次に、第3章 各機能の整備計画でございます。
まず、高
機能ホールについてでありますけれども、
札幌市民会館の閉館、あるいは、さっぽ
ろ芸術文化の館の老朽化を踏まえまして、新たな市内大
規模ホール3館体制の構築を目指して整備するものであります。
さっぽ
ろ芸術文化の館は、高
機能ホールへその機能を引き継ぎ、整備後には閉館することを予定しております。この高
機能ホールは、オペラ、バレエ、ミュージカルなど、規模の大きな国内外の本格的な
舞台芸術やポップス、演歌、
歌謡曲コンサートなど、さまざまなジャンルの公演の鑑賞の場であるとともに、
舞台芸術の創造の場としていく考えでおります。その役割といたしまして、札幌の
舞台芸術の振興への寄与、ライブ・エンターテインメントの拠点などを掲げております。さらに、運用の基本方針といたしましては、札幌の
舞台芸術の育成、発信、利用者の使いやすさへの配慮など4項目を掲げ、事業展開として自主事業、
貸し館事業、提携事業という枠組みで検討を進めております。
次に、
アートセンターにつきましては、札幌固有の
アート資産の質を高め、これら相互の連携をコーディネートしていく
アートマネジメントを中核に、札幌の
文化芸術活動全体を支え、育て、一層推進するための拠点として整備する考えであります。
その取り組みといたしましては、創造的な事業を企画、調整、運営、成果を公開していく、あるいは、
アートマネジメントを担う人材を育成する、アーティストの活動を支援するなど5項目を掲げ、(3)の機能及び想定事業としては、これらに対応した、ごらんのような企画、調整、運営、
アートマネジメント人材の創出に対応する想定事業を掲げております。
次に、都心にふさわしい図書館であります。都心にふさわしい図書館は、蔵書や機能面で特徴を有した既存の図書館とは異なるオンリーワンのライブラリーとして整備し、
市立図書館全体の
魅力アップを図っていこうというものであります。具体的には、都心に集う、主に大人を対象に、札幌の魅力やまちの情報、ビジネスやさまざまな課題解決に役立つ情報を提供し、都心の知的空間を目指そうというものでありまして、そのための機能といたしまして、情報収集、閲覧機能、展示・
プレゼンテーション機能などを掲げております。
次のページをお開きください。
第3章の続きですが、その他の共通施設ということで、ただいまご説明いたしました三つの
基本機能の相互が連携し、一体的に運営していくこと、あるいは、運営の効率性の確保が重要であります。また、利用者にとっては、個別施設にかかわるわかりやすい動線が確保され、豊かな時間を過ごす場が必要である、このために
屋内広場等を用意しようということであります。
最後に、以上の四つの機能に対応いたしまして、ここに表を掲げておりますが、各機能に必要な諸室と規模をごらんのように想定しております。高
機能ホールで言いますと、主舞台、舞台周りがございまして、約2,300席の客席を持ち、総面積約3万平方メートルを想定しております。
アートセンター、都心にふさわしい図書館、関連機能につきましては、ごらんのような内容で全体で約6,000平方メートルを想定し、合わせて約3万6,000平方メートルと想定しております。
次に、第4章の施設配置1です。
市民交流複合施設は、多様な機能による大
規模複合施設であることから、複合化による相乗効果、あるいは、利用者にとっての利便性や
わかりやすさ、快適性、運用の効率性などの確保が重要であると考えておりまして、今、申し上げたような五つの方針を設定しております。
その下に、
施設配置イメージという図がございます。各施設は、屋内広場に面して、奥に行くにつれて動的、開放的な活動から、静的、閉鎖的な活動が行われるような場となるよう配置し、各施設は一体的な利用、相互連携を図るよう配置するという考えをとっております。
以上の考えに基づきまして、諸室の関連性、それぞれの部屋ごとの関連性が重要ですので、それを表現したものが右側の図でございます。
次のページをお開きいただきたいと思います。
実際に各階の具体的な施設配置として設定したものがこの図でございます。ピンク色で表示しているところに屋内広場とありますが、これを南側に配置するとともに、
吹き抜け空間とすることによりまして、上層階まで至る明快な縦方向の動線を設置することとし、施設全体の
エントランス機能を果たすことを考えております。日ごろ多くの市民が行き交う1階、2階には、
アートセンター、都心にふさわしい図書館の諸室を配置しております。また、1階には、
オープンスタジオなどの不特定多数の市民にアピールし、利用に供する施設、2階には、1階より静的な活動が行われる図書の
閲覧スペースなどを配置しております。また、大規模な空間を有し、開演時のみの利用となる高
機能ホールについては、4階以上の上層階に配置し、
アートセンター等と連携して利用する諸室は、双方から利用可能な3階に配置しております。
次のページをお開きください。
第5章として、建築計画上の配慮という項目を起こしております。
まず、一つ目は、将来の機能転換に対応可能な自由度の確保です。
この施設は、整備後、当然50年を大きく超える長期にわたって使用することになります。したがって、現時点での想定で計画はいたしますけれども、将来の利用形態の変化、需要のいろいろな変化に柔軟に対応できる建築物としておくことが重要だと考えておりまして、四角の中にありますようにシンプルな平面形状とし、
レイアウト変更の自由度を高める。当初からつくり込み過ぎない仕上げ、建築意匠として、コストを余りかけずに用途変更ができるような用意をしておこうということであります。
それから、二つ目として、動線計画です。
主要な動線は、最大2,300人のホールの観客、それから、
アートセンター、図書館の利用者が安全かつ快適にアクセス、移動できる、あるいは、非常時に避難できることを確保する、そのための十分な輸送能力を確保するということであります。計画に4項目掲げて、それぞれの動線を明快にするということで設定しております。例示として右側に二つ図がありますが、二つあるうちの左側、これは観客と
利用者動線のイメージですけれども、ごらんのように、階段、エスカレーター、
エレベーターそれぞれを明快に上下につなぐ配置として円滑に上下移動できるような計画としていきたいということであります。
それから、一番右側は避難動線のイメージですが、ただいま申し上げた通常時の
観客利用者動線に加えて、非常用階段と非
常用エレベーターをそれぞれ縦方向につなげていく計画としていきたいという考えであります。
最後に、左下、第6章の事業化の概要であります。
まず、
想定スケジュールですが、今、平成24年度末でして、この後、この
整備基本計画を25年度の早いうちに策定して、それと並行して
施設計画を検討していくことになります。また、運営計画も具体的に検討していくことを考えております。
なお、その下に参考として、北1西1再開発事業の
スケジュールもありますが、今、
環境影響評価手続を進めておりますけれども、新年度になりまして、今回の
整備基本計画を受けて基本設計を進めていきます。それに対応させながら都市計画の手続をし、25年度末の
都市計画決定を目指すことを想定しております。その後、平成26年度に組合設立等々の手続をしながら実施設計を行い、26年度の末ごろに着工、その後、29年度に竣工し、30年度からの供用開始を目指しております。
最後に、
想定事業費ですけれども、今、
市民交流複合施設の費用として約270億円を想定しておりまして、そのうち、市費が約257億円、国費として約13億円を見込んでおります。ただし、現在、設計作業前の概算でありますので、幾らか変更になることはあり得ると考えております。
○しのだ江里子 委員長 それでは、質疑を行います。
◆川田ただひさ 委員 私から、3点ほど質問させていただきたいと思います。
きょうは、概要のみで、
アートホール、または図書館について具体的な説明はなかったわけでございますが、
市民交流複合施設整備の中で、
アートセンター、また図書館もつくられるということであります。ただ、
市民ギャラリーであるとか、そういった既存の施設もありまして、やはり、そこでは足りない部分があることも以前いただいた資料の中にはございました。そういう意味で、新しくいいものをつくっていくために、中核機能を果たしていくのは大事だと思いますが、創造活動の中核機能という以前に説明いただいた部分も含めて、この
複合施設において、今、併設されるものを中心にこれから具体的にどのように行っていくのか、その点についてお伺いしたいと思います。
◎星
都心まちづくり推進室長 アートセンターで言うところの創造活動の中核機能とは具体的にどういうことかということでございます。
市民の皆さんのさまざまな創造的な活動を促進しようということに当たりまして、既存のさまざまな施設は貸し館としてそういう場を提供しておりますけれども、今後さらに多様な人とか物の連携を図りながら、
創造的活動をより積極的に展開していくことが重要との認識に立っております。そこで、ここで言う中核機能というのは、貸し館としての役割ではなく、施設みずからがさまざまな活動をつくり出し、発信していくこと、そのように認識しております。
◆川田ただひさ 委員 貸し館ではなく、いろいろな機能を発信していく場、その中心的な役割ということでお話を賜りました。しかし、先ほどの説明の中にはないのですが、いただいた
基本計画(案)をいろいろ読ませていただきますと、以前に創造都市さっぽろ宣言をしていることもありますが、
国際芸術祭の
実行委員会の下部組織として創造都市さっぽろ・
国際芸術祭実行委員会メディアアーツ部会があるということであります。その中で、
クリエーティブ産業、また
メディアアーツの
産学官交流連携研究組織をつくって、そして、大学の研究者、企業の人が連携して政策提言とか人材育成を行っていく、そういった場所にもしていきたいとこの冊子の中に説明がございます。
そこで、業界というのでしょうか、そういったところと連携する施設として、具体的にどのように使わせるのか。
また、
国際芸術祭が平成26年にあります。もちろん、このときに
複合施設はまだできておりませんが、この
ディレクターの坂本龍一氏は2年契約で、
国際芸術祭において
ディレクターとして契約しているわけです。これから彼の提案に基づいた芸術祭をやっていく中において、この
複合施設にかかわりがあるのか否か、その点についてお伺いしたいと思います。
◎星
都心まちづくり推進室長 まず、
メディアアーツ部会がかかわる業界との連携なり、この施設の使わせ方ということでございます。
メディアアーツ部会は、時代の
クリエーティブ産業や
メディアアーツの振興と人材育成に貢献していくものでありまして、
市民交流複合施設は、その動きと整合性をとりつつ、多様な
文化芸術活動の中心的な拠点として連携を図っていくものと考えております。また、将来的には、
メディアアーツ部会の取り組みにより生み出された創造的な事業の発表なり発信の場として、本施設が活用されていくものと考えております。
それから、坂本龍一氏とこの施設の計画との関係ということでございますけれども、坂本龍一氏は、
市民交流複合施設整備基本計画の検討を進めるに当たっては、一切かかわりはお持ちいただいておりません。
◆川田ただひさ 委員 この点については、当然、
経済委員会、
文教委員会にもまたがりますけれども、これからもいろいろ具体的にお聞きしたい点がありますので、よろしくお願いいたします。
最後に、そういう形で文化的な発信の中核の場所にするということでございました。そういう意味では、やはり、せっかくつくられるわけでありますから、私個人としては、近代的な味気ない合理的なビルよりも、時計台のように観光客の方も非常に楽しめるような、役所だからこそ芸術的な建物を建てるべきではないか、市民が長く愛せる建物にするべきではないかなと。場所も中心地でありますので、私自身はそういった建物にしていくべきではないかと考えておりますけれども、その点について何か考えているのか否か、お伺いしたいと思います。
◎星
都心まちづくり推進室長 この建物全体が芸術的な建物であるべきではないか、多くの人に親しまれ、そこに行ってみたいと思うような建物にというような趣旨かと思います。
再
開発準備組合では、
創世交流拠点の形成に当たっての目標であります先進性とか独自性、多様性のあるにぎわいの創出、あるいは、札幌の新たな創造性の象徴と発信を具現化する建物を目指しております。建物の内部でさまざまな活動が行われますので、いろいろな活動が外部に自然としみ出していくような、そういうことが感じられるような外観ということがあろうかと思います。もちろん、機能性を確保しながらというのが第一かと思います。それを無視しての芸術性というご主張ではもちろんないと思います。機能性を確保しながら、やはり、美しく、だれにも愛され、ある種の
モニュメンタル性を持ったような建物を目指していくということは、ぜひ検討していきたいと思っております。
◆川田ただひさ 委員 せっかくお金をかけますし、もしそうなるともうちょっとかかってしまうかもしれませんけれども、やはり、私はそのことが大事かと思います。その点は、これからいろいろと計画を立てながらやられると思いますけれども、ぜひとも札幌独自の魅力、また札幌の歴史、こういったものを表現できるような場所にしていただきたいなと。そういった一つ一つを実現していくことが本当の芸術であり、文化であると思っております。
市立博物館もこれから必要ではないかと思っておりますが、そういったものも通じながら、札幌独自のアイデンティティーの確立を発信できる場所にしていく、私としてはこういったことが必要だと思っております。中身も当然そうですし、また、外観においても、多くの方に親しまれるような、後世にも残せるような、そういったものにしていただきたいと要望しまして、質問を終わります。
◆
ふじわら広昭 委員 私も、(仮称)
市民交流複合施設整備基本計画(案)について、最初に2点質問いたします。
1点目の質問は、
想定事業費の内容について、2点目は、
想定事業費の積算根拠についてであります。
市民交流複合施設については、旧市民会館の閉館後、その継続施設のあり方について検討が進められ、2008年、平成20年10月に
基本計画が策定されております。その後、4年余りを経て今回の
整備基本計画案が取りまとめられ、その整備費として、
概算事業費約270億円という金額が初めて明らかになりました。先ほど、
市民交流複合施設は、高
機能ホール、
アートセンター及び都心にふさわしい図書館で構成されるとの説明がありました。この
市民交流複合施設は、再開発事業で整備をされることから、都市再開発法に規定される
権利変換計画で整備されるものと理解しております。
そこで、1点目の質問は、
想定事業費約270億円についてはどのような内容で構成されているのか、まず、伺いたいと思います。
同じく、質問の2点目は、先ほどの
事業スケジュールで、来年度、基本設計に着手する旨説明がありましたが、このたびの
想定事業費は、設計前のこの段階でどのように算出されたのか、伺います。
また、今後、大きく変更となる可能性もあると資料に記載がありますけれども、その辺についてどのように考えているのか、以上2点、伺います。
◎星
都心まちづくり推進室長 まず、
想定事業費約270億円はどのような内容で構成されるかということでございます。
整備基本計画に記載しております
想定事業費は、土地と建物を含めた床価格の総額約350億円から、現在、札幌市が事業地内に所有しております土地の費用の相当額、約80億円ございますが、これを減じた新規の投資額として約270億円としております。床取得にかかわる札幌市としての支出額は、ここからさらに
公共施設整備に対する国からの交付金、現在約13億円と見込んでおりますが、それを減じて約257億円と想定しております。
なお、今後実施する予定となっております基本設計の中で
施設計画を精査していくとともに、施設整備に対する国からの
交付金制度の動向なども注視しながら、可能な限り市の支出額を低減すべく検討してまいりたいと考えております。
次に、2番目ですが、このたびの
想定事業費はどのように算出されたのか、それから、大きく変更になる可能性があるのかということでございます。
ここでお示ししました
想定事業費は、現時点での想定規模や各用途の配置などをもとに、建物費と土地費の概算額を算出したものであります。このうち、建物費は、全国の類似施設の建設単価などを参考に試算したものでありまして、土地費は、
不動産鑑定士に参考意見を聞きながら、各用途の
配置規模等を考慮した
持ち分割合を概算して算出しております。したがいまして、この
想定事業費は、設計作業や正式な
不動産鑑定を行う前のあらあらの試算でありますため、当然、今後の詳細検討や経済環境の変化などによって変更になり得るというふうに考えます。ただ、
市民交流複合施設は多額の市費を投じて整備するということでもありますので、先ほど申し上げましたように、できるだけ低減に努めてまいりますが、現在のところ、ここから大きく変わるとは考えておりません。
◆
ふじわら広昭 委員
複合施設の工事費として、今では約350億円だが、札幌市の土地代が80億円なので、それを差し引きして270億円、また、国から13億円が出てくるということでありました。
再質問は、今後、この施設建設に当たって、市民意見の把握をどうしていくのかということについて2点伺いたいと思います。
今、説明がありましたように、
想定事業費約270億円という多額の事業費を投じて整備することになりますけれども、財政状況が厳しさを増す中、その必要性や意義について、市民の理解を得る取り組みが必要であると思います。また、市民の声や意見を把握した上で検討を進めていくことが重要であると言えるわけであります。
そこで、質問の1点目は、
整備基本計画案については、ことし4月に
パブリックコメントを実施することが示されておりますけれども、同施設の検討において、これまで、どのような方法、場面で市民意見を聞いてこられたのか、また、施設の建設に関して主にどのような意見が寄せられたのか、伺いたいと思います。
質問の2点目は、今回の
パブリックコメントの後に市民意見を聞く機会などを設ける予定があるのか、ないのか、この2点について伺いたいと思います。
◎星
都心まちづくり推進室長 これまでの市民意見の把握についてです。
これまで、
公開ヒアリングとか
市民フォーラムなどの開催、あるいは、
基本計画段階で
パブリックコメントを実施しております。
基本計画の策定後も、
施設計画の検討を進めるに当たりましては、17の
文化芸術団体の代表者などと、随時、意見交換を実施しております。これらの取り組みの結果、
建設そのものに反対する意見はごく少数でありまして、オープンを心待ちにしているというご意見もありますし、施設の具体的な整備内容等への要望が多く寄せられております。
今後も、節目ごとに検討内容を明らかにいたしまして、市民意見を把握しながら内容を固めてまいりたいというふうに考えております。
◆
ふじわら広昭 委員 基本的な計画をつくる段階で、ヒアリングをしたり、17の団体からの意見なども聴取してきた、反対意見は少数であったということであります。ぜひとも、今後とも節目ごとにこうした市民の皆さんの意見を聞いて、よりよいものをつくるようにしていただきたいと思います。
次に、保留床について確認させていただきたいと思います。
今回の
整備基本計画(案)とは直接関係ないかもしれませんが、先日の予算特別委員会においても、北1西1地区再開発事業の保留床などの面積に関する質問がありました。その中で、保留床は約7万平米、権利床、土地の地権者だと思いますが、これは約2万3,000平米、その他の共有部分が約3万平米云々と答弁をされていたと私は記憶しております。
そこで、質問の1点目は、保留床約7万平米というのは少しわかりづらかったのであります。再開発ビル全体面積が12万5,000平米程度というやりとりもありましたが、この7万平米というのは、12万5,000平米のうちの保留床全体の面積ということで理解していいのか、また、違った角度で理解していかなければならないのか、この点について伺いたいと思います。
2点目の質問は、保留床の中身についてであります。
基本設計は、新年度に着手する旨、説明がありました。当然、まだ確定していないわけですから、現段階においては想定で結構でありますが、保留床の内容とその処分の見通しについてどのような考えを持っておられるのか、以上、2点伺います。
◎星
都心まちづくり推進室長 まず、先日の予算特別委員会の答弁の保留床7万平米というのは、建物全体12万5,000平米のうちの保留床全体かというご質問でございますが、約7万平米というのはこの再開発事業で見込んでおります保留床全体の面積であります。
ちなみに、その内容を申し上げますと、保留床取得予定者として事業参加している放送局や駐車場、それから
市民交流複合施設の一部など、地権者が権利床に加えて取得する床、これも保留床と言っております。そのほかに、オフィスの床としておよそ1万平米程度を見込んでいるものでございます。
それから、2点目の現段階での保留床の内容と処分の見通しということです。
再
開発準備組合では、昨今の厳しい経済環境を踏まえまして、オフィスなどの床需要に関するヒアリングとか調査を継続的に行っておりまして、処分の見通しが立つ現実的な計画にするべく検討を進めております。オフィスの床、保留床につきましては、こうした調査結果などを踏まえ、確実に処分の見通しの立つ規模にすることとしておりまして、現在、準備組合が複数の企業と協議を進めているところでございます。
◆
ふじわら広昭 委員 この間の予算特別委員会の議論なども含めて、また、今の説明、回答からいきますと、保留床全体で約7万平米であるけれども、放送局とかいろいろなものを除いて、実質的にオフィスとして使っていくものは約1万1,000平米ぐらいという認識でよろしいでしょうか。
◎星
都心まちづくり推進室長 今、おっしゃられたとおりでございます。
◆
ふじわら広昭 委員 最後に、要望を申し上げて、質問を終わりたいと思います。
私ども民主党としても、2008年に策定された
基本計画について、賛成というか、評価をしてきました。その評価をしてきた点としては、文化芸術の振興や都心のまちづくりの推進という柱がこの
基本計画の中にもしっかり盛り込まれていたからであります。しかし、先ほどの質疑の中でもありましたが、多額の事業費を投じて整備するわけでありますから、例えば、過去の例を出しますと、札幌ドームやKitaraも建設当時は賛否両論の議論があったわけであります。しかし、今は、この二つの施設についてとやかく言う人は少ないと思うわけであります。やはり、Kitaraや札幌ドームのように、この市民交流施設も相当の集客力を有することになるような、札幌の経済活性化を牽引していくような位置づけ、取り組みが重要になってくるのではないかというふうに思うわけであります。
先ほど申し上げましたドームやKitaraでは、さまざまなイベントや行事を通じて、飲食、宿泊、観光、交通などの集客交流産業の売り上げ増や雇用創出といった経済効果も生み出してきております。そういう意味では、改めて、
市民交流複合施設でも、単に一つの文化芸術施設としてだけではなくて、集客交流産業の中核とする視点、戦略が必要であることを指摘すると同時に、今後も関係者の一層の努力を要望して、質問を終わります。
◆阿知良寛美 委員 私も、簡潔に2点質問いたします。
交流
複合施設ということですから、高
機能ホールということで、さまざまな催し物、
舞台芸術の振興というもので、エンターテインメントなんていうこともどんどんと行われるわけで、その意味ではこれから相当な集客が見込めるだろうと思います。ただ、そのときだけ人が来るということでは、これはまた困るわけで、それ以外に、札幌市民、さらには道内外の観光客も含めて、常にここに集っていただけるような機能を持たせることが大事だと、これまでもこのように言ってまいりました。
その一つとして、やはり、アートというものの考え方があるだろうと思います。そういうものがこの中に含まれるということでありますから、きょうは、そういう質問というわけにはいかないでしょうけれども、例えば、先ほど出ていた
市民ギャラリーなども、常日ごろ、議会で場所的な問題、さらには駐車場の問題を指摘されておりますから、こういう面では合体するということも一つだろうと。それから、恐らく、札幌市には、文化というか、寄贈も含めて、こうした作品を相当所有しているだろうと思います。やっぱり、そういったものを市民の皆さんに見ていただく場所も必要ですから、私は、こういった
複合施設を、早期に、そして確実に実現していただきたいということで、賛成する立場から2点質問いたします。
先ほど説明がありましたけれども、
市民交流複合施設については、北1西1地区の再開発事業でその実現を目指すということで検討が進められているところであります。そして、説明があったように、
事業スケジュールでは平成30年の施設オープンを予定しているということでありました。来年度、基本設計に着手して、施設の計画や事業費について精度を高めていくということですが、今後の詳細検討においては、経済環境の動向に応じて事業費が変更となる可能性もあるといった答弁がありました。これは、できるだけ抑えるという答弁でありましたけれども、逆に言うと、高くなるということもあり得るのですね。
なぜかといいますと、私が危惧することの一つとして、折しも、今、国を挙げて東北大震災の復興対策が1丁目1番地ということで、今後、本格的に事業が実施されていくことが当然予想されますから、
スケジュールがこの
市民交流複合施設の整備事業とちょうど重なるような時期になるのだろうと思います。今現在、専門誌とか新聞などの報道によりますと、震災復興を主な原因として、建設資材の高騰、人件費の高騰で発注しても不調に終わるということをよく聞きます。こういう中で事業を進めることについて、
市民交流複合施設の整備費の高騰が懸念されるわけであります。その意味では、震災復興などの影響があるこの時期を避けて、例えば、着手の時期をおくらせる、重ならないようにする、オーバーラップをさせないとか、向こうは相当年月がかかりますが、そういった可能性があるかどうか。それからまた、先ほど国費を入れて270億円、札幌市が257億円というお話がありましたけれども、これだけ多くの費用がかかるわけですから、例えば、
市民交流複合施設の規模を見直すとか、縮小するだとか、そんな考えがあるのか、ないのか、お伺いいたします。
◎星
都心まちづくり推進室長 まず、震災復興で建設関係の影響がさまざまに出ておりますけれども、そういう影響が出ている時期を避けて、着手の時期をおくらせる可能性があるのか、ないのかということでございますが、今、そういうことは考えておりません。事業の延期につきましては、将来の社会情勢が現在よりも改善されるのかどうかということを予測することは不可能であります。また、再開発事業は共同事業でありまして、これまで積み重ねてきた事業推進に向けた合意形成が崩れかねず、大きなリスクが伴いますので、関係者の理解を得ることが困難であることも含めて、時期をおくらせることは考えておりません。
札幌市といたしましても、
市民交流複合施設の完成に伴い、閉館する予定のさっぽ
ろ芸術文化の館の存続期間を延長するために大規模な改修工事が必要となるという影響も出ますので、繰り返しで恐縮ですが、時期をおくらせるということは、今、考えてはおりません。
それから、規模を見直して縮小するような考えはあるのかという2番目のご質問です。
現在想定している
市民交流複合施設の規模は、必要となる諸室などは必要最小限の規模としているとともに、三つの
基本機能の間で相互利用や類似の部屋、重複の部屋を集約化するなどによりましてできるだけ合理化を図ることとしています。また、ホールにつきましては、国内外のすぐれた
舞台芸術の公演に支障なく対応できる十分な広さを持つ舞台や、さっぽ
ろ芸術文化の館の機能をも受け継ぐホールとして約2,300席の客席を確保する必要がありますことから、現在の想定規模は妥当であろうと考えております。
したがいまして、大幅な規模縮小は困難かと思いますけれども、今後、実施する予定の設計作業などによって詳細検討を進めていく中で、よりコストの縮減が図れるよう精査してまいりたいと考えております。
◆阿知良寛美 委員 これから実施設計ということで、建物は当然すばらしいものができるだろうと期待しますけれども、その環境の面ということも含めて、より札幌らしさということで、世界にアピールできるように、妥協することなく、ぜひ――環境というと、太陽光パネルだとか、そういうことに行きがちなのです。簡単に考えている。その面では、もっと長期的なことを考えて、本気になって札幌らしいものをぜひ考えてもらいたいのですよ。それがやっぱり技術の継承になるし、だれもが誇れるものができるのではないかなというふうに思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
先ほど、ふじわら委員から、Kitara、ドームということで集客交流産業の中核としてという指摘がございました。我々公明党も、これまでも、さまざまな機会を通じて札幌経済の活性化の視点でまちづくりの重要性を訴えてきたつもりであります。特に、札幌市というのは産業基盤を持たないまちでありますから、こういった集客交流産業を基幹産業として育成していくことは非常に大事な考えだろうと思っております。
この施設は、270億円という多額の事業費を投ずることになりますが、可能な限りコストの縮減にしっかりと意を用いていただくことと、また、先ほどお話がありました札幌ドームやKitaraに肩を並べる本市の代表的な施設として、今、厳しい経済環境下ではありますけれども、だからこそ、札幌の経済を牽引するような、そうした起爆剤といいますか、そういった施設としてつくり上げていただきたい、また、早期の実現を目指していただきたい、これを要望して、質問を終わります。
◆坂本恭子 委員 私からも、何点か質問したいと思います。
まず、今回、四つの方針が高
機能ホール、
アートセンター、図書館、
屋内広場等ということで提案されています。昨年の決算特別委員会で、北1西1の再開発事業にかかわって、
市民交流複合施設について質問いたしました。その時点での確認ですけれども、ホール機能を持たせること、
アートセンターを設置すること、あわせて、
創造活動センターという機能を持たせる、そういう
複合施設にしていきたいのだというお話がありました。長年の構想の中で、
基本計画がこういう形でやっと出てきましたが、都心にふさわしい図書館というのは、当初の計画の中であったというふうに記憶しておりますけれども、
創造活動センターについてもいろいろお話をいただいたと思います。その役割が
アートセンターのところに大きくシフトしていって、そして、分化するような形で図書館機能が今回の
基本計画の中にのってきているものなのか。そこら辺は、いろいろ検討がなされたのだと思いますので、まず、そこについて、どういう経過だったのか、お知らせいただきたいと思います。
◎星
都心まちづくり推進室長 平成20年の
基本計画段階の
創造活動センターが、今回、図書館という形で浮上している関係についてだと思います。
まず、
創造活動センターは、平成20年に策定いたしました
基本計画で、
創世交流拠点の理念にふさわしく、さまざまな市民の交流を促すとともに、創造都市さっぽろの理念を具現化し、新しい札幌の魅力を発信する機能を有する場、ちょっと抽象的ですが、そういうことであります。それを受けまして、特に、
創造活動センターが担うこととした機能としては、一つとして、産学官の連携により関連分野の活性化を促すことと、もう一つは、その取り組みをサポートするためのライブラリーとかレファレンス機能、大きくこの二つで構成するものとして想定しておりました。
その後、関連の計画として第2次札幌市図書館ビジョンが策定され、一方で、創造都市さっぽろ・
国際芸術祭実行委員会に
メディアアーツ部会が設置されました。こういう状況変化を受けまして、
創造活動センターで当初想定した機能のうち、先ほど二つ目と申しましたライブラリーとかレファレンス機能については都心にふさわしい図書館という形で具体化し、一つ目の産学官の連携による関連分野の活性化については、創造都市さっぽろにおける
クリエーティブ産業と
メディアアーツの産学官交流拠点連携研究機関として組織された
メディアアーツ部会で担うという関係で整理したものでございます。
◆坂本恭子 委員 都心にふさわしい図書館ということで、これは、今、
文教委員会で具体的にやっていることですので、深くは入れないと思いますけれども、この間、検討されていたライブラリー機能とレファレンス機能をこちらに持ってくるのだというお話ですね。
そこで、果たして都心にふさわしい図書館になり得るのかどうなのかという議論は、また別途、やっていかなければいけないと思うのですけれども、もう一つお聞きをしたいのは、屋内広場のイメージといいますか、機能です。先ほども、前から奥にということだとか、下から上にという動線の中で、動的なものから静的なものにというようなお話もありました。とりわけ、屋内広場というのは、三つの機能を連携していく大きなかなめになるというのがイメージ図の中でも出ております。それから、計画の中の37ページにも絵が載っておりますが、ここで、いわゆるにぎわいを創出しながら、上に誘導する、あるいは、後ろに誘導していくような動線を考えていこうということだというふうに思うのです。ただ、まだちょっと具体的なイメージができないものですから、この点について具体的に示されるものがあるのであればお聞きしたいと思います。
それから、かねてより、1階部分については、日々、にぎわいを創出していきたいのだというお話がありました。この広場のイメージ図ですが、にぎわいの創出というところに屋内広場はどういう効果があるのかというところをお示しいただきたいのです。
◎星
都心まちづくり推進室長 屋内広場の具体的なイメージということです。
先ほどの説明と若干重複するかもしれませんが、今、ご質問の中でもご指摘いただいた施設配置のイメージというところで、屋内広場が全体の入口であり、それが平面的にも立体的にも大きな空間になっている。そして、かなり複雑な施設になりますので、各施設がそこにきちんと面していて視認性がある、あるいは、わかりやすく行ける空間をここで用意することによって、利用しやすくなる、あるいは、本来の目的ではないかもしれないけれども、別のことをやっていることが認識できる、そういう場にしていきたいと考えております。もう一つは、これは、先ほども説明で申し上げましたが、やはり、上下の人の移動をいかに円滑にするかということがここでは非常に重要です。そこで、この屋内広場の中でエスカレーター、階段、
エレベーターを非常にわかりやすく配置することも大事な機能だというふうに思っております。
それから、にぎわいの創出ということとの関係ですが、今、申し上げたようなことで、ここで常に人が行き交う、そこから具体的な目的のところに入っていくということです。なおかつ、例えば、カフェとかレストランも配置して、日常的にも楽しめる場所にしていくこと、それから、場所柄で考えますと、創成川通、創成川公園、それから、時計台側を横にかなり広い屋内空間でつないでいくことになりますので、通り抜け的機能も含めて多くの人が行き交う場にしていきたい、そんなイメージを持っております。
◆坂本恭子 委員 具体的にイメージができるようになるまでには、外観もそうですが、そこを共有するところにまではなかなか到達していないのだろうなと思うのですが、今、いみじくも、室長から、複雑な施設になっていくということで、屋内広場については、利用しやすい、あるいは、視認性の確保というお話がありました。
エレベーター、階段、エスカレーターへの誘導とか、わかりやすい配置とか、そういうお話もありました。
そこで、改めて伺いたいと思うのが、今回の高
機能ホールについて、4階がメーンエントランスということですが、これを1階でも低くできないのかということを繰り返し求めてきていました。その裏返しとして、仮にメーンエントランスを1階に持ってくると、日ごろのにぎわいが創出できないからというご答弁があったのかなと思います。実際に、屋内広場ができ、そして、4階には、先ほども観客動線と避難動線ということで、非常用の
エレベーターを設置するというご説明がありました。しかし、1階、2階、3階にさまざまなものが入ってきて複雑な施設になるということです。
そうすると、初めてホールに来る方は、行くときはゆったりしているからいいでしょう。いろいろなものを見ながら入っていくから、それも一つの楽しみになると思います。ところが、帰るときには一斉に人が出てくる、あるいは、何かあって逃げなければならないような状況になったときのことです。先ほどは、避難用の
エレベーターも確保されているのでそこを活用してもらうのだということで、4ページに、エスカレーター、階段、
エレベーターが動線として示されておりました。しかし、問題なのは、何かあったとき、あるいは、一斉にみんなが出ていくときですから、そこに対してどういう誘導をしていくのか。
私は、以前、エスカレーターについては、各階にとまるような配置を工夫できないのかというようなお話をした記憶がありますけれども、いろいろな使い方があると思うのです。地下からいらっしゃる方、地上からいらっしゃる方がいるし、直接、4階のホールに行きたい方、あるいは、回遊しながら上がっていきたい方とたくさんいらっしゃいます。ですから、それぞれのニーズに合わせてどういう動線が用意されているのかということが1点です。
それから、避難動線として、今のところ、この図でいくと非常用の
エレベーターが2基設置される予定になっていますけれども、例えば、非常用の電源の確保ももちろん付随してやられなければいけないことだと思うので、そういうことなども含めて避難動線の確保を考えているのかどうなのか、そこをお聞かせいただきたいのです。
◎星
都心まちづくり推進室長 ご趣旨としては、各階へのいろいろな目的、さまざまなニーズがある、あるいは、各階間のいろいろな移動パターンがあって、さまざまに対応できるようにすべきであるということかと思います。
それは非常に重要なことだと考えておりまして、必ずしもホールにただ人を上げたりおろしたりすることが縦動線の役割ではありません。1階、2階、3階には多くの方に利用していただきたい施設を用意しますから、しかも、少し寄り道をしながらということも期待しますので、当然、1階ごとの上下の移動もわかりやすく配置するとともに、さらに、大人数の移動が考えられるホールのロビー階と1階の上りおりのニーズにもきちんと対応できる、そういう複合的な動線計画がぜひ必要だと思っております。
それから、停電時の非
常用エレベーター2基の問題かと思いますけれども、当然、停電が起きても自家発電等々で機能することは絶対に必要なことだと考えております。
◆坂本恭子 委員 機械室の設置とか、いろいろな構造上の問題等もあって、4階が精いっぱいということなのかなとは思うけれども、何かあったときの対策をしっかりやっていただくことは、まず、改めて求めておきたいというふうに思います。
最後にしますが、先ほど、つくり込み過ぎないということで、長期にわたっては用途変更もできるようなもの、
レイアウト変更の自由度を高めるような趣旨のお話がありました。それは、全体的にそういうイメージで語られているというふうに理解したのですが、例えば、
アートセンター、図書館については、一定程度は固定した機能を持たせるわけです。まして、一体管理、連携していくということですから、つくり込み過ぎない、自由度を高めるということで、フレキシブルなものを求める余り、コンセプトがあいまいになっていかないのかなと。具体的なイメージがどうなのかという話まで行っていないと思いますが、魅力的なものにしたい、多くの人に利用してもらえるようなものにしたいというお気持ちはわかるけれども、コンセプトがあいまいになってしまうと、本当に市民の利用に供するものになっていくものなのかどうなのか、あるいは、時代の変遷に合わせて、スマートに、スムーズにうまく変えていける、それがこの施設のいいところなのだというふうに理解をすればいいのか。
その中で、先ほどから、いろいろなことについては節目ごとに明らかにするし、市民の意見ももらうのだという話がありました。そことの整合性というのでしょうか、方向性みたいなものについて、今お考えになっている範囲で結構ですので、お聞かせいただいて、質問を終わりたいと思います。
◎星
都心まちづくり推進室長 この
基本計画で、こういう機能構成、こういう役割の施設を計画しますということを言っておりますので、それに、きちんと対応できる施設をまずつくることが一番重要だと思っています。そのときの建築的な技術として、将来、10年後か20年後か30年後かわかりませんが、そのときにいろいろな社会的な要請、市民の要請があると思います。それに対応できるというのは、部屋の大きさなのか、部屋の役割なのか、設備なのかわかりませんが、これから何十年という中では当然そういう変化が起きてまいりますので、そのときに、例えば、コンクリートを壊すようなことをしないで対応できる工夫はぜひしていきたい、そんなことで考えております。
◆木村彰男 委員 私は、この事業について星室長とも何回かお話しさせていただいて、大変期待している事業であります。また、経済的効果も非常に期待できるということで、この間の決算特別委員会でもご発言いただいていたところでございます。
このホールにつきましては、一つは、自主事業といいますか、余り収益を期待しないでやっていく事業と、
貸し館事業といいますか、ある程度収益を期待して、いろいろなエンターテインメントに貸し出して、お客様に来ていただいて、その収益によってやっていく、そのほかに提携事業ということで、大きくは三つあるということでした。
当然、札幌の市民ホールを見ても、必ずしも収益が上がるコンサートばかりではなくて、それ自身が目的であれば、東京の松竹の歌舞伎座なんかを考えてみればわかるわけでございまして、それはそういうところでやっていくことになっていくかと思います。ただ、私が懸念するのは、特に、コンサート関係に貸し出す場合における使用料であるとか、もしくは、ここに出ておりますが、カフェ、レストラン、そういう事業者向けのものですね。そういうところの収益とか、その辺の採算性というのは、全体の事業の中で、例えば、当然、このホールを維持していくためには、維持費もかかりますし、修繕費もかかる、管理費も当然かかっていくわけでございまして、それらの想定の中で、全部を収益だけで賄っていくというのは、私は、正直言って難しいというふうに考えているのです。それが余りにも市民の過分なご負担をいただくようなことになれば、そんな高くつくようなものを何でつくったんだということで、後できっとまた後悔が出てくるというふうに考えております。ですから、これは、先ほどの余り膨らませ過ぎるなというのと同じような形で今後の事業の問題ともつながってくるのでございますが、この辺についてはどのような算段があるか、お聞かせいただきたいと思います。
◎星
都心まちづくり推進室長 今、再開発事業の中で、どの程度の規模、あるいは、どういう機能を持った施設を導入するかという
基本計画段階であります。
先ほども説明いたしましたが、運営計画はその上で検討していくことになるわけですけれども、今、おっしゃられた収支のバランスがなるべくとれるようにと。それは、ご指摘いただきましたように、公共のホールである性質上、完全にバランスをとるのは難しく、商業ベースだけでは賄えないということになると思います。一般市民のご利用も当然ありますので、その中でどういう管理運営形態にしていくかということを適切に検討していくことになりますけれども、先ほども申しましたように、まずは初期投資をできるだけ抑えることが、その後、検討する上でも必要なことと今は考えております。
◆木村彰男 委員 カフェであるとかレストランなんかも、最初は新しいですから、募集しても手を挙げる方がたくさんいらっしゃるかと思います。しかし、これは、丘珠空港ビルの例を見るまでもなく、お客さんが来なくなって収益が上がらなくなれば、収益還元法の原則からいっても、家賃を下げるとか、テナント料金を下げない限り、すべて出ていってしまう。そして、一たん出ていってしまうと、埋めるのはなかなか大変だと思うわけです。これと反対なのは、僕は新千歳空港だと思っているのですが、新千歳空港のビルであれば、例えば、同じ面積でも売り上げの多いところはたくさん払ってもらえるような家賃構成も考えられるわけです。必ずしも同じ面積で同じ料金をとっていないと伺っております。だから、そういうような可能性を含めて、やはり、非常にもうかるといいますか、お客様に入っていただけるような、そういうようなところにお店をつくっていただかないと、同じように面積だけ決めておいて、余りにも人通りから外れたようなところにレストランだとかカフェなんかをつくっていただいても、これはちょっと、これだけ同じようにつくりましたからといっても納得されないというふうに私は思うのですね。
ですから、当然、興行もしかりでございますが、入っていただく方々に納得いただくためには、そういう方々のご意見もお聞きいただいた上で、どういう程度の面積が必要なのかと。水回りにしても、間口にしても、照明関係にしてもそうでございますけれども、やはり、そういう方々との意見交換をしながら、ある意味ではその方々のご意見に合致するようなものをぜひつくっていただきたいというふうに私は考えているのです。それについてはいかがでございましょうか。
◎星
都心まちづくり推進室長 おっしゃるとおりだと思っております。
商業の店舗とか飲食店ということも一部導入を考えたいという中で、それは、テナントなり床を取得するかわかりませんが、実際に事業を展開されようという意欲をお持ちの方に十分意見を聞いて、どういう形ならより収益が上がるだろうかということで、今、意見交換とおっしゃいましたけれども、そういう調査をしながら、設計作業を進めていくように考えています。
◆木村彰男 委員 私は、この間の歌舞伎座のオープンの模様を見ていましたけれども、かなり大きなお土産屋さんみたいなものもあって、歌舞伎座特有のいろいろなグッズを売っているわけですね。ですから、今ちょっと出たレストラン、カフェのほかに、前にも言いましたが、ここに来なければ札幌としてのお土産が買えないようなものも含めて、ぜひ、幅広く商店の募集、希望者の募集をかけていただくことを要望して、私の質問にかえさせていただきます。
◆松浦忠 議員 私どもの会派は、この委員会に委員が出ておりませんので、番外で質問いたします。
まず、一つは、この270億円という見積もりはいつの時点で出したのか、改めて、その出した時点を示してください。
二つ目は、再開発全体の計画費の中で270億円が何パーセントを占めるのか、この2点をお尋ねします。
◎星
都心まちづくり推進室長 まず、270億円は概算ですが、算出の時期ですけれども、ことしの2月時点で計算しております。それから、パーセンテージは、およそ半分、5割という数字になります。
◆松浦忠 議員 ことしの2月というと、平成24年度の札幌市の建築単価で算出しているわけですか。札幌市における外注工事の建築単価を基礎にして算出しているのですか。
◎星
都心まちづくり推進室長 まだ設計作業を進めておりませんので、細かい工事単価、あるいは、積算基準を適用して算出しているものではございません。例えば、ホール等は、過去の類似施設の坪単価等に面積を掛けるという概算で算出しております。
◆松浦忠 議員 これは、かなり鉄骨とコンクリートを使うのですが、平成24年度に札幌市が発注した公共工事で、現在、3月竣工で施工している業者の皆さんが言われているのは、コンクリートなんかは価格が5割も上がっている。大体9,000円から1万円ぐらいだったものが、今、1万5,000円していると。札幌市の工事をやっている業者が、受けた段階からずっと上がっちゃって全く合いません、こう言っているのです。コンクリートですね。それから、骨材もそうなのですよ。したがって、全体的に価格が上がっていますからね。役所というのは、とかく収支を考えないのが役所ですから、上がったら上がったで、また補正します、金がなきゃ借金しますと、これが国も含めた行政の実態なのですよ。したがって、これが幾らかかるかというのは、今現在の価格状況の中で、やっぱり精査してきちっと示してもらわなきゃだめです。これを求めたいのですが、いかがですか。これがまず1点です。
想定の話ではだめなのですよ。なぜかといったら、先ほどの質疑の中で、ドームだとかKitaraだとか、金がかかったけれども、その後、市民から異論が出ていないなんて話をしているけれども、市民は、みんな、大変関心を持っていますよ。例えば、ドームだって、もう10年で維持管理のための営繕費が20億円前後かかるのでないかと。(発言する者あり)100億円というのは、それも一つの考え方です。いろいろやり方があります。最低でも20〜30億円はかかるだろうと言われています。それは、施工した竹中工務店に見積もってやれと言ったら、100億円という最大限に金かかるものが出てくると思うのです。維持管理費もやり方なのですよ。例えば、10年で100億円と言ったら1年で10億円だとか、そういう単位になってしまうわけです。そうすると、そういうことを含めて、市民がわかった上で合意を得なければいかぬということなのですよ。
したがって、私は、これについて、やっぱりきちっと精査をして出すべきだと。今現在、どのぐらいかかるかと。これから上がることが想定できないのはわかるよ。しかし、少なくとも今現在の値段で精査しなきゃいかぬ。私は、これから、平成24年度に施工した工事について、竣工したものを含めて実態調査をして、そして、実態として、企業の努力の範囲を超えるぐらい、大幅に価格が値上がりしているものについては補正をするべきだということを私は市長に求めようと思っているのですよ。それは当たり前のことです。
そういうことについては、もう世の中の常識です。したがって、それについて、計画の段階で、なぜそういう調査をしなかったのか、あるいは、そういうことは気づかなかったのか、その点について答えてください。
◎星
都心まちづくり推進室長 骨材とか鉄骨、あるいはコンクリートの価格が変動していく状況をつぶさに追跡し、現時点の
基本計画段階でその状況を反映するのはなかなか難しいというふうに考えています。それは、どのぐらいの量を使うかももちろんわかりませんし、なおかつ、どういう仕上げ、あるいは、構造計画、設備計画にするかということでも価格が随分変わりますので、今段階では過去の類似例の坪単価に面積を掛けるというやり方をしています。これから基本設計に入っていきますので、その段階で、当然、精査、あるいは、精度の高い算出をしていくことが必要だと思っています。
◆松浦忠 議員 この基本設計というのは、皆さん職員がやったのですか。それとも、外部の専門家に委託してこの構想をつくったのですか。どちらですか。
◎星
都心まちづくり推進室長 今回のこの計画書自体は、私ども職員の作業でやっております。ただ、もちろん準備組合の方で
施設計画をやっておりますから、それは専門の設計事務所の方にやっていただいております。
◆松浦忠 議員 見積もりのときに、建築部などに価格の動向などについて照会しなかったんのですか。
◎星
都心まちづくり推進室長 先ほど申し上げました理由でしておりません。
◆松浦忠 議員 これは、全く論外ですね。少なくとも市長が1人という中で仕事をするわけですよ。そうしたら、札幌市にはきちっとした建築の専門職の部門があるわけです。そして、相当な金額の発注もやっているわけです。そうすると、当然、見積もりについて、そういう価格動向などを聞いて、そういう中で、例えば、今までの平均だったら、いつの時点のどこの建物をとらえて平均と称しているのか。私が見たのでは、兵庫の県民ホールを見ていますよ。非常に安くできたと、あの当時言われていました。震災のずっと前ですね。それは何で見に行ったかといったら、やっぱり、札幌市の市民会館の構想があったから視察として行ったわけです。ですから、今、平均と言われたけれども、例えば、どことどこの建物を参考にして価格を算出したのか、示してください。
◎星
都心まちづくり推進室長 ホールで申し上げれば、例えば、兵庫県立の芸術文化センターとか中之島フェスティバルホール、あるいは、つい最近できました渋谷にありますヒカリエ、このようなものを参考にしております。
◆松浦忠 議員 渋谷のヒカリエは最近できたものですが、兵庫は大分前ですね。中之島もできたのは震災前でしょう。震災が起きてから着工したのはこの中にありますか。
◎星
都心まちづくり推進室長 着工はちょっと定かではありませんが、中之島のフェスティバルホールは新しくできたホールですので、昨年10月に竣工したものです。
◆松浦忠 議員 いずれにしても、多額の見積もりですから、そういうものをもう一回精査してきちっと出してください。そうでないと、事業決定した後からどんどん補正してお金を出していくよということでは、私はよくないと思うのですよ。ですから、今現在でかかる可能性のあるものはきちんと精査して、そういう中で概算の見積もりをきちっと出していく、これが計画的にやる事業のやり方ですよ。そういう点では、今の話だけでは、270億円という根拠は、あんまりにも大ざっぱと言うよりも、大海に何か大きなひしゃくを入れてすくい取るような感じの話なので、税金というのはそんなものではないのですよ。もっとシビアな、まさに杯ですくい取るような、これが税金なのですよ。杯ですくい取った税金を集めたものを使うわけですから、したがって、それを早急に精査していただくことを求めておきます。
中身については、いろいろな人がいろいろなことを求めるでしょうから、どれが最もいいなんていうことは結論づけられる話ではないです。ですから、それについては、身の丈に合ったものということだと思うので、金以外の議論を余りしてもしょうがないなというふうに私は思っていますから、その提出を早期にしていただくことを求めて、終わります。
○しのだ江里子 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○しのだ江里子 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を休憩いたします
――――――――――――――
休 憩 午後4時6分
再 開 午後4時7分
――――――――――――――
○しのだ江里子 委員長 委員会を再開いたします。
次に、白石区複合庁舎整備の進ちょく状況についてを議題とし、理事者から説明を受けます。
◎板垣 市民まちづくり局長 白石区の複合庁舎整備につきましては、昨年2月に
財政市民委員会の委員の皆様にお諮りし、その後、昨年4月から庁舎自体については基本設計を進め、一方で、民間機能導入の部分につきましては、
基本計画に基づき、公募プロポーザルを進めてきたところでございます。それにつきまして、一定の実施結果についてご報告できる状況となりましたので、お時間をいただきました。
それでは、説明につきましては区役所整備担当部長の谷内より申し上げます。よろしくお願いいたします。
◎谷内 区役所整備担当部長 私から白石区複合庁舎整備にかかわる基本設計と民間機能導入に向けた公募プロポーザルの実施結果について、お手元の資料に従いまして説明させていただきたいと思います。
配付資料でございますけれども、資料1が白石区複合庁舎の基本設計の概要、これが図面を含めて3枚でございます。次に、資料2は、白石区複合庁舎隣接地への民間機能導入に係る公募プロポーザルの実施結果についてでございます。これは、本体1枚と別紙1、2を合わせて3枚でございます。
それでは、資料1の白石区複合庁舎基本設計概要から説明させていただきたいと思います。
これまで、
財政市民委員会での説明につきましては、平成24年2月開催の本委員会におきまして、白石区複合庁舎整備の
基本計画の策定に当たり、計画案の説明をさせていただいております。その後、
パブリックコメントを経まして、平成24年4月に白石区複合庁舎
基本計画を公表したところでございます。今年度につきましては、この
基本計画に基づきまして複合庁舎の基本設計を取りまとめたところでございます。
この複合庁舎の立地条件といたしまして、白石区南郷通1丁目南の地域中心核として、区やそれに準じた地域の日常生活を支える拠点に位置づけられ、資料右側の配置計画にもございますように、環状通と南郷通の交差点の角地であり、周辺には白石駅や白石バスターミナルなど交通利便性の高い場所への移転となります。敷地の構成といたしまして、西側に複合庁舎を建設する公共用地、東側に地域に貢献できる民間機能を導入するための民間施設、その南側に民間事業者が建設する官民共用の駐車場とする配置を
基本計画時点で定めているところでございます。
それでは、資料の左側の上の部分になりますが、一つ目の施設づくりの考え方についてでございます。
この庁舎は、
複合施設として、これまで別々に建設しておりました、区役所、保健センター、区保育・子育て支援センター、区民センター、さらに、市内で初めて設置されます(仮称)絵本図書館を建設することから、区民へ複数の公共サービスを提供する施設となり、区民に親しまれ、利用しやすい施設を目指すために、一つ目は、区民にとってわかりやすく使いやすい施設であること、二つ目が、区民のさまざまな活動を活性化させる交流拠点であること、三つ目が、環境に配慮した施設であること、四つ目が、災害発生時であっても効率的・効果的な活動ができる庁舎であること、この四つの項目を設計コンセプトとしております。
次に、二つ目の設計概要についてでございますけれども、複合庁舎の面積といたしましては、敷地面積約4,250平米に対しまして、建築面積は約2,400平米、総床面積で約1万5,000平米となり、階数といたしましては、地上6階、さらに機械室が屋上に1階、地下2階の階構成となっております。この複合庁舎の整備に係ります概算工事費といたしましては、約58億円を予定しているところでございます。
先ほどご説明いたしました施設づくりの考え方に対応する整備内容として、わかりやすく使いやすい施設の視点といたしましては、右上の階構成のイメージ図のとおり、多くの市民が利用する窓口機能を低層階に配置するとともに、ちあふる、保健センター、(仮称)絵本図書館を庁舎の南側の上下に配置しまして、子育て関連施設の利用にわかりやすい施設配置といたしました。
地域コミュニティーの活性化の視点では、地上や地下のエントランス空間、隣接する民間機能との連携を想定したゆとり空間等を配置することによりまして、にぎわいや集いの空間として、区民が気軽に訪れることができ、世代間の交流であるとか、地域活動の発表の場など、さまざまな活用が期待できる空間として整備してまいりたいと思っております。それから、空間としましては、地下鉄やバスターミナルなどからの動線や、民間施設、駐車場との施設間の動線に隣接した配置であるため、その機能につきましては重要性が非常に高いものというふうに考えているところでございます。
環境に配慮した施設づくりの視点でございますが、再生可能エネルギーの活用などによります環境負荷低減に配慮することとしており、太陽光発電設備や地中熱の活用による冷暖房機能、熱交換負荷を低減します地中熱ヒートポンプ、木質バイオマス燃料を利用しましたペレットボイラー等を導入するとともに、庁舎内の照明のLED化などにも取り組んでまいりたいと思っております。
災害への対応の視点でございますが、区の防災、災害対策の拠点といたしまして、災害時の応急対応活動に必要な機能を確保することから、市有施設で初となる免震構造の採用、停電時の必要電力を確保する非常用電源設備、災害時におけます屋外仮設トイレから下水道に直接流すことができる管を埋設するマンホールトイレ、災害による断水時の飲料水を確保する緊急貯水槽を設置するところでございます。
次に、三つ目の配置計画、階構成についてでございます。右側になりますが、これまで説明した内容をまとめたものとなりますけれども、各施設の計画面積表、階構成のイメージ図、その下に複合庁舎の断面図を示しているところでございます。
次に、四つ目の整備
スケジュールでございますが、来年度の平成25年度に実施設計を行いまして、26年度より工事に着手する予定でございます。複合庁舎の完成予定としましては、平成28年度内を予定しているところでございます。
次のページは各階配置図となっておりますので、これは見ていただければと思います。
続きまして、資料2の白石区複合庁舎隣接地への民間機能導入に係る公募プロポーザルの実施結果についてをごらんいただきたいと思います。
まず、公募プロポーザルの実施目的でございますが、昨年4月に策定いたしました白石区複合庁舎
整備基本計画では、整備目標の一つとしまして、公共機能との相乗効果を見据えた地域に貢献できる民間機能の導入を図るということを掲げております。その目標実現に向けた具体的な取り組みとしましては、区民の生活に密接した、あるいは関連性の高い民間機能を導入し、利便性の向上などを図ること、さらに、地下鉄白石駅を中心といたしました都市機能の充実やにぎわいのある地域づくりを目指しまして、白石区の顔づくりを推進することを掲げているところでございます。これらのことを実現するためには、民間事業者のアイデアやノウハウを最大限活用することが必要となることから、公募プロポーザル方式により事業者の募集を行うことといたしました。
プロポーザルの実施日程でございますが、事業者の選考に当たりましては、外部の有識者を含む5名から成る選考委員会を設置いたしまして、昨年10月に募集要綱を公表いたしました。12月に応募を受け付けましたところ、2社から応募をいただきまして、選考委員会におけます書類審査、応募者へのヒアリングに基づいて最優秀提案者の決定を行いました。その後、必要な事務手続を経て、3月22日、最優秀提案者の名称の公表を行ったところでございます。
次に、事業提案に関する条件や審査方法でございます。
事業者の募集に当たり、民間施設につきましては、公共機能との連携を視野に入れた諸機能の導入を提案すること、また、駐車場施設につきましては、複合庁舎が必要とする駐車場機能も一体的に整備するなどの条件といたしました。審査方法につきましては、事業主体、導入機能、建築計画などの各項目について各委員が採点をし、この結果に基づき、過半数の委員が1位としたものを最優秀提案者と決定いたしました。具体的な審査項目、配点等については、資料のとおりでございます。
資料の右上に参りまして、最優秀提案者に決定した事業者の名称でございます。提案者は2社による共同提案となっておりまして、代表事業者が三菱UFJリース株式会社、構成員が北海道リース株式会社でございます。
最優秀提案者の事業計画案の概要でございますが、まず、建物用途としましては、銀行、物販、飲食、クリニックを予定しております。施設規模につきましては、地下2階地上3階建て、床面積は約4,800平米となっております。また、駐車場施設は、地上5階建ての自走式立体駐車場となりまして、収容台数は252台を見込んでおります。
今回の事業者募集に際して条件としました地域貢献等にかかわる提案につきましては、南郷通沿いのにぎわいの創出、複合庁舎との動線に配慮したオープンスペースの配置、それから、民間施設の設計段階でのワークショップの開催など区民意見の反映に向けた取り組みについてご提案いただいたものでございます。土地の賃借料につきましては、募集条件における最低額、月額85万8,000円を上回る約91万4,000円となっております。また、公用車や車で来庁される方のために本市が借り上げる駐車場につきましては、1台当たり月額1万4,500円、庁舎屋外倉庫につきましては、月額約97万1,000円の提案となっております。
なお、駐車場、倉庫の賃借料につきましては、今後、事業計画策定の協議の中で賃貸借料の低減を図るべく協議してまいりたいと思っております。
最後に、今後の予定ですが、最終提案者となりました三菱UFJリース株式会社及び北海道リース株式会社と、まず、事業予定者決定に関する覚書の締結を予定しております。その後、本市との間で、今、申し上げました協議を重ねながら、事業実施に必要となる事項の詳細について詰めまして、事業実施に関する基本協定を締結し、最終的に定期借地権設定契約に至る流れとなるところでございます。
○しのだ江里子 委員長 それでは、質疑を行います。
◆川田ただひさ 委員 私から、大きく2点質問させていただきたいと思います。
ご説明をいただきまして、今度は白石区の複合庁舎ということで、計画地は地域中心核として位置づけられております。先ほどもありましたが、やはり、白石においてもにぎわいを創出することは必要かと思っております。今回、民間事業者の公募プロポーザルにおいて、最優秀提案者が三菱UFJリース株式会社に決定したということでございますが、地域の拠点として、にぎわいの創出に向けて民間施設とはどのように連携されていくのか、この点は重要かと思っております。
そしてまた、にぎわいを創出するためにも、集客効果を高めるために駐車場などを用意しておりますけれども、なるべく公共交通機関を利用した形で来ていただく、そのこともまた一つの経済効果かと思います。そういったことを考えますと、この
複合施設を建てるに当たっては、公共交通機関としては白石であれば中央バスですか、こういったところとも話し合いをしながらやっていく必要性があるかと思います。そういう意味で、いかに多くの方が利用していただくか、こういったことについての取り組みをどのように進めているのか、この2点についてお尋ねしたいと思います。
◎谷内 区役所整備担当部長 民間事業者とどういう連携をしながらにぎわいの創出を図っていくのか、また、にぎわい創出に向けて集客効果を高めるためにはどのように進めていくのかということで、あわせてお答えさせていただきます。
白石区複合庁舎の整備に当たりましては、コミュニティ活動を活性化させるため、地上や地下のエントランス空間や民間機能との連携を想定したゆとり空間の整備を行うこととしておりまして、区民が気軽に利用できるようなオープンスペースを確保しているところでございます。このたびの民間施設の提案につきましては、南郷通側のにぎわいを創出するサンクンガーデンや施設内にインナーガーデンを設けるなど、さまざまな活動やイベントの展開が想定されるオープンスペースを配置して、地域活動への開放を想定しているところでございます。これらの機能が相乗的、効果的に高められまして、人々の活動を刺激してにぎわいの創出が期待されるものというふうに考えております。また、民間施設の設計段階から地域の方々とワークショップを行うことだとか、施設の完成後も継続して検討会を開催するなど、地域の活性化に向けた取り組みを進めることが提案されているところでございます。
さらに、集客効果を高める上で、公共交通機関の利用促進という視点は非常に重要と認識しておりますので、オープンに向けさまざまな取り組みを進めて集客してまいりたいというふうに考えております。これらの取り組みを通じまして、活気やにぎわいがあふれる拠点として整備されるものと期待しているところでございます。
◆川田ただひさ 委員 公共交通機関の利用促進といったことでは、停留所の問題であるとか、特に、南郷通、環状線があることによる渋滞とか、そういったことも非常に懸念されておりますので、利用しやすくするためにも公共交通機関と話をすることは大事かと思いますから、そういったことでぜひともお願いしたいと思います。
次に、庁舎整備に当たって、先ほど地域の方ともお話ししているということでございました。使い勝手のよい施設の配置、また、多様な地域の活動が展開される場の整備は当然のことですけれども、この中の説明にもありますように、災害対策ということも当然必要かと思います。先ほど、ワークショップにおいて、使いやすいという視点で地域の方々と話し合っているということですけれども、災害が起きたときにいかに機能を果たしていくかという部分も、意見を聞く、また、地域の方に協力していただくことも必要かと思います。
基本設計に当たって、区民との検討会で意見交換を行っているようですけれども、災害対策、また、使いやすいという視点も含めて、今までどのように進めてきたのか、その点についてもう一度お伺いしたいと思います。
◎谷内 区役所整備担当部長 地域とどのように意見交換を行って計画に反映してきたかというご質問でございます。
白石区複合庁舎整備計画の検討におきましては、平成22年度の区民ワークショップを前身としまして、翌23年に立ち上げました白石区複合庁舎整備に関する検討会におきまして、庁舎を利用する区民の視点から意見を取りまとめ、計画等に反映していくということで区民に親しまれる施設整備を進めてきたところでございます。検討会には、地域の住民組織のほか、若者、学生、事業者などの地域の各層、多世代にわたる方々に参加をいただいておりまして、複合庁舎の
基本計画、基本設計の各段階におきまして具体的なイメージを描きながら議論を深めてきたというところでございます。基本設計の検討におきましては、庁舎に必要な機能や使いやすさ、多世代の交流を促すような工夫など、また、災害に強い施設づくりという点でも大変大きな視点として意見交換を行ってきたところでございます。今般まとめました基本設計におきましては、これまでいただいた意見などを十分に踏まえて反映されたものと認識をしているところでございます。
この取り組みにつきましては、引き続き、実施設計においても継続しまして、さらには、区民への説明会など、機会をとらえて意見の集約や把握に努めてまいりたいと考えております。
◆川田ただひさ 委員 最初の質問にもありましたが、やはり、使い勝手がいいようにするために、利用される立場の方のご意見も集約しながら、いろいろな意見があるでしょうから大変だとは思いますが、ぜひとも、白石区民の方だけでなくて、区民以外の皆さんも使いやすい施設にしていただきたいと思います。
もう一つ、先ほど公共交通機関の話をいたしました。今までは地域の方ともお話ししてきたかと思うのですが、もう少し幅を広げて、近くのテナントであるとか、バス会社であるとか、また、それにぶら下がるいろいろな構成員の方などがいらっしゃると思います。長だけに聞いても、実は、構成員の方はまた違うとか、そういったこともありますので、説明会などをしていくことが逆に広報活動にもつながっていくかと思いますので、その点についてもぜひともお願いしたいと思います。
もう一つ要望したいと思うのですが、地下鉄と直結で、700台ぐらいの駐輪場を整備されるということでありまして、非常に大きい空間かと思います。ただ、これはどこでも出てくることですが、冬の期間はもったいないなと。せっかく大きくつくったのはいいけれども、北海道の場合はどうしても使われない期間があるということを考えますと、自転車を利用しない冬期間の地域住民の自転車預かり場所であるとか、そういった活用もぜひともご検討いただきたい。やはり、使われない期間をただ単にむだにすることのないようにお願いしたいということを要望して、質問を終わります。
◆中村たけし 委員 私からも、白石区複合庁舎とその隣接地への民間機能導入に係る公募プロポーザルの実施結果について、何点かお伺いしたいと思います。
資料2にありますが、ここに、土地の賃貸料と駐車場の賃借料、そして、庁舎屋外倉庫等賃借料とあります。これを見ると、市の方に土地の賃貸料ということで月額91万円余りが入ってきますけれども、駐車場の賃借料が186台分で269万円余りにもなるわけです。それから、先ほど谷内部長から、庁舎屋外倉庫の賃借料についてはこれからも引き下げるべく考えていくというお話がありましたが、この時点では97万円余りということで、合計366万円余りを月々払っていくということで、ただ、土地賃貸料が入ってきますから差し引き月額275万円余り、年間になりますと3,300万円ものお金を税金から民間の方に払っていくことになるわけですね。
そこで、庁舎の屋外に倉庫を賃借するということですが、これを聞いていると、そういうものは当初から想定されるべきものであって、やっていくうちにこれが出てきたというものではなくて、最初から想定されるものですから、これを聞いていると、余りにも安直だというふうに感じます。場所が足りなければ借りればいいと考えているように思えるわけなのですね。それから、駐車場の料金ですが、1台当たり1万4,500円と。相場にもよりますけれども、この公共駐車場の150台分は、使おうが、使うまいが、これを払うわけですから、これに関しても、どうもコスト意識というものが感じられないと考えられるのです。
そこで、質問ですけれども、まず4点ほど質問します。