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12月12日-一般質問-03号

  • 障害者自立支援事業費(/)
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  1. 熊谷市議会 2022-12-12
    12月12日-一般質問-03号


    取得元: 熊谷市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-28
    令和 4年 12月 定例会(第4回)〇 議 事 日 程                  (12月12日〔月〕午前10時開議)第 1 市政に関する一般質問         一般質問通告一覧表                         第4回市議会定例会                         (12月12日)┌───┬────┬───────┬──────────────────────────┐│   │    │       │                          ││通告順│議席番号│ 氏   名 │        質  問  項  目        ││   │    │       │                          │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 1 │ 24 │三 浦 和 一│1 妊娠・出産・子育ての伴走型相談支援と経済的支援││   │    │       │  ついて                     ││   │    │       │2 電子地域通貨の発行について           ││   │    │       │3 市職員のリスキリングについて          │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 2 │ 11 │腰 塚 菜穂子│1 不登校児童・生徒の実態と支援体制        ││   │    │       │ ―生きづらさを抱える子供にどう向き合うか―    ││   │    │       │2 障害者の自動車燃料給付事業の拡充を      ││   │    │       │ ―更なる社会参加の促進を図るために―       ││   │    │       │3 熊谷空襲の戦跡を生かした平和行政        ││   │    │       │ ―戦災指定都市の役割と可能性を探る―       │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 3 │ 15 │小 鮒 賢 二│1 「魅力あるまちづくり」について         ││   │    │       │ ―熊谷に人を集める―               ││   │    │       │ (1)大型商業施設等の在り方について       ││   │    │       │ (2)「稼ぐ力」の創出について          ││   │    │       │ (3)観光振興について              ││   │    │       │2 歴史から学び、伝統を生かす その5       ││   │    │       │ ―温故知新―                   ││   │    │       │ (1)美術館・博物館・郷土(歴史)資料館等の文化施││   │    │       │   設の創設の必要性について           ││   │    │       │ (2)美術館・博物館等の分類及び区分について   ││   │    │       │ (3)国・県・市史跡等指定文化財の保存及び修理等に││   │    │       │   ついて                    ││   │    │       │ (4)「荻野吟子生誕の地」・「熊谷次郎直実ゆかり││   │    │       │   地」と表示の立て看板の設置について      ││   │    │       │ (5)遺跡の発掘調査の意義及び現在の調査状況につい││   │    │       │   て                      │└───┴────┴───────┴──────────────────────────┘┌───┬────┬───────┬──────────────────────────┐│   │    │       │                          ││通告順│議席番号│ 氏   名 │        質  問  項  目        ││   │    │       │                          │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 4 │ 17 │林   幸 子│1 プレコンセプションケアについて         ││   │    │       │2 視覚障がいの移動時の安全確保について     ││   │    │       │ ―踏切点字ブロックの設置を―          ││   │    │       │3 「まちなかトイレ」の整備について        │├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│ 5 │  6 │田 中   正│1 熊谷市第4次健康増進計画について        ││   │    │       │2 胃がんリスク検診としてのピロリ菌検査について  │└───┴────┴───────┴──────────────────────────┘                                            〇本日の会議に付した事件 議事日程のとおり                                            〇議長及び副議長 議  長 28番 福  田  勝  美 議員 副 議 長  7番 山  下  一  男 議員                                            〇出席議員(29名)   1番  小  林  國  章  議員    2番  白  根  佳  典  議員   3番  中  島  千  尋  議員    4番  沼  上  政  幸  議員   5番  新  島  一  英  議員    6番  田  中     正  議員   7番  山  下  一  男  議員    8番  影  山  琢  也  議員   9番  鈴  木  理  裕  議員   10番  千  葉  義  浩  議員  11番  腰  塚  菜 穂 子  議員   12番  小  島  正  泰  議員  13番  権  田  清  志  議員   14番  石  川  広  己  議員  15番  小  鮒  賢  二  議員   16番  守  屋     淳  議員  17番  林     幸  子  議員   18番  関  口  弥  生  議員  19番  野  澤  久  夫  議員   21番  須  永  宣  延  議員  22番  小  林  一  貫  議員   23番  桜  井  く る み  議員  24番  三  浦  和  一  議員   25番  大  山  美 智 子  議員  26番  森     新  一  議員   27番  富  岡  信  吾  議員  28番  福  田  勝  美  議員   29番  大 久 保  照  夫  議員  30番  栗  原  健  曻  議員                                            〇欠席議員(1名)  20番  黒  澤  三 千 夫  議員                                            〇説明のための出席       市     長    小   林   哲   也       副  市  長    長 谷 川       泉       副  市  長    大   島   英   司       市 長 公 室 長    高   柳       勤       危 機 管 理 監    鯨   井   英   明       総 合 政策部長    荻   野   秀   夫       総 務 部 長    本   多       俊       市 民 部 長    田   島   尚   栄       福 祉 部 長    植   原   利   和       環 境 部 長    髙   橋   秀   之       産 業 振興部長    増   田   和   昭       都 市 整備部長    武   田   敏   男       建 設 部 長    山   下   克   巳       消  防  長    金   井   秀   行       上 下 水道部長    丸   山   英   道       会 計 管 理     腰   塚   育   子       教 育 委 員 会    野   原       晃       教  育  長       教 育 次 長    権   田   宣   行       選挙管理委員会    森   田   洋   子       事 務 局 長       監 査 委 員    吉   川   勝   己       事 務 局 長       農 業 委 員 会    浅   見   和   彦       事 務 局 長                                            〇事務局職員出席       事 務 局 長    大   熊   宏   之       副  局  長    長 谷 川       正       次長兼庶務係長    久 保 田   聡   美       主     査    野   間   謙   治       主     査    森       哲   也       主     査    中   山   亜   紀       主     査    根   岸   友   絵              午前10時00分  開 議 ○福田勝美議長 出席議員が定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。 △諸般の報告 ○福田勝美議長 開会前タブレット端末に配付いたしました文書は、1つ、本日の議事日程、1つ、一般質問通告一覧表、以上2件であります。 △市政に関する一般質問 ○福田勝美議長 これより日程に入ります。 日程第1、市政に関する一般質問。 20人の議員から一般質問の通告がなされております。 なお、20番黒澤三千夫議員から都合により一般質問を取り下げたい旨の申出がありましたので、御了承願います。 これより一般質問を行います。 なお、再質問からは質問席からの一問一答方式ですので、よろしくお願いいたします。 それでは、発言通告の順序により一般質問を許可いたします。 最初に、24番三浦和一議員の一般質問を許可いたします。              〔24番三浦和一議員登壇〕 ◆三浦和一議員 皆さん、おはようございます。久しぶりにマスクを取って壇上に上りましたので、何となく恥ずかしい気持ちもいたしますけれども、福田議長より発言の許可を頂きましたので、通告の順に従いまして一般質問を始めさせていただきます。今回の質問は、大きく3点についてであります。 まず、大きな1番は、妊娠・出産・子育ての伴走型相談支援と経済的支援についてであります。現在国は、総合経済対策の一つとして伴走型の新たな子育て支援策を計画しています。これは、妊娠から出産後に必要な子育てグッズやサービスに限って利用できるクーポンなど10万円分を配布するとともに、それと併せて妊娠・出産・子育てに対応する伴走型相談支援事業をパッケージとして提供することで子育て支援策の充実を図ることを目的としています。政府は、所得制限などをかけずにこの事業を行う方向で、東京都などで既に実施されている子育て支援事業などを参考に、全国で利用できるよう検討しています。この新たな伴走型相談支援事業では、妊娠初期から育児まで時期によって異なる相談を、自治体の窓口に行かなくても地域のボランティア団体などを通じて対応できるようにすることを目指しています。しかし、行政と地域のボランティア団体、例えば、NPO法人等と協働して伴走相談等の新たな子育て支援を進めていくためには、行政の持つ様々な情報を今まで以上にNPO法人等の民間事業者と共有していく必要があります。縦割り行政の中で、同じ行政内にある組織でも情報のやり取りには神経を使っているわけですから、これを民間団体と共有するとなると、そのルールづくりも必要となります。 そこで、熊谷市が国の示したこのモデル事業に積極的に参加していただけるよう、今回一般質問として取り上げてみました。私たちが生きるこの社会には、子育て、教育、障害者、高齢といった縦割りの分野別サービスがたくさんありますが、そうした分野別サービスだけでは対応できないニーズが今広がっていることに注意する必要があります。例えば、本人の生きる意欲が喪失され自暴自棄になっていたり、自らが困っているという認識さえ理解できない状況にある人たちもいます。そうした問題は個人の問題であり、行政からはなかなか手が出せないという認識の方もいらっしゃるかもしれませんが、これは大きな社会問題です。こうした問題が浮かび上がってきた背景には、多くの場合、社会的孤立などに陥っていることが指摘されています。社会的孤立とは、ある国語辞典によれば、「家族や地域社会との関係が希薄で他者との接触がほとんどない状態。単身世帯の増加、婚姻率の低下、若者の社会的自立の遅れなどが背景にある」とありました。 多くの皆様はあまり認識されていないと思いますが、日本政府には2021年2月に孤独・孤立対策担当大臣が任命され、それは現政権でも継続されています。日本におけるこうした措置は、孤独、孤立問題に対する政府の危機意識の高さを表しているとも言えます。実際に2005年の経済協力開発機構、OECDの報告では、日本は加盟24か国の中で最も孤立が多いと指摘されています。内閣府が7か国の13歳から29歳までの人を対象に2018年に実施した我が国と諸外国の若者の意識に関する調査では、「悩みや心配ごとがあった場合、誰に相談したいと思いますか」という質問に対して、「だれにも相談しない」と答えた人の比率は、日本が群を抜いて高く、それを反映するかのように、日本の自殺率は国際的に見ても高いほうに属しています。2015年において人口10万人当たりの自殺率は183か国中18番目に入り、我が国と諸外国の若者の意識に関する調査の対象国でも、日本より上位にくるのは韓国だけという状況でした。これらの調査結果からも分かるように、日本は他国に比べ孤独、孤立問題が深刻だと言えます。 そうした日本の中で、特に子供を産み育てることは非常に難しい作業だと思います。伴走型相談支援は、子育て中のお母さんがこうした深刻化する社会的孤立に対応するため、つながり続けることを目的とする支援であり、孤立しない社会の創造を目指す社会活動だと言われています。子育てに悩んでいても孤立から対処を遅らせることで問題が深刻化し、意欲が一層低下してしまう悪循環に陥らないよう対応していくということです。問題が深刻化すれば、それは社会保障の増大をも招くことになります。今や社会的孤立のリスクは、個人の問題では済まない社会的課題となっているのです。だからこそ、今、伴走型相談支援が必要とされているのだと思います。つながりは命や存在という普遍的価値を土台としているため、伴走型支援は生きることに価値を見いだす作業とも言えます。命がひとしく貴いように、つながりは対等でなければならないことから、伴走型相談支援は、支える側と支えられる側の固定化にも注意する必要があると言われています。 格差や貧困が拡大する中で、現在行われている問題解決型支援は当然不可欠でありますが、日本社会が抱える困窮が経済的困窮のみならず社会的孤立であるために、問題解決型支援と伴走型支援は、今後の地域共生社会における支援の両輪として実施する必要があります。これら2つの支援は、支援におけるそれぞれの機能を意味しており、一体的に行われることが重要となります。問題解決型支援がそうであるように、伴走型支援も本人主体を尊重するものであります。いずれの支援においても、自分からの疎外状況にある人が自ら人生を選び取り、自分自身で歩んでいくために、本人と支援者が共に歩んでいくことになります。つまり、一方的な支援ではなく、本人の自立支援を行うことが大事になります。本人主体による自立を応援する環境整備が支援の両輪の目指すものであり、それは伴走する意識によって基礎づけられるゆえに、教え、指導するのではなく、支援者と本人の対話によって実施されなければなりません。 こうして伴走型支援を考えていくと、思い浮かぶのがフィンランドのネウボラです。ネウボラとはフィンランド語で相談の場という意味だそうですが、フィンランドでは、各地区にある保健センターのような場所で妊産婦や家族を妊娠中から子供が小学校に就学するまで、常駐している同じ保健師が継続して支援しています。また、妊婦だけでなく夫やパートナー、上に子供がいればその子供に対しても健康診査をします。さらに、日頃の生活習慣や出産、育児に向けての不安などを聞き取り、適宜アドバイスを行って、家族の養育力を高めるための支援もします。今回、日本で行おうとしている伴走型相談支援は、このネウボラほどのものではありませんが、今のところ妊娠中から子供が2歳児の段階まで、切れ目なく自治体がNPO等と協力して相談やサポートに当たる体制を整えるために必要な経費を国が補助するというものです。具体的には手挙げ方式で、今年度中に各自治体の裁量に委ねる方針のようです。熊谷市では、子育て支援保健拠点施設整備事業がいよいよ着工することから、これまで以上に各部が連携して問題解決型支援を進めていくと思われますが、これにプラスして伴走型相談支援を進められれば、地域共生社会における支援の両輪が少し進むことになります。さらに、国の総合経済対策では、伴走型相談支援の制度設計ができれば、子育てグッズやサービスに限って利用できる10万円分のクーポンなどもセットして交付されます。ぜひ熊谷市でも今回国が示した伴走型相談支援を進めていただきたいと考えます。 そこで質問ですが、質問の1、地方自治体がNPOと協力して伴走型相談支援を進めるためには、民間事業者に対して自治体が持っている情報をどこまで提供することができるかが鍵となると思いますが、現在熊谷市内で子育て支援に関する補助金等を支給しているNPO法人等の民間企業は幾つあるのか。また、それらの企業には、具体的に市からどのような情報が提供されているのか。 質問の2、子供を遊ばせながら相談できる市内19か所ある地域子育て支援拠点で受けた相談票、また、育児の悩みを抱えたお母さん方が相談できる母子健康センターで受けた相談票は、福祉部と市民部で情報共有されているのか。 質問の3、個人情報の取扱いとして、各施設で行っている相談業務の中で、相談から市の関係部署や市が事業委託している民間事業者等に相談の情報提供するための承諾書はもらっているのか。 質問の4、児童虐待防止対策を進めるための協議機関として、こども課が主体となって熊谷市要保護児童対策地域協議会が設置されていますが、こうした場で育児放棄や地域、家族と孤立した母親の対応を協議することはあるのか。また、ある場合、子育てに関し、これらの情報はどこに渡すことになるのか。また、関係する事業を委託された民間事業者にも情報を渡すことはあるのか。 質問の5、ハイリスク妊婦を早期発見するために、医療機関から提供される養育支援連絡票は、どこの部がどのように管理し、活用しているのか。また、こうした情報を必要としている民間事業者への情報提供についてはどのように考えるか。 質問の6、熊谷市の産後うつ病を発見するためのエジンバラ産後うつ病質問票の過去5年間の作成人数と、そのうち鬱が心配された方々への対応はどのようにされているのか。 質問の7、今後、市と協働して子育て支援に携わっていただけるNPO等の民間事業者の方々に対し、それぞれの分野ごとに市が持っている情報のうち、どの部分を提供できるのか精査していただき、少しでも民間事業者の方々が協働しやすくなるように情報提供していくことについてどのように考えるか。 質問の8、熊谷市子育て支援保健拠点整備がいよいよ始まり、こども課、保育課を抱える福祉部と母子健康センターを抱える市民部が同じ施設内で連携して市民福祉の向上を進められる環境の中で、伴走型相談支援が進めやすくなると思いますが、国の総合経済対策の一つである伴走型相談支援と経済的支援を一体的に進める制度設計を熊谷市として進めることについてどう考えるのかお伺いいたします。 続きまして、大きな2番目は電子地域通貨発行についてであります。今議会において、熊谷市では債務負担行為として電子地域通貨システム構築事業費として1億円が計上されておりますが、お隣の深谷市では、既に電子地域通貨ネギーとして数年前から様々な事業を行っています。2019年にはプレミアム商品券キャッシュレスで運用する実証実験を始め、今年5月には新型コロナウイルス感染拡大に伴う市内飲食店の地域通貨ネギーを使った支援事業を開始しました。これは、地域通貨ネギーを付与する前のカードをまず市民に送付し、手元に届いた後に地域通貨ネギー管理システムから、地域通貨ネギーを遠隔でポイントを付与することにより、商品券等の金券の送付費用と比べ簡易書留料金が不要となるため、約64%のコスト削減にもつなげることができたということです。さらに、深谷市では、市役所本庁舎1階の多目的ホールにサポート窓口を開設し、アプリのインストール方法やカード発行、窓口で現金チャージを行うなど、地域通貨ネギーの利用をサポートするほか、マイナンバーカード新規取得や利用追加でマイナポイントをネギーに付与する地域通貨ネギー×マイナポイント事業や、利用の紹介でネギー取扱店の登録につながるとポイントを進呈する地域通貨ネギーひいき店紹介キャンペーンなどを同時展開し、地域通貨ネギーの利用拡大とキャッシュレス決済の推進などを行うことにより市内事業者支援しています。深谷市のネギー取扱店は、今年の12月1日現在で799店あり、飲食店や食料品店、酒米販売、電気量販店をはじめスーパーマーケット、ドラッグストア、コンビニエンスストアなど様々な業種に及びます。ふかや花園プレミアム・アウトレットではまだ使えないようですが、道の駅など市内10か所以上で現金によるチャージが可能なほか、アプリタイプは全国のセブン銀行ATMでもチャージできるとしています。 また、お隣、群馬県太田市では、新型コロナウイルス感染症で低迷する市内の経済を活性化させ、さらにキャッシュレス決済の普及を推進するため、専用のアプリを利用したデジタル通貨OTACOを今年10月1日に発行しました。このデジタル地域通貨を市民の皆様に周知するために、太田市ではアプリに加えて専用カードも用意し、事前にプレミアム付デジタル金券の購入申込みを行い、購入資格を得た人が10月1日から31日までに2万円分のデジタル金券を購入すると、プレミアム率50%の3万円分が付与される、使用期限は来年1月31日までのキャンペーンを実施しています。本格稼働するのは令和5年度からのようですが、全ての利用がクレジットカードやセブン銀行でのチャージが可能となる予定で、太田市の発行する様々な補助金などにも広くOTACOを活用していくとしています。これら2市の地域通貨は、民間企業であるトラストバンク社のプラットフォームを採用しています。トラストバンク社では、アプリとカードのハイブリッド型を採用しているため、決済に慣れていない方やクレジットカードを持っていない方なども利用しやすい、誰でも使える地域通貨の実現を目指しているそうです。また、実施する事業や施策ごとに有効期限や加盟店を限定するなど、自治体の様々な事業を自由に設計し、地域通貨に統合することができ、地域経済活性化や地域課題解決、地域住民の行動変容を目指すとしています。 そこで質問ですが、質問の1、電子地域通貨のメリット、デメリットについてお伺いします。 質問の2、太田市、深谷市の電子地域通貨についてどのように考えるのかお伺いします。 質問の3、今後のデジタル化に対応した市内消費循環の仕組みとして、熊谷市独自の電子地域通貨導入についてどのようなものを考えているのかお伺いいたします。 次に、大きな3番目は、市職員のリスキリングについてであります。リスキリングとは、働き方の変化によって今後新たに発生する業務で役立つスキルや知識の習得を目的に勉強してもらう取組のことですが、三菱総合研究所の推計によると、向こう10年以内に国内では事務職や生産職に数百万人規模の大幅な余剰が生じる一方、デジタル人材をはじめとした専門技術職は、同程度以上の不足が予測されるとし、不足するデジタル人材を採用といった方法で外部調達しようと思っても難しい状況となると指摘しています。そこで、内部人材にリスキリングを行い、必要なスキルを身につけてもらうことは、企業にとって重要な課題となります。新しい知識やスキルを学ぶリスキリングが注目を集めるきっかけとなったのは、2020年のダボス会議においてリスキリング革命が発表されたことでした。デジタルトランスフォーメーションと並行して語られることが多い言葉ですが、その要諦は、第4次産業革命に伴う技術変化に対応するために、2030年までに全世界で10億人によりよい教育、スキル、仕事を提供するというものでした。 現在、世界は第4次産業革命の真っただ中にあると言われています。産業革命には順序があり、次の4つが存在すると言われています。第1次産業革命はイギリスから始まった蒸気機関などの技術革新、第2次産業革命は石油を資源とした化学工業や鉄鋼などの重工業などの技術革新、第3次産業革命は単純作業の自動化などコンピューターによるデジタル技術革新、そして、第4次産業革命は機械の高度な知的活動を中心とした社会にする技術革新としています。この第4次産業革命にはバイオ革命やロボティクスなど様々な技術の変化が含まれるそうですが、中でも注目されるのは、やはりデジタルトランスフォーメーションの加速です。これによるデジタル人材育成の流れの中でリスキリングという言葉が使われるようになりました。ビジネスの変化が激しく求められ、その求められるスキルも変わってくる時代に、企業はリスキリングを導入する必要に迫られています。 そうした中で、今年10月3日に行われた第210回国会衆議院本会議の所信表明演説で岸田総理は、個人のリスキリングの支援に5年で1兆円を投じると表明しました。また、民間企業である旭化成は、いち早く2024年度までにデジタル人材を2021年度比で10倍となる2,500人にまで増やす計画を進めるとしています。これは、リスキリングを通じた自前の人材を確保するためだといいます。旭化成は、2021年に専用サイトを開設してデジタル人材の中途採用に力を入れてきましたが、深刻なデジタル人材不足の中、人材獲得競争は激しく、中途採用によるデジタル人材は思うように進まなかったことから、社内での育成も進めて、高度なデジタル人材を厚くすることを目指しているそうです。リスキリングとはリスキルであり、単純に学び直しとも言えます。海外では、デジタル化が進む中で技術的失業を未然に防ぎ、労働移動を実現するための解決策としてリスキリングが注目されてきましたが、日本でも岸田総理は、企業間、産業間での円滑な労働移動を目指すために今回の表明になったと思われます。 こうした流れは、民間企業だけでなく地方自治体にも及んでいます。デジタルトランスフォーメーションの推進が大きく叫ばれている中で、どうしても後ろ向きになりがちな地方自治体としても、リスキリングの流れをいち早く取り入れ、職員の意識改革を進めるべきと考えます。現在、熊谷市ではRPAの導入に伴い、これを扱うために職員の研修を受けてもらい、稼働し始めたところでありますので、いよいよ地方自治体版のリスキリングが本格的に始まったとも言えるのではないでしょうか。熊谷市が今回取り入れたRPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの頭文字を取った略称ですが、ソフトウエアロボットは、ホワイトカラーと呼ばれる事務系の定型作業を自動化、代行するツールを指しています。しかし、曖昧な部分も多い実際の現場では、せっかくRPAを導入しても、現場での活用があまり進まないのではないかと心配されます。そうしたことから、熊谷市でも高度なデジタル人材を厚くすることが重要となります。 ところで、デジタルトランスフォーメーション推進特別委員会では、去る10月20日、オンライン行政視察を行わせていただきました。このオンライン行政視察では、郡山市の公共施設におけるキャッシュレス化を進める中で、窓口で受け取る現金とキャッシュレスで処理されたPOSデータを調定する作業が必要となりますが、これにRPAを活用することにより効率的に業務が運用されるようになったという報告がありました。現場の事務作業にRPAを使うシステム化ができれば、窓口業務は飛躍的に効率化されます。しかも、RPAのシステム化さえできれば、現場の窓口でそれを使うこと自体は、30分程度の研修で簡単に覚えることができたそうです。しかし、市の職員が自分たちで実際にRPAを使うためのシステム化を進めることはなかなか難しいことから、郡山市では、政策開発部の10人が研修を受けてRPA導入業者の伴走型の指導を受けながら取り組んでいく中で、ようやく少しずつできるようになってきたと言っておりました。熊谷市でも、今後の窓口のキャッシュレス化をにらんで、RPAに精通した職員の育成を進めるとともに、デジタル化に精通した人材を育て、リスキリングを進めていただきたいと考えます。そこで、幾つか質問させていただきます。 質問の1、熊谷市に現在導入されているRPAの導入の目的と経緯。 質問の2、熊谷市が導入しているRPAの年間経費は幾らか。 質問の3、現在、熊谷市が導入しているRPAはどのような部門で使われているのか。 質問の4、その部門ではRPAを導入することによってどのような効果が生まれたか。 質問の5、今後どのような部門で、どのようなRPAのシステム化を目指していくのか。 質問の6、現在、熊谷市職員で市の実際の業務をRPAのシステム化ができる人材はどれぐらいいるのか。 質問の7、熊谷市で現在導入しているAI―OCRとはどのようなものか。また、これはどのようなところで使われているのか。 質問の8、これらの機器を導入し扱っていくために、現場の職員はどのような研修を行っているのか。 質問の9、国がリスキリング政策を進める中で、熊谷市職員に対してデジタル化を進めるためのリスキリング計画はあるのか。 質問の10、現在、日本の情報処理技術試験には12の試験区分がありますが、その中でIT部門の基本的な知識を問われる最初に受ける資格にITパスポート試験というのがありますが、現在、国家資格であるITパスポートを取得している職員は何人いるのか。 質問の11、ITパスポートの取得を希望する職員に対する補助制度はあるのか。 質問の12、熊谷市にはシステム監査技術試験に合格した高度情報処理技術はいるのか。 質問の13、今後のデジタル化を進めるに当たり、熊谷市ではIT関連の専門職はどのような資格を持った方を何人ぐらい必要と考えているのか。また、それらの人材をどのようにそろえようと考えているのかお伺いをいたします。 以上で壇上での質問は終わります。なお、再質問、要望等は質問席にて行わせていただきます。              〔小林哲也市長登壇〕 ◎小林哲也市長 三浦議員さんから3点にわたりまして御質問を頂いておりますが、私から電子地域通貨についてお答えいたします。 本市では、平成27年度から紙ベースの「まち元気」熊谷市商品券を発行し、本年度には「STOPコロナ」キャッシュレスで地域応援事業を実施し、利用を市内店舗に限定することで市内経済の積極的な支援を行っております。これらは私の政策理念の一つであり、「将来を見据えた熊谷を創ります」に通ずるものと考えております。電子地域通貨も同様に市域内に流通が限定され、その普及に併せ市域内の循環拡大が図られるメリットがあるものと確認しております。 一方、デメリットとして、導入当初は利用店舗が限られることや、導入時のコスト負担が挙げられます。 隣接の深谷市、太田市の状況については情報収集させていただいており、導入事業者に対しても、広域連携の可能性も含めヒアリング等を実施してきましたが、単体のアプリケーションのため、技術的な面で広域連携を図るための機能は想定されていないと伺っております。本市では、両市が主目的としている地域内経済の循環に加え、スマートシティにおける市民目線の一分野として、他のデータとの連携や分析による諸施策への展開をできる機能をカスタマイズし、導入してまいりたいと考えております。 現在、電子地域通貨のシステム事業者は多数あり、機能もそれぞれ異なりますので、今定例会に債務負担行為を提出させていただき、デジタルを活用した諸施策の展開も視野に入れ、本市独自の電子地域通貨の導入を進めてまいりたいと考えております。 ◎植原利和福祉部長 続きまして、御質問1、妊娠・出産・子育ての支援についてお答えします。 初めに、市内で子育て支援に関する補助金等を支給しているNPO法人等の民間事業者は13です。情報提供については、児童虐待等、緊急かつ相当の理由があると認められるときは、世帯構成等を情報提供することがあります。また、子育て世代包括支援センターくまっこるーむでは、妊婦全員に対して妊娠後期に電話をかけて出産に向けての状況確認を行っていますが、死産をされた方に電話をかけないよう母子健康センターからくまっこるーむに死産届の情報を提供しています。 次に、地域子育て支援拠点及び母子健康センターの育児相談で受けた相談票は、全てを共有するわけではありませんが、必要に応じて福祉部と市民部で共有しています。 次に、市の関係部署や民間事業者に情報提供する際の相談の承諾書についてですが、妊娠の届出時には関係機関と情報を共有することについて書面で同意を頂いています。また、民間事業者と協力して対応するときには口頭で承諾を得ていますが、児童虐待等の緊急を要する場合は承諾を得ていません。 次に、熊谷市要保護児童対策地域協議会での対応についてですが、協議会では、育児放棄等の児童虐待や養育支援が必要なケースについて、関係機関で児童の保護等の支援について協議しています。これらの情報は、市民部母子健康センターをはじめ、構成団体である児童相談所、警察、保健所等で情報を共有しています。また、支援に当たり民間事業者に協力していただく必要がある場合には、承諾を得て情報を提供しています。 次に、NPO等の民間事業者が協働しやすい情報提供ですが、個人情報保護との兼ね合いもあり、慎重に扱う必要がありますが、必要に応じ情報を共有し、市と民間事業者が協働して適切な子育て支援が行えるようにしてまいりたいと考えています。 以上です。 ◎田島尚栄市民部長 続きまして、養育支援連絡票の管理と民間事業者への情報提供についてお答えします。 医療機関から提供された養育支援連絡票は、市民部母子健康センターへ送付され、地域担当保健師が個人ごとのカルテを作成、管理し、妊娠中からの支援や、出産後早期からの支援に活用しています。また、この情報は、くまっこるーむの母子保健コーディネーターと、赤ちゃん訪問を委託している助産師及び保健師に必要に応じて提供しています。 次に、エジンバラ産後うつ病質問票の過去5年間の作成人数ですが、医療機関での産婦健診と赤ちゃん訪問で作成しているため、延べ人数でお答えします。平成29年度1,688人、30年度1,601人、令和元年度1,388人、2年度1,402人、3年度1,399人です。産後うつ病が心配される方へは、地区担当保健師による家庭訪問、面接による育児相談、電話相談、産後ケア事業の利用の勧め、医療機関受診につなげる等の対応をしています。 次に、伴走型相談支援と経済的支援を一体的に進める制度設計についてですが、核家族化が進み、地域のつながりも希薄となる中で孤立感や不安感を抱く妊婦、子育て家庭は少なくなく、全ての妊婦、子育て家庭が安心して出産、子育てできる環境整備が喫緊の課題となっています。妊娠時から出産、子育てまで一貫して身近で相談に応じ、様々なニーズに即した必要な支援につなぐ伴走型相談支援を充実し、経済的支援を一体として実施する事業支援する出産・子育て応援交付金が創設されましたことから、本市といたしましても事業の実施を早急に検討してまいります。 以上です。 ◎荻野秀夫総合政策部長 続きまして、御質問の3、市職員のリスキリングについてのうち、RPA及びAI―OCRについてお答えします。 初めに、RPAの導入についてですが、人口減少による労働力低下が危惧される一方で、自治体業務の高度化や住民ニーズの多様化が進む中、業務量増加に対応することを目的に、令和2年度の試験導入を得て、令和3年度から正式に導入しています。 次に、RPAの年間経費を令和3年度実績で申し上げますと、ソフトウエアのライセンス及びプログラム作成等に関する業務委託料として約177万5,000円を支出しています。 次に、RPAの活用事例としては、市民税課での住民税特別徴収に係る異動処理業務、契約課での業者情報入力業務、保険年金課での不当利得返納金調定起票業務等があります。 次に、RPAの導入効果ですが、いずれも業務時間が短縮し、一定の効果が得られたものと認識しています。 次に、RPAの今後の活用についてですが、RPAは、一定の件数を定型的に処理する事務に有用ですので、部署は限定せず、このような事務を有する部署に対し活用を促進するとともに運用を支援し、事務処理の効率化を進めたいと考えています。 次に、RPAのプログラミング可能な人材については、プログラム作成には専門的知識を要し、習得に相応の時間を要することから、作成できる職員は、これまでRPA活用業務に関わった職員に限られているのが現状です。 次に、AI―OCRについてですが、AI―OCRは、画像データのテキスト部分を光学的に認識して文字データに変換する機能に、AIにより高精度な文字認識機能を持たせる技術であり、定型的な文章を手入力することなく迅速にデータ変換させることに優れています。この技術は、臨時特別給付金室での臨時特別給付金支給要件確認書の読み取りや、商工業振興課での「STOPコロナ」中小企業者支援事業の申請書を読み取る際に活用しており、業務時間の短縮や事務の効率化に一定の効果を上げています。 次に、これらの活用に向けた研修については、知識習得を目的とした操作説明会やeラーニングによる研修会を実施したほか、実際に導入を進める職員に対し、委託事業者による技術支援やデジタル推進課職員の指導により対応しています。 以上です。 ◎本多俊総務部長 続きまして、職員を対象としたリスキリング計画についてでございますが、現状、具体的な計画はございませんが、今年度策定中である第2次熊谷市総合振興計画後期基本計画や、熊谷市人材育成基本方針などを踏まえ、職員のリスキリングの推進について検討してまいります。 次に、ITパスポートを取得している職員数ですが、把握している範囲で6人となります。なお、職員の資格取得に対して自己啓発研修等助成事業による支援があり、国家試験については受験料10万円を上限に、費用の全額助成を行っております。また、今後デジタル人材の育成が重要度を増すことは明らかであり、職員のスキルアップによる組織力の底上げのため、デジタルトランスフォーメーションの推進に向けた研修内容の充実を図ってまいります。 次に、高度情報処理技術の資格を取得している職員はおりませんが、情報セキュリティースペシャリストである情報処理安全確保支援士の資格を持つ職員が、把握している範囲で1人おります。 次に、IT関連の専門職の確保については、外部委託や民間人材の採用、または職員の育成による方法等がありますが、今後必要となる具体的な資格の種類や人数も明確でないことから、あらかじめ確保方法を限定することなく、必要に応じ対応してまいります。 以上でございます。 ◆三浦和一議員 それぞれの質問に対し答弁を頂きましたので、再質問、要望等を行わせていただきます。 まず、大きな1番、妊娠・出産・子育ての伴走型相談支援事業と経済的支援については要望を申し上げます。これまで人と人とのつながりは、企業、地域、家族によって担われてきました。しかし、不安定な雇用が増え、その結果、家族が脆弱化する中でつながり自体が難しくなったことから、伴走型支援は、脆弱化した家族の機能の回復を目指すことになります。それを身内の責任とするのではなく、家族機能の社会化として実行するという考え方が必要になります。赤の他人が家族機能を担い合う仕組みを地域につくるため、専門職は対個人のみならず、対社会の働きを担うことになります。伴走型支援においては、時間の捉え方も特徴的です。問題解決型支援は、支援開始から支援終結という限られた時間軸でなされますが、つながり続けることを目指す伴走型支援は、人生という時間軸を持つことになるため、共に生きる日常を構築するため、独りにさせない地域共生社会の創造を目指していくという大事な仕事になると思われます。専門職が足を運び、相手の生きる力を引き出しながら継続的に寄り添い、問題を一つ一つ解きほぐしていく支援を熊谷市でもぜひ進めていただきたいと思います。行政の窓口で相談を待っているだけでは、社会的孤立をした方々の問題は何も解決をしません。相談に来ることを待つのではなく、潜在的な支援ニーズをつかみ、支援を届ける姿勢で子育て支援を進めていただきますよう要望いたします。また、こうした伴走型相談支援に御協力いただく民間事業者の皆様へ必要な情報がしっかり届くように、行政側もきちっと対応していただきますよう要望して、この質問は終わります。 大きな2番、電子地域通貨発行については了解をいたしました。 大きな3番については再質問いたします。11月22日に行われた部課長研修の折、講師である稲継先生がお話しされていた中に、金沢市の職員に対するデジタル人材の育成にJ―LISという地方公共団体情報システム機構を活用し、成果を上げているというお話がありました。J―LISでは、地方公共団体等のサービス利用を対象に、人材育成のための研修実施など各種サービスを提供し、地方公共団体の情報化推進を支援しています。安い負担金で熊谷市が会員になれば、熊谷市職員の情報化に関する教育研修セミナーやeラーニング、リモートラーニングを無料で受講することができます。熊谷市でも各課から数名希望を募りJ―LISに参加し、デジタル人材の育成を進めていくことについてどう考えるのかお伺いいたします。 ◎本多俊総務部長 お答えいたします。 本市では、令和元年度からJ―LISが主催するオンライン研修の受講を開始しています。J―LISの研修は、リモートで多くの職員が様々な研修を受講できるメリットがありますので、今後も全職員を対象としたeラーニングに加え、職員の業務内容、スキル、職責に応じた動画研修等を充実させ、デジタル人材の育成を進めてまいります。 以上でございます。 ◆三浦和一議員 了解いたしました。 それでは最後に、この質問に対する要望を申し上げます。デジタルトランスフォーメーション推進特別委員会における現在の熊谷市のキャッシュレス化導入検討の報告によれば、各課における導入未定の主な理由として次の3つを挙げております。1、納入の大半が業者で、キャッシュレス決済の希望がないこと、2、施設利用の多くが高齢で、現金納付希望が多いこと、3、実績件数が少ないこと、以上の3点をキャッシュレス化が難しい理由として挙げておりました。しかし、これらは市役所のキャッシュレス化が進まない理由にはなりません。デジタルトランスフォーメーションの推進は、単なるデジタル化ではなく企業文化の変革であり、そのためには職員のデジタルの素養向上、デジタル面の組織能力全体の強化が不可欠です。これを下支えするのが専門技術を持ったIT人材の育成です。窓口ではRPAを活用して現金とキャッシュレス、どちらでも扱えるわけですから、キャッシュレス化をどんどん進めて、熊谷市役所のデジタルトランスフォーメーション推進の基礎を固めていただきたいと考えます。 また、再質問の答弁では、熊谷市では令和元年度から既にJ―LISが主催するオンライン研修の受講を開始していますということですので、さすが熊谷市だと思いました。今後は職員の中から情報処理技術や高度情報処理技術が次々に生まれるようなリスキリング計画、リスキリング環境を整えていただきますよう要望いたしまして、この質問は終わります。 以上で私の12月定例会における一般質問は全て終了いたします。ありがとうございました。 ○福田勝美議長 以上で24番三浦和一議員の一般質問は終了いたしました。              〔「議長、休憩」と言うあり〕 ○福田勝美議長 暫時休憩いたします。              午前10時53分  休 憩                                                          午前11時03分  再 開 ○福田勝美議長 休憩中の会議を再開いたします。 △一般質問続行 ○福田勝美議長 次に、11番腰塚菜穂子議員の一般質問を許可いたします。 なお、同議員から資料の配付について申入れがありました。会議規則第149条の規定によりこれを許可いたしますので、これより配付いたします。 配付漏れ等はありませんか。              〔「なし」と言うあり〕              〔11番腰塚菜穂子議員登壇〕
    ◆腰塚菜穂子議員 皆様、こんにちは。議席番号11番、腰塚菜穂子でございます。ただいま福田議長より発言の許可を頂きましたので、通告の順に従い、本日は大きく3つのテーマについて市政に関する一般質問を行います。 まず初めに、不登校児童・生徒の実態と支援体制―生きづらさを抱える子供にどう向き合うか―と題し、伺います。11月の上旬に、学校教育課長の同席の下、登校支援や社会的に自立する力を育成する熊谷市教育支援センターさくら教室の視察をいたしました。当日、さくら教室の入るくまぴあへ少し早めに到着したところ、創作展示棟の2階から子供たちの笑い声が響いてきたので、何だかほっとした気持ちになったことを記憶しています。その日は理科の実験教室でしたが、ちょうどその数日前に観測された皆既月食を主な学習テーマに、指導主事が手作りの模型を活用して月食の起こる仕組みを熱心に教えてくださいました。子供たちは皆、目を輝かせて質問をしたり、思わぬ実験結果に笑い合ったりして和やかな雰囲気でした。今は学校へ行きづらい状況にあっても、学校とは異なる環境の中で、肯定的なまなざしに見守られて、子供とはこんなにも伸びやかに生きられるのだと驚いたところです。今般のコロナ禍を受けて子供たちを取り巻く環境も大きく変容し、価値観も多様化する中で、こうした子供が本来持つ生きる力やたくましさ、明るさ、そういったものに触れたことで、改めて学校以外の多様な学びの場や居場所の重要性を再認識したところです。 さて、10月の下旬に文部科学省は、令和3年度の児童・生徒の問題行動、不登校等、生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要を公表しました。それによると、全国の小・中学校における不登校児童・生徒数は24万4,940人であり、前年度から24.9%、4万8,813人増えて過去最多だったことが判明しています。なお、内訳は、小学生が8万1,498人で全小学生の1.3%を、中学生は16万3,442人で全中学生の5.0%を占めており、約10年前と比べて、小学生が4倍近く、中学生は2倍近くと大幅に増えています。なお、埼玉県においても全国の傾向と同様に年々増加していることから、改めて熊谷市の不登校児童・生徒の実態と支援体制を確認いたしたく、以下質問に入ります。 質問の1、不登校児童・生徒の実態について、以下6点にわたり伺います。 1点目、令和3年度の小・中学校における不登校児童・生徒数と在籍児童・生徒に占める割合。 2点目、過去5年間の傾向と分析。 3点目、1,000人当たりの不登校児童・生徒数と全国平均、埼玉県平均との比較。 4点目、不登校児童・生徒のうち90日以上欠席した人数と割合。 5点目、学校内外で相談指導等を受けた児童・生徒の割合とその状況について。 6点目、自宅におけるICT等を活用した学習活動を指導要録上、出席扱いとした児童・生徒数。 質問の2、不登校の主な要因を教育委員会としてはどのように認識されているか。 質問の3、熊谷市教育支援センターさくら教室の現状と課題について、以下5点にわたり伺います。 1点目、設置時期とその目的、また、指導方針及びその成果。 2点目、不登校児童・生徒の総数に対する利用率。 3点目、定員を15名程度とされている根拠。 4点目、教育支援センターを中核とした民間団体等との連携の状況と不登校児童・生徒やその保護支援するネットワークの整備について。 5点目、課題認識。 質問の4、専門職であるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の関わりとその効果について、以下4点を伺います。 1点目、相談件数の動向と分析。 2点目、小・中学校における巡回頻度。 3点目、配置数と配置基準について。 4点目、専門職が関わる効果をどのように認識されているか。 質問の5、学校以外の場における多様な教育機会の確保について、現状と課題認識。 質問の6、タブレット端末の活用の可能性について。 質問の7、不登校児童・生徒が現に存在することに対して、市教育委員会としては、今後どのような支援の在り方を目指していくことが望ましいと考えるか。 次に、2つ目のテーマ、障害者の自動車燃料給付事業の拡充を―更なる社会参加の促進を図るために―と題し、伺います。去る12月3日は国連で定める国際障害者デーでした。日本では、平成16年の障害者基本法の改正を受けて、12月3日から12月9日までが障害者週間と定められ、毎年各地で様々な意識啓発に係る取組が展開されますが、本市においても「市報くまがや」の12月号で広報されたところです。 さて、障害者福祉の歩みは、当事者を中心に血のにじむような活動の積み上げにより、一つ一つの権利を獲得してきた歴史と言っても過言ではありません。そうした背景、経緯を踏まえて、障害者基本法をはじめとする関連法の整備も進み、現在は社会のそばにある障壁を取り除くという共通認識の下、社会基盤のバリアフリー化は一定程度進みました。しかし、その一方で、就労へのハードルの高さや賃金体系、また、親亡き後の問題や地域移行など様々な課題が山積しています。このたび、重度の障害者を対象とした自動車燃料給付事業にフォーカスしたのは、この制度に対してより実態に即したものにならないかという御意見を少なからず頂いたことから取り上げました。熊谷市の障害者福祉施策が、法の理念の実現と障害者のさらなる社会参加の促進につながるよう、以下質問に入ります。 質問の1、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律は、障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず、国民が相互に人格と個性を尊重し、安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的としています。そこで伺いますが、他の関係法令等も踏まえて、障害を有する方の自立と社会経済活動への参加を実現するために、市町村等の責務をどのように認識されているか。 質問の2、在宅重度心身障害者自動車燃料給付事業について、以下4点にわたり伺います。 1点目、事業が開始された背景、経緯とその時期。 2点目、事業実施の効果をどう認識されているか。 3点目、対象の総数と利用登録の状況、また、その利用率。 4点目、要綱の改正状況について。 質問の3、制度設計について、主に給付対象の範囲や給付要件に関して、以下4点を伺います。 1点目、現行制度における対象の範囲や給付要件等の根拠について。 2点目、同様の趣旨の他の自治体の制度設計との比較調査から見えてきた差異について。 3点目、制度運用に対して、これまでに行政サイドへ寄せられている当事者及び家族からの意見、要望などにはどのようなものがあるか。 4点目、課題認識。 最後に、3つ目の、熊谷空襲の戦跡を生かした平和行政―戦災指定都市の役割と可能性を探る―と題し、伺います。去る9月17日に市民団体の方からお誘いをいただき、熊谷空襲の戦跡巡りに参加をいたしました。そのときの様子については翌18日の朝日新聞に、また、翌々日の19日の埼玉新聞に掲載されましたので、配付資料を御参照いただきたいと思います。市民団体の主催で、熊谷女子高校の日本史部の生徒を中心に約20名ほどが参加をいたしました。熊谷図書館の郷土資料展示室で学芸員から熊谷空襲の概要について説明を受けた後、戦火をくぐり抜けた県立熊谷女子高等学校の北門をはじめ、中家堂の石灯籠や熊谷聖パウロ教会、石上寺のケヤキ、戦災慰霊の女神像などを巡りました。その中でも石上寺に残されている顔が黒く焼けた弘法大師像を拝見した際は、御住職の説明も胸に迫るものがあり、77年という時間の隔たりを超えて熊谷空襲を追体験し、悲しみを共有することができました。このように、今もなお熊谷市の中心部には多くの戦跡が残されていますが、案内板のないものに関しては、今回の戦跡巡りを通して初めて知ることができたものもございました。 さて、いまだ終息の見通せないロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、世界各地で紛争が続く中で、北朝鮮による弾道ミサイルの発射など、我が国の領土を取り巻く環境も厳しさを増し、これまでになく平和への希求が高まっている時代とも言えます。今を生きる我々には、戦禍の記憶を次世代へつなぎ、貴重な地域資源としての戦跡を守り、保存していく責任があります。戦争を二度と起こさないために、県内唯一の戦災指定都市である熊谷市にできることは何か。その可能性を探り、未来の平和へつなげるために、以下質問に入ります。 質問の1、平和行政の各種取組推進において、戦災指定都市である意義や優位性、また、その役割と可能性をどのように考えているか。 質問の2、熊谷空襲の戦争遺跡について、以下6点にわたり伺います。 1点目、把握調査の状況について。 2点目、ガイドやマップ化等、それらの市内外への発信。 3点目、歴史的な評価とその価値をどう捉えているか。 4点目、戦争遺跡を教材とした教育の現状も含めた市としての活用状況と課題。 5点目、管理運用における市の関わり。 6点目、次世代への継承のためにどのような活用の在り方が望ましいと考えるか。 以上で壇上での質問を終わります。なお、再質問、要望につきましては質問席で行いますので、引き続きよろしくお願いいたします。 ◎野原晃教育長 腰塚議員さんの御質問1、不登校児童・生徒の実態と支援体制についてお答えします。 初めに、本市の不登校児童・生徒数について、平成29年度から令和3年度までの5年間の推移を順に挙げます。小学校は、31人、55人、55人、55人、76人、中学校は、131人、128人、131人、111人、192人です。特に昨年、令和3年度は、小学生が76人、中学生が192人と、ともに大きく増加し、在籍児童・生徒数に占める割合は、小学校が0.8%、中学校は4%です。1,000人当たりの不登校児童・生徒数、市、県、国の平均は順に、19.5人、20.6人、25.7人であり、国や県と比較すると本市の人数はやや下回っています。不登校児童・生徒のうち90日以上の欠席数とその割合を見ますと、小学校27人、35.5%、中学校99人、51.5%です。また、令和3年度の不登校児童・生徒数のうち、相談、指導等を受けた児童・生徒の割合は、小学生73.3%、中学生97.4%です。学校内を中心に、関係機関やスクールカウンセラー等に相談や助言を受けています。自宅におけるICT等を活用した学習に取り組み、指導要録上、出席扱いとなっているのは、小学生7人、中学生16人です。 次に、不登校の要因については、無気力や不安、生活リズムの乱れ、いじめを除く友人関係の悩み等が主な理由として挙げられています。コロナ禍で様々な制限が求められた生活が続いたことや、特に昨年度からは様々な教育活動が再開され始めたことも影響しているものと捉えています。 次に、熊谷市教育支援センターさくら教室は、登校支援を目的として平成8年に設置しました。15人程度という受入れの人数は、対象児童・生徒のこれまでの平均人数を根拠としたものです。指導方針は、基本的生活習慣の改善、情緒の安定、基礎学力の補充などのきめ細かな支援によって、児童・生徒一人一人が自らの進路を主体的に捉え、社会的に自立する力を育成することとしています。成果として、昨年度は不登校児童・生徒総数の3%に当たる9人が利用し、それぞれが学校への復帰や志願先高等学校へ進学しました。また、小学生2人、中学生8人が民間団体を利用し、生活の様子や学習状況等を学校と家庭、民間団体が共有し、出席の扱いも含め個別の支援について連携を図りました。学校はもとより、本市の教育相談窓口、出張教育相談などにより不登校児童・生徒や保護支援するネットワーク体制を整えています。あえて課題を挙げてみれば、さらにICT等を活用した教育相談支援体制の整備が課題であると認識しています。 次に、専門職の関わりについては、令和3年度の相談件数を延べ人数で挙げますと、スクールカウンセラー3,178人、スクールソーシャルワーカー1,563人、ほほえみ相談員1万2,605人であり、コロナ禍前の平成29年度と比較すると相談の総数は減少しています。小・中学校への巡回については、中学校に配置しているほほえみ相談員が必要に応じて小学校に出向くとともに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーは、月に1回以上、小・中学校を訪問しています。令和3年度に本市に配置されたスクールカウンセラーは12人、スクールソーシャルワーカーは2人であり、これは県教育委員会の基準により人数が決定されています。ほほえみ相談員は、本市の基準で全ての中学校に1人ずつ配置しています。このような専門職が関わる効果は、不登校児童・生徒がさくら教室に通級を始めたり、他の関係機関とも連携した支援により登校につながったりするなど、状況の改善や解消に向かっていることと認識しています。 また、多様な教育機関については、選択肢の一つと考えています。また、タブレット端末の活用は、オンライン授業やドリルソフト等による学習支援はもとより、児童・生徒の健康状況や気持ちの変化を把握することができ、登校支援に対する効果的な方策として期待できます。今後のさらなる支援の在り方としては、本市独自の登校支援対策指導個票、これを活用した相談支援体制のさらなる充実、ICTの効果的な活用、児童・生徒の多様な学びの場との連携などにより、総合的な相談支援体制の構築が望ましいと考えています。 以上です。 ◎植原利和福祉部長 続きまして、御質問2、障害者の自動車燃料給付事業についてお答えします。 初めに、障害者自立や社会参加に係る市の責務ですが、障害者の権利擁護や社会参加の機会拡大、障害福祉サービスの提供等の施策を総合的かつ計画的に行うものと認識しています。 次に、事業が開始された背景や経緯、時期についてですが、事業は平成17年の合併前から各市町で実施しており、事業開始の背景は資料がなく不明ですが、当初は20歳以上で自己所有車を自ら運転する重度の身体障害者のみを対象としていました。その後、知的障害者や20歳未満の障害児の介護へと対象範囲を広げてきた経緯があります。 次に、事業の効果ですが、在宅重度心身障害者の外出時の移動に係る経済的な負担の軽減が図られていると認識しています。 次に、利用登録の状況ですが、令和3年度の実績では、支給対象となる手帳所持数は延べ3,752人、利用登録数は1,200人で、利用率は70.3%です。 次に、要綱の改正状況ですが、近年では平成24年10月に知的障害者に係る介護の要件について、運用に合わせた改正を行いました。 次に、対象の範囲や給付要件等の根拠ですが、この事業は重度心身障害者外出支援事業の一つであり、福祉タクシー利用料金助成事業との選択となっており、両事業により重度心身障害者の外出時の経済的負担の軽減が図られるよう現在の給付要件等となっています。 次に、他市との比較ですが、自治体によって給付要件等は様々で、精神保健福祉手帳及び身体障害者手帳3級の所持並びに介護等による運転を対象としているところが見受けられます。 次に、制度に関する要望ですが、20歳以上の身体障害者に対する自己所有、自ら運転の要件を緩和し、介護についても認めてほしいとの要望を受けています。 次に、課題の認識ですが、対象の拡大や要件の緩和等の要望を受けていますが、この事業は市単独で実施しており、障害者施策全体の財政状況等を勘案し、検討する必要があると考えています。 以上です。 ◎本多俊総務部長 続きまして、御質問の3、熊谷空襲の戦跡を生かした平和行政についてお答えいたします。 初めに、戦災指定都市の意義、役割等ですが、本市は終戦前夜の空襲により市街地の約74%が焼失し、死者は266人という県下で最も大きな被害を受け、昭和21年10月に県内で唯一、戦災地復興特別都市計画法に基づく指定、いわゆる戦災指定都市の指定を受けましたが、先人たちの懸命な努力により、県北の中心都市として復興を遂げることができました。一方で、長い年月が経過するうちに戦争を直接知らない世代が多数を占めるようになりました。全国的にも若い世代への戦争の記憶の継承が課題となっていますが、空襲で大きな被害を受けた本市だからこそ、身近な地域で起きた史実として熊谷空襲の記憶を後世に語り継ぐことができます。このような戦争の惨禍を二度と繰り返すことのない社会と世界の恒久平和の実現に向けて、戦争の悲惨さと平和を守る大切さを発信していくことが、県内唯一の戦災指定都市である本市の役割であると考えています。 次に、熊谷空襲の戦争遺跡についてですが、令和2年の戦後75周年の際に市で把握した戦争遺跡は、空襲の痕跡が残るもの、空襲で焼失を免れ、場所を移し管理保存しているものや、空襲により犠牲となった人々の供養として建立されたものなど11件ありました。 次に、ガイドやマップ化等による発信ですが、熊谷図書館で開催している戦後の周年記念事業において開催している平和展のパンフレットにマップを記載しているほか、熊谷観光文化財ナビゲーション公式アプリ「くまここ」において戦跡を掲載しています。 次に、歴史的な評価と価値についてですが、戦後77年が経過し、戦争体験世代が減り記憶の風化が進む一方、市内各地に形として残っている戦争遺跡は、熊谷空襲や戦争の悲惨さを後世に伝え、平和の尊さを訴える上で、その価値はより高まっているものと認識しています。 次に、教育の現状を含めた活用状況ですが、社会科や総合的な学習などで戦争遺跡の見学等を実施した学校は、コロナ禍で集団での活動が制限されていた影響もあり、令和元年度から今年11月末現在で1校でしたが、熊谷図書館の郷土資料展示室内の熊谷空襲コーナーの見学を実施した学校は12校、また、授業等で熊谷空襲に触れた学校は21校でございました。 なお、市主催として市民を対象とした市内の戦争遺跡を巡る事業は実施しておりませんが、公式アプリの「くまここ」に掲載している戦跡コースの閲覧数は、令和3年度で450件でした。 次に、管理運用についてですが、所有の管理に任せているのが実情です。 次に、活用の在り方についてですが、市内に残る戦争遺跡は、身近な地域で起こった戦争等の史実を伝える生きたあかしであり、今後も後世に史実を伝える教育教材として有用ですので、所有や地域の方々の協力も得ながら活用していくことが望ましいと考えています。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 11番、腰塚菜穂子です。教育長をはじめ関係各部署から御答弁を下さり、誠にありがとうございました。 それでは、1つ目のテーマから早速再質問をさせていただきたいと思います。御答弁から、熊谷市の令和3年度の不登校児童・生徒の数は、平成29年度と比較をして、小学生が約2.4倍、中学生が約1.5倍に増加していることが分かりました。こうした状況を踏まえて、以下、再質問をいたします。 再質問の1、令和3年度の不登校児童・生徒のうち、学校内外で相談、指導等を受けた状況については、御答弁から、中学生は約97%でした。その一方で、小学生は73.3%であり、残りの26.7%、約4分の1の児童については、相談、指導等を受けていない状況にあることが分かりました。まず、そのことへの受け止めをお聞かせください。 ◎野原晃教育長 お答えします。 該当児童・生徒の支援については、学校が何度も家庭訪問やケース会議を開くなどし、本人とその保護に粘り強く関わり続けていました。私、教育長としては、学校が可能な限り対応していたと考えています。 ◆腰塚菜穂子議員 ただいまの答弁内容で理解をいたしました。そうした児童については、学校と保護との関係性はどのような状態なのか教えてください。 ◎野原晃教育長 特に問題ありません。 ◆腰塚菜穂子議員 そうした児童の学習の状況はどうなっているのかお聞かせをください。 ◎野原晃教育長 例えば、家庭に届けた学習プリント等の取組の成果や、タブレット端末上の学習履歴を確認し、状況を把握しています。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 11番、腰塚です。再質問の4に入ります。ICT等の効果的な活用について何点か伺います。 まず、御答弁の中で、出席扱いとなっているのは、小学生7人、中学生16人ということでしたが、様々な活用形態が考えられる中で、出席扱いとなる定義について教えてください。 ◎野原晃教育長 お答えします。 タブレット端末等を活用して学習したノートやレポートなどの提出により見届けができるなど、一定の要件を満たせば、校長の判断によって出席扱いとしています。 ◆腰塚菜穂子議員 11番、腰塚です。不登校児童・生徒に対するICT等の活用実態については、オンライン授業など、現状、学校ごとに異なると聞いておりますが、各学校での取組について、また、今後、市教育委員会として取り組む考えや可能性についてお聞かせください。 ◎野原晃教育長 お答えします。 家庭に向けたオンライン授業以外の活用例として、石原小学校では、放課後、担任が児童とタブレット端末をつなげ、家庭での様子や一日の出来事など画面越しに会話をしています。三尻中学校では、教室に入れない生徒が校内の別室で得意教科の授業をオンラインで受けたり、チャット機能を活用して教員と生徒でやり取りをするなどしています。 なお、不登校児童・生徒に対し、教育委員会独自でオンライン授業を行うことは考えていません。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 11番、腰塚です。ICT等の活用については、教職員の負担が懸念されるところですが、活用に際してのサポート人員は手当てされるのか。そうした制度、仕組みの有無を伺います。 ◎野原晃教育長 お答えします。 現在、本市では9人のICT支援員の配置により、機器の準備、操作補助、片づけ等のサポート体制を整えています。現状では十分対応できています。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 11番、腰塚です。不登校の要因については、御答弁にもございましたとおり、無気力や不安が大きな割合を占めていることが分かりました。児童・生徒のメンタルヘルスはもとより、保護からの相談対応や関係機関へのつなぎなど、専門職であるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが関わる改善効果は高いものと認識しております。しかしながら、配置人数や巡回頻度については、現場のニーズに対して不足しているという声も寄せられていることから、教育委員会の認識と対応について伺います。 ◎野原晃教育長 引き続き県へ要望してまいります。 ◆腰塚菜穂子議員 よろしくお願いいたします。 教育支援センターさくら教室の運営の在り方について伺います。御答弁において、令和3年度は9人が利用したとのことでした。これは、熊谷市の不登校児童・生徒の総数268人に対し、僅か3%にすぎません。国の通知などを参照すると、教育支援センターは、不登校児童・生徒への支援の中核となることが期待されていますが、利用状況としてこの数字をどう捉えているか、教育委員会の受け止めを伺います。 また、相談、見学はあったものの、通級に至らなかった理由をお聞かせください。 ◎野原晃教育長 お答えいたします。 教育支援センターさくら教室は、ニーズが様々な児童・生徒の多様な学びの場の一つであり、さくら教室の通級を選択した児童・生徒数が、結果として3%であったと捉えています。 また、通級に至らなかった理由として、医療機関の受診を優先したことや、保護は希望しているが、児童・生徒本人の気持ちが通級に向かないなどが挙げられます。 ◆腰塚菜穂子議員 11番、腰塚菜穂子です。9月定例会における関口議員への御答弁では、現在のところ不登校特例校の設置は考えていないとのことでした。それを踏まえれば、本市は当面の間、公的機関としては、教育支援センターさくら教室が支援の中核となることが想定されます。平成8年の設置当初と比較をして子供を取り巻く環境も大きく変わり、価値観の多様化やコロナ禍を受けて、国の方針、求めも変わるなど、時代は変化をしています。 そこで、教育支援センターの運営の在り方が、不登校児童・生徒及びその保護等のニーズに沿ったものになっているか、その検証と利用しやすい環境づくりやカリキュラムの見直し、工夫など、その辺りの取組についてお聞かせをください。 ◎野原晃教育長 お答えします。 せんだって腰塚議員さんにも御覧をいただいたわけですが、週何日といった通級のスタイルにも配慮し、一人一人の状況に応じた学習内容を計画しています。また、明るい雰囲気と落ち着いて学習ができる環境づくりや自学自習への個別の支援、ミカン狩りや幼児との触れ合いといった体験活動も行いながら、社会的に自立する力を育んでいます。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 11番、腰塚です。最後に、御答弁にございました民間団体との連携について伺います。 まず、出席扱いとなるフリースクールやNPOなどの地域資源の把握状況、また、子ども食堂や学習支援の場といった子供の居場所はどの程度あるのかお聞かせをください。 ◎野原晃教育長 お答えします。 令和3年度において出席扱いとなった民間団体等は7つです。また、子ども食堂は市内に4か所あると把握しています。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 11番、腰塚です。多岐にわたる質問に対して御答弁をありがとうございました。このテーマについて最後にまとめたいと思います。今回、不登校児童・生徒を取り上げるに当たり、さくら教室の視察に始まり、学校現場や保護の声、また、市内で子ども食堂や学習支援などを展開するNPOにも話を聞かせていただきました。その中でまず感じたのは、学校の教職員をはじめ専門職、また、さくら教室の指導員や指導主事など子供に関わる全ての方が、大変真摯に誠実に向き合ってくださっているということでした。このことに心から感謝を申し上げます。その上で、2点申し上げたいと思います。 まず1点目は、さくら教室の運営の在り方に関してです。質問の中で、利用率3%への受け止めを伺ったところ、様々な選択肢の中から、結果として3%であったという御答弁でした。もちろんそうしたことも十分に考えられると思います。その一方で、このたび保護の皆様から寄せられた声は、利用へのハードルが高く、使いたくても利用できないというものでした。その主な要因は、通級に保護の送迎が必要なことです。合併により市の面積も大きく広がり、児童・生徒が単独で通級するのは困難な中で、保護の送迎がないと利用できない実情がございます。現在、多くの御家庭が共働きであり、独り親世帯はその就労時間も長く、午後の3時頃にお迎えをするのは極めて困難です。学校からさくら教室の利用を勧められても利用できず、不登校児童・生徒の日中の行き場がないという声も届いています。公的機関が設置、運営されているにもかかわらず、こうした実態があるとしたら大変残念に思います。小学校の統廃合に合わせてスクールバスの導入が予定されていることを考えると、こうしたところへ手当てされてもよいのではないかというのが率直な思いです。不登校については、その捉え方や扱いなど、国の方針、求めも変わる中で、増加傾向を踏まえ、各自治体の支援の在り方も大きく問われています。多様な教育機会の確保が求められている今、無償の学習機会を提供し得る教育支援センターの果たす役割は大変重要であると考えます。国もその充実と活用を求めていることから、改めて送迎も含めた運営の在り方を御検証いただき、時代の変化に合わせた柔軟な思考の下、より一層利用しやすい環境づくりと、子供や保護のニーズに沿ったものとなるよう要望いたします。 2点目は、NPOなど民間団体との連携に関してです。今回、学習支援の場を視察し、話を聞かせていただきましたが、様々な事情から、公的サービスにつながっていない方が、こうした民間の力、民間の善意に大きく助けられていると感じたところです。行政としても日頃から積極的に関わっていただき、子供や保護を取り巻く課題を共有するとともに、その解決を図るパートナーとしてさらなる協働をお願い申し上げ、このテーマについては終わります。 次に、2つ目のテーマについて2点再質問をしたいと思います。再質問の1、制度へ対する要望に関してですが、御答弁内容と同様の御意見を私のほうにも寄せられていることから、まずは給付対象となる身体障害者手帳の障害程度等級1、2級の障害内容やその程度について、改めてお聞かせをください。 ◎植原利和福祉部長 お答えいたします。 肢体不自由や内部機能等の身体機能における障害により、他者の介助を受けなければ自分の身の回りのことができない程度、または日常生活活動が極端に制限される程度の障害になります。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 11番、腰塚菜穂子です。ただいまの御答弁内容にもございましたとおり、肢体不自由や内部機能障害、加えて視覚障害なども含まれており、実態としては、自ら運転は困難な方が含まれます。この事業は、御答弁のとおり平成17年の合併前から各市町で実施されていることを踏まえれば、既に約20年前後は継続されていると想定されますが、この間に知的障害者障害児の介護へと対象範囲を広げてきたとのことでした。障害者のさらなる社会参加を促し、関連法の理念と責務を実現するためには、20歳以上の身体障害者に対する自己所有、自己運転の要件を緩和し、介護も給付対象として認めるなど、より実態に即した制度設計と運用が必要と考えますが、本市の見解を伺います。 ◎植原利和福祉部長 お答えいたします。 要件の緩和は、本事業の目的である対象の経済的負担の軽減と生活の利便性の助長につながると認識しておりますが、課題もあることから、県内他市の動向も注視し、研究してまいります。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 11番、腰塚菜穂子です。課題ということが出てきましたけれども、新たな財政負担が生じるということが主な課題ではないかというふうに認識をしております。しかしながら、お隣の深谷市では、本年4月から給付対象を介護まで拡大をいたしました。所管課へ話を伺いに参りましたけれども、その背景や経緯を伺いましたら、市民ニーズに応えるためと明言されました。もちろん本市と同様にそれにより財政負担や市の職員の負担ももちろん増えるということが想定をされますけれども、そこはやはり一自治体としての障害者福祉へ取り組む姿勢を見た思いがいたしました。本市におかれましても今後の前向きな検討をお願い申し上げ、このテーマは終わります。 最後に、3つ目のテーマについて再質問をいたします。御答弁から、令和2年の戦後75周年の際に市で把握した戦争遺跡は11件とのことでした。平成27年12月定例会における千葉議員への御答弁では12件ということでしたが、1件減少している背景や経緯についてお聞かせをください。 ◎権田宣行教育次長 お答えいたします。 本町一丁目地内に所在した煉瓦塀が撤去されたことによる減少です。撤去の経緯は不明ですが、経年劣化による倒壊の危険性から、所有により撤去されたものと思われます。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 11番、腰塚です。ただいまの御答弁内容で、経年劣化ということ、それに伴って所有により撤去されたものと思われるということで理解をいたしました。今後、その時を経ていく中で、ほかの戦争遺跡についても同様の懸念がございます。戦禍の記憶をつなぐ戦争遺跡の減少を防ぎ保存していくためには、行政や地域住民の積極的な関与が欠かせないと考えます。 そこで、熊谷市の文化財に指定、登録することは可能か伺います。 ◎権田宣行教育次長 お答えいたします。 戦争遺跡については調査等を行い、市指定が適当であると判断した場合、指定することは可能であると考えています。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 11番、腰塚菜穂子です。心強い御答弁をありがとうございます。調査などの所定の流れを経て適当であると判断された場合は、指定が可能であることが分かりました。こうした貴重な地域資源を可能な限り後世へ残していけるよう、引き続き御指導、御鞭撻のほどよろしくお願いいたします。 最後に、案内板についてお伺いをいたします。現在、中央公園に移植されたケヤキについては、市の案内板が掲示されている一方で、県立熊谷女子高校の北門などは案内板の掲示がないため、戦争遺跡と認識できない可能性もございます。11件全てに案内板の掲示が望ましいと考えますが、市としてはどのような対応が可能か伺います。 ◎本多俊総務部長 お答えいたします。 所有の方々の協力や看板等の設置場所の確保が必要となりますので、対応を研究してまいります。 以上です。 ◆腰塚菜穂子議員 11番、腰塚菜穂子です。基本的な管理運用は所有ということで、様々な調整や御協力が必要であることが分かりました。ぜひ調査研究をお願い申し上げます。県内唯一の戦災指定都市だからこそできること、その役割があると考えております。引き続きその可能性を探りつつ、本市の平和行政がさらに充実したものとなるよう要望し、本定例会における私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○福田勝美議長 以上で11番腰塚菜穂子議員の一般質問は終了いたしました。 暫時休憩します。              午前11時58分  休 憩                                                          午後 1時00分  再 開 ○福田勝美議長 休憩中の会議を再開いたします。 △一般質問続行 ○福田勝美議長 次に、15番小鮒賢二議員の一般質問を許可いたします。              〔15番小鮒賢二議員登壇〕 ◆小鮒賢二議員 皆さん、こんにちは。ただいま福田議長より発言のお許しを頂きましたので、市政に関する一般質問を行います。本日も傍聴席には大勢の方がお見えになっております。議会に関心を持っていただきましてありがとうございます。また、インターネット中継を視聴されている方々も大勢いらっしゃると思います。そういった市民の皆様にも分かりやすい質問となりますよう心がけてまいります。 容易に出口の見えないコロナ禍ですが、最新の感染対策を講じながら、規模の縮小等はあるものの、ウィズコロナの考えの下に多くのイベントが3年ぶりの復活を見ています。当面はこのような対応を余儀なくされるものと思います。一方、経済面ではコロナ禍、ウクライナ危機、そして賃金安、物価高の悪いインフレ、歴史的な円安により危機的な状況に陥っています。停滞するこの時期にこそ、先を見据えた戦略を練ることが肝要です。約150年前には、群馬県全域を含めた熊谷県の県庁所在地として、その後も埼玉県の県北の雄都として地域を牽引した本市です。これからの発展に向けた豊富な資源を持ち、計り知れない潜在能力を秘めています。言うまでもなく、これからの戦略が本市の浮沈の鍵を握ると言っても過言ではありません。 そこで、今回は1番目のテーマとして、「魅力あるまちづくり」について―熊谷に人を集める―という副題の下に、大きく3点について質問します。 (1)、大型商業施設等の在り方について。 (2)、「稼ぐ力」の創出について。 (3)、観光振興についてです。 熊谷に人を集める目的やその手段は幾つかあります。1つ目は移住による定住人口を増やすこと。少子化が進む中、特に地方都市は軒並み人口減少の波の直撃を受けています。本市も例外ではありません。2つ目は交流人口を増やすこと。これは観光やスポーツイベントを通した集客です。3つ目は関係人口を増やすこと。移住した定住人口でもなく観光に来た交流人口でもない、地域と多様に関わる人たちがこれに当たります。地元の上之村神社を例に取りますと、雷電神社、雷電様ということで親しまれておりますけれども、そういった交流人口を増やすためにいろいろな活動をしています。参拝客も非常に増えている状況ですが、やはりいろいろなボランティアだとかそういった方を広く募集といいますかPRしています。おかげで、年末にも清掃作業がありますけれども、地元の人以外にもそういったボランティアの方で、恐らく30人ぐらいは来てくれるのではないかと思います。そういった人たちの価値というのは非常に大きいものだと思います。また一方では、上之村神社でも、熊谷には3つの「熊谷」がつく植物があるというのは前にも申し上げましたが、熊谷桜、熊谷椿、そしてクマガイソウです。昨年の12月には熊谷桜を定植しました。それと、熊谷椿も植えました。それで、ちょっと遅くなってしまったのですけれども、これから熊谷桜を植える段取りをしています。土壌改良もして、よく育つように苦心しているのですけれども、非常にハードルが高いと思います。そういったことが3つそろえばすばらしいことなので、数年後にできる道の駅にお客様が来れば、そういった方々も回り込んでくるのではないのかな、そんな期待も抱いております。 こういったこと、これを本市に置き換えた場合、広範囲にわたる各種組織、団体等が多くのファンをつくることが交流人口の増加につながる手段となり、市の活性化の原動力となります。時には指導し、時には後押しするのが、市、観光協会の大きな役割だと思います。ここで、魅力あるまちづくりについて、熊谷に人を集める具体的な考え方として、まず初めに(1)、大型商業施設等の在り方についてから入ります。このテーマは平成28年6月議会、私にとっては4回目の一般質問のときに、郊外型大規模ショッピングモール等の在り方について(次期総合振興計画に向けて)との副題で取り上げた項目です。質問要旨は、人口減少時代を迎え、熊谷に人を集め、中心市街地の活性化の一手段として、大規模ショッピングモールや複合商業施設として大型ホームセンターなどの郊外誘致との考え方について、今回と同様の内容の質問でした。その後あまり進展が見られませんので、6年が経過した今回、再度質問します。 この質問は、(2)の「稼ぐ力」の創出にも関係してきます。 質問項目として、ア、本市には人を集める大型商業施設であるイオン等がないがどう考えるか。ここでは大型ショッピングモールとしてのイオン等というふうに御理解を頂きたいと思います。 イ、大型商業施設開発の手法はないか。 ウ、なぜ大型商業施設を誘致しないのか。 質問の要旨をより分かりやすくするために、具体的な店舗名等を使用します。大型ショッピングモールイオン、近隣市町では、羽生市、太田市にあります。複合商業施設カインズ、こちらも同様に行田市、羽生市、滑川町、旧川本町、寄居町等と、本市を除いた周辺市町に数多く店舗展開されています。本市にも熊谷籠原店ができましたが、店舗配置等の規模が違います。また、人気の高い施設として、会員制倉庫型店舗コストコがあります。コストコ入間倉庫店、新三郷倉庫店、そして前橋倉庫店が本市からの移動圏内にあります。我が家ではよく前橋倉庫店に行きます。35キロメートルほどで1時間ほどかかります。家族は年に5回から6回訪れます。私はその半分ぐらいかなと思います。何しろ広く、品数が豊富、ロットの違いもありますが、割安感はあります。最近テレビ番組でもよく取り上げられます。先ほど紹介した3店舗、前橋市、三郷市、入間市と結び三角形を描くと2辺の長い三角形になりますが、本市はそのほぼ真ん中に位置します。30キロから50キロ程度が商圏のようですから、熊谷に誘致できれば相当大きな商圏ができるものと考えます。大里郡内はもとより、秩父郡、比企郡、北埼玉郡、児玉郡も、あとは太田市方面からも多くの人が集まる情景が目に浮かびます。残念ながら既にほかの場所での話が進んでいるように聞いております。家具、インテリアのイケアも人気があります。以上申し上げた、イオン、カインズ、コストコ、イケアが全くない。結果として、市民の相当数が市外のこれらの施設に流れており、県北の中心都市としての本市の求心力を低下させ、活性化を阻害していると考えるため、この質問を取り上げました。 加えて、「熊谷は深谷に負けている」という市民のテレビインタビューでの発言がありました。これをちょっと紹介しますと、深谷のアウトレットができたときにテレビ局の取材で、ちょうど訪れていた熊谷市民が、「どちらからですか」、「熊谷からです。熊谷は深谷に負けていますよね」といきなり言ったそうです。これは翌日、何人もから聞いたので、多分間違いない話だと思います。1人の市民の声というのは、これが何百何千にも相当するというふうに受け止めるべきだと思います。現に私も個々には相当の数、聞いています。 次に、(2)、「稼ぐ力」の創出についてです。将来的に税収の減少が見込まれる中、市民福祉の向上のためには待ったなしの支出が多く発生します。そこで、本市として稼ぐ力についてどのように考えているかお尋ねします。 最後に、(3)、観光振興についてです。本市はスポーツ観光を大きな目玉として掲げていますが、アとして、本市の観光振興の目指す姿をどう考えるかお尋ねします。 次に、イとして、熊谷寺を中心とした市街地周遊コースは魅力的であると考えるがについてお尋ねします。これは、今までも取り上げてきた質問です。周遊コースのイメージを申し上げます。熊谷寺をスタートとして、熊谷寺は直実公のゆかりの寺、この市街地周遊コースは、熊谷寺の開門があれば非常にバージョンアップするコースかなと思っております。逆に言えば、この一般公開が大きな鍵を握っていると言っても過言ではないと思います。そういったことを多くの市民の方々も希望しております。直実公と言えば熊谷寺、それぐらい市民の皆様も期待している表れだと思います。 そこから続けて八木橋百貨店、ここは旧中山道が店舗の中を通るという、多分全国的には珍しいスタイルだと思います。そこで買物をしていただいて、意外と知られていないのは、その前にある宮沢賢治の歌碑です。これは宮沢賢治が若い頃、学生の頃に、秩父へ行く途中に立ち寄ったときに詠んだ歌が歌碑に刻まれています。これをよく見ると、歌碑の書のほうは、熊谷の書家の野口白汀先生、そして実行委員長として日本画家の大野百樹先生の名が連ねてあります。 そこから今度は、国道を渡って片倉シルク記念館、ここはイオンの一角にありますが、イオンの一角というよりも片倉工業の一角にイオンがあるということだと思います。片倉シルクはあそこにもともとあって、今は工場跡地の一部が残っているということです。片倉工業は非常に貢献度が高くて、昭和40年代頃までは熊谷も養蚕が盛んで、うちもやっていました。その頃はやっぱり農家の現金収入というと、こういった片倉工業が一生懸命扱ってくれた繭の代金です。そして、富岡製糸場も存亡の危機のときに片倉工業がこれを救って、今を維持しているという、それぐらい非常に貢献度の高い会社です。今は、そこが事実上、全部金銭的なものも面倒を見て開いてくれているのが片倉シルク記念館です。非常に見応えがあります。 そして、そこから今度は星渓園です。星渓園は御案内のとおり熊谷宿の竹井澹如の別邸ということで造られたものですけれども、今はそこにいろいろな施設が、立派な施設が市によって建て替えられましたけれども、ちょっともったいないかなという気がします。そういった施設が充実しているのと、また、あそこにはさっき3つ申し上げた中の熊谷椿があります。残念ながらクマガイソウはなかなか定植できないということで諦めたようですけれども、熊谷椿があります。また、隣接している石上寺には熊谷桜と、これはもう大分成長して、もう本数もすごいですから、私も毎年行っています。通常の桜よりも早咲きですので、行くと早めに桜が見られます。そういった桜の見物、そしてあとは大森貝塚の発見で有名なモースの関連の顕彰施設などもあります。これだけでもすごいコースかなと私はつくづく思います。 そのまま星川シンボルロードへと続きます。星川には一番上流にある憩いの広場から下流のふれあい広場まで7つの広場があります。お祭り広場を除いて彫刻6作品が設置されています。ちなみに、市役所前に設置してある清水多嘉示作「躍動」は、元はお祭り広場にあったと伺っています。これだけ著名な彫刻家の作品がそろっているので、不思議に思って市の学芸員に尋ねたら、上之の大野百樹先生の紹介だということを聞いて、ああ、なるほどすごいなと納得しました。話は周遊コースに戻りますが、星渓園や石上寺から程近い憩いの広場にある「戦災慰霊の女神」は北村西望作です。熊谷駅前の熊谷次郎直実像の作者であり、長崎平和公園にある平和祈念像の作者でもあります。これだけでも非常に大きなインパクトがあります。このように熊谷寺を中心とした市街地周遊コースは、妻沼の聖天様と並ぶ本市を代表するエリアと言えます。 続けて、大きい2番、歴史から学び、伝統を生かす その5―温故知新―です。これは、私の主要テーマとして令和3年3月議会から4回連続で行い、その4回目となる1年前の12月議会では、歴史から学び、伝統へ生かす その4として、(1)、郷土の偉人及び史跡、文化財等の活用並びに文化の振興に関する市長の考え方について質問を行いました。これは就任された小林市長が、さきの市長選挙において幅広い公約を掲げておられましたが、その中の一つに、「文化と伝統の薫る熊谷を創ります」。熊谷の歴史と文化、例示として、「蓮生房、聖天様、荻野吟子等を市民の誇りに変えます」とありました。そのことから質問させていただきました。そのときの答弁から抜粋すると、「本市には武士としての熊谷次郎直実、また、僧侶としての蓮生、荻野吟子、権田愛三など多数の郷土の偉人や妻沼聖天山本殿の国宝歓喜院聖天堂や国史跡幡羅官衙遺跡群のような国を代表する文化財のほか、後に忍城主となる成田氏関連の史跡や古文書、うどん文化、ラグビー文化など、全国に誇れる多種多様なすばらしい歴史と文化がある」、そして後段では「熊谷の歴史や文化を市民をはじめ多くの人々に広く周知し、また、文化遺産を観光資源と捉え、まちの魅力として積極的に発信することで本市への集客を促し、活力あるまちづくりにつなげてまいりたいと考えています」と答弁されていました。本市の歴史や文化に対する関心の高さと見識をお伺いすることができて安堵したことを記憶しています。 以前にも平成28年9月議会において、一つは子供たちへの教育の見地から偉人教育について、熊谷の偉人及び埼玉三偉人について、もう一つは、本市観光への活用の面から、偉人の顕彰及び観光資源としての活用について、ここでは埼玉三偉人の顕彰と、熊谷、深谷、本庄の3市連携について及び熊谷次郎直実の顕彰の在り方について、それぞれ質問を行いました。 また、平成30年9月議会においても、偉人の顕彰及び文化財のPR強化についての質問を重ねています。その結果、反映された項目もあるものの、まだ改善を要する項目も多いと感じるので、大きい2番、歴史から学び、伝統を生かす その5として、次のとおり質問をします。 (1)、美術館・博物館・郷土(歴史)資料館等の文化施設の創設の必要性について。 ア、施設の新設についての市の考えを教えてください。これらの施設の充実は、その都市の成熟度のバロメーターであり、県北の中心都市熊谷には欠かせない施設と考えます。また、本市の策定した個別施設計画は重要ですが、それに拘泥し過ぎることなく、前広の考えを期待します。 (2)、美術館・博物館等の分類及び区分について。 ア、施設の分類、区分による展示資料の相違を教えてください。 (3)、国・県・市史跡等指定文化財の保存及び修理等について。 ア、文化財保存修理の必要性の判断について。 イ、保存修理費用の公費と所有等の負担配分のルールについて、それぞれ教えてください。(4)、「荻野吟子生誕の地」・「熊谷次郎直実ゆかりの地」と表示の立て看板の設置については、アとして、両者を顕彰し、市民に啓発する手段についての市の考えを教えてください。 本市が全国に誇れる2人の偉人です。参考までに、深谷市は渋沢栄一の看板を2枚、本庄市は塙保己一の看板を1枚設置してあります。 最後に(5)、遺跡の発掘調査の意義及び現在の調査状況について。 ア、上之土地区画整理事業地内遺跡の発掘調査の成果と意義。 イ、発掘調査は、事業の円滑な進行を妨げていないかについて見解をお尋ねします。 以上で壇上での質問は終わります。再質問、要望等は質問席に着いて行います。              〔小林哲也市長登壇〕 ◎小林哲也市長 小鮒議員さんから大きく2点御質問を頂いておりますが、私から魅力あるまちづくりのうち、観光振興についてお答えいたします。 本市には、熊谷うちわ祭をはじめとする伝統行事や、妻沼聖天山の国宝歓喜院聖天堂、日本さくら名所100選の熊谷桜堤、星川シンボルロードなどの名所のほか、熊谷次郎直実公、荻野吟子女史など郷土の礎を築いた偉人や、100年フードの五家宝やうどんなどの物産といった多種多様なすばらしい地域資源があります。また、熊谷スポーツ文化公園を中心に、全国有数のスポーツ施設を集積する本市では、埼玉パナソニックワイルドナイツ、ちふれASエルフェン埼玉、埼玉武蔵ヒートベアーズなどプロスポーツチームの活動拠点となっており、スポーツ環境も充実しております。これらの歴史や伝統文化、偉人、物産などの地域資源やスポーツ環境を観光資源として積極的に活用し、シティプロモーション等を通じて全国に発信することで本市への誘客を促し、地域経済の活性化にもつなげていくことが本市の観光振興の目指す姿であると考えております。このようなことから、郷土の偉人である直実公、蓮生法師ゆかりの由緒ある熊谷寺を中心とした市街地周遊コースは、本市のファンとなる関係人口を増やす上でも大変魅力的であると考えています。そのため、直実公、蓮生法師の生き方や功績について顕彰し、市内外に広く情報発信してまいりたいと考えております。 ◎増田和昭産業振興部長 続きまして、大型商業施設等の在り方についてお答えします。 本市には、熊谷駅周辺の中心市街地及び市内の幹線道路沿いに大型商業施設やスーパー、ホームセンターや家電量販店などが立地し、若者、主婦、高齢等、地域の様々な生活ニーズに対応した商品、サービスを提供し、市民の豊かな暮らしを総合的にサポートしています。先日、隣接の深谷市にふかや花園プレミアム・アウトレットが開業し、多くの方の来場により周辺道路の影響など話題となりました。郊外への商業施設の立地には、周辺道路の状況や候補となる用地の確保、都市計画法上の土地利用規制による制約があるほか、本市では準工業地域への一定規模以上の大規模集客施設の立地を制限し、都市機能の適切な立地誘導を進めています。一方、魅力ある大型商業施設は、高い集客力により広域から多くの人を呼び寄せ、地域との連携を図ることでまちの活性化に効果的であることも認識しております。そこで、既存の大型商業施設が連携して魅力の向上を図る取組を支援することで、まちのにぎわいの創出を図ってまいりたいと考えています。 次に、「稼ぐ力」の創出ですが、本市は20キロメートル圏内に10か所の高速道路のインターチェンジがあり、広域的な製造、物流の拠点に最適であるほか、企業が集積した工業団地や工業集積地が多数存在し、高度な技術力を有する生産性の高い企業が多く立地しています。また、市内には教育機関が充実し、優れた人材の輩出も期待されます。本市は、農業、工業、商業がバランスよく発展した県内有数の産業都市であることから、高い付加価値を生み出す地域の稼ぐ力の基になる多くの資産を有しているものと考えております。 以上です。 ◎権田宣行教育次長 続きまして、御質問2、歴史から学び、伝統を生かすについてお答えします。 初めに、美術館・博物館等の創設の必要性についてですが、市民の生涯学習拠点、情報交流拠点として、また、本市の芸術、歴史資産を次世代へ継承するための施設として必要不可欠なものと考えています。本市の個別施設計画では、熊谷図書館の建て替え時に(仮称)歴史・民俗館、(仮称)図書館・美術館をそれぞれ整備することとしています。整備に当たっては、本市の文化資源の整備、立地場所や規模、市民ニーズ等に関する事前調査を行い、それらを踏まえて基本構想を立案することが必要となります。今後、個別施設計画の整備時期の見直しも含めて、適切な時期に事前調査を行い、場所の選定等、整備に向けて検討してまいりたいと考えています。 次に、美術館・博物館等の分類及び区分についてですが、博物館法制度上、登録博物館、博物館相当施設、博物館類似施設の3種類がありますが、展示できる資料には違いはありません。 なお、熊谷図書館展示室は博物館類似施設です。これとは別に、国宝・重要文化財の展示については、文化庁が定めた基準を満たした公開承認施設があります。この承認基準は、組織、施設、展示、保管環境等が公開に堪え得ることのほかに、資料の取扱いに習熟した学芸員の配置等が規定されています。承認されると国宝・重要文化財の公開手続を簡素化することができますが、県内の承認施設は、県立歴史と民俗の博物館のみです。 次に、文化財の保存及び修理についてですが、適宜、毀損状況等を調査、把握の上で、国、県指定については、国、県と情報共有し、指導、判断を受けています。市指定については市が判断を行っています。また、費用負担については、原則、所有等の負担ですが、市指定の場合、文化財補助金交付基準要綱の規定に基づき、対象が指定文化財そのものでは経費の2分の1以内、関連物件では経費の4分の1以内で補助が可能です。 次に、荻野吟子及び熊谷直実の顕彰、啓発のための看板設置についてですが、市内外に広く周知する目的を踏まえ、設置場所や記載内容等について検討してまいりたいと考えています。 次に、上之土地区画整理事業地内には、前中西遺跡、諏訪木遺跡、藤之宮遺跡、中西遺跡、上之古墳群の5遺跡があり、本市の縄文時代から江戸時代までの歴史を考える上で重要な発掘調査成果が得られています。特に前中西遺跡の今から2,000年前頃の弥生時代の集落は、関東屈指の大規模かつ拠点的集落であり、長野県北部までの広い範囲に及ぶ交流があったことも分かっており、学術的に注目されています。 なお、発掘調査は、土地区画整理事業の工事計画に基づく依頼箇所について調整の上、工事に先行して実施しています。近年は、複数の小規模面積での調査が常態化していますが、土地区画整理事業の進捗に合わせて行っています。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 市長をはじめ産業振興部長、教育次長に御答弁を頂きましたので、テーマに沿って順次再質問、要望等を申し述べます。 まず、大きい1番、「魅力あるまちづくり」についてです。再質問を4点行います。1点目は、本市では準工業地域への一定規模以上の大規模集客施設の立地を制限しているが、なぜ規制しているのか。また、都市計画法上は準工業地域にはどのような用途の建築物が立地可能になるのかお尋ねします。 ◎増田和昭産業振興部長 お答えします。 市街地縁辺部に多い準工業地域に大規模集客施設の立地を制限することにより、本来、店舗や事務所などが集積すべき町なかの商業地域の空洞化を防ぐとともに、適正な立地誘導を図る観点から、本市では現在、特別用途地区として準工業地域への特定の建築物の立地を制限しています。また、準工業地域では、用途として一部の工場、住宅、共同住宅、事務所、店舗など多様な建築物が可能とされています。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 準工業地域は、店舗も含めた多様な建築物の立地が可能ということですが、特別用途地区として特定の建築物の立地を制限していることにより大型商業施設の立地ができないというふうに理解しました。残念ながら、あらがうことのできない時代の流れの中で、本市はガラパゴス化してしまった感があります。イオンモールやカインズ、コストコなどの郊外型の大規模商業施設が本市を取り囲むように進出しており、そこに市民が買物に出かけているのが現状ではないでしょうか。逆の感じがいたします。先日、寄居町在住の友人、50代の夫婦なのですが、「主に買物はどこに行きますか」と尋ねました。意外な答えが返ってきました。新幹線本庄早稲田駅周辺の商業施設によく行くそうです。寄居、川本地区にもカインズがあります。以前は熊谷でよく買物をしていたそうですが、全く不便はなく、熊谷へは八木橋百貨店の北海道展に行くくらいだとの話でした。これは真摯に受け止めなければならないと思います。 続いて、再質問の2点目に入ります。大型商業施設は、市が誘致活動する対象として考えられるが、コストコなど魅力ある大型商業施設が誘致できるとなった場合、誘致したいと考えるかお尋ねします。 ◎増田和昭産業振興部長 お答えします。 大型の商業施設の高い集客力は、周辺地域を含めまちの活性化に大変効果的であると考えていますので、相手のいることではございますけれども、各種の法令との整合や土地利用調整等の状況を勘案しながら、立地の可能性が見込める場合には誘致してまいりたいと考えています。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 私が冒頭で列挙したイオンなどの誘致は難しいと思いますが、大型商業施設も企業誘致の一環と考えられますので、今後は積極的に、そして前広に対応してもらえるものと理解しました。期待しております。 再質問の3点目は、現在も中心市街地の活性化に準工業地域への規制が必要と考えられるのかお尋ねします。 ◎増田和昭産業振興部長 お答えします。 本年3月に策定した本市の立地適正化計画及び都市計画マスタープランでは、都市機能誘導区域に医療、福祉施設、商業施設等、また、居住誘導区域には、住居等を誘導することにより住民が徒歩や公共交通により、これら各種施設にアクセスできるようにするコンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりを進めていくこととしています。また、中心市街地活性化基本計画の核となる北部地域振興交流拠点施設の整備の検討も進められております。これらのことから、一定の立地誘導や規制は、現在のところ必要と考えております。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 それでは次は、4点目の質問に入ります。 過去に本市への立地の意向が示された大型商業施設はあるのかお尋ねします。 ◎増田和昭産業振興部長 お答えします。 立地の意向とまではいかないものの、大規模な床面積を必要とする商業施設から本市への立地の相談は受けたことがございます。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 立地の意向とまではいかないもののと答弁にあったとおり、立地の制限をしている関係から、記録に残すようなやり取りまでに発展していなかったのではないかと、そんなふうに感じます。言葉が適切かどうかはありますが、門前払いに近いものだったというような感じがいたします。 それでは、大きい1番、「魅力あるまちづくり」について要望等を申し述べます。これは、昭和40年代から50年度にかけて、ちょうど私が若い頃、八木橋百貨店のほかにニチイ、キンカ堂A館、B館、マルイなどがありました。まち全体が大変にぎやかでした。これらの施設と交代するようにダイエーができましたが、まちの風景が大きくさま変わりしてしまいました。この頃から中心市街地の空洞化が進んでしまったと記憶しています。商店街がシャッター通りと化し、さらにはコインパーキングへと変貌し、現在に至っています。 今から15年ほど前の話になりますが、上之地区に大型ショッピングモールイオンが進出するという話がありました。これをちょっと紹介します。この話は、地元の地権あるいは携わった不動産業者、あるいはイオンの駐在員が住んでいた近くの飲食店の店主とか、各方面からいろいろ聴取した内容なので、それなりの確実性はあると思います。どのような内容かというと、規模的には3万5,000平米、大体11.5ヘクタール程度です。今計画している道の駅「くまがや」よりも少し大きい、そんな感じの広さです。場所的には熊谷生協病院の東側、あの辺一帯に10ヘクタール以上の面積を使ってイオンの店舗、それとあと温泉施設も掘って、そして銀行も誘致するというような話で、大分進んでいたようです。上之周辺の、私も含めてですけれども、これはイオンができてよかったねとみんな喜んでいたのですけれども、ある日突然、イオンができなくなったという話が湧いてきて、みんなびっくりしたのは、恐らく上之周辺だけではなく、多くの方が記憶しているのではないかと思います。これができなかった理由はいろいろあると思います。規制上の問題もあるのだと思うのですけれども、地権も八十何%が賛成して、おおむねできるのだろうなというようなところまでいったものですが、それができなくて、できたイオンが羽生のイオンです。羽生のイオンの場所は、もともと養豚農家が持っていたのですけれども、あそこが工業団地の開発の話があって、それが時代の変化の中でできなくなって塩漬けになっていたところに、ちょうど渡りに船で、熊谷が駄目になったので羽生にできた。ですから、たしか1年、2年後にはもう完成してしまったと思います。そのような過去のいきさつもあります。 私は前の質問でも言ったのですけれども、熊谷の人が実際、羽生のイオンに相当行っています。では、熊谷のその人たちが羽生の中心市街地に行くかと言ったら、大変失礼ながら、あまり行くことはないと思います。ところが逆に、熊谷に羽生、加須周辺の方々がこういった大型ショッピングモールに来たときに、ではついでだからたまには八木橋へ寄ってみようか、あるいは駅ビルもあるよね、中心市街地へ行ってみようかという気になるのではないかなと思っております。それぐらい熊谷の魅力は本来はあるわけですが、そういった人を集める大型施設がないというのが大きなウイークポイントだと思っております。逃がした魚は非常に大きいという、そんな気がいたします。 ですから、これからいろいろなものを造ることに際して考えなくてはいけないのは、やはりできない理由を並べるのではなく、できる方法を探すという姿勢が必要かなと思います。市民から「熊谷は深谷に負けている」と言われないように、本市の活性化に向けた積極的な対応を講じていくことが肝要かと思います。 次に、大きい2番、歴史から学び、伝統を生かす その5について再質問を3点行います。 1点目は、近隣の博物館はどのような種別のものがあるかお尋ねします。 ◎権田宣行教育次長 お答えいたします。 登録博物館は、行田市郷土博物館、県立さきたま史跡の博物館、博物館相当施設は、立正大学博物館、博物館類似施設は、長島記念館、片倉シルク記念館、寄居町鉢形城歴史館です。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 分かりやすい説明ありがとうございました。ただいま列挙された施設は、立正大学博物館を除き、全ての施設に私は複数回訪れています。お隣の行田市郷土博物館は、成田氏3代、親泰、長泰、氏長が忍城を治めた歴史から、成田氏関連の常設展示や企画展もあるので、度々訪れています。入館料は大人200円です。県立さきたま史跡の博物館は、行田市のさきたま古墳公園の中にあります。稲荷山古墳から出土した115文字が刻まれた金錯銘鉄剣や翡翠の勾玉、鏡などの副葬品が国宝に指定されており、国宝展示室に展示してあります。そして、将軍山古墳展示室と合わせて200円の入館料で両施設を見ることができます。 再質問2点目は、熊谷図書館展示室は国宝重要文化財の展示は可能か、お尋ねします。 ◎権田宣行教育次長 お答えいたします。 可能であり、昨年度、熊谷を彩る発掘出土品展を開催した際、国指定重要文化財の埴輪2点を展示した実績があります。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 出土品展は私も見てきました。旧石器時代から中世までの埴輪や土器など約600点を一堂に集めた展示でした。大変すばらしかったです。展示品の中心には、中条古墳から出土した短甲の武人、この優美な面持ちをした、そして特に目がきれいなイケメン埴輪です。また、馬形埴輪も顔だちや姿の整った馬形埴輪の代表と言えるものです。御承知のとおり、馬形埴輪は65円切手のデザインにもなっています。いずれも国重要文化財の埴輪であり、東京国立博物館に所蔵されていますので、本市出土品でありながら、間近に見られる機会は少ないです。学芸員の努力のおかげで間近で見ることができました。事例も示していただき、国宝や重要文化財の展示も可能なことが分かりました。 再質問の3点目は、国史跡宮塚古墳、重要文化財平山家住宅に係る今後の保存についての考え方をお尋ねします。 ◎権田宣行教育次長 お答えいたします。 宮塚古墳については、近年、樹木の生育が顕著で、落ち葉等に苦慮していますが、例年、広瀬地区の子供会による清掃協力を得るなど保存に努めています。今後も適切な保存が行われるよう、所有及び地域住民と情報共有の上、検討してまいりたいと考えています。平山家住宅については、平成12年度のかやぶき屋根保存修理事業から20年以上経過し、毀損の状況が見られますが、国、県補助事業の可能性も含めて、所有の費用負担軽減について検討し、適切に保存してまいりたいと考えています。 以上です。 ◆小鮒賢二議員 この宮塚古墳は、下の四角い方墳の上に円墳が載っている形状の全国的にも珍しい上円下方墳です。子供たちによる清掃作業は行われているものの、樹木の成長は著しく、容易に判別できないのが現状です。県北を中心に活躍している洋画団体朱奏会の会長も務めた古澤正守先生の本市ミニ企画展において、宮塚古墳の水彩画を見たときに、上円下方墳分の形状がはっきりと見て取ることができました。昭和57年ですからちょうど40年前の作品です。当時のような形状が維持できないものかと思い質問をしました。宮塚古墳は、幡羅官衙遺跡群が指定を受けるまでは本市唯一の国指定史跡でした。全国的には珍しい貴重な上円下方墳です。 参考までに、大里地区にある円墳の甲山古墳や前方後円墳のとうかん山古墳、そして江南地区にある塩古墳群など、いずれも県指定史跡です。古墳巡りコースの設定が可能です。加えて埴輪などの考古遺物の保存等にも功績を残す根岸友山、根岸家長屋門も大里地区です。この施設も加えれば面白いと思います。甲山古墳は、円墳としては日本最大の丸墓山古墳に次ぎ県内2番目、全国でも4番目の規模とされています。頂上には精緻な彫刻が施された冑山神社があります。とうかん山古墳は市内最大の前方後円墳です。墳丘の上にはほこらがあり、そこからは鍵穴の形をした前方後円墳が見てとれます。また、塩古墳群は市内最古、県内でも古い時期のものとされています。方墳が多く、円墳そして前方後円墳などが数多く造られています。さきたま古墳群のような整備はされていませんが、圧巻です。新緑とともにウグイスの鳴く季節がお勧めです。 また、江南地区の樋春にある平山家住宅は、入母屋造りのかやぶき屋根の江戸時代の農家住宅です。重要文化財に指定されていますが、今でも所有により使用されている建物ですから、保存面は課題も多いと思いますが、ひときわすばらしい農家住宅です。しっかりと保存していただきたいと思います。中から屋根を見上げると少し青空が見えてしまうのは、ちょっと残念なところであります。この施設も塩古墳群から回り込める位置です。古墳巡りコースに加えれば面白いと思います。 それでは、大きい2番、歴史から学び、伝統を生かす その5について要望等を申し述べます。まず、美術館・博物館等の創設の必要性についての質問では、必要不可欠な施設であると考えている。今後、個別施設計画の整備時期の見直しを含めて、適切な時期に事前調査を行い、場所の選定等、整備に向けて検討していきたいとの実現に向けた積極的な答弁でありました。本市の豊富な芸術、歴史資産を後世に受け継ぐと同時に、県北の雄都にふさわしく、かつ観光振興にも資するこれら施設の早期実現を期待します。きれいな包装紙は、中身のすばらしさを期待させるメッセージです。 さらに、美術館・博物館等の分類及び区分については、博物館法制度上、登録博物館、博物館相当施設、博物館類似施設の3種類があり、展示できる資料に違いがないことも分かりました。 また、荻野吟子及び熊谷直実の顕彰、啓発のための看板設置については、市内外に広く周知する目的を踏まえ、設置場所や記載内容等について検討していきたいとの、こちらも実現に向けた積極的な答弁でした。看板にQRコードの記載も有効と考えます。早期の設置を望みます。活躍した時代やその分野を異にする全国的に発信できる2人の偉人が存在する市は少ないと思います。直実公は熊谷市の代名詞のような存在です。差こそあれ、知らない市民はいないと言っても過言ではありません。小学校時代には運動会で「直実節」を踊り、漠然とですが直実の存在を知ります。中学校では、古典で「敦盛最期」で認識します。そして、大人になってからはお酒で直実を知ります。これを大分味わっている方が多いと思いますが、これはともかく個人差はあると思いますので。いずれにしても、「直実節」は市内全小学校で踊れるようにすればベストだと思います。 これは古い話になりますが、これも私の子供の頃で恐縮なのですが、何かいろいろ聞くと、熊谷市内だけではなくて、行田だとか寄居の人にも聞いたら「踊ったよ」という、「寄居じゃ、畠山重忠、重忠節じゃないの」と言ったのですけれども、「直実節を踊ったよ」と言っていました。それぐらい広範囲で「直実節」が踊られた時代があったので、それだけ直実の存在感というか知名度が高いということだと思います。ですから、熊谷も合併しましたけれども、せめて熊谷市内は全域で、もう合併して17年たっているのですから、もういろいろ共通性を持ったほうがいいと思います。そういう中で、皆さんが「直実節」を踊れば、これから直実を顕彰する上では大きく役立つと思います。 ですから、渋沢栄一というのは、出は血洗島、八基村ということになりますが、これはみんな深谷市の偉人渋沢栄一、そして塙保己一も旧児玉町出身ですから、そういうふうに言われますけれども、やはり本庄市の偉人ということです。荻野吟子も結局、妻沼の出身ではありますけれども、やはりもう熊谷市の偉人です。ですから、これら埼玉三偉人は、もう地域の偉人を通り越して、市の偉人、県の偉人、そして全国に発信できる偉人だというのは、これは認識して顕彰するべきだと思います。そういうことで、これらの偉人については、深谷市、本庄市のほうがちょっと進んでいるような気がいたします。ちょっと熊谷市は後れを取っているのではないかという感がありますので、この辺も、荻野吟子をぜひ顕彰をしていただきたいと思います。 あと、三偉人の連携という中で考えると、やっぱり浮かんでくるのが塙保己一が編さんした「群書類従」の中に、律令等を整理した「令義解」というのがありますけれども、その中に、昔女医がいたということが記載されていて、荻野吟子は女医になろうとしたときに、前例がないということを言われて、いや、そんなことありませんと。昔、女医になったという記録がありますということで。ですから、それを整理した塙保己一もすごいですけれども、それを子供の頃に読んで、それを今度は記憶している荻野吟子もすごいなというのは感じました。そういうふうにいろいろなことの中で、この埼玉三偉人は熊谷、深谷、本庄ですから、偶然に3人がそろったのではないと思います。そういった人たちがいるということは何か関連性もあるでしょうし、いろいろなその気候風土、そうした歴史というのが重く感じられます。 ですから、前も申し上げましたけれども、やはり三偉人は、私はもう本当に、くどい話ですけれども、深谷市みたいに何十年も前から渋沢栄一を顕彰して、おもちゃの十万円札を作って配布しているような、そういった活動をしていれば、本当に渋沢栄一が一万円札、そして津田梅子が五千円になるわけですが、荻野吟子でも十分に通用するし、また、千円札は北里柴三郎ですが、これも塙保己一の業績を考えたときには匹敵すると思います。ですから、本当に、もしかしたら埼玉三偉人が一万円札、五千円札、千円札の肖像になっていた、これも絶対にあり得なかったことではないような気がいたします。そういった方たちをしっかり顕彰して、3市連携、そして荻野吟子、そして熊谷直実を特に顕彰して熊谷の顔にして、看板を見て、皆さんが今度は熊谷もこういった発信を積極的にやっているのだなというのが感じられるような、そんな体制を取っていただければと思っております。 それでは、市長の提言しております「文化と伝統の薫る熊谷」が全国に発信できることを期待いたしまして、私の令和4年12月議会における市政に関する一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○福田勝美議長 以上で15番小鮒賢二議員の一般質問は終了いたしました。              〔「議長、休憩」と言うあり〕 ○福田勝美議長 暫時休憩いたします。              午後 1時58分  休 憩                                                          午後 2時08分  再 開 ○福田勝美議長 休憩中の会議を再開いたします。 △一般質問続行 ○福田勝美議長 次に、17番林幸子議員の一般質問を許可いたします。              〔17番林 幸子議員登壇〕 ◆林幸子議員 皆さん、こんにちは。議席番号17番、林幸子です。福田議長より発言の許可を頂きましたので、通告の順に従い、今回は大きく3点について一般質問をいたします。 まず初めに、大きい1番、プレコンセプションケアについてです。コンセプションとは抱く、宿るという意味で、おなかの中に新しい命を授かることを言います。したがって、プレコンセプションケアとは、妊娠前のヘルスケア、つまり、適切な時期に適切な知識、情報を女性やカップルを対象に提供し、将来の妊娠のためのヘルスケアを行うという意味になります。先ほど三浦議員が、妊娠・出産・子育ての伴走型相談支援と経済的支援について一般質問をいたしましたが、私はさらに妊娠前のヘルスケアの必要性を感じ、今回テーマとして取り上げました。このプレコンセプションケアの取組ですが、もともとはアメリカから始まり、WHOが「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」と定義し、広める活動をしているそうです。日本においても、2021年に成育基本法の基本方針の中に、「女性やカップルを対象として、将来の妊娠のための健康管理を促す取組」と明記されました。近年、女性の低栄養や働く女性の健康問題、不妊治療や低出生体重児の増加などにより、このプレコンセプションケアの必要性が注目され始めたところです。さらに、プレコンセプションケアは、妊娠を計画している女性だけではなく、全ての妊娠可能年齢の女性にとって大切なケアです。10代の思春期の頃からスタートするとよいとされています。プレコンセプションケアの目的には主に3つあります。1、若い世代の健康を増進し、より質の高い生活を実現してもらうこと、2、若い世代の男女が将来より健康になること、3、より健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子供たちをより健康にすることです。人生100年と言われるこの時代において、健康は誰もが願うものであり、少子化と言われる昨今、この3つの目的はとても大切なことなのではないかと感じています。妊娠を希望する方に対する支援として、不妊症や不育症の助成とともに、このプレコンセプションケアを行うと同時に学校教育に取り入れ、子供たちが小さい時期から自分の健康と人生設計について考えるきっかけづくりを行うなど、熊谷市民、特に若い男女が将来望む人生に必要な情報を知り、備えられるようにしていくべきと考えます。そこで、プレコンセプションケアについて質問をいたします。 質問(1)、プレコンセプションケアに対する認識について。 2、プレコンセプションケアにつながる現在の取組について。 3、プレコンセプションケアを推進するために早急に実施すべき具体的な取組は何か。 以上3点お聞きします。 次に、大きい2番、視覚障がいの移動時の安全確保について―踏切に点字ブロックの設置を―と題し、質問をいたします。今年の4月、奈良県内の鉄道の踏切で目の不自由な女性が列車に接触して死亡する事故が起きました。白杖を持った全盲の女性は、踏切を横断している途中で遮断機が下りてしまい、自分の立ち位置が分からず、踏切の外にいると思い込んで立ち止まってしまったところ、事故に遭ったと見られています。事故に遭った女性がその踏切を日常的に利用していたかどうかは分かりませんが、もしそうだとしたら、事故が起きる前に何か対策を講ずることはできなかったのか、そう思うと胸が痛みます。事故のあった直後、現場では再発防止に向けて視覚障害者の歩行の手がかりとなるよう、踏切内に踏切の内側であることを示す凹凸のある誘導表示を設置したようです。あわせて、経年劣化で一部が損傷していた踏切手前の点字ブロックも新しく設置し直したと聞いています。 国土交通省は、6月に道路の移動等円滑化に関するガイドラインを改訂し、全国の自治体や鉄道事業者に通知をしました。改訂後のガイドラインでは、道路を管理する自治体に対し、①、踏切の手前に注意喚起の点字ブロックを設置すること、②、踏切内では踏切の外にいるとの誤認を防ぐため、表面に凹凸のある誘導表示を設置することの2点を求めています。改訂前のガイドラインでも踏切の安全対策が促されていましたが、具体的に何をすべきか、ここまで踏み込んだ内容を記載するのは今回が初めてということです。対策実施に係る整備費用は、踏切1か所当たり数十万円から100万円ほどと言われ、自治体に対する国の財政支援として、踏切道改良計画事業補助制度や、社会資本整備総合交付金などが活用可能と聞いています。国土交通省の指針改訂を受け、各地の自治体も踏切の安全対策に乗り出しています。例えば、兵庫県伊丹市は、8月に市道上にある12か所の踏切について検討を行い、視覚障害者の利用頻度が特に高い踏切内に誘導表示を設置したようです。伊丹市は、今後も鉄道事業者や視覚障害者団体との協議を重ねながら設置箇所を増やす考えだということです。熊谷市においてもこのような事故は断じて起こってはならないし、悲しい事故が起こる前に対策を講じていくべきと考え、質問をいたします。 質問(1)、市内に踏切は何か所ありますか。 (2)、そのうち視覚障害者の方が安全に通行できる対策を施された踏切というのは何か所ありますか。 (3)、国土交通省のガイドラインが見直された後の本市の対応について。 (4)、踏切内に凹凸のある誘導表示を設置するための手順と設置の可能性について。 以上4点についてお聞きします。 次に、大きい3番、「まちなかトイレ」の整備について。皆さんは、町なかをうろうろしていて急にトイレに行きたくなった経験はありますか。知っているまちならまだよいのですが、知らないまちだと、今いる場所から一番近い場所がどの辺なのか分からず、時限爆弾を抱えた状態で町なかをさまようことになってしまいます。私もまだ子供が小さい頃に、出かけた先で急に「お母さん、トイレに行きたい」と言われ、「だから、さっき行きたくなくてもトイレに行っておきなさいって言ったのに」と言いながら必死に探したことがあったなと思い出しました。そんな経験は誰でも一度や二度はあると思います。 先日、数年前に病気を患い車椅子ユーザーになったという方のお話を聞く機会がありました。その方は、病気を患う前は日本全国を飛び回る仕事をしていましたが、発病をきっかけに地元熊谷に戻ってきたと言います。もともと行動的だったので、外出が大好きで1人車椅子で出かけることもあり、すると、自分が生まれ育ったまちはこんなまちだったのかと気づいたことがたくさんあったそうです。その中で一番の気づきが、これだけの規模のまちなのに、誰でも利用できるトイレの数が少ないのではないかということです。もしかしたらトイレ自体は整備されているのかもしれませんが、その情報を入手するための手段を自分は知らないというお話でした。障害者の社会参加が叫ばれ、外に出なさいと言うけれども、最も大切な排せつの環境が整っていなければ外出なんてできないし、情報が届かないというのであれば、発信する側の責任もあるのではないか。その方のお話を聞いて、障害者だけでなく高齢、また、小さいお子さんがいても、いつでも気軽に外に出かけられるような環境づくりをする大切さを改めて感じました。 そこで今回は、市内でも利用の多い場所の一つとして、熊谷市中心市街地地区内の熊谷駅から市役所までの区域の中で、特に車椅子ユーザーの方が利用できるトイレの現状について質問をいたします。 質問(1)、公共トイレの設置箇所と車椅子ユーザーが使用できるトイレの数。 (2)、民間施設等で車椅子ユーザーが使用できるトイレの数。 (3)、イベント時の対応について。 (4)、その区域内に今後ユニバーサルトイレを設置する可能性について。 以上4点についてお願いします。 以上、壇上での質問は終わります。なお、再質問等につきましては質問席で行わせていただきますので、よろしくお願いいたします。 ◎田島尚栄市民部長 林議員さんの御質問1、プレコンセプションケアについてお答えします。 初めに、プレコンセプションケアの認識についてですが、国の成育医療等基本方針において、「女性やカップルを対象として、将来の妊娠のための健康管理を促す取組」と定義されており、小学校高学年から40歳代半ばの方を対象として、将来の妊娠・出産や心と体の健康に対して正しい知識を持ち、意識を高めることは、健康的な生活を送る上で大切なことと認識しています。 次に、プレコンセプションケアにつながる現在の取組についてですが、小・中学校では、学習指導要領に基づき、保健分野において発達の段階を考慮した健康教育を行っています。小学校では、体の発育、発達、病気の予防、中学校では、心身の機能の発達と心の健康、健康な生活と疾病の予防の単元で扱っています。これらの単元の中で、運動、食事、休養及び睡眠の調和の取れた生活や飲酒、喫煙による影響や性感染症の予防等のプレコンセプションケアに関連する内容について学んでいます。助産師等の専門職である外部講師に依頼し、健康教育を実施している学校もあります。熊谷保健センターでは、がん予防といたしまして、20歳以上の女性を対象として2年に1回受けられる子宮頸がん検診を市内委託医療機関で実施しています。また、健康づくり課では、妊娠を望む事実婚を含めた御夫婦に対して、早期不妊検査等の助成、不育症検査及び治療の助成を実施しています。 次に、プレコンセプションケアを推進するために早急に実施すべき取組についてですが、幅広い世代に向け、早い時期から将来に向けた健康知識の向上や生活習慣の改善等の重要性及び妊娠・出産を含めた自身の健康について意識していただけるよう、ホームページや「メルくま」を通じて周知啓発に取り組んでまいります。 以上です。 ◎武田敏男都市整備部長 続きまして、御質問2、視覚障がいの移動時の安全確保についてお答えいたします。 初めに、市内の踏切の数ですが、JR高崎線に26か所、秩父鉄道秩父本線及び三ヶ尻線に37か所あり、高崎線と秩父本線にまたがる踏切が3か所ありますので、合計で60か所になります。 次に、視覚障害者の方が安全に通行できる対策を施した踏切ですが、踏切手前部に誘導用ブロックを設置している踏切は1か所あり、踏切内に表面に凹凸のある誘導用表示を設置している踏切はありません。 次に、ガイドライン改正後の対応ですが、高齢障害者等の移動等の円滑化を総合的かつ効果的に推進するために設置している熊谷市バリアフリー推進協議会を本年度中に開催する予定であり、会議の場で誘導表示の形状等について御意見を伺えればと考えています。 次に、踏切内の誘導表示の設置については、踏切の形態や利用状況、踏切前後の点字ブロックの設置状況を確認し、また、バリアフリー推進協議会の意見を伺いながら、鉄道事業者と連携して対応してまいります。 続きまして、御質問3、「まちなかトイレ」の整備についてお答えいたします。初めに、公共トイレは、熊谷駅正面口、髙城神社、千形神社、市営本町駐車場、中央公園の5か所にあり、そのうち車椅子利用が使用できるのは、千形神社、市営本町駐車場、中央公園の3か所です。 次に、民間施設等で車椅子利用が使用できるトイレは、現時点では把握しておりませんが、平成27年に作成したバリアフリーマップ「あのくま」に12か所記載されています。現在、新たにインターネットに掲載する電子版バリアフリーマップの作成を検討しており、利用がスマートフォンから手軽に利用することができ、また、写真等の情報を随時更新できるようにする予定です。 次に、イベント時の対応ですが、うちわ祭では、主催である年番町がコミュニティひろばに仮設トイレを設置していますが、そのうち1基が障害者用トイレとなっています。また、星川夜市では来場用のトイレの借用を沿道の2店舗に御協力いただいていますが、車椅子利用が使用できるトイレはありません。 次に、今後のユニバーサルトイレの設置については、北部地域振興交流拠点等の公共施設整備に併せ設置されるもののほか、これからのまちづくりを考える中で検討してまいります。 以上でございます。 ◆林幸子議員 17番、林幸子です。それぞれに御答弁を頂きました。まず、大きい1番、プレコンセプションケアについてですが、助産師等の専門職である外部講師に依頼し、健康教育を実施している学校もあるとのことです。そのような取組の中で命の大切さや自分をいたわることの大切さを学んでいく場所を提供できるとよいのかなと感じます。ぜひ多くの学校に同様の機会が与えられるよう御検討をお願いします。 それから、幅広い世代に向けての取組ですが、ホームページ等で周知を図るとありました。国立成育医療研究センターが作成したプレコンチェックシートというものがあります。まず、自分の今の健康状態がどうなのかということを知ることから健康づくりが始まるのではないかなと思いますので、このようなチェックシートをホームページに記載することも一つの方法だと考えます。御検討をお願いします。熊谷市の不妊症、不育症対策や子育て支援は、大変充実しているというふうに私は評価をしています。今後プレコンセプションケアを含めた妊娠前からの情報提供、さらにお子さんを希望する方に対しての支援、また、妊娠から出産に至るまでの産前産後ケア、そして育児と切れ目のない子育て支援を充実させていただくことを期待し、このテーマについては閉じさせていただきます。 次に、大きい2番、視覚障がいの移動時の安全確保についてに移ります。御答弁の中に、本年度中に開催予定の熊谷市バリアフリー推進協議会の場で意見を聞くとありました。ぜひ当事者の方や現場の声を受け止めていただきたいと思います。去る11月15日に行われたまち歩き点検に、私も視覚障害者の団体の皆さんと一緒に参加をしました。まち歩き点検のコースは、1、市役所から熊谷駅まで、2、宮前町から鎌倉町、そして弥生町を通って熊谷駅まで、3、宮前町から駅南通りを歩き、南口ロータリーから熊谷駅までという3つのコースを3班に分かれてそれぞれ歩きながら、誘導ブロックの現状、音響信号機の設置状況、エスコートゾーンの状況等を点検しながら歩きました。実際歩いてみると、例えば、ごみ収集場所のネットが点字ブロック上で邪魔していたり、家の庭から木の枝がはみ出していたりと、目が見える人にとってはささいなことかもしれませんが、多くの気づきがありました。景観的にはおしゃれなインターロッキングも点字ブロックとの識別が難しいということも分かりましたし、エスコートゾーンの位置に関しても疑問点が見つかりました。熊谷駅東口の商業施設前においては、一時期に比べて台数は少なくなった印象でしたが、相変わらず放置自転車が点字ブロックを塞いでいました。踏切の横断も経験しましたが、やはり危険を感じました。まち歩き点検で気づいた点は、同行した職員と課題を共有することができ、できることから改善するというお話も聞いていますので、ぜひお願いしたいと思います。踏切内での安全対策も早急に検討していただきたいところですが、やはりいろいろな面で整備には時間がかかるということも理解はしています。ハード面での対策はもちろん必要ですが、と同時にソフト面、つまり市民の方の意識や行動によって、視覚に障害のある方の移動時の安全確保につながるのではないかと感じています。ハード、ソフト両面を備えた、そんな優しいまちになることを願い、このテーマについては終わります。 最後に、大きい3番、「まちなかトイレ」の整備についてですが、町なかエリアの公設トイレで車椅子利用が使用できるトイレは3か所とのことですが、とても少ない気がしました。だからといって、今後、独立したトイレのみを整備するとなると、場所や予算の関係上、やはり新たな公共施設の整備に併せてユニバーサルトイレを順次設置していくという考え方は現実的で、今すぐ公設トイレの数を増やすのは難しいということは理解できます。となると、現状は、民間にも御協力を頂かなければならないということになってしまいます。現在、熊谷市には、御答弁の中にもありました平成27年度の市民協働「熊谷の力」事業として作成したバリアフリーマップ「あのくま」がありますが、この中には参考になる情報がたくさん載っています。インターネットで検索するとマップのPDF版がダウンロードできる形になっています。しかし、ダウンロードしたものを印刷し広げると、かなり大きなものとなり、縮小して印刷すると字が小さ過ぎてよく見えません。折り畳めば小さくなりますが、いつも持ち歩いているとは限りません。スマホから便利に利用できるようなマップがあるといいなと考えていたところでありましたので、今後の新たな電子版バリアフリーマップ作成の取組に期待したいと思います。随時新しい情報を更新していけるような内容と聞いていますので、完成した後も、さらに利用でつくり上げていくことができるということで楽しみにしています。 そこで、電子版バリアフリーマップが完成した暁には、多くの人に知ってもらう必要があるのではないかと考えますが、周知方法について、市報やホームページ掲載はもちろんのこと、駅前や星川通り、また、市役所通りなどの場所にマップに直接アクセスできるQRコードなどを示す案内板などを設置してはいかがでしょうか、市の考えをお聞きします。 ◎武田敏男都市整備部長 お答えいたします。 多くの方に御利用いただけるよう積極的な周知を図ってまいりますが、QRコードにつきましても、今後、設置場所や設置方法などを検討してまいります。 以上でございます。 ◆林幸子議員 検討していただけるということですので、ぜひよろしくお願いします。 今回はトイレについて質問をいたしましたが、バリアフリーマップの中には、トイレ以外にも「出入口にスロープあり」とか、車椅子で利用可能な席があるなどの情報や、また、お子様連れや高齢の方も気軽に立ち寄れるサービスを展開しているお店も紹介されることと思います。ぜひ多くの方に情報が届くような工夫をお願いし、今定例会における私の一般質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。 ○福田勝美議長 以上で17番林幸子議員の一般質問は終了いたしました。 ○福田勝美議長 次に、6番田中正議員の一般質問を許可いたします。              〔6番田中 正議員登壇〕 ◆田中正議員 皆さん、こんにちは。本日最後の質問となります。ちょっと喉の調子が本調子ではございませんので、保湿を含めマスクを着用にての発言とさせていただきます。お許しを頂ければと思います。 議長より発言の許可を頂きましたので、通告順に沿って質問をさせていただきます。今回は、大きく2点に分けて質問をさせていただきます。 大きな1として、令和2年3月に熊谷市第4次健康増進計画について質問をさせていただきました。本計画は、平成30年に策定した第2次熊谷市総合振興計画の政策の一つである健康で安全・安心に暮らせるまちの実現に向け、市民、行政等が一体となって保健課題に取り組む本市の基本的な健康施策を定めたものになっていますが、令和2年度から令和5年度までの4年間を計画期間としております。令和3年度進捗状況を見ると、55項目のうち、順調が13、おおむね順調が6、遅れているが36と、取組が大変遅れていると判断せざるを得ません。計画では、「本計画に基づいた評価検証を毎年実施し、市民の皆様とともに健康づくりに取り組み、健康長寿熊谷の実現を目指してまいります」とあります。そこで、残り1年となったところでの中間総括として質問をさせていただきます。 質問1として、がん検診受診率向上は12%と、明らかに進んでいないと言えるが、中間総括と今後の対策についてお聞かせください。 質問2として、特定健康診査受診率と特定保健指導参加率についての中間総括と今後の対策についてお聞かせください。 質問3として、保健指導判定値以上の保有数の減少について、肥満、収縮血圧、ヘモグロビンA1c、中性脂肪、HDLコレステロールの値の平均値の推移について及び中間総括と今後の対策についてお聞かせください。 質問4として、特定保健指導判定値以上の保有数の減少についての中間総括と今後の対応についてお聞かせください。 質問5として、糖尿病の治療継続の割合の増加、合併症年間新規透析導入患者数の減少について、直近5年間の推移と中間総括及び今後の対策についてお聞かせください。 次に、令和3年6月議会において質問させていただきましたが、標準化死亡比SMRにおいて、心筋梗塞死亡が、男性全国5位、女性が全国6位という結果でした。標準化死亡比とは、全国を基準イコール100とした場合に、その地域の年齢を調整した上での死亡率がどの程度高いかを示したもので、100に近ければ平均ということになります。 そこで、質問6として、直近5年間の急性心筋梗塞患者の件数についてお聞かせください。 質問7として、急性心筋梗塞患者を抽出することはできないが、生活習慣病リスク保有の割合など、システムに設定された項目で住所ごとの特性を確認できるとの答弁を頂きましたが、結果についてお聞かせください。 質問8として、特定健診対象に対するアンケート調査について検討するとの答弁でありましたが、アンケート調査は実施できたのか。できたのであればその結果についてお聞かせください。 質問9として、令和3年度特定健康診査のはがきに急性心筋梗塞による死亡率の高さの数値を載せていましたが、反響はあったでしょうか。また、それ以外に行った対策についてお聞かせください。 質問10として、成人で歯科健診及び保健指導を受けたの増加についての中間総括と今後の対策についてお聞かせください。 次に、大きい2として、胃がんリスク検診としてのピロリ菌検査についてお伺いいたします。ピロリ菌は胃がんのリスク因子でもあり、幼少期までに胃への感染が成立し、それ以降は感染することはできなくなるものです。長い年月をかけ萎縮性胃炎に進行し、そこから胃がんが発生します。早期の検査と除菌が大切になってきます。そこで、ピロリ菌検査早期実施に向けて、令和元年12月議会においては、中学生へのピロリ菌検査の実施について、令和3年6月議会では、二十歳になる熊谷市在住の方へのピロリ菌検査実施について質問させていただきましたが、再度質問させていただきます。 質問1として、直近5年間の胃がん患者数と推移についてお聞かせください。 質問2として、胃がん患者の年齢別数についてお聞かせください。 質問3として、直近の胃がん患者の治療の推移についてお聞かせください。 質問4として、胃がん患者からピロリ菌検出率についてお聞かせください。 以上で壇上での質問を終わります。再質問、要望については質問席にて行わせていただきます。 ◎田島尚栄市民部長 田中議員さんの御質問1、熊谷市第4次健康増進計画についてお答えします。 初めに、がん検診受診率向上についてですが、コロナ禍で受診数が落ち込む中、令和2年度から未受診のうち40歳の方へ個別に受診勧奨はがきを送付した結果、勧奨した年齢で受診率が向上したため、3年度からは50歳の方にも拡大して実施しました。また、4年度からは、通常の受診券送付対象に加え、新たに51歳から54歳まで、56歳から59歳までになる方にも受診券を送付しました。引き続き受診率の向上に努めてまいります。 次に、特定健康診査受診率ですが、元年度までは上昇傾向にありましたが、2年度はコロナ禍の受診控えにより減少、3年度は再び上昇しましたが、コロナ禍前の水準までには回復していません。また、特定保健指導参加率は、2年度までおおむね横ばいの傾向を示しておりましたが、3年度は微増となりました。特定健康診査の受診率は県内でも下位にあり、引き続き受診勧奨に努めてまいります。 次に、特定保健指導判定値以上の保有の減少について、各指標の直近5年間の推移ですが、肥満腹囲は増加傾向、中性脂肪は横ばいとなっており、収縮期血圧、HbA1c及びHDLコレステロールは元年度まで減少傾向でしたが、2年度からはそれぞれ増加に転じています。また、その他の指標であるBMIについては増加傾向を示しており、各指標全般に進捗はやや遅れている状況であります。コロナ禍による外出自粛に伴う生活習慣や食習慣の変化も影響していると思われますが、引き続き継続的な運動や食生活の見直しなどを呼びかけてまいります。 次に、糖尿病の治療継続の割合の増加ですが、平成29年度から令和3年度まで増加率を順に申し上げますと、23.3ポイント、34.2ポイント、29.8ポイント、17.5ポイント、21.1ポイントです。また、合併症の人数の減少ですが、平成29年度から令和3年度まで人数を順に申し上げますと、55人、43人、29人、45人、40人です。いずれも横ばいかやや減少傾向ですが、今後も医療の適正化のため、治療に対する動機づけの周知に努めてまいります。 次に、急性心筋梗塞の患者数ですが、平成29年度から令和3年度まで人数を順に申し上げますと、414人、630人、451人、394人、419人です。 次に、特定健康診査結果の住所ごとの特性ですが、本市内の各地域において顕著な違いはありませんでしたが、糖尿病リスクなどに多少の相違がございました。今後は、確認結果を活用し、地域の特性に応じた事業を進めてまいります。 次に、アンケート調査ですが、特定保健指導参加に対し食生活アンケートを実施したところ、塩分や間食の過多、運動不足などの生活習慣の傾向が把握できましたので、減塩や食事バランスに関する啓発など、日々の生活を見直すための適切な情報提供を行ってまいります。 次に、特定健康診査の受診勧奨はがきへの反響ですが、急性心筋梗塞に関する反応は特にありませんでした。また、それ以外の対策では、令和4年度の特定健康診査実施前に、急性心筋梗塞等の本市の状況を医療機関に周知し、受診を進めていただくよう依頼しました。 次に、成人で歯科健診及び保健指導を受けたの増加ですが、平成29年度から令和3年度まで受診人数を順に申し上げますと、1,435人、1,287人、871人、845人、896人で、元年度からは800人台で推移しています。受診を促すために、がん検診と同様に2年度は未受診のうち40歳、3年度からは40歳及び50歳の方に受診の再勧奨を行っています。また、今年度から受診機会を増やすため受診期間を1か月延長し、3月までとしました。歯周疾患の早期発見、早期治療の重要性を周知し、受診の増加を目指すとともに、勧奨方法についても検証してまいります。 続きまして、御質問2、胃がんリスク検診としてのピロリ菌検査についてお答えします。初めに、直近5年間の胃がん患者数は、平成26年から30年まで人数を順に申し上げますと、155人、158人、242人、196人、177人と横ばいの状況です。 次に、胃がん患者の年齢別数は、平成30年の埼玉県の人数となりますが、20歳代1人、30歳代35人、40歳代147人、50歳代341人、60歳代1,425人、70歳代2,646人、80歳代1,596人、90歳代253人、100歳代3人となっています。 次に、胃がん患者の医療の推移ですが、本市国保加入について、平成30年度から令和3年度まで医療を100万円単位で順に申し上げますと、1億7,900万円、1億6,200万円、1億4,600万円、1億5,000万円となっています。元年度終わり頃から2年度にかけては、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響で受診控えがあったことから医療は減少しましたが、3年度の医療は増加に転じています。 次に、胃がん患者からのピロリ菌検出率について熊谷市のデータはありませんが、胃がんに罹患した患者の99%の方がピロリ菌に感染していたという研究報告があると伺っています。 以上でございます。 ◆田中正議員 6番、田中です。それぞれに答弁を頂きましたので、順次再質問させていただきます。 その前に「HbA1c」ですけれども、これは糖尿病のマーカーとなりまして、「ヘモグロビンエーワンシー」と読みますので、一応お知らせだけしておきます。 再質問1として、がん検診の受診率向上について、受診率は項目により10%から15%までと低位で推移していますが、コロナ禍による受診抑制だけが問題ではなさそうに見えますが、受診率が低い根本的なものはどのようなものがあるのか。また、受診券送付対象拡大だけで行動できるのかお聞かせください。 ◎田島尚栄市民部長 お答えいたします。 内閣府のがん対策に関する世論調査によりますと、がん検診を受けない理由として、受ける時間がない、健康状態に自信があり必要性を感じない、心配なときはいつでも医療機関を受診できるなどが挙げられていることから、がん検診の重要性に関する市民の意識改革が必要であると考えます。受診率の向上に向け、がん検診についての正しい認識を持っていただけるよう、より効果的な受診勧奨や普及啓発を行ってまいります。 以上でございます。 ◆田中正議員 6番、田中です。了解いたしました。 それでは、再質問2として、先日行われました議員部長研修会で、ホームページは全く見ないと思ったほうがよいというお話もありました。健康診査の受診勧奨は、具体的にはホームページ以外ではどのようなものを考えていらっしゃいますか。 ◎田島尚栄市民部長 お答えします。 市報への掲載やデジタルサイネージを活用して定期的に受診の呼びかけを行っています。また、このほかに、小学5年生を対象とした子供から健康メッセージ事業を行っており、保健体育の授業で健康診断の重要性を学習し、健康への関心を高め、児童から保護の方に向けた健康メッセージを作成し、直接手渡すことにより健康診断の大切さを家族全員で共有し、受診への働きかけを行っています。 以上です。 ◆田中正議員 6番、田中正です。それでは、再質問3といたしまして、肥満傾向にある受診への継続的な運動や食生活の見直しをどのように呼びかけていくのかお答えください。 ◎田島尚栄市民部長 お答えします。 生活習慣病は、食べ過ぎ、偏食などの乱れた食生活や運動不足が深く関わっていることから、肥満傾向など特定保健指導の対象となった方には健康教室への参加を促す通知を送付しています。また、健康診査結果と一緒に生活習慣改善のためのリーフレットを配布したり、からだ見直し講座や相談事業を実施しています。今後も機会を捉えて運動や適切な食生活の重要性を呼びかけてまいります。 以上でございます。 ◆田中正議員 6番、田中正です。再質問4、ちょっとくどくなって申し訳ないのですけれども、糖尿病治療継続の割合についての増加についての治療に対する動機づけの周知、これはどのようなことを考えているのかお聞かせください。 ◎田島尚栄市民部長 お答えいたします。 本市では、特定健康診査の結果やレセプトデータを活用し、糖尿病性腎症重症化予防対策事業を埼玉県国民健康保険団体連合会と協働して行っています。本事業を通じ、糖尿病の重症化リスクが高い方のうち、治療していない方に対して医療機関への受診を促す通知書を送付しています。また、治療中の患者の方に対しては、人工透析への移行防止のため、かかりつけ医の指導の下、病状に応じて年4回の保健指導を行っています。 以上でございます。 ◆田中正議員 田中でございます。再質問5として、特定保健指導参加に対して行ったアンケート調査の結果ですけれども、これはどのような形で情報提供を行っていくのか、お願いいたします。 ◎田島尚栄市民部長 お答えいたします。 アンケート調査の結果を基に、生活習慣の改善を促す健康教育やメタボ改善・予防教室で活用しており、引き続き効果的な取組に努めてまいります。 以上でございます。 ◆田中正議員 田中でございます。再質問7として、成人歯科健診の勧奨方法について、具体的にはどのようなものを考えていますか、お願いいたします。 ◎田島尚栄市民部長 お答えいたします。 現在は、対象にがん検診の受診券と一体で成人歯科検診の受診券を個別に送付しているほか、市報、市ホームページ、「メルくま」で受診勧奨を行っています。今後は、受診率の向上を目指し、受診券を送付する際に同封するチラシ等を工夫するなど、より効果的な方法を検証してまいります。 以上でございます。 ◆田中正議員 田中でございます。了解いたしました。 それでは、要望を述べさせていただきます。今回の質問を通して様々な取組を行っていただいていることがよく分かりました。がん検診の重要性に関する市民の意識改革が必要だということ、がん検診についての正しい知識を持っていただけるような、より効果的な受診勧奨や普及啓発をよろしくお願いいたします。まだまだ健康について関心のない方が多く見受けられます。その方々にいかに健康が大切なのかを分かっていただけるような意識改革が必要になると思います。しかし、これが一番難しい課題かもしれませんが、さらなる啓発活動の推進をお願いいたします。 第2次健康増進計画から第4次健康増進計画を見させていただきました。すると、各年度の進捗状況はほとんど遅れているが60%から65%までを占めています。また、書かれている内容は、残念ながらほとんど同じで、90%以上が同じ文言で並んでいます。挿絵とグラフ、写真が変わっているだけです。進捗状況を踏まえても、何もしていないのではないかと感じてしまいました。やってきた結果と総括をしっかりしていただき、熊谷市民の健康増進に邁進していただければと思います。来年から令和6年度からの第5次計画の検討が始まると思います。しっかりとしたプランのほうをよろしくお願いいたします。 次に、胃がんリスク検診としてのピロリ菌検査について再質問させていただきます。胃がん患者の年齢別件数において、40代までの人は全体の2.8%ではございますが、存在します。その方たちを胃がんリスクから守るという考えにおいて、ピロリ菌検査は必要だと思われますが、いかがでしょうか。 ◎田島尚栄市民部長 お答えいたします。 ピロリ菌検査は、死亡率減少効果が明らかになっておらず、自治体が提供する検診としては推奨されていないことから、引き続き国のがん検診指針に沿った検査方法により、胃がんの早期発見、早期治療に努めてまいりたいと考えています。 以上です。 ◆田中正議員 田中でございます。了解いたしました。 再質問2として、令和元年12月議会での一般質問の答弁として、「県内自治体での導入事例があることから、情報収集に努めるとともに、熊谷市医師会のがん検診運営委員会の意見を参考に、よりよい検診を目指してまいります」とお答えいただきましたが、どのような情報が集まりましたか。また、参考となる導入事例はありましたか、お聞かせください。 ◎田島尚栄市民部長 お答えいたします。 ピロリ菌検査及びペプシノーゲン検査を用いたABC検診は、県内63市町村中、令和2年度が17団体、3年度、4年度が16団体で実施しており、このうち1団体は5年度に廃止を検討しているとのことです。また、対象の範囲を縮小した団体もあります。なお、ABC検診の導入については、胃内視鏡検査を実施していない代わりに開始した団体が多く、本市は既に胃内視鏡検査を実施しているため、参考となる事例はございませんでした。 以上でございます。 ◆田中正議員 田中です。再質問3として、胃がんに罹患した患者の99%の方がピロリ菌に感染していたとの研究報告をいただきました。十分なエビデンスがあると考えられますが、ピロリ菌の早期検査は、将来的には医療の抑制につながるのではと思われますが、いかがでしょうか。 ◎田島尚栄市民部長 お答えいたします。 国や県などの資料において根拠となるデータが示されておりませんので判断できませんが、本市としましては、国のがん検診指針に沿った検診方法の促進により医療の抑制につなげたいと考えています。 以上でございます。 ◆田中正議員 了解いたしました。 それでは、要望を申し上げます。ピロリ菌検査は、胃がんのリスク因子であるということは医学的にも周知の事実であります。胃がんとの関連性が明確になっている唯一の検査でもあります。答弁にもありましたように、早期発見、早期治療においてとても大切であります。リスク因子であり、その結果から予防医学的に除菌し、内視鏡にての定期的な検査によって胃がんを早期に発見して治療していくのに使用していくものであります。ピロリ菌検査が一般に普及してまだ20年弱しかたっておりません。その間に多くの論文も出されております。ですから、現状から統計結果を導くと十分な死亡率減少との関係を示すまでにはまだまだ時間がかかります。死亡率減少効果が明らかになっておらず、検診としては推奨されていないという答弁は、私からするとちょっと的を射ていないのではないかと思われます。私も死亡率減少効果については質問はしておりませんし、大切なのは、医学的見地に立って理論的に早期発見、早期治療に結びつけられるものだということを再度、研究していただきたいと思います。ピロリ菌検査により結果が出てくれば、必ずしや医療の抑制にも今後は効果が出てくると期待しております。 以上をもちまして今定例会での質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○福田勝美議長 以上で6番田中正議員の一般質問は終了いたしました。 以上で本日予定されておりました一般質問は全て終了いたしました。 △散会について ○福田勝美議長 本日はこれにて散会いたします。 御苦労さまでした。              午後 3時04分  散 会...