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1. 熊谷市議会 2022-09-13
   09月13日－一般質問－03号

   
   取得元: 熊谷市議会公式サイト
   最終取得日: 2023-05-28
   令和　４年　　９月　定例会（第３回）〇　議　事　日　程　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（９月１３日〔火〕午前１０時開議）第　１　市政に関する一般質問　　　　　　　　　一般質問通告一覧表　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第３回市議会定例会　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（９月１３日）┌───┬────┬───────┬──────────────────────────┐│　　　│　　　　│　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　││通告順│議席番号│　氏　　　名　│　　　　　　　　質　　問　　項　　目　　　　　　　　││　　　│　　　　│　　　　　　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│　１　│　２４　│三　浦　和　一│１　マイ・タイムラインの推進について　　　　　　　　││　　　│　　　　│　　　　　　　│２　子供ファーストの熊谷市について　　　　　　　　　││　　　│　　　　│　　　　　　　│３　若者のワクチン接種推進について　　　　　　　　　│├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│　２　│　１１　│腰　塚　菜穂子│１　持続可能な地域公共交通をデザインする　　　　　　││　　　│　　　　│　　　　　　　│　―マイカーを手放してもお出かけできる制度設計を―　│├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│　３　│　１２　│小　島　正　泰│１　新型コロナウイルスへの対応について　その６　　　││　　　│　　　　│　　　　　　　│２　児童・生徒の手荷物について　　　　　　　　　　　│├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│　４　│　１５　│小　鮒　賢　二│１　上之土地区画整理事業の促進について　　　　　　　││　　　│　　　　│　　　　　　　│　―速やかな事業の完了に向けて―　　　　　　　　　　││　　　│　　　　│　　　　　　　│（１）市長の現状認識及び対処方針について　　　　　　││　　　│　　　　│　　　　　　　│（２）事業の概要及び進捗状況等について　　　　　　　│├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│　５　│　１７　│林　　　幸　子│１　「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション││　　　│　　　　│　　　　　　　│　施策推進法」の成立を受けて　　　　　　　　　　　　││　　　│　　　　│　　　　　　　│２　新星川改修工事について　　　　　　　　　　　　　││　　　│　　　　│　　　　　　　│　―大原地区の水害を考える―　　　　　　　　　　　　│├───┼────┼───────┼──────────────────────────┤│　６　│　２２　│小　林　一　貫│１　参議院議員通常選挙について　　　　　　　　　　　││　　　│　　　　│　　　　　　　│２　健康長寿事業の現状について　　　　　　　　　　　││　　　│　　　　│　　　　　　　│３　本市のキャッシュレス決済の総括について　　　　　│└───┴────┴───────┴──────────────────────────┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〇本日の会議に付した事件　議事日程のとおり　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〇議長及び副議長　議　　長　２８番　福　　田　　勝　　美　議員　副 議 長　　７番　山　　下　　一　　男　議員　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〇出席議員（３０名）　　　１番　　小　　林　　國　　章　　議員　　　　２番　　白　　根　　佳　　典　　議員　　　３番　　中　　島　　千　　尋　　議員　　　　４番　　沼　　上　　政　　幸　　議員　　　５番　　新　　島　　一　　英　　議員　　　　６番　　田　　中　　　　　正　　議員　　　７番　　山　　下　　一　　男　　議員　　　　８番　　影　　山　　琢　　也　　議員　　　９番　　鈴　　木　　理　　裕　　議員　　　１０番　　千　　葉　　義　　浩　　議員　　１１番　　腰　　塚　　菜 穂 子　　議員　　　１２番　　小　　島　　正　　泰　　議員　　１３番　　権　　田　　清　　志　　議員　　　１４番　　石　　川　　広　　己　　議員　　１５番　　小　　鮒　　賢　　二　　議員　　　１６番　　守　　屋　　　　　淳　　議員　　１７番　　林　　　　　幸　　子　　議員　　　１８番　　関　　口　　弥　　生　　議員　　１９番　　野　　澤　　久　　夫　　議員　　　２０番　　黒　　澤　　三 千 夫　　議員　　２１番　　須　　永　　宣　　延　　議員　　　２２番　　小　　林　　一　　貫　　議員　　２３番　　桜　　井　　く る み　　議員　　　２４番　　三　　浦　　和　　一　　議員　　２５番　　大　　山　　美 智 子　　議員　　　２６番　　森　　　　　新　　一　　議員　　２７番　　富　　岡　　信　　吾　　議員　　　２８番　　福　　田　　勝　　美　　議員　　２９番　　大 久 保　　照　　夫　　議員　　　３０番　　栗　　原　　健　　曻　　議員　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〇欠席議員（なし）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〇説明のための出席者　　　　　　　市　　　　　長　　　　小　　　林　　　哲　　　也　　　　　　　副　　市　　長　　　　長　谷　川　　　　　　　泉　　　　　　　副　　市　　長　　　　大　　　島　　　英　　　司　　　　　　　市 長 公 室 長　　　　高　　　柳　　　　　　　勤　　　　　　　危 機 管 理 監　　　　鯨　　　井　　　英　　　明　　　　　　　総 合 政策部長　　　　荻　　　野　　　秀　　　夫　　　　　　　総　務　部　長　　　　本　　　多　　　　　　　俊　　　　　　　市　民　部　長　　　　田　　　島　　　尚　　　栄　　　　　　　福　祉　部　長　　　　植　　　原　　　利　　　和　　　　　　　環　境　部　長　　　　髙　　　橋　　　秀　　　之　　　　　　　産 業 振興部長　　　　増　　　田　　　和　　　昭　　　　　　　都 市 整備部長　　　　武　　　田　　　敏　　　男　　　　　　　建　設　部　長　　　　山　　　下　　　克　　　巳　　　　　　　消　　防　　長　　　　金　　　井　　　秀　　　行　　　　　　　上 下 水道部長　　　　丸　　　山　　　英　　　道　　　　　　　会 計 管 理 者　　　　腰　　　塚　　　育　　　子　　　　　　　教 育 委 員 会　　　　野　　　原　　　　　　　晃　　　　　　　教　　育　　長　　　　　　　教　育　次　長　　　　権　　　田　　　宣　　　行　　　　　　　選挙管理委員会　　　　森　　　田　　　洋　　　子　　　　　　　事　務　局　長　　　　　　　監　査　委　員　　　　吉　　　川　　　勝　　　己　　　　　　　事　務　局　長　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〇事務局職員出席者　　　　　　　事　務　局　長　　　　大　　　熊　　　宏　　　之　　　　　　　副　　局　　長　　　　長　谷　川　　　　　　　正　　　　　　　次長兼庶務係長　　　　久　保　田　　　聡　　　美　　　　　　　主　　幹　　兼　　　　茂　　　木　　　　　　　健　　　　　　　議 事 調査係長　　　　　　　主　　　　　査　　　　野　　　間　　　謙　　　治　　　　　　　主　　　　　査　　　　森　　　　　　　哲　　　也　　　　　　　主　　　　　査　　　　中　　　山　　　亜　　　紀　　　　　　　主　　　　　査　　　　根　　　岸　　　友　　　絵　　　　　　　　　　　　　　午前１０時００分　　開　議 ○福田勝美議長　出席議員が定足数に達しましたので、これより本日の会議を開きます。 △諸般の報告 ○福田勝美議長　開会前タブレット端末に配付いたしました文書は、１つ、本日の議事日程、１つ、一般質問通告一覧表、以上２件であります。 △市政に関する一般質問 ○福田勝美議長　これより日程に入ります。　日程第１、市政に関する一般質問。　22人の議員から一般質問の通告がなされております。　これより一般質問を行います。　なお、再質問からは質問席からの一問一答方式ですので、よろしくお願いいたします。　それでは、発言通告の順序により一般質問を許可いたします。　申し上げます。新型コロナウイルス感染対策のため、この後の三浦和一議員の一般質問に関係しない理事者には、ここで退席をお願いします。　議員におかれましては、議席表Ａを参考に、議席番号１番から18番までの議員にあっては偶数の方、議席番号19番から30番までの議員にあっては奇数の方は、会派控室等におきまして待機いただきますようお願いします。　なお、引き続き議場に出席を希望される議員におかれましては、議場にお残りください。　また、退席に際し、席札は立てたままとしていただきますようお願いします。　暫時休憩します。　　　　　　　　　　　　　　午前１０時０１分　　休　憩　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　午前１０時０３分　　再　開 ○福田勝美議長　休憩中の会議を再開します。 △一般質問続行 ○福田勝美議長　最初に、24番三浦和一議員の一般質問を許可いたします。　　　　　　　　　　　　　　〔24番三浦和一議員登壇〕 ◆三浦和一議員　皆さん、おはようございます。ただいま福田勝美議長より発言の許可を頂きましたので、通告の順に従いまして一般質問を始めさせていただきます。今回は、大きく３点についてであります。　まず、大きな１番は、マイ・タイムラインの推進についてであります。マイ・タイムラインとは、洪水災害の発生を前提に市がつくった防災行動計画を基に、市民の皆様が自分自身や家族の命を守るためにつくる防災行動計画をいいます。最近、天気予報で線状降水帯という言葉をよく耳にするようになりました。線状降水帯とは、その名のとおり線のように存在する雨雲の様子を指しますが、いろいろ調べてみますと、実は線状降水帯には正式な定義はないようであります。一般的には、激しい雨を降らせる積乱雲が集まり、数時間同じ場所にとどまる性質があるものを線状降水帯と呼んでいるようです。この線状降水帯が発生する条件やメカニズムは、現在研究が続けられている段階であり、いまだ分かっていないため、線状降水帯の発生を事前に予測することは難しいと言われております。しかし、天気予報で線状降水帯が見られたという発表があれば、その後数時間にわたって大雨、豪雨になる可能性があり、避難指示などが出される場合もありますので、注意が必要となります。また、避難指示などが出ていなくても、近くで線状降水帯が観測されたと発表があった場合は、川沿いには近づかないようにしたり、なるべく外出は避け、避難場所、避難経路を確認するといった豪雨に備えた行動を取る準備を進める必要があると言われています。このように、雨の降り方が局地化、集中化、激甚化している状況の中で被害を最小限にするためには、施設整備による対策だけでなくソフト対策との組合せが重要だと言われています。そのソフト対策の一つとして今注目されているのが、市民の皆様に自分自身で作っていただくマイ・タイムラインです。熊谷市では、洪水による被害を想定して、いつ、誰が、何をするのかに着目し、防災行動などをあらかじめ時系列に整理した計画である洪水タイムラインを既に策定しています。このタイムライン、日本語では防災行動計画とも言いますが、国、地方公共団体、企業、住民等が連携してタイムラインを作成することにより災害時に連携した対応を行うことができます。　熊谷市の洪水対応タイムラインは、荒川版、利根川版、福川版、小山川版、唐沢川版、石田川版の６つが作られています。しかし、まだまだ市民の皆様に十分に認知されているとは言えません。特に荒川、利根川の氾濫水位が５メートルを超える地域の場合、たとえ自宅の２階に避難しても命に関わる事態が考えられます。そこで、マイ・タイムラインの作成が急務になってくるわけですが、熊谷市のホームページからこのマイ・タイムラインにたどり着くのはなかなか大変です。しかし、こうしたマイ・タイムラインを作成して緊急時の避難行動を決めておくことは非常に重要だと考えます。そこで、特に危険区域にお住まいの方には、大規模洪水災害に備えて早急にマイ・タイムラインの作成を進める必要があるのではないでしょうか。　そこで質問ですが、質問の１、現在、熊谷市内でマイ・タイムラインを作成している人は何人ぐらいいると思いますか。　質問の２、熊谷市の洪水浸水想定区域図の中に、家屋倒壊等氾濫想定区域、氾濫流と河岸侵食というのがありますが、それぞれどのような地域をいうのか。また、熊谷市内においてその区域には、それぞれ何世帯ぐらいの方が生活しているのか。　質問の３、そうした区域にお住まいの方々を対象に、出前講座のように住民からの申込みを待つのではなく、行政側から積極的にハザードマップ、洪水タイムライン、マイ・タイムラインの説明会を開くことについてどう考えますか。　質問の４、熊谷市のホームページからマイ・タイムラインを見つけようとしても、実際やってみるとなかなか見つかりません。たとえ見つけたとしても、ハザードマップや洪水タイムラインとの関わりが分からないので、いまいちぴんときません。そこで、マイ・タイムラインを開きやすくするとともに、マイ・タイムラインに現在お住まいの住所を入力すれば、ハザードマップの浸水深や家屋倒壊等氾濫想定区域かどうか、また、避難先の学校、福祉避難所等が自動表示できるようなシステムがつくれないか。　質問の５、この洪水によるマイ・タイムラインと同様、市民の皆様の防災への関心を高めていくきっかけづくりとして、また、地震による訓練の一つとして、全市民等を対象に防災行政無線から流れる訓練放送に合わせて、地震から身を守る安全行動を取っていただくシェイクアウト訓練を定期的に実施することについてどう考えますか、お伺いいたします。　次に、大きな２番目の質問は、子供ファーストの熊谷市についてであります。子供政策の司令塔となるこども家庭庁が明年、2023年４月に新設されるとともに、子どもの権利を守るための基本理念を定めたこども基本法も同じく施行されます。国は、このこども家庭庁を設置するに当たり、2021年末にこども政策の新たな推進体制に関する基本方針を閣議決定しました。この基本方針の「はじめに」は次のようにあります。「常にこどもの最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据えて、こどもの視点で、こどもを取り巻くあらゆる環境を視野に入れ、こどもの権利を保障し、こどもを誰一人取り残さず、健やかな成長を社会全体で後押しする。そうしたこどもまんなか社会を目指すための新たな司令塔として、こども家庭庁を創設する」とありました。熊谷市においては、これらによって今まで以上に子育て支援や子供の貧困対策、児童虐待防止、少子化対策といった幅広い分野に専門的な施策が講じられることを期待しております。　そこで今回は、こども家庭庁に関する参考人の意見陳述として国会に招致された兵庫県明石市長の話を参考にしながら、熊谷市の子供施策の基本的な考え方として、こどもまんなか社会を目指す子供ファーストについて質問させていただきます。　今回、こども家庭庁の新設とともに成立したこども基本法の第１条には、目的として次のように書かれています。「この法律は、日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して、社会全体としてこども施策に取り組むことができるよう、こども施策に関し、基本理念を定め、国の責務等を明らかにし、及びこども施策の基本となる事項を定めるとともに、こども政策推進会議を設置すること等により、こども施策を総合的に推進することを目的とする」とあります。やはりここでも注目したいのは、次代を担う全ての子供たちを社会全体としてこども施策に取り組んでいくとした子供ファーストの考え方が底流にあるということだと思います。今後、様々な自治体で施策が進められていくことと思いますが、今回御紹介する兵庫県明石市でもこの考え方が底流にあります。明石市の目玉施策は、子供たちを差別することなく、所得制限なしに子育て世代と子供たちを支援するための５つの無料化だと言います。この明石市の５つの無料化とは、１、高校３年生までの医療費の無料化、２、第２子以降の保育料の完全無料化、３、１歳までおむつやミルクや子育て用品を毎月配送、４、中学校の給食費無料化、５、プールや博物館など公共施設の入場料無料化というものです。熊谷市でも幾つかはできていると思いますが、明石市に注目したいのは、これらのサービスは、子供たちを差別しないために全て所得制限なし。つまり、子供施策は社会全体として取り組むという姿勢です。自治体にとってみれば、子育て支援をここまで充実させるためには、ほかの部分を削らなくてはならないということであり、さらに地域の皆様の協力も必要となることから、何をまちづくりの中心に据えるかということは、市民の皆様にもよく理解していただかなければなりませんが、明石市ではこれを行っているということです。　2021年、日本全体の子供の数が過去最少の81万人となり、出生率も上がらない状況の中で、このまま進めば日本が存在しなくなるという声も上がるほど少子化が止まらないのが今の日本の現状であります。そうした中で、2011年から明石市長を務めている泉房穂市長は、参考人として呼ばれた国会の場で次のように述べています。「日本は少子化の加速や経済の停滞と言われておりますが、その原因の一つは、私たちの社会が子供に冷た過ぎるのではないかと思えてなりません。子供を本気で応援すれば人口減少の問題に歯止めをかけられますし、経済もよくなっていく。お金がないからせこいことをするんじゃなくて、お金がないときこそ子供に金を使うんです。そうすると地域経済が回り始め、お金が回り始める。明石市では、子供のみならず、高齢者、障害者、犯罪被害者やＬＧＢＴＱ＋についても全国初の施策が展開できております。お金ができたので、子供たちだけじゃなくてみんなに優しいまちがつくれたということだと理解をしております」と。さらに、泉市長はこう続けます。「こういったことをするには、まずは発想の転換が必要です。子供を応援するのは子供のためだけではありません。私も含めたみんなのための施策という発想の転換が一番大事だと思えてなりません。そして、組織の連携、予算の倍増、人の育成、地域の協力も必要です。全ての子供たちをまちのみんなで本気で応援すればまちのみんなが幸せになる。本気で子供の応援をするんです。そのことがまさに国民みんなのためだということが大変重要だと思っています。子供を応援すればみんな幸せなんです。子供や子供の親だけじゃなく、お年を召した方も、幅広いみんなにとって、私たちの社会にとっていいことなんだという発想の転換をぜひお願いしたい。子供の未来は私たち自身の未来であり、子供の未来は日本社会の未来だと本気で考えております」というものでありました。現在30万人を超える明石市ですが、人口が９年連続で増え続け、出生率も2018年に1.70と、同年の全国平均の1.42よりも高い数値となっています。このほか、こども園や子ども食堂、病児保育の整備、児童相談所の強化と運用改善、子供担当部署の３倍以上の増員などにも注力し、コロナ禍における給付型の奨学金制度や独り親をめぐる給付の上乗せ、各種学校における生理用品の設置、少人数学級化などの施策も進めています。　そこで質問です。　質問の１、熊谷市の過去10年間の合計特殊出生率はどうなっているのか。　質問の２、明石市で進めている子供ファーストの考え方についてどう思われますか。また、子供ファーストの考えを熊谷市の子育て施策の中心に取り入れていくことについてどう考えるのかお伺いいたします。　質問の３、明石市で特に気になったのが、３つ目の１歳までおむつやミルクや子育て用品の毎月配送です。これは、単に子育て用品を業者に配送させるのではなく、子育て経験があり研修も受けておられる支援員の方が、毎月、無料の赤ちゃん用品を子育て中のお母さんに直接配ることによって、お母さん方の経済的な負担を軽減するとともに、子育てで悩むお母さんの声をじかに聞きながら、ほかのサービスに結びつけていくこともできるというサービスです。こうしたサービスを熊谷市で取り入れていくことについてどう考えるのかお伺いいたします。　質問の４、今後こども家庭庁が進めていくと思われる制度や組織による縦割りの壁、年齢の壁を克服した切れ目のない包括的な支援を推進していくために、熊谷市としてこども家庭庁に即した窓口の設置を進めることについてどう考えるのかお伺いをいたします。　次に、大きな３番は、若者のワクチン接種推進についてであります。現在国は、感染防止と社会活動、経済活動を両立させるウィズコロナの社会づくりをどう進めていくのか苦心しています。それは、今までの経験から、社会活動を幾ら制限しても、新型コロナウイルスを消滅させることはできないことから、ウイルスが常にそばにいると社会全体が理解した上で、ウイルスと共存しながら経済活動をどのようにすれば持続させていくことができるのかという挑戦です。現在の第７波では少し落ち着く様相を見せてきましたが、一時期は死者数が急増し、１日当たりの死者数が第６波をも上回り、病床の使用率も上がり、医療従事者への感染も広がり、適切な医療を受けられずに亡くなっていく例もありました。ワクチン効果もあることから、たとえ感染しても重症化リスクが低くなっているとはいえ、高齢者や持病を持った方々にとっては命に関わるウイルスであることは間違いないので、感染者の母数が大きくなれば、その分重症者数や死者数も増えてしまうことになります。こうした中で、特に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけについて、２類から、季節性インフルエンザと同じ５類相当に移行すべきかどうかという議論が盛んに行われています。もし２類から５類に移行になれば、医療逼迫の回避にはつながると思いますが、医療費の一部が自己負担になるという問題や、ワクチンの副反応、効果の検証、経口治療薬の流通がまだまだ十分でないことから、国としてもなかなか移行に踏み切れないようであります。しかし、いずれにしても、新型コロナウイルスの感染はまだまだ収まったわけではありませんので、ワクチン接種を受けずにウイルスに対する免疫がない場合や、ワクチン接種を受けてから相当期間が過ぎてしまい免疫力が落ちてしまった場合は、いずれどこかのタイミングでウイルスに感染してしまうことを想定していなくてはいけません。幸いにもこれまで私たちが接種してきたファイザー製やモデルナ製ワクチンが高い有効性を確認できたことは、本当に幸運なことだと思っています。ワクチン接種を受け免疫ができることによって感染や発症の確率を大きく減らすことができたからであります。また、仮にワクチンを接種したのに発症してしまったとしても、病状のある期間が短くなったり重症化を防いだりする効果も期待できます。さらに、ワクチンは接種を受けた本人だけでなく、同居する家族や日常的に接する友人、同僚にウイルスをうつすのを抑制する効果も期待できます。身近に重症化リスクの高い持病のある人や高齢者がいれば、なおさらワクチン接種が重要になると思います。こうしたことから、ワクチンを接種しないことで、自分だけでなく周囲の人を危険にさらしてしまうかもしれないということを、若い人たちにはぜひ理解していただきたいと思います。　さらに、ワクチン接種を受けるメリットは、自分が生活する地域全体にももたらされます。地域でより多くの人がワクチン接種を受けることによって、その地域の新型コロナウイルスに対する防御は高まり、感染伝播が減っていくことになるからです。仮にウイルスが外から持ち込まれてしまっても、その地域からウイルスが消えていくことになります。最近、日本でもサル痘の感染者が発生したというニュースが報道されていましたが、いつまた新たに懸念すべき変異ウイルスが誕生するかという不安もあります。感染者数が増えれば増えるほど変異が起こるリスクは上がると言われています。逆に、いち早くワクチンが広がり、感染する人が減れば減るほど変異ウイルスが誕生する確率を減らすこともできると言われています。したがって、より多くの人がより早い段階でワクチン接種を受けることで、新たな変異ウイルス出現のリスクを減らすという点でも、より安心した未来を描くことができるようになると思われます。　また、新型コロナウイルスワクチンを接種した後に亡くなった90代の女性について、厚生労働省は、接種が原因で死亡した可能性が否定できないとして、法律に基づく死亡一時金を初めて支給することを決めました。これは、ワクチンとの因果関係を認めた副反応疑い報告制度としてではなく、健康被害救済制度に基づいた支給のようですが、こうしたワクチンのリスクについては、接種を受けてリスクを取るか、受けないでリスクを回避するのかの選択と考えてしまいがちです。しかし、実際にはそうではありません。このウイルスは待っていればどこかに消えてなくなるものではありませんし、むしろ人と共存していく可能性が高く、今後もこのウイルスによる感染症を患うリスクと隣り合わせで生活していかなければならないからです。ワクチン接種の選択は、ワクチンを受けるか、いずれ新型コロナウイルス感染症に感染してしまうのかの選択になるとも思います。もちろん、ワクチンを受けるか受けないかは御自身の自由でありますが、私は、これらのことから、一人でも多くの若い人たちにワクチン接種を受けていただきたいと願うものであります。　そこで質問ですが、質問の１、現在国で定めているワクチン接種対象者はどのようになっているか。　質問の２、熊谷市では５歳から11歳、12歳から19歳、20歳から39歳、40歳から64歳、そして65歳以上の１回目から３回目の接種率についてお伺いします。　質問の３、若者のワクチン接種率低迷の理由はどんなことが考えられるのか。　質問の４、埼玉県が無料でＰＣＲ検査や抗原検査の実施、検査キットの配布を行っていますが、熊谷市内ではどのような状況になっているのか。　質問の５、若い人たちに一人でも多くワクチン接種を受けていただくために、熊谷市として何か取り組んでいることはありますか。　質問の６、若者の接種促進策として、ポイントを付与するなどサービス提供の考えがありますか。　以上で壇上での質問は終わります。なお、再質問、要望等は質問席にて行わせていただきます。 ◎鯨井英明危機管理監　三浦議員さんの御質問の１、マイ・タイムラインの推進についてお答えいたします。　初めに、マイ・タイムラインの作成者数ですが、正確な人数は把握できていませんが、市政宅配講座や防災講演会において、マイ・タイムラインの説明を希望されるケースが増えてきており、市民の方の関心が高まっているものと考えています。　次に、家屋倒壊等氾濫想定区域の氾濫流と河岸侵食についてですが、氾濫流とは、堤防が壊れ、河川外に流れ出た水の勢いで一般的な木造２階建て住宅が倒壊等をする危険性がある範囲であり、河岸浸食とは、川の流れる勢いにより堤防や地面等が削り取られることで、家屋の造りに関係なく壊れる危険性がある範囲です。それぞれの区域の世帯数は把握していませんが、熊谷市立地適正化計画の中で調査した建物数を申し上げますと、氾濫流区域が5,725棟、河岸侵食区域が318棟です。　次に、マイ・タイムライン等の説明会についてですが、現在はマイ・タイムラインの作成の仕方やハザードマップの見方について、自治会や自主防災会からの依頼があった際に職員が説明に伺っていますが、災害時における被害を最小限に抑えるためには、市民に広く周知することが必要と考えていますので、引き続き普及促進に努めてまいります。　次に、市ホームページの改善とハザードマップの情報を自動表示するシステムについてですが、市ホームページについては、マイ・タイムラインが開きやすくなるよう改善してまいります。また、自動表示するシステムにつきましては、現時点では困難ですが、今後ハザードマップの改訂等によりシステムの変更が必要となる場合に、より分かりやすいシステムについて検討してまいります。　次に、防災行政無線放送に合わせたシェイクアウト訓練の実施についてですが、本市では、国が実施している年２回の緊急地震速報の訓練放送に参加しており、その際にシェイクアウト訓練を含めた地震発生時の安全行動の確認について、市報により啓発を行っています。今後もより多くの方に参加していただけるよう普及に努めてまいります。　以上でございます。 ◎植原利和福祉部長　続きまして、御質問２、子供ファーストの熊谷市についてお答えします。　初めに、過去10年間の合計特殊出生率は、平成23年1.20、24年1.19、25年1.22、26年1.23、27年1.43、28年1.28、29年1.22、30年1.22、令和元年1.16、２年1.27です。　次に、明石市の子供ファーストの考え方ですが、子育て支援のための５つの無料化政策により子供を核としたまちづくりを進め、平成25年から人口が増加し続けていることは、人口減少時代において評価でき、今後の本市の政策の参考としたいと考えています。　なお、本市では、生活の身近な場において、乳幼児とその保護者の交流や育児相談等を行うことができる子育て支援拠点を市内19か所に設置するとともに、健康に左右されずに過ごせる屋内の遊び場空間を有する複合施設として、熊谷市子育て支援・保健拠点施設の整備にも取り組み、親も子も笑顔が輝くまちづくりを進めています。　次に、明石市のおむつ定期便についてですが、本市では、こんにちは赤ちゃん事業として、生後４か月までの乳児のいる家庭を全戸訪問し、養育支援が必要な家庭には様々な機関が関わり、ゼロ歳児に限定することなく継続的に保健師や相談員が見守り訪問を実施していますので、現時点では同事業の導入は考えていません。　次に、こども家庭庁に即した窓口の設置についてですが、現在の窓口であるこども課、母子健康センター、子ども家庭総合支援拠点及び子育て世代包括支援センターなどの連携を強化し、包括的な支援を推進してまいりたいと考えていますが、今後新たな施策が示されていく中でさらなる体制の強化が必要となった場合には、組織改正なども検討してまいります。　以上です。 ◎田島尚栄市民部長　続きまして、御質問３、若者のワクチン接種についてお答えします。　初めに、現在の接種対象者についてですが、１、２回目接種は５歳以上の方、３回目接種は２回目接種完了から５か月以上経過した５歳以上の方、４回目接種は３回目接種完了から５か月以上経過した60歳以上の方並びに18歳以上60歳未満で基礎疾患を有する方、医療従事者等及び高齢者施設等の従事者が対象となっています。また、３回目の５歳以上12歳未満は、９月６日の国の説明会において同日から接種開始との説明があり、本市では接種に向けて準備を進めています。　なお、今回の予防接種は、接種を受けるよう努めなければならないという予防接種法第９条の規定、いわゆる努力義務に該当しますが、４回目接種の18歳以上60歳未満の方は適用外となっています。　次に、本市の１回目から３回目の接種率ですが、９月５日現在、回数ごとに、５歳から11歳、12歳から19歳、20歳から39歳、40歳から64歳、65歳以上の順に申し上げます。１回目は、26.6％、81.0％、82.9％、88.9％、94.5％、２回目は、25.1％、80.2％、82.5％、88.6％、94.3％、３回目は、未実施、40.9％、54.3％、74.1％、90.9％となっています。　次に、若者の接種率低迷の理由についてですが、若年層は重症化率が低いとの認識が広まっていることや副反応への心配、さらには将来的な影響への心配も低迷の一因と考えています。　次に、熊谷市内における無料の検査の状況等ですが、65歳未満で発熱などの症状がある方等に埼玉県で抗原検査キットを無料配布していますが、本市においても８月から配布を開始しています。　なお、検査結果が陽性の場合にはオンライン診療、または16歳以上50歳未満の方は検査確定診断登録窓口による診断を受けることができます。また、感染が心配される無症状の方には、埼玉県ＰＣＲ検査等無料化事業により、市内19か所の薬局等において無料で検査を受けることができ、こちらも検査結果が陽性の場合には、検査確定診断登録窓口による診断を受けることができます。　次に、若者への接種啓発ですが、若年層の３回目接種勧奨のために、３回目未接種の20代、30代の市民約１万1,000人に対して、県知事と市長連名による接種勧奨はがきを送付しました。さらに、７月末から９月初旬にかけて３回目の接種体制を増強し、接種を推進しています。　次に、ポイント付与等の接種促進策ですが、市民の中には体質的に接種が困難な方もおり、不公平感が生じてしまうことから、そのような施策は考えていません。本市としましては、引き続き市民の皆様への適切な情報提供に努めるとともに、接種体制の充実を図ってまいります。　以上でございます。 ◆三浦和一議員　それぞれの質問に対しまして答弁頂きましたので、再質問、要望等を行わせていただきます。　まず、大きな１番、マイ・タイムラインの推進についてですが、答弁では、マイ・タイムラインの説明を希望されるケースが増えているということで、そうした中で、家屋倒壊等氾濫想定区域の氾濫流区域には5,725棟、河岸侵食区域には318棟あるということで、非常に多いことが分かりました。　また、こうした地域の方々からマイ・タイムラインの希望をされている方がどれぐらいいるのかお伺いいたします。 ◎鯨井英明危機管理監　お答えいたします。　家屋倒壊等氾濫想定区域をハザードマップに記載した令和２年12月以降、対象区域の方へのマイ・タイムラインの説明会は16回で、説明ができた地域の割合は約３割です。　以上です。 ◆三浦和一議員　結構多くの方が希望されていたということが分かりました。了解いたします。　それでは、この質問に対する要望を申し上げます。災害の少ない熊谷市ですが、洪水被害については、近いところでは令和元年の台風第19号をはじめ、近年被害が心配される状況に度々直面しております。最近の異常気象を考えると、洪水対策は早過ぎることはないと考えます。洪水危険地域にお住まいの方々でマイ・タイムラインの説明を聞いた方が３割程度ということですので、実際にマイ・タイムラインを作成した人はまだまだ少ないと思われます。今後は、危険区域からの依頼を待つのではなく、市から積極的に呼びかけていただき、マイ・タイムラインの作成を進めていただきますよう要望いたします。　また、ハザードマップの情報を自動表示するシステムについては、国がデジタル庁を設置したことにより、今後この分野は急速に進んでいくと思いますので、乗り遅れないよう積極的に取り入れていくことを要望いたしまして、この質問は終わります。　次に、大きな２番、子供ファーストの熊谷市について要望を申し上げます。答弁では、熊谷市の合計特殊出生率は、平成27年の1.43がピークで、その後落ちてきて、令和２年に少し上がって1.27になりましたが、令和２年の国の平均値の1.34よりも低いことが分かります。また、明石市が子育て支援のための５つの無料化政策により人口増加したことを評価し、参考にしたいと言っておりましたが、私が明石市に注目していただきたいのは、５つの無料化ではなく、現在の明石市には全てのまちづくりの中心に子供ファーストという考え方があるというところです。確かに熊谷市も市内19か所の地域子育て支援施設設置をはじめ、熊谷市子育て支援・保健拠点施設の建設も現在進めておりますので、子供ファーストの考えが全くないわけではないと思いますが、子供ファーストをまちづくりの中心に据えているとは言えません。　現在、私には兵庫県神戸市に住んでいる娘がおりますが、その娘には２歳半になる男の子がいます。最近、新型コロナウイルス感染症に感染してしまい、それが家族に次々に感染して大変だったと言います。その娘が言うには、「実際に子育てで悩んでいるお母さんが行政に届くように声を上げることは結構難しいんだよ」と言います。コロナ禍が子供とその親をいかに苦しめているのかを調べた全国認定こども園協会が実施した新型コロナウイルス感染症に係る就学前の子育て家庭の緊急アンケート調査によれば、「とにかく疲れる」、「一家心中という言葉がよぎった」、「ＤＶが増えた」等々、ＳＯＳを求めるかのような心の叫びとともに、気がかりな子供たちの様子も率直につづられていたといいます。狭い家の中に閉じ込められた子供たちと、その世話に明け暮れる親、とりわけ母親の苦しさにはほとんど配慮がなかったことは事実ではないでしょうか。今の日本社会は、子育てを家庭に、とりわけ母になった女性一人に託することに何の疑問も持たない社会であります。そこを変えていくためにも、全ての子供たちを差別することなく社会全体で育てていく熊谷市の子供ファーストをぜひ進めていただきたいことを強く要望して、この質問は終わります。　大きな３番、若者のワクチン接種推進についても要望を申し上げます。答弁より、20代から30代の若年層の２回目接種は85％だったものが、３回目接種では54.3％と少なくなっていることが分かりました。熊谷市では、これらの20代、30代の若年層約１万1,000人に対して、県知事と市長連名による接種勧奨はがきを送付したとありましたので、熊谷市では積極的に若者のワクチン接種を進めていることが分かりました。しかし、はがき程度ではなかなか接種には至らない方も多いと思います。例えば、福岡県福岡市では若者の接種率向上を目指して、立ち寄りやすい都心部天神にある市役所１階ロビーにて天神立ち寄り接種を実施しております。対象者は16歳以上の福岡市民で、平日は14時から20時、土日祝日も11時から17時受付で１日300人、予約なし、接種券なしでも接種を可能としています。また、神奈川県横浜市では、若者の多様なライフスタイルに対応したワクチン接種を実施するため、夜の22時から翌朝７時の深夜から早朝にかけて接種できる会場を設置しています。このように、各地において若者のワクチン接種を進めるために工夫して行っています。熊谷市でも、県が主体となって３回目接種の同日受付が可能なニットモールの中にある北部ワクチン接種センターを開設しておりますが、横浜市のような若者が接種を受けやすい場所の工夫や、休日夜間でも気軽に受けられるような接種体制の充実を進めていただきますよう要望いたします。　今日のニュースでは、オミクロン株に対応した新たなワクチン使用承認も下りたようです。今後ますます若者のワクチン接種が重要になってくると私は考えております。第８波が来たらどのように乗り越えるのか。これからも担当職員の皆様には大変御苦労をおかけいたしますが、どうかよろしくお願いをいたします。　以上で私の９月議会の一般質問は全て終了いたします。ありがとうございました。 ○福田勝美議長　以上で24番三浦和一議員の一般質問は終了いたしました。　申し上げます。この後、議員、理事者ともに出席者の入替えをお願いします。　理事者におかれましては、次の腰塚菜穂子議員の一般質問に関係する方に入場いただき、議員におかれましては、議席表Ｂを参考に入替えをお願いいたします。　暫時休憩します。　　　　　　　　　　　　　　午前１０時４８分　　休　憩　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　午前１０時５８分　　再　開 ○福田勝美議長　休憩中の会議を再開します。 △一般質問続行 ○福田勝美議長　次に、11番、腰塚菜穂子議員の一般質問を許可いたします。　　　　　　　　　　　　　　〔11番腰塚菜穂子議員登壇〕
   ◆腰塚菜穂子議員　皆様、こんにちは。議席番号11番、腰塚菜穂子でございます。ただいま福田議長より発言の許可を頂きましたので、通告に基づき市政に関する一般質問を行います。　今回はテーマを１つに絞り、持続可能な地域公共交通をデザインする―マイカーを手放してもお出かけできる制度設計を―と題し、伺います。本定例会の初日に、総務文教常任委員会の沼上委員長から議会閉会中の調査報告が行われました。調査事項の一つが地域公共交通であり、私も一委員として富山県富山市、新潟県上越市を訪問し、それぞれ視察を行ったところです。富山市では、富山駅を起点に各拠点を結ぶライトレールに乗車をいたしましたが、報告でも述べられたとおり、老若男女問わず多くの市民に利用されており、地域公共交通の一環として確かな役割を果たし、市民の生活の足として定着しているという印象を受けました。また、上越市では14の市町村が合併したこともあり、いわゆる公共交通空白地域においては、住民主体の自家用有償旅客運送が行われており、そこに市が補助を出す形で支援、今後のさらなる取組としてタクシー、バス等を活用したデマンド方式の導入も検討されておられ、交通弱者に対する細やかな配慮を感じたところです。　さて、全国に目を向けますと、人口減少、長期化するコロナ禍等の影響により公共交通を取り巻く環境は大変厳しくなっております。７月下旬の新聞報道等では、「地方鉄道乗客1,000人未満区間は存廃協議」といったセンセーショナルな見出しで、今後の地方鉄道の在り方に関する記事が配信されました。これは、国土交通省の有識者検討会による提言を受けたもので、国の関与を強化し、地域協議会を設け、事業者と自治体等が鉄道の存続策やバスへの転換等について協議、検討を促すものです。また、８月下旬には別に設けられた有識者検討会により、アフターコロナに向けた地域交通のリデザインに関する提言がまとめられ、官と民、交通事業者間、多分野との競争による暮らしのための交通の実現に向けて実効性を高める支援制度を創設する必要性が示されました。これを受けて国土交通省は、令和５年度予算の概算要求において、官民競争等による持続可能性と利便性の高い地域公共交通ネットワークへの再構築等に係る経費を盛り込んだところです。　さて、ここで熊谷市に目を転じてみますと、東西にＪＲ、上越、北陸新幹線をはじめとする鉄道が走り、また、熊谷駅を起点に民間バス路線網が形成され、さらにそれらの空白地域を補うゆうゆうバスが運行されています。しかし、市民の移動実態について各種の調査結果を参照しますと、自家用車が最も多くなっており、公共交通は整っているものの、利用は少ない状態になっています。本市のような地方都市においては、マイカーを運転できる限りはマイカーで移動する日常になっていますが、今後さらに高齢化が進み運転免許証の返納圧力が強まる中で、安心してマイカーを手放せるよう、高齢化に対応した公共交通ネットワークの形成は喫緊の課題です。　また、熊谷市人口ビジョン・総合戦略を参照しますと、定住の意向を問う設問において、よそに移りたい理由として、交通の便が悪いからが最も多くなっており、転入定住促進の観点からも効率的で利便性の高い公共交通の提供が求められています。また、本年３月に策定された立地適正化計画において、コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりについて重視すべきものを問う集計結果として、持続可能な公共交通ネットワークの実現が最も多いことからも、公共交通の充実は市政の最重要課題であると認識しております。現在、熊谷市の交通政策は、熊谷市地域公共交通網形成計画にのっとり進められていますが、本年はその計画の評価、次期計画に向けた見直しを行う最終年度であることから、住み続けられるまちづくりを目指し、地域の交通について共に考えたく、以下、質問に入ります。　質問の１、人口減少や長期化するコロナ禍等の影響による公共交通を取り巻く状況について。　質問のア、路線バス、タクシー、鉄道等、本市の公共交通を担う事業者の現状とアフターコロナに向けた動向を市としてはどう見ているか。　質問のイ、ゆうゆうバスの利用状況や運行収支への影響等について、以下３点。　（ア）、ゆうゆうバス全系統の利用動向。　（イ）、伸び率や採算性から見る系統別の分析。　（ウ）、運行収支の推移と今後の見通し。　質問のウ、この間、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を財源として執行してきた「ＳＴＯＰコロナ」地域公共交通支援事業の効果検証。　質問のエ、新しい生活様式の定着に伴い、移動が生活の必然でなくなった現況を踏まえた今後の移動需要をどう見るか。　質問の２、熊谷市地域公共交通網形成計画の事業進捗等について。　ア、事業の実施状況と評価指標の目標値に対する達成見通し。　イ、課題の積み残し。次期計画においても、継続的に取り組まなければならない課題をどう認識されているか。また、新たに見えてきた課題の整理。　質問の３、次期計画、熊谷市地域公共交通計画の策定に向けて。　質問のア、上位計画である熊谷市総合振興計画後期基本計画との整合等について、以下２点。　（ア）、後期基本計画における公共交通の位置づけや基本方針、単位施策の内容等について、前期基本計画からの変更予定はあるのか。　（イ）、成果指標の前期めざそう値に対する達成見通し。　質問のイ、市内の公共交通に関する現況整理として、次期計画の策定においてはどのようなことを加味する考えか。　質問のウ、計画策定支援業者に協力頂く目的と内容、期待できる効果及び行政の役割をどう考えるか。　質問のエ、地域住民のニーズをどのように把握されるのか。また、策定に向けた議論の場について。　質問のオ、公共施設等総合管理計画を踏まえた地域公共交通の再編に関する基本的考え方と計画への反映。　質問のカ、法改正により地域における輸送資源の総動員による移動手段の確保が求められていることについて、以下４点。　（ア）、福祉領域において行政が実施している移動支援サービスの次期計画における扱い。　（イ）、社会福祉協議会やボランティア団体等の住民主体の移動支援サービスの把握。　（ウ）、自家用有償旅客運送とはどのような制度か。また、市内外における実施動向と事例。　（エ）、本市の実情に即して実現可能性の高い具体的な輸送資源をどのように捉えているか。また、それらの計画への位置づけや盛り込みについて。　質問のキ、マイカーを手放してもお出かけできる制度設計について、以下２点。　（ア）、マイカーを手放してもお出かけできる公共交通ネットワークのグランドデザインをどう描くのか。特に交通弱者の移動の手だて及び公共交通空白地域の縮小をどう図っていかれるのか、本市の基本的な考え方を伺います。　（イ）、これまで議会において様々な議員からデマンド方式の導入が提言されており、また、現行計画においても適宜検討するとあることから、ゆうゆうバスの運行方式の見直しも含めた検討状況を伺います。　質問のク、今後の新たな展開と可能性について、以下２点。　（ア）、スマートシティのモビリティー分野における今後の展開。　（イ）、目的地までの最適な移動サービスの一括検索等、公共交通の利用促進に資する先進技術の導入予定。　以上で壇上での質問を終わります。なお、再質問、要望等につきましては質問席で行いますので、引き続きよろしくお願いいたします。 ◎荻野秀夫総合政策部長　腰塚議員さんの御質問１、地域公共交通についてお答えします。　初めに、公共交通を取り巻く状況については、コロナ禍での利用者数の減少に加え、人口減少やテレワークの普及等により今後の見通しも厳しい状況にあります。ゆうゆうバスの総利用者数は、令和元年度23万8,203人、２年度17万5,005人、３年度20万1,422人となっており、２年度は前年比26.5％の減、３年度に15.1％持ち直したものの、５年前に比べ5.9％の減となっています。系統別で利用者数が最も多いのがひまわり号で、次いでさくら号、ほたる号、ムサシトミヨ号、直実号、グライダー号、くまぴあ号、グライダーワゴンとなっています。５年前と比べて、直実号は44.1％、さくら号が12.2％の増となりましたが、グライダー号は42.8％、ほたる号は28.3％、ムサシトミヨ号は23.4％、ひまわり号は21.7％の減となっています。運行収支に対する補助額は、令和元年度が１億251万7,088円、２年度が１億1,449万3,128円、３年度が１億1,071万115円となっています。今後、利用者数に一旦持ち直し傾向が見られたとしても、全体的には生活習慣の変化や人口減少の影響が出てくるものと見られます。　次に、「ＳＴＯＰコロナ」地域公共交通支援事業の効果としては、利用者の減少等により大幅な減収となっていた各公共交通機関にとって事業を継続するための一助になったものと考えています。　次に、移動需要については、テレワークやリモート会議、オンラインショッピングの普及等によりますます減少することが考えられます。　次に、地域公共交通網形成計画の進捗状況としては、待合空間整備６か所の目標を達成し、全車両をノンステップバスとしたほか、ルート見直しやくまぴあ号の導入、ソシオ流通センター駅への乗り入れ、デジタルサイネージ設置等を実施しました。課題としては、利用者数や採算面、速達性、既存民間路線への影響等が挙げられます。現在策定中の総合振興計画後期基本計画では、次期地域公共交通計画と整合性を図りつつ新たな施策を盛り込むなど、必要な変更を加えることになります。　成果指標として設定した前期めざそう値、市民満足度50％に対し、令和３年度で公共交通に満足している市民の割合は43.7％にとどまっており、達成は厳しい状況です。次期計画では、基軸となる民間公共交通を最大限生かしつつ、様々な輸送資源の活用やデジタル技術の導入による利便性向上、立地適正化計画なども加味することになります。　計画策定支援業務は、実現性が高く効果的な施策を取りまとめることを目的に、受託者の専門的知識や視点を生かし、調査や分析、課題整理等を行うもので、委託により効率的に作業を進めることができます。市は、地域特性や公共交通の現状、関連計画等を示しつつ素案をまとめ、公共交通会議の議論を経て計画を策定することになります。　市民ニーズについては、アンケートやゆうゆうバスの利用実態調査、パブリックコメント等を実施し、公共交通事業者や市民の代表等から成る公共交通会議での議論を経て、可能なものは計画に反映していきます。　地域公共交通の再編については、基軸となる民間公共交通を最大限生かしつつ、ゆうゆうバスやスクールバス等で補完し、公共施設計画を加味しながら立地適正化計画に基づくネットワーク構築を検討していくことになります。また、福祉有償運送や福祉タクシー利用料金助成、社会福祉協議会やボランティア団体等が実施している移動支援サービスについても触れたいと考えています。　なお、公共交通網のない過疎地域などにおいては、住民の日常生活における移動手段を確保するため、登録を受けた市町村、ＮＰＯ法人等が自家用車を用いて運送する自家用有償旅客運送がありますが、県内での交通空白地有償運送は、飯能市と東秩父村でＮＰＯ法人が運営しているのみで、公共交通網がめぐらされている本市では対象にはなりません。　また、実現可能性の高い新たな交通資源としては、星宮地域の児童登下校用スクールバスがあり、空き時間の活用を計画に盛り込みたいと考えています。　次に、交通弱者の移動手段としては、タクシーやバス等公共交通の利用、家族や知人等による送迎、福祉有償運送の利用等が考えられますが、市としてもゆうゆうバスの路線を大幅に増やし、料金を無料にするなど対応しており、さらなる対策については、基軸となる民間公共交通に悪影響を与えないようにする必要があります。　デマンド方式については、タクシー等の民間公共交通との競合、広い市域を有する中で利用者数が多くなると即時性を確保するには相応の車両台数が必要になり、経費がかさむなど解決すべき課題が多く、さらなる検討が必要であると考えています。　今後については、導入済みのバスロケーションシステム等に加え、デジタル技術の活用等によりさらなる利便性向上と利用促進を図り、持続可能な公共交通ネットワークを構築してまいりたいと考えています。　以上です。 ◆腰塚菜穂子議員　11番、腰塚菜穂子です。総合政策部長より御答弁、誠にありがとうございました。それでは、早速再質問に入りたいと思います。　ゆうゆうバスの運行の在り方及びスクールバスの位置づけ、また、デマンド方式については後半に再質問を行いますので、まずはそのほかの部分から先に再質問をしたいと思います。　再質問の１、現行計画の事業進捗についてお伺いをいたします。ただいま実施されたものに関しては御答弁を頂いたところですが、それ以外のものについて２点伺います。　まずは、連節バスの導入についてです。これは、ラグビーワールドカップ2019の開催に向けた取組の一環ですが、大会が終わった今、引き続き各種大会に対応するため、熊谷駅からスポーツ文化公園への大量旅客運送は継続課題であると認識していますが、今後の対策と次期計画での扱いについて伺います。 ◎荻野秀夫総合政策部長　お答えします。　大会等で特に多くの需要が見込まれる場合には、路線バス事業者が主催者などから依頼を受け、増便するなどしています。大量旅客運送には道路交通事情等様々な課題がありますが、公共交通での今後の対策は、既存の輸送資源を最大限活用する視点で検討し、可能なものを計画に反映することになります。　以上です。 ◆腰塚菜穂子議員　ただいまの御答弁で理解をいたしました。　次に、再質問の２、ゆうゆうバス採算性向上の検討について、その中で運賃収入以外の支援制度検討と運賃制度の見直し検討が挙げられていますが、検討結果と次期計画における扱いについてお聞かせをください。 ◎荻野秀夫総合政策部長　お答えします。　運賃以外の収入源としては、有料広告の車内掲示を行っています。運賃は、現在に至るまで見直していませんが、今後、社会経済情勢の変化等を考慮しながら、公共交通会議の場で議論し、必要な見直し等を計画に反映していきます。　以上です。 ◆腰塚菜穂子議員　よろしくお願いいたします。現在一律100円ということで、大変お安く利用できるのはありがたいのですが、一方で、近隣市町との料金の水準比較や昨今の原油価格、物価高騰等も踏まえ、運行収支の改善を図るためにも適正価格での運行をお願いしたいと思います。　次に、再質問の３、上位計画である総合振興計画について伺います。御答弁において新たな施策を盛り込むということですが、具体的にはどのようなことなのかお聞かせください。 ◎荻野秀夫総合政策部長　お答えします。　ＭａａＳ等デジタル技術の活用について検討しています。　以上です。 ◆腰塚菜穂子議員　腰塚です。ただいまの答弁で理解をいたしました。　次に、再質問の４、次期計画の策定に向けた市民ニーズの把握について伺います。御答弁の中で、アンケートや利用実態調査、また、パブリックコメント等従来の手法が挙げられました。そこで、より丁寧なニーズ把握のために、例えば、65歳以上の高齢者、また、学生など属性を絞ってワークショップを行ったり、また、都市計画マスタープランで示される地域区分や合併前の行政区ごとに対話の機会を設けるなど、これまで以上の取組ができないか伺います。 ◎荻野秀夫総合政策部長　お答えします。　新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、ワークショップ等は開催しないこととしましたが、代わりに地域の実態を把握するための民生委員・児童委員さんへのアンケートも予定しています。　以上です。 ◆腰塚菜穂子議員　腰塚菜穂子です。地域の実情に詳しい民生・児童委員さんへのアンケートということで、これは一つの有効な手法であると考えております。ただ、これからこのまちの未来を担う若い方々、住み続けたいと思うのか、このまちを出ていくのか。そうした方々の視点やニーズの把握も重要ではないでしょうか。本年３月に策定された都市計画マスタープランの策定の際には、コロナ禍でも感染症対策を行い、ワークショップは実施しておりますし、また、ホームページで広く市民の皆様の意見を募ってらっしゃいます。ぜひ公共交通の計画策定においても、ホームページなどで広く意見を募る工夫をできましたらお願いしたいと思います。　次に、再質問の５に移ります。今後の新たな展開について改めて伺います。御答弁で、デジタル技術の導入による利便性向上が挙げられましたが、市民ニーズとして寄せられている最適な移動サービスの一括検索等や、ゆうゆうバスと民間路線バスにおける交通系ＩＣカードの相互利用サービスについて、具体的にお聞かせをください。 ◎荻野秀夫総合政策部長　お答えします。　乗換え検索等については、様々な乗換え案内アプリで対応していただけるよう、バス路線等の情報をオープンデータ化してまいりたいと考えています。交通系ＩＣカードについては、導入に高額な費用を要することや、他の電子決済を導入している例も見られることから、引き続き研究が必要であると考えております。　以上です。 ◆腰塚菜穂子議員　腰塚です。情報をオープンデータ化することでアプリでの検索が可能になるなど、利便性の向上につながるものと期待をしております。　次に、再質問の６、ゆうゆうバスの運行の在り方について、以下２点伺います。御答弁内容をまとめますと、まず全系統の利用状況は、５年前と比べて5.9％の減少、系統別で見ると、中心市街地を走る直実号と西部エリアを走るさくら号は増加しているものの、それ以外の系統については、約２割から４割の減少にあることが分かりました。　なお、３年度の運行収支に対する補助額は約１億1,000万ということですが、今後の移動需要も厳しく見通されていることから、利便性の向上を図り利用を促す取組が求められます。　まず、このゆうゆうバスについては、現行計画において鉄道やバス交通等を補完し、移動制約者や来訪者の移動手段を確保するため、市として、通勤、通学、通院、買物等の多様な目的に対応するとされていますが、現状、その機能、役割を十分に果たしていると考えるか。再編の効果も含めて本市の認識を伺います。 ◎荻野秀夫総合政策部長　お答えします。　様々な要望に対応した結果、それぞれ一定の役割を果たしているものの、速達性や便数などの課題があるものと認識しています。　以上です。 ◆腰塚菜穂子議員　腰塚です。ただいま速達性や便数などの課題があるという御答弁を頂きました。やはり同様に市民の皆様からも、目的地まで時間がかかる、また、１日の運行本数が少ないといった声が寄せられており、ゆうゆうバスの運行の在り方に対する課題認識は共有できているというふうに受け止めております。　次に、再質問の７、都市計画マスタープランの地域別構想において、中央地域を除く東部地域、西部地域、南部地域、北部地域の交通についてゆうゆうバスの再編が示されています。今後さらに市民の生活の足として御利用いただくためには、系統によっては現状の走らせ方を変える必要もあると考えますが、本市の見解をお聞かせください。 ◎荻野秀夫総合政策部長　お答えします。　アンケート結果や乗降データなどを基に検討してまいりたいと考えています。　以上です。 ◆腰塚菜穂子議員　腰塚です。各種調査を基に検討してまいりたいということで、ありがとうございます。　実は先日、フィールドワークとして、妻沼聖天山前から熊谷駅までグライダー号に乗車をいたしました。実際に乗ってみて気づいたことがあったり、新たな景色も見えてまいりました。そこで、一つの御提案ですが、基本的な考え方として、現在「市内循環バス」としておりますが、これを「地域内循環バス」に改め、生活圏内の足とすることで運行本数、速達性の改善が図られるのではないでしょうか。　なお、地域とは、おおむね合併前の行政区をベースに考え、旧熊谷地域は中心市街地とその東西に分け、主要駅への乗り入れは可能な限り民間路線バスに乗り継ぐことで民業への影響を少なくします。　例えば、利用者数の推移から見て、５年前との比較で利用を伸ばしている直実号とさくら号は維持、充実とする一方で、妻沼地域の東部エリアから中条、池上地区を経由し熊谷駅へ乗り入れるグライダー号については、運行を妻沼地域の国道407号より東に絞った地域内を循環させます。　なお、道の駅めぬまにバスターミナル機能を持たせて、民間路線バスに乗り継いで熊谷駅へという、あくまでも一つの御提案です。　また、旧妻沼の西部エリアを走るグライダーワゴンについては、人口規模や施設等、地域の実情を踏まえてデマンド方式の試験運行を行ってみるなど、ほかの系統についても利用状況や客層等を調査、分析して、より効率的で利便性の高い走らせ方の研究をお願い申し上げます。　次に、再質問の８に移ります。スクールバスの位置づけについて伺います。御答弁の中で、空き時間の活用を計画に盛り込みたいということでしたが、ゆうゆうバスと競合してくる懸念もございます。星宮地域に始まり、今後は妻沼西部エリアも予定されていますが、公共交通ネットワーク全体の中でどのような役割を持たせるのか。ゆうゆうバスと競合しないのか。運行エリアや走らせ方等も含めて、違いやすみ分けについてお聞かせをください。 ◎荻野秀夫総合政策部長　お答えします。　地域の交通対策として試験的に運用するもので、ゆうゆうバス等への影響を避けるため、限られた時間と地域での運行を検討しています。　以上です。 ◆腰塚菜穂子議員　再質問の９、ゆうゆうバスのデマンド方式については、御答弁においてさらなる検討が必要とされたところですが、それでは乗り合いタクシー等を活用したデマンド方式の導入についてはどう考えるのか。市の財政負担も考慮し、利用条件をいわゆる交通弱者に絞るなど制度設計上の工夫が必要ですが、検討する余地についてお聞かせをください。 ◎荻野秀夫総合政策部長　お答えします。　デマンド方式の導入については、民間路線バス等も含め、他の公共交通事業への影響も考慮しながら慎重に検討する必要があると考えています。　以上です。 ◆腰塚菜穂子議員　御答弁ありがとうございました。移動に制約のある方、例えば、免許証を返納された方、要介護認定を受けた方、障害者、妊婦等、いわゆる交通弱者への対応については、これまでも様々な議員から提言が行われてきたところです。ゆうゆうバスという定路線運行では、その活用は沿線住民に限られることから、タクシー補助もしくはデマンド方式の導入という議論がなされてまいりました。本市の財政負担や他の公共交通事業者への影響などから、なかなか最適解が見出せない中でも必要な対策であると認識しております。　現在、地域の交通の在り方もデジタル技術の導入など新たな局面を迎えています。次世代の交通ネットワークをどう描くのか。丁寧な市民ニーズの把握をベースに、交通弱者への対応も継続課題の一つとして、行政が主体的に事業者、福祉部門と同じテーブルに着き、検討をお願いしたいと思います。現在、国土交通省から大島副市長さんをお迎えしています。交通政策についても様々な見地から御助言を頂けますと幸いです。　結びに、熊谷市の交通政策がより一層市民福祉の向上に資するものとなるよう要望し、今定例会における私の一般質問を終わります。 ○福田勝美議長　以上で11番腰塚菜穂子議員の一般質問は終了いたしました。　　　　　　　　　　　　　　〔「議長、休憩」と言う者あり〕 ○福田勝美議長　暫時休憩します。　　　　　　　　　　　　　　午前１１時３７分　　休　憩　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　午後　１時００分　　再　開 ○福田勝美議長　休憩中の会議を再開します。 △一般質問続行 ○福田勝美議長　次に、12番小島正泰議員の一般質問を許可いたします。　なお、同議員から資料の配付について申入れがありました。会議規則第149条の規定によりこれを許可いたしますので、これよりタブレット端末に配付いたします。　配付漏れ等はございませんか。　　　　　　　　　　　　　　〔「なし」と言う者あり〕　　　　　　　　　　　　　　〔12番小島正泰議員登壇〕 ◆小島正泰議員　皆さん、こんにちは。午後の昼食後のちょっと眠い時間かと思いますが、一生懸命頑張らせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。　さて、熊谷市ではうちわ祭を皮切りに、最近ではいろいろなイベントにたくさん人出が出るようになって、日常を取り戻したように感じます。この日曜日に行われた埼玉パナソニックワイルドナイツのリーグワン優勝パレードにも１万人の人が駆けつけてくれました。新型コロナウイルス感染症は収束していませんが、感染予防対策をすればこんな規模のイベントもできるという熊谷の力を見た気がします。　それでは、ただいま福田勝美議長より発言の許可を頂きましたので、通告の順に従い市政に関する一般質問を始めさせていただきます。今回のテーマは２つ、新型コロナウイルスへの対応、対策と児童・生徒の手荷物の軽減です。両方とも取り上げたことのあるテーマですが、それぞれの対策と成果と今後について聞かせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。　それでは、大きな１番、新型コロナウイルスへの対応について　その６から始めさせていただきます。私の一般質問では過去５回にわたって取り上げた新型コロナウイルス感染症対策ですが、感染者数も減ってきたため、そろそろ終わりにしようかと考えていたところ、オミクロンＢＡ．５株による第７波の感染拡大により今まで以上の感染者が報告されるようになりました。そこで、今回は今までの感染症対策と対応、そして新型コロナウイルス感染症に対するこれからの熊谷市の姿勢について質問したいと思います。　新型コロナウイルス感染症が流行し始め、世界中で感染者が急増、感染率の高い、そして致死率の高い病として連日ニュースで取り上げられました。多くの国で国境は閉鎖され、外出禁止のロックダウンなどの対策が行われました。テレビで人気のない世界の観光地を見たときは、大変なショックを受けたことを覚えています。そんな時期を乗り越えた今、世界中の国々が規制緩和にかじを切っています。入国規制緩和やマスク着用義務の撤廃、行動規制の緩和など様々ですが、感染が始まった頃と比べると、比較的症状が軽いオミクロン株に対して、新型コロナウイルス感染症との共生の方向に向かっているようです。　今までの感染者数で医療逼迫が問題視されていましたが、今回の第７波の急激な感染拡大でＰＣＲ検査や抗体検査を受ける方も多く、日本で行われている全数検査に限界が来ているという意見が多くなり、そんな中、８月25日の各紙の新聞の１面には、新型コロナウイルス関連のものでした。「コロナ全数把握見直し、高リスク者限定」というもので、具体的には、医療機関や保健所の負担を軽減するため新型コロナウイルス感染症の全数把握を見直し、自治体の判断で報告の対象を高齢者などに限定できるようにするという方針です。その後１週間で二転三転し、政府からの発表も変わってきていますが、この全数把握見直しによって私たちの生活にどんな変化や影響があるかが最大の関心事だと思いますので、行政としての姿勢をお聞きしたいと思います。　また、新型コロナウイルス感染症対策として今まで熊谷市が行ってきた補助や自宅療養者へのサポートなども併せて伺いたいと思います。　それでは質問です。　大きな１番、１として、熊谷市の感染者数の現状及び感染者数について。　２として、感染者数の全数把握見直しについて。　３として、新型コロナウイルスワクチン接種について。　４として、自宅療養者へのお見舞いパック、ごみ出し支援について。　５として、抗原検査キット無料配布について。　６として、新型コロナウイルス感染症関連の補助について。これは、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、どのような事業をどれぐらい実施してきたかをお願いします。　それでは、大きな２番、児童・生徒の手荷物についてに移ります。このテーマは、私が平成29年と平成30年、２度にわたり質問させていただいています。当時はさほど注目を浴びない案件でしたが、野原教育長をはじめ教育委員会で熊谷ラグビー・オリパラプロジェクトとして取り上げていただき、各学校へ置き勉の緩和や手荷物軽減の取組をしていただきました。　皆様にお配りした参考資料１を御覧ください。これは、私の平成29年の市政報告の一部ですが、当時は埼玉新聞にも取り上げられ、熊谷市は埼玉県の先進事例として大きな反響がありました。平成30年には文部科学省からも「児童生徒の携行品に係る配慮について」という事務連絡が、各教育現場、各教育委員会に、工夫つきで発出されました。本来ランドセルは、荷物を背負うことによって両手が自由になり安全に通学できるというものですが、学用品が重くなり、重い荷物を背負うことで体への負担が大きく、ふらついてしまったり、腰痛などを患うランドセル症候群という言葉があるほどです。毎日持参する水筒や、週末持ち帰る学用品も加えると、子供の小さな体には負担が大きいことは明らかでした。５年前に何名かの父兄さんから要望があり、当時の一般質問という形になりましたが、熊谷市教育委員会の対応が早く、置き勉などの対応がスムーズに進みました。　最初の質問からはや５年がたちましたが、熊谷市の現状はどうでしょうか。皆さんにお配りした資料３を御覧ください。最近テレビなどで、小学生が考えたというさんぽセルという商品です。ランドセルにキャスターをつけることでキャリーバッグのようにころころと運べるというもので、重いランドセルを楽々運べて、折りたたむこともできます。商品の説明によると、体への負担を９割削減できるという画期的なもので、注文が殺到しているそうです。このような商品が話題になるということは、荷物が軽くなっていないのではないかという疑問が湧いてきました。　また、今年６月22日の朝日新聞デジタル版にこんな記事がありました。見出しは「ランドセルどんどん重く、大量の教科書とタブレットと水筒と」というものです。記事を紹介します。水泳用品メーカー、フットマークが、昨年、小学１年生から３年生1,200人に調査したところ、中身も含めたランドセルの重さは平均3.97キログラム、また、90％の子供がランドセルが重いと感じていると回答。このうち2.7人に１人が重い荷物を背負うことがおっくうで登校を嫌がった経験があると回答した。さらに、3.1人に１人が通学時に肩や腰、背中など体の痛みを訴えたことがあったという。大正大学教授の白土健さんは、「ランドセルが重かったり痛かったりしても子供から言い出しにくい現状があるのではないか」とコメントしています。さらに、「国主導でＩＣＴ教育が推進される中、コロナ禍の休校の影響もあってタブレットの支給が急速に進んだ。ケースや充電用のアダプターを入れて持ち帰ることを考えると相当な重さになる。また、コロナ禍の感染対策で各自水筒の持参を求めるようになった学校も多い」。白土さんは、本来ならデジタル化が進んでランドセルの中身は軽くなっているはずが、置き勉が進まないうちに、コロナ禍でタブレットや水筒などランドセルの中身が増え、過渡期の問題が発生している」と指摘。「ランドセルの中身の議論にこれまで以上に大人が踏み込むときではないでしょうか」と投げかけています。　残念ながら教科書のページ数も年々増え続けています。一般社団法人教科書協会によると、各社平均で、2005年度は4,857ページだったのに対し、2020年度は8,520ページ、15年間で1.7倍になっています。全ての教科でページ数が増えている上に、英語や道徳が必修化し、教科も増えています。　それでは、中学校はどうでしょう。熊谷市内に小学校は29校、中学校は16校あります。中学校の通学範囲は広くなり、登校距離も遠くなります。私の母校、熊谷東中学校も自転車通学と徒歩通学でしたが、残念ながら当時の私の家は徒歩圏でも端のほうにあったので、25分ぐらい歩いて登校していました。途中、自転車通学の友人が通り過ぎるのを見てうらやましく思ったことが何度もありました。中学生になると学ぶ教科が増え、部活動も始まります。手荷物も増えて登校距離も延びる。学習内容も難しくなり、受験勉強も控えています。身長や筋肉の発達する大事な時期に、荷物が重くて姿勢がゆがんでしまったり、荷物の重さから肩こりや頭痛を起こすおそれもあるそうです。正しくない姿勢が身についてしまうと、将来腰痛等の疾患を抱えてしまうことも考えられます。小学生と比べると体は大きくなっていますが、体力には個人差があります。小柄な生徒たちや体力に恵まれない生徒、発育の遅い生徒にも配慮したいところです。　そして、これから市内でスクールバスの利用も多くなると思いますが、重い荷物を伴ってのバスの段差や乗り降りの際、転ぶなどの事故も考えられますので、荷物の軽減は急務だと思います。　また、何度か私の一般質問でも要望させていただいているデジタル教科書ですが、最近になって大きな動きがありました。先月８月26日の各紙新聞に一斉に掲載された記事を紹介いたします。文部科学省は８月25日、2024年度から小・中学校の英語でデジタル教科書と紙の教科書を併用して導入する方針を固めたというものです。算数、数学についても要望があり、2025年度以降の導入を優先して検討する方針です。今後、国語や社会でも検討が進んでいるようで、徐々に教科を増やす計画のようです。私たちの熊谷市議会でも、タブレット導入に際し、慣れるまでの時間は一定期間かかりましたが、生まれてすぐにＩＴに触れている子供たちは、慣れるまでそう時間もかからないのではないでしょうか。重い教科書がタブレットで賄えるようになれば、それはとても画期的なことです。近い将来、子供たちの荷物が大幅に減る可能性を感じています。しかし、今回のデジタル教科書導入には、紙の教科書を当面の間併用するとのことですので、荷物は増える見通しです。　そこで質問です。　大きな２番、児童・生徒の手荷物について。　１として、手荷物の変化について。　２として、タブレット端末の重さについて。　３として、児童・生徒の手荷物の重量。　４として、ノートの一元化について。　５として、デジタル教科書の採用について。　それぞれに答弁願います。再質問、要望等は質問席にて行いますので、どうぞよろしくお願いいたします。　　　　　　　　　　　　　　〔小林哲也市長登壇〕 ◎小林哲也市長　小島議員さんから２点御質問を頂いておりますが、私から新型コロナウイルス感染症対策について総括的にお答えいたします。　新型コロナウイルス感染症は、第６波が収束することなく、より感染力の強いオミクロン株のＢＡ．５系統への置き換わりが進み、本年７月以降、第７波となって全国で急速に拡大いたしました。こうした中で、行動制限まで求めるものではございませんが、埼玉県では、９月30日までＢＡ．５対策強化宣言による感染症防止対策への協力要請が行われているところでございます。発熱外来やワクチン接種に対応していただいている医療従事者の皆様、感染リスクのある厳しい状況の中、懸命に働いていただいている福祉、介護関係の皆様には心から感謝申し上げます。このような状況の中、本市といたしましては、感染症対策として市報、ホームページや防災行政無線を使用した感染への注意喚起、４回目を中心としたワクチン接種、自宅療養者への生活支援等を実施してまいりました。４回目のワクチン接種につきましては、３回目の接種完了後５か月を経過した高齢者が集中する７月及び８月に接種体制を強化し、実施してまいりましたが、全国的に接種率が伸びない状況の中、本市におきましても対象者の約半数の方が接種を終えられたところでございます。引き続きオミクロン株に対応したワクチンの接種が予定されており、希望される方が混乱なく予約、接種できるよう接種体制を整えてまいりますが、感染拡大防止の観点から、市民の皆様には、今接種できるワクチンを早めに接種くださいますようお願い申し上げます。　また、新型コロナウイルス感染症拡大による経済的な影響に加え、原油価格をはじめ物価の高騰により多くの市民が日常生活や経営に影響を受けています。このような市民や事業者の皆様に対しましても引き続き支援を実施し、地域経済が滞ることのないよう取り組んでまいります。　感染が始まってから約２年半がたちましたが、国の対策は自粛を要請していた以前と異なり、感染拡大の中でも基本的な感染症防止対策を徹底しつつ、社会経済活動を継続していく方針に転換されております。本市といたしましても、市民の皆様が安心して日常生活を送ることができるよう、感染症防止対策とともに、社会経済活動の回復についてもしっかりと取り組んでまいりますので、引き続き市民皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。　以上でございます。 ◎田島尚栄市民部長　続きまして、熊谷市の感染者数の現状についてお答えします。　６月に413人であった新規陽性者数も、第７波に入り、７月、3,765人、８月、7,465人と急激に増加していき、８月10日には過去最高の１日当たり367人を記録しました。この８月中旬をピークに、現在は緩やかに新規感染者数が減ってきている状況です。また、９月７日現在の患者数は968人で、重症者数は把握していませんが、入院中の方は55人となっています。　次に、感染者数の全数把握見直しについてですが、医師は、感染症の患者等を診断したときは都道府県知事等に届け出ることとされていますが、第７波による感染の拡大により医療機関や保健所における発生届に係る事務負担が増加し、適切な医療の提供等が難しくなっているとの声があることから、国は緊急避難措置として、都道府県知事から国への届出により、発熱外来や保健所業務が極めて切迫した地域において、発生届を重症化リスクのある方に限定することを可能といたしました。　なお、現在、埼玉県においては、緊急避難措置を適用する状況に至っていないため、発生届に関する見直しは実施していませんが、国は９月26日から全国一律で全数届出を見直す方針を示しています。これにより、発熱外来や保健所が、高齢者等重症化リスクの高い方への対応に集中できるようになるとともに、届出対象外の方については健康フォローアップセンターに連絡、登録することにより支援を受けることができますが、連絡、登録していない場合、病状が急変した際に対応が遅くなることが考えられます。　次に、ワクチン接種についてですが、現在60歳以上の方、18歳から59歳までの基礎疾患のある方及び医療従事者等並びに高齢者施設等の従事者に対して４回目の接種を行っています。接種率は、60歳以上の方の率となりますが、９月５日現在、対象人口に対して57.7％となっています。　次に、自宅療養者へのお見舞いパックについては、電子申請または電話で受け付け、当日または翌日までに３日程度の食料品等を宅配しています。支給件数は、６月、83件、７月、544件、８月、1,236件となっており、令和３年９月２日の配送開始から累計で、８月31日現在5,084件となっています。　次に、抗原検査キットの無料配布ですが、電子申請で受け付け、当日または翌日までに郵送していますが、令和４年８月11日の配布開始から累計で、８月31日現在811件となっています。　以上でございます。 ◎髙橋秀之環境部長　続きまして、ごみ出し支援についてですが、新型コロナウイルスに感染し、自宅療養中の独り世帯や家庭内感染で家族が入院している高齢者等を対象に、自宅療養期間中に１回、無料で燃えるごみの戸別収集を行っています。申込みは、電子申請または電話にて健康づくり課で受け付け、環境美化センターが収集日時を対象者と調整の上、収集に伺います。職員への感染回避を考慮し、収集するごみは72時間以上経過した燃えるごみに限り、ごみ袋は二重にし、空気を抜いた上で、職員が到着する直前に玄関に出すようお願いをしています。収集件数は、６月が３件、７月が19件、８月が58件で、令和４年８月31日現在で累計173件です。　以上です。 ◎荻野秀夫総合政策部長　続きまして、新型コロナウイルス感染症関連補助についてお答えします。　令和２年度に国が創設した新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図るとともに、コロナ禍の影響を受けている地域経済や市民生活を支援するため交付されたものです。これまで交付金を活用し、令和２年度にはプレミアム付商品券発行事業で約26億2,800万円、小規模事業者への給付金支給に約３億6,100万円、子育て応援臨時交付金に約２億8,500万円など、合計約45億6,700万円、令和３年度は、中小企業者に対する事業継続支援に約１億4,300万円、観光バス、宿泊施設事業者に対する支援として約5,400万円、農業経営者への支援として約4,700万円、地域公共交通事業者への支援として約4,500万円など、合計約５億3,800万円の事業を行ってきました。令和４年度は、予算額となりますが、ペイペイなどキャッシュレス決済及びプレミアム付与による地域経済支援に約４億7,400万円、水道料金の減免に約３億7,200万円など、合計10億200万円の事業を予定しています。これらの事業により、引き続き市民や事業者等を支援してまいりたいと考えています。　以上です。 ◎権田宣行教育次長　続きまして、御質問２、児童・生徒の手荷物についてお答えします。　初めに、手荷物、荷物についてですが、ランドセルや学校の指定かばんに加え、体育着や給食着、上履きのほか、特定の時期に使用する水着や日傘などの手荷物があります。また、中学校では、部活動によってユニフォームや用具があります。導入されたタブレット端末は毎日持ち帰ることはありませんが、約1.2キログラムであり、荷物全体の重さが、小学生は約６キログラム、中学生は約７キログラムになる日もあります。　次に、ノートの一元化についてですが、教育委員会と学校では、子供たちにとって何がベストかということを判断基準にし、手荷物の軽減化についても総合的に研究、検討してまいりました。例えば、小学校社会の副読本「郷土くまがや」は、必要なページのみ持ち運べ、ノートと一体化したファイリング形式にしたり、算数ノートを研究し、１時間の授業をプリント用紙１枚にまとめ、ファイルにとじ込んだりと様々に取り組みました。現在は、発達の段階、教科の特性を十分に考慮し、ノートだけでなくタブレット端末による記録や保管、プリントの活用を図っています。　次に、学習者用デジタル教科書についてですが、現在も試験的に使用していますが、国や県の通知が正式に届き次第、適切に対応していきます。　以上です。 ◆小島正泰議員　市長答弁をはじめ、それぞれに御答弁ありがとうございました。それでは、再質問に移らせていただきます。　まずは、大きな１番、新型コロナウイルスへの対応について　その６からお伺いします。感染者数の全数把握見直しによる市民への影響はどんなことが考えられますか。 ◎田島尚栄市民部長　お答えいたします。　令和４年９月８日に国の基本的対処方針が変更となり、感染者の全数把握が見直され、パルスオキシメーターの配布対象が、全ての自宅療養者から高齢者等重症化リスクの高い自宅療養者に変更されました。これにより本市から配送しているパルスオキシメーターの数が大幅に減少することとなります。　以上です。 ◆小島正泰議員　ありがとうございます。パルスオキシメーターが配布されない自宅療養者が増えることが分かりました。しかし、軽症と診断されても療養者には変わりありませんので、引き続きのサポートをよろしくお願いいたします。　それでは、再質問２番、オミクロン株対応ワクチン接種が10月中旬から開始されるとのニュースがありますが、３回目、４回目が未接種の方は、現在持っている接種券で対応できるのでしょうか。 ◎田島尚栄市民部長　お答えいたします。　オミクロン株に対応したワクチンの接種については、３回目、４回目を未接種の方は、現在お持ちの接種券を使用して接種できるよう準備を進めています。　以上です。 ◆小島正泰議員　オミクロン株対応ワクチンの接種はどのような方が対象でしょうか。 ◎田島尚栄市民部長　お答えいたします。　１、２回目接種を完了された、12歳以上の全ての方を対象に実施することを想定して準備を進めています。　以上でございます。 ◆小島正泰議員　了解いたしました。市民の関心事ですので、幅広い広報をお願いいたします。　それでは、抗原検査キットの無料配布、お見舞いパック、ごみ出しサービスは、今後も継続するのでしょうか。 ◎田島尚栄市民部長　お答えします。　全数把握見直し後も、申し込まれた方に対して当分の間、支援を継続する予定です。　なお、抗原検査キットは、現在のところ９月30日まで配布を予定していますが、残数や有効期限により配布期間を延長する可能性もあります。　以上です。 ◆小島正泰議員　ありがとうございます。当面の間、支援を継続するということで安心いたしました。経過を見ながら支援が減っていくというのは仕方ありませんが、感染してしまった方の不安は大きいと思います。定着した基本の支援は継続していただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。　それでは、療養期間の短縮について変更があったようですが、どのように変わったのでしょうか。 ◎田島尚栄市民部長　お答えします。　症状がある方については、発症日から７日間を経過し、かつ症状軽快後24時間経過した場合には８日目から解除が可能となりました。なお、現に入院されている方は、従来どおり10日間の療養期間が必要です。また、症状がない方については、検体採取日から７日間を経過した８日目に解除を可能とする原則は変更されていませんが、５日目に検査キットによる検査で陰性を確認した場合には６日目に解除が可能となりました。　なお、療養期間中の外出自粛については症状がある場合で、症状が軽快してから24時間を経過した後、または症状がない場合には、外出時や人と接する際は短時間とし、移動時は公共交通機関を使わないこと、外出時や人と接する際に必ずマスクを着用するなど、自主的な感染予防行動を徹底することを前提に、食料品等の買出しなど必要最小限の外出を行うことは差し支えないこととなりました。　以上でございます。 ◆小島正泰議員　ありがとうございます。感染者数の拡大に伴い、各職場での人手不足などの問題も聞いています。新しい株の特性なども見ながら、感染拡大の予防も併せて検討していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。　それでは次、答弁では、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の利用で、令和２年度は45億6,700万円、令和３年度は５億3,800万円を活用、令和４年度は10億200万円を活用する予定とのことでした。　それでは、再質問の６、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用しない市単独の事業を教えてください。 ◎荻野秀夫総合政策部長　お答えします。　令和２年度に水道料金の料金改定による増額分を６か月軽減したほか、中小企業融資あっせん事業と住宅リフォーム資金補助事業、個店連携応援事業の予算を増額しました。　以上です。 ◆小島正泰議員　ありがとうございます。交付金以外にも行っている支援があることが分かりました。中小企業や個人店など、必要としている方にこれからもサポートの手を緩めず、新型コロナウイルス感染症で困っている方を取りこぼさないよう引き続きの取組をお願いいたします。　それでは、要望させていただきます。これから世界でも国内でも、新型コロナウイルス感染症の規制は緩和の方向に向かわなくてはなりません。市民の生活が、企業の活動が、新型コロナウイルス感染症以前の状態に少しでも近づけて、そして安心して生活できるように、これからも引き続きの取組をお願いいたします。　それでは、大きな２番、児童・生徒の手荷物についての再質問に移らせていただきます。配付させていただきました参考資料２を御覧ください。熊谷市では先日、全児童に新型コロナウイルス感染症対策と熱中症対策として、晴雨兼用傘の熊谷市のオリジナル傘が配布されました。通学風景を見かけると、黄色くて目立ち、ソーシャルディスタンスも保てて、すばらしいものです。教育委員会からの要望で軽量化もされているとのことで、子供たちも大変喜んで利用しています。私も大賛成の傘差し登校ですが、毎日の手荷物が増えたことは事実です。ぜひほかの手荷物の軽減もさらに進めていただきたいと思います。　それでは、再質問。児童・生徒の教科書以外の荷物はどのようなものがありますか。 ◎権田宣行教育次長　お答えします。　小学校は、漢字や計算のドリル、ノート、連絡帳などです。中学校は、ワークやノート、体育着、ジャージなどがあります。　以上です。 ◆小島正泰議員　ありがとうございます。教科書以外と聞いたのは、答弁でも頂いたように、今後デジタル教科書が採用された場合に、教科書以外の荷物を確認しました。それだけの荷物が残るということですが、教科書以外のドリルや連絡帳などもデジタル化が必要になってくるのではないでしょうか。　それでは、小学生児童の平均通学時間はどれぐらいでしょうか。 ◎権田宣行教育次長　お答えします。　約25分です。　以上です。 ◆小島正泰議員　小学生児童の通学時間は平均で25分ということが分かりました。平均ですので、５分の児童もいれば30分以上の児童もいると思います。夏の暑い時期に、身長の低い児童が舗装道路の照り返しを感じながら重い荷物を背負って20分以上歩くということが大変なことは、容易に想像がつくと思います。　それでは、中学生生徒の自転車通学の割合を教えてください。 ◎権田宣行教育次長　お答えいたします。　約35％です。　以上です。 ◆小島正泰議員　ありがとうございます。35％の生徒が自転車通学ということが分かりました。私も高校時代は自転車通学を経験していますが、強風や突然の雨といった自然の危険、道路の段差や砂が薄らあるスリップしやすい路面、自動車との擦れ違いなどいろいろな危険が考えられます。重い荷物でバランスを崩すことも考えられますので、やはり荷物は少ないほうがいいと考えます。そして、計算すると、徒歩通学が65％ということが分かりました。比較的荷物の多い中学生、前述のように長い距離を歩くのは大変なことと想像します。育ち盛りだからこそ配慮したいものです。　それでは、熊谷市が行った置き勉実施によりどれくらい荷物は軽くなったのでしょうか。 ◎権田宣行教育次長　お答えいたします。　小学校低学年では約１キログラム、小学校高学年では約２キログラム、中学校では約６キログラム軽くなりました。　以上です。 ◆小島正泰議員　ありがとうございます。小学生児童の手荷物の軽減もすばらしいですが、中学生の６キログラム減というのも驚きな数字だと思います。以前が重過ぎたのかもしれませんが、大変大きな成果です。中学生に関しては、部活の道具や多様な教材なども考えられますし、試験中は家庭学習をするために全科目の教科書を持ち帰るなどの課題もあると思いますので、引き続きの取組をお願いいたします。　それでは、学校に教材を置いて帰るのが置き勉ですが、その置き勉の保管方法はどのようになっているでしょうか。 ◎権田宣行教育次長　お答えいたします。　例えば、空き教室や特別教室に保管したり、教室では収納ボックスを活用したりしています。　以上です。 ◆小島正泰議員　それぞれの学校は歴史と環境、諸事情が異なると思いますし、校舎新築当時は想定していなかった置き勉なので、工夫が必要とは思います。盗難や紛失などに十分注意をして、これからも取り組んでいただきたいと思います。　それでは、現在試験的に導入しているデジタル教科書をどのように活用していますでしょうか。 ◎権田宣行教育次長　お答えいたします。　例えば、玉井中学校では、主に音声機能を利用して、英語を聞く、英語を読む活動だけにまずは活用しています。　以上です。 ◆小島正泰議員　現場で使うことが一番大切だと思いますし、語学はネーティブな発音に慣れることは何よりも大切だと思います。せっかく貸与されたタブレットですから、大いに活用していただきたいと思います。ほかの教科も順次検討していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。　それでは、最後に伺います。児童・生徒の手荷物の今後についてどのように考えていますか。 ◎権田宣行教育次長　お答えいたします。　児童・生徒の知・徳・体のバランスの取れた学力の育成を考慮しながら適切に対応していきます。　以上です。 ◆小島正泰議員　ありがとうございます。埼玉の先進地として注目されていると思いますので、今後もよろしくお願いいたします。　御承知のとおり、埼玉パナソニックワイルドナイツは、２回の不戦敗の後の16連勝という快挙でリーグワンの初代王者に輝きました。本拠地である我々熊谷市もラグビータウンとして、みんなは一人のために、一人はみんなのためにの精神で、新型コロナウイルス対策に、そして児童・生徒の手荷物軽減にも取り組んでいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。　以上で私の９月定例会の一般質問を閉じさせていただきます。御清聴ありがとうございました。 ○福田勝美議長　以上で12番小島正泰議員の一般質問は終了いたしました。　申し上げます。先ほどと同様に、議員、理事者ともに出席者の入替えをお願いします。議員におかれましては、議席表Ｂを参考に入替えをお願いいたします。　暫時休憩します。　　　　　　　　　　　　　　午後　１時４４分　　休　憩　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　午後　１時５５分　　再　開 ○福田勝美議長　休憩中の会議を再開します。 △一般質問続行 ○福田勝美議長　次に、15番小鮒賢二議員の一般質問を許可いたします。　　　　　　　　　　　　　　〔15番小鮒賢二議員登壇〕 ◆小鮒賢二議員　皆さん、こんにちは。15番、小鮒賢二です。ただいま福田勝美議長より発言のお許しを頂きましたので、市政に関する一般質問を行います。本日も傍聴席には、傍聴ルールを遵守し、大勢の方にお越しいただいております。また、本日は上之土地区画整理地内、あるいは周辺の方々が大勢お見えになっております。また、御自宅や職場でインターネット中継を視聴されている方々も大勢いらっしゃると思います。そういった市民の皆様にも分かりやすい質問となりますよう心がけてまいります。　本日の質問項目は１つに絞りました。上之土地区画整理事業の促進について―速やかな事業の完了に向けて―という副題をつけました。私は平成27年に議員となり、東の玄関口とも言える東部地域の開発及び各種整備事業についてを大きなテーマに掲げ、初回の平成27年９月議会で道の駅の新設を提言し、２回目の12月議会において、長期化する本事業、上之土地区画整理事業の現状と課題についてと題して質問をいたしました。その後３回にわたり質問を重ね、今回が５回目になります。初回の質問要旨から引用します。「土地区画整理事業の目的は、１つ目として、公共施設の新設または変更があり、道路、公園、河川等の新設や変更がこれに当たります。２つ目として、土地の区画形質の変更があり、宅地の造成や土地の再配置といった再配置と整形化があります。３つ目として、土地の利用促進のため必要な事業であり、上下水道やガス施設等のインフラ整備があると定義した上で、これらの事業の円滑な推進により、土地区画整理事業の目的が達成されることになると考える。それだけに事業の長期化は、そこで生活する住民の皆様に多くの御不便や不安を強いることになる」と述べました。続けて、「上之土地区画整理事業は、平成５年９月20日に事業計画の公告がなされ、既に22年が経過している。本事業地は、地理的に見ると、東側は市街化調整区域に接し、南側は市道、西側を県道熊谷羽生線に囲まれ、いずれの道路も交通量の多い主要な幹線道路となっている。本事業地は、熊谷駅から1.5キロメートル内外の好立地にあるため、そこで急激な市街化が予想される本地区において、公共施設を先行的に整備改善し、良好な居住環境を確保するとともに、計画的な市街地の形成を図ることを目的として、施行期間約10年間の計画で本事業がスタートしました。しかしながら、予定期間を大幅に超えたにもかかわらず、未了のまま事業が継続して行われている状態である」旨を述べました。さらに本事業の告示の前年である平成４年に開始した上石第一土地区画整理地区と本地区の事業進捗率の比較も行い、事業規模や環境との違いはあるものの、街路築造で33.8ポイント低い20.8％、また、建物移転では23.4ポイント低い38.9％となっており、上之土地区画整理事業の進捗割合の低さを指摘しました。これは当時の比較数字ですが、１年遅れのスタートとはいえ、既に大きな進捗割合の差が生じていました。また、居住者の高齢化の問題、抜け道となる周辺道路の交通量の増加、加えて児童や高齢者はもとより、住民の安心・安全の確保にも言及していました。　ここからは今回の質問の要旨の整理となります。少し長くなりますが、御容赦ください。事業の概況整理及び当時の時代背景から入ります。本事業は、平成５年、1993年公告から今年で29年の経過となります。当初の計画では施工期間約10年として開始しました。経済情勢や環境の変化等の事情による延長はあり得ます。例えば、10年が15年に延長となった。その程度の変更はあり得るケースかと思います。ところが、本事業の場合は10年の計画が既に29年経過し、５年後である令和９年の期限もさらに10年延長され、令和19年までが新たな施工期間として設定されました。現時点でも、当時30歳の方が60歳、50歳の方が80歳という具合に、世代交代する年数の経過です。　事例として顕著な例を申し上げますと、最近とみに空き家が目立ってきております。また、地区外移転者も多く発生しています。これは、順番を待ち切れずに移転したケースが多いように感じられます。一方で、高齢化で移転の対応もできない方も増えてきています。もう一つ深刻な状況として、リフォームができないというのもあります。いつ順番が回ってくるか分からないので、水回りを直したい。だけどもどうしようということで、相当もう老朽化していますけれども、直さずに待っている方もいらっしゃいます。これらのことからも分かるとおり、区画整理事業は居住者の生活基盤に大きく関わること、個々人のライフステージそのものに大きな影響を及ぼすことをしっかりと認識する必要があります。　また、立地的に中心市街地に隣接し、当時既に住宅化が進んだ53ヘクタールもの広大な面積の施行であるという背景も忘れてはなりません。それでは、53ヘクタールはどれぐらい広いのか。これは、東京ドーム11個分に当たります。よく比較されますが、東京ドームは建築面積で約4.7ヘクタールというふうに言われています。それで計算すると11個分、少し余る計算になります。あと、同規模の有名な施設を探してみました。テーマパークとして有名な東京ディズニーランドが46.5ヘクタール、大阪のユニバーサルスタジオ、ＵＳＪが54ヘクタール。ですから、この面積であればディズニーランドはすっぽり入り、また、ＵＳＪはほぼ入る、そんなようなイメージかなと思います。また、身近なところでは、熊谷スポーツ文化公園が88ヘクタールですから、ちょうど６割の広さになります。53ヘクタールの広さのイメージは持っていただけたでしょうか。　そして、時代背景として認識しておくべきこととして、平成５年はいわゆるバブル崩壊時期に当たり、厳しい状況下のスタートではありました。1980年代後半に始まった日本のバブル景気は、1990年代前半にはバブルがはじけ、急速に景気が後退しました。平成５年は1993年ですから、まさにその時期に当たります。私は30代のときにバブル景気とその崩壊を経験しました。すさまじいものでした。30年前の話になりますが、今でも鮮明に覚えております。土地や株式の資産価格が投機目的で異常に上がり続け、実際の経済状況から乖離し、中身がなく膨らんだ泡に似た様子からバブル景気、バブル経済と呼ばれました。絵画や宝石なども大分値段が上がりました。１株120万円で株式上場したＮＴＴ株が、翌月には300万円台まで上昇しました。私の友人はこのＮＴＴ株１株買って、その差益で車を購入しました。夢のような話でした。その株価を引き下げる要因となったのは金融政策の転換でした。1989年５月以降、公定歩合が段階的に引き下げられた結果、1989年末には３万8,915円だった株価が、１年後の1990年末には２万3,848円まで下落しました。一方で、不動産価格を下落させたのは、地価の高騰を抑えるため、銀行の不動産融資を実質的に制限する政府が行った総量規制です。この政策により土地神話は完全に崩壊し、90年代後半以降のデフレ経済へと突入しました。住宅金融専門会社、住専問題もよみがえってまいります。住宅ローンを中心にノンバンクで、住専８社と言われていました。銀行等が出資して設立した子会社のノンバンクで、銀行自らが融資できない住宅ローンなどを多く扱いました。当然のことながらバブル崩壊によりほとんどの住専が破綻し、社会問題化しました。このようにバブル景気は長続きせず、５年ほどで終えんを迎えることとなりました。　このような厳しい環境下でスタートしたのが本上之土地区画整理事業です。相当の勇気と決断が必要であったことは容易に推察できます。そのバブル崩壊から20年以上にわたり景気が低迷した期間は、失われた20年と言われています。その後はＧＤＰも成長して、景気が安定してきた感はありましたが、このコロナ禍と物価の急上昇などに見舞われ、現在の厳しい状況となっています。長くなりましたが、事業の概況整理と、事業開始当時の時代背景を振り返ってみました。　次に、市の施行する事業において、公平性を確保するという視点は欠かせません。そこで、公平性の確保について触れておきます。上之土地区画整理事業に関連する地権者は、施行期間10年という施行者である本市の説明を受け、道路や公園等の都市基盤の整備による良好な市街地が形成されるとの事業趣旨を信じて、インフラ整備のため、公共減歩17.38％と、保留地創出のための保留地減歩8.04％、合わせて25.42％にも及ぶ大きな減歩の条件にも応じることで当該事業がスタートしました。所有する土地の約４分の１が減らされるわけです。もちろん狭小な宅地の地権者は、減歩不能相当分を金銭で負担する義務も発生します。したがって、事業の長期化は、前日の事業趣旨の速やかな達成を阻害し、他の市街化区域内の都市基盤整備と大きな格差を生じさせています。このことからも、早期完了は、施行者、本市の責務であります。この施行期間10年は施行者と地権者との契約であり、換言すれば債権債務関係にあると言えます。この事業の大幅な遅延は、施行者の地権者に対する債務の履行主体と言えるのではないでしょうか。　参考に申し上げます。今議会に上程された議案第75号　熊谷市債権管理条例ですが、それに先立ちパブリックコメントに付された同条例素案から引用すれば、市は市民の皆様から納めていただいた貴重な税金や使用料などの債権を財源として行政サービスを提供しています。それらの債権を適正管理することは、自主財源を確保し、健全な財政を維持することはもとより、市民負担の公平性を保つ上でも非常に重要ですと、条例の制定の趣旨及び経緯に記されています。銀行等の金融機関は、事業資金や住宅ローン等の不動産担保貸付けが延滞し、任意回収が困難と判断した場合、担保権の実行である競売手続により貸付金の回収を図ります。市の強制徴収公債権にあっては、滞納処分の執行により回収を図ることができます。金融機関は不動産担保貸付けに際し、通常は第１順位の抵当権を設定し、登記を行います。担保物件の価値に余裕があれば、第２順位、第３順位の設定登記もあり得ます。登記しておけば第三者対抗要件が備わりますから、しっかりと保全できた貸付金になりますが、それの登記以前に、納税の期限を迎えている税金があった場合に、競売実務では税金が優先します。また、無担保債権者は、訴訟の提起や支払督促の申立て等により、裁判所のお墨つきとも言える債務名義がなければ預貯金の差押え等はできません。しかし、税金の滞納は預貯金の差押えもできます。租税債権の強さの一端を紹介しました。これを裏返したときに、本事業地内の地権者は、事業の大幅な遅延、履行主体があるにもかかわらず、施行者に対してなすすべがありません。このことは施行者としてしっかり認識すべきです。　話は変わりますが、ここで重要なポイント、平成29年６月議会の市長答弁から抜粋し、その内容を確認しておきます。「本市の土地区画整理事業の状況は、現在３地区において施行中であり、多額の財源が必要となっている。現在の状況は、籠原中央第一地区については、今年度から駅前広場の整備工事を行う段階となり、事業完了の目途が立ってきた。また、上石第一地区についても大きく事業が進捗している状況。このように、他地区の事業が完了に向けて進捗しているので、その財源等を集中させることにより、上之地区の一層の事業推進を図ってまいりたいと考えている」との大変前向きな答弁でした。言質を頂いております。　私の一方的な質問で、早期完了を求めるだけでは話が進みにくいので、施行期間短縮のための方策を提言します。施行期間を令和９年度とした計画は尊重すべきで、最大限の努力の結果、やむなくさらに何年の延長が必要であると、そういった議論が足りないのではないでしょうか。まずは、令和19年にさらに延長したことによるロードマップ、工程表の作成が必要です。次に、事業の早期完了のための要件として、これは重要な事柄になります。単年度ごとの計画に見合った財源の確保、そして事業を円滑に遂行するために見合った職員の増員が必須です。施行期間の長期化は事業費の増大を招き、財政支出上からも大きな負担を強いられることになります。国や県からの補助金や交付金が定められた額であるだけになおさらです。　あわせて、早期完了による効果を整理してみました。１つ目は、人口、居住者増加の効果です。本事業地内における当初の目標人口は4,300人ですが、令和２年度末時点では2,753人となります。1,500人以上の乖離があります。居住者の増加は、固定資産税、都市計画税、そして市民税等の税収アップにつながります。事業の完了は早いほどその効果は前倒しになって現れます。新たに転入される方は子供も小さく、若い世代が多いものと考えられます。当然に人口の増加、税負担、担税能力も高い層と期待できます。２つ目は、インフラ整備による居住環境の向上の効果があります。３つ目は、災害対策として調整池の整備によるゲリラ豪雨等に対する備えの充実が図られます。２つの調整池が計画されています。しかし、事業完了まで調整池は整備できませんということでは、昨今のゲリラ豪雨等に対応できないので、過去の一般質問において暫定の調整池を要望しましたが、まず１か所は整備されました。これによりリスクが少し軽減されました。４つ目は、道路、公園等の整備により居住者の利便性の向上や景観の向上が図られるとともに、沿道サービス等を含めた商業の活性化にも大きく寄与します。熊谷谷郷線が全通したことにより、早くもユニクロ、ドラッグストア、フィットネスクラブなどの商業施設ができています。５つ目が、中心市街地の拡張効果及び熊谷スポーツ文化公園、（仮称）道の駅「くまがや」方面の広がりが期待できます。本当にいいことずくめだと思います。これらのことを念頭に置き、質問に入ります。　上之土地区画整理事業の促進について―速やかな事業の完了に向けて―。　（１）、市長の現状認識及び対処方針についてお伺いします。　（２）、事業の概要及び進捗状況等については11点の項目になります。　ア、当初の事業計画公告日、施行期間及び事業計画の変更の推移について。　イ、権利者数及び戸数、棟数、うち移転を要する戸数、そして建物移転率について。　ウ、生産緑地の指定面積とその割合について。　エ、都市計画道路と区画街路の総延長及び街路整備率について。　オ、総事業費から見た直近３か年の進捗率について。　カ、建物移転棟数と進捗率の直近３か年の推移について。　キ、仮換地指定率の直近３か年の推移について。　ク、全体の保留地面積、画地数及びその処分済み面積、画地数について。　ケ、仮設住宅の稼働状況について。　コ、暫定の調整池造成の進捗状況について。　サ、関連として、籠原中央第一及び上石第一地区の区画整理事業の進捗状況。特に完了見込み時期についての質問です。　なお、籠原中央第一区画整理事業の進捗状況については、前回６月議会において栗原議員が質問されましたが、関連性があるので再度質問いたしました。　これをもって壇上での質問は終わります。再質問、要望等については質問席より行います。　　　　　　　　　　　　　　〔小林哲也市長登壇〕 ◎小林哲也市長　小鮒議員さんから上之土地区画整理事業について御質問を頂いておりますが、私から現状認識及び対処方針についてお答えいたします。　この事業は、本市の総合振興計画に位置づけられたまちづくりのための重要施策であり、土地の区画を整え、道路、公園等の公共施設を整備、改善し、良好な居住環境を確保することを目的とし、平成５年度に着手いたしました。現在約29年が経過しており、昨年12月に行った第４回事業計画の変更により、換地処分を令和19年度としています。この事業により熊谷谷郷線と第２北大通線の２本の都市計画道路を開通させることができ、大幅に市内交通環境が改善された一方、事業の長期化が課題となっているところです。事業が長期化することにより事業費の増大や道路供用等の遅れを招くことになり、効率的な公共投資が難しくなります。現在の事業計画では、総事業費が約285億円と膨らみ、令和３年度末の進捗率は、事業費ベースで約52％にとどまっていることから、御不便をおかけしている地権者の皆様の生活環境向上に向け、現計画期間内に事業が完了できるよう進めてまいりたいと考えております。　以上でございます。 ◎武田敏男都市整備部長　続きまして、当初の事業計画は平成５年９月20日に公告し、公告日から平成15年3月31日までを事業期間としました。その後、平成15年３月、23年２月、29年５月、令和３年12月の計４回事業計画を変更しました。　次に、事業開始時の権利者数は752人、建物戸数は635戸、棟数は857棟、移転を要する戸数は602戸、建物移転率は94.8％です。　次に、生産緑地の指定面積は3,770平方メートルで、施行面積に対する割合は0.7％です。　次に、都市計画道路の総延長は1,351.8メートル、整備率は65.7％、区画街路の総延長は3,840.9メートル、整備率は25.9％です。　次に、事業費ベースの進捗率ですが、令和元年度末は52.2％、２年度末は55.0％、３年度末は事業計画を変更し、総事業費計画額を257億9,000万円から284億5,000万円に増額したため、52.1％になります。　次に、建物移転棟数及び進捗率ですが、令和元年度末、419棟、52.1％、２年度末、440棟、54.7％、３年度末、452棟、56.2％です。　次に、仮換地の指定率ですが、令和元年度末と２年度末は92.2％、３年度末は92.3％です。　次に、保留地については114画地あり、合計面積は３万5,639.8平方メートルです。そのうち13画地、面積にして4,873平方メートルが処分済みです。　次に、仮設住宅の状況ですが、令和２年度から３棟を運用し、稼働率は53.6％です。　次に、暫定の調整池については、令和３年度に第１調整池の予定地において、広さ2,317平方メートル、深さ約80センチメートルで掘削を行いました。　次に、他地区の令和３年度末の進捗状況ですが、籠原中央第一地区は事業費ベースで98.3％、移転戸数進捗率は99.8％で、換地処分を事業計画上令和５年度に予定しています。また、上石第一地区では、事業費ベースで92.4％、移転戸数進捗率は96.6％で、換地処分を事業計画上令和８年度に予定しています。　以上でございます。 ◆小鮒賢二議員　15番、小鮒賢二です。市長には、現計画期間内に事業が完了できるよう進めてまいりたいというゴールを見通せる力強い御答弁を頂きました。　それでは、テーマに沿って、順次再質問、要望等を申し述べます。上之土地区画整理事業の促進に関する５点の再質問を行います。　再質問１点目は、現計画期間内に事業が完了できるよう進めてまいりたいとありますが、実現のための方策についてお尋ねします。 ◎武田敏男都市整備部長　お答えいたします。　今後も、国、県の補助金等の活用を積極的に図るとともに、玉突き移転の効率化を図るため、仮設住宅の増設を検討していきます。また、空き家の状況を確認し、先行解体について地権者の協力をお願いしていきます。　以上でございます。 ◆小鮒賢二議員　現計画期間内に事業が完了できるように進めてまいりたいという市長の力強い御答弁を頂き、少し安堵したところですが、15年という限られた期間内の完了には数多くのハードルが存在します。そのハードルを越えるための方策はいろいろと検討しなければなりません。そのための質問でした。仮設住宅の増設は有効な方法です。また、空き家の状況確認の上の先行解体、私も地権者宅を訪問したときに空き家の多さにはびっくりしています。このような地道な取組が地権者の皆様の本事業への理解の向上につながるものと考えます。また、答弁としての言及は難しいのかもしれませんが、早期完了のためには、そのための財源の確保と職員の増員が必要です。綿密に計画されるものと確信し、大きく期待しています。　再質問２点目は、平成29年６月議会の市長答弁の適用について質問します。 ◎武田敏男都市整備部長　お答えいたします。　本事業の推進に対する考え方に変わりありません。　以上でございます。 ◆小鮒賢二議員　これは確認のための質問で、当時の市長答弁の考え方に変わりはないという答弁で、安心いたしました。　籠原中央第一地区は、事業費ベースで98.3％、移転戸数進捗率は99.8％で、換地処分を事業計画上令和５年度に予定している。また、上石第一地区では、事業費ベースで92.4％、移転戸数進捗率は96.6％で、換地処分を事業計画上令和８年度に予定しているとの答弁でした。両事業の完了に伴い、その財源等を集中させることにより、上之地区の一層の事業推進を図ってまいりたいという答弁内容の確実な実施を重ねてお願いいたします。　再質問３点目は、本事業地の外周道路の整備について、通学路の安全確保、景観及び利便性の向上等の視点からの質問になります。１つ目は、都市計画道路熊谷谷郷線の整備についてです。特にベルク上之店前から熊谷総合病院までの区間は、上之や中西方面から東小学校へ向かう通学路となっています。歩道の確保は、児童の安全面や車両の円滑な通行面から大変に重要です。２つ目は、本事業地の東側境の南北の道路の整備についてです。ここは成田小学校西門に面した道路で、部分的な整備は進んでいますが、特に五田塚地区の児童の通学路が未整備で危険です。これらの外周道路の整備について質問します。 ◎武田敏男都市整備部長　お答えいたします。　熊谷谷郷線と東側境の南北道路は、いずれも通学路に指定されており、児童の安全確保を第一に考え、優先的に整備を図っていきます。　以上でございます。 ◆小鮒賢二議員　児童の安全確保を第一に考え、優先的に整備を図っていきますとのこと、早期の対応をお願いいたします。　市長の答弁にもあったとおり、熊谷谷郷線と第２北大通線の２本の都市計画道路の開通により、大幅に市内交通環境が改善されました。交通量も日増しに多くなっていることを実感しています。熊谷谷郷線は、2019年ラグビーワールドカップ熊谷開催に先駆けて、その年の４月に第２北大通線と同時に開通しましたが、本来、熊谷谷郷線は幅員25メートルの４車線道路の計画ですが、ベルク上之店前周辺の整備の関係から、暫定２車線で開通し、３年が経過している状況です。数年先に完成する予定の（仮称）道の駅「くまがや」の面する国道125号線に直結する道路で、交通量の激増が予想されます。その面からも早期の整備をお願いいたします。また、新設が予定されている道の駅から上之東部地域内を東西に走る道路も、最終的には本事業地の南側を通過し、中心市街地へと向かいます。このように53ヘクタールもの広大な上之土地区画整理事業地全ての外周道路が市内交通環境の改善に重要な役目を果たしています。このことも常に念頭において事業を進めていただきたいと思います。　再質問４点目は、保留地公売による収益確保の視点から、累計の売却実績額及び総売却予定額並びに当面の公売予定について教えてください。 ◎武田敏男都市整備部長　お答えいたします。　これまで13画地の保留地を売却し、３億1,869万円の収入がありました。残る保留地は101画地あり、売却予定額は16億6,000万円です。また、現時点で公売の予定はありません。　以上でございます。 ◆小鮒賢二議員　保留地の性格は、公売による売却金を事業費に充てることが目的で生み出された土地です。本事業も8.04％もの保留地減歩により創出された貴重な土地ですから、制度の趣旨に鑑み、できるだけ速やかな公売の実施と事業費への活用をお願いいたします。　再質問５点目は、整理地内の当初農地面積及びその割合についてお尋ねします。 ◎武田敏男都市整備部長　お答えいたします。　農地の面積は約23.9ヘクタールで、施行面積に占める割合は45％です。　以上でございます。 ◆小鮒賢二議員　事業地面積53ヘクタールのうち23.9ヘクタールの農地を含むスタートでした。当初は全体の半分近くを占める農地面積でしたが、約30年の経過で市街化区域内の農地ですから、相当に宅地化が進んだものと考えます。今年は生産緑地法施行から30年が経過し、多くの都市農地を持つ東京、大阪、名古屋を中心とした３大都市圏では、指定解除となる本年に一気に宅地化は進むのではないかと懸念されましたが、懸念されたいわゆる2022年問題も、今のところは大きな動きはないようです。　ところで、本事業地内における生産緑地指定面積は、意外にも少なめの3,770平方メートル。当初農地面積に占める割合は約1.6％にとどまります。したがって、残りの大半の農地が開発対象となるといえます。既に開発された農地もあります。本事業の進捗に合わせてさらに宅地化が進むものと考えます。そうなれば、極めて優良な本事業地内の住宅地ですから、多くの転入者が期待でき、当初目標の4,300人を上回る人口増加につながることも期待できます。ここまでるるとして申し上げてまいりましたか、最後に確認の意味も含め、要望等を申し上げます。　本上之土地区画整理地は、広大な事業地内を幅員25メートル、４車線の熊谷谷郷線と、幅員20メートル２車線の第２北大通線、２本の都市計画道路が交差する新しい交通の要衝になっています。３年前の開通式における当時の市長の挨拶の中に、熊谷谷郷線は昭和22年から計画があり、また、第２北大通線は昭和48年から計画されていた都市計画道路である旨のお話がありました。それほど昔から上之周辺地域は東の玄関口として注目されていたことがひしひしと伝わり、改めて東部地域の開発整備の重要性、また、本事業の早期完了の必要性を再認識いたしました。今般、小林市長の御答弁にありましたとおり、本事業は平成５年度に着手した後、既に29年が経過し、昨年12月には第４回事業計画の変更により換地処分が令和19年まで延長となりました。また、一方で、総事業費が285億円と膨らんだことにより、令和３年度末の事業費ベースの進捗率は約52％にとどまっている旨の御発言もありました。加えて、区画街路の整備率25.9％、建物移転の進捗率56.2％等を勘案した場合、現状のペースでは15年後までの期間をさらに10年延長もあり得ると危惧していたところですが、しかし市長の御答弁によりその心配は払拭され、少しだけほっとしました。　今回の質問では本事業の長期化の課題を指摘してまいりましたが、その克服のためには、何といっても事業促進のための財源の確保、そしてそれに見合った職員の増員が必須条件です。加えて、長期的な事業の円滑な施行には、ロードマップ、工程表の作成が欠かせません。職員のモチベーションもアップします。私が７年前に初めて整理地内のお宅を訪れた頃に言われたことを紹介します。「いつになったらできるんだろうね」、「なかなか順番来ないね」、「順番が回ってくる頃にはいなくなっちゃう」など、ちょっと寂しい発言もありました。しかし、まだ希望を持っての苦情や要望が多く聞かれたような気がしました。最近そういった苦情や要望が減ってきたように感じます。そこには２本の都市計画道路が開通したことによる利便性や景観の向上といった評価の部分もあると感じますが、やはりさらに高齢化が進んだことに加え、半ば諦め的な心境による変化なのかなと分析せざるを得ないのは残念です。一方で、職員に対しても「個々の対応は大変だよね」、「親切にやってくれたよ」、そういった声も聞かれます。　前回の一般質問で取り上げたお隣の池上地区ほ場整備事業及び一体的な整備の（仮称）道の駅「くまがや」と比較してみます。この事業は平成27年９月議会で私が取り上げた質問事項ですが、翌年には圃場整備の県の事業採択要件である地権者の仮同意が95％に達し、採択後は、地元地権者の御努力により順調に推移しています。この事業の特徴は、18％の特別減歩により、道の駅関連用地として11ヘクタールもの非農用地を創出しました。これも地権者の理解と協力があって実現したことであり、当然のことながら、本市としては、その非農用地をしっかりと活用するという責務を負っていることは言うまでもありません。これら事業のロードマップはしっかりとしており、ほ場整備事業は、単年度ごとの面整備が遅れることなく進み、既に完了しています。あとは暗渠排水の整備や、創出した非農用地、道の駅関連用地となりますが、それの買収手続を残すレベルまで来ています。また、道の駅創設の手続も、ほ場整備事業と並行して進められたことにより、基本構想、基本計画、実施計画、そして今のＰＦＩ事業者に対する要求水準書の作成まで来ています。この後に残る課題は多々ありますが、７年ほどでここまで進捗したことは評価できると思います。私の考えでは、ほ場整備事業が終わってから道の駅創設準備では15年かかってしまうので、道の駅提案者として、何しろ並行して作業を進めることを提言してまいりました。このようにロードマップをしっかり持ち、地権者等の御協力を頂き、予算もしっかりつけ、職員が邁進すれば実現できるのが長期プロジェクトです。身近な例として参考になります。　また、既に申し述べたとおり、単に支出のみの増加ではなく、定住人口及び税収も増加するという大きなリターンもあることを認識すれば支出もしやすくなるのではないでしょうか。このように早期の完了を進めるには、本市の将来にとっていいことずくめです。市長からの地権者の皆様の生活環境向上に向け、現計画期間内に事業が完了できるよう進めてまいりたいという力強い御答弁を頂き、やっと本事業のゴールを見通せるようになりました。　今後の円滑な事業の進展を期待して、私の令和４年９月議会における市政に関する一般質問は終わります。御清聴ありがとうございました。 ○福田勝美議長　以上で15番小鮒賢二議員の一般質問は終了いたしました。　申し上げます。先ほどと同様に、議員、理事者ともに出席者の入替えをお願いします。　議員におかれましては、議席表Ａを参考に入替えをお願いいたします。　暫時休憩します。　　　　　　　　　　　　　　午後　２時４２分　　休　憩　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　午後　３時０２分　　再　開 ○福田勝美議長　休憩中の会議を再開します。 △一般質問続行 ○福田勝美議長　次に、17番林幸子議員の一般質問を許可いたします。　　　　　　　　　　　　　　〔17番林　幸子議員登壇〕 ◆林幸子議員　皆さん、こんにちは。議席番号17番、林幸子です。福田議長より発言の許可を頂きましたので、通告の順に従い、今回は大きく２点について一般質問をいたします。　まず初めに、大きい１番、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の成立を受けてについてです。障害者が日常生活や災害時に必要な情報を得られるよう支援し、健常者との情報格差の解消を目指す新法が本年５月19日に成立し、25日に施行されました。新法の名称は、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法で、全ての障害者が社会で様々な活動に参加するために、情報へのアクセシビリティーの向上やコミュニケーション手段の充実を目指して制定されました。アクセシビリティーとは利用のしやすさのことで、どんな方にも使いやすいということです。これまで障害者総合支援法、バリアフリー法、さらに視覚障害者や発達障害者らが読書しやすい環境を整える読書バリアフリー法や聴覚障害者がテレビ電話による手話通訳などを介して電話を利用できる電話リレーサービス法などの法律が制定されてきました。熊谷市においては、熊谷市手話言語条例が平成29年４月１日に施行されています。そして、このたび新法が成立、施行されたことにより、これまで以上に障害者と健常者の壁をなくすためには、今後具体的に何をどのように取り組むべきかを考えるよい機会だと捉えています。この新法が障害の有無によって分け隔てられることのない共生社会を実現するための追い風となることを期待し、何点か質問をいたします。　質問（１）として、これまでも障害者の日常生活、社会生活を支援するため様々な法律が施行されてきましたが、今回の新法、これまでの法律との大きな違いは何かお聞きします。　次の質問ですが、「ともに生き、ともに暮らせるまちづくり」、これは熊谷市障害者支援計画の基本理念であります。熊谷市ではその実現を目指し、現在、施策の推進に取り組んでいただいております。障害のある人が社会の一員として様々な分野の活動に参加するには、やはり情報提供や意思疎通支援などの、いわゆるコミュニケーション支援が重要ではないかと考えます。　そこで、質問（２）として、熊谷市の現在の取組状況についてお聞きします。　次に、質問（３）として、この新法制定の背景には、障害者が様々な情報格差に直面している現実があります。その解消のために、今後、熊谷市において特に求められていることは何か、どのような点に力を入れていくべきと考えるかお聞きします。　次に、質問（４）として、第８条に「国及び地方公共団体は、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を講ずるに当たっては、障害者、障害児の保護者その他の関係者の意見を聴き、その意見を尊重するよう努めなければならない」とあります。この障害者等の意見の尊重は、今まで法において出てこなかった言葉で、これが出てきたことに時代の流れ、移り変わりを感じます。当事者からの意見を聴くことは一番重要だと考えていましたので、新法にしっかりと明記されたことは、非常に喜ばしいことだと思います。そこで、本市における当事者から意見を聴く体制についてお聞きします。　次に、大きい２番、新星川改修工事について―大原地区の水害を考える―と題し質問をいたします。近年、日本では高温、大雨などの異常気象が頻発しています。熊谷市は全国的に知らない人はいないというくらい、熊谷イコール日本一あついまちとして有名になりましたが、暑いけれども比較的災害が少ない地域ということを多くの市民は認識しています。今後は、そのイメージで本市の魅力を全国的にＰＲすべきではないでしょうか。しかし、幾ら災害の少ない熊谷市といっても、それでも台風などの影響で大雨が降ることもあります。そのたびに市街地においても道路冠水や浸水の被害を受けている地域があり、被害解消のための対策も決して進んでいるとは言えない状況であります。災害が少ないことは熊谷市の魅力の一つでありますが、今後さらに魅力をアップさせていくためには、都市インフラの整備が重要となってくると言えるでしょう。都市インフラとは、幹線道路や公園、下水道、河川などがあり、都市の安全と繁栄を支える最も基本的な公共施設であり、その整備は行政の責務です。ラグビーワールドカップ2019日本大会が熊谷で開催されたことを契機に幹線道路の整備は進みましたが、ラグビーロードを横断する新星川の整備については、進捗があまり感じられないというのが率直な意見だと思います。先ほども申し上げましたとおり、災害の少ないまちづくりの推進は都市の魅力アップにつながります。また、町なかに水辺空間が整備されることにより暑さ対策に貢献することも考えられますし、今やラグビーロードは熊谷のシンボルとなるべき道であり、ラグビーの試合開催時には自転車や徒歩の方々の経路となることから、河川整備に併せて修景施設等が整備されれば、憩いのスペースにもなるという大きな可能性を秘めた大切な場所であります。そういった意味からも、新星川改修工事は、熊谷市にとって非常に重要な事業であると考えています。　また、大原地域の住民からしてみれば、雨が降ればすぐに増水し、床下まで浸水して、もう何年も水害に悩まされてきた経緯があります。市内全体を見ればほかにも浸水被害のある地域はありますが、中心市街地に近い都市部において被害が発生すること自体が問題だと言えます。浸水被害で困っている地域の方からは、新星川の整備が完了すれば、もしかしたら被害の解消につながるのではないかと、淡い期待の声も少なからず聞こえてきます。ラグビーロードの東側については用地を取得することができたと聞いており、今後、整備を進めていく上での課題は、一つクリアできたのではないでしょうか。一刻も早く整備を進めるべきとの思いで質問をさせていただきます。　（１）、事業全体の計画と進捗状況は。　（２）、今年度の計画について。　（３）、整備を進めていく上での課題は何か。　（４）、現在の事業計画区間においての整備完了の目標年度は。　（５）、大原地区水害の認識と、これまでの対策とその効果について。　以上５点についてお聞きします。　壇上での質問は終了といたします。なお、再質問等は質問席で行いますので、よろしくお願いいたします。　　　　　　　　　　　　　　〔小林哲也市長登壇〕 ◎小林哲也市長　林議員さんから２点御質問を頂いておりますが、私から新星川改修工事について総括的にお答えいたします。　新星川は、１級河川星川の上流部に位置し、市街地の北部を西から東へ流下する流域面積10.24平方キロメートルの準用河川でございます。市街地の治水機能を向上させるため、昭和56年に準用河川として指定し、用地買収を進め、下流側から順次改修工事を実施してまいりました。しかしながら、河川改修を進める上では、多くの地権者の協力が得られないと事業の進捗が図れないため、整備に時間を要しているところでございます。現在は、懸案であった用地取得が進捗したことから、残る区間の河川改修工事の準備を進めているところでございます。局地的集中豪雨や台風時に大原地区を含め、市街地において道路冠水等が発生している状況でありますので、今後も準用河川新星川の整備を積極的に推進しながら、市街地の浸水対策に取り組んでまいりたいと考えております。　以上でございます。 ◎山下克巳建設部長　続きまして、新星川改修工事の全体の計画ですが、最下流部は上之地内の１級河川星川との接続部で、最上流部は円光一丁目地内の県道太田熊谷線西側の市道50146号線との交差部までの延長2,406メートルが準用河川の指定区間です。このうち、最下流部から延長1,800メートルが事業計画区間です。現在の進捗状況ですが、河川改修済み延長は1,488メートル、事業計画区間に対する用地取得率は、面積比率で99.7％です。今年度については、ラグビーロード東側の約30メートルの河川改修工事を予定しています。　次に、今後の課題ですが、事業計画を国や県と調整し、残る区間606メートルの計画延伸と用地買収13筆、約2,200平方メートルの取得が必要です。　次に、整備完了の時期ですが、現在の事業計画期間は令和９年度を目標としています。　次に、大原地区の雨水冠水ですが、大雨時に道路冠水等が恒常的に発生しており、地区の皆様には浸水に対する不安等が大きく、御不便をおかけしております。そのため、浸水被害軽減対策として、平成30年度に大原公民館付近で暫定的な貯留浸透施設を設置し、浸水期間を短縮する対策を行っています。　以上でございます。 ◎植原利和福祉部長　続きまして、御質問１、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法についてお答えします。　初めに、これまでの法律との違いですが、新法では、デジタル社会を見据え、全ての障害者が高度情報通信ネットワークの利用及び情報通信技術の活用を通じ、情報の取得、利用及び意思疎通に係る施策を推進するためのポイントを基本理念に定めているところです。　次に、本市の取組状況ですが、手話通訳派遣事業、日常生活用具や補装具としての情報、意思疎通支援用具の給付、市報や市議会だよりの点字や音声サービス、市ホームページや防災ハザードマップの音声サービス、聴覚障害者への防災行政無線情報のファクス送信などがあります。　次に、本市が今後特に求められていることですが、これまでの事業や取組を継続、発展させるほか、デジタル社会が推進される中では、情報格差が生じないよう、障害者等が情報取得のために必要な機器等の情報提供、入手支援、利用方法の習得のための取組が必要になると考えます。　次に、当事者からの意見を聞く体制についてですが、障害者団体の方も委員として障害者施策の推進に参画している大里地域自立支援協議会や、熊谷市障がい者施策推進委員会を活用するとともに、これまでと同様、必要に応じて各障害者団体からの意見聴取等も行っていきます。　以上です。 ◆林幸子議員　17番、林幸子です。それぞれに御答弁を頂きましたので、順次再質問をいたします。　まず、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の成立を受けてについて再質問をいたします。これまでの法律との違いについて答弁がありましたが、誰でもいつでもどこでも必要とする情報を十分に取得、利用し、円滑に意思疎通を図ることができる環境を整えていくことが重要と認識をしております。その上で、理念や施策の例を並べるだけではなく、国が実施に必要な法制上、財政上の措置を講じることが明記された意義も大きいと感じています。新法の中には、デジタル社会を見据えた基本的施策として、１、障害者による情報取得等に資する機器等に係る施策、２、防災、防犯及び緊急の通報の仕組みの整備の推進、３、障害者が自立した日常生活、社会生活を営むために必要な分野に係る施策、４、障害者からの相談、障害者に提供する情報についての配慮、５、国民の関心、理解の増進、６、調査研究の推進等の６つが掲げられています。先ほど熊谷市の取組状況を聞きましたが、基本的施策に掲げられている防災情報の取得や消防、救急の出動要請、また、各種相談の対応など、命を守るための情報へのアクセシビリティーは特に重要と考えます。さらに、市政全般についての情報取得や選挙や投票に関わる広報は社会参加の基本であります。　そこで、この基本的施策に基づき再質問をさせていただきます。まず、防災の観点ですが、この新法制定の背景には、2011年の東日本大震災での教訓がありました。避難の呼びかけが聞こえない。聞こえても目が見えない人や、足が不自由な人は自力で逃げられない。残念ながらこうした状況で命を落とした方が多くいらっしゃった。甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島の３県における障害者の死亡率は、住民全体の２倍から６倍というデータがあるという話も聞いています。障害があってもそうでなくても、いざというときに自分がどう行動すればよいのかを日頃から準備しておくために、先ほど三浦議員が質問したマイ・タイムラインの活用や個別避難計画の作成が重要になってきますが、それらを作成するに当たり、まずは今自分の住んでいる地域の状況を把握することから始まると思います。災害から身を守るための情報を記載した防災ハザードマップは、ほとんどの市区町村が作成済みですが、点字や音声版を導入している自治体をあまり聞いたことがありません。先ほどの答弁の中に、熊谷市は防災ハザードマップの音声サービスを導入しているとありましたが、そこで質問ですが、県内の導入状況についてお聞きします。 ◎鯨井英明危機管理監　お答えいたします。　本市と同程度以上の人口を有する市及び近隣市に確認したところ、久喜市が同様のサービスを行っています。　以上です。 ◆林幸子議員　これまでは防災ハザードマップを音声化するに当たり、根拠となる法律等が見当たらなかったため、普及されていないのは仕方のないことだと思います。しかし、そのような状況の中で熊谷市が導入するに至った経緯は、当事者さんからの要望を危機管理課のほうで受けて、何かできることはないかと考えた末、地図を地名や番地ごとに分けて、浸水した場合に想定される水深等を音声データ化したと聞いています。職員の知恵と工夫で導入することができたということに、まずは感謝を申し上げます。今後も引き続き当事者さんからの意見を参考に、改善等も含めて取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。　次に、避難所での対応についてお聞きします。命を守るために避難はできたものの、避難生活を継続する上で困難が生じてしまう場合も想定されます。目が見えず重要な貼紙情報があることすら分からない。アナウンスが聞こえず、食料などの配給が受けられないといったことでは困ります。　そこで、次の質問ですけれども、避難所における取組について、どのようなことを行っているのかお聞きします。 ◎鯨井英明危機管理監　お答えいたします。　避難所となる小・中学校には、障害者や高齢者など要配慮者のスペースを確保することとしています。また、聴覚障害者用の簡易筆談器のほか、聴覚障害のある方や手話ができる方に身につけていただくバンダナ、援助や配慮を必要としていることが外見から分からない内部障害や妊娠初期の方などに身につけていただくヘルプマーク、車椅子利用者の階段移動の方法を記載した掲示物も配備しています。　以上です。 ◆林幸子議員　要配慮者のスペースを確保することとしているとありました。例えば、車椅子を利用している方や視覚に障害をお持ちの方は、自宅以外の慣れない場所では一人でトイレに行くことさえも難しい場合があります。トイレにたどり着くための分かりやすい動線を確保するなどの工夫をお願いしたいと思います。また、避難所内では近くにいる方の協力も必要になってくると思いますので、お互い協力をし合えるような雰囲気や体制づくりができたらいいなと思います。　また、避難者への情報提供の方法についてですが、繰り返しとなりますが、誰でもいつでもどこでも必要とする情報を十分に取得、利用し、円滑に意思疎通を図ることができる環境を整えていくことが重要だと思いますので、今後もそのための取組を推進していただきますよう要望いたします。　次の質問ですけれども、基本的施策の中に、障害者からの相談、障害者に提供する情報についての配慮とあります。福祉や生活の相談については、本庁舎の各課で相談者の障害の特性に合わせて対応していると思いますが、ＤＶ相談については、本庁舎から離れた男女共同参画推進センターハートピア内に窓口が設置されています。　そこで、質問ですけれども、ＤＶ相談における聴覚障害者、視覚障害者、その他の障害がある方への情報提供、コミュニケーション支援の取組についてお聞きします。 ◎田島尚栄市民部長　お答えいたします。　ＤＶ相談につきましても他の情報提供方法と同様になりますが、市報やホームページへの掲載に加えて、点字や音声サービスを行うとともに、障害福祉課等関係課との連携により支援を進めています。また、コミュニケーション支援につきましては、手話通訳の活用等を行っています。　以上です。 ◆林幸子議員　障害福祉課等の関係課と連携を取りながら支援をしていただいているという現状は分かりました。聴覚に障害をお持ちの方については、市のホームページや市報等で相談窓口の存在を知り、直接足を運ぶケースもあるようです。視覚障害者や身体障害者の中には相談窓口の存在を知らない方もいるかもしれません。たとえ知っていたとしても一人では行くことができず、同行サービスを必要とする方も多いと思います。電話で相談をする方法もありますが、電話をすることさえタイミングや環境的に難しい場合もあります。そのような方に対して、相談窓口の周知などの情報提供や相談方法についても、きめ細やかな配慮が必要になってくると思いますので、今後検討をお願いしたいと思っています。　次に、ウェブアクセシビリティについて考えてまいりたいと思います。ウェブアクセシビリティとは、障害者や高齢者を含む誰もが使いやすいウェブコンテンツを意味します。海外では、国際連合で2006年に採択された障害者権利条約を背景に、情報にアクセスできることも人権の一つであるという認識が広まっています。総務省が行った障害のある方々のインターネット等の利用に関する調査研究によると、障害者全体のインターネット利用率は53.0％と高く、視覚障害者だけ見ても91.7％の方が利用しているという調査結果があります。先ほどの答弁の中に、市報や市議会だよりの点字や音声サービスを実施しているとありましたが、市ホームページは、障害者にとっても情報収集のための大切なツールであります。熊谷市のウェブアクセシビリティ方針を見ると、熊谷市公式ホームページでは、障害者、高齢者のホームページの利用に配慮する指針である日本産業規格に準拠するとあります。　それでは、具体的に視覚に障害のある方がホームページを閲覧する場合はどのように行うのか。また、そのような方々に対しての配慮や工夫されている点は何かお聞きします。 ◎高柳勤市長公室長　お答えします。　市ホームページには、全てのページの最上部に音声読み上げ、文字拡大の表示があり、アクセシビリティに対応した支援ソフトを通して閲覧することができます。支援ソフトには、音声読み上げ機能のほか、画面の表示サイズ、色合いを変更する機能や、漢字に振り仮名を振る機能があり、閲覧しやすい環境が整備されています。　以上です。 ◆林幸子議員　視覚障害をお持ちの方は、インターネットを利用する際に、音声読み上げソフトと呼ばれる補助ソフトを使ってウェブを読んでいるという話を聞きます。パソコンを操作する際はマウスは使用せず、全ての操作をキーボードで行っています。パソコンは、ほとんどの操作がキーボードで行うことができるそうです。しかし、音声読み上げソフトを利用して、ただ読み上げればよいというわけではありません。１ページ当たりの情報量が多過ぎると、自分が必要としている情報にたどり着くのに情報の取捨選択を何度も行わなければならず、必要な情報を見つけるのに時間がかかってしまいます。例えば、ごちゃごちゃしてたくさんのものが並んでいる部屋よりも、きちんと整頓された部屋のほうが探し物は簡単です。晴眼者でもそうではないでしょうか。視覚障害者にとっても整理整頓されているということは、情報を探し出す際に大きな助けになります。また、音声読み上げソフトが読み上げることができるのは、あくまでも文字情報です。写真の内容を判断し、画像を解析して読み上げることはできません。写真や画像の内容を代替テキストで書いていただくだけで、読み上げソフトを使用している視覚障害者も、内容や情景を把握できるようになります。熊谷市のホームページが全盲の方にとって果たして使いやすいものなのか、当事者さんからの意見も参考にしながら今後も提案をさせていただきますので、よろしくお願いします。　次に、社会参加の観点でお聞きします。私たちがよりよい社会づくりに参加できるように定められた大切な権利の一つに選挙権があります。大切な１票をどの候補に投票するかを決めるための情報の一つとして選挙公報がありますが、一般の選挙公報は、投票日２日前までに新聞の折り込みなどで各世帯に配るよう公職選挙法に明記されています。点字版や音声版については特に規定は設けられていませんので、各自治体の判断によるものと考えます。総務省によると、参議院議員の選挙では全都道府県で点字版が作成されたが、家に届かなかったとか、地域の点字図書館に行かないと読めないなど、情報の得やすさに地域差があるとの報告もありました。　そこで質問ですが、選挙公報の熊谷市の現状についてお聞きします。 ◎森田洋子選挙管理委員会事務局長　お答えします。　国及び知事の選挙では点字版の貸出しと音声版の送付を、県議及び市の選挙では音声版の送付を、それぞれこれまでの実績に基づき行っています。　以上です。 ◆林幸子議員　現状については分かりました。実績の数を事前に確認しましたところ、点字版は１名、音声版は７名の方に送付しているとのお答えでした。本当に必要としている方が今送付している人数なのか。例えば、紙ベースで配られた広報を御家族や介助者に音読してもらい情報を得ることができるため必要がないのか。それとも、必要としているが入手する手段を知らないのか。それらについては今の時点では分かりませんが、今後もできるだけ多くの方に選挙公報の情報が届くよう、法律や条例の範囲で可能な限り対応していただくことを要望いたします。　最後の再質問になります。この新法が成立したときに、全日本ろうあ連盟、日本視覚障害者団体連合、全日本難聴者・中途失聴者団体連合会、全国盲ろう者協会の４団体が共同で声明を発表しています。その中に、「国や地方公共団体の責務にとどまらず、事業者の責務（努力義務）や国民の責務、国・地方公共団体・事業者等の相互の連携協力や、当事者等の意見の尊重も明示されたことで、アクセシビリティ保障やバリアフリー対応は、障害当事者の努力や歩み寄りではなく、社会にその対応責任があることをはっきりと示していただきました」とあります。この声明の中にもあるように、社会全体として対応責任があることを我々はまず知るべきと考えますが、市民や事業者など地域全体にどのように周知していくのかについてお聞きします。 ◎植原利和福祉部長　お答えいたします。　市報やホームページへの掲載のほか、市政宅配講座で新法の周知を図るとともに、事業者には、熊谷市障害者就労支援センターや市内企業向け御用聞き便を通じ、チラシの配布による周知を考えています。　以上です。 ◆林幸子議員　あらゆる媒体を通じて周知に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。　この法律が今年５月に施行され今に至りますが、国からは具体的な要綱等は、現段階では示されておらず、まさに地域の実情に合わせて対策を講じるというのが現況だと思います。熊谷市は、この法律ができる前からいろいろと工夫されている現状はよく分かりました。しかし、この法律を根拠として新たにできることは、どこの部署においても必ずあるはずです。いま一度、各課が現在行っている事業を見直していただき、できることから取り組んでいただければと思います。特に日常生活用具や補装具としての情報・意思疎通支援用具の給付については、障害をお持ちの方がさらに情報の取得や意思疎通がしやすくなるように、給付対象者の要件の緩和等をぜひ見直しを行っていただきたいと願います。　また、障害者にとって何が必要なのか健常者には気づきにくい面もありますので、当事者団体や行政が一緒になって考えていく仕組みを構築していただきたいと要望します。よろしくお願いいたします。　今回、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法を取り上げましたが、誰でも年を取れば見えにくくなったり聞こえにくくなったりします。障害者に優しい社会は健常者にも生きやすい社会になるはず。新法にはそうした思いも込められています。デジタル社会が推進される中で情報格差が生じないような取組を期待し、このテーマについては閉じさせていただきます。　次に、新星川改修工事について再質問をいたします。市長から、今後も準用河川新星川の整備を積極的に推進しながら市街地の浸水対策に取り組んでいくとの御答弁を頂きました。引き続きよろしくお願いいたします。　また、事業計画区間に対する用地取得率も、面積比率で99.7％ということで、計画的にしっかり予算をつけながら、職員の皆様が御尽力していただいた結果と感謝申し上げます。残る区間についても順調に取得が進むよう期待をしています。　現在の事業計画区間については、整備完了の時期を令和９年度とし、いよいよ先が見えてきたのかなとは感じていますが、それでもあと５年。その先の事業計画に未協議区間を含めると、全体の整備完了まではまだまだ時間がかかりそうです。全体の整備が完了するまでの間は、大原地区の方々は、毎年、大雨が降るごとに浸水に悩まされることになる可能性は高いと言えます。大原公民館付近で貯留浸透施設を設置した実績があり、そこの場所においては一定の効果があったのではないでしょうか。しかし、もう少し上流の部分、かめの道を横断する辺りは解消されていない印象を受けます。ぜひ浸水を解消するための方策をよく考えていただきながら整備をしてほしいと思いますが、上流部のかめの道周辺の浸水対策として何かできないか、市の考えをお聞かせください。 ◎山下克巳建設部長　お答えします。　当該箇所周辺でも貯留浸透施設等が設置可能か検討してまいります。　以上です。 ◆林幸子議員　了解いたしました。検討していただけるとのこと、ぜひよろしくお願いいたします。　今後、この新星川改修工事が全区間終了する時期がある程度見えてきたタイミングで、同時に大原地区の公共下水道事業の雨水整備計画も具体的に進めていかなくてはなりません。計画策定には、雨の降り方や排水能力、整備効果などの検証が必要となり、そのときの状況にもよることは十分理解はしていますが、まずは一日も早く新星川改修工事が完了することが大切だと思います。そして、工事完了までの間、大原地区の浸水対策を講じること、また、整合性を図りながら雨水整備計画に着手すること、さらにできれば河川整備に併せて、特にラグビーロード周辺に修景施設等を整備し、シンボリックな存在として活用すること。これらを要望し、今定例会における私の一般質問を終了といたします。ありがとうございました。
   ○福田勝美議長　以上で17番林幸子議員の一般質問は終了いたしました。　申し上げます。先ほどと同様に、議員、理事者ともに出席者の入替えをお願いします。　議員におかれましては、議席表Ｂを参考に入替えをお願いいたします。　暫時休憩いたします。　　　　　　　　　　　　　　午後　３時４３分　　休　憩　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　午後　３時５３分　　再　開 ○福田勝美議長　休憩中の会議を再開します。 △一般質問続行 ○福田勝美議長　次に、22番小林一貫議員の一般質問を許可いたします。　　　　　　　　　　　　　　〔22番小林一貫議員登壇〕 ◆小林一貫議員　皆さん、こんにちは。議席番号22番、小林一貫です。本日は一般質問の初日ではございますけれども、最後の質問となりました。お疲れとは存じますが、御清聴のほどお願い申し上げます。ただいま福田議長より発言の許可を頂きましたので、通告に従い３点一般質問を行います。　今年の夏は梅雨明けが早く、大変暑い夏だったなというイメージが残っております。また、新型コロナウイルス感染症の情報が私たちには毎週届いておりますが、６月頃においては１週間で60人から70人台でございましたけれども、８月31日には1,370人、そして７月７日の報告では1,019人と若干減りましたけれども、入院中の方が55名、そしてまた宿泊療養という方も39名、そして大方自宅療養の方が874名という数字が届いておりました。そして、累計でいきますと２万4,343人と大変多くの人がかかっているのだなということを感じたところでございます。先日、親戚から電話がありましたけれども、ちょうど８月20日から10日ぐらい微熱が出たので自宅療養になってしまったという話も伺ったところでございます。若干の御支援は頂いたとのことでございますが、十分注意をして日々過ごしていきたいと思っているところでもございます。　さて、２か月ほど前、７月10日でございますが、参議院議員の通常選挙が行われました。参議院議員の選挙におきましては任期が６年ということであり、半数の議員が選挙対象となりますが、３年ごとの改選となっております。参議院議員選挙となりますと地域が広くてなかなか関心が薄いというイメージがあります。投票率向上もなかなか御苦労もあるのかなと思うところでございます。私は縁がありまして開票立会人の話がありましたので、一度参考になると思い、引き受けました。投票日の午後７時半から執務を開始し、12時ぐらいまでかかりましたけれども、大変お世話になり、参加者の中には、毎回この立会人に参加しているというような方もいたようでございます。参議院議員通常選挙において７点ほど質問をしたいと思います。　１といたしまして、本市の10代の投票率の現状、また、全年代の投票率、県内順位、そしてまた、近隣他市との比較についてはどのようになっているか伺います。　２といたしまして、投票率の向上の対策について伺います。　３として、期日前投票の活用状況はどのようになっているか伺います。　４として、今回の選挙に関した本市の人員、期日前投票所、投票日、開票所、また、各選挙開票の立会人の人数というのはどのようになっているのでしょうか。　５番目といたしまして、投票用紙読取分類機の耐用年数、そしてまた価格、採用年度というのはどのようになっているか伺います。　６といたしまして、候補者名の記載のない投票も出ておりましたけれども、こちらのほうの考察はどのように考えているのでしょうか。　次に、投票用紙の封印後、保管の期間、そしてまた、保管場所というのはどのように管理をされているか伺います。　大きい２といたしまして、健康長寿事業の現状について。人生100年時代と言われる言葉はよく聞かれておりますが、2019年の我が国の平均寿命は、男性が81.41年、女性が87.45年と過去最長を記録しているようでございます。医療の技術で、悪性の新生物、がん、心疾患、肺炎、脳血管という病気のほうは減少気味であり、老衰による死亡が増加しているとの報道もございます。市民にとって、健康で元気で毎日を送りたいと、関心を持ちながら多くの人が各自で自主的にウオーキングを取り入れ、自分たちの体は自分たちで管理しようという方を多く見かけるところでもございます。　質問の１として、本市の健康長寿事業の内容と市民へのＰＲの方法はどのようにされているのでしょうか。　２として、ニャオざね元気体操グループの推移と活動の内容はどのようなものか伺います。　３として、特定健康診査の受診率向上への対策はどのようにされているのでしょうか。　４として、くまがや健康マイレージ事業の内容と参加人員、そしてその推移はどのようなものか伺います。　大きい３として、本市のキャッシュレス決済の総括について伺います。私たちの生活の中で、本市での本格的なキャッシュレス決済の導入で、一気に関心を持ったということでございますが、これも25％のプレミアム付事業ということで、皆さんが賛同したことと思います。私もクレジットカードでは既に多くの店で利用し、できないところはほとんどないという状況でございます。いち早く取り入れたところでございますし、また、交通機関のスイカにおいては、乗車ごとにお金の心配をすることなく、改札口でカードをタッチしたりスマホでタッチすることで、出入りは自由にできるという設定でございます。また、設定の仕方によっては、一定料金の金額が不足してくると自動で補充してくれるシステムには、全く時代の進化を感じるところでもございます。また、今回のキャンペーンでペイペイやａｕペイ、ドコモ払いについても理解をし、活用することが可能となり、一歩前進したかなと感じたところでございます。ペイペイもコンビニで現金をカードに移行してからの支払いでもあり、一手間かかることは実感しました。　質問事項といたしまして、１として、キャッシュレス決済還元25％の地域参加店の店舗数、そしてまた参加店の状態、本市の予算について伺います。　２といたしまして、電子決済アプリの利用システムはどのようなものか、利用方法と効果についての見解を伺います。　３といたしまして、ペイペイ利用は６月に実施をされました。そして、ａｕペイ、ドコモ払い等においては７月利用ということで、分けた意味合いというのはどういうものがあったのでしょうか。　４といたしまして、本市での電子決済アプリ活用の現状はどのような進み具合になっているか伺います。　以上で壇上での質問は終わりますが、再質問、要望は質問席で行います。 ◎森田洋子選挙管理委員会事務局長　小林一貫議員さんの御質問１、参議院議員通常選挙についてお答えします。　初めに、本市の投票率についてですが、埼玉県選挙区で申し上げますと、10代の投票率は40.24％と、全体の投票率48.09％を下回っています。全体投票率の県内順位は、40市中31位に位置しており、近隣では、行田市が28位、本庄市が36位、加須市が37位、羽生市が39位、深谷市が40位です。　次に、投票率の向上対策ですが、新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から、街頭での啓発物資の配布などは控えましたが、懸垂幕の掲示、市報やホームページへの掲載、「メルくま」、ツイッターの配信、農委だよりや小・中学校の給食献立表への掲載、防災行政無線や大型店舗での放送を活用した呼びかけなどにより選挙期日等の周知を行い、投票率の向上に努めました。　次に、期日前投票の活用状況ですが、本庁舎、各行政センター、ティアラ21、さくらめいとの６か所に期日前投票所を設置し、全投票者数の32.2％、２万5,328人の方が投票しました。　次に、今回の選挙に関係した人員数ですが、期日前投票所は、事務従事者延べ402人、投票管理者延べ47人、投票立会人延べ94人、当日の投票所は、事務従事者470人、投票管理者54人、投票立会人162人、開票所は、事務従事者247人、開票管理者１人、開票立会人が、選挙区、比例区を合わせて12人でした。開票立会人の人数については、公職選挙法で選挙の開票区ごとに３人以上10人以下と定められています。　次に、投票用紙読取分類機ですが、平成19年度から採用していて、価格は購入時期及び機種により幅がありますが、本体１台当たり税抜220万円から250万円です。耐用年数は、メーカーによる設定は特にないとされていますが、平成19年に購入した機種は、昨年で保守が終了しているため買い換えを進めています。　次に、候補者名等の記載のない投票、いわゆる白紙投票ですが、選挙区で886票、比例区で866票でした。白紙で投票する理由について確かなことは分かりませんが、投票せずに棄権するのであれば、白紙であっても投票の意思を示すということが理由の一つと考えられます。なお、白紙投票は何らの記載がない投票ですので、開票では無効投票として取り扱っています。　次に、投票用紙封印後の保存期間及び保管場所ですが、保存期間は、公職選挙法で当該選挙に係る議員または長の任期間と定められており、市が管理している倉庫に保管をしています。　以上です。 ◎田島尚栄市民部長　続きまして、御質問２、健康長寿事業の現状について順次お答えします。　初めに、健康長寿事業の内容ですが、健康な体づくりのための運動、食事について講話するからだ見直し講座、御家庭のみそ汁等の塩分濃度を測定、確認し、健康的に減塩する方法や効果を個別に伝える塩分測定会、生活習慣病を早期に発見するための特定健康診査、楽しくウオーキングを続けることを促進するくまがや健康マイレージ事業等の各種事業を実施するほか、介護予防のためのニャオざね元気体操グループへ支援するなど、市民の健康への意識向上を図るとともに、運動等への習慣を促進しています。ＰＲ方法としましては、主に市報、市ホームページ、「メルくま」等を利用していますが、市民主体で実施しているニャオざね元気体操は、地域での声かけも行っています。また、特定健康診査につきましては、対象者全員に受診券を送付し受診を促す等、個別での対応も実施しています。　次に、特定健康診査の受診率ですが、令和３年度は、現在、33.5％と県内でも低く、受診率の向上に向けて様々な対策を実施しています。主な対策として、受診券に同封するチラシの工夫、小学校の授業で健康診査を取り上げ、父母、祖父母への手紙を送る子どもから健康メッセージ事業、健康関連グッズのプレゼントキャンペーン、ＡＩを活用した効果的な受診勧奨通知の送付、本市の健康診査結果の統計情報を基にしたかかりつけ医療機関から患者への勧奨などを実施しており、受診率は少しずつ向上しています。　次に、くまがや健康マイレージ事業ですが、本事業は歩数に応じたポイントのほか、特定健康診査等の受診、健康教室等への参加によりポイントを付与し、獲得したポイント数が一定以上の方を対象に抽せんで商品を贈呈するなど、楽しみながらウオーキングを続け、健康づくりに役立てていく事業でございます。累計参加人数は、令和元年度末が1,777人、２年度末が2,444人、３年度末が3,311人となっています。　以上です。 ◎植原利和福祉部長　続きまして、ニャオざね元気体操グループについてお答えします。　ニャオざね元気体操のグループでは、市で開催する介護予防サポーター養成講座の受講者がグループの指導者となり、地域公民館等にて地元の高齢者を集め、筋力アップのための体操を行っています。また、市が派遣する理学療法士等の専門職による介護予防やフレイル予防の講座も実施しています。グループ数の推移は、令和元年度が41、２年度が42、３年度が44グループとなっています。　以上です。 ◎増田和昭産業振興部長　続きまして、御質問３、キャッシュレス決済についてお答えいたします。　初めに、参加店舗数ですが、６月は約1,400店舗、７月は約1,100店舗に参加いただき、その業態は、多い順に、小売業、飲食業、サービス業となっています。また、市の予算額は４事業者合計のポイント還元分４億5,000万円を含め、事業全体で４億7,356万円です。　次に、利用システムについてですが、利用者がスマートフォンへ利用したいアプリをダウンロードし、アプリ内へ金額をチャージした後、キャンペーン対象店舗でアプリに表示されるバーコードを店舗で読み取っていただくか、店舗に設置されたバーコードを利用者のアプリで読み取ることで支払いができる仕組みとなっています。また、市民の方のみならず市外にお住まいの方も利用できることから、市外から市内への消費流入が期待できるほか、非接触により決済を完結できるため、新型コロナウイルス感染症対策として、また、釣銭などが不要なことから、スムーズな支払いが可能となります。　次に、期間を分けた理由ですが、キャッシュレス決済で還元キャンペーンが実施可能な事業者を選定し、６月はキャッシュレス化の推進と中小規模店への消費喚起を目的に、７月はさらに市内のキャッシュレス化を推進するため、大規模店舗やチェーン店舗も対象とし、長く消費効果が継続するよう月ごとに利用できる事業者を分け実施いたしました。　次に、本市での電子決済アプリ活用ですが、現在、水道料金及び下水道使用料の支払いのほか、普通徴収の市民税、県民税、固定資産税、都市計画税などの市税等の納付に活用されています。　以上です。 ◆小林一貫議員　小林です。それぞれ答弁を頂きましたので、再質問、そして要望を申し上げたいと思います。　最初に、参議院議員通常選挙について。再質問１といたしまして、10代の有権者、本市の投票率は40.24％とありました。初めての有権者、投票回数の少ない有権者へのＰＲはどのように行われたのでしょうか伺います。 ◎森田洋子選挙管理委員会事務局長　お答えします。　選挙時啓発として、若い世代の目につきやすいホームページやツイッターなどの活用を、常時啓発として、新有権者へのお知らせはがきの送付や、市内小・中学生、高校生を対象とした選挙啓発ポスターの募集を行っています。また、新型コロナウイルス感染防止の観点から中止している高校生向けの出前講座や家族で投票所へ行こうキャンペーンなどの事業も状況を見ながら再開し、新有権者の投票率向上に向けた取組を継続する予定です。　以上です。 ◆小林一貫議員　小林です。新有権者へのはがきの啓発は、一番効果があるかなと思われるところでございます。成人式前に選挙券が届くのですから、ぜひこちらのほうは一報をお届けして、選挙に行ってもらうように啓発活動はお願いしたいと思っています。　再質問２になります。期日前投票所が６か所で設置されました。その投票者数、利用順位というのはどのようになっているか。また、期日前投票所の増設あるいは削減等の考察はどのようになっているでしょうか伺います。 ◎森田洋子選挙管理委員会事務局長　お答えします。　期日前投票者数を多い順に申し上げますと、熊谷市役所１万1,922人、妻沼行政センター3,855人、さくらめいと3,696人、ティアラ21、2,261人、大里行政センター1,942人、江南行政センター1,652人でした。　期日前投票所は、駅に隣接した商業施設内を含めて熊谷地区に３か所、大里、妻沼、江南地区に各１か所の計６か所設置しており、一定の需要に対応していると考えています。　以上です。 ◆小林一貫議員　ありがとうございます。今回の参議院議員通常選挙の概要は伺いました。全国の参議院議員通常選挙の投票率は52.05％との報告も出ております。埼玉県は50.25％、熊谷は48.09％、近隣県北地帯では全般的に低い傾向が分かりました。ちなみに、全国１位は山形県の61.8％、そして２位が長野県の57.7％、そしてまた３位は大都会でございます東京で56.55％という数字が出ております。また、低いほうでは、徳島の45.72％、次が石川県の46.41％、後ろから２番目、広島県が３番目という数字となっております。　また、10代の投票率は40.24％とありましたが、新有権者の投票率の向上が全体の投票率の向上にもつながるものと思っております。全国第３位の東京の文京区では65.1％という高投票率でございましたけれども、選挙権を新たに得た18歳、19歳の新有権者におきましては、啓発冊子、バースデーレターを発送しているとの記載もございました。　再質問２で期日前投票の成果は32.2％と大変有効に利用されてきたなといった感じがあります。期日前投票の法律が施行されたのは2003年12月とありますから、既に19年が経過しており、私たちの期日前選挙に対する認識も進んできたなと。選挙権を行使しやすくなったと、そんな感じもあります。投票期間が長くなりますので、人件費等は多くかかりますが、約３分の１近くの方が期日前投票の機能を利用していることが分かりました。期日前投票も市民に普及したものと今は思っております。　期日前投票の活用状況ですが、市役所はやはり人の出入りが多く、利用率は一番多く、来たときに済ませていこうということで利用率も上がっているのかなと理解したところでございます。　開票所の作業でございますが、投票が終了いたしますと開票所に近いところから順次投票箱が運び込まれると投票箱の鍵が開けられまして、台の上に投票用紙が出され、そしてまた整理され、投票読み取り機に乗せられるということ。候補者ごとに自動的に判別されて出てくる投票用紙自動読み取り機の性能のすごさに驚いたところでございます。これは欠くことのできない機器であると思ったところでございます。　開票に立ち会い、驚きましたのは、本市では無記名投票、白紙投票になりますけれども、886枚という数字と伺いまして、大変多いことに驚いたところでございます。これも参加したことによって分かり、選挙というものがいろいろな条件があって行われているということが分かったところでございます。　次に、大きい２の本市の健康長寿についての回答も頂きましたが、再質問１といたしまして、ニャオざね元気体操は市内44グループが地域ごとに活動されていることは分かりました。活動に当たっての予算というのはどれほど計上されているのか伺います。 ◎植原利和福祉部長　お答えいたします。　ニャオざね元気体操グループへの支援に係る予算は、大里広域市町村圏組合の介護保険事業予算の熊谷市分に計上されており、令和４年度の予算額は約520万円です。　以上です。 ◆小林一貫議員　分かりました。ありがとうございます。活動をするには何がしかの活動費がありませんとスタートできませんし、維持も困難になりますので、520万円、１グループに３万円というのですか、そういうことで理解できました。　再質問２といたしまして、特定健康診査の受診率が33.5％、県内でも下位に位置しているようでございます。本市を含めて近隣他市、県内順位というのはどのようになっているか。定期健康診査受診者の特典の贈与等は、考察はいかがなものでしょうか伺います。 ◎田島尚栄市民部長　お答えします。　本市及び近隣他市の県内順位ですが、県内63市町村中、本市53位、行田市49位、東松山市43位、深谷市54位です。　また、特典贈与については、現在、健康グッズのプレゼントキャンペーンを実施しています。今後も引き続き受診率向上の対策に努めてまいります。　以上です。 ◆小林一貫議員　御回答頂きました。県北地域では特定健康診査の受診率は、あまり成績は上がっていないようでございます。全体的には下位の部類に入っていることは分かりました。本市の健康グッズをプレゼントしているということでございますが、これはちょっと寂しい感じがいたしました。令和４年度の健康長寿優秀市町村表彰記事が埼玉新聞に掲載されました。埼玉県には63市町村ありますが、19の市町村が表彰されております。優秀賞の宮代町のみやしろ健康マイレージ事業では、特定健診受診者率は42％とありますが、受診者全員に市内の利用可能な500円分の商品券をプレゼントしているというようなことでございます。これも既に平成29年から継続していると担当者が答えてくれました。　再質問３になります。くまがや健康マイレージ事業について、抽せんで賞品贈呈とありますが、抽せん対象者、そしてまた贈呈者数、賞品内容の推移はいかがでしょうか伺います。 ◎田島尚栄市民部長　お答えします。　抽せんの対象者数と贈呈者数、賞品内容の推移ですが、令和元年度は1,500ポイント以上獲得した537人の中から300人に1,000円分の「まち元気」熊谷市商品券を、２年度は1,500ポイント以上獲得した688人の中から500人に1,000円分の同商品券を、３年度は1,700ポイント以上獲得した815人の中から500人に1,000円分の同商品券を贈呈したほか、前年度から獲得ポイントが1,000ポイント以上伸びた方95人の中から５人に体重体組成計を贈呈しました。　以上です。 ◆小林一貫議員　それぞれ答弁を頂きました。参加人数は、令和元年が1,777人、２年度が2,444人、３年度が3,311人と回答頂きましたけれども、令和元年度の1,777人から1,500ポイントを獲得した方537人の中から抽せんで300人に1,000円の市内商品券ということでございました。予算は30万円かかるようでございます。令和２年度は、同じように688人の中から抽せんで500人ということでございまして50万円の予算、令和３年度を見ますると3,311人、その中から1,700ポイント、今回は200ポイント上げたようでございますけれども、815人の中から500人に1,000円の商品券をお届けしたという御回答を頂きました。また、健康増進に熱心な95人の中から５人には、こちらのほうも５人に体組成計の贈呈と、いろいろ工夫を凝らしていることは理解できました。　みやしろ健康マイレージ事業という宮代町で行っているものではございますけれども、この事例では、埼玉県コバトン健康マイレージに登録されている歩数の記録を１か月間、今までは５月と期間を決めて31日間の平均歩数が１日8,000歩以上、平成30年度においては1,893人の中で340人がこの対象者、その方には2,000円のクーポン券を届けているということでございまして、２倍ですから、お金ばかりではないのですけれども、元気よく参加しようと、そんな意欲が出てくるのかなと思うところでございます。それから、5,000から8,000歩未満の方は200人、こちらの方には1,000円のクーポン券、そしてまた特定健診を一緒にされた方には500円をプラスしたクーポン券を届けているということでございます。　なお、今年度からは、５月と11月の２か月、61日間の企画でございますけれども、令和４年３月末現在で3,516名の方が申し込んでいるということでございます。特に若い方の参加者が増加しているとのことでございまして、令和４年度は、市内の商品券の支給に変更して事業を展開しているとのことでございました。本市の市民も毎日元気よくウオーキングを実施し、なおかつ健康講座にもたくさん参加していると思われますので、ぜひ本市でも目標ポイントに達成した全員に贈呈できないものでしょうか。みやしろ健康マイレージの半額しか渡していないのですから、予算とすれば宮代町の半分でございます。予算を４割増加すれば賄えるわけでございます。宮代町におきましては人口が約３万3,000人の町でございます。宮代町の６倍の人口を有する本市でも、本年度の予算はぜひ御検討を頂ければと思っております。　くまがや健康マイレージ事業は、年間事業でございます。年間300万歩といいますと１日8,000歩ぐらいになりますし、200万歩ですと5,000歩、そしてまた100万歩ですと3,000歩ということでございます。地元商品券を贈呈する企画をぜひ取り入れて、参加者が喜び、楽しく参加できるくまがや健康マイレージ事業をお願いするものであります。同じく令和４年度健康長寿市町村表彰で優秀賞を受賞した寄居町では、保健師を４年間で、７人から13人に増やして健康増進に力を入れているということに比べますと、ポイントを倍にしても、贈呈品を倍にしても、それほどの負担ではないのかなと思っているところでございます。　最後になります。キャッシュレス事業の質問になります。今では大型店舗には現金を持っていく必要性がほとんどなくなりました。最も普及しているのがクレジットカードであり、ほとんどの店で現金決済のみというお店は少なくなっているようでございます。クレジットに次ぐ次世代のスマホ決済の始まりでございます。御答弁では、６月、７月を合わせると2,500の店舗に参加していただいたということになります。予算が４億5,000万円。これも８月20日で終了の案内も流れたところでございます。コンビニで金額をチャージするのが一手間かかるかなと。難点もありますけれども、慣れない作業をして感じたものでございますが、今回はプレミアム25％につられて頑張って利用したところでもございます。　再質問１になりますけれども、本市での電子決済アプリの活用比率はいかほどか。水道料金、そして下水道の使用料及び市民税、固定資産税という市税について、金融機関の口座振替、電子決済、現金払い、それぞれの支払い方法別に、利用率はどのようになっているでしょうか伺います。 ◎増田和昭産業振興部長　お答えします。　口座振替、アプリ電子決済、現金支払い等の割合をそれぞれ順に申し上げますと、水道料金、下水道使用料が、令和４年７月の収納額で、80.0％、1.5％、18.5％、市税等の令和３年度の納付額で、45.3％、0.2％、54.5％となっております。　以上です。 ◆小林一貫議員　分かりました。電子決済のアプリもまだ始まったところでございます。これから活用が始まることかなと思っております。　余談になりますけれども、一昨日の新聞掲載でございますが、労働者の給料は現金払いが建前でありましたけれども、1965年頃から給与振込が始まり、1968年には現金輸送車の３億円事件、強奪事故が発生して、また翌年から国家公務員の給与振込が始まったとされております。それから54年、半世紀が経過いたしまして、ペイペイアプリに入金となりますと、いよいよアプリ決済の始まりかなと。来年度からスタートすると言われておりますけれども、はるばる企業に現金を持参することなく、必要ならば電子アプリで決済できるということになると、どんなに便利な時代が来るのかなと楽しみでございます。　以上で９月議会の一般質問は終わります。御清聴ありがとうございました。終わります。 ○福田勝美議長　以上で22番小林一貫議員の一般質問は終了いたしました。　以上で本日予定されておりました一般質問は全て終了いたしました。 △散会について ○福田勝美議長　本日はこれにて散会いたします。　御苦労さまでした。　　　　　　　　　　　　　　午後　４時３９分　　散　会...