委 員 宮 川 潤 委 員 小 形 香 織
委 員 伊 藤 牧 子 委 員 松 浦 忠
委 員 木 村 彰 男
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開 議 午後1時
○林家とんでん平 委員長 ただいまから、第二部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、猪熊委員からは、欠席する旨、届け出がございました。
それでは、議事に入ります
最初に、第2款 総務費 第2項 市民生活費のうち関係分及び議案第24号 札幌市都市公園条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。
◆本郷俊史 委員 私からは、
市民交流複合施設のうち、高機能ホールについて質問したいと思います。
市民交流複合施設については、平成19年に
市民交流複合施設検討委員会が設置され、平成20年3月にあり方に関する提言、20年10月に基本計画の策定を経て、25年5月に
市民交流複合施設整備基本計画が策定されました。現在、間もなく基本設計が終了するということで、平成26年度に実施設計を行い、26年度末にいよいよ工事が始まり、29年度の竣工、平成30年の供用開始となっております。
平成25年策定の整備基本計画における整備目標は、札幌における多様な文化芸術活動の中心的な拠点、多くの人が交流する場、高質な芸術文化に触れられるとともに、さまざまな都市文化を育む場とすることを目指し、主に次の活動を展開できる場と機会を確保する、その中で、高機能ホールの整備方針は、高水準かつ大規模な舞台芸術を初めとするさまざまな分野の公演が可能な場をつくり出し、札幌の舞台芸術の振興、質の向上を図る、必要施設として十分な広さの舞台、約2,300席の客席などとなっていて、平成19年からこれまで議会においてもさまざまな議論がなされてまいりました。その中で、ホールが高層階にあることに対する不安の声がございました。
そこで、初めに、確認も含めて質問をしたいと思います。
全国的に見ても、札幌と同様に高層階に大規模なホールを持つ施設があると思いますけれども、全国の事例がどのようになっているか、具体的に施設名、階数、客席の規模等をお示しください。
2点目として、当然、これらの施設は、構造、防災協定など、建築基準法や消防法などの関連法規をクリアして建てられております。高層階にホールを設置することに対する安全対策がどうなっているのか、今回の札幌の複合交流施設も含めてお伺いしたいと思います。
◎西野 調整担当部長 高層階にありますホールの事例と安全対策についてお答えいたします。
まず、高層階にホールがある全国の事例についてでございますけれども、
市民交流複合施設につきましては、3階以上がホールとなっており、5階に舞台を設置する計画となっております。全国の高層階にある同規模のホールの事例といたしましては、まず、東京渋谷の複合商業施設であるヒカリエにあります
シアターオーブは、舞台階が13階で客席数は約2,000席でございます。そのほか、以下、舞台階で申し上げますと、東京池袋にあります東京芸術劇場の
コンサートホールが7階でございまして約2,000席、それから、八王子にあります
八王子市民会館は、オリンパスホールというネーミングですが、そこは5階で、立ち見席を含めて約2,000席でございます。そして、昨年4月にリニューアルオープンいたしました大阪市の
フェスティバルホールは4階で2,700席という大規模な事例がございます。これら高層階にありますホールにつきましては、他の施設との複合化を図ることによって魅力ある施設計画が実現されまして、まちづくりに非常に効果を上げているところでございます。
なお、札幌市内で申し上げますと、規模が少し小さくなりますが、道新ホールの8階の700席、共済ホールの6階の650席という事例もございます。
次に、ホールの安全対策についてですが、緊急時の避難動線につきましては、設計に当たりまして、委員がご指摘のとおり、各種法令にのっとることはもちろんでございますけれども、火災時等の災害時に利用者全員が安全に避難できる
シミュレーションを行いまして、その安全性能に対する国土交通大臣の認定を受けた
全館避難安全検証法によりまして安全性を確保していく予定でございます。
全館避難安全検証法につきましては、最近建設されました
東京渋谷ヒカリエの
シアターオーブとか
大阪フェスティバルホールでも同様の手続を経ており、実際に高層階のホールとして運営をしておりますが、これらの施設と同様に高い安全性を確保したホールとなるように設計を進めてまいりたいと考えております。
なお、通常時の観客動員につきましても、入退場がスムーズにできますように、エスカレーター、エレベーター、階段の動線をわかりやすくバランスよく配置することによりまして利便性と安全性を確保できるよう、総合的に検討してまいりたいと考えております。
◆本郷俊史 委員 今、答弁がありましたように、安全性ということに関しては、やはり市民の関心が高いこともございますので、ぜひ、丁寧な説明といいますか、広報をしていただければと思います。
次に、今回整備される高機能ホールは、道内初の多面舞台を擁する施設でございます。多面舞台を活用することによって、これまで道内では見ることができなかった本格的なオペラやバレエなどの舞台芸術を鑑賞することができることはもちろん、舞台機能の充実により多様な演出の舞台芸術が可能になります。財政状況も考慮しなければなりませんが、札幌市民にとっても、また、広く北海道民にとっても貴重な財産となる施設でございます。完成後、50年以上利用することを考えれば、中途半端なものではなく、本格的な舞台芸術を公演するために必要な整備はしっかりするべきであります。あわせて、長期的な視点での整備も必要です。
私ども会派としても、全国の先進事例を調査、視察してまいりました。
神奈川県立劇場は、最大の売りはホールの可変性で、客席も含めていろいろなバリエーションがありまして、芸術監督は演出家の宮本亜門氏です。そして、びわ湖ホールは、本格的な4面舞台で、関西オペラの拠点施設でございます。
その中で、舞台上の設備や大道具の搬出入、楽屋のあり方など、バックヤードの留意点なども含めて多岐にわたってアドバイスを受けることができました。例えば、楽屋は大変重要である、出演者がまたここでやりたいと言ってくれることで次の営業につながる、ホテルよりもよい環境で、リラックスできて役者がベストを出せる楽屋、ソファーも横になれるようなもの、洗面もボールが広く、シャワーヘッドも必要、床材や造作も木質系であることなど、あるいはまた、洗濯機は2槽式、洗濯と脱水を同時にやる必要がある、衣装は最後に返ると言われるほど洗濯物が多いなどなど、貴重なアドバイスをいただきました。これらについては、原局にもお伝えしております。また、文化部においても多くの施設を調査してきていると思います。これらの調査の成果をしっかりと設計に反映されるよう取り組んでいただきたいと思います。
そこで、質問ですけれども、多様な演出が可能な多面舞台を整備するには、しっかりと専門家の意見や他都市の先進事例を参考にして設計に生かす必要があると思います。どのように反映しているのか、お伺いいたします。
2点目に、他都市の多面舞台を擁する施設では3面、4面のところが多いのですが、今回の札幌のホールは現在の設計では2面半程度となっております。本格的なバレエやオペラなどの舞台芸術が可能な設計になっているのか、あわせてお伺いいたします。
◎西野 調整担当部長 専門家等の意見の設計等への反映とか、現計画における本格的な舞台芸術が可能かどうかという2点についてでございます。
まず、多面舞台に関する専門家の意見とか先進事例の設計への反映についてです。
これまで検討の中で、国内外で活躍されている舞台監督とか、照明、音響などの舞台の専門家、さらには、新国立劇場を初めとして、
兵庫県立芸術文化センターとか、今、委員からもご指摘がありましたびわ湖ホールなど、積極的な劇場運営を行っております先進施設の事例とかアドバイスなど、委員からも頂戴してございますが、これらのものをいただいているところでございます。
具体的には、例えば、多面舞台のあり方とかホワイエ、楽屋のあり方、さらには、今もご指摘がありましたとおり、各種動線計画に反映しているところでございます。さらに、近年は、映像を使った多様な演出がふえていること、照明機器については、ちょうどLEDに移っていくような状況にあることや、ライトの向きとか色、明るさなどを遠隔操作でコントロールできるムービングライト、こういうものが主流になってきていること、また、つり物の機構についても、現在、非常に多様化してきておりまして、つりバトンというものがありますが、何トンつれるか、何百キロつれるかとか、そういった荷重についても従来のものでは足りなくなってきているというような情報も聞かせていただいております。
したがいまして、委員のご指摘にありましたとおり、完成後、50年以上使用していくホールとなりますので、長期的な視点に立ちまして、こういった動きにも十分対応できる構造とか設備を備えた施設となりますよう、引き続き、専門家や先進施設のアドバイスを十分に取り入れながら検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、現計画の中で本格的なオペラやバレエなどの舞台芸術が可能かどうかということでございます。
当ホールにつきましては、主舞台に加えまして、上手にもう1面の舞台を確保しているほか、下手側と主舞台の奥に十分なスペースを確保してございます。特に、主舞台の奥のスペースにつきましては、他都市の事例調査とか専門家からのヒアリングを踏まえまして、本格的なオペラやバレエの公演に十分に対応でき、さらに、先ほども若干申し上げましたが、主舞台の奥から映像を投影するリアプロジェクションも使えるようにして、今までの市内のホールではできなかった多様な演出が可能な幅と奥行きを確保するよう計画しているところでございます。これらの舞台周りのスペースは、本格的なオペラ、バレエはもちろんでございますが、他の舞台芸術におきましても、多様な演出や速やかな舞台転換、多数の出演者の迅速な入れかえ等を可能にする非常に有効な空間として、本市の舞台芸術の振興に大きく寄与するものと考えておりますので、引き続き、検討を進めてまいりたいと思います。
◆本郷俊史 委員 交流複合施設もいよいよオープンといいますか、完成が見えてきていまして、平成30年の供用開始ということでは開館まであと5年を切っている段階ですので、しっかりと準備を進めていただきたいと思います。
高機能ホールは、多様な舞台演出が可能ということで、単に旧
北海道厚生年金会館の大ホールを受け継ぐということではなく、本格的な舞台芸術の鑑賞の場として、
札幌コンサートホールKitaraのように世界に誇れる施設として整備していただきたいと思います。特に、オペラは演劇、音楽、美術の総合芸術であり、札幌の文化芸術全体の向上につながるものと期待しております。
ただし、オペラなどの制作を一施設で行うことは非常に負担が大きいことから、びわ湖ホールや
神奈川県民ホールなどでは共同制作をしております。例えば、その連携に札幌市も加わるなど、他館との連携事業などについても検討すべきと考えます。また、
兵庫県立芸術文化センターでは、芸術監督に佐渡 裕氏を配置して事業展開をしております。そのほかにも、プロデューサーや
アドバイザー等に自主事業の企画・運営にかかわっていただくなど、仕組みはいろいろあります。重要なことは、施設の事業をどのように展開していくかについて、運営体制や費用対効果も含めてしっかりと検討することだと思います。
オペラなどを
オープニングイベント、こけら落としで行うとなれば、準備には相当な期間が必要です。また、その
オープニングイベントの成否が施設の評価を高めるとともに、施設をPRする事業として非常に重要になります。そのためには、開設準備室の設置や、その準備室の中に市の課長クラスの職員が入って情報提供や意見の集約、本庁との連携を図るなど、しなければならないことはたくさんあります。早急に検討し、しっかりと準備をしていただきたいと思います。
そこで、質問ですけれども、
オープニングイベント、こけら落としについてどのように考えているか。
2点目として、開館までの検討体制を含めて、今後のスケジュールについてどうなっているか、伺います。
◎西野 調整担当部長
オープニングイベント、また、開館までの検討体制、それから、今後の
スケジュール等についてのご質問でございます。
まず、
オープニングイベント、こけら落としについてでございますが、こけら落としにつきましては、委員がご指摘のとおり、施設の魅力向上とかPRに非常に重要な事業でありますことから、すぐれた舞台芸術の公演はもちろんのこと、市民に親しまれる施設になるよう、市民参加型の事業なども、先ほど共同制作の事例もございましたが、他ホールの事例を参考にしながら検討していく必要があるものと考えております。
今後のスケジュールとしては、先ほど委員からもご指摘がありましたとおり、平成26年度内に実施設計を終了して、工事に着手し、29年度の竣工、30年度の開業予定となっております。その間の検討体制については、まず、平成26年度は、管理職の配置も含めて、業務増に応じた職員配置を行う予定でございます。その上で、事業計画とか運営体制などの管理運営計画の基本的な方針をことしの秋ごろまでにまとめてまいりたいと考えております。そして、この基本方針に基づきまして、平成30年度の供用開始に向けた
オープニング等の事業計画、それから、開館後も見据えた専門家等の配置などの運営体制につきましてしっかりと検討を行い、
市民交流複合施設が札幌の文化芸術の拠点となりますよう取り組んでまいりたいと考えております。
◆本郷俊史 委員 この交流複合施設、特に高機能ホールの完成は、札幌市の芸術文化の振興にとどまらず、新たな集客施設としても期待されます。例えば、
兵庫県立芸術文化センターでは、平成24年度実績で、年間来場者数約74万人のうち、県外からの来場者はその4割に上っております。上演される演目にも影響すると思いますが、当然、札幌においても周辺あるいは道内ということが考えられます。さらには、新幹線開業を見据えれば、東北地方からの集客も考えられまして、
まちづくり戦略ビジョンでは平成35年までに年間来客数を1,300万人から1,500万人にする目標を掲げております。
私ども会派として、一昨年、札幌市の魅力向上に寄与する文化芸術事業の一層の推進を図るよう求める要望書を、
調査計画報告書とともに市長に提出いたしました。高機能ホールでのオペラやバレエの舞台芸術の公演などは新たな札幌の魅力、観光資源となりますことから、今後も文化芸術をしっかり観光にも生かしていただきたいと考えますが、最後に、
可児観光文化局長にこの点についてお聞きいたします。
◎可児 観光文化局長 文化芸術の観光資源としての活用についてでございますが、札幌市は、ご存じのように創造都市の取り組みを進めているところでございまして、この実現には文化芸術が大きな力になると考えているところでございます。札幌市は、既に世界レベルの教育音楽祭に成長いたしましたPMFとか、お話しにありましたように、世界的に評価の高いKitara、あるいはサッポロ・シティ・ジャズの取り組み、そういった文化芸術に関する施設やイベントが数多くございまして、このような取り組みが、昨年、ユネスコの
創造都市ネットワークの加盟につながったものでございます。これに今のお話にありました
市民交流複合施設の高機能ホールが加わることになりまして、本格的なオペラやバレエを身近に鑑賞できる環境になることは、札幌が都市としてのブランドを一段と向上させることにもつながりまして、本当にすばらしいことだというふうに考えているところでございます。
ご指摘のように、札幌市は、10年後の観光客を1,500万人にするという目標を掲げておりまして、
市民交流複合施設の完成はこの達成に大きく貢献するもの、そういうふうに考えております。札幌の文化芸術の新たな魅力を国内外に広く発信して、多くの観光客に来ていただくようしっかりと取り組んでいきたい、そういうふうに考えているところでございます。
◆小形香織 委員 2012年7月に出された
中央体育館建設基本構想で、
中島体育センターについて、新たな中央体育館の建設に合わせて機能の統合についても検討が必要と記載されておりますので、
中島体育センターとそれにかかわる新中央体育館について質問したいと思います。
私は、2012年の
決算特別委員会で、
中島体育センターを廃止することありきで進めてはならないということを求めております。
中島体育センターは、そもそも2010年の事業仕分けで廃止を含む見直しとされた施設ですけれども、他の区体育館と同じように多くの市民に利用されていると私は認識しております。
中島体育センターの過去5年間の利用者の推移、実績について、全区の体育館などの推移とあわせてお示しいただきたいと思います。
◎西田 スポーツ部長
中島体育センターの利用者数の推移について、まずお答えいたします。
5年間の推移ということでございましたので、まず、平成20年度は9万6,800人、平成21年度は9万1,167人、平成22年度は9万4,781人、平成23年度は9万9,024人、平成24年度は10万2,729人ということで、ここ5年間で約6.1%の増加となってございます。
次に、スポーツ部で所管いたします体育館といたしまして、10区の体育館と美香保体育館の利用者数の合計の推移についてお答えいたします。
11施設の体育館全体で利用者数は、平成20年度は約156万人、平成21年度は約159万人、平成22年度は約160万人、平成23年度は約163万人、平成24年度は約163万人で、ここ5年間で約4.5%の増加となってございます。
◆小形香織 委員 次に、新中央体育館のことについて伺いたいのですが、当初、基本構想を出した2012年7月の段階では、延べ床面積が1万平米程度と出されておりました。現在は、どのような検討になっているのか、検討の内容や延べ床面積をどのぐらいにしようとお考えなのか、そのことについてお示しいただきたいと思います。
◎西田 スポーツ部長 新中央体育館の検討の内容と延べ床面積についてでございます。
新中央体育館は、1階に武道室、相撲室、ボクシング室などの諸室を配置し、2階にはバスケットボールやバレーボールができる競技室を配置し、3階には観覧席を配置する計画でございます。
延べ床面積についてでありますが、平成24年7月の建設基本構想では、委員からお話がありましたとおり、延べ床面積を1万平方メートル程度というふうに想定しておりましたけれども、競技規則に合った広さを確保することなど、競技団体からの要望などに配慮いたしまして、現在、延べ床面積1万4,000平方メートル程度の建築規模を想定して検討を進めております。
◆小形香織 委員 最初にお聞きした区体育館の利用実績を聞いても、それから、今、伺った新中央体育館が当初よりも少し広目にしていくという話を伺っても、私は、全体として、スポーツをやっている、スポーツに親しむ市民というのがふえているし、また、ふえているから、当初の予定よりも中央体育館を広くしなければいけないことになっているのだと思うのです。そういう意味で、今回、新中央体育館をつくるということは、私は、とてもニーズが高まっている中でつくられるもので、そして、
中島体育センターは廃止する理由などないのではないかというふうに思っています。
最初にお話ししましたように、当初、
中島体育センターは廃止を含む見直しをしていくというのが2010年の事業仕分けの段階でしたけれども、現在の
中島体育センター利用者がそのまま全て新中央体育館のほうに移行していくのか。私は、それは無理だというふうに思っていますが、どのような
シミュレーションをされているのか、現在の
中島体育センターの利用者が新中央体育館をどの程度利用するだろうと予測されているのか、その辺の検討状況、予測状況を伺いたいと思います。
◎西田 スポーツ部長
中島体育センターから新中央体育館への利用者の移行についてでございます。
新中央体育館では、大会の開催や、現中央体育館が担っている機能のほか、トレーニング室の整備など、
中島体育センターが担ってきた市民利用ができる機能を確保するよう計画を進めてございます。ただし、どの程度の利用者が
中島体育センターから新中央体育館に移行するのかといった推計はしてございません。
◆小形香織 委員 推計していないということです。私は、やっぱり、役割も違うし、この5年間の推移を見てもスポーツへのニーズが高まっているという点で言うと、机上で足し算して、こっちをなくしてその分が全部こっちに入りますというような予測はそもそもできるものではないというふうに思います。観光文化局が市民のスポーツへの意識を高めて、そして、その機会を保障するという仕事を十分にやっていけばいくだけ、スポーツニーズというのは相乗的に高まっていくだろうと思うのです。
事業仕分けが出されたときに、事業仕分けに対する市民の意見が出されておりますのでご紹介いたしますけれども、例えば、
中島体育センターについては、料金も安く、システムや先生もすばらしい、ぜひ続けるべき、学校開放だけでは不足する、それから、
中島体育センターは利便性が高く利用者も多い、こういうふうに言っていますね。それから、中央体育館の基本構想が出されたときにも、この構想に対する市民意見として、
中島体育センターとの機能統合という構想があるが、身近なところでスポーツをできる
中島体育センターは重要であり、住民の健康増進のため、
中島体育センターをなくさないでほしい、こういう声が出されております。
私は、こうした市民の声をしっかり受けとめるべきだと思いますが、これらの声をどう受けとめておられるのか、伺いたいと思います。
◎西田 スポーツ部長
中島体育センターの事業仕分けを初めとした利用者意見に対する認識についてでございます。
平成22年度の事業仕分けで出されました廃止を含む見直しという結果につきましては、パブリックコメントの中で125件の意見が寄せられまして、そのうち124件が反対の意見でありました。こうした結果からも、
中島体育センターを残してほしいという利用者の意見が多くあることは認識しておりますので、
中島体育センターの見直しについては慎重に検討していく必要があるというふうに考えております。
◆小形香織 委員 125件のうち124件が残してほしい、廃止は反対だという声だったというご答弁でしたね。
そもそも、私たちは、事業仕分け自体が間違った手法だということは何度も議会で指摘をさせていただきました。この事業仕分けでは、
中島体育センターについてどんな議論だったのか見せていただきましたけれども、
中島体育センターは目的が現状の課題やニーズを反映していないから廃止を含む検討をすべきだ、こう言っているのですね。私は、これはどういう意味なのか、今読んでもさっぱりわかりません。
中島体育センターが体育室や格技室やトレーニング室を用意しているのに、それが現状の課題やニーズを反映していないということそのものは、全く廃止しなければならない理由になっていないというふうに思うのです。今までのご答弁の中で、ニーズはとてもあって、それに応えている一つの施設であることははっきりしているわけです。最初のご答弁で、
中島体育センターの利用者は6.1%ふえているわけです。だから、全く理由にならないことを理由にして廃止しようとしているとしか言いようがないなと思っております。
2010年10月の
決算特別委員会で、我が党の井上委員が
中島体育センターについて質問しております。そのときに、高田スポーツ部長はこう答弁されているのです。多くの存続要望が寄せられたことによりまして、札幌市のスポーツ振興のためには重要な施設であることを改めて認識いたしましたと答えておられるのです。そして、最後のところでは、「所管部といたしましては、両施設ともに」、両施設というのは、もう一つ別の宮の沢競技場のことですが、「両施設ともに多くの方にご利用いただいておりますので、必要な見直しは行った上で、存続させていく方向で検討してまいりたい」と、こういうふうにも答えているわけなのです。私は、やはり、これは重要であると認識されて、存続の方向で検討したいと言っているのだから、廃止はあり得ないと思っています。
中島体育センターを利用する市民と合意せずに廃止してはならないと私は考えておりますけれども、その点についていかがか、伺いたいと思います。
◎西田 スポーツ部長
中島体育センターの利用者の意見を反映した上での存廃というご質問かと思いますけれども、
中島体育センターにつきましては、先ほど来お話がありますとおり、多くの利用者がいらっしゃることから、存廃に当たりましては、今後の利用者の動向、さらには市民ニーズの状況、今後の施設改修に係る費用などを総合的に判断して、施設のあり方について慎重に検討してまいりたいと考えております。
◆小形香織 委員 新しい中央体育館は、公式試合ができるような施設にしていくということでした。公式試合をできる施設がふえれば、スポーツというのは本当に盛んになっていくと思うのです。一生懸命に個人練習などをして、腕を磨いて試合に臨むわけです。そのときに、公式試合はできるけれども、練習する場所がないということはあってはならないと思うのです。個人利用も多く、そして、スポーツ指導者も養成しているという特徴のある
中島体育センターは、やはり、新中央体育館ができたからといって廃止していいというものではないと思いますので、これを残すことを強く求めまして、質問を終わりたいと思います。
◆こんどう和雄 委員 私から、札幌国際芸術祭についてと、さっぽろ天神山アートスタジオについて、この2点を質問いたします。
最初に、札幌国際芸術祭についてお尋ねいたします。
いよいよ第1回札幌国際芸術祭が本年7月19日から9月28日の72日間にわたりまして開催されます。メーン会場としては、北海道立近代美術館、札幌芸術の森美術館、さらには、札幌駅前通地下歩行空間、略してチ・カ・ホでございます。あと、北海道庁赤れんが庁舎、札幌市資料館、モエレ沼公園など、市内各所で多彩に展開されて開催されるということで、多くの参加型プログラムも実施されます。そして、先週の3月13日には、坂本ゲストディレクターが出席のもと、東京で記者発表が行われました。展示作品やプログラムの内容や参加アーティストらについても発表されたと伺っております。
たまたまきょうが3月19日ですから、開催まであと4カ月しかありません。その4カ月を考えますと、この発表も決して早いものではないのではないか、果たして芸術祭の準備が本当に順調に進んでいるのか、私も我が会派もこの辺が不安でございます。
そこで、質問でありますけれども、札幌国際芸術祭の開催準備の進捗状況についてお伺いします。
また、坂本ゲストディレクターと札幌市が目指している芸術祭の基本方針というのがありますが、それと展開方針が見事に一致しているのかどうか、その辺をお伺いいたします。
それから、芸術祭のような大きな事業は多くの予算を投入されますから、どうしても成功させなければいけません。やっぱり、舌をかんでもやっていかなければいけないと思います。そのためには十分な準備期間が不可欠であることは当然で、先ほど言ったとおりです。ただ、担当部が配置されたのは開催年の2年前でして、一昨年の4月からだと果たして十分な準備期間があったのだろうかということを疑問に感じている次第であります。
そして、私も、会派の人たちと神戸と瀬戸内の芸術祭、さらにあいちトリンエンナーレ――立派な公式ガイドブックで、それぞれ1冊1,260円でございます。当然、こうやって公式ガイドブックなども発行しなくてはいけないわけであります。
そこで、もう一つ質問ですが、芸術祭の開催準備期間については十分であり、十分に考えて今日まで来たのだという考え方でよろしいのかどうか、お伺いいたします。
◎小田垣 国際芸術祭担当部長 開催準備の進捗状況についてでございます。
この3月13日に記者発表を行わせていただきまして、芸術祭に参加するアーティストの展示作品、そして、プログラムなどについて発表させていただいたところであり、開催準備は予定どおり進んでいるところでございます。今後は、チケット販売や、委員がおっしゃいましたガイドブックの発行、各イベントの準備など、最終段階の作業を進めてまいりたい、かように考えているところでございます。
次に、坂本氏と札幌市の目指している基本方針や展開方針が一致しているのかということでございます。
坂本氏の上げるテーマは「都市と自然」であり、21世紀の札幌、北海道の自然、都市のあり方を模索するものとして、本芸術祭では創造性を育むプログラムが多数展開される予定でございます。これは、創造都市さっぽろの理念と一致するものであり、札幌市の目指している基本方針、展開方針にも一致していると考えているところでございます。
最後に、開催準備期間について十分であったのかというようなことだと思いますが、札幌市として初めての事業であり、かつ、多様な芸術分野を扱い、また、公共空間での展開も数々あることから、通常の展覧会以上に各種の調整に時間を費やしておりますけれども、残り4カ月余りとなりまして、7月19日の開催に向けて全力で取り組んでいきたいと考えております。
◆こんどう和雄 委員 全力で取り組むというご答弁がございましたので、大変ですけれども、ぜひともその思いで頑張っていただきたいなと思っております。
次に、芸術祭の事業展開について質問いたします。
芸術祭においては、国内外から多くのアーティストが札幌に来られます。オープニングの出席を初めとして、私の地元の南平岸にあるさっぽろ天神山アートスタジオを使って、ここに滞在しながら作品を制作したりプログラムへ参加をするなど、地域の方あるいは札幌市民の皆様と触れ合う機会がこれから多く発生しますので、私は、本当に画期的な話だなと楽しみにしておりますが、市民のアートに対する関心を深めるために最も重要なことだと思っております。
そこで、来札を予定している国内外のアーティストはどのくらいの人数になるのか、お伺いいたします。
次に、国際芸術祭のメーン会場について質問いたします。
北海道立近代美術館と札幌芸術の森美術館の2館でありますが、まちの中心にある近代美術館と比べると、南区の芸術の森美術館は、市内中心部から地下鉄真駒内駅、さらにはバスを乗り継ぐというアクセスであります。車で行ったとしても、交通渋滞などがあって着くまでに非常に大変です。また、地下鉄からバスの乗り継ぎがわかりづらいです。そこで、地下鉄真駒内駅などで、芸術の森で国際芸術祭をやっていますよということをどういうふうにPRするか、どうしても一つ工夫をしていただきたい。そうしないと、土地カンのない観光客の方は、会場にたどり着くまでにもっと大変なご苦労があるのではないかと予想しております。また、利便性を考えますと、市民の多くは自家用車でのご来場も予測されますが、石山の陸橋を渡ったら渋滞になることが考えられ、たどり着くまで大変な労力がかかるし、ガソリン代もばかになりません。せっかく芸術祭を楽しもうとご来場される方に水を差すようことになったり、会場に着くまでの苦労とか渋滞によって不快感を与えてしまったら、何のための国際芸術祭なのかということになると思います。何らかの対応が必要ではないかと思われます。
そこで、質問です。
芸術の森美術館へのアクセスの課題についてどのような対応を考えているのか。
この二つの質問項目は、ともに前回の平成25年1定で私みずから質問していますが、そのときはまだ1年前のことでございましたけれども、きょうは明確なご回答をお願いいたします。
◎小田垣 国際芸術祭担当部長 まず、芸術祭の事業展開についてでございます。
来札を予定している国内外のアーティストはどのくらいかということでございますけれども、この芸術祭においては、現在、国内外から40から50名程度のアーティストが参加する予定でございます。委員がご指摘のとおり、市民とアーティストが触れ合うことは、市民のアートに関する関心を深めるためにも非常に重要なことと考えております。したがいまして、多くのアーティストの方々にトークイベントやワークショップに参加していただくなど、市民との触れ合いを呼びかけてまいりたい、かように考えてございます。
次に、芸術の森美術館へのアクセスの課題の対応についてでございます。
まず先に、渋滞の対策についてお答えいたしますが、この芸術祭自体が環境負荷低減の取り組みをしていることもあり、基本的には、公共交通機関の利用を積極的に働きかけてまいります。そのため、ホームページやインフォメーションセンターにより、その利用法について十分周知を図ってまいりたいと考えております。さらに、北海道立近代美術館と札幌芸術の森美術館のアクセスにつきましては、観光客や高齢者、子ども連れの方々にもご負担なくごらんいただけるよう、シャトルバスの導入についても検討していきたいと考えております。
◆こんどう和雄 委員 ただいま、部長のご回答では、アーティストが40名から50名ということで大変にぎにぎしく開催されるのかなと思っている次第です。それから、アクセスもシャトルバスということで、今からそういう改善を考えていくという力強いご答弁がありましたことを確かに受けとめております。
次に、先ほど、芸術祭の期間中に、参加アーティストのほとんどに札幌に来ていただくよう呼びかける予定だということがわかりました。芸術祭開催までの準備期間の活動場所、市民アーティストとの交流の場として、さっぽろ天神山アートスタジオがあります。私の地元の平岸2条17丁目の天神山緑地、約1万9,400坪の中にぽつんと建っておりますが、非常に緑が多く、桜の満開時は最高で、アートにふさわしい場所かなと思っております。また、滞在して芸術祭の作品を制作するためにはどうしても必要な場所でありますが、私としては、札幌のアーティスト、それから、もちろん札幌市民との交流の場とするためにも、さっぽろ天神山アートスタジオの早期開館が待ち望まれていることは皆様と一致していると思います。
そこで、さっぽろ天神山アートスタジオの使用開始のスケジュールについて、待ちに待っているわけでありますが、そのことについてお伺いいたします。
◎小田垣 国際芸術祭担当部長 さっぽろ天神山アートスタジオの使用開始までのスケジュールについてでございます。
現在、施設の改修工事を行っているところであり、3月末までには終了する予定でございます。また、施設の運営管理業務及び警備・清掃業務については、4月中旬ごろの契約締結を目指して準備を進めているところでございます。施設の使用開始時期につきましては、契約後1カ月程度の準備期間が必要と考えておりまして、5月下旬の開館となる見込みでございます。
ただし、桜の開花時期である5月上旬ころより、1階共用部分のトイレなどの一部を先行して開放したいと考えておりまして、地域の方々にはいち早く親しんでいただきたい、かように考えている次第でございます。
◆こんどう和雄 委員 今の部長のご答弁では、最終的に5月下旬がぎりぎりの選択であるということです。私が一番心配しているのは、7月ですから、制作期間が2カ月あるのかどうかとなります。私はアーティストでなくて普通の市民ですから、なかなか芸術について考えるのはちょっと疎いのですが、やはり、早く滞在してアーティストの方が制作活動をできるようにと、これは相手に対するおもてなしですからね。その辺は、ご苦労ですけれども、早期に準備を完了するようにこれからも頑張っていただきたいなと思っている次第です。
そして、交流スタジオ、交流サロンなど、また、2階は滞在スタジオということで13室は泊まれますので、天神山アートスタジオが非常ににぎやかになりますし、周辺の方々とも、あそこを地元の宝物にしたいと、そういうことを皆様と既に話し合っているところであります。
そこで、今度は、現在の施設の運営についてです。運営する業者の選定を行っていることはお知らせいただいてわかっておりますが、制作を行うアーティストを誘致して市民との交流にまで結びつけるためには、運営会社に滞在型制作に関する知識を持ったキーマンが必要であり、そういう業者を選定することが望ましいし、重要であると私は考えております。
そこで、質問ですが、運営する会社、業者の方はどのような基準で選定していくのか、また、このスタジオは指定管理者制度の導入を考えているのか、お伺いします。
さらにまた、さっぽろ天神山アートスタジオを運営していくためには、アーティストと市民、地元住民をつないでいく事業展開が欠かせません。責任者かマネジャーみたいな方が誰かいて、やっぱり、地元に住んでいるような気持ちでセールスをしてもらわなければ、すばらしい天神山アートスタジオはうまく運営できないのではないかと。私はそこまで言い切れる自信を持っています。ですから、本当にマネジャーみたいな方が一番重要な鍵を握ると思うのですが、平成26年度予算として計上している3,920万円について、事業費とか維持管理費等の内訳をお伺いいたします。
◎小田垣 国際芸術祭担当部長 まず、施設運営について、運営業者の選定基準でございます。
施設の管理運営及びアーティストの誘致や市民とアーティストの交流に関する業務、業務実績、また、その人材を含めて体制が整っているのか、広報活動も含めた企画能力があるかなどを選定の基準としているところでございます。
次に、指定管理者制度の導入についてでございます。
当施設の運営については、札幌では初めてとなる、アーティストが滞在制作をしながら市民と交流をするアーティスト・イン・レジデンス型の施設でございまして、その運営の特殊性から、供用開始後、当面は市の直営で行う必要があると判断したところでございます。指定管理者制度の導入につきましては、その運営状況を見ながら検討してまいりたい、かように考えてございます。
次に、平成26年度予算事業費、維持管理費の内訳についてでございます。
施設の運営に関する予算につきましては、内訳は、アーティストと市民、地元住民をつなげていく、いわゆるアートマネジャーの事業費として800万円、警備・清掃・保守管理費1,900万円、その他光熱水費等で1,220万円となってございます。
◆こんどう和雄 委員 さっぽろ天神山アートスタジオについては、アーティストの滞在型作品制作や市民とアーティストとの交流の場として位置づけられております。これを利活用していくためには、地域住民の方々の協力、そして、もちろん理解が何よりも重要であります。
天神山緑地は南平岸地区にあります。私は再三申し上げておりますけれども、地域のまちづくりに貢献している南平岸地区町内会連合会、それから、各単位町内会、地元の平岸商店街振興組合、さらには、まちづくりを一生懸命やっていてデザインアートコースを持っている平岸高校――ここはすぐれ者の生徒がたくさんいて、いずれアートを志す物すごく優秀な方たちです。全道からアート作品の制作の申し込みがありまして、顧問の先生が余りにも多過ぎて勉強に支障があるから断っているぐらい、平岸高校のデザインコースの生徒は立派で優秀な方たちです。さらには、平岸小学校、平岸高台小学校、東山小学校、平岸中学校などたくさんの小・中・高がありますので、そこに協力していただかない手はないのではないかと思います。そういうことで、地元の皆さんは期待を大にしており、アーティストの方がいつ来るのか、そして、私たちは何をやるのかということまで言っていただいています。こっちのほうは準備ができていますので、あとは、ご苦労ですけれども、ぜひとも地元の人のために期待に応えていただきたいなと思っております。
そこで、これらの地域の方々にしっかりと説明していただいて、ぜひとも一緒にやろうではありませんかと協力を求める、そして、一部はもう既にやっていると思いますけれども、丁寧に要望を聞いて、何としても取り組んでいただかなければいけないと思うので、現在までの取り組み状況をお聞かせいただきたいと思います。
また、施設の事業についても、例えば、地域との共催イベントの実施、地元の小学生を対象としたイベント、または、平岸高校のデザインアートコースの学生の活動に対してスタジオに滞在するアーティストに協力をいただくなど、私は魅力あるさまざまなメニューができるのではないかと考えます。
そこで、質問になりますけれども、地域の協力を得ながら事業を進めていく考えはあるのか、また、地域にどのような形で情報を発信していくことを考えているのか。
私が前にも言ったのは、南平岸地区のまちづくりセンターに大柿所長がいまして、私に相談してくださいという話をしたら、所長もやりますということで非常に動いていただいている次第です。そういうことなので、お伺いいたしました。
◎小田垣 国際芸術祭担当部長 現在までの地域との取り組み状況についてでございます。
工事着工前の概要説明として、南平岸町内会連合会、そして、まちづくり協議会のいきいき南平岸、南区連合町内会会長連絡協議会に参加し、説明を行うとともに、2月には南平岸町内会連合会、3月には平岸高校を訪問させていただき、施設の具体的な使用方法や地域との協力関係について意見交換を行ったところでございます。今後も、地元商店街や小・中学校などを訪問し、引き続き地域との協力関係の構築に向けた取り組みを続けてまいりたいというふうに考えてございます。
次に、地域の協力を得ながら事業を進めていく考えはあるか、そして、地域にどのような形で情報発信を行っていくのかということについてでございますけれども、さっぽろ天神山アートスタジオで行うべき事業をより効果的に展開するためには、地域の方々の協力が不可欠であると考えているところでございます。したがいまして、情報発信につきましては、地域での情報の集約や発信機能を果たしているまちづくりセンターを活用し、各種イベントなどの情報を定期的に発信するなど、地域との円滑な関係が構築できるよう努めてまいりたいというふうに考えてございます。
◆こんどう和雄 委員 最後に、陣頭指揮をとっていただいております可児局長にお伺いさせていただきます。
芸術祭のご担当の皆さんには、非常にご苦労をいただいているところでございまして、一生懸命に頑張っていただいて、持ち場、持ち場でそれぞれご奮闘いただいております。国際芸術祭はもちろん失敗は許されませんが、先ほどから口を酸っぱくして言っているように、私は、地元のさっぽろ天神山アートスタジオの失敗は二度と許されないということを心に決めております。なぜかというと、4億5,442万円で平成元年に立ち上がった建物を、余りにもずさんな経営をして平成20年に潰した経緯がございます。これがアートスタジオとしてまたよみがえる、生き返るということですから、地元の熱意というか、地元の期待は物すごく強いものがございます。そして、前は17年間の稼働実績で、維持管理費が何と年間平均で6,100万円かかっていたのです。今度は、ご承知のとおり、3,900万円、約4,000万円ですから約4割減で維持管理していくという考え方で、これからいろいろな努力をしていくという強い思いはわかりました。
そういう中で、先ほど言ったようなメニューはたくさんありますけれども、本当に派手さは要らないのですよ。地域の方に受け入れられる宝物だと言っているわけですから、その辺について、局長として、陣頭指揮をとられていて、このアートスタジオ、それから国際芸術祭をどのような思いでやっていくのか、そして、最後によかったねという思いになることができるのか、お話を伺って終わりたいと思います。
◎可児 観光文化局長 天神山アートスタジオでございますが、これは、委員がご指摘のとおり、天神山国際ハウスとして活用された後、長い間、閉鎖されておりました。それを、今回、まさにアートの力をかりて復活させると、そういった意味では、本当に創造都市の取り組みとして非常に重要な位置づけになろうかと思います。
ご指摘のように、そのあり方については、本当に地域の方と一緒に組み立てていく、そして、世界中から来られたアーティストが、アーティスト・イン・レジデンスということでこの場で創作活動をする、さらに、その人たちと地域の方が一緒に交流していく、それが札幌の新たな創造性を高める、そんなふうに市民を育んでいくことにつながっていけばいいなと考えますので、そういうことを目指してしっかり取り組んでいきたいと思います。
◆中村たけし 委員 私からは、札幌芸術の森が展開しているジャズの種プロジェクトについて質問いたします。
一昨年、2012年第3回定例市議会での我が会派の代表質問で、私から、サッポロ・シティ・ジャズに関連して、札幌・ジュニア・ジャズスクールの今後の展開について質問しました。そのとき、上田市長は、答弁で、今後は、札幌だけでなく、道内各地でジャズスクールの仕組みを普及させることにより、子どもたちの元気と活発な交流を通じて活気にあふれる地域づくりに寄与していきたいという旨の考えをお示しになりました。この考えは、札幌市
まちづくり戦略ビジョンに明記されている道内市町村との連携と魅力創造の一環であって、上田市長が常々おっしゃられている、北海道の発展なくして札幌の発展はないという考えに沿ったものだというふうに思います。
その後、たびたび新聞紙上で札幌・ジュニア・ジャズスクールの活躍ぶりを伝える記事が掲載されるようになりまして、私も大きな関心を持ち、期待して注目しているところです。こうした報道の中で、子どもたちのジュニア・ジャズスクールを道内各地に広げる取り組みを、札幌芸術の森ではジャズの種プロジェクトというふうに名づけておりまして、スタートの年となる今年度は、後志管内の倶知安町と十勝管内の広尾町で子ども向けのジャズワークショップを開催したという特集記事を拝見しました。
そこで、質問ですけれども、ジャズの種プロジェクトの今年度、2013年度の取り組みの内容はどのようなものであったのか、まず、お伺いします。
◎杉本 文化部長 ジャズの種プロジェクトの今年度の取り組みの内容についてのご質問でございます。
ジャズの種プロジェクトは、札幌・ジュニア・ジャズスクールと同じく、育成・普及活動の一環といたしまして、ジャズの楽しさを道内各地の子どもたちに広げることを目的として、平成25年度に倶知安町と広尾町で活動を開始したところでございます。芸術の森で活動している札幌・ジュニア・ジャズスクールの育成で培ったノウハウを生かしまして、まず、昨年春から、参加者や協力者の募集を進め、プロのジャズミュージシャンを講師としてそれぞれのまちに派遣いたしまして、小・中学生を対象とするジャズワークショップを重ねてまいりました。新年度からは、さらに地域の方々が運営主体となったジュニア・ジャズスクールとして本格的に始動していく運びになってございます。
それから、札幌、倶知安、広尾の子どもたちは、昨年末に芸術の森で合同練習を行ったほか、2月22日に開催された札幌・ジュニア・ジャズスクールの卒業ライブにおきまして、倶知安町と広尾町の子どもたちもゲスト出演をして交流を深めたところでございまして、ジャズの種プロジェクトは、ジャズの育成、普及だけではなくて、三つの地域の子どもたちの音楽を通じた交流の場ともなっているというふうに認識してございます。
◆中村たけし 委員 倶知安、広尾、札幌で三つの地域の子どもたちの交流の輪が広がっていることは大変いいことだというふうに思います。
札幌では、毎年、サッポロ・シティ・ジャズが盛大に開催されております。そして、西区の琴似ではコトニジャズというものが2010年から開催されて、地下鉄琴似駅のコンコースで聞くことができたりして、また、Kitaraなどの音楽ホール、また、薄野などにある飲食店でも本当に質の高いジャズが演奏されています。そういったジャズのまち札幌が、道内の他の市町村のジャズスクールの創設や活動を行い、これを育てていく、まさにジャズの種をまいていく試みであるというふうに思います。私としては、学校とは一味違う音楽活動の体験機会を道内の子どもたちに提供することは、本当に大変意義深いというふうに考えております。このような取り組みを単年度の事業として単発に終わらせずに、継続的かつ段階的に拡大していっていただきたいというふうに思います。
そこで、質問ですけれども、ジャズの種プロジェクトの2年目となる来年度、2014年度はどのように取り組んでいかれるのか、具体的な内容についてお伺いします。
また、このプロジェクトは、子どもたちを主人公とする取り組みではありますけれども、各地域でジャズスクールを立ち上げることになりますと、活動にかかわっている大人たちとの交流や連携が鍵になると思われます。ジャズの種プロジェクトの初年度の活動を踏まえて、各地域のキーマンとなっている方々との連携についてどのように認識されているのか、あわせてお伺いします。
◎杉本 文化部長 まず初めに、平成26年度における取り組みの内容でございます。
平成26年度は、25年度に開設いたしました倶知安町や広尾町以外に、2カ所程度の市町村におきまして新たにジュニア・ジャズスクールの設立を支援していきたいというふうに考えてございます。それから、25年度にジャズスクールが発足いたしました倶知安町と広尾町におきましては、合同コンサートの開催を目標といたしまして、夏休みや冬休みに芸術の森で合同合宿をするなどいたしまして、さらに深い交流を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
次に、各地域のキーマンとなっている方々との連携についてでございます。
地域の子どもジャズスクールの活動を支えておりますのは、それぞれの町の職員とか、あるいは公共ホールの関係者、そしてジャズの愛好家など、キーマンとなる熱心な方々でございます。昨年は、ジャズスクール設立においてこの方々との共同作業が最も肝心なことでございました。これらの方々の中には、地域のイベントなどにも参画されている人も大変多くて、サッポロ・シティ・ジャズに出演するミュージシャンの共同招聘の協議をしているような方もいらっしゃいます。キーマンの方とは、サッポロ・シティ・ジャズの育成・普及活動だけでなく、公演活動の分野での連携も大いに期待できるものというふうに考えております。
◆中村たけし 委員 今、新たに倶知安、広尾以外に2カ所というお話がありました。相手のある話なので、ここでお示しいただけないかもしれませんが、具体的に決まっているのであればお示しいただきたいなと思います。
◎杉本 文化部長 まだ確実でないのでお話ししていいのかどうか、ただ、候補として考えれば夕張市と伊達市を検討してございます。
◆中村たけし 委員 後志の倶知安、十勝の広尾、そして空知の夕張、胆振の伊達とりますから、偏りのないバランスのとれた展開だなと非常に評価できると思います。
こういった交流が、子どもたちの交流にとどまらず、大人たちも含めた地域の連携が進んでいって、札幌市が核となって北海道全体への発展につながるものだというふうに思います。単にジャズを聞くだけでなく、みずから楽しむことのできる音楽環境のもとでは、子どもたちがジャズを通じて自己表現力や協調性を高めていくことは、子どもの成長の上でも大変大事なことであります。そして、そうした環境が、札幌の子どもだけでなく、道内各地に広がっていくことで、その相乗効果によって札幌が一層活気づいていくという道筋が徐々に見えてきているというふうに私は思います。
そこで、質問ですが、このジャズの種プロジェクトの将来の方向性をどのようにしていくおつもりなのか、お伺いします。
◎杉本 文化部長 ジャズの種プロジェクトの将来の方向性ということでございます。
まず、現在、ジャズスクールが開設されている地域以外でも、徐々に子どものジャズスクール創設の支援を進めていき、そしてまた、既に子どもたちのジャズバンドが活動している地域におきましては、その交流をますます盛んにしていきまして、将来は道内の各地域でジュニアのジャズ活動がさらに盛んに行われることを期待しているところでございます。
そして、札幌・ジュニア・ジャズスクールにつきましては、ご承知のように、現在、ノルウェーとか海外のジュニア・ジャズスクールと既に交流を重ねておりますけれども、今回、加わることができた道内各地域の新たな子どもたちもこういった海外交流の中に引き入れていきまして、そして、行く行くは札幌で合同のコンサートやワークショップを開催することで音楽を通じた国際交流の場につなげていきたい、こんなふうに考えております。
◆中村たけし 委員 本当に、道内各地にこういったジャズの輪が広がって、そして、国際的にも広がって、ここ札幌で国際的な子どものジャズ演奏のイベントが開かれるようになればいいなというふうに私も思います。ジュニア・ジャズスクールの皆さんは本当に頑張られていまして、多くの施設で発表の場があります。道内各地のジュニア・ジャズスクールの皆さんにもいろいろな施設で発表の場をつくっていただき、そして、子どもたちが生き生きと活動して成長されることにつながることを要望しまして、質問を終わります。
◆福田浩太郎 委員 私からは、ウインタースポーツを活用した観光振興についてお尋ねさせていただきます。
初めに、ウインタースポーツを観光資源とする札幌のPRについてであります。
4年に一度となるウインタースポーツの祭典である熱戦が繰り広げられたソチオリンピックは2月23日に、あわせて開催されたパラリンピックは3月16日に閉幕いたしました。スノーボードのスロープスタイルやパラレル回転などの新しい競技種目も実施されるなど、札幌市民のみならず、世界の人々が魅了され、ウインタースポーツの魅力が改めて発信されたと思っております。
札幌市は、1972年の冬季オリンピック開催以来、2度の冬季アジア大会、冬季ユニバーシアード、ノルディックスキー世界選手権札幌大会を開催し、アジアにおけるウインタースポーツを牽引してまいりました。2017年には3度目の冬季アジア大会が開催されることになっております。札幌の特色あるスポーツ文化の一つとして、ウインタースポーツを積極的に推進することとしている札幌市としても、この機を捉えて、ウインタースポーツを観光資源とした観光客誘致にも努めていくべきと考えます。
札幌市も、幹事として名を連ねている北海道内のスキー場等で構成する北海道スキープロモーション協議会では、スキーを初めとするウインタースポーツやスノーアクティビティーを通じて外国人観光客の誘致促進に取り組むために、今年度はマレーシアの旅行博に出展し、来年度はよりスキー人口の多いヨーロッパや北米での旅行博への出展を検討中とのことであります。
そこで、お尋ねいたしますが、ウインタースポーツを観光資源とした札幌のPRについて積極的に世界に発信していくべきと考えますがいかがか、お尋ねいたします。
◎西田 スポーツ部長 ウインタースポーツを資源とする札幌のPRについてでございます。
札幌におけるウインタースポーツの魅力を世界へ発信するためには、多くの国際競技大会を開催することが有効な手段の一つと認識してございます。2017年にアジア冬季大会を開催することによりまして、アジア各地で開催されるアジアオリンピック評議会総会での場はもとより、今回、ソチオリンピックという世界最大のウインタースポーツイベントにおいて札幌のPR活動が実現いたしました。さらに、ことし4月には、トルコで開催される世界のスポーツ関係者が一堂に集まる国際的なコンベンションの場でのPR活動も可能となったところでございます。また、来年3月に札幌で開催いたします世界女子カーリング選手権大会の関係では、昨年9月にデンマークの世界連盟の総会の場に加えまして、まさにこの3月にはことしの開催国でありますカナダでのPR活動も行うこととしております。
今後におきましても、このような機会を積極的に活用しまして、札幌のウインタースポーツの魅力発信に努めてまいりたいと考えております。
◆福田浩太郎 委員 国際大会を開催するということで、さまざまな場で出展の機会が得られるということであります。
今のお話にありましたスポーツアコード会議につきましては、毎年1回開催される、世界で最も規模が大きいスポーツ総合国際会議だそうでありまして、昨年は2,400人以上の方が参加したということであります。通常であればお金等を用意しても出展できないところを、冬季アジア大会の開催国、開催地域ということでこのようなチャンスを得られているところであります。また、女子カーリング世界大会も間もなくありますので、この点も含めて札幌のPRをぜひお願いしたいと思います。
2点目といたしまして、スキー、スノーボードを観光資源とした観光客誘致についてお尋ねいたします。
ウインタースポーツを観光資源と考える場合には、やはり、スキー、スノーボードを中心に観光客誘致に努めなければならないと思います。観光コンベンション部で取りまとめている統計によれば、平成24年度の市内スキー場リフト利用者数は745万人となっており、近年、減少傾向にありまして、より一層の活性化が求められる現状であります。
スポーツ部におきましては、今年度、市内のホテル等の協力を得て、札幌市内のスキー場を紹介したパンフレットを配布したそうであります。これには、温泉や食などを組み合わせたモデルコースも掲載されており、これまでにない取り組みとなっているというふうに評価いたします。ただ、このパンフレットの対象はまだ国内にとどまっている段階かと思います。
札幌駅西口にあります北海道さっぽろ「食と観光」情報館、Kita・Bellには各スキー場の案内パンフレットなどが置かれていますが、スキー以外のウインタースポーツやアフタースキーも含めたさまざまな魅力がうまく発信されていないというふうに思います。また、札幌市の国際観光ガイド「ようこそさっぽろ」やスマホアプリの札幌いんふぉにも、スキー場の名前とか場所、そして雪遊びの情報は掲載されておりますが、食や観光と組み合わせた札幌ならではのウインタースポーツの楽しみ方をもっと発信するべきだと考えます。
そこで、質問ですけれども、冬季オリンピックの開催地という知名度の高さや最高水準のパウダースノー、交通アクセスのよさ、都市部での多様なアフタースキーの楽しみ方など、世界にも珍しいこれらの札幌の特徴を生かし、ウインタースポーツ、特にスキー、スノーボードを観光資源とした観光誘致に取り組むべきと考えますがいかがか、お尋ねいたします。
◎西田 スポーツ部長 スキー、スノーボードを観光資源とした観光客誘致についてでございます。
札幌市内には6カ所のスキー場がございますが、いずれも宿泊施設を伴うものはなく、ニセコ、ルスツといったところに代表されるスキーを中心としたリゾート型の観光客誘致は難しいことから、食や定山渓温泉など、ほかの観光資源と組み合わせた札幌らしいスキー、スノーボードの楽しみ方を紹介していくことが必要であるというふうに認識しております。
昨年12月には、札幌市も含め、有識者、市内スキー場、プロスキーヤー、企画プランナー、編集者などさまざまな分野の方々とともに、札幌におけるウインタースポーツの活性化を目的としたSnow LINKS Sapporo実行委員会が設立されたところでございます。今後は、この委員会の中で魅力ある札幌らしい都市型スキー観光のあり方について検討し、提案していきたいというふうに考えてございます。
◆福田浩太郎 委員 お答えといたしまして、札幌のスキー場はホテルがなくてリゾートではないという欠点があるというということでしたが、一方で、大きな潜在力があって、このことについては、私も含めて共通認識であるということはわかりました。この大きな潜在能力については、三浦雄一郎さんのみならず、手稲区のスキーヤーである児玉 毅さんなど多くの一流のプロスキーヤーが異口同音におっしゃっていることであります。この特徴を世界の方々に理解していただけるように、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
また、2点目のお答えで、Snow LINKS Sapporoの取り組みであります。
札幌の雪の価値を、スキー、スノーボードに限らず、文化芸術の視点で発見し、民間の多彩な人材の力を活用して魅力ある新しい冬の文化を発信しようという取り組みだと思います。札幌市民がみずから、雪をどのように捉え、活用して、札幌にしかない特徴をつくり上げていくかというのは、まさに重要な取り組みだというふうに思います。
Snow LINKS Sapporoの広報媒体としてA2判を折った8ページ立てのチラシがございまして、これを読ませていただきました。雪とアート、雪と音楽、雪とポップカルチャー、雪と映像と、それぞれの切り口で何かを創造し、雪は資源だという捉え方をとても新鮮にすてきに表現しておられます。私も冬の見方が変わりました。すぐに効果を出すことは難しいと思いますが、こうした取り組みによって新たな冬の都市文化をつくり出すとともに、さまざまな機会、媒体を活用して強く発信していただいて、札幌の冬を愛する、楽しみとする機運を高めていただきたいと思います。このことは、ウインタースポーツを中心とした観光振興のために、遠回りでも確かな道であるとご期待申し上げて、質問を終わります。
◆阿部ひであき 委員 私からは、
市民交流複合施設、とりわけその中の機能の一つでありますアートセンターの検討状況と取り組み内容について伺いたいと思います。
市民交流複合施設につきましては、創世1.1.1区(さんく)の前の市街地再開発事業に合わせて整備を計画しておりまして、昨年5月に施設計画の基本的な事項を明らかにした整備基本計画が策定されております。創世1.1.1区(さんく)内の市街地再開発事業については、この地域の先行開発でもありまして、都心のまちづくりを先導する上でも非常に意義のある重要な施策であると認識しているところであります。
昨今、景気回復の兆しが見えてきたところではありますけれども、まだまだ札幌市内で実感できるところまで来ておらず、札幌の都心部では、札幌駅周辺で商業を中心とする機能集積が増大して活気があふれている一方で、大通地域では停滞感が生じており、これを打開していくことが、都心機能としての魅力を高めて、そして、景気回復、ひいては市民生活の向上の一助になるものというふうに考えまして、我が会派では、開発促進の必要性を何度も主張してきたところであります。
その再開発事業で整備する
市民交流複合施設については、現在のところ、高機能ホールとアートセンター、そしてもう一つは都心にふさわしい図書館の三つで構成されております。
さっぽろ芸術文化の館、旧厚生年金会館、通称ニトリ文化ホールは、北海道内唯一の2,000席を超える多目的ホールでありまして、多くの市民や道民が鑑賞しているポップスあるいは演歌などのコンサートはもちろんのこと、経済効果が非常に高い学会などにも使われている非常に重要な施設でありますけれども、老朽化が著しいことから、その役割は
市民交流複合施設内の高機能ホールに移すものであります。また、札幌の魅力向上のため、さっぽろ芸術文化の館の機能をそのまま建てかえるのではなく、先ほど本郷委員からも話がありましたとおり、多面舞台を活用したオペラとか、あるいはバレエなど、多様な舞台芸術の演目が可能なホールとして建てかえるということにしておりまして、これまでの前段は多目的ホールの話であります。
しかしながら、その一方で、
市民交流複合施設の機能の一つであるアートセンターについては、札幌の文化芸術活動全体を支え、育て、一層推進するための拠点であるという説明を受けましたけれども、我が会派では何度も主張しているとおり、これは、いまだ具体的なイメージができていないところであります。
そこで、質問でありますが、現在の検討状況はどうなっているのか、また、アートセンターはどのような取り組みをすることを想定しているのか、伺います。
◎西野 調整担当部長 アートセンターの検討状況と取り組み内容についてのご質問でございます。
まず、アートセンターの検討状況につきましては、現在、学識経験者や有識者、文化団体等で構成いたします複合施設全体の検討会議を設けまして、そこで議論しているところでございます。アートセンターは、本市が創造都市さっぽろを目指しまして、文化芸術の持つ創造性を生かしたまちづくりを戦略的に展開していくために、多様な文化芸術活動の中心的な拠点としての役割を担っていくように考えております。
ご指摘のありました具体的な取り組み内容でございますが、まず、一つ目としては、アーティストや文化芸術団体への活動の場の提供、そして、相談窓口あるいは交流の場の提供、それからアートマネジメント人材の育成など、各種活動支援を想定しているところでございます。また、学校等に対するアウトリーチ活動など、子どもたちへの普及活動も行ってまいりたいと考えております。このほか、高機能ホールが一緒にございますので、そこの自主事業への支援とか、市民参加型の舞台芸術作品の制作支援など、高機能ホールと連携した事業も想定しております。さらには、市民やアーティストなどからの意見集約とか、文化芸術施策の調査研究、そして、文化芸術の産業化に向けた取り組みなど、これらのことを想定しているところでございます。
今後も、検討会議を中心にいたしまして議論を重ね、アートセンターの基本的な方針や取り組み内容、運営体制など、先ほど本郷委員にも答弁したところでございますが、今年の秋ぐらいまでには基本的な方針を整理してまいりたいと考えております。
◆阿部ひであき 委員 有識者等の検討会議で議論しているということであります。どういった方で構成されているのか、事前に伺ったところ、バレエとかオペラ、または舞台技術者など、文化芸術にかかわる方々に市民交流施設全体のことで議論をしていただいているということでありました。
創造都市さっぽろを目指して、さらに文化芸術の振興を図っていく取り組みとのことですけれども、現在でも、札幌市内では、Kitaraや芸術の森、そしてまた、教育文化会館、市民ギャラリー、道管理の近代美術館など、非常に多くの芸術に関する施設を有しております。また、これから初開催となる札幌国際芸術祭、そしてまた、既存イベントのPMFやシティ・ジャズなどの文化芸術に関するイベントを多数実施しております。
こういう文化芸術の部分ですが、私も、学生のときから非常に絵が好きだったものですから、中学のときにも美術部にいたり、いまだに恐らく年間10カ所ぐらいは美術館に行っておりまして、絵を見ながらそういうものに触れるということは確かに非常に大切なことであります。しかしながら、私もこれまでにあちこちで何度も言っておりますけれども、この厳しい財政状況の中で、これでもかというぐらい芸術に関する新たな施設とか、あるいは、イベントといったものに固執して口を開けばアートということでは、本市における全体の取り組みを含めて、アートセンターのあり方そのものもかなり偏ったものになるのではないかと非常に疑問に感じるところであります。特に、
市民交流複合施設は、非常に利便性の高い都心部に設置され、多額の公費も投入されていることを考えますと、より多くの市民が受け入れられ、還元される施設であるべきだ、このように考えます。私は、別に芸術とかアートといったものを卑下するものではありません。多くの市民に根差して理解の得られるようなアートや芸術に関する取り組みであるならばまた話は別でありますけれども、市民の理解からかけ離れたような、敷居の高いアートや芸術ばかりに取り組んでいくことは、まかり間違うと多くの市民にとって敷居の高い印象を与えかねないばかりか、将来的に見てもその運用の先行きは非常に不安であると私は危惧するところであります。施設もイベントも充実した状態である今、アートセンターについては、アートという触媒にこだわらず、より多くの市民に受け入れられる交流のあり方全体を通した幅広い視点を重視すべきであると考えます。
そこで、質問でありますけれども、一部のアーティストと一部の市民が利用する施設としてのあり方ではなくて、より多くの市民が気軽に集える施設となるように、その名称自体も含めて現実的に検討していく必要があると考えますがいかがか、伺います。
◎西野 調整担当部長 より多くの市民が気軽に集う施設となるよう、名称も含めた基本的な検討ということでございます。
繰り返しになりますが、アートセンターは、文化芸術をまちづくりに生かしていくための拠点として考えておりますことから、一部のアーティストのみが利用する施設ではなく、市民の幅広い文化芸術活動の拠点にしてまいりたいと考えております。そのため、ご指摘のとおり、市民にとって魅力的であって気軽に立ち寄れる施設となることが重要と考えておりますので、まずは、市民の各種文化芸術活動を中心にしながら、各種活動とか、文化芸術団体あるいは学校などの発表の場、それから、アートサロン等の交流の場など、そういう場の提供といったものを考えております。
次に、都心でございますので、都心で市民が文化芸術とか文化芸術活動を活用した各種の催しに気軽に触れていただける機会の提供、あるいは、ボランティアとしての活動機会の提供、こうした機会の提供も図ってまいりたいと考えております。さらに、市民へ文化芸術に対する情報提供を行うことによりまして、委員がご指摘になっているとおり、より多くの市民が気軽に集える施設となるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
また、名称についてもご指摘がございましたけれども、事業内容がわかりやすいものといたしまして、市民が親しみを持って集えるようなものを検討してまいりたいと考えております。
◆阿部ひであき 委員 目指している方向性については今お聞きした次第ですが、やはり、答弁の中で文化芸術という言葉が非常に目立っており、非常にこだわり過ぎているのではないかなと思うところであります。そうした視点を変えないならば、私は、逆に、
市民交流複合施設という名称自体にもちょっと疑問を感じるところであります。むしろ、施設の名称自体に文化芸術という言葉を入れながら、文化芸術とアートの複合施設という限定的な名前にしてもおかしくないような感じがするのです。
また、いろいろな情報を発信していきたいと言っても、それは別にアートセンターでなくてもいいはずであります。既にこれだけたくさん施設があるわけですから、市のホームページでも情報を発信できますし、こうした中でそうした施設を有効的に活用するほうがより現実的な話ではないかというふうに私は思うところであります。
このままで行くと、本当に、言葉では市民に受け入れられるようなと言っても、なかなかそう簡単にはいかないものもあるのですね。そういったことでは、やっぱり限られたニーズの中でちょっと敷居が高いので利用しづらい施設という意味合いが強くなるのではないかなと懸念するものであります。
私は、名古屋とか神戸といったところの国際芸術祭とか、あるいは芸術にかかわる施設を随分見てきましたけれども、やはり、市民目線に立ちながら市民も気軽に参加できるような施設でした。特にアートセンターがあるわけではなく、芸術にかかわるそれぞれの施設を有効的に活用しながら、また、空き家とか空き地といったところも使って、みんなに親しまれているという現状もあるわけですね。ですから、あえて
市民交流複合施設内にアートセンターを新たに設けてそういう取り組みをする意味というのは、私はいまだによくわからないところであります。複合施設の市民交流という観点から、広く市民に還元される施設となるとは、到底、現段階では思えないというのが私の率直な感想であります。
次に移ります。
さっぽろツーリズムについてですが、実は経済局の「さっぽろの産業2012」というものがありまして、当時、北海道大学観光学高等研究センター長だった石森秀三教授が文章を載せています。ちょっと読みますと、従来の観光とは一線を画し、定番の観光資源同士を組み合わせたり、定番の観光資源に体験や歴史などの別の要素を加えたりして、既存観光資源の新たなる魅力をつくり出すさっぽろツーリズムの創造に向けた取り組みが求められるというようなくだりになっております。
これを私なりに解釈すると、従来の観光は、飽きられるということもありますが、先細りしていくという前提に立って、そして、新たな観光のあり方を創造するということになるのですが、これは、案外、我々がふだんやっているようなことも含めて、実は気がついていないようなことがあると、例えば、歴史とか体験などを組み合わせると別な見方ができて、札幌の人には当たり前と思われるようなことが、外国から来られたり、道内外から来られた方にとってみれば新しい発見というようなことかなと私は考えているわけです。
この札幌型のツーリズムを観光資源として考えていかれるときに、今、理事者としてはどのようなイメージを抱いていらっしゃるか、お聞かせください。
◎高野 観光コンベンション部長 さっぽろツーリズム自体は、今月中に公表予定の観光まちづくりプランの肝とされる部分でございます。具体的な取り組みについては、今、札幌では時計台とかラーメン、薄野などの定番観光がありますけれども、そういうものではなくて、今後は、新しい旅の目的となるもの、例えば、札幌市民がふだん楽しんでいるもの、従来の観光分野以外のコンテンツを観光資源として開発することなど、今、私どものほうでいろいろと考えております。
実際に、目玉とするものとかターゲットとか周遊方法などの検討に当たりましては、今、さっぽろツーリズム推進会議というものを設置して、既にこうした事業に取り組んでいる体験観光事業者や食関連の事業者、NPO、大学などの参画を得ながら新たな観光資源について検討を行い、着地型の旅行商品の開発やプロモーションの実施などにつなげていきたい、そういうふうに考えております。
◆木村彰男 委員 私も資料をいただいておりまして、ツーリズムには歴史、自然、走るとか子どもとか音楽とかいろいろなキーワードがあって、そういうキーワードに基づいてそういうプランとか、旅行で言えば企画型ですね。旅行代理店などを含めて、実際につくっていただいて試してみる、そういう形のものが今はないのです。札幌をぐるっと回るようなバスツアーはありますが、そういうコンセプトにのっとり旅行代理店がつくる商品はないですから、代理店を含めて、行政のイニシアチブでつくり上げて、そこでいろいろなモニタリングをしながら、もちろん札幌の方に参加していただいても構わないと思いますけれども、そういうものをつくり上げていきながら発信して、外国も含めて、札幌に来るとこういうものがありますというようなことをぜひ進めていただきたいと思います。
最後に、地元の南区の定山渓観光の魅力アップ構想についてお聞きします。
定山渓につきましては、何回か質問させていただいておりますが、今回、観光まちづくりプランでも重点項目の一つとして挙げられております。私も、定山渓の若手の経営者と交流したりして、夏のジャズには部長と一緒に行きましたし、冬には約2,000個のスノーキャンドルの明かりが揺れる雪灯籠を見せていただきましたが、南区ではシーニックバイウェイをかなりやっていまして、その中では定山渓は一番大きなものがあるかなと思います。
そういう魅力を発信していますが、このプランをお聞きしますと、数値目標として5年間で宿泊数を10%ぐらいふやしていこうという計画です。ただ、私が行くときには、札幌市内の日帰りの入浴者がすごく多いのですね。しかし、例えば昔やっていた観楓会とか1泊のものは、私が見ていてもちょっと少ないかなと思います。そうだとすれば、5年間で10%ふやしていくという目標の対象というのはどういう層で、その中でどうやってその数値に持っていこうとしているのか、まず、お聞かせください。
◎高野 観光コンベンション部長 前段として、5年間で10%にした理由についてですが、定山渓温泉の宿泊者自体は、過去5年間、減少傾向にありましたので、今回の魅力アップ構想の策定を行い、エリアの魅力を高めることによって、当面の目標として1割増の回復を目指すこととしたものでございます。
そこで、10%のターゲットについてでございますけれども、これはあくまで宿泊客だけを対象としております。
◆木村彰男 委員 温泉と宿泊ということについては、今おっしゃったように、実際は、少しずつですが、利用者は低下しております。
そこで、2番目で言っていたツーリズムとの関係でちょっと考えてみたのが、例えば果樹園とか農場がありますね。そういうものとの企画も一つあるのではないかと。それから、ニセコでもやっている川下り、ラフティングのようなもの、また、国際スキー場には宿泊施設がありませんから、そことリンクしたような、ニセコ型といいますか、リゾート型のスキーとの絡み、それから、八剣山のワイナリーのツアーの企画、それから、今回、全国クラブの大会で創設39年目にして初優勝した北海道バーバリアンズフットボールチームがあるので、ラグビーの合宿の里のような考え方など、従来の温泉だけではなくて、ツーリズムを踏まえたいろいろな商品を開発するようなことですね。
これは、僕が見ている限りは、定山渓だけでやっていくのは難しくて、札幌市がそういうものを発信し、旅行代理店とコンタクトして商品化していくようなことをやっていっていただく、それがまさに定山渓の新たな魅力アップにつながっていくように私は考えます。
ただ、すぐに全部できるわけではございませんので、最後に、可児局長にそういうご決意だけお聞かせください。
◎可児 観光文化局長 ご指摘のように、札幌市内の宿泊者数というのは年間延べ1,000万人ぐらいなのです。先ほど答弁にあったかもしれませんが、定山渓というのはその中で現在120万人ぐらいなのです。ですから、12%を占める極めて重要な地域だと認識しております。これからの観光を考えた場合に、いわゆる外国人観光客、インバウンドの取り組みが極めて重要だというふうに考えておりまして、特にアジア圏の観光客というのは雪と温泉が二つの大きなキーワードになってくるわけでございます。そういった意味からも、これからの札幌の観光を支えるのは定山渓地域であると言っても過言ではないわけでありまして、そのためにも、定山渓地域の魅力アップは欠かせないものだというふうに考えております。
今回、魅力アップ構想の検討委員になっていただいている学識経験者も含めて、本当に地元の関係者と力を合わせて、現状の課題分析やその対応策をしっかり議論させていただき、定山渓の魅力アップ構想をしっかり策定していきたい、そういうふうに考えております。
○林家とんでん平 委員長 以上で、第1項 商工費のうち関係分の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回は、次週24日月曜日午後1時から、病院局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後5時44分...