札幌市議会 > 2007-10-17 >
平成19年第一部決算特別委員会−10月17日-04号
平成19年第二部決算特別委員会−10月17日-04号

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  1. 札幌市議会 2007-10-17
    平成19年第一部決算特別委員会−10月17日-04号


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    平成19年第一部決算特別委員会−10月17日-04号平成19年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第4号)               平成19年(2007年)10月17日(水曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人     委 員 長  村 松 正 海       副委員長   青 山 浪 子     委   員  湊 谷   隆       委   員  西 村 茂 樹     委   員  福 士   勝       委   員  小 野 正 美     委   員  恩 村 一 郎       委   員  三 宅 由 美     委   員  藤 川 雅 司       委   員  桑 原   透     委   員  佐 藤 右 司       委   員  長谷川   衛     委   員  しのだ 江里子       委   員  笹 出 昭 夫     委   員  宮 村 素 子       委   員  高 橋 克 朋     委   員  近 藤 和 雄       委   員  長 内 直 也     委   員  細 川 正 人       委   員  横 山 峰 子     委   員  宗 形 雅 俊       委   員  佐々木 みつこ     委   員  本 郷 俊 史       委   員  高 橋   功     委   員  谷 沢 俊 一       委   員  阿知良 寛 美     委   員  國 安 政 典       委   員  坂 本 恭 子
        委   員  伊 藤 理智子       委   員  村 上   仁     委   員  佐 藤 典 子       委   員  小 倉 菜穂子     委   員  松 浦   忠       委   員  宮 本 吉 人       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時 ○村松正海 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、堀川委員からは、松浦委員と交代の旨、届け出がありましたので、ご報告いたします。  ここで、委員長から申し上げます。  本日は、質疑予定者が多数に及んでおりますので、質疑、答弁とも簡潔に行っていただきますようご協力をお願いいたします。  それでは、議事に入りますが、初めに、質疑に先立ち、徳増消防局長から発言をしたい旨の申し出がありましたので、これを認めます。 ◎徳増 消防局長  貴重なお時間をおかりしまして、不祥事発生の報告とおわびを申し上げたいと存じます。  既に、新聞等で報道されているところでございますけれども、先般、当局の職員が大麻の不法所持で逮捕されるという不祥事が発生いたしました。たび重なる不祥事によりまして、市民の皆様からの信頼を大きく損なう事態となりましたことは大変遺憾でありまして、この場をおかりしまして、深くおわびを申し上げます。  今日に至るまで、ありとあらゆる方法で、職員一丸となって、私生活上の不祥事の再発防止に真剣に取り組んでまいりましたが、そのやさきに再び私生活上の不祥事が起きてしまい、私どもといたしましてもまことに痛恨のきわみであります。  このような事態を重く受けとめまして、昨日、小澤副市長から、係長職以上の職員に対しまして訓示をいただきました。市民の皆様からの信頼回復に向け、24時間365日、真摯に日々の仕事に邁進する決意をしたところでございます。  今後は、消防署のトップであります各消防署長を委員としたプロジェクトを立ち上げました。この中で、より効果的な対策について早急に検討を進めてまいりたい、このように考えております。  いずれにいたしましても、一刻も早く市民の皆様からの信頼回復に向け、職員一丸となって今後とも職務に精励してまいる所存でございます。どうか、よろしくお願いいたします。  このたびは、まことに申しわけございませんでした。 ○村松正海 委員長  それでは、第8款 消防費 第1項 消防費の質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  きょうは、一部で質問をさせていただきますが、今、消防局長から職員の大麻所持による逮捕といういわば私的な行為による不祥事に対して、深くおわびをするという言葉がありました。  そのことに対する質疑は後にしておいて、まずお尋ねしたいのは、日ごろ、消防局の職員に、職場の仕事上の規律はもちろん、特に、職員としてしてはいけないこと、こういったことに対する職場内での教育、教育と言うとちょっと角張りますけれども、例えば、職場の中で労働安全衛生委員会などもあります。それは何かといったら、職場の仕事に対する安全、まず消防職員の安全をどのように確保していくかということを協議する、これは労働安全衛生法で義務づけられておりますが、こういった中で、日々職員として守らなければならないこと、してはいけないこと、こういうことについてどのような教育といいますか、伝達、あるいは、その中で話し合われているか。このことについて、まず、1点お尋ねします。  2点目であります。  採用試験に合格して、新規採用の方が入ってまいります。消防局長は、この入ってくる職員は、社会常識もわきまえ、そして、法律もきちんと守る、地方公務員として、とりわけ規律が要求される消防職員として、その面では大丈夫だ、一人前だ、こう考えておられるかどうか。  この2点についてお伺いいたします。 ◎徳増 消防局長  2点についてただいまご質問をいただいたわけでありますけれども、総体的には公務員倫理の関係かと思います。  私どもは、消防学校を持っているものですから、この学校を通じまして、職員あるいは階級別に公務員倫理としてのあるべきものについて教育しておりますし、そのほかに、各消防署長を筆頭とするところのいわゆる主任服務管理員でありますとか、具体的にはそれぞれの署の課長を通じ、公務員倫理について、日々、定期的に指導しているところでございます。  採用段階におきましても、当然ながら、しっかり将来に向けてやってくれるだろうということを信じて私どもも日々の教育に努めている、そういう認識でございます。 ◆松浦忠 委員  消防局の管理部長にお尋ねをします。  管理部長は、行政職から行かれている方だと思います。したがって、消防職で入って、消防局でずっと仕事されている方よりは、人事や労務管理に精通されている、そういう意味合いも含めて、消防職員の管理の元締めということで、消防局次長なり、いわゆる事務方の次長か局長か、交代で両方いるわけですけれども、今で言えば次長なり、管理部長は事務方から行っているので―管理部長はいないですか、総務部長ですか。総務部長ですね。それらは事務方ですね。  では、次長に尋ねましょう。  次長は、職員の研修において、こういう社会的な決まり事を守ってもらうような教育は、職場内教育でどのようにされているか。これについて、具体的に、していなければしていないでいいです。もししていればしているということで、具体的に一例を示してお答えいただければありがたいです。 ◎新目 消防局次長  ただいまのご質問は、どのような教育をしているのか、事務方から見て局でどうやっているのかというご質問かと思います。  私も、この4月に消防に参りまして、少し長くなりますけれども、今回、初任の職員、ことしの4月に入った職員が6カ月の研修を受けてこれから現場の研修に行くというときに、私もじかに次長訓話という形でやっております。その中身というのは、私が技術的なことをお話しするということではなく、公務員というのはこういうものだよというお話を現実の問題として1時間ほどの中身で話しております。 ◆松浦忠 委員  そこで、市長にお尋ねをいたします。  私は、10月4日の代表質問で、教頭先生の事件について市長に見解を求めました。そして、きのうは、また市長に、職員のこういう事態を踏まえて、どういう対応策、指導をしていくか、このことについて市長の見解を求めました。さらにまた、きのう、一部で、坂本恭子委員と市長との間のこの問題をめぐっての質疑も録音テープで何回も聞かせていただきました。  そこで、私が市長にお尋ねしたいのは、坂本委員との一連のやりとりの中で明らかになったこと、私が理解したことは、市長は、法的に、まず一つは、勤務時間内に仕事上のやってはならないこと、不法行為を犯した者については、市長は責任がある、こう答えております。仕事時間中であっても、仕事にかかわらないものについては、これは責任はない、こう考えておられるのかどうか。仕事時間内であっても、職務にかかわらないで不法行為を犯した人に対して、市長は責任があるとお考えか、ないとお考えか、これがまず質問の第1点であります。  そして、二つ目は、今、報告を受けました。その中で、係長以上に対して、小澤副市長からの訓示がありましたとあります。どうして市長が訓示をされなかったのか、まず、この2点をお伺いいたします。 ◎上田 市長  職務時間内における不法行為につきまして、これは責任があるというふうに私は考えております。ですから、例えば、昨日の交通局のお話でいけば、これは勤務時間内であるということがはっきりわかりました。盗撮行為、これはもちろん職務に関するものではありませんけれども、勤務時間内に違法行為を行うというのはとんでもない話でございます。当然、その管理が及んでいなかったということについて、私は責任を感じているというふうに思います。  それから、一般職に対する訓示等については、これは、今、どうあるべきかということについて検討委員会を立ち上げようと考えておりまして、その結論が出るまでの問題も、そういう対処を一つとるということと同時に、その検討委員会の長になっていただくということで、小澤副市長に、今、早急にやれるべきことを先にやっていただきたいということでお願いをしているということでございます。 ◆松浦忠 委員  私は、なぜ今の2点目の質問をしたかというと、きのう、交通局で、交通事業管理者からおわびの言葉がありました。私と市長のやりとりの中では、おわびの言葉はありませんでした。それで、あえて、きょうはこちらに来て、どこが市長の―札幌市の最高責任者、選挙で選ばれた最高責任者、法的にも最高責任者であります。全職員の使用者でもあります。その市長が、きのう謝らなかったのかなと。それで、きょうは聞きたくて、ここへ来たのです。ここに来た第一の理由はそこにあるのです。きのう、どうして謝らなかったのか、その点をまずお尋ねしたい。  市長、私が今尋ねたのは、きのうの二部で、市長に交通局の決算においでいただきましたね。そこで、交通事業管理者が始まる前におわびをしましたね。それは、今、市長がいみじくも言われたように、職員が勤務時間内にああいう行為をした、法に触れる行為をしたということですね。先ほどの市長の答弁からいったら、勤務時間内のものについては、市長の管理責任があるという答弁であります。では、どうしてきのうは、市長は、私がこのことで質疑をしたときにおわびの言葉が出なかったのかな、あるいはまた、端的に申し上げて、事業管理者の発言の前に、総責任者として、雇用責任者としての発言がなぜ先になかったのかな、実は、きのう、私はこう疑問に思いながらも、まあ、きょうはこれでいいや、坂本委員がどんな話をされたかなと思って聞いて、それで、きょうここにはせ参じたというわけであります。  したがって、きのう、市長がおわびにならなかったことは何ゆえか、心境、理由を明らかにしていただきたい。 ◎上田 市長  たくさん事件がございまして、交通局の問題に関しましては、勤務時間内であるということを踏まえるならば、これは、第一義的には勤務時間をしっかり管理する者がその責任において対処すべきことである、このように考えているわけであります。そして、そこから出てまいります、市全体に対する、市政全体に対する不信、こういったものについては極めて遺憾なことである、大変申しわけないということを私は申し上げているということでございます。 ◆松浦忠 委員  市長は、法律を勉強して、20数年間、法律でご飯を食べた方ですから、私は余り言いたくはないんですが、私は、ずっと24年間、サラリーマンで使われてきて、雇用主と使用者の間の責任の分界というのは労使の間でも随分いろいろと議論をしてきました。私は、それから言ったら、市長の今の答弁というのは、ここで言えば消防局長ですよ、きのうは交通事業管理者ですよと。じゃ、交通局長や事業管理者が、水道局も、交通局も、消防局も、局長も含めて、この人たちが職員を採用しているのですか。だれが地方自治法に基づく雇用契約者なんですか。法律上の管理責任者はどなたなんですか。そこをきちっとしなきゃだめなんですよ。  今の市長の論理というのは、法廷における弁護士の論理なんです。弁護士というのは、被告人なり、加害者なり、被害者なりの立場に立って弁護する、その論理なのです。ここは、市役所は市民を相手にしていて、札幌市というのは、市長という立場は法廷ではないんです、ここは。ひとつ、しっかり考えてもらわなきゃいけないことは、雇用主としての責任、まず、時間内において起きた場合には、みずからも含めてどう責任をとるかということなんです。責任をとり、さらにまた、下に対して処罰もし、そしてそれをきちんと、どうすれば再発しないかという方策を指し示していくことなんですよ。そのことが、この4年半、全く行われていない。全部検討委員会だとか。本来、消防局について言えば、担当している小澤副市長も処分対象者ですよ、これは。市長が、日々の業務について分任をして、業務の執行についてはすべて任せているわけですから、その中で、こういう事件が多発しているとなったら、当然、小澤副市長以下、処分の対象者ですよ。あなたはそういうことをきちんと認識していないから、何ぼやっても続発していく。  さらに、今の答弁の中で、検討委員会を立ち上げて結論を待ってと。ちょっと違うんでないかい。違うんでないの。札幌市役所以外の、いわゆる市役所がかかわらない範囲の中で起きた問題がある。そういうことに対して、どうしたらいいかということを第三者に頼んで検討してもらう、市役所の職員ではそこまで知恵が回らん、こういうことならわかるけれども、これはまさに市長の責任上の問題なのです。このことをはっきりせずして、職員にどう訓示していくのですか。対策、検討委員会、勘違いだ。あなたがどうすればいいか。職場を回って、職員の意見を聞いて、あるいは、退職したOBの方の意見も聞いて、消防局なら消防局のOBの意見も聞いて、どうやればこういうことが、時間内のことも時間外のことも含めて、防止できるか、それをやっぱり掌握して、そして、幹部職員の皆さんにこういうこともやってみたらどうだ、ああいうこともやってみたらどうだということを指示して初めて、あなたが長としてみんなに尊敬される立場になるんですよ。そんなことでどうするんですか。  今ね、市長、ここは消防局ですけれども、私は、本通18丁目の職員研修センターでの18年度の研修内容を聞きました。こういう職員の倫理にかかわること、あるいは、個人情報保護にかかわることなど、情報保護のことについては係長以上の研修に一つも入っていない、去年1年間。さらに、こういう問題についても、まあ、ほとんど入っていないと言っていいくらいです。  きのうも話したように、市長就任以来ずっと、教職員で100件、そして、市長の所轄の1万5,000人の職員の中で59件起きています。こういうものが起きたら、あらゆる機会、特に職員研修などの機会を通じてやっていかなければならんことではないですか。市長が指示して、これは緊急だからすぐ入れなさい、こうしなきゃならんことだと僕は思うんですけれども、この4年半の中で、不祥事が起きたときに、市長は職員研修センターに対してそういうようなことを直接指示されたことがあるかどうか。なければないで結構です。この1点をまず答えてください。  それから、私が言った、市長がきちんと責任を明確にして、市長が指示を出さないで、小澤副市長以下、委員会なんて言っているその感覚、これはいただけません。これについて、市長がどうしてもそれに合理性があると言うなら、いま一度、私にわかるように説明してください。 ◎上田 市長  昨日の二部で委員とのご質問の中でお話し申し上げましたけれども、委員会云々という話は、これは時間外の極めてプライベートな時間における私的な犯罪行為がどうして起こるのかということについて、私どもの知恵では足りない部分もあるでしょう。そういう意味合いにおいて、外部の専門家のご意見をちょうだいしながら、我々ができることは何なのかということについてしっかり研究をしたい、こういうふうに申し上げたところであります。  時間内における規律の問題、これは、この間、出てまいりました盗撮の問題とか、こんなことにかかわらず、職場の秩序を維持するということは当然のことであります。日々の職務の中で、時間内はどういう勤務態度でなければならないのかということについては、これは管理者たる者が日々しっかり指導しているということでございますので、そのたがが緩んでいるということであれば、それは厳正にきちんとした仕事をするように指示することで十分やれることだというふうに私は考えております。 ◆松浦忠 委員  市長、それでは、市長にお尋ねしますけれども、市長は弁護士を開業されたときに何人の方を指導しましたか。市長は、弁護士を開業されて、市長が使用者として給料を払って何人の方を使用されておりましたか。これが1点であります。  それから、2点目は、市長は、就任以来、およそどのくらいの職場を回って、職員とこういう倫理観を含めた意見交換をされたか、この2点について、まずお尋ねします。 ◎上田 市長  私は、使用者として札幌市長に就任する前に何人雇用したかということについては、つまびらかにわかりませんが、5〜6人の事務所でございますので、事務員が25年の間にどのぐらい交代したかというふうなレベルの問題でございます。  それから、私が、直接、職員に対して、職員の公務員としての倫理の問題、これをどこら辺まで話したかということでありますが、これは、新採用の皆さん方に対する訓示、最初のお話がございますので、公務員として、日本国憲法の秩序、それから法令遵守ということについては当然のことながらお話しさせていただいているということでございます。  そのほかの問題で、職員に直接お話しするというのは、メール等でのさまざまな意見交換はやってはおりますけれども、特に刑法犯を起こしちゃいけませんよというようなことを申し上げた機会はございません。 ◆松浦忠 委員  市長、私は、市長の弁護士開業以来、何人ぐらい使っておられましたかということを尋ねて、5〜6人ですから、私は、市長は戸惑っていると思うのですよ。なぜかといったら、5〜6人しか使ったことのない方が1万5,000人の職員を統括するということは大変なことであります。  私は、なぜこういうことを言うかといったら、ずっと市長の4年半を見ていて、率直に言って職場の統制がとれていない。やっぱり、これは何かといったら、市長が1万5,000人の組織を動かすのに、どこをどう押せば何が動くかということがわかっていない、こう指摘をせざるを得ない。これは市長に答弁をもらってもしようがない話ですから、これはまず冒頭に指摘しておきます。  そこで、市長は、さっき時間外は責任の範疇ではないとおっしゃいました。法律ではそうですよ。しかし、今、日本の中での一般的な社会常識として、時間外であっても、こういう不祥事を起こしたら、その使用者はちゃんと関係者に頭を下げておわびをする、これが社会常識です。法律というのは何からできていますか。社会常識の基盤の上に立って、最低限、これだけは文章にしてみんなで守り合おうよとつくられているのが法律じゃないですか。どうして市長は謝れないのですか。権威にかかわりますか。私は、素直に市民に向かって申しわけないと。私的なことでも、採用してからのそういう社会倫理観の教育を含めてきちんとしなければならない。私は、特に公務員だから言うんです。公務員だから。公務員は、少なくとも社会の規範とならなきゃいけないんではないですか。だから言うんです。  そして、やっぱりこれは、市長が本当に申しわけないと言って、関係職員にかわって本当に心から市民に頭を下げる、その姿を見て、また職員も、市長にこんな思いをさせてはいけない、頑張ろう、こういう気持ちがわいてくる、これが人間の感情ではないですか。それを抜きにして、法律論だけで市長は責任分界を言って、小澤副市長以下の委員会を立ち上げてその結論でと。そんなことで、市長、学識経験者や、警察犯罪のベテランや、あるいは心理学者、そういう人の提言であるならば全国でこの種の問題が起きていません。  きのう、私はなぜ言ったかといったら、最終的には、市長の最も信頼する課長以上の管理職、この人たちにあらゆる努力をしてもらう、これしかないんですよ。これにはどうするかといったら、まず、全管理職一人一人に今後こういうことで職員の掌握に努めていくというレポートを出してもらう。そのレポートを冊子にしてみんなで読む、そして、足らざるものをお互いに補い合って頑張っていく、これしか方法はないんですよ。このことをなぜ市長はやってみないのか。あれもこれもやって今までだめだったら、それではこれをやってみようかと。やってみて、結果としてうまくいかないかもしれない。でも、やらないよりいいんじゃないですか。なぜ、市長、こういうことに取り組む気持ちにならないか、お答えください。 ◎上田 市長  貴重なご意見としてお伺いさせていただきます。ありがとうございました。 ◆松浦忠 委員  では、これで最後にしますけれども、これは市長に特に要望しておきます。  私どもは、本当に市長を先頭にして、1万5,000人の職員が、そして教職員7,000人が、札幌市民のために、奉仕者として、私ども議員も含めてみんなが精いっぱい一生懸命頑張っていく、これがあって初めて、市長が言われる市民とともに協働して、お互いに力を出し合って、そして、力みなぎる札幌市をつくろうという目標に向かって進めるんじゃないですか。ぜひ、市長、取り組んでください。  以上を申し上げて、終わります。 ◆福士勝 委員  私からは、消防体制とその補完体制について、第2次新まちづくり計画案の事業内容についてお伺いいたします。  まず、第1点目は、消防体制とその補完体制についてであります。  先週、テレビ、新聞等で報道された夕張市への救急車の貸し出しに関連してお伺いいたします。  暮らしの安全・安心という点について、最も基本的な部分である救急搬送体制の確保が困難である、こういう状況を考えると、今回、夕張市長からの依頼に対して支援を行うこととした市長の決断については賛同の意を表するものであります。  夕張市における救急搬送の現状については、本年4月の救急告示病院の廃止に伴って、市外への長距離搬送を強いられることに加え、保有する2台の救急車が老朽化をしている、救急車が万が一故障した場合は、その対応に苦慮して消防車で対応した、こういうこともあるとお聞きしているわけであります。これらの窮状を考えますと、夕張市に限ったことではないわけでありますが、本市においては、救急車を初め、消防車、救助車、はしご車、さらには消防ヘリコプターと数多くの車両がありますけれども、故障などに備えた消防体制の確保、そして、その補完が非常に重要であって、いつ発生するかわからない災害に対して万全の体制をとることは市民の安全・安心に欠かすことができない、こう確信するわけであります。  そこで、1点目として、消防局における消防体制の確保、補完状況についてお伺いいたします。  次に、2点目でありますが、10日に市民公表された第2次新まちづくり計画案についてお伺いいたします。  私は、本年6月の第2回定例市議会の議案審査特別委員会において、画像伝送システムにおける消防ヘリコプターの活用方法について質問いたしました。その中で、消防活動を行う場合に、ヘリコプターの迅速性、機動性を生かした映像配信が必要とされる場面がますます増加するとの考え方を述べたところであります。さらには、そのような状況がある一方で、道内の消防機関においては、札幌市の消防ヘリコプターが唯一テレビ伝送システムを搭載しており、いつ起こるかわからない災害に対して、常にこの機能を活用できる体制づくりを進めることは、市民の安全・安心のために極めて重要であり、積極的に取り組まれるよう強く要望したところであります。  今回、第2次新まちづくり計画案の中では、政策目標として市民生活にとって最も基本となる安全・安心が掲げられており、その中の一つである消防力の充実に向けた消防体制の確立、この事業内容について、空・陸の消防力の充実に向けた消防体制の確立とあり、私の要望に対して、何らかの前向きな取り組みがあるのではないかと期待をしているわけであります。  そこで、2点目の質問でありますが、空・陸の消防力の充実に向けた消防体制の確立について、具体的な事業内容をまずお伺いいたします。 ◎樋口 総務部長  消防体制の確保、補完状況についてでございます。  現在、常時稼動している救急車につきましては、10月1日に運用を開始いたしました札苗出張所配置の救急車を含めて31台ございます。このほか、車検や故障した場合の代替用として、また、大規模災害が発生した際に参集した職員が運用するために、非常用車両を各消防署に1台を目安として配置しております。  なお、非常用車両につきましては、耐用年限を越えた車両のうち状態がよいものを非常用に転用しており、現在は8台となってございます。  これらに加えまして、先日、夕張市に貸し出しました研修用車両が1台ございまして、合計40台の救急車がございます。  次に、一般的に消防車と呼ばれております車両については、常時稼働している車両が54台、救急車と同様の理由から配備している非常用車両については11台ございます。救助車につきましては、常時稼働している車両が10台、非常用車両が3台、はしご車につきましては、常時稼働している車両が各消防署に1台と高層建築物が多い中央区にさらに2台、市街地から離れている定山渓地区に1台を追加配備した合計13台となっております。  最後に、消防ヘリコプターについては、委員ご承知のとおり1機でございまして、長期整備期間中はレンタル機で運航しておりますが、それでも短期整備や機体点検のために必ずしも補完体制が万全であるとは言えない状況にございます。  2点目の空・陸の消防力の充実向けた消防体制の確立の具体的な事業内容でございます。  都市環境や社会状況の変化に的確に対応するために、現行の消防航空隊の配置人員の中で、空、つまりヘリコプターの迅速性、機動性を常時発揮できる体制の構築を目指すとともに、陸上部隊については今まで以上に地域の実情を考慮して効率的、効果的な消防隊活動が可能となるように再編成を図り、ヘリコプターも含めた総合的な消防力の向上を目指すものでございます。 ○村松正海 委員長  暑い方は、委員の方も、理事者の方も、遠慮なく上着を脱いでください。 ◆福士勝 委員  いずれにしましても、ただいまの答弁で、地域の実情を考慮して効果的あるいは効率的な消防活動が可能になるような再編成を図っていく、そういう意味で総合的な消防力を向上させていくということでありますから、今後、注視をさせていただく面が数々あるやに思います。  そこで、2点目の第2次新まちづくり計画案について、再度、お伺いいたします。  計画案の消防力の充実という点については、地域住民や消防団の活動は必要不可欠だと考えられるわけでありますが、本年4月に自治基本条例が施行され、まちづくりの基本原則は市民参加であり、市民はまちづくりに参加する権利とまちづくりに参加するよう努める責務を持つことが明確に示されております。そういう意味では、今まで以上に市民参加、協力を得ながら、市民と行政がともに考え、行動し、解決していく、こういうことが重要だというふうに思うわけであります。  そこで、消防局において、自治基本条例を踏まえた消防活動を推進するために、地域消防活動の推進方策を策定し、より一層地域に根差した活動を目指して、消防署あるいは消防出張所の担当区域が連合町内会の区域を分断しないよう見直しを図るなど、さまざまな取り組みを展開している、こう伺っているわけであります。  そこで、1点目として、自治基本条例を踏まえた消防活動について、その具体的な取り組みと現在までの成果をお伺いさせていただきます。  次に、計画の中身でありますが、開かれた消防活動の推進についてお伺いいたします。  事業内容に、市民が気軽に防火相談できる相談窓口を設置するとあるわけでありますが、消防出張所においては、出動、訓練、検査などで職員が不在ということが多いようにお聞きしております。相談窓口を設置するに当たっては、市民が消防出張所に立ち寄った際にいつでも対応できる、私はそういう対応が求められてくると思います。また、町内会あるいは消防団などの地域コミュニティーとの連携強化をなお一層図る、そのためには勤務する職員が1日置きにかわる勤務体制は不都合であるように思われるわけであります。  そこで、質問でありますが、開かれた消防活動の推進を図るための体制の整備について、具体的にどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎樋口 総務部長  1点目の自治基本条例を踏まえた消防活動についての具体的な取り組みと現在までの成果についてでございます。  本年10月1日から、札幌市消防団協力事業所表示制度というものがスタートしてございます。先週、6事業所に対して表示証の交付式を行ったところでございます。この制度は、消防団の活動に協力している事業所に対して、社会貢献のあかしとして表示証を交付することにより、消防団と事業所の連携を促進し、地域の防災力の強化を図ることを目的にしたものでございます。  自治基本条例においては、事業者は、地域社会を構成する一員として社会的責任を認識し、地域社会との調和を図り、暮らしやすい地域社会の実現に寄与するよう努めるものとするとされておりまして、札幌市消防団協力事業所表示制度に基づく事業所の地域社会の貢献は、まさにこの趣旨に合致したものであることから、今後も積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、開かれた消防活動の推進を図るための体制の整備についてでございます。  現在、消防出張所においては、職員が不在の場合に備えて、119番通報を受ける指令情報センターへつながる赤い電話と、各区の消防署につながる白い電話を設置しているところでございます。もちろん、これらはあくまで緊急避難的な対応でございまして、市民が気楽に防火相談ができる窓口としては、必ずしも十分な体制にないことは認識してございます。今後においては、防火相談のほか、応急手当ての普及や地域における青少年の防火・防災の普及啓発などの拠点とするために、毎日勤務職員の配置を検討するなど、地域とより密接な関係を構築することができる消防出張所の機能向上を図っていきたいと考えております。 ◆福士勝 委員  まちづくり計画案についてお伺いしているわけでありますが、昭和30年代は、高度経済成長による札幌市の人口集中が著しく、都市化の進展あるいは都心部の改造が進みました。さらには、昭和40年代は、冬季オリンピックの開催に関連して地下鉄南北線や地下街が完成するなど、消防を取り巻く都市環境が激変し、消防施設の整備が進んだ、こういう時代だというふうに思います。ちょうどそのころに建築された消防署や消防出張所の耐用年数の限界が来ており、建てかえが必要な時期が迫っているというふうに考えますが、この中にあって、豊平消防署については、耐震補強含めた大規模改修を行って長寿命化を図ったと聞いているわけであります。  そこで、国立社会保障・人口問題研究所によると、平成15年度末の推計では、札幌市の人口が2015年に193万人弱でピークを迎え、その後、減少に転じるというふうにはじいておりますから、ただ建てかえるといったことではなく、将来的な人口動向あるいは消防需要を見据えた上で判断すべきだ、こう思っているわけであります。  しかしながら、一方では、超高齢社会を迎えるに当たって、脳梗塞や心臓疾患などの緊急性を有する緊急事案の増加が予想されることから、消防体制において迅速性あるいは機動性の確保が必要であり、消防力の整備に関しては相反する二つの状況を考慮する、こういう必要性があるわけであります。  そこで、この計画案の消防力の充実に向けた消防体制の確立において、効率的かつ効果的な消防体制について検討する、こう期待されているわけでありますが、将来を見据えた消防体制についてどのように考えているのか、これは局長にお伺いいたします。
    ◎徳増 消防局長  消防体制の将来展望についてでございます。  委員ご指摘のとおり、昭和40年代における地下鉄や地下街の完成によりまして、都市の深層化が加わったわけでありますが、現在を見ますれば、大通、札幌駅周辺の高層マンションや再開発による超高層商業ビルの建設など、都市の高層化が著しい状況でございます。これらを踏まえますと、私どもの消防戦術そのものの転換が必要不可欠であろうと考えておりまして、今後、人口、都市構造、消防需要などの社会状況を的確に把握して、計画的に消防力の充実を図ることが肝要であろうと考えております。  また、効率的・効果的な消防体制の確立という視点からは、例えば、消防車の出動に大きく影響する道路の幅員の問題、それから、走行速度などから各消防署、消防出張所の適正な管轄面積についても再検証しまして、その結果として建てかえの是非であるとか、他の消防施設との統合の可能性についても検討する必要があると思っております。より地域の実情を考慮した消防体制の確立が必要である、このように考えております。  さらに、総合的な消防力の充実という視点からは、現行の消防航空隊の配置維持の中で、消防ヘリコプターの持っている迅速性、機動性を常時発揮することができる体制の確立でありますとか、あるいは、精強な部隊を編成するために勤務体制などの見直しを図っていかなければならないと考えております。  このほか、本年4月に、南区簾舞地区に、消防団の活動拠点として、札幌市で初めて消防防災活動支援センターを設置したわけであります。この例のように、地域に密着した消防団の積極的な活動についても推進していかなければなりません。  こういういろいろな取り組みの中で、総合的な消防体制の充実を図っていく必要があろうと考えております。 ◆福士勝 委員  総合的な消防体制を確立していくということであります。  しかしながら、札幌市内には、はしご車の届かない50メートルを超える高層建築物が現在既に72棟になっているわけであります。72棟にまで増加してきている。また、昭和63年5月に、アメリカのロサンゼルスの銀行で発生した火災で、やむを得ず屋上へ避難した多数の人々がヘリコプターにより救助された事案を教訓に、当時の建設省が設置を推進した屋上緊急離着陸場などが50カ所になっているわけでありまして、都市の高層化が著しい、こういうふうに言わざるを得ないわけであります。  これらの状況を踏まえますと、消防戦術の転換が急務であります。先ほど局長からの答弁にもありましたけれども、平成10年3月の消防法施行令の一部改正によって、航空機が救急隊として規定されたわけでありますし、今日、その機動性、有効性から、救急分野では必要不可欠な存在になっていることを考えますと、ヘリコプターの特性を常時発揮できる体制を早急に確立していく、私はこういうことが求められているというふうに思います。  冒頭、夕張市の救急車の例を挙げて補完体制の必要性について述べましたけれども、消防ヘリコプターについても同様であり、常時1機の運航を確保するためには、予備の機体が当然必要であります。この点、十分認識していただいて、第2次新まちづくり計画案において、空・陸の消防力の充実に向けた消防体制の確立を目指す、こういうふうに書いている以上は、市民の安全・安心のために早期に空・陸の充実を図る、このことを強く要望して、今回は質問を終わります。 ◆宗形雅俊 委員  冒頭、やはり不祥事の件についてはちょっと触れておかなければならないかなと思います。  きのうから、また、きょうも松浦委員の方から、市長の答弁で、プライベートの責任のあり方のお話が出ておりました。私も、こういう身分になる前に民間におりまして、責任者もやって、市長の答弁をお聞きしますとちょっと違和感を感じている一人でございます。  といいますのは、私はマネジャーも経験しておりますし、会社から人事のことになりましたときに、やはりマネジャーの仕事の一つは、業務上の指導というのはもちろんですけれども、プライベートといいますか、これは、会社であれば、社員に対して労務の提供として報酬を払うわけですから、受けている方はそこで給料をもらう、もしくは、家族がいれば生活が保障されているわけです。それが何かあったときに、業務で不祥事があったときにはもちろんですけれども、個人的であってもいろいろなことで処罰が下され、本人はもとより、家族、身内が非常に被害を受けるわけです。そういった道を誤らないことも含めて、管理職というのは、プライベートにおいてもマネジメントしなければならないということを、私は教えられてきました。当然、毎日干渉するということではないですけれども、ふだんの仕事のやりとり、もしくは時間外で飲みニケーションしているときに、ちょっとした生活の変化、言動、そういったものをとらえながら何かをキャッチしていく。大げさな言い方をすれば、運命共同体になるのではないかなと思ってございます。  私も、会社にいたときに、本社の研究部門の社員がやはり不祥事を起こしました。これはプライベートです。しかし、即座に会社から指示が来まして、取引先に謝りに行けと。私はメーカーに勤めていましたので、いわゆるブランドイメージということもあったのでしょう。プライベートのことだけれども、会社を挙げて謝りに行け、そしてユーザーから何かおしかりの電話があったときには、今後、綱紀粛正に気をつけますというような言い方しかなかったかと思いますが、そういったことで対応したというふうな記憶をしております。  そういった意味から、市民自治、また市民というレベルから考えると、先ほど法律的ということではなく、感情論としても、やはりトップである市長が素直に謝るべきだということをまず指摘しておきたいと思っております。  ただ、私は、地元でも消防署員の知り合いがたくさんいます。その方々は立派に現場で働いていることも承知をしておりますので、一言申し上げて、本来の質問に入っていきたいと思います。  私は、いろいろと人に優しいまちづくりというものを標榜してまいりました。その観点から、防火安全対策について、大きく三つ質問させていただきたいと思います。  1番目は、防火セーフティーネットサービスの推進策について、2番目には、防火上、優良でない施設の情報発信について、3番目には、消防法令違反の是正徹底に向けた取り組みついて、大きくこの三つについてお聞きしていきたいなと思っております。  私は、市民生活の生活基盤であります安全と安心、これだけではちょっと足りないと思っています。やはり快適というものも一つ必要ではないかと。この三つのキーワードがまちの品格、まちづくりの付加価値、こういったものにつながっていくのではないかなと思ってございます。三つのキーワードは、人に優しいまちづくりの実現に欠かせないものと思っておりますし、行政サービスの充実・向上にも極めて重要な要素と考えております。  そこで、そういった観点から、消防局はどのような防火安全対策を推進していくのか、お伺いしたいと思います。  広報さっぽろの10月号にありますけれども、本年8月に行われた市民1万人を対象としたアンケート結果を拝見いたしました。そのうち、市民の方々が日常に利用する施設の防火安全情報については、実に72.8%の市民がとても知りたい、または知りたいと回答しております。安全・安心情報に対する関心の高さがうかがえるところであります。  この背景といたしましては、一度に44名ものとうとい命が失われた平成13年の新宿歌舞伎町雑居ビルの火災を初め、その後においても、7名の高齢者が犠牲になった昨年の長崎県大村市のグループホームの火災や、本年1月の兵庫県宝塚市のカラオケボックスの火災、また、6月の東京都渋谷区の温泉施設爆発火災など、全国において多くの方々の利用施設での大惨事がいまだ後を絶たない状況にあることがアンケートの結果になったのではないかと推測します。  このような状況の中、市民の安全・安心情報への関心は今後ますます高まっていくと予測されます。安全・安心情報の提供につきましては、以前は適マーク制度、つまり消防法令の基準に適合しているデパートやホテルなどは、一目でわかるように出入り口等に適マークを掲示する制度がありました。この制度は、昭和56年から広く浸透され、また信頼されてきた制度でありますが、さきの新宿歌舞伎町雑居ビル火災後の消防法の大改正により、施設関係者への防火安全上の自主的な点検を義務づける新たな防火対象物点検報告制度へと移行され、適マークのかわりにセーフティーマークが掲示されることとなりました。  しかしながら、このセーフティーマークの対象は、大規模なデパート、ホテル等に限定されておりますことから、比較的小規模な旅館やホテルは、防火安全上、優良であったとしても、新制度の対象外となる施設も多くあると聞いております。このため、札幌市消防局としては、対象外となった旅館、ホテルに対し、防火上の安全性について消防局が評価をし、優良であると認められるものについては、インターネットの消防局のホームページ上で公表する防火セーフティーネットサービスという新制度を昨年から全国に先駆けて導入されたことは、施設を利用しようとする方にとって有効な方策であると言えます。  そこでまず、1点目として、防火セーフティーネットサービスによる安全・安心情報の効果を踏まえた今後の推進策をお伺いいたします。  2点目として、施設を利用しようとする方への安全・安心情報としては、防火セーフティーネットサービスのような、防火上、優良な施設の公表ではなく、例えば、火災時の危険性が高い施設、つまり、防火上、優良ではない施設に関しても情報発信し、広く市民に知らせるようなことも必要ではないかと考えますが、消防局の見解をお願いします。  次に、札幌市の消防法令違反に対する是正の取り組みでございます。  さきの平成14年の消防法の大きな改正点といたしまして、消防法令違反等がある施設について、火災危険を排除するための処置命令権が現場の消防署員にも与えられたとともに、消防機関がこれらの措置、命令等を発動した場合には、施設を利用する市民にそのことを周知し、不測の被害を未然に防止するために、出入り口等に命令の内容を記載した標識を設置することが義務づけられたと聞いております。札幌市における実例として、火災時の避難における生命線とも言える階段に物品等が大量に放置され、避難の支障となっていた事例十数件について、消防署員による除去命令を即時に発動するとともに、標識を設置し、情報提供を行ったと聞いております。  また、さきの市民アンケートの結果は、日常の暮らしの中で身近に利用する施設はそのすべてが安全であってほしいという市民の願いがあらわれたものと私は認識しております。そして、来年は、北海道洞爺湖サミットの年でありますから、札幌市にも世界各国から観光客などが多数来訪することが予想され、施設の防火安全対策を万全とすることは、世界の集客交流都市さっぽろとして当然であると考えるところであります。  市民の安全への願いにこたえ、そして、札幌市を訪れる多くの方々の安全を確保するために、安全・安心情報の積極的な発信とあわせて、市内の施設について安全性の把握や消防法令違反の是正を徹底することが不可欠であると私は思います。特に、本年2月に消防局で実施した市内カラオケ店舗の一斉立入検査の際には、当初、全体の約6割に何らかの法令違反が認められましたが、その後、是正指導によってほとんど改善され、安全性の向上が図られたということは承知しているところですが、一例を挙げたカラオケ店舗以外にも潜在的な火災危険を有する施設はいまだ市内に散在すると思われています。  そこで、3点目でございますが、消防法令違反の是正措置を徹底することは、市民の安全確保に直結する消防局の使命と考えますが、この消防法令違反の是正徹底に向けた具体的な取り組みをお伺いいたします。 ◎松井 予防部長  私から、防火安全対策についてお答えさせていただきたいと思います。  まず、1点目の防火セーフティーネットサービスの効果とその推進策でございます。  昨年来、関連部局あるいは観光業界とも連携をいたしまして、市内に限らず市外、道外からの宿泊客、あるいは、旅行業者へも積極的に情報の発信を行いまして、今後もこれらの関係機関等と協力した情報提供を進めてまいりたいと考えてございます。  また、防火上、優良な施設を公表することは、事業所の防火安全対策への取り組みが社会的に評価されることとなりますので、消防法令の遵守に向けた動機づけにつながると考えてございます。したがって、防火セーフティーネットサービスの拡充は、事業所のコンプライアンス向上の観点からも非常に効果的でありまして、今後、その対象を、旅館、ホテルにとどまらず、その他の用途の施設についても拡大を図ってまいりたいと考えてございます。  2点目の、防火上、優良でない施設についての情報発信でございます。  例えば、私どもといたしまして、措置命令等を発せざるを得ないような施設につきましては、やはり市民に公表する必要性もあるのではないかと考えておりまして、今後、検討を進めさせていただきたいと思っております。  3点目の消防法令違反の是正徹底に向けた取り組みでございます。  消防局といたしましても、新宿歌舞伎町火災以来、こうした違反のある施設を重点的に立入検査しておりまして、違反が是正されない場合は、厳しい行政処分を行うこともやむなしと考え、札幌市内の各種施設の安全性の確保に取り組んでまいったところでございます。この取り組みにおきましては、平成14年度から、各消防署にこういった法令違反の是正業務を担当いたします指導担当係長という職を配置いたしまして、さらには、非常勤ではございますけれども、消防局の予防部に弁護士を置いておりまして、法律上のアドバイスを受けながら違反の是正を展開してきた次第でございます。  しかしながら、やはり同じような違反を繰り返す事例や管理形態が複雑・多様化している状況がございまして、違反の是正について困難な事例も数多く見受けられますことから、今後、これまでの事例を踏まえまして違反の是正体制をさらに強化する必要があると考えてございます。 ◆宗形雅俊 委員  是正のことについてお聞きしていきたいと思います。  消防局が発信している安全・安心情報の取り組みついては、市民が必要な情報を必要なときにどこでも手軽に入手できるものであり、情報化時代のニーズに非常にマッチしているとは感じております。また、観光業界との連携や企業インセンティブの付与を見据えた対象の拡大、そして、措置命令権を発動した施設の公表など、今後の展開についても、先ほど述べましたコンプライアンスの向上に非常に高い効果があると期待しております。また、人に優しいまちづくりの観点から、安全・安心情報の提供については、インターネットにふなれな方やパソコンを敬遠されるお年寄りなどもおられると思いますので、同様な情報内容については、消防署を初め、まちづくりセンターなどの公共機関においても閲覧可能、もしくは、紙面によるリーフレットなどの配置なども今後検討していただきたいなと思います。  次に、法令違反に対する是正の徹底に向けた消防の取り組みついては、多くの市民から身近に利用する施設の安全性向上を強く望む声を聞き、潜在している悪質な違反事例も踏まえた上で、これまで以上に迅速かつ的確な違反是正体制の構築が必要であるとする消防局の考えに私も共感します。法令違反に対する是正業務については、多岐にわたる関係法令についての知識のほか、関係者との折衝や建物の管理形態が複雑・多様化する中での違反者の特定、さらには訴訟対応など、専門的かつ高度な能力が求められるものと認識しております。  そこで、例えば、全国の消防機関の取り組みを見ますと、専門スタッフの集中配置により、違反是正の効率化と迅速化にとても効果を上げている都市もあると聞いております。このような体制強化の取り組みについては、法令違反に対する消防の厳格な対応を世間に広く周知することや違反発生を未然に防ぐ抑止力にもつながるのではないかと私は思います。また、類似施設が市内に点在し、一斉の立入検査により、同時期に違反是正に着手する必要がある場合などについては、スピードとあわせ、全市域を活動範囲とする広域的な展開が求められる場合もあると考えられます。  そこで、質問ですが、消防局における今後の違反是正体制の強化について、具体的な方策をお伺いいたします。 ◎松井 予防部長  今後の是正体制の強化でございますけれども、是正業務のエキスパートといったものの有効性、必要性につきましては委員ご指摘のとおりでございますので、現在、消防局におきまして、違反是正に特化した専門チームの発足を検討させていただいているところでございます。この専門チームを中心といたしまして、弁護士との連携強化、あるいは通常の立入検査の際の違反是正の徹底、そして、法令違反に関します市民の皆様からの通報、あるいは違反情報を入手した際には、速やかに現場に赴きまして、措置命令等の発動により即時是正を図り、施設のさらなる安全確保を図る取り組み、これらを核とした迅速かつ機動的な違反是正体制の構築を検討させていただいているところでございます。 ◆宗形雅俊 委員  最後に、要望ですけれども、市民の安全・安心に直結する法令違反の是正に向けた消防局の取り組みを聞きまして、専門チームの発足による体制の強化は非常に頼もしく思うわけでございます。  そして、さきに述べたとおり、来年は北海道洞爺湖サミットの年でもありますので、早期に札幌市の施設の防火安全対策を万全とすることは、先ほども申し上げた世界の集客交流都市さっぽろとしての重要な課題であると考えております。  火災はいつ発生するかわかりません。法令違反による犠牲者を出さないためにも、積極的な情報提供の実施と、一日も早く違反是正体制が強化されることを切に要望して、質問を終わらせていただきます。 ◆國安政典 委員  質問に入ります前に、今回の不祥事について、これまで各委員からもお話がありましたけれども、私からも、二度とこのようなことのないように、再発の防止に向けて、また職員の倫理観の向上に向けてしっかりと取り組んでいただけますよう強く求めて、質問に入らせていただきたいと思います。  私からは、AEDを使いましたさっぽろ救急サポーター事業の進捗状況と救急需要対策について、ご質問させていただきたいと思います。  AEDは、言うまでもなく、心筋梗塞などが原因で突然倒れたような場合に、心臓のけいれんをとめ、蘇生に導く非常に有効な医療機器であるということは、今や常識となったわけでございます。以前は、医療従事者だけにAEDの使用が認められておりましたけれども、平成16年7月から、医療従事者以外でも使用することが認められまして、AEDの普及により救命率が向上するものと期待しておりました。  しかしながら、当初、その性能や有効性について市民の認知度も低く、そのPRも不足していたことから、我が党では、AEDの普及はもちろん、AEDを使用できる市民をふやしていくことの必要性について、特別委員会等の席上において強く訴えてきたところであります。  このような中、札幌市では、平成18年6月からAEDを設置し、かつ、この使用方法を含めた応急手当て講習修了者がいる施設を表示するさっぽろ救急サポーター事業が始められまして、公共施設はもとより、多くの民間施設が参画されているとお聞きしております。この事業がうまく機能すれば、施設関係者や利用者はもとより、施設に関係のない市民の方でも、とっさのときに駆け込めば必要な応急手当てをしてもらえるわけでありますので、まさに、私どもは、これまで訴えてまいりましたことを実現化した事業であるというふうに評価をさせていただいているところでございます。  また、AEDは、欧米諸国では早くから公共施設や多くの人が集まる場所に設置されておりますことから、さっぽろ救急サポーター事業がそういう意味で札幌の国際都市としての役割を果たすことにもつながっていくのではないかと考えているところでございます。さらに、この事業が拡大し、施設に設置するだけではなく、今後はさらに、マラソン大会や市内で行われる大きなイベント会場などにも用意され、市民の安全・安心の確保はもちろん、国内外からの観光客にも安心感を与えるよう期待をしているところでございます。  そこで、1点目の質問でありますけれども、開始から1年以上を経過しましたさっぽろ救急サポーター事業に参画している事業所の数と、AEDを使った応急手当て講習を受けた市民の方がどれぐらいいるのか、まず、お尋ねをします。  また、この事業を始めてから実際に救命に成功した事例など成果があったのか、このことについてもお尋ねいたします。  さらに、2点目ですけれども、消防局では、ことしの1月からAEDを消防車54台に積載し、救急車のほかに消防車も活用して対応しているとお聞きしておりますが、その出動状況について、また、この活動以外にAEDに関して札幌市独自の取り組みなどがあればお伺いしたいと思います。 ◎鈴木 警防部長  私から、お答えをさせていただきたいと思います。  1点目のさっぽろ救急サポーター事業へ参画していただいている事業所の数でございますけれども、現在472の施設からご協力をいただいております。昨年同期と比較いたしますと、倍増している状況にございます。また、AEDの設置数だけをとりましても、他の政令市と比較いたしまして、上位に位置している状況にございます。  事業所の内訳といたしましては、各区役所でございますとか市立の小・中学校、こういった公共施設が378、そして、JR札幌駅とかデパートといった民間施設が94となっております。最近では、町内会の会館あるいは高齢者用のマンションといった事業所などにも参画をいただいているところでございます。  AEDの使用方法を含めました救命講習の受講者数でございますけれども、平成17年4月にこの講習が開始されまして2年半ほどになりますが、現在までに2,322回、約6万3,000人の方に修了していただいているところでございます。これも、市民の皆様のAEDへの関心の高さがうかがえるのではないかと感じているところでございます  次に、さっぽろ救急サポーター施設における救命に成功した事例でございますが、ことしに入ってから2件ございました。1件は大規模公園施設、もう1件はスポーツジムでございまして、いずれも心肺停止になった市民の方に、施設に勤務されていた方がAEDを使って応急処置を行い、心拍が再開したというものでございまして、功労がありました方々に対しましては、その地域を所管いたしております消防署長名で感謝状を贈呈させていただいたところでございます。  2点目の消防車によりますAEDの救急活動支援の出動状況でございますけれども、現在までに48件の出動がございました。実際に、消防隊員がAEDを使用して除細動を行った事例も1件ございました。  AEDに関する札幌独自の取り組みでございますけれども、これは、119番を受け付けております指令情報センターには、119番を発信した位置が直ちにわかるように、発信地表示システムというものを導入いたしております。このシステムにAEDの所在地を入力いたしまして、必要に応じて、通報された方に、近くにAEDがあることを知らせて活用していただくということを行っているところでございます。  先ほど申し上げた大規模公園施設での奏功例につきましては、119番を受け付けた指令員が、近くにAEDがありますということを通報された方に伝えたということで、AEDが早期に活用され、救命につながったということでございます。 ◆國安政典 委員  ことしに入って2件ということで、本当にとうとい命が救われたことは大変すばらしい成果だと思います。また、AEDを使った応急手当て講習の受講者が6万3,000人と、これも大きくふえているということは救命率の向上につながるものと思いますので、さらなる推進に努力をしていただきたいと思うところでございます。  次に、救急需要対策について質問させていただきます。  さっぽろ救急サポーター事業などによりまして、救急車が到着するまでの間に、市民により応急手当てができる環境が整備されているところでありますけれども、やはり救急車が早く到着して、応急処置を施しながら医療機関に搬送することが救命率の向上には必要不可欠なことであると思います。  しかしながら、札幌市の統計資料を見ますと、119番に救急要請があってから救急車が現場に到着するまでの所要時間、平成15年には平均5.5分だったものが、平成18年には5.9分となっております。これはやはり、救急件数が年々増加していることに起因しているのではないかと考えております。  そこで、お聞きしますけれども、札幌市の救急件数の推移、また、平成18年中及び平成19年上半期の救急件数がどのようになっているのか、さらに、高齢化社会が急速に進展している中にありまして、救急利用者の年齢層はどのようになっているのか、お尋ねをいたします。 ◎鈴木 警防部長  札幌市の救急出動の推移でございますけれども、救急出動件数につきましては、最近まで毎年大体2,000件から3,000件ずつ増加しておりまして、10年前に比べますと約1.6倍に増加しております。これは、札幌市ばかりではなく、全国的にも同じ傾向にあるということでございました。  平成18年中の救急出動件数でございますけれども、7万5,893件ございまして、平成17年と比較いたしまして、43件ではありますが、実は22年ぶりに減少したということでございました。ことしの上半期について申し上げれば、3万7,308件ございまして、昨年同時期と比較して193件の減少となっております。  減少の主なものにつきましては、交通事故あるいは一般負傷、これは転んだり、ぶつかったりする、いわゆるけがと言われるものでございますけれども、それに加えて、病院からほかの病院に搬送する、いわゆる転院搬送が減少したということでございます。  次に、年齢層によります救急搬送についてでございますけれども、委員ご指摘のとおり、高齢化が進むにつれて65歳以上の方の搬送が徐々に増加いたしておりまして、平成18年に初めて全体の4割を超えました。また、昨年につきましては、市民27.1人に1人が搬送されている計算になるのでございますが、年齢層で見ますと、65歳未満の方につきましては37.5人に1人が搬送されていて、これに対して65歳以上の高齢者と言われる方につきましては11.7人に1人が搬送されているということで、約3倍ほどの差があるということになっております。 ◆國安政典 委員  今のご説明で言うと、1.6倍とこれまでどんどん増加してきたものが、昨年、そしてまたことしの上半期も前年と比べて減少しているということなので、ちょっとこのことについてはよくわからない部分もあるようでありますけれども、これからも減少傾向が続くのか、ここは大事なところではないかと思います。今のご答弁にもありましたとおり、どんどん未曾有の長寿時代に突入していくわけでありますので、高齢者の増加はそのまま救急需要に大きな影響があるというふうに思います。そしてまた、大都市特有であります核家族化というものも進みますと、急病になったり、けがをしましても、周りで世話をしたり病院に連れていってくれる人がいないために、必然的に救急車に頼らざるを得ないということもあって、今後ますます増加するのではないかと危惧をしているところであります。  また、最近、テレビなどで救急車の利用について特集している番組を目にするわけでありますけれども、救急搬送車の中には、必ずしも救急車を利用して病院に行かなくてもいいのではないかと思われるような事例もあると、そんな番組がございました。私は、そのような救急搬送がふえると、一刻を争う緊急な救命処置を必要とする人たちに対して、救急車の到着がおくれるなどといった影響が出るのではないかと心配をするところであります。  そこで、そのような不適正と思われるような救急車の利用を含めまして、増加する救急需要についてどのような取り組みをされているのか、お尋ねいたします。 ◎鈴木 警防部長  救急車の適正利用対策についてでございます。  委員ご指摘のとおり、残念なことに、必ずしも緊急性が認められないのではないかと思われる救急要請が一部に見られる状況がございます。例えば、画びょうを踏んだといったちょっとした手足のけがでございますとか、コンタクトレンズが外れないとか、魚の骨がのどにひっかかったとか、しゃっくりがとまらないとか、あるいは、夜間、休日に見てもらえる病院がわからない、救急車で行くと早く見てもらえるから、タクシーで病院に行くお金がないとか、きょうはかかりつけの医師の受診日だからといったような理由で救急車を要請されるケースもございます。  こういったことの対策として、昨年から、救急車の適正利用を推進するために、札幌市医師会の協力を得まして、公共施設あるいは病院などへ適正利用のPRのポスターを掲出する、あるいは、リーフレットを作成して町内会で回覧をしてもらうといったことのほかに、メディアを活用した広報も行っております。一例といたしましては、プロ野球日本ハムの試合でございますとか、コンサドーレ札幌の試合の日に、札幌ドームの大型ビジョンに映像を流してもらうといったことをして、一人でも多くの市民の方の目に触れるように工夫をいたしているところでございます。ことし上半期の救急出動状況を見ますと、一般負傷などにつきましては軽傷者がやや減少しているということもございまして、こういった救急車の適正利用の方法が、少しずつではございますけれども、功を奏してきているのではないのかなと考えているところでございます。  また、札幌市は、ほかの都市と比較いたしましても、転院搬送の割合が高かったということがございまして、ことしの4月に転院搬送の要請マニュアルを作成いたしまして、医師会などにもご協力をいただいてすべての病院に通知をいたしました。その結果といたしまして、運用開始をいたしました6月以降、着実にその効果があらわれてきていると感じているところでございます。  救急車の適正利用の関係につきましては、今後とも救急需要の傾向、あるいは現状における利用実態を分析しながら、市民の皆様の理解を深めてまいりたいと考えておりますし、これまで以上に医師会あるいは保健福祉局などの関連機関との連携を密にして、迅速で高度な救急サービスを提供できるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆國安政典 委員  最後に、要望でありますけれども、適正利用につきましては、さらに積極的に推進をしていただきたいと思います。  そしてまた、さっぽろ救急サポーター事業の中で、AEDが設置された公共施設であるにもかかわらず、参画していない施設があるとも聞いております。特に、小学校や中学校、こういったところは地震等の災害時には避難場所になるなど地域においても拠点でありますから、こういったところにAEDの設置の表示があることは、付近の住民の方々にとりましても安心感が増すことになりますので、早期の参画について全庁を挙げて取り組んでいただきたいと要望させていただきます。  また、そもそもAEDの設置についてでありますけれども、広い札幌の中で、また、この人口構造を考えたときに、まだまだ不足しているというふうに認識をしております。このことにつきましても、保健福祉局など関係部局と連携をして、普及啓発に積極的に取り組んでいただきますよう要望して、質問を終わらせていただきます。 ◆村上仁 委員  私からは、2点について質問させていただきたいと思います。  まず、消防施設の耐震化についてであります。  我が党では、公共施設の耐震化対策の積極的な推進について、この間、強く求めてきたところであります。地震が発生したときに、例えば学校などは、児童生徒の安全確保にあわせて、地域の避難場所としての役割がございます。消防施設は、市民の命と財産を守るために、いわゆる震災活動の拠点となるわけですから、大災害のときにも耐えられて、そして、直ちに出動できる高い耐震性を備えた施設でなければなりません。  2004年の3定決算特別委員会で、我が党では、国土交通省の官庁施設の総合耐震基準で、消防施設が通常の1.5倍という最高の耐震安全性が要求されており、この基準から見て、市内の消防施設の老朽化に伴う耐震改修の取り組みの必要性について質問し、消防施設の早期の改修や改築について求めてまいりました。  そこで、質問ですが、その後、3年間が経過したわけですけれども、現在までの消防施設の耐震診断あるいは改修の実施状況と今後の取り組みについて伺います。  次に、2点目でありますが、緊急地震速報についてです。  今月10月から、NHKなどのテレビやラジオで、緊急地震速報が流れることになりました。本市の消防局についても、緊急地震速報を導入したと聞いております。  そこで、質問ですが、消防局としての緊急地震速報導入の経緯とNHKのシステムとの違いについて伺いたいと思います。  また、消防局として、このシステム、情報をどのように活用するのか、具体的にお示しいただきたいと思います。 ◎樋口 総務部長  私からは、1点目の消防施設の耐震化関連についてお答え申し上げます。  平成16年決算特別委員会以降における消防施設の耐震化の取り組みでございますが、まず、昭和45年以前に建築された、いわゆる旧々耐震基準に該当する施設で、耐震診断を実施していなかったすべての施設について耐震診断を行ったところでございます。このうち、山鼻出張所を平成17年2月に移転改築いたしました。さらに、豊平消防署を平成18年度から2カ年にわたって耐震補強工事並びに大規模改修いたしまして、本年7月に全面リニューアルオープンしたところでございます。  次に、昭和46年以降に建築された、いわゆる旧耐震基準の施設でございますが、全19施設のうち、耐震診断の結果、特に構造耐震指標であるIs値が低かった北消防署、新川出張所、東月寒出張所の3施設について耐震補強工事を実施したところでございます。これによりまして、旧耐震基準該当施設すべてが一定の耐震基準の目標値を上回ったことになります。  今後における消防施設の耐震化の取り組み予定でございますが、平成18年度に策定されました市有建築物耐震化緊急5カ年計画において、消防施設は、災害時の機能保持が強く求められる応急活動拠点として改めて位置づけられておりまして、当該計画の対象となりました南消防署及び大通出張所については早急に耐震化改修を実施してまいりたいと考えております。また、それ以外の消防施設につきましても、建てかえを含めて計画的に耐震性能の向上を図ってまいります。 ◎鈴木 警防部長  緊急地震速報につきまして、私の方からお答えさせていただきます。
     消防局の導入経緯でございますけれども、緊急地震速報というのは、地震によります強い揺れの到達前に、その揺れが来ることを可能な限り早く知らせるものでございまして、災害震度が5弱以上と予測された場合に気象庁から発表されるものでございます。地震による被害軽減を図るために利用するシステムだということでございますので、当局といたしましては、来庁された市民の方々、あるいは職員の安全確保を図ることとあわせまして、消防車両の出動態勢の確保を図るために本年9月に導入したというものでございます。  市民の皆様が緊急地震速報を受信する方法といたしましては、一般的には、NHKあるいは民放の報道機関に気象庁から地震情報が送られた際に、一般放送を中断して、テレビあるいはラジオから独自のチャイム音と同時に、地震が起きた場所、強い揺れの対象地域、そして強い揺れへの警戒を呼びかけるという方式になっております。当局で導入いたしましたものにつきましては、指令情報センターの中と事務室に地震速報が組み込まれたパソコンと表示端末装置を設置しておりまして、いずれも予測震度と強い揺れの到達予測時間、そして、どの地域まで強い揺れが到達しているのかといったことが画面に表示されますと同時に、到達時間がカウントダウンで表示され、あわせて音声ガイダンスされるシステムになっております。  消防局におけるシステムの活用についてでございますけれども、3点をもくろんでおりまして、いずれも緊急地震速報から得ました情報をもとにしております。1点目には、指令情報センターから庁内に一斉放送を行います。それによって、来庁されている市民の皆様を安全な場所に避難してもらうための誘導の徹底をするということ、2点目といたしましては、消防車両を配置している署所が54カ所ございますけれども、ここのシャッターを開放させると同時に消防車両を屋外へ速やかに移動させます。3点目といたしましては、災害現場で活動中の消防隊員あるいは救急隊員に対して無線等で情報提供を行いまして、ビルの直下にいる場合はガラスの落下が心配されますし、また、建物の倒壊による2次災害の発生を防止するといったことに活用することにしております。  今後におきましても、地震発生時における市民の皆様あるいは職員の安全確保と初動態勢の確立を図るために、定期的に訓練を実施しながら活用してまいりたいと考えているところでございます。 ◆村上仁 委員  消防署関連の施設では、一応、すべての施設で一定の目標値を上回ったということでありますし、昭和45年以前に建設されている、いわゆる旧々耐震基準以前の施設についても改修、そして、建てかえも含めて検討していくということでございました。  私は、消防署というのは、やはり地域の安全を守る上で防災活動の拠点となっていくわけですから、耐震化を含めた改築等は、市として緊急重要課題であるという位置づけを財政的にもしっかりと持って、早急に進めることが必要なのだと思っております。今、お話がありましたけれども、緊急地震速報の導入で、消防署が地震の情報を幾ら素早く察知できたとしても、救急車や消防車を外に出した後に消防署自身が倒壊してしまうことがあれば、その後の防災活動の拠点を失って、いわゆる震災活動に重大な支障を来していくということにもつながります。ですから、やはり消防施設の早急な耐震化というのは必要なのだということを強く求めておきたいと思います。  次に、消防局が導入いたしました緊急地震速報システムですが、今、このシステムの導入経過や受信方法、また、活用方法についてご説明されました。  ただ、もう少し具体的な事例、例えば、北海道で言えば、この間も釧路や根室沖で頻繁に大きな地震が発生しております。こんな地震の場合に、もしこの緊急地震速報が導入されていたら、どんな効果、どれだけの対応ができるのかということについてもう少し具体的に伺いたいと思います。 ◎鈴木 警防部長  道内で最近発生いたしました最も大きな地震と申しますのは、平成15年9月26日に発生した十勝沖地震で、札幌市では震度4、場所によっては5ということで、家が傾くといったような被害が出た区もあり、消防といたしましては、特別警備態勢を発令して対応したところでございます。このとき、札幌管区気象台からは、地震発生から強い地震波でございますS波が札幌に到着するまで54秒かかったと発表されております。  これを踏まえまして、消防局におきましては、緊急地震速報が配信される前の9月27日でございますけれども、消防車両を配置しております署所54カ所すべてを対象といたしまして、緊急地震速報システムを使用した地震対応訓練を実施したところでございます。その結果といたしましては、全署所のシャッターを開放してすべての消防車両を屋外に移動完了させる、さらに、出動態勢を整えるまでの時間は約50秒でございました。  このことから、委員から今ご指摘いただきました、地域において地震が発生した場合には、先ほど3点の活用項目をさまざま申し上げましたけれども、大きな揺れが到達するまでの時間を有効かつ効果的に活用できるのではないかと考えているところでございます。 ◆村上仁 委員  今のお話を聞いていまして、また、先ほど、一斉放送を入れるとかシャッターをあける、あるいは、活動している消防隊員に無線で連絡をとって安全や作業の適切さを図っていくという3点が説明されました。しかし、十勝沖ですと、要するに揺れが来るまで50秒ぐらいの時間があったということですよね。  そうしますと、私は、市民の安全を守っていく上でもうちょっと有効利用できるのではないかなと感じています。例えば、手術室のある病院で手術をされるところにこういうシステムが導入されていれば安全も確保できるのではないかなと。そして、電気とかガス、水道などのいわゆるライフラインの確保、あるいは、防災計画に盛り込んで、関連する部局とも連携しながら、緊急地震速報をより市民の命と財産を守る有効なシステムとして発展的に機能させることが必要だというふうに思っています。  そういう意味から、消防局が導入をするわけですけれども、関係する企業や部局も含めてより積極的に働きかけをしていただく、その上で、より有効に市民の命や財産を守っていく立場で働きかけをしていただきたいということを強く求めまして、私の質問とさせていただきます。 ○村松正海 委員長  以上で、第1項 消防費の質疑を終了します。  ここで、理事者交代のため、委員会を休憩します。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時36分       再 開 午後2時38分     ―――――――――――――― ○村松正海 委員長  委員会を再開いたします。  次に、第2款 総務費 第1項 総務管理費中危機管理対策室関係分の質疑を行います。 ◆佐藤右司 委員  先ほど、消防局の関係で村上委員の方から地震に関してご質問があったのですけれども、私の方は、危機管理対策室として、今までどのようにこの問題を取り組んできたのか、それを含めてご質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  札幌市は、昭和56年の56水害、また、平成16年度の台風18号、風台風と言われたときに被害を受けた経験はあったのですけれども、幸いにしてと言っては大変あれかもしれませんが、地震による大きな被害というのはまだ受けていません。ですから、大変災害の少ない安全なまちと言われていますが、最近、全国で発生している地震というのは、活断層が確認されていない場所で非常に起きています。札幌市も、やはり、これから30年くらいの間には大変大きな地震が襲うのではではないかという中央署の方からのお話も聞いております。  そこで、防災対策に万全を期さなければならないのではないかと思いますので、それらについてお話しさせてもらいます。  ことしに入ってから、3月25日に、地震の発生が少ないと言われた能登半島で最大震度6弱の地震が発生しました。中部地方で最大震度6の地震が発生するということで、今、大規模な地震が相次いで起きていて、各地に本当に甚大な被害を及ぼしていると思います。災害は忘れたころにやってくるということわざがあるのですけれども、忘れる間もなくやってきているというのが最近の地震ではないかと感じております。  このような中、ことしの10月1日から、広く国民に対して、緊急地震速報の提供がテレビ、ラジオを通じて開始されました。この緊急地震速報は、地震の震源地の近くで初期微動をとらえて、震源地、地震の規模、想定される揺れを自動的に計算して、時間が、発震源から自分の住んでいるまちまで数十秒以内、それは距離によっても変わりますが、気象庁から提供されるということなのです。地震防災対策の重要な情報の一つであるということは当然認識しているのですけれども、たまたまことし発生した新潟の中越沖地震のときに、地震速報を事前に導入していた北東部の工場では、実は、震度4の強い揺れが来るときに、工場まで来るのに17秒間ぐらいの時間があったそうですね。ですから、この17秒間に、事前にこれを採用していたことによって従業員が早く避難できた、そして、適切に行動をとることができたために被害が軽減できた、そういうことが報告されております。  やはり、緊急地震速報が提供されることによって、市民一人一人が地震対策を見直す契機になるということを本当に期待しております。これを本当に正しく理解することによって、時間が十数秒というわずかな時間であってもやれることはたくさんあると思うのですね。頭を保護するとか、子どもたちは机の下に隠れなさいよとかなんとか、もともと身についているような親からの教えもあるのですけれども、やはり、本当に自分がそういう行動をとれるということで、これをもっともっと広く推進してもらいたい。こういうことを危機管理対策室の方でやっていただくことによって、被害は本当に間違いなく軽減されると思うのです。札幌市民一人一人が正しい知識を身につけることで、集客施設、それから雑踏におけるパニック等の2次災害の防止につながることでも、本当に大事な命を守るという部分では決して怠ってはいけないと思います。  そこで、緊急地震速報に関連してご質問させていただきます。  1点目として、緊急地震速報についての認識と、これまでどのような取り組みを行ってきたかということをご質問させていただきます。 ◎野辺地 危機管理対策部長  私の方から、緊急地震速報の認識についてお答えいたします。  今月1日から緊急地震速報の提供が開始されておりますが、地震災害の軽減に大きな成果を発揮することが期待されている情報でございます。しかしながら、正しい対処方法が理解されていないと逆に混乱を招くようなことが考えられますので、緊急地震速報が伝達されたときには適切な対応ができるように日ごろから準備が必要であると考えております。  そこで、これまで、本市における取り組みといたしましては、本市は不特定多数の市民が利用する施設を数多く所有しておりますけれども、これらの施設を利用する市民の方、また、そこに勤務している職員の方の安全を確保するため、導入に向けての全庁的な説明会等を行っております。その中で、緊急地震速報が入ったときに、職員が適切に対処できるマニュアルの整備、あるいは情報の入手方法の検討等について各局・区に要請したところでございます。 ◆佐藤右司 委員  市としての緊急地震速報の認識とこれまでの取り組みについてはよくわかりました。  先ほどもお話しさせていただきましたように、緊急地震速報を正しく理解すれば、本当にわずかな時間であっても結果として被害が軽減されます。したがいまして、緊急地震速報を正しく理解するための広報活動が重要なポイントになろうかと思います。  そこで、2点目ですけれども、これまで、緊急地震速報について市民へどのような広報活動を行ってきているのか、また、今後どのように活動を進めていくのか、お伺いしたいと思います。 ◎野辺地 危機管理対策部長  市民への広報活動についてお答えいたします。  緊急地震速報が伝達されたときに適切な行動がとられなければ、その効果が半減するばかりではなく、逆に大きな事故を引き起こすということも考えられます。そういった意味では、市民に対しましては、これまであらゆる機会をとらえて、緊急地震速報の内容、あるいは速報を見聞きしたときの対応方法、情報の入手方法、それらについて広報を行ってまいりました。具体的な取り組みといたしましては、気象庁作成のパンフレットの配布、広報さっぽろなど広報紙による広報、それから、札幌管区気象台職員を講師として招いての研修あるいは講演会の実施、さらには、出前講座あるいはコミュニティFM局を通じての市民周知などでございます。  今後とも、札幌管区気象台と連携いたしまして、あらゆる機会をとらえ、積極的に広報活動を行っていきたいと考えております。 ◆佐藤右司 委員  地震による被害を軽減させていくためには、本当に市民、行政が一体になってこの速報を積極的に利活用するという意識で取り組むことが理想です。私は、札幌市が率先して速報を導入することで、企業の方々も導入に向けて一歩前進するのではないかと。  そこで、最後の質問ですけれども、これまで、札幌市有施設における緊急地震速報の対応状況がどのようになっているのか、教えていただければと思います ◎野辺地 危機管理対策部長  市有施設の対応状況についてお答えいたします。  現在、緊急地震速報への対応につきましては、全庁的に各部局で検討中でございます。これまで、情報の入手とその後の対応について具体化している施設といたしましては、市役所の本庁舎、交通局のうち路面電車部門、それから消防局でございます。 ◆佐藤右司 委員  わかりました。  現在、緊急地震速報の一般的な入手方法というのは、テレビ、NHKのラジオ、ほとんどそれに限られておりますけれども、ことし中に携帯電話での伝達とか、また来年の4月からは、民放ラジオによる伝達が開始されます。また、地震速報に対応したマンションが販売されるとか、速報の伝達手段がだんだん広まってきているのではないかと思います。  私の方は、今、お話がありましたように、本庁舎や路面電車、そういう場所だけではなく、例えば、地下鉄というのは、当然、地震に対応して、その震度によって早急にスピードの制御ができるのではなかろうかと。また、今、札幌ドームで4万2,222人という満員のような状態で野球をやられていますが、大変大きな数の人が集まる場所とか、先ほど村上委員からもお話があったように、例えば市立病院の対応でも、手術しているときに起きたときはどうするんだと。確かに、手術室の上には照明とかいろいろなものがありますから、落下も大変危惧されますので、そういう部分も早急に対応できるようにしなければならないと思います。  そういう部分で、できるところからきちんと、そして一番被害が想定できる場所ですね。今、皆さん、窓側を見てもこれだけ高層マンションがあります。災害なんていつ来るかわからない話ですから、危機管理対策室として、札幌市民の命、財産を守るという意識をお持ちになって、これからもしっかり対応していただくことを切に要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 ◆宗形雅俊 委員  私は、大きく分けて災害時要援護者対策の件と自主防災の二つをお聞きしていきたいと思います  まず最初に、災害時要援護者の方について、2点お伺いしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。  さきの代表質問におきましては、我が会派の細川議員からも、災害時要援護者の対策を取り上げ、検討委員会における審議状況と今後の市の具体的な支援対策について質問したところであります。この中で、要援護者情報の収集については、本人の同意を前提とした手挙げ方式と同意方式を地域が主体となって進めていくとの検討委員会の意向を市としても尊重していくという答弁をいただいております。  しかしながら、こうした方式でも漏れてしまう人が生じることは予想できることでございます。この中には、地域だけでは把握できない人や、本人の意思として要援護者の登録を希望しない人などさまざまあろうかと思います。かといって、地域では知っている人も知らない人もいるわけですし、登録しなかったら助けなかったらいいというわけにもいかないのではないかということでございます。  こうした人々をどのようにすくい上げていくかという問題は、当然、どうしても避けられない大きな問題、課題であると考えているところです。そのため、現在、検討を進めております手挙げ方式や同意方式から漏れてしまう人たちに対して、これを補完するものとして何らかの手だてが必要であると思われますので、行政サイドとして、例えば、福祉部局が保有する要援護者情報の活用について、いま一歩踏み込んだ議論が必要ではないかと考えるところであります。  そこで、質問ですが、地域で収集した要援護者情報を補完するため、行政情報の活用が必要と考えますが、市の基本的な考え方をまずお聞かせ願いたいと思います。  もう一つは、モデル事業の進め方でございます。  市は、今年度、検討委員会の提言を受けて、災害時要援護者に係るガイドラインと地域が取り組むためのハンドブックを作成し、来年度以降、各区において災害時要援護者避難支援モデル事業を実施すると伺っております。これは、今後、災害時における要援護者の避難支援を地域で進める上で一つのきっかけとなるものと評価しておりますが、一口に地域と言いましても、災害リスクに応じて地域ごとに被災状況が異なり、また、さまざまな住民組織や活動があって市民の防災活動への取り組みにも違いが見られるわけです。したがいまして、今後、モデル事業を行うにしても、こうした地域の多様性や実情を十分踏まえながら、実際に成果が上がる方法で進めていただきたいものと考えております。  そこで、モデル事業の進め方についてもお伺いしたいと思います。  まず、この2点、よろしくお願いいたします。 ◎野辺地 危機管理対策部長  まず、1点目の行政情報の活用に関する札幌市の基本的な考え方についてお答えいたします。  災害時などにおける速やかな安否確認の実施など、いざというときに要援護者を助ける上で要援護者情報の収集と共有は極めて重要ではございますが、要援護者の中には、みずからの情報を地域などに知られたくないという意思を持つ方もおられますので、やはり、個人情報保護の観点から慎重な取り扱いが必要であると認識しております。このような背景から、検討委員会におきましては、手挙げ方式あるいは同意方式、そういったものを基本とした取り組みを進めるべきだという議論がなされているところでございますが、何よりも支援のための取り組みに第一歩を踏み出すことが重要であることからも、市といたしましては、検討委員会の意向を踏まえてまず取り組みを進めていきたいと考えております。  しかしながら、今、ご指摘のございました行政情報の活用については、これらの取り組みと並行いたしまして、手挙げ方式などでは漏れてしまう要援護者を把握する上で避けて通れない課題であると考えておりますので、今後、所管部局におきまして検討するよう協議を進めてまいりたいと考えております。  次に、2点目のモデル事業の進め方についてでございます。  具体的な実施内容につきましては今後の検討課題ということになっておりますが、例えば、住民参加を基本とした災害図上訓練、DIGといったものを取り入れた取り組みなども考えられるところでございます。いずれにいたしましても、モデル地区の設定につきましては、ご指摘の地域の実情に十分配慮して進めるほか、モデル事業の成果あるいはノウハウを地域に提供しながら、その取り組みを一層広げてまいりたいと考えております ◆宗形雅俊 委員  要援護者の登録ということについては、個人情報保護法という壁があると思うのですけれども、その要望は最後にまとめてしていきたいと思います。  続いて、自主防災活動について、2点お伺いをしていきたいと思います。  能登半島や新潟県中越沖で立て続けに大きな地震が発生しております。このような大地震によって発生する被害を軽減し、火災による延焼などの2次災害を防止するためには初動態勢の確保が重要であります。平成7年の阪神・淡路大震災の教訓からも明らかなように、災害の規模が大きくなるほど消防などの行政機関の対応が難しくなります。そして、消火や被災者の救出、救助などで大きな力を発揮したのが地域住民による自主的な防災活動であると言われております。  そこで、札幌市においても、地域の防災活動を推進するために、自主防災組織の結成に精力的に取り組み、平成11年度には44%あった自主防災組織の組織率が、8年後のことしの10月には倍の87.8%にも進んできました。しかし、残る266の町内会がいまだに未結成でありますし、また、ここ3年ぐらいは結成率が1〜2%ほどの伸びにとどまっているという現状もあります。いざというときの被害を少しでも軽減するためには、すべての町内会で自主防災組織が結成される必要があると考えます。  そこで、1点目ですけれども、自主防災組織の結成について、最近、結成率が頭打ちになっている理由は何か、また、今後、結成率の向上にどう取り組んでいくのかお伺いいたします。  また、自主防災組織に対して、その活動を推進し、災害による被害を最小限に抑えるため、消火用バケツやジャッキ、担架などの防災自主資機材の助成がなされております。この保管は、基本的には地域に任されておりますが、防災資機材は1メートルを超えるような大きな保管ケースに入っているため、一般的には町内会長の自宅や町内会館等に保管されておりますけれども、会長がかわったりする際に保管場所に苦慮しているというケースがあるという声も聞いております。  さらに、約1,900ある自主防災組織のうち、約390の組織がいまだこの助成を受けていないという実態もあります。保管場所がないという要因が一つとも考えられます。いざというときのためにすべての組織に行き渡っていることが肝要と考えますが、札幌市では、これまで一定の規模の公園や防火用地において防災資機材の保管庫の設置を認めてきていることは承知しておりますけれども、まだまだ課題の解消に至っていないと思うわけであります。  そこで、2点目ですが、このような防災資機材の保管場所に係る対策として、現在の公園の防災資機材、保管庫の設置基準を緩和することなどを考えていくべきだと思いますが、いかがお考えか、2点お答えをお願いします。 ◎野辺地 危機管理対策部長  1点目の自主防災組織の結成率が頭打ちになっている理由と向上策につきましてお答えいたします。  まず、結成率が頭打ちになっている理由ですが、一般住宅等が多い町内会では、どの区でも結成率が高いものとなっております。ただ、都心部の世帯数が少ない町内会、あるいは社宅やアパートが多い町内会では、役員の担い手不足、住民の入れかわりが多いといったようなことで未結成のまま残っていることが実情として上げられております。  次に、結成率の向上にどのように取り組んでいくかということでございますが、これまでも、パンフレットや出前講座、あるいは広報さっぽろ等で結成の方法をPRしてきております。また、区役所や消防署におきましても、機会をとらえて積極的に結成の働きかけを行ってきたところでございます。組織の結成には、やはり、何といっても地域に災害の実感や危機意識、そういったものを持ってもらうことが大変重要であると考えております。このため、今後も、洪水や地震等に関するハザードマップの作成、公表など、効果的な広報あるいは意識啓発を図りながら、結成率がさらに向上するよう努力していまいりたいと考えております。  次に、2点目の公園の防災資機材保管庫の設置基準の緩和についてでございます。  防災資機材保管庫を確保するということは、災害発生時における地域の円滑な初動態勢の確立や、自主防災組織の結成促進にもかかわる大事な事柄であると認識しております。私どもも、保管場所に苦慮しているというお話を聞いておりますことから、現在、自主防災資機材の保管を含めたあり方につきまして、自主防災組織に対してアンケートを実施しております。今後は、このアンケートの集計をもとに、保管場所の実態やニーズを把握しながら、実態に即した対応ができるよう関係部局とも協議し、検討してまいりたいと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  自主防災組織の結成に向けての取り組み等については理解いたしました。  一方で、結成を急ぐといったら言葉が過ぎるかもしれませんけれども、結成した組織が活性化されていないといいますか、訓練や研修などその後の取り組みが進んでいない町内会も見受けられます。また、先ほど言いました市からの助成を受けた防災資機材を数年ぶりに使ってみたけれども、その使用方法がわからず戸惑ってしまうという声も聞いております。災害が発生したときにそういった機材が使えなかったり、また、落ちついて適切な行動がとれなければ、せっかく結成した組織も絵にかいたもちではないかなと思うわけでございます。  市では、これまで、総合防火訓練を初め、区単独の訓練や地域における訓練に対する技術指導を行ってきていることは承知しておりますが、まだまだ十分ではなく、例えば、先ほどもありましたDIGと呼ばれる簡易型災害図上訓練の普及など、さまざまな訓練や研修を提案しながら、地域の取り組みを促していくことも必要であると思います。  そこで、もう一つ質問ですけれども、助成された防災資機材の平時からの点検や手入れ、それを利用した訓練の働きかけなどを含め、今後、自主防災活動の活性化にどのように取り組んでいくか、お聞かせ願いたいと思います。 ◎野辺地 危機管理対策部長  防災資機材の点検、利用などを含めました自主防災活動の活性化に向けた取り組みについてでございます。  ご指摘のとおり、組織を結成するだけでなく、いざというときに備えて平常時からの訓練、研修が重要でございます。そこで、これまでも、防災リーダー研修の開催、それから、市主催の訓練では、防災資機材を使用する発災対応型に内容を工夫したり、また、昨年からは洪水ハザードマップを活用した地域研修会なども行ってきております。  また、ご質問にありましたDIGにつきましては、自分たちの住んでいる危険な場所、あるいは活用できる防災資機材の保管場所を頭上で把握するなど、参加者同士でコミュニケーションを図りながら、各種の災害に対応する能力を身につけることができるもので、防災力向上のための地域活動を促進する上で極めて有効な手法であると考えております。このため、現在、職員を対象にDIGの普及員の養成を行っているところでございまして、今後は、一層、地域におけるDIGの普及などに力を入れていきたいと考えております。  さらに、例えば、防災資機材の平常時からの点検あるいは手入れ、それを利用した訓練の働きかけなどを含めて、さまざまな訓練や研修の提案をするなど、地域の機運を高めながら自主防災活動の活性化に取り組んできたいと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  最後に、要望でございます。  自主防災組織については、役員の担い手不足や地域の事情もあり、結成率を高めていくことは難しい面もあると思いますけれども、やはり、組織の結成が地域における防災の取り組みの始まりでもあると思いますので、ぜひ100%に近い形での努力をしていただきたいと思っております。  また、要援護者となる方々の100%すべてを把握するのはなかなか難しいこととは十分承知しておりますけれども、これまでの多くの災害、最近の例では7月の新潟県中越沖地震などでは、事前の対策によって助かったかもしれないとうとい命が失われているケースもあると思うのです。こうしたことを大きな教訓と受けとめ、また、札幌は先ほどありましたように大きな地震がないものですから、対岸の火事的なこともあるのではないかと思っております。  私は、以前、静岡に住んでおりましたが、東海沖ということで、地域なりに地震に対するさまざまなリスクがありました。そういったことで、啓蒙、啓発ということも大事だと思います。また、手挙げとか同意で漏れる方々もいると思うのです。当然、検討委員会のいろいろなガイドラインもありますけれども、本当にいつ起きるかわからないということでございますので、早急にそういったすり合わせ等もやって、行政サイドの情報共有といったものを備えていただくことを要望して、終わりたいと思います。 ◆國安政典 委員  私からは、災害時におきます妊婦や乳幼児への支援対策と洪水時の避難体制の強化について、2点お伺いさせていただきます。  先に災害時における妊婦、乳幼児への支援対策についてお伺いします。  防災に関する重要事項の審議を行う国の中央防災会議は、新潟県中越沖地震の経験などを踏まえまして、2005年7月の防災基本計画の改定において、乳幼児、妊産婦などを災害時要援護者として計画の中に明確に位置づけたところであります。妊婦や乳幼児も、高齢者や障がい者などと同様に、災害時には過酷な環境のもとで厳しい生活を強いられることになるわけであります。例えば、妊婦は、素早い避難行動が困難である上に、被災に伴う精神的な動揺やストレスが引き金となって状態が急変する場合があるわけでありますし、また、乳幼児につきましても、保護者が災害をこうむることによりまして養育が困難または不可能となる事態も想定されるわけであります。こういったことから、妊婦や乳幼児に対しましても、災害時における特徴を十分に踏まえて適切な支援策を講じることが重要であると考えるわけであります。  新聞報道によりますと、昨年、東京都は、都内の区市町村に対しまして、妊婦・乳幼児に関連した防災対策調査を実施いたしました。これは、各自治体が定める地域防災計画等の中で、妊婦、乳幼児の被災の対象者数や災害時要援護者としての位置づけを明確にすべきであるとの趣旨から行われたものでありまして、避難人口や備蓄物資を見込む対象として妊婦や乳幼児を計画上に位置づけているか、また、その対象者数や妊婦や乳幼児に配慮した避難所の運営状況などを調査内容としておりました。私は、こうした東京都の取り組みの趣旨を踏まえまして、札幌市におきましても、災害時における妊婦、乳幼児への支援をきめ細やかに図っていくべきであると考えるところでございます。  そこで、質問でありますけれども、本市では、妊婦や乳幼児について、被災の対象者数を地域ごとに把握し、これを計画上に位置づけているのかどうか、お伺いします。  また、仮に今、札幌で大規模な地震が発生した場合、妊婦や乳幼児に配慮した避難場所の運営として市はどのような対応を考えているのか、あわせてお伺いいたします。 ◎野辺地 危機管理対策部長  1点目の妊婦、乳幼児の地域ごとの把握と計画上の位置づけについてでございます。  現在のところ、地域ごとの把握や計画上の位置づけは行っておりませんが、全市的な被災対象者数を試算いたしますと、妊婦、乳幼児合わせて約8,000人の規模となります。これに対応すべく、乳幼児用の粉ミルクあるいは紙おむつなどの備蓄物資を計画的に整備しているところでございます。  2点目の妊婦、乳幼児に配慮した避難場所運営の対応についてでありますが、平成13年に作成いたしました災害弱者マニュアルに基づきまして、妊婦や乳幼児が安静に過ごせる別室や新たなスペースの確保などを行い、対応してまいりたいと考えております。 ◆國安政典 委員  ただいまの答弁で、今のところ、被災の対象となる妊婦や乳幼児の数は地域ごとには把握してないということでありますけれども、地域によって異なる被災状況や被災対象者数を想定して、これをベースとして地域ごとに避難人口とか備蓄対象人口を見込むこと、こうした一歩踏み込んだ取り組みがより実効性を伴った災害対応を可能にするのだというふうに考えるところであります。  そこで、質問ですけれども、今後、地域ごとの被災状況に即してきめ細やかな対応を図る必要があると考えるわけでありますが、この点について市の考え方をお伺いいたします。 ◎野辺地 危機管理対策部長  地域ごとの被災状況に即したきめ細やかな対応についてでございます。  本市では、昨年度から地域防災計画の地震被害想定に関する見直し作業に着手いたしまして、今年度、地域ごとの詳細な地震被害の評価作業を行う予定でございます。これによりまして避難人口等の把握も可能となりますことから、その成果を踏まえながら、ご質問の点につきましても実態に即して検討してまいりたいと考えております。
    ◆國安政典 委員  妊婦、乳幼児の支援対策につきましては、新潟県中越沖地震を経験した妊婦や乳幼児の保護者の体験談では、小さい子どもとの避難は大変だったとか、ショックで母乳が出なくなったという切実な声とか、また、窓ガラスの音や風の音を怖がるようになったとか、子どもがトイレに行けなくなったなど、震災が妊婦や小さな子どもの心に与えたダメージの数々が寄せられておりました。妊婦、乳幼児が災害時要援護者であるとの認識は、地域社会ではまだまだ十分ではないというふうに思います。こうした母子の心と体の特性に対する理解を一人一人がもっと深めていくように、市におきましても、市民への意識啓発等を積極的に進めていただくことを要望させていただきたいと思います。  続きまして、洪水時における避難体制の強化についてお伺いをさせていただきます。  札幌市では、平成12年に水防計画を抜本的に見直して、水防関係機関との連絡体制や内部部局間の情報共有、役割分担などを定め、洪水災害に備えるとともに、平成16年、17年の2カ年で、石狩川、豊平川、そして新川のはんらんを想定したハザードマップを作成し、関係住民に全戸配布し、避難対策の啓発を図ってきたと聞いております。  しかしながら、近年、各地で記録的な集中豪雨による水害が発生しておりまして、こういった被害拡大の要因としては、市町村が避難勧告等を発令しないとか、避難勧告が発令されても住民が逃げない、また、被災者の多くが高齢者等の災害時要援護者であることなどが指摘されているところであります。  そのような状況のもと、平成17年に水防法が改正されまして、中小河川の水害対策や、地下施設や災害時要援護者施設に対する情報伝達体制の確立など、避難対策の充実について規定されるとともに、国からは避難勧告等を客観的に発令するための避難勧告等の判断・伝達マニュアルの作成に係るガイドラインが示されるなど、市町村により一層の避難体制の強化が求められたところでございます。  札幌市の洪水ハザードマップを見ますと、浸水想定区域は相当広く、地下施設が集中する都心部も浸水想定区域に含まれております。また、北区や東区では、広範囲にわたる避難勧告が必要とも考えられますことから、札幌市においても、洪水時の避難にかかわる基準づくり、体制強化を早急に行うべきではないかと考えているところでございます。  そこで、質問ですが、本市では、現在、このような洪水時における避難体制の強化についてどのような取り組みをされているのか、お伺いいたします。 ◎野辺地 危機管理対策部長  洪水時におきます避難体制の強化についてお答えいたします。  委員のご指摘のとおり、私どもといたしましても、洪水時における避難体制の強化の必要性を強く感じているところでございます。本年9月に、国、北海道、あるいは庁内の関係部局からなる札幌市洪水避難体制検討会議を設置いたしまして、現在、検討を進めているところでございます。具体的な検討項目といたしましては、豊平川等の主要河川のはんらんが予想されたときに、適切に避難勧告等を発令するための発令基準や発令区域、また、避難勧告等を適切に住民に伝えるための伝達手法や伝達内容、さらには、地域防災計画に規定する地下施設や災害時要援護者施設の対象範囲と、それらの施設への情報伝達方法などを予定しております。  最終的には、これらの検討結果に基づきまして、今年度中に避難勧告等の判断伝達マニュアルの作成を行いまして、地域防災計画の修正案につきましては来年度の防災会議に提案したいと考えております。このことによりまして、計画に規定された地下施設の管理者等は施設利用者の避難を確保するための避難確保計画の作成が義務づけられますので、利用者の安全な避難を確保されるものと考えております。 ◆國安政典 委員  まさに、今、洪水時における避難体制の強化に向けた取り組みが進められているということでありました。検討会議の中で十分に議論、検討を行っていただき、よりよいものをつくり上げていただきたいと思います。  今のご答弁にもありました地下施設管理者等が作成する避難確保計画について若干お伺いさせていただきます。  地下施設の浸水事故というのは、平成11年に福岡市と東京都新宿区におきましてそれぞれ1名の方が亡くなっているわけであります。札幌市も人口190万人を擁する大都市となりまして、地下鉄や地下街等の地下施設を数多く保有しているわけであります。今後、東京や福岡で起きたような事故が発生する可能性も十分考えられるわけであります。先ほどの答弁の中で、地域防災計画に規定される地下施設の管理者に避難確保計画の作成を義務づけるということでありましたけれども、最も重要なことは、作成した計画に実効性があり、かつ、災害時に確実に遂行することができるかどうかであるというふうに思います。  そこで、質問でありますけれども、地下施設の管理者等が作成する避難確保計画の実効性を高め、確実に遂行させるための取り組みを今後どのように進めていくのか、お伺いいたします。 ◎野辺地 危機管理対策部長  地下施設管理者等が作成する避難確保計画につきましてお答えいたします。  本市では、平成17年度に、開発局や気象台、地下街管理者等と共同で、洪水時に施設利用者を安全に避難させるための対策、具体的に言いますと、情報収集の方法あるいは情報連絡体制、避難誘導の方法などにつきまして解説した手引書を作成しております。  今後、地域防災計画に規定された地下室の管理者等はこの手引書に基づきまして避難確保計画を作成することになりますが、各施設管理者等の作成する計画が一定水準のものとなるように、計画のひな形を作成していきたいと考えております。さらに、計画が作成された後、その実効性を高めるための研修あるいは訓練、そういったものへの支援等につきましても検討してまいりたいと考えております。 ◆國安政典 委員  先ほども申し上げましたけれども、札幌は大都市でありまして、さまざまな施設があります。一たび、洪水などの災害が発生した場合の被害というのははかり知れないわけであります。  一方で、ここ数十年間、大きな水害というのがありません。そういった点では、洪水に対する防災、減災のノウハウが経験不足であるのは否めない事実であるかと思います。そういった意味におきましても、過去に被災された自治体の経験などを参考に、被害拡大の原因やその対応策についてしっかりと研究し、実効性のあるマニュアルを作成していただくこと要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ○村松正海 委員長  ここで、およそ20分間委員会を休憩します。     ――――――――――――――       休 憩 午後3時21分       再 開 午後3時46分     ―――――――――――――― ○村松正海 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆佐藤典子 委員  私は、安心・安全のまちづくりに向けて、丘珠空港におけるハイジャック、消火救難合同訓練について、1点のみ伺います。  市民ネットワークは、丘珠空港周辺の環境悪化につながる航空機のジェット化や増便に反対し、他団体と連携して活動しております。また、丘珠空港においては、日米地位協定に基づき1988年より米軍が使用できる空港になっていることから、軍事利用の拡大につながらないよう丘珠空港問題に取り組んでいます。丘珠空港周辺は、札幌市の長期計画のもと、住居専用地域として指定され、現在も住宅がふえ続けており、小学校や中学校、病院などの公共施設も数多くある住宅密集地域です。空港周辺に住む市民は、住環境を守り、安心して暮らせる住みよい地域を次世代に手渡したいと願っています。  さて、9月6日になりますが、丘珠空港においてハイジャック消火救難合同訓練が行われました。今回は、例年と異なり、夜間訓練とすることとし、東区、北区の議員には9月4日に広報されました。合同訓練の主催者である東京航空局丘珠空港事務所は、丘珠空港周辺地域住民には町内会を通じて案内文を回覧して周知徹底を図っておりますとのことでしたが、実際には、町内会の案内文は、8月15日の日付にはなっているものの、町内会で回覧するには十分な日数ではなく、地域住民に回覧されていないところもあり、周知徹底されたとは言えません。また、今回の訓練が例年とは異なっているとしながらも、本市庁内では、市民まちづくり局は町内会や関係議員に広報し、東消防署は訓練に参加し、危機管理対策室は訓練開催を事後に知ったということであり、関連部局で情報共有が成されていなかったのは問題と考えております。  さらに、2年前になりますが、05年10月、陸上自衛隊丘珠駐屯地所属のヘリコプターが定期点検に伴う整備確認の飛行中に機体の一部を紛失した事件について、札幌市も市民も新聞報道で初めて知ったという経緯があり、その際にも、市民ネットワークは周辺住民への説明及び関連機関との情報共有の必要性を訴えてきたところです。  そこで、質問であります。  本市防災会議条例で、防災会議が設置されております。その委員の構成としましては、東京航空局丘珠空港事務所、また陸上自衛隊もメンバーとして入っております。市民の安全を守る責務のある自治体として、関連機関と日常的にどのように連携し、市民への的確な情報提供を行っているのか、まず、1点目です。  2点目は、ハイジャックを想定した訓練、また、今述べましたように飛行機の部品落下事故など危機管理に関する情報については、窓口を一本化し、市民からの問い合わせに応じることはもとより、本市庁内の関連部局、またその他関連機関と速やかに情報伝達できるシステムを構築すべきと考えますが、今後の具体的な取り組みについて伺います。  3点目に、丘珠空港の防災訓練等については、周辺住民にとっても重要な取り組みであることから、毎回、周辺住民への情報公開と情報の周知徹底を図るべきと考えますがいかがか、この3点について伺います。 ◎野辺地 危機管理対策部長  丘珠空港におきますハイジャック消火救難合同訓練等について、現状における関係機関との連携と、危機管理情報窓口の一本化等につきましてお答えいたします。  関係機関相互の連携につきましては、これまでも、それが緊密となるように努めてきておりますが、ご指摘のように、訓練等に関する情報を危機管理対策室が把握し、札幌市の関係部局間での情報の共有を図るとともに、市民への適切な対応、あるいは、関係機関への情報伝達などをきちっと行っていくことが大変重要なことでありますので、このことにつきましては、今後、より一層、徹底してまいりたいと考えております。  次に、周辺住民への情報公開と情報の周知徹底につきましても、今回のことを教訓にいたしまして、訓練の実施主体である丘珠空港事務所と連携し、今後、より適切な対応がなされるようにしてまいりたいと考えております。 ◆佐藤典子 委員  これまでも連携はしているけれども、今回のような事態もあるということで、さらに周知徹底、また、その連携を深めていくというお話でありました。  そして、今、防災会議のことを申し上げましたけれども、この防災会議というのは、災害対策基本法に基づいて設置されているものです。そして、その災害対策基本法第8条に次のようなことが示されています。その2項めでありますけれども、国及び地方公共団体は災害の発生を予防しまたは災害の拡大を防止するため、特に次に掲げる事項の実施に努めなければならないということで、18項目が上がっております。そして、その中の13番目に、先ほど来、さまざまな議論が行われている自主防災組織の育成、ボランティアによる防災活動の環境の整備、その他、国民の自発的な防災活動の促進に関する事項ということであります。  私も、自分たちの地域は自分たちで守るという基本姿勢は非常に重要なことだと考えております。そして、これから自主防災という中でどういう取り組みが行われるのかというその内容と、それから、それがどういう状況で行われているのかという情報の共有、把握ということは非常に重要になってくると思っています。代表質問のときに取り上げさせていただきましたが、人為的災害を想定した特殊災害の防災訓練が南区で行われたわけでありますけれども、それは、町内会が主催されておりますので、そこの判断、また、そこに住む中学生が参加されたという問題でありました。こういう訓練というのも、今までは、地震とか、先ほど出ている洪水とか、そういう自然災害への防災対策ということで多く行われ、また、そういうことが緊急の課題となって、今、要援護支援なども含めてどのようにやるかということが大きな課題です。しかし一方で、こういう人為的災害ということへの訓練なども、自主防災という中での訓練として考えられます。  そこで、ハイジャックもそうですけれども、例年にない特別な訓練をしている状況のときには、市としても、その情報の共有を行う、それから、市民への情報提供を行うべきと考えます。市が全く知らないというわけにはいかないというふうに思っております。この点について、市の認識を伺います。 ◎野辺地 危機管理対策部長  先ほど、ご質問にございました各区でいろいろな形で訓練等が行われまして、私どもといたしましては、地域で災害の実感、あるいは危機意識を持ってもらうためにも、より多くの訓練をやっていただきたいと思っております。また、DIGなどは、より小さな単位、町内会で言えば班単位といったようなところでもやっていただきたいと思っております。ただ、それらをすべて把握するというのはなかなか現実的ではないと考えております。  そこで、ご質問にございました自然災害以外の特別な訓練をやる場合の情報の把握等につきましては、そういった場合には、訓練を実施する際には地元の区役所あるいは消防署と相談、協議し、連携して行うことが通常であると思われますので、私どもは、それらの部局を通じて、今、言われたような訓練についての情報把握等を行ってまいりたいと考えております。 ◆佐藤典子 委員  要望でありますが、今後、いわゆるテロとか人為的災害への対応ということなど、さまざまな範疇で訓練が行われる場合も出てくるかと思います。また、今、サミットに向けては、テロ対策ということで道と札幌市がどういう対応をするかということも課題になっています。そうした中で、私たちは、自主防災という中でどこが何をしているのかわからないというようなことでは、本来の目的とは相違しているのではないかというふうに考えます。今申し上げたように、特別な事例で行われるような場合など、特にその情報共有をしっかりしていただき、市民への情報共有・提供をしっかり行っていただいた上で安心・安全をつくっていくということをともにやるべきだと考えておりますので、その辺を指摘して、きょうは質問を終わらせていただきます。 ◆福士勝 委員  私から、防災対策と危機管理体制の充実の2点について質問いたします。  まず、防災対策の充実ついて、数点お伺いいたします。  1点目として、冬季の防災対策についてであります。  現在の地域防災計画は、地震発生の季節や時間も考慮して、最も被害が大きくなると考えられている冬季の夕方に地震が発生することを前提に被害を想定し、各種対策計画が策定されているわけであります。  しかし、一冬を通して降雪量が6メートルにも達し、気温が氷点下になる日が4カ月を越えるなど、積雪寒冷という本市の厳しい気象環境を考えると、現行の対策では不十分だというふうに思っているところであります。過去、繰り返し発生する地震災害においては、その都度、防災体制の不備や応急・復旧対策などで新たな課題が指摘されてるわけであります。ただでさえ、大きな被害を経験していない本市において、冬季に災害が起きた場合には、積雪による対策のおくれや寒さによる被害の拡大など、多大な困難が危惧されるというふうに思います。  そこで、質問でありますが、現在の札幌市の冬季における防災対策がどうなっているのか、まず1点、お聞かせをいただきたい。  続いて、2点目として、避難場所の運営についてであります。  地域防災計画では、地震による建物の倒壊などにより避難者を最大で12万7,000人と想定しているわけであります。被災した方々の多くは、当然、長期間にわたり避難場所での不自由な生活を余儀なくされるわけでありますが、特に発生直後は、被災した心労に加えて、ふだん、なじみのない方々との共同生活等々にもなるわけでありますから、さまざまな困難やトラブルの発生も懸念されるわけであります。このため、避難場所の運営は、被災者の安全確保はもとより、以後の避難生活における心身の維持、あるいは生活の不安を左右する大切な事柄でありますから、いかに円滑に運営をしていくか、このことが極めて大きな課題になっているわけであります。  そこで、質問の2点目でありますが、災害に際しては、ふだんからの備えや訓練の積み重ねがあって初めて実践的な行動力が発揮されるというふうに言われているわけでありますから、避難場所の運営に関する現在の市の取り組みについてお伺いいたします。  次に、3点目でありますが、応急救援備蓄物資についてであります。  現在、本市では避難場所での避難者への支援として、食料はもちろん、簡易トイレや寝袋、毛布など、災害発生から24時間以内に緊急に必要となる、そういう物資を備蓄しているわけであります。このことは、当然、充実化してきていることも承知をしているわけでありますが、本年7月の新潟県中越沖地震で、避難場所において紙おむつあるいは消毒薬などが不足をしていた、一部地域では、被災当初に避難場所への物資の配給がおくれたことなどで被災者の方々は避難生活に大変なご苦労をされた、こういうふうに聞いているわけであります。そこで、本市においても、必要な物資を計画的に整備しておくことや、災害時においてこれらの物資を早急かつ円滑に配給できるような保管体制が求められているというふうに私は思っているところであります。  そこで、質問の3点目でありますが、今回の新潟県中越沖地震で不足した物資のうち、紙おむつは常に本市でも備蓄をしていると聞いておりますが、今後、新たに消毒液などを備蓄していくべきだと考えるがいかがか、また、備蓄物資の保管場所と避難場所への配給の考え方についてお伺いをいたします。  続いて、危機管理の充実について、数点お伺いいたします。  札幌市における危機管理の変遷を振り返ると、1994年4月、当時の市民局で所管をしていた防災業務を消防局に移管し、翌年、阪神・淡路大震災直後に都市防災の重要性にかんがみた体制の強化を図るために、他の政令指定都市に肩を並べる組織として歩み始めた、これがスタートなわけであります。こうした中で、IT技術革新の死角とも言われたコンピューター西暦2000年問題、あるいはワールドカップサッカー札幌開催に伴うフーリガン対策など、これまでの自然災害への対応を中心とした防災に加えて、市民の生命と財産に大きな影響を及ぼすであろう、いわゆる危機管理の概念とその重要性の認識が高まった転換点となったというふうに私は認識をしているわけであります。  私は、この転換点で特に重視をしたのは、突発的に起こるかもしれないさまざまな危機事象に対して、その都度、従来の防災体制の臨時の組織を立ち上げて対応したのでは、将来の札幌市の安全あるいは安心を考えた場合、決してよい方向ではない、全庁を統括する恒常的な組織の必要性等々について機会あるごとに訴えてまいりました。札幌市は、このことを真摯に受けとめられて、時期を逸することなく、平成16年4月、現在の危機管理対策室を新設し、以来、市民の安全と安心の確保に鋭意努力をしてきた、このことに対しては高く評価をしているわけであります。  その一方で、常にどうして危機が起こるのか、そして、危機の起こる前、起こっている最中、あるいは起こった後にそれをどのようにして管理することができるかについて、最も効果的な枠組みをつくり、実効性を高めるための体制等々に関しての調査研究をなお一層継続をしてほしい、そう願っているわけであります。  そこで、質問でありますが、危機管理対策室の新設から4年目を迎えた08年度を起点に、これまでわかった課題とその解決方策や新たな取り組み等を含めて、中期的な観点から今後どのように推し進めていこうとしているのか、まず、お伺いいたします。 ◎野辺地 危機管理対策部長  まず最初に、防災対策の充実につきましてお答えいたします。  1点目の現在の札幌市の冬季における防災対策についてお答えいたします。  地域防災計画では、ご質問のとおり、冬季の夕方に地震が発生することを想定し、緊急物資の輸送確保などを目的に緊急輸送路の優先的な除雪作業の実施を定めております。また、運用面では、停電等で暖房機能が麻痺することも想定し、まずは、暖房が維持されている避難場所を優先して利用し、仮に暖房が利用できないところでは、機能が回復するまでの間、ポータブルストーブ等を確保することとしております。このほか、毛布や寝袋の備蓄に努めるとともに、大手スーパーから寝具や使い捨てカイロなどの提供を受けることとしております。さらには、市民の方に対しても、冬季の災害への備えとして防寒具の確保など、パンフレットや広報さっぽろのほか、昨年からは市内のメガビジョンやマスコミなどを活用いたしまして広く周知を行ってきたところです。  次に、2点目の避難場所の運営についてでございます。  避難場所の運営については、地震発生当初における早期の円滑な開設と、その後、避難している被災者自身による自主運営が必要であると考えております。このため、職員向けに具体的な避難場所の開設と運営要領を業務マニュアルとして作成し、災害に備えております。また、委員がご指摘のとおり、日ごろの訓練が重要でありますことから、平成16年から、避難場所の運営要領を再確認するために、市職員と学校教職員を対象に、実際に小学校の体育館におきまして開設から初動期の運営について実務研修も行ってきたところでございます。  次に、3点目の応急救援備蓄物資についてお答えいたします。  備蓄物資の整備についてでございますが、今回の新潟県中越沖地震での課題などを参考に、消毒薬など必要な物資の種類及び数量について検討いたしまして、今後、整備を進めてまいりたいと考えております。  備蓄物資の保管と避難場所への配給の考え方についてでありますが、震災時などにおいていち早く備蓄物資を避難場所に配給する必要があります。そこで、より効率的に配給することを考慮いたしまして、備蓄物資は各区で管理している倉庫など28カ所、さらには、小・中学校の空き教室や倉庫など73カ所に分散して保管し、災害時には近隣の備蓄倉庫から避難場所へ物資を配給することを基本としております。万が一、それでも不足する場合は、本市の約1割近くの物資を保管しておりますリンケージプラザ備蓄倉庫から配給し、対応できると考えております。  次に、危機管理体制の課題と中期的な取り組みについてでございます。  これまで、全庁的な危機管理体制を確立するために、平成17年3月に、地域防災計画以外の危機事象についても対象といたしまして、札幌市危機管理基本指針を策定いたしました。この中では、各局長等を危機管理責任者、副市長を統括危機管理責任者とする危機マネジメントシステムを導入することによりまして、危機に対処するための体制を明確にいたしました。平常時には、このシステムに基づく各種の危機管理マニュアルの作成、訓練、研修などによりましていつでも危機に対応できるよう準備をしておくことが必要であり、いざというときに全庁的に的確に危機に対応できるようにすることが課題であると考えております。そのため、今後の取り組みとして、各局が所管するマニュアルの運用や訓練、研修の実施を通しまして、危機管理体制を点検し、必要な改善をするなど、全庁的な危機対応力の一層の向上を図ってまいりたいと考えております。  また、災害が発生したときに被害を最小限にするために、特に初動対応が重要であることから、札幌市だけではなく、ライフライン等の防災関係機関との連携や、地域住民相互による共助の体制を充実する必要があると考えております。今後の取り組みとしては、防災関係機関との日常的な連携体制の強化を図るとともに、DIGの普及や防災資機材の助成等によりまして、地域における防災力の向上を図ってまいりたいと考えております。 ◆福士勝 委員  ただいまの答弁で、まず、1点目の冬季の防災対策であります。  現在でもさまざまな対策をとっているということは、十分理解をしているわけであります。しかしながら、平成17年に札幌市の地震防災検討委員会から出された地震防災対策に関する提言で、札幌市の地域特性を踏まえた地震防災対策の推進の必要性が指摘され、積雪寒冷に対する対策が強く求められているわけであります。これらを踏まえて、現在、地震被害想定の見直しを進めている、こういうふうに聞いているわけでありますが、特に冬季の震災直後は、地震による道路被害に加えて積雪による道路渋滞のために物資や人の移動が制限される、あるいは帰宅困難者への対応など、現実に即した被害想定と実効性のある対策が求められ、それに伴う備蓄物資の充実なども必要になるというふうになってくるわけであります。  そこで、冬季の防災対策の充実強化に向けて、今後どのように取り組んでいく考えなのか、お伺いしたい。  次に、2点目でありますが、避難場所の運営についてであります。  これまで、市の職員あるいは学校の教職員が参加をした研修を行ってきた、こういうふうに聞きました。しかし、地震が起きたときに実際に避難生活を送るのは地域住民であります。地域の方々においても、災害の際に避難場所の運営がどのように行われるのか、特に、当然、自主運営が基本になるということでありますから、ふだんから避難場所運営について地域で考える機会、あるいは、研修会等々を提供していく、私はこういうことが求められてくるというふうに思います。そのことが、住民みずからが危機感を持って活動することになり、当然、自助・共助といった地域の防災力の、向上につながっていくというふうに思っているわけであります。避難場所の利用は広く複数の町内会にまたがることが想定されているわけでありますから、このような機会に、さらに地域の連携、あるいは新たなコミュニティーの形成にも効果が期待されるというふうに思います。  そこで、2点目の質問でありますけれども、避難場所の運営研修の際に、積極的に住民が参加できる場を提供していくべきだというふうに考えますがどうか、お伺いをいたします。  3点目の備蓄物資についてであります。  物資の内容については、引き続き充実していくよう努力をしていただきたいと思っております。  そこで、備蓄物資の配置についてであります。各区のまちづくりセンターは、地域のまちづくり活動の拠点でありますが、その大半が避難場所として指定をされている災害時の防災の拠点にもなっているわけであります。実際に、16年の台風18号の際には、身に不安を感じた住民の自主避難先として活用されたわけであります。  しかしながら、そのほとんどの箇所に備蓄物資が配置されていないとお伺いをしているわけであります。仮に配置されれば、備蓄物資を展示する、あるいは、当然、即必要となる物資を配置できる、こういうことがあるわけでありますから、地域住民の防災の備えも意識啓発も期待されるわけであります。  そこで、質問の3点目でありますが、備蓄物資はまちづくりセンターへも積極的に配置をしていくべきだというふうに思いますがどうか、お伺いをいたします。  さらに、危機管理の関係でありますが、一昨日の15日、08年の北海道洞爺湖サミットの開催に合わせて、環境都市を標榜する札幌市としてもさまざまなイベントを全庁挙げて推進していく、上田市長を本部長として札幌市サミット推進本部の設置と初会合が開催されたようであります。  そこで、質問でありますが、とりわけ市民の安全を確保するための安全対策について極めて重要な事柄と考えますけれども、1点目に、この推進本部が果たす役割に安全対策が盛り込まれているのかどうか、2点目に、安全対策が盛り込まれているとすれば、今後どのような取り組みを具体的に行っていくのか、お聞かせいただきたい。 ◎野辺地 危機管理対策部長  最初に、防災対策の充実につきましてお答えいたします。  1点目の冬季の防災対策の充実強化についてお答えいたします。  平成18年度から、地質や地震防災に関する学識経験者で構成する地震被害想定委員会を設置して、地域防災計画の地震被害想定の見直しを進めております。この委員会において、積雪寒冷地という地域特性もテーマの一つに具体的な被害評価を行っていくこととしております。現実に即した被害想定など、委員ご指摘のことも踏まえまして、今年度末をめどに地震の被害評価を取りまとめ、その結果を平成20年度の防災会議に諮るとともに、防災対策にかかわるさまざまな課題を整理しながら、必要な防災計画の修正や備蓄物資の充実など冬季の防災対策の充実強化について検討してまいりたいと考えております。  2点目の避難場所運営実務研修への地域住民の参加についてでございます。  これまで実施してきました避難場所運営実務研修につきましては、避難場所における職員の役割や初動期の対応を身につけることをねらいに、市職員中心の研修として行ってきたところであります。  委員ご指摘のとおり、避難場所の運営は、避難者のコミュニティーや結束力の中で乗り切らなければならない住民にとっても大きな課題であると認識しております。したがいまして、今後は、実務研修等にその主体である地域住民にも参加をいただきながら、運営のあり方や日ごろからの備え、さらには、初動期における混乱を回避するための住民向けの避難場所の心得の作成など、避難場所運営の充実化に努力してまいりたいと考えております。  3点目の備蓄物資のまちづくりセンターへの配置についてです。  現在、まちづくりセンター87カ所のうち、60カ所を収容避難場所として指定しております。このうち、8カ所に備蓄物資を配置しております。  まちづくりセンターは、避難場所の開設が容易であるとともに、大雨や台風の際に避難勧告に至らないような状況におきましても、不安を抱える地域住民の自主的な避難先としての運用が考えられます。したがいまして、今後は、まちづくりセンターにおいて避難者にいつでも対応できるように、各施設の空きスペースの状況などを見ながら、備蓄物資の配置について前向きに検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、2008年北海道洞爺湖サミットについてです。  札幌市サミット推進本部の役割に安全対策が盛り込まれているかということにつきましては、仮称ではございますが、安全対策推進部会といったものを設置して対処することを想定しております。また、具体的な取り組みにつきましては、まだ札幌市におきますサミット関連の事業内容が明確でないことから、その内容をご説明する段階ではございませんが、今後、関連事業の具体的な内容が明らかになってまいりますので、それにあわせて、どのような危機事象が考えられるのか洗い出しを行った上で対応を考えていくことになります。  いずれにいたしましても、北海道や北海道警察などの関連機関とも十分な連携をとりまして、札幌市民の安全を最優先に考えた万全の体制を構築してまいりたいというふうに考えております。 ◆福士勝 委員  最後に、小澤副市長にお伺いいたします。  危険管理体制に関して、時代の要請に的確にこたえていくためには常に進化することが重要である、こう理解しているわけであります。現在の危機管理対策室は、副市長直轄の局組織であり、平常時の業務は危機管理対策室長によるかじ取りで円滑に遂行できるというふうに思いますが、一刻を争う緊急事態では、複数局等の事務を総轄している副市長は統括危機管理責任者として市長を補佐し、トップマネジメント機能を十二分に発揮できるかどうか、一抹の不安を持っているわけであります。現在策定中の第2次新まちづくり計画に安心と安全のキーワードが初めて掲げられたわけでありますが、災害に備えたまちづくり関連等の事業が進行することを心強く思っている一方、危機管理面に不安を残しています。そういう意味では、来年のサミット開催期間中における札幌市の安全対策等を確実に遂行するためにも、緊急事態への的確な準備として現実的な官房機能を充実強化する極めて重要な時期である、こういうふうに思っております。  そこで、例えば、特別職相当の危機管理監を設置してはどうかと思うわけでありますが、現時点での率直な考えをお伺いいたします。
    ◎小澤 副市長  統括危機管理責任者という職責の重さを改めて認識いたしまして、日ごろから危機管理室との連携の強化を図りながら本部長であります市長を補佐していきたいというふうに考えているところであります。 ◆福士勝 委員  防災関係については、全国的に地震とか水害が頻発している状況を見ますと、本市でもいつこのような災害が起きるか、極めて心配をしているわけでありますから、避難場所の運営の問題等々も、研修、訓練等への住民参加についても積極的に取り組んでいただきたい。備蓄物資についても、まちづくりセンターへの配置などきめ細かな運営についても積極的に進めていただきたい。冬季対策については、今年度末までに具体的な地震の被害評価を行っていく、こういう答弁でありますから、これまでの対策を検証しながら、現実的で実効性のある対策になるよう十二分に検討して被害の軽減につなげていく、こういう形にしていただきたいと思います。  最後に、危機管理監を設置する件でありますが、小澤副市長のご意見はお聞きいたしました。ご自身が職責を果たすことで危機管理監の役割の領域をとのことでありますから、私はそのこと自体を否定するものではありません。しかしながら、私は危機と称する脅威がいつどこで起きても不思議ではない、そういう今日的な社会であることの認識をなお一層持っていただき、そして、市長のトップマネジメントを確かなものにするためには、その補佐役として副市長ご自身が行うことが本当に現実的なのかどうか、あるいは、別な角度からふさわしいポストをよりすぐる選択肢は本当にないのかどうか、来年のサミットを見据えた上でそんなことをもう一歩進んでぜひ検討していただきたい、今回はそういうふうに要望して、終わりたいと思います。 ○村松正海 委員長  以上で、第1項 総務管理費中危機管理対策室関係分の質疑を終了します。  ここで、理事者交代のため、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後4時22分       再 開 午後4時24分     ―――――――――――――― ○村松正海 委員長  委員会を再開いたします。  最後に、第3款 保健福祉費 第2項 児童福祉費及び平成18年度札幌市母子寡婦福祉資金貸付会計歳入歳出決算について、一括して質疑を行います。 ◆桑原透 委員  私からは、児童虐待問題について幾つか質問いたします。  全国の児童相談所が平成18年度に児童虐待で相談を受け、対応した件数は3万7,000件を超え、統計をとり始めた平成2年度に比べると約34倍にも増加しております。全国的に痛ましい児童虐待事件が後を絶たない中、札幌市においても、昨年9月、4歳と3歳の幼い姉妹が母親の虐待により死亡するという事件が発生し、つい最近では、9月に5歳の男の子が母親の内縁の夫から暴力を受け、肝機能障害などで2週間のけがをさせられ、その男性は逮捕されたという事件が報道されております。私は、これは恐らく氷山の一角に過ぎないのではないかと思っております。札幌市における平成18年度の虐待件数は310件、通報件数は398件に上っていると聞いております。  そこで、質問ですが、札幌市における児童虐待の現状について、具体的な虐待の内容、主な虐待者、被虐待児の年齢構成、通報者の状況はどうなっているのかについて、まずお伺いいたします。 ◎柴田 児童相談所担当部長  児童虐待の現状につきましてお答えをさせていただきます。  昨年度の虐待相談の処理件数310件につきまして、まず、内容別では、養育拒否や監護不適当といったいわゆるネグレクトが208件と最も多く、全体の67%を占めております。以下、身体的虐待22%、心理的虐待8%、性的虐待3%の順となっております。  また、主な虐待者については、実母によるものが70%、次いで実父が19%、実父以外の父親が9%などとなっておりまして、虐待の内容、虐待者につきましてはここ数年同じような傾向で推移いたしております。  子どもの年齢構成でありますけれども、小学生が36%と最も多く、3歳から就学前までが29%、3歳未満が18%となっており、就学前までの幼い子どもが約5割を占めている状況にございます。  通報のありました398件の内訳につきましては、近隣住民などからのものが188件と、5割近くを占めておりまして、平成15年度と比較いたしましても約3倍に増加しております。次いで、学校などからが44件、民生・児童委員などからが39件などとなっております。 ◆桑原透 委員  私は、全国の動向として身体的虐待の件数が一番多いと伺っていましたが、札幌市においては、ネグレクトが67%と際立って多いという答弁でした。  なぜ、このような特徴を示すのか、私の考えでは、背景に札幌市における核家族化、都市化が進んでいることが考えられます。このため、身近に相談できる者がいない、そして、地域で孤立し、公的機関の支援を求めているケースもあるのではないかと思います。一方、本来、周辺にはわかりにくい家庭内におけるネグレクトが顕在化するということは、札幌市における虐待通報が近隣住民から最も多いことが示しているように、市民の児童虐待に対する理解と関心が高い結果であると考えられます。  このような特徴を持つ札幌市において、平成18年度の相談取り扱い件数、通報件数ともに過去最高を記録し、極めて深刻な状況であり、市としても積極的かつ適切な対応が求められるところでございます。児童虐待防止等に関する法律第6条によれば、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに福祉事務所や児童相談所などに通報しなければならないと義務づけされています。最近の児童虐待事件の報道を見ますと、こうした虐待通報を受けながらも、児童相談所に虐待の認識が薄く、初期対応のまずさが指摘されることも多いと聞いております。  そこで、質問ですが、札幌市では、児童相談所において通報を受けてからどのような対応をしているのか、お伺いします。  また、虐待があった家庭に対してさまざまな支援が必要となると思います。その支援を行うためにも関係機関との連携、協力というものが極めて重要だと考えますが、札幌市における連携の現状について、あわせてお伺いいたします。 ◎柴田 児童相談所担当部長  2点につきましてお答えをさせていただきます。  まず、1点目の通報を受けてからの対応についてでございます。  通報内容と関係機関から収集した周辺情報をもとにいたしまして、速やかに現地に赴き、実態調査を行っているところでございます。児童虐待対応担当課には、現在、課長以下9名の職員を配置しておりますが、実態調査では2名一組となりまして、子どもと保護者にそれぞれ面接をし、安全を確認いたしますとともに、虐待の有無を見きわめ、必要があれば子どもを一時保護するなど適切な処遇策を講じているところでございます。また、今年度からは、通報を受けてから48時間以内に子どもに直接会いまして安全を確認する時間ルールを定め、迅速に対応できる体制をとったところでございます。  次に、関係機関との連携の現状でございます。  ご指摘にありましたように、早期発見とその後の在宅指導や家庭へのさまざまな支援を行っていくためには、子どもにかかわりのある関係機関との連携協力が必要となってまいります。このため、児童相談所におきましては、平成12年に36の関係機関から成る札幌市児童虐待予防防止連絡会議を設置するとともに、警察署や、必要に応じて養護施設などとも個別に連絡会を開催しているところでございます。また、この年に各区にも区児童虐待予防防止ネットワーク会議が設置されておりまして、地域の関係機関との連携を図っているところでございます。さらに、個々のケースにつきましては、随時、関係者による処遇検討会議を招集いたしまして、具体的な処遇や支援策などを講じているところでございます。 ◆桑原透 委員  今の答弁で、児童相談所が通報を受けた場合の対応についてはわかりました。初めの答弁でもありましたが、近隣住民からの通報が最も多く、また、市民の方からの通報が虐待の早期発見と早期対応においていかに重要かということを強く感じました。もともと児童福祉法第25条で要保護児童の通告とは国民の義務であると規定されていますが、平成12年に成立、施行された児童虐待防止法においても、虐待の疑いのある児童についての通告が国民の義務として改めて明確に規定されています。したがって、児童虐待をなくしていくためには、今後も市民の協力がなければ、行政だけでは解決できないものと思います。そして、そのための広報、啓発が非常に重要と考えます。  そこで、質問ですが、札幌市における市民への広報、啓発の取り組みについてお伺いします。  また、先ほどの答弁で関係機関との連携状況について理解できましたが、厚生労働省の全国の死亡事例の検証報告によれば、繰り返し、関係機関との連携不足ということが指摘されています。いかに完璧に見えるシステムでも、常に時間の経過とともにほころびができたり、制度疲労を起こしたりするものであります。現場における関係機関との連携のあり方について改善、工夫の余地はないだろうかと常に見直すことが必要と考えます。  そこで、2点目の質問ですが、今後の関係機関との連携強化の必要がないのかどうかについてお伺いします。 ◎柴田 児童相談所担当部長  2点につきましてお答えさせていただきます。  まず、広報・啓発活動についてでございますが、これまで、パンフレットや広報誌、ホームページなどを通じまして広報、啓発を図っているところでありますが、児童虐待の現状を踏まえますとさらなる取り組みが必要であるというふうに考えております。そのため、来月、11月になりますが、児童虐待予防推進月間に合わせまして、虐待防止のシンボルでございますオレンジリボンの普及を中心とした街頭での活動など、各種の事業を検討しているところであり、今後とも、さまざまな機会を活用しながら、市民への広報、啓発に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、関係機関との連携強化についてでございますが、お話にありましたように、関係機関相互の連携不足が大きな問題点として指摘されているところでありますことから、札幌市におきましても、関係機関との連携体制をより一層強化してまいりたいと考えております。具体的には、必要となります虐待情報を漏れなく共有し、共通の認識のもとで各関係機関が対応できますように、現在設置されております関係者会議に加えまして、定例的な情報共有とケースの進捗状況の把握を目的とした実務者によるサポートチームを各区に設置する方向で、現在、準備を進めているところでございます。 ◆桑原透 委員  私は、札幌市においては、たった一人の子どもも児童虐待で死亡させてはならない、そういうまちづくりのために、もちろん、児童相談所の機能強化が重要と考えますが、それと同時に、ネグレクトが多いという札幌市の実態を踏まえると、子育て家庭へのきめ細かな支援が必要であり、そのためには関係機関との連携が不可欠であると考えます。  今回の児童福祉法の改正では、関係機関で構成される要保護児童対策地域協議会の設置が地方公共団体の責務として努力義務化されました。札幌市においては、各区において児童虐待防止ネットワーク会議が十分機能しているところですが、私の調査によれば、東京都と政令都市17市においては、既に11市がこの地域協議会を設置済みであり、2市が今年度中に設置するとのことであります。従来のネットワーク会議と地域協議会の決定的な違いは、関係機関同士の双方向の情報交換の保障の問題であります。従来の方式は、法的な位置づけがないため、守秘義務が壁となって、事実上、情報公開に支障を来す事態が生じると伺っております。したがいまして、双方向の情報交換を円滑に行うためには、法的にも制度的にも地域協議会方式の方がより円滑な連携をできるのではないかと考えます。地域協議会を設置済みの市においては、すべてネットワーク会議を地域協議会に移行して一元化を図っています。札幌市においても、関係部局がよく話し合い、できるだけ早い時期に要保護児童対策地域協議会の設置に向け努力していただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆宗形雅俊 委員  私の方からは、保育所、幼稚園にかかわる貸付料の有償化等について質問させていただきます。  現在、札幌市には私立認可保育所が159カ所あり、このうちの多くが札幌市有地を無償で借り受け、保育所運営を行っていると聞いておりますが、このたび、その対象となっているというか、該当している法人の理事長、施設長が招集され、保育所、幼稚園に係る貸し付けの有償化についての説明会が9月20日に開催されたとお聞きしました。これら法人では、事業開始当初、札幌市からの市有地の無償提供を受け、これまで、本来は市町村の業務である保育事業を担ってきたところでございますが、その社会的貢献度は多大なものであると考えております。  その中で、まず、3点質問いたします。  これまで無償で貸していたものを貸付料ということで、今、なぜ有償とするのか、この理由をお聞かせ願いたい。  それから、その対象となる施設はどのぐらいあって、また、いつから実施する予定なのか、札幌市の考え方をお聞きしたいと思います。  それからもう一つは、仮に有償化となったとして、その総額はどのぐらい想定をしているのか、この3点をお聞かせ願いたいと思います。 ◎櫻井 子育て支援部長  まず、有償化の理由についてお答えいたします。  市有地にかかる貸付料につきまして、札幌市行財政改革プランにおける取り組みの中で、公有財産の有効活用として、貸与しているその財産の売却であるとか、その賃借料の適正化を行うこととし、福祉施設など特定の法人や団体に貸与しているものについても、普通財産の趣旨を踏まえて当該法人等への売却あるいは適正な対価による貸し付けを基本とするという方針が出されました。また、無償長期契約を締結しているその普通財産につきましても、公平性の観点から貸付料の減免は行わないことを基本とし、既に減免しているものについても貸付先の支払い能力などを勘案しながら売却あるいは有償貸付をすることとされております。  現在、札幌市では3カ所の保育所について既に有償化を行っておりますが、こうした札幌市全体の方針を受けまして、子ども未来局としまして、無償契約をしている保育所用地の貸付料についても双方合意の上で有償化を進めるものであります。  次に、貸付料の有償化に該当する施設の数、それから実施時期についてお答えをいたします。  札幌市の私立の認可保育所は159カ所ございまして、札幌市の普通財産を使用している保育所はそのうち93カ所となっております。このうち、3カ所の保育所は既に双方合意により貸付料の有償化が行われておりますので、残り90カ所が今回の有償化の対象施設となります。また、90カ所の保育所とは、現在、無償の使用貸借契約を結んでおりますが、今回の見直しについて合意をいただくことを前提として、原則的に平成20年度から実施したいと考えております。  次に、貸付料の収入の額についてお答えをいたします。  本市の貸付料には算定のルールがありまして、土地の価格に対して、営利を目的とした場合には4.3%、それから、非営利の場合には2.7%を乗じて求めることになっております。保育所事業につきましては、社会福祉事業でございますので非営利に該当するということで、おのおのの土地の価格に対して2.7%を乗じた場合には、1億6,400万円ということになります。  しかしながら、保育所の収入につきましては、入所児童数に応じて決まるために、保育所の立地条件であるとか土地の広さによってその貸付料が変わることのないように、独自のルールによりまして全体の額をその約3分の1程度に圧縮して負担の緩和を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆宗形雅俊 委員  今の答弁をお聞きしますと、対象が90園ということで、半分以上を占めており、大変大きな問題であるのではないかと思っています。また、行財政改革プランということで、有償化ということが一つの方法で、それは方法としては理解します。  しかし、やはり、もう一つは契約という問題があると思うのですね。個々の保育所と結んでいる無償契約というのは、双方合意の上に成り立っているものであり、尊重されるべきだと思うのです。また、個々の保育所の契約については、契約の終了時間がそれぞれ異なっているとも聞いております。長い場合には、まだ10数年契約の残期間があると聞いております。  そこで、四つ、また質問したいのですけれども、無償契約に残期間がある場合、どのような取り扱いにしていくのか。それから、当初の無償提供という契約について、今ではどのような考え方を持っていらっしゃるか。それから、中には、みずから自分の土地を札幌市に寄附して、そこに保育所を建てて現在運営していると。そうなると、もともとの土地だったのにということもあるかと思うのです。それから、先ほど、仮に有償化した場合の賃料の総額を聞きましたけれども、この収入をどういうふうに持っていくのか。ただ、市の方への歳入としてだけの取り扱いなのか。  その4点をお聞かせ願いたいと思います。 ◎櫻井 子育て支援部長  まず、契約期間が残っている場合の取り扱いということについてお答えいたします。  保育所との契約については、それぞれ契約期間が異なっておりますけれども、使用貸借契約として、残期間を含め、当然にしてその契約については有効であるものでございます。この契約をほごにして一方的に有償契約を結ぶことは考えておりませんし、今回の見直しについて皆さんにご理解をいただき、双方合意の上で改定契約を結びたいというふうに考えております。  次に、地代無償の当初契約についてどう考えるのかというご質問でございます。  国の規制緩和が行われた平成12年以前につきましては、社会福祉法人が保育所の経営を行うために必要な不動産については、自己所有、または国地方公共団体からその貸与もしくは使用許可を受けなければいけないとされておりまして、その場合は無償が原則という形になっておりました。しかしながら、平成12年の国の規制緩和により、無償が原則という条件がなくなったことなどによりまして、有償貸与が基本となり、平成17年度以降、新規に開設した保育所のうち、札幌市の市有地を貸与した3施設につきましては有償貸与というふうに現在なっているところでございます。また、繰り返しになりますけれども、札幌市の基本方針であります公有財産の有効活用として、貸与している財産の売却や賃借料の適正化の考え方が示されたことなど、時の経過とともに周りの環境が変化をしてきており、今回の提示に至ったものであります。  次に、私有地を札幌市に寄附した園への対応ということについてお答えいたします。  現在、私有地を札幌市に寄附をして、そこで運営をしている保育園というのは、把握している限りで1園であります。当該園につきましては、寄附をいただいた後、30年以上が経過しておりまして、財産管理上、札幌市有の土地として他園と同時の貸付料の設定を考えているところでありますが、諸条件を勘案して当該園とは個別の協議を進めてまいりたいと考えております。(「それはおかしいぞ」と呼ぶ者あり)  次に、有償化によります収入財源の取り扱いについてお答えいたします。  本来、公有財産の貸付料は、委員ご指摘のとおり、札幌市の財産として札幌市全体の事業での歳入として扱うものであります。しかしながら、現在、保育業界が抱えております、木造施設を中心として、33施設という多くの施設が建物の耐用年数を超えて改築の時期を迎えているという状況にあることから、緊急に対応していかなければならない老朽化施設の改築問題を初めとして、子育て支援にはさまざまな課題があると認識しております。私どもといたしましては、こうした子育て支援に関するさまざまな課題に対処していくために、貸付料の見直しなどを行うことにより、必要な財源の一部に充てていくよう努力してまいりたいと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  今、櫻井部長からお聞きしますと、何か昔は昔、今は今ということで、やはり人に優しい心の通う気持ちも大事でないかなと思ってございます。時代とともに保育所を取り巻く環境が変わったから今回の有償化を進めるという考え方ですけれども、やはり、事業者にとっては、当初からの資金計画にはこの貸付料というものは見込んでいないと思いますし、また、経営という観点から見て支払い自体に窮する保育所も出てくるのではないかなという危惧もあります。  そういう中で、有償化による総額の想定もお聞きしましたけれども、もう一度、3点、質問したいと思います。  残期間があり、先ほども、契約は尊重するけれども、お願いもするというような答弁だと思うのですが、いわゆる契約条項を盾にとって今回の提示を拒否した場合、当然、契約ですから尊重されるべきですけれども、そういった場合はどうするのか。それから、理解はするけれども、経営上、払えない、ないそでは振れないという形も想定されるのですけれども、その場合の対応はどうするのか。それから、先ほど9月20日に対象の園に対して説明会を行ったということですが、行政サイドから見る対象の園の皆さんの感触はどうだったのか、この3点をお聞かせ願いたいと思います。 ◎櫻井 子育て支援部長  まず、無償契約に残期間があり拒否された場合というお話でございますけれども、これにお答えいたします。  今回、私立の認可保育所に係る諸課題を解決するために私どもが検討していることにつきまして、該当するすべての保育所に賛同していただけるよう、有償化の理由、趣旨、それから、保育所用地の独自ルールの適用内容などにつきまして繰り返し説明をしてまいりたいと考えております。  しかしながら、それでも合意いただけない保育所につきましては、引き続き個別にご理解をいただくまで継続して協議をしてまいりたいと考えております。  次に、貸付料を支払えない場合の対応ということでございます。  本市の貸付料の算定ルールでは、普通財産としてそれぞれの立地場所、立地条件、面積等で単位当たりの価格がかわることになります。このルールをそのまま適用しますと、保育所の所在地等によりまして貸付料が変動することになりますが、今回提示している保育所用地の貸付料は、すべての保育所で入所定員により同額の貸付料を設定し、支払いに大きな影響が出ない金額まで減額しているものと考えておりますので、支払うことができない保育所は原則的にはないものと考えております。  しかしながら、もし、支払うことが困難な保育所があった場合には、個別に対応してまいりたいと考えております。  次に、説明会での私どもの感触ということについてお答えいたします。  9月20日に関係保育所93カ所の理事長及び園長に対して、保育所用地に係る貸付料の見直しについて説明会を行いましたけれども、まだ1回目の説明会ということもありまして、出席者すべての方にご理解をいただくまでには至らなかったと認識しております。説明会の中でも、さまざまな声を聞くためのアンケートの実施であるとか、疑問点に対して、再度、説明会実施の要望がありましたので、現在、10月中にアンケートの配付、回収をし、11月に第2回目の説明会の開催に向けて準備を進めているところであります。今後とも、各関係者に対しまして合意をいただけるよう誠実に対応してまいりたいと考えております。 ◆宗形雅俊 委員  最後に、要望ですけれども、この件につきまして、私も含めて、我が会派の有志と調査したところでもございます。先ほどの質問の中でもありましたように、やはり、園の理事長等につきましても、今までの中で無料提供の契約であったという経緯があったり、先ほど言いましたように自分の土地を寄附してそういう状況になるとか、中には、自分の土地に建てようと計画したときに、札幌市の方から無償提供するからこっちに建ててくれと言われた園もあると聞いております。そういった経緯があり、それから、やはり保育事業というのは営利事業ではないということですね。  また、先ほど、仮に有償とした場合に、1回、歳入はするけども、還元をするようなことを部長は言っておりましたね。だけど、聞いていますと、売却も含めるというと、売却があったり、賃料が毎月あったり、売却すれば1回で終わっちゃうわけですから、何て言うんですか、その辺の収入の安定感が図れないなということもあるのではないかなと思っています。  そして、9月20日に行って来年ということであれば、団体については昨年からというふうには聞いていますけれども、実際に具体的にされたのは9月ということで、半年しか残っておらず、性急過ぎるんじゃないかということで、まだまだ多くの問題点が残っているのではないかなと思ってございます。  それから、こういったことでなくて、もう一つは、先ほども言いましたように、園舎の老朽化、改築、耐用年数を迎えているといったことで、いわゆる園自身の財源確保といったようなことで、改築資金の積み立てなどに対して累積繰越金率の減額見直しといったことも必要でないかなと思います。そういったものも検討いただきながら、いわゆる性急な判断をせず、対象の方に十分ご理解いただきながら、配慮していただいて、そのことを要望して、質問を終わりたいと思います。 ◆國安政典 委員  私からは、ワーク・ライフ・バランスにつきまして、それから、子育てガイド、シティーサロンなどについて、若干、お伺いをさせていただきたいと思います。  我が党は、昨年、少子社会トータルプランというものを発表いたしまして、子育てを社会の中心軸に位置づけ、社会全体で支援するチャイルドファースト社会の構築を訴えており、国の施策にも反映させてまいりました。札幌市政におきましても、子育て支援への社会全体による取り組みの推進を我が党の重点課題と位置づけまして、再三、質問、そしてまた提言をしてきたところでございます。  その中で、このたびの第2次札幌新まちづくり計画素案におきまして、政策目標の1番目に、子どもを生み育てやすく、健やかにはぐくむ街と掲げられまして、その中で仕事と子育てを両立しやすい職場環境づくりに取り組む企業を応援するワーク・ライフ・バランス取組企業応援事業が含まれたことにつきましては、これまでの我が党の主張が反映されたものと評価をしているところでございます。  そこで、この事業の推進についてご質問いたします。  質問の1番目は、この事業の基礎データについてでございます。このような企業の取り組みを促進する事業を進めるためには、まず、企業の取り組みや意欲の実態、さらに取り組みが進まない理由は何か、また、その解決策として何が必要とされているかという企業の意見やニーズにこたえることが大切であると考えるところでございます。ことしの第2回定例市議会の我が党の代表質問の答弁では、札幌商工会議所の従業員10人以上の全会員企業を対象にアンケート調査を実施中ということでありましたけれども、この調査結果から、市内企業におけるワーク・ライフ・バランスについてはどのような実態にあるのか、また、どのようなニーズがあるかなど、明らかになった点をお示しいただきたいと思います。 ◎高屋敷 子ども育成部長  本年6月に実施いたしましたアンケート調査の結果についてでございますけれども、仕事と私生活のバランスがとれてこそ、よりよい仕事の成果が得られるという考え方につきましては、87%の企業が肯定的な回答をしております。一方で、仕事と家庭の両立を積極的に支援していきたい、あるいは支援しているという企業は、両者合わせても46%となっておりまして、ワーク・ライフ・バランスに対する認識と実際の取り組みや取り組み意欲との間には乖離があることがわかりました。  次に、企業のニーズについてでございますけれども、仕事と家庭の両立支援を進めるため行政に望む支援を聞きましたところ、財政的支援が65%と一番多くなっておりました。そのほかに、取り組み事例の紹介、あるいは取り組み企業のPRによるイメージアップ、入札優遇などのインセンティブ、さらにはアドバイザー派遣などへのニーズもあることが明らかになったところでございます。 ◆國安政典 委員  市内のワーク・ライフ・バランスの考え方に肯定的な考えをお持ちの企業経営者が87%にも達しているということにつきましては、大変心強く感じるのですけれども、その反面、実際には、積極的に支援したい、もしくは支援しているという企業は46%という回答でございました。ここに大きなギャップがあるんだなということで、このギャップはこの事業を進める上での課題であるというふうに思うわけでございます。  そこで、この企業調査を踏まえまして、このワーク・ライフ・バランス取組企業応援事業をどんな事業にしようとしているのか、この事業のねらいと、それを達成するための企業に対する具体的な支援策など、事業の内容をお聞かせいただきたいと思います。 ◎高屋敷 子ども育成部長  応援事業のねらいについてのご質問でございますけれども、企業調査の結果から、ワーク・ライフ・バランスに肯定的な考え方を持っている多くの企業や、仕事と家庭の両立を積極的に支援していきたいと考えている企業におきましても、実際に取り組みを進めるには費用や人に余裕がないといった障壁があることがわかりました。その障壁が少しでも低くなるよう、行政が支援することで、企業がそれを乗り越え、ワーク・ライフ・バランスに配慮した職場環境づくりに取り組んでいただくきっかけとすることを目的としてこの事業を実施するものでございます。  次に、事業内容でございますけれども、まずは、ワーク・ライフ・バランスに取り組む企業を認証いたします独自の制度を創設したいと考えております。その上で、認証を受けた企業に対する具体的な支援策としまして、初めて育児休業者が出た企業への助成金の支給でありますとか、男性の育児参加休暇奨励金の支給、さらには、札幌市の入札におきます優遇措置、認証企業の積極的なPRなど、企業調査で明らかになったニーズを踏まえた内容を検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆國安政典 委員  企業のニーズに配慮したものであるということでございました。  一方で、ほかの自治体の方に目をやってみますと、初めて育児休業取得者が出た企業に助成金といった制度では、そういった制度をつくったのはいいのですが、その適用件数が年間でわずか数件と、そんな例もありました。こういったことになっては全く意味がないわけであります。一方で、適用要件のハードルを必要以上に低くしてしまうことは、逆にばらまき的に支援することになってしまいます。  そこで、さらにお伺いしますけれども、この事業を有効に生かしていくために、その実効性を確保していかなければならないと考えるわけでありますが、市としてそれをどのように確保しようとしているのか、お伺いします。 ◎高屋敷 子ども育成部長  事業の実効性の確保についてでございますけれども、委員ご指摘のとおり、単に制度をつくりましても活用されなければ意味はないわけでございまして、企業にとって利用しやすいものにすることで、実際に企業のワーク・ライフ・バランスへの取り組みを促進することが大切であるというふうに考えております。そのためには、経営者の声であるこの企業調査結果でありますとか、あるいは、多くの企業や関係団体の方々の意見を伺いながら、利用者のニーズを踏まえた制度を構築してまいりたいと考えております。さらに、企業や関係団体と連携を図りながら、制度の普及啓発、あるいは、社会全体のワーク・ライフ・バランスへの取り組みを促進する仕組みづくりも検討するなどして、この事業の実効性の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆國安政典 委員  この事業を推進する意欲につきましては、よくわかりました。  私は、忘れてはならない観点があると思います。それは、企業による社会的責任、さらには企業戦略としての独自の取り組みの推進ということであります。例として、ことしの第2回定例市議会の代表質問で我が党の涌井議員が紹介しましたローソンによるハッピー子育てプロジェクト、このような企業による子育て家庭全体への支援事業の取り組み、また、最近スタートしました愛知県ファミリーフレンドリー企業登録制度、これでは、協賛企業である県内金融企業が登録企業に対して運転資金や設備資金の優遇融資をするのみならず、登録企業の従業員に対してマイカー取得や生活資金などの優遇ローンを実施する、こんな取り組みがあるわけであります。このように、社会全体が子育て支援への価値を見出していけるような、そういった企業の独自の取り組みを導くように、先ほどきっかけづくりというお話がございましたが、そういう視点でこの事業が推進されることを要望させていただきたいと思います。  もう2点、子育てに関連して、質問させていただきます。  まず、1点目は、サービスの周知、PRについてお伺いします。  子育て支援施設や子育てサービスというのは本当にたくさん数多くありますけれども、せっかくの情報が市民に十分伝わっているのだろうかという疑問があるわけであります。私は、札幌市を中心に展開される子育て支援サービスを、もっと広く周知すべきであるというふうに思うところでありますけれども、札幌市では「子育てガイド」という子育て支援にかかわる制度やサービスを網羅した冊子をつくられております。きょう、ここに持ってまいりましたが、これは、母子健康手帳交付時に一緒にあわせて配付されると聞いております。この「子育てガイド」は、我が会派がこの必要性を主張いたしまして、市において作成された、そんな経緯があったと聞いております。  ただ、この冊子を見ますと、80ページ以上の厚さがありまして、今の時代には、もうちょっと情報を絞った、もっと見やすいものが求められているのではないかなと思うのであります。発刊からもう数年たったということで、そろそろ見直すべき時期に来ているのではないかと考えますが、ご見解をお伺いしたいと思います。
     また、今、若い人たちの間では携帯電話が生活の一部として定着しているわけであります。このような若い方々への子育て支援サービスのPRについては、こういった携帯電話の積極的な活用などによって、より利用していただける工夫をしていくべきではないかと考えますが、市のご見解をお示しいただきたいと思います。  さらにもう1点、別の話題になりますけれども、ことしの8月から市役所の本庁舎でシティーサロンという名称で子育てサロンが初めて開催されました。都心の施設の中で、親子が気軽に遊んだり交流できるスペースができたということは、大変意義深いものであるというふうに思います。  そこで、改めてお伺いしますが、このシティーサロンを開設した目的と、これまでどのぐらいの参加者があったのか、明らかにしていただきたいと思います。 ◎櫻井 子育て支援部長  子育て支援サービスの周知についてお答えをいたします。  1点目の、「子育てガイド」の見直しについてであります。  子育てを支える制度、サービスは、保健であるとか医療、福祉から教育と多岐にわたっております。「子育てガイド」は、これらの情報を一元的に集約した冊子でありまして、制度やサービスの概要を知りたい市民にとっては便利なものであると考えておりますけれども、その反面、ご指摘のとおり、ページも厚くなり、必要な情報を探しづらいといった面もございます。したがいまして、「子育てガイド」につきましては、子どもの年齢に応じた適切な情報を提供するという観点から、掲載項目を新生児や幼児などの対象年齢に合わせて重点化していくなど、配付機会の拡大も含めて全面的なリニューアルを検討してまいりたいと考えております。  次に、2点目の携帯電話を活用した子育て支援サービスの周知ということでございます。  子育て中の世代にとりまして、携帯電話は既に生活の一部となっていると考えております。携帯電話には、パソコンを使ったインターネットの閲覧などに比べて、いつでもどこでも情報を引き出せるというメリットがあります。このようなことを踏まえて、ここはちょっとニュースなんですけれども、今月の5日から携帯電話版のインターネットによるホームページ上で子育てサロンの開催情報の提供を開始いたしました。また、このことを広く周知をするために、ごらんになった方もいらっしゃるかと思いますけれども、昨年から、コールセンターを活用して子育て情報を周知していくということで、子育て情報ダイヤルという名刺大のPRカードをつくって、これに携帯電話のカメラ機能を使ってホームページを簡単に表示できるもの、QRコードと言いますが、それを載せたものを追加いたしまして、新しいカードのモデルを作成をしたところであります。今回、これを実に20万枚つくりまして、市の施設のほか、市内のドラッグストアであるとか、小児科、産婦人科といったところにも協力をいただいて配布をする手はずが整いましたので、これについてさらに大きくPRをしてまいりたいと考えております。  それから、シティーサロンについてお答えいたします。  シティーサロンは、市役所の本庁舎を会場として行う子育てサロンということで、毎月1回、試行的に開催しているものでございます。児童会館などで行っている子育てサロンがその地域に密着したものであるのに対して、シティーサロンは買い物などに出かけたついでに気軽に立ち寄れる場を市役所の本庁舎という都心部に設けることで、親子で外出しやすい環境づくりを進めることがねらいであります。参加者の状況でございますけれども、現在まで2回開催しておりまして、1回目となる8月には44組97人、また、2回目となる9月には26組56人ということで多くの方に参加をいただきました。  なお、参加者の住所につきましては、中央区から遠い区の割合が低くはなっているものの、ほぼ市内全域から集まってきていただいておりまして、都心部を会場とした効果があらわれたものと考えております。  ここでちょっと宣伝になりますけれども、あした、18日でございますが、3回目となるシティーサロンを6階北側の北会議室で午前11時から午後2時まで開催する予定となっております。お時間がございましたら、ぜひご参加をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ◆國安政典 委員  「子育てガイド」については、ぜひ工夫をしていいものにしていただきたいと思います。また、サービスのPR方法もさらに広げていただければと思うところであります。また、シティーサロンについてでありますけれども、2カ月で153名の親子が訪れたということでありまして、やはり、ニーズは相当あるのではないかなと思います。  子育てというのは大変だろうと思います。少しの間、子どもと離れてほっとする時間、リフレッシュする時間が欲しい、そういう話を聞くことがあります。例えば、もしシティーサロンの場で託児を行うことができれば、お母さんは都心のデパートなどでちょっと用事を足すこともできるわけでありますし、また、ゆったりとショッピングをしたり、そんなこともできるかと思います。これからは、このような子育て中の母親のニーズを踏まえまして、きめ細かなサービスも検討していくことが必要になってくると思いますけれども、これにつきまして市としてはどのようなお考えを持っているのか、お伺いしたいと思います。 ◎櫻井 子育て支援部長  シティーサロンなどでの託児サービスということについてお答えいたします。  委員ご指摘のとおり、シティーサロンに限らず、いろいろな場面で託児を希望する声も多いのではないかと思っておりますが、現在、会員組織で運営されております札幌子育てサポートセンターとかNPOによりまして託児サービスが実施されているところでございます。先ほどご説明しましたとおり、シティーサロンについては子育てサロンの一つということで、託児サービスという形では行っておりませんが、例えば、商業施設など親子で訪れるさまざまな場面でニーズが多いと思われますので、今後、関係団体の方とも意見交換をしながら、どのようなことが可能なのか、幅広く検討してまいりたいと考えております。 ◆國安政典 委員  いずれにいたしましても、子育て支援というのは、本当にさまざまな角度からきめ細かな対策が必要だろうと思っております。最初に申し上げたとおり、社会全体で子育てを支援していく本当の意味でのチャイルドファースト社会、そういったものを目指して今後とも取り組んでいただきますよう要望を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ◆坂本恭子 委員  私から、4点にわたって簡潔に質問させていただきたいと思います。  まず最初に、第1の質問は、先ほど保育所の土地の有償貸し付けについての議論がされました。それにかかわって、保育所の改築計画について1点お聞きしたいと思います。また、財政構造改革プランに出てまいります保育料の値上げの問題について、公立保育所の廃止の問題について、それから、代表質問でも取り上げてまいりました児童相談所における一時保護の学習支援体制、この4点について伺いたいと思います。  まず、有償貸し付けの問題です。  先ほど、いろいろやりとりがございました。1億6,400万円かかるところを3分の1程度に軽減して、それぞれの園に理解をいただきながら有償化していきたいということで、その前提には公有地の活用というお話があったかというふうに思いますが、その賃料をどういうふうに使うのかということに対しては、33施設の改築が控えているのでここに充てていきたいというご答弁があったと思います。そこで、この土地の有償化ということについては、財政的な側面にあわせて保育所の改築計画に絡んでくるのかどうか、この点を確認させていただきたいと思います。  それから、保育料の値上げについてです。  この5月に、札幌市社会福祉審議会から保育所等の利用者負担のあり方についてという意見具申がなされました。この中で、保育料の設定については受益と負担の均衡を考慮することが必要だというような文言で、値上げに向けて見直しを含めた議論を行うべきだというふうにされていると思います。しかし一方、時期について、あるいは適正な利用者負担となるように努めていくことというようなことで、慎重に対応していきなさいという中身だったというふうに受けとめておりますけれども、今回、2億4,600万円でしょうか、改革プランの中に値上げの額が出されております。段階的に行っていくということではありますけれども、今、どうしてこの時期にこれを行っていくことになるのか、ここの考え方について伺いたいと思います。  それから、公立保育所の廃止についてです。  このたび、清田区に認定こども園が設置され、その中で、区の保育・子育て支援センターを新たに整備するということで、北区にあります新琴似乳児保育園を廃止して、このセンターに経験豊かなベテランの保育士を手当てしていく、こういうことになろうかと思います。  しかし、私どもは、そもそも、この子育て支援センターの整備と公立保育所の廃止ということについては、共通項というんでしょうか、関連性は全くないというふうに思っているのですけれども、この点について、改めてお考えを伺いたいと思います。  それから、清田区に整備される認定こども園ですが、清田区では公立保育所がないので、ほかのところを廃止の対象として選ばなければならないというような状態があったのだと思うのですけれども、新琴似乳児保育園を廃止対象とした理由は何なのか、この点について伺いたいと思います。  それから、一時保護に関しての学習支援についてです。  我が党の代表質問でこの点について伺いました。指導時間の充実や学習の場の確保などとともに、指導者の身分上の改善も含めて学習指導体制をより強化する方向で検討してまいりたい、これがご答弁でございます。教育委員会にかかわっての答弁もありますが、これは割愛をします。  質問ですけれども、今、有償ボランティアで対応している指導者の身分上の改善はどのように行っていくのか。指導者がついての学習指導体制は、現行、月・水・金というふうになっていますが、私ども、毎日、この学習時間を設けるべきだというふうに質問をいたしました。これがどのように改善をされていくのか。  それから、今、食堂などを利用して勉強しておりますけれども、学習の場の改善についても、具体的にいつからどのようにされていくのか、この点について伺いたいと思います。 ◎櫻井 子育て支援部長  まず最初に、保育所の改築についてです。  札幌市内の民間保育所は、昭和40年代から50年代にかけて集中的に整備が進められていて、現在、建築後30年以上経過した老朽施設が多くなってきております。札幌市では、これまで、待機児童解消のために定員増を伴う増改築を優先してきたところでありますけれども、保育所によってはその敷地に余裕がなく、増改築が行えない場合もあります。しかしながら、これらの老朽化施設につきましても、入所児童の安全を確保し、保育環境の向上を図ることは不可欠であります。また、老朽化対策を講じない場合は、保育所の廃止につながるということも危惧されます。そのために、国庫補助を活用した増改築に加えて、定員増を伴わない改築であるとか、また大規模修繕につきましても補助を行い、計画的に改築等の準備を進めていく必要があるというふうに考えております。  それから、保育料の値上げについて、なぜ行うのかというご質問に対してお答えいたします。  ご指摘のとおり、社会福祉審議会での意見書の中では、保育所には多額の市税等が投入され、保育料は保育所を利用しない多くの市民からも広く理解を得られるものでなければならない。保育料の軽減も、子育て支援全体の視点を持って見直しを含めた議論を行うべきであるけれども、時期については慎重に見きわめる必要があるというまとめがされております。こうしたことを踏まえまして、すべての子育て家庭に対して平成19年度からスタートします第2次新まちづくり計画に位置づけた子育てに関するさまざまな事業を展開していく中で、それぞれが利用したサービスに応じて受益と負担の均衡を考慮することによって、今回、平成21年度からの保育料について見直しを開始することにしております。  また、新琴似乳児保育園の廃止についてお答えいたします。  本市が進めております子育て支援施策につきましては、すべての子育て家庭を対象に幅広く取り組んでいく必要があると考え、地域、区、全市の3層構造による子育て支援の展開を図ることとして、さっぽろ子ども未来プランにて方針を定めているところであります。その中でも、区における子育て支援の拠点施設となります区保育・子育て支援センターについては、ご存じのとおり、従来の保育所機能のほかに、新たに常設の子育てサロンの運営等を行う子育て支援機能を展開するものであります。これらの事業を着実に行うためには、子育てに関するさまざまな経験、ノウハウを有する保育士が必要となります。今回、清田区に整備を進めております区保育・子育て支援センターにつきましても、既に四つの区保育・子育て支援センターを整備しておりますけれども、そのときと同様に、やはり経験豊かな人材を確保するために新琴似乳児保育園を廃止する必要があるというふうに考えております。  それでは、なぜ新琴似乳児保育園を選んだかということですけれども、新琴似乳児保育園につきましては、昭和52年11月に建築されておりまして、現段階で既に29年を経過している鉄骨造の施設であります。その施設は、鉄骨造の中でも最も古い保育所でありまして、また、躯体、設備の老朽度合いも高い状況にあります。さらに、新琴似乳児保育園のある北区につきましては、保育需要の高い地域でありまして、30名程度の定員増がさらに必要と考えておりまして、ここで小規模の乳児保育園、これは30名ですが、これを廃止して60名規模の乳幼児の併設園を整備してまいりたいと考えております。これらの条件を勘案した結果、新琴似乳児保育園を廃止対象としたものであります。 ◎柴田 児童相談所担当部長  代表質問にございました一時保護所におきます学習指導体制の関係につきましてお答えをさせていただきます。  現在、新年度に向けまして学習指導員の非常勤職員化、また、これに伴います学習指導の週5日の実施につきまして検討を進めているところでございます。  また、学習の場の確保につきましては、一時保護所の中では場所確保というのがなかなか難しいところもございますので、児童福祉総合センター内の会議室などの活用が図れないかどうかを含めまして、今現在、検討を進めているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  まず、児童相談所のかかわりですけれども、非常勤職員化するということと、児童福祉総合センターの中の会議室を何とか活用して、きちんと学習に集中できるような環境をつくっていきたいというお話だったと思います。ぜひとも、教育委員会との連携を一層深めて、正規教員の配置なども含めてさらに改善を図っていただきたいと思います。この問題については、私どもも、今回、代表質問で初めて取り上げたわけですけれども、相当の問題意識を持って改善していこうということですので、この点については、より一層、そこに努力を傾注していただきたいということを求めて、終わりたいと思います。  それから、子育て支援センターにかかわっての公立保育所の廃止についてです。  今、ご答弁ございましたように、新琴似乳児保育園は、確かに老朽化して大変古い施設であります。しかも、乳児園だけ、乳児対象ということですから、北区についても待機児童がたくさんいるわけですから、今、定員30名のところを廃止して60名にするとおっしゃったのか、そういう意味では、新たに待機児童解消のための施設整備をしていくというお話だったと思います。今、新琴似5条3丁目に乳児保育園がありますけれども、この場所に壊して建てるというふうにはならないと思うものですから、この乳児保育園の廃止、そして新設保育園の整備というのがどのようなスケジュールで行われていくのか、この点を明らかにしていただきたいと思います。  それから、前に、平岸乳児保育園、平岸幼児保育園が一緒になって、ここもまた保育士が子育て支援センターの方に回されるという問題では、保護者の間から非常に不満の声が出て、納得できないということで、随分、市の方にも陳情なりいろいろな相談があったというふうに思っております。私は、やはり、保護者、そして一番大切にすべきは今通っている乳児、児童だと思うのですけれども、そこら辺の待遇、処遇がどういうふうになっていくのか。新琴似乳児保育園廃止に当たって、保護者への説明はどのように行われていくのか、どういう方法で行われていくのか。それからまた、転園することになるかもしれませんので、1歳10カ月までのお子さんですから、今、スケジュールと合わせてお聞きしたいと思うのですけれども、転園するに当たって児童への配慮がどのようになっていくのか、このことを伺いたいと思います。  それから、改築計画にかかわってですが、要するに、土地を有償貸し付けして、そこから利益を上げ、そして老朽化している保育所の改築をやっていくんだというお話ですね。先ほど、1億6,400万円に対して3分の1程度ということで、試算いたしますと5,600万円くらいの年間収入というのでしょうか、賃借料が出るということです。60人定員であれば年間38万円、90人であれば大体60万円、120人定員であれば76万円、150人の定員であれば100万円近く年間の賃料がかかってくるということで、これらのすべてが改築にかかわるものになっていくのか。  先ほどお話の中では、敷地面積などがあって、今、国の補助採択基準が定員増につながらないものについては認められないのだという中で、定員増が図れない、そういう保育所の改築にこの賃借料を使ってお金を出していきたいのだというようなことと、また、老朽化に伴って廃園になってはいけないのでというお話もありました。もちろん、それはそうだろうと思うのですけれども、結局、こういう形で国の補助がもらえないので、札幌市の持ち出しをふやさずに、今、とりあえず行っていかなければならない33の保育所の改築を進めていくということなのでしょうか。本来、市が担うべき役割というものを保育所に担わせてしまう、かぶせてしまう、そういうことになるのでしょうか。そのことを伺いたいと思います。  あわせて、土地の有償化とあわせて補助金の削減ということも打ち出されております。これも、各保育所に対して説明をしている中で、緊急には33ですけれども、今後10年間にわたって49の施設を改築しなければならない、それを100%実施するには27億6,700万円が必要なのだ、それを平準化して札幌市が出せるお金は19億5,000万円だという中で、この賃料も充てながら、今、出している補助金もカットして、そしてこの改築を進めていくというお話だろうと推測しています。補助金がどのような形でどれだけ削減されていくのか、この点について原局の方から明らかにしていただけませんでしたが、結局、補助金の削減ということになりますと保育所の収入自体が減額になるわけですね。そして、賃料もふえていくということですから、補助金の削減だけにかかわって言っても、例えば延長保育のときに保育士が不足する、アレルギー除去食についての加算をするかわりに給食パートの加算金が見直されるというようなことで、子どもの安全な生活の場の確保については極めて大きな問題が起こり得ると思うのですけれども、この点についていかがお考えか、伺いたいと思います。  それから、保育料の問題です。  今、ご答弁がありましたけれども、今、保育所を建てても建てても待機児童がふえていくというのは、やはり、今の若い方たちは働かなければ食べていけない、そして、結婚することもできないというような中で、働きながら子育てをしていく、そういう若い世代がどんどんふえているのだろうと思うわけです。そういう若い世代に対してこれ以上の負担をさせるということを、札幌市はよしとしているんでしょうか。そういう若い方たちの労働実態の中で、保育料の値上げがどれだけ大きな負担になっていくと思っているのか、その点についてのご見解を改めて伺いたいと思います。 ◎櫻井 子育て支援部長  まず、新琴似乳児保育園のスケジュールについてでございます。  これにつきまして、保護者への説明ですが、平岸のときにもそうですけれども、一つ乳児保育園を廃止することになった場合には、やはり相当期間の説明が必要だし、納得をいただけるような形で進めていくことはどうしても必要であります。今、新琴似乳児保育園の廃止時期というのは、21年3月末を考えておりまして、まだ1年半あるという状況でありますが、今のうちから説明を開始していって、納得をいただけるということがどうしても必要であります。そういったことで、しっかりした説明をもって納得いただきながら進めていくというためには時間が必要ということで、今から進めていきたいと考えております。  先ほどもあったように、一つの場所をつぶしてその場所にということになりますと、どうしてもその間に穴の期間ができまして、これは保護者の方々に非常に迷惑をかけることになりますので、これについては、そういう期間が生じないように、近隣の地区に土地を探してそちらの方に建てていく、同時並行的に進めていく必要があると考えておりまして、20年度中の工事で進めていきたいと考えております。  それから、認可保育所の補助金についてのお話がございました。  認可保育所に対して、保育の実施に要する保育費用としてその運営費を支弁しているほか、各種の補助金を交付しておりますけれども、各保育所においては、毎年度、これらの収入の中から大規模な修繕、改築に備えて一定額を積み上げているのが実態であります。このたびの補助金の見直しにつきましては、現在の補助制度の一部を見直して、その財源は、認可保育所の大規模修繕であるとか改築に対する新たな補助制度をつくり、それに再配分しようとするものであります。この新たな補助制度の創設によりまして、各施設においては将来に備えて資金を積み立てるなどの負担が減少することになるものであることから、このたびの見直しが児童の処遇に直接影響を与えることはないものと考えております。  それから、保育料の値上げの関係で、保護者の労働実態から見まして、保育料の値上げをどう考えるかというご質問だったと思います。  保育所の保育料につきましては、それぞれの世帯の収入により決定するために、保育料額については家庭の負担能力を考慮した設定となっております。また、現在の保育料の額で申しますと、子ども1人当たりの平均の保育所の運営経費は、月額で1人の子どもを預かることによって運営経費は8万8,000円必要になります。保護者の方からいただいているのは、1人当たり月額1万7,000円です。ということで、その保育所に通っている子ども1人のために月額7万1,000円を市税等から賄っているのが現状であります。これらのことから保育所を利用している保護者への支援は十分に行っているものと認識しておりますけれども、今回の見直しにつきましても、保護者の収入に見合ったようなきめ細かな負担額の設定を行っていきたいと考えております。 ◆坂本恭子 委員  公立保育所の問題です。  スケジュールのことも伺いましたが、別の場所に確保して保育所を整備していくということ、それから、丁寧な説明に心がけていきたいということでありました。  それはそれでしっかりとやっていただきたいと思いますけれども、私どもは、やはり、区の子育て支援センターの整備と、公立保育所の廃止という問題は、全く別の性質である、性質の異なるものであるということ、この点については改めて申し上げておきたいと思います。これについては、質問は終わりたいと思います。  それから、保育料の問題です。  今、運営経費は8万8,000円かかっているが、保育料の平均は1万7,000円であるというお話がございました。これは、意見具申の中にも書かれているものであります。  今、保育所だけに特化したものではなくて、全子育て家庭への支援が必要だというのが札幌市の大筋の流れ、それから、意見具申の中の流れだというふうに理解はしておりますけれども、保育所の整備ということでいきますと、それは、単に子どもを預かって保育をするだけではなくて、地域の中での子育て、それこそ子育て機能というものを担っていると思うんですね。地域に開かれた保育所、子育て相談ももちろん行うし、一時預かりも行っている、そういう意味でいきますと、保育所はそこに通う子どもだけのものではなくて、今、地域ではまさに全子育て家庭を対象とした役割に広がっているんだろうと私は思うわけです。そういう中で、先ほど多額の市費がそこに投入されているのはどうなのかというご答弁だったと思いますけれども、私はその考え自体が間違いだと思います。  その点について、今の保育所の機能、役割がどのように変化してきているとお考えになっているのか、全く地域に貢献をしていない、子育て家庭に対するそういう役割を担っていないとお考えになっているのか、その点を伺いたいと思います。  それから、補助金削減のところについては、ちょっと周りががやがやしていてよく聞き取れませんでしたけれども、最終的には通っている子どもの安心・安全という面についての質の低下がないというご答弁だったと思うんです。しかし、土地の有償貸し付けをしながら、補助金も削減をし、保育料を値上げをして改築計画を進めていくということにはかわりがないというふうに私は思うんですよ。  今回、プランの中でも待機児童の解消ということで出されておりますけれども、今の部長のご答弁だと、定員増につながらないものについては、札幌市で独自の積み立てを行って新築や改築、大規模改修をしていくんだということですよね。ということは、待機児童は解消されるけれども、超過入所については全く解消するおつもりがないというふうに理解してよろしいんでしょうか。この点、明確にお答えいただきたいと思います。 ◎櫻井 子育て支援部長  まず、確かに、定員増を行う部分については国庫補助金を使うような形でやっていくこともできますけれども、定員増を伴わない部分につきましては、国庫補助金を使った改築をしていくことはやっぱり順番的に非常に難しいということになります。  ただ、そういった場所につきましても、先ほどから申しておりますように、現段階で33カ所、それから、ここ10年間で約50カ所の施設が耐用年数を超えていくという状況にあるのは事実であります。こういった部分についても待機児童の解消に向けた中で整理していくことができればいいですが、そういったことができないような施設も多々あるし、場所によっては、土地の関係であるとか、それから、そもそも保育需要がない地区もありまして、必ずしも規模を大きくした形で改築していくことができない、または必要がないものも多いわけであります。ただし、そういった中でも、入所児童の安全性を確保して保育環境の充実を図っていくということは、これは絶対にやっていかなくてはならないことであります。  今、現実的に33まで老朽施設がたまってきているのは、実際にその積み立てを行っているけれども、なかなか改築費用のところまで届かないみたいな形があって、そして、現実的には土地の関係があって国庫補助金も使えないというような形の中で戸惑っているのが現状であります。これについては、ぜひ、何とかして進めていかないことには、これは、私たちの方がいろいろな形でお願いして、今、保育所の建設について毎年270人というような形で今年度も努力しておりますけれども、一方で、そういう中で建物が古くなっても更新できないために仮につぶれていくような保育所が出てくることになれば、結局、私たちが非常に頑張ってやっている部分がむだになっていってしまうことになります。ですから、この部分については、是が非でもやっていかなくてはならないことであります。  今まで、補助金がないということでここまでたまってきた、33までたまってきた施設についても、しっかりした補助金をつけるということで、その中で保育環境の充実を図っていくということは是が非でも必要であります。そのために、新しい補助金をどんとつけてくれと言うことができればいいですけれども、今、ご存じのように、行財政改革プランの中で、これだけ厳しい、300億円を超えるような収支不足が発生する中で、そういった部分について改めて補助金をつけてくれという話になるかというと、それは現実として不可能であります。  そういった現状を踏まえた中で、今、日常的に、補助金であるとか、そういう中から積み立てを行っている現状にありますから、そういった部分の中から一部を見直して、費用を捻出していって、懸案の札幌市の保育環境の整備に充てていくということは、今やらなければできない非常に重要なものだというふうに私どもの方では思っているところであります。  あまり熱弁を振るったら、あとは何だったか忘れてしまいました。(発言する者あり) ◆坂本恭子 委員  今、部長がいみじくも答弁された中でね、老朽化などに伴って、廃園はもちろん、なくなるということはあり得ないし、これ以上、質の低下を招くわけにはいかないというお話がありました。その思いは一緒だというふうに思っているんです。ただ、どうしても、面積の関係だとか、需要と供給のバランスで定員増につながらない、そういう建てかえあるいは大規模改修というものはあると思います。けれども、それを見過ごすわけにはいかない。しかし、そのことをもって、補助金を削減しながら土地についても有償貸し付けにしていって、そこで何とか捻出しながらやっていくということは、私はやっぱり筋が違うだろうと思います。  答弁漏れというか、改めてお聞きしたいのは、超過入所のことを聞いてさっきはお答えをいただけなかったんです。  質の低下ということについて、待機児童は解消していくと。今、要保育率も上方修正して、建てかえの計画も増員を図りながらやっていくということで来ていますね。今のところ、待機児童は解消される見込みであります。しかし、超過入所については一切触れられていないんですよ。結局、建てかえを行っても定員増にはつながらないから、常に10%、20%の定員超過というのがあるわけですよ。そういう改築を札幌市が容認をする、そのこと自体、私はやっぱり質の低下につながっていくだろうと思うので、改めてここについてのお考えを伺いたいと思うのです。  土地の有償の問題については、先ほども、すべての園から理解と合意を得ながら、繰り返し、誠実に対応してやっていきたいんだということがありましたけれども、これはなかなか一朝一夕にできることではないというふうに思います。しかし、これについては、もう来年度から行うということで提示をされているわけですね。限られた時間の中で、果たしてこのことができるのかどうなのか。私は、拙速にこれを行うべきではないと思っていますし、土地の有償化ということ自体についても反対であります。  それから、保育料についてですが、基本的な考え方は、前回の財政構造改革プランに示されておりまして、軽減率を政令指定都市の平均に持っていくということだったと思うのですが、それは今も変化がないのですね。  保育料の値上げについて、改めて、これをどういう形で見直そうとしているのか、お聞かせください。 ◎櫻井 子育て支援部長  超過入所を解消していくようにということで、それはもちろんそのとおりだと思います。現在、私どもがやっているのは、まず、待機児童を解消しようと。待機児童を解消できれば、今度は超過入所の方に向かおうということであります。待機児童も解消しながら超過入所も解消しろというのは、そのとおりかと思いますけれども、なかなかそういかないので、基本的には、まず待機児童の解消に向かうというのが今の考え方であります。  それから、保育所の向かうべき道ということですけれども、現在、札幌市につきましては37%の軽減率ということで、政令市の中では上から3番目という位置にあります。全体の中では政令市平均は30%ちょっとぐらいのところにありますので、そういった中で、現在、政令市平均に向かっていくことを当面の目標としているところであります。 ◆坂本恭子 委員  今お話ししてまいりましたけれども、結局、保育所の老朽化対策として市単独の改築補助を出していく、しかし、定員増につながらないものだから、国庫補助は得られないという前提のもとでの考え方ですね。  待機児童の対策は、これから5園でしょうか、整備されていくのかなと思うのですが、今年度の4月1日現在で保育所の定員というのは1万6,730人、それに対して入所の児童が1万8,032人ということで、先ほどお話をいたしました超過入所の子どもたちが1,302人いるということです。私どもは、やはりこの1,302人については保育の質の低下につながっていると。このことについては、例えば食事の場面であるとか、お昼寝、休息場所の確保などについて、さまざまな角度から委員会の中で繰り返し取り上げてきたところです。その実態は、原局の皆様は十分にご承知だと思いますし、超過入所自体がよしというものではないと思っていると。そうですね。  今、待機児童というのが順次減ってきてはおりますけれども、相変わらず、4月1日時点で296人いるということであれば、やはり1,600人近い子どもたちが保育所の中で適切な保育サービスを受けることができないんだというふうに言わざるを得ないと思うものですから、私は、やはり、定員増をしっかり図りながら、国の補助採択も仰ぎ、なおかつ、定員増につながらない部分については札幌市がしっかりと予算を出して手当てをしていくということが必要だと思います。幾ら財政が大変だからといって、こういうところから金をむしり取ってくるようなことはすべきでないと思う。  先ほどもお話があったけれども、上田市長の元気ビジョン第2ステージの第1番目には、ちょっと手元には持ってきていませんけれども、子どもを生み健やかにはぐくむだったか、そういうまちづくりが一番最初に出てきているんですよね。上田市長自身がそれを本当に大切に思っているのであれば、このような形での提案はされないというふうに思います。これは、小澤副市長に考え方をお聞きしたいと思います。  あと、保育料についてですが、全国平均の軽減率にしていくと。すなわち、いただいた数字では30.65%ということです。札幌市は今37%ですから、これを30.65%に持っていくんだというお話です。保育料の軽減率は全国政令指定都市の平均に持っていくと。  しかし、札幌市の合計特殊出生率は今どうなっていますか。政令指定都市の平均ですか。0.98という恥ずべき低い数字になっているんですよ。そういう状況の中で、どうしてこういう提案が札幌市としてできるんでしょうか。本当に冷たい政治を、今、皆さんはやろうとしている。財政難を理由にして、こういうところに、子ども、そして子育てしている若い世代にしわ寄せをすべきではないということを求めて、そして、副市長から答弁もらって、質問を終わりたいと思います。 ◎小澤 副市長  確かに、保育所の保育料だけを見ますと、0.98という合計特殊出生率の中で保育料の見直しを行うのは大変つらい話でありますけれども、子どもというのは、保育所に預けているばかりが札幌市の子どもじゃありませんで、在家庭で子育てをしている方がいっぱいいらっしゃるわけです。そういう人たちに対しても、やっぱり子育て支援策を講じていかなければいけない。そういうことを総体的に考えて、保育料だけを上げるのは冷たいと言われるかもしれないけれども、全体を考えてやるのがやっぱり行政の仕事だと思うんですよ。  そういう状況の中で、今、札幌市の財政を考えて、在家庭、保育所で預かる子どもたちのために何をやるか。やっぱり、お金がないということになれば、軽減率を指定都市平均並みまでは何とか頑張って、お互いに苦しい部分を分かち合いたいというような考えでやらないと、偏った行政になるといいましょうか、どこかにひずみが出てくるんだろうと思います。(発言する者あり)そのような全体的なバランスの中で考えていくのが行政だというふうに思っております。 ◆坂本恭子 委員  保育所の役割について途中でお聞きしましたね。保育所だけが子育て支援策ではないと、副市長は今おっしゃいました。私は、今、保育所の役割が限りなくそこに近づいているのではないかという確認を質疑の中でやったつもりです。ですから、保育料を上げて、保育所に通わせている子どものいる世帯から保育料を取るということではなくて、保育所自体の機能をふやしていくと。それは、今もうなされていることですから、そのことについて札幌市がきちんと手当てをしていくべきだということを申し上げたのです。私は、それこそが―偏った市政運営だとおっしゃいましたけれども、私は、やっぱり、保育所保育料を取るということ、値上げをするということについての正当な理由にはそれはならないというふうに思います。繰り返しになりますが、軽減率を政令指定都市平均に持っていくということであれば、あなた、今回、この提案をしたことによって合計特殊出生率を全国平均に戻すという、そういう自信がおありですか。(発言する者あり) ◎小澤 副市長  あるのならはっきり言いますけれども、ありません。だけど、そのために努力はしているということですよ。  それからもう一つは、保育所というのは、機能は保育所に預けた子どもたちだけを見るんじゃなくて、地域のいろいろな子育ての相談に乗るとかなんとかって、さっきおっしゃったような役割を持ってきているはずです。じゃ、そういう役割を持ったときに、その相談を受ける側の体制整備をどうするんですか。それだって費用がかかるわけですよ。そういうことをトータルに考えていくのが行政の仕事だと考えています。 ◆小倉菜穂子 委員  今、坂本委員の方からも大分質疑があり、いろんなやりとりがありました。ですので、重複しないようにと思いますが、私も保育料の見直しについて簡潔に質問させていただきます。  10月10日、札幌市行財政改革プランが示されまして、使用料・手数料等の見直しの一つとして保育料の見直しが取り上げられております。このことは、子育て中の家庭にとって大変大きな問題でありまして、一体どうなるのかと、大きな、また強い心配の声が寄せられております。  そこで、重複しないようにと思っているんですけれども、ちょっと聞き方が違えばいいんですが、質問の一つ目といたしまして保育料の負担について伺います。  1点目は、現在の保育料についてですけれども、近年、ずっと据え置かれてきておりますが、これはいつからなのか、また、そういう状態が続いているのはどのような理由からなのか、まず伺います。  そして、2点目としまして、近年、据え置かれてきているのに、また、市長の新まちづくりプランにおいても子育て支援を最優先されているにもかかわらず、なぜ、今回、見直しなのか、矛盾していると私も考えますが、いかがか。何か、これまでの方針や状況が大きく変化したというようなことがあるのでしょうか、伺います。(発言する者あり)  そして、質問の二つ目は、保育料収納の対応についてです。 ○村松正海 委員長  ご静粛に願います。 ◆小倉菜穂子 委員  国は、07年6月から7月にかけまして、保育所保育料の徴収状況に関する全国的な調査を初めて行いました。札幌市の滞納額は1億円と示されています。調査では、滞納増加の理由として、保護者の責任感、規範意識の問題が65.9%、保護者の収入減少が19.4%、その他が14.6%となっています。札幌市として、滞納増加の理由をどのように受けとめておられるのか、認識を伺います。  2点目は、1億円の多額の滞納がある中、札幌市では収納の対応をどのように行っておられるのか、伺います。
    ◎櫻井 子育て支援部長  保育料の据え置きはいつからかという話でございます。保育料につきましては、平成9年度まで、毎年、国の徴収基準額の改定に合わせて改定を行ってきておりましたが、平成10年度から現在まで据え置きとなっております。据え置いている大きな要因としては、まず、保育料算定の基礎となる国の徴収基準額が平成10年度から据え置きになっていることが挙げられます。また、子育て家庭への経済的な負担を軽減するための政策的な配慮を行った結果、現在まで据え置きとしているというふうに考えております。  それから、見直しの理由についてでございますけれども、先ほどのことと重複しますが、保育料の保育所等の利用者負担のあり方について審議をしていただいておりました札幌市社会福祉審議会から5月29日に意見が示されたところであります。札幌市の状況といたしましては、保育所を利用している子どもの割合が約2割であることから、意見書の中で、保育料の設定については、子育て支援全体の視点を持って、利用したサービスに応じて受益と負担の均衡を考慮することが必要である、また、その保育料額につきましては家庭の負担能力を考慮した設定とすることとの指摘を受けております。  こうしたことを踏まえまして、現在の保育料は、先ほども申しましたが、国の徴収基準額から政令市中3番目に高い率である37.0%の軽減を行っておりますけれども、保育所を利用しない子育て家庭とのバランスを考えて、子育て支援全体の視点持って適正な利用者負担となるよう努めていくことが必要であると考え、見直しを行うものであります。  それから、保育料の滞納関係の部分であります。  保育料の滞納の理由ということでしたけれども、ご指摘にありました国の保育所保育料の徴収状況に関する調査の結果では、滞納額が増加した主な要因としては保護者の責任感、規範意識の問題を挙げている自治体が66%となっております。  しかし、現在、私どもが行っているその滞納者との折衝の状態から考えますと、すべてではありませんが、経済の低迷による収入の減によるのが一つの大きな要因であるというふうに認識をしております。そうしたことから、滞納している保護者の状況としては、一部、収入が多い世帯での滞納も見られますけれども、比較的所得の少ない階層に滞納者の割合が多くなっている実態がございます。 ◆小倉菜穂子 委員  ちょっと重なってしまったようですが、大変丁寧にご回答いただきまして、ありがとうございました。  一人一人の家庭の事情が違いますことから、今後、収納についてもさまざまな配慮をした中で行っていただきたいと思っております。  そして、再質問になりますが、1点目は、保育料の負担についてです。  札幌市の行財政改革プランでは2010年までの取り組みとして示されていますが、具体的にはどの時期にどれぐらいの料金で行おうと考えておられるのか、また、一律に改定率を適用するようなことはしないで、ぜひ、階層ごとに少しずつスライドするとか、そんなきめ細かな対応を行うことが必要ではないかと考えておりますけれども、どのような見直しを進めていくおつもりか、示していただきたいと思います。  また、2点目は、現在も多額の滞納者がある中で今回値上げを行うとすれば、なおさら支払うことができない保護者も出てくると考えておりますけれども、今後、さらにどのように対応しようとお考えなのか、伺います。 ◎櫻井 子育て支援部長  保育料の見直し方法について具体的にどのように実施するかという質問でございます。  札幌市の保育料の軽減率は37.03%ですが、政令市16市平均の平均軽減率は30.65となっておりますので、今後、その政令市平均まで軽減率を下げていく予定でございます。  また、実施時期についてですけれども、平成21年度の保育料から見直しを開始し、3カ年程度をかけて政令市平均まで段階的に軽減率を下げていくことを考えております。具体的に申し上げますと、保護者の収入であるとか、入所しているお子様の年齢にもよりますけれども、試算では3年間合計で月額300円から最大で6,000円ぐらいの負担増になるというふうに考えております。  それから、保育料について、新たな滞納が発生することへの対応についてお答えいたします。  ご指摘のとおり、保育料の見直しにより、滞納者の割合が多い、比較的所得の少ない世帯の保護者についても負担額がふえることになり、滞納者がふえることも想定されますけれども、先ほどのご要望にもありましたとおり、保護者の収入に見合ったきめ細やかな負担額の設定を行うことでそれらの階層の負担額を抑えるなど配慮をしてまいりたいと考えております。 ◆小倉菜穂子 委員  最後に、要望だけ言わせてください。  少子化が進む中、本市の合計特殊出生率は、先ほどもありましたように、0.98と政令市では最下位となっております。さまざまな保育ニーズが叫ばれる中、やはり、仕事と子育ての両立に向けた支援も大変重要であると考えております。保育料が上がると、非常に厳しい負担となる家庭も出てきます。そうしたさまざまなことを勘案し、慎重に行うべきと考えております。また、収納への対応も職員体制を十分整えることはもとより、他の関係部署と連携して、滞納の実情をしっかりと把握し、調査した上で行っていただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆松浦忠 委員  まず、現在の保育園を運営しているのは、ほとんどが社会福祉法人であります。社会福祉法人の成り立ちを言えば、それぞれ法人が寄附を集めて、そして福祉事業を営む、こういうことが社会福祉法人法の始まりであります。  そこで、先ほどからの話を聞いていますと、札幌市でかなりの金がかかるという話でありますけれども、現在、札幌市が保育園として所管している法人で、建てかえのときに、昔は措置費、今は扶助費となっているけれども、いわゆる税金で支給されたお金以外で、積み立て以外で寄附を集めて建てかえている保育園というのは、この5年間に限ってもいいですから、何園あって幾らぐらいの金が集められたか、この点をまず一つお尋ねいたします。  2点目は、保育園の運営についてであります。  保育園の運営について、園児の保育などをめぐって、父母と園側の意見のそごといいますか、対立が生じているのも間々あります。そういう問題を解決する何かの方法が社会福祉法人の中にあるのかどうか、これが2点目の質問であります。  3点目は、社会福祉法人会計基準に基づけば、資金収支計算書と資金収支内訳表、いわゆる財務諸表を、だれでも閲覧できる、保育所に備えつけて閲覧できるようにしなさいというふうになっているわけですけれども、こういうふうにだれでも閲覧できるように周知されている保育園は何園あるのか、これを掌握されているかどうか、示していただきたいと思います。  次に、無償貸与の土地の契約問題であります。  ある保育園の契約書がここにあります。これを読みましたら、先ほどから保育部長が答弁しているのもそうだなと思いながら聞いておりました。  そこで、無償貸与と土地所有者で扶助費に差があるのかないのか、最初にまずこの1点、以上、4点をお尋ねいたします。 ◎櫻井 子育て支援部長  まず、寄附で建てかえしたものはこの5年間で何件かというお話でございますけれども……(「一部でもだよ。寄附金が一部でも足されているもの」と呼ぶ者あり)  私の知る限りでは、寄附の一部を充てられたというのは1件だということでございます。  それから、父母と園側の意見のそごがあった場合というのは、通常、保育園の中には第三者委員会が設けられておりまして、その第三者委員の方に、例えば園に対する苦情がある場合にはそちらの方に申し入れを行うことができるような仕組みが整えられております。  それから、資金収支、財務諸表を閲覧できるのは何園かというのは、今、資料を持ち合わせておりませんので、ちょっとお答えをしかねます。  それから、無償、有償の場合に……(「土地所有者と無償で賃貸を受けている者との扶助費に差がありますか」と呼ぶ者あり)  その差はございません。 ◆松浦忠 委員  まず、第三者委員会というのは、これは設置をする必要性があるんですね。すると、第三者委員会というのは、どういう方を第三者委員として指名して就任していただくように保育部の方は各保育園に指導されているのか、それから、法的には第三者委員はどういう資格の人がなり得るのか、この点を示していただきたいと思います。  それから、2点目の社会福祉法人会計基準に基づく資金収支計算書、資金収支内訳書についてです。  私も幾つか保育園を尋ねるんですが、こういうものをいつでも見られますよと、事務室に言ってくださいなんて、ぐるぐると園の中を歩いてトイレまで行って見るのですが、これがどこでも見えるところにあるというのは、私が行った限りではどこにもないのですよ。こういうことに対してきちっと指導をされているかどうか。この点について、指導していないんなら、していないんでいいんですよ。そこまで手が回らないから指導していないっていうんなら、していないでいいです。その点について、指導しているかどうか、お尋ねします。  それから、今、無償貸与について、法人が土地を所有している、それから札幌市からただで借りている、土地の所有者と無償貸与について、わかりやすく言うと、市から支給される保育料には差がありませんということですね。  そこで、これについてお尋ねします。  先ほどの話では、1人の園児の保育料は平均8万8,000円と言っております。8万8,000円を支給して、片や、家賃の分が保育料の中から札幌市に税金として、税金で保育料を納めたものを、また税金で還流して札幌市に戻す。子どもにかかる金は、その分、少なくなる。例えば、わかりやすく言うと、1人100円でもいいです。月100円としたら、150人いたら1万5,000円になる。そうすると、1人月100円、土地を持って最初からやっている保育園と、持っていない保育園とで、来年の4月1日以降は、市長の計画でいったらこの保育料に差ができる。差ができるということになるんですよ、これ。  こういう差別行政というのがあっていいんだろうか。いや、これはいいんだよというんなら、いいんだよと答えてください。私は、別に、これがいいとも悪いとも言っていませんから、差別行政を来年の4月からするんですよというんなら、するんですよと答えてください。それを受けてから、また質問しますから。 ◎櫻井 子育て支援部長  今の閲覧の関係であるとか、何園であるとかにつきましては、監査指導室の方になります。私どもの方で承知していない数字でございますので、そういったことについては、申しわけございませんけれども、監査指導室の方にお聞きいただきたいと思います。  それから、委員がおっしゃっている差別行政という意味が私にはちょっとわかりかねます。そういったことが差別に相当するというようなことが、どうしてそういうふうになるのかなということがちょっと理解できません。 ◆松浦忠 委員  第三者委員を置くということについては、保育部の指導範疇ですか、範疇でないですか、これをちょっとお答えください。(「ちゃんと子育て支援部と言えよ」と呼ぶ者あり) ◎櫻井 子育て支援部長  それにつきましても、監査指導室の所管でございます。 ◆松浦忠 委員  それでは、実は、この第三者委員ですが、監査指導室のと言いますけれども、保育園を設置するかしないかということを認可のときに審査するのは子育て支援部です。子育てを担当している局ですね。皆さんの局です。このときに、法律に基づいて、あるいは厚生労働省の認可通知に基づいて指導して、そして、きちっと保育園の中の規則だとか何かもつくっていただいて、定款はもとよりつくっていただいて、そして認可していくわけですね。(発言する者あり)いいですか。これは指導ではないんですよ。義務づけられているんですよ。  そして、その中で、例えば今起きている、宮の森保育園というところから私のところにお手紙が来ました。調査しました。そうしたら、こういう実態があるんですよ。お母さん、お父さん、父兄からの苦情処理のために置く第三者委員を、弁護士ともう一人の方と2人置いていた。そうしたら、父兄から来た回答書を書くのに、園の方は、弁護士を代理人に立てて、その弁護士を代理人に立てて回答を出しているんですよ。  こういうようなことについて、この問題は市長にまで手紙が行っています。きちっとした指導がされていない。だから、こういう問題が起きてくるんですよ。そして、その後の対応、財務諸表をなぜ私が聞いたか。この父兄は、例えば、園が行っているその事業内容について疑義がある、だから、それは扶助費の中から出されているのかどうかということも質問を出しているけれども、園の側は答えない。財務諸表をきちっと閲覧できるように、そういうことが周知されていれば、そういうものを見せてくださいということで話し合いができるんじゃないですか。  市長の対応は何ですか、これは。わざわざ市長に手紙を差し上げているのに、保育部に回っているけれども、その結末がどうなったか、市長はわかっているんですか。そういう対応の仕方、いわゆるおざなりって言うんですよ、これ。  私は、ここで市長に尋ねますけれども、市長、宮の森保育園から市長あてに送られてきた文書、お読みになって記憶にありますか。あったら答えてください。なかったらないでいいですから。(発言する者あり)(「まあいい、黙って聞け。ろくに監査もしっかりやっておらんで、何を言っているんだ、監査委員」と呼ぶ者あり) ◎上田 市長  過日、報告を受けたところでございます。 ◆松浦忠 委員  これは、私は庁舎に行って、この園長と、2回にわたって、5時間にわたって話をしました。行ったときにいきなり何と出たかといったら、この訴えてきた奥さんは再婚でご主人と19歳も年が違う、そして、二つ目には、子ども3人預けて、2万5,000円ぐらいの保育料で感謝の気持ちもない、こう言ったんですよ、私に。びっくりしました。一体、皆さんはどんな指導をされておるんですか。  そしてまた、シェパードの犬を飼って、狭い園の中庭、園庭、ここは園児が遊ぶところです。ここで、最初、放し飼いをしていた。園長に、何でシェパードを飼ったんですかと私が聞いたら、私はシェパードが好きで、保育園をやる前に飼っていました、いつか飼いたいと思っていた、だから飼いましたと。そして、番犬のかわりにしたい、こういうことで飼いましたと言うんです。父兄の了解をとったんですかと聞きましたら、とっていませんと。インコも大きいやつを飼っています。これは、アレルギーだってあるんです。シェパードといったら警察の捜査犬です。極めてどうもうです。  こういう中でこういう飼い方をすること自体、私は動物に触れることは大事だと思いますよ。だけども、やっぱり飼うとしたら、きちっと訓練された犬を飼って、そして、例えば子どもと接触させるときには、かみつかないように口輪をかけて接触させるとか、安全をきちっとした上でするというのが常識ではないですか。  こういうことの指導もきちっと行われないで、そして、土地代だけ徴収するなんていう話がさっきから出てきているけれども、全部結びつく話さ。(発言する者あり)  したがって、これについて、市長はどういうふうにお考えですか。こういう保育園が、あなたが認可をして、あなたが扶助費を出している、管理している保育園、こういうところがあります。これ、どうしますか、市長。市長に答弁を求めますよ、これ。  私は、細かい内容は別にして、どうあるべきかという管理における基本的な市長の考え方、部下職員に対する指導の考え方ですよ、市長。 ◎八反田 子ども未来局長  ただいま松浦委員から、5時間にわたり、宮の森保育園の園長とお話をされたということでございますけれども、この園については、私どもは、早くから、直接、課長が出向き、何度も指導を重ねてきております。そのことについては、指導を怠ったという認識は全く持っておりません。 ◆松浦忠 委員  指導を怠っていないと言うんなら、それでは、ただ行って話だけしてきて、この園長は、じゃ、札幌市が指導して、指導に従わなかったらどうしたんですか。いまだに従っていませんね。私が行って話をして、その後、いいですか、子育て支援部長も、保育課長も、監査指導室の課長も控室においでいただいて、4人でいろいろ協議して、言葉ではだめだから文書で出しなさいといって初めて文書を出した。19日が回答期限です。  やっぱり、こういうことはきちっとやらなければだめだ。私も長男を保育園に3年預けました。親にしたら、子どもを預けるということは、まさに人質をとられることで、なかなか言いづらい。そして、弁護士と民生委員がここの第三者委員です。それも、いつ掲示しましたかと聞いたら、5月に1週間だけ名前を掲示して、あとは外してしまったと言うんですよ。札幌市の方から、大きなものに第三者委員の名前だけ書き込むようになったポスターが配られていますね。そういうものも、なぜ指導に行ったときにきちっと見て指導してこなかったんですか。  この点について、ちゃんと指導していますではなくて、ちゃんとしていたら、6月から今日までこんなに時間がかかっていないんですよ。何にもやらないから、最初、区役所に手紙を出した。2回出した。だれか匿名の人が2回出した。そして、さらにびっくりしたのは、この園長が、匿名の手紙はだれが出したと言って執拗に犯人捜しをやった。これも、私は聞いてびっくりしました。およそ、あの人でしょう、こういうことです。どうしてわかるのと言ったら、大体、いろんな一連のことからわかりますと。この種のことは、やっちゃいかんことなんですよ。これでは、親が安心して子どもの保育を託すことにならんのじゃないですか。  どうですか。市長さん、こういう実態。市長、僕は細かいことを答えてくれと言っていません。部下職員の指導・監督のあり方を僕は問うているのです。答えてください。 ◎小澤 副市長  今、段々のお話と、それから、私どもの子ども未来局が指導に入って、その結果がまだきちんと整理されていない現状があると、今、私もそういう認識を持っております。  したがいまして、保育所というのは、預ける親御さんがきちっと安心して預けることができる、子どもがそこで健全に保育されることが大事な要件でございますから、今言った犬がいるとか小鳥がいるということがどういう状況なのか、私はちょっと承知しておりませんけれども、いずれにしても、そういうのは不正常な状態で、お互いに不幸な状態ですから、私は、もう一回、担当局の方にきちんとそういうことを改善するように強力にやってみたい、やらせていただきたいというふうに思っております。 ◆松浦忠 委員  やるということですから、これ以上言いませんけれども、9月7日の14時27分に、保育課長の岡部さんが、手書きで、この父兄に、こういうことをしてきましたという回答を出しているんです。ところが、それがまだ改まっていないというものがあります。  したがって、私は、早急にきちんと対応していただきたい。そして、安心して子どもを預けられるようにしていただくように、これは強く求めておきます。19日の回答書が来ましたら、見せてください。きちんとその状況を確かめます。  これは、この一連の全部の手紙を入れて、矢部さん本人が、68人の議員全員に送ったそうであります。そして、保育園の園長いわく、ある保育園の園長に電話をかけて、きのう、1時間半にわたって、松浦という議員はどういう議員だ、68人を代表して来ているのか、とんでもない人だね、こう言って電話をかけたそうであります。(発言する者あり)  いやいやいや、あんた方、園長にそうやってみんな言ったんでないのか。おれは園長に協力するぞ、松浦だけ悪いって言ったんでないのか。(「推測で物を言うな」と呼ぶ者あり)推測でなく、そういうことです。(「どういうことだよ」と呼ぶ者あり)  したがって、これはしっかりと指導していただきたい。(「だれに指導するんだ」と呼ぶ者あり)  それから次に、公用地の、扶助費の、いわゆる土地所有者、法人が土地を所有しているところと、土地のないところです。札幌市から借りているところは、今度、賃料を取ると言っています。  そこで、賃料を取るから、その賃料分だけ子ども1人当たりにかかるお金は少なくなるんではないですかと。そうでしょう。例えば、1人1,000円で、土地の地代が100円だったら、札幌市から土地を借りているところは900円しか子どもにかけられないわね。最初から土地を持っているところは、1,000円そのままかけられるんです。  そうしたら、突然、あるとき、こうやって差別政策を導入するということになりませんかと、私はここを聞いているんだけれども、これがいわゆる差別、不公平ということにならんかどうか、保育部長、理解できないと言うんなら、委員長、休憩してちょっと協議してください、市長以下と。 ◎櫻井 子育て支援部長  それぞれの法人がいろいろなものに、例えば、自分で土地を借りている人もいれば、自己所有の土地もあれば、民間から借りている人もいて、さまざまなパターンがあります。それについて、これとこれを比べて、それは不公平だとか不平等だということは、それはないんじゃないでしょうか。すべて同じ条件で保育園を営んでいるわけではないので、それを不平等だと言うことは理解できないと申し上げました。 ◆松浦忠 委員  それでは、札幌市内にある保育園で、一体、何園が、私が資料をもらったのでは90の園が札幌市から無償で土地を借りています。ここに2園を借りている議員もおります、理事長で。いいですか。そうしたら、それ以外に個人の土地を借りて賃料を払っている保育園というのは何園あるんですか。札幌市以外の土地を借りて賃料を払っている保育園というのは何園ありますか。 ◎櫻井 子育て支援部長  資料を持ち合わせておりませんので、現在、お答えできません。 ◆松浦忠 委員  不平等、差別に当たるか、当たらんかという大事な議論をするときに、資料を持ち合わせていないとは何ですか。いいですか。これは、基本的に、支給する金額に1円でも差が出るということは、そこで不平等なんですよ。いいですか。  これ、不平等であるかないか、市長に見解を求めます。  私はなぜ市長に求めるかといったら、市長、このぐらいのことはわかると思うんですよ。自分で土地を所有している法人は、もらった8万8,000円の金をそのまま全部子どもに使える。そうでない人は、札幌市から今までただで借りていて、それも、最初は札幌市がただでいいよと言って、ずっと20年契約を結んできた。それを、急にこうやって改定する。そして、賃料を取るよとなったら、もらっている金から賃料を引くわけですから、その分少なくなる、この分、子どもに当たる金は少なくなるんだから公平だとは言わないんでないですか。公平ですか、市長、これでも。教えて。(発言する者あり)(「市長に聞いているんだよ、私。委員長、指名しているんだから、ちゃんと指名した人に、ここの責任者、最高責任者は市長だよ、あんた。部下が答えられんかったら市長が答えるっていうのはわかるけれども、逆でないか、あんた」と呼ぶ者あり) ◎小澤 副市長  私もちょっとつまびらかにはわかりませんので今確認しますけれども、子どもの保育にかかわる経費と、それから保育士にかかわる部分の経費というのは別建てでやっていまして、子どもたちにかかわる部分から、例えば剰余を出して、そこの部分で差が出るということにはならないというふうに聞いていまして、これはちょっと確認しますから、ちょっとお待ちください。 ◆松浦忠 委員  いいですか、札保育第497号、平成17年7月24日、各社会福祉法人など理事長様、各認可保育所施設長様、札幌市保健福祉局児童家庭部長、保育所運営費の経費などについてということで、ちゃんと経理区分を出されているのは私もちゃんと読んでわかっているの。今、小澤副市長が答えんとしたことはわかっているの。  何かといったら、何であれ、その園に対して支給されているもの、税金でただ還流するだけでしょう、これ。還流するだけでしょう、税金で。差別以外の何物でもないでしょう、これ。片一方で8万8,000円出て、片一方で8万7,000円だったら、1,000円少なかったら、8万7,000円だったら1,000円の不公平が生じるでしょう。(「理解できない」と呼ぶ者あり)  だから、あなた方に質問していないから、理解できなくてもいいの。私は市長に言っているんだから、あなたらと質疑していないんだから、質疑するなら向こうに座りなさい。(発言する者あり)  いいですか。こういうことについて、市長も答えられないというようなことを出すことがまず無理がある、これが一つであります。  それからもう一つ、市長、あなたは法律家ですからわかると思うけれども、先ほど宗形委員の質問に担当部長はこう答えました。これについて、ことし9月に、全部の法人を集めて1回目の説明会をやりました。それに対して、今後、さらに何回か説明会をやったりアンケートをとったりしてやっていきます、こう言っています。そして、先ほど坂本委員も質問しました。その段々のやりとりの中で、部長はこう言ったんです。納得、理解してくれるまで繰り返し繰り返し協議していきますと言ったんです。答弁したんです。納得、理解するまで繰り返し繰り返し協議ということは、いいですか、この契約書に、双方合意の上でなければ、使用状況だとかなんかの条件に違反しない限り、いわゆる契約満了ということを書かれているのですよ。それを、貸している側の札幌市長が、そして、全額、その経営にかかわる費用を税金で支出している札幌市長が、おまえ、金を出すまでおれは何回でも話し合いに行くぞと、こう言って、何回も何回も何回も話し合いに行く。そうしたら、相手は最後はどうなりますか。もう強迫観念に駆られて、どうしようもない、判こを押すかと、こうなっちゃうんですよ。少なくとも、市長、契約書を交わしている甲と乙とは対等、平等ですよ、契約書というのは、この内容に違反しない限り。そういうことを、今の日本の法体系の中の社会常識でやっていいんですか。繰り返し繰り返し、相手がうんと言うまでやるということは、これはどういうことですか。これが対等、平等における説明行為ですか。これは、市長、お答えください。先ほどそう答えていますから。(発言する者あり) ◎上田 市長  契約の前提になっている事情というのがやはりあるというふうに思います。ですから、その契約を締結したときの事情、それから現状との間に落差があるという場合にいろいろ契約を改定しなければならないということ、それは起こり得ることだというふうに思います。  今回の問題につきましても、平等、不平等という問題は、前提になります契約の関係を結ぶときの差異というのが必ずあるわけでありますので、それが、結果的に、どの程度、交付をいたします保育費用、これは管理費も含まれておりますので、経営努力で頑張っていただけるかどうかというふうなところから、ちょうだいできるものについては、今の札幌市の財政状況等を勘案いたしましてご協力いただけるようにお願い申し上げる、こういうような形になるというふうに思います。 ◆松浦忠 委員  弁護士にしては、市長を4年半やったらちょっと法律を忘れたのかな。これは法人の約款ですよ。私は写しを持っています。第10条、契約の解除、甲、札幌市は次の各号の一つに該当するときはいつでも本契約を解除することができる。(1)札幌市において貸し付け物件を公用または公共用に供するため必要とするとき、(2)借りている側、保育園の側がこの契約に定める義務を履行しないとき、これしかないんですよ。解除は、約款では。いいですか。これしか書いていない。あとは、双方この約款の内容を守る限りは対等なんですよ。  したがって、それを繰り返し繰り返し行くということは、これは許されることではない。公平ではない。申し入れは1回やればわかる。入れられた方から、わからないから説明してくれと言われて、さっき部長から、もう一回説明会をやると言っている。それはそれでいい。しかし、うんと言うまで繰り返し繰り返しということは、これはまさに地上げ屋がやる行為と同じですよ、これは。地上げ屋と同じですよ。今まで地上げ屋が社会的に問題になった地上げ行為と同じです、これ。そういうような行為を、弁護士出身の札幌市長は部下に奨励してやるんですか、やらないんですか、はっきりしてください。やるって言うんなら、私らも対抗手段を考えますから。 ◎上田 市長  契約条項はそのようになっているというふうに思います。ただ、契約をする際に、契約時と現状の間に社会的な状況変化、事情変更の原則というふうな言葉で言うこともありますけれども、双方のどちらかの原因によって起こった事情ではない社会事情の変更、そういったことについて落差が生じた場合に、それについて、その落差を埋めるための事情の変更に基づく契約の変更といったことをご理解いただけるように努めるということは、これはあってもいいことではないか、このように思います。 ◆松浦忠 委員  市長、落差って何ですか。社会事情の変化って何ですか。これは平成14年に契約を交わしているんですよ、20年の。14年から何があったんですか。札幌市の財政、そんなに14年から極端に悪くなっていますか。(「悪くなっています」と呼ぶ者あり)  いいですか、市長、それだったら、私が常に指摘している職員の燃料手当、27万円払っている、これ、公務員は16万5,000円だ、15億円余計に払っている。こういうものをやめたり、まだまだ内部努力できるんですよ。事情の変化でないですよ、これ。自分の内部努力をせんで、そして、地上げ屋まがいのことを部長に発言させて、それをよしとする、こういう、市長、あなたが弁護士―それは弁護士もいろんな立場の人に、甲にもつけば、乙にもつけば、丙にもつきますから、少なくとも市長が、20数年間、選挙のときに掲げた公平、平等、透明性のある、そして弱者に配慮したという公約とはほど遠い部下の発言に対して、それを容認するということは、全く、もう4年半で公約はどこかへ行ってしまって、まさに地上げ屋もどきの行為もよしとする、これはそういうことであります。(発言する者あり)(「末梢だよ」と呼ぶ者あり)  末梢ではないですよ。そしたら、ほかに何に例えるんですか。具体的に例えることを言ってごらん。繰り返し繰り返し、相手がうんと言うまでやる行為というのはどういうことですか、これ。言うんなら、きちんとやりなさい。(発言する者あり)それは限界があるっていうのは、そんなものは札幌市がやることじゃないですよ。  いいですか、市長、そんなことを言ったら、私は、今、市長がやっている、例えば北郷の立体交差、1年おくれている。なぜおくれたか。用地折衝が進まんからおくれているじゃないですか。中身を調べたら、やっていないんですよ、これ。(発言する者あり)  そういうことを一方でやっておきながら、自分の行政執行でやっておきながら、そして、今、保育園の保育料の、もうれっきとした日本国憲法、法律に基づいた契約書を結んでいるにもかかわらず、それを、もうしゃにむに、権力をかさに着て、金を取ろうなんてする、それをよしとする市長のやり方というのは……。 ○村松正海 委員長  松浦委員松浦委員、先ほどから市長が答弁していますので、ほかの観点で質問してください。 ◆松浦忠 委員  これは、もう全く私は容認ならない。この点について、市長は―それじゃ、市長に一つお尋ねしますけれども、本人が、1回、文書で、私は賃料を払うことについてこれ以上の話し合いは拒否しますという文書を理事長が出したら、それについて、それ以上、執拗にやるということをしませんか。これだけお答えください。 ◎櫻井 子育て支援部長  今のお話ですけれども、中身をきちんと理解していただいて、それに対して説明を行って理解していただくということ、それは、仕事の上ではもう当然にして必要なことだと思います。  先ほど、私の発言を地上げ屋まがいの発言と言われましたけれども、それは、私もふだん温厚な人間ですけれども、頭にきます。失礼な発言かと思います。 ◆松浦忠 委員  自分の言うこと、やることを正当化して、相手に押し迫っていって、そして、それが失礼だなんていうのはとんでもない話だ、そんなもの。  市長、市長、いいかい、こういうやり方が役所をしてまかり通るというんなら、これはまさに法も何もないですよ、これは。したがって……。 ○村松正海 委員長  松浦委員、先ほども申し上げましたが、市長はお答えしていますので、これ以上は違う観点で質問しない限り質疑を打ち切ります。 ◆松浦忠 委員  どういうことだ、委員長、これ、あんた。
    ○村松正海 委員長  そういうこと。 ◆松浦忠 委員  いいか、そんな、あんた、市長がまともに答えないで、委員会の質疑というのは、お互いに…… ○村松正海 委員長  市長はきちんと答えています。 ◆松浦忠 委員  答えていない。 ○村松正海 委員長  答えている。 ◆松浦忠 委員  何を言っている。委員長、あんた、何、そんなのだったら、したら、今、テープを起こしてみなさい、答えているか、答えていないか。 ○村松正海 委員長  委員長が答えていると判断しています。 ◆松浦忠 委員  どこに耳をつけているんだ。 ○村松正海 委員長  ここで、およそ20分間委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後6時50分       再 開 午後7時15分     ―――――――――――――― ○村松正海 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆しのだ江里子 委員  これから、私は、認定こども園と休日保育について伺わせていただきます。  まず、認定こども園について質問させていただきます。  認定こども園制度は、少子化の進行や教育及び保育ニーズの多様化に対応するため、子どもが健やかに育つ場の新たな選択肢として、昨年10月に法律が施行され、今月で1年が経過したところです。  そこで、現時点での全国、全道及び札幌市における認定こども園の認定件数はどのような状態なのか。  また、本年4月に国が行った認定こども園状況調査では、本市の幼稚園及び保育園のうち、31施設が認定こども園化への意向を示しておりましたが、現在の申請状況はいかがでしょうか。  そして、先ほど坂本委員からもお話がございましたが、認定こども園制度は、今後、民間事業者による展開を想定し、札幌市でも運営機能のモデルを示すために清田区で整備を進めているとのことですけれども、現在の進捗状況はいかがか、あわせて伺います。 ◎櫻井 子育て支援部長  認定こども園についてお答えいたします。  1点目の全国、道内札幌市内における認定こども園の認定件数と現在の申請状況でございます。  認定件数につきましては、本年8月1日時点の数値となりますが、全国で105件、道内では10件、札幌市内では厚別区のいちい幼稚園の1件となっております。現在の申請状況につきましては、札幌市内の認可外保育所1件が地方裁量型で申請中となっております。  次に、2点目の市立認定こども園の進捗状況についてでございます。  今年度は、基本実施設計を進めておりまして、当該施設設計に最も適した設計者を創造力、技術力、経験などを審査基準として選定するプロポーザル方式により決定いたしました。設計に当たりましては、セキュリティーの確保と、全年齢の入所児童を一体的に保育できる環境構築の2点を基本コンセプトとして定めました。さらに、当該施設が幼稚園と保育所の併設の施設であることから、幼稚園教諭と保育士が協調して円滑な保育が実施できるよう、現場の声をできる限り反映した上で基本設計図を作成し、10月より実施設計に着手したところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  伺いますと、市立真栄幼稚園を改築して仮称市立認定こども園を整備することとしていますが、予定する地域は閑静な住宅地と聞いております。整備に当たっては、近隣住民の要望等を酌み取っていただけるのか、伺います。 ◎櫻井 子育て支援部長  ご指摘のとおり、整備予定地区の周囲は一般の住宅街であることから、基本設計図面が確定する前の本年8月に住民説明会を2回開催し、近隣住民から幾つかの要望をいただいております。主なものとしましては、整備予定地区の北側住宅への日照の問題と、それから、施設利用者による路上駐車について懸念される声がございました。これらの要望を基本設計図面に反映するために、日照対策として施設の形を工夫し、さらに、高さを抑えることで施設が落とす影を極力小さくいたしました。また、路上駐車対策として、施設の配置を工夫することで15台程度の駐車場を整備することといたしました。こうした対応により、近隣住民の方々にはおおむねご了解をいただいたところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  清田区では、この仮称市立認定こども園は、幼稚園と保育園を併設するという全く新しい形の施設であり、初めての公立保育園でもあります。地域の住民はもちろんのこと、民間の幼稚園と保育所の事業者等、多方面より期待と注目を集めていると思います。一方で、職種の異なる幼稚園教諭と保育士が協働して保育に当たるという新しい試みでもあり、それぞれの立場や考えの違いもあるのではと思いますが、この違いを乗り越えた新たな保育の形をつくり上げるよう、この点におきましては両者の認識の共通化などに十分に配慮して整備に当たることを要望いたします。  次に、休日保育について伺います。  札幌市は、第3次産業で成り立っているまちと言っても過言ではないと思います。私も、小売業に長く従事し、店舗で働くスタッフが子育てをしながら仕事との両立をしている様子を見て、本当に大変な負担と思いで毎日を送っていると実感しておりました。特に、小売業は、日曜・祝日は売り上げも高く、スタッフも厚く投入し、時給も高く、働きごたえがあります。預けることができずに苦慮している様子を見て、安心して仕事をできる環境が必要と考えておりました。  休日保育は、平成14年から、子育て支援の一環として、保護者が日曜・祝日に仕事があり、既に認可保育園に通っている子どもを対象に、西区保育・子育て支援センターで実施されております。  3点、質問させていただきますが、日曜・祝日に仕事を持つ保護者はふえていると考えますが、休日保育の利用状況と推移はいかがであるか。  現在は西区保育・子育て支援センター1カ所で実施されていますが、その利用状態に関して、札幌市としてはどのように認識をしていらっしゃるのか。  そして、今回、平成19年度行政評価委員会において外部評価対象事業として事業内容の見直しや受益者負担の適正化を検討され、また、市民委員からも評価があったと伺っていますが、どのような結果だったのか、あわせて伺います。 ◎櫻井 子育て支援部長  休日保育の利用状況と推移についてお答えします。  休日保育の利用状況についてですが、まず、休日保育の利用に際しまして、希望者は事前に登録をし、必要に応じて月ごとに申し込みをすることとなっております。平成18年度の登録者数は49世帯で58名の登録があり、日曜・休日65回、開所しておりますが、延べ利用児童数は763名で、1回の利用平均は11.3名となっております。  次に、これまでの推移ですけれども、過去3年間では、平成16年度の登録者が52名で利用者数は1回平均12.5名、平成17年度の登録者は57名で利用者数は1回平均13.2名となっております。登録者数は微増でございますが、利用者数はほぼ横ばい状態と考えております。  次に、利用実態の認識についてお答えいたします。  今年度の利用者数の区別登録状況は、実施保育園の所在するのが西区でありますけれども、やはり西区が一番多くて26名、以下、中央区13名、北区8名、東区5名、白石区4名、豊平区2名というような感じで続いております。これらの状況を見ますと、利用しているのは実施保育園の近くに居住している方が多く、実施保育園から離れて居住している方は利用しづらい状況にあると考えております。しかしながら、利用者の職業の方を見ますと、百貨店などの従業員であるとか介護ヘルパー、医療従事者なども多く、休日保育の利用ニーズにつきましてはどの地区においても潜在的にあるものと推測しているところであります。  また、今年度、行政評価委員会における評価の結果についてお答えします。  ご質問のとおり、今年度、行政評価委員会において外部評価委員及び市民委員の方々に休日保育の必要性が評価対象になり、外部評価委員、市民委員ともに継続が必要な事業であるとの判断をいただいたところであります。この中で、サービス地区が限定されているなどの課題はあるけれども、子育て支援としては必要な事業である、また、事業の対象者の需要分析を行い、需要がある場合は休日保育の拡充を検討すべきであるというコメントがあり、また、市の直営にこだわらないで、民間保育所と連携した事業展開も検討すべきであるとの指摘も受けております。これらの評価を受けまして、今後、市民ニーズの再検証であるとか、民間を含めた担い手について検討してまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  子ども未来局では、札幌市次世代育成支援対策推進行動計画としてさっぽろ子ども未来プランを策定し、休日保育も推進していますが、利用実態や外部評価を経て、今後どのように取り組んでいくのか、また、公立保育園で行う場合、職員のローテーションによる人員体制では、その頻度によっては通常の保育に支障が出ることも考えられると思いますけれども、どのように行っていくのか、伺います。 ◎櫻井 子育て支援部長  休日保育事業の今後の取り組みの方向性と人員体制についてお答えいたします。  現在策定中の第2次札幌新まちづくり計画の中では、新たに2カ所を設置する計画としているところであり、地域バランスを考え、公立保育所を1カ所拡充し、その上で保育ニーズをさらに検証しながら、民間保育所を含めた事業主体の検討をしたいと考えております。また、公立保育所で休日保育を実施する際には、管理者を含めて公立保育所の保育士がローテーションを組んで計5名で業務に当たっているところであります。今後、もう1施設、公立保育所で休日保育事業を実施する場合は、通常の保育業務に大きな支障が出ることのないよう、職員のローテーションにも配慮してまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  利用者が百貨店やスーパーなどの従業員、介護ヘルパー、医療従事者など今後とも増加する業種なので、休日保育に対するニーズは減ることはないと思います。  しかし、現在の平均11.3人程度という利用実態を考えますと、地域的な偏りはあるものの、やはりPR不足があるのではと考えます。休日に働かなければならない保護者がもっと利用しやすくするために、さらに広くPRしていただくことを要望し、終わらせていただきます。 ◆佐々木みつこ 委員  私の方から、保育料と児童虐待について質問させていただきます。  これまでの委員の質疑、そしてご答弁の中でかなり重なっておりますので、重ならない部分に絞って質問させていただきます。  まず、保育料の値上げについてですけれども、国の徴収の基準額からの軽減率、37%を30.65%へと平均を目指すということでしたが、なぜ政令市の平均を目指すのかという理由について、1点お伺いいたします。  もう1点ですけれども、政令市の平均と申しますと、上と下で多少幅があると思います。例えば、名古屋市が一番でございまして40.1%の軽減、そして、先ほど特殊出生率の話もありましたが、京都1.08人のところでさえ29.5%と軽減率が低いところもあります。この軽減率は平均ですので、毎年、数字がかわっていくことと思われます。そうしますと、年度について平均を目指すという考え方でいきますと、1年ごとに見直しをするのかどうか。この辺は一般の保育料負担の保護者の方もご懸念されるところだと思いますので、まず、この2点について回答をお願いいたします。 ◎櫻井 子育て支援部長  保育料の軽減率について、なぜ政令市平均が基準なのかについてお答えします。  保育料は、全国的に統一した基準として国の徴収基準額が定められておりますが、地方自治体がそれぞれの財政的な事情であるとか政策に合わせて独自に国の徴収基準額から減額しているものであります。当市につきましても、平成19年度予算で国の徴収基準額から37.0%を軽減し、保育料額を決定しておりますが、5月29日に札幌市社会福祉審議会からの意見で利用したサービスに応じた負担をすることとあり、保育所を利用している子育て家庭と、利用しない子育て家庭とのバランスを考え、子育て支援全体の視点を持って適正な利用者負担となるよう検討しているところであります。このことを踏まえて、札幌市と同規模と言える政令市の平均を、その適正な利用者負担の一つの目安として見直しを行うこととしたものであります。  確かに、政令市平均は毎年変わるので、その都度、毎年、保育料の見直しを行うのかということがあります。ご指摘のとおり、軽減率につきましては、地方自治体がその財政事情であるとか政策によって独自に決定をしております。毎年変わりますので、今回、私どもが一つの目安としている政令市平均につきましても、毎年変わる可能性を含んでいるということになります。  しかしながら、今回の見直しにつきましては、平成19年度の政令市平均軽減率である30.65%まで21年度から3年かけて行うという計画でありまして、その後については、その時点の財政状況、政策によって検討すべきものと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  今後、変わる可能性を秘めているが、まず3年間は30.65%を目指していくということです。  今後、値上げで保育料が変わることを考えますと、最大の市民の関心事でもありますので、広報が必要かと思いますけれども、その広報体制について、今後のご予定をお聞かせください。 ◎櫻井 子育て支援部長  保育料の見直しについて、どのようにPRしていくのかというご質問に対してお答えします。  保育料の見直しは、子育て家庭の生活に大きく影響するものと考えておりまして、見直しを行う際には、保護者の収入に見合ったきめ細かい負担額の設定を行うなどの配慮をしてまいりたいと考えております。  しかしながら、平成21年度から3年かけて政令市平均まで段階的に軽減率を下げていく予定であるため、今後、見直しの額など具体的なことについては、保育所、区役所などあらゆる機会をとらえて保護者にPRすることはもちろんのこと、議会、マスコミなどを通して積極的にPRをし、ご理解をいただくよう努めてまいりたいと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  今回の値上げについてでもそうですけれども、保育料の考え方などについて市民の皆様の理解を深めていくことがこの政策の成功のかぎだと思います。今、段階的に実施することにつきましてもさまざまな機会でPRされるということでしたので、ぜひそれを実施していただきたいと思います。  同じく、保育料の関係で収納対策についてもう1点お伺いいたします。  滞納世帯のお話が先ほどのご質問、答弁でもございましたけれども、実際、1億円の滞納が毎年行われていることについて、どの層の世帯に滞納が多いのか、また、その金額についてお知らせいただければと思います。(発言する者あり)  階層の細かいところとか、収納率及び収納額について、より詳しくお伺いしたいと思います。(発言する者あり)  あと、もう1点お伺いいたしますが、保育所の運営費全体で非常にたくさんの市費をかけていると思いますけれども、その中における保育料の割合についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○村松正海 委員長  ご静粛に願います。 ◎櫻井 子育て支援部長  滞納世帯の実態ということで、滞納が多い階層はどこかということについてお答えします。  平成18年度の滞納の状況ですが、滞納世帯の割合が高いのは所得税非課税世帯、B階層、C階層と呼んでいる世帯と、所得税は課税されているけれども、その一番低いところ、所得税課税世帯のうちのD1、D2階層と呼ばれ、所得税は大体7万2,000円未満ぐらいの世帯であります。具体的に申し上げますと、給与収入で言えばおよそ200万円から300万円くらいの世帯に滞納が多く発生しております。その中でも、最も滞納世帯の割合が高いのは、所得税課税世帯で所得税が2万7,000円未満の世帯、これはD1階層と言いますが、そこにあります。当該階層における収納率は92.7%であり、収入額というお話でしたので、収入額につきましては1億5,800万円、未納額については1,200万円となっております。  それから、保育所の運営経費に占めるその保育料の割合についてお答えいたします。平成19年度の保育所運営費は、総額で約202億4,700万円となっておりますが、そのうち、保育料として保護者の方から納めていただくのは約36億4,400万円、率にしまして約18%を納めていただいているということであります。(発言する者あり)  そうですか。最後の方は聞こえなかったものですから、質問に対する答弁がちょっと違ったようで、申しわけございません。(発言する者あり) ◆佐々木みつこ 委員  現在、滞納世帯については非課税とか低所得層が多いということだったんですけれども、それでも92.7%はそういう世帯でもお支払いいただいていて、未納の方は若干7%ぐらいであるというお話を伺いしました。また、保育所の運営費につきましては、全体で202億円かけており、保育料自体は非常に少ない割合で、札幌市の方でもかなりかけているというお話もいただいたと思っております。  そこで、先ほど、たしか小倉委員の質問の中で、これから滞納者に対してどのような収納対策をされるのかということに明確で具体的なお話がなかったかなと思いますので、その辺についてお話をいただきます。  事前にお伺いしたところで言いますと、今まで、督促状をお送りするとか、園長から声かけをするとか、あとは口座振替を推進されているとお伺いしております。さらに、これからは財産の差し押さえをするというようなお話もお伺いしていましたので、この辺についてお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 ◎櫻井 子育て支援部長  差し押さえについてでございますけれども、財産差し押さえを行う対象世帯についてお答えをいたします。  現在、保育課の常勤職員7名と非常勤職員3名の計10名によって休日・夜間に電話による督促をしておりまして、支払うことが困難な保護者に対しては、支払い計画の相談に応じることや減免を行うなどにより適正な対応をしておりますが、連絡がとれない滞納者や、また納付に応じない滞納者がおります。今後、それらの滞納者に対しては、現在子どもが保育所に在籍している場合は保育所で、また、子どもが退所している場合は自宅や勤務先で直接面談の機会を設けるなど、納付についての理解を得る努力をしてまいりたいと考えております。  しかしながら、それでも納付に応じない滞納者に対しては、給与差し押さえや預金差し押さえなど、厳しい対応で臨んでいく必要があるものと考えております。 ◆佐々木みつこ 委員  保育所の運営につきましては、市税を支払う市民の立場からも、しっかりとした運営を求めるとともに、公平な収納を求めていきたいと思っております。  そのためにも、先ほどの保育料の話にもございましたけれども、収納への理解、PRの方を続けていただいて、引き続き、支払った保護者が不公平を感じることがないような形で運営していただきたいことを希望して、これについての質問を終わらせていただきます。  次に、児童虐待についてご質問させていただきます。  先ほど、桑原委員の方から、全体的なものと連携体制についてお話がありましたので、この辺は省きまして、児童虐待を受けた、また相談所に来た後の対応、ケアについてお伺いしたいと思います。  現在、こうした子どもたちの児童相談所での対応は、先ほどございましたように、平成18年で310件、そのうちの227件、73%に当たるものは在宅での指導を促され、そして、83件、27%は里親とか施設への委託となっております。在宅指導の場合は、虐待と認定された後も、子どもたちは、地域の見守りとか児童相談所の見守りを初め、警察、民生委員の方々の支援を受けながら、何とか家族の中、家庭の中で生活をし続けることができているものと考えられます。  しかしながら、一時的でも、家族から離れて新たな環境の中で施設とか里親といったところで生活することになった子どもたちを見ますと、実際に家庭的と言えるのは里親ではないかと思うのですが、里親に委託されているのは、昨年度、18年度はわずか2件にすぎません。残る81件の子どもたちは、定員が100から少なくても50名以上の施設に預けられ、集団生活という措置をとられています。私は施設の生活に問題があるとは考えておりませんが、特に虐待を受けた児童なので、できるだけ家庭的な雰囲気のもとでケアをしてあげたいと思うのですけれども、そこで、質問させていただきます。  里親への委託ですが、平成16年度は7件ございました。17年度が4件であります。そして18年度が2件と、年々少なくなっております。この里親委託に対する児童相談所の基本方針と、実態として少なくなっている理由についてお伺いしたいと思います。  次に、施設入所が81件と申し上げましたが、養護施設については市内5カ所、そのほか道内に18カ所がありまして、その両方を活用して振り分けているというお話をお伺いいたしました。札幌市内で起きた虐待ですが、市内だけではなくて市外の施設にも振り分けるその理由とその割合、施設の定員状況についてお伺いさせてください。 ◎柴田 児童相談所担当部長  まず、里親委託の基本的な考え方と、それから、里親への委託が減少していることについてでございます。  子どもの発達あるいは心のケアのために、特に乳幼児期になりますけれども、まず、家庭的な環境の中で養育できる里親の活用を図ることを基本として処遇を検討するということにしております。  しかしながら、保護者が里親の活用を拒否する場合、子どもに発達の状況や愛着上の問題がある場合、あるいは、年齢要件によりまして養育に困難を伴う場合などがございますので、里親への委託が大変難しくなっております。これらの条件が折り合わなかったこともございまして委託件数が減少につながっているということでございます。  なお、今年度は9月末までに48件の措置を行っておりますけれども、このうち里親委託は13件に上っております。  次に、市内・市外の施設への入所の振り分けとその入所割合についてでございます。  市内・市外の入所割合でございますけれども、児童養護施設に着目いたしますと市内・市外の割合は3対2になってございます。また、虐待のあった初期の段階では、保護者との接触を避けた方が適当であろうと判断される場合や、また、子どもの能力、あるいは性格、行動を総合的に勘案して、落ちついた環境の中で生活することがその子どもの成長にとって適切であると判断される場合につきましては、市外の施設の方に措置をとっているところでございます。 ◆佐々木みつこ 委員  里親に委託することが困難である事情、また、里親の方にも養子縁組などで年齢制限などを設けている方もいらっしゃると聞いておりますので、そうした状況についてはわかりました。ことしにつきまして、今、13件とふえているということについても喜ばしいことではないかと思います。  ただ、発達要件とか、虐待されたお子さんの個別の状況で受け入れられない里親につきましては、専門里親という制度が今あると思うので、そちらの制度をさらに拡充して活用していく必要もあるのではないかと思っております。現在、120組程度の里親がいらっしゃると思うのですが、専門里親さんをどんどんふやしていくというのは、私の方で考えるところでございます。  もう1点、施設の入所についてご答弁いただきましたが、3対2で市内の方が一応多いのではあるのですが、状況に応じて地方の方に出る人が2であるということでした。また、一時的な避難として施設入所ということでしたので、その後は家族再統合ということを考えられるかと思うのですが、一定期間の交流とか親子の交流が必要だということを考えますと、余り遠方ではなく、近い市内の施設の方に措置することも必要ではないかなと考えております。  先ほど、桑原委員のお話にもありましたが、通報なども多くなっておりまして、これから虐待の顕在化でどんどんケースがふえることになるかと思います。先ほどのご答弁でなかったのですけれども、施設の収容率はどのぐらいであるかについても再質問させていただきます。  また、先ほど申し上げた専門里親につきまして、今、どういった状況か、現況についてお伺いしたいと思います。  そして、家族再統合への取り組みについて、方向性など、また現状についてお伺いしたいと思います。 ◎柴田 児童相談所担当部長  まず、専門里親をふやす考え、取り組みはないかということでございますけれども、専門里親は虐待された子どもの重要な受け入れ先であるというふうに考えておりますことから、制度が創設されました平成14年度以降、毎年2名程度の養成を進めてきております。今後とも、これを継続してまいりますとともに、里親会とも連携を図りまして、里親への働きかけを行い、専門里親の養成に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  次に、家族再統合の取り組みについてでございますけれども、虐待ケースの場合につきましては、個々に施設との密接な連携を図りまして、時期や期間を考慮しながら、面会あるいは外出、外泊の段階を踏みまして家庭への復帰を進めているところでございます。また、強い育児不安を持つ親や、虐待を行ってしまったという親を対象にいたしまして、家族再統合に向けた支援を強化するために、精神科医あるいは児童心理士が中心となりましてグループでの話し合いの場を提供しているとともに、具体的な育児技術の習得を目指したプログラムを平成17年度から実施いたしておりまして、昨年度は9名の親が参加している状況でございます。  先ほど答弁漏れがあったようですが、市内の児童養護施設の定員状況についてでございます。この10月1日現在になりますが、5カ所の児童養護施設で定員が368名、入所数は359名となっておりまして、入所率としては98%という状況になってございます。 ◆佐々木みつこ 委員  専門里親充実の方向性もお伺いいたしました。定員についてもお伺いいたしました。
     もう1点、質問をさせていただきたいと思うのですが、里親施設に措置される以外の、一番初めに過半数を占めている在宅指導についてでございます。310件のうちの227件になるのですが、在宅指導につきまして、以前から、虐待と認定する前から児童相談所のかかわりがあったケースというのはどのぐらいあるのでしょうか。 ◎柴田 児童相談所担当部長  昨年度、在宅指導を行いました虐待ケースにつきまして、以前からのかかわりということでございます。  18年度以前に虐待があって、現在も継続して児童相談所の方で指導・援助しているケースも含めまして、何らかの形で以前からかかわりのあるケースの割合につきましては5割程度となっております。 ◆佐々木みつこ 委員  では、要望になりますが、虐待と判断された相談のうち、およそ半分程度は以前からかかわりを持っていたということでございました。  これまでの状況を見ますと、平成13年も300件ほどの件数があり、毎年2百何十件、300件近くの児童虐待が発生しております。1万5,000人ぐらいの毎年の出生人数から考えますとかなりの割合ではないかなと思います。平成15年に国のデータが出ておりますけれども、通報されるもの以外の潜在的なものはその倍ぐらいあって、3割ぐらいは多いというようなデータも出ております。そう考えますと、実は300件のほかに、600件、700件に上る虐待が札幌にもあるのかもしれず、これから大都市化、現代社会化の中ですごく心配する思いでございます。  そうした中で、300件というのは毎年新規なものであるのか、そして、同じケースでまたやってしまった再発のケースであるのか、そういったことも確認しながら、新まちづくり計画でもかなり数値の指標が出ていますけれども、今までが何件だったのが何件になったとか、減っていくような、そういった検証もしていただきたいと思っております。  また、施設の定員状況につきましては、先ほどのお話を伺いますと、もうほとんど定員が満杯の状況でございました。家族再統合の取り組みについてもいろいろなことをされている状況でございます。時期を見て家族再統合ということでしたが、施設の状況とか里親さんの受け入れの状況から、それが延びたりとか見切り発車的なことがないようにと心配して、そのことを要望する次第でございます。  子どもは、虐待の中で家族のもとを一時的に離れたとしても、できる限り家庭的な雰囲気で成長を促していくのが本来のものだと私は考えます。里親、そして専門里親への委託の推進、継続的な育成、そして、今、国の方針で出ておりますが、大規模な施設ではなくて小規模の地域施設の拡充などもぜひ図っていただきたいと思います。また、施設の中で申しますと、千葉県でございましたような性的身体的虐待も非常に心配ですので、その辺の管理もお願いしたいと思います。それから、ペアレンティングプログラム、そして養育環境の改善、お母さん、お父さんの孤立を防ぐネットワークなどもぜひ札幌市としてやっていきたいところでございます。  以上のようなものを要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございます。 ◆伊藤理智子 委員  私は、学童保育について質問いたします。  財政構造改革プランの中で、市の補助事業の補助金を国基準にそろえるとし、来年4月から民間学童保育への補助金基準を見直すとしています。出生率が0.98と全国でも最低になっている札幌市で、安心して子どもを産み育てられる環境を整えることが求められています。特に、学童期の子どもたちを取り巻く環境は、今の社会状況の中ではいつ事件に巻き込まれるかもしれないという不安を抱えながら子育てをしているのが現状です。働いている親にとって、放課後の子どもたちの居場所となる学童保育の存在は、とても大切になっています。少子化対策の視点からも、学童保育はますます拡充していくべき分野だと考えます。  そこで、質問の第1ですが、札幌市の制度では児童クラブと学校施設方式児童育成会、民間施設方式児童育成会の3方式で行われていましたが、子ども未来プランでは、今後は、1999年の社会福祉審議会の答申に基づき、順次、ミニ児童会館への転換を図るとしています。児童クラブと民間学童保育の2方式として、札幌市は民間学童保育を残していくという考え方だったと思いますが、このまま補助金を削減すると民間学童保育をつぶすことになってしまうのではないかと考えますが、いかがか。  また、民間学童保育の57カ所を残していくと言っていましたが、現在は53カ所と既に減っています。子ども未来プランでは、2004年度助成施設数を民間学童保育で57カ所ある施設を2009年度まで57カ所助成すると示していますが、考え方が変わったのでしょうか、伺います。  質問の第2は、民間学童保育の助成基準となっている指導員の配置基準は、児童数22人までは1人です。実際には、指導員が1人では休むこともできない、子どもがけがをしても病院に連れていけないなど、多くの悩みを抱えています。各民間学童保育では、子どもの安全を守り、一人一人の子どもとしっかりかかわっていくために、自助努力で最低複数の指導員を配置しているのが実態であり、その指導員配置に係る費用が保育料にはね返り、保護者の負担増につながっています。子どもを預かる施設に1人しか職員が配置されていないという基準について、私どもは何度も基準の見直しを求めて委員会で追及してきました。専任の指導員を最低複数から配置するべきと考えますがいかがか、伺います。  質問の第3は、働く女性がふえていることや少子化問題が要因となって、働く親を持つ子どもには家庭にかわる学童保育が生活の場という考え方が1997年改定児童福祉法の中に成文化され、国の制度として1998年からスタートしました。こうした中で、国の考え方は、留守家庭児童に対する固有の事業の必要性を認めて法制化が実現してきました。国は、71人以上の児童クラブは分割しなければ補助金を出さない、経過措置は3年としていますが、これは、一般児童と同じ扱いでよいという考え方ではなく、留守家庭児童に対する固有の事業だということが示されていると考えます。  現在、札幌市の児童クラブ登録児童数が71人以上のところが36カ所もあります。同じ地域で留守家庭児童の数が膨れ上がっているのなら、分割するときの受け皿として民間学童保育所を活用すべきではないかと思いますが、どのような対策を考えているのか、伺います。  質問の第4は、札幌市は、留守家庭児童対策として児童会館や小学校内のミニ児童会館の中に児童クラブを開設して、一般来館の子どもの放課後の指導と一緒に行っています。国も留守家庭児童に対して固有の事業の必要性を認めている中で、現在の児童クラブでは働く親を持つ子どもたちの放課後の過ごし方を十分に補えていないと考えますが、国の考え方を受けて、児童クラブについて専用室の設置や専任の指導員の配置を行い、改善していくべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎高屋敷 子ども育成部長  民間施設方式の児童育成会についてのご質問が何点かございましたけれども、お答えを申し上げます。  まず初めに、民間施設方式児童育成会に対する助成金の見直しは育成会の廃止につながってしまうのではないかというご質問でございます。今まで民間施設方式児童育成会につきましては、地域におきます留守家庭児童の居場所の一つとして多様な市民ニーズにこたえるものであり、札幌市の放課後児童健全育成事業におきまして一定の役割を果たしていただいているものと考えてございます。そういう意味で、維持していただくことを前提に助成を行っているわけでございます。  また、助成金の見直しでございますけれども、平成16年度策定の財政構造改革プランによりまして、国庫補助基準以上の補助であるとして見直し項目に挙げられているものでございますけれども、今年度の行政評価におきましても同様の見直しを指摘されているところでございます。このことから、現在、より有効な助成金制度となりますように、助成金全体について検討を進めているところでございます。  なお、申し添えますと、札幌市の放課後児童健全育成事業は、児童会館及びミニ児童会館における児童クラブを中心として実施しておりまして、現在、このうちミニ児童会館の整備に全力を注いでいるところでございます。  次に、2点目の助成金におきます指導員の複数配置をということでございますけれども、現行の助成金上の指導員配置基準は、先ほどお話がございましたが、学校施設方式の児童育成会を根拠としているものでございまして、妥当な基準というふうに考えてございます。  なお、実際に指導員をどのように配置するかは、実際に運営している各育成会の方で対応するものというふうに考えております。  次に、3点目の大規模化しております児童クラブをどのように解消していくのかということでございますけれども、お話がありましたとおり、実は、札幌市も大変留守家庭がふえておりまして、国が言っている71人以上の大規模クラブにつきましては、児童会館でございますが、8月末日現在で36カ所という状況にございます。この解消については、基本的には、ミニ児童会館及び児童クラブを開設することによりまして解消していくものと考えております。ただ、中にはミニ児童会館の整備が当面は困難な場合もございますけれども、実は、いわゆる大規模なクラブに対する国庫補助も22年度をめどに廃止ということになっておりますので、そういう地域についてはこの時期までにまた対応方法を検討してまいりたいというふうに考えております。  次に、4点目の児童会館及びミニ児童会館におきます児童クラブの施設等の充実ということでございますけれども、現在行っている児童会館及びミニ児童会館の児童クラブにつきましては、クラブ室の優先利用、それからまた、担当の指導員を中心としまして、館職員全体で連携しながら対応していく中で、留守家庭児童にとって安心で安全な居場所づくりを行ってきているところでございます。引き続き、より一層、安全・安心な居場所づくりを充実するように努めていきたいと考えているところであります。  なお、以前に行いました保護者へのアンケート調査におきましても、児童クラブに入会させてよかったかという質問に対しまして、95%を超える肯定的な回答を得ているところでございまして、今後も、今の水準を維持しつつ、より一層努めてまいりたいと考えております。  それから、答弁漏れが一つございました。  民間施設方式の児童育成会の数が子ども未来プランに掲げた数から減っているではないかというご指摘でございました。これは、プラン策定時の数をベースに掲げたものでございまして、助成金制度そのものにつきましては、当然、引き続き維持していけるよう努めてきているところでございます。 ◆伊藤理智子 委員  数が減ってきている問題について、プラン策定時に考えてきたと言っておりますけれども、減ってきている民間学童保育所は、子どもの人数が少なくなって、10人以下になって補助金をもらえなくなり、それでやむを得ず廃止しているというような状況もありまして、この間、私たちが求めている4年生以上に対象年齢を拡大していけば、この57カ所も維持できたのではないかと思うんです。高学年まで対象を拡大していくことについても、これから具体的に検討していくべきではないかと考えますけれどもいかがか、伺いたいと思います。  それから、2番目の質問で、学校施設方式を基準にして妥当な基準だというご回答がありましたけれども、実際に民間学童保育所で1人で22人の子どもたちを見ている中では、本当に子どもたちの健やかな成長、豊かな人格形成という働きかけのときに、22人の子どもたちが安心して外に遊びに行ったり、室内で活動したり、また、けがや事故が起きたときにきちんとした対処をしていく上では、やはり、1人で妥当だという考え方はこれから検討していかなければならない問題だなと思います。そこのところはこれからきちんと検討して、実際の学童保育での大変さもしっかりと受けとめた上で、改善していく方向で考えていただきたいというふうに思います。  それから、71人以上の児童クラブについてですけれども、今後、ミニ児童クラブや児童クラブを広げていくというお話がありましたが、やはり、71人以上いる地域の中では、民間学童保育所とも連携して、子どもたちをしっかりと受け入れていく体制についても検討していくことが求められているというふうに思います。  さらに、4番目の専用室の設置と指導員の配置についても、現状が妥当だというような考え方だと思うのですが、やはり、国では固有の留守家庭児童の事業が大事だという方針を出していますから、それについても充実させていくことが求められているというふうに考えておりますけれども、もう一度、ご確認したいと思います。 ◎高屋敷 子ども育成部長  まず、1点目の対象児童の学年の拡大のお話でございますが、その前に、これまで幾つかの民間施設方式の育成会が閉所したというお話がございました。その閉所につきましては、それぞれの育成会の事情によるものでございまして、その理由は一概には言えないのではないかと認識しているところでございます。  4年生以上への対象学年の拡大につきましては、確かに一定のニーズはあるものと認識しているところでございますが、現在、いわゆる空白校区の解消など優先すべき課題がございます。このことから、現時点で対象学年を拡大していくことは困難なものというふうに考えておりますが、引き続き、国の動向あるいは社会情勢などに十分注意を払ってまいりたいと考えてございます。  それから、2点目の指導員の複数配置の件でございますけれども、私どもは、実は助成金の交付上、人数については、特別に指導をしているわけではございません。ですから、先ほど申し上げたことの繰り返しになりますけれども、あくまでも妥当な助成金の中で実際に指導員をどのようにしていくかというのは運営主体が考えていくことではないかと考えております。  3点目でございますけれども、確かに、先ほど言いましたように、民間施設児童方式の育成会がその地域において一定の役割を担っていることは確かでございます。ただ、大規模クラブを解消するために活用していけないかということにつきましては、今のところの方針といたしましては、まずはミニ児童会館及び児童クラブ増設で対処していきたいと考えておりますので、具体的な連携等については特に考えているところはございません。  最後に、児童クラブにおきます専用室等の充実ということでございますが、確かに、国の指導といいますか、そういうものを尊重していかなければならないというふうに考えてございますけれども、現在、児童会館につきましては留守家庭とそれ以外の子どもを一体的に受け入れている実態がございますので、なかなかびしっと完全に100%区切って受け入れる形になっていないのは確かでございます。その辺の実情につきましては国の方にしっかりと説明して、その上で助成金もいただいているという形でございますので、もちろん国の留守家庭に対するそういうものに配慮しつつも、現行水準は維持していきたいと考えてございます。 ◆伊藤理智子 委員  働く親を持つ子どもたちが放課後に過ごせる場所の確保は、安心して子育てができる環境を整える上でとても大切なことだと考えます。札幌の学童保育は30年以上も前から子どもたちが健やかに成長することを願って保護者が協働して運営し、学童保育を支えてきました。私の2人の子どもたちも、学童保育に支えられて、親も子どもも集団の中でたくさんの仲間に育てられながら生活してきました。仲間を大切にする、人を信頼することが難しくなっている今の社会ですが、親集団や異年齢集団の中で子どもたちが経験したことは、たくさんの人とのかかわりを通して相手の気持ちを思いやり、自分の考えをしっかり表現できるなど、豊かな人格を形成していく上でも学童保育の果たす役割は本当に大きなものがあります。日本の未来を担う子どもたちが学童期を豊かに過ごせる環境を整えることは、国と自治体の責任だと考えます。  財政難で進まない施策が山積していますが、やはり、今聞いた答弁はお金がないから充実できないというふうに私には聞こえるんですね。その一点張りではなくて、国に改善を求めながら、学童保育の充実にしっかりと力を入れることを強く求めて、私の質問を終わります。 ◆佐藤典子 委員  私は、すべての子育て家庭への支援、充実を求めまして、区保育・子育て支援センターと保育所整備の2点について質問させていただきます。  委員長、1点ずつ簡潔に質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  まず、区保育・子育て支援センターちあふるについてです。  2003年の児童福祉法の改正によりまして、本市は、すべての子育て家庭への支援を目指し、04年9月に子ども未来プランを策定しました。それに先立ちまして、4月に本市子育て支援の拠点施設である資生館小学校に札幌市子育て支援総合センターが開設され、その後、区保育・子育て支援センターちあふるが豊平、西、手稲の3区に、そして今年度は東区に、そして今後は清田区につくられるということで、5館のセンターが開設されることになります。また、地域においては、地域主体の子育てサロン159カ所を初めとしまして、現在267カ所で子育てサロンが開設されており、このプランが目指した地域、区、全市の3層構造によってすべての子育て家庭への子育て支援体制が整備されつつあります。こうした中で質問させていただきたいと思っています。  現在、豊平、西、手稲の3カ所のちあふるについては、開設してから1年半がたちました。ちあふるの06年度の子育てサロンの利用実態、また、最近の動向はどうなっているのか、そして、保育所機能と子育て支援機能を一体化した施設としてどのように効果が出ているのか、その検証について伺いたいと思います。  さらに、子育て支援センターにおきましては、コーディネート機能として、育児不安を抱える子育て家庭に対して、子育て支援センターにある子育てサロンでの見守り、保健センターなど専門機関への連携、そして地域とのネットワークにより継続的に支援を実施していくという機能を持っているわけです。そのコーディネート機能はどういうふうに発揮されているのか、あわせて伺いたいと思います。  また、こうした事業をどのように受けとめられているのか、この実績についての評価もあわせて伺いたいと思います。 ◎櫻井 子育て支援部長  ちあふるの子育てサロンの利用実績についてであります。  平成18年度は、豊平が延べ8,906組、1万9,598人の利用がありまして、これは1日平均に直しますと31組、68人となります。以下、1日平均で申し上げますと、西では17組、39人、手稲は15組、34人となっております。これが平成19年度に入りますと、前年度に比較して利用実績が3割前後伸びている状況にあります。また、ことし4月に開設されたちあふる東では、1日平均20組、45人の利用があります。  なお、子育てサロンの利用者などからの育児相談の件数は、平成18年度は、豊平は490件、西は330件、手稲は263件となっております。  次に、保育所機能と子育て支援機能が一体化されているわけですけれども、その効果についてであります。  主な点を申しますと、子育てサロンを利用する親にとっては、その保育所に通う園児の生活であるとか遊びの様子に触れることは、子どもの成長・発達について見通しが持てるといった機会になります。また、保育園の園児の方にとっては、地域の大人と日常的に接することによって人間関係の広がりをもたらすことにつながります。このように、互いの機能を生かして子育てについてのさまざまな効果が生じていると考えております。  また、コーディネート機能についてでありますが、ちあふるでは、子育て家庭が抱える課題に応じて子育てサロンなどで見守りを行うほか、発達に不安を抱える子どもを保育センターなどの関係機関につなぐなど、親子の状況に応じた適切な支援を実施しております。平成18年度の支援件数は、ちあふる豊平と手稲は各28件、西はちょっと少なく6件となっておりますが、これも新年度に入って増加しているところであります。このほか、個別ケースにつきましても随時対応しているところです。  それから、実績についてどのように受けとめているかということです。  豊平など三つのちあふるは開設して1年半、東の方についてはまだ半年であります。その利用件数についても違いはありますけれども、先ほど申しましたように、最近の利用件数は順調に伸びている状況にあります。開設当初としては子育て、子育ちを支援する初期の目的は達成できたのではないかなと考えているところでありまして、今後もそれぞれの親子に合わせた適切な支援を行っていきたいと考えております。 ◆佐藤典子 委員  今、答弁を伺いまして、さまざまなコーディネート機能も果たしつつあるということでありますけれども、豊平、西、手稲での利用状況というのは、やはりかなり違っているんだなということも今伺ったところです。こうした地域の親子への支援ということで、発達に障がいを持つ子どもたちの支援がこの支援センターで今後どのように充実されていくのか、そういうような課題もあるかと思います。  そこで、再質問でありますけれども、今のようなこの1年半の検証、実態はどうかということを踏まえた上で、今後どういうことを重視して運営に当たっていくのか、その基本的な考えについて伺いたいと思います。 ◎櫻井 子育て支援部長  今後の運営に当たっての基本的な考え方という点ですが、本市の子育て支援は、ご存じのように全市、区、地域の3層構造によって子育て支援を推進しております。現在、4区で開設されていますちあふるは、関係機関との密接な連携と地域のネットワークを図りながら、育児の不安を抱える親子などに対して一層きめ細かな対応を行うなど、保育所と子育て支援機能をあわせ持った施設として運営の一層の充実を図っていく所存であります。 ◆佐藤典子 委員  3層構造ということで、子育て支援センターが果たす役割は本当に大きくなっていくと思っています。  先日、私は、資生館小学校のところにあります保育・子育て支援センターで行われた赤ちゃんってすごい事業を視察させていただきました。それは、6年生が1年かけて支援センターに来る家族と触れ合いながら、子どもの育ちをともに喜びながら、そういう触れ合いを重ねるもので、非常にいいプログラムだなと思いました。また、手稲においては、今、利用状況が少しずつ伸びていますが、まだ少ないなというのが実際の印象ですけれども、近くにあるNPOの子育て支援のグループと連携して、自分のところにない性質を持つ講演会とか催し物をお互いに補完し合うような形で、その地域の子育て支援が充実するようにしていこうという取り組みも行われていることを聞きまして、そこを見せてもらったりしました。そのように、この支援センターが果たす役割というのは、そこに住む人たちの力でもっともっと充実させていくことができるし、自分たちに必要な機能をつくり出していくことができるのだと思います。  あと、課題としましては、ない地域をどうしていくかということがあると思いますので、ぜひ、また次の計画に向けて、地域の声を受けとめながら取り組んでいただきたいと思っています。  続けて、保育所整備ですけれども、坂本委員も先ほど言われておりましたが、今回、清田保育・子育て支援センターがつくられるということであります。そして、今度は北区の新琴似乳児保育園が廃止されるということで、どこかができるとどこかがなくなるような状況の中で、私は、本当に全体的な保育所整備はどうなっていくのかというような不安な一面も持っております。そこで、先ほどの話と重複しないように質問させていただきたいと思っています。  まず、保育所整備計画の進捗状況についてであります。  上田市長は、保育所定員を4年間で1,000人ふやすと公約されています。子育てプランでは、前年度の平成21年までにここの時点から800人ということでありましたけれども、1,000人ふやすという中で、具体的な計画とその初年後に当たる2007年度、今年度の進捗状況はどういうふうになっているのか、伺いたいと思います。  そして、2点目は、区保育・子育て支援センターの整備と公立の保育所廃止が保育所の整備計画に与える影響についてであります。  この市長の公約に基づいて進めている区保育・子育て支援センター整備に当たっては、もう既に議論が出ているのですけれども、経験豊かな保育士の配置が必要ということで、公立保育所を廃止して保育士の確保に当たっています。このことによって、保育所定員は新たに区保育・子育て支援センター整備に伴ってふえることになる一方で、公立保育園廃止に伴って減少するという当たり前の現象が生まれてくるわけです。定員増に向けて保育所の整備を進めている中で、こういった区保育・子育て支援センターの整備に伴う定員の増減が一体どうなっていくのかということで、保育所整備計画全体に与える影響はないのかどうか、改めて認識を伺います。 ◎櫻井 子育て支援部長  1点目の保育所整備計画の進捗状況についてであります。  保育所整備計画は、平成18年8月、去年ですが、見直しを行いまして、平成19年度からの3年間で800人程度の定員増を行うということにしております。1年度当たりにしますと270人前後の整備となりますので、平成22年度、1年延びた4年間の間では1,000人の定員増ができるものと思っております。  なお、平成19年度は国庫を活用した新築が1件、増改築2件、また、市単独での補助になります認可保育所整備促進事業で2件、合わせて5件の整備を実施しているところでありまして、これを合わせまして270人の定員増となる予定であります。  次に、2点目の区保育・子育て支援センターの整備と保育所整備計画についてであります。  区保育・子育て支援センターの設置については、もちろん保育所整備計画上の定員増になりまして、公立保育所の配置は計画上では定員減となるわけであります。この1,000人の計画というのは、そういった増減を含めた実質的な定員増を保育所整備計画として掲げておりますので、減った分、ふえた分とありますけれども、これを両方含めて計画が達成できるように保育所新築、増改築、また分園などの整備手法を用いて目標を達成していきたいと考えております。 ◆佐藤典子 委員  今年度に当たりましては、国庫補助で新築1カ所、増改築が2カ所、そして市単独のものが2カ所で、270名の増を目指しているということであります。また、2010年度までには毎年270人増を目指し、計1,000人の増で、それは正味の実質人数であることを伺いましたので、ぜひ、そういった増に向けて丁寧に進めていただきたいと思っております。  今、答弁していただきましたように、札幌市全体で入所定員が減少することがないことがまず本当に重要でありますし、今、保育料のことなども話が出ておりましたが、働きながら子どもを育てるのは本当に大変なことだと思っています。子育て支援がすべての家庭へということも、本当にそのとおりでありまして、保育・子育て支援センターや、それからまた改めまして保育所の整備ということは、本当に両輪のようにしっかり進めていただきたいと思っています。  この際、廃止される地域の入所定員減は絶対招いてはいけないと私も思っておりますけれども、そこで、当該廃止地域の入所定員減を招かないような、そういう保育所整備について、今、ないということで受けとめてよろしいですね。  そういうことで、もう質問がいろいろ出ておりますので、ぜひその点を進めていただきたいと思います。今、札幌市全体、また各地域ということで、バランスがとれた中で保育所の待機児童をなくしていくような整備に向けては、本当に長い見通しを持って、そして、先ほど来出ておりましたが、丁寧な保護者への説明なども含めまして取り組んでいただきたいと思います。  また、区保育・子育て支援センターにつきましては、先ほど申し上げたとおりで、5カ所はそういうところを拠点に子育て支援センターの中核となるということであります。今後、そういうところがない地域は、区の子育て支援課が中心になってそういう機能を持っていくと伺っておりますので、多様な子育てのニーズにしっかりこたえていただき、すべての子育て家庭への支援が充実することを求めまして、きょうは質問を終わります。 ◆長谷川衛 委員  大分時間も迫っておりますし、今回、私も放課後の子どもの居場所づくりについていくつか考えておりましたけれども、ミニ児童会館1本に絞って質問させていただきます。  先ほど、高屋敷部長の方から、学童保育にかかわって、当面、ミニ児童会館の整備に全力を尽くしたいという答弁がありました。これは、省略をいたしますが、今、第2次新まちづくり計画においても具体的な計画が示されております。今回の代表質問の補充質問において、我が会派の小川議員からの質問に対して、ミニ児童会館の整備方針として、まずは児童会館や民間施設方式児童育成会のない空白校区を解消していきたいという答弁がありました。  そこで、1点目の質問でありますが、今回の第2次新まちづくり計画の推進によって、計画終了時には空白校区は本当になくなるのでしょうか。もし、なくならないとしたら、どのような状況になるのかということを、まず1点、お聞きしたいと思います。  2点目ですが、ミニ児童会館の運営についてです。  今、2教室分という広さで運営されているようでございますけれども、子どもたちの居場所ということを考えますと、2教室ではなかなか厳しいものがあります。やはり、体育館、グラウンド、こういうところも使って伸び伸びと過ごしていくことが私は非常に大事なのではないかと思っております。  しかし、親たちの声を聞いてみますと、ちょっと差があるのではないかと。グラウンド使用や体育館使用については何かさまざまな声を聞くものですから、そこで、2点目としては、現在44のミニ児童会館における体育館及びグラウンドの利用状況はどうなっているのか、まず2点、お聞きします。 ◎高屋敷 子ども育成部長  ミニ児童会館についてのご質問でございます。  まず、1点目の第2次新まちづくり計画終了時の空白校区の状況はどうなのかということでございますけれども、現在、児童会館や民間施設方式児童育成会のない小学校区、いわゆる空白校区というのは29校区ございます。このうち、児童会館が近くになく、また児童数が多いなど、整備優先度が高いと思われる11校区のすべてを当該計画期間内に整備してまいりたいと考えております。これによりまして、計画終了時の空白校区数としては実は18校区が見込まれるわけでございますが、その内訳としましては、児童数が少ない小規模な校区が12校区、それから、校区が異なるにしても小学校の近くに児童会館があるところが6校区でございます。  次に、2点目のミニ児童会館におきます体育館やグラウンドの利用状況がどうかということでございます。  現状におきましては、利用時間帯や利用回数に若干の違いはありますけれども、ほぼすべてのミニ児童会館におきまして利用できている状況にございます。ただ、中には、実は地域のスポーツ少年団などが利用して、これと重複するということで、結果として利用が限られているところも確かにございます。 ◆長谷川衛 委員  まず、1点目の部分について、第2次新まちづくり計画における空白区の状況についてはよくわかりました。  確かに、空白校区と言っても、児童数が極端に少ないとか、児童会館がある場合など、優先順位としては低くなることは理解できます。一方で、優先度の低いと言われる校区を除くすべての空白校区の整備を進める計画であるということがわかりましたので、早急に実施に向けて努力してもらいたいと考えております。  この部分について、もう一つ続けての質問でありますが、空白校区なので整備したいと思っても、余裕教室がなくてできないところも多いというような話も伺っておりました。今回の第1定の予算特別委員会で我が会派の峯廻議員が質問しておりますが、その時点で、小学校の増築やプレハブ建設などの新たな整備手法の提案もしているのです。  そこで、計画において余裕教室のない小学校への整備はどのようになるのか、仮に新たな手法を用いるとすれば、それはどんな手法となるのか、ひとつお聞かせ願いたいなと思います。  それから、先ほどの運営のことで体育館、グラウンドの部分です。確かに、学校によっては少年団活動などに大変熱心な学校もありますから、なかなか空きがないという状況は理解します。しかし、少年団もお借りしている格好となっていますから、やはり現場と子ども未来局が一緒になって、運営受託団体と学校の調整ばかりではなく、直接、実際に使っている団体とも積極的に調整に入っていただきたいなと思います。  そこで、この部分についてもう一つお尋ねしたいのは、今後、その利用にかかわってどのような点を改善していけばいいのか、再度、この点もお願いいたします。 ◎高屋敷 子ども育成部長  まず、1点目の余裕教室のない小学校へのミニ児童会の整備をどうするかということでございますけれども、これまでは余裕スペースの活用という整備手法でございましたが、この転換が必要となりますことから、以前からご提言をいただいておりました校舎の増築、あるいは校地内での別棟の建設、こういう新たな手法による整備を行ってまいりたいというふうに考えております。  なお、どのような手法を選択するかにつきましては、それぞれの小学校の状況を検証した上で具体的に決めてまいりたいというふうに考えております。  それから、2点目のミニ児童会館の運営の部分ということで、いわゆる体育館やグラウンドの利用についてでございます。  確かに、体育館やグラウンドを利用できますと思いっきり伸び伸びと過ごせる場所となりますので、子どもたちにとっても非常に重要なことと考えております。したがいまして、できる限り利用できるようにしていく必要があると考えております。  そこで、委員ご指摘のとおり、私どもも、ミニ児童会館の受託団体であります財団法人札幌市青少年女性活動協会とともに、学校、さらには今利用している利用団体とも調整を図りながら、地域のすべての子どもたちにとってより効率的な学校施設の利用が進みますように積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆長谷川衛 委員  今、二つ回答ありましたが、二つ目の児童会館の運営の部分ですけれども、これは質問というよりも要望になります。  非常に前向きな回答をしていただきまして、ありがとうございます。  ただ、先ほどの伊藤(理)委員の質問の内容ともちょっとかかわりますが、留守家庭の子どもたちを中心にというのは、もちろんそれは大事なことではあります。しかし、学校という場所を使ってグラウンドや体育館ということになると、近所の子どもたちも一緒になって遊ぶこともかなり大事なことなんですよ。特に、今の子どもたちは、室内に閉じこもって遊ぶ場所がない、外で遊ぶにもどこで遊んだらいいんだろうという状況の中で、やっぱり広いところで遊ばせてあげたい。そういう点では、さらに努力を重ねて、よろしくお願いしたいと思います。  1点目の方は、先ほどの別棟の建築ですが、そういう形での整備手法も考えていきたいという回答がありました。なかなか整備が実現しなかった小学校に子どもたちの安心・安全な居場所の確保が早期につくられるのは大変大事なことだと思いますし、これも見守っていきたいと考えております。
     最後の質問になりますけれども、必要性の高い小学校への整備に取り組んでいくことを明言されていますけれども、必要性の高い小学校区とはどのようなところを指すのか、また、整備に当たってどのような方針で進めようとされているのか、最後に1点、お聞きいたします。 ◎高屋敷 子ども育成部長  恐らく、いわゆる空白校区以外の部分で必要性の高い校区にどのように整備していくのかというご質問かと思いますので、そういう前提で回答させていただきたいと思います。  まず、今までは、校区内に民間施設方式の児童育成会があれば空白校区とはしておりませんけれども、このような校区にあっても、児童会館が遠くて利用しづらい、さらに児童数も多いといった状況にあり、ミニ児童会館整備の地域的な要望も強いようなところを必要性が高い小学校区と考えているところでございます。  このような校区における整備方針でございますけれども、まず余裕教室の状況を見ながら、その上で児童数あるいは地域要望などを総合的に勘案しまして、必要性がより高いと思われる小学校区から、順次、整備を進めてまいりたいと考えております。 ◆長谷川衛 委員  最後に、要望であります。  今、非常に前向きな回答をいただきました。確かに、先ほど来の民間の学童保育の問題を含めて難しい問題があると思いますが、やはり、今、回答をいただきましたように、私は、ミニ児童会館という公的な整備に早急に努力していただきたい、そして、空白校区を幾らかでもなくしていくと。保護者も子どもも待っておりますので、優先度の高い順番から早急な取り組みをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。 ◆近藤和雄 委員  私から、二つの質問をさせていただきます。  一つは、青少年キャンプ場についての質問、もう一つは、来年の4月1日に改正法が施行される児童虐待防止法の改正についての質問でございます。  まず、青少年キャンプ場についての質問でございます。  この件につきましては、我が党の細川正人議員が10月2日に代表質問いたしましたが、残念ながらいい答弁がなかったということで、人をかえて質問させていただきたいと思います。  平成19年度の札幌市行政評価において、民間有識者による外部評価で、3カ所の青少年キャンプ場が不必要という判断が下されました。この3カ所の青少年キャンプ場というのは西岡、小野幌、手稲でございます。札幌市は、この評価を参考にしながらも、この事業の必要性を認め、行財政改革プランには盛り込まないということで、現時点では見直しの判断はできないが、予算編成時に見直しを検討、または中長期的な課題として位置づけるというところでとどまっております。  確かに、この厳しい財政状況であるわけですから、行政施策である以上最少の経費で最大の効果、費用対効果と言うのですか、この辺が十分わかりますから、事業のあり方を見直さなければならないのは当然であります。しかし、不必要と判断されたからといって、ひるんだり後ずさりしてはいけません。  私の地元の西岡のキャンプ場について質問させていただきたいわけです。  青少年キャンプ場は、子ども会が子ども会活動の一環として運営しているわけであります。なぜ必要かということをかいつまんでまとめてみました。6点あります。1番目は、グループ活動を中心とした人間形成、その中から人を大切にする心、人を思いやる心、学び、はぐくむ、そして一生懸命遊ぶ、生きる場であるということです。2番目は、礼儀作法、人間としてのマナー習得の場、3番目は、地域での人と人との触れ合いを大切にする、4番目は、身近な場所での自然体験、野外体験を通して子どもたちが生きる力を学べるということです。それから、5番目は、利用する場合、安くて安心である。これは、保護者にとっても大変ありがたいということであります。6番目は、学校の授業では得られないさまざまな体験ができるということであります。このようにすぐれものであります。  西岡キャンプ場は、近隣にオートキャンプ場などが整備されたからといって、右から左へ簡単に代替されるようなものではないと確信している次第です。したがって、将来を担う子どもの健全育成という観点から行政が積極的にかかわっていく必要があると思うのでありまして、さらに、西岡その他のキャンプ場を存続させることは私たち大人の責任でもあると考えております。  そこで、質問いたします。  子ども未来局として、外部評価で不必要と判断されたことについて、どのように考えているのか、所管局としての見解をお聞かせいただきたいと思います。  それから、二つ目ですが、現時点では見直しの判断ができないが、予算編成時に見直しを検討、または中長期的な課題ということでありますけれども、今後、この事業をどのようにしていくおつもりなのか、お伺いいたします。 ◎高屋敷 子ども育成部長  青少年キャンプ場についてのご質問でございます。  まず、青少年キャンプ場に対する外部評価委員会の評価についてでございますが、施設が老朽化した現状と利用者数の減少、また、近隣に多くのキャンプ施設が整備されている状況から、事業に対する効率性の観点を中心に評価された結果、必要ないとされたものであります。子ども未来局といたしましては、効率的な事業運営に関するこの指摘につきましては、真摯に受けとめなければならないというふうに考えております。  次に、今後の青少年キャンプ場事業に対する考え方でございます。  キャンプ体験などを通して得られる直接的な自然体験、野外体験、あるいは、さまざまな人との交流の機会といったものは、子どもたちの成長にとって非常に意義深いものがあると考えているところでございます。したがいまして、こういった体験や交流の機会が確保されるよう努めなければならないと考えておりまして、この点において青少年キャンプ場事業を通した活動は必要性が高いものと考えております。  しかしながら、現在の青少年キャンプ場は、施設の老朽化、あるいは、キャンプ場周辺の都市化の進展などの課題もありますので、運営を担っている子ども会あるいは利用団体などの意見を聞きながら、事業効果の視点も加え、今後の事業のあり方を検討していきたいと考えているところでございます。 ◆近藤和雄 委員  この件について、要望でございます。  このような青少年の野外体験の場が失われることはないようにしていただきたいなと。そして、子どもたちの自然体験、野外体験の機会がもっともっと得られるように、子ども未来局としての積極的な関与というか、取り組みを期待している次第です。  続きまして、児童虐待防止法の改正について何点かお伺いいたします。  児童虐待防止法は、平成12年5月に議員立法により制定され、前回、平成16年の改正の中で、児童相談所が立入調査を行う場合について、必要に応じて警察署長に援助を要請し、署長は速やかに措置を講じなければならないとされておりました。この法改正の際、警察の立ち入り権の導入も検討されましたが、令状なしに警察官が立ち入ることについてはさまざまな議論を経て見送られたという経緯があります。したがって、我が国では、住居不可侵を定める憲法第35条の規定の関係もありまして、現行法では、警察官職務執行法が適用されるような緊急のケースを除き、強制的に開錠して立ち入ることができないという状況になっております。  その後も児童虐待事件が報道されまして、大変な時代なのですけれども、後を絶ちません。警察庁のまとめでは、昨年、児童虐待によって保護者が329人検挙されております。平成11年度以降の最多を記録しており、そして、59人の子どもが虐待によって亡くなっております。まさに、1週間に1人の子どもが児童虐待によって犠牲になっているという極めて深刻な状況になっているわけであります。また、厚生労働省によりますと、平成17年度に全国の児童相談所において立入調査が必要と判断した207件のうち、20件、約1割で保護者の拒否や抵抗に遭って立ち入りを断念した経緯がございます。このようなことから、現行の児童虐待防止法のままでは、子どもたちの安全を確認する上で立入調査の権限が不十分であり、さらには、最悪の事態を招くおそれが大きいために、児童相談所の権限強化と機能強化が最大の課題になっているわけであります。  そこで、質問いたします。  前回の16年度の改正児童虐待防止法の附則において、施行後3年をめどに子どもの安全確認や確保、親権の喪失などについて見直しを図るとされております。今回の改正児童虐待防止法における主な改正点と、一番肝心な立入調査に係る児童相談所の権限がどのように強化をされたのか、お伺いいたします。 ◎柴田 児童相談所担当部長  児童虐待防止法の主な改正点と立入調査に係ります権限強化につきましてお答えをさせていただきます。  まず、改正点といたしまして、大きく3点にわたっております。一つ目は児童の安全確認のための立入調査の強化、二つ目が保護者に対する面会、通信の権限強化、三つ目が保護者に対する指導に従わない場合の措置の明確化でございます。中でも、立入調査につきまして、お話しのように、現行法では強制的に立ち入る権限がございませんでしたけれども、今回の法改正によりまして、立入調査や、2回にわたる児童相談所への出頭要請を拒んだ場合、これは裁判所に許可状の請求を行い、その許可状に基づいて警察の協力のもととなりますけれども、必要があれば錠を外して強制的に立ち入ることや子どもの捜索が可能になる、こういった権限強化が図られることになっております。 ◆近藤和雄 委員  再質問いたします。  今回の児童虐待防止法の改正に伴い、児童相談所の立入調査の権限が強化されたことは、確実に子どもたちの安全を確認する上で大きな前進であると考えるわけです。  しかしながら、一方では、この改正の中では、2回の児童相談所への出頭要請拒否や、裁判所への令状請求といったように、何段階も煩雑な手続を経て初めて錠を外して立入調査できるということであります。例えば、緊急性のある実際の立入調査の現場では、そのような手続を踏んでいる時間などは到底なく、緊急を要する場合がありまして、法制化されたことでかえって現場として困ることがあるのではないかと懸念しているところであります。その権限が強化されたといっても、かえって実効性が上がらなければ意味がありません。  そこで、お尋ねですが、来年4月施行に向けて、児童相談所としてこうした懸念を踏まえ、これからどう準備を進めようとしているのか、お伺いいたします。  もう一つ、重要なことでございますけれども、権限強化に伴って児童相談所の体制整備も避けて通れません。特に、職員体制の充実が絶対に必要になってくると思います。  質問ですけれども、国における児童福祉司の配置基準と照らして札幌市の配置状況が現在どうなっているのか、この2点について質問いたします。 ◎柴田 児童相談所担当部長  まず、改正法施行に向けての準備についてでございますが、来月にはガイドラインが示されることになっております。お話しのありました緊急時の対応のことも踏まえながら、一連の手順、あるいは、許可状の発行要件などにつきまして裁判所や警察などの関係機関と協議を行い、法施行前までには迅速かつ適切な事務処理を行えるよう準備を進めていきたいと考えております。  次に、児童福祉司の配置状況についてでございますが、今年度の地方交付税に基づく児童福祉司の配置基準によりますと、札幌市の場合は31人となっております。現在、児童福祉司は28人配置しておりますので、国の基準との乖離が3人という状況でございます。 ◆近藤和雄 委員  もう一度、質問させていただきます。  児童福祉司の配置状況についてでありますけれども、今のお答えですと、ことし4月の地方交付税に基づいて児童福祉司の配置基準というのは札幌市の場合31人が必要であるということです。現在、札幌市は31人いないといけないのに、児童福祉司を28人しか配置しておりません。国の基準との乖離は3人ということで、この辺については、私は問題が大変大きいと判断いたします。発言したいような雰囲気の担当の小澤副市長からお答えをお願いいたします。 ◎小澤 副市長  努力をさせていただきたいと思います。 ◆近藤和雄 委員  要望で終わります。  二つありまして、1点目は、改正に伴う立ち入り捜索への準備についてであります。  児童虐待の対応につきましては、タイミングを失しない形で、適切に、誠実に対応していくことが基本であると考えます。今回の改正により、来年4月に法的な整備が進むことは前進でありますけれども、それがために児童の安全確保がおくれたり痛ましい事件に発展することは絶対に避けなければなりません。そのためにも、来年4月の施行前に関係機関との入念な協議を十分実施していただきまして、迅速に事務処理が行われるよう万全を期してもらうことを要望いたします。  2点目は、児童相談所の権限強化に伴う体制整備であります。  今回の改正により、児童相談所の権限が強化されたということは、これを支える職員体制が盤石でなければ権限の発動も難しくなると考えております。大変ご苦労なお仕事を担当されておりまして、敬意を表しますが、以上のことから、児童相談所の機能強化を図ることが極めて重要であり、少なくとも厚生労働省の配置基準に見合った体制、31人の職員体制の整備に努めていただくことを強く要望して、終わります。 ◆三宅由美 委員  最後になりました。きょう、子どもに対する皆さんのさまざまな意見を聞きながら、皆さん、本当に一生懸命に子どものことについて考えているなということで、感動いたしました。  最後に、こうしたそれぞれの課題、さらには総合的な理念の条例であります子どもの権利条例についてのみ質問させていただきます。  子どもの権利条例については、去る8月27日、新たに検討会議が設置され、これまで3回の会議が行われています。私も2回目の検討会議を傍聴させていただきましたけれども、各界の専門家の方々、公募の市民の皆さんが、本当に率直に、そして闊達な議論を繰り広げられておりました。この検討会議の場で深みのある議論がもっと繰り広げられ、すばらしい提案がなされるものと期待したところでございます。  また、私ども会派の何人かで、条例施行後丸6年になる川崎市、そして丸3年になる多治見市を調査してまいりましたので、このことの報告も兼ねながら質問を続けていきたいと思います。  さて、第2回の検討会議の場で、札幌市が条例制定などの参考とするために行った札幌市子どもの安心と救済に関する実態・意識調査の速報値が公表されました。それによりますと、自分のことが好きかという自己肯定感を尋ねた問いに対し、「そう思う」と答えた子どもが14.3%、「まあそう思う」と答えた子どもが38.3%、合わせて52.6%と決して高くはない数字でございました。同じ政令市の川崎市が平成17年に行った調査によりますと、「好き」「まあ好き」を合わせて73.9%と高い数値を示しています。また、多治見市の担当者も、どこが変わったかといえば、子どもが自信をつけた、そして自己肯定感が上がったことだとおっしゃっておられました。条例の直接的な効果かどうかはともかくといたしまして、子どもの成長にかかわる施策を市全体で取り組んでいることがよい影響を及ぼしているのではないかと、私はこのとき感じたところでございます。  また、子どもの権利とか、そういうことについてまだ認知度が少ないとか、認識が薄いとか、だからまだこういう条例は無理だというのではなく、条例制定後の努力は両市ともすばらしいものがございました。川崎市では、市立中学校の校長会の中に人権教育推進委員会がつくられており、年に6号の便りが発行されておりました。私は、この便りを一つずつ全部読みましてびっくりしたことがございます。それは、さまざまな事例報告、それから、どこの学校でどういう人権教育が進んでいるかということが事細かく報告されております。校長先生みずからが問題児と言われる生徒に対して温かなまなざしで接し、対等な立場で会話を交わし、子どもが心を開くのをじっと粘り強く待ちながら、会話が成立するまで子どもに接しているということに感心したところでございます。また、PTAの中でも人権研修会が開かれております。ですから、このような試行錯誤をしながら、どういう子どもに育てたいかと、やっぱり、そういうようなことを条例制定後にしっかり続けていくことが大切だと思います。  この条例は、子ども同士の関係だけではなく、大人と大人の関係、また、大人と子どもの関係も変えていくものだと私は思っております。私は、この自己肯定感、やはりこれが大人になる成長の過程では一番大事だと思っております。自分が必要とされている、あるいは、ほかの人と共感する力、いろいろな発言に対して共感する力ですね。この人はこんな考えを持っているのか、ここのところは本当に共感できるとか、そういう態度が子どものうちから形成されていくことが大事だと思います。自信を持つ、そして共感する力は、大人になってからも本当に大切で、やはり、うつ病対策でも、子どものうちからこのような自信と共感する力が本当に必要だと感じたところでございます。  これから、この条例の制定に向けましても、自己肯定感あるいは共感する力を子どもたちがどうはぐくんでいくのかといった取り組みについても進めていくべきと考えておりますがいかがか、お伺いいたします。 ◎高屋敷 子ども育成部長  子どもの権利条例の必要性、さらには、子どもの権利を尊重する取り組みの推進についてのお尋ねでございます。  一般に、自己肯定感が高い子どもは、いじめなどの人権侵害からの立ち直りが早い、あるいは、学習など物事への取り組みの意欲が高いなどと言われておりまして、この自己肯定感を高めるためには、委員がご指摘のように、他の人の役に立つ経験、あるいは社会に参加したりする経験の積み重ねが大切であるというふうに考えております。  現在、札幌市では、児童会館におきまして子ども運営委員会を設置したり、あるいは子ども議会を開催して、子どもがみずから考え、主体的に参加する取り組みなどを進めておりますけれども、今後とも積極的にこれらの取り組みを推進していく必要があるというふうに認識しております。さらに、こうしたことを札幌市全体に広げていくためには、すべての市民が子どもは権利の主体であるという共通認識に立つことが必要でございますので、条例を制定し、子どもが自分らしく健やかに成長・発達するための環境づくりをより一層進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆三宅由美 委員  子どもの権利条例の制定をきっかけに、より一層、札幌市全体で、子どもが自信を持って生き生きと成長できるよう支援する取り組みを進めていただきたいと思います。  次に、救済制度について伺います。  さて、子どもの権利条例については、市長がかねてより発言されておりますように、前回の条例案を基本とし、さらによりよい条例にするために検討を行っておりますが、課題の一つがどのような救済制度を設けるのかということだと思います。検討に当たっては、単に権限を背景にした機能、この機能も大切ですけれども、川崎市の例を見ましても、権限を背景にした勧告などといった解決はあくまでも最終手段であって、子どもの立場に立って現実的な解決を生むには、やはり相談機能や調整機能といったものが重視されなければならないと私は考えております。つまり、相談も含めた一体の取り組みとして、オンブズマンとその相談窓口、そういったものの検討を行う必要があると思います。  昨今、いじめなどの権利侵害が問題になっており、これに対処するために、スクールカウンセラーが充実されるなど学校における相談体制も充実されております。しかしながら、親や友達、先生やスクールカウンセラーなど、だれにも相談できずにひとりで悩み苦しんでいる子どもたちも多くおります。さまざまな理由で不登校となっている子どもも多いのが現状でございます。こういう子どもたちは、やっぱり学校の相談窓口は使えないと思います。  先ほどの5,000人の子どもを対象にしたアンケートですけれども、相談窓口に対して望むものについて尋ねた結果では、どんな話でも聞いて真剣に受けとめてくれること、解決方法を教えてくれることについて、「望む」「やや望む」を合わせてそれぞれ94%、82%の子どもがそう思うと答えていることからも、救済制度にはそういう子どもたちの支えになることが求められているのであり、学校という場ではなく、家庭、地域にいても相談できる身近な相談機能が必要だと思います。例えば、これまで余り十分ではなかったのですが、出張相談を積極的に取り入れるとか、相談窓口というのはややもすると子どもの相談より母親とか保護者の相談の方が多くなるのですけれども、子どもが気軽に相談できる相談窓口のネーミングなども工夫する必要があると思います。  救済制度を検討するに当たっては、検討会議の議論はあるにせよ、札幌市として、より一層、子どもにとって利用しやすいものを考えていかなければならないと思いますが、このことについての認識をお伺いいたします。 ◎高屋敷 子ども育成部長  救済制度に関するご質問でございますけれども、委員がご指摘のように、子どもが利用しやすい制度とするためにはどのようなことが求められているかといったことも、当然、検討していかなければならないと考えております。  子どもの権利条例検討会議では、去る10月14日に有識者を招いての学習会が行われまして、救済制度の必要性等につきまして共通認識を持っていただいたところでございます。その議論の中では、例えば子どもの権利侵害の特徴といたしまして、権利侵害を受けたことを十分認識しにくい、あるいは、被害が表面化しにくいなどの指摘がなされまして、子どもの立場に立った制度としていく必要があることを確認されたところでございます。今後、この検討会議では、相談機能あるいは調整機能を含め、救済制度に求められる機能や権限などの検討を行っていただきますけれども、その際には、子どもの意見を聞く機会を設けるなどの工夫もしていただくことになっております。札幌市としましても、検討会議の議論を踏まえ、子どもにとって身近で利用しやすい制度となりますように具体的な検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆三宅由美 委員  最後に、二つだけ要望がございます。  今の子どもたちの現状を考えたとき、やはり、条例をきっかけに、子どもが健やかに育つ環境というものを市民みんなが考えていかなければならないと思います。今、いじめ自殺、あるいは暴力によって子どもが命を落とす、そんな記事が新聞紙上に頻繁に出ております。私のところにも、子どもの権利という理念、人権という理念、このことを大人がしっかりと見ながら、何とか子どもの環境を変えていこう、社会の環境を子ども中心に変えていこう、だから、今までにはなかったこの権利条例をぜひ早くつくってくれというような声がたくさん寄せられております。  また、私は、女性として、出会い系サイトを利用している中学生や高校生の女の子が多いということで、やはり、これは解決しなければならない大変大きな課題だと思っております。自分の体を重要に思う、自分の体も心も大切にするということが何よりも大事だと思います。私は、これが権利や人権にもつながってくると考えております。また、こういう出会い系サイトで垣根が低くなった子どもたちは、また大人になってもネット売春というようなところに走りやすいという現状がございます。今の新聞記事を見て胸を痛めない大人は本当に多いと思います。また、大人なんてこんなもんだというふうに思っている子どもたちもたくさんいると思いますが、今こそ信頼関係を築いていかなければならないと思っております。条例の早期制定を切に求めたいと思います。  次に、2番目の要望ですが、川崎市では、子どもの権利条例と合わせて、子ども夢パークという子どもの冒険遊び場的なものをつくりました。そこでは、けがと弁当は自分持ちということで、木から飛びおりても、穴を掘っても、何をしてもいいという公園です。そして、そこは子どもの自主的な活動の拠点ともなっております。また、不登校の子どもたちが通える施設もこの子ども夢パークの中にございます。  札幌市においても、条例制定のめどがついた時点で、プレーパークあるいは子どもミュージアムなどのシンボル的な施設をつくっていくことも考えてみていただきたいと思います。特に、数週間前の道新に、札幌の子どもは、外遊びが少ない、そして気分障がいのある子が多いという結果が出ておりました。遊びは心身を活性化するものですけれども、遊び意欲の低下、あるいは、遊びが足りないのではないかと私は思っております。ぜひ、遊びを活性化する公園づくり、あるいは、科学館的なものでもいいですが、子どもミュージアムを計画に上らせていただきたいと思います。  以上、二つの要望をお伝えしまして、私の質問を終了させていただきます。 ○村松正海 委員長  以上で、第2項 児童福祉費等の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了します。  次回の委員会ですが、10月19日午前10時から、環境局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後9時10分...