっていました。パネル応募の部については、1次審査通過作品について、市役所本庁舎、地下鉄真駒内駅、川沿のコープソシア店、地下歩行空間での投票や意見募集、公開プレゼンテーションなど、多くの方にもご参加いただいて審査を進めたと聞いており、地域住民の参加を促すような取り組みとなっていたと考えております。  そこで、2番目の質問ですが、真駒内の未来を考えるアイデアコンペを実施した結果についてお答えください。 ◎三澤 都市計画部長  真駒内駅前地区まちづくり指針に基づく取り組みについて、2点のご質問でございました。  1点目の旧真駒内緑小の跡利用施設の周知などに向けた取り組みについてでございます。  真駒内駅周辺の再編について関心を高め、跡利用施設が地域のまちづくりの拠点として有効に活用されるよう、まこ×まちSOCIAL DESIGN PROJECTを立ち上げまして、跡利用施設のプロモーションや、地域の交流促進、またまちづくり活動の活性化を図る取り組みを進めております。このプロジェクトの一環といたしまして、去る9月28日日曜日でありますが、跡利用施設の愛称やロゴマークの策定に向けて、「まこ×まちミッション」と題した地域住民とのワークショップを開催しております。このワークショップでは、真駒内地域のまち歩きを行い、参加者が地域のよいところを再発見したり、地域住民とのコミュニケーションを図る取り組みを取り入れたりしながら、愛称の選定及びロゴマークのモチーフの抽出などを行いました。参加者及び地域住民の投票結果などを踏まえ、跡利用施設全体の愛称は「まこまる」、また、跡利用施設で授業を行う子どもの体験活動の場の愛称は「Coミドリ」に決まった次第でございます。  また、参加者がまとめた真駒内らしいと思うもの、魅力や好きなところとして挙げられた自然が豊か、緑が多く、団地が多いことと、真駒内らしい色として挙げられた緑、青緑などの意見をもとにいたしまして施設のロゴマークなども作製し、発表したところでございます。このような取り組みを通しまして、跡利用施設への関心を高めるとともに、地域交流の促進を図っているところでございます。  次に、2点目の真駒内の未来を考えるアイデアコンペを実施した結果についてでございます。  アイデアコンペについては、委員のお話にありましたとおり、パネル応募の部では52作品、A4判応募の部で26作品と全国から合計78作品もの応募をいただきました。1次審査を通過し、公開プレゼンテーションに進んだパネル応募の部の6作品については、お話にありましたとおり、市内4カ所で作品を展示し、事前投票を行っております。この事前投票には、約600名が会場を訪れ、作品をごらんいただくとともに、好きな作品への投票、作品に対する意見、真駒内のまちづくりに関する意見などのアンケートを実施したところでございます。このアンケートでは、真駒内地域のまちづくりについて、地域の豊かな緑を生かしたまちづくりを求めるものや、にぎわいや地域交流が活性化するような場が必要などのご意見もいただいております。さらに、去る10月19日に南区民センターで開催した公開プレゼンテーションには、地域の方々など約150名にご来場いただき、プレゼンテーションの模様や審査委員によるパネルディスカッションなどに真剣に耳を傾けていただけたものと考えております。  今後も、多くの区民、市民が参加できる機会を設けながら取り組みを実施し、まちづくりに関する議論の活性化や機運を高めてまいりたいと考えております。 ◆三宅由美 委員  再質問ですが、10月19日に開催されたアイデアコンペの公開審査及び表彰式には、私も参加し、受賞者のプレゼンテーションをお聞きしましたが、地域のことをよく分析した期待の持てるプレゼンテーションが多く、充実したものだと感じました。また、多くの市民が提案内容に真剣に耳を傾け、これからまちづくりを進めていくという雰囲気を感じたところです。市内外を含めて、第三者からの提案によってまちづくりの議論を活性化させる試みであるアイデアコンペという手法を通じて、多くの地域住民とともにまちづくりの議論を活性化させていく可能性を感じました。今回の取り組みは、大いに評価したいと考えております。  今回、全国から寄せられた78作品の貴重なアイデアを真駒内地域のまちづくりの議論を活性化させるきっかけと捉えて、これらのアイデアを地域のまちづくりの財産として生かしてほしいと強く願っております。まちづくり指針に示されている将来的な土地利用再編については、コンペ作品の中でも提案があるとおり、これを単なるハード整備として捉えるのではなく、そこで営まれる生活や地域交流など、ソフト面とも連動させた総合的なまちづくりという観点で捉えることが重要ではないでしょうか。まちづくりの主役は言うまでもなくその地域に暮らす住民の方々であり、住民が地域に愛着と誇りを持って末永くまちに暮らし、まちづくりにかかわっていただけることが本当に大切なことだと思っています。そのためにも、今回のコンペのような取り組みを継続的に行うことによって、まちづくりにかかわるきっかけをつくり、まちづくりへの関心や意識を醸成し、将来的にはまちづくりにかかわっていただける担い手の育成につなげていくことが重要と考えております。  そこで、質問ですが、このアイデアコンペの結果を踏まえ、旧真駒内緑小の跡利用施設のオープンに向けて今後どのような取り組みを展開する予定なのか、お答えをお願いいたします。 ◎三澤 都市計画部長  アイデアコンペの結果を踏まえた今後の取り組みについてでございます。  今年度は、先ほど申し上げましたまこ×まちSOCIAL DESIGN PROJECTの取り組みといたしまして、アイデアコンペの結果を広く地域住民に紹介する場や、作品を踏まえた意見交換を行う場を設けるなど、真駒内地域の未来に向けたまちづくりへの意識の醸成、地域交流を図る取り組みを展開したいと考えております。また、跡利用施設に入る活動主体の事業紹介などを通じて、地域の方に跡利用施設を有効に活用してもらうような取り組みを行う予定としてございます。今後も、土地利用再編に向けた取り組みと、地域の交流促進やまちづくり活動の活性化を図る取り組みを連動させて、地域住民と一体となって取り組みを進めたいと考えてございます。 ◆三宅由美 委員  最後に、要望になりますけれども、先ごろの市の発表によりますと、旧真駒内緑小に係る民間事業者はまだ選定できていないようですが、旧真駒内緑小の跡利用施設がよい形でオープンできるよう、引き続き旧校舎の活用について検討を進めていっていただきたいと思います。  もう一つは、アイデアコンペの公開審査には多くの方が参加し、まちづくりが動き出したことを実感しました。あわせて、旧真駒内緑小の跡利用施設オープンまでの当面の取り組みについても、さまざまなプログラムを用意していることがわかりましたが、この流れを継続し、これまで以上に地域住民の参加を促しながら、まちづくりの検討を進めてほしいと思います。このアイデアコンペの78作品は、大変夢の持てる内容になっておりますが、これを夢に終わらせることなく、いい点をしっかりとまちづくりに生かしていっていただきたいと思います。  まちづくりを進めるに当たっては、エリアマネジメントの視点も重要であると考えております。札幌市には、札幌大通まちづくり株式会社や札幌駅前通まちづくり株式会社など、地域が積極的にまちづくりに取り組んでいる事例もございます。真駒内地域においては、札幌市立大学のCOC事業の取り組みなどと連携しながら、地域のエリアマネジメントを担えるような人材や組織を育てる取り組みも展開していただきたいと思います。  また、もう一つ、郊外型ベッドタウンのあり方、今後の施策について検討しながら、消滅することを黙って見ていることがないようにしていただきたいと思います。  以上、要望しまして、質問を終わります。 ○山口かずさ 副委員長  ここで、およそ30分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後5時28分       再 開 午後6時     ―――――――――――――― ○細川正人 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、札幌市都市計画マスタープランの見直しにおける地域交流拠点や郊外住宅の考え方についてお伺いいたします。  本年5月、長期の人口動態を見据えた国のあり方や国家戦略を検討することを目的として、産業界労使や学識者などの有志が立ち上げた組織である日本創成会議・人口減少問題検討分科会が提言を公表いたしました。この提言によると、人口減少は日本全体の問題であり、既に地方都市の多くは高齢者を含めて人口が急激に減少する深刻な事態を迎えるため、地域の実情を踏まえた多様な取り組みを行うことが重要であり、政府は長期的な方向性を示す長期ビジョンの策定に取りかかるべきとあります。さらに、この提言では、人口減少の最大要因は、若年層、特に若年女性の地方から大都市への流出であり、少子化対策の観点から、出生率の向上のためにも人の流れを変える必要があるとされております。  また、本年9月、人口の急激な減少、超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対し、各地域がそれぞれの特徴を生かした自律的で持続的な社会を創成できるよう、内閣総理大臣を初めとした各大臣により構成されるまち・ひと・しごと創生本部が設置されたところであります。この創生本部は、長期ビジョンについての議論を初め、日本の目指すべき将来方向や人口減少が経済社会に与える影響、取り組むべき政策目標、地方都市の自主的な取り組みにおける国の支援の必要性など、さまざまな観点から議論がなされております。日本創成会議が提言したような状況は本市も例外ではなく、国立社会保障・人口問題研究所による本市の2040年の人口推計の試算によると、若年女性が減少する割合及び65歳以上の割合はともに全国平均よりも高くなると推測されております。  以上のように、これからの都市づくりにおいては、人口減少や超高齢化に対応した戦略的な取り組みが必要不可欠と考えます。  そこで、質問ですが、現在、都市計画マスタープランの見直し作業を進めていると聞いておりますが、どのような方向性で計画を見直そうとされているのか、お伺いいたします。 ◎三澤 都市計画部長  都市計画マスタープランの見直しの方向性についてのご質問でございます。  都市計画マスタープランの見直しに当たりましては、人口減少、超高齢社会の到来などの社会経済情勢の変化や地球規模の環境、エネルギー問題の深刻化といった今日的な動向、課題のほか、低炭素都市づくり、安全・安心都市づくりといった新たなニーズなどに対応する必要がございます。また、札幌市のまちづくりの最上位計画である札幌市まちづくり戦略ビジョンの内容とも整合を図っていく必要があります。  これらのことを踏まえまして、見直しの方向性といたしましては、都心、地域交流拠点、地下鉄沿線などへの都市機能の集積や多様な交流の創出をいかに進めるべきか、人口減少、高齢化が進行する郊外住宅地、一般住宅地の生活利便機能あるいは交流機能のあり方などについて議論しているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  ただいまの答弁を踏まえまして、地域交流拠点について伺いたいと思います。  平成25年に策定されましたまちづくり戦略ビジョンにおきましては、17カ所の地域交流拠点を位置づけており、利便性を高めるため、区役所などの公共機能や、商業・業務、医療などの中核都市機能の集約を図ることとなっております。特に、地下鉄始発駅などでは、近隣の魅力資源や近隣都市などとの連携を意識した多様な機能を整備したゲートウエー拠点として位置づけられ、その機能向上を促進することとなっております。そこで、例えば、地下鉄始発駅である新さっぽろは、後背圏の近隣都市を意識しながら、にぎわい創出やまちの活性化を推進していくことが重要であり、そのためには、集客力のある施設を誘致するなど、官民協働で取り組んでいく必要があると考えます。  他都市の事例として、佐賀県武雄市の図書館に書店、カフェ、メディアホールなどを併設したものがあります。単に図書の貸し出しを行う通常の図書館とは異なり、コーヒーを飲みながら図書館の蔵書、書店の販売書籍や雑誌などを読むことが可能となっているほか、メディアホールにおけるさまざまなイベント、朝ヨガや星空観察、中小企業の創業支援講演会の開催など、集客のみならず、まちの活性化に寄与するような多様な交流空間を創出している非常に魅力的な取り組みであると感じます。そうした機能とあわせ、厚別区などでは、子育て支援のちあふると大学のサテライトキャンパスなどが集積できれば、まちのにぎわいや活性化に大きくつながると考えるものであります。  そこで、質問いたしますが、17カ所の地域交流拠点について、その場所、特性に応じた機能が求められてくるものと思いますが、都市計画マスタープランではどのように考えていくのか、お伺いいたします。 ◎三澤 都市計画部長  地域交流拠点の考え方についてのご質問でございます。  お話のありましたとおり、戦略ビジョンにおきまして地域交流拠点は17カ所が位置づけられておりますが、ご指摘のとおり、新さっぽろのように周辺の市を含めた広い後背圏を持つ拠点もある一方、その他の特性のある拠点もございます。都市機能の集積の程度や求められる機能は一律ではございません。それぞれの拠点が置かれている現状や特性が異なりますことから、全ての拠点を、一律ではなく、異なる施策の検討を行っていく必要があり、それを踏まえて見直しについての議論をしているところでございます。また、建築物の老朽化、建てかえなどの開発動向、都市機能集積の度合いなどを、拠点の異なる状況を踏まえ、優先順位を考慮しながら施策展開を図っていく必要があると考えてございます。 ◆丸山秀樹 委員  厚別区におきましては、今後出てくる余剰地なども含めまして、やはり、魅力と活力あるまちづくりを考えていく必要があるものと私も思っておりまして、今後の検討に大きく期待するところであります。  最後に、郊外住宅地の考え方についてお伺いいたします。  郊外住宅地につきましては、まちづくり戦略ビジョンにおいて、誰もが安心して日常生活を営めるまちづくりを進めるため、利便機能の立地への対応や地域特性に応じた取り組みを推進することとなっております。このような目標を掲げ、これから取り組んでいくことと思いますが、冒頭に申し上げたように、本市における人口減少、高齢化の進行が予測されており、とりわけ郊外住宅地が多くを占めている南区や厚別区においてはその傾向が顕著であり、将来の若年女性が減少する割合や65歳以上の人口割合は、ともに本市の平均よりも大きく上回る予測となっております。
     そこで、質問ですが、人口減少、高齢化に対応していくに当たり、将来、誰もが暮らしやすいまちづくりを推進していくためには、郊外住宅地においてさらに踏み込んだ施策が必要と考えますけれども、どのような考え方で計画を見直そうとしているのか、お伺いいたします。 ◎三澤 都市計画部長  都市計画マスタープランにおきます郊外住宅地の考え方についてでございます。  郊外住宅地につきましては、委員のご指摘のとおり、本市の中でも特に人口減少、高齢化が進んでいる地域もあり、このような状況に対応していく必要がございます。これまでも、都市計画マスタープランの考え方を踏まえまして、身近な場所に生活利便施設が立地できるように全市的に用途地域を見直しております。また、もみじ台地域では、地域のまちづくりの検討にあわせて地区計画の見直しを行ったほか、閉校となった小学校を民間事業者が活用するなどの取り組みを行ったところでございます。  都市計画マスタープランの見直しに当たりましては、今申し上げたような取り組みを継続し、強化するとともに、さらにどのような施策が必要かつ有効であるのか、議論、検討を進めていきたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  最後に、要望いたします。  私といたしましては、人口減少、高齢化が進む郊外住宅地において、これまでのような取り組みの見直しを継続して実施していくことは大切なこととは考えますけれども、今後の大事な視点として、対症療法的な対応ではなく、大きな視点で具体的な都市計画を考えていく必要があると思います。  私は、ことしの2定の代表質問でもみじ台地域を通して都市計画の推進に触れましたが、高齢化による地域の限界が来る前に、地区ごとの大きなまちづくりのビジョンを構築し、対応していく必要があることを指摘し、庁内関係部局が連携して都市計画を立てていただくことを求めて、質問を終わります。 ◆宮川潤 委員  原発のない社会の実現のため、また、地球温暖化を防ぐために、省エネルギー社会の構築を進めなければなりません。  環境先進都市では、地域暖房などの熱の面的活用と分散型電源のコジェネが進められております。ドイツのフライブルク市は、大学や市営劇場、工業地、住宅地に熱配給網を接続し、新興住宅地には地域暖房を採用することが常識になっているそうであります。オーストラリアのシドニー市では、2030年までに電力供給の70%をコジェネで賄うという積極的な目標を掲げ、特に建物の集積するビジネスエリアでは、既存及び計画中のものを含め、27のコジェネを設置するとしております。  本市も、こういう先進都市を視野に入れた取り組みを行うべきであります。地域暖房を行う熱源をコジェネで賄い、しかも木質バイオマスを燃料にすることで、一層、効率的で温室効果ガスを抑制したエネルギーシステムを構築することができます。本市は、都心部で、エネルギーの面的活用とコージェネレーションの活用を行うということですが、エネルギー需要が多いということで効果が期待できるのは想像できますけれども、実際、都心で消費されるエネルギーはどの程度なのか、また、都心部で取り組む理由としてそれ以外にどういうことがあるのか、伺います。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  ただいま2点のご質問がございました。  まず、1点目の都心で消費されるエネルギー利用についてでございます。  平成25年度に私ども都心まちづくり推進室で実施いたしました都心エネルギー基礎調査の結果でございますが、調査対象とした都心の約300ヘクタールの区域における1年間の1次エネルギー消費量は1万1,992テラジュールでございます。この数字でございますが、札幌市エネルギービジョンで示す市全体の消費量とは調査方法が異なることから単純な比較はできませんが、試算いたしましたところ、市全体のエネルギー消費量の約10%程度だろうという試算結果を得ているところでございます。  2点目は、エネルギーの消費量が多いという以外に都心部で取り組む理由でございます。  都心部は、都市機能が集積しておりますので、委員がご指摘のとおり、他の地域と比較してエネルギーの消費量が大きいことが特徴的でございます。そのため、エネルギー供給の自立、安定化と都市の低炭素化の観点から、特に重点的に取り組む必要があるものと考えてございます。  これ以外の理由でございますが、特にまちづくりの観点で申し上げますと、都心エネルギー施策の取り組みを推進することによりまして、北海道の政治経済の中心地でございます札幌都心の環境性と防災性を高めることになります。このことは、BCP、事業継続計画と申しますが、これに対応する体制を整え、都心の価値と魅力の向上へとつなげていくことも非常に重要だと考えてございます。したがいまして、都心エネルギーの施策の検討におきましては、環境エネルギー施策とまちづくりが一体となって取り組むことが必要であると考えているところでございます。 ◆宮川潤 委員  大消費地であるということと、防災というのは、エネルギーが自立している、自立性があるということで、一遍に大きな事故には結びつかないということなのですね。  都心部には、高温水の導管、温水蒸気導管、冷水導管が、札幌駅北口から南1条あたりまで、西は植物園あたりから東は東3丁目あたりまで熱供給公社の導管が張りめぐらされております。地域の熱供給は、最初に導管を敷設する経費が莫大にかかりますから、多くの利用者を確保しなければ経営的にも厳しくなりますし、環境面でも生かせないということになると思います。一方、ビルの所有者の立場からは、ビル内に暖房や温水設備を設置する必要がなくなるために、ビルの床面積を有効に活用できることになりますし、暖房・給湯設備の管理や工事も不要になるというメリットがあります。しかし、既にビル単独の暖房・給湯設備を有している場合は、地域暖房を導入するためには新たな工事を必要とするため、初期投資が大量にかかってしまいます。  そこで、現状について伺いますが、熱供給を既に利用しているビルが何棟あって、面積としてはどの程度になるのか、コジェネの排熱による供給割合はどうなっているのか、明らかにしてください。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  まず、熱供給を利用している建物の棟数、面積についてお答え申し上げます。  平成25年度に実施いたしました都心エネルギー基礎調査の結果でございますが、都心部には、北海道熱供給公社、札幌エネルギー供給公社の二つのエネルギー事業者がございまして、そのエネルギー供給区域として認可を受けている区域がございます。その区域内の建物は全棟で477棟ございます。そのうち、現在導入しているのは102棟、割合でいいますと約21%でございます。それから、面積では、このたびは延べ床面積で比較してみましたが、全体の延べ床面積が409万平方メートル、これに対して導入している建物の延べ床面積は232万平方メートルで、割合にいたしますと約57%になります。  なお、熱供給という観点では、建物以外に札幌駅前通地下歩行空間、地下街などの地下施設、ロードヒーティングの融雪熱にも導入されてございます。  次に、コジェネの排熱による供給熱量と割合でございますけれども、これも同じく昨年度の調査結果でございますが、1年間に供給する都心の熱量全体の883テラジュールに対して159テラジュールで、割合は約18%となってございます。 ◆宮川潤 委員  ビルの棟数で言うと約21%で少ないなと思いましたが、面積で言うと約57%ということですから、大きなビルが熱供給を利用していることになると思います。私は、逆に、小さいビルのほうが本来は熱効率が悪いと思いますので、小さいビルにたくさん接続していくほうが全体の効果としては上がるのではないかと考えております。  そこで、現状から、どこまで熱供給の利用を伸ばしていくのか、その目標と考え方、今後どうやってビル所有者に働きかけていくおつもりなのか、お示し願いたいと思います。  また、熱の供給管は老朽化が進んでいると思いますが、今後の更新計画についてはどのようになっているのか、伺いたいと思います。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  2点質問がございました。  現状の熱供給につきまして、どこまで利用を伸ばしていくのか、その目標、考え方についてでございます。  まず、熱供給利用をどこまで伸ばすのかということとその目標につきましては、先ほど来申し上げております昨年度の基礎調査の結果に基づきまして、現在、都心のまちづくりの将来像とエネルギー需要などをシミュレーションしながら検討を進めているところでございます。今後、具体的な供給範囲や目標値などを明らかにしていく予定でございますので、これらが整理された段階でまた改めてご報告したいと思います。  また、熱供給に対する考え方でございますが、今後、コジェネによります熱電併給を推進していくためには、それに先行いたしまして現在の地域熱供給の需要家をふやしていくことが必要となってまいります。そのためには、委員のご指摘のとおり、比較的大規模な建物のみならず、中小規模の建物に対しても熱供給の導入を進める必要があるのだろうと考えてございます。このことを踏まえまして、現在、建てかえ計画が進行中の建物に対しては、まだエネルギー施策を取りまとめている最中で、策定したわけではございませんが、その途中段階でも熱供給の導入をお願いして回っているところでございまして、今後、このたびの施策検討によって整理された目標や考え方を踏まえてビル所有者、事業者への対応についても検討していく考えでございます。  それから、大きな2点目の熱導管の老朽化の更新計画ということでございます。  この熱導管は、北海道熱供給公社が所有して昭和46年から営業をスタートしている高温水の熱導管のことかと思いますが、現在のところ、熱導管の著しい老朽箇所は見つかっておりません。したがいまして、更新計画は策定されていないことを確認してございます。 ◆宮川潤 委員  全体としては、目標は検討中だが、建てかえ計画のあるところに導入をお願いしていくということです。しかし、なかなかそう一遍には進まないのではないのかなというふうに思います。先ほども申し上げましたけれども、既にボイラーなどを有している場合は、簡単にはそこを接続するというふうにならないでしょうから、新たな方法も考えながら積極的な目標を掲げていただきたいと思います。  それから、管については、昭和46年に敷設したということですから、40年以上になるでしょう。ということは、今のところ著しい老朽化はないと言っても、いずれにせよ限界が近いのではないかというふうに思います。一般的な給湯、給水の配管でしたら、早ければ15年ぐらい、長くても30年ぐらいが耐用年数になっているようであります。埋設した土壌の質によっても変わるそうですが、もし管の更新をやることになったら、これは大事業になると思います。管使用の限界が来たことを契機に、万一、都心の熱供給事業から供給公社が撤退あるいは縮小することがないのかどうか。これは、ビル所有者にとっても、これから改築するような場合については重大な関心事です。その点でどうなのかなという不安要素があるならば、いっそ、熱供給は受けないで、自前でビルの中にボイラーを設置したほうが無難だということになります。熱供給公社の中長期的な事業計画が本市の都心エネルギー施策にとって決定的な意味を持つと思います。  公社の今後の中長期的な熱供給のあり方についてですが、これまでと同じ形で続けられるのか、あるいは、供給の仕方について何らかの変更が考えられるのか、どのように把握されているのか、お示し願いたいと思います。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  熱供給の中長期的なあり方について、これまでと同じやり方で続けるのか、あるいは、供給の仕方が変わるのかということでございます。  先ほど、今のところ更新計画は策定されていないと申し上げましたが、少なくとも、今はまだ著しい老朽箇所が見つかってはおりませんけれども、今後、確実に老朽化が進んでいきます。私どもといたしましてもそういう危機感を持っておりまして、今後は、建物の更新、建てかえ、大規模なリニューアルの際に、コージェネレーションシステムの設置を前提といたしまして、温水、冷水の分散型供給エリアを段階的にふやしていきたい、加えて、それにあわせて既存の集中型高温水供給のエリアを徐々に縮小していく、これらのことによって熱供給体制を再構築するという方向で現在のところは検討を進めていると把握しております。 ◆宮川潤 委員  現在のところ、管の更新計画はないけれども、将来的には熱供給のあり方の再構築が必要になるということですから、将来的には大きな変更になっていくことになると思います。  管もだんだん老朽化していきますし、熱供給公社にある大きなボイラーも老朽化していくので、この耐用年数もあると思いますから、いずれにせよ限界がある。今後更新するビルは、新しく建つわけですから、やっぱり40年、50年、60年ぐらいはそのビルがあるものと考えていけば、それまでの間、熱供給が安定的に行われていくのかどうなのかというのは、ビル更新をする人にとっては大変重要な問題だと思います。分散型供給エリアをふやしていくということでありますから、数カ所はコジェネを設けていく、増設していく、そして、今のように1カ所で大量の熱を送るものから順次切りかえていくということだと思います。そういうふうに変わっていくのであれば、およそであってもコジェネがいつ、どこに設置されると示されれば、ビル所有者にとっては、今の供給システムが使えなくなった後も新しいものがつながるのだなというふうに何となく思えて、接続も考えようかなというふうになると思うのです。しかし、そこが全く示されないならば、集中型の熱供給はいつか終わるだろうと思うようになると思います。  北2条西4丁目の三井JPビルにコジェネが入っておりますけれども、ああいう大きいビルが新たにつくられて、そして、そこにコジェネを設置するという計画が明らかであれば、そうしたら、そのビルも、そして近隣にも熱供給できるということになりますが、今後、果たしてそう都合よくいくかどうか、私はわからないことなのではないかと思います。ですから、当てにできないのではないかと思うのです。  コジェネの増設の必要性、設置場所についてお考えになっていることがあるのか、あればお示し願いたいと思います。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  都心におけるコジェネの増設の必要性と設置場所についてということでございます。  繰り返しになりますが、都心の自立機能の強化、低炭素化の推進にとりましてコージェネレーションシステムが非常に有効であるということはご理解いただけているのではないかなと思います。加えて、先ほど答弁させていただきましたとおり、既存の熱供給基盤を集中型の高温水供給から分散型の温水・冷水供給へ切りかえていく必要性から、コジェネの増設が必要と考えてございます。  設置場所についてでございますが、これは、先般、財政市民委員会におきましてエネルギーの検討状況の中間報告をさせていただいた際に、今現在、まだまとまり切っている施策ではございませんけれども、北1西1地区再開発事業、それから、現在検討中の北4東6地区再開発事業を先行のモデル事業としてコジェネ設置の検討を進めております。また、それ以外の今後のコジェネの設置につきましては、今現在検討を進めております都心エネルギー施策全体の中で、今後のエネルギー需要と民間開発の動向を見きわめながら検討する必要があるものと現段階では考えてございます。 ◆宮川潤 委員  北1西1とか北4東6とか、そこには設置できそうだなという感じは私も持ちますけれども、それ以外のところは今後の民間開発を見てということでありました。  私は、都心のエネルギー供給のあり方というのは、そのまちにとって重大な問題だ、大変大きな問題だと思います。こういう大きな問題は、極力、不安定要素を少なくして、将来にわたって確実な見通しを持って安定的に遂行していくことが必要だと思います。エネルギー問題は、実際には民間消費部門が大きなウエートを占めていると言っても、行政が主導しなければ進まないと私は思います。今後の熱供給のあり方、コジェネの設置の仕方などは、民間のビル建設や開発に依存するということではなくて、本市が主導するということで都心エネルギー施策が確実なものとなり、ビル所有者も安心して接続するのではないかと私は思いますけれども、いかがですか。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  民間のプロジェクトに依存するのではなく、本市が主導で進めるべきであるというご質問、ご指摘に対して、どう考えているかということでございます。  札幌市まちづくり戦略ビジョンにおきましても、環境エネルギーというのは今後10年の非常に重要な施策と位置づけております。この10年間の中で環境エネルギーを先導する形として、例えば公共主導もあるかもしれません。民間とパートナーを組んで実施していくこともあるかもしれません。これらは、今現在、検討を進めている都心エネルギー施策の全体の検討の中でその辺の動向も含めて明らかにしてまいりたいと考えてございます。 ◆宮川潤 委員  実際には、接続するかどうかを決めるのはビルの所有者の問題、供給は供給公社の問題であります。しかし、私は、市が強力な指導力を発揮しなければ都心のエネルギー施策というのは進まないと思います。民間の今後の開発とかパートナーを組んでというのが見えなければ、現実問題として、どこまで確保されるのか、どこまで熱供給が拡大されるのかというのは、どうも不安な感じがいたします。ぜひ、市が主導性を持って進めていただきたい、このことを申し上げて、質問を終わります。 ◆小倉菜穂子 委員  私は、都市計画マスタープランの見直しに向けた取り組み状況について伺います。  札幌市は、現在、都市計画マスタープランの見直しに向け、都市計画審議会の中に検討部会を設置し、これまでに3回開催しています。都市計画マスタープランは、言うまでもありませんが、少子高齢・人口減少時代の急速な進展や、3.11東日本大震災、それに伴って発生した福島原発事故を契機として、エネルギーなど、いわゆるパラダイムの転換が求められる、そうした課題に対応する必要性からまちづくり戦略ビジョンを受けて見直すこととなったものであります。  都市計画マスタープランは、時代の変化を見通し、適切、迅速に対応できるものでなくてはならず、これまで以上に市民や事業者がそれを十分に共有して、札幌のまちの魅力をより一層引き出すものにすべきと考えています。そのため、この間、都市再開発事業においては、子どもの生活環境への配慮の重要性が問題となったこともありまして、私ども市民ネットでは、第1定の代表質問において、マスタープラン改定に向けて、大人の参加だけでなく、子どもの意見をプランに反映させるよう求めました。しかし、まだ実施されてはおらず、見直しの取り組みもおくれているようであります。また、現在のプランが掲げている持続可能なコンパクトシティへの再構築という考え方は、これまでの外へと広がっていくまちづくりの概念を、市街地のスケールを現状程度に保ち、コミュニティーの再生や住みやすいまちづくりを目指そうとするものであり、その発想、考え方は、人口減少時代を迎えるに当たり、今後より一層重要になると考えています。  そこで、都市計画マスタープラン見直しに向けて、子どもや市民の参加はどのようになっているのか、あわせて、今後の見直しスケジュールについて伺います。  また、現行の都市計画マスタープランの基本理念であるコンパクトシティについては、今日的な動向も踏まえて、いかに推進していくかが見直しの大きな柱になると思いますが、検討部会における現段階での議論の進捗と方向性について、その状況を伺いたいと思います。 ◎三澤 都市計画部長  都市計画マスタープランの見直しに向けた取り組み状況についてのご質問でございます。  まず、都市計画マスタープランの見直しに当たっての市民や子どもの参加についてのご質問でございますが、市民に対しては、まちづくりに関するアンケート調査を9月下旬に実施し、現在、取りまとめを行っているところでございます。あわせて、アンケート回答者の中から希望者に参加していただきまして、今後の都市づくりに関するワークショップを12月に開催する予定としております。また、子どもに対しては、小学校を通じて年内に子どもアンケートを実施するとともに、1月に行われる子ども議会などにおきましても議題に取り上げていただくこととしております。  今後のスケジュールについては、平成27年度の早い段階で都市計画マスタープランの素案を固め、その後、27年度中に都市計画審議会へ説明し、意見をいただいた後、パブリックコメントにより市民からの意見も募集する予定でございます。  また、2点目の検討部会の進捗状況と議論の方向性についてというご質問でございますが、マスタープランの目標年次では20年先を見据えるということでございまして、これからの札幌らしさを生かしながら、都市全体と地域ごとの両方の視点から議論を重ねているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  今の答弁の中で私がきちんと理解できていなかったのかもしれませんが、コンパクトシティについての答弁はありましたか。 ◎三澤 都市計画部長  今、2点目の質問ということでお答えしたつもりだったのですけれども、コンパクトシティの考え方につきましては、新しい都市計画マスタープランにおきましても継承していくということでございます。さらに、どうあるべきかということにつきましては、繰り返しになりますが、都市全体がどうあるべきか、各地域ごとの特性をどうしていくか、両面から考えて議論しているところでございまして、結論めいたことは、まだ成案を得ていないものですからお答えできませんでした。 ◆小倉菜穂子 委員  コンパクトシティという言葉が出てくるかなと想像していたのですが、今の説明でわかりました。市民や子どもの意見については、今、スケジュールを伺いましたが、私も、今、都市計画審議会に委員として参加させていただいておりまして、その中で今年度に都市計画マスタープランの素案を策定するとお聞きしていましたけれども、平成27年度中ということで大分先になるのだなと思いました。アンケートとかワークショップに話が移りますが、近年、都市計画に関心が高く、また大変詳しい市民も多いですし、子どもたちの意見も重要ですので、皆さんの意見をしっかりと聞き取るところに力を入れて取り組んでいただきたいというふうに思います。  一方、検討部会の議事録を見てみますと、当然、委員からさまざまなご意見がありますけれども、例えば、原子力発電相当分の50%はほかの電源に転換を図るということを都市計画マスタープランの見直しに入れるのでしょうかとか、次の市の代表がそれに束縛されるのでしょうかといったようなご質問もございます。先ほどの説明で、私は計画策定が大分おくれると受けとめまして、次の市長のもとで策定していく段取りかなというふうに思っています。ただ、まちづくり戦略ビジョン策定によってマスタープラン見直しに至ったのでありますから、戦略ビジョン、エネルギービジョン、温暖化対策の実行計画などとの整合性は大変重要だというふうに思っています。  そこで、質問ですが、都市計画マスタープランの見直しは、これらエネルギー関連を担う計画との整合性を図ることが不可欠というふうに考えますけれども、その点について改めて確認したいと思います。  また、この間、都市計画審議会においては、皆さんのご記憶にも新しいと思いますけれども、結論に至るまでに時間を要した北九条小学校にかかわる再開発事業であるとか、都心の緑の保存と土地の高度利用の関係性がテーマとなった伊藤邸の案件などがありました。これらは、都心部において子どもが健やかに育つ環境や緑の保全と都市開発の整合をどのようにとるのかといった今後のまちづくりにおける重要なテーマを示すものであったと考えています。  そこで、質問ですが、今申し上げたこの間の議論やこうした視点を都市計画マスタープランの見直しにしっかりと反映させるべきと考えますが、どのように認識し、そして、どんなふうに生かしていくのか、あわせてお伺いいたします。 ◎三澤 都市計画部長  他の計画と都市計画マスタープランの整合性についてのご質問でございます。  都市計画マスタープランの見直しに当たりましては、委員のお話にありましたとおり、まちづくり戦略ビジョンやエネルギービジョン、地球温暖化対策推進計画など、エネルギーに関する計画を踏まえて低炭素型のまちづくりを推進するための施策を検討していく予定でございます。  また、委員がご指摘の都心部において子どもが健やかに育つ環境や緑に関する環境についてでございますが、都市計画は、都市生活と都市活動との調和を図り、土地の合理的な利用を図るためのものでございます。そこで、都心部などにおける都市開発に対しましては、今後とも、この都市計画の目的を踏まえて、用途地域や地区計画などといった土地利用計画制度を適切に運用し、良好な市街地を形成していくことが肝要かと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  エネルギー関連の計画と整合を図ることを確認させていただきました。札幌市も、そしてたくさんの市民もかかわりながらつくってきた、つくっている計画でありますので、今お話しのように、しっかりとマスタープランの基盤に据えていただきたいなと思っています。  私は、都市計画審議会に委員として参加した中で、北九条小学校や伊藤邸の議論がとても印象深かったものですから、今お話がありましたように、土地利用の関係の中でバランスをとりながらということだと思いますけれども、ぜひ生かしていっていただきたいなと大変強く思っています。  最後になりますが、エネルギーなどの議論は、時間もまだ大分ありますので、これからになっていくのかなと思っていますが、そんな中で何よりも確実なのは高齢化への対応だというふうに思っています。そこで、そのことについて、公共交通の観点から伺います。  高齢者、また障がいのある方の推移と全人口に占める割合に関して札幌市がつくった資料がありますが、近年、どちらも増加傾向にありまして、2012年を見ますと高齢者が約21.2%、障がいのある方は約6.4%となっています。まちづくり戦略ビジョンにもありますように、これから高齢者の割合がふえていくことは明らかですが、そういう中で障がいのある方の外出頻度もほぼ毎日の人が5割以上と年々増加しておりまして、こうした傾向は望ましいことだと受けとめています。  これまで以上に誰もが安心して生活をするためには、私は、バリアフリーのまちづくり、とりわけ公共交通機関に関するバリアフリー化が大事だと思っています。公共交通については、現在の都市計画マスタープランの中でも公共交通ネットワークという考えのもとに示されておりますので、さらに積極的に進めていただきたいと思っています。例えば地下鉄駅であれば、この間、エレベーターの設置が進んでいますけれども、1カ所だけではなくて2カ所必要だという声とか、また、雨の日や雪の日に車椅子を利用する方にとってはエレベーターが設置されている入り口の近くに車をとめる場所がないとか、JR駅については、危険な踏切を渡らなくても済むように駅の両側にエレベーターを設置すべきというように、地下鉄やJR駅そのものやその周辺の使い勝手の改善を求める声がたくさんあります。そうしたことから、公共交通の結節点やその周辺において、高齢者や障がい者の視点に立ち、誰にとっても安心な、さらに質の高いバリアフリー化を進めていただけるように、現行のプランに位置づけている以上にそんな視点を前面に押し出していただきたいと思います。  そこで、高齢者や障がいのある方が安心して生活ができるまちづくりを進めるためには、公共交通の使い勝手のよさがプランにおける大きな柱になる、また、していただきたいというふうに思いますが、今後、プランにおいて、JRや地下鉄駅におけるバリアフリー化を初めとする公共交通機関の利便性の確保に向けて、都市計画マスタープランの見直しではどのような方向性で考えているのか、その点について伺います。 ◎三澤 都市計画部長  高齢者がふえる中で、都市計画マスタープランにおける公共交通の考え方についてのご質問でございます。  都市計画マスタープランの見直しにおきましては、過度に自動車に依存せずに、高齢者や障がい者を含めて、誰もが歩いて暮らせるまちづくりを重要なテーマの一つとしております。また、環境負荷低減の観点からも、身近な範囲に生活利便施設などが配置され、自分が住んでいるところから目的地までの移動のしやすさや、駅とその周辺での移動のしやすさをいかに高めていくかということなどについて、部会でも議論があり、検討を進めているところでございます。さらに、平成24年に策定されました総合交通計画では、公共交通を軸とした利便性の高い交通体系の実現を掲げておりまして、都市計画マスタープランの見直しにおきましてもこのことを踏まえるとともに、地域交流拠点などにおける地域のまちづくりを検討する際には、土地利用に関する検討と交通施策に関する検討を密接に連携させて取り組んでいくべきものと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  今お話があったように、公共交通については、これからまだまだ議論があるかと思いますが、積極的に取り組みを進めていただきたいと思っています。  まちづくり戦略ビジョンのほうには、共生社会の実現ということも掲げられています。高齢者や障がいのある方、誰もが暮らしやすいまちづくりに向けて、ソフト面での取り組みを充実することは大切です。しかし、ハード面から考えても、この間、バリアフリーについては取り組みが進んできているとは思いますが、そもそも健常者優先で一気につくってきた都市を、再度、見直す機会でもあるというふうに考えています。マスタープランの見直しの検討部会のとき、20年先を見通すのは大変難しいといったご発言が委員からたくさんありまして、本当に容易ではないと思いますが、しっかりとした議論を重ね、平成27年度に向けて取り組みを進めていただきたいと思います。 ◆飯島弘之 委員  私からは、我が会派で従来から主張してまいりました丘珠空港の活性化につきまして、ことし実現いたしましたFDA、フジドリームエアラインズのフライトの観点からお伺いさせていただきます。  今定例会の代表質問におきまして、我が会派の小須田議員から、丘珠空港の防災機能などが強化され、さらに、民間航空会社の定期便やチャーター便が今以上ふえることに賛成するか否かという質問に対しまして、生島副市長が賛成であるという答弁をされたところであります。私も、丘珠空港の活性化、ジェット化につきましては、平成19年の初当選以来、一貫して主張し、初めての代表質問においても質問させていただいておりますが、当時は、本市の丘珠空港活性化に対する姿勢というのは、はっきり申し上げまして、前向き、積極的というにはほど遠い状況であります。ましてや、ジェット機の就航などにつきましては議論を避けているような印象を持ったものでありました。その意味では、さきに述べました生島副市長の答弁はまさに隔世の感があり、本市の姿勢は本当に変わったなと、この点は大変評価させていただいているところでございます。  さて、ことし6月28日から9月20日の間の毎週土曜日に、フジドリームエアラインズ、FDAは、小型ジェット機による13往復のチャーター便を運航いたしました。私は、昨年の第3回定例市議会の代表質問に立ち、この計画が具体化する前の段階でFDAは本格的なチャーター便の運航を目指していることを指摘させていただき、札幌市としてどのような対応をとるのか、質問させていただいたところであります。その際、地元に対する丁寧な説明や情報提供を行っていくとのお話でありまして、本市は、その一環として、ことしのFDAのフライト、運航に合わせて、丘珠空港の周辺で騒音調査を行っております。また、昨年7月7日の丘珠空港で行われたテストフライト、11月16日に丘珠空港において行われた実証飛行、このフライトには、私も、私の自民党会派の議員、そして公明党の議員の多くの皆様方も搭乗しておりますが、その際にも騒音測定を実施しており、それぞれの結果について、財政市民委員会において私から質疑させていただき、答弁は環境基準を超えていないというものでありました。そして、本市は、今回の13往復のチャーター便運航に合わせて空港周辺での騒音調査を行っております。  そこでまず、第1点目の質問でありますけれども、ことしのFDAのチャーター便の騒音調査の結果はもう出ているとお聞きしておりますが、どのような結果だったのか、お伺いいたします。 ◎岡部 空港担当部長  今年度の騒音調査の結果についてでございます。  今年度は、6月28日から9月20日まで、毎週土曜日、1日1往復、FDA、フジドリームエアラインズの小型ジェット機によるチャーター便が運航されましたが、札幌市では、8月2日土曜日から8月9日土曜日までの8日間、空港周辺の8カ所で騒音調査を行ったところでございます。その結果は、昨年と同様に、航空機単体の騒音としてはFDAの小型ジェット機のほうがHACのプロペラ機よりもやや大きいという結果となりましたが、1日1往復、2便のフライトではいずれの地点におきましても環境基準値を超えるものではなかったことが確認できたところでございます。具体的な数値といたしましては、空港近くで航路直下の2カ所で比較いたしますと、丘珠公園では環境基準値57デシベルに対して測定結果が51デシベル、百合が原公園では環境基準値62デシベルに対して測定結果が53デシベルでございました。  これら各測定地点における騒音測定結果は、今後、市役所ホームページ、地域への回覧板などを通じてお知らせしてまいりたいと考えております。 ◆飯島弘之 委員  FDAの小型ジェット機の騒音調査では、丘珠空港周辺の全地点で環境基準を下回るというお話でございます。昨年のフライトと同じ機種でありますから、昨年の調査から大きな変更、結果の違いはないのだろうと予想しておりましたけれども、今の結果をお聞きして改めて安心いたしました。  私は、地域の生活環境への配慮は十分に必要だというふうに思いますけれども、小型ジェット機が飛んでも環境基準を下回るのであれば、小型ジェット機の運航を通じて、丘珠空港の活性化、さらには、それを札幌市全体の経済や観光の発展につなげていくべきであろうと考えております。  また、最近報道されておりますが、YS−11以来、半世紀ぶりとなる国産初のジェット旅客機である三菱航空機のMRJについて、私は、丘珠空港の活性化に大きな可能性をもたらすものであると議会において発言してきましたけれども、先日公開されて、いよいよ初飛行の段階まで来ております。  我が会派では、ことし4月16日にこのMRJの製造工場がある愛知県の三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場を視察し、三菱航空機の川井社長、貞井工場長に直接ご案内、ご説明をいただきまして、そして、この飛行機が丘珠空港の1,500メートル滑走路延長での離着陸に関して性能的に問題ないとお聞きしてきました。また、騒音も、従来のジェット旅客機に比べて低いと言われております。さらに、皆様方もご承知のとおり、日本航空並びに全日空もこのリージョナルジェット、MRJを発注済みでありますし、このたび、HACが日本航空の完全子会社になったというタイミングでもございます。このように、FDAの小型ジェット機によるチャーター便が丘珠空港で運航され、国産初のリージョナルジェット機の開発が進んでいる現状を踏まえて、札幌市民の意識もますます大きく変わってきているのではないかと思うところでもあります。  そこで、2点目の質問でありますが、ことしのFDAのチャーター便運航に合わせて丘珠空港でアンケート調査を行ったと聞いておりますけれども、どのような結果であったのか、お伺いいたします。  また、昨年同様、アンケート用紙には丘珠空港について自由に記載できる欄があったようでありますが、アンケートの自由記載のご意見の内容はどのようなものであったのか、あわせてお伺いいたします。 ◎岡部 空港担当部長  2点のご質問でございました。  まず、アンケートの結果についてでありますが、札幌市では、FDAのチャーター便運航日に合わせて、毎週土曜日に空港ビルでアンケートを実施したところでございます。アンケートの回収数が全体で56件ございましたが、小型ジェット機の騒音、排気ガス、安全性のいずれの項目におきましても、8割以上の方々から「気にならない」もしくは「安心」との回答をいただいております。  次に、自由記載欄のご意見についてでありますが、回収数56件のうち、自由記載欄にご記入いただいたものが30件ございました。一番多かったご意見は路線の拡大を求めるものが8件、次に、FDAへの期待に寄せられたものが5件、騒音の拡大などに対して懸念をお持ちのご意見が4件などとなっているところでございます。 ◆飯島弘之 委員  今のお話で、8割以上の方々がFDAの小型ジェット機の騒音や排ガスは気にならない、安全性についても心配していないという結果でございました。中には騒音への懸念などを心配されている方もいらっしゃるということですから、引き続き、不安を取り除くよう丁寧な情報提供をお願い申し上げたいと思います。  ただ、自由記載のご意見で一番多いのが路線の拡大という結果を見ても、多くの方は、小型ジェット機をもっと活用して丘珠空港が便利になることを望んでいるのではないかと思います。私自身も、近くて便利な丘珠空港から、道内各地に加えて、道外の主要都市、例えば東京とか、FDAのお膝元である静岡、名古屋に行けるとなれば、どんどん利用していきたいと思うわけでもあります。  そこで、質問でありますが、現時点では来年度のFDAのチャーター便運航に向けた取り組み状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。 ◎岡部 空港担当部長  来年度のFDAのチャーター便運航に向けた取り組み状況についてでございます。  札幌市では、FDAの本社を7月に訪問し、来年度以降、札幌市民でも利用できるようなチャーター便の運航について要請してきております。その際、来年の夏のチャーター便の運航計画が決まるのは来年2月ごろとのことでございまして、それまでの間は定期的にFDAと協議の場を持つこととなったところでございます。そうした中で、札幌市では、今月、再度、FDA本社を訪問して改めて要請を行ったところであり、また、その後、FDAからも来札いただいており、現在、前向きに協議を進めているところでございます。 ◆飯島弘之 委員  先ほど申し上げましたが、丘珠空港の活性化、さらには、それを札幌市全体の経済や観光の発展につなげていくためには、まずはFDAのチャーター便が来年度も運航されるよう、私も期待しております。
     そして、ことしの搭乗率ですが、9割以上であったと聞いております。もし、来年度もFDAのチャーター便が運航されるならば、ぜひ便数も増便していただいて、もっとたくさんのお客様に乗っていただき、丘珠空港のポテンシャルが高いことを明らかにする必要があるのだろうというふうに思っております。  ことしのチャーター便のお客様は、向こうからいらっしゃったお客様を空港でおろし、石狩湾新港から豪華客船に乗せて全道を回るというツアー客でありますから、札幌市民など一般の方々が乗って行き来しているわけではありません。今のご答弁にあるように、札幌市民の皆さん方にもご利用いただくには便数をふやすことが必要だろうと思いますので、そのための取り組みをどうぞよろしくお願いしたいと思います。また、空港や観光、シティプロモートなどを所管する部局が一体となって丘珠空港をPRしていく施策も必要なのだろうと思いますので、あわせてお願いしたいと思います。  実は、先日、私ども自民党札幌市支部連合会で、各区並びに各種業界団体から平成27年度札幌市予算編成等に伴う政策要望のヒアリングをする機会がありまして、それぞれの要望を聞かせていただきました。そのうち、丘珠空港を抱える東区の政策要望において上がってきたのは、丘珠空港活性化に伴うジェット化及び滑走路の延長であります。その詳細はここでは申し上げませんが、地元の意識も大変高まってきております。どうか、丘珠空港活性化は、今後、本市としてしっかり取り組んでいただくことを要望させていただきます。  最後に、先日、生島副市長よりお手紙をいただきました。副市長からお手紙をいただくことはめったにないものですから、緊張して開封させていただきましたところ、9月25日開催の臨時株主総会及び取締役会において、札幌丘珠空港ビル株式会社の社長にご就任されたというご挨拶状でありました。  そのご挨拶状の中には、社業の発展に努力するという言葉が記されておりました。丘珠空港の発展、活性化なくして空港ビルの発展もないわけであります。そこで、本市の副市長、そして丘珠空港ビルの社長としてのお立場で、今後の丘珠空港の活性化、発展に向けた副市長の今後のビジョン、展望、お考えをお聞きして、私の質問を終えます。 ◎生島 副市長  私は、ことしのFDAのチャーター便就航というのは、丘珠空港にとりまして本当に貴重な一歩を記したものというふうに考えております。したがいまして、短期的に言いますと、来年度に向けて、FDAのチャーター便が一歩前進したわけでありますから、これが後退することがないように、また、より進めることができるように頑張っていくのが当面の課題かなというふうに思っております。  将来的なことは、いろいろな方がいろいろなことをおっしゃっていますので、それはそれでお任せするとして、まさしく、飛行機あっての飛行場、飛行場あっての空港ビルということですので、そういうことに向けて一生懸命に努力したいと思っております。ぜひ、丘珠空港ビルをご利用いただきたいというふうに思います。 ◆桑原透 委員  私からは、本年8月1日に施行となった都市再生特別措置法の改正に伴う札幌市の対応について質問いたします。  この法律の改正は、国土交通省の資料などによると、地方都市では拡散した市街地で急激な人口減少が見込まれる一方、大都市では高齢者が急増すると見込まれていることが背景となっています。実際に、拡大した市街地のままで人口が減少することになれば、医療、福祉、商業などといった生活サービス施設が成立しなくなるとともに、公共施設やインフラの維持・更新費用の増大などにより地方公共団体の財政が圧迫される可能性が指摘されています。また、高齢者の急増により医療や介護の需要が急速に拡大し、これらの施設が大幅に不足することが懸念されています。こうしたことから、医療、福祉、商業などの都市機能や居住機能を集約したコンパクトなまちづくりを目指すために、都市再生特別措置法の一部が改正され、市町村は立地適正化計画を策定することが可能となったところであります。  そこでまず、1点目の質問ですが、立地適正化計画とはどのようなものなのか、その制度概要についてお伺いいたします。 ◎三澤 都市計画部長  立地適正化計画の制度概要についてのご質問でございます。  立地適正化計画につきましては、居住機能や医療、福祉、商業、教育、文化などの都市機能について、適正な立地誘導を図ることを目的として市町村が策定する計画であり、都市計画マスタープランの一部となるものでございます。この計画におきましては、居住機能及び都市機能の立地の適正化に関する基本方針を定めるとともに、市街化区域内の特定の区域を居住誘導区域と都市機能誘導区域として定めることになっております。また、都市機能誘導区域では、医療、福祉、商業、教育文化施設などのうち、その区域に誘導すべきものを誘導施設としてそれぞれ設定するとともに、それらを誘導するために市町村が講じる施策などについても定めることとなっております。  なお、市町村が講じる施策の一例といたしましては、民間事業者による誘導施設の整備に対する支援、施設用地としての公有地の活用などが国土交通省より示されております。 ◆桑原透 委員  今の答弁にあったように、立地適正化計画において都市機能誘導区域を市街化区域内の区域に定めて必要な機能の誘導を図るということでありました。これまでは、本市の都市部においては、都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域が指定され、容積率などの緩和が可能となる都市再生特別地区や、都市の国際競争力強化に向けた補助制度である国際競争拠点都市整備事業などを活用してきました。また、都市再生緊急整備地域内での補助率のかさ上げがある都市再生整備計画事業などの補助制度を活用しながら都市整備を推進してきたと認識しております。  そこで、2点目の質問ですが、本市が立地適正化計画を策定した場合のメリットについてお伺いいたします。 ◎三澤 都市計画部長  立地適正化計画の計画策定に伴うメリットのご質問でございます。  民間事業者に対して国が直接補助を行う都市機能立地支援事業、あるいは、社会資本整備総合交付金の新たな補助メニューである都市再構築戦略事業などが創設されておりまして、立地適正化計画の策定を条件としたこれらの補助事業制度などを活用することが可能となります。また、これらの新たな補助事業制度以外にも、計画策定によりまして、都市再生整備計画事業あるいは市街地再開発事業などにおける補助率のかさ上げや事業採択要件の緩和が受けられることとなっておりまして、都市開発事業を推進する上で財政的に多くのメリットがあると認識しております。 ◆桑原透 委員  立地適正化計画の策定により、通常よりもさまざまなメリットを有する補助事業制度などが用意されていることを理解いたしました。まちづくり戦略ビジョンの戦略編では、これからの都市空間を創造するための基本目標として、持続可能な札幌型の集約連携都市への再構築を進めることが掲げられています。その上で、地下鉄駅周辺などに居住機能と生活を支える多様な都市機能を集約するとともに、公共交通を中心とした交通ネットワークの維持・向上に取り組むことで、誰もが安心して歩いて暮らせる効率的でコンパクトな都市を目指すこととされています。また、現在見直し作業中の都市計画マスタープランにおいても同様の方向性で議論が進められているところでございます。  そこで、3点目の質問ですが、戦略ビジョンの基本目標を実現し、今後の都市づくりを推進していくためには、財政的に多くのメリットがある立地適正化計画の策定に向けた検討を進めることが極めて重要であると考えますけれども、計画策定の予定についてお伺いします。  あわせて、都市機能誘導区域がどのような区域設定になるのか、お伺いいたします。 ◎三澤 都市計画部長  立地適正化計画の策定予定についてでございます。  先ほど述べましたように、立地適正化計画の策定によりまして多数の補助事業制度の活用が可能となりますことから、今後、必要な都市整備が進み、戦略ビジョンの目標実現につながるものと考えております。こうしたことから、立地適正化計画の策定に向けた検討を進めることといたしまして、平成27年度をめどに都市計画マスタープランと立地適正化計画を同時に策定することとしたいと考えております。  また、都市機能誘導区域の設定でございますが、基本的に都心は誘導区域に定めることを想定しておりますけれども、その他の拠点などの地域についても、現在の都市機能の集積度合いとか立地動向を加味した上で検討を進めていきたいと考えております。さらに、計画策定に当たりましては、区域設定以外にも、誘導施設の設定、それを誘導するために市町村が講じる施策の検討など整理すべき事項が多数ありますことから、これらについても、関係部局とも調整を図りながら、計画策定に向けた検討を進めていきたいと考えております。 ◆桑原透 委員  要望します。  本市においても、人口減少と急激な少子高齢化を背景として、高齢者や子育て世代にとって安心で快適な生活環境を実現することがまちづくりの課題であると認識しています。特に、開発時代の古い郊外の住宅においては、人口減少と少子高齢化が一層進んでいくものと考えます。都市機能を中心部に集積することは大変重要でありますが、一方で、郊外部における人口減少、少子高齢化にも対応したまちづくりについても、都市計画だけでは解決できない部分もあることから、各部局の施策を総動員するぐらいの形で進めていく必要があると指摘して、質問を終わります。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、都心のまちづくりについて質問いたします。  質問は2点予定していますので、各委員の皆様のご協力をお願いいたします。  最初の質問は、創成東地区のまちづくりについてです。  札幌市は、これまで、平成32年を目標年次とする札幌市基本構想と、平成12年に策定した第4次札幌市長期総合計画に基づき、まちづくりを進めてきました。しかし、札幌市を取り巻く社会経済情勢が計画策定時の視点を超えて大きく変化してきていることを踏まえて、平成25年2月に今後10年間の新たなまちづくりの基本的な指針となる札幌市まちづくり戦略ビジョンのビジョン編を策定し、今後の目指すべき都市像を掲げ、市民、企業、行政の取り組むべきことを明記するとともに、同年10月、ビジョン編の実現に向けて主に行政が優先的、集中的に取り組む戦略編を策定したところであります。  こうした経過を踏まえ、持続可能な札幌型集約連携都市への再構築を目標に、これまでの都心まちづくり計画の見直しも含めた検討が進められております。今後の都心まちづくりにおいて忘れてはならないエリアとして創成東地区があると思います。札幌のまちづくりは明治初期から始まり、創成東地区はものづくりの拠点として発展しましたが、その後、札幌駅前通に基盤整備と都市機能が集積され、現在に至る都心構造が形成される過程で、同地区は、都市の拡大と工業機能の郊外化が進む中、都市の成長から立ちおくれ、取り残されてきました。今後、同地区の潜在能力を高めるには、居住機能と生活を支える多様な都市機能を集約することなど、都心における豊かでにぎわいのある新たなエリアを創設する上で非常に重要な地区であると言えます。先ほど触れた札幌市のまちづくり戦略ビジョンにおいても、都心でありながら低・未利用地が多いなどの課題を抱える同地区の再生を図るために、ここの土地の機能重視、そしてまた、利便性の高いまちづくりを推進することが掲げられております。  同地区のエリアは、東西は創成川通から東8丁目まで、南北は北8条から国道36号線まで、連合町内会では東北連町と東連町となっております。同地区に関して振り返ってみますと、平成元年、東北地区地区更新計画等で約20年間にわたりまちづくりの可能性を模索してきましたが、具体的な方向性が見出されませんでした。現在、都心のまちづくりは、平成14年の都心まちづくり計画で定めた4軸3交流拠点から成る具現化が進められております。  平成23年1月に、同計画を補完する都心まちづくり戦略において、創成川以東地区は、これからの都心まちづくりにおける重点地区として位置づけられております。これにより、同年、学識経験者等による創成川以東地区まちづくり会議が設置され、昨年5月、同地区のまちづくり構想が札幌市に提言されております。市民まちづくり局は、同構想を受け、これからの方向性を示した創成東地区まちづくりの基本的な考え方を取りまとめていると思います。  以前に説明を受けた際に、同地区の将来像として、私なりに思ったことは、高度な都市機能を集積しながら、同地域に居住した人々が共通の価値観を持ち、人間性豊かな地域社会の再生をまちづくりの理念として掲げているのではないかと感じたところであります。私は、このような将来像を実現していくためには、同地区の都市空間の中に多様な用途、機能を取り込むことにより、多様な人々が集まり、多様な活動を促進し、その人々の潜在能力を最大限活用することが重要と思います。そのためには、現段階から、地元居住者や事業者の方々とまちづくりの方向性を共有しつつ、地域と一体となった取り組みを行っていくことが必要不可欠と言えるわけであります。  そこで、質問でありますが、創成東地区のまちづくりについて、現在どのような取り組みをしているのか、また、今後どのように進めていくのか、伺いたいと思います。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  創成東地区のまちづくりに関して、現在どのような取り組みを行っているのか、また、今後どのように進めていくのかという観点のご質問でございます。  創成東地区につきましては、委員がご指摘のとおり、地域住民はもとより、地元の企業、事業者などのさまざまな主体が連携・協働して進めることが非常に重要であると私どもも考えているところでございます。このため、今年度から地域参加型のまちづくり勉強会を開催いたしまして、当地区が目指す将来像やその実現に向けた取り組みなどについて継続的な議論を進めていくとともに、将来的にはこの勉強会をまちづくり組織の組成につなげていきたいと考えているところでございます。これに加えまして、まちづくりの知見を有する大学との共同研究事業といたしまして、今年度、札幌市立大学と当地区の住民等が、ワークショップを通じてまちづくりの具体的な手法などを検討する取り組みも並行して進めております。  このように、創成東地区まちづくり計画については、地域と一体となった取り組みと並行して、現段階で平成27年度末に策定予定の都心全体の計画である都心まちづくり計画の見直しとあわせて一体的な計画として策定していきたいと考えているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  今後、勉強会の開催や札幌市立大学の知見を活用した取り組みをしながら進めていきたいということでした。  次の質問は、創世交流拠点についてであります。  創成東地区の発展、活性化を図っていく上では、創成川の西側市街地とのつながりを強化し、駅前通周辺から人々を引き込むことが必要と言えます。例えば、札幌の重要な都市軸となっている大通を中心として景観的な連続性をつくり出し、歩行者が移動する空間の充実強化が都市の魅力とにぎわいを東側に拡大していくような取り組みを進めていくべきだと思うわけであります。  この実現に当たっては、創成川の東西をつなぐ場所に位置し、都心再生のかなめとなる創世交流拠点の役割が大変重要になると考えており、民主党・市民連合はそのまちづくりの重要性を繰り返し主張してきました。さきの代表質問において、創世交流拠点に関して、地域に集積する歴史資産、観光資源、例えば時計台、大通公園、テレビ塔、創成川公園や、近々着工する予定の北1西1の市民交流複合施設などを最大限活用した札幌のシンボルともなるまちづくりを実現していくことの必要性、その際、大通西2丁目にあるNTT東日本が所有している土地や、その周辺街区を含めて考えていくことの必要性について指摘してきたところであります。  そこで、質問でありますけれども、創世交流拠点については、この場所固有の歴史資産、観光資源を生かし、また、駅前通から創成東地区へとつながる都市空間をつくり出すなど、札幌の都市としての魅力、付加価値をさらに向上させるようなまちづくりが必要と言えるわけでありますが、この点についてどのように認識しているのか、また、どのように進めていこうとしているのか、伺いたいと思います。 ◎高森 都心まちづくり推進室長  創世交流拠点のまちづくりについてのご質問でございます。  創世交流拠点のまちづくりを進めるに当たりましては、拠点内にございます大通公園、時計台の魅力をさらに高めていくこと、駅前通と大通が交差する大通交流拠点から創成東地区までを連続させ、大通と一体となった札幌を象徴するような都市空間を創出することが必要であると考えているところでございます。  また、この実現に当たりましては、創世交流拠点の核とも言える大通西1丁目、2丁目街区を中心といたしまして、隣接する大通西3丁目あるいは大通東1丁目の両街区などの関係地権者にも連携を働きかけながら、一体的に検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  大通と一体となった空間を有効活用していきたいという趣旨であります。先ほどの答弁にもありましたように、平成27年度末までに見直す都心まちづくり計画の中でそうした取り組みが具体化されると思いますので、今回は幾つか要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。  今後、都心のさらなる魅力や活力の向上、拡大に当たっては、都心まちづくり計画で位置づけられている四つの骨格軸と三つの交流拠点の目標像をどのような形で実現するかが大変重要と言えると思います。このうち、駅前通や創成川通、そして大通交流拠点は着々と取り組みが進められ、その効果もあらわれてきていますが、今後さらにその効果を拡大し、波及させる必要があると思います。その一つとして、駅前通を中心とした都心のにぎわいや活用を創成東地区周辺などにどのように波及させていくかも重要な視点であり、これから本格化する創世交流拠点や札幌駅交流拠点における取り組みが非常に大事なものとなります。現在進められております都心まちづくり計画の見直しに当たっては、ぜひ、こうした視点も念頭に置き、広い視野を持ちながら検討するよう要望して、質問を終わります。 ○細川正人 委員長  以上で、第4項 都市計画費中、市民まちづくり局関係分の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月30日木曜日午後1時から、子ども未来局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後7時33分...