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平成31年 2月定例会−03月11日-08号

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  1. 佐賀市議会 2019-03-11
    平成31年 2月定例会−03月11日-08号


    取得元: 佐賀市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-08
    平成31年 2月定例会−03月11日-08号平成31年 2月定例会          平成31年3月11日(月)   午前10時00分   開議                 出  席  議  員 ┌────────────┬────────────┬────────────┐ │  1.富 永  明 美 │  2.久 米  勝 也 │  3.御 厨  洋 行 │ │  4.西 岡  真 一 │  5.宮 崎    健 │  6.中 村  宏 志 │ │  7.村 岡    卓 │  8.松 永  幹 哉 │  9.川 副  龍之介 │ │ 10.永 渕  史 孝 │ 11.山 下  伸 二 │ 12.野 中  康 弘 │ │ 13.松 永  憲 明 │ 14.山 田  誠一郎 │ 15.堤    正 之 │ │ 16.川原田  裕 明 │ 17.久 米  勝 博 │ 18.重 松    徹 │ │ 19.山 口  弘 展 │ 20.重 田  音 彦 │ 21.野 中  宣 明 │ │ 22.池 田  正 弘 │ 23.白 倉  和 子 │ 24.江 頭  弘 美 │ │ 26.中 野  茂 康 │ 27.平 原  嘉 徳 │ 28.千 綿  正 明 │ │ 29.川 崎  直 幸 │ 30.武 藤  恭 博 │ 31.福 井  章 司 │ │ 32.中 山  重 俊 │ 33.山 下  明 子 │ 34.嘉 村  弘 和 │ │ 35.黒 田  利 人 │ 36.西 岡  義 広 │            │ └────────────┴────────────┴────────────┘
                  地方自治法第121条による出席者 佐賀市長        秀 島  敏 行    副市長         御 厨  安 守 総務部長        池 田  一 善    企画調整部長      武 藤  英 海 経済部長        松 尾  邦 彦    農林水産部長      川 副  浩 顯 建設部長        志 満  篤 典    環境部長        喜 多  浩 人 市民生活部長      眞 崎  武 浩    保健福祉部長      田 中    稔 子育て支援部長     藤 田  基 明    地域振興部長      古 賀  臣 介 交通局長        伊 東  博 己    上下水道局長      田 中  泰 治 教育長         東 島  正 明    教育部長        百 崎  芳 子 選挙管理委員会事務局長 中 村  純 士    農業委員会事務局長   福 田  康 則 監査委員        力 久    剛    会計管理者       中 島  博 樹 ○武藤恭博 議長   おはようございます。これより本日の会議を開きます。  日程により、引き続き市政一般に対する質問を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許可します。 ◆中村宏志 議員   おはようございます。それでは、通告に従い順次質問させていただきます。  初めに、高齢者福祉について質問いたします。  現在、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる時代と言われている2025年問題があります。今後、10年間ほどで日本の人口は15歳から64歳の生産年齢人口が7,000万人ほどまでに減少することが予想されています。  その一方で、全人口に占める高齢者の割合は増加してきており、2025年には75歳以上の高齢者の割合が全人口の18%以上、65歳以上の高齢者の割合は30%を超えると言われています。  また、世界の国々においても今まで経験したことのない超高齢化社会に直面してきており、加えて高齢者世帯の約7割がひとり暮らし、もしくは高齢者の夫婦のみの世帯になることも見込まれています。各家庭でも自分や両親の老後についても家族と話し合う機会がふえてくるのではないでしょうか。  今後の超高齢化社会に向かう中で、安全、安心な老後を送っていただくためには、高齢者福祉をどのように充実させていくのか。元気で、笑顔で、健康でということが大きな課題になってきており、それらにかかわる支援が必要になるのではないかと考えます。  そこで、佐賀市における65歳以上の人数と高齢化率、75歳以上の人数と高齢者に占める75歳以上の割合についてお示しください。  また、現在と今後の推計がどうなっているのか、お伺いいたします。  次に、プラスチック製ごみ問題について質問いたします。  昨年よりプラスチック製ごみの問題が深刻化してきています。  国連環境計画、UNEPが2018年6月5日に発表した報告書によると、プラスチック製品は世界全体で約90億トンが生産され、そのうちリサイクルで再利用されたのは、わずか9%にとどまり、それ以外は地中に埋められるか捨てられているといった記事がありました。また、環境省においても海洋プラスチック問題が取り上げられています。  先日、川副龍之介議員より環境問題についての質問がありましたので、私からは家庭から出されるプラスチック製ごみとその分別などについて質問させていただきます。  家庭から出されるごみの種類を見てみますと、プラスチック系のごみが多くなってきたように感じています。さらに、コンビニやスーパー、ディスカウントショップなどのお店に買い物に行きますと、商品陳列棚を見ましても生活用品、文房具、雑貨品などの多くのプラスチック製商品が並んでいます。特に、飲料系や調味料系ともなりますと、キャップがついた便利なペットボトル系の商品が種類も多く並んでいます。  このような状況の中、使用後のごみの分別に迷うことも多いのではないかと考えます。こうしたごみの分別方法をよりわかりやすく市民に伝えることが重要であり、そのことがひいてはプラスチック製ごみの適正なリサイクルにもつながっていくのではないかと考えます。  そこで、佐賀市ではプラスチック製ごみペットボトルをどのようにリサイクルを行っているのか。また、プラスチック製ごみを減らすために佐賀市はどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。  以上、総括質問を終わります。 ◎田中稔 保健福祉部長   おはようございます。私からは、高齢者福祉について本市の65歳以上の人数と高齢化率、75歳以上の人数、その高齢者に占める割合とその推計についてお答え申し上げます。  平成31年2月末での佐賀市の高齢者数は、65歳以上の方は6万4,287人で、高齢化率は27.6%、75歳以上の方は3万3,058人で、高齢者全体に占める75歳以上の高齢者の割合は51.4%となっております。  次に、佐賀市の高齢者数の今後の推計でございます。  平成30年3月に策定しました佐賀市高齢者保健福祉計画による推計値でお答え申し上げます。  今後の高齢者数ですが、団塊の世代の全ての方が75歳を迎えられる平成37年、2025年には、65歳以上が6万6,834人で、高齢化率は30.0%、75歳以上が3万7,742人と推計され、高齢者のうち75歳以上の高齢者が占める割合は56.5%と予測されます。  また、平成42年、2030年には65歳以上が6万7,669人、高齢化率は31.5%、75歳以上が4万1,036人と推計されまして、高齢者のうち75歳以上が占める割合は60.6%と予測されます。  このように、本市においても総人口が減少する一方で、高齢者人口は増加し、特に75歳以上の高齢者の増加が大きいと見込まれることから、高齢者の医療や介護の需要がさらに増加することが予測されているところでございます。  以上でございます。 ◎喜多浩人 環境部長   私には2点目のプラスチック製ごみ問題について質問がございました。  本市の家庭から出されるプラスチックごみペットボトルリサイクルについてお答えします。  まず、ペットボトルについてですが、容器包装リサイクル法に基づくルートを利用してリサイクルを行っています。高品質なリサイクル原料の確保のためには精度の高い異物除去が鍵を握るため、まずは市民の方々にキャップやラベルを取り外した状態での分別排出をお願いしています。  その後、佐賀市リサイクル工場において一つ一つ手選別により確認しながら、キャップや飲み残しなどの異物除去を行い、圧縮梱包をしてから民間のリサイクル業者に売却しています。  次に、その他のプラスチックごみについてですが、現在は燃えるごみと一緒に収集し、佐賀市清掃工場において焼却処理を行っており、その焼却熱エネルギーを利用して発電を行うサーマルリサイクルを行っています。  発電した電気につきましては、小売電気事業者を介して市内の小・中学校や公民館等の公共施設に供給されています。  それから、プラスチックごみを減らすための本市の取り組みにつきましては、市内のスーパーの協力を得て、3R推進月間である10月にマイバッグキャンペーンとして、レジ袋の削減を目的とした買い物袋持参運動を展開しています。また、佐賀県が実施しているマイバッグ・ノーレジ袋推進店の登録制度があり、現在、佐賀市において178店舗に登録をいただいている状況であります。  軽量で生産性や形状の自由度が高く、製造コストも安いという特徴から急速にふえ続けたプラスチック製品は、今や私たちの生活に浸透していますので、プラスチックごみを減らすことは簡単にはいかない問題であると認識しております。一つ一つの活動が小さなことかもしれませんが、こつこつとこうした啓発活動を続けていくことが、やがて大きな成果へつながるものと考えております。  以上でございます。 ◆中村宏志 議員   それでは、それぞれに答弁をいただきましたので、一問一答に入ります。  初めに、高齢者福祉についてですが、総括質問への答弁にもありましたように、佐賀市においても高齢化率と高齢者の割合が高くなってきているなと思います。  昨年の11月定例会の私の質問でも認知症にかかわる支援と日本人の平均寿命の更新を取り上げておりましたが、厚生労働省の分析結果ではもう一つの寿命であります自立した生活を送れる期間、健康寿命が延びていて、長い人生をいつまでも元気に過ごすためには、健康寿命を延ばすことが必要であるとのことでした。  1つ目に、その健康寿命を延ばすために高齢者、市民の方々に対してどのような普及啓発を行っているのか、お尋ねします。 ◎田中稔 保健福祉部長   健康寿命を延ばすための取り組みについてお答え申し上げます。まず健康寿命とその現状についてお答えしたいと思います。  まず健康寿命ですが、これはもう御承知と思いますけれども、健康上の問題で日常生活に制限のない期間のことをいうと言われております。  平均寿命、それから健康寿命について、厚生労働省の調査による平成28年の佐賀県の数値をお答えします。男性の健康寿命は71.6歳、平均寿命が80.75歳、平均寿命と健康寿命の差は9.15年、次に女性の場合ですが、健康寿命は75.07歳、平均寿命が86.99歳ですので、この差が11.92年と推計されることから、健康寿命と平均寿命の差を縮めることが必要だというふうに考えております。  本市としても健康寿命を延ばすために食生活、運動、心の健康、生活習慣などに関する取り組みをライフステージに応じて実施しております。特に生活習慣病の発症予防と重症化予防に重点的に取り組んでおりまして、健診受診者に対する個別指導や、市民を対象とした糖尿病教室を初め、さまざまな事業を通じて、健康寿命の延伸に向けた意識啓発を行っております。  さらに、高齢者については、加齢とともに身体機能などが衰えてきますので、介護が必要な状態にならない、介護予防に関する意識を高めることが重要となり、それが健康寿命を延ばすことにもつながるものと考えております。  介護予防に対する住民の意識を高める取り組みとしましては、市やおたっしゃ本舗の保健師などが自治会、サロン、老人クラブなどにおいて糖尿病などの生活習慣病予防や介護予防に関する講話をするなど、講演会等を通じて健康維持や介護予防の大切さをお伝えしているところでございます。  以上です。 ◆中村宏志 議員   わかりました。そうしましたら、高齢者については、年齢を重ねるほど抱える疾患がふえて身体機能の低下もあるわけでございますが、少しでも自立した日常生活が送れるように健康づくりを進めていくことが大事になってくるのではないかなと思います。  そうしたときに、2点目に、佐賀市では介護予防に向けてどのような取り組みをされているのか、お尋ねします。 ◎田中稔 保健福祉部長   本市の介護予防の取り組みでございますが、本市では高齢者の方が介護が必要な状態にならないように、次のような介護予防の取り組みを行っております。  まず、運動機能の向上に向けた取り組みとしまして、元気アップ教室を実施しております。  なお、この運動機能の向上のためには、適切な栄養の摂取も必要となりますので、この元気アップ教室プログラムの中で、口腔機能の向上、栄養改善のプログラムを設けております。  また、認知症予防を目的とする取り組みとしましては、音楽サロン教室、脳若教室、脳いきいき健康塾などを実施しております。そのほか、高齢者の方が人とつながることは介護予防にもつながります。高齢者が人とつながるための通いの場として高齢者ふれあいサロン、認知症カフェコミュニティカフェなどの設置を進めているところでございます。  以上です。 ◆中村宏志 議員   わかりました。引き続き事業活動に努めていただきたいと思います。  次に、健康で自立した生活を送っていくとすれば、地域社会とのかかわりもすごく大事になってくるのではないかなと思います。  例えば、地域の集まりに参加したり、買い物や旅行をしたり、趣味のサークルに打ち込んだり、外へ出て人と会い会話を楽しみ、身体を動かすといった、そういった一連の行動が心身機能の向上につながると言われています。ただ、運営とかそういった場所などにも非常に難しい面もあるかと思いますが、3つ目に、佐賀市ではそうした通いの場を今後どのようにしていきたいと考えているのか、お尋ねします。 ◎田中稔 保健福祉部長   通いの場についての考えでございますけれども、高齢者の方が身近な通いの場で運動やレクリエーションを通じた交流を行うことは、高齢者の健康づくりや自立した生活につながるものと考えております。  また、地域との関係が希薄化し、高齢者を初め、住民の地域でのつながりが失われつつある中で、通いの場が高齢者の見守りの役目も担うことができます。  厚生労働省においても、人口1万人におおむね10カ所の住民主体の通いの場をつくることを目標としておりまして、本市では既に通いの場である高齢者ふれあいサロンを今年度は229カ所で開催しております。さらに参加しやすいように、より身近な場所で開催していただきたいと考えており、通いの場の設置について今後も推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆中村宏志 議員   そういった229カ所ですか、ここら辺が身近な場所というところになると思いますけれども、地域の実情に応じてケース・バイ・ケースのところもあるとは思います。大体ひとり暮らしの方が多いのかなとは思いますが、そういったときに、例えばひとり暮らしの高齢者の方とか、また在宅介護、それから生活面などで、家の中であったりとか、心身が原因でなかなか足が動かないですとか、いろいろ個人差はあるとは思いますけれども、そういったところでお困りのことなどが多々あるのではないかなと思います。  そうしたときに、4つ目として、高齢者に対して佐賀市が独自に行っている生活支援サービスにはどのようなものがあるのか、お尋ねします。 ◎田中稔 保健福祉部長   生活支援サービスですけれども、高齢者になっても必要な介護サービスを選び、利用することによって、住みなれた家や地域で自立して暮らすことができるための制度としまして介護保険制度がございます。  高齢者の支援は介護保険で対応しますが、サービスを利用できるのは介護保険の要支援、要介護の認定を受けた方となります。  一方、要支援、要介護認定を受けていない方で、日常生活に支援が必要な方に対し、佐賀市では次のような独自に実施しているサービスがございます。  まず、簡単な清掃やごみ出し支援などの軽易な援助を行う軽度生活援助事業、それから火気の取り扱いに不安がある高齢者に対し、電磁調理器、あるいは火災警報器などを給付する高齢者日常生活用具給付事業、安否確認が必要な高齢者に対して、高齢者の自宅を訪問しまして安否確認を行う安否確認事業、急病や発作などの緊急時に高齢者が消防局へすぐさま通報できる緊急通報システム事業、こういう事業を実施しているところでございます。 ◆中村宏志 議員   今、御紹介いただいた生活支援サービスですけれども、私も資料を拝見させていただきましたけれども、割と多岐にわたるサービスをされているなというのがあります。ただ、非常にどこからどこまでがという線引きがどうかなという部分が一部あるところでもございます。小さなところでいえば、お家のつくりやスペースにもよるとは思いますけれども、草むしりとか軽作業もされていると伺っております。こういったのもなかなかいいなと思います。しかし、少し地域のことに携わってきますと、地元でもそうなんですけれども、河川清掃や側溝の清掃ですとか、ここらあたりまでくると、なかなかサービスとしてはどうかなとは思います。どうしてもその線引きのところがあると伺っておりますので、こういったところも地域の中の取り組みの一つとして視野に入れていただければなと思います。  次に、昨年、会派において神奈川県大和市に視察調査に行ってまいりました。主に高齢者における認知症徘回関連施策としまして、認知症サポーターの養成、育成のほかに、「はいかい高齢者等SOSネットワーク」という事業がありました。その事業では、反射ステッカーQRコードシールSOSワッペンなどのツールがありまして、GPS機能を用いた「はいかい高齢者等位置情報支援事業」もありました。また、その事業の中には24時間対応のコールセンターも設置されていました。  それから、最近、テレビ報道でもよく出てきたと感じておりますけれども、認知症の方の列車の踏切事故、それからけがを負わせた、物を壊したなど、法律上の損害賠償責任を負った場合などの万が一の備えとしての保険事業がありました。
     こうした部分で、5つ目として、自治体による徘回のおそれのある高齢者に対する個人賠償責任保険事業について、どのように考えておられるのか、お尋ねします。 ◎田中稔 保健福祉部長   認知症高齢者に対する個人賠償責任保険事業についてでございます。実施自治体を見てみますと、先ほど議員の御質問の中にありましたけど、各自治体で実施されている見守りのネットワークに登録された認知症高齢者を対象として事業が構築されておりまして、徘回のおそれのある高齢者の登録、見守り、保険が一体となった取り組みとなっているようでございます。  高齢化が進むとともに、見守りが必要な認知症高齢者の数が増加することが見込まれますので、見守りの環境づくりも含めて、導入自治体の取り組みをもう少し調査、研究させていただきたいというふうに考えているところでございます。 ◆中村宏志 議員   個人賠償責任保険事業ということで、これは基本的に登録者においての附属した事業であると思いますけれども、保険といいましても補償の範囲で、どこからどこまでというところと、保険料のこともあると思います。この辺は一概にそのままというわけではなく、佐賀市として個人に応じたものになっていくのではないかとは思います。ぜひいろんな市町の事例ですとか研究、調査を十二分に検討していただければなと思います。  それでは最後に、3つ目でも申しましたけれども、通いの場をつくることが地域の支え合いの体制につながっていくと考えています。地域でできることといえば、いろいろ地域の実情に応じたやり方、取り組みがあるとは思いますけれども、最近、いろんな地元での協議会ですとか会合の場に出席させていただきますと、これは一つの視点といいますか、考え方だとは思いますが、高齢者の居場所づくり、このこと自体をどうするべきなのか。また、子どもの居場所づくりをどうすべきなのか。ある意味こういったところを一体的に考えたらどうかという声がありました。  この場合には、場所の問題ですとか、距離の問題ですとか、やはり身近な場所という点で考えますと、大規模なもの、中規模なもの、小規模なもの、1部屋といったところの部分もあるかとは思います。ここら辺が地域の人たちがどこまでできるのか十二分に協議していって、高齢者と子どもという部分で1つにつながるのかなという気もいたします。  そうしたときに、佐賀市のこういった通いの場をもう一度面で考えた場合、どういったものなのか、佐賀市の見解はどうか、お尋ねいたします。 ◎田中稔 保健福祉部長   通いの場というものが地域の支え合い体制につながっていくというふうに我々は考えておりまして、本市では生活支援体制整備事業におきまして、生活支援コーディネーター地域包括支援センターごとに配置し、地域への働きかけを行っております。このコーディネーターの目標としまして高齢者が地域で元気に暮らしていくための通いの場の創出、拡充を掲げております。  通いの場が高齢者自身生きがいづくり健康づくり、介護予防につながるとともに、この通いの場を通じて住民同士がつながり、このことが地域の支え合いに結びつくものというふうに考えているところからそういう目標を掲げております。この通いの場を通じた地域づくりが住民同士を結びつけ、支え合い、助け合い活動を生む土壌につながると考えますので、今後もこの通いの場づくりを推進していきたいというふうに考えているところでございます。 ◆中村宏志 議員   今、御答弁いただきました地域での見守り体制の構築と地域づくりは、高齢者の方々のきっかけの場にも十二分になると思いますので、ぜひその点についてはよろしくお願いいたしたいと思います。高齢者福祉についての質問は終わります。  それでは次に、プラスチック製ごみ問題についてです。1つ目に、プラスチック製ごみの量は、先ほど御答弁いただいたとおり、今後もやっぱりふえ続けていくのかなと思いますけれども、まず、佐賀市におけるプラスチック製ごみの量を把握できているのか、お尋ねいたします。 ◎喜多浩人 環境部長   家庭から出されるプラスチックごみについては、燃えるごみとして収集しているために、正確な量の把握はできていないのが現状でございます。ただ、家庭から出されるペットボトルについては分別収集を行っておりますので、近年の搬入量の推移についてお答えいたします。  まず、平成21年度が433トンであったのに対し、その4年後の平成25年度には500トンに達し、また、その4年後の平成29年度には554トンに達しており、年々右肩上がりで上昇している状況でございます。 ◆中村宏志 議員   わかりました。プラスチック製のごみといいましても、主にはペットボトルですね。やはりキャップがついていて非常に持ち運びも便利ですし、いろんなところで販売されております。そういった部分で、量的にも右肩上がりということで、ちょっとどこまでふえていくのかなという心配もしております。  それでは次に、主にペットボトルが中心になってくるかとは思いますけれども、各地域のごみステーションによっては、場所にもよるかと思いますが、いまだにキャップやペットボトルの周りについているラベルがついたままのものや、飲み残したものが入ったまま出されている事例もあるようです。こういった家庭ごみの分別に関する広報、啓発等について、工夫されている点や改良点などがあればお尋ねいたします。 ◎喜多浩人 環境部長   ペットボトルのラベル剥がしにつきましては、ペットボトルをいろいろと有効活用させていくために市民の皆様にラベル剥がしの御協力をいただいているところでございます。本当に感謝申し上げております。  家庭ごみの分別に関する広報、啓発について、まず分別についての主な広報ツールとしては、例年、全戸配布しております佐賀市ごみカレンダー・分別表がございます。ペットボトルの分別方法はこれまでページをめくったペットボトルの区分欄にしか表記がありませんでしたが、最新の2019年度版では一番目立つ表紙部分を利用して、ペットボトルの分別ポイントや異物除去の現場の現状などの御紹介をするように改善しました。また、有料指定袋本体にも分別のポイントなどを表記しています。まだまだわかりにくい部分もあるかと思いますので、表記内容については随時、工夫改善に努めていきたいと考えております。  その他の広報ツールとして、ごみカレンダーウエブアプリの無料配信や、ことしの1月28日からは家庭ごみの分別方法に関するAIチャットボットもスタートさせたところです。ウエブアプリやAIチャットボットは24時間好きな時間帯にアクセスできることから、日中に電話での問い合わせが困難な方などにも対応できる新たな広報ツールとして考えております。 ◆中村宏志 議員   いろいろと工夫されているとは思います。ただ、私もこの質問に至るまでに、分別を知っている人と知らなかった人がいたり、知っていてもどうやって分別するのか、どこからどこまでの部分を分別するのか、ペットボトルの場合、キャップ、ラベル、本体に分別しないといけませんし、特に高齢者の方ですとラベル剥がしがなかなかスムーズにいかなかったりとか、かげんがわからないとか、そういったこともちょっとありましたので質問させていただいているわけです。こういった部分は現在の有料指定袋とごみカレンダーについても、もうちょっと一工夫して、先ほど言われた部分でしっかり浸透できるように分別についての表記──特に知っていただくというところで、見やすく、わかりやすい写真、イラストを使って引き続き工夫して、ぜひその辺について改善していただければと思います。  そしたら、次に3点目ですけれども、事例が先に来ますが、ちょっと調べたところによりますと、静岡市では一部のサービス事業者の店舗と協力されておりまして、プラスチック製ストローを紙製ストローにかえる試行的な取り組みが行われています。  千葉市では、容器包装リサイクル法上の容器や包装に該当しない、ちり取りやバケツなどの単一素材でできた10種類のプラスチックをリサイクルされているようです。  今後はこういったさまざまな形でのプラスチックの代替素材──最近ではバイオマスプラスチック素材や食べられる食品包装、自然に返るレジ袋など、環境にも配慮した素材が開発されてきており、新しいリサイクル技術なども開発されていくと思いますが、こういった部分について市の見解と今後の方向性についてお尋ねいたします。 ◎喜多浩人 環境部長   海洋プラスチックの問題を受け、プラスチックごみ問題が世界的な注目を集める中、その代替素材の開発や新たなリサイクル技術についても近年、クローズアップされるようになりました。  総括質問への答弁でも申し上げましたとおり、現在、本市ではペットボトル以外のプラスチックごみ焼却熱エネルギーを利用したサーマルリサイクルを行っております。  市民の分別による負担や収集、運搬を含めた処理コスト等を考慮すれば、本市にとっては現段階ではベターな方法だと考えておりますが、今後、新たな代替素材やリサイクル技術の実用化等が進むことで社会情勢も変わってくると思いますので、随時、情報収集に努めながら最適なリサイクル方法等について研究していきたいと考えております。 ◆中村宏志 議員   基本的に燃やすことが多いとは思いますけれども、一方でこういった新しい技術も開発されていっておりますので、今、お答えいただきましたとおり、少しずつリサイクル関係も調査、研究を続けていただきたいと思います。  それでは4つ目に、これはちょっと私の体験でもあるんですけれども、地元の地域行事等で河川清掃ですとか、あとごみ拾いの活動にも参加しておりまして、地域の方々といろんな話をさせていただく中で、十数年前のころに比べれば、まちの様子はごみの量が大分減ってきたなといった声がありました。私もいろいろ作業をさせていただく中で、やはり回収したごみの種類が缶類よりもプラスチック製のごみが大分多くなってきたのかなというふうに思います。  私も地元におりますと、いろんなイベントがありまして、桜マラソンを初め、今までのバルーン大会ですとか大型のイベント等がたくさんあるわけでございますけれども、そういった大きなイベントのときには、県内外はもとより、多くの外国人も来場されております。  平成35年、2023年に予定されております国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会においても多くの来場者が見込まれると思います。そうしたときに、プラスチック製品を初めとしたイベントごみも出てくるかと思いますけれども、適正に分別されるのかなといった声があります。  そういった大きなイベントのときのごみの分別に対する環境部としての対応はどうなされているのか、お尋ねします。 ◎喜多浩人 環境部長   イベントごみにつきましては、大きなイベントになればなるほど、議員御指摘のとおり、他県や国外からの来客も多くなりまして、適正処理の基本である分別の徹底が難しくなるという現状がございます。  そこで、佐賀城下栄の国まつりでは、平成29年度からイベント会場の数カ所に専属のボランティアを配置した、ごみ回収のためのエコステーションを設置し、ごみ分別の声かけや誘導等を行う取り組みをされております。この取り組みにより、会場周辺のごみの散乱が明らかに減少し、ごみの再分別の作業も大幅に軽減できたという効果があったようです。  なお、イベント時のごみは事業系ごみになるため、ペットボトルや食品トレイ等、イベント会場から出たプラスチックごみは産業廃棄物となります。このことから、基本的には廃棄物処理法にのっとった適正なごみ処理を主催者や出店者の責任において行う必要があります。  イベントごみは、来場者が出すごみに加えて出店者が出すごみもありますので、環境部としましては必要に応じて出店者説明会に出向くなど、主催者とともに適切な指導やアドバイスを行い、イベントごみが適正に分別され、適正処理につながるよう努めていきたいと考えております。 ◆中村宏志 議員   イベントのときには、もちろん主催者、出店者との関係があるかと思いますけど、今言われたとおり、佐賀市のほうからもそういったところと連携して、引き続きしっかり、基本的にまずわかりやすいという部分に着目していただきまして、ごみが適正に処理される円滑なイベント運営をお願いしたいと思います。  それでは、最後になります。5つ目に、ごみの分別という点では、総括質問への答弁でもありましたけど、プラスチック製ごみがふえ続けている面もありますが、最近、私も少しお聞きした事例でございます。ある地域で在留外国人の方がごみの分別をするときに、地域の方々が丁寧に一つ一つ教えなくてはいけないといった話を伺いました。  もちろん分別の際には、今、お話がずっとありましたように、わかりやすい広報と啓発というのがすごく大事であります。なかなか地域の方々が直接在留外国人の方にごみの分別について教えないといけないというのは難しく、特にお困りのところでは言葉の壁といいますか、一部、ボディーランゲージのところがあり、そういうところが非常に難しいということがあるようです。そういったときに佐賀市における在留外国人に対する取り組み状況やサポートはどのようになっているのか、お尋ねいたします。 ◎喜多浩人 環境部長   本市における在留外国人の数は年々増加傾向にありますが、外国籍の方が日本での生活を始めて最初のうちに戸惑うことは、ごみ出しのことだとよく耳にします。ごみの細かい分別や決められた曜日、時間に決められた場所に出すという日本では当たり前のルールが諸外国ではなじみのない、日本特有の文化であるという実情があるようです。また、日本人の異文化に対する情報不足などもあり、地域での新たな戸惑いにもつながっているようです。今、議員の御指摘のとおりの場面も見受けられるのではないかというふうに思います。  そこで、今年度、多文化共生啓発事業として5言語、英語、中国語、韓国語、ベトナム語、タガログ語、これに対応した外国人のためのごみ出しガイドを作成中でございます。  このごみ出しガイドの作成は、県や市の国際交流部局、さらには佐賀女子短期大学とも連携し、留学生を交えた学生とワーキンググループ方式でやさしい日本語での原稿や解説動画の作成等を行いました。  ごみ出しガイドは、大学や日本語教室、事業所等を通じた配布をするとともに、できればこれをツールとして、地域の人や在留外国人を対象とした多文化共生に向けた出前講座等ができないか、検討していきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 ◆中村宏志 議員   そのごみ出しについて、在留外国人の方についても、今言われた分の多言語表示で、とりあえず5言語になるということですけれども、そうした地域の方々も含めて、在留外国人の方のサポートをぜひしていただきたいと思います。  海外に行ったときに、我々もやっぱり逆の立場になりますと、どうごみを処理していいのかというような不安もありますので、ぜひその辺をお願いしたいと思います。  そういったところで、お困りのところ、ちょっとかゆいところに佐賀市がサポートしていただければ、在留外国人の方々と非常に円滑で、よりよい生活ができるのではないかと考えます。  ということをお願いしまして、以上、私の質問を終わります。 ◆松永幹哉 議員   本日3月11日、甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から8年が経過いたしました。いまだに避難生活を余儀なくされている被災者が5万2,000人に上るとの報道がなされております。  また、復興は進んでいるものの、いまだ心身への影響があると答えた被災者が64%であったと、NHKのアンケートで報告されています。改めまして被災者の皆様にお見舞い申し上げ、復興とともに心からの笑顔が戻られることをお祈り申し上げます。  それでは、通告に従い質問いたします。  栃木県那須町では2019年より全小・中学校8校で防災教育が正式教科として始まります。さまざまな自然災害を想定し、9年間の体系的な学習で知識や体験を積み重ねる、全国で初めての事例であり、文部科学省から教育課程特例校に指定され、教科に採用されたとのことであります。防災意識を子どものころから身につけることが目的で、地域全体の防災力の向上にもつながると期待されております。  モデル事業では、大雨災害の避難情報に対してどう行動するか。児童たちは、すぐに逃げる意見と、まずは情報を収集する意見に分かれたと、授業の様子が紹介されておりました。近年、頻繁に発生する災害において、避難情報の発信と、それを受けた住民の初期の避難行動が重要であることが示されております。  1点目の総括の質問でありますが、佐賀市では気象警報の発令時や災害の避難情報など、どのような手段で発信され、市民に対し、どのように情報の伝達がなされているのか、改めて伺います。  続きまして、佐賀市における新エネルギーの創出について質問いたします。  木質資源を使ったバイオマス発電については、現在のところ、バイオマス産業都市調査特別委員会の調査項目にないため、一般質問にて取り上げます。  日本ではエネルギー政策基本法に基づいてエネルギー基本計画が策定されています。少なくとも3年ごとに検討を加え、必要があれば変更し、閣議決定を求めることが定められております。2018年7月には、第5次エネルギー基本計画が決定されました。再生可能エネルギーを主力電源として積極的に導入する方針が盛り込まれ、今度はこの各種項目にわたる基本計画をもとにエネルギーに関する政策が検討されていくことになります。  さて、バイオマス発電の長所は、資源を有効活用した再生エネルギーであるという点や、カーボンニュートラルという考え方で温室効果ガスを排出しないとみなすことができる点などが挙げられております。近年、木質資源を使ったバイオマス発電が脚光を浴び始め、2012年に制定された固定価格買取制度、FITが後押しし、木質バイオマスの利用が加速し、発電用途の間伐材利用が増加傾向にあるとの報告がなされております。  佐賀市ではエネルギー対策として、清掃工場、下水浄化センターに発電機が整備され、また、学校、公民館などには太陽光発電設備が設置されております。  総括の質問ですが、佐賀市における発電量の推移並びに現在の発電において、自家消費も含め売電金額に換算した場合の概算をお示しください。  また、発電種別ごとの割合をお示しください。  続きまして、ICTの推進について総括質問を行います。  佐賀市においては、佐賀市総合計画に基づき佐賀市ICT推進指針が策定され、ICT関連施策が行われております。現在の指針は、平成26年に見直され、平成27年度から平成31年度の5年間の期間で運用がなされています。来年度、検証及び見直しがされると存じますが、指針の改定におけるCIOの考えをお聞かせください。  また、5年前から導入が進んだiPadの活用状況をお示しください。  以上、総括質問といたします。 ◎池田一善 総務部長   1問目の防災対策についての御質問にお答えいたします。  本市におきましては、災害時において迅速な避難行動を促し、地域住民の安全を確保するため、避難情報等を確実に取得できるよう、情報伝達手段の多様化を図ってきております。  避難情報の伝達手段につきましては、防災行政無線による放送、さがんメールによるメール配信、防災ハイブリッドラジオによる緊急放送、携帯電話等に強制的に通知する緊急速報メール、市ホームページやツイッターでの発信、Lアラートによるテレビのテロップやデータ放送などへの文字表示、その他、消防団による広報などを行っております。  また、避難情報を発令する際は、対象地域となる単位自治会長や民生委員・児童委員、自主防災組織会長などに対して、電話連絡により避難情報等をお知らせすることとしております。  あわせて、平時から市民の方々に避難情報など自分の命を守る情報を積極的にとりに行っていただくよう、出前講座などを通じて情報発信を行っております。  以上でございます。 ◎喜多浩人 環境部長   私からは、2問目の新エネルギーの創出についてお答えいたします。  佐賀市役所の再生可能エネルギー発電につきましては、平成15年3月に竣工しました清掃工場の年間約3,000万キロワットの廃棄物発電設備が本格的な導入となっております。その後、平成22年には市立図書館に年間約3万キロワットの太陽光発電設備、平成23年には下水浄化センターに年間約340万キロワットの消化ガス発電設備の導入が進められ、平成24年以降につきましては、学校や公民館等の公共施設に太陽光発電設備が次々と設置され、現在、市立図書館と合わせて年間約58万キロワットが太陽光発電設備による発電量となっているところでございます。  佐賀市役所全体の再生可能エネルギーの発電量としましては、直近の平成29年度が約3,700万キロワットとなっております。過去からの発電量につきましては、全ての詳細な資料は残っておりませんが、約9割の発電量を占める清掃工場の発電量の資料等から推測しますと、平成24年度までは年間約3,000万キロワットの発電量で推移し、施設統合による廃棄物処理量の増加等により、現在の発電量まで増加しているものと考えております。  次に、平成29年度の佐賀市再生可能エネルギーの余剰売電金額は、約2億6,200万円となっております。  また、自家消費分の再生可能エネルギー電力の金額の換算につきましては、電力会社の使用料金が使用電力量により基本料金が大きく上昇することなどから、正確な換算額をお示しすることは困難ですが、年間の自家消費量約1,900万キロワットアワーに清掃工場の購入金額等を参考とした重量単価15円を乗じた金額約2億9,000万円が一つの目安になるものと思われ、合わせて年間およそ5億円程度の節減ができているものと考えております。  最後に、発電種別ごとの年間発電量の割合につきましては、廃棄物発電が約88.9%、消化ガス発電が約9.3%、太陽光発電が約1.6%、小水力発電が約0.2%となっております。  以上でございます。 ◎武藤英海 企画調整部長   私からは、3項目めのICTの推進についてお答えいたします。  1つ目のICT推進指針の見直し方針についてでございますが、お答えの前に、まずICT推進指針について、その内容を御説明させていただきます。  このICT推進指針は、さまざまなICTの製品やサービスを本市が抱える課題の解決、質の高い行政サービスの提供、効率的な行政運営などに対して有効に活用していくための方向性を示すものでありまして、本市のICT関連施策のあり方を示す基本方針となります。対象期間は平成27年度から平成31年度の5年間となっております。指針では、本市を取り巻く現状と課題を踏まえて、本指針の対象期間内に取り組むべきICT推進の基本的な3つの方向性と、その下に37の推進事例を掲げているところでございます。  3つの方向性を申し上げますと、1つ目は、ICTで情報の発信・共有のさらなる推進であり、推進事例といたしましては、市営バスロケーションシステムの導入、シティプロモーションの推進など9事例がございます。2つ目は、ICTで暮らしの場面に応じた質の高いサービスの提供であり、推進事例としましては、福祉総合窓口システムの導入、市税のクレジットカード納付の開始、コンビニでの証明書の交付、市営バスICカードシステムの導入など18事例ございます。3つ目は、ICTで効果的な行政事務の改革・改善を掲げておりまして、推進事例としましては、文書事務の電子化、公園施設管理のシステム化など10事例となっております。  議員の御質問の来年度見直し予定のICT推進指針につきましては、ただいま申し上げました3つの方向性と推進事例につきまして検証を行い、次期指針に反映したいと考えております。  さらに、現指針の策定当時に想定していなかった現在実証実験中のAIの活用、今後導入予定のAI−OCRやRPAなども出てきておりますので、こういったものも検証を行って、次期指針に反映していきたいと考えているところでございます。
     ICT分野における進展は一段とスピードが上がっているように感じております。このため、次期指針におきましても、有効なICTの製品やサービスを適切なタイミングで柔軟に取り入れていくことができる指針を策定したいと考えているところでございます。  次に、タブレット端末の運用状況についてお答えいたします。  タブレット端末は、ペーパーレス会議によるコスト削減、市民の皆様に対する説明会時の効果的な利用、現地調査時の場所確認や法令等の検索など、庁舎内外で職員が行政事務を行う上で有効な手段として、平成26年8月から運用を行っているものでございます。  現在、情報課で管理しておりますタブレット端末は142台でございまして、内訳としましては、幹部職員や各課用として常時貸し出しをしております端末が119台、利用希望者に対する短期貸し出し用が23台となっております。  主な活用状況でございますが、定量的な効果がある活用事例といたしましては、庁議や経営戦略会議など幹部職員が参加する会議や保健師による保健指導時における利用、総合窓口でのアンケート調査時における利用、本庁と支所をつなぐテレビ会議機能を使った窓口研修等におきまして利用しております。そのほか、定住促進フェア、観光PRイベント、職員出前講座や住民説明会、また、職員出張時における利用などに活用しているところでございます。  なお、情報課で管理しております142台以外の各部署におけるタブレット端末の導入状況でございますが、議会事務局で50台、母子保健指導用として健康づくり課で12台など、10の部署で計103台となっておるところでございます。  以上でございます。 ◆松永幹哉 議員   それでは、一問一答に入っていきます。  まず、防災についてでありますが、情報発信の手段として先ほど防災行政無線と答弁がありましたけれども、これは設置されて大体5年が経過したかと思います。その間、山間部においては新しいハザードマップの整備が進み、土砂災害警戒区域、特別警戒区域の指定がなされておるところであります。昨年7月の豪雨の際には、防災行政無線の屋外子局、あるいは戸別受信機が情報伝達のかなめとなって、大いに利用されたところでございます。  ところが、聞こえにくいところ、または屋外子局が整備されていない地域から、聞こえているところとそうでないところが混在しているのはどういうことかという問い合わせが昨年よくありました。土砂災害等警戒区域に照らし合わせて再度調査を行って、スピーカーの増設、あるいは子局の整備等を検討するべき時期が来ているんではないかと思いますけれども、見解をお示しください。 ◎池田一善 総務部長   防災行政無線は、災害時の情報伝達の目的で、市内に172局整備しており、避難所及び土砂災害や河川決壊などの災害リスクが高い地域に重点的に整備したものでございます。このため、場所によっては、また、台風や豪雨などの災害の種別によっては、近年の住宅の気密性の向上も相まって、屋外の拡声子局からの放送では聞き取りづらい場合もあると思います。  そのようなことから、佐賀市では防災行政無線以外の情報を得る手段として、テレビ、ラジオを初め、防災ラジオ、さがんメール、緊急速報メール、Lアラートによるテレビの文字情報など、避難情報伝達の多様化を図っております。1つの伝達手段に頼るのではなく、複数の伝達手段を用いることで、避難情報を確実に市民の皆様に届けることが重要と考えております。  そして、市民の皆様におかれましては、災害時には積極的にいろいろな情報メディアから情報収集を心がけていただき、御自身や御家族の生命を守る自助につなげていただきたいと考えております。  今後は幅広い年齢層の情報取得のニーズに対応できるように、情報伝達手段をなお一層充実させることとしており、災害時において迅速な避難行動を促し、市民の安全確保に資するという目的でSMS、自動音声による電話、LINEでの情報発信などを検討しておるところでございます。 ◆松永幹哉 議員   行政無線の屋外子局の調査等については、一言も触れられませんでした。ということは、調査はやらないということでしょうか。 ◎池田一善 総務部長   おっしゃるように、聞こえないという意見があることは認識しております。今年度、既設の屋外拡声子局に対して、電波受信の劣化状況などを調べる電波伝搬調査を実施しております。  この調査に基づいて、著しく電波受信の機能等が劣化した屋外拡声子局につきましては、部品の交換などの対策を検討していきたいと考えております。 ◆松永幹哉 議員   防災無線が整備されてから5年です。その間、災害が多岐にわたり発生し、先ほど申しましたように、土砂災害特別警戒区域の指定がされております。ということは、その当時、その区域指定がない中で計画をされているため、聞こえない場所もあるということなんです。山間地の方々に一番先に情報を伝達する手段は、やっぱり外のスピーカーなんです。昔から設置されているスピーカーなんです。屋内の子局もありますけれども、中には屋内の子局よりも屋外子局からのほうがわかりやすいし、聞こえるという声もあります。  そこで、いま一度、これは見直す時期じゃないかと思うんですけれども、そこをかたくなにおっしゃらないのはどういうわけでしょうか。 ◎池田一善 総務部長   聞こえないという声に対しましては、現在、個別に現地を調査して、スピーカーの向きを調整するなど、個別に対応しているところでございます。 ◆松永幹哉 議員   地区によっては、例えば、大和の場合、富士側にあるから、川向こうにあるから屋外子局が設置されていない地域もあるんですね。そういうところは、最初から聞こえていなかったという話なんです。北部山間地域として、災害のときにどうして聞こえる場所と聞こえない場所があるんだというのは、市民の方が当然そういうふうに思うんですけれども、その中で、この屋外子局は鍵をあけて中のマイクを握れば、地域に個別の放送ができます。部長、これはほかのところと違って、室内の子局には通らないんですよね。本当に危ないとき、地域の方に発信をするとき、逃げてくださいと言うとき、このマイクを使ったほうが一番効果があるんですよ。そういう中でも、地域性としてどうしても必要ということで地域が言っているにもかかわらず、この見直しをしないということなんでしょうか。 ◎池田一善 総務部長   繰り返しになりますけれども、災害情報の伝達につきましては、1つの情報伝達手段に頼るのではなくて、なるべく多くの情報伝達手段でもって確実に市民の方に情報伝達するという方向で市としては対応しているところでございます。ですので、先ほど申し上げましたように、今後も情報伝達手段の多様化、LINE等、また、自動電話なども含めて、今後、多様化に取り組んでいきたいと考えております。 ◆松永幹哉 議員   部長、一番有効な手だてが防災行政無線の屋外子局というふうに私は今言っているんですよ。ほかの手段じゃなくて、それが一番効果がある。災害時にそれが一番効果があるから言っているんですよ。だから、どうしてその調査もしないというふうな答えになるのかわからないんです。本当に災害があって聞こえなかった人がいたときに誰が責任とりますか。それぐらいに山間部は雨が降ったときに土砂災害の危険性があるんです。地域の方がその子局を使ってマイクを握ったら、その地区全部に放送ができるんです。避難放送がその地区だけにですね。これは、災害時には使っていいというふうになっておりますから、そういうことができるんですけれども、その装置がない地域はやっぱり不満があるんですよね。そこの点についてどう思われますか。 ◎池田一善 総務部長   繰り返しの答弁になるかと思います。防災行政無線の屋外子局だけに頼るのではなく、高速道路の北側の山間部のほうにつきましては、戸別の受信機も配置しております。同じ情報が流れておりますので、そのほか、テレビとかラジオ等含めて、情報をとっていただきたいというふうに考えております。 ◆松永幹哉 議員   どうしても調査しないという答弁ですけれども、部長、結構です。  市長、今、私が言っているのは、一番効果がある手段としての屋外子局、この整備の見直しを言っています。整備をすぐしなさいということじゃなくて、どこに聞こえないところがあって、どこが危ないのか、ここにつけたら地域の方も使えるから、これだけの伝達ができるということを調査してくれないかと言っているんです。それについて市長いかがでしょうか。 ◎秀島敏行 市長   今、話を聞いておりまして、私の聞こえ方も、部長が何でかたくなに拒否しているのか、ちょっとそこら辺がわからない部分があるわけですが、私も現場を見てみますと、やっぱりレッドゾーン、イエローゾーン、いろいろあると思います。そういうところに住んでおられる皆さんたちの部分ですね。だから、そういうゾーンに限定して聞こえ方がどうなのかと、これでいいのかと、それはやっぱり一回試してみるというんですか、調査する必要があると私は思うんですが、ちょっとそこら辺の打ち合わせはまだ十分やっていませんのであれですが、私はそういうふうに感じました。 ◆松永幹哉 議員   市長、ありがとうございます。その方向でぜひ調査していただきたいと思います。  続きまして、今、戸別受信機が高速道路より北に整備をされておるところでございます。この機種のメンテナンス等の管理はどのようにされているのか、お伺いいたします。 ◎池田一善 総務部長   戸別受信機の管理についてでございます。  管理は原則的に本人に行っていただいておるんですけれども、取りつけや撤去に関すること、それから、受信ができないなどのふぐあいについては市で対応しております。  戸別受信機に関する問い合わせにおいては、電池交換に関するものが多くて、また、そのほとんどが交換手順の誤りによるものでございました。そのため、テスト放送を兼ねて、平成30年12月から、毎月20日の夕方に電池交換の手順を放送しておるところでございます。 ◆松永幹哉 議員   独居老人宅にこの間行ってみますと、この戸別受信機はコンセントが抜いてありました。聞こえません。放電しています。ですから、これを全てチェックしなさいというのは無理かもしれませんけれども、自治会に相談したり、地域の中で話をしてもらうとか、あるいは消防団、民生委員の方が家に出向いたときに、ちょっと聞いてみるとか、そういう手だてをすることによって、地域の意識も高まりますので、その辺はもうすぐにやっていただきたいというふうに思うところであります。  続いて、先月の2月20日11時に情報伝達訓練、全国瞬時警報システムJアラートの訓練がなされましたが、この伝達の確認など、どのような成果を把握されているのか、お尋ねいたします。 ◎池田一善 総務部長   弾道ミサイル発射や津波、緊急地震速報などの緊急情報を国が自治体に伝えるJアラートでございますが、Jアラート全国一斉情報伝達訓練に平成25年度から参加し、今回で10回目の参加となっております。  今年度からは年4回、情報伝達訓練が実施されておりまして、緊急情報を伝えるJアラートの受信に伴いまして、防災行政無線と、さがんメールなどが連動して自動発信することを確認いたしております。  あわせて、毎年の訓練結果を踏まえ、ほかの自治体での設定ミスなどのふぐあい事案について、今後の注意事項として参考にしております。  また、事前に市報で訓練内容を周知して、防災行政無線からの放送や、さがんメールが送信されることで、市民の皆様にもこのような訓練を通じて、防災に関する周知及び啓発にもなっていると考えております。今後も積極的な参加をしていきたいと考えております。 ◆松永幹哉 議員   せっかく訓練に参加するわけでありますから、年に4回ですか、伝達の不備、あるいは問題点があるときには国が発信してくれるわけですよね。これを使わない手はないと思うんですよ。どこに聞こえているのか、どこが聞こえないのか、これは基本的に日本中どこにでも伝えるということが目的でJアラートは整備されておりますので、そこはぜひとも調査していただきたいと思います。  それから、先ほど市民に対して情報がどういうふうに届くかということでお尋ねしたところなんですけれども、確実に市民一人一人に情報が届くことが被災者を出さない手だてだと思います。避難情報等が発令されたとき、自治会長とか民生委員に電話で連絡されているというお話がありましたけれども、その先の手だてですね。もちろん自主防災組織等ができているところは、そういう組織の中で通達ができるかもしれないと思うんですけれども、中には、自治会長によっては、何をしていいかわからないという方もおられます。ですから、どういうふうにそこが伝達されているのか、そのところをお伺いします。 ◎池田一善 総務部長   総括質問で答弁させていただいたとおり、避難情報の伝達手段の多様化を図っております。これによって市としましては、地域住民の方々が早目の避難を行えるよう、避難情報は時期を失することなく発令することとしております。  また、市民の方々が災害から身を守る上で最も重要なことは、市民一人一人が自分の命は自分で守るという自助の意識を持つことだと考えております。そのため積極的に地域に出向き、出前講座を開講し、避難情報の意味や避難する方法、どこが一番安全なのかということなど、地域での災害の特徴に応じた避難行動を説明しているところでございます。  今後も住民の迅速な避難につながる取り組みを推進していきたいと考えております。 ◆松永幹哉 議員   災害時の避難情報の発令時は、情報の受信と初期の行動によって、被災するかしないかが分かれるというふうに言われております。「佐賀市防災の手引き」が配布されております。これです。(現物を示す)もう5年ぐらいたっていると思うんですけれども、中身はよくできているんですが、災害時に、まず何をするかという簡単な行動指針──雨が降った、台風が来る、地震があったという個別の災害に対して、一目瞭然でわかる最初の行動マニュアル、わかりやすい行動マニュアルがもう必要になってくる時期じゃないかと思うんですけれども、その辺についていかがでしょうか。 ◎池田一善 総務部長   御紹介のとおり、平成26年度に手引を作成して、全戸配布をしております。この中には、災害の種別によっての行動ですとか、安全対策等も網羅しております。ただ、5年がたっているということ、また、近年頻発する災害に合わせた形での内容等の改定をする必要性を感じております。  今後、ほかの自治体等を参考に、調査、研究していきたいと考えております。 ◆松永幹哉 議員   災害情報は常に市民に新鮮であれということが、本当に大事なことではないかというふうに思っております。被災者を出さないために、市民に対する徹底した啓発や、あるいはそういうマニュアルの作成について、今後とも徹底した対応をお願いして、この質問を終わりたいと思います。  続きまして、新エネルギーについて質問を続けます。  さが木質バイオマス利用促進協議会というのが設立されて、協議がなされているというふうに聞いておりますけれども、この経緯など、内容についてお伺いいたします。 ◎川副浩顯 農林水産部長   さが木質バイオマス利用促進協議会の設立の経緯でございますけれども、近年は森林の保全整備、また、木材の安定供給を促進させる取り組みとして、木質バイオマスの有効活用が期待されており、全国的に木質バイオマス発電がふえている状況でございます。  そのような中、県内においても、林業経営の安定化や素材生産性の向上などを目的として、木質バイオマスの有効利用を検討するため、佐賀県森林組合連合会と県内の8つの森林組合で構成されたさが木質バイオマス利用促進協議会が平成30年8月に設立されております。  なお、この協議会では、木質バイオマスの活用方法として、新たな原木供給や木材のチップ化、木質バイオマス発電事業など、どのような取り組みが各森林組合の経営安定に寄与するのかという視点から、実行可能性や採算性などについて、現在、協議が行われているところでございます。  以上でございます。 ◆松永幹哉 議員   今、佐賀県森林組合連合会のほうで立ち上がって協議がされてきたということなんですけれども、部長もおっしゃいましたが、全国各地で木質資源を使ったバイオマスの発電が稼働してきました。そんな中で、佐賀市、あるいは佐賀県全部における木質バイオマス発電の可能性、木材の搬出等を含めて、この可能性についてお伺いいたします。 ◎川副浩顯 農林水産部長   全国では大小さまざまな規模の木質バイオマス発電施設があり、その規模によって必要とされる木質バイオマス燃料の量も大きく違ってまいります。  また、木質バイオマス燃料としては、未利用木材、一般木材、リサイクル木材、バイオマス液体燃料、廃棄物の5種類の燃料区分がありますが、今回検討されているものは、山から搬出される原木のうち、約3割を占める未利用木材でございます。大規模な木質バイオマス発電施設においては、大量の木材を確保する必要があるため、複数の県をまたいだ木材の収集に苦労されていると聞いております。  そのため、当協議会では直近の県内の原木供給量と発電効率等の出力規模の経済性の観点から試算され、発電施設の発電規模が2,000キロワットであれば、必要な木材の量で換算すると年間2万立米になりますので、2,000キロワット級の発電所であれば可能性があるとして協議されております。  以上でございます。 ◆松永幹哉 議員   我が国の森林は木造建築の木材を生み出してきた、あるいはまきや炭がエネルギー源でもあったわけです。近年、森林資源は、発電や熱利用のために使われる木質バイオマスとして活用することが推進されてきました。これは山村地域に経済的な利益、あるいは新たな雇用を生み出すということで、地域活性化につながることが大きく期待されているところであります。  そこで質問ですが、木質バイオマス発電が導入された場合、佐賀市の森林・林業に一体どういう効果をもたらすのかを伺います。 ◎川副浩顯 農林水産部長   木質バイオマス発電の導入により、木材の需要が増加すれば、その燃料となる木材の素材生産量がふえ、木材の安定供給により森林組合などの林業事業体の経営の安定化につながると考えております。  また、森林整備の観点からは、これまで間伐等を実施できていなかった森林の整備や資源の循環につながっていくものと思っております。そのことで森林が本来持つ環境保全や水源涵養、土砂災害防止などの多面的機能の発揮にもつながっていくものと思っております。  このように新たな木質バイオマス資源を活用することができれば、林業の振興や森林の保全、整備においても高い効果が期待できるものと考えております。  以上でございます。 ◆松永幹哉 議員   まさに夢のような話であります。いろんな制約、あるいは建設費のあり方、企業の参入のあり方の問題はあるかと思いますけれども、大変大きな可能性を秘めた木質バイオマスの発電ではないかと思います。  議会でも昨年の11月に、佐賀市森林・林業活性化促進議員連盟の視察で大分県の日田市にあるグリーン発電大分の天瀬発電所を約15名で視察いたしました。山林未利用材を活用した木質バイオマスチップを燃料とするバイオマス発電事業を展開され、地域林業の振興による雇用創出、地域経済の活性化に貢献されているところでございます。発電出力が5,700キロワット、発電電力量が年間4,500万キロワット、20年間のFITの制度による売り上げは年間12億5,000万円、これは大きな経済効果であります。ゼロで、なかったものが12億5,000万円です。  この木質資源の利用による発電に伴い、日田市内の森林組合、素材生産者、原木市場、運送会社など、約36者による日田木質資源有効利用協議会が設立されておりまして、新たな経済圏をつくり、地域経済の一翼を担っておられます。このようにバイオマス発電の導入により大きな経済効果が生まれるということであります。  先ほど部長がおっしゃった2,000キロワットの可能性があるということは、稼働率を換算したときに今1キロワットが、2,000キロワット以下だと40円ですから、約6億円ぐらいの経済効果があるんではないかと思います。  そんな中、森林・林業以外の経済波及効果も生み出されてくるのではないかと思いますけれども、この辺の見解をお示しください。 ◎川副浩顯 農林水産部長   木質バイオマス発電の導入による経済波及効果については、現在、検討されている電力出力2,000キロワットの場合でお答えさせていただきます。  2,000キロワットの発電所を1年間稼働するのに必要な未利用木材を2万立米と仮定し、木質バイオマスの買い取り価格を1立米当たり7,000円として計算しますと、未利用木材が約1億4,000万円で取引されることになりますので、この金額が直接的に森林組合を中心に県内の山間地域で回り始めることになると考えております。  また、先日視察いたしました宮崎県串間市の出力2,000キロワットの大黒潮発電所では、森林組合や林業事業体の13団体から成る地元協議会がつくられ、さまざまな林業関係者もかかわりながら年間約2万立米の木材を供給されておりました。
     さらに、新たに建設された発電施設では、社員14名の新たな雇用創出につながっておりました。  このように、木質バイオマス燃料の木材関連だけではなく、地域や関連産業への経済波及効果も十分期待できるものと考えております。  以上でございます。 ◆松永幹哉 議員   確かに経済波及効果があるということでございます。しかし、その燃料についてはなかなか一概に搬出が簡単にできるものではないという報告もなされております。一方、バイオマス発電の燃料として、建築資材の廃棄物、あるいは今、深刻になってきたもみ殻などの農業生産における廃棄物、未利用木材以外の資源の活用についても環境問題として解決されるんじゃないかと思いますけれども、この辺の捉え方はいかがでしょうか。 ◎川副浩顯 農林水産部長   未利用木材以外の資源の活用方法につきましては、木質バイオマス発電所の燃焼効率を上げるために、発電に利用する木材の含水率を下げる1次処理の燃料として、木の皮であるバークを活用されているケースがございます。このような仕組みにより、もみ殻や建築廃材などの未利用木材以外の資源も活用することができるのではないかと思っております。  いずれにいたしましても、もみ殻などの有効活用の可能性はありますが、費用対効果等を含めた十分な検討が必要であるというふうに考えているところでございます。  以上でございます。 ◆松永幹哉 議員   この木質バイオマスは売電が主になってくるんですけれども、今まではバイオマスの中では海外では熱利用が主流でありました。電気よりも熱のほうを利用するということが主流であったわけですけれども、例えば、古湯温泉においては、美肌の湯ということでぬる湯がPRされております。しかし、この一部は加温しないとお客様に入っていただけないというところがございまして、旅館などでは、この加温の費用が随分と負担になっているのが現状かと思います。こういう余熱を利用して、旅館の経済的支援もできると思うんですけれども、この辺の部長の見解をお伺いします。 ◎松尾邦彦 経済部長   木質バイオマス発電の温泉の加熱への利用ということです。  今、議員の御指摘がございましたとおり、古湯・熊の川温泉は、その特徴がぬる湯と言われておりますとおり、温度が低い温泉でございます。そのため、特に冬場におきましては、旅館などの利用者が加温して利用されております。温泉に関しまして、木質バイオマス発電の発電時に発生した熱を利用できるとすれば、温泉水を加熱するということが十分考えられます。  ただ、検討に当たりましては、加温の方法や加温施設の規模をどうするか、また、施設の整備費や使用料金などの費用負担をどうするかなど、コストの面を含め、検討すべき課題は多くあると考えられます。  今後、木質バイオマス発電施設について、具体性が出てきましたら、旅館などの利用者の御意向にもよりますけれども、その利用方法などについて調査、検討していくことになるのではないかと思うところでございます。 ◆松永幹哉 議員   確かに簡単に設置して、木材が出てくるかわからない状況での施設の設置は研究が要ると思います。しかし、大きな2,000キロワットの発電設備の構築をしたときに、山から木材が出始めたら、小さな発電機の集合体とか、あるいは古湯地区だけに発電機を置くとか、そういうことも研究としてできるんじゃないかと思います。その辺は十分に今後研究されて、可能性を調査していただきたいと思います。  発電による熱の利用で、もう一点伺います。  グリーン発電大分の天瀬発電所においても、省エネ農業として熱を利用したイチゴの栽培がなされておりました。地域との協定で、このイチゴ栽培には、ハウス当たり1日1円の利用料で熱が供給されております。年間365円ですね。佐賀市においても、清掃センターの余熱利用による農業生産の協議も、今進められていると聞いております。  そんな中で、中山間地農業においても、この余熱を使ったところで、今できていない生産物などの多様化が生まれるかと思いますけれども、この農業における余熱の利用についてお伺いいたします。 ◎川副浩顯 農林水産部長   発電事業の余熱を農業に活用できないかという御質問でございますが、発電所の立地と農業用ハウスとの距離がどの程度になるのかわからないことや、発電事業者の考え、また、発電施設の能力等によるところも大きいため、現時点でははっきり言えないというのが実情でございます。  ただ、そういう課題がクリアできて、発電事業者から余熱を安価で安定的に供給していただくことができれば、平地と同様にトマトやイチゴ、キュウリなどの作物の栽培が可能になろうかというふうに思っております。  以上でございます。 ◆松永幹哉 議員   いずれにしても、今後の研究だと思います。そのところはよろしくお願いしたいと思います。  再度、グリーン発電大分の話なんですけれども、ここの石田社長の話で、発電所のために山があるのではなく、山林資源の持続のために発電所があるべきということをおっしゃったことが物すごく印象に残りまして、その山の木材を生かす、山の資源を持続するために発電所の利用をするということが今なされています。これは佐賀市においても、ぜひとも森林・林業の活性化に向けた取り組み、経済の発展に向けた取り組みとしては、とり行うべきではないのかと思います。  そういう中で、資源の活用、経済の創出、熱利用によるさまざまな可能性を捉えて、この発電事業の推進を図っていけるのか、この辺の考え方をお願いしたいと思います。 ◎川副浩顯 農林水産部長   これまでお答えしましたとおり、木質バイオマス発電の導入により、その燃料となる木材の素材生産量が安定的にふえ、林業の活性化につながると同時に、地域や木質バイオマス発電に関連する産業への経済波及効果が生まれるものと考えております。  また、森林資源の循環が促進され、森林が持つ環境保全などの多面的機能が発揮されることになり、このことは山間部だけではなく、山の恩恵を受けている有明海への好影響にもつながるものと考えております。このように木質バイオマス発電によるさまざまな効果があることは認識しているところでございます。  この木質バイオマス発電の取り組みは、バイオマス燃料の素材生産量を確保するため、広域的に取り組む必要があり、現在、さが木質バイオマス利用促進協議会で協議されているところでございます。  本市といたしましても、この協議会の協議内容を踏まえ、市として協力できる部分について積極的に連携を図りながら進めていきたいと考えております。  以上でございます。 ◆松永幹哉 議員   部長、チャンスです。この眠っている宝の山を起こして、新エネルギーの創出をよろしくお願いしたいと思います。  最後に、ICTの推進について伺います。  ICTの推進の中で、市役所のタブレット端末活用の導入効果についてお尋ねいたします。 ◎武藤英海 企画調整部長   タブレット端末の効果についてお答えいたします。  タブレット端末につきましては、先ほど総括質問への答弁でも申し上げましたとおり、平成26年8月から運用を開始しております。3年間経過いたしました平成29年9月に利活用の状況について取りまとめをしております。その際、定量的な効果につきましては、具体的な年間ベースでの削減効果を算定しておりますので、それを申し上げたいと思います。  まず、庁議や経営戦略会議などの幹部職員が参加いたします会議及び各部署内の打ち合わせなどにおける削減効果といたしましては、用紙代など約6万枚の削減で、金額にしまして約4万円の削減、また、その印刷代として約28万円の削減、職員の印刷製本に要する人件費としまして約1,000時間の削減で、金額にしまして約363万円の削減となっております。  また、本庁と支所をつなぐテレビ会議機能を使った窓口研修等における削減効果といたしましては、支所職員の本庁往復に要する時間として約600時間の削減で、金額にして約234万円の削減と算定しております。  以上の項目を合わせました年間の削減効果としては、約630万円と積算しているところでございます。  以上でございます。 ◆松永幹哉 議員   総括質問への答弁の中で、活用している142台のうち、119台が専用として使っているということでしたけれども、この端末の詳しい使用内訳についてお尋ねします。 ◎武藤英海 企画調整部長   常時貸し出ししておりますタブレットの端末の内訳についてでございます。  庁議や経営戦略会議に参加しております幹部職員に対しまして40台、それ以外の79台を各課専用として貸与しているところでございます。 ◆松永幹哉 議員   40台が幹部職員専用ということですけれども、この主な用途を再度答弁をお願いいたします。 ◎武藤英海 企画調整部長   幹部職員に貸与しておりますタブレットの主な用途についてでございます。  先ほどから御説明しておりますように、庁内におきましては庁議、経営戦略会議のほか、指名等審査委員会、例規審議委員会、環境管理委員会などの会議で使用しておるところでございます。  そのほか、出張時において使用いたします打ち合わせ資料、それから、説明用の資料をデータ化して持参したり、職場にいる部下との連絡、情報共有を行ったりするなど、さまざまな場面で活用しているところでございます。 ◆松永幹哉 議員   熊本市役所の活用例をちょっと紹介しますと、震災のときに物すごく業務が繁忙で、書類、あるいはコピーが多く、本当に職員の手が回らないような状況に陥ったとき、数社の民間企業の支援によりタブレットを100台、震災対策本部に送られたということであります。このとき、今、議会が使っているサイドブックスを設定したものを入れられたということで、このサイドブックスを設定していたおかげで、情報の管理、それから、データの管理が、よりできやすくなったということでございました。  幹部や管理職は危機管理上、常に連絡がとれる体制になければならないのではないかと思います。現在は、その連絡の手段としては、個人の携帯電話の登録で済まされているというふうに聞いておりますけれども、せっかくタブレットが専用の端末として40台配付されているのであれば、5,000円の通信料のことも含めて考えると使わない手はないと思うんですよね。  今、議会でやっているから言うんじゃないんですけれども、議会では連絡、それから、議案も含めて、全てiPadに連絡が来て、そこに情報があるということになっております。これは、当然執行部の40台については、もっと通信料も含めて活用すべきだと思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。 ◎武藤英海 企画調整部長   タブレット端末をもっと活用すべきではないかという御指摘でございます。  現在、幹部職員に貸与しておりますタブレット端末には、ファイルストレージという資料を保存できる機能がございます。この機能を利用すれば、例えば、庁議等の会議資料だけでなく、さまざまな資料が共有できるので、いつでもどこでも資料を見ることができるようになっております。したがいまして、今、議員が言われました災害時の対応にとっても非常に有効な手段だと思っております。幹部職員へ緊急に連絡する必要がある場合に、資料を直接タブレットのほうに送るとか、情報共有しやすいことがタブレット端末の特徴だと思っております。このため、タブレット端末の活用につきましては、通常時だけではなく、今言われましたような緊急時の活用も含めて、利用しやすい環境の整備、利用方法の周知を行ってまいりたいと考えております。  具体的な活用方法やルールにつきましては、関係課とも協議を行いながら、今後、さらなる利用拡大につなげていきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 ◆松永幹哉 議員   次の定例会では机の上にiPadがあることを願って質問を終わります。 ○武藤恭博 議長   これより休憩に入りますが、本会議の再開は午後0時57分に予鈴でお知らせします。  しばらく休憩します。           午前11時49分 休 憩          平成31年3月11日(月)   午後1時00分   再開                 出  席  議  員 ┌────────────┬────────────┬────────────┐ │  1.富 永  明 美 │  2.久 米  勝 也 │  3.御 厨  洋 行 │ │  4.西 岡  真 一 │  5.宮 崎    健 │  6.中 村  宏 志 │ │  7.村 岡    卓 │  8.松 永  幹 哉 │  9.川 副  龍之介 │ │ 10.永 渕  史 孝 │ 11.山 下  伸 二 │ 12.野 中  康 弘 │ │ 13.松 永  憲 明 │ 14.山 田  誠一郎 │ 15.堤    正 之 │ │ 16.川原田  裕 明 │ 17.久 米  勝 博 │ 18.重 松    徹 │ │ 19.山 口  弘 展 │ 20.重 田  音 彦 │ 21.野 中  宣 明 │ │ 22.池 田  正 弘 │ 23.白 倉  和 子 │ 24.江 頭  弘 美 │ │ 26.中 野  茂 康 │ 27.平 原  嘉 徳 │ 28.千 綿  正 明 │ │ 29.川 崎  直 幸 │ 30.武 藤  恭 博 │ 31.福 井  章 司 │ │ 32.中 山  重 俊 │ 33.山 下  明 子 │ 34.嘉 村  弘 和 │ │ 35.黒 田  利 人 │ 36.西 岡  義 広 │            │ └────────────┴────────────┴────────────┘               地方自治法第121条による出席者 佐賀市長        秀 島  敏 行    副市長         御 厨  安 守
    総務部長        池 田  一 善    企画調整部長      武 藤  英 海 経済部長        松 尾  邦 彦    農林水産部長      川 副  浩 顯 建設部長        志 満  篤 典    環境部長        喜 多  浩 人 市民生活部長      眞 崎  武 浩    保健福祉部長      田 中    稔 子育て支援部長     藤 田  基 明    地域振興部長      古 賀  臣 介 交通局長        伊 東  博 己    上下水道局長      田 中  泰 治 教育長         東 島  正 明    教育部長        百 崎  芳 子 選挙管理委員会事務局長 中 村  純 士    農業委員会事務局長   福 田  康 則 監査委員        力 久    剛    会計管理者       中 島  博 樹 ○武藤恭博 議長   休憩前に引き続き会議を開きます。  市政一般に対する質問を続行します。 ◆平原嘉徳 議員   自民市政会の平原嘉徳でございます。質問に入ります前に、8年前の本日に発生いたしました東日本大震災により犠牲となられた方々に、心より謹んで哀悼の誠をささげ、被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。  それでは、通告に従い、順次質問いたします。  まず、1点目は、昨年7月に発生いたしました豪雨等を踏まえた今後のため池対策の進め方についてであります。  昨年6月28日から7月9日にかけて台風7号と梅雨前線の停滞による豪雨で西日本を中心に記録的な雨量を記録し、非常に広範囲で大規模な災害が発生したことは記憶に新しいところであります。  とりわけ本市においても北山で579.5ミリという観測史上最大の雨量を記録し、富士町無津呂地区においては市道の路肩が崩れ、付近の住民が避難する事態となるなど、特に富士町と三瀬村の山間部の道路や農地に甚大な被害をもたらしました。また、嘉瀬川では氾濫のおそれがあるとして、市内の春日、春日北、鍋島校区の3,056世帯9,411人、同じく川上校区では443世帯1,442人に避難勧告が出され、さらには土砂災害の警戒として、大和、富士、三瀬、金立、久保泉校区の1,880世帯5,595人にも避難勧告が出されました。  このように、この豪雨は本市においても甚大な被害と市民生活に大きな不安をもたらし、被災箇所においては今なお痛々しい爪跡を残しているわけでありますが、今回は特にため池について問題提起を兼ねた質問をいたします。  この西日本豪雨では32カ所のため池が決壊し、広島県福山市では決壊による土砂災害で家が流され、3歳の女児が死亡するというまことに痛々しい災害が発生しております。  これまで全国的に災害のたびに、ため池の管理などについて指摘されてまいりましたけれども、これを受け農林水産省は全国に約20万カ所あるため池の実態を把握し、防災対策を強化されております。ため池は雨が少ない地域では農業用水を確保するために重要な役割を果たし、防災・減災対策の機能も有しているわけですが、近年は農家の減少や高齢化で維持管理が行き届かないというのが実態のようであります。  そこで質問いたしますが、農水省は全国の1万1,000カ所を防災重点ため池とし、周知を自治体に求めたところであります。これに関して、まず1つ目に、本市におけるため池の数、2つ目に、このうちの防災重点ため池の数、3つ目に、平成30年7月の全国ため池緊急点検で点検を行ったため池の数について、それぞれお聞きし、このうち3点目の緊急点検につきましては、その点検の内容についてもお答えいただきたいと思います。  次に、佐賀都市計画と企業誘致についてであります。  佐賀市においては佐賀都市計画区域として市街化区域と市街化調整区域に区分され、いわゆる線引き制度を昭和46年に制定されています。この線引きの制定から現在まで48年の歳月が過ぎていますが、この間、昭和60年には長崎自動車道が開通し、インターチェンジを有することによって、人や物を運ぶ輸送路として大きな役割を果たしています。  また、有明佐賀空港が平成10年に開港し、平成28年には九州佐賀国際空港に名称を変更するなど、アジアからの空の玄関口として今後も国際空港に向けウイングを大きく広げつつあります。  このように空港とインターチェンジの空と陸の玄関口を有することが本市の強みであると思います。このポテンシャルをさらに生かした将来の県都としてのあるべき姿を考えたとき、48年前に制定された佐賀都市計画、また平成22年に南部3町を市街化調整区域と定めた現行の都市計画の線引きの一部が本市の発展を遮っているのではないでしょうか。  全国の空港やインターチェンジ周辺の土地利用に目を移してみますと、その地の利を生かし、物流施設などの民間企業の流入を図ることによって都市の発展につなげています。私は本市の空港とインターチェンジが持つポテンシャルを生かした都市政策は重要な政策課題だと考えます。  そこで質問しますが、現在の佐賀市の土地利用はこの制度によって開発できる土地と開発が抑制される土地とに分かれておりますが、この線引きがなされた経緯とこの線引きのうち市街化区域の土地利用の現況について答弁を求め、総括質問といたします。 ◎川副浩顯 農林水産部長   私からはため池の数や緊急点検の内容についてお答えいたします。  まず、ため池の数について、本市が台帳で把握している総数は74カ所となっております。また、そのうち防災重点ため池は9カ所となっております。  次に、緊急点検の内容でございますが、昨年7月の豪雨において西日本地方での被害は甚大となり、広島県を中心に32カ所のため池に決壊等が発生し、家屋被害や人的被害をもたらしました。  そうした実態を踏まえまして、国では昨年7月15日にため池対策検討チームを設置され、7月19日から8月末までの非常に短い期間において全国のため池の緊急点検を実施されました。  全国で約20万カ所存在するため池のうち、決壊した場合に家屋や公共施設等に被害を与えるおそれがあるものが緊急点検の対象となっており、都道府県の協力のもと、約8万8,000カ所で実施されました。  その内容は、堤防の本体についてはのり面に陥没や亀裂、湧水や浸食などがないか、洪水吐き及び取水施設については損傷や周辺地盤などに異常がないか、ため池内につきましては流木の堆積等がないかなどを目視により確認するものとなっております。  本市のため池において、緊急点検の対象となったものは防災重点ため池に指定している9カ所を含め42カ所でございます。  一方、昨年7月の西日本豪雨により、ため池の決壊等があった32カ所のうち、防災重点ため池に選定されていたため池はわずか3カ所であったことが判明し、選定基準についての課題も生じております。  そこで、国は防災重点ため池の選定における新たな基準を設け、防災重点ため池の見直しを行っております。  本市においても、現在、現地踏査及び県との協議を重ねながら、再選定の作業を実施している段階でございます。  現在の進捗を申しますと、防災重点ため池の数は現行の9カ所に新たに37カ所を追加し、総数46カ所となることを県に報告しているところでございます。  以上でございます。 ◎志満篤典 建設部長   2項目めの佐賀都市計画と企業誘致についての御質問にお答えします。  最初に、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分する、いわゆる線引き制度について御説明いたします。  この線引き制度とは、無秩序な市街地の拡大による環境の悪化の防止や都市近郊の優良な農地と市街地の健全な調和などを目的として、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分するものであり、都市計画の基本となるものでございます。  市街化区域とは既に市街地を形成している区域及び今後、おおむね10年以内に優先的、計画的に市街化を図るべき区域とされており、市街化調整区域は市街化を抑制する区域とされております。  次に、本市の線引きの経緯についてお答えします。  現在の佐賀都市計画区域については昭和43年に施行された都市計画法に基づき、市町村合併前の佐賀市と諸富町の全域、大和町の一部の区域について昭和46年に指定されております。この佐賀都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分するいわゆる線引きについては、同じく昭和46年に指定されております。  その後、昭和55年に現在、佐賀大学医学部附属病院のある鍋島町、高木瀬町の一部を、昭和63年には現在、佐賀中部病院のある兵庫町の一部を、平成10年には現在、佐賀清和中学校、佐賀清和高等学校がある兵庫町の一部と大和町久池井の一部である小川東地区などが市街化区域に編入されております。また、川副町、東与賀町及び久保田町との市町村合併を踏まえ、平成22年にはこの3町の全域を市街化調整区域に指定しております。  このような経緯から、現在、市街化区域の面積が約2,950ヘクタール、市街化調整区域の面積が約1万9,130ヘクタールとなっております。  現在の市街化区域の土地利用の状況については、市街化区域の面積約2,950ヘクタールのうち、住宅用地が約1,180ヘクタールで約40%、商業、工業用地が約440ヘクタールで約15%、公共施設が立地する用地や公園等用地が約440ヘクタールで約15%、道路などの用地が約500ヘクタールで約17%、自然的利用やその他の空地が約390ヘクタールで約13%となっております。  以上でございます。 ◆平原嘉徳 議員   それでは、一問一答に入りたいと思います。  まず、ため池の問題でありますが、総括質問への答弁では西日本地方におけるため池の決壊が32カ所であったということで、このうち3カ所は防災重点ため池に指定されていたけど、残りの29カ所については防災重点ため池には指定されていないということがわかったわけですね。人的被害のあったため池も防災重点ため池に指定をされていなかったというふうに聞き及んでいるところです。  本市においては防災重点ため池が9カ所であったけれども、市内に存在する74カ所のため池のうち42カ所の緊急点検を行ったということだと思います。  では、この42カ所のため池について地区ごとに内訳はどのようになっておりますか、答弁を求めたいと思います。 ◎川副浩顯 農林水産部長   本市で実施されました緊急点検42カ所の地区ごとの内訳でございますが、金立地区で8カ所、久保泉地区で15カ所、大和地区で17カ所、富士地区で2カ所となっております。  以上でございます。 ◆平原嘉徳 議員   それぞれ地区ごとの緊急点検の箇所数をお示しいただいたわけですけれども、緊急点検における点検の結果はどうだったのですか。 ◎川副浩顯 農林水産部長   本市では緊急点検を行った結果、応急措置が必要であると判断されたため池はございませんでした。  ちなみに、応急措置が必要であると判断されたため池は全国で1,540カ所あり、佐賀県内では12カ所となっております。  以上でございます。 ◆平原嘉徳 議員   幸いにして、本市において応急措置が必要であると判断されたものはなかったということでございますけれども、総括質問への答弁の中で防災ため池の選定基準というのが新しい基準になったと答弁されたと思いますが、その違いというのはどういうものですか。 ◎川副浩顯 農林水産部長   防災重点ため池の現行の選定基準は大きく3つございます。1つ目は、下流に住宅や公共施設等が存在し、施設が決壊した場合に影響を与えるおそれのあるもの。2つ目は、堤防の高さが10メートル以上のもの。3つ目は、貯水量が10万立方メートル以上のものとなっており、これらのいずれかに該当した場合が防災重点ため池という位置づけでございました。  一方、新たな防災重点ため池の選定基準は、決壊した場合の浸水区域に家屋や公共施設等が存在し、人的被害を与えるおそれのあるため池として、より具体的に設定されております。1つ目は、貯水量にかかわらず、ため池から100メートル未満の浸水区域内に家屋、公共施設等があるもの。2つ目は、ため池から100メートル以上から500メートル未満の浸水区域内に家屋、公共施設等があり、かつ貯水量が1,000立方メートル以上のもの。3つ目は、ため池から500メートル以上の浸水区域内に家屋、公共施設等があり、かつ貯水量が5,000立方メートル以上のもの。4つ目は、地形条件や家屋等との位置関係及び維持管理の状況などから、都道府県及び市町村が必要と認めるもの。これらの4つのいずれかに該当する場合とされております。  新基準では、より危険度を重視した基準に変わっており、本市での防災重点ため池につきましては、これまで9カ所だったものが、46カ所に増加する見込みとなっております。  以上でございます。 ◆平原嘉徳 議員   昨年の6月定例会において、我が会派の山口弘展議員がこのため池に関して質問なされました。そのときの答弁では、ため池の管理については単位自治会とか地権者等で管理されているということで、まちまちであったと思いますけれども、このため池の管理状況の把握はきちっとできていますか。 ◎川副浩顯 農林水産部長   ため池の管理につきましては、基本的には受益者個人、または受益者で組織されている団体が管理者となり、ため池の栓の管理や洪水吐きの詰まりの解消及び大雨に対する備えなどの維持管理をされております。  また、通常の維持管理や大雨時の操作時において、施設のふぐあい等が見つかり、地元の管理者から市へ連絡いただいた場合は職員が現地に出向き、状況に応じて指導を行っております。  なお、管理者での対応が難しい場合には業者に依頼するなどの対応を行っております。  このように管理者と連携し、災害を未然に防ぐため、管理状況の把握に努めているところでございます。  以上でございます。 ◆平原嘉徳 議員   それぞれのため池の管理については把握しているということでございますけれども、では、管理者へはどういう指導をされているのか、お尋ねしたいと思います。 ◎川副浩顯 農林水産部長   ため池の管理者への指導につきましては、農林水産省で作成されたため池管理マニュアルを活用して、平成30年2月に管理者を対象とした日常点検に関する講習会を開催しております。  講習会におきましては、ため池を管理していく上での留意点を説明しております。  例えば、取水施設及びため池本体の亀裂や破損の有無といった重要な点検項目や適切な水位設定の必要性などについて説明を行っております。特に、防災重点ため池につきましては、毎年、梅雨前に管理者を対象に適切な水位管理や大雨情報の入手等を行っていただくよう文書を送付し、注意喚起を行っております。  また、不定期ではございますが、市職員で巡回し、異常がないのか確認を行っております。あわせて緊急時に迅速な対応が可能となるように、ため池管理者の連絡先等の確認と緊急連絡網の整備を行っております。こうした取り組みにより管理者への適切な指導及び緊急時の対応に努めております。  以上でございます。 ◆平原嘉徳 議員   そうはいっても、実は私の地元の周辺にも幾つかのため池がございまして、昨年7月の豪雨のときではありませんでしたけれども、過去に洪水吐きが詰まっておりました。ため池がだんだん満水に近づくにつれて、その洪水吐きから水が逃げていくというような形が本来の姿かと思いますけれども、その洪水吐きが詰まっていて、しかもオーバーフローして市道のほうにどんどんどんどん水が流れていったというようなケースがあるわけであります。そこのため池のみならず、市内の中でもそういったところがあるのではないかなと思いますけれども、そういったところについてはしっかりと指導すべきだと思いますけど、いかがですか。 ◎川副浩顯 農林水産部長   議員の御指摘のとおり、洪水吐きは流域から流れ込む雨水が貯水容量を超える危険性がある場合に排水を行う重要な施設であり、大雨時に備え、日常から異物の点検などの維持管理が必要な施設であると考えております。  そこで、市としましても、ため池管理マニュアルに沿って、このような重要な施設につきましては雨季前の事前点検を確実に実施するなど、災害の発生を未然に防いでいきたいと考えております。  以上でございます。 ◆平原嘉徳 議員   これまた私の地元の件を一つの例にとって問題提起したいと思いますけれども、私が住む春日北校区は幸いといいますか、50戸連檐によってかなりの住宅が近年ふえてまいりました。先ほど言ったため池の下流のほうにも住宅がずっと張りついておりまして、その住宅を建てた方々が、ひょっとして上流のため池が決壊するのではないかというふうな心配を抱き、北部建設事務所のほうに問い合わせられたケースがございます。  下流域のほうの宅地造成が進むと同時に、そのため池を管理していた生産組合、もしくは生産組合員の農家の皆さん方が少なくなったりとか、高齢化によってため池の管理がままならなくなった。それと並行してため池の管理を自治会に求められ、自治会では今、公役でも厳しい状況であって、その単位自治会の経費によって賄われているというような状況でございます。
     ため池の管理をするにも、かなりの高額な金額が必要で、単位自治会としても非常に財政に影響しているというのが現状としてあるわけですね。そういった中で、地元では現在のため池の大きさ、水量が本当に必要なのかというような議論もなされて、そのため池の縮減、もしくは廃止というような議論もされています。  これまでにもため池の廃止等について、議論をされていましたけれども、いかんせん、ため池を廃止するにしろ、地元の負担が生じてくるというのが大きなネックとなっているところでございます。聞くところによりますと、新年度においてはため池の廃止等について手厚いといいますか、非常にいい制度になりつつあるというふうに聞いておりますけれども、それは国からどのような制度と聞いているのか、お伺いしたいと思います。 ◎川副浩顯 農林水産部長   ため池を廃止できるかどうかというのは農業用水としても使っておりますので、一概に言うことはできませんけれども、廃止に関する行政の支援ということで、お答えさせていただきます。  平成31年4月以降からは新しい基準による制度へ移行する予定でございまして、ため池の統廃合を加速化させるための国の制度が拡充される見込みでございます。新制度で申しますと、単に農業用水が不要となり、ため池が廃止となった場合は、ため池防災環境整備事業で実施が可能となります。  一方、農業用水の機能が必要な場合は代替水源からの水路整備とため池の廃止をあわせたため池緊急防災環境整備事業で実施することができます。  なお、このため池廃止に伴う対策事業の実施に当たりましては、国の定額補助を活用することができるよう今国会で予算等の審議が行われているところでございます。  以上でございます。 ◆平原嘉徳 議員   まだ国会を通過していないので、はっきりとここでは言えないのかもわかりませんけれども、私どものほうにも伝わってくる情報の中では、新年度からため池の廃止制度についても国庫のほうで定額助成ができるようになるだろうというような話を聞いております。  では、このため池の対策に係る制度拡充の中で、避難行動への対策というところで、ため池のマップ、浸水想定区域の図の作成、そして、ため池に対するハザードマップの作成について実施内容が盛り込まれていると思います。国からの指導の予定はありますでしょうか。 ◎川副浩顯 農林水産部長   国の指導によりますと、全ての防災重点ため池につきましては、まず最初に、ため池マップを作成し、次に管理者等の連絡網の整備や氾濫解析を行い、浸水想定区域図の作成を行うこととされております。その後、決壊した場合の影響度の大きいものからハザードマップの作成という手順で進めるようになっております。  今後のスケジュールとしましては、ため池マップの作成に関しましては、平成31年度までに市町村で作成し、管理者等の連絡網の整備は随時変更を行います。また、氾濫解析と浸水想定区域図につきましては、県が県内の防災重点ため池を対象に、平成31年度から作成を開始する予定となっております。  また、ハザードマップの作成につきましては、その後の作業になろうかと思っております。  以上でございます。 ◆平原嘉徳 議員   今、ため池のマップのスケジュールをお示ししていただいたわけですけれども、ため池のハザードマップの作成については市の考え方としてはいかがですか。 ◎川副浩顯 農林水産部長   ため池のハザードマップの作成は緊急時の迅速な避難行動につなげる基本的な対策として、避難に係る判断に必要な情報を平常時から地域住民に提供するために有効な手段と考えております。そのため、廃止、または改修等により、下流域への影響が解消されるため池以外につきましてはハザードマップの作成を検討していきたいと考えております。  また、ハザードマップが完成するまでの避難対策につきましては、出前講座等を活用しながら、ため池マップや県が作成する判断解析や浸水想定区域図を活用し、住民の迅速な避難につながる取り組みが推進されるように、ため池に関する情報共有を行っていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆平原嘉徳 議員   今、ため池のハザードマップの作成についての市の考え方を述べられたところでありますけれども、ハザードマップを作成するにしてもかなりの時間を要すると思います。土砂災害等のハザードマップを作成するにも数年かかりました。このため池のハザードマップ作成についても、それぐらいの時間を要するのではないかなというふうに思うわけでありますけれども、先ほども言いましたように、ため池の下流における住民の皆さん方は、いつ決壊するかわからないという不安の中で生活をされているところもあります。  最悪の事態を想定しておくというようなことも、行政としての務めではないかなというふうに思いますけれども、そういう不安を持っていらっしゃる住民の避難対策は考えなければならないと思いますが、どのようなお考えでしょうか。 ◎池田一善 総務部長   住民の避難対策ということでございます。市民の皆様が災害から身を守る上で最も重要なことは、住民一人一人が自分の身は自分で守るという自助の意識を持つことだと考えております。このため、市としましては地域住民の方々が早目の避難を行えるよう避難情報は時期を失することなく発令することとしております。  また、積極的に地域へ出向き、出前講座を開講し、住民の防災意識の向上とともに、自主防災組織の結成促進を図っているところでございます。住民に対しましては出前講座の中で、避難情報の意味や避難する際にどこが一番安全なのかなど、地域での災害の種別に応じた避難行動を説明しているところでございます。  また、既に結成されている自主防災組織に対しましては、危険箇所の巡視、避難訓練や情報伝達訓練の実施、避難経路の確認などの活動に対する支援、防災資機材への助成を行っているところでございます。  今後もこのような住民の迅速な避難につながる取り組みを推進していきたいと考えております。  以上でございます。 ◆平原嘉徳 議員   それでは、佐賀都市計画と企業誘致についてに移りたいと思います。  先ほども言いましたように、我が佐賀市の強みというのは空港があったり、インターチェンジがあったり、そういう地の利を生かした、そういうポテンシャルがあるんじゃないかというようなことを発言させていただきました。  実は、私が大和町の出身だからかとは思いますけれども、これまでにインターチェンジ周辺にまとまった土地がないかというような相談を幾つか受けたことがございます。御承知のとおり、この線引きによってかなり難しく、ましてや、今、大和中学校の北側のほうに新工業団地の造成、着工を見るに至りましたけれども、それは佐賀市にとって非常に喜ばしいことでありますが、ただ物流の施設に関しては入れないというようなことでもあります。  私にも問い合わせがあったところが、佐賀市内を模索して、本当は佐賀市に進出したいんだけれども、土地がないということで、神埼市もしくは小城市のほうに土地を模索されていたというようなこともあります。  ここに佐賀都市計画マスタープランがございます。(現物を示す)平成22年だったと思いますけれども、改訂されまして、この後ろのページを開きますと、インターチェンジの周辺と、佐賀空港の近くは物流拠点を目指すというような項目をしっかりとマスタープランの中にも書かれているわけであります。ずばり申し上げまして、この市街化区域を拡大するという、いわゆる線引きの見直しはできないんですか。 ◎志満篤典 建設部長   線引きの見直しにつきましては、人口の動態、市街地内の土地利用の現況と将来の見通しなど、総合的に勘案して検討するものと考えております。  本市の人口につきましては、1995年、平成7年をピークに緩やかに減少しており、今後も人口減少が見込まれております。  このことから市街化区域の人口密度は徐々に低下していくことが予測されておりまして、現時点での市街化区域の拡大は難しいと考えております。しかしながら、現在、佐賀県におきまして、おおむね5年ごとに都市計画に関する基礎調査を実施されております。その調査結果なども踏まえ、見直しの必要性についても今後検討してまいりたいと考えております。 ◆平原嘉徳 議員   総括質問への答弁では、市街化区域内の残地として自然的利用におさまっているところや、その他の空地が約400ヘクタールあるというふうな答弁だったと思います。そういったところは市街化がされていないところで、所有者、地権者が市街化区域であっても、その土地利用については工業団地などそういうところで利用していいよという考えがない限り変わらないわけですね。  一方では、市街化調整区域内にある土地を持っていらっしゃる地権者が、例えば、農業者の後継者がいらっしゃらないとか、この土地を違った形で活用したいというふうに思ってもできないわけですね。そういう厳しい状況があると思います。  先ほどの総括質問への答弁の中で、市街化区域は10年以内に優先的、計画的に市街地を図るべき区域とされているということでした。先ほど言いましたように、市街化区域の残地、とりわけ400ヘクタールありますけれども、この土地についてはどうやって市街化を推進していきますか。 ◎志満篤典 建設部長   基本的に市街化区域内には良好な住環境の保護や商工業等の利便促進を図るために用途地区を定めていることから、それぞれの建築物につきましては、用途地域により立地できる場所が限られることとなります。  また、土地の利活用については、所有者の方の意向が大きく影響することから、市街化区域内の自然的利用、またその他の空地になっている土地の市街化が急速に進んでいくことは考えにくいのではないかと考えております。  しかしながら、このような土地につきましては、開発を促進する区域である市街化区域内にあることから、例えば、民間事業者による住宅地などの開発が今後も期待できるのではないかと考えております。 ◆平原嘉徳 議員   市街化区域の残地については住宅等の開発が可能性としてあるんじゃないかというふうな答弁だったと思いますけれども、何遍も繰り返しますけれども、佐賀市については高速道路のインターチェンジがあり、そして南には九州佐賀国際空港と、陸と空の玄関口を有しておるわけですね。私のほうにもそういう要望の問い合わせ等があったりしておりますけれども、これは佐賀市にとってはチャンスではないかなというふうに思うわけですよ。このポテンシャルをさらに生かして、例えば、マスタープランのほうに書かれているように物流拠点の誘致を図るとか、そういうことは都市計画の考え方としてはないのですか。 ◎志満篤典 建設部長   先ほどから議員が引用していただいている佐賀都市計画マスタープランでは、九州自動車道佐賀大和インターチェンジ周辺について都市間交通の重要な場所と位置づけしておりまして、周辺の自然環境や生活環境に留意しつつ流通や工業団地の適正な誘導を図ることとしておりますとの記載をしております。  また、九州佐賀国際空港につきましては、同じく佐賀都市計画マスタープランの中で周辺環境との調和を保ちながら物流拠点としての土地利用を検討することとしており、いずれも市街化調整区域内でございますが、物流や工業団地としての土地利用を想定しているところでございます。 ◆平原嘉徳 議員   経済部長にちょっとお尋ねしたいと思います。  先ほど言いましたように、高速道路とか空港の立地を生かして、物流施設とかのニーズがあるんではないかというふうに私は言いましたけれども、現時点までに佐賀市においてそういう物流の要望とかニーズとか問い合わせとかはあっていないんですか。 ◎松尾邦彦 経済部長   物流関係の要望ということですけれども、佐賀市内の物流拠点の立地につきましては、市外からの新たな進出や市内での拡充など数件、相談や問い合わせがあっております。  また、その他の不動産業者などからも同じように業者から依頼を受けたということで、情報収集の問い合わせなどいただいている状況でございます。 ◆平原嘉徳 議員   今までの企業誘致といえば、行政が土地開発公社だとかを利用して、そういう受け皿をつくってきたと思います。私は決してこれから行政だけがそういう受け皿づくりをするのではなく、規制の緩和によって民間活力を引き出していくという考えも必要だろうというふうに思います。  南部の空港周辺も物流の拠点などの可能性があるというふうに思います。今、オスプレイ関係については、これから知事と繁忙期を過ぎた漁協の皆さん方とのお話し合いが始まるというふうに聞き及んでおります。  そのオスプレイが実現可能というふうになったことを想定すれば、目達原から入られてくる隊員の皆様方、隊員の御家族の皆様方は、2,000人以上と言われています。その住宅のみならず、そこに生活する住環境の整備も求められていくんだろうというふうに思います。  そういうことからして、やはり先ほども申し上げましたけれども、市街化調整区域の開発に関して規制緩和によって、さらに佐賀市の発展につながるのではないかというふうに思いますけれども、その規制緩和についての考えはございませんか。 ◎志満篤典 建設部長   市街化調整区域につきましては、市街化を抑制する区域とされておりますので、規制の緩和については許可制度で対応しております。その許可の立地基準については、都市計画法第34条に規定されております。例えば、この第34条では50戸連檐制度の運用基準の規定もございます。今回の工業団地のような、特に大規模な開発については、この立地基準の中の地区計画制度を活用することができます。  この地区計画制度は地区の実情に応じた、きめ細やかなまちづくりを進めることができるもので、行政による開発だけではなく、民間事業者による開発も可能となるものでございます。 ◆平原嘉徳 議員   今、地区計画制度についての答弁でありました。千葉県の佐倉市を御紹介したいと思いますけれども、ここはインターチェンジから半径1キロメートルの円を描かれて、その1キロメートル範囲内については規制緩和を図られております。そういうところで、佐倉市の規制緩和については企業立地促進区域の拡大ということで、インターチェンジの周辺活用型と既存工業団地の連携型と幹線道路の沿線の整備というふうな形での企業立地の促進区域を追加しているというようなことであります。  県内においても、実は唐津市、武雄市、みやき町においてもこういった見直しを図られているところであります。先ほど言いましたように、例えば千葉県の佐倉市で行われた地区計画等の事例もありますので、佐賀市における規制緩和も考えられないかということで答弁を求めたいと思います。 ◎志満篤典 建設部長   九州自動車道佐賀大和インターチェンジ周辺や九州佐賀国際空港付近については、佐賀都市計画マスタープランにおいて土地利用の方針を位置づけていることから、本市においても地区計画を活用した工業団地等の開発が可能であると考えております。  このようにインターチェンジ周辺は産業適地であるという認識も持っております。実際、今年度、佐賀大和インターチェンジから約3キロメートルのところにあります大和町東山田地区に工業団地を開発するために地区計画を策定し、事業を進めているところでございます。  なお、民間事業者において地区計画制度の活用をお考えの場合は、まず本市のほうに相談いただき、本市と協力しながら進めていくこととなります。  このように、市街化調整区域における地区計画制度を活用し、本市に必要な工業団地や物流拠点を整備することができれば、地域経済の活性化や雇用の創出につながるものであると考えております。 ◆平原嘉徳 議員   今後も企業誘致によって税収の確保、そして人材流出──佐賀で一生懸命立派な教育をされても、その優秀な若者が佐賀市内で、佐賀県内で就職ができず、やむを得ず県外にすばらしい人材が流出しているというのが実態としてあるわけですね。そういったところを考えながらやっていってほしいということをここで述べたいと思います。  企業誘致は迎え入れるということでありますけれども、過去に佐賀市においても企業が市外に流出していったというのがあるわけですね。それは、今後、未然に防がなければならないと思いますけれども、既存の企業が事業拡大とかに伴って、市内での立地を断念させない、市外への流出防止策は何かお考えですか。 ◎松尾邦彦 経済部長   最近、IT企業を中心に企業の進出が好調な状況にございますけれども、議員の御指摘のとおり、残念ながら、最近において大きな企業が市外へ転出されるという事例もあっております。企業転出の要因は幾つかケースがございますけれども、経営改革による事業所の統廃合に伴い、転出や廃止をされる場合がございます。この場合、市へ報告をされる場合には、残念ながら既に本社において事業所の統廃合を決定されている場合が多く、転出等の防止が難しい状況です。このような場合には、事業所の転出や廃止が発表なされた後も、事業所の担当者と連絡をとり合い、従業員の転職や再雇用のあっせんなどに努めているところです。  また、事業の拡大や操業環境の改善を図ることを目的として、事業所の移転を検討される場合がございます。このような場合には、検討されている移転計画に沿うような物件情報の提供や新しい工業団地開発のスケジュールの情報提供を行っております。  また、現地での拡張を検討される場合には、用地開発や建設に当たり、何らかの行政支援が可能な場合には関連部署と連絡を図りながらサポートに努めております。  市内企業の転出は市内経済への影響はもとより雇用にも大きな影響がございますので、できるだけ未然の防止を図ることが大切であると考えております。そのため、日ごろより市内企業への訪問を行うなど、情報収集に努めているところです。また、加えまして、不測の市外転出を未然に防ぐためにも何らかの支援策を講じていきたいと考えているところです。  以上です。 ◆平原嘉徳 議員   企業誘致を図り、そして市内の企業が他市に流出しないと、それをさせないという政策も大事だということを述べさせていただいて答弁をいただいたところです。  今、全国的に、しっかりとした企業でも跡継ぎがいないという問題があるようでございます。先般、佐賀新聞社の中で開催されるこういう事業承継に関する御案内というのをいただきまして、ちょっと聞きに行きました。  ここの中での資料については非常にびっくりするような数字が出ておりまして、佐賀県内の企業数、労働人口の数の推移の予測ということで2040年までに1万社、県内企業の35%が減少するというようなことが書かれております。この1万社というのは大企業、中小企業のみならず、小さな店舗まで含まれているんだろうなというふうに思いますが、こういう数値を見てみますと、本当に跡継ぎがいないことで苦慮されている。そして、そういう事業を開業しようとしても、なかなか思うようにいかないというようなことで、橋渡し的なことがこの中で述べられておりました。今言いましたように、既存の企業の存続は非常に大事だと思いますけれども、後継者不足の企業に対する市の取り組みについてお伺いしたいと思います。 ◎松尾邦彦 経済部長   事業承継に関する取り組みについての御質問と思います。  議員が御指摘のとおり、地元事業者が事業を持続的に発展させていくことは地域の経済や雇用にとって不可欠な問題です。中でも会社を存続させるために必要な世代交代、いわゆる事業承継は経営者の平均年齢が年々上昇傾向で推移する中、全国的にも重要な課題となっております。  円滑な事業承継推進のために、国では補助金や優遇税制措置等のインセンティブ施策に加えて、都道府県ごとに事業引継ぎ支援センターを設置し、相談対応やマッチング支援を行っています。佐賀では佐賀市白山にセンターを設置してございます。  また、佐賀県では事業承継支援員を県内に配置され、企業を訪問し、承継診断を行い、承継ニーズの掘り起こしを図っておられます。  佐賀市でも今年度から事業承継支援事業を開始し、早期の着手を促すため、市報特別号のほか、ラジオ、テレビなどによる広報を行いました。また、県単位で構築されております事業承継ネットワークへ参加し、国、県の支援機関を初め、商工会議所や金融機関などとの連携、情報共有を図っているところでございます。  今後とも経営者の方が事業承継に取り組みやすくなるよう環境整備を行い、長く地元で営業を続けていただけるよう努力してまいりたいと考えております。 ◆平原嘉徳 議員   今回は2点について質問させていただきましたけれども、ため池の問題については昨年にため池が決壊して家ごと流されて3歳の女児が亡くなったという悲惨な災害も発生したわけでありますし、本市においてもそういう災害が起こらないとも限りません。今から雨季の前にでも、速やかにため池の点検、それと関係者との協議、そしてさらにはため池の縮小、廃止に伴う管理者の皆さん方の話を聞きながら、行政としての支援をお願いしたいというふうに思います。  もう一点の線引きの問題は、簡単にいかないというのは私もわかっています。ですが、何もやらないというのは問題だろうと思います。ましてや、佐賀都市計画マスタープランにも書かれているわけでございますので、インターチェンジ、もしくは九州佐賀国際空港周辺の土地利用については、人が集まるような、住環境として人が住みやすいような政策をマスタープランに沿って実現していただきますようお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。 ◆千綿正明 議員 
     通告に従いまして、以下の3点について質問させていただきます。  まず、第1点目の市の施策の意思決定について質問させていただきます。  私の所属する総務委員会で昨年から所管事務調査を実施し、旧富士小学校の体育館の問題についていろいろと調査に参加させていただきました。そこでいろんなことを感じました。まずは佐賀市の意思決定について、どのような形で決定されているのか疑問点が浮かび上がりました。どうも部長以上の幹部職員の情報共有ができていないようにも感じられました。つまり、担当部長と副市長、市長のみでの判断が多いのではないかという疑問が私の中で湧き上がってまいりました。それと、佐賀市の総合計画にも掲載されていないことが唐突に出てくるという疑問もあります。  私も佐賀青年会議所に在職させていただき、専務理事という役職を経験させていただきました。そこの意思決定というのは、議案として上がってくる議題をまずは正副理事長会議で話し合います。そこで質問や意見をいただいて、その議案をもんでいきます。それで、次の常任幹事会で再度また話し合うことになります。そこで出た意見をまた委員会等でもんで、最終決定機関である理事会に提出して、そこで決定していくという方法がとられておりました。  また、青年会議所は1年の任期の中で事業をやっていくのですが、その中での基本は理事長の基本方針に沿って事業が決定していくという流れになっています。全役員が意思決定にかかわることで、危機管理などの意見がそれぞれのところから指摘を出され、事業が決定してまいります。  そこで、市の今までの施策の意思決定についてどのような方法でなされているのか、今回は秀島市長にお伺いしたいと思います。  続いて、2点目の上水道について質問いたします。  先日の西日本新聞に全国での水道事業の記事が掲載されておりました。記事によると、40年という耐用年数が過ぎた水道管が全国でもかなりの数があり、その対応が進んでおらず、また、耐震に対する耐震適合率も低く、人口減少が追い打ちをかけ、事業の継続性も危ぶまれている現状にあるということでした。  この世紀は食料と水の奪い合いが起こると言われております。現在、世界の中でも水道水が飲める国というのは限られていて、日本を含んだドイツなどの16カ国と言われております。  また、世界の流れの中で水道の民営化が実は1980年代から進められてまいりました。しかしながら、世界の水道民営化に関する調査機関PSIRU、公共サービス国際研究所のデータによりますと、2000年から2015年の間に、世界37カ国235の都市が一度民営化した水道事業を再び公営に戻しております。その理由は、水道料金の高騰、財政の透明性の欠如、公営が民間企業を監督する難しさ、劣悪な運営、過度な人員削減によるサービス低下などです。そして、公営に戻すときに莫大な違約金を支払っております。日本では、国がこの法律を推進するために、企業に運営権を売った自治体については、地方債の元本一括繰り上げ返済の際、利息が最大で全額免除できるようになっております。こういう世界情勢の中、全く逆のコンセッション方式が国会を通過し、実施されようとしております。  それを受けて、昨年9月定例会で、佐賀市議会でも民営化に対する反対の意見書が提出されましたが、賛成少数で否決されました。それにもかかわらず、国ではコンセッション方式という民間への委託ができるような法案が通り、今年度中の施行が予定されております。世界と逆行するような法案が通るというのは理解しがたい行為ではありますが、悪法も法は法であります。  そこで、総括質問では、現在の佐賀市の水道管の耐用年数を超える水道管の比率、また、耐震適合率はどのくらいの比率なのか、また、佐賀市の水道料金というのは近隣の自治体の中で大体どのくらいの位置にあるのか、答弁をお願いします。  続いて、最後の質問であります。ふるさと納税について質問いたします。  ふるさと納税というものが始まり、佐賀県の中でも小城市や上峰町、唐津市などは平成29年度に40億円を超えるふるさと納税がありました。佐賀市は昨年まで収支は赤字のままでした。私も一般質問でさが桜マラソンにふるさと納税枠を設けてはどうかという質問をしてまいりましたが、実現には至らず、最終的には赤字のままで推移してきました。やっと今年度になり、返礼品の見直しをしたおかげで昨年度の4倍から5倍の納税になったという説明がありました。これは原因は明快であります。1万円のふるさと納税の返礼品と2万円のふるさと納税の返礼品を昨年までは同額の3,000円としていたが、今年度は2万円のふるさと納税をしたら6,000円の返礼品にした結果ではないかと私は思います。  説明の中では、赤字になっても交付税で7割が戻ってくるという説明もありましたが、勉強会でも質問したとおり、国が交付税で戻すといっても、交付税額は通年余り変わりはありません。ということで、実際は幾ら戻ってきているのかさえ、わからないということになります。ですから、ふるさと納税の赤字は、佐賀市の財源にとっても黒字にしなければ、ますます税収が減るということになります。  皆さんも御存じのように総務省から是正が加えられ、返礼率が高いものや地場産品ではないものについては認められなくなるおそれがあります。まさにこれからがガチンコの自治体勝負になっていきます。  そこで、ふるさと納税で幾つかの提案をさせていただきたいと思います。  先日、太良町のアスパラ農家をされている安東さんという生産農家とお会いする機会がありました。安東さんはアスパラを生産されており、今回、佐賀県のガバメントクラウドファンディングというシステムを利用してアスパラの自動収穫機械を導入されるということになっています。実は3月9日が締め切りで、目標額が200万円でしたが、200万円を大きく上回る224万円の金額を集められております。私も以前、クラウドファンディングについて提案したことがありますが、このクラウドファンディングがふるさと納税の対象になるということになります。大変すばらしいシステムではないかと考えるところであります。これを利用して、佐賀市が重点的に行っている施策にガバメントクラウドファンディングを利用すれば、ふるさと納税も多くなるでしょうし、お金も集まりやすくなるということで一石二鳥ではないかと考えますが、執行部の答弁を求めます。  以上で総括の質問を終わります。 ◎秀島敏行 市長   重要事項について、市はどういうふうな意思決定をしているのかということの御質問にお答えいたします。  まず、佐賀市は部制をとっておりますので、一定の責任と権限を各部長が持って仕事を進めてまいっております。このため、基本的には各部の部長をトップとしたそれぞれの部において、必要に応じて有識者等の意見を踏まえながら政策形成を行っているところでございます。そうして持ち上がったものを副市長等と調整を行い、最終的には私が政策決定を行うわけでございます。  また、全庁的に影響を及ぼすような重要な案件につきましては、各種会議を開催し、その中で議論を行っております。  規定上設けている会議として経営戦略会議がございます。これは市政の運営の基本方針及び重要施策に関すること、それから、予算編成方針に関することを議題とすることとしております。  また、庁議というものもございますが、庁議では、部相互間で特に調整を必要とするもの、それから、主な例規の制定、改廃に関すること、災害その他による緊急対策に関することなどを審議することとしております。  さらに、個別の案件については、庁内調整会議として、関係部署を集め、協議や調整を行うことで、より迅速かつ効率的に方針決定ができるものと考えております。  庁内調整会議の具体的な事例としましては、水道事業に関して、久保田町の佐賀市上下水道局への統合検討に関する案件では、上下水道局、総務部、企画調整部などの関係部局により協議を重ねてまいりました。ほかには、今定例会に予算案を上程しているプレミアム付商品券事業については、経済や福祉、子育てなど多岐にわたる事業となるため、各関係部署による事務調整を行ったところでございます。  このように、関係部署による綿密な協議、調整を行い、その協議結果については、庁議にて情報の共有を図っているところでございます。  私の政治理念として、職員が一丸となってみんなで考えて、同じ方向に向かっていくことを意識して、これまで市政のかじ取りを担ってまいりました。しかしながら、今般、先ほど触れられましたような部分で、旧富士小学校の体育館改修問題におきましては、部課長間での情報共有が十分になされていないという印象を与えてしまっております。反省しているところでございます。見直すべき点はしっかり見直しを行い、引き続き組織としての市政運営を図ってまいりたいと思っています。 ◎田中泰治 上下水道局長   私からは、3点の御質問にお答えいたします。  まず、1点目の耐用年数を超える水道管の比率についてお答えいたします。  国で示されている水道管の法定耐用年数は、管種にかかわらず全て一律で40年とされております。これを基準にすれば、平成29年度末の佐賀市の水道管の延長1,012キロメートルのうち、法定耐用年数の40年を経過した管の割合は17.4%となっており、全国平均の15.9%と比べるとやや高い状況となっております。しかしながら、全国的にも水道管は管種によって40年を経過しても健全な状態で使用できており、本市においても同様の状況でございます。  そこで、上下水道局では国の実使用年数のデータや他市の使用実態、本市の使用実績を踏まえ、佐賀市水道事業経営戦略の老朽管70年プランにおいて、耐用年数を管種ごとに塩化ビニール管で60年、ダクタイル鋳鉄管で80年に見直すなど局独自の実耐用年数を設定しております。この基準に当てはめると、佐賀市における平成29年度末の実耐用年数を超えた水道管は全体の0.1%、1.2キロメートルとなっており、今年度この更新工事を実施しております。  次に、2点目の耐震適合率についてお答えいたします。  国で公表されています耐震適合率は、水源から水を取り込む導水管や浄水場から配水池へ水を送る送水管などの基幹管路について、震度7の地震動に対応できる管路の割合を示したものでございます。  そこで、佐賀市における平成29年度末の基幹管路の耐震適合率は50.6%となっており、全国平均の39.3%、佐賀県平均の26.5%よりも高く、国が国土強靱化基本計画で掲げている平成34年度末の耐震適合率50%以上の目標を達成しております。  一方、佐賀市では基幹管路以外にも災害時に拠点活動となる災害対策本部や拠点病院、避難所、学校などの重要施設に供給する管路については、経営戦略の管路耐震化30年プランにおいて重要管路と位置づけまして、震度7に対応できる耐震化を積極的に進めております。  そこで、これらの重要管路については、管路耐震化30年プランの中でも平成29年度からの10年間で集中的に耐震化の前倒しを実施し、強靱な管路網の早期構築に取り組んでいるところでございます。  次に、3点目の他都市の水道料金との比較についてお答えいたします。  平成29年度3月末における一月当たり20立方メートルを使用した場合の税込みの水道料金の比較で申し上げますと、全国平均は3,210円、九州平均は3,309円、佐賀県平均は4,149円で、これに対し佐賀市は3,456円となっており、県内17事業体の中で安いほうから4番目となっております。  以上でございます。 ◎武藤英海 企画調整部長   私からは、3項目めのふるさと納税についてお答えいたします。  平成20年度に始まりましたふるさと納税制度も10年が経過いたしました。制度が始まった当初は、ふるさとを応援したいという本来の趣旨に沿った形での運用をされてきたところであり、本市としましても制度の運用に際しまして、本来、地方自治体がみずからの主体的な判断により、節度を持って対応すべきものと考えておりました。しかしながら、御存じのとおり、近年は自治体間の寄附金集めの競争が加熱、いわゆる行き過ぎた返礼品競争が問題視されるようになる中で、国におきましても、その対応策を求められる事態となってまいりました。  そのような状況の中、本市におきましては、昨年度までは本市への寄附額から返礼品等の経費を差し引いた金額である実寄附額より佐賀市民の方々が佐賀市外の自治体にされる寄附金額のほうが大きく、いわゆる収支としてはマイナスでございました。  そこで、昨年10月からは、このようなマイナスの状態を何とか改善すべく、ポータルサイトの増設、返礼品の区分の見直し、返礼品の公募による品数の充実、情報誌等を通じたPRの強化など、制度の趣旨を逸脱しない範囲の中でできる工夫や改善に努めてまいりました。その結果、平成30年度は、見込みではございますが、収支状況はプラスに転じる見込みと試算しているところでございます。  今後もふるさと納税の本来の目的、趣旨から逸脱しないというこれまでのスタンスは守りながら、広報、PRなどに取り組んでいく必要があると考えているところでございます。寄附金額をふやしていくことはもちろんでございますが、本市を継続して応援してくださる方や本市のファンをふやしていくということを意識しながら、しっかり取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。  それから、ガバメントクラウドファンディングについてでございます。これにつきましては、動物保護や子どもの貧困対策など、自治体が特定の目的を掲げて寄附を募るものでございまして、現在、プロジェクト数が増加傾向にあると認識しております。今後ふるさと納税の使い道を地域の実情に応じて工夫し、事業の趣旨や内容、成果を明確化していくことが重要になってくると考えております。そのため、各自治体で創意工夫を凝らした特色のある取り組みについて注目が集まっていると認識しているところでございます。  以上でございます。 ◆千綿正明 議員   それぞれ答弁ありがとうございました。  市長に総括質問に答えていただきましたが、実際に、今お答えになったやり方でやってきて、所管事務調査においてこういった結果になったということになっております。ですから、私が先ほど総括質問でも言いましたように、今回の決算議案の不認定にかかわる報告書、そして総務委員会の委員長報告にもあったように、やっぱり情報の共有ができていないんじゃないかという疑念が生まれてくるわけですね。  例えば、部長たちが自分の部署じゃなくても意見が言えるという体制を僕はつくらなきゃいけないんじゃないかなと思うんです。別にそこに市長がいる必要も余りないと思うんですね。部長がこういった事業をやるんだと言ったときに、ほかの部長が意見を言える体制というのは僕は必要だと思うんです。企業に例えれば、佐賀市は一般会計だけで1,000億円近くあります。1,000億円の企業が役員会をちゃんとやって事業をやっていっているわけですよね。そう考えたときに、やっぱり役員である部長たちが、ほかの部署のことであっても意見が言える体制というのを僕はつくっていかなきゃいけないと思うんですよ。というのは、例えば、以前、自分が総務部にいて、企画調整部に移りましたというように、いろんな部署を経験して、今、部長をされているわけです。その経験というのはやはり僕は宝だと思うんですね。その宝を、その会議の中でいろんな意見を闘わせてやっていくというほうが議案が練られていって、皆さんに理解が得られる事業になっていくんではないかと思うんですが、そこら辺について、市長はどう思われますか。 ◎秀島敏行 市長   言われる趣旨は十分理解できます。ただ、役所は一つの会社と違って、かなりやる範囲が広うございますし、全てに精通するというのはなかなか大変な部分で、また、その動きも、時点、時点でかなり法律の改正等もあって動いてきます。そういったものを全て部長が把握し、チェックをするというのも大変な部分があると思います。だから、そういう意味で、先ほど答弁しましたように、ある程度広範囲に共通する部分については一緒に協議するけれども、あとの部分については、やっぱりスピード感を持って対応しなければならないもの等も出てまいります。ある意味では会議倒れにならないように集中的に関係する部門を集めて会議をする、そういうのもあっていいんじゃないかと思います。その兼ね合いですね。先ほどおっしゃいましたように、全てをそうするとなると部長も大変だろうと思います。そして、誰かが決めるのでいいだろうというような感じで、無責任な状態で物を言わないような形になってしまったら大変なことになりますので、今のところ、関係する部署が同じレベルで、そして違った視点から討議し合うという意味で庁内調整会議をさせていただいております。できれば広い範囲で議論したほうがいいというのは、我々も忘れないでいなければならないと思っています。 ◆千綿正明 議員   基本的に考えは一緒なのかなという気はしますが、どこまでをそこの会議にかけるという部分が出てくると思います。今回、議案にかかっているので、余り詳しく言うと、ちょっと議案質疑みたいになってしまうので、そこは入れませんが、例えばの話ですね、現在、駅前の議案が上がっていますよね。2,000万円の市費を投入するとなっていますが、実際、日本通運の駐車場を借りているじゃないですか、約500坪ぐらい。あれは年間1,000万円なんですよ。  例えば、西友跡地に今度JAが産直を出されます。そしたら、農林水産部で産直の補助金とかあるんじゃないかなと私は思ってしまうんですね。例えば、経済部で、そこは買い物難民対策でやりますよと言ったら、ひょっとしたら補助金があるかもしれない。そういう知恵が各部長から僕は出てくるんではないかなと思うんですね。そういうのをあわせて議案として出していく。そして、やはり市がこういった形でやるのでということで議会に議案を出すという方向が僕はあってもいいのかなと思うんですね。  例えば、日通の駐車場は総務部の所管ですよね。先ほど言った産直については農林水産部、まちなかの買い物難民については経済部と、いろいろ分かれているわけですから、いろんな知恵を出していかにゃいかん。知恵を出すための関係部署と、市長が言われるようにそこまではなっていると私は理解したいと思っています。ただ、そこで部長たちがいろいろけんけんごうごうやり合ってですよ、上の官庁でこういう補助金があるから、ちょっと調べてみて持ってこようかというふうになったら、佐賀市の市費の投入が少なくなっていくという理解が僕はできると思うんですね。ぜひそこは、先ほど言われたように、どこまでを庁議にかけるか、経営戦略会議にかけるか、いろいろ議論はあると思いますが、やはりそれはこういうのを各部長が忌憚のない意見を言える場所をつくるということで僕は解決ができていくんじゃないかなという気がしますので、再度済みませんが、市長、答弁をお願いします。 ◎秀島敏行 市長   先ほど言われましたように、農水部門とかなんとかは今回の場合には入っていないということで、今のところそういう部分はございます。  ただ、そういった部分の情報を先に出して、そして、そういう知恵が入るようにしなければならないし、私ほか2人の副市長もアンテナを高くして、そういう情報について何かいい方法がないかというふうな誘いかけじゃないけれども、問い合わせをやっぱりすべきだったと思います。そういう意味では、私の力不足だというふうにとってください。 ◆千綿正明 議員   力不足というのは御謙遜だと思います。頑張ってやっていただきたいというエールを私は込めているつもりでございますので、ぜひそういうふうにとっていただきたいなと思うわけであります。  市長は、次の市長選に出られるとなったら別ですけれども、もし出られないのであれば、あと2年半しか任期がないんです。市政に対する今からの思いというか、ビジョンといいますか、かける思いを最後に聞かせていただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。 ◎秀島敏行 市長   私の思い、一口に申しますと、いつも申しているように、特にこのところニュースなんかでは災害の話が出ております。そういった部分を照らし合わせまして申しますと、不安がなくて普通の暮らしができるまちがやっぱり一番の私の願いであります。  あと、せっかくの機会ですから、書いてきましたので言わせていただきますと、佐賀市は、皆さんも御存じのように、1市6町1村で合併したまちであるわけです。合併以来、私がかじ取り役をさせていただいているわけでございますが、私がこれまで一番大事にしてきたのは一体感をお互いに感じるということであります。お互い縁あって一緒になったわけでございます。皆さんがばらばらではなくて、気持ちを同じくすることができればというふうなところで力を注いでまいりました。  この一体感の醸成のために忘れてはならない言葉があります。それを私はある人から教えていただきました。それは相田みつをさんの言葉でございます。「うばい合えば足らぬ」「わけ合えばあまる」「うばい合えばにくしみ」「わけ合えばやすらぎ」という言葉でございます。奪い合うのではなくて分け合うという、いわゆる分かち合う心が漂うまちにできればなというふうにも思っているところであります。  この分かち合う心を持つためには、それぞれの市民の皆さんたちが少しは心にゆとりを持っておかなければならないということであります。心にゆとりを持つためには、まず普通の暮らしが必要だと思います。それが欠かせないものだと思います。その普通の暮らしの中で、それぞれの幸せ感を感じていただければと思っています。  その普通の暮らしができるまちであるためには、災害などの心配事が少なくて、住んでいる地域の環境も安全で安心して暮らせることが必要であります。そして家庭にあっては家族が健康で、経済的な心配が少ないことだと思います。経済的に心配しないでいいということは収入源がしっかりしているということであります。つまり、働く場がきちんと確保されているまちだと思います。心にゆとりを持ち、分かち合いの精神が浸透したまちでは、地域にある広場を描いてみますと、昼間はベンチで高齢者がくつろいで、夕方には子どもたちのはしゃぐ声が聞こえ、家庭同士のおすそ分けの姿も見られるというまちを夢見ています。そのような人々が住み続けるまちが普通の暮らしのできるまちだと私は考えています。 ◆千綿正明 議員   ありがとうございました。今の市長の所信といいますか、今後の目標を聞かせていただきました。部長さん方、ぜひ達成できるように、粉骨砕身頑張っていただきたいなと、エールを込めて1問目を終わります。  続いて、上水道の耐用年数の件です。  国の基準である40年を70年、80年に局で変えているということなんですが、ことしはクリアしていない実耐用年数を超えた水道管が1.2キロメートルしかないんですけど、でも、順次、耐用年数を超えた水道管が出てくるわけですね。ずっと追ってくるわけですよ。寿命は延ばしても、最終的に寿命に到達する期間は来ます。要は、それを計算して──この間、山口議員の質問への答弁でもあったように経営戦略の中で決めておられて、1.2キロメートルを解消すれば、耐用年数を超えた水道管は出てこないという理解でいいんですか、局長。 ◎田中泰治 上下水道局長   総括質問への答弁で申し上げましたけれども、老朽管70年プラン、70年間で老朽管の更新をどのような形で進めていくのかということでございますが、老朽管70年プランは、全ての水道管を70年間の長期スパンで計画的に更新するためにつくったプランでございます。  そこで、老朽管70年プランにつきましては、水道管を実耐用年数ごとに分類しまして、事業費を重要管路とその他の管路に分けて平準化をし、中長期的な財源の見通しを立てて計画的に更新を実施してまいりますので、着実な水道管の更新が可能であるというふうに考えております。この70年プランを、今後は、70年過ぎた次のステップのときにはまた循環させていくという考え方でございます。 ◆千綿正明 議員   済みません。官僚答弁みたいで、私が余り理解できていないようです。要は、耐用年数を70年にふやした、80年にふやしたというやつが、耐用年数を超えなくて改修できるという理解でいいんですか。要は、先ほど延ばされたと言ったじゃないですか。70年、80年に耐用年数を延ばされました。そうすると、耐用年数を過ぎなくて、全部更新ができていってしまいますよという理解でいいんですかという質問なんですけど、いいですか。 ◎田中泰治 上下水道局長   まさに議員がおっしゃいますとおり、実耐用年数の期間内で全ての管路を更新していくという考えでございます。 ◆千綿正明 議員   ありがとうございます。  経営戦略の中では、平成47年には水道料金の収入で賄えなくなってしまうじゃないですか。僕たちの心配は、水道料金が上がるんじゃないかなという気がして、やっぱりあの新聞を見ているとどこでも大変なんですよね。でも、行く行くは上がるだろうなと。経営戦略を見させていただきましたが、大体平成47年前後には水道料収入では賄い切れなくなってしまうので、その前に水道料金の値上げがあるのかなという気がするんですね。実際、多分その前になると思うんですが、平成47年前に水道料金の値上げは想定はどのくらいにされているんですか。何年後ぐらいというのはありますか。 ◎田中泰治 上下水道局長   水道料金改定の想定というのはあるのかということでございますが、上下水道局ではこれまでさまざまな事業の効率化に取り組んできまして、平成4年の料金改定以降、現在まで27年間料金改定は行ってきておりません。  そこで、水道料金の改定につきましては、経営戦略において、今後の人口減少社会に対応していくために、最も厳しい経営環境を想定しまして、中長期的な財政見通しを立ててまいりました。  このような中、現在、給水人口は横ばいの状況が続いておりまして、加えまして、浄水場の運転コストの削減や低コスト管の採用など、さまざまな事業の効率化に鋭意取り組みまして、財政状況は現在上振れの状況となっております。  そこで、今後の料金改定の時期につきましては、これはあくまでも現時点での想定ではございますが、21年後の平成52年ごろと見込んでいるところでございます。  なお、今後も経営努力を重ねまして、改定時期をさらに先延ばししていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆千綿正明 議員   本当に経営戦略の中でいろんな御努力をされていって、水道料金も少ないままできていらっしゃる努力に本当に感謝を申し上げる次第であります。ぜひなるべく先に値上げをしていただければ助かりますが、よろしくお願いします。  あと、山口議員の質問と若干かぶります。山口議員の質問がちょっと奥歯に物が挟まっているのかな。昨年9月の意見書のことで挟まっているのかなという気はしますので、最終的に聞きます。  国がこのコンセッション方式の施行をやるわけですね。そうするときに、佐賀市はやるんですか、やらないんですか。コンセッション方式はやらないと僕は明言してほしいなと思っているんですね。総括質問で言いましたとおり、235の都市が一度民営化したものをまた公営に戻しているわけですよ。そんときの違約金は莫大な金額です。それを考えると、当然僕はコンセッション方式はやらないほうがいいと思っています。ぜひ局長の明快な答弁を求めたいと思います。 ◎田中泰治 上下水道局長   コンセッション方式の導入についての上下水道局の考え方でございますが、これはさきの山口議員の質問への答弁と重複しますが、あえて前段に理由を述べさせていただいた上でお答えさせていただきます。  今回の水道法改正によるコンセッション方式につきましては、施設の所有権を水道事業者に残したまま民間事業者に運営権を委ねることになりますので、市民に対して水を供給する責任は水道事業者にそのまま残ります。
     そこで、コンセッション方式を導入した場合、水道事業者は、民間事業者の業務内容や経営状況を監督しながら、早期に問題を指摘して改善を要求し、民間事業者が業務継続が不可能となった場合には、水道事業者が直営で水道事業を実施するとされております。  しかしながら、約20年間の長きにわたって民間事業者へ運営権を委ねることになれば、水道事業体の組織は縮小を余儀なくされることが予想されまして、スキルを持った職員は減少し、これまで培ってきた技術やノウハウも失われて、水道事業者が市民に対して給水責任を果たせるのか問題があると考えております。  また、災害時においても同様でございまして、水道事業体の組織が縮小されていけば、応急給水や応急復旧、その後の本復旧などにおいて、水道事業者が災害復旧の最終的責任者としてその役割を果たせるのかも問題があると考えております。  私ども上下水道局の責務は、平常時においても、災害時においても、市民に対して水道の安全、安心、安定を守り続けていくことでございます。このようなことから、現在、コンセッション方式の導入については検討を行う予定はございません。 ◆千綿正明 議員   ありがとうございます。やっと明確な答弁をいただきましたので、もうやらないということで安心させていただきました。  実はよく市民の方から聞かれるんですけど、今、上下水道局が計画として二酸化炭素回収のB−DASH事業をやっているじゃないですか。行く行くは多分二酸化炭素を抽出してやっていくのかなという事業が、今はまだ計画段階ですが、ありますよね。僕は以前から言っていたように、七十六、七億円の上下水道局の水道事業会計の中で、当時は58億円とかという事業費だったんですが、大分今安くなっているようなんですけれども、例えば、その事業をやりました、失敗しましたとなったときに、上水道の料金を上げなきゃいけないという話とか、下水道の料金を上げなきゃいけないという話になってくるのかなというのが、済みません、素人考えなんですけど、市民の方はそう思ってしまうんですよ。そうすると、先ほど言った、先延ばしになった水道料金の値上げが前倒しになっちゃうんじゃないかなという市民の不安がやっぱりありますので、そういうことは多分ないとは思うんですけれども、それについては、同じ事業の中で今後下水道処理場の耐震化もやっていかれますよね。上下水道局としてやっていかれるじゃないですか。要するに、上水道が下水道の事業に引っ張られて料金が上がるということとかは当然ないと思うんですが、一応答弁をお願いします。 ◎田中泰治 上下水道局長   冒頭に申し上げますが、さきの平成28年6月の研究会において、議員からの、バイオマス事業をしていくときに、バイオマス事業の財源を下水道使用料を充てるのかという御質問のときには、明確に下水道使用料を充てないということを明言させていただいたところでございます。当然バイオマス事業になりますが、費用対効果がしっかりと担保できる事業計画を現在つくっておりますので、また機会があれば御紹介したいというふうに思っております。  そこで、議員が御質問の水道事業と下水道事業は、地方公営企業法に基づきまして、独立採算を原則として特別会計を設けまして、それぞれの事業ごとに分けて運営を行っております。このようなことから、水道会計と下水道会計で相互に事業資金を補填することはございません。  以上でございます。 ◆千綿正明 議員   当然そうだろうなと思っていましたが、済みません、あえて聞かせていただきました。市民の皆さんからそういう質問があったもんでございますから、局長の答弁で皆さんは安心されるんじゃないかなと思う次第であります。  あと、佐賀市域への水道に関しては佐賀西部広域水道企業団、佐賀東部水道企業団というのがあって、それでいろいろな給水をやっているわけなんですけれども、今後を考えると、やっぱり広域でやっていく必要が当然ありますよね。例えば、宮城県の水道なんかも周辺と大同団結で合併してやっていってかなりの経費を節減しているという部分があります。やっぱり市町村の枠を超えてやっていくという方向が僕は必要じゃないかなと思うんですよね。今度久保田地区の水道関係も上下水道局の所管になるということでございますので、それをもっと広げた形で、例えば西部、東部という形で大同団結していったほうが経費は安く済むんじゃないかなと思うんですよね。そういったことを佐賀市の水道局から提案していくということも必要じゃないかなと思うんですが、そこら辺のお考えはどうなんでしょう。 ◎田中泰治 上下水道局長   近隣事業体との広域連携についての上下水道局の考え方でございますが、今回の水道法改正では、近隣の水道事業体が連携し、スケールメリットを生かして効率的な事業運営を進めるために広域連携を推進するとされております。  そこで、都道府県に対しましては、水道事業者との調整を行う責務が規定されまして、広域連携の推進役として新たに位置づけられたところでございます。  このような中、佐賀県におかれても、現在、県内水道事業体と意見交換を図りながら、佐賀県水道ビジョンを策定中でございまして、今後も広域連携について協議の場を設定される予定となっております。  一方、県内の中部エリアにおいては、先ほど議員が御紹介のように、現在、4市3町による事業統合の準備が進められておりまして、来年4月には新たな枠組みによる佐賀西部広域水道企業団が改めて誕生する予定となっております。  しかしながら、これまで県内では業務の効率化に向けた連携はほとんど行われてきておりません。  そこで、広域連携にも多様な連携の形があると考えておりまして、例えば、料金会計システムや施設の管理システムの共同化、また、浄水場などの一部施設の共同設置や共同利用、共同管理などさまざまでございますので、まずはできることから検討を進めていくことが重要と考えております。  このようなことから、上下水道局としましては、それぞれの水道事業体が持つ強みを生かし、弱みを補完し合うような広域連携について、県と連携しながら、水道事業者間のイニシアチブをとっていきたいと考えております。  以上でございます。 ◆千綿正明 議員   局長、ぜひ頑張っていただいて、佐賀市、そして佐賀県内においてリーダーシップをとっていただいて、水道の安定供給に努めていただきたいと思います。  続いて、ふるさと納税についてでございます。ちょっと前後するかもしれませんが、これからですね、部長、ふるさと納税というのは、本当に自治体間のガチンコの勝負になってくるんですね。そのときにどうなっていくかというと、私はきずな、震災と一緒なんですけど、きずながキーワードになってくるのなという気がします。  佐賀県が高等学校に、各自分の出身校に直接ふるさと納税ができるシステムを導入しています。例えば自分が出た高校にふるさと納税ができる。そのお金で部活のいろんなものを買ったりとか、校長が裁量で決められているんでしょうけれども、そういったことができるようになる。今は小・中学校のために予算が使えますという漠然としたやつなんですね。でも、これからは、より具体的じゃないとなかなかふるさと納税をやらないんじゃないかなと思うんです。ですから、県がやっているように、各県立高校をふるさと納税の対象にするというのは僕は非常にいいと思うんですよ。  そうだったら佐賀市が管轄している53の小・中学校を個別具体的に挙げて、私だったら、鍋島に住んでいるんですけど、城北中学校出身なんですね。だから、城北中学校に寄附を──済みません、私は佐賀市におりますのでしませんが、東京にいる城北中学校出身者が、ああ、懐かしかね、自分の母校に寄附をしようかねと言えるような体制をとらないと、なかなかこれは進まないんじゃないかなと思うんですね。要するに、個別具体的、例えば、犬の殺処分をやめるために、これだけお金が要るからふるさと納税をやりますよとか、その事業に魅力を感じてふるさと納税をしてくれる人というのを募集していかないと、ふるさと納税というのはなかなか厳しいのかなという気がするんですが、その点についていかがですか。  53の小・中学校のどこに寄附していただいても、そこの小学校、もしくは中学校に個別にお金が行きますよと。私が以前から一般質問でも上げているように、教育委員会に校長裁量予算をつくってくれと言ってもなかなかつくってもらえないんですよ。今、校長先生たちはお金がない、お金を持っていないですね。予算権がない、人事権がない。それでどうやって30人の職員さんたちをまとめていくのか、私は本当に大変だろうなという気がしております。ですから、例えば、寄附メニューの中に各53の小・中学校を入れるということは、非常に僕はきずな的にはおもしろいのかなと思いますが、部長のお考えがありましたらよろしくお願いします。 ◎武藤英海 企画調整部長   昨年10月のリニューアルの際に新たな寄附メニューをふやすとともに、より詳細な寄附の使い方を説明するように変更してきたところでございます。20の寄附メニューの中からお選びいただけるようになりましたが、その中でも指定なしを除きまして、最も関心が高いメニューは子どもに関する支援になっております。小・中学校の教育環境の充実や就学援助への支援が全体の約35%ということで大きく占めておりますことから、小・中学校の教育環境への支援について非常に関心が高いということがうかがえます。  議員が言われますように、学校の場合、出身校を応援していただくことによりまして、支援した子どもたちと交流ができたり、それから、継続的なつながり、先ほどきずなと言われましたが、きずなが深まったりという大きな利点があると思っております。  現在でも寄附申し込みの際に個別メッセージを記載していただける欄を設けておりまして、そこに御意見を寄せていただいた場合は、その使い道について、その御意見を反映させていただいているというところでございます。  このような継続的なつながりを持つ取り組み、関係人口を意識した寄附のメニューにつきまして、佐賀らしさや地域課題を踏まえまして、今後も先ほど議員が言われました個別具体的にどう取り扱うのかについて工夫、改善を行ってまいりたいと考えておるところでございます。 △東日本大震災による犠牲者に対する黙祷 ○武藤恭博 議長   皆さんに申し上げます。千綿議員の一般質問の途中でございますが、8年前の本日3月11日に東日本大震災が発生しました。かけがえのない多くの命が失われました。本日、この時間、東京におきましても東日本大震災8周年追悼式がとり行われております。  当市議会におきましても、この震災により犠牲となられました全ての方々に対し、哀悼の意をあらわすため、黙祷をささげたいと思います。皆様、御起立をお願いいたします。  黙祷。     〔黙  祷〕  お直りください。御着席をお願いいたします。 △一般質問 ○武藤恭博 議長   引き続き、市政一般に対する質問を続行します。 ◆千綿正明 議員   それでは、質問を続けさせていただきます。  先ほどふるさと納税について、部長はいろいろ検討していくということなんですが、いろんな事例が今挙がってきているんですね。例えば、中古の楽器とかを中学校の吹奏楽部に寄附する。中古の楽器は査定がかなり難しいんですけれども、その中古の金額を確定して、それをふるさと納税を納めたようにして返礼品を上げるとかという、いろんなやつが出てきていますので、ぜひそれを多く検討していただきたいなと思います。  私の3番目の次女も吹奏楽をずっとやっておりました。鍋島中学校の吹奏楽部です。大きい楽器は高いんですよね。教育委員会に言ってもやっぱり買っていただけません。鍋島中学校なんかは36年目になりますが、ほかのところも多分一緒だと思います。吹奏楽部のために何百万円とかかる楽器を用意するというのはなかなか難しいので、そういったふるさと納税もあってもいいのかなという気がするんですね。そこはぜひ検討していただきたいと思います。  最後になります。ガバメントクラウドファンディングについてですけれども、これは県が率先してやっていて、安東さんはアスパラの自動収穫機を導入する予定であります。安東さんは34歳ですかね、太良町で若くて頑張っている農家なんですよ。そういった施策に、自治体が補助をするというのが本来の姿でしょうけれども、安東さんに投資した場合、そのお金は真っすぐ安東さんに行くんですけれども、返礼品は安東さんが送るわけです。今までは1万円クラウドファンディングに投資したとすると、アスパラが年4回届きますで終わりなんです。でも、これがふるさと納税とタイアップしたおかげで、2,000円の投資だけで返礼品がもらえるということで、ふるさと納税をする方にとっては物すごくメリットがあるし、そしてアスパラ農家も目標達成しています。224万円ぐらい集まっていて、目標達成しているんですね。  そういった事業というのは佐賀市でもできると思うんですよ。例えば、農林水産部でそういう農家を育成するために、本当は予算をつけたいんだけど、ガバメントクラウドファンディングでその対象にしていくという方法とかあると思うんですね。  私の記憶では、木下前市長のときに、開庁日を年度末に限って土日を開庁しましたよね。あれは職員提案だと私は伺っております。そういったことが職員からどんどん出てくることによって、職員のやる気も増してくるんじゃないかなという気がするんですね。ですから、こういったことで職員提案のクラウドファンディングとかも提案制度を設けたりしてやっていくというのが僕は一つの案じゃないかなと思うんですが、その点について部長いかがでしょうか。 ◎武藤英海 企画調整部長   私もネットを見ますと、今各地で、ガバメントクラウドファンディングでいろいろされております。地域の問題解決であったり、その都市の課題を解決するための手段ということで多くされております。目的を達成されている事業もある反面、なかなか達成が難しかった事業も多くあることは私も認識しております。  今いろんな知恵を絞ってやってほしいということだったと思います。私たちもこれからどういうことができるのか、そのためには全国の方々にやっぱり訴える訴求力がなければこの事業は成り立たないと思っておりますので、そういう佐賀らしい取り組みがどういうものなのかということを考えなきゃいけないと思っております。  現時点では具体的にどういう分野でそれを実施するのかということはちょっと思い浮かべておりませんが、まずはほかの都市で多く今されておりますので、どういうことでされているのかという事例研究を今後進めさせていただきたいと考えております。 ◆千綿正明 議員   私も職員とたまに話す機会があって、すばらしい企画を持っておられる方が実際にいらっしゃいます。でも、その企画の部署じゃないので、自分の企画というのはなかなか日の目を見ることができない。でも、先ほど言ったように、職員提案によって、そういったクラウドファンディングに向く企画というのはあるんじゃないかなと思うんですね。実際に、自分の担当の課でも本当はそれをやったほうがいいよねと。例えば、市が補助金を出すよりかは、そうやって──先ほど言われたように、全部が満額集まるとは限りません。というのは、そこが受け入れられていないということなので、そこは自分でも反省されて一生懸命頑張られると思うんですね。だから、僕は職員提案によるガバメントクラウドファンディングを活用したやり方というのが非常にいいのかなと思っているところなんですね。  今、職員の士気が下がっているじゃないですか。今回の件で、市役所全体が何か悪いように言われていますが、そうじゃないんですよね。やっぱり頑張っておられる方はたくさんいらっしゃるし、そういった形でいい意見をお持ちの方はかなりいらっしゃるんですよ。ですから、そういう若い職員の企画力に僕は物すごく期待しているし、その方たちの士気を上げるためにも、そういった形でやっていただきたいなと思います。  最後になりますけれども、企業版ふるさと納税というのがあります。今までに1件あった程度かなという気がしますが、その実態についてはいかがでしょうか。 ◎武藤英海 企画調整部長   平成28年度の税制改革におきまして、法人を対象とした地方創生応援税制、いわゆる企業版ふるさと納税が創設されております。この制度により寄附をされる企業には税の優遇措置を受けることができます。本市では、平成29年3月に株式会社シンシアからの寄附金を活用しました東よか干潟ワイズユース推進プロジェクトを活用事業に認定されまして、東よか干潟の豊かな自然環境を保全し、有効に活用する事業を今実施しているところでございます。  議員が御案内の企業版ふるさと納税の活用につきましては、この東よか干潟ワイズユース推進プロジェクトのみの活用となっております。 ◆千綿正明 議員   あくまでも総務省に届け出たものしか受け付けられないという制度でございますので、なかなか難しいかなという気はしますが、実は佐賀出身の起業家の方って結構多いんですよね。リコーの社長もしかり、グリコの創業者もしかり、ハトヤの社長もしかり、そういった方たちによる佐賀出身の企業というのがあるわけです。  これはちょっと提案なんですけれども、市長が全国市長会や九州市長会などで、いろんなところに出張に行かれます。そのついでにちょっとだけ佐賀市の関連企業に寄って、企業版ふるさと納税がありますよというようなことで営業に行っていただくと、ひょっとしたら企業版ふるさと納税をしていただけるかもしれないなと。部長さんたちも一緒でございます。いろんなところに出張に行かれていると思いますので、もし行った先に佐賀市と関連がある企業があれば、ちょっと挨拶がてら行って、企業版ふるさと納税のPRをしていただければ、その中で10件のうち1件でも来れば、佐賀市の収入も潤うかなと思うんですが、いかがでしょう。 ◎武藤英海 企画調整部長   今、企業版ふるさと納税のチラシ等もありますので、例えば、県人会であるとか企業訪問であるとか、そういう折を見つけてPRをしていきたいと思っております。 ◆千綿正明 議員   これで終わります。ありがとうございました。 △散会 ○武藤恭博 議長   以上をもって本日の日程は終了しました。  次の会議は明日午前10時に開きます。  本日はこれをもって散会します。           午後2時56分 散 会...