伊万里市議会 > 2015-12-14 >
12月14日-04号

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  1. 伊万里市議会 2015-12-14
    12月14日-04号


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    平成27年12月 定例会(第4回)          平成27年伊万里市議会会議録(第4回定例会)1.日 時  平成27年12月14日 午前10時00分開会2.出席した議員    1番  盛   泰 子         13番  馬 場   繁    2番  多久島   繁         14番  副 島   明    3番  岩 﨑 義 弥         15番  梶 山   太    4番  中 山 光 義         16番  山 口 恭 寿    5番  坂 本 繁 憲         17番  船 津 賢 次    6番  前 田 邦 幸         18番  松 尾 雅 宏    7番  力 武 勝 範         19番  松 永 孝 三    8番   川 貴 紀         20番  前 田 久 年    9番  前 田 敏 彦         21番  草 野   譲    10番  東   真 生         22番  渡 邊 英 洋    11番  井 手   勲         23番  樋 渡 雅 純    12番  香 月 孝 夫         24番  笠 原 義 久3.欠席した議員    な  し4.出席した事務局職員    局長  武 野 逸 郎5.地方自治法第121条による出席者の職氏名    市長                  塚 部 芳 和    副市長                 江 頭 興 宣    総務部長                古 賀 恭 二    政策経営部長              山 本 洋一郎    市民部長(福祉事務所長)        深 江 俊 文    産業部長                深 浦  信    建設部長                北 野   稔    理事                  吉 原 伴 彦    総務部副部長(契約監理課長)      前 田   稔    総務課長(防災危機管理課長)      古 場   博    消防調整課長              平 山 定 昭    政策経営部副部長    (地域振興・公共交通対策課長)     緒 方 俊 夫    (国際交流室長)    企画政策課長              力 武 浩 和    財政課長                岩 﨑 友 紀    市民部副部長(環境課長)        丸 田 俊 道    産業部副部長(農山漁村整備課長)    力 武 健 一    建設部副部長(建設課長)                        香 月 庄 司    (検査監兼技術監)    会計管理者               前 田 隆 博    水道部長(水道事業管理者職務代理者)  中 尾 俊 幸    水道部副部長(浄水場管理事務所長)   織 田 清     教育長                 森   哲 也    教育部長                前 田 和 也    教育副部長(生涯学習課長)       中 里   昭    教育総務課長              前 田 文 博    市民図書館長              古 瀬 義 孝1.議事日程    第1 一般市政に対する質問1.本日の会議に付した事件    日程第1 一般市政に対する質問┌──┬───────┬──────┬───────────────────────┐│順位│  氏 名  │指名答弁者 │       質 問 事 項         │├──┼───────┼──────┼───────────────────────┤│  │       │      │1.伊万里市の防災体制と消防団の水害に対す  ││  │       │      │ る装備について               ││  │       │      │ (1) 災害に対する教訓と今後の取組      ││  │       │市長    │ (2) 水害に対する消防団の対応        ││  │中 山 光 義│      │ (3) 消防団の水害に対する装備        ││ 1 │       │教育長   │ (4) 地区防災委員について          ││  │(一問一答) │      │                       ││  │       │関係部長  │2.留守家庭児童クラブについて        ││  │       │      │ (1) 本市の留守家庭児童クラブ受入現状   ││  │       │      │ (2) 新制度後の取組、基本方針        ││  │       │      │ (3) 他市の受入状況             ││  │       │      │ (4) 受入枠を拡大する考えはないか      │├──┼───────┼──────┼───────────────────────┤│  │ 川 貴 紀│市長    │1.伊万里市民図書館について         ││ 2 │       │      │ (1) 開館20周年を迎えての課題        ││  │(一問一答) │関係部長  │                       ││  │       │      │2.甲子園プロジェクトについて        │├──┼───────┼──────┼───────────────────────┤│  │       │      │1.腰岳の黒曜石の保護について        ││  │       │      │ (1) 現在の状況               ││  │山 口 恭 寿│市長    │ (2) 腰岳の史跡指定について         ││ 3 │       │      │                       ││  │(一問一答) │関係部長  │2.伊万里市のプレジャーボートの係留につい  ││  │       │      │ て                     ││  │       │      │ (1) 波多津漁港の状況            ││  │       │      │ (2) 今後の対応               │├──┼───────┼──────┼───────────────────────┤│  │       │      │1.伊万里市教育大綱について         ││  │       │      │ (1) 総合教育会議の目的           ││  │       │      │ (2) 市長の考えの反映            ││  │       │      │ (3) 議会のかかわり方            ││  │       │市長    │                       ││  │副 島   明│      │2.議会における政策提案の受け止め方につい  ││ 4 │       │教育長   │ て                     ││  │(一問一答) │      │ (1) 議会の提案と議員の提案         ││  │       │関係部長  │ (2) 提案から対応までのプロセス       ││  │       │      │                       ││  │       │      │3.九電との安全協定について         ││  │       │      │ (1) 県との協議               ││  │       │      │ (2) 九電の安全対策の把握          │└──┴───────┴──────┴───────────────────────┘1.会議の顛末                (午前10時 開議) △日程第1 一般市政に対する質問 ○議長(盛泰子)  おはようございます。定刻、定足数に達しておりますので、ただいまから本日の会議を開きます。 日程に従いまして、一般市政に対する質問を行います。 今期定例会における質問通告者は12名で、その日程は本日から16日までの3日間となっております。 ここで、テレビ放映について御報告いたします。 市長から一般市政に対する質問の放送許可願があり、これを許可しておりますので、御了承ください。 なお、放送は伊万里ケーブルテレビジョン西海テレビともに生放送及び本日から録画放送となっております。 次に、議員並びに執行部の皆さんにおかれましては、時間配分に十分留意され、質問、答弁は簡潔にしていただき、議事進行についての御協力をよろしくお願いいたします。 また、質問事項が共通すると思われる通告もなされております。関係の方は質問、答弁が重複しないよう配慮し、行っていただきますようあわせてお願いいたします。 それでは、質問の順番により、4番中山議員。 ◆4番(中山光義) (登壇) 皆さんおはようございます。12月議会の一般質問のトップバッターとして頑張って質問しますので、よろしくお願いいたします。 今回、私は次の2点について質問をさせていただきます。まず1点目は、伊万里市の防災体制と消防団の水害に対する装備について、2点目に留守家庭児童クラブについて質問をさせていただきます。 まず1点目の質問ですが、10月に総務委員会東日本大震災において甚大な被害が出た宮城県に視察に行きました。涌谷町では、今、市長が頑張っておられる原発の協定について、また女川町では津波震災について、多賀城市では減災について学んできました。今回は、その中でも一番印象に残っている女川町の話をもとに質問をしたいと思います。 女川町の被害は想像を絶するものがあり、一つの町が震災により壊滅的な被害を受けたところであります。この女川町は、今、復興に向けて町民が一丸となり、同じベクトルで新しいまちづくりに頑張っておられます。 また、震災直後に女川小学校6年生の児童の一人は、「女川は流されたのではない 新しい女川に生まれ変わるんだ 人々は負けずに待ち続ける 新しい女川に住む喜びを感じるために」と文でつづっています。これに応えるべく、役場職員も再建に向けて頑張っておられました。その中で、役場職員の方が震災を経験され話をされたことが今でも強烈な印象として残っております。私たち総務委員の皆が涙し説明を受けました。女川町の一刻も早い復興を願うものであります。 役場職員の中で今回の災害を経験し一番痛感したのは、自助、共助、公助の中でも特に自助、共助が一番大切であると話をされました。また、最近では9月に台風の影響を受け、茨城、宮城県では河川堤防が決壊し甚大な被害が出たことは、皆さん既に御承知のとおりであります。 そこで、総務部長にお伺いいたします。 市民の安全・安心を守る立場の伊万里市は、東日本大震災後どのような教訓を得られたのか、また、消防は9月に発生した茨城、宮城県の水害後どのような教訓を得られたのか、お伺いいたします。 2点目ですが、本年度スタートした子ども・子育て支援新制度の中で、放課後児童クラブについて質問をいたします。 伊万里市では留守家庭児童クラブとして条例化をされておりますが、今回の改正により対象児童が全学年に拡大し、開所日数など最低基準が定められ、大きな転換点に立っております。 そこで、伊万里市の留守家庭児童クラブ受け入れ状況についてお伺いいたします。 以上2点について質問をいたします。 ○議長(盛泰子)  総務部長。 ◎総務部長(古賀恭二) (登壇) おはようございます。中山議員1点目、災害に対する教訓と今後の取り組みの中で、市は東日本大震災後どのような教訓を得られたのかという御質問であります。 今からおよそ5年前の平成23年3月11日に発生をいたしました東日本大震災は、死者・行方不明者が1万8,000人を超える未曽有の大災害となり、自然が持つエネルギーとその恐怖を目の当たりにし、国民の誰もが自然災害の脅威を改めて痛感したところであります。 御質問は、この東日本大震災、またその後、全国各地で発生いたします大災害でどのような教訓を得たのかという御質問でありますが、御承知のようにこれらの災害は、全国の自治体に今後の防災対策上、数多くの課題と教訓を与えたところであります。その中から、私どもが特に強い教訓と捉えている3点について申し上げます。 まず第1点目は、防災対策は、平常時に非常時のことをいかに想定し、その備えをしておくかということが大変重要であるということであります。これは、東日本大震災では想定外の大地震と大津波が発生したということで、既存の防災計画や関係機関の連携など行政の備えが十分に機能せず、対応が後手に回り、結果的に多数の死傷者が出たところであります。 2点目は、先ほど議員も言われましたように、みずからの命は自分で守るという自助や、隣近所が助け合って地域の安全を守る共助が、救命の鍵となるということであります。今回の大地震におきましても、行政機関が全ての被災者を迅速に支援することが難しいことが改めて明確になったところであり、また、行政機関自体が被災をして機能が麻痺する場合があるということが明らかになったところであります。 3点目は、今回の震災によりまして原発の安全神話が完全に崩壊し、一たび原発災害が起これば広範囲に、そして長期に被害をもたらすものであることが明らかとなり、その対策が極めて重要であることが認識されたということであります。 以上の3点が、今回の大地震、そしてその後の災害から私どもが得た主な教訓であると考えております。 以上でございます。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也) (登壇) おはようございます。お尋ねの2点目、留守家庭児童クラブ受け入れ状況についてお答えいたします。 伊万里市におきましては、現在、滝野小学校大川小学校を除く14の小学校区で留守家庭児童クラブを運営しておりますが、その受け入れ児童につきましては、原則として保護の必要性の高い小学校1年生から3年生までの低学年児童を対象に受け入れております。 ただ、特例として、特に配慮を要する児童などにつきましては、定員に余裕ある児童クラブに限ってのことではありますが、4年生以上でも学校と保護者との協議を行った上で受け入れをしております。 現在、全体で663名の児童を受け入れておりますが、伊万里小、大坪小、立花小、黒川小など7つの小学校区のクラブでは定員いっぱいの状態にございまして、残りの7小学校区のクラブではまだ余裕があるという状況でございます。 以上でございます。 ○議長(盛泰子)  理事。 ◎理事(吉原伴彦) (登壇) おはようございます。中山議員1点目の、9月に発生した茨城、宮城の水害後、消防としてどのような教訓を得られたかということに対しましてお答えをいたします。 9月の台風18号による豪雨では、茨城県を中心に亡くなられた方8名を初め、負傷された方、建物や車両などの甚大な被害が発生をいたしておるところでございます。本市においても、最近では平成18年9月の豪雨で3名の方がお亡くなりになるなど、大きな被害が発生をしておるところでございます。また、過去にも伊万里市街地に大きな被害を及ぼしました昭和42年の大水害、その後も、松浦川や徳須恵川が流れております大川町や南波多町では、たびたび洪水が発生をいたしております。 その後、河川改修などの防災工事が進みまして、その危険性は大分低くなりはしたものの、本市においてもその備えは十分にしておかなければならないと痛感をいたしたところでございます。 こういった大きな水害が発生をいたしますと、孤立した方の救助や行方不明者の捜索など本市だけでは対応が困難になってまいりますので、警察、自衛隊、また緊急消防援助隊の応援を受けることになりますが、水害の発生が予測される場合の河川の監視や広報活動、また避難誘導などにおいては、地元の水防団、いわゆる消防団の組織力が大変重要になってまいりまして、それらの役割を担ってもらうことになります。 消防団の水防への備えに関しましては、毎年開催される佐賀県総合防災訓練の水防の部に毎回参加いたしておりまして、土のう積み等の訓練を通じて水防技術のさらなる向上を図っているところでございますが、活動していただく団員の身の安全を図るための装備が不足している状況でございます。 さきの東日本大震災を契機として、平成25年12月に消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が施行されておりまして、この中で消防団の装備の充実や組織の強化が強く求められているところでございますので、これを機に、それらのさらなる強化を図っていく必要があると考えているところでございます。 ○議長(盛泰子)  中山議員。 ◆4番(中山光義)  では、これから一問一答に移りたいというふうに思います。 総務部長にお伺いいたします。 東日本大震災から早くも4年が経過をしております。先ほど教訓を答弁していただきましたけれども、その教訓が今日までどのように生かされているか、また、防災無線もこの後、整備をされますけれども、そこも含めてお考えをお聞きしたいというふうに思います。 ○議長(盛泰子)  総務部長。 ◎総務部長(古賀恭二)  東日本大震災の教訓をどう生かしてきたかという御質問であります。 先ほど3点の教訓を申し上げましたけれども、その教訓に沿って対応について申し上げます。 まず、第1点目の災害時を想定した平常時の備えということについてでありますけれども、まず、組織面の体制整備といたしまして、震災前までは総務課の一係の業務として行っておりました防災業務を、平成26年4月からは職員4名体制の防災危機管理課として立ち上げまして、1年を通して防災業務を専門的に行うこととしたところであります。また、平成25年4月には、市役所3階に防災センターを設置いたしまして、防災情報や被害状況を一元的に把握して、より効率的な防災対策を実施できるようにしたところであります。また、平成25年度からは、非常時に備えまして食料や水、毛布等の災害用品の備蓄を開始して、また50の民間事業者と災害時における物資調達等の応援協定を締結するなど物資調達面での体制強化を図ったところであります。また、議員御指摘のように、市民に迅速に防災情報を伝達することが防災対策上、極めて重要であるとの教訓から、平成26年度からは防災行政無線の整備計画に着手をしているところであります。 次、2点目の自助、共助ということにつきましては、平成24年度から26年度の3カ年にかけまして、防災意識の高揚と災害時の避難に役立てるということを目的に、市内全域の全行政区におきまして「わがまち・わが家の防災マップ」を作成していただきまして、現在このマップをもとに各行政区では避難訓練が定期的に行われているところであります。 次に、3点目の原子力防災につきましては、地域防災計画原子力災害対策編ということを新たに追加いたしまして、避難計画の策定を行うとともに、毎年実施をされております佐賀県原子力防災訓練にも市民の皆さんとともに参加をしているところであります。また、放射線測定装置安定ヨウ素剤、防護服などの資機材の配備を進め、ハード面からの対策を進めるとともに、原子力災害に対する市民の安心を確保するために、平成24年から九州電力との原子力安全協定の締結に向けた協議を行っているところであります。 以上が災害の教訓から私どもがこれまで取り組んできた内容でありますけれども、今後もこれらの方針に沿いまして各種防災対策を行うことといたしております。 以上でございます。 ○議長(盛泰子)  中山議員。 ◆4番(中山光義)  私もこれらの災害の教訓を今後どう生かしていくかというのが非常に重要であるというふうに考えております。今回、私が一般質問でこれを取り上げたのも、さきの視察も一緒ですけれども、全国各地で大規模災害が発生をしているわけです。そういう中で、伊万里市の対応、災害の備えを改めて問うことによって、その認識を新たにしてもらいたいという意味から今回質問をしたところです。今後またいろいろ災害が発生する可能性があります。どうか検討と検証を重ねていただいて、市民の安心・安全を守っていただきたいなというふうに思っております。 次に、理事にお伺いいたします。 今回、茨城、宮城県での堤防決壊による大水害では、消防、自衛隊を初めとする各機関が出動し、放映をされたところです。 また、伊万里市におきましても、平成2年7月2日の豪雨においては松浦川の堤防が決壊し、大川町宿地区の住民が避難を余儀なくされております。このときも避難誘導に当たったのは地元住民と消防団だということであります。 そこで、お伺いいたしますけれども、このような災害のとき消防団はどのような対応をとることができるのか、お伺いいたします。 ○議長(盛泰子)  理事。 ◎理事(吉原伴彦)  水害が予測される、また発生した場合には、伊万里市水防計画に基づき消防団が水防団として活動することになりますが、まずは自身の身の安全の確保が最優先となります。その上で、事前の警戒広報活動や避難時の誘導、また決壊防止のための土のう積み、また、水が引いた後になるわけですけれども、行方不明者が出た場合などの捜索活動になります。 ○議長(盛泰子)  中山議員。 ◆4番(中山光義)  今の答弁で、水防計画に基づいて消防団が水防団として活動すると。特に身の安全を確保しながらの広報活動、土のう積み行方不明者の捜索等々に当たるというふうな答弁だったと思っております。 今、豪雨時の河川等の警戒でも消防団が出動しているわけですけれども、そのときに、先ほど言われたように消防団の身を守る、例えば救命胴衣、ライフジャケット、浮環等の装備については今現在どうなっているか、お伺いいたします。
    ○議長(盛泰子)  理事。 ◎理事(吉原伴彦)  消防団の水害に対する装備についてでございますけれども、土のう袋やスコップ等は十分に整備をされているところでございますが、救命胴衣につきましては南波多公民館に6着が整備されているのみでございまして、浮環については整備がされていない状況でございます。 ○議長(盛泰子)  中山議員。 ◆4番(中山光義)  今の答弁では消防団、いわゆる水防団については身を守る装備が十分でないというふうに理解をしたところです。先ほど言いましたように、消防団、水防団は大雨、豪雨のときには1級河川等の警戒に当たっているわけであります。そういうことから考えても、ライフジャケット等はこれはもう絶対必要だというふうに私は思っております。 この問題については、さきの9月議会でも新年度予算に、28年度の予算に盛り込んでくださいというようなお願いを私はしていたわけでありますが、今、新年度予算の編成作業も進んでいるというふうに思いますけれども、その対応はどういうふうになっているか、お伺いをいたします。 ○議長(盛泰子)  理事。 ◎理事(吉原伴彦)  中山議員からの御指摘もありまして、また今回の茨城県を中心とした水害を目の当たりにいたしまして、消防団の安全確保の重要性を痛感したところでありますので、まず、救命胴衣につきましては各分団、各部のそれぞれに、その活動人員に合わせ早期に整備するようにいたしたところでございます。 ○議長(盛泰子)  中山議員。 ◆4番(中山光義)  確認しますが、早急に準備するということで、28年度予算の新年度予算に盛り込んでいただいて、来年の雨季の災害には間に合うように各部、各分団に対応するというふうなことで理解してよろしいでしょうか。 ○議長(盛泰子)  理事。 ◎理事(吉原伴彦)  そのように考えていきたいというふうに思っております。 ○議長(盛泰子)  中山議員。 ◆4番(中山光義)  9月の総務委員会でも、このことについては私、触れたところでありますが、今こうやって新年度予算に盛り込むと、そして消防団の身を守るためにライフジャケットを整備するという答弁でありました。本当に9月議会から疑問を投げかけてきてよかったなというふうに今思っているところです。本当にありがとうございました。特に大雨の常襲地、災害の常襲地、1級河川等のある河川パトロールをする分団、部には、なお一層の手厚い配備をよろしくお願いしたいというふうに思います。 次に、総務部長にお伺いいたします。 今、伊万里市では地区防災委員が各地区で選出をされているというふうに思います。この地区防災委員の人数、そこにまた女性の防災委員が何名ぐらいいるのか、お伺いいたします。 ○議長(盛泰子)  総務部長。 ◎総務部長(古賀恭二)  伊万里市の地区防災会は、各行政区における共助を進めるために、平成17年度に市の区長会連合会が中心となって、県内では初めて市内全行政区において設立されたものであります。当初は各行政区の班数や地域の実情に応じて防災委員を選任されたところであり、設立時の防災委員数は全体で755名でありましたが、今年4月1日現在の委員数は838名とふえてきておりまして、このうち女性委員数は31名、約4%という状況であります。 ○議長(盛泰子)  中山議員。 ◆4番(中山光義)  今の答弁で、838名の防災委員に対して31名が女性ということであります。 私はさきの視察においても、自助、共助が本当に重要であったという話を聞いてきました。その中でも、災害時の女性の役割が非常に重要であったというふうに聞いてきたところです。特に男性にはない女性のソフト面での活躍、貢献が非常に助かったというふうにお話をされました。先ほどの答弁では、31名の女性の防災委員がいるというふうなことでありますけれども、伊万里市としても、もっともっとこれを広くPRしていただいて、女性の防災委員をふやしたらどうかと、これは私の提案ですが、そういうふうに考えております。 今、伊万里市には、御存じのとおり伊万里市婦人連絡協議会、俗に言う婦人会ですね、この組織も今はありません。そういう中で、やはり女性のこういうソフト面の活躍が非常に重要じゃないかというふうに私は思っているところです。そうすることによって、年々、避難訓練もレベルアップをしていくと思うんですけれども、今回、私たちの地区では炊き出しの訓練でもやろうかとしたときに、男女が一緒になって炊き出しをやろうという訓練をする、そしたら、そこに新しいコミュニティがまた生まれる。そして、その地域に新しい防災の芽が芽生えてくるというふうに私は考えているところです。そういうことで、総務部長に所見をお伺いいたします。 ○議長(盛泰子)  総務部長。 ◎総務部長(古賀恭二)  ただいま議員が御案内のように、市では防災対策については女性の視点を踏まえた対策を進めていくことが大変重要であると考えております。 このため、市の防災会議におきましても、従来1名であった女性委員数を平成24年度に2名、さらに平成27年度に2名を加え、現在5名としたところで、女性の意見を防災対策に反映させる体制を整えているところであります。 一方、御質問の地区防災委員につきましては、それぞれの行政区において独自に選任されており、地区内における防災委員の主な役割というのが住民の避難支援や災害状況の確認などであることから、男性が選任されるケースがほとんどでありまして、このことが現在の女性委員の数が31名にとどまっている理由ではないかと考えております。 議員御指摘のように、防災対策は女性が担う部分も数多くありまして、女性委員を選任されている行政区にお尋ねをいたしましたが、ひとり暮らしの女性宅を巡回する場合などは女性のほうがいいというような御意見もあったところであります。このようなことから、今後、市で開催しております研修会などの機会を捉えまして、女性委員の役割や重要性などについて、また必要性などについて御紹介をし、女性委員の増加を図っていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(盛泰子)  中山議員。 ◆4番(中山光義)  今、部長より、女性の防災委員の増加に努めていきたいというふうな御答弁だったと思います。これにつきましては、県内でも女性の防災委員が多数を占めるというのは余りないと思うんですね。でも、これも一つの伊万里市の安心・安全のPRでもあるし、また、ひいては伊万里市民の安心・安全につながるというふうに思っております。 私は、冒頭触れましたように、女川町のあの被災状況を見たときに、防災に対する備えがいかに重要であるかというのを痛感してきたところです。大きく言えば、備えに待ったなしという感じが私はしております。また、さきの選挙においても、安全で安心なまちづくりを目指すと私は言ってきました。そして、私は元消防官でもあります。そういう意味からも防災の重要性を訴えていかなければいけないと私は強く思っております。 今回、防災に対する私の質問に対し、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(盛泰子)  市長。 ◎市長(塚部芳和) (登壇) おはようございます。中山議員の防災に対する御所見をということでございますが、何といいましても市政の一番の大きな柱は、市民の皆様の安全・安心をいかに構築するかということではないかと、このように思っております。そういう意味では、災害に対する備えというのは本当にいろんな意味で、十二分にしておく必要があろうと思っております。 特に最近の災害を見てみますと、ピンポイントで発生をするというような状況でありまして、いつ何どき自然災害におきましても発生するかわからない、そういう状況下であります。そういうことで、伊万里市におきましては東日本大震災等の、あるいはまた最近におけるさまざまな災害の発生している状況からして、先ほど総務部長が言いましたように、災害に対する備えをもう本当に早急にしようということで、いろんな体制づくりを進めてきたところでございます。 また、今、中山議員申されましたように備えに待ったなし、今までは備えあれば憂いなしだったんですけど、備えに待ったなしですか、いい言葉を使われたなというふうに思っております。そういうことで、待ったなしという体制の中で、私は今、28年度の予算編成におきまして、次の、いつ何どき発生するかわからないそういう災害に備えて、予算のどうのこうのというよりも、すぐすべきじゃないかということで、先ほど消防理事が答弁いたしましたように、消防団のライフジャケットにつきましても、年次計画ではなくして一気に導入したらどうかということで、現在そういうことで予算編成作業を進めておる次第でございます。 また、災害が発生した場合にいかに迅速に対応するかということでは、情報の伝達が非常に、初期の動作といいますか、初期対応が非常に重要でないかと、このように私は思っております。したがいまして、そういう意味では、自助、共助、公助という中で、自助あるいは共助という点では地域の皆様が地区防災会を立ち上げられ、そしてまた地図あたりも作成していただきまして、地域の皆様の災害に対する意識が最近非常に高まってきているんじゃないかなというふうに思っております。 また、伊万里市は7月9日を防災の日ということで、昭和42年の災害の教訓を忘れてはならないということで、防災の講演会等も毎年行わせていただいておる次第でございます。こういうことで、いろいろと災害に対する備えもしておるところでございますが、もう1つは原発に対する備えも大変重要かと思っておりますので、UPZ、30キロ圏内にある伊万里市が防災行政無線が整備されていないというのは、これはいかがなものかということで、これについても早急に整備を図るように現在計画しておりまして、今年度は入札等も準備をしているところでございます。 そういうことで、今後とも防災について十二分な対応を図り、市民の皆様の安全・安心を構築していきたいと、このように思っております。 ○議長(盛泰子)  中山議員。 ◆4番(中山光義)  では、2点目の留守家庭児童クラブの質問に移りたいと思います。 教育部長より、本市の留守家庭児童クラブ受け入れ状況について先ほど答弁がありました。簡単に言えば、市内の中心部はほぼ定員がいっぱいと、他のクラブについてはあきがあるというような答弁ではなかったかというふうに思います。 では、子ども・子育て支援新制度が今年度改正になり、この改正により新たに各市町が条例化をし対応しているというふうに思いますけれども、新制度に対する伊万里市の取り組み、基本方針についてお伺いをいたします。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  子ども・子育て支援新制度に対する本市の取り組みについてお答えをいたします。 この支援新制度におきましては、児童クラブの設備や運営の基準につきまして、市町村が国の定めた基準をもとに条例で定めるということとされまして、昨年の12月議会でこの条例を議決していただいたところでございます。 現在、この基準に基づきまして児童クラブの運営を行っているところでございますが、その基準として新たに示されたものに支援員の配置基準というものがございます。これにつきましては、9月議会の中山議員の議案質疑におきましても触れさせていただいたところでございますが、具体的には、1つの児童クラブには都道府県が実施する認定資格研修を修了した支援員を2名以上配置するというものでございます。これを受けまして、佐賀県ではこの夏以降、この認定資格研修を実施され、伊万里市からもまず7名の支援員を受講させているところでございます。 この認定資格の基準につきましては平成31年度までの経過措置がございまして、また、2名のうち1名は資格のない方でもよいとされておりますので、今後5年間のうちに、これに的確に対応できるよう計画的に資格取得者の確保を図っていくこととしております。 また、そのほかの基準につきましては、これまでと大きく変わったところはございませんが、その中でも定員という基準につきましては、これを超える児童クラブが、先ほど言いましたように出ておりますので、このようなクラブにつきましては的確に対応してまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(盛泰子)  中山議員。 ◆4番(中山光義)  今、新制度に対する取り組み状況について御説明がありました。 国の運営指針においては、改正前は対象児童が小学校の低学年、要するに3年生までであったわけですけれども、今回、改正後は6年生まで拡大をされております。 では、この新制度後の受け入れ拡大について、伊万里市も含め改正後の県内各市町の受け入れ状況はどういう対応をとっているか、お伺いをいたします。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  新制度の受け入れ拡大ということで、まず、その内容を若干説明いたしますと、新制度におきましては、議員御指摘のように児童クラブの対象が、それまではおおむね小学3年生までとされておりましたものが小学6年生まで拡大をされております。これは児童福祉法の定義で、小学校に就学している児童ということに定義が改正されたことによるものでございます。 この改正によりまして、公立、私立にかかわらず、小学6年生までの児童を対象にした児童クラブにつきましては、基準を満たすものであれば国、県、市の財政支援を受けることができることになりました。しかしながら、伊万里市が運営する児童クラブでは、3年生までの受け入れに対応することで現在精いっぱいの実態にございまして、今のところでは4年生以上の受け入れができておりません。 このような中で、県内の状況についてでございますが、市に限って申しますと、現在、伊万里市を含め県内10市全てで児童クラブが運営されておりますが、このうち4年生以上を対象としていないというところは、この伊万里市と小城市、それに佐賀市の一部の児童クラブでございます。 以上でございます。 ○議長(盛泰子)  中山議員。 ◆4番(中山光義)  今の答弁では、伊万里市においては1年生から3年生までの受け入れが精いっぱいであり、特例を除いて4年生の受け入れもできていないというふうなことだったと思います。そしてまた、県内でも伊万里市、小城市、佐賀市の一部が4年生以上を対象としていないということですね。3つだけ、極端に言えば伊万里市と小城市が対象としていないというふうなことだろうと思います。 では、質問しますが、伊万里市が仮に受け入れ年齢を引き上げたとした場合に、現状の施設数で受け入れが可能なのか、また支援体制はどうなのか、お伺いをいたします。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  定員に余裕のある児童クラブにおきましては、その余裕の範囲で4年生以上の受け入れが可能でございますが、定員いっぱいの児童クラブ、先ほど7クラブあると申しましたが、ここにつきましては、現状の施設の規模、あるいは支援員の体制のままでは受け入れは困難な状況でございます。 このうち支援員の体制につきましては、現在、総勢50名の支援員を確保して14校区の19のクラブに配置をいたしておりますが、対象年齢の拡大に伴って必要となります支援員の増員という面におきましては、現在、保育園の保育士の場合と同様に支援員の応募者が少ないという現状がございまして、その人材の確保ができるかどうかという課題も出てくるものと思っております。 ○議長(盛泰子)  中山議員。 ◆4番(中山光義)  今の御答弁では、受け入れを拡大するのはなかなか厳しいというような答弁ではなかったかというふうに思います。 しかし、施設面については、国のほうからは空き教室の活用ができないものかというようなことで言われているところです。その空き教室を積極的に推奨するとしたらどうかというふうに言われているところですが、またその反面、新聞報道によれば、なかなか学校がその空き教室、余裕教室を使わせてくれないというふうなことが課題であるという報道もされております。 そこで、市内の小学校の空き教室、余裕教室を利用すればできるんじゃないかというふうに思うんですが、その状況は今どういう状況にあるか、お伺いをいたします。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  厚生労働省、文部科学省では空き教室という言葉を使わずに余裕教室ということを使っておりますので、余裕教室ということでお答えさせていただきます。 児童クラブを開設しております14の小学校区には、現在のところではこの余裕教室というのが余りございません。中でも、市内中心部にある学校では全くないという状況がございます。近年、全体として児童数は減少しておりますので、必要な普通教室が減少しているというところもございますが、複式学級となる場合を除きますと1学年1学級は最低限必要でございますし、また、パソコン教室や特別支援教室など時代とともに新たに必要になった教室もありまして、児童数は減少しているものの余裕教室は余り出ていないというのが実態でございます。 先ほど議員おっしゃったように、新聞等で空き教室を学校がなかなか使わせてくれないという、他市の支援員の話が報道されていたようでございますが、伊万里市では児童クラブと小学校はどちらも教育委員会が所管をして運営していることもありまして、良好な関係がとれておりますので、余裕教室がないとは言いますものの、報道されるようなことはないものと思っているところです。 ○議長(盛泰子)  中山議員。 ◆4番(中山光義)  今の答弁では、市内の学校は、要するに空き教室、余裕教室は余りないと、特に中心部については全くないというような答弁だったと思います。 そうすると、結果的に新制度になっても受け入れ枠を引き上げることは、伊万里市、本市においてはなかなか厳しいものがあるというふうに私は今答弁を聞きながら思ったところですが、しかし、ここの法改正の趣旨というのがですね、今回の改正の背景にあるものは、女性の子育てと仕事の両立が1つあります。そして、なおかつ女性の社会進出を容易にするという狙いがこの改正の背景にはあるというふうに私は思っているんですが、教育部長はどういうふうにお考えか、お尋ねをいたします。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  留守家庭児童クラブの役割といいますのは、児童福祉法に定められておりますように、保護者が労働等により昼間家庭にいない者に、授業の終了後に適切な遊びや生活の場を与え、その健全な育成を図るというものでございまして、その育成の基本として、厚生労働省が策定した運営指針に示されておりますが、1つが基本的な生活習慣の確立等により子どもの健全な育成を図ること、もう1つが議員おっしゃいますように、保護者が安心して子どもを育て、子育てと仕事とを両立できるように支援することとされております。教育委員会事務局といたしましても、児童クラブの運営に当たってはこの2つの基本、子どもの健全な育成と子育てと仕事の両立の支援が大変重要であると考えているところでございます。 ただ、その一方で、小学校の児童の発達課題として、自分でも身の回りのことができるようになる、あるいは自分の生活を自己管理できるようになるというような自立の能力を身につけることも求められているところです。 いずれにいたしましても、市内中心部の児童クラブにおきましては、現状として小学3年生以下の児童の受け入れが増加をしているという状況にありまして、現時点では施設設備の整備や支援員の増員など、これに的確に対応することで精いっぱいの状況がございます。 また、全国の児童クラブの約6割は、公立公営ではなく民間活力による運営とされている実態もございます。伊万里市におきましても、既に民間事業者がこの児童クラブを開設するという動きが起こっております。中山議員のおっしゃる4年生以上の受け入れにつきましても、これらのさまざまな面を考慮した上で対応してまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(盛泰子)  中山議員。 ◆4番(中山光義)  何回聞いてもなかなか難しいものがあるというふうにしか私は聞こえないわけですが、今回、この質問を私が問いかけたのは、質問したわけは、今回の改正において受け入れ年齢が全児童まで対象が拡大されたと、ですから私は本市の考えを伺ったまでです。 この問題については、私に直接質問があったわけです。これは市内の企業の役職の方から直接質問がありました。というのは、同じ会社内で、1人は武雄市から従業員さんが来ている、1人は伊万里市の中心部から従業員さんが来ている。そういう会社の話の中で、武雄は4年生まで預かっていただいているよと。そうしたときに、伊万里の中心部の女性の方が、それはいいねと、私の子どもは来年4年生になるんですよ。しかし、それができていない。私、不安があるんですという話があったそうです。そういう中で、会社の上役の方が、中山君、今度、法改正があったよねと、伊万里市はそれができないのかというような質問を投げかけられました。そしたら、私、頑張って聞いてみましょうということで今回質問をしたところです。 この問題は、地方創生のまち・ひと・しごと、特に女性の働きやすい環境づくりの観点からも私は非常に重要であるというふうに思います。県内を見たときに、法改正後にされていないのは伊万里と小城、それに佐賀の一部と。あとは対応しているんですね。そういうことを考えれば、改正後の法の趣旨を酌み取っていただいて、ぜひここも前向きに検討をしていただきたいなというふうに私は思っております。 私自身も、子どもの自立を促すことの重要性は十分理解しております。小学校の全学年とは申しませんけれども、特に市の中心部は受け入れが難しいという実情もよく私は今の答弁で理解をしました。しかし、ここに問題があるのは、市の中心部の方々にそのニーズがあるわけですね。ですから、そこにやっぱり応えていただきたいと。全学年とは申しませんけれども、この前まで3年生で預かっていただいた子どもが、4月から4年生になるばっかりに預けられないということじゃなくて、先ほどから言いますように新しい制度の趣旨に沿って、ぜひここは御検討をいただきたいなというふうに私は強く思っております。 教育長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(盛泰子)  教育長。 ◎教育長(森哲也)  お答え申し上げます。 対象年齢を拡大することにつきましては幾つかの課題がございますが、子育て支援という大きな観点からは、その取り組みが重要であることは議員のおっしゃるとおりでございますので、私といたしましては受け入れを拡大する方向で今後検討してまいりたいと思います。 ○議長(盛泰子)  中山議員。 ◆4番(中山光義)  ありがとうございました。伊万里市においても、女性の社会進出、そして働きやすい環境づくりのためにも、ぜひ今、教育長が言われたような御答弁の方向性でよろしくお願いしたいというふうに思います。 これで私の一般質問を終わります。 ○議長(盛泰子)  ここで10分間をめどにしばらく休憩いたします。               (午前10時49分 休憩)               (午前11時   再開) ○議長(盛泰子)  会議を再開いたします。 引き続き、一般市政に対する質問を行います。8番弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀) (登壇) 改めておはようございます。今回、2点について一般質問をさせていただきます。 まず1点目、伊万里市民図書館についてですが、ことしは記念すべき開館20周年です。この図書館を設計された寺田芳郎さんは、引き受けた理由は幾つかあるが、そこに市民運動があったからと言われました。市民とともに歩み続け、支え合い、育み合ってきた足跡が歴史となって今日があります。その一貫した姿勢と取り組みが建築賞や2度にわたる文部科学大臣表彰受賞につながり、この9月12日には日本経済新聞の別刷り「NIKKEIプラス1」という特集で、選者である12人の図書館の専門家から550ポイントを獲得して、西日本の図書館の中で1位と高く評価されました。今や、我々の図書館は全国をリードする図書館であり、伊万里ブランドの前面に躍り出ています。 ただ、20年が経過しております。我々が住んでいる家も、新築して20年が経過すれば、至るところにほころびが出てまいります。施設の老朽化が少し心配されます。 まず1点目は、その老朽化の現状はどうなのかについてお尋ねしたいと思います。 続いて、大きな2点目は甲子園プロジェクトです。炭鉱が活況を呈していたころから自然発生的にあちこちで野球が始まり、伝わり、野球どころ、スポーツどころ伊万里が形成されてきた歴史があります。 昭和45年ごろから少年野球が伊万里のあちこちで創部され、中学野球もどんどん九州大会へ出場してまいりました。それを牽引していたのが社会人野球の光武ピーコックであり、小学校、中学校の熱のある指導者の方々でした。 そして、塚部市政が始まってから、県内5地区の中で唯一伊万里地区が甲子園に出場していないということを憂慮され、我々の目の玉が黒いうちに何とか甲子園へという思いで甲子園プロジェクトを命名され、予算化され、全国の有名校が続々と伊万里に来て、大きな刺激を与えたことは誰もが認めるところであります。 ちょうど時を同じくして、各高校のOB会、野球部OB会が新たに再編されたり、発足したり、機運も同時に高まっていたころでもありました。指導者の方々、監督、部長を初め、熱心に指導されております。球児も一生懸命頑張っておることはもちろんのことなんですけれども、それぞれの学校のサポート体制や保護者、地域の応援の方たち、それがそれぞれに頑張られている状況でありました。それを伊万里市は、かかわる人を大きな風呂敷で包み、一つにした功績はすばらしいものがあったと私は理解しています。 3校の甲子園出場が現実となり、伊万里において4人目のプロ野球選手も誕生したばかりです。この事業で、底辺強化、ほかのスポーツへの波及効果も随分あるのではないかとも感じております。 12月補正予算の中に、小学校、中学校各種大会出場の支援として72万1千円の予算も計上されております。ただ、このような状況の中、少し時代の変化もちらほら見受けられるようになりました。 まず、1回目の質問は、10月に甲子園塾in伊万里を開催されたそうですけれども、その概要について質問いたします。 これにて壇上からの質問とさせていただきます。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也) (登壇) 御質問1点目の市民図書館の施設の老朽化の現状についてお答えいたします。 市民図書館は、開館から20年を経過しておりますので、議員おっしゃるように、やはり施設の老朽化が進んでおります。 その主なものを申しますと、大雨が降った際の屋根からの雨漏り、空調機器からの水漏れ、照明器具類の故障などが上げられます。また、上映会で使用しているプロジェクターにつきましては、取りかえの部品が製造中止となっていることから、画面の劣化により鮮明な映像をお見せすることが難しくなっているというような機器の劣化の状況もあるところでございます。 以上でございます。 ○議長(盛泰子)  政策経営部長。 ◎政策経営部長(山本洋一郎) (登壇) おはようございます。弘川議員2点目の甲子園プロジェクトについて、10月に開催しました甲子園塾in伊万里の概要についてお答えをいたします。 平成27年度の甲子園プロジェクト事業として、10月3日、4日の両日に実施をいたしました甲子園塾in伊万里につきましては、日本高野連主催で毎年大阪で開催をされている甲子園塾の塾長である石川県の星陵高校野球部名誉監督の山下智茂先生を伊万里市へ招き、市内の高校球児への実技指導と指導者の育成を目的に伊万里商業高校グラウンドで開催をしたところでございます。 当日は、体育祭で不参加の有田工業高校を除く市内4校の生徒と指導者約100名が参加をされております。 指導の内容を一部紹介いたしますと、打つ、投げる、取るといった基本的な動きの指導に始まり、バッテリー間の細かい部分の動きを初め、野球に向き合う精神的な心構えなどを御指導いただき、山下先生の代名詞と言われる名物のノックも長時間にわたり、参加した全ての選手に打っていただいた結果、2日目には選手たちの動きも見違えるようになり、早くも甲子園塾の効果が出始めているといった声が上がっていたところでございます。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  ここからは一問一答でいかせていただきます。 施設の老朽化が進んでいると今御答弁いただきました。屋根の雨漏り、空調、上映のプロジェクター、照明といったところもあると思います。 そこで、修繕を行う予定はありますでしょうか。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  先ほどお答えいたしました老朽箇所につきましては、いずれも修繕するには規模の大きい、改修に近いというようなものになります。そのため、大きな費用を伴うことになりますので、計画的に進めていく必要があるものと考えております。 ただ、今のところでは、耐震性など来館者の安全に問題が生じるというような修繕箇所はございませんので、今後、優先順位をつけて段階的に修繕を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  そうですね、計画的に進めていってほしいと思いますが、最近、修繕した箇所等ありましたら教えていただきたいと思います。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  最近の修繕箇所でいいますと、テレビを置いておりますくつろぎコーナー、あるいは子どもコーナーにございますソファーの座席が特に汚れたり傷んだりしておりましたので、シートの張りかえを行っております。昨年度は57席分、今年度は39席分を修繕いたしましたが、館内には全部で約240席ございますので、今後も継続して予算を確保させていただいて、張りかえを行ってまいりたいと考えております。 そのほか、トイレの水が流れないなどといった故障が出まして、給水制御の機器ごと交換をいたしました。 今後も、来館者が安心して図書館を利用していただけるように順次改修を行ってまいりたいと思っております。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  ソファーの座席のシートの張りかえということですけれども、240席もあるということですね。計画的に進めていただきたいと思います。 小さなところは簡単に修理、修繕できるとは思いますけれども、計画的に行わなければならないところとか、老朽のぐあいを見続けていかなければいけないところ、そして、突発的に起こることということがありますので、この3点を並行して計画的に進めてもらいたいと要望します。 次に、設備面に移りますけれども、本だけではなくて、ビデオやDVDを数多く所蔵されています。 中には、弁当を持ってこられて、落語のテープを熱心に聞かれている方もいらっしゃるとお聞きいたしました。究極の生涯学習の場と思われますが、そのブースの機材に問題はないのでしょうか。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  図書館にはDVD等を視聴するブースがございます。そこには記録媒体ごとにビデオデッキ、レーザーディスクプレーヤー、DVDプレーヤー、この3種類の視聴用機器を設置いたしております。 ただ、既に更新したものもございますが、多くは20年を経過しておりまして、一部の機器には故障をしているというブースがございます。皆様には御不便をおかけしているところでございます。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  そうですね、電気機器は時代とともに目まぐるしく変わってきます。以前はビデオでしたけれども、レーザーディスク、多くは20年経過して故障していると聞いておりますけれども、その視聴用ブースは何席あるのでしょうか。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  図書館の視聴用ブースは、一般向けと子ども向けの2カ所に分かれて設置しておりますが、その数は一般向けで7席、子ども向けで2席を設けております。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  そのブースの稼働実績を教えてもらえないでしょうか。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  ブースの稼働実績、ビデオデッキとレーザーディスクプレーヤー、DVDプレーヤーそれぞれの利用実績ということで、平成25年度からことし11月までの累計数でお答えをいたしますと、一般向けのブースではビデオが3,287回、レーザーディスクが181回、DVDが1,982回の利用実績がございます。わかりやすく1カ月平均にいたしますと、ビデオが100回、レーザーディスクが5回、DVDが60回という計算になります。 一方、子ども向けのブースのものは、ビデオが653回、レーザーディスクで997回、DVDは471回という利用で、これも1カ月平均しますと、ビデオで20回、レーザーディスクで30回、DVDで14回ということになります。 職員によりますと、一般向けのブースでは高齢者の方の利用が多くて、子ども向けのブースでは親子連れ、あるいは小学生同士で見ているということが多いといっているところです。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  今、初めてお聞きしたんですけれども、月平均でいいますと、ビデオが100回等、かなり使用されている市民の方がいらっしゃるというふうに私は思いました。 そのブースの機器は、使えるものと使えないものというのを今お聞きはしたんですけれども、全て使えるのか、それともどのくらいの割合で使えているのかというのをお示しいただければ、お願いします。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  このブースの機器につきましては、現在、製造中止ということもございまして、修繕ができない視聴用機器はそのブースから取り外しております。そういうことから、全てのブースで3種類の機器が使えるというわけではございません。 一般向けのブースでは、7席あるうちで使えるのは、ビデオが3席、レーザーディスクが3席、DVDが5席でございます。子ども向けのブースでは、2席のうち使えるのは、ビデオが1席、レーザーディスクが2席とも、DVDが1席使えるという状況でございます。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  大体6割程度使えるということになると思います。 やはり休み、土曜日とか日曜日とかに図書館に行って、好きなビデオ、DVDあたりを聞きに行かれる市民の皆様が、一つの聞けるブースがあいていれば、すぐ利用できるとは思うんですけれども、あいていなかったら順番待ちをしないといけないということも多分あるのではないかなと思っております。 今後、こういった機械をですね、なかなか難しいとは思うんですけれども、修繕する予定というのはおありでしょうか。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  保守点検を行っていただいております業者によりますと、今では動画の記録媒体としましては、DVD、あるいはブルーレイが主流となっておりまして、ビデオテープやレーザーディスクのデッキはほとんど製造されておりませんで、新たに購入するのは難しいということでございます。 しかしながら、図書館の視聴覚資料といたしましては、そのビデオテープやレーザーディスクを多く貯蔵しておりますので、これに対応する今の機器をできるだけ長もちさせて活用することも必要になっております。 このため、例えば、今の機器が動かなくなった場合には、自宅の機器を新しい型のプレーヤーに買いかえられた方々から譲っていただいて活用するということも行っているところです。 とはいいましても、このままの状態をいつまでも続けていくというわけにはまいりませんので、ホールの上映会用のプロジェクターも含めまして、新しい機材への取りかえについて、効率的な導入計画を立てまして更新してまいりたいと考えているところです。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  今、御答弁にあったように、自宅のデッキを交換した際に自宅の使えるのを図書館に持ち込まれた方がいらっしゃるという御答弁だったと思いますけれども、やはり市民の皆様のそういう一つ一つの思いやりというところで図書館がこの20年続いてきたことと思います。 続きまして、音楽のCDの視聴についてはいかがでしょうか。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  音楽などのCDの視聴という状況でございますが、これにつきましても、CDに収録されている曲を聞いてみることのできるブースを設置しているところでございます。しかしながら、この機材につきましても耐用年数を超えているものが多うございまして、今後も修繕が必要になっているという状況でございます。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  ホールの中の上映するプロジェクターの映りが少しよくない。このオーディオ機器と上映の部分でのメーカーが同じ業者とお聞きしております。保守であったり、管理ぐあいは、そのメーカーが伊万里市民図書館では共通してやっていると思われますので、その保守管理ぐあいの見きわめも大切になってくると思われます。 これからの時代のキーワードは、見守ること、誘い出すこと、最後は居場所づくりと私は思っております。この市民図書館では、温かいまなざしで見守ること、そして誘い出すこと、最後は居場所づくり、そういう場としての滞在型図書館として、市民がくつろぎながら楽しむ場づくりをお願いしたいと思っております。 続いて、「ぶっくん2号」の更新のことについてであります。 伊万里市では、自動車図書館、通称「ぶっくん」という移動図書館が2台走っております。市民にとって、こういったサービスこそが大変ありがたい存在と思いますが、この自動車図書館の役割について改めてお尋ねいたします。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  市民図書館には、議員おっしゃるように自動車図書館を2台配置しておりますが、この自動車図書館は今の市民図書館が建設される前から巡回を始めておりまして、1台目は平成3年に、2台目は平成5年にそれぞれ導入をいたしております。市民から公募した「ぶっくん」の愛称で多くの方々に親しまれ、活用していただいているところでございます。 本来、図書館サービスは、市域に居住している住民であれば誰もが平等に利用できるものでございますが、地理的に図書館の近くに住んでいる方ほど利用しやすく、遠くに住んでいる方には利用しづらくなっているという側面がございます。これを補うためには、図書館の分館や分室ということも考えられるところではございますが、市域の広い伊万里市では自動車図書館2台を走らせて地域間のサービスの格差解消を図っているという方法をとっております。 特に図書館に来られない方、例えば、遠くに住んでいる子どもや高齢者、あるいは施設に入所されている方などにも広く本を届けて生活に役立ててもらいたいという市長の思いもございました。教育委員会の願いもあります。図書館職員もそんな思いを込めて、「ぶっくん」によるサービスも力を入れているところでございます。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  御答弁にありましたように、平成3年6月に「ぶっくん1号」が巡回を開始、これはマイクロバスの改造車であると聞いております。平成5年の4月、「ぶっくん2号」が巡回開始、これは3.5トントラックの改造車、少し頑丈にできていると思います。 1号は、平成3年6月から19年走って、平成22年3月に新しくなっております。「ぶっくん2号」は平成5年4月からですから、これは22年半、ずっと走り続けております。 1年間でどれくらいの利用があるのか、お示し願いたいと思います。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  「ぶっくん」の1年間の利用人数はということでございますが、本を借りた延べ人数ということでお答えをいたしますと、平成26年度は個人で2万1,252人、団体で6,746件で、単純に合計しますと2万7,998件ということになります。 一方、借りられた本の冊数でいいますと、こちらは個人が4万3,936冊、団体では9万7,826冊、合計でいいますと14万1,762冊となっております。この貸し出し冊数は、全国的には1台大体4万冊程度と言われておりますので、全国的にも突出した実績と言うことができるかと思います。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  ありがとうございます。14万1,762冊、御答弁では全国の平均が4万冊程度ということで、本当に数倍の貸し出し点数ということで、市域の広い伊万里にあって、71カ所のステーションを回ってそういう貸し出しをやっていると思います。 県内では、4つの自治体がこの自動車図書館を行っております。佐賀市、小城市、鳥栖市、伊万里市です。ほかの3市の平均を調べてみましたところ、2万冊にも届いていないという現状でございます。したがいまして、佐賀県のほかのやっている市町よりも7倍以上の実績を「ぶっくん」は2台で誇っていると、突出した数字だと改めて感心しております。 71のステーションを2週間に一度巡回して、月に2回来ます。保育園、幼稚園、小学校、中学校、公民館、病院、特老施設、あとは企業とかJA、この「ぶっくん」の2台で巡回しているわけですけれども、一度に大体何冊ぐらい積んで回っているのかというのをお願いいたしたいと思います。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  「ぶっくん」の積載量ということでございますが、「ぶっくん」に積載可能な本の冊数ということでいいますと、2台ともに最大で3,000冊を積載できるようになっております。 しかしながら、本を3,000冊満載して巡回するとなりますと、本の重量によって車両への負担がかなりかかることになります。伊万里市全体を巡回する際の峠などを越えるときには、車両への負担はもちろんのことですが、車の運転にも大きな支障となることが考えられます。このため、実際には本を選ぶのに必要な量として、2,000冊程度を積み込んで巡回しているというところでございます。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。
    ◆8番(弘川貴紀)  最高が3,000冊ということですね。それで、車両への負担、運転手の負担、道路のバランスということもあるでしょうから、2,000冊を搭載して走っているということです。 これまで「ぶっくん1号」のほうは「新ぶっくん1号」となって走っておりますけれども、「ぶっくん2号」は、先ほどから言っていますとおり22年半が経過しております。この「ぶっくん2号」はどのくらい走っているのでしょうか。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  「ぶっくん」の走行距離ということでお答えいたします。 2台とも一応お答えをさせていただきますと、まず1号のほうは、平成21年度に買いかえをしておりますので、平成27年11月現在までの走行距離は3万2,467キロでございます。 一方、「ぶっくん2号」のほうは平成5年から走り続けておりますので、その走行距離は13万2,083キロとなっております。どちらも1年間の平均で見ますと、約5,800キロということになるかと思います。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  ありがとうございました。通常、大型トラックは何十万キロも走ると思われますけれども、この「ぶっくん2号」が今13.2万キロということをお示しいただきました。 伊万里市民図書館に来館されている方とこの「ぶっくん」で借りていらっしゃる点数は、どのくらいの割合で借りていらっしゃるのか、その割合を教えていただきたいと思います。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  図書館で借りる割合ということでございますが、利用人数で申しますと、図書館で借りるのが72.5%、「ぶっくん」で借りられるのが、2台合わせますと27.4%となっております。これを貸し出し冊数で見ますと、市民図書館70.7%、「ぶっくん」29.2%となります。 全体として大まかに申しますと、全体の約3割弱が自動車図書館「ぶっくん」での利用ということになるかと思います。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  3割近い貸し出し点とは驚きました。図書館サービスの原則である全域平等に大きく貢献している存在だと痛感いたしております。 また、子ども読書推進の一助となっているのは間違いないと思います。「ぶっくん」による保育園とか幼稚園、小学校には、学級貸し出しという制度でコンテナいっぱいに学級に貸し出して、それを教室に備えておいて、自由に本が読める環境を整えているというところも改めて評価したいと思います。 先週2日間、この「ぶっくん2号」に同行して、後ろからずっとついていきました。安全運行をされているんですけれども、後ろからついていきますと、信号でとまるときにキュー、キューっとブレーキ音がかなりしておりました。特殊車両でございますので、車検は2年に1回です。ちょっとあそこら辺が気になったところでもありました。 その右の後ろなんですけれども、もう鉄板が剥がれ落ちて、さびついております。あとドアが、右側のドアなんですけれども、閉めたときに少し閉まり切らないで、若干1センチぐらい浮いておりました。あとテーブルをおろすときの両サイドの金具、これもかなりさびておりました。 金曜日だったと思うんですけれども、南波多保育園に行ったときは、大変な雨でもございました。しばらく強い雨に打たれた「ぶっくん」を私見ておりましたら、雨どいが少し曲がったり変形したりして、雨の滴が開いた本棚の中に少し降り込んでおりました。やはり本は水気、そういうところが命ですから、水気を排することが命ですから、そこを同乗する司書の方は、タオルを雨どいのほうに差し込んで、滴がタオルを伝って落ちるように、そういう工夫もされておりました。 後ろのほうでは、天井の水漏れをパテで補修する作業、その雨どいのところも同じようにパテで埋められて、パテの消耗、劣化を防ぐためにパテの上からテープを張って、そういう職員の工夫も見受けられました。 南波多保育園は、若干上り坂の上にあります。南波多保育園の職員の方は、「ぶっくん」は音でわかると。高台にありますから、下から上がってくる「ぶっくん」のエンジン音で「ぶっくん」が来たということが大体わかると。園児の何人かも「あっ、ぶっくんが来た」と即座に言うとおっしゃっておりました。楽しみにしているともおっしゃっていました。 ただ、私が思ったのは、22年半、「ぶっくん」はずっと全域を回っておりますので、やはりディーゼル音が普通のトラックよりは少し大きいと感じました。 司書の方が、そのときも南波多保育園でおはなし会をされておりました。もうぎらぎら輝くような目でしっかり司書の方を見ながら、絵本、紙芝居をやっておりました。司書の方がきちんと抑揚をつけて、子どもにわかりやすいように、問いかけるように話された中で、「おしまい」と言うと一斉に「ありがとうございました」ということを園児が言いました。その後、「ぶっくん」の中に自分のカードを下げて乗り込んで、どれにしようか、これにしようかということで借りて、司書の方は汗水垂らしながら、真冬だったんですけれども、しっかり園児のカードにバーコードを当てて、本に当てて、そういう作業を見せていただきました。 やはり2日も見ていまして、先週の土曜日も格納された「ぶっくん1号」「ぶっくん2号」を見てきたんですけれども、ずっと見続けていると、何か車が人のように思えてなりませんでした。「ぶっくん1号」はまだぴかぴかです。「ぶっくん2号」は、到底「ぶっくん」という名で呼ぶような代物ではありません。「ぶっくんおじいさん」という感じもいたしました。 その満身創痍の状態にある「ぶっくん2号」の更新についてどのようにお考えか、教えていただきたいと思います。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  「ぶっくん2号」の車両につきましては、議員おっしゃるように、導入してから既に22年以上が経過をしておりますので、更新することを考えているところでございますが、大型の車両でかつ改造を施さなければならないということから大きな費用がかかることになります。このため、少しでも市の財政負担を軽くして更新できないものかと、財源となる補助金などを探しながら検討いたしているところでございます。 ただ、車の故障などで長期にわたり巡回を休むということになれば、利用されている皆様へ御迷惑をおかけすることになりますので、そうならないような手だてができないものか、今後、関係部局との協議を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  御答弁にありましたように、重々そういうところはわかっております。 ただ、非常時、どうしても役割を終えるときが急に来るかもしれないということを念頭に置かれながら、それから発注して、改造して、本を積み込んでということであれば数カ月かかると思いますので、何とかそこら辺の備えを万全にお願いしたいと要望したいと思います。 次に移ります。 9月の文教厚生委員会の折に資料の購入費が足りないとお聞きしたんですけれども、そこら辺の状況を教えていただけないでしょうか。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  市民図書館の資料購入費につきましては、厳しい財政状況の中で資料の購入が図書館の活発な利用を支えるという生命線であるという観点から、今年度も9月の補正予算にて300万円を増額させていただきまして、年間1,800万円を計上いたしているところでございます。 この1,800万円の資料購入という額につきましては、市民の知的欲求に応えるために最低限必要な額として、今後も財政部局と協議をしながら、その確保に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  9月の文教厚生委員会の折に、図書館長がおっしゃった言葉が私はどうしても耳について離れなかったんです。スーパーの新鮮な魚に例えられて館長さんがおっしゃいました。 貸し出し点数が若干であるけれども落ちているのは、スーパーに新鮮な魚が少なくなったと。本を新鮮な魚に例えられておっしゃっていたところが非常に印象に残っているんですけれども、300万円増額ということで、少しはその新鮮な魚を継続的に配置されるということを今後とも強く望みます。 このような状況下、全国トップクラスの評価をいただいておりますけれども、図書館の職員、司書の資質、人員はどう維持されていかれますでしょうか。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  伊万里の市民図書館は、ここ数年、全国各地から特に注目を集めているところでございますが、このことが最もあらわれておりますのが視察者の数でございます。昨年度は、実に1,158人もの視察者を受け入れております。 このように注目を受けるようになった要因として、図書館のスタッフ、特に司書の役割が大きいと感じております。現在、18人のスタッフのうち13名が司書として働いておりますが、それぞれの担当に分かれて、その能力を十分に発揮してもらっております。このスタッフで土曜、日曜、そして祝日も半分のスタッフの出勤により開館を続けておりますが、これを続ける体制としては、ぎりぎりの人数ではございますが、スタッフの豊かな経験と能力、そして熱意に支えられまして、全国に誇るサービスが維持できているものと思っております。 この人員体制につきましても、今後、図書館サービスの拡充を図っていくということや、これから先も全国に誇る市民図書館として運営を続けていくために、このスタッフの育成、あるいは拡充を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  御答弁の内容に、私も全く同感であります。当選してすぐ文教厚生委員会の現地視察で図書館の概要を聞きました。また、10月にはよそからの視察の方に同行をお願いして、同じルートで案内を受けました。3,200ある公立図書館の大半は、守りの運営なのではないかなと思っておりますが、この伊万里市民図書館は攻めの図書館だということを強く思った次第でありました。 利用者の視点に立って、豊富な企画展示力、レファレンスの能力は本当にすばらしいの一言でありました。蔵書構成を今後長いスパンで組み立てるためにも、責任ある職員配置が必要ではないかと思います。 こうした20年の歴史を考えましたときに、数々のボランティアの方たちの存在も避けて通れません。おはなしキャラバンの方、のぼりがまでの方、本当に至るところでそういう市民の方の協力と提言、そういったこともあります。伊万里が誇る市民図書館を今後ますます発展させるために、市長にそこら辺の思いを教えていただきたいと思います。 ○議長(盛泰子)  市長。 ◎市長(塚部芳和) (登壇) 伊万里市民図書館におきましては、ことし20周年という節目を迎えておりますけれども、「伊万里をつくり、市民とともに育つ、市民の図書館」をキャッチフレーズにスタートをされて今日まで、私は行政と市民の協働という形で本当にすばらしい図書館づくりを市民の皆さんとともに今日までこの図書館は担ってきたのかなというふうに思っております。 伊万里市民図書館の基本的な考え方は、市民の知る権利を保障する、知的なそういうことを保障するという、それが基本中の基本であるわけでございますので、それに従っていろいろと今日まで努力を市民図書館はしてきたと、このように思っております。 先ほど弘川議員申されましたように、「NIKKEIプラス1」で西日本一の図書館ということで高い評価を受けました。私も12名の審査員を一人一人見ておりましたら、本当に図書館に精通されている日本を代表する専門家の方が審査をされたわけでございますので、これはまんざらではないと、このように思っております。 それゆえに、逆に言えば、伊万里市民図書館が全国のトップランナーとしてこれからますますどのようにあるべきかということを考えるいい機会になっているんじゃないかと、このように思っております。 また、市民の皆さん、特に図書館フレンズだとか、先ほど御紹介されたボランティアの方々は、本当に伊万里市民図書館を愛して、一生懸命になってボランティア的に支えられているということも伊万里市民図書館の大きな売りでありまして、また、先ほど来議論されております「ぶっくん」については、これは本当に3割ぐらいを配本しているわけでございます。非常に面積が広い伊万里市で、この「ぶっくん」の図書館における役割も見逃せません。したがいまして、こういうふうなところも、今回、西日本一の図書館として評価された点じゃないかと、このように思っております。 したがいまして、今後の図書館のあるべき姿といたしましては、それぞれの市民の皆さんがライフスタイルに応じて図書館を利用できる環境づくり、あるいは子どもが夢を育てる、そういうふうな本と出会いのある図書館、そしてまた、そういう中で図書館でいわゆる勉強をされて、仕事にも役立つ、そういう図書館づくりだとか、さまざまな図書館の役割があるだろうと思っております。そういうふうな基本的な考え方を今後またいろいろと維持しながら、頑張っていく必要があろうかと思っております。 ただ、今御指摘のように、20年たてば、いわゆる家も、あるいは人間も、あらゆるところでいろんな故障がくるということでございます。したがいまして、私は今、20周年という節目を迎えたこのときに、人間でいう人間ドック的なことを、図書館の総点検をする絶好の機会だろうと、このように思っておりまして、そういうふうな面については、順次、あるいはできるだけ早く、この図書館についてはいろいろと整備を、あるいは保守をしていきたいというふうに考えております。 特に「ぶっくん2号」については、先ほど来申されましたように、限界を超えて頑張り過ぎるほど頑張っております。これ以上頑張ったら本当にもたないような状況ではないかと思っております。 私も就任以来、図書館についてはいろいろと注目をしておったところでございまして、以前から図書館フレンズの皆さんあたりから要望があった駐車場の確保の問題、これも駐車場を確保して、また舗装をしてほしいということもあって、今回舗装もして、そしてまた、「ぶっくん1号」の更新も前々からあっていたわけでございますので、「ぶっくん1号」も更新をいたしました。 そういうことから、今回、「ぶっくん2号」については、あらゆる手段を講じて、近いうちに更新をしていきたいなと、このように考えておる次第でございます。図書館については、本当に伊万里市の売りだと、私はこのように思っております。 実は伊万里市民図書館、私は平成17年に指定管理者制度は導入しないということで宣言をしたわけでございまして、ちょうどお隣の武雄市さんのほうから、当時の市長から一緒にツタヤのほうに伊万里市民図書館も委託をしないかという御相談も受けたわけでございますが、今だから言いますけれども、お誘いを受けたのは事実でございます。 しかし、私はそのときに、当時の樋渡市長さんに、いや、それだけはちょっと勘弁してほしいと、伊万里市民図書館は何といいましても市民と行政が一緒になって運営する、私はむしろ指定管理者はツタヤじゃなくして市民にしたいんだというようなことを申し上げて、指定管理者にはしなかったわけでございますけれども、しかし、武雄は武雄で伊万里は伊万里でそれぞれの特色を生かしながら、今や武雄、伊万里は全国から視察者が殺到するような図書館であるわけでございます。 そういう意味も込めまして、今後とも図書館のいわゆる資料費の充実、私は1,800万円は、これは絶対切ったらいかんということで、財政当局には予算配分の中でいつもいつも、配分は少ないんですけど、私自身の気持ちでさらに今回も300万円補正をさせていただいたんですけれども、私自身は2,000万円は確保したいという思いでおるわけでございます。 また、図書館の職員の皆さんも本当にいろんな面で頑張っていただいております。こういう意味でも、人的なそういう整備あたりも一緒になってしていかなければならない、このように思っております。 ハード、ソフトをさらに充実させて、伊万里市民図書館がまさに市民にとって最高の居場所づくり、そういうふうな場所になるように私も力を注いでまいりたい、このように思っております。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  いろんな形で御答弁をいただきました。人間ドック、もうそろそろ20年なので総点検をしたいとも申していただきました。「ぶっくん2号」についても、近いうちに更新を検討していきたいということ、やはり資料費についても言及されましたけれども、本というのは、やはりその時々に読まれて、代々受け継いでいくものであります。 図書館ほど利用者を選ばない公共施設はないと言われております。また、一人ででも自由に無料で利用できる唯一の公共施設とも言われます。図書館が成功するためには、人が75%、資料が20%、建物が5%とも聞いております。 20周年の記念事業の中で、今週12月18日金曜日は好評だった「本の福袋」の2回目が開催されるようでございます。福袋、何が入っているのかというところで、やはり自分が選んだ本ではなくて、用意された本との出会いというところが「本の福袋」の魅力だと私は思っております。 また、12月20日には「つながる図書館」という猪谷千香さん、これで武雄図書館と伊万里図書館が大きく報道され、注目を浴びた「つながる図書館」の作者である猪谷千香さんが伊万里図書館にお見えになります。午後1時半からありますので、ぜひホールがいっぱいになるように、今後の市民図書館を考える上でかなり参考になる作家の方であると思いますので、紹介して次の質問にいきたいと思いますけれども、ここら辺でちょっと休憩をお願いしたいと思いますが。 ○議長(盛泰子)  ここでしばらく休憩いたします。               (午前11時56分 休憩)               (午後1時   再開) ○議長(盛泰子)  会議を再開いたします。 弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  先ほど甲子園塾in伊万里の概要を御答弁いただきました。 10月3日と4日に山下先生の実技をやったと。それで、基本的な練習、バッテリー、心構え等をしっかり教わって、名物ノックまで受けたということで、2日目は見違えるような動きになったということで、非常に有意義な甲子園塾in伊万里だったことと思われます。 昨年も、実は9月6日にこの山下先生の講演会があっております。市制60周年記念野球講演会と題して、「志を高く!目線を低く」ということで、来場者が350名、これは大変なにぎわいだったとお察しいたします。 そもそも甲子園塾というのは、平成20年に甲子園球場で始まった事業でございます。全国の若手指導者25人ぐらいを甲子園に集めて、3日間、実技指導と座学、これを平成20年からやられたとお聞きしております。 それで、翌年の平成21年、伊万里農林が甲子園に出場して──その第1回に伊万里農林、当時の大坪慎一監督がこの1回目の甲子園塾に参加して、3日間、山下先生とか、そういう方々から薫陶を受けて、それを持ち帰って子どもたちに還元して、伊万里農林の出場に微力ながらつながったと大坪慎一監督は申されておりました。 この甲子園塾in伊万里が10月3日と4日の日程になった理由をお示しいただけないでしょうか。 ○議長(盛泰子)  政策経営部長。 ◎政策経営部長(山本洋一郎)  甲子園塾が10月3日、4日になった理由についてでございますけれども、具体的な甲子園プロジェクトの事業計画については、さまざまな野球関係団体等の代表者から成ります「目指せ!甲子園」プロジェクトチームの会議を開きまして、決定をしておりますけれども、今回、事業内容を検討する中で、先ほど御案内がありました昨年度の甲子園プロジェクト事業で開催しました山下先生の講演会が大変好評でありまして、聴講した生徒たちにいい変化が生まれていたという意見が多くの委員から出されておりました。 このため、本年度は再び山下先生を招きまして、直接、実技指導等を行ってもらえればすばらしい経験になるのではないかということで、事業内容を決定して、先生と日程調整をした結果、10月3日、4日の両日での開催を計画したところでございます。 当日は、実は九州地区の高校野球佐賀県大会の準決勝、決勝の日程となっていたことから、西部地区の各高校の指導者の方に日程の打診をしましたところ、県大会の期間中であるものの、塾長であります山下先生の日程を優先して事業を実施してもらっても構わないということで開催に踏み切ったところでございます。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  今、御答弁ありましたように、数々の甲子園プロジェクト係が設置されて、この3カ年、いろんな強豪校との強化試合とか、小学生、中学生との野球教室の共催であったり、さまざまな取り組みを高く評価しているんですけれども、私はこの10月3日と4日というのがすごく気になっておりました。 今おっしゃったように、県大会の準決勝と決勝の日程と重なっておりました。秋の大会の組み合わせを見たときに、有田工業、敬徳高校、伊万里高校、伊万里農林高校などうまいぐあいにバランスよく散らばっておりまして、なおかつ、ピッチャーを主体としたいいチームが5校ともありましたので、勝ち上がっていくのではないかということで若干の危惧をした次第でございます。 今、御答弁にあったように、山下先生の日程を優先したということで、ある程度の意味ということはわかりましたけれども、有田工業が体育祭ということもありました。せっかくこういう甲子園塾の塾長であられる山下先生がお見えになるときにあって、なぜ国見台球場でやられなかったのかということで、私は国見台球場の事務室まで足を運んだら、ボーイズリーグの試合の日程と重なっていたということを確認いたしました。 やむを得ず、伊万里商業のグラウンドで開催されたこととは思いますけれども、そこら辺も前々からわかっていたのであれば、ボーイズリーグとのうまいことその根回し等、多方面から当たって、何とか伊万里商業と国見台球場を入れかえて開催というところまでやってほしかったなというところが実感としてあります。 いろんな計画性をもって事を進めていらっしゃることとは思いますが、この案件に関しては少し性急な運びであったのかなと私は思います。何はどうあれ、大切なのは今後の取り組みでございます。今後の事業展開をお尋ねしたいと思います。 ○議長(盛泰子)  政策経営部長。 ◎政策経営部長(山本洋一郎)  甲子園プロジェクトの事業につきましては、先ほど申し上げましたさまざまな野球関係団体等の代表者から成りますチーム甲子園というふうな形で申し上げますが、そこの委員の方の多様な意見を組み入れながら取り組みを進めているところでございますけれども、少子化が深刻な上にサッカー人気に押されまして、子どもたちの野球離れが進んでいる現状から、いかに野球の魅力、すばらしさを発信し、底辺を広げていくかということが大変重要だというふうに考えております。 このため、28年度の具体的な取り組みといたしましては、まだ計画の段階ではございますけれども、これまでと同様に少年野球と中学野球の底辺拡大と高校野球強化試合開催の支援等に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  壇上の挨拶でも申しましたとおり、時代が少しずつ変わって、今おっしゃったように野球離れが少子化に伴い広がってきております。 さまざまな小・中学校の強化、高校野球の強化ということでありますけれども、具体的な底辺拡大の方法としてどのようなものがあるのか、お示しください。 ○議長(盛泰子)  政策経営部長。 ◎政策経営部長(山本洋一郎)  具体的な事業でございますが、少年野球等の指導者向けの野球講演会の開催、あるいはプロ野球選手や社会人野球の選手によります野球教室等の開催を軸に、少年野球や中学野球の技術力の向上を図ることで底辺拡大につなげたいというふうに考えております。 このような取り組みを少年野球連盟、軟式野球連盟、佐賀県西部地区高野連等とも連携をとりながら、地道に継続をしていくことが何より重要ではないかと考えておりますので、御協力方よろしくお願いしたいと思います。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  先ほど図書館でも申しましたけれども、いろんな市民のボランティアの協働ということで図書館が成り立っておりますけれども、こういう野球に限らず、スポーツもいろんなボランティアの方がたくさんいらっしゃいます。そういう方と手を取り合って、今後やっていってほしいと思います。 ことしの6月13日、軟式野球連盟主催による野球指導者交流会は大変評判がよかったと聞いております。これは、軟式野球連盟の主催で小学生の指導者、中学生の指導者が一堂に会して交流を行ったということで、こういう交流も軟式野球の側面支援ということで大いに利活用していただきたいと思います。 やはり今後、甲子園プロジェクトを取り組まれるに当たって、私なりに少し提案させていただくことが二、三あります。それは、中学生の合同練習を定期的に行っていただけたらどうかということと、中学生の記録会、走ったり投げたり打ったり、そういうのを沖縄で、高校野球の現場でやられています。それを中学生に落として、国見台あたりで記録会などをやっていただければ費用もかからないですし、中学生同士のコミュニケーション、いずれは高校で一緒にプレイすることができるのではないかということが上げられます。 先ほど御答弁でありましたように、社会人野球の、敬徳高校が準優勝したときのピッチャー、幸松司さんという人と9月にお会いして、いろいろ話をさせていただきました。そしたら、企業の社会貢献の一環として、伊万里でそういう指導をするというのはやぶさかではないと、そういうことも伝え聞いております。 企業もそれぞれ社会貢献活動をいろんな場面でやっておりますので、そういう社会人野球の人がオフに帰ってきたときに、小学生なり中学生なり教えるというところも視野に入れていってほしいと思います。 あとはプロ野球選手会の組織なんですけれども、これが日本全国でベースボールクラシックという取り組みをなされております。これもボランティア活動の一環です。7メートル間隔に線を引いて、1チーム9人でキャッチボールをし合うんですけれども、2分間にどれだけの回数ができるかを競うゲームです。やはり正確に相手に投げたり、正確に取らないと回数は上がっていきません。そういうことを小学生対象、中学生対象、もしくは社会人対象に分けて実施すれば、よりキャッチボールの大切さ、スピードを競う大切さが日々積み重なっていくのではないかなというふうに思っております。 ほかにも、野球肘とか野球肩の予防をボランティアでやっていらっしゃる整形外科医のグループもあります。その方たちは週末の休みにいろんなところに行かれて、無料で肘とか肩の健診をしてアドバイスを行うなど、そういう取り組みをされております。そういう双方である程度ウイン・ウインの関係をもっと幅広く活用していただいて、伊万里甲子園プロジェクトが今からさらに発展、進化していって、そういうことがいろんなスポーツの起爆剤、波及効果につながるようイニシアチブをとって進めてほしいと思います。 また、食育や栄養面の指導というのも、いろんな方々がやりたいという感じで手を挙げていらっしゃいます。そういうことも含めまして、今後の甲子園プロジェクトに対して市長の思いというのをお聞かせいただけないでしょうか。 ○議長(盛泰子)  市長。 ◎市長(塚部芳和)  十数年前、佐賀県の七不思議の一つといたしまして、伊万里西松浦地区から甲子園出場がないというようなことが言われておったわけでございますが、ここ十数年の中に伊万里商業、伊万里農林高校、そしてまた、有田工業と本当に3校が出場したということで、甲子園というのが市民の皆様にとりまして本当に身近に感じられるようになったんじゃないかと思っております。 私は、高校生がいわゆる高校野球で一生懸命練習しておりますけれども、その努力の延長線上に甲子園出場という夢があってもいいんじゃないかと、このように思っておりまして、その夢を形にしてあげたい、それを市民の皆さんとともに応援して形にしてあげたい、そういう意味から甲子園プロジェクトというのを全国の自治体では初めてという形で立ち上げたところでございます。 ここ3年間ほど甲子園プロジェクトについては、野球関係者の皆様の御協力の中で、ある意味では模索をしながらやっておるところでございます。 先ほど弘川議員おっしゃられますように、さまざまな支援、あるいはやり方があるんだろうと思っております。また、この甲子園プロジェクトというのを立ち上げたことによりまして、市外からもこの事業に協力したいという申し出がありまして、多額の寄附もいただいたところでございます。 こういうふうなものを財源として、いろいろと取り組ませていただいておりますけれども、やはり甲子園というのは、伊万里市、あるいはこの地域から出場したら、私は市民の皆さんの一体感というのはすさまじいものがあるなということを伊万里商業、伊万里農林高校、有田工業が出場したことによって感じておるところでございまして、やはり甲子園というのはちょっと特別なところじゃないかなというふうに思っております。 したがいまして、ぜひこの地域から甲子園にまた出場していただくような、そういう応援の形をとっていきたいと思っております。 ただ、簡単に甲子園といっても、そんなに生易しいものではないというふうなことも思っておるところでございます。そういうことで、こういう甲子園プロジェクトの中で一つ一つのことを支援していけたらというふうに思っております。 今、御提案の中学生野球の皆さんを一堂に会しての研修指導だとか、あるいはまた、社会人の皆さんのいわゆる地域貢献における指導だとか、あるいはまた、野球の技術以外の面でのさまざまな取り組み、例えばの話、栄養面だとか、身体面だとか、あるいはまた、いろいろな心構えだとか、そういうふうなことあたりもいろいろと今後、甲子園プロジェクトの中で検討していく必要があるんじゃないかと、このように思っている次第でございます。 こういう点につきましては、また弘川議員におかれましては、高校野球に最も精通されている方でございますので、さまざまな意見とか、あるいはまた、アドバイスをいただきながら、さらに甲子園プロジェクトを充実させて、いつの日か、ぜひこの地域から甲子園に出場させたい夢がかなうようなことを市民の皆さんとともに我々も追い続けていきたいと思っておりますので、よろしく御支援をいただきますようお願い申し上げまして、御答弁とさせていただきます。 ○議長(盛泰子)  弘川議員。 ◆8番(弘川貴紀)  これからがさらに大切になってきますので、私も議員の一人として精いっぱい頑張らせていただきたいと思います。 これで一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(盛泰子)  次に進みます。 16番山口議員。 ◆16番(山口恭寿) (登壇) 皆さんこんにちは。通告に従い、続けてではございますが、今回2問の質問をさせていただきます。 まずは、腰岳の黒曜石の保護についてです。 黒曜石、伊万里弁では「からすんまくら」と言っていましたが、最近の子どもたちは知っているんでしょうか。私の子どもころは、私、実家は新天町にあったんですけれども、よく道端とか、あと小学校の遠足で腰岳まで行っておりましたので、その道端に落ちていまして、よく見かけておりましたが、最近めったに見ることがなくなってしまったなというふうに思っております。 黒曜石の産地といたしましては、北海道の遠軽町、長野県の霧ヶ峰周辺や和田峠、島根県の隠岐島、大分の姫島、そしてこの伊万里市が有名だそうです。また、それぞれの自治体で黒曜石のとれる産地や遺跡を保護したり、また世界ジオパークネットワークというものがあり、そこに加盟認定されたりしております。 先月、伊万里市の教育大綱が出され、文化財の保護と活用の中で、大川内山の鍋島の窯跡やカブトガニ、府招の浮立などが大切に保存し次世代に引き継がれるものとして載せてありましたが、この腰岳や黒曜石については何も語られていなかったことに非常に残念に思っております。 そこで、伊万里市では、伊万里市で産出される黒曜石や産出地の腰岳の価値をどのようにお考えなのか、まずはお聞かせください。 次に2問目、伊万里市のプレジャーボートの係留について質問いたします。 私自身は余りやらないんですが、伊万里市民の多くの方が海釣りを楽しんでいらっしゃいます。そして、海釣りを趣味にしていらっしゃる方が、いずれは持ちたいなと思っているのがプレジャーボートじゃないでしょうか。また、もともと漁業を行っていらっしゃった方が、漁業をやめられてプレジャーボートとして持っていらっしゃる方もいらっしゃるようです。 しかし、現在、波多津港に関して言うと、新規のプレジャーボートの係留の許可をしていないというふうにお聞きしておりました。特に波多津漁港周辺に住んでいらっしゃる方で、目の前に海があるのにそこに係留できないとなると、納得いかない方もいらっしゃるんではないかなというふうに思っております。 そこでまずは、波多津漁港のプレジャーボートにおける係留状況と、あと係留料についてお聞きします。 以上、壇上からの質問を終わらせていただきます。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也) (登壇) 質問1点目の、腰岳の黒曜石の価値をどう考えているのかという御質問にお答えいたします。 この黒曜石は、マグマが急に冷えてできた火山ガラスの塊の岩石で、割りますと鋭利な断面になることから、旧石器時代から縄文時代にかけて石器の材料として極めて重宝されてきたものでございます。 腰岳は良質なその黒曜石の一大産地として知られておりますが、この腰岳産の黒曜石を使った石器が、九州内はもとより、沖縄や朝鮮半島でも出土した事例が報告されているところです。この腰岳の黒曜石の石器を解明することができますれば、石器づくりの技術から人間の移動範囲を、また石器の時代的変化から環境の変化などを知ることができるということです。 また、腰岳は長期にわたって黒曜石を入手するために人々が集まる場所であったと考えられ、単純な石器石材の獲得地ではなく、石器づくりの技術などの伝搬などの役割も果たす重要な交流拠点であった可能性も考えられております。このようなことから、その歴史的な価値は高いものと思っております。 以上でございます。 ○議長(盛泰子)  産業部長。 ◎産業部長(深浦弘信) (登壇) 2点目の波多津漁港の状況についてお答えいたします。 本市が管理しております波多津漁港は、昭和36年に第2種漁港の指定を受けておりまして、漁船はもとより、プレジャーボートにつきましても以前より係留されておりました。しかしながら、近年プレジャーボートの漁港等への放置が全国的に問題になりまして、国において対策を検討され、漁港についても漁業活動に支障のない範囲であれば利用することができるとの通達が出されましたことを受けまして、平成24年度より漁船以外の船舶についても適正に管理できるよう、伊万里市漁港管理条例の改正を行い、市が使用料を徴収することになったところです。 プレジャーボートを係留する際は、伊万里市漁港管理条例に基づき、係留のための漁港施設使用許可申請をしていただき、船舶の長さに応じて算出した使用料を納めていただいております。係留のための使用料は、船舶の長さ1メートルにつきまして係留時間24時間までごとに6.0円となっております。 なお、伊万里市漁港管理条例及び伊万里市漁港管理条例施行規則により、佐賀玄海漁協波多津支所組合員の所有する漁船については全額減免をしております。 現在、波多津漁港には漁船が53隻係留しており、プレジャーボートにつきましては、市内所有者が37隻、市外所有者が59隻、計96隻が係留している状況となっております。 なお、先ほどありましたけれども、波多津漁港の係留状況は、現在、飽和状態であるというふうに考えております。プレジャーボートのこれ以上の係留は、第2種漁港としての漁港の機能低下、波多津漁港を拠点とする漁業者の漁業活動に影響を及ぼすと考えられるために、新規プレジャーボートの係留許可は現在しておりません。 以上です。 ○議長(盛泰子)  山口議員。 ◆16番(山口恭寿)  それでは、黒曜石のほうから参りたいと思っております。 市の考える腰岳、黒曜石の価値は、例えば歴史的な価値は高いというふうに考えていらっしゃるということがわかりました。 それでは、それに対して、伊万里市教育委員会として、黒曜石もしくは腰岳に対してどのような保護処置をとっていらっしゃるのか、お聞きしたいというふうに思います。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  現在の保護の状況ということでございますが、現在、腰岳はその全域を県の定める周知の埋蔵文化財包蔵地に設定されております。この周知の埋蔵文化財包蔵地というのが、いわゆる遺跡に当たるものです。周知の埋蔵文化財包蔵地の範囲内におきましては、造成や建築などの開発行為を行う場合に、文化財保護法で届け出が定められております。その上で、必要に応じて開発行為の着手前に確認調査などの調査を行い、遺跡の有無を確認するということが必要となってまいります。こうした一連の届け出や調査を経まして、埋蔵文化財が破壊されないよう保護することになっておりまして、腰岳の黒曜石も同様の保護の対象となっているところでございます。 その保護にかかわる調査をこれまで実施したものがございますが、まず、昭和30年代にこうした法的な保護とは別に、日本考古学協会西九州総合調査特別委員会という研究組織によりまして、鈴桶遺跡と平沢良遺跡の学術調査が行われております。また、公共事業に伴って、昭和59年と60年に法華遺跡を、平成4年には鈴桶遺跡を、平成12年と13年には小木原遺跡を市教育委員会が緊急発掘調査をして遺跡の記録を行っているところです。 以上でございます。 ○議長(盛泰子)  山口議員。 ◆16番(山口恭寿)  もっと何もやっていらっしゃらないかと思っておりましたが、結構やっていらっしゃるんだなというふうに思いました。ただ、それでも何かしら受け身的な、積極的な保護活動というふうな感じはしなかったように思います。 それで、壇上でも述べましたが、北海道で言うと遠軽町、長野県の霧ヶ峰の周辺や和田峠、あとは隠岐島、大分の姫島、こういったところが黒曜石の産地として有名ですが、こういったところではどのような保護処置がなされてあるのか、教育委員会としてつかんでいらっしゃいますでしょうか。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  腰岳のように黒曜石の一大産地とされております国内の遺跡の保護の状況についてでございますが、指定の名称でお答えをさせていただきます。 まず、北海道では白滝遺跡群と、それから長野県の糞峠黒曜石原産地遺跡の2つが国の史跡指定を受け、また、大分県の姫島の黒曜石産地は国の天然記念物としての指定を受けて、それぞれ保護が図られているところです。このほかに島根県の隠岐では、文化財としての指定は受けておりませんが、島根県隠岐島町、島根大学がそれぞれに黒曜石と黒曜石産地の調査研究事業を実施しているとのことでございます。 ○議長(盛泰子)  山口議員。 ◆16番(山口恭寿)  先ほど挙げたところは、国の史跡指定であったりとか、天然記念物、かなり保護活動というのをなされてあるんだなというふうに思いました。 それでは、先ほど伊万里の黒曜石の価値を聞きましたが、今挙げた北海道、長野の霧ヶ峰、島根の隠岐島、あと大分の姫島、ここで産出される黒曜石と伊万里の黒曜石の価値というのはどのくらいなものか、教育委員会のほうでつかんでいらっしゃいますでしょうか。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  腰岳の黒曜石につきましては、先ほど申しましたように歴史的な価値は高いものと思われるところでございますが、そのことを評価できる詳しい調査資料が今のところ十分ではございません。現在、県内外の考古学や地質学専門の研究者などが参加をする腰岳黒曜石原産地研究グループというグループが自主的な調査を行っておられるところでございますが、今後この研究グループの調査が進んで、腰岳の歴史的価値がさらに解明されていけば、他の原産地と同等の価値があるということができるのではないかと思っているところでございます。 ○議長(盛泰子)  山口議員。 ◆16番(山口恭寿)  詳しい調査資料が、今、伊万里市のほうではないためということだったと思うんですけれども、恐らく今まで黒曜石の調査に関して、伊万里市がそれほど積極的ではなかったために、そういった資料というのがまだ用意されていないんではないかなというふうに思うんですね。ですから、これから市としては、前面にそういったものをもっとバックアップしていく必要というのがあるんではないかなというふうに思うんですけれども、今、御答弁にありました調査グループ、これは私がつかんでいる、私が調べた限り、奈良文化財研究所の芝先生とその有志の方々で黒曜石の調査がなされているというふうに聞いております。その動きと同じなのか、それとも、もし違うんであれば、この芝先生がやっていらっしゃる活動というのを市としてどの程度つかんでいらっしゃるのか、お聞きしたいというふうに思います。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  先ほど申しました腰岳黒曜石原産地研究グループについては、議員がおっしゃったように、市内、県外の考古学や地質学専門の教授の方、研究者、それに学生や文化財担当行政職員の方々などが参加をされておりまして、12月現在で申しますと、45名の方が在籍をされているとのことでございます。調査員の実際の参加者数は毎回異なっているようではございますが、1回の調査でおおむね10名程度の方が参加をされていると伺っております。 なお、伊万里市の貴重な文化財の調査でございますので、教育委員会の文化財専門職員もこの調査にも参加をさせていただいているところでございます。 ○議長(盛泰子)  山口議員。 ◆16番(山口恭寿)  そういった形で有志の方々で調査というのをなされているということなんですけれども、それに対して伊万里市は何か補助とかそういったものって出していらっしゃるんですか。 ○議長(盛泰子)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  この研究グループでは、これまで6回の調査をされております。その調査に対しましては、これまで資料の提示、あるいは調査に必要な道具類、作業場などの提供というようなこと、あるいは市文化財担当者も一緒に参加して案内するなどという側面支援を行ってきているところです。 今後も本市の文化財の保護という観点から、求められる必要な支援を行ってまいりたいと考えております。その中で、御質問の財政的な支援ということも含めて、現状では研究グループからの求めは受けておりませんが、今後、市が関与すべきようなことが出てきた場合には、そういった文化財の保護のために必要なものとして対応してまいりたいと考えております。 ○議長(盛泰子)  山口議員。 ◆16番(山口恭寿)  私が聞いた限り、今、発掘調査をやっていらっしゃる方々はほとんど手弁当でやっていらっしゃるというふうに聞いております。今、御答弁ありましたとおり、このグループからの財政的補助の依頼とか、そういったものは今なされていないと。ですから、市から補助金を出すからどうのこうのというふうにすると、いろんな制約が出されてしまって、活動自体が自由にできないというようなことも考えられるかもしれません。ただ、そういった研究者の方々から財政的な補助などが求められたときには、積極的に市としても検討していただければというふうに思っております。 それであとは、将来的に腰岳やその遺跡に対して、ほかの黒曜石の産出地のように遺跡指定や、あと国の天然記念物の指定、そういったものを目指して伊万里市としても取り組んでいく必要があるかというふうに思うんですけれども、ここについては、教育長、まずはどのようにお考えでしょうか。 ○議長(盛泰子)  教育長。 ◎教育長(森哲也)  お答えいたします。 腰岳の黒曜石につきましては、伊万里湾のカブトガニとともに、オンリーワンと言える価値があるものと考えております。今後、研究グループの調査の成果を確認し、それに基づく腰岳の歴史的価値を、まずは腰岳周辺の住民の皆さんに周知をし、次に学習会やシンポジウムなどを通して市民全体に向けて周知活動を行い、その上で、カブトガニの保護活動の例のように、市民と行政、関係団体が連携、協働した保護の機運を高め、今後の史跡指定に向け積極的にかかわってまいりたいと思っております。 以上でございます。 ○議長(盛泰子)  山口議員。 ◆16番(山口恭寿)  ただいま教育長のほうから、積極的にかかわっていきたいというような御答弁をいただきました。 それでは、それに対して、市としてどのような財政支援をお考えなのか、市長のほうに御答弁いただきたいというふうに思います。 ○議長(盛泰子)  市長。 ◎市長(塚部芳和) (登壇) 黒曜石につきましては、先ほど教育長が答弁いたしましたように、私も、牧島のカブトガニが今回、多々良海岸一帯が天然記念物に指定されたように、山のカブトガニが黒曜石でないかというふうなことで、この問題については余り今まで市教育委員会のほうも積極的なかかわりを持っていないような感じを私自身も受けていたところでございます。 したがいまして、やはり伊万里にしかないこの黒曜石、これを一つの売りとして、もっともっとクローズアップさせていきたいと私自身は考えておるところでございますので、教育委員会のほうにも、どうこう程度じゃなくして、全国的に有名な専門家がせっかくこの研究調査をされるわけですから、そういうふうなものに対する財政的な支援等があれば、伊万里市も積極的に支援に対してかかわっていこう、そのことが、ひいては山のカブトガニになるような、そういう黒曜石が日の目を見る、そしてまた、伊万里市の文化財史跡あたりに指定されれば、またいろんな意味で、歴史、文化、あるいは観光面についても非常に活性化の目玉になるんじゃないかと、このように私は思っておりますので、財政的な面も含めて、積極的な伊万里市としてのかかわり方について、現在、軌道修正をしているところでございます。 ○議長(盛泰子)  山口議員。 ◆16番(山口恭寿)  今回、私がこの質問をさせていただいたのは、伊万里市を初め、伊万里の市民も含めて、この腰岳の価値、黒曜石の価値について意識、認識が薄いのではないかというふうに思ったからです。伊万里には、大川内山であったり、焼き物であったり、あとカブトガニ、こういったものがありますから、それなりに全国的に注目される部分というのが高いかと思うんですけれども、よそのところを見れば、黒曜石も十分にまちの中心的な産物、そういったものになっていると。ですから、それを現状そのままほっておくというのももったいないんではないかなというふうに思っております。 そして、この価値については、伊万里市に住んでいる我々よりも、市外に住んでいらっしゃる、特に奈良の文化財研究所の芝先生を初め、市外の専門家の方々のほうがわかっていらっしゃると。ですから、もう一度、伊万里市全体でこの黒曜石を見詰めて守っていく必要があるんではないかなというふうに私も考えておりますので、これから見守っていきたいというふうに考えております。 それでは次、プレジャーボートのほうに移ります。 波多津港のプレジャーボートの係留状況は理解させていただきました。やはり新規の係留は断っていらっしゃるというような状況です。そして、係留料が1日1メートル当たり6円というのも理解いたしました。この波多津港のプレジャーボートの利用者が、市外の方が3分の2もいらっしゃるというのも御答弁の中にありました。 それでは、波多津港の近隣漁港の状況というのは市として把握していらっしゃるんでしょうか。 ○議長(盛泰子)  産業部長。 ◎産業部長(深浦弘信)  本市の近隣の状況ということですけれども、近隣でいきますと唐津市及び玄海町並びに長崎県の松浦市がそれぞれ漁港を管理されております。 プレジャーボートの係留のための使用料という点でいきますと、船舶の長さ1メートルにつき係留時間24時間までごとにということで、唐津市が7.0円、唐津市内に所在する佐賀県管理漁港が6.0円から10.0円となっております。また、玄海町は護岸泊地で6.0円から8.0円、プレジャーボートの専用浮桟橋で13.0となっております。長崎県の松浦市につきましては、4.8円から12.0円となっております。玄海町におきましては、町外者が使用する場合の使用料ということで、額は2倍ということを規則で決められているということです。 ○議長(盛泰子)  山口議員。 ◆16番(山口恭寿)  それでは、波多津港は唐津港よりも係留料は安くて松浦市よりも高いと。あと、大体同額の、もしくは係留場所によってちょっと違うんですけれども、玄海町では町外の方では2倍の係留料を取っていらっしゃるというような御答弁だったと思います。 それでは、波多津港で徴収されたこの係留料は、伊万里市ではどのような使われ方をしているのでしょうか。 ○議長(盛泰子)  産業部長。 ◎産業部長(深浦弘信)  使用料の使われ方ということと思いますが、漁港の施設使用料につきましては、平成27年度の当初予算について申し上げますと、歳入として188万円を計上いたしております。この使用料は、漁港を維持管理する上で必要な光熱費、修繕料、委託料などに充てております。内訳としましては、当初予算ベースで、漁港の外灯の電気料等に45万3千円、それから漁港施設の修繕料に45万円、係留所の許可シールの消耗品8千円、それから漁港道路の賠償保険責任料として1千円、係留船の巡視等の漁港管理委託料32万8千円、ふれあい広場のトイレ管理料及び委託料が30万円、漁港道路の補修用原材料費として30万円、佐賀県漁港漁場協会負担金5万5千円ということで、計189万5千円となりますので、ほぼとんとんの状況であると考えております。 ○議長(盛泰子)  山口議員。 ◆16番(山口恭寿)  そうすると、現在、現状維持でとんとんの状況であるというような御答弁だったと思います。今後、将来のことを考えていくと、大規模な施設の改修工事など必要になってくるというふうに思われます。そのため、徴収された係留料をプールしてとっておく必要というのもあるかと思うんですけれども、市としてはどのようにお考えでしょうか。 ○議長(盛泰子)  産業部長。 ◎産業部長(深浦弘信)  波多津漁港の漁港施設につきましては、昭和後期から平成にかけて建設された施設もありまして、建設後の時間経過等に伴って老朽化が進行し、改良を更新すべき時期を迎える施設が増加している状況です。このような傾向は今後ますます加速することも予想されます。 今般の厳しい財政状況や漁業情勢が大きく変化する中で、今後とも漁業活動に不可欠な施設が適切な機能を継続的に発揮していくためには、効果的かつ効率的な維持管理、更新等により施設の長寿命化や更新コストの縮減を図ることが強く求められておりまして、施設の長寿命化、いわゆるストックマネジメント計画が必要であると考えております。 ただ、現在のところ、施設の改修にどれくらいの費用がかかるのか算定しておりませんし、使用料収入ほぼ全てが通常の漁港施設の維持管理費用に使われているということを考えますと、使用料をプールしていくことは難しいと思っておりますし、将来的な施設の改修費用というのは市の全体的な予算の中で捻出していく必要があるというふうに考えております。 ○議長(盛泰子)  山口議員。 ◆16番(山口恭寿)  将来的な施設の改修に関しては、ストックマネジメントで対応していかれるということで、今後、地元も含めしっかり計画していっていただきたいというふうに思います。 では、そろそろまとめに入っていきたいというふうに思うんですけれども、現在、波多津港では新規の係留許可はとっていないと。利用者の3分の2近くは、市外の方々が利用されていらっしゃると。伊万里市としては少しでもあきをつくりたい状況で、徴収された係留料もほぼ港湾管理に利用されている状況というふうな御答弁だったと思います。 伊万里市民の方が、特に波多津漁港の目の前に住んでいらっしゃる地元の方々が、例えば新規にプレジャーボートを購入されて、目の前の海に係留できないという状態は余り好ましくないんではないかなというふうに思います。また、市民と市外の方が同じ係留料というのもいかがなものでしょうか。 例えば国見台の施設、スポーツ施設なんかで考えますと、伊万里市外の方であれば伊万里市民の方の1.5倍の貸し出しを行っていらっしゃいます。そして、玄海町のプレジャーボートは、町外の方は2倍の料金を取っていらっしゃると。そう考えれば、やはり波多津港も市内の方、市外の方で差をつけてもいいんではないかなというふうに考えます。そうすれば、市外の方がひょっとしたら町外に出られるかもしれませんが、今いっぱい状態で、伊万里市としても少しでも波多津港にあきをつくりたいんであれば、出ていっていただくのもやぶさかではない状態ではないかなというふうに考えます。 そして、ひょっとしたら、出ていかなければ1.5倍から2倍の係留料の増加にもつながるということで、私これは伊万里市にとって、かなりメリットがあるんではないかというふうに思うんですが、この市外の方に対して1.5から2倍の係留料を取ることに対して、産業部長、どのようにお考えでしょうか。 ○議長(盛泰子)  産業部長。 ◎産業部長(深浦弘信)  先ほど申しましたが、現在、議員御指摘のように、使用料については市内、市外の格差はありません。最初のほうに言いましたように、平成24年度に市が使用料を徴収になるということの中で、平成24年度以前からプレジャーボートが係留された経緯もあって、市内、市外者での格差というのは設けていないということで、一律の使用料になっております。 プレジャーボートが多く係留されますと、市の収入がふえる一方で、プレジャーボートがふえれば漁港の機能が低下する、漁業活動に影響を及ぼすということも考えられると思います。どうするかということになりますけれども、近隣の市町の状況等もあります。波多津漁港を拠点とする漁業者、漁協等の意見も踏まえた上で検討したいというふうには考えております。ただ、格差を設ける場合におきましても、既に係留してある市外者への説明、予告、周知、期間等も必要であるだろうというふうに考えております。 ただ、ちょっと私が思いますのは、借地借家法というのがあるのは御存じだと思いますけれども、一度借りた人については既得権益というのがあります。今回、そこまでの権限はないと思うんですけれども、一度借りた方たちの権益というのをどういうふうにしていくかということを考えてきますと、収支が現在とんとんであるというふうな状況の中で、正当な理由、どうしてかというふうなのを十分考えた上で、料金的には考えていくべき必要があるだろうというふうに思っております。 ○議長(盛泰子)  山口議員。 ◆16番(山口恭寿)  わかりました。そしたら、例えば、今現状、波多津港では新規の係留は断っていらっしゃると。プレジャーボート、漁船、そういったものをとめていらっしゃることに関しては飽和状態というふうに御答弁いただきました。じゃ、これをどのように解消していくかというふうに、部長、考えていらっしゃいますか。 ○議長(盛泰子)  産業部長。 ◎産業部長(深浦弘信)  先ほど言いましたように、波多津漁港には96隻のプレジャーボートがあるということで説明しましたけれども、市の計画といいますか、波多津漁港の面積、設備等を考えると、漁船については結構ですけれども、プレジャーボートについては70隻程度ではないかというのが根本にあって進めてきておるということで、今すぐ、じゃ、減らしていけるかということになると、先ほど言いましたように、以前からとめている方について、現在の漁港条例、規則等を見ましても、瑕疵がない限りについては出ていってくださいと言うことは難しい状況だろうということで思っておりますので、一部でも自然減といいますか、減っていくことを期待するしかないんではないかと現状では思っています。 ○議長(盛泰子)  山口議員。 ◆16番(山口恭寿)  現状ですね、その自然減でなかなか減っていかないから問題になっているかと思うんですよ。ですから、市としても何か対策をとっていかなければいけないんではないかということで、今回、私のほうで、市外の方に対しては係留料を1.5倍から2倍にすれば、その対策になるんじゃないかなということで提案させていただいております。 ですから、釣りを楽しんでいらっしゃる方が使っていらっしゃるプレジャーボートもあるかと思うんですが、もともと漁業をやっていらっしゃった方が漁業をやめられて、船を売るのも忍びなくて持っていらっしゃる方もいらっしゃるというふうに聞いております。その方々は、恐らくもう何十年と波多津の海を守っていらっしゃった方だというふうに思います。ただ、その方々と市外の方とで係留料が同じ額というのであれば、やはり納得されない方というのもいらっしゃるのではないかなというふうに思います。 維持管理に関しては、その係留料で賄っていらっしゃるからいいかと思うんですけれども、今後のストックマネジメントという考え方で、これから将来、先の施設の改修などを考えた場合、これは市税を使ってやられるわけですよね。であれば、なおさら私は市内の方と市外の方と差をつけるべきだというふうに思うんですけれども、ここのあたり、市長はどのようにお考えでしょうか。
    ○議長(盛泰子)  市長。 ◎市長(塚部芳和)  この問題の本質は、昭和36年ですか、漁港というような形で整備がなされて、当時、波多津町浦地区には多くの漁協の組合員がいらしたわけでございますが、名村造船所さんが進出をなされまして漁業権が消滅という中で、おおよそ、約9割の方が船を手放され、そしてまた漁業を離れられました。しかし、居住地区については、やはりそのまま現在の浦地区に居住をなされております。 そういう中で漁業をされていた方は、以前は自分の船をこの漁港にただでつないでおることができたわけでございますが、いかんせん、残られた約10%の現在の組合員さんが、伊万里市における唯一の漁港として係船をされているわけでございます。それについては無料ということでございます。やはり今まで歴史的に船をつないでいたという中で、漁業はやめたけれども、たまには魚を釣りに行きたいとか、そういうふうな方が市外の方と同じ係船料で船を係船しなければならないという、なかなかそこには割り切れない気持ちがあられるんじゃないかなというふうには私自身も理解はいたすところでございます。 現在、県内におけるプレジャーボートというのは、今、減少傾向です。波多津の隣の浦潟港も、ちょっと私、調べてみたんですけど、年々やはり船の係船が少なくなっている。なぜかということです。やはり今の若い人は、余り船を持って魚釣りとか行かないというようなことで、浦潟港あたりも年々、係船数が、佐賀とか久留米あたりから多かったんですけれども、減っておるというみたいでございます。波多津漁港についても、今、満隻というようなことでございますが、これは恐らく私は少なくなっていく、そういう見込みを立てております。 そういう中で、やはり先ほど歴史的なものを言いましたけれども、この浦地区の方に限っては、今、玄海町が差をつけているように、玄海町の場合は町外と町内ですけど、伊万里市の場合には伊万里市外と伊万里市内で大きくくくることになりますので、歴史的な漁港と、あるいは漁民と、漁業者と考えますと、波多津町浦地区の方が係船をされる船については、この条例改正の規則で、現在の市外の方の2分の1あたりで検討をしてもいいんじゃないかと、私はこのように思っております。そんなに数は多くありません。だから、これを2分の1したところで、係船料が大きく減って漁港管理ができないということになればこれまた大ごとですけれども、現在、市外の方が係船されているのをいきなり2倍云々とはなかなか、また抵抗感もあるわけですから、むしろそれは据え置いて、浦地区の方に限り市外の方の半額というような形で、今後、条例規則の改正ができないか検討してみたいと、このように考えております。 ○議長(盛泰子)  山口議員。 ◆16番(山口恭寿)  それでは、黒曜石の件と、あと波多津港の係留の問題に関しては、市長のほうからかなり前向きな御答弁をいただきましたので、実際に実行に移していただければというふうに思いまして、私の一般質問を終わらせていただきます。 ○議長(盛泰子)  ここで10分間をめどにしばらく休憩いたします。               (午後1時59分 休憩)               (午後2時9分 再開) ○議長(盛泰子)  会議を再開いたします。 引き続き一般市政に対する質問を行います。14番副島議員。 ◆14番(副島明) (登壇) 一般質問の初日の最後になりました。副島でございます。今回、私は3点の質問を通告いたしております。 まず1点目、伊万里市教育大綱についてであります。 今回、教育大綱を作成するに当たり、2回の教育総合会議が開催されております。それを経て、伊万里市教育大綱が作成をされております。 法改正により、今まで地方自治体の教育行政は、予算の部分を除いては教育委員会の専権事項でありましたが、今回の法改正によって、民意をその政策にも反映できるということが主な法改正の指示ではなかったかと思っております。 そこで、確認の意味も込めましてお尋ねをします。伊万里市総合教育会議の目的はどういうものなんでしょうか、お尋ねをいたします。 2点目について。議会における政策提言の受けとめ方についてであります。 まず初めに、議会における政策提言というものは2通りの提言があろうかと思います。1つは、私どもが一般質問、また委員会などで提言をする場合、もう1つは、議会の一つの固まりとして委員会などによる提言であります。この受けとめ方は、執行部ではどのような受けとめ方をされているのか、まずはお尋ねをいたします。 3点目は、九州電力との安全協定についてであります。 来年に間もなく再稼働が近まっておりますが、伊万里市は九州電力との立地自治体並みの安全協定を求めております。そして、議会も決議をいたしております。何回となく御苦労をされて交渉に当たっておられると思いますが、つい最近までの状況をお尋ねいたします。 以上3点です。よろしくお願いします。 ○議長(盛泰子)  政策経営部長。 ◎政策経営部長(山本洋一郎) (登壇) 私のほうからは、副島議員のほうから質問がありました最初の教育大綱について、それと政策提案の受けとめ方についてお答えをしたいと思います。 まず、1点目の教育大綱について、総合教育会議の目的について申し上げます。 教育委員会制度につきましては、非常勤の教育委員長と常勤職である教育長の責任関係がわかりにくいこと、教育委員会の審議が形骸化していること、いじめ問題などの危機管理に対して必ずしも迅速に対応できていないこと、地域の民意が十分に反映されていないこと、また国が最終的に責任を果たせるようになっていないことなどが、課題として長い間、指摘をされ、抜本的な解決が求められてきております。 このような背景の中で、教育の政治的中立性、継続性、安定性を確保しつつ、地方教育行政における責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築、市長との連携強化を図るとともに、地方に対する国の関与の見直しを図るため、平成27年4月1日に御案内の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律が施行されております。 改正の柱の一つとして、地域における民意が十分に反映されていないこと、また、市長は予算の編成、執行権限や条例の提出権を通じて教育行政に大きな役割を担っている一方、市長と教育委員会の意思疎通が十分でないため、それぞれの役割を十分に果たすことができていないことといった課題を解決するために、全ての地方公共団体に民意を代表する市長と教育委員会により構成をします総合教育会議を設けることとされているところでございます。 総合教育会議におきましては、1つに、教育大綱の策定を初め、2つに、教育の条件整備などの重点的に講ずべき施策、3つ目に、児童生徒等の生命、身体の保護等、緊急の場合に講ずべき措置などに関する協議、調整を行うこととされていることから、市長と教育委員会が相互の連携を図りつつ、より一層、民意を反映した教育行政の推進ができるものと期待をされているものでございます。 次に、2つ目の議会における政策提案の受けとめ方について、議会の提案と議員の提案の関係についての受けとめ方についてお答えをいたします。 伊万里市におきましては、議会の議案質疑や一般質問、委員会における委員あるいは委員会からの政策提案につきましては、議会ごとに市の全ての部署に照会をし、企画政策課のほうで取りまとめを行い、対応の進捗状況等について一元的に管理をいたしております。 まず、議員御案内の議会の提案と議員の提案についての受けとめ方の度合いということですが、市といたしましては、いずれにつきましても選挙で選ばれた議員による市民の皆様からの意見を代弁する貴重な提案として受けとめているところでございます。 議会において、議員個人が議案質疑や一般質問などにおいて述べられる議員の提案につきましては、執行部といたしましては、提案を受けた時点で対応が可能かどうか、あるいは今後検討して判断すべきものかなど、できるだけ具体的に回答することを心がけておりまして、取り組むべきもの、あるいは検討して判断するといったものについては、政策提案としてその実現対応を図ることといたしております。 また、委員会報告等において審査の過程として紹介された意見は別として、議案質疑や委員会での議論、事業実施の経過などを踏まえた上で決定をされた附帯決議などの委員会等での正式な意見が議会として議決された案件につきましては、議員御案内の議会の提案として市政運営の上で重く受けとめるべきものであると認識をしており、対応すべきと捉えております。 ○議長(盛泰子)  総務部長。 ◎総務部長(古賀恭二) (登壇) 副島議員3点目、九電との安全協定についてという中で、九電との安全協定締結に向けた交渉状況は今どういう状況かという御質問でございます。 原子力安全協定は、原子力発電所で事故が発生した場合の通報体制や原子炉施設変更の場合の事前了解等について、電力事業者と関係自治体の間で協定を締結するものであります。 伊万里市の場合、福島原発事故の被害の状況から、協定内容について立地自治体と30キロメートル圏内の周辺自治体の間で差異を設けるべきではないとの考えから、これまで立地自治体並みの事前了解を含む協定内容を求めてきたところであります。 御質問の交渉状況でありますが、市長会での交渉を含めて通算でこれまで43回、伊万里市単独では32回を行っておりますが、九州電力からは他の電力会社と同様に、事前了解は県内市町を代表して県が判断されるものという一貫した考えを主張されておりまして、今日現在まで交渉は平行線の状況となっております。 ○議長(盛泰子)  副島議員。 ◆14番(副島明)  それでは、1点目の教育大綱についてから一問一答で行いたいと思います。 今の政策経営部長のお答えは、やはり民意の反映ができるということがこの法改正の主な趣旨だというふうに受け取りました。 そこで、今回、市長と教育委員会の協議の場というのが設けられたわけです。この教育大綱の中に、民意の反映ということで市長はどのような考えをお持ちで反映させられたのでしょうか。そして、どこの部分に市長のお考えというものが反映されているのか、お尋ねをいたします。 ○議長(盛泰子)  市長。 ◎市長(塚部芳和) (登壇) 基本的に、教育は政治的な中立が求められているわけでございまして、そういう中で、教育委員会の方針に介入しないということが原則であったわけでございますけれども、一方では、教育委員会の予算だとか、あるいは条例の提案に首長はかかわってくるわけでございますので、そういうふうなことから、首長も教育のこういうふうなものにかかわりなさいというのが今回の大きな改正じゃなかったのかなというふうに思っております。 そこで、教育大綱を全国どこでもつくったわけでございますけれども、今回、伊万里市の教育大綱につきましては、私は市長の市政運営における方針を定めた第5次伊万里市総合計画の基本構想及び基本計画に即したものとして策定をいたしたところでございます。 今回の大綱の策定に当たり、特に市長の思いを込めたところはどこなのかというふうなことでございますけれども、まず、大綱の目標を「学び、育ち、つなぐ」としたところでございます。これは、小さな子どもから小学生、中学生や高校生、そして青年から高齢者に至るまで、さまざまな市民の方の主体的な学びを促し、また学びの環境をつくり出し、互いが切磋琢磨しながら育ち合い、一人の人として、家族として、そして地域の仲間としてつなぐ、いわゆるつながり合うこと、また時間軸でのつながり、親から子どもへ、子どもから孫へつなぐ、伊万里市の歴史や文化を現在から未来へつなぐことをイメージして目標とさせていただいたところでございます。 このような目標に向けた取り組みによりまして、伊万里市の総合計画の将来都市像である「活力あふれひとが輝く安らぎのあるまち伊万里」に結びつけたい、こういう思いからこの目標を定めたところでございます。 ○議長(盛泰子)  副島議員。 ◆14番(副島明)  今の市長の答弁は、市長は大枠の目標を決めたんだという答えがありました。 ここで、伊万里市総合計画があります。そして、この基本計画、市長の答弁にもありましたが、それに沿った内容になっていると私も思います。 それで、よく見ますと1点だけ、どうしても見つからない項目がありました。それは、この教育委員会が所管しています留守家庭児童クラブ、これが全くここには入っておりません。これはどうしてここに入っていないのか、教育長お尋ねします。 ○議長(盛泰子)  教育長。 ◎教育長(森哲也)  留守家庭児童クラブが教育大綱に反映されていないのはなぜかということでお答え申し上げます。 留守家庭児童クラブは、保育園事業と同じく児童福祉法に基づく児童福祉事業でございますが、伊万里市では、就学児童やその保護者の立場に立って学校教育と一体的に運営するべきだとして、平成17年度から教育委員会に移管して対応しているところでございます。 今年度からは、子ども・子育て支援新制度の中の一つとして、市が基準を設けるなどの制度改正があり、現在これに対応しながら運営を行っているところでございます。 この子ども・子育て支援新制度では、児童福祉事業については市町村で支援事業計画を策定することが義務づけられ、伊万里市におきましても平成27年3月に策定しておりますが、留守家庭児童クラブについても、この中に盛り込んで、その運営の方向性や取り組み目標などを定めたところでございます。このために、教育委員会としましては今回の教育大綱に盛り込むという提案をしておりませんでした。 しかしながら、留守家庭児童クラブの運営は、教育委員会で実施している本市の子育て支援の重要な施策でもあることから、毎年度、本市教育の基本方針を定めた伊万里市の教育の中に盛り込んで推進をしているところであります。 これらのことを含めまして、今後、留守家庭児童クラブについても教育大綱に盛り込むことにつきましては市長と協議をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(盛泰子)  副島議員。 ◆14番(副島明)  この教育大綱、これは4年間ですよね。この教育大綱は一度つくったら4年間このままでいくのか、それとも、この教育大綱は何か必要があったときにはここでまた新たなものを盛り込むということができるのか、お尋ねをします。 ○議長(盛泰子)  政策経営部長。 ◎政策経営部長(山本洋一郎)  教育大綱の今後の進め方というんですかね、取り扱い方についてということでの御質問でございます。 大綱自体は、先ほど市長のほうから説明がありましたように、大きな方向性を市長が決めるということで本来決めるものでございます。そして、この大綱に盛り込んでおります施策については、それに付随するわかりやすい説明ということで捉えておりますので、いろんな事情が入れば、この大綱の中に施策として盛り込んで協議をするというほうが市民の方にはわかりやすいと捉えておりますので、そういった点の改定はあるというふうに捉えております。 ○議長(盛泰子)  副島議員。 ◆14番(副島明)  ぜひともこの教育大綱には盛り込める方向で、また協議をしていただきたいと思っております。 伊万里市教育委員会の所管の一つの事項で、先ほど教育長も言われましたけど、この教育会議の中には、保育や福祉、市長権限のかかわる事項等についても十分協議をするということがありますので、この点はぜひともお願いをしておきたいと思います。 それでは、3つ目です。 この法改正の趣旨が主に民意の反映であるということは執行部からも御答弁がありました。民意の反映ということであるならば、市長も民意の反映です。もう一方の民意の反映が議会であると思います。これが二元代表制です。 そこで、これはあえてお尋ねするんです。聞くべきことではないと言われるかもしれません。これはやはり議会としても何らかのかかわりができるんではないかと私は思っております。この教育大綱を議会の議決事項に盛り込むということが私はできると思っています。市長と教育委員会が協議の上つくられた教育大綱を議会のほうで承認を得るという手続が、民意の反映ということであるならば議会の承認を受けるという方向が一番いいのではないかと思っています。 そこで、議会の中でもし修正やそういうものがあれば、また教育会議の場でどうするかを決めて、市長が決定していただければよいものだと思っておりますが、この議会の議決事項に加えるということについて、あえてお伺いしますが、市長と教育長それぞれにお尋ねをいたします。 ○議長(盛泰子)  市長。 ◎市長(塚部芳和)  教育大綱が民意を反映させるというものであれば、さらにより一層、民意を反映させたものにするために議会の議決事項としてはどうかという御質問だと思います。 これについて、ちょっといろいろと調べをしたことを申し上げます。 まず、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律第1条の3によりますと、なかなかこういう法律はわかりにくいわけでございますけれども、ちょっと条文を読んでみます。 「地方公共団体の長は、教育基本法第17条第1項に規定する基本的な方針を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱を定めるものとする。」ということで、また、同法第1条の2において、「地方公共団体の長は、大綱を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、次条第1項の総合教育会議において協議するものとする。」と、法律でこのように規定がなされており、教育大綱は、これは全国的にいろいろと調査をしたわけでございますけれども、議会の議決事項ではないというようなことで我々は捉えておるところでございます。 ○議長(盛泰子)  教育長。 ◎教育長(森哲也)  お答え申し上げます。 教育大綱につきましては、総合教育会議において協議、調整を尽くすべきと考えておりますが、大綱は市長が策定するとなっておりますので、大綱の決定に至るまでの手続につきましては市長の判断によるものと考えております。 ○議長(盛泰子)  副島議員。 ◆14番(副島明)  結局、今の答弁は、市長が教育委員会と諮って決定すればいいことですので、それは揺るがないと思います。 一旦議会の承認を得て、それが最終的に市長の決定という運びになれば、私は法には触れないと。実際に、この教育大綱を議会の議決事項に入れておられる議会も、現実にもう既にあります。ですから、私たちも民意の反映ということであれば、議会は一方の民意の反映でありますので、私はそのように考えて、議会もまたそれに努力しなければいけないと思っております。 それでは、2点目の質問に移ります。 今それぞれに、議会の提案も議員の提案も大事だということで、議会がまとまって提言を出せば、それは本当に尊重しなければいけないというお答えがありました。 その提案から対応までのプロセスについてお尋ねをします。 今、議会のホームページからこの政策提言のところを見ることができます。これを見ていると、実は一般質問の場でたくさんの議員が政策提言をなされているんですけれども、自分は政策提言をしたとばってん、なかなかホームページに載らんねとかいうずれもあるかと思いますが、そこに何か執行部のほうで基準かなんかを設けておられるのか、それとも提案からホームページに掲載、それから対応までに至る経過はどのような形で取り組んでおられるのか、御説明をお願いします。 ○議長(盛泰子)  政策経営部長。 ◎政策経営部長(山本洋一郎)  政策提案の提案から対応までのプロセスについてお答えをいたします。 今、議員御案内のように、現在、市で議会における政策提案の対応状況につきましては、広く市民の皆様に知っていただくために、平成21年6月議会から市のホームページへの掲載を行っているところでございます。 御質問の、議会での提案があってからホームページへの掲載案件として取り扱うための基準や対応状況を把握するまでの過程、その後の進捗状況をチェックしていくため、流れについてちょっと説明をしたいと思います。 まず、ホームページに掲載をする基準といたしましては、議会における提案の中で、後日の対応を要する案件かどうかを判断し、ホームページで進捗状況を公表すべき政策提案として全庁的に取りまとめを行い、企画政策課のほうで一元管理をするようにいたしております。その手順といたしましては、議会終了後に企画政策課から今議会での政策提案の有無や、これまでの政策提案への対応の進捗状況について担当課へ報告を指示し、担当課は、議案質疑や一般質問、委員会提案事項等についての現時点での対応状況や今後の対策等について報告を行うということを行っております。 企画政策課のほうでは、報告があった提案事項について捉え方の違いや提案の漏れがないか確認を行い、ホームページへ掲載をするようにいたしております。また、掲載した政策提案につきましては、対応状況を把握するため、議会の定例会の開催時期に合わせ、3カ月に1回のペースで担当課において提案に対する対応を追加して記述し、ホームページの更新を行っているという状況でございます。 ○議長(盛泰子)  副島議員。 ◆14番(副島明)  よくわかりました。今ホームページを見てみますと、実はもう何年も前に政策提案をされてあるものも載っています。現職じゃない議員の提案もそのまま載っているという状況もあります。そして、もちろん載っていないものもたくさんあるわけですね。これがずっと議員提案というものがどんどんたまっていく一方じゃないかというふうな気がするんです。どこかの時点で、例えば議員の改選の時点でもいいですし、一度シャッフルして、きちっとやっていかないと、どんどんたまっていく一方で、この議会中、例えばこの議員の間はこういう対応をしましたという答えを出して、これをずっと更新していくという作業も必要になってくるかと思います。 また一方、議会のほうでは、議員も政策提言の言いっ放しとか、そういうことがないように、例えばどういう所管のどういう提言をなさったかということをひとつまとめて、それから執行部と突き合わせて、これは確かにまだ大事なことだから残しとかんばいかんよねとか、そういうことをする作業が必要だと思いますけれども、執行部のほうとしてはどういうふうな考えをお持ちでしょうか。 ○議長(盛泰子)  政策経営部長。 ◎政策経営部長(山本洋一郎)  現在ホームページに掲載をしております内容等についての整理の仕方ということでお答えをしたいと思います。 確かにおっしゃるとおり、年数が経過した過去の提案も少なくないのも現状で、古くは、調べましたところ、平成21年9月における政策提案も掲載しているという状況がございます。 御質問の、ホームページから削除するタイミングといたしましては、対応を進めている担当課からの対応完了の報告を受けて、最終的には所管する企画政策課のほうにおいて削除の可否について判断をいたしております。 現状といたしましては、一旦、提案事項としてホームページに掲載しますと、財政上の問題等で政策提案どおりに対応が進まないことや、方針は決定したものの事業が完了していないといった理由などにより、対応中の表示のままになっている案件もございます。 今後の対応といたしましては、議員からの御提案がありましたように、議員からの政策提案について、例えばその後の検討により対応する必要があるが、直ちに対応が困難等の判断を行った場合は、提案された議員等にも報告を行って整理ができないかというふうに考えておりますので、市民の皆さんにわかりやすい情報発信のあり方を検討して掲載に努めたいというふうに考えております。 ○議長(盛泰子)  副島議員。 ◆14番(副島明)  私もホームページを見てみると、確かに制約もあるのかもしれませんけど、ここに今いらっしゃる議員、いろんな政策提案をなさっていますので、できるだけ現職の議員をたくさん載せていただきたいなという思いがありますので、よろしくお願いいたします。 それでは、時間が大分ありますけど、短く質問をしたいと思います。九州電力との安全協定についてであります。 今、部長のほうから説明がありました。今、私が考えるところによると、九州電力と伊万里市が直接安全協定を結ぶ、その上で県が強力に仲立ちをしてくださいということが1つ。もう1つは、県と伊万里市がどういう覚書を交わせるか、この2つの方向で交渉があっているものと理解していますが、いかがでしょうか。 ○議長(盛泰子)  総務部長。 ◎総務部長(古賀恭二)  県との協議に至るまでの経緯について、少し御説明をさせていただきます。 先ほど申し上げましたように、九州電力との交渉がなかなか進まないという中で、市といたしましては、玄海原発の再稼働が来年と予想される中で、再稼働前には協定を何としても締結したいと考えておりまして、このため、本年3月17日に山口知事に対しまして、安全協定締結に関する県の支援を要望したところであります。その際に、知事から解決方法の一つとして、県と伊万里市との覚書締結も一つの方法ではないかとの提案があったことから、本年4月からこれまで覚書の締結等について、事務レベルで5回の協議を行ってきたところであります。 ただいま副島議員の御質問は、その協議の内容についてでありますけれども、まず、おっしゃいましたように、市と九州電力との交渉の間に県が仲介していただくということにつきましては、お願いはいたしたところですけれども、もともと県のスタンスとしては、九電と自治体間の安全協定については、当事者間の協議で定められるものという基本的な考えがありまして、これまで九電への進言等はなされていない模様でありまして、県としてはこの点については静観の立場をとられております。このようなことから、現在、県との協議は覚書締結についての協議となっております。 しかしながら、全国的にも現在の伊万里市の状況に合致した覚書の前例がなくて、類似の島根県と周辺自治体との覚書や、宮城県と周辺自治体の覚書、また唐津市が佐賀県と締結されている確認書を参考に、具体的な覚書内容についての協議を行っているところであります。 以上です。 ○議長(盛泰子)  副島議員。 ◆14番(副島明)  はい、わかりました。 私ども議会としては、実は前議会の特別委員会で九州電力さんに議会に来ていただいて、今の規制基準に対する九州電力の対策についてお話を伺いました。そして、議員が持っている安全対策についての、もう本当に素直な疑問をぶつけて質疑応答をいたしました。今議会になっても、この特別委員会で今度は九州電力のほうに行って、そういう質疑応答もしています。 ですから、議会としては、そういう今の状況を把握するためにいろんな行動をやっているわけですけれども、市の執行部としては今の現状を捉えるためにどういう方法をとられているのか、お尋ねをいたします。 ○議長(盛泰子)  総務部長。 ◎総務部長(古賀恭二)  玄海原発の安全対策について、市は今どれくらい把握をしているかということでございます。 この安全対策につきましては、現在、国の原子力規制委員会が平成25年7月に示しました新規制基準に沿って、九州電力においてはハード、ソフト両面の安全対策に取り組まれておりまして、これまで冷却手段の確保対策や、電源供給手段の確保対策、また水素爆発の防止対策、さらに緊急時対策所の設置などへの対策が行われておりまして、これらの対策が進捗するたびに九電職員が本市を訪問され、その整備内容を私どもに説明されております。 また、現地の視察につきましては、平成23年4月から本年11月にかけまして、担当課長や担当職員が合計で8回発電所を訪問し、現地において説明を受けてきたところであります。 また、市長につきましても、安全協定の市長交渉を直接市長が行っておりますけれども、この折に九電副社長から直接説明を受けられておりますので、内容が非常に専門的ではありますが、市としては一定の把握ができているものと認識をいたしております。 ○議長(盛泰子)  副島議員。 ◆14番(副島明)  今議会の伊万里市議会に、実はある団体から、九州電力さんに説明会を開催してくれと伊万里市議会のほうから申し入れてくださいという陳情があっております。中身は別として、私は、議会が意見書なり、そういうものを外に発するときは、上部団体である県とか国に対しては、確かにそういう行動がとれるとは思いますけれども、一民間企業に対してなかなかそういうことは議会としてはそぐわないものだろうと思っています。 そうは言っても、伊万里市民の皆さんから、どういうことが一番その説明としていい方法なのでしょうかということを尋ねられた場合、伊万里市としてはどのような方法が一番いい方法だと考えられているのでしょうか。 ○議長(盛泰子)  総務部長。 ◎総務部長(古賀恭二)  九州電力による玄海原発の安全対策についての住民説明のお話でございます。 現在、九電におきましては、多くの市民に理解をしていただきたいということで、今、九電職員さんにより市内の区長会や各種団体への訪問説明が行われておりまして、また、団体数は、私どもはっきりは聞いておりませんけれども、玄海原発を視察される市内の団体も多いようでございます。 議員御質問の地元説明会についてでありますが、本年8月に再稼働いたしました鹿児島県の川内原発におきましては、新規制基準への適合性審査後の昨年10月、これはいわゆる再稼働の10カ月前になりますけれども、鹿児島県主催の住民説明会が関係市町を会場として開催されております。 玄海原発における地元説明会の開催計画につきましては、まだ再稼働時期が不明確であること等もありまして、現段階でお聞きをしておりませんが、私ども市といたしましては、地元説明会の開催については、今後の国や県、また九州電力の動向を注視してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(盛泰子)  副島議員。 ◆14番(副島明)  それでは、最後の質問をしてみたいと思います。 今、佐賀県の定例議会で、地元の竹内議員が安全協定の質問をされております。その中で、知事はスケジュール感を持って取り組みたいということを言われました。私この発言を聞いて、スケジュール感というものはどういうものだろうかと素直に受け取ったわけです。そうすると、やはり考えられるのは、来年、再稼働が来るかもしれない。この再稼働までにということを、スケジュール感を持ってというふうに発言されたんだろうと私は受け取りました。 市長はこの知事の発言はどのようにお受け取りになったか、お尋ねをします。 ○議長(盛泰子)  市長。 ◎市長(塚部芳和)  知事がスケジュール感を持って対応していくということを議会で発言されたというふうなことでございますが、1つには、先ほど議員おっしゃられますように、玄海の再稼働も近いという中で、伊万里市が九州電力と安全協定を締結していないということはいいことではないと、こういうふうなことで述べられております。そういう中で、やはり再稼働までには伊万里市と九州電力は安全協定を締結していただきたい、そういう思いから述べられたのではないかなというふうには思っております。 3月17日に山口知事に伊万里市から、なかなか九州電力との安全協定が進まないから県のかかわりを持ってほしいということで要望をいたしました。実はその折にも同じことを言われました、スケジュール感を持って対応したいと。ただ、あれからもう約9カ月たっております。伊万里市と県との協議も何回ともなくやっております。しかし、なかなか県の中でも進んでいないというようなこともあって、一方では知事もここら辺が、なかなかスケジュール感として進んでいないのかなというような感想も言われたんじゃないかなと、このようには思っております。 私は従来から、安全協定については立地自治体と差をつけるべきではないというふうに申し上げていたところでございます。しかし、これもやはり九州電力のほうは、なかなかこの問題については締結をするまでには至っておりません。交渉の中で私が述べていることは、もし立地自治体である玄海町で事故があった場合は、周辺の唐津市、伊万里市も一体的に巻き込まれるということで、そういうことであれば、安全協定も立地自治体と同じにすべきじゃないかと私は九州電力に申し上げるんですけど、その意味はよくわかっていらっしゃるんです。私が言っていることに間違いはないというふうに言われます。しかし、やはり全国的に、あるいは九州電力管内でも、例えば立地自治体である唐津市は隣接、伊万里市は隣接じゃない。しかし、30キロ圏だと。しかし、そういう中で唐津市を超える安全協定はなかなか結べないというのが実情のような模様でございます。そういうことで膠着状態がずっと続いているわけでございます。そこで、県の介入で何とかならないかというふうなことで県のほうにお願いをしているわけでございます。 そういう中で、実は先ほど言われますように、最近の動きを申し上げますと、県のほうも何とか伊万里市のこの問題に対応したいというようなこともありまして、11月13日に佐賀県のくらし環境本部長、また今月に入りまして12月8日に副島副知事と私が直接面談をし、伊万里市が置かれている状況と県の格別なる判断を改めて要請したところでございます。12月8日というのは、竹内県議が御質問をされた後のことです。 そういう中で、県といたしましては知事のスケジュール感を持って対応していくと、こういう答弁がなされておりますので、私は県との覚書締結については前進をしていくものと期待いたしておるところでございます。当然のことながら、県との協議が進み、その段階においてはその内容を市議会に説明をし、今後の対応について御協議をお願いするものと、このように考えておる次第でございます。 初めて覚書締結という言葉が先ほど部長の答弁の中で出てきましたけれども、要は、わかりやすく言えば、なかなか立地自治体並みの安全協定が伊万里市と九電とで締結できないというふうなことであれば、県と伊万里市が安全確保に関する協定書にかかわる確認書なり覚書を締結するという中で、伊万里市が求めている事前了解事項等については、県を通じて伊万里市も意見が言えるというような形をとらせる、こういう覚書なり確認書の締結を、県、伊万里市は考えて今交渉というような状況でございます。 ○議長(盛泰子)  副島議員。 ◆14番(副島明)  私この安全協定の質問を、多分3年ぐらい前に一度初めてやったときに、私はそのとき県と安全協定を結んでほしいと実は発言をしております。そのことがずっと最初から私は頭にあったんです。 確かに私たち──先月です、福島に行きました。現地に行って現地の人の話を聞くことと、遠く離れて想像して言うことでは、やはり感じ取れるものが実際全く違ったという感じがしました。あるタクシーの運転手さんとの会話の中で、タクシーの運転手さんが「正孝は一回も福島に来とらん」というふうに言われたんです。私も、はっとして聞いていたんですけど、後でわかりました。それは、東京電力の当時の社長さんのお名前が清水正孝。ただ、普通私たちは「九州電力の社長は一度も来とらん」とかは言いますけど、個人名を呼び捨てで言われたんですね。そのことが物すごく印象に残っていたのが1つ。 それから、南相馬の議長さんが、日赤とか共同募金のほうから義援金が来たと、それを住民の方に分配するときに10キロ、20キロ、30キロと分配金が違ったと、そこで住民の方にあつれきが生まれたと、こういう体験を話していただいたので、私はやっぱり現地に行くのと遠くで想像して物を言うこととは全然違うなという実感がありました。 そこで、さっきも聞きましたけど、スケジュール感を持って取り組みたいという知事の言葉は、やはり再稼働前までにというふうに私は受け取っておりますが、市長は──もう一度聞きます、再稼働前までにと受け取っておられるでしょうか。 ○議長(盛泰子)  市長。 ◎市長(塚部芳和)  確かに安全協定を伊万里市と九電がすることによって、市民の皆さんの安心感が高まるというようなことであれば、私は当然、再稼働の前に安全協定をというような考えでおっしゃっているものと、このように思っております。 ただ、順序といたしましては、私自身は、仮に覚書締結が県とできれば、これを先に、その後に九電との安全協定という、そういうスタンスで考えておる次第でございます。(「終わります」と呼ぶ者あり) ○議長(盛泰子)  本日はこれをもちまして散会いたします。               (午後2時58分 散会)...