令和 2年 2月 定例会 議事日程(第5号) 令和2年2月13日(木) 午前10時 開議 第1 開議 第2 市政に対する一般質問(代表質問) 第3 散会本日の出席議員 59名 1番 石関洋臣 2番 土橋勇司 3番 川崎照正 4番 井原 隆 5番 服部 剛 6番 照喜納弘志 7番 竹腰 連 8番 川村 準 9番 都築龍太 10番 新井森夫 11番 玉井哲夫 12番 金井康博 13番 渋谷佳孝 14番 松本 翔 15番 出雲圭子 16番 佐伯加寿美 17番 関 ひろみ 18番 斉藤健一 19番 西沢鈴子 20番 鳥羽 恵 21番 吉田一郎 22番 伊藤 仕 23番 江原大輔 24番 稲川智美 25番 高子 景 26番 冨田かおり 27番 浜口健司 28番 小柳嘉文 29番 小川寿士 30番 武田和浩 31番 吉田一志 32番 谷中信人 33番 金子昭代 34番 松村敏夫 35番 青羽健仁 36番 桶本大輔 37番 島崎 豊 38番 新藤信夫 40番 西山幸代 41番 三神尊志 42番 土井裕之 43番 高柳俊哉 44番 阪本克己 45番 神坂達成 46番 久保美樹 47番 鳥海敏行 48番 中山欽哉 49番 野口吉明 50番 萩原章弘 51番 中島隆一 52番 鶴崎敏康 53番 高野秀樹 54番 神崎 功 55番 添野ふみ子 56番 小森谷 優 57番 上三信 彰 58番 神田義行 59番 帆足和之 60番 松下壮一 欠席議員 1名 39番 傳田ひろみ職務のため議場に出席した議会局職員の職氏名 局長 森山成久 議事調査部長 林 祐樹 議事調査部次長 工藤賢一 議事課長補佐 中村哲也
議事課長事務取扱い 議事課長補佐 小山 寧 議事課議事第2係長 島村一誠 議事第1係長事務取扱い 議事課議事第1係主査 野澤祥則 議事課議事第1係主任
内山光太郎地方自治法第121条の規定による説明のための出席者 市長 清水勇人 副市長 日野 徹 副市長 高橋 篤 副市長 阪口進一 水道事業管理者 森田 治 教育長 細田眞由美 都市戦略本部長 真々田和男 総務局長 山崎正弘 財政局長 櫻井理寛 市民局長 木島泰浩
スポーツ文化局長 蓬田 潔 保健福祉局長 清水恒男 子ども未来局長 金子博志 環境局長 中野明彦 経済局長 千枝直人 都市局長 望月健介 建設局長 土取 均 消防局長 新藤純治 会計管理者 國谷ひとみ 水道局長 秋山雅由 副教育長 久保田 章
選挙管理委員会事務局長 石原光親
人事委員会事務局長 藤澤英之 監査事務局長 繪野澤俊弘
農業委員会事務局長 秋山 稔午前10時11分開議 出席議員 59名 1番 2番 3番 4番 5番 6番 7番 8番 9番 10番 11番 12番 13番 14番 15番 16番 17番 18番 19番 20番 21番 22番 23番 24番 25番 26番 27番 28番 29番 30番 31番 32番 33番 34番 35番 36番 37番 38番 40番 41番 42番 43番 44番 45番 46番 47番 48番 49番 50番 51番 52番 53番 54番 55番 56番 57番 58番 59番 60番 欠席議員 1名 39番
△開議の宣告
○渋谷佳孝議長 ただいまから、本日の会議を開きます。 ----------------
△市政に対する一般質問(代表質問)
○渋谷佳孝議長 市政に対する代表質問を続行いたします。 それでは、順序に従い、順次、質問を許します。 谷中信人議員 〔
谷中信人議員登壇〕(拍手起こる)
◆谷中信人議員 おはようございます。谷中信人です。昨日の上三信団長に続きまして、
公明党さいたま市議会議員団を代表して質問させていただきます。 本市の令和2年度当初予算案を見ますと、東京2020大会を好機としたさらなる成長、防災・減災対策の強化、持続可能な取組を特徴として挙げており、昨年、私どもより提出した令和2年度予算編成並びに施策に対する要望書と比較すると、考える政策展開と基本的な方向性はおおむね一致していると考えております。 そこで、現政権の政策動向も踏まえながら、市政各般にわたる施策の方針について順次伺ってまいります。項目が多岐にわたりますので、大項目を基本に5回に分け、新年度予算案並びに市政運営の基本方針について質問させていただきます。 私どもの社会全体を俯瞰すると少子高齢社会に急速に向かっており、これまでも言われ続けてきたことではありますが、将来的な税収の低減、そして
社会保障関連費用の増大、そして社会資本の老朽化に伴う
維持管理コストの増大など自治体経営は根本的な転換期を迎えており、計画的な歳入歳出の再構成を図りながら諸課題に正面から取り組み、都市間競争を勝ち抜くという創造的な自治体への変革が求められております。 そこで、初めに市政運営の重要な柱となる行財政改革について、3点伺います。1点目は、本市が全国に先駆けて取組を進めてまいりました
公共施設マネジメント計画と施設の
ストック適正化です。老朽化する公共施設の
維持管理コストの縮減と施設の複合化、機能統合を目指す同計画は、将来の本市の経営を考える上で重要な取組として策定され、2020年度までの計画期間である第1次
アクションプランが実行に移されました。議会でも様々な観点から議論されてまいりましたが、次期プランが向こう10年の人口増に耐え得る柔軟性を持つのか、そして市民ニーズに応じた制度設計になっているのかといった課題が浮き彫りとなっております。市の全ての計画は、時代の変化に対応し、その時々の市民福祉に資するものである必要があります。 さて、今年はいよいよ東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されます。政府では、スポーツ施設の
ストック適正化について検討が進められ、平成30年には各自治体が安全なスポーツ施設を持続的に提供し、国民が身近にスポーツに親しむことのできる環境整備に向け、スポーツ施設の
ストック適正化ガイドラインが策定されております。市民ニーズや地域の状況を的確に調査、分析する
ストック適正化の概念は注目すべきです。我が国の学校施設を含めた公共施設の多くには、
スポーツ施設機能が備わっております。公共施設全体の
ストック適正化に合わせて、この点にも目を向ける必要があります。 一方、学校施設は特に老朽化が進んでおり、学校施設の長寿命化を図るために
学校施設リフレッシュ計画が策定されております。
公共施設マネジメント計画との整合性について、これまで議論されてきましたが、社会情勢やその折々の市の課題、また住民福祉を念頭に学校に現存する体育、スポーツ施設についても総合的な計画に含め、適正化、整合を図るべきものと考えます。そこで、
次期アクションプランの方向性について、学校体育、スポーツ施設も含めた公共施設の
ストック適正化について、そして公共施設の適正化に当たっては、防災機能の強化や
バリアフリー化も念頭に入れる必要があるか、これについての見解を求めます。 2項目めは、
地方創生応援税制についてです。少子高齢化という社会構造の劇的な変化や社会情勢の変化に耐え得る強固な行財政計画が求められる時代となりました。これまで以上に果敢に市税収入の可能性を探るべきです。積極的な自主財源を確保するに際し、
地方創生応援税制についての市の方針について伺います。 内閣府の運用するポータルサイトには、民間力で地方創生を試みる数多くの事例が紹介されています。企業にとっては、さいたま市への寄附することで税負担を軽減することに加え、市との協業による社会貢献への道が大きく開かれ、イメージアップが図れます。 私は、平成29年3月に予算委員会で市長とやり取りさせていただきました。これまでの市の検討結果を伺います。また、課題があれば、併せて御提示ください。 2点目として、国から同税制拡充の方針が示されておりますので、これについての市の見解を求めます。 3点目に、文化芸術、教育分野の施策展開における活用について伺います。先進事例を見ると、一つ一つのプロジェクトがダイヤモンドの原石が散りばめられているかのようで、大いに参考にすべきです。例えば北九州市では、同制度を活用し、細川忠興の居城となった小倉城周辺整備により、昼夜を通したにぎわいづくりに取り組まれると聞き及んでおります。こういったことを参考に、我が市の宝である岩槻城の復興を試みてはいかがでしょうか。 地方創生の取組は一朝一夕に効果が現れるものではありません。投資対効果をすぐに望めない分野こそ
プロジェクト化の価値があると考えます。市執行部におかれましては、創意工夫による様々なプロジェクトを立案、そして果敢に実行し、地方創生のダイナミックなかじ取りを望みます。地方創生の推進についてのお考えも併せて伺います。 次の項目は
デジタル手続法と
マイナンバーカードです。昨年、情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律、いわゆる
デジタル手続法が成立しましたので、これについて3点伺います。行政手続の電子化について定められたこの法の趣旨に基づき、制度設計や運用に生かすことで利用者の負担軽減と行政事務の効率化を図ることが可能となるものです。 初めに、
マイナンバーカードの対応については、デジタル手続の本人確認に必要な
マイナンバーカードの普及が、ポイント制度の実施や
マイナンバーカードを活用した消費活性化策により加速化していくものと思われます。健康保険証として利用できれば、医療費控除の申告も簡単になると思われます。
マイナンバーカードの交付を円滑に進めることも必要です。
マイナンバーカードに関わる今後の計画について伺います。 次に、
デジタル手続法を踏まえた行財政改革について、現在の市の取組と併せて、今後どのように推進されていくのか、お伺いしたいと思います。 最後の3点目として、弱者への配慮、
デジタルデバイド対策をどのように進めるのか、伺います。忘れてはならないのが、ICT機器を持たない市民や、持っていても操作方法に詳しくない市民への配慮です。市民が誰でも電子化の恩恵を受けられるための手だてが必要ですが、相談体制などのサポート体制の充実についてどのようにお考えか、方針を伺います。
○渋谷佳孝議長 高橋副市長 〔高橋副市長登壇〕
◎高橋篤副市長 谷中信人議員の
公明党さいたま市議会議員団を代表しての御質問の1、行財政改革への取組について、(2)
地方創生応援税制及び(3)
デジタル手続法と
マイナンバーカードについて、順次お答えさせていただきます。 初めに、
地方創生応援税制につきましては、市外に本社のある企業が本市の地方創生に資する事業の趣旨に賛同し、その事業に寄附することにより税制上の優遇が受けられる制度であり、本市といたしましても地方創生の推進、企業との
パートナーシップ構築や財源確保等の観点から、大変効果がある制度であると認識しております。 平成28年度の制度開始以降、全国で676の事業が採択されたところでございますが、子供たちをはじめとする地域の人材育成や文化芸術、観光、地域産業の振興に資する事業に対して、制度を活用する事例が多数出てきており、これらは本市にとりまして参考になるものと考えております。 これまで本市におきましては、本制度を活用できる事業の検討に加え、内閣府が作成いたしましたリーフレットを活用しながら、機会を捉えて企業に制度の周知を行ってまいりましたが、手続が複雑であることや市外に本社のある企業を要件としておりますことから、制度の活用には至っておりません。 議員御指摘のとおり、今般の税制改正により税額控除割合の引上げや認定手続の簡素化など、企業のインセンティブが増大する見直しが実施されますことは、公民連携で事業を推進していく追い風になるものと考えております。現時点で企業から具体的な相談や提案は、残念ながら、まだなされておりません。地方創生に資する国の支援制度は、
地方創生応援税制以外にも様々ございますことから、引き続き本制度の周知や他都市の事例研究に取り組むとともに、他の支援制度の活用についても検討し、本市の財源確保及び地方創生の実現に取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、(3)
デジタル手続法と
マイナンバーカードについてでございますが、昨年5月に公布されました、いわゆる
デジタル手続法は、積極的に情報通信技術を活用するとともに、
マイナンバーカードの活用による行政手続等の利便性の向上や行政運営の簡素化、効率化を図ることを目的としております。
マイナンバーカードの活用につきましては、消費税率引上げに伴う事業平準化策として、
東京オリンピック・パラリンピック後の消費を下支えする観点から、今年の9月から令和3年3月まで、マイナポイントによる消費活性化策の実施が閣議決定されております。 また、令和3年3月からは、先ほど御質問にもございましたように健康保険証としての利用が順次開始される予定となっております。このため本市におきましても、昨年10月に
マイナンバーカード交付円滑化計画を国に提出いたしまして、
マイナンバーカードの普及促進に取り組んでいるところでございます。 次に、
デジタル手続法による行財政改革につきましては、法の趣旨のとおり、オンライン申請やICTによるワンストップサービスなど行政手続の簡素化を推進することで市民の利便性向上を目指すものであり、また行政運営の効率化にも資するものと考えております。本市では、既にeLTAX(エルタックス)や電子申請、電子入札などの
オンラインサービスを実施しておりますが、引き続き他の先進事例等も参考にしながら、市民サービスの向上や行政運営の効率化に向け、積極的に取組を進めてまいります。 次に、議員御指摘の弱者への配慮、
デジタルデバイド対策といたしましては、例えば公共施設のオンライン予約につきましては、ICT機器を持たない市民であっても、各公共施設に設置しております専用端末で利用することができる環境を整えております。また、地域情報化の推進役や相談役を担う
地域ICTリーダーの育成を実施しておりまして、市民に対するICT講習会の開催やICTに関する困り事へのアドバイスなども行っているところでございます。今後とも情報弱者に対する支援を推進し、情報を使いこなす能力、いわゆる
ICTリテラシーの向上に市としても取り組んでまいりたいと考えております。
○渋谷佳孝議長 阪口副市長 〔阪口副市長登壇〕
◎阪口進一副市長 続きまして、(1)
公共施設マネジメント計画と
ストック適正化についてお答えいたします。 まず、第2次
アクションプランの方向性についてでございますが、現在、第1次
アクションプランに基づく取組の検証や実際に行われた公示単価を用いた将来コストの推計等の作業を行っており、第2次
アクションプランにつきましては、その検証結果を踏まえ、方向性を定めてまいりたいと考えております。 次に、スポーツ施設を含めた公共施設全体の
ストック適正化についてでございますが、本市の公共施設の配置については、
公共施設マネジメント計画において施設の分野別に考え方を整理しており、地域ごとの人口や市民ニーズの変化などを踏まえて適宜見直しを行うこととしております。 議員御指摘のとおり、今後につきましても、施設の老朽化や利用状況、人口動態や人口構成の変化による地域のニーズをよく調査した上で、今あるストックを有効活用していくことが重要であると認識しております。 最後に、
長寿命化計画等に際し、防災力やバリアフリー等の施設の機能を向上させる必要性についてでございますが、本市では、
公共施設マネジメント計画に基づきまして、20年ごとに予防保全を行うこととしております。そのうち40年目に行う大規模改修工事の際には、経年による機能や性能の低下に対する回復措置を行うとともに、省エネやバリアフリーなどの社会的要求水準に応じた工事も併せて行い、機能の向上を図ることとしております。令和2年度に策定する第2次
アクションプランにおいても、これらの考え方を継承しながら検討を進めてまいりたいと考えております。
○渋谷佳孝議長 谷中信人議員 〔
谷中信人議員登壇〕
◆谷中信人議員 御答弁を伺いますと、
企業版ふるさと納税については御苦労されているのかなと推察されます。市からも上手にアプローチ、またしっかり調査研究することで突破できる部分もあるかと思いますので、引き続き推進について御検討いただきたいと思います。 次に移ります。阪神・淡路大震災から25年となりました。毎年1月17日の神戸新聞は、震災の教訓を後世に伝え、高い意識を持って次の災害に備えようとする記事で紙面が埋まります。今年の記事の中には、発災後に
インターネット回線にアクセスが集中し、災害情報の発信が困難になったときの情報提供の実証実験についての記事が掲載されておりました。また、震災発生から20年を機に神戸新聞社からの6つの提言をまとめ、その検証も行うなど、紙面に目を通すたびに備えの重要性を実感いたします。 そこで、2、安心安全のまちづくりについての(1)大規模災害団員について伺います。大規模災害発災時には多くの市民の命が危険にさらされます。これまで長年にわたり第一線で活躍されてこられた職員OBの有志が危機に即応すべくボランティアに名のり出てくださっており、元消防職員による
消防協力体制整備が始まりました。こういった尊い志を持つ方を支えるため、十分な保障と装備を手当てする機能別消防団の制度を活用することが適切と考えております。 大規模災害発災時のファーストエイドを目的とし、市消防局OBを核とした機能別消防団、大規模災害団を創設し、発災時の圧倒的な
マンパワー不足を補完することをこれまで提案してまいりましたが、警察、自衛隊OBも視野に入れれば、将来的に、より規模の大きい高度な専門集団を擁することも可能です。そこで、
マンパワー不足の解消により総合的に消防力の大幅な向上が期待できることについて、また保障と装備といった万全の体制を築くという観点での現在の検討状況と今後の計画について、そして機能別消防団の制度による消防力補完に当たっての現在の消防団との協議について見解を伺います。 (2)ICT活用について伺います。ICTを活用した防災の取組は全国で始まっています。これから申し上げる2点の御提案についての見解を求めます。 1点目は、防災アプリ導入についての見解です。これまで公明党市議団では、他政令指定都市の先進事例を参考としながら、
各種ハザードマップを統合した防災アプリの導入を図ることなど提案してまいりました。ここでポータルサイトと比較したアプリの利点を述べたいと思います。いざというときに命を守るための情報が市民の皆様に必ず届くよう、
情報通信ネットワークや防災行政無線といった通信手段の多重化と再構築が急務ですが、最もシンプルかつ災害に強い情報提供手段はラジオと言われています。市内に本社を置く時計メーカーの作る
防災行政ラジオは全国280の自治体で採用されておりますが、新たに機能を特化した
インターネットラジオ機能搭載タイプの
防災アプリシステムが開発されており、PCたった1台で運用できるので、コストを低く抑えつつ防災行政無線の弱点を補うことが可能となります。 アプリの利点は、スマホ端末にバッテリーさえ残っていれば、
通信ネットワークの途絶下にあり最新情報が入手できなくても一定のサービスを維持できること。電源さえ入れておけば、防災行政無線に代わる緊急通報が自宅にいても勤め先にいても届くこと。双方向性があるので、無事であることを伝達できるなど多く挙げられ、ホームページにない心強い機能です。また、アプリであれば個人情報を端末側で管理ができ、行政にとっても負担が軽いといったメリットもあります。アプリ方式について現在御検討されているとのことですので、その内容と今後の取組について伺います。 2点目として、昨年のWHOの
セーフコミュニティ認証取得に至る過程で、ICTを活用し市民サービスの向上をとの貴重な意見が出ましたが、Society5.0に当たるフィックスマイストリート、まちもんといったまちの安全を保つ仕組みは、平常時はもとより災害時にこそ効果が発揮されます。情報社会に続く5番目の社会は、創造社会と呼ぶことがあります。Society5.0の時代は、新しいものを生み出す柔軟な創造力が求められる時代です。この仕組みの導入方向性についての見解を求めます。 次に、(3)情報提供についてです。発災時の混乱時に最も恐れるのは、正確な情報が届かないことです。パニック時には動物園からライオンやシマウマが逃げ出したといった、冷静に考えれば到底あり得ないようなデマが飛び交います。確認の取れない大量の情報の中で、悪意ある情報操作も危惧されます。大規模災害時に救急トリアージを行うことは大変有効で、我がさいたま市もいち早くこういった考えを取り入れ、先進的に導入しておりますが、情報トリアージという考え方も今後重要となると考えられます。情報を重要度に応じて選別し、信頼度のある情報を正確に届けることで、市民の皆様がデマや情報の渦に踊らされることなく判断することが可能となります。
公明党さいたま市議団では、市民窓口にタブレット端末を置くことで多言語対応を求めてまいりました。先ほども申し上げましたが、こういったものは非常時の混乱時にこそ真価を発揮します。音声で入力するタイプの電子翻訳機はよく売れているそうで、先日の
文化国際議員連盟での交流の場では鄭州市からのお客様が持参されておりました。他方、
ロボティクス技術の活用である
AIチャットボットを活用することで、ふだんは多言語対応のネット上の市民窓口として、非常時は災害対応という試みがなされております。防災の主流化という言葉があります。ICTを活用し、市民サービスと防災、また観光と防災など、全て災害時に真価を発揮できるシステム構築を目指すべきです。 市長は
スマートシティーの取組加速に当たり、これらSociety5.0時代のテクノロジーで諸課題を解決していく旨、表明されてこられましたが、これら
スマートシティーを支えるICT推進にも防災の主流化の概念を取り入れていくことが肝要です。 以上、デマ対策と、具体的提案である市民窓口に情報端末を置き、平常時の市民サービスと併せて非常時に適切なサービスを提供するツールとすることについて、そしてラインなどSNS上の
AIチャットボットの電脳市役所機能により、平時、非常時、共に必要な情報を市民の皆様に的確に伝達することについて、3点の見解を求めます。
○渋谷佳孝議長 日野副市長 〔日野副市長登壇〕
◎日野徹副市長 谷中信人議員の御質問の2、安心安全のまちづくりについて、(1)大規模災害団員についてお答え申し上げます。 本市における直下型地震の被害想定は、最大震度6強により大きな被害が発生するものとされております。また、昨年10月の台風第19号の影響により、本市におきましても大雨特別警報が発表され、豪雨、暴風、浸水等により多方面にわたる被害が発生したことから、これらの被害を最小限とするための十分な備えが求められております。特に大規模災害時には、本市の消防職員と消防団員だけでは十分に対応することができない場面も想定されることから、マンパワーを確保するため大規模災害団員を導入していく必要性を認識しているところでございます。また、大規模災害団員の担い手として、消防職員OBと消防団員OBが持つ豊富な知識と経験を消防団活動に生かしてもらうことは、大規模災害時における対応能力の向上を図るために必要不可欠であるとともに、職員OBにつきましては、元消防職協力員として現在77名が登録し、活動していただいているところでございます。 現在は、大規模災害団員の制度設計に当たり必要となる活動内容や、活動内容に応じた装備、所属、保償等の処遇について、消防団本部と検討を重ねているところでございます。今後につきましては、消防団員や職員OBの意見や考えを伺うとともに、参加人員等もある程度担保した中で制度設計に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 続きまして、(2)ICT活用についてお答え申し上げます。現在本市では、ICTを活用した防災情報を発信する取組として、
各種ハザードマップの情報をさいたま市防災まちづくり情報マップにて公表するほか、ヤフー株式会社が提供するヤフー防災速報アプリを活用し、避難勧告等の命を守る行動に必要な情報をプッシュ通知で発信できるようにするなど整備しているところでございます。また、市民からの被害報告等、災害時における様々な情報を迅速に収集、集約するための仕組みとして総合防災情報システムを導入し、被害状況などを全庁的に情報共有し、災害対応を行っております。 議員御提案の
各種ハザードマップを統合した防災アプリを導入する上では、市民が命を守る行動につながる情報を適切に入手することができる仕組みを整えることが重要と認識しているところでございます。既に防災アプリを導入済みの自治体では、
各種ハザードマップの災害リスク情報を端末で見やすい形式で提供しているほか、端末のGPSや拡張現実と言われるARを活用し、適切な避難誘導を行うための機能を実現しておりますが、このような情報を提供することは災害時に、先ほどの命を守る行動を適切に行う上で効果的であると考えております。 令和2年3月から提供予定の埼玉県の災害対策アプリの内容や他自治体におけるアプリの内容を研究しつつ、本市におけるICTの活用状況等を踏まえた上で、災害時に命を守る行動のための防災アプリについて引き続き検討してまいります。 また、フィックスマイストリートなどのアプリにつきましては、市民と行政が協力し、市道や公園施設の破損などの地域の課題について、スマートフォンを使用し、解決、共有していくための仕組みとして有効な手段の一つであると認識しております。しかしながら、平時のまちの課題を解決するツールと伺っておりますので、災害時における有用性等につきましては、防災アプリの検討と併せまして研究してまいりたいと考えております。 続きまして、(3)情報提供についてお答え申し上げます。まず、1点目の災害時のデマ対策についてお答え申し上げます。議員御指摘のとおり、災害時におきましては、SNS等を通じたデマ情報の拡散による混乱が指摘されており、市民への正確な情報の提供が求められているところでございます。本市では、市民からの被害の通報や本市職員の巡回による報告等を総合防災情報システムに入力することにより情報を収集し、内容を精査した上で報道発表や市ホームページ等へ掲載することにより正確な被害状況の提供に努めているところでございます。 2点目の市民窓口に情報端末を設置することにつきましては、平常時の市民サービスとして多言語対応できるタブレット端末の導入の活用を含めて調査研究しているところでございます。タブレット端末等の災害時における活用につきましては、音声翻訳機能やインターネットの活用により日本語が不自由な外国人などへの対応について、正確な情報提供につながるものと考えております。 続きまして、3点目の
AIチャットボットの活用につきましては、住民から問合せに対し、AIが会話の中身を判断し回答を行うものであることから、災害時における質問に対しても活用が期待できるものと認識しております。本市では、今年度発足しましたAI防災協議会に当初より加入しており、災害時には協議会が運用しているラインでの
AIチャットボットの有効性を確認しつつ活用してまいりたいと考えております。
○渋谷佳孝議長 谷中信人議員 〔
谷中信人議員登壇〕
◆谷中信人議員 3、教育都市さいたまの政策について、5点伺います。 初めに、市立小中学校体育館への空調設備設置についてお伺いします。新年度予算案を見ますと、総務省所管の制度を活用した市立高等学校体育館への空調設備の事業予算が適切に組み込まれておりました。今後につきましては、市立小中学校体育館への空調設備へ取組が求められます。市の財政負担が過度にならないよう計画性を持って推進することが必要です。また、十分に空調が行き渡るよう体育館の現況調査といった準備を進める必要もあるかと思われます。検討に当たっての課題、そして今後の方向性をお示しください。 次に、ICT活用について5点伺います。国際協力開発機構(OECD)の学習到達度調査(PISA)で、日本の子供たちの読解力の低下が話題となりました。新聞や読書に慣れ親しめる環境を学校や御家庭で整えていくとともに、先日、教育長も触れておりましたように、問題を読み解く上でICTのリテラシーも併せ求められ、国内のICT環境を格差なく速やかに整備する必要性が高まっていくと思われます。今から4年以内に全ての小中学生に1人1台のIT端末をそろえるとの国の方針が示されました。教育都市さいたまが、国の教育力の牽引役を担う上でも、今の子供たちに早く環境を整える必要があります。 さて、時間と予算を最も費やすのがインフラ整備です。ここで学校施設のインフラをどのように効率的に整備するのが適切か、お示しください。 次に、2点目として、私どもはこれまで特別支援教育においてタブレット端末などを活用し、児童生徒個々の特性に応じた教育環境が必要と申し上げてまいりました。特別支援教育の整備についてのお考えを伺います。 3点目は、いつでも、どこでも学ぶことのできるICTの長所を生かした教育プログラムです。名古屋市子ども適応相談センターでは、不登校児童生徒の支援の一つとしてタブレット端末を導入し、一人一人の学習スピードに合わせた学習支援を行うことで、学ぶことに対しての満足度や自信を深め、ライフキャリア支援につなげております。こういった活用についての見解を求めます。 4点目は、プログラミング教育です。プログラミング教育導入に当たっては、そうそうたる企業、大学が名のりを上げており、私の耳にも届いております。都内の小学校では、公民館を訪れる来訪者への案内ロボットのプログラミングにより、児童生徒の達成感と地域との協業を併せて成し遂げるといったウルトラCによる取組も聞き及んでおります。地域に開かれ、地域との協業により進めるこういった手法は、学校と地域を結ぶ学社連携から学社融合、さらに学社一体の推進の考えにもかなうものと考えます。以上の提案を踏まえ、市のプログラミング教育についての考えをお示しください。 5点目は、ICT活用と事務作業の効率化です。教育現場の事務負担軽減は喫緊の課題です。ICT活用により教員、事務職員、双方の事務負担が大きく軽減されるべきですし、可能と考えます。このことについての取組をお示しください。 続いて、(3)教育格差の是正について伺います。教育格差の是正は喫緊の課題です。教育に係る費用の負担軽減と無償化に向けた本市の取組について伺います。教科書無償化は、私どもの教育費用無償化の原点ですが、学校に通う児童生徒はほかにも日常的には給食や修学旅行の積立て、場合によっては通学や校外学習に係る費用といった様々な費用が発生します。これは全ての保護者が負担しており、本市的には貧困対策ではなく、教育格差の是正の観点で考えるべきものです。家庭の事情から教育格差を生まぬよう安心して教育を受けられる環境を目指すべきです。 私どもは、常日頃、国連でも用いられる人間の安全保障という言葉で表現しておりますが、言い方を変えればライフセキュリティーであり、人としてのベースとなるサービスであり、ベーシックサービスと言ってもよいかと思います。全世代型の社会保障の一環として、新年度より子育て世代は幼保無償化、高校授業料の実質無償化、そして高等教育の無償化への第一歩がしるされました。今後も多子世帯や収入に関係なく負担軽減を行ったり、中間所得世帯の負担に配慮したりといった取組が求められており、負担軽減へのさらなる拡充を検討していくべきです。教育格差の是正について、市の方針を伺います。 ここで、子供の貧困対策の推進について伺います。貧困対策は、誰もが尊厳を持って生きるという人権の根幹に関わる対策であり、学校をプラットフォームとした適切な支援計画を策定することは不可欠であると考えております。そして、学習支援事業については、通信教育を活用し、対象を小学生にまで広げるといった一層の推進を図ることが必要と訴えてまいりました。学習支援教室については、この新年度より試験的に小学校を対象に加える方針が示されております。私どものこれまでの提案を踏まえた今後の計画を伺います。 4点目は、人生100年時代の生涯学習です。さいたま市が政令指定都市に移行し、21世紀最初の都市として誕生した際、さいたま市の未来への希望と私たちの議員団としての責任を果たすため、さいたま市都市ビジョン、水と緑の国際交流都市という政策提言を発表し、冊子として残しました。この中で、残された課題の一つが生涯学習体系の再構築です。私どもは4年制のさいたま市立大学を持ちたいと考えておりました。今、それに見合うものは、学びたい市民がいつでも学ぶことのできる生涯学習施設です。特に身近な学びやとなる公民館は、学習支援スタッフと一緒に地域課題に向き合い、学び合い、人生100年時代の生涯学習環境を整えるという、ほかに代え難い施設です。青少年期の学びだけでは人生100年を乗り切るには少々長過ぎます。最高齢のプログラマーの若宮正子氏は、定年を過ぎてから新しい世界にチャレンジするとき、コンピューターがなかった時代なので、学校では学んでこなかったと語っておられました。世界の統合が進むにつれ、ますます変化が激しくなる中、学校卒業後もいつでも何度でも学び合い、学び直すリカレント思考が大切となります。 第70回優良公民館表彰で最優秀館となった那覇市若狭公民館は、公民館の先進事例としてよく知られ、つい最近も全国公民館連合会等主催の広報コンクール、2部門制覇を達成しました。この公民館では、自治会加入世帯が少ない、青年層が少ない、生活困窮世帯が多い、外国人の増加による住民とのあつれきがあるといった諸課題に真摯に向き合い、ユニークな取組を行うことで充実した生涯学習環境を整え、豊かな地域につくり変える挑戦を続けております。そのツールが、わかさ式企画づくりのじゃばら手帳です。これは、地域に人が集まりたくなる場のつくり方と育て方を伝えるための手引書で、これに沿って企画を考え、生涯学習活動を行う中で、地域の課題解決を図るものです。地域に根差した学び合いは、地域の課題解決と再生に向けての大きな一歩となります。 若狭公民館は指定管理者制度を導入しておりますが、館長御本人に確認したところ、公民館の活性化と業務委託制度、直営方式、館長の公募といった運営形態は、生涯学習活動の活性化とは直接関係は認められないともおっしゃっており、アクティブ・ラーニング思考で生涯学習活動を実践している点が際立って光っておりました。 以上、生涯学習施設である公民館についての提案を踏まえ、特色ある公民館事業をどのように創造していくかのお考えとともに、第2期さいたま市生涯学習推進計画の令和2年度計画期間の満了に伴い、新たに作成すると伺っている生涯学習推進ビジョンや(仮称)公民館ビジョンの中でどのように反映していくのか、お示しいただきたいと思います。 この項目の最後は平和教育です。作家であり、ジャーナリストでもあった半藤一利氏は、昭和史の前半20年の教訓の第一に、国民的熱狂の怖さについて語っております。防災教育でもそうですが、私たちが理性的に判断する際に必要なことは、現実の重みに向き合うことです。市では、これまで自身の目で戦争を焼き付けてきた証人となる市民を探し出し、お一人お一人の体験を映像にとどめる作業を根気よく続けてこられました。そこで、これまで行ってきた平和事業の概要、成果について伺います。 歴史の記憶を伝える取組について、証言をまとめられたDVDを作成し、学校が活用されていると伺っておりますが、この貴重な内容を一冊の本にまとめ、DVDや平和展入選作品のカレンダーと併せ、生涯学習施設などに広く備えてはいかがでしょうか。 終戦から75年を迎えますが、市内には今なお防空ごうの跡が残っていると伺ったことがあります。平和のためのアーカイブスといった財産を残し、記憶の継承をすべきときが来ており、恒久平和実現への貢献をうたったさいたま市平和都市宣言15周年を控えた今こそ、なお一層の事業充実を図るべきと考えます。 以上の点について、それぞれの見解を伺います。
○渋谷佳孝議長 日野副市長 〔日野副市長登壇〕
◎日野徹副市長 谷中信人議員の御質問の3、教育都市さいたまについてのうちの(5)平和教育についてお答え申し上げます。 本市では、平成17年に制定いたしましたさいたま市平和都市宣言に基づき、さいたま市平和展をはじめとする平和推進事業を継続的に実施してまいりました。現在、戦後七十数年が経過し、戦争を知らない世代が大半となり、時間の経過とともに戦争の記憶の風化が懸念されているところでございます。本市では、こうした現状を踏まえ、特に次代を担う子供たちに戦争の記憶を継承していくため、平成28年度、平成29年度に戦争体験証言映像DVDを作成し、市内小中学校や図書館等に配布するなど、その活用を図っているところでございます。 戦争体験者による証言は継承すべき貴重な歴史的財産であり、証言の活字化は、活用策の一つとして大変意義あるものと認識しております。今後、活字にした場合の読者に対する伝わり方など課題もあると考えておりますが、こうした課題を整理した上で具体的な検討をしてまいりたいと考えております。 本年は、議員御指摘のとおり、さいたま市平和都市宣言の制定から15年の節目を迎えるところでございます。本市といたしましては、この節目の年を機会と捉え、一人でも多くの方に御参加いただき、皆様の平和への思いがより一層高まるような企画を検討し、平和推進事業の充実を図ってまいりたいと考えております。
○渋谷佳孝議長 教育長 〔教育長登壇〕
◎細田眞由美教育長 谷中信人議員の御質問の3、教育都市さいたまについて、(1)市立小中学校体育館への空調設備設置についてお答えいたします。 初めに、小中学校体育館への空調設備設置に向けての現在の検討状況についてお答えいたします。今年度、普通教室等の耐用年数を経過した空調設備の更新、小学校特別教室及び小中学校体育館への新規設置に係る整備手法、整備スケジュール、概算事業費等について検討を行ったところでございます。空調設備設置に向けての課題についてでございますが、議員御指摘のとおり、財政負担並びに老朽化している体育館の空調効率等が挙げられます。今後の方向性につきましては、財源確保の方法、複数年にわたる段階的な整備による財政負担の平準化、そして断熱効果を高める方法等を検討するとともに、庁内において整備手法の合意形成を図った上で具現化してまいりたいと考えております。教育委員会といたしましては、小中学校の体育館は教育活動の場としてだけではなく、災害時には避難所施設となることから、体育館への空調設備の設置は非常に重要な課題であると認識しております。今後も引き続き課題解決に向けて調査、検討してまいります。 次に、(2)ICT活用についてお答えいたします。1点目の学校施設のインフラ整備についてでございますが、教育委員会では、1人1台端末と高速大容量の
通信ネットワークを一体的に整備する国のGIGAスクール構想を活用して整備を進めてまいります。なお、本市は学校数が多いため、工期や工事方法等を十分に検討し工夫しながら、効率的に進めてまいりたいと考えております。 2点目の特別支援教育におけるICT機器の整備は、個別最適化した学習を実現するために大変有効であると認識しております。ひまわり特別支援学校には視線入力装置付タブレット型コンピューターを導入し、成果を上げております。今後もICT機器の効果的な整備について研究を進めてまいります。 3点目の不登校児童生徒のICT機器を活用した学習支援につきましては、本市の適応指導教室においてタブレット型コンピューターを導入した支援を行っており、子供たちが個々の学力に応じて自ら学習を進めるなど、主体的に取り組む姿が見られるようになってまいりました。 4点目のプログラミング教育についてでございますが、教育委員会では、既に企業と連携して、全ての教員が活用できる44種類の教材を共同開発しております。今後は、地域社会と連携、協働し、プログラミング教育のさらなる充実を研究してまいります。 5点目のICT活用による事務作業の効率化につきましては、既に統合型校務支援システムを構築し、通知表作成や出席管理等の電子化を行っております。今後、クラウドを活用した新しいシステム構築について研究を進めてまいります。 次に、(3)教育格差の是正についてお答えいたします。議員御案内のとおり、現在、全世代の社会保障の一環として、教育におきましても様々な負担軽減措置が取られているところでございますが、公教育、とりわけ公立学校は家庭の経済的事情に関わらず、全ての子供たちに質の高い教育活動を提供することが使命であり、そのことが教育格差是正につながっていくべきであると考えております。その考えの下、本市では国や他市に先駆けて、小学1年生から中学3年生までを対象としたグローバル・スタディをはじめ様々な質の高い教育活動を実践したり、土曜日や放課後のチャレンジスクールで地域の方々の御協力を得て、基礎学力向上と学習習慣定着などに主眼を置いた学習やスポーツ、工作など、豊かな感性や社会性等を育む体験活動を提供しております。このような取組を通し、全ての子供たちが本人の意思や努力をもって自分の人生を切り開いていく力をつけていくことこそが、さいたま市教育の使命であると考えております。 次に、学校をプラットフォームとした適切な支援計画についてお答えいたします。教育委員会といたしましては、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーを全ての市立学校に配置、派遣し、子供たちを取り巻く環境に応じた支援を実施したり、心の揺れや悩みの相談対応を行ったりしております。また、必要に応じて家庭や関係機関と連携し、適切に支援できるよう取り組んでいるところでございます。今後も学校をプラットフォームとした総合的な貧困対策につきましては、関係部局と連携して取り組んでまいります。 次に、(4)人生100年時代の生涯学習についてお答えいたします。教育委員会では、人生100年時代を豊かに生きる「未来を拓くさいたま教育」の推進を基本理念とし、教育施策を展開しております。市民に開かれた生涯学習の場である公民館は、多世代にわたり質の高い学びを提供する場として、また学びを通して人を育て、人と地域等をつなげる拠点として、その役割はますます重要になると考えております。 本市におきましても、本年度は片柳公民館が地域のコーディネーター役として伝統文化の継承や多世代の交流の機会を創出するなどし、優良公民館賞を受賞したところでございます。こうした特色ある公民館事業を創造するために、公民館が地域の拠点としての強みを一層生かすことが肝要と考えます。さらに、生涯学習を提供する所管課が一丸となり、市民に質の高い学びの提供と、学んだ成果を社会貢献などの活動へとつなげる学びと活動が循環する生涯学習環境を構築することが必須でございます。 そこで、令和2年度に策定予定の生涯学習推進ビジョンや(仮称)公民館ビジョンにおきまして、こうした概念を取り入れ、全ての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進するというSDGsの開発目標の具現化に努めてまいります。