委 員 小 形 香 織 委 員 伊 藤 牧 子
委 員 松 浦 忠 委 員 堀 川 素 人
委 員 木 村 彰 男
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開 議 午前10時
○細川正人 委員長 ただいまから、第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、
勝木委員、
小竹委員、
猪熊委員からは欠席する旨、また、
山田委員、
堀川委員からは遅参する旨、それぞれ届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第7款 土木費 第1項
土木総務費、第2項
道路橋りょう費及び
駐車場会計決算のうち関係分について、一括して質疑を行います。
◆
坂本恭子 委員 私は、
駐車場会計にかかわって質問したいと思います。
まず、今年度、
業務委託先がかわりました。それ以前は、6年間、同じ業者が
北口駐車場の
運営業務を受注しておりました。入札ではありますが、今回、どうしてこの業者が受注できなかったのか、この点についての経過報告をしていただきたいと思います。
◎堀江
維持担当部長 ただいまの件ですが、この業者につきましては、本年度の入札時期に
入札参加停止処分を受けていまして、今年度は参加することができなかったということでございます。
◆
坂本恭子 委員
入札参加の
資格停止になったということですが、なぜ
入札参加の
資格停止の処分に処せられたのか、この点についての報告をお願いします。
◎堀江
維持担当部長 なぜ
入札参加停止になったのかですが、これは、
北口駐車場の管理をしている従業員が駐車料金の
不正利用をしたことが発覚いたしまして、その事実確認をした上で、本年2月21日から4月20日までの2カ月間の
参加停止となりました。
◆
坂本恭子 委員 管理業務に当たっていた方が
北口駐車場を
不正使用していたことが発覚して
資格停止処分になり、今年度は受注することができなかったということでよろしいですね。
この不祥事、
不正使用は、どういうことで表沙汰になり、発覚したのでしょうか。本市が調査あるいは監査を行って出てきたということなのでしょうか。
◎堀江
維持担当部長 発覚した経緯につきましては、
不正利用していた方と同じ職場の方からその会社の社長に
内部告発というのでしょうか、そういう形で報告があったそうです。それを受けて、私どもには受注者から報告が来まして、事実確認をさせていただいた結果、先ほど言ったような経緯に至りました。
◆
坂本恭子 委員 わかりました。
内部告発があって発覚、露見したということですね。本市の指導や
管理監督下で明らかになったのではないということをまず確認させていただきました。
そこで、こういう不祥事があり、
資格停止処分になるわけですけれども、この職場にはもっと深刻な問題があったということです。
私どものところに寄せられた労働相談ですが、
北口駐車場が建設局の所管になってからこの企業がずっと受注しておりますけれども、その間、お仕事をずっとされている方です。夜勤専門でお仕事をなさっており、15時間勤務で休憩時間が1時間です。仮に仮眠時間が4時間でも10時間の労働です。しかも、深夜、早朝の時間帯になります。当初、日給が7,000円で募集がありました。6年間、同じ金額で働き続けていました。この方は、
割り増し手当が出ていないのではないだろうか、
最低賃金はどうなっているのだろうかという疑問を持たれました。実際に、時間給に置きかえると、
最低賃金ぎりぎりで、
割り増し賃金は支払われていないような状況になるのだろうと思います。
まず、こういう実態があったことについては、どう受けとめられるのか、伺いたいと思います。
それから、この方は、最賃割れではないかということで
労働基準監督署へ相談に行きました。そうしましたところ、賃金の問題もさることながら、シフト表から見たら、休日は1日ももらっていないことになりますよと指摘されました。6年間、法律に基づく週1日の休日を1回もとっていないということで、労基署の職員もびっくりしたという話であります。
このような異常な働かせ方があったということです。実労働時間数で換算すると
過労死ラインを優に超えているところで仕事をしていたと言えると思うのですけれども、今の相談内容をお聞きになってどういうふうにお感じになりますか、伺います。
◎堀江
維持担当部長 ただいまの件につきましては、私どもも、昨日、そこの会社の
代表取締役から聞き取りをいたしました。
代表取締役からの話では、仮眠時間並びに休憩時間については、被雇用者の方と会社側のほうで見解の相違があったというふうに私どもは報告を受けております。その見解の相違があったことをお互いにお話しして、過去にさかのぼって会社で精算したという報告を受けております。そして、精算した後に、被雇用者と新たに休憩時間とか仮眠時間の取り扱いをお互いに承諾した上で、去年の秋口の話ですけれども、その後、3月まで新たな
雇用契約を結んで和解したという報告を聞いております。
また、休日をとっていたかどうかは、私どもでは聞き取りをしませんでした。
◆
坂本恭子 委員 仮眠時間、休憩時間について、事業者と働く労働者、労使間で見解の相違があった、そこで、双方が歩み寄ってさかのぼって精算するということですね。ただ、6年間にわたってこういう働き方があったということです。また、過去にさかのぼっての精算は、法律に基づいて2年間しかさかのぼれません。ですから、そこで2年間の
未払い金の賃金の精算があったと私も聞いております。
部長は、
未払い賃金についての精算を行ったという話を
事業者側から聞いているのだと思いますけれども、その
未払い賃金の内訳がどういうものであったのか。また、休日については、労基署からも指摘されて、1日もとっていないということでした。これについては、先週の金曜日の時点で、きょうの質問はこういう内容になります、こういう相談を受けていますとお話をしましたから、そこから数日経過して、きのう、聞き取りをしたということでありますけれども、休日をとっていないということは大変なことだと思うのですよ。休日をとっていないかどうかということも聞き取りはしていないということですから、私は、この間の市の対応は全く不十分だと思います。まず、事実をきちんと確認すべきだったと思うのですけれども、適切に対応してきたと部長はお考えでしょうか。
それから、
未払い金の精算ということで事業者から説明を受けたということでしたけれども、雇用されている方が、労基署からこういう指摘があったということで会社側に申し入れするといいますか、請求します。そうすると、先ほども申し上げたように、時効にならない2年分についてさかのぼって
未払い金の賃金を一括で口座に振り込んできたと。私は、見解の相違というよりも、明らかに違法な働かせ方があったから、すぐに入金というような行為に出たのではないかなと思います。そういう点もきちんと聞き取りはしたのでしょうか。
また、この事業者から
未払い金の精算についての報告はきちんと受けていますか、伺います。
◎堀江
維持担当部長 聞き取りに関しましては、私どもがこの情報を知り得たのが遅かったものですから、きのうしか時間がなくて、詳細にわたっての聞き取りはしておりません。仮眠時間、休憩時間の見解の相違というのは、きのうの聞き取りの中では、仮眠時間と休憩時間を拘束時間、労働時間に入れるか、入れないかということだったと聞いております。それによって
最低賃金を割るか、割らないかということになるそうですが、会社としては労働時間に入れないということで、結局、最初の契約の段階でお互いにその辺の確認が薄かったので、会社は支払ったというふうに聞いております。
それから、この辺について適切に対応したかどうかということにつきましては、私どものほうではまだまだ事実確認が不足しておりますので、今の段階ではどちらかというのも非常に答えづらい部分があると思います。
◆
坂本恭子 委員 詳細に聞き取りはしていないということです。部長ご自身も不足しているというご答弁がありましたから、ここについてはしっかりと聞き取りをすべきと思います。それから、答弁をいただいておりませんが、当事者からの報告はもちろん来ていないという理解でいいわけですね。
きょうは、市長にも出席していただきました。事実関係については大体把握していらっしゃると思いますが、今のやりとりを聞いていて、市長はこの事態をどういうふうに受けとめているでしょうか。今は確認の途中という言い方をされましたが、こういう働かせ方が本市の
業務委託をしているもとで現にあるということですから、ここについてどういうふうに認識を持たれているのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎上田 市長 私も、きょう、事実関係をお聞きしたところですので、明確な形でなかなかお答えできないところはありますけれども、私どもが発注して仕事をしていただいているところで働いておられる皆さん方が、
労働基準法で定められた労働時間を適正な賃金で働いていない状況、あるいは、苛酷な労働状況にあることについては、大変遺憾なことだと思います。
私の記憶ですと、私が市長に就任する前に、休憩時間あるいは仮眠時間は労働時間にどういうカウントをするかという争いで最高裁の判決が既に出ていたように思います。それは、寝ているからいいではないかではなく、いかに使用者の意思が支配・従属関係にあるかということをもって基準にするべきだという判決だったと思います。それ以降、厚労省も、その判決に従って、さまざまな事業所に対しても指導し、あるいは、
労働基準監督署を指導する立場でやってこられていたと思います。ですから、今回の事例は、実態をもう少ししっかりお聞きしなければなりませんが、駐車場の管理ということで、いつお客さんがおいでになるかがわからない中で適切な対応をしなければならない状況であるとすれば、労働時間にカウントするのは10年以上前から多分定説になっていたのではないかというふうに思いますので、そこを違う取り扱いにしていたということは大変遺憾なことであろう、そういうふうに考えます。
市の監督というものがどのようになされるべきかについては、今、
公契約条例の議案を提出させていただき、多くの皆様方に札幌市の考え方をお示しさせていただいているところでありますが、本当に最先端で働いておられる方々が適切な
労働環境におられるかどうかは、私たちの税金の使い方の問題として非常に大きな関心事でなければならないというふうに思っているところでございます。そんな意味で、全てに厳重な管理をすることは実務としてなかなか難しいところはありますけれども、契約を更新する際には、
労働実態がどうであるのか、
労働環境がしっかり保たれているのかどうか、市民の皆様方のとうとい汗と血の結晶である税金を使わせていただいて業務を遂行し、そして、それが働いておられる方の生活の糧に回るという大きな市税の使い方の目的をしっかりと実現できているかどうか、そういう視点でさまざまな
契約関係を見て、さまざまな調査もさせていただきたい、そのように考えているところでございます。
◆
坂本恭子 委員 今、市長からお話がありまして、苛酷な
労働実態があることについては非常に遺憾だということ、それから、見解の相違だというお話がありましたけれども、休憩時間は独立して食事をとったりとか本当に休息として使えますが、仮眠時間は労働時間にカウントすべきという判例も出ているというお話もありましたように、命令・指揮下に置かれているわけです。何かがあったときには対応しなければならないということですから、これは完全に職場に拘束されているという理解でなければならないと私は思います。ですから、見解の相違という
事業者側からの言い分をうのみにせずに、きちんと公正な目で把握していっていただきたい、
実態調査をやっていただきたいと思っております。
市長は、今、適切な働き方は市民にとっても重大な関心事だとおっしゃいました。それから、市が発注している仕事に携わっている労働者は、市民の血と汗による税金から支払われているものだから適正に執行されなければならないというお話もありました。ところが、一方で、
労働実態を掌握することは実務として難しいというお話もされたと思います。
一番最初に報告を求めたように、駐車場での
不正使用は、
内部告発で明らかになりました。そこで働いている方からの詳細なデータや証拠がなければ、札幌市としては把握できなかった、そして、
不正使用された金額は200万円近いと記憶していますが、それが市民の血と汗を無駄にしてしまう金額につながっていくわけですけれども、これも
内部告発だったということです。今のお仕事の内容、働き方も、働く方の側からの告発ということですよ。結局、本市の発注者として
管理監督責任が果たされていない、機能が働いていないということだと思うのです。市長は実務として難しいとおっしゃったけれども、ここはしっかりとやっていく必要があるのではないかと思うのです。
この点については、今後はどういうふうに対応していくべきものとお考えなのか、伺いたいと思います。
◎宮浦
建設局長 ただいまお話がありました件についてお答えしたいと思います。
私どもの発注している業務関連の中で違法な状態がないように、改めて、法令の遵守を徹底するように指導してまいりたいというように考えております。
◆
坂本恭子 委員 法令の遵守を徹底してまいりたいというのは当たり前のことです。
私は、契約書の写しを頂戴しました。先ほど、この賃金の
未払い請求について、
事業者側から報告はあったのかと伺ったところ、具体的な答弁ではありませんでしたが、報告はなかったということであります。
不正利用をしていたとてんまつ書を書いているわけですから、この段階で、同時期に
賃金未払いの請求があり、労働条件、
労働実態に見合わない賃金の支払い方しかしていないので、これについては、みずから報告することがあってしかるべきではなかったのかというふうに思います。
そういう意味では、法令の遵守というお話がありましたが、これは札幌市が交わす契約書のどれにも入っているものだと思いますけれども、札幌市契約規則及び
労働基準法、
労働組合法、
労働関係調整法、
最低賃金法、その他
関係法令を遵守するものとする、こういうふうに書かれているわけです。それでは、局長、今まで、この
法令遵守という項目は守られてこなかった、徹底されてこなかったということなのですか。今のご答弁の裏返しだとそういうふうに受け取られますけれども、どうでしょうか。
◎宮浦
建設局長 私どもは、原局が発注している工事とか業務の中で、現在の仕組みとして、実際に事細かにこちらから違法状態がないかどうかを確認する手だてはなかなかありません。ですから、約款上も、報告義務というものも書かせていただいているところでございます。
改めて、いろいろな事態が起きる中で、我々が関知することについては対応させていただきたいと思いますけれども、先ほど市長からお話もありましたが、確認することもなかなか難しい局面があることは現実問題としてあるかというように考えております。
◆
坂本恭子 委員 そこは、是正していかなければならないと思います。
市長は、先ほど、
公契約条例のことなども例に出しながら、これからきちんと体制をつくっていく必要があるだろうというご認識も表明されたというふうに思います。私は、今回、
資格停止処分を受けた事業者、ここで働く労働者の問題をたまたま取り上げていますが、この会社だけの問題ではないというふうに思っています。今、局長がおっしゃったように、実質的に全ての
労働実態を掌握するのは難しいということで、非常に煩雑でもあるし、大変ですから、
法令遵守という契約の一項があったとしても、それが本当に守られているか、守られていないのか、違法な
労働状態があるのかどうかが調査できていないということですね。これは、しっかりと取り組んでいかなければならない問題だと思います。労働者の権利が守られていないという実態を放置することはできない、看過することはできないと思います。
例えば、労働者としても、そもそも法律にどういうことがうたわれているのか、労働者にどういう権利があるのかということを知らない、わからずに来ている人がいる、また、時間もきついし、お給料も安いし、どうも手当もちゃんともらえていないようだ、でも、それを上司に言ったらやめさせられるかもしれないと。この方は契約社員ですから、1年たったら
雇用契約はなくなります。ですから、次の期間を延長してもらえないのではないかという不安があります。また、年齢を問わず、この仕事をやめたら次の働き場所を見つけられない、仕方がないからここにしがみついていなければならない、こういう方たちがたくさんいらっしゃるということなのです。とりわけここの会社という意味ではないですが、実際に調査や網かけがきちんとできていないのですから、私は、そういう気持ちにつけ込んだ異常な働かせ方、やり方が横行していると言わざるを得ないだろうというふうに思います。
改めて、今回の駐車場の
運営業務の委託なども含めて、建設局の発注金額、契約件数は多いですから、建設局として、こういう事態があったことを踏まえて調査すべきだと思うのですけれども、この点についてはどういうふうに対処なさいますか。
◎宮浦
建設局長 同様なことがないように、改めて調査させていただきたいというふうに思います。
◆
坂本恭子 委員 今、局長はちゃんと調査をするということでしたから、徹底して行っていただきたいと思います。
この事業者に着目してお話しすると、建設局、水道局、総務局、環境局、
教育委員会、交通局、病院局、
保健福祉局、さまざまな分野にわたって業務を委託されております。きょうは、
管財部長にも出席を願いました。建設局では調査をするという局長からの答弁がございました。そこで、
管財部長のお立場で、こういう事例がほかにもないのか、調べるべきだというふうに思います。それから、先ほども申し上げたように、6年間、同じような働き方をしていました。法律上の時効がありますから、
未払い金請求となると2年間になりますが、時効が成立するであろう2年間に着目するのではなく、もっとさかのぼって
労働実態の把握、掌握をすべきだと思います。
管財部長のお立場で、各局、関係部署に対して調査の依頼、調査項目の洗い出しなどをするべきだと思うのですけれども、いかがでしょうか。
◎木村
財政局管財部長 関係法令の遵守確認につきましては、業務履行に当たりまして疑義が生じたときや関係人からの申し出があったときに確認を行うこととしております。
今の業務に関しましては、事実関係がまだ不明な点もございますけれども、他の業務で発注をしている課からこういった調査が必要であるというような事実等についての相談は、今の時点では、私どもにはございません。そういった中では、全庁的な調査については現時点では考えていないところでございます。
◆
坂本恭子 委員 申し出があった場合にと、そして、今、相談はないからやる気はないということです。
最初に申し上げたように、今回の駐車場の
不正利用については、
内部告発があって露見をしたということです。そして、今回の異常な働かせ方も、ご本人からの告発というか、申し出があってこういう形で取り上げているわけです。事業者としては、時効に当たる2年前にさかのぼって
未払い金ということで精算したと言っているわけですが、これについてはもっと調べてほしいと部長と局長にもお願いしたところです。
結局、先ほど申し上げたように、働く人たちが無権利状態に置かれている可能性があるときに、私は、管財部としてきっちり対応していかなければならないと思いますよ。札幌市が
業務委託をして事業者にやっていただいている仕事、そこで働いている人たちが極めて苛酷な
労働状態に置かれているということです。市長も、これについては遺憾であると先ほど答弁されました。これが氷山の一角で、これ一つしかないということではないと思うのですね。そういう立場に立ったら、当然、再発防止はどうするのかということ、そのためにも、まず
実態調査をやると。
管財部長が全部の仕事をするわけではないですから、関係部局に通達、通知を出す、これは、全部が無理だったら抽出でも取っかかりとしてやっていくべきだと思います。今回は、夜勤、警備業、巡回業務というところで起きていますから、例えば、この業種に限ってでも、今、
業務委託をしているところに通知を出す、調査をかけることはあってもいいのではないでしょうか。
部長、お答えください。
◎木村
財政局管財部長 今の業務に類似するものに関してそういう調査があってもいいのではないかというご指摘でございますが、まだ事実関係が不明な点もございますので、そういった点も確認しながら検討してまいりたいというふうに考えております。
◆
坂本恭子 委員 今回の個別の事例について、まだ事実関係がはっきりしないので答えられないということですね。
それでは、改めて、まず、議会に調査の詳細な報告をしていただきたいこと、それから、建設局の中では調査をしていくというお話がありましたから、それを踏まえて、
管財部長として、全庁的に抽出あるいは全体の調査をやっていく、この方向性を確認させていただきたいのですが、その点はそれでよろしいですか。
◎木村
財政局管財部長 まず、建設局の状況を確認した上で検討してまいりたいと考えております。
◆
坂本恭子 委員 今、働く皆さんは本当に大変な思いをしていると思うのですよ。それは、市長の答弁と同じ気持ちです。苛酷な
労働実態が現にあるということ、そして、働く方たちから告発、事実の表明があったことに対して、遺憾に思うということを
発注責任者である市長がみずから語られたわけですよ。そして、見解の相違だと言っていた仮眠時間についても、命令・指揮下にある、拘束時間だということで、これは労働時間の中に入るのではないかという見解も表明されたわけです。
これから詳細な聞き取り、事実関係の確認ということはもちろん必要です。これは、しっかりやっていただかなければなりません。まず、建設局でそれをやる。そして、それを受けて管財部ということになっていますけれども、私は、そんな悠長なことで、
管財部長も市長も札幌市民のために働く労働者の環境を守っていく立場に立ち切れるのかと思いますので、これは、市長に改めて伺いたいと思います。
◎上田 市長 先ほども申し上げましたように、今の日本全体もそうでありますけれども、貧困問題が非常に鋭くある状況の中で、働いている皆さん方、経営されている皆さん方が幸せな環境になければなりません。それは、お互いに守るべきルールをしっかり守っていく、そして、仕事をして、生産活動をして、地域に貢献し、豊かな気持ちになれる社会をつくっていきたい、それは誰も反対する者がいないというふうに思います。ただ、さまざまな競争の中で、どこを切り詰めて競争に打ち勝とうかということで、本当にルールなき戦いになりがちな状況にあることも事実でありまして、その弊害がさまざまな形で出てきているのだろう、こんなふうに思います。
そこで、労働組合などが、労働者の皆さん方が自分たちの
労働環境を守るために使用者との関係を対等にして、労働条件、
労働環境をしっかり保っていこうという考え方でやっておられるわけでありますが、組織されていない労働者の皆さん方はそれをなかなか言いがたい状況の中で、かなり深刻な
労働環境が進行しつつあることは否めない事実だろうというふうに思います。
そこで、私どもは、公契約ということで、本当に、市民の汗と涙の結晶であります税金を使って、全体の市の利益になる仕事をしていただき、そして、そこで働く方々が幸せな気持ちになれる、そういうふうになることが大事なことだろうと思って、声を出すことができない方々についても
労働環境が保たれるものにしていきたいという政策的な課題、問題意識を持ちながら、今、お願いさせていただいているところでございます。
そういった意味で、今回はその一つのほころびというもので、実態はもう少しお聞きしないと断定的には申し上げられませんが、お聞きしている範囲においては、労働時間の解釈についての認識が浸透していない中で起こった事案だろうというふうに思います。また、こういうことが長年続いていたというのであれば、札幌市が市民の皆さん方の税金を使わせていただいてお願いしている仕事で、泣きながら仕事をされている方がほかにもおられるかもしれないことは、当然、心配してしかるべきだろうと思います。技術的にどこまでできるかについてはさまざまな限界も持ちながら、しかし、一つの事件が和解したことで終わらせるのではなく、やはり、それを契機にして、同じような状況にある方々についてはぜひ認識を改めていただきたいし、労使の間のいい関係をつくっていくために札幌市が汗をかいてしかるべきだろう、私はそのように思います。
具体的には、今後、原局と相談させていただきながら、どういうことができるかということも含めて検討させていただきたいと思います。
◆
坂本恭子 委員 幸せな
労働環境というふうに市長が最初におっしゃいました。そういう理想的な
労働環境を求めつつも、やはり、声を上げることができない人、泣いている人がいるという実態についても思いをはせていらっしゃったと思います。市長の言葉をかりると、これだけ景気が厳しい中ですから、札幌市ではルールなき戦いが事業者間で行われていることも事実としてあります。
しかし、ここは、やはり札幌市の発注者責任を重く受けとめていただいて、あってはならないことが現に起きていることが明らかになりつつあるわけですから、ここについての事実解明はしっかりとやっていただきたい。真摯にこのことを受けとめ、実態を把握し、是正すべき点は是正していく、これは、全庁的に取り組んでいっていただきたいということを申し上げて、終わります。
◆堀川素人 委員 私からは、今後、電線類について、札幌市はどういう方針で行政を進めるのかということを確認してまいりたいと思っております。この質問は、私は、平成14年から始めて、16年、17年とこのことをずっと言い続けておりまして、今はどうなっているのかと確認しながら質問してまいりたいと思います。
まず、札幌市には、現在、札幌市が管理する道路にどのぐらいの本数の北電柱やNTTの電話柱があるのか、ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
◎中塚 総務部長 札幌市内における北電とNTTの電柱がどのくらいあるかというご質問でございます。
約19万2,000本ございまして、北電が11万7,000本ほど、NTTが7万5,000本ほどでございます。
◆堀川素人 委員 これは、そちらからいただいている資料ですが、平成22年の3定と書いております。なぜ22年3定と書いてあるかはわかりませんが、きっと22年の資料なのでしょう。それにはそのぐらいと書いていますけれども、現在も変わらないのですか。今聞いたのは、今言う22年から23年、24年、25年と、25年は途中ですが、ふえているのか、減っているのかということを聞きたいと思います。
◎中塚 総務部長 その当時と本数がふえているのか、減っているのかということでございますが、基本的にはそのままでございます。
◆堀川素人 委員 これは、確認した数字なのでしょうか、それとも、確認しないで言っている数字なのか。確認したとするならば、一番新しいものではいつ確認しているのか、お聞きしたい。
◎中塚 総務部長 19万2,000本につきましては、先ほどお話がありましたように、平成22年のときの数字でございます。ただ、電柱が新たにふえる場合には道路の占有等で確認しているはずでございますので、基本的に大きくは変わっていないと判断しているところでございます。
◆堀川素人 委員 大きく変わっていないという根拠はどこにあるのでしょうか。いつ調べた根拠なのでしょうか。
◎中塚 総務部長 道路占有ごとに数字を把握しているわけではございません。
◆堀川素人 委員 なぜ、こういう聞き方をするかといったら、議会のこの場だけの答弁で過ごしてしまう。何となく、ああ、そうなのですかと聞く。でも、実際に調べていないものならば、調べていないと。そして、必要だとするならば、後日調査してお答えしますとか、こういうふうな確実な答えをここでやりとりしなければだめなんですよ。いつもそうなんです。
そこで、改めて聞いたら、平成22年のものがあったと。だから、これでもって答えている。僕は、多少はふえているのではないかと思いますよ。そうするならば、今後の電柱行政のあり方はどうすべきかということも、ふえている、なぜふえているのか、それはどうすればいいのかという問題に発展するわけで、いいかげんに答えたらだめですよ。まずは、そのことをきちんと言っておきます。
そこで、おたくからもらった平成22年の資料によれば、当時、14年、15年、16年と質問をする中で、歩道の真ん中に電柱があるのではないかと指摘しました。そして、調査すると言って、調査して、それについては早急に善処するという中で、一番先にしなければならない数として出したものが350本あった。これには生活道路と言われる8メートル以下の道路は含まれていないのです。この計算から言いますと、9.09メートル以上の広さの道路についてだけ調べても350本あったと。そのときに、4段階に分けて僕のところにこの資料が来ているのです。この資料はあなたのところからもらったものです。この資料は、きのうの段階でどこにあるかがわからぬ、あるのかないのかもわからぬということでした。調べた結果、どうだったのですか。あったのですか、なかったのですか。
◎中塚 総務部長 昨日、議員から資料について求められておりましたが、今のところ、まだ見つかってございません。
◆堀川素人 委員 僕は、これを10年間持っているのですよ。これが僕のところに届いた当時の資料です。これに基づいて改善していくと。これがなかったら、当時の言ったことが実行されるわけがないじゃないですか。どうしてそんなにでたらめなのか。
それから、350本あったと言われている第1分類になるものは253本を改善しました、残りは97本ですというふうに書かれています。97本残ったものは、平成20年の段階です。平成20年から、今は平成25年、5年間全く手がついていない。第1分類として最も改善しなければならぬものが、5年間手つかずで97本がそのままになっている。どうしてなのか、教えていただきたい。
もう一つは、先ほど言った私にくれたこの資料は、どうして簡単に――行政の連続性という言葉がありますが、これを確保する意味でも、引き継ぎもされないままこの資料がなくなるというのはどういうことなのか、しっかり答えてもらいたい。
◎中塚 総務部長 まず、前段の平成22年の時点で残っている97本について、なぜ進んでいないのかということでございます。
委員がおっしゃられたように、狭小の歩道の中くらいに立っている、邪魔の度合いの非常に大きいというか、歩行に支障があると思われる電柱類350本を、当時、調査いたしました。電線というのは、もともと、札幌のまちがどんどん広がっていく中で、地域に電気をできるだけ早く進めたいということがあって、民地等に置くことはいろいろな問題もあったのだろうと思います。そこで、札幌市が道路の端のほうに占有させてあげようということで置いたのが恐らく始まりだと思いますが、歩道整備がされる中で、当初は整備する前の道路であれば端にあったものが、整備された後に歩道の比較的真ん中あたりに立ってしまっているような実態があるのだろうと思います。
その350本のうち、97本について手がつけられなかったのは、一つには、地下に埋設物がございます。電柱は1本30センチほどの太さではございますけれども、実際には上部も大きいこともあり、下のほうもかなり広がりがございます。そういったことで、地下に、例えば下水、上水、ガス管といった埋設物がある場合、それを動かすことによって、そこの道路に入っている管全体を切り回ししなければならないという物理的な難しい部分がございます。あわせて、地先の市民の方、例えば、今、狭い歩道に立っていることになりますと、場合によっては、市民の方の塀など地先の状況を変えてもらわなければならない状況も出てまいります。そういった部分については、なかなか力づくでということはできません。今、一部にお話もありましたが、こういった道路占有物については私どもが占有許可を出しているものでございますから、本来は移設することになりますと、その移転補償を札幌市で払わなければなりません。しかし、当時、NTTや北電の協力をいただいて、NTTや北電の負担で何とかお願いしたという経緯もございます。そういった中で進めてきましたけれども、97本については、先ほど申し上げましたように、地先のご了解がいただけなかったり、あるいは、地下の埋設物の切り回し等で膨大な経費がかかることもございましたので、それ以上は進められませんでした。その後については、道路の改善、歩道の整備などの工事に合わせて整備していこうということで、それ以上は進まなかったということでございます。
また、後段の資料が出てこなかったことにつきましては、
堀川委員がこの場でご説明するのに間に合わなかったことについては申しわけなく思っております。引き続き、探してまいりたいと思います。
◆堀川素人 委員 まず、97本が残っているということですが、この場でもって、調べもしないで適当に答えたらまずいですと一番先に申し上げました。今の97本についても、調べた結果なんですか、どうなんですか。
◎中塚 総務部長 私のほうで、あるいは、今の道路管理課で、昨日調べたということではございません。
◆堀川素人 委員 昨日調べたらどういう状況なのかはわからぬじゃないですか。わからぬのに、地下に何かがあるだとか、庭の塀をどうしなければならぬとか、具体的にそういうことがあって進まないのですか。そうじゃないでしょう。
この97本がどうなっているのか。そもそも、あなた方の電柱行政、電柱を立てさせること、許可することから問題があるのですよ。今までに、例えば北電からでも、NTTからでも申請があったと。どの場所に立てたいということが明確になって図示されて、あなた方のところに出てきて、それを現地で調査し、立つ電柱がきちっと真っすぐ立っている、これは当たり前のことで、これは北電などの事業者の責任ですよ。立てた後に――歩道は電柱を立てるための場所ではないのです。人が歩くための場所なんです。車椅子の障がい者も通るでしょう。そうした場合、立てた後に支障がないのかどうか、少なくともこういうことを確認して許可しなければならないでしょう。
そのほか、道路法では何と書いてありますか。当たり前のように歩道に電柱を立てていいと書いていますか。そうじゃないでしょう。そうするならば、立ててだめなところに立てるわけですから、許可する場合にしても、きちっと検査をするなり調査をして、今後に支障がないかどうかを確認し、そして許可しなければならないのに、この間、どれだけの調査をしているのですか。
きょうも、ある土木センターに行ってきました。調査をしていないんですよ。そして許可を出すから、地下に何かがあったじゃないんですよ。事業者とすれば――いいかどうかは別ですよ。つけやすいところにつけたいという気持ちが働くのは当たり前じゃないですか。だから、管理者として、札幌市としてチェックしなければならぬ。そのチェックがなされていないじゃないですか。だから、350本も、こういう立ててはならぬところに立っているわけですよ。それが、今は97本残った。5年間、何も手つかずのままで残っている。どうしてなんだと聞いたら、こういうことがあるかもわかりません、ああいうこともあるかもわかりませんと。調べていないで、ここでもって答えるというばかな話があるか、本当に。だから、僕は、こうやって時間を置いてあなた方に質問しているんですよ。
◎坂倉 厚別区土木部長 私どもの厚別区でも、入札不調が2件ございました。これも、人手不足かどうかというところまでは突き詰めておりませんが、ございました。
また、警備員が幾らもらっているかという話ですけれども、私が直接的には聞いておりません。
◎前川 豊平区土木部長 豊平区につきましては、入札不調ということでございますれば、生活道路等で2件ございました。
また、警備員の時給等については、私は把握してございません。
◎紙谷 清田区土木部長 1点目の先送りの工事については、清田区ではございません。
それから、警備員の実勢の単価についても直接把握したことはございません。
◎八柳 南区土木部長 入札不調が1件ございまして、これは来年度に繰り越される予定になってございます。人手が足りないのではないかというお話でございますが、維持作業などで冬が来る前にやらなければならない事業が結構ございます。それは、若干おくれ目でございますけれども、何とかやれそうだと今考えているところでございます。
また、ガードマンの単価につきましては、私は承知してございません。
◎阿部 西区土木部長 理由が人手不足かどうかについては、はっきりしたことは申せませんが、入札不調に関して申しますと、生活道路整備で1件、公園の公衆トイレの工事で1件、計2件、発生している状況でございます。
警備員に関しましては、情報は把握しておりません。
◎竹田 手稲区土木部長 人手が足りなくてという部分でございますが、手稲区におきましても不調が1件ございました。これは、来年早期に発注を予定しております。
また、警備員の時給につきましては、私どもでは把握してございません。
◆松浦忠 委員 そこで、中央区が代表ですから、また中央区に聞きます。
中央区で生活道路の工事の警備員の発注単価は幾らになっていますか。わからなかったら答えないでいいです。(「わかりません」と呼ぶ者あり)
そうしたら、わかっている人は手を挙げて。(挙手する者なし)それでは、私が調べた実態をちょっとお話しします。
1件は、時給750円だと言っていました。1日7時間30分で6,000円にならないのです。もう一人の方は、別な工事現場で6,400円だと言っていました。
何で私が警備員のことを言うかといったら、今、
公契約条例の話もありますけれども、1日7時間30分働いて6,000円にならないといったら、国民健康保険料を払ったり、いろいろしていったら、本当に生活保護の支給金額よりも使えるお金は実質的に下回るという実態になろうかと思うのですよ。したがって、やっぱりこの辺が解消されなかったら、ちょうどいい春先と今時期ぐらいならいいけれども、真夏の暑いときと冬の寒いときは厳しいですよね。そうすると、人手もなかなか集まり切らないのかなと。
そこで、私はどことは言いません。去年から相談を受けていた事項だけれども、人手が足りなくて、冬の準備をしなければいけないから、3分の1ぐらいだけをやって、あとは来年に回してくださいというところもありました。皆さんは言いづらいから言わないのでしょうけれども、それぞれ係長以下のところでは、みんな苦慮しながら、そんなやりくりもしながらやっているのが実態ではないかというふうに私は思います。
したがって、私がここで何を申し上げるかといったら、4月、5月の春先はみんな暇なのです。6月の札幌まつりが近くならないと忙しくなってこない。そこでぼちぼち始まったという感じなのです。ですから、入札の工事について、できるだけ年度内契約に、ゼロ市債と言っていますが、契約だけを年度内にする。そして、新年度になったら、地域に周知徹底を図ったり、材料準備をしたり、5月の連休の道路工事だったら、しばれていた土が解けて道路を掘り返せるとなったらすぐにかかると。だから、4月になったら前仕事をしていくよと、こういう仕事をある程度ふやさないと、今発注になって、道路工事――きのう、ずっと市内を回ってみたら、看板立てをやっているところが結構あるのです、これから道路工事を始めますと。
業者の人は何て言っているかといったら、除雪をやっている業者は、道路から側溝に落ちないようにという白と赤の棒を立てなければいけない、もうその作業に入る時期にだんだん来ているのだ、早いところ終わらせなければならないのだけれども、出るのが遅くて参ったなと言うのです。これは、現場の土木部長以下の話ではなくて、どういうふうに仕事を進めるかというまさに政策上の問題なのです。
したがって、市長、
建設局長は現場の総大将ですけれども、政策的な判断は、市長が見ていても、長いしきたりの中で仕事をしていますから、局長のところでは変えると言い出せないものもあると思います。市長なり副市長の皆さんは専用の公用車も持っておられるわけですから、どこかへ行くときにはちょっと早く出て寄り道して地域を見ながら状況把握に努めると。仁徳天皇までは言いませんから、私は。仁徳天皇は、小高い丘の上に上がって、かまどの煙が上がっているかどうかを見て税収の度合いを決めたと言っていますが、そこまでは言いませんけれども、そのぐらいのことはやってもらっていいのではないかと思うのです。
そこで、市長、来年度はぜひゼロ市債を多く出すようにして、どん詰まりに来て工事が発注になるような事態にならぬよう、ある程度余裕を持って冬の支度に維持業者がかかれるような発注方式にしていただきたいのですけれども、いかがでしょうか。
◎秋元 副市長 委員がご指摘のような春先の工事量の部分は、年間の事業量の関係でいきますと少し落ち込んでいることがありまして、各関係業界からもこれまでも要望があります。そこで、午前中での答弁でもありましたように、補正の組み合わせやゼロ市債も含めて、早期に発注できるような発注量を工夫していきたい。ことしも既に着手しておりますけれども、より進めていきたいというふうに思っております。
◆松浦忠 委員 現場の声をちゃんと聞けばいいのですよ。現場には、設計する職員が土木センターに1年間張りついているわけです。そうすると、1年間、年がら年中設計して回していけば、ちゃんといい時期にいい仕事が出るようになるのですよ。それが、私は今までずっとこのことを何十回と言ってきているのですけれども、ようやくゼロ市債が始まったり、相当たってからという感じなのです。それはなぜかといったら、市長がかわれども、かわった市長も最初は意気込んでいるのだけれども、そのうち、何となく周りがみんなそうなっているから、今までこういうやり方でやっているから、しゃあないかというふうに落ちついちゃうのです。
したがって、どうやったら平準化して仕事ができるかということについて、現場からちゃんと意見を聞いて、それに基づいて今度は予算の組み方をきちんとする。ゼロ市債を出すものは出す、こういうふうにして予算組みをする。そうしなかったら、現場の職員としては、労働者としては超過勤務手当を一定限もらうのはありがたいですよ。しかし、毎日毎日、小さい子どももいて、家族もいて、母さんもいて、嫁さんもいて、夜の9時、10時だと残業して子どもが寝てしまっているところへ遅く帰るというのは、今の時代ではかわいそう過ぎる。
だから、私は、土木センターに行って新規採用になって3年ぐらいまでの人に声をかけるのです。青年、思い悩むな、仕事なんかいつでもできるから、疲れたら休め、こう言っているのです。声をかけているのですよ。やっぱりそれが大事なのです。そういうような声をかけないでいいような仕事の仕方になっていくように。切りかえる気になったら、市長を先頭に、予算をそういうふうに現場から上げてこい、工程表をつくって全部を出せ、それに基づいてぐるっと平準化して、いい方法でやるのはどこまでか、超過勤務はどの程度で終わるか、こういうことを市長が
建設局長に検討させる、こうすれば仕事の回りはよくなっていくのです。
今、秋元副市長はありきたりの答弁をしたけれども、私はありきたりの答弁を求めるために市長を呼んでいるのではないのです。現場が、ああ、よかったな、仕事をしている業者の人も、これなら俺らもやりやすくて頑張ってやれるな、こういう状況をつくりたいから、私は、政務調査費でガソリンの4分の1のお金をもらって、4分の3は自分のお金で走り回っているのですよ。それは何だといったら、議員の役目を果たすためにやっているのです。ここに市長を呼んだのは、選挙で選ばれた者同士ですから、市長もそういうためにやられていると思うので、そのことについて来年度には形になるようにしていただきたいのですが、市長、いかがですか。
◎上田 市長 既に問題意識は持ちながら、そのような組みかえ等々に取り組んでいるというふうに報告を聞いております。これまでの市役所の仕事の仕方にかかわると思いますけれども、決まったことをただ執行すればいい、その先がどうなっているかということについて関心を余り持ってこなかったと批判を受けやすい状況もあったように思います。
私は、公契約について、今、松浦委員からもお話がございましたが、契約そのものの中に、公のお金を使って仕事をしていただくときに、契約の相手方であります事業者の方々がいかに経営を安定させられるように、発注の仕方も発注金額も入札金額も落札金額も含めて、しっかりと行き届いた目をそこに向けていく、そして、そこで働かれる労働者の皆さん方も満足した給料になるかどうか、そこは大変だと思いますけれども、少しでもそれを進めていく姿勢に札幌市政というものを変えていかなければいけない、そんな思いで
公契約条例も提案させていただいているところでございます。そういう意味から言いますと、今ご指摘がありましたように、現場の声をいろいろな角度から聴取し、そして、行政執行のあり方ということ、とりわけ工事委託業務が現実にどう行われているのか、現場の方が何を悩んでおられるのか、そのことに配慮した執行の仕方に変えていくことに本当に前向きに取り組んでいかなければならない、こんなふうに考えているところでありますので、ぜひ、
公契約条例も含めて、その考え方にご賛同をいただきたい。本音はここですが、よろしくお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。
◆松浦忠 委員 今、三浦英三委員から、
公契約条例は一部ではないかと言っているのですが、これは、一部も二部もなくしてみんなで考えなければならないことです。
私は、長年、日本国有鉄道時代も工事の設計をやっていて業者とかかわっておりましたが、今みたいに、仕事を頼むと言って、土木センターの維持なり工事の係長が、自分の区ばかりではなく、あちこちの区を主体にやっている業者に声をかけて、何とかならぬかと探し回っている、それでもやれないと断られている、発注者がこんな情けない状況を見たのは初めてです。バブルのときは、仕事があって、金を倍くれるのならやるぞということは随分ありました。バブルのときは金だと言っていました。今はお金でないのです。人手がないのです。それは何だといったら、平準化してもっと早くにやれば終わっていることが、早くに出していないからこういう現象になっている部分がかなりあるということです。このことを、ぜひひとつ、市長、最後に本音が出たけれども、最初のところに重きを置いて、後のほうは後のほうで別なところでしっかりやることにして、来年の予算では形に見えるもので出していただくことを求めて、これについては終わります。
まだあったのですが、長くなりますから、天野部長についてありましたけれども、三浦委員がやめておけと言うから、三浦委員の言うとおりにきょうはやめます。これで終わります。
○細川正人 委員長 ここで、松浦委員から出席要請のありました理事者が退席いたしますので、委員の方はそのままお待ちください。
○小川直人 副委員長 それでは、質疑を続行します。
◆宗形雅俊 委員 私からは、道路認定にかかわる件と道路整備について質問していきたいと思います。
今議会もそうですけれども、定例議会がありますと、道路認定にかかわる議案が毎回提出されております。その中に、開発行為による寄附のもの、それ以外には、従前から生活道路として通行していたものを、道路整備や除雪等の関連による地域の要望で、所有者、地権者の協力を得て道路部分を寄附する形で、一定条件のもと、認定道路として申請しております。しかしながら、そういった状況の中でも認定に至らないケースもあるかと思いますので、改めて、認定に至らないケースは主にどんな理由があるのか、お尋ねします。
それから、私は南区出身ですから、南区には市街化調整区域がありますけれども、そこにおける道路認定の考え方もあわせてお伺いしたいと思います。
◎中塚 総務部長 ただいま、道路の認定にかかわるご質問がございました。
まず、申請したけれども、市道認定とならないケースについてでございます。
これらの認定に至らなかった理由の多くは、測量におきまして、隣接する地権者の方から境界承諾が得られなかったため、道路用地の確定ができなかったことによるものでございます。その他の理由といたしましては、申請後に土地所有者の方が亡くなり、相続人からの寄附が得られない、あるいは、既存の塀や門などの維持管理上の支障となる建築越境物によって安全、円滑な交通の確保ができない場合などが主なものでございます。
調整区域の道路認定の考え方につきましては、基本的に、地域の生活道路として一般の通行に供用され、利用されているものでございますが、その上で、道路用地を市に寄附していただく、あるいは、道路用地と私有地の境界が明確であるといったことを要件としてございます。また、調整区域におきましては、さらに、建築基準法で定められておりますけれども、開発行為に伴う道路であるとか、あるいは、現存道路と言いまして、都市計画区域が制定される前からある道路、あるいは、指定道路と言われるものであること、また、家屋の連檐などが要件とされているところでございます。
◆宗形雅俊 委員 特に、境界が明確でないということで、私も議員になりましてから何件かそういった相談を受けながらも、認定に至らない中で解決しようとして皆さんにいろいろ相談した経緯があります。条件が整って申請してオーケーであればいいのです。ところが、寄附を了解して測量してみましたら、地図混乱地区であったということで、それを見越して寄附をいただければいいのですけれども、結果的にお互いの境界の食い合いをしてなかなか決まらないとか、そんなこともあろうかと思います。
それから、市街化調整区域も、過去から、寄附をするのにある程度の合意になっておりますけれども、市が受け取らないといいますか、認定しないものがあります。これはなぜかといいますと、市街化調整区域では用地の確定ができていない。していこうとすると、確定しているところから測量していかなければなりませんから、結局、測量の費用、時間の課題が出てくるのではないかと思っているところです。
しかしながら、市街化調整区域においても、一定の住宅があって生活している場合があります。そういう意味で、いろいろな特殊事情があると思うのですが、逆に、皆さんが今おっしゃっている道路認定にかかわる規定もわかりますけれども、当然、市街地においても、道路認定にはなっていないのに、従前から通行しており、地権者も通行どめにしてじょっぴんをかっているわけではなく、認めていると。そういう背景を考えますと、そういった道路については、現状見合いというか、構図の中で認定することができないのか、また、そういった方向性を見出すことができないのか、お伺いしたいと思います。
それから、市街化調整区域などにおいて、今言いました周辺の測量が確定していないために認定に至らないこともありますが、地権者を含めて、地域の方々がある程度合意していれば、それを救済できるような方法も検討していくべきではないかと思うのですけれども、この2点についていかかが、お伺いしたいと思います。
◎中塚 総務部長 まず、市道の認定についてのご提案でございます。
先ほど説明でお話しさせていただいたのですが、道路用地と私有地との境界が明確でなければならないのは一つの大きな要件でございます。これは、境界が明確でなければ管理すべき道路の境界や位置が明確に定まらず、道路の適切な維持管理、許認可が行えないという支障が生じるわけでございます。もし仮に測量をしないで確定せずに構図のまま受けてしまいますと、調整区域では実際の現況とずれがかなり生じているところが多々ございます。そういったところは、ずれがあるだけではなく、確定測量された隣地との間に例えば空白地とか、あるいは、一つの土地に複数の登記者の名前が載ってしまうような重複地が発生したり、他人の名義の土地がいきなり入り込んでくるというようなことも予想されます。こういうようなことから、構図とのずれが判明しているようなときには、今度は、札幌市自体が訴えられたり、あるいは、市の土地を使われたりというリスクも負うことになるものですから、適正な維持管理を行うことがなかなか難しいのかなと考えているところでございます。
なお、何らかの方法がないかというお話がございました。
一つは、地図混乱地区において市道認定のための解決方法といたしましては、地域全体を測量いたしまして、関係地権者全員からの同意に基づいて集団和解での解決方式があります。ただ、これは、測量を進めるためには全員の同意が必要となりますが、特に、調整区域においては、不在地主の方が多かったり、現状と構図のずれが非常に大きいこともございまして、利害関係の調整が地権者の皆さんでもかなり大変になるということでございます。そういうようなことから、現時点ではよい方法がなかなか見当たらないのが現状でございます。
◆宗形雅俊 委員 現状見合いの中でといいますか、認定にいかなくても実態に合わせた形でということだけれども、部長から構図での認定は非常に難しいということであります。どちらかというと、認定というよりも、市道ではなくても、生活している中では道路整備の要望が非常に高いと思いますし、これは皆さんも承知しているのではないかなと思います。
先ほど、松浦委員からは、認定道路における砂利道という話もございました。特に南区は、先ほどいろいろと説明がありましたが、私道ですけれども、山裾でありますと砂利道があって、雪解けや集中豪雨になりますと道路がえぐれる、砂利が下の道路まで行くとか、毎年、同じ繰り返しになって土木センターに行くのです。それであれば、簡易舗装などをしていって、少しでもそういうことを減らしていくほうが市のお金を含めていいのではないかと思います。中には、認定になっていないからといって我慢されている方、もちろん、自分で舗装してやっていらっしゃる方もいますが、その辺は費用の問題などでさまざまありますが、そういう意味では少しでも救済措置をとれないものかというのが一番のことです。
当然、私有地であっても、陥没したとか、通常、生活道路として通行しているところがあれば、土木センターでは裁量の中でやっていただいているのは承知しておりますけれども、長さが長くなってくると費用的にもなかなか難しいのだろうと思っております。そういう意味で、市街地においては100%に近い舗装率でありますが、市街化調整区域においても、一定条件のもと、先ほどは地権者の承諾書という話がありましたけれども、裁量権もあるのでしょうが、そういったもとで道路の簡易的な舗装など、一定の方向性をルール化しながらいくことはできないものなのか、この点をお伺いしたいと思います。
◎中塚 総務部長 認定についてはなかなか難しい部分の中で整備をというお話でございました。
基本的に、私道は個人の所有地ということもございまして、そこへの税の投入はなかなか難しい問題が正直ございます。先ほど委員からお話がありましたように、私道であっても、あくまでも地権者からの要望があり、かつ、通行に著しい支障を与えているような場合、例えば通行できないような穴があいて一定の整備が必要と判断したときには、生活者支援の観点から維持補修的な対応を行っているところでございます。また、その場合には、家屋の連檐性や道路の通行量などによって整備にもさまざまな違いが生じてまいりまして、一定の整備はなかなか難しいのですが、そのような形で対応しているところでございますので、どうかご理解を願いたいと思います。
◆峯廻紀昌 委員 私からは、今春の道路状況についてお伺いしたいと思います。
先ほどの松浦委員の質疑と重複するところもありますので、本当は4点ほど聞こうと思いましたが、質問は1点にして、そのほかは考え方を含めて要望したいと思います。
この案件につきましては、代表質問あるいは委員会等で質疑が行われて今日に至りました。そこで、さかのぼってお話を若干させていただきますが、今春の国道を含めた札幌市内の道路においては、舗装路面の損傷、穴ぼこが至るところに見受けられ、中には車が普通に走行することが本当に困難である道路も多々あったという状況でございます。さらには、穴ぼこにはまったことによってタイヤやホイールが損傷して、道路管理瑕疵ですか、この数字を調べていただきましたけれども、平成24年の3月、4月期では22件だったものが、平成25年の同期の3月、4月では140件ということですから、いかに道路の状況が悪かったかということが言えると思いますし、実際に補償した件数も多いと聞いております。
このような現象が発生することになった背景には、厳冬期における降雨や、昼夜の寒暖差が大きい日々などが従前に比べて著しく多くなったことが発生の一つの要因として考えられると思います。これらは、古い話になりますが、1980年代に社会問題になったスパイクタイヤによる粉じんをほうふつとさせるものでありまして、このままでは近年の新たな社会問題に発展しかねないというふうにも危惧しているところでございます。
それ以上に、過去の予算を調べてみますと、平成9年度から、年々、維持補修に関する予算を削減してきたことによって適切な道路補修を行うことができなかったことが、本当の意味で大きな要因になっているのではないかと思っております。まずは、道路補修に必要な予算をしっかり確保して、先手先手の対応を行っていくべきだと思います。
そこで、1点質問いたしますが、穴ぼこ発生を抑止する対策として、これまで何を行ってきたのか、お伺いいたします。
◎堀江
維持担当部長 今までの穴ぼこの対策といたしましては、舗装の劣化度合いが割と軽い段階から予防的な補修を実施してきております。補修方法につきましては、ひび割れや剥離箇所をスポット的に舗装するパッチ、それから、車道の全幅員を舗装するオーバーレイ工事といったものがあります。
ことしの春先につきましては、さきの第1回定例市議会におきまして補正予算を計上させていただき、それを有効に使ってパッチングを中心としてかなりの補修をしてきました。それに合わせて、ゼロ市債によるオーバーレイについても実施したところであります。今の段階は、今年度から計上させていただきました防災安全交付金による幹線道路等のオーバーレイ工事を28件ほど発注させていただき、着手して、鋭意、努力中でございます。
さらに、さきの10月3日の第3回定例市議会におきまして、道路の補修費ということで5億3,600万円の補正予算を議決いただきました。これは、今後雪が降るまでに、来春の穴ぼこをできづらくするために、今の段階でひび割れに対して注入して補修するとか、あるいは、段差のあるところをパッチングするなど、10区の土木部の協力のもとにかなりの量を一生懸命やっている最中でございます。
◆峯廻紀昌 委員 春先から今日まで対応されていたことについて今ご答弁をいただきましたけれども、ぜひとも、現場の声を聞きながらしっかり対応していただきたいと思います。
ここで、パッチの話がございますけれども、これは私だけだとは思わないのですが、昔の穴ぼこのパッチと今のパッチを見ると、先ほどの部長の答弁で平たん性という言葉がありました。昔は本当にフラットで、埋めた穴の縁も結構きれいに伸ばして、それが剥がれていく中で割れ目に水が入らない状態であったように私は思うのです。しかし、最近は、フラットなのでしょうけれども、ちょっと盛り上がっているのかなと。縁の部分も丁寧に伸ばしていない状況も見受けられますので、穴ぼこのパッチについてもぜひチェックしていただきたいと思います。同じ作業で、同じお金がかかっているわけですから、できるだけ丁寧にするように、チェックを含めて指導をお願いしたいと思っております。
そこで、市民の声も多く、議会でも数多く議論された中で、市の迅速な補修作業によってあれほどたくさんあった穴ぼこが減り、車の走行が早期に改善されたことについては大変評価しているところでございますし、同様に、今秋に発生した道路のり面の崩壊についても、現在は既に復旧を終えたということでありますので、対応について評価したいと思います。
舗装の穴ぼこや道路のり面の崩落など、どれも融雪期に発生していることや、今春のように融雪時に降雨を伴うことで融雪水が一気に増水して災害発生を誘発してしまったことなどを考えれば、融雪期の道路パトロールを夏場の安定した時期にも増して強化すべきと考えております。道路利用者の安全・安心を確保するために、損傷した箇所をいかに早く発見して、また、修繕が必要な箇所を速やかに応急処置することが道路管理者としての責務であるとともに、このためには日々の道路パトロールが非常に重要であると考えております。
そこで、先ほど松浦委員からものり面の調査のお話がございましたので、このパトロールのあり方について、ぜひひとつ、障害のあった場所を特に注視しながら、未然防止をできる形で日々のパトロールを強化していただきたいと思います。本当は、ここでも質問しようと思ったのですが、ほぼ重複しますので、やめさせていただきます。
そこで、近年の舗装路面状況については、ライフラインなどの地下埋設物の設置工事による部分的な復旧工事の跡が経年劣化することによって、損傷を拡大、または誘発しているのではないかというふうにも考えております。道路のパトロールを実施するには、これらの箇所も含めて、ぜひ、重点的に巡視して早急に異変を発見し、先ほど言ったように未然防止に努力していただきたいと思います。
また、道路幅員がおおむね20メートル以上の幹線道路や緊急輸送道路については、平成24年3月に策定した札幌市幹線道路等舗装補修計画に基づいて、今年度より国費である防災安全交付金によるオーバーレイ工事を実施しております。しかしながら、この計画で対象としている道路延長は約570キロでございますから、市が管理している道路約5,500キロからするとほんの一部であります。そういったことを考えますと、他の道路についても対策を講じていくことを考えていかなければいけないと思いますが、この質問のやりとりになってくると予算の話になります。これも、先ほど松浦委員からお話がありましたので質問いたしませんが、ぜひ、来春においては、舗装のり面の穴ぼこを抑止することや、のり面崩落等についても発生しないように、適切かつ計画的な維持管理を進めていただきたいというふうに思います。
また、舗装路面の穴ぼこ等は今年度だけのものではありませんので、次年度以降についても、舗装路面を補修することが適切な時期である降雪期前に対処できるようにしていただきたいと思います。こういうことを考えますと、先ほど言ったようにお金の話になりますので、補修にかかわる予算についても、さらに継続して必要な道路補修費としてしっかり確保していただきたいというふうに思います。ことしのように、補正予算が計上されたから対応できたということではだめなわけであります。そういった意味では、先ほどもありましたが、予算の平準化を図りつつ、計画的かつ効率的に進めていただきたいと思うわけであります。
そして、先ほど言った適切な時期とは、降雪期前と話しましたけれども、技術屋の話を聞くと、冬場の寒い時期に雪を解かして補修することはアスファルトの気密性がかなり違うと。気密性が悪いということは空気が入っているということですから、浸透を含めてそれだけ劣化する要素があるということでございます。同じお金をかけて補修するのであれば、できる限りいいものということになるわけで、そういった部分については、ぜひ、年度計画を含めて、1年間、さらには翌年度も見越した中で道路維持補修も考えながら維持に当たっていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
◆國安政典 委員 先ほど我が会派の福田委員の質疑の中でも防災、減災の視点でのお話もございましたし、また、ただいまは道路の維持管理のお話がありましたが、私は、トンネルに絞って、この維持管理について質問させていただきたいと思います。
ことしの9月2日に施行されました道路法の一部を改正する法律によりまして、道路の適正な管理を図るために、予防保全の観点を踏まえた点検を行うべきことを明確にしているところであります。そして、私どもの機関紙でも、先日、特集記事で取り上げておりますが、全国の約9,700カ所のトンネルのうち、約半数が30年以上の経年劣化によりましてひび割れなどが進んでいる状況にあるということでした。
現在、札幌市におきましては、こばやし峠のトンネル工事で採用されておりますNATM工法ですが、これは、地山を掘削しながらコンクリートを吹きつけつつ掘り進む工法であると聞いております。こういった工法に対して、昭和60年以前に使われていた在来工法では、トンネル本体と掘削部の間に空洞が発生しやすく、損傷原因になると危惧されております。札幌市におきましても、平成21年7月に南区の定山渓四ツ峰トンネルのアーチ部にひび割れが発生しまして、平成23年11月に全面復旧したことも記憶に新しいところであります。こういった状況を踏まえまして、道路トンネルの変状を察知して適切に対応するための体制づくりが必要であると思われます。
そこで、質問ですけれども、札幌市で管理する道路トンネルは15カ所ありますが、経過年数別のトンネル箇所数を伺いたいと思います。
また、在来工法のトンネルは、どの路線に何カ所あるのか、伺います。
◎堀江
維持担当部長 経過年数別の道路トンネルの箇所数でございますが、20年未満につきましては8カ所、20年から30年につきましては6カ所、30年以上経過したものは1カ所、合計で15カ所になります。
また、在来工法による道路トンネルの箇所数と路線でございますが、道道小樽定山渓線にあります6カ所のトンネルが全て在来工法で施工されたトンネルとなっています。
◆國安政典 委員 15カ所のトンネルがあって、30年以上は1カ所ということで、経年劣化が進んでいるものもありますが、比較的新しいトンネルが多いように感じたところであります。
冒頭に申し上げましたとおり、私ども公明党では、防災・減災対策の推進を大きく掲げさせていただき、災害に強い国土づくりを目指して、道路とか橋梁などの社会インフラの老朽化対策を進めさせていただいておりますが、道路トンネルにつきましても、健全性を維持するため、しっかりと点検していくことが重要であると考えております。
また、昨年12月に発生いたしました笹子トンネルの事故を受けて、国は、ことし2月に、道路ストックの総点検の実施について各道路管理者宛てに通知を出されまして、さらには、ことし8月にも、改めて各地方公共団体宛てにインフラの点検の確実な実施について通知を出されていると伺っております。
そこで、質問ですが、札幌市の道路トンネルについて、これまでどのように点検を実施してきたのか、今後の点検をどう進めていくのか、それぞれ伺います。
◎堀江
維持担当部長 札幌市の道路トンネルの点検につきましては、これまでは、本市職員、道路維持業者による道路パトロールを基本といたしまして、日常点検、あるいは、防災カルテ等の
業務委託による遠望目視を基本とした形で定期点検を行ってまいりました。昨年12月の笹子トンネルの事故を踏まえて、ことしの3月末までには、道路トンネルの中にあるアンカーボルトなどで設置している照明などの設備系のものにつきましては近接の目視、打音の一斉点検は終えておりまして、安全性を確認しております。
道路トンネルの本体につきましては、これからですけれども、今年度、走行型と言いまして、交通規制が必要なく、点検のスピードが速くなるものですが、トラックを走らせてひび割れなどを観測する機械で15カ所のトンネルを実施する予定でおります。そのデータをもとに近接目視なり打音する箇所が出てきますので、そういった解析をして各トンネルの健全度評価を行いたいというふうに考えております。
また、来年度につきましては、今お話ししました抽出した箇所の打音検査を実施して、点検結果に基づいて危ないところにつきましては直ちに応急対策をし、詳細調査の必要性を踏まえて、総合的に評価の判断をして点検サイクル等も考えていきたいと思っております。
◆國安政典 委員 私は、素人でありますけれども、正直、今回の質問をするに当たりまして、技術がかなり進んだこの時代に、まだ結構アナログなのだなと率直に感じております。これまでも遠望目視、近接目視で、走行型の観測はこれからということであります。もうちょっと進んでいるのかなと思っていましたが、いずれにしても、しっかり進めていただかなければいけないということを改めて痛感したところであります。
さらに、今後の維持管理についても質問させていただきたいと思います。
今の答弁で、道路トンネルの総合的な健全度評価を行うための点検については、今年度及び次年度に行うというお話でありました。当然、点検だけではなく、維持管理の対応を迅速に行っていかなければならないと考えます。道路トンネルの損傷等への対応がおくれることによって、重大な事故や交通傷害を起こしかねないと思います。
そこで、質問ですけれども、今年度から始める点検結果を踏まえて、これからの道路トンネルの維持管理をどのように進めていく予定なのか、伺います。
◎堀江
維持担当部長 先ほども申し上げましたが、今年度から始まります点検の結果と、道路法等の一部改正に伴いまして、今後、国土交通省から省令で定める道路の維持または修繕に関する技術的基準が出てきますので、そういったものを踏まえて、今後の維持管理につきましては、道路トンネル全般にかかわる点検頻度の設定、それから、在来工法やNATM工法、開削したものなどいろいろなトンネルがありますので、構造別の維持管理方法などについて検討していこうと考えております。
◆國安政典 委員 なかなか難しい課題であることを私自身も改めて認識しました。最初に申し上げましたが、私どもの機関紙で取り上げた中身によりますと、実際の保全では、例えば背面空洞などが発見された場合はそこに充填していくわけですね。エアモルタルなどの軽い材料が使われるということですが、普通のモルタルと比べてすごく高いそうであります。さらには、実際にこれを注入していくと、予想した以上にすき間が大きくて予算に変更を伴う工事もたびたび出ているようであります。
これから進めていく上ではさまざまな課題が出るかと思いますが、しっかりと進めていただきたいと思います。市民の生活を支えるトンネルですから、道路行政の役割はますます重要になってきているというふうに思います。迅速に機械点検や必要な調査を行って、老朽化していく道路トンネルの健全度の把握をしっかり行うとともに、防災対策の推進を進めていただきますよう期待いたしまして、私の質問を終わります。
◆こんどう和雄 委員 私から、放置自転車について質問いたします。
三つの質問になりますけれども、自転車対策担当課新設による成果について、2番目は、先ほど来から各委員が質問しておりますが、都心部の放置自転車対策、3番目に地下鉄南平岸駅周辺の放置自転車対策について、15分ぐらいで簡潔に質問させていただきます。
札幌市内の中心部を歩いていまして、自転車が一番危険きわまりないと感じるところです。自分は身が軽いからうまくかわせますが、サーカスではないけれども、曲芸まがいの自転車もあります。オータムフェストをやっているときも、大通は自転車に乗っていたらだめなんですよ。狸小路も、自転車は押して歩いて通行しなさいと書いているのですが、それは無視です。そういうことも含めて、札幌市内を歩いていて、ルール、マナーを無視した自転車利用が本当に目に余る状態であります。迷惑駐輪、危険走行などを目の当たりにするなど、多くの課題が顕在化していまして、乗っている人が自転車は軽車両だという認識も自覚もないということではないかと思っております。何ぼやったって直らないのですが、事故が起きてからでは遅いのです。予防することは病気と同じで、きょうはそれをお話しさせていただきたいと思います。
今月4日の新聞の読者の声の欄を見ますと、マナーを守って自転車に乗ってくださいとあります。横浜市の方が1年ぶりに札幌に訪れたそうですが、自転車に乗る人のマナーの悪さに驚きましたとありました。私も横浜に11年住んでいましたが、この方は横浜にずっと住んでいて、横浜も悪いけれども、札幌はもっと危ないというか、リスクが高過ぎるということでした。
第1にスピードの出し過ぎです。自転車は、原則は車道通行になりましたが、歩道では徐行しながら決まりを遵守するということだと思います。特に、朝の通勤時間帯が一番ひどいと言っております。
第2に、夜間の無灯火が多いということです。横浜市の方は、ちょっと数えてみたら、札幌で自転車に乗る人たちの半分以上は無灯火だったということで、本当に観光都市さっぽろと言えるのでしょうかと。観光で来られる方ももちろんですけれども、その前に、地元の子どもやお年寄りが本当に安心して歩けるかどうかが試されるのではないかと私は思っております。
そこで、この状況に効率的・効果的に対応するため、我が会派では、平成22年の
決算特別委員会で組織強化についての質疑を行ったところであります。私自身、平成23年第1回定例市議会の代表質問の中で、自転車対策の組織編成や施策の進め方について質問いたしました。その結果、23年4月に建設局に自転車対策担当課の新設を見たわけです。産声を上げました。そして、平成23年5月に策定された札幌市自転車利用総合計画を踏まえた放置自転車対策や走行環境整備により、より組織的に対応できるようにうまく連動できる体制を整えたわけであります。
一方、道が管理する旧豊平川においては、平成15年から17年にかけて、北白石川との合流部の切り下げ、あるいは、河道の拡幅、しゅんせつが行われました。その後しばらくは旧豊平川の流れもよくなり、治水上の効果が発揮されていたようでありますけれども、現在は、草木が繁茂して流れが著しく悪く、私が見る限りにおいては、自然保護という名の放置がされております。適切な管理と言えないことは、ことしの第2回定例会の私の代表質問において既に指摘したところであります。
このため、旧豊平川は、多少の降雨でもすぐに水位が上昇し、上流側に逆流するようになっています。特に、6線幹道排水においては、逆流防止のため、頻繁にゲートを閉めて排水ポンプを運転しなければならず、きょうのような天気の日もそうですけれども、当該地区の市民の生活は雨が降るたびに脅かされている状態にあります。こうした背景から、地域住民は、当該地区の治水安全度の向上のために、旧豊平川における河川整備が必要不可欠と考え、長年にわたって道に対して整備要望を行ってきたところであり、その動きを受けて、昨年度、道が旧豊平川に関する調査検討をようやく実施し、今年度も継続して調査を行っていると聞いているところであります。
そこで、質問でありますが、まずは、旧豊平川に関する道の調査検討の状況と地元への検討結果の説明など、今後の予定について本市が把握している内容を伺います。
◎紅露 計画担当部長 旧豊平川に関する道の検討状況と今後の予定についてお答えいたします。
北海道では、昨年度、旧豊平川の測量や降雨時の水位シミュレーションを実施しております。今年度は、6線幹道排水と旧豊平川の合流点付近の測量を実施して、川底の掘削の必要性などについて検討しているところでございます。また、水位シミュレーション検証のため、本市と連携して各河川の水位観測も実施しております。今後の予定について道に確認したところでは、この検討結果については、国、道、市による3者協議を経まして、年内もしくは年明けには地元町内会に説明すると聞いております。
◆阿部ひであき 委員 要望書を提出してから、道が調査するという回答があって以来、どこまで調査しているのかが一向に見えず、正直、非常にやきもきしているところであります。地域の住民の皆さんも、きっと同じ思いでいるのではないかというふうに思います。早い時期に3者会談を行っていただいて、年内か年明けという説明が今ありましたけれども、日程調整の見通しをしっかりと明るみに出していただきたいと思いますし、地元が要望する方向性が示されることを本当に期待するところであります。
そこで、6線幹道排水におけるポンプ設備について質問させていただきます。
先ほども指摘しましたが、6線幹道排水の水位が上がりやすくなっているのは、旧豊平川の維持管理が適切に行われていないことが大きな要因であり、管理者である道の適切な対応により、地域の不安がかなり解消されるものと考えています。一方で、近年は、地球温暖化などさまざまな要因による集中豪雨により、全国的に大きな被害が発生しています。本市でも、8月下旬、あるいは9月上旬に、集中豪雨により白石区や西区などにおいて浸水が発生し、家屋被害等があったところであります。このように、今や、豪雨がいつ襲ってくるかがわからない状況において、地域の不安解消のためにしっかりと対応していただかなければならないものと考えます。この対応として、先ほども触れましたとおり、本市では、6線幹道排水と旧豊平川の合流点においてゲートの操作やポンプによる排水作業を行っていますけれども、この排水ポンプは、私も実際に見に行きましたが、かなり以前に市が購入したものであり、老朽化が進んでいると見受けられます。
そこで、質問ですが、6線幹道排水のポンプ設備について、稼働実績を含め、現在どのような状況にあるのか、伺います。
◎紅露 計画担当部長 6線幹道排水のポンプ設備の現状につきましてお答えいたします。
6線幹道排水におけるポンプ設備は、ポンプ車が2台、水中ポンプ2基が設置されており、年間を通して稼働率が高いことから、厳冬期を除きまして現場に常時配置されております。大雨時には、委託業者が現場に急行しまして、水位状況を見ながら排水作業を行っているところでございます。また、このポンプ設備の昨年度の稼働実績は、排水作業に備えた現場待機が22回、そのうち、ポンプを稼働したのが7回であります。
なお、ポンプ車は既に30年、水中ポンプは20年を経過しておりまして、委員のご指摘のとおり、老朽化は進んでいますものの、定期的な点検、整備を行うことにより、現在までポンプのふぐあいは発生しておりません。
◆阿部ひであき 委員 6線幹道排水は、この地域の住民にとっては、最後に残された水害の可能性が非常に高い排水路と言えると思います。その排水路にとって頼みの綱であるポンプ設備については、20年なり30年がたった非常に古い2台のポンプ車が中心であって、老朽化が極めて進行しているということですから、大雨の際には確実に機能するかどうかは、住民にとっても非常に心配なところであります。私も実際に見に行ったのですが、相当古いのですよね。今は大丈夫かもしれませんけれども、いつ、何どき、動かなくなるかということは私もよくわかりません。どんなにメンテナンスをしたとしても、年期というものもあるし、稼働実績を見ると待機が22回で動かしたのは7回だと言いますけれども、ふだんから風雪にさらされているわけですから、そのことを考えるとこのメンテナンスは非常に重要であると思います。
このポンプ場の設備につきましては、本市の見解も伺いましたが、仮に旧豊平川の整備が行われることになったとしても、その実現までには相当の時間を要するものと推察されます。また、整備されたとしても、今後、適切な維持管理が行われないと、また同じように川の流れが悪くなってしまうものと考えます。したがいまして、東米里地区の治水安全度を高めるためにも、道の対策とは別に、本市が老朽化の激しいポンプ車の更新を行うべきではないかと考えますし、さらに言えば、ポンプ車などの仮設的な設備ではなく、厚別排水機場のように、常設の排水施設を整備するとか、あるいは、私が2定の代表質問で提案させていただきましたように、地下埋設貯水池の配備など抜本的な対策を行う必要があるのではないかと考えます。
そこで、質問でありますが、6線幹道排水における対策として、本市は今後どのように対応しようと考えているのか、伺います。
◎紅露 計画担当部長 6線幹道排水におけます今後の対応についてお答えいたします。
委員がご指摘のとおり、6線幹道排水におけますポンプ設備につきましては老朽化が進んでおりますことから、その対応について検討すべき時期に来ていることは十分認識しております。このため、本市としましては、現在、道が行っている調査検討の結果を踏まえまして、国、道、市の3者協議を行った上で、6線幹道排水におけます今後の対応について、具体的な方法やその役割分担などを十分に検討してまいりたいというふうに考えております。
◆阿部ひであき 委員 本市においては、それぞれの地区においてそれぞれの懸念や心配があるかと思います。安全・安心なまちづくりの観点に立てば、こうした住民不安の解消は施策の基本と言えるのではないかと私は考えます。この地区の治水対策がなかなか進まないのは、先ほどの言葉にも出ましたけれども、国、道、市の縦割り行政の縮図とも言えるのではないかと私は思います。
さらに、先ほど自然保護のことにちらっと触れましたが、地区においては住民が生活している場でありますので、きちんと管理した中での自然保護であれば私も納得がいきますが、あの状態はまさに放置ですね。何が浮かんでいてもわからないような状況にあります。そう考えると、自然保護のあり方も今後は検討していかなければならない大きな課題であると言えます。
市民が生活する場と自然保護との共有のすみ分けがきちんとなされなければ、まさに、どちらを優先するのかという話になるわけであります。また、今の時代、集中豪雨は、いつ、どこで発生するかはわかりません。ですから、国、道、市の3者協議を早急に進めていただいて、お互いの役割分担を明確にする、このことは今述べましたけれども、さらに重要なことは、もう一歩踏み込んで、役割を効率的に進めることが一番重要だと思います。どうやって、いつまでに進めるのかということは、お互いが歩調を合わせていかなければならないと思いますので、今後は、住民説明などの具体的なスケジュールを含めて積極的に協議を進めていただかなければならない、このことを指摘申し上げて、私の質問を終わります。
◆中村たけし 委員 私からも、河川事業における集中豪雨対策について、幾つか質問させていただきたいと思います。
近年、全国的に記録的な大雨が発生して、各地で甚大な被害が出ているところです。本日も、台風26号で多くの被害が出て、都県で14名の方が亡くなられ、51名の方が行方不明になっている状況にあります。伊豆大島では、本当に大きな被害が出て、亡くなられた方には心からお悔やみを申し上げたいと思います。そして、行方不明者の方には、一刻も早く無事に発見されることを本当に思っております。
札幌市でも、8月下旬、9月上旬に局所的な集中豪雨が発生しております。新聞やテレビ、マスコミにおいても、局所的に短時間で集中的な雨が降る、いわゆるゲリラ豪雨に関する報道が多くなっております。また、短時間の雨に限らず、長時間に及ぶ大雨についてもしっかりとした対応をしていかなければいけないと考えます。
本市における過去の大雨といいますと、先ほどの阿部委員の質疑でもありましたが、昭和56年8月に起こった集中豪雨による56水害です。この点につきましては、札幌市でも過去にこんな洪水があったということで、ホームページにも被害の大きさを載せており、この56水害を契機に計画的な治水整備が行われてきたと認識しております。
まず、今後の大雨対策を考えるに当たって、現在の治水整備のレベルアップや被害が発生した場合の初動態勢の強化が特に必要だと思います。
そこで、質問ですけれども、本市の治水整備はどのような考えで進められているのか、そして、現在どのような状況にあるのか、伺います。
また、大雨が発生した場合の初動態勢としてどのように対応しているのか、あわせてお伺いします。
◎紅露 計画担当部長 まず、1点目の治水整備の考え方と進捗状況についてです。
本市におけます治水整備につきましては、河川改修と雨水の流出抑制策を組み合わせて取り組んでいるところでございます。本市が管理する河川の改修につきましては、河川の拡幅などにより流下能力を確保することとして、10年確率規模を基本に、浸水被害の発生頻度や都市機能の集積状況などを踏まえまして、平成32年度を目標として優先的に整備する河川を選定しているところでございます。現在、平成24年度末でこのうちの約6割の整備を終えているところでございます。
また、流出抑制策につきましては、伏籠川と望月寒川の2流域において、学校グラウンドや公園を活用して大雨時に雨水を貯留する流域貯留浸透施設の整備を進めておりまして、平成24年度末で全151カ所のうち111カ所の整備を終えております。
2点目の大雨時の初動態勢についてでございますが、警報が発表されるような大雨時には、河川管理課及び各区土木センターにおきまして緊急態勢をとり、河川の巡視を行っているところでございます。また、災害の発生に備えて、各区の土木事業者等で構成する災害防止協力会に協力依頼を行っておりまして、河川巡視や通報により被害を把握した際には、各区土木センターにおいて災害防止協力会の協力のもと、迅速な復旧対応を行っているところでございます。
◆中村たけし 委員 治水整備として河川の拡幅などを計画的に進め、その6割が整備し終わったということで、さらに整備を進めていただきたいと思います。そして、流出抑制策としては、流域貯留浸透施設の整備を伏籠川流域と望月寒川で実施しているということでした。この整備もあわせて進めていただきたい。
それから、大雨時の初動態勢ですが、先ほどの質疑でも各区の土木部長が河川の巡視というお話をしておりましたけれども、やはり初動態勢が重要だと思いますので、その巡視、そして、今ほど、災害防止協力会の協力のもと、復旧の対応については迅速に行っているということでした。大雨時の被害が発生しないように、発生しても被害が拡大しないように、ぜひ初動態勢でしっかり対応していただきたいと思います。
次に、今ほど望月寒川の話が出ましたが、望月寒川は、大雨時に急激に水位が上昇して、周辺の住宅密集地に水があふれる危険性が高い川であると認識しています。今後、大雨対策を考える上で、住宅密集地を抱える流域における治水整備については、住宅密集地ですから土地を確保することができないためになかなか難しい整備ですけれども、特に重要になってくると考えます。望月寒川は北海道管理の1級河川であり、流域内の治水安全度向上には、河川管理者である北海道と流域自治体の札幌市が連携して取り組むことが重要だと考えます。
そこで、質問ですが、望月寒川流域で道と市が連携して進めている治水整備について、その進捗状況をお伺いします。
◎紅露 計画担当部長 望月寒川流域における治水整備につきましては、道と市が共同で策定いたしました河川整備計画に基づいて、両者が役割分担のもとに計画的に進めてございます。具体的には、河川管理者であります道において望月寒川の改修を実施しておりまして、これまでに、国道12号線から下流側について拡幅を終えております。現在は、その上流側の拡幅を順次進めているところでございます。また、上流域では、下流域の負担を軽減するため、延長約2キロメートルの豊平川への放水路の整備計画がございます。
本市では、雨水の流出抑制策として流域貯留浸透施設の整備を進めておりまして、平成24年度末で全36カ所のうち、27カ所の整備を終えているところでございます。引き続き、当該流域の治水安全度の向上に向けて、道と連携しながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。
◆中村たけし 委員 望月寒川は、住宅密集地にお住いの多くの皆さんが心配されているところです。今ほどの説明で、道が河川改修などをしていますが、有効だと思うのは豊平川への2キロの放水路です。放水することによって下流に水が流れ込まないということですから、この対策がとられることで治水の安全度が大変向上すると思いますので、大いに期待したいと思います。
一方、近年、全国各地で集中豪雨の被害が発生しておりまして、本市においても、先ほどからお話がありますが、8月下旬と9月上旬に白石区と西区で下水のマンホールが浮き上がるなどして浸水被害があったところです。このとき、非常に強い雨が降った時間が20分程度と短かったため、道路冠水は発生したものの、河川の溢水被害には至らなかったというふうに聞いていますが、このような大雨が、短時間ではなく、長時間に降ったときには被害が甚大なものになると思います。今後、このような集中豪雨が増加していくことが推測されますけれども、本市の河川事業も、これに抜本的に対応してレベルアップしていく必要があると思います。
そこで、質問ですが、近年、集中豪雨が多発している状況を踏まえて、今後このような長時間の集中豪雨にどのように対応していくのか、お伺いします。
◎紅露 計画担当部長 近年増加しておりますいわゆるゲリラ豪雨につきましては、瞬間的に強い雨が降るものの、その継続時間は短いことが特徴でありますが、一般的に河川は下水道に比べて雨水が流入してくるまでの時間が長いことがありますので、このような瞬間的な強い雨であふれる可能性は低いものと考えております。一方、降雨が長時間化した場合につきましては、河川からあふれる危険性が高まり、その場合の被害は甚大なものになるため、今後、そのような降雨がふえてくるといったような状況になりましたら、対応策については十分に検討していく必要があるものと考えております。
ただ、現時点では、本市管理河川の整備目標である10年確率規模を満たしていない河川もまだ多く残っておりますので、まずは、一定の治水安全度を確保することを目標として、引き続き計画的に整備を進めてまいりたいと考えております。また、被害の未然防止の観点から、危険箇所の重点的なパトロールや、土のう、排水ポンプなどの防災資機材を確保しますとともに、災害の発生に迅速な対応ができるよう、災害防止協力会との連携強化を図り、減災の観点からも、市民に対して気象情報への注意喚起やハザードマップの周知を図るなど、さまざまな施策を効果的に組み合わせて対応してまいりたいと考えております。
◆中村たけし 委員 治水整備は、河川で6割程度進んでいるという答弁が先ほどありまして、これを進めていくということです。ハード面ではさまざまな設備がありますが、財政にも限度がありますから、今ほど部長から答弁がありましたソフト面で防災対策を進めていって、市民の皆さんが浸水被害に遭わない、遭っても初動態勢をしっかりして被害を極力少なくしていく努力に日ごろから取り組んでいくことが大事だと思いますので、今後はしっかり対応していただきたいと思います。
◆福田浩太郎 委員 3人目となりますが、私からも、雨水対策について、とりわけ下水道の雨水対策についてお伺いいたします。
会派の事情で一部に移籍しました芦原議員の意を受けまして、10分ぐらいで簡潔に質問を行わせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
8月上旬に、同じ指定都市であります名古屋市におきまして、1時間100ミリを超える猛烈な雨が観測され、市内の中心部が一面冠水するなどの大きな被害がテレビのニュースで報道され、強く記憶に残っているところであります。こうした異常気象が全国各地で観測されており、本市も例外ではなく、異常気象によって特に雨の被害がふえていくのではないかと大変危惧しているところでございます。
札幌市の下水道では、アクアレインボー計画と名づけて、これは昭和53年からスタートしたもので、35年もたつ計画でございますが、着実に整備を進めてまいりました。1時間当たり35ミリの雨を対象にしておりまして、その進捗は約87.5%であり、一定の浸水被害への対策は進んでいるものと聞いております。しかしながら、一定の整備が進んだものの、毎年のように浸水被害が発生しているように思うものであります。
そこでまず、浸水被害の発生状況についてお尋ねいたします。
ここ数年、年に何回ぐらいの被害が発生しているのか、また、被害が発生しやすい場所はどういうところなのか、まずはお尋ねいたします。
◎紅露 計画担当部長 まず、浸水被害の発生状況についてお答えいたします。
直近5年間の浸水被害があった回数を申し上げますと、平成21年度は浸水被害報告がありませんでしたが、平成22年度は6回、23年度は4回、24年度は6回、今年度につきましては既に7回の浸水被害を確認しております。
次に、被害が発生しやすい場所については、雨の降り方にもよりますので一概には言えませんが、地盤の低い北区、東区、白石区などで被害が多い傾向が見られます。また、雨水対策の整備が完了していない地区でも被害が多く見られる状況となっております。
◆福田浩太郎 委員 近年では、地盤の低い地区で被害が多く、また、雨水対策が完了していない地域でも浸水被害が多く発生しているというお答えだと思います。
今定例会の代表質問で、我が会派の芦原議員から、雨水対策について考え方を質問し、これまで進めてきた下水管やポンプ場の増強などに引き続き積極的に取り組むとの答弁があったところであります。現在の計画がまだ完了していないのですから、答弁のとおり、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
そこで、再質問させていただきます。
今後の整備については、被害が多く発生しているところを優先的に重点化して速やかに整備を実施していくことが重要ではないかと思いますが、今後の整備の考え方についてお尋ねいたします。
◎紅露 計画担当部長 整備の考え方についてお答えいたします。
まず、これまでの取り組みでございますが、浸水した場合の影響が大きい地下鉄駅周辺などを重点的に実施してきておりまして、直近では菊水、麻生周辺を整備したところでございます。また、今年度は、昨年の被害を含めまして、東苗穂地区などで雨水拡充管の整備を実施しております。今後につきましても、現計画で残っている対策について、過去の浸水被害や被害が地域へ及ぼす影響などを考慮して地区を選定し、中期経営プランに位置づけ、積極的に取り組んでいく考えでございます。
◆福田浩太郎 委員 浸水被害や地域への影響を考慮して地区を設定しているということでございます。引き続き、スピード感を持って対策を進めていただきたいというふうに思います。
ここまでは、現計画について質疑させていただきましたが、次に、下水道の計画降雨量を超えるような局地的に短時間の強い雨、いわゆるゲリラ豪雨への対応についてお伺いいたしたいと思います。
現在、1時間当たり35ミリの整備水域をいきなり50ミリとか100ミリに引き上げることは、物理的にも費用的にも難しいことは理解いたします。また、ゲリラ豪雨は、いつ、どこで降るのかわからないので、全てに対応していくことが難しいということも理解できますけれども、何か少しでもできることから手を打っていく必要があるというふうに思います。特に、何回も浸水被害が発生している場所やくぼ地など、浸水に弱い場所については、ゲリラ豪雨による被害が一層拡大するのではないかと代表質問で取り上げたところ、ソフト対策も含め、総合的に検討していきたいというご答弁でございました。そこで、芦原議員からは再質問、要望のような強い訴えがあったわけです。
そこで、伺いたいと思いますけれども、浸水に弱い場所だけでもさらなる抜本的な対応を期待するところですが、答弁にあったソフト対策も含め、総合的な対応についてどのようなイメージをお持ちなのか、具体的な考えがあればお伺いしたいと思います。
◎紅露 計画担当部長 浸水に弱い場所への対応についてお答えいたします。
計画降雨を上回るゲリラ豪雨につきましては、減災の観点が重要と考えております。ご質問にありましたくぼ地などの浸水に弱い場所への具体策ですが、浸水被害を軽減させるため、浸透ますの設置とか河川へのバイパスといった排水機能の強化や、下水管の清掃、パトロールといった維持管理の強化が考えられます。加えて、大雨に対する防災意識を高め、注意喚起を促すためのリーフレットの作成、配布といったソフト対策なども含めて、今後、地域特性を踏まえてどういった取り組みができるのか、総合的に検討してまいりたいと考えております。
◆福田浩太郎 委員 少しイメージはできました。恐らく、芦原議員も少し安堵しているのではないかと思います。財政的に厳しい状況にあることは理解いたしますけれども、安全・安心にかかわる部分でございます。ソフト対策だけではなく、しっかりとインフラ整備の充実を図り、抜本的な対策につなげていくべきと考えます。
東京都では、地下に直径10メートルを超える巨大な施設で20万トンを超える調整池をつくり、浸水被害の軽減に大きく貢献していると聞いています。ゲリラ豪雨の浸水被害に備え、札幌にもこういった施設があれば安心できるのではないかと思っております。市民の命を守り、生活を守る災害に強いまちづくりは、市が取り組むべき最優先の課題の一つであり、防災、減災に対するより一層の取り組み推進を強く要望して、私の質問を終わります。
○細川正人 委員長 以上で、第3項 河川費及び下水道事業会計決算の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回は、明後日18日金曜日午後1時から、水道局及び交通局関係の審査を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後6時3分...