札幌市議会 2013-02-19
平成25年第 1回定例会−02月19日-03号
議案第8号 平成25年度札幌市
基金会計予算
議案第9号 平成25年度札幌市
公債会計予算
議案第10号 平成25年度札幌市
病院事業会計予算
議案第11号 平成25年度札幌市
中央卸売市場事業会計予算
議案第12号 平成25年度札幌市
軌道事業会計予算
議案第13号 平成25年度札幌市
高速電車事業会計予算
議案第14号 平成25年度札幌市
水道事業会計予算
議案第15号 平成25年度札幌市
下水道事業会計予算
議案第16号 札幌市
事務分掌条例の一部を改正する条例案
議案第17号 札幌市
公文書館条例案
議案第18号 札幌市
職員定数条例の一部を改正する条例案
議案第19号 札幌市
職員退職手当条例等の一部を改正する条例案
議案第20号 札幌市
若者支援施設条例の一部を改正する条例案
議案第21号 札幌市安全・安心な食の
まち推進条例案
議案第22号 札幌市
普通河川管理条例及び札幌市
流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例案
議案第23号
札幌市立学校設置条例の一部を改正する条例案
議案第24号
包括外部監査契約締結の件
議案第25号 住居表示を実施する市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法を定める件
議案第26号 札幌市
特別職報酬等審議会条例の一部を改正する条例案
議案第27号 札幌市
新型インフルエンザ等対策本部条例案
議案第28号 札幌市
消費生活条例の一部を改正する条例案
議案第29号 札幌市暴力団の排除の推進に関する条例案
議案第30号 札幌市
障害者自立支援法施行条例等の一部を改正する条例案
議案第31号 札幌市
指定居宅サービス等及び
指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準等に関する条例案
議案第32号 札幌市
指定地域密着型サービス及び
指定地域密着型介護予防サービスの事業の人員、設備及び運営の基準等に関する条例案
議案第33号 道道
西野真駒内清田線(こばやし峠)
トンネル新設工事請負契約締結の件議決変更の件
議案第34号 財産の処分の件(新川西3条4丁目所在地)
議案第35号 財産の処分の件(屯田6条4丁目所在地)
議案第36号 財産の処分の件(真栄5条5丁目所在地)
議案第37号 市道の認定及び変更の件
議案第38号 札幌市
まちづくり戦略ビジョン(ビジョン編)策定の件
議案第40号 平成24年度札幌市
一般会計補正予算(第7号)
議案第41号 平成24年度札幌市
土地区画整理会計補正予算(第1号)
議案第42号 平成24年度札幌市
国民健康保険会計補正予算(第2号)
議案第43号 平成24年度札幌市
介護保険会計補正予算(第3号)
議案第44号 平成24年度札幌市
公債会計補正予算(第4号)
議案第45号 平成24年度札幌市
軌道事業会計補正予算(第2号)
議案第46号 平成24年度札幌市
水道事業会計補正予算(第2号)
議案第47号 平成24年度札幌市
下水道事業会計補正予算(第3号)
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〇出席議員(65人)
議 長 三 上 洋 右
副 議 長 大 嶋 薫
議 員 伴 良 隆
議 員 阿部 ひであき
議 員 小 竹 知 子
議 員 北 村 光一郎
議 員 川田 ただひさ
議 員 植 松 ひろこ
議 員 中 村 たけし
議 員 林 清 治
議 員 村 上 ゆうこ
議 員 丸 山 秀 樹
議 員 石 川 佐和子
議 員 金子 やすゆき
議 員 木 村 彰 男
議 員 飯 島 弘 之
議 員 こじま ゆ み
議 員 佐々木 みつこ
議 員 宗 形 雅 俊
議 員 よこやま 峰子
議 員 小須田 悟 士
議 員 宝 本 英 明
議 員 小 川 直 人
議 員 しのだ 江里子
議 員 福 田 浩太郎
議 員 國 安 政 典
議 員 小 形 香 織
議 員 小 倉 菜穂子
議 員 伊 藤 牧 子
議 員 村 山 秀 哉
議 員 細 川 正 人
議 員 長 内 直 也
議 員 長谷川 衛
議 員 峯 廻 紀 昌
議 員 桑 原 透
議 員 林家とんでん平
議 員 三 宅 由 美
議 員 阿知良 寛 美
議 員 芦 原 進
議 員 谷 沢 俊 一
議 員 伊 藤 理智子
議 員 坂 本 恭 子
議 員 村 松 正 海
議 員 山 田 一 仁
議 員 こんどう 和雄
議 員 高 橋 克 朋
議 員 勝 木 勇 人
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 恩 村 一 郎
議 員 ふじわら 広昭
議 員 三 浦 英 三
議 員 本 郷 俊 史
議 員 涌 井 国 夫
議 員 宮 川 潤
議 員 井 上 ひさ子
議 員 武 市 憲 一
議 員 小 野 正 美
議 員 畑 瀬 幸 二
議 員 福 士 勝
議 員 猪 熊 輝 夫
議 員 西 村 茂 樹
議 員 川口谷 正
議 員 伊与部 年 男
議 員 堀 川 素 人
議 員 松 浦 忠
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――――――――――――――――
〇欠席議員(3人)
議 員 山 口 かずさ
議 員 五十嵐 徳 美
議 員 宮 村 素 子
――
――――――――――――――――
〇説明員
市 長 上 田 文 雄
副 市 長 生 島 典 明
副 市 長 秋 元 克 広
交通事業管理者
交 通 局 長 下 村 邦 夫
水道事業管理者
水 道 局 長 北 野 靖 尋
病院事業管理者
病 院 局 長 富 樫 正 樹
危機管理対策室長 長 利 秀 則
市長政策室長 井 上 唯 文
総 務 局 長 若 林 秀 博
市民まちづくり局長 板 垣 昭 彦
財 政 局 長 金 崎 健太郎
保健福祉局長 加 藤 敏 彦
子ども未来局長 大谷内 則 夫
環 境 局 長 長 岡 豊 彦
経 済 局 長 渡 邊 光 春
観光文化局長 可 児 敏 章
建 設 局 長 宮 浦 哲 也
都 市 局 長 阿 部 宏 司
会 計 室 長 山 崎 亘
消 防 局 長 遠 藤 敏 晴
教育委員会委員 池 田 官 司
教育委員会教育長 北 原 敬 文
選挙管理委員会委員長 笹 出 昭 夫
選挙管理委員会委員 湊 谷 隆
選挙管理委員会委員 小 谷 俵 藏
選挙管理委員会委員 常 田 豊 明
人事委員会委員 品 川 吉 正
人事委員会事務局長 今 義 範
監 査 委 員 谷 本 雄 司
監査事務局長 大 居 正 人
――
――――――――――――――――
〇
事務局出席職員
事 務 局 長 本 間 章 弘
事務局次長 出 井 浩 義
政策調査課長 東 館 雅 人
議 事 課 長 吉 田 雅 博
調 査 係 長 森 譲
議 事 係 長 深 井 貴 広
委員会担当係長 冨 永 智
委員会担当係長 八 代 吟
書 記 早 坂 友 秀
書 記 大 山 佳 洋
――
――――――――――――――――
〔午後1時開議〕
○議長(三上洋右) ただいまから、本日の会議を開きます。
出席議員数は、62人です。
――
――――――――――――――――
○議長(三上洋右) 本日の
会議録署名議員として
小須田悟士議員、峯廻紀昌議員を指名します。
――
――――――――――――――――
○議長(三上洋右) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(本間章弘) 報告いたします。
宮村素子議員、
五十嵐徳美議員は、所用のため、本日の会議を欠席する旨、山口かずさ議員は、所用のため、本日及び明日の会議を欠席する旨、また、
勝木勇人議員は、所用のため、遅参する旨、それぞれ届け出がございました。
昨日、市長から、
伊藤理智子議員の文書質問に対する答弁書が提出されましたので、その写しを各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程、質問順序表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
――
――――――――――――――――
○議長(三上洋右) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第1号から第38号まで、第40号から第47号までの46件を一括議題とします。
昨日に引き続き、代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
三浦英三議員。
(
三浦英三議員登壇・拍手)
◆
三浦英三議員 私は、ただいまから、
公明党議員会を代表いたしまして、市政の諸課題につきまして質問を行います。
最初に、市長の政治姿勢について、4点お伺いします。
初めに、北海道との連携強化についてお尋ねをいたします。
我が会派では、かねてから、札幌市と北海道との連携の重要性を指摘してきたところであります。例えば、昨年の第3回定例議会の代表質問において、我が会派の涌井議員が北海道と札幌の連携強化について質問を行いました。その際、市長からは、札幌市の発展は道内他市町村の発展なくしてはあり得ないという思いで、札幌市が北海道の発展を牽引していく役割を果たしていくこと、また、北海道は自治体連携の調整役を担っていただくとともに、札幌を活用するということが北海道の中でしっかり位置づけられることを期待しているとの答弁がありました。
そして、先般、北海道知事と市長が行政課題について話し合う北海道・札幌市行政懇談会が2年ぶりに開催されました。懇談会の中では、例えば、
北海道バックアップ拠点構想に関し、非常時における
首都機能代替拠点としての札幌市の活用について、道と市が連携をして国に提案をしていくことで合意したと聞いております。そのほかにも、
行政推進体制分野での協議の場を設置し、道と市の連携のもと、実務ベースで連携や協力が可能な改善点を洗い出していくことなど、さまざまな連携の方向性を確認したとのことであります。
我が会派としましては、道と市がさまざまな分野で協力関係を強化していくことが可能であると考えますし、さらに、密接に連携をしていくべきではないかと思っております。また、現在、道と札幌市がそれぞれ保有している海外事務所などは、互いに情報を共有し、共同でPRを実施するなど、一層の連携を図ることによって相乗効果を発揮することも可能だと考えております。
そこで、質問であります。
市長は、かねがね北海道の発展なくして札幌市の発展はないとおっしゃっていますが、今後の札幌市の発展を考えた際、道と市の連携の重要性についてどのように考えておられるのか、基本的な認識を伺います。
また、今後、道と市の連携をどのように深めていくのか、あわせて伺います。
2点目として、今後のまちづくりにおける子どもの位置づけに関して伺います。
札幌市では、平成20年に子どもの最善の利益を実現するための権利条例を制定し、これにうたわれている子どもの参加や意見表明の機会を保障していく取り組みを積極的に実施してきております。今議会に上程されております
まちづくり戦略ビジョンは、今後10年間のまちづくりの方向性を示すものでありますが、その基本理念として、札幌の未来をつなぐ子どもたちのためにを掲げ、子どもを未来のまちの象徴として位置づけており、我が会派といたしましても、こうした理念は大いに評価するところであります。
また、今回の
戦略ビジョンには、市民との共有を進めるため、子どもたちを含め、さまざまな市民参加の取り組みを経て策定作業を進めており、昨年12月からことし1月にかけて実施した
パブリックコメントにおいては、小学校高学年から中学生向けに特化したキッズコメントを実施したとのことであります。このうち、特に注目されるのは、これから札幌市の人口が減少していくということに対して、子どもたちが大きなショックを受け、さまざまな意見を寄せてきていることであります。その中には、子ども自身が真剣に少子化を心配するような声もあったようであります。子ども自身が人口減少や少子高齢化というものを身近に感じ、そして、将来の社会や自分たちの暮らすまちがどのようになっていくのかに関心を持ちながら成長していくことは、将来的に子どもを産み育てやすい社会を実現していくことや、少子化の緩和にもつながっていく可能性があるのではないかと考えるところであります。
我が公明党においては、
チャイルドファースト社会の構築を政策に掲げ、子どもを産み育てやすい
社会環境づくりの重点化を訴えてきたところであります。子どもを第一に考え、子どもを不幸にしない
チャイルドファースト社会を構築していくためには、まちづくりのあらゆる場面で子どもの目線を取り入れていくことが重要ではないかと考えます。
そこで、2点目の質問でありますけれども、今後、まちづくりの中に子どもをどのように位置づけて取り組んでいくのか、市長の考えをお聞かせください。
3点目として、
都心アクセス道路の強化について伺います。
我が会派では、観光や物流、医療などを支援し、円滑なアクセスや定時性を確保するために、都市間を結ぶ高速道路をネットワーク化することが大変重要と考えており、これまでも、高速道路と都心に至るアクセス道路の強化、とりわけ創成川通の空間を活用した
札幌北インターチェンジから都心に至る
都心アクセス道路の強化が必要であると訴えてまいりました。
また、さきの東日本大震災では、津波で甚大な被害が生じた
太平洋側沿岸部からの避難や支援等に高速道路や国道の
交通ネットワークが重要な役割を果たすなど、大規模災害に対する
広域交通ネットワークの重要性が明らかになったところであります。政府の基本政策でも、大規模災害発生時の被害拡大の防止という基本理念のもと、緊急輸送道路の整備や高速交通網の構築などの施策がうたわれているところであります。
そこで、質問ですが、災害対応としての観点も含めて、創成川通の空間を活用した都心部と高速道路のアクセス性を強化させる取り組みについて、市長の見解をお伺いいたします。
4点目として、
児童心療センターへの対応について伺います。
先月末をもって渡部副市長が辞任した件について、市長は、記者会見において、その辞職理由について、昨年来の母子保健の問題あるいは
児童心療センターの問題など、局面を打開するため、副市長みずから職を辞する旨の申し出があったと説明をされました。
私は、
児童心療センターの問題では、現場に大きな混乱や課題が山積している状況で、具体的な解決策もないまま、局面を打開するためにという理由でおやめになる姿勢は、責任のとり方として大変問題があったと考えております。先週、入院病棟存続のための医師確保について新聞報道もありましたが、めどをつけておやめになったわけではないことから、その時点では、副市長がやめなければならないほど深刻な状況だとの印象をも与えかねず、
児童心療センターの現場スタッフや利用者の不安をさらに増大させた責任は重いと考えており、今回の件については、市長の任命責任も含め、その一連の対応に問題があったと厳しく指摘をさせていただきます。
児童心療センターの医師退職の対応については、昨年11月の厚生委員会でも取り上げており、その中で、現場医師から公然と副市長や
複合施設化計画への批判がなされており、私は、今回の件は、幹部職員あるいは本庁職員と現場職員との間で連携や意思疎通が十分ではなかったことが大きな原因であると考えております。市長も、記者会見の中で、現場との認識のずれについて、議論はされていたが、熟したものではなかったということも言われておりました。
私は、今回の一連の対応について、何が原因でこのような事態に陥ったのか、どのような形で現場職員との意思疎通が行われてきたのか、その過程に問題はなかったかなど、しっかり検証をし、母子保健の問題や、
児童心療センターだけではなく、今後、本市における他の施策や施設なども含め、このようなことが二度と起きないよう、最前線で頑張っている現場職員と幹部職員、本庁職員との意思疎通の手法を確立すべきと考えております。
そこで、2点お伺いいたします。
まず、1点目として、
児童心療センターの医師退職にかかわる対応について、副市長辞職によりさらに不安を感じている利用者に対して、
児童心療センターの維持、存続に向けた対応策の詳細を早急に明らかにし、説明すべきと考えますがいかがか、2点目として、今回の件を契機に、市民のために、最前線で働く現場職員の意見や要望などをどのように聞き、どのように対応をしていくのかなど、意思疎通の手法を改めて検討すべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。
次に、平成25年度の予算編成について、3点質問いたします。
初めに、公明党の要望に対する予算への反映についてであります。
選挙後に誕生した自民党と公明党の連立による新政権は、今回の10兆円を超える大型の補正予算に見られるように、日本経済の再生に向けた積極的な財政出動が特徴の一つとなっております。こうした国の政策に呼応して、地方においても、公共事業の大幅な拡充や民間活力促進のための取り組みなど、積極的な財政運営に転じていく必要があると考えております。ただし、積極財政とは言いましても、事業費だけを安易に増加するような、いわゆるばらまきは決して行われるべきではなく、市民の安全・安心や景気、経済の回復に真に効果のある事業について重点的に投資していくことが非常に重要であります。
こうした観点から、私たち公明党は、以前より老朽化が進む社会インフラの総点検や学校等の耐震化といった防災・減災対策や、省エネルギー、
再生可能エネルギーのための設備投資の促進といった民間の成長力強化に加え、待機児童解消のための保育士や、災害医療、在宅医療を担う医師の確保といった暮らしの安心の確立などへの重点化を主張し、昨年末には上田市長に対して89項目の要望を行ったところであります。今回の国家予算には、補正予算を含め、こうした政策が幅広く盛り込まれました。
そこで、質問ですが、こうした項目について、札幌市の予算にどのように位置づけ、事業化したのか、お伺いをいたします。
2点目として、円安による市民生活への影響についてお尋ねをいたします。
国は、新政権発足後、すぐに3本の矢による経済政策を掲げ、その第1弾として緊急経済対策及び補正予算を発表するや否や、これに市場が素早く反応し、円安や株価の上昇といった動きが見られるなど、長引く円高やデフレからの脱却に向けて幸先のよいスタートを切りました。しかしその一方で、今後、景気回復による市民所得の向上が期待できるとはいえ、現在のように円安が急激に進むと、原油や輸入食品などの物価の高騰は避けられず、市民生活への影響も懸念されるところであります。
そこで、質問ですが、今回、さらに円安が進み、物価の急激な上昇が続いた場合には、市民生活への影響を考慮し、必要に応じて低所得者などへの対策も打つべきと考えますがいかがか、お伺いをいたします。
3点目は、市債発行に対する考え方についてであります。
今回の地域経済対策にかかわる補正予算は、道路、橋梁の整備や再開発事業などに国からの補助金を充てたことに加え、通常は補助の対象にならない道路や建物の補修といった単独事業には地域の
元気臨時交付金を活用しておりますが、これらを除く地方負担分には、補正予算債を初めとする多額の市債が充てられております。また平成25年度の当初予算におきましても、地方交付税の振りかわりである
臨時財政対策債が対前年度比76億円増の645億円となるなど、市債の発行額が大幅に増加をしております。また、今後、国の政策に呼応して札幌市も積極財政に転じる必要がありますし、ことし策定を予定している札幌市
まちづくり戦略ビジョンに基づく未来への投資や、公共施設の大量更新の到来など、さまざまな行政課題に着実に対応していくためには、世代間の負担の平準化の役割を持つ市債の有効活用は必要不可欠であり、債務の適正な管理がますます重要になってまいります。
そこで、質問ですが、今回の予算における市債の発行に対する考え方について、市債残高に対する認識も含めてお伺いをいたします。
次に、
コンパクトシティへの具体的な取り組みについてであります。
現在策定が進められている札幌市
まちづくり戦略ビジョンの素案が
パブリックコメントに付され、その内容が明らかになりましたが、まちづくりの視点から気になる点がございます。それは、これまで、札幌市基本構想、第4次長期総合計画を受け、
都市計画マスタープランにおいて掲げてきた持続可能な
コンパクトシティへの再構築というまちづくりの理念が出てこないことであります。今回のビジョン編でもまちづくりの基本目標で
コンパクトシティの視点はちりばめられておりますけれども、目指すべき都市像として、一層、明確に持続可能な
コンパクトシティへの再構築を掲げた上で、戦略編においてはそのための具体的施策を示すべきと考えます。
これまで、
コンパクトシティ実現のために行われてきた具体的な施策としては、
市街化区域拡大の抑制、
地下鉄沿線区域を中心とした高度利用誘導のための用途地域の見直し、都心部周辺の容積率の緩和など、利便性の高い地域への人口移動に向けた長期的誘導施策があり、その結果、人口の都心回帰現象が起きてきているなど、それなりの誘導効果が得られていることは評価をいたします。
しかしながら、都心部の人口増加に比べて、郊外部、特に過去において計画的に住宅団地造成を行ってきた地区などにおける人口減少と少子高齢化が顕著になってきており、結果として、郊外部では空き家や空き地の増加などによる不連続な住宅地が拡大していくことを懸念しております。
札幌市では、平成12年に高齢化社会と言われる高齢化率14%を超え、平成24年には超高齢化社会と言われる21%を超えました。高齢化率が高い地区では、高齢独居世帯が多い上に、孤独死やひきこもり老人なども多くなり、このまま放置すれば生活用品販売店の撤退、バス交通や除雪などのサービスレベルの低下などが生じ、これを回復させるための手だてがない中で、まちとして機能しなくなるという悪循環に陥る可能性が高いのであります。現在は高度成長期から低成長期への転換期に当たり、このままさらなる低成長に突入すると、まちは死んでいきます。成長を前提とせず、環境を重視し、持続可能な仕組みをつくり、生活の質の向上、人と人のきずなや結びつきを重視した社会、すなわち成熟社会を実現するためには、都心や地下鉄沿線に人を集める施策だけでは不十分であります。著しく高齢化が進む郊外部において、地域の個性と多様性を重視した地域コミュニティーの再生、分散した施設の統廃合など、形態的なコンパクト化、その機能を住民が享受できるシステムの構築などを、地域に任せることなく、行政が地域とともに築いていくことが重要であります。
これら施策を総合的に推進して得られる結果が、
コンパクトシティの実現にほかなりません。具体的には、これまで札幌市が掲げてきた高次都市機能拠点、広域交流拠点、地域中心核などについて、もう一度、地域の特性を踏まえた見直しを図る必要があります。さらに、優先的に整備すべき拠点を選択し、
コンパクトシティの核としてあるべき姿を示した上で、行政が行うべきことを明らかにし、民間に受け持ってもらう部分については、そのための支援・誘導策を打ち出すなどの施策が必要であります。
人は、高齢になるに従って、生活する場所を変えて移り住むことを好まなくなります。また、移り住んだとしても、近所と新たな人間関係をつくり直したり、改めて家や地域に愛着を感じたり、地域社会で再びみずからの役割を獲得することは難しく、ついには家の中で孤立をしてしまいます。これからは、そのような現実にしっかり目を向けて取り組んでいく必要があります。これは、福祉施策というよりも、まちづくりという観点から検討すべきことであります。
そこで、質問ですが、持続可能な
コンパクトシティの再構築について、市長の見識をお伺いいたします。
あわせて、高齢化が進む地域における再生のための地域計画策定への取り組み、拠点整備のための具体的な民間支援策の検討などについて、市長の見解をお伺いいたします。
次に、
再生可能エネルギーの普及拡大についてお尋ねをいたします。
平成23年3月11日に発生をした東日本大震災と、それに伴う福島第一原発事故は、日本のエネルギー政策のあり方や国民の意識を大きく変える出来事でした。このため、前政権の民主党は、今後のエネルギーのあり方を決定するため、さまざまな会議を立ち上げ、国民から意見聴取を行うなど検討を進めました。新たな政権では、国際情勢や国内状況などを踏まえ、さまざまな視点からしっかりと議論を行い、国の新たなエネルギー基本計画を策定することとしております。
我が公明党は、これまでも環境政策をリードする取り組みを進めてまいりました。引き続き、低炭素、資源循環型、自然と共生する世界ナンバーワンの循環国家実現を目指すこととしております。具体的には、制度改革、技術革新などにより経済成長を維持しながら、一方でエネルギー消費削減が可能な省エネ社会の実現に向けて取り組んでまいります。また、
再生可能エネルギーの導入拡大は、国内エネルギー自給率の向上やCO2排出を削減するために大変重要であり、さらには、国内経済の活性化も期待できるため、昨年7月に始まった固定価格買い取り制度の利用拡大や、屋根貸し制度の普及、規制緩和や送電網の整備、広域化などを進めていくことが重要であると考えております。
北海道経済産業局によると、固定価格買い取り制度で、道内で昨年11月末までに3,106件、出力約45万キロワットの太陽光発電が認定されたとの発表がありました。出力では地域別で全国トップとなり、北海道が
再生可能エネルギーの宝庫であることを改めて実証した結果となっております。
札幌市に目を向けると、札幌中央卸売市場には市有施設最大となる327キロワットの太陽光発電が、また、サッポロさとらんどの隣接地5ヘクタールの土地には市内初のメガワットソーラーとなる2,000キロワットの太陽光発電施設が間もなく発電を開始いたします。札幌市内の住宅太陽光発電設備については、国や札幌市の導入支援もあって普及が急速に伸びており、今年度、札幌市の支援を利用して設置した設備の合計は約3,800キロワットの見込みで、確実に導入が進んでいることを実感しております。これまで、一方的に電力を消費するという立場でしかなかった市民や事業者などが、これからは、みずからが電力をつくり出す発電者という新たな立場になる、まさにエネルギー社会構築の転換期を迎えております。
そこで、質問でありますが、このように新しいエネルギー社会の構築を見据え、現在高まってきている太陽光発電などの導入拡大の機運を捉え、札幌市として
再生可能エネルギーの普及拡大を今後どのように進めていくお考えか、お伺いをいたします。
次に、防災・減災ニューディールについて、3点ほど質問いたします。
地震、洪水、竜巻などの自然災害は、その発生時間や場所をあらかじめ正確に知ることはできませんが、事前の防災、減災の対策こそが、東日本大震災で見られたような甚大な被害を最小限に軽減する決め手であると考えております。こうしたことから、公明党では、大規模自然災害から人命を守る防災・減災ニューディールを政策として掲げているところであります。インフラに対する老朽化対策や、防災・減災対策の計画的かつ早期の実施、いわゆる予防保全は、橋や道路を適切な状態で長寿命化することとなり、結果として、インフラのライフサイクルコスト全体の縮減につながり、長期的には財政負担の軽減に資するものと考えております。
国も地方も財政状況は厳しさを増していますが、防災・減災対策は、災害から国民の生命と財産を守るために必要な措置であり、先送りすべきではありません。公明党は、これを総合的かつ集中的に推進するため、全閣僚で構成する推進本部を内閣に設置することを提言しております。
札幌市においても、予防保全の考え方を導入するなど、インフラの特性に応じた維持管理を行い、ライフサイクルコストの縮減を目指しておりますが、一方で、札幌市全体としての防災・減災対策の実施状況の検証を実施する施策の総合調整など、推進に当たってのマネジメント機能が弱いのではないかと懸念をしているところであります。我が党が提言している推進本部のようなマネジメント体制を、札幌市においてもとるべきと考えております。
そこで、最初に、札幌市全体の防災・減災対策の推進体制の強化をどのように行うのか、お伺いをいたします。
2点目として、地域の
元気臨時交付金の活用の考え方について伺います。
防災・減災に資する予防保全を着実に進めていくためには多額のお金が必要であり、そのための財源措置の充実が必要であります。従来より、国が補助する公共工事は、新規施設の設置などを対象とする場合が多く、我が党が提言をしておりますインフラの老朽化対策などは、自治体の独自財源により対応をせざるを得ず、その対応はおくれがちであるのではないかと考えております。特に、札幌市においては、1972年、昭和47年の政令指定都市移行期にインフラが集中的に整備をされ、これらの多くが既に築40年近くを経過しており、今後もさらに老朽化したインフラのボリュームが増大をしていく現状を鑑みますと、インフラの老朽化対策は急務であります。
今回、低迷する地域経済の活性化に向けて国が新たに打ち出した地域の
元気臨時交付金については、国の補助事業における自治体の負担額について、その自治体が財源力によって7割から9割を交付するスキームとなっております。さらに、この交付金の特色として、一定の制限はありますが、地方単独事業に対して充当が可能となっております。これは、従来、自治体が独自に実施してきたインフラの老朽化対策や防災・減災対策事業にも当該交付金が充当できるもので、おくれがちであったこれらの取り組みの促進が可能となる、まさに我が党が提唱をする命を守る集中投資の好機ではないかと考えております。
そこで、お聞きしますが、今回の平成25年1定補正で実施する各種事業に対する地域の
元気臨時交付金の活用の考え方についてお伺いをいたします。
3点目として、学校非構造部材の耐震化対策について伺います。
我が会派は、これまで、学校の耐震化にも力を入れてまいりました。小・中学校は、日常は子どもたちの学習の場、生活の場でありますが、それと同時に、災害時には地域住民の避難場所としての役割を果たす場であります。会派としても、学校の耐震化を早急に進めることの必要性について、これまでの代表質問で何度も取り上げてきたところであります。文部科学省は、既に平成22年2月に学校施設の非構造部材の耐震化ハンドブックを策定しておりましたが、あの東日本大震災で天井材の崩落などが発生したことを考慮し、現在、天井等落下防止対策のための手引を作成中であり、昨年9月にはその中間報告が出されたと聞いております。このように、学校施設の安全と安心を十分に確保するためには、構造部材だけではなく、非構造部材と呼ばれる天井や照明器具、窓ガラスなどの耐震対策も喫緊の課題となっているのであります。
そこで、お聞きしますが、札幌市の小・中学校における非構造部材の耐震化の現状とこれまでの取り組み、そして、今後の対応についてお伺いをいたします。
次に、高齢者の安全・安心を支える仕組みについて、2点お伺いいたします。
札幌市では、高齢者の安全・安心を支える仕組みの一つとして、慢性疾患をお持ちの高齢者が、自宅での発作など、万が一の際に、ボタン一つで救急車を呼ぶことのできる高齢者緊急通報システム事業を昭和63年から実施をしております。制度の開始からことしで25年目となりますが、この緊急通報システム事業にもさまざまな課題が浮かび上がってきております。その一つとして、地域協力員の問題があります。緊急通報システム事業の利用申し込みに当たっては、緊急時に利用者の容体を確認したり、親族への連絡、戸締まりなどを行っていただく地域協力員を2名確保することが条件となっておりますが、制度の利用を希望する方にとっては、この地域協力員の確保がなかなか難しいとの声をよく聞くところであります。また、その他の課題として、対象者の要件が厳しく、心臓疾患や高血圧などの慢性疾患によって日常的な見守りが必要な方に限定されていることが挙げられるほか、緊急ボタンの押し誤りなども多いと聞いております。
札幌市では、これらの課題に対応するため、緊急通報システムの仕組みづくりを目的として、平成22年度から中央区と西区において緊急通報モデル事業を実施してまいりました。このモデル事業では、地域協力員のかわりに民間事業者が利用者宅に駆けつけることによって、申請の際の地域協力員の確保を不要としております。また、消防局への誤報を減らすために、民間事業者が、一旦、通報の受け付けを行い、本当に緊急を要するときにのみ消防局への通報を行うこととしているほか、対象者の身体要件も緩和をされております。
我が会派は、このモデル事業の方向性を高く評価し、これまでも議会で取り上げるなど、極めて強い関心を持って市の取り組みを促してまいりました。中でも、市営住宅の高齢化率が高い三つの地域を抱える厚別区選出の丸山議員は、この件に関する委員会質問を何度も行ってきたところであります。
今回、市長から提案されている平成25年度予算案の中には高齢者あんしんコール事業が含まれておりますが、この事業は、これまでの高齢者緊急通報システム事業をさまざまな課題やモデル事業の検証結果などを踏まえて改善し、新たな事業として立ち上げるものということであります。
ここで、1点目の質問であります。
この高齢者あんしんコール事業では、現行の高齢者緊急通報システム事業をどのように見直すことを予定しているのか、お伺いをいたします。
続けて、高齢者あんしんコール事業の位置づけについてお尋ねをいたします。
我が会派が平成23年に実施をしました札幌市における超高齢社会を見据えた調査検討業務では、住環境について、今後のお住まいについてどのようにしたいですかという質問に対する回答は、現在の住宅にそのまま住み続けたいという方が79.7%となっており、実に8割が施設ではなく在宅生活を希望しておられます。
札幌市では、平成24年度から26年度までを計画期間とする高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を策定しておりますが、この計画では、高齢者が住みなれた地域で、その有する能力に応じて自立した日常生活を送ることを目指した地域包括ケアの実現に向けた取り組みを行うとしております。しかしながら、ひとり暮らしの高齢者が住みなれた地域で生活を続けたいと思っても、在宅生活の不安が大きいために、不本意ながら施設での生活を選択せざるを得ないという事情があるのではないでしょうか。
そこで、2点目の質問です。
このたび、新たに立ち上げる高齢者あんしんコール事業は、高齢者が在宅生活を送る上での不安の解消につながる事業ではないかと考えておりますが、この事業は、今後の札幌市の高齢者施策の中でどのような役割を担っていくと考えているのか、お伺いをいたします。
続いて、要援護者支援の課題について、2点質問いたします。
白石区のマンションで発生をした痛ましい姉妹の孤立死から1年が経過をいたしました。なぜ最悪の事態を回避することができなかったのか、解決策を得るまでには至っておりません。抜本的な対策についてはまだまだ五里霧中ながら、何らかの支援を必要とする要援護者の孤立死を防止する対策は喫緊の課題であります。
その中で、札幌市が知的障がい者への現況調査を実施し、昨年7月以降、希望する方への民生委員、児童委員の見守り活動を開始し、ライフライン関係事業所との連携を強化するなど、6項目の取り組みを進めていることは評価をいたします。
そこで、質問の1点目でありますが、札幌市では、この1年間、孤立死を防ぐ手段として、福祉支援を必要とする要援護者に対してどのような取り組みを実施し、また、今後どのような対策を実施していくのか、重立ったものについてお伺いをいたします。
2点目は、要援護者に関する情報提供についてであります。
要援護者に対する見守り・安否確認活動に取り組んでいる町内会や自治会では、みずから保有する情報を活用し、高齢者を中心に、要援護者と見込まれる方から個人情報の取り扱いについて同意を得た上で活動している状況であります。要援護者への支援の輪をさらに拡大しようとすれば、個人情報の保護というハードルがあり、町内会や自治会など地域が保有している情報だけでは、どのような方が居住しているのか把握できない場合も多く、地域が主体となって要援護者となる方を全て見つけ出すことは大変困難であります。
最近、一部の自治体において、高齢者や障がい者を対象とした独自の要援護者支援対策として、個人情報保護を遵守しながら、個人情報の開示や活用を視野に入れた条例を制定する動きがあります。例えば、東京都中野区では、平成23年に地域支えあい活動の推進に関する条例を設け、70歳以上の単身者、75歳以上の世帯、障がい者等の名簿をつくり、体制が整った町内会に開示をし、日常生活の見守りなどに活用をしております。足立区では、孤立ゼロプロジェクト推進に関する条例を制定し、本年1月1日から施行されております。いずれも、孤立死などを防ぐために、町内会や自治会に情報を提供し、生活実態を調査するための条例であります。また、福岡市では、平成18年度から災害時要援護者台帳の作成をスタートして支援対策を行ってきましたが、個人情報保護条例で設けられた審議会での議論を経て、24年度からは、同意の有無にかかわらず、要援護者の情報を名簿にして開示できるようにしています。このような条例は、今後も広がっていくのではないかと予想をするところであります。
私は、札幌市も、行政や民生委員の保有している要援護者に関する情報を、行政みずからが本人の同意を得て地域に提供し、見守り・安否確認活動を実施してもらうよう働きかけることによって、地域の負担感が軽減をされ、情報の共有が進むのではないかと考えているところであります。
そこで、質問であります。
市として、支援を必要とする要援護者に関する情報をどのように地域と共有していくお考えなのか、お伺いをいたします。
次に、地下鉄事業10か年経営計画について質問いたします。
この計画は、地下鉄事業の経営健全化を推し進め、不良債務の計画的な解消など、財政規律を維持しながら、さまざまな安全対策や利便性向上のための設備投資を図るなど、具体的な事業計画を盛り込み、今後の経営の総合的な指針として平成17年1月に策定をされました。この計画の最終年次となる平成25年度予算では、営業収支については計画どおりの収支改善を図ることができ、経常収支については計画に対して15億円好転するなど、おおむね計画を達成することができているようであります。
この計画の期間中には、リーマンショックや駅前通地下歩行空間の開通など、地下鉄の経営にとっては厳しい状況の発生もあり、そのことを踏まえれば、この10年間の地下鉄事業の経営改善の取り組みは高く評価できると考えております。
我が会派としても、経営計画の達成のためにさまざまな提案を行い、地下鉄事業の活性化を後押ししてきました。地下鉄の設備投資につきましては、谷沢議員が、安全と利用者サービスの観点から、平成23年予算特別委員会において、火災対策やバリアフリー対策について、さらには、丸山議員も、東豊線のホーム柵の前倒し設置や運行情報配信システムのディスプレーのさらなる拡大などについて質疑や要望を行い、地下鉄事業の後押しをしてきたところであります。
今後、超高齢化社会の到来、生産年齢人口の減少、地域環境問題への対応などを考えますと、地下鉄の役割はますます高まってきており、これまで我が会派が提案してきたように、市民に親しまれ、利用者の利便性にかなった公共交通という視点での事業展開がさらに必要になってくるものと思うのであります。
私も、平成22年の経済委員会で、京都市地下鉄における増収、増客に向けた取り組みとして、5万人増客推進本部の設置、各局、各区から増客に寄与するアクションプランを取りまとめ、若手職員による増客チームの設置など、京都市交通局の取り組みを紹介し、本市の地下鉄の増収に向け頑張っていただきたいと要望をいたしました。今後、札幌市における新たな地下鉄事業の経営計画策定に当たっては、京都市交通局のような全庁を挙げた組織横断的な検討を行い、経営の効率化に加え、市民目線での取り組みなどアクションプラン的な要素をしっかりと盛り込んだ計画にすべきと考えます。
そこで、質問ですが、現地下鉄事業10か年経営計画の達成状況をどのように評価しているのか、お伺いをいたします。
さらに、将来にわたって経営基盤を盤石なものとしていくためにも、経営効率化はもとより、利用者の視点に立った経営計画とすべきと考えますが、次期経営計画策定に当たっての目指す方向性についてお伺いをいたします。(傍聴席から発言する者あり)
○議長(三上洋右) 静粛に願います。
◆
三浦英三議員 (続)次に、教育問題についてお伺いいたします。
昨年来、いじめや体罰の事件が大きくクローズアップをされています。そして、こうした事件に対する教師や学校、教育委員会の対応について、不信の声がたびたび聞かれるところであります。体罰で人は育ちません。人を育てるとの観点から教育がなされるよう、あらゆる対策を講じなければなりません。いじめについても、子どもたちが思いやりの心を持てるよう、校長のマネジメントにより、まず職員室からその意識の醸成に努め、正確な状況の把握や子どもたちが成長を遂げるまでの粘り強い指導を行うチーム体制をしっかりつくり上げることが求められます。
1月31日、大津市の中学生が自殺した問題を調査しました市の第三者調査委員会から報告書が提出をされました。この報告書では、いじめが自殺につながる直接的要因であったと明確に指摘した上で、対応の問題として、いじめをけんかとして処理するという教員のいじめ理解の不十分さや、複数の教員がいじめを認識できる状況であったにもかかわらず、情報を共有せず、適切な対応をとらなかったことなどが挙げられております。
札幌市においても、昨年、中学生がみずから命を絶つという大変痛ましい出来事があり、調査検討委員会が設置をされ、12月14日に報告書が公表されております。この報告書においては、当該生徒がみずから命を絶ったことに直接結びつくようないじめの事実は確認できなかったとしておりますが、今後の自殺防止に向けての提言の中では、やはり、全教職員による子ども理解と視点の共有が第一に指摘されているところであります。
私は、以前から、先生方が問題をひとりで抱え込むことなく、教職員全体によるチームワークのもとでその解決に当たることが重要であると考えておりました。しかし、その前提として、教員が子どもを理解するための技量をしっかりと身につけていることが必要であることは言うまでもないことであります。報告書の提言でも、子どもと毎日接している教師一人一人が、子どもが抱えている苦悩や不安に気づく感度を高めなくてはならないことなど、教師の資質向上を図ることの重要性が示されております。
そこで、質問ですが、教育委員会は、報告書の提言を受け、教員の資質向上を図る教員研修をどのように充実させようと考えているのか、お伺いをいたします。
大阪市の市立高校では、バスケットボール部の主将が体罰を苦に自殺をしました。愛のむちの名のもとに、スポーツの現場で体罰や暴力的指導が横行している現実に胸が痛みます。体罰は、学校教育法で明確に禁止をされており、決して許されるものではありません。札幌市においても、体罰により懲戒処分を受けた教員は、平成15年度の18件をピークに、平成23年度は6件、平成24年度は現時点までで3件と減少をしてきているとはいうものの、依然としてなくなってはおりません。体罰が表にあらわれるのは氷山の一角であり、実際に相当数あるのではないかと危惧をしております。
体罰は、子どもに肉体的な傷を負わせるだけでなく、自主性や尊厳を奪うなど、精神的にも深い傷を残します。体罰が原因で不登校になったり、大人になっても心の傷に苦しみ続ける人もおり、負の影響は余りにも大きいのです。いま一度、体罰の根絶に向けて真剣に向き合い、取り組むべきと考えます。
そこで、質問ですが、札幌市教育委員会は、体罰の根絶に向けてどのように取り組んでいるのか、また、体罰事故を起こした教員に対して、再発防止に向けてどのように指導をしているのか、お伺いをいたします。
最後に、私の住む清田区のまちづくりと将来展望について伺います。
現在、市の長期ビジョン、
まちづくり戦略ビジョンを審議中でございますが、地域の将来の整備、発展は、市の計画にどのように位置づけられるかが非常に重要となってまいります。そこで、札幌市全体から見た清田区の位置づけという観点からお伺いをいたします。
清田区は、昨年11月に区制誕生15周年を迎えました。区役所では、区民とともに策定した清田区まちづくりビジョン2020をもとに、緑、触れ合い、安らぎの三つをキーワードとした将来像を描いており、現在は、単年度の区実施プランである清田区ふれあいプランにおいて区民を結びつける施策が着実に進められております。
では、清田区の基盤整備が、将来、どのような方向で進められていくかについてでありますけれども、歴史的には、産業構造の変化に伴って、市内オフィスや近隣商工業地に通勤するための時間、距離と環境のバランスのとれた住宅街として、急速に発展をしてきた地域であります。現在は、緩やかな人口の伸びが続く安定期を迎えております。一方、広域の視点から見ると、高速道央道、国道36号線における札幌市の玄関口であり、最近では、千歳空港の国際線化に伴い、ますます重要な顔、役割を持つこととなりました。また、隣接する北広島市大曲地区では、札幌の市民を意識した戦略的な出店が進み、アウトレットモールなどの大規模商業施設の集積や、工業団地への立地も目覚ましく、札幌圏の南東部における商工業の核に成長をしております。
ここで、市の
戦略ビジョン案を見てみますと、産業の目標に関しては、道外や道内他市町村との人や物の流れの活発化を将来のまちの姿としているところであり、まさに、清田区は、観光、商工業の地域交流ネットワーク拠点としてその役割を担っていく重要な地域として、将来的に期待されるべき区ではないかと思うのであります。
ここで、清田区のあるべき将来像に対する現状の不足点を考えた場合、まず、交流ネットワーク拠点、つまり、地域中心核としての機能が脆弱であること、そして、ネットワークを強固にする冬の交通麻痺などに左右されない安定的交通網がないこと、この2点が大きな課題として浮かび上がってまいります。
これまでも何度も質問で取り上げ、そのたびに現状の交通需給の観点から採算性を否定されてきた地下鉄東豊線の清田への延長ですが、実際にはやはり多くのメリットがあります。整備された場合、地域間を結ぶ交通体系ができるのと同時に、その駅が地域中心核としての機能を高めていきます。そして、札幌市、札幌広域圏を見据えた新たな需要の喚起につながると言えます。
他市町村との連結を目指し、かつ、市内循環の増大を目指した、清田から市中心部への交通網は重要であり、長期的な視点から、再度、安定的公共
交通ネットワークの整備を検討していただきたいと強く思うものであります。
また、環境問題の観点からも、公共交通へのシフトを加速度的に進めなければなりません。
そこで、質問ですが、人や物の流れの活発化という将来像については十分理解いたしますので、ぜひ、それを清田区でも具現化できるようにしていただきたいのですが、市の長期計画における清田の位置づけ、性格づけ並びに
交通ネットワークのイメージについてどのようにしていきたいのか、市長のお考えをお伺いいたします。
以上で、私の代表質問の全てを終わります。ご清聴まことにありがとうございました。(拍手)
○議長(三上洋右) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 10項目、ご質問をいただきました。私からは、政治姿勢と平成25年度予算編成についてお答えをさせていただきます。その余につきましては、担当副市長並びに教育問題については教育長から答弁をさせていただきます。
まず、市長の政治姿勢の項目の一つでございます北海道との連携強化についてということでございました。
1点目の道と市の連携の重要性についてというご質問についてお答えいたします。
札幌市の魅力や活力というのは、豊かな自然や食など、北海道の世界に誇るすぐれた資源によって支えられておりますことから、札幌がさらに発展していくためには、道内、札幌を除きまして178市町村ございますが、この178市町村に札幌の都市機能といったものを有効に活用していただきながら、北海道の魅力や資源の付加価値というものを高めて、国内外に情報を発信していくということが必要である、このように考えております。
そこで、広域自治体であります北海道には、自治体間の連携の調整や、北海道全体の活性化に向けた構想立案などの役割を期待するところでありまして、道と札幌市双方が同じ方向のもとでそれぞれ役割分担をしながら緊密に連携をしていくということが、北海道全体の発展に向けて極めて重要だと認識いたしているところでございます。
2点目の道と市の連携の深化についてでありますが、さきに開催されました北海道・札幌市行政懇談会におきましても、既に活動をしております経済・観光、それから災害対策、食の安全・安心の各分野におけます道・市間の協議の場を活用いたしまして議論を深めながら、具体的な施策の展開へとつなげていくことを確認したところでございます。
また、道と市の若手職員が北海道と札幌の未来について闊達に意見交換する場を設けることで、政策の創造や、そして、道・市間の人的ネットワークの拡充、充実ということを図っていくことを狙いといたしまして、来年度から若手職員による、これは仮称でございますが、政策研究未来会議を設置するということで合意をしたところでございます。
さらに、北海道と札幌市の連携をよりスムーズに展開をするために、来年度から新たに政策部門の人事交流を行うことについても合意をしたところでございまして、今後とも北海道の未来創造に向けて北海道と札幌市間の連携を深めてまいりたい、このように考えているところでございます。
今後のまちづくりにおける子どもの位置づけということについてでございます。
子どもがまちづくりに参加をすることによりまして、子どもならではの視点を施策に反映していくということができるということはもとよりでありますが、札幌市子どもの最善の利益を実現する権利条例、その趣旨からも、子ども自身が私たちのまちの主人公である、重要な主人公であるということの自覚を促す、そのような観点からも子どもの参加ということは極めて重要でございまして、まちづくりに子どもの参加は欠かさない、そんな認識で市政を運営していくべきである、このように考えております。
具体的には、現在も子ども議会やキッズコメントなどによりまして真剣な議論を踏まえた子どもの意見を札幌市のまちづくりの施策に反映させていただいているところでもございますし、また、高校生に体験学習、これは、予算編成についてのシミュレーションを高校生にやっていただくというような事業だとか、あるいは、中学校への予算の出前講座などを通しまして、予算編成に子どもの意見を反映させる、こんな試みも行っているところでございます。
今後のまちづくりにおいても、子どもの参加ということが、将来、自立した大人に成長して札幌の市民自治を担っていくということにつながるもの、このように位置づけをいたしまして、多くの子どもが市政や地域活動に参加しやすい環境づくりというものを一層進めていきたい、こんなふうに考えております。このことによりまして、子どもたちを含めた全ての市民が主役となり、札幌の未来を築き上げていくということができるものと考えているところでございます。
3点目の
都心アクセス道路の強化についてというご質問でございます。
創成川通の空間を活用した都心部と高速道路のアクセス強化につきましては、札幌の都市機能を有効に活用し、道内各都市が持つさまざまな機能を全道に波及をさせるといった観点から極めて重要だ、このように認識をいたしております。さらに、災害時の対応においても、道内各都市への相互支援に資するなど、重要な役割を担うものだと思います。
これまでも、札幌市の重点要望として、国に対しまして要望活動を行ってきたところでありますが、今後は、さらに国道管理者でございます北海道開発局との連携を強化いたしまして、札幌市として、市民への情報提供など必要とされる対応を図りながら、この実現に向けた取り組みを進めてまいりたい、こんなふうに考えております。
児童心療センターへの対応についてご質問でございます。
1点目の
児童心療センターの医師退職に係る対応につきましては、市内部の医師の人事異動による対応を含めまして、少なくとも常勤医師は3名確保できる予定でございます。この常勤医師に加えまして、北海道大学、札幌医科大学及び市内民間医療機関などに協力を呼びかけておりまして、数名程度は非常勤医師として確保できる見込みとなっているところであります。
これ以上の詳細につきましては、人事上の問題でもございまして、また、年度がわりということもございますので、現段階で詳細な説明は差し控えさせていただきたいと存じます。
児童心療センターの入院患者の行き場がなくなるようなことは絶対に避けてまいりますので、安心していただきたい、このように思います。
2点目の現場職員との意思疎通の手法等の検討についてということでご指摘をいただきました。
職員間の意思疎通につきましては、平成16年に策定をいたしました市役所改革プランにおきまして、横断的な情報共有の推進ということを掲げますなど、市長就任当初から市役所内でのコミュニケーションの充実というものに意を用いてきたところでございます。これまでも、業務ごとに本庁職員と現場職員が会する定例連絡会議の開催だとか、あるいは、業務執行体制の検討、現場職員が使用いたしますマニュアルの作成などの特定課題の解決のために、本庁職員と現場職員が一体となって検討を進めるプロジェクトなどの設置をするなど、本庁と現場、現場同士の支援関係の構築や、あるいは意思疎通の円滑化に努めてきたところでございます。
加えて、
児童心療センターでは、さらなる意思疎通ということに向けまして、今回の件を契機に本庁職員と現場職員の定期的な意見交換会を行うことなどとしたところでございまして、今後も、このような取り組みを初めとして、さまざまな方法を通じて現場と本庁との双方向の意思疎通ということに努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
平成25年度の予算編成についてご質問でございます。
公明党の要望に対して予算にどのように反映されたかということでございますが、平成25年度予算は、国の緊急経済対策を活用した第1回定例会の補正予算と一体的に編成をいたしまして、地域の防災力の強化や民間の成長力の強化、暮らしの安全を含む札幌市の重要かつ喫緊の課題に切れ目なく積極的に対応することとさせていただいたところであります。具体的には、学校を初め、橋梁、水道施設、下水道施設などの耐震化に加えまして、市有施設の非常用発電機の整備だとか、全ての緊急輸送道路の路面下空洞探査を計上したほか、民間事業者によります大規模太陽光発電設備の設置を促進する取り組み、さらには、保育所の入所定員1,210名の増、それから、救急安心センターの設置など、市民の安全・安心の確保や企業活動を活性化させる取り組みに十分に意を用い、重点的に予算に盛り込ませていただいたところでございます。
円安による市民生活への影響についてでございます。
現在の円安は国の政策によるものと認識をしておりますが、物価への影響に関しましては、1月時点における消費者物価の動向はおおむね安定をしているというふうに認識いたしております。今後、急激に物価が高騰するようなことがあれば、市民生活への影響が懸念をされ、特に低所得者にとっては厳しい生活を強いられるということにもなりかねないというふうに心配をしているところでございます。
しかし、物価の高騰は広く国民生活に影響を及ぼしますことから、その対策につきましては、まずは国において取り組むべき課題、このように認識をいたします。
石油製品につきまして、円安の影響も受けて上昇傾向にあることから、国と事業者に対しまして価格の安定等の要請を既に行ったところでございます。
札幌市といたしましては、国の取り組みを注視していくとともに、物価の動向にも十分に注意を払っていきたい、このように考えます。
市債発行に対する考え方でございます。
平成25年度当初予算における一般会計の市債発行額は、
臨時財政対策債の増加により前年度比3.6%増となったところでございます。また、一体的に編成をいたしました今回の補正予算においては、償還時に交付税措置のあります有利な市債などを中心に、65億円の市債を発行することとしたところでございます。平成23年12月に策定をいたしました行財政改革推進プランにおいては、平成26年度末時点での全会計の市債残高を平成22年度末の残高よりも縮減させるというベンチマークを掲げておりますが、全会計ベースでは残高が縮減をする見込みでございます。今後も、このように適切に債務を管理し、引き続き、将来の世代に過度な負担を残さぬように財政運営を行っていく所存でございます。
私からは、以上でございます。
○議長(三上洋右) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私からは、
再生可能エネルギー、防災・減災ニューディール、清田区のまちづくりの3点につきましてお答えを申し上げます。
まず、
再生可能エネルギーの普及拡大についてであります。
札幌市では、これまでも、学校や市有施設に太陽光発電やペレットボイラーなどの積極的な導入を図ってきたところでございます。また、市民、事業者に対しましては、導入費用の一部を補助することで
再生可能エネルギーの普及に努めてきたところでございます。新年度につきましては、新エネ・省エネ機器の導入支援事業でございます札幌・エネルギーecoプロジェクトの補助枠を大幅に拡大するとともに、太陽光発電と蓄電池の組み合わせを新たな補助対象にするなど、支援の充実を図ってまいります。さらには、市内の民間遊休地等に大規模太陽光発電を誘致するための新たな支援制度の創設や、土地所有者と発電事業者との情報交換の場を提供するマッチング事業などを通じまして、より一層、
再生可能エネルギーの普及拡大を図ってまいります。
次に、防災・減災ニューディールについてでございます。
1点目の防災・減災対策の推進体制の強化についてでございますけれども、
まちづくり戦略ビジョンにおきましても、地域防災力が高く、災害に強いまちづくりを進めることとしておりまして、防災対策の総合的な推進は重要であると認識をしているところでございます。
札幌市では、地域防災計画の協議などの場として、ほとんど全ての局長職で構成いたします危機管理対策会議を平成20年度から設置しておりますが、この会議では、危機管理施策に関する各部局間の連絡調整や方針の決定、体制の充実強化なども行うこととしているところでございます。今後は、この会議をより有効に活用し、防災・減災対策の実施状況の点検、調整を行うなど、札幌市全体として防災・減災対策をより強く推し進めてまいりたいと考えております。
2点目の地域の
元気臨時交付金の活用の考え方についてでありますが、ご指摘のとおり、札幌市におきましては、市有施設の耐震化や老朽化への対応といった市民の安全と安心の確保に必要な対策が急務となっておりますが、その財源確保も課題の一つとなっているところでございます。今回の地域の
元気臨時交付金につきましては、単年度限りの措置ではありますけれども、地域で必要な事業を進めるための弾みになるものと受けとめておりまして、制度の趣旨を踏まえ、喫緊の課題であると認識しております単独事業のうち、追加実施、または早期着手が可能な工事等に活用することとしているところでございます。具体的には、防災・減災に資する事業として、各区土木センターへの非常用自家発電機の設置やアンダーパス冠水警報装置の設置設計などに充当し、さらに、インフラの予防保全として、老朽化した市有施設の保全工事や補助幹線道路等の舗装路面改良、いわゆるオーバーレイでありますとか、生活道路の改良工事などに充当したところでございます。
なお、3点目の学校非構造部材の耐震化対策につきましては、教育長からお答えをいたします。
次に、清田区のまちづくりと将来展望についてであります。
議員のご質問にもありましたように、清田区では、近年、良質な郊外住宅地の開発や、隣接する北広島市を含め、大規模な商業施設が立地するなど、各種の機能が徐々に集積されつつあるものと認識をしております。また、特に、清田地区につきましては、第4次長期総合計画におきましても、地域の日常生活を支える機能が集積する地域中心核の一つとして位置づけられておりまして、その機能を補完するための道路整備や土地利用計画制度の適切な運用などを鋭意進めてきたところでございます。
まちづくり戦略ビジョンでは、現在、その戦略編の中で都市空間に関する検討を進めているところでありますけれども、清田地区につきましては、引き続き地域における拠点として位置づけた上で、さらに機能向上を図る必要があると考えております。
また、
交通ネットワークに関しましては、平成24年に策定されました総合交通計画におきまして、清田は公共交通機能の向上を図る地域としての位置づけがなされており、今後とも、公共サービスの利便性の向上などについて、さまざまな観点から検討を進めてまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○議長(三上洋右) 秋元副市長。
◎副市長(秋元克広) 私からは、
コンパクトシティへの具体的な取り組みについて、高齢者の安全・安心を支える仕組みについて、要援護者支援の課題について、そして、地下鉄事業10か年経営計画について、4点お答えをいたします。
まず、
コンパクトシティへの具体的な取り組みについてお答えをいたします。
まず、持続可能な
コンパクトシティへの再構築につきましては、ご質問にもございましたように、成熟社会を支える都市づくりなどを背景とした理念であると認識をしております。また、低炭素社会や脱原発依存社会の実現という社会的要請に応えていく上でも、
コンパクトシティの理念は今後ますます重要になるものと考えているところであります。
まちづくり戦略ビジョンの案にもこうした考えを反映させておりまして、今後、引き続き策定を予定しております戦略編においても、この理念のもとに、持続可能な都市空間のあり方を位置づけ、質が高くエネルギー効率のよいまちづくりを総合的に展開をしていきたいと考えております。
次に、拠点整備や地域再生の具体的な取り組みについてでありますけれども、拠点におきましては、これまでも、再開発事業の実施や都市計画の緩和制度の適切な運用により機能集積を誘導してきたところであります。今後は、より積極的に土地利用更新の機会を捉えて機能集積を促していくため、民間事業者にとってどのような支援策が有効なのか、事業者の意向も踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
また、郊外住宅地につきましては、多様な地域課題に対応するため、もみじ台や真駒内地区において、地域とともにまちづくりを考え、身近な交流の場をつくり出すなど、地域再生に向けた取り組みを進めてきたところでありますけれども、他の地域におきましても、今後、その地域課題に応じてこのような先行事例を踏まえた取り組みを展開してまいりたい、このように考えております。
次に、高齢者の安全・安心を支える仕組みについてお答えをいたします。
1点目のあんしんコール事業の緊急通報システムからの見直しについてであります。
札幌市では、超高齢社会を迎えた中で、核家族化や地域のつながりの希薄化も進んでおり、ひとり暮らし高齢者や地域から孤立する高齢者はますます増加するものと見込まれております。これからは、このような高齢者の日常生活における安心感を高めていく仕組みをつくることが必要であり、このあんしんコール事業では、民間の受信センターに医療や介護等の専門職を常駐させ、緊急通報に加えて、健康生活相談に24時間体制で対応いたしますほか、センターの側からも定期的に電話による訪問を行い、利用者一人一人の状況を的確に把握し、心身の状況に応じたきめ細やかな対応を行うものであります。
また、対象者につきましても、85歳以上のひとり暮らしの方は心身の状態を問わないこととしますほか、介護保険の認定を受けている方を加えるなど、要件を緩和しますとともに、地域協力員の登録も必須ではなく、任意とするなど、高齢者の実情を踏まえた使いやすい制度といたしたいと考えております。
2点目のあんしんコール事業の高齢者施策の中での役割についてであります。
相談機能の充実によりまして、現行事業が担うもしものときの不安の解消に加えて、日常的な悩みや孤独感を和らげるなど、心身に不安を抱える高齢者の安心した在宅生活を支えるものであります。また、定期的な電話訪問は、町内会や民生委員などによる見守りの目が届きにくいマンション等に暮らす高齢者の見守りにも有効であり、よりきめ細かい福祉のセーフティネットの構築にもつながるものと考えております。
以上のことから、このあんしんコール事業は、住みなれた地域で安心して生活を続けられる環境づくりに役立つものとして、地域包括ケアの推進のために重要な役割を担う事業と考えているところでございます。
次に、要援護者支援についてお答え申し上げます。
1点目の要援護者に対する取り組みについてでありますが、白石区の姉妹孤立死を契機として、札幌市といたしましては、大きく二つの視点で取り組みを進めてきたところでございます。一つ目として、支援を必要とする可能性がある市民の情報を行政内部でしっかり共有できるようにするとともに、障がい者相談支援事業所等、関係機関との情報共有について再確認をし、連携を強化したところでございます。二つ目は、民生委員、児童委員による新たな知的障がい者に対する見守りのほか、民間事業者との連携に努め、漏れのない見守りや支援の仕組みの構築を進めてきたところでございます。
具体的には、生活に困窮している方が生活保護への相談につながるよう、ライフライン事業者との連携に努めるとともに、本年1月からは、市内全域において宅配事業を実施している民間事業者3社の協力をいただいて、高齢者、障がい者を対象に営業活動を通じた見守り体制の構築を図ったところでございます。今後も、行政ばかりではなく、広範な市民、事業者によるそれぞれの特性を生かした見守り・安否確認活動を推進し、これらの活動のネットワーク化を通じて、要援護者が孤立することのない複合的、重層的な支援の仕組みの構築に努めてまいりたいと考えております。
2点目の要援護者情報の提供についてでございますが、札幌市では、地域社会において高齢者が安心して日常生活を営むことができるよう、従来から、民生委員、児童委員に65歳以上の方の情報を提供し、状況を調査しますとともに、ひとり暮らしの方については定期的な巡回相談を実施してきたところであります。また、札幌市個人情報保護審議会での承認をいただいて、区社会福祉協議会及び地区福祉のまち推進センターに対しても、地域住民による見守り活動に資するよう65歳以上の世帯名簿を提供しているところでありますが、地域によりましては、関係者の情報の共有が難しいため、要援護者に対する見守り等の活動が進んでいない状況も見受けられるところでございます。
そこで、札幌市といたしましては、保健師等区役所職員が今まで以上に地域に赴き、民生委員と福祉のまち推進センター、町内会等との連携を図り、個人情報の取り扱いのルールや役割分担を明確にすることで、要援護者に対する情報が地域で共有できるよう支援に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、地下鉄事業の10か年経営計画についてお答えをいたします。
まず、地下鉄事業10か年経営計画の達成状況の評価についてであります。
交通局では、平成20年度に全駅実施となりました地下鉄駅業務の委託化などの効率化でありますとか、平成17年度から整備を進めております東西線と南北線でのホーム柵などの安全対策を局一丸となって展開してきたところでございます。これらの取り組みが実を結び、営業収支は8年連続で黒字を計上するなど、着実な経営改善につながったとともに、お客様により安全で快適に地下鉄をご利用いただけるようになったものと考えているところでございます。
次に、次期経営計画策定に当たっての目指す方向についてであります。
札幌市の交通事業は、今後もより安全な輸送サービスと経営の健全化に努めつつ、若者の自動車保有率の減少や超高齢化が進む社会の中で、より時代に合った利用者サービスや施設の改善など、新たな社会的要請にも十分応えていく必要があるものと考えております。特に、平成27年春には、路面電車において本格的なサイドリザベーションによるループ化が実現しますことから、都心のにぎわいの創出や経済、観光などの活性化にもつながることが期待されているところです。
そこで、次期経営計画の策定に当たりましては、地下鉄のみならず、路面電車も含めた両事業について、持続可能な経営と利用者の視点に立ったサービスの向上を目指してまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○議長(三上洋右) 北原教育長。
◎教育長(北原敬文) 私から、防災・減災ニューディールについての3点目、学校非構造部材の耐震化対策についてと教育問題についてお答えをいたします。
まず、防災・減災ニューディールについてであります。
学校非構造部材の耐震化対策についてでありますが、札幌市の小・中学校の非構造部材につきましては、教職員及び教育委員会による点検を全ての学校において実施しております。その結果、対策が必要とされたものは緊急修繕等により対応してきたところであります。避難場所となる体育館においては、札幌市では天井材は使用しておりませんが、照明器具につきましては、耐震補強工事や改築に合わせて対策を実施してきているところであります。体育館の窓ガラスにつきましても、今年度から飛散防止対策に着手いたしまして、平成25年度予算案にはガラス飛散防止対策費を新たに計上するなど、順次、対策を進めてまいります。
文部科学省においては、今年度作成予定の天井等落下防止対策の手引に続きまして、平成25年度には校舎等の非構造部材の耐震対策が示される予定でありまして、それらを踏まえて学校施設の非構造部材対策の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、教育問題についてであります。
まず、教員研修の充実についてでありますが、教育委員会といたしましては、これまで研修資料を提供するなどしながら、各学校における子ども理解等に関する研修を推進してきたところであります。今後は、子どもの悩みに気づき、支援につなげる意識や資質を涵養するための実効性のある研修の充実に努めてまいります。また、子ども同士の相互理解を深めるピアサポート等の研修を進めるとともに、管理職に対して、組織的にきめ細かに対応する学校体制の強化に重点を置いた研修を実施してまいります。
これらの取り組みを通して、全ての教職員の子ども理解や生徒指導に関する資質や指導力の向上に一層努めてまいりたいと考えております。
次に、体罰についてであります。
1点目の体罰の根絶に向けた取り組みについてでありますが、平成16年度から学校関係者以外の第三者を加えた体罰事故調査委員会制度を設置し、調査の透明性及び公平性を確保しているところであります。この制度や体罰に関する考え方を記載した資料を、毎年、各学校に送付いたしまして、体罰防止に向けた注意喚起を図っているところであります。
体罰も含めた不祥事防止につきましては、昨年7月に学校職員の懲戒処分に関する指針を策定いたしまして、全ての学校において周知と研修に活用し、教職員の理解と意識向上を図っているところであります。
2点目の体罰を起こした教員への再発防止に向けた指導についてでありますが、教員が体罰事故により処分を受けた場合は、校長から事後報告書を提出させて、処分後の勤務の状況や子どもとの関係などを正確に把握し、体罰の再発防止に努めております。さらに、教育センターにおいて研修を受講させるなど、二度と体罰を繰り返すことのないよう当該教員の指導力向上を図っているところであります。
私からは、以上であります。
○議長(三上洋右) ここで、およそ20分間休憩します。
――
――――――――――――――――
休 憩 午後2時30分
再 開 午後2時53分
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○副議長(大嶋薫) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
伊藤理智子議員。
(
伊藤理智子議員登壇・拍手)
◆
伊藤理智子議員 私は、日本共産党を代表して、予算並びに市政の重要問題について質問いたします。
最初は、上田市長の政治姿勢について質問します。
質問の第1は、総選挙の結果に対する市長の見解についてです。
昨年12月、総選挙で、自民党の比例区での得票は1,662万4,457票で、得票率27.6%、57議席、議席占有率31.67%です。小選挙区は、2,564万3,309票、237議席で、議席占有率は79%にもなっています。これは、定数1の小選挙区だから死に票が多数となったためです。政治を変えてほしいという国民の意思と議席数が大きく違う結果と思いますが、市長はどのようにお考えか、伺います。
また、選挙制度についてですが、4割の得票で8割の議席を占める小選挙区制における民意の反映について、どのように考えておられるのか、伺います。
質問の第2は、自公政権が進めようとする憲法改定についてです。
安倍政権の復活で、平和が壊されるのではないかと不安の声が上がっています。憲法改定について、自民に加え、維新の会やみんなの党も憲法改定に賛成の立場です。しかし、マスコミの世論調査では、憲法改定反対52%と過半数となっています。首相は、まずは憲法96条の改定について取り組むと答弁していますが、96条は改憲の発議要件を定めています。要件緩和を突破口に改憲へ突き進むのではないかと思いますが、市長の見解を伺います。
また、自民党の改憲草案は、国防軍創設など、9条改悪による海外で戦争をする国づくりを盛り込んでいます。日本は、アジアで2,000万人、日本で300万人もの犠牲者を出した侵略戦争の反省を踏まえて、二度と戦争をしない、軍隊は持たないと定めた憲法を掲げて国際社会に復帰しました。戦後67年間、戦争による犠牲者を一人も出さない世界でもまれな名誉ある地位を築いてきました。そのことが、紛争の防止や世界の平和的な秩序づくりに大きな役割を果たしてきたと思うのですが、市長はどのようにお考えか、伺います。
質問の第3は、景気、雇用に関してです。
深刻な不況を打開してほしい、雇用をよくしてほしい、国民の切実な願いです。これに応える経済対策が求められていますが、安倍政権は無制限の金融緩和政策、公共事業のばらまき、大企業応援の成長戦略など、3本の矢の対策で強い経済を取り戻すとしています。しかし、デフレ不況に陥った最大の原因は、働く人の所得が減り続けていることです。今やらなければならないことは、まず、国民の所得を奪う消費税増税などの中止をすること、次に、大企業、財界の身勝手な賃下げ、リストラを政治の責任でやめさせること、さらに、人間らしい暮らしを保障するルールの確立こそがデフレ不況から抜け出す道だと思うのですが、アベノミクスと言われる経済対策についての見解を伺います。
質問の第4は、石油高騰対策についてです。
灯油の価格は、この1月、1リットル当たり100円になり、さらに高騰し、暮らしを圧迫しています。北海道民主医療機関連合会は、介護サービスを利用する高齢者の暖房の調査をしていますが、白石区のひとり暮らしの男性は、室温が18度になると灯油のストーブを消し、1カ月の灯油代を1万円に抑えています。年金生活で、介護サービスも利用しており、家計が厳しいと答えています。高齢者や障がい者、母子世帯など、不安に思い、困難に直面しています。こんなときに、温かい手を差し伸べて支援するのが本市の役割ではないでしょうか。あったか応援資金、福祉灯油の実施をすべきと考えますがいかがか、伺います。
また、福祉施設や事業所への石油高騰に対する対策を講ずるべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の第5は、市営住宅家賃減免制度見直しについてです。
家賃減免制度見直しをしないでという議会陳情は、継続審査になっております。低所得者にとっては切実で、8割、7割減免の一番低いところに負担を押しつけています。187団体から陳情書も提出されていますが、そのうち市営住宅団地自治会から29件出されています。アンケートも続々寄せられ、家賃減免制度改悪やめてと、怒りがますます高まっています。弱い者いじめの家賃減免制度見直しをすべきではないと考えますがいかがか、伺います。
次に、2013年度予算案について質問します。
新年度の
一般会計予算は、本定例会で提案されている補正予算を加味すると8,686億2,800万円となり、今年度よりも104億7,900万円、1.2%の増となっています。このため、一般会計は、この5年間で、今年度を除いた4年間、ふえ続けていることになります。また、特別会計と企業会計を加えた全会計では、1兆4,737億3,000万円で、今年度よりも246億100万円、1.7%の増となっています。
歳入についてですが、市税は、2,701億円で0.5%の増、地方交付税は、900億円で8.1%の減、
臨時財政対策債は、過去最高の645億円で13.4%の増と、交付税が減った分、臨財債がふえています。全会計での市債残高は、1兆7,534億6,600万円と10年連続で減少させています。
歳出についてですが、建設事業費は、2010年度以来、増加に転じ、新年度一般会計で898億円、全会計では1,311億円と5.8%の増加となっています。他会計繰出金のうち、国保会計への繰り出しは、後期高齢者医療制度開始以来、過去最高だった2008年の261億円に比べ31億円減額の230億円へと減少しています。また、職員費は、過去最高だった1999年に比べ、296億円減額となる901億9,700万円です。退職手当は、国に倣って1人当たりの支給額を減らし、5億円の減額となる一方、退職者の増加で11億円ふえています。給与は、支給額の削減で、1億1,000万円減額、職員数を減らすことにより6億1,000万円の削減、さらに、年齢の高い職員が退職し、若い職員を採用したことと、教員の給与減額分を合わせ、10億9,500万円の減額です。
質問の第1は、職員費についてです。
職員に給与の減額や定数削減を押しつけることで、人件費を減額させているのです。労働組合は妥結したようですが、これ以上の賃金削減は、職員と家族の暮らしを厳しくするだけではなく、地域経済を冷え込ませる負のスパイラルとなるものです。職員給与の減額と地域経済の関係について市長の認識を伺います。
また、中期財政見通しでは、今後4年間の見通しとして、新陳代謝が進むとして、2016年度には新年度よりもさらに57億円の削減を見込んでいます。まず、市長も職員も、定年退職される方に敬意を払うべきです。ベテラン職員を邪魔者扱いするような新陳代謝という表現は失礼であり、やめるように申し上げておきます。
また、職員の平均年齢が下がることによって人件費が低下することを見越しているのであれば、これ以上、賃金の引き下げ及び職員定数の削減はすべきではないと思いますがいかがか、伺います。
質問の第2は、基金の有効活用についてです。
土地開発基金は、200億円で運用するとの方針ですが、新年度末の現在高見込みは636億3,700万円です。差し引き436億3,700万円は活用が可能ということであり、市民福祉のために活用すべきと思いますがいかがか、伺います。
本市が市営住宅の家賃減免制度を改悪し、3億5,000万円の値上げを低所得者に押しつけようとしていますが、この値上げの125年分に相当します。この基金は、新年度、現金を20憶円支消する予算を組んでいますが、これを23億5,000万円にすれば、新年度は市営住宅家賃を値上げせずに済みます。反対する低所得者に値上げを押しつける前に、基金を市民のために活用すべきだと思いますがいかがか、伺います。
質問の第3は、市民負担についてです。
市営住宅家賃減免制度の段階的引き下げで、新年度の値上げは8,776万9,000円を見込んでいますが、そのほかにも、ていねプールの子どもと高齢者に対する有料化で890万4,000円、川下リラックスプラザの障がい者の浴室利用の有料化などで441万8,000円、介護事業所の指定更新手数料を新たに徴収することで1,446万円などの負担増が予算計上されています。灯油やガソリン、野菜価格の高騰で市民生活が厳しくなっており、消費税増税が追い打ちをかけようとしているときに、本市がそれに輪をかけるような値上げ攻勢をかけることがあってはなりません。
市長は、現在の市民生活の厳しさについてどのような認識をお持ちか、お示しください。市民生活にかかわる値上げは撤回すべきと思いますがいかがか、伺います。
質問の第4は、福祉と中小企業、雇用対策中心の予算への転換についてです。
今後の社会構成は、一層、高齢化が進みます。高齢者が長寿を喜び、生きがいを持って暮らしていける社会の支えが求められています。また、体に不自由なところがあらわれても、それを補う介護を受けながら、ゆったりとした時間を楽しめる社会に向かって、本市も姿を変えていく必要があります。特別養護老人ホームの待機者がふえ続け、昨年12月現在で6,577人にもなっている現状からの転換が必要です。特養ホーム、グループホーム、高齢者向けの住宅と在宅介護の組み合わせなどを充実させることや、孤立と貧困から市民を救う事業に加速度的に取り組まなければならないものと考えます。新年度予算編成に当たり、高齢者対応や介護についてさらに充実強化をすることが必要だと思いますがいかがか、伺います。
予算編成に当たり、各局から要求が出され、それを財政局が査定し、さらに、市長が最終査定を行った上で予算案として議会に示されますが、その経過を明らかにしたことは、市政の透明化と市民と議会に対する透明化、そして、市政への関心と信頼感を高めるものとは思いますが、市長の査定は財政局の査定をそのまま受け入れているものが多く、市長としての存在感や独自性の発揮が期待されているのではないでしょうか。孤立と貧困から市民を救い、中小業者の営業と雇用対策にもっと本腰を入れて取り組むべきだと思いますがいかがか、伺います。
次に、
児童心療センターについて質問します。
質問の第1は、
複合施設化計画についてです。
第4回定例会で、現場の医師との意見の食い違いがあるままで新しい複合施設をつくろうとしても、後任の医師の確保は極めて難しいことを指摘し、一度立ちどまって関係者の合意形成を進めることを求めました。当時の渡部副市長は、組織目標の共有化が不十分であったと答弁しながら、現場スタッフに説明して計画を進めてまいりたいと計画を進める旨を述べました。その後、市長は、12月13日の定例記者会見で、施設の複合化そのものへの批判はない、新しい組織にするという点は一致していたが、熟していなかったと発言しました。
目標の共有が不十分で、熟した議論もされていないのに、施設の複合化を進めるための予算として15億9,000万円が計上されています。複合施設化を進めれば、現場では、どこにどのくらいの施設スペースを確保するのかという議論に集中することになり、一番大切な、どのような理念を持つのか、どういう役割を果たす医療機関とするのか、その実現のためにどのような仕組みをつくるのかという議論が置き去りにされる懸念があります。
市民団体からは、第二かしわ学園、知的障害者更生相談所などを安易に統合せず、現
児童心療センターを児童の診療を中心とする専門性の高い医療・福祉施設とすることなどを求めた要望書も昨年12月に出されています。理念や目標の共有が不十分でも複合施設化は進めるというやり方は、本末転倒と言わざるを得ません。配置される医師が減るとの報道もされましたが、現場は患者の転院や引き継ぎ業務なども加わり、混乱しています。
そのような状況で
複合施設化計画を強引に進めることはやめるべきです。副市長がやめ、あとは全て計画どおりに進めようとお考えなのではないですか。スケジュールどおりに複合施設化を強引に進めることは、今後の
児童心療センター機能に影響することから、一旦、踏みとどまるべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の第2は、医師の確保と当面の診療体制についてです。
ある児童福祉施設からは、緊急な対応が必要になったとき、24時間対応で入院できる
児童心療センターはとても心強い、我々民間ではできないことですとの声が出されています。残る医師1名と本市の医師の内部異動が2名と新聞報道されましたが、改めて、現時点での見通しはどうなっているのか、病棟や診療体制の縮小はあってはならないと思いますが、当面どのような見通しか、お示しください。
質問の第3は、
児童心療センターが果たす今後の役割の認識についてです。
障がいを持つ子どもや児童虐待の早期発見、対応システム、思春期、青年期にある子どもたちの医療、相談支援システムをどのようにつくるのか、市内にある民間の子どもの心に対応する病院とどのように役割を分担しながら相互に連携していくのかなど、
児童心療センターの果たすべき役割は一層求められています。こうした機能を持つ
児童心療センターを何としても維持・発展させていくべきだと考えます。今は、専門医師確保の見通しがないために、診療体制の縮小などの対応が求められる状況ですが、将来にわたって縮小したまま固定化させてはなりません。子どもの心や発達にかかわる公立病院として大きな役割を果たすべき施設と考えますが、市長は、
児童心療センターが今後どのような病院であるべきだとお考えになっていますか、存続させ、発展させる意思がおありか、伺います。
質問の第4は、この問題に深くかかわった前副市長の処遇についてです。
渡部前副市長は、1月末で退職されました。乳幼児健診の民間委託化を進めようとして、小児科医会からの不信を買い、
児童心療センターでは、今年度末に4名もの医師が一遍にやめるという事態を招いた上に、医師の確保ができる見通しであるかのような発言をするなど、本市に混乱と不信を招きました。900万2,200円の退職金を受け取って退職されたそうですが、今後、本市の関連団体に天下ることは到底許されないことと思いますがいかがか、伺います。
次は、生活保護基準引き下げと貧困の問題についてです。
質問の第1は、憲法第25条に規定されている国民の生存権についてです。
安倍内閣は、1月29日、2013年度予算案を閣議決定しました。軍事費を400億円増額する一方で、2013年度から3年間で生活扶助費の基準額を670億円削減し、さらに、年末に支給する1人1万4,000円の期末一時扶助金も70億円カットし、総額で740億円削減することを決めました。生活保護費を削減することによって、96%の生活保護受給者が影響を受けます。引き下げが実施されれば、都市部の40代夫婦と小・中学生の4人世帯の場合、現在より月2万円の減額になります。1月18日に厚労省で開かれた生活保護基準を検証してきた社会保障審議会でさえ、とりわけ、貧困の世代間連鎖を防止する観点から、子どものいる世帯への影響にも配慮する必要があるとして、慎重に配慮するように求めています。
今でさえ、焼き肉を食べたいと思っても、焼き肉のにおいがしたらぜいたくをしていると思われそうで食べられないと、近所の目におびえながら生活し、冠婚葬祭や親戚や友人とのつき合いも我慢して生活しています。子育て世帯は、月2万円も減らされたら、食べ盛りの子どもたちなのに、これ以上どこを切り詰めたらいいのか、成長が早いので、衣類や靴など次々と買いかえなくてはならないのにどうしたらいいのか、修学旅行の積み立てもできなくなってしまうなどの切実な声が上がっています。
ある調査によると、生活保護世帯は、教養娯楽費にはほとんどお金をかけることができず、潤いのない暮らしを余儀なくされ、食べていくだけでやっとの切り詰めた生活をしています。生活保護基準が引き下げられると、今まで生活保護を受けていた人でも受けられなくなる人が出てきます。さらに、引き続き生活保護を受ける人は、保護費が引き下げられてしまうと、憲法第25条でうたわれている健康で文化的な生活はもとより、生存権にかかわる重大な問題だと考えますが、市長はどのように受けとめているのか、ご見解を伺います。
質問の第2は、生活保護を受けていない国民に与える影響についてです。
生活保護費が削減されれば、影響を受けるのは受給者だけではありません。生活保護基準の引き下げによって住民税の非課税基準が引き下げられると、今まで非課税世帯だったところが課税になる世帯も出てきます。課税世帯になることで、介護保険利用料、保育料、市営住宅家賃減免制度などの公共サービスの値上げに連動します。また、北海道の最低賃金は生活保護の基準を下回っており、最低賃金を引き上げることが必要ですが、最低賃金は生活保護費を下回らないようにとの考え方であり、今回の引き下げによって最低賃金の引き下げが懸念されます。影響を受ける対象が、子育て世帯から労働者、高齢者と全ての世代にわたる大改悪だと考えますが、市長の認識を伺います。
質問の第3は、本市就学援助制度に与える影響についてです。
本市の就学援助制度の認定基準は、生活保護基準の1.1倍となっており、生活保護基準が引き下げられることによって就学援助制度の認定基準も引き下げられることで、今まで受けられていた人が受けられなくなるのは問題だと思いますがいかがか、伺います。
子どもの教育を受ける権利を侵害することがないように、影響を受ける世帯には就学援助が切られないように措置するべきと考えますが、市長はどう対処されるのか、伺います。
質問の第4は、貧困と孤立防止対策についてです。
ライフラインにかかわる民間会社との連携についてです。
先日、札幌市議団に市民から相談の電話が入りました。その内容は、「12月、1月のガス料金を滞納していて督促状が来ましたが、お金が手元に入るのが1週間後になるため、それまでガスをとめないで待ってほしいとお願いしましたが、だめだと言われました。家はガス暖房なので、とめられると困ります。何とかならないでしょうか。」との相談でした。この方は、3人暮らしで、本人は障がい4級で、設計の自営業で、収入は不定期です。妻は、重度の障がい1級で車椅子生活をしていること、30代の息子は失業中です。車椅子の妻には寒さがこたえるようで、ガス暖房を使わないというわけにはいかないとのことでした。北ガスは、最終期限日を過ぎていますのでガスの供給を停止します、会社の方針ですとの回答でした。最終期日が過ぎていても、水道局や北電は、いつ納入できるか約束すると停止を一旦とめるなど柔軟に対応してくれますが、北ガスだけは、会社の方針の一点張りでかたくなな姿勢は問題です。
1年前、白石区で姉妹孤立死事件がありました。ガス暖房がとめられる中で、姉は病死、妹は凍死したのです。その悲劇を二度と繰り返さないことが、本市と市民の決意ではないでしょうか。厳しく冷え込むこの冬に、ガス暖房をとめることは、生命に直結する重大問題です。北ガスは、ライフラインであり、公共性が強い企業ですから、住民本位の柔軟な対応が求められていると思いますが、いかがお考えになりますか。
滞納の督促状を出すときには、生活相談窓口や貸し付け制度があることなどを書いたチラシを一緒に入れてもらうこと、支払いを待ってほしいという電話があった場合、相手の立場に立った対応をすること、生活が困窮状態にある場合には相談窓口を紹介するなどの対応を行うべきであると、北ガスに強く働きかけるべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、防災計画について質問します。
避難場所基本計画検討委員会の委員は、13名中半数以上が女性であり、福島大学のうつくしまふくしま未来支援センターで復興を中心に調査研究、実践に取り組んでいる方、障がい者団体や障がい者施設に勤務する方、町内会、福島の被災地にみずからも参加し、ボランティア派遣に取り組んでいる学生、小学校の教頭先生などで構成されており、それぞれの経験を含めて実践的な意見交換を経て素案が出され、年度内に基本計画を策定するものです。
基幹避難所の運営については、別途、マニュアルを定めるとしています。従来は備蓄物資の配置は拠点方式が効果的などとしていたことを改め、素案では全ての基幹避難所に備蓄物資を配備すると前進しました。要支援者対策、生活環境改善、女性の視点なども盛り込まれていますが、委員の発言の中で重要と思われることで素案に取り入れられなかったことを含め、提案を交えて質問します。
質問の第1は、基幹避難所の備蓄物資配置の期限についてです。
空き教室への備蓄物資の配備は、2年後に完了の予定です。90校は耐震プレハブを建て、配置することになっていますが、これについても期間を切って配置すべきですがいかがか、伺います。
質問の第2は、避難者が小・中学校まで行けないとの声に応えていないことについてです。
幾人もの委員から、避難所について、障がいを持っている者は近くがよい、学校へ行く途中に坂道があり、年寄りは大変、小学校までの距離が長過ぎるなどリアルな状況を語り、学校以外の避難所を求めていましたが、素案にはそれらの要望に応える内容が盛り込まれていません。日常的に援護が必要な世帯、人数や高齢者、障がい者が避難できるかなどの状況を掌握しておく必要があります。実際に避難が必要になったなら、協力を得なければならない町内会等の情報も得て、小・中学校までの避難路の点検などを実施し、基幹避難所以外に避難所が必要なところはどこか、避難所になり得るところがあるのかどうかなどの調査に着手し、今後の対策強化に役立てるべきと思いますがいかがか、伺います。
質問の第3は、いわゆる地域避難所についてです。
検討委員会の中で、事務局は、会館、寺院などの収容避難場所は住民からの要望等で指定している、避難所として本当に機能できるかどうかは抜きにして指定しているとか、現状は崩壊、浸水の可能性のあるところも災害の種類によっては使えるだろうと指定していると説明していますが、市民の安全を守る上でこれでいいのでしょうか。
1点目は、既に指定している施設についてです。
施設の場所は、行政区マップ、地震や水害のハザードマップ、市のホームページなどで市民に知らされることになっています。しかし、それぞれ大変複雑です。行政区マップを見ても、地図に印がついているだけがほとんどで、施設名を記載しているのはわずかで、わかりづらいものです。施設によっては、地震ハザードマップに記載されていても、水害ハザードマップでは、1階部分が浸水する可能性があるものは記載されていません。耐震強度についても、震度7に対応できるものもありますが、震度5程度のものもあります。どのマップにおいても、どの施設がどの程度の強度を持っているのか、明らかではありません。指定している施設が耐震、水害のどちらにも対応しているのか、浸水の危険性、施設の強度などが一目でわかるように改善すべきではないでしょうか。避難時に瞬時に判断、混乱を最小限にするためにも、該当する地域の家庭に避難所カードを配付し、居間、玄関などに張り出しておいてもらうなど検討すべきと思いますがいかがか、伺います。
2点目は、地域避難所の増設についてです。
現在は、住民からの要望等で指定していますが、特に高齢者、障がい者にとっては切実です。学校までの距離と水害、川の氾濫の可能性、崖崩れの危険性、坂道の有無、施設の耐震化状況、運営についてなどを町内会など地域団体と相談の上、必要なところには積極的に地域避難所を設ける方向で検討すべきと思いますがいかがか、伺います。
3点目は、備蓄物資の配備についてです。
住民からの要望等で指定しているとはいえ、指定する以上、毛布、寝袋、水、食料、発電機など最小限の物資と機材を配備すべきです。道路が瓦れきでふさがれ、車を利用できない場合でも、人力で基幹避難所から運ぶと言っていますが、相当な時間を必要とします。したがって、指定した避難所には最初から最小限の物資を配備するように検討を開始すべきですがいかがか、伺います。
質問の第4は、避難場所運営訓練についてです。
避難所の開設、運営について、委員会の中でも、福島の委員や教頭先生、委員長などから、役割を持った人が三重、四重に、いろいろなパターンの動きを二重、三重に、職員の問題、地域の方々の問題、学校と地域の関係性など、単なる場所、施設、体制でなく、体制づくりをふだんからしていく訓練などと、その重要性について議論されていました。また、事前の訓練が必要、訓練でわかるなど、幾人からも訓練の重要性が強調されていました。基幹避難所については、各学校周辺に住む6名の職員を配置し、夜間、休日でも駆けつけ、安全性や備蓄物資を確認するように訓練も行っているとのことです。誘導、指示、名簿作成などたくさんの仕事があるため、マニュアルのもとに訓練を重ねることで、施設ごと、地域ごとの課題、必要な仕事と人員も明らかになります。
ところが、避難所運営研修は、これまでの全区で1カ所のみをふやすとはいえ、年に各区1カ所の計画にとどまっています。最も学校数が多い北区で、小・中学校全てを避難所にした場合、特定の学校で訓練が行われるのは43年に1回だけです。訓練の内容、規模を画一的にする必要はありませんが、町内会等とも協議し、訓練回数を大幅に拡大することが必要と考えますがいかがか、伺います。
質問の第5は、札幌市地域防災計画(原子力災害対策編)の策定についてです。
これは、国の災害対策基本法及び北海道の地域防災計画(原子力防災計画編)に基づき、泊発電所で生じる災害対策に関する計画を策定するもので、具体的な実施計画または実施要領等は別途定めるとしています。原発は、本質的に未完成な技術であり、いかに防護措置を講じたとしても、事故が起こる危険性があり、一たび事故が起これば、いかなる防災計画を立てようとも、放射能汚染による被害を完全に防ぐことはできません。
1点目は、計画策定の大前提についてです。
我が党は、原発ゼロ、泊原発の再稼働を許さない立場で繰り返し代表質問を行い、市長から前向きな見解が表明されています。計画策定に当たって、市民の命と健康を守る立場から、泊原発の再稼働をすべきでないという本市の立場を明記すべきと思いますがいかがか、伺います。
また、いかなる安全神話も許さず、市民の命と健康を守る立場、決意を記載すべきと思いますがいかがか、伺います。
2点目は、約50キロメートルという線引きをやめることについてです。
素案では、本計画の前提とする被害想定は、福島市が受けた放射性物質による汚染規模を基本としつつ、最大規模として、泊発電所から約50キロメートル以内の市域が計画的避難区域に指定される程度の汚染規模とすると線引きを行っています。今から福島規模と断定するのではなく、福島を上回る規模の事故、放射能汚染が起こり得る可能性があることを前提に、約50キロメートルという線引きをやめるべきであると考えますがいかがか、伺います。
次は、官製ワーキングプアと公契約条例についてです。
質問の第1は、指定管理者及びそれ以外の市有施設で働く労働者、とりわけ清掃、警備業務の実態についてです。
このほど、労働団体で行った実態調査から、本市の施設清掃、警備業務などの労働者の厳しい労働実態が明らかになりました。回答を寄せた労働者の77%が賃金を時間給で決められていて、最低賃金ぎりぎりの720円と719円で70%を占め、そして、最低賃金以下の時給である710円、705円が10%もいて、法律違反があると報告されています。福祉施設で働く60代の男性は、昨年の調査で時給は705円で4時間勤務、夏、冬の一時金は1万円と回答、体育施設で働く40代のパート労働者は、時給710円、1日5時間半、月15日の勤務で、一時金はなし、雇用保険、社会保険には加入していません。ある文化施設で働く30代の契約社員は、月23日の勤務で、手取りが12万円、夏、冬の一時金は合わせて1〜2カ月分など低賃金、不安定です。正規職員が減少し、非正規職員がふえたことが民間の調査で明らかになっています。
市民の生活や文化、健康を支える施設で働く労働者が厳しい労働実態に置かれていることをどのように認識していますか。管理者を指定している本市の責任は重大です。
本市は、区民センター、体育館、公園、老人福祉センター、児童会館、市営住宅など417施設で指定管理者に維持管理等を委託しています。指定管理者の場合は4年ごと、それ以外の業務委託は1年ごとに入札で委託先が決まるため、業務を落札した事業者が入れかわり、労働者の雇用は新規落札業者に引き継がれることもあります。その場合、施設では何年間も働いているのに、会社での勤続年数は1年という労働者も少なくありません。時給には、能力や熟練度に見合った昇給もありません。委託会社がかわるたびに1年目社員という扱いになるため、法律は最初の6カ月間は有給休暇がとれないことになります。4月から9月まで有給休暇がないということは、夏休みを家族と一緒に過ごすこともできない、お盆休みもない、子どもや家族が病気になっても看病もできないということが繰り返されるのです。また、入札のいかんでは、雇用自体が脅かされることにもなりかねません。今度の入札はとれるかな、それとも失業と、毎年、心配しているとの声も寄せられています。次の業務委託が受けられない場合は、その職場の職員のほとんどを解雇せざるを得ない状況もあると言います。指定が受けられなかった場合の雇用の継続についても実態調査すべきと思いますがいかがか、伺います。
このような状況を改善すべきだとお考えになりませんか。本市がみずからワーキングプアをつくり出していることになると思いますが、いかがか。
また、発注者として、本市が実態調査をするべきではないですか。違反是正はもとより、生活できないような低賃金や過酷な労働実態があった場合には、事業者に対して必要な是正や指導、勧告を行い、労働条件の改善と働く者の不安の解消を図るべきと思いますがいかがか、あわせて、市有施設の管理運営をする指定管理者が再委託している下請業者、労働者に対しても本市が責任を持って実態調査を行い、指定管理者への指導、必要な是正を行うべきと思いますがいかがですか、あわせて伺います。
質問の第2は、指定管理者制度そのものの問題点についてです。
昨年の決算特別委員会での答弁では、市民サービスの向上と効率的な施設運営を図ることを目標にしているので、どう労働条件の改善とのバランスをとっていくのか難しい課題だと認識しているとのことでした。指定管理者からは、4年間という指定期間が長期的視野に立った運営方針や職員育成等の計画の策定の弊害になっている、事業内容よりも金額を重視しており、指定管理期間の提案のたびに内容を増加しつつ、金額を下げることを求められ、指定期間内のことばかりにとらわれ、長期的な計画が困難などの声があります。
そもそも、官から民への流れの中で、競争原理を働かせればサービスが向上するという考え方が成り立たなくなっています。本市においても、一斉更新をする2014年度に向けて、現状の問題点を明確化し、次期選定のあり方を見直すべきと考えます。単なる価格競争に終始すべきでなく、市民サービスを向上させ、なおかつ、そこで働く労働者の処遇を改善するためにどのような方策を講じるおつもりか、伺います。
指定期間が長くなれば安定した雇用につなげることはできますが、一方では、業務の質についてもチェックが求められます。市民サービスの低下につながらないように、当初の雇用契約や事業計画が履行されているかなどの定期的なチェックが必要となります。施設の設置目的や実情等を踏まえて、管理期間を柔軟に定めるべきと思いますがいかがか、伺います。
質問の第3は、保育士の処遇についてです。
先ごろ、厚生労働省が、私立保育所に勤める保育士の給与を4月から引き上げる方針を固めました。安心こども基金を活用して、最大月額1万円の給与上乗せを図る内容ですが、具体的な額についてはそれぞれの保育所事業者の裁量に任されることになります。本市として、全ての保育所で全ての職員が1万円の給与増となるように指導を徹底すべきですがいかがか、伺います。
また、安心こども基金の継続、拡充を強く国に求めるとともに、本市独自でも保育士の処遇改善策を行い、深刻な保育士不足を解消するための抜本的な対策を講じるべきですが、いかが対処なさるおつもりか、伺います。
質問の第4は、公契約条例についてです。
公共サービスにおいては、安定した雇用が基本であり、公務員であれ、民間労働者であれ、希望する期間、その仕事に従事し、熟練と専門性によってサービスの質を確保し、高めていくことを可能とするべきと考えます。とりわけ、官製ワーキングプアの解消には、公契約条例の一日も早い制定が求められています。公共工事など公の契約において人間らしく働ける賃金を保障することは、工事においては良質な工事を保障することになります。全国的にも条例制定の動きが広がっています。既に、野田市、川崎市、多摩市、相模原市、国分寺市、東京都渋谷区、厚木市では制定され、適正な発注額や委託費によって適正な賃金、労働条件が整備されつつあります。それにより、市民に対する質の高い公共サービスが確保される道筋がつきました。さらに、官公需による税金の循環で、経済や雇用に対する波及効果が大いに期待できるとされています。
現在、2013年度に条例制定を目指している東京都足立区では、2010年に行われた公契約を考える足立のつどいに区民220人が集まり、区議会全会派から13人の議員が参加、自由民主党の区議は、売り手よし、買い手よし、世間よしの経営理念が自治体の契約の中でも必要ではないかと思っている、業者、働く者、区民の笑顔を取り戻すために奮闘したいと述べています。さらに機運は高まっており、区民と一緒に議論を深めようと、自民党、公明党、民主党、みんなの党と日本共産党が連携しています。
本市では、業界団体との協議や建設工事を対象としたモデル事業を行っているところですが、まず、現状での各業界団体の反応はどのようなものであるか、また、モデル事業の中間的な総括や新たな検証課題についてお聞かせください。
現在のモデル事業では、1億円以上の工事が対象であり、本市条例案では5億円以上の工事を対象としていますが、全ての公共工事に適用すべきと思いますがいかがか、さらに、プラント工事や業務委託に関しても全てを対象にすべきですがいかがお考えか、伺います。
本市が発注する仕事は地元企業を優先すると定めることで、地域内で経済が循環して地域活性化につながると考えます。その実効性を高めるためには、賃金の底上げを図らなくてはなりません。現段階では、作業報酬の下限額は、農林水産省と国土交通省による2省単価、すなわち工事であれば公共工事設計労務単価を、業務であれば建築保全業務労務単価を基準として、80%から90%を想定してスタートさせようとしていますが、2省単価それ自体が下がり続けている現状から、適正な賃金を保障するため、本市として100%実施で始めるという確固たる方針を持つべきと思いますがいかがか、伺います。
さらに、作業報酬審議会のメンバー選定に当たっては、現場の賃金の実態を具体的に反映させるため、各分野の労働者の代表や現場をよく知る学識者などを加えるべきと思いますが、いかがお考えになりますか、伺います。
最後に、白石区の学校建設についてです。
質問の第1は、北白石中学校の施設整備を行う上での配慮についてです。
学校は、子どもたちが一日の大半を過ごす場所であり、安全で快適に過ごせる環境が求められます。昨年9月に新校舎が完成した北白石中学校では、4階まで吹き抜けになっているホールがあります。合唱の練習をする場合は音がよく響くので教育的効果は高まるよい面がある一方で、4階から子どもたちが身を乗り出したり物を落とす危険があるなど安全面で心配があります。せっかくの吹き抜けをシャッターで閉鎖し、今後、安全対策を行う予定にはなっていますが、設計に当たる専門家は、学校で子どもたちがどのように生活し、教育環境がどうあるべきかなど、現場の声をよく聞いて専門家としての目で子どもたちをよく観察して設計に取り組むべきです。
今後、学校の増改築を行う場合、教訓にすべき問題ですので、本市として、小・中学校の施設が老朽化によって建てかえを行う場合、どのような基準で設計者を決めているのか、教育現場の声を酌み取るような配慮がされているのか、明らかにしてください。
質問の第2は、降雪量の多い地域の施設建設についてです。
昨年からことしにかけて、降雪量が例年よりも多く、学校現場では除排雪に大変苦労しています。一般的なデザインの校舎では、屋根に雪が積もり、雪庇が伸びたら危険がないように落としますが、北白石中学校のデザインは2階、3階、4階と各階ごとに段差がある設計になっているため、屋上の屋根以外にも雪が積もるため、除雪が大変です。今後、学校現場の要望を聞き、どういう支援ができるか、教育委員会として検討していくべきと考えますがいかがか、伺います。
また、これから本市で整備していく小・中学校について、雪の多い地域として冬場の積雪状況を考えた設計の配慮が必要だと思いますが、どのように対応していくのか、今後の改善策をお示しください。
以上で、私の質問の全てを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(大嶋薫) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 7項目ご質問がございましたので、私からは、政治姿勢についての問題と新年度予算につきまして、それから、
児童心療センターの一部についてお答えをさせていただきます。その余は、担当副市長並びに学校改築、建設につきましては教育長から答弁をさせていただきます。
私の政治姿勢ということで幾つかお尋ねでありますが、選挙制度に対する市長の見解ということでございます。
選挙制度は、国民の投票の権利というものを保障するという民主主義の根幹にかかわる極めて重要な問題でございます。国民の意思や思いというものを国政にしっかりと反映させることが極めて重要であるというふうに認識しているところでございます。したがいまして、選挙制度のあり方につきましては、国民的議論と、あわせて、国権の最高機関でございます国会の場で深く議論をされるべきもの、このように考えております。
自公政権が進めようとしている憲法改定についてということでございます。
憲法9条というのは、ご指摘のように、我が国が世界に誇り得る極めて崇高な理念を規定したものでございまして、その精神は世代を超えて受け継いでいかなければならないもの、このように考えております。これを尊重していくべきだというのは、これまで繰り返し私の見解として述べているところでございます。
憲法の改正につきましては、その手続も含めまして、手続規定であります96条そのものも憲法でございます。いろいろな考え方があるということは承知しておりますが、国民的な議論を踏まえつつも、慎重な対応が必要である、このように考えております。
景気、雇用につきましてお尋ねでございます。
国の経済対策は、緒についたばかりでございます。その効果や持続性についての見きわめというものが必要でありますが、札幌市といたしましては、国の経済対策を積極的に活用した予算編成を行ったところでございます。
石油の高騰対策でありますが、1点目のあったか応援資金、福祉灯油についてでございます。
あったか応援資金及び福祉灯油につきましては、仮にこれから準備にかかったとしても冬期間の需要期を経過してしまうことなどから、実施は難しいと考えております。一つの部屋や場所に集まり、暖かさを共有するというウオームシェアなどに取り組むことで、灯油の節約というものを図りまして何とかしのいでいただければと、このように思っているところでございます。
2点目の福祉施設や事業所への石油の高騰に対する対策につきましては、福祉施設への対策として、1点目と同様に実施は極めて難しいのでありますが、事業所への対策につきましては、中小企業者に対する資金繰り支援策といたしまして景気対策支援資金を用意しておりますほか、札幌中小企業支援センター等、各種支援機関が経営相談を行っているところでございます。
市営住宅の家賃減免見直しについてでございますが、家賃減免制度につきましては、札幌市住まいの協議会におきましての審議結果も踏まえまして、低額な所得の世帯であっても収入や受益に見合った適正な負担になるように、平成25年4月から改定をさせていただきたいと考えているところでございます。見直しに当たりましては、入居者のアンケートで寄せられました意見なども考慮して、激変緩和の期間を4年間にするなど一定の配慮をさせていただいたこともご理解をいただきたい、このように思っているところでございます。
2点目の2013年度の予算案についてでございます。
職員費についてご質問でございますが、2点まとめてお答えをいたします。
勧告に基づく職員給与の引き下げ等による地域経済への影響を懸念するという声もあることは承知をしておりますが、市民の信頼を得ながら行政運営を行っていくためには、市内民間企業と均衡した適正な給与水準を維持するということが必要だと考えます。一方で、地域経済対策として、平成25年度予算及び平成24年度補正予算においても地域経済の活性化に資する事業予算を計上するなど、継続的な取り組みを行ってきているところでございます。今後におきましても、厳しい財政状況を継続するということが見込まれる中にありまして、引き続き適正な給与水準の維持と行政需要を見きわめた定員管理に努めてまいりたい、このように考えております。
基金の有効活用についてでございますが、基金は市民の限りある貴重な財源でございまして、財政効果が当該年度のみに限られるものでありますことから、この条例に定めた設置目的の範囲の中で取り崩しが過大にならないように留意しながら、平成25年度予算においても有効に活用をさせていただいているところでございます。
次に、市民負担についてということでございますが、厳しい雇用情勢や景気の先行きの不透明感などから、市民が少なからず将来に不安を抱いているということは、私も認識いたしております。一方で、市税収入の伸び悩みや社会保障費の増加など、財政運営はより厳しさを増してくるものと見込まれますことから、当面の財源不足を解消することにも増して、将来にわたって持続可能な財政構造というものに転換をしていくということが重要でございます。
したがいまして、行財政改革推進プランに掲げております、一定水準を超えて減免をしております料金の見直しや、あるいは、サービスアップに伴う経費確保のための見直しにつきましてはやむを得ないもの、このように考えているところでございます。
福祉と中小企業、雇用対策中心の予算への転換についてということでのご質問でございます。
平成25年度の予算編成に当たりましては、ご質問のあったような地域の福祉施策や、あるいは、経済の活性化に関する取り組みということを中心に拡充するべきだと考えて、そして、限られた財源の中ではありますけれども、介護などの高齢者福祉施策や中小企業、雇用といった分野にも十分に取り組んでいるものと考えておるところでございます。
児童心療センターのご質問の中で、前副市長の処遇についてということでご質問でございました。
本市を退職された後のことについては、ご本人の考えによるところでありますけれども、お尋ねにあるようなことについては、ご本人としても想定をしていないものと考えております。
以上でございます。
○副議長(大嶋薫) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私から、防災計画と官製ワーキングプアの2点につきましてお答えを申し上げます。
まず、防災計画についてでございます。
1点目の基幹避難所の備蓄物資配置の期限についてでございますけれども、来年度、避難場所基本計画を受けて実施プランを策定し、その中で余裕教室やプレハブ型倉庫への物資の配置スケジュールを立てる予定でございます。
次に、2点目の新たな避難所の必要性についてでございますけれども、小・中学校などの基幹避難所は、市内のほぼ全域で徒歩圏内に分散配置をされております。また、地域避難所は、基幹避難所を補完するものであり、今後も、地域からの要望があり、要件を満たせば指定をしてまいります。
3点目の地域避難所についてでございますが、一つ目の避難所カードの配付についてでございます。
みずからの安全はみずからが守るが防災の基本であり、どのように避難するか、各家庭で事前に確認し、避難場所や連絡先を記入したカードを作成することなどを、広報さっぽろや各種パンフレット、ホームページで啓発しているところでございます。
二つ目の地域避難所の増設についてでありますけれども、先ほどもお答えいたしましたとおり、今後も要件を満たせば指定をしてまいります。
三つ目の備蓄物資の配置についてでありますが、検討委員会での検討結果を踏まえまして、限られた資源を効果的に活用するために、全ての基幹避難所に備蓄物資を分散して配置することを基本としたものでございます。
なお、徒歩距離で2キロメートル以内に基幹避難所がない地域避難所には、特例として備蓄物資を配置することとしております。
4点目の避難場所運営訓練についてでございます。
今回の基本計画案におきましては、地域の防災力を高めるよう、日ごろから、行政と地域が一緒に避難所開設、運営研修の取り組みに努めるとしているところでございます。市職員、教職員及び地域住民などの多くの方々が参加し、より実践的な研修とするため、今後とも実施回数及び内容の拡充を図ってまいりたいと考えております。
5点目の札幌市地域防災計画(原子力災害対策編)の策定についてでございます。
一つ目の計画策定の大前提についてでございます。
本計画は、防災対策基本法に基づき、泊発電所の稼働の有無にかかわらず、原子力災害の発生に備え、地域防災計画として策定するものでございまして、計画の目的には原子力災害から市民の生命、身体及び財産を守る旨を明記したところでございます。
二つ目の約50キロメートルの線引きについてでございます。
本計画における被害想定といたしましては、さきの福島第一原発事故の被害状況を踏まえまして、市全域においては福島市と同程度の被害を基本とし、泊発電所から約50キロ圏内の市域につきましては、原発から約30から50キロメートルに位置する飯舘村と同程度の汚染規模を想定したところでございます。
次に、官製ワーキングプアと公契約条例についてであります。
まず、指定管理者及びそれ以外の市有施設で働く労働者についてであります。
1点目の市有施設で働く労働者の労働実態の認識についてでありますけれども、昨今の厳しい経済情勢を背景に、経済活動全般で雇用環境が大変厳しい状況であり、この状況は指定管理者施設等においても同様であると認識をしております。
2点目の労働者の実態調査と事業者に対する指導につきましては、まとめてお答えをいたします。
指定管理者が変更になった際の雇用の継続につきましては、実態調査は行っておりませんけれども、指定管理者の募集の際に雇用継続の取り組みの提案を求め、評価選定の際の加点要素とするなど、雇用問題への配慮を行っております。これによりまして、雇用継続を希望した46人のうち40人が雇用されたところでございます。
また、指定管理者について行った賃金調査では、法令違反は確認をされておりませんけれども、今後、違反の事実が確認された場合は厳正に対処をしていく方針であります。
指定管理者からの再委託先の実態調査につきましては、調査先が多く、調査の実施に相当の期間が必要となるほか、現時点では回答を義務づける根拠がないため、どれだけの協力が得られるか不透明な状況でございまして、調査のためには公契約条例の制定が必要と認識をしております。
次に、指定管理者制度の問題点についてであります。
1点目の市民サービス向上と労働者の処遇改善についてでございますけれども、指定管理者の選定は、価格のみではなく、市民に提供するサービスの内容や経営能力などの複数の選定基準により、総合的な評価により行っているところでございます。その評価の中で、雇用環境への配慮といたしましては、社会保険労務士を選定委員に選任することを義務づけ、応募団体における人件費の内容、労働法令遵守状況を確認することなどの対応を行っております。また、平成26年度の一斉更新に向けましては、管理運営の継続性を高める取り組みを行うこととしておりまして、雇用の安定化の促進に向けた効果も期待できると考えているところでございます。
2点目の指定管理期間の考え方についてでございますけれども、指定管理期間は、施設の管理が適切に行われているかどうかを定期的に見直す機会を設けるために設定をされているものでございます。札幌市の場合は、新規参入機会の確保のほか、指定管理者のノウハウの蓄積による良好なサービスの供給や投下資本の回収に必要な期間などを勘案し、原則4年としているところでございます。
次に、保育士の処遇についてでございます。
保育士の処遇改善を図る国の事業への対応につきましては、今後の正式決定を受けまして、保育所職員の賃金改善が図られるよう努めてまいります。
また、安心こども基金の継続、充実につきましては、引き続き国に要望していくとともに、保育士の処遇の改善は国の運営費基準に負うところが大きいことから、その改善についても要請をしてまいります。
次に、公契約条例についてでございます。
1点目の関係業界団体との協議及びモデル事業の検証についてでございます。
これまで、関係業界とは、関係者協議の場などを通じて共通認識を深め、条例に対するさまざまな不安や懸念の解消に努めてきたところでございます。モデル事業につきましても、対象工事の元請から下請業者まで、賃金の支払い状況の確認等に伴う事務処理上の諸課題について一定の検証を行ってきたところでございます。
2点目の条例の適用範囲についてでございます。
本来、条例の趣旨からは、より多くの労働者を対象とすることが理想ではございますけれども、条例の実効性の確保を図る観点から、ある程度大規模な契約に限定して提案をさせていただいているところでございます。
対象の拡大につきましては、条例施行後、効果や課題などさまざまな点について検証する中で、見直しを検討してまいりたいと考えております。
3点目の作業報酬下限額の設定についてでございます。
作業報酬下限額は、条例の趣旨を踏まえながら、作業報酬審議会において議論していただき、その意見を十分尊重して決定をしてまいります。審議会の委員につきましては、条例の規定に基づきまして、労働者、事業者、学識経験者などで構成し、それぞれの分野において見識の深い方々にお願いをしたいと考えております。
私からは、以上であります。
○副議長(大嶋薫) 秋元副市長。
◎副市長(秋元克広) 私からは、
児童心療センターについて、先ほど市長からお答えをした残余の部分、それから、生活保護基準の引き下げと貧困の問題についての2項目についてお答えをいたします。
最初に、
児童心療センターの問題についてお答えをいたします。
1点目の
複合施設化計画についてであります。
児童心療センターの児童精神科としての機能は、複合施設の核となる機能とは考えておりますが、この計画の中では、各施設が持つ全ての機能を
児童心療センターの機能に統合するというものではございません。複合施設化によって、
児童心療センター機能、発達医療センターのリハビリ訓練機能や障がい児通園施設の福祉的支援機能等をそれぞれ連携させることによって、児童精神科の診療対象者だけではなく、障がいのある方全体の支援体制の向上を目指すものであります。
したがいまして、この複合施設化の方針決定後におきましても、複合施設化後の機能連携等について、平成26年の開設に向けて現場の職員を中心に議論を重ねているところでありますし、また、通園施設の利用者説明会の中では、現施設の老朽化が著しいということもあり、早期の施設整備を求める声も多いところでございます。
今後も、計画を進めていく中で、施設利用者、関係団体及び医師を初めとした現場職員などの意見、要望を聞きながら、可能な限りの対応を行うなど柔軟に進めてまいりたいと考えております。
2点目の医師の確保と当面の診療体制についてでありますが、先ほどもお答えをいたしましたとおり、現入院患者の処遇を最優先と考え、市内部の医師の人事異動による対応も含め、少なくとも常勤医師は3名を確保できる見通しでございます。常勤医師5名による現診療体制の確保は現時点では厳しい状況でありますけれども、北海道大学、札幌医科大学及び市内民間医療機関などに協力をお願いし、今のところ数名程度は非常勤医師として確保できる見込みとなっているところでございます。今後も、引き続き、診療体制の維持のため、医師の確保に努めてまいりたい、このように考えております。
3点目の
児童心療センターが果たす今後の役割の認識についてでございますけれども、
児童心療センターがこれまで果たしてきた役割は大変大きなものがあり、存続はもちろんのこと、今後の発展を見据えて、平成24年4月に所管を保健福祉局に移管したところであります。
しかしながら、今回の医師退職を契機として、現在の
児童心療センターの運営体制について、退職予定の医師や関係機関からさまざまな課題も提起をされているところでもありまして、昨日もお答えをいたしましたとおり、来月開催される札幌市精神保健福祉審議会に諮問をいたしまして、札幌市全体の児童精神医療のあるべき姿、それを実現するための札幌市や
児童心療センターの役割、民間医療機関との役割分担等の検討をしていただき、ことし秋ごろには一定の結論を得たいと考えているところでございます。
次に、生活保護基準引き下げと貧困の問題についてお答えを申し上げます。
1点目の憲法第25条に規定をされている国民の生存権についてであります。
生活保護基準の見直しは、社会保障審議会の生活保護基準部会での検証を経て行われており、客観的、合理的な根拠に基づくものと考えておりますが、現時点では具体的な基準が示されていないところであります。
2点目の生活保護を受けていない国民に与える影響について、そして、3点目の就学援助制度に与える影響について、まとめてお答えをいたします。
国は、生活扶助基準の見直しに伴う他の制度への影響について、それぞれの制度の趣旨や目的、実態を十分に考慮しながら、できる限り影響を及ぼさないよう対応することを基本的な考え方としており、札幌市といたしましては、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
4点目の貧困と孤立防止対策についてであります。
札幌市では、これまで、北海道電力、北海道ガス等のライフライン事業者と孤立死防止対策について協議を進めてきたところでございます。各事業者は、顧客との利用契約に基づき、料金請求を行っておりまして、料金の支払いについて理由のいかんにより猶予するよう札幌市が関与するということは、契約内容にも踏み込むことになりますので、困難であると考えておりますが、こういった協議の中で、各事業者に対し、事情により柔軟な対応をお願いしたいと考えております。
また、各事業者とも、孤立死防止のために協力をしたいという思いは一致をしておりますものの、現実的に督促や供給停止の際に相談窓口などのチラシを同封するということにつきましては、必ずしも料金の滞納が生活困窮によるものではない、あるいは、顧客とのトラブル等の懸念があるということで、どの事業者も否定的でございました。
しかしながら、生活困窮者の孤立死防止のため、ライフライン事業者との連携を図ることは重要と考えておりまして、今後とも協議を継続してまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○副議長(大嶋薫) 北原教育長。
◎教育長(北原敬文) 白石区の学校建設について、私からお答えをいたします。
まず、北白石中学校の施設整備を行う上での配慮についてであります。
学校施設改築の際には、設計料による競争入札ではなく、企画力や技術力を評価するプロポーザル方式により設計業者を選定しております。改築の基本設計におきましては、学校、保護者、地域の方々と協議をしながら進めるとともに、住民説明会を開催して、広く保護者や地域の方々の意見を伺っているところであります。実施設計におきましても、学校からの要望をできる限り反映させております。今後とも、学校や地域の意見を十分に踏まえながら改築を進めてまいりたいと考えております。
次に、降雪量の多い地域の施設建設についてであります。
学校の設計に当たりましては、屋根の雪おろし等が必要のない構造にしており、屋根には風向きを考えて雪庇防止のための器具を設置しておりますが、降雪状況等を踏まえて、必要に応じてその増設を行うなど、学校と協議してまいりたいと存じます。今後とも、積雪量が多い場合でもふぐあい等が発生することのないよう、これまでの事例も踏まえ、設計には配慮してまいりたいと考えております。
以上でございます。
(
伊藤理智子議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(大嶋薫)
伊藤理智子議員。
◆
伊藤理智子議員 私から、再質問を3点行いたいと思います。
まず、1点目は、保育士の対応について、2点目は、生活保護の引き下げの問題について、2番目と3番目の質問をまとめて答弁されましたけれども、この3番目の就学援助の問題について、それから、3点目は、ライフラインの事業者の答弁について、3点について再質問をさせていただきます。
まず、保育士の対応についてですが、国のほうで待遇改善を図るということですけれども、今、保育現場は非常に保育労働者が過酷な労働実態になっているのですね。本当に健康で子どもたちに安心して接していくということが非常に大事な仕事だというふうに思うのですけれども、労働は苛酷になっている、事務の仕事も非常に多くて、休みの日も保育所まで行ってパソコンなどで仕事をしなければならないということもあり、今、待機児童解消ということで、札幌市が保育所建設に力を入れていますけれども、その現場で働く保育士になりたいという希望が減っている、なかなか定員が埋まらなくて困っているというような現場の実態の声も聞いております。
こうしたことから、具体的に、札幌市としても各民間の私立保育園に例えば市長名で提案していくとか、そういう改善をして、待機児童解消のために、保育士が本当に子どもたちにかかわって、研修もしながら、希望を持ちながら働いていける環境をつくっていくということを、国の事業待ちにするだけではなくて、札幌市としても積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、この点についてどうか、まずお伺いします。
それから、生活保護基準の引き下げの問題で、第3の就学援助制度のところですけれども、実態としては十分に考慮をしながら影響や国の動向を見ていくということはわかるのですが、就学援助制度については、本市で実施している制度ですから、生活保護基準が引き下げられることで、現在、就学援助を受けられている世帯、そして、収入が1円もふえていないにもかかわらず、就学援助が受けられなくなってしまうということは、教育を受ける権利を剥奪してしまうということになりかねません。ここのところを、札幌市として、国の動向を見守るだけではなくて、生活保護基準引き下げがもし行われた場合に、きちんと酌み上げられる、そういうことに取り組んでいくべきだというふうに思いますけれどもいかがか、伺います。
それから、ライフラインの事業者の問題についてですけれども、必ずしも貧困でない、トラブルになるからチラシを入れられないのだというようなことがありました。しかし、本当に困っていらっしゃる方、困窮されている方は、まず、公共料金の支払いのところで、この窓口で相談するしかないという方もたくさんいらっしゃるのですよね。
きょう、代表質問で紹介した方は、私たち共産党に相談しましたら、どうしてもガスをとめられるというふうになったときに、ほかの支援、何らかのほかの対応ということで手をかしてあげることはできますけれども、全くどこともつながりがない、社会から孤立している人が、今、非常にふえているのです。昨年1月に起こった姉妹の孤立死事件も、ガス暖房がとめられて、お姉さんが病死して、妹さんは凍死されていますよね。この2月のマイナスの厳しい寒さの中で、ガス事業者が、入ってくる期日がわかっていて、もう少し待ってくれという声を、方針ですからということで冷たくしてしまうということでは、どこにも相談できない人は、あきらめて、ガス暖房をとめられて、もう死ぬしかないのかと思うことになってしまってはならないと思うのですよね。
孤立死を起こさない、二度と繰り返さない、こういう立場で取り組んできているわけですから、公共性の強いライフライン事業者に対して、もっと札幌市として、対応についても、なぜできないのかということを具体的に聞いた上で、国も、個人情報保護法についてもいろいろと配慮や改善も考えながら対応していきなさいというふうに言っていますから、さらに、ほかの水道局ですとか北電ですとかは、事情を話して、1週間後にお金が入るから待ってくださいということになったら、停止を一旦とめてくれるという、こういう柔軟な対応もされているのですよ。ほかのライフライン業者がやっていることを、北ガスがしないということは、物すごく問題ですし、この札幌市の真冬の中でのライフラインの停止ということは、命、生命にかかわる重大な問題ですから、これを強く働きかけていくことが求められると思いますけれども、この3点について再質問をいたします。
○副議長(大嶋薫) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私から、保育所で働く方の処遇改善についての再質問にお答えをしたいというふうに思います。
今、国では、賃金改善に特化した資金を交付する、こういう制度を計画しているわけでございます。この制度を各保育所で活用していただくことが、まず一番かなというふうに思っております。そのために、札幌市としても、文書はもとより、説明会を開催するなど、この事業の趣旨について周知徹底を図りまして、積極的に活用されるように働きかけをしていきたいというふうに思っております。また、この資金が賃金の改善にきちっと結びついているということを確認する必要もございますので、事業の実績報告書の提出を求めるなど、改善状況についても確認していきたい、このように考えております。
○副議長(大嶋薫) 秋元副市長。
◎副市長(秋元克広) 就学援助の関係でお答えを申し上げますが、生活保護基準の引き下げとの関係で、ほかの制度の関係もございますので、先ほどの答弁の繰り返しになりますけれども、今、引き下げの基準そのものがどういう基準になるのかということが示されておりませんので、現時点で他の制度にもどのような影響が生じるのかといった具体的なところがわからない部分がございます。繰り返しになりますけれども、他の制度への影響、こういったものにつきましては、厚生労働大臣が、2月5日の閣僚懇談会においても、それぞれの制度の趣旨、こういったものを十分配慮しながら、影響が及ばないようにするというふうに公表しておりますので、国の動向を引き続き注視していきたいというふうに思っております。
それから、3点目のライフラインの事業者との関係でございます。
これは、先ほどもご答弁を申し上げましたように、これまでもライフラインの事業者と協議を進めてまいりまして、私どものご要請していることがまだ十分受け入れられていないという部分がございますけれども、引き続き、この協議というものを継続して、各事業者におきましては事情に配慮した柔軟な対応を行っていただくようお願いをしていきたいというふうに思っております。
以上です。
(
伊藤理智子議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(大嶋薫)
伊藤理智子議員。
◆
伊藤理智子議員 保育所の待遇改善については、確認をしていくというようなこともありましたけれども、やはり、待遇改善というのは、給料を上げていくということは、継続性がなければだめだというふうに思うのですよね。そういう意味でも、現場の実態もしっかりと把握しながら、そして、保育所の増設もしていかなければならないという中で、本当に若い人たちが、子どもたちにかかわる仕事で、すばらしい保育、福祉の仕事なのだというふうに夢や希望を持って働けるように支援していただきたいというふうに思います。
それから、就学援助の問題については、確かに、まだはっきりしていないということはあるのかもしれませんけれども、生活保護の基準が引き下げられるということになると、多くの市民に影響を与えるということは間違いありませんから、動向を受け身で待つだけではなくて、やはり、改悪によって子どもたちが就学援助を受けられなくなる、こういう可能性を起こさないということを積極的に本市として取り組んでいかなければならないというふうに思いますので、そこのところもしっかりと受けとめていただきたいと思いますし、子どもたちの教育を受ける権利、これを守るということが、非常に自治体の役割として大切ですし、また、こういう引き下げですとか市民に対する攻撃があるときに、防波堤の役割を果たすのが自治体の大切な役割だというふうに思いますので、引き続きしっかりと対応していただきたいというふうに思っております。
それから、ライフラインの事業者についても、ぜひ積極的に、前向きに――孤立死、起こっているんですよ、札幌ではね。だから、滞納の書類を送るときに、生活相談がある、それから貸付金もあると。必ずしも、皆さん、困窮状態ではなくて、いろんなそういう――きょう紹介した事例は、お金が入ってくる時間が払う時期とずれてしまったということもありますから、貸し付け制度もあるんだよということが、ほとんどの市民の方、相談に来られる方はわからない人もいますから、そういうことをお知らせするチラシを入れさせることがどうしてトラブルになるのかというふうに思うので、ここは、しっかりと孤立死を生まないためにやっていくのだということを強く求めていただきたいということを求めまして、私の質問を終わります。
○副議長(大嶋薫) ここで、およそ20分間休憩します。
――
――――――――――――――――
休 憩 午後4時22分
再 開 午後4時46分
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――――――――――――――――
○副議長(大嶋薫) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
小倉菜穂子議員。
(小倉菜穂子議員登壇・拍手)
◆小倉菜穂子議員 私は、市民ネットワーク北海道を代表し、本定例会に提案されました諸議案並びに市政にかかわる諸課題について質問いたします。
質問に先立ちまして、札幌市
児童心療センターについてですが、常勤医師5人のうち4人が今年度末までに退職するに至ったことは、長年築いてきた患者や家族の方々の信頼を失う大きな問題です。行政部門の精神科医、内科医の異動によって入院と存続のめどが立ったとのことですが、この間、関係者間において児童精神科医療に関する考え方にそごがあったことは否めません。今後は、このような事態を二度と招かないよう、患者や家族の方々の立場に立ち、児童精神科医療の充実を図ることを強く求めます。
さて、国政においては、昨年12月の政権交代により、原発推進、TPP交渉参加の問題及び憲法改正、自衛隊の国防軍化など、戦争する国づくりが加速することが懸念されます。今、市民が求めているのは、軍拡による強い国家ではなく、平和で人権が尊重される社会の確立です。地方分権を進め、誰もが自分らしく暮らすことのできるまち札幌を実現するため、今後も、国政に翻弄されることなく、上田市長のもと、市民力、地域力を結集し、さらに市民自治の推進に取り組むことが重要です。
以上のような視点に立って、以下、順次質問いたします。
初めに、市民が自治するまちづくりについてです。
質問の一つ目は、市政への市民参加の推進についてです。
少子高齢・人口減少社会を迎え、市民の生活課題は複雑化・多様化しています。しかし、今後どのように社会状況が変化しようとも、誰もが札幌に暮らすことに幸せを実感できるよう、札幌市自治基本条例の趣旨にのっとり、市民が主役のまちづくりを進めることが重要です。とりわけ、市の政策等の立案、実施、評価の各段階において、市民が意見を述べ、提案する市政への市民参加を欠かすことはできません。
まず、
パブリックコメントについては、キッズコメントの実施など評価するものの、資料の配架場所や内容をわかりやすく伝える説明会等の工夫が必要です。審議会については、対象となる事案内容が専門的であるとの理由から委員を公募していないものがありますが、専門家のみで構成する審議会の答申は専門性の高い内容にとどまり、その後、パブコメを求めても市民にはわかりづらいとの声があります。個人情報にかかわるなど特別な場合を除き、審議会には公募委員を募集すべきです。さらに、市民の要望や提案を実現する市民意見政策反映事業は、市民参加のツールとして十分に生かせるよう制度化すべきです。また、行政評価の外部評価については、この間、市民による事業仕分けなど手法を変えながら市民参加で実施されており、これらを十分に検証し、市民による事業評価の仕組みを確立する必要があります。そして、市政への市民参加の実施状況や結果の公表をしっかり行うべきことは言うまでもありません。市民自治の定着や深化を図るためには、市政への市民参加手法の工夫や見直しなどが不可欠であり、その手続を明確に定めるべきと考えます。
そこで、質問です。
市政への市民参加の推進を規定している自治基本条例第21条は、市民参加を保障するための具体的な制度等の必要性を掲げています。現在、市民自治推進会議が市民参加の手法や手続を検討中とのことですが、より多くの市民がさまざまな手法を活用し、市政へ参加できるよう、市民参加条例等の整備を進めるべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の二つ目は、まちづくりセンターの自主運営化についてです。
第3次新まちづくり計画は、87カ所のまちづくりセンターのうち18カ所について、2014年度までに地域による自主運営化を進めるとしています。札幌市は、市民自治の具現化としてその実現に向け取り組んでおり、現在8カ所で実施されています。一方、2012年度は2カ所のまちづくりセンター長に保健師が配置され、2013年度は79カ所のセンター長が区役所保健福祉部課長職を兼務するとのことであり、これは、地域福祉の充実を図るものとして期待されます。
しかし、自主運営化した地域は、センター長が区保健福祉部課長職兼務のセンターに比べると、地域と区保健福祉部との連携が弱まることが危惧され、保健福祉部との連携を強化する仕組みが不可欠です。自分たちのまちは自分たちでつくるという市民が自治するまちづくりの実現のためには、まちづくりセンターの自主運営化を着実に進めることが重要です。
そこで、質問ですが、今後、まちづくりセンターの自主運営化に向けて、地域の理解を得ながら、これまで以上に丁寧かつ積極的に取り組んでいくべきと考えますがいかがか、市長の見解と今後の取り組みについて、あわせて伺います。
次に、エネルギー政策についてです。
質問の一つ目は、エネルギー基本計画及び総合的な施策大綱についてです。
札幌市が環境首都・札幌を掲げ、脱原発依存を
まちづくり戦略ビジョンに明記するなど、原発に頼らないエネルギー政策への転換を進めていることを評価しているところです。
2012年3月に札幌市が公表したエネルギー転換調査結果は、
再生可能エネルギーの可能性や具体的な施策を示唆しています。LED電球や省エネ型冷蔵庫への交換などの省エネ行動により、札幌市内の電力消費量を17%削減することが可能であり、さらに、太陽光を中心とした
再生可能エネルギーの導入拡大により、原発に頼らないエネルギーを確保できるとした電力需給のロードマップを明示しています。ロードマップの実効性を担保するためには、市民・事業者・行政が、原子力から再生可能な自然エネルギーへの転換という地球規模の課題解決に向け、共通の認識を持ち、数値目標を掲げ、ともに実践することが重要です。
そこで、札幌市が、2013年度にエネルギー基本計画、2013年度から14年度にかけて総合的な施策大綱を策定するに当たっては、数値目標等の情報を共有し議論を行うなど、市民、NPO、事業者等の協働で取り組むべきと考えますが、どのように進めるのか、伺います。
また、北海道を初め、周辺自治体と連携のもと、エネルギーの地産地消を進め、将来的には再生可能な自然エネルギー100%を目指すべきと考えますがいかがか、あわせて伺います。
質問の二つ目は、市民と協働でつくる再生可能な自然エネルギーについてです。
2012年7月、
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が導入されたことにより、市民みずからが原発に頼らないエネルギーをつくるために、市民出資による太陽光や風力の市民協働発電事業の取り組みが全国各地で急速に広がっています。福島県の福島市、伊達市などでは、安全な地域を次世代に渡していこうと、企業組合を設立し、
再生可能エネルギーの地産地消によって地域を活性化する試みが始められています。また、京都では、市が率先して市有施設の屋根を貸し、太陽光発電設備を設置できる京都市市民協働発電制度を構築し、誰もが参加できるよう、市民から出資を募ることにより、
再生可能エネルギーの飛躍的な拡大を目指すとしています。このように、市民協働発電は、単に利益を追求するだけではなく、未来のエネルギーの社会的課題の解決を目指すとともに、市民やNPO、企業などが協働するソーシャルビジネスとしての普及拡大にもつながり、地域の活性化を促します。
福島原発事故後、札幌市においては、エネルギーに対する市民意識が高まり、多くの市民が脱原発社会の実現を目指し、自分の暮らし方を見直すとともに、冬の厳しい寒さにもかかわらず節電、省エネに取り組み、原発がなくても電力が足りることを実証しています。今後も、節電、省エネを継続するとともに、市民みずからが再生可能な自然エネルギーをつくる担い手になるような仕組みを市民・事業者・行政との協働で構築すべきです。
そこで、質問です。
脱原発依存を目指している札幌市として、再生可能な自然エネルギーの拡大に向け、市有施設等に太陽光発電を設置する市民協働発電事業として、市民力を生かし、市民出資を行うなど、市民が参加できるような取り組みを進めるべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、資源循環社会の実現についてです。
質問の一つ目は、スリムシティさっぽろ計画の見直しについてです。
東日本大震災をきっかけに、大量の資源やエネルギーを消費する今日の社会のあり方を見直し、持続可能な社会へ転換していく必要性が改めて認識されています。国においては、第4次環境基本計画が2012年4月に閣議決定され、経済、社会のグリーン化や循環型社会の構築のほか、発生抑制、リデュース、再使用、リユース、いわゆる2Rを重視したライフスタイルの変革が初めて盛り込まれるなど、持続可能な社会を実現するための具体的な方向性が示されました。
市民ネットワークは、資源循環社会の実現を目指し、ごみ減量目標を掲げ、清掃工場1カ所廃止に取り組むこと等を提案し、札幌市は、多くの市民の協力のもと、実現してきたところです。
札幌市においては、2008年に策定したスリムシティさっぽろ計画の見直しに向け、現在、第7期廃棄物減量等推進審議会を設置し、排出・発生抑制、生ごみを重点項目として検討を行っています。この間、市民、事業者の協力のもと、廃棄ごみ量は、2010年度実績で2004年度比約40%減量したものの、2011年度、家庭ごみ有料化実施後、初めて7,000トン増加しています。今後、さらに廃棄ごみを減量し、資源循環社会を実現するためには、瓶の再使用など、リサイクルよりも発生抑制、再使用を優先する取り組みを進めることが重要です。
そこで、スリムシティさっぽろ計画の見直しに当たっては、リサイクルよりも発生抑制、リデュース、再使用、リユースの2Rを重点と位置づけ、取り組みを進めるべきと考えますがいかがか、伺います。
2点目は、瓶の再使用の仕組みづくりについてです。
札幌市は、1998年度から瓶・缶・ペットボトルの分別収集を行っていますが、混合収集のため、瓶は割れてしまい、選別し切れないものは残渣として埋め立て処分されています。札幌市が、再使用できるリユース瓶も含めて、家庭から収集した瓶は、組成調査に基づく推計では2011年度は約1万8,000トンですが、実際に資源化されたのは約1万トンであることから、約45%が残渣になっていると考えられます。一方、一升瓶などのリユース瓶は、一部が集団資源回収等により回収され、再使用されているものの、2011年度の回収量は165トンと年々減少しており、リユース瓶を回収し、再使用するためには仕組みの拡充が必要です。
そこで、2Rを進めるため、市民へのリユース瓶の情報提供や、リユース瓶回収協力店制度を創設するなど、瓶使用の維持・拡大に向け、積極的に取り組むべきと考えますがいかがか、伺います。
質問の二つ目は、容器包装リサイクル法の改正に向けた取り組みについてです。
容器包装リサイクル法、いわゆる容リ法は、1997年に本格施行され、2006年にリサイクル費用を製品価格に含める拡大生産者責任を徹底するとして改正されましたが、事業者の費用負担が十分に盛り込まれなかったことから、事業者が2Rを優先するインセンティブが働かず、ペットボトルなど一度しか使わない容器がふえています。また、リサイクル費用全体の9割を市町村が負担しており、財政を圧迫しているなどにより、容リ法のさらなる改正が求められています。
そこで、容器包装リサイクル法の改正に向け、家庭から排出される容器包装の収集、保管などの処理費用を全て税金で賄うのではなく、事業者が負担し、製品価格に上乗せする拡大生産者責任のさらなる徹底を引き続き国に求めるとともに、レジ袋の有料化で事業者に協力を求めたように、事業者に対し、容器包装の店頭回収や自主回収等をさらに呼びかけるべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、高齢になっても安心して暮らせる地域包括ケアシステムについてです。
2012年4月から始まった診療・介護報酬同時改定により、施設から在宅、地域への移行が本格的に進められると考えます。国は、高齢になっても、住みなれた地域、日常生活圏域内で安心して医療や介護、予防、住まい、生活支援などを受けられる地域包括ケアシステムの確立を目標としています。
札幌市においては、超高齢社会に突入しており、2015年以降には団塊の世代が全て65歳以上の高齢者となり、高齢化率が25.1%と市民の約4人に1人が高齢者となることが予想されます。こうしたことを背景に、2012年度から3年間の計画期間としている第6期高齢者保健福祉計画・第5期介護保険事業計画では、地域包括ケアの実現を視野に入れた取り組みを進め、高齢者保健福祉施策の総合的な推進と円滑な実施を目指すとしています。
地域包括ケア実現のためには、どのような支援を必要とする高齢者が、どこに、どの程度いるのか、地域の課題やニーズを把握することが必要です。2010年10月、厚生労働省からは、第5期の介護保険事業計画から、日常生活圏域ニーズ調査を保険者の任意で実施し、計画に反映するよう示されています。2012年8月の厚生労働省の調査では、約8割の市町村で実施したものの、調査による地域診断結果を計画に反映させた市町村は約1割にとどまっていることが明らかになっています。
札幌市においては、第5期介護保険事業計画策定において、これまで実施してきた高齢社会に関する意識調査の項目に、国が示した日常生活圏域ニーズ調査のモデル事業の調査項目を一部活用して実施しましたが、介護保険事業計画に反映させるまでには至らなかったと聞いています。
そこで、質問ですが、2013年度、日常生活圏域ニーズ調査を実施するということですが、次期計画策定に当たり、高齢者のニーズを反映するには、積雪寒冷地など札幌市の地域生活特性を踏まえ、高齢者の生活実態に沿ったより綿密な調査項目を入れるべきと考えますがいかがか、また、対面調査など丁寧な調査方法が必要と考えますがいかがか、あわせて、調査結果をどのように活用し、次期計画に反映させるおつもりか、伺います。
質問の二つ目は、地域ケア会議の設置についてです。
札幌市が2010年に行った高齢社会に関する意識調査では、仮に、ひとり暮らしの不安が強くなったり、体が弱くなったり、判断力が不十分になったとき、どのようなところで暮らしたいかについて、住みなれた家で暮らしたいと答えた高齢者が51.8%と半数を超えています。一方、札幌市は高齢者が住みなれた地域で生活を続けるための生活環境が整っているかの質問には、肯定的な回答が34.4%にとどまっています。市民の多くは、要介護状態になっても、可能な限り住みなれた地域や自宅で生活し、人生の最期まで自分らしく生きることを望んでいるものの、これを実現する生活環境は十分ではないと感じていることがわかります。
例えば、高齢でひとり暮らしの方々にとって、中学校区など、おおむね30分以内に駆けつけられ、支え合うことが可能な範囲での日常生活圏域で、介護サービスに限らず、地域の保健、福祉、医療サービスやボランティア活動など、さまざまな社会的資源が有機的に連携する環境整備を行うことが重要であり、こうした連携体制を支える共通基盤として、多様な職種の人が協働で行う地域包括ケアシステムを構築することが必要です。
そこで、質問ですが、地域包括ケアシステムの構築のためには、地域包括支援センターが中心となり、行政職員、地域包括支援センター職員、介護支援専門員、介護サービス事業者、医療関係者、民生委員等が参画する地域ケア会議の設置が大変重要と考えますが、今後、札幌市としてはどのように進めていくおつもりか、伺います。
次に、子ども・教育政策についてです。
質問の一つ目は、子どもの権利の理解を深める取り組みについてです。
子どものいじめによる問題が続く中、子どもたちのSOSを早期に発見し、救済を図り、子どもたちが安心して学び育つ環境づくりを早急に進めなくてはなりません。札幌市は、市立学校を対象にいじめの状況等に関する調査を行っており、2011年度は、回答した児童生徒14万145人の7.9%に当たる1万1,060人が「今いじめられていると思う」と回答しています。2006年度から調査を行い、ここ6年間の調査結果の傾向に大きな変化はないと聞いており、いじめられていると思っている子どもは減っていないという事実があると考えます。いじめの根底には、自己肯定感の低下等によって子どもが抱えているストレスがあると専門家は指摘しています。
市民ネットワークは、2013年1月、中学生を対象に子どもの権利に関する緊急アンケートを行い、31人から回答がありました。「自分のことが好き」と答えた子どもは42%に対し、半数以上の58%が「いいえ」あるいは「わからない」と答えています。また、71%が子どもの権利条例を知らないと回答しています。また、市民ネットワークが2012年に行った児童会館調査の際のアンケート結果では、中学生133人のうち71%の95人が子どもの権利条例が制定されていることを知らないと答えています。
子どもの権利条例パンフレットは、小学4年と中学1年のときに学校で配付されていますが、配付する際の説明はもとより、教師が権利について子どもとともに考える場を設けるなど、子どもの権利の理解を深める取り組みをさらに拡充すべきです。
そこで、質問の1点目に、子ども一人一人がかけがえのない権利の主体であり、等身大で生きられることを保障するため、子どもの権利条例の周知はもとより、子どもも大人も子どもの権利の理解を深める取り組みを、教育委員会との連携強化のもと、積極的に進めるべきと考えますが、どのように行うおつもりか、伺います。
質問の二つ目は、学校における子ども自身の問題解決に向けた取り組みについてです。
今国会に提出予定のいじめ防止対策基本法案は、いじめた子どもを出席停止にするなど、子どもの最善の利益を保障する子どもの権利の視点が欠落していると専門家は指摘しています。いじめる子どもを排除するのではなく、子ども自身の内なる力を引き出すことが重要です。
子どもがいじめや虐待などさまざまな暴力から自分の心と体を守るための子どもへの暴力防止プログラムCAPは、子どもたちに、あなたは大切な人だよ、安心して自信を持って自由に生きる権利を持っているよとわかりやすく伝え、もしこの権利が奪われそうになったときは、いやと言う、逃げる、誰かに話すことを教えています。教育委員会では、CAPを、学校に委託し、研究した経緯があり、また、学校内で子ども同士が支え合う活動としてピアサポートの取り組みを行っていると聞いています。
一方、北欧のノルウェーでは、もめごとの解決によるいじめ予防として、学校仲裁所制度を取り入れています。もめごとが起きたときに、子ども同士が、大人の力をかりずに、お互いを理解し合い、関係を修復するピア・メディエーションの場を学校の中につくるものです。大阪府立高校の一部では、ピア・メディエーションのプログラムを取り入れるなど、子どもの力を信じて、子ども同士でもめごとを解決する取り組みが広がってきているとのことです。
そこで、札幌市においても、子ども自身の力によって、多様な個性を認め合う、相手を理解する努力をする、もめごとを子ども自身が解決する力をつけるためのさまざまなプログラムを実践するなど、子どもたちの内なる力を育む取り組みをさらに進めるべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、若者の自立支援についてです。
札幌市においては、2009年4月、札幌市若者支援基本構想を策定し、主に18歳から34歳までの全ての若者を対象に、社会的自立に向けた支援に取り組んでいます。2010年4月に開設された札幌市若者支援総合センターは、ひきこもりやニートと言われるおおむね40歳未満の若者の相談窓口を設置し、就労支援を含めた自立支援を行っています。2012年度の総合センターの新規登録者数は、12月末現在で298人であり、20代が60%を占めていますが、一方で10代の方がふえてきています。また、総合センターを事務局として、ハローワーク、精神保健福祉センター、NPOなど関係機関がさっぽろ子ども・若者支援地域協議会を設置し、年6回の実務者会議等を行うことで、顔の見える関係ができ、効果的なサポートにつながっていると聞いています。
内閣府が2010年7月に行ったひきこもりに関する実態調査をもとに札幌市で実施した調査では、市内のひきこもりの若者の人数は9,500人と推計されています。さまざまな事情で人や社会とのつながりに困難を抱えながら成長し、働きたいけれども、働く自信がない、コミュニケーションが苦手、外に出られないといった若者たちが、年齢の多様な他者と関係性を育むための場や機会を得、社会に参画していくための力を育むため、若者の意欲や能力を引き出せる支援を今後さらに充実すべきと考えます。
そこで、1点目に、ひきこもりの若者は、それぞれ個別の課題を抱えており、必要なサポートも違っています。一人一人に寄り添った支援を行うためには、地域の多様な社会資源をコーディネートし、継続的な働きかけが重要です。例えば、実務者会議の機能強化、相談体制やプログラムの充実など支援を拡充すべきと考えますが、若者の社会的自立に向け、今後どのように取り組むおつもりか、伺います。
2点目は、学校と若者支援総合センターとの連携についてです。
全ての子どもや保護者が、子どもが学校に在籍している間に若者の自立支援の情報を知ることが重要であり、教師も橋渡しを行うべきと考えます。特に、不登校のまま中学校を卒業する子どもや高校を中途退学する子どもたちとつながりを継続することが必要です。そのためには、市民への情報提供はもとより、総合センター指導員によるアウトリーチなど、学校との連携をさらに充実すべきと考えます。
そこで、若者支援総合センターでの若者の自立支援について、中学校や高校の子ども、保護者、教師が情報を共有し、連携するための取り組みをさらに充実すべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、女性も男性も生き生きと安心して生活できる環境づくりについてです。
質問の一つ目は、地域における男女共同参画の推進についてです。
近年、地域における人と人との関係が希薄となり、2011年3月の東日本大震災や高齢者の孤立化など、防災や福祉の観点からも今後の地域のあり方が注目されています。この間、避難場所検討委員会委員の半数以上を女性としたことや、避難所運営への女性の参画が2012年度策定予定の避難場所基本計画に盛り込まれたことは、評価するところです。しかし、2011年度の札幌市男女共同参画に関する市民意識調査によると、地域社会で男女平等となっていると思う人の割合は28.3%であり、第2次男女共同参画プランに定めた目標値50%は達成されていない状況です。
そのような中、国は、国連の女性差別撤廃委員会最終見解に対し、2011年8月、政府コメントにおいて、PTAや労働組合、スポーツ団体、市民活動団体等、地域で活動するあらゆる主体が男女共同参画の推進に積極的に取り組むとし、成果目標として、自治会長に占める女性の割合について2010年の4.1%を2015年に10%、初等・中等教育機関の教頭以上に占める女性の割合については同様に14.7%を30%にすることなどを報告しています。
まちづくり戦略ビジョンも、男女がお互いを尊重し、責任を分かち合う男女共同参画社会が実現され、さまざまな分野で協力しながら活動しているまちを目指していることから、札幌市においては、男女共同参画センターを中心としてあらゆる分野での男女共同参画を進めることが重要です。
そこで、質問です。
地域における男女共同参画の推進に向けては、その理解の促進はもとより、女性リーダーの発掘や育成などが重要と考えますが、今後どのように取り組むおつもりか、伺います。
また、札幌市男女共同参画センターは、さまざまな団体へ情報発信するとともに、各主体との連携を強化するなど、男女共同参画推進の拠点としての取り組みを拡充すべきと考えますがいかがか、あわせて伺います。
質問の二つ目は、DV被害者への支援についてです。
DV被害について、警視庁のまとめによると、2011年は3万4,329件と年々増加しており、近年、DV被害にかかわる極めて深刻な事件が頻発しています。そのような事態を招くことがないよう、あらゆる暴力の根絶に向け、さまざまな機関が連携し、積極的に取り組まなければなりません。
札幌市は、2009年から2013年を計画期間とする配偶者等からの暴力の防止及び被害者の支援に関する基本計画のもと、取り組みを進めています。札幌市DVセンターにおける相談件数は、2011年度、前年度比約12%増の1,088件となっています。2011年度、札幌市内にある北海道立女性相談援助センターなど他機関への相談件数との合計5,137件のうち、4,134件が札幌市民推定分に当たります。また、2011年度、道内におけるDV被害による一時保護334件のうち、札幌市民推定分は100件であり、被害者の多くが子どもとともに保護されています。被害当事者への支援はもとより、子どもも被害者であることから、関係機関の連携により、子どもの権利に沿った支援が不可欠であることは言うまでもありません。
そこで、1点目として、現在の配偶者等からの暴力の防止及び被害者の支援に関する基本計画におけるDV被害者への支援の状況をどのように検証しているのか、伺います。
また、被害者とともに保護されたり、ステップハウス等で生活している子どもに十分な支援を行うべきと考えますが、今後どのように取り組むおつもりか、あわせて伺います。
2点目として、DV被害者の選択は逃げるか、我慢するしかないと言われる中、近年、加害者更生プログラムへの関心の高まりからセンターへ問い合わせもあると聞いており、今後は、被害者支援を目的とする加害者更生プログラムの研究調査を相談員とともに進める必要があります。
また、札幌市は、将来、子どもたちをDV被害者にも加害者にもしないよう、子どもたちが年齢に応じてデートDVや暴力防止プログラムを学習、体験する機会を保障することが大変重要です。DV被害を受けた当事者や子どもが一日も早く安心して社会生活を送ることができるよう、一人一人に寄り添ったよりきめ細やかな支援を実施すべきです。
そこで、第3次男女共同参画さっぽろプラン素案には、DV被害者への支援に関する基本施策を被害者への保護から自立までの総合的な支援や体制の強化に取り組むと明記していますが、次期配偶者等からの暴力の防止及び被害者の支援に関する基本計画策定に当たっては、どのようなことに重点を置き、取り組んでいくおつもりか、伺います。
次に、食の安心・安全の確立についてです。
食は、市民の消費生活にとって不可欠なものであり、食の安全は命や健康を支える基本です。しかし、経済優先、効率優先、輸入品の増加、食品流通の広域化などにより、近年、偽装表示事件、中国産冷凍ギョーザの農薬混入事件、事故米の不正流通事件など、食の安全と信頼を揺るがす事件・事故が起きています。さらに、福島原発事故による放射性物質の汚染の問題や生肉の食中毒、2012年には札幌市内での市販の浅漬けによるO−157食中毒の発生など、食の安心・安全が脅かされる事件が後を絶ちません。
市民ネットワークは、2007年第4定の代表質問において、食の安全を確保し、安心して食べ続けるためには、行政や事業者だけではなく、消費者の側からも解決策を考え、行動することが重要であり、消費者の権利が保障される条例の制定を求めてきたところです。
札幌市においては、2011年にさっぽろ食の安全・安心推進ビジョンを策定し、さらに、安全・安心な食のまち・さっぽろの実現のため、新たに(仮称)札幌市安全・安心な食のまち推進条例を制定し、推進計画の策定を目指すとしています。しかし、食の安心・安全に向け、市民の役割と事業者、札幌市の責務をうたってはいるもの、消費者の権利が明確ではありません。生産から消費に至る全ての段階において、市民、生産者、事業者全てが消費者であり、行政の健康保護の対象にとどまるのではなく、食の安心・安全の確立のため、消費者の権利が保障されるべきです。
そこで、質問です。
現在策定中の(仮称)札幌市安全・安心な食のまち推進条例において、消費者の権利をどのように担保していくのか、伺います。
また、今後策定される推進計画に、消費者の権利を明記し、食の安心・安全に向けた取り組みを進めるべきと考えますがいかがか、あわせて伺います。
最後に、札幌国際芸術祭の開催についてです。
札幌市は、文化芸術の持つ創造性を生かして産業振興や地域の活性化などのまちづくりを進める創造都市さっぽろの象徴的な事業として、2014年度、現代芸術の祭典である札幌国際芸術祭の開催へ向け、精力的に取り組んでいます。この芸術祭は、発祥地イタリアを初め、国内外で開催されており、各地域や都市が有する都市資源、自然資源を生かし、市民参加型やツーリズム型など個性的に展開されています。
札幌市の場合は、変化の激しい現代アートをタイムリーに伝えるため、3年に1度の開催としています。「都市と自然」を基本方針とし、アートを媒介しながら、都市と豊かな自然環境や、歴史・文化との共生を図るというコンセプトは、札幌独自のライフスタイルを創出するものとして期待されます。また、ゲストディレクターに坂本龍一氏が就任したことから、東日本大震災後の日本の目指すべき方向性をアートを通じて問い直す時間や空間が生まれるのではないでしょうか。
この国際芸術祭開催は、生物の多様性や先住民族の文化や歴史、選択すべき経済やエネルギーの未来、まちづくりとアートの一体化などについて、札幌から世界に発信する絶好の機会です。また、平和のとうとさやすばらしさを市民が改めて実感するものであります。文化芸術がまちづくりの根底にしっかりと息づく札幌を目指し、国際芸術祭が北海道や札幌の文化芸術の牽引役となるよう取り組むべきです。
そこで、1点目に、札幌市は、国際芸術祭の開催に当たり、世界の国々へ向けて平和メッセージを発信するとともに、次代を担う子どもたちが参加する視点を持って取り組むべきと考えますがいかがか、伺います。
また、本芸術祭を3年ごとのイベントとしてのみ位置づけるのではなく、芸術祭が開催されていない期間にも、継続的に多くの市民が芸術作品に触れたり創作する機会の創出を図るべきと考えますが、どのように取り組んでいくのか、あわせて伺います。
2点目は、アートツーリズムの振興についてです。
札幌国際芸術祭のテーマメッセージには夕張や白老など市外の文化芸術施設も掲載されていますが、北海道内には、そのほかにも、自然の優美さをたたえる彫刻作品群など数多くの文化芸術資源があります。道内の魅力ある文化芸術と国際芸術祭をつなぐことによってアートツーリズムの振興を図り、北海道や札幌市の集客交流産業を活性化すべきです。
そこで、札幌国際芸術祭を生かし、アートツーリズムの積極的な推進を図るべきと考えますが、どのように取り組んでいくおつもりか、伺います。
以上で、私の質問の全てを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(大嶋薫) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 9項目質問がございましたので、市民が自治するまちづくりについてとエネルギー政策について、そして、札幌国際芸術祭の開催について述べさせていただきます。その余は、担当の副市長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、市民が自治するまちづくりについてでございます。
市政への市民参加の推進についてということでありますが、市民参加の手法につきましては、より多くの市民が市政に参加できるように、現在、市民自治推進会議の各委員からさまざまなご意見やご提案をいただいているところでございます。また、市民参加条例等の整備についても同会議で議論しておりまして、これまで、他都市の事例検証を踏まえて、市民意識のありようや、あるいは実効性の確保など、検討すべき課題の抽出を進めているところでもございます。ことしの3月末には最終報告書が提出をされる予定でありますことから、この報告内容を見ながら、市民参加の推進というものが一層図られるように検討してまいりたいと考えております。
まちづくりセンターの自主運営化につきましてお尋ねでございます。
まちづくりセンター所長への保健師の配置や兼務発令は、あくまでも行政が地域福祉に積極的にかかわっていく姿勢を明確にしたものでありまして、地域における共助、行政による公助という基本的な枠組みは、直営であれ、自主運営であれ、何ら変わりはないところでございます。まちづくりセンターの自主運営制度は、地域の共助の力をより発揮するための仕組みとして意義があるものでありますことから、今後も希望される地域には積極的に支援をしていきたい、こんなふうに考えているところでございます。
次に、エネルギー政策についてであります。
エネルギー基本計画及び総合的な施策大綱についてということでありますが、1点目の基本計画と施策大綱の策定におけます市民参画についてでありますけれども、札幌市では、これまでも、政策や、あるいは計画というものを策定する際には、審議会や
パブリックコメント、ワークショップなどを通じまして情報共有と市民意見の反映に努めてきたところでございます。
エネルギー基本計画と施策大綱は、今後の札幌市のエネルギー施策の根幹をなすものでありますことから、より積極的な情報提供に努めるとともに、学識経験者や市民、NPO、事業者などの皆様と協議する場等を設けるなど、広く意見を伺いながら策定をしてまいりたい、このように考えております。
2点目の将来的な自然エネルギーのあり方についてでございます。
再生可能エネルギーの割合を可能な限り高めていくことは、低炭素社会と脱原発依存社会の実現に向けて大変重要であるというふうに認識をしておりまして、施策大綱の策定に当たっては、今後のエネルギーのあり方も十分に検討してまいりたいと考えております。
市民と協働でつくる自然エネルギーということについてでありますが、昨年7月の
再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の開始以降、メガソーラー事業や、あるいは屋根貸しなどによります太陽光発電の導入が全国で進められているところでございます。札幌市では、これまでも、札幌・サンサンプロジェクト、「サン」は太陽のサンなのでしょうか、そして、「サン」は三つですね。市民、企業、そして市役所が三位一体になって頑張ろうというネーミングでありました札幌・サンサンプロジェクト事業などを通じまして、市民との協働による太陽光発電の普及に努めてまいりました。一定の成果を上げてきているところでございます。
市民出資などによります太陽光発電事業を展開するに当たっては、積雪寒冷地においても事業採算性の確保ということが可能となるような仕組みというものが必要になってまいります。行政としてどのような役割を担うことができるか。例えば、市民と発電事業者が情報交換を行うマッチング事業などを通じまして検討を深めてまいりたい、このように考えているところでございます。
次に、札幌国際芸術祭の開催についてお答えをいたします。
平和メッセージの発信と子どもたちの参加についてということでありますが、札幌市文化芸術振興条例の前文におきまして、文化芸術が世界平和に寄与するという基本的な考え方がこの条例には示されております。また、市の役割といたしまして、文化芸術を通じて子どもの豊かな感性を育むために必要な措置を講ずるということを規定しているのがこの札幌市文化芸術振興条例でございます。文化芸術には、人との交流や連帯感というものを深めて多様なものを認め合う心を養う力があり、それが社会の平和につながる、このように私も信じているところでございます。また、子どもたちが感性を豊かにし、コミュニケーション能力や創造性を高められるようにするためには、子どものうちからすぐれた芸術体験をするということが重要だと考えております。
したがいまして、札幌国際芸術祭においては、文化芸術振興条例の趣旨をしっかり反映させながら事業内容を具体化していきたい、このように考えているところでございます。
継続的に市民が芸術作品に触れたり創作する機会を創出するようにというご質問でございます。
昨年12月に行いました芸術祭の開催テーマ発表の記者会見におきまして、ゲストディレクターにご就任いただきました坂本龍一氏も、数カ月間のイベントだけではなく、持続的に市民と一緒に考え、何かをつくっていくことも必要というふうに明確に述べておられます。私もその場におり、強い共感を得たところでございます。
札幌市は、これまでも、500m美術館や、あるいはさっぽろアートステージなど、市民が身近な場所で気軽に芸術に触れることができる機会というものを創出してまいりました。また、子どもたちに対しましても、Kitaraファースト・コンサートや、あるいはハロー!ミュージアムなどの事業を通じまして、子どものうちからすぐれた芸術体験をしてもらう取り組みをしてきているところでございます。今後、芸術祭の開催を契機に、日ごろから市内各地でさまざまな市民参加のアートイベントや、あるいはワークショップなどが行われることによりまして、大人から子どもまで、芸術に親しみながら、市民の創造性が育まれ、その集大成が定期的な芸術祭に反映されるように取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。
アートツーリズムの推進についてというお尋ねでございますが、アートツーリズムというのは、歴史的な建造物や、あるいはアート作品、アートスポットを生きた観光素材としてつなぎ、そして、文化的付加価値をつけることで魅力の向上というものを図り、集客交流につなげていくということだというふうに言われていると思います。これに加えまして、地域固有の自然景観と、そこで生活している人々の歴史というものを、アートや、あるいは建築によって再評価、再発見し、それまで眠っていた場所の魅力というものを引き出していくという取り組みでもあります。
芸術祭は、道内外や世界からの集客を予定しておりますことから、開催に合わせましてアートツーリズムの推進、強化を図り、芸術祭だけではなく、札幌、北海道のすばらしさというものをより深く知ってもらうようにつなげてまいりたい、このように考えるところでございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(大嶋薫) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私から、資源循環社会の実現と、女性も男性も生き生きと安心して生活できる環境づくりの2点についてお答えをいたします。
最初に、資源循環社会の実現についてであります。
まず、スリムシティさっぽろ計画の見直しについてでございます。
1点目の2Rを重点と位置づけた取り組みについてでございますけれども、札幌市といたしましても、ごみそのものを減らす発生・排出抑制、リデュース、再使用、リユースの2Rにつきましては、省資源、省エネルギーの観点からも非常に重要であると考えておりまして、これまでも、レジ袋の削減でありますとか、大型ごみのリユースなどの取り組みを進めてきたところでございます。
スリムシティさっぽろ計画の見直しに向けましては、現在、審議会におきまして、リサイクルより先に取り組むべき発生・排出抑制についても活発に議論がなされているところでございまして、今後とも、その答申を踏まえて、さらなる取り組みを進めていく考えでございます。
2点目の瓶の再使用の仕組みづくりについてでございます。
リユース瓶につきましては、流通構造の変化などによりまして、その使用量が著しく減少しておりますことから、効率的な回収が困難となってきているのが現状でございます。
そのような中、札幌市では、集団資源回収奨励金の対象品目とするほか、地区リサイクルセンターでも回収を行ってきたところでございます。一方、国におきましては、現在、リユース瓶の利用促進に向けた検討会を設置しておりますことから、今後もその動向を注視しつつ、さらなる利用や回収の促進に向けた市民への普及啓発を進めてまいります。
次に、容器包装リサイクル法の改正に向けた取り組みについてでございます。
容器包装リサイクル制度につきましては、自治体の費用負担及び役割分担が課題になっておりますことから、拡大生産者責任の徹底について、他都市とも連携して、国に対し要望書を提出しているところでございます。また、事業者に対しましては、段ボール回収の協力をお願いしているほか、事業者独自の活動としても食品トレーなどの回収が行われてきております。今後とも、国への要望を継続していくとともに、事業者の皆さんに対しましては、消費者ニーズに合わせたリサイクルの取り組みをより一層進めていただくよう働きかけてまいります。
次に、女性も男性も生き生きと安心して生活できる環境づくりについてでございます。
まず、地域における男女共同参画の推進についてでございます。
1点目の女性リーダーの発掘や育成も含めた地域における男女共同参画の推進に向けた取り組みにつきましては、ことし4月からスタートする予定の第3次男女共同参画さっぽろプランにおきまして、基本施策の一つとして位置づけているところでございます。各区や関係部局と連携する中で、地域における講座や男女共同参画週間パネル展などの事業を展開するとともに、今後は、新たに女性の視点を生かした防災への取り組みなども行っていく予定であります。
2点目の男女共同参画センターの取り組みの拡充についてでございます。
男女共同参画センターにおきましては、平成23年度に情報センターを改修し、施設の利用団体や市民への情報発信機能を特に強化しており、その結果、情報センターの利用者は前年度に比べて6,667人、18.4%増加をしているところでございます。これからも、男女共同参画社会を実現するための活動拠点としてその役割を十分果たせるよう、事業の充実と利用促進に取り組んでまいります。
次に、DV被害者への支援についてでございます。
1点目の現DV基本計画における被害者支援の状況についてでございます。
DV被害者相談件数の増加とともに、相談内容も複雑化していることから、事例を定期的に検証しておりまして、それをもとに相談員研修の充実や相談体制の拡充を図っているところでございます。
また、被害に遭った母子への支援についてでありますが、DV被害者の生活再建のためのステップハウスにおきましては、入居者の就業や子どもの通園・通学等の事情を考慮し、入居期間の延長や個別の生活指導をするなど、母子に対するさまざまな支援を行っているところでございます。今後も、関係する子ども未来局や保健福祉局、教育委員会等と連携をしながら、被害者の状況に応じた支援に取り組んでまいります。
2点目の次期DV基本計画における重点事項でございます。
DV被害相談件数の増加や複雑化が大きな懸案であることから、相談員の人材育成や相談環境の充実など、支援体制のさらなる強化が必要と認識をしております。また、被害者にも加害者にもならないように、未然防止に向けた啓発の推進も重要と考えておりまして、来年度、計画を諮問する予定の男女共同参画審議会において具体的な方策を検討する予定でございます。
私からは、以上であります。
○副議長(大嶋薫) 秋元副市長。
◎副市長(秋元克広) 私からは、高齢になっても安心して暮らせる地域包括ケアシステムについて、それから、子ども教育政策についてのうち、1点目の子どもの権利の理解に向けた取り組みについて、それから、若者の自立支援について、食の安心・安全の確立についての4項目についてお答えを申し上げます。
まず、高齢になっても安心して暮らせる地域包括ケアシステムについてのご質問の1点目、日常生活圏域ニーズ調査についてであります。
一つ目の調査項目についてですが、次期介護保険事業計画策定に向けて新たに実施するこの調査は、地域の高齢者の課題やニーズを生活エリアごとに把握して、地域包括ケアの推進等に活用することを目指すものであります。その調査項目につきましては、介護保険事業計画推進委員会などの意見も伺いながら、冬期間の生活実態など札幌の特性も含め、地域や、地域に居住する高齢者ごとの課題やニーズをしっかり捉えることができるような内容としていきたいと考えております。
二つ目の調査方法についてでありますが、これまで実施してきております高齢社会に関する意識調査は、6,000人の高齢者を対象としたものでありますが、今回の調査においては、まちづくりセンターの区域ごとに抽出をし、1万人の規模で実施することを想定しております。調査は、これまでと同様、郵送による方法を予定しておりますが、文字の大きさやわかりやすい設問とするなどの配慮をすることで、より多くの高齢者から生活実態を正しく反映した回答が得られるよう工夫してまいりたいと考えております。
三つ目の調査結果の活用についてであります。
調査結果につきましては、地域の実情に合わせた今後の地域包括ケアの推進や地域保健福祉活動の充実に向けた検討等に活用するとともに、地域ごとの介護サービス基盤や生活支援サービスなどの種類や量を明らかにするなど、次期の介護保険事業計画に盛り込んでまいりたいと考えております。
2点目の地域ケア会議の設置についてであります。
札幌市では、現在、地域包括ケアに関する協議の場として、医療・介護関係者、学識経験者、民生・児童委員等で構成する地域包括支援センター運営協議会を全市レベルで開催しております。また、区レベルにおきましては、処遇困難事例を中心に、さまざまな職種の人々が協働して個別処遇検討会議を随時開催しておりますほか、高齢者支援のネットワークを構築するため、地域包括支援センター運営会議も実施をしているところでございます。これらの会議を重層的に再編し、機能強化を図ることによって、国が想定する地域ケア会議の役割を果たすことができるものと考えております。今後とも、地域包括支援センターを初めとする関係機関と協議しながら、地域ケア会議の体制整備に向けて検討を進めてまいります。
次に、子ども・教育政策についてのうち、1点目の子どもの権利の理解に向けた取り組みについてであります。
子どもの権利に関する推進計画の基本目標の一つに、子どもの権利を大切にする意識の向上を掲げ、普及啓発に取り組んでいるところであります。市民への意識調査の結果を見ますと、子どもの権利の理解についてはまだ十分ではないと認識をしております。今後は、教育委員会と情報共有を図りながら緊密に連携し、子どもの権利についての教員研修実施における協力や、新たに作成する広報物の学校現場での活用など、理解促進の取り組みを充実させてまいります。
次に、若者の自立支援についてお答えをいたします。
1点目の今後の取り組みについてでありますが、若者支援総合センターでは、困難を有する若者に対して、個人カルテに基づき、一人一人の多様な状況に応じた支援を実施しているところでございます。また、地域の方々や企業などの協力を得て、職業体験など自立支援プログラムの充実や就業機会の提供にも取り組んでおります。今後、これらの取り組みを拡充していくとともに、協議会を通じた関係機関のより一層の連携や相談体制の強化に努めてまいりたいと考えております。
2点目の学校との連携についてであります。
中学校、高校の卒業時や高校中退時に、進路が未定で、社会的自立に不安のある子どもを早期に若者支援総合センターへとつなげるため、市内各学校、子どもたちや保護者にセンターの事業を周知する取り組みを進めているところであります。その中で、センター職員による学校訪問も実施をしており、自立支援事業に対する学校の理解、信頼度が高まってきていると考えております。今後も、この取り組みを継続・発展させながら、学校との一層の連携に取り組んでまいります。
食の安全・安心の確立についてであります。
消費者の権利という理念は、食の安全・安心の確保の観点からも重要であると認識をしております。このため、札幌市安全・安心な食のまち推進条例では、基本理念に市民等の健康保護が最優先という考えを明確にすることで、安全な食品の提供を受けるという消費者の基本的な権利を確立していこうとしております。その上で、本条例に市の施策への市民意見の反映や、市民への適切な情報や学習機会の提供などを規定することで、食の安全・安心に関する消費者の権利を担保するものであります。
さらに、今後、食の安全・安心を総合的に推進するための計画を策定する予定でありまして、この推進計画の中で消費者の権利をより明確にしてまいりたい、このように考えております。
私からは、以上です。
○副議長(大嶋薫) 北原教育長。
◎教育長(北原敬文) 子ども教育政策についての2点目、学校における子ども自身の問題解決に向けた取り組みについて、私からお答えいたします。
ピアサポートなどの取り組みは、子どもたちが相互理解を深め、みずから問題を解決する力を育む有効な教育活動の一つと認識しておりまして、札幌市学校教育の重点に位置づけ、その推進を図ってきたところであります。
教育委員会といたしましては、今後とも、ピアサポートなど、実効性のあるさまざまな取り組みについて研究を進めながら、指導資料を提供するなどして、各学校の取り組みがより一層効果的に行われるよう支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(大嶋薫) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日2月20日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(大嶋薫) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
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○副議長(大嶋薫) 本日は、これで散会します。
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散 会 午後5時50分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 三 上 洋 右
副議長 大 嶋 薫
署名議員 小 須 田 悟 士
署名議員 峯 廻 紀 昌...