札幌市議会 > 2013-03-12 >
平成25年第一部予算特別委員会−03月12日-06号
平成25年第二部予算特別委員会−03月12日-06号

ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2013-03-12
    平成25年第一部予算特別委員会−03月12日-06号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成25年第一部予算特別委員会−03月12日-06号平成25年第一部予算特別委員会  札幌市議会第一部予算特別委員会記録(第6号)               平成25年(2013年)3月12日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人     委 員 長  阿知良 寛 美      副委員長   飯 島 弘 之     委   員  宮 村 素 子      委   員  勝 木 勇 人     委   員  こんどう 和雄      委   員  山 田 一 仁     委   員  村 松 正 海      委   員  村 山 秀 哉     委   員  よこやま 峰子      委   員  宗 形 雅 俊     委   員  川田 ただひさ      委   員  阿部 ひであき     委   員  伴   良 隆      委   員  川口谷   正     委   員  西 村 茂 樹      委   員  小 野 正 美     委   員  ふじわら 広昭      委   員  三 宅 由 美     委   員  桑 原   透      委   員  しのだ 江里子     委   員  宝 本 英 明      委   員  山 口 かずさ     委   員  村 上 ゆうこ      委   員  中 村 たけし     委   員  涌 井 国 夫      委   員  三 浦 英 三     委   員  國 安 政 典      委   員  福 田 浩太郎
        委   員  井 上 ひさ子      委   員  坂 本 恭 子     委   員  小 倉 菜穂子      委   員  石 川 佐和子     委   員  金子 やすゆき      委   員  木 村 彰 男       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時 ○阿知良寛美 委員長  ただいまから、第一部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、芦原委員からは、國安委員と交代する旨、届け出がございました。  それでは、議事に入ります。  第9款 教育費 第1項 教育委員会費から第9項 学校整備費まで及び議案第23号 札幌市立学校設置条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。 ◆國安政典 委員  おはようございます。  私からは、障がいのある子どもの高等養護学校への進学について、またかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、質問させていただきます。  特別支援学級などから高等養護学校への志願者が増加する中で、進学先の間口確保につきまして、私ども会派におきましては重要な問題と捉えておりまして、これまで何度も質問してまいりました。  特に、昨年の予算特別委員会でもこの問題について取り上げさせていただきました。そのときに、この間口の問題については最後にしたい、次に議論させていただくときは教育の中身について議論したいという思いで質問に取り上げさせていただきました。その質問の際に、南区の真駒内小学校跡の活用を検討しているという答弁でありました。その前の一昨年の3定の代表質問では、教育長より、これまで以上に道教委と連携して課題の解決に取り組むといった旨の答弁をいただきました。市長からは、皆さんの期待に応えられるように努力するというお答えをいただきました。  それから約1年がたちました。最後にしたいと思いましたが、もう一度しなければいけないというのは若干残念でありますけれども、その後の1年間の状況について質問してまいりたいと思います。  まず、ことしの入学選考の状況について触れてまいりたいと思います。  新年度の平成25年度は、千歳高等支援学校が新設され、間口が拡大されました。それにもかかわらず、札幌市内及び近郊の高等養護学校では定員を上回る生徒が応募いたしまして、選考の結果、進路変更を余儀なくされた生徒がことしも多く出ている状況にあります。1次募集の状況を見てみますと、札幌市を含めた道央圏9校の定員456人に対し最終出願が481人と、この時点で25人分の絶対数が不足している状況、このうち、札幌市出身者が多いと思われる札幌市内及び近郊の5校だけを見ても、15人が募集定員を超える出願でありました。2次募集であきのある学校は、道央圏では千歳高等支援学校の1人分のみであります。定員を超過して受け入れる学校もあるとは聞きますが、いずれにいたしましても、全ての子どもを受け入れられるわけではありません。1次出願で不合格となった子どもたちは、道央圏には行き場所がない状況であります。当事者、また、保護者の方々にとって、出願する高等養護学校の選択は、その教育内容が子どもに適しているかどうかということと同時に、出願状況を分析しながら判断しなければならない、特に札幌市内や近郊の学校へは、ある意味でかけとも言える状況が続いております。  結局、不合格となった子どもたちはどうするのか。これは、後日、またきちんと調査していただきたいと思いますが、私が推測いたしますと、来年もう一度受け直すか、そうでなければ、道北や道東の高等養護のほうでは1次で定員割れをしている学校が幾つかありますので、こういったところで寄宿舎のあるところを2次募集で出願するしかないという状況であります。  昨年の質問でも言いましたが、札幌市内には普通高校が36校もある、しかし、高等養護学校はたったの3校、近郊を入れても6校しかありません。市内の間口の絶対数が不足しているのは、ことしの状況を見ても明らかであります。毎年毎年、札幌の高等養護学校へ進学を希望する子どもの親は、市内の学校に入れるかどうか、かけをして、落ちれば小平や中標津など何時間もかかるようなところしかない、こんな状況はどう考えてもおかしい、早く何とかしなければならない、ことしはこの思いをさらに強くさせていただいているところであります。  そこで、まず伺いますが、今後の出願状況の見込み、また、それに対応する道央圏の間口確保について、札幌市としてどう考えているのか、伺います。 ◎金山 学校教育部長  ただいまご質問にありました出願見込みと間口確保につきまして、私からお答えいたします。  市立小・中学校の特別支援学級の在籍児童生徒数が増加してきており、今後において高等養護学校への進学希望者がさらに増加することが予想されております。道教委におきましても、現時点で、札幌市を含めた道央圏において、平成28年度から平成29年度にかけて相当数の間口確保が必要という見込みを持っております。道教委では、道央圏を含む各圏域で間口整備の必要が生じた場合には、高校などの道有財産や市町村の小・中学校の空き教室、空き校舎などの既存施設を活用した分校、分教室の設置などにより、道において整備することを基本としております。  札幌市としては、道央圏の中でも特に人口が集中する札幌市内での間口確保について、高等養護学校が市内北部に偏在しているという問題を含めまして、これまで、道教委に対して、その課題の解消を要望するとともに、札幌市としてどのような協力・連携が可能なのかについての検討を行ってきたところでございます。 ◆國安政典 委員  今後さらに進学希望者の増加が予想されるということでありました。そして、相当数の間口確保が必要、さらには地域偏在の問題も課題であるということでした。  札幌市南部への設置につきまして、昨年の予算特別委員会では、市有施設の提供について、真駒内小学校校舎の跡活用を道教委に投げかけたということでありました。その後、検討した結果、耐震強度の問題などもありまして活用は困難になったというふうに伺っております。そして、その後の協議は進んでいるのか、全く見えてきておりません。  昨今、二重行政による無駄が話題になっておりますが、逆にこの件は、道と札幌市が互いにやろうとしない、押しつけ合っているともとれる、そんなことではないかと思います。だからこそ、道と市が互いに協力して行うのにはふさわしい事業ではないかと私は考えております。  そういう視点からお伺いしますが、これまで道教委とはどのような協議を行ってきたのか、具体的に説明してください。 ◎金山 学校教育部長  道教委とのこれまでの協議経過についてお答えいたします。  昨年11月に開催しました道教委、市教委との教育長同士の意見交換会におきまして、それぞれの考え方を整理し、相互の理解を深めるとともに、問題解消に向けて引き続き協議を行うことについて確認したところであります。  札幌市の本来の役割は、通常の学級における発達障がいのある子どもへの対応や特別支援学級などの拡充であり、高等養護学校の整備については、その配置計画を定める道教委が行うべきものと考えております。  しかしながら、札幌市南部には活用可能な施設がないため、課題解決のためには札幌市が一定の協力を行うことが必要と判断し、本年1月に札幌市が応分の負担をした場合に道立の高等養護学校を設置できないか、文書で道教委へ検討を要請したところでございます。本件につきましては、その後2月に北原教育長が道教委の高橋教育長を訪問し、直接、申し入れを行ったところでございます。 ◆國安政典 委員  札幌市の本来の役割というお話がありました。そして、高等養護学校の整備については配置計画を定める道教委が行うべきものということでありましたが、私は、このことは言わなくていいのではないかというふうに思っております。確かに、そのことを明確にしたいのかもしれませんが、道教委が行うべきもの、その姿勢がこの問題の解決をおくらせているというふうに思うのであります。  私がこの問題にかかわり始めたころ、こんなにおかしな状況、理不尽な状況はもっと早くに解決できるものと思っておりました。遅くても平成27年度ぐらいには何らかの形で市内に開設できるのではないかと思っておりましたが、残念ながら、物理的には来年という形にならない状況になってまいりました。  そうは言いましても、札幌市として一定の協力を行うことが必要と判断した、応分の負担をして設置できないか検討を要請した、教育長みずからがということでございました。先ほども言いましたとおり、二重行政というのは同じような事業を都道府県、政令市がそれぞれやってしまって無駄になってしまうことでありますけれども、これにつきましては、お互いに協力して解決していこうという考え方では一致しているという意味で評価させていただきたいと思います。これからも進学希望者がふえてくる中で、いよいよ待ったなしの状況だと思います。いつまでも協議している場合ではないと思います。  そこで、伺いますが、いつまでも漠然とした協議をしている場合ではない、具体的に札幌市としての協力の仕方を示さなければ話は前に進まないと思うわけでありますが、札幌市として一定の協力とはどのような内容を提案しているのか、また、それに対する結論はいつごろ出る見込みなのか、その見通しをお示しいただきたいと思います。 ◎金山 学校教育部長  札幌市の教育内容と今後の見通しについてお答えいたします。  札幌市が建設用地として市南部の市有地を提供した上で、その建設費の一部を負担するとした内容でございます。また、見通しといたしましては、平成29年度に見込まれる相当数の間口不足に対応するため、早急に対応を検討していきたいと考えております。 ◆國安政典 委員  具体的な提案をして話が進んでいるということと理解いたします。建設用地として、札幌市南部の市有地を提供するということでありました。さらには、建設費の一部を負担する、これを正式に申し出たことは、ある意味、画期的なことだと思っております。どれぐらいの負担割合になるのかわかりませんが、土地も建設費の一部も札幌市が提供するとなれば、道教委もノーという選択はなかなかできなくなってきているのではないかと思っております。  それから、場所についてでありますが、さきにも申しました真駒内小学校の校舎は使えないのでしょうが、土地は市有地としてあるわけであります。有力な候補地であると思いますし、当然この場所も提示していることと思います。  前にも申しましたが、この場所は交通の利便性も非常に高いですし、何より、これまで学校だった場所がまた子どもの学びの場になるのは意義があることだと私は思います。ただ、地域の方々の意向もあるでしょうから、それについてはしっかりと耳を傾けて配慮していただきたいということも申し上げさせていただきます。  また、こことは違う場所ということになれば、私は余り考えられないと思っておりますが、そこの地域の理解を求めるところから始めなければならないと思いますので、またおくれてしまうのではないかという懸念もあります。利便性から考えると、この真駒内小学校跡地以上に適切な市有地はないのではないかと私は思います。  全道的に見ますと、道の配置には問題があると思っております。迷惑施設ではないのです。行政の都合だけではだめだと思っております。当事者、利用される、通う子どもたちの側に立って配置をしなければいけないという思いも強くさせていただいております。  いずれにしても、早急に協議を進めなければなりません。この議論は、余りにも遅いのではないかと思います。昨年も、副市長は、スピード感がないのですねと認めておられた。それから1年、あのときもこの場所が一つの候補地として具体的に出ていたにもかかわらず、ことしに入ってやっと具体的な文書で提示したと。余りにも遅いと思います。この間いろいろなことがあったのかもしれません。相手があることですからということなのかもしれませんが、一日も早く方向性を打ち出して、保護者の方々が少しでも安心できるような努力を続けていただきたいと思います。  そして、北海道と札幌市が協力して連携した学校、まさに道市連携の象徴的な事業としてこれを実現されますことを切に願って、私の質問を終わります。 ◆井上ひさ子 委員  私からは、生徒の自殺に関する調査検討委員会の報告と期限つき教員の解消について伺いたいと思います。  昨年12月に生徒の自殺に関する調査検討委員会の報告が出されました。本市において、子どもがみずからの命を絶つという痛ましい出来事が続いていることについて、強い危機感を持ち、学校現場において命を大切にする指導の取り組みが速やかに徹底されるよう強く求めるものになっています。  そこで、調査検討委員会の報告について、市教育委員会や学校はどのように受けとめているのか、伺います。 ◎金山 学校教育部長  今ご質問のありました調査検討委員会の報告についての教育委員会、学校の受けとめ方についてでございます。  調査検討委員会の提言は、第三者的な立場の外部有識者3名を含む委員が専門的な知見に立って詳細に調査検討した上で示されたものであり、教育委員会及び学校は、このような悲しい出来事を繰り返さないためにも、一つ一つの提言を重く受けとめているところであります。  子どもがみずから命を絶ってしまったことに対し、教職員一人一人が強い危機意識を持ち、今後の自殺予防の取り組みに生かしていく所存でございます。 ◆井上ひさ子 委員  こういった悲しい出来事があった中で、一つ一つの提言を受けとめていきたいというご答弁だったと思います。  そこで、学校の取り組みについてです。  具体的な事例を用いた校内研修の実施なども提言されていますが、学校現場での命を大切にする研修が開始されていると聞いていますけれども、どのようになっているのか、また、管理者を初め、多くの教員などが参加し、議論されているのか、その中で子どもに対する理解が深まっているのかどうか、伺いたいと思います。 ◎大友 教育研修担当部長  調査検討委員会の提言に基づく校内研修会につきまして、私からお答えいたします。  幼稚園長、学校長への全体説明会におきまして、全幼稚園長、学校長に対して、本報告書を活用した校内研修会を速やかに開催するよう伝えましたところ、2月中旬までに、全ての市立学校におきまして、管理職、教諭、養護教諭、スクールカウンセラー等が参加し、校内研修会が実施されたところであります。研修会では、調査検討委員会の報告書を活用しまして、自校における具体的な事例を通して、一人一人の子どもの状況をどう見るかについて検討するなどして、子ども理解の深まりや、自殺防止に向けての教職員の意識の高まりが得られたと報告を受けたところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  2月中旬に全幼稚園、学校で、報告書に基づいた研修が開始されているというご答弁だったと思います。その中で、大事な子どもに対する理解も深まり、意識も高まってきているというお答えだと思います。  それで、今は学校の取り組みについて伺ったのですが、教育委員会の取り組みについてもこの中で提言しています。子どもの自殺防止に関連する研修の充実です。その一つは、教職員一人一人がゲートキーパーになって、子どもの自殺のサインに的確に対応することが重要だと述べているのですが、今の教育現場は大変多忙で、本当にその時間が保障されるのかどうかがとても心配です。これについてどのような研修になっているのか、また、来年度の研修はどのように行っていくのか、伺います。 ◎大友 教育研修担当部長  子どもの自殺防止にかかわる研修の充実についてお答えいたします。  昨年12月、子どもの心のサインに気づく大切さ等について、改めて共通理解を図るために、札幌こころのセンターとの共催で研修会を実施したところでございます。この研修会は、臨床心理士やスクールカウンセラーを講師といたしまして、全ての学校の生徒指導や教育相談などを担当する教諭を対象としたものであります。次年度は、子どもの悩みに気づき、支援につながる意識や資質の向上を目指し、12月に実施しましたものと同様の研修会を開催するとともに、管理職を対象とした研修会も新たに実施いたします。加えまして、研修会の配付資料等を各学校に提供し、一人一人の子どもを念頭に置いた校内研修がより充実したものとなるよう支援してまいります。  また、教職員が参加しやすいよう、実施時期等を考慮しながら、命をテーマとした講演会や、子ども同士の人間関係をより深めるピアサポート、自殺予防の取り組み等の研修も実施し、各学校での実践が深まるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆井上ひさ子 委員  やはり、各学校、現場の中で議論が深まっていくことが大事だと思います。現場の先生のお話なのですが、交流ができて、子どもの育ちに触れて語り合っていく、子どものことについて議論するときには元気になるという声を聞いています。いじめの予防や具体的に起こったときの対応など、日常的な現場での具体的な事例を重ねる中で、解決の方向性が見出されるというふうに思います。私は、現場で頑張っている教諭を励ますような研修にぜひしていただきたいと思います。  今、小・中学校では、教科書もかわりまして、また、授業時間も大変長くなりました。宿題がふえて遊ぶ時間も減ったという子どもの声もあります。また、点数競争による精神的な不安など、ストレスも大変多くなっています。生きづらくなっている状況だと思います。ですから、子どもの居場所、信頼される学級づくりを改めて求めておきたいと思います。  2点目の期限つき教員の解消についてです。  私どもは、期限つき教員の解消について、ずっと取り上げてまいりました。2006年当時、教員の年齢構成は、小学校で25歳以下は2.3%、30歳以下は9.2%で、若い教員が期限つきで、正規教員が著しく少なくなり、ベテランの教員の知恵や経験が若い教員に引き継がれなくなって本市全体の教育力を低下させることになる、また、教育現場に混乱をもたらせる、こういうことを指摘して改善を求めてきましたが、現状はどうなっているのか、1点伺いたいと思います。 ◎金山 学校教育部長  今ご質問いただきました教員の年齢構成についてお答えいたします。  小・中学校における正規教員の年齢構成につきましては、今年度の25歳以下の教員は4.2%、30歳以下の教員につきましては14.6%で、年齢構成の適正化に今現在努めているところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  今の数字を聞いて、少し変化が起こってきているかなと受けとめました。産休や病欠の教員のかわりに期限つき教員を採用しているのですが、本来の定数より足りない分まで期限つきで埋めているのが問題だと思います。定数欠は、期限つきでなく、正規教員で補充すべきだと思います。2010年は期限つきの先生が384人、2011年は385人、2012年は、ちょっと減りましたが、それでも323人にもなっています。減らない現状をどのように認識しているのか、伺います。 ◎金山 学校教育部長  期限つき教員の現状についてのお話をいたします。  期限つき教員数につきましては、新採用教員数の決定時期には予測できない児童生徒数の増減への対応や、札幌市が進めております特別支援教育の充実に向けた新規学級開設などの理由によりまして、一定程度存在することはやむを得ないものと認識しております。 ◆井上ひさ子 委員  今、一定程度やむを得ないというのが300人とか、そういう規模なのかどうか、大変疑問に思います。  期限つき教員は、正規教員と同じ仕事をして、学級を受け持っています。大変不安定な雇用で、次の採用試験が7月にあるという中で、部活を受け持っている教員は大忙しです。先の見通しが持てない中で落ちついて教育活動ができないというのが本音だと思います。  その中で、新年度の期限つき教員の見通しについてですが、現時点でどれぐらいになるのか、伺います。  また、定数欠は計画的に正規教員で補充していく、期限つきをなくすべきだと思いますがいかがですか、伺います。 ◎金山 学校教育部長  新年度の期限つき教員の見通しについてでございますが、平成25年度における定数欠期限つき教員数につきましては、4月の基準日における児童生徒数により決定することになるため、現段階では不明でございます。  また、期限つき教員の配置につきましては、教員の新規採用数との関係も含め、その減少に向けまして積極的に取り組んでいるところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  4月当初でわかるので不確定だという発言だったと思いますが、例えば、来年度も今年度の学級編制になるかといえば、増減は確かにあるかもしれません。でも、2年目でふやしていくというふうにして期限つき教員を減らしていくべきだと考えているのです。  この辺について、改めて伺います。 ◎金山 学校教育部長  新採用教員数の決定時期につきましては、予測できない児童生徒数の増減への対応が、毎年度、発生するものであること、また、先ほど申し上げましたが、札幌市が進めている特別支援教育の充実に向けた新規学級開設につきましては今後も増加の傾向が見込まれること、新たに開設される学級数について正確に見込むことは困難であることなど、各学校における必要教員数の見通しが立たない中で、次年度に必ず正規教員を配置するという判断をあらかじめ行うことは難しいと考えております。 ◆井上ひさ子 委員  最後に、教育長に伺います。  私は、先ほど、いじめを受けた生徒の自殺に関する調査と期限つき教員の解消について伺ったのですが、現場の中で議論を深めていく、子どもから信頼される学級をつくっていく、今それが少し動き出したかなと思います。これが全校で、全地域で行われていくように、これが1点と、期限つき教員については、若い先生を採用するという変化は見られますが、まだまだ大変な実態です。ある一定程度の期限つき教員は仕方がないというご答弁もありましたが、これについては計画的に解消していくべきだと思います。  この辺については、ぜひ引き継いでいただきたいと思いますが、ご見解を伺って、質問を終わります。 ◎北原 教育長  まず、信頼される学級づくりについてであります。  信頼される学級づくりを進める上で大事なことは、学級の子ども一人一人の心身の状況をきめ細かに把握し、確かな子どもの理解を進めていくことがベースにあると思っております。そのためには、教員同士が日常の子どもの見取りを互いに共有し合う、そういう情報共有の場をしっかりと持ちながら、一人一人の子どものさまざまな能力や興味・関心等に対して、人間的な触れ合い、きめ細かな観察や面接を通して総合的に把握していく、そういう取り組みが前提にあるだろうというふうに思っております。そういった取り組みを踏まえた上で、いじめや自殺といった子どもの状況に対して適切に対応していく前提ができていくものだというふうに思っております。  また、そのための研修ですが、先ほど来お話がなされていますけれども、子どもに対してどのように向き合っていくのか、一人一人の子どもをどうやってきめ細かに見取って、そのことを情報共有していくのかということの教員同士の研修、交流も大事なことだと思っております。そういった取り組みをさらに充実させて進めることを今後とも続けていくよう期待しているところであります。  また、期限つき教員のことでありますが、先ほど来申し上げているように、確かに、完全に解消していくということは難しい部分がございます。しかしながら、委員がおっしゃっているように、期限つき教員を少しでも減らして正規教員を充てていく、この方向性についてはぜひとも進めたいと思っておりますし、毎年その方向で努力は進めてきているところです。今後とも引き続き正規教員をふやしていく努力を進めていくように努めてまいりたいと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  私は、安心・安全な学校給食について質問したいと思います。  その中で、食物アレルギーへの対応、また、食材の放射性物質検査や調理環境の整備の観点から、順次、簡潔に伺っていきたいと思います。  学校給食は、成長段階にある子どもたちにとって、栄養バランスの面からも、そしてまた、友達と食事をすることで豊かな人間関係を育成する上からも、大切な役割を果たすものであります。私どもも、この間、さまざまな観点から質問してきました。札幌市も、積極的に取り組んでいただいておりますが、近年、食に関するさまざまな問題が浮上していることから、質問させていただきます。  初めに、食物アレルギー対応について伺います。  昨年12月、東京都調布市で、給食を食べた児童が、食物アレルギーに伴う急性症状、アナフィラキシーショックと言いますが、その疑いで亡くなった問題を受けて、給食のアレルギー対策が改めて問われています。この事故については検証中ということでしたが、けさのニュースで、昨日、報告がまとまって、本日中には公表されることがわかりました。  この件については、おかわりの際に教師がアレルギー除去食でないものを誤って配った、また、この間、アレルギー症状を緩和できるアドレナリン自己注射薬、エピペンというものを何度か耳にするようになりましたが、エピペン使用のタイミングについても指摘があります。こうした事故を二度と繰り返さないように、徹底した取り組みが重要だと考えております。  札幌市では、学校給食におけるアレルギー対応の手引を2008年に作成しておりまして、必要な子どもにはアレルギー対応食が提供されています。給食が子どもの口に入るまで、担任だけでなく、栄養士、そして複数の教師が確認するといった、複数の目による食材のチェックの徹底は不可欠なことだと思っております。あわせて、いわゆるエピペンや急性発作治療薬を携帯しているアナフィラキシーショックの可能性がある子どもについて、また、注射や薬の管理や使用について、担任はもちろん、学校全体で共有することが強く求められております。  そこで、質問ですが、札幌市教育委員会が把握している食物アレルギーを含むアナフィラキシーショックを起こす可能性のある子どもの人数やエピペンの携帯等、その推移を含めて、状況についてお伺いいたします。 ◎金山 学校教育部長  まず、1点目のアナフィラキシーショックを起こす可能性のある児童生徒数等についてでございます。  調布市の事故を受けまして、先ごろ、市立の各幼稚園、学校に照会したところでございます。その結果、食物アレルギーを含むアナフィラキシーショックを起こす可能性のある幼児、児童生徒数は521名でございました。このうち、アドレナリン自己注射薬、商品名で言いますとエピペンを処方され、携帯等をしている幼児、児童生徒数は42校、47名、急性発作治療薬を携帯している幼児、児童生徒数は78校、139名でございました。  2点目のエピペンの携帯等の推移についてでございます。  このたびの調査結果を平成23年度と比較しますと、アナフィラキシーショックを起こす可能性のある子どもは1.7倍、このうちエピペンを携帯している子どもは約2.2倍と増加しております。一方で、急性発作治療薬を携帯している子どもは2割ほど減少しておるところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  今回の事故を受けて調査されたということで、今、人数を示していただきました。アナフィラキシーショックの可能性がある子どもやエピペンを携帯する子どもの人数が数字的にはふえていますが、推測しますと、この事故を受けて、保護者が積極的に申し出られたことによるのかなと思います。仮に、そうであれば、学校側も把握していなかった子どもが複数いらっしゃることになります。大変重要なことですので、保護者には、安心して心配せずに学校にお知らせいただけるように、教育委員会としては取り組んでいただきたいと思っています。  また、いただきました資料によりますと、食物アレルギーの症状を持つ小・中学生の人数と割合がこの間でどうなっているか、資料をつくっていただきました。2009年度は、食物アレルギー症状を持つ子どもが小学校で8,372人、9.1%、中学校で4,493人、9.5%ですが、2012年度は、それぞれ、小学校で9,062人、10.1%、中学校では5,385人、11.8%と人数も割合も増加傾向にあることが数字でわかります。エピペン等について、子どもが携帯していたり、二つ購入して一方を学校に預けているというお子さんもいらっしゃると聞いています。そうしたことについて全ての教師が認識していないと、いざというときの対応がおくれてしまいます。特に、エピペンは30分以内に打つことが大事であります。  そこで、特にエピペンと薬剤の管理や使用についてはどのようになっているのか。また、アナフィラキシーショックの可能性がある子どもがいる、いないにかかわらず、学校全体でどのように共有しているのか。また、アレルギー疾患の状況調査があります。食物アレルギーに限らず、ぜんそくやアトピー性皮膚炎など8項目にわたる状況調査ですが、いただいた資料は2011年度学校保健統計調査が直近のもので、これは3年に1度の実施ということでありました。  毎年、新たに子どもが入学してくるわけですから、教育委員会としてこのような調査を毎年行うなど検討すべきと考えますが、今後の札幌市教育委員会の取り組みについて、あわせて伺いたいと思います。
    ◎金山 学校教育部長  2点のご質問があったかと思います。最初のエピペン等薬剤の管理や使用、学校での情報共有についてお答えいたします。  エピペンにつきましては、子どもがかばん等に持っているほか、保護者からの依頼に基づきまして、職員室、校長室や保健室で保管している事例がございます。エピペンを持つ子どもが通う幼稚園、学校では、事前に教職員が保護者や主治医とエピペンの取り扱い等につきまして情報共有を図るとともに、使用方法の研修等を実施しております。その他、そういう子どもがいない学校におきましても、札幌市のアレルギー疾患用の指導表や対応マニュアルを活用し、基本的な対応ができるよう努めております。  2点目の今後の札幌市教育委員会の取り組みについてでございます。  札幌市教育委員会としては、今後も、教職員に対し、正しい知識の習得を図る機会をさらに充実させるため、来年度に札幌市で開催される日本学校保健会主催の研修会に広く参加を促すとともに、アレルギーに係る実態把握も毎年実施するよう努めてまいりたいと思っております。  あわせて、国の動向も注視しながら、必要に応じてアレルギー疾患対応マニュアルを改訂するとともに、学校には、マニュアルに基づく、状況に応じた適切な行動が迅速にとれるよう助言・指導してまいりたいと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  今、来年度の新しい取り組みなどについて示されたかと思います。アレルギーへの対応は子どもの命にかかわります。ヒューマンエラーというような言い方をよくしますが、そういったことは許されません。学校全体での取り組みの徹底を改めて強く求めたいと思いますし、本日、報告書が公表されるということですので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。  そして、けさほどのニュースの中で、保護者の言葉が少しだけ紹介されていましたが、アレルギーに対しての認識が学校現場で深まっていないと感じたということでございました。そこのところを徹底してやっていくということでしたので、しっかりとお願いしたいと思います。  次に、給食食材の放射性物質の検査について伺いたいと思います。  福島第一原発の事故後、食品の放射性物質による汚染が大きな問題になりました。子どもの内部被曝について現在も多くの保護者が不安な思いを抱えておられ、それを軽減するには、食物の検査によって実態を明らかにするしかないと考えています。  札幌市は、2011年12月より、1都16県を対象に月2回、2品目ずつ、基準を4ベクレル毎キログラムとして学校給食食材の放射性物質検査を実施しております。しかし、食材を見てみますと、大根、長ネギ、白菜などが多い傾向にありまして、現在も多くの自治体や機関で食品の放射性物質検査が行われています。そんな中、キノコ類、クリやミカン、大豆、水産物などは数値が高いものとして挙げられており、検査品目をぜひふやしてほしいといった声が今もあります。  質問ですが、今後、現在の検体数をさらにふやすことや、特に放射性物質の影響を受けやすいキノコ類を検体に加えるなどについて、考えていかないのか、伺います。  また、2月に福島第一原発の港内で捕獲したアイナメからは、1キロ当たり51万ベクレルの放射性セシウムが検出されるなど、魚介類への汚染が今後より広い範囲で進むことが予想されています。  そこで、魚介類を使用する際に現在はどのように取り組んでいるのか、伺いたいと思います。 ◎渡邉 学校施設担当部長  給食食材の放射性物質検査につきまして、2点のご質問がございました。  まず、1点目の検体数に関してでございますが、放射性物質検査は、これまで26回、52検体を検査いたしまして、このうち放射性物質が検出されたのは1回1検体でありました。一方、昨年12月に実施されました北海道教育委員会における学校給食モニタリング事業、いわゆる給食丸ごと検査というものでございますが、こちらにおきましても全て不検出であったという結果が出てございます。この検出状況を踏まえますと、検査としては現行の方法でも問題がないのかなと考えてございます。  また、キノコ類についてでございますが、北海道産の使用がほとんどでございますので、これまで検査したことはございませんでしたけれども、今後、産地によりましては検査の対象にすることもあると考えてございます。  次に、2点目の魚介類に関してでございます。  ほとんどの魚介類につきましては、札幌市学校給食会においてあっせんされておりまして、その際、オホーツク海、日本海を除く日本近海の魚介類につきましては、入札の条件といたしまして放射性物質検査証明書を提出いただくことによりましてその安全性を確認しているところでございます。 ◆小倉菜穂子 委員  検体数を急にふやすことはないということだと思いますが、キノコにつきましては産地によって検査していくと。今、品目を見て、キノコは検査しておられないと思いましたので、その場合は確実にお願いしたいと思います。  また、今、1都16県ということですが、キノコのこともそうですけれども、せっかく検査をするわけですので、産地の考え方に加えて、懸念されるとか、よそで高い数値が出ているとか、そういったことがありましたら、品目の視点からも検討することが必要と考えます。今後も、保護者と意見交換をする機会があると思いますので、品目の選定についてはさらなる拡充を図っていただきたいと思います。  そしてまた、魚介類につきましては、現状は理解したところです。震災もそうですが、原発事故の記憶が年々風化してしまうことが大変懸念されると思っています。来年度以降についても放射性物質検査を継続実施していくべきと考えますが、その点についてはどのようにお考えか、伺いたいと思います。 ◎渡邉 学校施設担当部長  来年度以降の放射性物質検査の継続についてでございます。  児童生徒の給食の安全はもとより、保護者の安心にも配慮いたしまして、現在、教育委員会が実施しております放射性物質検査につきましては、平成25年度も継続していく考えでございます。  今後も、他自治体の検査結果の動向などを注視しながら、関係機関と連携し、また、できる限り北海道産食材の調達に努めるなど、安全・安心な食材を調達するよう努めてまいりたいと考えてございます。 ◆小倉菜穂子 委員  長い目で見ていかなければならない、これからもしっかりと継続していかなければならないことだと思っています。  現在、日本では、いわゆる新基準の中で食品が流通しています。子どもが食べることが明らかな給食です。大人も食べるということではなくて、本当に子どもが食べることが明らかな給食食材については、市民と教育委員会と事業者の協力によって一層の安心・安全を実現すべきだと思っています。放射性物質の人体への影響というのは明らかになっておらず、保護者の不安は消えるものではありません。そうした思いをしっかりと受けとめていただきたいと思います。  そして、費用についても、90万円ぐらいと伺っております。大切なお金ではありますが、子どもたちや保護者の安心にはかえられないと思っていますので、そこのところをぜひしっかりとお願いいたします。  最後に、学校給食における衛生管理の充実と向上について、1点だけ伺いたいと思います。  2011年に岩見沢で発生した学校給食による食中毒事件によりまして、給食の調理設備や衛生管理のあり方が問題となりました。食材そのものの安全性とともに、その取り扱いについては細心の注意が払われなければなりません。そのため、第3次札幌新まちづくり計画においては、より安全な給食を提供するため、汚染区域と非汚染区域を区分するなど学校給食の施設・設備を改善し、衛生的な給食調理環境を整えるとして、野菜と食材の搬入経路の改善や洗浄槽の数をふやすことなどが行われていると聞いております。給食のお話ではありませんが、昨年は白菜の浅漬けの事故の際にも、洗浄の問題が指摘されたことは記憶に新しいところだと思います。そういったことから考えても、この取り組みは、前倒ししてでも一日も早く進めることが必要だと考えております。また、設備が整ったからといって油断することもできません。  そこで、質問ですが、第3次新まちづくり計画の中で、汚染区域と非汚染区域を区分している学校数を2010年の16校から2014年には98校にするということでありまして、これは大変重要と考えております。そうしたハードの整備とともに、調理員の方々の日常業務における衛生管理の徹底についても取り組むことが重要です。  そうした給食調理環境の整備に関する現状と来年度の取り組みについて伺いたいと思います。 ◎渡邉 学校施設担当部長  ただいまの給食調理環境の整備の現状と次年度の取り組みについてでございます。  給食調理環境の整備につきましては、学校給食衛生管理推進事業といたしまして、第3次新まちづくり計画に位置づけて取り組んでいるところでございます。ハード面に関しましては、調理室を汚染区域と非汚染区域に区分する学校につきまして、ただいま委員ご発言のとおりの目標を掲げておりまして、平成25年度は26校で実施する予定となってございます。このほかにも、手洗い設備の増設や、食材の搬入口である検収室の整備も順次進めているところでございます。  一方、ソフト面につきましては、給食に従事する各職種向けの定期的な研修会を通じまして、札幌市学校給食衛生管理マニュアルの周知徹底を図って、給食従事者の衛生管理の意識向上に取り組んでおります。また、定期検査表による自主点検を徹底するとともに、市教委でも確認、指導を行っております。来年度以降も引き続きこうした取り組みを検証しながら、衛生管理の充実・向上を目指してまいりたいと考えてございます。 ◆小倉菜穂子 委員  調理員の方々には、子どもたちの健康を支えていただく、食を支えていただくという大変重要なお仕事をしていただいており、感謝するところですが、あらゆる場面を想定して、より安心・安全でおいしい給食となるように、これまで以上に衛生管理を徹底していただきたいと思います。間もなく、新1年生が給食を楽しみに入学してきます。子どもたちが安心しておいしい給食を食べることができるように、きょうも質問させていただきましたが、今後とも安心・安全に対してさまざまな観点から真剣に取り組んでいただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。 ◆金子やすゆき 委員  私からは、体罰の問題と、学力の向上、土曜日の授業開催の問題の2点についてご質問させていただきます。  まず、体罰についてであります。  札幌市教育委員会が体罰に関する懲戒処分として発表した件数は、昨年度、平成23年度は6件、今年度、24年度は3件であり、学校の先生が子どもたちを肉体的、精神的に傷つける悲しい事件がいまだに続いているのは大変遺憾な事態だと思っております。  札幌市教育委員会は、平成16年度に、体罰事故調査委員会ということで、体罰事故が発生したときに、これを調査し、解決する仕組みをつくり、16年度の発足以来、84回の調査委員会が開催されていると聞いております。  そこでまず、お尋ねしたいのは、調査委員会というのは体罰事故の解決を一体どのように図っているのか、また、調査委員会の調査委員はどのように選んでいるのか、教えてください。 ◎金山 学校教育部長  体罰調査委員会のご質問だったかと思います。  体罰調査委員会は、体罰が疑われる学校の校長が事実関係を調査するに当たりまして、外部の第三者を含めた調査委員会を立ち上げ、体罰事故についての調査を行うものでございます。調査委員につきましては、校長会に委員の推薦を依頼いたしまして、校長会の中から委員、各校長会及びPTA協議会が協議の上で推薦する第三者、これらを含めまして調査委員会を設置しているところでございます。 ◆金子やすゆき 委員  調査委員会の調査委員は、今のお話ですと、校長会、PTA関係者、校長会とPTAのそれぞれが推薦する委員だということです。  私が疑問に感じますのは、体罰を受けたのは生徒ですよね。生徒の立場の委員が入っていないのには違和感があるのですが、なぜなのでしょうか。生徒の人権を守る立場の委員を調査委員会に入れるべきではありませんか。 ◎金山 学校教育部長  第三者としてPTA関係者あるいは校長会、PTAから推薦される方ということで、場合によっては保護者が第三者として入りますので、そういう視点で子どもを見ると考えております。 ◆金子やすゆき 委員  先ほどの答弁とちょっと違いますよね。  もう一回繰り返しますが、委員を選ぶのは、校長会、PTA関係者、それぞれが推薦した者ということだと思うのですけれども、その扱いを変えるということですか。 ◎金山 学校教育部長  いえ、最初のお答えと同じでございます。変えるということではございません。 ◆金子やすゆき 委員  私が申し上げているのは、生徒の立場に立つ委員を入れるべきだという話をしているのです。  どうしてこんなことを申し上げるかといいますと、体罰事故調査委員会がまとめた調査報告書、実例ということで一つ開示していただきまして、拝見しました。平成22年に起きた体罰事故に関する調査報告書ですが、私はこれを見て大変驚いたのです。この調査報告書の中で、委員長が報告書をまとめるのですが、調査委員会の委員長である学校長はこのように書いております。先生本人は非常に反省しています、したがって、寛大な処分をお願いしたいと。これは、例えば、刑事裁判に例えるのは例が悪いかもしれませんが、裁判長が弁護士を兼ねているような状態なのです。子どもの立場に立っている委員がいないのです。こういう委員会で子どもの人権、被害者である生徒の権利が守られるとは僕は思わないのですが、本当にこれでいいのですか。 ◎金山 学校教育部長  調査委員会におきましては、その学校の学校長が調査委員長となりまして、校長会関係の委員、それから第三者で調査しています。その中で、当然、被害というか、体罰を受けたと思われる子どもからの事情聴取、保護者、学校関係者の事情聴取も行いながら、公平性、公明性に配慮しながらやっていると考えております。 ◆金子やすゆき 委員  そうではないのですよ。私が示していただいた一つの事例だけなのかもしれませんが、事故報告書を丹念に読んでいきますと、被害を受けた生徒に事情聴取をした速記録が添付されております。ここには、校長先生を含めた4人の調査委員が、被害を受けた生徒に、ある意味で寄ってたかって生徒の非を責め立てるような記録が残っているのです。要は、生徒が校則を破った、だから君はたたかれたんじゃないか、蹴られたんじゃないか、殴られたんじゃないかというような速記録が残っているのです。最後に、調査委員は、君、自分が悪いって気持ちはあるのと、生徒を責め立てるような形で事情聴取を締めくくっている記録が残っています。  何度も繰り返し申し上げておりますが、学校を守る立場あるいは先生を守る立場の委員だけではなくて、生徒の側に立つ委員も入れなければ、体罰の真実、それは何であったかが明らかにならないと思うのです。  子どもの権利条例が札幌市にありますね。この第17条では、「施設関係者は、虐待及び体罰を受けた子どもの迅速で適切な救済に努めなければなりません。」と定めています。調査委員会は、事故の調査を目的とするだけで、実際に生徒の権利の救済の観点が欠如しているのではないかと思いますけれども、体罰事故調査委員会の仕組み、制度を改めるべきだと思いませんか。 ◎金山 学校教育部長  体罰事故調査委員会につきましては、先ほど委員のお話にありましたように、平成16年に設置しております。これは、他の自治体には余り例のない調査委員会でございまして、公平性、公明性を担保する形で札幌市が、ある意味、独自で設置したところでございます。今までの調査委員会での調査につきましては、一定程度の効果があり、教育委員会としてはそれに基づいて対応あるいは処分等をしてきたところでございます。  ただ、当然、調査の中での検討事項があると思いますので、必要に応じて検討することについては考えていきたいと思っております。 ◆金子やすゆき 委員  公平にやっているとおっしゃいましたが、公平ではない実例がここに一つあるわけですから、必要に鑑みて検討するのではなくて、必要がここにあることが明らかになりましたので、ぜひ仕組みの改正に向けて取り組んでいただきたいと思います。  もう一つ、はっきり言うと、体罰を相談する窓口が機能していないという問題があります。体罰を受けた生徒あるいは保護者は一体どこに相談したらいいのかということです。学校に相談するのか、教育委員会に相談するのか。  保護者から時々、学校に体罰のことを相談してもうやむやにされてしまって、それだけで終わってしまうという苦情、意見を耳にすることがあります。学校の中で起きたことは保護者と学校で解決するのが本来の姿だろうと思いますが、ここで解決しなかった場合、教育委員会のどこかに一つ窓口を定めて、ここで責任を持って受けるという体制をつくってはどうかと思いますけれども、保護者からの苦情、意見を受ける窓口を一本化するという考え方はいかがでしょうか。 ◎金山 学校教育部長  これまでも、明らかな体罰があったということであれば、教育委員会でその相談を受けて対応しているところでございます。  体罰が疑われる等、体罰を含むさまざまな問題につきましては、教育委員会に設置しております少年相談室あるいは子ども未来局のアシストセンターとさまざまな窓口において相談を受け、それらの情報を得て、こちらで対応しているところでございます。 ◆金子やすゆき 委員  窓口を幾つか設けていただいていると思うのです。ただ、保護者からは、どこに相談していいかわからないという声が多いということを私は申し上げました。実際に、子どもが体罰を受けて困っている、学校も相談に乗ってくれない、教育委員会もよくわからないと言って私のところに来る保護者もいらっしゃいます。体罰についての相談窓口はここですよということをはっきり決める、コールセンターに電話がかかってきたらまずはここにつなぐという仕組みを決めればいいと思うのです。ホームページに載せることも可能ですよね。いじめの場合はここという番号があると思います。そこに、体罰はここという番号をつくればいいのではないかと思うのです。体罰の根絶に向けて、保護者にとっての相談窓口を明確化することをぜひやっていただきたいと思います。  それから、2点目の学力の問題、土曜日授業の実施の話に進みます。  私は、さきの代表質問で、学力を向上させるために土曜日授業をやってはいかかでしょうか、このような質問をいたしました。すると、教育長の答弁では、国が必要性を検討して方向性を示すべきである、基本的には学習指導要領など法令で定めるべきものと認識している、このように建前論であっさりと議論をかわされました。  ところが、きのうの北海道新聞を見て、私は大変びっくりいたしました。土曜日授業は実施すべきかというところに北原教育長が登場なさっております。これによると、土曜日授業は必要ないと主張されています。その理由としては、国際調査では子どもの学力が昔と比べて大きく下がっているわけではありませんというふうに書いておられるのです。ご意見があるのはいいことだと思います。しかし、この間の議会の代表質問で聞いているのですから、どうしてそのときにこのようにちゃんと理屈で説明してくださらないのですか。建前論で逃げるのは、丁寧な答弁だとは言えないと思います。私も真剣に質問していますので、真剣に考えて、真剣にご答弁いただきたいと思うのです。  そこで、教育長が子どもの学力は下がっていないという根拠に用いている数字、TIMSS、ティムスと読むそうですけれども、国際数学・理科教育動向調査というのは一体何なのか、私は不勉強で知らなかったので、いろいろと調べてみました。そうすると、これは、オランダにある国際教育到達度評価学会という団体が、4年に1回、世界の約60数カ国の調査を行うという数学と理科の国際学力テストだそうであります。この新聞の北原教育長の意見に書いてあるとおり、2007年度と2011年度のそれぞれ二つの数字を比較すると、ほぼ同じか、確かに数ポイント上がっています。教育長がおっしゃるとおりです。新聞に書いてあることは、そこまでは合っています。  ところが、ゆとり教育はもっと前からやっていますから、2007年と2011年、4年前を比べても意味がないですよね。もし、ゆとり教育の功罪を検証するのだったら、もっと前から比較するべきだと思います。そこで、TIMSSの調査が始まった第1回、1995年の調査と直近の2011年の数字を取り寄せて比較してみたのですが、何と、1995年と2011年を比べると、算数、数学の点数は全て大幅に下がっているのです。  となると、教育長、新聞でコメントを寄せていることと違うのではないですか。いかがですか。 ◎北原 教育長  学力の問題について、私からお答えいたします。  ゆとり教育に対して、ゆとり教育という言い方自体はマスコミ等で喧伝されている言い方で、本来、ゆとり教育という言い方は文部科学省としてもしておりませんし、私どもとしてもしていないところでありますが、いわゆるゆとり教育と言われているものに対して批判的な言い方がされてきたときというのは、PISAという国際学力調査とTIMSSという学力調査の結果が続けて発表された時期でございます。そのときに、ある新聞で、PISAにおいて、例えば読解力、読解力というのは、ただ単に国語を読み解く力ということではなく、情報をどう読み解いていくかということを含めての読解力でありますが、そういった力について日本は必ずしも十分ではないという指摘がされたところであります。このことについては、これまでの一連の教育改革、いわゆる第3の教育改革と言われる取り組みの中で、身につけさせていくべき思考力、判断力等のこれから身につけさせていくべき力として考えていくべきであると思われます。これから改革を進めていこうとするその方向性についてはまだまだ十分ではないということですから、それをさらに進めていくべきだと判断すべきと考えておりました。  その後、すぐにTIMSSの結果が新聞報道等もなされました。ある新聞で、進む日本の学力低下というふうに言われました。ところが、本文を読んでいきますと、今ご指摘をいただいた年度がどうずれているかわかりませんが、それより前のことだったと思います。見出しでは進む学力低下と言われながら、本文を読んでいくと、点数は上がっているけれども、参加国の地域がふえたために、見かけ上、順位が下がっている、あるいは、場合によっては順位が変わらない、そういうことが本文の中から読み取れる状況でございました。しかしながら、その中では進む学力低下と言われています。  TIMSSというのは、どちらかというと基礎、基本の部分を調査する部分ですが、その内容について、下がったと指摘しながら、そこに力を入れるべきだというふうに大きくかじが切られてきたように思われます。しかしながら、本来、進めるべき力というのは、PISAのところで指摘された思考力、判断力といった部分の改革をさらに進めるべきだということが前提にあったと思っております。そういう学力観の違いの中で、私は、今、ご指摘いただいたような部分についてお話を申し上げたところであります。  なお、土曜日授業について、学力が下がったから土曜日授業をするべきだということについては、そうではないですよということを申し上げたのであって、前回の代表質問で金子議員に答弁したことと違うことを申し上げたつもりはございません。 ◆金子やすゆき 委員  非常に丁寧なご説明をいただきまして、私もよく文脈をつかみかねた部分があるのですが、決して難しい話ではなくて、子どもの学力がゆとり教育の中で下がっているのではないかという説について、教育長はこれを否定されているのですけれども、そうではないのだということを私は申し上げているのです。データで示されているので、教育長が、新聞で、国際調査では下がっていないと言うけれども、私が見た国際調査では下がっているのです。そこの印象をただしたのであって、土曜日授業の話はこの後に申し上げます。  それで、TIMSSというのは、先ほどから申し上げておりますように、日本の子どもたちの学力が世界の中でどうかということですが、次に、北海道、札幌の子どもたちが日本の中でどうかという調査をしたのが全国学力テストであります。きのうの新聞の記事の中でも、教育長は大変興味深いことをおっしゃっております。文科省の全国学力テストの都道府県別平均正答率も徐々に差が縮まってきていて、今で言えば全国平均の上下約5%以内におさまっていますと新聞社にコメントされています。  全国学力テストの点数の公開について、今、札幌市は行っておりませんが、公開するように代表質問でお尋ねしましたところ、その必要はない、今でも十分に説明責任を果たしているのだというご答弁だったかと思います。  教育長によると、上下約5%におさまっているということですが、上下というのは、上の5%に入っているのと下の5%に入っているのは随分違いますよね。具体の数字は示していただけないのですが、上と下のどちらかは示していただけますか。 ◎北原 教育長  札幌市の学力の状況については、全国平均をやや上回っている領域を含みながら、全体的には全国平均とほぼ同程度となっていると前回の代表質問でもお答えしたとおりでございます。 ◆金子やすゆき 委員  もうちょっとまじめに答えてください。新聞社には、上下5%におさまっていますと説明しているのですよ。議会で聞かれて、ちゃんと答弁できないのですか。 ◎北原 教育長  前後5%以内にほぼおさまっているというのは、全国の都道府県の結果です。これについては、公表されてございます。そのことについて申し上げただけでして、札幌市は当然その中に含まれますが、都道府県段階での話で公表されている部分についてお話を申し上げているところですから、札幌市の状況についてさらに詳しくというお話については、先ほど申し上げた答弁で十分かというふうに考えております。 ◆金子やすゆき 委員  上下5%におさまっていると言いましたよね。私は、数字を取り寄せて見てみたのです。そうしたら、平成24年度に小学校で実施した結果が手元にあるのですが、トップの秋田県が約61点です。一番下が沖縄県で51点、上が61で下が51ですよ。平均56はなのです。そうすると、トップの秋田県と一番下の沖縄県の上下5%におさまっている、つまり全都道府県が上位5%におさまっているのです。だから、上位5%に入っているというのは自慢することでも何でもなくて、全体の47都道府県の中にいますと、そのことだけをおっしゃっているにすぎないのです。  ちなみに、札幌ではありませんよ。北海道の点数はどうかというと、全国46位、53.8点というのが北海道の置かれたところであります。  ここで、新聞に書かれていることで、教育長は学力偏重の詰め込み教育はだめだとおっしゃっています。みずから学び、問題を解決する能力を育成する、こういう子どもの教育が大切だと書いておられるのですが、学力偏重の詰め込み教育を否定している理由はなぜですか。これは、教育委員会の見解なのか、北原教育長の個人的なお考えなのか、いずれでしょうか。 ◎北原 教育長  まず、今のご質問に対してお答えいたしますが、上下5%以内におさまっているというのは、昭和39年の学力調査のときに、トップの県と下位の県の差は、トップの県を100としたときに、およそ60ぐらいの点差がございました。そして、たしか平成20年か22年だったと思いますが、そのときのトップと下位の差は100と80ぐらいに縮まっています。  今、金子委員からご指摘いただいた、トップと下位の差が10ポイント程度ということで上下5%程度におさまると。そういう意味で言うと、全国の学力のばらつきというのは極めて狭い範囲の中におさまってきている、どんなに狭くなっても、1位から47位まで順位をつけていけば必ずつくのです。この狭まって努力してきている子どもたちの状況、あるいは、学校教員の努力については正当な評価をすべきだろうと思っているところです。  学力偏重のという言い方は、私どもは学ぶ力という言い方をさせていただいておりますが、ここで言う学力という言い方は、手元に記事を持っていないので正確な言い方にならないかもしれませんけれども、辞書的に言いますと、学んだ力、学んだ結果としての力となります。そうすると、学んだ結果としての力ではなく、その部分ももちろん必要ですが、そこを偏重するのではなく、これから必要になっていくのは学ぼうとする意欲、学ぶ方法、そういったことも含めて思考力、判断力、表現力等を総合的に育てていくことが我が国のこれからの子どもたちに力を身につけさせていく上でぜひとも必要なことだというふうに考えていることから、そのような申し上げ方をしたものだとご理解いただきたいと思います。 ◆金子やすゆき 委員  学ぶ力ですか。私には、少し話をはぐらかせているように聞こえてならないのです。学ぶ力は確かに大切ですよ。しかし、子どものうちに、頭がやわらかいうちに詰め込んで覚えておかなければならないことはいっぱいありますよね。漢字や英単語や歴史など、大人になって頭がかたくなってからでは覚えられないではないですか。子どものうちに詰め込まなければだめなのですよ。(「それは違うよ」と呼ぶ者あり) ○阿知良寛美 委員長  ご静粛にお願いいたします。 ◆金子やすゆき 委員  (続)私の個人的体験を申し上げます。文部科学省が定めた学習指導要領のとおりに勉強して大学まで行きました。そこで学んだことは、今、役に立っています。教育長の言葉をかりれば、詰め込み教育、学力偏重の人生を送ってきた私でありますけれども、私自身は詰め込み教育を受けてよかったと思っているのです。あのときに教えてもらってよかった、あのときに無理やり詰め込んでもらってよかったと思っているのです。(「自慢してんじゃないぞ」と呼ぶ者あり)自慢ではないのです。学問というのは、先人が積み重ねた集積ではないですか。これを教えるのが大人の役割だと思うし、教育の使命だと思うのです。  どうですか。教育委員がいらっしゃいますので、事務局と違う立場で、詰め込み教育をどのようにお考えか、その是非について少しお話をお伺いできればと思うのですけれども、いかがでしょうか。 ◎臼井 教育委員  今、委員から、詰め込み教育という言葉が出ておりますが、私どもは詰め込む知識と考えています。知識というものもある種の生き物なのです。ですから、そのまま入ったものであれば、例えば、1歳、2歳の子どもが歌を覚えます。でも、ちょっとたつとすぐに忘れてしまいます。つまり、意味がわからないことを覚えていてもすぐに欠落してしまうというのが一般的なのです。ですから、物を覚えることはすごく大事だけれども、覚えたことを活用することとつながらない知識はなかなか生き残らない点があると思います。もちろん、個人差がとても大きいので、余り考えなくて丸暗記でどんどん覚えてしまうというすぐれた記憶力をお持ちの方もおられることは存じておりますが、一般論で申しますと、活動や経験に即して知識を習得する、つまり活用できる知識が大事なことではないかと考えております。 ◆金子やすゆき 委員  臼井教育委員、ありがとうございました。  これについてはいろいろな考え方があると思いますが、長くなりましたので、まとめます。  詰め込みという言葉もちょっと悪いですが、子どもたちに必要な知識をきちっと教える、みずから学ぶとかみずから考えるとおっしゃいましたが、最低限の知識がなかったら考えようがないですよ。最低限の知識、教えるべきものをきちっと教える、最低限というのは学習指導要領に書いてあることですよ。きちっと教えるということを果たした上で、初めて、みずから考え、みずから学び、問題解決する、こういう力が生まれてくるものだと思いますので、私が一度申し上げたことを教育委員会に持って帰って、中でぜひ議論していただきたいと思うのです。  このお話は、また改めて、いつかさせていただきたいと思っております。 ◆よこやま峰子 委員  私は、不登校児童生徒への取り組みと、本年5月に開設予定の教育支援センターについてお伺いいたします。  平成23年度の不登校児童生徒は、データによりますと、小・中学校合わせて1,700名を超えたとのことであり、全国平均を上回っており、大変憂慮すべき状況と考えます。  そこで、質問ですが、まず、札幌市の近年の不登校児童生徒数の推移と現況並びに現在の不登校児童生徒への教育委員会の主な取り組みについてお伺いいたします。 ◎大友 教育研修担当部長  札幌市の近年の不登校児童生徒数の推移と教育委員会の主な不登校の取り組みについてお答え申し上げます。  平成23年度の不登校児童生徒数は、小学生が310名、中学生が1,390名の合計1,700名となっており、小学生は前年度から微増、中学生は前年度から微減、全体としては、ここ数年、微増傾向にあります。また、全児童生徒数に占める不登校児童生徒数の割合を示す出現率は、ここ数年、全国の出現率を上回っており、札幌として喫緊の課題と認識しているところでございます。
     教育委員会といたしましては、学校に通えない子どもの居場所として、市内4カ所に相談指導学級を設置したり、登校しても教室に入ることができない子どもに寄り添う心のサポーターを配置したりするなど、一人一人の子どもの状況に応じた丁寧な対応をするための取り組みを進めてきたところでございます。 ◆よこやま峰子 委員  平成24年度の統計では、不登校児童生徒数は、中学生は減少しているのに対し、小学生は増加していて、不登校児童生徒の出現率は、全国平均1.12%であるのに対し、札幌市が1.24%と、全国平均を上回っているとのことであります。  教育委員会は、こうした不登校児童生徒に対応するため、このたび、5月から白石区に教育指導センターを開設いたします。この施設は、チラシによりますと、登校しないあるいは登校したくてもできない児童生徒に対して、学校以外の場において、学校への復帰や社会自立を図るかかわりの場を提供しますとうたっております。  そこで、質問ですが、今までと異なって、教育支援センターを学校以外の建物に設立することの意義についてお伺いいたします。  また、スタートに当たり、教育支援センターの周知をどのように行っていかれるのか、並びに、指導体制がどのようになっているのかもお伺いいたします。 ◎大友 教育研修担当部長  学校以外の建物に設置する意義や指導体制及び周知の方法についてお答え申し上げます。  学校以外の建物に設置する意義については、学校の校舎自体に抵抗感のある子どもにとって、通いやすく、自分の居場所が保障されるということと考えております。指導体制につきましては、教職経験者や心理の専門家等の職員3名を中核としまして、学生や地域のボランティアなど多彩な人材で支援することとしております。周知につきましては、学校や関係機関を通しまして、保護者等にリーフレットを配布するとともに、ホームページで情報発信する予定でございます。 ◆よこやま峰子 委員  ご答弁によりますと、非常勤講師が3名と学生地域ボランティアによる運営ということですが、定員30名に対して何人ぐらい来所するかというのは、あるいは、学年や年代はどのような児童が来るのかというのが現段階では全くわかりませんし、そういうことでは対応しにくいかと思いますけれども、それぞれ不登校となった理由が異なる児童が多いということを考えますと、一人一人への対応には専門性と多くの経験が必要であると考えます。そうしますと、3名の非常勤講師プラスボランティアでは指導がきちんとできるのかなと大いに気になるところであります。  そこで、質問ですが、従来からの相談指導学級とはどこがどのように違うのかも含めて、教育支援センターにおいては、不登校児童生徒への指導を具体的にどのように行っていかれるのか、お伺いいたします。 ◎大友 教育研修担当部長  これまでの相談指導学級との違いを含めた具体的な指導についてでございます。  相談指導学級では、子どもの状況に応じまして学習指導を行ったり、運動や調理などの活動を通して指導しているところでございます。新たな教育支援センターでは、相談指導学級における指導方法を活用し、さらに、活動時間に柔軟性を持たせ、子どもの興味・関心を生かしながら、体験的な活動を重視した指導をすることとしております。 ◆よこやま峰子 委員  私は、不登校への対応は大きく二つに分けられると思います。担任や保護者が子どもの状態を常に見守り、兆候をいち早く見つけて不登校を未然に防ぐ、そして、そういう必至の努力をしたにもかかわらず不登校となってしまった児童への対応の二つだと思います。どちらも同じく大事でありますが、対応としては、不登校児童となってしまって学校へ来られなくなった生徒への学校復帰並びに社会的自立への対応のほうがより難しいかなと考えます。  そこで、質問ですが、学校とのかかわりはもちろん、関係機関、フリースクール並びに地域との連携はどのように考えておられるのか、また、教育委員会としては、不登校とならないようにする未然防止策、そして、不登校となっている児童生徒への取り組みを今後さらにどのように進めていかれるのか、お伺いいたします。 ◎大友 教育研修担当部長  学校、フリースクール等の関係機関や地域との連携、及び、教育委員会として、今後、不登校の未然防止や不登校となっている児童生徒への取り組みをさらにどのように進めていくかということについてお答え申し上げます。  まず、フリースクール等の関係機関や地域との連携についてでございますが、教育支援センターの開設に向けまして、学校関係者やフリースクールの代表者、また関係機関等と不登校の状態に応じたよりよい支援のあり方を検討してきたところでございまして、今後も、具体的な子どもへのかかわり方の事例について、互いに研修を深めるなどして連携を図っていくというふうに考えているところでございます。さらに、将来的には、子どもたちの状況に応じまして、地域の行事にボランティアとともに参加するなどしながら、地域の方々の理解を深め、ご協力いただけるよう努めてまいりたいというふうに考えております。  不登校の未然防止や不登校児童生徒への今後の対応についてでございますが、不登校の子どもの数は、全国的な傾向と同様、本市におきましても中学生で急増する傾向でありまして、教育委員会といたしましては、特に小学校のときに休みがちだった子どもにつきまして、中学校に丁寧に引き継ぐなど、子どもの理解のための小・中連携を充実するよう学校に働きかけているところでございます。  さらに、今年度からモデル的に配置しております心のサポーターが、朝、登校を渋る子どもを迎えに行ったり、教室に入ることに不安を訴える子どもに寄り添って教室に入ったりするなどして、不登校の長期化、深刻化を防ぐことに効果を上げており、来年度、配置校を拡充する予定でございます。また、4月に開設する教育支援センターの施設のあり方や運用の仕方、多様な人材による支援体制、さらには、体験的活動による支援内容等を検証しまして、平成26年度に新たにもう1カ所の教育支援センターを設置する予定でございます。 ◆よこやま峰子 委員  教育支援センターは新たに開設される施設であって、その指導方法は新たな観点での柔軟な指導方法ということで、そういうことは理解しました。  私は、今までのご答弁を伺って、この施設の開設に一定の評価というか、期待はしていますが、これでいいのかな、何か足りないのではないかなという思いが残ります。  まず、できたということは評価しますし、来年度にもう一つ増設されることも非常に喜ばしいことだと思います。不登校児童生徒というのは、心のサポーターを初め、担任が不登校にならないように未然対策で手当てをしたにもかかわらず不登校になったと。不登校児童生徒の定義が30日以上欠席ということであれば、かなりの期間、学校に行っていない生徒に対して、学校に拒絶反応を起こしたら困るということで、学校以外の環境のよい施設を開設するということです。  しかし、それだけでは本当の支援にはならないのではないかなと考えます。例えば、どんなに設備のいい病院であっても、患者がそこに行って治療を受けなければ治らないわけです。不登校児童生徒においては、まず、そこの施設に行ってもらうことを第一に考えなければいけないと思います。こういう施設ができましたら、3名の非常勤講師とボランティアを用意して待っていますということでは、一向に不登校児童生徒1,700名に対する支援にならないと思います。  そこで、質問ですけれども、不登校児童生徒と教育支援センターをつなぐ役目、学校で言うならば心のサポーターの役目を担うような人材の登用をぜひお考えいただきたいと思うのですがいかがか、伺います。  また、その意味では、今、札幌市内に20数カ所ある民間のフリースクール、その数箇所では訪問支援も行っているということです。不登校児童生徒への対応は、最後は訪問支援になっていくのではないかと思うので、そういうこともやっている民間のフリースクールへの委託を将来的にお考えになっているかどうか、視野に入れられているかどうか、この2点を教育長にお聞きしたいと思います。 ◎北原 教育長  不登校の子どもと教育支援センターをつなぐ人材の登用、フリースクール等民間への委託についてのご質問だったかと思います。  不登校の子どもにつきましては、学校での対応を中心としながら、平成24年度からモデル的に小・中学校に心のサポーターを配置して支援の充実を図っているところでございます。心のサポーターは、関係機関等へつなぐ役割も担ってございます。そういう意味で、心のサポーターに教育支援センターとつなぐ役割を担わせることについて、具体的に検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  具体的な子どもへのかかわり方につきましては、学校や相談指導学級の取り組みに加えまして、フリースクールの実践例などを参考にするためにも、フリースクール等民間施設との連携あるいは情報共有を図りながら支援の充実に努めてまいりたいと考えております。今後、フリースクールとの連携を図った取り組みについての成果と課題を明らかにする中で、将来的には委託についても検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  私から、1点目は児童生徒の命を守るために、2点目は不登校の問題、大きくこの2点について質問させていただきます。  まず、児童生徒の命を守るためにからスタートいたします。  先日、消防局におきまして、さっぽろ救急サポーター事業参画施設に対するフォローアップとAEDの使用環境についての質問を行わせていただきました。1,533カ所あります参画施設の中で、札幌市立小・中学校などの公立学校311カ所にもAEDが設置されておりまして、それぞれの設置場所の確認もできました。全てが屋内にありまして、リース契約となっていることから、メーカーによる保守点検や消耗品交換なども定期的にされておりまして、通常使用の際には誤作動がないと確認できました。しかし、屋外に持ち出して使用することも考えられ、特に厳冬期における環境でも安心して使用できるよう、関係機関、メーカーと意見交換を行うなどの働きかけを消防局に行っていただくことを求めました。  そこで、質問ですが、AED本体は安心して使用できることが確認できましたが、学校において、全教職員がAEDを適正に操作できるのでしょうか。また、研修はどのように実施されているのか、伺います。 ◎金山 学校教育部長  教職員がAEDを適正に操作することができるかについてのご質問だったかと思います。  札幌市では、AED導入に際しまして、全教職員に対し講習を受講させるとともに、新たに採用した教員が学校においてAEDの操作を含む救命活動を適切に行えるよう、現在、初任者研修にも普通救命講習を組み入れているところでございます。また、各学校では、AEDに関する研修や講習を定期的に開催しております。このことにより、AEDは、ほぼすべての教職員が適正に操作できるものと認識しております。 ◆しのだ江里子 委員  大変力強い答弁をいただきまして、安心いたしました。  次に、エピペンについて伺いたいと思います。  先ほど小倉委員からもありましたように、児童生徒におけますアナフィラキシーにかかわる問題です。この原因はほとんどが食物なのですが、それ以外に、蜂に刺されたり、そしてまた、天然ゴムなどの接触によることも原因となっていると言われています。アレルギー反応によりまして、じんましんなどの皮膚症状や、腹痛、嘔吐などの消化器症状、せきやぜえぜえといった呼吸困難などの呼吸器症状が複数同時に、かつ急激に多く出現した状況をアナフィラキシーと言っております。その中でも、血圧が低下して、意識の低下や脱力が来るような状況を特にアナフィラキシーショックと呼び、直ちに対応しないと命にかかわる重篤な状況であるということを意味します。  エピペンは、アナフィラキシーを起こす危険性が高い人に対して、緊急時に病院受診する前に使用する薬として事前に医師が処方する自己注射薬であり、サインペンのような形をしておりまして、アナフィラキシーショックを発症した患者は、安全キャップを外し、先端を自分の太ももに押し当てることで成分のアドレナリンが筋肉から血液に入り、一時的に症状を緩和させる効果があるということです。2009年4月からは、救急救命士が本人にかわって使用できるようになり、また、文科省通達でも、教職員も緊急避難的に児童生徒に対して注射してもよいということになっています。アレルギーによるアナフィラキシーショックは、大きくせき込んだ後、急激に呼吸困難に陥ることがありまして、意識が遠のきます。そうしますと、本人の意思でエピペンを打つのは難しく、教師が知識と覚悟を持って打ってあげないと助けられず、どこの学校や職場でも起こり得る問題だと考えます。  先ほども、いろいろな質疑の中で数字が出てまいりました。2012年度の食物アレルギーの小学生が9,062名、中学生が5,385名、その中でも対応が必要な生徒は855名であると聞いています。さらに、このたびの調査で、アナフィラキシーショックを起こす可能性のある幼児、児童生徒数は、学校生活管理指導表などの調査によりますと、2012年で521名、そのうちエピペンを携帯しているのは47名ということで、2011年9月の保険適用から急激にエピペンを常備する数がふえていると考えられます。  そこで、先ほどの質問にもありましたが、学校などで実際に教職員がエピペンを打った事例が発生しているのでしょうか、これについてまず伺います。 ◎金山 学校教育部長  エピペン、アドレナリン自己注射薬をこれまで教職員が使用したという事例の報告はございません。 ◆しのだ江里子 委員  2010年1月には、兵庫県姫路市の小学生が食物アレルギーによります急性反応アナフィラキシーショックを起こし、学校が保護者から預かっていたエピペンを使わずに119番し、搬送直前に駆けつけた母親が注射をして回復していますが、その際、学校は、エピペンを保管していたものの、注射をする取り決めを保護者と交わしていないなどとして使わなかったことが判明しています。  また、先ほどの話にありました、昨年12月の東京都調布市におけます女児の本当に残念な事件ですが、これに関しましても、教師がエピペン使用を一旦ちゅうちょしたものの、その後に校長先生がエピペンを注射したのですけれども、救急搬送され、3時間後に死亡が確認されたということです。そして、きょうのNHKの報道によりますと、医師と弁護士を含む調布市の検証委員会では、原因としては、学校における情報共有が不十分であったこと、危機管理の欠如があったこと、そしてまた、エピペン使用の初期対応の誤りがあったことなどの報告をきょう調布市に提出するとの報道がありました。  まさに、学校では、緊急時の対応の仕方を日ごろから確認しておく必要が大きく、エピペンの常備と使用できる体制づくりが何より求められると思います。文科省が2010年に全国の教育委員会などに聞き取り調査をしたところ、教職員向けにエピペンの講習会を実施しているのは、47都道府県のうち37にとどまったということです。  そこで、先ほど、エピペンの保管についての質疑がありました。エピペンは、15度Cから30度Cの常温で保管しなければならないということで、先ほどのお話の中では、職員室や保健室などに置かれていたとのことです。さらに、保管の状況、例えば、机の上に置かれていたのか、また、ほかの状況にあったのか、児童自身がランドセルに入れているケースは何校見受けられたのか、エピペンを処方されている児童生徒のいる学校では全教職員が正しく打つことができるように緊急時のシミュレーションが行われているのか、伺います。 ◎金山 学校教育部長  エピペンの保管についてでございますが、子ども自身がランドセルの中に保管していた件数につきましては27件ございます。また、緊急時に教職員がエピペンを打つことができるよう、各校においては使用方法の研修等をシミュレーションも含めて実施しているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  質問はもう一つあって、職員室や保健室にどういう状況で置かれているか、わかりますか。 ◎金山 学校教育部長  職員室での保管が7校、保健室での保管が4校です。職員室では校長の机の上や養護教諭の救急バッグの中あるいは引き出しの中、保健室であればガラスの棚の中などに保管されております。 ◆しのだ江里子 委員  2月19日、中日新聞のウェブによりますと、岐阜県の垂井、関ヶ原の両町では、エピペンの使い方を町内の小・中学校や幼稚園、保育所の教員らに学んでもらうための取り組みを昨年秋に開始しまして、学校、幼保園の代表者、救急救命士ら77名を集めて研修会を行い、症状が起きたときにエピペンを自分で注射できない子どもの太ももにどのように打つのか、実物同様の練習用器具を使って体験しています。緊急時に素早く的確にエピペンを使用するためには、あらかじめ使い方を習得しておく必要がありまして、参加者は、練習用器具とマニュアルをそれぞれの学校などに持ち帰り、後日、ほかの教職員らに指導し、両町内で358名が取り扱いを経験しました。そしてまた、終了後のアンケートでは、約9割が詳しい使用方法を知らなかったと答えたとあります。両町では、今後、毎年4月に同様の研修会を開いて、継続的に指導、普及に取り組む考えで、この取り組みを行った岐阜県と医師会は、子どもたちの安心・安全を見守ることができる体制を岐阜県内全域に広げていくとのことでした。  先ほどの答弁で、校長の机の上、救急バッグの中、保健室であればガラスの棚の中と、置かれている場所は本当にさまざまです。私は、全教職員が一目でわかる場所とし、しっかりと表示しておくことが必要だと考えるのですが、教育委員会としてはどのようにお考えでしょうか。 ◎金山 学校教育部長  今、委員のお話にございましたが、緊急時に迅速に対応することを考えますと、全教職員が一目でわかる場所に保管するとともに、わかりやすく表示することの必要性については認識してございます。一方で、職員室など児童生徒が出入りする部屋では、他の子どもたちが触れて事故などを起こすことも管理上懸念されるところがございます。  このことから、教育委員会としては、学校等には、利便性と安全性を考慮した上での最善の保管方法の検討と、会議などで定期的に確認するなど、常に全教職員が保管場所を認識するよう指導・助言してまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  厚生労働省の調査では、2011年にアナフィラキシーショックで亡くなったのは全国で5人いらっしゃると聞いています。そしてまた、アナフィラキシーショックで命を救えるかどうかは、いかに迅速にエピペンを打つかにかかっているとされておりまして、ショックに至った子どもは自分で注射できないケースもあり、周囲が使い方を習得しておくことが不可欠です。  今回、12校に聞き取り調査をしていただきましたが、そのうちの3校は職員室で表示されておりまして、9校は表示されていませんでした。表示されていない理由をお聞きしましたら、表示をすることで子どもたちがいたずらをしたり気にするのであえてしないというお答えや、対象生徒が少ないので、事前に教職員間で校内周知されているとのお答えもありました。しかし、表示していると言った3校では、理由としては、誰にでもわかるからとのことで、表示することのリスクよりも、誰にでもわかるメリットをとっているということが考えられます。  地域の消防との連携も必要で、千葉市や大阪狭山市では、エピペンを処方されている児童生徒について、保護者の同意を得て地域の消防機関とも子どもの情報を共有し、緊急時には迅速に対応できる緊急搬送システムをつくって対応しています。  そこで、質問ですが、札幌市も消防局と連携した救急搬送システムをつくり、児童生徒の命を守ってはどうかと思いますがいかがか、伺います。 ◎金山 学校教育部長  緊急搬送システムの導入についてでございます。  札幌市では、子どものアレルギーに関する情報につきまして、学校であらかじめ把握し、救急車を要請する段階で情報提供するよう、マニュアルに記載してございます。委員ご指摘の救急搬送システムの導入も含めまして、今後、どういった方法がより有効であるか、調査研究を進めてまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  要望です。  消防局にもエピペンについてのご意見を伺いましたが、保管場所は誰にでもわかることが望ましいということでした。そして、先ほどもご紹介しました大阪狭山市の緊急対応シミュレーションの中では、これはユーチューブで見ることができるのですが、親子連れの子どもの状況が急変し、まずは119番へ通報し、その場で母親がエピペンを出して注射し、その後、通行人がAEDを運んできて、母親と心臓マッサージを行い、AEDを操作しているうちに消防が来るというシミュレーションになっております。これに地域の子ども、母親たちがともに参加し、見学している様子がユーチューブから見てとれました。先ほどの答弁の中で、日本学校保健会の研修に参加するということですが、消防局や医師会と連携して、主体的に研修の機会を持つことも必要だと考えます。  教育委員会には、表示を含め、児童生徒の命を守るために、日ごろから二重、三重のチェックをし、緊急時に誰もが対応できるよう、指導、普及を含め、情報共有をさらに進めていただくことを求めます。  今回の質問に当たりまして、教育委員会には、エピペンについての調査を短時間でしていただきまして、状況が大変よくわかりました。この際に明らかになりましたのは、学校生活管理指導表です。この表は、医師による記載、指導、相談が必要となりまして、この表に書いていただくためには文書料が必要になります。知り合いの小児科のお医者様にお聞きしましたら、1,050円ということでしたが、アレルギーの場合は、小児科だけではなく、耳鼻科や皮膚科などの先生からの所見も必要になってくる場合もあります。そうしますと、この1,050円というのは、自由診療ですからお安いほうで、それ以上のお値段を取っていらっしゃる病院があるかもしれません。実際には、そうやってお金をかける必要があるために可能性のある家庭からこの表が戻ってきているわけではなくて、それに対しては学校側でそれぞれの調査表で対応されているということも伺いました。札幌市においては、今までも医療費助成などをしてまいりました。管理表においても、文書料の無料化に向けて、教育委員会には医師会とぜひとも検討していただくことを求めたいと思います。  次に、不登校の問題について質問させていただきます。  心のサポーター配置モデル事業についてですが、昨年12月の第4回定例市議会において、人材確保や、学校における教職員との連携のあり方についての質問を行わせていただきました。人材確保には、地域の関連機関と連携し、幅広く適切な人材を求めていくことや、教職員との連携は、相談支援連絡会議の中で理解を図り、事例紹介などを行い、取り組み、交流し、連携を図るとの答弁をいただきました。  本事業は、2012年度、中学校20校で開始され、相談支援パートナーの尽力によりまして、各学校で成果を上げているとの報告がなされていることは承知しております。この4月から、相談支援パートナーの配置は中学校が20校から40校にふえるということで、一人でも多くの不登校生徒の状況改善を図るために、子どもに寄り添い、見守る環境が整い、成果が上がることを期待したいと思います。  その中で、私が懸念しておりますのは、相談支援パートナーとして、子どもに直接かかわる方の研修の必要性です。相談支援パートナーは、元教員の方もいらっしゃるのですが、地域の主任児童委員や民生委員、また、学生など、幅広い方たちが参加しております。学校内で子どもたちにかかわるのは初めてという方も多くいるのが実情と聞いております。それぞれの方の専門性を生かしつつも、この事業の目的を理解し、子どものための適切な支援をするのはなかなか大変なことであると認識しています。  そこで、質問ですが、今年度、初めて相談支援パートナーをされる方に対する研修計画はどのようにされるのか、伺います。 ◎池上 指導担当部長  心のサポーター配置モデル事業に関しまして、新規に活動する相談支援パートナーの研修計画についてお答えいたします。  この相談支援パートナーは、さまざまな立場で子どもにかかわってきた経験をお持ちの方々でございます。しかし、不登校の子どもの対応については、より専門的な知識や経験が必要でありますことから、適切な支援を行うための研修が重要であると認識しているところでございます。  平成24年度は、夏と冬に研修会を実施いたしまして、内容としましては、相談指導学級の指導員やスクールカウンセラーのスーパーバイザーを講師といたしまして、不登校生徒への支援のあり方についての研修を深めたところでございます。平成25年度については、今年度末、3月に新規の相談支援パートナーを対象に、不登校の子どもへのかかわり方等について事前に研修を実施いたしますとともに、先ほどお話ししましたように、年2回の研修を実施する予定でもございます。 ◆しのだ江里子 委員  この3月に不登校の子どもたちに対するかかわり方を事前に研修していただく、そしてまた、昨年同様、夏、冬の研修をしていただくということでした。  昨年、実際に相談支援パートナーが配置されている学校に伺いまして、その様子を見学させていただきました。まさに、集団の中には、いづらさもありまして自分のクラスに行けない生徒が、別室では誰かに背中を押してもらうことで一歩前に進むことができる様子を見ることができました。また、その後の話を聞きますと、ふれあい学級の中で、クラスメートがいない教室に入ることができた生徒が、今回、卒業写真帳には、お休みであれば丸枠の中で写真が別になっていると思うのですが、クラスメートと並んで掲載されて、15日の卒業式には同級生とともに参加できるかもしれないというところまでになったとも聞いております。それには、教職員の皆様方の支援などが多くあるものだと思います。私は、平成24年度の各学校での取り組みを次年度の25年度に生かしてこそ、本事業がさらに充実していくものと確信しております。  そこで、提案ですけれども、次年度、初めて本事業を実施する20校の相談支援パートナーの研修として、昨年度、本事業を実施した学校に直接出向き、実習をするなどの方法をとることでさらに効果が高まると思うのですがいかがか、伺います。 ◎池上 指導担当部長  平成25年度に新しく相談支援パートナーになる方々の研修に当たりまして、今年度やっている学校が継続して来年もやることになりますので、そこへ出向いて研修してはどうかというご提案についてでございます。  平成24年度の実践を新規の実施校や相談支援パートナーに還元することは、大変有効であると認識しております。しかしながら、不登校の子どもの対応についてはさまざまな配慮が必要でありますことから、実習等の取り組みを直接行うことは難しいため、相談支援パートナーへの指導・助言等を担う相談支援リーダーができるだけ早い時期に新規の相談支援パートナーの配置校を訪問し、教職員との連携のあり方や子どもとのかかわり方について具体的に助言するとともに、その後についても定期的に配置校を巡回し、継続的に支援する予定としております。また、先ほどお話しいたしました研修会において、今年度行った相談支援パートナーと新規の相談支援パートナーが交流することなどを通しまして、新規の相談支援パートナーが効果的な活動の方法を学ぶなど、今後の取り組みに生かされるよう配慮してまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  有効ではあるけれども、子どもたちにさまざまな配慮が必要であるということで、リーダーが早期に巡回して、新しいパートナーと、既にパートナーになっていらっしゃる方たちの交流を深めていくというご答弁でしたが、いたし方ないと思います。  相談支援パートナーの皆さんは、自分の時間を削って子どもたちにかかわってくださろうとしていますが、それぞれに多くの問題を抱えた子どもたちであり、一筋縄では進まないことがたくさんあろうかと思います。そんなときには、教職員との交流も当然必要になってくると思います。今回、いろいろなお話を聞かせていただきましたら、生徒たちも、先生による出前講座に非常に興味を持って参加してくれたり、担任が時々声をかけてくださることにとても安心した表情を見せるなど、相談支援パートナーと教職員との交流も大変必要であると思います。聞くところによりますと、教員室にスペースのあるところは、相談支援パートナー専用の机を配置した学校もありましたが、それができない学校では、せめて教員室内の休憩コーナーで、教員と相談支援パートナーが言葉のキャッチボールをできるような受け入れをぜひ学校でしていただければと考えております。  次に、教育支援センターについて伺います。  2011年度の決算特別委員会で、私どもの会派から、教育支援センター設置事業について、これまでの相談支援学級と新設される教育支援センターについての違いとか、2012年に行う調査研究の内容について質問させていだきました。  相談指導学級は、不安などの情緒的混乱による心理的要因の児童生徒が対象となり、学校復帰につながるような教育機関として四つの小学校に設置され、小・中学生が通学し、約190人の児童生徒が利用しており、また、教育支援センターは、社会性や行動上の問題などさまざまな要因の不登校児童生徒を対象とし、学校以外に設置することで、学校に抵抗感を持っている子どもにとってより通いやすい場を保障することになり、さまざまな不登校の要因に応じた柔軟な計画に基づいて、教科の学習や人とのかかわりについての学びを進めることができる、そして、この取り組みを通して、学ぶ意欲や自己肯定感などが高められるという答弁でした。そしてまた、調査研究の内容については、不登校の児童生徒や保護者にとってより安心して通うことのできる施設となることを目指し、そのために具体的な方策を得ることができるように、子どもたちや保護者の声をしっかり聞き、他都市の先行事例、フリースクールの取り組みなどを調査し、よりよい施設となるよう検討していくとの答弁がありました。  そこで、4月に開設予定の教育支援センターは、この調査研究に基づいて開設の準備をしているものと考えていますが、教育支援センター設置事業における2012年度の調査研究の成果についてはいかがか、伺います。 ○阿知良寛美 委員長  質問は確認しなくても結構ですから、簡潔に答えてください。お願いいたします。 ◎大友 教育研修担当部長  教育支援センターの設置に向けまして、学識経験者を初め、フリースクールの代表や、関係機関の職員等によります札幌市教育支援センター設置運営協議会を立ち上げまして調査研究を行ったところでございます。その中で、学校の校舎自体に抵抗感のある子どものための施設のあり方や具体的な運用の仕方、また、人とのかかわりや体験的活動を重視した支援のあり方等について、基本的な考え方を整理することができたところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  不登校の子ども、またその保護者のニーズ把握をもとに設置運営協議会を立ち上げ、制度設計や支援プログラムなど基本的考え方について検討されたということが理解されます。このように、検討されたことは、教育支援センターの取り組みを進める上で、既にあります相談指導学級と運用面で異なることも出てくるのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、このような調査研究で得られた成果をこれから開設する教育支援センターの運用にどのように反映していこうとされているのか、伺います。 ◎大友 教育研修担当部長  まず、学校の校舎自体に抵抗感のある子どものために、学校以外の場で多様な体験活動ができるよう、体育室や調理室などの機能が備わっているリフレサッポロ内に教育支援センターを設置することとしたところでございます。また、具体的な運用に当たりましては、子ども一人一人の実態に応じたきめ細かな対応ができるよう、教職経験者や心理の専門家などの職員、また、学生や地域のボランティアなど、多様な人材で支援する体制づくりを進めているところでございます。さらに、人とのかかわりや体験的活動を重視した支援といたしまして、集団で学ぶ楽しさを実感しながら、人とかかわる力を高めるよう、互いに認め合い、助け合う学習を設定するなど、調査研究の成果を教育支援センターの運用に反映しているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  要望です。  校内で相談支援パートナー、スクールカウンセラーに支えられる通室や相談指導学級に通うためには、在籍する学校を通じなければならず、それがトラブルになりまして、子どもの困難を話したくない家庭がある中で、教育支援センターは、直接申し込むことができることで、教育支援センターと学校の連携はなされますが、子どもも家庭も負い目となる負担は少なくなると思います。  教育支援センターは、小・中学生の交流が図られ、支え、支えられるメリットもあり、それも期待するところですが、ぜひともスロースタートで始めていただきたいと思います。4月以降、子どもたちが見学し、お試し参加することができると思います。納得した上で、無理せず通える環境づくりをぜひつくっていただきたいと思います。  通学支援学級、心のサポーターが配置されているふれあい学級などの別室通学、新たな教育支援センターと、不登校を余儀なくされている児童生徒の選択肢がふえ、子どもたちが自立への道を進む一助となることは何より望ましいと思います。しかし、ここで支えるボランティアは、相談支援パートナーも教育支援センターで求める人材も同じだと考えます。パートナーも登録制で、学校もしくは教育委員会に相談をいただくとのことでしたが、実際には、地域人材に頼る、または人づてに探すということが昨年の状況として聞かれております。私どもの会派が以前に提案させていただいた人材バンク的な組織を教育委員会に置き、多くの札幌市民に知っていただき、参加していただける取り組みを望みます。  そして、新しい教育支援センター、ちあふる、相談指導学級と名前が混在しておりまして非常にわかりづらいと思います。教育支援センターには、参加する子どもたちが相談して親しめるネーミングをしてもらい、ぜひ身近に思えるような施設になるようにお力をいただきたいと思います。 ○阿知良寛美 委員長  ここで、およそ50分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後12時11分       再 開 午後1時     ―――――――――――――― ○阿知良寛美 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、幼児教育の充実についてお伺いいたします。  私は、幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う大変重要なものであると考えております。幼児期は、家庭において、家族を軸として営まれていた生活からより広い世界に目を向け始め、他者との関係、興味や関心が急速に広がり、自立に向かうための大変大切な時期であります。幼児期には、夢中になって遊ぶ中でさまざまな事象に出会い、実体験を通して好奇心や探究心など思考力の芽生えを育んでいくとともに、集団生活を通して社会性や道徳性の芽生えを育んでいくことが大事であると思います。そうした時期の子どもの育ちを見守り、適切な援助を行う幼児教育の担い手として、幼稚園、保育所が重要な役割を果たしていることはご承知のとおりであります。  昨年、国会で可決されました子ども・子育て関連3法の中でも、質の高い幼児期の学校教育、保育の提供を保障していくなどが盛り込まれているとおり、幼児期における学校教育の推進など、幼児教育の重要性が改めて確認されております。また、幼児期に培っていったことがその後の小学校教育にどのようにつながっていくのかなど、幼保小が連携し、教育内容を相互に理解した上で、それぞれの教育がなされていくことがとても大切であると考えております。  私ども会派では、幼保小の連携の現状について、昨年、後ろにいる三浦委員らとともに、先進地である佐賀市を視察してまいりました。佐賀市では小1プロブレムが非常に問題となっていたそうでございまして、授業が成立しないわけです。その要因としては、子ども自体が昔と変わってきているのではないかということ、また、家庭のしつけに問題があるのではないか、そして、幼保小の連携がなされておらず、一つの幼稚園から数多くの学校に分かれてしまう、また、幾つもの保育所から一つの学校に来る等、友達は全く初めての方が多いということもあったと思います。そうしたことの対策として、幼保小の大きな段差を解消し、滑らかな接続を行政主導で行うことを佐賀市は取り組んできたわけでございます。
     平成15年4月に、保健福祉の所管であった母子福祉と教育委員会のもとにあった幼稚園が一体となって、子ども課というものに統合されました。ただ、札幌との違いは、教育委員会のもとにこれが統合されたわけであります。そして、幼保小連携については、平成17年に幼保小連携担当指導主事という方を配置して、行政主導で強力に進めてきたということであります。  そこで、まず、1点目の質問でございます。  札幌市の幼保小の連携の現状についてお伺いいたします。 ◎大友 教育研修担当部長  幼児教育センターと市立幼稚園は、区ごとに、幼稚園、保育所、小学校と連携しまして、合同の研究会や研修会を実施してきたところでございます。また、平成21年度からは、小学校に円滑に就学できるよう幼保小連絡会を開催しまして、特別な支援を要する幼児も含めた支援内容の小学校への引き継ぎを行ってきており、引き継ぎ件数も年々増加しております。さらに、園児、児童や教師間の交流などの取り組みが広がってくるなど連携の成果が上がってきております。  しかしながら、教育内容につきまして、相互理解をより一層進めていくためには、さらに組織的、継続的に連携していく体制づくりが必要となっていると考えております。 ◆福田浩太郎 委員  これまでの取り組みから連携が徐々に推進されてきていることは理解できました。一方で、課題の認識についても理解したところであります。  札幌市は、10区の非常に大きな都市でございます。それぞれの地域で取り組み状況が違い、佐賀市とは比べることができませんが、具体的に今後どのように進めていくのか、注目しているところでございます。  そこで、再質問に入っていきますが、幼保小の連携を今後どのように推進していくのか、考えを伺いたいと思います。 ◎大友 教育研修担当部長  先ほど申し上げました体制づくりのために、次年度から、幼稚園、保育所、小学校のそれぞれの代表と、教育委員会及び子ども未来局から成る札幌市幼保小連携推進協議会を立ち上げまして、効果的な連携のあり方について検討してまいります。さらに、区ごとに、幼稚園、保育所、小学校の教職員から成る区幼保小連携推進協議会を立ち上げまして、さまざまな実践交流をしたり、研修会を開催するほか、小学校へ支援内容を引き継ぐ会などを実施してまいります。  これらの協議会の開催などを通しまして、幼保小の連携を一層推進し、それぞれの教育活動の充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆福田浩太郎 委員  幼保小連携推進協議会を札幌市全体と区ごとにも設置するということであります。非常によい取り組みであろうというふうに思います。  佐賀市でのお話でありますが、指導主事を配置したわけですけれども、指導主事は、小学校がわかっても幼保がよくわからなかったということもあったそうです。幼保小連携事業を推進していく中で、そしてまた、幼保小の資質の向上を進めていく中で、現場でのあつれきも生じたというふうに伺っております。数年を経た中で、今では指導主事がどこの保育所に行っても顔なじみということで、信頼も厚く、取り組みが進んできたというお話も聞きました。やはり、行政の主導は重要であると思います。その中心を担う教育センター、市立幼稚園で、しっかりとしたリーダーシップをお願いしたいと思います。  また、これまでの札幌市の取り組みを見させていただきましたが、教育委員会が主体ということで、保育所との連携がまだまだ足りないのではないか、縦割りの弊害をどう乗り越えていくのかが大変重要であろうと思います。保育所からも保育を学ぶという謙虚な姿勢、また、保育所に対しては幼児教育を紹介していく地道で粘り強い取り組みをお願いしたいと思います。教育委員会は所管外とは思いますが、教育委員会の思いが重要になってくるというふうに私は考えております。  最後に、質問ではなく、要望で終わります。  今後、協議会が回を重ねて人間関係ができてきます。幼稚園の先生、保育士、また、小学校の先生と人間関係ができて、さまざまなよい発見、事例等が出てくると思います。その次の段階で必要となってくるのは、幼保小の連携により見えてきた、より質の高い幼児教育をまとめた教本ではないかと思っております。佐賀市では、幼保の保育と幼児教育の指針として「えがお」という冊子、また、小学校入学直後の指針として「わくわく」という1冊の本に凝縮したものをつくっております。この本をそれぞれが学ぶことによって、幼保小の教員、また、保育士が資質、能力を向上させ、教育条件の整備が進んでいるとのことでございます。  札幌市ではまだ始まったばかりで、予算も非常に少ないということでありますが、今後は札幌市もこのような幼児教育の充実を進める教本をぜひともつくっていただいて、幼保小の連携をしっかりと進めていただくことを要望して、質問を終わります。 ◆坂本恭子 委員  私は、中高一貫校について、2015年度の開校に向けて札幌市立学校設置条例の一部を改正する条例案、それからまた、学校新築費の予算などが計上されていますので、それにかかわって質問したいと思います。  全国の中高一貫校において、少なからずエリート志向、受験の低年齢化が起きているという実態がございます。私ども日本共産党は、中高一貫校の構想が出てきたときから、受験競争の低年齢化を招かないようにということを再三申し上げてまいりました。  まず、入学者の決定についてですが、基本構想では、学力検査は行わない、適性検査、作文、面接、調査書、抽せんなど複数の方法から選択の上、適切に組み合わせて実施することとし、受験競争の低年齢化を招かないよう十分に留意しますというふうにございます。  そこで、これまでどのような検討を重ね、今はどのように具体化されてきているのか、適性検査とはどういう中身になるのか、調査書ではどういう項目の提出を小学校に求めようとしているのか、受験競争の低年齢化を招かないようにするためにどのようなことに心を砕いてこられたのか、工夫されてきたのか、この点について伺いたいと思います。 ◎金山 学校教育部長  入学者決定方法につきましては、現在、教育委員が議論を重ねているところでございます。これまでの議論では、この学校の特色を踏まえた入学者決定方法の組み合わせと、受験競争の低年齢化を招かないための配慮について、慎重に検討をしているところでございます。適性検査につきましては、特定の教科の内容に特化しない出題方法により、思考、判断、表現といった総合的な適正を図る検査も含めて考えているところでございます。また、調査書につきましては、小学校の指導要録に基づきまして、各小学校において作成してもらうものを考えておりまして、各教科の学習の記録と、評定だけではなく、特別活動の記録や行動の記録、その他、総合所見などを含むものを考えているところでございます。  いずれにいたしましても、受験競争の低年齢化を招かないようなものを考えていきたいというふうに考えております。 ◆坂本恭子 委員  具体的にはまだということなのでしょうけれども、教育委員のほうで慎重に検討しているということで、受験競争の低年齢化を招かないことが最重要の眼目だというふうに思います。  そこで、新築工事も始まって、冒頭に申し上げましたように2015年度には開校ということですから、スケジュールとしてはどんどん迫ってきておりますが、入学者決定についての結論が出るのはいつごろになるのか、それをお示しいただきたいと思います。 ◎金山 学校教育部長  先ほど申し上げましたように、現在、慎重に議論を重ねておりまして、次年度の早い時期には決定してまいりたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  次年度の早い時期ということですから、4月、5月ということになるのかと思います。教育委員の皆様には限られた時間の中でご苦労だと思いますが、本当に慎重に判断、検討をしていただきたいと、これは求めておきます。  それから、調査書の作成についてですが、これは学校が行うのだということでした。中学であれば、高校入試のときに、願書は学校が取りまとめて各高校に提出するという手順だと思うのですが、小学校ですから、学校で調査書を作成の上、願書の出し方はどうなるのか、学校が取りまとめて提出することになるのか、個別に行うことになるのか、ここら辺の検討は進んでいらっしゃいますか。 ◎金山 学校教育部長  先ほど小学校の調査書についてお話を申し上げましたが、この中身についても今現在検討している段階でございますので、願書、調査書の提出の方法についても、この後、十分に検討してまいりたいと思っております。 ◆坂本恭子 委員  仮に、学校で取りまとめて出すということになりますと、誰々ちゃんが願書を出したことがほかの子どもにわかってしまうようなケースがあろうかと思います。この次にお聞きしたい項目にもかかわってくるのですが、当然、相当な倍率があって落ちてしまうお子さんがいらっしゃるわけです。私は、そこら辺はきちんと配慮していかなければならないと思います。そこら辺も十分に検討していくということですので、お願いしたいと思います。  そこで、1学級40人で4クラスの募集となります。1学年160人になりますが、初年度はかなりの応募倍率になるだろうと思います。今現在、教育委員会では何人くらいの応募を想定していらっしゃいますか。 ◎金山 学校教育部長  開校当初の志願者の倍率につきましては、全国的に見ても高くなる傾向がございます。平成24年度に開校いたしました横浜市の中高一貫校では約10倍と聞いております。そういう意味で、少なくとも同程度の志願者数を想定して準備を進めてまいりたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  私もその資料をいただいております。さいたま市立の中高一貫校では初年度は25.2倍、千葉市立が20.3倍、千葉県立が26.7倍ですから、かなりの倍率です。ですから、願書を提出してもらうときにも調査書作成をそれぞれの学校に依頼して出してもらう、それからまた、適性検査の中身についてもこれからどういうふうにしていかれるのか、少人数の選考委員と言えばいいのか、かなりの人数を担当の方が見ていかなければならないということです。とりわけ、適性検査あるいは作文、面接というようなことは基本構想の中でも言われておりましたが、どういう組み合わせの中で、子どもたちのどういう能力を見きわめていくのか、かなり難しい状況にあるのではないかと思います。しかも、10倍、20倍という倍率であれば、ある程度の学力などの到達を推しはかることになるのではないかという懸念が出てまいります。  そのための適性検査あるいは調査書項目の検討につながっていくことになるのではないかという懸念が出てまいりますが、そこは、改めていかがお考えになりますか。 ◎金山 学校教育部長  先ほども申し上げましたが、適性検査につきましては、特定の教科の内容に特化しない出題方法により、思考、判断、表現といった総合的な適性を図る検査を考えております。  そういう内容を十分に考えた上で、先ほども申し上げましたが、受験競争の低年齢化を招かないようなものを考えていきたいと思っております。 ◆坂本恭子 委員  札幌市中高一貫教育校設置基本構想ですが、特色あるというお話が先ほど部長からもありました。どういう人材を育成したいのか、どういう教育を行っていきたいのか、このことについても明確に市民あるいは子どもたち、保護者にも示していかなければならないと思います。  改めて、今度の中高一貫校は、中等教育学校という札幌市には存在しない学校の形態ということですから、6年間の中でどういう人材を育成していきたいのか、どういう教育を行っていきたいのか、今、教育委員会が基本構想をさらに膨らませていらっしゃると思いますので、その点についてのお考えを改めて伺いたいと思います。 ◎金山 学校教育部長  中等教育学校につきましては、例えば、発想力や物の見方、考え方などを生かしながら、さらに課題解決をみずから行っていくような学習方法を取り入れる中で、そういう子どもたちを育成してまいりたいと思っております。 ◆坂本恭子 委員  まだまだイメージ先行で、具体的にどういう学校になるのだろう、どういうカリキュラムがあるのだろうとつかみかねるところがあります。ただし、これだけは明確にしておきたい。有名大学への合格率だけを目指すエリート養成校ではないということ、ここをしっかりと基本に据えているということです。どんな人材を育成したいのか、今、部長がお話ししてくださいましたが、こういう中身を明確に、正確に学校関係者や保護者に対して説明すべきだというふうに思います。そういう中で、自分の好きなもの、興味・関心のあるものに目を向けて授業に取り組んでいく、その中で成長、発達していく場として今度の中高一貫校があるのだということをはっきりとすべきだと思います。  例えば、学校関係者や保護者に対しての説明は、どのタイミングで、どういう形で行っていこうとお考えになっていますか。 ◎金山 学校教育部長  この中等教育学校につきましては、基本構想におきまして、先ほど申し上げましたが、6年間を通して課題探究的な学習に取り組むこととしております。こうした教育内容を十分に理解してもらうことは、入学した生徒がこの学校に合わないと感じることがないようにするためにも非常に重要なものと認識しております。  したがいまして、小学校を通じた児童や保護者への説明あるいは市民説明会の場などを通じまして、丁寧に説明してまいりたいと思っております。 ◆坂本恭子 委員  時期については明確にお話しいただけませんでしたが、丁寧に説明していきたいということです。入学者の決定方法については、私は4月か5月かと思いましたが、次年度の初めに決めるというご答弁でした。  それから後の具体化についてです。例えば、カリキュラムは、中学、高校という枠を取っ払って、3段階でやっていこうということが基本構想の中にも書かれております。中学と高校で授業単位の入れかえがあったりとか、国語や技術家庭などの時間を削って別の新しい選択科目を導入しようとか、いろんなお考えがあるようです。カリキュラムあるいは校内生活のあり方、ホームルーム教室でクラス全部が移動していくということになると聞いておりますので、校内生活のあり方、あるいは、中学と高校が同居していますので、行事についての参加の仕方の具体化がこれから先のことになってまいります。そういう意味では、現場を知る中学、高校の教員の声を十分に反映させていくべきだと思います。  今後、開設準備についても予算計上されておりますが、私は、教員などを配置して、プロジェクトチームを立ち上げる必要があるのかなと思っておりますけれども、そこら辺は今後どういう体制で進めていきますか。 ◎金山 学校教育部長  開校準備に当たりましては、現在も先生方によるプロジェクトチームをつくって進めているところです。新年度からは、開校準備体制ということで、学校における実践的な取り組みを重視する観点から、中等教育学校担当課に配置している教員出身者1名に加えまして、新たに中学校と高校の教員5名を専任で加え、中高3名ずつの計6名体制としていくほか、教員出身の担当課長も1名配置する予定でございます。 ◆坂本恭子 委員  体制を強化して臨まれるということですから、子どもの成長、学習がうまくいくような形でカリキュラム、校内生活などの方向づけをやっていただきたいというふうに思います。  先ほどもお話ししましたが、ホームルーム教室ということで、一旦、朝に決められた教室に集まります。そうすると、あとは授業によって、それぞれ講義室を移動して歩く、あるいは、選択科目によっては、クラスがばらばらになって、少人数の指導が行われるということです。  私どもは、かねてより少人数学級を求めてまいりました。なぜかというと、学校生活の基本単位が学級であるという考え方からです。この学級運営について、授業ごとに教室を移動したり、選択科目によってクラスがばらばらに移動することになると、中学生にとっては、学級での集団は、さまざまな価値観や考え方があることを学び、互いに触発し合いながら成長、発達をしていく上で大変重要な要でありますが、単なるクラスという一固まりではないのです。ですから、学級単位で子どもの成長を考えたときに、今回のような学級運営については、メリット・デメリットの双方があると思うのです。  教育委員会としては、この点をどのようにお考えになっているのか、伺いたいと思います。 ◎金山 学校教育部長  先ほど、中等教育学校の特色についてということで、課題探究的な学習を目指しているというお話をしました。そういう意味では、選択をしながら、自分の課題に応じて学習していくということを目指しているわけですが、特に前期課程の子どもたちにとっては、学級単位での活動あるいは友達同士とのつながりは当然重要なところでございますので、その辺はきちんと生かした中で行っていきたいというふうに思っております。 ◆坂本恭子 委員  今回の中高一貫校は、中等教育学校ということで、いわゆる中学に相当するところは前期課程、高校に相当するところは後期課程という呼び方をしているようです。前期課程の中学校というのは、紛れもなく義務教育課程ですから、今回の中高一貫校の中でも懸念されるものがあります。これから検討していくということですが、幾つか述べますので、要望も含まれますけれども、この点についての検討をしていただきたいと思います。  一つは、父母負担の問題です。普通科ではありませんから、実験や校外学習がカリキュラムの中には位置づけられていると思います。そのために、教材費などが余計にかかり、保護者が経済的に大変な負担を強いられる可能性がないのかということです。  二つ目は、カリキュラムについてです。これも先ほど述べましたが、選択教科による各教科の代替措置が可能です。例として、国語15単位、技術家庭20単位、この35単位を情報リテラシーというような選択科目に置きかえることが可能だと計画の中で出ています。普通、中学で、基礎を学び、習得すべきことを学ばずに過ごすことがここに通う生徒たちにとって不利益になるのではないかという懸念がございます。ここにも十分留意してカリキュラム作成をしていただきたい。  三つ目は、給食の問題です。校舎の図面を見ると、配膳スペースは確保されていますが、食堂がありません。各階にラウンジが設置されていて、ここは多目的室ですが、ここを食堂がわりにしようかというような話もしているようですけれども、普通学級ではランチルームが2クラス分設置されていて、食育も進められております。これは、教育課程にも位置づけられているものだと理解します。前期課程、後期課程とありますが、とりわけ前期課程においては給食をしっかりと行っていただきたいと思います。  それから、小学校の1年生、2年生にあわせて、中学1年生で今35人学級が行われています。先ほど、学級は学校で生活する基礎単位だというお話をしましたが、ここは最初から35人ではなくて40人なのです。この点についてどう理解すればいいのか、管理規則で、高校が40人間口だから基本は40人でいいのだよ、35人は弾力運用だからということをもって、ほかの学校が35人なのに、ここは40人で行くのだというお考えに立つのか、仮に国の方針がまた転換して35人学級にしますよということに変わったら、ここはどういう形でそれに対応していくのか、こういうさまざまな問題があると思います。  今、幾つか挙げた点について、プロジェクトチーム、教育委員の皆さんも含めて十分に検討していただけるかどうか、そのお返事をいただきたいと思います。 ◎金山 学校教育部長  開校に当たりましては、検討しなければならない課題がございますので、今、委員がお話になりました件も含めまして、今後検討していきたいと思っております。 ◆坂本恭子 委員  ぜひ、検討してください。  中等教育学校という位置づけの中で、6年間、高校受験のストレスがなく、勉強や部活、興味・関心のあることに意欲的に取り組むことができる、課題探究などの自分に合った課題を設定してそれを追求していくことは本当にいいことだと考えております。  しかし一方では、冒頭に申し上げたように、高倍率になって、適性検査と言っても、学力偏重ではないというふうにはおっしゃいますが、ある程度の振り落としがかかるわけです。そういう意味では、人生の上ではまだ花も開かないつぼみの状態の12歳の子どもたちに対して、過度なというか、強度なストレスを与えかねない裏腹なものであるというふうにも私たちは思っています。そういう意味では、特色ある中高一貫校を目指しながらも、小学校6年生の子どもの心に傷がつかないような対応をしていただきたいということを求めて、終わりたいと思います。 ◆石川佐和子 委員  私からは、子どもたちが安心して楽しく学べる学校づくりをテーマに、学校の空気環境検査について、子どもの権利の理解を深める取り組みについて、子どもの読書活動の充実の3点について、一つずつ伺います。  まず、学校の空気環境検査についてです。  札幌市は、子どもたちが学校で有害な化学物質による健康被害を受けることがないように、2003年度から教室の空気環境検査を定期的に行っております。2012年度は、前年度、ホルムアルデヒドの測定値が国の定めた基準値の2分の1を超えた112の幼稚園、学校における175の教室の検査を行い、その結果、3校4教室から基準を上回るホルムアルデヒドが検出されたと聞きました。その教室における再検査におきましては、通常での使用には支障がないことを確認したという報告でありました。  それとは別に、前年度に増改築工事を行った小学校2校、中学校1校におきましては、ホルムアルデヒドのほかにトルエンやキシレンなどの六つの揮発性有機化合物の測定を行ったと報告がありました。その数値を見ましたところ、確かにほとんどが測定下限値以下、要するに測定できないぐらい低かったという報告でありました。  しかし、測定の日付を見ましたところ、1月8日と記されておりまして、確認のために室温、気温を伺いました。検査を始めた温度、検査が終わったときの室内温度が約5度C前後という状況でした。1月8日の日程や、一般的に学校で検査する日取りにおきましては、行事を避けなければならないなどの工夫が大変だということは伺っているところでありますが、学校が検査機関と協議して日程を決めたということです。教室での測定においては、16時間以上密閉した後に24時間の空気採取をするため2日間かかるということなので、先ほども言いましたように、日程の設定には苦慮した状況があると思います。しかし、トルエンやキシレンなどは、常温では容易に揮発するのですが、5度C前後のように気温が低い場合にはなかなか揮発しないということです。国の学校環境衛生基準によりますと、検査におきましては、教室の温度が高い時期に行う、また、札幌市公共建築物シックハウス対策指針の解説によりますと、測定に当たっての注意事項としては、検査時期は、室温、外気温ともに18度C以上の時期に実施する、また、やむを得ず18度C未満で検査しなければならないときには、空気環境に影響を与えない暖房等の方法によって18度C以上に保って検査しなさい、そういうことが示されております。  そこで、質問ですが、今回の検査の結果をどのように認識されておられるのか、また、今申し上げました指針にのっとり、測定は18度C以上の時期に実施し、やむを得ず寒い冬期間に測定をしなければならない場合には、暖房をつけるなど温度を上げて測定すべきと考えますけれども、今後どのように検査を行うのか、伺います。 ◎金山 学校教育部長  今年度の検査につきましては、室温が低い状態での測定であったため、測定条件として適切ではなかったと認識しております。このことから、今後、委託検査機関に対する仕様書には、教室等の温度が高い時期に測定するよう明記するとともに、やむを得ず冬期に実施する場合には、暖房により適切な温度を確保した上で実施させるようにいたしたいと考えております。  あわせて、測定時期の調整を行う学校に対しましても、教室等の温度が高い時期に設定するなど、測定に適した室温での実施が図られるように周知してまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  今回の増改築校の測定室温に関しては適当ではなかったということなので、通知や、検査をする関係機関への周知を徹底して行っていただきたいということを求めておきます。  今お話ししましたような増改築工事の場合、教育委員会が定めた札幌市の幼稚園、学校におけるシックハウス対策マニュアルには、検査時期、室温等が明記されておりません。適正な検査を行うためには、今、関係機関等の通知がありましたが、マニュアルを改訂して、あわせて、再度、学校に通知すべきと考えますが、今後どのように行うのか、伺います。 ◎金山 学校教育部長  幼児、児童生徒がよりよい環境で生活するために実施する検査であることから、適切な条件のもとでの測定が重要と考えております。したがいまして、このことについて、マニュアルの改訂も含めて各学校に対して周知してまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  この間、私どもは、化学物質過敏症の子どもたちの声を聞きながら、学校の空気環境をしっかり守っていただきたいという思いで質問を続けていきました。化学物質過敏症は誰でも発症する可能性があって、一度発症するとその後の進路にまで影響することもあります。ですから、今後、今答弁していただいたように、学校ではシックスクールと言っておりますが、これを起こさないように細心の注意を払ってしっかり検査を行い、子どもたちを有害な化学物質から守っていただきたいということを強く求めます。  次の質問に行きますが、子どもの権利の理解を深める取り組みについてです。  子どもが抱えているさまざまなSOSを早期に発見し、必要に応じて救済を図り、子どもたちが安心して学び育つ環境づくりを早急に進めなくてはならないと思っています。子どもの学校での相談体制は非常に重要であり、子どもの声をしっかり受けとめるスクールカウンセラーの役割は大きく、市民ネットワークはこれまでも相談体制の拡充を求めてきました。  しかし、代表質問でも触れましたが、ことし1月8日に開催されました子ども議会におきまして、子ども議員から、スクールカウンセラーがどのような人かわからない、相談しにくい、あるいは、顔や年齢を紹介してほしいという意見が挙げられておりました。また、私どもは、ことし1月に子どもの権利に関する緊急アンケートを31名に行いました。中学生の回答としては、相談できる場として、スクールカウンセラーの認知度は一番高かったのですが、気軽に相談できるかという問いに関しては、相談したことがないという子どもを含めて50%がわからない、また、25%が相談できないと答えていました。スクールカウンセラーは全ての学校に配置されていると伺っておりますが、その役割が十分に果たせていないのではないかというふうに考えるところであります。  そこで、質問ですが、子どもたちがスクールカウンセラーに安心して気軽に相談できるようにするために、その人柄がわかり、親しみを持ってもらえるような工夫が必要だと考えますけれども、現在、学校ではどのような取り組みをしておられるのか、また、教育委員会として、今後、学校に対してどのように改善を求めていくのか、伺います。  また、所管は子ども未来局になるのですが、現在、第2期の子どもの権利委員会が札幌の子どもにかかわる施策における子どもの権利の保障の状況を検証しております。この間の検証の中で、スクールカウンセラーについては、時間的制約や人員の確保の面で課題があるという意見が出されています。スクールカウンセラーは、子どもや保護者への相談、また、教員に対する助言を行っていると聞いていますが、相談件数の増加や、内容が複雑化している中、カウンセラー1人での対応には限界があるという意見を伺っています。  そこで、あわせて伺いますが、スクールカウンセラーの定員や時間の拡大などについてはどのようにお考えか、伺います。 ◎池上 指導担当部長  2点ありましたが、学校においては、スクールカウンセラーを年度当初に全校集会や学校便り等で紹介しているところでございます。また、学校によっては、スクールカウンセラーを紹介する掲示板を設けたり、また、スクールカウンセラーみずからがスクールカウンセラー便りを発行したりするなどして、子どもが身近な存在と感じられるよう努めているところでございます。さらに、子どもが気兼ねなく面談を申し込めるような方法や、プライバシーに配慮した相談室の環境整備などについても、各学校において工夫に努めているところでございます。  教育委員会といたしましては、今後も、各学校の工夫ある取り組みについて情報提供するなどして、子どもたちが相談しやすい体制づくりを進めてまいりたいと考えております。  もう一つですが、札幌市においては、現在、全市立学校に有資格者のスクールカウンセラーを配置しておりまして、今年度は91名を任用しているところでございます。ここ数年、小学校の不登校児童数が増加傾向でありますとともに、1校当たりでの相談件数が年々増加していることから、来年度の小学校の配置時間を年間48時間から51時間に拡充する予定でございます。  いずれにいたしましても、今後、学校における教育相談体制をより充実させるためには、スクールカウンセラーの果たす役割がますます重要になると認識しており、教育委員会といたしましては、カウンセラーの資質向上に努めますとともに、配置時間等についても引き続き検討してまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  子どもたちがスクールカウンセラーをより利用するため、学校でいろいろな工夫をしていることを共有するために情報を伝えていくと今伺いました。スクールカウンセラーを設置しても、子どもたちが相談したいと思っても利用できないのでは意味がないので、学校に対する取り組みをさらに強化していただきたいというふうに考えます。  また、今、資格を持ったスクールカウンセラーが91名とお聞きしましたが、91名でどれぐらいの相談件数を担当されているのか、数字を確認させていただいたところ、今年度は延べ3万件を超えるということで、単純に割り返しますと、お1人当たり400件近く担当されているということでした。スクールカウンセラーを配置する時間数を拡充して、子どもや保護者への相談活動、教師への助言等の活動をしっかりと充実させていただくことを求めておきたいと思います。  学校におけるさまざまな取り組みがありますが、学校でスクールカウンセラーが子どもから親しまれることを初めとしまして、学校でのいじめに関する相談はスクールカウンセラーが中心に行われているのではないかなと思っています。一方で、いじめる側の子どもの指導や、いじめを未然に防ぐ取り組みも重要と考えます。周りの子どもの学ぶ環境を守る目的で、いじめる子どもを出席停止にする制度を使う方針を示している自治体もあると聞いているところであります。しかし、いじめる子どもの排除ではなく、子どもたちが自分の権利を理解することにあわせて、相手の権利を尊重するといった人権に対する意識を育むことが何よりも重要ではないかというふうに考えています。  札幌市には、子どもの権利条例があります。条例を学ぶことで子どもたちの権利意識、人権意識を高めていくことが非常に重要だと思うのですが、この間の子ども未来局等の調査によりますと、子どもの権利条例の理解がなかなか進んでいないことがうかがわれます。しかし、子どもが長時間いる教育の場におきまして、さまざまな機会を捉えて、子どもたちに子どもの権利条例をわかりやすく伝え、人権に対する意識を子どもに育むことが重要ではないかと思いますし、そのことがいじめの解決にもつながるというふうに考えるところです。  そこで、質問ですが、学校教育の場で、子どもたちが子どもの権利の理解を今まで以上に深めることができるように、教育委員会として今後どのような取り組みを考えておられるのか、伺います。 ◎池上 指導担当部長  教育委員会といたしましては、これまで、子どもの権利に関する指導の手引などに実践展開例を掲載いたしますとともに、児童生徒向けに学習映像資料、これはDVDなのですが、これらを作成するなどして、学校における取り組みを支援してきたところでございます。  今後は、子ども未来局との連携のもと、条例啓発パンフレットについて、権利に関する自分の経験や考えを書き込めるスペースを設けてもらうなどして、権利をより自分のこととして捉え、学ぶことができるよう努めてまいりたいと考えております。また、このパンフレットを社会科等の学習のほか、学級会の話し合いなどでも活用することで、意見を述べ合うなどの日常的な活動が子どもの権利につながることを意識できるようにもしてまいりたいと考えております。  さらに、次年度に実施いたします子どものいじめ・自殺予防対策総合プロジェクト事業との関連を図りまして、子どもの権利条例の理念に基づいて子どもの人権意識を育む教育活動を全ての学校が年間を見通した指導計画に位置づけ、より一層、計画的に実施するよう、各学校の取り組みを個別に指導・助言し、その取り組みを支援してまいりたいと考えております。 ◆石川佐和子 委員  より多くの子どもたちがみずからの権利について学ぶ機会を授業や行事の中で取り入れながら、パンフレットも有効に使用しながら取り組みを充実していただくことを強く求めたいと思います。  最後に、子どもの読書活動の充実について伺います。  読書は、子どもが生涯にわたって学ぶための基盤となる活動であることは多くの人が認めているところだと思います。私ども市民ネットワークは、これまで、学校教育を含め、さまざまな場面で、子どもたちが本に親しみ、読書に対する意識を高める取り組みを進めるよう求めてまいりました。  札幌市におきましては、札幌市図書館ビジョンを示して、幼児期から本に親しむ取り組みを進め、学校教育においても、札幌らしい特色ある学校教育のテーマの一つとして読書の取り組みを進めていると伺っているところです。その成果としまして、特に、小・中学校では、朝の一斉読書を全ての小学校で、また、中学校もほとんどの学校で実施していると伺っており、一定の評価をするところであります。しかし、子どもたちが学校図書館から本を借りたり、授業の中で学校図書館の本や資料を活用したり、そうしたことがまだまだ少ないのではないかというふうに考えています。  教育委員会では、この間、学校図書館ボランティアやアドバイザーを派遣していると伺ってきましたが、学校図書館の役割として求められている授業での図書館活用や、授業に合わせた資料の準備などを行うことは困難であると聞いており、学校図書館の機能が十分に果たされていないのではないかと考えています。  そこで、まず一つ、学校図書館ボランティアやアドバイザー派遣の状況と成果について伺います。 ◎池上 指導担当部長  学校図書館ボランティアとアドバイザーについては、平成20年度から段階的に派遣を拡充してきたところでございます。今年度につきましては、学校図書館ボランティアを全ての中学校と、学校地域解放図書館を設置していない小学校99校に、それぞれ週に1〜2回程度派遣しております。また、学校図書館アドバイザーを約100校に派遣いたしまして、司書教諭や学校図書館ボランティアなどに対して、それぞれの学校図書館の課題に応じた運営や活用等に関する助言を実施しております。  学校からは、派遣した成果といたしまして、図書館の開館時間がふえ、利用する児童生徒が増加した、あるいは、ボランティアと図書委員が一緒に読書会や図書の紹介を行うなどし、子どもの読書量がふえたなどの声が上がっているところでございます。 ◆石川佐和子 委員  図書館ボランティアの拡大などのさまざまな取り組みによって学校での図書利用がふえている、ある程度の成果は出ているというご答弁がありました。そうではあると思うのですが、今のお話にもありましたように、学校図書館ボランティアの皆さんの活動回数は週1回ないし2回といった中で、子どもたちや学校の先生たちのニーズに対応していくことは難しいのではないかと思います。
     私は文教委員をしておりますので、文教委員会視察で、昨年、長崎市を視察してまいりました。学校図書館司書配置事業というのを行っておりまして、2012年度の予算では約4,500万円で全ての中学校区に専任の司書を配置したと伺いました。司書教諭や学校図書館ボランティアと専任司書が連携することで、書架の機能的な配置や図書館の環境づくりのほか、児童生徒の読書相談等へのきめ細やかな対応、教師の要望に応じた、事業に必要な資料収集などに成果を上げているということでした。やはり、専任の学校司書を配置することで、子どもに本のおもしろさや活用の方法が伝わり、授業での図書館利用など、学校図書館の活性化や子どもの読書活動の充実につながると改めて確信し、専任司書を配置すべきだと思っています。  学校司書の配置につきましては、国において、2012年度からおおむね2校に1校程度で、1週当たり30時間配置するための費用を地方交付税交付金として措置していることから、昨年の3定の代表質問におきまして、市民ネットワークは学校図書館への専任司書の配置を求めました。答弁としまして、教育長からは、専任司書の配置を含め、子どもたちの読書活動の充実に向けたさまざまな方策について検討を進めたいというお答えをいただきました。  そこで、質問ですが、学校図書館への専任司書の配置についてはその後どのように検討されているのか、伺います。 ◎池上 指導担当部長  専任司書の配置についてでございますが、児童生徒や教職員へのレファレンスサービスを初め司書教諭への支援、学校図書館ボランティアやアドバイザーとの連携、公共図書館との相互連携など、学校図書館の総合的な運営のあり方について、実践的な調査研究を行う必要がありますことから、平成25年度、学校図書館に常駐し、専門的な知識を持つ人材といたしまして、試行的に専任の学校司書を中学校1校に1名配置する予定でございます。 ◆石川佐和子 委員  ただいま、学校司書の調査研究を初める一歩として、中学校1校に1人常駐する専任司書を配置するということを伺いまして、私は、今、心の中で大きく拍手しております。しかし、今のご答弁では1校の配置ということですが、その1校の事業の成果、あるいは、今後拡大していけるかどうか、非常に疑問を持っています。  専任司書につきましては、全国を見ますと、先ほど言いました長崎市もそうですが、島根県や鳥取県など多くの自治体でその効果が顕著にあらわれているところであります。札幌市といたしましても、子どもが読書に親しみ、学校図書館の図書を十分活用できる環境づくりを進めるために、学校司書の調査研究の対象校を1校ではなく、ふやすなど、学校司書の本格的な配置を速やかに進めていただくことを強く要望して、私の質問を終わります。 ◆阿部ひであき 委員  私からは、いじめや不登校への取り組み、特に個々の子どもへの対応と、さらには、居所不明児童生徒への対応の大きく2点について伺います。  まず、いじめ、不登校への取り組みについてであります。  本市におけるいじめの発生件数は、平成23年度で小学校134件、中学校496件を認知しているということであります。また、不登校につきましては、よこやま委員からの段々の話もありましたが、いじめに起因しているというものばかりではないというのは承知しておりますけれども、本市でもまだまだ多い状況にあると思います。しかし、さまざまな外因あるいは内因の中で、個々の子どもたちの心理状態をしっかり把握して、子どもたちに対するきめ細やかな対応に生かす取り組みは、今後のいじめ、不登校の問題解決を図る上でも本当に有効かつ重要ではないかと考えるところであります。  そこで、早速、質問ですが、本市における悩みやいじめに関する実態把握に対する取り組みについて、まず、伺います。 ◎池上 指導担当部長  各学校におきましては、日ごろから、個別面談や教員間の情報共有、家庭や地域における状況を把握するなどいたしまして、いじめを含む子どもの生活の実態把握に努めているところでございます。あわせまして、一人一人の子どもの状況をよりきめ細かく把握するため、児童生徒の立場に立った札幌市独自の悩みやいじめに関するアンケート調査を全市立学校の児童生徒を対象に実施しております。  このようにいたしまして、各学校におきましては、日常の子どもの実態把握に加えまして、本アンケート調査などを活用し、慎重かつ迅速に子どもの状況を把握するなどして、悩みやいじめの早期発見、早期対応に努め、深刻化の防止に役立てているところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  先ほどの答弁の中にありましたが、個々の状況の把握といったものは、やっているような感じでも、それを隅々まで把握していくのは非常に難しいことであります。さまざまな取り組みがなされていることは理解しますが、子どもたちの心の中身について触れるような内容になっているのかなというところでは、少々疑問の残る点もあるわけであります。  例えば、先ほどの話にもありました、本市教育委員会が実施している悩みやいじめに関するアンケートを資料として取り寄せて読ませていただきました。その中で特に気になっているのは、学年、クラス、性別、名前の記載が必要なものとなっているということです。それがあると、いじめられている子どもたちにとっては、自分のこととして大人にそれを明かすことができるかといったら、これは非常に難しい作業ではないかと思います。大人には大人の世界があるのと同じように、子どもには子どもの世界があるのだと思うのです。大人がどんなに親しく接していても、子どもの世界にあって子どもが悩んでいるものを明らかにするのは非常に大変なことであると思います。そういった観点からいくと、内容的なものでは、学年、クラス、性別、名前の記載は逆にないほうがいいのではないかと考えているところであります。本当にいじめの実態を把握されるというつもりでありましたら、ぜひ無記名式のアンケートを導入していただきたいと思います。  さて、さきの定例市議会におきまして、我が会派の伴議員は、このいじめの取り組みについて触れまして、子ども向けの心理適性検査プログラム、通称CVCLについて、こうした検査結果をスクールカウンセラーのツール、すなわち道具といいますか、題材といいますか、そうしたものの一つとして用いて個々の子どもたちに対してきめ細かな対応を図ることの必要性をただしたところであります。北原教育長からは、子ども一人一人や学級集団の状況を把握し、指導に役立てるための検査の導入については、スクールカウンセラーのかかわり方を含め、学校としてどのように有効活用できるのか、継続して研究していきたいという答弁でありました。  そこで、質問ですが、継続して研究していきたいとは具体的にどのようになさるおつもりなのか、今後の取り組みについて伺いたいと思います。 ◎池上 指導担当部長  心理検査等の導入についてでございますが、子ども理解を進め、指導に役立てるためには、スクールカウンセラーの専門的な助言を受けるなどしながら、さまざまな手だてを活用し、学校の教員が主体的に子どもの状況を把握することが重要であると認識しているところでございます。今後、札幌市の各小・中学校において、独自に心理検査等を実施している学校における活用状況や効果と課題について調査するなどして、その有効性について継続して研究してまいりたいと考えているところでございます。 ◆阿部ひであき 委員  私も、以前、このことでスクールカウンセラーとやりとりをしたことがあります。そのときに感じたことは、表面的といいますか、その子が抱えている心理状態の把握の中で、ちょっとかけ離れているものがあるなと感じたところがあります。専門的見地もあるかと思うのですが、本来あるべきスクールカウンセラーの役割が本当に十分発揮されるような現場となっているかと考えると、これについてはまだまだ不十分であるというふうに思います。  スクールカウンセラーをただふやせばいいという問題では決してないはずであります。先ほどもちらっと触れましたが、子どもと親しくなるだけでは、本当にいじめられている子どもは、大人とは親しく接していても、その心の内を大人に明かすまでには、また一つの大きな作業があるのではないかと思います。そういったことを考えれば、子どもたちの一つ一つの心理状態が今どういうところにあるのかといった検査、そのことばかりに偏ってはいけないわけですが、一つの参考資料として、個々の子どもたちの状況がわかるような、具体的に可視化できるような、そうした結果があるのとないのとでは違います。スクールカウンセラーや学校の先生や親が、今、自分たちの子どもがどうあるのかというところを個々に接しつつ、大人同士でそれを把握できるようなものが必要ではないかと思います。それがない中で子どもの思いを把握するというのは、今みたいにただふやしているだけの状態ではなかなか解決がつかないと思います。  そうした環境づくりが必要であると思うところですが、心理検査の取り組みをモデルケースとして実際に試験的に導入して、検証をより進めていくことが大切であると考えますけれども、本市教育委員会の見解を伺うところであります。 ◎池上 指導担当部長  心理検査等の試験的な導入についてでございますが、先ほど申し上げました、既に心理検査等を独自に実施している札幌市の各小・中学校の活用状況や効果と課題の調査、検証を踏まえますとともに、その他の検査等についても、他都市における活用状況等を引き続き調査研究するなどして、総合的に判断していきたいと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  今の答弁を受けて、まとめます。  まず一つは、先ほど言ったアンケートの件です。これは、本当に把握するのであれば、やはり無記名であってほしいと思います。そのことはしっかりと考えていただきたいと思います。  それから、個別にやっているところもあると聞きますが、心理状況検査には新しいものができていて、従来のものをやっているのであれば、内容的にきちっと把握できないものがあるやに聞いております。そうしたところでは、新しいもので、しかも情報がしっかりと管理できるような内容にしてほしいと思います。  CVCLについては、コンピューター上でやりますので、個々の子どもたちがセキュリティーに守られて、絶対に外に漏れないやり方をしています。そういう新しいものを導入して、きちっと一つに統一してやるべきではないかと思います。全体として、それをスクールカウンセラーのツールとして生かすのか、心のサポーターのツールとして生かすのかは教育委員会にお任せしますが、個々の子どもたちに対するきめ細やかな対応は非常に大切なことであります。ぜひとも試験的な導入により研究を行い、一人一人の子どもの心を守るといった目的をしっかり持って、検討ばかりに終始することなく取り組みに臨んでもらいたい、このことを指摘して、この件の質問は終わりたいと思います。  続きまして、居所不明児童生徒、すなわち居どころのわからない児童生徒の対応についてであります。  昨年4月、大阪府富田林市におきまして、9歳の男児が数年前から行方不明であったことが問題化しました。これを受けて、文部科学省は、同じく4月に、居所不明の児童生徒への対応について、本市に対しても通知しているところであります。また、ことしの2月におきましては、大阪市において、出生直後から行方不明の女児に関する児童手当の不正受給事件が報じられていることは記憶に新しいところであると思います。これは、まさに就学時健診によって発覚した事例であり、本市教育委員会としても他人ごとではない状況と言えます。  文部科学省の調査によりますと、こうした行方不明の子どものうち、1年以上居どころがわからない学齢児童生徒の人数は、今年度においては全国で976人、そのうち北海道は23人とされています。  そこでまず、質問ですが、本市において居所が不明である学齢児童生徒の把握状況と情報の把握体制について伺います。 ◎金山 学校教育部長  居所不明児童生徒の把握体制と把握状況についてお答えいたします。  毎年、5月1日現在の学籍状況などを統計とします学校基本調査において、各学校から市教育委員会に報告させているところでございます。平成24年度の当該調査におきまして、学校による現地調査の上、なお1年以上の居所不明であった小学生10人及び中学生7人の17人について国に報告いたしました。この17人のうち、その後の調査で居どころが判明するなどした8人を除く9人の居どころが現時点で不明でございます。その多くは、住民登録地に別人が居住、あるいは、建物自体がないなど、居所の確認が困難な状況にございます。 ◆阿部ひであき 委員  現在も9人の子どもたちが居所不明の状態であるということであります。私は、正直、これらの子どもたちがどういった環境下、あるいは、どういう状況下にあるのかが非常に気になるところであります。このような居所不明の子どもたちは、昨今の報道にあるような何らかの事件に巻き込まれているかもしれない、そうした可能性も否定できないわけであります。行政として、何らかの対応が早急に必要であると考えるところであります。  そこで、居所不明児童生徒の把握とその後の調査において、本市教育委員会のこれまでの対応と、9名というのが明らかになったわけでありますが、今後においてはどのような取り組みを考えておられるのか、伺いたいと思います。 ◎金山 学校教育部長  これまでの対応と今後の取り組みについてであります。  新入学の児童生徒で入学手続に来校しなかった者について、学校で現地調査を行い、その結果を市教育委員会に報告させているところであります。平成24年度におきましては、先ほどのお話にありました富田林市の事件を受けまして、1年以上の居所不明者について、昨年6月から7月にかけて再度の現地調査を含めた一斉調査を行い、その状況把握に努めてまいりました。この一斉調査でなお不明であった者は、児童相談所へ情報提供を行ったほか、居住実態が確認できない者について、各区の戸籍住民課宛てに通知いたしました。これらの取り組みを進める中で、居所不明児童生徒17人のうち6人については海外居住が判明し、2人につきましては住民票の消除を確認しております。  今後における取り組みにつきましては、児童相談所などの関係機関と引き続き連携を図るとともに、新たに、海外転出者の確認のため、東京入国管理局に対して出国記録の照会を行う予定でございます。 ◆阿部ひであき 委員  引き続き把握と対応に一層努めていただかなければならないのではないかと思います。  こうした子どもたちをめぐる環境というのはさまざまなものであります。冒頭の大阪での報道事例のように、事件に巻き込まれている、もしくは虐待されているのではないかという可能性も否定できないわけであります。無論、児相や各区保健福祉部など福祉部局との連携もきちっと図っていかなければならないわけでありますし、教育委員会の虐待などの事件の早期発見も言うまでもないわけであります。教育委員会による居所不明児童への対策は、今日ではその重要性が高まっているのが実情であります。  そこで、居所不明児童生徒への対応の中で、大阪の事案をもとに、事件性が高いと判断されるケースについてどのような対応をするのか、この点について伺いたいと思います。 ◎金山 学校教育部長  これまでの調査では事件性が疑われるケースはございませんでしたが、委員のご指摘のとおり、親族や両親が子どもの行方を明らかにしない場合には、子どもの生死にかかわるケースも想定されるため、調査の結果、事件性が疑われる場合には、児童相談所や警察などの関係機関と連携し、子どもの安否確認を最優先とした対応を図ってまいりたいと考えております。 ◆阿部ひであき 委員  私は、本市において居所不明となっている9名の児童生徒の安否が非常に気になります。8名については何とか把握しているのですが、いまだに9名はわからないというのは、引き続きやっていかなければならない一つの作業ではないかと思います。  一方、本市以外の児童生徒の安否も当然気になるところであります。もしかすると、本市以外の居所不明児童生徒が本市にいて虐待や事件に巻き込まれているかもしれない。もちろん逆も考えられるわけであります。そんな可能性も否定できない中で、この件については、全国的な情報のやりとりの中で、警察や児童相談所などの関係機関も一体となって積極的に連携して対応することが大切ではないかと思います。  来月は入学の季節となりますが、今後把握される居所不明児童についても、子どもの安全確保を第一とし、各部署において横断的に、迅速に適切な対応をしっかりと行っていただきたい、このことを指摘して、私の質問を終わります。 ◆中村たけし 委員  私からは、通学路の安全対策について、1点だけ質問させていただきます。  昨年4月に京都府の亀岡市で通学途中の列に軽自動車が突っ込んで、児童と引率の保護者3名が死亡する事故が起きたのは記憶に新しいところです。その後、通学時の痛ましい死亡事故が相次いだことから、文科省と国交省と警察庁から、通学路における緊急合同点検を行うことになりました。その実施が指定都市教育委員会学校安全主管課長宛てに通知され、昨年11月にこの点検状況が報告されまして、対策の必要箇所が237カ所ということでありました。  まず、1点目の質問をしますが、4月になると新1年生が入学してきます。それまでにどのような通学路の安全対策が必要で、そのためにどのように対応したのか、お伺いします。 ◎渡邉 学校施設担当部長  教育委員会におきましては、入学時における各学校の登下校時間を入学前に調査いたしまして、その結果をもとに、警察や交通安全指導員の協力をいただき、新入学児童に対する重点的な交通安全指導に取り組んでいるところでございます。また、毎年、入学式後の3日間、各区ごとに学校を選定いたしまして、指導主事が訪問し、新入学児童の登校状況を視察するとともに、当該校における交通安全指導の状況につきまして把握して、学校長への指導・助言を行っているところでございます。 ◆中村たけし 委員  それぞれ対応を行っているということでありますが、通学路の安全対策について、教育委員会の担当課とお話をさせていただいておりますけれども、そのときに常々思うことがあります。交通安全であれば市民まちづくり局の区政課、道路のハード整備面であれば建設局の道路管理課、通学路の安全対策については地域のスクールゾーン実行委員会で対応していると伺うわけですが、縦割りをすごく感じます。通学路の安全というのは、児童という保護されるべき人たちを行政が総合的に守る一つの大きな枠組みが必要だと考えます。スクールゾーン実行委員会に対しても、言ってみれば縦割りのところに丸投げしているという印象をすごく受けます。だから、通学路の安全という観点から大きな対策を立ててほしいというのが私の考えです。  質問ですが、札幌市は緊急合同点検以前に市内通学路の安全調査を行ったことがあるのか、また、通学路の安全確保策に関して、札幌市全体として計画があるのか、お伺いします。 ◎渡邉 学校施設担当部長  通学路の安全調査についてでございますが、教育委員会が毎年行います通学路の調査に合わせて、歩道、信号機などの状況や冬期間の道路状況などを各学校が調査、点検いたしまして、その報告を受けているところでございます。  教育委員会といたしましては、安全確保等に関する具体的な計画は策定してございませんが、さきの報告をもとに、内容に応じて関係機関に改善要望を行うなど、安全確保に努めているところでございます。 ◆中村たけし 委員  さっきも言いましたが、言ってみれば学校に丸投げしているように聞こえるのです。これは、京都府で大きな事故が起こりましたから、国の施策として文科省、国交省、警察庁の合同で緊急点検を各都道府県と政令市にお願いしているということですが、それ以前には調査がなかったということです。この点に関しても、要するに指示待ちという教育委員会の姿勢もかなり受けます。  計画はないという渡邉部長の答弁でしたが、計画なしにそれぞれの学校の調査に基づいて対応するというのは、一般的には場当たりという対応ですよね。計画もなしに対応するというのは場当たりであり、そういう対応をやっているから地域の皆さんから不安を持たれることがあると思うのです。  計画がないと、どうなるかということが心配ですが、3月1日の前鳥取県知事の片山善博さんの論考が北海道新聞に寄せられています。これは、公共事業は地方を救うかという論考ですが、従来型なら無駄の再来と見出しが出ています。鳥取県の例を挙げて話していますが、県知事だったときに、鳥取県としては高速道路が必要でした。しかし、そういうことは満たされずに、不要不急の農道ができたということです。求めているものとは違うものができるということです。今、自民党が政権に復活しましたが、公共事業の大盤振る舞いがまた始まっているという実態があります。また、実施すべき箇所ではなく、実施可能な公共事業が行われてしまうということをここでは述べております。  その中に、通学路の安全対策についても、今、緊急の課題として行うべきだと片山さんは述べられています。緊急的に行うことについては、用地の買収や拡幅に対して立ち退きを求めるのは簡単ではないので、そういう事業は進まず、農村や中山間地の農道などの簡単なところがすぐにできてしまうということが論考には述べられております。要するに、ふだんから計画を立てて求めていないと、そういう公共事業の行われ方をしてしまいますということを論考ではおっしゃられているわけです。  そこで、お伺いしますが、通学路の安全確保のための、2011年度決算額は幾らだったのか、2012年度と来年度の予算額は一体幾らなのか、お伺いします。 ◎渡邉 学校施設担当部長  通学路の安全確保に関する予算、決算額についてでございますが、教育委員会では、通学路の安全確保などの事業としての予算計上はしておりません。しかし、学校と連携して交通安全指導を行うとともに、関係機関への必要な要望を行っているところでございます。  また、通学路の交通安全につきましては、関係部局の役割分担に応じてそれぞれが担っており、道路改良やスクールゾーンに係る経費などを計上しているところではございますけれども、必ずしも通学路のみに着目した計数整理を行っていないため、通学路の安全確保に関する予算、決算額の総体額につきましては私どもでは把握してございません。 ◆中村たけし 委員  通学路の安全確保に関しての総合的な予算の計上は行っていないという渡邉部長の答弁でありました。だから、そういうふうに予算を求めずに対応するところにはそういうふうに対応する、予算がなくなったらできない、いわゆる丼勘定と言われるものです。だから、さっきから申し上げていますが、予算の計上もなく、計画もなく、指示待ちであって、計画としては場当たり、泥縄的なところもあって、予算としては丼勘定という通学路の安全対策が札幌市で行われているということです。  地域の皆さん、交通安全指導員の皆さんは、寒い日も暑い日も吹雪の日も、毎朝、立っているのです。そういうことは、この道路に横断歩道ができて信号がつけば必要なかったり、通学路は朝の通学時間中だけ進入禁止であったら皆さんの心配がなくなるという箇所が多々あります。私が聞いているところでは、スクールゾーン実行委員会ではそういう課題が上がっているけれども、それが教育委員会に伝わっていなかったということもあるわけです。だから、そこに丸投げしていたら、その対応もそこにお任せになっているということで、こういう対応は本当にまずい、市として総合的に対策を立ててほしいというのが先ほどから私が申していることであります。  私は、先ほどから言っているように、指示待ち、場当たり、泥縄、丼勘定の対応が今まで行われてきたと思っていますが、そういうことがこれまで行われてきて、これからもこういうことでいいのか、生島副市長にお伺いします。 ◎生島 副市長  住民の皆さんの安全・安心を確保するというのは、特に基礎的自治体である我々の一番根幹の仕事だと思います。弱い人を守っていくというのは、その中でも一番大切な仕事だと私も思います。  そこで、そういうことをどう実現していくかということだと思いますが、一つは、今、中村委員からありましたように、現場に一番近い人たちのお話が一番大切だと思います。私は実態がよくわからない中で言っているので大変恐縮ですが、スクールゾーン実行委員会の声がもし教育委員会に上がっていないとすれば、これは極めてゆゆしき問題だと思います。教育委員会としては、そういう声を全部吸い上げて、我々市長部局にたたきつけるべき立場だと思います。それを受けて、例えば道路の話であればどういうバランスをもって予算配置していくのか、そこを我々が真剣に議論していくということだと思います。  もう一つは、信号の話など、公安委員会の案件が非常に多いですが、そういうものについては、我々も自分たちではできない部分があります。そこは難しい点もあって、すんなりと、すぐできますという話をできないものが多いわけです。  いずれにしても、今申し上げたように、教育委員会は、現場を抱えていて、子どもたちを守る役割を持っておりますから、現場の声をしっかりとまとめていただいて、それをきちっと上げていくと。そして、それぞれの担当セクションがありますので、その中できちっと整理していくことが必要だと、今のお話を聞きながら考えていたところであります。 ◆中村たけし 委員  そういったことで、スクールゾーン実行委員会がそれを警察に持っていったりしている実態があります。ただ、警察としても、北原教育長の名前であったり上田市長の名前で要望が来るのと、地域のスクールゾーン実行委員会で来るのでは、対応が違うことがあると思います。生島副市長はその連携が必要だとおっしゃいましたが、私もまさにそう思っています。  そこで、昨年の3定の我が会派の代表質問で、通学路の安全対策についての私の質問に対して、北原教育長から、より一層の連携協力を図りながら通学路の安全確保を図ってまいりたいという答弁がございました。  それでは、教育委員会として、より一層の連携協力をどのように図ったのか、お伺いします。 ◎渡邉 学校施設担当部長  より一層の連携協力ということでございますが、直近の例といたしましては、委員からご指摘のありました緊急合同点検で、道路管理者あるいは警察との連携を図りながら、今後の対策を策定し、今後それを実施していただくということがございます。 ◆中村たけし 委員  緊急合同点検というのは、先ほども申し上げましたが、昨年4月のたび重なる事故において、文科省と国交省と警察庁が各都道府県と政令市に通達を出して行うように指示を受けて行ったということで、それはまさに指示待ちの体制で、指示を受けて、その指示に従いましたということをおっしゃっただけです。先ほど申し上げた教育委員会の担当課がおっしゃっていることもよくわかります。だから、やることがそれぞれあって、スクールゾーン実行委員会、市民まちづくり局の区政課、建設局の道路維持課、道路管理課、そういうところが連携してやっていかないといけないと思うわけです。これから、通学路の安全対策という名前のもとに各部局が連携していくということは、予算をとるという意味でも必要だと私は思っているのです。  そこで、最後に、町田次長にお伺いします。  通学路の安全確保のために、ことしの第2回定例市議会において補正予算を要求する考えがあるのか、そして、先ほど連携が必要だと言われた各部局の実務者レベルの会議を行って、本当の連携協力を行っていく考えがあるのか、お伺いします。 ◎町田 教育次長  指示待ち、泥縄、場当たり、丼勘定というご指摘をいただきました。それから、生島副市長からも、市長部局に対してきちんと話をしていかなければいけないというようなご指示をいただいたところでございます。  第2回の定例市議会でいきなり市長部局にたたきつけて補正予算ということにはなかなかならないと思いますが、スクールゾーン実行委員会と教育委員会のあり方を含めまして、市長部局との連携というよりも、ひょっとしたら、教育委員会として、スクールゾーン実行委員会のお話を受けて、市長部局、建設局、公安委員会に対していろいろなことを要求していくことになるかもしれません。  いずれにせよ、情報交換というか、情報共有というか、スクールゾーン実行委員会の現場の意見を重要視してこの問題に対応してまいりたいと考えております。 ◆中村たけし 委員  対策が必要なところをしっかり把握して、全部をいきなりやれというお話をしているわけではないのです。今は予算上ここまでしかできていません、これからこういう対策が必要ですということがわかっていれば、政府の新たな補正予算ができたりして地方にお金が来たときに、その対策を行うためにお金が使われるということで、何をしなければいけないのか、スクールゾーン実行委員会からしっかり話を聞いて、教育委員会としても全体的な考えを持たなければいけないと私は思います。  事故が起こってからでは遅いのです。死亡事故だったり重大な事故が起こると対策がすごく早く進むのですが、そういう事故が起こらないために、予防的にしっかりと対策を進めていただきたいと思います。学校の通学路は児童のこと、学校に関係することですから、学校に関係することを所管する教育委員会がしっかりと主導して対策を行っていくことを求めまして、質問を終わります。 ◆こんどう和雄 委員  私から、学校の耐震改修、さらには、将来を見越した学校建築、そして、太陽光パネル設置の3点についてお伺いいたします。  まず、私がいつも追いかけておりますが、学校の耐震化をやるこんどう和雄でございます。  平成25年度予算案に耐震改修の設計費等が計上されています。耐震改修の工事費等については、速やかな発注ができるよう、25年度当初予算から前倒ししていただいて、24年度補正予算として2月26日に可決しております。安全・安心な市民生活、文字どおり住みよいまちと申しますか、そういうことで公共施設の耐震化を積極的に進めるのは当然のことであります。特に、学校施設についてでありますが、大切な児童生徒の命を守るということであります。そして、児童生徒の学習、生活の場であることは間違いございません。そして、私は、学校を訪問しながら、万が一の場合――札幌にも活断層がございまして、昨日で東日本大震災から丸2年が経過して、まだ避難生活をなさっている大変な状況がテレビあるいは新聞で報道されております。  戻りますが、災害時には、学校が地域住民の皆様の避難場所となることは札幌も同列でございます。住民の不安を少しでも払拭するために、一層、積極的に学校の耐震化を進めていかなければなりません。  平成25年度には、小学校19校、中学校9校で補強工事、改築を完了して、25年度末時点での耐震化率を調べてみました。小学校が85.7%、中学校が93.6%、合わせて88.5%になる見込みであります。26年度までには、改築予定校を除いて全ての市立小・中学校で耐震化を実施することになっていると伺っております。  そこで、質問ですが、学校施設は、先ほど言ったように児童生徒の生活の場でもあります。さらに、くどいようですが、避難場所でもあります。持論でございますが、前から市長にもお願いしておりますけれども、耐震化率100%を早急に達成すべきであると考え、それを行動に移してまいりました。それができないのはなぜかということを、まずお伺いしたいと思います。  そして、何がネックなのか、その辺も明確にお答えいただいて、さらに、耐震化が終わっていないところについては今後どのように対応していくのか、あわせてお伺いしたいと思います。  次に、将来を見越した学校建築についてであります。  札幌市では、人口膨張期に建設した学校の老朽化が進んでおります。今後、改築の必要がある学校が多く、大変な時代を迎えます。この改築対象校増加への対応をどのように考えているのか、お伺いいたします。  また、札幌市でも少子高齢化が進んでおります。少子化によって児童生徒の減少が起こるのは間違いない事実でございます。そこで、将来を見越して、児童生徒数が減少した場合は、施設の一部を学校以外の他の施設へ転用することも学校施設づくりのポイントになってくるのではないかと考えております。  私ごとで恐縮ですが、25年前までは銀行員で転勤をしておりまして、横浜市に11年間住んでおりました。娘がたまたま公立高校に入っておりまして、そのときの高校が、将来、老人施設になるということで、学校を建てるときに仕切りをつくっていました。その辺は札幌市に当てはまるかどうか、お聞きしたいと思います。  次に、太陽光パネルの設置についてであります。  平成25年度予算に太陽光パネルの設置費が10億1,000万円計上されております。工事は、小学校29校、中学校13校であります。実施設計は、小学校19校、さらに中学校5校で実施するということでございます。停電時に太陽光パネルで発電した電気を使用することができるように、自立コンセントを小学校22校、中学校9校の合わせて31校に整備されていくのは大変ありがたいことだと思っております。太陽光パネルは、平成25年度末には小学校77校、中学校30校に設置される見込みと伺っております。  そこで、質問ですが、太陽光パネル設置の政策目的は何か、整備の基本的な方針についてお伺いいたします。  また、設置に当たっては、例えば、学校で使用する電力量の一定割合を太陽光発電で賄うというか、設置に要したコストの一定割合を発電することで回収するなど、費用対効果というか、経済性をある程度重視する、あるいは、目標的なものをつくっていたのかどうか、その辺もあわせてお伺いいたします。 ◎渡邉 学校施設担当部長  まず、耐震化率に関する部分でございますが、委員のご指摘にもございましたけれども、平成27年度以降も改築予定校が残りますことから、耐震化率100%をすぐに達成することは難しい状況になってございます。  学校の改築につきましては、これまで年2校程度であったところを、第3次札幌新まちづくり計画では年3校にふやして進めてきたところでありますが、計画の最終年度に当たる平成26年度末時点では未着手の改築予定校数は10校の見込みとなってございます。学校施設の耐震化率につきましては、必ず100%を達成しなければならないと考えてございまして、今後の改築予定校につきましても、次期のまちづくり計画において改めて計画化を図り、できるだけ早期に耐震化率100%を達成するよう努めてまいりたいと考えてございます。  次に、改築対象校の増加についてでございますが、札幌市の学校は、昭和40年代から50年代の人口急増期に建てられたものが多うございまして、これらが更新時期を迎えつつあり、学校施設の老朽化対策は喫緊の課題であると認識してございます。また、学校施設の老朽化対策は、全国的にも課題でありまして、文部科学省におきましては、学校施設のあり方に関する有識者会議を設置し、学校施設の老朽化対策を検討しております。仮称ではございますが、今年度末に文部科学省から示される予定の学校施設老朽化対策ビジョンを踏まえて検討してまいりたいと考えてございます。  それから、学校施設の他施設への転用の件についてでございますが、児童生徒数が減少した場合に他施設へ転用するような学校施設づくりにつきましては、委員から横浜市の例が出されましたけれども、横浜市も含めて、他都市の例なども調査した上で、今後、研究してまいりたいと考えてございます。  次に、太陽光パネルについてでございます。  札幌市といたしましては、文部科学省の方針を踏まえまして、二酸化炭素の排出削減や子どもたちへの環境教育により積極的に取り組むことを目的といたしまして、太陽光パネルの設置を進めているところでございます。太陽光パネルにつきましては、校舎を改築する際に設置するほか、事業の効率的な推進の観点から、耐震改修と合わせて設置してきておりまして、最終的に全ての学校施設に太陽光パネルを設置することを目指しております。  次に、太陽光パネル設置の経済性に関する目標についてでございます。  太陽光パネルの設置は、ただいま申し上げましたが、二酸化炭素の排出削減や子どもたちへの環境教育を念頭に置いて設置するものでございまして、経済性に関する目標は設定していないところでございます。
    ◆こんどう和雄 委員  今、渡邉学校施設担当部長から、耐震化率100%を目指して努力されるという力強いご答弁をいただきました。ありがとうございます。  改築を予定しているため、学校施設の耐震化率100%を達成するにはしばらく時間がかかるということでありまして、それについては十分理解しているところでございます。  ただ、学校施設の安全は、児童生徒のみならず、地域にお住まいの方々の人命にかかわることでございます。鉄筋コンクリートづくりの建築物の耐用年数は約60年と伺っておりますが、今後、人口膨張期に建築した数多くの学校施設が60年の耐用年数を続々と迎えることは明らかでございます。これらを考慮すると、改築のペースを上げる工夫を積極的にやっていただきたい。財源難ということもありますが、自民党政権になりましたので、私はこれからも全力で国会に行ってまいります。それによって耐震化率100%を目指して対策を検討すべきと思いますが、教育委員会のお考えを伺います。  次に、太陽光パネルの整備についてでございます。  環境教育を重視するという考えや、太陽光パネルを設置する意義自体は理解しております。ただ、学校施設の整備に当たっても、経済性の観点は必要だと考えます。環境教育の中に経済が入ってもおかしくはないと思っております。学校施設や設備の老朽化が進む中で、ほかの委員からもいろいろと質問が出ているように、トイレの改修等の身近な改善が優先されるべきではないかと私は思っております。今後、技術の革新等によって、現在の製品よりもはるかに経済性にすぐれたすばらしい太陽光パネルが製品化されるのではないかと思っております。しかし、経済性を考えますと、それまで太陽光パネルの導入を保留してでも、子どもたちに身近なトイレ等の改修をすることに力を注ぐべきではないかと思いますが、この辺について、最後に質問いたします。 ◎渡邉 学校施設担当部長  今後の老朽化への対応でございますが、老朽化していく学校施設をどのようなペースで改築していくかというのが大きな課題であると認識してございます。さきにもお答えいたしましたが、文部科学省から示される老朽化対策のビジョンを踏まえながら、現状の的確な把握と中長期的な視点から、改築が急がれる学校施設と、改修により長寿命化を図る施設とを組み合わせるなどの対策を検討してまいりたいと考えてございます。  次に、太陽光パネルの設置につきましては、これも繰り返しになりますが、二酸化炭素の排出削減や子どもたちへの環境教育に取り組むために設置してございます。また、改築や耐震改修に合わせて設置することが効率的なことからも、今後とも着実に進めていく考えでございます。  一方、子どもたちに身近な施設の改修といたしまして、トイレ改修でございますが、今回の補正予算でも7校分の改修費用を計上するなど、その整備を進めてきているところでございます。委員がご指摘の点も踏まえまして、今後とも学校施設の整備をバランスよく進めてまいりたいと考えてございます。 ◆宝本英明 委員  私からは、A−BANKについてと校務支援システムについての2点を伺いたいと思います。  このところ、運動部活動における体罰の問題が大きくクローズアップされております。今、札幌市もアンケートをとっていると伺っておりますが、体罰は、ゆゆしき問題でありまして、決してあってはならないものであり、私としても大変残念に思っているところであります。学校教育での運動部活動は、生涯を通してスポーツに親しんでいこうとする素地を養うとともに、体力の向上、健康の増進はもとより、責任感、連帯感であったり、互いに協力し合って友情を深めるなど、好ましい人間関係を育てる場としても大きな役割を果たすものと考えております。私も、中学、高校とサッカー部に所属させていただきましたが、本当にいろいろと学びました。これからもぜひ充実させていただきたいと思います。  ただ、その一方で、各学校においては、部の存続のため、専門ではない競技の顧問を先生が引き受けて大変苦労されたり、また、存続できればいいですが、顧問のなり手がいなくて部が存続できなかったりするなどの話を聞いているところであります。  教育委員会では、運動部活動外部顧問派遣事業や外部指導者への傷害保険の措置を行い、各学校に対して支援を行っているとのことでありますが、どの程度の効果が出ているのか、疑問であります。  そこで、質問ですが、運動部活動外部顧問の派遣や外部指導者の活用を現在どのように進めて、どのような成果があったのか、伺いたいと思います。 ◎池上 指導担当部長  運動部活動外部顧問派遣事業については、今年度は9名の教職経験のある外部顧問を中学校9校に派遣しておりまして、存続が危ぶまれました運動部活動が継続できるようになったほか、教職経験を生かした指導が行われることによって、技術指導のみならず、生徒の人間形成にも配慮した運動部活動が行われるなどの成果を上げているところでございます。  また、外部指導者につきましては、基本的に、顧問教諭のもとで教育的な観点に立ちつつ専門的な指導を行い、生徒の運動技能の向上など活動内容の充実につながっているものと捉えております。 ◆宝本英明 委員  運動部活動外部顧問や外部指導者によって部活動にある程度の成果があるとの話でしたが、9名、9校ではまだちょっと足りないのではないかと思います。ぜひ、制度を拡充していってもらいたいと思います。  それから、運動部活動だけではなくて、生涯にわたって運動やスポーツに親しむ心を育むためには、体育の授業などのさまざまな活動の中でスポーツのすばらしさを感じてもらうことが重要だと思います。札幌市の幼稚園や学校では、国の事業により、元オリンピック選手やプロスポーツ選手を講師として招いていると聞いております。  そこで、質問ですが、この事業を利用して何校くらいの学校がスポーツ選手の派遣を受けているのか、また、派遣された学校からどういった声が上がっているのか、伺いたいと思います。 ◎池上 指導担当部長  年間当たり10校程度の幼稚園、学校が、国の子どもの体力向上推進事業を利用して、元オリンピック選手やプロスポーツ選手を招聘しております。利用した学校からの声ですが、プロのわざを目の当たりにして、その迫力に感動し、進んで運動をしたいと思う子どもが多く見られるようになったという声や、スポーツ選手の生き方に触れ、子どもたちが自分も頑張ればできるようになるかもしれないという勇気や希望をもらったなどの声が上がっております。 ◆宝本英明 委員  オリンピックやプロチーム等で活躍した選手を各地域に派遣して、技術だけではなく、今言われていましたが、競技の楽しさを伝えてもらえれば、子どもたちの教育のみならず、スポーツ振興の観点からも大変意義のあることだと思います。現に、陸上選手が子どもに教えたら、すぐに何秒単位で記録が縮まるという話も聞いております。  渋谷区では、今年度、区制施行80周年を記念して、トップアスリートを部活動や学校授業へ派遣するこども夢チャレンジという取り組みを行っております。また、一線を退いたアスリートや現役アスリートに登録していただいて、学校や企業、地域等へアスリートを派遣する人材バンク、A−BANK、最初はアスリートバンクという名前でしたが、将来、アーティストも含めていくということでA−BANKに名前が変わったと聞いておりますけれども、これを全国に立ち上げようとしている動きがあります。  そんな中で、先日、アスリートサミットin札幌というイベントが行われました。これは、トップアスリートを一堂に集め、札幌駅前通地下歩行空間でのパフォーマンスとして、ハードルの秋本選手に実際に演技をしてもらったりしたと聞いております。さらに、グランドホテルで、アスリートと企業や行政の連携をテーマにしたフォーラムが行われて、私も見に行きました。この中で、呼びかけ人である元コンサドーレ札幌の選手であります曽田雄志さんから、A−BANK北海道を設立することが全国に先駆けて発表されました。  そこで、質問ですが、今、スポーツ部長に来ていただいておりますけれども、A−BANK北海道設立の動きについて、札幌市としてどのように評価して、今後どのような形で連携していくのか、伺いたいと思います。 ◎高橋 観光文化局スポーツ部長  アスリートの人材バンク設立につきましては、札幌市にとりましても、トップアスリートが持つ技術や経験などを地域に還元することにつながり、また、スポーツの活性化とその後の拡大といった観点からも、大変有意義なものと考えております。札幌市では、これまでも、オリンピック選手などのトップアスリートと連携し、子ども向けカーリング体験会やスケート教室などさまざまな事業を展開してまいりました。今後、アスリートの人材バンクにどのような方が登録されるかなど、設立に向けての動きを見守りながら、連携の手法につきまして検討してまいりたいと考えております。 ◆宝本英明 委員  今、スポーツ部長からありましたが、スポーツ部や教育委員会等の関係する部署がしっかりと連携をとっていただきたいと思います。  北海道、札幌には、曽田さんのような人材がたくさんおりまして、大切な財産だと思います。元スポーツ選手を学校に派遣することを前向きに検討していただくことを要望させていただいて、次に校務支援システムについて伺いたいと思います。  先生たちの事務作業にかかる労力を軽減し、本来の仕事である児童生徒とのかかわりをふやすことを目的とした校務支援システムに対しては、先生方の期待もありますが、本当にそうしたシステムになるのかという不安のほうが大きいのではないかと私は感じているところであります。市教委では、総合評価競争入札により事業者を決定し、昨年4月から1年かけてシステム開発を行っております。また、その開発と並行して、昨年9月からは、一部の学校においてパイロット校としての試験運用が行われるなど、新年度からの全校導入に向けて準備を進めているところであると思います。  しかしながら、導入に関して、教育委員会から学校への連絡がなく、本当に導入できるものなのか、心配な先生方がたくさんいるという話が寄せられております。業務の進め方が従来と大きく変わることに対して学校現場は不安を持っておりまして、教育委員会としてこういう不安をしっかりと払拭していくべきだと思います。  そこで、質問ですが、学校への連絡の状況と導入のスケジュールについて伺いたいと思います。  それから、パイロット校で試験運用を開始して半年ほどたちますが、各学校の利用状況や反応はどうなっているのか、伺いたいと思います。 ◎梅津 生涯学習部長  ただいま校務支援システムについて2点のご質問がございました。  まず、1点目の学校への連絡の状況と導入スケジュールでございます。  システム導入の基本方針につきましては、早い段階から各学校にお示ししておりまして、さらに、さまざまな機会を通じて説明してきております。昨年9月からは、各学校での研修も開始いたしまして、システムの各機能や操作についての説明を行っているところでございます。さらに、新年度の具体的な導入スケジュール等の詳細につきましては、校長会で説明した上で、去る2月15日付で各学校長に通知しているところでございます。学校によっては時間的な差異が若干あるかもしれませんが、全教職員に周知が図られるものと考えてございます。  また、システムを実際に稼働していくに当たりまして、各学校において必要となる初期設定の研修をこれから合計3回ほど予定しておりますが、その第1回目は本日行っているところでございます。導入スケジュールについて、成績関係など校務支援システムの中心となる機能につきましては、基本的には全ての市立学校で4月からの稼働となります。また、保健管理、徴収金の管理機能につきましては、実際に学校で利用する教職員を含めていろいろと議論した中で、より使いやすいシステムとすることを目的に予定より機能を充実させることとしたため、稼働につきましては平成25年度の途中からを予定しております。  それから、2点目のパイロット校の利用状況や、使った先生方の反応でございます。  パイロット校につきましては、予定表や掲示板など、いわゆるグループウエアと呼ばれる機能を中心に、そのほか出欠管理などの機能が多くの学校で使われております。その中で、システムで出力される帳票の様式に現在と異なるものがあって、なれるまでに違和感がある、あるいは、覚えることが多くて大変だという意見もございます。その一方で、通知表がスムーズに作成できたという声、あるいは、システムで教職員間の情報共有が図られて会議時間が減ったという大変参考となる声が多く寄せられております。  これらの声につきましては、パイロット校からのアドバイスといたしまして、先般、全校に情報提供を行ったところでございます。 ◆宝本英明 委員  私が聞いている話だと、なかなか情報がおりてこないと伺っています。本当に心配している先生が多くいますので、その辺の対応をしっかりと丁寧にやっていただきたいと思います。  今の話で、成績関係は4月から全校で導入されるということでありますので、あと1カ月を切っておりますが、準備が整わなくて積極的に利用してもらえないことにならないようにしていただきたいと思います。それから、保健管理と徴収金管理については、若干ずれ込むという話でありますが、拙速に導入するのではなくて、今言われたとおりきちんと議論していただいて、使いやすいシステムにカスタマイズした上で導入していただきたいと思います。  それから、半年間、先に使っているパイロット校には、よい面も悪い面も含め、さまざまなノウハウが蓄積されており、ある程度の準備はできていると思います。ただ、パイロット校以外の多くの学校に対しては、先ほども言いましたが、早期に情報提供していただいてスムーズに導入を図っていただきたいと思います。特に、導入直後は、システムの操作に関して多くの質問が寄せられると思います。各学校では、新学期の準備で忙しいと思いますが、きちんと対応していただくよう要望したいと思います。  さらに、最も重要なのは、システムを導入して本当に教職員の業務が省力化されるかということであります。市教委から各学校に対する調査や照会が数多くあり、聞いている話だと年間200以上あるということで、業務量は本当に膨大であると聞いております。  そこで、質問です。  導入後、業務がどの程度省力化されると見込んでいるのか、また、導入後もシステムに対してさまざまな意見、要望が出てくると思いますが、対応はどうなるのか、さらに、市教委も公務支援システムを利用してやっていくべきだと思いますけれども、その点についてはどう考えているのか、伺いたいと思います。 ◎梅津 生涯学習部長  まず、導入後の業務の省力化についてでございますが、各種名簿の作成あるいは出欠の管理、通知表や指導要録の作成を初めとした成績管理に関する部分につきましては、特に業務の省力化が図られることを見込んでおります。それから、市教委からの調査や照会につきましては、校務支援システムで処理できるようになり、省力化されるものもありますが、一方で、システムに入力されているデータでは対応できないものもあります。導入後、システムで対応できるものがないか、改めて精査いたしまして省力化に向けて努力してまいりたいと思っております。  それから、導入の効果につきまして、既に導入しております都市の事例では、教員が直接的に子どもたちの指導に向かう時間が1日30分以上増加したという報告が出ております。本市でも同等以上の効果を見込んでおりまして、システムの導入効果について、現場の声を聞きながらさらに検証してまいりたいと思っております。  それから、導入後のシステムに対する意見、要望への対応についてでございます。  パイロット校からの意見、要望を踏まえまして、できるものにつきましては改善を進めているところでございますが、導入後も多くの意見、要望が出てくるものと思っております。その中には、すぐできるもの、時間がかかるもの、システムの構成からするとちょっと難しいなと思うようなもの、さまざまなものがあると思います。それらを整理して、優先順位をつけながらしっかりと対応し、より使いやすいシステムにするように努めてまいりたいというふうに思っております。 ◆宝本英明 委員  多くの時間と費用をかけて導入していくシステムであります。現場の方の意見を聞いて、より使いやすいシステムにしてもらいたいと思います。  それから、導入したことによって、かえって先生方の負担がふえたなんていうことはあってはならないと思います。市教委として強い気持ちを持って取り組んでいただいて、このシステムの本来の導入目的であります先生方の負担軽減、子どもたちとかかわる時間をふやしてもらうことを必ず達成していただきたいと思います。  そこで、最後に、校務支援システムの導入に対して町田次長に決意を伺いたいと思います。 ◎町田 教育次長  今、宝本委員からご指摘がありましたとおり、校務支援システム導入の目的は、業務を効率化することはもちろんでございますが、その効率化により、学校現場の先生の事務処理の負担を減らし、児童生徒との触れ合い、かかわりの時間をふやすことが何よりも大切であると考えております。教育委員会としましては、このシステムが担う役割は非常に大きいものと考えているところでございます。  システムの導入後、しばらくは教職員の負担感が一定程度あると思います。システムを入れるということは、どうしても業務の標準化、業務改善を伴いますので一定程度の負担感はあると思いますが、できるだけ早くシステムになれ、このシステムの効果が上げられるよう、システム導入後におきましても教育委員会が一丸となってサポートを行うつもりでございます。また、改善が必要なものにつきましては、早急に取り組むよう努めてまいりたいと思っております。 ◆宗形雅俊 委員  私は、特に中学校におけるスキー学習について質問したいと思います。  札幌市は、冬季オリンピックを開催した都市でもありますし、これだけの人口を抱えながら市内や近郊にスキー場があり、スキーを初め、ウインタースポーツに非常に恵まれた都市ではないかなと思っているところでございます。  過去には、学力テストもさることながら、体力テストにおいて、北海道の子どもたちは、小学校5年生では全国と比べて平均的で、中学2年生においては、体格的には上回っているけれども、体力的には全国よりも下回っているという結果が出たところでもあります。その要因としては、冬場の運動不足が言われておりまして、私ども会派も、その運動不足の問題を取り上げて、学校におけるスキー学習の取り組みを過去から言ってきたところでもあります。そして、この件については、私もまた平成23年度の決算特別委員会で質問したところでございます。  そこで、改めて、議論を提起するために、教育委員会において、学校におけるスキー学習についてどのように認識しているのか、一つ目の質問としてお聞きします。  それから、平成23年度の決算特別委員会のときに、スキー学習は、小学校では全校実施、中学校においては、平成20年度に29校が実施し、23年度では68校が実施するということであり、翌年度においては実施校が増加する方向であるという答弁でした。  そこで、平成24年度の中学校における実施校はどのぐらいになるのか、この2点をお伺いします。 ◎池上 指導担当部長  学校におけるスキー学習に関することですが、教育委員会といたしましては、平成21年度より、札幌らしい特色ある学校教育のテーマの一つに北国札幌らしさを学ぶ雪を位置づけているところであり、雪を生かした学習は大変重要なテーマであると認識しております。そうしたことから、各学校におけるスキー学習を初めといたしました雪に親しむ学習活動の推進に努めてきたところでございます。  今年度の中学校におけるスキー学習の実施校数ですが、中学校は97校中88校、約90%で実施いたしました。 ◆宗形雅俊 委員  今の答弁で、実施校が88校ということで、相当数が実施しているということであります。  前回もそうでしたが、中学校のスキー学習の一つの課題は、スキーを指導する人が不足しているところであります。我々が小さいころは、大体は体育の教師が全て賄っていて、さらに他の教科の先生も引率して、外部に頼るということは記憶になかったと思っているところですけれども、現在は体育の授業としてそこを観光文化局のインストラクター派遣事業に頼っているということございます。  そして、平成23年にもこの辺を質問いたしましたところ、平成24年度までは現在の派遣スキームで約束できるけれども、それ以降は検討していくようなお話があったかと思います。その中で、いわゆるインストラクターの報酬など財源問題等々のお話があったと思いますが、教育委員会と協議の上、それを検討していくということでありました。  そこで、宝本委員もお呼びしたかと思いますが、私も、効率よく続けて答えていただくように、スポーツ部の高橋部長に出席要請いたしました。  高橋部長にお聞きしたいのですが、検討ということでありましたけれども、平成25年度以降のスキー学習の支援事業の実施についてお答え願いたいと思います。 ◎高橋 観光文化局スポーツ部長  平成25年度以降のスキー学習支援事業につきましては、教育委員会との協議の結果、財源の確保が厳しい状況でありますが、インストラクター派遣の基準を見直すことにより平成26年度まで継続していくこととなっております。  具体的な見直しの内容でございますが、これまで、生徒数20名を一つのグループとし、引率する保健体育教諭が不足する分についてインストラクターを派遣しており、さらに、引率教諭が充足する場合であっても、1回のスキー学習につき必ず1名のインストラクターを派遣しておりました。一方、平成25年度、26年度につきましては、生徒数25名を一つのグループとし、引率する保健体育教諭が不足する分について、上限を3名までとして派遣を行い、また、引率教諭で充足する場合には派遣を行わないこととしております。  なお、平成27年度以降につきましては、新たな仕組みによる支援策の検討を行っているところでございます。 ◆宗形雅俊 委員  平成25年度以降、1グループ25名で、グループの引率教員が満たされれば派遣なしということで、苦肉の策ながら何とかやっているのかなと思います。  そこで、教育委員会と協議をしてやっているということですが、若干変わった内容に関する教育委員会の評価についてです。スキー授業ですから、今までは引率教諭がいてもインストラクターを必ず派遣して安全確保ができたと思います。今度は人数が5人ほどふえ、引率教諭がいれば派遣なしということですが、部活と違って初心者から上級者といったいろんなグループがあるかと思いますので、来年度から変わることによる安全性の問題への配慮はどうなっているのか、お聞かせ願いたいと思います。  それから、今の答弁で、平成26年度までは今のスキームで行くということでございますけれども、先ほど言ったように88校まで伸びてきたということで、今はいわゆる財源的な問題が非常に問題になっていると思っております。  平成20年度からのインストラクター派遣事業は、2007年にありましたノルディック札幌大会の剰余金を利用して、ノルディックスキー札幌大会記念ウインタースポーツ活性化事業費を財源としていると聞いております。この事業費は、平成20年度から29年度までのおおむね10年間の期限で実施すると聞いております。そうしますと、これを財源としているところは、25年、26年はやっていくけれども、27年はいろいろと検討しなければならないということです。財源の問題になるかもしれませんが、少なくとも活性化事業のおおむね10年間に合わせて現在のスキームを実施していくべきではないかなと考えますけれども、その見解をお伺いします。  もう一つは、平成27年度以降のスキー学習の支援のあり方が決まっていれば、これもあわせてスポーツ部から答えていただきたいと思います。 ◎池上 指導担当部長  私から、まずは2点をお答えしたいと思います。  スキー学習支援事業の変更に対する評価ということですが、中学校のスキー学習実施校数が近年大きく増加している要因として本事業の存在を上げることができまして、大変大きな役割を果たしているものと認識しております。今回の変更につきましては、スポーツ部と教育委員会とで十分に協議した上で変更されたものでございまして、各学校の希望や事業の継続性等が考慮されているものと認識しております。  次に、来年度以降の、子どもたちの安全性に対する配慮についてでございますが、スキー学習における安全確保については、札幌市教育課程編成の手引等におきまして、学習時のコースの安全な使い方などについて示しているところでございます。今後、毎年実施しておりますスキー学習指導者研修会などにおいて、1グループ当たりの人数がふえた場合、教師が見通せる範囲の斜面を使った学習により留意することとともに、安全への配慮を一層徹底してまいりたいと考えているところでございます。 ◎高橋 観光文化局スポーツ部長  後段の二つの質問につきましては、相互に関連しておりますので、一括してお答えします。  ノルディックスキー世界選手権大会の剰余金を活用したウインタースポーツ活性化事業につきましては、このインストラクター派遣のスキー学習支援事業のほかに、幼児を対象としたウインタースポーツの出前体験会やアスリートによる出前講座事業、さらには、さっぽろ雪まつりにおける歩くスキーの無料体験事業などを実施しております。  スキー学習支援事業につきましては、スキー学習の実施校がふえたことに伴い、その経費も増加したことから、他の事業の見直しを図った上でも、残された財源の状況においては、現在の仕組みを継続していくことは難しいものと判断しているところでございます。しかしながら、スキー学習が継続されていくことは、ウインタースポーツ活性化の観点から大変重要であると考えておりますことから、平成27年度以降のスキー学習支援については、スキーの指導資格を有する方や、かつて有していた方、さらには退職された小学校、中学校の教諭など、指導技術を有する地域の人材を発掘、活用した、将来にわたって持続可能な仕組みについて検討を重ねてまいりたいと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  来年度からいろいろと模索していくということであります。我々は、スキー授業の継続を応援していきたいと思うところでございまして、88校が大体アッパーかなという気がしますが、これを絶やさないでいきたいと思っているところでございます。  今、平成27年度以降のスキームということで、退職された経験者を募ったりしていろいろやっていくのですが、やりとりをしているときに、88校のインストラクター派遣では延べ900人近く要るということですよね。そして、派遣事業がなかなか難しくなって、地域の方々の人材発掘自体も、学校の地域の中で見つけてきても、それ以外の学校はどうするのだ、見つけられる学校と見つけられない学校があると思いますので、これもまた横の連携を図っていかなければならないのではないかなと思っています。  どういう陣容になるかわかりませんが、例えば、学年が一緒になってやるという方法もあります。また、グループは多くなるかもしれませんが、近隣の同じ学年のクラスとスキー学習を一緒にやるとか、いろんな知恵があると思います。今、スポーツ部が教育委員会とも協議していると思うのですが、教育委員会にも、平成27年度以降のスキー学習の継続の対応をどう考えているか、これも改めてお聞きしたいと思っています。 ◎池上 指導担当部長  各学校におけるスキー学習を継続していくためには、必要な指導補助策をしっかり確保することが不可欠であると認識しております。  教育委員会といたしましても、現在、スポーツ部において計画されている新たな事業に対し、積極的に連携を図るなどしながら、スキー学習の継続に向けた取り組みをスポーツ部とともに進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆宗形雅俊 委員  あえて教育委員会に聞いたのは、皆さんは大変頑張って、灯を消さないようにしていることはわかります。ただ、そうではないのかもしれないけれども、いろいろ聞いていると、何かスポーツ部に任せきりという感覚がなきにしもあらずと。学校のカリキュラムの中でできないのかとか、さっき私が言ったように、近隣の学校と一緒にやっていくとか、できるかどうかわかりませんが、そういうのも合わせながらやっていかなければならないと思っています。  それから、地域ということですが、学校というのは地域とつながっているようで意外とつながっていないということもあります。また、人材が埋もれているけれども、そういう情報はどこから入ってくるのかということもあります。学校の退職者はもちろんわかるでしょうけれども、スキー経験者もいますし、札幌にはオリンピックのウインタースポーツの経験者がたくさんいます。うちの地元にもおります。そういったことを生かそうという動きが出てきているのが、さっき宝本委員が言ったアスリートバンクみたいな話ではないかなと思っていまして、そういった活用もそうだと思います。  先ほどから聞いていると、財源の問題、お金の問題ということになっています。教育委員会は教育委員会でやっていますが、お金はどうしても市長部局から持っていかなければなりません。それから、さっきの中村委員の質問で、たたきつけるようなこともしていかなければならないというお話があったところでございます。  最後に、生島副市長、今までのスキー学習の灯を消してはいけません。聞いていると、綿々として財源の問題ということでございます。これについて、平成25年度、26年度もちょっと変わりますが、27年度以降についての認識をお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。 ◎生島 副市長  まさしく、札幌は、オリンピックを経験し、まちが大きく変わったということもありますし、大都市の中でこれだけたくさん雪が降るところもないということですから、札幌に生まれ育った子どもはみんなスキーができるぞということは、ずっと守っていかなければならないというふうに私は思っております。  ただ、そのときに、もう一つは、少子化とともに、高齢化というか、ベテランの人もたくさんいるわけです。その人たちが自分たちの持っている能力を発揮する場所も我々が提供していくというか、私自身もベテランの中に入っていますが、お金をセービングするという意味だけではなくて、そういう人材の活用も一緒にやっていくことがいいのではないかなと思っております。  いずれにしても、お金がないから中学校のスキー学習がなくなりましたということのないようにしたいと思っております。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、札幌市立開成中等教育学校の設置に関連して、1項目めは、この学校の教育内容と教員配置について、2項目めは、入学者決定方法と市民説明について、3項目めは、改築工事中のクラブ活動の対応について、質問いたします。  初めに、教育内容などに関連して、2点伺います。  札幌市教育委員会は、この間、児童生徒や保護者へのアンケート実施や、札幌市立中高一貫教育検討協議会の協議や答申に基づき議論を積み重ね、平成23年3月に札幌市中高一貫教育校設置基本構想を策定してきました。  基本構想では、6年間の連続した学びという特徴を生かして、6年間じっくりと課題探究的な学習に取り組むことや、札幌らしい特色ある学校教育として、雪、環境、読書をテーマとした学習活動を推進し、これらの取り組みにより、ふるさと札幌に根差した豊かな感性や人間性、生涯にわたる学びの基礎を身につけ、みずから学び、みずから考えるなどの生きる力を培い、将来の札幌を支え、世界で活躍するような自立した札幌人の育成を目指すとしているわけであります。  この基本構想に基づき、具体的な教育課程や特色ある取り組みなどについて、中・高の教員を交えたプロジェクトチームを設置し、先ほどの答弁でもその数をふやしていくということでありました。  そこで、質問の1点目は、中高一貫教育の特徴を生かすため、このプロジェクトチームでは、その後、具体的にどのような計画がなされてきたのか、伺いたいと思います。  次の質問は、進路探究学習についてであります。  先ほども述べましたように、基本構想によれば、進路探究学習のさらなる推進ということで、6年間を見通した計画的な進路探究プログラムを構築し、将来の生き方を主体的に考え、みずから将来を切り開く力を育てるとしているわけであります。この点は、特に、大学受験に偏らない、カリキュラムを採用しないこととあわせて大変重要な視点であり、新しい中等教育学校を単なる受験エリート校にしないためにも、6年間を見通した体系的な指導、計画づくりが欠かせないと思うわけであります。  そこで、質問の2点目は、進路探究学習に関して、特に大学受験準備に偏らないことを含めて、具体的にどのようなことを検討しているのか、まずは2点伺います。
    ◎金山 学校教育部長  中高一貫教育にかかわりまして、まずは、1点目の具体的な教育内容でございます。  中等教育学校の教育内容につきましては、基本構想に基づき、各教科や総合的な学習の時間を通じて、実験、観察、体験等の機会を充実するなど、発達段階に応じた課題探究的な学習に取り組む考えでございます。  基本構想にもありますとおり、開成高校の教育内容を発展、充実させることを基本に、後期課程におきましては、コズモサイエンス科と同様の特色を持たせた学科としていく予定でございます。また、課題探究的な学習の集大成として、5年生、6年生の発展期では課題研究に取り組むことを考えているところでございます。  また、2点目の進路探究学習については、6年間を通して体系的に取り組む考えでございまして、その中で、大学受験準備に偏った指導を行うことなく、5日間の職場体験の実施や、将来の社会的自立や生き方と結びつけた課題研究に取り組むといった内容を検討しているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  2点の要望を申し上げて、次の質問に移りたいと思います。  教育委員会が策定いたしました基本構想を見ますと、広い意味のサイエンス、自然科学、社会科学、人文科学などを含めての意味合いと理解していますが、こうした広い意味のサイエンスをテーマに本物に触れる機会を充実することは、課題探究的な学習を発展、充実させるという意味では大変重要なことだと思うわけであります。  そこで、2点の要望ですが、高校受験がないという6年間の時間的余裕を最大限に生かす意味でも、さまざまな題材を検討して取り組むべきだと思うわけであります。  また、2点目でありますが、進路探究学習についても、課題研究の成果とみずからの進路を結びつけ、将来の夢を実現することにつながる取り組みとすることは大切であり、受験偏差値を基準に進学先を決めて、ただ受験勉強をするようなことにならず、生徒が主体的に進路を選択できるようなカリキュラムを検討すべきと求めておきたいと思います。  次の質問は、開成高校教員の中等教育学校への配置について、2点伺います。  課題探究的な学習を充実させるためには、開成高校のコズモサイエンス科、理数系が中心ではありますが、先ほど申し上げたような自然社会や人文学などを含めて、先ほどの答弁にもありましたように、実験、観察、体験を重視して、理論的な思考力の育成を目指すコズモサイエンス科で取り組んできた財産を今後とも生かすことが重要だと考えるわけであります。昨年の1定で、我が会派の長谷川議員からも、同校のこれまでの取り組みを生かすことの必要性を指摘しております。特に、コズモサイエンス科は、実験、観察などの機会を充実するために多くの大学と連携したり、校外学習という意味だと思いますが、フィールドワークを行う場を開拓するなど、開成高校の現在の教員、また、退職をされたり異動された先生もいらっしゃいますけれども、かかわった先生は大変な努力をしております。こうした努力が評価され、今では札幌の公立高校で最も人気がある学科となっており、こうした財産を生かすべきだと思うわけであります。  そこで、質問の1点目は、コズモサイエンス科の財産を生かすためには、これに携わってきた教員のマンパワーが必要であり、特に理科、数学といった特色を出す教科に関しては、これまでの実績を大いに生かしていかなければなりません。そこで、現在の開成高校教員の中等教育学校への配置をどのように考えているのか、伺います。  質問の2点目は、高校教員の中には、中学校の教員免許を持たない方もおられると思うわけであります。そこで、中等教育学校に配置される教員の免許要件についてはどのように考えているのか、また、教員免許によって、配置上、制約を受けるのか、その辺について、改めて伺いたいと思います。 ◎金山 学校教育部長  まず、1点目の開成高校教員の中等教育学校への配置についてであります。  具体的なカリキュラムの検討に際しては、開成高校のこれまでの取り組みにより培ったノウハウは貴重であり、これを生かしながら検討することを考えております。その際、開成高校における取り組みの成果を生かす観点から、コズモサイエンス科において特色ある取り組みを推進してきた教員の力は重要なものであると認識しております。したがいまして、開成高校教員の中等教育学校への配置については、中等教育学校が目指す教育内容や札幌市全体の状況を勘案して、適正な人事に努めてまいりたいと考えております。  次に、2点目の教員免許と教員配置についてであります。  中等教育学校につきましては、中学校教育と高等学校教育を一体的に実施する学校であることから、配置する教員につきましては、教員職員免許法において、中学校と高校の教員免許状を有する者でなければならないとされております。一方で、同法附則においては、中学校または高等学校のいずれかの免許を有していれば、当分の間、前期課程または後期課程における授業を担当できることとされているところでございます。したがいまして、免許の有無のみをもって人事異動を行うものではないと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  教員職員免許法などに基づいて、いずれかの免許を持たない先生についても経過措置に十分配慮して適正な人事をしていきたいということですので、その辺は柔軟な対応をしていただきたいと思います。同時に、コズモサイエンス科の取り組みを生かしながら、特色あるカリキュラムをつくっていただきたいと思います。  次は、入学決定と市民説明について伺います。  最近、札幌市内の進学塾などのチラシを見ますと、開成中等教育学校進学のための特別講座を開講するという内容を目にすることが多くなっています。開成中等教育学校の入学決定方法は、現在、教育委員会会議で議論しているさなかで、まだ決まっていないということでありますが、既に民間の塾においては競争が始まっているわけであります。特色ある教育内容を掲げ、新たな中等教育学校を設置することは、札幌の子どもたちにとって新たな学びの場を提供するといった意味では大変意義があると思いますが、このことにより、さらに小学生のうちから塾通いが盛んになり、いわゆる受験競争が過熱することを避けなければならないと思うわけであります。  基本構想でも、入学者決定に当たっては、受験競争の低年齢化を招かないよう配慮するとのことですが、その具体的な内容が見えてこないと、受験産業による憶測が先行し、かえって競争を招かないか、心配するわけであります。受験競争に配慮するのであれば、適性検査など筆記による試験などは行わず、小学校の指導要録に基づく調査書と面接程度にとどめ、ある程度この学校でやっていけそうな子どもたちだと把握できれば、その後は抽せんでもよいのではないかと思います。実質的に、札幌教育大学の附属小学校などでも多くの入学希望者がいまして、教育大附属では入学者の多いときには先に抽せんをやっております。中等教育の場合にも、一定の選考をしながら、最後は抽せんという方法を用いるべきだと私ども民主党会派は考えるわけであります。  そこで、質問の1点目は、入学者決定方法について、先ほども同種の質問が出ておりましたが、教育委員会会議の中ではどのような議論がされているのか、具体的な内容についてお伺いします。  同時に、先ほどの質問では、入学者決定の時期についてはなるべく年度の早い時期にという趣旨の答弁でありました。この時期に来て、4月中なのか、いつなのか、結果が多少前後したとしても、この場でその時期を明らかにする状況に来ているのではないかと思うわけでありますが、あわせてその点を1点目の質問として伺います。  2点目の質問は、そうしたことに基づいて、市民説明会を行っていかなければいけないと思います。先ほども申し上げたように、具体的な教育内容がまだ見えていないこともあって、受験競争を招くのではないかと危惧するのですが、このことを防ぐためにも、まずはこの新しい中等教育学校で目指している教育内容を市民にしっかりと説明して理解してもらうことが大切であり、そのことが結局は受験競争を招かない重要なポイントにもなるわけであります。  そこで、質問です。  通常、入学者の募集に伴う説明会などは開校前年度に行うことになると思いますが、それだけではなく、教育内容の骨格が固まった段階で市民に対して広く具体的な説明をする機会をつくるべきではないかと思いますけれども、どのように考えていますか。  また、これを開催するとすれば、その時期はいつごろと考えているのか、もうこの時期ですから、議会の中で明らかにすべきではないかと思います。  あわせて、まずは以上についてお伺いしたいと思います。(「委員長」と呼ぶ者あり) ◆勝木勇人 委員(関連)  受験競争がいかんという話がしきりに出ていましたが、教育委員会として、受験競争の問題点をどういうふうに認識しているのか、お伺いしたい。 ◎金山 学校教育部長  まず、ふじわら委員からのご質問に対してお答えしたいと思います。  まず、入学者決定方法についてでございますが、先ほど坂本委員からのご質問にもお答えしましたけれども、決定方法につきましては、設置者の定める方法により、学校長が入学者を決定することとなっており、現在、教育委員が議論を重ねているところでございます。全国の中高一貫校の状況を参考にいたしまして、6年間という比較的長い期間、先ほどもお話ししましたが、実験、観察、体験を重視した課題探究的な学習に取り組むといった特色を持った学校であることから、この点を踏まえた、適性等を図る手法の組み合わせを検討しております。入学者決定方法につきましては、受験競争の低年齢化に対する配慮という重要な視点もあることから、慎重に検討しておりまして、具体的にまとまっているところまでは行っておりません。  なお、先ほど委員からありました抽せんにつきましては、幾つかの課題がございますが、受験競争の低年齢化に配慮するという観点では有効な手法であるため、他の手法と組み合わせる中で導入の要否を検討しているところでございます。  次に、入学者決定方法を決める時期でございます。  これにつきましては、先ほどもお答えしましたけれども、年度のできるだけ早い時期、何月という形ではなかなかお答えできませんが、これについては我々としても重要なことだと思っておりますので、年度のできるだけ早い時期に決定してまいりたいというふうに考えております。  それから、市民説明の機会についてでございます。  今、委員からご指摘がありましたとおり、この説明会につきましては必要なものと考えておりまして、平成25年度前半には教育内容の骨格をまとめまして、入学者決定方法の考え方とあわせて、今のところ平成25年10月ごろをめどに市民説明会を開催したいと考えているところでございます。  受験競争の問題点について、中等教育学校に関連して申し上げますと、入学者決定にかかわっては学力検査を行わないものとされておりますので、それに基づいて中等教育学校の入学者決定を考えているところでございます。中等教育学校の入学者決定については、受験競争という部分でなじまないものと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  適性検査を含めた抽せんなどというか、それ以外も多少はあるのかもしれませんが、私どもも、他都市で先行している中等教育学校の適性検査の内容を入手して、見ました。何人かの子どもたちあるいは先生方にも見てもらいました。そうすると、専門的な分野、いわゆる学習塾に行かなかったら解けないような問題を採用しているところが多いわけです。私も、絶対に適性検査をしたらだめだとは言わないけれども、他都市のものを全て参考にするのではなくて、先ほど言った特色あるカリキュラムというのであれば、札幌市独自で、普通の小学校の授業を受けていれば解けるようなものにしていかなければいけないと思うわけであります。  選抜方法決定のあり方についても、市民の関心が非常に高くなってきております。平成10年5月22日の衆議院文教委員会の学校教育法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議の3項目めに、いわゆる受験競争の低年齢化を招くことがないように十分配慮することが明記されております。そうしたことを十分に踏まえて、今後、教育委員会会議の中で、先ほども出されておりましたが、議会の意向も十分に踏まえて議論をして決定していただきたいと申し上げておきます。  また、開成中高一貫教育の教育内容が大学受験準備に偏ったカリキュラムとなっていなくても、そのことが市民に十分理解されなければ意味がありませんし、特色ある教育内容とするのであれば、なおのこと、その内容があらかじめきちんと理解されていないと、入学してからミスマッチを起こしていくことにもつながりかねません。答弁では10月ごろに説明会を設けたいということでありますが、説明会をわかりやすく丁重に開催するよう求めておきます。  最後の質問は、新校舎の工事とクラブ活動への影響であります。  中高一貫教育が始まってからの課題もありますが、きょうは工事中についてのみの質問をいたします。  平成25年夏ころから、実際には資材などは6月ぐらいからグラウンドなどに運び込むと思われますが、学校の夏休みを契機に本格的に工事の準備が始まるものと受けとめております。この工事に伴って、校舎の建設に約1年、グラウンド造成も含めますと、完成は平成27年の秋口ぐらいまでかかる予定と認識しているわけであります。  そこで、質問です。  この間、開成高校、とりわけ野球部、サッカー部や、テニス部も硬式と軟式がありますけれども、こうしたグラウンドを使うクラブ活動については一定の制約を伴い、敷地内における練習に影響が出ることになります。練習に支障が出ないよう、教育委員会として代替の練習場所を確保するなどの対応を学校と一緒になって行う必要があると思いますが、この点についてどのように考えているのか、伺いたいと思います。(「委員長」と呼ぶ者あり) ○阿知良寛美 委員長  簡潔にお願いします。 ◆勝木勇人 委員(関連)  受験競争はなじまないという答弁でしたが、我が会派といいますか、私としては、抽せんというのはちょっとあり得ない話ではないかというふうに考えます。他都市との競争という面からいきましても、札幌市にも優秀なリーダーを育成していかなければいけないわけでございます。みんなに受験の競争を強制するような教育の方向は誤りだと思いますが、一定程度の人員を、エリート部分を担っていける人材に育てていくことも一つの大きな課題であって、任務でもあるというふうに考えます。  その部分をどういうふうにご理解していらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。 ◎渡邉 学校施設担当部長  グラウンドの関係につきまして、私からお答えさせていただきます。  現在の開成高校のグラウンドは、大きく野球、サッカー、陸上競技用としてそれぞれ整備されてございますが、新校舎の建設工事中につきましては、現在の陸上グラウンドの部分に活動場所が限定されることとなります。このことから、陸上グラウンド部分の縁石、砂場、芝生を撤去し、陸上競技以外の活動にも使用できるよう整備いたしまして、活動スペースを確保した上で、各部活動間での使用を調整していただく、このように考えてございます。  また、その後の工事の進行に合わせまして、順次、可能な限り校地内に活動スペースを確保できるよう、開成高校と十分調整を行い、学校運営に著しい支障のないよう配慮しながら進めてまいりたいと考えてございます。 ◎金山 学校教育部長  入学者決定についてのご質問が一つありました。  決定方法につきましては、先ほどもお話ししたところでございますが、中等教育学校につきましては、課題探究的な学習に取り組むといった特色を持った学校と考えております。この点を踏まえた適性等を図る手法の組み合わせを検討しているところでございまして、抽せんの導入の要否についてもその中であわせて検討しているという状況でございます。 ◆ふじわら広昭 委員  クラブ活動ですが、私どもも調べてみると、新年度の予算査定の際に、サッカー部で申しますと平日3日間、野球部では平日4日間、硬式テニス部が土・日の2日間、それぞれ東区内の施設を確保してほしいということが学校を通じて教育委員会に出されてきましたけれども、残念ながらゼロ査定となったわけであります。私どもが一番心配するのは、部長の答弁で、学校とも連携を図っていきたいということでありますが、部活動の生徒たちにこうしたことがきちっと説明されて、子どもたちの一定の理解も得ながらやりくりしていく形になるのか、あるいはまた、近隣にも開成小学校などのいろいろな施設がありますので、そうしたことにしっかり取り組んでいただきたいと思います。  また、予算の中に款、項、目とありますが、目についてはその中での流用が可能となっています。例えば、今回の準備室にも1,700万円の予算がついていますし、それ以外にもあると思いますが、目の中で、子どもたちが必要だとすれば、場所の借り上げなども含め、クラブの生徒たちの希望が100%かなわなくても、一日でも多くそういう場所を学校以外にも確保していく必要があるのではないかと思います。高校生といっても、クラブ活動は大変重要な位置を占めておりますので、ぜひとも今申し上げたことを学校と十分連携して、子どもたちにも十分説明して、3者がきちっと認識して取り組めるように要望して、質問を終わります。 ◆木村彰男 委員  私は、大きく4点のご質問をさせていただきます。  一つ目は、女子児童生徒に対する不適切な行動によって懲戒処分を受けた教員について、二つ目は、札幌市立小・中学校の学校規模の適正化について、三つ目は、生徒の自殺に関する調査検討委員会の報告書について、この中でいじめの防止条例についてもお聞きいたします。最後に、札幌市の教育委員会改革についてお伺いします。  まず、携帯のメール送信について、2人の教員が停職処分を受けたわけです。本来、学校に携帯電話を持ってきてはいけないことになっていると私は伺っておりますが、どうしてこれらの教員は個人のメールアドレスを聞き出し、この子どもたちと私的なメール送信に至ったのでありますでしょうか。そして、何が適切でないとして処分を受けたのでしょうか。そして、その処分の根拠となった法令、通達は何だったのか、まずはこれをお聞かせください。 ◎金山 学校教育部長  今回、処分した教員に対しましては、部活動で連絡を必要とすることからメールアドレスを把握したと聞いてございます。その意味で、部活の連絡等をするだけにとどまらず、私的なメール交換をしたと。しかも、その中身については、該当の児童生徒には不快なものだったということで処分したところでございます。  処分につきましては、本市における懲戒処分にかかわる指針に基づきまして処分したところでございます。 ◆木村彰男 委員  私も、現場の学校の先生などにこの問題について聞いてみたのですが、現場の管理職のお話だと、本来、そんなことは知り得る必要のない情報であって、メールだとか携帯電話がないときは他の代替的な伝達手段によって十分に賄われておったわけであって、それで十分機能すると考えてみれば、アドレスそのものを聞き出したりする必要がないのではないかと、この先生はおっしゃっているわけです。  私も、こういう時代でございますから、いろいろな意味でメールでの連絡が必要な場合もあるかとは思います。しかし、その場合は、例えば保護者のご同意を取りつけるとか、そういうような縛りを設けた上で、もし保護者が同意できないのであれば、それを破って聞き出すようなことになった場合は、今回の処分以上の何らかの処分をすることで示しをつけていくと考えざるを得ないのでございますけれども、それについてはいかがでございましょうか。 ◎金山 学校教育部長  前段の教員が児童生徒のメールアドレスを扱うことに関しましては、当然、職務上、必要最小限度にする必要があると認識しております。これに係りましては、昨年12月に発出した服務規律の確保に係る通知におきまして、児童生徒との職務を超えた私的メールについては厳に慎むようにと通知に盛り込んだところでございます。  2点目の処分の量定につきましては、それぞれ非違行為の態様あるいは結果等の考慮が必要でございますので、それに基づきまして適切に処分してまいりたいと考えております。 ◆木村彰男 委員  私が申し上げました、例えば保護者の同意書とかについてはご回答がなかったように思うのですが、いかがでございましょうか。 ◎金山 学校教育部長  これにつきましては、それぞれの状況等がございますので、当然、保護者等の了解という側面もあろうかと思いますが、これについても今後検討してまいりたいと考えてございます。 ◆木村彰男 委員  検討していただくということで、よろしくお願いいたします。  次に、学校適正化についてご質問させていただきます。  ここに、撤回を求める要望書ということになっておりますが、南区の豊滝地区にお住まいの方から私のところに届いております。  豊滝小学校というのは、現在、18人のお子さんがいらっしゃって、この間の代表質問で教育長に複式学級のことについてお伺いした学校のことでございます。これは、今、豊滝小学校と簾舞小学校の統合が進んでおるということが前提となっております。この中に、市立学校の学校規模適正化に関する基本方針というのがございます。同基本方針においては、札幌市では徒歩通学を基準としていますが、徒歩通学の通学距離において、小学校ではおおむね2キロメートル、中学校ではおおむね3キロメートルを方針としておると。仮に、豊滝小学校を廃止して簾舞とくっつけたとしたら、最短で4キロを超える通学距離になります。これは、いわゆる適正化の基準に沿うものに合致しないというご主張です。だとすれば、例えば遠くなるような方についてはどうするかというと、バスで通っていただくことになると思います。当然、豊滝、簾舞でございますから、じょうてつになると思います。私が伺っている限りは、札幌市内全体でも約13万5,000人の児童生徒がいらっしゃるらしいのですけれども、そのうちバスで通っていらっしゃる方は989人、0.73%しかいなくて、現在、統合を進めていないところですらそういう状況になっています。  これについて、教育委員会としてはこの地域の方にどのようにご回答するおつもりか、お聞かせください。 ◎渡邉 学校施設担当部長  先ほど委員からもご指摘がありましたが、教育委員会では徒歩通学の目安を定めてございます。徒歩通学の目安以外に特に適正な通学距離は定めてございませんが、通学距離につきましては、当然、過度な負担にはわたらないことが大前提になろうかと思います。  私どもといたしましては、今ご指摘がありました豊滝地区につきましても、バス路線を調べた中で、路線バスを使っての通学は可能であろうという認識のもとで対象地域として素案に載せているところでございます。 ◆木村彰男 委員  バスの件についてはわかりました。  それから、別の保護者が複式学級のことで意見書を寄せていらっしゃいます。これについては、北原教育長からも、複式学級におけるいろいろな問題点についてお答えをいただいておるのですが、同じ方から小規模校の学校運営費のことについてもお話が出ておるのです。  学校運営費は詳しくわからなかったのですが、現在、豊滝小学校は18名の非常に小さい学校です。それに対して、例えば、中規模校といいますか、それから大規模校という形で勘案していった場合、1人当たりの経費についてお調べいただいていると思いますが、例えばということで挙げていただけますでしょうか。 ◎渡邉 学校施設担当部長  あくまで、市で負担している経費ということでの学校運営についてお答えしたいと思います。  まず、大規模な学校の例といたしましては、28学級の小学校で、総経費が4,651万2,000円、児童数は848人になりまして、単純に1人当たりで割りますと約5万5,000円となります。次に、中規模の学校の例といたしましては、19学級の小学校でございまして、総経費が3,536万2,000円、この児童数は599名となりまして、1人当たりは約5万9,000円となります。小規模な学校の例といたしましては、4学級の小学校で、総経費が2,018万2,000円ということで、児童数が18人、1人当たりは112万1,000円となってございます。 ◆木村彰男 委員  例えばですが、今お話が出た一番大きな学校と小さな学校の比率を考えてみると、1人当たりのお子さんと考えて約20倍ぐらいです。このことについては、先ほど複式学級のことを言っていらした保護者も認めていらっしゃるのです。私は、1人頭のお金がたくさんかかるからこの学校を廃止しろという論にくみしているわけではありません。  今、南区で問題になっておる統合している学校の生徒数を調べてみたのですが、対象校は、大体ですけれども、先ほど出ました5万5,000円とか5万9,000円など中規模校の1人頭の数字で5倍から6倍ぐらいのところが全部対象になっております。つまり、最低のところで1人頭11万6,000円、最高のところでも26万5,000円という形で、南区の小学校は全て対象になってくると思います。データを見ていると、児童数がどんどん減ってきている状況の中で、私もそれはわからないわけではないのですが、学校の運営費だけの問題で統廃合を進めるということではないと確認したいのですが、いかがでございましょうか。 ◎渡邉 学校施設担当部長  今のご指摘の点につきましては、去る1月28日に文教委員会で第2次地域選定プランを報告させていただきました。その場におきましてもご答弁させていただきましたが、今回の学校規模の適正化の目的というものは、小規模校が持つ教育上の制約といったものを考慮しまして、よりよい教育環境を子どもたちに提供するということでございます。委員がおっしゃるように、結果として財政的な効果という部分はあるかもしれませんが、それを一義的な目的としたものではないということをご理解いただきたいと思います。 ◆木村彰男 委員  わかりました。  今後、地域の方々、保護者の方々と話し合いを進めていくわけでございますが、地域的な場合、そこの歴史や伝統といったものは考慮するときの一つの対象になってくると思っています。その場合、優先されるものは、適正化の物差しなのか、地域の歴史、地域の伝統なのか、それについてはいかがでございますか、お聞かせください。 ◎渡邉 学校施設担当部長  学校規模適正化の目的につきましては、ただいま申し上げましたように、教育指導上の制約が小規模校にあることから、一定程度の学校規模が必要だというふうに考えているところでございます。一方、学校は地域に支えられているという現状を踏まえまして、地域を選定する際には、連合町内会や中学校区といった地域の一体性に配慮していくことも必要だと考えてございます。適正化を進めるに当たりましては、地域の方々にもご議論に参加いただくことを想定してございまして、地域の伝統や歴史を踏まえつつ、その地域における適正化のあり方について検討いただきたいと考えてございます。 ◆木村彰男 委員  私も、地域の中で、この話が出たときには必ず今のお話が出るのでございますが、自分の保護者が出られた学校であったり、ご自分のお孫さんが通っていらっしゃる小学校、中学校であったりするわけで、非常に関心が高いわけでございます。適正化についてのお話し合いを進めるに当たっては、今、部長がお話しになったような点について、とりわけ慎重にご配慮いただいてお進めいただくことを希望します。  次に、白石区で自殺された中学生の報告書についてお聞きします。  私は、昨年の決算特別委員会において、当時の山中教育委員長にご質問させていただきまして、委員長は、私の質問に対して、ご自分の委員長時代に子ども3人が自死されているという事実に触れて、委員会の責任者としてその責任を自覚されている旨のご発言があったわけです。  一部、当時の議事録から読み上げてみます。「私の委員長在任中に、3人の中学生がみずからの命を絶つという事故がございました。まことに痛恨のきわみでございます。札幌市教育委員会としては、命を大切にする教育を推し進めてまいりました。その責任者としてこのようなことを防止できなかったことにつきましては、まだまだ努力が足りなかったということを痛感しておりまして、心からおわびを申し上げる次第でございます」。  私は、この山中委員長のお言葉は大変重いものであるというふうに考えました。今回出された報告書は、その意味で、それらの反省に立ったものとして注目して見ておったわけでございます。私は、特に、3名の外部委員の意見表明について関心を抱いておったわけです。それは、この事案に先立って、手稲で自死されたお子さんの報告書をしたためたのも今回と同じ3名の外部委員だったからであります。  調査検討から報告書作成までの工程の中で、前回の事案と今回の白石のケースは、この3人の委員にとって同じ手法だったのか、それとも、もし違う点があるとすればそれは何だったのか、それについてお聞かせください。 ◎池上 指導担当部長  生徒の自殺に関する調査検討委員会におきましては、この件に関する事実の把握と背景等の検討に当たりまして、スクールカウンセラー等の協力を得て、在校生のプライバシー、心のケアに十分配慮しながら進めました。  今回は、全校生徒へのアンケートの実施や、近しい生徒、関係する小・中学校の教員などからの聞き取り等を行ったほか、調査検討委員が、直接、学校を訪問して授業の様子を確認するなど、できる限り情報を集めさせていただき、一つ一つ丁寧に検証を行ったところでございます。特に今回は、調査検討委員が直接ご遺族宅を何度も訪問させていただき、亡くなった生徒の遺影に向き合いながらご遺族の思いをお伺いし、その気持ちに沿って調査検討を進めてきたものであります。調査は、このようにご遺族のご理解のもと、多くの先生方の手により、また多くの生徒の協力も得ながら進められ、考えられる限りの広さと深さを持った調査結果となったと認識しているところでございます。 ◆木村彰男 委員  この報告書について、私がご担当の方にお伺いしたときにも、今、部長がおっしゃったように、中学生のご遺族とかなり接触されていると伺っております。また、北原教育長からは、代表質問に際して、この方のご霊前に対して、報告書を提出しても恥ずかしくないものをつくり上げたいという福井委員長のお言葉も伺っておるのですが、この辺のてんまつについて北原教育長からお話をいただければと思います。 ◎北原 教育長  私が代表質問でご紹介申し上げた福井委員長のお話ですが、今、池上部長からもお話がありましたけれども、何度もご遺族宅に足を運ばれて、遺影に手を合わせながら、その中で、子どもがもしも読んだとしても恥じることのない報告書をまとめたいということを強く申されていました。その中で、今、部長からもお話がありました、深さと広がりのある調査結果がまとめられたものだというふうに考えてございます。  この調査結果に基づいて、各学校長等を招集したときにも説明をいただき、各学校における研修も、これをもとにしながら進めさせていただいているところですので、この調査報告書の持つ意味合いは非常に重たいものがあると私どもも思っているところでございます。 ◆木村彰男 委員  今回の外部委員のコメントを見ていますと、前回の反省を踏まえて、積極的といいますか、教育委員会のたなごころから外れるような、能動的な動きをしているように私には見えたのです。一つは、大津市のいじめに対する検討委員会いわゆる第三者調査委員会ともある意味では重なり合うといいますか、そういうような動きにも見えたのであります。それは、委員の構成や役割分担が前回の検討委員会と異なって、前回は池上部長が委員長としてご指導されていました。今回は、結局、福井委員長となって、ある意味では福井委員長がご自分のリーダーシップのもとにかなり積極的な動きをされたように見えるのでございます。  これについて、池上指導部長はどのようにお考えになっているか、お聞かせください。 ◎池上 指導担当部長  ただいまの件についてでございますが、昨年度の調査に当たりましては、今回いろいろな方の協力が得られたという部分ほどまではなかなか進められなかったのが事実かなとは思っております。今回、第三者の立場で福井委員が委員長になったことにつきましては、昨年度、今までの経験を踏まえて調査いただくことが必要だということを教育委員会の中で決定していただき、委員長についても適切な方をご指名いただくことが必要だということで、互選の結果、福井委員長になったということです。結果としては、大変すばらしい調査をしていただけたのかなと思っているところでございます。 ◆木村彰男 委員  池上指導部長は、昨年、決算特別委員会で、私から手稲の案件を取りまとめられた感想についてお聞きしておりますけれども、それについて、「検討委員会を開催しまして、報告書にまとめさせていただきました。その報告書の作成というか、調査検討の中で専門の委員の先生方からそれぞれご意見をいただきましたが、子どもの心の奥深くまでしっかりとらえることは難しいというのが一番の感想です」と述べていらっしゃいます。私は、このときの部長のお話の中に、虚無というか、何かむなしさのようなものを感じたのです。これは、多分、池上指導部長も3人の外部委員会の方も、結局、亡くなられた手稲の中学生の心に届いておられないというふうにも思えた。だから、委員の報告書の文書を見ても、隔靴掻痒というか、靴の上から足をかくような内容に思えたのです。  ですから、今回、お一人の方の報告書の作成に当たって、池上指導部長の前回の件と、今はどのようなご感想を持っているか、もう一度お聞かせください。 ◎池上 指導担当部長  一昨年の件については、しっかり調査検討させていただいて、その結果としてまとめたものです。ただ、その中で、いろいろな方に協力が得られたかどうかという部分については、まだまだな部分があったのかなと私なりにも思っております。しかし、このたびは、先ほど申し上げましたとおり、本当にたくさんの方の協力を得られた中で、広さと深さを持った恥ずかしくない調査結果を出し、また、それに基づいて、今後しっかりと取り組みをしていくことが我々の任務なのだなと改めて強く感じているところでございます。
    ◆木村彰男 委員  きょうは山中委員長が来ておられないので、臼井委員にお聞きしたいと思いますが、この報告書の中に山口委員という弁護士がいらっしゃいます。この弁護士は、この中で、一部抜粋を読み上げますが、生徒手帳に基づいて、収集された資料で、亡くなられたA君の苦悩は推測できたけれども、これはA君にのみ特徴的なものと言えず、どの中学生もが抱え込んでいる苦悩と言えるということで、直接的には自殺といじめの関係が否定された内容になっております。  これについて、こういった文書を含めて、先ほど出ましたが、ご遺族、A君の前にこの文書を提出するということについて、直接的にはご納得いただける報告書になっているとお考えになっているか、ご感想をお聞かせください。 ◎臼井 教育委員  今のご質問に対して適切に答える資格が私にあるかどうかというのは心もとない次第でありますが、実際に私が伺ったところでは、報告書についてのご両親の反応として、好意的という言い方は変ですけれども、それに対して不快に感じたということではなくて、それを受け入れるというような姿勢を持っておられたと伺っております。  そういうようなところで、福井委員長を初め調査検討委員会の方々が、自死された方のご家族あるいは関係する方々との信頼関係のもとに、できる限りの調査あるいは検討を行ったというように理解しております。 ○阿知良寛美 委員長  この質問について、そろそろまとめに入ってください。 ◆木村彰男 委員  要するに、先ほど山口委員のところでもお話が出ましたが、いじめと自殺の因果関係については否定された上で、思春期といいますか、青年特有の悩みがあった、それが自殺に結びついたのではないのだろうかという結論になっております。そう考えてみると、そういうお子さんは潜在的にたくさんおるようにも思うわけでございます。  札幌市では、いろいろな相談窓口を通じて、そういうようなさまざまな悩みを持ったお子さんたちの意見や要望や悩みなどに取り組まれているとお聞きしておりますが、具体的にどのような形で施策に反映されているか、お聞かせください。 ◎池上 指導担当部長  相談窓口の件のご質問だったかと思いますが、教育委員会でやっております24時間いじめ電話相談ダイヤル、子ども未来局の子どもアシストセンター、あるいは、民間も含めてチャイルドラインというようなものもあります。子どもはそういう相談窓口を利用して相談するわけですが、今申し上げましたように、複数の相談窓口が設置されておりまして、相談者が必要に応じてそこに相談してきます。そして、相談窓口がお互いに情報交換をしながら対応しているところでございます。先ほど申し上げました相談窓口であります24時間いじめ電話相談ダイヤルが主なものですが、平成23年度は512件の相談がございまして、そのうちいじめに関する相談は124件でございました。  教育委員会としましては、こういう相談窓口をしっかり活用していただくために、例えば、命を大切にする心を育むための啓発ポスターを全学校に配付したり、委員会のホームページに相談機関の電話番号を掲載するなど、啓発にいろいろ努めてきているところでございます。先ほども別の委員へご答弁しましたが、子どものいじめ・自殺予防対策総合プロジェクト事業においても、相談窓口の周知方法をしっかり検討して、子どもや保護者がより活用しやすいように一層努めてまいりたいと考えているところです。 ◆木村彰男 委員  いじめに関する質問に関して、最後にもう一つだけ質問させてください。  北海道において、今、いじめに関する条例の制定を予定しております。これは報道にも出ておりますが、過去、可児市の子どものいじめの防止に関する条例については他の委員からもお話がございました。札幌市の教育委員会としては、とりわけて条例制定の意味を見出していないと伺っておりますが、それはなぜかということが一つです。  それから、いじめの問題に関してではないのですが、札幌市に子どもの権利条例というのがあります。したがって、子どもの権利条例をもって、いわゆるいじめに関する条例にかえていくというお話がありました。私もよく見てみたのですが、可児市の条例では、いじめ防止専門委員会の設置というのが第11条にあるのです。この場合、委員は5名以内となっております。これに対して、札幌市の子どもの権利条例においては委員会なるものがなく、第33条に救済委員の規定があるだけです。この救済委員も実は2名ということになっておりまして、2名では委員会にはならないなと私は思ったのです。  今回の白石のケースも、子どもの権利条例に基づくいわゆる救済委員が調査に当たっているわけではありません。この辺については、教育委員会内部に調査検討委員会が設置されて事務局が設けられているということがあります。ですから、いわゆるいじめ防止に関する道の条例、もしくは、それに対して権利条例をもって必要がないということはちょっと違うのではないかと思うのですが、これについてはいかがですか。 ◎池上 指導担当部長  今、何点かご質問があったと思いますが、まず、新聞報道等で皆さんもご承知のことと思いますけれども、道のいじめ防止条例については、そういうことが行われると言われただけで、明確にどういう内容なのかということはまだ示されておりませんので、現段階で私たちがそれについて何かをお答えすることはできません。今後、仮に道の条例がどんどん検討されていく中で、手続の上で札幌市としてどういう対応かということが出てくれば、その段階で具体的に判断していくことになろうかと思っております。  それから、可児市のいじめ防止条例のお話も出ていましたが、私どもとしましても、可児市の条例と札幌市の子どもの最善の利益を実現するための権利条例を見返すなどして中身を整理してみたところです。大きく言わせていただくと、可児市だけに限らず、幾つかの自治体でこういうものが制定されたり検討されたりしていますが、子どもが互いに尊重し合うこと、学校や保護者の責務を明示するとともに、社会全体で連携して子どものいじめの防止に努めることがこれまでできているもの、あるいは、検討されている条例の骨子になっているものと捉えております。札幌市の子どもの最善の利益を実現するための権利条例については、いじめなどから心と体が守られることなどを含んで、子どもの権利の保障のために定められたものであり、平成20年11月に制定されたものでございます。こういうふうに見ていった場合に、他都市の条例の共通の部分は先ほど申したような骨子ですが、札幌市の子どもの権利を実現するという観点から見た場合は、これらの条例でうたわれていることが子どもの権利条例の中に包括できているものではないかと捉えさせていただいております。  それから、客観的な立場から調査、助言するという第三者委員会を常設し、通報を受けたいじめの解決に取り組むこともこれまでつくられた条例等に示されておりますが、本市においては、救済機関としての子どもアシストセンターが既に設置されておりまして、そこでいじめを含む子どもや保護者などからの相談に対応しているところでございます。 ◆木村彰男 委員  どんな条例が北海道から出てくるかは私にもわかりませんが、何が言いたいかというと、先ほどのアシストセンターの話もそうですし、権利条例ができた後、いじめに基づくものがなくなっておるのであれば、今、部長がおっしゃっているとおりで、私も納得するのです。しかし、条例ができた後にそのようなものが必ずしも絶無になっていないということを考えた上で、これについてはやはり検討するべきではないかと思っておるのです。  次に、私は、第1回定例会、2月20日の代表質問において、教育委員会のあり方についてご質問させていただいた際、北原教育長は、教育委員会誕生の歴史にさかのぼって、改革ということについては、改革というのは安倍首相の改革のことを意味しているのですが、慎重であるべきだというようなご答弁をされたかと思います。  今般、新聞報道でご退任されると伺っておりますけれども、ご自身の長い教員生活、管理職、校長、また、教育長としての長い道のりの中において、今、教育が政治に翻弄されて介入を受けたというようなことを感じられたことがありましたか、ご経験をお聞かせください。 ◎北原 教育長  私自身の経験の中で、札幌市においては、教育が政治介入されたという記憶はございません。戦前の反省に立って戦後に制定されました教育委員会制度については、これまで、幾度かの地方教育行政法等の改正によりまして、地方分権の推進あるいは住民自治の強化、教育委員会の責任体制の明確化などが図られてきているものと認識しておりまして、そういった認識に立って教育に携わってきたつもりでございます。 ◆木村彰男 委員  北原教育長が現下の教育委員会を思って、もし後輩の方々にメッセージを与えて、改革のテーマとされるものがあるとすれば、本委員会の掉尾を飾る発言として、後輩の委員会の方々にどのような改革のメッセージをお考えになっているか、お聞かせください。 ◎北原 教育長  今後どのように引き継いでいくべきかというご質問かと思いますが、いじめや体罰などのほか、学ぶ力の育成に向けた取り組みなど、札幌の子どもたちを取り巻く教育に関する課題が多くございます。教育委員会として、委員会会議の活性化を図りながら、事務局や学校とともに適切な対応にこれまで以上に邁進していく努力を続けていただきたいと考えているところでございます。 ◆木村彰男 委員  ありがとうございます。  最後に、今の北原教育長のお考えをお聞きになって、町田次長はこれら改革のメッセージをどのようにご決意されるか、お伝えください。(発言する者あり) ○阿知良寛美 委員長  ご静粛にお願いします。 ◎町田 教育次長  教育委員会といたしましては、これまでも札幌市独自の取り組みを行いながら、適時適切に教育施策を展開してきたところでございます。今後も、教育行政を取り巻くさまざまな課題の解決に向け、これまで以上に努力していかなければならないと強く思っているところでございます。 ◆木村彰男 委員  私は、この間、1年8カ月、一部で活動させていただきましたが、次回からは二部になりますので、長い間、本当にありがとうございました。  以上をもって、質問を終わります。 ○阿知良寛美 委員長  以上で、第1項 教育委員会費等の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、3月14日木曜日午後1時から、市民まちづくり局のうち地域振興部及び市民生活部関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後4時33分...