委 員 原 口 伸 一 委 員 福 士 勝
委 員 恩 村 一 郎 委 員 小 林 郁 子
委 員 坂 ひろみ 委 員 松 浦 忠
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開 議 午後1時
○馬場泰年 委員長 ただいまから、第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、特にございません。
それでは、議事に入ります。
初めに、第2款 総務費 第1項 総務管理費中
総務局関係分及び議案第38号
包括外部監査契約締結の件について、一括して質疑を行います。
◆恩村一郎 委員 きょうは、質問者が全部で20名ほどいらっしゃいますので、できるだけ簡潔に伺いたいと思います。
最初に、
姉妹都市交流の件と東京事務所の
首都圏シティPR、大きくこの二つについてお伺いしたいと思います。
今年度は、
ポートランド市との
姉妹都市提携45周年ということで、昨年6月に、札幌市から訪問団が
ポートランド市を訪問して、また、ことしの2月には、さっぽろ雪まつりの際に、
ポートランド市から訪問団がいらっしゃいました。来年度は、瀋陽市と
友好都市提携25周年、
ノボシビルスク市と
姉妹都市提携15周年に関する記念事業が、それぞれ開催されると伺っております。
ただ、残念ですが、姉妹都市に対する市民の認知度というのは、正直言いまして、いま一つといったような感じがしてしようがありません。
姉妹都市提携時には、その雰囲気というのは大変盛り上がるのですけれども、その後の交流状況といったものは、なかなか見えにくい状況になっているのかなと思います。
周年事業だけではなくて、周年事業以外の日常的な交流の中でも、認知度を高める取り組みといったものが常に求められているというふうに考えるのですが、まず1点として、
姉妹都市交流の現状について、特に周年事業以外の日常的な交流が、どのように行われているのか。常に言われることかと思いますが、この点について、お伺いしたいと思います。
同時に、
姉妹都市提携することで、札幌市にとりましてどういったメリットがあると認識されているのか、この点についてもお伺いしたいと思います。
◎中田 国際部長 まず、
姉妹都市交流の現状につきましてお答えさせていただきます。
札幌市には、現在、四つの
姉妹友好都市がございますけれども、例えば
ポートランド市とは
ボランティア交流、ミュンヘン市とは
環境教育交流、瀋陽市とは
青少年教育交流、また
ノボシビルスク市とは
学術文化交流といったように、それぞれの都市の特徴を生かしながら、行政、民間レベルでの交流を進めてまいったところでございます。
内容といたしましては、行政が主体になって取り組んでおります周年事業のほかに、
札幌姉妹都市協会などの市民レベルの
国際交流団体によります日常的な交流も行われているところであります。具体的には、
札幌姉妹都市協会では、姉妹都市からの訪問団の受け入れ、派遣、あるいは、広く市民に各
姉妹友好都市を紹介いたします
姉妹都市フェスティバルなどを行っているところでございます。
次に、
姉妹都市交流の札幌市にとってのメリットということでございますけれども、姉妹都市との交流は、市民の異文化理解を深めるきっかけとなるものでありますし、文化・芸術、スポーツあるいは経済、教育など、幅広い分野における草の根の交流が活発化することを通しまして、市民同士の相互理解が図られていること、また、例えばミュンヘン・クリスマス市の開催など、経済の活性化といった街づくりに生かされていることなど、交流の成果が上がっているものと考えているところでございます。
◆恩村一郎 委員 ただいまのご答弁で、確かにミュンヘン・クリスマス市といったものは、経済的な部分でもいい影響を与えているのかなと思うのですけれども、周年事業以外でもいろいろやっていらっしゃるということで、正直言いまして、私の認識が足りないのかと思うのですが、実際問題、やはりいま一つ、そういった成果というものが見えにくいような気がしてしようがないのですね。もっと姉妹都市を認知するための工夫が行われてもいいのではないのかなと思います。姉妹都市に携わる市民のすそ野を広げていくことが、集客交流の推進につながっていくのではないのかなというふうに思うところです。
そこで、こういった視点から、札幌市としては、今後の
姉妹都市交流にどのように取り組もうと考えていらっしゃるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
◎中田 国際部長 今後の
姉妹都市交流の取り組みについてのご質問でございますけれども、委員ご指摘のように、
姉妹都市交流に携わる市民のすそ野を広げていくことが重要であるということにつきましては、私どもといたしましても十分認識しているところであります。市民へ姉妹都市の認知度を高めることによりまして、相互交流が発展し、それが集客交流の推進につながっていくものであると、私どもも考えております。
そのような観点から、来年度の瀋陽市、
ノボシビルスク市との周年事業におきましては、新たな試みといたしまして、相互の都市で訪問団が滞在している期間中に、例えば
札幌ウイーク、また札幌では
瀋陽ウイーク、
ノボシビルスクウイークといったような形で、
都市セミナーの開催とか、あるいは伝統文化の紹介など、集中的に姉妹都市を市民に紹介する事業を計画しているところでございます。
今後も、このような周年事業だけにとどまらず、日常的な交流を通じまして、市民の方々が参加しやすい
仕組みづくりについて工夫・検討してまいりたいと考えているところでございます。
◆恩村一郎 委員 今、いろんな事業をご検討中ということで、それが成功することを私自身も非常に期待したいなというふうに思います。
ただ、やはり姉妹都市に対する市民の認知度を高めるためのいろんな工夫を、いま一度ご検討いただきたいというふうに思います。例えば、副読本的なものをつくって、小学校教育の中で生かすとか、若い世代が姉妹都市というものに対して認識を深めていかないと、だんだんだんだんしりすぼみになってしまうのではないのかなと。
今、韓国、台湾からのお客さんが非常に多い中で、どうして姉妹都市からの集客交流がもっと図れないのかなと、そんな疑問を抱いてしようがないのですね。そういった意味では、例えばいろんなウイークをやるときに、姉妹都市のPRを兼ねて、以前にもちょっと話したことがありますが、市電を使ったラッピングカーを走らせてみるとか、ぜひいろんな工夫をご検討いただいて、
姉妹都市交流というものを有効に活用し、集客交流に役立てていただきたいなと、そのようなことを強く要望しておきたいというふうに思います。
次に、ことしは杉花粉で大変な思いをされることになるのかなと、ちょっと心配しておりますが、東京事務所から所長が来られているので、東京事務所に関してお伺いしたいと思います。
東京事務所は、ご承知のとおり、昭和30年、人口40万人のときに、係長職1名でスタートしたというふうに伺っております。ことしで50周年を迎えて、現在、12名体制で、他都市の事務所ではちょっと見られない事業展開を実際に行っていらっしゃると。
昨年、全国の市町村に先駆けて、山手線を利用した
トレインチャンネルが実施されましたね。午前4時50分の始発から翌日の午前1時03分の終電まで、12分ごとに1回、60秒のシティPRの映像を1カ月にわたって
山手線トレインチャンネルで放映され、東京都民並びに利用者から大きな反響があったというふうに伺っております。
来年度は、こうした
シティPR事業に、今年度より若干ふやした格好で2,620万円計上されているわけなのですが、内容的にどのような事業を考えていらっしゃるのか、まずこの点についてお伺いしたいと思います。
◎樺沢
東京事務所長 東京事務所では、平成11年に実施いたしました
観光集客イベントを皮切りに、
地下鉄ジャックあるいは
東京ストリートギャラリーなど、さまざまな事業展開をしてまいりました。
一方、首都圏では、北海道が発祥地であります
スープカレーあるいはジンギスカンといったものが、最近、マスコミに盛んに取り上げられております。また、東京駅の八重洲口とか浅草に北海道の物産店が新たにオープンするといったようなことで、北海道ブームの到来の気配がちょっとございまして、今が、まさに札幌をPRする絶好の機会というふうに考えられると思います。
そこで、新年度につきましては、昨年、反響の大きかった、あるいは集客力も大変高かった
観光イベントを継続して実施することを計画しております。具体的な実施に当たりましては、本年7月に
札幌モエレ沼公園がグランドオープンいたしますので、札幌市への誘客にどうつなげていくかを念頭におきまして、関係する部局あるいは民間企業とも連携しながら、質の高いイベントにしたいと考えております。
また、委員のご指摘がございましたけれども、昨年、山手線の
トレインチャンネルを初めて実施いたしました。電話での問い合わせが、東京事務所に400件、あるいは東京事務所のホームページへのアクセス件数が1日で800件を記録するなど、大きな、確かな手ごたえを感じたところでございます。こうしたことから、新年度も、引き続きJR山手線の液晶画面に札幌の魅力的な映像を都民向けに放映いたしまして、札幌への誘客を推進したいと考えております。
◆恩村一郎 委員 来年度も、
山手線トレインチャンネルを使って誘客を図りたいということで、いろいろご努力されているかと思います。ただ、予算のことがありますけれども、正直言いまして、東京事務所だけでは、事業展開等の面で何かと限界があるのではないのかなというふうに思います。
先ほどお話もありましたけれども、他の部局も
シティセールス、集客交流に関して、いろんな事業を計画されていますね。そういった意味で、札幌市のセールスの最前線にある東京事務所として、費用対効果をより一層高める上でも、庁内他部局との連携、また民間との連携といったことが、より一層必要になってくると思います。
そこで、他部局や民間との部分では、どのような連携を図っていらっしゃるのか、その点について、1点お伺いしたいと思います。
◎樺沢
東京事務所長 庁内他部局あるいは民間との連携というお話でございますが、観光客誘致のためには、できるだけ大勢の方々がぜひ札幌に行きたいというふうに思うようなイメージ戦略と、多様なニーズにこたえる旅行商品の提供がポイントになろうかと考えております。
首都圏におきましては、多くの
セールス手段を持ちます旅行会社などの
観光関連企業と日常的なコンタクトを図ることによりまして、直接の消費者である
首都圏在住者の嗜好ですとかニーズをいち早く把握することが可能でございます。そういった意味で、民間との連携が非常に大切と思っております。
また、
観光関連企業との連携を進めるためには、観光客の受け入れ地である札幌においても、消費者のニーズに合った新たな観光素材の開発ですとか発掘もまた不可欠だと思っております。このため、首都圏の消費者のニーズ把握は東京事務所で行う。また、受け入れ地としてのPRの総合的な
連絡調整機能は、こちらの
観光コンベンション部で行うなどといったような役割分担を明確にいたしまして、その他の関係部局とも情報交換を常に行いながら、札幌への観光客誘致のために、各種活動を行っております。
◆恩村一郎 委員 さまざまな部局と連携を図っていらっしゃるということなのですが、実は、せんだっての雪まつりの前日、前々日に札幌で
国際ジャンプ大会が開かれておりました。けれども、観光客の集客という部分で、そういった事業との連携というのは何ら見られなかった。雪まつりのPRだけは行われていたけれども、
ジャンプ大会等の、札幌に人を呼び込める事業との連携という部分でのPRがなかったということでは、正直言いまして、ちょっと残念だなというふうに思いました。
先ほどのは札幌の場合ですけれども、札幌市の事業のみで集客を考えるのではなくて、それ以外の近郊他都市のいろんな事業も含めて、より広域圏で連携した集客施策というものをぜひご検討いただきたいなというふうに思います。これは、要望として申し上げておきたいと思います。
それから、
山手線トレインチャンネルについてなのですが、昨年は、放送及び制作費用で1,600万円ほどかかったというふうに伺っております。山手線の1日の乗降客数が360万人余り、そのうちの大体6割の方が車内の広告等を見ているという調査データがございます。そうしますと、これは例え話なのですが、関東圏のテレビCMというのが、時間帯にもよりますけれども、特に通勤時間帯などは、平均すると15秒1本当たり大体50万円くらいなのですね。ゴールデン、いわゆる夕方の7時、8時台になりますと、1本100万円なのです。そうすると、札幌市が行っていたPRは60秒ですから、4倍ですね。最低でも1本当たり200万円くらいに相当する価値があるのですね。それから考えますと、1,600万円というのは、ある意味で、非常に割安だなというふうに思いますし、費用対効果の点でも非常に大きな役割を果たすのではないのかなというふうに思うのです。
これを見ていらっしゃった東京在住の方の話なのですが、できることであれば、ぜひ四季折々といいますか、ある一定のサイクルでやっていただけたら、もっと反響があるのではないのかと。一回だけに終わらせないで、四季折々、季節ごとに、またやっている、今度は違うぞ、そういう印象を与えることが、集客交流、また、
シティセールスに大きく結びついてくるのではないのかなというふうに思います。
聞くところによりますと、来年度、神戸市も札幌市の東京事務所のこういった活動に刺激されて、何か事業予算をつけられたというふうに伺っております。
巨大マーケット東京をめぐる
シティセールスの戦争といいますか、都市間競争といったものは、これからも非常に熾烈になってくると思います。民間の放送局などでも、特に北海道の場合、東京での売り上げというのは、営業売り上げ全体の半分以上を占めております。それぐらい東京というのは
巨大マーケットだということで、東京事務所の重要性というのが一層増してくるのではないのかなと思います。
そこで、最後に1点お伺いしたいのですが、札幌市の
セールス拠点としての東京事務所の位置づけ、機能強化をより一層図っていくべきではないのかなというふうに私は考えるのですけれども、総務局長のご所見をお伺いしたいと思います。
◎濱田 総務局長 ただいま、東京事務所が開設いたしまして50年ということで、それを契機に機能強化というお話でございましたが、これまでも、東京事務所におきましては、中央省庁との連絡調整とか情報収集を基本的な役割としながら、昭和51年からは市税の滞納整理、さらに昭和62年からは企業誘致、そして平成11年からは
シティセールスと、その時代時代に応じて機能を拡大してきているところでございます。
特に最近、札幌企業の首都圏における販路拡大を目指して行っておりますビジネス支援につきましては、ほかの都市にはない、札幌市の
東京事務所ならではの事業と思っているところでございます。
今後は、こうした他都市には見られない先進的な事業や、首都圏でのPR活動を積極的に推進するために、これまで培ってきましたネットワークや情報、いろんなノウハウなどの資源を持っております東京事務所と事業部局、さらには企業と連携を密にしながら、東京事務所の機能をさらにパワーアップしていきたいと、このように考えているところでございます。
◆小林郁子 委員 私からは、二つの事柄についてお伺いいたします。一つは、札幌市
職員福利厚生会の交付金について、もう一つは、
行政評価制度についてです。性格の違うものですので、順次お伺いすることをお許しいただきたいと思います。
初めに、札幌市
職員福利厚生会の交付金についてお伺いいたします。
この件につきましては、昨年12月に、総務委員会で交付金の見直しを求める陳情審査がありました。このときに、理事者の方からは、05、06年度の2カ年で交付金を約8,000万円削減するということを明らかにされております。その後、大阪市の職員互助会の過剰な補助金のあり方ということが明るみに出まして、これが全国の自治体の状況はどうなのかという報道につながりました。
そういうことで、札幌市としても、市民から、現在の交付金のあり方について疑問を呈する声が上がっています。これを受けまして、上田市長は、先般、福利厚生は職員が快適に仕事をする上で重要であるとしつつも、交付金のあり方の見直しを表明されています。
私も市の職員でしたので、この福利厚生会の券を有効に使わせていただいており、職員の立場、働く者の立場ということは十分わかるつもりでおりまして、福利厚生の重要性ということはよく理解しております。しかし、近年は、市の職員の中でも精神的な病にかかる方が多いというふうに聞いております。こういう方々にとっても、
福利厚生事業で、仲間と一緒に何かすることで元気づけられればというふうにも思います。
そういう中で、厳しい財政状況ですので、やはり見直しは必要ではないかというふうに思うのです。各種の
市民サービスの水準の見直しということが計画されておりますし、交付金のあり方はこれでいいのかということがあります。このたび、市民のいろんな疑問の声がある中で、市職員に対する市民の信頼をやはり確保していかなければいけないと思いますので、今後の交付金のあり方について質問させていただきます。
札幌市の交付金は、現在、職員の掛金に対しまして約2倍となっておりまして、これは道内のほかの都市と比較しても高い方です。市長は、3月の記者会見で、1対1くらいを目標に削減したいというふうに言われております。しかしながら、見直しをしている全国の自治体の中には、極めて数は少ないですけれども、千葉県とか宮城県のように、交付金ゼロというところもあります。このように、互助会なので、掛金だけでやるのが筋だという考え方もあります。そのような中で、補助をするということが必要だという立場に立つとしても、市役所の場合は、民間と違いまして、原資が税金ですから、市民のコンセンサスを得る必要があると思います。
そこで、お伺いいたしますけれども、札幌市としては、どのような考えで、今後1対1を基本とするということになされたのか、それが1点目です。
それからまた、1対1を目指すとしますと、2005年度に予算をつけていますが、それと比較しましても半減することになります。現在、福利厚生会で実施しているかなりの事業を大幅に見直さなければならないわけですけれども、今後、どのような事業をどのように見直していくのか、また、いつごろまでに見直すおつもりなのか、お伺いいたします。
◎加藤 職員部長 ただいまご質問のございました福利厚生会の交付金について、先日、市長からございました交付金についての指示の内容も含めまして、ご説明させていただきたいと思います。
委員からご指摘のとおり、昨年12月の総務委員会におきまして、2カ年で交付金の10%、約8,000万円を削減したいという目標数値を掲げさせていただいたところでございます。この目標に基づきまして、私どもとしましては、従前から、
福利厚生事業の数々の見直しを検討していたところでございます。その検討事項に基づきまして、平成17年度予算におきましては、9.2%、約7,200万円の削減を行い、先日掲げさせていただいた8,000万円に対しまして、大方の目標を達成したところでございます。その後、さらに平成18年度に向けまして、さらなる個別事業の見直しを検討しておりましたところ、先ほどお話のございました3月4日に、市長から、福利厚生会の会費と交付金の比率を、1対1を基本とする方向で検討するようにという指示を受けたところでございます。
市長の考えとして私どもが承っている部分についてご説明申し上げますと、健康保険など各
社会保険料負担などにおきましては、労使の負担比率が1対1としているものも多いことから、市民感覚として、会費以上に交付金を交付することに対しましては、市民の理解が得られないのではないか。さらには、各都市におきましても、交付金に対する見直しが進んでいること、また、札幌市の財政状況を考えると、
福利厚生事業の個別の見直しに加えて交付金の総量規制が必要ではないか、このような考え方をあわせて、指示をいただいたところでございます。
続きまして、
福利厚生事業の見直しと実施時期についてでございます。平成14年度から数々の見直しを行ってきてございますが、このたびの市長の指示を受けまして、見直しのスピードを加速するというか、さらなる見直しに向けて検討していかなければならないというふうに考えてございます。しかしながら、今、委員からもご指摘のありましたとおり、福利厚生は、職員の重要な勤務条件の一つでありますことから、事業の必要性も検討しながら、あわせて札幌市の財政状況が大変厳しいことも踏まえて、先ほども述べましたが、市長からの指示の視点で検討していきたいと、このように考えてございます。
具体的な方向性といたしましては、昨年の第3回定例市議会における代表質問におきまして、既に田中副市長が、
社会経済情勢の変化や職員のニーズの多様化に対応し、新しい
福利厚生事業を再構築していくためには、
福利厚生事業全般を見直して大きく変わっていかなければならないと考えており、また、福利厚生に対して市民から誤解を招くことがないよう、市民の視点に立って見直しを進め、より一層、事業の透明性や公明性を高めていくべきであると、このように答弁させていただいたところでございます。
主な見直し項目といたしましては、
職場レクリエーションに対する助成事業、慶弔金などの援護事業、理美容や食堂などの
福利施設事業などがございますが、事業の見直しに当たりましては、他都市の状況ですとか、民間企業との比較や職員アンケートの調査結果を分析しながら、さらには、福利施設を利用する市民にも十分配慮しながら進めてまいりたいと考えてございます。
また、実施時期につきましては、平成17年度予算におきまして会費と交付金の比率は1対1.96となってございまして、それを1対1に見直すとすれば、現行水準を半減するほどの大きな見直しでございますことから、職員の勤労意欲等にも配慮しながら、なるべく早急にこの比率に近づけていきたいと考えております。
◆小林郁子 委員 今、加藤部長から、見直しのあり方、方法、いろいろご説明いただきました。さまざまな配慮のもとでなされなければならないと思いますけれども、やり方としては、かなり大胆にやらないと目標に近づけないということでした。
見直しの時期についても、なるべく早急にということでありましたけれども、なるべくというのはなるべくということで、1年とか2年とか3年とか、人によってそれぞれとらえ方が違うと思うのです。
そこで、市長にお越しいただきました。市長は、3月4日に記者会見をされたばかりで、きょうはまだ何日もたっていないのですけれども、大幅な見直しということについて、そしてまた、なるべく早急にとありましたけれども、市長としてはどのくらいでなさりたいというお気持ちなのか、お聞かせいただきたいと思います。
◎上田 市長 福利厚生問題につきましては、私がドイツに出張している間にも、日本じゅうでさまざまな報道がされ、各地で、市民・国民の皆さん方の厳しい目が向けられているという事実を報道等でチェックさせていただいておりました。帰ってまいりまして、すぐの記者会見でございましたが、私も、出張中ずっと、どうしたらいいものかということを考えておりました。その考えてきた結果を職員部、総務部の方にも、先ほど加藤部長から3点ほど理由を述べていただきましたとおりのことを申し上げたわけでございます。
冒頭に申し上げなければならないことは、職員と我々使用者の立場に立つ札幌市役所、そして市民の立場からいって、職員が快適に仕事ができるようにするということが非常に大事なことですので、福利厚生の重要性については、しっかり市民の皆様方にもご理解いただけるのではないかというふうに考えているところであります。それには、私が就任する以前から、理事者が努力を重ね、職員組合等とも十分な議論をしながら、そして議会等での予算的な配慮もされながら、今日の形になってきたというふうに思います。
しかし、その中身に透明性が欠けていたというようなことと、それから財政状況、福利厚生に対する社会認識といったものが極めて厳しい状況の中にあるということを踏まえまして、先ほど1対1というお話がありましたけれども、私は、総量規制をしていかなければ理解を得ることはできないのではないかと。市民から理解を得るということは、何よりも市役所の職員が一生懸命働いていることを市民の方々に理解していただく、その信頼関係の基礎になるものであるというふうに私は考えますので、そのことをもって、やはり市民の皆さん方に理解していただける範囲にとどめるべきだということで、1対1ということを理念として申し上げたわけでございます。
したがいまして、来年度の予算でお願いしている福利厚生費は、やや1対2に近い割合になりますけれども、そういう意味では、内容的にも相当大胆な改革をしなければならないということになろうと思います。
どういう項目の
福利厚生事業が我慢できるものなのかということは、これから早急に十分議論していきたいというふうに考えますけれども、労使双方、並々ならぬ決意のもとで、これに取り組んでいかなければならないというふうに考えております。
そして、その上で、実施時期ということでございますけれども、なるべく早くというふうにお答え申し上げておりますが、私といたしましては、市民との信頼関係を早く再構築していくということを考えれば、17年度中(109ページで訂正)をめどに、しっかりした議論をして、次々年度以降にいい提案ができるように努力をしていきたいと、このように考えるところであります。
◆小林郁子 委員 今、市長から決意が表明されました。
それで、先ほど加藤部長もおっしゃっていましたけれども、今までも見直しの検討をしていないわけではなくて、2002年度からやっているわけですね。市理事者、財団法人札幌市
職員福利厚生会の事務局と職員の代表、こういう方々で事業のあり方を検討する組織をつくってやってらっしゃるわけです。しかし、これはある意味で、関係者ばかりの組織なのですね。
私は、ここで、やはり外部の目を入れる必要があるというふうに思います。この財団の2003年度の決算を見ましても、収入の56%は市からの交付金と補助金なのです。税金の投入という面からも、外部の視点をしっかりと入れて見直しに当たっていただきたいと思うのです。
そういう中で、市長も定例記者会見の中で、市民への情報公開と透明性を高めるということをおっしゃっていらっしゃいますが、福利厚生会における情報公開を推進し、そして透明性を高めるために、これからどのように取り組んでいかれるのか、お伺いいたします。
◎加藤 職員部長 ただいまの情報公開の問題につきましてご説明申し上げます。
福利厚生会の情報公開の必要性につきましては、予算書、事業報告書及び会計の決算書は既に情報公開の対象となってございまして、札幌市のホームページにおいても公開しているところでございます。さらに、個々の事業内容等につきましては、現在、福利厚生会におきましてホームページを開設する方向で検討いたしてございまして、それによりまして、今まで以上に情報公開を進めてまいりたいと考えてございます。
また、前段にございました外部の視点という観点でございますが、福利厚生会におきましては、札幌市の監査事務局の監査、さらに財団法人の主務官庁でございます北海道の公益法人検査も受けてございます。さらに、第三者の立場からご意見を伺うという考えで、福利厚生会の監事のうち1名は、公認会計士を配置しているところでございます。
これに加えまして、札幌市における民間企業の福利厚生水準との比較をするため、福利厚生会におきましては、平成17年度から公認会計士による外部監査制度を導入する予定となってございます。その中で、福利厚生会で実施してございます事業の状況ですとか水準、さらには財務の状況など、監査事項にとどまるだけではなく、各事業内容にまで踏み込んだ検査、監査を行っていただくことを計画いたしまして、公認会計士からの指導を受ける予定としてございます。このような指導内容の結果を踏まえまして、今、申し上げました見直しの内容につなげてまいりたいと考えてございます。
◆小林郁子 委員 このことが、結局、職員に対する市民の信頼を確保していくことにつながることを願っております。また、痛みを分かち合うことになりますけれども、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
次の質問に移りたいと思います。
市長には、ここまでお願いいたしまして、ありがとうございます。
次に、
行政評価制度についてお伺いしたいと思います。
事業の効率化とか、よりよい行政サービスを図るためには、今、行っている事業をいつも点検する、評価するということが必要だろうと思います。札幌市では、1999年度から事業評価というものを導入していますが、行政の内部評価で、行政外部の視点から、また市民の視点からという評価ではないように思います。そういうことから、札幌市においては、その評価自体がまだ十分ではないのではないかというふうに考えております。
上田市長になりまして、さっぽろ元気ビジョンの中で、市民意見を反映した政策評価の導入が言われており、具体的には、第三者による評価の導入ということになっております。この市民参加型の評価を実現するために、6人の委員から成る市民参加型行政評価のあり方検討委員会というのが設けられまして、昨年3月に提言書が出されております。
この提言にもありますけれども、現在の行政の事業評価と照らして、今後の評価制度のあり方として、次のことを考えていく必要があるのではないかと思っています。
一つは、現在も事業評価をしておりまして、それも公表されております。しかし、それが市民にわかりやすいかと言いますと、やはり数値と言葉が並んでおりまして、決してわかりやすいものではないように思います。市民にわかりやすい形で評価を提供していただきまして、そしてまた、一つの施策に対して幾つも事業がある場合には、全体像がなかなかわからない、個々の事業の評価しかわからないというふうになっておりますので、そのあたりも改善する必要があるのではないかと思います。
また、二つ目には、評価をするには、目標値のようなものがありまして、ここまで達成したというのが見えるような形になっているとわかりやすいのですけれども、そういうことができるものは、ぜひそうしていただきたい。中には、できないもの、それにふさわしくないものもあるでしょうから、そういうことについては、有効性とか効率性とか、そのような指標を使って評価をしていくことが必要ではないかと思います。
それから、三つ目に、評価の客観性とか信頼性を高めるためには、外部の視点からの評価が要るというふうに思います。
先ほどの検討委員会の提言では、札幌市の評価システムのあり方について、情報発信型評価と意見集約型評価というものを挙げています。情報発信型評価というのは、市民にわかりやすく情報を発信するような評価の仕方で、現状を市民にわかっていただいて、市民もそれに評価を加えていくというものです。それから、意見集約型評価というのは、アンケート調査とかパブリックコメントなどによって市民の意見を集約して、新たないろんな施策、政策の創造につなげていくということですけれども、これの具体策としては外部評価委員会の設置を挙げています。
札幌市として、この提言を受けまして、今年度、検討を重ねておられると聞いております。また、評価制度のために新年度予算に新たに約300万円つけておられます。そこで、これまでの行政内部の事業評価の課題を踏まえまして、今回、参加型評価の導入ということですけれども、どのような評価システムを考えておられるのか、お伺いいたします。
◎若林 改革担当部長 新たな
行政評価制度についてお答えいたします。
これにつきましては、事業や施策に関して必要性や効率性など、さまざまな視点で検証、評価して、事業の改善や見直しの判断に参考となるような多様な情報を提供しようというものでございまして、それら評価情報を活用して、厳しい財政状況に即した、より効率的・効果的な行財政運営の実現につなげていこうと目指しているものでございます。
具体的な仕組みとしましては、これまでの個々の事業単位の評価に加えて、事業の上位目的であります施策レベルでの評価も実施し、市政を体系的に見ながら、事業の改善に結びつけていくこととしております。その際、評価の客観性を高めるために、事業を担当している部局の自己評価に加えて外部評価を導入し、専門的な視点で内部評価の是正や改善方向について意見や提言をいただいたり、行政内部におきまして、評価担当部局による全庁的な視点で2次評価を行うなど、多様な視点を評価に取り入れる仕組みとしております。こうした事業担当部局の1次評価、外部評価、さらには評価担当部局による2次評価を踏まえて、事業や施策の改善、見直しの方向性を検討し、予算や組織の編成に反映させていきたいというふうに考えております。
また、評価結果につきましては、わかりやすく市民に公表し、情報提供に努めるとともに、寄せられました多様な市民意見は、改善や見直しに活用していきたいというふうに考えております。
◆小林郁子 委員 今、評価制度について、かなり体系的にお話をいただきました。
今年度からになりますが、局区実施プランというのをつくっていただいております。これは、局長さん、あるいは各区長さんと私との間で、ことしはこういうことをやりますということを約束していただくと。協約といいますか、契約といいますか、そういうものを結びましょうということでやっております。
これは、単にトップにある区長さんあるいは局長さんと約束するというのではなくて、その局長さん、区長さんが実施プランを策定するに当たりましては、自分が掌握する全職員の意見を聞きながら、こういうことならやれるのでないか、ここはもっと力を入れなければならないのでないかということを、職員同士の間で議論していただいて、それをまとめて、よーし、これをやろうということで、局長あるいは区長がまとめて、私と約束すると、こういう制度であります。
したがいまして、今、ただやれと言われて盲目的にこなしているということではなくて、意欲を持ってやっていただけるように、今そういうシステムを考え出して、実施しようとしているところでございます。
それから、中間管理職であります課長さんあるいは部長さんというのは、職員にどれだけやる気を起こしていくか、新しい発想といったものの提案、そういったものをどれだけ掘り起こしていくかということが中間管理職の仕事であります。したがいまして、私どもは、これからの課長さんあるいは部長さんの人事評価というのは、部下の意見あるいは発想をどれだけ掘り起こしたか、それを経営層に対して、こんなことを言っているよと、こんな意見があるぞというふうなことを伝えてくれるかどうかが、非常に大きな評価の基準になってくるというふうに私は思っております。
それを実践していく過程で、多くの職員がやる気を持って、そして、札幌市役所あるいは札幌市というものが本当にいい方向に行くように、自分が力添えするのだと、参加していくのだと、そんな気持ちを持っていただけるような市役所にしていきたいというふうに考えているところでございます。
◆小谷俵藏 委員 もう質問はしません。要望、意見をちょっと申し上げておきたいと思います。
今の市長の答弁で、ある一定の理解はしました。しかし、私どもが議員という立場で見ていると、残念ながら、総体的には必ずしもそういうイメージが浮いてこない。したがって、やはり1万5,000人の職員がもっと活力と自信を持って仕事ができるような、そういう環境をつくっていく役割が市長に大きく求められるのでないかなと、こういうふうに思いますので、ひとつ積極的に、もう一度その辺をよくお考えいただいて進めていただきたい。
それから、もう一つ、この場合、私は議員という立場でさらに申し上げておきたいと思いますけれども、我々議員は68人おります。一昨年の春に、市民の有権者の皆さんに選ばれて、68人で68万から70万人の方のご支持をいただいて、出てきた。市長は28万何千人でしたか。市長と同じように、我々議員も、一つには行政執行の検証役であるということと、もう一つは、支持者、支援者の皆さん方の代弁者であるという、市民の代理者といいましょうか、代弁者といったらいいのでしょうか、そういう立場にあるということを十分認識されて、議会というものに対しての取り組みをいま一度、もう少し考えていただかなければならないのでないかな、こういう思いをしておりますので、時間がありませんから答弁は要りませんけれども、指摘、要望申し上げて、終わります。
○馬場泰年 委員長 ここで、おおよそ20分間、委員会を休憩いたします。
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休 憩 午後6時34分
再 開 午後6時55分
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○馬場泰年 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆藤川雅司 委員 私から、今回、条例案が提出されております人事行政の運営などの状況の公表について、さらに職員費の今後の見通しについて、何点かお伺いいたします。
まず、公表条例についてお伺いいたしますが、札幌市では、これまでも、人事行政に関する事項のうち職員給与及び職員の状況について、毎年11号の広報さっぽろで、イラストやグラフを交えて市民にわかりやすい形で公表してきています。
広報さっぽろを見ますと、札幌市は、これまでも定員の適正化に努めてきているというふうに数字が出ておりまして、平成16年、2004年4月1日現在の職員数は1万5,855人と、職員数のピーク時、平成3年と聞いていますけれども、1991年の職員数1万8,235人と比べて実に2,380人、約13%減となっている状況になっています。
また、札幌市は、税務や保健福祉あるいは土木など、各都市共通の基本的業務にかかわる職員数、いわゆる一般行政部門における人口10万人当たりの職員数が、平成16年、2004年4月1日現在で404.6人、政令指定都市の平均542人と比較して、約137人も少ない職員数であり、政令都市中、最も少ないということであります。このことから、財政基盤が弱い札幌市において、職員は少数精鋭で頑張っているのではないかと私は思います。
このような状況を条例化して実施していくことは、上田市長が市役所改革プランで掲げた市民と市役所との信頼関係を構築していくという視点からも大変重要であり、市民に対して的確な情報提供を行うことによって、市役所が市民から信頼されるということ。そして、そのことが市役所改革をより一層確かなものにしていくということで、先ほど来から議論があるところです。
そこで、まず、今回提案されています公表条例について、2点伺います。
札幌市では、先ほど言いましたように、これまでも、職員給与及び職員数について広報さっぽろで公表していますけれども、今回の条例化については地方公務員法の改正に伴うものということですが、この改正の趣旨と概要について伺います。
また、今回の条例化によって、今まで行っている公表とどのように変わるのか、あわせてお伺いいたします。
とりあえず、2点お願いします。
◎加藤 職員部長 このたび提案させていただいてございます公表条例案についてお答え申し上げます。
今、お話の中にございましたが、札幌市におきましては、これまでも、人事行政に関する事項のうち職員の給与及び職員数の状況につきましては、自主的な取り組みといたしまして、毎年、広報さっぽろにおいて公表を行ってきたところでございます。
今回の地方公務員法の改正につきましては、国におきまして、全国的に見ると公表の内容が十分ではない団体が見受けられるということ、また、人事行政運営における公正性、透明性の確保の重要性が、従前に増して一層求められていることなどから、人事行政の運営状況について公表制度を法律上規定したと、このように聞いてございます。
改正の趣旨といたしましては、これまでの自主的な取り組みという位置づけから法律上の責務といたしまして、各団体において条例を策定することを義務づけるとともに、公表の対象も広く人事行政全般としたほか、人事委員会の業務等につきましても、あわせて公表を行うというものでございます。
続きまして、今回の条例化によって、今までの公表と変更となる点についてでございます。
公表項目につきましては、現在は、職員給与や職員数の状況のみを公表してございますが、今後は、それに加えて、職員の任免、勤務時間等の勤務条件、分限、懲戒、研修、福祉などの状況について公表を行うこととしてございます。また、人事委員会の関係では、競争試験の状況や人事委員会勧告などについての公表を行います。
このため、今後はまず、毎年8月末ぐらいまでに、交通、水道局など各任命権者及び人事委員会から、今述べました項目の前年度の状況についての報告を受けることといたします。それらの報告を取りまとめながら、人事委員会からの業務報告とあわせて公表を行う予定としてございます。
◆藤川雅司 委員 変更点や概要についてはわかりましたが、具体的な公表項目についてどのように考えているのか、再質問いたします。
◎加藤 職員部長 条例における報告項目に基づく具体的な公表項目につきまして、現在、詳細につきましては検討中でございますが、公表の対象も広く人事行政全般となりましたことから、現在公表を行っている項目のほか、職員の採用、退職の状況、職員の休暇制度や育児休業、介護休暇の取得状況、職員研修計画及び健康管理に関する取り組み状況などを想定しているところでございます。
これらの項目につきまして情報提供を行うということは、市民と市役所との信頼関係を構築し、現在取り組んでおります市役所改革を進める上でも大変重要であると考えておりますので、市民の皆さんにわかりやすく、ご理解いただけるような内容とすべく、現在、検討を重ねているところでございます。
◆藤川雅司 委員 今回の条例案については、わかりました。
次に、将来的な職員費の見通しについてお伺いします。
人事行政の運営という点については、現在の状況も大変重要ですけれども、将来的な見通しというのも、今後、特に重要になってくると考えられます。
札幌市では、財政構造改革プランなどにおいて中期財政見通しを示して、今後の財源不足に対応するため、人件費の削減を引き続き行っていくとしているわけですけれども、さきの新聞報道では、北海道において、人件費抑制策として、勧奨退職の対象年齢を現行の50歳から45歳に引き下げ、退職手当の特例措置を2005年度から2007年度にかけて実施するというふうに報道されたわけですが、札幌市では、これに先駆けて2000年度から2003年度までの4年間、早期退職の特例措置を実施していると聞いています。それで、一定の効果が出ていると聞いておりますので、これがどのようになっているのか。
そしてまた、全国的にも、団塊の世代の大量退職が始まり、年金や雇用など、さまざまな分野に大きな影響を及ぼすということが予想されており、いわゆる2007年問題と言われて、話題となっております。新聞報道では、教職員の一斉退職の記事が大きく取り上げられたこともありますが、そこで質問いたします。
札幌市でも、今後、退職手当が増加していくと思われますけれども、人件費や職員費は今後どのように推移していくのか、どう見込んでいるのかもお伺いいたします。
また、札幌市の財政に与える影響について、現時点で推計することは容易ではないと思いますが、職員費の影響についての基本的な考え方をお伺いいたします。
◎加藤 職員部長 退職手当に関する職員費の見通しでございます。
退職手当につきましては、先ほど2007年問題というお話がございましたけれども、一般会計で申し上げますと、札幌市では、平成17年度予算、今ご審議いただいている予算案で約480人の退職者、額にいたしまして110億円を見込んでございます。政令指定都市に移行いたしました昭和47年前後に多数採用した職員が定年退職を迎える平成19年度、2007年度から、退職者数が650人を超えると推計してございます。さらに、平成21年度、2009年度には約750人とピークを迎える見込みでございます。平成21年度では、一般会計で750人、約170億円前後の退職手当額が必要になってくるのではないかなと、このように推計してございます。
しかしながら、退職手当の増加につきましては以前から見込まれておりまして、その影響を最小限とするべく、これまでも、さまざまな取り組みを行ってきたところでございます。今お話のございました早期希望退職の特例措置の実施によりまして、職員の退職を前倒しで行いました。さらには、昇給停止年齢を引き下げ、退職手当の支給率を引き下げるなど、退職手当の支給水準の見直しを実施してきたところでございます。
一方、職員給与につきましては、先ほどからお話のございました適正な定員管理に基づく職員数の減、再任用制度の導入、各種手当の見直し等の影響により、毎年、職員給与については減少してきてございます。
今後の見込みでございますが、給与のマイナス改定や定数減が全くないと仮定した場合でも、平均給与の高い高齢職員が多数退職いたしまして、そのかわりに平均給与の低い新規採用職員を補充することで、職員の平均年齢及び平均給与が下がる、いわゆる新陳代謝効果によりまして減少するものと見込んでございます。職員費全体を通して見ていきますと、退職手当は増加いたしますが、職員費に占める退職手当の割合は1割程度でございますので、職員給与の減額分が退職手当の人数による増額分を上回ると考えられますので、職員費全体で申し上げますと、当面はほぼ横ばいで推移するのではないかと、このように考えてございます。
この推計によりまして、定年退職者数がピークを迎えます平成21年度におきましても、職員費の過去のピークでございました平成11年度の決算額1,198億円を上回ることなく推移していくのではないかと、このような推計をしているところでございます。
また、これらの職員費の見通しが財政に与える影響についてでございますが、今述べましたとおり、職員費につきましては、平成11年度の決算額を上回ることなく推移していくのではないかと考えてございまして、職員費の推移が財政状況に大きな影響を与えるものではないと、このように考えてございます。
しかしながら、現在進めてございます三位一体の改革における国と地方の税財政構造見直しの先行きの不透明感、また扶助費などの増加も見込まれますことから、財政状況につきましては、今後とも、なお一層の厳しさを増すことが予想されているところでございます。
したがいまして、先ほどから申し上げてございますように、現在も少ない職員数で業務を遂行しているわけでございますが、財政への影響を最小限に抑えるために、財政構造改革プランに掲げました人件費の適正化につきまして、これまで行ってきた取り組みを推進していきたいと、このように考えてございます。
◆藤川雅司 委員 今、答弁がありましたように、いわゆる2007年問題、団塊世代の大量退職は、札幌市の場合は2009年ということのようですけれども、それを見越して計画的に職員費を抑制してきたと、こういう回答でした。
少ない人数で頑張っていると思うわけですけれども、先ほどの議論では、メンタルヘルスの問題なども取り上げてあり、そういうところにも負担がかかっているのではないかと、私はこう考えるわけです。
また、一方で、人件費の抑制もしていかなければならないと、これもまた時代の要請だというふうに思います。
そういう意味では、これまで計画的に職員費の抑制をしてきたということですから、今後とも計画的、長期的展望に立って、職員費の動向については取り組んでいっていただきたいと要望して、終わります。
◆小田信孝 委員 相当時間が押してきています。簡潔にお伺いいたしますので、ひとつご答弁の方、よろしくお願いいたします。
ここまで何人かの方から特殊勤務手当のことについて質問がありましたので、私は、ダブらないように質問したいと思います。
まず、この問題が出てきたときに、私が最初に感じたことは、国の給与体系と地方公務員の、例えば札幌市職員の給与体系が違うということを、スピーディーに市民に知らせないとだめということなのですよ。なぜかというと、国の場合は、一番に、基本の報酬がありますね。2番目に、報酬の調整額で調整しますね。3番目に、特殊勤務手当ということで、汚いとか、厳しいとか、大変なところに手当がついているわけですね。3段階になっています。
札幌市の場合はどうかというと、最初に給料があって、国で言う調整がなくて、給料の次にいきなり特殊勤務手当がついて、そして給料全体が決まると。構造がまるきり違いますよね。市民は、こういうことを全然知りません。ですから、新聞報道などされますと、一緒くたにされてしまうのですよ。
ちょっとかわいそうなところがあるのですけれども、新聞社の名前は申し上げませんが、大阪市の騒ぎがいろいろ出ました。どんな記事になったかというと、職員に対する過剰な福利厚生や手当が原因で、職員が税金泥棒などと批判され、公務に支障が出かねないほどだと、こういう新聞の一節があるのですよ。こういうふうに出てしまうと、大阪も札幌もすべて同じと見られてしまうのです。
ところが、違うわけでしょう。札幌は札幌で独自にやっているわけですよね。ですから、こういう騒ぎになったとき、あるいはいろんな問題を醸し出したとき、そういう情報をスピーディーに、札幌の場合は、構造がこういうふうになっているのですよと、ご理解くださいというような情報が早く市民に伝わらないと、やっぱり同じように見られて、誤解が生じてしまうのです。我々に、はね返ってきてしまう。
去年の年金問題のとき、こういうことがありました。国会議員は、10年以上勤務すると年金がつくのです。年間四百二十何万円。そうすると、ある方から質問が来ました。小田さんも議員の一人ですから、同じなのですねと、こう来たのです。違うのですよと、一生懸命説明しました。国会議員と地方議員は違うのですと。だから、何か問題があったときは全部一緒くたに見られてしまう。
ですから、今後、行政の方も、こういう問題が惹起されたときには、市民の皆さんに、正確な市の構造、積算の仕方、給料の積み上げの仕方、こういう情報を的確に早くお知らせする方法をぜひ考えてもらいたいと思うのですが、その辺についてはどういう見解を持っておられるか、明らかにしていただきたいと思います。
次に、今回の総務省の実態調査の結果については、去年の12月27日の発表ですけれども、以前から、特殊勤務手当については地方公共団体で点検しなさい、いろいろ調査して、改善すべき点は改善しなさいと言われてきたのですね。
そこで、質問させていただきます。前回は、札幌市に対して改善の注意なり勧告なりの文書がいつごろ来ていたか、明らかにしていただきたいと思います。
それから、進んでいるところはどんどん進めまして、廃止すべきものは廃止しているのですよ。先ほどの部長の答弁ですと、廃止するものはないというような答弁に私は聞こえたのですけれども、廃止するものが本当にないのかどうか、その辺、もう一度お伺いしたいので、ご答弁をお願いいたします。
◎加藤 職員部長 ただいま、給与制度等の関係について、札幌市の構造を市民に早く、わかりやすく説明すべきではないかというご質問でございました。
先ほど藤川委員にご説明しましたが、私ども、毎年、なるべく早く、札幌市の給与状況については公表しているところでございますが、給与制度と申しましても、非常に難しい制度になってございまして、公表してもすぐわかるような形になっていなかったということについては重々反省いたしてございます。これから、市民の皆様方に公表するに当たりましては、なるべくわかりやすい形で札幌市の給与の状況について公表してまいりたいと、このように考えてございます。
また、総務省からの報告等の関係でございますが、札幌市に、特に個々の手当について見直しを求められたということは、今までございません。総務省の方から、全国の政令指定都市、都道府県等に一般的な見直しの通知が出されて、それが札幌市に来ていることはございますが、個々の通知等について、来たことはございません。
それから、改善状況でございます。
私どもが、見直しをしていないということでは決してございません。今年度につきましても、各種の状況につきまして見直しを進めまして、例えば平成17年度に、ハチの巣駆除手当、道路清掃作業手当、埋立地管理手当、公衆便所の営繕補修作業手当の4種類につきましては、その必要性がないと判断いたしまして、廃止を決定したところでございます。
◆小田信孝 委員 従来はなかったということですね。わかりました。
それで、13政令市があるわけですから、お互いに情報交換をしているでしょう、早く手をつけていろんな改善をしているところは、当然、これは議会で予想されることですから、アンテナを高くして、情報を早くキャッチして、見直すものは見直していくということが大事なのですよ。
千葉市でも去年の12月1日に医務手当の支給額引き下げをやっていますよ。横浜市で廃止したものは全部で16種類。川崎市でも、生活環境現場手当などの支給額引き下げを15年7月1日にやっています。廃止が、定時制勤務手当と葬祭業務手当と二つあります。
今、部長から4種類のご説明がございましたけれども、札幌市も、見直しをすべきものについては、他都市の情報を早くキャッチして、情報を交換しながら早目早目にやっていかないと、だんだんいろんなものに対して世間の批判というのは厳しい時代になってきている。当然、議会も議会改革で、今、みんなで相談して打ち出していこうとしています。
ですから、特殊勤務手当などについても、もっともっと情報交換をして、できるものからどんどん着手していくという姿勢がないと、いざこういうことが出てきたときに、市民の皆さんから批判が出てきてしまう。
その辺については、同じような回答になるかもしれませんけれども、今後どういうふうにしようとしているのか、再度お伺いしたいと思います。
◎加藤 職員部長 特殊勤務手当に関する今後の対応でございますけれども、まずもって、今回の総務省におきます調査に伴いまして、これらの手当の必要性ですとか支給方法等につきまして、改めて検証を行うことを求められたものでございますので、その作業を大至急行いたいなというふうに考えてございます。
また、札幌市といたしましても、総務省の趣旨を受けまして、それ以外の手当等につきましても、従前と同様に、執務環境の変化や個々の業務の改廃等を踏まえまして見直しに努めてまいりたいと、このように考えてございます。
◆小田信孝 委員 最後に、要望とさせていただきます。
私たちは、すべての手当が悪であるという言い方ではないのですよ。当然、みんながこの手当は必要だと認知される手当もあると思いますので、すべてが必要ないということではなくて、この制度を見直して、めり張りのある制度にしていかなければならない、こういうことなのですよ。
ですから、今後、情報を集めて、見直しをもっともっと積極的にやっていく。そして、先ほど質問で言いましたけれども、それを市民の皆さんにスピーディーにお知らせするというのが大事なのです。いろんな方法があると思いますから、そういう媒体を利用して、こうなったのです、こうやっているのです、こういう見直し結果が出ましたというようなことを、スピーディーに市民の皆さんにお知らせすることを、今後きちっとやっていただきたいなということを最後に要望して、終わります。
◆井上ひさ子 委員 私から、職員の女性管理職登用についてと、次世代育成推進計画の市役所内の行動計画についてお尋ねしたいと思います。
代表質問の中で、職員の女性管理職登用についてお尋ねいたしました。女性管理職については、まだまだ狭き門になっていることを明らかにされまして、その背景には、女性が働き続けることの困難さや、子育て年齢の女性が係長試験を受けることの難しさなど、さまざまな要因があるのではないかとお尋ねしたところです。その中で、管理職への女性の積極的な登用を行うことは重要であるという認識を示され、現在進めている特定事業主行動計画において、女性が働きやすい環境を組織的に整備する中で、女性の昇任試験に対する受験意欲を高めるとともに、より一層の職域の拡大を進め、女性役職者の割合の向上につなげていくというご答弁になっておりますので、ここを具体的にお尋ねしたいと思います。
女性が働きやすい環境を組織的に整備するということは、どのようなことを想定しておられるのでしょうか。また、一層の職域の拡大を進めるとされていますが、それはどの分野の職域の拡大を目指しているのか、伺います。
また、この5年間の係長候補者試験の状況を見ますと、受験率では、2004年、男性55%に対し女性は24.3%。入り口のところで差が出ておりますし、合格率でも、男性は9.5%、女性は5.2%になっています。女性管理職の登用といっても、係長職が広がらなければならないという状況です。声かけをして働きかけるだけでは、解決できない困難さを含んでいるのではないでしょうか。何がネックになっているのか、お示しいただきたいと思います。
2点目に、子育て、介護の仕事が両立できる社会づくりを目指して、今、札幌市の次世代育成推進計画で特定事業主行動計画がつくられようとしていますが、市役所内の行動計画もこれに求められています。その中で、昨年12月に職員アンケートが行われました。この結果をどのように分析し、これによって何がわかったのか、伺いたいと思います。
民間に先駆けて実施すべき本市職員の育児・介護休業の取得者、これも代表質問の中で明らかにいたしました。管理職を初め、意識改革だけでは進まない状況になっている。そして、その中で、飯坂宗子議員がデンマークを例に出しました。父親も子育てをし、そして、この間は失業手当と同額の賃金も法律で保障されている。また、賃金の全額を保障している職場もあるということです。そういう中で、父親が、より休暇をとりやすいように工夫され、育児にかかわれるという制度改善を行っているのですね。
この行動計画は、今、民間でも進めてつくっていく計画です。民間の企業にも影響を与えるものになると思うのですね。そういう中で、デンマークの例では、一たん下がった出生率も、今、安定してきているという状況です。
職員の中では、本当に働き続けたいと、しかし、子供を産むことができない、また、公務員でも一人しか子供を持つことができない、限界だという声が聞こえてきています。家庭と仕事が本当に両立できる環境整備が強く求められています。
そこで、本年4月1日から、改正育児・介護休業法が施行されます。育児休業期間が現行の1歳から1歳6カ月、それから子供の看護休暇の創設、これは、事業主の努力義務であったものが、今度は5日間の扶養義務になっていくのですね。これらを本当に生かしていく行政の取り組みが求められているというふうに思うのですが、これにどのように取り組まれていくのか、伺いたいと思います。
◎加藤 職員部長 まず、現在策定中でございます特定事業主行動計画におきまして、女性が働きやすい環境を組織的に整備するということにつきましてお答え申し上げます。
次世代育成支援対策推進法に基づきまして、札幌市において特定事業主行動計画を作成いたして、現在、その作業をしているところでございますが、この計画の中には、育児休業を取得しやすい環境づくり、男性の育児参加、超過勤務の縮減、子育て期における休暇の取得促進、固定的な性別役割分担意識の是正などを柱といたしまして、子育てをしている職員を支援するための取り組みを推進することといたしてございます。
このような取り組みを札幌市の方針として進めることが、女性職員が安心して働ける環境をつくり、仕事に対する意欲を引き出し、ひいては管理職登用につながっていくのではないかと、このように考えているところでございます。
続きまして、女性の職域拡大の件でございます。
女性職員につきましては、かつて、庶務・経理ですとか窓口業務など、配置範囲が限られていた時代もございました。しかしながら、女性の管理職登用推進に当たりましては、女性職員に幅広い分野でさまざまな経験を積んでいただくことが重要なことでありますことから、納税の業務ですとか用地買収、企画、財政など、すべての分野を対象といたしまして、その職域拡大に努めてきているところでございます。
3点目の係長試験の受験率の問題でございます。
ご質問にありましたとおり、管理職登用への最初の入り口でございます係長試験の受験率につきましては、男性の5割程度に対しまして女性は2割程度と、低くなってございます。
そこで、平成12年度の係長試験におきまして、年齢別に試験区分を三つに分けまして、年齢の高い職員が受験する区分におきましては受験負担を軽減するなど、子育てが終わった受験者に配慮した結果、平成12年度には19.2%でございましたが、先ほどご指摘のとおり、平成16年度には24.3%と、向上してきたところでございます。
このような受験制度の改正も行ってきているわけでございますが、受験率の男女差につきましては、さまざまな要因があると考えられてございます。職員自身の意欲の問題もございますし、委員がお感じになっているように、30代の子育て時代の一番大変な世代におきましては、負担感も非常に大きいということで、受験を遠慮しているという方もいらっしゃるのではないかと想像いたしているところでございます。
これらの問題を解消するためには、まず上司による動機づけ、女性職員の職域を拡大、職場における理解、さらに職員の意欲向上を求めまして、特定事業主行動計画を推進していくことで、それらの環境整備を進めてまいりたいと、このように考えてございます。