委 員 小 形 香 織 委 員 伊 藤 牧 子
委 員 松 浦 忠 委 員 堀 川 素 人
委 員 木 村 彰 男
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開 議 午後1時
○細川正人 委員長 ただいまから、第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項は、特にございません。
議事に入ります前に、一言、お願いがございます。
本日は、ご承知のとおり、26名の方が質疑を行う予定になっております。大変長時間に及ぶであろうということが予想されるところでございます。質疑についてもご準備をされていることかと存じますし、答弁もそれに合わせてご準備をされているとは思いますが、ここは、ひとつ要領を得て質疑、答弁を行っていただきますように理事会でも確認させていただきましたので、よろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ります。
最初に、第6款 経済費 第2項 農政費のうち
農業委員会関係分の質疑を行います。
◆伊与部年男 委員 これは農政費でやろうと思ったけれども、項が違いますから、
農業委員会に質問いたします。
早速、
農業委員会の会長に質問します。
農地法違反の物件について、農地法というのは道の知事管轄ということで農政部はすぐに逃げるのですが、今、石狩支庁がなくなって、
石狩振興局の農務課が担当していますけれども、
農地法違反は
札幌市内で何件ありますか。
◎坂田
農業委員会会長 お答えいたします。
農業委員会が違反として把握して道知事へ報告した件数は、本年9月1日現在で47件であります。
◆伊与部年男 委員 47件の
農地法違反の物件があり、それを知事に報告したわけですね。それは、いつしましたか。
◎三部
農業委員会事務局長 知事に報告するのは、違反が発見されて、それに対する調査を終えた後、順次、速やかに報告することになっております。
◆伊与部年男 委員 農地法ができたのは昭和27年ですから、それ以降、
札幌市内で農地法に違反している人が相当多くあったと思います。平成24年度は何件ありましたか。そして、それはどこですか。(「答弁保留、議事進行」「暫時休憩か」と呼ぶ者あり)
◎三部
農業委員会事務局長 急に平成24年度ということでしたが、3件となってございます。場所は、北区で2件、東区で1件でございます。
◆伊与部年男 委員
農業委員会が農地のパトロールを行い、
違反転用を発見して、違反の事実を確認して、初期指導します。
違反転用事案の報告書の作成をして、報告書を知事に提出する、こういう段取りになっているわけですね。その中で、報告書が受理された段階で
是正方針の決定がありますね。今、部長が答弁した物件に対しては、札幌市
農業委員会はいつ
是正方針を決定して、どういう
是正方針を出したのですか。
◎三部
農業委員会事務局長 ちょっと聞き漏らしたのですが、いつ知ったかということですか。
◆伊与部年男 委員 違反の人たちに対して、いつ、
是正方針を出したのですかと聞いているのです。それと同時に、その後に勧告があるのですが、勧告はしていますか、していませんか。
◎三部
農業委員会事務局長 是正方針については、道でまだ検討中でございまして、勧告も出ていないと聞いております。
◆伊与部年男 委員
是正方針は、要するに、
農業委員会の中で協議して、そして
是正方針を決定して、
行政処分の検討をして、勧告するか、しないかを検討するのでしょう。したのですか、しないのですか。それと同時に、勧告の内容について、どういう勧告をしたのか、明らかにしてください。
◎三部
農業委員会事務局長 事務の流れといたしましては、札幌市
農業委員会としては、これらの
違反事案の確認をして、
違反転用事案の報告を道にすることになってございます。その後、道で、報告書を受けたものに基づき、
是正方針を道が決定して、市に指導してくるという流れになってございます。
◆伊与部年男 委員 先ほど、
農業委員会会長は
違反物件は47件という答弁をしました。この47件は、各区別でどのぐらいありますか。その内容について、どういう
農地法違反なのか、具体的に明らかにしてください。
◎三部
農業委員会事務局長 まず、お尋ねの各区の
違反件数でございますが、北区で29件、東区3件、白石区1件、厚別区1件、清田区1件、手稲区12件の計47件でございます。その内訳でございますが、倉庫等が25棟、工場等が5棟、
資材置き場が5カ所、
駐車場等が4カ所、
パークゴルフ場等が2カ所、寮や
共同住宅になっているものが3カ所、その他3カ所の計47件でございます。
◆伊与部年男 委員 合計47件ですが、その中身はほとんど
貸し倉庫ですね。要するに、
農業用倉庫として土地を貸してそこに
貸し倉庫ができるということですね。
今、部長が答弁したように、手稲に
パークゴルフ場が2カ所、駐車場が3カ所あります。先日、私は都市局の宅地課の件で質問しまして、そのときは
都市計画法違反の物件だったのですが、手稲区の2件が入っているのですよ。宅地課は、
都市計画法第81条に基づいて告発したのです。道警等と協議し、手稲署を通じて告発して、今、検察官が調査中という内容になっているのです。これは、宅地課が
都市計画法第81条によって告発しました。片や、
農地法違反には告発はないのですか。
◎三部
農業委員会事務局長 農地法上におきましても、違反に対しましては農地法第51条で命令、
行政処分、告発、
行政代執行等が定められてございます。条文は多岐にわたりますけれども、そういうことが定められております。
◆伊与部年男 委員 農地法第51条には、告発とは書いていないのです。その前に第64条もあります。というのは、
都市計画法の
違反罰則は、罰金はわずか50万円、懲役1年以下です。ところが、農地法は懲役3年以下、罰金300万円です。ですから、
都市計画法の6倍ですよ。ということは、
都市計画法違反よりも農地法のほうが厳しく受けとめられているのです。
農林水産省の
経営局長名で通知が出されていますが、最近、農地法が改正されましたね。平成21年に改正されて、22年から施行されています。こういう状態の中で、札幌市農政部は宅地課と共同して告発に携わったことはありますか。
◎三部
農業委員会事務局長 手稲の事案につきましては、当然、私どもも違反を重く受けとめております。その意味では、宅地課ともいろいろと協議しながら、道にもそれを伝えながら対応を進めてきたところでございます。
◆伊与部年男 委員 前田の物件については、この前も
都市計画法第81条違反で宅地課が告発しました。私は、農政部がそれにどういうかかわり合いをしたかと聞いているのです。ということは、
都市計画法違反は宅地課、
農地法違反は
農業委員会と分かれているわけです。そして、
農地法違反のほうが罰則は厳しいのです。そういう中で、片や、道警に告発している。片や、告発もしない。勧告もうやむやで、それは道庁ですと。そうしたら、47件の違反者に対して道庁が直接指導に入るのですか。農政部は、何ら関係なしに、それは道庁ですと言っているだけなのですか、そういう態度でいいのですか。
前田の物件は、
都市計画法第81条に完全に違反しています。現地に行きましたら看板も出ています。本件については、第81条違反だから撤去しなさいと書いています。しかし、
農地法違反の勧告は全然書いていないです。全然、指摘されておりません。これは、指導、是正なのですね。法律的には厳しい罰則を与えているほうは何ら刑事罰を求めないで、行政罰という状況の中で、片や、
都市計画法第81条違反については告発している。これは、どう考えても整合性がとれません。
都市計画法違反と同時に
農地法違反をしているわけですから、法律的にはそういうふうになっているかもしれないけれども、行政的には我々はどういうふうに受けとめたらいいのか。このまま47件を投げておいて、
農業用倉庫でございます、倉庫を貸して、そこの中で何をやっているかはわかりませんと。
貸し倉庫というのは、具体的に借りた倉庫の中で何をやっているのですか。
◎三部
農業委員会事務局長 今回の告発に至った案件につきましては、
共同住宅になってございまして、これは、善意の第三者を巻き込むおそれのあるアパートでございました。私どもは、
是正勧告あるいは
行政命令という立場には直接はないのですが、勧告となったときに、道から私どもに勧告の事実が伝えられますので、私たちもそれをもとに文書で指導する、あるいは、勧告や命令以外にも、現地で立ち会い調査するとか、そこへ行って指導するときには必ず我々も道と一緒に行って対応してきております。
◆伊与部年男 委員 そうであれば、
是正勧告まで行かなければ、相手方は受け取り方として非常に弱く感ずると思うのです。このままだったらやり得ですよ。札幌市の農地は
農業用倉庫だらけになってしまいますし、農地が全滅してしまう可能性がある、私はそう感じています。
今、部長は具体的に言わなかったけれども、
貸し倉庫を調査したらほとんどが自動車の修理工場です。そして、
貸し倉庫の中では車の塗装です。そうすると、その材料が飛散してほかの農地に飛び散ります。地産地消と言っていますけれども、飛び散った塗装の液体によって農家の耕作物が食べられないような状態になっている状況もあります。北区などは本当にたくさんあります。47件のうち、北区に29件もあるのでしょう。農地は軒並み
倉庫だらけですよ。それを許しておいたら、農地を持って農作物をつくっているほかの人たちは、何だ、これはとなります。そういう状況になってくるのですね。
上田市長も、この前、北海道新聞で非常にいいことをコメントしていました。行政というのは中立でなければならない、中立が民主主義の最大の原則だと、
上田市長は久しぶりにいいことを言うなと思いましたけれども、これは中立ではないのではないですか、農政部は。片や、道と一緒になって告発して、それは検察庁に行っているわけですね。その返事が出てきたらどうするのですか。
◎三部
農業委員会事務局長 検察庁の返事ということでございますが、恐らく、起訴になるか、不起訴になるかという話がまず第一に出てくるだろうと思います。起訴になりますと、当然、この後に裁判に入っていくと思いますので、そのときには道にもいろいろな資料を提供しながら、そして、私どもも多分呼ばれると思いますので、その中で農業者への環境の保全などの立場を十分に主張してまいりたいと思っております。
◆伊与部年男 委員 その前に、先ほどもお話ししましたけれども、札幌市
農業委員会では
行政処分を検討したことがありますか。
◎三部
農業委員会事務局長 処分権限という意味では、私どもにはその権限がございませんので、具体的な判断に至っておりません。そういった中でも、私どもも、少しでも権限を持った立場になっていろいろ判断し、道と協議しているところでございます。
◆伊与部年男 委員 勧告を検討したことはありますか。それから、原状回復の命令をすべきかどうか、これを決定するという検討をしたことはありますか。
◎三部
農業委員会事務局長 ただいま申し上げましたとおり、
処分権限そのものは北海道ということで直接的な判断はいたしませんけれども、そこは北海道と一緒になって考えて、意見を言うときには言ってきております。
◆伊与部年男 委員 北海道、北海道と言うけれども、
石狩振興局の農務課と一緒になってそういうことを検討していきますという今の答弁ですね。この47件は違反していると
農業委員会ははっきり認めて知事へ上げていますが、
違反行為に対して1件とか3件しか具体的な行動をしていないわけです。残りはどうしようと思っているのですか。
◎三部
農業委員会事務局長 現在、47件のうちの33件まで勧告に至っております。それ以外の案件については、現在、道で勧告や命令を検討している状況でございます。
◆伊与部年男 委員 道のほうでと言うけれども、
農業委員会がパトロールして、調査して、これは違反だと報告を上げたのはあなたたちなのですから、あなたたちがどういう
違反行為をしているかという内容にについて一番よく知っているのです。それに対して、何ら
是正勧告もしない、指導勧告もしない、
行政処分もしない、これなら、やり得というか、農地を持っている人たちがまともに営農、耕作に全力を挙げてやる気持ちがなくなりますよ。希薄になってしまいます。なぜかというと、農業をやっているよりも、
貸し倉庫として貸したほうが固定した収入が入ってくる。そういうことですから、やり得というか、
貸し倉庫として農地を貸したほうが収入としては安定するわけです。だから、農地に
貸し倉庫がどんどんできていくのです。
私は、このまま放置していいのかということを危惧しているのですが、それに対して、札幌市
農業委員会として、今までどういう具体的な行動をしてきたのか、これからしようとしているのか、もう一度、明らかにしてください。
◎三部
農業委員会事務局長 まず、勧告あるいは
行政命令の際に、道とともに、私どももみずから文書指導をしております。それから、口頭指導という方法もありますので、私どもは日常におきましても違反者に対して口頭指導していくことで現在は対応しているところでございます。ただ、すべからくそれを全部にやるのはもちろんですけれども、当然、優先順位もあります。例えば、それが集団的な農地の中で行われた場合、あるいは、他の農業者の営農に直接の妨げになる場合、悪質な場合、また、残土を積み上げて周りに自然災害が及ぶ場合など、いろいろな状況を勘案しながら指導の優先あるいは強弱もある程度考えながら進めているところでございます。
◆伊与部年男 委員
農業委員会は、基本的に、札幌市の農家をふやそうとしているのですか、どうなのですか。今、
札幌市内には
専業農家が293軒あります。第1種農家が96軒あります。第2種農家が244軒あります。合計633軒あると言われております。
農業委員会としてはこの633軒の農家をふやそうとしているのか。そして、札幌市の地産地消を基本とした農業の発展、
都市農業の発展について、
農業委員会としてどういうふうに考えているのか、基本的な問題として、会長、答弁できませんか。
◎三部
農業委員会事務局長 今おっしゃられた数字に関しては、20年前に比べましてほとんど半分に減少してございます。
農地面積はありますけれども、そこで畑を耕す担い手がいないのは非常に大きな問題と捉えています。そうした意味で、私どもは、農地の流動化などのいろいろな施策を講じつつ、なおかつ、それでも埋まらない部分については新しい担い手も確保していかなければならないということで、札幌市農政部が施策を講じているところでございます。
農業委員会としては、その施策と連動して一緒に
サポートチームをつくったりしながら、
新規就農者の養成などをして農業の担い手を新しく育てることに努めていきたいと考えております。
◆伊与部年男 委員 部長の答弁は、基本的な姿勢としてはわかります。633戸で半減した、当時から見たら半分になったと。今の状態だったら、これはますます減るのではないですか。農政の項のところでもお話ししたいと思いますけれども、
農業委員会として、農地の活用その他を含めて、決算の数字を見ると農政部で1年間に3億4,000万円使っていますね。
農業委員会の費用は、3億4,000万円のうち2,000万円使っています、
農業委員の報酬を含めて。2,000万円を使って
農業委員会が一生懸命に札幌市の農業の発展をやってきたのだけれども、633軒しかないのです。
私は、先ほど293軒、96軒、244軒で633軒という数字を並べました。専業、第1種、第2種となっておりますが、この分類はどういうふうにして決めるのですか。それと同時に、633戸の農家は、各区でどういうふうに配分されていますか、それを明らかにしてください。
◎三部
農業委員会事務局長 まず、専業、第1種、第2種の考えでございますが、
農林水産省が統計調査をしているものでございまして、農水省の定義の中に
専業農家は
農業所得のみの家計、そして、
農業所得以外に所得がある場合は兼業という扱いになりまして、農業の所得が主である場合は第1種農家、
農業収入が従である場合は第2種農家という決め方になってございます。
各区の割合でございますが、区別に申し上げますと、中央区が10戸、北区が193戸、東区が168戸、白石区が89戸、厚別区が79戸、豊平区が51戸、清田区が62戸、南区が186戸、西区が78戸、手稲区が77戸、合わせて993戸となっております。
専業農家について申し上げますと、中央区では1戸、北区が60戸、東区が47戸、白石区が24戸、厚別区が11戸、豊平区が13戸、清田区が20戸、南区が70戸、西区が21戸、手稲区が26戸となっております。第1種農家は、中央区がありません。北区が21戸、東区が25戸、南区が21戸、手稲区が10戸で、あとは1けた台となっております。第2種農家は、一番多いのは東区の53戸、北区の45戸、南区が42戸という順番で合わせて244戸となっております。
◆伊与部年男 委員
農業委員会としては、この633戸をこれからどのようにしてふやすのか、減らすのか、その方向性はきちんと決まっているのですか。本市の
農業委員会として議論をしたことはありますか。本市の
農業委員会として、こういう実態を踏まえてこれからどうしようとしているのか、これを議論したことはありますか。年間2,000万円も使っているわけですから、費用対効果が具体的にあらわれてこなかったら、何のための
農業委員会かとなりますよ、率直に言って。
農業委員会なんて要らないんじゃないかという風評もあります。しかし、法律的に地方自治体に
農業委員会を設置しなければならないという1項目があるので、
農業委員会をつくっています。そして、札幌市はそれに年間2,000万円を使っており、会長、副会長を含めて22人の
農業委員がいるわけですが、
農業委員会の中で札幌市の農政をこれからどうするかという方向性を議論したことがありますか、ないのですか、どうなのですか。
◎三部
農業委員会事務局長 昨年から人・
農地プランということで、地域を25地区に分けて、担い手などを掘り起こすような活動、あるいは、誰に農地を集積すればいいのか、その地域がどういう方向に向かえばいいのかということを立てることになっております。
農業委員は、25地区全てに入っていただきまして、地域の担い手や、そこで育てるべき
新規就農者のこと、そして、それをどう応援していくかという作業を一緒に進めているところでございます。
◆伊与部年男 委員 後から農政費でもやりますけれども、
農業委員会の価値感が極めて乏しいという感じが率直にします。2,000万円使って、22人の委員を配置して、月に1回か2回、2回もしないだろうな。議員からも
農業委員に出ておりますし、私も過去に
農業委員をやったことがありますが、行ったら、余り質問しないでください、議論しないでくださいと何回も言われました。いずれにしても、
農業委員会の中で、今、部長が答弁したようなそういう配置をして、現状を把握して、札幌市の農政がどうあらなければならないか、これを率直に議論しなければ、
農業委員会の価値感は全然ありません。だって、それこそ費用対効果が全然生まれてこない。よし、
農業委員会の決定に従って農家になってやろうかという後継者なんて出てこない。今、
高齢者時代になって後継者がいなくなっている。ほとんどいなくなっちゃった。そうしたら、年寄りが農家をやっていても飯が食えない、収入が乏しい、だから、農地を
農業用倉庫として貸して固定収入を得るという発想になるのです。これが今の札幌市の農業の実態でしょう。北区なんて、農地は荒れ狂っていますよ。北区だけではない。札幌市全体の農地が荒れ狂っている。これをきちんと指導するのが
農業委員会だと思うのですよ。
決算書を見ますと、
農業支援センターなんていうのがあります。
農業支援センターでは、3億4,000万円のうち、年間で6,000万円使っています。
農業支援センターでは一体何をやっているのか。これは農政費でやりますが、
農業委員会という立場で、
農業支援センターをどう位置づけているか、お聞きします。
◎三部
農業委員会事務局長 農業支援センターに対する
農業委員会の認識でございます。
毎年、
農業委員会の席で、
農業支援センターの所長を呼び、今ある
札幌市内の課題や状況を説明して、そこで一緒に議論して、時には
農業支援センターの畑に行って、その中で新しいタマネギの品種や望ましいコマツナの品種の選定などの情報を得て、それを地域に還元していただいております。そういう意味では、
農業委員会としても非常に活用させていただいている状況でございます。
◆伊与部年男 委員 これで終わろうと思いますけれども、
農業委員会の中で、生産者も含めてしっかりとした
農業方針をきちん出さないと、札幌市の農業はこれで終わってしまいますよ。農地は荒れ狂っていて、半減したと言うのです。農家戸数も633軒しかなくて、これも半数になりました。これをどうするのですか。年間で3億4,000万円も使って、これは何に使われているのか、費用対効果が全然ありません。これは税金ですよ。税金を3億4,000万円も使って、農家をふやすのではなくて減らすための仕事をするのだったら、とてもではないけれども、価値感が全然ない。
農業支援センターの所長に、何をやるのか聞きました。
農業委員会から何かの指導があったかと聞くと、何もないと言うのです。
農業支援センターでは何をやるのですかと聞いたら、札幌市で落花生をつくらせると言うのです。落花生をどこでつくるのだと聞いたら、南区の
藤野聖山園の北、
すずらんゴルフ場の麓だと言うのです。それから、手稲山口のスイカ畑で落花生をつくらせると言うのです。落花生ではなくて、落下傘ではないですか。これでは落下しますよ。今、TPPが通過したら、外国からピーナッツがどんどん入ってきて、そんなものをつくったって買う人はいません。
そんなことで、私は、
農業委員会を通じての指導が全くなされていないという話をして、45分がたったからこれでやめますから、松浦委員にバトンタッチいたします。
◆松浦忠 委員 まず、
農業委員会の会長、ご苦労さまです。
私は、百姓のせがれですから、農家の実情はそれなりにわかります。
そこで、今、農家の方は、戦後の農地開放以来60数年間、親子2代ぐらいにわたって農地を守ってきています。しかし、それではもうご飯が食べられなくなりました。しかし、今さらどこかに就職しようとしても、市役所でも雇ってくれない、大きな会社でも雇ってくれません。そこで、食べるために何をするかといったら、現実的には、持っている土地を使って、今言われているようなことに転用しながらご飯を食べていくのが農家の今の実態だと思うのです。実態を抜きにして、理想論を言ってもおなかは満ち足りません。
そこで、お尋ねしたいのは、違反だと言われている人たちは、違反をやめて、もとに戻してご飯を食べていける状況にあると
農業委員会として認識しているかどうか、この点についてまずお伺いいたします。
◎三部
農業委員会事務局長 農業経営に関しましては、非常に難しいかと思います。今、国際化、TPPではなくても、野菜に関しては関税がほとんどゼロに近い状況の中で、価格競争が大変迫られております。そして、高齢化、担い手がいない、労力確保が十分に進まないなどの問題の中、一方では資材が非常に高騰しておりまして、確かに農家経営が苦しくなっていることは私どもも認識しております。
そういう中で、これからどうしていけばいいかとなりますと、経営の中で魅力的なものをつくるなど、いろいろなことをしていかなければなりません。しかし、それをみんなができるかというと、必ずしもそうではありませんので、厳しい状況下にあると認識しております。
◆松浦忠 委員 会長、余り難しく考えないで結構です。会長が一番よくわかっているのです。
私は、昭和15年生まれですから、昭和21年に小学校1年生です。私のところは、水田の
専業農家でした。記憶をたどると、昭和20年代には米1升100円、1俵4,000円でした。そのとき、よく出面と言って、草取りや田植えなどの農作業のために来てもらう人は、朝7時から晩6時まで1日240円ぐらいだったのです。これを今に換算すると、大体1日1万円ぐらいですから、そうすると米は4万円ぐらいでなければならないのです。ところが、今はそうなっていません。
私の生まれ故郷、本家は滝川市江別乙町、昔の江別乙村ですが、今はおいっ子がやっていてなかなか大変だと言っています。そういうことからいったら、今の農地法では、必ずしも札幌市のような大都市の中でやっていけるのかどうか。水田ばかりでなく、酪農や畑作でもやっていけるのかどうか。今、
札幌市内には畜産、水稲、畑作、果樹と大きく分けて四つありますが、会長として、今の札幌ではどの種別だったらやっていけるとお考えですか。
◎坂田
農業委員会会長 お答えいたします。
私も、生まれは水田農家です。昭和45年に減反に入り、北区に住んでおりますが、私がおやじから継いだときには米が8,000円ぐらいだったと記憶しております。その後に上がりまして、私のところでは昭和62年に減反されましたが、減反になってもお米が上がっていたのですね。一番上がったときで1俵1万8,000円ぐらいまで上がったのではないかと記憶しております。
お米をつくれば農家は生きていけると言っても、それなりの面積でつくらなければなりません。私は3町ほどつくっておりますが、自主的につくっているのは1町2反ぐらいしかありません。それでは、今の価格でいきますと食べられません。僕が親から受け継いだときには、6町の畑を受けたのですけれども、反30万円の売り上げを目標にやっていました。しかし、平均的にはそうはなりません。つくるものにもよりますけれども、それだけの面積をつくることが収入に密着するものはなかなかございません。例えば、芋をつくっても反20万円ぐらいにしかなりませんし、よくても22〜23万円ぐらいです。水稲ですと、面積をつくればそれなりのお金になりますが、我々がつくったころでは最高にとれて8俵です。今、機械で植えても10俵そこそこではないかと思います。新しい品種によっては収量がだんだん落ちております。酪農は、私のところにも1軒おりますけれども、自分の土地を余り持っておりません。減反政策で休耕地をお借りして経営している状態でございます。果樹は、私にはわかりません。畑作については、東区のタマネギ屋は生活できていると思います。畑作は、つくり方によって、努力次第ですが、2町ぐらいでも食べられるのではないかと思っております。
◆松浦忠 委員 全般的に、190万人の人口がいて、その中にある農地では食べていけないという現実です。これは、学問的にいろいろ理屈を言う人はたくさんいるけれども、現実的にはやっていけないわけですね。したがって、今の農地法の中で、土地を持った人たちがどうやってその土地を生かしながら食べていくかと。息子がどこかに就職したとしても、その農地を引き継いできて、高齢になった人たちが息を引き取るまでは、少なくともその農地から上がったもので食べていける仕組みでなければならないと私は思っているのです。
したがって、今の農地法を一律的に全国に適用して、ほかに転用してはならない、しかし、食べられない。そうなりますと、そこでどうするのかといったら、土地を売って、最後にお金がなくなったら生活保護を受けなさいとなるのですが、こういうようなことであってはならないと思っているのです。
そういう意味からいったら、
農業委員会における農地の地目変更、農地から非農地に変更することについて、私は、もっと実態に即して変更が認められていいのではないかと思うのですけれども、会長はどういう見解を持っておられますか。
◎坂田
農業委員会会長 答弁いたします。
農業委員会で行っている農地、非農地の現況の判断につきましては、農地法及び国の通知に基づいて行っております。農地法上の農地とは、耕作に供される土地で、現在は耕作されていなくても、耕作しようとすればいつでも耕作できるような、すなわち、客観的に見て形状が耕作の目的に供されるものと認められる休耕地や不耕地等も含まれるとされております。さらに、平成20年に出された
農林水産省経営局長通知では、耕作放棄地に係る農地に該当するか否かの判断基準等についての中で、森林の様相を呈しているなど農地に復元するための物理的な条件整備が著しく困難な場合などは農地に該当しないが、それ以外は農地に該当するとされているところであります。
平成21年12月に限りある農地の有効活用などを目指した改正農地法が施行となり、農地は国内の農業生産の基盤であり、国民の大切な資源であると明記されました。この趣旨を踏まえながら、今後も法令等に従い、厳正に判断したいと思っております。
◆松浦忠 委員 私は、1983年、昭和58年に初めて議席を得まして、農家の出身ですから、農家の方々といろいろな話をしました。地目変更の相談も随分受けました。ずっと言われていたのは、トラクターなり耕運機で起こすときに、木が生えていて機械でも起こせない状況になれば非農地への転換の判断としますということがずっと前から言われておりました。
今、先ほど会長が言われたように、食べることが大変困難だということになれば、確かに、理念的には食料は何といっても大切、自国で生産するのは当たり前のことですが、一方で、大都市の中では実際に農業ができない、土地を持っている人は、お金のあるうちはそれで食べて、なくなったら生活保護と、そういう政策であるとしたら、私は、まさに、ずっと一生懸命に農業をやってきた人に対して、その人の人間としての生き方、考え方を否定する人格否定につながると私は思っているのです。そういう点で、先ほど話したようなことで、大
都市農業として土地を利用していける形に、その地域の実情に合った農地法に変えるように国に求めていくべきだと思うのです。そうでないと、農家をやっていて食えなくなった人に、あれをやったらだめ、これをやったらだめ、それをやったら懲役3年以下、下手をしたら見せしめに苗穂に入ってもらおうかということでは、私は余りだと思うのです。
この点について、国に対して実態にそぐうように農地法の改正を求めるべきだと思うのですけれども、会長はどう思っていますか。委員会としての見解ではなく、農業者としてどう思っているか、聞きたいと思います。
◎坂田
農業委員会会長 私自身としてのお答えと言われておりますけれども、立場上ではそれはいけないということになります。しかし、実質的に言いますと、委員が言われたように、私はそのように変えていったほうが生活できるのではないかと思っております。
◆松浦忠 委員 これ以上は質問しませんが、私も農家のせがれですからよくわかるのですけれども、考え方は同じです。
私は、基本的に、どんな法律でも、どんな憲法でも、大前提は国民みんながそれぞれのなりわいの中で食べていけるということがあるべき姿だと思うのです。そういう意味では、札幌市について言えば、今の農地法は全く実態に合っていない。こういう点では、ぜひひとつ、今後、札幌市
農業委員会として国に農地法の改正を求めるという決意を持って挑んでいただきたいということを求めて、私の質問を終わります。
○細川正人 委員長 以上で、第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。
農業委員会の説明員の方は、退席されて結構でございます。
坂田会長、ご苦労さまでございました。
次に、第5款 労働費 第1項 労働費の質疑を行います。
◆福田浩太郎 委員 私からは、Skipさっぽろについてお尋ねしたいと思います。
北海道経済を強くしていくためには、雇用が安定し、労働者の皆様の持てる力を思う存分発揮させることがまことに重要であると思っております。社会人が、経済情勢の変化を捉えて、今後伸びていく業種に必要な能力を高めて、よりよい仕事を得ていくことが札幌の経済を活性化させると考えております。そうしたことから、カウンセリングを幾度も行い、その上で必要な資格を取得し、職場実習を支援して、比較的短期間に正社員やフルタイム勤務での就職を目指すSkipさっぽろの事業については、これまでも我が会派として大いに注視し、委員会などにおいて質問してきたところであります。
平成24年度の実績を伺いますと、応募者596人のうち297人が選考を通過し、この事業に参加しております。そのうち、およそ62%の183人が就職しているそうでございます。そして、就職者183人のうち、およそ91%の167人が正社員もしくはフルタイムでの勤務で就職されておりまして、そのおよそ62%の114人が札幌市産業振興ビジョンで掲げる重点4分野に就職されております。
事業参加した297人のうち、就職した人は183人、62%という状況は、就業サポートセンターで実施しております女性や中高年向けの再就職支援セミナーにおいて、女性の場合は約67%、また、中高年齢向けでは57%という就職率と同じ程度の実績を残しておりまして、先ほど申し上げたようにその91%が正社員もしくはフルタイムでの就職をかち取っていることを考えますと、その実績は評価に値すると考えております。
そんな中で、Skipさっぽろの柱の一つである職場実習は、平成24年度の実績で16名、215日の執行ということで、53日の執行であった平成23年度と比較すればふえてはいるものの、500日を見込んでいたことを考えると余り活用されていないのではないかと指摘できるわけでございます。このことは、平成25年1定の予算特別委員会でも、我が会派の芦原議員が質問し、理事者からは25年度に向けて事業の見直しについて取り組むという答弁があったところであります。
◎元木 中央卸売市場長 まず、うまくいっているものとして、市場協会に対する負担金の削減ということでございました。
これは、市場内の交通、防犯などの業務については市場協会がやっておりまして、そこにかかわる経費を開設者が5割、業者の方々が5割を負担しております。これらの業務について、経費の削減、また、人員の配置を見直すことで私どもと業者の負担金を削減するということでございまして、平成24年度から順次実施することとしております。プランでは、24年度においてはその効果額を200万円と見込んでございまして、それに対する実績としては約1,100万円ということで、900万円の効果額のアップにつながってございます。
うまくいった理由でございますが、今お話ししたとおり、市場協会と私どもで経費節減に関していろいろと協議させていただきまして、業務体制の効率化を前倒しして行うなど、非常に積極的に取り組んでいただいた市場協会の努力によるものだと思ってございます。
一方、うまくいっていないものでは空き室解消対策の実施がございます。
これは、プランの策定時におきまして、空き部屋となっていた事務室が7室、保管庫が2室ございましたので、これを全て埋めようということで、それによる効果額を2,200万円見込んでございました。それに対しまして、今年度の見込みでは事務室が3室、保管庫が2室の貸し出しで、効果額としては約半分の1,100万円にとどまってございます。
また、うまくいっていない理由でございますが、空き室を解消するために、私どもは札幌商工会議所等の各種団体に対して利用あっせんの個別訪問などを行っておりましたけれども、対象や、それ以外の手法が十分ではなかったと、結果を見るとそのようなことを感じております。
◆木村彰男 委員 一生懸命に取り組んでいらっしゃるのではありますが、私は、取扱高の減少は今後とも続くという認識でございます。したがって、取り扱いで収益を上げて本業でこれを回復していく体制がとれず、今おっしゃったような合理化といいますか、内部のご努力だけに頼る限りは、正直、限界があると私は考えております。つまり、現在の経営改革プランでは、早晩、行き詰まると見ております。そこで、5年たったら見直すと書いてありますが、私は、5年を待たずして見直していかなければならないという認識です。そのためには、先ほど出ていましたが、22名の職員を含めて、市の中央卸売市場に対するかかわり方として、従来の考え方を抜本的に改めるような改革を――極端なことを言えば、この間、場長とも指定管理の問題をお話ししました。そういうことまで踏み込んだ形でやっていくか、さもなければ、現在の市場の会計基準を改めるような思い切ったことをしなければならないと思います。
そうしない限り、私はこの改革は行き詰まると考えておりますけれども、場長のお考えをお聞かせください。
◎元木 中央卸売市場長 今後、改革プランをどうしていくのか、プランが破綻することが想定されるのであれば、それに対してどう立ち向かっていくのかということでございます。
まず、プランの見直しに関しては、今、委員のお話のとおり、5年後としておりました。一方、これまで、るるご答弁させていただきましたとおり、今年度で既に20項目中19項目をやっておりまして、中にはうまくいっていないものもありますが、逆に言うと、ある程度結論が出てきております。また、うまくいっていないものについては、さらに努力する余地がございます。こういったことから、平成25年度の実績なり決算が出た時点で、早目に見直しに着手していく必要はあるのかなと感じてございます。
◆木村彰男 委員 大手の量販店などは、市場を通さず、生鮮食料品を産地から自分のところに直接的に仕入れるとか、消費者も、インターネットによって生産者から物を直接買うということは、市場の中では全く想定しておりませんでした。しかし、今、それがどんどん現実化されて、中央卸売市場の存在価値が少しずつ失われているというのが私の認識であります。
ことし8月末に、名寄市において自己破産した市場がありました。このとき、農家の方々と青果物の取引があって、132名の方が約2,500万円の債権を持ったまま払い切れなくなることが生じた事案がありました。もちろん札幌市ではそんなことはないのですけれども、そのような事態に陥ったときに、札幌市がその補償をしたり農家の方々に生産物のお金を支払うようなことは起きてくるのでしょうか、お聞かせください。
◎元木 中央卸売市場長 卸売業者が破綻した際に、出荷者といいますか、生産者に対する債務の補償ということだと思います。
これに関しましては、私どもの札幌市中央卸売市場業務規程という条例の中で、卸売業者については本市に保証金を預託していただくことになっております。また、同じように、その業務規程の中で、保証金については、販売を委託された生産者に対する債務を優先的に弁済するものとして業務規程で定められております。さらに、一部の卸売業者におかれましては、債務不履行時の損失補償に充てるため、直接、生産者に対して保証金を預託しておられる卸売業者もいらっしゃいます。そうしたことからいたしますと、卸売業者が破綻したとしても、生産者への被害は最小限に抑えられるものと考えてございます。
◆木村彰男 委員 先ほど別な委員から出ておりますように、経営も大変厳しい中にあって、結局、生産者の方々は市場を通すことによって、間違いなくお金が入ってくることが担保されているから市場を通しているわけです。私がいつも申し上げていますように、インターネットで商売していると、物を売っても必ずお金が入ってくるかどうかはわかりません。その人に信用があるか、お金を持っているかはわからない。しかし、市場を通せば間違いなく生産者にお金が入ると。そういう担保がなければ市場を通す意味がないのであります。ですから、これを確実にする限り、私は、そこにおいては市場の生き残る道が残っているという論なのです。
そこをきちんと担保した上で、きちんとガードを固めてこのプロジェクトを推進していくと。そして、今おっしゃったように、当面は私も見守りたいとは思いますが、場長にお約束していただいたいろいろな改善のプロジェクトについては、次回以降もしっかりと見せていただくということを申し上げて、私の質問にかえさせていただきます。
○細川正人 委員長 以上で、中央卸売市場事業会計決算の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回は、24日木曜日午後1時から、観光文化局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後9時13分...