札幌市議会 2012-02-20
平成24年第 1回定例会−02月20日-02号
○議長(三上洋右) 次に、
建設委員長 佐々木みつこ議員。
(
佐々木みつこ議員登壇)
◆
佐々木みつこ議員 建設委員会に付託されました議案第52号 平成23年度札幌市
一般会計補正予算(第7号)について、その審査結果をご報告いたします。
主な質疑として、除雪費の補正予算について、各区の降雪量の差が歴然としている現状を踏まえ、より効率的に執行すべきと考えるが、どう対応するのか。不足する除雪費対策として、国の
社会資本整備総合交付金が追加配分されるとの報道があったが、財源には含まれているのか。契約差金等により生じた
不用見込み額の流用も予定していると聞くが、流用元となる主な事業とその内訳はどのようになっているのか等の質疑がありました。
討論はなく、採決を行いましたところ、議案第52号は、全会一致、可決すべきものと決定いたしました。
以上で、報告を終わります。
○議長(三上洋右) ただいまの各
委員長報告に対し、質疑はありませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○議長(三上洋右) 質疑がなければ、討論に入ります。
通告がありますので、発言を許します。
松浦 忠議員。
(松浦 忠議員登壇)
◆松浦忠議員 ただいま上程されております議案第52号、第56号について、賛成であります。
今、
委員長報告を聞きますと、極めて平たんに審議が終わったというふうにだれもが受け取ると思うのですが、まず最初に、市長に申し上げておきます。
この審議の中で、大事なことが一つ出されました。それは何かといったら、予算の提案前に予算内容が他に漏れて一般市民に知れ渡る、これに対して、議員として、市民から問い合わせがあったときに答えるのに非常に苦慮したと。したがって、予算の扱いについては、きちっと、やはり議会に提案する前に漏れないように慎重を期していただきたい。ということは、議員も、やはり、当然、市長が策定し、執行する予算の内容については、議決をし、それをきちっと注視していくという役割があるわけですから、そういう点で非常に苦慮した、こういう苦言を呈する意見が出されておりました。このことについて、まずもって、市長に、そういうことは今後ないように、ぜひひとつ慎重な取り扱いをしていただきたいということを申し上げておきます。
それから、この審議の中で、補正額は14億円ということになっていますが、実質的に不足する予算は17億6,400万円だと。こういうことで、この計上されていない3億6,400万円は、平成23年度除雪予算として計上する中から流用する、いわゆる執行を取りやめて3億6,400万円をこの除雪費に充てる、こういう内容であります。
その主なものを私が問いただしましたら、実は、例えば代表的なものを一つ申し上げます。
藻岩下流雪溝ポンプ更新3,000万円を予定しております。これについては、更新をやめた、こういうことであります。これは、質問するまで、こういう資料の説明が、3億6,400万円の具体の説明が全くありませんでした。私は、それでは、ポンプは取りかえなくても使えるものを取りかえるということで予算計上したのですか、こう問いただしたら、いや、実は、雪対策費の中で、他の機械類の修繕費の中でおよそ1,500万円で修繕をして、それで、これから先、当分もつ、こういう判断に至りました、こういう答弁がありました。
ここで、私は市長に申し上げておきたいのは、やはり、これだけお金がない、こう言って、平成24年度の予算でも市民からおよそ52〜53億円の負担増を求める、こういうことを議案として出しているわけです。ところが、一方では、23年度の雪対策の予算を見たら、この大事な流雪溝の水をくみ上げるポンプが、それが修繕でいいものを更新に組んでいる。そして、修繕で半分で終わっている。こういうような予算の組み方というのは、言ってみれば、これだけではなくて、まだまだあるのでないだろうかと。
実は、きょうも、堀川議員のところに、
教育委員会から、学校給食のかま、食材を加工する大きなステンレスのおかまですが、これがもう20年たっているから取りかえる、こういう説明が来ました。堀川議員が取りかえる根拠はと言ったら、20年以上たつと壊れるかもしらぬから、と言うのです。確たる根拠もなくて、一定の年限が来たら、年度末で金が余ったから補正予算で取りかえておこうかと、こういうような予算の使い方が随所に見られます、これ、随所に。したがってですね、予算のいわゆる
見積もり編成に当たっては、もう少しきちっと厳密にやっていただきたい。
新聞などを見ますと、市長は、きょうから何日間で予算を査定するということで、いろいろ、財政当局と市長と3副市長とで予算の査定などを行っていますから、私は、相当、予算はシビアに厳密に組まれているのかと思ったら、今、1〜2の例を示したごとく、極めて緩やかというよりも、ずさんと言わざるを得ないような組み方が幾つか目につきます。
こういう点について、もう一回、平成23年のこの補正ばかりでなくて、24年の予算についても、この予算審議を通じて直すべきものは直して、執行できちっととめていく。そして、審議を通じて指摘されたものについては、きちっと、もう一回、再検証して、そして、本来ならば数字を訂正して議決をするということだと思います。そういうようなことも含めて、やっぱり、きちっとやっていただきたいということを指摘して、除雪のことでありますから、本来ならば、これは、予算の反対とか賛成という前に、出し直しを求めるということでありますけれども、天から降ってくる雪はいつ来るかわかりませんから、あえて市民生活の安全のために我が会派は賛成をいたしましたが、今後、こういうことについて十分留意をして事に当たっていただきたいということを申し上げて、終わります。
○議長(三上洋右) 以上で討論を終了し、採決に入ります。
議案2件を可決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(三上洋右) 異議なしと認めます。
したがって、議案2件は、可決されました。
――
――――――――――――――――
○議長(三上洋右) 次に、日程第2、議案第1号から第51号まで、第53号から第55号まで、第57号から第61号までの59件を一括議題とします。
ただいまから、代表質問に入ります。
通告がありますので、順次、発言を許します。
小須田悟士議員。
(
小須田悟士議員登壇・拍手)
◆
小須田悟士議員 私は、ただいまから、自民党・市民会議を代表いたしまして、今定例会に上程されました平成24年度予算案、その他の諸議案並びに市政の諸問題について、10項目にわたり、質問をさせていただきます。
まずは初めに、今回上程されました予算編成における基本的な考えであります。
今回の予算案は、上田市政3期目の集大成的な展望を見せるべきものであり、そのための工夫や努力が見えてしかるべきであります。提案説明では、地域経済への対策とか1万3,650人の雇用を創出する、あるいは、
再生可能エネルギーの転換などという甘いキャッチフレーズがちりばめられているのですが、予算案の中身を見ると、実効性のあるものはほとんど見当たりません。そして、何よりも、これらにより札幌の経済成長をどれだけアップさせるのかという全体の目標設定がないのですから、評価のしようがありません。そうした観点から、順次、質問をさせていただきます。
まず最初に、第3次札幌新
まちづくり計画の経済対策について質問いたします。
平成20年度の札幌市内総生産は、
実質経済成長率マイナス2.0%と、4年連続の
マイナス成長でありました。ことし1月に発表されました札幌経済の概況では、持ち直しの動きに足踏み感としており、
有効求人倍率も0.44倍と、依然として厳しい状況であります。このような状況下で、昨年末に、平成23年度から26年度にわたる第3次札幌新
まちづくり計画が公表されました。この計画では、特に、4年後の
札幌経済規模がどのように拡大し、雇用情勢をいかに好転させるのか、その具体策を示すものとして大いに注目しておりました。
そうした観点から見ますと、新たな計画のさっぽろ“えがお”指標では、展示会、商談会への参加企業の売上高70億円や
食品製造付加価値額750億円などという細かな数値目標がありますが、その積み重ねで4年後の札幌経済全体がいかに拡大し、経済成長率がどれだけプラスになるのか、肝心なことが全く見えてきません。政策目標である、活力みなぎる元気な街を実現するためには、札幌経済全体の成長率などの具体的な数値目標を上げて、市民、企業、市職員全員のベクトルが一致できるようにすべきであります。
計画では、雇用創出5万人達成に向けて、
特別養護施設、保育所の整備など
雇用創出効果の高い事業を推進する計画とのことでありますが、雇用創出5万人の内訳を調べると、
就業サポートセンター支援等などのいわゆる
就職あっせん紹介事業が
雇用創出計画全体のかなりの割合を占めているようです。さらに、その
就業支援事業によって紹介された具体的な雇用先や継続雇用がどのようにフォローされているのかが不透明であります。例えば、
就業サポートセンターで支援を受けて雇用された人が、その後、離職を繰り返して、その就業回数を雇用創出の人数にカウントされても、本来の
雇用創出人数とはみなされないはずですし、また、雇用の継続期間がどの程度になっているかを把握することは、雇用実態を的確に把握するためにも大切であります。
私は、福祉・介護分野に頼るだけでは、5万人もの雇用創出は難しいと思います。札幌・
エネルギーecoプロジェクト事業や
エコリフォーム促進事業などの
民間活用事業の拡大だけではなく、道外からの幅広い民間投資の誘導や大型企業の誘致など、もっともっとダイナミックに札幌を売り込む展開が必要なのは当然であります。
そこで、第1点目の質問でありますが、第3次札幌新
まちづくり計画では、今後4年間で、札幌経済全体の拡大と成長を図るためにどのような
ロードマップと
成長率アップを描いているのか、具体的にお示しください。
質問の第2点目は、雇用創出5万人の内訳として
就業サポートセンター等の支援事業などの
就職あっせん紹介人数と企業誘致などによる
雇用創出人数について、実績と見込み数値を示してください。
あわせて、市長が強調しておられる福祉、介護、保育分野の
就職紹介人数と
雇用創出人数の実績と見込みを示していただきたいと思います。
次に、電力・エネルギー問題と温暖化対策について質問いたします。
昨年3月の福島第一原発事故が発生して以来、我が国の電力供給問題が大きくクローズアップされております。政治家、学者、企業家などあらゆる分野の方々が、将来的な原発の方向性や、それに伴う原子力、化石燃料、水力等のエネルギーの
ベストミックスのあり方、太陽光、風力などの
再生可能エネルギーの活用可能性と問題点について議論されています。さらには、原発稼働が一定の制限を受ける場合には、代替する化石燃料による温暖化、CO2増加の問題について幅広い議論がなされております。特に、今後、すべての原発が長期間にわたり停止するような事態になると、CO2を1990年比で25%削減するという地球温暖化防止に向けた我が国の取り組みは、大きく軌道修正せざるを得ないとの懸念が出ております。
それらの議論を踏まえて札幌市の現況を見ますと、実は、それと同じような矛盾を抱えているのであります。上田市長は、今回の事故が発生してからは、脱原発依存の立場を明らかにして、太陽光や風力といった
再生可能エネルギーの積極的活用を図ろうとされております。その一方では、昨年3月に札幌市温暖化対策推進ビジョンを策定し、2020年までにCO2を2007年比で実に42%もの削減を目指すとのプランを示したのであります。環境問題を最重要視する市長にとっては、まさにトリプルAに位置づけられた政策であるはずです。
その高い目標達成のためには、2020年までに507万トンのCO2削減を図る必要がありますが、シナリオでは、削減量全体の約4分の1に当たる118万トンのCO2削減をエネルギー転換項目としてすべて北電の泊原発3号機の運転によるCO2の削減量を見込んでおります。市長は、原発稼働には強く反対する発言を行う裏で、CO2削減では、泊原発の稼働によりその大きな削減成果をちゃっかり拝借したプランを進めているわけで、これは二枚舌と批判されても仕方がありません。
この点については、昨年の第2回定例会で、市長は、原子力は過渡的なエネルギーであると認識しており、自然エネルギーへのさらなる転換を進めてまいりたいと答えておりましたが、それは、原子力エネルギーが過渡的か、恒久的かという単なる認識論であり、答えになっていないのであります。みずからが作成したビジョンの中で具体的なCO2削減の大きな柱として泊原発の稼働を見込んでいたわけですから、上田市長は、少なくとも2020年までは過渡的エネルギーとして原発稼働を認めていたはずです。市長は、福島原発事故発生後に脱原発依存の立場に切りかえたならば、原発稼働による118万トンもの削減量は、現実的には、到底、自然エネルギーでは代替できないわけですから、温暖化対策推進ビジョンの目標数値については断念せざるを得ないと思うのであります。
その一方では、泊原発3号機が4月末に定期検査に入り、道内の全原発が停止したままの状態では、ことしの夏、ピーク時には約32万キロワットの電力不足になるおそれがあるという政府の厳しい見通しが出ました。札幌は、年間総消費電力量は約95億キロワットで、北電の年間総販売電力量約320億キロワットのうち、約30%近くを占めている大口利用者であります。そして、昨年12月に出された札幌市のエネルギー転換調査の中間報告では、札幌市の年間総消費電力量の44%に当たる約42億キロワットをすべて泊原発に依存している実態があることを札幌市自身が明らかにしております。したがって、ことしの夏の最悪時に想定される電力不足問題については、札幌市全体の節電対応などが大きなかぎを握るとも言えるはずです。
電力不足問題への対応については、昨年10月の決算特別委員会で我が会派のよこやま委員が質問したところでありますが、市は、市民、事業者に節電を呼びかけると答えただけで、全く実効性のある対応策を示しておりません。電力不足により、日常生活や業務継続はどうなるのかという市民や事業者の不安や不信に対して、きちっとした節電目標や実効性ある対応策を示すことが札幌市の責務であるはずです。
仮に全体で32万キロワットの不足が見込まれるとすると、札幌市は、全体の約30%の電力消費量ですから、約10万キロワットの節電が必要なわけであります。つまり、札幌市の年間総消費電力量から推計すると、1時間当たりの平均消費電力量約108万キロワットの10%程度に相当する電力消費量が節電目標になるはずであります。
そこで、質問の第1点目は、ことしの夏、最悪の場合、32万キロワット不足と想定されている電力不足問題に対して、大口電力消費者である札幌市は約10万キロワットの節電が必要になると仮定しますと、どのような対策を考えているのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
質問の第2点目は、札幌市温暖化対策推進ビジョンで示す2020年の削減目標は原発稼働を前提としていたわけですが、原発事故発生後に市長としての政策スタンスが脱原発依存に急遽変更されたために、目標達成を断念したと理解してよろしいのでしょうか、見解をお伺いいたします。
次に、公契約条例についてお伺いいたします。
これまで、市議会において、(仮称)札幌市公契約条例素案につき、この是非を議論してまいりました。そして、素案で対象とされた関係業界団体からは反対陳情があり、札幌商工会議所からも制定反対を趣旨とする要望が出されているところであります。しかしながら、今回、それらの反対を無視した形で素案の趣旨をそのまま生かした条例の成案が本議会に示されたところであります。そして、この条例制定に向けて、今回の予算案では、職員を1名ふやし、その事務経費800万円が計上されています。
私は、市民、そして条例の適用対象となる業界関係者にとって、条例案がそのまま制定されたならば、「百害あって一利なし」という思いを強くしているところであります。さきにも述べましたとおり、今回の条例案提案に当たっては、条例の対象となる業界団体、経済界、多くの市民が反対しており、我が会派にもそれらの方々から種々の意見が寄せられております。市長は、これまで議会並びに業界側と相対して説明されてきたようですが、結果的には理解を得られないまま条例案提出に至ったわけであります。我が会派は、これほどまでに強い反対をされている中で条例を通そうとする市長の姿勢に強い疑問を感じざるを得ません。今回の条例の実効性を担保し、条例の目的を達成するためには、関係する市民と業界の理解と協力が不可欠なわけでありますが、市長は、実効性があるかどうかについては関心がなく、条例が制定されさえすれば、それでよいとお考えなのではないかと思わざるを得ません。
そこで、質問の1点目でありますが、市長は、条例の対象とされている建設業界、ビルメンテナンス業界、警備業界並びに本市経済界の総本山である札幌商工会議所、そして、多くの市民が現状においては明確に反対の姿勢を示している本条例案について、なぜ理解されたとお考えになるのでしょうか、見解をお伺いいたします。
また、市長は、常に、市民が主役、そして、市民とともに考え、ともに悩み、ともに行動するとおっしゃっておりますが、今回の条例制定においては、全く市民不在であり、市民とともにという姿勢が全く見受けられません。その辺についてのご見解もあわせてお伺いいたします。
次に、今回の条例案に対して、これまでの議論の経過における札幌市の姿勢についてお伺いいたします。
去る平成23年第4回定例市議会代表質問における公契約条例の質疑において、最低制限価格を引き上げる旨の答弁がなされました。最低制限価格の引き上げについては、これまで我が会派は一貫して主張してまいりました。市も、その意向を受け入れ、一部引き上げを決断していただいたことは、一定の評価をしているところでありますが、対象業種と引き上げレベルは十分ではないことは言うまでもありません。
しかしながら、この条例の議論の最中で、にわかに最低制限価格の引き上げが市側から提案されました。市側は、表向きに最低制限価格と本条例案は別物であると言いながら、しかし、実態は、市と業界とのやりとりの中で、市側はこの条例案と最低制限価格を一体として議論を進めてきております。つまり、最低制限価格を引き上げるので条例案に関しては理解してもらいたいということであります。
私は、このような市側の交渉姿勢というのは、非常に市民を侮辱した失礼なやり方であると言わざるを得ないと考えております。元来、この最低制限価格の引き上げに対しては、適正な価格による公共事業の発注をすることにより、事業者の経営安定、成果品の品質確保、雇用の安定を実現させ、ひいては、公共財を利用する市民の利益を担保することが目的であります。
そこで、質問の2点目でありますが、最低制限価格の引き上げを含めた入札制度の改善を本条例案とはしっかりと切り離して議論をすべきと考えますが、市長のご見解をお伺いいたします。
不況で厳しい経営を強いられている経営者、そして、最低賃金ぎりぎりで懸命に働いている市民が多くいる中で、市民の税金によって行われる公契約において、一部業種の一部の人の賃金が、市が選考した特定の一部の人が決めて高い賃金を支払われることについて、市民が不公平感を持つことは当然であり、事実、そのような意見がパブリックコメントでも寄せられております。
その点については、市長は、税金を原資としているのであるから、品質を確保するためには問題ないという趣旨の発言を一貫してされております。市長、あなたは、今、特定の人、団体等の利益を代弁する弁護士ではありません。市民全体の利益、公平性をバランスをとりながら判断していかなければならない立場におられます。税金を原資としているならば、その使い道には公平性は必要ないとお考えなのでしょうか。
そこで、質問の3点目でありますが、私は、本条例案は多くの市民に不公平感を生む公正さを欠くものであると思いますが、市長のご見解をお伺いいたします。
次に、債権管理条例について質問いたします。
我が会派としても、未回収になっている市のさまざまな債権の回収を徹底するためには、基本的には、債権の管理に関する条例の制定が必要だと考えております。現在、札幌市においては、300億円を超える収入未済額が発生しており、払っている市民と払っていない市民の間に不公平感が生じ、より効果的な収納の仕組みが必要なこと、企業会計を中心に時効期間が満了した債権も数万件となっており、こうした、事実上、徴収不能な債権を消滅させるために、一々、議決することは現実的ではないことが問題としてあります。
既に、水道料金債権、公立病院の診療債権については、私法上の債権である旨の最高裁判決が出ました。適正な債権管理の時効を迎えるものについて債権放棄する場合には条例化して放棄するなど、より厳密で適正な手続を必要とすることなどから、早急に債権管理条例を制定する必要がありました。そうした経緯をたどってようやく条例の上程に至ったわけでありますが、幾つかの問題点や疑問点があります。それを確認させていただきます。
質問の第1点目は、条例制定の目的についてであります。
既に、条例を制定している自治体によっては、債権回収の強化と債権放棄の適正手続と執行というそれぞれの目的に対する重心の置き方が異なっているようですが、市長はどちらに重心を置くつもりなのでしょうか。
第2の質問は、地方自治法第96条に基づく議会の権限に属する債権放棄については、本条例案では、市長等による権限で債権放棄できることにしておりますが、その場合、十分な徴収努力を行わないまま時効を迎えるなど、行政の不作為によって貴重な財源が失われてしまうおそれもあると思いますが、市長の認識をお伺いいたします。
また、そのことに関連して、真剣に徴収をしたのかどうなのか、徴収計画を定めるなどして検証することはしないのか、お伺いいたします。
質問の3点目ですが、債権放棄などは、本来、議決事件であることから、条例制定後も何らかの形で議会のチェック機能を確保する必要があると思いますが、市長はどのように考えておられるのか、お伺いします。
続いて、質問の4点目は、一口に債権と言っても、金額の大きなものから小さなもの、政策性の高いものや低いものなど多岐にわたっており、すべて一律に放棄するのではなく、一定のルールが必要であると考えます。さらに、政策性が高く、また活発な議論がなされている債権の放棄についてまで、市長限りで行うのは問題だと思いますが、どのように考えておられるか、伺います。
質問の5点目ですが、徴収体制については、さきの常任委員会で我が会派の宗形議員が指摘しましたが、条例制定を契機に、他都市でも例があるように、一元的な体制を整備して効率的に債権回収を進めるべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。
次に、市職員組合などの組合団体が市役所本庁舎をどのように使用しているのか、その実態についてお聞きいたします。
昨年11月の大阪市長選挙で当選された橋下 徹市長は、市職員組合が市長選挙で公然と違法な政治活動をしていたことを指摘して、このような組合団体に市庁舎を使用させる理由はないとして、今年度限りで四つの組合事務所、合計約750平米の撤去を求めたとの報道がありました。
ちなみに、これらの組合事務所が支払っていた市庁舎の目的外使用料、いわゆる家賃相当額は、本来ならば年間3,600万円のところ、何と、大阪市は6割も減額して1,440万円しか受け取らず、年間2,160万円もの収入をふいにしていたわけであります。仮に、30年間、ずっと同額を減額していたならば、実に約6億5,000万円もの収入ダウンとなっており、膨大な金額を組合に便宜供与していたのであります。
確かに、地方自治法では市役所庁舎などの行政財産は目的外使用許可の制度があり、職員組合の事務所もその許可範囲とすることも可能とする旨の総務省の見解もあるようです。しかし、それは使用許可の対象とできるとするだけの意見であり、使用料を減額して安くしてもよいという根拠はないのであります。
札幌市の状況を見ますと、市労連や市職員組合などの組合団体が市役所本庁舎に事務所を構えており、大阪市と同じような実態があるわけです。しかしながら、本庁舎のスペースが不足しているとのことで、多くの外郭団体や部局を本庁舎から移転させており、特に行政執行には支障を来していないわけですから、行政執行とは無関係である組合の事務所が市庁舎になくとも全く支障はないはずであります。組合団体は、札幌市の発展とともに、巨大な組織、人員と豊富な資金を誇る大組合となったはずであります。その巨大組合が世間並みの家賃を払って自前の事務所を借り上げることができないとは、市民は、だれ一人、信じないでしょう。
今回、大阪市に関する一連の報道があってから、その実態を初めて知った札幌市民も大勢おり、実は、私のもとにも詳しいことを教えてほしいという市民の要望が届いておりますので、市長の見解をお聞きいたします。
質問の第1点目は、職員組合団体が本庁舎を使用している状況について、団体数、使用面積、使用料金額、減免の有無、その根拠と減免率などをお示しください。
質問の2点目は、組合事務所の使用許可とその条件は、特に問題意識もなく、ずっと継続されてきたのでしょうが、市庁舎の利用状況や市民目線など状況の変化を踏まえ、見直すべき時期に来ているのではないかと思いますが、市長の見解をお聞きいたします。
敬老優待乗車証について質問する前に、保健福祉施策に関する指摘をしておきたいと思います。
1月20日、白石区で知的障がいを持った妹とその姉が孤立死された問題は、要援護者の把握、支援体制や連携のあり方など、社会福祉施策の連携の不十分さ、セーフティネットの網の粗さが明らかになりました。折しも、札幌市では平成24年度から札幌市地域福祉社会計画をスタートさせることになっております。この計画では、地域で漏れなく、切れ間なく、すき間なく福祉サービスが利用できる仕組みづくりが計画の柱となっております。この計画が確実に実行に移され、二度とこのような悲惨な出来事が起きないように、しっかりとした対策を立てられるように強く要望しておきます。
敬老優待乗車証についてお聞きいたします。
敬老優待乗車証、いわゆる敬老パスは、満70歳以上の市民を対象として、昭和50年に交付事業がスタートしてことしで37年目を迎え、利用者数は平成22年度実績で18万人超に上ります。もともとは市内公共交通機関を無料で利用できるフリーパス制度でありましたが、上田市長が当選して間もなく、高齢化による利用者増に伴う財政負担の拡大を理由に制度見直しを打ち出して、平成17年から利用上限額と利用者負担が導入されて今日に至っています。
この敬老パスが、今回、札幌市が新たに策定した行財政改革推進プランにおいて、サービス水準の見直しを行う事業として盛り込まれました。それには持続可能な制度のあり方の検討とだけ記載されただけで、制度のどの部分をどう見直すのか、具体的な考えが何も示されておらず、地域の高齢者の皆さんから心配の声が数多く寄せられております。
また、見直しによって財政負担を幾ら減らしたいのか、そして、いわゆる見直し効果額などという基本的なことさえもプランに示されていないのは、なぜでしょうか。市長は、年頭の記者会見でも、行財政改革推進プランの各種見直し項目に関する今回の対応については、市民の皆さんにも大いに議論に参加してほしい旨の発言をされておりました。しかし、市民はもちろん、私ども市議会の立場からも、具体的に何をどう議論するのか、全くもってよくわからないというのが素直な感想であります。
質問の第1点目は、敬老パス制度を今後どのようにしたいのか、市長みずからの考えを明らかに示した上で、市民や議会に議論を投げかけるべきと思いますが、市長の認識を伺います。
敬老パスは、札幌市の発展とともに歩んできた長い歴史を持つ事業であると同時に、満70歳以上の市民の大多数が利用する、まさに札幌市の高齢者福祉施策を代表する事業であります。この敬老パスがこれまで高齢者の暮らしや福祉増進にいかに役立ってきたのか、市長はどれほど認識されておるのでしょうか。平成17年にみずから大幅な制度見直しを行ったにもかかわらず、財政負担が厳しいですからと軽々しく再度の見直しを公言する前に、敬老パスの現状と果たす役割や意義を改めて考えてみることが、市長としての本来とるべき姿勢ではないでしょうか。
そこで、質問の2点目でありますが、平成24年度予算案を見ますと、敬老パス関係予算の中に利用者実態調査費が盛り込まれておりますが、この調査の目的と調査項目などはどのようなものなのか、お答えをいただきたいと存じます。
次に、路面電車の活用について質問いたします。
札幌市の路面電車の延伸検討が進められる中で、2月10日の
財政市民委員会において、札幌市路面電車活用計画(案)ループ化編が報告されました。路面電車は、その特性から、今後の高齢化社会で有効活用できると考えられており、また、さまざまな経済活動にも資する可能性があるとの説明がありました。活用計画の中では、新型低床車両やサイドリザベーション方式の導入により、利用者の利便性が高まるほか、個性的な景観形成がされるなどの内容でありました。このような事業採算性の経営面と既存交通への影響の交通面の二つの観点から検討していく必要があると思いますが、先日の
財政市民委員会で我が会派から指摘したとおり、その両面において、現時点では見通しが不十分だと言わざるを得ない点が見受けられるのであります。
例えば、既存交通への影響については、冬期間の除雪や渋滞対策、さらには自転車対策など多くの課題があり、影響が最小限になるように対策を講じていく必要があります。また、経営面については、我が会派では、かねてより、軌道事業の継続に当たっては、抜本的な経営の効率化を図ることが重要であり、ループ化を含めて、路線延伸については、まず経営形態の見直しを行い、黒字化のめどをしっかり立ててから論ずるべきであると主張してきました。そうした観点からこの活用計画案を見ると、15%程度の人件費削減を行うことや、料金の値上げにより、ループ化しておおむね7年目ごろには単年度黒字となるという甘い見通しとなっております。そこで、上下分離方式の導入を含めた持続可能な経営形態への見直しに関しては、経営、安全の両面から事業運営のあり方について検討を進めますとしているにとどまり、具体的な手法や時期などの見通しが不十分であります。
そこで、質問の1点目は、ループ化の推進に向けては、これらの課題克服が不可欠であることから、活用計画案の段階でより具体的な検討が必要ではないかと考えますが、市長の認識をお伺いいたします。
次に、ループ化の投資効果についてであります。
活用計画案の中では、五つの重点取り組みにより、ループ化による新規需要は600人ということで、現在の1日当たりの乗車人数の3%程度というかなり少ない推計値になっています。こうした新規需要が余り見込めない一方で、ループ化に係る事業費として約19億円の投資をすることになっており、運賃の見直しも想定されている状況から考えると、ループ化がまちづくりに与える効果や経済の活性化にどの程度寄与するのか、全く不透明であります。
そこで、質問の2点目は、ループ化がまちづくりと経済の活性化に与える効果について、市長の認識をお伺いいたします。
次に、北海道新幹線についてであります。
昨年末、新幹線の未着工区間に一定の方向性が示されました。我が会派は、これまで、新幹線誘致に向けて並々ならぬ情熱を傾け、行動してきたものと自負しており、自公政権当時においては、平成21年12月までに札幌−長万部間にて許可をするための所要の検討を進めることを決めておりました。その後の政権交代により、新幹線計画は後退してしまったものの、今回、札幌市民、北海道民の悲願実現に明るい兆しが見えてきたことは大変喜ばしいものであります。
我が国の新幹線は、昭和39年に東京−新大阪間を結ぶ東海道新幹線が開業して、首都圏を結ぶ路線を中心に整備が進められ、平成22年12月に東北新幹線、平成23年に九州新幹線の全線開通が実現しました。北海道新幹線は他の地域よりおくれており、現在の想定では札幌開業までにまだ24年を要するものとなっております。私は、札幌や北海道のポテンシャルを十分に生かして、我が国の発展に貢献していくためにも、今後も官民挙げて早期開業に向けて取り組んでいく必要があると思うのであります。
北海道新幹線が札幌までつながると、札幌駅を起点に大きな人の流れが生まれ、その消費行動などにより広範な業種、業態に大きな経済効果が継続して発生することになります。北海道最大の都市であり、北海道新幹線の玄関口となる札幌においては、人の流れを札幌だけではなく北海道全体に広げるといった視点が求められております。特に、道内交通網に大きなインパクトを与えるものであり、これまでとは別の見方で機能や役割について議論が展開されるべきであると考えます。新幹線効果をしっかりと発揮していくためには、例えば、丘珠空港との連携など、新幹線に関連する施策の検討を今のうちからより具体的に進めていかなければならないと感じております。
そこで、質問の1点目ですが、新幹線の早期開業に向け、今後も積極的に活動するべきと考えますが、具体的なアクションプランをお聞かせ願います。
ちなみに、昨年の第3回定例会における北村議員の質問に対する市長の答弁では、東北地方の新幹線沿線地域の自治体と意見交換をし、それらの自治体と一緒に国に対する要望活動をしているとのことでした。また、これまで以上に北海道や関係自治体、経済界との協力・連携などを深めるなどのことをおっしゃっておりました。
しかしながら、その程度のことでは、財政のことしか頭にない現政府は動かないと思われます。上田市長は、民主党の支持を得て市長選を戦ったわけでありますから、民主党には太いパイプを持っているはずであります。そのパイプを使ってこそ、初めてこの件は本格的に動き出すものと思われます。そういうわけで、この件についての民主党との連携によるアクションプランをお聞かせください。
質問の2点目は、新幹線開業に向けた観光施策のかなめとなる交通ネットワークなどを視野に入れて検討すべきと考えますが、市長の認識をお伺いいたします。
ごみ問題についてお伺いいたします。
家庭ごみにつきましては、有料化や新たな分別区分を導入した平成21年7月の新ごみルール開始後、大幅に減少しており、平成22年度に家庭から出された1人1日当たりの廃棄ごみ量は404グラムと、ごみ減量の中間目標値500グラムを大きく下回る結果となっています。
しかし、現行のごみステーション方式では、排出ルールを守られない人により出されたごみが原因となり、カラスや猫などにごみステーションが荒らされ、景観上や衛生上の問題が引き起こされております。
平成23年度に設置された家庭ごみ収集等に関するあり方検討委員会では、今後の課題として、高齢者や障がいのある方でごみの排出が困難な方への支援制度であるさわやか収集のあり方を取り上げています。このさわやか収集では、介護保険の要介護2以上の方、または障がい福祉サービスの障がい程度区分3以上の方で、ひとり暮らしをされている方などが清掃事務所に申し込みをすることで、週1回、自宅玄関先からごみを戸別収集する制度であります。
しかし、この利用者数は制度スタートから2年半たった昨年12月末現在で353人にとどまっており、非常に低い利用率となっております。原因としては、制度を知らない人が多いこと、現在の対象要件が厳し過ぎること、利便性が悪いことなどが挙げられると思います。
そこで、質問の1点目ですが、今後、さわやか収集については、制度をもっと改善し、拡充させていくべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。
次に、今後のごみステーションのあり方についてです。
家庭ごみの収集方法につきましては、排出ルールが守られないことによるごみの散乱といった現状や、それに伴うごみステーションを管理しておられる方の負担の問題などの解決策として、我が会派では、ごみ収集有料化の検討当初から戸別収集の実施を訴えてまいりました。昨年の第4回定例会でも、我が会派の代表質問の中で、最終的に札幌市が判断する際には、広い意味での未来の札幌のまちづくりの観点から、中長期的なスパンで戸別収集の有益性を議論すべきであることも指摘しました。
収集業務において、積雪寒冷地の大都市特有の課題があるなど、解決すべき問題はもろもろありますが、地域によっては、ごみステーションまでの距離が遠くてごみの搬出が困難な方がいたり、利用者世帯数が多く、管理が大変だというごみステーションもあります。
ちなみに、京都では、札幌市より少ない世帯で利用するごみステーションを設置して収集するなど、小規模ごみステーション化の推進をしている実例もあります。
そこで、質問の2点目ですが、このような地域の状況や要望に応じたごみステーションのあり方が検討されるべきであると考えますがいかがか、お伺いいたします。
次に、集団資源回収奨励金についてであります。
全国的に新聞、雑誌の発行部数が落ち込んでいる中、札幌市の集団資源回収の量は伸びています。集団資源回収は、玄関前からの回収、いわゆる軒先回収を実施している団体が多く、市民の負担も少ない、最も利便性が高い排出方法であります。
これらにより、資源回収の実施団体は、資源売却代金と奨励金を得て、貴重な活動財源として地域や住民に還元しております。また、利用する市民サイドも、最も手軽な環境活動として参加でき、回収業者にとっても効率的かつ安定的な回収手段であり、札幌市の古紙回収リサイクルシステムの大切な担い手になっております。
今後、高齢化がますます進展していく中で、かさばる古紙を玄関前に出すことができる集団資源回収は重要性を増しております。そのため、実施団体の拡大がより一層必要となってくるほか、既存団体においても、回収頻度の増加や高齢者などの排出支援といった利便性向上の取り組みが不可欠であります。
そこで、質問の3点目ですが、集団資源回収を拡大し、古紙回収の利便性向上を図るためには、公共的インセンティブとしての奨励金を引き上げることが必要であると考えますが、市長のご見解をお伺いいたします。
最後であります。
最後に、南区定山渓の活性化について質問いたします。
定山渓温泉は、札幌の奥座敷として多くの観光客が訪れる北海道有数の温泉観光地ですが、宿泊施設利用者が年々減少しており、観光ニーズ、旅行形態の多様化や変化などに対応した魅力づくりが求められてきました。そこで、定山渓地区の地元町内会や定山渓観光協会などで構成する定山渓まちづくり協議会が、平成17年度から、シンボルゾーンとなる定山源泉公園の整備や山野草を活用したまちづくりなど、地域を活性化させるためのさまざまな事業を展開しております。
これらの努力にもかかわらず、定山渓の過去10年間の宿泊施設利用者数の推移を調べると、宿泊施設利用者数は、平成22年度109万人となり、平成16年度の197万人の約55%に減少しております。札幌市全体の宿泊者数の11.6%を占め、入湯税の調定額が実に全市の48%を占める定山渓地区の衰退は、札幌市の観光振興にも大きな影響を及ぼす懸念があります。
平成24年度予算案を見ると、定山渓関連では、国の重点分野雇用創出事業を活用して、定山渓の特徴や魅力を生かした雰囲気づくりのために共通ロゴの作成やイベントの実施など、定山渓温泉活性化支援事業が盛り込まれております。この事業は、札幌市と定山渓観光協会が意見交換を重ねて事業の方向性を決めたと聞いております。市と事業者がお互いの強みを最大限生かして共通の目標に向かって総合的に事業展開をすることや、行政の単独事業の実施においても十分に意見交換をすることは、大変好感が持てるので、今後も継続していただきたいと思います。
しかし、私は、定山渓地区には根本的な課題があると思っております。それは、観光資源となる抜本的なハード面の見直しを含めた総合的な定山渓地区の観光振興を考えるべきであるということです。
そこでまず、国道230号線の整備についてです。
秋の行楽シーズンなどに定山渓方面へ向かう車の渋滞や狭小トンネルでの交通安全問題という課題を解消することが、定山渓の観光振興に大きく寄与するものです。現在、北海道開発局が南区小金湯付近で工事を行っており、その事業延長距離は4.3キロメートルと聞いておりますが、それが完成しても定山渓温泉まではまだ届かないのであります。長年の強い地元要望もあり、今年度、その先の定山渓温泉を含む区間が一般国道定山渓拡幅事業として国で新規採択されており、この拡幅が完成してこそ、地域活性化や観光振興の大きな効果があらわれると思うのであります。
そこで、質問の1点目ですが、定山渓地区の活性化に向け、国道230号線の整備について、今後どのように取り組むのか、お伺いいたします。
次に、公共施設の見直しも含めた定山渓地域の観光振興についてです。
定山渓地区にある公共施設は、老朽化したまちづくりセンターの建てかえやライラック荘の売却など、一部では見直し、リニューアルも進行しておりますが、例えば二見公園など、一般の観光客が利用するはずの公共施設の老朽化が激しく、温泉街の魅力を下げ、宿泊客のまちめぐりの意欲をそぐ要因の一つにもなっております。
定山渓観光協会が行った地元住民の意識調査では、定山渓の魅力について、50%以上の人が豊かな自然と回答している一方で、魅力に欠けるものとして、散策路、公園、足湯、登山道などの公共施設の維持管理の不足を挙げている声が多く、私と同様に感じておられるようです。そこで、国道拡幅というタイミングに連動させながら、これらの公共施設の見直しも含めて、定山渓地区の総合的な観光振興策を検討する時期にあると考えております。
そこで、質問の2点目は、札幌の観光振興における定山渓地区の位置づけをどのように考えておられるのか、また、中長期的な定山渓の観光振興についてどのように進めるのか、お伺いいたします。
以上で、10項目にわたる私の質問のすべてを終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(三上洋右) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 10項目ご質問がございましたので、私からは、1番目の新まち計画と3番目の公契約条例、4番目の債権管理条例、7番の路面電車、8番の新幹線、この5項目をお答えさせていただきます。その余は、担当の副市長から答弁をさせていただきますので、お聞き取りください。
まず、第3次札幌新
まちづくり計画の経済対策についてということでございます。
札幌経済の活性化というのは極めて重要な課題である、このように考えておりますし、第3次札幌新
まちづくり計画では、昨年1月27日に発表させていただきました産業振興ビジョンにおいて経済成長の原動力と位置づけをいたしました食、観光、環境、そして健康・福祉、この4分野を戦略的に進行する施策を積極的に計画していくということで、この新
まちづくり計画にも反映をさせていただいているところであります。
具体的には、北海道の食の付加価値というものを高め、東アジアにおけます食産業の拠点というものを目指していくということ、そのための北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区、そして、映画産業だとか観光分野など多様な産業の活性化を目指す札幌コンテンツ特区、これを活用した事業を推進していくとともに、環境産業、健康・福祉産業の創出に向けた取り組みを進めていくこととさせていただいております。また、中国などのアジア圏諸国への海外展開の支援のほか、近隣自治体と連携をいたしまして先端産業分野における企業の誘致を推進していくなど、道都としての役割を発揮して北海道経済を牽引していくという考え方でございます。さらに、地場のIT企業の参入機会というものを拡大していくということに資する基幹系の情報システムの再構築を初め、札幌版の次世代住宅基準に適合した住宅の普及促進や、
エコリフォーム促進事業、市有建築物の保全の推進など、市内の中小企業が受注可能な事業というものを積極的に計画的に進めていくということにしておりまして、これらの取り組みを総合的に行うことによって、札幌経済を活性化し、雇用を創出していくという考え方でございます。
今後、北海道新幹線の札幌延伸が実現することによりまして、北海道から東北にかけての新たな経済圏が誕生することを見据えながら、札幌が持つ都市機能や創造性豊かな市民などに人や企業の多面的な交流を加えることによりまして、新しい経済の創造というものを続け、そして、安心で活力あふれるまちを実現してまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。
雇用創出5万人の内訳についてということであります。
求職期間が長期化している厳しい経済状況の中で、少しでも早い就職が重要な課題であるということから、継続か、それから短期かといった雇用の形態にかかわらず、就職支援施策によるものも含めまして、広く雇用機会を確保するということを目指して5万人という目標を設定させていただいたものでございます。この見込みの内訳は、就職支援で2万9,000人、特養だとか老人ホームなど、あるいは保育所の新設を初め、札幌市が取り組むさまざまな事業の効果として生み出される雇用では2万1,000人という内訳となっております。
なお、今年度の実績につきましては、決算後に集計することになっておりますので、それをまたご報告申し上げたいというふうに思います。
福祉、介護、それから保育分野、これらの雇用につきましては、就職支援によるものを除き、2,300人程度、このように見込んでいるところでございます。
また、就職支援につきましては、求職者の希望に応じた支援を行っておりまして、どの分野に就職するのかあらかじめ見込むということができないために、実績も含めて分野ごとの集計を行うことはできません。
公契約条例についてご質問でございます。
業界、それから経済界及び市民の理解ということについてでありますが、建設業界やビルメンテナンス業界などの関係団体及び札幌商工会議所に対しましては、これまでさまざまな機会をとらえまして条例の趣旨や内容というものを説明させていただいたところでございますが、なおさまざまな意見やご要望があることは承知をしているところでございます。
また、市民不在ではないかという指摘でございますが、昨年7月から、関係業界、労働団体などと意見交換を行いまして、さらには、昨年の11月から12月にかけてパブリックコメントというものを実施させていただきました。パブリックコメントでは、幅広い市民各層からおよそ300件近くの意見をいただいておりまして、中には条例の趣旨を理解する意見も数多く寄せられたところでございます。その後においても、賛成、反対双方の立場から数々の意見、要望をいただいておりまして、市民不在のご指摘と言うのは当たらない、このように考えております。(発言する者あり)
労働者も対象団体です。わかりますか。(発言する者あり)当たり前なのです。当たり前のことを申し上げています。
○議長(三上洋右) 市長、答弁を続けてください。
◎市長(上田文雄) (続)条例制定と最低制限価格の引き上げについてということでございます。
公契約条例は、受注者に対しまして一定水準の賃金支払いを義務づけるということから、適正な労務費を反映した金額により受注することが前提となるものであります。このために、最低制限価格を引き上げ、適正価格での入札を促進する、そして、適正な労務費の確保と経営安定化を促す必要がある、このように考えているところでございます。
このようなことから、税金の使い道を地域の経済循環に、より有効につなげて地域経済の健全な発展を促すために、そういう目的のためにどちらも取り組む必要がある。最低制限価格を引き上げるということと、公契約条例をつくって、そして適正な労賃を確保するということ、その両方を取り組んでいくことが私は必要であると、このように考えているところであります。
ご質問の条例の公平さということについてでございますが、札幌市が発注いたします工事や業務などにつきまして、税金が原資となっていることから、まず、そこで働く方々に適正な賃金が行き渡るということが大切でございます。経営者の方も意を砕いておられるということは重々承知をしておりますけれども、しかし、厳しい状況であればこそ、ここで何とかしなければならないというのが私どもの考え方でございます。
条例の対象事業で働く労働者だけに高い賃金が支払われて不公平感が生じるというご指摘でございますけれども、最低賃金ぎりぎりで働く他の労働者にとっても待遇改善のきっかけとなると同時に、その企業にとっても良質な労働力の確保、技術の承継につながるというメリットがあり、ひいては、行き渡った労賃が、それが消費をされ、札幌市全体の経済の活性化に寄与するというものであると、このように考えるところでありまして、決して、不公平だ、だれかが得をする、だれかが損をするというものではないということについてだけはしっかりとご理解をいただきたいというふうに、心からそのようにお願いを申し上げたいと思います。
債権管理条例についてのご質問でございます、
債権管理条例の制定の目的についてということでありますが、この条例は、市の債権の管理に関する事務の処理につきまして、債権の性質に応じた対策をとることによりまして、一層の適正化及び効率化を図ることを目的としているものであります。したがいまして、回収、放棄のどちらかというよりは、まずは条例に沿って債権回収の努力を行い、その結果、どうしても回収ができないと判断される債権につきましては、条例で定める事由に該当する場合に限って債権放棄の手続をとる、こういう債権管理の一連の手続を定めようとするものでございます。
徴収努力の検証についてどうするのかということでございますが、債権の放棄というのは、事実上、徴収不能となっている債権について権利放棄をして消滅をさせるというものでありますが、市長等の職務として、その前段で督促や履行の延期など債権の回収のためさまざまな手続をしっかりと行うことが、当然のことでありますが、大前提としてしなければならないというふうに認識をいたしております。そうした徴収努力について、他都市で作成をされております徴収計画などが一応あるようでございますので、これらを参考にしながら、客観的に検証する手法についても検討させていただきたい、このように思います。
議会のチェック機能の確保、それから、政策性が高い債権の放棄についてでございますが、これは、相互に関連をいたしますので一括してお答えをいたしますが、条例案では、破産によります免責を初めとする五つの要件に該当する場合に限って債権放棄を行うということとしておりますが、事実上、徴収困難なものであっても、結果的には財源を失うということに額面的にはなるものでありますことから、その事務については慎重にかつ透明性を高めて行っていく必要があることも、これまた当然のことでございます。こうした趣旨から、条例に基づいて市長等において債権放棄した場合には、その内容を取りまとめた上で議会に報告をしたい、そして、皆様方にチェックをしていただきたい、このように考えているところであります。
また、政策性が高いと判断される債権については、それまでの当該債権にかかわります議会議論なども十分に踏まえて、放棄に至る前に状況報告をさせていただきたい、このように考えているところでございます。
徴収体制の一元化についてでございますが、これは、重要な課題の一つというふうに認識をしておりまして、条例に沿った各債権に係る取り組みの内容を一定期間検証した上で、他都市の事例などを参考にしながら、どのような徴収体制が望ましいのか、今後も検討を進めてまいりたい、このように思います。
次に、路面電車活用計画について、ループ化に係る課題認識はどうなのかということでございます。
路面電車活用計画(案)につきましては、これまでの市民議論の結果や関係者協議などのさまざまな検討内容を踏まえまして、まちづくりに活用する観点から、ルートや、あるいは敷設方法、そして経営見通しなどを体系的に取りまとめ、このたび、札幌市の基本的な考え方として広く市民の皆様方にお示しをさせていただいたものであります。
ご指摘の既存交通への影響や、あるいは、持続可能な経営の見通しといった課題につきましては、今後行います実施計画や経営効率化に向けた取り組みを具体的に進めながら、平成26年度のループ化実現に向けて適切に対応してまいりたいと考えております。
このループ化の効果についてでありますが、人や環境に優しい路面電車というふうに評価をされておりますが、人や環境に優しい路面電車は、今後の高齢社会への対応や、あるいは環境首都・札幌の実現など、札幌市にとって魅力ある都心の創造に寄与する都市の装置である、このように認識をいたしております。
例えば、都心部においては、既存の地下歩行空間や創成川公園に路面電車のループ化というものが加わるということ、また、藻岩山ロープウェイと連携した取り組みを進めることなどで人々の回遊性といったもの、あるいは交流、ひいては創造的な活動やにぎわいの創出などが促進をされ、そのことが札幌の活力を維持・向上させる効果に期待をするわけでございます。
北海道新幹線についてでございますが、早期開業に向けた活動についてご指摘でございます。
北海道新幹線の札幌延伸は、我が国の南北を貫きます高速交通体系の骨格形成を意味し、新たな交通手段の獲得によりまして、本州との交流促進は、北海道全体への経済波及や観光振興、さらには、北関東や、あるいは東北地方と新たな交流圏、経済圏の形成など、大きな結果につながるもの、効果が上がるもの、このように考えております。そのために、早期開業を私も望んでやまないところであります。今後も、北海道や経済界などと知恵を出し合いながら、早期開業のメリットというものを示しながら、我々の熱意をしっかりと国に伝えていきたいというふうに考えております。
民主党との連携によって早くしたらどうかとご提案でございますが、これは、私はだれかがだれかに頼んで何とかなるというものではない、むしろ、早く実現するということはどれだけ合理性があるのかということについて、だれにでも、どのような政治的に立場にあっても、今の日本にとって札幌延伸というものがいかに大事なのかということをきちんと理解していただくということが何よりも大事でございます。
そのために、私は、自治体の連携というのが極めて重要であるというふうに考えております。仙台を初め、福島、あるいは盛岡、あるいは青森、こういう首長たちが集まって、よし、札幌と、北海道と、東北と一緒に頑張るぞと、そんな機運がこの推進をする運動の過程で盛り上がってきているところでございます。私はこれを火種といたしまして、経済の活性化をしていく、北海道新幹線の札幌延伸がどうしても必要なのだということを多くの方々に理解をしていただくことによって、私は、これらが強い早期実現への推進力になっていくものと確信をしているものでございます。(「頑張ってよ」と呼ぶ者あり)
ありがとうございます。
交通ネットワークに着目した新幹線効果の活用に向けた検討についてでございますが、新幹線効果を広範囲に波及をさせていく観点から、道内の交通ネットワークを有機的に連携させていくことは、これも極めて重要なご指摘だと考えます。札幌市においては、北海道、札幌の玄関口にふさわしい広域交流拠点としての機能強化に向けまして、札幌駅周辺の再整備構想を策定するなどの取り組みを進めているところでございます。
いずれにしても、新幹線効果の拡大に向けまして、北海道を初めとした関係機関と連携をし、そして、しっかりと準備をしてまいりたい、このように考えますので、どうかご支援のほどをよろしくお願い申し上げたいと思います。
私からは、以上でございます。
○議長(三上洋右) 小澤副市長。
◎副市長(小澤正明) 私から、職員組合の庁舎使用についてお答えいたします。
1点目の本庁舎の使用状況についてでありますが、本庁舎では、札幌市労働組合連合会など3団体に組合事務室として合計約250平方メートルの使用を認めておりまして、使用にかかわる費用としては、家賃に相当する使用料と光熱水費等の加算料がございます。使用料は年間で約390万円ですが、組合が行政運営に果たす役割と民間企業や他の政令指定都市の減免状況等を勘案して、全額を免除しているところでございます。これに対して、年間約310万円の加算料は、光熱水費等の実費でありますことから、全額を徴収しております。
2点目の本庁舎の使用許可とその条件の見直しについてでありますが、庁舎の目的外使用につきましては、組合とさまざまな課題について、随時、議論を交わしながら解決を図ることは、良好な労使関係の維持につながり、ひいては円滑な行政運営に寄与しているものと考えて許可をしてきたものでございます。今後とも、組合による庁舎使用については、社会経済情勢や適切な労使関係の維持など、さまざまな要素を総合的に勘案して判断をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(三上洋右) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私から、3項目についてお答えを申し上げます。
まず、電力・エネルギー問題と温暖化についてであります。
1点目のことしの夏の電力不足問題の対応策についてであります。
省エネルギー社会の実現のためには、日ごろからの節電の取り組みが重要でありますことから、札幌市は、これまでも市民や事業者の皆さんに節電の呼びかけを行ってきたところでございます。具体的な取り組みといたしましては、昨年実施をいたしました節電キャンペーンでは、平均で前年比約12%の節電を達成し、また、エネルギー転換調査で実施をいたしましたアンケート結果によりますと、多くの市民が節電に取り組んでいるなど、省エネ意識が高まっていることが示されております。新年度も引き続き節電キャンペーンを実施するとともに、新たにLED電球の普及キャンペーンを実施するなど、節電の取り組みをさらに推進してまいります。
電力需給に関しましては、さまざまな関係機関が協力し、対応していく必要がありますことから、国や北海道、北電などから電力需給に関する情報を収集し、市民や事業者の皆さんへの適切な情報提供に努めてまいりたいと考えております。
次に、札幌市温暖化対策推進ビジョンで示す目標についてであります。
本ビジョン策定時には、2020年において泊原子力発電所3号機の稼働が既に予定をされていたことから、中期目標においてCO2削減量にこの稼動分を見込んでおりました。今後は、エネルギー政策に関する国の動向や新たな技術開発、また、エネルギー転換調査の結果を踏まえまして、省エネルギーのさらなる推進と太陽光発電などの
再生可能エネルギーの積極的な普及促進によりまして、本ビジョンで掲げる目標の達成に向けて引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
次に、ごみ問題についてであります。
1点目のさわやか収集の制度拡充についてでありますが、議員ご指摘のとおり、高齢化の急速な進展などで地域で暮らす高齢者や障がいのある方が増加している現状を考えますと、札幌市としては、さわやか収集制度の充実を図る必要があると考えております。
制度の見直しに当たりましては、検討委員会からの最終報告を踏まえまして、支援が必要とされる方が確実に利用できるよう、広く市民の皆様に制度を周知するなど今まで以上に効果的な広報に努めるとともに、制度を利用する場合の条件を緩和したいと考えております。また、利用者の立場から利便性を改めて検証し、利用しやすい制度となるよう、運用方法の見直しも行ってまいります。
なお、制度の見直しに当たっての課題、問題点の整理を行うため、まずはモデル地区内での試行実施を行ってまいりたいと考えております。
次に、今後のごみステーションのあり方についてでございますけれども、現在、地域によりましては、ごみステーションまでの距離が遠くて不便な場合があることや、ごみステーションを利用する世帯が多いために、ごみの置き場所に困ったり、あるいは、排出マナーに関するさまざまな問題が生じるケースがあることは認識をしております。
そこで、札幌市といたしましては、検討委員会での議論を十分に踏まえまして、地域の要望や札幌市の実情に応じてごみステーションの小規模化を順次進めるなど、そのあり方を検討してまいりたいと考えております。
次に、集団資源回収奨励金についてでございます。
集団資源回収は、市民が最も身近に実践できるリサイクル活動であり、札幌市としても、奨励金の交付や未登録町内会への働きかけを行うなど積極的に推進をしてきておりまして、現在、市内のほぼ全域で取り組まれております。また、古紙回収ボックスや古紙回収協力店など、地域における回収拠点の拡充整備も着実に進めており、今後もより利便性の高い回収拠点の整備や仕組みづくりを行っていく考えでございます。
お尋ねの集団資源回収奨励金の引き上げにつきましては、今後の集団資源回収の実施状況や民間回収業者の動向、回収拠点における回収実績などを勘案しながら総合的に判断をしてまいります。
次に、定山渓地区の活性化についてであります。
まず、1点目の国道230号の整備に係る取り組みについてでありますが、札幌市では、交通混雑、渋滞の緩和や定山渓のまちづくりに必要不可欠な事業として、従前より、地域とともに、国に対し、国道4車線拡幅の早期事業着手に向けた要望を行ってきたところでございます。
昨年4月に定山渓拡幅事業が新規採択されました後、8月には札幌市も協力をさせていただきましたが、事業を実施する北海道開発局によりまして地域に対する道路計画説明会が開催されたところでございます。その説明会では、今後実施する調査内容や事業スケジュールなどが示され、その後、設計のための測量や地質調査が開始されており、拡幅に向けて着実に事業が進捗しているものと認識をしております。今後とも、北海道開発局と連携をし、早期の事業完成に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
次に、定山渓の観光振興についてでございます。
定山渓地区は、札幌の奥座敷として年間100万人を超える宿泊者を有する主要な滞在先でございまして、札幌観光に大きく貢献する大切な集客交流資源であるという認識を持っております。これまで、同地区における各種事業への補助や観光客の受け入れ体制整備の支援などを行ってきたところでございます。
このようなことから、定山渓地区の活性化は重要な課題であり、周辺の自然環境なども合わせた温泉保養地としての総合的な魅力を再検討、再構築していく必要があると考えております。そこで、今後、施設の再整備等を含めた将来的な観光振興の構想策定に、地域と一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○議長(三上洋右) 渡部副市長。
◎副市長(渡部正行) 私からは、敬老優待乗車証についてお答えをいたします。
1点目の制度見直しに関する考え方についてでございます。
超高齢化社会、人口減少などの社会構造の変化に対応していくためには、限りある財源の配分のあり方について、市民の意見や市議会での議論を踏まえながらしっかりと検討していかねばなりません。
敬老優待乗車証の交付対象となる70歳以上の高齢者と、15歳から64歳までの現役世代、いわゆる高齢期世代の人口比率の推移を見ますと、ご指摘にありましたように、制度開始は昭和50年でございます。昭和50年当時の現役世代24人に対して70歳以上の高齢者は1人でございました。当時は、札幌市はとても若いまちでありました。これが、高齢化の進行に伴いまして、現在では、現役世代約5人に対して70歳以上の方がお1人と。この先、団塊の世代が70歳以上を超える平成32年には、現役世代3人に対して高齢者が1人というふうな割合となります。こうしたことから、利用する高齢者と、それを支える現役世代まで、市民一人一人が主体的にかかわり考えていただくことが市民自治を進める上で重要であると考えております。
2点目の利用者実態調査の目的と調査項目についてでありますが、敬老優待乗車証の利用目的や利用回数などの実態を詳しく把握、分析するために、交付対象者へアンケート調査を実施いたしまして、その結果や将来的な事業費の試算など、制度を取り巻く現状を市民の皆さんにお示しして認識の共有を図ってまいりたい、そのように考えております。
以上でございます。
(
小須田悟士議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(三上洋右) 小須田議員。
◆
小須田悟士議員 2点、再質問をさせていただきます。
まず、1点目は、電力・エネルギー問題と温暖化対策についてです。
答弁では、引き続き節電キャンペーンをします、温暖化対策推進ビジョンの目標達成に向けて引き続き取り組んでまいります、こういった相も変わらずの答弁でありましたが、まず、昨年度の節電キャンペーンで前年比約12%の節電を達成したとのことですが、具体的に、それでは何キロワットの電力量が削減になったのか。
それと、LED普及キャンペーン、この事業で何キロワットの削減を目標とするのか、示してください。
三つ目ですが、泊原発3号機、CO2削減量約118万トンにかわる再生エネルギーによる削減量は2020年までにどのくらいを見込んでいるのか、これも示していただきたいと思います。
2点目ですが、5万人雇用創出についてです。
確かに、5万人雇用創出というキャッチフレーズは、いろいろマニフェストがたくさんある中で、民主党の高速道路無料化に匹敵するほどのインパクトがある、そういうふうに私には聞こえました。すごいな、5万人創出と。これはですね、5万人もの雇用創出と言うから、当然、企業誘致ですとか、数百人規模の新たな大型の雇用機会だとか、それをつくり出すのではないかなと、そう思っていたのですが、それが、今お聞きしましたら、広く雇用機会を確保することを目指して5万人という目標を設定したということであります。
いわゆる就職紹介で新たな雇用の創出ということになるような気がしますが、札幌市単独で4年間に5万人の新しい雇用を創出するためには、本当に大変な努力が必要でありますし、公共投資や民間投資誘導、企業誘致などの政策努力が必要であります。例えば、市長が先ほどから言っていましたように、先頭に立って誘致運動を進めている北海道新幹線、これは総事業費が1兆6,700億円ですが、新幹線の整備事業で波及効果は2兆5,000億円であります。約18万人の雇用創出が見込まれるという試算であります。それを参考に計算すると、5万人の雇用創出とするには、約7,000億円近い経済波及効果が見込まれるような新たな公共事業や民間投資、企業誘致などが必要なわけであります。先般終わりましたさっぽろ雪まつり、この経済波及効果が約330億円ですから、実に21回分の開催が必要になるわけです。
しかも、札幌市内の全就業者数は約84万人。5万人の新たな雇用創出ができたら、実に5.8%の就業者数のアップとなるわけですから、現在、5%を優に超えている完全失業率、これを丸ごと回収できる、本当に夢のようなマニフェストになるわけであります。5万人雇用創出は、民主党のマニフェスト、マニフェスト違反と言われているマニフェストよりも、ちょっと私は問題があるんじゃないかな、そう思っております。
なぜ、市長は、ハローワーク的な就職紹介中心の事業を、あたかも、新たな5万人の雇用を生み出すかのように明記したマニフェストを有権者につくったのでしょうか。どうも、有権者に対してはちょっと理解できないなと、私も理解できないと思いますがいかがか、お伺いいたします。
○議長(三上洋右) 上田市長。
◎市長(上田文雄) 雇用5万人ということにつきましては、何のうそもございません。私は、もちろん、新しい雇用を生むという、そういう意味合いで客観的な就業の場所をふやすということには莫大な費用がかかります。そういう意味での雇用創出というのは、それは、あるいは国の政策だとか、あるいは大型プロジェクトとしての新幹線だとか、そういうことによらざるを得ないわけです。それは、今の札幌にとってできるわけがないことです。(発言する者あり)もちろん、時間をかけてしかできないです。単年度で、あるいは4年だけでそれだけのことをやれといったって、それはできることではないわけであります。
むしろ、今、現実に問題なのは、就職、就業しようとしても、ミスマッチングといいますか、自分がどのような仕事に適しているのかということについて迷いがある、そういう方々が非常に多くおられるということを、過去7年間やってまいりました
就業サポートセンターの事業、これらによって私たちとしてはよく存じ上げているわけでありまして、こういう就職相談窓口、あるいは、あいワークというものをこれから始めようとしておりますけれども、各区役所において就業相談を、職業相談をさせていただく。ハローワークと協力関係を持ちながら、より、ハローワークでは手の届かなかったさまざまな生活支援をしながら、仕事につくということの意味を、みんなで情報を共有化していくということをやっていこうとするのが、これが主観的に言えば雇用創出でもあるわけであります。
そのような意味合いにおいて、私どもは、2万9,000人なり2万1,000人という数は、これは、皆様方が推されました、対立候補の本間さんとの討論の中でもはっきり申し上げておりますし、それは、北海道新聞主催でございましたので、その公開討論会でも明らかにさせていただいておりまして、決して誇大に新しい雇用の場所を5万人つくるよということを申し上げているわけではないことは明らかでございます。
ただ、我々がやれることは、今、具体的にやれることは、保育所の定員を4,000人これからふやすというためには保育士がこれだけ必要ですよと、それから、先ほど申し上げました特養が1,000人ふえれば、それに対しても必要となるわけでありますから、こういう確実なものはありますよ。しかし、そのほかに、これからの観光産業だとかといったことを伸ばしていく……(発言する者あり)
○議長(三上洋右) 静粛に願います。
◎市長(上田文雄) (続)そのことによって、たくさんの方が就業できるような施設をつくってまいりましょう、こういうことを申し上げているわけでございます。
誤解がないようにお伝えをいただきたいというふうに思います。
○議長(三上洋右) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) まず、1点目でありますけれども、昨年行いました節電キャンペーンでどれぐらいの電力量が削減をされたのかというお話でございました。
昨年の節電キャンペーンには、356世帯の方がモニターとして参加していただいて、3カ月間行われました。それを全部合わせてみますと、3カ月間で約4万3,000キロワットアワーの削減となっております。
それから次に、ことし予定をしております、予算を提出しておりますLED電球推進キャンペーンでございますけれども、今、想定しておりますのは、1万世帯の方を対象としたいと考えております。それで試算をしてみますと、60ワットの白熱球2個を同じ明るさのLED電球2個に交換をいたしますと電力消費量は7分の1になりますので、一般家庭280世帯分の年間消費電力に相当する約100万キロワットアワーの節減を見込んでおります。
いずれにしても、これはキャンペーンということでありますので、これをきっかけとして、多くの市民の皆さんに節電に取り組んでいただけるように運動を展開してまいりたいと考えております。
それから、泊3号機にかわる
再生可能エネルギーを2020年までにどのくらい見込んでいるかというお尋ねでございましたけれども、現時点では具体的な数値をお示しすることは難しい状況でございます。今後、太陽光発電などの
再生可能エネルギーの導入推進や省エネルギーの推進、あるいは技術革新等によりまして、118万トンの削減を目指してまいりたいと考えております。
また、具体的なCO2削減量及び取り組み状況につきましては、毎年度、結果を取りまとめるなど進行管理を行ってまいりたいと考えております。
○議長(三上洋右) ここで、およそ30分間休憩します。
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休 憩 午後2時50分
再 開 午後3時21分
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○副議長(大嶋薫) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
小川直人議員。
(小川直人議員登壇・拍手)
◆小川直人議員 私は、民主党・市民連合議員会を代表し、本定例市議会に上田市長が上程されました諸議案並びに当面する市政の諸課題について、提言を含め、順次、質問をいたします。
初めに、財政問題について、2点伺います。
1点目は、2012年度予算編成に当たっての基本的な考え方についてです。
政府の経済見通しでは、東日本大震災の復興施策の集中的な推進による国内需要の増大が経済成長を主導するとともに、世界経済についても持ち直しに転じていくと期待されていることから、我が国の景気は緩やかに回復していくと見込まれております。
その一方で、日本銀行札幌支店が今月15日に発表した金融経済概況では、札幌市の経済状況は、設備投資や住宅と個人消費の一部に持ち直しの動きが見られるものの、公共投資の減少など、道内景気は全体としては横ばい圏内で推移している状況にあります。また、札幌市の財政は、社会保障関係費などが増加する一方で、これらに対応するために必要となる一般財源の市税収入が落ち込む中、臨時財政対策債への依存度が高まるなど、依然として厳しいと言わざるを得ない状況であります。引き続き、行財政改革を進めて財源不足を解消するとともに、市債発行額や財政調整基金の取り崩し額などについては、財政規律を一定程度維持していかなければなりません。
こうした中、2012年度予算は、上田市政3期目の最初の本格予算であります。子育てや環境問題などに重点化した予算配分と、2011年度の補正予算との一体的な編成を通じた災害対策の着実な推進、さらには、厳しい財政情勢にあっても、地域経済に配慮して建設事業費を大幅に増加させるなど、市長の基本方針である、伸ばすべきものは伸ばし、変えるべきものは思い切って変える、めり張りのきいた予算であると評価するところであります。
また、この予算は、上田市長の3期目のマニフェストを本格的に実現する最初の予算でもあります。マニフェストには、市民の安心な暮らしを守り、札幌の魅力を磨き、高めることを目指し、91の施策が掲げられております。昨年末には、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区と札幌コンテンツ特区の二つの特区指定を受けるなど、札幌の魅力を磨き、高める舞台が整いつつある中、市民との約束であるマニフェストについては着実に推進していただきたいと考えているところであります。
そこで、質問ですが、東日本大震災など新たな行政課題が山積する中において、2012年度予算は、例年にも増して大変重要な予算であると言えますが、市長として特に意を用いた点などを含め、どのように予算編成を行われたのか、その基本的な考え方について伺います。
また、この予算によるマニフェストの進捗状況をどのように評価するのか、あわせてお伺いをいたします。
2点目は、今後の財政運営についてです。
一般会計の予算額8,522億円は、2011年度予算と比較すると1.6%の減となりますが、中小企業への貸付金のうち、東日本大震災復興支援資金が2011年度限りの資金であったことなどによる影響を除いて比較してみますと、0.3%の増となり、国における地方財政計画がマイナスの伸びであることから、実質的には4年連続増額となる積極型の予算となっております。
しかしながら、歳入や歳出の内訳を見ますと、まず、歳出面では、先ほども述べましたとおり、扶助費については伸び率が鈍化しているとはいえ、引き続き増加の傾向にあるほか、国保、介護、後期高齢者などの特別会計への繰出金も同様であり、社会保障に関する経費が大きく増加しております。また、地域経済への配慮や市有施設の耐震化と更新需要の増大に対応するため、普通建設事業費についても近年は増加基調に転じております。歳入面では、一般財源総額は83億円の増となっておりますが、そのほとんどは地方交付税の振りかわりである臨時財政対策債の増によるものであり、償還時期には国から全額財源手当てがなされるものであるとはいえ、札幌が抱える借金であるということは否めません。
札幌市が財政の健全性を評価するための全会計の市債残高については、9年連続で減少となっているものの、一般会計では、臨時財政対策債の影響により増加に転じることとなります。また、将来負担を軽減するための財政調整基金については、当初予算では26億円を取り崩したことにより、2012年度末の残高は100億円を割る86億円程度の見込みとなるなど、今後も将来世代への責任を果たす健全な財政運営を続けていくことが可能なのかどうか、懸念を抱かざるを得ないところであります。
そこで、質問ですが、市長は、今後の札幌市の財政状況をどのように認識しているのか、また、こうした状況を踏まえ、今後の財政運営に対する考え方についてあわせてお伺いをいたします。
次は、入札制度と公契約条例についてです。
1980年代以降、世界を席巻した小さな政府、市場原理主義を掲げた新自由主義の破綻により、世界的な金融・経済危機とともに、極限を迎える格差の拡大と貧困の増加を招いています。我が国では、非正規雇用の割合は2010年平均で34.4%に達し、国や自治体が関係する官製ワーキングプアへの批判も高まっています。
このような中で、上田市長は、景気低迷による低価格競争が事業者への経営圧迫と従業員の賃金低下や労働条件の悪化など働く者へのしわ寄せを防ぐため、地域別最低賃金に札幌市が独自の上乗せ額を設定し、労働者間の賃金下限額を定める公契約条例素案を昨年11月に公表し、30日間にわたるパブリックコメントでは、104名の市民から296件の貴重なご意見等が寄せられました。
昨年の第4回定例市議会における我が会派の代表質問に対し、上田市長は、2012年度から、市発注の公共工事及び業務委託契約の最低制限価格の引き上げ、特定共同企業体の構成員代表を市内業者に限定することについても、できるものから対応していくとの答弁がありました。
新年度の業務委託契約では、既に最低制限価格が北海道と同じ基準に引き上げられ、現在、入札が実施されております。さらに、2月14日、上田市長から提案された新年度予算では、厳しい地域経済に配慮し、建設費では、国の補助金が前年度比で減額されている中でも、札幌市の単独事業を増額し、全会計総額で1,175億円、前年度比6.6%、約72億円の増となっており、上田市長の地元経済対策の意気込みを感じ取ることができます。
一方、我が会派も、札幌市内の各業界団体の皆様から、厳しい経済状況下における業界の自助努力についての取り組みや、本市に対する幾つかの改善事項等をお聞かせいただく機会を与えていただきました。その中には、札幌市が早急に対応すべきと考える課題もありました。
そこで、質問の1点目は、既存の入札制度の改善です。
業界団体の皆様の説明や本市に対する要望事項に対して、これまでの形式的な対応ではなく、経済界との定期協議の場を常設し、課題の前進と信頼関係を構築すべきと思いますが、どのようにお考えか、お伺いいたします。
質問の2点目は、入札制度の一部改正に伴う業界及び企業に対する説明会の開催についてです。
これまでも年ごとに本市の入札制度の一部改正が行われておりますが、今後は、新年度前に契約の改正点等を説明する機会を設定し、発注者と応札者が共通の認識を持って入札に臨むべきと思いますが、どのようにお考えか、伺います。
質問の3点目は、国が示す労務単価の改善です。
2009年5月、自民党政権下の国会では、全会一致で公共サービス基本法が成立いたしました。同法第11条には、国及び自治体は、安全かつ良質な公共サービスが適正かつ確実に実施されるようにするため、公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保、その他の労働環境の整備に関し、必要な施策を講じるよう努めるものとするとの責務が規定されています。
一方、業務委託契約に該当する同業界の状況を見ますと、2009年度の増収率は全国平均の2.8%からマイナス0.8%となり、実質2%減の約11億2,000万円、北海道地区は前年度でマイナス3.2%でしたが、2009年度もさらにマイナス3.1%と悪化し続け、約4億9,000万円で、月商規模別では全国的にも5億円以下の企業はすべて増収率が落ち込んでいます。また、2010年度の北海道の同業界の業務契約改定率は、前年度比で官公庁部門が2.6%減、民間部門は1.0%減と、官公庁部門の業務契約改定率が民間よりも悪化しており、北海道における同業界の年商は4億円以下の企業が約58%になっていることからも、公契約条例を一日も早く制定することが事業者や従業員にとって喫緊の課題であると言えます。
札幌市の業務委託労務単価は、国の基準に基づき、基本給のほか、家族手当、住居手当、通勤手当及び賞与が含まれています。市発注の業務委託契約では、北海道地区の最低賃金1時間705円を超えてはいるものの、従業員の給与支給額から交通費や法定福利厚生費を差し引くと、手取り給与は生活保護基準を下回ることが懸念されます。
そこで、質問ですが、国は、関係業界から、毎年、賃金実態調査を行い、公共事業設計労務単価及び建築保全業務労務単価を見直していますが、ややもすると都道府県別の生活保護費よりも下回るおそれもあることから、我が会派としても改善を求めていきますが、上田市長も、国に対して、あらゆる機会を通じ、公共サービス基本法の第1条の目的、第4条の責務に基づき、改善を求めるべきと思いますが、どのようにお考えか、お伺いいたします。
質問の4点目は、公契約条例の必要性についてです。
私ども民主党・市民連合は、公契約条例は、公共サービス基本法を地方自治体に具体化する政策の一つであると認識しております。公契約条例の目的は、入札が労働環境を悪化させる要因にならないように、入札に参加しようとする事業者に公正な競争を求め、このことを理解し、協力いただける事業者と契約したいとする自治体の意思表示であります。本市発注の入札によって落札した事業に当該事業に携わる従業員の最低賃金を定めることにより、市民の民民間契約にも波及し、将来的には本市独自の内需拡大策にもつながると考えております。このようなことからも、必ずしも公契約条例が経営を圧迫するものではありません。また、毎年、業界からの要望の一つにあります不良業者の排除にもつながるのではないかと思います。
そこで、質問ですが、上田市長が
公契約条例案をこの時期に制定する理由と決意を伺います。
次に、路面電車について、2点伺います。
1点目は、ループ化の意義についてであります。
路面電車につきましては、2005年2月に、市長がこれまでの議論を踏まえた上で存続を決断され、以来、さまざまな検討会議などが行われる中、2009年度に路線を延伸すべきとする札幌市路面電車活用方針がまとめられました。その後は、この活用方針について、フォーラムやパネル展の開催による市民意向の把握を進めるとともに、全区から無作為抽出により選ばれた市民による大規模な市民会議において議論され、その結果が意見書として市長に、直接、手渡されております。また、この間、路線延伸などに関する数多くの要望書が市長に届けられたと伺っております。
このように、多くの市民議論が進められ、また、市民要望など路面電車の活用を期待する多くの声を受けとめる中で、市長マニフェストで、まずは既設線のループ化を先行させることを示されたところであります。上田市長の路面電車をまちづくりに積極的に活用したいという強い思いのもとで、長年の取り組みがついに具体化に入ったということであり、我が会派としても、厳しい財政状況ではありますが、まさに札幌市の将来を見据えた重要プロジェクトがいよいよ本格的に始動するという期待感を大いに抱いているところであります。
現在、パブリックコメント実施中である札幌市路面電車活用計画(案)においては、西4丁目停留場とすすきの停留場を都心のにぎわいの軸である駅前通で結び、ループ化するとともに、この区間においては路面電車が歩道側を走行するサイドリザベーション方式を導入し、さらに、狸小路付近に新たな停留場を設けるという方向性が初めて示されました。駅前通のようなにぎわいのある通りでのサイドリザベーションとなりますと、これは、全国でも初めてでありましょうし、デザイン性にすぐれた新型低床車両の導入とあわせて、札幌にしかない魅力的な景観が創出され、ひいては創造都市さっぽろの実現にも資する大変評価できる取り組みだと思っております。
その一方で、自転車対策や冬期間の除雪など、解決すべき課題もあり、それらについては丁寧に対応していくことが必要とされるわけでありますが、市民はもとより、商業者など多くの方々のご理解をいただき、あるいは協力を得ながら、課題を克服し、着実に事業を実施していくべきと考えます。
そこで、質問ですが、市長は、どのような思いを持ってループ化に取り組んでいくおつもりか、改めてお伺いをいたします。
2点目は、新たに導入を予定している低床車両のデザインについてであります。
路面電車活用計画では、デザイン性を重視した新型車両や施設等により、沿線の魅力を高め、札幌らしい、人を引きつける魅力的な景観をつくり出す都市空間整備を目指すとあります。確かに、まちの中を走り抜ける電車のデザインについては、電車自体だけではなく、まち並みそのものを変える効果があるのではないかと考えております。国内や海外の例を見ましても、電車のデザインが果たす役割は非常に重要なものと思われます。
現在、札幌を走る路面電車も老朽化し、大部分は50年以上経過しており、その古い車両は北海道遺産として位置づけられ、市民にも愛着のあるところではないかと思います。しかし、バリアフリー対応となっておらず、高齢者などが利用しづらくなっていることに加え、快適性、安全性などの面も考えますと早期の更新が望まれるところであります。新しく導入する車両においても、市民や観光客に対してその魅力を積極的にアピールすることが重要ではないかと考えます。
そこで、質問ですが、魅力的な新型低床車両とありますが、そのデザインにどのようなことを期待するのか、また、その導入スケジュールについてもあわせてお伺いをいたします。
次に、北海道新幹線についてです。
昨年12月26日、政府において、国土交通大臣、副大臣、政務官による整備新幹線問題検討会議が開かれ、北海道新幹線を含む未着工3区間について、新規着工を認める方針が示されました。早期着工を求め、長きにわたり誘致活動に取り組んでこられた関係者各位のご努力に改めて心から敬意をあらわす次第であります。
上田市長においては、過去から精力的に取り組んでこられたと認識しており、特に、新幹線と関係する道内、東北の自治体連携にいち早く率先して取り組まれ、両地域の首長が結束し、決議書を携えた要望活動が政府の決断を促す大きな原動力になったと確信しております。
現在、国土交通省においては、収支採算性と投資効果を改めて確認するための検討組織を1月に発足させ、今まさに、認可、着工の最終決定に向けた議論が進められているところであり、いよいよ北海道新幹線の札幌延伸が動き出そうとしております。
我が国においては、依然として厳しい経済・財政状況が続いておりますが、札幌市、そして北海道が将来にわたって活力を維持し、持続的に発展していくには、北関東や東北地方など他地域との交流を盛んにする北海道新幹線の一日も早い全線開通が待ち望まれます。このことは、東北地方の復興支援を力強く後押しするものであり、さらには、我が国全体の発展にも確実につながっていくものと確信しております。
そして、今後に目を向けますと、地方自治体としては、何よりも新幹線を見据えたまちづくりをどう進めていくかが重要な行政課題の一つとなってくることから、札幌市としても、将来のまちづくりに新幹線をどのように活用していくのか、より具体的に検討していかなければならない、まさにスタート地点に立ったものと感じております。
そこで、質問ですが、上田市長は、今回の政府が出された方針をどのようにとらまえ、そして、新幹線の開業効果を最大限に発揮するためにどのような方向性で取り組みを進めていくおつもりなのか、お伺いいたします。
次に、総合特区の推進についてお伺いいたします。
昨年12月22日、札幌市が申請をしていた北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区と札幌コンテンツ特区が内閣総理大臣から総合特別区域として指定を受けました。我が会派は、これまで、代表質問などで特区への取り組みについてたびたび取り上げるとともに、政府・与党に対してその必要性を訴えてきました。そして、このたび、2件同時に特区指定を受けたことは、札幌、北海道の経済にとって明るいニュースであります。二つの特区については、今後、国と地方の協議会を通じて具体的な計画内容を固め、その認定を受けることで特区の具体的な取り組みが始まります。低迷する景気動向にあって、札幌、北海道の産業振興の起爆剤となるよう、しっかりとした計画を立てていただきたいと考えております。
そこで、フード・コンプレックス特区についてでありますが、これは、オランダのフードバレーをモデルとしており、北海道内を食産業の研究開発拠点や製造拠点として食品等の輸出拡大を目指すものであります。デンマークでも、企業などが食の産業クラスターを形成したことが産業発展の要因の一つと言われており、北海道とほぼ同じ人口規模ですが、1人当たりのGDPは北海道のほぼ倍となっております。まさに、フード・コンプレックス特区についても、国の総合的な支援措置を活用するなどして企業、研究開発拠点などの集積を図ることによって、国際競争力の向上を図ることができるものと期待するところであります。
札幌市では、今回の指定とほぼ時を同じくして、ものづくり産業全体の振興を図ることを目的として札幌型ものづくり振興戦略を策定したところであります。この中では、食料品製造業やバイオ産業を主要6産業の一つとして位置づけ、関連産業の振興に向けた施策展開が示されていることから、これらの取り組みを進めることによって、フード・コンプレックス特区の一層の推進が期待できるものだと考えております。
さらに、フード・コンプレックス特区を成功させるためには、食の付加価値を高めていくことが不可欠であります。そのためには、高機能食品や有用性素材についての研究開発をたゆまなく行うことが重要であり、また、その成果を民間企業に移転し、事業化、製品化を図り、販路を拡大することで6次産業化に結びつけ、発展させていく必要があります。研究開発拠点としては、札幌市内には、既に北海道大学や北海道立総合研究機構などの研究機関が集積しており、さらに、北大北キャンパスを中心に、大手食品メーカーなどの研究施設や食の高付加価値化に有益なバイオ産業なども立地いたしております。また、本議会の新年度予算案には、さらなる食・バイオ関連企業の研究開発施設の受け皿づくりのため、札幌テクノパーク・リノベーション推進事業が提案されており、これによって、食・バイオ関連企業とテクノパークに集積するIT企業との連携による産業の高度化が期待できるものであります。
しかしながら、フード・コンプレックス特区は、北海道内の三つのエリアに分散している上、関係する自治体が多いため、方向性を共有した上で、いかに役割を分担しながら連携していくかが重要であります。
そこで、質問ですが、フード・コンプレックス特区を具体的に推進していくために、札幌市は、どのような役割を担い、どのような連携を図っていこうと考えているのか、お伺いをいたします。
次に、札幌コンテンツ特区についてであります。
今回の第1次指定では、全国で26の地域が地域活性化総合特区の指定を受けましたが、映像コンテンツ分野での指定は札幌市だけであります。まさに、日本のコンテンツ産業振興における重点地域としての指定を受けたものであると考えております。当然、これからの展開において、国内外を初め、各方面からの注目を浴びることになり、一層の取り組み強化が命題となってくると思います。
コンテンツ特区では、アジアにおけるコンテンツ産業拠点都市の創造を目標に掲げておりますが、映像制作者が最も映像を撮りたい都市をつくり、札幌、北海道を舞台とした映画が多数撮影され、それらの作品が世界じゅうの人に見られることで、地元コンテンツ産業の振興はもちろん、観光を初めとする多様な産業に波及し、地域全体の活性化につながっていくものと大いに期待をいたしております。
この目標の実現に向けては、ロケ撮影時の許認可手続の煩雑さを解消する必要があります。そのため、国に対し、規制緩和、権限の移譲、許認可申請窓口の一元化を提案しておりますが、今回の指定をもって認められたわけではなく、今後、国と提案地域が協議を行っていくものであります。札幌市が提案している実際の規制緩和実現に向けては、まだまだ高いハードルがあることは周知の事実でありますが、コンテンツ特区の実現に国内外の映像事業者が寄せる期待は非常に大きなものがあり、その期待にしっかりとこたえるためにも、体制の強化は極めて重要であると思います。
そこで、質問ですが、札幌コンテンツ特区の事業が本格的にスタートする新年度に向けて、札幌市は、どのような体制を構築し、この特区を推進していくつもりなのか、お伺いをいたします。
次に、特定都市再生緊急整備地域についてお伺いいたします。
札幌駅、大通駅周辺の地域の特定都市再生緊急整備地域、いわゆる特定地域の指定が1月20日に閣議決定されました。今後、札幌市では、国や自治体、民間都市開発事業者などの官民共同による都市再生緊急整備協議会の立ち上げを急ぎ、ことし夏ごろまでに特定地域の整備計画の策定を目指すと聞いております。
これまで、我が会派では、都心の再生は、市民生活の質的向上の面と、北海道経済を牽引する道都札幌として経済の活性化や雇用の創出の面など、極めて多角的な意義のある重要課題であり、本市が積極的に展開すべきであると繰り返し主張してまいりました。
私は、自然環境の豊かさと四季の移り変わりがはっきりしているといった他の大都市には見られない札幌の特性や、芸術文化などの取り組みを上手に活用しながら、札幌の都市魅力をさらに高め、それらを国内外に向けてたゆまず発信していく国際都市さっぽろとして発展していくために、これまで以上に都市の果たすべき役割は大きくなるものと考えております。
札幌の都心も、札幌駅前通地下歩行空間や創成川公園の完成により、大きく変わろうとしています。加えて、フード・コンプレックス特区やコンテンツ特区の取り組みとの連携を視野に入れるとともに、路面電車のループ化や北海道新幹線の札幌延伸が今後の都心の再生に一層の弾みがつくものと考えております。
昨年4月に改正された都市再生特別措置法では、都市の国際競争力の強化を目指す特定地域の新設に加え、まちづくりへの民間主体の参画を促すため、その担い手となる都市再生整備推進法人制度を拡充するとしています。
また、市長は、昨年の第2回定例市議会における我が会派の将来を見据えた都心の再整備に関する代表質問に対して、多様な都市機能の集積、回遊性を向上させるネットワークの形成、そして、地域みずからがまちの価値の向上を目指すエリアマネジメントの充実強化に力点を置いて取り組んでいく旨、答弁がありました。
このエリアマネジメントの取り組みについては、駅前通と創成川通の2大プロジェクトにより都心の骨格軸を整備し、それらを活用しながら地域の価値を維持・向上させるために、駅前通と大通の両地区において地域主体のまちづくり会社が立ち上がっています。現在、札幌駅前通まちづくり会社は、駅前通地下歩行空間の広場の
指定管理者として、地下歩行空間はもとより、地上・地下一体となった駅前通のにぎわい創出に取り組んでいます。一方の札幌大通まちづくり会社は、改正都市再生特別措置法に基づく都市再生整備推進法人の全国第1号に認定されました。そして、駐輪対策などの地区の課題解決や大通地域の活性化に精力的に取り組んでおり、それぞれの今後のエリアマネジメントの実施主体としてその活躍が大いに期待されるところです。
そこで、質問ですが、今後設立される都市再生緊急整備協議会について、札幌の都市再生の取り組みを強力に推進する意味でも、札幌の独自性を発揮する意味でも、都市再生、都市開発事業の実施主体だけではなく、エリアマネジメントを担う主体の参加を強く求めていくべきと考えますが、市長のお考えをお伺いいたします。
次に、特定地域の区域について伺います。
札幌市では、既存の札幌駅、大通駅周辺地域144ヘクタールのうち110ヘクタールを特定地域として指定していますが、ほかに緊急整備地域として、北4条東6丁目地域19ヘクタールがあり、北ガス工場跡地の土地利用転換を中心とするまちづくりの検討がまちづくり準備組合を中心に進められております。また、札幌総合卸センターなど特定地域の区域外にも、国際競争力の強化につながる可能性を有する都市開発プロジェクトが多数存在し、昨年策定したさっぽろ都心まちづくり戦略において重点地区として位置づけた創成川以東地区なども、今後のまちづくりの展開が期待されるところです。
国土交通省の特定地域における民間都市開発プロジェクトへの支援内容を見ますと、都市計画手続の迅速化、道路の上空利用などのための規制緩和、各種税制の大幅な軽減措置など特例措置を講じ、民間都市開発プロジェクトを推進することで、海外の大都市に対抗できる産業、商業の集積拠点を整備し、都市の国際競争力の強化を図ることとしています。
このことは、我が会派が主張してきた民間投資の誘発につながる取り組みの推進に合致するものであり、今後の投資対象となり得る地域として、その区域をさらに拡大し、すぐれたまちづくりに取り組むとともに、広く国内外に発信し、効果的なよりよい民間投資をかち取っていくべきであると考えております。
そこで、質問ですが、将来、特定地域の区域を見直すこと、とりわけ特定地域を拡大することについて、市長はどのようにお考えか、お伺いをいたします。
次に、障がい福祉施策について、2点伺います。
1点目は、重度の障がい児・者の地域生活支援施策の充実についてです。
私は、重度の障がい児・者の地域生活支援施策のさらなる充実のためには、民間事業者なども含めた医療や福祉の支援サービスの量的拡大、質的向上、さらには使いやすさの向上が必要不可欠であると考えております。国においても、新たな障がい者福祉制度である障害者総合福祉法施行までのいわゆるつなぎ法により、本年4月から障害者自立支援法と児童福祉法の改正法が施行され、利用者負担の見直しが行われるとともに、相談支援体制の確立と障がい者支援の充実を目指していくこととしております。
私は、この中でも、特に重症心身障がい者を含めた障がい児の支援体制については、施設サービス体系の大きな見直しを伴うことなど、その拡充に向けた大きな変化だと考えております。具体的には、これまでの知的障がい児と肢体不自由児の通園施設等は、児童発達支援センターに再編され、施設の有する専門的機能を生かし、地域の障がい児やその家族への相談、障がい児を預かる施設への援助、助言などを行うなど、地域の中核的な医療支援施設として位置づけられることや、重症心身障がい者の日中活動の場として大きな役割を果たしてきた重心通園事業についても、利用者の年齢に応じて、障害者自立支援法のもとでのサービスとして充実を目指す制度になると聞いております。
一方、本市の障がい者の支援体制については、昨年の第2回定例市議会で、我が会派が質問した静療院跡施設整備事業において、既存の静療院児童心療センターと児童福祉総合センター内の発達医療センターを統合し、心と体の発達におくれがある子どもへの総合的な医療施設として、近隣の障がい児・者施設、知的障害者更生相談所も移転し、障がい児・者の医療、福祉の複合施設を整備し、これを拠点に、札幌市全体の障がい児・者の支援体制のさらなる向上を目指していくとの答弁があったところであります。また、重症心身障がい者の支援体制についても、パーソナルアシスタンス事業による介助時間の拡大等により、重度障がい者の支援体制の強化を図ってきたことや、日中の活動や短期入所の受け入れ先の拡大に向けて看護師の加配を行った事業所に対して、独自の補助を実施することが計画されております。
私は、国の施策の動向と同調しつつ、さらに、国の制度の足りない部分を補完するこれらの札幌市独自の施策を高く評価しており、今後も、重度障がい児・者の支援体制の拡充を図っていくべきと考えます。
そこで、質問ですが、児童福祉法等の改正内容等も踏まえ、本市における障がい児・者の療育施策を今後どのように進めていくのか、また、重度の障がい児・者療育施策を進める上で重要な施策であると考えられる障がい児・者医療・福祉複合施設の整備について、どのような方針により整備を進めていくお考えなのか、お伺いいたします。
また、特に障がいが重たく医療的ケアも必要となる重症心身障がい者の地域生活を支える体制づくりについて、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
次に、障がい者相談支援体制の充実について、2点伺います。
障がいのある方が地域で安心して生活するために、日常生活におけるさまざまな相談を受け、情報提供やサービスの利用支援、専門機関の紹介などを総合的に行う障がい者相談支援事業所は、現在、市内に17カ所あり、地域生活に欠かせない重要な役割を担っています。
また、障がいのある方の抱える悩みは、金銭、住宅、教育、就労、権利擁護、福祉サービスなど、複雑かつ多様化しており、関係機関が課題を共有し、協力する体制が求められていることから、障害者自立支援法において、市町村には地域自立支援協議会の設置が義務づけられています。障がいのある方のニーズを中心とした地域におけるさまざまな課題について、その問題点を共有し、解決の方向性を検討し、施策に反映する役割を担う地域自立支援協議会は、障がい者相談事業所を初め、福祉サービス事業者、保健・医療関係者、教育・雇用関係者等によって構成されていますが、地域のネットワークづくりも含めて、その充実が求められており、障がい者相談支援事業の果たす役割は大変大きいものと考えております。
しかし、障がい者相談支援事業所の相談件数は増加する一方であり、制度開始当初の2006年度に7,357件であったものが、2010年度には3万7,090件と5倍に増加し、今年度の実績を見ても4万件を超える勢いであるとのことであります。新聞等でも報道されたように、白石区の姉妹孤立死の件では、障がい者相談支援事業所が支援を行ってきたということですが、残念ながら、痛ましい結果となってしまいました。新たなさっぽろ障がい者プランでは、障がい者相談事業所を2014年度までに20カ所まで増設するとされておりますが、相談件数の増加、ニーズの多様化、地域での孤立などを考えると、増設するだけでは十分な対応は困難であると考えております。
そこで、1点目に、障がい者相談支援体制の強化にどのように取り組むお考えか、まず、お伺いをいたします。
2点目は、障害者自立支援法の改正についてです。
国においては、現在、仮称障害者総合福祉法の制定に向け、作業が続けられておりますが、障がい者制度改革推進本部等の検討を踏まえて、相談支援体制の充実強化を図る法改正を行い、4月1日から施行されることになっております。
その一つは、基幹相談支援センター設置であります。3障がいへのワンストップの総合相談、困難事例への対応や相談支援事業者への助言、権利擁護、地域移行も含めた関係機関のネットワークの強化を中核的に担うこととされ、専門職とコーディネーターの配置が必要とされています。
二つには、障がいのある方の自立した生活を支えるために、ケアマネジメントによるきめ細かな支援を行う計画相談支援、障がい児童相談支援の対象拡大であり、2012年度から段階的に行い、2014年度までにすべての対象者に実施するとしています。既に、さっぽろ障がい者プランでは、計画相談の利用人数を2014年度には2012年度の約4倍となる3,800人としておりますが、このように計画相談支援等の対象者の大幅な拡大にこたえるためには、相談支援専門員の増員と資質の向上を急がなければなりません。
そこで、質問ですが、基幹相談支援センターの設置や、計画相談支援への対応など、障害者自立支援法の改正に対してどのように対応していくお考えか、お伺いをいたします。
次は、高齢者福祉についてです。
去る1月下旬に、国立社会保障・人口問題研究所から発表された新しい人口推計によりますと、2060年には、日本の総人口は約8,700万人まで減少し、そのうち40%に当たる3,500万人が65歳以上の高齢者になるものとされており、我が国の高齢化は、先進国においても例のない速さで進行していくという見通しが示されております。
一方、札幌市は、2010年11月に高齢者に対して行った意識調査の中で、高齢期の暮らし方に関して、高齢期に仮にひとり暮らしの不安が強くなったり、身体が弱くなったり、日常生活をする上で判断力が不十分になった場合、どのような場所で生活したいですかという質問をしていますが、その回答としては、現在の住みなれた場所で生活を続けたいが52%、住みかえにより在宅での生活を続けたいが約12%と、合わせて6割以上の方が在宅での生活を望んでいるとの結果が出ております。
このような中、国は、制度が導入されて3年ごとの事業計画が5期目に入る来年度の改正介護保険法に、地域包括ケアの推進を大きな柱として打ち出しました。地域包括ケアは、おおよそ、地域住民に対し、保健サービス、医療サービス及び在宅ケア、リハビリテーションなどの介護を含む福祉サービス資源を、関係者が連携協力して地域住民のニーズに応じて一体化、体系的に提供する仕組みと定義されております。そして、2015年にはすべての方が65歳以上に到達する団塊の世代が、介護のリスクが高い75歳以上になる2025年までに、この地域包括ケアを構築する必要があるとしております。また、地域包括ケアを推進していく上での新たな制度として、重度の介護者などの在宅生活を支えるため、24時間対応の定期巡回・随時対応型サービスを導入し、サービスつき高齢者住宅、生活支援や介護予防の事業への柔軟な補助制度など、居宅サービスの充実策にも取り組みを進めていくとしております。
各市町村においては、国のこのような考え方を踏まえ、地域の実情を考慮しながら、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を策定するとされており、札幌市においても、現在、計画の策定作業が進められております。次期の計画においては、数多くの高齢者がいつまでも住みなれた自宅や地域で暮らしていきたいという希望をかなえるべく、個々の高齢者の生活状況や心身の変化に応じて適切なサービス、多様な支援を提供していくことで、この地域包括ケアを実現していくことが求められると考えております。
そこで、質問ですが、地域包括ケアの推進には、これまでも強く求められてきた医療と介護の連携や、地域による支え合いの仕組みづくりなど、多くの課題があり、専門職やNPO、ボランティアなど幅広い連携と協力体制が必要と考えます。次期計画の中で、どのように地域包括ケアを進めようとしているのか、お伺いいたします。
また、新たな体制をつくり上げていくためには、個々の事業のみならず、全体の進捗管理、検証が求められますが、どのように行う考えか、あわせてお伺いをいたします。
次に、家庭ごみの収集について、2点伺います。
家庭ごみにつきましては、2009年7月の新ごみルール開始から2年半を経過していますが、札幌市民のごみに関する意識は高く、ごみの減量や分別区分の徹底などはおおむね順調に進んでいるのではないかと思います。篠路清掃工場を廃止することができたのも、市民の努力の大きな成果の一つであります。
しかし、収集時間や収集区分を守らない一部の不適正排出者によるごみの散乱は、依然としてなくなっておりません。さきに公表された第三者で構成された家庭ごみ収集方法等に関するあり方検討委員会からの報告でも、この不適正排出やごみ散乱、あるいは、共同住宅居住者のごみ出しルール違反といった現状に対して、ごみステーションの清掃やごみ出しルールの違反者への排出指導など、管理される方の負担が大きくなっており、その負担軽減を図ることが大きな課題として取り上げられております。また、検討委員会では、ごみステーションの管理の負担軽減は管理者だけで実現することは困難であり、市は、不適正な排出が繰り返されているごみステーション対策、あるいは、共同住宅居住者のごみ出しルール違反対策などについて、管理されている方とともに積極的に関与していくことが必要であり、それを実現させるためには市のマネジメント体制や機能強化を求めています。
我が会派も、ごみステーション管理を取り巻くさまざまな課題の解決に向けて、今以上に市が地域とともに取り組んでいくことは、管理に関する負担軽減を図ることばかりか、だれもが安心して暮らしていける環境づくりを進めていく上でも、非常に重要なことであると考えております。
また、報告書では、不適正排出やごみ散乱に関する現状の問題の一つとして、市と、町内会や自治会などごみステーションを管理されている方との連携不足が挙げられています。札幌では、パトロールや不適正排出の指導、浄化、あるいは、不適正排出の多い共同住宅のオーナーや管理会社などに専用ゴミステーションの設置の動きを働きかけるなどしているごみパト隊を設置していますが、まだこのごみパト隊の存在や活動の内容が市民に十分に伝わっていないことも、町内会など管理されている方との連携が不足している要因の一つになっているものと考えられます。ごみステーションの管理負担を軽減していくためには、地域の要望を札幌市がきちんと受けとめ、ごみパト隊が中心となって、ともにトラブルに対応していく体制を構築していくことが不可欠であると思います。
しかし、ごみパト隊の人員体制にも限りがあることから、2月13日に開催された総務委員会において、我が会派から、不適正排出されるごみステーションは特定化し、把握されていることを指摘し、そのようなごみステーションを選択し、集中的にごみパト隊を投入することなどにより、より一層、地域のごみステーション問題の改善を図っていくよう要望したところであります。
そこでまず、1点目の質問でありますが、ごみステーションを管理される方の負担軽減のため、市は、ごみステーション管理上のトラブルなど、より積極的に関与し、ごみステーションを管理される方や共同住宅のオーナーあるいは管理会社などとの連携強化に取り組んでいく必要があると考えますがいかがか、伺います。
次に、2点目の質問ですが、排出マナーの悪いごみステーションの改善を図っていくために、地域の要望を受けとめて、ごみパト隊が中心となって、より効果的にごみステーションの問題の改善が図られるよう市のマネジメント体制を強化する必要があると考えますがいかがか、伺います。
最後の質問は、各区の中心核づくりについて、3点伺います。
札幌市も少子高齢化が急速に進展し、2015年をピークにかつて経験したことのない人口減少時代を迎えることを見据えて、現在、まちづくり戦略ビジョンの策定作業が進められております。市内地域の状況を見てみますと、現在、中央区などは人口がふえているものの、厚別区の青葉、もみじ台地区、南区においては真駒内地区などで既に人口減少が始まっており、小学校の統廃合など具体的な現象のほか、65歳以上の高齢者が占める割合も、全市平均約20%に対し、これらの地区では30%を超えている状況になっております。
これは、高度成長期の人口急増に対応するため、郊外の住宅地が開発され、そこに新築、入居しましたが、子ども世代が成長し、就職、結婚などで転出し、現在は親だけが居住するというケースが多いためであります。地域からは、若いときは車を利用してさほど不自由を感じなかったが、高齢になると移動が容易ではなく、行動範囲が限定的となり、地域のコミュニティーや、通院や買い物といった日常生活が困難な状況だとの声も聞かれます。こうした傾向は、宅地開発の古い地域から順に進むことになり、近い将来、市内全域に及んでくることが人口推計などからも想定されます。
そこで、1点目の質問ですが、郊外住宅地の現状を踏まえ、そこで暮らす市民にとっては日常生活を支える地区の拠点が必要であり、利便性が高く暮らしやすいまちづくりが喫緊の課題であると思いますが、どのようにお考えか、伺います。
次に、第4次札幌市長期総合計画では、これからの都市構造は、都心を最も中心的な拠点としながら、さまざまな拠点が適切に分布する多中心核型に誘導していく必要があるとして、高次都市機能拠点8地域、広域交流拠点3地域、地域中心核13地点を主要拠点としています。この中で、地域中心核は、区や、それに準じた地域生活の中心であり、最も基本的な拠点と位置づけられていることから、今後も区、地域単位の顔としての特徴あるまちづくりを進めていくことが必要だと考えております。
そこで、2点目の質問ですが、都心部の魅力アップに向けたまちづくりは評価いたしますが、あわせて、魅力ある地域中心核のにぎわいを創出していくことが市全体の活性化につながっていくものと考えますが、どのように考えておられるか、お伺いをいたします。
また、第4次札幌市長期総合計画の中で、広域交流拠点としての厚別副都心の位置づけは、江別市や北広島市など隣接都市が持つ生活関連機能に加え、それぞれの個性を伸ばしながら人の交流促進と都市機能の一翼を担うため、情報関連産業や、新千歳空港への近接性を生かした集客交流産業に係る機能の集積を図るとしております。
最近、新千歳空港からの札幌の玄関である新札幌副都心のホテルでは、札幌ドームでのイベント開催時にバス移動の利便性がよいことから、国内外からの宿泊客もふえるなど、集客交流機能の受け皿となっております。しかし、宿泊客からは、札幌、北海道の食やお土産を求めるニーズにこたえられる観光関連機能が足りないとの指摘も出ているところであります。
また、フード・コンプレックス特区構想の中で、札幌テクノパーク・リノベーション推進事業が今後展開され、隣接する自治体との交流も活発になってくる中で、交流の結節点である副都心地区の機能を高めていくことが大事であります。そうした意味でも、市営下野幌団地の建てかえによって生ずる跡地の利活用が、これらの副都心地区の活性化に向けたまちづくりの大きな検討テーマになってくると考えております。
そこで、質問ですが、新札幌副都心を、住居や生活関連の機能を高め、交流拠点にふさわしいまちづくりを推進していくことはもとより、副都心地区の機能を高めていくことが札幌市全体の発展に寄与していくものと思いますが、どのようにお考えか、お伺いをいたします。
以上で、私の質問のすべてを終了させていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(大嶋薫) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 10項目のご質問がございましたので、私からは、財政問題と入札制度、公契約、路面電車、それに北海道新幹線についてお答えをさせていただきます。その余は担当の副市長から回答させていただきます。
まず、財政問題について、2012年度予算編成に当たっての基本的な考え方はいかにと、こういうことでございます。
平成24年度予算は、超高齢社会、人口減少という我々が経験したことのない時代に対応しながら、札幌の魅力をさらに高めていくということができるように、第3次札幌新
まちづくり計画と行財政改革推進プラン、これに盛り込んだ取り組みを着実に実施いたしまして、市民の皆さんにわかりやすく、めり張りのある予算にしたいとの考えでつくってきたところでございます。
特に、多様な保育サービスの充実や児童クラブの拡充など、日本一の子育てしやすいまちを実現するための施策や、依然として厳しい状況にございます地域経済に対する切れ目のない対策、さらには、東日本大震災を踏まえた安全・安心なまちづくりや、LED、太陽光発電の普及促進などを通じまして脱原子力発電依存社会の実現に向け、意を用いたところでございます。
2点目のマニフェストの進捗状況はどうかということでありますが、既に91項目のマニフェストでお約束をさせていただきました政策項目、その施策すべてに具体的に着手をしたところでございます。このうち、平成24年度予算では、子どもの医療費助成の中学生までの拡大、そして、札幌版の次世代住宅建築基準に適合する住宅に対する補助制度の創設などを予算化させていただいたところであります。平成24年度末までには、40項目の施策につきまして達成することができるということになると考えております。
マニフェストは、私が市民の皆さん方に任期中に実現することをお約束したものでございまして、着実に実行することによって、市民の力みなぎる、文化と誇りあふれる街・札幌を実現してまいりたい、このように考えているところでございます。
今後の財政運営についてでありますが、今後の財政状況を見通すということは非常に難しい状況にございますが、地方交付税を中心とした地方の一般財源総額、これにつきましては、平成25年度まで維持するとされております一方で、税収の大幅な増加が見込めない上に、地方交付税の一部にかえて発行することができるいわゆる臨時財政対策債、臨財債の割合がふえる見込みでございまして、非常に不安定、不透明な状況が続くというふうに見込まれているところであります。また、支出面では、扶助費や社会保障関係の繰り出しの増加が続いている現状にありますなど、今後も厳しい財政状況が続くことが予想されるというふうに認識をいたしております。
このような状況を踏まえると、持続可能な財政構造を確立し、将来世代への責任を果たす財政運営を行うためには、財政の硬直化を抑える取り組みの着実な実施が不可欠ということになるわけでありまして、とりわけ、市税を中心とした自主財源の維持・拡大といったことを図ることが肝要かと考えているところでございます。そのためには、札幌ならではの魅力を生かした創造的、文化的な新産業の創出によります雇用の拡大や、総合特区制度を活用した付加価値の高い産業の活性化などによりまして税源の涵養を進めていくこととともに、効果的・効率的な収納対策による収税率の向上ということによってさらなる収入確保に努めていく所存でございます。
2番目の入札制度と公契約条例についてでございます。
入札制度改善に係る経済界との協議の場の常設についてということと、入札要件の改正に伴う関係業界等への説明についてというのは、いずれも札幌市と関係業界との信頼関係に関するご質問でありますので、一括してお答えをさせていただきます。
入札制度の改善に当たりましては、公平性、競争性に配慮しつつ、業界の実情をしっかり考慮して取り組んでいく必要があることから、関係業界とは十分な意見交換を重ねることが不可欠であると考えているところでございます。このために、要望事項に対する定期的な協議の場の設置や制度改正の説明会の開催など、関係業界とより一層の意思疎通を図り、さらなる信頼関係の構築に向けて積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
労働単価の改善についてでございます。
国が示しております北海道地区の労働単価は、公共工事設計労務単価が全国平均水準での下落傾向が続きまして、建築保全業務労務単価も低水準で推移をしているところでございます。労務単価は、予定価格の積算のもとになることでもありますから、より実態に即した単価で設定されることが必要でありますが、都道府県単位で定められているために必ずしも札幌市の実態と一致しないという声もございまして、今後、他の指定都市との情報交換というものを行いまして、必要に応じて国に対して働きかけをしていきたい、こんなふうに考えているところであります。
条例の制定に係る決意についてということでございます。
公契約条例は、税金を原資といたします札幌市の工事や、あるいは業務委託などについて、そこで働く労働者の適正な賃金を確保するということを通じて、税金を地域の経済循環につなげる手法の一つであるというふうに考えております。労働者の賃金が下がって消費購買力を失えば物が売れなくなる、自治体としても税金が集まらない事態となりまして、社会そのものが衰退をしていく。そんな思いから、低落札、そして低賃金がもたらしている現状の負のスパイラル、これは、日本語で言うと下りのらせん階段をだれもがよしとせずにみんなでおりていっている、そういう状態を表現するものだと私は理解しております。その負のスパイラルを断ち切る必要がある、このように考えております。
また、だれもがと言っているのは、本当に経営者の皆さん方もつらい思いをされている、それは十分理解をした上で、そこでまた低賃金で働く人たちも決して労働に対する喜びを得ることができない、そして、家族もつらい思いをする。そういう中で、どうやったら少しでもそれを改善することができるのか、道筋ができるのか、続けることができるのか、そのことを考えたいというふうに考えているところでございます。
建設業界に流すと言ったらあれですが、請負代金、一財だけで735億円、企業会計も入れますと1,175億円が来年度予算に見込まれております。業務は30億円から40億円というふうに言われております。1,200億円からのお金が市中を駆けめぐるわけであります。それが税金であります。それを多くの方が享受できる、喜びを持って労働ができる対価に変えることができる、そういう状況にしていくきっかけを――公契約すべてを網羅するものではもちろんありません。そのきっかけをつくっていくということに、どうか多くの方のご理解をいただきたい、そんなふうに考えるわけでございます。
何を先にするかということでは、決してないと思います。すべてのことを同時進行的に行わなければ効果が発生しない、そういうふうに私は考えるものでありまして、最前申し上げておりますが、だれかが得をするものではない、みんながつらいということを――私の決意でございますので、お聞きいただきたいと思いますが、そういう問題なのだということを、ぜひ、多くの皆さん方に知っていただきたい、私の決意とさせていただきたいと思います。
人材確保や技術を承継していくという面においても関係業界の健全な発展につながっていく、それが公契約条例の意図するところでもございます。市民が豊かで安心して暮らせる地域社会の実現に寄与するということも言うことができると思います。広く市民の皆様方、そして、とりわけ事業者の皆さん方に、つらい思いをされている事業者の皆さん方に、この私の意図を正確にご理解をいただき、早期に制定をさせていただきたい、これが私の決意でございます。
次に、路面電車につきまして、ループ化の意義ということでご質問でございます。
今回のループ化は、これからの札幌の将来に向けて、市民の財産であります、また、まちの魅力と味わい、にぎわいというものをもたらす路面電車を、市民の皆様と創造性豊かに活用していく第一歩となる取り組みだと、このように理解をしているところでございます。
長年の懸案でございます環状化によります利便性を向上させ、札幌らしい洗練されたデザインの新型低床車両を導入し、魅力と機能性を高め、さらに、沿道商業者などの参画によるソフト事業の展開や、市民のさまざまな活動を支え、促すことで、有形無形の価値を創造することを期待するものでございます。こうした取り組みを続けながら、さらに多くの市民や、このまちにおいでになる皆様方に親しみを持っていただく路面電車によるまちづくりに活用していく考えでございます。
新型低床車両のデザインと導入スケジュールについてでございますが、この低床車両のデザインにつきましては、市民の皆様方からお寄せいただきましたアイデアを参考にさせていただきまして、デザインの専門家の方々にご検討をいただいたものでございます。私も、この札幌にふさわしいシャープな、モダンなデザインが子どもたちに夢を与え、札幌市民の皆様方に、未来永劫、末永く愛していただけるのではないか、このように思っておりまして、札幌の新たな景観となってまち並みに潤いといったものを与えることが期待できるというふうに考えておるわけでございます。
車両の導入につきましては、来年度に1両、さらに、平成26年度のループ化の実現に合わせまして2両を導入する考えでございます。
次に、北海道新幹線につきまして、まず、今回の政府方針についてでありますが、私は、北海道新幹線札幌延伸の実現によりまして、観光分野を初めとして、北海道全域への大きな経済効果にとどまらず、札幌圏、青函圏、そして仙台圏をつなぎます新たな経済圏が創出され、我が国の発展にも貢献できるものと確信をいたしているところでございます。そして、厳しい経済情勢が続く北海道にありまして、その閉塞感を打ち破るためにも一日も早く認可・着工を実現させなければならないと、強い気持ちで誘致活動に取り組んでまいりました。そうした中で、昨年末に、政府から札幌延伸を認可する方針が示されたことは、着工に向けて大きな前進として歓迎の意をもって受けとめておるところでありますが、同時に、一日も早く着工決定の朗報が寄せられることを期待するものでございます。
次に、開業効果を高めるための取り組みの方向性でございますが、政府の方針によれば、着工が決定されても開業までには相当の期間を要するものと想定されておりますが、新幹線が乗り入れることになる都心部の魅力と活力の創出や、東北復興支援を視野に入れた経済活性化など、中長期的な視点で取り組んでいくべき課題は極めて多いと、このように考えております。着工決定後は、こうした取り組みへの機運が一層高まるものと期待されますことから、これまでの誘致活動と同様に、北海道や経済界と連携をし、開業効果を高める方策を検討、推進してまいりたい、このように考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(大嶋薫) 小澤副市長。
◎副市長(小澤正明) 私から、各区の中心核づくりについてお答えいたします。
1点目の日常生活を支える地区の拠点づくりについてと、2点目の魅力ある地域中心核のにぎわいづくりについては、関連をいたしますので、一括してお答えさせていただきます。
少子高齢化や人口減少に伴う地域のあり方や買い物弱者などの問題は、現在策定中のまちづくり戦略ビジョンにおいても重要な課題の一つとして認識をしておりまして、市民が安心して生活し、だれもが歩いて暮らせるまちづくりを進めることが重要になると考えております。そのためには、身近な徒歩圏内で、商店街や医療、福祉施設、市民集会施設など、日常生活を支えるとともに、さまざまなまちづくり活動に参加しやすい機能が提供されることが重要となります。これに加えて、利便性やにぎわいをもたらすコミュニティ施設や文化施設など、より多様な機能が集積した地域の核となる拠点を主要な交通結節点に設けることにより、公共交通を利用してだれもが容易に拠点へ行くことができるコンパクトなまちづくりも必要になります。今後も、利便性が高く、魅力ある地域の拠点づくりを進め、札幌市全体の活性化につなげてまいりたいと考えております。
次は、副都心地区の機能の向上についてですが、第4次長期総合計画では、新札幌駅周辺を広大な後背圏を持つ生活拠点として位置づけ、商業・業務機能や集客交流機能などの集積を図ることとしており、多くの人々の日常生活を支える拠点としてそのまちづくりが重要であると認識をしております。これまで、新札幌駅周辺では大規模なショッピングセンターやホテルなど多様な都市機能の集積が進んでおり、今後も、これらの機能を中心としたまちづくりの展開により、隣接都市や近隣区も意識した拠点の機能向上が期待されるところであります。
一方で、現状でも高い割合を示す厚別区の高齢化率は、今後、他の区と比較してますます高くなると予測されており、進展する少子高齢化を踏まえたまちづくりが必要であると考えております。このようなことから、厚別区の生活拠点である厚別副都心地区に求められる機能も時代の変化に応じて変わるものと考えておりまして、まちづくり戦略ビジョンを策定していく中で、これからの時代にふさわしい拠点のあり方を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(大嶋薫) 生島副市長。
◎副市長(生島典明) 私から、3項目についてお答えをいたします。
まず、総合特区の推進についてであります。
1点目の北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区における札幌市の役割と連携体制についてでありますが、札幌、江別地域は、研究機関や食料品製造業などが集積をしておりますことから、農水産物を強みとする帯広、函館地域と連携をいたしまして、有用性評価や加工の拠点として食の高付加価値化を図る中心的な役割が期待をされております。
そこで、札幌市は、引き続き北海道や経済界等と連携をいたしまして、国の資金を活用して北大リサーチ&ビジネスパークを中心に行われる研究を推進するとともに、来年度、若手研究者や産学官連携による研究を新たに支援するほか、エレクトロニクスセンターへの食・バイオ関連企業の集積を図るための改修を行うなど、特区構想の推進に向け、役割をしっかりと果してまいります。
また、道内の三つのエリアの連携を図るため、関係団体から成るマネジメント組織を設立することとしておりますが、札幌市も、ここに職員派遣を行うなど積極的に参画をしてまいります。さらには、経済局内に特区の総合調整を担う担当課長を設置し、マネジメント組織との緊密な連携を図ってまいる所存でございます。
次に、札幌コンテンツ特区の推進体制についてでございますけれども、札幌コンテンツ特区に関しましては、昨年から、経済局内に特区推進本部を設置するとともに、庁内連携体制の構築を進めているところでございます。さらに、新年度には、コンテンツ特区担当係長を配置するほか、先ほどお答えいたしましたように、HFCとコンテンツ特区の二つの特区を担当する課長職も設置するなど、さらなる体制強化を図ってまいります。
また、特区の運営につきましては、札幌市に加えまして、さっぽろ産業振興財団、市内のテレビ局各社、映像制作事業者、金融機関のほか、大学、国の行政機関等で札幌コンテンツ特区協議会を組織しておりまして、その中で、市と構成団体とで役割を分担しながら、オール札幌として特区事業の推進に取り組んでまいります。
次に、特定都市再生緊急整備地域についてでございます。
まず、1点目の都市再生緊急整備協議会への参加主体についてでございますけれども、今後のまちづくりにおきましては、地域が持つ特性を踏まえ、多様化する課題に対応していく必要がありますことから、地域関係者がみずからまちづくりの担い手となるいわゆるエリアマネジメントの考え方がますます重要になっております。このため、今回指定を受けました特定地域の整備方針といたしましても、エリアマネジメントの展開を主要な取り組みの柱の一つに掲げております。こうしたことから、都心部の実情を詳細に把握しております札幌駅前通まちづくり株式会社、札幌大通まちづくり株式会社を協議会に加えることは不可欠と考えておりまして、その参加について積極的に働きかけをしていきたいと考えております。
また、特定都市再生緊急整備地域では、規制緩和や税制支援などによりまして、より効果的な民間投資を呼び込むことが可能となりますことから、札幌の国際競争性を高めるために、民間プロジェクトの動向を踏まえまして、適宜、区域の見直しや拡大についても検討してまいりたいと考えております。
次に、家庭ごみの収集についてお答えをいたします。
まず、市とごみステーションを管理される方などとの連携強化についてでございますけれども、札幌市では、地域の皆様方のごみステーション管理の負担を軽減するために、家庭ごみの相談窓口としてのごみパト隊を設置して、地域と連携した各種の啓発、指導などを行っております。しかしながら、ごみパト隊の存在や活動内容が十分に浸透していない地域があるなど、検討委員会からはさらなる連携強化を図るよう指摘されたところでございます。
したがいまして、今後は、ごみパト隊の活動内容のより一層の周知に努めるとともに、積極的にごみステーションの改善事例を紹介したり、地域の改善要望に応じて実施内容や改善目標について十分な協議を行うなど、地域の皆様との連携をより一層強化してまいりたいと考えております。
次に、排出マナーの悪いごみステーションの改善を図るための市のマネジメント体制の強化についてでございます。
札幌市では、ごみステーションを管理されている方々の負担の軽減を図るために、市内に約4万カ所あるごみステーションのそれぞれの状況に応じた対策を講じてきたところでございます。新ごみルールの導入から2年半が経過をいたしまして、多くのごみステーションでは管理上の問題が改善はされているものの、一部のごみステーションでは、さまざまな努力にもかかわらず、不適正排出が繰り返されております。そのようなごみステーションはほぼ固定化されており、それらの改善を図り、管理されている方々の負担を軽減することは喫緊の課題であると認識をしております。
そこで、今後は、地域からの改善要望も強い不適正排出が繰り返されているごみステーションについて、ごみパト隊が重点的に改善に取り組むなど、効率的な業務体制を構築してまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○副議長(大嶋薫) 渡部副市長。
◎副市長(渡部正行) 私からは、障がい福祉と高齢者福祉についてお答えをいたします。
まず、1点目の重度の障がい児・者の地域生活支援施策の充実につきまして、児童福祉法等の改正への対応も含めた児童療育施策の今後の進め方と障がい児・者医療・福祉複合施設の整備方針についてお答えいたします。
札幌市立の四つの障がい児通園施設は、それぞれ児童発達支援センターに移行させたいと考えておりまして、今後、民間施設等への支援機能や相談支援機能の充実を図ることによりまして、今回の児童福祉法改正の趣旨でもあります身近な支援の充実化の実現に向けて支援体制を強化してまいります。さらに、現在進めている複合施設には、通園施設機能と医療機能に加えまして、地域支援機能等を充実させることによりまして、市全体の児童療育体制の中核的な役割を担う施設を目指す予定でございます。また、この複合施設の整備につきましては、施設を利用する障がいのある子どもが楽しく明るく、心と体をはぐくむことができる空間となりますよう、札幌市立大学にも全面的な協力を受けることとしまして、デザインや看護に関する専門知識も活用しながら進めてまいります。
次に、重症心身障がい児・者の地域生活を支える体制づくりに向けた取り組みについてです。
地域で安心した生活を送るためには、日中活動の場や緊急時の受け入れ体制の拡充のほか、在宅での介助体制の充実が求められているところでございます。来年度からは、重症心身障がい児・者を受け入れるために、看護師を加配した生活介護や、短期入所事業所に独自の補助を実施いたしまして、日中の活動の場や緊急時の受け入れ体制の拡充を図っていきたいというふうに考えております。
また、平成22年度から開始したパーソナルアシスタンス事業では、重症心身障がい者がこの制度を活用し、自立生活を実現した事例があるなど、一定の成果を上げております。こうした実績を踏まえまして、パーソナルアシスタンス事業は在宅での介助体制を構築するための選択肢の一つといたしまして、障がい当事者や保護者への周知に取り組んでいきたいと考えておりまして、この3月には重度の障がい者を講師に講演会を開催する予定であります。
2点目の障がい者相談支援体制などの充実についてであります。
まず、1点目の障がい者相談支援事業所の体制強化につきまして、相談支援件数の増加に適切に対応するため、平成26年度までに、現在、市内17カ所の事業所を20カ所に増加する計画としております。今後につきましては、全市的な観点からの事業者の適正配置、人員体制につきましても、さらなる充実に向けて検討してまいりたいと考えております。
次に、障害者自立支援法改正に伴う対応についてですが、基幹相談支援センターにつきましては、人材育成や広域的な調整において中核的な役割を担うものでありまして、障がいのある方が地域で安心して生活できるよう、早期設置に向けた検討を進めてまいりたい、そのように考えております。
また、計画相談支援につきましては、今後、すべてのサービス利用者に適用範囲を拡大するためには、指定相談支援事業所におきまして配置が義務づけられている相談支援専門員の大幅な増員が必要となります。相談支援専門員は、一定の実務経験と都道府県が行う研修の修了が要件とされていますことから、北海道に対しまして研修事業の格段の充実を求めるとともに、各事業者に対し、積極的な受講を働きかけてまいります。
次に、高齢者福祉についてでございます。
次期の高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画は、高齢者が住みなれた地域で可能な限り自立した日常生活を送ることができよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスなどが切れ目なく一体的に提供される地域包括ケアの構築を図るべく、その第一歩の計画として位置づけております。この地域包括ケアの構築を図るために、サービス事業者のほか、市民やNPO、ボランティアなどの幅広い主体と計画の基本理念や目標を共有いたしまして、それぞれがその実現に向けた役割を担いながら連携協力して計画を推進してまいりたいと考えております。
次期計画におきましては、特別養護老人ホームの増設などのサービス基盤の整備や、高齢者に対するきめ細かい見守り活動の促進を初めとしました地域ケア体制の充実など、各分野における取り組みを強化していくとともに、関係者のネットワーク化の支援などを通して医療と介護など各分野間の一層の連携を図ることによりまして、サービスの包括的、継続的な提供を推進してまいります。
計画の推進に当たりましては、関係部局間の連携をもとに取り組みを進めまして全体の進捗を管理していくとともに、札幌市介護保険事業計画推進委員会におきまして、進捗状況を踏まえながら計画全体を検証してまいります。
以上でございます。
○副議長(大嶋薫) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日2月21日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(大嶋薫) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
○副議長(大嶋薫) 本日は、これにて散会いたします。
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散 会 午後4時55分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 三 上 洋 右
副議長 大 嶋 薫
署名議員 し の だ 江 里 子
署名議員 金 子 や す ゆ き...