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平成25年(常任)総務委員会−12月06日-記録

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  1. 札幌市議会 2013-12-06
    平成25年(常任)総務委員会−12月06日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
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    平成25年(常任)総務委員会−12月06日-記録平成25年(常任)総務委員会  札幌市議会総務委員会記録            平成25年12月6日(金曜日)       ────────────────────────       開 会 午前10時1分 ○こじまゆみ 委員長  ただいまから、総務委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、小須田委員からは、欠席する旨、連絡がございました。  また、本日審査を行います陳情第59号の提出者から資料の提出がございましたので、お手元に配付しております。  それでは、議事に入ります。  陳情第59号 伊藤義郎邸敷地(北5西8地区)の現状保存を求める陳情を議題といたします。  陳情第59号は、本日が初審査ですので、提出者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前10時2分       再 開 午前10時46分     ―――――――――――――― ○こじまゆみ 委員長  委員会を再開いたします。  それでは、質疑を行います。 ◆伴良隆 委員  陳情者お話を大変興味深くお聞きしました。歴史の連続性というお話があり、これは、北海道と言ってもいいかもしれませんが、札幌の先住民とはどういうものなのかという定義づけが非常に難しいということでありました。歴史、文化には連続性があって、ある時代に区切ってそこだけに焦点を当てるだけでは誤解を生む、このようなお話だったと思います。  それでは、陳情の質疑に入らせていただきます。  これまで、私にも各方面からいろいろなご意見がございまして、いろいろな状況も把握しているところでございます。けさも、ある方から問い合わせが来ました。本日は、そういう中で質問させていただきたいと思います。
     まず、質問でありますが、現在、陳情を聞いたところでありますけれども、地権者関連業者、または広く市民から、現在まで本市に対してどのような声が届いているのか、また、それぞれの声の背景にあるものは何であると考えているか、伺います。 ◎石川 政策企画部長  地権者からという前に、まず、市民の皆さんからどのようなお話があったかということですが、ことしになってから5件の要望や意見をいただいているところでございます。内容としては、市が土地を取得して環境保全してほしいという意見が多うございました。市民の声を聞く課に寄せられた声の中で、4件、民地になぜ調査費が使われるのか、敷地を買ってでもマンション建設に反対である、市は土地を取得して自然を残してほしい、市が敷地を買い上げて緑地利用し、邸宅はメム館として活用してほしいというような趣旨でございました。さらに、市長宛て要望書北海道自然保護協会からありまして、将来にわたって市民が利用できるように札幌市が買い上げてほしいといった趣旨でございます。 ◆伴良隆 委員  市民の声はわかりましたが、地権者、現状の中で関連する業者、あるいは経済団体ということかもしれませんけれども、そういったところからヒアリングをするなり何か声が上がっていることはないのでしょうか。 ◎石川 政策企画部長  地権者からの相談は、あくまで現在あります樹木等保全土地有効活用の両立を目的に計画を進めたいという内容となっております。さらに、現在ある自然につきましても、最大限保全してまいりたいというお話をいただいているところでございます。 ◆伴良隆 委員  地権者ということでございましたが、広義の意味での環境と狭義の意味での環境があるとすれば、広義の意味での部分と、先ほど陳情者がおっしゃったような部分も含まれていると思いますが、こういった環境の視点でも樹木などの保全をしていきたい、一方で、当然、土地利活用もしていきたい、こういう並列のお話があることを確認できたわけであります。  それでは、二つ目質問に移りたいと思います。  再質問でありますが、本陳情を含め、各人、各所からさまざまな声が届いているというご答弁が先ほどありましたけれども、この陳情も含めて、こうした声についてそれぞれどのような課題があると考えていますでしょうか。  また、その課題に対応する担当部署、つまり責任部署は、当面、どこになるのかも教えていただきたいと思います。 ◎石川 政策企画部長  陳情が上がっております北5西8地区は、民有地でありますので、何よりもまずは土地所有者意向を尊重しなければならないものであるというふうに考えております。土地所有者からのご意向というのは、先ほどもご答弁させていただきましたとおり、敷地内の自然環境保全土地有効活用の両立を目的としたものとなっております。札幌市としましても、今後も可能な限り地区内の自然を保全していただくよう、まずは地権者にご相談を申し上げていくのが一義的であるものと考えてございます。  また、二つ目に、どこが窓口になるのかということでございますが、今、陳情者からもお話がありました、文化史跡の観点、緑地の観点、さらに都市計画の問題ということで所管が多岐にわたりますので、その連絡調整をとってまいりますのは私ども市長政策室を連携の窓口とさせていただきたい、このように考えているところでございます。 ◆伴良隆 委員  最後に、確認で伺いたいと思いますが、今ご答弁がありましたとおり、陳情案件でありますから、陳情者である河野先生お話もございましたし、あるいは市民の声もいろいろあり、また、そのバックグラウンドはいろいろ含みもあるようには聞いておりますが、いずれにしても、当面、それぞれの声にどういう課題があるのか、こういった質問をさせていただいたわけでありますけれども、ご答弁は、これからの市としての対応ということで、その両立を目指したいとしている地権者意向をまずは一義的に酌み取っていく中で相談をしていきたいということでございました。そこで、やはり、第一に、地権者相談なり、あるいは、お願いかもしれませんが、そういったことをしていく、そういう課題が今現在あるということでよろしいかどうか、最後に確認したいと思います。 ◎石川 政策企画部長  そのとおりに解釈していただいてよろしいと思います。 ◆伴良隆 委員  いずれにしましても、これからいろいろな情報等もあると思いますので、情報連絡等をきちんとやっていただくことを指摘させていただきまして、質問を終えます。 ◆しのだ江里子 委員  今、陳情者の方から、伊藤邸敷地におけます調査に対して幾つかの指摘もありました。  早速、質問ですが、発端となりました伊藤邸敷地にかかわる相談の経緯、そして、今後の流れを確認させていただきたいと思います。  まず、伊藤邸敷地について、土地所有者からどのような開発の相談があって、市はどのように対応しているのか、また、仮に開発されるとなった場合のその後の流れをお示しいただきたいと思います。 ◎三澤 市民まちづくり局都市計画部長  最初に札幌市に相談のあった窓口ということで、私から答弁させていただきます。  土地所有者からの相談の経緯でございますが、本件は、平成24年10月に、土地所有者より、容積率や高さ制限といった土地利用規制の緩和について相談があったものでございます。具体的に申し上げますと、土地所有者としては、先ほど政策企画部長からもありましたけれども、敷地内の緑地は貴重なものと認識しており、今後も保全していきたい、一方で、今の建物を解体して高層の賃貸マンションを建設したいと考えていること、そこで、緑地の保全土地有効活用の両立が図られるような土地利用規制の緩和について都市計画提案制度を活用したいという内容でございました。  札幌市といたしましては、土地所有者からの相談について検討を行うに当たり、敷地内の植生やメム跡などの価値あるいは貴重性を専門的、客観的に判断する必要があることから、今年度、土地所有者の了解のもと、関係部局敷地内の調査を実施したものでございます。先般、その結果について、有識者からは、札幌市の中心部に残された貴重な緑地として高い評価を得ておりますことから、土地所有者に対して、この調査の結果を踏まえ、改めて敷地内の自然環境を最大限保全していただくよう求めたところでございます。  なお、これに対しまして、土地所有者からは、これまでも保全してきた自然環境を引き続き保全する旨の意向が示されているところでございます。  2点目の開発される場合の今後の流れについてでございます。  土地所有者から提案が提出された場合は、都市計画提案制度に基づいて手続を進めることとなります。都市計画提案制度が提出された場合、一般的には、札幌市におきまして、都市計画マスタープランなどとの整合を勘案して決定の是非を判断することになります。決定する必要があると判断した場合には、都市計画審議会に諮問し、その議を経た上で都市計画決定することになります。また、決定しないと判断した場合についても、その理由を含めて都市計画審議会に説明を行うことになります。 ◆しのだ江里子 委員  伊藤邸土地所有者からは、昨年10月に、土地利用に関すること、そして、保全にかかわるお話をいただいたということですね。そして、この土地に関しては、都市計画提案制度を使っていくことになるというお話でした。土地所有者は、できるだけ自然を残したい、保全していくというご意向があることは十分にわかります。また、現規制を超える建物を建てる場合には、すぐにその開発が始まるわけではなく、札幌市において、少なくともマスタープランとの整合などを図った上で都市計画審議会の審議、都市計画決定を経なければならないことは理解いたしました。  次に、調査内容等について確認させていただきたいと思います。  陳情者は、今回の調査文化遺産自然遺産としての調査が不十分であるとおっしゃっております。  そこで、質問ですが、今年度に予算を計上して実施されました伊藤邸敷地自然環境調査について、なぜ札幌市が公費で調査を行ったのか、改めて調査の目的を教えていただきたいと思います。  また、この調査のうち、メムなどに関する部分の委託契約における具体的な内容や範囲についてお聞きしたいと思います。  さらに、委託業務の入札に当たって、資格などの条件や入札方法についてもあわせて伺いたいと思います。 ◎杉本 観光文化局文化部長  まず、調査目的でございます。  当該地区におきましては、個人宅ではございますけれども、先ほど陳情にもございましたように、緑の少ない都心部において非常にまとまった樹林地が残されていること、また、かつてこの地区内を水源として北大構内へと流れておりましたサクシュ琴似川の湧水池メムの跡が残されていること、また、当該地埋蔵文化財包蔵地が発見される可能性が高い地域に該当していることなどから、こういった重要性に鑑みまして、先方からの相談について検討を行うに当たり、当該地区におけるこれらの自然環境等価値貴重性を専門的、客観的に判断する必要がありますことから調査を行ったものでございます。  それから、2点目の調査内容及び範囲についてでございます。  調査に当たりましては、調査地個人宅であることを勘案しながらも、メム地形概況、そして、湧水量、水質、湧水機構埋蔵文化財などにつきまして、周辺地域との比較を含めまして当該地自然環境の現状を把握、評価するための調査を行いました。  なお、調査を実施するに当たりましては、当該地が現在も使用している私有地であり、所有者環境保全を強く要望されていることから、現状の植物や樹木に影響の及ばない範囲で、また、居住者がいらっしゃることから、安全性を重視した調査を実施してございます。  3点目の埋蔵調査にかかわる業者に必要とされる資格についてのご質問でございます。  埋蔵文化財調査に当たり、業者側に必要とされる資格は特にございません。埋蔵文化財調査経験がない業者でありましても、本市の文化財調査員が立ち会い、指導・監督いたしますことで、適切な埋蔵文化財調査業務の遂行が可能でございます。  次に、入札方法についてでございます。  本業務は、地下水調査水質調査ボーリング調査等を行うため、機器の取り扱いなどに熟達し、測量、地質調査土木設計・監理を行える者を選考の条件としてございます。  なお、指名競争入札参加者の選考に当たりましては、本市競争入札参加者名簿登載業者の中から、測量、地質調査土木設計・監理の登録のある者で、さらに、地質部門コンサルタント登録地質調査業者登録のある大企業に該当するものを条件に選考してございます。 ◆しのだ江里子 委員  調査の目的に関しては、今、杉本文化部長からしっかりと伺うことができたと思います。また、委託調査に関しても、個人宅であること、また、そうであっても、メムなどに関して具体的にやっていかなければならないということで、それぞれの内容もお聞きしました。そして、委託業務の入札に当たっては、資格等は特に要らなくて、実際にこの土地調査するに当たっては、ボーリングや測量、地質調査土木設計・監理などができる業者であればよい、ただし、埋蔵文化センター文化財調査員の立ち会いのもとで実施されたということも聞かせていただきました。  この内容についての質問ですが、文化部が実施しましたメム等調査につきましては、12月中までかかるとお聞きしておりますけれども、9月に一旦の中間報告が出ておりますので、その内容と、それに対する市の評価をお聞きしたいと思います。  また、樹林植生調査結果に関しまして、専門家評価の中に、北大や植物園、道庁といったゾーン連続性価値についても触れられています。  そこで、伊藤邸敷地を含むゾーンとしての歴史的、文化的価値について、札幌市としてはどのように捉えていらっしゃるのか、改めて伺います。 ◎杉本 観光文化局文化部長  まず、今回のメム等調査に関する中間報告内容札幌市の評価についてでございます。  文化部が実施いたしました調査で、まず、メムに関しては、実際に湧出しているかどうかの調査を行いました。メムの地表への湧出につきましては、6月7日から観測を実施しておりますが、初日の水位はメムの脇の地表から下に3.63メートルのところにございました。それが、7月30日の中間発表の時点では、4.15メートルのところまで低下しておりました。その後、調査が続いておりましたが、夏場にだんだんと低下してまいりまして、夏場の渇水期のピークである8月11日現在では地表から4.21メートル下までしか水位がないことがわかっております。豊平川扇状地の年間の水位振幅は、揚水量の多い市街地においては大体2メートル程度であることがわかっておりますので、観測した上下どちらの数値を2メートル上昇させたといたしましても、伊藤邸におきましては地下水が地表から湧水することはありません。つまり、現在は自噴していないと考えられてございます。これは、メムが湧水しているかどうかでございます。  それから、水質調査につきましては、伊藤邸地下水の上流に当たる道庁と北大植物園、そして、下流に当たる北大構内において調査を行いました。そして、地下水の水質とイオン分析の結果、伊藤邸地下水は、上流に位置する道庁及び北大植物園、下流に位置する北大構内地下水と同様の浅層地下水の特徴を示しておりまして、地下水脈つながりがあることを示唆するものだということがわかっております。  また、メム特有地形、景観についてでございます。メムにおいて、特異に見られる起伏のある地形残存度につきましては、大正末期伊藤邸の西側の西9丁目に新しく道路ができたことにより、当該地につながるメムの一部が埋め立て、改変されておりますが、現在残っている伊藤邸におけるメム特有の起伏のある地形と流路は、比較的よく保存されていると考えてございます。  また、埋蔵文化財に関しては、調査いたしました15カ所のうち、全体の3分の2に該当する9カ所におきまして、遺物包含層が存在するかどうかの確認が可能な自然たい積層まで掘削ができておりまして、そのうちの1カ所において炉跡遺構を確認してございます。そういったことからいたしますと、既に中間報告で報告しておりますとおり、続縄文時代から擦文時代のものと推察される炉跡遺構が発見、検出されたという結果でございます。  こういったことで、これらの調査に対する私どもの総合的な評価としては、地下水位の低下によってメムの湧出はなくなっておりますけれども、地下水脈豊平川扇状地下に残されていることがわかります。それから、メム特有の起伏のある地形は、周囲のメムよりも顕著に残されていることもわかります。さらに、続縄文時代から擦文時代のものと推察される炉跡遺構が検出されたということは、札幌の原風景と歴史を探訪できる貴重な自然であると認識しております。  それから、伊藤邸敷地を含むゾーンとしての歴史的、文化的価値についての問題でございます。  文化部及びみどり推進部における調査結果からいたしますと、当該土地は、植生におきましても、また、メムを含む地下水脈つながりにおきましても、さらには、続縄文時代から擦文時代と推察される埋蔵文化財の発見といったことにつきましても、北大植物園から伊藤邸、そして偕楽園から北大構内へつながるゾーンとしての自然環境及び歴史的関連性の高い重要な地域であるという認識をさらに深くしたところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  一定の価値があることが裏づけられたものと思います。埋蔵文化財については、具体的な開発計画提案された後、本格的なモニタリング試掘調査が実施されることになると思います。これまでのやりとりの中で、市としては、自然環境メム跡ゾーンとしての価値も高いと認識されているようでありまして、こうしたことを前提に土地所有者に対してもできるだけ保全していただくようお願いしているとのことです。  質問ですが、これから土地所有者とのやりとりが始まると思いますけれども、市として今後どのような対応をしていくおつもりなのか、伺います。 ◎石川 政策企画部長  今後の対応につきましては、関連部局が多岐にわたりますので、私からお答えさせていただきます。  札幌市といたしましては、先ほど都市計画部長からお答え申し上げましたとおり、今回の調査結果とこれに対する有識者の高い評価を踏まえまして、現在、土地所有者に対して、今後も可能な限り地区内の自然を保全していただくように求めているところでございます。一方で、先ほど伴委員のご質問にもお答えさせていただきましたとおり、北5西8地区民有地でありますため、まずは土地所有者意向を尊重しなければならないものと考えております。現在のところ、土地所有者からは、自然環境保全土地有効活用の両立を検討しておりまして、これまで保全してきた自然環境を引き続き保全する旨の意向が示されているところでございます。  したがいまして、今後、土地所有者から具体の提案、さらには計画が示された段階におきまして、先方と十分な協議を行い、関連部局間の連携ももちろん図りながら、札幌市全体のまちづくりの観点から総合的に検討してまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  要望です。  かつて札幌エルムの都と呼ばれていたという陳情者からのお話もありましたが、エルムは次第に姿を消しまして、わずかに植物園の森など、公共的な敷地にしかその姿を見ることができなくなりました。道庁前庭植物園から伊藤邸に続き、札幌指定文化財である清華亭へとつながり北海道大学につながる森と泉のゾーンは、この札幌にとってかけがえのない文化遺産であると言われておりまして、このゾーンはこれ以上失ってはならないと思います。できることなら今まで眠っていた1万平米を超えるこの前庭を伊藤緑地として市民に開放し、世界に類を見ない貴重な風景文化遺産として保存することで、札幌を代表する観光資源となり得るのではないかと考えますので、市には保全に向けた働きかけを強く求めます。 ◆伊藤理智子 委員  私からも、質問させていただきます。  私もこの調査結果の評価についてお伺いしようと思ったのですが、今までの議論の中で非常に貴重だと評価しているというご答弁がありましたので、重ならないように質問します。  今後、土地所有者提案が示されたら具体的に検討していきたいというお話でしたが、陳情者から、ここは非常に貴重で価値があって、札幌市の調査だけでは不十分だというようなお話の中で、本格的なモニタリング、いろいろな調査も必要だというふうにおっしゃられておりました。そういうことも含めて、札幌市が受け身で構えているのではなくて、一度失ってしまったら二度ともとに戻せない貴重な場所なのだということで、さらに詳しく調査をしながら――土地所有者も、緑の保全は貴重で価値のあるものだということについては理解されている方だということです。きょう、陳情されている方たちから、もっともっと調査していかなければならないというお話があったと思うので、その間を取り持ちながら、もっと積極的にかかわっていくべきなのではないかなというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◎本多 みどり推進部長  陳情者から、本格的なモニタリングが必要ではないかという意見がございました。  ただ、委員もご存じのように、当該地民有地でございます。今回の調査に当たっては、開発計画があったものですから、どのようなものがあるかということで、民有地をお借りしていろいろな調査をさせていただきました。当然、限られた時間の中で調査したわけですが、都心に数少ない貴重な緑が確保されているとか、メム跡地形がしっかり残されていることが確認されたところです。札幌市としても、このような調査でも、今後も可能な限り地区内の自然が保全されることが望ましいと認識しております。ですから、現在のところ、再度、詳細にわたるこれ以上の調査は必要ないのかなというふうに判断してございます。 ◆伊藤理智子 委員  やっぱり、貴重だということです。そういう中で、民有地だから調査できないということであれば、埋蔵文化財メムの問題、植物や昆虫など、陳情者お話を聞けば聞くほど、もっともっと調査して、貴重な札幌市の財産であるという裏づけをさらにとって、札幌市が保全して維持管理していくことが重要になってくると思うのです。ですから、私は、受け身だけではなくて、本市がこの土地を購入してさらに調査をしていく必要があるのではないかと感じるのですけれども、この点についてはいかがでしょうか。 ◎石川 政策企画部長  先ほど来お答えしておりますとおり、札幌市といたしましては、今回の調査結果と、これに対する有識者評価を踏まえまして、土地所有者に対して敷地内の自然環境を最大限保全していただくよう求めているところでございます。また、土地所有者は、先ほど来答弁しておりますとおり、自然環境保全土地有効活用の両立を検討し、さらに、これまで保全してきました自然環境を引き続き保全する旨の意向を示されておりますことから、現時点におきましては、今、委員からご質問がありましたように、例えば、札幌市が全地購入して計画的に保全する、しないということを判断する状況にはないものと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  一度失ったら取り戻すことは絶対に不可能であるという評価結果も出ているわけですね。扇状地末端部分で、唯一の地形であるメム周辺高低差のある部分だけを残すのではなくて、その西側の庭にもヤチダモやハルニレなどの大木があり、庭全体が緑地として貴重な場所であるということが、陳情者からも、それから札幌市の調査結果からも明らかになったわけですね。そして、伊藤邸所有者も、貴重な場所だということを理解されているから、今まで維持管理されて保存されてきたということでもあります。そこを残していきたいということは、今後、札幌市がこの貴重な自然をきちんと保全して維持管理していくということをもっと積極的に理解していただく、そういう話し合いをしていくことが今求められているのではないかと思うのです。  ここが開発されて、貴重な埋蔵文化財メム植物が本当に守られていくのかなというふうに私は思います。だから、札幌市が全体の敷地を購入した上で、市民にも開放しながら引き続き調査していくことが一番いいと思うのです。これは、土地所有者意向を無視してやりなさいと言っているのではなくて、緑地として残したいという声があり、今、専門家も、ここは全部残したほうがいいのだ、調査も必要だというふうに言っているわけですから、こういう人たちとの調整も図りながら、どういう形で全体を保全して残していけるのかということについて、土地所有者に理解していただけるように積極的に働きかけるべきだというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◎石川 政策企画部長  たびたびご答弁させていただいておりますが、当該地民有地でありますので、一義的には土地所有者意向を尊重しなければならないものであるというふうに考えてございます。さらに、土地所有者は、自然環境保全土地有効活用の両立を検討している、そして、これまで保全してきた自然環境を引き続き保全する旨の意向を示されております。したがって、現時点で、委員質問の全地購入に向けた検討を行うような状況にはございません。  つきましては、今後、土地所有者からの具体の提案内容を確認した上で、調査結果や審議会の審議状況も踏まえて、先方と十分な協議を行い、関連部局との連携も図りながら総合的に検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆伊藤理智子 委員  都心のまとまった樹林地であり、サクシュ琴似川の水源のメムがある貴重な緑地です。ここは、たくさんの人が自由に入って緑地空間を楽しむ場所と、メム周辺保全する場所に分けて保全し、維持管理していけるように、貴重な場所であるということを所有者にも十分理解してもらい、さらに、陳情された方が一生懸命に調査されている学問的な中身についても知っていただきたいと思います。そして、札幌市民の財産として残していくためにはどうしていけばいいのか、札幌市が積極的に仲介していただきたいということを強く求めて、私の質問を終わります。 ◆石川佐和子 委員  私からも、質問させていただきます。  今、陳情者から、伊藤邸敷地は、貴重な文化遺産であり、また自然遺産であることから、非常に重要であり、市が購入して保存していただきたいというお話を丁寧に伺ったところです。また、それに対する札幌市の認識についても、同様に、札幌の原風景であるという貴重さを認識していることを確認させていただきました。  この敷地については、専門家評価をされておりましたので、それを読ませていただきますと、札幌市の緑被率の維持と水と緑のネットワーク形成に欠かせない緑地地点として重要である、また、奇跡的に地形の改変が行われずに、残されたメム及び扇状地の微地形と自生植物の遺伝資源は、一度失ったら取り戻すことは絶対に不可能というふうに評価しておられまして、まさに陳情者のおっしゃるとおりではないかなと思っているところです。  先ほどから何度もお話がありますように、この土地は個人の所有であることから、一義的には本人の意向を尊重すべきであることを伺いました。ただ、伊藤氏から敷地内の樹林を守りながら土地有効活用をしたいという意向も聞いているということなので、その点に関して質問したいと思います。  そのような土地の一部を活用しながら、残りの部分は、現在の貴重な自然を保全するような方法が一体あるのかどうなのか、その辺はどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。 ◎三澤 市民まちづくり局都市計画部長  緑地部分の保全方法があるのかどうかというご質問でございます。  現在、土地所有者から具体の提案が提示されているわけではございませんので、緑地を保全する手法については今後の検討となりますけれども、一般論として、例えば、地区計画という制度がございますが、その活用によりまして樹木等の伐採の制限、埋め立てなどによる土地の形質の変更の制限などを定めることが考えられます。 ◆石川佐和子 委員  土地所有者もその土地の自然の重要性から保全を考えておられて、札幌市もそのことを所有者に求めているということで、今後のお話し合いの流れに係ってくるのかなというふうに思うのです。先ほど申し上げた専門家の方は、当該敷地については、公開性の高い緑地として保全することが望ましいとおっしゃっていまして、また、短期的な評価ではなく、子、孫の世代まで見据えた長期的な意義と利活用という面から捉えることを強く要望するというふうな評価もありました。  そこで、お伺いしますが、札幌市は保全の方向を考えているということですが、専門家が示され、指摘しているように、水と緑のネットワーク形成の緑地拠点ということはもとより、市民への公開とか長期的な利活用の方法も含めて検討すべきかなというふうに考えますが、その点についてはどのようにお考えか、伺います。 ◎三澤 市民まちづくり局都市計画部長  市民への公開等の利活用お話ですけれども、土地の公開や利活用をするに当たりましては、例えば良好な居住環境の確保とか利用者の安全性の確保など維持管理上の問題もございますので、一義的には土地所有者意向を踏まえる必要があると考えております。したがいまして、今後、具体の提案が示された段階で、先ほど来、議論がありますように、どのような形がよろしいのか、土地所有者意向を踏まえつつ利活用のことについても先方と協議を進めてまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  今後、所有者との意向を確認しながらどんな保全ができるか検討されていくということですが、その中で、所有者のご意向である利活用と樹木、樹林を保全したいということについて、どのようにしたらそれをあわせて実現できるのかというのは本当に難しいことではないかなと私は思います。利活用ということで仮にマンションという言葉がありますが、そうした場合、植生の変化というのは本当に間違いないことですし、貴重な札幌の原風景は間違いなく失われていくのではないかなというふうに思います。  一義的には所有者意向に沿うということですが、先ほど札幌市はそうした貴重さを意義として押さえられているというお話がありましたので、もう一度、そこをしっかりと強く押さえて、所有者と向き合いながら、改めてこの貴重な自然の保全について検討を進めていただきたいと思います。また、こうした取り組みについて市民理解を深めながら進めていただきたいということを求めて、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 議員  私の会派はこの委員会に所属委員がいませんので、少し質問の時間をいただきたいと思います。  まず最初に、あそこの土地の面積は幾らあるのか、これが一つ。  二つ目は、現在の公示価格で評価すると平米幾らで総額幾らになるのか、この2点をまずお答えください。 ◎石川 政策企画部長  まず、土地の面積でございますが、4筆に分筆しておりますけれども、トータルで1万4,237平米と確認しております。  続きまして、土地の価格でございますが、当該土地の価格については鑑定評価を行っておりません。仮に参考までにということで申し上げるならば、例えば路線価に基づく試算では23億円程度、さらに、商業地域でありまして、近傍である北8西4の地価公示標準地を参考にしますと約50億円程度という参考値は出てまいります。  いずれにいたしましても、正確な鑑定評価は行っておりませんので、正確な価格ということについてはお答えを申し上げられません。 ◆松浦忠 議員  質問したことに答えてください。私は正確になんて言っていません。公示価格でと言っています。質問をちゃんと聞いて答えてください。  わかりました。  次に、先ほどから皆さん方は質問にいろいろ答えられているけれども、市長はこの土地の問題についてどういうふうに考えておられるのか。皆さん方がこの問題をどう扱うかということについて市長に相談されたかどうか。 ◎渡邊 市長政策室長  この扱いについてということまでは相談してございません。ただ、調査結果は報告しておりますので、保全すべき価値があるものだということで、土地所有者に対しては最大限保全していただくようにお願いを申し上げたところでございます。 ◆松浦忠 議員  そこで、今、札幌市では、札幌市全体の都市計画について、札幌という与えられた区域の中で、特に中心部のこういうような都市計画は、一体、誰が中心になって考えているのか。いわゆるどの部門のどの職位の人がこれを考えているのか。 ◎渡邊 市長政策室長  具体的に何がということではございませんけれども、都市計画関係であれば市民まちづくり局が所管でございます。ただ、総合調整という意味では市長政策室がその任に当たる立場だと思います。 ◆松浦忠 議員  私が30年前に選挙に出たときには、企画調整局というところが都市計画をきちっと担っていたのですよ。私は、藻岩山の再整備のときも指摘して建物をかなり縮小してもらったのですが、この10年を見ていると、どうも札幌全体の都市計画を考える人が誰もいないのではないかなと。いわゆる都市計画ということは――部分的なことではないのですよ。陳情者が言っておられることは、ここの局部的な遺産だとか、いわゆる人類的な経過を調べる上では非常に貴重な場所だという局部的な意見を言っているわけですよ。私は、今、皆さんに何を質問しているのかといったら、札幌のまちをどういうふうにするのかと、その都市計画は、10年間、どうも誰もやっている人がいない。だから、藻岩山も、文化遺産になっている山にああいう鉄筋コンクリートのものを建てられる。あのとき、私が提言したのは、藻岩山に生えている樹木を材料に使って木造でつくりなさいと言ったのですよ。それもやらない。  そして、今、質疑を聞いていると、例えば伊藤(理)委員は、札幌市が買って保全すべきだと言う、そうしたら、今の時点では購入はと言う。これは、そんな調査とかなんとかの以前の話なんですよ。都市計画として、植物園と北大を結ぶこの地帯をどういうふうにつないでいくか、そして、これをどういうふうにしてほかにはない札幌市のまちの誇るべき場所にするかと。そういう考え方が全くない。ここが大事なんですよ。  したがって、この問題が出てきたら、まず第一に相談しなきゃならぬことは、市長政策室が市長とここの場所をどういうふうにするかと。先ほど私が陳情者への質問の中でちょっと話をしたように、私は、もうずっと以前から――私は、昭和41年5月1日に札幌に転勤してまいりました。そして、仕事柄、私の職場は当時の日本国有鉄道の札幌駅の上にありましたから、たまに職場の人と北大の校内をずっと通って向こうに抜けて飲みに行くこともありました。そのときに、北大を卒業した方からいろんな話が出ました。そんなことで、この仕事についてからも、やっぱり、あそこの伊藤さんの土地札幌市に売ってくれればいいな、そして、伊藤さんのところの北5条通は植物園の幅で道路をアンダーパスにして、あそこを一体としてつないだらどうかと。俯瞰図で見ると、伊藤さんのところが1万平方メートルとしたら、線路を越えて向こう側がおよそその2倍ぐらいなのです、俯瞰図でざっと見て。そうすると、全部で3万平方メートルです。伊藤さんのこっち側がちょっと高くて50億円としても、向こう側はおよそ2倍ですからちょっと安くなって6割の60億円ぐらいにしても、100億円ちょっとあればまず土地は買えるわけですよ。そして、建物を移転したとか、向こう側を何かしても200億円とかからぬわけですよ。  こういうことについては、少なくとも札幌市はどうするかという検討をしなきゃならぬのですよ。市長がいないからこれ以上は言いませんけれども、それがされていないということは残念だな。これからすべきなんです、これから。  そこで、もう一つ、比較する意味でお聞きしますけれども、板垣市長のときに芸術の森をつくると言ってあの山を買い取り、そして、年数はもう忘れましたが、何年かかけてあれだけのものをつくりました。あの芸術の森は幾らのお金をかけて何年でつくったか、わかっていれば、これとの関連がありますから改めて教えてください。 ○こじまゆみ 委員長  松浦議員、陳情第59号に関する質疑なので。 ◆松浦忠 議員  (続)これは関連することなんです。私が比較のために参考に聞くのです。
    ◎杉本 観光文化局文化部長  申しわけございませんが、手元に資料がないものですから、後ほどご報告させていただきたいと思います。 ◆松浦忠 議員  私の記憶では、少なくとも10年ぐらいかけているはずだと思っています。  渡邊市長政策室長、きょう、この委員会が終わったら、すぐ市長と相談して、そして、札幌市の都市計画として、今、私が提言した伊藤邸、そして線路を越えて北大までつながるおよそ3万平米、これを買い取って具体にどうするか、また、およそ幾らかかるかという概算を出し、そして、議会と市民にこれをどうするかという問いかけをすべきです。それがないということは、市長がいないからもう言いません。この委員会が終わったら、ぜひ、すぐにこれをやっていただきたいと思うのですが、いかがですか。 ◎渡邊 市長政策室長  きょうの委員会やりとりの中で何度も申し上げておりますけれども、ここはあくまで民有地でございまして、地権者としては自然環境保全有効活用の両立を図りたいということで札幌市に相談があったわけであります。その相談を受けた中で、札幌市としてあの土地をどう評価するかということで評価をして、最大限保全していただきたいという要望を向こうに投げかけたわけでございます。それを受けて、相手方は、現在、計画中でございますので、相手方の計画提案を待って対応するのが順序ではないかというふうに私は考えてございます。 ◆松浦忠 議員  それじゃ、私のほうから話をするけれども、私は、この話はもう4年ぐらい前に聞いているんですよ。そして、これは、当時、4年ぐらい前に、大体30〜40億円で買わないかという話が不動産市場に流れているのです。それで、相当、地場のそんな買えそうもないぐらいのところにも――再開発をして建物を建てて売れば、銀行から金を借りてやれば手元資金がなくてもできるわけです。ですから、結構、小さな地元の不動産会社あたりにまでこの話が行き渡っていました。しかし、買い手がつかない、やむなく自主開発をすることに至ったというふうに私は聞いております。たくさんの業者から聞いています。伊藤義郎さん本人からは確認していませんよ。しかし、たくさんの不動産会社から聞いております。なぜ住友不動産に行ったかという経緯も私なりに聞いた話を総合して判断していることがありますが、きょうは市長がいませんから話しても無駄ですので、話はしません。  したがって、私があなたに求めているのは、あなたに答えをくれと言っているんじゃないのですよ。終わったら、すぐ市長と相談して、どうするか検討してくださいと市長に求めてくださいと言っているのですよ。それが、私があなたに託する伝言ですよ。それができないのなら、私は、そういう考えの人とすぐに請願書を出しますよ。そういう考えを持っている市民と私とで請願書を出して、市長の出席を求めてここで市長と質疑します。大体、私からすれば、こういう大事な問題に対して市長がみずから出てこないこと自体が問題だ。  それから、市長の出席についても、我々ではこういうことについて答弁できません、市長、ぜひ、出席して市長の考えを直接述べてくださいと、こうするのが分をわきまえたあなた方の役割ですよ。これは重大な問題ですよ、都市計画上の。こういう点について、わきまえていない人たちを相手に、そして権限のない人たちを相手に、議員がこれだけそろって皆さんを相手に質疑すること自体、議員として非常に情けない。このことを申し上げて、私は、きょうは、これ以上、質問しません。 ◆伊与部年男 議員  段々の話を聞いていましたけれども、まず一つは、伊藤さんから札幌市に対して、この土地を買ってくれないか、そういう問い合わせはありましたか、ありませんでしたか。 ◎石川 政策企画部長  9月に地権者調査結果をご報告した際には、改めて自然環境保全土地有効活用の両立の意向が示されておりまして、現時点で土地所有者には売却の意向はないというふうに認識しております。過去については、私どもは承知しておりません。 ◆伊与部年男 議員  具体的に言いますと、先ほど三澤部長は、10月に伊藤さんから問い合わせがあったと。10月に問い合わせがあって、2月の予算議会で予算をつけているのです。調査費を三百数十万円、観光文化局と環境局を合計して三百数十万円の調査費をつけているのです。3月に予算議会が終わりましたから、3月に予算を通して、これはいつまで調査したのですか。その調査結果が出るまで何カ月なのか。そして、何百何十万円かかったか、具体的に言ってください。 ◎本多 みどり推進部長  都心部樹林等調査費ということで390万円です。これは、みどり推進部文化部……(「具体的にきちっと言って」と呼ぶ者あり)  みどり推進部については170万円、文化部は220万円の予算をつけております。  それから、調査期間ですが、みどり推進部については、平成25年4月26日から平成25年7月16日まででございます。 ◆伊与部年男 議員  390万円の調査費をつけて、みどり推進部が170万円、文化部が220万円、これでわずか3カ月くらいしか調査していないのですよ。3カ月で、埋蔵文化財から自然保護から、こんなモニタリングなんてできっこないじゃないですか。例を言いますと、ここにも北区の議員がいますが、観光文化局のスポーツ部で持っている新琴似の土地は10年間でモニタリング費を8,000万円もかけているのですよ。まだモニタリングをやっていますよ。それと比べたら雲泥の差です、率直に言って。  これはどう思いますか、室長。答弁できないかい。 ◎渡邊 市長政策室長  私はみどり推進部文化部調査内容についてはちょっと承知しておりませんが、新琴似の場合のモニタリングというのは、埋めた分について、いわゆるガスとかの部分がいろいろあるので、多分、このモニタリング費用とはまたちょっと違うのかなというふうに思います。 ◆伊与部年男 議員  それはわかるよ。わかって言っていますけれども、まさに、3カ月じゃ、どんな場合でも、埋蔵文化財と――みどり推進部の本多部長のところで調査をしたと言いますが、とてもじゃないが、調査内容がお粗末だ、乏しい、ずばり言って。だから、最近、慎重にという言葉がはやっているけれども、もっともっと慎重に調査をしなければだめです。  もう一つ、これは、石川部長でもいいし、渡邊室長でもいいけれども、今、伊藤邸を購入してくれという話がありましたが、伊藤さんに対して寄附してくれという話を持ちかけたことはありますか。 ◎渡邊 市長政策室長  ございません。 ◆伊与部年男 議員  それは、全くお粗末だ。なぜかというと、私はずっと調査してきました。神戸市で全くこれと同じような物件がありました、神戸市でね。神戸市も昔ながらのいろいろな文化遺産その他がありますから、それをお持ちの方が市に寄附をしたのですよ。寄附をしたら、伊藤さんも、まさに功なり名を残して、札幌市民から伊藤さんはすばらしい人だったと、銅像は建たないかもしれないけれども、末代までそういうふうに風評として残るのですよ。そういうことを説得力のある材料として、伊藤さん、これは市民の財産だ、自然保護も大事だ、活用も大事だ、だから寄附してくれと、こういうふうな発想が出てこないのかどうか。お粗末だね、市役所というのは。こんなものは、一晩寝たらすぐに発想として出てくる。  これからもそういう気持ちはないですか。市長と相談してください。 ◎渡邊 市長政策室長  寄附ということについては、基本的にはあくまで所有者の自発的な意思によるものであるというふうに考えてございます。 ◆伊与部年男 議員  自発的な気持ちを湧き立たせるのが交渉ではないですか。黙っていたって、そんなもの、寄附しますなんて言わないですよ。これは、こうこうこうで、札幌市全体の、市民全体の重要な財産だ、この財産を壊したらだめだ、だから、あなたは、まさに後々の孫子の代まで伊藤の名前を残すんだ、そういう観点から寄附してくださいと。そういう発想になっていただきたいと、渡邊室長、これを市長に話して、市長は、わかった、寄附するならいただきますよと言う可能性がありますよ。(「不可能ではないな。可能性はあるな」と呼ぶ者あり)  不可能ではないですよ。不可能ではない、これは。そして、維持管理費がいろいろかかるわけだから、それこそ固定資産税、都市計画税、一番大事な譲与税、こういうものはみんなただになるのだから、そういうものを説得材料として伊藤さんにぶつける。どうだ、寄附をせいと。そういう発想にならないものかね。答弁はできないですか。 ◎渡邊 市長政策室長  何度もご説明しておりますけれども、地権者の方は、自然環境保全有効活用の両立を考えていらっしゃるということですので、今の段階では、そういう提案にはなかなかならないと考えております。 ◆伊与部年男 議員  自然保護、それから土地有効活用、これをやるためには――住友建設にやらせたら、こんなものは有効活用にもならないし、自然保護にもなりませんよ。絶対にならぬ。そんなことはもう目に見えていますよ。だから、言っているのですよ。そういうことも含めて、それこそ総合的に、全体的に網羅して伊藤さんにぶつける。ぜひ、そういうことを委員長からも言ってください。そんなことも含めて、終わります。 ◆坂本恭子 議員  端的にします。  私は、8月でしたけれども、所有者のご厚意で、あちらの役員の方たちが案内してくださって伊藤邸の中を見てまいりました。調査の報告書も出ておりますが、おっしゃるとおり、本当に貴重な起伏に富んだメム跡もありました。水位は数十センチというような状態でしたが、あそこに足を踏み入れた人間であれば、これは残したい、何とかして残していきたいと思うと思います。それは直感的なものですが、私たちが開拓の時代から受け継いできた先達の思いを本当にその中に感じることができるものだし、もう行った瞬間に、これはもう残すべきだと私自身も思ってまいりました。  それと同時に、感服いたしましたのは、個人の所有者が、ずっとこれを残し続けたいということで、本当に丹精を込めてお庭の手入れをしてそれを維持しておりました。  そこで、ちょっとお聞きしたいのは、市長に対して要望書が出されていたという答弁が先ほど石川部長からあったと思います。この要望書については自然保護協会から出されているものだと思いますが、それは、市長が実際にきちんと目を通されましたか。それから、そのときの市長の感想はどういうものだったのか、お聞かせいただきたいと思います。 ◎石川 政策企画部長  まず、市長が目を通しているかということですが、要望趣旨については市長のほうに全て上がっておりますので、確認はしておりませんけれども、目を通しているものと考えております。  また、その感想については、申しわけございませんが、私どもは承っておりません。 ◆坂本恭子 議員  委員会の質疑のやりとりについては、多分、事前にある程度の段取りをつくっているのだと思うけれども、市民の声を聞く課に電話が入ったことと要望書が出ていることについては答弁をする、その答弁を用意している段階で、要望書について、どういう経緯で市長の手に渡って、市長はそれをどういうふうに受けとめたのかというところまで、これは委員会の答弁準備としてあなたは当然していなければいけないことだと思います。先ほど来、市長に対してというお話が出ていますから、ここについては、私どもも機会を捉えて確認したいと思いますけれども、まず、理事者として、市長がどう受けとめているのかということについては改めて確認していただきたい。  先ほど390万円の予算の話が出ました。私は、そのときの予算特別委員会で、この中身について、直接、質問いたしました。その後、共産党は、北5西8の存続についてどうするのか、これは買い取ってでも保存すべきだという立場で代表質問を行いまして、土地については大変貴重なものだという先ほど来のご答弁が中心でした。そして、今のやりとりの中で、部長か、室長か、個人所有者は売却の意思はないと明言されたと思いますが、売却の意思はないけれども、有効活用を図り、そして庭園は残すのだということでしょう。  要するに、これを保存してください、手入れもきちんとしてくださいということはお願いしますということだから、それは、あくまでも、その庭園のあり方だとかこれから先の保存の仕方とか、さまざまなことについては完全に所有者個人に任されるということになるのですか。そして、利活用については意向を確認しながらこれから相談していくというふうにも言っておられますが、市は全く責任を持たないのか。関与しないで、個人所有者がマンションを建てます、その傍らに庭園がありますということなのか。先ほど委員からも指摘がありましたが、今の植生は絶対に守れませんし、地下水脈は下がり続けているという報告がさっきあったように、これはますます下がっていくのだから、じゃ、そこを誰が保存するのですか。今まで、明治の時代から伊藤さんが一生懸命に手をかけて保存してきて、風台風のときに倒れかかった木だって、今、一生懸命に養生しているんですよ。本当にすばらしい意思を持って守ってきていると私は思う。そういうことも、これから先は、全部、個人所有者に任せていくおつもりなのですか。 ◎渡邊 市長政策室長  先ほど政策企画部長からお答えした売却の意思については、開発の意向を持っておられるので売却の意向はないのではないかと認識しているとお答えしました。ただし、我々は、向こう側が完全に売却の意思があるか、ないかという確認をしているわけではございませんので、そこはまず申し上げておきます。  それから、全部お任せと言っているのではなくて、一旦、ご相談をされたので、我々としては、今、貴重な部分があるので、ぜひ、最大限保全してほしいとお願いしております。それを受けて、向こうから活用と両立を含めた計画を出してこられると思いますので、それを受けて保存と活用の折り合いをどうつけるか、今後、協議していくということを段々の質疑の中でお答えしたつもりでございます ◆坂本恭子 議員  売却の意思がないという明確な意思表示はなかった、今まではないという理解でまずいいわけですね、これから先の話ということでは。  そこで、陳情者が資料として出してきている中で、埋蔵文化財調査が全くないという話でした。今の流れで行くと、庭園は何とか残しましょう、しかし、建物部分については高度利用も含めて利活用を図っていきたいのだということですが、これは、開発行為にならないと本格的な文化財の調査は行われていかないということになるのですか。 ◎杉本 観光文化局文化部長  今回行いました調査は、あくまでも私有地でございますので、伊藤さん側にお願いしてさせていただいた任意の調査であります。今後、実際に具体的な開発行為になりますと、そのときには開発行為に伴う大がかりな調査となります。今回、遺跡が出ましたので、今後、我々のほうで道教委にそのことを報告する形になります。そうしますと、ここは埋蔵文化財の包蔵地になりまして、開発行為を行う場合には開発行為に伴う届け出を埋蔵文化財センターのほうにしなくてはいけなくなります。届け出をした場合には、我々としては伊藤氏側と調査の協議をいたしまして、それに伴い、一般的には試掘調査をし、また協議を進めていく形になるかと思います。 ◆坂本恭子 議員  埋蔵文化財については、大変貴重なものがあるだろうと思います。エルムゾーンを守る会は専門家の方たちが入っている団体ですから、それは歴然とした事実だということで、もっと詳しい調査をすべきだということが陳情にも盛り込まれているわけですよ。そういう中で、開発行為がなければ埋蔵文化財調査ができないというような状況を札幌市が許すかどうか、私はそこの問題だと思うのですよ。庭園は残してください、貴重な植生もありました、メム跡もありましたという中で、けれども、土地、建物の利活用とあわせて庭園の保全をお願いするのだと。今、両立できないことを前提にして札幌市と個人所有者が話し合いをしていること、それから、陳情者が求めている埋蔵文化財調査も開発行為が決まらないとこれに手をつけられないこと、私は、こういうことではやっぱりいけないと思うのですよ。  先ほど来、皆さんがおっしゃっていますが、私は、行政がきちんと責任を持って、これは市民の大切な財産として保有するという立場で、ぜひ、個人所有者としっかりとした議論をしていただきたいと思いますし、それに当たっては、市長に強力なイニシアチブを発揮していただきたい。それが市民の負託に応えることだと思います。  それから、ぜひ委員会で視察に行かれたらいいのではないかということを申し上げて、終わりたいと思います。 ○こじまゆみ 委員長  ほかに質疑はございませんか。 ◆武市憲一 委員  番外の発言の取り扱いについて、委員長に申し上げます。  3人の番外の方から発言がありました。松浦議員の場合は、会派の中に総務委員会のメンバーがおりません。それから、伊与部議員についても端的に終わったほうですよ。しかし、坂本議員は、端的に質問すると言っておいて、メンバーもいるわけだから、その辺は委員長が配慮しながらさばいてください。 ○こじまゆみ 委員長  わかりました。承りました。  各会派の委員がいらっしゃいますので、会派内で調整していただければありがたく存じます。今後の委員会運営におきましては、ご協力をよろしくお願いいたします。  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○こじまゆみ 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  それでは、陳情第59号の取り扱いについてお諮りいたします。  取り扱いは、いかがいたしますか。  (「継続」と呼ぶ者あり) ○こじまゆみ 委員長  陳情第59号を継続審査とすることにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○こじまゆみ 委員長  異議なしと認め、陳情第59号は、継続審査と決定いたしました。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後0時8分...