令和 6年 3月 定例会(第1回) 3月定例会 第9日令和6年(2024年)3月5日(火曜日) 議 事 日 程 1 開 議 2 市政に対する
代表質問 23番 山 田 裕 子 議員 3 休 憩 4 開 議 5 市政に対する
代表質問 8番 小 林 成 好 議員 6 散 会〇出席議員 31名 1番 大 和 田 哲 議員 2番 大 田 ち ひ ろ 議員 3番 土 屋 来 夢 議員 4番 斎 藤 豪 人 議員 5番 大 野 恭 子 議員 6番 和 泉 田 宏 幸 議員 7番 藤 部 徳 治 議員 8番 小 林 成 好 議員 9番 横 井 聖 美 議員 10番 立 澤 貴 明 議員 12番 清 水 泉 議員 13番 小 口 高 寛 議員 14番 菊 地 貴 光 議員 15番 野 口 高 明 議員 16番 浅 古 高 志 議員 17番 久 保 田 茂 議員 18番 畑 谷 茂 議員 19番 清 田 巳 喜 男 議員 20番 小 林 豊 代 子 議員 21番 島 田 玲 子 議員 22番 山 田 大 助 議員 23番 山 田 裕 子 議員 24番 後 藤 孝 江 議員 25番 白 川 秀 嗣 議員 26番 武 藤 智 議員 27番 松 島 孝 夫 議員 28番 瀬 賀 恭 子 議員 29番 竹 内 栄 治 議員 30番 金 井 直 樹 議員 31番 伊 藤 治 議員 32番 野 口 佳 司 議員〇欠席議員 1名 11番 工 藤 秀 次 議員〇
地方自治法第121条第1項の規定による
説明出席者職・氏名 福 田 晃 市 長 青 山 雅 彦 副 市 長 吉 田 茂 教 育 長 湊 谷 達 也 危 機 管 理 監 髙 橋 明 雄 市 長 公 室 長 徳 沢 勝 久 総 合 政策部長 野 口 裕 子 行 財 政 部 長 榊 勝 彦 総 務 部 長 濱 野 直 樹 市 民 協働部長 小 田 大 作 福 祉 部 長 山 元 雄 二 地 域 共生部長 富 岡 章
子ども家庭部長 野 口 広 輝 保 健 医療部長 田 中 祐 行 環 境 経済部長 大 徳 昭 人 建 設 部 長 林 実 都 市 整備部長 池 澤 登 会 計 管 理 者 早 山 裕 之 市 立 病 院 事 務 部 長 中 井 淳 消 防 長 小 泉 隆 行 教 育 総務部長 青 木 元 秀 学 校
教育部長〇本会議に出席した
事務局職員 松 村 一 男 局 長 藤 浪 孝 之 議 事 課 長 髙 橋 博 人 主 幹 横 川 俊 介 主 幹 久 保 田 鮎 美 主 査 会 田 由 貴 主 査 荒 屋 敷 舞 主 任 浅 川 龍 佑 主 任(開議 10時00分)
△開議の宣告
○
島田玲子議長 おはようございます。 引き続きご苦労さまです。 ただいまから令和6年3月定例会第9日の会議を開きます。
△市政に対する
代表質問
○
島田玲子議長 市政に対する
代表質問を行います。 23番
山田裕子議員。 市長、教育長に対する5件の質問事項について発言を許します。(拍手) 〔23番
山田裕子議員登壇〕
◆23番(
山田裕子議員) おはようございます。議長の許可がありましたので、
越谷市民ネットワークを代表して質問いたします。 私たちにとって、会派結成後初めての
代表質問となります。今回は、
施政方針や
教育行政方針の内容のほか、私
たち越谷市民ネットワークが来年度、年間を通して特に進めていきたいと考える施策について取り上げました。感染症、戦争、災害などが世界的に立て続けに起きたここ数年に思い知らされたことは、海外からの輸入がストップすると、自国で食料もエネルギーも調達できなくなるということ。そして、子供や高齢者、障がい者や女性、
性的マイノリティなどに生じた影響は、収束後も長期にわたって続くということです。これらは世界的な問題でありながら、
地域レベルで取り組むことでしか変えることができない問題だと思います。 私たちの好きな言葉に「Think Globally,Act Locally」、地球規模で考えて、地域から行動をという言葉があります。私たちは、
気候危機、食糧難、子供を取り巻く課題や共生社会について、
テーマごとに必ず地域の当事者や支援者と考える場をつくり、行政へ要望するだけでなく、対話を重ね、共に解決法を探ることを心がけてきました。自治に参画をする市民を増やすことは、共に市政に責任を持つ市民を増やすことにつながります。今日の質問も、そうした仲間たちとともに行いたいと思います。 それでは、質問に入ります。1項目め、持続可能な食と農について。1点、環境に配慮した農業の推進について市長にお聞きします。
コロナ禍や戦争、災害や
気候危機などによって食料の輸入が滞ってしまえば、
食料自給率38%の日本では食べるものがなくなり、人々は飢餓に直面すると言われています。
コロナ禍を機に、食料を海外に依存せず、国内農業の振興こそが市民を守る本当の安全保障であるという「
食料安全保障」という言葉も提唱されるようになりました。 こうした中、国においても2022年に「みどりの
食料システム戦略」が策定されました。
気候危機も踏まえ、環境に配慮した持続可能な
食料システムを構築するとして、2050年までに国内における
有機農業の取組面積100万ヘクタールに拡大、輸入原料や化石燃料を原料とする
化学肥料の使用量30%低減などを目標に掲げており、県でも2023年に基本計画が策定されています。しかしながら、
有機農業などの環境に配慮した農業は、従来の慣行栽培に比べ収穫量が減る、手間がかかるなど課題も多く、市内において広げるためには、課題を一つ一つ整理し、できることから着実に進めていくことが必要だと考えます。 私たちは、今年度、自分たちでできる取組として、無肥料、無農薬の米作り、
市内自然農家への定期的な援農を行ったほか、担当課の協力で減農薬かつ
化学肥料を使用していない「
越谷ふるさと米」の圃場見学や生産者との懇談が実現しました。その結果、昨年12月には、「
越谷ふるさと米」が初めて越谷市の
公立保育所における給食で5日間提供され、私たちの望む環境に配慮した農業の拡大と給食などの公共調達による販路拡大の手がかりをつくっていただくことができました。ありがとうございました。 一方で、課題としては、市内ではまだ
有機農業、自然栽培など環境に配慮した営農を行う農家が少ない、就農したくても農地が借りられない、農機具が高額で個人では購入できない、環境に配慮した作物は数量が少ないため、給食活用には農家と各保育施設と学校をつなぐ
コーディネーターの配置が必要などの課題があり、今後はこれらを
関係各課や生産者をはじめ関係者の方々と協議を重ね、解決策を模索してほしいと思います。
施政方針でも、環境に配慮した農業の推進に触れられておりますので、これらを踏まえた取組についてお聞きします。 2項目めに、子どもの権利を守ることについて市長、教育長にお聞きします。1点目に、
こども家庭センターの役割について市長にお聞きします。来年度から
児童福祉法の改正により、
子育て世代における包括的な支援のための体制強化として、
こども家庭センターの設置が努力義務とされたことにより、越谷市でも
相談支援や
児童虐待の防止を担う
子ども安全室と、妊産婦健診や産前産後の
相談支援を担う
子育て世代包括支援センターが統合されることとなりました。 年明けから
児童虐待の報道が後を絶ちません。2月15日には、八戸市で5歳の娘に水を浴びせ放置し、死亡させた事件、2月19日には、1年前に台東区で4歳の娘に化学物質などを飲ませて死亡させた事件の詳細など、痛ましい事件が日々報道されていますが、どちらも自治体や
児童相談所が介入していたにもかかわらず起きてしまった事件であり、家庭への介入の難しさを思い知らされます。越谷市における
児童虐待件数も、2021年度417件、2022年度501件、2023年度見込み654件と増加しています。
こども家庭センターの設置により、通報や相談を受けた後の対応として、従来の対応に加え、新たにどのような施策を講じながら
虐待防止につなげるのかお聞きします。 また、
子育て世代包括支援センターが統合されることにより、産前産後の
相談支援なども
こども家庭センターに移管されることとなります。今年度より始まった越谷市出産・
子育て応援事業との連携で、妊娠期から母親とつながる伴走体制は強化されましたが、産後ケアの施策に関しては不十分だと感じています。特に産後の不安定な時期に、産後ケアによるデイケアやショートステイで心身を休められることは、産後鬱の防止や
児童虐待防止に効果的ですが、現在は予期せぬ妊娠や貧困、DV、若年妊娠などで子供を育てるのが難しく、出産前から支援が特に必要とされる特定妊婦に登録されなければ対象とならず、子育てで孤立しがちな現代においては、誰もが利用できるべきだと考えます。 また、一時的な赤ちゃんやお母さんのケアだけでなく、食事作りやお風呂掃除などの
家事支援策を導入することもお母さんには現実的な支援となり、行政にとっては産後鬱や虐待の兆候を見逃さないための
アウトリーチにもなります。産後の女性に寄り添い、心身のケアから
家事支援までを行う「産後ドゥーラ」という民間資格があります。現在では、東京都中野区をはじめ複数の自治体で産後
ケアサポート事業として採用されているほか、養成講座の助成まで行って人材育成に力を入れている自治体もあります。こうした産後ドゥーラをはじめとする
家事支援の導入、また担い手の育成についてはどのようにお考えでしょうか。これらを含めた来年度からの
こども家庭センターの役割についてお聞きします。 2点目に、子どもの
居場所づくりについて市長にお聞きします。孤立した子育てや
児童虐待を未然に防ぐためには、地域との連携が不可欠です。
虐待防止の
体制づくりと並行して、子供が安心して自分のことを話せる地域の居場所を増やし、担い手をサポートすることも行政の重要な仕事だと言えます。子供の居場所のありようもまた、毎年の社会情勢に合わせて変化しています。 数年前に新たな居場所として代表的な存在になった
子ども食堂に加え、今では1つの団体で
子ども食堂だけでなく、
独り親家庭等を中心に食料を配布するフードパントリーや
学習支援などを行う団体が増えています。こうした食支援の活動は、ほとんどが任意団体や個人のボランティアで行われているため、地域で居場所として認知され、活動を継続するためには、行政の支援が欠かせません。新たに子供の
居場所づくりを検討される方への
開設アドバイスや越谷市内の子供の
居場所マップをつくるなどの周知啓発は、来年度どの程度検討されているでしょうか。また、県内様々な場所から食材を頂くことがあるものの、運搬に多大な手間を要することから、市内に中間拠点をつくれないか。また、拠点があれば、市内企業からの食材提供も積極的に受けられるのではないかといった要望も聞いております。草加市では、2022年から
市内スーパーとの連携で、「コミュニティフリッジ」という、
独り親世帯などが登録して、寄附された食品を冷蔵庫からいつでも持ち帰ることができる全国初の取組をスタートさせており、こうした取組も参考にしながら、各団体に合った支援を行っていただきたいと考えますが、来年度に向けての展開をお聞きします。 3点目に、
インクルーシブ教育についてお聞きします。障がいのある子とない子が共に学び、共に育つことは私たちの切実な願いです。国連の障害者
権利委員会は、日本の
特別支援教育を分離教育だと批判し、中止を勧告していますが、文科省は
特別支援学校や
特別支援学級など、多様な学びの場を用意して障がい者教育を進めていくという立場を崩していません。しかし、学ぶ場を分けられて育った子供は、大人になってから突然障がいのある人と自然に過ごせるようになるには長い時間がかかり、障がい者への差別や偏見、間違った先入観を持ってしまうことにつながります。新座市では、「共に育ち、学ぶ」と題した就学相談のしおりで、「就学先については最終的に本人・保護者の選択により、決定権は保護者にあること」、「
就学支援委員会の判断は、
特別支援学校や
特別支援学級を希望している親子に対して行うもので、通常学級を希望している親子に対しては行わない」ことを明言しています。 越谷市としても、どの子にも
インクルーシブな教育環境を保障することを一歩踏み込んで明言すべきではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。 4点目に、不登校について教育長にお聞きします。3月に入り、多くの児童生徒は、卒業式に向けた練習を始めていることかと思います。学校の前を通り、卒業式で歌うと思われる歌が聞こえてくるようになると、不登校の
子供たちは、どこで
卒業証書を受け取るのだろうかと寂しい気持ちになります。校長室などでひっそりと
卒業証書を受け取る
子供たちが越谷市にはどのくらいいるのだろうかと思います。先の見えない時代の中で、今後も不登校は増え続けると思います。大切なことは、不登校をなくすことではなく、子供と保護者それぞれが安心して自分のことを話したり、
情報交換ができる機会や場所をつくることだと思います。 これまで子供に対しては学校以外の居場所の確保、保護者に対しては
保護者同士で悩みを相談できる場づくり、子供の将来に向けては定時制や
通信制高校に特化した進路指導などを求めてきましたが、来年度の不登校に対する支援はどこまで前進するのでしょうか。また、
中学卒業を迎える不登校の生徒の中には、
中学卒業後も進路が確定せず、継続した支援が必要な子供もいます。こうした子供へのフォローについてもお聞きします。 3項目めに、障害者と多様な働き方について市長にお聞きします。1点目に、庁内における
障害者雇用についてお聞きします。2024年4月より、障がい者雇用の
法定雇用率が改定され、
公的機関の場合は現行の2.6%から3.0%に引き上げられます。越谷市のホームページを確認しますと、市長部局において障がい
者雇用人数は59人、実雇用率を算定すると2.45%で、雇用率の達成には現在3人の不足があると記載されています。2026年度にも引上げが予定されていることからも、さらなる障がい者雇用の取組推進が求められます。現在の知的・精神障がい者の
雇用状況や
チャレンジ雇用の状況、
チャレンジ雇用でスキルを積んだ方のその後の民間企業への就労についてはどのような状況でしょうか。今後の庁内における障がい
者雇用推進の取組と併せてお聞かせください。 2点目に、越谷市
障害者地域適応支援事業についてお聞きします。越谷市
障害者地域適応支援事業は、全国でも珍しい越谷市独自の取組で、就労までは難しい障がい者が職員等の支援を受けながら、市役所をはじめとする地域の職場で職場実習を行う取組です。この事業のよいところは、障がい者が職場に適応するためというよりも、職場が障がい者とともに働くことに適応していくためにあるところです。障がいのある人がせっかく役所や企業に就労できても、障がいの種別や特性を理由に、ほかの職員と別の個室を与えられたり、職場とは離れた場所で作業するのであれば、それは共に働いていることにはなりません。そうした状況を防ぐためにも、この事業は貴重であり、庁内をはじめできるだけ多くの職場で、できるだけ多くの障がい者が来庁する、市民と近いところで
職場実習ができるようにすべきです。2019年度には、
公的機関15か所、
民間事業所3か所での実習に延べ21人が参加したとのことですが、その後の実施状況と来年度の実施予定をお聞かせください。 3点目に、
協同労働の推進についてお聞きします。
協同労働とは、例えば
コミュニティカフェ、地場野菜を使った弁当店、子供の
学習支援、高齢者の介護や
買物支援など地域に必要な仕事を、働く人が組合員となり共同で出資して起業する仕組みで、2022年に
労働者協同組合法ができたことによって、より働きやすく制度化されました。市内でも、ワーカーズコープやワーカーズコレクティブといった名称がつく事業所が幾つかありますが、全て
協同労働の事業所です。
協同労働の制度には、経営者と労働者といった関係性はなく、全ての組合員が対等な関係であることから、障がいや生きづらさを抱えた人が柔軟に就労しやすい新しい働き方として注目されていますが、越谷市ではまだ認知度が低いのが現状です。全国的には、広島市が「「
協同労働」
プラットフォーム事業」を展開し、
協同労働の仕組みを活用して
地域課題の解決に取り組みたい市民向けに、リーフレットの作成や
立ち上げ費用の補助、
専門コーディネーターによる
立ち上げ支援を行った結果、事業開始から10年間で32事業所350人以上の雇用を創出しています。
地域課題の解決とともに、障がいのある人にとっても働きやすい
協同労働の仕組みを越谷市としても周知啓発していただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。 4項目めに、
ケアラー支援について市長にお聞きします。1点目に、
ケアラー・ヤングケアラー実態調査結果と今後の取組についてお聞きします。昨年夏に行った令和5年度越谷市
ケアラー・ヤングケアラー実態調査結果が公表されました。調査によると、
ケアラーの約60%が60歳以上、約70%が女性、若年層では小学生で約18人に1人、中学生で約45人に1人、高校生では70人に1人が
ヤングケアラーに当てはまる、当てはまっていた時期があると回答しています。
質問項目が多岐にわたるため、分析は難しいかもしれませんが、
ケアラー、
ヤングケアラー両方の調査で、家族で支えられていると考えているという意識や、問題を抱えていても家庭内の問題として表面化しにくく、また介入もしづらいといった意識から、支援につながりにくい状況が浮き彫りになったと感じます。 また、
ケアラーを支援する団体からの回答では、
ケアラーに求められる支援として、
ケアラーに役立つ
情報提供が65.7%と多かったことが印象的でした。これを受け、
ケアラー支援に必要な
情報提供は、どこの担当課がどのような方法で行っていくのでしょうか。
ケアラー支援は、庁内連携が不可欠であるため、
高齢者介護の部署内に事務局を置くのではなく、障がい福祉や子供施策とも連携しやすいように
ケアラー支援の担当部署を立ち上げ、
ケアラー施策を牽引することが理想です。しかし、そういった大きな組織改編が難しいのであれば、次善の策としてできることは、庁内で
ケアラー支援のための研修を行い、
ケアラーの概念を理解し、
ケアラーに必要な支援や
情報提供ができる職員を
関係各課に増やしていくべきではないでしょうか。 また、同様に市民に対しても、同じ悩みを抱えた
ケアラー同士で集まり、悩みを打ち明け、
情報交換ができる
介護者サロンの
担い手研修を行い、地域に
介護者サロンを増やしてくことも必要ではないでしょうか。これらを含め、越谷市として
実態調査結果をどのように分析し、具体的にはどのような支援策を講じていかれるかお聞きします。 2点目に、
ケアラー支援条例を制定することについてお聞きします。市長は、介護者の実態を調査し、
ケアラー支援条例の制定によって介護者を支えることを政策に掲げておられます。国では、
こども家庭庁が、子ども・
若者育成支援推進法の改正案で、
ヤングケアラーを国や自治体、民間団体が支援すべき対象と定義する方向で、これまで位置づけがなかった
ヤングケアラー支援の根拠が明確になることは歓迎すべきことだとも思います。同時に、自治体においては、
ヤングケアラーもやがては大人になるため、子供から大人まで全ての
ケアラーが人間らしく生きる権利を保障する、
ケアラー支援の体系的な条例が必要だとも考えます。 そこで、
実態調査が終わった来年度のタイミングで、越谷市主催の
ケアラーシンポジウムを開催するなどし、いま一度当事者や有識者、
行政関係者とともに、越谷市における
ケアラーの実態について共通認識を深め、条例化や
具体的施策への道筋をつけていただきたいと考えますが、お考えをお聞きします。 5項目めに、
男女共同参画について。「ほっと越谷」の運営について市長にお聞きします。今週金曜日、3月8日は、
世界国際女性デーです。1904年にアメリカの
女性たちが参政権を求めてデモを行った日で、その後国連が「広く女性の社会参加を呼びかける日」として正式に制定しました。抑圧に声を上げてきた
女性たちがいたからこそ、今日の状況があります。越谷市の
男女共同参画においても、女性職員の粘り強い働きかけによって、市民参加型で越谷市男女共生の
まちづくり市民会議が設置され、その後、情熱ある
女性たちが
指定管理受託のために
NPO法人を立ち上げ、13年間運営してきたことが今日の「ほっと越谷」をつくり上げています。 私は、昨年3月定例会の
代表質問でも、「ほっと越谷」の運営の在り方と
指定管理者制度の問題点について質問させていただきましたが、その真意は、「ほっと越谷」という
名称そのもののように、生きづらさを抱えた方が、ありのままでいられる場所だと心から安心でき、自分自身を取り戻せる場所であり続けてほしいという思いからです。そして、そのような温かい場所は、
仕様書どおりに委託をすれば自動的につくられるものではなく、これまでのように市民と行政と
指定管理者が相互に育て合っていくことでつくられると思います。
男女共同参画支援センターは、女性の権利だけでなく全ての人権の
センターであり、戦争やネット上における
外国人排斥などのヘイトクライムも再び激しさを増す中、その機能はますます重要になっています。専門性と経験が求められるはずの
男女共同参画支援センター職員が不安定な雇用下に置かれざるを得ない
指定管理者制度の問題点については、また別の機会に取り上げますが、まずは活動団体など市民の代表、有識者、行政、
指定管理者が
センターの事業や運営について意見交換し、市民の意見を反映できる
運営協議会のような仕組みを設置していただけないでしょうか。札幌市、港区、調布市など、
男女共同参画支援センターの特性に鑑み、
運営協議会を設置している自治体は数多くあります。人権・
男女共同参画施策を後退させないための「ほっと越谷」の運営の在り方についてお聞きします。質問は以上です。
○
島田玲子議長 ただいまの質問に対し、市長、教育長の答弁を求めます。 〔福田 晃市長登壇〕
◎福田晃市長 それでは、ただいまの山田議員さんのご質問に順次お答えをいたします。 まず、持続可能な食と農についてのお尋ねでございますが。環境に配慮した農業の推進につきましては。令和5年3月、みどりの
食料システム法に基づき、地域の
食料システムの在り方や促進すべき具体的な取組内容等を示した埼玉県環境負荷低減事業活動促進基本計画を、埼玉県と本市を含む県内全63市町村の共同により策定しております。これを踏まえ、本市といたしましては、
化学肥料の使用量を減らすなど、農業による環境負荷の低減に向けた取組を推進する必要がございます。また、健康志向や環境保全への意識が高い消費者が増加しており、農薬や
化学肥料を抑えた手法で栽培される農産物は付加価値が高まり、一般的な農産物と比較して取引価格が高い傾向にあります。 そのような中で、環境負荷を低減する取組の一つとして、対象農薬の使用回数や
化学肥料の窒素成分量が埼玉県の定める一般的な基準の50%以下で栽培される特別栽培農産物がございます。この特別栽培農産物は、有機農産物と比較して取り組みやすい栽培方法であり、また取引価格の向上も期待できることから、本定例会において生産を促進するための予算を計上させていただいております。今後は、越谷市農業協同組合と連携し、農業者に対して周知啓発するとともに、生産支援に取り組んでまいります。 また、環境に配慮し、生き物にも優しい作り方をしている「
越谷ふるさと米」も生産支援の対象とし、生産量の拡大につなげてまいりたいと考えております。また、給食における活用につきましては、一般的な米と比較して、栽培に手間がかかり、現時点では生産量が少ないといった課題があるため、生産者の皆様及び越谷市農業協同組合のご意見を伺いながら、引き続き関係課において検討を進めてまいります。 本市といたしましては、今後とも
有機農業に限らず、環境負荷を低減した農業を推進するとともに、農業者の所得向上や新規就農者の確保に向けた支援など、持続可能な農業の実現に向けて取り組んでまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。 次に、子どもの権利を守ることについてにおける
こども家庭センターの役割につきましては。子供に対する虐待事例は全国的に増加傾向にあり、子供や子育て家庭を取り巻く環境は厳しいものとなっております。子育て世帯の包括的な支援の体制強化を目的に、
児童福祉法の一部改正がされることを受け、本市では令和6年4月から、
こども家庭センターを設置いたします。具体的な取組として、現在行っている伴走型
相談支援について、保健師の増員による対応強化と併せ、支援が必要な家庭を把握した場合には、対象者の意向を踏まえたサポートプランの作成を令和6年度より開始します。これを基に保健、福祉等の関係機関による支援を行うことにより、育児不安の軽減、虐待の発生予防や早期発見の効果が高まると認識しております。 さらに、虐待リスクの高い事案に対しては、組織が一体化することにより、児童福祉と母子保健のそれぞれの専門職の視点から、合同のケース会議で対応を検討することで、より効果的な支援や
児童虐待の防止につながるものと考えております。 また、産後ケア事業につきましては、越谷市医師会及び助産師会にご協力をいただき、宿泊型、訪問型、通所型の3種類の支援サービスを行っております。支援の内容といたしましては、新生児及び乳児の状況も踏まえ、保健師、助産師と相談しながら適切なサービスを選び、授乳の指導及び乳房ケアなどの育児指導のほか、通所型、宿泊型については食事の提供も行っており、心身の疲れが蓄積している場合には、母親が休息できるように促すなど、サービス内容の拡充に努めてまいりました。 さらに、令和6年度からは、国の母子保健医療対策総合支援事業に基づき、産後ケア事業の宿泊型における利用者負担額について、1泊につき2,500円の減免を予定しております。 お尋ねの調理補助や掃除等を行う
家事支援等に関する費用補助につきましては、現在本市では行っておりませんが、必要な方には令和4年度末から給付を開始した出産・子育て応援給付金を活用していただきながら、民間サービスの利用をご案内しております。 また、ご提案の産後ドゥーラは、民間が出産前後の女性支援の専門家の育成及び認定を行っているもので、母親に寄り添い、産後の身体の回復のための
家事支援や育児支援、母親の育児不安の相談などを有料で行っております。産後ケア支援につきましては、特に産後の不安定な時期に対する支援が必要であることは、本市といたしましても十分認識しておりますので、さらなる産後ケア支援の充実に努めてまいります。 これらを踏まえ、
こども家庭センターは、従来の
子育て世代包括支援センターと子ども・家庭総合支援拠点が有してきた機能を引き続き生かしながら、一体的な組織として全ての妊産婦、子育て世帯や子供に対する切れ目ない支援を行い、虐待の発生を予防する役割を担ってまいります。今後につきましても、
こども家庭センターが中心となり、未来ある子供の命を守ることを第一に、子供や子育て家庭への支援に取り組んでまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。 次に、子どもの
居場所づくりについてのお尋ねでございますが。令和5年12月22日に、政府は「こどもの
居場所づくりに関する指針」を閣議決定しました。この指針では、
居場所づくりを進めるに当たっての基本的な視点として、これまで地方公共団体の児童館や民間団体が運営する
子ども食堂など、多様な機関が担い手となってきたことを踏まえ、居場所の性格や機能に応じて官民が連携、協働して取り組むことが必要であると示されております。本市では、これまで子供の
居場所づくりについては、児童館や放課後子ども教室、プレーパークなど、市を主体として整備してまいりましたが、今般、国が示した指針を踏まえ、民間主導の居場所の取組への支援も重要と認識しております。 こうした中、ご指摘の
子ども食堂は、地域の
NPO法人やボランティア団体が運営主体として、食事の提供による孤食の解消をはじめ、食育の推進、地域交流の場など、様々な機能があります。また、本市における
子ども食堂との連携については、令和5年度に
子ども食堂の運営者を対象に意見交換会を2回開催しました。そこでは、食堂の周知が難しい、資金のやりくりが大変、新規開設のスタートブックがあってもよいといったお声をいただいております。これを受けて、令和6年度は、市内で
子ども食堂を運営する団体に対する補助制度を創設するとともに、
子ども食堂を新たに開設する方への開設の手引の作成や市内の
子ども食堂のさらなる周知に取り組むなど、多様な子供の
居場所づくりを進めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。 次に、障害者と多様な働き方についてのうち、まず庁内における
障害者雇用についてのお尋ねでございますが。本市では、障がい者の働く場を確保するための取組として、平成10年度から身体障がい者を対象として、令和元年度からは障がいの種別にかかわりなく正規職員の採用試験を実施しております。また、平成30年度から性別、年齢、障がいの種別にかかわりなく、将来民間企業への就職を目指している方を対象に、いわゆる
チャレンジ雇用として会計年度任用職員の募集、選考を行っております。お尋ねの知的・精神障がいのある職員については、現在会計年度任用職員を含め26人となっております。 次に、障がいのある方の就労状況ですが、正規職員については、採用後、本人の個性や適性を踏まえて、その他の職員と同様に配置をしており、
チャレンジ雇用については、人事課においてデータ入力作業や封入作業などに当たるとともに、本人の適性を見ながら、市民課や農業技術
センターなどの部署に数か月間勤務し、補助的な業務に当たることで、キャリア形成を目的としたスキルの向上も図っております。こうした経験の積み重ねにより、退職後、本市をはじめ他自治体での正規採用に結びついたという事例も複数伺っております。 今後につきましては、就労移行支援事業所をはじめとした職員募集の周知範囲をさらに拡大するなど、法改正による
法定雇用率の引上げを見据えた上で、積極的な採用活動に努めるとともに、従事する業務の切り出しや就労スペースの拡充など、当該職員が能力を最大限に発揮できるよう、職場環境の整備にも鋭意取り組んでまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。 次に、越谷市
障害者地域適応支援事業についてのお尋ねでございますが。障がいのある方の適性に合った就労支援として、主に一般就労が難しい方を対象に、就労のための準備や地域で暮らしていくための適応力をつけるため、公共機関や
民間事業所など、実際の職場での実習を行う
障害者地域適応支援事業を実施しております。この事業では、障がいのある方が単に職場体験や作業体験をし、自己完結するのではなく、職場の従業員やその場を利用する市民が、障がいのある方と共に働くことのイメージを広げられることを目的としており、双方が共に働きやすい環境づくりを目指しています。 令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により事業を中止しましたが、令和3年度は公共機関では市役所を含む9か所、
民間事業所では3か所で16人の方が、令和4年度は公共機関10か所、
民間事業所6か所で20人の方が職場での実習を行いました。今年度も公共機関13か所、
民間事業所3か所で18人の方が、ふだん通所している障害者施設の職員などの支援を受けながら、様々な職場でポスター折りや清掃、農園での収穫作業などの実習を行いました。これまでの実習後のアンケート結果からは、「楽しく学習ができた」、「安心して仕事を任せることができた」などの声をいただいており、障がいのある方と従業員が共に働くことに適応していくという事業の目的が果たせたと考えております。引き続き、障がいの種別や適性に応じた
職場実習が行えるよう、また多くの公共機関や
民間事業所が実習の受入先となっていただけるよう取組を進めてまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。 次に、
協同労働の推進についてのお尋ねでございますが。
協同労働は、自ら出資し、自ら事業の運営に携わり、自ら事業に従事する働き方であり、仕事と暮らしの調和を図り、主体的に就労することが可能となる新しい働き方として注目されております。また、令和4年10月には、
労働者協同組合法が施行され、
協同労働の推進についての機運が高まっております。同法では、
協同労働を推進する法人組織として、労働者協同組合を設立する際に県に届け出ることになっており、県による法人設立に向けた研修会が開催されるなど、制度の周知が図られているところでございます。本市では、これまで県が主催する研修会に参加するなど情報収集してまいりました。 全国的な事例としては、兵庫県尼崎市の労働者協同組合はんしんワーカーズコープが実施する高齢者生きがい支援事業や、新潟県関川村の労働者協同組合パンプアップせきかわが実施する農産物のインターネット販売事業がございます。また、広島県広島市が実施する
協同労働プラットフォーム事業では、
協同労働の仕組みを活用した
地域課題の解決に取り組むプロジェクトの立ち上げを支援しております。
協同労働は、地域の課題解決や多様な人材が活躍できる機会の創出並びに主体的な働き方の実現、さらには労働者協同組合という組織形態を通じた仕事おこしが期待できると言われております。引き続き調査研究するとともに、コミュニティビジネスに関連するセミナー等において全国的な事例や制度の周知等に取り組んでまいります。 次に、
ケアラー支援についてのうち、
ケアラー・ヤングケアラー実態調査結果と今後の取組についてのお尋ねでございますが。令和5年6月19日から7月31日までの約1か月半の期間で、高齢者、障がい者等の
ケアラーとその支援団体等を対象として
ケアラー実態調査を、また市内小学4年生から中学3年生及び市内県立高校全生徒と
ヤングケアラーに関わりのある機関等を対象として、
ヤングケアラー実態調査を実施いたしました。
ケアラーへの調査では、対象者数1,237人に対し、回答数は567人、回答率は45.8%、
ケアラー支援団体等への調査では、対象団体数98団体に対し、回答数は67団体、回答率は68.4%でございました。 また、小中学生への調査では、対象者数1万7,205人に対し、回答数は1万3,375人、回答率は77.7%、高校生への調査では、対象者数5,652人に対し、回答数は927人、回答率は16.4%、
ヤングケアラーと関わりのある機関等への調査では、対象団体数281団体に対し、回答数は190団体、回答率は67.6%でございました。 この調査の結果、
ケアラーについては、年齢や性別、ケアや就労の状況、悩みの内容、求めている支援など、いずれも埼玉県と比較し、おおむね大きな違いはございませんでしたが、本市においても
ケアラー自身の高齢化や、代わりにケアを担う人が不在なことで、身体的な不調を抱えながら長時間のケアを行っている方がいることを認識したところです。 また、小中学生を対象とした調査では、「
ヤングケアラーに当てはまる」と回答した割合が、小学生で5.6%、中学生で2.2%となっており、令和2年度に国が中学2年生を対象に実施した調査結果1.8%と比較すると、本市の中学生のほうが若干高い数値となっております。一方で、高校生を対象とした同じ質問では、市内在住の生徒で0.3%となっており、令和2年度に埼玉県が高校2年生を対象に実施した調査結果4.1%と比較すると、本市の高校生のほうが低い数値となっております。 このように今回の調査では、小学生から中学生、そして高校生へと成長するにつれて、
ヤングケアラーに当てはまると自覚している方は減少しております。これは、ケアの対象が幼い兄弟姉妹が多いことも一因ではないかと考えております。しかし、お世話の頻度が「ほぼ毎日」と回答した割合は、小学生で15.6%、中学生で10.2%となっており、「
ヤングケアラーに当てはまる」と回答した割合より大幅に高いことから、
ヤングケアラーの認識がない児童生徒もいる可能性があることや、
ヤングケアラーとの関わりがある機関から、家庭内の問題として表面化しにくいという課題が挙げられていることなどから、その支援の難しさを改めて感じているところです。 この調査結果を受けての今後の支援策についてでございますが、まずご提案にございました
ケアラー支援の担当部署の設置についてですが、
ケアラー支援は高齢者福祉に限らず、複数の分野の
関係各課所で分野横断的に取り組む必要があることから、現在
ケアラー支援を協議する会議を設置し、庁内連携体制の構築を進めているところです。担当部署の設置につきましては、
ケアラー支援の内容が広範囲にわたり、その業務に当たる者には相当の専門性が必要であることを踏まえながら、引き続き慎重に検討する必要があると考えております。
介護者サロンにつきましては、現在市民や介護事業所等により、市内5か所で運営されておりますが、今回の
実態調査でも気軽に
情報交換できる環境が求められております。また、埼玉県では、
ケアラー支援計画に基づき、
介護者サロン設置運営研修を地域包括支援
センター職員や県民等を対象に、本市を含む県内全4会場にて本年度に初めて開催し、合計73人の参加があったと伺っております。こうしたことを踏まえ、まずは既存の
介護者サロンと連携しながら、その周知を進め、利用促進を図る必要があると考えております。 今後につきましては、調査結果の市ホームページによる公表に加え、調査にご協力いただいた関係機関、団体にフィードバックし、情報共有を図ってまいります。また、庁内横断的に関係機関、団体を含めた支援体制の整備を進めるとともに、具体的な支援内容等について、埼玉県の
ケアラー支援計画における取組も参考にして検討を進めてまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。 次に、
ケアラー支援条例を制定することについてのお尋ねでございますが。これは私の選挙公約でもあり、所信表明で申し上げたとおり、鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますが、現在国では、今通常国会において、子ども・
若者育成支援推進法の改正法案を提出し、
ヤングケアラー支援の法制化に向けた動きを進めております。このことから、条例制定につきましては、国の動向を注視するとともに、他自治体の取組も参考にしながら、条例制定までのプロセスも含めて検討を進めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。 次に、
男女共同参画について。「ほっと越谷」の運営についてのお尋ねでございますが。
男女共同参画支援センター「ほっと越谷」は、本市の
男女共同参画を推進する拠点施設として平成13年7月に開設し、学習、情報、交流、相談に関する事業を展開してまいりました。平成21年4月からは、
指定管理者制度を導入し、民間団体の専門性を活用することにより、施設機能を一層発揮させ、
男女共同参画を効果的に推進しています。指定管理に当たっては、第4次越谷市
男女共同参画計画の前期実施計画に位置づける24事業を中心に実施することとしており、主管課である人権・
男女共同参画推進課との定期的な会議による協議のほか、随時調整を行っています。現在の
指定管理者は、他自治体における市民活動支援を中心とした指定管理業務の実績を有しており、そのノウハウを生かしつつ、登録団体と共同で講座を開催するなどの工夫により、順調に運営を行っていると考えております。 山田議員さんから、活動団体など市民の代表、有識者、行政、
指定管理者が
センターの事業や運営について意見交換し、市民の意見を反映できる場の設置をとのご提案がございましたが、越谷市
男女共同参画推進条例により設置する
男女共同参画推進委員会がその役目を担っております。この委員会は、
男女共同参画の推進に関する活動を行っている団体、その他の団体の代表、公募による市民、有識者により構成され、「ほっと越谷」登録団体からも委員を選出いただいています。会議においては、
男女共同参画計画の策定をはじめ、本市における
男女共同参画推進に関する取組状況などについて審議していますが、事務局の一員として「ほっと越谷」所長も出席し、「ほっと越谷」の事業などに関して委員の皆様からのご意見をいただく機会も設けております。 なお、令和4年度は、
指定管理者が変更となった初年度ということもございましたことから、第2回目の会議を「ほっと越谷」において開催し、運営状況や次年度以降の事業の進め方についてご意見をいただきました。また、昨年3月の定例会におきましても同様のお尋ねがございましたが、今年度は年2回の登録団体会議のほかに、登録団体有志の方が中心となり、団体同士の
情報交換会を開催したと伺っております。山田議員さんがおっしゃるように、「ほっと越谷」開設から22年で、市民との協働による
男女共同参画推進の土壌が着実に醸成されてきたものと考えております。
男女共同参画社会の実現には、行政だけでなく、市民や事業者、
指定管理者が一丸となって取り組む必要がございます。 今後につきましても、登録団体をはじめとした市民と行政、
指定管理者との意見交換の場を設けることについて検討するとともに、第4次越谷市
男女共同参画計画に基づき、
男女共同参画の推進に努めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。私からは以上となります。
○
島田玲子議長 次に、教育長。 〔吉田 茂教育長登壇〕
◎吉田茂教育長 それでは、ただいまの山田議員さんのご質問に順次お答えをいたします。 子どもの権利を守ることについてのお尋ねでございますが。
インクルーシブ教育については。2006年12月に国連総会にて採択された障害者の権利に関する条約の批准を受け、2012年に中央教育審議会初等中等教育分科会の報告において、共生社会の形成に向けた
インクルーシブ教育システムの構築が重要と示されました。教育委員会といたしましても、
インクルーシブ教育システムの構築が重要であると捉え、子供が可能な限り、同じ場で学ぶことを目指すとともに、通常の学級、通級による指導、
特別支援学級、
特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場において、教育的ニーズに応じた必要な支援が行われるよう推進しております。 教育
センターにおいては、子供の就学や発達に不安や悩みを持っている保護者との面談を繰り返し実施しておりますが、
特別支援学級や通級等の就学を検討するケースについては、越谷市においても最終的な就学先の決定は保護者の意向が最大限尊重されるという仕組みをあらかじめ説明しております。その上で、
特別支援学級や
特別支援学校への就学に当たっては、越谷市障害児
就学支援委員会にて協議し、児童生徒や保護者の願い、教育的ニーズ、専門家の考えなどを総合的に判断して、就学先に関する合意形成を図っております。今後については、就学相談の流れや仕組みについて、1回目の面談で紙面にて配付したり、ホームページに掲載したりするなど周知してまいります。 一方、教育委員会では、
インクルーシブ教育システムの理念や就学の仕組みの理解促進、教職員の資質向上に向け、発達支援訪問指導や教職員の研修を実施するとともに、各学校への
特別支援教育支援員の配置や施設設備の充実に努めております。各学校においては、
特別支援学級在籍の子供が通常学級で交流したり、共同学習を行ったりすることや、
特別支援学校の子供と地域の小中学校の子供が共に活動する埼玉県独自の取組である支援籍学習を実施し、互いを尊重し合う心を育んでおります。 教育委員会といたしましては、今後も国及び県の方針を踏まえ、共生社会の形成に向けた
インクルーシブ教育システムの構築のための
特別支援教育の充実に向けて、保護者及び各学校への周知及び理解促進を図り、共に学ぶ機会の充実と多様な学びの場の整備を進めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。 次に、不登校については、不登校児童生徒数は増加傾向にあり、その要因も多様化、複雑化しております。このような状況の中、本市においては、不登校児童生徒及び保護者が相談できる場や居場所を確保することが重要であると捉え、様々な相談窓口や多様な学びの場の整備に努めてまいりました。具体的には、
保護者同士で悩みを相談できる場として、適応指導教室「おあしす」の懇談会や進路学習会を開催しました。また、不登校の子を持つ保護者の体験談を聞いたり、
保護者同士が交流したりできる場である青少年課主催「わくわく体験プロジェクト」の案内を保護者連絡アプリを活用し、保護者への周知に努めてまいりました。 さらに、今年1月に、学校教育に特化したサブサイト「GIGAKOSHIGAYA」を市のホームページ上に開設し、その中に教育相談専門ページを設けました。本ページは、様々な相談窓口の案内や中学校卒業後の相談窓口一覧などを集約しており、一目で分かるように工夫して掲載しております。 不登校児童生徒の多様な学びの場につきましては、さわやか相談室や適応指導教室「おあしす」に加えて、自宅などで過ごすことが多い児童生徒にオンライン授業配信の実施や、新たに「オンラインおあしす」を開設するなど、一人一人の状況に応じた学びの場の整備に一層努めてまいりました。 次年度の新たな不登校支援につきましては、2学期開始となる8月下旬の開室を目途に、適応指導教室「おあしす」を増設できるよう現在準備を進めております。また、教室に入ることが難しい児童にとって、自分に合ったペースで学習や生活ができる場となるよう、スペシャルサポートルームを小学校から段階的に設置してまいります。さらに、様々な高校や進路についての情報が得られるよう、定時制、
通信制高校の関係者を招いての進路説明会の開催に取り組んでまいります。 なお、中学校不登校生徒への進路支援については、適応指導教室「おあしす」において通室している生徒に対し、進学先についての相談や面接練習など進路支援を行っております。また、中学校卒業後の相談先については、必要に応じてこころの健康支援室や青少年相談室などを紹介しており、今月中には中学校卒業後の相談窓口が掲載されている青少年課作成のリーフレットを保護者連絡アプリにて配信いたします。さらに、次年度新たに設置する
こども家庭センターとの連携も図ってまいります。 教育委員会といたしましては、今後も不登校児童生徒や保護者が悩みや不安を話すことができる場や多様な学びの場の確保のため、より一層の支援の充実に努めてまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
○
島田玲子議長 ただいまの答弁に対し、続けての質問はありませんか。(23番
山田裕子議員「ありません」と言う) 以上で
山田裕子議員の質問を終了いたします。
△休憩の宣告
○
島田玲子議長 この際、暫時休憩いたします。 (休憩 11時03分) ◇ (開議 13時00分)
△開議の宣告
○
島田玲子議長 休憩前に引き続き会議を開きます。
△市政に対する
代表質問
○
島田玲子議長 市政に対する
代表質問を続けます。 8番 小林成好議員。 市長、教育長に対する3件の質問事項について発言を許します。(拍手) 〔8番 小林成好議員登壇〕
◆8番(小林成好議員) 8番、日本維新の会、小林成好です。議長の許可をいただきましたので、日本維新の会を代表いたしまして、通告に従い順次質問させていただきますが、まずは質問に先立ちまして、このたびの令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々にお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様並びにそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。被害に遭われた地域の方々のご無事をお祈り申し上げるとともに、被災地の一日も早い復興、そして被災された皆様の生活が一日も早く平穏に復することを心よりお祈り申し上げます。 それでは、質問に入らせていただきます。まず、越谷市のふるさと納税についてお尋ねします。昨年末は、テレビでずっと流れていた印象のふるさと納税サイトのCMですが、年々利用者が増えており、2022年は約890万人が利用し、寄附された総額も約1兆円と過去最高を更新しました。ふるさと納税は、自分のふるさとや応援したい自治体など、好きな自治体を選んで寄附することで、税金の還付、控除が受けられる仕組みとなっており、寄附金額の3割分の寄附した自治体の名産品などが受け取れます。例えばふるさと納税限度額のうち5万円を寄附した場合、翌年の住民税や所得税から2,000円を超える4万8,000円が減額される一方、寄附額の3割、1万5,000円以内の返礼品が受け取れます。平たく言えば、実質2,000円の負担で寄附額の3割の名産品が頂けるわけです。この制度は、利用者にとってメリットが非常に大きく、限度額を超えなければデメリットもないので、今後も利用拡大されていくことと推測されます。 他方、自治体としては明暗が分かれており、寄附を集めた額トップの宮崎県都城市では、約195億円を集めたそうです。都城市といえば、マイナンバーカードの交付率でもずっと先頭で全体を引っ張ってきた市でもあります。進取の気性に富んだ役所で注目に値すると思います。他方、減収額では、大きい順に横浜市272億円、名古屋市159億円、大阪市148億円、川崎市121億円、世田谷区98億円と都市部の政令市が多くなっています。特に世田谷区は、政令市ではない自治体としては一番多い減収額となっており、地方交付税の不交付団体となっているため、補填もありませんので、そのまま全額が減収となり、今後このような状態が続けば、学校などの改築や改修に影響が出ると区長さんは述べています。 都市部としては、多くの税金が流出している一方、地方としては18歳まで育ててきた
子供たちを都会に吸収されているのは不公平との意見もあり、私の理想としては、都会のお金持ちが田舎に寄附することだと考えます。しかし、今の制度は、逆に地方の自治体から都会の自治体への寄附も起こり得る制度となっており、いわばみんながライバルの自治体間競争となっています。まさに役所の力量が試されていると言っても過言ではないわけであります。 越谷市の状況はどうでしょうか。総務省発表のデータを見てみると、2020年、受入額700万円に対して流出額7億1,700万円、2021年、受入額1,600万円に対して流出額9億2,300万円、2022年、受入額3,400万円に対して流出額11億2,600万円と大きく流出過多が続いてます。2022年度の市税収入の予算が476億円でしたから、11億円は実に2.3%に相当します。実質流出額の75%は地方交付税で補填されますが、予算でいえば自主財源が依存財源に付け替わるわけですから、越谷市の行政活動の自主性や安定性が狭まることから、決してよい状況とは言えないわけであります。 このようなふるさと納税の現状に対して、荒川区などは問題点を指摘して見直しを求めています。越谷市としては、どのような見解なのかお尋ねします。 また、越谷市も昨年12月の定例会では、ふるさと納税の対策として、職員定数2名増が議決されました。今後どのようにしてふるさと納税の対策をしていくのかお示しください。 次に、南越谷駅・新越谷駅周辺地域にぎわい創出事業構想についてお尋ねします。この事業の核となる越谷サンシティ整備基本計画は一部見直しとなり、今後市民の皆さんの意見をまとめながら、どのようなものを建てるのか決まっていくこととなるわけですが、にぎわい創出事業としては、駅周辺の都市基盤整備の検討もなされることとなっています。南越谷駅、新越谷駅は、越谷市以外にお住まいの方もたくさん利用する駅で、越谷市民はもちろんのこと、埼玉県の東南部の市町の中心都市としての顔を持つべきと考えます。来るべきサンシティの整備が完成した暁には、まさに東南地区の中心都市となるように、先行して整備できるところは整備しておかないと、いざ完成しても周辺の道路が古く、未整備のままではにぎわいが創出できるとは思えません。むしろサンシティが今の状態でもにぎわいが出るように、バスターミナルの整備や西口ロータリーの機能改善は必要と考えます。現状の越谷サンシティに至る歩道等整備やバスターミナル等の整備、西口ロータリーの機能改善、都市計画道路南越谷駅北口線の整備についての検討状況をお尋ねします。 次に、全国学力・学習状況調査についてお尋ねします。
子供たちを取り巻く環境は、時代とともに変化しています。私が子供だった1970年代から80年代にかけては、団塊ジュニアたちで子供があふれていた時代です。日本の高度経済成長真っただ中であり、よい学校を出て、大手企業に入って、安泰の人生を送ることが最良の人生設計と言われていました。1クラス40人を超える教室も珍しくなく、また詰め込み教育によって
子供たちのストレスは、いじめや不登校、家庭内暴力などのトラブルとなって顕在化し、当時の厳しい受験戦争は社会問題にもなったものです。 翻って現代は、少子化の時代です。越谷市の第3期越谷市教育振興基本計画の中でも、
子供たちの生きる力を育むことを目標として、今年の
教育行政方針では、
子供たちが、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開き、持続可能な社会の創り手となることができるよう、知・徳・体のバランスの取れた質の高い学校教育を実現することが求められていると記されています。 時代とともに環境は変わっても、
子供たちにとっての必要な基礎学力を身につけさせることには変わりはありません。その到達度を見る一つの物差しとして、全国学力・学習状況調査の結果は大変参考になると思います。越谷市のここ数年の調査結果を見ますと、小学生、中学生ともに各教科埼玉県平均と同じか少し上回る状況でしたが、令和5年度につきましては、5教科中3教科で2から3点も上回っています。平均点でこれだけ上回ることはかなり大変と思います。教育委員会はじめ各学校の先生方のご努力と推察いたします。この結果に対して、越谷市はどのような認識をお持ちなのか、取組とともにお尋ねします。以上で1回目の質問を終わります。
○
島田玲子議長 ただいまの質問に対し、市長、教育長の答弁を求めます。 〔福田 晃市長登壇〕
◎福田晃市長 それでは、ただいまの小林議員さんのご質問に順次お答えをいたします。 まず、ふるさと納税についてのお尋ねでございますが。ふるさと納税の現状に対する見解と今後の施策については。ふるさと納税制度においては、過度な返礼品競争などが大きな課題として指摘されております。その結果、お世話になったふるさとへ寄附をするという制度本来の趣旨を逸脱し、返礼品目的に多額の寄附が、畜産物や海産物、農産物を返礼品として取り扱う一部の自治体に集中している状況がございます。国ではこれまでにこれらの状況を改善させるため、対象自治体の指定制度の導入、返礼品や経費の考え方の厳格化など規制を強化しており、現在では新規の返礼品の登録にはその都度全て国の承認が必要となっています。 市では、ふるさと納税の本来の趣旨を踏まえつつ、本市のPRのため、返礼品の拡充に向けた取組を進めてまいりました。その結果、返礼品の登録件数、寄附額ともに増加してきておりますが、寄附の受入額に対し、寄附金税額控除額が大幅に上回っている状況です。市といたしましては、返礼品競争の過熱や寄附の偏りなど、制度そのものの課題は認識をしております。しかし、その一方で、多額の財源流出を看過できない状況となってきており、本市に対する寄附を増やす対策が必要と考えています。 来年度からの取組について、まず地元産品等を新規返礼品としてさらに開拓してまいります。返礼品の充実を目指し、越谷商工会議所や越谷市観光協会と連携した事業者説明会を開催するなど、ふるさと納税返礼品の協力事業者及び返礼品の掘り起こしを図ります。また、日々変化するトレンドを調査し、人気の返礼品や地域特性を生かした返礼品の開発を支援してまいります。 次に、市内外に向けたプロモーションを行い、本市の魅力として発信してまいります。返礼品のプロモーションとして多くの寄附者が利用するポータルサイトに複数登録するとともに、デジタルマーケティングのノウハウを生かした広告宣伝について、専門の支援業者と連携し、取り組んでまいります。また、ポータルサイトに掲載する写真や説明について、返礼品の魅力が十分伝わるような工夫をしてまいります。ふるさと納税の市場規模は、年々拡大をしております。本市のファンをつくる地域活性化の視点で戦略的に取り組んでまいります。 次に、南越谷駅・新越谷駅周辺地域にぎわい創出事業について。駅周辺の都市基盤整備についてのお尋ねでございますが。令和2年に策定いたしました南越谷駅・新越谷駅周辺地域にぎわい創出事業構想におきましては、新たな越谷サンシティ機能の検討と併せて、4項目の駅周辺の都市基盤の整備について、主に交通アクセス、安全性の機能向上を目指し、検討していくことといたしました。このことを踏まえ、これまで庁内関係部署による協議、さらには国、埼玉県との意見交換などを行ってまいりましたが、4項目のうち、バスターミナルについては、長距離路線バスやバスツアーを主催する事業者の意向など、さらなる検討が必要と考えており、また都市計画道路南越谷駅北口線については、用地買収や家屋の移転などを踏まえますと、一定の期間が必要であると認識しております。 一方、越谷サンシティに至る歩道、また新越谷駅西口ロータリーの機能の改善の2項目については、それぞれの工期や財政面を踏まえ、サンシティの整備時期と合わせて進めていくことが望ましいと考えており、現在調査検討を進めているところでございます。 引き続き、関係機関とも連携を図りながら、南越谷駅・新越谷駅周辺の都市基盤の整備について検討を進め、駅周辺地域全体の利便性、回遊性の向上やにぎわいの創出に向けて鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。私からは以上となります。