札幌市議会 > 1999-10-07 >
平成11年第一部決算特別委員会−10月07日-03号
平成11年第二部決算特別委員会−10月07日-03号

ツイート シェア
  1. 札幌市議会 1999-10-07
    平成11年第二部決算特別委員会−10月07日-03号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-26
    平成11年第二部決算特別委員会−10月07日-03号平成11年第二部決算特別委員会   札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第3号)                 平成11年10月7日(木曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  上瀬戸 正 則 君       副委員長   井 上 ひさ子 君     委   員  柴 田 薫 心 君       委   員  大 越 誠 幸 君     委   員  宮 本 吉 人 君       委   員  千 葉 英 守 君     委   員  道 見 重 信 君       委   員  笹 出 昭 夫 君     委   員  宮 村 素 子 君       委   員  鈴 木 健 雄 君     委   員  馬 場 泰 年 君       委   員  近 藤 和 雄 君     委   員  村 松 正 海 君       委   員  伊与部 敏 雄 君     委   員  加 藤   齊 君       委   員  西 村 茂 樹 君     委   員  猪 熊 輝 夫 君       委   員  畑 瀬 幸 二 君     委   員  小 野 正 美 君       委   員  藤 原 廣 昭 君     委   員  常 見 寿 夫 君       委   員  森   健 次 君     委   員  小 田 信 孝 君       委   員  柿 崎   勲 君     委   員  涌 井 国 夫 君       委   員  三 浦 英 三 君     委   員  飯 坂 宗 子 君       委   員  小 川 勝 美 君
        委   員  武 藤 光 惠 君       委   員  岩 村 よね子 君     委   員  田 中 昭 男 君       委   員  山 口 た か 君     委   員  松 浦   忠 君       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時 ○上瀬戸 委員長  ただいまから,第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,小田委員からは遅参する旨,また,勝木委員と馬場委員は交代をする旨,それぞれ届け出がございました。  それでは,議事に入ります。  第3款 民生費 第3項 老人福祉費の質疑を行います。 ◆岩村 委員  私は,敬老パスの転入者への交付と介護保険の問題について質問させていただきます。  まず,敬老パスの転入者への交付の問題についてですけれども,98年3定の決算特別委員会で,我が党の質問で取り上げて,長い人で約2カ月かかっていたものが1カ月に短縮されたというふうな改善の経過がございます。ところが,1カ月でもやはりまだ長い,転入届を出したときに速やかに交付すべきではないかという,強い市民のご要望もあるところであります。敬老の精神に基づいて実施され,大変喜ばれている事業ですので,年度途中で70歳になられた方も,また,他市町村から転入された方も,速やかに交付をされるという,そういう公平な事業にするべきではないかというふうに思うのですけれども,速やかな交付について,改善策の方向をまずお尋ねしたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  まず,敬老パスの転入者に対する交付事務につきましては,月2回,住民登録のデータを検索して対象者を抽出いたしまして,その名簿をもとに,交通局へパスの作成を依頼しております。そして,対象者に対して,はがきにより通知いたしまして,区役所に取りに来ていただくと,そういう形で進めているところでございます。これは,交付の対象者が70歳以上という高齢者であることから,手続を簡素化したいということと,それから,市外からの転入者の中には,札幌市の制度でありますので,この制度をよく知らないという方もいらっしゃるものですから,対象者を月2回,一括して電算でもって抽出いたしまして漏れなく交付すると,こういうことを考えて行っているものでございます。  以上でございます。 ◆岩村 委員  月2回の電算システムからの情報取り出しということでは,やはり1カ月かかるということで,月2回の電算システムの情報取り出しをもう少しふやすことはできないのかということと,それから,電算システムを通らないで,直接,転入届を出した区役所窓口で速やかに交付をする,そういうふうな方法ももちろん考えられるのではないかというふうに思うのですが,その点はいかがでしょうか。今のシステムですと,区役所,本庁,そしてコンピューター,また,交通局に行って,本庁,区役所ということで,大変長いプロセスがあるので,こんなに1カ月もかかってしまうというふうなことだと思うのですけれども,もう少し簡便な方法で,他都市なんかももう少し簡便な方法で交付しているというふうなことも,先日転入された方から聞いておりますので,なお一層の改善の方策というのがあるのではないかと思うのですが,いかがでしょうか。 ◎松下 高齢保健福祉部長  今,委員さんからお話がありましたように,確かに,迅速な交付ということについては,必要だというぐあいに認識しておりますけれども,今ご説明したとおり,まず,対象者に漏れなく電算でもってはじき出して連絡をとるということを第一に考えておりまして,さらに,住民登録されていることは居住されているということでありますが,はがきによって,実際に住んでおられるかどうか,居住確認をさせていただくということから,現行の方法をとらせていただいておるわけでございます。  ただ,今,私どもだけじゃなくて,交通局,各区,それから,住民登録データの検索の回数等,これらのこともありますものですから,これらの可能性がどうかということも含めて,関係部局と協議していく方向にはしていきたいというぐあいに考えております。  以上です。 ◆岩村 委員  電算システム,コンピューター機器の導入というのは,本当に便利になって速くなるというふうに市民の方は受けとめております。電算システムの導入によって,なお複雑になって遅くなるというふうなことでは納得しかねるところですので,もう少しやっぱり,区役所,それから本庁の業務の都合,コンピューターの都合というふうなことではなくて,とにかく公平な制度であるように,市民のご希望に沿った方向で,ぜひ,早急に改善策を出していただきたいということを要望して,この点については終わりたいと思います。  次に,介護保険にかかわって,認定の問題,それから施設整備の問題,ヘルパーさんの問題,介護手当の問題,この4点について質問したいと思います。  10月1日からきょう7日まで,実質5日間,認定の申請が始まっているわけですけれども,まず,この申請の総数が幾らになっているのかということと,申請が必要と思われる方への周知徹底の方法,そしてまた,現在,特に現行サービスを受けていない方で在宅で待機されている特養待機者の方々に対して,どのような申請を促す方策がとられているのかということを伺います。  それから,2点目,施設整備についてですけれども,8月末までの特養待機者が1,993人ということで,そのうち在宅での待機者382人というふうに伺っているのですが,これらの方々が,介護保険で要介護1から5という,施設入所の対象者として認定されたときに,本当に入所できるというふうな見通しがあるのかどうか。今の介護保険の事業計画では,プラス493,5カ年計画で特養の建設による定員増は493ということですので,これらの方々,特養を希望されている方々の入所の見通しについて伺いたい。  それから,介護保険の3点目は,ホームヘルプサービス,特に,24時間の巡回サービスについてですけれども,介護保険の給付は,メニューがあっても実際に体制がないので,特に夜間のヘルパーさんは派遣できませんというふうなことが,本市では決してあってはならないというふうに思うのですが,全市的に,全区的に,24時間のヘルパーサービスがとられるのかどうか,その準備がきちんとできるのかどうかということで,伺いたいと思います。中間報告では,24時間の巡回ヘルプサービスのヘルパーさんの数の確保が課題であるということが報告されておりますが,これについて,細かい体制について伺いたいというふうに思います。  それから,4点目は介護手当ですけれども,家族の負担軽減が介護保険の目的だということで,介護保険スタート,始まりましたら,現金での介護手当は要らないというふうなご意見もございますし,また,残してほしいというふうなご意見もございまして,いろいろ意見が分かれているところなのですが,私は,介護手当というのは,介護保険が始まっても,家族の介護負担をこれですべて軽減するということにはならないので,慰労手当として,ぜひ残していくべきだというふうに考えているものですが,今の時点で介護手当についてどのようにお考えか,伺いたいと思います。  質問は,以上の4点です。 ◎高本 介護保険担当部長  私から,ご質問のありました,10月1日から昨日までの要介護認定の申請の受け付け状況について,それと周知方法についてお答えをいたします。  昨日まで,全区で要介護認定の申請を受け付けた件数につきましては,1,216件でございます。  そして,認定申請の周知方法についてでございますが,現に介護サービスを受けている方につきましては,9月に,それぞれ個別に,手続の方法等について郵送でご案内をしております。また,その他の方,新たに申請をされる方もございますので,これにつきましては,広報さっぽろ9月号でも特集を組んでおりますし,この10月1日からは地下鉄を初め,公共施設にポスター,それとチラシなどを配付いたしまして,周知を図っております。  以上でございます。 ◎松下 高齢保健福祉部長  特養の在宅待機者の件でございますけれども,特別養護老人ホームへの入所の在宅待機者の中で,在宅福祉サービスを受けていない方,これは,平成10年6月1日現在で79名でございます。これらの方につきましては,区の保健婦等によりまして,保健事業であります訪問指導事業において,要介護認定申請の,介護保険制度の啓発等を行いまして,周知を図っているところでございます。  それから,次に施設整備の関係でございますけれども,施設整備につきましては,介護保険制度においては,高齢者が住みなれた地域で安心して介護を受けられる制度を確立しようということで,在宅重視を基本理念として,国から3種類の介護保険施設の指定がされております。おおむね65歳以上の人口の3.4%を標準とするということになっております。しかし,札幌市民の場合,施設志向が,従来から根強いものがありますので,在宅重視の介護保険制度の理念を基本としながら,今後とも,特養については,施設整備を進めていきたいと,これは介護保険事業計画高齢者保健福祉計画の中で進めてまいりたいと考えております。  ただ,入所の見通しということでございますけれども,特養と老人保健施設,それから療養型病床群,これらの3施設を含めまして,この施設の方の関係では対応をしてまいりたいなと,そういうぐあいに思っております。  それから,24時間の巡回型ホームヘルパーの関係でございますけれども,現在,六つの地区でモデル的にやってございますが,介護保険を開始いたしますので,ことし11月から,全区10区で,一応委託で実施する予定でございます。  それから,次に介護手当の問題でございますけれども,介護手当につきましては,介護保険事業計画策定委員会や,それから,今,市民意見交流会でも議論されておりまして,非常に,賛否両論あるのが現実でございます。これらの意見も含めて,私どもの方としても十分検討させていただいた上で結論を出してまいりたいと,そういうぐあいに考えております。 ◆岩村 委員  ありがとうございました。  認定申請のことについては,在宅サービスを一切受けていなくて,つながりのないというふうに思われる方が79名ほどだということで,安心しているのですけれども,保健婦さんの訪問指導によってきちんと周知徹底されるということで,これはこれで,きちんと漏れのないように,在宅で何のサービスも受けていなくて特養を待機しているという方々が,漏れなく認定を受けていけるようにということで,なお一層,漏れない体制ということを検討していただければいいと思います。  それから,施設整備についてですけれども,今の松下部長さんのお話伺っていますと,必ずしも厚生省の今の参酌標準の3.4%をきちっと堅持していくというふうなお答えには受けとめられなかったのですが,特養については整備していくというふうな,そんなふうに私は受けとめたのですが,3.4%の参酌標準にこだわらないというふうな本市の姿勢でいいというふうに解釈してよろしいのでしょうか。 ◎松下 高齢保健福祉部長  一応,国の参酌標準ということでもって基準になっておりますので,私どもとしても,どうしても在宅福祉サービスを基本にこれからも進めてまいりたいと思っております。この施設の数については,やはり在宅と施設とのバランスというものを国は考えての参酌標準というぐあいに考えております。  それで,ただ,札幌の場合は,今お話ししたように,施設志向が強いものですから,前の中間報告でもご報告申し上げましたけれども,スタート当初が3.63%ということで始めまして,5年後の16年には3.45ですから,国の標準の方に向けて,在宅と施設のバランスをとっていきたいと,そういうぐあいに考えております。 ◆岩村 委員  特に特別養護老人ホームの性質について,老健施設とも違いますし,療養型病床群ともまた違って,どちらかというと,今までは,死ぬまでいられるついの住みかとして,安心して暮らせる自分の生活の場所としてとらえている高齢者の方が多いと思います。今待っている方たちも,そういう思いで待っていられるというふうに思いますので,全体合わせて3.65%,5年後には3.45%という,そういうふうな数字的なものだけではなくて,本当に高齢者の生活の質,生活のレベルをきちんととらえた上で,本当に安心して死ぬまで暮らせる場所というふうな意味での特養の建設というのは,引き続き,私は必要になってくるのではないかなというふうに思います。  自立,要支援というふうに判定された認定外の方たちの受け皿づくりもやっぱり,死ぬまで暮らせる,安心してそこにいられる,どこにも行かなくていいという,そういうふうな施設整備が必要だと思います。在宅サービスとのバランスですけれども,やはり特養入所を申し込まれる方は介護度の重い方たちだと思いますので,在宅介護が破綻したときに,いつでも入所できるというふうな,そういうふうなバランスも含めて,今現在入所されている方たちが3施設合わせて4.1%というふうなことですので,引き続き,生活の場としての特養は必要だというふうなご認識で検討していただきたいなということを要望したいと思います。  それで,次に夜間ヘルパーさんの,24時間のヘルパーさんの問題です。介護保険が始まりますと,民間事業者の方々が,この夜間巡回ヘルプサービスというのも担われていくというふうに思うのですが,委託事業では,これまで2人体制でずっとやられてきたと思うのですけれども,民間事業者が今後とも委託事業と同じように,介護保険制度のもとで2人体制で行っていくというふうな保障は必ずしもないのではないかというふうに思うのですが,このあたりについて,どういうふうにお考えでしょうか。24時間ヘルプサービスについては,いろいろと課題が多いと思うのですが,2人体制を堅持していくというふうな中身になっていくのかどうか。  あと,介護手当については,ぜひ,なくさない方向で検討していただきたいということで,強く要望するということで,終わります。 ◎松下 高齢保健福祉部長  今のご質問の24時間の巡回型のホームヘルパーでございますけれども,介護報酬の仮単価が先日発表になりましたが。深夜ですと,約30分につき1回3,730円から3,225円,早朝は2,340円から2,687円,そして昼間が1,870円から2,150円ということで,総体で見ますと,単価そのものは,全体的には上がっているなというぐあいに,私どもは認識しております。それで,民間の事業者の参入は,これによって妨げられるような状況ではないのかなというぐあいに思っております。  それから,24時間巡回型の業務につきましては,15分から20分間で,体位を変えるとか,おむつを交換するという程度でありますので,パート1人であってもできる状況にありますので,サービス低下に即つながるものではないなというぐあいに考えているところでございます。 ◆岩村 委員  松下部長さんは,夜間でも,1人でも,おむつ交換とか体位交換ができるというふうに今おっしゃいましたが,私は義理の父の介護を夜中もやりましたけれども,夜間の巡回ヘルパーさんは,必ず2人で来ていただいても,大変だったというふうな体験もございます。夜間お願いする方というのは,介護度の相当重い方ですし,また,女性のヘルパーさんが夜間1人でお宅を訪ねるというふうなことについても,やっぱり大変だ,危険ではないのかというふうに思うところでもございますので,夜間巡回ヘルパーさんというのは,2人体制でやっていくというふうな,民間事業者であっても,在宅福祉サービス協会であっても,そういう体制は絶対必要だというふうに,私は思います。  それで,介護報酬も深夜は大変高いわけですから,2人行くと2人分の介護報酬を使ってしまって,そして,全体的な介護給付額に食い込んでいくというふうな中身になっていきますので,巡回型を2人で頼んだばかりに日中の介護サービスが薄くなるとか,そんなふうな事態も予測されるわけです。やはり24時間の2人体制の巡回ヘルプサービスが十分保障されるような,行政としての何らかのバックアップ体制というのも検討課題になってくるというふうに思われるのですが,家族介護を軽減するための24時間巡回ヘルプサービスですので,家族を休ませるために,わざわざ介護保険を使うというふうなことだと思いますので,その辺での行政のバックアップ体制は課題になると思いますが,いかがでしょうか。 ◎松下 高齢保健福祉部長  今,委員おっしゃられたように,確かに女性1人の深夜勤務というのは,実際上は厳しいものがあるなというぐあいに想定しております。  それで,ヘルパーさんの場合は,女性ばかりでなくて男性ということも考えられますし,それから,あと,深夜勤務帯の場合ですと,例えば,これはやるかやらないかは別ですけれども,緊急発信器みたいなもの,今,携帯電話等もかなり普及しておりますので,こういうようなものを持ちまして,例えば警備会社との連携等,そういうものも含めて対応していけば,女性1人の深夜勤務ということについても,ある程度,安心した形でもって取り組んでいただけるのかなと思っております。  ただ,2人体制はちょっと,2人分という形の報酬になりませんけれども,50%増しですので,昼間の時間の分が高くなっていますので,ここら辺の部分とあわせていけば,組み合わせによっては2人体制で組むことも可能になっていくのじゃないかと,そういうぐあいには考えております。  以上です。 ◆岩村 委員  じゃ,最後,要望いたします。  男性ヘルパーということで松下部長さんおっしゃいましたけれども,この間,厚生委員会でも,男性ヘルパーさんというのは本当に少ないのです。在宅サービス協会でもたった4人しかおりませんし,そのうちのパートが2人ということで,男性が本当に,一人前にヘルパーの仕事をやって家族を養えるというふうな,そういうふうな給料体制ではないわけです。だから,民間事業者でも男性のヘルパーさんをどんどん雇っていくなんていうような方向には,私はならないというふうに思っております。この問題については,これから始まっていくことでもございますし,民間事業者がやっているからそれでいいというふうな姿勢ではなくて,引き続き,札幌市も保険者として,行政として,きちんと見守っていく,そして,行政として必要な手だてはとっていくということを,ぜひ問題意識として持っていていただきたいということを要望して,終わりたいと思います。 ◆田中 委員  私の方から,2点お伺いしたいと思います。  介護保険に絡んでの問題ですけれども,今も岩村委員の質疑の中に出ておりましたが,介護保険の導入に伴い在宅介護の意識の普及をどう図っていくかということについてでございます。この問題については,私も昨年の3定の代表質問で取り上げさせていただいたところでございますけれども,一番の根幹にあるところではないかなというふうに思っております。  介護保険につきましては,今,認定審査が始まりました。現場の方で混乱が生じていなければいいがなというふうに危惧をしておりましたけれども,きのうもちょっと現場の方にいろいろお話聞きましたら,それぞれの施設の皆さんの協力もいただきながら,今のところ混乱は見られないで,順調に進めさせていただいていますというお話をお伺いいたしましたから,10月に至るまでに,事前の準備を随分されながら今日に至っているということで,関係者の皆さんのご苦労には,心から敬意を表したいというふうにも思います。  しかし,けさあたりの新聞を見ますと,介護保険の制度の根幹にかかわる課題について,政府部内の方で,まだ,多少という以上の論議が起きているか,これから起きてくるかということでございますから,先行き本当に,来年の4月からスムーズに実施されるかどうか,それに対する危惧は,今のところまだ消しがたいものがあるなというふうには思っております。  ただ,介護保険ということに代表しなくても,ある意味で,この介護保険を筆頭にして,従来の高齢者対策というものが,施設介護から在宅介護の方に切りかえますよと,こういうことはずっと介護保険導入の前からも,これは国の方もそういう姿勢であったと思いますし,それに倣って,市の方もそういう姿勢でいろいろ言われてきているはずでございます。在宅で介護をする,そういう考え方を今お持ちでございますけれども,その在宅で介護するという感覚が,本当に市民の皆さんにどこまで根づいているかということを,昨年の3定で質問させていただいたところでございます。  もっとも,昨年は,在宅でやります,在宅でやります,余り施設はこれからつくりませんというふうに言っていながら,緊急経済対策で大型の補正予算だと,こういうことになりましたから,特養老人ホームがたしか2カ所建ったと思いますし,増設もされたということでございますから,結局,そういうことにかこつけてという表現は使いたくはありませんけれども,やっぱり施設の方が重視されたということもあったかと思います。  そういうこともあって,なかなか本当に,在宅でこれから介護をしていただくのですよということのPRというのですか,市民意識を醸成するというか,そういうことの動きが,どうもいまいちじゃないかというふうに思っておりますし,これからも先行き,そういう問題というのはいろんな場面で提起をされるというふうに思っております。  数字的に申し上げますと,これも昨年の3定で出させていただきましたけれども,老人保健福祉マップというところの数字で言いますと,指定都市間の比較でも,札幌市は,療養型病床群でいきますと,指定都市間で断トツの1位でございますし,老人保健施設になりますと2番目と,特養老人ホームだと5番目ということで,この辺の施設関係というのは,指定都市の中でもかなり上位にランクをされていて,そういう意味では,施設的な整備は指定都市の中でも相当進んでいるというふうに,充実しているというふうに言っていいのかもしれません。  一方,じゃ,在宅の方のジャンルはどうなのだということになりますと,ホームヘルプサービスですと12位と,指定都市の中で,もうほとんど最低に近いと,ショートステイでも11位ぐらいだということになりますと,札幌市民の皆さんは,介護,福祉,高齢者福祉というと,施設利用といったものに,ほかの都市に比べても特徴的にそういう意識が強い市であると,こういうふうに思わざるを得ないのではないかというふうなことでございます。  市民の皆さんが,施設への要望が強いから施設が多いのか,施設が多いからそういうことになるのか,この辺の因果関係はよくわかりませんけれども,いずれにしても,そういう現状であるということは,本市のこれからの高齢者介護という問題において,ほかの都市にはない特徴的な市民意識がそこにあるということだけは,十分認識してかからなければならない課題ではないかというふうに思います。  そういう本市の市民意識の特徴を背景にしながら,これから在宅重視という中身の介護保険制度に入っていくわけでございますから,そこらあたりから,介護保険をやってみたけれども,今の岩村委員のお話の一部にも出ていましたが,介護保険導入ということで期待していたけれども,施設に入れないで在宅ばかりでということになれば,こんなはずではなかったといった意味の不満だとか苦情が一番起きやすいのが,我が札幌市ということになるのではなかろうかと。そういうことが一番根幹の問題で,懸念をされるということは考えておかなければならないし,頭の中に入れておかなければならない。さあ,どうするのですかということを昨年の3定で取り上げさせていただいたところでございます。  施設的には,今の3.4%,多いか少ないか,それを満足するか下回るか,これはこれから経年の中で,5年・10年先も含めて,その辺は数字として一応参酌されながら整理されていくことはあるにしても,在宅の方に市民の皆さんの意識というものが,そういうふうに向いていってもらわないと,なかなかそういう意味で,本来,これから向かおうとしている介護保険の成否というものにかかわってくるのではないかと,本格実施を来年の4月に迎えていれば,なおさら,ひとつ懸念をしておかなければならない今ではないかなというふうに思いますので,あえてまた,その部分についての質問をさせていただいているところでございます。  そういう札幌市民の皆さんの特徴的な施設偏重の意識をどう在宅という意識に切りかえていっていただくか,そのために,どういうことをこれまでやってこられて,そして,現状をどんなふうに分析されているか,あるいはまた,これからこういうことをやっていきたいと思っているということがあれば,お伺いをしたいというのが1点でございます。  2点目は,今も出ましたけれども,敬老パスの問題でございます。これも昨年の10月に,新しく申告制という,そういう制度になったということでございます。現在の申告制に至るまでには,検討懇話会の設置と,市民の皆さんの各般のご論議をいただいて,レポートをまとめ,報告書をまとめていただいて,そして,それをもとに,いろいろ,あのとき,本議会の中でも論議をいたしましたし,私もまた参画させていただきましたけれども,現状で,申告制ということになったわけでございます。昨年の今ですから,ちょうど1年でございます。  平成10年度の実績でいくと,決算報告書の中では28億強という数字で報告が出ておりますけれども,申告制に切りかえたことによる現状についての検証ということで,制度改正による影響というものをどのように把握されておられるかという意味で,1点目は,新制度におきますパスの交付枚数,交付率,並びに,協力していただきました交通事業者に支払われた補助金の実績といったようなもの。  あるいはまた,2点目には,こういう申告制に切りかえたことによって,市民の皆さん,あるいはまた交付事務に携わられました民生委員の皆さんからご意見が寄せられていれば,その内容をお聞きしたいというふうに思います。  それともう1点,この問題は,札幌市だけでなくて,ほかの政令都市でも似たような認識で問題を抱えているところがあるということは,昨年のこの制度見直しの中でもいろいろ紹介をされ,論議をされたところでございますが,3点目に,この1年間で,ほかの政令都市で,札幌市のように,こういう制度改正をやったところがあったかどうか,これをお伺いしたいというふうに思います。  以上2点,よろしくお願いします。 ◎高本 介護保険担当部長  私から,介護保険に関するご質問にお答えをいたします。  ご質問のございました介護保険導入に伴う在宅介護の意識の普及啓発についてでありますが,ご承知のとおり,この介護保険制度は,在宅での介護を基本として導入された制度でありますので,在宅サービスの充実を柱として,施設整備とのバランスも考慮しながら,現在,介護保険事業計画の策定であるとか,あるいは高齢者保健福祉計画見直しの中で,こういったことに重点を置いて検討を進めているところでございます。  このような在宅サービスの基盤整備の充実と相まって,委員ご指摘のような在宅介護の普及啓発というのは,当然図っていく必要があるわけですけれども,サービス利用の相談窓口となります区の保健福祉サービス課であるとか,あるいは在宅介護支援センター,そして,介護保険によってケアマネジャーという新たな職種ができますので,こういったケアマネジャーのいる事業所などにおいて,利用者の状況に応じまして,在宅サービスの利用促進に関する適切な助言であるとか意識啓発等を図ってまいりたいと,そのように考えております。  以上でございます。 ◎松下 高齢保健福祉部長  敬老パスの件についてお答えしたいと思います。  まず,敬老パスの交付実績についてでございますけれども,制度を変更いたしました昨年10月時点での交付枚数は,11万7,770枚でございました。全交付対象者に占める割合は,79.21%という結果でございます。  それからまた,各交通事業者にお支払いした負担金の合計は,今,先生からお話あったとおり,28億1,000万円ということでございます。10年度の当初予算に比べまして,約9,500万円の減となっております。さらに,11年度予算と比較いたしますと,27億1,800万の予算額でありますので,10年度予算に比べますと,約1億8,800万円の減というぐあいになってございます。  次に,新制度に対する市民の意見ということでございますけれども,昨年上半期におきましては,議会等でもいろいろ議論されましたので,直接・間接にいろんなご意見が私どものところにも出されましたし,議会にも請願・陳情という形で出されたというぐあいに記憶しております。実施した昨年10月以降は,全くと言っていいほど寄せられてございません。  それから,政令都市でそういう改正があったのかというお話でございましたけれども,大分以前に神戸市が実施したということは聞いておりますが,そのほかの都市では聞いておりません。  交付の事務に対して,民生委員さんにご協力をいただいたのですけれども,これに対しましては,会場,交付期間,交付方法などに関しまして,それぞれご意見いただきました。内容は地域によりまして違いますけれども,交付期間について,ちょっと長かったという意見が一部にありましたが,制度の変更につきましては,おおむねご賛同をいただけるということでございました。  以上であります。 ◆田中 委員  1番目の市民意識の問題ですけれども,特段のことはやっていませんと,これから,ケアマネジャーさん含めて,ケアプランを作成する段階で,在宅ということをわかってもらいながら,徐々に広めていこうとするのですといったようなトーンのお話でございました。そういうことだからやっぱり,市民意識と,これからやられようとする,在宅重視というふうに皆さんおっしゃっているわけですから,そこのところのギャップを私は心配せざるを得ないということを申し上げているのであります。  ホームヘルパーさん,来てもらうのはいいのだけれども,家の中に入ってもらうので,来るということになれば,家の中を掃除しなきゃならないから,その手間考えたら,余り頼みたくないということを現実におっしゃっている奥さんたちもたくさんおられるわけでございます。その辺のところが,札幌市民の皆さんの社会的な状況が,やっぱりほかの本州の他都市とは違うのかなという感じもしますが,在宅ということに対する理解というのは,本州の各政令都市に比べれば格段に違った意識をお持ちだということをやっぱり念頭に置かなければなりません。  今のご答弁で十分だと,私は思うわけにはいきませんけれども,その点は,これからさらに大きく浮かび上がってくることだと思いますから,ぜひひとつ十分留意をいただいて,その辺のPRの仕方というものをなお工夫いただきたいというふうに思いますので,この点は要望ということにさせておいていただきたいと思います。  それから,敬老パスの問題で,ほかの政令都市の方もいろいろ問題点は抱えておられるようですということは,去年も出ておりましたけれども,結果として,この1年間,ほかの都市では,札幌市のような,それが大幅であるか小幅であるかは別にして,制度改正をやったところはなかったようだということでございますから,問題はあるにせよ,この制度というのは,今の社会の中で,ある意味で言うと根づいた制度というふうに考えておかなければならないのかなというふうに思っております。  この制度を支えておられますのは,交通局もそうですけれども,民間も含めて,いわゆる交通事業者の皆さんでございますが,特に昨年,私も,この問題については,現行の交通事業者の方に支払う金額の算定根拠,一般市民の皆さんに対して,利用率が大体0.5という数字だったと思いますが,そこらあたりの比率のとり方が,現状と,実情と随分乖離があるという話を,随分交通事業者の方からお聞きしたものですから,この制度が,使われる方に喜ばれていることは間違いないと思いますが,しかし,そのことが交通事業者さんの過重な負担によって維持されているということになると,これまた問題にしなければならないということで,そこのところのお話し合い,ご相談を十分してくださいということもあのときに申し上げたところでございます。今度の制度改正に伴って,その辺の,それぞれの交通事業者とどういうふうな対応をされたのか,そして,今どういう評価を皆さん方はお聞きになっているのか,それをお伺いしたいというふうに思います。  最後に一つ,制度改正して1年ということでございますけれども,もう1年はこのままということでしょうが,この先,この敬老パス制度の再度の改正ということをお考えになっているのかどうか,その辺の考え方が,今,那辺にありやということをちょっとお伺いしたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  各交通事業者の意見についてでございますけれども,各交通事業者には,制度の変更について何回かご説明もし,協議もいたしました。各交通事業者さんとも,今のような経済情勢でありますので,決して楽ではない状況なのだということを訴えられました。ただ,本制度の趣旨と,その改正の目的をお話ししてご理解をいただいて,引き続きご協力をいただけたということであります。  それから,ただ,具体的な意見といたしましては,制度の存続は各事業所さんも望むと,それは,パスの使用実態に見合った経費の算出ということに,どちらの事業者さんも意見は大体一緒でございました。  それから,次に,今後の制度のあり方をどう考えているかということでございますけれども,これは,本制度も含めまして,これらの制度,札幌市の制度全般でありますが,市民の支持がなければ――その意味でも,多くの市民のご理解が得られるような制度に変えていかなきゃいけないというのは,これはいつの時代でも同じだと思っておりますので,そこら辺の基本的な考え方は変わっておりません。特に,少子高齢化の進展という社会情勢の中で,高齢者福祉施策につきましても,その果たす役割等については今後も検証していく必要があるなと,そのように考えております。  以上です。 ◆田中 委員  介護保険に絡む在宅の考え方は,市民意識の転換という意味では,再度,ぜひひとつ,留意をした具体策というものをお持ちいただきたいということを重ねてご要望をさせていただきます。  敬老パスについては,交通事業者さんと十分話し合いはされているということでございますが,利用実態に応じてというご要望が強いのは,まさにそのとおりでございまして,どうしてかというと,利用実態を余り反映していない算定方法になっているような嫌いを私も受けておりますので,その辺は,さらに今後とも十分ご相談をいただきたいというふうに思っております。  この制度が市民の皆さんのご理解をいただけないと,なかなか改正も考えなきゃならないというご答弁でございますが,もちろんそうでございますけれども,逆に言うと,ある意味では,定着をしている制度かなというふうに思います。先ほど,ほかの政令指定都市で何か改正したところありますかと聞いたのは,そういう意味でお聞きしたのですけれども,名古屋の場合のようなケースはちょっと参考にはならないかと思いますが,本市のように70歳以上ということであれば,おおむね市民の皆さんの中に定着をされているのではないかというふうに思いますので,引き続き,この制度がいい意味で継続されるように,それぞれの関係方面の皆さんとのご相談をされてまいりますようなことをお願いして,終わります。 ◆山口 委員  ちょっと風邪を引いておりまして,聞き苦しいかもしれませんけれども,何点かお伺いをしたいと思います。  初めに,介護保険についてですけれども,これは段々の質疑がありましたし,先日の厚生委員会でも質疑がありました。着々と申請も進んでいるようなお答えもございましたので,簡潔にお尋ねをいたします。  まず申請,そして認定というふうに進むわけですけれども,施設から出なくてはいけない人が何%出るとか,その対応をどうするかという議論を何度もされているわけでありますが,私は,ある意味で,施設入所している方なり,してしまえば,ある面心配はない部分かなと。  逆に,自立と判定されて,現在受けているサービスを受けられなくなる方の方が心配だというふうに考えるわけなのですけれども,現在市のサービスを受けている人で,今回の認定で,自立と判定される方が何人と大体想定をされているのか,お伺いします。試算によりますと,10%と言われていますが,福祉自治体ユニットという自治体の首長が集まった会合では,25%はじかれるというふうに試算している自治体もありまして,札幌の場合,どれぐらいなのかということをお尋ねしたいと思います。  それから,低所得者対策等がいろいろ議論をされておりますが,今,田中委員からもありましたが,国の動向では,例えば1年間凍結なんかも出たり,一番直近の,国の保険料に対する動向というのをお示しいただきたいというふうに思います。  それから,上乗せ・横出しの件なのですけれども,この間の事業計画策定委員会の,私も傍聴したり議事録を拝見させていただきますと,いわゆる上乗せ・横出しサービスはしない方向で,保険料の上乗せになるので,基本的には慎重に検討すべきという意見が大勢だということですから,多分,国の法定のサービス以外は保険には乗せないだろうというふうに考えるわけですが,であれば,これは高齢者保健福祉計画の方をいかにたくさん準備をしていくかということになるかと思います。
     その中で,先般の委員会でもちょっとだけ触れさせていただきましたが,通院とか社会参加のために手軽に使える移送サービスを実施してほしいという声が非常に多い,各区の市民意見交流会でも出されております。  その辺のところで,漠然とした松下部長の検討したいというお答えはあったのですけれども,ただいま田中委員の方から,敬老パス事業も含めた見直しというような質疑がございましたが,9,500万円,制度の改定で費用が減ったと。そして,さらに今年度については,先ほど1億8,800万円というお答えありましたが,であれば,多分,このパスは,使えない方は申請しなかったと。それから,経済的にいいよという方とか,まだお勤めしていらっしゃる方は申請しなかったというふうに思うのですが,使えなくて申請しなかったという方は,施設に入っていらっしゃる方もいるかもしれないけれども,公共の乗り物には乗れないと,そういうような状態の方かなということも想定されるわけですから,逆に,この減額になった予算を移送サービスの方に回すことで,かなり市民のニーズにこたえられるのではないかと考えるわけなのですが,この移送サービスのお考えをお伺いいたします。 ◎高本 介護保険担当部長  私から,ご質問のございました2点目の,最近の介護保険をめぐる国の動きということで,知り得る範囲でお答えを申し上げます。  厚生省では,現在,必要に応じて全国会議を開催しておりますが,最近では,9月17日に開催をされております。それ以降,国からは正式な情報が来ておりません。したがいまして,高齢者の介護保険料や利用料の負担軽減策につきましては,本日の新聞などでも報道されておりますが,現在,国政レベルで政策的な議論がされていることは承知しておりますが,具体的な内容については把握していないという状況でございます。  なお,9月17日の全国会議におきましては,介護保険制度を円滑に実施するための対策に要する経費につきましては,来年度予算編成の過程において検討すると,そういったような説明は受けております。  以上でございます。 ◎松下 高齢保健福祉部長  自立と判定される人数の見込みということでございますけれども,昨年6月現在で,何らかの在宅サービスを受けている方は,全市で1万2,405人ございまして,昨年行った実態調査の結果等からは,そのうち1割強が自立と推計されておりますので,1,500人程度が自立になるなと,そういうぐあいに推計しております。  それから,移送サービスの件でございますけれども,敬老パスでもって浮いたので,それを移送サービスに向けるには十分じゃないかというご発言でございましたが,それも一理あるなというぐあいに受けました。ただ,実際には,在宅福祉サービスの充実ということで,経費面で,福祉の方にずっと予算をとっておるものですから,そこら辺のところで,在宅福祉サービスを充実してきたという面がございます。  ただ,先日の厚生委員会の中でもお話しいたしましたけれども,介護保険の法定外事業として実施するに当たりましては,サービスの対象者,利用目的等サービスの範囲ですね,それから実施主体,行政のかかわり方,それから,今の費用負担の問題というものも整理していかなきゃいけないなと,そういうふうに考えておりますので,これにつきましても,今開催しております策定委員会の中の議論も参考にしながら検討させていただきたいと,そういうぐあいに考えております。  以上です。 ◆山口 委員  国の動向という,国政レベルでもいろんな動きがあるということでございましたけれども,私は,きょうまで本当に職員の方も多大な力を注がれて準備をされてきたわけですし,とにかく,この制度がスタートするとしてもサービスがないと,例えば保険あって介護なしになるのではないかという議論もありましたが,今は,保険もなくてサービスもないという状況だというふうに私は思いますので,その辺では,ぜひ,粛々と準備を進めていただきたいというふうに考えるわけなのです。  そこで,1,500人ぐらいの方が自立と判定されると。そうすると,さまざまな在宅のサービスが受けられなくなるわけなのですけれども,施設入所の方は,5年間の経過措置という中で,いろんな住宅政策を転換していくのだということが前にも部長から示されておりますので,在宅で1,500人ぐらいの方をどうするかということが大きな問題だというふうに思います。  元気な方たちの老人クラブと,そうではない方のデイサービスの中間ぐらいの,予防と保健を目的としたサービスが欲しいということが市民意見交流会でもたくさん出されておりまして,これを,ぜひ市でやるべきだというふうに考えるわけなのですけれども,具体的にはどんなことを考えていらっしゃるのか,お尋ねをしたいと思います。  それから,スタートしまして,この間の臨時の議会では,審査会の定数条例が通ったわけですが,今度は全体的な,保険料とかも含めた条例づくりというのに今着手をされていると思うのですけれども,この条例が,単に介護保険法を施行するための施行条例になさるおつもりか,あるいはまた,私は,ここは自治体の力量が問われてくるのだと思いますが,市民のさまざまな権利とか,行政の務めとか,それから苦情処理の問題,あるいは,その権利をどうやって確保していくかというようなことも含めた,普遍性を持った社会サービスにしていくのだと。お仕着せの福祉から,そうではない社会サービスに転換していくのだというようなことも盛り込んだ総合介護条例のようなものにしていくべきではないかと考えるわけなのですが,その辺で,今,条例づくりに入られていると思いますけれども,国の条例準則にのっとって,そのまま同じようなものをおつくりになるのか,あるいは札幌らしいものをおつくりになるお考えか,その辺の進捗状況とお考えを伺いたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  自立になる方の受け皿対策の件でございますけれども,現在,在宅福祉サービスを受けている高齢者の方が自立と認定されれば,当然,介護保険からの給付が受けられなくなるということでございます。その場合,今まで受けておられましたから,それが即なくなりますと生活に大きな支障が出てくると,こういうことは認識しているところでございます。  それとまた,介護予防ということも,一つの大切な施策でございますので,これらを含めまして,介護保険外で,具体的にとおっしゃられたのですけれども,何らかの保健・福祉サービスを提供する必要があるなと,そういうぐあいに考えておりますし,また,保健事業の中で,訪問指導,それから機能回復訓練等も強化しながら対応するというようなこともあわせて考えてまいりたいと,そういうぐあいに考えております。 ◎高本 介護保険担当部長  ご質問の2点目の,今後,介護保険条例を制定するに当たって,どういった考えで進めるのかというご質問かと思いますけれども,この介護保険条例は,介護保険法に基づきまして,全市町村が法の施行前の来年3月までに必ず制定しなければならない条例であります。そういったことで,条例制定の手法であるとか内容につきましては,人口規模とか財政規模,そういった都市状況の似通っている他の政令指定都市とも,今,密接に情報交換を行いながら準備を進めていると,そういう状況でございます。 ◆山口 委員  中間の保健予防のサービスということでは,何らかのというお答えでしかなかったのですけれども,例えば,国なんかが準備をしているものがあるのかないのか,あるいはまた,市民が自主的に,全く持ち出しでやっております地域のミニデイサービスなんかがあります。これは厚生委員会でもちょっと紹介をさせていただきましたが,今の国のデイサービスの基準ですと,入浴がなくちゃいけないとか,あるいは,食堂があって食事の提供をしなくちゃいけないとかというのがありますけれども,もうちょっと,自立と判定される方ですから,そこまでのサービスはなくても,やっぱり人と出会う場があるとか,行く場があるとか,そういう意味での,予防という意味でのサービスであれば,現在のデイサービスと同じ基準じゃなくてもいいのではないかというふうに考えるわけなのですが,その辺を取り組まれるお考えがあるのか,国の考えとあわせてお示しをいただきたいと思います。  それから,ちょっと先ほど,移送サービスのところで再質問するのを忘れたのですけれども,このサービスは,もともと必要に迫られてNPOなんかが始めましたが,道路運送法なんかがクリアされていないということで,お金をいただくことは白タク営業になるということで,ほとんどボランティアで行われているわけなのですね。現実に札幌市内でもいろんな区で展開をされていて,これはやはり,私は,ちゃんと法に位置づける,あるいはまた,自治体がやるよということで運輸局から道路運送法の許可を受けると自治体はできるわけですから,自治体がどこかNPOなんかに委託をするという手法もあるかなというふうに考えるわけなのですが,その辺を含めまして,例えば,国に道路運送法の改正を強く働きかけていくようなことをこれまでなさったのか,さらに,今後の位置づけなりお考えがおありかどうか,お尋ねをしたいと思います。  それから,条例のことなのですけれども,法の施行をするための条例ということであれば,施行条例だけということですよね。それで,今,八王子市なんかでは,そうではなくて,まさにこの介護保険を使って,住民自治,市民自治を高めるための道具にしていこうというようなことで,9月21日から直接請求が始まっておりまして,これは介護基本条例というようなものにしていこうという動きなんかも出ておりますし,市民法制局で市民案といいますか,市民がつくった条例案というものも公表されております。  やはり私は,他の政令市の動向を見ながらとか,国の準則にのっとってということは,この介護保険の場合はふさわしくないというふうに考えるわけなのですね。福祉の大きな転換点の中の一つのメルクマールとしてこれを考えるのであれば,やはりそのような形で市民の声も入れて,幅広い介護条例といったものにしていく務めもあるのではないかというふうに考えるわけなのですけれども,条例制定権あるわけですから,その辺のところで,再度お考えを伺いたいと思います。  まず,それだけ,再質問です。 ◎松下 高齢保健福祉部長  まず,最初のミニデイサービスの関係でございますけれども,非営利組織,NPO等による福祉分野における市民活動については,介護保険外においても,行政や営利企業では担えない分野を,特に地域での支え合いという分野でもって重要な位置を占めておられるというぐあいに考えております。  それで,国の方では,生きがい対応型デイサービスということについてやっておるのですけれども,これは,国庫補助の対象となるものについて,まだその具体的な要件等を明らかにしていない部分もありますので,サービスの内容とか対象者,それから実施場所等について,国の生きがい型のデイサービスの進め方を見ながら,私どもの方でもちょっと検討させていただきたいなと,そういうぐあいに考えております。  それから,移送サービスのことでございますけれども,これについては,直接私どもの方で国に対して働きかけはしておりません。ただ,前にいただいた資料の中で,移送サービス活動の法制化に向けて,国に対して緊急提言されている団体等もあるというぐあいにお伺いしておりますので,こうしたことも注目してまいりたいと思いますし,また,指定都市等の論議の中でもこういうことが取り上げられるものであれば,そういうことも検討する必要があるのかなと,こういうぐあいに考えています。  以上です。 ◎高本 介護保険担当部長  先ほど,介護保険条例の性格であるとか,あるいは条例制定のスケジュール的なことは申し上げましたけれども,委員からご質問のございました理念的な部分,これにつきましては,介護保険法はこれからつくる条例の上位法であり,そういった介護保険法に,例えば共同連帯の理念であるとか,あるいは在宅重視,市民参加と,そういったような理念的なことについては,介護保険法に盛り込まれているわけでありますが,改めて,これからつくる条例にそういったことを規定すべきかどうかにつきましては,今後検討させていただきたいと思います。  以上です。 ◆山口 委員  生きがい対応型デイサービスについては,まだ国から詳しいものが示されていないということですが,例えば中学校区に1カ所ぐらいというようなことでご検討いただきたいと思いますし,あわせて,住民参加型でやっておりますミニデイサービスなんかも認知をしていくというような方向で,ぜひ検討をいただきたいということを要望しておきたいと思います。  それから,条例については,平行線といいますか,なかなか厳しいお答えだったかなというふうに受けとめてしまったのですけれども,この辺についても,議会での議論が,このようなきょうのやりとりも含めまして,策定委員会に情報提供していただきたいということを求めておきたいと思います。  最後になりますけれども,この介護保険計画とあわせて高齢者保健福祉計画を見直しているわけで,その中の,先ほど来申しました上乗せ・横出しにできない部分のサービスをいかに盛り込んでいくかなのですが,特にその中で,先ほど来,NPOというお言葉もありましたが,今回の見直しの計画には,ぜひ,明確にNPOとワーカーズ・コレクティブを位置づけていただきたいというふうに考えるわけなのです。  前回の高齢者保健福祉計画のやりとりのときも,実は,私は,ワーカーズ・コレクティブを位置づけるべきだということで,質疑をさせていただきましたが,まだ認知度が低いと,その言葉を知っている人は少ないということで,市民参加型の援助活動というような表現になってしまったのですね。この住民参加型援助活動というのがワーカーズなどのNPOを指すのですねということで質疑をしたときに,そうですと,当時の高齢化対策推進部長の高橋部長はお答えになりまして,これは,NPO,ワーカーズを指しているということはもうはっきりしているのですね。  これが終わって,今新しいのをつくるときに,今こそ,時代状況は大きく変わりました,NPO法も制定をされましたし,現実に,平成10年に企画調整局の都市政策室と民生局社会部で行いました自治体と市民活動団体とのネットワークづくりに向けた政策研究を拝見しますと,ワーカーズ・コレクティブというのが明確に位置づけられて,地域の非常に優良なサービス供給主体であるというふうな位置づけも,この報告の中でされております。  ぜひ,その調査結果を踏まえた今後の課題というところにも,在宅有償型市民活動については,行政とはパートナーとして対等であるという意識も持っていますし,活動や担い手の拡大にも意欲的だが,運営費の確保,長期的資金繰りなど,抱える課題も多いということで,行政が積極的に特徴を把握して支援すべきであるという調査結果が,これは市がまとめたものですが,出されているわけなのですけれども,その辺のところで,新しくつくる高齢者保健福祉計画に明確に位置づけるというお考えはおありかどうか,伺います。 ◎高本 介護保険担当部長  高齢者保健福祉計画介護保険事業計画につきましては,先般,中間報告という形で報告させていただきましたが,今後は,残された課題を整理いたしまして,最終報告という形で取りまとめますが,その内容としましては,どういった目標を掲げて,それに対してどういった施策をとるか,そういうことにつきましては,これから介護保険事業計画策定委員会の中で,今,委員から申し出いただきました事項も含めまして,検討させていただきたいというふうに思っています。 ◆山口 委員  最後になりますけれども,前の計画では,国が都道府県や市町村に保健福祉計画の策定を義務づけました。そこで,本市でも策定しましたということになっているのですね。私は,これからの21世紀の福祉のあり方を含め,何度も申し上げておりますけれども,措置から権利へと,施し,お仕着せから,選択するサービスへという大転換の中で,国がつくれと言いましたからつくりましたという前書きでは余りにも寂しいというふうに考えるわけで,先ほど来の介護保険の条例も,そういうような中身で理念を盛り込んだものにすべきだという,そして,市民のパワーを明確に位置づけるべきだということで質問させていただいたわけなのです。  今,消費税を福祉目的税にするなんていうのも,国政の方で議論があったり,この介護保険スタートに当たっては,税で行うべきか,保険で行うべきかという議論があったことも承知をしておりますけれども,私は,市民の力,自発的な,内発的な力を生かして,公がやる,行政がやるサービスの限界というのも踏まえた上で,そして,行政と民間の間にある市民のパワーというものを活用した段階で初めて,中負担でありながら高福祉ができるという日本型の福祉が実現するのではないかなというふうに,かねてから考えているわけなのです。  そういうことも含めまして,ぜひ,市民の力を信頼するような,そしてまた,自治体がみずからの主体性で積極的につくっていくのだという形を盛り込んだ条例並びに計画にしていただきたいということだけ強く要望して,終わりたいと思います。 ◆鈴木 委員  私から,介護保険制度の本格的実施を半年後に控えて,制度に向けた本市の取り組みについて,数点お尋ねをしたいと思います。  10月1日から,いよいよ要介護認定の申請受け付けが開始をされたところであります。これから認定調査,あるいは介護認定審査会における審査判定作業などが,順次,各区において実施されていくものと思っております。また,認定結果に基づいた,民間事業者によるケアプランの作成も始まろうとしているところであります。来年4月の本格実施に向けて,本市においてもその第一歩を着実に踏み出したわけでありますが,まず,10月から始まった認定事務に関連をいたしまして,数点お伺いをいたします。  先ほども,昨日までに1,216件の申請があったというようなお話をされておりました。そこで,申請を受け付ける側と,そしてまた申請した側と,双方の間に混乱がなかったというようなお話も聞いているところでありますけれども,改めて,双方に混乱があったのかなかったのか,その辺お伺いをいたしたいと思います。  2点目につきましては,受け付けを行った申請のうち,現在まで,認定調査をどの程度行っているのか,お伺いをいたしたいと思います。  さらに,その調査の際に,先日,テレビで,札幌市ではなかったと思いますけれども,調査を受けた方が,何か警察の尋問を受けているような気分だったという報道もちょっとありましたが,これは札幌市の話ではありません。札幌市においては,モデル事業を通じたり,研修も重ねて,十分な対応をされているかと思いますけれども,その辺も含めて,ひとつお答えをいただければありがたいと思います。  3点目として,介護認定審査会のスケジュールについてどのようになっているのか,お伺いをいたします。  さらに,第4点目でありますが,ケアプランの作成に着手するのはいつごろか。  あわせて4点,まずお伺いをいたします。 ◎高本 介護保険担当部長  ご質問のございました要介護認定並びに認定審査会,それとケアプランに関する質問についてお答えをいたします。  まず,申請件数でございますが,11月1日から要介護認定申請受け付けを行っておりまして,昨日まで申請があった件数につきましては,先ほど申し上げましたが,全区で1,216件でございます。このうち,実際,本人または家族の方が直接区役所の窓口に申請されたのは132件でございます。本市では,利用者の利便と,それと窓口での一時的な申請集中を避けると,そういったことから,認定申請の始まる前の9月から,指定居宅支援事業者,ケアプラン作成機関による代行申請によりまして,申請時期の調整を行ってきておりますので,窓口では混乱もなく,現在のところ順調に手続が進められております。  また,昨日までに訪問調査を行った件数につきましては,584件でございます。先ほど,実際の調査に当たっていろいろトラブル等はなかったかというご質問かと思いますけれども,実際に訪問調査をするに当たりましては,例えば,調査に入る前に,お年寄りの近況などをいろいろ聞いて,リラックスした雰囲気で実際の調査を始めると,そういったような文書,あるいは区に対しての説明を行っておりますので,訪問調査に関して,利用者といろいろもめたとか,そんなような話は,その後,区の係長会議なども実施しておりますが,そのようなことは入ってきておりません。  それで次に,認定審査会の開催時期についてでありますが,現在,各区で,実際の認定審査に先立ちまして,モデル審査会というのを実施しております。この後,第1回目の認定審査会につきましては,10月20日から行われる予定でございます。したがいまして,調査結果が本人に通知されますのは,10月25日ころからということになります。  それと,次に,ケアプランの作成時期についてでありますが,来年1月までに介護報酬が決まると。現在,仮単価が出ているわけですが,実際,介護報酬が確定するのは来年1月末ということでございますので,その後,実際にケアプランの作成がスタートするのは,2月初めころからという予定でございます。  以上でございます。 ◆鈴木 委員  ただいまの答弁で,10月1日の申請受け付け時には,申請者が窓口に押しかけて混乱を招くのではないかと心配をいたしていたところでありますけれども,本市が採用いたしました申請代行の方法が功を奏したと,そういったことで,窓口の混乱もなく申請受け付けが行われたと,そんなふうに評価をしたいというふうに思っております。そして,本市の認定事務が順調に滑り出したというふうに,高く評価をしたいと,そういうふうに思います。  しかしながら,来年4月の本格実施に向けて,解決を図らなければならない課題も数多く残されていると思います。また,サービス事業者に支払われる介護報酬やサービスの利用限度額といった重要な事項についても,いまだ明らかにされていない現状でございます。  そこで,介護保険制度を円滑に導入し,安定した制度運営を行うために,制度導入までのこの半年間の間で,本市が最優先に取り組まなければならない課題とは何か,そして,その対応策についてどう考えておられるのか,お伺いをいたしたいと思います。 ◎高本 介護保険担当部長  来年4月の本格実施までの今後の残された課題と,それに対する考え方というご質問かと思いますけれども,来年4月の本格実施まで取り組まなければならない課題については,まだ数多く残されています。そのうち,当面,優先して取り組まなければならない課題ということで何点か申し上げますと,まず,介護保険制度を円滑に導入する上で,先ほど来お話をしております高齢者保険福祉計画と,それから介護保険事業計画の策定,これについては最優先に取り組まなければならない課題というふうに認識しております。  さきの厚生委員会におきまして,これまでの検討状況につきまして中間報告ということで取りまとめ,報告を申し上げておりますが,今後,残された検討項目について精力的に取り組みまして,明年1月末ころまでには最終取りまとめを行いたいと,そのように考えております。  次に,要介護認定を受けた結果,自立と判定された方であるとか,あるいは要支援と判定された施設等の入所者に対する対応についてであります。特に,現在,サービスを受給していながら,介護保険制度の認定の結果,適用を受けないと,そういった方が生じるということも考えられますので,その対応策については急務であるというふうに考えております。その対応策については,早急に取りまとめたいというふうに考えております。  また,保険料や利用料についての低所得者対策についてでありますが,先ほども申し上げておりますけれども,現在,国政レベルで真剣に論議をされている最中でもありますので,その財源措置を含めまして,現在,他の政令市との連携をとりながら,今後とも国に対して強く要望してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆鈴木 委員  ただいまの答弁で,幾つか課題を挙げられてご答弁をいただきましたが,中でも,自立・要支援者対策は,最優先,最重要課題であると,私も深刻に受けとめております。10月から認定申請の受け付けが始まり,早ければ今月中にも自立・要支援の認定結果の通知が申請者のもとに郵送されることになります。私の代表質問の中でも取り上げさせていただきましたけれども,現時点で具体的な対策が示されていない状況の中で,自立・要支援の通知を行うことになれば,来年からサービスが受けられられなくなるのではないかという大きな不安がさらに広がってくるのではないかと,そんなふうに思っております。本来でありますと,通知が届く前に対策が示されていなければならないと思うわけであります。そういった意味で,緊急に対策が必要な課題として,自立・要支援者対策の具体的な内容につきまして,いま一度お伺いをしたいと思います。  まず,1点目は,自立者であっても,現在受けている在宅サービスが継続して提供されることになるのかどうか,代表質問のときよりはいま一歩市民不安を理解いただきまして,踏み込んだお答えをいただければありがたいと,そんなふうに思います。  また,2点目として,自立・要支援者の施設サービスの受け皿となる高齢者生活福祉センターの詳細についてお尋ねをしたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  自立・要支援対策についてでございますけれども,1点目の,自立と認定された方への在宅福祉サービスの提供につきましては,先ほどもちょっと山口委員の方にお答えいたしました。それで,踏み込んでというご質問でしたけれども,介護予防という観点から,サービスの継続というものは必要だと,そういうぐあいに強く感じております。  それから,その種類とか内容につきましては,現在策定しております高齢者保健福祉計画の中で,十分に検討してまいりたいということで考えております。  それで,2点目の高齢者生活福祉センターについてでございますけれども,この施設は,従来は,設置地域が,山村,過疎,離島というところに限定されておりましたが,これらの限定が撤廃されまして,都市部においても整備できるようになったということでございます。入所対象者につきましては,60歳以上のひとり暮らしや夫婦のみの世帯と。それで,高齢等のために独立して生活することに不安のある方が対象かなと。そして,これにはデイサービスが併設されるということになっておりますので,当然,デイサービスの利用も可能になるということでございます。  施設の内容といたしましては,自炊設備を備えた個室,浴室,集会室等が整備されておりまして,入所者のために生活援助員が1人配置されるということになりますので,高齢者の方にとっては,そういう面でも安心して生活していただける施設になると考えております。  以上でございます。 ◆鈴木 委員  最後に要望をさせていただいて,終わりたいと思います。  私は,急速に高齢化が進む中にありまして,老後における最大の不安要因と言われる介護問題を解決するため,来るべき21世紀に向けて,介護保険制度の導入は,いわば,最後の切り札として欠かすことのできない社会保障制度の改革の一つであると認識をいたしております。健康保険,それから年金保険,失業保険,労災保険と,今まで四つの保険で生涯安心できる保障を受けていたところでありますが,少子化,核家族化というような,急激な高齢化の中にあって,今,五つ目の保険でもって生涯の安心を保障しようということだというふうに思っております。  そこで,すべての市民が安心して介護保険制度を利用できるように,残された課題について,特に,低所得者対策,先ほど,国の方でも議論が,今改めてなされようというようなことも言われているところでありますけれども,それと同時に,ただいまの自立者対策については,国や道と十分に協議をしながら早急に取り組んでいただきたいと。その結果を市民に,目に見えるような形で早急にお示しをいただきたいと,そう思っております。  さらに,この介護保険制度は,先ほどもお話がございましたけれども,これまでにない新しい仕組みを持った制度であります。心配や不安を抱いている市民がいる反面,さらに,この制度に対する大きな期待を持っている方々もおられるところであります。そこで,今後,来年のスタートが近くなるにつれて,市民の方々の心配,不安,期待というものがますます強くなってくるものと思いますし,それとあわせて,受け付け窓口,それから訪問調査,さらには審査会と,忙しくなってくるものと思うところであります。  そんな中で,相談,苦情も,さらに同じようにふえてくるのではないかと思いますが,その場合に,簡単に国保連合会とか道に回すということでなくて,市の窓口で誠心誠意,対応をしていただきたいと,そんなふうに思っております。そして,市民の不安を少しでも払拭して,その期待に十分こたえられる制度になるよう,今後とも気を緩めずに,来年4月の介護保険制度の円滑な導入に向けて,なお一層のご努力をお願いいたしまして,私の要望とさせていただきます。  質問を終わります。 ◆小野 委員  私は,今も議論があったわけですけれども,介護認定で自立・要支援となった方の,いわゆる住まいにかかわる問題,それから,新たな組織として介護保険運営委員会などの設置に関して,2点について質問をいたします。  先般,10月1日の厚生委員会において,札幌市高齢者保健福祉計画及び札幌市介護保険事業計画の中間報告があったわけでありますが,その中で,昨年,1998年10月1日現在の施設利用者の自立者及び要支援者の数が推計されております。それによると,特別養護老人ホームで211人,老人保健施設で208人,療養型病床群で344人,合計,施設全体で763人もの方々が自立・要支援に該当するであろうと推計をされています。これは,同じく昨年実施したモデル事業の中では,約11%の方が自立あるいは要支援という結果が出ているわけですけれども,いずれにしましても,昨年の10月の数値ですから,来年4月に向けて,まだこの数全体が増加をするだろうと思うわけでありますが,自立あるいは要支援と認定された場合には,施設サービスを利用することができないと。  ただ,ご承知のとおり,特養については5年間の経過措置,あるいは,老健なり療養型については,医療保険の適用によって,直ちに対処しなければならないという仕組みにはなっていないわけでありますが,いずれは,こういった施設サービスができない,あるいは,これから先,こういった状態,自宅ではなかなか生活できないけれども,かといって施設に入る気持ちはないと,そういう中間的なところで生活をしたいという,そういう人たちも出てくることと思います。  確かに,深刻なのは,こういう施設から出ていかなければならないとはいっても,既に持ち家を処分しているとか,家庭的あるいは家族的な関係で,自宅に戻れないとかそういう方,あるいは民間施設ですね,有料老人ホームだとかケアハウスとか幾つかありますけれども,収入の面で,なかなかそういったところに入れないという高齢者が多いわけでありまして,どうしても公的な整備を図っていかなければならないと思います。  先ほど来お話があったように,札幌市としても,今,そういった受け皿づくりに努力をされているわけですが,例えば,現在,軽費老人ホーム,これはA型,B型,それぞれあるわけですけれども,自宅でひとり暮らし,あるいは,なかなか家庭環境などで自宅で生活することができない方々が利用されているわけで,これが,こういった自立・要支援者とみなされる方々の利用する施設として好ましいといいますか,それに適しているものと考えているわけです。  そこで,最初に2点ほど質問をいたします。  1点目として,現在,こうした自立・要支援者とみなされる方が利用されている軽費老人ホームについて,どのような施設があり,利用実態がどうなっているのか,この点を明らかにしていただきたいと思います。  それから,2点目としては,中間報告の中で推計されている自立・要支援者763人のうち,一応この数字を前提にして議論をしますと,その中で,この機会に自宅に戻ることが可能であるという方もいらっしゃると思いますし,個別の調査もされているようですから,具体的に札幌市として公的な受け皿を用意しなければならないと考えている方々が何人ぐらいいらっしゃるのか。その受け皿施設として,どのような施設を想定しているのか,この点をまずお聞きしたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  それでは,お答えいたします。  まず,1点目の軽費老人ホームの利用実態についてでございますけれども,現在,食事つきでありますA型と呼んでいる施設でございますが,これは,市内に6施設で,350人分でございます。それから,自炊ができるB型,これが3施設ございまして150人分,それからケアハウスと言われているものが8施設で550人分,これら合わせて,17施設,1,050人分でございます。  その利用実態といたしましては,ほとんどの施設が満員状態でありまして,ケアハウスにつきましては,現在,入居を待っておられる方も相当数いらっしゃるという現状でございます。  それから,自立・要支援者の公的施設の必要数等のご質問でございますが,これは,平成10年度に行いました実態調査の中で,特別養護老人ホーム等の施設に今入っておられて,お医者さんの診断等によりまして,退院・退所の可能性はあるけれども,本人が退所する先の見通しがないというぐあいに答えられた方が約25%いらっしゃいました。ですから,これらの人たちに必要な公的な施設といたしまして換算いたしますと,763人の25%ということで,おおむね190人程度と考えております。  それから,受け皿施設といたしましては,ケアハウスと,先ほどもちょっとお話出ておりました高齢者生活福祉センターなどを考えております。  以上です。 ◆小野 委員  ケアハウスの場合には,ある程度の収入といいますか,それなりの費用負担が必要なわけでありまして,そういった点で,今言われた軽費老人ホームの中でも,B型は,利用者,入居している方が自炊を前提として非常に安い利用料で生活ができると,そういう面では,自立・要支援者,中でも収入の低い方に非常に適した施設であると,私も思うわけです。  現在,軽費老人ホームのB型が,札幌市内で3カ所,約150人が利用されているわけでありますけれども,これを積極的に建てかえをする,あるいは新築を進めていくべきでないのかと思うわけであります。  そういった中で,国の動向として,このB型の新たな設置については,否定的といいますか,補助金がもはや出ない状態になっていると聞いているわけでありまして,そういう面では,先ほど言われた高齢者生活福祉センター,これが,過疎地といいますか,そういう地域特例が,設置地域の制限枠を撤廃されて,札幌市含めた大都市でも設置することができるようになったわけでありまして,これを,ぜひ,受け皿施設として整備を進めていくべきではないのかと思うわけです。  そこで,次の質問として,今言いましたけれども,この軽費老人ホームB型に対する整備方針,あるいは,建てかえなどの実施予定があるのかどうか,その見込みについてお伺いをしたいと思います。  それから,高齢者生活福祉センターについて,既に去年の補正予算とか,ことしの予算,あるいはことしの補正予算含めて,相当の数が整備をされておりますし,北海道でも,今年度6カ所で建設が進められ,特に,その中には地域指定が外れた帯広でも建設が進められているわけであります。来年度の国の概算要求では,全国で200カ所の高齢者生活福祉センターの整備をすることが要求として出されているわけでありますが,そういった中で,札幌市も積極的に手を挙げて,この建設の,整備を推進する決意にあろうかと思うわけですけれども,具体的にどのような整備をするつもりなのか,どこにどの程度整備をする考えなのか,お伺いをしたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  まず,軽費老人ホームB型の整備方針等についてでございますけれども,今,委員おっしゃられたとおり,軽費老人ホームB型の国庫補助制度については,平成10年度から廃止になっておりまして,札幌市単独での建てかえにつきましては,膨大な財政負担を伴うということがありますので,現在ある国の補助制度,例えば,今の高齢者生活福祉センターの制度等を積極的に活用していくことで,本市の財政負担をできるだけ少なくしていきたいなというぐあいに考えております。  また,建てかえということでございますけれども,その老朽度合いも勘案しながら必要に応じて,現在策定しております5年計画の中に盛り込んでまいりたいということでございます。  それから,高齢者生活福祉センターの設置数についてでございます。受け皿として,事業効果とか,それから市内の,これも配置バランス等を考えなければいけませんので,これにつきましても,現在の高齢者保健福祉計画の中で検討していくものでございますが,受け皿施設としては重要なものであると思いますので,数等についてはまだちょっと申し上げられる段階ではございませんけれども,積極的に国の方と折衝していきたいと,かように考えております。 ◆小野 委員  特に高齢者生活福祉センターについて,この必要性を認められて積極的な整備を必要としているということを確認したいと思うのですが,既に現在,施設入所の中でも,いわゆる受け皿として必要な数を190人というぐあいに見られているわけですから,その受け皿施設としての高齢者生活福祉センターの整備について努力をしていただきたいと思うわけです。  そういった中で,手稲区の曙に,札幌市立稲明園という軽費老人ホームのB型があるわけであります。これは市立で,運営を委託しているわけでありますけれども,軽費老人ホームB型の第1号ということで,1973年2月に開園をして,既に26年が経過をしているわけであります。  木造モルタルの2階建てといいますか,そういう建物でありまして,私も何回か訪ねているわけですが,実はきのうもちょっと行きまして,何人かの方と話をしてきたのですが,中には,90歳で,20年間ここに住んでいるのだけれども,大変元気な方がいらっしゃいました。なぜかというと,やっぱり自炊がいいのだと,あしたの天気模様を考えながら,きょうの買い物のことを考えたりとか,そういうことをお話しされていました。それから,78歳の方にお会いしたら,今はいいのだけれども,やっぱりだんだんと食事をつくるのが非常に大変になってきていると,何とか食事がついた施設にしてほしいと,そういうような話がありました。  それで,具体的に,稲明園の方で,最近,アンケート調査をやっているわけでありますけれども,建てかえの希望としては,「自炊の施設であってほしい」というのが21人で57%,それから,「食事つきの施設であってほしい」というのが14人で38%ですから,そう大差がない状態だと思うのです。そういった中で,さらには,「部屋にトイレをつけてほしい」というのが18人,それから,「もっと広い部屋にしてほしい」14人,「給食サービスをつけてほしい」「入浴回数をふやしてほしい」,そういった要望が出されていて,いろんなお話も伺ってまいりました。
     特に,施設が老朽化して,大規模な修繕なんかが行われていない関係で,配管なんかが,水道管なんかが非常にさびついてきて,時には赤水が発生するというような実態になっているわけです。  稲明園のこういった状態の中で,ぜひ,改築といいますか,今お話をした高齢者生活福祉センター,こういう新たな制度を活用しながら,居住環境の整備や,この稲明園の敷地内には,同じく札幌市立の特別養護老人ホーム稲寿園があるわけでありまして,当然ながら,そこのデイサービスなんかも十分に活用できるわけですね,そういう中で,この札幌市稲明園を早期に建てかえる,あるいは,高齢者生活福祉センターという形で整備をすることを含めて,この生活福祉センターの中には,地域の方々にも利用していただけるような,そういう集会室だとか,そういう整備もあわせてできることになっているわけでありますから,高齢者の地域の集会,あるいはそういう活動の場としても提供できるようなことも含めて,総合的な高齢者生活ゾーンとして整備をしていただくというような構想で進めていくべきと考えるわけですけれども,この点いかが考えられているのか,お伺いをしたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  手稲にあります札幌市稲明園の建てかえ時期についてでございますけれども,現状につきましては,今,委員がおっしゃったとおり,もうかなり年数を経ております。私どもとしても,その点については認識しておりまして,今後の建てかえ等につきましても,時期も含めまして,これも5年計画策定の中で検討していくということになりますけれども,委員のご提言も踏まえまして,高齢者に喜ばれる,高齢者ゾーンの中に高齢者生活福祉センターも,今おっしゃられたような中身で恐らく対応できるのじゃないかと考えておりますので,高齢者ゾーンということも念頭に入れながら,この5年計画の中で考えていきたいと,そういうぐあいに考えております。  以上です。 ◆小野 委員  今のご答弁で,札幌市稲明園の建てかえ,そして,地域におけるそういう高齢者福祉ゾーンの位置づけも含めて,新5年計画の策定の中で検討いただくというお答えですので,大いに期待をしてまいりたいと思います。  それから,こういった中で,高齢者生活福祉センターについても,定員が20名以内,10人以上20名を限度とするということになっているわけでありますが,これを一つつくるということであれば,現在の稲明園は一応定員が50名ですから,そういう面では,一つでは不足をするわけでありますし,二つ,あるいはそれ以上併設をしても──共用部分ですね,食堂だとか入浴施設だとか,そういう共用部分は使うことができるわけですので,そういう共用部分の使い方だとか,生活援護員も2人,3人を,有効に活用する効率的な運営も可能なわけでありますし,そういう方法も検討していただきたいと思います。  それから,自炊が前提といいますか,基本としながらも,先ほどお話をした給食サービスといいますか,それをやはり求めている人たちもいるわけで,そういう選択の余地をつくっていくという点では,隣の特養の施設のデイサービスを利用する,あるいは,厚生省が来年度の概算要求の中で,3食提供することのできる厨房施設,これも可能にするといいますか,厨房施設も補助対象とするような要望が出ているようですから,こういったこともあわせて検討していただきたいと思います。これは要望にいたします。  最後に,もう1点の質問でありますけれども,介護保険が来年4月からスタートするわけであります。今回の我が党の代表質問の中でも,本市の介護保険事業計画策定委員会が極めて積極的に市民参画を進めて,その議事録の公開なども含めて,透明性の高いものとして運営をされてきていることを評価しているわけであります。地方分権の試金石とも言われるこの介護保険,特に,市民参画で,市民が計画の策定段階から,あるいは,市民が自分たちの手でこの介護保険をつくり上げていくのだと,そういう意味でも,この計画策定にとどまらず,これから実際に4月以降運営をされる中においても情報の提供・公開を進めながら,いろんな議論を市民の中に巻き起こしていくということが必要だろうと思います。  さきの代表質問への答弁の中でも,こういったことの必要性を認識されて,新しい委員会については来年度の早い時期に設置を含めて検討するという答弁をなさっているわけでありますけれども,その際,今回も4人の一般公募の委員が参加をしているわけでありますが,全体として,23人の委員の中で一般公募が4人でありますから,この一般公募の比率を高める,あるいは,男女の比率についても,現在23人のうち女性の委員が6人にとどまっているわけでありますが,実態として,介護にかかわっているのは女性が多いということも含めて,女性の比率を高めるなど,ぜひ検討をしていただきたいと思うわけですが,この点どのように考えていらっしゃるのか。あるいは,今後の介護保険の見直しに向けた,計画の見直しにつなげていく介護保険運営委員会,名称はともかくとして,そういった委員会の具体的な考え方についてお聞きをしたいと思います。 ◎高本 介護保険担当部長  ただいまのご質問でございますが,現在の計画策定委員会につきましては,来年3月末をもって委員の方の任期が終了することになります。そして,来年4月から介護保険制度がスタートするわけですが,新たな委員会の設置については,委員ご指摘のとおり,計画の策定状況を点検・評価する,あるいは,その目標達成に向けた対策を講じていく,そういったことを踏まえながら,次回の計画の見直しにつなげていくということは必要であるというふうに認識しておりますので,そのための委員会名称につきましては,まだ,策定委員会にするか運営委員会にするか未定でございますけれども,いずれにしても,12年度の早い時期に設置をしたいというふうに考えております。  それと,委員の構成についてでありますが,現在の介護保険事業計画策定委員会,これは,公募による委員4名の方に入っていただいております。それと,国民健康保険における運営協議会の構成員,そういったことなどを参考に,いずれにいたしましても,保健・医療・福祉に精通している学識経験者の方には当然入っていただかなければならないわけですが,介護保険法の趣旨を踏まえまして,公募による委員,被保険者の代表の方という意味で,ぜひひとつ入っていただきたいなというふうに考えております。その比率,それと男女の比率も含めまして,今後検討させていただきたいというふうに思っております。  また,委員会の運営につきましても,現在,策定委員会については公開で行っており,また,議事録につきましても作成をして,いつでも閲覧できるようにしておりますので,そういった方向で,これについては新しい委員会において,そういった公開を前提にいろいろ議論をしていただきたいと,そのように考えております。 ◆涌井 委員  私の方からは,介護保険にかかわる問題について3点ほど質問をさせてもらいます。  10月1日から,いよいよ介護認定申請手続がスタートいたしまして,当初予定した,混乱になるのかどうかという部分で,8月19日の厚生委員会で,うちの会派の柿崎委員の,介護支援事業者のケアマネジャーによる申請代行を行うということによって,申請者の利便性あるいは申請時期の平準化を図るということで,今,段々のお話の中で,順調に申請手続がスタートをしていると,こういう感じを受けたわけでございます。  そこで,まず初めに,苦情処理の窓口について伺いたいというふうに思います。  今後,認定審査会の判定を経て,申請から30日以内に,ご本人に判定結果が通知をされる,これは法的に決められているわけでございます。したがいまして,11月以降,判定結果に不満がある場合については,相談あるいは説明を求められるということが起こってくるわけでございます。  実際のサービス提供というのは,来年の4月から実施されるわけでございます。その間,ケアプランをつくる,居宅介護支援事業者に対する苦情,あるいは,ホームヘルプサービスを初め,指定居宅サービス事業者についての相談が寄せられると,こういうふうに考えられるわけでございます。  今回の介護保険法上,認定に対する不服の申し立てについては,道に設置されている介護保険審査会が審査をし,サービス利用に関する苦情処理については,北海道の国保連合会が担当窓口で対応すると,こういうふうになっております。小さな苦情処理については,厚生省令の指定居宅サービス事業の運営基準の中で,市町村が苦情のあった事業者に対し調査をし,指導・助言を行って,事業者は必要な改善を行わなければならないと,こういうふうになっているわけでございます。  そういう意味からしますと,本市の苦情処理に対する対応窓口の拡充ということが求められるわけでございますので,札幌市では,現在,申請窓口については総合相談の主査2人,あるいは介護担当の主査を1人置いて対応しているようですけれども,この問題についてどのように取り組んでいこうとされているのか,まずお伺いしたいと思います。 ◎高本 介護保険担当部長  ご質問のございました窓口での苦情処理の体制についてでありますが,10月1日から要介護認定の申請手続がスタートしたということで,現在のところ,大きな混乱もなく進んでおりますが,要介護認定の申請に伴いまして,さまざまな苦情や相談があるということは,当然予想されるわけであります。  その対応策といたしまして,各区の保健福祉サービス課の総合相談主査,このうちの1人は,ケアマネジャーの資格を有する保健婦であります,この総合相談窓口はもとより,昨年の4月に,区の介護保険の準備,それと市民PRを主として行うために,介護保険担当主査というのが配置されておりますが,この10月をもって認定申請の業務に一応のめどがつきましたので,その業務に最も精通をしております介護保険担当主査が中心となりまして,全課を挙げて,現在,保健福祉サービス課にはケアマネジャーの資格を有する職員が6名から9名ぐらい各区に配置されております,そういったケアマネジャーも,当然,相談・苦情処理に加わるということで,全課を挙げて,こういった相談・苦情処理の対応に当たっていきたいと,そのような形で,区とも連携を密にしまして,体制をとっているところでございます。  以上でございます。 ◆涌井 委員  今回の介護保険事業は,本当に戦後始まって以来の大きな,大転換の事業でもございまして,さまざまな,被保険者からのいろんな苦情・相談というものが,恐らくまだ出てないというのが現状ではないかというふうに思います。したがいまして,この苦情処理の体制,あるいは各区の介護保険担当の体制については,来年の4月に合わせて,各区に介護担当の課長職を置くなどして,機構改革に合わせて体制を強化すべきでないのかと,こういうふうに思いますけれども,これは局長か,助役でも結構でございます。答弁よろしくお願いします。  それから,次に低所得者対策についてお伺いしたいと思います。  現在の高齢者福祉措置制度の中で,ホームヘルプサービスについては,約85%の利用者が所得税非課税者であると,負担金がかかっていない利用者であるというふうに聞いております。そこで,新たな負担として,介護保険料と1割の自己負担が発生するわけでございます。保険料については,本市は5段階の軽減措置が考えられております。その事業計画策定委員会の論議の中では,6段階にして,全国の所得分布の推計値では第3段階が大変多くなっている,本市は第2段階が多くなっている,そういった意味から,6段階にすることによって,もう少し軽減が図れるから,そういうふうにすべきではないかというご議論もあったように聞いておりますけれども,今,どちらしても,現在のまま進むと,年金生活者の負担というのは大変に厳しい状況と言わざるを得ないわけでございます。  国の減免に対する考え方については,災害により住宅・家財等に著しい損害を受けたとき,あるいは,生計維持者が死亡あるいは入院等により収入が著しく減少したとき,もう一つは,生計維持者の収入が事業または業務の休廃止,失業により著しく減少したとき,4番目が,干ばつ,冷害,あるいは農作物の不作,そういったようなことで著しく生計維持者の収入が減少したときなのだと,こういうふうになっております。いずれも,一時的な状態に対する対策・対応だというふうに思います。恒常的な低所得者に対する減免についても,公費負担のうちの国保負担25%を30%にするといったような,高齢者負担を軽減する措置も,国の,形では考えて,一つの案としてあるわけでございますけれども,この財源措置も含めて,市としても強く国に働きかけをしていただきたいと,こういうふうにまず思います。  しかしながら,私は,それ以上に,1割の自己負担が年金生活者にとって大きな負担になると考えておりまして,国では,医療保険の高額療養費制度との均衡を考慮して,高額介護サービス費を考えていると聞いておりますけれども,市として,これを補完するような独自の対策は何か考えられないのか,お伺いしたいと思います。 ◎舘美 保健福祉局長  1点目の苦情の処理の窓口と申しますか,強化という点でのお尋ね,この点につきまして,私からお答えを申し上げます。  ただいま部長からお答えしておりますとおり,相談窓口として,各区での体制を強化してきたつもりでございまして,今のところ順調に来ているということでございます。ただ,今後,10月下旬以降に認定結果が出てまいりますし,また,先ほど言いましたように,来年の1月,2月に入りますと,ケアプランの作成に伴う苦情がどの程度あるのか,あるいは,相談件数がどの程度あるのかということを,状況をちょっと見きわめてみなければならぬという点もございます。いずれにいたしましても,そういう状況を見きわめながら,新年度の機構改革の中で,必要な体制については検討してまいりたいと,こう考えております。 ◎高本 介護保険担当部長  ご質問の低所得者対策についてでありますが,保険料と利用料の低所得者対策全般につきましては,現在,国政レベルで論議をされているということで,他の政令市とも連携をとりながら,国に対して強く要望しているところでございます。  それと,ご質問のありました高額介護サービス費の支給についてでありますが,これは,1割の利用者負担を支払ってから3カ月ないし4カ月後に本人に償還されると,そういう仕組みであります。このために,3カ月ないし4カ月間は,一時的にその利用者が費用を全額負担しなければならないと,そういうようなことになります。こういった負担を少しでも和らげるために,現在のところ,低所得者の方を対象に,例えば貸付制度による対応はできないのか,そういったことの検討もしているところでございます。  以上でございます。 ◆涌井 委員  ぜひ,この辺の,低所得者に対する対策拡充を進めていただきたい,このように強くお願い申し上げます。  最後に,利用者保護の観点から,指定事業者の情報提供についてお伺いしたいと思います。  今までの措置制度につきましては,行政がサービスの量や事業者を決定しておりましたけれども,ご承知の介護保険では,要介護認定の結果に基づき,ケアマネジャーと相談の上,ケアプランの作成,あるいは,サービス事業者等については利用者が選択し,決定するという,全く新しいシステムに変更されるわけでございます。  先般,厚生省が介護報酬の仮単価を発表しまして,若干高目に設定されているということもございまして,民間の事業者の参入が促進されると言われておりますけれども,利用者から見れば,十分な供給量から選択肢が広がって,さらに,市場競争原理により事業者の質の向上も期待できる一方,質の低い事業者は淘汰されていくのではないかと,こんなふうに思います。  そこで,厚生省令の事業者の運営基準等の中で,サービス提供の開始に際しては,あらかじめ,利用者あるいは家族に,事業内容,あるいは,選択に資する重要事項を記した文書を交付して説明しなければならないというふうに定められております。制度が軌道に乗り,定着するまでの間,市が利用者に対して,事業者選択の判断材料として,ぜひとも十分な情報提供というのは必要だというふうに思います。区役所,あるいは介護支援専門員のいる窓口で,いつでも閲覧できるような方法が考えられないのかどうか伺いたいと,こういうふうに思います。 ◎高本 介護保険担当部長  ご質問の指定事業者の業務内容の情報提供についてでありますけれども,北海道では,在宅サービス事業者あるいは居宅介護支援事業者,こういった事業者の指定を順次行っておりまして,市としましては,こういった事業者の名簿を作成して,その都度,区役所及び事業者に送付をして公開しております。また,10月中旬からは,インターネットを活用した社会福祉・医療事業団の,略称でWAMネット,正式には,福祉・保健・介護関連の情報を提供するための総合情報ネットワークシステム,こういったWAMネットが開設されまして,指定事業者の業務内容等に関する情報が公開される予定になっております。したがいまして,各区役所の窓口でも,こういった情報を閲覧できるように,今,検討を進めているところでございます。  以上でございます。 ◆涌井 委員  現在の窓口で使用している支援事業者の名簿一覧については,縮小になっていまして,大変細くて,ある意味では,お年寄りの目の不自由な方から見ると,弱視の方だとか,いろんなお年寄りの方いらっしゃいますけれども,そういう方から見ると,やっぱり見づらいというような意見もありますので,ぜひ,この対策については,前向きにしっかり検討していただきたい。要望して終わります。 ◆小川 委員  私も,介護保険にかかわって4点ほどお尋ねをしたいと思います。  各委員からも,今,出されたわけでありますけれども,この介護保険は,国民に2兆円の介護保険料を負担させ,また,1割の利用料金というので約5,000億,2兆5,000億の新たな国民負担を強いながら,国の今までの老人福祉に使っていたお金3,700億円削減する,地方公共団体の老人福祉の予算も800億削減する,合わせて4,500億円軽減をしていくと,こういうところに問題があるのだと思うのです。  私たち共産党は,介護保険については保険と福祉とを結合させた,そういうものにしていかないと大きな問題をつくり出すのでないかということを指摘してきたところであります。  今,段々の論議でも,介護保険料を取られながら,自立と認定されて,結局施設から出される方の対策をどうとるのか,これは,老人保健福祉計画で何とかしなければならないと,こういうことになるわけでありますし,また,低所得者に対する利用料の問題,保険料の問題,これらも,本市議会の5月31日の本会議においても,国に対して意見書も上げておりますし,全道市長会であるとか全国市長会としても,国に対して,低所得者に対する軽減措置,財政措置,これらについて意見書も上げております。  これらについて,局長並びに助役,国の方でどんな動き,国と自治体だけが財政が軽減されて,国民に2兆円の保険料と5,000億円の利用料がかかってくる。こういうやり方ではなくて,やっぱり国においても,これではひど過ぎると,円滑な導入のためには何らかの見直しを図らなければならない,こういう動きが出ていると思うのでありますし,また,そういうことを求めて,全国市長会であるとか大都市の保健主管局長会議などとして,国に働きかけてきたと思うのですよね。まず,この点について,最初にお尋ねをしたいと思います。 ◎舘美 保健福祉局長  介護保険につきましては,福祉の措置から利用・選択へと,大きな流れとして変わってきているのはご案内のとおりでございます。大きくは,社会保障全体をどうするかという枠組みの中での見直しということも,ご存じのとおりでございます。  そこで,今,国に対しての要望でございますけれども,13大都市の民生主管局長会議では強く要望してございますし,それから,全国市長会でも,特に要望してございます。そして,国の方の動きとしましては,先ほど高本部長から言いました,正式にはそういう通知でございますけれども,けさ新聞を見ますと,いろんな政治的な動きがあるようでございますし,あるいは,昼のニュースでは,総理大臣は,スムーズな実施と,4月実施ということも言っているわけでございます。  いずれにいたしましても,我々としましては,国が,恐らく10月中,あるいは11月ぐらいには方針を出してくるのではないかという期待を込めて,今注目をしているところでございます。  以上でございます。 ◆小川 委員  期待を込めているのも結構ですけれども,重要な時期だけに,全国の市長会になるのか,13大都市の民生主管局長会議になるのかわかりませんが,働きかけを強めていただいて,これは特に,介護保険制度が導入されたことによって,逆に,現行老人福祉行政より大幅に後退すると,こういうことになってしまって,今,老人福祉行政で福祉サービスを受けている方が自立と認定されてしまって,ヘルパーの派遣も受けられなくなっていくと,こんなことになっては困るので,その点をぜひ……(発言する者あり)現実になるのですよ,それはなるから言っているのですよ。  それから,もう一つ大事なのは,先ほどの経過措置も含めてなのですけれども,9月17日の全国介護保険担当課長会議で,自立・要支援という人たちに対する対策として,介護予防,生活支援サービスの強化と,寝たきりをつくらない対策をと,こういうことが強調されております。介護保険制度の施行に伴い,市町村においては,高齢者が,できる限り寝たきりなどの要介護状態に陥ったり状態がさらに悪化することのないようにすることや,自立した生活を確保するために必要な支援が重要な課題となっているということで,配食サービスから,さまざまな生活支援サービスをやるよう,9月17日の全国の課長会議で指示されているところであります。これから老人保健福祉計画を立てていく上で,こういうことをぜひ考慮に入れた,きちっとした老人保健福祉計画をつくってもらいたいと思うのです。  先日の厚生委員会の老人保健福祉計画の中身では,検討中,検討中と,こういう中身で,今質問しても,はい,わかりましたというふうに簡単にはならないだろうと思うので,その点も踏まえてやっておいてもらいたいと,この点を指摘しておきたいと思います。  それから,2番目に,中間報告で介護保険の上乗せ・横出しの問題が報告されました。一番大事だなと思っているのは,横出しということになるのだろうと思うのですけれども,介護保険では,入浴サービスは訪問入浴しかありません。私は厚別区ですけれども,全市の市営住宅の約半数が厚別区にあります。そのうち,昭和40年代に建てられた市営住宅は,ふろなしの市営住宅です。入浴サービスといっても,一般のヘルパーさんが行って,おふろでお湯を沸かして入浴サービスするということはできませんので,今現実にやられている施設入浴を組み合わせていくということをやらなければ,実際,介護保険で入浴サービスが受けられなくなってしまうと,こういうことから,施設入浴サービスについては,限定的に,形でもいいから,ぜひ,介護保険に取り込んでいかなければ,要介護認定を受けて入浴サービスのケアプランがつくられても,ふろなしの市営住宅に住んでいる人たちは入浴サービスが受けられないと,こういうことになるので,この点についてどのようにお考えになっているのか,お尋ねをしたいと思います。  それから,先ほどもありましたけれども,介護報酬の仮単価が決まり,今まで札幌市の試算していたのと違う状況も生まれて,在宅介護については,札幌は乙地と,こういうことで,一定の加算もありながら,当初想定していたよりも高い単価になった一方で,施設サービスについては,当初のワークシートで計算したよりも下がっていると思うのですね。その辺のこととの関係で,当初,標準の月額3,100円という1号被保険者の保険料,どのようにとらえられているのか,お尋ねをしたい。  それから,これから受け付けが始まるのですが,介護保険の,中間報告というか,介護保険事業計画では,療養型病床群,三千五百幾らと,こういうことになっているのですけれども,10月から申請という予定でありましたが,11月からの申請で1月認可と,こういうことで道に対して札幌の療養型病床群の申請が行われようとしています。このとき,札幌市が利用人員として見ている3,527と,これを実際に,道は広域的な観点から認可をいたしますし,檜山管内のように療養型病床群がない分,いわゆる広域的観点から,札幌にある療養型病床群も檜山管内の分を含むという形で実際にはベッドの認定をすると,こういうことが起こってくると。それらベッドに,今度,札幌市民が入院,入所すると,こういうことになってきますと,介護保険の,初年度で3,527というようなのが大幅に変わってくるというようなことになってくると,介護保険料についてどういうふうな変動があるのか,この辺のことについてもお尋ねをしたいと思いますし,私が言うような状況というのは生まれないのかどうか,その点についてもお尋ねをしたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  それでは,私の方から,施設入浴の件についてお答えをしたいと思います。  施設入浴は,介護保険の法定外サービスとなっておりますので,介護保険から給付を行うためには,市町村の特別給付という形になるわけでございます。これにつきましても,現在,介護保険事業計画策定委員会の中で議論いただいておりますけれども,少数意見でありますが,特別給付に入れますと,1号被保険者の保険料にはね返ることもあるということで,反対の方もいらっしゃるのが現状でありますので,この委員会の議論を踏まえながら結論を出していきたいと,そういうぐあいに考えております。 ◎高本 介護保険担当部長  ご質問の3点目の,介護報酬の仮単価が出たことによって,この夏試算した札幌市の介護保険料の試算額が変わるのかというご質問かと思いますけれども,多少の変動があるものと思われますが,国の方から,今回の介護報酬の仮単価に基づく,新たなワークシートでの再計算,そういったような指示はまだ来ておりませんので,現在のところは試算してないという状況であります。  それと,4点目の療養型病床群の件についてでありますが,療養型病床群につきましては,市町村の介護保険事業計画に基づきます数値を,今後,道の方で取りまとめて,介護保険事業支援計画というのを策定いたします。そういうことで,札幌市での療養型病床群のベッド数につきましては,札幌市として現在このように考えているということで,道の方には強く要望をしております。道の方の療養型病床群につきましては,今後,11月から受け付けを開始して,明年1月から指定をすると,そんなような動きであるというふうに聞いております。  以上でございます。 ◆小川 委員  施設入浴サービスについては,1号被保険者の保険料にはね返るから反対だという意見もあるというけれども,先ほど言ったような,厚別の青葉町のような市営住宅に入っている,ふろのない人にとっては,本当にそういう施設入浴サービスがなければ,やっぱり平等のサービスが受けられなくなっていくので,ぜひ,これは検討していただきたいと思います。(発言する者あり)  介護保険でなければ,一般福祉施策として保険料にはね返らないサービスで,内容は平等であるようなことでなければ困るわけであって,その辺はきちっとしていただきたいと思います。  それから,もう一つ大事な点で,今,介護保険になって,自立・要支援については,先ほど言ったような形での強化をやらなければならないということもあるのですけれども,あと問題なのは,要介護認定を受けた方が,先ほど舘美局長が言われたような,措置から選択だという形での,選択の自由が本当にあるのだろうかと,こういうことであります。  植物人間のような人で,介護度4であります。植物人間よりももっと手のかかるような方,この方が介護度5であります。介護サービスは,ホームヘルパーで1日2時間です。先ほど岩村委員が言いましたように,巡回型を2回使って,日中1時間のホームヘルプサービス,そして,その間に週2回訪問看護を受け,訪問リハビリは週1回と,こういう方が介護度5です。そして,市から,これから要介護認定されて通知が行きます。通知に,あなたは最重度の方ですよと,介護度5で,介護サービスはこういうのが受けられますよと,そして,施設を希望すれば施設に入ることもできますと,そして,その下に括弧して,あきがない場合は入れないこともありますと,こういう通知書が行くのでないですか,どうですか。  措置から選択だということで,介護度5といって最も手のかかる方,そういう方たちに選択の自由だと。私は本当に家族も大変だからといって入れるような施設整備が,これは行政の側がやらなかったら,1号被保険者が施設整備をするなんていうことにならないわけですから。  そして,これは,つい先日の道新で,「どうなる介護保険」,これは札幌市の介護認定審査会の委員をやっている奥田竜人さんですよね,この方は,在宅重視と言いながら,基準のサービス量だけでは,要介護2以上の方のひとり暮らしは,まずできませんと,こう言っているのですよ。実際に,札幌の場合,ひとり暮らし,2人暮らしの老夫婦の方たちが6割を占めているわけですよ。そうして,今言ったように,介護度2以上の方というのは,在宅ではなかなか難しいですよと,ましてや,4,5ということになっていきますと,非常に大変だと思うのですよね。そういうときに,本当に施設介護を受けられるような状況をつくっていかなければだめだと思うのですね。  ここを,いわゆる介護保険料にはね返るからだめだとかという形ではなくて,それは国の施策として介護保険を導入するのだから,国も応分の負担をして,きちっと選択の自由に見合うような形の施設整備を行った上でやっていくことにしなければ,選択の自由ですといいながら,選択なんか全くできないということになってしまうのであっては,措置から選択ということにはならなくなるのではないかと思うのですけれども,その点について,舘美局長,どのようにお考えですか。 ◎舘美 保健福祉局長  先ほど来,前段の言葉が足りなかったかもしれません。在宅を重視した介護保険というのは,在宅を重視しながら,その中でさらにどういう選択をしていくかというような利用契約という形になるわけですから,当然,いろんな形でのそういう自由度は増すということでございまして,そういう意味において,施設が多いか少ないかということとは,また別議論というふうに考えてございます。  いずれにいたしましても,先ほど来申し上げていますように,施設志向が強いと,一方,田中委員のおっしゃったように,在宅重視をどうPRするのかと,これは,両面,バランスとれた形で,在宅重視の考え方でPRしていかなきゃならぬということは当然思っておりますし,そんなことで,バランスのとれた整備を図っていかなきゃならぬと,こう思っている次第です。 ◆小川 委員  一番問題なのは介護保険を導入して,今後は在宅福祉重視という形で,最重度の方だとか重度の方が施設に入られなくなっていくと。こういうことになると,介護保険料は取られながら十分な介護サービスを受けられない,こういうことになってしまうのですね。現行の措置制度より,そういう面で一部分,大きく後退する可能性があるのですよ。  というのは,札幌市で言いますと,この5年間で,特別養護老人ホームは1,100整備してまいりました,老人保険施設は2,240整備してきた,一部100,おくれていますけれどもね。ところが,今度,介護保険で5年間で整備するのは幾らか,介護保険料を取り,選択だといいながら,特養ホームは493ですよ,老人保健施設は90しかつくらないのですよ。これだったら問題ですよ。結局,基盤整備はきちっとやらないと,施設整備をしないと選択の自由がなくなると思うのですよね。その点をきちっと考えてやっていただきたいと。そうしないと,本当に介護度の重たい人が施設介護を受けようとしても受けられないと,そういうことになりかねないので,この点についてどうお考えなのか。来年以降,実際に円滑に移行できるのか,今まで以上に問題を噴出させることになるのでないかと,こんなふうに懸念するのですけれども,その点についてお答えをいただきたいと思います。 ◎舘美 保健福祉局長  委員のおっしゃるのは,施設をもっともっと整備せいと,こういうお話と承っております。先ほど来,説明しておりますように,施設志向ということで,本来であれば,国の示す参酌標準3.4という形が望ましいということでございますけれども,やはり施設に入っているという実態も踏まえながら,今後,余り急激な変更というのはなかなか難しいだろうという前提で,今,うちは国の参酌標準よりも多くして出発しようということでございますので,ご理解を賜りたいと,こう思っております。 ◆藤原 委員  私は,介護保険関係について,そして,高齢者の共同住宅に対する支援策について,大きく2点,その中で数項目質問をしていきたいと思います。  最初に,介護保険にかかわるケアマネジャーの配置基準と,その人員の把握の時期についてであります。  先日の厚生常任委員会でも明らかになっておりますけれども,市内在住で介護支援専門員資格試験合格者は,平成10年度で1,375人,平成11年度では1,318人,合計2,693人の方が合格をされているわけであります。また,今月14日には,ケアマネジャーの協議会が札幌市においても発足をするということでありますが,本市は,これまで,市内に約450人程度のケアマネジャーが確保できれば,ケアプランなどを作成する作業は可能だというふうに言ってきているわけであります。ケアマネジャーのこうした配置基準と,そしてまた,居宅介護支援事業者などに対するケアマネジャーの人数の把握の時期については,いつ,どのような方法で確認をする予定なのか,まず1点目,お伺いをしたいと思います。 ◎高本 介護保険担当部長  ケアマネジャーの配置基準と人数の把握時期についてでありますが,指定居宅介護支援事業者,ケアプラン作成機関につきまして,その配置基準は,1事業所に常勤のケアマネジャー1名以上の配置が必要となっております。そして,利用者数50人またはその端数を増すごとに1名を配置すると,それが基準になっております。  また,介護保険施設,これは,特養と老健と療養型病床群の3施設でありますが,こういった介護保険施設の配置基準につきましては,常勤につきまして1名以上の配置が必要で,入所者100人につきまして1名を配置すると,そういう基準になっております。  本市におきましても,サービス提供の基本でありますサービス計画,いわゆるケアプランの作成がスムーズに行われるよう,現在まだ,ケアプラン作成機関の指定については断続的に続いておりますので,そういった指定が大方終了して,そして,今年度の合格者,先ほど1,318人ということでございますが,今年度受かった方の実務研修というのはまだ終了しておりません。ですから,そういった研修が終了した時点で,各事業者に対して実態調査を行いまして,ケアマネジャーの人数の把握をしたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆藤原 委員  ただいま,介護支援のサービス事業者では,常勤1名以上で50人超えるごとに1人,また施設においても常勤1人で,100人を超えるごとに1人をプラスしていくというような回答であったわけであります。ここでもやはり,そうした事業者やケアマネジャーの資質というようなものがさらに向上をしていかなければいけないと思うわけであります。  そんな意味では,2点目の質問でありますけれども,居宅介護支援事業者のケアマネジャーが,サービス提供機関,いわゆる介護保険施設と同一法人の場合には,サービス提供の囲い込みを行い,老健や療養型病床群,こうした施設への誘導をすることも想定,予想されるわけでありますが,そのことに対する防止策についてどのようにお考えなのか,2点目,ご質問したいと思います。 ◎高本 介護保険担当部長  今のご質問は,ケアマネジャーの資質の向上と,あわせて,サービス提供機関と同一の場合,囲い込みの問題が起きるのではないかということでございますけれども,介護保険は,多様な民間事業者の参入の促進を図りまして効率的で良質なサービス提供を目指しておりますので,活発な営業活動というのは,利用者の選択肢を広げるということになりますので,それは大いに必要であると思います。  しかし,ケアプラン作成機関がサービス提供事業者と同一経営母体ということで開設をいたしますと,一方では,サービスを利用する上から利便性が高いという部分もありますけれども,今,ご指摘がございました,囲い込みという問題も確かに懸念されます。このことを踏まえまして,ケアプラン作成機関の事業所の運営基準におきまして,まず,ケアマネジャーは利用者に合った多様なサービス提供を行って,特定のサービス事業者への誘導,または,必要性に乏しいサービスの利用を助長することがないように明記されております。  本市におきましても,ケアマネジャーが属する事業所に対して,利益誘導を行わないよう,この10月14日にケアマネジャーさんによる連絡協議会というのを設置いたしますので,そういったときに,利益誘導を行わないような研修も行いたいと思いますし,今後,介護支援事業者,ケアプラン作成機関の協議会というのも設置する予定でおりますが,そういった協議会を通じまして,こういった趣旨の徹底について図ってまいりたいと,そういうふうに思っております。 ◆藤原 委員  次に,2点質問をしたいと思うわけでありますけれども,今,回答の中では,あくまでも本人の意思等を尊重するというような趣旨で,それに対するいろいろな取り扱いの規定があるということでありました。  まず1点目にお伺いをしたいのは,先ほど来,いろんな方も質問をしておりますけれども,例えば要介護の認定の中で,要支援あるいは要介護というふうに認定をされた場合に,居宅介護支援事業者やそうした施設の皆さん方が,例えば私がそういう対象になった場合に,だれだれさんはどういうようなランクなのかということを知る余地があるのか,また,区役所の窓口にそうした業者が来た場合に,そういうことを教えるのは可能なのかというようなことについてお伺いをしたいと思うわけであります。  あわせて,実際に先ほどの鈴木議員への回答では,介護認定に伴って,サービスのケアプラン作成は,来年の1月ぐらいから始まるということでありますけれども,あくまでも,本人の自主申告によってそうしたところに申し出をするのか,そういう事業者というのでしょうか,そういうところが,逆にそうした情報を知ってアプローチをしていくことができるようなことになっているのか,そのことについても最初にお聞かせを願いたいと思うわけであります。  そういう状況の中で,私どもとしては,本人や家族の意思や意向が尊重されるということを,法の中にも,また,いろいろな規則の中にもうたっているようでありますけれども,ケアマネジャーの皆さんがそれぞれの個人宅に訪ねていって,あなたは在宅を希望するか,入所の希望をするのかというふうに言われても,本人や家族においては,とりわけ,ひとり暮らしの高齢者の皆さん方については,的確な判断ができないのではないかというふうに想定をされるわけであります。  そこで,ケアマネジャーの皆さんも,先ほどのような基準の中で設置をされてきますので,大変厳しいかとは思うわけでありますけれども,要介護の1から5の場合には,例えば,最低こういったようなサービスが受けられますよというようなことを2通りぐらい,あるいは,在宅と施設の場合では,こういったようなサービスの違いというか,プランが可能なのですよというようなことをきちっと示して,その上で,本人や家族の了解というようなものを,判断できるような場というものを,ケアマネジャーの皆さんや,あるいはそういう介護サービスの支援事業者の皆さん方に指導をしていくべきではないのかというふうに思うわけでありますが,この点についていかがでしょうか。 ◎高本 介護保険担当部長  ちょっとご質問の趣旨をよく理解してない部分もあるのですけれども,もう一度確認をさせていただきますが,要するに,要介護認定申請をした方が要介護度何度かというのは,当然,市の方から通知が行きます,それが,ケアプラン作成機関がわかるのかどうかということですね。  事業者が,要介護認定した方の介護度,これは当然,市の方からそういうような結果については,第三者に話はしません。ですから,利用者の求めに応じてケアプラン作成機関が相談に乗ると,そういうような形になります。市の方に来て,要介護認定申請した方の要介護度が何度かというようなことは,市の方からは,第三者機関には申し上げられないということになります。  それと,あと,実際ケアプラン作成時には,例えば在宅サービスの場合はどうだ,あるいは施設サービスについてはどういったようなプランになると,そういったことだと思いますけれども,これは,ケアプラン作成の流れの中で,一番最初は,利用者とケアマネジャーがまず相談をして,当然その相談の段階では,在宅か,施設かというようなことはお話をします。それは,先ほど申し上げましたように,介護保険については在宅重視ということで,ケアマネジャーの研修を通じて,そういった在宅重視については,当然,業者の方にはそういった前提でお話をするという形になります。その後で,実際に利用者が選択をしたときに,ケアマネジャーがサービス提供機関の確保を含めて具体的なケアプランの作成に入っていくと,そんなような流れになっております。  先ほど来申し上げておりますけれども,ケアマネジャーは,自分のサービス提供機関での抱え込みのないよう,これについては再三申し上げていますけれども,ケアマネジャーのあらゆる研修の中で徹底をしていきたいなというふうに考えております。  以上です。 ◆藤原 委員  本人の意思であって,事業者から聞かれてもそういう情報提供はあり得ないというようなことでありますけれども,先般来,7月15日から8月24日ぐらいまでにかけて約4回,この以降も開かれているのかもわかりませんが,札幌市における,そういう専門員の皆さんの研修会が開かれています。その研修会の資料の5ページを見ますと,要介護認定があって,対象者からの相談,いわゆる利用者からの相談・問い合わせ,その中に括弧して,または対象者へのアプローチという項目があるわけですね。ということは,やはり何らかの情報を知らないと,そうした方は接触をできないわけですよね。  研修会の資料にそうした項目があるということは,市なりから何らかのそういうオーダーとか情報が行くのではないか。行っていい場合と,行って,いろんなところがふくそうして混乱をする場合もあるわけですけれども,これからの研修会など,そうした問題についてもしっかり指導をしていただきたいと思います。これは講師の,別な方が用意した資料かとは思うわけでありますけれども,もしその辺が,今わからなければ後で結構ですから,この辺の真意について,後でまたお聞かせを願えればと思うわけであります。  もう一つ,これは要望にもなるかと思うのでありますけれども,市民に対して,先ほど言ったような,ケアマネジャーの皆さんがケアプランをつくるときには,こうこうすべきだというような豆知識というか予備知識的なものを,広報さっぽろとかいろんなものを活用してやっぱり提供していくべきだと思うわけであります。  先ほど申し上げたように,例えば2通りのプランをつくってもらうとか,あるいは,複数のそうした事業者からサービスを,プランをつくって比較をしていくというか,そうしたことを,やはり事前にきちっと知識として,最低限のことは,市民の皆さん,利用者の皆さんに提供していくべきだと思うわけであります。  続いて,この介護保険の関係でありますけれども,先ほど来,何人かの方からも指摘をされているように,介護報酬の仮単価というのが出てまいりました。調べますと,札幌は,暫定でありますけれども,乙地の10円24銭というのでしょうか,そういうような数字になっているわけでありますけれども,一番低い単価のところで1点10円ということでいきますと,例えば,市が発行しているパンフレット,この中にも,巡回型ホームヘルプの場合には,1回30分程度,これは介護3の場合,通所ですけれどもね。あるいは,訪問型で介護が5の場合には,ホームヘルプは1回1時間程度ということになっているわけであります。  しかし,介護報酬単価の案を見ますと,例えば訪問介護の身体介護で,30分未満の場合は210点,10円で計算すると,30分で2,100円ということになるわけであります。しかし,これはあくまでも29分以内のサービスでありまして,最低限10分とか15分,30分という刻みのサービスの組み方でプランがつくられていくと思うわけですね。
     そういう中で,例えば29分であれば2,100円ですけれども,30分以上1時間未満,59分までだと402点で4,020円になるわけであります。そういう状況でいきますと,その格差は,仮に30分でお願いして,残り59分までまだサービスをしていただける時間帯があるわけでありますけれども,そこで約1,920円ぐらいの格差が生じてくるわけです。そうしたことが,1割負担をする利用者の皆さん,さらには,国民健康保険連合会の基金からそれぞれ支払われていくわけであります。  そんな意味におきましては,先ほども申し上げたように,30分未満と30分以上1時間未満という基準の中で,やはり大きな時間のマジックというか,あるいは,支払うサービスの対価の料金に大きな差があるわけでして,悪く言うと30分でいいですねというようなことで行って,本来,59分のサービスを提供してもらえる時間とサービス量が,実際には来ないという場合もありますので,そうしたことも,ケアマネジャーの皆さんや事業者の皆さんに対する資質向上というか,そういうような中で,ぜひ,指導をしていただきたいと思うわけであります。  次に,在宅の待機者の関係でご質問をさせていただきたいと思うわけであります。  先ほど来ご質問があったわけでありますけれども,特別養護老人ホームの入所待機者は,ことしの8月現在で1,993人ということであります。4月の介護保険制度のスタートを控え,これらの方々の待機状況の解消が,多くの方から急務と指摘をされているわけでありますけれども,その関係について,まず2点の質問したいと思うわけであります。  まず,1点目は,先ほど,市民ネットの山口議員や自民党の鈴木議員からも,要介護認定の結果で自立と判定される人の割合や人数が指摘をされましたけれども,平成12年度の見込みで在宅の要支援者は5,373人となっているわけでありますが,そうした中で,いわゆる待機者1,993人のうち,要支援となるのはどのくらいの数と見込んでいるのか,まず1点目,お伺いをしたいと思うわけであります。  また,2点目には,待機者の方は,在宅のほか,さまざまな病院や老人保健施設などに入りながら待っていると思うわけでありますけれども,その待機場所の内訳についてどのようになっているのか,まず2点ご質問をしていきたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  特養の入所待機者についてお答えをしたいと思います。  待機者の方につきましては,これから要介護認定を受けますので,推計ということになりますけれども,介護保険事業計画の中間報告作成時の推計では,施設別の要介護度分布におきまして,要介護認定で自立と判定された方は1.3%,それから,要支援と判定された方は7.4%ということで,中間報告書にも提示してあるところであります。  したがいまして,仮にこの割合を待機者に当てはめますと,現在,今,委員がおっしゃった1,993人の自立・要支援者の中でカウントしますと,約170人程度になるものと推計されます。  それから,次に,待機場所の内訳でございますけれども,病院が一番多うございまして878人,老人保険施設が677人,有料老人ホームとか養護老人ホームとか,社会福祉施設ですけれども,ここには56人と,それから,在宅が380人という内訳になってございます。 ◆藤原 委員  ただいま,1,993人の待機者のうち自立や要支援と予想される方が170人いらっしゃると。そうした170人の方を除いた残り1,823人の方について,要介護認定を受けて特別養護老人ホーム等の入所を希望される方すべては,来年4月1日の介護保険スタートに向けて,こうした皆さん方が希望するところに入所できることになるのかどうか,その見通しと具体的な根拠についてお示しをいただきたいと思うわけであります。 ◎松下 高齢保健福祉部長  自立・要支援を除く待機者につきましては,まず,今,特別養護老人ホームを建設しておりますので,330人分が来年の4月に開設する予定であります。それからまた,毎年,特別養護老人ホームでは300人程度の入所者の入れかわりがございますので,ちょうど10月で,あと半年ありますが,大体150人が入れかわるかなと,そういうぐあいにカウントしております。  それから,待機者の約8割を占める病院・老人保健施設の入院・入所者につきましては,要介護認定を受けて,施設サービスと在宅サービスの中から最も適したサービスを選択することになりますし,また,療養型病床群老人保健施設に引き続き入所される方もおりますけれども,これがどのくらいの数になるかは,ちょっと押さえておりませんので,要介護認定の結果を受けての待機者の希望によりますので,把握していくのはちょっと難しい面があるかなと,そういうぐあいに考えております。 ◆藤原 委員  介護保険の関係の質問は,これを最後にしたいと思うわけでありますけれども,今,要介護認定の状況を見なければはっきりしたことがわからないというようなお答えでした。そんな意味では,全員入所できるとも,できないとも,両方にとれるわけでありますけれども,万が一,来年4月1日に特別養護老人ホームを希望しても,入所できない待機者の方がいた場合には,どのように対応していくのか,本市の考え方をお伺いしたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  待機者の大半を占める病院や老人保健施設に入院・入所中の方は,来年4月以降は特別養護老人ホームと同じように介護保険施設サービスを受けますので,引き続き入院や入所される場合が,予想ですけれども,多くなると考えております。  なお,依然といたしまして,特別養護老人ホームの入所を希望される方もおられるという可能性がありますので,12年度以降につきましても,介護保険事業計画に基づきまして,これは希望者の動向も見きわめながら,特別養護老人ホームの整備を引き続き図ってまいりたいと思っておりますし,さらに,必要があれば,3年後の計画の見直しがございますので,この中でも対応してまいりたいと,かように考えております。  以上です。 ◆藤原 委員  ぜひ,一人でも多くの方が入所できるような状況になるように,一層の努力をしていただきたいということを要望して,介護保険の関係の質問を終わらせていただきたいと思います。  次に,先ほど申し上げたように,高齢者共同住宅に対する支援対策についてであります。  介護保険の対象とならない方に対するものとして,高齢者共同住宅に対する支援策の関係でありますけれども,最近,ひとり暮らしの高齢者や体に不安のある方を対象とした高齢者下宿,あるいは高齢者の共同住宅というものが,市内に幾つか建設をされ,私も,そうしたことに今取り組んでいる,取り組みたいというような何人かの人に最近お会いをしているわけであります。  これは,ご承知のとおり,高齢者がひとり暮らしをしたくても,部屋を貸してくれたり,アパートを経営している皆さんとか,そういう業者の人が年々少なくなってきているわけであります。また,公共の施設に入りたくても,待っている人がたくさんいるということで,個人の方がこのような状況を見かねて,自分の土地とか建物を活用して小規模なグループの住居を整備して,食事やおふろなどの提供を行っているものであります。  介護保険のもとでは,要介護と認定された方々には,例えばグループホームという制度があり,これは,痴呆性老人に対して日常生活における援助などを行うものであり,この事業に対しては,国及び市が,建設費あるいは運営に対して手厚く補助をしているものであります。  お年寄りの声を聞きますと,やはり一人では心細い,あるいは孤独である,食事の宅配サービスなどもあるけれども,やはり食事が不規則になって,精神的な面でも,あるいは身体的な面でも体調が崩れていく,そんな意味では,予防的な視点からも,こうした皆さん方の対応というものをしっかりこれから検討していかなければいけないのではないかと思うわけであります。  私は,先ほど申し上げましたように,痴呆性老人が生活するグループホームとは申しませんけれども,少なくともこのような建物を建てる場合には,入所者が共同で使用する部分,例えばおふろや食堂,談話室などに一定の補助を行うとか,また,そういう事業を行う個人に管理運営費の一部を助成するとか,こうした事業が行政の一翼を担っているという観点からも,行政みずからがこの人たちを支えていく方策を講ずるべきだと思うのであります。  国においては,現在,高齢者の生きがい対策などの施策を展開しているところであり,この機会に,国に対して,このような高齢者共同住宅に対する補助の要望を積極的に,本市としても働きかけていくべきであると思いますし,私は,当面,札幌市の単独負担であってもこういうことを行っていくべきだと考えているわけでありますけれども,札幌市は,こうした高齢者の共同住宅に対して,建設費や運営費の補助を行う考えはあるのか,今後の予定などについてお伺いをしたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  ただいまの高齢者向け住宅に関しましてでございますけれども,委員おっしゃるとおり,現在,民間におきましては,有料老人ホームを初めといたしまして,高齢者アパート,それから,小さいものでは高齢者下宿といったもの,さまざまな形で事業展開がされております。  このように,幅広く民間事業が展開されている中で,一部の事業者に対して建設費の補助だとか,それから運営費の補助を行うということにつきましては,他の事業者との不均衡が生じますし,また,個人資産という観点からも,さまざまな問題が生じてくるなというぐあいに考えております。  したがいまして,保健福祉局といたしましては,従来から行っております,今もお話し申し上げてきましたけれども,軽費老人ホームの設置,それから運営に対する補助,さらに先ほどの高齢者生活福祉センターへの補助ということで,当面は対応してまいりたいと,こういうぐあいに考えております。  それで,ご提言の趣旨と類似したもので,平成10年度の建設省の関係でございますが,ここで高齢者向け有料賃貸住宅制度というのがございます。これは,民間の土地所有者等が,高齢者向けの有料賃貸住宅を建設する場合に,その建設に要する費用の一部,それから,家賃の減額に要する費用に対して補助を行うというものでございますので,今後,関連部局とも連携を図りながら,この件についても総合的に検討してまいりたいと,かように考えてございます。  以上でございます。 ◆藤原 委員  最後,要望して終わりたいと思いますけれども,今,お話では,国などの制度の中で有料賃貸住宅の建設にかかわるいろいろな補助があるということであります。ぜひ,こうしたものを促進すると同時に,そうしたことを考えている多くの皆さん方にPRをしていただくというか,そういうような方法も,ぜひ関連部局とも相談をしていただきたいと思います。  また,お年寄りの方は,こうした有料賃貸住宅ばかりでなくて,もっと身近な,アットホーム的な,先ほど申し上げたような環境というものを望んでいるわけでありますので,ぜひ,問題意識を持っていただいて,これらに向けての働きかけも,国や関係機関にしていただきたいということを要望して,私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ◆村松 委員  老人休養ホーム1点について質問をさせていただきたいと思います。  私は,今,高齢化が進む中で,過去からでありますけれども,,札幌市が民間に委託しております公設民営の施設の中で,老人休養ホームというのは,今までは大変重要な役割を果たしてきたのではないかなと思っております。ただ,今後におきまして,その施設の運営その他に当たりまして,大変疑問を持っている一人であります。  そんな観点から,早速でありますけれども,質問をさせていただきたいと思います。  まず,現在,札幌市内に老人休養ホーム何カ所あるのか,また,その名称とそれぞれの建物の完成年度,収支の状況等々を質問させていただきたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  現在,老人休養ホームと言われておりますのは,まず,駒岡にございます保養センター駒岡と,それから,定山渓温泉にありますライラック荘の2カ所であります。  建設の時期でございますけれども,ライラック荘が昭和48年でございます。そして,駒岡の方が昭和61年に本館を建てております。  それで,平成10年度の収支状況についてでございますけれども,ライラック荘の方は,経費が約1億7,700万円,それから,収入が約7,000万円であります。収支差が約1億7,000万円となりますので,この分が市からの委託料という形になってございます。この経費に対する収入率は,39.7%でございます。  一方,駒岡の方につきましては,経費は約2億1,800万円,それから,収入が約1億1,800万円で,収支差は約1億円ということでございます。収入率は,54.1%となってございます。  以上です。 ◆村松 委員  ありがとうございます。  今,部長さんがお答えしていただく中で,ちょっと間違うと大変なことなので電話では聞けなかったわけであります。  それで,今ありましたが,ライラック荘は年間1億700万の赤字ということであります。そして,駒岡の方は,端的に言うと年間1億の赤字ということでありますが,こういう施設でありますので,当然,高齢者の方,そして障害者の方にサービスをするわけでありますから,赤字ということを一概に問題にするわけにはいかないわけであります。  そんな中で,駒岡の施設の方は,昭和61年に完成ということでありまして,まだ13年ぐらいであります。そして,ライラック荘は昭和48年でありますか,僕が調べたのは49年でありましたけれども,約二十四,五年ぐらいたっておるわけであります。  そんな中で,駒岡の方は,余熱等々いろいろな利用をして,今後とも収益の改善の見込みはあると思うわけであります。ですから,ライラック荘に絞って簡単に質問をさせていただきたいと思いますが,そのライラック荘の年間の修繕費は大体幾らぐらいになるのか。そして,委託料で算定している職員の人数は何人なのか。もしくは,利用人数と給料体系,利用者の1人当たりの市の持ち出し分は幾らになるのか,簡単でいいですから,数字だけ説明をしていただきたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  まず,改修費の件でございますけれども,ライラックの件だけでお答えいたします。平成6年度から平成10年度までの5年間の平均で申しますと,年間約600万円でございます。  それから,職員数でございますけれども,常勤の職員は21人でございまして,このうち5人が嘱託職員で,このほかに清掃,調理をやるパート職員が6人いらっしゃいます。  それから,次に,料金体系でございますけれども,高齢者や身体障害者の方などは1泊2食つき税込みで,4,300円から6,300円,それから,日帰りの休憩の使用料は450円であります。  最後に,利用者1人当たりの市の持ち出しの金額を計算いたしますと,平成10年度の収支差額が1億700万円でありますので,これを延べ利用人員で割りますと,1人当たり4,485円でございます。  それから,先ほどのライラック荘の開設の時期は,49年でございますので,先生のお答えが正しいです,失礼いたしました。 ◆村松 委員  ありがとうございました。  今,職員の方の人数が21人で,うち,嘱託の方が5名,パートが6人ということであります。合計27人であります。そして,年間の利用人数が2万3,857人,これを12カ月で割りますと1,988人,そして,30日で割りますと,1日当たり66.3人,約66人であります。  その中で,今度は2万3,857人,年間の利用のお客さんの人数を,宿泊数の1万2,468と,それから休憩の方の1万1,389,それぞれの比率を出しますと,大体半分半分でありますけれども,宿泊の方が52.3%,それから休憩の方が47.3%であります。  この比率で先ほどの66.3人を分けますと,1日当たり,季節だとか土曜・日曜とかありますけれども,それを平均しますと,プールしますと,1日当たり34名の宿泊でありまして,そして休憩が32名であります。その中で,従業員が27名ということでありまして,この人数を,民間のこういう施設の比率で計算しますと,ちょっと後で計算していただきたいのですが,非常に多いわけであります。  そして,これからが大事であります。この34人の,先ほど,料金が1人当たり4,300円から6,300円でありますので,足して2で割ると,1人当たり5,300円,34人に5,300円掛けますと,18万200円,そして,32人に1日の使用料450円掛けますと,1万4,400円,合計19万4,600円でありまして,これに30日掛けて12カ月掛けますと7,005万6,000円,ですから,この数字は逆に言うと,さっきお知らせしていただいた数字とは,逆算していますから,当然合うわけであります。  私は,何が言いたいかというと,先ほどお答えいただいたように,収益じゃなくて収入を7,000万上げるのに,何と1億7,700万の経費がかかっているということであります。これを逆にして割りますと,大体7,000万の収入を上げるために,2.5倍の経費がかかるわけであります。これは,先ほども言ったような,他の民間のそういう施設,他の政令都市とも調べていただきたいのですが,ほとんどないのではないかなと。数の中には,あるかもしれませんけれども,私の知っている中ではありません。私は,これは異常な状況だと思います。  それと,これは自分の宣伝ではありませんけれども,私は1級建築士であって,そして1級土木施工管理技士でもあります。この建物,築25年たっているわけでありますから,今,年間600万の修繕費,営繕費がかかるのでありますけれども,これからが,築25年を過ぎた建物の修繕費,営繕費というのは莫大になっていくわけであります。ですから,今まで多分,屋上防水,外壁等の改修,内装,浴槽,コーキング等々,いろいろやってこられたわけでありますけれども,今の600万がだんだん,年間1,000万,2,000万,今の年間の赤字1億700万が1億1,000万,1億3,000万になっていくのではないかなと推測されるわけであります。  そこで,私は,北区に住んでいるから南区のことを言っているわけではなくて,南区のためにも,南区の市民のためにも,札幌市民のためにも,この施設を何とかしていかないとならないと思っているわけであります。来年から,今までご質問がありました介護保険も進んでまいります。その中で,こういう福祉施設というのは大変重要な施設でありますけれども,ただ,このままの状況でありますと,この施設が札幌市としても大変重みになっていくわけであります。  年間の一般会計8,550億円のうちのたった1億の赤字かもしれませんけれども,このたった1億の赤字のこういう福祉的な施設の用途変更というのは,大変難しいのであります。特に,今言ったように,福祉施設は難しいわけであります。ただし,この難しい福祉施設から,札幌市の今後の財政の赤字を解消するためにも,この一施設から,何とかこれを新しい形に進めていけないか,もしくは,思い切って廃止をできないか,その辺を踏まえてご返答をしていただきたいわけでありますが,だれかわかりませんけれども,多分お答えしていただける方と自分の意見は一緒だと思いますが,ライラック荘の今の設置の理由と今後についてご質問したいと思いますので,お答えしていただきたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  今,委員おっしゃられたとおり,49年に開設いたしまして,非常に老朽化が進んでおります。そのせいもありまして,利用者が年々減少していると。今後,高齢者人口の増加や介護保険開始に伴い,介護予防とか生きがいづくり,それから,健康づくりの面での市民のニーズはだんだん大きくなっていくというぐあいに予想されますので,ライラック荘は,これらのニーズの一部にこたえられるようなものと基本的に考えてまいりたいなと思っております。  また,本施設は温泉でありまして,泉源を有しております。これを有効活用することが望ましいと考えていますし,定山渓地域全体の振興のために,今後,何らかの新たな役割を果たすことも期待しているところであります。  したがいまして,保養センター駒岡も含めまして,札幌市の老人休養ホームのあり方につきまして,新しい5年計画の中で,介護保険制度を支えるような,例えば健康増進やリハビリといったような介護予防機能を有するようなものへ転換する可能性も含めまして,基本的な考え方について,関係部局と連携とりながら,さまざまな角度から調査研究を行ってまいると。  以上です。 ◆村松 委員  最後に,すぐ終わりますので。  今,その温泉の有効活用をしてというお答えありましたけれども,これは民間でもいろんな形で,特に定山渓でありますから,既に温泉の有効活用は考えているわけでありますが,なかなか難しいのですよ。  それともう1点,定山渓地域の振興と言いましたけれども,定山渓地域の温泉の振興を考えるのであれば,年間に1億の赤字ですから,5年で5億,10年で10億であります。そういう民間の施設に,例えば老人の方が来るための手すりですとか浴槽ですとか,そういう補助をしてあげた方が,定山渓の方は,私は喜ぶのではないかなと思っております。  それともう1点,介護予防を有する形態の転換などの可能性を含めとありますけれども,これは,含むということじゃなくて,もし廃止しないで転換をするのであれば,この介護予防の機能を含むじゃなくて,介護予防の機能を考えた施設づくりをしていかなければならないと思っております。この介護予防の機能を有する施設でなくて,ここにあるように改修・改築・移転とありますけれども,改築というのは建てかえのことでありますから,それから,改修というのは大規模修繕の上のことでありまして,移転というのはどこかに行くということでありますが,簡単に言うとですよ,ですから,しつこいようですけれども,介護保険の,介護予防の機能を有しない施設なら廃止した方がいいと思いますし,そういうことを含めて,そういうことを中心に考えて,新しい施設づくりをしていっていただきたいと思います。  特に,後ろにいる方は,前の方よりも多分札幌市に長くお勤めされるわけでありますから,その辺を考えて,これからの本当の,真の福祉関係を考えていただきたいと思います。  じゃ,局長,答弁をお願いします。 ◎舘美 保健福祉局長  長くいない人がお答えするのもあれなのですけれども,今おっしゃったように,いろんな面で,ここは我々としても前から気にしているところでございまして,何とかこれをしなきゃならぬなということで考えておったところでございます。  そこで,具体的には,これはやっぱり地元の皆さんのいろんな意向もありますでしょうし,それから,南区とも十分に協議をしてから,そして物事を進めてまいりたいと,このように思っています。  以上です。 ○上瀬戸 委員長  以上で,第3款 民生費 第3項 老人福祉費の質疑を終了いたします。  ここで,約20分間休憩をいたします。     ──────────────       休 憩 午後4時12分       再 開 午後4時35分     ────────────── ○上瀬戸 委員長  それでは,委員会を再開いたします。  先立ちまして,ちょっと,委員の皆さん,そして理事者の皆さん方にお願いを申し上げたいと思います。  まだまだ重要案件がたくさん残っておりますし,質疑予定者もたくさん残っております。極力,効率的な運営をしていきたいと,これは理事会でも申し上げておりますけれども,よろしくご協力をいただきたいと存じます。  次に,第5項 国民年金費の質疑を行いますが,通告がございませんので,終了いたします。  次に,第6項 医療助成費の質疑を行います。 ◆藤原 委員  私は,本市の乳幼児の医療助成の関係について質問をさせていただきたいと思います。  ご承知のとおり,この制度は,昭和48年3月29日,条例第13号 札幌市の乳幼児医療費助成条例,及び同年8月29日の規則第61号 札幌市乳幼児医療費助成条例施行規則に基づいて実施がされているわけであります。  こうした制度については,他の政令指定都市や北海道の212の市町村でもそれぞれ実施がされているわけであります。調べてみますと,3歳児までの通院に伴う助成をしているのは,東京都,川崎市,そして横浜市となっているわけであります。これは,平成10年7月現在の資料ですので,多少ふえているところもあるかもしれませんが,3歳児まではそのような状況になっています。2歳児においては,東京都を含めて13都市中12の都市が既に実施をしており,政令指定都市では札幌市のみとなっている状況であります。  この制度は,道庁の10分の6の補助費,そしてまた本市の一般財源の10分の4の予算配分で行われているわけであります。  通院で1歳引き上げのために必要な予算は,今年度ベースでおおむね6億4,000万円程度と見込まれているわけでありますけれども,こうした利用状況を見ると,子供1人当たり平均受診回数は約5回程度となっているわけであります。  そして,先ほども申し上げたように,道内の212の市町村のうち200の市町村が北海道の補助対象年齢より拡大をして実施をしているわけであります。ゼロ歳児から2歳児までは145の市町村が実施をしており,率で68.4%となっているわけであります。また,3歳児については16の市町村,7.5%,4歳児は1市町村でありまして0.5%,5歳児においては31の市町村で14.6%,7市町村がその他の項目で含まれているわけであります。  1点目は,札幌市がこれまで,2歳児に向けて,また,さらに他の都市のような年齢の通院の助成の拡大をしてこなかった理由は何なのかということを1点目にお伺いしたいと思います。  2点目は,桂市長は,ことしの第2回定例市議会の本会議でも,本年内の実施を目指すということで,最大限の努力をするという答弁をしたところであります。そこで,北海道においては,実施時期についてまだ具体的に表明をしていないわけでありますが,仮に,北海道が年内に実施できない場合に,本市において単独でも年内に実施をすべきだと考えるわけであります。私も,その第2回定例市議会以降の厚生常任委員会の中でも,そうした課題について指摘をしてきたわけでありますけれども,とりあえず,この2点について,まずお伺いをしたいと思います。 ◎堂前 保険医療部長  第1点目の,本市がこれまで拡大をしてこなかった理由についてでありますけれども,道内の市町村が独自に拡大をするに至ったのは,各市町村において,例えば,若い世代の方が都市部の方に転出すると,そういったことによる人口の過疎の問題,あるいは医療施設が少ないという自治体における地域の事情,こういったことから,転出の防止策の一つとして,医療助成の拡大の措置をしてきたというふうに考えられます。  本市におきましては,これまでも,市民のニーズを踏まえまして,平成7年1月から通院対象年齢をゼロ歳から1歳に拡大してまいりました。また同時に,歯科診療に対する新規助成も行ってきたところでございます。これらは,北海道に対して強く働きかけまして,また同時に,本市の財政状況をも勘案しながら,その実現に努めてきたものであります。  本市におきましては,他の市町村との事情がちょっと異なっておりまして,対象となる乳幼児の数が極めて多いということです。道内に占める割合が32%と,また,医療施設が集中していると,こういった状況にあります。このような特殊性がありますので,仮に独自に拡大した場合には,財政負担が非常に多大となりまして,将来の公費負担がどのように推移をしていくのか見きわめながら対応していく必要があったわけであります。同時に,本制度が創設されました昭和48年より,これは広域的医療助成事業という観点から,北海道の補助制度の範囲で運用していくことを基本スタンスとして今日に至っております。このようなことから,結果として,他の市町村との相違が生じているものであります。  第2点目の,単独でも年内に実施すべきでないかということについてでございますが,対象年齢の拡大の実施時期につきましては,本議会の代表質問でご答弁を申し上げておりますとおり,現在,早期実現に向けて,補助主体であります北海道に対して強く働きかけをしているところであります。  しかしながら,北海道におきましては,医療助成制度全般の見直しを年内にまとめて,その拡大の実施の時期につきましては,年度内のできるだけ早い時期に実施いたしたいと,さきの道議会において表明をしたところであります。  その見直し案でありますが,これは乳幼児だけではなくて,老人,あるいは重度,母子,こういった,道単独事業の補助制度につきまして見直しをするということでございますので,それに時間を要しておりますことから,まだ具体的な内容が明らかにされていないのであります。  したがいまして,本市の実施時期につきましては,北海道の見直し案が明らかにされ次第,その内容を踏まえて,道の実施時期との整合性を図り,実施してまいりたいと考えております。
     仮に,単独で年内実施となりますと,公費負担が伴いますが,本市の財政事情は大変厳しいという状況にありますし,また,本制度の運用につきましては,先ほど申し上げましたとおり,北海道との整合性を図りながら運用していくことを基本としておりますので,単独で実施することは困難であると考えております。  以上でございます。 ◆藤原 委員  ただいま,他都市が実施をしている状況,過疎対策ですとか,十分な医療機関がないための対応などということが指摘をされたり,本市としての平成7年の改正の内容についても報告があったわけであります。  しかし,財政負担の問題については,道が実施をしたにしても10分の6と4ですから,こうしたことを引き上げていくことについての財政的な負担というのは,これは当然,のしかかってくるわけであります。  そうした中で,市長は,ことし4月の選挙公約の中に,乳幼児の医療助成の拡大ということを掲げているわけであります。今,部長のお話ですと,道のそういう推移もありますから,年内に道庁がまとめて,平成11年度内の早い時期というような表現でした。そうしたことから推察をすれば,平成7年の1月と同じような状況になるのかなということが理解できるわけでありますけれども,そうしたことが,桂市長の言う1歳の引き上げ拡大ということにとどまるのか,もしくは,それにとどまらず,この5年間,あるいは市長の任期中にもう少しふやしていくのか,そうしたことについて,舘美局長の方から自主的に,保健福祉局を預かる責任者として,市長の公約をどのように実施をしていく考えなのか,お聞かせを願いたいと思うわけであります。  私は,少子化対策の視点から,他都市とも違いますし,また,道内の市町村とも違いますけれども,少子化対策の視点からとらえるのであれば,こうした対象年齢の拡大は,本市においても重要な少子化対策の施策の一つだと考えております。そうしたことについて,当面は刻み刻みで行けますけれども,大きな視点に立って,先ほどの市長の公約なども踏まえて,今後,本市の就学前までの拡大についてどのような基本的な考え方なのか,局長からお聞かせいただきたいと思います。 ◎舘美 保健福祉局長  ただいま,市長公約を踏まえて,1歳拡大に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。  それをさらに就学前まで拡大というお尋ねでございますけれども,この年齢拡大につきましては,将来にわたって多額の公費負担を伴うものでありますので,市民ニーズを踏まえまして,今後とも,補助主体であります北海道に働きかけながら,十分協議を進めていかなきゃならぬ問題だと思っております。  また,少子化傾向というのは,本当に大きな社会問題としてクローズアップされてきております。地域を超えた全国的な重要課題でもありますので,13大都市の民生主管局長会議を通じて,国に対して,本制度に対する財政援助の確立を要望してきておりまして,引き続き要望してまいりたいと,こう思っている次第でございます。 ◆藤原 委員  今お伺いしたように,確かに,道のそういう補助費もありますから,道との連携を図って,札幌市の厳しい財政状況の中でこれを取り扱っていかなきゃならないということは十分理解できます。  しかし,もう少し正確に確認しておきたいのは,札幌市が,仮に,来年の年明け早々に,道の助成拡大に伴って,通院に伴う乳幼児の対象を今の1歳児から2歳児までにしたと,これで終わっちゃうのか,もしくは,市長の公約というのはそうじゃなくて,それはもう当然のものであって,まださらに前進をしていくのですよと,そういう視点なのか,もう一回,保健福祉局長のお考えを聞きたいと思うのですけれども。 ◎舘美 保健福祉局長  子供を安心して産み育てるということは,少子化問題で非常に重要だと考えております。重要だと考えておりますけれども,いかんせん,財政問題が非常に厳しい折,これを一気にということはなかなか難しゅうございますので,道と十分協議しながら進めてまいりたいと,こう思っております。 ◆藤原 委員  言われていることは十分わかりますけれども,市長の公約ということがありますし,拡大ということでは,どの程度まで拡大をしていくのかというのは,市民が注目をしているところなわけであります。局長も十分その辺はご承知だと思いますけれども,特に,きょうは財政局の方もいらっしゃいますが,そうした財源の裏づけも必要でありますし,市長公約の拡大に向けて,ぜひ努力していただきたいということを要望を申し上げまして,終わらせていただきます。 ○上瀬戸 委員長  以上で,第6項 医療助成費の質疑を終了いたします。  次に,国民健康保険会計決算の質疑を行います。 ◆西村 委員  国民健康保険の関係について,決算でありますから,平成10年度の決算を見ながら,少しく質問をしてまいりたいと思っております。  特に10年度の決算を見てみますと,とりわけ,監査委員の出しております歳入歳出決算審査意見書,これを見てみますと,特別会計では,国民健康保険会計について,こう書かれております。特別減税の影響に伴う保険料収入の減少や被保険者の増加に伴う保険給付費の増加などにより,2年ぶりに単年度赤字を計上したということ。繰り上げ充用を行ったこともございまして,若干の修正はありましたけれども,同会計では,累積赤字の計画的な解消を図るため一般会計から繰り入れを行っているが,当年度の赤字の計上により,累積赤字の額がさらに増加に転じたと,こうなっているわけであります。  そこで,詳しくこれまた決算状況について見ますと,歳入総額が1,201億619万円,歳出総額が1,237億18万円で,歳入歳出差引額,約35億9,398万円の不足を生じたと,こういうことでございますし,また,補正を行った部分については,療養給付費17億5,000万円並びに高額療養費4億8,000万円であって,決算状況を前年度と比較すると,歳入では23億3,991万円,歳出では59億3,390万円,それぞれ増加をしているという,こういった分析もされております。  また,この関係についてもう少し詳しく書かれているわけでありますけれども,給付費関係についても,自主財源である保険料収入が271億1,148万円,前年度に比較すると5億9,846万円で2.2%の減少となっていると。これは先ほど言ったように,景気の動向により減ったという,こんな分析だろうというぐあいに考えております。そんな意味で,不納欠損額が39億8,493万円で,前年度に比較して3億9,297万円,10.9%増加し,124億7,631万円の収入未済額で,前年度に比較して7億5,542万円で6.4%増加となったと,実はこういうぐあいに書かれているわけです。それだけ,実は,平成10年度を見る限りにおいては,この国保会計については,大変厳しい環境になってきたとも言えるわけであります。  したがって,この国保会計というものをしっかりと健全なものにしていかなければいけないと,そのための努力というものも,していかなければいけないわけでありまして,これは私も毎回質問に立つときに,しっかりと収納率を上げながら,どういうぐあいに収入源というものを確保していくかと。予算額に合った形で,歳入というものをどう確保していくのか。  さらには,歳出の部分については,どう低く抑えていくのか。そのことがやはり一番の問題点でありまして,そんな意味では,常日ごろ,これは医療費の適正化によって歳出を抑えていくという一つの事柄と,もう一つは,保険料の収納対策をしっかりとして,収納率を上げながら,この歳入の欠陥を少しでもなくしていくという,そういった努力が実は求められているわけであります。  今年度のこの状況を踏まえて見てみますと,一般会計,平成8年度で累積赤字が85億円,そして9年度でも68億円,この85億円から68億円にやっと減ったなと思ったやさきに,平成10年度では20億円の赤字がオンしたものですから,またぞろ累積赤字が88億になってしまったと。一般会計からの繰り入れはどうなっているかというと,8年度では240億円,平成9年度では248億円,平成10年度では253億円と,非常に一般会計からの持ち出しも多くなってきておりまして,この国保会計の健全さというものがいかに大事かということ,一般会計へのしわ寄せが大変大きいということも,うかがえるわけであります。  そこで,医療費は一体どうなっているかということで,私なりに調べてみると,医療費の推移は,8年度では,対前年度の伸び率が7.7%,9年度では6.2%,10年度では7.1%となっておりまして,年々,医療費の増嵩というものが,これまた,あるわけであります。  いただいた資料を見ると,この医療費の増嵩も,政令市,それぞれございますけれども,比較してみると,これまた1人当たりの医療費も全国で1番であります。そんな意味では,こういった医療費をどう抑えていくかという,そんな努力も必要でありまして,私は,今日まで,この辺について数多く指摘をしてきております。  そこで,質問に入っていきますけれども,まず,医療費の適正化の問題。  これは,札幌市,今日まで,適正化をするために,診療報酬の明細書,いわゆるレセプトに誤りがないような形で,しっかりと点検をしている,このことは,歳出を抑えるという,むだな治療をなくするという意味もありますけれども,逆に,保険者の立場から,この内容を充実してもらうという,そういうことにも,これは十分リンクするわけでありますから,この辺はもっともっと,レセプトの点検というものを,より充実を図っていかなければいけない重要な課題だと思っております。  こうした形で医療費が年々推移をしておりますけれども,一体,現在のレセプト点検の体制というものがどうなっているのか。そしてまた,昨年のレセプト件数,その内容の点検率,一体どのぐらいの点検率になっているのか,これまた,過去3年含めて,どのようになっているか,具体的に明らかにしていただきたいと思っております。  その点検をした中で,本当にこれはおかしいぞと,再審査請求をする,そういったチェックを受けた件数もあろうかと思いますけれども,そのチェックの件数,そして,その金額というものも,一体,過去,どのような推移になっているのか,これまた明らかにしていただきたいし,チェックをした後,本当にこれはおかしかったという,そんな意味で,改めて過誤請求として,この保険料損失を免れたという,そういった効果額というものがどの程度になってきたのかということも,これまた明らかにしていただきたいと思うわけであります。  二つ目の問題として,収納対策であります。  今日まで,収納率というのが大変問題になっておりましたし,そんな意味では,過去,私ども,この収納率,委員会があるたびに指摘をしながら,収納状況というものを明らかにしてまいりましたけれども,今年度,一体どういう状況になっているのかなと,このこともお聞きしたいわけであります。  今日までの状況というのは,言うまでもなく,平成7年度で85.2%,8年度で84.02%,9年度で83.3%と,だんだんと収納率が低下をしてきていると。また,ペナルティーがかけられる対象としての一般分,どうなっているかというと,これは,7年度が82.65,8年度で81.21,9年度で80.6と。ペナルティーがかかるのは,これは92%から始まりまして,90%台,85%,80を割ったら,また20%に及ぶペナルティーを取られるわけであります。実は,そのぎりぎりの水準に平成9年度は来ているわけであります。  したがって,平成10年度の収納率の状況というものが一体どうであったのか,そして,10年度の収納対策はどのように講じてきたのか。まさに,不景気でありますから,家計に及ぼす影響というものは大きいわけでありまして,支払う側にとってみても大変深刻な状況にございますけれども,しかし,実際に健全な国保を進めるには,この収納対策というのは大事でありますから,どのような収納対策をとって,どのようなパーセントになっていったのか,そのことも明らかにしていただきたいと思っております。  また,今年度ももう既に10月に入ったわけでありますけれども,今年度,どのような収納状況になっているのかについても明らかにしていただきたいと思います。 ◎堂前 保険医療部長  3点ほどご質問あったかと思いますので,1点目と2点目につきましては,私のほうからご答弁させていただきます。  まず,第1点目のレセプト点検の体制についてでありますけれども,現在,26名の体制で行っております。その内訳でございますが,専任の主査1名,非常勤の医師2名,診療報酬明細書点検員,これは20名でございます。保健婦であります保健指導員2名,第三者行為求償専門員1名となっております。  次に,レセプト件数と内容点検率の推移でございますが,3年間ということでございますので,8年度から申し上げますと,レセプト件数が約490万件で,点検率が24.6%,9年度では,530万件で31.6%,10年度では,600万件で30.8%となっておりまして,レセプト件数は急増しておりますけれども,点検率は横ばいの状況になっております。  2点目の再審査請求の件数とその金額の推移でございますが,これも同じく3年間で申し上げますと,8年度では,再審査請求件数が9万件で,その金額は4億7,700万円,9年度では10万4,000件で6億8,800万円,10年度では10万9,000件で7億5,000万円となっておりまして,いずれも,年々増加している状況になっております。  その効果額でありますが,8年度では3億1,800万円,9年度では5億100万円,10年度では5億2,100万円となっておりまして,毎年多額の効果を上げているところでございます。  以上でございます。 ◎本巣 国保収納担当部長  私から,第3点目の収納関係の部分についてお答えをいたします。  10年度の収納状況についてでございますが,賦課の額で申し上げますと,320億8,600万円となってございます。これは,前年度と比較いたしまして7億3,000万円の減。それから,収納額につきましては265億6,700万円で,これも前年度に比較いたしまして,約6億円の減となってございます。賦課額,収納額とも減になってございますけれども,これは,先ほど委員の方からお話ございましたように,特別減税の影響によって減ったものでございます。  それから,収納率につきましては,全体で83.39%でございます。これは,前年度と比較いたしまして0.06ポイントと,わずかではございますが,上回ったところでございます。また,普通調整交付金のペナルティーの対象となります一般分被保険者の収納率について申し上げますと,80.82%となりました。これは,前年度と比較いたしまして,0.22ポイント上回ったところでございます。  次に,この10年度の収納対策はどうしたのかということでございますが,10年度の収納環境,これにつきましては非常に厳しいというふうに考えまして,あらゆる収納対策に取り組んできたところでございます。  10年度当初から行った主な内容について申し上げますと,まず一つは,納付相談の充実強化を図りました。この納付相談の重点としましては,前年度から長期間滞納している世帯や,あるいは前年に比較いたしまして所得が減少している世帯,こういう世帯に対しまして,早い時期から繰り返して特別に納付相談を実施してきたところでございます。  二つ目は,新たに発生する,いわゆる新規の滞納世帯がございますが,こういう滞納世帯に対しまして,早期の納付督励とその回数増を図りました。これは,幹部職員を含めまして,職員,保険員と,全課体制で取り組んできたところでございます。  後半に入りまして,遡及賦課あるいは不況の影響によりまして,収納率が前年より下回ったことから,より一層の収納対策が必要であると,こう考えまして,ことしの3月に国保特別収納対策本部というのを設置いたしました。これにつきましては,助役を本部長とする対策本部のもとで,本庁と区が一体となって,収納率の向上を図るためにいろいろと重点的な事業を実施したものでございます。  それから,最後になりますが,今年度における最新の収納状況はどうかということについてでございます。  直近の8月末現在の状況で申し上げたいと思いますが,賦課額につきましては366億5,000万円でございます。これは,前年と比較して約12%ふえてございます。これに対しまして,収納額につきましては,81億6,800万円で,これも前年に比較いたしまして約13%ふえてございます。収納率でございますが,22.43%でございまして,これも前年と比べまして0.31ポイント上回ってございます。  以上でございます。 ◆西村 委員  今,レセプトの点検,医療費のむだをどう省いていくかという,そんな意味では,点検体制も明らかになってまいりましたけれども,いずれにせよ,そこまでやったとしても,本市の1人当たりの医療費が,先ほど言ったように約50万円,全国的に見ても大変な金額になってきていると。  見てみると,低いところでは,1人当たり30万円台で推移をしているわけでありますから,その差というのは15万円から20万円近くあるわけでありますし,そんな意味では,地域的なものもあるのかなということも考えられますけれども,しかし,先ほど言ったように,点検率が30%台,それに基づいて,効果額が大体5億2,000万にもなってきているという,そんな状況も明らかになったわけであります。もっともっとこのレセプトの点検体制の充実を図ることによって,その効果を上げていくという,そんな取り組みも必要になってくるのだろうと思います。レセプト体制,26名でやっているという話も先ほどございましたけれども,そんな意味では,その差引額で効果が上がれば上がるほどいいわけでありますから,やはり効率のよい点検体制というものをしっかりとつくりながら,効果を上げるようなレセプト点検にしていくべきだと思いますが,今後のレセプト点検の充実強化について,基本的な考え方もお伺いをしておきたいと思っております。  実は,その中で,とりわけ,高額療養費の関係も大変大きなウエートを札幌市は占めているわけであります。決して,高額の治療を受けている患者が悪いという意味ではございませんけれども,その割合も大変多くなってきておりまして,資料をいただいた中では,超高額医療費,500万円以上払っているところについては,10年度で47件もあるわけでありまして,最高では1,128万1,000円というぐあいになっておりますし,前年度に比較してみましたら,1,000万円を超えた人は1人でございましたが,10年度は3人おられました。これも,底上げをしているのかなという気はしますけれども,しかし,大変な治療費になっているわけでありまして,決して本人が悪いのではないのですが,レセプト点検も含めながら,適正な治療というものも,ぜひ,その中で強化を図りながら削減をしていただきたいというぐあいに考えますが,その基本的な考え方も含めて,明らかにしていただきたいと思っております。  さらに,収納率の対策の問題であります。  これは,今の経済不況下で,大変落ち込んでいるというのは,わからぬわけではないわけでありますけれども,札幌の場合を見てみると,今言われたように,大変な努力をしていることも明らかになったわけであります。昨年度と比較をして,わずかとはいえ,0.06%プラスになったということは──私も調べてみると,全国は押しなべて実はマイナスになっております。いわゆる,収納率が悪くなっております。その中で,札幌市がプラスにしたということは,今の特別対策本部を設置した中での取り組みがそれなりに功を奏したというぐあいに評価をしてもよろしいのかなと思いますけれども,しかし,実際に今の数字を見ると,先ほど言ったように,ペナルティー分の,被保険者一般分は80.82で,ペナルティーがさらに増大をするという基準のすれすれのところに実はあるわけであります。それだけに,予断を許さない,気を許せない状況にあるわけでありますから,一層の収納対策が必要になってくるだろうというぐあいに私なりに実は思っているわけであります。  とりわけ,先ほども介護保険の関係でたくさんの質問がございましたけれども,来年度から介護保険制度が導入をされてまいります。そうなってくると,国保に及ぼす影響というものが大変重要になってくるのでないかなと。国保に及ぼす影響というものがどうなっていくかという,そんなところが実は大変心配をされてくるわけであります。特に65歳以上の1号被保険者の保険料というのは,これもう年金から自動的に天引きをするという,こういった状況になってくるわけでありまして,そうなりましたら,その後に残った年金の中から今度は国民健康保険を払うという,こういった状況になってくるわけであります。  また,同じようなことが2号保険者にも言えるわけであります。この2号保険者,40歳から65歳未満の方々で,現役の部分も含まれてまいります。そうなってきましたら,これは当然,介護保険の納付金が保険料に上乗せされますから,そうすると,現役の皆さん方が国保料を納めるという,そういった部分も大変厳しくなってくるのではないかなと,こういうぐあいに実は考えられるわけであります。  したがって,収納率が低下をするという危険性をはらんでいるこの状況の真っただ中に,今,札幌市はございますし,とりわけ,先ほど言ったように,80.82という,ペナルティーがさらに悪化をする基準のぎりぎりのところにある札幌市にとってみれば,大変な状況になるだろうというぐあいに予想されるわけでありますけれども,平成12年度の収納対策を,今後,どのようにしていこうとしているのか,さらに強化をしていくとすれば,何をしなければいけないのか,どのようにしていくのか,その辺の基本的な考え方も,これまた明らかにしていただきたいと思うのであります。 ◎堂前 保険医療部長  1点目の今後のレセプト点検の充実強化ということにつきましては,委員ご指摘のとおり,レセプト点検の事務につきましては,医療費の適正化,そういったことと,国保財政の健全化を図る上でますます重要性が増大しているものと,そのように認識しているところでございます。  今後の考え方でありますけれども,現在,点検率が3割という状況になっておりますが,これは,必ずしも十分であるとは考えておりませんので,この点検率をさらに向上させていくことが大変重要であると考えております。  また,再審査請求につきましても,先般開催されました国保運営協議会においても,その効果をさらに高めるべきであると,そういったご意見もございました。  したがいまして,今後は,より質の高い点検事務を行うために,点検員の研修の充実を図り,また,民間事業者への委託の拡大,現在,一部拡大しておりますけれども,そういったことについても検討して,医療費の適正化の推進に努めてまいりたいと考えております。 ◎本巣 国保収納担当部長  2点目の,介護保険が導入されます平成12年度の国保の収納対策の考え方ということについてでございますが,現時点におきましては,介護保険料の水準がどのようになるかということについて具体的にはなっておりませんけれども,国保と介護の保険料をあわせて考えてみますと,国保の収納環境につきましては,やはり厳しいものがあると,そのように考えております。  したがいまして,収納率が低下することのないように,収納対策の充実強化を図ることが必要であると,そのように考えてございます。  具体的な対策につきましては,今後,引き続き検討をしてまいる予定でございますが,主な対策といたしましては,一つには,新制度に対する理解をいただくということが最も重要なことでございますので,PRの実施,あるいは,特に滞納世帯と折衝するときには,制度を説明するなど,そのための適切な対応を図ることとしてございます。  二つ目には,国保の滞納世帯につきましては,その3分の1が毎年新規に発生する滞納世帯でございます。したがいまして,これらの世帯に対しましては,早い時期における納付督励を実施するなど,早期折衝を図ることとしてございます。  三つ目には,介護保険が導入されますと,これに伴いまして事務量が増加いたします。したがいまして,滞納整理担当職員の増員を図るなど,収納体制の整備を図ることといたしております。  以上でございます。 ◆西村 委員  今のレセプトの関係については,さらに効果を上げるために,いろんな工夫をとっていくと。とりわけ,点検員の専門的な研修をしていくだとか,あるいは民間委託も拡大をしていくという話もございましたから,そんな意味では,私は,より一層のレセプト点検に対する取り組みを強めてもらいたいと思うわけであります。  また,収納率についても,新たな制度が12年度から導入をされるわけでありますから,確かにそんな意味では,一つ目のお答えとして出てきた中には,新制度に対する理解をいただくことが最も大事なことでありますということで,理解をもらいながら,国保の料金もしっかりといただくと,そのことはそのことでわかるわけでありますけれども,私は,ここで,新しい制度の導入と国保とのかかわり合いについて,ちょっとお聞きをしておきたいと思うのであります。  介護保険制度の導入に加えて,国がやろうとしていることは,21世紀に対応できる社会保障制度のあり方について,今,国政の場でやっているのですね。そういった医療制度の抜本的な改革もあわせて,これは国保の関係も含めてですよ,トータル的に議論をされているというぐあいに私は理解をしておりますし,そのことが,今,国の機関であります医療保険福祉審議会の中でそれぞれ議論をされていると思っております。  まず,介護保険制度の導入に伴って国保との関連について見ますと,被保険者にとって最も関心があるのは保険料なのですね。先ほども言いましたように,この介護保険料をまず天引きで,あるいは自動的に取られながら,さらに国民健康保険料の徴収を受けるという,こういった部分というものが,やはりこれからの問題として,私は医療機関において相当重なってくるのではないかというぐあいに実は考えるわけであります。  とりわけ,2号被保険者の介護保険料は,国保の保険料にオンさせるわけでありますから,当然,付加をされてまいります。その介護保険料は,国の試算によれば,確定ではないけれども,その2号被保険者については,月,大体1,300円というぐあいに言われているのです。  そこで,今度,介護保険の導入によって,現行の医療費はどうなるかというと,これは介護保険適用のものと医療保険の適用のものと,それぞれ医療費は区分されてまいります。そうなってくると,一体,医療費は国保でどの程度支払いをするのか,あるいは,介護保険にどの程度移行していくのか,その辺の区分というものがやはり出てくると思うのであります。したがって,当然,介護保険の方に医療費が移行した部分については,国保の賦課額が減少されてもいいのではないかという,そんな考え方も実は出てくるわけでありますね。したがって,そうなってくると,国保の保険料は今のままでいいのだろうかという,実はそんな考え方も出てくる可能性もありますし,当然そうなっていくのかなという気もするわけであります。  したがって,介護保険の導入に伴って,それじゃ,国保の保険料はこれから一体どうなっていくのか,そのことが,やはり今一番──いろんな介護の中身も,先ほど,たくさんの人方から質問もございましたけれども,問題は,保険料という部分から見ると,いろんな意味で介護保険の方に移行する部分もありますから,それじゃ,国保の付加される保険料は一体どうなっていくのだろうかという,そのことも含めて,関連として出てくるのではないかと思いますが,今のところ,どのような考え方に立っているのか,これまた明らかにしていただきたいと思います。 ◎堂前 保険医療部長  介護保険導入後の国保の保険料についてでありますが,委員お話しのとおり,介護保険の2号被保険者につきましては,介護の納付金が上乗せになるために,上がる要素もありますが,一方で,老人医療費の一部が介護保険に移行するために,下がる要素もございます。  そこで,今後,介護保険の導入に伴う国保の保険料を検討していくことになるわけでありますが,現時点では,国保の保険料の方向性を検討できる状況が整っていないと考えているところでございます。  その主な要因でございますが,一つは,介護保険に移行する老人医療費につきましては,老人保健拠出金として負担しております。その拠出金を計算するために必要な係数が国から具体的にまだ示されていないと,そういったこともございまして,実際にどの程度減少するのか算定することが,現時点では難しい状況になっております。  2点目としましては,2号被保険者にかかわる介護納付金の額につきましては,国から1人当たり月額1,300円と,試算という形で示されておりますけれども,これは確定したものではありません。また,さらに,介護の分の賦課限度額もまだ明らかになっておりません。そういったこともございます。  それと,現在の1世帯当たりの保険料,これは14万8,029円というふうになっておりますが,これは,平成5年から据え置いてきている状況にあります。そういったことから,一般会計から毎年度繰り入れをしておりまして,10年度決算では253億円と,多額になっている状況もあります。  それと,先ほどもお話のございました医療保険制度の抜本改革,これが検討されておりますけれども,その全容はまだ明らかになっていないと,こういった事情もございます。  したがいまして,今後,これらの諸状況や国保の財政の見通し,そういったものを十分見きわめながら,適正な保険料について検討してまいりたいと考えております。  以上です。 ◆西村 委員  今の答弁を聞いていると,国保の保険料がどうなっていくのか,具体的に国の動きも見きわめなければ,まだ何とも言えないと,こういう話でありますが,そんな意味では,今後の推移を見ながら,これらについては,さらに議会の中で議論してまいりたいと思っております。しかし,医療保険制度の抜本改正については,これは平成12年度のできるだけ早い時期に実現すると,医療審議会では明記をしているわけでありますから,12年度というと,間もなくやってくるわけであります。そんな意味では,早い時期にこの議論というものをしながら,その対策,対応というものもしていかなければいけないのだろうと思っております。  その中で,もう一つ注目していかなければいけないのは,高齢者の医療制度であります。これも,全保険者が関心を持っているわけであります。高齢者医療制度についてどのような議論になってきているのか,この点について,もしおわかりであれば,あるいは,この辺の資料が話として出てきているとすれば,この辺についても,また具体的に明らかにしていただきたいと思うのであります。そのことが,これからの札幌市の国保会計を取り巻く,医療を取り巻くさまざまな関係に,実は大きく影響してきている問題でありますから,その高齢者医療制度についてもどのような内容のものなのか,これまた明らかにしていただきたいと思います。 ◎堂前 保険医療部長  新たな高齢者医療制度につきまして,どのようになっているかということでございますが,高齢者の医療制度の改革案につきましては,厚生大臣の諮問機関であります医療保険福祉審議会の制度企画部会というところで審議されて,ことしの8月に意見書が提出されたところでございます。  その内容でありますが,現行の老人保健拠出金を柱とした老人保健制度にかわりまして,新たな老人医療制度のあり方について検討され,四つの案が示されております。  その案でありますが,一つは,公費負担を中心とした,すべての高齢者を対象とする新たな独立保険制度案。対象年齢で申し上げますと,まだ決定ではありませんけれども,高齢者の平均寿命が延びているということもございまして,75歳以上とする考え方。また,介護保険制度が65歳以上となっておりますので,今後の介護保険制度との整合性を図る観点から,65歳以上とする考え方も出ております。  二つ目の案は,国保グループとは別に,被用者保険グループOBの高齢者を対象とした新たな医療保険制度案。すなわち,民間の会社を定年で退職されたとしますか,その方につきましては,その退職した時点の会社が今後支援していくと,給付していくと,そういったことでございます。突き抜け方式と言っております。  三つ目の案は,現行保険者を前提に,保険者の責によらない,年齢構成に基づく各保険者間の負担の格差を調整する案。年齢リスク調整というふうに言っております。  四つ目の案は,これは,法のもとの平等という観点で各自治体が言っていることなのですが,医療保険制度を統合,一本化する案。  この四つの案が併記されておりまして,それぞれの案につきましては,いろいろと課題がありますことから,この制度企画部会としては,一つの案に意見集約をすることに至らなかったということでございます。  国におきましては,この意見書を踏まえまして,12年度の実施に向けて,可能な部分から実施できる案を現在検討しているところでありますが,国保財政に与える影響が大変大きい事柄でありますので,今後,国の動向を見きわめながら,的確に対応してまいりたいと考えております。  以上です。 ◆西村 委員  大変大きな問題でありまして,軽々にこの議論というのはなかなかできないのかなと。ある程度,国の方針なり一定の方向性が示されなければ,なかなか難しいのだなと,こんな気持ちもします。  そこで,最後になりますけれども,局長の方にお伺いをしたいと思います。国の考え方がまだ具体的に明らかにされていないということでは,大変厳しい状況の中,感想を述べてもらうというか,答えをもらうというのは大変だと思いますけれども,ただ,局長に聞きたいのは,今,国がさまざまな形で,この医療審議会の中で答申をいただきながら,具体的な案というものを検討している段階でありますが,いずれにしても,平成12年度からスムーズに実施されることに果たしてなっていくのだろうかと。  先ほど言ったように,この審議会を含めながら,これらは12年度から進めていきたいという,こういった形で明記しているわけであります。しかし,今段階で,こういった形で意見が一つにまとまっていないという状況の中で,本当に12年度からスムーズに実施されるかどうかということ,そのことが不確定要素ではないかというぐあいに考えられるわけであります。  その中で,国保の保険料を来年度からどのようにしていくのかということが,実は大きな問題になってくると思うのです。先ほど言ったように,収納率の関係があります。介護保険料がしっかりと天引きをされ,あるいは上乗せという形で現役の皆さん方からも介護保険料を取っていくという,こういった状況,まだ全体的な姿が見えてこない中で,国保の保険料は,赤字だからといって,あるいは財政が厳しいからといって,来年度,この保険料に手をつける,こんなことは私はあり得ないのではないかなと。先ほど言ったように,医療費の部分では,介護保険の方に少なくとも移行する部分があるわけでありますから,この保険料を値上げするということは,私は好ましいことではないと考えているわけであります。そんな意味では,来年度,国保の健全化策を含めながら,あるいは保険料も含めながら,どういった形でこの問題に取り組んでいこうとしているのか,今の段階でご見解があれば,お聞かせをいただきたいと思います。 ◎舘美 保健福祉局長  段々のお話ございました中で,今後の国保の保険料の考え方ということでございます。  国保財政を取り巻く環境というのは,医療保険制度の抜本改革,あるいは介護保険制度の導入によりまして,今,大きく変化しようとしてきてございます。  委員ご指摘のとおり,新たな高齢者医療制度の改革案につきましては,まだ明らかにされておりません。したがいまして,今後どのようになっていくかということは,我々としても,国の動向をただいまじっと注視をしているところでございます。
     また,国保の保険料につきましては,これまでは,医療費の増嵩あるいは被保険者の負担を考慮しながら定めてきたところでございます。国保の財政は,今,多額な累積赤字を抱えておりまして,その解消に一般会計からの繰り入れ措置を行うなど,大変厳しい財政運営をしているのが現状でございます。したがいまして,今後の国保料につきましては,国の改革案の内容,そして,介護保険の実施による影響を見きわめながら,適正な保険料を検討してまいりたいと,こう考えているところでございます。 ◆西村 委員  要望にしておきます。これ以上お話ししても,まだ見えてこない話ですから。  いずれにしても,今,12年度までにという方針を持っていますから,そういった意味では,国の来年度の予算編成が,今,最中でありますし,もうそろそろ札幌市だって始まってきます。そんな意味では,十分に情報収集をしながら,国保を取り巻くそういった状況が変化をしたときには,ぜひ,議会の方にも,しっかりと報告をしていただきたいということが1点。  そして,もう一つは,先ほどから話しておりますように,医療費の適正化対策,そして,収納対策というものをしっかりと行いながら,この健全化に向けた取り組みを強く求めて,私の質問を終わります。  ありがとうございました。 ◆武藤 委員  私からも,国保会計にかかわって,2点についてお尋ねをします。  まず,本市の国保の現状についてですが,98年度で見ましても,国民健康保険軽減世帯の割合は,7割減額で9万3,760世帯,5割軽減世帯で7,996世帯,2割軽減世帯で2万493世帯,実に,全加入世帯の50.2%が保険料の軽減世帯となっております。このような状況を,本市としてどのようにとらえ,認識されているのか,まず1点お尋ねをします。  2点目,収納率の問題についてですが,今も西村委員からお話のあったように,国保料の収納率は年々下がってきています。先ほど,今年度の現時点での収納率,前年度に比べて0.31%伸びているのだと,こういうお話もありました。これは,非常に微々たる数字ですよね。しかし,金額でいけば,それなりに前年度に比べてふえてきていると,そうお話があったかと思うのですが,それは当然だと思うのですよね。98年度というのは,国の特別減税の影響もあって,本市から見れば21億9,000万円もの保険料収入の減少があった非常に厳しい年だったわけですね。しかし,払う側の市民から見れば,特別減税によって,保険料がこの分安くなっていた。この分が,またもとに戻りまして,ことしは特別減税がなくなったことによって,保険料も,約4万5,000世帯の方々が,最高で10万円,平均で4万9,000円の保険料の引き上げが行われてきているわけですから,今年度,今の時点において,保険料の徴収金額がふえていても,それは当然のことではないかと思うのです。ですから,金額ではなく,その収納率の伸び率で見ると0.31と,これだけで,今の時点で上がっているという評価はできないのではないかと思います。  実際に収納率が年々落ち込んでいるわけなのですが,私は,収納率が下がってきているその要因について,幾つかお尋ねをしたいと思うのです。  札幌市では,96年から,遡及賦課期間を2年間にしたわけですね。私は,このことが収納率を低める一つの大きな要因になっているのではないのかと思うわけなのですが,この点についていかがなのか,まずお尋ねをします。 ◎堂前 保険医療部長  第1点目の,軽減世帯の状況をどのようにとらえ,認識しているのかということでございますが,国保の加入者につきましては,委員のお話のとおり,構造的ないろいろな問題がございまして,軽減世帯数あるいは減免世帯数,極めて多くなってきております。そういったことから,国保財政の運営に当たっては,大変厳しくなっているものと思っております。そういったことを踏まえまして,今後とも,収納率の向上を図って,適切な財政運営をしてまいりたいと思っております。  2点目は,遡及賦課によりまして収納率の低下があったのでないかということだと思いますけれども,その影響でございますが,収納率との関係は確かにありますので,遡及賦課によりまして,大きな影響があったというふうに認識しております。  10年度の状況で申し上げますと,遡及賦課世帯は1万8,517世帯,賦課額が22億5,000万,収納額が13億7,000万,その結果,収納率が61.03%となっております。全体の収納率が83.39%でございますので,そういったことから考えますと,22%ほど低くなっております。その結果,全体の収納率に大きく影響しているものと認識しております。  以上でございます。 ◆武藤 委員  国保の現状をどう見るのかという点につきましては,今の長引く不況の中で,市民生活大変だと,この点については,市長を初め皆さん方も理解をされている。そういう苦しい中でも,どうやって国保料を集めようかというのが,皆さん方のご努力されている部分かと思うのですが,実態は,市民生活は非常に厳しいと,ここのところでは一致できたわけですね。  そこで,そういう苦しい状況の中で収納率を上げなければならない,その収納率を上げようという努力をして,ことしの3月には,本庁と区が一体となって,国保収納対策本部までつくったと。ここで何をするのかということが私は問題ではないかと思うのです。今,部長からご答弁があったように,2年間の遡及賦課期間,これが非常に収納率を高める上での足引っ張りになっているのだというお話がありました。  札幌市は,かつて,4年前になりますか,1カ月の遡及期間でした。このことが一気に2年へと変えられたわけなのですが,十数年前は札幌市では,この遡及期間,2カ月でやっていた時期もあったのですね。しかし,収納するに当たっては,2カ月でも大変だと,みずから1カ月に改定しているわけなのですね。その1カ月というので,もう十数年間来たわけなのですよ。それが,厚生省の監査に基づいて何度も何度も指導される中,札幌市も頑張って抵抗したのかもしれませんけれども,国の言いなりで2年間の遡及期間を設けたと。これについては,先ほど,収納率でペナルティーの話も出ましたが,遡及期間を前の1カ月に戻すことで,国からのペナルティーがあるのかどうか,この点についても改めて確認をしたいと思います。  それと,先ほど,国保収納対策本部を設けましたよというお話がありました。納付相談が主な仕事になるのかなと思っているのですが,改めて,この収納対策本部で力点を置いている柱は何なのか,どういうような業務内容をしようとしているのか,この点についても明らかにしていただきたいと思います。 ◎堂前 保険医療部長  遡及賦課に関する件でございますけれども,この制度につきましては,本来加入すべきであった世帯と既に加入して保険料を納めている世帯との公平の観点から,制度的に行わなくてはならないというふうに考えております。  確かに,過去には1カ月の遡及賦課をしたという経緯もございました。しかしながら,平成8年度から遡及賦課を時効等の関係で2年間にして今日に至っているわけでございますので,私どもとしましては,法を遵守する立場でもありますので,この制度は継続してまいりたいと,そのように考えております。  ペナルティーにつきましては,1カ月したからとか,そういうことでのペナルティーということではなくて,あくまでも収納率に応じまして,現在,私どもの収納率によって15%のペナルティーが来ております。確かにこれは下がっていく要因になりますけれども,そうはならないように,何とか収納対策を強化して,収納率を高めてまいりたいと,そのように考えております。  以上です。 ◎本巣 国保収納担当部長  対策本部の仕事はどうかということでございますが,いろいろあるわけでございますけれども,重点的には,二つの柱を立ててございます。  一つは,滞納整理の強化ということがございます。あと一つは,倒産だとかリストラがございまして,収入が減少している世帯も実はございます。そのことによって納付困難が生じているということがございますので,納付相談の充実というのを2本目の柱として実施したところでございます。  この結果,特に納付相談につきましては,前にもお話をしてございますけれども,所得が一定の基準で下がったというような場合につきましては,減免ということなどもございます。そのようなことで,きめ細かい対応をさせていただいたということでございます。 ◆武藤 委員  私も,どうすれば収納率が上がるのかというのは,本市にとりましても非常に大事な部分だと思うのです。ですから,そういう内容からいけば,やはり過去10年以上も遡及期間1カ月ということで頑張ってきた経緯を考えれば,さらには,それ以前には,2カ月にしていたものをさらに1カ月に減らしてきたと,こういう本市のこれまでの経過を考えるならば,国の言いなりになって,国が2年間にしなさいと言うから,それに従ってやったのですよというのであれば,収納率の低下はここにも要因があるのだと,みずから認めていながら,これは不十分ではないのかと思うわけなのです。  ですから,収納率が80%を切ればペナルティーがかけられるとか,いろいろな問題と比べても,この遡及期間を札幌市が1カ月にしたところで,そういう影響がないわけですから,収納率を上げるための努力方向として,この点についても,やはり見直すべきではないのかということを強く訴えておきたいと思います。  それと,もう一つ,収納対策の問題なのですが,収納対策本部の柱は二つあると。滞納整理の強化と納付相談ですね,これはこれまでもやってきたことだろうと思います。  私は,その納付相談というのは一体何なのかという点を改めて伺いたいのですが,収納率の低下とあわせて,払う側から見れば非常に大きな問題になっているのは,現金給付,いわゆる療養費,高額療養費,助産費,葬祭費,特別療養費,または特定療養費,これらの現金給付金,当事者が区の窓口に手続に行きますよね,支払いを受けるために。ところが,滞納世帯に限り,これらの現金給付金が,区の収納係長あてに委任状を書いて,そして,その委任状を書いたことに基づいて,この現金給付金が滞納保険料として納付させられると,こういう状況があります。実際にこれまでにも,本市は,7割,5割,2割の軽減世帯のほかに,納付相談をやる中で,確かに今の生活は大変だと,納付金額どおり払えない世帯に対しては分割納付をということで,いろいろな相談にも乗りながら,月々の金額を払えなくても,例えば3万のところを,1万ずつならちゃんと払えますという約束を取り交わし,これが納付相談になるのだと思うのですが,そういう中で,分割納付をやっている世帯も随分いるわけですよね,軽減世帯とは別に。こういう人たちに対しても,この現金給付金を滞納保険料に入れるということ,そういう指導を窓口で行う。これが葬祭費であったり助産費であるわけなのです。ですから,私は,こういうようなことで,収納対策をやっていますと言えるのかなと,非常に疑問に思うわけなのです。  この現金給付金による滞納保険料の額は,年々,件数も金額もふえてきています。これでは,納付相談をして保険料をどうやって納めてもらおうかというのではなくて,本当に苦しんでいる市民から,もう出すものないよと言っている市民から,さらに奪い取ろうとしているような,こういう状況も片やではつくっているのではないのかなと思います。  あわせて,その滞納を理由にして,これまでも,短期証や資格証明書が発行されてきましたが,これらについても,年々その数がふえてきているという現状でもあります。ですから,その収納対策が本当に納付相談で終わっているのか,今お話ししたような,現金給付金による滞納整理,あるいは保険証を使わせない,医療を受けることにストップをかけるような,これらについても収納対策だとお考えになっているのかどうか,この点についても改めて伺いたいと思います。 ◎本巣 国保収納担当部長  収納対策の中身の現金給付金の委任払いと申しますか,それと,資格証の関係でございますけれども,私どもとしましては,収納額の確保ということに全力を挙げて取り組んでございます。したがいまして,滞納が生じている人方すべてにつきましては,例えば現金給付金を窓口で請求されるというような機会におきましても,分割納付の対象者のみにかかわらず,滞納している人すべてについてご相談をさせていただいております。その際に,お互いに納付相談,話し合いをしながら,その合意のもとに行っているものでございます。  それから,資格証の関係でございますけれども,これにつきましても,特別な事情がないにもかかわらずお支払いをしていただいていないという方に限定をして取り扱っているわけでございます。  いずれにいたしましても,この取り扱いにつきましては,被保険者間の負担の公平ということもございますし,また,資格証,短期証につきましては,その折衝をする機会の確保ということもございます。そのような観点から行っているものでございまして,具体的には,その生活状況だとか,それをよくお聞きしながら,その上で対応させていただいていると。  以上でございます。 ◆武藤 委員  今,生活実態をきちんと把握してやるということでお話がありました。先ほども言いましたように,分割納付を実際にやっている人たちについても,こういうようなことが往々にしてやられているわけですので,その辺については,ぜひ,生活実態を把握するという点については,周知徹底していただきたいということを改めて求めておきたいと思います。  それから最後に,一つだけお伺いしたいのですが,介護保険の問題にかかわって,先ほど,国からの検討材料がまだ来ていないので何とも言えないと。今そういう時点にあると思いますが,例えば,医療から福祉への移行によって,本市における医療費が減少した場合,保険料というのは医療費にかかわって出てくるわけですから,もし,医療費が安くなった場合,当然,保険料の金額についても検討しなければならなくなるだろうと思うのですが,この点についてどうなのか。  それと,資格証,短期証の問題でいけば,これも介護保険の導入に向けて,今度は資格証の発行自体が,今,義務づけをということで,国の方でも検討をされてきていますよね。こういうことになれば,今発行されている数よりも,もっと多くの発行も予想されるのではないかと思うわけなのですが,こういう事態が実際に起こるかどうかというのは,これからの問題にもなってくるのですが,このことを想定した場合,どのようにお考えになるのか,この2点で質問は終わりたいと思います。 ◎堂前 保険医療部長  保険料のあり方につきましては,まだ不確定要素がございますので,今後,どのようになっていくのかということは,なかなか現時点においては難しいというふうに考えております。  ただ,介護保険の方に移行する分につきましては,これは幾らになるかということは,療養型病床群の部分につきまして,介護で見る分,それから国保の医療保険の方で負担する分,こういった基準がまだ具体的に国から示されておりません。したがって,まだ,そういったことを試算することが難しい状況にあるわけでございます。  ただ,2号の方で申し上げますと,国の話によりますと,大体1人当たり400円効果があるということになるわけですね。しかしながら,一方で,今のところ1,300円,介護の納付金ということで上乗せになるわけですから,差し引きしますと,900円実質増になるわけですね。これは,国保の部分と介護の部分は,これは国保料として一体で徴収するということでございます。したがいまして,介護の方に移行することによって,今度は国保料が安くなると,そういうことではなくて,介護の部分で1,300円上がるわけですから,実質的には上がってしまうと,こういうことになるわけです。いろいろと制度が複雑になっておりますので,そこをご理解をいただくそういったPRもしていかなければならないわけでございますので,今後は,そういったことも,国の具体的な内容が明らかになり次第,速やかに我々も十分検討してまいりたいと思っておりますので,ご理解願いたいと思います。  以上でございます。 ◎本巣 国保収納担当部長  介護保険の導入に伴いまして,国保におきましても,未納者に対する対策の強化措置というのがございます。今,委員からお話ありましたとおり,被保険者証の返還と資格証明証の交付と,これにつきましては,従来は,できるという規定でございました。いわば,任意の規定です。これが,するというような規定になっていますので,そういう意味では,義務化されたということになりますけれども,それには,特別な理由があって納められない場合だとか,あるいは一定期間納めていないだとかということがございます。今現在,そういう一定期間だとか,あるいは交付に当たっての手続と申しますか,そういうものについては省令で規定するというふうになってございます。そこのところがまだはっきりいたしておりませんので,それがいずれ出てくると思いますし,あわせて,通達等もあろうかと思っています。そういうのを見きわめて,どう対応するかということがございますので,今現在,ふえる,減るというようなお話については,なかなかできないところでございます。  以上でございます。 ◆武藤 委員  要望にしておきますけれども,実際に65歳以上の方々というのは,老齢控除もありまして,ほとんどが7割減額で,国保料も1カ月の支払いは1,600円なのですね。今度,介護保険料が,これに上乗せで一本化で徴収されるようになりますと,介護保険料の部分だけでも2,325円が上乗せされるわけなのですよ。ですから,今はっきりしている数字でいっても,国保料の倍になるわけですね。もうこれだけでも負担能力を超えていくというところで,介護保険料に対しても減額,免除の制度をという,市民の強い声も出てきているわけなのですが,やはり国保料につきましても,こういう実態を想定すればこそ,少しでも市民の負担を軽減させるために,国保料の引き下げも含めて,介護保険の導入に合わせて検討されるよう強く求めて,質問を終わります。 ○上瀬戸 委員長  以上で,国民健康保険会計決算の質疑を終了いたします。  次に,老人医療会計決算の質疑を行いますが,通告がございませんので,終了いたします。  ここで,理事者の交代がありますので,暫時休憩をいたします。     ──────────────        休 憩 午後5時59分        再 開 午後6時15分     ────────────── ○上瀬戸 委員長  それでは,委員会を再開いたします。  次に,第4款 衛生費 第1項 保健衛生費のうち関係分の質疑を行います。 ◆宮村 委員  私は,大きく2点について質問をいたします。1点は,少子化を踏まえた母子保健対策,もう1点は,本市の高等看護学院の短大化についての質問でございます。  一昨日,少子化対策につきまして,いろんな論議がございまして,その中で,全力で取り組む大長助役の姿勢がございました。それから,子供を健やかに育てることの重要性を竹内児童福祉総合センター所長も十分に認めているところでございます。私も,この少子化対策は,これだと言い切れる対策というのはなかなかないというふうに思います。いろんな起きている現象の中で,一つ一つ手当てしていかなければならないかなと,そんなふうに思っております。  今までの本市におけますそれぞれのアンケート調査等で,理想とする子供の数と現実の乖離ということは,きのうも出ていたかと思いますが,経済的,それから身体的負担感が強いということ,また,核家族で,育児のサポート,アドバイスを得にくい状況にある,子育てにお金がかかる,または,育児は大変というイメージが大変横行して,ですから,子供は余り欲しくないと,そういう印象を受けるわけです。そういったことから,産み育てることの楽しみですとか,そこの価値観というのが,どうもゆがんでいるのではないかと,そんなふうに感じるところでございます。  妊婦とのかかわり,母子のかかわりの中で,子供を産み育てることの意義とか,大変なのだけれど,そこで親としての役割を果たすことによって,それから,子供にかかわり,その反応を受けて親がまた楽しくなる,うれしくなるといった,主にそういった指導をするのは助産婦でございますが,母子や家族にかかわることの重要性というのは,少子化対策の中では大変にネックになるのではないか,大事な項目ではないかと思うわけでございます。世代を超えて,産み育てることの楽しみ,価値観を伝えていくことが必要ではないかと思うのですが,まず,このあたりについて,大長助役,どんなふうに思うか,お答えいただければ,少子化対策に全力を挙げるということでございましたので,所感をいただければと思うところでございます。  札幌市,本当に赤ちゃんとお母さんに優しい対応が欲しい,そんなふうに思います。子育て中の家族にゆとりが持てる社会であってほしい,そんなふうに思うところでございます。本市の今進行中の少子化に対する調査の結果,私が今言ったような観点で,そこの施策ができること,出ることを期待しているところでございます。  さらに,新生児訪問指導につきまして,3点お伺いいたします。  まず,委託単価でございます。  今言いました新生児だけじゃなくて,妊婦,それから,生まれた後,お母さんと子供に対しての訪問指導というのを今委託で行っているわけでございますが,この委託単価は,老人保健法に基づくお年寄りの訪問指導の委託単価と比較しまして,大変低い状況でございます。妊産婦・新生児訪問指導は,2人の命がかかっているところでございます。平成10年が,単価5,260円です。そして,老人保健法に基づく訪問指導は,平成10年で6,470円でございます。この中でも差があるわけです。ただ,来年,介護保険の導入に伴いまして,重症な高齢者,その方たちは介護保険制度の対象となりますので,勢い,この老人保健法に基づく訪問対象というのは,介護認定でいきますと自立に相当するだろうと,そういった対象にシフトしていくものと思います。ですから,老人保健法に基づく訪問指導料も5,850円になると言われておりますが,妊産婦・新生児訪問指導料は,平成11年は若干上がりまして5,320円で,この差が530円ございます。530円というのですが,やはり命の大事さはお年寄りも子供もお母さんも同じなので,指導料に関しては,ぜひ──これからのお年寄りに関しては,訪問指導の内容というのは多少軽くなるのではないかと。むしろ,新生児,それから母子に関しては,子供を産む意欲をどう盛り立てるかということも当然指導に入ってくると思いますので,そういった意味からいくと,この単価は,お年寄りの訪問指導料単価とぜひ同額にすべきと思うのですがいかがでしょうか,伺います。  次に,再訪問指導の実態について伺います。  平成10年度の出生数は1万6,191人でございまして,その中の第1子目は8,492人です。第2子が5,691人で,第2子の割合が昭和55年あたりと比較しまして,この平成11年では,やはり半分ぐらいになっているのですね,第2子目が生まれる割合というのが。ですから,札幌市の特徴は,なかなか第2子目を産むまでいかないと,そんなふうに認識しておりますが,この新生児訪問指導の件数というのは,1子目の訪問指導ですので,5,963人となっておりまして,対象の約80%ぐらいになっているのだなと思います。  ただ,この新生児訪問をいたしまして,再訪問が必要な件数というのはどのぐらいあるのか。それと,再訪問,また,経過観察を必要とするのは,産婦・新生児にどんな問題があるのか。再訪問で浮かび上がっている問題ですね,どんな問題なのか,伺います。  三つ目は,対象者の拡大の必要性と予算化ということでございます。  第1子目でも,例えば訪問指導を必要としないという人もいるかと思います。助産婦だとか看護職だった人は,退院するときに,訪問指導はいい,何とか自分でできるからいいよという人もいるかもしれません。そういったこともあると思いますが,特に最近は,第2子目が生まれて大変パニックになると。第1子目は緊張して一生懸命育てて,泣かない子育てをしているのですが,第2子が生まれますと,1子目は赤ちゃん返りをして,そして,両方ともうまく対応できないと,そういったことから,赤ちゃんがかわいくない,自分でできない,そういった負い目等から,第2子目が生まれてから大変問題行動をとるお母さんがいると,虐待につながるケースもあると。それから,双子以上の多胎の場合は,ひとりで一気に,同じく生まれた赤ちゃんのお世話をするということは,大変難しいということで,今,核家族でございますし,そういったことから,育児がどうもうまくいかないということから,虐待が多いとも聞くところでございます。  それで,第2子以降に訪問指導を拡大していく場合には,現在の予算のおよそ倍ぐらいかかるかと思います。大体,数で計算しますと,第1子目で4,138万,第2子以降の訪問をプラスしますと,約3,270万ほどかかるわけでございまして,おおよそ倍ぐらいかかるかなと思います。予算を伴うことでございますが,少子化対策の一環としまして,ぜひ,問題の母子家族に対して優しい対応ができるためにも,第2子・多胎児への訪問指導を拡大していくお考えがないのかどうか,お伺いしたいと思います。  以上,まずお伺いします。 ◎大長 助役  個々の問題は別にしまして,私から,大きなくくりになっているところで少子の件について,ちょっとお答えをさせていただきます。  宮村委員おっしゃるように,今は,子を産み育てるということの意義であるとか,大切さとか,そういうことが正しく理解をされていないのでないかというお話がありましたけれども,私も全く実はそういうふうに思うわけであります。  私よりも宮田医務監あたりが答弁した方が適当なのかもしれませんけれども,答えをさせていただきますと,一昨日も私お答えしましたように,少子化問題というのは,札幌とか北海道とかそういうことではなく,日本の国にとって,今,最も大きくて,緊急で重大な問題であると。したがって,私ども札幌市としても,この対応に力を入れていきたいのだという答弁をさせていただきました。  しかし,委員おっしゃるとおり,今の若い世代では,本当に家庭観だとか子育て観だとか,それから子を産み育てることの大切さ,もっと言えば,生まれてきて子孫を残すことの責務といいますか,そんなことをも含めますと,本当にゆゆしき問題になっているのだろうというふうに思ってございます。  したがって,直ちに即効性のある有効な手だてというものは,なかなかないということは,私も同じ理解をしているわけでありまして,今後とも,あらゆる考えられる施策を議論する中で決めていって,そして,その対応をしていきたいのだというふうに,きちっと理解をしております。どうぞよろしくお願いします。 ◎東 保健衛生部長  具体的な質問が3点ほどございましたので,私の方からお答えをさせていただきます。  まず,1点目の新生児訪問の単価の問題でございますが,高齢者の訪問指導事業と新生児の訪問事業の指導では,これは確かに業務内容が違っているのでございまして,現状においては妥当なものというふうに考えております。しかし,今後につきましては,業務の実態だとか,給与水準の動向等を十分にひとつ留意してまいりたいというふうに考えております。  それから,第2点目の再訪問の指導の実態ということでございますが,再訪問指導を必要とするケースは,年間で約600件ほどございます。  相談内容でございますけれども,子供の身体であるとか健康上の心配,あるいは育児への戸惑いや不安だとか,いわゆるマタニティーブルーとも呼ばれる出産後の精神的な不安定などでございます。特に,中には,複雑な家庭環境や経済的な問題を抱えた深刻な相談も,実は含まれているわけでございます。  それから,3点目の対象者の拡大のご質問ございましたですが,確かに委員ご指摘のとおり,第2子出産後であるとか,あるいは双子,三つ子といったような多胎児の場合の育児の負担は大変に大きゅうございます。今後,少子化対策の面からも,ぜひ支援は必要なものというふうに考えておりまして,今後の厳しい財政状況も勘案しながら,ぜひ検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆宮村 委員  助役の方からは,あらゆる議論をしてということでございまして,ただ,現実的には,新生児訪問指導につきましても,予算がということがまず最初にくるわけでございます。それから,お母さんたちを実際に訪問している中で,マタニティーブルーというか,本当に育児上の悩みや不安,そこがすごく大きいということ,また,新生児・妊産婦ともに身体的な問題も多いということであれば,次に産むという気持ちには本当に行かない。それから,その再訪問に引っかからなくても,その時期を過ぎて,またそういった傾向になるということも,赤ちゃんの成長とともにあるわけで,新生児の時期にもっと手厚くするということは,ある意味で,これからのというところに少し歯どめがかけられるのじゃないか,そして,その指導にかかわる人との人間関係の中で,ちょっとしたときに,すぐ相談できると,そういう存在まで構築していくことが必要ではないか,そこにちょっとお金がかかるかもしれませんけれども,ぜひともそこのところをすべきじゃないかと思うのですが,もう一度お伺いしたいと思います。 ◎東 保健衛生部長  新生児の訪問を繰り返し行いながら人間関係を築いて,立派な子育てをするといったことはどうだろうかということでございますが,まさにそのとおりでございます。しかし,私ども,保健婦なり助産婦の職員の数も決まっております。しかし,できるだけフル活動をしながら,そういったような対応をしてまいりたいというふうに考えております。 ◆宮村 委員  ぜひ,よろしくお願いしたいと思います。  新生児訪問は以上でございますが,もう一つ,少子化対策における思春期保健対策についてお伺いします。  札幌市の場合は,10代の人工妊娠中絶が多いのが特徴でございます。人工妊娠中絶の届け出数によりますと,昭和45年以降,漸次少なくなってきている傾向にございます。届け出があった数だけですから,それ以外もあるかと思いますが,平成10年で9,234件ございまして,その中の19歳以下,いわゆる10代の人工妊娠中絶が1,055件で11.4%です。そして,20歳から24歳,この世代が2,876件の中絶で31.1%。今,初婚年齢が男女ともに上がっていますので,18,19から24歳ぐらいまでの間で結婚する人もいるでしょうけれども,比較的この方たちは未婚の方が多いと想定するわけです。そうしますと,24歳までの未婚の方で,人工妊娠中絶の42.5%,約半数近くがこの世代の人工妊娠中絶ということになるわけです。  人工妊娠中絶は,決して母胎にいい影響を与えなくて,身体的にも精神的にもハンディを与えるわけですから,人工妊娠中絶,これは避けるようにしたいと私は考えますし,皆さんもそうだと思います。この人工妊娠中絶を避けるということの意味は,しかるべきとき,結婚して子供を産むと,そういった年齢のときに,不用意な中絶からくる,例えば不妊症の割合というのは非常に高い,それから流産傾向になりやすいと,そういったことも中絶との関係では証明されているわけです。そういうことから考えますと,やはりこれも広く見ると,この不用意な人工妊娠中絶,望まない妊娠を避けるということは,子供を産む体を保持するという意味からも,少子化という観点から見ても,本当に大事だと思うところでございます。  それから,もう一つは,若年の性感染も非常に多いと,そういったことも新聞にもよく出ているところでございますが,それも不妊症に関連してくるところでございます。  そして,私が実態調査をしたということではないのですが,新聞等の報告では,中高生の4割は,男女ともに性の体験があると,そういうふうに言われているわけでございまして,日々,新聞に出ます援助交際等の問題から考えていきますと,かなり性に関しては開放的であると,そういう現状の中で,この思春期の保健対策というのは,本当に大事だと思うわけですが,この重要性をどんなふうに考えているか,伺いたいと思います。 ◎東 保健衛生部長  確かに,思春期におけます,こういった,今ご指摘のような問題,大変深刻だというふうに思っております。この間,厚生省の方でも,高校3年生の男女とも,性の経験が40%を超しているというような状況であると。大変そういう意味では,思春期のこういった問題というのは深刻でございまして,私どもとしましても,大変重要な課題だというふうにとらまえております。  今後も,教育委員会とも連携をとりながら,またいろんな関係団体とも連携をとりながら,ひとつ実効性のある対策を進めてまいりたいというふうに考えております。  以上であります。 ◆宮村 委員  思春期の性教育といいますか,そのことにつきましては,ずっと論議されながら,実態は,やはり教育との問題の中で,現象は本当に進むのだけれど,教育はずっとやっぱりいろんなためらいがあるということで,それが伴っていないというふうに思うところです。ぜひ,これは,本当に抜本的な対策といいますか,そういうことはだめということではない指導というのを,ぜひともやっていくべきだと思います。  それと,今,厚生省は,来年から,性や健康問題の女性手帳を中学校1年生の女子生徒,全国の約65万人に配付すると。その費用3,400万円を来年度の概算要求に盛り込んだとあるわけですけれども,私は,これについて,ちょっともう一回お聞きしたいなと思います。宮田医務監にお伺いしたいと思います。  厚生省が来年度から配付計画の女性手帳,これには,子供を産むか産まないかの選択は,女性の主体的な意思で決めるという,リプロダクティブ・ヘルス/ライツと,こういったことを盛り込むと。それと,都道府県の判断で,ある程度具体的な内容を決めるということになっておりますが,この中では,妊娠,性の乱れや性感染,それから人工妊娠中絶ということがこの中にうたわれておるようでございますが,妊娠,性感染というのは,女子に手帳を持たせて解決することじゃなくて,やっぱり相手の男性もいることでございますので,これは思春期の観点からいきますと,全男女中学1年生に,性に関しての正しい知識と相手を思いやる心と,それと,子供を産み育てるということの──先ほど大長助役もおっしゃいましたけれども,その責務というのは,この世代にはまだ難しいかと思いますが,そういうことにつながる命のとうとさということを,やはりともにその手帳を持ちながら性教育の中で活用されていくべきだと思うのですが,女子だけに持たせるということをどうお考えか。私は,男性も一緒だと思いますので,ぜひ,厚生省に,男子も一緒に対象とすべきと,そういうふうに訴えるべきかと思うのですが,いかがでしょうか。 ◎宮田 保健福祉局医務監  今,宮村委員のご質問を聞きながら思い出すのが,小学校のときに女生徒だけ講堂に呼ばれて,男子生徒は,何だ何だと,それが後で聞いたら,女生徒だけに,いわゆる女の子から女性に変わる,そのあたりの保健教育がされていたということで,男子生徒は全く局外に置かれたという,そういうことを今思い出しております。  今回,厚生省が中学1年生の女子に健康手帳を配付すると。先日来,男子・女子は区別なくという権利のお話,また法制化もございました。そういうことからして,厚生省は若干おくれているのかなという感じもしますし,ご指摘のとおり,まさに安易な性の誤解,あるいは性的な接触,これが,一人の女性の一生を大きく左右する,その始まりが,本当に若い中学生のときにあろうと思います。  そういう意味で,相手の男性が,恐らく同年配等々の恋心から生まれるものだと理解したいのですけれども,その恋心が健全に育っていく,そういうことの導き,これが正しい性教育だと思います。恋心を抱かないよう抑制するというのは,これは本来あるべき思春の状況じゃないと思いますし,私としては,厚生省が男子生徒にも持たせるべきということを感じますので,何らかの機会,我々の衛生局主管の会議等々,13大都市の会議等々で,そのあたりを提起していきたいと思っております。  以上でございます。 ◆宮村 委員  ぜひ,よろしくお願いしたいと思います。  それで,もう1点の高等看護学院の短大化につきまして質問をいたします。
     先日,本市の市立病院開院130周年記念行事がございまして,北海道の開拓とともに歩んだ重い歴史を感じたところでございます。医療提供のみならず,優秀な医師を輩出してきたと,医学界で重要な役割を果たしてきたことが示され,そういった状況を理解したところでございます。  その中で,看護の果たしてきた役割も大変に大きかったと思うのですが,医学の陰で,位置づけがいまいちだったなと,そんなふうに私は感じました。  医師,また医療と看護は,車の両輪によく例えられますが,今こそ看護の発展が,その医と同じくあらなければならないのではないか,本当の車の両輪であるという状況にまで,やっぱり看護はもっと発展しなければならないかなと,そんなふうに思います。  平成12年には介護保険が導入されますし,介護の認定,ケアプランの作成能力が強く求められますし,自立への支援,訪問看護の拡大に伴いまして,新たな分野での活動がもっと求められますし,需要もまだまだ伸びるものと推測するところでございます。  平成12年度の診療報酬改定の検討が進められておりまして,その中で,特に私が注目いたしますところは,急性期の医療と慢性期医療,また家庭医といいますか,かかりつけ医ということのすみ分けがもっとはっきりしていく,そして,本市の市立病院のように,高度先進医療を行う施設におきましては,看護の必要度といいますか,DRGが診療報酬と大きく関係してまいりますので,本当に看護の質が高く求められる,そういったことが,もう目の前に来ているわけでございます。  診療記録開示の法制化もございます。それから,インフォームド・コンセント,チーム医療,脳死と臓器移植,特に市立病院は,この救急医療の分野で北海道では第1の施設でございます。臓器の摘出・提供ということも,それを見込んでのシミュレーションで万全を期していると新聞にも出ていたところでございますが,医療のそういった高度な部分にかかわる看護スタッフというのも,同じくその最先端の医療を共有していかなければできないわけでございまして,本当に質の高い看護が求められます。それから,最近,全国で医療事故の問題が起きておりまして,その中で,看護の質ということも,ちょっとした注意があればというふうに思いますが,医師,看護婦ともに,これはもう一度,自分の責務ということを考え直さなきゃならないということがありつつも,看護に求められる役割・期待というのは,今までの教育のレベルを超えて高いものが求められているのが現状だと思うところでございます。  そうした社会情勢を背景にしまして,全国的に看護教育の大学化が進んでおります。全国で,今,76校の大学でございます。北海道におきましても,本年4月は北見日赤が大学でスタートしましたし,来年は,札幌にあります天使女子短期大学が4年制の大学になると決定しております。また,全国で見まして,3校以上の大学を持つ県が,静岡,愛知,兵庫,岡山,広島,福岡と,大変ふえてきております。それからまた,東京都,大阪府,名古屋市,神戸市でも私立で看護大学を持っている状況で,本当に,看護教育の大学化がいかに必要かということが,その機運の中でもうかがえると思うわけでございます。  看護婦の高等教育への志向も大変高くて,市の看護学院の入学合格者の中でも,大学とかけ持ちしていて,大学の方に移行する割合も多分にしてあるだろうと思いますし,それから,看護学校を卒業しても,大学への編入,または専門教育のそういったコースに進んでいくという方も多くて,看護婦の高等教育,今まで受けた教育ではだめだと,現場に即応するためにも,高い知識が必要という,そういった機運が物すごく高まってきております。  そういう現状にあるということを言いたいわけですけれども,市長は,前回の市長選挙の公約と同様に,この4月の市長選におきましても,高等看護学院の大学化推進を公約に掲げられております。それは,そうした背景を十分に認識してのことと思うわけですが,現行の第3次5年計画で高等看護学院の短大化計画の策定が計画事業に位置づけられたことを受けまして,私も平成8年1定の代表質問において,短大化を選択した理由,それと計画推進のための体制と具体的なスケジュールについてお尋ねしたところでございます。  当時の田中助役からは,修業年限が短い短大を目指すということと,早期に,短い期間で,看護実践者を養成したいと,それは学者を養成するところではなくて,実務者を養成したいと,そういうご答弁だったと認識しております。  ですけど,時代はそのときから変わっておりまして,その当時は,キャンパスの問題,それから教授陣の問題,そういったことで,大学にするには大変難しい時代背景があったというふうに思いますが,今は,そのときと大きく変わってきております。そういったことも含めて,私は,短大化計画に関して2点お伺いしたいと思います。  まず,1点目は,平成8年の代表質問から3年近くたった現在,高等看護学院の短大化計画策定の進捗状況はどのようになっているのか,お伺いいたします。  それから,2点目は,今後どのようなスケジュールで短大化の実現に向けて作業されるのかを伺いたいと思います。 ◎東 保健衛生部長  高等看護学院の短大化計画の問題であります。  まず一つは,この進捗状況ということでございますけれども,ご質問にもございましたように,ご質問のような理由で,従前までは短大化を選択する方向で実は調査を行ってまいりました。調査の過程で,これは実は昨年になりますけれども,大学設置基準の改正がございまして,4年制の大学設置に必要な敷地面積が従前の2分の1にされたということが一つございます。  というようなことで,現在の場所でも4年制大学化が可能であるということがわかりました。加えて,全国的な看護大学の増加に伴いまして,その卒業生や研究者が増加したというようなことで,教員の確保につきましても,従前よりは,やや容易になってきたというようなことがございました。  さらに,関係者からは,今,宮村委員がご指摘のように,これから高度な技術を持った看護職員を養成するというようなことから,むしろ,4年制大学の道を選択すべきというような意見もたくさんいただいております。  こういった状況を勘案しまして,本年度は,いわゆる短大化だけではなくて,4年制の大学化も一応視野に入れて,専門の調査機関による基礎調査を現在やっているところでございます。  それから,2点目の大学化へ向けた今後のスケジュールということでございますが,本年度の基礎調査の結果を踏まえまして,来年度は道内における看護系学科であるとか,その他の学科の設置状況をいろいろ勘案しながら,今後,その人材の養成が必要とされる看護系ばかりでなくて,他の学科との複合化というような可能性であるとか,受験生の志望動向,さらには,もっと具体的な調査をいたしまして,できるだけ早期にこの結論を出したいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆宮村 委員  調査の結果の中から,大学化も視野に入れて検討することの必要性も出てきたということで,大変これは好ましいことだと,いい方向に向かってきたなと思うところでございます。本当に,看護の質が,やはり札幌市民の健康に直接かかわっていくところでございますので,ぜひとも4年制の看護大学の設置に向けて,早期に方針を出されますよう要望して,終わります。 ◆畑瀬 委員  私から,大きくは3点,一つは結核対策について,二つには,豊平川以東への健康づくりセンターの整備について,三つには,毒物及び劇物の保管・管理について,一括,質問をしてまいります。  最初は結核対策でありますが,昨年の決算議会で,私は,高齢者施設における結核集団感染の問題を取り上げましたが,先般,厚生省が発表した統計によりますと,新規患者は全国的に2年連続の増となっておりまして,結核の問題がさらにクローズアップされているところであります。  こうした中,国は,本年7月,緊急事態宣言を出し,各方面に結核問題の再認識と対策への取り組みを求めております。さらに,最近に至っては,専門家チームの派遣も決定しました。その背景は,医師や保健所でも結核に対する知識が不足し,対応が不十分となることもあると報じられています。もしこのことが事実なら,ゆゆしきことであります。  一方,北海道でも,道立高校における集団発生が起きました。BCG接種をしているから絶対にかからないと思われがちでありますが,現実には高校生もかかっておりまして,はしかなどの予防接種と違って,最初の接種から15年くらいしか効力を持たないわけであります。こういうことは,ご存じない方がまだまだ多いかもしれません。  また,健診を受けても,年に1度ぐらいであれば,発病時期がずれ込みますと,必ずしも発見できるとは限りません。したがって,早期発見・早期治療は,極めて重要な課題であり,同時に,集団発生を防ぐには,結核に対する正しい知識の普及が必要であります。  また,実際に結核にかかった方に対する過剰反応や差別を防止するためにも,正しい知識の普及は必要であると思います。特に,市民へのPRでありますが,難しいものではなくして,ビデオを使用するなど,視覚に訴えかけるわかりやすい形でのPRがもっともっと必要であると考えます。  また,結核の症状であるせきや微熱が出てきて医療機関にかかっても,風邪などと誤認され,結核とわからないまま大事に至るケースも多いと聞きます。確かに,実際に開業している内科医が結核患者を診断するケースは,年に1回あるかないかと考えられます。そんな意味で,医師に対する研修も不可欠であると考えます。  そこで,質問しますが,1点目は,札幌市の結核発生状況の特徴について伺っておきたいと思います。  2点目に,本市は,市民各層に対するわかりやすい呼びかけをどのように実施しているのか,特に高齢層に対してはどうしているのか,伺います。  3点目に,医師に対する研修はどのように実施しているのか,あわせて伺っておきたいと思います。  次は,豊平川以東への健康づくりセンターの整備についてであります。  市民の健康づくりを増進するため,中核的な施設として,93年9月に中央健康づくりセンターが開設され,95年度の利用者は8万4,000人を超えました。当初予想の2倍という極めて高い利用になったことから,その後の健康づくりセンターの整備のあり方を検討するため,96年の札幌市健康づくりセンター将来構想検討委員会が11月に設置され,翌年3月に答申が出されました。この中で,2020年までに,新しい健康づくりセンターは全市で4館の整備が必要とされております。これを受けて,市は,98年1月に札幌市健康づくりセンター整備基本計画を策定しておりますが,その後も,利用者は,97年度で9万1,000人,98年度で8万5,000人と,飽和状態であることから,西区に新たな建設となったわけであります。  そこで,伺いますが,このように高い市民要望を踏まえて,健康づくりセンターを整備する基本的な考えはどうなのか,伺っておきたいと思います。  次は,毒物及び劇物の保管・管理についてであります。  昨年7月に和歌山県毒物入りカレー事件が発生し,多数の死者が出たのを初め,全国各地の事業所や大学等において毒入りコーヒー等の毒物混入事件が相次いで発生したことは,記憶に新しいところであります。  この折,毒物・劇物営業者や大学等教育機関の業務上取扱者における毒劇物の不適切な保管・管理が指摘されたところであります。  こうした背景もありまして,私は,昨年の決算議会で市内の大学等教育機関の立入検査の必要性を質問したところ,市は,実施するとの見解を示されました。それから1年経過をいたしました。本市の大学等教育機関に対する立入検査の実施状況と結果について明らかにしていただきたいと思います。  以上,大きくは3点について,まず1回目の質問をしておきたいと思います。 ◎東 保健衛生部長  結核問題について,3点ほどご質問がございました。  まず,1点目の本市の発生状況ということでございます。  まず,新規登録患者数でございますけれども,昭和37年の4,860人をピークにいたしまして,その後ずっと減少を続けてまいりました。実は,昨年,平成10年には,他人に感染しない非定型抗酸菌症の患者を除外いたしますと444名でございまして,前年と同数になっております。これまでの減少傾向がとまったとの見方もできることから,今後の推移を慎重に見守っていきたいというふうに考えております。  また,その特徴でございますけれども,60歳以上の高齢者が実は半分以上を占めております。そういったことで,年々増加する傾向にもありますことから,この点につきましても十分に注意をしてまいりたいというふうに考えております。  それから,2点目の市民への呼びかけでございますけれども,これまでもあらゆる機会を通して,パンフレットの配付であるとか,パネル展を実施するとか,いろいろマスコミを利用して市民の皆さんに訴えてまいりました。特に高齢者に対しましては,老人クラブを対象といたしまして,講習会を年間50回実施をいたしておりますが,今,委員からご提言ありましたような,例えばビデオを活用するというような方法も大変いい方法でございますので,今後,ぜひ採用させていただきたいというふうに考えております。  それから,3点目の医師の研修でございますが,近年,忘れられがちであった結核の問題でございますけれども,的確な診断あるいは治療,院内感染の防止が極めて今後とも重要であります。昨年,一昨年とも,各1回,札幌医師会と日本結核病学会北海道支部との連携のもとに研修会を実施してきたところでございますけれども,今年度は5回シリーズといたしまして,特に結核全般の状況から,エックス線の撮影・読影までを含めた専門的な技術を習得するための研修会を実施する予定でございます。  それから,健康づくりセンターの基本的な考え方は何かと,こういうことでございますが,健康づくりセンターの基本的な考え方につきましては,単にアスレチッククラブのような運動機能を高めるというようなものではなくて,医学的な見地から,健康度の測定であるとか,保健栄養指導であるとか,運動の指導・実践などを基本的な機能としておりまして,大変市民の好評を得ているものでございます。  そこで,今後の整備でございますけれども,基本計画では,向こう10年間で2館を整備するということになっておりますが,このうち1館を現在西区の方に建設中でございます。残り1館をなるべく現5カ年に入れて,今後,整備をしていきたいというふうに考えております。  それから,毒劇物の管理の問題でございますが,畑瀬委員が昨年の委員会でもご質問されましたように,その後の実施結果と実施状況でございますけれども,ことしの1月から2月にかけまして,市内の教育機関のうち,特に毒劇物を取り扱っていると思われます大学,それから専門学校,工業高等学校など11校,延べ24カ所に対しまして立入検査を行いました。  その結果,24カ所すべてにおいて,保管設備の施錠はされておりますけれども,例えば,扉がガラス戸など,盗難防止には不十分であったものが10カ所,それから,毒劇物の在庫管理のための帳簿類が備えられていないといったものが7カ所,また,保管設備に必要な表示がされていないといったものが19カ所見受けられました。このため,これらの施設に対しまして個別に問題点を指摘いたしまして,速やかに改善するよう文書で指導をいたしたところでございます。  以上でございます。 ◆畑瀬 委員  まず,結核対策でありますけれども,指摘の点については,ほぼ対策がとられているようでありますが,札幌市の保健所における結核体制がどのようになっているのか,特に,一保健所体制になってから,対策が後退していないか,伺っておきたいと思います。  また,札幌市として,現在の対策だけではなくして,中長期的な展望に立った対策を講じていないのか,再質問をしておきたいと思います。  次に,健康づくりセンターでありますが,整備基本計画では,向こう10カ年間で,つまり,2008年までに2館を新たに整備することになっています。すなわち,現在建設中の西区のほかに,もう1館新たにつくるということであります。  しかし,健康づくりセンターというのは,市民が気軽に足を運んで,自分の健康を日ごろから管理していくという,市民にとっては身近な施設であるべきだと思います。現に中央区のセンターの利用分布を聞きましても,やはり5割以上の方が中央区からの利用であります。  そこで,伺いますが,各区の市民ニーズに的確にこたえていくためには,1区1センターを整備すべきと考えますが,見解を伺います。  次は,毒劇物についてであります。  まず,立入検査を実施したことを評価しておきたいと思います。  しかし,結果を聞いておりまして,相当,不適切な部分があると受けとめました。  実は,9月24日,総務庁が1府4県の毒劇物販売事業者や大学などを対象に実施した行政監察で,調査した事業者の73%,大学研究室の41%で,陳列場所に施錠がなかったり,在庫量が把握されておらず,ずさんな保管・管理の実態が判明しました。昨年の国の調査も同じようなものであったと思います。どうも全国的に見まして,法令違反を繰り返していてもいいという風潮が蔓延しているようであります。本市としては,このようなことがないように,少しでも,市の権限指導の及ぶ範囲内においては,ふだんからきちんと対応しておいてもらいたいと思うわけであります。  そこで,今回行った市の立入検査の結果も含めて,毒劇物を取り扱う施設に対する今後の指導をどう推進するのか,見解を伺っておきたいと思います。  また,届け出を要しない業務上取扱者の中には,教育機関以外のところをどうしていくかという課題が残ります。例えば,食品工場では化成ソーダを扱いますし,害虫駆除業は殺虫剤を扱います。今後は,こういう方面まで立入検査をし,実態を把握した上で,適正な保管・管理の徹底を図っていく必要があると考えますが,あわせて見解を伺います。 ◎東 保健衛生部長  まず,1点目の結核対策のうち,本市の結核への対応体制についてのご質問でございます。  これについてでございますけれども,実は,平成9年に保健所を1カ所に統合し,各区に保健センターを配置いたしております。1保健所に集約したことによりまして,全市の結核の公費負担の申請であるとか,患者の管理だとか,患者発生時の検診の範囲の決定など,事務を統一的に実施することができました。  それから,患者の訪問や相談にも専任の職員というか,保健婦が当たるなど,専門性と効率性が向上したところでございます。  また,各区の保健センターでは,結核の一般的な相談や地域における予防活動のほか,患者が発生した際の接触者に対する検診など,直接市民に関係する部分を実施してございまして,市民サービスの点でも,従前と変わることはございません。  そこで,第2点目の中長期的展望に立った事業についてでございます。  もちろんこれは検診の強化が大変重要でございますけれども,本市ではことしの3月から,全国に先駆けまして,結核菌の遺伝子分析事業を実施してございます。これは,患者の同意のもとに提供された結核菌の遺伝子分析を行いまして,その分析結果を積み重ねていくことによって,市内に存在する結核菌の種類や広がりの状態をも把握することができると。さらには,遺伝子パターンが同一の患者間の生活状況を比較いたしますと,感染源を探ることができますし,直接,感染対策を講じることができるということで,大変,画期的な技術でございます。ぜひ,こういった技術も,今後の新しい結核対策に結びつけていきたいというふうに考えております。  それから,3点目の健康づくりセンターの整備について,各区に1館ずつ建設する考えはないかと,こういうことでございますけれども,健康づくりセンターにつきましては,例の検討委員会の答申は,実は,一つの行政区にとどまらず,広範な地域住民を対象といたしまして,可能な限り利便性の高い,公共交通機関の結節点であるとか,それから,地域の中心核となるような場所に整備をしなさいと,こんなような答申でございました。したがいまして,現段階では,この答申に基づきまして,こういった方向でひとつ整備に全力を注いでまいりたいというふうに考えております。  毒物の関係でございますけれども,まず,一つ目は,毒物を取り扱う施設に対する今後の指導でございます。  毒物の製造業あるいは販売業であるとか,届け出が必要な業務上の取り扱い施設に対しましては,今後とも,引き続き,法に基づいた立入検査や指導を徹底的に行ってまいりたいというふうに考えております。  また,さきに実施をいたしました立入検査の結果,改善を指導した大学等の教育機関に対しましては,その改善状況を今年度中に確認することといたしております。  さらに,ただいまご指摘にございました,業務上取り扱い施設のうち,届け出義務のない施設につきましては,実は北海道と連携をいたしまして,市内のこういった施設を対象として,年度内を目途に毒劇物の取り扱いに関する実態調査と,適切な取り扱いや事故発生時の対応等に関する講習会を実施いたしたいというふうに考えております。こういったことを通じて,毒劇物の適正な取り扱いについての指導を徹底してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆畑瀬 委員  最初に,結核対策でありますが,本市としては,全国に先駆けて,現在の対策だけではなくして,結核菌遺伝子分析研究事業に取り組んでいるということについては評価をしておきたいと思います。ぜひ,さまざまな工夫をして,今後,発生の予防及び蔓延の防止に努めていただきたいと思います。  いずれにいたしましても,我が国の発病者の比率でありますが,欧米と比べまして3倍から6倍高いというのが実態であります。しかも,最近は,高齢者だけではなくして,若い世代への感染も目立ってまいりました。結核に対して再認識をしていただき,総合的な対策を推進されることを強く要望して,この問題は終わっておきたいと思います。  次に,健康づくりセンターでありますが,市民ニーズの動向を把握しながら,随時,整備を検討していくという答弁でありますが,国でも,明年1月に,一大国民健康づくりと銘打って,健康日本21計画を発表するということであり,市も健康づくり基本計画を策定していこうということでありますから,私は,今後ますます市民の健康意識は高まり,健康づくりセンターの整備要望も高まってくると思っておりまして,せめて1区1センターは整備する必要があると考えております。  そこで,西健康づくりセンターが終わった後の次の整備でありますが,ことしの2月の建設委員会で,私はこの点を伺いました。これまで,東,それから中央,西と,すべて豊平川以西に整備をしてこられたわけでありますが,これは明らかに配置バランスがよくありません。整備基本計画では,西のほかにもう1館建てることになっております。また,豊平川以東の住民要望は非常に高いとなれば,だれが考えても,当然,次は豊平川以東という結論になると思うのであります。次の健康づくりセンターの配置計画をどう考えておられるのか,見解を伺います。  それから,毒劇物でありますけれども,それぞれ前向きな答弁が出ましたから,これ以上の質問はいたしませんが,いずれにいたしましても,保管・管理の適正化が確実に図られるように,本市としても必要な措置を講じておくことを要望しておきたいと思います。健康づくりセンターについて,答弁をしていただきたいと思います。 ◎東 保健衛生部長  豊平川以東に,ぜひ健康づくりセンターを整備してほしいというご質問でございますけれども,私どもといたしましても,確かに委員ご指摘のとおり,この施設は大変市民の要望が高いということも承知しております。そして,豊平川以東に現在整備されていないという状況も,十分認識をいたしております。  今議会の代表質問でも大長助役からお答えをいたしましたように,現在,西健康づくりセンターを建設中でございまして,これらの状況なども踏まえながら,今後,地域住民の健康づくりの活動状況など,いろいろ総合的に勘案した上で,整備時期と建設地を検討していく必要があるというふうに考えております。  以上でございます。 ◆畑瀬 委員  どうも検討の域を出ておりません。なぜ,このようなことについてはっきりと打ち出すことができないのか,不満であります。  そこで,助役に伺います。  これだけ市民から望まれている施設でありますので,ぜひ,全市的な配置バランスを考え,豊平川以東に建設すべきと考えますが,見解を伺います。 ◎大長 助役  現在の配置の実態から申しますと,豊平川以東住民の方々の要望というのは,十分理解をできるというふうに考えてございます。したがいまして,そのあたりを踏まえさせていただきながら考えさせていただきます。 ◆三浦 委員  私の方からは,難病対策について1点だけ簡潔にご質問をしたいと思います。  国の難病対策については,昭和47年に難病対策要綱が策定され,その要綱に基づいて実施されてきております。昭和47年から特定疾患治療研究事業というのが始まりまして,これは,いわゆる医療費の公費負担制度を重要施策として実施をしてきているところであります。事業がスタートした当時,対象疾患は4疾患で,患者数が全国で1万7,000人でありましたけれども,現在は44疾患,約42万人の患者数となっていると,このようにお聞きしております。  確かに,医学が進歩しまして死亡率が低下したり,また,生活の質の向上が図られたという患者さんも多くなってきておりますけれども,その一方,依然として治療法がわからないと,こういう病気もたくさんあるわけであります。そういう方々にとっては,療養に大きな負担を要しているという状況であります。  そういう意味から,たくさんの負担を強いられている家族の方々の介護負担を少しでも軽減をしていかなくちゃならない,こういうふうに考えているところであります。あわせて,こういう状況から,難病に対しては,どんどん,取り巻く環境が変わってきているのじゃないかなと,このように思っている次第であります。  こういうことを踏まえまして,新たな難病対策を構築するために,平成9年9月に公衆衛生審議会から答申が出されました。厚生省では,それを踏まえて,昨年,平成10年度から,重症難病患者に重点を置いた施策,これが1点であります,2点目は,在宅療養患者の実態に合わせたきめ細かな支援策の充実,この2点の方針が示されたところであります。  従来から,この医療費については公費負担,及び,医療施設の整備については都道府県が実施主体になってやっております。そして,地域に根差した在宅療養支援については,都道府県または政令市が実施をすると,こういう仕組みになっております。こういう意味から,この難病対策につきましても,北海道と札幌市の間でしっかりと役割分担をし,さらに,しっかり連携をとっていくことが必要だと,このように考えているところであります。  今回の市長選挙において,桂市長の公約の一つとして,難病に苦しむ方々への支援ということを掲げられております。私も,日々病気に立ち向かっているこういう難病患者の方々,そして,その家族の方々が安心して療養生活が送れるような対策を札幌市においてもしっかりと推進していただきたいと,このように考えているところであります。  そういう意味から,2点質問させていただきます。  平成11年3月の北海道難病対策検討会議の報告によりますと,全道で約8万人の患者がいると,このようになっております。その内訳は定かでありませんけれども,我が市には専門医療機関が多いということから,そのうちの大多数が札幌市に集中しているのじゃないかと,このように予測しているところであります。  それで,現在の札幌市における患者数の実態はどうなっているのか。また,その患者に対する支援対策の現状についてお尋ねをしたいと思います。  もう一つは,私のところにも,いろんな患者の方,また団体の方から,相談,要望等が寄せられております。その方々のお話をお聞きしますと,札幌市における難病対策は,北海道と比較しまして,各種の事業実施が非常におくれているのじゃないかなというふうに感じるわけであります。そういう意味から,支援対策についてのお考えをお尋ねしたいと思います。 ◎東 保健衛生部長  難病対策についてのご質問のうち,まず,1点目の札幌市におきます難病患者の実態ということでございます。  国及び道の単独指定の総患者数は,これは平成9年でございますけれども,2万6,725人というふうになっております。疾病状況から見ますと,国の指定疾患では,パーキンソン病が1,060人と一番多うございます。次いで,全身性エリテマトーデス816人,それから,潰瘍性大腸炎が762人となっております。  また,北海道が単独事業として指定しております疾患につきましては,難治性肝炎が1万325人と一番多うございまして,次いで橋本病5,709人という状況でございます。  次に,難病患者の支援対策の現状ということでございますけれども,難病患者の団体でございます北海道難病連札幌支部に対しまして,昭和49年度から,相談や普及啓発事業等の円滑な運営に資するために補助金を出してございまして,平成11年度には50万円ほど増額をいたしまして,300万円の補助金を交付してございます。
     それから,難病患者の相談の窓口でございますけれども,こういった患者さんの利便性を向上させるために,区の保健福祉部が窓口となりまして,特定疾患治療研究事業,あるいは福祉サービスの相談であるとか申請,それから在宅療養者に対する訪問指導を実施しているところでございます。  さらに,難病患者の要望に基づきまして,今年度から,慢性呼吸不全患者さんを対象とした呼吸リハビリ教室を開催いたしまして,難病患者の生活の質の向上に努めているところでございます。  それから,2点目の今後の支援対策ということでございますけれども,私どもといたしましては,今後とも,在宅難病患者の方々の声に耳を傾けながら,日常生活用具の給付事業,あるいは短期入所事業,それからホームヘルプサービス事業など,難病患者さんにとりまして,利用しやすく,そして役に立つ制度をぜひ実施すべく検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆三浦 委員  今,部長から前向きな話がありましたけれども,もう1点だけちょっと確認をさせていただきたいと思います。  難病対策を推進するに当たっては,難病患者の方の病状,さらには生活状況,介護状況,要するに,患者の方の生活実態調査を行って,その資料等をもとにしっかりとした対策をしていくということが大事だと,このように思うわけであります。  そういう意味から,実は北海道では,昨年,政令市の札幌市を除く市町村に居住する患者の方々の生活実態調査を終了したと,このように聞いております。そういう意味から,札幌市においても,この生活実態調査を行う予定はあるのかどうか。  それから,もう一つ,先ほども種々お話ありましたけれども,北海道では,難病患者等居宅生活支援事業という事業を既に事業化して開始をしているところであります。この札幌市では,まだ未実施と,このようにお聞きしておりますので,この事業についても,どういうふうに取り組もうとしているのか。この2点,再質問でありますが,よろしくお願いしたいと思います。 ◎東 保健衛生部長  まず一つは,生活の実態調査をやってほしいと,こういうことでございますけれども,ただいま,5カ年計画にも一応要求してございまして,これについては,ぜひ取り組みたいというふうに考えております。  それから,今後,例えば道がやったようなレベルのものまで市もやってほしいということでございますけれども,ぜひ,そういう方向でも検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆三浦 委員  とにかく,札幌市に住んでいる難病の方々が,ほかの他市町村の患者の皆さんと同様のサービスを受けられるよう,ぜひとも早急な対策を要望したいと思います。  そして,いろいろな話を聞きますと,いろんな事業を北海道でもやっているのですけれども,非常に利用しにくい事業内容になっているということも伺っておりますので,その点もあわせて,実効性のある事業にぜひとも取り組んでいただければなと思います。要望させていただきまして,質問を終わります。  以上です。 ◆飯坂 委員  私からは,結核対策について数点伺いたいと思います。  先ほどのやりとりで,本市の新規の患者数は,昨年度が440人で,一昨年と横ばいであるということも示されましたけれども,ことしの7月に,厚生省が結核緊急事態宣言というのを発表し,その中で,一般国民のみならず,医療機関や行政担当者までが,結核を過去の病気だと錯覚していると,こういう指摘がありまして,自治体に対しましては,保健所の対策・機能強化,あるいは患者発生時の迅速で的確な対応を求めているところであります。  言うまでもなく,結核というのは,戦前から戦後にかけましては日本人の死因の第1位ということで,国民病とも呼ばれていたわけですね。その後,薬の発達や生活水準の向上,こういうことで,患者数は年々,激減をしていたわけです。しかし,ここに来まして,近年,減少ペースが鈍化しまして,全国レベルでは,97年から38年ぶりに増加する,北海道で言えば,昨年度から増加傾向に転じると,こういう事態になりまして,今後の推移がどうなっていくのか,大変,今,注目もされ,大変危機感を抱いているところでもあります。  全世界では,年間300人が死亡するとも言われておりますし,日本国内でも,年間2,700人から2,800人の方が結核で死亡するという数値も出されておりますように,国内最大の感染症であると,このことに間違いはないというふうに思うのですね。  本市におきましても,結核検診に対する取り組みの強化が今求められていると考えます。  まず,1点目は,今回の結核緊急事態宣言が出された現状,これについて,どのように認識されるのか,明らかにしていただきたいと思います。  2点目は,医療機関への結核研修についてです。  これも先ほど来ございましたけれども,ことしは9月から来年2月までですか,月1回,5回で1コースということで,医療機関に対してご案内を出して研修をするということを開始しているようですが,新聞報道などでも,せきがとまらないとか,たんが出るとかで,これを風邪だとか肺炎だとかというふうに誤診をしまして,その結果,初期対応が悪いために家族に感染してしまったと,こんな事例なんかも出ているわけですね。  そういう点では,この集団検診を保健所統廃合でうちはやめてしまったわけです。個人が医療機関にかかるということになっているわけですが,それだけに,市内の医療機関への徹底,これは非常に大事だというふうに思うのです。  ところが,そういうコースで始めたのですが,1回目,9月の実績どうだったかということで,事前に資料をいただきましたら,全市の医療機関1,388カ所にご案内を出した。ご案内を出したということはいいと思うのですね,去年,おととしのように絞るのではなくて,全機関にご案内を出したと。このこと自体は大変評価するものですが,実際に,じゃ,どれぐらい参加していただいたのか。そうしますと,225名ということで,仮に各医療機関1人ずつだといたしますと,16%にすぎない状況,80%以上の医療機関は参加していないわけです。この現状をどう評価されるのか。また,もっと参加者をふやして,結核研修の徹底を図る必要があると考えますけれども,今後の対処方針についてお尋ねをしたい。  それから,三つ目は,市民向け対策についてです。  実は,9月24日から30日,この1週間が結核予防週間ということになっておりますね。各区で取り組みが行われました。どういうことをやったかということで,いただきましたら,パネル展とかリーフレットやティッシュを配付するだとか,いわゆる啓発活動がほとんどになっているわけです。  今,大事なことは,市民がいつでも気軽に相談ができ,検診が受けられる体制をどうやって整えていくか,こういうことにあるだろうというふうに思います。  現在,各保健センターでは月2回,南区だけは月3回なのですが,ほかの区は月2回,結核検診を実施しております。これは,保健所統廃合のときに,成人病健診は医療機関に委託するということになったのですが,結核検診だけは保健センターでやるというふうに残したわけです。この結核検診なのですが,レントゲン技師もちゃんと常時配置されているのですけれども,何しろ月2回しかやらないわけですね。ですから,その曜日あるいは日にち,時間に合わなければ受けられないということもありまして,今,市民に不安がある中で,レントゲンは技師いるわけですから,市民の都合に合わせて柔軟に対応すべきと考えますけれどもいかがか,この点についてお伺いしたいと思います。  また,あわせて,保健センターのお医者さんの体制ですね,配置。これが,今ようやく,小児科のお医者さんは,非常勤も含めてほぼ全区にいるという状況にはなっております。これは,乳幼児健診を行っていますからね,その関係で,小児科の先生はいらっしゃるのですが,内科の医師は必ずしもいるわけではありません。今,配置されていない区も半数近く生じております。  そこで,レントゲン技師がいて,レントゲンはとっても,それを診断するには,やっぱりドクターと放射線技師,2人がいて初めて適切な結核の診断ができるというふうに思うのですね。ですから,この点で,内科医のいない区についてはどのように対応されているのか,あわせて伺いたいと思います。  以上3点です。 ◎東 保健衛生部長  4点ほどご質問ございましたけれども,4点目は宮田医務監の方から答弁させていただきます。  そこで,1点目の緊急事態宣言に対する認識の問題でございますけれども,確かに,結核は,再興感染症として極めて重大な問題というふうに受けとめております。今後,医療関係者のみならず,施設関係者も含めて,市民一人一人に訴えていかなければならない重要な問題というふうに考えております。  そこで,第2番目の,さきに実施をいたしました,医師に対する研修の問題がございました。一応,1,388全施設の医師に対しまして,参加を呼びかけたわけでございますけれども,その結果,225人という出席者を得ました。これが,少ないのではないかというような,多分そういうようなご指摘だろうと思いますけれども,中には,耳鼻科であるとか眼科であるとか,外科であるとか,直接この結核の医療に携わらない診療機関もこの中に相当含まれておりまして,私どもとしては,この225人というのは,相当,高い参加率だというふうに考えております。  それから,3点目の保健センターにおきます市民向け対策についてでございますけれども,結核相談としては,確かにご指摘のとおり,月2回ということで,各センターの方で対応しております。しかし,電話であるとか,直接来所していただいての相談は,常時受け付けているという状況にございます。特に相談の中で必要と認められた方に対しましては,随時レントゲン撮影なども実施をしてございます。そして,さらに精密検査が必要だといった場合につきましては,本市の委託先であります結核予防会の方で常時検診を実施してございますので,こちらを利用することができるというふうに考えております。したがいまして,特段のサービス低下にはつながっていないものというふうに考えております。 ◎宮田 保健福祉局医務監  私の方から,今,委員のご質問の中の二つについてお答えしたいと思います。  医療機関の医師,あるいは,それに関係する職員の研修を今回呼びかけたところ,千三百何カ所の案内にもかかわらず,出席者は225名であったということでございますけれども,我々としては,非常にたくさんの先生方が,限られた時間によく参集されたと評価しております。一遍に1,350人のドクターが集まるということは,日常の診療の状況から言いまして,午後6時半から,ある会場に集まるということは不可能でございます。  そういうことで,我々も,満遍なく機会をつくるということで,5回,去年は1回でした,おととしも1回でしたけれども,ことしは5回ということで,その5回の中で,それぞれ選んで参加していただくということで,私としては,非常にこれは評価しております。データの見方の違いかと思いますけれども,非常に評価しております。まず,これが一つです。  それから,もう一つ,保健センターでは小児科の医師が多いということでございますけれども,我々は,何科の医者での相談ということではやっておりません。特に,行政に来ておる医者は何でもやると。先ほど宮村委員の質問にもありましたように,おなかの中にいる胎児のことから,お墓に行く人間の生命まで,全般的に診られる行政の医者として,日々研修しながら育っております。  結核に関しても,厚生省の呼びかける結核研修等々の1カ月・3カ月コースは,皆さんやっております。そういう中で,臨床にいる医者よりも,たとえ出身が小児科の医者であっても,私のように外科の医者であっても,結核のエックス線写真はほかの先生より見られるようになっております。そういうことで,ご心配のないように。万が一,医者はオールマイティーでございませんので,疑問のある場合は,専門家,結核予防会の先生たち,こういう先生たちに写真を持っていって直接相談する,あるいは,2週間ごとにやっております保健所の結核審査会,そういう専門の先生の意見もいただいて,研修しながら,適切な対応,患者さんにとって間違いのないような診断をするように心がけておりますので,どうぞご安心ください。  以上でございます。 ◆飯坂 委員  まず,保健センターでの結核検診のことですが,月2回にこだわらず,随時,対応しているということなのですが,これをぜひ10区で徹底していただきたいというふうに思うのですね。各区のアンバランスもあるやに聞いておりますので,ぜひ,市民のこういう不安にこたえて,機械的対応ではなくて,やはり市民の皆さんの願いに沿った形で対応していただきたいというふうに,これは求めておきます。  それと,成人病健診が廃止になったものですから,保健所では,この種の検診も含めて,やっていないというふうにお考えの市民も多数いらっしゃるのですよ。ですから,せっかくこういう形でやって,胸張って,今,小児科の医者であっても結核はちゃんと見るのだということでお話しされて,レントゲン技師もいる,医者も今のところ各区にいる,そして,随時受け付けるのだというのであれば,保健センターで結核の無料検診をやっていますよということをもっとPRしないと,もう検診そのものがなくなったと思い込んでいる人がかなりおりますので,その点は,今後,ぜひ検診のPRをしていただきたいと思いますが,これは再答弁をお願いします。  それと,今,大変力を込めたご答弁があったのですが,実は,この保健センターの職員の結核検診について,最後お尋ねしたいと思います。  全国の例でも,大学病院の医師が感染源となって院内感染が起こったとか,学校での集団感染などが問題になっております。本市におきましても,保健センターの乳幼児健診に直接かかわっている非常勤職員が結核に感染していたと,こういう事例がありました。あえて,私はどことは言いませんけれども。  そこで,正職員の場合は,一応職員健診というのをされているというふうに思うのですけれども,半年の臨時,あるいは1年雇用の非常勤,この方たちについては,必ずしもそういう健診が義務づけられていない,あるいは保障されていないということもありまして,そこが非常に問題だなというふうに思うのです。  保健所統廃合のときに職員を減らしましたので,乳幼児健診を今までどおりやるとどうなるかといいますと,当然,正職員だけでは対応できません。非常勤や臨時の手もかりて今やっていると,これが現場の状況ですね。ですから,そういう点で言うと,直接乳幼児に接触する職員の健診,とりわけ,非常勤の健診については,ぜひ徹底していただきたいと思うわけです。これらの今後の対応策についてお聞きしたいと思います。 ◎東 保健衛生部長  まず,1点目の結核相談も含めた保健センターの活動のPRが足りないのではないかと,こんなようなご指摘でございますけれども,あらゆる機会を通していろいろPRをしているわけでありますけれども,特に最近は,インターネットを通じまして各市民にも呼びかけております。それから,もし必要であれば,これから広報さっぽろの区民版等も通じて,こういったPRをしていきたいというふうに考えております。  それから,臨時職員に対する結核検診のお話がございましたが,今,札幌市では,制度上,結核検診を義務づけているものではございません,いわゆる札幌市の制度として。しかし,私ども,こういった乳幼児健診に当たる職員が,万が一にも結核にかかっている場合のことを考えますと,これは大変重大な問題であるというようなことにかんがみまして,今後,臨時職員等任用の部分につきましては,事前に胸部エックス線検査を含む健康診断書の提出を求めるということにいたしております。  以上でございます。 ◆飯坂 委員  保健所統廃合の議論をしたときにも,この感染症の対策として保健所の役割,重要性について,私どもは強調してきたところでございます。本市におきましても,結核が,今後,猛威を振るうことのないように,ぜひ万全な対策をとるよう強く求めて,この質問は終わります。 ◆山口 委員  夜も更けてまいりましたので,簡潔にやりたいと思います。  3点伺います。  初めに,エキノコックス対策についてお尋ねをしたいと思います。  先般来,ドームの建設工事が始まって,私もしょっちゅう羊ケ丘通を通るのですけれども,そこでキタキツネを何度か見ました。福住方面とか36号線にも出てきているというような状況で,都市のキツネ対策というものについて,どうなっているのか。62年ですか,南区の小金湯でキツネからエキノコックスが出たときは,かなり議論もあったようですし,市民の関心も高くて,多くの方が検診などをされたようですが,その後,ほとんどこの問題が取り上げられてこなかったのではないかと感じるわけなのですけれども,伺うところによると,植物園にいたキツネは,今,北大の方に引っ越したみたいですし,知事公邸にもいますし,もうほとんど,どこにでもいるのじゃないかというふうに言われています。円山方面にお住まいの方からも,家庭菜園の中に入ってきて野菜を食べられたということもあって,家庭菜園でも,やっぱり新鮮とはいうものの,生野菜というのは大変危険なのかなというふうに感じているわけなのです。  この辺で,エキノコックス対策,これまで余り知られていないのですが,おやりになってきたことと,その評価を伺います。  あわせて,現状認識と今後の対策についてお尋ねします。これが1点目です。  それから,2点目ですけれども,保健所におけるチャイルドシートの啓発事業についてお尋ねをしたいと思います。  今回の補正予算で議決をしましたけれども,来年の道路交通法の改正に合わせて,チャイルドシートが義務づけられるということで,少子化対策という位置づけで,補正予算がついたわけなのですけれども,その内容が,私としてはちょっと納得できない部分がございます。  予算がつくのはいいのですけれども,ゼロ歳から5カ月ぐらいと,生まれたての赤ちゃんから5カ月ぐらいの範囲で,しかも抽せんで1,300人にというのは,公平性からいってもおかしいのではないかなというふうに思いますので,この内容につきましては,会派の方でも検討していますので,今後,市民局等で質疑をさせていただこうと思いますが,きょうは保健所ということに限ってお尋ねをします。  既に保健所によりましては,乳児健診の際に,このチャイルドシートの必要性について啓発,普及などをおやりになっているというふうに伺ったのですけれども,私が若いお母さんから聞くところによりますと,必ずしも,紹介されている機種が安全性等において本当に大丈夫かということがあるように伺っております。と申しますのは,日本での装着率は8%ぐらいというふうに,大変低くて,まだまだ普及啓発はしなくちゃいけないのですが,さらに,車につけている方の中でも,85%がミスユースということで,使い方を誤っているということが指摘をされております。これは,誤ってつけると,かえって命取りになる例なんかもありまして,総務庁のホームページに出ていた情報でも,子供が動いたときにベルトが首に巻きついて死亡したとか,保護者が車両から離れた間に肩のベルトが絡んで死亡したとか,あるいは,とめ金の部分が夏なんかは暑くなって足にやけどしたとか,ただチャイルドシートなら何でもいいということではないのですね。きっちり正しい装着の仕方,それから,機種の選び方というのが大事だというふうに考えます。  そこで,私は,交通安全協会とか市民局なんかでおやりになる分には,なかなか若いお母さん,お父さんとの接点がないのじゃないかというふうに考えるわけなのですが,その辺で,乳児健診あるいは赤ちゃんが生まれる前の母親教室とか父親教室とか,そこで実際の装着方法も含めた形でのチャイルドシートの啓発事業というのが,とっても効果が高いのではないかというふうに考えるわけなのですけれども,それについてお考えをお尋ねしたいと思います。  それから,3点目です。今回の東海村の臨界事故,放射能の事故についてお尋ねをしたいと思います。  これまで,私どもも,何回も代表質問や特別委員会で,泊原発の問題もありますし,放射能対策をぜひ防災計画に盛り込むべきではないかということで,何度か取り上げてまいりましたが,この問題については,道の防災対策の対象ではないと,周辺4町村,原発から10キロ以内が対象だということで,これまで,ずっと消極的なお答えであったのですけれども,今回の事故で,改めて,事故というのはやっぱり予測できないから事故だというふうに考えますし,札幌市内には,放射性同位元素を使った施設なんかもありまして,私どもが以前調べたときは,札幌市内で,たしか62カ所ございました。  そういう意味では,放射能対策というものが今後必要ではないかなと考えるわけなのですけれども,その辺,保健所で,例えば,さまざまなカウントするような機械とか,それから,甲状腺に放射能がたまらないようにする沃素を備蓄しているとか,そのような状況がおありかどうか,お尋ねします。  以上です。 ◎東 保健衛生部長  まず,1点目のエキノコックスの現状といいますか,どういう対策を講じてきたのかということでございますけれども,本市は,従来から,いろんな健康教育であるとか,検診であるとか,媒介動物の対策,飲料水対策の4項目を中心として取り組んできたところでございます。ことし6月には,「札幌市エキノコックス症対策の方向性」の中で,新たに生ごみの対策についても,これを含めて総合的な対策を推進していこうということで,現在進めているものでございます。  それから,2点目のチャイルドシートのご指摘がございました。  特に,私どもの保健センターの方で何か指導をしていると,講座か何か開いて指導しているというようなケースはございません。ただ,一般的な注意事項として,1歳以上のお子さんに対しては,チャイルドシートが極めて交通事故上効果的ですよと,こんなような指導はした経緯はございますけれども,特に組織だってそういう指導をしているという状況ではございません。  そこで,ご質問にございましたように,確かに私どもの各区保健センターの方で,このチャイルドシートの展示をしている事実もございまして,これは,私どもが,保健センターの方で主催をして開いたのではなくて,警察であるとか,それから公安当局の交通安全協会の方から依頼を受けて,小さいお子さん連れのお母さんが来るころ,保健センターにぜひ展示させてほしいと,こんなようないきさつがございまして,それに対して協力をしたということでございます。そういうことでございますので,もし仮に,そんなことで誤解を与えるということであれば,ぜひ,今後とも交通安全対策を講じております市民局の方とも連携をとってまいりたいというふうに考えております。  それから,いわゆる原発事故や放射性物質の事故に対します保健所の問題でございますけれども,これについては,ちょっと詳しくご説明させていただきますけれども,原発事故につきましては,国または北海道が対応すべき問題であるというふうに認識をいたしております。北海道では,地域防災計画の中の原子力防災計画編の中で,緊急時の医療活動も含めた対応策を定めております。  この計画では,原子力防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲を,原子力発電所を中心とした半径10キロメートル以内の地域といたしております。したがいまして,本市と泊原発との直線距離は60キロございますから,北海道との計画の整合性を確保するというような観点から,本市の地域防災計画の中には,特段の原子力防災対策については盛り込んでいないと,こういうことでございます。  したがいまして,保健所の役割につきましては,特に現在のところ定めておりません。  それから,ヨード剤等の保管はどうなのかと,こういうことでございますけれども,そういうものに従いまして,保健所の方では,ヨード剤の保管はしていないということでございます。ただ,道の方では,札幌医科大学がそういう検診の窓口になっておりますので,そちらの方には相当数のヨード剤が一応備蓄してあると,こういうことでございます。 ◆山口 委員  1点目のエキノコックスですけれども,生ごみ対策を始めたということですけれども,私の資料では,例えば北広島などで,交通事故に遭ったキツネを調べると,感染率が65%ぐらいというような数字もあるのですが,札幌市内では果たしてどうなっているのか,その辺,現状というところでお答えがなかったので,お示しいただきたいと思います。  それから,生ごみ対策だけでは私は不十分だというふうに考えておりますが,今後の新たな対策,これは,キツネを駆除するということではなくて,どう共存なりすみ分けを図っていくかという,最近ふえているアーバンフォックスと言われている都市型キツネとのすみ分けの問題だと思うのです。その辺の対策がもうちょっと進むべきではないかなというふうに考えるわけですが,その辺についてお伺いをしたいと思います。  それから,チャイルドシートについては,誤解ということではないのですけれども,市の保健センター,保健所で示された機種なら安心だと思って買ったのだけれども,後でいろいろ調べたら,玩具メーカー,子供のおもちゃメーカーの機種なんかですと,キティちゃんがついていたりしてかわいいので,つい買っちゃうのだけれども,JISマークもついていたりするのですが,それがダミー人形の実験で壊れてしまうとかというようなのもあります。そういう意味では,実はJISも当てにならない部分があるということでは,今後,警察関係や交通安全協会なんかとも連携をとっていただきたいのですが,頼まれてやっているだけだとおっしゃったのですが,私は,法律にも盛り込まれたので,保健センターなどで啓発事業をおやりになってはどうかという趣旨でお伺いしたので,再度お答えをお願いします。保健の事業としてやって,効果を上げている自治体もございますし,国の補助事業になっている部分もありますので,いかがかということで,再度お伺いします。  それから,放射能対策なのですけれども,個人的な話になりますが,私自身が甲状腺の腫瘍で2回手術しているというような経過もありますが,今回の事故はレベル5ということで,チェルノブイリぐらいの大変な事故だったと。それをそこまで広がらないよう防いだのは,実に原始的な,ハンマーを持って2分ごとに作業員の方が現場に行って何とか水を出すとかというような,本当に信じられないような原始的な手段で何とか拡大を防いだなんていうのを考えますと,やはりこのことについて,真剣に市としてもお考えになる必要があるのではないかなというふうに考えるわけなのです。  その辺について,これは部長ではなくて,大長助役にお尋ねをしたいのですけれども,今回の事故をどのような危機管理の教訓として受けとめられたのか,今後のことも含めてお答えいただきたいと思います。  それから,エキノコックス対策につきましては,宮田医務監がとても前向きに取り組んでいらっしゃるというのが評判ですので,ぜひ,その辺でお答えをいただきたいと思います。 ◎東 保健衛生部長  それでは,私の方から1点だけ,チャイルドシートの問題についてお答えをさせていただきます。  保健センターの方で,そういう乳児健診の際に啓発を進めてはどうかと,こういうことでございますけれども,確かに,それも一つの方法かというふうに考えますので,今後,検討させていただきたいというふうに思っております。 ◎大長 助役  原発の関係でありますけれども,今回の事故で,私がお聞きしている範囲でお話をさせていただきますけれども,最も問題であったのは,事故の内容,あるいは,住民を避難誘導しなければならない,そういう報道,情報伝達,そういうことが遅くて,大変不十分であったというふうに報道をされておりまして,私も,それは事実であったのでないかというふうに思っているものですから,そういうことを教訓といたしまして,国,地方自治体,あるいは事業者というものが一体となりまして,事故が発生したときには即応できる体制づくりということが,何よりも必要ではないかというふうに思っております。今回,防災対策上の足りない部分があったことが明らかになったわけでありますから,その辺につきましては,緊急に整備をしていかなければならないだろうというふうに思っているところであります。  それから一方で,事業者,それから関連する事業者,こういう方々には,どんな事故が起きるかわからないということを常に念頭に置いて,知識,技術の習得といいますか,訓練といいますか,そういうことを含めて,今回の事故を教訓といたしまして,今後に備えてもらいたいというふうに考えているところであります。 ◎宮田 保健福祉局医務監  私の方から,まず,交通事故等で収容された死んだキツネの解剖の結果で,エキノコックスの虫卵あるいは虫体を持ったのが幾らぐらいあるかというのは,北広島でもやっておりますけれども,札幌市でもずっとやっております。  平成10年度は,17頭のうち9頭,52.9%が,いわゆる中間宿主と言われるキツネですけれども,キツネはエキノコックスで死ぬわけじゃないのですが,52.9%が持っておりました。ちなみに,約10年前は10%前後でありました。  これにつきまして,我々は,より的確な情報,つまり,札幌市全体という漠然とした形ではなくて,10区で,もう少し,キツネの交通事故があれば,鋭意それを収容して,できるだけ多くの数のキツネから,この情報をさらにきめ細かく得ていきたいと思っております。これがまず一つです。  それから,若干お褒めにあずかった私のエキノコックス対策の取り組みでございますけれども,従来は,例えば,歴史的に言えば,礼文島でエキノコックスがはやった。今から約30年ぐらい前には,突然,根室地区にエキノコックスが,礼文の撲滅宣言の後,起こってまいりました。ずうっとそれまで,道東地域,あるいは,もちろん札幌なんかを含めた大都会にはなかったのですけれども,だんだん,今言いました,キツネのエキノコックスの保有率が高まってまいりまして,今や,ほぼ全域がエキノコックス汚染地域になってきております。  先ほどご指摘がありましたように,札幌市の中央の部分でも,エキノコックスが市民生活の中で日常的に見られるということでございます。これまで道で取り組んでおりましたエキノコックス対策は,主に過疎地域でのエキノコックス対策でありました。それをそのまま今の札幌に準用するには,少し無理がありますので,今,関係する専門家あるいは清掃部と,全庁的なもの,あるいは庁外の専門機関と検討会を持ちまして,札幌市に合う新しい都市型のエキノコックス対策に対するマニュアルづくりの作業を今しているところでございます。  以上でございます。 ◆山口 委員  約束どおり短くするということですので,もうやめようと思いますが,チャイルドシートについては前向きなお答えだったというふうに理解していいのかどうかあれですが,そういうふうに理解をします。  それから,放射能対策につきましては,きのうも何か市長が記者会見で,防災対策の見直しを含めてということで,今,助役からもそのようなお答えがございましたので,これは,本当にあってはならないことですけれども,あったということでは,私どもがかねてから申し上げていますように,ぜひその辺のところの見直しをお願いをしたいと思います。  それから,エキノコックスにつきましては,「北の国から」のドラマなんかの影響でしょうか,私,この前も夏に道北の方に行ったときに,レストランの方まで出てきたキツネに観光客の方がえづけをしそうになったので,ちょっと注意したのですけれども,北海道にしかないのでなかなか知られていないという部分,あと,子ギツネなんかとてもかわいいので,ついそういうふうにしたくなる部分で,やっぱり観光客対策も必要ではないかと思うのですが,今までは,どちらかというと,観光客が減るとかということもあって,寝た子を起こすなとか,臭い物にはふた的な対応が全道的にあったのかなという感じもいたします。その辺で,都市型の対策ということでお答えありましたので,期待を申し上げたいと思いますが,そのような観光客対策ということについても,ぜひご検討をいただきたいと思います。  それで,今回の新たなマニュアルづくりも含めまして,地域も限定してということなのですけれども,どの辺を想定されて考えていらっしゃるのかということをお尋ねしたいと思います。  それから,ことしは小樽でたしか死亡者が出たということで,札幌にも感染された方がいるということですから,その辺のところも含めまして,ぜひ,詰めたお答えをいただけたらと思います。 ◎宮田 保健福祉局医務監  マニュアルのことについて,どの辺を想定してというのは,どの辺というのは地区のことでしょうか。全市的な対応ができるようにということも考えておりますし,キツネは移動しますので,札幌市からキツネがいなくなっても,北広島市にたくさんいても困りますので,これは,札幌市のマニュアルでありますけれども,周辺市町村とも連携をとらなければ実効は上がらないと考えております。  それから,観光客への呼びかけについて,あわせてちょっと,立ったついでに答えさせていただきます。  市経済局と連携の上,藻岩山などの観光地に,キツネにえさを与えたり,直接触れたりしないよう訴えかける看板を立てております。また,北海道バス協会などの観光関係団体に対しましても,観光客がキツネと接触しないように,えづけをしないようにということで,毎年協力をお願いしているところでございます。  以上でございます。 ◆山口 委員  それでは,最後に要望になりますけれども,住民への啓発とか,それが大変重要だと思いますし,一方で,小清水町なんかでは,地域を半分に分けて,虫下しをまぜたソーセージを与えて駆虫をしているということで,キツネさんをつかまえるのじゃなくて,虫をなくそうということでの調査研究なんかも北大を中心に行われていて,一定程度効果があるというふうにも聞いておりますので,その辺の駆虫薬等の調査研究などについても,ぜひ,おやりになるべきだというふうに考えますので,ぜひ,医務監のご努力にご期待を申し上げたいと思いますので,その辺の検討も含めて,要望して終わりたいと思います。 ◆馬場 委員  簡潔に質問させてもらいます。
     私は,歯や口の健康を保つことは,生涯を通じて健康づくりの基本の一つであるというふうに考えております。また,かむことが健康の始まりとも言われております。  したがいまして,本市における歯科保健対策の推進について,数点質問をさせていただきます。  まず最初に,歯科保健対策の展開についてであります。  歯や口の健康を保つことは,食事や会話を楽しむなど,豊かな人生を送るための基礎であるとともに,高齢者の生活の質を高めるためにも重要なことであります。  日本歯科医師会の提唱する歯科保健の大目標である8020運動は,ご存じのとおり,80歳で自分の歯を20本保つと,高齢になっても自分の歯でかみ,自立した健康な生活を送ることを目指しているものであります。この8020運動は,平成元年に提唱されてから約10年が経過しておりますけれども,この標語は,もう既に市民の間に広く定着をされておるのではなかろうかと。国は,歯科保健医療の新しい地域保健体系における施策などについて検討会を設置しておりますし,平成8年に意見の取りまとめを行いまして,その中で,8020という標語の普及段階は終了したと言っております。したがいまして,今後は,8020運動の充実を図るために,地域に密着した実践的な事業展開が必要であると,そういうふうに分析しているところであります。  8020を達成している方の割合は,ちょっと古い数字でありますけれども,平成5年の全国調査では約10人に1人ということでありますし,また,80歳の方の平均的な残存歯数,つまり,歯の数でありますけれども,それは6本程度と言われておるわけであります。運動目標等にはほど遠い数値であります。この割合をさらに高くしていくためには,継続的で実効のある歯科保健対策を地域で実施していく必要があると,そういうふうに思うわけであります。  そこで,第1点目の質問でありますけれども,地域に密着した歯科保健対策の展開についてどのように取り組んできたのか,まずお伺いをいたします。  その次に,かかりつけ歯科医に関してお伺いいたしますが,さきの検討会では,8020運動をより実践的に展開するために必要な事柄の一つに,かかりつけ歯科医機能の充実を上げております。  医療の分野では,かかりつけ医,つまり,ホームドクターの重要性が強化されており,また,市民にも浸透しております。すこやか健診の受診率の向上は,このかかりつけ医の普及によるところが大きいと聞いております。  それに対しまして,一方のこのかかりつけ歯科医は,まだなじみの薄い言葉であります。厚生省の検討会は,歯の治療に加えて,患者さんの定期健診や保健指導などの継続的な管理,そして,公衆衛生活動など,行政サービスとの連携や協調,さらに,地域を対象とした健康教育,そしてまた,健康相談の実施などを,このかかりつけ歯科医機能と定義づけているところであります。  また,これらの機能を持ったかかりつけ歯科医の普及や定着を図るために,高度な歯科医療を提供する大学病院や病院歯科,そして休日救急歯科医療,さらに障害者歯科の診療などを行う口腔医療センターなどの後方支援体制の構築や,地域における医療施設間の医療情報,さらには連携体制の構築などが必要であるとされております。  そこで,私は,札幌市の現状から見ますと,かかりつけ歯科医を取り巻く歯科保健医療機関などの社会的資源は,非常に恵まれておると思います。ある意味では,札幌市のような大都市では,かかりつけ歯科医機能を十分に発揮することが期待できると思います。そして,かかりつけ歯科医機能の充実は,とりもなおさず,市民の歯の健康を保つことと,さらには,より一層安心して歯科医療を受けることにつながると思うのであります。  ことしの第1回定例市議会におきまして,我が党の鈴木議員が,このかかりつけ歯科医の推進について質問をしましたけれども,今年度,かかりつけ歯科医機能支援事業を実施すると答弁がありましたことから,8020の達成のためにも,かかりつけ歯科医機能の一層の支援を実施すべきと思うものであります。  そこで,第2点目の質問でありますけれども,このかかりつけ歯科医機能支援事業の現在の進捗状況がどうなっているのか,これをお伺いいたします。  以上2点,お尋ねいたします。 ◎東 保健衛生部長  まず,1点目の歯科保健対策の展開ということのご質問でございますが,確かに,委員ご指摘のとおり,市民一人一人が生涯を通じて健康な生活を送る上で,歯の健康というのは極めて重要な事柄だというふうに考えております。本市におきましても,従前から,今,ご指摘のございました8020運動の推進に努めてきたところでございます。  従前の母子を対象とした歯科保健対策は,保健センターの方で実施をしてございましたけれども,成人歯科保健と申しますか,こういったものにつきましても,地域健康づくりのモデル事業の一部として実施をしておりますけれども,どちらかといえば,まだ取り組みが足りないという状況でございます。  そこで,ぜひ,こういった歯科保健対策につきましては,今後ひとつ前向きに取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。  そこで,第2点目のかかりつけ歯科医機能支援事業の進捗状況でございますが,ことしの5月に,歯科医師会のほか学識経験者から成ります検討委員会を実は設置をいたしました。そして,7月には,かかりつけ歯科医に関する調査を実施いたしました。そこで,この検討委員会は,この結果をもとに,今後,市民への啓発普及であるとか,あるいは,大学病院を初めとする病院歯科と個々の診療所とのネットワークの構築が大事だという指摘を受けました。  私どもとしては,これを踏まえまして,今後,歯科医療機関ごとに,例えば診療時間が何時から何時までだとか,標榜科名は何なのかというようなことをまとめました,かかりつけ歯科医リストの作成をまず一つはすると。  それから,もう1点は,白石区をモデルにいたしまして,市民が,歯の治療だけではなくて,歯の健康のチェックや相談など,気軽に地域の歯科診療所を受診していただきまして,ぜひ,かかりつけ歯科医を持つきっかけをつくりたいといったようなことで,そういったモデル事業を実施する予定にいたしております。  以上でございます。 ◆馬場 委員  調査結果を踏まえた検討委員会の意見をもとに,これからモデル事業を実施していくということでありますが,先ほど申し上げましたとおり,かかりつけ歯科医というと,治療の際に決まった歯科医のもとへ行くというとらえ方が一般的ではないかと思います。歯の健康を守る上で,定期的に歯の健康チェックを受けるなど,市民一人一人がかかりつけ歯科医を持ちやすい環境づくりが必要であると思います。  さきの新聞発表でもありましたが,まず,モデル地区として白石区を予定しているようでありますが,このモデル事業の内容について,まずお伺いをいたします。  また,今後,かかりつけ歯科医機能支援事業をどのように展開していくお考えなのか,この2点,お伺いをいたします。 ◎東 保健衛生部長  白石区で予定をしておりますモデル事業でございますが,札幌歯科医師会の協力のもとに,11月8日,つまり,いい歯の日,これはごろ合わせでありますけれども,11月8日から5日間,「歯のなんでも相談」ということで,無料で歯の健康相談を,区内の個々の歯科の診療所といいますか,そういったところで実施をする予定でございます。  さらに,乳幼児健診などで,虫歯などで受診が必要だといった場合につきましても,かかりつけ歯科医のリストを活用いたしまして,お子さんがなるべく早い時期に受診をしていただくこともモデル事業の一つというふうに考えております。  極めて,これは,従前になかった画期的な事業でございまして,私どもとしては,大変期待をしているところでございます。  それから,もう一つ,かかりつけ歯科医の今後の展開でございますけれども,こういったかかりつけ歯科医の機能を充実させるということは,最終的には,この8020運動の推進に極めて重要な役割を果たすといったようなことから,私どもといたしましては,この白石区のモデル事業の実施結果を見て,できれば全市的に展開をしていきたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 ◆藤原 委員  私は,9月30日に,茨城県の東海村核燃料施設,株式会社JCO東海事業所における臨界事故にかかわる農産物の安全性について質問をしたいと思います。  この状況については,皆さんそれぞれご承知かと思うわけでありますけれども,県の測定では,通常値の約1万6,000倍の数値が記録されたと県も報道をしているわけであります。ただ単に1万6,000倍といっても,すごい数字というふうに思うわけでありますけれども,摂取量などで考えると,国などの調査などによっては,人体には影響がないということが報道をされているわけであります。  しかし,加工工場の建物から,いまだ核分裂によって生成された核物質からベータ・ガンマ線,各種が出ているのか,あるいは,建物内にこうしたものが残留をしているのか,そうした放射線の状況について,原因がまだ明らかになっていないのであります。  そうした中で,札幌市にも茨城県から,例えばサツマイモ,ナスビ,長ナスやトマトなどが,この10月の上旬に入荷をされているわけであります。  1番目の質問としては,この事故の発生以降,茨城県から入荷する農産物に対して,本市としてはどのような対応を講じてきたのか,まず1点目,お伺いをしたいと思うわけであります。  また,国及び茨城県では,こうした事故のあった施設の周辺で生産をされる農産物の検査を実施し,先ほど申し上げたように,10月2日に放射能が確認をされなかったとして,安全宣言を国並びに茨城県が行っているわけでありますけれども,以降,本市への茨城県からの農産物などに関する入荷状況はどうなっているのか,2点目,お伺いをしたいと思います。 ◎阿部 生活衛生部長  茨城県の核燃料施設事故にかかわる農産物の安全性についてでございます。  まず,事故後の本市の対応でございますけれども,事故は9月30日に発生したわけでございます。茨城県は,当日深夜になって,事故現場周辺10キロメートル以内の農産物の収穫及び出荷を自粛するという措置をとりました。これを受けまして,本市では,こういった地域内の農産物が流通することのないように,茨城県を初め,国,それから北海道から,情報収集に努めてまいりました。  それと同時に,保健所では,札幌市の中央卸売市場と協議をいたしまして,茨城県産の農産物の流通・入荷の状況を調査をいたしました。その結果ですが,10月1日,それから2日,ともに,事故現場から10キロメートル以内で事故発生後に出荷された農産物が中央卸売市場には入荷していないということを確認いたしております。  なお,茨城県は,2日の午後6時でございますけれども,農産物等に対する出荷の自粛措置を解除いたしました。3日は市場の休業日でございまして,取り扱いはございませんでした。それ以降は,通常どおりの入荷状況になっております。  以上でございます。 ◆藤原 委員  私どもとしても,いわゆる風評被害というのでしょうか,あおるわけでもありませんし,こうしたことは札幌市民の健康を守っていく意味でも,ないにこしたことはないわけでありますけれども,私どもも調べてみましたら,国も茨城県も,総がかりで,約99カ所において,野菜ですとか畜産物,水産物,そしてまた水質調査などを行われているわけであります。  しかし,残念ながら,新聞,国なども,安全だ安全だということは言っていますけれども,どのような方法によって調査をしたのか,そうしたものが十分私どもに伝わってこないわけであります。  いろいろ調べてみますと,こうした調査には,特に食品関係については,放射線を検出する機械によって,18時間程度,検出をしなければならない,そうした前処理や,後のいろいろな処理も含めると,約20時間から21時間も,一つの品目を検査していくのに時間がかかるというふうになっているわけであります。  先ほども申し上げましたけれども,約99地点で,9月30日から10月2日にかけてそれぞれ調査がされているわけであります。最大行われた10月1日では,約85地点,85項目の農産物や畜産物,そして水産物や水質試験が行われているわけであります。国などの報道や,国から各自治体に送られてきた書面などを見ますと,農林水産省や厚生省などの協力を得てということでありますけれども,東京周辺には,大学などの機関もありまして,そうした機械というのがある程度そろってはいるかと思うわけでありますが,その真意というのが,私ども市民には,まだまだ十分伝わってこないわけであります。  札幌市においても,札幌市の衛生研究所に1台,これは,平成元年前後に起こった,現在のロシアのチェルノブイリの事故に伴って購入をしたということでありますし,北海道庁の中にも,道内で2台しかない,札幌市含めて3台しかないというような状況であります。茨城県産に限定をして言うと,これから成長して収穫をするさまざまな農産物もあるわけでありますけれども,やはり札幌市民としても,放射能に汚染をされた野菜などに対しては,健康上の問題からも大きな不安を抱いていると思うわけであります。そんな意味では,札幌市として独自に,国の基準は出ておりますけれども,そうした調査を今後実施していく予定はないのか,1点目,お伺いをしたいと思います。  さらに,起こらないと思いますけれども,事故でありますから,わかりません。北海道周辺や札幌周辺でこうしたことが起こった場合の札幌市としての食品の検査,管理というものをどのようにお考えになっているのか。  この2点について,お伺いをしたいと思うわけであります。 ◎阿部 生活衛生部長  まず,1点目の,検査をする予定がないかというお話でございますけれども,今,藤原委員のおっしゃられたように,9月30日から10月2日にわたりまして,茨城県が99検体の検査をいたしております。これには,国の機関の協力もございます。その検査の結果では,いずれも放射性物質は検出されなかったということになっております。こういった結果を踏まえまして,茨城県は10月2日に安全宣言を出したわけでございます。これと同時に,内閣官房長官から,国としての安全宣言も公表されまして,各自治体で適切な対応をするようにという通知が出されております。  札幌市といたしましては,こういった安全宣言を受けまして,十分に食品の安全性が確保されているという考えでございまして,この段階では検査をする予定はございません。  それから,もう1点目,じゃ,起こった場合はどうしようかというお話でございます。事故の規模,それから,想定する事故がどんなふうになるのかというようなことによるかと思いますけれども,今,委員のお話にあったように,検査機械は札幌市に1台,道衛生研究所にも2台ございます。  先ほど,1検体当たり18時間から22時間の時間を要するのだというお話でございますが,検査するものはたくさんございます。ですけれども,ある地域で事故があって,その地域が汚染されたと,そういうおそれがあるところで検査をして,これは18時間かからぬ場合もございますけれども,数で申し上げますと,1検体検出されたということになれば,ほかの農産物に対しても出荷停止できるわけでございます。ですから,全部測定する必要はないというふうに考えております。  それから,今の検査の時間でございますけれども,18時間から22時間かかるというのは,正確に内容を測定するという場合に,この時間を要するわけでございます。ですから,食品としての流通のために測定するという場合には,正確性は求められません。そういうことでは,時間をどんどん短くできるという利点がございます。そういう意味では,1日に,1台あれば何十検体か,20検体ぐらいはできるのかなと,このように思っておりますけれども,前段申し上げましたように,たくさん検査する必要性はないと,こんなふうに考えております。  以上でございます。 ◆藤原 委員  これらについては国の基準も出ていますし,私も別に,安全でないとは言っておりませんで,より市民の健康,命を預かる行政の側として,慎重にも慎重を期してそうした対応をすべきでないかという視点で申し上げているわけであります。  そんな意味で,この事故が起こった翌日に,現地では雨が降っているわけでありまして,畑ですとか河川にそうしたものがしみ込んで,ある程度,危険が回避をされたという場合もあるわけでありますけれども,いまだに,例えば,建物の周りには約3メートルの土のうが積まれて,建物の中はアルミ板で遮へいされていて,ガンマ線が外部に出てくるのを防いでいるわけでありまして,その外で幾らマスコミや他の人がはかったとしても,本当の意味での放射能の危険性というのは,なかなかわからないわけであります。そうした生成された化合物が,これからどのような手順で撤去をされていくのかというようなことも全く解明されていない。これには,いろいろな,警察や国の検査が終わってからということがあるわけでありますけれども,そういうことも含めて,今後,国や茨城県に対して,ぜひ安全な食料を札幌市にも供給してもらいたい,そうした視点も踏まえて,再検査など,定期的なそうした検査をしていただくように,そしてまた,将来的に札幌市においても,ぜひ,そうしたことを早急に取り入れられるように要望いたしまして,私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 ◆武藤 委員  私からは,1点質問をさせていただきます。  札幌市立高等看護学校の修学資金の問題についてです。  昨年度まで,この修学資金は,入学者の91%がそれぞれ利用されていました。これは既に35年前から始まった制度でしたけれども,かつては100%,少ないときでも91%を超えることなく,ほとんどすべての学生が利用してきた修学資金です。この制度自体が,今年度に入りましてから,行政改革の一環として条件を設けることになり,これまでは,すべての学生を対象にしてやっていたこの制度が,収入基準や成績基準を設けることによって,90%台の利用が,一気に今年度30%台に落ち込んでしまう,金額的に言いましても,これまで1,000万以上の予算を伴っていたものが,今年度に入ってから90万で終わるという,こういうような,まさしく行政改革そのものの実態が浮き彫りにされているところです。  このように,ことしの新1年生が30%しか利用できないというこの実態についてどのようにお考えなのか,まずお伺いをしたいと思います。 ◎森川 教務担当部長  今年度4月1日から,1学年の30%に当たります15名の学生が対象になりましたが,今,先生がおっしゃいました,成績に関することを基準にして設けたものではなくて,申込者の収入で,年俸600万以下の30%の学生を対象にして実施した次第であります。  それで,学生自身の反応といたしましては,今回は15名きっちり応募がありまして,選考委員会を設けて行っております。そして,それ以外に,11年度より,大幅に条件緩和されました日本育英会が,希望者全員に交付することになりましたので,もし経済的に困難な学生が生じた場合は,そちらの方向に速やかにいくように努力している次第です。  以上でございます。 ◆武藤 委員  他の制度に速やかに移行というお話でしたけれども,この制度自体は,行政の責任で,行政の高等看護学校として独自に修学資金を設けてやってきたわけですよね。本来であれば,この制度自体,見直されるべき根本的な要素が特にあったわけではない。だけども,経費節約だ節約だと言われる中で,行政改革上に浮かび上がってから,こういうように改悪されてきて,利用者が減ってきているというのが実態だろうと思うのですよ。  実際に,昨年度と今年度の,今おっしゃいました日本育英会,それから,道や市でやっている修学資金,奨学金ですね,これらについても,確かに利用状況は,前年度よりも今年度の方がふえています。日本育英会は,申し込んだ人全部使えるのだと,こういうお話もありました。しかし,日本育英会のこの資金というのは,金利もついていて,返済もしなければならない,そういう制度になっているわけですよね。それから,道や市の奨学金についても,枠がありまして,必要な人が全部利用できるわけではない。ですから,そういう点から考えれば,この高等看護学校だけじゃなくて,ほかの学校に通う人たちもその制度を利用するわけですよね,道や市がやっているものについても。だけども,非常に枠が狭いというのは,この奨学金については,いつも問題になってきました。その枠の狭いところに,行政の責任でやっていた高等看護学校独自の修学資金,この貸付金をなくすことによって,その狭い枠の中に,今度組み込んでいくことになるわけですから,これは非常に矛盾ではないかと思うわけなのです。  ですから,今,不況下で,年収600万以下だという収入基準のお話もありました。しかし,本当に今,学生の中では,お金がなくて学業を継続できない,こういうことも社会問題になっているわけですよね。だから,入学してはみたけれども,どこまで継続できるのかと,こういうようなことも,いろいろ社会問題になってきているわけです。  ですから,この高等看護学校で見ましても,退学者が,11年度でまだ出てませんというお話も伺っておりますけれども,これまでにも,昨年でいけば,2年生で3人退学している,この退学の理由についても,決して経済的な理由ではないと,こういうお話も伺っていますが,今,全国の学生の中で,経済的理由で修業を続けられないということが問題になっている,それが社会問題だからこそ,やはり今あるような制度を改悪して,利用できる範囲を狭めるということ自体,非常に問題ではないのかと。この制度が残っていれば,道や市の枠の狭い奨学金も,もっと多くの人たちに開放してやることができるわけですから。  ですから,そういう点からいけば,また新年度に向けても,学生の実態をしっかり押さえた上で,この枠を固定化したものではなくて,やはり信頼して行政の高等看護学校に進学した学生が,安心して,経済的な問題で退学したり,途中で抜けていくようなことがないように,立派な看護婦さんになるようにするための努力を学校としてもやるべきだと思いますが,この点についていかがでしょうか。 ◎森川 教務担当部長  お答えします。  退学時の理由でございますが,書類上は,全員が一身上の都合となっておりますが,退学前の親を含めた事前の面談,面接を何回も行っております。その中で明らかになったこととしまして,実習で患者さんとの人間関係に疲れたとか,看護の道は自分に合っていなかったなどが挙げられておりまして,経済的理由で退学したという事例は一つもありません。  これまでのところ,経済的理由で修学継続が困難な在学生は出ておりませんし,道の方の資金も,口頭で,学生の1割程度が来ておりますが,申し込みは1人か2人になっております。  このような状況の中では,11年度より大幅に緩和された日本育英会の方が,皆さん,早くそして手元に来るということも含めまして,こちらの方向に行くと思いますので,貸付枠の拡大につきましては,今後とも考えておりません。  以上でございます。 ◆武藤 委員  答弁求めませんけれども,今の大変な学生の実態というのは,だれもが認識しているところなのですね。していないのは政府・与党の皆さんかもしれませんけれども,実態としては,そういう内容が今社会問題になってきているところです。ですから,本当にそういう学生を支えていく行政の役割として,先ほどお話ししましたように,コンクリートにするのではなくて,実態に見合った制度をやはり続行すべきだと思いますので,今後も学生の実態を十二分に把握して検討されるよう求めて,終わりたいと思います。 ◆近藤 委員  大変長らくお待たせいたしまして,夜も更けてまいりました。  私は,9月30日の代表質問で,健康危機管理の重要性について質問をいたしましたが,O-157を初めとする腸管出血性大腸菌感染症の最近の状況について4点ほどお尋ねしたいと思います。  まず,10月2日には,鹿児島で3歳の男のお子さんが,国内初の腸管出血性大腸菌O-86に感染して,7日目で死亡されております。  当市は,保健所,保健センターと一体となって,さまざまな,広範な,複雑多岐にわたる公衆衛生業務,すなわち,市民生活の向上,健康の維持・増進に努めて,市民に安心を与えているということは伺っております。  しかしながら,ことし,本市では,腸管出血性大腸菌の感染者数が著しくふえているという現象がございます。例えば,ことし7月には,市内の保育園におきまして,O-26による集団発生もあったところですけれども,個別の発生事例も例年に比べてふえております。本日現在の感染者数は,113人であります。このうち,集団発生に関するものが64人,あと,単発事例は49人となっております。札幌市の単発事例は,現時点で,昨年1年間の約3倍になっているということでございます。全道・全国的には,前年同時期から特別増加しているのではなくて,特に札幌の特異的な,あるいは固有な現象とも考えられる状況にあります。昨年のO-157の感染者の大発生でも,全国を騒がせました北海道産のイクラですね,このような一つの原因から散発的に起こる集団発生が,ふと頭に浮かぶというようなことでございます。  O-26の事件は,園児と保護者,それから保育園の方々など,ご心配,ご苦労は大変なものであったのではないかと推察をしております。  また,本市の保健衛生関係者も,集団発生を想定したシミュレーションを実施しているということですが,本市は健康危機管理について,日々努力,奮闘されていることは,私,一市民として大変心強く感じているところでございます。  それで,自民党の宮川議員も,少子化対策について先ほど言われましたけれども,両親が安心して子育てができる環境づくりが不可欠であるわけですけれども,このような状況では,大きな不安要素にもなりかねないと考えます。  保育園での単発の患者の発生を完全に予防することは,非常に難しいことではないかと思いますけれども,一方では,何とか園内で感染が広がることを防止をしなければならないと思っております。  厚生省の地域保健問題検討会の報告書でも,危機管理体制はトップダウン的なものとすることが重要であると言っておりますが,そこで,質問4点でございます。  まず,1点目,ことし,本市で単発事例がふえた原因をどのように分析しているのか,お伺いしたいと思います。  2点目,保育園において集団発生が多発する理由についてお伺いいたしたいと思います。  3点目,さらに,市内保育園におけるO-26集団発生時の対応がどのようなものであったか,また,この件を通してどのような教訓,学習効果があったのかということを伺いたいと思います。  最後,4点目ですけれども,保育園に対する集団発生の再発防止策についてどのようにお考えなのか,この四つをお伺いしたいと思います。お願いいたします。 ◎東 保健衛生部長  腸管出血性大腸菌感染症の問題のご指摘でございます。  そこで,1点目の単発事例が増加した理由はどうなのかということでございますけれども,残念ながら,いまだにまだ解明できていないという状況であります。  しかし,ことし前半にはほとんど発生がなかったというようなこと,そして7月以降に集中して発生しているというようなことから,ことしの猛暑により,菌の増殖を起こしやすい状況にあったのではなかろうかということが一つでございます。  それから,もう1点は,この集団発生以降,下痢症状の患者さんに検便を実施する医療機関がふえたというようなことも,増加の一因ではなかろうかというふうに考えておりますけれども,正直申し上げまして,その原因等については現在解明中でございます。  それから,2点目の保育園において集団発生が多い理由でございますけれども,乳幼児といいますか,子供はどうしても不潔と清潔の識別ができないという問題がございます。そして,便の自立ができていないというようなことで,こういった,乳幼児の集団生活する場などを考えますと,どうしても便から口や手を介して感染しやすい環境にあるというのが実は保育園の特徴でございます。  それから,3点目のO-26の集団発生時の対応と教訓ということでございますけれども,まずもって,この教訓につきましては,私ども,保健衛生部門から,保育園の保護者であるとか,保育園の関係者に,この疾病の重要性などについて素早く情報を提供したということで,保護者,保育園関係者,私ども行政と,この三者の信頼関係を築き得たことが大変重要な事柄でございました。そういったようなことが,例えば救援措置を講ずるとか,分離保育をするとかといったような,こういった対策についても円滑に進められた最大の要因でございます。その結果,必要以上の感染拡大を防止することができたということで考えております。この点については,ぜひ,今後とも,こういった教訓を生かして,一つの事例として,今後も参考にしてまいりたいというふうに考えております。  それから,4点目の保育園における集団発生の再発防止策でございますけれども,まず,一つとりましたことは,集団発生直後に,すぐ,市内の市立,それから私立各保育園長あて,この感染症の防止ということについて通知を出したところでございます。そして,今回の集団発生の事例に関する報告書を現在作成中でございまして,この事例をもとに,今後,保育園における園児の健康管理であるとか,園内の衛生管理等,具体的な対策につきまして十分検討した上で,関係団体に対して指導を徹底してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○上瀬戸 委員長  以上で,第1項 保健衛生費のうち関係分の質疑を終了いたします。  次に,第2項 環境管理費のうち関係分の質疑を行います。 ◆畑瀬 委員  市営里塚斎場のダイオキシン問題についてお伺いをします。
     98年度に厚生省が実施した,本市を含めた全国17火葬場の検査の結果,里塚斎場の排出ガスと集じん灰から,高い濃度のダイオキシンが検出されたことが明らかになりました。  それによると,排ガス中に含まれていたダイオキシン類の濃度は,1立方メートル当たり平均6.9ナノグラムと,17施設中2番目に高い値を示しました。また,集じん装置にたまる集じん灰からは,同じような装置のある5施設の中で群を抜いて高い,1グラム当たり62ナノグラムの濃度で検出されました。  今回の調査で出た排出ガス中のダイオキシン濃度は,国が2002年から適用する清掃工場からの排出ガスの最低値であります1立方メートル当たり1ナノグラムを上回るとともに,札幌市内五つの清掃工場の排出ガス中の平均ダイオキシン濃度である1立方メートル当たり0.78ナノグラムの8倍以上にもなります。また,集じん灰中のダイオキシン濃度62ナノグラムは,市内清掃工場の平均ダイオキシン濃度は1.17ナノグラムでありますから,約52倍以上の高い値となっています。引用した数字は,いずれも98年度測定値であります。  こうした高濃度のダイオキシンが検出された原因としては,集じん装置を通った排ガスの濃度が高いために,ダイオキシン類の再合成が起きていること,つまり,排ガスを冷却処理する過程においても発生していることや,ダイオキシンが発生しやすい材質の副葬品がひつぎにおさめられ,燃やされていることなどが指摘されています。  このため,市は,7月8日開催の厚生委員会に今後の対応策を提示しました。それによりますと,ダイオキシン類の再合成を抑制するための排ガス低温化のめどを今年度中につけること,副葬品の制限について市民に積極的にPRしていくこと,排ガスや集じん灰などのダイオキシン検査を定期的に実施し,結果を公表することを明らかにしました。  そこで,さきの委員会から3カ月経過したこの機会に,私からも何点か質問します。  1点目は,札幌市は,ダイオキシンが発生しにくいよう,集じん装置内の排ガス温度の低温化に取り組み,めどがついた段階で定期検査を行い,効果を検証していく方針を示しましたが,この間,再合成を防ぐための排ガスの低温化についてどのように取り組んできたのか,また,そのめどはついたのか,伺います。  2点目は,集じん灰の処理についてですが,集じん灰は,コンクリート製の密閉された槽におさめておりますが,おさめる折,周囲に飛散する可能性がありますが,そうならないための安全な収納方法は確立されたのかどうか,最初にこの点を伺います。 ◎阿部 生活衛生部長  まず,第1点目の再合成の防止のための排ガスの低温化ということでございます。  里塚斎場では,排ガスの低温化に際しましては,高温のガスにまぜる空気の量をふやしていくということでガスの低温化を図っております。この空気を入れて冷やす,低温化にしていくわけでございますけれども,言葉では簡単でございますが,なかなか難しいところがございまして,炉内は圧力が微妙に調整されております。空気を入れていきますと,バランスが崩れまして,外部に高温のガスが吹き出してくると,こんなことがございます。そういうことにならないように,いろいろ調整をいたしまして,冷却効果が上がるように努めてまいりました。  当初,300度ぐらいの温度でございました排ガスが,現在は250度まで下がるようになりました。再合成が起こる危険な温度帯が300度から400度ぐらいと言われておりますけれども,この温度域を外して運転できるようになりましたので,この部分につきましては,ある程度,再合成が抑制できたのかなと,こんなふうに思っております。  これは測定してみないとわからぬ部分がございますけれども,我々としましては,まだまだ,ダイオキシン削減のためにやることはたくさんあるのじゃないかなと,こんなふうに思っておりますので,これからも抑制に向けて検討を加えまして,努力を続けてまいりたいと,このように思っている次第でございます。  それから,2点目の集じん灰の処理方法でございますけれども,今まで,容器に捕集いたしました集じん灰を,密閉型のコンクリート槽に入れておりました。この方法では,容器からあけるときに,周囲に灰が飛散するという可能性がございます。そんなこともございまして,前回の厚生委員会でもお話ございましたように,今後,強靱なビニール袋に収納いたしまして,袋ごとコンクリート槽におさめると,こういう方法をとることにいたしました。実際まだ行っておりません。この灰は,年間に二,三回おさめればいいぐらいの量でございますので,これからそういうことになると思います。  以上でございます。 ◆畑瀬 委員  排ガスの低温化につきましては,一定程度めどがついたということになれば,次の段階として,ダイオキシン類濃度の検査を実施する必要があります。今後予定している里塚斎場のダイオキシン検査は,どのようなものについて行うのか,まず1点。  それから,いつ検査をして,いつ公表できるようになるのか,2点目。  さらに,手稲火葬場や動物管理センターの動物用火葬炉については,どう対応するのか,あわせて伺います。 ◎阿部 生活衛生部長  現在,検査をするための発注の準備を進めております。大体終わるのが11月になろうかと思いますが,検査も11月には実施できるのでないかなと,こんなふうに考えております。  大体,納期が50日か60日と言われておりますので,公表は2月になるのかなと,こんなふうに思っております。  それから,手稲火葬場,それから動物管理センターの件でございますが,これらも同時に検査を行いまして,同時に公表いたしたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◆畑瀬 委員  調査対象の中で,槽の周りについては,当初,対象になされるのかどうか,この点も伺っておきたいと思います。  いずれにいたしましても,今の答弁によりますと,11月にはやりたい,私は,国の調査の時期が前回は11月でありましたから,経年経過を調べるという意味では,同時にやっておくことが必要だと思いますので,これは当然のことだと思います。ぜひ,2月に結果が出された折には,いち早く市民の皆さんに公表できるようにしておいていただきたい,こう思います。  検査し,公表いたしますと,言ってみれば,検証,改善できる体制が一定程度できるわけでありますから,次の対策や論議ができるような段階までレベルアップすることができると思います。この結果を見てみないと次の論議ができませんから,きょうはこの程度にしておきますけれども,いずれにいたしましても,ダイオキシンは地球上で最も毒性の強い化学物質でありまして,最悪の発がん物質でありますから,この問題については,やはり低減化に積極的に努めていくということが大事になろうかと思います。  そこで,札幌市は,火葬場のダイオキシン発生抑制に対して,どのような基本姿勢をお持ちなのか,これは宮田医務監にお伺いをしておきたいと思います。 ◎宮田 保健福祉局医務監  火葬場のダイオキシンの発生抑制に対する本市の基本姿勢についてでございますが,本市におきましては,ダイオキシン全体の問題に関しまして,積極的な姿勢で,全庁的に取り組んでいるところでございます。火葬場のダイオキシンに対しましても,可能な限り,発生の抑制に積極的に取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 ◎阿部 生活衛生部長  槽の周りと申しますのは,集じん灰の槽かと思いますが,里塚斎場の検査項目を申し上げますと,まず,排ガスと集じん灰を測定いたします。それから,供養塚,供養塚というのは集じん灰を納める槽でございますが,この供養塚と,それから斎場のすぐ周りの土壌,土壌についてはこの2カ所を測定する予定をしております。  以上でございます。 ○上瀬戸 委員長  以上で,第2項 環境管理費のうち関係分の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し,次回は,明日8日午後1時から,市立病院及び建設局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  本日は長時間にわたってご審議,本当にありがとうございました。  散会をいたします。     ──────────────       散 会 午後9時4分...