札幌市議会 2011-10-27
平成23年第一部決算特別委員会−10月27日-07号
平成23年第一部
決算特別委員会−10月27日-07号平成23年第一部
決算特別委員会
札幌市議会第一部
決算特別委員会記録(第7号)
平成23年(2011年)10月27日(木曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 34人
委 員 長 伊 藤 牧 子 副委員長 林家とんでん平
委 員 武 市 憲 一 委 員 宮 村 素 子
委 員 鈴 木 健 雄 委 員 こんどう 和雄
委 員 山 田 一 仁 委 員 五十嵐 徳 美
委 員 細 川 正 人 委 員 よこやま 峰子
委 員 宗 形 雅 俊 委 員 こじま ゆ み
委 員 北 村 光一郎 委 員 阿部 ひであき
委 員 西 村 茂 樹 委 員 福 士 勝
委 員 畑 瀬 幸 二 委 員 ふじわら 広昭
委 員 三 宅 由 美 委 員 長谷川 衛
委 員 小 川 直 人 委 員 宝 本 英 明
委 員 村 上 ゆうこ 委 員 林 清 治
委 員 本 郷 俊 史 委 員 三 浦 英 三
委 員 谷 沢 俊 一 委 員 國 安 政 典
委 員 宮 川 潤 委 員 伊 藤 理智子
委 員 小 形 香 織 委 員 石 川 佐和子
委 員 堀 川 素 人 委 員 木 村 彰 男
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開 議 午後1時
○伊藤牧子 委員長 ただいまから、第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、猪熊委員からは、福士委員と交代する旨、届け出がありました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第8款 消防費 第1項 消防費の質疑を行います。
◆三浦英三 委員 私から、地域防災力の向上について、3点伺います。1点目には地域住民の防災力、2点目には事業所における防災力、3点目には消防学校の活用、この三つについて質問させていただきます。
東日本大震災においては、過去に例を見ないほど、甚大かつ広範囲に被害が及び、その凄惨な状況に今なお心を痛めているところであります。大規模な地震災害が発生した場合は、行政の災害対応には限界があります。特に、災害初期においては、いわゆる自助、共助のあり方がまことに重要でありまして、本市においても、地域の防災力を高めることが喫緊の課題であると改めて痛感したところであります。
地域の防災力を高めるためには、町内会により結成される
自主防災組織の機能を高め、住民一人一人の防災意識と防災能力の向上につなげることが必要である、このように考えております。
自主防災組織は、阪神・淡路大震災を教訓としまして、平成9年から組織の結成を促進し、これまで、本市の
危機管理対策室を初め、
市民まちづくり局、さらには、各区役所、それから消防が連携しまして、防災リーダーの研修、または町内会での防災訓練などさまざまな取り組みを行い、地域の防災力の向上を図ってきたところであります。
中でも、多くの被災地に職員を派遣し、数多くのノウハウを持つ消防局の役割は大変大きい、私はこのように思います。消火、救出、救護といった分野での訓練支援は防災活動の柱になる、このようにも考えているところであります。また、消防局では、近い将来、地域の防災力の担い手となる中学生への防火・防災教育にも取り組んでいるということをお聞きしまして、住民の視点に立ったいい取り組みである、このように評価をするところであります。
そこで、1点目の質問ですが、地域住民の防災活動への訓練支援の実施状況と、消防局として今後どのように取り組んでいくのか、このことをお伺いしたいと思います。
2点目には、事業所の防災力の向上についてお伺いいたします。
東日本大震災においては、多数の方が出入りする大規模な建物でのパニックを初め、公共交通機関の麻痺により、首都圏を中心として多数の帰宅困難者が発生したところであります。このように、外出先などの自宅以外の場所においても被災することが現実に起こったわけであります。
大規模地震の発生によるこうした被害を軽減するために、消防法令の一部が改正されまして、平成21年6月から、百貨店やホテル、病院など多数の方が利用する施設のうち、延べ面積が5万平米以上のもの、または11階建て以上で延べ面積が1万平米以上のものなどの大規模、高層の建物については、防災管理制度が導入されました。この制度は、地震対策についての所定の講習を受講した方を防災管理者として各事業所に置き、地震が発生した場合の応急措置、例えば、エレベーターの乗客の閉じ込め事故への対応とか、建物利用者のパニックを防止するとか、または、停電や通信障害の中での避難誘導などを行うものであります。この制度の対象となる建物は、現在、札幌市内に190棟あるそうですが、この中心的な役割を担っている防災管理者の選任率は77%、このように伺っております。
さきの
東日本大震災における防災管理のすばらしい実例としまして、
東京ディズニーリゾートにおいて、約7万人の入場者を迅速に避難誘導し、うち2万人の帰宅困難者を施設において保護するなど、けが人や大きな混乱もなく、その見事な対応については新聞、テレビ報道等でも大きく取り上げられたところであります。このような見事な対応の背景には、年180回にも及ぶ訓練により、従業員全員が避難誘導等の手順を体得していたことが挙げられております。このように、事業所みずからが取り組むべき大規模地震対応については、何よりも事業所自身の高い意識と日ごろの訓練が重要であると改めて明らかになりました。
東日本大震災の貴重な教訓の一つである、このようにも思うわけであります。
そこで、2点目の質問です。
事業所における防災力を向上させるために、消防局として今後どのように取り組んでいくのか、この2点を初めに伺います。
◎佐々木 予防部長 私から、地域防災力の向上について、2点お答えいたします。
まず、1点目の地域住民の方への訓練支援の状況についてでございます。
消防局につきましては、全市防災訓練や各区の防災訓練を初め、町内会が主催する防災訓練や防災研修会への支援を行っており、平成22年度には、
自主防災組織など地域の住民の方による防災訓練や防災研修会が391件開催され、参加した延べ2万2,497人の市民の方に対して訓練支援を行っております。
また、地域防災力の向上のため、消防局として今後強化すべき取り組みは、やはり、住民一人一人の方の防災力を高める教育と実技訓練、さらには、
自主防災組織の機能を高める
集団トレーニングを繰り返し実施することを考えております。災害発生直後の身の守り方、消火器による消火訓練や応急手当てなど、個人が身につけるべき実技訓練と、バケツリレーや倒壊した建物などからの救出訓練など、組織力を養う集団訓練を町内会、学校、施設などあらゆる場面で日常的に取り組んでまいります。
さらにまた、本市独自の取り組みとして実施しております、小学4年生を対象といたします「教えて!ファイヤーマン」事業や中学生を対象といたします
ジュニア防火防災スクールなど、将来を見据えた地域の防災力の育成につきましても引き続き力を注いでいきたいと考えております。特に、さきの震災でも
中学生ボランティアなどの若い世代の大人を支援する力が注目されており、中学生に対する実践的な防火・防災教育を行うことで、地域に住むお年寄りや幼い子どもたちなどに手を差し伸べる地域防災の担い手として、今後、育成強化を図ってまいります。
これからも、さまざまな災害現場や震災などの派遣経験を生かした訓練支援を積み重ね、消防局としての役割を果たしてまいります。
次に、2点目の事業所の防災力向上への取り組みについてです。
委員ご指摘のとおり、やはり、日ごろからの繰り返し訓練が重要であると認識いたしております。私どもといたしましても、昨年の4月から、本市独自の取り組みとして、地震発生時の避難誘導などの初動対応を適切に行うことができるかを検証し、その結果を事業所における今後の地震災害対応に反映していただくため、訓練検証制度を導入いたしております。今後におきましては、引き続き、防災管理者が配置されていない事業所に対する指導を強力に進めていくほか、災害時における事業所間の連携の視点から、相互応援体制の輪を広げるとともに、事業所に対する各種研修会の充実を図ってまいりたいと考えております。
また、高層建築物などからの高齢者や体の不自由な方の避難対策の一つとして、階段を使って避難する器具が開発されておりますので、これを
市民防災センターに常設するなど、市民の方への情報提供を行い、安全・安心のまちづくりを進めてまいります。
◆三浦英三 委員 今、全市、各区で行っている防災訓練を初めとする訓練、また、各町内会の方々、地域と一体となっての自主的な防災訓練のいろいろな支援等の報告がありました。あわせて、事業所に対する
防火管理者研修等を通じて積極的に防火とか防災指導を行っていることが部長の方から細かく説明がありまして、地域防災力の向上に向けてしっかりと取り組んでもらいたいということを要望しておきたいと思います。
3点目の消防学校施設の活用について質問させていただきます。
東日本大震災の後は、地域住民や事業所の防災に対する関心というのは非常に高いものとなっておりまして、市民の方々にそのような高い防災力を身につけていただくためには、ある程度施設が整った場所が必要だ、私はこのように考えております。その要求にこたえるための施設としまして札幌市には消防学校がありますので、これが大変有効ではないか、このように思うわけであります。
そこで、3点目の質問の1点目に、札幌市消防学校の施設の概要はどのようになっているのか、改めてお伺いしたいと思います。
2点目には、冒頭、
東日本大震災における甚大な被害と、これからの災害対応に関して私の思うところをお話しさせていただきましたけれども、地震ばかりではなくて、本年は8月、9月にかけて近畿地方を中心として台風12号による自然災害等が頻発している状況になっております。改めて申し上げるわけですが、その被害を最小限に抑えるためには、まず、地域一体となって取り組むことが何よりも大切だということは言うまでもありません。こうした中で、自主防災活動や訓練の際に、当然、消防局の職員の方、また、消防団員の方が指導的役割を担っていただくということは十分に承知をしているところでありますけれども、日ごろから市民の方々が防災について学べる環境づくりということがより重要ではないか、私はこのようにも考えているところであります。
消防局では、春とか秋、火災予防運動を初め、先ほども報告がありましたが、「教えて!ファィヤーマン」等のいろいろな事業をやっております。そして、市民の防災意識の向上や、また、応急手当ての習得に努めているところであります。白石区にあります
市民防災センターを中心として、子どもからお年寄りまで、わかりやすく防災について学べる環境もあります。そして、大きな成果を上げているということも、私も3度ほどここに足を運ばせていただいて理解をしているところであります。
私は、消防学校の施設においても、市民教育の場として有効に活用できないか、このように考えているところであります。ふだん、なかなか立ち入ることができない消防学校ですけれども、これを見学し、署員や団員の皆さんが厳しい訓練をしている様子などに触れることだけでも、消防への理解や信頼もより一層高まるのではないか、その姿を見て、各家庭へ帰って、そして地域での防火・防災対策の取り組みにつながっていければなという思いでいっぱいであります。
そこで、2点目ですけれども、今後、市民に開かれた消防学校として、施設を有効に活用するお考えはあるのかどうか、この点を伺いたいと思います。
◎水口 消防学校長 初めに、札幌市消防学校の施設の概要についてお答えいたします。
札幌市消防学校は、消防部隊の訓練専用の施設として、昭和52年に、その前身である消防訓練所の名称でスタートいたしました。当初は、市内建築物の高層化に対応するため、10階建てに相当する訓練塔を建設し、また、レスキュー隊の救助技術の向上を図るため、屋内訓練場、
水難救助訓練場などを順次整備してまいりました。その後、救急救命士の独自養成の必要性から
救急救命士養成所を開設し、これにあわせて、火災原因などを科学的に分析、究明するための
消防科学研究所を併設いたしてまいりました。さらに、平成11年に、これまでは新規採用職員の研修を
北海道消防学校に委託しておりましたが、都市化の進んだ本市で発生するさまざまな災害に対応でき、さらには、消防法や火災予防条例による措置命令を的確に行使できる消防職員をみずから育成する必要性がありますことから、教室と両施設を備える校舎を新設いたしまして、札幌市消防学校を開校したものであります。
なお、他の用途といたしましては、
東日本大震災のような大災害が札幌で起きた場合、全国各地から応援隊として派遣される
緊急消防援助隊の集結地として指定されているところであります。
2点目の市民に開かれた消防学校の活用についてお答えいたします。
消防学校では、防火・防災意識の高い町内会や事業所からの見学要望にこたえるため、
消防科学研究所において、電気、ガス、油などの燃焼実験を行い、火災の
発生メカニズムやその怖さなどについて理解を深めていただいております。さらには、市民の皆さんに、消防学校の役割と機能を一層理解していただくために、毎年8月、
オープンキャンパスを実施しております。ことしは、学校周辺の地域の皆さんを初め、夏休み中の親子連れなど800名を超える参加がありまして、消防車両やヘリコプターの展示、はしご車の搭乗、放水訓練、自主防災の活動資機材やAEDの使い方などを体験していただいたところであります。
今後は、例年、当学校で全道のレスキュー隊が集まり、開催されている救助技術の訓練指導会について、さらに積極的に市民の皆さんへ見学のご案内をするなど、より開かれた活用の方策を考えてまいりたいと存じます。
◆三浦英三 委員 今、学校長からも紹介がありましたけれども、さきの大震災でも、ともかく地域の防災力を高める必要がある、このことが改めて浮き彫りになったと思うわけです。札幌市でも、市民の防災知識、防災技術の向上のために、ぜひとも、消防局としてあらゆる機会をとらえて取り組んでいただきたいということを初めに要望しておきたいと思います。
そのためには、まず、これまでと同様に、とにかく地域と連携している消防署とか、それから各出張所、ここを拠点としながら、積極的に地域住民へ働きかけをして、地域密着型のアプローチを基本として取り組んでいただきたい、このように思っているところであります。
また、消防学校においては、消防職員や消防団員の専門の教育にとどまらず、先ほど報告がありましたけれども、市民の皆さんへの防火・防災教育の拠点、さらに、開かれた消防学校を目指していただきたい、このように要望いたします。
私は、先般、京都市の消防学校を視察させていただきました。移転整備の効果で、多数の市民とか事業所の皆さんが見学に訪れていまして、地震を初めとする自然災害に対応するみずからの備えの重要性を皆さんは感じておられました。私も感じてまいりました。すばらしい施設であります。聞くところによりますと、京都市の施設はすばらしいのですが、敷地面積は札幌市の方が大きいと伺っておりまして、ぜひとも、札幌市の消防学校でも、京都市同様に、市民の皆さんとの触れ合いの機会を拡大していただきたい、このように思っているところでございます。
これらのことを積極的に進められて、今後とも、常に市民の皆さんの視点に立って、防火・防災のさらなる向上に一層努めていただきたい、このことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆木村彰男 委員 私は、消防団員の入団促進活動について、さらに、地域の消防団活動についてお聞きしたいと思います。
私は、南区の消防団員として、藻岩分団に所属し、訓練、啓発活動等に携わっておりますが、そのような中で感じたことを含めましてご質問させていただきたいと思います。
平成23年4月1日現在、札幌市の消防団員の定員は2,150人、これに対して、現員は1,960人で91%の充足率かと思いますけれども、高齢の方もふえ、若い人の加入促進等の対策等はどうなっておるのでございましょうか。また、他の
政令指定都市等を含めまして、どのような対策を練っていらっしゃるのか、お聞かせ願いたいと思います。
◎武井 総務部長 入団促進策についてのご質問にお答えさせていただきます。
委員お話しのとおり、現在の充足率は10月1日現在で89.1%ということで、全国的に見ても大変低い割合になっております。そのため、日常的には、各地で実施されております、例えば、母親学級とか町内会、事業所などへの救命講習の機会をとらえ、また、火災予防行事や
自主防災組織への消防訓練指導などの機会をとらえまして、市民に対して入団促進の呼びかけを行っております。また、平成20年度から
消防団員入団促進キャンペーンを秋の火災予防運動の実施に合わせて60日間にわたって実施しております。
この際に消防団、消防署が一体となった取り組みを行っておりますけれども、この成果といたしまして、このキャンペーンを実施する以前の入団数と比べますと、実施する前の3年間の平均が入団者数34名だったのですが、キャンペーンを実施してから、その約倍に当たります年平均63名の新しい団員が入団しておりますので、一定の効果があるというふうに認識しております。
また、若年層の入団促進につきましては、私どもの非常に大きな課題というふうに考えておりまして、現在は、高校とか大学、さらには学生会館などにポスターの掲示などを行いまして、若い方の入団促進に力を入れているところでございます。
続いて、他都市の状況についてお答えいたします。
全国的に見ますと、ピーク時は昭和29年前後で、約200万人という数の消防団員が全国でいらっしゃいましたが、現在は、その半分を割り込みまして88万人ほどが在籍しております。団員の定数に対する充足率は全国平均で94.4%ということで、先ほどお答えしました札幌の89.1%よりもかなり高い充足率になっておりますが、全国的に見ましても充足率の低下が課題になってきているところでございます。
しかし、中小都市、特に農村地帯等は、やはり、青年団組織というものがございまして、その青年団組織を通じた勧誘、紹介など地域単位で団員確保を行っているところが多く、充足率の維持が図られております。加えて、定年制度の導入等を行われていることから、高齢化の抑制も図られております。
平均年齢を見ますと、全国平均は38.8歳という年齢でございますけれども、政令指定都市の平均で44.4歳、札幌市は50.2歳ということで高齢団員の割合が高くなっている実情がございます。
◆木村彰男 委員 大体わかりました。
次に、団員の中には、長期間、活動に来られないような方がいたり、私が見ていたのですが、班長等から参加要請をするといいますか、なるべく来るようにと指示をしていらっしゃいます。また、たまには、お仕事の関係で、長期間、札幌を離れられるようなことで不在だという方もいらっしゃるのですね。そのような方につきましては、いろいろ勤務の関係で仕方がないところもあるかと思うのですが、ほとんどの団員の方は、私が見ている限りは勤務に精励してやっていらっしゃる方がほとんどだと思うのです。ただ、一部、そういう方がおるということは市民の方も見ておりまして、納税者である市民の目から見ると、やはり、どうなっているのかなというようなことをおっしゃる方が私の周辺にはおるのも事実なのですね。
このようなことについて、班長から言えばそれでいいのか、消防として何か対策のようなものは考えていらっしゃるのでしょうか。
◎武井 総務部長 確かに、消防団を構成している方たちの職業を見ますと、以前は、例えば農業とか自営業の方が大変多くいらっしゃったのですが、最近はサラリーマンの方たちの比率もふえてきておりまして、委員のおっしゃるとおり、仕事との関係で消防団活動に従事できない場面が多々あるのも事実でございます。このため、現在、各消防団の本部長たちに参画をいただいております札幌市消防団の充実強化に関する検討委員会におきまして、定年制の導入とか、ご指摘ありました、現在、年間を通じて余り活動に出られない方、また、ほとんど顔を出されないような団員に対して退団を促すことができるかどうかということの可否も含めて検討していただいております。
今後につきましては、そういった検討委員会の結果も踏まえまして、より適正で充実した組織の構築を目指していきたいと考えております。
◆木村彰男 委員 ぜひ、そういう形でご検討を進めていただければと思います。
最後に、地域の消防団活動、とりわけ、先ほど出ておりますが、札幌のようにキャリアの職員の方がふえてきて多数を占めるようになりますと、団員の方々、地域の消防団の方々は高齢でもやっていけるような状態になって高齢化しているということもあるかと思うのですけれども、そういう方でも、私が見ている限りでは、非常に一生懸命に活動に取り組まれておりまして、お元気な方がたくさんいらっしゃいます。今後、地域の住民の方々に対する防火・防災につながるような意識啓蒙とか、すごく大事なことだなと思っているのですけれども、今後の地域の消防団の活動のあり方ということについてはどのようにお考えでございましょうか。
◎武井 総務部長 消防団の活動につきましては、国が定めたいわゆる消防力の整備指針において、その活動の項目については細かく規定をされておりますけれども、今後、地域住民の防火意識の向上のために、やはり、消防団の果たす役割というのはますます大きくなってくるものであるというふうに考えております。そのために、まず、消防団員は、みずからが地域の住民であるということで地域に溶け込んだ存在でございまして、既に地域の方たちと顔の見える関係にあることや、地域事情に精通した活動を行えることから、多少、年齢が高い方でも地域住民にとっては非常に心強く安心できる存在であるというふうに認識しております。そこで、その特性を生かしまして、地域における
自主防災組織の訓練指導とか、高齢者のお宅やグループホームなどの福祉施設への防火訪問、さらには、地域の事業所への活動の協力依頼などを行うことにより、一層の防火意識の向上が図られるものと考えておりますので、そういった活動にも今後力を入れていただきたいというふうに考えております。
◆木村彰男 委員 私も同感なのですね。地域において、町内で防災部長をやっていらっしゃるような方はほとんどが消防団員のOBもしくは現役の方でございまして、この方々が立てられた避難訓練とかプランというのは、私も見せていただきましたけれども、大変有意義なものであるというふうに考えておりまして、地域の方々の細々としたこと、どちらにお年寄りがいるとか障がいの方がいらっしゃるというようなことについても目配りしたプランができております。このような活動につきましては、私はもう貴重な人材だと思っておりますので、ぜひ、地域の方々のために、啓蒙活動を含めて推進していただくことをお願いいたしまして、私の質問にかえさせていただきます。
◆よこやま峰子 委員 私は、
東日本大震災を踏まえた消防局の対応についてと、大規模高層建物における誘導灯の基準強化について、この2点について質問させていただきます。
まず、
東日本大震災を踏まえた消防局の対応について伺います。
このたびの
東日本大震災では、東北の宮城、岩手、福島を中心に、死者、行方不明が合わせて2万人近くにも及び、多くの地域が壊滅的な被害を受けました。私も、先日、宮城県南部の福島県との県境に位置する山元町を訪れ、被害の状況を見てまいりました。まちの至るところで依然として瓦れきが積み上げられており、閉鎖したままのガソリンスタンドや商店も多く、墓地の墓石さえも倒れたままなのを目の当たりにして、地震と津波の被害の大きさを実感するとともに、これからの復旧の大変さを痛感して帰ってまいりました。7カ月が経過した今でさえ、このような惨状ですから、被災当初は想像を絶する状況であったことと察するところであります。
そうした中、被災地において、初動時から活動をなさってきた消防局の派遣部隊の皆さんは本当に大変なご苦労であったろうと思いまして、心から敬意を表したいと思います。
さて、先般の第2回臨時議会の総務委員会での当会派の五十嵐委員の質問に対する答弁において、消防局から、指揮支援隊や航空隊、さらには、救助の陸上部隊と延べ133隊、503名を、2カ月にわたり、宮城県に派遣した旨、お答えがありました。
そこで、質問ですが、消防局から派遣された応援部隊、特に、まだ余震などもあり、危険な中での活動を行ってきた救助隊を初めとする陸上部隊の活動の状況や、ご苦労された点などについて伺いたいと思います。
◎佐藤 警防部長 被災地での活動状況についてでございますが、札幌市から派遣されました部隊につきましては、主に石巻市の北上川河口付近の、まち全体が津波により水没しまして、全児童108名のうち74名が津波にのみ込まれ、マスコミ報道でも大きく取り上げられました大川小学校がある地域で活動いたしました。学校周辺で行方不明者の我が子を探す親御さんの光景を目にしながら、児童を含めた多数の行方不明者の捜索、ご遺体の収容にも従事いたしました。救助活動は、今にも崩れそうな瓦れきを手作業によりかき分けながら、いてつく寒さの中、胸まで水につかり、時には水難救助隊による水中捜索も行うなど、危険と隣り合わせの活動でございました。また、活動中、委員ご指摘のとおり、時には震度6強に及ぶ余震がたびたび発生する中、みずからの危険を強く感じながらの活動でございました。
こうした活動で、合計17名の生存者を救出したほか、102体ものご遺体の収容に従事いたしたところでございます。精神的、肉体的にも極限状態の中、隊員は最後までモチベーションを保ちつつ任務を完遂したところでございます。
◆よこやま峰子 委員 今、被災地での大変な救助・捜索活動の状況をお聞きしましたが、先般、震災の場で救助活動をなさった消防隊員の9割は、悲惨な現場で活動した当時、不眠や絶望感、無力感を感じたりする
惨事ストレス、いわゆるPTSDの症状があったとの新聞報道がございました。今、伺った説明でも、救助活動の中で100体を超えるご遺体の収容にも携わったとのことですので、悲惨な現場での活動には精神的なダメージを受けた職員も少なくなかったのではないかと考えます。
派遣された職員のメンタルケアについては、いつまで、どのように実施し、その結果、どうであったのか、伺います。
次に、今回の大震災により、被災地では相当数に及ぶ消防施設の被害を受け、特に宮城県内では消防車両40台が被災し、消防体制が弱体化したと聞いております。そのような中で、全国から被災地へ消防車両が提供され、札幌市においても最も被害の大きかった今の石巻市へ救急車2台を提供したということでございます。
そこで、質問ですが、石巻市の消防施設の被害状況と札幌市が救急車を提供した経緯について伺います。
◎武井 総務部長 まず、職員のメンタルヘルスの関係でございます。
消防局から延べ503人の職員を派遣しておりますが、再派遣者もいるため、実質派遣者は457名になっております。消防職員は、日常的に救助・救命の現場を経験しているわけですが、その消防職員といえども、みずからの気持ちを奮い起こさなければならない場面の連続であり、加えて、十分な休息をとることができない劣悪な環境の中で、体力的にも大きな負荷がかかっていたというぐあいに認識しております。
こうしたことから、職員が
惨事ストレスを発症する可能性が非常に高いということは、派遣当初から私どもは危惧をしていたところでございます。消防局では、震災直前のことしの3月1日に消防局独自のメンタルサポートチームを発足させておりましたことから、既にその時点で
惨事ストレス対策を構築していたこともあり、震災発生と同時にこの運用を開始いたしました。具体的には、派遣を終えた全職員を対象に、メンタルサポートチームの医師等による面談を3カ月にわたり63回実施いたしまして、ストレス反応の解消と、いわゆるPTSDの発症予防に取り組んでまいりました。結果として、ふいに被災地の惨状を思い出すなど、
惨事ストレス特有の症状を示す職員が9人おりましたが、時間の経過とともにその症状も軽減され、面談から約3カ月後には、全員、自覚症状がなくなり、医療機関での受診には至っておりません。
次に、救急車の寄贈についてでございます。
まず、石巻市の消防施設の被害状況についてでございますが、消防署などの庁舎関係では、14ある庁舎のうち、全壊5カ所を含め、8カ所が被災しております。消防車両につきましては、59台中、約4割に当たります23台が使用不能になっておりました。
次に、救急車を提供した経緯でございますが、全国の消防組織の連絡調整機関として全国消防長会というものがございますが、そこが窓口となりまして、被災地の消防本部に対して必要とする車両の種類と台数の要望を確認いたしまして、あわせて、札幌を初めとする全国の消防本部が提供できる車両台数の調査を行っておりました。そうした中で、石巻市の職員から、救急車が不足しているという話が札幌市の派遣隊に直接寄せられておりましたことから、その要望にこたえる形で被災地支援の一環として寄贈したものでございます。具体的には、災害派遣部隊が現地に持ち込んで使用いたしておりました非常用救急車2台を、すべての派遣が終了して引き揚げる前日の4月28日に石巻救急隊へ引き継ぐ形で提供してまいりました。
◆よこやま峰子 委員 ご答弁によりますと、派遣した職員のメンタルケアも十分行われ、全員、無事に復帰したということなので安心いたしましたが、災害はいつどこで起きるかわかりませんので、本市が被災した場合の活動体制について少しお伺いいたします。
札幌市地域防災計画の被害想定によりますと、地震発生直後は、建物倒壊により最大約2,000人の死者が出ると想定され、冬季であれば、2時間以内に救助できなければ凍死に至り、時間の経過とともにその数がふえていくと言われております。まさに時間との戦いとなりますが、このたびのような大地震が発生し、本市が被災した場合は道内の各消防機関からの応援が受けられる体制になっているとは伺っておりますけれども、他の都道府県からの到着までに時間を要することを考えますと、その間の消防活動に一抹の不安を覚えるところであります。
また、東日本大震災では、被災地において消防活動に必要不可欠な消防車両の燃料確保に大変苦慮されたと聞いており、そういった支援体制のさらなる整備も必要であると考えます。
そこで、質問ですが、東日本大震災と同様の大震災が発生し、多くの被害が出た場合、消防活動体制の強化策について消防局としてどのように取り組んでいこうとお考えになっているか、伺います。
◎佐藤 警防部長 消防局の取り組みについてでございますが、消防局といたしましては、東日本大震災を踏まえまして、三つの新たな施策に取り組んでいるところでございます。
一つ目の施策は、大規模地震等に対応するための装備等の充実でございます。
現在、消防局では、非常災害時に消防力の増強を図るため、水槽車10台、救助車2台、救急車9台の非常用消防車両を配備しております。地震発生後、72時間以降は生存率が急激に低下するとされており、この間は、保有する消防力を最大限動員し、全力で対応していくことが必要でございます。このことから、非常用車両等にも救助・救急資機材の増強を整備し、強化を図っていくこととしております。
二つ目の施策でございますが、消防隊、救助隊の高度化でございます。
東日本大震災と同様の地震が本市で発生した場合には、多くの救助事象が発生するとともに、同時に多数の火災が発生し、広範囲に延焼が拡大することが懸念され、炎が迫る中での救助活動と消火活動は困難を極めることが予想されます。このことから、より困難性の高い災害現場において、迅速かつ安全に消火・人命救助活動を実践していくため、専門的な知識と技能を有する隊員と必要な資機材を整備した、より高度な消防隊を編成することを検討しております。また、鉄筋コンクリート造の建物倒壊現場など、救出活動に時間を要し、余震によりさらなる倒壊危険が高い救助現場においても迅速かつ安全な救助活動を実践していくため、総務省消防庁が推薦しております都市型捜索救助技術を導入すべく、専門の資機材の導入を検討してございます。
三つ目の施策でございますが、後方支援体制の充実強化であります。
札幌市においては、現時点では消防車両の燃料補給はガソリンスタンドのみで行っておりますことから、震災時にガソリンスタンドが被災、また輸送網が途絶えることにより、供給体制が確保されないことが懸念されます。このため、消防独自の給油施設を複数箇所に設置するなど燃料補給体制の構築について検討するとともに、消防活動に必要不可欠でございます空気ボンベの充てんも民間に委託していることから、あわせて独自の補給体制の検討をしているところでございます。
◆よこやま峰子 委員 今般の東日本大震災を踏まえ、消防局では、ただいま伺いました三つの新たな施策に取り組んでおられるとのことです。大規模地震においては時間との戦いと言っても過言ではありません。特に積雪寒冷地である札幌市はなおさらであると考えますので、被災の際に一人でも多くの人命を救い、貴重な財産を守っていただくために、ぜひとも消防隊、救助隊の高度化や後方支援設備の充実強化と必要な対策に取り組んでいただくよう要望し、この質問は終わります。
次に、大規模高層建物における誘導灯の基準の強化について伺います。
さきの東日本大震災においては、首都圏を中心として、多数の方が出入りする大規模な建物や公共交通機関において行き場を失った多くの人々があふれ、大きな混乱が生じました。幸い、大事故には至らなかったのでありますが、大規模建物や地下鉄ホーム等については、その広さや人数の多さなどから安全な場所に避難するには相当な時間を要することになり、ましてや、避難の途中で停電などになるとどこを通って避難すればいいのかわからなくなり、ますます混乱が増す危険な状態となります。
現在、火災が発生した場合の避難方向を示すものとして誘導灯というものがあります。昨年の9月に、消防法令の一部が改正され、延べ面積が5万平米以上の建物や一定規模以上の地下街や地下鉄駅等に設置されている誘導灯については、非常電源の容量を現在の20分から60分間作動できる容量以上を確保するよう措置しなければならないこととなりました。これらの措置には、来年の8月31日までの経過措置が設けられております。誘導灯は、消防法令上、火災が発生した場合において避難するために用いる避難設備として位置づけられておりますが、地震の発生した際の避難対策としても非常に有効であるものと思いますし、さきの
東日本大震災もあり、市民の多くは地震が発生した場合の避難について非常に不安を感じております。
そこで、1点目の質問ですが、現在、市内に対象となる施設がどれだけあり、現在、幾つの施設が措置を完了しているのか、また、そのうち市有施設はどのような状況なのか、伺います。
次に、2点目の質問として、こうした措置は一刻も早く完了するよう市の所管部局へ働きかけるべきであると思いますが、消防局の認識をお伺いいたします。
◎佐々木 予防部長 私から、大規模高層建物における誘導灯の基準の強化についてお答えいたします。
1点目の誘導灯の措置状況についてでありますが、現在、市内には対象となる施設が40施設ございます。そのうち、11施設につきましては既に措置されております。また、市有施設につきましては、7施設中1施設が既に措置されております。
次に、2点目の早期の措置に向けた働きかけについてでありますが、これまで、すべての事業所に対しまして、文書による法令改正内容の周知や、職員が出向いて個別指導などを行い、それぞれの建物の状況に応じて誘導灯のバッテリー交換など具体的な設置方法の協議を進めているところであります。
近年におきましては、建物の大規模化や地下の有効活用などによる都市構造の変化に伴いまして、これらの建物などを利用する人の流れも大きく変化しているものと認識いたしております。地震発生時には、このような大規模な建物や地下からの避難に長時間を要することを踏まえ、事業所に対しまして、より一層、早期の措置を指導してまいります。
◆よこやま峰子 委員 このたびの消防法令の一部改正による誘導灯の措置は、火災はもとより、地震発生時の有効な避難対策の一つであります。来年8月までの経過措置が設けられてはおりますが、災害はいつ、どこで起こるかわかりませんので、大規模な災害が発生した場合の避難経路を早急に確保するための誘導灯のつけかえは重要と考えます。特に、七つあるうちの一つしか措置されておらず、六つ残っている市有施設については、一刻も早い対応を強く望みます。所管部局と連携し、所管部局へ強く働きかけて、ぜひとも残る六つを早く措置していただくよう要望して、私の質問を終わります。
◆小川直人 委員 私から、
東日本大震災を踏まえました本市における大規模災害の対応と救急出動の2点についてお伺いたします。
まず、
東日本大震災に関してでありますけれども、今、よこやま委員からも質問がございましたが、重複しないように私からも質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
このたびの
東日本大震災でありますけれども、消防局からも多くの部隊を派遣いたしまして被災地において大活躍されたということでございます。我が会派でも視察に行ったとき、現地の方からお礼の言葉もいただいたところでございますし、また、先日、派遣先の自治体からも感謝状をいただいたと聞いているところでございます。私たち札幌市民としても、この活躍を誇りに思うとともに、改めて敬意を表したいというふうに思っているところでございます。
さて、
東日本大震災のような大規模災害が発生したときには、まず人命救助を行うために迅速な応援出動が重要であると考えております。
そこでまず、今回、本市からの
緊急消防援助隊の出動に当たって、どのような仕組みで出動要請が行われたのか、また、万一、本市が被災した場合にどのように緊急消防隊を受け入れることになるのか、お伺いいたします。
次に、消防局では、3月11日の地震発生直後から、約2カ月間にわたりまして、
緊急消防援助隊として指揮支援隊、航空隊、陸上部隊、延べ133隊、503名を派遣したとのことでありますけれども、長期間に及ぶ派遣でありまして、その間、本市の消防体制が手薄になっているのではないかという心配がございます。この期間、どのような体制を維持していたのか、お伺いいたします。
また、
東日本大震災におきましては、本市の消防ヘリコプターが、仙台市内の小学校の屋上で、救助を待つ避難者を初め、236名の方を救出したと聞いております。やはり、大規模な地震災害等では、道路が寸断されまして孤立して避難できない状況では、ヘリコプターによる空からの機動力を生かした活動が極めて有効であるというふうに考えているところであります。
そこで、3点目の質問でありますけれども、今後、本市において大規模な地震災害等が発生した場合、消防ヘリコプターによる活動の優位性についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎佐藤 警防部長
緊急消防援助隊の出動要請の仕組みと、本市が被災した場合の受援体制についてでございます。
緊急消防援助隊の出動要請の仕組みにつきましては、災害が発生した市町村及び都道府県の消防力だけでは対応できない場合に、その都道府県知事からの要請に基づきまして、消防庁長官が他の都道府県知事に対応を求める仕組みとなってございます。ただし、今般のような特に被害が著しい地震災害等の大規模な災害の場合には、消防庁長官が、直接、市町村長に対し、出動を指示することができることとされており、今回はこの消防庁長官指示により出動いたしました。
なお、消防庁長官が、
緊急消防援助隊の出動要請、または指示を行う場合の出動計画があらかじめ決められており、東北地方において震度7の地震が発生した場合には、札幌市から直ちに指揮支援隊をヘリコプターで派遣する計画となっております。また、同様に、陸上部隊に対しましては、出動準備要請がなされ、状況により速やかに出動する体制となってございます。
したがいまして、本市が被災した場合で、北海道内の応援体制によっても対応が困難なときには、同様の手続で
緊急消防援助隊を受け入れることとなります。仮に、札幌市を含む道内で震度7の地震が発生した場合には、先ほどの出動計画により、仙台市、東京都などから6隊の指揮支援隊と東北各県から6隊の航空隊、さらには、東北4県から陸上部隊が派遣されることとなってございます。
次に、派遣中の本市の消防体制についてでございます。
消防ヘリコプターにつきましては、保有する機体2機のち1機を派遣することとしまして、残りの機体1機により市内災害への運航体制を確保いたしているところでございます。また、陸上部隊につきましても、職員の休日の調整等により最大限人員を確保して、非常災害用として配備されております水槽車、救助車、救急車を派遣車両の代替として運用し、市内の消防力の維持をいたしたところでございます。今後におきましても、本市の消防体制を維持しつつ、長期にわたる派遣にも耐え得る応援部隊の規模等について検討、整備を進めているところでございます。
次に、消防ヘリコプターによる活動の優位性についてでございます。
東日本大震災におきましては、津波により倒壊した建物の瓦れきや土砂等により道路が寸断されたため、住民の避難経路や消防部隊の進入経路が絶たれたところでございます。また、たび重なる大きな余震もあり、第2波、第3波の津波の襲来も憂慮される中、災害発生初期に多数の住民を迅速、安全に救出できたのは、ヘリコプターの機動力を持ってこそなし得たものと考えてございます。さらに、救出活動のみならず、大規模災害時には、いち早く災害状況を把握することが必要でございます。ヘリコプターによる上空からの状況把握が最も有効と考えてございます。
また、今般の震災では、仙台市消防局及び東京消防庁のヘリコプターが、仙台市内、気仙沼市内にそれぞれ空中消火を行ったところであり、当局におきましても有効な空中消火技術について検討しているところでございます。
本市が被災した場合におきましては、2機同時に運航いたしまして、ヘリコプターの優位性を最大限発揮すべく考えているところでございます。
◆小川直人 委員 ただいま
緊急消防援助隊の出動要請の仕組みについて、知事の要請がなくても震度7以上の災害が起きれば自動的にと、札幌市も行きますが、ほかからも援助してくれることがわかりました。さらに、今回、札幌市はヘリコプターが2機ありますので、そのうち1機が向こうに行っていて、その間は1機で札幌市内を十分にカバーできたということで、体制についてもいろいろ工夫しながらやっていたことがわかりまして、一安心したところでございます。
今回、
東日本大震災の応援活動を通じまして、いろいろ多くの教訓を得たものと察しているところであります。また、支援活動をしながら、さまざまな課題も浮き彫りになったと考えているところでございます。特に、災害発生後の初期におきましては、自衛隊を初め、大勢の方々が被災地の支援に向かうため、フェリーの確保に大変ご苦労されたと聞いております。海に囲まれた北海道といたしましては、他の都道府県にも増していち早く被災地に到着し、活動を展開するには、何らかの対策が必要ではないかというふうに感じているところであります。そのほか、このたびの活動で得た貴重な経験を蓄積し、今後の本市における市民の安全・安心のための教訓として生かしていくことが重要であるというふうに考えているところであります。
そこで、質問ですが、
東日本大震災から得た教訓は何であったのか、また、今後、どのようにその教訓を生かしていくのか、その取り組み状況についてお伺いいたします。
◎佐藤 警防部長
東日本大震災から得た教訓と現在の取り組み状況についてでございます。
今般の
東日本大震災を通じまして、出動から引き揚げまでの派遣体制や活動体制の維持などに関して多くの教訓を得たところでございます。特に、今回の震災では、委員ご指摘のとおり、津波の影響でフェリーが非常に窮屈で、あるいは、欠航があったということでございまして、派遣部隊の被災地入りが遅延したところでございます。このことから、海に隔てられた北海道が被災した場合には、道外からの応援には時間を要することから、本市保有の消防力を最大限に活用した上で、消防団や地域の
自主防災組織などとの連携が不可欠のものと考えてございます。また、北海道内の消防機関による広域応援体制や、警察、自衛隊など関係機関との緊密な連携体制の確立をより一層充実させることが必要と考えているところでございます。このほか、情報通信体制の確保策や、燃料、食糧など補給物資の調達体制、さらには、冬期間の災害を想定した活動体制や装備、資機材の充実についてなど、数々の教訓を得たところでございます。
次に、こうした教訓をどう生かしていくかということございますが、現在、消防局内に震災等大規模災害における消防対策検討委員会を設置いたしまして、被災地への活動状況の調査を行うなど、今回の災害活動等の検証を行うとともに、今後の対策について検討を進めているところでございます。
◆小川直人 委員 ただいま震災から得た教訓と取り組み状況についてお伺いいたしました。
今回の災害では、地震、津波による災害に加えまして、福島第一原子力発電所における災害が広範囲に深刻な状況になっておりまして、私も一日も早い事故の収束を願っているところでございます。
この事故報道の中で、東京消防庁等が3号機の使用済み燃料プールへの冷却水注入を行ったことが取り上げられております。また、周辺の消防機関において、避難者の放射線スクリーニングを実施するなど、消防としても原子力災害に対する活動があったと聞いているところであります。また、今回の震災で、福島県内では放射能汚染が広範囲に拡大したことや、施設の水素爆発後には多数の避難住民が周辺都市に殺到したことなどを考えますと、本市にも原子力災害の際に多数の方が避難してこられることも想定されるところでございます。
原子力防災対策のあり方につきましては、現在、国レベルの議論が進められておりまして、今後、北海道の原子力災害防災計画も見直されていくものと考えておりますが、万一、このような状況になった場合、被災住民の緊急搬送や放射性物質の除去活動などは、消防機関としては果たさなければならない責務であるというふうに考えているところであります。
今回の福島県の事例で、地元消防のみでの対応が困難となっておりまして、このことを北海道に置きかえますと、本市消防局が代表消防機関であることから、相応の役割を担うことになるであろうと考えております。先日、消防局を訪問して施設を見学させてもらいましたけれども、道内に、本市消防局しか保有していない、消防庁から無償貸与された車両も配備されているということでございます。そういう位置づけを意識いたしますと、国、北海道の動向を待つことなく、消防機関として何らかの対策を講じていく必要があるというふうに考えているところでございます。
そこで、質問ですけれども、北海道内で原子力災害が発生した場合に備え、消防局としてどのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。
◎佐藤 警防部長 原子力発電所災害に対する消防局の取り組みについてでございます。
消防局では、福島原発災害を受けまして、原子力災害時の消防活動について独自の調査研究を行うための専門チーム、原子力災害消防活動調査・研究専門委員会を8月3日に設置したところでございます。この委員会では、福島原発が所在する双葉町地区や、今回多数の避難住民のスクリーニングや除染活動に当たりました郡山市の消防本部等の現地調査や、泊原発を管轄いたします消防本部との情報交換を実施したところでございます。また、具体的な対策といたしましては、委員からご発言のございました、現在、総務省消防庁から無償貸与により本市に配備されてございます、放射能災害などに対応するためのNBC対応自動車や大型除染システム車などの特殊な消防車両を迅速に派遣できるようにするための計画づくりにつきまして、北海道内の消防本部との協議を進めているところでございます。
今後は、さらに泊原発や周辺施設の調査等を行うとともに、それらの調査結果を踏まえまして、北海道における原子力災害発生時の消防活動体制のあり方を検証するとともに、統一的な消防活動マニュアル等の策定に向けて検討を進めているところでございます。
◆小川直人 委員 このたびの
東日本大震災のような大規模な災害が発生したとき、地域に密着し、機動性の高い対応を行うことができる消防に対して、市民から寄せられている期待は大きいものがあるというふうに思っているところでございます。今回の災害を契機として、大規模災害や原子力災害時における消防活動について、有事に備えて検証、検討を行う体制を消防独自に構築されていることを聞き、非常に心強く思ったところでございます。引き続き、積極的に検討を進め、
東日本大震災で得た教訓を生かし、本市で大規模災害が発生したときに十分な対応ができるように、消防力の充実強化を図っていただき、市民にも大きな影響を与える可能性が想定されるわけでありますから、今後とも十分な対策に取り組んでいただくことを強く要望いたしまして、1点目の質問を終わります。
2点目の質問は、救急関係についてお伺いいたします。
先般、総務省消防庁から、平成22年救急・救助の概要と平成23年上半期の救急出動件数等が発表されております。この中を見てみますと、平成23年の上半期におきましては、前年同期と比べ6.3%の増加になっております。この増加は、
東日本大震災による影響を勘案しても非常に大きいなと思っておりまして、さらに、この中を見てみますと、高齢者の疾病の増加というのがこの増加要因に挙げられるようであります。当然、消防局といたしましても、超高齢化社会に向かっていく中で、こういった状況についての危機感を持っていると思っているところでありますけれども、問題の核心は、単に救急出動件数の増加ということではなくて、増加によりどのような影響が出ているのかというところが大事だというふうに思っております。
救命や傷病程度を軽減するには、119番通報をかけた後に、迅速に出動して的確な処置をし、病院に搬送することが重要である、これは言うまでもありませんけれども、救急出動回数の増加により、これらの一連の活動に影響が出ているのではないかと思うわけでございます。それによって現場に到着する時間がおくれる、そういったことも憂慮されるわけでございます。救急車の到着時間が延びることは、特に重症者にとっては致命的なことであります。
そこで、質問ですけれども、本市の過去3年間の救急出動件数と到着時間の状況、ことし上半期の救急件数と昨年同期の件数、さらに、到着時間の全国的な状況についてお伺いいたします。
◎佐藤 警防部長 本市の過去3年間の救急出動件数と到着時間の状況につきましては、平成20年については6万9,875件(290ページで訂正)、到着時間につきましては5.8分となってございます。また、平成21年は7万1,470件、5.8分、平成22年は7万5,575件、5.9分となってございます。直近の増加割合につきましては、平成22年の出動件数が前年比4,105件の増、伸び率にいたしまして5.7%となってございます。さらに、ことし上半期の救急件数と昨年同期の件数につきましては、平成23年上半期が3万8,247件、平成22年同期が3万5,960件で、前年同期比で2,287件の増、伸び率にいたしまして6.4%となってございます。到着時間の全国平均につきましては、平成20年が6.7分、平成21年が6.9分、平成22年が7.1分となってございます。
◆小川直人 委員 今、回答いただきまして、本市におきましては、救急出動件数の増加率が全国平均を下回っているものの、5.7%と大きな伸びを示しているということでございます。一方、到着時間につきましては、昨年とほぼ同様というふうに理解をいたしました。到着時間につきましては、全国平均と比較しますと懸念する状況ではないと思っておりますけれども、先ほどもお話ししましたが、これから高齢化社会に向かっていく中でさらに出動件数が増加してくることが予想され、予断を許さない状況だというふうに思っておりますので、さらに調査研究が必要であるというふうに思っているところでございます。
また、到着時間に大きな変化がなかったとしても、重症者数の推移に着目していく必要があると思っているところでございます。重症者への敏速な対応が求められていることでありますから、重症者が増加傾向にあるとすれば、憂慮すべき状況だというふうに思います。
そこで、1点目の質問は、重症者の搬送人員のここ3年間の推移についてお伺いいたします。
次に、重症者、特に心肺停止した方への具体的な対応ですけれども、消防局におきましては、平成19年1月から、市内の消防隊にAEDを積載いたしております。消防隊が救急隊よりも早く到着した場合に、AEDを活用いたしまして応急処置を行い、心肺停止した方への初動態勢の強化、充実を図ってきているというふうに聞いているところでございます。高齢化が進みますと、特に心肺停止状態という症状の患者が多く出るわけでありますので、AEDというのは非常に有効な手段だと思っているところでございます。
そこで、2点目の質問でありますけれども、消防隊による救急活動の支援について、AEDの使用状況も含めたこの3年間の状況及び今後の救急活動の支援の拡大についてお伺いいたします。
◎佐藤 警防部長 重症傷病者の搬送人員の推移につきましては、平成20年は2,487人、平成21年につきましては2,516人、平成22年につきましては2,553人となっておりまして、ここ3年では毎年30人前後増加している状況となってございます。
次に、消防隊の救急活動支援状況についてでございますが、出動件数及びこのうちAEDによる電気ショックを実施した件数についてでございますけれども、平成20年は出動が58件、AED実施が2件、平成21年は出動が55件でAED実施が2件、平成22年は出動が117件、AED実施が4件となってございます。
消防隊の救急活動支援の拡大でございますけれども、のどに食物等が詰まり、呼吸ができない場合に、詰まったものを除去するための器具の導入を進めているところでございます。来年度にはすべての消防隊への配備が終了いたしまして、AEDに続く新たな応急手当てとして運用を開始する予定となってございます。
◆小川直人 委員 AEDの関係についてお伺いいたしました。
次に、重症者への対応ですけれども、出動体制の観点から質問させていただきます。
消防局におきましては、消防救急無線のデジタル化に合わせて指令システムの更新を行うと聞いております。平成25年度から稼働する新指令システムは、救急車を含めた消防車両の位置や稼働状況をリアルタイムで把握できるシステムが導入されるというふうに聞いております。私は、このシステムの導入によりまして、救急出動件数が増加したとしても、少なくとも現在の到着時間を維持できるのではないかと考えておりまして、重症者にとって救命や傷病程度の軽減の観点から非常に有益だというふうに期待しているところであります。
そこで、質問ですが、新たな指令システムにおける動態管理の導入の効果についてどのようにお考えか、お伺いいたします。
◎佐藤 警防部長 車両動態位置管理システム導入に伴う効果でございますけれども、車両動態位置管理システムによりまして、指令情報センターで救急車の走行位置を詳細に把握できるようになります。委員ご指摘のとおり、このことによりまして、出動要請があった場所から最も近くにある救急隊を迅速に出動させることができるようになることとなります。さらに、郊外の地域等、出動場所の特定が困難な状況におきましても、目標、建物等の詳細な位置情報を通報者から確認しつつ、円滑に救急車を誘導することができることとなります。これらによりまして、今後、救急需要が増加いたしましても、全国平均よりも早く現場到着できる体制を維持できるものと認識しているところでございます。
なお、最初の質問のお答えを若干訂正させていただきたいと思います。
平成20年の救急出動件数でございますが、私の答弁は6万9,825件と申し上げましたが、6万9,875件の誤りでございますので、訂正をお願い申し上げます。
◆小川直人 委員 最後に、要望を述べて終了させていただきたいと思います。
本市における救命率と社会復帰率は、全国的に見て非常に高い数字にあるというふうに伺っております。これは大変喜ばしいことでありますし、今後もこれを維持していただきたいと思っているところであります。
しかしながら、先ほどもお話ししたとおり、これからは超高齢化社会に向かっていくわけでありますから、救急出動の件数の増加、これは全国的な傾向だというふうに思っておりますが、本市にとっても避けられない大きな問題であります。消防局におかれましては、消防隊による救急活動支援の充実、車両動態位置管理システムの導入など、増加する救急出動に対する対策を講じておりますが、今後とも、創意工夫により、持てる消防力を十分に発揮し、市民から期待され、生命と健康を守るために有効な対策を講じていただくことを要望して、質問を終わります。
◆福士勝 委員 私から、消防施策の取り組み状況について、簡潔に2点お伺いいたします。
1948年の自治体消防発足以来、63年が経過いたしたわけでありますが、消防局におきましては、これまで数々の実績を上げられてきているところでございます。実績の中でも、特に平成7年の阪神・淡路大震災への対応、このことを契機として、全国規模の災害応援体制となる
緊急消防援助隊が編成されることになりました。そして、このたびの
東日本大震災といった活動実績を積み重ねてきており、そのノウハウが蓄積されたところでもございます。これまで、札幌市内で発生した数多くの災害や救助、ガス災害などがそれぞれの活動の中心であったわけでありますが、このように被災地がダメージを受けることを教訓に応援体制が必然的に組み込まれてきたわけであります。これらの応援活動の実績は、各種災害対応の経験を踏まえたたまものだというふうに考えているところでございます。
また一方では、事業実績としては、平成3年に、空陸一体となった災害対応のための消防ヘリが運航を開始、そして、15年には、市民への消防・防災教育強化のための
市民防災センターを開設、そして、一昨年度には消防ヘリの2機目、通年の運航体制を確立した、このことによって、先ほど来、出ておりますように、札幌を守りながら宮城へ飛ぶこともできた、こうなっているわけであります。2機目の消防ヘリの導入にはもう15年以上かかったわけでありますが、実態的には、今、そういうことを踏まえて活躍の場がある、そういう意味では、評価をさせていただきたいというふうに思っています。
いずれにしましても、これらの長い経験の中で、平成17年度には、消防吏員初のプロパー消防局長が誕生して以来、4代目を迎え、7年目に入っておりますが、このたびの
東日本大震災においては、地震発生とほぼ同時に出動を決定し、極めて迅速な被災地での救援活動に当たったと聞いておりますし、この迅速な対応を評価しているところであります。
しかしながら、今後、自治体消防発足70年という節目の年を目指してさらなる施策の展開が必要であり、常に時代を先取りした行政運営を行っていく必要があるというふうに考えております。聞くところによりますと、京都市消防局では、東海、東南海、南海地震などの大規模災害を見据えて、ヘリを2機体制で24時間常駐させた運航体制を確立するなど、社会のニーズに応じた行政運営を行っているとも聞いているところでございます。
そこで、1点目の質問でありますが、札幌市においても、中長期的視野に立ったマスタープランが必要ではないかと考えておりますけれども、現在、消防局ではどのようなビジョンづくりを行っているのか、お伺いいたしたい。
2点目として、そのビジョンはどのようなもので、策定プロセスはどのようになっているのか、お伺いいたします。
◎武井 総務部長 消防局におけます中長期的視野に立ったビジョンについてお答えいたします。
平成21年からのおおむね10年間を見据えまして、今後見込まれる問題や課題に対する基本方針をまとめた消防局の長期プランであります札幌市消防局運営方針を平成21年1月に策定いたしました。この運営方針は、市民サービスと組織能力の一層の向上、さらには、職員の意識改革と士気高揚による組織の活性化の2点を目標に据えたものであります。さらには、限られた経営資源の有効活用を重要な観点とし、長期的な視野に立ったこの方針を、中期計画であります新まちづくり計画と年度ごとの局実施プランや予算に反映させ、この方針を基軸とした行政運営を行っているところでございます。
このビジョンの内容と策定プロセスでございますが、札幌市消防局運営方針は、消防行政の中心となります予防、救急、消防救助のすべてにわたる基本指針となるものであり、この策定のプロセスにつきましては、平成19年度から消防局内で検討を開始し、平成20年11月に企画調整会議を経て、その後、21年1月に、市長、副市長の承認を得て発効させてきたところでございます。
◆福士勝 委員 ただいまの答弁で、消防局におきましては、10年先を見据えた消防局の運営方針を平成21年に策定し、それに基づいて施策を展開しているということでありますが、その運営方針については、先ほどの質問のとおり、札幌市内の災害対応はもとより、広域化にも対応し、まさにさまざまな角度からの災害対応が求められているところでございます。いずれにしましても、同じ災害は二つとなく、さまざまな災害と向き合っていかなければならないわけでありますから、その時々の施策に災害の教訓を取り入れ、消防行政の運営に反映していくことについて大変なご苦労があるというふうに思います。
そこで、1点目の質問でありますが、その運営方針策定に当たって、どのような背景で策定されているのか。
また、今後10年間には、今回の
東日本大震災の対応など、これまでとは修正した形で施策に反映する必要があるというふうに考えますが、そこで、2点目として、今後の社会情勢の変化等についてこの運営方針にどのように反映しようと考えているのか、お伺いいたします。
◎武井 総務部長 まず、運営方針の策定の背景についてお答えいたします。
背景といたしましては、大きく2点をとらえております。
1点目として、職員の大量退職、大量採用により、今後10年間で職員の約半数が入れかわることから、現場活動に不可欠な知識や技術について効果的に伝承できる体制づくりが大きな課題であるとしております。
2点目としまして、市内におけます高齢化の進展や建築物の高層化など、都市構造の変化による災害形態の多様化、救急業務の高度化など、消防・救急活動の環境が大きく変化するものととらえております。こうした時代背景の取り組みとして、大量退職に対しましては、厳しい財政状況の中にありましても、消防行政の一層の推進を図るため、指導者養成制度などの効果的な訓練・研修体制の整備や人材育成方針の策定などの具体的方針を定めております。また、災害環境の変化に対応するためには、消防庁舎の統合による消防体制の再整備を進める一方で、消防ヘリコプターの通年運航体制の確立など、総合的な消防力の充実を図るよう方針を定めております。
2点目の今後の社会情勢等の反映についてでございますが、このたびの
東日本大震災を踏まえ、特に、そこで得たさまざまな教訓を施策に反映させるため、消防局内に専門のプロジェクトを組み、調査研究の上、事業化に向けて取り組んでおり、大規模災害対策に厚みを加えるとともに、今後の社会情勢の変化などに対応していくため、必要に応じて、随時、運営方針の見直しを図っていく考えでおります。
◆福士勝 委員 この運営方針は、現在策定している第3次札幌新まちづくり計画に反映させる新たな取り組みであるというふうに認識いたしております。このまちづくり計画は、現在パブリックコメントを行っているところでありますが、消防局において約70億円の事業費の積み上げをいたしております。
そこで、質問でありますが、この新まちづくり計画を検討するに当たって、どのような視点で事業化しようとしているのか、お伺いいたします。
◎武井 総務部長 第3次札幌新まちづくり計画への取り組みについてですが、消防局の運営方針を基軸といたしまして、新たな要素となりました
東日本大震災対応の教訓から必要事業を取り入れることで検討しております。事業化の視点につきましては、
東日本大震災を教訓とした震災対策を初め、
市民防災センターの充実などの市民の防火・防災意識の向上や救急救命士のさらなる高度化に対応いたします救急体制の充実強化、さらには、指令システムや消防救急無線のデジタル化に対応する消防体制の充実強化の四つの視点から事業化を図るものでございます。
こうした施策の展開を通じまして、予防、救急、消防救助という消防行政の三つの柱をより強固なものとして盛り込み、政策目標であります安心して暮らせるぬくもりの街の実現を目指してまいります。
◆福士勝 委員
東日本大震災で数多くの教訓を得ておりますが、私は、特に印象に残ったのが、福島原発の注水活動を担当した東京消防庁の涙の記者会見を目の当たりにしたことであります。これまで経験したことのない放射能という見えない敵に、部下に命がけで注水活動を命令する決心が、幾ら百戦錬磨で鍛えられたプロの指揮官でも、どれだけ悩み抜いたかという結果が涙になってきたものと考えられます。危険箇所へ対応させる決心がいかに重いものであり、先ほどから申し上げてきたとおり、災害対応にもまれてきたプロパーの職員が消防のトップだからこそ、判断に迷う中、でき得るわざではなかったかというふうに実感させられているわけでございます。
このように、災害に対する備えや対応には迅速、的確に判断され、この190万都市札幌の安全・安心を確保されていることは、非常に頼りになりますし、今後ますます期待できるものと確信しているところでございます。質問でも申し上げましたが、近年、札幌でも多くの災害対応を経験してきたプロパーの消防吏員の局長の就任が続いておりますけれども、私は、このことを大きく評価をし、そのことが危機管理職場における体制強化につながっているというふうに思っているところでございます。
自治体消防発足70年に向けて、その安全・安心のかじ取りを、局長以下、一丸となってしっかりと取り組み、いかなる災害からも市民を守っていただくことを要望して、質問を終わります。
○伊藤牧子 委員長 以上で、第1項 消防費の質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後2時27分
再 開 午後2時29分
――――――――――――――
○伊藤牧子 委員長 委員会を再開いたします。
次に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中、
危機管理対策室関係分の質疑を行います。
◆伊藤理智子 委員 私からは、避難所の備蓄物資について質問させていただきます。
この間、私ども日本共産党は、すべての避難所に備蓄物資を配置すべきと求めてきているところです。3月11日に起こった
東日本大震災当時、私の知人の息子さんが宮城県で仕事をしていて被害に遭われました。この方は、仕事中に大きな揺れが起こり、一緒に働いていた方々と避難したそうですが、外へ避難する前に大事なものを持ち出そうとしているうちに建物が崩れて生き埋めになってしまいました。何日か後に救出されて今は元気に働いておりますけれども、このように震度7や8の大きな地震が起こったら、各家庭に被害が起こったときのためにと常備している備蓄物資を取り出す余裕もなく被害を受けることが想定されます。
特に、札幌市の真冬は氷点下15度にも冷え込むほど厳しい寒さです。避難するときに、自分たちの命をつなぐ防寒具や暖房具、食糧などを持って避難できる人がどれくらいいるのか。ほとんどの方は着のみ着のまま避難せざるを得ないと想定するべきではないでしょうか。障がい者や高齢者、子ども、けがをしている人など、弱い人が避難した場所に備蓄物資がないために凍死などが起きないように、命が最優先だと位置づければすべての避難所に備蓄物資を置くことが一番効率的だと考えます。
札幌市では、現在、備蓄物資を区民センターなど各区に拠点化して配置しておりますが、現在札幌市で行っている備蓄物資を拠点化して配置した場合と、すべての避難所に配置した場合、それぞれの物資の輸送、再配置等にどれだけのトラックを使い、どれだけの時間がかかるのかなどのシミュレーションをしているのかどうかについてお示しください。
◎山崎 危機管理対策部長 第3次被害想定に基づきまして、被害に遭われる方、あるいは、収容避難場所に避難されてこられる方の数字は出ておりますが、今、委員からご指摘のありましたような、備蓄物資を回収、搬送するときの所要時間について、全避難場所に配置した場合と、それから、一部の拠点の場所に配置した場合の違いについてシミュレーション等でその差を検証したことはございません。
◆伊藤理智子 委員 シミュレーションはしていないということですね。拠点化の方が効率的だと今までのやりとりの中でも何度か言っておりますけれども、効率的だというふうに判断した具体的な根拠についてお伺いします。
◎山崎 危機管理対策部長 私どもは、拠点に備蓄物資を集めておきまして、それを多くの収容避難場所の方に配送するということと、今、委員からご指摘のあったように、全避難場所に備蓄物資を薄く配置して、それを必要なところに再配送するということを考えた場合に、基本的には、回収という手間を考えたときに、拠点から避難場所に直接運ぶ物資の数が多い方が、回収の手間を考えたときにはそれが少ないということでございますので、そういうことで、回収の手間を考えた場合に、薄く、広く全避難場所に配置した方が手間がかかるというふうに考えたところでございます。
◆伊藤理智子 委員 回収の手間などを考えた場合というようなお話がありました。
備蓄物資の配置について、効率的という場合、私は、一人の犠牲者も出さない、市民の命を最優先する、このことを基本にするべきだというふうに思います。
危機管理対策室の考える効率的とは、何を基準に考えているのか、まず、伺います。
今の拠点化というやり方では、災害が起こったときに、何も置いていない避難所にはたくさんの備蓄物資を運ばなければなりません。すべての避難所に備蓄物資が配置されていれば、運ぶ量は少なくて済むのではないでしょうか。厳冬期の凍えそうな寒さで、暖房も防寒着も毛布も全く何もない避難所で、物資が届くのをただ待っているだけなのと、少しでも体を温めるものがあるのとでは、生死の分かれ目につながる重大な違いです。
一昨日の教育委員会では、宮川委員が、札幌市内の民間を含む避難所609カ所のうち、避難所に指定されている小・中学校は避難所の約半分近くになる300カ所であり、学校として、いざというときのために、スペースを活用し、融通をつけて避難所に指定されているすべての学校に備蓄物資を配置すべきと求めました。梅津学校施設担当部長は、要請があれば教育委員会として可能な限り協力していくと答弁いたしました。教育委員会が可能な限り協力していくと言っているのですから、来年、総合的に検討するということではなくて、避難所になっている学校すべてに
危機管理対策室としてお願いして条件整備をしていくべきだというふうに思うのですがいかがか、伺います。
◎山崎 危機管理対策部長 小・中学校への備蓄物資、特に防寒用品の配置につきましては、先日お答えしたとおり、教育委員会と連携を図りながら、我々もできるだけ多くの小・中学校に備蓄物資を配置していきたいというふうに考えているところでございます。
我々の備蓄に関する基本的な考え方についてでございますけれども、個々の弱者といいますか、お年寄りだとか障がいのある方、あるいは子どもの方を無視するという考え方は全くございません。ただ、我々行政の役割として、寒い思いをされている方が収容避難場所にたくさんいらっしゃるというふうに仮定した場合に、多くの方に少しでも早くの備蓄物資、防寒用品を配備するのが我々の大きな使命の一つであると考えております。ここがちょっと議論の違うところかもしれませんけれども、私たちは、基本的に、防災力向上のために考えている柱の、まさに自助、共助、公助の役割分担の中で、細かいところまで手の届く必要がある場合について、行政がそこまで手が回らないということももちろんあるわけですので、大災害時等につきましては、そういった自助、共助、公助の枠組みの中で総合的な災害防止力を高めることの必要性があるというふうに私は考えております。今後もそういった啓発をさせていただきながら、全体で一人でも被害が少ないといいますか、そういうような共同防災社会をつくるということでこれからも努めてまいりたいというふうに考えております。
◆伊藤理智子 委員 私は、最初に、
東日本大震災で私が聞いた経験談もお話ししました。皆さん、この震災を受けまして、災害になったら大変になるということを受けとめて、自分たちでも、そういう防災の設備、避難するときの食糧や水などいろいろなものを備蓄してきているというふうに思いますよ。そして、実際に災害が起こったら、皆さん、力を合わせて助け合うのではないでしょうか。それは、本当に当然だと思いますし、やってきていることだというふうに思います。
しかし、部長が言っている効率的なという意味は、効率的ということを辞書で調べますと、効率的というのは――今頭が真っ白になって、ちょっとど忘れしました。ちょっと落ちつきます。
手間をかけないという意味だというふうに書いてありました。だから、いかに手間をかけないで備蓄するかということですよね。私たちは、やっぱり市民の命最優先、一人でも被害者を多く出さない。自然災害をとめることはできないと思うのですけれども、2次災害が起こったときに行政としてどう対応していくのか、ここが非常に大事だというふうに思うのですね。だからこそ、2次災害で一人の被害者も出さない、市民の命を守るという考え方のもとに対策を検討していくべきなのだというふうに思うのです。
今の時期に一遍にすべての避難所に備蓄物資を配置しろと言っているのではなくて、すべての避難所に備蓄物資を配置するという考え方をしっかりと持って、そのためにどうするのか、どうすればすべての避難所に備蓄物資を配置できるのかという検討を行っていくべきだというふうに思うのです。いろいろな困難状況もあるし、大変なことだと思います。しかし、いつ大地震が起こるかわからない中で、ことしももうすぐ冬を迎えます。
危機管理対策室として、一日も早く、まずはすべての避難所に備蓄物資を置くという決意で整備を進めていくべきではないかと考えますがいかがか、伺います。
◎山崎 危機管理対策部長 私どもの考え方といたしましては、先ほども申し上げましたけれども、小・中学校を重点的に進めていきたいと。今、75校の小・中学校に配置しておりますけれども、教育と連携をとりながら、これを100校、200校というふうに拡大していきたいと考えております。仮に、最終的に300校すべてに配置することができた場合、小・中学校300校で約13万人の収容能力があるというふうに考えております。市全体では22万人でございますが、そのうち小・中学校で13万人の収容能力があるというふうに考えておりますので、まずは重点的に小・中学校に配置することを考えたい。
あわせて、前回、教育費のところでも申し上げましたけれども、検討委員会を立ち上げまして、来年の早いうちに、どういった配置の仕方が一番効率的ではなくて、効果的なのかということも含めて十分に検討させていただいて、有識者や地域の方々のご意見も伺いながら、配置についてその方針を整理させていただきたいというふうに考えております。
◆伊藤理智子 委員 今、思い出しました。効率的というのはむだのないさまですね。むだがないさまだから、全部の避難所に備蓄物資を配置するということはむだなことではないですね。努力するということですから、ここでやめますけれども、でも、本当に、避難したときに、厳冬期というのは最悪の事態ですね。先ほどの消防の議論では、やはり火事や災害があったときに、現場に行って救出されている、そういう現場に行って仕事をしている人たちの危機管理というか、やっぱり意識の高さということを感じながら議論を聞いていました。
危機管理対策室としても、災害が起こったときに一人も犠牲者を出さない、そういう役割を自分たちが持っているのだということを重く受けとめていただいて、すべての避難所に備蓄物資が配置できるようにしっかりと進めていただきたいということを求めて、私の質問を終わります。
◆石川佐和子 委員 私は、原発事故への対応について、1点伺わせていただきます。
泊原発3号機のプルサーマル計画をめぐるやらせ問題が発覚し、国や北海道、また北電の関与が指摘されており、道新の世論調査では、泊原発の安全性については94%の方々が不安だというふうに回答するなど、道民の不信感、怒りが広がっているというふうに思っています。
ことし10月20日のことでありますが、国の原子力安全委員会の作業部会は、原子力防災指針の見直しの中で、原発事故の防災対策に関する重点地域を原発からの距離に応じて3区域に分ける見直し案を示しました。この見直し案では、原発の半径約5キロ圏を予防的防護措置の区域、PAZとし、これまでEPZと呼ばれてきた8から10キロ圏の範囲を半径約30キロ圏に拡大し、また、半径約50キロ圏は甲状腺被曝を避けるための安定ヨウ素剤を配備する放射性ヨウ素対策の区域、PPZというふうに位置づけました。しかし、この新たな重点区域であるUPZの対象外である福島第一原発から約60キロメートルの距離にある福島市においては、現在も6から7シーベルトという高い放射線量が計測されているホットスポットがあるなど、除染作業や学校での屋外活動の制限、そして、将来にわたっての子どもたちの内部被曝が懸念されているところであります。また、200キロメートル離れた千葉県柏市のホットスポットでは、土壌から高濃度の放射性セシウムが検出されるなど、風向きや地形など地域の状況によって放射性汚染は広範囲に広がっています。
この札幌市も、福島市と同じように、泊原発から60から70キロメートルしか離れておらず、もし泊原発事故が起きたならば、西風の影響を受け、札幌市は大きな被害を受けることが予想されています。本市の責務としましては、UPZ30キロ圏の区域にとらわれず、190万の市民の安全、そして、子どもたちを放射能汚染から守るために、北海道や北電などと情報共有を図るなどの体制を整備することが重要と考えています。
さきの代表質問で、札幌市民の安全を確保するために、平常時から北海道、関係市町村、北電等と原発等に関する情報連絡体制を構築すべきことを質問いたしました。上田市長からは、広域の市町村と道と北電がともに原子力防災に取り組むことができるよう意見を述べていきたいという答弁を得たところであります。
そこで、質問ですが、札幌市として、重点地域を30キロ圏に拡大するUPZについてどのように受けとめておられるのか、また、今後、市民の安全を確保するために国や道に対してどのような対策を求めていくのか、伺います。
◎山崎 危機管理対策部長 まず、1点目のUPZについてお答えしたいと思います。
防災指針案の中で示されました考え方につきましては、原子力安全委員会の事務局が作成したたたき台ということでとらえているところでございます。指針に関する今後の検討の中で、適宜、見直すとされておりますことから、これで決定したものというふうには私どもは受けとめておりません。
また、福島第一原子力発電所の事故の被害が広範囲に及び、60キロ離れた福島市で除染作業に追われている状況を考えますと、こうした距離を設定することに合理的な根拠は認めがたいというふうに認識しているところでございます。
次に、2点目の見直しに関して、国及び道に対する本市の対応でございます。
今後とも、防災に関する取り組みや意見を述べることができる、そういった仕組みをつくるように、国や道に対して今後とも意見を申し述べてまいりたいというふうに考えております。
◆石川佐和子 委員 上田市長は、6月30日に、北電に対して泊3号機のプルサーマル計画の凍結の申し入れ、そして、国や道に対してEPZの範囲拡大を求めましたが、北電や高橋知事の対応は、これまでの姿勢を変えず、大変厳しいものであったというふうに聞いています。また、上田市長は、先月9月26日に、高橋知事に対し、後志地方の市町村との協議の場に札幌市の参画を認めること、泊原発1、2号機の再稼働については札幌市と十分協議をした上で判断すること、原発に関する情報を積極的に提供するなどの申し入れを行いましたが、知事は、意見交換の場を10キロ圏外の後志管内市町村にも対象を設定するなど道議会で述べましたけれども、札幌市は蚊帳の外に置かれている状況にあるというふうに聞いております。
しかし、今回、新たにたたき台というふうに今の答弁の中でありましたけれども、UPZ半径30キロ圏内は、原発事故での放射性物質の大量放出に備え、避難経路や場所の確保など事前対策を整えなければならない区域であって、事故の状況に応じて迅速に避難する体制をつくることが決められています。新たなUPZ30キロ圏は、これまでのEPZ10キロ圏範囲の泊、共和、神恵内、岩内の町村に住んでおられる2万4,000人の方々に加えて、古平、倶知安、ニセコ町など9町村、8万5,000人の方々が対象となります。一たび、泊原発事故が起きれば、これらの地域からも大勢の人たちが札幌市に避難してくることも予想されるわけであります。避難者の受け入れ、住宅の確保、医療の整備などは札幌市だけの問題ではなく、防災対策は考え得る最大限の事故に備えることこそが望ましい対策と考えます。
国で検討されている見直し案は、今年度中に中間報告をまとめる予定というふうに聞いておりますが、実現すれば、北海道の地域防災計画は大幅な変更を迫られることになり、本来なら、北海道も札幌市と連携を図るなど、泊原発の防災対策を進めることが重要と考えます。
そこで、質問でありますが、北海道原子力防災計画の見直し、策定の上で、札幌市の意見を反映させるべきと考えますけれども、札幌市としては今後どのように取り組んでいくおつもりか、伺います。
◎山崎 危機管理対策部長 北海道の防災計画に札幌市の意見を反映させるべきではないかというご質問でございます。
既に、北海道に対しましては、後志地方の市町村との協議の場に参画を認めるよう申し入れをしておりましたけれども、何ら回答がないまま、北海道は後志地方の市町村との実務者会議を行ったところでございます。したがいまして、申し入れに対しまして北海道の考え方を早急に示すよう、再度、申し入れを行ったところでございます。
札幌市といたしましては、泊原発で事故が発生した場合は、避難者の受け入れを担う必要が出てきたり、また、放射能の治療が可能な医療機関が集積していることなどから、後志管内だけでなく、より広域での対応が必要であるというふうに認識しているところでございます。したがいまして、北海道の原子力防災計画へ札幌市の意見が反映されるよう、今後もこうした考えにつきまして機会をとらえて北海道に対して意見を述べてまいりたいというふうに考えております。
◆石川佐和子 委員 協議の場に参画を認めるよう、再度、申し入れをされたというふうに、今、答弁を伺いました。
上田市長におかれましては、6月30日の北電や国、道への申し入れ、そして、9月26日の高橋知事への申し入れ、そして、このたびの申し入れ、こうした上田市長の行動は、福島原発事故を踏まえて、泊から60から70キロメートル離れた札幌市においても原発事故への備えが必要になるという、190万人の札幌市民の命を守る首長ゆえの危機意識に基づくものと、非常に力強く感じているところであります。
今回の福島原発事故の初期の段階で、備蓄していたにもかかわらず、ヨウ素剤の投与が子どもに行われなかったということが明らかになりました。放射性ヨウ素対策の地域、PPZは50キロ圏であり、その範囲は札幌市においては住居地域として該当していないということから対応しないように聞いております。しかし、
東日本大震災、また、福島原発事故を体験したことで、今後、想定外という言い方はできないというふうに考えます。本当に大丈夫か、そういう懸念が市民の中に大きくあります。まず、このヨウ素剤を備蓄しておくことが重要であり、ぜひ慎重に検討していただきたいというふうに考えます。
今後も、引き続き、札幌市として、広域市町村との協議の場への参画、泊原発に関する情報共有等を北海道や北電に求めていただきたい、そして、市民の安全確保のために、国や道に引き続き働きかけていただくこと強く要望し、私の質問を終わります。
◆堀川素人 委員 私からも、防災問題に関連いたしまして、幾つかの質問をいたします。
中身は、60キロから70キロ圏内に泊原発がある、こういうことの中で、チェルノブイリなどの事故を見ますと、何百キロも離れたところにその影響が出ている、こういうような実態もありまして、それから見ましたら、ここの60キロ、70キロというのはいつ被害に遭っても不思議はない、こういうふうに思います。
まず、一つは、防災計画の見直し、それから、今回の件で、消防局の方では、この事故に関して、これからの消防局としての出動も含めて、どうあるべきかということについて、この3月11日の地震、そして原発事故の関係でプロジェクトをつくって、研究班をつくってやりますという話を聞きました。消防局の場合は、どちらかといったら、ハードな面、命を助ける、こういうことが主に置かれて調査が進められ、そして研究がなされるものだ、こう思います。しかし、
危機管理対策室の場合は、もう少しソフトな部分、事故が起きて、その後の対応に手抜かりがないようにどうするか、そして全体の収束までの関係について、そういう研究プロジェクトがつくられて、調査、実施し、それを明らかにして防災に役立てる、僕はこういうことが必要かと思っています。
もう一つは、今回の東京電力の賠償請求の問題です。
今、福島県から避難して札幌市にいる人がおよそ900人、350世帯ほどだ、こう聞いております。そして、賠償請求をしなければならぬ人方がそれなりの割合でその中にいると思うのです。その人に対して、札幌市がどういう手を差し伸べるのか、こういうことについて、3点質問してまいりたいと思います。
まず、防災計画の見直しですけれども、今、やらせの問題で、社長も含めて、北電が会社全体でとっている態度というのは、たくさんの道民は大変不愉快な思いでいるかと思うのです。そして、札幌市は、先ほども言いましたが、本当に近い中で、泊原発に事故があった場合に、ある意味では一番影響を受けるまちであろうと思われます。その中で、役割をしっかり果たさなければならない。
ところが、北電の社長の態度というのは、極めて不愉快である。やらせの問題についても、道議会に招致されたというときでも、出る、出ない、ようやく出た、出て、やらせが組織的なものであったかどうかということでは、社長はそういうことはない、こう言っている。それについて、私の方で、いや、あったというようなことの証拠を持っているわけではないですから、それ以上のことは言いません。でも、あの出る、出ないの態度、それから、札幌市長が北電に出かけたときに、社長が出ないで、支店長が出てそれに対応する。とんでもない話である。やらなかったということが、やらせがはっきりした。こういうような会社に電力事業を任せているということが最大の危機である。やはり、彼らに、北海道の電力を預かっている、こういう責任の中で何をすべきか、こういうことについてしっかり認識してもらうこと、このことが危機を乗り切る一番の根本になろうか、私はこう考えております。
そこで、こういう大きな事故、本当に、福島なんかでも死のまちと言って大臣の首が飛びました。その首をとることがよかったのかどうか。僕は、とる必要はなかったと思っていますけれども、本当にこれからどうなるか、本当に戻れるのか、戻れないのか、わからぬ。彼らからふるさとを奪ったわけですよ。こういうようなことが原発事故の中ではあり得る。こう考えた場合に、私は、防災計画においても、今できている防災計画はこの原発事故が起こる前の防災計画だとするならば、今まさに、泊原発の事故を想定した防災計画がなされなければならない。こう思っていますけれども、これについて見直すつもりがあるのか、それは早急にやるのか、この辺についてどうか、確認したいと思います。
◎山崎 危機管理対策部長 原子力防災対策の計画につきましては、現在の札幌市の防災計画の中に、これまで原子力災害対策という項目はありませんでした。放射線事故対策ということで、本当にごく小さな放射線を扱う施設での事故、あるいは、そこに運搬するときの事故への対策しか考えていなかった、想定していなかったというのが実情でございます。
しかし、今、委員がご指摘ありましたように、
東日本大震災であのような福島原発の大きな事故があって、大災害となって広がっているという事実を踏まえまして、札幌市でも早急に原子力対策を地域防災計画に盛り込まなければいけないと考えているところでございます。これまでも、市長もいろいろなところで明らかにしてまいりましたが、私ども札幌市といたしましては、本来、防災計画は、国、都道府県、市町村という形でそれぞれ整合性を持ってつくらなければいけないという大前提があるわけでございます。ただ、国の進捗状況もいま一つ、それから、道も国の状況を見ているような状況が見受けられますし、なかなか防災計画見直しそのものがスピード感を持って進んでいないという状況の中で、札幌市も、原子力防災計画をつくるということになったときに、すべてができ上がってから札幌市も腰を上げるのでは遅いということがございます。
そこで、もう既に、今年度中に、まず基礎データを集めたいということで、今回の被災地の状況は一体どういうふうになっているのか、それから、仮に泊原発で事故が発生した場合に、札幌市としてどんなことが考えられるのか、あるいは、備えなければいけないのかというような情報を集めたいということで、ことしはデータ収集に取り組むこととしております。北海道、国の状況を見ましたら、北海道は、来年度、原子力災害対策を見直すと言っておりますので、我々も、それにおくれることなく、札幌市の地域防災計画の中に原発対策を盛り込めるように、来年度に入りましたら、有識者のご意見を伺いながら、道の状況をにらみながら、早急に札幌市の原子力災害対策について計画の中に盛り込んでいきたいというふうに考えているところでございます。
◆堀川素人 委員 その中で、まず、札幌市は、原発に対してどういう態度で臨むのかということが確認されなければなりません。今、再稼働した原発もありますし、休止している原発もあります。それから、プルトニウムによる原発稼働というようなことで、なお一層、複雑な過程をとる中でエネルギーを生み出す原発が稼働しようとしている。個人的な考えを言いますと、やはり、脱原発は当たり前のこと、これは、本当に道民、国民の命をかけてやることではない、こう思っています。今まで安全だ、安全だと神話をつくってきた学者を初めとして、頭を丸めていただきたい、こう思っているくらいでございます。
そういう中で、やはり、札幌市はどういう態度でこれに臨むのか、ひとつこのことを明らかにしていただきたい。
◎山崎 危機管理対策部長 原発に対する札幌市の姿勢でございますが、上田市長も申し上げておりますように、原子力発電というのは、エネルギー政策の中で過渡期を迎えているということでございます。今後も、長い間、このまま原子力エネルギーに頼るということではなくて、脱原発依存ということで、省エネルギーあるいは再利用可能エネルギーについて、恐らく、これは環境局の方で今取り組んでいるところでございますけれども、そういったエネルギーの転換に向けて札幌市はこれからも積極的に取り組みを進めるというふうに市長が申しているところでございます。
◆堀川素人 委員 そうであるならば、国や北海道にもその意思をしっかりと伝えて、そして、我々はそういう考えに基づいて防災計画をこうやってつくりますと、こういうようなことの中で国や道にしっかりと働きかけていただきたい。まず、この部分については、こうお願いしておきます。
次に、危機管理プロジェクトです。
おたくの方の
危機管理対策室として、これについて――僕はよく言うのですが、札幌市は、調査だとか、どうもそういうものに金をかける割合が少ないのではないか、こういう委員会などで何度もこういう話をしております。むだと言われる可能性もあるのかもしれませんが、僕は、それなりの人数と予算をとってこのプロジェクトをつくっていただき、そして、今回あった東北の震災、そして原発事故にたくさん学ぶべきであろうかなと思うのです。そういうプロジェクトをつくって、
危機管理対策室としての立場からしっかり調査研究をやっていただきたいと思いますけれども、そういう考え方があるか否か、それについてお答え願いたい。
◎山崎 危機管理対策部長 原子力災害対策につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、ことしは基礎調査、データ収集をするということでございます。その基礎データに基づきまして、来年度、有識者等のご意見も伺うような場を設定して、原子力災害対策の方向性といったもの、あるいは課題といったものを見出していきたいというふうに考えているところでございます。そういった中で、もちろん、有識者以外に、札幌市役所内部の関係部局とも連携を密にいたしまして、課題だとか方向性について、随時、情報を共有しながら進めていきたいと考えているところでございます。
◆堀川素人 委員 ぜひ、そういうふうにお願いしたいと思います。
その中で、いつも危惧することですけれども、そういう有識者を集めてやるときに、安易に、札幌市が頼みやすい学者だからと、そういうような形で、アリバイ委員会だとか、アリバイ審査会だとか審議会だとか、それから、もう結論が見えているようなことを出している審議会がたくさんあります。しかし、特に先ほど確認いたしました脱原発という中で、やはり、厳しい意見を持つ人、そういう人をそれなりに積極的に選んでいただいて、札幌市の方向性と中身もきちっと一致するような形でやっていただきたいということをお願いしておきます。
次に、三つ目ですけれども、ここにこういう文書がございます。先ほども言いましたように、350世帯、およそ900人ほど、福島県から避難して札幌に来ている人がいる。そういう人方の中に、東京電力の方から、賠償請求をしてください、そして、書類が送られてきている。ここにガイドブックもありますけれども、こういうものでして、およそ160ページぐらいのものなのです。そのほかに、順番に行きますと、同意書だとか、また案内だとかなんとか、ここにあるだけでもすごいものです。これは、個人用のものです。そのほか、企業とか、いろいろな商売とか仕事の関係の中で、たくさん分かれていて、話を聞きますと11種類ほどの賠償請求と。何というのでしょうか、やっている仕事によって請求をしなければならぬ。
これにさっと目を通しました。とにかく、ガイドブックだけで160ページあるというのにまず驚きました。ただ、その中身を見まして、よく見ましたらほとんどわからないことではないと思います。それから、僕が今言っているのは、東京電力が伝えようとしていること、このことについてはおよそわかります。およそわかりますというか、そんなに難しい話ではないです。ここで判断しなければならないものは、そんなに多くはないです。でも、これは、普通の人にしましたら、厚さからいっても圧倒されるというか、こういう感じで、これを見ただけでもっておろおろしてしまって困ったな、どうすればいいのかなとなって、札幌市に相談しようと駆け込んで来るわけです。実際に駆け込んできた人がいました。そこで、すぐに
危機管理対策室の方と連絡をとりましたけれども、何という答えかといいますと、弁護士会でも、福島県人会の方にも連絡をとって、そちら側で相談したらいいのではないか、こういう話をされた。それで、その相談をした人は、また困って僕らの部屋に来たわけですよ。僕は、これを聞いて本当に情けなく思いましたね。
これは、3月11日に地震が起こり、そして被災した方が北海道に来る。そのときに札幌市は空き市営住宅を用意した。あの寒い中で、ストーブ、夜具、米、みそ、しょうゆ、そういうものはあなたが持ちなさいよという形の中で、着のみ着のまま来る人方を受け入れて、これについて、議会でも松浦議員が市長にただした。そうしたら、市長は、本当に素直に、それは申しわけなかった、やっぱりそういうものについては温かく迎え入れなければならぬと言って頭を下げたわけです。
そのほかにも、この間、いろいろな問題がありました。例えば、ある人が善意でもって50万円の寄附をしました。僕のところに相談が来ました。どこにどういうふうにして寄附をすればいいですかと言うから、僕はたまたま文教委員でしたから、教育委員会で使えるようにして寄附したらいいよと。ところが、そのお金のことが教育委員会に全く連絡がないまま過ぎて、必要なときに金を使えない、こういうこともありました。善意でいろいろな新品のものを被災地に送る、ないしは、こちらに来た人に使ってもらいたい、そういうものの受け入れが拒否されるようなこともありました。本当に、被災をした方の気持ちになって動いているのかどうか疑わしい。
皆さんも、きっと、かわいそうだ、何とかしてやりたいという気持ちはあったけれども、組織的に動くような形になっていない。それから、自分は実際に被災していませんから、被災した人と同じような危機感を持って何かをしろと言ってもきっと無理なのかもわかりませんけれども、余りにもひどいのではないか。今どこに連絡をするかと聞いたら、東京電力ですと、今、フリーダイヤルに電話をかけたら電話はかかりますよ。しかし、電話をしてわかるような話ではない。それから、弁護士会に行ったって、今、無料でやっていますけれども、どこからお金がかかるのかわからない。そうするならば、僕は、そういうことがあるとわかったときには、深くまでできなくてもいいですから、およそのこと、札幌市で相談を受けることぐらいやってもいいのではないか。
10月5日に、松浦議員が市長に質問いたしました。調査特別委員会の質疑ですけれども、その中で、市長は、見直して被災者が困らないように努力をしたい旨の答弁をしたのが10月5日です。そして、10月17日に
危機管理対策室から出たペーパーがここにあります。相談があった場合の対応、東京電力への損害賠償請求手続については、本市が直接的に支援することはできないが、避難者からの相談にできる限り対応をするため、相談窓口(電話)で案内をする。そして、相談窓口が2カ所書かれています。東京電力の福島原子力補償相談室、これはコールセンター、そして、札幌市弁護士会、被災者向けフリーダイヤル無料法律相談、こういう2カ所があります。しかし、これを見てわからぬ人が電話して、それで解決できますか。どうやってあの言葉を理解して相談したらいいかもわからぬ人が、電話でもってやりとりができますか。弁護士会に電話をする。これは、常時開設しているかどうかもわからない。札幌に来た人は、まず札幌市に相談すれば何とかなるのではないかという安心感のもとで飛び込んでくる人方に、はい、ここに電話しなさいと。
そういうことでもって、札幌市長が、困らないように積極的に対応すると言って、そう言ってからこの文書が出て、そして、僕も、それ以前に、こういうのは不親切きわまりないと言っていたのに、いまだに何ら変えることなく、これでこれからも通すつもりなのかどうか、お聞きしたい。
◎山崎 危機管理対策部長 ただいま委員からご指摘がございました10月5日の調査特別委員会で、上田市長は、被災者の方が困らないような体制をとれるようにしていきたいというふうに答弁をしたところでございます。
私どもも、それを受けまして、従来から弁護士会とも連携はとっておりましたが、弁護士会からも具体的にどのような日程でどういったことをやろうかという相談を受けたものですから、10月に入って、厚別区役所だとか、福島からの自主避難も含めて避難している方の多い桜台の雇用促進住宅などで説明会を開いたらどうでしょうかというような相談をいたしました。そして、委員が先ほどご指摘のあった17日付で各区に文書を出させていただきましたけれども、その中に、1枚添付いたしまして、11月18日には厚別区民センターで勉強会をやります、それから、10月28日には厚別区の桜台団地で自主避難者向けの勉強会をやります、それから、10月29日には厚別区の青葉会館、北区、東区、豊平区、南区、手稲区と、各区何カ所かで東京電力への賠償請求に関する相談会も行うといったような打ち合わせをさせていただいたところでございまして、この資料も各区に送ったところでございます。また、10月15日には、NPOといいますか、有志の方々が集まって、聞いたことがあるかもしれませんが、「ようこそあったかい道」というので、第4回目でございましたけれども、被災者を囲む会みたいなものを実施いたしました。その中でも、札幌弁護士会の方に来ていただいて、相談コーナーを設置して具体的に困っていることがあれば、先ほどの補償の請求も含めて相談に乗っていただくようなことを実施したところでございます。この15日には、約10名ほどの相談者があったというふうに伺っているところでございます。
したがいまして、私どもとしては、この間、150数ページにも上る、本当に大変そうな、私が見てもこれはちょっと大変だなと思うような補償の手引がありましたけれども、その後に、経済産業省などの批判も受けて、東京電力が、4ページの簡単な手引といいますか、簡単なガイドみたいな説明書をつくりました。これは、その4ページにわたるものの一部にこれまでの避難歴だとかなんとかを書いて、あとはコールセンターに電話をしてくださいということでございます。156ページのものは、隅から隅まで読まないと、自分はそのうち何を出したらいいかがわからないというような内容のものでございましたけれども、4ページにして、主要な記入部分を本人が記載して相談すれば、あなたが必要なものはこういったことですよということが割とわかりやすく説明できるような仕組みを東京電力がつくったわけでございます。
そういったこともありまして、私どもの方に相談が来るかなということも考えておりましたが、実際に問い合わせがあったのは1件もございませんでした。そういったことで、私どもがどういった体制で取り組もうかと検討している間に周囲の状況も変わってきたということも事実でございますし、弁護士会もかなり動いていただいたというようなことがありました。
今後も、被災された方に何らかの悩み事あるいは困ったことがあったときに、私どもの支援対策の方で、どこどこへすぐ電話してくださいというような簡単な内容ではなくて、中身をじっくりお伺いしながら、それに合った対応を親身になってできる限りやらせていただきたいというふうに考えております。
◆堀川素人 委員 ぜひ、相談に来た人には、直接会って話をして、あなたのやりたいことはこういうふうにすればできますよと。そして、どうしてもわかりづらいというのか、例えば賠償金額だとかなんとかというものがあるならば、それは、弁護士とも相談してやってください、無料相談所がありますよ、でも、あなたは、当面、最低でもこのぐらいの書類を整えて向こうの方に出せば東電の方でも理解できるでしょうと。こうやっていけば――この160何ページは大変ですけれども、我々のようにちょっと年をとったというか、そうなったら努力をすることもどんどんなくなってしまいますが、役所にいる法律もそれなりにちょっと知っているような若い人がやれば十分に理解できる範囲のものですよ。それから、東京電力の方では、札幌市には福島からこれだけの人数が来ています、900人ぐらいです、350世帯以上いますという中で、こうしてこれだけの人間がいますから、あなたの方で札幌に来て札幌市と協力しながら説明会をやるつもりがありますかと言えば、そんなにいるのですか、今すぐにここで返事はできませんけれども、上司に伝えて検討する価値が十分にありますとかですね。これは東京電力の出し方なのですから、まずこれを理解しなければならない。自分の意見だとか弁護士の意見というのはまた別の問題で、このことをきちっと理解してもらうことから始まる。それには、札幌市がガイドとしてその役割を果たせると。こうするならば、札幌市は札幌に来ている福島の人方の役に立てるのではないか。そして、こういうふうに、何月何日に、こういう予定で、こういう目的のために、勉強会というのか、集まりを持ちますので、どうぞ来てくださいというような形で、マスコミなどを使って札幌市が親切に案内をしてあげる。やっぱり、こうすることが大事ではないですか。
心配だ、心配だと言うならば、やっぱり魂もその中に入れなければ、どうぞ、今言いましたように、これからそれをやると言うならばきちっと相手に伝わるようにやっていただきたいということお願いして、質問を終わりたいと思います。
◆木村彰男 委員 私は、危機管理における避難指示、避難勧告について、2番目としまして、災害弱者に対する対策につきまして、3番目に、防災行政無線システムにつきまして、それから、4番目として、応急救援備蓄物資の配置についてお聞きしたいと思います。
平成23年9月6日、台風による大雨被害がございまして、私がいただいている避難状況表によりますと、中央区盤渓の知的障がい者施設の入所者が避難した旨、書かれておりましたけれども、このときには、避難指示、避難勧告等が発令されておりましたのでしょうか。
さらに、住民に対して、今回のような大雨時、災害時に避難勧告等が出されていかれると思いますけれども、情報の伝達に関しましてはどのような手段が用いられておりますでしょうか、お答え願います。
◎山崎 危機管理対策部長 先日の9月の大雨のときだったと思いますけれども、避難勧告、避難指示とも、札幌市は出しおりません。
次に、伝達の手段についてでございますけれども、避難情報につきましては、テレビ、ラジオ等のマスメディアのほかに、現地において広報車などによる呼びかけを行い市民に伝達をすることにしております。また、市民が情報収集する手段として、気象台だとか北海道、あるいは札幌市のホームページもぜひ見てくださいということで、各種パンフレットなどで周知しているところでございます。
◆木村彰男 委員 とりわけて災害弱者の方々に対するサポートというのは、私は、大変重要なことであるかというふうに考えております。要援護者支援の取り組みというのが札幌市にあるようでございますが、現在、保健福祉局の方にもご出席を求めておりますので、そのことについてご説明をお願いいたします。
○伊藤牧子 委員長 質問の内容は。
◆木村彰男 委員 要援護者支援の取り組みについて、現在、札幌市が進めているあり方について質問します。
◎渡辺 保健福祉局総務部長 災害時の要援護者避難支援につきましては、保健福祉局の総務部で担当しておりますことから、私から答弁させていただきます。
災害時要援護者避難支援の取り組みといいますか、考え方についてでございます。
避難支援におきましては、数々の災害の教訓から、自分や家族をみずから助ける自助と、それから、地域の中でともに助け合う共助ということが重要と考えているところでございます。避難支援におきましては、要援護者の安否確認、避難誘導などが円滑に行われることが必要になりますけれども、そのためには、援護を必要とする方と、その方を助ける方とが常日ごろの交流の中でつながりを持つ、築いていくことが大切であるというふうに考えているところでございます。
そこで、町内会など地域が主体となりまして避難支援に取り組むことを促進するため、平成20年度から22年度までの3年間、10地区におきましてモデル事業を実施してきたところでございます。この結果、現在1,165名の要援護者と1,928名の支援者が登録されておりまして、今のところ、その部分につきましては必要な支援の組み合わせが行われております。
札幌市といたしましては、これらモデル事業の成果や課題を踏まえまして、今後も地域の自主的な取り組みが促進されますよう継続的に支援をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
◆木村彰男 委員 私は、南区でその支援事業をやっていらっしゃる方とちょっとお話ししたことがありますが、まだまだ地区の先端の部分に行きますと、普及活動といいますか、そういう活動というのは限定的になっているかなと思うのです。やっと3年目にして地区の方におりてくる、区の方におりていっているというのはわかりましたけれども、今後の取り組み、普及活動につきましてはどのようにお考えでございましょうか。
◎渡辺 保健福祉局総務部長 今後、市内全域にこの取り組みを進めていくことの方策といいますか、その進め方についてでございます。
要援護者避難支援が災害時に本当に実効性のあるものとして機能するためには、やはり、地域が自主的に取り組むことが重要であることから、札幌市といたしましては、その普及啓発、そういう活動に重点を置いてきたところでございます。保健福祉局では、今年度も引き続き出前講座というものを実施しておりますけれども、それとともに、去る9月には、地域で見守り活動を実践されております福祉のまち推進センターの活動者の方々を対象といたしまして、災害をテーマにこの事業の重要性を啓発するための福まちフォーラムといったものも開催したところでございます。さらに、今年度から、福祉のまち推進センターの活動費の中に、災害時要援護者避難支援に取り組んだ場合はこれを加算する仕組みを設けるなどの支援も加えたところでございます。また、各区役所におきましても、広報さっぽろの区内版に実際に活動している地区の状況を掲載したり、あるいは、防災をテーマとした区民会議とか地域フォーラムを開催するなど、事業の普及啓発活動に取り組んでおります。このようにして実施地区の拡大に努めてまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。
◆木村彰男 委員 私は、要援護者の避難支援活動は大変重要なテーマだというふうに考えております。ぜひ、避難情報を含めて、より多くの方々に早目にそういう情報が伝わるよう、
危機管理対策室においても取り組んでいただきたいというふうに考えております。
次に、札幌市の防災行政無線のシステムについてお聞きしたいと思います。
現在、札幌市では、防災関係機関にデジタル方式の無線機を設置し、全市をネットワークしているというふうに聞いております。私がお聞きした限りでは、デジタル番号が000から999ということで約1,000台配置されていると承っておりますけれども、そのうち、現在、何台くらい設置が終わっており、何台くらいまだ予備があるのでございましょうか。
◎山崎 危機管理対策部長 防災行政無線についてお答えいたします。
現在の主な防災行政無線の配備先でございますが、各区役所、土木センター、消防局等のほかに、関係機関や小・中学校などの収容避難場所ということで818カ所に防災行政無線を設置しているところでございます。また、このほかに、基地局あるいは統制局ということで、委員ご指摘の防災行政無線の番号を使っておりますので、余裕数としてはさほどあるわけではございません。
◆木村彰男 委員 これからいろいろな施設ができ、そういう防災無線を設置しなければならないところがふえてまいりますと、残余が少なくなってまいりまして、全部、出払ってしまうような形になるときも見えてくるかと思いますけれども、その後は、無線についてはどのような形を考えていらっしゃいますでしょうか。
◎山崎 危機管理対策部長 今、推し進めて考えますと1,000台以上の体制はとれないということでございますので、今後、デジタル防災行政無線の更新を計画しているところでございます。まだまだ時間がかかることになりますけれども、更新された暁には1,000台以上の防災行政無線が使えるということでございます。それまでの間といたしましては、有効な配置に努めて、この1,000台以内で災害対策に当たっていきたいというふうに考えております。
◆木村彰男 委員 防災協力関係の問題につきましては、地域で非常に重要な役割を果たしている機関として地域の災害防止協力会というものがございます。これにつきましては、今、お話しになった防災無線等は行っておるのでございましょうか。
◎山崎 危機管理対策部長 災害防止協力会には、防災無線は行っておりません。
◆木村彰男 委員 私の地域は南区でして、災害防止協力会の方ともお話ししているのですけれども、この方々が土木センターなどに集結してそれから指示を仰ぐというようなことをおっしゃっております。ただ、災害時でございますので、当然、携帯がうまくつながらないとか、固定の電話もつながらないような状況下において、この方々を災害時にうまく集結させて伝達していくことについては、私はこの方々とお話をしていて大丈夫なのかなという懸念も多少覚えたのでございますけれども、その点についてはいかがでございましょうか。
◎山崎 危機管理対策部長 災害発生時におきましては、各区の土木センターが災害現場に向かうことにしております。土木センターには防災行政無線がありますので、ここと密に連絡をとっていきたいというふうに考えております。
また、もう1点は、区役所に整備している携帯無線機に仮に余裕があれば、災害防止協力会の方にも使っていただくことができるかなというふうに考えております。
◆木村彰男 委員 その辺の情報について、上の方はわかっていらっしゃるのかもしれませんけれども、末端の協力会社の方がたくさんいらっしゃいまして、自分たちがここへ行く、あそこへ行くという形で、私もプランを見せていただきましたが、自分の役割については一応認識されております。しかし、今、おっしゃったような形で無線を与えられるようなことについては、私には皆さん方がわかっているようには見えなかったものですから、その辺につきましては、そうした情報も含めて、ぜひ徹底してご伝達をお願いしたいと思います。
次に、先ほど他の委員からも出ておりました備蓄の関係でございます。
先ほど、耐震化も含めて、今後、学校関係についてはふやしていくということはお伺いしました。私は、その観点とは別でございますが、大型スーパーとか、そういうところと提携して、そういうところからの備蓄品といいますか、現在商品として積んであるのか、どこかにためてあるのか、ちょっとわかりませんけれども、そういうものも搬送の対象になるということをお伺いしております。
そこで、一つで結構でございますが、例えば、どこから持ってきて、どのような手段で、どこに運んでいくのかというようなことについてはどうでございましょうか。
◎山崎 危機管理対策部長 私どもの備蓄の考え方といたしましては、まず、一義的に家庭備蓄、それから、我々が持っている公的備蓄、これは、流通備蓄につながるための、それまでの経過のために我々行政が持たなければいけないだろうということで持っているものがございます。今、委員からご指摘があったのは最後の流通備蓄ということだと思います。
災害発生時におきましては、流通自体が停止するようなことが考えられますので、一般の市民の方の物資の入手がかなり困難になることが予想されるわけでございます。札幌市では、いち早く避難場所にいらっしゃる被災者に物資を供給できるように、大手のスーパーマーケットと協定を結びまして、優先的に物資の供給を受けることとしております。今、協定をしておりますのは、東光ストアとかイオン、あるいは生協、それからダイエー等でございます。
◆木村彰男 委員 災害時でございますので、今言ったような形のものがスムーズに連結していくとも限りません。先ほど自助、公助、共助というようなお言葉がございまして、私も先ほどちょっと申しましたように消防団員でございますが、自分の命は自分で守ることをまず第一に考え、やはり、家庭備蓄といいますか、緊急グッズといいますか、そういうものの啓蒙については大変貴重というか、啓蒙していかなければいけないというふうに認識している一人でございます。ですから、そのような活動についてもぜひお進めいただくことお願いしまして、私の質問にかえさせていただきます。
○伊藤牧子 委員長 ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後3時41分
再 開 午後4時1分
――――――――――――――
○伊藤牧子 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆こじまゆみ 委員 私からは、防災時の情報収集・提供体制の整備について、防災行政無線の更新整備について、出前講座について、以上3点について伺わせていただきます。
まず、第1点目の情報収集・提供体制の整備についてです。
東日本大震災から7カ月以上が経過しましたが、国レベルでの情報収集の遅さや、意思決定されたことが実行に移されないと、いまだ多くの問題点が指摘され、課題はまだまだ解決されずにいます。我が国の統治のシステムは、企業組織のあり方まで危機管理が前提となる組織にまだまだ整っていないため、各組織、各階層で意思決定や判断を加えられる特徴があるためか、指揮、統制、通信、情報との間に負の影響が及んでいるとも言われています。結局、責任と権限がどこになるのか不明確になり、情報の分散、指示のおくれにつながっていると言えます。
一方で、今回の
東日本大震災に伴う福島原発の事故対応に尽力した福島の英雄の方々が評価され、警察、消防、自衛隊の代表が共存共栄の部門でスペインの皇太子賞を受賞したところでございます。被災地それぞれの現場での実働のすばらしさが称賛されたものであり、我が国の誇るべきところであると思います。
札幌市においても、昨年度、これらの震災の影響を受け、防災計画等が見直され、多角的に検討が進められておりますが、公的施設の耐震化、冬期間の避難に備えた備蓄等が議論され、整備が進められています。
そこで、昨年度の振り返りも含めて質問させていただきます。
平成22年度期末報告では、防災危機管理情報の伝達システムの検討、調査に対する報告には、安心・安全公共コモンズの動向を見て調査検討したとあります。そして、平成23年度の
危機管理対策室実施プランに再度挙げられていますけれども、平成22年度の調査検討をした結果、どのように推進されているのか、また、全職員で、毎月、定例開催されている経営会議で情報が共有されていたのであれば、実効性のある進行管理はどのようになされていたのか、伺います。
◎山崎 危機管理対策部長 情報収集・提供体制の整備についてでございます。
危機管理対策室では、より確実性の高い情報を迅速かつ的確に市民へ提供するための仕組みを構築し、確実な情報の伝達と伝達されないものの解消を図ることを目的といたしまして、平成20年度から調査検討を進めてまいりました。平成20年度には、市の関係部局の関係課長による防災危機管理情報伝達システムの調査検討会を設置いたしまして、学識経験者、民間団体等の意見を聞きながら検討を行ったところでございます。平成21年度には、西区の町内会の避難訓練におきまして、避難行動を促進するための情報の伝達手法につきまして実証実験を行ってまいりました。22年度は、総務省が進めているご指摘の安心・安全公共コモンズについて調査を行ってまいりましたが、22年度は特段の進展が見られませんでした。平成23年度は実用化試験への参加が可能となったことから、現在、参加に向けて準備を進めているところでございます。
なお、経営会議につきましては、毎月、定例的に開催し、全職員で情報を共有しながら業務の進行管理を行っております。
◆こじまゆみ 委員 平成20年度からシステム調査検討会、西区での情報の伝達の方法と、そして、23年度は安心・安全公共コモンズに参加という形で検討されているということでございます。
危機管理において重要な要件とされるのは、やはり情報だと私は思います。指揮、統制、通信、情報、コンピューター、いわゆるコマンド、コントロール、コミュニケーション、インテリジェンス、コンピューターというふうに言われておりますC4Iの五つの要件が重なって実際に危機管理対策が行われているというふうに私は思います。それに訓練等の実働が加えられてくると思います。
この中で、特に大震災の中で相当数の多くの人が困惑していたことは、やはり連絡がとれない、情報がわからない等ではなかったかと思います。それは、札幌のみならず、全国でも同じように、現地の状況、安否の確認等が少なからずあったはずです。緊急時に多くの人が携帯電話等の情報伝達ツールが使用できず、不安を抱え、憔悴して右往左往する状況は、震災からしばらくたっても続いておりました。この震災後、札幌市の各区においても、意見交換会等において、災害時の情報共有、情報収集という観点から、災害時には携帯電話が使用できなくなるのでは、正しい情報があれば冷静になれる、情報を寸断された場合を想定して事前に話し合っておくことが必要等の市民の意見が多くありました。
地震等の災害発生直後は、札幌市全域における被害の早期把握を行うための体制と、その時々で求められる情報を最適なツールを選択して、市民へ伝達し、市民の心の安定と社会の秩序の維持を図ることが重要であると考えますが、札幌市の現状はいかがなのか、お伺いいたします。
◎山崎 危機管理対策部長 情報の収集・伝達ツールについてお答えいたします。
本市では、テレビ、ラジオ等の放送事業者による情報伝達のほかに、災害の状況に応じまして広報車や職員による呼びかけによりまして伝達することとしております。市民が情報を収集する際のツールといたしましては、気象台とか北海道、あるいは札幌市が運営するホームページ、また、携帯電話のメールで情報を受信することができる北海道防災情報や、携帯電話各社が提供している緊急地震速報の利用をお願いしているところでございます。
ラジオ、テレビ等につきましては、災害時において有効な伝達手段の一つであることから、北海道、市町村、放送事業者の間におきまして、放送を活用した避難勧告等の情報伝達に関する北海道ガイドラインをつくりまして伝達体制等を定めるとともに、本市におきましては、地域に密着した情報を提供できるコミュニティFM局と災害発生時における非常放送に関する協定を締結いたしまして、非常放送を通じて災害に関する情報を提供することとしております。
◆こじまゆみ 委員
東日本大震災では、市民が情報を取得する手段として、今言われましたテレビやラジオ、新聞といった既存のメディアのみならず、インターネットが幅広く利用されていたようです。通話が通常時の約60倍にもなり、そのまま放置すると交換機がダウンしてしまうので、一般通話を90%規制していたとも言われています。そしてまた、基地局の鉄塔も有線で電気が必要ではありますが、バッテリーがなくなり、通話ができなくなったとも聞いております。地震発生後の電話やメールがつながりにくい状況において、ツイッター等のソーシャルメディアが利用者同士の安否確認、被災地からの情報発信や情報交換を可能にし、災害に活用できるメディアとして有用性を示していたとも聞いています。
しかしながら、利用者の年齢層は比較的若年層が多いことも報告されており、高齢者や情報技術の弱者に対する配慮が必要であると考えますが、札幌市は、今後、このようなツールの活用についてはどのように考えているのか、伺わせていただきたいと思います。
◎山崎 危機管理対策部長 安否情報等についてでございます。
ツイッター等のソーシャルメディアの有効性につきましては、各方面で取り上げられておりますけれども、誤った情報が瞬時に拡散いたしまして、混乱を発生させるというような脆弱性も明らかになってきております。一方で、震災後のアンケート調査では、情報を得るために役立ったメディアといたしまして、震災が起きてから数時間はラジオが最も有効であった、1週間を経過するとテレビが役に立ったというような調査結果が報告されているところでございます。過去の災害におきましても、地元ラジオ局が長時間にわたりまして安否情報やライフラインの復旧情報、生活情報を放送し、高い評価を受けており、地域に密着した情報であることから、高齢者にも利用しやすい情報収集ツールであるというふうに考えております。
また、先ほど申し上げた本市のコミュニティFMでは、災害発生時における非常放送に関する協定に基づきまして、非常事態に関する情報とか避難勧告・指示、避難誘導等のほかに、市民の安否及び被害に関する情報が放送されることになっておりますし、安否情報につきましては、通信各社によりまして災害用の伝言ダイヤルあるいは災害用の伝言板等が災害時に開設されますので、出前講座等におきましてこれらの利用を市民の皆様にお願いしているところでございます。
◆こじまゆみ 委員 ラジオ、テレビが有効であったということでございます。
放送事業者による伝達では、本市エリアに限定した詳細な情報の提供は、キー局やローカル局にかかわらず、情報の収集と伝達作業がスムーズでなければ生きた情報とはなりません。広報車や、先ほどおっしゃっていました職員による呼びかけ等では、寒冷地特有の機密性の高い住宅、高層建築物の中にいる場合には聞こえません。人海戦術で対応しても、例えば大雨、積雪の天候の場合は困難となります。先ほど申し上げたツイッター等のソーシャルメディアも、また基地局のバッテリーがなくなれば同様に使用できなくなってしまいます。基地局エリアを大ゾーン方式に変更したり、バッテリーを車載の移動基地局を配置したり、さまざまな工夫がなされるようにはなっています。また、緊急速報を配信するエリアメール等も、回線混雑の影響を受けずに受信できるようになりました。災害用伝言メールも、ブログやツイッターとともにつなげる方法等も考えられております。これらの迅速で確実な情報伝達は、安心で安全なまちづくりには必要不可欠でございます。調査研究がずっと進められておりますが、一日も早く調査研究の域を超えて確実な情報収集・伝達体制の確立をしていただくことを求めて、一つ目の質問を終わらせていただきます。
二つ目に、防災行政無線の更新整備について伺わせていただきます。
先ほども防災行政無線のお話が質問として出ておりましたが、市民の個々の情報収集・伝達のあり方に関して情報伝達ツールのことについて伺いました。次は、災害本部と関係機関等、核となる拠点間の情報のやりとりのために整備されている防災行政無線についてお伺いします。
本市の防災行政無線は、大規模な災害が発生し、通信回線が途絶した際に、応急体制確立のため、迅速かつ的確な被害情報の収集・連絡活動を行うための通信手段として整備されてきました。小・中学校の避難場所、まちづくりセンター、地区センター、災害時基幹病院等に設置、整備され、防災用として特定の人が連絡をとり合うものであると伺っております。この防災行政無線の更新整備に係る基本設計が行われていると聞いておりますが、防災行政無線は、いつ、何どきでも使用できなければ困るわけであり、機械であれば更新は必要となってくることも理解できます。
そこで、防災行政無線の更新の必要性と耐用年数について伺わせていただきます。
◎山崎 危機管理対策部長 まず、更新整備の必要性についてお答えいたします。
本市の防災行政無線は、昭和63年にアナログ方式の無線設備により整備を行い、運用を開始いたしたところでございます。その後、平成13年度、14年度の第1期拡充整備におきまして、デジタル方式の移動系無線局により拡充整備を行いました。平成15年度から17年度の更新整備事業におきまして、統制局、基地局及び移動系無線局をデジタル方式に切りかえ、現在の防災行政無線システムが構築されております。その後、平成20年度、21年度の第2期の拡充整備におきまして、小学校等の収容避難場所、まちづくりセンター、防災関連機関等に拡充整備を行ってまいりました。
平成13年度に整備した無線機につきましては、法定耐用年数である10年を迎えることから、順次、更新整備を行う必要がございます。この場合の耐用年数についてでございますが、減価償却資産の耐用年数等に関する省令におきましては、通信機器の耐用年数は10年と定められておりますが、耐用年数を経過したからといって通信機器の性能が維持されない、使用できないということではありません。しかしながら、定期的な保守点検により機器の性能劣化の早期発見や性能維持等に努めたとしても、装置本体及び交換部品の製造中止等によりましてシステムの拡張、障害の修理等への対応が不可能となることも考えられますことから、経過年数等を考慮いたしまして、逐次、更新する必要がございます。
また、防災行政無線システムの監視装置にはコンピューターを使用していることから、OSのサポートが終了したり、構成部品の規格が新しくなって交換部品の入手が困難になるなど障害発生時等の対応が不可能となることから、更新整備によりまして安全な維持管理体制を構築する必要があるというふうに考えております。
◆こじまゆみ 委員 更新の必要性、耐用年数は10年ということでございますが、やはり、一斉に整備を進めてきたからには一斉に更新の時期がやってくるのではないかと心配にもなります。また、日進月歩の通信機器、OS等のコンピューター等の部品も変わってくれば、10年前のものが生産されておらず、新しく更新しなければならないということも出てくるでしょうから、一遍には無理だと思いますので、耐用年数を考慮しながら計画的に更新を推進することが必要だと思います。
そこで、その更新整備計画について伺わせていただきます。
◎山崎 危機管理対策部長 更新整備計画についてでございます。
全体計画といたしましては、平成23年度、今年度に基本設計、平成24年度に実施設計を行う予定でございます。平成25年度に更新整備に着手することになりますけれども、平成36年までの12年間で統制局、基地局を含めて818局の移動局全体の更新を行う予定でございます。
◆こじまゆみ 委員 平成36年、12年間かけて818局と、非常に長い年月だと思いますが、途切れることなく整備を持続していただきたいと思います。
通信手段の確保がなければ、情報の流れは停滞し、生かされません。災害時には、関係機関それぞれが固定回線、携帯電話、電子メール、防災行政無線、関係機関の緊急連絡システムやアマチュア無線、または広域災害緊急医療情報システム等、考えられる最大限のツールをその特性に応じて選択し、活用していかなければなりません。市民はその受け手となるばかりではなく、みずから情報を発信し、情報の提供あるいは要請をすることになることから、
危機管理対策室は、これらの情報の流れが滞ることなく、受信、収集し、整理、分析、統合、そして発信がなされるよう情報ネットワークの構築とスムーズな活用のために平常時から備えていく必要があると思います。各区の体制整備はもちろんのこと、小グループごとの情報の把握、避難場所等における備蓄物資、安否状況等の把握ばかりでなく、防災行政無線の利用方法、災害弱者のためのマップ、緊急連絡網の整備、個人情報や守秘義務についての対応等、課題は決して少なくないと思います。「備えあれば憂いなし」、平常時からの防災危機管理意識を高揚させ、いかに市民の方々へ浸透させていくかが重要となります。
そこで、次に、防災危機発生時の市民の自助、共助の対応力を高揚するために実施されている、3番目の出前講座の質問に移らせていただきます。
災害時対応力を高めるために、毎年、さまざまな訓練や研修が市民参加で行われております。いざというときのために、実際に防災システムやリスクマネジメントシステムがスムーズに運用されるか、検証しておくことは大切だと思います。訓練、研修に参加する方は、危機管理意識が比較的高く、防災担当者や避難場所の運営や実務に当たる方など、ある程度限定されています。災害に対する備えを確実なものにしていくためには、防災のための正しい知識を身につけ、適切な行動がとれるよう日ごろからの環境づくりが必要であります。
平成22年度
危機管理対策室実施プラン期末報告では、
自主防災組織の結成率が89%と、成果指標をほぼ達成するものでありましたが、DIGの普及支援では参加人数が929人と、指標より大きく下回っております。これは、前年まではDIGの普及員を養成し、実施状況も好調であったようですが、残念な結果でもあります。
その一方で、出前講座は、昨年度の実施回数は63回で、延べ受講者数は3,185人でありました。これは、ことしの
東日本大震災の影響もあり、非常に人気も高く、私もお願いしようと思いましたところ、年内は予約や予定がいっぱいで対応できず、断らざるを得ないと聞いております。
そこで、今年度の出前講座の実施状況について伺います。
◎山崎 危機管理対策部長 今年度の出前講座の実施状況についてお答えいたします。
当市の出前講座は大変人気がございます。昨年は63回、一昨年は75回でございましたけれども、今年度は、
東日本大震災により市民の災害への関心が非常に高まったということで、さらに申し込みが増加しております。今現在、既に56回ということで、今年度分は、現時点で考えましても86回以上にはなるというふうに考えているところでございます。
ただ、課長職2人で一生懸命対応させていただいているわけでございますが、平常業務との兼ね合いから、非常に心苦しいながらも相当数はお断りさせていただいている状況にございます。
出前講座につきましては、市民に直接語りかけ、質疑を通じて互いに理解を深め合う貴重な機会ととらえておりますので、今後も可能な限りご要望におこたえするべく業務スケジュールを調整して取り組んでまいりたいというふうに思います。
◆こじまゆみ 委員 今伺ったところによりますと、可能な限りということではございますが、2名の課長が講師として派遣されているようでありまして、市民の危機管理意識、自助、共助の対応力を高めるためにも本当に今がチャンスであると考えます。ちょうどニーズが高くなっているわけですが、この市民のニーズが高まっているこの機会を逸することなく、防災危機管理意識を高める上で本当に大きなチャンスであり、断ることなく対応できる方法はないのか、この機運を上手に活用できるよう早急に体制整備をしていただくことを求めます。また、出前講座も、受講するといった市民の方々が受け身で参加するだけではなく、それこそ、先ほどDIGの普及支援の参加人数が下がっていたと言いますけれども、DIGなどのグループワーク等も取り入れて、体験型の研修も取り入れていくことは効果的だと私は思いますがいかがか、伺います。
◎山崎 危機管理対策部長 ただいま委員よりご提案のありました出前講座とDIGを組み合わせた体験型の研修実施についてお答えいたします。
出前講座のパンフレットにも記載されておりますけれども、勉強会や研修会、サークル活動の後にぜひどうぞというふうになっているところでありますので、ご提案の内容はまさに本来の目的に沿ったものであるというふうに考えております。特に、DIGと組み合わせるということは、災害対応から考えますと効果的と考えますので、今後は各区とも連携をとりまして実施に向けて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
◆こじまゆみ 委員 今、機運が高まっており、大きなチャンスです。ぜひとも、出前講座は断らず、DIGを組み合わせ、効果的な出前講座の展開をお願いしたいと思います。
マンションなど高層化する都心部では、町内会活動や隣近所との交流のないところもあり、地域での
自主防災組織の組織人員の構成や高齢化など、共助にもまだまだ課題はあると言えます。危機管理を通して防災に強い安心で安全なまちづくりを全庁的に改めて検討し、現状に満足することなく、よりよい体制に刷新していただくことを求めておきます。まさしく、防災危機管理対策は、先ほども申し上げましたが、「備えあれば憂いなし」、まさかのための準備ではありますが、日ごろの備え、心の備えが必要です。
先日、私がいただきました「家庭防災のしおり」の中に、冬の避難の寒さ対策のため、非常持ち出し袋の中に不要になったスキーウエア等を備えておくこととありました。ここ数日、寒さが増してきておりますので、私も持ち出し袋が家にございますが、冬物を準備するときと同じように、冬用の防寒対策、防災対策ができるように備えておこうと思います。できれば、自助、自分の命は自分で守るつもりで最低限の準備ができる市民、そういった機運を高めて、そうした市民がふえることを願い、私の質問を終わります。
◆福士勝 委員 私から、危機管理体制に関する諸問題について、数点お伺いいたします。
2004年に
危機管理対策室が設置されて、7年が経過いたしました。その間には、自然災害はもちろんのこと、2008年には北海道洞爺湖サミット開催に伴う札幌市内の安全対策を行うなど、さまざまな危機事象に対応し、実施してこられたところでございます。また、先ほど来出ておりますが、本年3月11日に発生した
東日本大震災においては、札幌市としてもさまざまな支援を行っており、現在も継続しているところでございます。これらの対応を通して、
危機管理対策室としてはさまざまな経験が蓄積されてきたというふうに思っております。こうした札幌市の取り組みについては、私としては高く評価しているものでありますが、以前にも指摘したとおり、常に、どうして危機が起こるのか、そして危機が起こる前、起こっている最中、さらには、起こった後にそれをどのようにして管理することができるかについて、最も効果的な枠組みをつくり、実効性を高めるための体制等に関して調整、研究を継続してほしい、こう要請してきたところであります。
そこでまず、第1点目の質問でありますが、危機管理に対する
危機管理対策室としての基本理念についてお伺いしたい。
また、危機事象が発生した際の
危機管理対策室の役割や対応手法、これまでの対応を通して得られた課題について、あわせてお伺いさせていただきます。
2点目は、札幌市では、毎年、札幌市地域防災計画に基づく各種防災訓練が実施されておりますが、昨年度は、5年ぶりに市長を本部長とした札幌市災害対策本部訓練が実施されました。この訓練では、平成20年度に公表された第3次地震被害想定に基づき、冬季の大規模地震災害の発生を想定し、ロールプレーイング方式による状況付与型の図上訓練という手法を用いて、市長、副市長を初めとして、市職員及び自衛隊、警察などの防災関係機関の職員総勢256名が参加し、大規模災害時における災害対策本部の一連の活動の検証が行われてきたところでございます。特に、この訓練の検証に当たっては、本市としては初めての取り組みとして、訓練の計画段階から防災に関する専門的な知識を持った外部評価者が参画し、訓練全体について外部評価者による評価、検証が行われたというふうに聞いております。
そこで、質問でありますが、札幌市災害対策本部訓練の外部評価で明らかになった課題、さらには、その課題等への具体的な取り組みの状況について、まずお伺いいたします。
◎山崎 危機管理対策部長 危機管理体制について、まず、3点お答えいたします。
まず、1点目の危機管理に対する基本理念についてでございます。
本市が定めております危機管理基本指針では、地震や台風などの自然災害のほかに、市民に重大な影響を及ぼす事件・事故及び武力攻撃等の三つを危機事象としてとらえまして、各局部が平素からこれらの危機事象に係る要因の把握に努め、対応マニュアルの整備、情報連絡体制の確立を図るとともに、緊急時には迅速かつ的確な対応により市民の生命、身体及び財産を守ることを基本理念としております。
次に、2点目の危機事象発生時の
危機管理対策室の役割や対応手法についてでございます。
危機管理業務の統括部署といたしまして、情報収集・伝達及び共有化、収集した情報に基づく被害予測等の分析、関係部局との対策案の検討及び助言など、災害対応に係る総合調整に当たりまして、災害対策本部長である市長の補佐役として活動することになっております。
次に、3点目の危機事象への対応で得られた課題についてでございます。
本市では、近年、幸いなことに大きな災害に見舞われておりませんけれども、事象によりましては関係部局におきまして認識の度合いが異なりまして、的確な情報提供とか報告がなされていない、あるいは、伝達される範囲が不十分であるといったことも見受けられました。こうしたことからも、各部局が共通の認識を持って危機事象に的確に対応できるよう、訓練や研修を通じまして職員の危機管理意識の向上に努めてまいりたいと考えております。
それから、大きな二つ目の札幌市災害対策本部訓練の外部評価についてでございます。
外部評価者の全体考察の中では、訓練の事前の段階といたしまして、参加職員が災害対策本部設置時の役割や基本的な活動要領の確認をすることなどの意識の向上が見られました。このほかに、災害業務マニュアルを事前に確認することにより、不足事項を事前に認識し、見直しに向けた業務を進めるなど、一般的な訓練では得られない効果があったというような評価を受けたところでございます。
一方、訓練の運用面におきましては、各局の情報連絡員と本部事務局との連携が不十分であり、各局・区への適切な情報の共有化が図られなかったなど、情報伝達のあり方が指摘されたところでございます。これらの課題につきましては、訓練報告書に取りまとめをいたしまして、今後の災害対策の参考資料として各局・区に配付いたしまして、現在、それぞれ課題改善に向けて取り組んでいるところでございます。
また、外部評価で指摘されました情報伝達や情報共有のあり方につきましては、来月の11月に豊平区で実施する区災害対策本部訓練におきまして検証してまいりたいというふうに考えております。
◆福士勝 委員 ただいまの答弁では、本部訓練に参加した各局は、全体的には防災能力の向上に資する効果が得られたという評価がある一方、課題としては、情報伝達や情報共有に関する事項を外部評価でも指摘されたということでありますから、今ご答弁のあった11月の豊平区での訓練を実施して十分に検証していただきたいし、これらを通じて職員の危機管理意識の向上にも努めていただきたいというふうに思っております。
次に、国内では、今年に入って地震や風水害等の大規模な自然災害が頻繁に発生しております。3月の
東日本大震災、9月に襲来した台風12号、さらには15号では、一時、100万人を超える住民に避難勧告・指示が出されました。こういう意味では、激しい雨の影響で河川がはんらんする自然災害の恐ろしさをまざまざと見せつけられたところでございます。
いずれにしても、札幌市は比較的災害が少ない都市と言われておりますから、そういう意味では、危機管理に対する意識も極めて低いという面も事実としてあるわけです。昭和56年の大水害と言われる56水害以来、大規模な災害発生がありません。しかしながら、今年9月には、南区で降り始めから雨量が300ミリを超え、56水害の再来と言われる報道もなされたところであります。そういう意味では、豊平川などの河川の増水、一部道路の冠水などが発生いたしておりますが、幸いにして大規模な水害事象の発生もなく、事なきを得ております。しかし、多くの市民の方々は、前段に申し上げた関係では、不安な時間を過ごされたというふうに思います。
そこで、質問でありますが、いつ発生するかわからない危機事象に24時間体制で対応するための体制やスタッフの確保、また、人材育成についてどう取り組んでいるのか、お伺いいたします。
◎山崎 危機管理対策部長 危機事象への対応についてでございます。
24時間体制の消防局指令課と私ども
危機管理対策室が情報連絡体制を確立しておりまして、指令課で気象情報、災害情報等を入手した場合には、必要に応じて関係各局へ電話の一斉連絡システムを使いまして情報伝達をしているところでございます。また、札幌市に気象警報等が発表された場合に、当室のほかに、関係各局が必要な職員を待機させ、被害発生に備えた警戒配備態勢をとり、さらに、総合的な災害対策を実施する必要があると判断された場合におきましては、市長を本部長とする災害対策本部体制に移行し、職員を招集して災害対応に当たることとしているところでございます。
人材の育成につきましては、防災と危機管理に関する能力と意識の向上を図るために、毎年、階層別の研修、それから実践的な図上訓練や実働訓練など、実効性の高い研修訓練を実施しているところでございます。
◆福士勝 委員 いずれにしても、
危機管理対策室は、副市長直轄の局組織として設置されており、危機事象への対応に当たっては、室長から副市長、そして市長へと意見具申や報告が行われて、市長からの指示を受けて災害対策が実施されることになっております。しかしながら、副市長は、複数の局の事務を統括しており、一刻を争う危機事象に迅速に対応することができるのか、疑問に思っているところであります。
そこで、質問でありますが、この大震災の発生を踏まえて、
危機管理対策室の組織体制についても見直しを行う時期に来ていると思うがいかがか、お伺いいたします。
◎山崎 危機管理対策部長
危機管理対策室の組織体制の見直しについてでございます。
危機管理対策室の組織体制につきましては、緊急事態発生時に市長を本部長とする対策本部を設置して対応するということでございますけれども、本市では、市長が的確な判断を行うために、平成17年3月に札幌市危機管理基本指針を定めまして、
危機管理対策室を所管する副市長を統括危機管理責任者、各局・区の長を危機管理責任者といたしまして、札幌市全体で危機管理対応力を高める取り組みを進めてきたところでございます。今後につきましても、こうした取り組みのさらなる充実を図ってまいりたいと考えておりますが、
東日本大震災における被災自治体や他の政令都市の状況も踏まえまして、組織体制についても研究してまいりたいというふうに考えております。
◆福士勝 委員 ただいまの答弁で、危機管理基本指針を定めているわけでありますから、それを活用しながら云々となるわけでありますが、いずれにしても、所管する副市長を統括管理責任者、各局・区の長を危機管理責任者という位置づけで全市的に危機管理対応力を高める取り組みを進めている、そして、最後には、震災があったとしても被災自治体や他の政令指定都市の状況を踏まえて市民から求められるような組織体制について研究してまいる、こういう答弁であります。
しかしながら、私が4年前に質問したときの答弁内容から、この大震災の発生を踏まえても今のような答弁の形であると、いささかいただけないし、極めて遺憾に思っているところであります。
そこで、小澤副市長にお伺いいたします。
危機対応のメジャー組織である自衛隊、警察、消防等によると、トップには常に数名の参謀が存在し、意思決定のフェーズでは多くの参謀から意思決定の材料がそろえられ、参謀の意見を聞きつつも、トップみずからが判断の上、意思決定をする、こういうふうに言われております。組織が違ったとしても、人の命にかかわる防災危機管理にトップダウンは不可欠であります。トップダウンが円滑に行われるための意思決定の仕組みは、私は極めて重要だというふうに思っております。
このことに関して、意思決定の仕組みの説明を受けましたけれども、庁内会議を開いて、各局長から状況説明を行い、事務局の
危機管理対策室長が集約する、そして、最終的に市長が意思決定をするというふうに聞いていて、いわば、合意形成型の意思決定のやり方で、情報が共有されるということでは大きなメリットがあるというふうに思います。しかし一方では、個別の危機への対応、対処では、
危機管理対策室長が関係局長から必要な情報を吸い上げて、危機管理の所管副市長にまず報告する、そこで、一定の方向性を導き出して市長が意思決定をするというふうに聞いております。このやり方は、
危機管理対策室長と所管副市長の両者が危機管理、危機対応という専門的な知識とか知見を有し、経験豊富であれば十分機能するというふうに私は思っております。
こうした状況を見たときに、
危機管理対策室長は2年ごとに――3年の人もいましたから、数年ごとに交代する。(発言する者あり)1年の人もいたということでありますが、とにかく、ころころかわる。こういう
危機管理対策室長と所管副市長はとにかく市政の重要課題を幾つも背負っているわけでありますし、平常時と緊急時の重責をあわせ持っており、一刻を争う極めて緊急な局面を迎えた場合、素早い判断を導き出すことに無理はないのか、あるいは、誤った意思決定に結びつくリスクもあるのではないかというふうに危惧をしているところでございます。
そこで、例えば、特別職相当の危機管理監の新設をしてはどうかというふうに思います。横浜市では、消防局長が危機管理監を兼務しております。その形でやれということではなく、札幌市はあくまでも特別職相当の危機管理監の新設ポストをつくってはどうか。小澤副市長にご答弁をお願いします。
◎小澤 副市長 危機管理についていろいろとご心配をいただいて、ありがたく思っているところでございます。
一たん、有事の場合、緊急時の場合は、私が日ごろ所管している事務で何を優先的に判断しなければいけないかということはきちんと判断させていただいて、緊急時であれば私はそれに専念させていただく体制で当面は乗り切っていきたいというふうに考えております。
今の危機管理体制は、先ほどお話がありましたように、発足してそんなに歴史を重ねておりませんけれども、短い歴史の中でもいろいろな経験を積んでまいりました。その経験をいろいろな場面で生かしていくことがまず大事であると思います。これまでの経過の中では、現在の体制で不都合が生じたというようなことは、私自身は、特段、感じていません。いずれにいたしましても、私は、市長を補佐する立場での統括責任者ということでありますので、きちっと職責を果たすように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
◆福士勝 委員 副市長からご答弁をいただいたわけでありますが、いずれにしても、想定内の答弁内容でございます。
先週の18日に、市長の定例記者会見がございました。防災体制の見直しをしっかりと行うとの見解を耳にしたときに、先ほど来、出ている自助、共助、公助のトータル防災を意味するものだというふうに私は理解いたしました。そうであれば、生命を脅かす不測の危機的な事態など、緊急の重要局面を迎えた場合、今までは不十分はなかったというふうにおっしゃっているわけでありますが、いずれにしても、市長の意思決定が遅延せずにスピード感を持って下せるよう、卓越した判断能力を有するという意味での特別職の危機管理監ポストの新設を私は望みたいと思っております。先ほど来、るる答弁いただきましたが、本当に現実的なものかどうか、あるいは別な角度からふさわしいポストをよりすぐる選択肢は本当にないのかどうか、私は、この震災を契機に十分に考える時期だというふうに思っております。
いずれにしても、危機管理は最悪を想定することが基本でありますから、想定外はもはや通用しないということだけははっきりしております。そういう意味では、今こそ、一歩も二歩も踏み込んで、この点について検討していただくことを要望して、今回の質問を終わります。
◆本郷俊史 委員 私からも、地域防災計画と
危機管理対策室に関連して、提言を交えながら質問させていただきたいと思います。
平成22年度決算での
危機管理対策室の地域防災計画修正費692万5,800円ですが、これは、平成22年9月14日に地域防災計画を策定されました。これでは、実に死者が8,234人を想定していて、阪神・淡路大震災を超える被害を想定しています。
私は、ここまでの計画をつくられたということは大変評価をしています。問題は、防災計画をつくることが目的ではなくて、まさに、この防災計画に基づいていかに限りなく災害による人的被害、死者をゼロに近づけていくか、対策を進めていくかという意味では、これからが
危機管理対策室の本当の仕事だろうというふうに思っております。
そこで、最初にお聞きしたいのは、地域防災計画ですが、仕方がない部分もあるのですけれども、この被害想定に対してどう減災するかというところにどうしても重点が行く。しかし、阪神・淡路大震災から16年がたって、いろいろな教訓が浮かび上がってきております。この委員会でもアスベストの問題が議論されました。16年前に瓦れきの処理をした作業員、あるいはボランティアで行った方、どこで、どれだけの人がどれぐらいアスベストを吸ったかわからない。今、15年、16年がたって、中皮腫の問題もあります。あのときは、死者が6,000人を超えましたけれども、災害によって障がいを負った方、瓦れきの下になって重傷を負った方が1万人を超えておりました。災害障害見舞金の受給者がわずか64人です。この問題も10数年たってようやく光が当たりました。
そして、一番問題なのは、今回の代表質問でも國安委員から指摘しましたけれども、仮設住宅での孤独死です。3カ月、4カ月と大変な避難所で暮らしていて、せっかく抽せんで当たって仮設住宅に入ったのに、そこで233人、さらに、その後の復興公営住宅も含めますと、この16年間で914人の方が孤独死で亡くなっています。ですから、今、この地域防災計画は、原発、津波、そして避難所の環境整備という観点で見直し作業が進んでおりますが、この災害をいかに小さくするかという対策はもちろんですけれども、私は、あわせて復興対策編とも言うべき計画が必要だというふうに考えております。
仮設住宅に関しても、今回の
東日本大震災でも、阪神・淡路大震災の教訓が生かされているかというと、必ずしも生かされていない。夏までに5万戸の仮設住宅をつくると総理が言いました。1カ月おくれましたけれども、9月には5万戸をつくりました。しかし、実際の入居率は85%です。交通の便が悪い、学校、職場に行けない、あるいは、周りに買い物をする店がない。数はつくったけれども、使われていない。まさに、これは税金のむだです。何といっても復興のかなめは、被災者の生活再建が第一優先です。ですから、本来は、そのことも防災計画の中でしっかりとつくっておくことが大事だと。病気で言えば、病気にかからない予防医学が大事ですけれども、いざかかったときに治療が受けられると。
そういう意味で、私は、この復興対策編というものを検討すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
◎山崎 危機管理対策部長 復興計画の見直し、充実についてということでございました。
復興に当たりましては、被災規模とか被災地域などさまざまな要因によりまして復興の基本方針や重点項目の内容などを決めていく必要があることから、現在の地域防災計画には、基本的な考え方と都市の復興計画策定までの大まかな流れのみを掲載しているところでございます。ただ、今回の
東日本大震災の教訓を踏まえまして、復興計画を含めて札幌市地域防災計画全体の総点検を行っていきたいというふうに考えているところでございます。
◆本郷俊史 委員 ぜひ検討していただきたいと思います。
この災害復興の第一歩は、まず避難所です。発災直後、初動段階では、何といっても人命救助、消防で言えば消火活動です。それと同時に、けが人の搬送などがあります。そして、避難されてきた方を保護する、避難所に受け入れる。避難所については、今、見直しの中でされておりますので、これも、阪神・淡路大震災のときのように、本来、2週間から3週間程度の避難所生活であればまだしも、これが3カ月、4カ月となると、その避難所から通勤したり、通学したり、生活の場となります。しかし、また今回も本当に1人2平米という段ボールで囲ったようなことが繰り返されているわけです。今回は、建築科の学生が段ボールでつくった間仕切りなど、最低限のプライバシーの確保ができるようなことをやっておりましたけれども、そんなことも事前に準備をしておけばできることです。こういうことは、ぜひ今回の検討の中に入れてほしい。
そして、毎回問題になるのですけれども、避難場所に救援物資が届かない。食糧、水、毛布などです。テレビでは、ここの避難場所に救援物資が届かないということが映ります。そして、次の日も、その次の日も同じ場所で映る。どうしてテレビで映っているのにそこに届かないのだということがあって、今回の3.11の後に、市民の方から、私はきのうテレビで出ていたところに水と食糧を4トントラックで直接運びたいのだと。その当時は道が窓口でしたから、直接、民間の人が行けない状態でした。神戸のときもそうですけれども、どうしても中心部が孤立する。そのときに、609カ所の収容避難場所にそれぞれ備蓄されていればいいかもしれない。しかし、それは現実的になかなかすぐにできる話ではない。
そうなったときに、札幌市が持っている財産を活用しない手はない。地下鉄です。私も、神戸の地震の直後に現地に行きました。JR、阪神、阪急、新幹線、高速道路、全部、復旧までに何カ月もすごい時間がかかった。その中で、唯一、動いていたのは神戸の地下鉄です。技術のことですから室長もおわかりだと思いますが、土木構造物、地下構造物、シールド工でつくったトンネルは壊れない。ただ1カ所、大開駅が開削工法で柱がやられていたために、そこだけ折り返し運転になっていました。電気が復旧すれば地下鉄は使えます。そして、札幌市の地下鉄は、平成20年に耐震化工事が終了しています。
そこで、私も、そのことを平成8年2定の代表質問で質問させていただきましたが、札幌の地理的条件を考えれば、豊平川で東西が分断したときに地下鉄が2本渡っているということがある。真駒内自衛隊駅前からは、物資だけではなくて救援隊もすぐに運べる。また、丘珠空港で救援物資を栄町で載せて運べる。私は、地下鉄の活用をこの地域防災計画の中に明確に位置づけていただきたい。そして、物資輸送に関しては、昨年、市長政策室ですか、地下鉄を活用した物流の社会実験、宅急便で実証済みです。時間も短縮したし、トラックも減って、CO2も減ったということでございます。医療関係だったり、ドクター、看護師、また、それらの物資輸送もできるわけでございますので、ぜひこれを明確に位置づけていただきたい。地下鉄で運べば、その後は人海戦術です。
あわせて、位置づけるだけではなくて、先ほど来も話がありましたが、実際に防災訓練のときにシミュレーションをやってみる。DIGと一緒です。どれくらいの輸送量があって、どれくらいの時間で運べるのか、ぜひ検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。
◎山崎 危機管理対策部長 地下鉄を利用した輸送計画の位置づけということでございます。
現在、地域防災計画に地下鉄を利用した輸送計画については位置づけがなされておりません。ただ、災害時の道路寸断等によりまして通常の輸送手段が困難になったときには、地下鉄の利用が必要になる場合も考えられると思います。ただ一方で、地下鉄の物資輸送におきましては旅客輸送上の制約もございますので、まずは、今後、交通局と輸送計画の策定に向けた協議を進めていきたいというふうに考えております。
◆本郷俊史 委員 国の防災会議も、大災害時には民間を含めてあらゆる交通機関を使いなさいとなっているのです。だから、今回も、民間のヘリコプターが物資を輸送しました。ところが、自衛隊は上から食糧を落としてもいいけれども、民間のヘリコプターは落としてはだめだということがあって、国会で問題になって民間も落とせるようになりました。ヘリコプターは、冬期間の吹雪などの飛べないときでも地下鉄は大丈夫ですね。冬は人員がふえるわけですから、この計画の163ページにJR、ヘリコプター、航空機、トラックとありますが、修正するときにぜひここに地下鉄を入れてください。
今度は、避難所の次の段階です。
やっぱり、2週間、3週間ぐらいで仮設住宅に移れることが理想です。半年も避難所で暮らしなさいということは、被災者にさらに困難なことを突きつける2次被害、それを復興災害と言っている人もいます。ということは、この段階で仮設のことも考えておかなければいけない。仮設は都道府県の仕事ですと。つくるのはそうかもしれません。でも、実際は地元の自治体がやらなければ進みません。
これは、今回の震災で岩手県土木部住宅課が仮設住宅についてのレポートをしています。配慮した点、苦慮した点、そして、ここで言っているのは、今後の課題として、災害救助法の指針では、応急仮設住宅の建設用地は公有地を原則とするとなっていますね。しかし、実際はこんなことをやっていられなかったと。民間施設も借りなければとても間に合わない。この候補地選定のリストアップには、地元の状況に精通した市町村職員の能力や交渉力、市町村の幹部が極めて重要な役割を果たしてもらった、県だけではとてもできませんでした、こう言っているのです。
先ほど言いました孤独死の問題に関しても、やはり、入居のあり方、入居することによってコミュニティーが崩壊してしまう、こういうことではなくて、そういう工夫も含めてやることも大事ですし、仮設住宅だけでいいのかということもあります。実際に、仮設住宅は最長で2年3カ月ですか、終わったらこれは壊します。撤去費用がかかります。ですから、今回も問題になっていますけれども、断熱とか居住性などにお金をかけられないのです。
そこで、今回、福島県では1万8,000戸のうち4,000戸を地元の建築士会とか大学などで公募しました。そして、木造による一つの村というのでしょうか、そこにはケアハウスもあって、サポートする人がいて、孤独にならないような仕組み、あるいは、畑や菜園までつくる工夫をしている。なぜ木造でやっているかというと、1DK、2DKの仮設ですが、木造でやっていますので将来はそれを増改築することができる。さらには、一度、解体して自分の敷地に持っていって、今度は復興住宅に使える、あるいは恒久的な住宅に使える。そして、建築資材のベニヤも断熱材も福島が被災に遭ったために調達できなかった。そこで、おがくずを断熱材に使ったりして地元で調達しました。さらに、復興に当たっては、やっぱりそこに雇用や経済など、地元の材料、地元の設計、地元の工務店と、そこで働く場の確保、こういうことまで工夫されているわけです。
この仮設住宅においても、まずは用地の選定、それから、今言いましたいろいろな仮設のタイプ、仮設だけではなくて、現実は、仙台などでは顕著ですけれども、仮設住宅に入らないで、むしろ民間の借り上げ住宅に入っています。今、これも国の補助が出ていますので、そちらの方がニーズが多い。いろいろなケースが考えられます。
能登半島の地震の後に、被災者生活再建支援法が改正されまして、全壊、半壊の住宅に300万円の支給、これは渡し切りで返さなくていいものです。弔慰金法による災害援護資金の貸し付けは上限350万円です。そのほかに、北海道もありますけれども、都道府県で上乗せして助成と。
これは何を言っているかというと、一番は、被災を受けたところで、自分の住んでいたところで自力で再建できるのが一番ベターです。その分、仮設の戸数も減るわけですし、コミュニティーのことを考えてもいい。ですから、いろいろな選択肢がある。そういうことを考えていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
◎山崎 危機管理対策部長 応急仮設住宅の件でございます。
応急仮設住宅の建設に当たりましては、コミュニティ面での配慮、あるいは応急仮設住宅の仕様などにつきまして、今、委員がご指摘ございましたけれども、考慮すべき事項が多々あるというふうに認識しております。札幌市が担当する仮設住宅の入居者の選考に当たりましても、家族構成とか居住地域など被災者の状況に応じまして対応できるようにしていきたいというふうに考えているところです。
また、応急仮設住宅の仕様やプランニングにつきましては、北海道が担当すると委員がおっしゃっていましたけれども、これにつきましても、建設に際しましては北海道と十分に協議をしながら進めてまいりたいというふうに考えております。
◆本郷俊史 委員 最後に、2点質問します。
都市局の質疑のときに、上田市長に質問させていただきました。来年の3月11日、3.11からちょうど1周年です。被災地は当然ですけれども、いろいろなところで追悼のセレモニーなどいろいろな行事が行われると思います。3月11日は日曜日でございますが、先ほど出前講座の話がありました。大変好調です。ただ、これは、町内会や老人クラブなどの主催者があって、そこに
危機管理対策室が出向いて話をする。しかし、そうではなくて、札幌市は、先ほどありましたように、災害が少ないために防災意識が大変低いということをおっしゃいます。そうであるならば、やっぱり、ここは
危機管理対策室が一番危機感を持って、市民の防災意識啓発のためにも、札幌市主催でそういうシンポジウムなりセミナーなりを開催したらどうですかということを市長に質問いたしました。やるという前向きな答弁でございました。
さらに、これを一過性で終わらせない。というのは、私ども議員提案で、6年前に住宅耐震化促進条例をつくりました。そのときに、神戸、仙台、静岡など先進地をずっと回ったら、1.17の神戸の地震のとき前後が一番住宅耐震の診断を受ける件数がふえますとおっしゃっていました。せっかくつくった住宅の耐震化の補助制度が、残念なことに、1,200件の予算をこの6年間で組んでいたのですが、6年たって実際に使われたのが204件で、2割も使われていない。
ですから、私は、3.11を一日だけの行事に終わらせるのではなくて、例えば、札幌駅前地下通路は人の通行量がすごく多いです。あそこを借りて、被災地のパネル展示をする。あるいは、そのときも話題になりましたが、耐震補強にはお金がかかるから、市民の方はなかなか一歩進まない。けれども、今はいろいろな工法があり、安い工法もあるわけですから、工法の展示もする、さらには、そこで札幌市の補助制度のPRをする、あるいは、相談窓口をつくる、建築士事務所協会にも協力を得て。もっと言えば、1カ月ぐらいのスパンでもいいかもしれませんけれども、そういう取り組みを、ぜひ都市局と協力してというのか、僕は、むしろ
危機管理対策室から声をかけてやっていただきたいと思うのですが、長利室長の答弁の機会がなかなかありませんので、室長から答弁をいただきたいと思います。
もう一つ、これが最後ですが、先ほど
危機管理対策室の組織体制のお話がございました。私も全く同感で、これは、室長の後ろを見ると、支えてくれる課長がお2人しかいないというのが現実です。実際は、先ほど言いましたように防災計画をつくって、これからが本番の仕事です。設置理由の中で、なぜ
危機管理対策室をつくったかと。市長提案説明の中で、情報の収集、各局への指示、だから、まさに今の都市局で木造住宅の耐震化がなかなか進まないということであれば、これは
危機管理対策室からプッシュしなければならない。例えば、そういう権限の強化も含めること、また人的なこと、あわせて、先ほどありましたが、2年交代で職員がかわっていく。やっぱり、防災のプロを育てなければいけないということも含めて、これは小澤副市長に質問したいと思います。
そして、今、仮設住宅の話をしましたけれども、被災者の生活再建の基本は、何といっても住宅問題です。
危機管理対策室の中に土木の方もいらっしゃるし、消防の方もいらっしゃるのだけれども、私は、ぜひ建築の方、そういう部門を――それは都市局でやるのだと言えばそうかもしれませんが、都市局の日常業務は市営住宅あり、民間住宅あり、今はリフォームも大変好調で日常業務がありますから、このことに特化した仕事をしてもらう、そういう建築職です。人件費のことを考えれば、ベテランでノウハウもあって、いろいろな対外的な交渉もできる、再任用ということも視野に入れながら、ぜひそういう方を入れてもらいたいと思います。これは副市長にお願いします。
◎長利
危機管理対策室長 防災イベントの開催について、私からお答えいたします。
災害時の被害を最小限にするといういわゆる減災の考え方によりまして、ソフト対策がますます重要になってきておりますけれども、私どもも、家庭や地域の防災力を高めていくことが必要であるという観点から、市民の皆様の防災意識の向上を目的といたしましてさまざまな活動に取り組んでいるところでございます。
委員ご提案のように、
東日本大震災からちょうど1年となります3月11日に合わせたイベント等につきましては、ただいま申し上げたような観点から、市民の皆様方の危機管理意識の高揚のために効果的であるというふうに考えますので、他部局とも調整の上、その開催について検討してまいりたい、このように考えております。
◎小澤 副市長 段々の質問の中で非常に示唆に富んだ提案がたくさんありまして、本当にありがとうございました。
危機管理対策室につきましては、先ほど福士委員からも同じような趣旨でしたが、福士委員の場合は、危機管理監を特別職にというお話でございました。これについては私が当面やらせていただいているというお話をさせていただきました。
以前、計画をつくる場合に、
危機管理対策室におきましては国民保護計画をつくらせていただいたことがあります。あのときも、やっぱりスタッフが足りないということで、スタッフを増強したことがありますが、それは計画策定のための増員でありました。今回は、国民保護計画よりも非常に大きな札幌市の防災計画の見直しで、しかも、原子力災害については、調べてはおりませんが、恐らくその知識を持った職員はいないと思います。そんな中で原子力災害の見直し作業等を行わなければなりませんので、もちろん専門家のご意見もいただかなければなりません。地質学者とか原子力工学の先生やら、それから地域のコミュニティーの問題など、広範にわたるものと思います。
ですから、今いろいろと提案のあったことも含めて、
危機管理対策室がきちんと中枢として役割を果たしていくためにどんな体制がいいのかというのは、もうそろそろ定数要求などいろいろな時期に入りますので、すぐに結論が出るかどうかはわかりませんけれども、その辺はやっぱりきちんと考えていかなければならないと、時代背景はまさにそうだと思います。そんな意味で、貴重なお話を参考にさせていただいて対応していきたいというふうに思います。
◆宮川潤 委員 私は、災害時の備蓄物資の問題ですけれども、流通過程にある民間所有の物資の活用について質問させていただきたいと思います。
大量の物資をまとめて保管しても、迅速に適切な量を適切な場所に輸送するためには、正確な情報が十分に周知されること、トラックなどの輸送手段が確保されるとともに、橋梁と道路網が機能しなくてはならず、つまり、物資の輸送は条件が整ったときに可能になるということで、最も確実で合理的なのは、輸送しなくても済む、輸送量を最小限にして、その場その場で必要なものが供給させる仕組みと体制づくりであります。市が物資を保管、配置するのは当然ですけれども、水、食糧、毛布、寝袋などの民間ストックの活用を積極的に図るべきだと考えます。
東光ストア、イオン、ダイエー、生協を協定業者としているようですけれども、地域防災計画にはこのように書かれています。想定される事態と課題ということで、こうあります。札幌市では、協定業者等に応援を要請し、これら水、食糧等の供給を実施するが、情報のおくれ、道路被害、車両の渋滞、積雪による交通混乱等により物資供給システムが十分機能しないおそれがある、運べないと書いているのですよ、ここには。
さらに、こうあります。冬季、夜間に災害発生の場合、毛布、寝袋等のニーズが高まり、公的備蓄では充足しない懸念があるため、民間のストックを活用し、不足分を補うことなどの可能性の検討が必要となる、毛布、寝袋は足りないと書いているのですよ。こういう課題が既に明らかに指摘されているわけです。
そこで、民間にあるストック、倉庫など流通過程にあるものについて、イオンなど特定のところだけではなくて、すべてのスーパー、コンビニ、個人商店を視野に入れて、商工会議所や商店街、経済団体とも協議し、協定を結び、即時即応の供給を図るべきであります。販売だと、現金を持ち出せた人と持ち出せなかった人がいます。買い物に出られる人と動けない人などの問題が出てきて、必要なものを必要な人に提供できないことが考えられます。あってはならないことですけれども、買い占めや売り惜しみは当然防がなくてはならず、物資の供給について、市と民間事業者が実効性ある、拘束力ある協定を結ぶ必要があります。
飲料や米、その他主要な食品、あるいは毛布、防寒具について、協定を結んだ事業者の日常的なストック量を掌握するとともに、供給方法、指示、連絡方法などを相談し、具体的に取り決めておくことが必要だと思いますけれども、細部まで詰めた協定となっているのか、今後の課題として具体的に触れていた事柄についてどこまで進んだのか、さらに、解決すべきこととしてどういう問題があると認識しているのか、明らかにしてください。
◎山崎 危機管理対策部長 今、委員からご指摘のありました流通物資の充足のおくれとか、あるいは、数量が足りないということについては、私どもも、そういうことが起こらないような対策を今後ともぜひ進めていきたいと考えているところでございます。
ただ、冒頭で委員がご指摘のように、水や食糧あるいは毛布等について事前にどこかに配置しておくことについてはなかなか困難な部分もありますので、先ほど申し上げました流通事業者と協定を結んでおりますけれども、これらが実効性を伴って実際の災害時にうまく流通経路に乗って収容避難場所等にいる市民の方々の手元に届くように、いま一度、協定の内容などの見直しを進めていきたいというふうに考えているところでございます。
なお、ご指摘の中で、一部、防寒の毛布が足りないというようなお話もありましたが、これについては、今回の2定で補正をさせていただきましたし、第3次札幌新まちづくり計画の中でも、さらなる増強について検討を進めているところでございます。
◆宮川潤 委員 内容を詰め切った協定となっているのかというふうに聞いたのですけれども、内容を見直したいとおっしゃいましたね。今の協定で何が足りないのですか。どういう問題意識を持っているのですか。今の協定で実際にうまく物資が必要なところに届くような詰め切った話になっているのか、何が足りないのかというところを明らかにしてもらいたいのですよ。
それから、どういう問題があるのか、今後解決すべき課題は何かということを伺ったのです。ぜひ、答弁をお願いします。
◎山崎 危機管理対策部長 私も個々の協定を隅から隅まで見ているわけではございませんけれども、今の協定全般に共通して言えることだと私は思っておりますが、まさに委員ご指摘のように、具体的な手法とか数量などについては詰めていないというのが今の協定の実情だというふうに考えておりますので、今後、協定の相手方と、具体的な手法とか、場合によっては数量などの目安についても、協定にのせるかどうかは別として、お互いに協議をするなどして詰めていきたいというふうに考えております。
◆宮川潤 委員 手法もそうです。いざ、災害というときに、速やかに情報が伝わって、そこからどう運んでいけるのかということは、具体的に決めなければ、いざというときに機能しないと思います。数量は、先ほど来、備蓄物資のあり方ということが問題になってきましたけれども、どこに何がどれだけあるのかということをつかんでいなければ、先ほど伊藤(理)委員からもありましたように、私はすべての避難所に備蓄物資が基本的に配置されるのがあるべき姿だと考えていますが、答弁というか、考え方は、拠点化と、ある程度まとまったというようなことだったと思います。
しかし、それをどう考えていくのか、どう配置するのかということも、ストックがどこにどれほどあるのか、その数量がつかめていなければ全体像がつかめないでしょう。私は、そこまでつかんでこそ、備蓄物資のあり方、今後の配置の仕方を考えられると思うのですよ。結局、これについて詰めていないということは、今のままでは機能しないということですよ。一刻も早く、きちんとこの内容を見直して、詰めるべきところは早く詰めていくと。
それから、大手のスーパー何店か、幾つかの業者と協定を結んでいますけれども、それも視野に入れて広げていくべきだというふうに思います。ですから、協議するところも、今後は、先ほど申し上げたように、例えば、商店街もそうですし、商工会議所もそうです。経済団体もそうです。そして、個別の事業者もそうです。ぜひ、そういう点も協議の対象にしていってもらいたいと思いますので、この点についても考え方を示していただきたいと思います。
次に、流通過程にある民間のストックという点で、私は、市内に無数に設置されている飲み物の自動販売機です。1台におさめられている飲料の数は限定されていますけれども、何しろ台数が多い、少し歩けばたどり着けるという点で着目すべき民間ストックだと考えています。ミネラルウオーターやお茶で水分を補給する、あるいは、甘い飲料による糖分の補給も重要だと思います。災害時対応型の自動販売機というのも開発されており、停電時にも使用できる、しかも、大地震があった場合には、中の飲料を無料で提供するというものであります。複数の飲料メーカーがそのような自動販売機をつくって設置を進めているようです。このような災害時対応型の自動販売機による飲料の活用、提供をどう位置づけておられるのか、伺います。
また、通常のものから災害時対応型に転換していくよう働きかけるべきだと思いますが、いかがですか。
特に、避難所となる施設に設置されている自動販売機、あるいは、避難所の近くのものは優先的に切りかえるべきだと思いますけれどもいかがか、伺います。
◎山崎 危機管理対策部長 今、札幌市が協定を結んでいる東光ストアとかイオンだけではなくて、もっと広い範囲でスーパーやコンビニと協定を結んではというご指摘でございました。
北海道の方では、既にコンビニと提携を結んでおりまして、私どもも、北海道の一市町村として、北海道と連携をとりながら、これらのコンビニの活用は今の段階でも連携をとればできることになっております。
それから、自販機の話がございました。自販機の話につきましては、既に、一部、コカ・コーラが札幌市に災害対応用の自販機の提供を申し出ておりまして、具体的な数値は今は持ち合わせておりませんけれども、市内に何カ所か設置しているということでございます。
飲料水につきましては、私も特に重要だと思いますが、例えば、今のコーラの自販機の話もございましたし、避難所の近くにそういったものをたくさん置くべきではないかというようなご意見もありました。先ほどのコンビニの話に戻りますが、私どもも、北海道と北海道全体の市町村を含めて結んでいるコンビニとの協定をうまく活用すれば、自販機もやらなくていいとは思っていませんけれども、コンビニ等をうまく活用するような方策をさらに検討していきたいと思っています。
◆宮川潤 委員 やれることは全部やらなければ足りなくなると思いますよ。みずからやれることを制限する必要はないのですよ。一生懸命やったって足りなくなるという大変な事態になるのです。ですから、できることは全部やろうと、まず、その姿勢が必要だと思いますよ。コンビニと協定というのは、それはそれでいいですよ。しかし、コンビニと協定を結んで連携できるからいいということではなくて、もっと協定を結んで協力関係をつくれるところがないのか、そういうところを見つけて、少しでも広げていくということをまず基本姿勢にしていただきたい。これが一つです。
コンビニのことはありましたけれども、ほかのお話はなかったのです。だから、ほかのことも考えておられるのかどうか。ぜひ考えていただきたいと思いますよ。
それから、自動販売機というのは一つのあり方です。しかし、コンビニと協定を結んでいるからそれで大丈夫ということになりますか。足りますか、それで。足りなくなる事態が考えられるのだったら、できることは何でもやるべきではないですか。それで済むとか、やらなくていいということにはならないでしょう。可能性のあることは考えてくださいよ。どうですか。
◎山崎 危機管理対策部長 流通物資の確保につきましては、私どもも、可能な限り幅広く、委員のご指摘も踏まえて検討していきたいというふうに思っています。
何度も繰り返しになって申しわけございませんけれども、私どもが物資を確保するというのは、まずは、基本的に家庭内備蓄でお願いしたいということの普及啓発をしている、次に、流通備蓄は、地域防災計画では一応24時間をめどに確保しようという目標を掲げているわけです。ただ、委員ご指摘のように、24時間たったら必ず届くというふうな保障は何もありませんので、それらの解決策に向けてもこれから我々は取り組んでいかなければならないというふうに考えているところであります。
そのつなぎとして、今、公的備蓄の充実についても努めているところでございますので、全体の中で、いち早く、少しでも早く被災者の市民の方々にこれらの物資が届くような検討を今後もしていきたいというふうに考えております。
◆宮川潤 委員 ぜひ、決意を持って進めていただきたいと思うのですよ。ここが基本じゃないでしょうか。市民を守ることに責任を持って、決意を持って取り組んでいく、できることはみんなやらなければならない、今のままだったら大変だ、こういうふうに認識を改めていただきたい。こう申し上げて、終わります。
◆林清治 委員 私からも、収容避難所への公的備蓄の整備内容等について質問させていただきたいと思います。
今まで各委員からもさまざまなご指摘、ご質問等があったので、私からは簡潔にしていきたいと思っているところであります。
先ほど来、さまざまな話があるとおり、
東日本大震災の被災地では、多くの収容避難所において寒さ対策などが大きな問題になってまいりました。私たちの会派も、被災地を訪問したときに聞いた話の中には、毛布や寝袋が人数分なかったとか、食糧が行き渡っていなかった、また、大きな余震が続いて避難路の確保のためにも扉をあけたままで寝ていたというさまざまな事情も聞いております。そうした中で、第3次札幌新まちづくり計画案の中でも、災害に強いまちづくりを進めるため、
東日本大震災の被害状況などを踏まえて避難所の環境整備について見直しを行うとされております。
そこで、質問ですが、今後の避難場所の環境整備の中、公的備蓄についても整備していくとありますけれども、今後、どのような内容の整備を、どのようなスケジュールで整備していくのか、お伺いしたいと思います。
◎山崎 危機管理対策部長 公的備蓄の整備のスケジュールについてお答えいたします。
東日本大震災を踏まえました収容避難場所の寒さ対策といたしまして、寝袋につきまして、今年度の補正予算で4万枚を購入することといたしました。これにより、第3次被害想定で震災直後に冬季で最大11万人発生すると想定されている避難者全員に対しまして、毛布か寝袋のどちらか1枚が当たることになります。さらに、今、第3次札幌新まちづくり計画の案の段階でございますが、寒さ対策といたしまして、平成26年度末までには避難者11万人全員に対して毛布と寝袋がそれぞれ1枚ずつ配布可能となるようにさらに増強していくこととしております。非常食につきましても、災害後24時間以内に避難場所での食糧需要のピークを13万人と見込んでおりまして、その13万人の需要の2食分に対応できますようにあわせて整備を進めていくこととしております。
◆林清治 委員 ただいま備蓄についてスケジュールと内容のお話がありました。
今までの論議の中でも、これでは足りないのではないかということもあるかと思いますが、この後の地域防災計画の見直しの中でもまた検討されていくのかなというふうに思っています。そして、今あったとおり、寒さ対策を含めた寝袋の整備と非常食を計画的に増強していくことは、当然、必要なことだと私も思っております。そして、本市においても、
東日本大震災を契機に、収容避難所の環境整備全般について見直しを行っていき、その中で、応急備蓄物資の配置のあり方についても、この後に検討委員会を設けて検討を行っていくという答弁も先ほど来ありました。
その検討委員会においても議論されることになると考えていますけれども、これからの公的備蓄の部分について言えば、量的に充足するだけではなく、さまざまな避難者のニーズに対応する質的向上も重要であると考えております。寝袋であれば、暖房が使用できなかったときのことを想定して耐寒性が重要であります。そして、避難生活が長期にわたることも考えられている中、快適性も求められてきます。また、最近、子どもを中心に食物アレルギーのある人がふえております。そうした避難者に対して配慮していくことも必要になってくると考えております。
そこで、質問ですが、寝袋や非常食を整備する上で、質的な面でも何らかの向上策を考えているのか、お聞きしたいと思います。
◎山崎 危機管理対策部長 備蓄物資の質的な向上についてでございます。
今年度以降に購入を考えている寝袋につきましては、クッション材や断熱材を使用したものを導入しようと考えております。毛布を併用することによりまして、さまざまな使い方が可能になるというふうに考えているところでございます。非常食に関しましては、これまでも乳児向けにアレルギー対応の粉ミルクを備蓄しているところでございます。これに加えまして、食品にアレルギーを持つ児童等への対策といたしまして、今後はアレルギー対応のアルファ化米の導入とか、あるいは、そしゃく力が弱くなられたお年寄りや乳幼児の方のためにおかゆの導入を考えるなど、検討していきたいというふうに考えています。
近年、防災のことでは、さまざまなニーズに合わせた備蓄物資の商品開発も進んできておりますので、
東日本大震災を踏まえまして、さらにこうした開発が進むことを期待し、今後も、調査研究を進めて、備蓄物資の質的な向上についても進めていきたいというふうに思います。
◆林清治 委員 ただいま答弁をいただいて、今後まだまださまざまな質的な向上も図っていくという回答がありました。ぜひとも、検討していただきたいなというふうに思っております。
実はまだまだ聞きたいことがあったのですが、ほかの委員の方々と重なっている部分もあるので、最後に要望を上げて、私の質問を終わりたいと思います。
収容避難所と公的備蓄について、私も、いろいろな自治体や大学などの研究機関のホームページなども見てみました。先ほど来、質疑がたくさんありましたけれども、この間、さまざま出ているように、すべての避難所への公的備蓄配置ができれば一番安心できることになるのですが、先ほど来の答弁の中で、今すぐにはできないというようなこともありました。そして、本市と同じように、多くの自治体においてもなかなか進んでいない現状があります。その中で、現実的対応としては、多くの自治体で、本市と同じように公的備蓄の分散備蓄方式や、先ほども話題になった流通倉庫備蓄方式がとられております。しかし、どちらの方式もやはりそれぞれ課題があります。そういうことを踏まえて、今後とも、本市の計画の中でも、しっかりと流通業者との物資輸送体制の確立や、また、近隣自治体との連携、そして、当然、輸送を含めて自衛隊との連携や防災協定などの検討も含めて、大変多くの項目を検討していくことがあると思います。
本市においても、今後の検討の中で、今言ったような避難所の配置を含めて、備蓄品の内容、備蓄方法や輸送体制などとともに、代表質問において我が会派のしのだ議員からもありましたように、女性への配慮や、高齢者、または避難時に支援が必要な市民への配慮を加え、検討していただきたいというふうに思います。先ほど来出ているように、大災害はいつ発生するかわかりません。今後、市民の不安を取り除き、安心・安全な市民生活のためにも速やかな検討を、そして、市民意見を取り入れた検討を進めていただきたい、そのように考えているところであります。
最後に、要望しまして、私の質問を終わります。
○伊藤牧子 委員長 以上で、第1項 総務管理費中、
危機管理対策室関係分の質疑を終了いたします。
ここで、およそ30分間、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後5時41分
再 開 午後6時15分
――――――――――――――
○伊藤牧子 委員長 委員会を再開いたします。
最後に、第7款 土木費 第4項 都市計画費の質疑を行います。
◆堀川素人 委員 それでは、質問させていただきます。
一つは都市計画審議会、もう一つは総合交通の問題、それから、藤野通の問題の三つを質問させてもらいます。できるだけ簡潔に参ります。
去年、都市計画審議会の委員をやらせていただきました。たしか、5回ほど審議に加わったかと思います。都市計画審議会というのは、基本的に土地にあずかって、その土地がどう利用されるべきかということを審議する場であります。土地というのは、そこでもって場所が決まりましたら、そういう土地は世界でそこに一つしかない、こういう場所を審議いたします。どう使ったら有効に使われるのかということを審議する場でありますけれども、率直に言いまして、その場所、唯一、一つしかないその土地を審議するに当たって現地調査が行われないで審議が行われております。現地調査をきちっとして、その結果がそれぞれの委員、または審議会としての結論として市民にきちんと自信を持って伝えられるようなことでなければならぬ、こう思っております。
現実に1年間はどうであったかと申しますと、札幌市が事務局を担当しております。事務局がおよそ結論として出してもらいたいものに、100%なりました。結果的に5件のうち4件だったと思いますけれども、僕もそれには賛成しました。1件については、反対ではないけれども、賛成しかねるということで、議論に参加した結果はそういうふうになったかと思っております。
札幌市民に聞きました。大変大事な札幌市の土地の利用について、審議会が現地調査をしないで結論を出している、これは、皆さん、どう思いますかとたくさんの人に聞きました。そうしましたら、10人いたら10人、20人いたら20人が、そんなばかなという話であります。そして、私の記憶の中では、特に現地調査をして、行ってよかったと。そうでなければ、自信を持って結論を出せなかったものが2件ありました。
ことしはどうしているのか、わかりませんけれども、多分、現地調査をしないで繰り返しやっているのではないかなと。事務局に聞きましたら、事務局は、基本的には現地調査はやりませんと言う。あなた方が結論を出すことなのかというやりとりもいたしました。そうしましたら、我々ではなく、審議会が結論を出す話ですと。つまり、それは何を意味するかといえば、既に事務局が結論を出したものに対して、審議会が唯々諾々としてそこに参加して同じような結論を出す。
僕は、現地を案内してもらいました。まともに現地を案内できない場所もありました。どこが審議の対象の土地なのか。僕は、たまたま測量もやり、土地をいじっていた経験もあるので、その図面を見ながら、僕が説明をするような状態があったわけであります。先ほど言いましたように、市民は、大事な審議は、少なくても現地の調査が行われ、その上に立って議論をしていると思っておりますけれども、ことしも現地調査をしないで議論が行われているのかどうか、確認したい。
◎星 都市計画部長 今、都市計画審議会における現地調査の実態はどうなっているかというご質問です。
若干確認させていただきますが、昨年度の都市計画審議会は、堀川委員にも委員としてご参加いただいて、そこで現地調査をすべきであるというご発議がありました。それを受けまして、都市計画審議会の中で議論をいただいて、審議会として現地調査が必要であればきちんとやるというような結論になって、そういうルールが審議会の中で定められたわけです。
それは、もう少し詳しく申し上げますと、都市計画審議会では、2回の審議、つまり、案件の事前説明を行い、そこでいろいろな疑問点、わからない点のご質問をいただきます。そこにおいては、私どもも、現地の写真等を含めてなるべく詳しくわかるようなご説明に努めるということを含めて事前説明を行い、その上で次の審議会で正式に諮問するという形であります。昨年、審議会の中で決められたルールと申しますのは、その事前説明の際に、この案件は、やはり現地を見なければ判断できないというご発議があり、それではやりましょうとなれば、次の諮問までの間に事務局として現地調査を調整し、セットするという形のルールになりました。
そのルール自体は、今年度も引き続き変わっておりません。実態としましては、そういうルールに基づくご発議がありませんので、今年度は現地調査の実態はございません。
◆堀川素人 委員 まず、僕は、皮肉も込めて言いました。審議会の座長にも皮肉を込めまして言いました。これで本当に説明できるのですかと。こういうことを話しましたら、皆でもって話し合ってということですけれども、その前に、先ほども言いましたように、事務局として現地調査をやらないのが原則だというような話ですから、僕はそのときも怒ったと思うのです。あなた方が結論を出すことか、審議会が決めることじゃないかと。こういうやりとりがあってから、現地調査がなくてもできると。
でも、先ほども危機管理のところでもって議論しましたけれども、我々が基本的にやらなければならぬことは、やはり、尽くすべきですよ。もちろん、全部が全部見なくてもいいということじゃないです。審議の対象になったものを全部見ないというばかな話はない。1万2,500円の金がかかっているのですよ、1人が出たら。市民が負担しているのですよ。実際に行ってみなければわからないところがあったじゃないですか。それを、あのビデオを映したからといって、事前説明をしたからといって、わかるわけがない。そういうものは、僕も不動産を扱っていた人間ですから、ある意味ではほかの人たちより理解がしやすいのかなと。でも、その人間が見てもわかりづらいですよ。
こういう中で、これからも現地調査をしないで審議をするということは市民に対する裏切りだ。こうやって、僕がよく言う、かいらい審議会であると。だれに対してのかいらいか、事務局に対してのかいらいです。札幌市が頼みやすい審議委員を頼んで、審議会をつくって、自分たちの思ったとおりの結論の中で終わらせるというようなことがいろいろな場所で繰り返されている。
僕は、たまたま、前回、そういう審議会に参加させてもらって、大変いい現場を見せていただきました。僕は、それは改めるべきである、やっぱり人事を尽くすべきだ、こうこれからも言い続けたい。基本は、実際に現地調査をして審議すべきだ。これについて、札幌市は、これからも同じことを続けてそれでよしとするのか。やはり、審議会の皆さんに言って、現地調査をして、現場を見てから審議していただきたいということでやらなければならないかと思いますけれども、その考え方を聞きたい。そして、それが今までどおりでいいとするならば、ここは見解の相違であるとして、これ以上の議論はしませんが、どうなのか、もう一回確認したい。
◎星 都市計画部長 現地調査を拒否しているものでは決してございません。案件によって現地調査をすべきか、する必要がないのかということを審議会の皆様にご判断いただくと、それで、すべきということであれば、もちろん我々で調整し、ご案内するということを行います。
◆堀川素人 委員 これで2回言っていますよ。現地調査をしないのは原則だと、あの場でもってはっきり言ったのは事務局です。これは、審議会の結論がそうならない前に既にその発言をしている。そうであるならば、思い上がらないでほしい。そしてまた、それに引きずられた結論が出るような審議会は極めて信頼性に欠ける、こういう審議会がたくさんある、私はこう思って、この質問は終わります。
次に、藤野通の延長の問題でありますけれども、藤野1号線というところでとまりまして、その先の東に向かうトンネル構想があって、トンネルを通して、そこを抜くのだと。でも、トンネルが通らないから、大きく迂回して、今、ビッグというスーパーマーケットの裏の方を通って石山に抜いていく。藤野通というのは、藤野1号線で計画が終了している。次に、そこから域内が国道に出ないで通行できるようにするために次の延長のことが考えられています。そこで、平岸通、旧石山通に抜けて、それがつながるようになっています。
地元に多い意見は、あそこに穴の沢線という古くからの道路がありまして、そこが支笏湖の方に抜けているのです。230号線から支笏湖線の453号線に抜けていく道路がありまして、そこの交通量が大変ふえまして、そこのところを何とか整備してくれなければ、冬場は子どもたちが通学のために通っているけれども、いつ事故に巻き込まれるかわからない、こういう不安な状態にある、これを何とかしてほしいというのがあの地域の大変強い願いでありました。
しかし、今回の予定を見ますと、その穴の沢線まで来るのはいいのですけれども、そこから平岸街道に抜けていく。だれからも要求の出ない、今まで要望のなかった場所に道路として新たにつけようと。大変な補償の問題がありますし、何でそこにつくのかなということは、地元の人が大変不思議がっております。
今、それを強行しようとしているのか、それとも計画が中断しているのか、今、見直しにかかっているのか、その辺を明らかにしていただきたい。
◎山重 総合交通計画部長 藤野通の石山地区への延伸についてお答えいたします。
藤野地区におきまして、藤野通の整備が順調に進む中、平成14年に定山渓沿線町内会連絡協議会から、藤野と石山を連絡する道路を早急に整備するよう、市長あてに要望書が提出されております。札幌市といたしましても、国道230号のみに頼っている地区の現状をかんがみ、地区内の移動動線を確保するとともに、防災性の向上を目指し、地域の方々と道路の必要性などについて勉強会を行ってきております。この経過を藤野通通信として石山、藤野、簾舞地区の全戸配布により地域へ周知しながら、平成19年度に地域交通計画素案として石山地区と藤野地区を結ぶ新しい道路計画を取りまとめ、全戸に配布いたしました。また、その内容につきましてパネル展を実施し、来場者アンケートも行ったところであります。
このアンケート結果では、約80%が地域に新たな道路をつくることに賛成しており、石山地区でも74%の方が賛成でありました。その後、公安委員会など、関係機関と協議を進めて、平成23年1月に地域説明会を実施し、この説明会でさまざまなご意見をいただいたことから、これにつきましても、通信にまとめ、4月に全戸配布したところであります。
この道路につきましては、住民要望から検討を始めまして、地域住民の利便性を向上することが主な目的でございますので、パネル展などの実施により、より多くの地域の方々にお知らせするとともに、あわせてアンケート調査を行うなど、地域の意向を十分に踏まえた上で検討を進めてまいりたいと考えております。
◆堀川素人 委員 これは、どういうふうにすればいいのかなと、何というのでしょうか、意思決定をするまでの手法はアンケートがいいのか、どんなことがいいのか、僕がわかれば提案もしたいのですけれども、いい方法はどれなのかは、僕自身もなかなか見当がつかない。
今までやっているアンケート調査というのは、それこそ役所の意向に沿ったアンケートがつくられて、それをまとめて、例えば、70%の賛成がありました、80%の賛成がありましたと。こうやりますけれども、そこしかないような形で、一回、先にその場所を提示して、ここに道がつきますと提示してから、ほかのところをさらっと触れるだけでもってやったら、道は地域にとってないよりはあった方がいいと、おおよそ、そうですよ。ところが、そのアンケートは賛成を多く得るためのアンケートというふうになって、地域の本当の声と違うというふうに僕は感じております。
今の話を聞きますと、どうも役所の当初の予定どおり進行していくのかなというふうに思っています。ただ、地元では、これ以上長く――どっちにしても穴の沢線までの道がよくなる、それから、一部であっても調整区域のところまでは道がよくなる、だから、多少むだな金がかかっても早くやってくれ、こういう声もあります。
ですから、早くやってほしいということは私も同じです。ただ、できるならば、より必要なところに道路をつけていただきたい。本当に声が上がって調査をされたわけではない。ここにつけるというのは、どうも皆さんが計画しているところは、市街化区域から市街化区域で都市計画は終わりですよ、都市計画の範囲内でと言うから、市街化区域が入り口になって市街化区域で出口になる、こういう
形で終わりたいけれども、札幌市民は、調整区域であろうが、市街化区域であろうが、名前がどうなっているのかは関係ない。実際に使い勝手がよく、地域に役に立つ道路が欲しい。この期待にこたえてほしい、僕はこのことを申し上げたい。地域があなた方の縦割り行政の犠牲になってはならぬ、こういうふうに思います。
もしできるならば、僕は、地元と、特に穴の沢線のことをテーブルにのせて話し合ってみたい、話し合ってほしいということをお願いして、この質問を終わります。
次に、最後ですが、乗り合いバスです。
定山渓沿線はじょうてつバスが走っています。前にも本会議場でもって代表質問で話したのですけれども、倍以上の値段であそこを走っています。これに対して、あそこにいる人方は本当に怒り狂って、今では時間がたち過ぎて、その怒りもおさまったのではなくて、声にならなくなりつつあるなと思っていますけれども、これはあきれているということなのですね。ほかには補助金が出て安い料金で走っている。ところが、あの沿線は、補助金も出ないで2.5倍もの高い料金で走っている。
このことについてなぜ取り上げるかといいますと、あと15年ないし20年後には、今の乗り合いバスという仕組みでもって走れるところは、札幌市でも極めて小さな範囲でしか走れなくなる。人口が減ります。道路はよくなります。車がこれ以上にどんどん使われるようになり、高齢化の中で若い人方が減っていく、バスを利用する人方が減っていく。こういう状態の中で15年、20年先を考えますと、今のままの乗り合いバスで運行ができる範囲は、今言いましたように極めて狭いものになっていくであろう、こういう予想がつくわけです。
そうすれば、今後とも札幌市全体で市民の足をどう守っていくか。ここについては、やはり平等の原則の中で、人が1人移動するときにどの距離ならどの距離、どの範囲ならどの範囲ということの中で一定の公平性を保たなければ、もう走り続けられなくなってしまう。ですから、補助金があるのが当たり前、補助金が一銭もないときは瞬間風速で年間40億円の赤字を出した札幌市営バスですよ。今、10億円も満たない金でもって補助金が済んでいます。でも、補助金を出して、それで市民全体の足を守れるとするならば、補助金が多少ふえたとしても、公平・平等の原則の中でバス運行がなされ、市民の足が守られるということは極めて大事だと思うのです。
そこで、質問いたしますけれども、今の乗り合いバスの仕組みがどう変化していくと考えていますか。僕は、今から手を打てるものについては打っていく、こういうふうにして早目に手を打たなければならないと思っていますけれども、その辺についてはどういうふうにお考えなのか、お答えを聞きたいと思います。
◎西田 公共交通担当部長 バス路線の補助金に関するご質問かと思います。
現行の補助制度は、平成21年度に構築したものでありますが、赤字バス路線に対する補助につきましては、市民生活や公共性という観点から市民の足を確保するということで実施しているものでございます。
今年度で3年目になりますけれども、この補助制度につきましても、事業者の収支改善の状況とか、地域の実情に応じた持続可能な地域交通体系の確立に向けた検討、あるいは、利用促進の取り組みといったようなことも含めまして、バス事業の経営改善に資する取り組みといったような状況を踏まえまして、また、バスを取り巻く環境の変化を常に注視いたしまして、適宜、見直しを行っていくことが必要かと考えております。
◆堀川素人 委員 赤字補助というのは、初めの値段の設定の中で、低ければ赤字が出るわけですよ。定山渓沿線みたいに、初めから何倍もの、今で言う2.5倍もの料金を取っていたらなかなか赤字にはなりませんよ。そして、あそこは、昔は山岳料金と言われていた。だから高いのだ、こう言われていました。ところが、今は定山渓の向こうまで行ってもああいう道路の状態ですから、山岳料金だと言われる状態ではないですよ。
そういう中で、あそこの地域の人方は2.5倍もの高い料金を負担しているわけです。そして、こちら側の初めの設定が安かったところが赤字になりましたから、補助を出しますと。赤字で、そこの地域の生活は確かに困る、バスがとまってしまったら困る、これはそのとおりですよ。でも、一方には、料金負担が大きくて困るというのもあるのですよ。これは、公平・平等の原則からいったら、そこに手を差し伸べるのは当たり前の話じゃないですか。同じ交通ですよ。しかも、乗り合いバスという性格のものですよ。こうであるならば、僕は考え方を変えるべきだと思います。
例えば、なぜ中央バスの問題が出てきたか。これは、先ほど言いましたように、たくさんの人が乗るときは成り立っていたわけですよ。乗客がどんどん減っていますよ。減って、赤字になったわけです。どこのバス会社に聞いても、これからいつまでも持続できるかといったら、持続可能なと今言いましたが、持続可能ではないのですよ。これは、もう既に、札幌市の今までそこに携わった人方も認めていることですよ。今後、市民の足を確保するためには、市民の協力のもとにバス体系を見直していかなければできないのではないかと。こういうところも日本全国にはたくさんあるわけですよ。そうするならば、早く手を打つべきである、一つはこう思っています。まず、これは僕の考えです。
そういう中でバス料金を考えるときに、今はどんな形で解決してきているかといえば、中央バスもそうでしたけれども、利用者と事業者と札幌市が入って、ほかの地域でしたら、そこの自治体が入って3者協議会みたいなものをつくって解決をしていきなさいというような、国の指導もそうですよ。ずっと長い間、バス料金の問題が定山渓沿線にあるとするならば、3者協議会を早く立ち上げて、この地域のバス料金の問題はいかにあるべきかと。バス料金ばかりじゃないですね。あれは、非常に公共性の高い、市民の足を守るという役割のものです。それに市民、事業者、そして行政も加わって3者協議会をつくるのが世の流れだとするならば、これについてはどういうふうに対処するつもりでおりますか。
◎西田 公共交通担当部長 3者協議についてのご質問でございます。
定山渓沿線の地域におきましては、これまでも、定山渓沿線町内会連絡協議会からご要望とか、また、ご懇談させていただいており、要望書もいただいているところでございます。
これから少子高齢化といったようなことで、バス利用者の減少を踏まえますと、今後は、地域の課題とか現状を把握しつつ地域交通のあり方を検討していくことは重要かというふうに考えております。その検討の中で地域との協議といったような必要性も検討すべき事柄と考えておりますけれども、料金につきましては、先ほどお話がございましたが、国の認可で定められているような問題もございまして、その場で協議をするのは難しいかもしれませんが、地域交通のあり方全体について地域の方と協議をしていくことは今後必要かというふうに考えております。
◆堀川素人 委員 最後にいたします。
今、地域協議会といっても、補助金を出すことについては、札幌市と住民の関係です。では、それだけでもって料金の格差が埋まるかといったら、そうじゃないのですね。次の段階では、地域と事業者との間の協議になろうかと思うのです。そういうことをするのではなくて、3者が一体になってどう解決していけばいいのかと。やっぱり、いつまでも払うわけにはいかない。そして、地域としても、じょうてつバスがなくなってしまったら困る、それから、事業者も利用者が減り過ぎてできなくなったら困る、こういう問題を抱えているのですという中で、先のことは研究してみますとか、考えてみますとかではなくて、今、現実にある問題、長く存在していた問題について積極的にかかわっていかなければ、給料を返してくれと、住民とすれば言いたくなるね。きちっとその問題をとらえて解決に向かって動き出す。そして、そこには今言うように3者の考え方、利益が相ぶつかり合う問題ですよ。これをしっかりと話し合う場所をつくるということは、やはり札幌市行政の責任であろうと思うわけです。
そこで、実際にそれをつくったからといって解決になるか、ならないかはわかりませんけれども、第一歩として話し合う場をつくる。後ろを向いて、できるだけ耳に入れないようにといって逃げを打つようなことであってはならぬ。そのみっともない姿が中央バスとの何年か前のやりとりだったんじゃないですか。そうならないうちに、将来の公共交通のあり方、乗り合いバスの問題、これは、今どこにでもある問題ですから、それにきちっと正面を向いて立ち向かわなければならぬ時期なのではないですか。
そのことについて、再度、もう一回、考え方を聞いて、質問を終わりたいと思います。
◎西田 公共交通担当部長 私どもは、バス事業者とも定期的に協議あるいは懇談といったようなことで連携を密にしているところであります。地域からのご要望、あるいはバス事業者からのご要望など、今、委員からいろいろお話がありましたとおり、利害が反するようなこともございましょうけれども、それぞれ課題を整理していく中で協議の場の必要性について判断してまいりたいと考えております。
◆堀川素人 委員 今、僕が言っているのは、3者が一堂に会して話をすることですよ。個別に話をしてきたのは、これまでも何回もやってきたじゃないですか。それが明らかにならない。そして、いつまでも現状の高いままだ。このことに対して住民は怒っているのですよ。ある意味では本当に無力感を感じているということは、行政に対して極めて強い不信を持っているのです。ですから、3者協議会をどうやって立ち上げるかということを質問しているのですよ。2者協議はもう終わってもいいのじゃないですか。もう一回。
◎西田 公共交通担当部長 地域交通のあり方を検討していく中で、3者が一堂に会して協議をしていく場の必要性については、今後検討してまいりたいと考えております。
◆木村彰男 委員 私は、丘珠空港ビルについて及びHACについて、それからバス路線維持のための助成金について、最後に、真駒内駅周辺のまちづくりについてお聞きしたいと思います。
まず、空港ビルのことでございますが、平成22年6月にANAが丘珠空港から路線を全面撤退したために、年間の旅行客数が大幅に減少し、平成22年度は4,300万円余の赤字を計上いたしました。その後、北海道と札幌市が出資金を出してHACを千歳から丘珠に誘致して、23年7月にHACが本社と路線を丘珠空港内に移転したことから、乗降客数は若干戻ったところであります。
しかしながら、空港ビル2階の旧ANA賃貸部分は、依然あいたままだったことから、平成23年1定の補正予算にて、札幌の歴史を展示するスペースとして、月額約300万円の市税を投じて約400平米を札幌市が直接借り上げております。札幌市が補てんしてやっとテナントが埋まったかと思いましたら、今度は、23年8月に2階の空港売店を経営する会社が赤字を理由に撤退してしまいました。仕方なく、空港ビル会社が新規に従業員を採用して赤字の売店の経営を引き継いでいます。テナント料が入らないばかりか、従業員の給与、諸経費、商品在庫、リスクをビルが肩がわりすることになりました。
こうして見ると、札幌市が丘珠空港ビルの経営維持のために赤字のエアライン、テナントなどを丸抱えで経営支援しているという構図については、札幌市民として違和感を覚えるという方もいらっしゃいます。その一方で、空港ビル会社の経営は、実は、意外と健全であります。貸借対照表を眺めると、同社は無借金経営です。そればかりか、内部留保は1億7,300万円ございます。そのうち約1億円を有価証券で資金運用しております。
ここで、3点お尋ねいたしますが、多額の内部留保があるのに、札幌市が2階を借り上げて経営支援するのはなぜか。まず、内部留保を取り崩すべきではなかったのでしょうか。
第2点として、市民に負担を求める前に、むしろ自助努力を図るべきと思いますけれども、いかがでございましょうか。具体的には、例えば、賞与の支給をカットするとか、経費を削減する等のリストラ努力はなされておるのでしょうか。
それから、第3点として、同ビルの賃貸料設定は1坪で月2万1,252円で、これは管理費と冷房費込みということでございますが、大通や市内中心部の平均家賃は約9,000円台と聞いております。そうすると、相場の2倍になりまして、市中のビル事業者は非常に厳しい競争の中でこういう値段を設定していると思うのですけれども、空港ビルは競争相手がいないというようなことでございますしょうか。言ってみれば、殿様商売であると評価している人もいます。家賃が高過ぎてテナントが逃げ出している。ANAにしても売店にしてもそうなのですが、このようなことでは先行きが非常に不安です。リストラ努力で家賃を引き下げるとか、テナントの経営がうまくいくような改善努力はできないのでございましょうか、お答え願います。
◎富田 新幹線推進室長兼空港担当部長 まず、1点目の多額の利益剰余金があるにもかかわらず、2階を借りて経営支援をする理由についてという質問かと思います。
札幌丘珠空港ビルにおきましては、平成21年度までの内部留保により利益剰余金を計上してございます。しかしながら、これらにつきましては、建築後20年がたちまして老朽化した空港ビルのこれからの大規模修繕に備え、積み立ててきたものであります。また、空港ビルはその収入の90%以上が賃貸収入でありますが、仮に札幌市が2階部分を借りなければ、大規模修繕を最小限に抑えたとしても毎年4,000万円から5,000万円ほどの単年度赤字となり、その後、数年で資金ショートに陥るものと考えております。これらを踏まえまして、今年度より、空港ビルのにぎわい創出、あわせてその機能を維持していくという観点から、札幌市として丘珠空港ビルの2階を借り上げ、空港ビルの有効活用を図ることとしたものでございます。
2点目の質問でございますけれども、市民負担を求める前に、まずは自助努力を図るべきではないかという質問かと思います。
丘珠空港ビルでは、これまで、清掃事業を初めとする委託料の圧縮や、消耗設備の延命化などの経費縮減を図ってまいりました。あわせて、テナント収入あるいは広告料収入の確保などにも努めてきたところであります。でき得る限りの経営努力を行っているところではございますが、今後もより一層の努力を図っていくこととしてございます。
次に、3点目の空港ビルの賃料が高いといった部分で売店等が撤退しているのではないのかといったようなご質問かと思います。
まずは、空港ビルにつきましては、他の民間ビルに比べまして総面積に対するロビーなどの貸し付け外面積が多いなど、その構造上の特性があり、他の民間ビルに比べて賃料単価が高くなってございます。丘珠空港ビルの賃料及び管理費でございますけれども、これは、基本的に全国の空港ビル会社と同様な算定方式を用いまして、空港ビル建設に当たっての建築設備工事費あるいは維持管理費などをもとに算定しておりまして、妥当であると考えてございます。
また、先ほど売店撤退というお話がございましたが、丘珠空港ビルにおきましては、売店の経営状況にもかんがみまして、その賃料負担についても弾力的な交渉を行ってきたと聞いてございます。
◆木村彰男 委員 大変厳しい空港ビルの運営というふうに私は考えております。もちろん、ご努力もあるかとは思いますけれども、このままの状況でいけば、空港ビル維持、テナントのさらなる流出が避けられないというふうに私も考えておりますので、ぜひとも今後とも努力していただければというふうに思います。
次に、HACについてお聞きいたします。
HACは、ことし6月に丘珠空港に本社と路線を移転した直後、6月4日でございますけれども、奥尻空港にて、乗務員が操作を誤り、機体が地上に激突する寸前であったという重大なインシデントを発生させております。あわや大惨事という事態であったばかりか、その後も機体の故障が続き、連日、多数の欠航便が続いたことは記憶に新しいところでございます。
国交省は、去る6月29日に、HACに対して、安全管理体制に問題があるとして異例の業務改善命令を下しております。平成22年度、札幌市は新たに7億5,600万円を出資してHACを丘珠に誘致したのでございますけれども、航空会社は超高速で飛行する交通機関であり、言うまでもなく、安全性が業務のかなめということを考えますと、一連のトラブルは、札幌市が出資する航空会社としては極めて遺憾だというふうに考えます。
また、営業面でも問題があります。平成23年度の上半期の平均搭乗率は54%、直近の9月の搭乗率は45%ということで、通常の航空会社の採算ラインは搭乗率が60%と言われていますから、現在においても経営は大変厳しいと言わざるを得ません。
そこで、3点質問させていただきます。
まず、1点目として、札幌市は、HACの大株主としての経営監視の観点から、今回の一連のトラブルについてどのようにお考えになっておるのか。
2点目として、運航乗務員の過労がインシデントの原因の一つということで指摘されておりますけれども、乗務員数の不足と航空機の整備不良で発生している欠航について、どのように改善させるおつもりであるのか、お答えいただきたい。
3点目として、丘珠空港は、丘珠ブリザードという言葉があるように、冬季は非常に飛行が厳しく条件が悪い空港ということで知られています。これから、本社移転後、初めての冬を迎えるに当たって、運航安全の確保は本当に大丈夫なのか、これらの件についてお伺いしたいと思います。
◎富田 新幹線推進室長兼空港担当部長 まず、1点目の札幌市が出資しているのは7億5,600万円ではなくて、7,560万円の出資です。そして、HACの取締役として経営監視の観点からどんな発言をしているかというようなご質問かと思います。
6月12日にHACが重大インシデントに関する記者会見を開いた翌日には、状況報告とおわびのため西村社長が来庁し、当時の副市長であります中田副市長が対応したところでございます。この際に、副市長からは、国からの厳重注意を重く受けとめていただき、この事案の検証と対策をしっかりとお願いしたい、同じような事故が二度と起こらないようにしていただきたいとの申し入れを行ったところであります。
また、6月28日には、上田市長から西村社長に対しまして、徹底した原因の調査と安全確保策の策定について、直接、申し入れ文書を手交いたしました。その後、国から事業改善命令が出された後、6月30日の定時株主総会では、株主の立場として、改めて当該事態への対応に全社一丸となって取り組んでいただくことを要請したところであります。このほか、
市民まちづくり局理事が非常勤取締役としてHACの経営に参画する立場から、早期の信頼回復に向けた経営体制のあり方等について、取締役会などさまざまな場面を通じて他の役員とともに意見を交わしているところでございます。
また、機材の故障の関係でございますけれども、HACの欠航が増加した9月末以降、HACの常勤役員からその原因や対策についてお話を伺っておりますが、その際、本市からは、顧客の信頼をこれ以上損なうことのないよう、部品のストックや整備体制の見直しなど、でき得る努力をお願いしているところでございます。
札幌市といたしましては、今後とも、HACに対し、株主の立場として、また経営に参画する立場として、HACの運営に必要な関与を行っていくとともに、丘珠空港の利用促進の取り組みなどを行ってまいりたいというふうに考えてございます。
インシデントの原因ですけれども、現在、運輸安全委員会が調査中でございまして、国の改善命令には再発防止策を打ち出しているところでございまして、7月29日にHACが公表しました再発防止策では、安全推進部門の人的体制の強化、社員への安全教育の強化、運航乗務員の技量向上のための技量審査の運用基準の見直しやモニターフライトの制度化などが盛り込まれ、既に実施されているところであります。この再発防止策の内容については、HACとしてでき得る限りの取り組みを盛り込んだものと認識しておりますけれども、重要なのは、これらの取り組みが確実に、かつ継続的に実行されることであるというふうに考えてございます。
3点目は、冬の安全運航は大丈夫かといった質問かと思います。
HACの丘珠空港の冬季運航については、これまでも実績があることから一定のノウハウが蓄積されているものと考えておりますが、HACも、丘珠空港に本拠地を移しまして、今回、初めての冬であることから、降雪時の運航対策とか除雪対応について、関係機関との調整や内部の体制整備を実施していると聞いてございます。
◆木村彰男 委員 私は、財政市民委員でもあるのですけれども、この間、HACの役員人事等について及び業務改善命令等についてのレポートも送っていただいて、読んでおります。確かに、今おっしゃるように、これを確実に履行していくということをもって、安全性を確保し、担保していただくことをお願いします。
次に、丘珠空港の今後でございますけれども、HACの信頼を回復させて取り組みをしていくことについてはよくわかりました。しかし、現在、HACが所有する航空機SAAB340Bは、生産が10年以上前に終了している航空機でございまして、相次ぐ故障は機材が老朽化しているという原因が指摘されているところでもあります。運航の安全性を確保するために予備機を持って航空機の数をふやすのは定石でありますけれども、残念ながら、今申しましたように、SAAB340Bは既に廃盤の航空機と言わざるを得ません。したがって、その実現は困難であります。
赤字のHACに税金を投入して会社を延命することはできても、大空を飛び続ける生の飛行機をお金だけでは延命することはできません。したがって、現状の1,500メートル滑走路で就航でき、かつ、航空機整備が国内で行える民間機はほかに存在しないことを考えると、HAC、SAAB340Bの寿命が尽きたとき、それは丘珠空港の寿命が尽きることにもなりかねません。札幌市の財産であり、空の玄関口の丘珠空港を活性化させるために、滑走路延長をもう一度議論すべきときが来ているのではないかと我が会派は考えておりますけれども、いかがでございましょうか。
◎富田 新幹線推進室長兼空港担当部長 滑走路も含めまして、今後の丘珠空港の将来展望についてのご質問かと思います。
丘珠空港につきましては、昨年、北海道が策定いたしました道内空港活性化ビジョンの中でも、道内航空ネットワークの中核を担う空港と位置づけられております。札幌市といたしましては、丘珠空港は、今後とも、札幌と地方都市間を結び、ビジネスや医療、観光を初めとした市民生活を支える重要な役割を担っていくことが望ましいと考えております。
一方、本年7月、国土交通省の空港運営のあり方に関する検討会が国管理空港の上下一体化及び運営の民間委託を柱とする報告書を示すなど、国の航空政策が大きな転換点を迎えてございます。また、航空業界では、その経営環境が厳しさを増し、路線の再編が相次いでいる状況でございます。こういった丘珠空港を取り巻く状況を踏まえまして、丘珠空港の今後のあり方については、これまでの周辺住民の皆様との合意などの経緯も前提としつつ、このような国の航空政策、あるいは航空業界の動向を踏まえながら、中長期的な視点に立って検討してまいりたいというふうに思います。
◆木村彰男 委員 最後に、上田市長が書かれた「上田文雄が語る“市民力”」という本の中に、丘珠空港の位置づけについて書いてあるところをちょっと読ませていただきます。
「道が『札幌のために』とおっしゃるので、私はいつもカチンと来る。『札幌のために丘珠空港に集約しましょう』とおっしゃるのだが、『それは違う』と何度言ってもわからない。必ず枕詞に来るんです」と。道と札幌市が全く同床異夢といいますか、今ご担当がおっしゃったような形のお話し合いが本当にスムーズに行われているのか、私は、これを読む限り、疑問に感じざるを得ません。丘珠空港発展のために皆様方の最大の努力を道に伝えて、国に伝えていくような、そのような思いをぜひ実現させていただきたいと思います。
次に、バス路線維持のための助成についてお伺いします。
私は南区に住んでおりますので、バス路線維持のためには並々ならぬ考えを持っておりますけれども、まず、じょうてつへの補助金のことでお伺いいたします。
平成21年度は1億5,800万円、平成22年度は1億3,400万円がじょうてつへの助成金になっておりますが、さきに取り寄せていただきましたじょうてつの財務諸表を見ると、22年度を含めまして経営は黒字というふうに考えておりますけれども、そのような認識でよろしいのでしょうか。
◎西田 公共交通担当部長 じょうてつの経営状況についてのご質問でございます。
公開されております損益計算書によりますと、平成22年度は、旅客自動車運送事業、不動産事業などを含めまして売上高は71億8,000万円、経常利益は3億3,000万円、純利益は1億6,000万円ということで黒字となってございます。
なお、バス事業に特化した損益につきましては、公開されている損益計算書には記載はございません。私どもとしては、補助金の交付申請の際に提出された書類から把握することはできますけれども、これは、公にすることにより法人等の権利、競争上の地位、その他正当な利害を害すると認められる情報に該当しますので、金額等についてはお答えすることはできかねます。
なお、これは、本市の情報公開条例の趣旨による判断でありますので、ご理解をいただきたいと思います。
◆木村彰男 委員 それはわかりました。
じょうてつだけではないのですけれども、私どもが補助金のお話をしたときに、ご担当の方に財務諸表を含めて経営内容をごらんになったことがありますかとお聞きしましたら、私が言うまで見たことはないというふうにおっしゃっていたのですね。それを市民の方にお話ししますと、金融機関にいた方なんかは、そんなわけはないだろう、赤字か黒字かわからないのに、助成金を出しているというようなことがあるのでしょうかと。実際に助成金を出している算式を見せていただきましたけれども、私が見た限りは、それは確かに間違っているわけはないと思います。ただ、全体として見ると、じょうてつの場合、不動産収益などがあるかと思うのですけれども、全体として黒字の会社に助成することが市民感覚として本当に正しいのかというようなことは市民の方から言われました。そこで、補助金ということにつきまして、今後長く続けていくつもりがあるかどうかということはもちろん判断がありますけれども、現在のような形で補助金を続けていくことには、どこかで発想の転換が必要になってくるようなことを私は考えております。
私は、ことしの夏に、財政市民委員会の委員として長崎市に赴かせていただきまして、バス路線の状況を見せていただきました。先ほど堀川委員からもちょっとお話がございましたけれども、長崎の場合は、バスではなくて、乗り合いタクシーのような形で運行しているのですね。それは、もとよりバスとは違いますけれども、バスで投じていた助成金よりも少ないお金で運行が可能になり、さらに、割と市民の方の家の前あたりからピックアップする、もしくは予約制をとるような状況でありまして、今後、そのような形での運行の改善については考えていらっしゃいますでしょうか。
◎西田 公共交通担当部長 乗り合いタクシーの活用に関するご質問かと思います。
バス路線の一部を乗り合いタクシー等で代替することにより確かに車両の小型化は図られますけれども、バス路線は、車両台数とか運転手の人数を考慮して複数の路線を効率的に運行することで一定のスケールメリットが働いていると考えられますので、既存の事業者がバスネットワークとして維持する方が経費面で有利になる可能性が高いというふうに考えてございます。
委員からお話がありました長崎市につきましては、平たん部の占める割合が小さく、つまり、坂が多く、大型バスが運行できない道路幅員の地区もあり、乗り合いタクシーの導入は、こうした地理的制約によりまして路線バスが乗り入れできないバス空白地域の解消を目的としたものと聞いております。こうした空白地域の潜在需要を取り込むことで利用者数が1日平均200人を超える地区もありまして、一定の運送収入が得られることから、比較的少ない補助額で運行が可能になったものと考えております。
本市におきましては、市街化区域のほぼ全域がバスネットワークでカバーされておりまして、長崎市とは状況が異なりますことから、一律に比較はできないものと考えております。
◆木村彰男 委員 私は、せんだって、バスの補助金の審議会を傍聴させていただいたときに、バスの代替交通の導入ということで、今お話しになった乗り合いタクシー方式とか小型バス方式も審議会の中では既に審議されておりました。今後、どういう形がいいかどうかはわかりませんけれども、既にそのような時期に直面しているのではないかということも含めて、私は一つご提案したいと思います。
先ほど、懇談会方式とか3者方式でというようなこともございましたが、私は、じょうてつの中間職の方と懇談する機会がございまして、じょうてつの会社に行って、現在の補助金のこととか路線の運営維持について虚心坦懐にお話を聞く機会がございました。そういうことをもって、やはりコミュニケーションを密にしながらこの問題について相互に考えていくということを考えてみますと、この間も広島へ行ったときにもそうですが、札幌市からバス会社なりに人事交流するといいますか、派遣したり、向こうから社員の方を受け入れて、その辺のコミュニケーションをとりながら一緒に考えていくというような方法も一つあるのではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
◎西田 公共交通担当部長 人事交流についてのご質問でございます。
本市のバスネットワークにつきましては、すべて民間バス事業者が担っておりますので、バス事業者との連携、コミュニケーションの必要性につきましては、私どもも認識しております。ただ、その方法につきましては、日ごろからバス事業者との協議などを通しまして意思の疎通を図っているところでありまして、今後とも、より一層の連携強化に努めてまいりたいと考えております。
◆木村彰男 委員 やはり、腹を割って話をしていかなければ、建前論だけではなかなか解決できないこともあると思いますので、ぜひそのような形でお進み願いたいと思います。
最後に、真駒内駅周辺のまちづくりについてご質問させていただきます。
地下鉄真駒内駅周辺のまちづくりに関しましては、平成22年10月に1回、それから、ことし9月に1回、マイタウントークということで開催されておりまして、地元の町内会の方、商店街の方、連合町内会の役員の方々等が集まって意見を取りまとめられていたというふうに聞いております。
真駒内駅は、ご存じのように、南区の住民の方々がほとんどあそこの駅を利用するということで、ほかの地区からは来ておりません。そのため、送迎のために駅前に車が来て、お身内、家族をピックアップしてまた帰る、もしくは送りに来るということで、車幅が大変狭められ、通過する車も非常に危ないところを私も見ておりますが、そのようなことについて改善のご意見があったというふうに伺っておりますけれども、どのようなお話でございましょうか。
◎星 都市計画部長 今お話にありましたマイタウントークは、真駒内地区の四つの小学校を2校に統合するということをきっかけといたしまして、その跡利用、あるいは駅周辺の今後のまちづくりに関して、地元の皆様とお話をしながら考えていこうということでやっているものでございます。
今お話のありました真駒内駅への送迎の車が集中することによって交通の混雑が起こっているのではないかという地元の皆様のご意見は、確かにマイタウントークの中でも指摘されているところであります。
◆木村彰男 委員 これは提案ですが、歩道などもあるものですからなかなか難しいとは思うのですけれども、歩道を少し削るような措置についてはそれほど難しくなく行われるようにも私は思うのです。それは、いかがでございましょうか。
◎星 都市計画部長 駅周辺における送迎の車が駐停車するということは、ひとり真駒内駅だけではなくて、程度の差こそあれ、全市的に起きているかと思います。それが交通計画的にどうこうということは長期的な課題と思いますけれども、真駒内に関して申しますれば、今のマイタウントークも含めまして、今年度に真駒内駅周辺のまちづくり指針の策定を予定しております。これは、ある程度抽象的なものにならざるを得ませんけれども、その後、駅周辺の土地利用が動いていく時期が参りますれば、その開発等の具体化の段階で、今ご指摘のあったような課題の解決がどのような形でできるのかという検討をしていきたいと考えております。
◆木村彰男 委員 その際にぜひご検討いただきたいのは、真駒内駅というのは、バス路線として藤野や定山渓方面から来る方は駅にすぐつけることができなくて、駅の手前のバスターミナルみたいなところに一回おりるのですね。そのために横断歩道を渡らなければ駅舎の中に入れないのです。ところが、この横断歩道は2回ぐらい待たなければ点滅が変わらないものですから、雨や吹雪の日は非常に大変な思いをさせられます。そういうことも踏まえた上で、直接、バスが入れる駅ビルのような形のものができないかということでご担当の方とも話したのですが、今回、真駒内駅を中心とする開発の中で検討していかざるを得ないというようなことだったのですけれども、そういうご検討はいただけるのでしょうか。
◎星 都市計画部長 今、真駒内駅でバスをおりて、しばらく表を歩いて、横断歩道を渡り、駅に至る、そこのところで雨風で大変だというご指摘です。
では、それを、2階レベルでスカイウエーのようにつなぐとか、地下でつなぐ、あるいは、1階レベルでも全部に屋根をかけるなど、物理的に雨風を防ぐということは、もちろん技術的には不可能なことではないわけです。しかし、これも、交通結節点のような人が集中する場所で、道路空間の快適性なり安全性をどう確保するのかという全市的な水準の問題かなというふうにも思います。
何か向上策をというご質問ですけれども、全市的な中で考えるときに、道路空間に何らかのカバーをしていくということは、市民サービスの水準論として現下の財政状況を踏まえますとなかなか難しいのではないかというふうに考えております。
◆木村彰男 委員 南区の一員として、切にお願いします。
最後に、閉校になります真駒内緑小学校のグラウンドもマイタウントークの中で論点になっております。この案を見せていただきますと、グラウンド用地は、お隣の区民センターもしくは区役所に来られる方の駐車場という形で提案されております。しかし、このグラウンドは、実は地元の少年野球チームが使っておりまして、駐車場と子どもたちのためのグラウンドが共存できるような道はないのでしょうか、それについてお尋ねします。
◎星 都市計画部長 今お話がありましたように、真駒内緑小学校のグラウンドは、区役所あるいは区民センターの駐車場として整備する方向で、現在、検討を進めておりますが、少年野球で現に使われていることとの共存という関係でのご質問です。
閉校後、少年野球の皆様には、基本的には統合校のグラウンドをご使用いただきたいというふうに考えております。ただ、今後、真駒内地域の小学校を使用しているチームの状況を確認いたしまして、関係者のお話も伺って、全体的な調整をしていくことになろうかと思います。
◆木村彰男 委員 ぜひ、子どもたちの夢も実現していただくようにお願いいたしまして、私の質問にかえさせていただきます。
◆阿部ひであき 委員 私からは、市電のループ化について、端的に幾つかお伺いさせていただきます。
さきの議案審査特別委員会の中で、私は、路面電車の議論においてははっきりと黒字採算を明確にしつつ議論を進めるべきであり、現実性のある採算と計画を示すべきである旨の質疑を行っております。
そこで、質問でありますが、現時点における路面電車のループ化について、収支計画を含め、どのような内容で取り組むつもりなのか、今後の具体的なスケジュールを含め、お聞かせいただきたいと思います。
◎佐藤 路面電車担当部長 ループ化に向けた取り組み内容とそのスケジュールについてお答えいたします。
現在、パブリックコメントを実施中であります第3次札幌新まちづくり計画案に記載のとおり、札幌市としましては、平成26年度までに既設線のループ化を実施することを考えております。このループ化を実施するためには、前もって都市計画決定や軌道法に基づく特許などの法手続が必要となりますので、今年度は、そうした法手続を見据えながら、ループ化に向けた路面電車活用計画を新たに取りまとめる予定であります。
その内容としましては、ループ化のルートや概算事業費、需要推計値や経営効率化策を含む全体収支計画見通しなどをまとめることとしており、現在、軌道事業者であります交通局と連携し、検討を深めるとともに、関係行政機関や地元商業者の方々との協議につきましてもあわせて進めているところであります。来年度以降は、この活用計画に基づきまして実施設計や各種法手続などを経て、平成26年度には工事着手し、既設線のループ化の実現を図りたいと考えております。
◆阿部ひであき 委員 今の答弁を聞きますと、何か具体的なスケジュールという話をした中で、平成26年度のループ化という言葉が本当に頻繁に聞こえてきます。走るコースも中継地点もなかなか決まっていない中で、ゴールだけはしっかりと決めているようなマラソン大会のような取り組みに聞こえるわけであります。
私は、改めて、市の財政が圧迫している現状の中で、しかも、上田市長みずからが、再三、市の財政の厳しさを強調して、市民に理解を求めておいて、それでもこんな単純な構想のもとで路面電車のループ化や延伸を推し進めようとする取り組みに対して、正直、いささかの疑問を持っております。
さらに言わせていただきますと、つい先日の行財政改革推進プランにおいても、多くの市民に対し負担をお願いしながら、路面電車のループ化については軌道事業における事業内容や収支内容、今後における収支計画など、わかりやすく市民に示すことなく、本来あるべき一公的事業としての目的や方向性もうやむやのまま、このまま推し進められようとしているようにしか感じられないところであります。
また、軌道事業の一連の取り組みを見てみますと、路面電車本体の低床化やデザイン化といった事業は、市電のループ化事業とは、本来、何の因果関係もない中、マスコミ報道関係を初めとして、今の答弁も若干そうですけれども、一緒くたに扱われていることに対しまして私は違和感を覚えています。私の視点から言わせていただけると、今の路面電車本体の低床化やデザイン化事業といったものは、ループ化ありというレールに市民を誘導するために、馬の鼻先にぶら下げたニンジン的な役割の事業ではないかと思っております。低床化、デザイン化事業とループ化事業は、そもそも事業として異なるべきで、それははっきりとしています。分けて議論すべき事案であり、明確に取り組みを分けるべきではないかと私は思います。
そこで、二つ目の質問ですけれども、路面電車のループ化、さらには延伸について、実行する以前に、市民向けにデザインがどうのこうのという話の前に、事業内容や収支計画をよりわかりやすく示す必要が最初にあると考えますがいかがか、伺います。
◎佐藤 路面電車担当部長 市電のループ化を実施する前の市民への情報提供のあり方についてお答えいたします。
札幌市では、平成22年3月に、それまでの市民議論や、学識者、有識者から成る検討会議の提言などを踏まえ、まちづくりへの活用や路面電車事業の経営基盤の強化を図るために延伸は実施すべきという基本的な考えを盛り込んだ路面電車活用方針をまとめ、公表しました。昨年は、この方針の内容であります都心地域など3地域の需要推計値、概算事業費、延伸後の事業見通しなどのデータをさまざまな機会を通じてきめ細かく情報提供するとともに、自立的な経営を見通すための考え方もご説明しながら、市民の意向把握と市民理解を深めることに努めてまいりました。その結果、多くの方から賛成という意見が得られ、また、活用に当たってはとりわけ採算性向上が重要な課題であるというご意見などもいただきました。
私どもとしましては、こうした課題を踏まえながら検討を進めており、議会はもちろんのこと、市民の皆様に対し、わかりやすく情報提供を行い、路面電車活用計画として今年度にまとめてまいりたいと考えております。
◆阿部ひであき 委員 多くの方から賛成ということでありますけれども、私の身の回りではほとんど賛成がないのですね。
交通路線の見直しは、私は前回の議案審査特別委員会でも触れましたけれども、札幌市全体におけるまちづくり構想がまずはっきりしてから、その構想の中で、路面電車のループ化や延伸といった必要性が論じられるべきではないかと思います。路面電車のループ化ありきの議論は、本来あるべき軌道事業そのものの見直しを図ることができないまま、上辺だけで中身のない、赤字も解消されない事業と、辛らつな言い方をしますけれども、そうなることは必至であるというふうに私は思います。
私が言いたいことは、今、国全体が
東日本大震災で受けた傷も全くいえていない中で、事、札幌市においては、社会経済情勢も閉塞感に満ちあふれている、地下鉄さっぽろ−大通間の利用者も地下歩行空間開通の影響により一気に5,400人も大幅に減っている、さらに、薄野に至っては夜間にタクシーであふれ返って交通の便に悪影響を与えている、そういう中で本当に路面電車のループ化をすることが市民全体にとってメリットが大きいことなのかという点であります。
さらに、事業の視点から考えると、机上の論理で数字のごろ合わせで黒字化にすることは簡単なことでありますけれども、路面電車のループ化や延伸事業といったものは、あくまで黒字採算性を求める事業ということでありますので、軌道事業そのものを抜本的に見直し、軌道事業にかかわる職員の給与、職務体系や、軌道事業の運行頻度や運行時間の延長、人員配置のあり方や人員数の縮減、人件費削減の検討もさることながら、大規模かつ大幅な事業内容の追加、変更が不可欠であり、そうした軌道事業そのものの抜本的な取り組み是正が検討されてから利用者の負担増といった検討が行われるべきではないかというふうに思います。
さらに、市電をループ化させる目的は、各駅周辺において魅力あるまちづくりの一環として施設誘致等がどうあるべきかなど、さまざまな観点から深く議論された結果の先にあるべきであります。また、軌道事業そのもののあり方もさることながら、事業の黒字化といった取り組みを総合的に追求すれば、公設民営化あるいは完全民営化といった方向性も計画を示す前にしっかりシミュレーションし、数字的な根拠を含め、議論に入れるべきではないかと私は思います。
そういった意味では、この事業の今の進め方は何となく順序が間違っているというふうに言わざるを得ません。そもそも軌道事業は、市の財政に頼らない、あるいは負担をかけない黒字事業への転換といった発想のもと、議論がなされるべきであります。最初から、ただ、人に優しいとか、お年寄りに優しいとか、観光客が喜ぶといった上辺の言葉だけで、十分な議論のないまま、市長公約の名のもとで推し進めるべき軽々しい事案でないことは、改めてはっきりと指摘させていただきます。
最後に、まとめますが、今後の事業の進め方の本来あるべきあり方として、路面電車本体の低床化、デザイン化事業と、ループ化、さらには延伸事業をしっかりすみ分けしていただきたいということ、今後の取り組みに対しては軌道事業そのものの抜本的改革が大前提でなければならないこと、さらには、今までの一連の流れで、スケジュール的には平成26年のループ化というところの数字だけ時期的なものはとして聞こえていましたが、その一連の流れの中に議会においてしっかりとした議論を行える余地、必ず十分な時間を担保していただきたい。その辺のところをしっかりと要望して、私の質疑を終わります。
◆宝本英明 委員 私からは、都心のまちづくりに関して、3点質問したいと思います。
1点目は、ちょうど10日前、10月17日に国に対して指定の申し出を行いました特定都市再生緊急整備地域について、2点目は、さきの第2回定例市議会の議案審査特別委員会で私から質問させていただきました大通交流拠点の整備について、3点目は、北4西3の旧西武百貨店跡地について伺いたいと思います。
それぞれ検討状況や現況について質問したいと思いますが、3点目の旧西武百貨店跡地については、観点が少し異なるため、最初に1点目と2点目を一括して質問し、その後に3点目の質問をさせていただきたいと思います。なるべく簡潔にさせていただきたいと思います。
1点目の特定都市再生緊急整備地域の指定についてであります。
このことについては、さきの第2回定例市議会の代表質問において、我が会派の畑瀬議員が、政府の新成長戦略の一環として改正された都市再生特別措置法に基づく取り組みを活用し、駅前地下歩行空間等の完成後の都心まちづくりについて、これまでの取り組みを加速し、さらに機能強化を図るべきと指摘をしたところであります。
この改正都市再生特別措置法により創設されました特定都市再生緊急整備地域は、現在、全国で65ある都市再生緊急整備地域のうち10地域程度が指定される見込みでありまして、今後、国によるパブリックコメント等を経て、12月中旬に決定するものと聞いております。しかし、申し出イコール決定でないことは理解しているところであります。
そこで、端的に1点、特定都市再生緊急整備地域に指定された場合、その後のこの取り組みはどのように進められるのか、伺いたいと思います。
次に、大通交流拠点の整備についてでありますが、ことし3月に駅前通地下歩行空間の完成によって地下で札幌駅交流拠点と結ばれたことで、地下鉄南北線大通駅が、駅施設としての役割に加え、都心部地下空間のネットワーク形成の活用の面でも大きな結節点としての役割を担わなければならないと考えているところであります。そのため、2定の質問に際しましては、大通駅のシンボリックな存在となっておりますHILOSHIと呼ばれる大型ビジョンなどを上手に活用して、Wi−Fi、無線LANなどの新技術の導入を含めた先進的な取り組みの実施を期待したいこと、まちと駅が一つにというコンセプトのもと、リニューアルをされました大阪駅や名古屋のオアシス21などの先進事例を参考にすべきことなど、検討に当たっての提案をさせていただいたところであります。
2定の時点では、今後の進め方として、設計を行うに当たって必要となる調査等を実施し、その後、実施設計に着手する予定との説明でありましたが、まず、現在の検討の進捗状況について伺いたいと思います。
◎八柳 都心まちづくり推進室長 まず最初に、特定都市再生緊急整備地域についてのご質問にお答えいたします。
この地域は、土地開発事業等によって都市の国際競争力強化を図ることが特に有効である地域が指定されるものでございまして、札幌におきましては、札幌駅、大通駅周辺地区について指定の申し出を先般行ったところでございます。
指定を受けるメリットといたしましては、各種規制緩和や国の重点的な支援などが期待できることや民間プロジェクトの活性化を促すことで、これまでの都心まちづくりの取り組みを一層推進することが可能となることなどがございます。
申し出後の流れにつきましては、今お話にもございましたけれども、12月中旬ごろに想定されている都市再生本部の会合及び閣議決定を経まして、政令が定められ、指定される予定となってございます。指定後の流れでございますけれども、国の関係機関、地方公共団体、民間プロジェクトの実施主体から成ります官民連携の都市再生緊急整備協議会が法に基づいて設立されることとなるというふうに聞いてございまして、この法定協議会におきまして、事業の内容とか実施主体、実施期間等を明記した整備計画を取りまとめ、まとまり次第、順次、事業に着手する、このような流れになると聞いているところでございます。
次に、大通交流拠点についてのご質問でございます。
現在の検討の進捗状況についてでございますけれども、これまで設計に必要となる各種調査や検討を進めてきたところでございますが、調査によりますと、古い施設なものですから、一部、構造体に関する詳細な検討が必要であることがわかりまして、その調査に一定の期間を要することが判明したところでございます。このことから、事業全体のスケジュールの再決定を行った結果、今後の予定といたしましては、今年度はこれら実施設計に必要となる調査検討を行うとともに、新規空間に係る概略設計を行い、翌年度の平成24年度に実施設計を、平成25年からは工事に着手したい、このように考えているところでございます。
◆宝本英明 委員 まず、特定都市再生緊急整備地域についてでありますが、今の答弁で、指定後は官民協働の協議会が設置されて、整備計画を策定していく中で実施プログラムが見えてくるということであったと思います。現在、北海道、札幌は、円高等々の報道もありますが、長引く景気低迷の中で、先ほど来なかなか明るい話も聞こえてこない状況にありますので、速やかな取り組みにより施策の効果が早い段階であらわれるようなことが重要であると思います。北海道経済の活性化には、とにかく何より札幌が元気になることが大事であると考えておりますので、今回の都市再生の取り組みにより都心の活性化を図っていただいて、さらに魅力あるまちづくりとなるような取り組みを進めていただくよう要望させていただきたいと思います。
次に、大通交流拠点の整備についてであります。
大通交流拠点で実現を目指すサッポロ広場は、市民が集い、にぎわう、また、観光都市さっぽろ、創造都市さっぽろの新たな顔として世界に誇れる広場とするためにも、都心の中心性を象徴する広場にふさわしいデザインを備える必要があると考えております。
先ほど、実施設計に当たっての事前調査の段階で構造等の詳細検討に時間を要することが判明したことから、スケジュールの見直しを含めて検討しているといった答弁だったと思います。そこで、この状況を逆にしっかりと検討に時間をとれるチャンスと考えていただいて、市民のコンセンサスが得られ、誇りを持てるようなデザインについて検討を深めていくべきであり、また、市民にも検討内容をしっかりと公開して意見を聞くなど、実施設計に反映していくべきと考えますがいかがか、伺いたいと思います。
◎八柳 都心まちづくり推進室長 デザインについて市民の意見を聞くべきではないかというご質問でございます。
大通交流拠点におきまして、人々の多様な交流を支援し、都心の中心性を象徴するサッポロ広場を形成していくためには、景観を含めた空間デザインは非常に重要であると考えているところでございます。したがいまして、大通交流拠点の空間等のデザインにつきましては、今後は十分な検討を行うとともに、その検討の過程におきまして市民の皆様の意見をお聞きすることも必要であるというふうに考えてございます。その具体的な方法については、今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。
◆宝本英明 委員 しっかりやっていただきたいと思います。
最後に、北4西3街区の旧西武百貨店跡地について質問させていただきたいと思います。
現在、現地では、建物の解体工事が進んでおりまして、これまでの報道において、また、けさの新聞にも出ておりましたが、所有者であるヨドバシカメラは、解体後の土地利用については現時点で具体的な開発計画はなく、当分の間、青空駐車場として利用する意向であるとのことであります。
私は、この場所が札幌の玄関口であり、JR札幌駅の正面でありまして、都心の目抜き通りである駅前通に面しているといったことから、都心のにぎわいや魅力の向上など、札幌のまちづくりにとっては本当に重要な場所であると思います。市民の関心も非常に高い場所でありますことから、先の見通しが立たないことに非常に危機感を感じているところであります。
札幌市は、このような、当分の間、青空駐車場として利用するというヨドバシカメラ側の意向を把握されているのか、また、このことに対してどうお考えになっているのか、伺いたいと思います。
◎八柳 都心まちづくり推進室長 北4西3街区についてのご質問で、ヨドバシカメラ側の意向の把握についてどう考えているかということでございました。
本年2月にヨドバシカメラが旧西武百貨店跡地を取得した後、ヨドバシカメラ側と接触し、先方からは現段階では具体的な開発計画はなく、白紙の状態であり、開発の考え方がまとまったら札幌市に相談したい、このような旨の回答を得たところでございます。これ以降、何回か接触の機会をうかがっておりますけれども、接触の機会は得られておりませんので、ご質問にありました当分の間は青空駐車場にというお話も報道で承知したところでございます。
市といたしましては、旧西武百貨店を含みます北4西3街区は、都心のまちづくりにとって重要な場所であるというふうに考えてございますので、できるだけ速やかに駅前にふさわしい景観などに配慮された跡地利用を行っていただきたいというふうに考えているところでございます。
◆宝本英明 委員 北4西3街区では、旧西武百貨店の売却先がヨドバシカメラに決定する前の平成22年9月に、この街区が、都心のまちづくり上、重要な場所であることなどから、旧西武百貨店の売却を契機に街区全体での一体的なまちづくりの可能性を勉強、検討する目的で、札幌市が街区内の地権者に呼びかけ、札幌駅周辺まちづくり検討会を設置しております。この検討会は、3回ほど会議が持たれた後、ことしの春に旧西武百貨店の所有権がヨドバシカメラに移転された以降、活動が休止されたまま現在に至っていると聞いております。私は、北4西3街区の場所柄、地区特性などからいって、まちづくり検討会で志向した街区の一体的なまちづくりを目指すことが非常に重要でありまして、今後もその可能性を探っていくべきだと考えております。
札幌市として、ヨドバシカメラに対し、まちづくり検討会への参加を強力に呼びかけていくべきであると思いますがいかがか、伺いたいと思います。
◎八柳 都心まちづくり推進室長 まちづくり検討会への参加についてでございますけれども、市といたしましては、街区全体としての一体的、計画的なまちづくりの展開が望ましい場所であると認識しております。この実現に当たりましては、街区の地権者による話し合いが不可欠であると考えているところでございます。また、ヨドバシカメラ側にとりましても、検討会への参加は、駐車場の適正な配置など開発計画の検討に当たっての課題を解決し、円滑かつ速やかな土地利用の可能性も広がるものというふうに考えているところでございます。
したがいまして、今後も、まちづくりに対する市の考え方や、まちづくり検討会に参加して検討することの意義などについて、ヨドバシカメラ側に伝えるべく、最大限努力してまいりたいというふうに考えてございます。
◆宝本英明 委員 私は、議会に来るときには、よく、地下鉄に乗って札幌駅でおりて、地上部分や地下部分も歩いてくるのですが、駅前広場から解体工事中の現地を見ますと工事用の仮囲いで覆われ、まちとして非常に無表情で殺風景な景観に寂しさを感じているところであります。
この場所は、札幌駅におり立った人々に最初に札幌市に対するイメージを印象づける重要な場所であります。地下部分も今は閉鎖されているわけであります。現時点でヨドバシカメラとはちゃんと話ができていないということでありますが、札幌市からの呼びかけに応じようとしない姿勢には疑問を感じるところであります。この場所にふさわしい良好な開発を実現するためにも、市は今後もあきらめずに粘り強くヨドバシカメラ側に働きかけるよう要望して、質問を終わりたいと思います。
◆宮川潤 委員 北1西1街区における市民交流複合施設について質問します。
再開発による巨大ビルとなることから、市民の注目の度合いも高く、失敗しないように、慎重に検討されなくてはならないと思います。このビルに入る主要な施設は、まずホールであります。かつての市民会館がなくなり、旧厚生年金会館、ニトリホールもいずれなくなるということで、簡略なつくりの市民ホールがあるにせよ、新たな文化施設としてのホールの必要性はあると考えます。
アートセンター、創造活動センターも検討されていますが、床面積としてはオフィスが大きな割合を占めると思います。また、NHKが入るということも難しい要素となっていると思います。大規模な再開発ビルは、全国各地でつくられていますが、失敗する例が多いです。そして、失敗するパターンも大体決まっています。大型ビルの建設費を捻出するために保留床をたくさんつくって、つくり過ぎたために売れ残って、結局、市町村が買い取ってしりぬぐいするというのがお決まりのパターンです。行政が買ったので、そこを市民利用に供する施設にすることで批判を免れることができても、財政負担は後々まで重くのしかかることになります。私は、こういう失敗はしてはならないと繰り返し述べてまいりました。いっそ、最小限のビルで、手がたい再開発事業とすべきであります。
1年前の
決算特別委員会で、このビルが高さ180メートルにもなる巨大なものだ、売れない保留床をつくることなく、手がたい事業にすべきだと求めました。その後の事業規模の想定は縮小したのか、保留床についてはどうなるのか、伺います。
◎八柳 都心まちづくり推進室長 北1西1地区の市街地再開発事業についてのご質問でございます。
保留床の規模は縮小されたのかというお問い合わせでございますけれども、北1西1地区再開発事業の保留床の規模については、再開発準備組合では、昨今の厳しい経済情勢、あるいは不動産市況を踏まえまして、確実性のある保留床の規模にするため、オフィスなどの床需要に関するヒアリング、あるいは調査等を継続的に行ってきてございまして、現在、その調査も踏まえて事業計画案の検討を行っているところでございます。現時点では全体の事業規模や保留床のボリュームは確定してございませんが、このような厳しい状況を認識した上で、以前よりも縮小する方向で検討を行っているところでございます。
◆宮川潤 委員 縮小するということですから、私は現実的な対応だと思います。日本経済も、本市経済も明るい要素が見えない中で、背伸びはすべきでないと思います。
保留床を少なくする事業構想の上に立って、もう一つ、現実的な対応として求められることは、中に入る施設とその規模をゼロベースから見直すということです。保留床を減らした、だから、その分、多く金を出すということではなくて、入れる施設について、保留床削減に見合うように見直すべきですが、今後、検討するお考えがあるか、伺います。
◎八柳 都心まちづくり推進室長 この再開発事業の中には、札幌市の施設として、ホール、あるいは、今お話にございましたように創造活動センター、アートセンターという施設を複合交流施設として設置する予定になってございますけれども、保留床の縮小に伴いましてこれらについて見直すべきではないかというご質問だと思います。
保留床縮小に伴う対応については、現在、事業計画の調整について大詰めの段階を迎えているところでございます。ホールを含みます市民交流複合施設につきましては、必要な機能を確保した上で最低限のボリュームとするための検討を現在進めているところでございます。さらには、今後、事業計画案がまとまった後に、実施する設計作業の中で、建設工法の削減など事業費全体の削減についても検討することとしているところでございます。
◆宮川潤 委員 事業費全体についても削減の方向でということであります。
最も注目されている施設でありますホールについて伺いたいと思います。
2,300人規模と聞いています。コンサートや演劇など、来場者は、ほぼ一定の時刻に集まってきて、終了時刻には一斉に退出します。2,300人が一どきに動き出しますから、それが速やかに移動して、ホールの外に出て大量の人が滞ることなく各方面へ道路あるいは交通機関への流れをつくることができるかは大きな課題となります。通路やエスカレーターでの将棋倒しの事故が起きない構造が求められます。
一番いいのは、ホールは1階にあって、出口が各方向にたくさんあることですが、この2,300人のホールを何階にどう配置し、出ていく人の流れをどう想定しているのか、伺います。
◎八柳 都心まちづくり推進室長 まず、ホールの設置階についてのご質問でございますけれども、現在検討中の施設計画では、ホールにつきましては、低層棟の上層部に設置することを想定しているところでございます。終了後は、今のお話にございましたように見られた方がおりてくるということでございますけれども、上層階にございますホールから1階まで多くの利用者が集中することになると想定しておりますので、これに対応した上下階を結ぶ動線を設けまして、利用者がスムーズに流れる施設計画とするようなことで考えてございます。
◆宮川潤 委員 2,300人もの人が一度に動き出すホールは、1階に配置すべきです。それができないなら、2階または地下1階として、人の流れをスムーズにすべきです。低層棟の上層階と言いますから、5階、6階、7階あたりを想定しているのだと思います。そう考えられます。ホールは、一度つくったら、やっぱりまずかったといって移動することはできないのです。失敗したら取り返しがつきません。
2,300人のホールから1階へ人を運ぶためのエレベーターは何基設置するおつもりでいるのか、伺います。
◎八柳 都心まちづくり推進室長 1階とホールを結ぶ動線につきましては、エレベーターよりも輸送能力の高いエスカレーターを中心に現在検討を進めているところでございます。エレベーターにつきましても設置する予定でございますけれども、現時点でまだ設置する台数は確定してございません。いずれにいたしましても、エレベーターにつきましては、お年寄りの方や体の不自由な方の移動のたびに必要な施設というふうに考えてございますので、これに必要な台数を設けていく考えでございます。
◆宮川潤 委員 エスカレーターで移動する人も多いと私も思います。2,300人のホールが2階にあるのだったら、エスカレーターは威力を発揮すると思います。しかし、6階などの高層にある場合はどうでしょうか。通常のエスカレーターは、まず1フロアだけおりる。そこで、そのフロアをぐるりと歩いて、さらに下に向かうエスカレーターに乗る。それを繰り返すことになります。デパートでは、買い物に来た人がゆっくりと移動します。フロアを移動しながら、そこそこで商品を見てもらうことがデパートとしても都合がよいと思いますけれども、ホールは違います。一どきに人がまとまって出てきます。買い物が目的ではないので、そのまま帰途につく人が多い。考えるべきは、ホールから出た人が途中のフロアで買い物でもしてばらけてくれればちょうどいいということではなくて、スムーズな流れをつくれる構造であります。ですから、エスカレーターであれば、6階から1階まで直行するエスカレーターでもなければうまく運べません。しかし、そういう長いエスカレーターは事故の危険が高いです。エレベーターを10基ぐらいでもつけなければスムーズに行かないと思われますし、また、火災や地震が起きたときに、高いフロアにあるホールで大丈夫なのかということも心配されます。また、楽器や演劇の道具などの機材を運ぶにも、1階から6階まで上げるのは大変で、超大型エレベーターが必要になります。どう考えても、高層階のホールは問題が多いです。
なぜ1階にホールを設置できないのか、伺います。
また、1階には何が入ると考えているのか、伺います。
◎八柳 都心まちづくり推進室長 まず、ホールを1階に設置できない理由は何かということでございます。
この再開発ビルについては、複合ビルでございます。ホールだけではなくて、放送センターとかビジネスなどの複合用途のものが入るということでございます。再開発ビルの1階部分でホールを実現しようとした場合、1階部分のほとんどをホールが占めてしまいまして、ビル全体のエントランス、あるいは市民交流の場となるオープンスペースなどの公共的な空間が確保できなくなるという事情もございます。したがいまして、現在、1階には、このような公共空間のほか、何ができるのかというご質問でございましたけれども、NHKが取得を予定してございます放送局の設置を現在想定しているところでございます。
◆宮川潤 委員 NHKは1階が必要だということは、NHKなりの事情があるのかもしれませんけれども、ホールが何階でもいいのかというと、やっぱり、私はそうではないと思います。これだけの人が出入りするのですから、やっぱり1階が一番いいのです。NHKに1階が欲しいと言われて、はい、そうですね、ホールは上に行きますよということでいいのですか。1階を半分ずつ分け合うとか、あるいは、ホールをせめて2階にするとか、こういう交渉力の問題ではないですか。本市
市民まちづくり局の交渉力が改めて問われていると思います。ホールは1階がいいと言えるのか、試されている局面だと思います。
一度、高いフロアにつくったら、後で移動ができないのです。取り返しがつかないのです。今が大事なときだと思います。交渉負けしてはならないと思います。高いフロアにホールをつくったら、全国から視察が来ると思いますよ。いいホールだからというのではなくて、こういうホールで大丈夫なのか、本当にいいのかと、そういう視察が来ると思いますよ。八王子市で高いフロアにホールをつくりましたでしょう。札幌市でも視察に行ったと聞いていますよ。いいホールは全国にたくさんあるのですから、別に八王子市に行かなくてもいい。なぜ八王子に行くか。高いホールだからですよ。本当に大丈夫なのか、そう思うから八王子に行くわけでしょう。
いま一度、いいホールのあり方を考え直す。これは、今しかできません。再開発ビルの全体像について既に決まったものとしないで、見直すべきは見直す、1階あるいは2階のホールを改めて検討する、ぜひこのことを実行するように求めて、質問を終わります。
◆宗形雅俊 委員 私からは、先ほど木村委員からもお話がありました北海道エアシステム、略称HACと丘珠空港ビル、そして、それに関連することについてお聞きいたします。
北海道エアシステムのことを、以後はHACと呼ばせていただきますけれども、平成21年度、22年度と、この議会におきましても、北海道新幹線・丘珠空港調査特別委員会でさまざまな議論をしてまいりました。私もそこに所属しており、この丘珠空港については、先ほど木村委員からありましたジェット化の問題、滑走路の延長の問題も議論させていただきました。きょうは、その議論は先ほど木村委員もお話ししておりましたので、省いて、端的に行きたいと思います。
特に、A−netが千歳に移転し、丘珠空港に全路線を集約しました。そして、本市も、HACに対して出資し、また移転に伴う補助金を出し、我が会派も、これに対していろいろと意見交換、議論、異論を言いながらも賛成してきた立場でもあるわけでございます。そういう意味では、お金を使っている以上、これがむだにならず、生きるように、今後、HACが安定、拡大していく観点から質問させていただきたいと思います。
先ほどもお話がありましたけれども、HACについては、インシデントやプロペラの防氷系統のふぐあいで長期の運休、そして、ついこの間もボルトの欠損のふぐあいで運休がございました。特に、就航機であるSAABの整備を鹿児島の日本エアコミューターに委託していると聞いておりますけれども、今後もこういったふぐあいによる整備等で運休になっていくのではないか、また、整備体制の即応性にも課題が残っているのではないかと思っているところでございます。そういう要因で収益に悪影響を及ぼす事態も懸念されるところでございます。
そこで、先ほど、札幌市についても、上田市長名でのHACに対する申し入れや、取締役会で整備についていろいろ申し入れをしているという答弁があったところでございますが、そういった申し入れを受けて、現在のHACの整備に関する対応や体制はどうなったのか、お尋ねいたします。
それから、インシデントが起きた後、当初の事業計画の修正をしていると聞いておりますが、どのような修正になっているのか。また、たびたび起こる運休がございますけれども、この修正計画については、冬場の運休もありますが、こういったふぐあいによる運休リスクもある程度盛り込んでいるのか、この2点をお尋ねいたします。
◎富田 新幹線推進室長兼空港担当部長 まず、1点目の重大インシデントとか機材のふぐあいを受けてHACはどのような対策を講じたのか、また、札幌市はどのような対応を行ったのかというご質問です。
6月に発生しました重大インシデントに対しまして、HACでは、安全運航に係る体制の確立と運航乗務員の技量管理の徹底を柱としました再発防止策を策定したところでございます。具体策としましては、安全推進部門の人的体制の強化、社員への安全教育の強化、運航乗務員の技量向上のための技量審査の運用基準の見直しやモニターフライトの制度化などが盛り込まれ、既に実施されているところでございます。
また、9月末以降のHACの欠航が長期化したことにつきましては、これまでの故障箇所と異なる部品のトラブルが多発したことが大きな要因でありまして、HACでは、丘珠空港における配備部品の見直しを行うとともに、状況に応じ、整備を委託しております日本エアコミューターの本社がある鹿児島からの整備士の応援を要請するなど、体制を強化して対応しているところでございます。
2点目のHACの修正後の収支計画についてでございます。
HACにおきましては、6月4日に発生いたしました重大インシデントの影響などを反映いたしまして、8月末に修正事業計画を発表してございます。当該計画では、重大インシデントに伴います欠航とか、利用が低調な路線の実績見込み分の減少を反映しまして、重大インシデントに伴うエンジンリース料の増や欠航に伴う燃料費の減、安全管理体制の強化施策に伴う経費増などを盛り込んでおります。これらの結果、今年度の収支としましては7,600万円の赤字を見込み、本年6月に見込んだ当初の収支と比較しまして約7,400万円の収支悪化となってございます。
なお、当初計画の中では、9月以降の運航見通しについて、悪天候や機材故障による過去の平均的な就航率で見込んでいるところであります。
9月以降、機材のトラブルにより欠航が多く発生しておりますが、今後は、部品のトラブル等を解決すべく、対策を講じることによりまして収支に与える影響は最小限にとどめるよう、私どもとしては申し入れているところでございます。
◆宗形雅俊 委員 ある程度の運休リスクも含んでいるということですが、私個人の意見かもしれませんけれども、HACの現体制では経営がまだ脆弱で、今後も機体の不都合などのリスクも考えられるのではないかという意味では、今後の事業計画は綱渡りのような感じがいたします。
HACに対しては、一義的には道が事業や経営等に関与していくことかもしれませんけれども、HACの出資に当たり、路線便を丘珠空港に集約し、現体制になったいきさつもあります。その意味でも、本市においては、HACの事業や経営に無関心ではいられないと思っております。第3次新まちづくり計画の中でも、丘珠空港活性化プログラムに基づき利用促進事業を推進し、現在の利用客を平成26年度までに17万人にしていくようなことも計画に盛り込まれております。
そこで、HAC利用拡大に関して、これまでの本市の対応と今後の取り組み、展望をお聞かせ願いたいと思います。
それから、HACの経営に対して先ほどもいろいろお話がありましたけれども、改めて、HACの事業や経営について、今後、本市はどの程度の関与をしていくおつもりなのか、お聞かせ願いたいと思います。
◎富田 新幹線推進室長兼空港担当部長 1点目のHAC利用拡大に関し、これまでの本市の対応と今後の展望についてでございます。
HACの利用拡大につきましては、丘珠空港の活性化に直結する課題であると考えております。本市では、昨年12月に、関係行政機関や経済団体、HACも含めた民間事業者等をメンバーとしました丘珠空港活性化推進検討会を立ち上げ、ことしの5月に、空港活性化に向けた具体的プログラムと、それらを実行するための仕組みをまとめた丘珠空港活性化プログラムを公表したところでございます。
このプログラムでは、航空利用の拡大、空港のにぎわい創出、情報発信の強化等を短期実施プログラムとして掲げ、官民協働により丘珠空港の活性化に向けた取り組みを進めていくこととしております。今年度の具体的な取り組みといたしまして、市議会第2回定例会において議決いただきました肉づけ予算において、HACと連携し、札幌駅前通地下歩行空間での利用促進キャンペーンや、丘珠空港発着のモニターツアーなどを実施したほか、年度内には、空港ビルのにぎわい創出に向けたイベントや空港利用者へのアンケート調査も予定しているところでございます。
今後については、丘珠空港の利用促進について、第3次新まちづくり計画案に盛り込んだところであり、今年度の取り組み結果等を踏まえまして、次年度以降の利用促進の取り組みにつなげてまいりたいと考えております。
次に、HACの事業や経営に対する札幌市の今後の関与についてでございます。
丘珠空港が道内航空ネットワークの拠点としての機能を維持していく上で、HACが今後とも安定的な経営を続けていくことは、大変重要なことであると考えております。札幌市といたしましては、今後とも、HACに対し、株主の立場として、また、経営に参画する立場として、安全運航に裏打ちされた経営の安定を実現すべく必要な関与を行っていくとともに、丘珠空港の利用促進の取り組みなどを通じまして、HACを側面から支援してまいりたいと考えているところでございます。
◆宗形雅俊 委員 HACの件は、後ほど総括してまたお話ししたいと思いますが、次に、空港ビルについてお聞きいたします。
前段は省いていきますが、空港ビルに空きスペースが生じて、先ほどもお話がありましたように、2階ににぎわい空間をつくりました。札幌の発展過程や、丘珠空港を初め、道内航空網の歴史、また、丘珠地域の歴史や特色などを紹介、発信する歴史展示スペースが開設されたということでございます。
私は、このことについては、とやかく言うつもりはございません。ただ、この2階空きスペースに年間4,000万円が――先ほど賃料のお話がありましたが、現在策定中の行財政改革プランの視点からも、また、以前に委員会でも述べさせていただきましたけれども、空港ビル維持の抜本的な解決策とは考えられません。それから、丘珠空港活性化プログラムの中でも、短期的には空港ビルのにぎわい創出空間での集客取り組みを挙げておりますけれども、ここにも書いておりますが、中長期的には新たなサービスや収益性のある事業の開拓を言っております。やはり、空港ビルの維持とHACの路線維持拡大は表裏一体でもあり、空港ビルの維持については、民間力の活用など、今後、別の選択肢を考えていかなければならないと思っておりまして、そこが課題だとも考えております。
そこで、HACに限らず、丘珠空港の利用拡大や空港ビルの維持、活用など、丘珠空港活性化プログラムでも挙げておりますが、新たなサービスや収益性の事業をどのように構築しているのか、その考え方や対応をお尋ねいたします。
また、丘珠空港活性化プログラムに挙げられております丘珠空港利用促進協議会や、その中での空港活性化部会、またはプロジェクトチームなどを設置しておりますけれども、今後、どのようなスケジュールで一定の結論、取り組みをしていくのか、その方向性をお尋ねいたします。
◎富田 新幹線推進室長兼空港担当部長 1点目の新たなサービスや収益性のある事業をどのように構築していくのかという質問でございます。
空港ビルの経営の安定化を図っていく上では、航空利用の拡大とともに、空港ビルを有効に活用して非航空利用者の空港への来場を促し、空港のにぎわいを創出していくことが重要であると考えております。このため、丘珠空港活性化プログラムにおいて、当面の取り組みとしては、空港ビル2階の有効活用や、空港ビルの特徴を生かしたイベントやプロモーションなどを展開していくこととしております。これらの取り組みを通じ、空港のにぎわいを創出することにより、将来的な空港ビルにおける新たなサービスや収益性のある事業の展開、ひいては、空港ビルの経営の安定化につなげていきたいと考えております。
次に、空港活性化部会のスケジュールと取り組みについてでございます。
今年度は、HACの重大インシデントに関する一連の対応が一段落した後に、従来からあります丘珠空港利用促進協議会の中に新たに空港活性化部会を9月5日に設置したところでございます。本部会は、協議会の構成機関を基本メンバーとし、活性化プログラムに基づく空港の利用促進、活性化を推進することを目的としておりまして、第1回の部会では、利用促進に関する取り組みについて、メンバー間で意見交換や情報共有等を行い、本市からは、先ほど申し上げました具体的な取り組みについて情報提供し、協力・連携体制を確認したところでございます。
今後も、取り組みの進捗に合わせまして年度内に数回開催する予定でありまして、各取り組みの検証を行うとともに、活性化プログラムの着実な進捗を図ってまいりたいと考えております。
◆宗形雅俊 委員 次に、私も南区に住んでおりますけれども、私の周りで、道東、道北、道南、いわゆるHACの就航先に行くときに、JRやバスや車で行ってきたという話はよく聞きます。しかし、飛行機で丘珠空港から行ったというのは、友人のビジネスマンは聞きますけれども、地元の方の話では聞いたことは全くありません。それから、A−netが丘珠空港から千歳へ移転する話やHACのインシデントの件、また、先般の航空機のふぐあいの件の話が新聞紙上なりニュースに出ても、いろいろな方とお会いしたときに、そういった話題について、あれはどうなのかということは、今、私が接触している方の中では相手からは全く出てきません。たまたま、いろいろな話で私からお話しすることはあります。
そういう意味では、丘珠空港からは航空機を利用しない、また、私どもの南区では、丘珠空港は市内でありながら地理的に遠い存在である、こんなイメージがあります。ですから、HACや丘珠空港に対する関心が低いとか、もしくは無関心でおられる方も結構多いのではないかと思うわけでございます。その意味では、活性化プログラムで航空利用の拡大や新しい観光の開拓、拡大、丘珠空港ビルのにぎわい空間のイベントなどを挙げておりますけれども、その前に、札幌もそうですし、就航先の方々もそうですが、よく言われる地域の翼、身近な航空会社として認識できるような施策や取り組みも大事ではないかと思っているところでございます。
そこで、2点質問ですけれども、身近な航空会社や丘珠空港としての取り組みを活性化プログラムの中にさらに組み込んでいくべきではないかと思いますが、いかがか。
また、HACや丘珠空港を利用していない方々、また関心の薄い方々に向けてのPRや需要喚起について、今後どのように取り組まれていくのか、この2点をお尋ねいたします。
◎富田 新幹線推進室長兼空港担当部長 1点目の航空会社、HACあるいは丘珠空港が身近に感じられる取り組みについてでございます。
活性化プログラムにおいては、委員よりお話のあったとおり、丘珠空港のにぎわい創出を重点的な取り組みとして掲げており、航空利用者だけではなく、非航空利用者にも空港来場を促進することとしております。具体的な取り組みといたしましては、先ほども一部申し上げましたが、空港ビル2階に、札幌いま・むかし探検ひろばをオープンし、非航空利用者の方にも好評を博しているほか、空港ビルの特徴を生かしたイベントの展開などにより集客を図り、空港の利便性などを広くPRしてまいりたいと考えております。また、活性化プログラムでは、インターネットなどを活用した空港情報の発信の強化も盛り込んでおり、これらの取り組みを通じまして、これまで空港に興味のなかった方にも関心を持ってもらい、札幌市の空港として、また地域の翼として、空港やHACがより身近に感じてもらえるような取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、丘珠空港未利用者に対する需要喚起の取り組みについてでございますが、委員ご指摘のとおり、丘珠空港の利用拡大を図る上で、丘珠空港を利用したことがない市民に対する需要の掘り起こしは重要であると考えております。
本市では、丘珠空港未利用者へのPRを目的として、先ほど申し上げました札幌駅前通地下歩行空間において丘珠空港のPRイベントを実施したところでありますが、その際に実施したアンケートでは、約4割の回答者が丘珠空港に行ったことがないと回答しており、丘珠空港に就航している路線の認知度の設問でも、釧路や女満別への路線があることを知っていると回答した割合は約5割程度にとどまっております。今後の利用促進の取り組みに当たりましては、このような結果も踏まえながら、丘珠空港未利用者に対するPRに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
◆宗形雅俊 委員 それでは、最後にしますが、先ほどから、HACの修正計画はまだ――HACの取締役に相原理事が入っているのだと思います。失礼ながら、我々は航空関係の専門知識では素人だと思うのですけれども、逆に素人の目で経営の数字の面等々をいろいろ見ていっていただきたいなと思っております。
それから、調査特別委員会においても、HACに対しての北海道航空ネットワークの重要性は認識しております。そういう意味では、札幌市も、道都として、さらには株主という責任があると私は思っておりますので、活性化プログラムの中で目標を持てるものは持って、スピード感を持って取り組んでいただきたいと思っているところです。ややもすれば、いろいろな施策を挙げて取り組んでいますと。成果を求めるものは求めるように、ぜひ目標設定を置いて、その中で皆様がよくやられる管理サイクルをしっかりと回していっていただきたいなと思っているところでございます。
これについては、今後もいろいろな形の中で注視しながら関心を持っていきたいと思いますので、そのことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
◆長谷川衛 委員 私からは、路面電車を活用したまちの活性化について、3点ほど質問したいと思います。
まず、1点目でありますけれども、路面電車の利用促進について伺いたいと思います。
昨今、都心回帰によって路面電車沿線の人口は増加をし続けています。しかし、残念ながら、人口とは裏腹に乗客数が伸びていないのも現状であります。こういった状況を踏まえて、今後、路面電車のさらなる活用に向け、乗客数の増加に向けた需要喚起策をいかに強力に進めていくかということを観点に質問したいと考えております。
現在の路面電車は、老朽車両の更新や経営の効率化、利便性や快適性の向上など、さまざまな課題を抱えています。しかし一方で、都市環境に優しい乗り物として注目されていることも事実であります。欧米の状況を見ても、特にヨーロッパでは、LRTがすさまじい回帰をして新しいまちづくりに貢献している、そのことも目の当たりにしているところであります。
交通局では、経営の効率化策として総人件費の抑制を含めた内部効率化に取り組むこととしておりますが、これはおのずと限界があると私は考えております。やはり、本来的には乗客数を伸ばすことであり、乗客数が伸びなければ継続的で安定的な経営は難しいことは明らかであろうと思います。
そこで、1点目の質問ですが、これまで、札幌市は路面電車の利用促進策としてどのような取り組みをしてきたのか、改めて伺いたいと思います。
◎佐藤 路面電車担当部長 利用促進策の取り組みについてお答えいたします。
札幌市では、これまでイベント電車などの直接的に乗車を促すような取り組みと、沿線の施設情報を発信し、地域への来訪者をふやすなどし、間接的に利用を促すような取り組みをあわせて行っております。具体的に申しますと、直接的には土・日・祝日の利用を促進させる一日乗車券の販売や、人形劇、カフェ、クリスマスといった企画電車の運行、また、間接的には、沿線の観光施設と連携した企画乗車券の販売、まちの魅力再発見事業として沿線の人や活動、沿線の施設等を紹介するフリーペーパーの発行等でございます。このような利用促進策は、沿線の活性化に貢献するような取り組みとして、交通局が中心となり、関係部局はもちろんのこと、沿線市民や都心の商業者などとも連携しながらさまざまな取り組みを行っております。
◆長谷川衛 委員 今、答弁がありましたけれども、私は、どちらかというと、今までの取り組みはイベントが結構多くて、イベント中心の取り組みではなかったかなというふうに思っています。きょうは担当が違いますので言いませんが、前に交通局のところでも利便性の向上ということで質問したことがあります。これは、いかに乗り勝手のいい乗り物にしていくかということで質問しましたけれども、利用促進というのは多方面から多角的に考えていかなければならないというふうに私は考えております。
そこで、次に、ループ化の質問をしたいのですが、先ほどその質問がありました。今回、方針としてはいよいよループ化が打ち出されました。2014年のループ化の実現を目指し、既に予備設計や車両デザインの検討など、具体的な検討に入っている、こんな時期であります。ただ、私にとっては非常に長く、やっと来たなという思いです。それは、議論のこれまでの経過を考えてみても、何年間議論してきているのかと。長いこと議論してきました。その中で、まずループ化ということをずっと言われ続けてきました。延伸問題も確かにこれから控えておりますけれども、なぜループ化ができないのかと。そういう中で、これは私の個人の感想ですが、今まで夢のある議論もたくさんありましたけれども、もう一方では、いわゆる財政一本やりの萎縮した議論が悪循環を生んできた。そこのところがなかなか突き進めないために、一歩、突き進めないためにどんどん経営効率も悪くなっていくという悪循環です。このことをいかに克服していくかということがこれからの大きな課題なのです。
そこで、ループ化についてでありますけれども、今回のループ化によって西4丁目とすすきのの電停がつながることで、非常に利便性が向上して新規需要が期待される、私はこんなことを考えておりますが、乗客数については、今後、需要推計を行って算出するというふうに聞いております。
そこで、質問ですが、ループ化により利便性向上という点でどのような効果を期待されているのでしょうか、具体的にお示しください。
◎佐藤 路面電車担当部長 ループ化による利便性向上の効果についてお答えいたします。
西4丁目とすすきのの電停間を結び、既設線のループ化をすることにより、どの電停間においても最短で移動できる手段が確保され、回遊性が向上するものと考えております。例えば、薄野や中島公園のある山鼻線沿線の利用者は、大通地区や地下鉄東西線へのアクセス性が向上するほか、官公庁のあります西11丁目、医療機関が集積しております西15丁目に向かう場合など、利便性が高まるものと考えております。
これに加えまして、バリアフリー化され、デザイン性にすぐれた新型低床車両の導入等により、高齢者などの気軽な外出機会の促進につながることや、観光客が都心周辺を電車で周遊しやすくなるといった効果も期待できるものと考えております。
◆長谷川衛 委員 ループ化によって一定程度は具体的なものが示されましたけれども、私は、まだまだ期待しているところが多いのです。ただ、これは待っていても実現できません。やっぱりPRをして、いかにループ化がいいのか、ループ化によって何が市民の活性化のために生きてくるのかということです。例えば、今、札幌市では、大きな施設としては中島公園にKitaraがあります。それから、今回改装する予定だと思いますが、豊平館等がありますけれども、皆さんはどこからここに来るかといいますと、どちらかというと地下鉄が多いのです。でも、皆さんも行ったことがあると思いますけれども、地下鉄からかなり距離があるのです。季節のいい時期はいいですよ。なかなか見ごたえもありますし、今は秋の紅葉時期ですから最高です。しかし、冬とか、またはお年寄りの方々を含めて、Kitaraなり豊平館に行くとすると一番便利がいいのは路面電車なのです。路面電車の中島公園通でおりたらすぐなのです、すぐ着けるのです。そして、今、部長から答弁があった低床車両も入れるということになりますと、私が長年言ってきたお年寄りの方々に優しい、車いすでも乗り込めることで利便性も高まり、そして、多くの観光客も含めて引き寄せる。引き寄せなければならないのですね。そういう場所はよくよく見てみますと、まだまだあるのです。
ところが、どうも、地下鉄は速いと。確かに地下鉄は便利です。何でも地下鉄だというところに目が移っていないかということなのです。そして、前から、客の奪い合いというのでしょうか、同じ札幌市で地下鉄ができることによって路面電車の客が随分少なくなってきたわけですから、そういう状況の中で、会計が軌道会計と分かれているというところに、私は、素人として、議員になる前からちょっと違和感を覚えてまいりました。何で同じ札幌でやるのに、一方は黒字だ、一方は赤字だとがたがたやっているのかという思いは、議員になった今でも確かにあります。
そこで、問題なのは、最後の質問になりますけれども、では、需要喚起策をどう進めるのかということであります。
私は東区生まれの東区育ちでありますけれども、ずっと路面電車を利用してきました。それは、大学も教育大学でしたので、いつも電車を利用しておりましたし、当時、思い出すのは3両編成の連結車にいつも乗って、朝、多くの学生がたくさん乗って、路面電車を随分利用させてもらいました。要は、当時は路面電車沿線に学校がたくさんあったのですよ。教育大学は大きいですけれども、札工、経済高校、その後の有朋高校など、そして学生数も多かった。今はというと、ほとんど郊外へ行って、施設がなくなってしまった。このことによって……(「だから、電車は要らないんじゃないか」と呼ぶ者あり)いや、要らないんじゃないんだ。
○伊藤牧子 委員長 静粛に願います。
◆長谷川衛 委員 (続)このことによって、その部分で必然的に客が少なくなったということは事実なのです。それによって奪われてしまった。そのときにどうするかということですよ。確かに、昔はいたから黙っていても乗ってくれたということがありました。でも、これからは、どう客を引き寄せ、観光客を引き寄せるかという喚起策をいかにつくるかということなのですよ。そうなれば、一部局だけでは絶対に無理です。今までのいろいろな施策を見てきても、交通局だけで一生懸命に考えたってまず無理ですし、
市民まちづくり局の総合交通部だけが考えても無理です。全庁的に考えなければならないことがあるのです。
例えば、一例を示します。今回、12月に藻岩山のロープウエーが駅も含めていよいよオープンします。これは新しい観光のスポットとして期待されております。たとえこれとて、今までのような形で新しくなったから人が来るだろうだけでは、私は無理だと思うのですよ。ここで観光文化局とも手を組んで、電停からロープウエー駅までのまち並みを――あそこはいいのですよ。ゆっくりとぶらぶら歩いて、すてきな店でもあれば店に入って、ロープウエー駅に着く。最近は、前に言って一部で笑われましたけれども、ロープウエー駅の近くはグルメ通です。すばらしい店がいっぱいあるのです。工夫次第なのです。ですから、それを一部局だけで何とか効率化しようと空回りしていても、いつまでも広がらない。
さまざまな分野で、例えば、教育委員会でも工夫できるところはあるのです。なぜかといいますと、おとといは私も電車で来たのですけれども、中学生がいっぱい乗っていました。もう9時半でしたけれども、ラッシュ時が終わったのに随分込んでいるなと思ったら、体験学習に行く生徒たちがびっしり乗っていました。ああ、これはいいことだなと。路面電車を使って体験学習に行く。札幌のまちのことを知るために学習しているわけですから。そこで、教育委員会に現状を聞きましたら、さまざまな取り組みをしているけれども、どちらかというと社会科ではバスを使っているところが多いと。公共交通を使って足元の札幌を見ている体験学習はまだまだ少ないと聞いています。そういう面では、これからは子どもたちが古い電車も新しい低床車両を利用しながら、子どもたちは乗り物が大好きですから、そして、せっかくできた札幌の水道博物館、ロープウエー、Kitaraと、周辺にはさまざまな見どころがあるわけですから、こういう活性化策をさまざまな部署と一緒になって考えてほしい、私はそう思うわけであります。
そこで、具体的なことも提案しましたので、最後に、ぜひ副市長に答えていただきたいと思いますが、路面電車の需要喚起策として沿線の魅力向上に向けて積極的に取り組むことは新しい時代の札幌のまちづくりにとって極めて重要と考えますけれども、副市長の認識をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
◎小澤 副市長 今、質問の中でいろいろ貴重なご意見がありましたが、まさにそのとおりであります。電車の線に囲まれた地域というのは、札幌にとりましては古くから開拓されたところでありまして、山鼻は屯田兵の方々が多く住んでいるところでありますし、あの中には山鼻屯田兵の記念館があったり、おいしいレストランがあったり、新通市場みたいな古い市場があったり、あるいは、明治の末のころから豆腐をつくっているお店があったりということで、昭和のレトロの時代が懐かしいと、創成川の東側は今そういうふうに言われておりますけれども、電車の線路の内側というのでしょうか、そういうような要素があの地域にはあるのです。そういうような隠れた魅力を引っ張り出して、それを行政がきちんと情報発信していくと。今の時代、若い人はそういうことを非常に好むところがありますので、それがまた観光客の誘致にも結びつくと思いますし、古い札幌を知っていただくということについても、またいいことだと思います。
先ほどお話がありましたことは、まさにそのとおりで、観光文化局だけでできる話ではないし、交通局だけでできる話でもありません。そんな意味では、市長政策室も絡めて、札幌市全体でいろいろな知恵を寄せ合って情報発信をしていくことが、またこの地域、沿線の魅力の向上につながるというふうに思っているところでありまして、役所としても積極的に取り組んでいくということだと思います。
◆長谷川衛 委員 委員長、一つだけ言い忘れておりました。申しわけありません。
今、副市長からも前向きなお話をいただきました。先ほど、さまざまな学校施設がなくなって、そこの部分でも利用客が随分大きく変わったと言いましたけれども、やっぱり需要喚起策の一つで忘れてほしくないのは施設も大事だということです。大型施設、利用する施設です。例えば、今、検討していると思いますけれども、中央区体育館だとか、そういうような施設もぜひ路面電車と結びつけて検討いただきたいということを申し上げて、終わります。
◆山田一仁 委員 私からは、豊平川の堤防通の話と新まちの計画について、2点お伺いしたいと思います。
前置きはなしにしておきます。
ずっと前から、何年も前から言ってきました、豊平川堤防通の南進はどうなりましたか。当初、最初のうちはいろいろと難しかった。しかしながら、だんだん時代が変わってきて、当時は石狩川開発建設部もだめだということが、よくなったわけですが、大分変わってきて、検討するというお答えをいただきました。たしか、2年前ぐらいに質問したときは、建設新聞にすごく大きくどんと出て、いよいよ札幌市は検討に入ったということでありました。
その中で、今回の札幌市総合交通計画(案)というものが出てきましたけれども、ずっとこれから検討しますと書いてあるところにもってきて、今回、見ると、また都心アクセス強化道路軸の検討、創成川の機能と豊平川の南北延伸とあります。もう検討という言葉は要らないのですが、豊平川通の南進計画について、交通対策として現実に今日まで検討されてきた状況と今後の取り組みについて、まず最初にお伺いしたいと思います。
◎山重 総合交通計画部長 豊平川通の南進についてお答えいたします。
まず、検討状況についてでございます。
豊平川通は、平成22年3月に策定いたしました道央都市圏都市交通マスタープランにおきまして、都市圏内の各拠点を結ぶ13放射道路の1路線でありまして、このうち、南進につきましては、南部地区と都心部を結ぶ交通アクセス上の重要な軸線として札幌市総合交通計画(案)にも位置づけたところでございます。
具体的な検討につきましては、既に進めておりまして、対象区間については、藻岩橋から石山大橋までの豊平川沿い約4.9キロメートルの区間であり、国道235号の豊平川左岸に上下線の道路を集約する方向で検討を進めております。検討対象区間には、豊平川緑地や藻南公園などの自然環境、マンションや病院などが立地しており、こうした制約条件を勘案した上で、上下1車線の2車線道路として交通量の検証を行ったところ、国道230号の交通混雑を緩和し、南部方面の交通円滑性に寄与する機能が確保できることを確認したところでございます。また、概略設計を行い、五輪通との交差部を立体交差とするなど技術的な検討を進めるとともに、公安委員会及び河川管理者との協議を行っているところでございます。
今後についてでございますが、藻南公園との取り合いや、石山大橋付近での国道230号線との接続形状など、課題も多い状況でありますが、公園管理者や国道管理者など関係機関との協議を進め、都市計画に向けた対応を精力的に進めてまいりたいと考えております。
◆山田一仁 委員 部長、久しぶりに今までと違った答弁が少し出てきたかなと思います。本当に、これはやっと前進ですね。確かに、一つのものをやろうとすると本当にかかりました。それでも、一歩前進で、これから本格的に進めていただけるということであります。私は東区ですが、南区の方には大変喜んでいただけるのではないかと。
当然、これは札幌市全体の道路ですから、これができるということは我々が定山渓に行くときに楽になるのです。冬なんか、私どもが東区から定山渓に行こうと思ったらとんでもない時間がかかって、定山渓での宴席なんていうのはお断りというぐらいになってしまいますから、便利にすることは本当にいいことなので、これはぜひどんどん進めていただいて、本格的に実施の検討に入って頑張っていただきたいと思います。
それとともに、今度は南がそこそこになりましたから、やっぱり東、北側だと思うのです。
今回の総合交通計画で堤防通の図面を見せていただきましたが、北側も載っているのです。いいことなのです。やはり、堤防通というのは非常に便利です。用地買収もしなくていいですし、土地代がかからないわけですから、ああいうところは、河川に了解していただけるのなら、もっと使えるとこんなに便利なことはないし、高速道路とは申しませんが、本当に便利な道路になっていますから、これを伸ばしていただきたいと思うのです。
我々が何でこんなことを言うかというと、道路交通体系は本当に経済の中でも大きいことで、北側は、幹線道路が大きい、特に米里にジャンクションがあるのです。私も、かつては都市高速道路の話もこういう委員会で何遍も言わせていただきました。今、北海道は千歳空港に空港の専用インターをもう一つつくりました。もうちょっといいものを考えてくれればよかったのですが、本来、主要空港は出た瞬間からそこに高速道路がなければだめなのです。主要空港と主要港湾の大きなところは、みんなそうなっています。日本ばかりではなく、外国なんかはもちろんです。残念ながら、北海道は、まだそういうところがおくれているのです。千歳空港を出てもすぐに入れない。ただ、今よりは少し便利になるでしょう。
そうするならば、次は、一番の札幌市が受け入れをしてやらなければならないはずなのです。しかし、現状の高速道路の出入り口から見ると、中心部に入るまで、いつも観光バスの皆さんに言われますが、中心部に来るのに時間が読めないと。本当にこれでいいのでしょうか。できるだけ早くしてほしいということで、石狩街道の高速道路についてはもう何遍かお話しさせていただきました。これも悪いことではありません。
しかし、これは、上に持っていけば、当時、何年前ですか、10年ぐらい前でしょうか、500億円とか、地下を掘れば800億円とか、あそこは国道ですから、全部が札幌市ではないので、それも現実にやろうとすると不可能かなと。そうするならば、米里にジャンクションがあるのだから、あそこに堤防通をぶつけていただきたい。今、24条橋も検討されているわけです。今、堤防通の上はわずかでも走っていますから、今度はそれを本格的に検討されてはいかがか。今回、この中にそこまで入っていないのです。入っているのは東橋までです。しかし、現実にはあそこからまだ少し走っているのですよ。
ですから、もうそろそろ今度は北側の検討を今後どうしていくのか。ジャンクションも絡めて、経済対策も絡めて、まちの活性化を絡めて――あそこにぶつけると便利ですよ。その辺も含めて、今後はどういうふうに考えるか、部長のお考えをお聞きしたいと思います。
◎山重 総合交通計画部長 豊平川通の北進についてお答えいたします。
まず、豊平川通北進の位置づけについてでございますが、これは、都心に目的のない通過交通を迂回させるなど、都市圏コア内の機能強化軸として道央都市圏都市交通マスタープランに位置づけられており、札幌市の行政計画でございます札幌市総合交通計画(案)にも同様に位置づけているところでございます。検討対象区間といたしましては、豊平川沿いの右左岸、南7条大橋から国道12号の東橋までの区間としております。現在、この区間は狭隘な対面通行で供用されておりますが、南7条大橋から上流側の豊平川と同様な交通機能を東橋まで確保してまいりたいと考えております。一方、東橋から下流の豊平川の左岸側については、河川に沿って国道275号がありまして、北海道開発局では、東橋から平和大橋までの区間の4車線化に引き続き、JR交差部前後の4車線化に取り組んでいるところであります。これらの取り組みを着実に推進することにより、ご質問にありました高速道路方面の交通の円滑性は確保できるものと考えております。
なお、米里付近の札幌ジャンクション等の接続についてでございますが、既存の高速道路からの分岐箇所におきまして構造物を建設することや、分岐後の道路を新設し、乗降口を設けることは、多額の建設費を要することとなりますし、さらに既成市街地に多大な影響を与えることが想定されます。したがいまして、北部方面の高速性のアクセス強化については今言った方法で着実に進めてまいりたいと考えております。
◆山田一仁 委員 確かに、北側というのは、部長もわかっているとおり、石狩開発建設部からも聞いています。特に東側、私どもの方は、北1条通とくっついているし、なかなか厳しいのです。白石側、今度の南側だって片側で行こうかと言っているのですから、確かに2車線があった方がいいけれども、1車線でも十分に円滑に進むと思います。あそこだって、片側だけでも場合によっては済むかもしれないのです。きょう言って、これからというわけにはいかないし、このシステムは検討までに何年もかかるわけですから、北側に関しては次の機会でまた議論したいと思います。
もう1点だけですが、総合交通体系についてです。ほかにもたくさん聞きたいのですが、全部聞くのはやめます。
今回の計画の中で1点聞きたいのは、これはまだ案ですから、これからになるのでしょうが、今回、こういう案を出すときの一つとして災害対策がありますけれども、道路というのは災害を受けるとどこかがつぶれてしまいます。何でこんなことを言うかといったら、去年の雪のときにそうで、東区で一つあったのです。消防車が入れなくなってしまった。除雪の仕方などですが、迂回や道路体系というのは今回の10年物にそういうことを考えられてきたのかということですが、どういうふうにあるのかわからないので、そういうことを考えておられるのか、一つお聞きしたいということです。
それから、総合交通と言うのですから、確かに道路やバス問題もいろいろとありますが、それは今度の1定で言いますが、そういうものも含めた地下鉄の駅舎とか建物の更新などがこれから来ると思いますけれども、そういうものは今回の交通の中で考えてこられているのですか。その点をちょっとお伺いしたいと思います。
◎山重 総合交通計画部長 まず、総合交通計画におけます防災対策についてお答えいたします。
札幌市総合交通計画(案)は、総合交通計画部だけではなく、庁内各部局などが札幌市内で取り組む交通施策を体系化したものでありまして、防災関連の取り組みといたしまして、緊急輸送に利用される骨格道路網の整備や橋梁の耐震補強を推進することとしております。今後とも、地域防災計画を所管しております
危機管理対策室や建設局と連携しながら、札幌市の安心・安全なまちづくりを支えるため、総合交通体系の中で示した施策を着実に進めてまいりたいと考えております。
それから、駅舎など公共施設の老朽化に対する考え方でございますが、例えば、建設局が進めているアセットマネジメントなども総合交通計画の中に入っておりまして、今後、こういう老朽化する施設につきましても、適宜、補修することについてもこの中で考えておりますので、関係する部局と連携しながら対応を進めてまいりたいと考えております。
◆山田一仁 委員 わかりました。
だとするならば、やっと10年が出まして、久しぶりにこういういい計画が出てきたのです。前回あったものがなくなった、外回り環状などがなくなったり、南北延伸の問題も聞きたかったのですが、それは、きょうはやめておきます。道路で少し変わったところがありますけれども、それでもこういう計画はすばらしいことだと私は本当に思います。もっと早く上田市長がこういう10年計画なりを出してくれればよかったのですが、今まで何も出てこなかった。今回、急に10年になってきました。
ところが、もう一方で、新まちづくり計画があるのですが、これは4年間なのです。これと新まちと、そこのところは、今回、私どもはわからないけれども、これを議論していると長くなるから、きょうは、これ以上、私は言いません。
最後に、相原理事にだけ、一言だけお聞きしますが、総合交通の担当理事ですから、総合交通と新まちのあり方について、これは10年で、向こうは4年ですから何か変だなと思うのですが、この辺についてひとつお考えをお聞きして、最後にします。
◎相原
市民まちづくり局理事 ただいまのご質問について端的に申し上げますと、新まちづくり計画の4年間の中に盛り込んだものにつきましては、今つくっている総合交通計画の施策の体系に盛り込まれており、10年間の中でこの3年、4年の中でできるものを盛り込んでおります。そういう関係でございますので、できる順番は同じようにパブリックコメント中でございますけれども、その内容は整合しているということでございます。
○伊藤牧子 委員長 以上で、第4項 都市計画費の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、10月31日午後1時から、
市民まちづくり局のうち、地域振興部及び市民生活部関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
――――――――――――――
散 会 午後8時58分...