札幌市議会 > 2013-10-22 >
平成25年第一部決算特別委員会−10月22日-07号
平成25年第二部決算特別委員会−10月22日-07号

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  1. 札幌市議会 2013-10-22
    平成25年第二部決算特別委員会−10月22日-07号


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    平成25年第二部決算特別委員会−10月22日-07号平成25年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第7号)               平成25年(2013年)10月22日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  細 川 正 人      副委員長   小 川 直 人     委   員  宮 村 素 子      委   員  勝 木 勇 人     委   員  こんどう 和雄      委   員  山 田 一 仁     委   員  村 松 正 海      委   員  よこやま 峰子     委   員  宗 形 雅 俊      委   員  川田 ただひさ     委   員  小 竹 知 子      委   員  阿部 ひであき     委   員  伊与部 年 男      委   員  猪 熊 輝 夫     委   員  大 嶋   薫      委   員  恩 村 一 郎     委   員  林家とんでん平      委   員  桑 原   透     委   員  峯 廻 紀 昌      委   員  山 口 かずさ     委   員  村 上 ゆうこ      委   員  中 村 たけし     委   員  本 郷 俊 史      委   員  三 浦 英 三     委   員  阿知良 寛 美      委   員  國 安 政 典     委   員  福 田 浩太郎      委   員  坂 本 恭 子
        委   員  小 形 香 織      委   員  伊 藤 牧 子     委   員  松 浦   忠      委   員  堀 川 素 人     委   員  木 村 彰 男       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時 ○細川正人 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  議事に入ります前に、一言、お願いがございます。  本日は、ご承知のとおり、26名の方が質疑を行う予定になっております。大変長時間に及ぶであろうということが予想されるところでございます。質疑についてもご準備をされていることかと存じますし、答弁もそれに合わせてご準備をされているとは思いますが、ここは、ひとつ要領を得て質疑、答弁を行っていただきますように理事会でも確認させていただきましたので、よろしくお願いいたします。  それでは、議事に入ります。  最初に、第6款 経済費 第2項 農政費のうち農業委員会関係分の質疑を行います。 ◆伊与部年男 委員  これは農政費でやろうと思ったけれども、項が違いますから、農業委員会に質問いたします。  早速、農業委員会の会長に質問します。  農地法違反の物件について、農地法というのは道の知事管轄ということで農政部はすぐに逃げるのですが、今、石狩支庁がなくなって、石狩振興局の農務課が担当していますけれども、農地法違反札幌市内で何件ありますか。 ◎坂田 農業委員会会長  お答えいたします。  農業委員会が違反として把握して道知事へ報告した件数は、本年9月1日現在で47件であります。 ◆伊与部年男 委員  47件の農地法違反の物件があり、それを知事に報告したわけですね。それは、いつしましたか。 ◎三部 農業委員会事務局長  知事に報告するのは、違反が発見されて、それに対する調査を終えた後、順次、速やかに報告することになっております。 ◆伊与部年男 委員  農地法ができたのは昭和27年ですから、それ以降、札幌市内で農地法に違反している人が相当多くあったと思います。平成24年度は何件ありましたか。そして、それはどこですか。(「答弁保留、議事進行」「暫時休憩か」と呼ぶ者あり) ◎三部 農業委員会事務局長  急に平成24年度ということでしたが、3件となってございます。場所は、北区で2件、東区で1件でございます。 ◆伊与部年男 委員  農業委員会が農地のパトロールを行い、違反転用を発見して、違反の事実を確認して、初期指導します。違反転用事案の報告書の作成をして、報告書を知事に提出する、こういう段取りになっているわけですね。その中で、報告書が受理された段階で是正方針の決定がありますね。今、部長が答弁した物件に対しては、札幌市農業委員会はいつ是正方針を決定して、どういう是正方針を出したのですか。 ◎三部 農業委員会事務局長  ちょっと聞き漏らしたのですが、いつ知ったかということですか。 ◆伊与部年男 委員  違反の人たちに対して、いつ、是正方針を出したのですかと聞いているのです。それと同時に、その後に勧告があるのですが、勧告はしていますか、していませんか。 ◎三部 農業委員会事務局長  是正方針については、道でまだ検討中でございまして、勧告も出ていないと聞いております。 ◆伊与部年男 委員  是正方針は、要するに、農業委員会の中で協議して、そして是正方針を決定して、行政処分の検討をして、勧告するか、しないかを検討するのでしょう。したのですか、しないのですか。それと同時に、勧告の内容について、どういう勧告をしたのか、明らかにしてください。 ◎三部 農業委員会事務局長  事務の流れといたしましては、札幌市農業委員会としては、これらの違反事案の確認をして、違反転用事案の報告を道にすることになってございます。その後、道で、報告書を受けたものに基づき、是正方針を道が決定して、市に指導してくるという流れになってございます。 ◆伊与部年男 委員  先ほど、農業委員会会長違反物件は47件という答弁をしました。この47件は、各区別でどのぐらいありますか。その内容について、どういう農地法違反なのか、具体的に明らかにしてください。 ◎三部 農業委員会事務局長  まず、お尋ねの各区の違反件数でございますが、北区で29件、東区3件、白石区1件、厚別区1件、清田区1件、手稲区12件の計47件でございます。その内訳でございますが、倉庫等が25棟、工場等が5棟、資材置き場が5カ所、駐車場等が4カ所、パークゴルフ場等が2カ所、寮や共同住宅になっているものが3カ所、その他3カ所の計47件でございます。 ◆伊与部年男 委員  合計47件ですが、その中身はほとんど貸し倉庫ですね。要するに、農業用倉庫として土地を貸してそこに貸し倉庫ができるということですね。  今、部長が答弁したように、手稲にパークゴルフ場が2カ所、駐車場が3カ所あります。先日、私は都市局の宅地課の件で質問しまして、そのときは都市計画法違反の物件だったのですが、手稲区の2件が入っているのですよ。宅地課は、都市計画法第81条に基づいて告発したのです。道警等と協議し、手稲署を通じて告発して、今、検察官が調査中という内容になっているのです。これは、宅地課が都市計画法第81条によって告発しました。片や、農地法違反には告発はないのですか。 ◎三部 農業委員会事務局長  農地法上におきましても、違反に対しましては農地法第51条で命令、行政処分、告発、行政代執行等が定められてございます。条文は多岐にわたりますけれども、そういうことが定められております。 ◆伊与部年男 委員  農地法第51条には、告発とは書いていないのです。その前に第64条もあります。というのは、都市計画法違反罰則は、罰金はわずか50万円、懲役1年以下です。ところが、農地法は懲役3年以下、罰金300万円です。ですから、都市計画法の6倍ですよ。ということは、都市計画法違反よりも農地法のほうが厳しく受けとめられているのです。  農林水産省経営局長名で通知が出されていますが、最近、農地法が改正されましたね。平成21年に改正されて、22年から施行されています。こういう状態の中で、札幌市農政部は宅地課と共同して告発に携わったことはありますか。 ◎三部 農業委員会事務局長  手稲の事案につきましては、当然、私どもも違反を重く受けとめております。その意味では、宅地課ともいろいろと協議しながら、道にもそれを伝えながら対応を進めてきたところでございます。 ◆伊与部年男 委員  前田の物件については、この前も都市計画法第81条違反で宅地課が告発しました。私は、農政部がそれにどういうかかわり合いをしたかと聞いているのです。ということは、都市計画法違反は宅地課、農地法違反農業委員会と分かれているわけです。そして、農地法違反のほうが罰則は厳しいのです。そういう中で、片や、道警に告発している。片や、告発もしない。勧告もうやむやで、それは道庁ですと。そうしたら、47件の違反者に対して道庁が直接指導に入るのですか。農政部は、何ら関係なしに、それは道庁ですと言っているだけなのですか、そういう態度でいいのですか。  前田の物件は、都市計画法第81条に完全に違反しています。現地に行きましたら看板も出ています。本件については、第81条違反だから撤去しなさいと書いています。しかし、農地法違反の勧告は全然書いていないです。全然、指摘されておりません。これは、指導、是正なのですね。法律的には厳しい罰則を与えているほうは何ら刑事罰を求めないで、行政罰という状況の中で、片や、都市計画法第81条違反については告発している。これは、どう考えても整合性がとれません。都市計画法違反と同時に農地法違反をしているわけですから、法律的にはそういうふうになっているかもしれないけれども、行政的には我々はどういうふうに受けとめたらいいのか。このまま47件を投げておいて、農業用倉庫でございます、倉庫を貸して、そこの中で何をやっているかはわかりませんと。  貸し倉庫というのは、具体的に借りた倉庫の中で何をやっているのですか。 ◎三部 農業委員会事務局長  今回の告発に至った案件につきましては、共同住宅になってございまして、これは、善意の第三者を巻き込むおそれのあるアパートでございました。私どもは、是正勧告あるいは行政命令という立場には直接はないのですが、勧告となったときに、道から私どもに勧告の事実が伝えられますので、私たちもそれをもとに文書で指導する、あるいは、勧告や命令以外にも、現地で立ち会い調査するとか、そこへ行って指導するときには必ず我々も道と一緒に行って対応してきております。 ◆伊与部年男 委員  そうであれば、是正勧告まで行かなければ、相手方は受け取り方として非常に弱く感ずると思うのです。このままだったらやり得ですよ。札幌市の農地は農業用倉庫だらけになってしまいますし、農地が全滅してしまう可能性がある、私はそう感じています。  今、部長は具体的に言わなかったけれども、貸し倉庫を調査したらほとんどが自動車の修理工場です。そして、貸し倉庫の中では車の塗装です。そうすると、その材料が飛散してほかの農地に飛び散ります。地産地消と言っていますけれども、飛び散った塗装の液体によって農家の耕作物が食べられないような状態になっている状況もあります。北区などは本当にたくさんあります。47件のうち、北区に29件もあるのでしょう。農地は軒並み倉庫だらけですよ。それを許しておいたら、農地を持って農作物をつくっているほかの人たちは、何だ、これはとなります。そういう状況になってくるのですね。  上田市長も、この前、北海道新聞で非常にいいことをコメントしていました。行政というのは中立でなければならない、中立が民主主義の最大の原則だと、上田市長は久しぶりにいいことを言うなと思いましたけれども、これは中立ではないのではないですか、農政部は。片や、道と一緒になって告発して、それは検察庁に行っているわけですね。その返事が出てきたらどうするのですか。 ◎三部 農業委員会事務局長  検察庁の返事ということでございますが、恐らく、起訴になるか、不起訴になるかという話がまず第一に出てくるだろうと思います。起訴になりますと、当然、この後に裁判に入っていくと思いますので、そのときには道にもいろいろな資料を提供しながら、そして、私どもも多分呼ばれると思いますので、その中で農業者への環境の保全などの立場を十分に主張してまいりたいと思っております。 ◆伊与部年男 委員  その前に、先ほどもお話ししましたけれども、札幌市農業委員会では行政処分を検討したことがありますか。 ◎三部 農業委員会事務局長  処分権限という意味では、私どもにはその権限がございませんので、具体的な判断に至っておりません。そういった中でも、私どもも、少しでも権限を持った立場になっていろいろ判断し、道と協議しているところでございます。 ◆伊与部年男 委員  勧告を検討したことはありますか。それから、原状回復の命令をすべきかどうか、これを決定するという検討をしたことはありますか。 ◎三部 農業委員会事務局長  ただいま申し上げましたとおり、処分権限そのものは北海道ということで直接的な判断はいたしませんけれども、そこは北海道と一緒になって考えて、意見を言うときには言ってきております。 ◆伊与部年男 委員  北海道、北海道と言うけれども、石狩振興局の農務課と一緒になってそういうことを検討していきますという今の答弁ですね。この47件は違反していると農業委員会ははっきり認めて知事へ上げていますが、違反行為に対して1件とか3件しか具体的な行動をしていないわけです。残りはどうしようと思っているのですか。 ◎三部 農業委員会事務局長  現在、47件のうちの33件まで勧告に至っております。それ以外の案件については、現在、道で勧告や命令を検討している状況でございます。 ◆伊与部年男 委員  道のほうでと言うけれども、農業委員会がパトロールして、調査して、これは違反だと報告を上げたのはあなたたちなのですから、あなたたちがどういう違反行為をしているかという内容にについて一番よく知っているのです。それに対して、何ら是正勧告もしない、指導勧告もしない、行政処分もしない、これなら、やり得というか、農地を持っている人たちがまともに営農、耕作に全力を挙げてやる気持ちがなくなりますよ。希薄になってしまいます。なぜかというと、農業をやっているよりも、貸し倉庫として貸したほうが固定した収入が入ってくる。そういうことですから、やり得というか、貸し倉庫として農地を貸したほうが収入としては安定するわけです。だから、農地に貸し倉庫がどんどんできていくのです。  私は、このまま放置していいのかということを危惧しているのですが、それに対して、札幌市農業委員会として、今までどういう具体的な行動をしてきたのか、これからしようとしているのか、もう一度、明らかにしてください。 ◎三部 農業委員会事務局長  まず、勧告あるいは行政命令の際に、道とともに、私どももみずから文書指導をしております。それから、口頭指導という方法もありますので、私どもは日常におきましても違反者に対して口頭指導していくことで現在は対応しているところでございます。ただ、すべからくそれを全部にやるのはもちろんですけれども、当然、優先順位もあります。例えば、それが集団的な農地の中で行われた場合、あるいは、他の農業者の営農に直接の妨げになる場合、悪質な場合、また、残土を積み上げて周りに自然災害が及ぶ場合など、いろいろな状況を勘案しながら指導の優先あるいは強弱もある程度考えながら進めているところでございます。 ◆伊与部年男 委員  農業委員会は、基本的に、札幌市の農家をふやそうとしているのですか、どうなのですか。今、札幌市内には専業農家が293軒あります。第1種農家が96軒あります。第2種農家が244軒あります。合計633軒あると言われております。農業委員会としてはこの633軒の農家をふやそうとしているのか。そして、札幌市の地産地消を基本とした農業の発展、都市農業の発展について、農業委員会としてどういうふうに考えているのか、基本的な問題として、会長、答弁できませんか。 ◎三部 農業委員会事務局長  今おっしゃられた数字に関しては、20年前に比べましてほとんど半分に減少してございます。農地面積はありますけれども、そこで畑を耕す担い手がいないのは非常に大きな問題と捉えています。そうした意味で、私どもは、農地の流動化などのいろいろな施策を講じつつ、なおかつ、それでも埋まらない部分については新しい担い手も確保していかなければならないということで、札幌市農政部が施策を講じているところでございます。農業委員会としては、その施策と連動して一緒にサポートチームをつくったりしながら、新規就農者の養成などをして農業の担い手を新しく育てることに努めていきたいと考えております。 ◆伊与部年男 委員  部長の答弁は、基本的な姿勢としてはわかります。633戸で半減した、当時から見たら半分になったと。今の状態だったら、これはますます減るのではないですか。農政の項のところでもお話ししたいと思いますけれども、農業委員会として、農地の活用その他を含めて、決算の数字を見ると農政部で1年間に3億4,000万円使っていますね。農業委員会の費用は、3億4,000万円のうち2,000万円使っています、農業委員の報酬を含めて。2,000万円を使って農業委員会が一生懸命に札幌市の農業の発展をやってきたのだけれども、633軒しかないのです。  私は、先ほど293軒、96軒、244軒で633軒という数字を並べました。専業、第1種、第2種となっておりますが、この分類はどういうふうにして決めるのですか。それと同時に、633戸の農家は、各区でどういうふうに配分されていますか、それを明らかにしてください。 ◎三部 農業委員会事務局長  まず、専業、第1種、第2種の考えでございますが、農林水産省が統計調査をしているものでございまして、農水省の定義の中に専業農家農業所得のみの家計、そして、農業所得以外に所得がある場合は兼業という扱いになりまして、農業の所得が主である場合は第1種農家、農業収入が従である場合は第2種農家という決め方になってございます。  各区の割合でございますが、区別に申し上げますと、中央区が10戸、北区が193戸、東区が168戸、白石区が89戸、厚別区が79戸、豊平区が51戸、清田区が62戸、南区が186戸、西区が78戸、手稲区が77戸、合わせて993戸となっております。  専業農家について申し上げますと、中央区では1戸、北区が60戸、東区が47戸、白石区が24戸、厚別区が11戸、豊平区が13戸、清田区が20戸、南区が70戸、西区が21戸、手稲区が26戸となっております。第1種農家は、中央区がありません。北区が21戸、東区が25戸、南区が21戸、手稲区が10戸で、あとは1けた台となっております。第2種農家は、一番多いのは東区の53戸、北区の45戸、南区が42戸という順番で合わせて244戸となっております。 ◆伊与部年男 委員  農業委員会としては、この633戸をこれからどのようにしてふやすのか、減らすのか、その方向性はきちんと決まっているのですか。本市の農業委員会として議論をしたことはありますか。本市の農業委員会として、こういう実態を踏まえてこれからどうしようとしているのか、これを議論したことはありますか。年間2,000万円も使っているわけですから、費用対効果が具体的にあらわれてこなかったら、何のための農業委員会かとなりますよ、率直に言って。農業委員会なんて要らないんじゃないかという風評もあります。しかし、法律的に地方自治体に農業委員会を設置しなければならないという1項目があるので、農業委員会をつくっています。そして、札幌市はそれに年間2,000万円を使っており、会長、副会長を含めて22人の農業委員がいるわけですが、農業委員会の中で札幌市の農政をこれからどうするかという方向性を議論したことがありますか、ないのですか、どうなのですか。 ◎三部 農業委員会事務局長  昨年から人・農地プランということで、地域を25地区に分けて、担い手などを掘り起こすような活動、あるいは、誰に農地を集積すればいいのか、その地域がどういう方向に向かえばいいのかということを立てることになっております。農業委員は、25地区全てに入っていただきまして、地域の担い手や、そこで育てるべき新規就農者のこと、そして、それをどう応援していくかという作業を一緒に進めているところでございます。 ◆伊与部年男 委員  後から農政費でもやりますけれども、農業委員会の価値感が極めて乏しいという感じが率直にします。2,000万円使って、22人の委員を配置して、月に1回か2回、2回もしないだろうな。議員からも農業委員に出ておりますし、私も過去に農業委員をやったことがありますが、行ったら、余り質問しないでください、議論しないでくださいと何回も言われました。いずれにしても、農業委員会の中で、今、部長が答弁したようなそういう配置をして、現状を把握して、札幌市の農政がどうあらなければならないか、これを率直に議論しなければ、農業委員会の価値感は全然ありません。だって、それこそ費用対効果が全然生まれてこない。よし、農業委員会の決定に従って農家になってやろうかという後継者なんて出てこない。今、高齢者時代になって後継者がいなくなっている。ほとんどいなくなっちゃった。そうしたら、年寄りが農家をやっていても飯が食えない、収入が乏しい、だから、農地を農業用倉庫として貸して固定収入を得るという発想になるのです。これが今の札幌市の農業の実態でしょう。北区なんて、農地は荒れ狂っていますよ。北区だけではない。札幌市全体の農地が荒れ狂っている。これをきちんと指導するのが農業委員会だと思うのですよ。  決算書を見ますと、農業支援センターなんていうのがあります。農業支援センターでは、3億4,000万円のうち、年間で6,000万円使っています。農業支援センターでは一体何をやっているのか。これは農政費でやりますが、農業委員会という立場で、農業支援センターをどう位置づけているか、お聞きします。 ◎三部 農業委員会事務局長  農業支援センターに対する農業委員会の認識でございます。  毎年、農業委員会の席で、農業支援センターの所長を呼び、今ある札幌市内の課題や状況を説明して、そこで一緒に議論して、時には農業支援センターの畑に行って、その中で新しいタマネギの品種や望ましいコマツナの品種の選定などの情報を得て、それを地域に還元していただいております。そういう意味では、農業委員会としても非常に活用させていただいている状況でございます。 ◆伊与部年男 委員  これで終わろうと思いますけれども、農業委員会の中で、生産者も含めてしっかりとした農業方針をきちん出さないと、札幌市の農業はこれで終わってしまいますよ。農地は荒れ狂っていて、半減したと言うのです。農家戸数も633軒しかなくて、これも半数になりました。これをどうするのですか。年間で3億4,000万円も使って、これは何に使われているのか、費用対効果が全然ありません。これは税金ですよ。税金を3億4,000万円も使って、農家をふやすのではなくて減らすための仕事をするのだったら、とてもではないけれども、価値感が全然ない。  農業支援センターの所長に、何をやるのか聞きました。農業委員会から何かの指導があったかと聞くと、何もないと言うのです。農業支援センターでは何をやるのですかと聞いたら、札幌市で落花生をつくらせると言うのです。落花生をどこでつくるのだと聞いたら、南区の藤野聖山園の北、すずらんゴルフ場の麓だと言うのです。それから、手稲山口のスイカ畑で落花生をつくらせると言うのです。落花生ではなくて、落下傘ではないですか。これでは落下しますよ。今、TPPが通過したら、外国からピーナッツがどんどん入ってきて、そんなものをつくったって買う人はいません。  そんなことで、私は、農業委員会を通じての指導が全くなされていないという話をして、45分がたったからこれでやめますから、松浦委員にバトンタッチいたします。 ◆松浦忠 委員  まず、農業委員会の会長、ご苦労さまです。  私は、百姓のせがれですから、農家の実情はそれなりにわかります。  そこで、今、農家の方は、戦後の農地開放以来60数年間、親子2代ぐらいにわたって農地を守ってきています。しかし、それではもうご飯が食べられなくなりました。しかし、今さらどこかに就職しようとしても、市役所でも雇ってくれない、大きな会社でも雇ってくれません。そこで、食べるために何をするかといったら、現実的には、持っている土地を使って、今言われているようなことに転用しながらご飯を食べていくのが農家の今の実態だと思うのです。実態を抜きにして、理想論を言ってもおなかは満ち足りません。  そこで、お尋ねしたいのは、違反だと言われている人たちは、違反をやめて、もとに戻してご飯を食べていける状況にあると農業委員会として認識しているかどうか、この点についてまずお伺いいたします。 ◎三部 農業委員会事務局長  農業経営に関しましては、非常に難しいかと思います。今、国際化、TPPではなくても、野菜に関しては関税がほとんどゼロに近い状況の中で、価格競争が大変迫られております。そして、高齢化、担い手がいない、労力確保が十分に進まないなどの問題の中、一方では資材が非常に高騰しておりまして、確かに農家経営が苦しくなっていることは私どもも認識しております。  そういう中で、これからどうしていけばいいかとなりますと、経営の中で魅力的なものをつくるなど、いろいろなことをしていかなければなりません。しかし、それをみんなができるかというと、必ずしもそうではありませんので、厳しい状況下にあると認識しております。 ◆松浦忠 委員  会長、余り難しく考えないで結構です。会長が一番よくわかっているのです。  私は、昭和15年生まれですから、昭和21年に小学校1年生です。私のところは、水田の専業農家でした。記憶をたどると、昭和20年代には米1升100円、1俵4,000円でした。そのとき、よく出面と言って、草取りや田植えなどの農作業のために来てもらう人は、朝7時から晩6時まで1日240円ぐらいだったのです。これを今に換算すると、大体1日1万円ぐらいですから、そうすると米は4万円ぐらいでなければならないのです。ところが、今はそうなっていません。  私の生まれ故郷、本家は滝川市江別乙町、昔の江別乙村ですが、今はおいっ子がやっていてなかなか大変だと言っています。そういうことからいったら、今の農地法では、必ずしも札幌市のような大都市の中でやっていけるのかどうか。水田ばかりでなく、酪農や畑作でもやっていけるのかどうか。今、札幌市内には畜産、水稲、畑作、果樹と大きく分けて四つありますが、会長として、今の札幌ではどの種別だったらやっていけるとお考えですか。 ◎坂田 農業委員会会長  お答えいたします。  私も、生まれは水田農家です。昭和45年に減反に入り、北区に住んでおりますが、私がおやじから継いだときには米が8,000円ぐらいだったと記憶しております。その後に上がりまして、私のところでは昭和62年に減反されましたが、減反になってもお米が上がっていたのですね。一番上がったときで1俵1万8,000円ぐらいまで上がったのではないかと記憶しております。  お米をつくれば農家は生きていけると言っても、それなりの面積でつくらなければなりません。私は3町ほどつくっておりますが、自主的につくっているのは1町2反ぐらいしかありません。それでは、今の価格でいきますと食べられません。僕が親から受け継いだときには、6町の畑を受けたのですけれども、反30万円の売り上げを目標にやっていました。しかし、平均的にはそうはなりません。つくるものにもよりますけれども、それだけの面積をつくることが収入に密着するものはなかなかございません。例えば、芋をつくっても反20万円ぐらいにしかなりませんし、よくても22〜23万円ぐらいです。水稲ですと、面積をつくればそれなりのお金になりますが、我々がつくったころでは最高にとれて8俵です。今、機械で植えても10俵そこそこではないかと思います。新しい品種によっては収量がだんだん落ちております。酪農は、私のところにも1軒おりますけれども、自分の土地を余り持っておりません。減反政策で休耕地をお借りして経営している状態でございます。果樹は、私にはわかりません。畑作については、東区のタマネギ屋は生活できていると思います。畑作は、つくり方によって、努力次第ですが、2町ぐらいでも食べられるのではないかと思っております。 ◆松浦忠 委員  全般的に、190万人の人口がいて、その中にある農地では食べていけないという現実です。これは、学問的にいろいろ理屈を言う人はたくさんいるけれども、現実的にはやっていけないわけですね。したがって、今の農地法の中で、土地を持った人たちがどうやってその土地を生かしながら食べていくかと。息子がどこかに就職したとしても、その農地を引き継いできて、高齢になった人たちが息を引き取るまでは、少なくともその農地から上がったもので食べていける仕組みでなければならないと私は思っているのです。  したがって、今の農地法を一律的に全国に適用して、ほかに転用してはならない、しかし、食べられない。そうなりますと、そこでどうするのかといったら、土地を売って、最後にお金がなくなったら生活保護を受けなさいとなるのですが、こういうようなことであってはならないと思っているのです。  そういう意味からいったら、農業委員会における農地の地目変更、農地から非農地に変更することについて、私は、もっと実態に即して変更が認められていいのではないかと思うのですけれども、会長はどういう見解を持っておられますか。 ◎坂田 農業委員会会長  答弁いたします。  農業委員会で行っている農地、非農地の現況の判断につきましては、農地法及び国の通知に基づいて行っております。農地法上の農地とは、耕作に供される土地で、現在は耕作されていなくても、耕作しようとすればいつでも耕作できるような、すなわち、客観的に見て形状が耕作の目的に供されるものと認められる休耕地や不耕地等も含まれるとされております。さらに、平成20年に出された農林水産省経営局長通知では、耕作放棄地に係る農地に該当するか否かの判断基準等についての中で、森林の様相を呈しているなど農地に復元するための物理的な条件整備が著しく困難な場合などは農地に該当しないが、それ以外は農地に該当するとされているところであります。  平成21年12月に限りある農地の有効活用などを目指した改正農地法が施行となり、農地は国内の農業生産の基盤であり、国民の大切な資源であると明記されました。この趣旨を踏まえながら、今後も法令等に従い、厳正に判断したいと思っております。 ◆松浦忠 委員  私は、1983年、昭和58年に初めて議席を得まして、農家の出身ですから、農家の方々といろいろな話をしました。地目変更の相談も随分受けました。ずっと言われていたのは、トラクターなり耕運機で起こすときに、木が生えていて機械でも起こせない状況になれば非農地への転換の判断としますということがずっと前から言われておりました。  今、先ほど会長が言われたように、食べることが大変困難だということになれば、確かに、理念的には食料は何といっても大切、自国で生産するのは当たり前のことですが、一方で、大都市の中では実際に農業ができない、土地を持っている人は、お金のあるうちはそれで食べて、なくなったら生活保護と、そういう政策であるとしたら、私は、まさに、ずっと一生懸命に農業をやってきた人に対して、その人の人間としての生き方、考え方を否定する人格否定につながると私は思っているのです。そういう点で、先ほど話したようなことで、大都市農業として土地を利用していける形に、その地域の実情に合った農地法に変えるように国に求めていくべきだと思うのです。そうでないと、農家をやっていて食えなくなった人に、あれをやったらだめ、これをやったらだめ、それをやったら懲役3年以下、下手をしたら見せしめに苗穂に入ってもらおうかということでは、私は余りだと思うのです。  この点について、国に対して実態にそぐうように農地法の改正を求めるべきだと思うのですけれども、会長はどう思っていますか。委員会としての見解ではなく、農業者としてどう思っているか、聞きたいと思います。 ◎坂田 農業委員会会長  私自身としてのお答えと言われておりますけれども、立場上ではそれはいけないということになります。しかし、実質的に言いますと、委員が言われたように、私はそのように変えていったほうが生活できるのではないかと思っております。 ◆松浦忠 委員  これ以上は質問しませんが、私も農家のせがれですからよくわかるのですけれども、考え方は同じです。  私は、基本的に、どんな法律でも、どんな憲法でも、大前提は国民みんながそれぞれのなりわいの中で食べていけるということがあるべき姿だと思うのです。そういう意味では、札幌市について言えば、今の農地法は全く実態に合っていない。こういう点では、ぜひひとつ、今後、札幌市農業委員会として国に農地法の改正を求めるという決意を持って挑んでいただきたいということを求めて、私の質問を終わります。 ○細川正人 委員長  以上で、第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。  農業委員会の説明員の方は、退席されて結構でございます。  坂田会長、ご苦労さまでございました。  次に、第5款 労働費 第1項 労働費の質疑を行います。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、Skipさっぽろについてお尋ねしたいと思います。  北海道経済を強くしていくためには、雇用が安定し、労働者の皆様の持てる力を思う存分発揮させることがまことに重要であると思っております。社会人が、経済情勢の変化を捉えて、今後伸びていく業種に必要な能力を高めて、よりよい仕事を得ていくことが札幌の経済を活性化させると考えております。そうしたことから、カウンセリングを幾度も行い、その上で必要な資格を取得し、職場実習を支援して、比較的短期間に正社員やフルタイム勤務での就職を目指すSkipさっぽろの事業については、これまでも我が会派として大いに注視し、委員会などにおいて質問してきたところであります。  平成24年度の実績を伺いますと、応募者596人のうち297人が選考を通過し、この事業に参加しております。そのうち、およそ62%の183人が就職しているそうでございます。そして、就職者183人のうち、およそ91%の167人が正社員もしくはフルタイムでの勤務で就職されておりまして、そのおよそ62%の114人が札幌市産業振興ビジョンで掲げる重点4分野に就職されております。  事業参加した297人のうち、就職した人は183人、62%という状況は、就業サポートセンターで実施しております女性や中高年向けの再就職支援セミナーにおいて、女性の場合は約67%、また、中高年齢向けでは57%という就職率と同じ程度の実績を残しておりまして、先ほど申し上げたようにその91%が正社員もしくはフルタイムでの就職をかち取っていることを考えますと、その実績は評価に値すると考えております。  そんな中で、Skipさっぽろの柱の一つである職場実習は、平成24年度の実績で16名、215日の執行ということで、53日の執行であった平成23年度と比較すればふえてはいるものの、500日を見込んでいたことを考えると余り活用されていないのではないかと指摘できるわけでございます。このことは、平成25年1定の予算特別委員会でも、我が会派の芦原議員が質問し、理事者からは25年度に向けて事業の見直しについて取り組むという答弁があったところであります。
     そこで、平成25年度のSkipさっぽろの実績、そして、後段に申し上げた職場実習における今後の見直し内容とその結果についてお尋ねしたいと思います。 ◎白岩 雇用推進部長  1点目の平成25年度のこれまでの実績についてでございます。  9月末現在で応募者が333人、うち、選考を通過し、事業に参加された方が155人、就職者は58人となっており、昨年同期と比較しますと減少いたしておりますが、これは、雇用情勢が昨年度に比較し持ち直していることも影響していると認識しております。  しかしながら、応募者に占める参加者率、参加者に占める就職率はともに昨年同期を上回っており、正社員、フルタイム勤務での就職率も95%と昨年度並みをキープしております。また、職場実習では、37日分が実習済みであり、昨年同期と比較しますと7日分ふえております。  2点目の職場実習における今年度の見直し内容とその効果についてでございます。  平成25年1定の予算特別委員会でのご指摘を踏まえて、より職場実習の活用が図られるよう資格取得とパッケージ化したコースの充実や実習が有効な方への働きかけを強化してきたところでございます。今年度におきましては、実習日数に伸びはありませんが、Skipさっぽろの取り組みが機能していることで正社員やフルタイムでの就職に着実につながっていることから、その効果は出ているものと認識いたしております。  いずれにいたしましても、職場実習はSkipさっぽろの柱の一つであり、効果的なメニューでもありますので、今後とも雇用情勢を勘案しながら有効に活用してまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  雇用情勢がよくなってきている影響もあってか、応募者自体は前年同期に比べて減ってきているということでございます。ただ、そんな中でも、事業参加者や就職者については、率にすると前年同期を上回っていて、職場実習の日数についても、いろいろ改善していただき、若干ではあるけれども、昨年同期を上回っているということでございました。  このように着々と実績を積んでいるSkipさっぽろは、よい事業であると思っております。ただ、開設当時と雇用情勢が異なってきていることを考えますと、事業のあり方も再検討する必要があるのではないかというふうに感じております。そういう中で、現状では、社会人の皆様がスキルを高めるニーズは高いと思います。しかし、仕事との両立が難しい方、また、経済的な余裕がないとの理由からスキルアップを諦める人は少なくないと思います。  そこで、例えば、この開設時間ですが、現在、8時45分から17時までになっておりまして、働いていない求職者にとっては利用しやすい時間帯という判断もできます。また、雇用情勢が厳しく、アルバイトやパートで働くのも難しい時期にはこうした時間は適当だと思います。しかし、先ほど確認したように、雇用情勢も回復傾向にある今の状況を考えますと、アルバイト、パートで生計を立てつつ、正社員やフルタイムでの勤務を目指す方も多いと思われます。そうしたときに、これまでの開設時間では、原則、月2回実施されるカウンセリングに来所するのも困難な状況でありますし、働きながら就職活動をする求職者にとっては不便なのではないかというふうに思われるわけでございます。また、現にアルバイトやパートで働いている方には、職場実習は時間的にも適さないのではないかという疑問も湧いてくるところであります。  そこで、伺いますけれども、多くの求職者への支援につなげるためにも、現在、職場実習に振り向けている財源を活用するなどして、働いている方にも配慮した開設時間を設定するなど、その時々の雇用情勢に見合った支援体制を整備する考えはないのか、お尋ねしたいと思います。 ◎白岩 雇用推進部長  雇用情勢に見合った支援体制の整備についてでございます。  委員のご指摘のとおり、現在の窓口体制では、働いている方にとって利用しづらい状況であると認識いたしております。雇用情勢が持ち直しの傾向にある状況では、働きながらSkipさっぽろを利用してスキルアップしたい、あるいは、キャリアアップしたいというニーズもふえてくると考えられますので、今後はこういった方々も利用しやすいよう、限られた財源の中でどのような体制整備が可能か、検討してまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  要望ですが、比較的短期間でのスキルアップや資格の取得、職場実習などを通して正社員やフルタイム勤務での就職を目指すSkipさっぽろは、安定的な雇用を目指す市民の就職支援事業として非常に有効だと思います。事業内容の一層の充実とともに、Skipさっぽろを利用したいと考える求職者がより利用しやすい施設と感じられるような体制整備を図ることを要望しまして、質問を終わります。 ◆坂本恭子 委員  私は、局別施策の概要の71ページに載っている企業向け若年層雇用安定助成金事業費にかかわって質問したいと思います。  企業に着目して助成金を出すという制度は、若年層雇用安定化以前には新卒未就職者雇用助成金がございました。私どもは、かねてより、正規で社員を雇用したときには、とりわけ中小企業に直接助成金を出すような仕組みをつくるべきだということを求めてまいりました。2010年度にこれが開設されまして、当初、50人に対して1人当たり80万円、4,000万円の予算でスタートしました。このときは、その年度内に就職できなかった方たちへの支援ということでしたから、22名の申し込みにとどまるという状況がございました。そして、2011年度に、同じく4,000万円の予算を使って、今度は、全体で200人、1人当たり20万円の募集となりました。私どもは、これは80万円から20万円に引き下がるということですから、正規雇用への動機づけが弱くなるのではないかということで、1人当たりの助成金は減らすべきではないと指摘いたしました。200人の枠に拡大しましたが、実際には前年に80万円の助成をしていたときとさほど変わらず、25人の実績ということで、振るわずに終わってしまったと言えると思います。  そこで、今回は2012年度の決算ですので、2012年度の実績は、札幌市の思惑どおりというのでしょうか、見込みどおりに推移したのでしょうか、具体的にお示しをいただきたいと思います。  あわせて、局別施策には若年層求職者の常用雇用促進に向けた制度とありますが、パンフレットの作成のところでは、常用雇用ではなく、正規雇用と書かれています。いわゆる常用雇用ではなく、正規社員を対象にしているという理解でいいのかどうか、確認を含めて、答弁をいただきたいと思います。 ◎白岩 雇用推進部長  まず、平成24年度の実績についてでございます。  助成金支給人数は98人、申請事業者数は55社となっておりまして、平成23年度の25人、18社と比較いたしますと、助成金支給人数は約4倍、申請事業者数は約3倍となっております。  それから、若年層常用雇用の件でございますが、これは、正規雇用を目的としております。 ◆坂本恭子 委員  札幌圏の有効求人倍率は、全国から比べても非常に低いということが言えると思います。とりわけ、この事業が対象にしている若年層という定義は25歳から35歳未満ですので、ここの有効求人倍率は0.54と非常に厳しいと思います。これまで以上に雇用安定化が求められていると思いますが、そこについての認識も伺いたいと思います。  昨年度、2012年度の実績については98人、55社ということで、前年に比べてそれぞれ4倍、3倍に増加しているということで、それなりの実績が上がっているという評価なのかと思います。しかし、冒頭に申し上げましたように、200人の枠があったわけですから、前年に比べて4倍になったと言っても、当初の目標の半分以下になります。  そこで、今年度、これまでの実績を踏まえてどのような見直しを行ってきたのか、また、年度途中ということでありますが、短期間の中でもこの見直しによって効果があった、あるいは、あるという評価をしているのかどうか、その点をお聞かせいただきたいと思います。 ◎白岩 雇用推進部長  まず、平成25年度の見直し内容とその効果についてでございます。  まず、対象となる求人募集時期を7月1日以降から6月1日以降に変更させていただきまして、期間を延長いたしました。さらに、申請手続の簡素化を図るため、採用者の居所確認書類につきましても住民票抄本から運転免許証などの公的機関が発行する証明書の写しでも可能とさせていただきました。また、対象事業主を、これまでの中小企業基本法に定める中小企業に加えまして、昨年度は健康・福祉分野で事業主から要望が多かった医業を主たる事業とする法人、いわゆる医療法人を含めるように見直したところでございます。  9月末時点での申請人数でございますが、昨年度の14人に対して今年度は27人とほぼ倍増していることからも効果があらわれてきているものと考えております。 ◆坂本恭子 委員  昨年の同時期と比べると倍の申請になっているので、効果が上がってきているというお話でした。期間を延長したり、いろいろ工夫もなさっているということですので、まずはこれが順調に進んでいっていただきたいと願うところです。  しかし、雇用形態については、今回は正規雇用、正社員の雇用でというお話ですが、非正規の割合も札幌は全国に比べて高くなっております。3割を超えているのが全国の数字ですが、札幌市では41.7%が非正規ですから、正規社員の雇用をふやすことは本当に重要な課題だと思っています。今回の4,000万円という予算に対して、限りなく100%に近い執行、あるいは、それにとどまらず補正を組むようなところにまで浸透していく必要があるだろうというふうに思っているところです。  また、この間、一昨年は25人、昨年は98人、ことしは既に40人近い人数になっているということですから、この方たちがきちんと正規雇用、正職員として働き続けることが大事になってくると思うのです。  そこで、定着率がどういうふうになっているのか、把握するべきだと考えますが、この点について、職場定着を把握するための調査などは行われてきているのか、伺いたいと思います。 ◎白岩 雇用推進部長  職場定着の調査についてでございます。  就職におきましては、就労相談等の専門的知識を有する産業カウンセラーが、就職から1カ月後をめどに労働者本人に電話を入れさせていただきまして、現況の聞き取りを行っているところでございます。その際、必要に応じて相談窓口の情報提供を行うとともに、依頼があった場合につきましては、当該助成金事務を取り扱っております中小企業支援センターの専用相談窓口にて相談を受け付ける体制も整えてございます。  また、昨年度につきましては、事業導入当初であったことから、就職後半年から1年たったころ、私ども当部職員が前年度就職者の職場定着状況を企業に直接確認したところでございます。平成23年度の申請企業18社に対して社員25人の職場定着の調査を行ったところでありますが、18人の在職を確認したところでございます。このように7割を超える方が継続雇用されていることから、今後も若年者の安定的な雇用に向け当該事業を推進してまいりたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  産業カウンセラーによる本人に対する現況確認と、昨年は、市の職員の皆さんが企業に対して直接聞き取りをしたということですが、25人に対して行われ、うち18人の継続が確認されたのですね。ということは、昨年は98人が申請対象となっていますから、そのうちの25人の聞き取りしかできなかったということでいいのですか。 ◎白岩 雇用推進部長  平成23年度の支給対象者が25人でございましたので、その中で電話にて確認したところ、18人の方が継続雇用だということであります。したがいまして、残りの7人のうち、5人が退職したことを確認しておりまして、残り2人は連絡がつかなかったということでございます。  それから、昨年度につきましては、今年度から実施する流れになっております。 ◆坂本恭子 委員  失礼しました。わかりました。1年が経過した後に聞き取りをしたということですね。  25人のうち18人、7割の継続ということで、定着率はまあまあというお話もありましたけれども、5人が退職されていて、2人には連絡がつかない状況は、私は看過すべきことではないと思っております。なぜ退職に至ったのか、そしてまた、お2人についてはどうして連絡のとれない状況になってしまったのか。これは、助成金を出すということもありますけれども、会社と個人の方との労使の契約がまずあって、そして、マッチングもされていくのだろうと思うのですが、ここのところの分析をしっかりとする必要があるだろうというふうに思います。ですから、2011年の対象であった方のうち、おやめになった方も含めて、企業に対して今後の調査をさらに行うおつもりがあるのかどうなのか。  それから、1人当たり20万円というお金であっても、職場によっては、ことしから10人が申請の対象になるということです。もちろん、雇用の意欲がある企業が申請してきます。そこには、もちろん、しっかり定着して、仕事を覚えて、会社のために働く人材を育成したいという思いがおありだと思うのですけれども、今のお話だと7割程度ということにもなりかねません。限りなく100%に近い定着率を図っていくためには、定着確認を続けていくことが必要だと思いますし、今後もこの調査を継続して行う、あるいは、職員の皆さんが直接聞き取りをするのではなく、一昨年に行ったように産業カウンセラーによる聞き取りで必要なところにつなげていく、相談窓口になるようなことでもいいのではないかと思うのですが、その辺についてはいかがお考えになりますか。 ◎白岩 雇用推進部長  まず、私の説明が悪かったのかもしれませんが、産業カウンセラーにつきましては、各労働者の方々にそれぞれ聞き取り調査をしております。私ども当部職員については、各企業に問い合わせの確認をしております。なおかつ、半年後、1年後以降の追跡調査の継続についてでありますが、これにつきましては、昨年度に行いました前年度就職者の調査を今年度も行いたいと考えております。  それから、定着に関して言えば3年以内の離職率が非常に取り沙汰されておりますが、そこまでの追跡調査を行うことは現在考えておりません。しかし、繰り返しになりますが、現在行っておりますカウンセラーによる1カ月後、私ども職員による半年から1年後の調査を継続し、その時々の状況を把握することで若年層の職場定着の推進にこれからも努めたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  わかりました。ちょっと切り離して受け取っておりましたが、1カ月後には産業カウンセラーの本人確認があり、半年から1年の間で職員の皆さんが企業に対して聞き取りをしていたということですね。そのことについては、これからも引き続き行っていきたいということでしたから、ぜひよろしくお願いします。  定着を図るためにしっかりフォローアップをしていくことが求められますし、札幌市産業振興ビジョンの中で中小企業の支援という項目があります。この中で、マッチングのことなどさまざま書かれておりますけれども、中小企業の多くは、経営基盤が脆弱であり、規模が小さいため、社内研修制度などをとることが困難な場合があるということで、後継者育成を初め、企業ニーズに合わせた人材育成制度の拡充が求められているということがございますので、本市として、こういうことにしっかり対応して支援やフォローを行っていくべきだと思います。また、4,000万円という枠についても、今年度は満度に支消できるような形で中小企業の皆さんに活用していただきたいと思います。  そして、25歳から34歳という本当は一生懸命働いて社会貢献したい方たちが、非正規で社会になかなか認められない存在になっていて、自分の中で非常な葛藤を持って過ごされていると思いますので、ぜひ、中小企業に対してこの事業のPR、周知をしながら活用していただけるように取り組み、本当の意味での雇用安定にしっかりと力を尽くしていただきたいということを申し上げて、終わります。 ◆伊藤牧子 委員  私からは、今の坂本委員と同じような観点だと思いますけれども、若年層の職場定着促進支援事業についてお伺いいたします。  この時期は、毎年のように黒いスーツを身にまとった学生がオフィス街や会社説明会などで目立つようになります。リーマンショック後の景気の大幅な落ち込みから回復の傾向があるものの、多くの企業が厳選採用方式を採用しているため、企業の買い手市場となっており、厳しい状況が続いています。自殺問題に取り組むNPO法人自殺対策支援センターライフリンクの調査では、就職活動中に自殺を本気で考えた大学生は2割という結果で、周囲が内定する中で不採用が続き、極度の不安、緊張状態に置かれれば鬱状態になるのはおかしくないという分析をしており、日本の将来を担う若者が社会への入り口で悩み、苦しむ姿が浮き彫りになっています。2012年における日本の若年失業率は8.1%と全世代の4.5%を大きく上回っており、働きたくても職につけない若者が日本では12人に1人いる計算になります。また、職につけたとしても、それがブラック企業や不安定な非正規雇用であったり、肉体的にも精神的にも追い詰められている若者が少なくないのが日本の現状です。  また、せっかく正社員として就職しても、やめてしまう若者が多く、2012年の厚生労働省の調査結果によると、3年以内の離職率は大卒者で34.9%、高卒者では47.7%となっており、北海道においては、全国と比べて大卒者で6.1ポイント、高卒者で12ポイントも高い状況です。また、離職率の高い業種はサービス産業で、中でも宿泊業、飲食サービスや教育、学習支援業では約5割に上っており、新卒入社しても労働条件の厳しさゆえの離職が多いと言われています。サービス業が約9割を占めている札幌市においては、若年層の離職率が高い状況にあり、早期離職を防ぐ支援は大変重要と考えています。  そこで、質問ですけれども、2008年度より若年層職場定着支援の取り組みを実施していますが、ここ3年間の取り組み状況についてお伺いいたします。 ◎白岩 雇用推進部長  この3年間の取り組み内容についてでございます。  若手社員の就業意欲の向上を図り、職場定着を促進するための講演会、あるいは、同世代が少ない中小企業の入社3年以内の若手社員の不安や悩みの早期解消を目的とした宿泊研修を実施いたしております。また、人事・人材育成担当者向けに若手社員への指導方法を学ぶ研修並びに若手社員と人事・人材育成担当者がともに学び、コミュニケーション力を身につける研修もあわせて行っているところでございます。  なお、毎年度、講演会、宿泊研修については1回、そのほかの研修は2回開催しているところでございます。  平成23年度は合計で289人、24年度は合計で323人、25年度は、年度途中ではございますが、現在のところ213人の参加を得ております。 ◆伊藤牧子 委員  この事業の取り組みで、若手社員向け、人材育成担当者向けの講演会や研修会を行って、800名以上の受講生が参加しているということでした。先ほどもお話がありましたように、多くの企業では、厳しい経済状況の中で苦しい経営を迫られ、新入社員を即戦力として雇用しており、以前の終身雇用の時代のような新人をじっくり育てることができない状況、また、労働環境が厳しくなり、社内のコミュニケーションが不足しがちな現状が若者の早期離職につながっているという指摘もあります。若者の離職の理由については、仕事のストレス、労働条件、職場の人間関係などが挙げられており、仕事の悩みを打ち明ける相談相手がいないため、ひとりで離職を決めてしまう場合も多いと言われています。依然として終身雇用が前提の日本企業では、退職することは何かの問題を抱えていることであり、または辛抱が足りないといったマイナスの要因として受けとめられ、その結果、正規から非正規雇用へと移るケースも少なくありません。また、一度、非正規雇用化すると、それが固定化され、生涯年収も著しく低下すると言われております。  そこで、質問ですけれども、職場定着に向けて、これまで若手社員や人材育成担当者を対象に講演会や研修会を行っていますが、この事業をどのように評価しているのか、伺います。 ◎白岩 雇用推進部長  職場定着に向けた講演会や研修の評価についてでございます。  各研修修了時には参加者に対してアンケート調査を行っておりまして、事業全般を通して9割以上の方が今後の業務に役立つ、あるいは、少し役立つと回答され、また、研修の満足度も8割以上が満足、やや満足と回答されております。このことから、参加された方の仕事や職場環境に対する意識の向上が図られ、早期離職の予防に役立っているものと一定の評価をしているところでございます。 ◆伊藤牧子 委員  今のご答弁で、9割以上の方が業務に役立っている、また、意識の向上につながっているということで、職場の定着につながっているのではないかという期待感を持ってご答弁されたと思います。  私は、参加した受講者は、講演会や研修会での知識や体験が本当に現場に戻って生かされているのか、また、モチベーションを持ち続けられているのか、人材育成担当者が会社という組織の中にあって本当に若者を十分に支えることができるのかが大きな課題だと思います。一生懸命にさまざまな支援を行っていても、最近、ブラック企業の問題が取り上げられており、正規雇用の社員の仕事そのものが荒れている状況があることもわかってきました。労働時間の長さやサービス残業が多いということは、結局、実質的な時間当たりの賃金は最低賃金を割っている場合もありますし、基本給の中に組み込まれていることも多く、また、有給休暇がとれない、職場でのハラスメントなど、働く側がぼろぼろにされるような異様な状態が放置されている状況も多いと聞いております。  3年以内に離職した若者の約2割が鬱病などの精神疾患を患っており、ひきこもりの原因は不登校やいじめではなく、職場のひどさがきっかけとなっているケースが非常に多いという調査結果も出ています。  正規雇用であれ、非正規雇用であれ、若者の働き方の現状は苛酷さを増しています。若年層職場定着支援事業は、社員や人材育成担当者が講演会や研修を受けることで若者の定着を図ることを目的としています。もしそうであれば、講演会や研修会を実施した後、若者が本当に自分の可能性を信じて希望を持って働き続けられるかどうか、札幌市としても確認することが大事だと思います。そのためには、若者が職場に定着しているかどうか、どのような環境で働いているのかどうか、実態の把握を行うことが重要と考えます。  そこで、質問ですけれども、今後の事業を充実させ、若年層の職場定着がより図られるようにするためには、研修参加者及びその所属企業に対して実態調査を行うべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎白岩 雇用推進部長  各研修参加者及びその所属企業に対する実態調査の実施についてでございます。  今後は、研修に参加した若手社員の定着状況や研修参加者の所属企業での職場定着に係る取り組み状況につきまして、アンケート調査などによる把握を検討してまいりたいと考えております。 ◆伊藤牧子 委員  先ほどのところでは、カウンセラーなど窓口相談みたいな形でやっていらっしゃることもお聞きしました。私は、この事業が2008年から始まっているということで、若者が定着しているかを含めて、ぜひ実態を把握できるようなアンケート調査を行ってほしいと思います。  最後に、要望になります。  政府は、今後も経済成長戦略を最も大事なものとして重点を置いております。企業が活動しやすく、企業がもうかれば自然と雇用や所得がふえるとしていますが、過去の景気回復期においても企業収益が労働者の賃金に反映されなかったことを思い起こせば、経済成長によって賃金や生活が豊かになるという保障はありません。また、今後は雇用特区なども検討され、さらに労働環境が厳しくなると考えられます。  先ほど来お話ししたように、若者の働く状況は、正規雇用であれ、非正規雇用であれ、大変厳しい状況だと思います。これまで、若者の雇用に関しては、国においても、また地方自治体においても、就業支援事業、職場教育育成事業、定着支援事業など、その他さまざまな取り組みがされてきています。何とか若者を教育して、正社員として会社に入れてあげるような政策が多かったと思います。あとは、会社が社員たちを育てるということで会社に任せる発想がこれまでの政策であったと思います。しかし、3年以内の早期離職率3割というのは、この20年、変わらないというデータもあります。職場の問題が置き去りにされ、対症療法的な支援策が次々と打ち出されてきたのだと思います。  今回のアンケート調査では、若者がどのような働き方をしているのか、また、どのような支援が必要なのか、若者の働き方がわかるような調査を行っていただき、これからの若者の雇用政策にぜひ生かしていただくことを強く求めて、私の質問を終わります。 ◆村上ゆうこ 委員  私からは、新卒未就職者の人材育成事業、いわゆるジョブスタートプログラムについてと、生活保護受給者のためのスキルアップセミナーについて質問いたします。  最初に、ジョブスタートプログラムについて伺います。  民主党政権時代に創設された重点分野雇用創造事業により、各自治体に配分した財源をもとに、札幌市では、ジョブスタートプログラムを2010年度から実施しています。しかし、残念ながら、この事業は、今年度、2013年度をもって国からの財源措置がなくなるために終了となる予定と聞いております。  今定例会での我が会派の代表質問においても、ジョブスタートプログラムの評価と今後の新卒未就職者への対策について質問させていただいたところです。その中で、2014年度以降は、国からの財源措置がなくなるため、同じ規模の事業実施は難しいが、札幌市が独自でジョブスタートプログラムで培ったノウハウを生かし、工夫しながら効果的で効率的な支援を検討していく旨の答弁をいただいております。  文部科学省の平成25年度学校基本調査によると、全国的に、2013年3月に大学を卒業した方の約5.5%に当たる約3万人がニートなどになっており、非正規社員などを含め、安定的な職についていない方は新卒者全体の20%を占めております。アルバイト、パートタイマーなど非正規社員に一度なってしまうと、それが長期化し、なかなか正規社員となることができない状況が若者を中心として顕著になっています。  厚労省で出した昨年の就業構造基本調査によると、札幌圏の就業者に占める非正規雇用の割合は、先ほども話が出ておりましたが、41.7%となっており、全国の38.2%に比較すると非常に高い状況にあります。非正規社員であることの問題点として、いつ解雇されるかわからない不安定な雇用や、賃金が低いままに抑えられていることによる経済的自立の困難さ、職業能力開発の機会の乏しさ、さらには、国のセーフティネットが不十分であることなどが挙げられます。  そこで、質問ですけれども、このような状況の中、特に学校を卒業してすぐの新卒未就職者に対しては、正規雇用に結びつく支援が必要であると考えますが、札幌市の考え方はいかかが、お伺いいたします。 ◎白岩 雇用推進部長  新卒未就職者に対する正規雇用へ結びつく支援策についてでございます。  若年者につきましては、学校を卒業して最初の就職が非正規の社員でありますと、その後も非正規となる傾向が全国的にも指摘されております。札幌市といたしましても、将来を担う若者が不安定な生活環境にいることや、ニート、ひいてはひきこもりとなることを予防することは大変重要であると考えているところでございます。したがいまして、学校を卒業して1年目の新卒未就職者に対しまして、早い段階で正規社員となれるような支援の必要があるものと認識しているところでございます。 ◆村上ゆうこ 委員  新卒未就職者に対する就職支援事業は、今後とも重要であると強く認識していただいていることがわかりました。  さて、昨年度、2012年度に実施したジョブスタートプログラムの実績について、せんだって、お聞きしました。まず、大学、短大、専門学校等の新卒未就職者を対象にしたプログラムには221人の方が研修生として参加したところ、198人の方が就職につながり、このうち、正規雇用が108人とのことです。次に、高校の新卒未就職者を対象としたプログラムでは72人が参加しておりますが、66人の方が就職し、このうち、41人が正規雇用として採用されているとのことです。過去3年間の実績を見ても、就職率、さらに、正社員としての就職率についても毎年度改善され、それぞれ上昇しております。  このように、ジョブスタートプログラムは、就職の内定を得られないまま卒業を迎えた新卒者にとって、就職をかち取るための大きな力となる支援施策になっております。また、経済団体や労働団体を含む有識者及び学識経験者によって構成されている札幌市雇用推進懇談会の今年度における会議の中でも、その総意として、新卒未就職者への就職支援の実施について強い要望があったと聞いております。  しかし、来年度から国の財源措置がなくなります。札幌市の限られた予算の中で事業を実施するためには、経費の見直しを図りつつ、かつ、内容の充実を図る必要があると考えます。  そこで、質問ですが、新卒未就職者に対して現時点でどのような支援を検討しているのか、また、どのような工夫を取り入れていくつもりなのか、お伺いいたします。 ◎白岩 雇用推進部長  現時点における支援策と工夫についてでございます。  支援策といたしましては、新卒未就職者に対し、業種や職種に関する理解が深められるとともに、職業に対するしっかりとした意識が持てるような研修やカウンセリングを行うことや、採用を考えている企業とのきめ細かいマッチングなどの支援を検討中でございます。  工夫についてでありますが、今後は、委託事業者に加えまして、札幌市職員も主体的に講義や運営にかかわることで、研修生一人一人の意欲をこれまで以上に喚起し、研修効果のさらなる向上を図るなど、事業の効率的な実施を検討してまいりたいと考えております。また、大学や高校などと密接に情報交換を行い、積極的に事業の周知を図るなど、最大の効果を生み出せるよう連携を強めてまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  要望になります。  来年度以降は、札幌市が主導しながら事業を行っていくことがただいまの答弁でわかりました。事業開始の1年目は、予算も含め、さまざまな課題があると思いますが、自治体が主導して若者の就労支援を行っていくことは余り例がないという点でも、この札幌市の若者の雇用に対する支援について積極的な姿勢で取り組んでいくことに大いに期待いたします。札幌市が主体的に行うことにより、より札幌らしい事業になっていくと考えます。このジョブスタートプログラムで培ったノウハウを生かしながら、オリジナルの事業を展開して、あしたの札幌を担う若者を育成していただくためにも、2014年度、来年度の予算要望もしっかり行ってくださるよう強く要望いたしまして、次の質問に移ります。  続きまして、生活保護受給者のためのスキルアップセミナーについてであります。  全国的に雇用情勢は持ち直しているものの、札幌圏の有効求人倍率は依然下回っております。ことし8月現在で、全国平均0.84の有効求人倍率に対し、札幌圏は0.70となっております。札幌市内で仕事を求めている人たちにとっては、雇用情勢がよくなった、仕事探しが楽になったと実感するまでにはまだまだ至っていないのではないでしょうか。市民の就職を支援するという意味では、生活保護受給者の就労支援、いわゆる福祉から就労への事業展開も注目されるところですが、札幌市の生活保護の実態を見ると、ことし8月の統計では被保護世帯数が5万1,980世帯と、前年同期と比べて1,686世帯、3.4%増加しています。また、稼働可能世帯が含まれるその他世帯は、全世帯数の22%を占めており、1万1,542世帯となっております。前年同期より174世帯、1.5%増加しています。  このその他世帯の中には、働くことができるにもかかわらず、働いていない人がいるのではないかということが社会的な問題として注目を集めています。しかしながら、この問題を考える際に大切なことは、働くことができるにもかかわらず、働いていないというのは、怠けて働かないということでは決してないということです。むしろ、働きたいという気持ちを強く持っているにもかかわらず、その気持ちを採用する側に伝えるすべを知らず、意欲が十分に伝わらないために就労できない、あるいは、働きたいという気持ちが強過ぎるばかりに、気ばかりが焦ってしまって就職活動に必要な基礎的知識を習得することもないまま、やみくもに幾つもの求人に応募し、その結果、心ならずも採用に至らないということを繰り返してしまう人たちが多いのが実態ではないかと感じています。  このように、仕事探しがうまくいかない、あるいは、仕事探しに悩んでいるという生活保護受給者の方々に対しては、それぞれの人が置かれている状況に応じた適切な支援が必要なのではないかと思います。特に、失業期間が長いと想定される生活保護受給者は職につくことが難しい状況であります。国や自治体においてもさまざまな支援策を講じていますが、札幌市では、ハローワークと一体的に実施している職業相談紹介窓口であるあいワークにおいて、スキルアップセミナーという生活保護受給者を対象とした自立就労支援事業を行っています。  そこで、質問ですが、このスキルアップセミナーの特徴と、札幌市とハローワークがそれぞれどのような役割を担っているのか、また、2012年度のスキルアップセミナーの実績とその評価について伺います。 ◎白岩 雇用推進部長  1点目のセミナーの特徴でございます。  このセミナーは、受給者の過度な負担とならないよう、週1回の開催といたしまして、まずは2時間から始め、最終的には4時間までセミナー時間を延ばし、徐々に生活リズムをならすように配慮いたしております。また、ひとりでの行動が多くなりがちな受給者に対しまして、セミナーに参加する仲間とのグループワークを多用して、集団になれることで社会復帰を促すといった手法を取り入れているところでございます。加えまして、就職経験の有無などにより受給者の意識に差があると思われることから、30歳以上と29歳以下の2コースに分けて実施いたしております。  次に、札幌市とハローワークのそれぞれの役割でございます。  これについては、札幌市が一般常識やコミュニケーション、ビジネスマナーなどの自立支援の部分を担い、ハローワークでは履歴書の書き方や応募、面接対策などの就労支援の部分を担っているところでございます。  2点目の平成24年度の実績とその評価についてでございます。  これについては、2コース合わせて参加者は54人で、内訳といたしましては、セミナー期間中に就職できた方が15人、就職できずとも最後まで受講した方が30人、途中で参加を取りやめた方が9人となっております。その評価でございますが、就職が決まらなくても修了時には人前で堂々と自己PRをできるようになった参加者が多くいることや、就職決定者が出たことなどを考えますと、大きな成果があったと認識いたしております。 ◆村上ゆうこ 委員  このセミナーの特徴としては、生活保護受給者の実情を踏まえ、生活リズムや置かれている立場を意識したカリキュラムを組んでいること、また、孤立しがちな受給者に対して、グループワークを通じて仲間意識やよい意味での競争意識を培う取り組みをしていることについても、とても有効に働いていると感じました。セミナーに参加したことで就職活動に必要な基礎知識を身につけただけではなく、就職に至った受給者も現にいることを考えれば、初年度の事業としては一定の成果があったと評価します。
     就職して、経済的に自立することは最終的な目標でありますが、スキルアップセミナーの趣旨は、生活保護受給者がみずから進んで自主的に求職活動をできるようにする、すなわち、自分が働きたい企業を探すことができる、履歴書が書けるようになる、求人企業に応募する、面接で自己アピールができるなど、就職者の基礎スキルを習得させることだと考えます。そうだとするならば、先ほどの答弁にありました参加中止者は基礎スキルを習得できなかったということであり、そういう方々がいたことは非常に残念であると感じました。せっかく生活保護受給者に寄り添った支援内容のセミナーを実施していることを考えますと、途中でリタイアする方を減らす工夫も必要ではないかと考えます。  そこで、質問ですが、スキルアップセミナーの2013年度のこれまでの実施状況とあわせて、セミナーの途中で就職以外の理由で参加を中止する方への対策について伺います。 ◎白岩 雇用推進部長  1点目の平成25年度のこれまでの実施状況でございます。  あいワークがございます白石、厚別、豊平、南、手稲の5区で30歳以上のコースが9月末に終了したところでございます。今年度は、週1回のセミナーとセミナーとの間に、自主的な活動といたしまして、課題を設け、受給者が日常的にあいワークを利用し、就職することを継続して意識するよう取り組んだ結果、参加者については32人で、内訳といたしましては、セミナー期間中の就職決定者が16人、受講修了者が13人、途中で参加を中止した方が3人となっております。  2点目の参加中止者への対策についてでございます。  受給者は、体調不良等で1日欠席いたしますと、その後の受講を断念してしまうことが多かったため、欠席した日のセミナーの補習をあいワーク相談員が行うことで欠席の負担感を軽減し、途中で諦めることなくセミナーを継続受講できる環境づくりも行っております。このような取り組みの結果が参加中止者の減につながっていると認識しておりますので、今後とも受給者の状況を踏まえた支援内容の充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  最後に、要望です。  セミナー参加者一人一人に対し、あいワーク相談員や保護課の就労支援相談員などの複数の人たちによるしっかりした寄り添い、また、創意工夫されたプログラムにより、きめ細かくサポートを行うことで効果が大きく上がっていることがわかりました。働く意欲や能力が一定程度あっても、いろいろな事情や問題を抱えて仕事につくことができない方たちにとって、このスキルアップセミナーは就労、自立の支援の一つとして非常に期待できる事業と考えます。保護課との連携もさらに強化していただき、より一層の事業内容の充実を求めます。  また、現在、このセミナーは、白石、厚別、豊平、南、手稲の5区のみの実施です。来年度は中央区、東区でも開設予定とのことですけれども、残りの北区、清田区、西区の3区についてもできるだけ早く実施していただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆木村彰男 委員  私は、雇用推進費の中にある就業サポートセンター等事業費について、何点かお伺いします。  この事業は、ハローワーク及び民間職業紹介事業者と連携して、各種就業支援事業を実施しているものでありますが、私が特に注目したのは、民間事業者による女性と中高年齢者対象の再就職支援セミナーの開催と、個別カウンセリングによる就職支援の活動であります。私のいただいている資料によりますと、現在、2社において平成22年度からこの事業を受託して継続的に実施していると思いますけれども、まず、この2社との契約のいきさつ及び一部の報道にある丸投げの批判について、理事者はどのようにお考えになっているか、お聞かせください。 ◎白岩 雇用推進部長  まず、2社の契約経緯についてお答えいたします。  これについては、2年に一度、公募型プロポーザルによりまして事業者の選定を行い、委託契約を行っております。今年度の事業者につきましては、昨年1月末に募集を行いまして、提案のありました4事業者から選定委員会を開催いたしまして、よりよい提案を行った2事業者を選定し、事業の委託を行っているところでございます。  2点目は、事業の丸投げではないかというご指摘についてでございます。  これについては、毎月、定期的に会議を行っておりまして、私ども雇用推進課の担当者と民間事業者との間で事業の進捗状況等を確認しながら、適宜・適切な実施内容の見直し、あるいは、新たなセミナーを発案するなど、雇用情勢や求職者ニーズ等に応じた柔軟な運営が図られるよう努めているところでございます。 ◆木村彰男 委員  私がこの内容に着目したのは、契約に付随することで、契約上はこういう言葉を使っていないのですが、受託業者に就業ノルマを課しているのですね。簡単に言えば、目標値を設定して、それを下回る就業しか得られない場合、民間事業者に対して減額措置をとっていくのです。渡すお金を減額するのです。したがって、民間事業者も、就職に当たっては非常に一生懸命やらざるを得ないようになっている構造なのです。  実際に、平成24年度の決算の中では、女性向けの再就職セミナーで1社が15万円減額されております。このシステムといいますか、仕組みは、向こう側から提案されてきた、つまり、プロポーザルとして提案したことなのか、市でこういうことをやってくれと言ったのか、これについてお聞かせください。 ◎白岩 雇用推進部長  事業者ノルマについてでございますが、これにつきましては、私どもの仕様書の中で提案したものでございます。 ◆木村彰男 委員  この中で、一定の条件があって、それをクリアした場合は減額しなくてもいいのです。そこで、私がいいなと思ったのは、事業者がみずから見つけてきた企業に就職させたというところが1点です。もう一つは、健康保険、厚生年金、雇用保険の被保険者としての雇用が見込まれる。これは、常勤性がそこで認証されることになりますから、この二つの担保が得られて就業することになると、腰かけの就業ではなくなってきますので、比較的永続的な就職の要件になってくると思います。  このように大変すぐれた中身を持ってやってきておりますが、これら2条件について、昨年を踏まえたことしの就職の状況などはどうなっているか、お聞かせください。 ◎白岩 雇用推進部長  今年度、平成25年度はどうなのかということでございます。  今年度の現時点における各セミナーの状況については、仕様書の基準を下回る可能性も一部にあることから、事業者との間で事業の工夫や見直しを話し合っておりまして、仮に基準を下回ることがあれば、当然、24年度と同様に減額措置をすることになります。 ◆木村彰男 委員  私も担当者から伺っているのですが、景気がよくなっているからだということが先ほどからいろいろなところから出ておりますけれども、現実にセミナーの参加者も減っているのですね。当然、そのことで就職者も減ることはある程度理解できますけれども、去年の実例を聞いていると、修了者を何とか就職させるためにご担当者も個別に一緒に回ったといいますか、市のご担当者もこの事業のために邁進されているということを伺っております。こんなことを言ったら大変失礼ですが、市の事業の中において、就業できなかったらお金を戻してもらう、そして、それを実現するために市の方も靴底を減らして一緒に回るような事業は初めて見ました。こういうことはほかにもあるかもしれませんが、そういう意味では、私はこの事業は大変すばらしいと思っております。  ただ、先ほども出ておりますが、経済と雇用の関係においては、この事業だけではございませんけれども、時宜を得た雇用の推進も必要になってくると思っております。したがって、この事業そのものも、現在の雇用の状態や数値的なものを見ながら、見直すというか、改善するといいますか、来年度の予算編成に向けてどのような対応が必要とお考えになっているのか、お聞かせください。 ◎白岩 雇用推進部長  景気が非常によくなりつつあるということで、再就職支援セミナーのあり方、見直しの必要性についてのお尋ねかと思います。  就業サポートセンターの仕様書の中で、特に再就職が難しいと言われております女性向けセミナー、中高年齢者向けセミナーとあわせまして、就職活動をする上でのさまざまなスキルを磨く就職活動ワンポイントセミナーの3種類を行っております。その中で、個々のセミナーの具体的な内容につきましては、各受託事業者から、どのような支援計画とするのか、あるいは、プログラムはどうするのかといったことを事業開始前に提出していただき、私ども当課と十分な協議を行いながら、その時々の雇用情勢等を踏まえて決定しているところでございます。また、年度途中でありましても、それまでの参加状況等を勘案して新たなプログラムを導入する場合もございます。  いずれにしましても、雇用情勢等により求職者が求める支援内容は常に変化しております。そういった中で、その時々で事業の工夫が必要であるのは当然のことだと認識いたしております。 ◆木村彰男 委員  当該事業は、官民共同窓口におけるハローワークの運営分を除いて、専ら市単独の事業ということで、札幌オリジナルと言ってもいいと思うのですが、それでやっていらっしゃるものでございます。私は、札幌のこれらの事業を見習うべきであるということで、ぜひ、ほかにも伝播するような形で推進していき、力強くやっていただきたいということを要望して、私の質問にかえさせていただきます。 ○細川正人 委員長  以上で、第1項 労働費の質疑を終了いたします。  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時6分       再 開 午後3時30分     ―――――――――――――― ○細川正人 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第6款 経済費 第1項 商工費のうち、経済局関係分の質疑を行います。 ◆坂本恭子 委員  私は、企業立地促進費について、決算で申しますと2億6,145万円余となっておりますが、このうち、とりわけコールセンターについて質問したいと思います。  本市の調べですと、市内には62社のコールセンターがあり、コールセンターを誘致することによって約2万7,000人の雇用が生まれたというふうに伺っております。ことしの決算の勉強会の中でも、これはコールセンターだけには限らないのだろうと思いますが、企業立地は新規が8件、増設が8件、これによって720名の雇用創出効果があったというお話も聞いております。これらも含めて、雇用形態ですが、正社員の割合がどの程度になっているのか、この点についてお示しいただきたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  コールセンターの雇用者に占める正社員の割合のご質問でございました。  毎年12月に市内事業者にアンケート調査を実施しておりまして、年々、正社員の数そのものはふえておりますが、直近の数値ですと、回答をいただいた62社の雇用者総数約2万7,000人のうち、社会保険、雇用保険などの対象となる常用雇用の方が約8割、その中で正社員は1割程度となっております。 ◆坂本恭子 委員  私がいただいた数字は、各年の12月現在ということで、企業数は62社で、雇用者数は2万6,700人の内数で常用雇用者数が2万1,300人、さらに、正社員数が2,400人と、部長からは1割程度というお話でしたが、こちらで計算すると8.99%という数字が出ます。雇用を拡大する、企業を誘致するというお話ですけれども、1割にも満たない、9%しか正社員ではないのは極めて異常でいびつな状態だと私は思います。  企業誘致をしている側からはやむを得ないというふうにお考えなのでしょうか。この現状についてどう認識しているか、伺いたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  正社員が1割という現状をどう考えるかということでございます。  先ほども申し上げましたように、常用雇用の方が8割近くあり、2万7,000人の就労の機会が提供されていることは、札幌市の働く方々にとって重要ではないかと考えております。また、短時間勤務やシフト勤務などを希望される方もいらっしゃいますので、そういった多様な働き方を求める方々の受け皿になっていることも一つの重要なポイントだと思っております。  企業誘致の立場から、正社員比率が低いままで放置しておいてよいのかということに関しては、平成24年度に制度を若干変更いたしまして、正社員とその他の方々に対する企業へのインセンティブに差をつけることによりまして、何とか正社員化に向かっていきたいと努力しているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  常用雇用があることで雇用が拡大している、機会の提供をしているのだから、市民に対しては大切なのだということです。  2000年度からコールセンターの誘致が始まったと記憶しております。そのときには、中小のものから徐々に大きいコールセンターの誘致も行われてきましたが、本格的に雇用拡大を一つの柱に立てたのは2005年度からだと思います。ニュービジネスというくくりで雇用拡大を目指してきたと思います。補助金の一覧をいただきましたが、2000年から2012年までの13年間、支出総額が12億1,748万円になっております。13年間で約12億円もの補助金を使っていて、それを活用しているコールセンターの雇用状況は43社ございまして雇用者は2万1,800人ですが、そのうち、正社員で雇用されているのは1,760人と、こちらは8.07%という極めて低い数字になっております。私は、これが異常ではないと言えるのかと改めて思います。12億円の補助金を使って8%の正社員という雇用形態です。常用雇用で働き続け、そこには年金もあり、労働保険もついて、期限つきでもないということですから、常用雇用で働けるだけでいいだろうと、私は、これをよしとするのは問題があるというふうに思いますし、改めなくてはならないと思います。  今ほど、部長から正社員雇用をできるようにインセンティブをつけているというお話もありました。しかし、企業を誘致するのであれば、多様化しているということで働き方の自由は保障されるべきですが、正社員として働きたいと思う方については、そういう形で雇用できるように企業に対して具体的な働きかけを行うべきだと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。 ◎川畑 産業振興部長  先ほど制度の上でも差をつけて企業に働きかけを行っていると申し上げましたが、今年度の6月から運用を開始した本社機能移転促進補助制度というものがございます。これは、札幌に本社、あるいは第2本社と標榜する事業所を立てること、しかも20人以上の正社員を雇用することを要件と定めて誘致しているものでございます。こういった制度を通じて企業に正社員を雇ってくださいと積極的に働きかけているところでございます。  また、先ほどインセンティブに差をつけ始めたのが平成24年度からとお話し申し上げましたが、昨年度に限りましては、コールセンター・バックオフィスの新規立地で雇用された方572人に対しまして正社員が80人ということで、率からしますと14%と若干改善しているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  企業立地の促進補助は四つのメニューがありまして、とりわけコールセンターのお話をしようと思っておりました。コールセンター・バックオフィス立地促進補助金が正式な名称です。また、IT・コンテンツ・バイオ立地促進、ものづくり産業立地促進、そして札幌圏みらいづくり産業立地促進と、この四つによって企業を札幌に呼び込み、そこで雇用の拡大も図りながらお互いがウイン・ウインの関係になろうということだと思うのです。  ここからは、市長にお聞きしたほうがいいのかと思ったものですから、市長に出席のお願いをいたしました。  私は、多額の補助金を出すのですから、やはり正社員雇用を前提にすべきだと思います。補助要件の中に、正社員でどうぞ雇ってくださいと。先ほどは本社機能の移転に伴って少し厚くしたというお話がありますが、補助要件の中に正社員雇用を前面に押し出すべきだと思っているのです。前段でさまざまな会派の委員からお話がありましたけれども、札幌市の非正規の比率は非常に高いです。全国で38%になっているに対して、札幌市は42%近い非正規の雇用形態になっております。そういう意味では、どうやって正社員をふやすのかというところにシフトしていかなければならない。我慢はぎりぎりという状況だと私は思います。  そこで、例えば、コールセンター・バックオフィスについては、新規雇用の正社員には30万円出します。しかし、常用雇用者については20万円出しますという差があります。先ほど部長もお話ししてくださいましたが、正社員は30万円、常用雇用者は20万円ということで14%にまで比率が高まってきていると数字のご説明がありましたけれども、私は、思い切って、常用雇用は当たり前で、正社員に特化してそこに厚みを持たせると。IT・コンテンツ・バイオ立地促進補助金でいきますと、正社員1人当たり50万円という1本の出し方になっています。コールセンターも働き方の選択は別として、正社員としてしっかり仕事をしたい方に対しては、正社員で50万円というような形で補助のあり方を見直していく必要があるのではないかと思うのですけれども、市長からご答弁をいただきたいと思います。 ◎上田 市長  コールセンターあるいはバックオフィスが誘致されておりまして、この13年の間に2万7,000人近くの雇用が生まれたことは一つの成功だと思います。しかも、こうやってふえていくことの原因は、札幌においてコールセンターを先行してやられていた皆さん方が、札幌の人材はすばらしいと、事業をやられて顧客満足度が極めて高い評価を得ていることが一番大きな原因ではないかと思います。また、職住が割と近くにある札幌の環境も、人材を確保する上で非常に有効で大きな理由になっているというお話もお聞きいたします。加えて、人件費の問題も、首都圏等でやるより比較的安く上がるというお話も聞いて、そこのところだけは聞き捨てならぬと私どもは思っているところでございます。しかし、これまでの13年の取り組みの中で、スキルの高い人材が札幌にはたくさんいること、そして、雇用することによってみずからの企業のイメージもサービス水準も非常に上がるのだということを、我々は実績の中で皆様方に訴えることができる状況がこの間ででき上がってきていると思います。  そういう意味で、これから誘致する際には、適正な賃金と適正な労働条件を確保していただきたいと申し上げていく取り組みを昨年度からさせていただいているところでございます。既存の2万7,000人の皆さん方の約8.9%というお話でありますが、さまざまな働き方をしたいという方がおられることは別にして、正社員としての扱いを受けたいと希望される方々がその希望をかなえる方向も、新規に雇用をお願いすることのほかに、既存の労働条件や労働環境を整える努力をしていただきたいという働きかけも一生懸命やっていきたいと思います。  インセンティブについてご提案がございました。それが札幌にとって今できることなのかどうか、いろいろな厳しい労働環境にあると思いますので、それらのご提案も含めて検討させていただきたいと考えるところでございます。 ◆坂本恭子 委員  2万7,000人という雇用を拡大したことは成果だというところから始まったものですから、冷や冷やして聞いていました。今、市長がおっしゃったことは、まさに私どもが主張している中身と重なるところが多いと思います。  まず、市長の言葉をかりると、いい人材がいる、スキルが高い人材がいる、顧客満足度が高い、企業イメージ、実績のアップにつながるということですね。そこで言うと、札幌市は大変優位性を持っていると思います。これが首都圏などで配られている札幌市企業立地ガイドです。カラーですごく立派なものですが、今、市長がお話しになったように、例えば、交通アクセスがいい、自然災害のリスクが少ない、優秀な人材がいるということが載っていて、その後にビジネスコストを抑えられるという項目があるのですよ。市長は聞き捨てならないとおっしゃいましたが、ビジネスコストの中に入っているのは、オフィスの賃料、初任給、冷暖房費と書かれているのです。  しかし、私は、人件費が安いことをビジネスコストとして札幌市の優位性に位置づけるのはいかがなものかと思っております。そういう意味では、客観的に見て、例えば東京と比べると、大卒、高卒を含めて80%くらい初任給が安いのですと書かれているのですよ。そうであるならば、安いから安く使ってくださいではなく、安いのだから正社員で使ってくださいというような売り込み方をするべきだと私は思います。さまざまな優位性があるわけですから、給与のこと、人件費のことなどはこういうガイドの中で触れるべきではないというふうに思います。市長とは、どうもそこで考えが合うようですので、そういう立場でガイドの書きかえをぜひやっていただきたいと思います。  これからの札幌市の経済活動を考えると、市長は安価で不安定な働き方をさせていいと全く考えていないということで理解してよろしいのですね。 ◎上田 市長  そのとおりでございます。  ガイドにつきましては、そういうキャンペーンをする際に、一応、これまで札幌においでになって経営をされている既存の企業の皆様方の声としてそういうことが寄せられているということでございまして、札幌市がそのままそれでよろしいですということではないという趣旨でご理解いただきたいと思います。  これまでおいでになった方々は、こういう実績を上げられております、そして、こういう声があります、でも、これからの方針として、それだけいい人材がいるのであれば、安定した雇用をしていただくための努力もまたしていただきたい、そして、それなりのインセンティブの差を考えていると、20万円、30万円の差ではありますが、主張させていただいているつもりであります。ですから、その路線は、これからも堅持して、あるいは拡大する検討をさせていただきたいと考えているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  よろしくお願いいたします。  私は、先ほど雇用推進のところでも質問いたしました。もちろん、ほかの委員からも積極的な質疑があったと思いますが、この間の札幌市の労働施策や産業振興では、振り返る、反省すべきところはするということをちゃんとやらなければいけない時期に来ているのだろうと思うのです。もとより、札幌市には労働行政がないと言われたような時期もありました。そういうところから見たら、雇用の問題に関しては随分前進しているだろうという見方はあると思います。しかし、企業を誘致します、何かが進出しますといったときに、雇用の問題もセットで考えていかなければいけないと私は思っています。雇用はふえたけれども、不安定雇用だということではだめだと思うのですよ。  市長は、適正な賃金と労働条件は必要なことだとおっしゃいましたが、安い賃金、不安定雇用、非正規の拡大という負の連鎖がずっと続いてきて、今、札幌、北海道の景気経済、労働市場は大変な状況になっていると思うのです。正規で働ける状況をつくることこそ求められていると思いますし、そこに本市の未来がかかっていると言っても過言ではないというふうに私は思います。  そこで、改めて市長に伺いたいと思います。  2万7,000人の常用雇用で働いている方がおりますが、この方たちの労働条件についても希望がかなうような方策を考えていきたいということでした。フルで働き、同一労働同一賃金という考え方もありますから、そういうふうにしていきたいということでしたから、これから具体化をどういうふうにしていったらいいとお考えになっているのか、この点について伺いたいと思います。  それから、このガイドについてもそうです。実際に札幌に進出してきて非常によかった、社員のモチベーションも上がって、いい仕事もしているし、企業の評判もいいのですというお話が載っていました。そこで、いい企業を誘致すること、ここに専念すべきだと思います。よい企業というのは人を大切にする企業だと私は思いますので、いかにそこをしっかりと見きわめていくのか。それから、先ほども申し上げましたが、産業振興をするとともに、雇用をいかに拡大し、安定させるのかというところに注目すべきです。それから、このガイドもそうですが、東京事務所も一緒になってシティプロモート、シティー・セールスをしております。市長みずからがシティPRを行うトップセールスもしばしば口になさっていらっしゃいます。市長ご自身が札幌市から非正規をなくしていくのだという決意を込めて、これから雇用と産業振興、他地区からの誘致をお考えになっているのか、改めてお聞かせいただきたいと思います。 ◎上田 市長  コールセンターは先ほど申し上げたような感じですが、そのほかにも、部長からもお話がございましたように、どうぞ、本社機能として札幌においでくださいという活動をやっております。3.11をまたぎまして、危機管理といいますか、危険の分散は企業にとって極めて大事な要素でございまして、多くの企業が札幌か福岡かという形で選択に迷っておられる社会状況もあるようにお聞きいたしております。  そういう意味では、3.11という大変な問題、災害が起きてしまい、あるいは、南海トラフという大地震が来ることが想定される状況にあって、比較的リスクの少ない札幌という地理的な条件を最大限に活用させていただいて、今まで首都圏、関西に経済の中心があった状況から、ある意味ではいびつな経済の偏在をオール日本ということで活動を保障していく意味合いにおきましても、通信革命のさなかにありまして、私たち札幌がこれから努力をすれば、多くの方々に札幌でやれるという自信を持っていただけるような状況にあるのかと思っております。  そんな意味で、これから一つでも二つでも成功事例をつくっていくということで、本社機能を札幌にとうたい上げて懸命に活動をやっていきたいと考えております。そこで雇用される形態は、本社機能であればまさに正規雇用者がふえてくることにもなります。多くの優秀な能力を持った方々が札幌で活躍できる状況をつくるいい機会と捉えまして、私どもは努力していきたいと考えております。  一方で、労働形態の多様化ということでさまざまな働き方をしたい方もおられます。非正規雇用がふえてきたというのは、企業の方針もありましょうが、それに従って選択する方々もまたいるという現実もあるように思います。それは、社会の成熟化の過程でそういう形態も許されるという判断があったのだろうと思います。  そういうことも勘案しながら、全て正規採用でなければ社会は安定しないという考え方ではなく、安定した雇用を求めたい方々がそうできる環境をつくっていくための努力は、行政としても企業誘致をする際にしっかり念頭に置いて努力していきたい、私はこんなふうに考えているところであります。 ◆坂本恭子 委員  先ほど、市長から、本市の経済活動を考えると、安価で不安定な働き方をさせてよしとしないのですねと言ったときに、そのとおりですという答弁がありました。ぜひ、今いろいろお話しくださった立場で、これからも尽力していただきたいと思います。  私も、働き方の多様化はもちろん認めます。ですから、パートタイマーの労働でも、ご自分が望む形でみずからその働き方を選択することは全く異論がありません。ただし、契約社員や派遣社員、パートタイム労働者というものが企業の側の調整弁として使われることは、あってはならないと思っております。たとえパート労働者であっても、安定して働くことを皆さんが望んでいるわけですから、多様な労働形態ということもそういう立場で捉えていただいて、お一人お一人が安心して自分の能力を遺憾なく発揮できるような仕事場を確保する立場で企業の立地も考えていただきたいということを申し上げて、終わりたいと思います。 ◆伊藤牧子 委員  私からは、ものづくり産業の人材育成について伺います。  2012年12月の製造業の就業者数が998万人となり、51年ぶりに1,000万人を下回ったと、ことし2月に総務省が発表しました。労働力人口の減少に加え、自動車産業などの企業が生産拠点を積極的に海外へ移転した影響が大きいと見られ、自動車産業とともに日本の製造業を支えてきた家電産業の低迷も、就業者減少に拍車をかけています。今後、さらに団塊の世代が大量に退職することにより、日本が誇ってきた技術力の低下と技術、技能の継承が危惧されます。  そうした中、先日、テレビのニュースで中小企業が多い大田区の下町のまち工場で、30代、40代の人たちが集まり、ソチ五輪に向けて下町ボブスレーの2号機を完成させたことが放映されていました。「夢を形に」をキャッチフレーズに、それぞれの工場の技術や創造性を発揮し、横のつながりで下町ボブスレーをつくり上げてきたようで、集まった人たちの笑顔が大変すばらしく、改めて技術は人だなということが伝わってきました。  札幌市のものづくり産業、製造業においては、食料品製造業、印刷業、金属機械製造業の3業種が全体の約8割を占めており、就業者数は2002年の3万3,000人から2010年には2万8,000人と減少し、また、製造品出荷額等は2002年の5,877億円から2010年には4,696億円と減少し、北海道全体の7.9%となり、室蘭、苫小牧に次いで第3位と低下しております。札幌市の産業の中の1割にも満たないものづくり産業ですが、地域の活性化、関連産業の幅広い波及効果や雇用の吸収力がある産業です。ニッチトップ企業である土谷製作所や日詰工業という北海道を代表するような企業もたくさんあることですから、札幌市においては本当に欠かせない産業だと認識しております。  しかし、若年層が就職しない、団塊世代の退職により、技術や技能の継承が困難な状況となり、人材の育成は札幌市においても喫緊の課題と考えます。  そこで、質問ですが、2013年度より、ものづくり産業の人材育成のため、札幌市ものづくり産業人材育成支援事業を初めて実施していますが、この事業の目的とこれまでの取り組みについてお伺いいたします。 ◎川畑 産業振興部長  ご質問にありましたものづくり産業人材育成支援事業の目的と今年度の取り組みについてでございます。  目的につきましては、今、委員のお話にございましたように、団塊世代の熟練技術者が一斉退職を迎えることが企業の中で大きな問題となっており、このことによりまして、若手の技術者を指導する人材がいない、あるいは、時間が不足している、技能、技術の着実な継承がなされていないという声を企業訪問によってお伺いすることができましたので、こういった企業の計画的な人材育成あるいは製造技術の向上をご支援することを目的としてこの事業を開始いたしました。  事業の内容といたしましては、従業員を外部の研修機関に派遣することに対するご支援、あるいは、外部から指導者を招いて企業内研修を行っていただくときのご支援を準備しておりましたが、今年度は5月末から9月末まで1次募集を行ったところ、今のところのお申し込みは2件という現状でございます。 ◆伊藤牧子 委員  札幌市においても若手の人材育成や技術、技能の継承は大変重要であるのでこの事業を始めたということです。企業を訪問する中で、ぜひこの事業をしてほしいということだったと思うのですが、それにしては2件というのは非常に少ないのかなと思っております。  そこで、何が課題であったのか、また、それを踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎川畑 産業振興部長  お申し込みが少なかったことについて、何が課題だったのかというご質問でございます。  一つは、初年度でございますので、事業周知に力を入れたのですが、企業にはなかなか浸透しなかった、あるいは、いろいろな企業がお申込みになるのを見て、それから考えようという企業があったかもしれないと推察しております。  また、募集時期が企業の繁忙期と重なったこともございましてそういうお申し込みの現状ですけれども、これから閑散期に入る企業も多くなりますので、今後、2次募集を行いまして、より多くの企業に活用していただきたいと考えております。  次年度に向けましては、もう一度、企業ヒアリングを丁寧に行いまして、より利用しやすい制度に工夫してまいりたいと思いますし、例えば北海道職業能力開発大学校といった教育研修機関がございますので、そういったところとも連携を密にして、ものづくり企業の方々の技術、技能の継承をご支援してまいりたいと考えております。 ◆伊藤牧子 委員  期間が短くて周知が浸透しなかった、また、時期が少し悪かったということです。最初の取り組みですからいろいろな課題があったと思いますけれども、ぜひ、それを踏まえて本当に企業のニーズに合った人材育成をしていただきたいと思います。  人材の育成については、小さいころから技術や技能に親しむ機会をつくることが大変重要だと思っていますが、今は、自然に触れる機会や、理科などの観察や実験教育の減少などから子どもの理科離れが叫ばれています。また、家庭においても、ゲームの普及などによって子どもたちは以前ほど粘土細工や模型づくりで遊ぶ機会も少なくなり、ものづくりに関心のある子が少なくなってきているのではないかと思います。しかし一方では、全国では技能を競う若年者ものづくり協議会や、テレビでもよく放映されておりますロボット選手権などが年々活発になるなど、ものづくりに興味を持つ若者もふえているのではないかと思います。将来のものづくり産業を担う次世代の人材育成のためには、小学校時代からものづくりに関心を持つ環境づくりが大変重要と考えます。また、ものづくりにおいて女性の活躍の場を広げていくことも重要と考えます。最近では、3Dプリンターが以前よりも随分安く普及しており、ものづくりが身近になってきています。私がさきの議会で質問いたしました札幌市内のコワーキングスペースにおいても、技術、アイデアを持った若者や女性が事業を始めている事例がふえてきています。  そこで、質問ですが、ものづくり産業の底辺を広げるためには、小・中学生、若者、女性などにものづくり産業に対する理解を深める取り組みが大変重要と考えますが、どのように取り組むおつもりか、伺います。 ◎川畑 産業振興部長  今のお話にございました若者や子ども、あるいは、女性の方々にものづくりに関心を持っていただく取り組みについてでございます。  これまでも行っておりますのは、技能フェスティバルと申しまして、ものづくりの大切さや技術に触れる機会がございまして、これをご支援しております。今後は、例えば小・中学生向けにものづくり企業の見学を行う、あるいは職場紹介を行うことを調整してまいりますほか、女性の利用者が多いコワーキングスペースがございますので、こういったところと連携するなど、若者、女性、あるいは小・中学生の方々が物をつくる喜び、あるいは、技能に対する関心を深めていただけるような取り組みについて、他都市の事例なども学びながら検討してまいりたいと考えております。 ◆伊藤牧子 委員  今のご答弁にありましたように、子どもたちや若者、女性に対しても、ぜひ、ものづくりの理解を深める機会を多様につくっていただきたいと思います。  最後に、要望になりますが、女性技能者についてです。  経済産業省の2013年度版ものづくり白書に、今回、初めて女性技能者に焦点を当て、育成について検討することが盛り込まれております。製造業就業者に占める女性の割合は3割程度と、全産業の女性比率と比較すると1割程度低い状況ですが、中核となって活躍する場もふえてきております。また、現在、企業規模にかかわらず、女性技能者の担当する主な分野は組み立て、調整の作業、製品の検査、点検が多く、女性技能者に対する訓練は男性技能者と変わりないと考えている企業が大半であるとしています。
     ものづくり白書のコラムに女性が何人か載っていましたが、組み立て工場で働く女性は、電気機械の仕組みが難しく、最初は戸惑ったが、なれれば自分でやれると思った、3年たった今ではかなり自信がついてきた、また、別の女性は、工場は稼働している時間が決まっており、作業の終了時間が同じなので仕事と子育ても両立しやすいと話しています。  ものづくり産業への女性の就業は、子育て支援、ワーク・ライフ・バランスの取り組みなど女性が働きやすい環境づくりが重要となります。札幌市においては、超高齢社会、人口減少社会を迎える中、ものづくり産業を新たな振興戦略としていくためには、女性技能者などの人材育成、女性の力を生かす取り組みを進めていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  局別施策概要の68ページ、69ページに記載されておりますが、まず、68ページの健康サービス産業推進補助事業費582万2,392円が決算されたと出ておりますので、どういう内容を実施して、どのような効果があったのか。  二つ目は、福祉産業共同研究事業費1,039万1,984円ですが、これも先ほどと同じです。  三つ目は、札幌型スポーツ産業創出事業費516万3,173円です。  この3点について、どのような内容か、そして、どのような成果があったのか、答えてください。 ◎川畑 産業振興部長  三つの事業の昨年度の内容と成果というご質問でございました。  まず、健康サービス産業推進補助事業でございます。  これは、これから高齢社会に向けて需要がふえると思われる健康・福祉分野の新たなサービスの創出を目指して事業のアイデアを募集したものでございます。平成23年度より本事業を実施しておりますが、23年度、24年度はそれぞれ4件、合計8件を採択いたしまして事業化をご支援しているところでございます。採択案件のうち、例えば、温泉地域の資源を生かした日帰り観光創出事業で、食と観光と健康を結びつけたような事業については、その後、さらに発展して歩くスキー、音楽鑑賞、温泉、食事などを結びつけた事業として展開されている事例が出ているところでございます。  次に、福祉産業共同研究事業でございます。こちらも、健康・福祉分野の産業創出を目指しているもので、医療、介護、看護、福祉分野などの共同研究などをご支援するものでございまして、ノーステック財団に助成金の採択をお願いして事業を選んでいただいているものでございます。平成23年度は6件、24年度は5件の事業を採択しており、代表的な事例としては、例えば、映像を使って高齢者の方々が思い出によって認知症の改善を図るようなIT系の事業などが大学などから注目されております。  三つ目の札幌型スポーツ産業創出事業は、平成24年度から開始したものですが、昨年度は、コンテスト形式で札幌らしい資源を生かしたスポーツのビジネスモデルを募集し、サマー部門、ウインター部門でそれぞれ3件を選んでおりまして、例えば、履くだけで手軽にスキーが楽しめる簡単スキーなどのご提案が出ております。こちらについては、サマー部門は昨年度に選定して今年度に開始しておりますので事業成果はまだ見えておりませんが、今後を注視してまいりたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  経済局の仕事の中で、金がきつくなったらやめていいというのはたくさんあります。その中で、私がなぜこの3点を取り上げたかといったら、これは、全部、経済局のことではなく、保健福祉局が予防医学の観点から取り組んでいく事業なのですよ。例えば、最初の健康サービス産業の関係です。これは、文部科学省が今から15年ぐらい前に推奨して、茨城県の大洋村で、東大の助教授をやっていた方が村長になり、国の補助金を受けて、乗馬をやったりプールをつくったり、高齢者の運動と医療費との関係ということでいろいろなことを大々的にやりました。さらに、その始まりを言うと、四国の高知県の何とかという村で、高齢者の運動と医療費の関係の調査を10年間にわたってやるなど、いろいろあるのです。  ですから、この3件を全て経済局でやるというのは、あらゆる局があらゆるものを網羅して、俺らも予算をとってこの仕事をやると言って、10局の中で1番の局がやるべき仕事を2番から10番までの9局もそれぞれ同じようなことを全部やるようなもので、それには職員も必要だ、金も必要だということになるのですよ。したがって、今の話を聞いていたら、再質問というような話ではありません。こういうことはやめなさい。来年の予算で整理・統合して、経済局がやるべきことは何なのかをきちんと整理してやらなければだめですよ。  誰がこういうことを発案して、何によって決めて、予算措置してこういうことをされてきたのですか、このことについてお尋ねします。 ◎川畑 産業振興部長  誰がと申しますと、私は個人名を詳細に存じ上げませんが、産業振興ビジョンの中で健康・福祉分野は重点4分野の一つとなっております。そこで、保健福祉局で担当している公的な制度にプラスアルファして、健康寿命を長く保ち、幸せに暮らしたいというニーズにお金を払う方々がこれからふえるのではないかと考え、そこを企業がビジネスとして提案して、収益を上げ、さらには雇用を生み出し、経済を活性化させる可能性があるのではないかというところに着目して事業を開始したものでございます。 ◆松浦忠 委員  札幌市役所も、それぞれ局長を置いて、ちゃんと組織図をつくって仕事をしているのです。可能性があるといったら、どこの局もみんなひっかかりますよ。一番可能性のある局は教育委員会だと思います。教育のためにこういうことが必要だからといったら、人の成長過程にはあらゆることがみんな必要なのです。仕事の分野を広くして金を一番たくさん使うのは教育委員会になりますよ。  そうではなくて、きちんと局別に仕事を分けてやっているわけですから、なるべく重複しないようにと。つながりがあってどうしても両方でやらなければならないものはあるかもしれない。しかし、今までの札幌市の組織だって、教育委員会でやっていたものを一般部局に移したり、一般部局にあったものを教育委員会に移したり、私がかかわって30年になるけれども、そういう組織改編もずっとやってきました。こんなことをやったら際限がない。これはやめるべきだ。  秋元副市長、こういう仕事の仕方についてはきちんと整理をしていかないと、職員も金も無駄が多過ぎる。したがって、本来的にどこでやるかということをきちっと考えなければいけない。国や道だって、そういう面はありますよ。しかし、そこは私が直接関与するところではないですから、少なくとも札幌市においてはこういうようなことはやめましょうよ。どうですか。  物事というのは、理屈をつければ何とでもつきます。しかし、大事なのは合理性があるかないかです。もう一つは、納税者である市民がそれをよしとするか、しないかです。そういう観点で考えたら、私は、これは来年度はやめるべきだと思います。やるとすれば、保健福祉局なり、所管のところでちゃんとやるべきだと思うのですけれども、いかがですか。 ◎秋元 副市長  今、段々のお話があった件につきましては、そうした新しい分野にビジネスとしてこれから需要の可能性があるか、ないか、企業の意欲があるか、ないかを募集するという観点で経済局がやったものであります。しかしながら、委員のご指摘のように、当然、事業の費用対効果はきちんと考えていかなければなりませんので、そういった意味で、これまでやってきた成果がどうであったのか、ほかの事業と比べて優先順位がどうなのかについては、きちんと精査した上で、来年度の予算の中でどうしていくのか、検討させていただきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  これは、指摘しておきます。  例えば、健康サービス産業推進補助事業の中で温泉日帰り旅行とありますが、これは老人クラブがずっとやっていて、老人クラブの求めに応じて、年に1回1泊まで、ただで市がバスを貸しますという事業もやっているでしょう。この予算はどこで計上しているかといったら保健福祉局ですよ。町内会にはバス代は出ないけれども、老人クラブには出ているのですよ。したがって、何でもかんでも予算を確保して仕事をやるのだ、そして、成果はない、どこかで既にやっているものだというのは――この老人クラブへのバスの貸し出しだって、やめると言っていたのですよ。そうしたら、老人クラブから猛反対に遭って継続してきた経緯があります。財政見直しのときにやめると言っていました。  秋元副市長は、市長政策室長もやって副市長になった方ですから、その辺はよくおわかりだと思いますので、今度の予算編成でよく考えてください。本当は、1項目ずつ評価していけば経済局だけで最低2時間ぐらいかかります。しかし、きょうは人数が多いですし、三浦監査委員が、俺がちゃんと監査しているから、松浦君、ほどほどのところにしておけと言うから、きょうはこれでやめます。 ◆川田ただひさ 委員  私からは、札幌の経済を支える産業の振興と企業の誘致、また、場所などについて質問させていただきたいと思います。  今回の定例議会の代表質問で、我が会派でも企業誘致について質問させていただきました。平成24年1月に策定された札幌型ものづくり振興戦略では、従来の製造業にIT産業やバイオ産業などを加え、札幌型ものづくり産業と位置づけ、高い付加価値をつくり出すものづくりを振興することにより、札幌経済の活性化につなげていくことをうたっております。中でも、札幌のIT産業は、かつてはサッポロバレーと呼ばれるほど企業の集積が進み、札幌の主要な産業の一つになってきたのではないかと思っております。北海道IT推進協会が出している北海道ITレポートによると、平成23年度の札幌市内のIT産業の売り上げは約3,369億円、従業員数も1万6,888人に達しております。北海道のIT産業においても、平成22年度の数値でございますが、売上高、また従業員数も含めて8割を札幌で行っていることを考えますと、北海道のIT産業の主軸は全て札幌に集積していると言っても過言ではございません。  しかしながら、その実態は、ソフトウエアの受託開発の割合が非常に高く、データ処理やシステム運用、さらには、他社への技術者の派遣などを加えると半数以上が受託業務であって、いわゆる下請構造となっております。そういう意味で考えますと、IT産業は、確かにそういった業務も必要ですが、新しい技術や製品を生み出し、顧客のニーズに合ったサービスを提供することで、札幌が抱える距離のハンディを克服して外需を獲得することができる分野であると私自身は思っていて、競争力のあるIT産業への転換が求められているのではないかと思っております。このままでは、よく言われるように、北海道農業はすばらしいものをつくるけれども、結果的に加工業は全て本州のほうで行われ、産業化されてしまうことと同じことになってしまいます。  そこで、質問ですが、札幌市では、現在、IT企業の誘致に取り組んでおりますけれども、どのような企業を誘致対象としているのか、また、その狙いは何であるのか、お伺いいたします。 ◎川畑 産業振興部長  IT企業のうち、どのような企業を誘致対象としているのか、また、その狙いについてというご質問でございます。  現在、誘致の対象としているIT企業は、情報通信技術を活用した製品などの研究開発あるいは製作を行う企業に限っております。この狙いは、先ほどのご質問にございましたように、札幌のIT業界が受託開発中心になっている状況を何とか変えていくきっかけをつくりたい、あるいは、研究開発型の企業が生み出す製品、技術を市内の他産業と結びつけることで、産業全体の高度化あるいは競争力の向上につなげていきたいという狙いでございます。 ◆川田ただひさ 委員  企業を誘致する場合に問題となってくるのは、やはり、企業を呼び込むための場所が必要ではないかと思っております。我が会派では、この点についてはいろいろな視点から指摘してきたところでございます。札幌市では、ものづくりをする工場を誘致しようとしても、新川地区工業団地が分譲された平成9年以降、新たな工業団地がつくられていない状態となっております。また、IT企業のようなオフィス系の企業を誘致するにしても、景気が少し上向いてきたこともあって、都心部ではオフィスビルの空室率が非常に低い状態になっており、当然、賃料も高いわけです。結局、場所の問題が誘致活動の阻害要因となっていると思います。先ほどもお話がありましたように、来てくれと言っても、どういった場所があるのかという情報提供はこれから絶対に必要不可欠なものだと私自身は思っております。  そこで、質問ですけれども、経済局としては、これまでの誘致活動で産業用地やオフィスビルの確保といった誘致すべき場所の問題についてどのように対処してきたのか、改めてお聞きいたします。 ◎川畑 産業振興部長  企業誘致すべき場所の問題というご質問でございます。  これまでは、利用されていない工業系の土地、未利用地と申しますが、そこの地権者に対して意向を確認して、土地の情報は公表してもよろしいですというご了解をいただいた土地につきましては、例えばマップをつくって必要とされる方に提供したり、あるいは、不動産事業者との連携によりましてオフィスビルの空きスペースなどの情報をお届けしてきたところでございます。  また、産業用地に関しては、ことし6月に立地の補助制度を見直しまして、工場などの補助の対象となる地域を、工業団地などのいわゆる工業適地から準工業地域に拡大することによって、市内の工業系用地の不足感の解消に努めてきたところでございます。 ◆川田ただひさ 委員  私は都市局でも質問しましたが、今、新札幌駅周辺地区のまちづくり計画が策定されております。この地区は、想定では市営住宅の建てかえで非常に広い空きスペース、余剰地が発生することになっております。その利活用について、都市局は都市局での観点からいろいろと検討しておりまして、地域の方を集めてワークショップ会議なども行われております。この余剰地は、トータルで約5ヘクタール、残りの部分は新しい市営住宅に使っておりますけれども、これだけの広いスペースがあり、地下鉄やJR駅にも直結して、また、江別や北広島にも近く、そういうふうに非常に多くの人の動きがあるところですから、私が常々唱えておりますが、札幌市の経済活性化のために非常に寄与する土地ではないかと思っているわけであります。  そこで、経済活動の場所という観点から、この土地に魅力があると考えているのか、魅力がないと考えているのか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。  また、この部分については、8月13日付で都市局市街地整備部事業推進担当部長名で有効活用できないかという庁内照会が各局にありました。都市局から問い合わせした内容というのは、公的な利用計画はないのかという視点でした。経済局としては、公的利用計画はないと回答したとお聞きしましたけれども、先ほどの照会を受けて経済局内ではどのような議論をされたのか、この点も含めてお伺いしたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  1点目は、経済活動にとっての新札幌駅周辺地区の魅力というご質問でございます。  この地区は、お話にありましたように、公共交通のインフラが非常に充実しており、人が集まりやすい環境でございます。経済活動を行う企業にとっては魅力ある場所ではないかと認識しているところでございます。  また、2点目の都市局からの照会に関する経済局内での議論についてでございます。  この地区は、ご承知のとおり、まちづくり戦略ビジョンにおきましても都市機能の一翼を担う先導的拠点と位置づけられております。それを実現するためにも、民間主体の開発に委ねるべきではないかとの考え方から、経済局といたしましては公的な利用計画はないと回答いたしたところでございます。 ◆川田ただひさ 委員  この場所は、先ほど魅力があるというお話もありましたが、私は、経済活動という点から見ても魅力があるのではないかと思います。いろいろ視察したところによりますと、JRと地下鉄が直結している場所で周りは札幌市または開発公社の管理下の土地であるというのは、みんなは信じられないと言うのです。普通であれば、いろいろな地権者がいたり民間の方がいて、開発をするにしてもいろいろな制約の中で時間をかけながらやるのに、こういうところがあるのかとみんなは驚くわけでございます。そういう意味で、この土地をいかにするかは、その周りの方々のご意見を伺うことも大事ですけれども、プロである行政がしっかりと方向性を見出して提案していくことも非常に重要かと思っているわけでございます。  そこで、昨年まで厚別区長をされておりました荒井局長にぜひともお伺いしたいわけでございます。  このような場所であり、地の利などもご存じかと思いますが、先ほど来、企業誘致やコンテンツ特区も含めて取り組みをしていこうとしている中で、私は、経済局の視点から、こういった余剰地を働く場所としてもっと活用していくべきではないかと考えております。交通の便がいいというのは働く方にとっても魅力的ですし、企業誘致という観点からいっても非常に魅力的な場所であります。すなわち、働く人が多くなることによって人が行き交い、結果として、衰退しているもみじ台や私の生まれ故郷である青葉町などがかつてのようにさらに活性化していくことにつながりますから、やはり、働く場所にすることが非常に大事だと思っているわけでございます。  そこで、今後、例えば第2テクノパークであるとか、また、政府においても積極的な産業戦略を立てて国を強いものにしていこうという政策に転換しておりまして、そういういい時期だと思うのです。そういった視点から、ここの活用方法について、関係部局との調整も含めて、今後は経済局としてどのように進めていくのか、局長の考えをお伺いしたいと思います。 ◎荒井 経済局長  委員がご指摘のとおり、これだけまとまった土地が都心に生まれることはほとんどないのではないかと思いますので、その辺の考え方は非常に重要なものだと思っております。  私も、この地域は札幌経済の活性化にとっては大変重要な場所であると認識しております。したがいまして、経済局としては、この地区の再開発を契機として、産業の振興、雇用の創出につながるよう、余剰地に関する民間企業の活用意向などもしっかり捉え、そうした情報については都市局を初めとした関係部局に速やかにつないでいくなど、経済の活性化といった視点から積極的に働きかけてまいりたいというふうに考えております。 ◆川田ただひさ 委員  これから積極的に関与していくということでございます。企業誘致等も東京や本州で行われると思いますが、この部分は、企業が魅力を感じてすぐに参入できるように、法的に対処しなければいけないことや整備しなければいけないことはまだまだたくさんあると思いますけれども、それも踏まえて調整していただきたいと思っております。  今、都市局では、平成27年度以降に向けて都市計画を考えているということですが、待っていたり時間をかければいいときもありますけれども、チャンスを逃してはいけない時期だとも思っております。何も考えないで、ただ単に言われたことだけをやっていくと、結果的にもったいない活用方法にしてしまう危険性もあります。あそこは、まずは経済活性化の場所であり、厚別の発展だけではなく、札幌市全体の経済に寄与する場所であります。そして、今、国全体がアベノミクスで積極的な戦略のもとに国際的にも経済力をつけていこうとさまざまな政策をしているさなかでございますので、そういった国の動向や、あるいは、補助メニューや政策的な特区などの情報もしっかりと仕入れながら、我々自民党会派も情報提供などに協力することは惜しみませんので、その視点から、ぜひとも、よりよくすばらしいものにしていただきたいということを心から求めたいと思います。予算特別委員会ではまた経過をお聞きいたしますので、そのことを改めて申し述べまして、質問を終わります。 ◆村上ゆうこ 委員  私は、札幌コンテンツ特区の取り組みの現状について質問いたします。  札幌コンテンツ特区の2012年度の取り組みとしては、国の財政支援も活用して、シンガポールや香港などで札幌での映像制作促進のためのセミナー開催や映像コンテンツ販売のための商談会出展を実施したと聞いています。その集大成として、ことしの2月に札幌市内で実施したRe:Jというイベントでは、韓国、タイ、ミャンマー、ブータン、台湾など、アジア12カ国と1地域から映像にかかわる官民の代表者約80人が集まり、コンテンツ産業における共同での取り組み促進を記した札幌宣言を発するなど、着実にアジアとのネットワーク強化が進んでいるものと認識しています。  また、札幌での映像制作を促進するため、2012年度に創設した札幌市映像制作助成金の活用状況について、2012年度はタイ、インド、台湾からの撮影が5件、国内の撮影が1件の計6件、今年度も既にシンガポール、タイ、ベトナムからの撮影が3件とのことです。  このように、札幌での撮影や商談会での映像コンテンツの販売を通じて、札幌の映像が海外で放映されることにより、海外からのロケ地等への観光客増加が期待されるところですが、報酬を得て外国人に対してガイドを行うことができる札幌特区通訳案内士の研修が実施されたとの報道にも接しました。  アジアにおけるコンテンツ産業の拠点化に向け、徐々にですが、実績も出始めており、このような取り組みを継続することで、地元コンテンツ産業の振興のみならず、地域産業全体の活性化につながるものと期待しているところです。このように、昨年から本格稼働したコンテンツ特区の取り組みも、1年半が経過し、徐々に具体的な形が見えてきています。  そこで、質問ですが、2012年度の実績として、海外に札幌の映像がどのくらい発信されたのか、また、増加が期待されるインバウンド観光客、外国人観光客に対応する札幌特区通訳案内士の育成状況と、資格を取られた方にどのように活躍していただこうと考えているのかについてもあわせて伺います。 ◎川畑 産業振興部長  札幌コンテンツ特区の取り組みの現状についてお答えいたします。  まず、1点目の海外への札幌の映像の発信状況でございます。  昨年度、平成24年度に行いました映像コンテンツの販売、あるいは、撮影誘致の結果といたしまして、札幌、北海道が海外で放送された、あるいは、発信された時間を調査しましたところ、東南アジアを初めとして14カ国において合計1,700時間を超えるものとなっており、インバウンド観光客の増加に一定の効果があったものと考えております。  次に、札幌特区通訳案内士の状況でございます。  育成のための研修を実施いたしましたが、この研修は、募集開始から1日半で締め切るほど多くの方に関心を持っていただきました。受講なさったのは最終的には77名の方で、45時間にわたる研修を受講され、54名の方が口述試験に合格されております。こうした方々の申請に基づきまして登録を実施し、来月には最初の札幌特区通訳案内士が誕生する見込みでございます。  なお、合格された方々の言葉別の内訳でございますが、英語が36名、中国語が11名、韓国語6名、タイ語1名となっております。  こうした方々の活躍の場についてでございますが、今年度はタイ、シンガポールなどを海外展開のターゲット国と定めており、映像発信の取り組みを実施しておりますので、こうした国々からの観光客の増加も期待できるのではないかということから、そうした場面で特区通訳案内士の方々にご活躍いただきたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  札幌コンテンツ特区の取り組みの現状についてはわかりました。既に札幌、北海道の映像が数多く海外へ発信されていること、その結果として、増加が期待される海外からの観光客をガイドする通訳案内士の育成状況についてもただいまの答弁で理解いたしました。  さて、2012年度のタイから札幌への観光客数は、昨年10月、バンコク−新千歳間に直行便が就航したこともありまして前年度比で3倍以上の増加となっていますが、同時に、タイは日本全体への観光客も急増しているところです。これについて、日本政府観光局がことし6月に発表した資料では、訪日旅行がブームであるとタイのメディアに複数取り上げられていることが日本への旅行の機運を後押ししているのではないかと分析しています。また、タイでは、今、ラーメンがブームとのことですが、このきっかけはテレビ東京のバラエティー番組「TVチャンピオン」がタイで放送され、同番組を通じましてラーメンへの関心が高まったことが一因とも言われています。  このように、映像による情報発信は、札幌、北海道のブランド確立や外国人観光客の誘致に有効な手段ですが、それとともに、産業の国際化を進め、貿易を促進するためにも大変有効な手段だと考えます。したがいまして、今後は、海外転向を指向する市内企業に対して映像による海外プロモーションの意識を醸成することが札幌コンテンツ特区の取り組みとしてますます重要になってくるものと考えます。  そこで、2点目の質問ですけれども、今年度、札幌市内の企業に対して海外展開や映像による海外プロモーションの意識等について調査を行ったと聞いていますが、その概要と調査結果を踏まえた今後の取り組みについてお伺いいたします。 ◎川畑 産業振興部長  企業の意識調査結果とそれを踏まえた今後の取り組みについてでございます。  調査の概要といたしましては、札幌市内に拠点を置く174社からご回答をいただきまして、今後、海外展開をしたいとお答えいただいた企業が50社、そのうち、海外で映像によるプロモーションを実施したいとお答えになりました企業が26社でございます。  現在、この26社を中心に呼びかけまして、アジアをターゲットに、販路拡大したい商品、サービスなどを映し込んだ映像をモデル的に制作しているところでございます。まずは、この取り組みを通じて、映像による海外プロモーションの具体的な事例を創出いたしまして、今後、より多くの市内の企業に海外プロモーションの手段として映像の活用をお考えいただけるように働きかけることで、企業の海外展開を後押ししてまいりたいと考えております。 ◆村上ゆうこ 委員  最後に、要望です。  ただいまの答弁によりますと、市内立地企業への調査結果では、海外で映像によるプロモーションを実施したい企業が海外へ事業展開を行う意思のある企業の半分にとどまっており、企業の海外展開と映像によるプロモーションを結びつけて考える企業がまだまだ少ない状況だと思います。モデル事業として実際に商品などを映し込んだ映像を制作し、海外へのプロモーション効果の検証を行うことは、市内企業の国際化に対する意識醸成に寄与する取り組みだと考えます。さらに、今後は、海外展開を指向する企業への働きかけだけではなく、映像によるプロモーションを実施しようとする企業に対する助成制度など、一歩踏み込んだ具体的な施策を実施していくことも必要だと考えます。  今回の市内調査によりまして、市内企業が映像による海外プロモーションを行っていく上での課題が浮き彫りになったと思いますので、それをきちんと検証して、必要な施策をさらに検討していただくことを要望します。また、コンテンツ特区の取り組みにより多くの市民や企業がかかわり、この取り組みがより大きな社会的な動きになることを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、食産業の海外展開支援についてお尋ねしたいと思います。  先日、私は、北海道経済連合会の近藤会長のお話を伺う機会を得ました。会長は、北海道経済の再生には食産業の振興が鍵を握ると訴えられ、それは、全国では農水産業の生産高に比べて食品生産高が3.5倍であるのに対して北海道は1.5倍にとどまっていることを示され、先ほど川田委員からもありましたが、北海道はすぐれた1次産品を生産するがゆえに付加価値をつけることを怠ってきたと指摘するとともに、このことは、逆に言うと、伸び代が大きいものであり、北海道に残された大きな可能性であると言われて、非常に我が意を得たりと共感したところでございます。したがいまして、食産業の振興が大変重要であり、あらゆる手法で挑んでいかなければならないと考えております。  そこで、今回は、札幌市における食産業の海外展開支援の取り組みについてお伺いしたいと思います。  改めて申し上げるまでもなく、北海道の食は全国的に非常に人気が高く、例えば、毎年秋に全国各地で開催される北海道の物産と観光展では、この10年で売り上げ総額が3割以上増加しているとお聞きしており、国内における北海道の食の強さをうかがい知ることができます。また、海外に目を転じますと、アジアの各地でも北海道の人気が高まっておりまして、北海道内の港からの食品輸出額が10年前に比べて3.5倍に増加していることなどからも海外での道産食品の需要の高まりを実感することができます。  国立社会保障・人口問題研究所から発表された日本の将来推計人口によりますと、50年後の平成72年には約4,000万人も減少する上、65歳以上の老年人口の占める割合が4割にも達すると予測されており、消費者の数や1人当たり消費量の減少によって国内市場の縮小は避けられない課題となっております。こうした中、海外市場に活路を見出す企業が増加しており、政府も、ことし8月に農林水産省が農林水産物・食品の国別・品目別輸出戦略を打ち出すなど、海外展開を積極的に後押ししております。現状では、札幌市内の食品関連企業の主な販売先は国内市場が中心となっておりますが、経済成長が著しいアジア諸国では、個人所得も伸びており、安心・安全な北海道の食に対する需要が一層高まることが見込まれております。この機会を逃すことなく、市内企業には積極的に海外展開に乗り出していただきたいと考えております。  既に、札幌市では、北海道などとともに北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区の指定を国から受け、官民が一体となって東アジアにおける食の研究開発、輸出の一大拠点をつくることを目指し、着実に取り組みを進めておりますが、より一層、企業の海外展開を支援していく必要があると考えます。しかしながら、札幌市内の食品関連企業は大多数が中小企業であり、海外展開の必要性は感じつつも、取り組みのきっかけをつかめず、二の足を踏んでいる企業も多いと聞いております。これらの企業が抱える課題をすくい上げ、後押しすることが札幌市の果たす役割と考えております。  そこで、質問ですが、札幌市では、中小企業が海外展開を行う上でどのようなことを課題と捉え、それに対してどのような支援を行っているのか、お尋ねいたします。 ◎川畑 産業振興部長  食の海外展開に当たっての課題と支援についてのご質問でございます。  市内の食関連企業にアンケートを実施いたしましたところ、海外市場の情報が不足している、あるいは、輸出の手続が煩雑であるといったことが課題として挙げられております。また、海外バイヤーとの商談機会をさらにふやしてほしいという声もお聞きしております。  そこで、ご支援ということでございますが、例えば地域別、国別の海外市場セミナーを開催いたしますとともに、さっぽろ産業振興財団にコーディネーターを配置して輸出手続などのお問い合わせにご対応させていただいております。さらには、関連団体と連携いたしまして海外の展示・商談会への市内企業のご出展の支援をしております。  また、もう一つの課題といたしまして、海外物産展で一時的に販売が好調であっても、定番商品としてなかなか継続的な販売につながらないということも挙げられております。その原因といたしまして、商品のパッケージや味、賞味期限が海外の現地ニーズに合わないことが考えられます。そこで、今年度より、輸出仕様の商品開発を補助する事業を新たに開始し、6月に10社にご支援をすることといたしまして、商品開発が進んでいる一部の企業では既に輸出の実績が上がっていると伺っております。 ◆福田浩太郎 委員  これまでの海外展開の支援の取り組みを伺いました。  現時点では、支援はおおむね現地消費者への販路拡大が中心になっていると思います。輸出を促進する上で現地消費者へ売り込むことは非常に重要でありますが、さらなる道産食品の販路拡大のためには、飲食店などへ業務用食材として売り込むことも効果が高いものと考えております。その手法の一つとして、札幌外食企業が海外に出店し、そこに対して道産食品を供給することも有望であると考えております。とりわけ、全国の外食産業の市場規模は、90年代後半以降は縮小傾向が続いており、今後も人口減少や少子高齢化の影響を大きく受けることが予想されておりますが、昨今、海外では日本食レストランが急増しており、日本の外食チェーンも海外に積極的に展開するなど、海外展開の動きが活発化しております。身近な例として、十勝名物の豚丼も香港に売り込みを進めていると伺っております。  そこで、お伺いしたいのですが、札幌のサービス産業において外食産業は基幹産業の一つであり、海外進出により外需を獲得し、収益基盤の強化を図ることが重要であると考えます。札幌市においても、外食産業の海外進出支援に取り組むと聞いておりますけれども、どのような支援を行うつもりか、お尋ねしたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  外食産業の海外支援についてでございます。  ご意見にありましたように、業務用の食材を海外に供給することができますと、安定した輸出につながりますので、大変重要な施策ではないかと考えております。そこで、外食産業海外支援策の一例として現在考えておりますのは、市内の飲食店を募集しまして、アジアのどこかの都市で地域の方々を対象にしたオータムフェスト形式の外食イベントなどができないかということを検討しております。もしそういうことができましたならば、出店された飲食店の方は、現地の消費者の方の直接の反応、売れ行き、ニーズを把握することができますので、今後の海外進出に向けた有益な情報を収集できるのではないかと考えております。また、札幌の食の魅力を大きなイベントでアピールすることで、現地に食の魅力が浸透し、観光客の増加も期待できるのではないかと思っております。  さらに、海外展開に当たりましては、現地で信頼できるパートナーを得ることが重要でございますので、例えば、出店された飲食店の方と海外でテナント誘致を担当される方とのマッチング機会を設けるといったように、海外展開に必要な人脈構築の支援策も検討してまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  オータムフェストの海外版ということかと思います。  先日、生島副市長が行かれたタイでの物産展は非常に好評だったことも伺っております。答弁にもありましたように、こうした事業で現地のニーズをはかるとともに、また、テナント事業者などとのマッチング支援をして、道内企業が進出しやすくするということで、非常に期待できる試みだと思います。  最後に、要望ですが、外食産業の海外展開は、進出企業の経営基盤強化につながるのはもちろんのこと、それらが道産食材を扱うことにより、北海道からの輸出拡大にもつながり、波及効果が大きいと私どもは考えております。これからも市内中小企業の海外展開を支援するため、効果的な施策を積極的に打ち出していただきたいということを求めて、質問を終わります。 ◆小形香織 委員  私からは、コミュニティ型建設業創出事業について質問させていただきたいと思います。  2004年からスタートしたコミュニティ型建設業創出事業は、市民が家屋の修繕、リフォーム、バリアフリーなどの工事をしようとして、どこに相談していいかがわからないときに、それに応える形で事務局が相談に応じて企業の紹介をするものですが、スタートした当時は、二つの事務局で、14の企業が参画する形で始まりました。予算額は、その当時は1,000万円でした。10年たって、今は四つの事務局で参画企業も68と広がってきました。利用されてきた市民は、当初は141件の相談でしたが、今は443件です。そして、成約件数もふえていますし、平均の成約金額も、当初の15万8,000円が、今は1回の工事費用が124万7,000円ぐらいに大幅に上がってきており、地域密着型の事業として市民に喜ばれるものとなってきているのかなと思っているところでございます。  まず、この10年間を振り返って、スタートした当初から現在まで、この事業をトータル的にどのように評価されるのか、伺いたいと思います。  それから、もう1点ですが、この事業に参画される企業は、建設業の登録をしていなければならないというような要件があるのかどうか、これを確認したいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  まず初めに、この10年を振り返って評価はどうかというご質問でございます。  直近の平成24年度の利用者アンケートによりますと、97%の方がこの事業に満足しているというご回答をいただいており、かなりの支持、評価をいただいているものと考えております。また、相談件数、成約金額につきましては、ただいまご質問にございましたように、順調にふえております。23年度は震災の後ということで減少いたしましたが、24年度から現在まで、市民の利用が伸びております。さらに、参画されている企業からは、この仕事を通じてリピーターのお客様ができた、あるいは、他社との連携により、自社だけでは無理なことも可能になり、市民に貢献している実感があったといった声を寄せていただいておりますので、一定の評価をいただいて着実に浸透しているものと認識しております。  2点目の参画する建設業の資格については、今、要綱を確認いたしましたところ、建設業以外でも参画できることになっております。建設業に分類されない建設設計業のようなものも建設業とみなすのですが、それ以外の困り事を解消してくれるような企業も参画いただけることになっております。 ◆小形香織 委員  建設業の登録をしていなくても参画できるということですね。そういう業者も含めて、アンケートでは、この事業に参加して97%の方が満足しているという結果が出ており、また、事業者からはリピーターのお客さんがふえていると書かれているわけですから、本当に地域に密着する建設業として進んできたのかなと思っております。
     一方で、市民評価が行われまして、コーディネートする事務局に対する補助金が見直しにかかり、削減していくということで、今は四つの事業所がありますが、来年は一つの事業所のみを補助金対象とし、再来年には全てのコーディネート事務局への補助金がゼロになると聞いております。  そこで、コーディネート事務局はこうした補助金がなくなってもやっていけるのか、続けられるのかと懸念するのですが、その点はいかかが、伺いたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  事務局に今後の見通しについてヒアリングさせていただきましたところ、補助金がなくなったとしても事業は継続していくとのご回答をいただいております。その際、補助金以外の面で、市には、例えば広報活動による事業の周知などで引き続き支援してほしいというご意見がございましたので、市民セミナーを共催するとか、広報さっぽろや市のホームページで事業をお知らせするといったご支援は継続していく考えでおります。 ◆小形香織 委員  コーディネート事務局からは、補助金がなくなることに対しての、特別、反対の声はなかったというようなことだったのでしょうか。 ◎川畑 産業振興部長  一応、市民評価でこういう経過があり、毎年、補助金が減っていくことになりましたということをご説明申し上げて、今後はどうなさいますかとお聞きいたしましたが、補助金がなくなっても継続していきたいというご回答をいただいているところでございます。 ◆小形香織 委員  もともと、これで自立してやっていければいいなということで始めた経緯もあると思いますし、そういう方向で進んできているという受けとめもあると思います。ただ、国は、来年4月から消費税を8%へ増税することにしました。そうなると、不況が悪化していき、とりわけ、そのあおりをまともに受けるのが建設業関係の方々だということは過去の日本経済の繰り返しの中ではっきりしていることですから、コミュニティ型建設業あるいはコーディネート事務局の方々のお仕事が大変になるのではないかということが予想されます。  今、自立した事業になったとしても、広報さっぽろに載せたり、セミナーなどを開いて支援するとおっしゃっておりましたけれども、私は、セミナーや広報さっぽろに載せることはもちろんいいことだと思うのですが、コーディネート事務局が何に直面し、何に困っていたり、何に喜びを感じているのかということは、常に具体的に把握しておく必要があると思います。そのような点での支援は考えておられるのかどうか、お聞きしたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  現在、コーディネート事務局の皆様とは、毎月、市から情報をお知らせするとともに、皆様のお困りの課題を共有して、どうやって解決していけるか、お互いに教え合っていただくような会議を開催しておりますので、こういったことは今後も継続していきたいと考えております。また、企業グループの皆様に対する技術面に関するセミナーなどの開催も継続してまいりたいと考えております。今後も、コーディネート事務局あるいは参画企業、利用者の皆様のお声を聞きながら、市民の方が利用しやすく、企業にとっても満足度が高く、企業と地域の連携が深まるような取り組みになるように検討してまいりたいと思っております。 ◆小形香織 委員  この事業は、市民の方がコーディネート事務局に単に業者を紹介してもらうだけにとどまらないと思うのです。実際に立ち会いをしたり、確認をしてもらったり、あるいは、企業に対するアドバイスをしたり、最後はクレームの対応まで含めて、工事が終わるまでお客さんの立場で責任を持って親身になってやっていくところが魅力なのだろうと思うのです。ですから、先ほどお話があったアンケートなどでも、利用された市民の方はありがとうと書いておられますね。もらっている資料で言いますと、安心してお願いできました、隣近所への挨拶も進んでやっていただき、ありがたく思っています、よい業者を紹介していただき、ありがとうございましたと。こういう言葉は、今、リフォーム詐欺が社会問題になっていますから、札幌市の事業としてやっていることが市民にとっての一番の安心だと思うのです。ただ、この先、コーディネート事務局が引退されたり、あるいは、事務局自身が交代していくことも考えられるのだろうと思うわけです。そういう中で、この10年間で築いてきた事務局機能を札幌市のノウハウとしてどういうふうに生かしていくのか、蓄積していくのか。おっしゃっていた技術の継承も、単に事業者の技術の継承だけではなく、誇りある仕事として、どういうふうに地域に喜ばれるものにしていくのかというあたりでは、札幌市はこれを宝として大事にしていかなければならないのではないかと思うのです。  そこで、技術の継承ではなく、補助金以外のところで、今後の事業全体の蓄積や活用の仕方はどんなふうに展望されているか、伺いたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  今後の展望ということでございます。  この事業で補助をしておりますコーディネート事務局の皆様以外にも、例えば、商店街や建設業のグループ、あるいは新聞販売店など、いろいろなところがまちの便利屋さん的な事業を開始されていると伺っております。そういった取り組みとこの事業をやるコーディネート事務局でどういった連携ができるかが本当に今後の課題であり、私どもが検討していかなければならないことだと思いますので、地域に根づいた市民のきめ細かなニーズを満足させていくようなグループのあり方をきちんと検討してまいりたいと考えております。 ◆よこやま峰子 委員  私は、エレクトロニクスセンターについて質問をいたします。  エレクトロニクスセンターは、1986年、札幌テクノパークの中核的支援施設として、IT産業振興のために開設されました。開設当初から、ソフトウエア開発に必要な大型コンピューターの提供やそれぞれの時代に必要とされるITの人材の育成、首都圏、アジア圏の企業との交流、販路拡大、クラウドビジネスの推進など、これまでの27年間、多くの功績があったことは高く評価をいたします。  一時期はサッポロバレーとも呼ばれ、全国的にも大きな注目を集めましたが、平成20年に私が視察で訪れたときには、空室も多く、テクノパーク全体で非常に沈んでいて、私は、時代の流れからエレクトロニクスセンターはその使命を終えたのではないかという感じを受けました。そこで、私は、平成20年決算特別委員会、平成21年予算特別委員会などで、時代の変化に応じた効果的な事業展開への見直しなどを求めてまいりました。ちょうど同じころ、平成21年には、行政評価においても公の施設として廃止を含めた見直しを指摘されたところであります。  そこで、質問ですが、21年の行政評価で見直しを指摘されて以来、どのように検討し、見直しを行ってきたのか、その結果はどうであったのか、お伺いしたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  エレクトロニクスセンターに関しまして、行政評価で見直しをされて以後の検討の内容あるいはその結果というご質問でございました。  平成21年に行政評価の指摘をいただいたことを踏まえまして、当初、見直しの方向といたしまして、21年、22年にかけまして新エネルギーを最大限に活用したデータセンターの構築ができないか検討いたしました。しかし、調査の結果、新エネルギーの導入は高額な設備投資が必要であることがわかりました。また、エレクトロニクスセンターの建物の構造がデータセンターとしての重さ、荷重に耐えられないことがわかり、断念したものでございます。その後、平成23年には札幌市産業振興ビジョンを策定いたしまして、食を重点分野の一つに定めました。続きまして、札幌型ものづくり戦略におきましては、バイオ産業を主要6産業の一つと位置づけました。あわせまして、23年暮れにフード特区として認定されましたが、その申請の検討過程におきまして、食・バイオ企業を誘致するためには、企業向けの貸し研究室、レンタル・ラボが必要という認識が強まってまいりました。  こうしたことから、エレクトロニクスセンターは、北海道の食品加工研究センターが江別にございますし、酪農学園大学に近いという地理的な優位性を生かせること、また、IT産業振興のノウハウがあることから、エレクトロニクスセンターを食・バイオ産業の連携を行う拠点として有効活用することが期待できるということで、このたび、昨年度から工事をしておりますが、施設の一部を企業が入居できるような研究実験室に改修して存続することとしたものでございます。 ◆よこやま峰子 委員  今のご答弁を伺いますと、試行錯誤と申しますか、いろいろなことを試みてこられたことはよくわかりましたし、私としても、その都度、大いに期待して、今度こそはエレクトロニクスセンターがうまくいってくれるのではないかと再生への可能性に非常に期待して注視しておりました。しかし、結果として、新エネルギー導入は費用が高額過ぎることでだめになりましたし、エレクトロニクスセンター自体がデータセンターとして荷重に耐えられないということでだめになりました。こういう実現に至らなかった理由というのは、都市局などでちゃんと調査すれば事前にわかったのではないかと思うのです。ですから、再生への取り組みの見通しが非常に甘いのではないかという感じを抱いております。  こうした中、今のお話にありましたように、このたび、食・バイオとの連携に活路を見出して、IT企業に加えて食・バイオ関連産業が入居できるようにエレクトロニクスセンターを改修するということでございます。今回は、改修費が約2億7,000万円で、国が半分、市が半分ですから単純に計算しますと1億3,500万円がまた投入されるわけです。しかし、今までのいろいろな経過を見ますと、私は大丈夫かなという危惧を抱きます。  そこで、質問ですが、今回の食・バイオ企業の誘致の実績状況、入居の見込みなどについてお伺いいたします。 ◎川畑 産業振興部長  エレクトロニクスセンターへの企業の誘致と入居の見込みについてのご質問でございます。  誘致の状況といたしましては、食・バイオの分野におけます道内最大の団体である北海道バイオ産業クラスター・フォーラムというところがございますが、こういった団体のセミナーでPRさせていただいたり、北海道内はもとより、道外のバイオ系の展示会で積極的にPRを行っているところでございます。また、ご承知と思いますが、北大ビジネス・スプリングという研究実験施設がありまして、こちらは入居期限がございますので、その期限を迎える企業に次にエレクトロニクスセンターはいかがですかと個別に働きかけを行っておりまして、現在、入居をご検討いただいている企業もございます。  最近、施設の具体的な仕様を記載した新しい資料も作成いたしましたので、これを道内外の食・バイオ企業にダイレクトメールなどでお送りするとともに、東京事務所と連携して企業訪問などにも力を入れてまいりたいと考えております。 ◆よこやま峰子 委員  今度こそ、新たな取り組みである食・バイオ関連企業とIT関連企業との連携で成果を上げることができるように私も願っております。  しかし、エレクトロニクスセンターには、毎年、維持費として7,000万円という莫大な市費が投入されております。平成21年度の行政評価で見直しを求められてから単純に計算しても2億8,000万円も投じられているのに、いまだに余りぱっとしません。また、エレクトロニクスセンターに関しては、私は、市民、企業の関心も非常に薄いと思いますので、入居企業の誘致活動はもちろんのこと、市民や企業にもっとPRする必要もあるのではないかと思います。  今後、エレクトロニクスセンターが維持費に見合うだけの存在意義を見出して、市民にも理解されるような生き残る道と申しますか、再生を果たすために何が必要かを真剣に考えるべきときが来ているのではないかと思います。言うならば、今後のエレクトロニクスセンターのあるべき姿といいますか、札幌市が描いているエレクトロニクスセンターの将来像についてお聞かせいただきたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  エレクトロニクスセンターの将来像、あるべき姿についてでございます。  先ほどもご説明申し上げましたように、エレクトロニクスセンターは、このたびの改修を機に、IT企業に加えて食・バイオ企業を含む研究開発型の施設へと再構築しているところでございます。食・バイオの分野では、ご承知かと思いますが、ビッグデータ処理による遺伝子解析や北海道の食の安全性、機能性を評価するための膨大な調査分析結果をデータベース化するといった高度なIT技術が必要とされる分野がたくさんございます。そこで、IT企業と食・バイオ企業の連携が期待されるわけでございます。エレクトロニクスセンターは、長年、IT産業の振興を担ってまいりましたので、IT企業振興に関する専門的なノウハウが蓄積しておりますし、いろいろなネットワークを持っておりまして、食・バイオ産業の振興を担う団体とも密接な関連がございます。そういった強みを生かしながら、エレクトロニクスセンターを拠点として、IT産業と食・バイオなどほかの産業との連携が実現することによって産業全体が高付加価値化し、新たなビジネスが生まれていくような将来像を描いているところでございます。 ◆よこやま峰子 委員  おっしゃることは本当によくわかりましたし、私もその成功を非常に願っているところであります。  しかし、平成21年度の行政評価の廃止を含めた見直しの指摘事項としましては、エレクトロニクスセンターは、設立当初は、スーパーパソコンを備えた施設で、技術開発の場として優位性があったものの、現在の施設の実態は60%の貸し事務所と稼働率30%程度の会議室、そして、札幌テクノパークに立地する企業の福利厚生的な施設となっており、札幌市が今後も公の施設として維持していく必要性は認められない、したがって、公の施設の廃止を含めた見直しを検討すべきというものでございました。  あれから4年が経過しておりますので、今までの功績の大きさは認めますし、管理維持費に毎年7,000万円を要するほどの施設の広さ、立派さを何とか生かした再興を願うという気持ちはわかりますが、この先の費用対効果を考えますと、管理維持費が減額できるか、あるいは、ちゃんと利益を上げるような抜本的な対策を考えられるのか、そうした見きわめを早急にするべきではないかという私の個人的な見解を申し上げまして、終わりたいと思います。 ◆中村たけし 委員  私からは、中小企業融資損失補償について質問させていただきます。  局別施策の概要の70ページの上から4項目めになります。  札幌市の中小企業融資制度のうち、北海道信用保証協会の信用保証つき融資の割合は約7割だとお聞きしております。このうち約3%が焦げつきとなっておりまして、信用保証協会が中小企業にかわって金融機関に対して返済する、いわゆる代位弁済を行っているということであります。昨年度の決算における損失補償額、札幌市が信用保証協会に払っているお金は、局別施策にありますように約4億8,000万円となっていて、このように巨額なお金を負担しております。  そこで、札幌市がこのお金を負担する必要性と意義について、確認のためにお伺いします。 ◎川畑 産業振興部長  札幌市が信用保証協会に損失補償する必要性と意義についてでございます。  中小企業が円滑に資金調達する、お金を借りやすくなる上では、信用保証協会が行っている補償が大変大きな役割を果たしております。万一、融資の返済が滞りました場合のリスクを札幌市も負担することによりまして、保証協会による保証の促進、ひいては中小企業への融資の促進につながりますことから、代位弁済額の一部につきまして札幌市が損失補償を行っているものでございます。 ◆中村たけし 委員  札幌市が信用保証協会に対して行う損失補償は、今ほど部長から答弁がありましたように、中小企業の資金繰りや資金の調達、融資の促進などの役割を果たしていることはわかります。しかしながら、札幌市も大変厳しい財政状況にあり、札幌市の負担軽減を図りながら中小企業の資金繰りを支援していくことも必要だと考えます。  金融機関は、企業に融資をすることによってこの制度で金利の収入を得ます。また、信用保証協会は、保証づけをすることによって保証料が入ってきます。札幌市には何も入ってきません。金融機関と信用保証協会もこの制度の枠組みで、当然、応分の負担をしていると思うのですが、保証つき融資において焦げつきが発生した場合の金融機関と信用保証協会及び札幌市の負担のあり方はどのようになっているのか、これまでの経緯も含めてお答えいただきたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  融資の返済が滞った場合の関係機関の負担割合についてでございます。  平成19年9月までは、信用保証協会は企業が返済すべき金額の全額を企業にかわって金融機関に支払っておりました。そのうち、80%が国の信用保険で補填されまして、残りの20%を札幌市が負担しておりました。その後、19年10月に国が責任共有制度を導入したことによりまして、新たに金融機関も一部を負担することとなりました。また、その後、札幌市と信用保証協会との協議の結果、24年度からは札幌市の負担割合を引き下げるような動きをしております。  こうした経緯によりまして、現在は、返済が滞った場合の札幌市の負担割合は、当初は20%でありましたものが現在は12%と低下しております。今後も、札幌市、信用保証協会、金融機関の3者が適切に責任共有を図ることで、連携して中小企業の資金面のご支援をしてまいりたいと考えております。 ◆中村たけし 委員  今の答弁にありましたように、平成19年9月までは、焦げつきが起こった場合、金融機関は全く負担を負っていなかったということであります。そして、平成24年度までは信用保証協会も負担を負っておらず、全部を札幌市がかぶっていたという構図でしたが、徐々に見直しが図られてきたということです。私は、応分の負担をしていくことは当然だと思うのです。中小企業への融資において、金融というのは公共性を帯びているものですから、それを担う信用保証協会、金融機関、札幌市がそれぞれの役割を担っていくことは大事だと思います。  そこで、札幌市の財政が厳しいですから、負担を負ってもらわないといけないと思うのです。金融機関は、マスコミと並んで非常に高い給与水準を得ている業界だと認識しています。ですから、そういう余裕のあるところにはぜひご負担をいただきたい。また、北海道信用保証協会では、歴代の会長は元副知事が務められております。ちょっと言葉は悪いかもしれませんけれども、道庁にとってはおいしい天下り先でございます。そういった余裕のあるところには、ぜひご負担をいただくように札幌市としてこれからも努めていただきたい。このことで、金融機関の融資態度がかたくなになってしまうようなことが起こっていけませんが、それなりの金利収入を得るのであれば、また、保証料が入ってくるのであれば、焦げついたときには応分の負担を負うのは当然であると思いますので、これからもこの負担割合を見直していただいて、中小企業の金融制度が円滑になるように求めまして、質問を終わります。 ◆小竹知子 委員  私からは、商店街振興と地域商業発展の観点から、1点目は商店街の空き店舗活用事業、2点目は商店街の組織力強化に向けての取り組みについて、2点質問させていただきます。  1点目の空き店舗活用事業についてですが、商店街を取り巻く環境は、景気の好転を期待しながらも、まだ実感するには至っていない商店も多く、商店主の高齢化や後継者の不足などに加えて、来年4月には消費税率が引き上げられることが決まりまして、ますます厳しさを増しているかと思います。商店街における空き店舗の実態調査が北海道によって行われておりまして、平成24年度は1商店街当たりの空き店舗数が平均7.7店と、調査開始の平成8年度の3.8店と比較しますと倍増しており、過去最多となったとの報道もあるなど、増加に歯どめがかかっていない状況となっております。  ちなみに、私の地元の月寒中央商店街におきましては、現在、空き店舗が4店舗で、うち1件が改修、入居予定となっておりますので、健闘している状況ではないかと思っております。  いつも同じことを申し上げていますが、シャッターがおりたままの店舗が目立つようになりますと、商店街のにぎわいが減り、その魅力をなくし、イメージも下がり、当然、集客力も落ちて負のスパイラルとなってしまいます。商店街もこのような空き店舗の問題になかなか有効な策となるものを見出せずにいたところ、本市において、2011年12月から空き店舗への出店者支援制度がスタートいたしました。これは、一定の要件を満たし、審査を経た上で申請を認められた出店希望者に対して、ただ単に出店支援金を補助するわけではなく、その後も中小企業診断士による経営診断や経営指導などを受けることができる商業機能充実型と言われるもので、大変期待しておりました。  ところが、昨年の決算特別委員会においても私が指摘させていただきましたが、制度の周知がいま一つ不足していたのか、この制度を知らずに出店していたという事例が実際にございまして、非常に残念に思っておりました。そこで、さらなる周知方法の工夫について指摘させていただきましたところ、その際には、市内の主要金融機関や生鮮食品の小売団体、広報さっぽろやホームページでの案内はもちろん、起業セミナーの参加者への直接PRに加えて、店舗物件を仲介する不動産業者への働きかけを行っていき、さらにこれまでの成功事例の紹介など、商店街に対してなお一層の周知について努めていくとの答弁をいただきました。  そこで、平成24年度の決算状況について質問いたしますが、空き店舗活用事業におきまして、平成24年度に想定していた出店店舗数と実際に出店した店舗数、また、制度活用に向けて見直しを行った点を伺います。 ◎川畑 産業振興部長  商店街の空き店舗活用事業、商業機能充実型に関しまして、平成24年度の想定数、また実績の数ということでございます。  平成24年度の予算上で想定していた件数は10件でございましたが、実際に出店した件数は5件となっております。  今年度の事業実施につきましては、何とかこういった状況を打破すべく、制度活用に向けて幾つか見直しをしたところでございます。その一つとして、年度当初に申請できる期間をあらかじめお示しすることで、申請を予定されている方が事業の計画を立てやすくするといった工夫を行っているところでございます。ご指摘にありましたように、制度周知に一層努めてまいりますとともに、商店街や出店を希望される方のご意見も踏まえまして、より活用しやすい制度としていきたいと考えております。 ◆小竹知子 委員  ただいまのご答弁にありましたが、予算で見込んでいた10件に対して、実際は5件の出店にとどまっておりまして、制度の周知や改善の余地はまだあるものと考えます。  まず、制度の改善につきましては、出店を希望する側の立場に立って、できるだけ早く補助金交付決定を受けることができるようにすることが必要なのではないかと考えます。さらには、対象となる空き店舗の要件の緩和なども考えるべきではないかと思います。現在は、シャッターをあけることに主眼を置きまして、道路に面したいわゆる路面店であること、そして、それが1階部分でなければならないことが要件となっております。そうなると、通りからほんの少しだけ入ったところにある店舗は対象物件から外れ、家賃が安いことで求めやすい建物の2階にある店舗もまた対象外となってしまいます。たとえ道路に面していない1階以外の空き店舗への出店であっても、商店街の組織力強化やにぎわいづくりに資するのではないかと私は考えます。また、これらの要件が緩和されることで随分使いやすいものになるとのご意見を私も幾つかの商店街から実際にお聞きしておりまして、改善する余地があるのではないかと考えております。  そこで、質問ですが、当支援制度を積極的に活用していただくためにも、今後、対象となる空き店舗の要件緩和など制度の見直しを行う考えはないのか、伺います。 ◎川畑 産業振興部長  今後の制度の見直しについてでございますが、ただいまのご指摘にございましたように、事業者の方々がより速やかに事業に着手できるよう審査手続の期間の短縮、あるいは、対象となる空き店舗の緩和につきまして、できるだけ使いやすいように見直してまいりたいと考えております。にぎわいの創出には、1階の路面店をあけていただくことが一番よろしいわけですが、それ以外でも、例えば商店街への貢献度が高いなど、その要件をどう設定するかが課題ではございますけれども、そういった場合に対象とすることができるかどうか、制度の見直しを検討してまいりたいと考えております。 ◆小竹知子 委員  ぜひ、そのようにしていただきたいと考えます。  要件を緩和したからといって厳しい環境のもとで出店しようとはならないのかもしれませんけれども、常に出店しようとする方の立場に立ってこういった制度を進めていただきたいということを求めたいと思います。  そして、質問の2点目です。  商店街の組織力、機能強化とその取り組みについて伺います。  商店街の存在意義と機能について改めて確認させていただきますが、商店街は地域コミュニティーの担い手とよく言われているところであります。ほかにも、高齢者の見守りを含めた買い物支援、また、高齢者に限らず、生活全般を支援するサービスを実施している商店街もありまして、先ほど川畑部長がおっしゃったまちの便利屋さんのような機能を備えた商店街も出てきております。また、各地域で行われている夏祭りやさまざまなイベントなどにしても、商店街の機動力や長年蓄積されたノウハウを生かした運営は、地域の活性化、そして、地域住民の交流などに大きく貢献していることは間違いがないと思います。一方で、加盟店舗数の減少や役員の担い手不足、高齢化などの課題も内在し、組織力の低下が課題の一つとなっております。  そこで、質問ですが、札幌市として地域コミュニティーの担い手と言われる商店街の組織力強化に向けてどのように取り組んでいるのか、伺います。 ◎川畑 産業振興部長  商店街の組織力強化に向けた取り組みということでございます。  札幌市といたしましては、支援制度の一つとして地域商業魅力アップ事業というものを持っておりまして、商店街で行われているにぎわい創出あるいは集客力アップの取り組みをご支援しております。こういった結果、7割の商店街において加盟店舗数の増加につながったというふうにお聞きしております。また、札幌市商店街振興組合連合会への支援としまして、組織体制の整備充実を図っておりまして、平成24年度はこうした取り組みの一環として新たに69の店舗が商店街に入られたというふうに伺っております。 ◆小竹知子 委員  昨年の第3回定例市議会代表質問におきまして、私からも、商店街において新たな人材の確保や人材育成、時代の変化に対応した事業展開のための意識啓発も含めて、どのように取り組んでいくのかをただしたところ、市長からは、商店街が自立して事業を展開できるよう全面的にサポートしていくとの答弁をいただきました。  ただいまのご答弁にもありましたように、市として、商店街再生事業、魅力アップ事業、先ほどの空き店舗活用事業にしてもさまざまなメニューを提供していただいているところです。しかし、いい事業内容でぜひ取り組みたい、取り入れたいと思っても、最初の段階で事務的な手続をする人がいないとか、多忙をきわめる中でその作業をできないとか、それ以前に、説明を受けて内容を理解するに至らないといった場合が実際にあると、私も商店街からそういった声を聞いているところであります。  そうしたきめ細かい情報提供や事務作業の支援も含めて、札幌市商店街振興組合連合会、私どもは省略して市商連と呼んでおりますが、市商連がそういうところをつなぐ役割を担っていると考えております。市商連では、商店街が市や国などの補助制度を利活用したい、しかし、制度の理解、現状分析、事業費用の見積もり、そして、申請書や資料の作成に困難がある場合、その事務作業を支援したり、決算関係書類などの提出や法務局への登記手続の指導を行うなど、商店街に対して実にさまざまな支援をしております。商店街も組織力やそうした機能を強化したい、また、市商連もそれを進めていきたいと、考えていることは互いに一致していると思います。  そこで、札幌市の商店街の組織や機能の強化を図るためにも市商連は必要不可欠だと私は考えておりますが、市商連の担う役割について、その認識を伺います。 ◎川畑 産業振興部長  札幌市商店街振興組合連合会、市商連の役割に対する認識というご質問でございます。  ご承知のとおり、市商連は、商店街振興組合法に基づく市内唯一の指導機関でございまして、会員商店街にさまざまなサービスを提供しているところでございます。平成23年度からは、区の商店街連絡協議会とも協力して、加盟していない商店街も対象とした研修を実施するなど、いろいろな取り組みをされております。市商連は、市内の商店街にとって非常に重要な役割を担っているものと認識しております。 ◆小竹知子 委員  最後になりますが……(発言する者あり)いえ、そんなことはありません。 ○細川正人 委員長  質問を続けてください。  ご静粛に願います。 ◆小竹知子 委員  (続)市商連は、商店街に対して支援をする事業を進めておりまして、例えばポップ事業ですと、ポップカードというのはプライスカードですが、役員の方でなくても一会員としてその作成の講習会に参加できたりして、非常に好評であります。しかし、市商連には限られた専任スタッフしかおりませんし、経費も限られているといった点で、もっと充実していきたいと思っても不十分なところがあるということを聞いております。  そのほかにも、交流事業については、例えば豊平区の商店街は、豊平橋を渡って国道36号線沿いに豊平商店街、美園商店街、月寒中央商店街とつながっておりますが、夏祭りのときには各商店街の青年部が準備から撤収まで互いに手伝い合っております。システムと言ったら変ですが、自然にそういった結びつき、連携協力がなされておりまして、それは、区連や市商連がそれを取りまとめていることで十分にその意味をなしていると思います。  そういった点から、札幌市の商店街の組織力、機能力を高めていく上で市商連の機能をさらに充実していくためにも、引き続き必要な支援を継続していただきたいということを求めまして、私の質問を終わります。 ○細川正人 委員長  ここで、およそ30分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後5時45分       再 開 午後6時14分     ―――――――――――――― ○細川正人 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆宗形雅俊 委員  私からは、バイオ産業連携構築事業についてお伺いいたします。  バイオ産業については、先ほどエレクトロニクスセンターの関連で、部長から活性化を食・バイオに見出すというお話がありました。エレクトロニクスセンターは別としまして、頑張れという観点から質問させていただきたいと思います。  バイオ産業については、私が議員になったばかりの代表質問で取り上げさせていただきました。そのときは、上田市長の2回目の公約であるうえだの約束の中に、バイオ産業の売り上げを2015年までには1,000億円まで育て上げると明記しておりました。当時、バイオ産業の売上高が約200億円であり、その取り組みをただしたところであります。その際、重点分野として機能性食品、化粧品、医療などを中心とした健康・医療分野に特化し、知的クラスター創成事業第2期の採択も受け、国際競争力のあるバイオクラスター形成を目指すとともに、北大ビジネスインキュベーション施設への道内外の研究室などからの入居促進などの企業誘致を積極的に推進していきたいと考えている、あわせて、北海道経済産業局や北海道などの行政機関や大学、経済界、地元金融機関等との連携強化を図りながら、ベンチャー企業の創業支援や道外各地域とのビジネスマッチングなどのさまざまな施策を進め、目標を達成していきたいと答弁があったところでございます。  ところが、今回、まちづくり戦略ビジョンの戦略編の中でバイオ産業に関することも掲載されておりましたが、その中で、バイオ産業の売り上げの目標値として、平成23年度の313億円を平成34年度までに730億円にする目標を掲げておりまして、これを見ますと、うえだの約束が果たされなかった結果だろうと思うところでございます。  そこで、本市は、バイオ産業の育成や売り上げ増を目指し、これまでどのような取り組みをしてきたのか、その評価をまず伺いたいと思います。  それから、当初、2015年までにバイオ産業の売り上げ1,000億円を目指すとしていましたけれども、達成できなかった要因も含めてお示し願いたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  これまでの取り組みとその評価でございます。  お話にございましたように、健康・医療分野を中心に、ビジネスマッチングの開催、また、国内外への展示・商談会出展など、さまざまな取り組みを行ってまいりまして、その結果、海外の大手製薬企業とのライセンス契約を結んだ企業、あるいは、株式上場を果たした企業、海外の大学と共同研究を行ってグローバルな展開を進めている企業などが出始めております。  2015年に1,000億円という売上高には到達しない見込みではありますが、市内バイオ産業の売上高は、平成15年度からの5年間で2倍近くになっておりまして、製造業全体の出荷額が長期的に減少している中、リーマンショックの後もバイオ産業についてはわずかながらも売り上げが伸びております。これまでの取り組みには一定の効果があったのではないかと考えております。  2点目に、1,000億円に届かなかった要因でございます。  その当時、バイオ産業の売り上げは年30%を超える伸びを示しており、国の資金による後押しもございましたので、大きな期待を持っていたところでございます。しかし、研究成果を事業化していくことは、当初想定した以上に時間がかかっていることがわかりましたし、また、リーマンショックの影響などの外的要因によりまして売り上げの伸びが鈍化したものと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  ちょうど平成19年当時は、数字を見ますと本当に右肩上がりで伸びてきましたが、21年度以降は横ばい傾向である中で、リーマンショックという一つの外部要因があったのかということでございます。  先ほど言いましたように、過去よりもこれからが大事でございます。バイオ産業の構成といいますか、売り上げの中身を見てみますと、今、お話がありましたように、医療、医薬品は減少傾向、また、研究支援、アグリバイオは横ばい状況ですが、機能性食品や化粧品は伸びております。そういう中で、これまでの市の取り組みは、どちらかというと商談会、展示会、ビジネスマッチング等の開催などを挙げておりますが、もう一つ必要なのは、そこに介在するバイオ技術から生まれる商品の創出であろうと思います。また、バイオ技術の研究成果も含めて、それがこれからの一つのポイントになってくるのではないかと思っています。さらには、北海道の強みである1次産業につなげるアグリバイオ技術の育成や成果は、先ほど話がありました産業振興ビジョンでの食、健康・福祉、環境、フード・コンプレックスなどの推進に大きく寄与していくものと思います。そして、そういったものは海外に対して輸出できる強みがあります。  そこで、2点質問ですが、ベンチャー企業の創業支援や大学との連携などがどのように変遷したのか、改めて伺いたいと思います。
     さらに、札幌市には、産業振興目的で、札幌圏みらいづくり産業立地促進補助金、ものづくり産業立地促進補助金などのさまざまな補助金制度がありますけれども、バイオ産業関連企業のこれらの利用状況とその成果を伺いたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  ベンチャー企業の創業支援と大学との連携に関する取り組みについてでございます。  先ほどお話にありました北大ビジネス・スプリングという企業育成施設ですが、札幌市が北海道などとともに共同で要望していたもので、平成20年度に完成しておりまして、この施設に対して入居企業の誘致、事業化への支援を行ってまいりました。また、さっぽろ産業振興財団を通じまして、創業間もない企業に対して企業経営のアドバイスなどを手厚く行う事業を行い、これによって成功事例を生み出し、それに続く創業を促してまいったところでございます。昨年からは、北海道科学技術振興財団、ノーステック財団と申しますが、そちらへの補助事業といたしまして、専門知識を有するコーディネーター5名が研究の進捗を把握しながら企業との事業化の橋渡しを行うことで、感染症のワクチンとか、道産の農作物を用いた免疫を調節する健康食品、あるいは、その事業化について研究されていると伺っております。  2点目の企業立地の補助制度の活用事例でございます。  バイオ関連では、これまで3件に対してご支援を行っており、そのうち2件は売り上げが大きく増加し、雇用もふえていると伺っております。 ◆宗形雅俊 委員  さまざま取り組んでおりますし、事前にいろいろ説明を聞きますと、大学の研究成果と商品ということで、専門のコーディネーターなどを置いていることもお聞きしております。特に、大学では研究してもなかなか事業と結びついていかないこともあると思います。そういう意味で、その技術を使ってどう商品として輩出するかということがこれからの大きなポイントになってくるのではないかと思っています。先ほどからバイオの売り上げについて外部的な要因等々の説明がありましたが、これからは、バイオ産業は、札幌のみならず、北海道の一つの大きな産業として育て上げなければならないと思っております。そういう意味では、研究施設が集積している札幌はある意味で大きな役割となっているのではないかと思っております。  今、札幌まちづくり戦略ビジョンの戦略編が最終的にまとまりつつあると思いますけれども、先ほど申しましたように、バイオ産業の売り上げについては平成34年度に730億円という大きな目標を改めて立てております。先ほど部長はエレクトロニクスセンターの中でいろいろな絵を描いておりましたが、改めて、絵に描いた餅にならないように、成果を出すロードマップ、取り組みを具体的にきちんとしていかなければならないのではないかと思います。  先ほどよこやま委員のエレクトロニクスセンターの質疑の中で、太陽光や建物ということで、発想はいいけれども、結果はだめだったわけですから、やはり、確実で細かい事前の準備、確認が必要だと思うのです。そんな観点からも、730億円に向けてどういうロードマップを描いていくのか、具体的にお示し願いたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  まちづくり戦略ビジョンに掲げた目標につきましては、国が北海道で掲げている目標が別にございますが、そちらの売上高目標も踏まえて、より現実的かつ挑戦的な数字と考えております。その目標達成に向けまして、IT、バイオの連携、あるいは、他産業との連携などを進めていきたいと思います。健康食品に関しては、お話しのように有望でございますが、完成した食品を売り込むためには科学的なデータの根拠が必要でございまして、そのデータの取得には時間とお金がかかることもございますので、それに対する支援なども検討してまいりながら、こうした施策一つ一つを検討し、進めながら、目標の達成に向けて企業の皆様とともに努力してまいりたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  私は、産業振興費のうち、企業立地促進費について、これは、他の委員が聞いていますので、角度を変えて短く質問します。2番目に、商店街再生事業費について、これは、学生アイデアコンテストについてお伺いします。それから、新産業創出費については、ソーシャルビジネスの育成事業費についてお伺いします。また、4番目に、中小企業支援事業費のうち、建設業等成長分野進出支援事業費についてお聞きいたします。  まず、企業立地促進についてです。  先ほどから別な委員からもいろいろ出ておりますが、私は、5万人の雇用創出を獲得するという上田市長の公約を実現するためにも企業誘致を推進しなければならないという立場で、今まで本会議や委員会でも質問させていただいてきました。3.11以降、札幌市におきましては、その施策として、コールセンターが非常に有望であったことは先ほど出ておりまして、私がいただいた資料でも、平成24年度は前年比で8社ふえて、雇用者も5,300人ふえているというデータをいただいておりました。これによりまして、札幌市内のオフィスビルの空室率が減少しているというデータもあるようでございます。  そこで、このコールセンターの評価と、もう一つ、中心になっているのは、先ほどから出ておりますIT・コンテンツ・バイオの立地促進であります。これは、3.11以降、コールセンターと異なり、伸びがどうかなというところがありますが、この二つの企業誘致の評価についてお聞かせください。 ◎川畑 産業振興部長  震災前後の誘致企業数の推移あるいは評価についてでございます。  まず、立地件数全体を比較してみますと、震災前の平成21年と22年の2年間では、新設10件、増設5件、合計15件でございます。震災後の2年間では、新設28件、増設11件、合計39件と増加しております。コールセンター・バックオフィスにつきましては、新設が震災前は7件、震災後14件と倍増しております。IT・コンテンツ・バイオにつきましては、数は少ないですが、震災前の3件に対しまして、震災後は10件と3倍になっているところでございます。  こうした要因でございますけれども、お話にありましたように、震災を契機としまして、企業のリスク管理、事業継続計画の見直しが進んでいるという認識のもとに、地震、台風を初めとした自然災害リスクの低さを札幌市の強みとして訴求することによりまして、企業のリスク分散の動きに一定程度働きかけることができているのではないかと考えているところでございます。 ◆木村彰男 委員  私も、ご担当から前にこういう表紙の資料を見せていただきまして、大変いいものだと思っております。  企業誘致の中で、先ほどから出ておりますが、本年度から本社機能の移転をやっていこうと。これは、正規雇用も含めて、スタンスを少し変えようということかと思って見ております。年間最大2,000万円を3年間補助していくというかなり思い切った数値になると思いますが、どのような企業をターゲットとしているのか、どの辺に目標値を置いているのか、つまり、3年後にこれだけの企業を誘致しようなどという目標の二つをお聞かせください。 ◎川畑 産業振興部長  本社機能移転の助成制度の対象となる企業でございます。  札幌に本社を置いていただく、あるいは、第2本社と標榜していただき、一定数以上の正社員としての雇用を確保していただくこと、そして、本社ですので、マネジメント機能などの一定の機能がある企業を考えております。  目標につきましては、今年度に要綱改正に取り組みました新たな制度でございまして、数値としては今のところは掲げておりませんけれども、リスク分散の機運の熱いうちに精力的に動かなければならないと考えております。 ◆木村彰男 委員  ご担当ともお話ししておりますが、本社機能を移転する場合、当然、本店の住所地の移転が出てきます。本店の住所地の移転は定款の変更を要する話になります。そうすると、株主総会などのいろいろなハードルがあるのです。ですから、本社機能を移転してくるというのは、よほど腹をくくらないと来られないという認識が僕にはあります。  したがいまして、産業振興部としても、できるだけ目標をきちんと立てて、狙いを定めて、この企業はというところに――匿名の電話で相談が来ていますというようなことを言われているのですが、これでは相手の真意がわからないので、どことどことどこに絞りをかけていくというか、そこに営業をかけていく戦略がないと成功しないと私は踏んでいるのです。ですから、10社なら10社のめぼしいところ、北海道の社長がいらっしゃるようなところでもいいのですが、そういうところに目鼻をつけて、ことしはその10件に行こう、来年はもう10件行こうという目標を立てて、初めてその中から3件でも2件でも来ていただけるようなところが出てくると私は考えておりますけれども、それについてはいかがですか。 ◎川畑 産業振興部長  数値目標につきましては、先ほど委員からもお話がありましたように、本社機能の移転登記をしていただくことは会社にとっては本当に大きな決断であると思います。現段階では、そういった意味で大きな決断をしていただいて企業10件に来ていただきますと軽々に目標を立てられるものではないと思います。ただ、どういう企業に来ていただきたいかというのは、企業名も含めて、私どもであらかじめイメージを持った上で活動していかなければならないことはおっしゃるとおりだと思っております。 ◆木村彰男 委員  産業振興部には、体格のよい立地促進担当課長が配属されておりまして、私は、この方が靴底をすり減らして体重を減らすぐらいに企業回りをすれば、目標が必ず達成されると信じております。ぜひ、頑張ってやっていただきたいと思っております。  次に、商店街の再生事業の件についてお伺いいたします。  去年から学生アイデアコンテストをおやりになっていまして、資料もいただいております。去年は、平岸町内会を扱った北海学園大学のチームがグランプリ、準グランプリとして藤女子大学が受賞されていらっしゃるようであります。この事業は、例えば、北海学園のチームの中身ですが、学生は大学の近隣にある商店街を案外利用していないところに着目して、学生が商店街に足を運ぶような仕掛けとして、地域の魅力の発掘や地域情報の発信を初め、イベントの実施やタクシー会社と連携した交通の利便性向上など、学生によるプロデュース事業を展開するというようなコンセプトで優勝しているようでございます。これで優勝して、平岸の商店街がグランプリになった案を実行すると、市から最大200万円の補助金が出ます。これも大変魅力的な話です。  これらの事業をことしもやっていらっしゃいますが、実際に商店街が受け入れられて実施されているかどうかが一つです。  そして、もし、それが何かの事情で頓挫しているとか、実行されていないとすれば、それはどこに原因があるとお考えになっているのか、お聞かせください。 ◎川畑 産業振興部長  今年度につきましては、コンテストが終了したばかりで具体的な動きについてはまだお聞きしておりません。しかし、昨年度の取り組みにつきましては、委員がご紹介いただきました平岸の事例のほか、栄養学を学ぶ学生が開発したお惣菜を提供し、ひとり親家庭への学習支援を行うカフェの開設が実現した商店街もございます。さらに、昨年、惜しくも受賞を逃したアイデアでも、独自に商店街と学校で取り組んでいる事例もございます。いずれも、商店街に若者の力を取り込むことによって集客に成功しているのではないかと考えております。 ◆木村彰男 委員  私が聞いていることとはちょっと違います。  それは、この地域を担当している商工会議所の関係者の方がいまして、当然、その方はこの事業を知っております。そのとき、何をおっしゃっていたかというと、商工会議所には商工会の方々が出入りして情報交換をしていらっしゃるわけですが、事前に学生と意見交換や情報交換する機会があったら、こういうことをやってくれないか、こういうふうにしてという提案が商店街から出たというのですね。そういうことがこの事業において欠けているのではないかと。もしそういうものがうまくコラボレーションすれば、このアイデア事業が商店街の方にももっと受け入れられ、事業展開においてもさらに有効になる、そして、200万円を使う事業がより積極的なものにつながっていくのではないかということが商工会議所の関係者の方のご意見だったわけです。  私は、この間、その話を聞いていて、ああ、なるほどな、そうだなと思っていました。ゆるキャラもいろいろできているみたいですから、おっしゃっていることは間違っていないのだと思うのですけれども、商工会にあるようなご意見について、部長はいかがお考えになっているか、お聞かせください。 ◎川畑 産業振興部長  商店街の方々が学生と一緒に何かに取り組もうと思ったときに、人手や時間などのいろいろな制約はあるものと考えております。ただ一方で、学生に商店街に関心を持ってもらう、また、学生がいろいろなアイデアを出すコンテストを実施することで商店街の方にも学生の活動に関心を持ってもらう、このコンテストはそういうきっかけとして実施しているところでございます。また、事後におきましても、学生のアイデアがおもしろいと商店街の方の目につくものがあれば、それをきっかけにして次の事業につなげていただくこともできると思います。  ですから、今回出た事例、あるいはこれまで取り組んだ事例などを提供するような仕組みも考えていきたいと思っております。 ◆木村彰男 委員  ことしの場合、7団体が発表していらっしゃいますが、対象となっている商店街は、白石区の本郷商店街、中央区の狸小路、北区の新琴似中央、北24条、麻生、西区の発寒北、東区の札苗、南区、清田区、厚別区がありません。そして、去年あった豊平区、手稲区がありません。つまり、この事業を見ていると、中心となるべき地元の商店街があるにもかかわらず、学生がやってくれないということなのかもしれません。学生が手を挙げられるように、ローテーションを組んで、例えば、去年はなかった南区と西区を中心にして案を出してもらうなど、200万円の事業展開を1カ所に集中せず、去年当たったところは次の年は遠慮してもらうとか、順繰りに回していくお考えはないか、お聞きしたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  この事業は、まず、学生が商店街に関心を持っていただくこと、学生からいろいろなアイデアを出してもらうことが重要であると考えておりますので、ブロック分けをすることは現段階では考えておりません。ただ、学生から、事前にあそこの商店街を知りたい、こんな商店街はないだろうか、紹介してほしいという声があれば、私どもは積極的に調整対応したいと思っております。また、学生のアイデアを事後的にやってみたいという商店街がありましたら、そういったこともご紹介したいと思っております。 ◆木村彰男 委員  実は、今回やったところに東海大学があるのですよ。ところが、東海大学は南区を対象にしておらず、別のところを対象にしております。事ほどさように、地元の商店街のことを考えれば、東海大学はぜひ南区でやってほしいというのが正直な私の気持ちです。そういうことについては、行政で何らかのことがない限り、同じようなところ、やりやすいところ、賞をとりやすいところにへんぱする可能性があるのではないかということを危惧します。  次に、行きます。  ソーシャルビジネス育成事業についてお聞きいたします。  これは、定義がなかなか難しいようで、間違っていたら言ってください。  ソーシャルビジネスとは、福祉、教育、環境などのサービスについて、行政やボランティアに頼らず、民間のビジネス手法を導入して実現することだと言っております。そして、財政難に直面する行政にかわって、こうしたサービスの新たな担い手を育成しようということで経済産業省なんかもてこ入れしているようでございます。  札幌市と札幌学院大学が協力して行ったソーシャルビジネスカフェは、5回やりましたが、私も行って、参加者が意見交換をされているところを後ろで見せていただき、私も意見を言いました。ただ、正直に言って、私も営業をやっていましたが、そこに参加されている方は起業家になるような人たちが来ていると思えなかったのですね。勉強をしに来ているということはわかります。しかし、この事業は、ソーシャルビジネスを育成していくということであれば、勉強することとは違うのではないかと思います。  平成24年度を見ていたらこの事業予算は55万円で、前年は調査費ということもありますが、ことしは630万円を組んでいます。ですから、相当、決意を固くしてやっていると思って見ておりますが、果たしてこの中からどのくらいの事業が生まれ、どのくらいのビジネスマンが育っていくという目標を立てていらっしゃるのか、お聞かせください。 ◎川畑 産業振興部長  ソーシャルビジネスの担い手育成についてですが、起業の目標はその方の努力や熱意などいろいろなものにかかってきますので、札幌市では何人に起業していただくという目標は立てておりません。しかし、昨年度は、連続講座のソーシャルビジネススクールと、委員にもごらんいただいた、セミナーと交流会を1回ごとにやるカフェがあって、両方やっておりますが、連続講座を受講された12名のうち、新たに起業された方がことし8月の時点で3名いらっしゃいまして、皆様は地域福祉や女性の就業支援、まちづくりといった社会的課題に取り組んでおられます。  また、昨年度の決算額とことしの予算ですが、昨年度は、ソーシャルビジネススクールとカフェを実施し、ことしは出店事業、経営支援事業を新たに組んでおりますので予算金額がふえているところでございます。 ◆木村彰男 委員  札幌学院大学の川西先生には、別な機会で話を聞いておりますし、資料もいただきましたが、これを見ますと、ソーシャルビジネスの組織体は、今は数字が変わっていると思いますけれども、NPOが58%と半数以上がNPOです。NPOとは一体何かというと、特定の非営利団体、営利を目的としていないことが前提です。個人事業主が12%、そして、株式会社や有限会社が約21.7%です。ですから、この事業をやりながらもうけようとかビジネスを拡大して雇用をふやそうということについては、私はよく見えてこないのです。もちろん、ソーシャルビジネスには限界があるかもしれません。また、平均従業員が4名とそんなに多くありません。そして、公的機関、つまり、市役所などの仕事の受注がNPOの場合だと3割以上です。さらに、公的な補助金や助成金が2割ぐらい入ってきます。そうすると、みずから進んで事業を開拓して利益を得ているようなものとはどうも違うと思うのです。  何を言いたいかというと、そこに600万円をかけるのであれば、違うところに600万円かけたらどうかという話なのです。つまり、もっと雇用をふやし、札幌の経済を浮揚するための予算を――経済でございますから、先ほども出ているように、景気がよくなったり、雇用がふえたり減ったりということがあるので、適宜、予算を組んでいく、経済施策を打っていくわけですね。そういう意味においては、今、雇用を拡大しなければならない、札幌の景気を浮揚しなければならないというときに、4人くらいの従業員を抱えて、売り上げが大体300万円から500万円ぐらいの収入、多くても1,000万円の企業にこのような事業をすることについて見直すおつもりはないか、お聞きしたいと思います。 ◎川畑 産業振興部長  今年度に新たに取り組んだ事業につきましては、これからの成果などを見ていかなければならないと思いますが、確かに、ソーシャルビジネスを志しておられる方々は、社会的な課題を取り上げたいという使命感から取り組んでいらっしゃる方も多数いらっしゃいますので、収益を目指そうという意向が比較的乏しい方もいらっしゃるのかもしれません。そこで、今年度に新たに組み立てた事業では、ソーシャルビジネスの事業者で将来有望な方には経営の視点からアドバイスしようと考えております。例えば、中小企業診断士などの専門家を派遣したり、マーケティングの支援をするなど、収益を目指す観点で取り組んでいこうということで、ことし新たに事業を始めたところでございます。  有名な事例ではございますが、エコ・モビリティサッポロというベロタクシーを運営していらっしゃる会社は、利用料金だけではなく、広告収入など対価以外の収益も確保されることで新たなビジネスモデルをつくっていらっしゃいますので、これからソーシャルビジネスを志される方にもそういった観点から専門家のアドバイスのご支援ができればというふうに考えております。 ◆木村彰男 委員  成功事例だけを言っていらっしゃいますが、例えば、西区でやっていたウインド・カーという会社は資金ショートで自己破産しています。つまり、商売というのはなかなかうまくいかないわけです。そういうふうに考えてみると、末永く見守ってほしいということはわかりますが、行政がそこにどこまで加担していくかは常に検証されなければならないということは申し上げておきたいと思います。  そこで、最後の質問です。  建設業等成長分野進出支援事業をやっていますが、これは、ご担当の方に聞くと、建設業の調子がよくなってきたので、今はやめようと思っているというような話なのです。私が言っていることと同じですね。つまり、事業とは、その時期において有効なときもあるし、そうでないときもあるわけです。そこは、社会福祉や保健福祉関係のお仕事と皆様方のお仕事の違うところです。セーフティネットにかかわるような方のお仕事は、経済がいかような場合であっても減らないし、なくならないし、継続的に行われていっております。それに対して、皆様方のお仕事は、常に目標値を立てて、それを本当に実現しているか、どのくらいの経済的効果に結びついているか、そこで雇用が獲得されているか、そういうことが常に問われながらやっております。  私も、これは悪い事業ではないと思っていまして、そのためにことしの5月にも同じことを聞いているのです。しかし、普通、経営体力が弱まってきて、次のところに行こうとするような事業者にお金を貸すのは大変リスクの大きいことなのです。その意味では、体力がまだ残っているうちに次のところに転換していくと。ここにも書いてありますけれども、これらの事業について見直して、ものづくりそのもののありよう、それから、そういう事業に対する支援、補助のあり方について最後にお聞かせください。 ◎川畑 産業振興部長  どういった事業を継続し、どういった事業を見直していくかという点だと思います。  企業が達成される収益あるいは売り上げを私どもが直接の目標とすることはできませんが、補助事業の募集をするといった場合、ご応募がたくさんいただけるのか、それとも余りいただけないのかは本当にわかりやすい重要な目安だと思っております。そういった意味で、建設業の新分野進出支援事業につきましてはご応募がかなり少ない状況が何年か続いております。また、昨今は、お仕事もたくさんあって、そちらでお忙しいということもお聞きしておりますので、この事業については見直すことも含めて検討しているところでございます。 ◆木村彰男 委員  最後に、この決算委員会を何のためにやっているかというと、来年の予算をどうつくるかということだと僕は認識しています。つまり、来年の予算をより効果的に札幌の経済もしくは雇用に結びつけるために、今までやってきたことを総括しているわけですね。その意味においては、これは、予算特別委員会でもう一回聞きます。予算がつくられるときに、本当に間違いなくその事業でいいのかということを再度お聞きしますので、それだけを申し上げて、私の質問にかえさせていただきます。 ○細川正人 委員長  以上で、第1項 商工費のうち関係分の質疑を終了いたします。  次に、第2項 農政費のうち経済局関係分の質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  全国的に夜も更けてまいりました。伊与部委員からは、1時間やれ、1時間やったら俺も1時間やるという要請がありました。そうしたら、その向こうから20分にしておけという要請がありました。  さて、二つお尋ねいたします。  先ほど農業委員会のところでも少し触れたのですが、今、札幌市の農業に従事している皆さんでご飯を食べられる方は、タマネギなどをやっているごく一部で、あとは、あれやこれやと農地を活用して、農地法違反あるいは都市計画法違反をしながら命をつないでいるのが実態であります。  そこで、192万人のおなかを抱えた札幌市において農業が成り立たないというのは、私は本当に不思議だと思っているのです。振り返ると、今まで、篠路の清掃工場の余熱を使って余熱団地をつくったり、いろいろやってきました。しかし、失敗しました。それは、やる人にも素人を入れたし、市役所の皆さんも素人であると同時に自分の生活に影響がないような人でした。こういう方々がやったので、ああいう失敗の結果になったと私は思っております。  そこで、お金の多寡の問題ではなく、札幌市でどういうふうに農業を育てるのか、導くのか、これをどう考えているのか、聞かせてください。これが1点です。  2点目には、花札では猪鹿蝶というのがあるけれども、札幌には、熊、鹿、キタキツネなのですよ。札幌市の農家が困っているのは熊、鹿、キタキツネです。その対策については、南区などを中心にして、電気柵を設置して当たっています。  まず、熊、鹿、キタキツネそれぞれについて尋ねますが、電気柵の補助対象項目は何と何に何割補助しているのか、答えてください。  二つ目は、鹿です。堀川議員の地元では鹿がいるのですが、聞くと、堀川議員は電気柵ではだめで、高跳びする、鹿は鉄砲で撃つ以外にないと言うのです。  そこで、鉄砲で撃つ対策をどう考えているか。  そして、三つ目は、キタキツネです。保健所が所管して、捕獲の箱わなをかけるのです。北郷でかけてもらったけれども、全然、成果が上がりません。2回、野良猫がかかっただけです。1カ月、箱を設置するだけで一つ7万円です。  そこで、なぜ農政部でキタキツネを取り上げたかといったら、エキノコックスを持っています。これは国指定の難病です。こういうものが果実類に付着したという風評が出ると物が売れなくなるという問題があります。したがって、保健所もさることながら、農政部として熊、鹿、キタキツネの3点セットはきちんと取り組まなければならないことだと思うのです。キタキツネも、農家の人に聞くとやっぱり鉄砲だと言うのです。ですから、これについてどう対処しようとしているか、示してください。 ◎三部 農政部長  まず、最初のご質問のどう農業を育てていくかということです。  今、農業が苦しいことは、先ほども申し上げましたように、農産物の価格を自分たちで自由に決められない中で、資材が高騰していき、経営が非常に詰まってくるということがあろうかと思います。そうしたことに対して、かかった資材と自分たちの労賃をもとに自分たちがみずから積極的に価格を決めて、それに加えて、自分たちがつくった作物の魅力を向上させる取り組みをしていくことが一番必要だろうと思っています。そのためには、いろいろな情報提供も必要ですし、先進的な事例を見ていただいていり、研修会のような形で一緒に学ぶことが大事ではないかというふうに思っております。私どもも、そんなに大量ではありませんが、消費者ときちんと向き合って、その方たちに理解をいただいた中で付加価値を高めていく、お互いが共感しながら価格を形成していくことが一番必要ではないかと思っているところでございます。  それから、2点目の補助対象項目でございます。  電気柵の対象となっているものは、ヒグマ関係、エゾシカ関係、そして、今お話がありましたキツネ、アライグマの関係でございます。  そして、3点目のキタキツネに銃を使うというお話です。確かに、銃器でキタキツネをとることに関しましては、市農協が中心となりまして、猟友会にお願いして撃つことで駆除しております。 ○細川正人 委員長  鹿はどうしましたか。 ◎三部 農政部長  鹿への銃器の問題です。  最近、市街地にも出没しておりまして、そういった場所では、安全性の確保、あるいは、地権者の立ち入り許可の問題等々がございましてなかなか難しい側面がございます。そこで、私どもとしては、来年度以降、鳥獣被害防止特別措置法という国の法律の中で、被害防止計画を早期に策定いたしまして、関係機関で構成する対策協議会を立ち上げ、その中で銃器による駆除の可能性も含めて検討を進めてまいりたいと思っております。 ◆松浦忠 委員  商売も我々議員も全てそうですが、自分でご飯を食べることは大変なのです。それなりの努力をしなければだめです。したがって、役所であれこれ人を配置してやろうとしてもなかなかそうはいかないところがありますから、やるという人が出たら最低3年間くらいの生活費を見てあげると。あれもこれもではなく、5人なら5人、10人なら10人と限定して、意欲のある人にしっかり取り組んでやってもらう。  そして、農業指導センターなんかには人は要りません。インターネットでみんないろいろわかります。覚えたかったら、自分でやっている人のところへ行って聞いておいでと。そうやって、本人が意欲を持ってやらない限り、何をやっても成功しないです。口をあけて間違いなく入ってくるのは天水だけです。そういうことで、来年度はぜひそういう政策を考えてみてください。これは、求めておきます。  それから、電気柵の補助は、電線と柵の材料費の8割でしょう。これは、工事費を含めて100%補助するとしたら、お金で言うとどのぐらい違うのですか。  また、申請した1件だけをやってもだめです。その地域全体をやらないといけません。例えば、そこに5軒の農家があったら5軒全体を囲むようにしないと。病虫害の駆除と同じです。1軒だけをやってもだめです。それをどういうふうに考えているか。  そういうことは、来年度でも、実験的にやってみることにしなかったらだめですよ。毎年、検討するとか、研究するとか、ちびちび言ったって、今は余りないけれども、大道のたたき売りみたいにちびちび上げていくようなことではなくて、やるときにはしっかりとやってみることが大事です。  そして、経済局全体で言うと、先ほども言ったけれども、やらなくていい仕事がいっぱいある。そんな金を全部やめて、そこに集中的にやるようにするべきだと思うけれども、これについてどう考えるか、答えてください。  それから、アライグマも含めた捕獲対策については、本当に真剣に考えないといけない。保健所は箱わなを設置しました。何匹とれましたかと聞くと、中央区で1匹だと言うのです。親か子どもかと聞いたら、子ギツネなのです。親は利口だから寄っていかないの。北郷では、鉄砲で1匹射殺したら、キツネはもうそのルートに近寄らなくなったと言います。人を化かすのがキツネだから、そのキツネと対峙するときに、人間のにおいがぷんぷんついて、何だか知らないけれども、肉とか天ぷらをぶら下げてやっても、人間のばかどもは何をやっているのだ、いいかげんにしろ、俺をみくびるなというようなものです。したがって、ぜひひとつ、来年はしっかりとこれをやってください。  実は、三陸の震災で野生化したキツネやイノブタなどを捕獲するのにいろいろ知恵を絞った獣医がいますから、そういうところに聞いてやるのですよ。少なくとも、人間より利口だということは間違いありません。しかし、市役所の皆さんは札幌市の中でも一番優秀ですからキツネには負けないと思います。ぜひ勝ってください。アライグマも含めて、その対策を立ててください。  鹿について言えば、今の法律がいいか悪いかはわからないけれども、国と協議して――絶対数が多くて食べ物がないから下に出てくるのです。したがって、鉄砲の撃てる山の中に鹿の好むような餌をまいて、集まってきたところをどん、どん、どんとやると。そういうことも含めて、絶対数が多いから里におりてくるわけですから、個体の絶対数を減らしていく、しかし、種の保存はしなければいけないから一定量で保つと。  札幌市の山の面積とそれぞれの個体の面積はどうなのかという調査をしたことがありますか。あったら答えてください。 ◎三部 農政部長  鹿の密度に関してやったことはございません。 ◆松浦忠 委員  熊は。 ◎三部 農政部長  ヒグマも同様です。 ◆松浦忠 委員  アライグマは。 ◎三部 農政部長  アライグマもそうです。 ◆松浦忠 委員  キタキツネは。 ◎三部 農政部長  いずれも同じです。 ◆松浦忠 委員  これだもの、キツネにばかにされるって。  やっぱり、調査してよ。何も、あなた方だけにやれとは言いません。ちゃんと調査のできる自然保護協会など、自然保護の関係では小川さんという野鳥の保護などに一生をかけてやっている人が札幌市内にいるでしょう。ああいう野山に詳しい人に相談して、生息数調査などをして、適正な数に間引いていかなければだめです。  この議会に長くおられる猪熊議員は、適正な数だからここにおられるのです。議会の熊さんです。そういうことで、質問は終わります。 ◆伊与部年男 委員  ずばり質問します。  農協の組合長が突然やめましたね。その後、どうなりましたか。後釜です。農協は、法に基づいて独自で設立して、農協の理事会を開いて、代表理事組合長を決めるわけですね。それはそれでいいのですが、農協とは、農業に従事している人たちが入っている団体、組織です。ですから、農政と関係があるのですよ。農業に従事している人が農協に入っているのだから、そして、農協は正組合員と准組合員がおります。准組合員にはモーテルの経営者まで入っているんだ。モーテルの経営者まで准組合員として農協に入っている。
     そこで、聞きたいのですが、農協法に基づいて、農地法、農協法、農業従事者、こういう一体的な農協の組織をつくっているわけです。これは、組合長が突然やめましたけれども、やめるまで充て職があったはずです。どんな充て職がありましたか。 ◎三部 農政部長  今お話がありました農協の組合長の充て職でございます。  私どもは、農協とは経済事業、営業指導事業で一緒に事業を進めるパートナーと考えてございます。そうした意味からは、農協だけではなく、私どもと農協のほかに、さらに道立農業改良普及センター、農業委員会など、営農指導や経済的な事業に携わるいろいろな関係者が集まってやる協議会がございます。その一つが札幌市農業振興協議会、それから札幌市農業再生協議会でして、いずれも同じような構成になっておりますけれども、そこの長を務めていただいております。 ○細川正人 委員長  組合長がやめられてその後はどういう状態になっているのかという質問が最初にあったかと思いますので、それにもお答えください。 ◎三部 農政部長  組合長につきましては、10月11日付で副組合長だった方がそのまま理事会の互選で組合長になられたと聞いております。 ◆伊与部年男 委員  ということは、農協も皆さんと相当関係の深いおつき合いを日常的にしているわけです。ですから、私は、農協については、農政部として真剣に注視しながら対応していかなければならないのではないかと思います。  何年か前、農家の人たちが農協からお金を借りて、市営住宅の借り上げ住宅を相当つくったのですよ。その借り上げ住宅に対して札幌市は家賃を上積みして高く借りる方式でやっていたのですが、市営住宅はもう要らないということで上積み金をやめたのです。カットしたのです。その途端に市営住宅の借り上げ住宅がなくなりました。その借り上げ住宅をつくるときに、農協が全面的に資金的なバックアップをしたのです。ところが、札幌市が借り上げ住宅の上積み金をカットしたら、農協は絶対に貸してくれなかった。一切、貸してくれなくなった。ですから、農協は金もうけの金融機関みたいなものだ。金貸し金融機関みたいな状態になっているのが実態ですよ、率直に言って。  先ほどもちらっと言いましたけれども、農協の正組合員は何人おりますか。先ほど私が言いましたけれども、633戸の農家があります。これは全員が農協に入っていると思いますけれども、そのほか、准組合員を含めて、現在の農協ですが、昔は五つの農協がありました。新琴似、篠路、タマネギ畑の北農協、白石や厚別など、五つの農協がありました。ところが、新琴似農協の野間のおやじが、大阪のろくでもないやくざみたいな不動産屋に88億円もひっかかったのです。これを何とか助けてやらなければならない、札幌市の農家の人たちが新琴似農協を助けようということで、五つの農協が集まって札幌市農協になったのです。それが今の市農協の実態なのです。  だから、新琴似の農協の当時の理事なんて、みんな1億円ずつ出したんですから。一原さんなど、みんなが1億円ずつ出したのです。そういう状態です。そういう実態なのですよ。あれは、今、困っていますよ。兄弟げんかまでしている。そういう実態の中で市農協が生まれたのです。  ですから、今は単純に質問しましたけれども、農協の実態はどうなっていますか、どういう構成員になっていますか、何人入っていますか、それを明らかにしてください。 ◎三部 農政部長  札幌市農協のことしの総代会の資料によりますと、正組合員が4,100人、准組合員が2万699人、合わせて約2万5,000人という数字になってございます。 ◆伊与部年男 委員  正組合員が4,100人、准組合員が2万699人ですか。だから、准組合員のほうが圧倒的に多いのです。准組合員は、本当に農業を営んでいる人たちなのですか。先ほど言ったように、モーテルを経営している人たちも2万人の中に入っている。その人たちが農協からお金を借りて、農地法違反をして、モーテルを建てて金をもうけている。そういうのが今の農協の実態です、率直に言って。どうですか、三部部長、あなたはそう思いませんか。一言、感想を述べてください。 ◎三部 農政部長  都市の農業ということで、農地は非常に資産価値もあるようになってございます。そういう組合員の資産である農地を預かる農協といたしましては、いろいろな運用などを組合員のためになる機関であろうというふうに思っております。准組合員の場合、農地を持っていない方もたくさん入っておられまして、これは、共済や車の保険に加入するときも准組合員になるという規定がございますので、多分、そういった方々が2万人の中には多数含まれているのではないかと思っております。  いずれにしても、農協としては、できるだけ正組合員4,100人のためにいろいろな経済事業や信用事業、共済事業等を営んでいると考えてございます。 ◆伊与部年男 委員  部長、正組合員については、100歩も200歩も譲って、4,100人だからわかります。しかし、准組合員が2万人もいて、その中にはモーテルの経営者もいる。そういう実態の中で、正常な農協の姿、農協とは何か。農協とは、農協法第1条に書いてあるように、農業従事者がお互いに協力してお互いに助け合う、これが農協の基本的な姿です。それが著しく破壊されていることが今の数字で明らかではないですか。  准組合員でモーテルを経営している、そういう実態を知っていますか。知らないのですか。それでは、教えますか。 ◎三部 農政部長  特に存じ上げておりません。 ◆伊与部年男 委員  これは細かい話だから、後で教えてあげます。連れていってあげます。  農協には、理事会があります。理事会の中には、先ほど言ったように、代表理事組合長、代表理事副組合長、専務理事、常務理事となっています。先ほど、組合長が突然やめて、その後、副組合長が組合長になりました。この人を調べましたら、個人の名前は言いませんが、農業従事者ではないのですよ。白石の人ですよ。白石で食堂を営んでいるのです。その人が農協の組合長です。同時に、副組合長は空席です。専務、常務2人は学識経験者となっています。この人たちは、農協で何をやっているのですか。具体的に教えてください。専務、常務、学識経験者理事の人たちは何をやっているのですか。 ◎三部 農政部長  今ご質問の専務理事、常務理事についてでございます。  専務は、農協の統括的なことをやられていると聞いております。常務に関しては、経済事業を担当する常務と金融事業を担当する常務に分かれております。いずれにしても学識経験者であり、うろ覚えなのでちょっとはっきりしないのですが、農協の経営というか、運営に当たって専門的な知見を有する人間を理事に入れなければならないという中から選ばれたものだと聞いております。 ◆伊与部年男 委員  4,100人の正組合員、2万人の准組合員、これの組合費をもらっているわけですね。その中で、今言ったような組合長、副組合長は空席ですが、専務、常務がおります。専務、常務というのは5人が常勤ですよ。非常勤ではないのですよ。常勤だから給料をもらっているわけですね。そういうのが今の札幌市農協の実態なのです。  そこで、がらっと質問を変えますけれども、部長が先ほど答弁しましたが、再生協議会があります。再生協議会の構成員はどういう方ですか。これは、資料をくれと言ったのだけれども、私のところに全然届いていません。再生協議会の構成メンバーはどうなっているのか。そして、何を協議しているのか、具体的に明らかにしてください。 ◎三部 農政部長  札幌市農業再生協議会についてでございます。  組織の構成といたしましては、私ども札幌市のほか、農業委員会、札幌市農業協同組合、札酪農業協同組合、石狩地区の農業共済組合と札幌市生産者組織連絡協議会でございます。  主な活動内容といたしましては、国からおりてまいります米の直接支払交付金、昔で言う転作奨励金です。年間で大体2億円の交付金がございますので、そうしたものの交付事務、確認事務をしております。そのほか、最近では担い手関係の業務も入っておりますので、その育成、確保、また、国費である担い手の規模拡大に要する交付金の受け皿、さらに、荒廃農地の再生利用に関する事業などの受け皿になっております。大体、このような事業に取り組んでおります。 ◆伊与部年男 委員  再生協議会の会長は、充て職で農協の組合長がやっていたのだけれども、やめたから、互選で新しい組合長が再生協議会の会長になったのですか。  部長、あなたは再生協議会の副会長ですよ。その上の会長は誰になったのですか。 ◎三部 農政部長  先ほど申し上げた構成団体の中から会長を互選することになってございまして、今は農協の組合長がおりられた後、まだ総会を開いておりませんので、今のところは空白になってございます。 ◆伊与部年男 委員  予定時間があと3分間だと言っているからやめますが、いずれにしても、再生協議会は、何のための再生協議会か。札幌市の633戸の農家に対する農業再生の方向性を具体的に示すようなものではないではないですか。いろいろと勉強したらそういう中身ですよ。徹底的に勉強しました。それでは、再生協議会の議事録を示してくださいよ。再生協議会をやっているんでしょう。そうしたら、その議事録があるでしょう。それを具体的に示してください。  示すことができますか、できませんか。 ◎三部 農政部長  議事録につきましては、総会を開いたりすれば、細かい一言一句を控えたものではないかもしれませんが、概要は報告としてまとめてございます。 ◆伊与部年男 委員  直近の再生協議会はいつ開かれましたか。そのときの議事録はありますか、ありませんか。 ◎三部 農政部長  5月の何日かはちょっと定かではないですが、5月中旬ぐらいに開かれたと記憶してございまして、そのときの報告はまとまっていると思います。 ◆伊与部年男 委員  それでは、その議事録である報告書をこの議会中に示してください。それを見て、私は再度質問しようと思います。  委員長、一旦、議事録の提出期間まで質問を留保します。 ○細川正人 委員長  今、議事録は出せませんか。(「なかったら留保だ」と呼ぶ者あり) ◎三部 農政部長  今回は特に用意してございません。(「じゃ、留保だ」と呼ぶ者あり) ○細川正人 委員長  この件について、今後、議会でもやっていくことができるのではないかと私は考えております。  そこで、この件について、ここで留保することがいいのか、それとも、予算特別委員会など、さまざまなところでできることがあるのかなと思いますので、そういった取り扱いにすることについて、伊与部委員、いかがですか。 ◆伊与部年男 委員  これは決算議会ですから、平成24年度の決算議会をやっているのです。委員長、決算議会で今までの事実経過について具体的に明らかにして、そして、先ほど木村委員が言ったけれども、それを関係委員会、ひいては予算議会に結びつけていかなかったら決算議会の意味がないのですよ。  委員長もいろいろと立場があるから、理事会で検討してください。(「委員長、議事進行」と呼ぶ者あり) ◆松浦忠 委員  委員長、今、伊与部委員の質問は、平成24年度決算にかかわってですよ。三部部長が再生協議会に出ているということは、給料はそちらからもらっているのではないのです。札幌市から給料を支出して再生協議会に出ているのです。我々は、勤務時間中にその協議会に出ていることが妥当であるかどうかも含めて審査しているわけです。したがって、その議事録がきちんと提出されて、伊与部委員が質疑を続行して、それに対する一定の質疑としての終わりがあって、初めてこの決算を承認するか、しないかという判断を我々ができるのです。  ですから、先ほど、箱わなをどうするかとか、一定区域をやれと私が言ったことについてあえて答弁を求めなかったのは、これだけ言っておけば、予算編成の前にどうするかと部長を呼んで相談すれば済むことだから私は質問しなかったのです。しかし、伊与部委員の今の質疑は違います。したがって、出ないのだったら、ここで留保すべきだと私は思います。そういう取り扱いにしてください。 ○細川正人 委員長  今、伊与部委員がおっしゃった議事録は、平成25年5月と言いましたね。それは、実は平成24年度決算ではないのですね。そういうことになってしまいます。(「委員長、それは違う。委員長、議事進行について」と呼ぶ者あり)  まず、伊与部委員、手を挙げていたので、どうぞ。 ◆伊与部年男 委員  5月は平成25年度ですよ。私が直近と言ったのは、それでは、24年度の総会の議事録というか、それはいつやったのですか。24年度の議事録はできているのか、できていないのか。5月というのは25年度の総会ですから、全然ちぐはぐです。整合性がないのです。そうでしょう、委員長、あなただって、議事係長をやったのだからそのぐらいはわかるのでしょう。 ○細川正人 委員長  それでは、三部部長、平成24年度についてはどういう状況になっていましたか。 ◎三部 農政部長  この協議会は、今も盛んに国で議論されていますような農業者の戸別所得補償制度にかかわって、そのお金を配分するために国の指導のもとにつくっている協議会でございます。ですから、その中の活動ですので、国から総会等々についても必ず1年に1回開くようにということでございますので、当然、平成24年度にも5月ごろに総会を開催してございます。 ○細川正人 委員長  そうしましたら、平成24年度の議事録、概要録になるのでしょうけれども、それについては、最終日が29日になりますが、それ以前に提出することは可能ですか。(発言する者あり) ◎三部 農政部長  平成24年度のものか、平成25年度のものですか。 ○細川正人 委員長  平成24年度も平成25年度のものもです。あすぐらいまでに出せますか。 ◎三部 農政部長  大丈夫です。 ○細川正人 委員長  わかりました。  それでは、伊与部委員、ただいまの質疑について留保する、しないについては、24日の理事会で協議させていただき、いつやるかもそこで協議したいと思います。(「委員長、議事進行」と呼ぶ者あり) ◆松浦忠 委員  ここではっきりしてほしいのは、今の委員長の言い回しから言ったら、留保するか、しないかを理事会でと聞こえたのです。そうではなくて、話を区切って、まず、伊与部委員が質問者として留保するという意思表示をしたのだから、委員長としては、伊与部委員の留保をきちんと認めるか、認めないか、はっきりしてください。そして、その後の日程の調整については理事会でというふうに区切って整理してください。これを求めます。 ○細川正人 委員長  それでは、ただいまの伊与部委員の質疑については、ここで、一旦、留保させていただきます。その上で理事会で協議させていただくという流れにしていきたいと思いますので、それでよろしいでしょうか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ◆伊与部年男 委員  それでは、きょうの質疑を終わります。 ◆木村彰男 委員  私は、農業振興推進費のうち、さっぽろ夢農業人育成支援事業についてお聞きします。  私は、ご担当の課長と打ち合わせた上、ことし6月24日、平成24年度からこの制度によって研修者を受け入れられている藤野の農家、また、平成25年度から研修者を受け入れられている南区滝野の農家を訪れ、それぞれ農園の経営者、指導農業者と言っているようですが、その方々と、また研修生の方々とも意見交流させていただきました。  これら南区の指導農業者の方々は、現役で従事されておりますが、年齢的には60代後半から70代の方が多かったと思います。ご家族、とりわけ奥様のご理解を得た上で研修生を受け入れていただいているように私には見えました。一方、研修生は、年齢、出身ともばらばらでいろいろな方がいらっしゃいまして、必ずしも農家ご出身の方ばかりではなく、女性の方もいらっしゃいました。  そこで、研修生の方々は、研修しながら、どういうことについて悩み、考えていらっしゃるかご質問させていただきました。もちろん、日々、一生懸命やっていらっしゃいますけれども、正直に言って、研修が終わった後、これから就農する農地がないのですね。これにはいろいろな事情があって、農地における賃貸借が非常に難しいという現状があります。  まず、この点について、理事者のお考えをお聞かせください。 ◎三部 農政部長  農地の貸し借りについてでございます。  貸し借りには農地法と農業経営基盤強化促進法という二つのやり方がありますけれども、農地法に関しては、貸し手に比べて借り手の権利が優先されているために、一度、農地を貸してしまうと貸した農地が戻ってこないのではないかという根強い不安が農業者の中に残っております。そういう意味では、それを補完する意味の農業経営基盤強化促進法の利用権設定等促進事業による貸し借りがありますが、これは、当事者の申し出により、市が農地の利用集積計画を作成することで利用権の効果が発生するものですので、直接、当事者が手続に関与する必要がなく、賃貸借期間が満了すれば、自動的にもとの貸し手のところに戻る制度ですから、農地所有者としても安心して農地を貸せる制度になっております。 ◆木村彰男 委員  私も、農地法については学生時代に勉強させていただきました。日本は、戦後、農地改革をやりまして、地主から小作に農地を移転させていきますが、そこにかかわった施策の一つが自作農創設特別措置法でございます。この法律と農地法が両輪のごとく回って、今の農業の基盤たる北海道の農業の礎を築いてきた、これは間違いないことであります。  しかし、戦後67年がたちまして、農地のありよう、農地の考え方、農地法の考え方は大きく変わりました。つまり、農業従事者が高齢化することによって、農地の売買や使用貸借が非常に難しいものになってきています。その意味において、先ほど部長がおっしゃいましたように、耕作されない農地がたくさんふえても、今言った就農されるような方にそれを簡単に貸すことができない現状なのであります。  そういうことで、先ほど申しましたように、新規の参入者は、農地法の縛りではなく、今おっしゃったような利用権の設定をするのですが、これはなかなか理解できない難しいものです。これを高齢の方にご説明した上、それらの農地を集めて、ある一定の規模にして就農される方にお貸しするということを当事者同士でやるというのは、私は、見ていてほとんど不可能だと思いました。やはり、そこに行政が入って、ご説明し、いろいろな利便を図るようにしなければいけないと思います。  私がお聞きしたところによりますと、研修を終えた方は、大体3反から5反ぐらいをめどに農地をお借りして就農しております。しかし、そこにおけるイニシアチブといいますか、何をつくるか、そして、自分が食べて、もちろん借地料も払わなければなりませんから、そうするとある程度の規模がないと営農は難しいと私は考えます。  部長は、それらの規模は幾らぐらいのものだとお考えになっていますか、お聞かせください。 ◎三部 農政部長  新規就農者に関しては、機械をお持ちになっておりませんし、また、ビニールハウスなどを建てるに当たっても初期投資が必要になりますので、資金的な問題もございます。そうした意味では、露地野菜を中心として大体30アールから50アールが1人ないし2人家族で賄える農地規模だと思っておりまして、それぐらいが妥当なところではないかと考えてございます。 ◆木村彰男 委員  今申しましたように、研修中はある程度の資金援助もありますが、営農するに当たっては、既に出ましたけれども、極端なことを言えば自分で機械を買う費用も含めて、研修が終わった後のサポート体制がある程度続かなければ、そこで定着するのは難しいわけですね。そういう中で、これは後で言おうと思っておりますが、最も大切なことは、やはりその地区の方々が期待しているのですね。若い方に来ていただいて一緒に営農する、手を携えてやっていくと。軒並み高齢です。自分たちは絶滅危惧種だと言っているぐらい高齢になっております。そういうところに研修の方が来られてやっていこうとしています。  そこにおけるサポート体制について、資金的なものや機械的なものなどはいかがでございますか、お知らせください。 ◎三部 農政部長  新規就農者が就農する場合、一つは、資金的な手当てについては、国が青年就農給付金、また、私どもでやっておりますさっぽろ夢農業人育成支援事業の中で生活費の一部を支給する制度になってございます。特に青年就農給付金については、就農後5年間、毎年150万円が出る制度になっておりますので、そうした制度の活用を図っていきたいというふうに思います。  また、サポート体制でございますが、農協や農業委員会、そして私どもがタッグを組みまして就農サポートチームを立ち上げて、その中で就農者が順調に生産を続けられるような技術的、経営的なアドバイスをしていくこととしております。 ◆木村彰男 委員  最後にします。  この事業を続けていく以上、就農地は永続的に必要となります。そうしますと、Aさんがいたら、Aさんの研修が終わった後、Aさんの就農できる場所をつくり、次にはBさんの耕作地を事前に準備しておかなければいけません。つまり、そういうものをある程度ストックした上で両輪のごとく事業を展開していかなければいけなくて、仮に片方だけやったとしても、そこで行き詰まるのが私の考えなのです。  その意味においては、この間、滝野の敬老会に出ましてそこでも言われたのですが、ぜひ、市にサポートしてほしいということなのです。事業的なものもぜひ継続してやっていってほしい、そのためには自分たちも協力するともおっしゃっておりますので、それらについてのご決意を最後にお伝えください。 ◎三部 農政部長  新規就農者は、滝野などでは特に喫緊の課題だと認識しております。そうした意味で、先ほど申し上げた就農サポートチームの中には研修指導に当たっている農業者もおりますので、一軒一軒を訪ねてみんなで農地を掘り起こしていき、そして、サポートチームが地域農業者と新規就農者のかけ橋になる役割を務めながら、この事業を何とか成功に導いていきたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  私も見せていただいておりますが、部長以下、本当にこの事業を推進されていることはよくわかりました。これは、南区に限らないと思いますが、ぜひ推進していただくようにお願いして、私の質問にかえさせていただきます。 ○細川正人 委員長  以上で、伊与部委員の保留している質疑を除き、第2項 農政費のうち経済局関係分の質疑を終了いたします。  ここで、およそ10分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後7時46分       再 開 午後8時1分     ―――――――――――――― ○細川正人 委員長  委員会を再開いたします。  最後に、議案第3号 平成24年度札幌市中央卸売市場事業会計決算認定の件の質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  中央卸売市場は、私も何回か質疑をしまして、中央卸売市場の借金コンクリートをどうやって返していくか、常々気になっております。きょうは、その借金コンクリートから入りたいと思いますが、時間も大分更けてまいりましたし、先ほど伊与部委員のところで委員長が次の機会もあるだろうと指摘しておりましたから、次の機会にすることにして、どうしても聞いておかなければならないことを1点だけ尋ねます。  中央卸売市場は、現在、企業会計で職員が22名、再任用職員1名の23名体制でやっております。市場の皆さんは、一般会計の日勤職の皆さんと違って、朝早く出勤し、市場の競りなどに立ち会うということで、変則勤務で大変ご苦労されております。しかし、それはご苦労と言っても、そういう勤務体制の中で仕事をすることを了としてそこに勤務しておりますから、それはごく当たり前のことであります。  そこで、昇給についてお尋ねいたします。  平成25年1月段階で22名がそれぞれ定期昇給しておりますが、ABCDEの5段階の中で、Aが何名、Bが何名、Cが何名、Dが何名、Eが何名か、その内訳を示してください。 ◎元木 中央卸売市場長  ただいまのご質問でございますが、昇給区分ごとに申します。  A区分が3名、B区分が4名、C区分が15名、D区分とE区分はゼロの合計22名でございます。 ◆松浦忠 委員  市場の職員は、三浦監査委員の話では、優秀だ、だから、D区分やE区分の人がいないと言っています。監査委員が監査した結果がそうであるとすれば、信じますね。  そこで、私が尋ねたいのは、昇給のときの評価に市場長はどのようにかかわっているのか、示してください。 ◎元木 中央卸売市場長  人事評価に関してでございますが、私は部長職でございますので、1次評価は所属長がやり、2次評価者として、直接、私が職員を評価しております。 ◆松浦忠 委員  そこで、2次評価をして総務局に上げますね。総務局で決定する段階、いわゆる職員部で決定する段階で場長は相談を受けるのか、受けないのか。 ◎元木 中央卸売市場長  昇給の査定に関してでございます。
     基本的に、昇給査定については、私どもの行った人事評価に基づいて、総務局で公務に対する貢献度といったことを総合的に判断して決定しております。ですから、基本的に、私としては昇給の査定については直接加わっておりません。 ◆松浦忠 委員  中央卸売市場は、企業会計で会社と同じです。交通局、水道局、病院局と何ら変わりないのです。下水道について言えば、会計だけが企業会計の手法をとっていますけれども、交通局、水道局、病院局、中央卸売市場というのは、全く公営企業法に基づく会計なのです。ですから、そこでの人事管理、人事評価については市場長がきちんと決定する仕組みでなければだめなのですよ。  なぜそういう仕組みになっていないのか、その理由をお示しください。 ◎元木 中央卸売市場長  ただいま委員から、中央卸売市場事業会計は管理者を設置しております交通局、病院局、水道局と同じだ、逆に言うと、下水道は違うのだというお話がございました。  しかし、実は、中央卸売市場事業会計は、管理者を置かず、下水道と同じように財務規定だけを適用している企業会計でございます。そのため、私どもは、下水道局と同じように市長部局の一部局でございますので、先ほど申し上げたように昇給の決定等については総務局で行っているということでございます。 ◆松浦忠 委員  実態として、中央卸売市場の仕事というのは、札幌市の仕事ではどことも共通しないものです。私もそういうことはわかっていますが、なぜ聞いたかといったら、そういう業務実態で、あれだけの扱い量、市民の健康と生命を守る役割を果たしているところです。そういうところで、市場長が人事評価の決定権を持たず、総務局に上げて、総合評価をしていると。あなた方は、総合という言葉をよく使うけれども、何をもって総合とするのですか。仕事ぶりを総務局がわかるのですか。  あなたは、総務局で評価してもらって、自分があそこの社長として評価できない部分があって、この部分は総務局でやってもらって当然だと思うものがあると思いますか。あれば、例えばでいいですから、それを幾つか挙げてみてください。 ◎元木 中央卸売市場長  私が行った人事評価については、基本的には、最終的な昇給決定をする際に総務局で十分にそんたくしていただいていると思っております。 ◆松浦忠 委員  このそんたくという言葉ですが、日本語では相手の心を思いはかってやることを言いますね。そんたくすることと実態を把握して評価することとは違うのです。昇給などに対する人事評価というのは、また給与というのは、その職員の家族も含めて生活がかかっております。したがって、その評価を実態もわからない人が総合的になんていう言葉でするのは、私は違うと思うのです。  市長、私は今の話を聞いていて、これは違うと思うのですよ。少なくとも中央卸売市場について言えば、市場長が評価の決定をする。事務的に総務局が処理したとしても、市場長の決定が最終決定である、こういうきちんとした内部規定の整理をしなければだめだと私は思うのです。  これについて、市長も細かいことを一々見ていないからおわかりではないと思うのですが、私は、こういうふうに内部規定を直すべきだと思いますけれども、今のやりとりを聞いていて市長はいかがですか。 ◎上田 市長  最も情報がある者が評価するのは当然のことだと思います。多分、そのように行われているのではないかと想像いたしますが、市場長が評価をしてABCDEのランクをつけまして、さらに、最終評価をする際に、市場長の評価と違う評価をしようとするときには必ず市場長の意見を聴取することになるだろうと私は思います。ですから、基本的には、現場の直属の上司が評価したものが参考になり、特段の事由がない限り、そこで人事評価の結論を出すのではないかと私は思っておりますが、違いましょうか。 ◆松浦忠 委員  私が市長に出席を求めて何をしてもらおうとしているかといったら、中央卸売市場が札幌に創設されて以来、この制度でずっと来て、私もかかわって、これは27回目の決算です。私も、今までは思ってもそういうことを言いませんでした。でも、こうやって長く議員の仕事をさせてもらい、先ほどの伊与部委員もそうですが、言うべきことをわかっていても遠慮して言わない議員の方もいらっしゃると思いますけれども、長くやっていれば、これが俗に言う古参、年寄りの役目だと思って私は言っているのです。  したがって、市長にやっていただきたいことは、今まで、一つの仕組みをつくって、それでよしとして、ずっと引き継いで慣例に従ってきましたけれども、今、中央卸売市場が非常に厳しい状況の中で職員の皆さんは頑張っています。そうしたら、市場長が評価し、それに決定権があるということによって、職員もまた一段と頑張って張り切るのです。それが、総務局に行って、何も見ていないような人が総合的に判断して、ほかとのバランスも考えて、均衡も考えて、Aが多かったのが、ほかとのバランスで減らされてしまったというようなことになっていくと、何だ、何ぼ頑張っても何も変わらないではないかということになるわけですよ。  したがって、私が市長に求めたいことは、ぜひ、内部規定を改めて、中央卸売市場の人事評価については、管理者でなくても、実質的にはあそこの会計、営業も含めて経営の全部を委ねているわけですから、市場長に評価の全てを与えるように内部規定を変えていただきたいということを求めたいのですが、市長、どうでしょうか。 ◎上田 市長  基本的には、昇給する枠があると思います。そういう意味合いにおきまして、全体的に相対評価をしなければならない場合も出てくるかと思います。そういうときのテクニックということで、絶対評価と相対評価を総合してという言い回しになっているのではないかと私は思っております。  しかし、松浦委員がおっしゃるように、一番頑張りやすいといいますか、職員の力を発揮しやすい人事評価のシステムをつくるべきだというご指摘は全くそのとおりだと思いますけれども、そこに一つの限界があること、それから、多方面から多角的な評価をしなければならないこともまたあろうかと思います。今、具体的に何をどうするかとは申し上げられませんが、市場長だけに絶対的な評価をということにはならないのが今のシステムであり、それなりに合理性があるシステムではないかと考えているところであります。  ただ、先ほど私が横の市場長に問いかけるような発言をいたしましたが、特段の事情がない限り、現場の意見をしっかりしんしゃくすること、また、総合評価をしていると言いながらも、そのシステムが信じられる、あるいは、職員の労働意欲を低下させないものとして今日まで来ているのではないか、こんなふうに考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  市長、私の言っていることは何も無理のない話で、当たり前の話です。それで素直に答えるならば言わなかったけれども、なぜ私がこういうことにこだわるかといったら、札幌市特別昇給に関して、ここに元職員組合の書記長の猪熊さんもおられますけれども、コンピューター、電子計算機を買って全職員の昇給管理をしていたのです。今やっているかどうかはわかりませんが、ずっとやっていたのです。したがって、よっぽど刑事事件になるとか、地方公務員法で決められている戒告、減給、停職の三つにならない限り昇給は当たり前にする、特別昇給も6年に1回は当たるようにしていく、こういう仕組みが長年続いていたのです。上田さんが市長になられてからも、私はこれを何回か指摘しました。  私は、15%全部を自由に使ってやれとは言いません。しかし、少なくとも5%ぐらいは、3年連続一生懸命やっているから連続的に上がったという者がいてもいい。こういう使い方をすることによって本当の意味で意欲が湧いてくるのです。そういう人事管理をしなければだめだと言っているけれども、いまだにそれができていない。この間の水道局もそうですね。交通局もそうですね、私がただしたら。  中央卸売市場は22〜23人です。場長を除いて、職員だけでも22人の評価です。最も手ごろでわかりやすくできるところです。  それから、市長は、今、枠という話をしました。これは、札幌市職員全体で15%なら15%、場所によって、あるときはこの局が物すごく忙しかったら、ほかと比べて一生懸命やっているから、人数割りでなくて、もう少し手厚くしてやろうというように、これは全体運用です。例えば、そういう話し合いを市場長と職員部長がする、そして、ことしはこれだけのことがあって、このぐらい超過勤務をした、大変だった、休みもなかなかとれなかった、だから、私はみんなをこう評価してAがこれだけふえたけれども、ことしはぜひうちを見てくれと、こういう話がされるのはいいのです。そうではなくて、枠ありきの中で、はい、15%、3人です。22人で割ったら13.6%です。Bが18.1%です。そして、標準が68.1%だと。水道局や交通局も出してくださいと言ったら、水道局に至っては、総務部長が大体こういう中身すらも知らない。こういう実態であるがゆえに、最も小ぢんまりした中央卸売市場でそのことがきちんとできるようにしてほしい。内部規定もそれができるように直してほしい。何にも難しい話ではないです。  やっぱり、全部を一遍に変えることはなかなか難しいでしょう。だとすれば、例えば中央卸売市場でいろいろやって、その結果、職員の意欲の変化があらわれたというような状況が特徴として出てきたというように、ここはモデル的にやってもいいのです。そういうことをぜひやるべきです。  そうでないと、あれだけの借金を抱えさせたところで、さあ、頑張れと言って、いろいろな知恵を出せと、そして、生産地の漁協、農協を含めた団体ともいろいろなことをやる、仲卸の関係、荷受けの関係、小売の関係とあらゆることをやらなければならないわけです。さらに、食品衛生法の関係です。言えば、人間の命の根源にかかわるところですから、そういう意味で私はきちんと実施すべきだと思うのです。  市長、これは、次の議会までに検討して、内部規定を改正して実施してもらうことを私は求めたいと思います。今、答えはいいです。時間も長くなるから、次のときにまた質問することにして、この辺で委員長の求めどおりに終わらせていただきます。 ◆宗形雅俊 委員  私からは、札幌市中央卸売市場経営改革プランとその取り組みについて、なるべくはしょって質問いたします。  ご存じのとおり、中央卸売市場は、市民に安全・安心な生鮮食料品を安定的に供給するための重要な流通拠点として機能しておりますし、私もそのような認識でおります。平成11年に市場施設の老朽化、狭隘化の問題があって、再整備事業に着手し、総事業費360億円をかけて平成19年に終了いたしました。昨今の社会構造や消費者の変化、量販店の台頭、市場外流通の増大などで市場における環境が大きく変化しております。そのような中、市場の取扱高は平成12年をピークに下降傾向となり、市場会計の収入の減少が大きな課題となっております。再整備事業後は、減価償却費、企業債にかかわる元利償還金等の経費が増加している中、将来を見ると、平成28年度には累積資金残高も底をつくと予測されて、将来にわたり健全な経営を維持し、時代の要請である環境対策や食の安全への消費者意識の高まりにも的確に対応する市場づくりも求められております。  また、農林水産省が平成22年10月に策定した第9次卸売市場整備基本方針では、開設者と場内事業者が一体となって、市場の運営及び経営の展望を策定するなど、卸売市場としての経営戦略を確立することが求められ、平成22年11月には、市場事業者とともに札幌市中央卸売市場活性化委員会を立ち上げて、今後10年間の指針である札幌市中央卸売市場活性化ビジョンを平成23年8月に、そして、札幌市中央卸売市場経営改革プランを12月に策定しました。  そこで、この経営改革プランは、平成23年度、24年度と決算が終わりましたが、市場会計の収支を見ますと当初の計画で組んだよりもやや上回ったペースであると報告を受けておりますけれども、まず、2年間が経過したこれまでの評価をお伺いします。  そして、この改革プラン達成のために計画されたさまざまな取り組みに着手していると聞いておりますが、主な計画の取り組み状況についてもお伺いしたいと思います。 ◎元木 中央卸売市場長  1点目のこれまでのプランの評価についてでございます。  経営改革プランの目的は、委員が今お話しのとおり、市場会計の収支改善でございます。収支の状況につきましては、経営改革プランと平成24年度決算までを比較いたしますと、年度末の資金残高では約1億円好転しております。これからいたしますと、結果としてはおおむね良好ではないかと考えてございます。  2点目の経営改革プランの取り組み状況についてでございます。  まず、平成24年度までに使用料の改定、資源リサイクル施設や地下水活用システムの整備、太陽光発電システムの導入などの15項目を実施しております。今年度におきましては、一般ごみの受益者負担の導入や、建物管理業務を5年間の長期継続契約とすることを既に実施しているほか、場内照明のLED化など2項目について現在取り組んでいるところでございます。この結果、経営改革プランは全20項目ございますけれども、このうち、平成25年度までに実施することとなっております19項目については、全て実施済み、もしくは、今年度内に実施見込みとなってございます。 ◆宗形雅俊 委員  2年間が終わって、資金残高は計画より1億円好転しているというお答えでしたが、これについては後ほど触れたいと思います。取り組みについては、20項目のうち、平成25年度の実施予定を含めて19項目が実施もしくは実施済みということでした。  そこで、この取り組みの中で、資源リサイクル施設について伺いたいと思います。  資源リサイクル施設は、改革プランにある環境に優しい市場を目指すということで、市場内で発生する野菜や果物の廃棄物を蒸気で乾燥させ、家畜の餌として飼料化を図ることにより、生ごみ処理費用の削減と飼料の販売収入を得ることができる施設として整備したと聞いております。また、市場内で発生するパレットなどの木質系廃棄物をチップ化して飼料を製造するための蒸気をつくる燃料とすることにより、これも経費削減になるということで、資源の循環を図る目的でバイオマスボイラーを整備して、プラント全体で4億3,800万円をかけてこの4月から稼働していると聞いております。  そこで、この資源リサイクル施設ができて半年でありますが、これまでの効果と、このリサイクル施設によって削減できるごみの量や飼料の販売状況についてお聞かせ願いたいと思います。 ◎元木 中央卸売市場長  1点目のごみの削減量についてでございます。  資源リサイクル施設の稼働を開始した半年間におきまして、昨年度の同期間と比較した削減量といたしましては、生ごみは1日当たり約5トン、廃パレット等の木質系廃棄物は1日当たり約3トン、両方を合わせた総量で申し上げますと約1,100トンとなってございます。  2点目の飼料の販売状況についてでございます。  本施設の製造品の成分を分析しました結果やサンプルを持参いたしまして、札幌市農協、石狩管内の養豚協議会、市内や近郊の養豚農家、また、飼料・肥料製造業者等に赴きまして飼料として活用していただけるようにこれまで働きかけてまいりました。しかしながら、エネルギー値やたんぱく質値などが市販のものと比較して劣っていることなどから、残念ながら飼料としての活用は難しいとのことであり、現在のところ、飼料として販売するには至ってございません。 ◆宗形雅俊 委員  できた飼料を成分分析して、近郊の養豚業者や関連のところを訪問したけれども、現在は利用先が決まっていないということです。ただ、リサイクル施設ができて生ごみなどを処理していますから、リサイクル業者に経費を払ってできたものを処理していただいているということでございます。こう考えると、環境としてはいいのですが、経費を削減していこうということでしたけれども、現在は逆にできたものに対してお金を払って処理してもらっているわけであります。これがいつまで続くのかが今後の問題になろうと思っておりますが、当初は、1年間で5,000万円の効果を出して、10年間で5億円、ちょうど4億3,800万円かけましたから、ここでとんとんという話になりますけれども、今、それが崩れているということであります。  もう一つは、これは取り組みプランには入っていないのですが、給電スタンドという施設が6基あります。これは、冷凍・冷蔵トラックが夜中に入ってきて、市場が始まるまでの待機中、運転席の冷暖房や荷室の冷凍、冷蔵のためにアイドリング状態でいることによって二酸化炭素を排出することから、これを給電スタンドにつないで冷凍、冷蔵のための電気をとれば、アイドリング状態が解消されて地球温暖化防止、大気汚染防止の環境対策としては非常にすばらしいアイデアということで、平成20年6月に1,560万円かけて設置しました。  しかし、これは、1日20台で120時間程度の利用を計画して、稼働当初はかなりの利用があったと聞いておりますけれども、徐々に利用が減って、休止前には1日当たり多くても12時間と当初計画とは相当の乖離が出ておりました。そのことに加え、今質問しましたリサイクル施設の建設に当たって仮設廃棄物集積場を設置する必要があったものですから、この給電スタンドの前にその集積場をつくったために、これは平成23年11月に休止しております。  これを聞いたときに、私は、昔、下水道でやっていたコンポストのことを思い出したのです。要するに、環境問題としての処理というのはいい発想ですけれども、その出口がなかなか見えていない。そして、今、まさにその飼料を売るために営業して回っていますが、こんなことを言ったら失礼かもしれませんけれども、皆さんに営業力があるのかという疑問を持たざるを得ません。資源リサイクル施設や給電スタンドということも、発想はいいのです。しかし、結局は使えない状態でブルーシートがかぶせられているわけです。そういう意味で、出口戦略という言い方はおかしいですが、リサイクル施設や給電施設の利用について、事前計画に対してどういうことを想定していたのか。いろいろと調査をしたと思いますので、これをこういうふうに持っていくという具体性については、どういう調査をしてこうなったのか、この辺をお聞かせください。 ◎元木 中央卸売市場長  1点目の資源リサイクル施設の事前調査についてでございます。  生ごみのリサイクル方法の決定に当たりましては、本市場は都市部に位置していることから、堆肥化などの悪臭が生じる方法は適当ではないと判断いたしました。このため、さまざまな生ごみのリサイクルの実施例の中から、悪臭が発生しない乾燥化によるリサイクルを安定的に行い、また、飼料の販売実績のある事例を選び出しまして、このうち、当市場の状況に近い松本市の公設地方卸売市場や民間施設について平成22年度に現地調査を行っております。  また、給電スタンドの設置に伴う事前調査についてでございます。  産地からの車両は、競りが開始される時刻に合わせて荷をおろすことになっておりますけれども、到着してから荷さばきが始まるまで市場内で待機しております。この待機している車両について平成19年10月に実態調査を行ったところ、待機している60台ほどの車両のうち、20台程度が給電スタンドを利用可能な車両であり、平均の待機時間が約6時間でありましたことから、1日20台、120時間程度の利用を見込んだところでございます。 ◆宗形雅俊 委員  場長、私が聞いているのは、それは、今、実態としてあって、例えば給電スタンドですが、聞くと、8社があって、そこで調査して、利用可能なのは117台だと。しかし、こういうものを設置したときに実際に使ってもらえるかというところまで踏み込んだのか。そのときには場長はいなかったとは思うのですが、環境対策のために市場でこういうものを用意したから、それに協力して使ってもらえますかというところまで踏み込んだ調査をしたのかということなのです。  それから、資源リサイクル施設についても、こういう施設をつくり、実態調査するために見に行って、こういうことがあると。そうしたら、今度は、想定した養豚農家や農協に行って、こういうことをやるけれども、どうなのかと。先ほど、成分のことで、結果的に市販されているものより弱いような話をしていましたね。つまり、市販するためにはこういうものをつくっていかなければならない、それができるプラントにしていかなければならない、そういうことが事前調査であり、できたものを販売のルートに乗せられることが販売するための事業計画だろうと思っているのです。  給電スタンドは改革プラン以前にできたものですけれども、この二つを挙げても、やっぱり取り組みに対して非常に甘いと思うわけです。そういうことを考えていくと、この経営改革プランの数字は、2年間では計画よりも好転したというお話ですけれども、これがうまくいっていればもうちょっと好転したということもある意味で言えるわけですね。それから、いろいろな知恵を絞れると思うのです。  そういう意味では、4億3,800万円をかけたものも、また、眠っている1,560万円も、これだとかけたお金が無駄になってしまいますね。代表して言いましたけれども、今度、この二つをどうしていくのか。飼料についても、肥料としていろいろと考えていると思うのですが、こうした当初計画よりおくれているものをどう取り戻していくのか、また、給電スタンドの1,560万円を無駄にしないためにどうしていくのか、今後の取り組みをお聞かせ願いたいと思います。 ◎元木 中央卸売市場長  1点目の資源リサイクル事業を今後どうしていくのかということについてでございます。  今、まさに委員がお話しのとおり、肥料製造業者等の専門家の方にいろいろご相談させていただきました。そうしたところ、本施設の製造品は、有機物の含有値が高く、また、野菜や果実を乾燥化しているので繊維も多いということで、肥料の原料として有望ではないかというお話をいただいております。そういったことから、現在、そのような活用の可能性について検討してございます。また、こうした中、先ごろ、私どもは、道内で広く肥料の製造、販売をしている事業者の方に肥料の原料として活用していただけないかというお話をさせていただきました。そうしましたら、まずは試験的に使ってみたいというお話をいただきまして、近々、この業者のほうに製造品を運ぶ予定になってございます。今後も、今申しました肥料の原料として活用するなど、リサイクル施設からでき上がりました製造品を可能な限り早い時期に有効活用することができるように努力してまいりたいと考えてございます。  2点目の給電スタンドの利用に関してでございます。  現在、給電スタンドの前に設置している仮設の廃棄物集積場は、来年度中に撤去する予定でございます。そのため、その後に使用可能となることから、北海道トラック協会と連携して、市場内に出入りしている運送業者に対して、継続的にシステムの効果、利用方法を周知、PRしたいと考えております。また、スタンドを利用するに当たりましては、市場内の管理センターにおいて電源ケーブル等を借用する必要がございまして、これにより利用者が不便に感じていた可能性もありますことから、使用に当たって使いやすいような方法に改善することも含めまして、利用者の拡大を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆宗形雅俊 委員  今、肥料として見込みが出てきているということですね。結局は、広範囲に調べていないのですよ。調査をしていないのですよ。だから、一方的なものを見て、飼料でいいな、これなら行けそうだということではないのですよ。発想はいいのですけれども、やはり、そういうふうにして次に行かなければならないということだと思います。  それから、給電スタンドも、前の仮の集積場を外して利便性を高めていきたいということでしょうけれども、結局は、ダンプトラックが入ってきたときに直流から交流に変えなければいけないわけですね。それを積んでいるトラック、ダンプが限定されていたということだと思うのですよ。そこまで本当に調査をしたのか。そうでなければ、今、場長が言ったとおり、ケーブルの問題、そして、ACからDCに変えるコンバーターをどこにつけていくのかとか、そして、もしなかった場合にはこれを使うことで利便性を上げて利用価値を高めていく、やはりそこまで考えていかなければならないのではないかと思います。今の話は、そういうことでとめておきますが、逆に言うと、応援団としてしっかりやっていただきたいのが私の意見でございます。  次に、改革プランですが、2年間は上向いて好転しましたということですけれども、この計画自体も平成32年度でようやく黒字化なのですよ。ですから、平成32年度もそうですが、平成31年度までは一般会計からの繰り入れで行っているから赤字体質ですけれども、その赤字を減らしていき、平成32年度には一般会計の繰り入れはあるものの黒字化しましょうという話なのです。そうであれば、こういう計画を立てたのなら、一生懸命に取り組んで自立しようという気構えが必要だと私は思っているわけですよ。僕らも、会社員時代、経営計画がありまして、拡大戦略計画なんていう経営計画を立てさせられましたが、そんな発想も必要ではないのかなと思います。  それから、私がいつも気になるのは、市の幹部の方は大体2年で異動します。そうすると、気構えを持っていても――場長はそんなことはないし、管理課長の佐藤さんもそうではなくて気構えを持っていると思うのですが、中には、2年間、事なかれ主義で行って、余り目立たないようにやっていこうという人もいるかもしれません。そういう意味では、モチベーションに対する士気高揚、それから、先ほど松浦委員からあったように、企業会計だけれども、市がきちんと関与していかなければならないと思います。そして、市場調査ということでも、これは事前にあったと思うのですが、やはりガバナンスということをちゃんとしていかなければならないと思うのです。  最後の質問ですが、これは荒井経済局長に聞こうと思いましたけれども、荒井経済局長もすぐに出世してどこかに行ってしまうかもしれないので、秋元副市長に質問いたします。  経営改革プランの取り組みに対して、今後どのようなガバナンスを働かせていくのか、決意を含めて副市長から答弁をいただきたいと思います。 ◎秋元 副市長  中央卸売市場では企業会計の手法をとっておりますけれども、組織的には経済局の部門になっております。そういう意味では、組織管理の手法としては、年度当初にその組織の目標を立てて、秋口での中間報告、そして年度末において、担当である経済局長が各部の事業執行の状況について管理するシステムになっております。さらに、私が担当の副市長として、各局の実施プラン、目標に向けて、同じように年度当初と11月、12月に中間報告、年度末に、その組織の目標管理がどうなっていたかということを市長に報告する仕組みになっております。そういう意味では、市場の実施プランだけではなく、それが全体のマネジメントの中でどう機能しているか、あるいは、進行管理がどういう状況になっているのか、しっかり管理する仕組みになっております。そういう中でいろいろな議論をしていって、組織としてのガバナンスをきちんとしていきたい、これはしっかりさせていただきたいと思っております。 ◆宗形雅俊 委員  もう質問はしませんけれども、プランの中の資源リサイクル、そして、以前からあった給電スタンドのほかにも、いろいろと聞くともっとしっかりやっていかなければならないものもあるのだろうなと思いました。そういう意味では、今、副市長から管理サイクルを回してきちっと見ていくということでしたので、今後も見ていきたいと思います。  ただ、中央卸売市場の活性化は大事ですが、先ほど小竹委員が言いましたように、地元の商店や商売をやっている人たちが頑張って中央卸売市場の取扱高がふえていくわけですから、ここだけの問題ではなく、商店街や商店が活性化してまちの八百屋さんや魚屋さんに頑張っていただきたいというところにつながっていくのですよ。そういった意味でも、中央卸売市場はかなめですから、本当に真摯に受けとめていただいて、皆さんは真面目にやっているのでしょうけれども、より一層頑張っていただくようにお願い申し上げて、終わりたいと思います。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、大きく、市場の仲卸業者に対する経営支援策と、市場活性化の一つである北側駐車場の有効活用に向けた進捗状況についてお尋ねしたいと思います。  本市中央卸売市場は、昭和34年の開設でございます。それまで、数百社もの小売店等が競りに参加し、直接、卸売業者から購入していた時間のかかる非効率な取引を改めて、仲卸業制度を新設し、現在に至っております。市場開設以降、本市の人口増加やまちの発展に伴い、それに比例するように市場取扱高も伸び続け、昭和43年にピークを迎え、水産、青果を合わせて74社の仲卸業者が入社しておりました。仲卸業者は、多種多様な生鮮食料品を量販店向けに大量に扱う店や、少量多品種の商品を小売店、飲食店に直接配送する店など、買い出し人の多様なニーズに合わせて商売を営んでおられます。  しかしながら、少子高齢化の進展、消費者ニーズの変化、さらには、市場経由率の低下などによりまして、平成24年度末では水産、青果を合わせて58社にまで減少しております。また、この6月には水産の仲卸業1社が廃業したということでありまして、現在は57社になっております。平成12年を境に、市場全体の取扱高が急速に減少した状況を見ると、仲卸業者の経営状況も非常に厳しいものと考えます。さらに、経営者の高齢化による後継者問題、また、仲卸業者の経営課題もさまざまあるように思っております。  そこでまず、伺いたいのですけれども、仲卸業者の経営状況はどのようになっているのか、お尋ねいたします。  また、仲卸業者の経営課題について、開設者である札幌市はどのように認識しているのか、あわせてお尋ねいたします。 ◎元木 中央卸売市場長  1点目の仲卸業者の経営状況でございます。  市場取扱高の減少に伴いまして、仲卸業者全体の売上高は、直近の10年間で申しますと約2割減少しております。また、仲卸業者57社中35社が前期より売上高が減少しているなど、大変厳しい状況となってございます。さらに、損益の状況を見ますと、人件費等の経費削減に取り組んだものの、全体の5分の1に当たる12社が経常赤字となっております。一方、経常黒字となっている仲卸業者にあっても、本業以外の収益などで何とか黒字を保っている企業が多く、経営状況は厳しい局面にあると認識してございます。  2点目の仲卸業者の経営課題でございます。  事業計画や経営戦略を策定せず、明確な経営方針がないなどといった課題のほか、経営が安定している仲卸業者にありましても、経営者の高齢化による後継者問題、また、早朝出勤などの厳しい労働条件によって人材確保が難しいという課題を抱えていると認識してございます。 ◆福田浩太郎 委員  仲卸業者の5分の1が経常赤字だということで、各仲卸業者がコスト削減を行ってもなお、経営は今までにも増して厳しい状況に置かれております。さらには、後継者問題等、いわゆる一般的な専門小売店が抱える問題を仲卸業者も同様に抱えているということでございました。  このような状況下にあって、平成23年8月に市場の関係者が札幌市中央卸売市場活性化ビジョンを策定し、市場の活性化に取り組んでおりまして、取り扱いの減少傾向に一定の歯どめがかかるなど、その成果が徐々にあらわれていると聞いております。しかし、現状をお聞きする限り、市場の営業部門とも言える仲卸業者の経営基盤の強化を図ることこそが、市場の取り扱いを増加させるために取り組むべき優先課題ではないかと考えております。  開設者である市は、施設の維持管理を行う大家としての立場のほかに、札幌市民に対し、市場が安全・安心な生鮮食料品を公正な価格で安定的に供給するという使命を果たすための指導・監督を行う立場でもあります。以上のような仲卸業者の厳しい経営状況に対して、開設者は、平成23年度から戦略的経営支援事業や仲卸経営支援事業といった仲卸業者に対する各種支援を行っていると伺っております。  そこで、伺いますが、開設者として行った仲卸業者に対する経営支援策について、これまでの取り組み状況などをお聞かせいただきたいと思います。 ◎元木 中央卸売市場長  仲卸業者に対する経営支援策の取り組み状況でございます。  委員のお話にございました仲卸業者の経営改善に資する事業、私どもは戦略的経営支援事業と申しますが、この事業の中で、経営コンサルタントによる組織再編や社員の育成、また、製造部門を持つ仲卸業者に対しては製造原価管理システムを導入するなど、これまでに計5事業に対して193万円を交付いたしまして、経営基盤の強化、改善に寄与しているところでございます。また、仲卸業者の抱える経営や人材育成等の諸問題につきまして、専門家による助言・指導を行う経営相談窓口を開設してこれまで33社の仲卸業者の相談に応えましたほか、経営者、後継者等を対象とした事業承継、労務管理等に関する勉強会、研修会を10回開催し、延べ319名の方に参加していただくなど、各種経営支援にも取り組んでございます。 ◆福田浩太郎 委員  仲卸業者は中小企業であります。そういう業者に、経営改善に向けたさまざまな支援策を講じているということでございます。ただ、仲卸業者は事業規模や業態がさまざまであることから、仲卸業者にとって利用しやすく、そして、より効果的で、さらには消費税増税、TPP、6次産業化などといった市場を取り巻く今後の社会情勢にも合致した経営支援策を、絶えず検討して見直しをしていかなければならないと思います。本来であれば、仲卸業者は、民間企業として新たな発想、戦略を持ち、みずから商売を発展させていかなければならないところでありますけれども、多くの仲卸業者は、先ほど申し上げましたように、中小企業でございまして、日々の業務に追われていることも事実だと思います。このようなことを踏まえますと、仲卸業者の皆さんが活性化するためには、開設者の支援が不可欠だと私どもは考えております。  そこで、仲卸業者に対し、今後どのような経営支援策を講じていくのか、お尋ねいたします。 ◎元木 中央卸売市場長  今後の経営支援策についてでございます。  来年度は、水産、青果の両仲卸組合と協働・連携を図りながら、仲卸業者各社の強みや弱みといった内的要因、また、自社の経営に影響を及ぼす脅威などの外的要因を総合的に分析して、いわゆる見える化するとともに、それを事業規模別、また業態別に集計し、そのデータを自社と比較していただくことで、より効率的な経営形態への道へ進んでいただくなど、各社の経営戦略に役立てていただきたいと考えております。さらに、当市場のみならず、他市場の先進事例、優良事例などを収集、分析し、フィードバックすることも予定してございます。  いずれにいたしましても、委員のご指摘のとおり、社会情勢等に合致した経営支援策に取り組む必要がありますことから、今後もより効果的な方策を検討し、積極的な支援を行ってまいりたい、このように考えてございます。 ◆福田浩太郎 委員  仲卸業者の規模や業態、さらには、情勢に合致した形での支援を検討するということでございます。今後も、開設者は、仲卸業者の経営状況を的確に把握、分析して、経営基盤の強化に向けて最も効果的な支援策を検討していただきたいと思います。  一方で、これからの支援は、その効果が表にあらわれるのに時間がかかることも事実だと思います。  そこで、最後にお尋ねしたいのですが、北側駐車場の有効活用に関することです。  仲卸業者の皆さんの事業が好転して本当の意味で元気になるためには、やはり、市場外流通を取り込むことなどによって市場全体の売り上げを増加させるための具体的な取り組みが必要不可欠であると考えております。ことしの予算特別委員会において、我が会派の丸山議員が、市場機能の強化策として北側駐車場の有効活用について質問させていただきました。その際、丸山議員は、この取り組みこそが市場取扱高増加の鍵として今後の市場の明暗を分ける重要な施策になると認識していると指摘して、私も大いに賛同するところでございます。  そこで、最後に、丸山議員の質問に対して、市は施設の内容を今年度中に固めたいと答弁されておりましたが、北側駐車場有効活用に関する取り組みの現在の進捗状況についてお尋ねいたします。 ◎元木 中央卸売市場長  お答えいたします。  今年度から、市場取扱高を増加させるために必要な施設につきまして、場内事業者と具体的な協議、検討を始めてございます。この中では、例えば、大手物流業者と提携した配送センターや、これは小売サイドから大きな意見があったのですが、生鮮食料品にちょっとした加工などができるような施設があると、特にお店に戻ってからも売りやすいというようなお話も含めまして、さまざまなご提案をいただいております。こういったことで、場内事業者の方々には非常に熱心に議論していただいておりまして、今年度中には施設の方向性がほぼ固まるものと考えてございます。 ◆福田浩太郎 委員  北側駐車場の有効活用について、本格的な検討が開始されております。今後の市場の行く末を左右する事業であると思います。関係事業者と十分に検討、議論を重ねていただいて、堅実に進めていただきたいと思います。  また、さきに質問させていただきました仲卸業者に対する支援についても、今後は、実態に即した分析を行い、助言していただけるということでございます。市場の中で実際に小売店等に販売しているのは仲卸業者の方々でございます。10年前から減少したとはいえ、市場の取り扱いは平成24年度決算において年間42万4,300トン、1,618億円ございます。販売先も量販店から小さな小売店まであり、市場にはこれらの方々が少しでもよい品を求めて買い出しに来る姿があります。そういう意味では、仲卸業者の役割は大変重要であり、仲卸業者によって私たち札幌市民の豊かな食が維持されているのだということを日ごろから感じております。また、私は、市場は働き者の集まりだと、常々、感心しております。  今後とも、開設者と業界が一体となって活気のある明るい市場づくりを進めていただくことを要望して、質問を終わります。 ◆木村彰男 委員  私は、端的に、中央卸売市場の経営改革プランの進捗についてお聞きします。  資料をいただいておりますが、市場では、平成23年から平成32年までの10年間、この計画を経営活性化プロジェクトという形で実施しております。これは、先ほど別な委員から出ましたが、平成28年度に資金ショートを惹起するかもしれないという危機感を回避していこうというところから出発していると認識しております。そして、今出ておりますように、卸売業者や仲卸業者の方々が立案した札幌市中央卸売市場活性化ビジョンという別なものがありますが、それと呼応する形で両輪のごとく展開していき、それによって危機を回避しようというふうに考えられます。  こうして2年やってきましたけれども、とりわけ平成24年度の決算におきましては、その評価が高く出ているものと、そうではないものがあります。私が見せていただいた限りでは、市場協会負担金の削減はいいように思っております。反対に、数字が悪いものとしては空室解消対策の実施があります。とりあえず、今、二つを挙げさせていただきました。うまくいっているものについてはその理由を、悪いものについてはなぜうまくいっていないのか、どうすれば改善できるのか、それをお知らせください。
    ◎元木 中央卸売市場長  まず、うまくいっているものとして、市場協会に対する負担金の削減ということでございました。  これは、市場内の交通、防犯などの業務については市場協会がやっておりまして、そこにかかわる経費を開設者が5割、業者の方々が5割を負担しております。これらの業務について、経費の削減、また、人員の配置を見直すことで私どもと業者の負担金を削減するということでございまして、平成24年度から順次実施することとしております。プランでは、24年度においてはその効果額を200万円と見込んでございまして、それに対する実績としては約1,100万円ということで、900万円の効果額のアップにつながってございます。  うまくいった理由でございますが、今お話ししたとおり、市場協会と私どもで経費節減に関していろいろと協議させていただきまして、業務体制の効率化を前倒しして行うなど、非常に積極的に取り組んでいただいた市場協会の努力によるものだと思ってございます。  一方、うまくいっていないものでは空き室解消対策の実施がございます。  これは、プランの策定時におきまして、空き部屋となっていた事務室が7室、保管庫が2室ございましたので、これを全て埋めようということで、それによる効果額を2,200万円見込んでございました。それに対しまして、今年度の見込みでは事務室が3室、保管庫が2室の貸し出しで、効果額としては約半分の1,100万円にとどまってございます。  また、うまくいっていない理由でございますが、空き室を解消するために、私どもは札幌商工会議所等の各種団体に対して利用あっせんの個別訪問などを行っておりましたけれども、対象や、それ以外の手法が十分ではなかったと、結果を見るとそのようなことを感じております。 ◆木村彰男 委員  一生懸命に取り組んでいらっしゃるのではありますが、私は、取扱高の減少は今後とも続くという認識でございます。したがって、取り扱いで収益を上げて本業でこれを回復していく体制がとれず、今おっしゃったような合理化といいますか、内部のご努力だけに頼る限りは、正直、限界があると私は考えております。つまり、現在の経営改革プランでは、早晩、行き詰まると見ております。そこで、5年たったら見直すと書いてありますが、私は、5年を待たずして見直していかなければならないという認識です。そのためには、先ほど出ていましたが、22名の職員を含めて、市の中央卸売市場に対するかかわり方として、従来の考え方を抜本的に改めるような改革を――極端なことを言えば、この間、場長とも指定管理の問題をお話ししました。そういうことまで踏み込んだ形でやっていくか、さもなければ、現在の市場の会計基準を改めるような思い切ったことをしなければならないと思います。  そうしない限り、私はこの改革は行き詰まると考えておりますけれども、場長のお考えをお聞かせください。 ◎元木 中央卸売市場長  今後、改革プランをどうしていくのか、プランが破綻することが想定されるのであれば、それに対してどう立ち向かっていくのかということでございます。  まず、プランの見直しに関しては、今、委員のお話のとおり、5年後としておりました。一方、これまで、るるご答弁させていただきましたとおり、今年度で既に20項目中19項目をやっておりまして、中にはうまくいっていないものもありますが、逆に言うと、ある程度結論が出てきております。また、うまくいっていないものについては、さらに努力する余地がございます。こういったことから、平成25年度の実績なり決算が出た時点で、早目に見直しに着手していく必要はあるのかなと感じてございます。 ◆木村彰男 委員  大手の量販店などは、市場を通さず、生鮮食料品を産地から自分のところに直接的に仕入れるとか、消費者も、インターネットによって生産者から物を直接買うということは、市場の中では全く想定しておりませんでした。しかし、今、それがどんどん現実化されて、中央卸売市場の存在価値が少しずつ失われているというのが私の認識であります。  ことし8月末に、名寄市において自己破産した市場がありました。このとき、農家の方々と青果物の取引があって、132名の方が約2,500万円の債権を持ったまま払い切れなくなることが生じた事案がありました。もちろん札幌市ではそんなことはないのですけれども、そのような事態に陥ったときに、札幌市がその補償をしたり農家の方々に生産物のお金を支払うようなことは起きてくるのでしょうか、お聞かせください。 ◎元木 中央卸売市場長  卸売業者が破綻した際に、出荷者といいますか、生産者に対する債務の補償ということだと思います。  これに関しましては、私どもの札幌市中央卸売市場業務規程という条例の中で、卸売業者については本市に保証金を預託していただくことになっております。また、同じように、その業務規程の中で、保証金については、販売を委託された生産者に対する債務を優先的に弁済するものとして業務規程で定められております。さらに、一部の卸売業者におかれましては、債務不履行時の損失補償に充てるため、直接、生産者に対して保証金を預託しておられる卸売業者もいらっしゃいます。そうしたことからいたしますと、卸売業者が破綻したとしても、生産者への被害は最小限に抑えられるものと考えてございます。 ◆木村彰男 委員  先ほど別な委員から出ておりますように、経営も大変厳しい中にあって、結局、生産者の方々は市場を通すことによって、間違いなくお金が入ってくることが担保されているから市場を通しているわけです。私がいつも申し上げていますように、インターネットで商売していると、物を売っても必ずお金が入ってくるかどうかはわかりません。その人に信用があるか、お金を持っているかはわからない。しかし、市場を通せば間違いなく生産者にお金が入ると。そういう担保がなければ市場を通す意味がないのであります。ですから、これを確実にする限り、私は、そこにおいては市場の生き残る道が残っているという論なのです。  そこをきちんと担保した上で、きちんとガードを固めてこのプロジェクトを推進していくと。そして、今おっしゃったように、当面は私も見守りたいとは思いますが、場長にお約束していただいたいろいろな改善のプロジェクトについては、次回以降もしっかりと見せていただくということを申し上げて、私の質問にかえさせていただきます。 ○細川正人 委員長  以上で、中央卸売市場事業会計決算の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回は、24日木曜日午後1時から、観光文化局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後9時13分...