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平成16年 6月定例会-06月16日-04号

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  1. 佐賀市議会 2004-06-16
    平成16年 6月定例会-06月16日-04号


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    平成16年 6月定例会-06月16日-04号平成16年 6月定例会      平成16年6月16日(水)   午前10時00分   開議                出席議員 ┌───────┬───────┬───────┐ │1.堤 正之 │2.藤野靖裕 │3.川原田裕明│ │4.前田邦彰 │5.中本正一 │6.池田正弘 │ │7.広瀬泰則 │8.福島龍一 │9.松尾和男 │ │10.持永安之 │11.亀井雄治 │12.永渕利己 │ │13.傍示暢昭 │14.千綿正明 │15.本田耕一郎│ │16.西村嘉宣 │17.井上雅子 │18.田中喜久子│ │19.瀬井一成 │20.福井章司 │21.南里 繁 │ │22.永渕義久 │23.嘉村弘和 │24.岩尾幸代 │ │25.中山重俊 │26.山下明子 │27.森 裕一 │ │29.黒田利人 │30.片渕時汎 │31.西岡義広 │ │32.豆田繁治 │33.山田 明 │34.福井久男 │ └───────┴───────┴───────┘                欠席議員 ┌───────┬───────┬───────┐ │28.野中久三 │       │       │
    └───────┴───────┴───────┘           地方自治法第 121条による出席者  佐賀市長    木下敏之      助役      高取義治  収入役     上野信好      総務部長    志津田 憲  産業部長    飯盛克己      建設部長    田中敬明  環境下水道部長 足立晃一      市民生活部長  青木善四郎  保健福祉部長  金子栄一      交通局長    吉富康仁  水道局長    福田忠利      教育長     迎  巌  教育部長    白木紀好      監査委員    中村耕三  農業委員会             選挙管理委員会          野本正彦              杉坂久穂  事務局長              事務局長 ○福井久男 議長   おはようございます。これより本日の会議を開きます。  昨日に引き続き、市政一般に対する質問を続行いたします。 ◆黒田利人議員   おはようございます。通告に従いまして、4項目について質問をいたします。  まず、有明佐賀空港の利活用についてであります。  平成10年7月28日、県民の待望であった有明佐賀空港が開港いたしました。その当時は、地元漁業の反対運動をも克服し、漁業関係者農業関係者、また地元関係者の理解の中で開港されたことを今思い出すところでございます。当時は、私も孫を連れてよくいろんなイベントに参加をし、楽しんだところでありまして、孫も大変喜んでおりました。佐賀県はもちろん、佐賀市を初め県内市町村も利活用に積極的であったようでありますが、時間がたつにつれ薄れてくるのは当然と言えば当然でなかろうかというふうに思うのであります。私たちも出張でも、つい福岡空港を利用することが多いわけでございます。  最近、こういうことを耳にいたしました。「佐賀の市長さんは有明佐賀空港が嫌いなのか、余り利用されんですね」と、空港関係者の方からお伺いをいたしました。佐賀市においても取り組みが、今思えば何か低下しているような気がするわけでございます。  ここで空港利用状況を見てみますと、国内線で 190万人の方が、国際チャーター便で約2万 7,000人の方が、国内チャーター便で 3,000人の方が利用されております。搭乗率にしますと、平成10年61.8%、11年55.9%、12年52.6%、13年61.6%、14年58.7%、15年、これは名古屋便が廃止されたんですが、61.9%となっております。  また、今日まで佐賀市が出資金なり負担金、補助金、分担金を出した金額は、平成10年度で 6,947万 5,082円、11年度で 646万 2,875円、12年度で 318万 6,875円、13年度で 482万 2,387円、14年度で 531万 6,087円、15年度で 539万 2,252円となっているわけでございます。合計しますと、約 9,500万円の市の税金が投入されているわけでございます。よって、佐賀市においても積極的にかかわりを持っていく必要性があるのではないかと思うのであります。  今日まで佐賀県内はもちろん、福岡県南西部地域の交通の利便性の向上はもとより、産業の振興が図られるなど、地域の振興発展に大きな役割を果たしてきたと言わざるを得ないのであります。さらに、有明佐賀空港をどのように活用するかということを考えるとき、ここで改めて原点に返り、有明佐賀空港について、利活用はもちろんでありますけれども、空港を核とした周辺市町村の自治体によるまちづくりも考えていかなくてはならないのではないかと思うのであります。これは、長期的観点からの課題でもあろうかと思うのです。  今年7月7日より夜間貨物便が就航されるようになりました。よって、空港を利用した新鮮な果物、農産物、水産物の関東周辺への市場が拡大される絶好のチャンスではなかろうかというふうに思うのであります。特に、地元JA佐賀市、JA中央佐賀、漁連などと十分協議をされる必要が行政にあるのではないかと思うのであります。  私の近くにイチゴをつくっておられる農家の方がおられますが、よく私はそれを買いに行って、とれたてのイチゴを食べるわけでございますけれども、大変おいしいイチゴでございます。話を聞きますと、そのイチゴは関西、関東にも送られているというふうに伺っております。そうとするならば、とりたてのイチゴを生産者より消費者へ少しでも早く、いち早く届けることができる空港利用は大変助かるのではないかと思うと同時に、佐賀のブランドとしてのイチゴを多くの方に味わってもらえる絶好のチャンスであり、その対策を講じる必要があるのではないか、そのために行政が積極的にかかわることこそが必要ではないかと思うのであります。それを生産者だけに押しつけるとするならば負担増になるわけでございます。県、市、JA、そしてまた漁連、生産者が本当によく協議をされ、行政からは助成とか補助とか、そんなものを含めた具体的な対策が望まれるのではないかと思っております。先日、私は県に問い合わせをいたしまして確認をしましたら、今からのことでございますので、今後その問題については十分検討する必要があるということは認識をしておるということでございました。  ところで質問でありますが、まず第1に、有明佐賀空港利活用促進について、佐賀市として今日までどのように行ってこられたのか。また、今度どのような位置づけをされ、どのように対策をしようとされているのか、お尋ねをいたしたいと思います。  2番目、有明佐賀空港を核としての将来どのようなまちづくりが考えられるのか、その点についてもお尋ねをいたしたいと思います。  3番目、貨物便が羽田空港まで2往復就航されていますが、市内の新鮮な農産物、水産物など、市場拡大のチャンスではなかろうかと思っております。その意味で、県、JA、漁連などの関係者との連携は大変密にしなくてはならないと思いますが、どのようにされようとされているのか、また、支援策はどのようにされているのか、お尋ねをいたしたいと思います。  次に、公共事業の入札制度でありますが、私は議員になりまして、平成3年度から平成11年までは佐賀市においては指名競争入札がほとんどでございました。平成11年ごろから新しい方式が導入をされました。まず、談合のない郵便入札方法も導入されました。しかし、市の考えが入れられ、左右されるプロポーザル方式、全国でも珍しい、また私たちが問題であると思うCM方式なども今行われているわけでございます。  新しい方式を導入するとするならば、やはり当局はもちろんでありますけれども、関係各位の理解が必要でありますし、専門家の意見を聞くということも必要ではなかろうかというふうに思うのであります。それを強行されるとするならば、大変不信感が生まれてくるのではないかと思います。特に、発注者の市が仕事をさせてやるという上からの気持ちで入札制度を行うとすれば、大変問題が生じるのではないかと思うのであります。落札された業者におかれましては、最高の技術をもって市民に喜ばれる、市民の立場に立った施工がされるよう配慮しなければならないと思うのであります。そのことでできるのは、発注者、施工者との、やはり人間関係の大切さを私は最近特に感じているわけでございます。  郵便入札制度についてでありますが、市当局が制度を導入したときの説明を思い起こしますと、談合ができにくいということで導入をされました。平成11年以前ぐらいは余りなかったわけですけれども、最近は談合情報が何回となく寄せられ、そして、やり直しをされたこともございます。私は何か不思議でたまりません。本当に疑問を感じるわけでございます。関係者の中でも同じようなことが言われております。  郵便入札制度は、郵便による入札をし、指定された日時、場所で開札されるのであって、その入札金額は知らされないのであります。もちろん業者さんには知られないのであります。その内容が漏れているとするならば、大変問題ではなかろうかというふうに思うのであります。あってはいけないと思いますが、市当局より漏れていると言われても仕方ないようなことも、疑われるようなこともあるような気がするわけでございます。それは内訳書についても、慎重に扱われているというふうに思いますけれども、封印がされていない、だれでもが目につくことができる。やはり、内訳書も開札後あけるような仕方、そういう入札をする工夫をするのも一つの策ではないかと思うのであります。  次に、最近行われました市の施設の設備入札で、市内に本社を持たない、しかも市内において経験のない、実績のない業者が落札をしたことがわかりました。そして、下請は入札資格のある方が今されていると聞いております。この現象を見るときに、入札の仕方、入札時の条件について、納得いかないものを感じるのであります。市内業者への配慮がなく、また市内業者への仕事をさせようとする姿勢が市の当局にあるのかということを疑いたくなるのであります。私は、この関連質問につきましては、今日まで何回となく行ってきました。答弁では、いや、地元業者地場産業育成などでやっておりますよというふうに言われますが、こういう事実を見るときに、私は、答弁との整合性がなく、大変疑問に思うところであります。  入札は公正、公平であり、資格があればだれでも参加できるというふうになっておりますし、最近ではそのことが全国的に緩和をされたために、仕事量が少なくなっているのに加えて、地元でない業者が入札参加、落札をするということであれば、地元業者への影響は大でありますし、価格が安ければだれでもよいといったやり方は問題があるのではないかと思うのであります。少しでも地元業者に仕事をしていただいて、会社にもうけていただき、納税をしていただく。そしてまた、働いている人たちが仕事をし、納税をする。そのことが少しでも税の増収につながるのではないかと思うのであります。働く人にとっては、そのことによって買い物などができ、精神的にもゆとりができ、憲法で保障されている文化的な生活を営む権利を有することが実現するのではなかろうかというふうに思うのであります。  以上のことを踏まえて質問でありますけれども、郵便入札方式談合情報によりやり直しをされているケースが多くございます。開封前に入札額が漏れているのじゃないか、また、内訳書の提出の仕方に問題があるのではないか、実際のやり方と今後の疑念を持たれないような対策について市はどう考えているか、まずお尋ねをいたしたいと思います。  次に、平成11年以前は余り談合という話は聞きませんでした。新しい方式が導入をされて以後、そういう話が頻繁になってきたわけでございますが、このことについて市はどう思われているのか。  3番目、市内で実績のない業者が落札されているが、本当に任せて大丈夫なのか、余りにも、安ければよいという考えが先行し過ぎているのではないか、経験豊かな地元業者にもっと発注し、業者の育成の観点から入札が行われるべきであると思うが、この点についてどう思うのか。  次に、職員に適した人事異動についてでありますけれども、人事異動については、私も平成13年12月、質問をしたところであります。私は、この問題について余り申し上げたくないわけでありますけれども、昨今の状況を見ますと、市民サービスの低下につながるような気がして、あえて質問をいたします。  人事異動は、市民サービス向上の上で、有能な管理職員が部下の個人の能力を見きわめ、その部署で発揮できるような、そういうことをするのが一番望ましい人事のあり方ではなかろうかというふうに思うわけであります。しかし、最近の人事異動を見てみますと、大変偏ったものではないかと思えてなりません。上司に自分の意見を申し上げると飛ばされるというような風潮がこの市役所内にあるとするならば、私は市民サービスの低下につながると思うのであります。私も直接職員から、そういう声を聞くようになったのであります。  私、先日、市内のあるお店でお酒を飲んでおりましたら、会ったことのない一般の市民から、市の今後の問題について、合併問題について、いろいろ話がなされました。その中に出てきましたことを申し上げますと、「木下市長さんは、自分の意見と違う人は飛ばさすそうですね」という話が一般の方から私の耳に入りました。私は、行政の一端を預かる者として、大変複雑な気持ちでございました。私も、現在の人事異動のやり方は、ある議員もホームページの中で示されておりましたし、イエスマンだけでは偏った行政施策になるので、もう少し考えるべきではないか、広い心を持つべきではないかというように言われておりますが、まさにそのとおりでございます。  以上のことを踏まえて質問ですが、人事異動において職員を適した部署に配置されているのか、管理職の偏った人事異動がなされていないのかどうか、市の考えをお尋ねをいたします。  2番目、技術者として採用されている職員がその職種に配置され、専門的仕事を行っているのかどうか。  3番目、実は朝日新聞に、4月20日の記事でございますけれども、古川知事と木下市長の対談が載っておりました。まさに対照的な話でございます。その中で、呼び出してどなりつけて、それでもだめなら人事をやりますというようなことも、ここに言ったように書いておられますし、本当にそういう気持ちで人事異動をされているとするならば、本当に問題があるのではないかというふうな気がいたします。市の考えとしてどうなのか、担当部長としての見解をお尋ねをいたしたいと思います。  次に、教育委員会関係であります。  佐世保の大久保小児童の同級生を殺害した事件についてと、教職員の人事権について、2点質問する予定でありましたけれども、今議会で中山議員が佐世保関係につきましては質問をされております。私は、つけ加える意味で少し申し上げたいというふうに思います。  事件で亡くなられた被害者、御手洗怜美さんやお父様、そして御家族の人々の気持ちを思うとき、ただただ御冥福をお祈りをするほかありません。と同時に、二度とこういうことは繰り返してはいけないという気持ちでいっぱいであります。一方、加害者の子供さんや両親、家族のことを思うと、何か複雑な気持ちになるのであります。人の命を奪うことは、何の理由があろうとも許されるべきではありません。私は、そのことは十分理解をしていますけれども、未然に事故を防ぐことができなかったのかなど、いろんな思いがこの胸に来て、大変痛む思いがいたします。佐賀でも思えばバスジャック事件とか、大阪では池田小の児童殺害事件、昨年の長崎の少年による幼児殺害事件等々起きておりますし、また青少年がみずからの手で犯罪を起こすケースもあります。そしてまた、少年少女、幼児が被害に遭って、とうとい命を失ったケース、そしてまた、親が子供を虐待するなどなど、報道を通して毎日のように私たちの目や耳に入ってくるのであります。そのことを思うと、大変心が痛む思いをするわけでございます。しかし、事件が起きてから、いろんな対策を講じられるわけでございますけれども、やはり未然に防ぐことがいかに大切かと、また、その環境をつくるかというのが必要かということが一番のことではないかというふうに思います。  今回の佐世保の事件は、パソコンでの子供同士のやりとりの中でトラブルが生じ、原因の一つと考えられているというふうに思いますし、文化の発達やいろんな分野での目覚ましい変化によって、人の心が軽んじられ、そしてついていけない社会状況にあるのではないかということを痛感している次第でございます。このことについて私たちも真剣に考え、対策を講じる必要があるのではないかと思うのであります。このことは中山議員への答弁にもありましたので、このことを踏まえて十分今後検討していただきたいと思います。  次に、近年、教職員の人事権について、いろんな論議がされているようであります。教育の現場は生きたものであります。その中では学力的教育を行うと同時に、人間がとうとばれるところではないかと思うのでありまして、専門的な知識が必要ではないかというふうに思うのであります。  現在の人事権につきましては、県教委がなされているわけでございますけれども、これは長い長い歴史の中でされていることでありますし、本当に尊重されるべきではないかというふうに私は考えておりますが、ここで質問でありますけれども、そういう背景は理解しつつも、市に移管をしてほしいという声があるというふうに聞いておりますが、教育委員会の考えをお尋ねして、1回目の質問を終わります。 ◎志津田憲 総務部長   おはようございます。黒田議員の御質問について、順次お答えをいたします。  佐賀空港の利活用についてでございますが、佐賀空港は平成10年の開港以来、この7月で7年目を迎えることとなります。この間、名古屋便の廃止等はございましたが、今年度につきましては搭乗率を東京便が70%、大阪便は60%の目標を掲げて利活用が図られているところでございます。  佐賀空港利用促進につきましては、佐賀市としては利用客対策として昨年度まで二つの補助制度を設けておりました。一つは、佐賀空港を利用して佐賀市内のホテル・旅館等に宿泊する方に対して1人 1,000円の補助を行ってきたものであります。実績としましては、15年度で 2,860人に対して 286万円の補助を行っております。しかしながら、この補助制度は本来、観光客の利用増を目的としたものでございましたが、利用状況を調査いたしましたところ、ほとんどがビジネス客ということでありましたので、補助制度がなくても利用をされると、そういった考えから、15年度をもって事業を終了させていただきました。もう一つは、修学旅行に対する補助であります。市内の中学校、高校で佐賀空港を利用した修学旅行に対して1人当たり片道 1,500円を補助するもので、15年度は65万 4,000円の補助を行っております。これにつきましては今年度も継続をしております。  次に、市役所の中での取り組みとしまして、職員が出張する際には、原則として佐賀空港を利用することといたしております。市の旅費の規定では、例えば、東京までの計算をした場合、福岡空港より佐賀空港利用の方が旅費が安くなります。したがって、時間さえ合えば職員はまずは佐賀空港を利用することといたしております。もちろん、利用時間の都合で福岡空港を利用することもありますが、職員の出張につきましては佐賀空港を利用するように努めているところであります。また、佐賀空港を利用したツアーやイベントの案内なども、折に触れて職員に対して庁内のノーツで案内するなどPRにも努めておりまして、佐賀空港の利用を促しているところであります。  佐賀空港の利活用を検討促進する外部組織としまして、有明佐賀空港活性化推進協議会が結成をされております。関係自治体及び経済団体で構成をされているものです。この協議会は、柳川や大川なども含めた佐賀空港利用圏域全体の空港としての利用促進が検討されております。協議会におきましては、これまでも各種利用促進策が講じられておりますが、今年度は新たな取り組みとして、個人客や少人数グループの誘客強化、アクセスの利便性の向上策として、佐賀空港と観光地を結ぶジャンボタクシーによる乗り合いタクシーの試行、24時間 1,000円でのレンタカーの運行、またボーナスマイルキャンペーン、旅行代理店に対する広告費の助成、送迎バスの運行経費補助などが計画をされております。  佐賀空港の活性化を図るためには、何といいましても便数の増便が最も望まれるものと考えております。県の調査によりますと、佐賀空港周辺地区の利用者のうちビジネス客に限れば、同じ時間帯の東京便の利用者は、佐賀空港利用者数が福岡空港の利用者数よりも多いという結果も出ております。利用時間さえ合えば佐賀空港はもっと利用されるものと期待をしております。  次に、空港を核としたまちづくりについての御質問があったわけですが、佐賀空港の立地に伴いまして、例えば、物流機能の集積や観光客利用の増加など、空港自体まちづくりの核施設となるような開発の動きが出てくることは望ましいことであると考えております。しかしながら、現況では、佐賀空港まちづくりの核になっているとは言えません。空港が核となるためには、まずは空港自体が集客力のある施設となることが前提と考えますので、当面は協議会活動などを通して利用者増加へ向けての対策、搭乗率のアップなどに取り組む必要があると考えております。  次に、第2点目の公共事業の入札制度についての御質問にお答えをいたします。  まず、郵便入札のあり方でございますが、近年、公共工事の発注につきましては全国各地で談合事件などの不祥事が多発し、そのたびに公共事業のあり方や工事の発注方法について問題提起がなされてきております。このような状況の中、国におきましても不祥事に対する方策として、工事の発注契約手続の透明性、公平性の確保を目的としました「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」を制定し、平成13年4月から施行をされております。この間、市としましても入札制度の改善に取り組んできたわけでありますが、その一つとしまして14年度から、いわゆる郵便入札の導入を行ってきたところであります。  導入初年度の14年度は、毎週1件をペースに実施しながら、事務処理の状況などを把握し、問題点が少なかったことから、15年度からは原則として設計金額 1,000万円以上の工事について郵便入札を実施しているところであります。この郵便入札を実施するに当たりましては、参加業者が特定できないよう、1件の入札につきまして常に50社以上が参加できるように配慮をしてきたところであります。当初、この方式では入札者が顔を合わせることがなく入札に参加ができますので、談合疑惑などは起こりにくいと考えておりましたが、残念ながら数件について談合情報が寄せられる結果となりました。  郵便入札の事務の流れについて御説明をいたしますと、郵送の到着期限については開札日の2日前に設定をしており、その翌日に参加申請書の確認、それから資格の審査のために管理職立ち会いのもと担当者が外封筒を開封しております。その際、中封筒入りの入札書や工事費内訳書等につきましては外封筒に入れたままかぎをかけ、厳重に保管している状況でありまして、これが外部に漏れているということは全くございませんし、正当な入札行為を行っております。また、期限到達後に郵送された入札書は、この方式を導入後、一度もあっておりません。現在は中封筒に入札書のみを入れていただいておりますが、さらに厳格な対応をするため、今後は工事内訳書につきましても中封筒に入れていただき、資格審査書類以外の書類は開札後にしか見られないよう、速やかに実施要領の見直しを行い、今以上に厳正な入札の執行に努めてまいりたいと考えております。  次に、平成11年度を境に談合情報が多くなっていると、そういった見解を述べられましたが、国におきましては平成5年に相次いで発生した公共工事をめぐる大手ゼネコンの不祥事を契機に、中央建設業審議会では、不正の起こりにくい入札、契約制度の見直しが建議をされた経緯がございます。これに沿って国、地方公共団体でも入札契約事務に当たっては従来以上に透明性、競争性を高めることにより、国民や市民の貴重な税金を厳正かつ公正に執行する努力がなされてきたところであります。  佐賀市では、このような状況を受けまして、平成12年度には談合情報対応マニュアルの策定や公正入札調査委員会の設置、また業者一同を集めての現場説明会の廃止などを行い、また平成13年度には「公共工事の入札及び適正化の促進に関する法律」の施行に合わせ指名停止基準の強化など、談合ができにくい状況への対応を行ってきたところであります。しかしながら、透明性や競争性を高め、談合ができにくいと考えた入札方式の中で、御指摘のとおり談合情報がふえてきたのも事実であります。  議員おっしゃいますように、平成11年度以前の談合情報につきましては、確かにその資料も少なく、また当時の入札担当職員でも余り記憶がないような状況であります。談合情報が最近に比べ、寄せられていなかったことの一つには、それまでの入札がほとんど指名競争入札で実施をされており、現在のような競争性の確保が少なかった面もあるのではないかと考えております。それを端的にあらわしておりますのが落札率でないかと思います。平成11年度以前では、おおむね97%以上で推移をしていたところからも見ることができます。現在の一定規模以上の工事入札につきましては、指名競争入札から条件つきの一般競争入札など多様な発注方法を取り入れた結果や、また建設不況の長期化に伴い競争が激化してきたこと、こういったことなどが大きな原因で談合情報が寄せられているのではないかと考えております。  次に、実績も経験もない市外の業者が公共施設の入札に参加して落札をしていると、そういったことに関してでございますが、入札参加の条件につきましては十分注意を払い決定しているところであります。少なくとも、実績も経験もない業者の参加につきましては、参加の条件から外しているところであります。参加の条件から外している業者は、建設業の登録で必要であります経営事項審査評点は持っているものの、完成工事高がないような業者であります。  そこで、今回御指摘の公共施設の入札でありますが、この工事につきましては応札の条件として、一つに、国または県による建設業の審査評点と、市独自評点であります管工事の点数に2を乗じて得た点数、これら二つの合計が 700点以上であること。もう一つに、佐賀市内に本店または管工事に係る建設業の許可を受けた支店もしくは営業所を有している者。これらを含め五つの項目の条件をつけて郵便入札で3月上旬に告示をしたものであります。16業者が参加をされ、3月中旬に開札を行い、御指摘の業者が予定価格に対し91%台で落札をされたものであり、2番札が92%台であることを考えますと、極端な低額入札にも当たらないものと考えております。  ところで、今回御指摘をされております業者については本社が市外にあり、佐賀市に支店を置いて事業活動を行われており、確かに本市の設備工事についての実績はありませんでしたが、他の公共団体での実績も確認をしており、また工事に必要な技術者の確保もなされていることを確認しております。なお、発注担当課からも工事に支障が出ているとの報告もあっておりません。また、下請業者につきましても市内業者の活用をしていただいており、このような中で市内業者も技術の向上などが図れる機会でもあり、問題はないものと認識をしているところであります。  本市といたしましては、今後も引き続き適正な業者選定、より一層の透明性、競争性の向上を図るとともに、入札談合などの不正行為の排除に努め、公平、公正な入札が行われるような入札改革に取り組んでまいりたいと考えております。  第3点目の御質問で、職員に適した人事異動に関してお答えをいたします。  まず初めに、不公平な人事についてと、そういうことで、市長の意にそぐわぬ発言、意見を持つ職員の処遇、及び平成16年7月20日の朝日新聞に掲載された知事と市長との対談記事の中での人事に関する記述についてどのように思うのかと、そういった趣旨の御質問でございました。  市長の意にそぐわぬ行動をとった職員が、いわゆる飛ばされるという意見でございますが、本市の人事異動に当たりましては、公正、公平な人事に努めているところであり、これはまた当然なことでございます。人事異動を行うに当たっては、職員の在職年数、自己申告書の異動希望、現に担当している事業の継続性、また人事評価等を総合的に判断して、適材適所に配置をするように努めているところであります。  ことし4月20日の朝日新聞に掲載された知事と市長の対談記事の背景について、まず御説明をいたします。  古川知事が、鳥インフルエンザの発生状況をより多くの広報媒体を通じてより迅速に、より多くの人に伝えるために、佐賀県のホームページに掲載するよう部下に何度となく指示をしたところ、一向に掲載されなかったことについて、木下市長であればどのような対応したのかと。そういった質問に対して市長が答えられたものであります。前提条件があって尋ねられたものに対し、市長が答えたというものでございます。  今回、例として示されているものが鳥の伝染病という非常に危険なもので、迅速な対応が必要であるにもかかわらず、職員が一向にその対策をとらなかったものであり、物事の重要性、緊急性を理解せず行動しなかったことは、職の的確性を欠くと判断されても仕方のないことであると思っております。実際、市役所で1度または2度指摘をし、職員が変わらなかったと、そういった程度で市長が呼びつけてどなると、そういったことはこれまであっておりません。何度となく指摘をされ、これに対し職員が一向に改善、対応しないと、そういった場合には厳しく指示し、対応されることは人事管理上、これは当然のことであると考えております。住民へのサービスが市役所の仕事であると、そういうことを考えますと、組織として迅速な、しかも的確に対応すると、そういうことは最も必要なことだと思っております。  次に、適材適所の人事配置について御質問でございました。専門職について御質問でございました。  現在、本市では事務職のほか専門職として、土木、建築、保健師、電気、化学、保育士などの職種の職員が専門職採用試験を受験し、採用後はその専門的能力を発揮できる職務に従事することを基本としております。例えば、道路改良、下水道工事等の土木工事を担当する職務には土木職の職員が、建築確認事務や公共建築物の建設工事を担当する職務には建築課の職員が、また保健衛生を担当する職員には保健師がそれぞれ従事をしております。これらの専門職は特定事務に従事をするために採用をしたものでございますので、その専門的能力を発揮できる職務に従事するのが基本ではございますが、専門職とはいえ行政職の職員でございますので、他の分野のことを知らなければ幅広い視野を持った職員になることができないと、そういったことから、専門職の職員であっても他の分野の職務に一時的に従事することはあり得るものでございます。しかし、これらの措置は、さらに幅広い識見を有するために経験させる研修的意味合いを持つものであり、適材適所の人事をより効果的に行うものであります。  また、専門職には専門的能力を磨くことも重要な要素でありますことから、国土交通大学校への派遣の研修、国土交通省が主催する研修会、また外郭団体が主催する研修会等に積極的に参加をし、研さんを積ませております。厳しい財政状況ではございますが、組織は人なりということを言われますので、職員研修に要する経費については、できるだけ確保するよう努めております。  なお、専門職にはさまざまな国家資格、例えば、土木施工管理の技師、1級建築士、建築主事、電気主任技術者等の資格を取得すれば、さらに専門職としての素養を高める国家資格もありますため、これら一定の資格を取得した職員につきましては資格手当を一定期間支給をし、職員のやる気を引き出す工夫もしているところであります。  以上でございます。 ◎飯盛克己 産業部長   有明佐賀空港夜間貨物便についての利活用についてお答え申し上げます。  空輸による農産物の出荷は、鮮度を保つ上では非常に有効な手段でありますが、当然そのコストが高くなります。まずは空輸のコストに見合う販売価格の確保が必要となりますので、産地間競争が激化する中、佐賀ブランドとして特化し、安定した品質及び量の確保を図る必要があると考えています。  現在、佐賀市の農産物での有明佐賀空港の利活用につきましては、バラを東京、大阪方面へ、アスパラガスを東京方面へと空輸による出荷を行っている状況であります。このバラ、アスパラガスの空輸につきまして、生産農家やJA等のお話を伺いましたところ、収穫や集荷作業の時間を考えた場合、現在の昼間の便が適しておるとの回答でございました。したがいまして、予定されております夜間貨物便につきましては、どういう利活用ができるのか、その支援策も含めまして、生産者及び生産者団体と今後よく話し合っていきたいと考えております。 ◎迎巌 教育長   教職員の人事権についての御質問にお答えいたします。  県の人事異動は、1.県教育の充実、振興を図り清新の気風を醸成するため、全県的視野に立って適材を適所に配置する、2.広域人事実施のため、各市町村教育委員会間の交流を促進する、3.異動は校長の意見、勤務実績に基づく市町村教育委員会の内申を待って行う、などの基本方針に沿って行われております。また、校長、教頭の転任及び配置がえは、学校管理運営の適正を期して行うとされております。以上のようなことを踏まえ、教職員の配置決定の権限移譲に関しては定例教育委員会で審議した上で、昨年8月に佐賀市を含め県内5市の要望として、佐賀県市長会を通して県への要望事項として提出しております。  その内容ですが、管理職を含む教職員の配置については、市の教育委員会への辞令発令にとどめ、学校の指定については市教育委員会の判断で決定できるようにしてほしいというものであります。県の基本方針の中にありますように、広域人事交流の促進は必要だと考えておりますので、県費負担教職員の管外への転出・転入については、該当の市町村教育委員会双方の理解のもとに実施していくべきだと考えております。  しかし、校長、教頭を含めた、その後の管内の配置決定については、当該教職員の服務監督権限を持つ市教育委員会にゆだねてほしい旨、権限の移譲をお願いしているところであります。その理由としましては、市教育委員会や各学校が求める特色ある学校づくりを実現するためには、佐賀市がそれぞれの学校の実情を踏まえて適材適所の職員配置を行い、学校運営の活性化を図ることが重要だと考えているからでございます。県教育委員会人事異動の基本的な考えを踏まえて、今後も県との話し合いを進めながら、学校で学ぶ子供や学校現場にとってよりよいものにしていくように要望してまいりたいと考えております。  以上で終わります。 ◆黒田利人議員   順序逆になりますけれども、教育委員会の分につきましては、ぜひとも迎教育長、胸を張って進めていただきたいというふうに私はつけ加えておきたいと思います。  次に、入札制度でありますけれども、市の答弁としては公正、公平にやっているということでありますけれども、一つ挙げてみたいと思います。先ほど答弁の中で、設備の部分、落札されたところは経験がないということをはっきり認められたわけでございまして、私はなぜ言うかといいますと、佐賀市は佐賀市独自の評点をされております。そのことによって点数が足らなくて仕事を受けられない業者もいるわけでございます。そういう真剣なものであります。だからこそ、やはり実績があるところを選ぶのが妥当ではないか。実績があるところは点数のつけようがないわけでありまして、幾らよそのところできれいにしても、佐賀市の評点はゼロであります。そうしますと、先ほど申し上げました業者とは、私は差別関係にあるのではないかと言わざるを得ないのでありますけれども、この点についてどうでしょうか。  それと、談合情報についてでありますけれども、思い起こせば、実は高取現助役が部長をされたときからが始まりのような気がするわけであります。ちょうど佐賀市が大型事業であります焼却炉をつくるときに合致をして、それからが大変頻繁に行われたわけでございまして、私も大変何か不思議なものを感じている一人であります。なぜならば、そのことが過去の中で、要するに2番目に安いところを落札しようとしてみたり、そういうことから思うと合点のいかないことがあるのであります。それを意図的にされたというふうには思いたくありませんけれども、そういう一つ一つを思い起こすと、私は何かおかしいんじゃないかという気が率直にいたします。その点について、今申し上げました入札制度の、業者に差別関係があることについてどう解釈されておるか、助役であります高取助役にお尋ねをいたしたいと思います。  それともう一つ、適切な人事異動でございますけれども、幾ら市の当局が公正、公平にやっておりますと言われても、私が知っている範囲でも7名の方が、要するに市が言われるような感じの異動ではないわけであります。その方も納得されておりません。実名を挙げて申し上げていいですけれども、その人の人権もございますので、差し控えたいと思いますけれども、そういうデータをちゃんと私たちは持っておるわけですよ。その中で申し上げているわけでございます。その中の一つは、何か幹部の奥さんが言ったことが原因になっているというふうに聞いておるわけでございまして、そのことから言いますと、大変私は何かおかしいものがあるということを疑いたくなるわけであります。その件について高取助役の見解を求めて、質問を終わります。
    ◎高取義治 助役   まず最初に、談合関係についてお答えしたいと思います。  私が民生部長のときから、この件が非常にふえたのではないかということでございますが、実際、私が民生部長のときに談合情報が寄せられて、非常に戸惑ったことを覚えています。と申しますのは、談合情報に対するマニュアルがなかったということでございます。それを受けまして平成12年度に談合情報対応マニュアルの策定をし、また公正入札調査委員会の設置をし、公正を期すようにしたところでございます。  やはりこれについても、国の方でも同様な傾向にございまして、先ほど総務部長が申しましたように、平成13年度に「公共工事の入札及び適正化の促進に関する法律」というものも制定されておりまして、やはりこれも社会背景、経済的な時代背景があるのかなと思っております。今後とも私どもは公平、公正な入札に心がけていきたいということを考えております。  それから、次の職員のことでございますが、やはり市長の意に沿わない意見を、言動をとったら非常に、飛ばされるとか、そういうことが風評としてあるということでございますが、これは抽象的な例ではあれでございますので、実際の事例でお答えしたいと思います。  具体的な事例でございますが、平成11年3月に、私、当時、民生部長でございましたが、市長から、ごみ焼却場建設計画があるけれども、佐賀市の財政事情が悪いので、建設をやめられないか、また、現施設の延命策を考えてくれという命題が来ました。それで、私はとんでもないということで、いろいろ市長と議論したことを覚えています。それで、当初は、これは特別委員会で決めたことですからというような言い方をしておりましたが、感じましたのは、どうして建設をしなければならないかという説明をいたしておりませんでした。それで原点にたち返って、その辺の説明をしたところでございます。それで、その次に、11年4月には、じゃ、わかった、建設はいいけれども、 300トンの規模は大き過ぎるよということで、これを減らせという指示が来ました。トン当たり、当時1億円という金額でございましたので、20トンないし30トン小さくすれば、それだけ財政的にも余裕ができると、縮小して財政面への配慮をするべきだという指示が来ましたが、これにも1カ月ほどかかっていろいろと議論したことを覚えています。やはり物申すときは物申して、方向性をつけるべきだということを感じております。  そこで、いろいろ時代の変遷で、佐賀市の職員の職務内容も変わってきていると思います。市民ニーズも変わってきております。具体的なことで申しますと、例えば、以前、タイピストという専門職がございました。これは議案等すべてタイプで打っておりまして、重宝がって我々も非常に大事にした職種でございますが、やはり時代の変遷で職種変更して、ほかの職場で立派にやっていただいております。このことから、市の職員も変わらなければならないと思っています。  また、今度の4月の異動でございますが、技術の職員が事務の職種を希望したいということが申し出ございまして、本人の意向を踏まえて事務職のポストに異動させたような事例もございます。  繰り返しになりますが、やはり人事というものは公正、公平なことを行うのが当然でございまして、やはり在職の年数とか自己申告の制度とか、そういうことを基本に適材適所に配置するよう、今後も努めていきたいと考えております。 ◆山下明子議員   通告しております四つのテーマで質問いたします。  まず、木下市長の政治姿勢についての問題です。  私は、この5年間、木下市政と向き合ってまいりましたが、当初から駅前開発の凍結や環境、子育て支援、入札など行政の手続の透明化など、思い切った取り組みが進められることには一定の期待や共感もあったのですが、市長が施政方針として福祉、教育、環境を掲げていることと、実際の市民の暮らしを守る自治体の姿とは結びついていないように思えてなりません。さきのやり直し選挙に向かう中でも、今の佐賀市政のあり方について、市民の皆さんからいろいろな声が寄せられました。そこに共通するのは、効率主義、自己責任、そして受益者負担をキーワードとして、弱者を切り捨てる姿勢が目立つという点です。  例えば、この不況やリストラの状況のもとで、福祉や教育に力を入れると言っても、本当に困っている市民に手を差し伸べるという姿勢は一貫して見えてきません。国保や介護保険の減免、乳幼児医療費の助成枠の拡大などには、どんなに繰り返し求めても全く応じない一方で、生活保護世帯への見舞金や重度身障者、特定疾患患者の方への見舞金、遺児就学助成金、児童施設の子供たちへのお年玉など、いわゆる経済的弱者の部分は容赦なく切り捨ててきたのが実態です。その額は60万円とか 200万円とか、たとえ少額であったとしても、切り捨てられる側にとっては積み重なれば相当な影響が出てくるのです。その痛みがわからないのでしょうか。  また、まちづくりを進めていく上で重要な中心商店街が寂れていくことについても、市長は、それぞれの商店街の問題であり、お金のばらまきはできないと言うだけで、商店街のやる気を引き出すような親身の支援をしてくれないという声もあります。中心商店街のことを必ずしも中心とは思っていないとか、勧興校区での市長と語る会で大和ジャスコに行ってどうだったなどと発言するなど、地域の人たちの考えを念頭に置いていないという声もあります。  さらに、きのうのひなまつりの広告ポスターデザインの入札問題でも指摘されておりましたが、地元業者の育成に熱心でないという印象を私も持ちます。例えば、市民ホールの改装のときに、初めからこういう規模の施設のカウンターやホールをデザインできる業者は地元にはいないと決めつけて排除され、結局、市外どころか外国在住のデザイナーに委託するという結果になり、そのデザインの影響は今や市庁舎西側玄関の壁や通路の色彩にまで及んでいるようです。  昨日の答弁にもあらわれていましたが、力をつけるのは業者の自己責任というだけで、チャンスを与えようとしないのは問題だと思います。地元業者をばかにしているのかという声もあります。本気で市内業者を育成する気があるなら、何十年に一度と言えるような規模の改修だからこそ、地元業者で共同研究し受注できるような機会をつくり、市内業者のやる気と誇りを引き出すことができるはずではないでしょうか。  さらに、効率主義という点では、むだを省く行財政改革は確かに必要ですが、何をむだと考えるかで方向が大きく変わってくると思います。特に、木下市政の行政改革のコスト削減論の中心は人件費の削減であり、その立場から給食調理の民間委託、保育所の民営化、ガス局の売却といったことがどんどん進められています。民間でできることは民間にという小泉首相や財界が進めるリストラ型行革を先取りしているとも言えます。しかし、本来、自治体の職員は公務員だからこそできる仕事があるはずで、もっと自発的にみずからの能力を発揮して住民サービスを行える可能性があるのに、今のコスト削減一辺倒の行革論議では、そういう議論をする余裕もなく、結局、市民の願いにこたえられず、行政の責任を果たせなくなるのではと考えます。  また、先ほど黒田議員も取り上げられた朝日新聞での古川知事と市長の対談記事を読んで、私も感じましたのは、仕事の成果が上がらないと呼びつけてしかり、それでもだめなら人事をやるという答えを、「(笑)」ということもついてのコメントをされておりますが、そういう問答無用のやり方では、職員が自由な発想で業務に取り組めないのではないか、思ったことが言えない雰囲気がつくられ、ひいては意識が組織の内にこもって、市民の側を向いた働きができなくなるのではないかという心配を強めておりますし、先ほどの指摘があったように、市民の中にもその心配は広がっています。こうした点について市長はどういう認識なのか、まずお聞かせください。  次に、敬老パスの問題です。  75歳以上の市内すべての方を対象としていた市バスの無料敬老パスが今年度から廃止され、交通局がもともと行っている65歳以上を対象としたワンコイン・シルバーパス事業に移行し、パス券購入の1万 6,000円のうち1万 5,000円を市が補助するというやり方に変わりました。これにより、御本人は 1,000円でパス券を買って、あとはバスに乗るたびに 100円払うということになったわけですが、これまで無料だったことからすれば明らかな負担増であり、改悪です。  敬老パス廃止が提案されたことしの3月議会以降、今日に至るまで、既に私どものもとにはさまざまな声が寄せられています。バス以外に交通手段がなく、毎日の買い物や通院に利用されている方からは、毎日のことで大きな負担になる。乗りかえをすれば1回ごとに 100円だから、往復 400円かかる。年に1度パス券を買うのは仕方がないとしても、乗るたびの 100円はやめてほしい。また、うちに閉じこもらないように、これまで図書館やアバンセなどの施設やいろんな催しに毎日のように出かけていたけれども、1日 400円、1週間で 2,800円、1カ月で1万円近い負担がふえる。年寄りをうちに閉じ込めておくつもりなのかという声。さらに、こんなに負担ばかり押しつけるなら、せめてもっと元気な70歳からでも使えるようにしてほしいという声も寄せられました。こうした声を踏まえて、4点お尋ねします。  第1に、乗車のたびの 100円負担をやめて、シルバーパス券の購入だけで済まされないのか。もしくは、著しく所得の低い方たちへの配慮がなされないものか。第2に、対象年齢を75歳から70歳へと引き下げられないか。第3に、これまで同一に無料だったのが、居住地域によって負担の格差が生じるわけで、乗り継ぎ券の発行など、改善を図るべきではないか。第4に、公共施設や主な病院などへのアクセスを乗りかえなしに確保できるようなルートの改善ができないか。  以上の点についてお答えください。  次に、国民健康保険の減免制度について伺います。今回は、国保税とともに、患者が病院窓口で払う3割の一部負担金の減免についても伺います。  これまで幾度となく指摘してきたように、国保には年金生活、農家や零細業者とそこに働く人、近年ではフリーターや、失業により社会保険から国保に移行してくる方など、総じて所得の不安定な、または低い方たちが多いのが特徴です。所得非課税の世帯が約37%を占め、2割、5割、7割の法定減免措置を受けておられる世帯も45%に上るという実態です。それでもなお、国保税が高過ぎて納め切れず滞納したために資格証を発行されているという方が、ことし1月末で 713件、短期保険証の方はその時点では 385件とのことですが、例年 1,250件から 1,300件といった数字に上っています。  そこでまず、国保税の減免について、二つの事例を紹介しながら、問題提起をします。  一つは、この不況のもとで、賃金を4割減らされたある女性のケースで、それまで払っていた国保税や住民税が払えなくなり、この1年半滞納となっていました。アパートの家賃が生活費を大きく圧迫するので、転居を余儀なくされたこの方は、手持ちの金もわずかなために、社会福祉協議会の転宅資金を借りようとしたところ、国保の滞納があることを理由に借りられませんでした。国保税も払えないほど生活が苦しいからこそ社協の資金を借りたいのに、それがネックになっているのです。減免制度があれば、こういうことにはならなかったのではないでしょうか。  もう一つは、独自の減免という意味にかかわることです。実は、佐賀市に減免規定が全くないわけではなく、国保税条例の第14条に「次の各号のいずれかに該当する者のうち、特に必要があると認められるものに対しては、市長はこれを減免することができる」として、①災害その他特別な事情がある者、②前年に所得があった者で、当該年における所得が皆無となったもの、またはこれに準ずると認められるものと定めています。本来、この規定があれば一定の対応ができるはずですが、実際には火災の場合のみということで、年間四、五件という実態です。  ところが、それすら本来の趣旨に合わないということが、最近明らかになりました。昨年の商工共済の破綻で大きな被害に遭われたある飲食店の方が、蓄えも失い、心労が重なる中で火災に遭い、店舗が焼失するという事件がこの春先にありました。火災で営業の大もとが失われたので、国保税の減免を申請されたのですが、自宅ではないから適用できないと断られたそうです。調べてみると、佐賀市国民健康保険税減免取扱要領というのがあって、条例の14条1項1号に規定する災害の部分だけを取り上げて基準が示されているのですが、その対象が納税義務者またはその世帯に属する被保険者の所有する住宅または家財となっているため申請が適用されなかったようです。しかし、国保税を納めるための所得の源となる店舗が失われたのですから、条例本来の趣旨から見れば当然適用すべきですし、自営業者が多く加入している実態を踏まえれば対象を広げるべきだと思います。こうした実情を踏まえて、やはり市として明確な基準を示し、国保税を納め切れない方への救済措置を条例に沿って講じるべきと考えますが、いかがでしょうか。  もう一つ新たに提起したいのは、国保税が払えないという以上に命に直結する3割という病院窓口での患者本人の一部負担金の減免の問題です。実は、国民健康保険法第44条には、保険者は、特別の理由がある被保険者で、一部負担金を支払うことが困難と認められる者に対し、一部負担金を減額、免除、徴収猶予できると定められています。そして、当時の厚生省は1959年3月30日に、一部負担金の徴収猶予及び減免並びに療養取扱機関の一部負担金の取り扱いについてという通知を出しています。この通知の中で、第1に、災害による死亡や資産の損害に遭った場合、第2に、干ばつによる農作物の不作、不良による収入減、第3として、事業の休廃止、失業などによる収入減、そして第4、その他これに類する事由があるときと、減免などの対象者の目安を示しています。減免制度の実施は地方自治法上の自治事務ですから、この目安を参考にして各市町村で規則や要綱を定めて実施することになるわけです。  国保税の減免制度は、法律の第77条に同じように定めてあり、佐賀市もこれに基づいて、先ほど述べたような条例の14条に減免規定を掲げているわけです。法律第44条の方は、もっと直接的に法律に基づく医療費の減免を規定しています。この減免制度を積極的に活用している自治体では、特に先ほど紹介した4番目のその他これらに類する事由があるときの部分を生かして、生活保護基準など一定の収入基準を定めておられます。  例えば、京都市では、生活保護基準の 120%以下の収入の世帯は、窓口での一部負担金を全額免除する。生活保護基準の 130%以下の場合は、その収入に応じて2割、4割、6割と減額するとされています。札幌市では、月平均の収入が生活保護基準と高額療養費の自己負担限度額の合計額を下回る収入の世帯には、一部負担金を減額免除するとして、昭和59年から実施されています。また、秋田県では、一部負担金の減免について法律の第44条に規定があるのに、必ずしも被保険者に対しての周知が図られていないため、法律に基づく減免を実施していないという自治体をなくしたいからということで、昨年5月に、生活保護基準を目安にした減免基準などの取り扱い要綱をつけて、この減免をすべての市町村で実施するようにという通知を出されています。  さらに、沖縄県では、ある市で市民から一部負担金の減免申請があったときに、その市では減免を実施していないことを理由に却下したことに対し、減免申請をされた本人から、この減免却下は不服だとして、県の国民健康保険審査会に審査請求が起こされました。審査会は、一昨年12月2日に、自治体の減免却下の処分取り消しを求める採決をいたしました。この採決では、法第44条は自治体が減免を実施することを前提にしたものであり、実施しないとの判断は自治体の裁量を逸脱したものであり違法であるとしています。沖縄県は、この採決の趣旨を生かし、同年のおととし12月13日に、国民健康保険法に基づく一部負担金の減免措置の適切な取り扱いについてという通知を全市町村に出し、実施に向けた協議が進められる中で、那覇市では昨年10月からこれが実施されています。  そこでお尋ねしますが、佐賀市では、この国保法第44条に基づく医療費の一部負担金の減免制度の取り扱いはどうなっているのか。もし対応されていないとすれば早急な対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。  最後に、長崎街道沿いの風俗店進出とまちづくり・町並み保全について、市の対応と見解を伺います。  きのうの質問でも、長崎街道全体を佐賀市の観光の目玉として整備すべきという提起があり、市としても積極的に取り組む姿勢が示されましたが、その長崎街道沿いの中心市街地である白山のアーケード街に最近、風俗店の進出が目立ちます。風俗店というのは、一般的なパブやバー、クラブなどから、いわゆる性風俗店まであります。そして、そのありようによっては町並みやまちづくりに大きな影響を及ぼすことは明らかです。  白山のアーケードは、これまで佐賀市の中心商店街7町区の一つとして、銀天夜市を初め親子連れで出かけるまちとして親しまれてきました。最近は郊外型大型店の進出やエスプラッツの破綻、後継者不足などにより、シャッターを閉じたままの店並みが続いていますが、それでも何とか空き店舗の解消やにぎわいづくり、白山恵比須神社を核としたれんがの町並みをつくったすずらん通りなど、再生の努力を払っておられます。  ところが、昨年春、そのアーケード街とすずらん通りを結ぶ角に風俗店が進出し、地域でも風紀の悪化につながると問題になっています。6月12日付の朝日新聞と13日付の西日本新聞に「営業禁止区域に風俗店」という記事で、この店のことが報じられていますが、それによると、風営法で風俗店の営業が禁じられた地域に風俗店と見られる業者の出店届け出が出され、佐賀署が受理していたことがわかり、佐賀署は当初の調査不足を認めて廃業を指導したとあります。風営法や県の施行条例では、半径 200メートル以内に有床の病院や学校がある場所を風俗店の営業禁止区域と定めています。この店の半径 200メートル以内には現在、有床の病院が3カ所、昨年の届け出の段階でも2カ所あったのに、十分な確認がなされていないまま届け出が受理されていたようです。  店の看板には「個室シャワーつきチャージ 2,000円」と書かれてあり、私も当初、何の店かと思ったものですが、地元の方たちと一緒に様子を見ておりますと、昼間から営業されていて、男性客が入っていけば同数の若い女性が別の場所から車に乗せられてやってきて、一、二時間たつとそれぞれ帰っていくという光景が繰り広げられておりまして、性風俗の店ではないかと思われるものでした。ここは御存じのように、通学路にも当たり、エスプラッツマンションや商店街から通う子供たちをお母さん方がアーケード街の出口まで送る風景も見られます。このお母さんたちからは、最初、美容院かと思ったんですけど、こういう看板が出てびっくりしました。子供が個室シャワーつきって何と聞くので、困ります。長崎街道沿いの商店街でみんなが集まるべき場所なのに、これでは安心して歩けませんという声が上がっています。この店は賃貸だと思いますが、実は同じ業者が通りを挟んだ隣接地に事業に関連して土地を買う動きがあるということで、地元では活性化に取り組んでいるのに悪影響を及ぼすとして、市や議会に対して3月の末に地元商店街と自治会の名で要望書も出されています。  市として、こうした要望を受けてどう対応されているのか。また、話によれば、既に隣接地の売買契約が交わされているとのことで、既存の建物の解体工事が進んでいますが、この後どう対応されるのか。さらに、この店だけでなく、エスプラッツの北側にも大きな門構えで、名前を出していない店舗など、得体の知れない店や風俗店がアーケード一帯に広がっていますが、このまま放置すれば都市計画マスタープランにあるまちなかの姿としては再生しにくくなると思われます。その点をどう考えておられるのか、見解をお示しください。 ◎木下敏之 市長   それではお答えいたします。  私の批判をされるのは、それは結構なことだと思いますが、市民に優しい政治になっていないのかどうかということにつきましては、私が福祉や環境、教育の分野で取り組んできたことをきちんと取り上げた上で批判をしていただければと思います。私は自分のしてきたことを、これが成果ですよと説明するのは余り好きではないのですが、これまで取り組んできたことをまず説明をさせていただきます。  私は、2001年に策定をされました第四次佐賀市総合計画におきまして、福祉と環境と教育を佐賀市の重点分野として位置づけております。過去5年間に私が取り組んでまいりました福祉分野での事業の一部をまず御説明させていただきます。  まず、子供を健全に育てられる環境の整備でございますが、長年の懸案でありました休日等の小児科の診療体制の整備のために、平成12年4月にほほえみ館のそばに小児休日等急患センターを開設をいたしました。大変に好評でございまして、2年後には歯科の休日診療所を移転していただきまして、待合室を拡張したところでございます。  また、これまで佐賀市にはなかった病気になった後の子供を預かる施設として、平成13年4月に本庄の香月医院の中にかるがものへやという病後児保育施設を設置をいたしました。市の北部にもそういう施設が欲しいという要望にこたえまして、昨年の9月から高木瀬の橋野こどもクリニック内にぞうさん保育室を設置したところでございます。  子育てをしながら働く女性がふえてきておりますが、保育所があくのを待っている方がたくさんいらっしゃいます。このため、保育所の新設などによりまして定員の増加に努めてきたところでありますが、この5年間に 420名の定員の増加をさせてきたところであります。  また、保護者が働いていて家にいらっしゃらない小学校低学年の子供を預かる児童クラブ、これの充実にも積極的に取り組んでおります。学校の敷地内に専用の施設を設置し、神野児童クラブとあわせまして兵庫、鍋島、開成の4カ所では時間の延長にも取り組んでおります。障害児のための児童クラブにつきましては県内で初めての取り組みとなりましたが、平成13年5月に金立養護学校において障害児児童クラブを設置したところでございます。  次に、障害者の生活支援対策でありますが、県内にはこれまでなかった精神障害者地域生活支援センターをほほえみ館の中に、平成14年10月から開設をさせていただいております。また、身体障害者デイサービス事業を開始し、現在2カ所で行っております。これもこれまでに県内にはなかった事業でございますが、知的障害者デイサービス事業を平成14年4月から行っております。  障害者の雇用の場の確保といたしましては、平成14年4月から、これまで市の退職者の職場でありました市営の駐輪場の仕事などを障害者の方に委託をいたしまして、現在40名の方が働いておられます。小規模作業所への運営補助も行っておりますが、障害者の移動支援として福祉タクシーの助成対象者を 2,600名から 3,100名、 500名ほど拡充をいたしました。  また、ノンステップバスが走っておるのは県内では佐賀市だけでございますが、現在8台が走っております。  そして、先月オープンいたしました余熱利用施設のプールでございますが、障害者の方から、自分たちが使えるプールがぜひ欲しいということもございまして、障害者の方も気軽に利用できる設備を整えたプールを開設したところでございます。  それから、福祉の中での重要な柱の一つであります高齢者福祉の充実でございますが、ひとり暮らしや御夫婦だけの高齢者の方たちを対象といたしました高齢者ふれあいサロン事業を始めております。また、高齢者向け配食サービスの拡充などを行うとともに、平成14年7月からはものわすれ相談室として痴呆相談事業を始めております。現在は公民館での出前相談も行っておりまして、大変好評でございます。また、徘回高齢者家族支援サービスとして、位置を衛星を使って知らせるGPSを貸し出すサービスを始めております。このほかにも中部広域連合と連携をいたしまして、転倒予防への取り組みですとか、住宅改造への上乗せの補助などを行ってきております。  これ以外にも施設のバリアフリー化への取り組みは積極的に行ってきておりまして、公共施設のトイレのバリアフリー化などを進めてきております。また、市営住宅で階段に手すりが整備されていないところが幾つもありましたので、すべて手すりを整備させていただいたところでございます。  以上、私がこれまで福祉分野で取り組んできた事業の一部を御紹介させていただきましたが、福祉分野は市の3大重点分野の一つでありまして、おくれておりました佐賀市の福祉をレベルアップできたのではないかと自負をしております。  現在、佐賀市の財政が非常に厳しい状況にあることは御存じのことと思いますが、高齢化が進む現状では、サービスの充実をしなくても自然と費用がふえてまいります。福祉関係経費を抑制することは非常に困難な状況でございます。このような状況下にあることから、福祉サービスの提供の仕方について、より効果的な方策を実施していかなければならないと考えております。  遺児就学助成金や敬老祝金などは大幅な見直しを行いましたが、目的の達成度や事業の効果、他の福祉サービスの財源にできないかなどの検討を行い決定したものでありまして、単に切り捨てたものではございません。  ワンコイン・シルバーパス券につきましても、多くの市民の皆さんから 100円程度は負担してもいいよとの意見をいただいたものでございます。  リストラに遭った方などに対する税金の減免制度を採用していない点につきましては、全国の自治体の多数がこのような制度を採用していないわけでありますが、これは経済情勢が厳しい中でも我慢して税金を払われている方々はたくさんいらっしゃいますので、公平性の面から制度化されていないものと思われます。ただ、窓口で納税相談に応じておりますので、相談にはおいでいただきたいと思っております。  それから、質問の2点目、自己責任云々についての質問に対するお答えでございますが、中心市街地の活性化については佐賀市としても重要な課題であると考えております。しかしながら、これまでの市長さんのやり方とはかなり違うと思います。エスプラッツのようなことはいたしませんし、また、商店街に対して満遍なく支援をするというよりは、やる気のあるところや、また、やる気のあるお店に対して支援を行っております。ですから、行政は自分たちに何をしてくれるのだろうかということばかりを考えていらっしゃる方たちにとっては、今の市役所はこれまでと違うなと印象を持たれるかもしれません。中心市街地の活性化委員会は第1回を終わったばかりでございますが、どうやったら人が中心市街地に住むようになるのかどうかということ、また、どうやったらオフィスが中心市街地にふえるようになるのかといった商業以外のことも大切な要素として検討していくことになっております。  これまで中心商店街対策として行ってきたこととして、チャレンジショップ制度の実施、空き店舗に店を誘致するための家賃補助などの実施、また佐賀銀行旧呉服町支店をギャラリーとして改装いたしましてイベント会場として貸し出す、地区商店街の新たな取り組みとしてエコステーション水ヶ江の設置、平成12年6月から商人塾を開設いたしましてマーケティングなどの技術を伝えることといったようなことを行ってきております。  また、小さなことではありますが、成人式の会場をことしから佐賀神社記念館で行っておりまして、少しでも人が中心市街地に来るような工夫をしておるところでございます。また、予算の大変厳しい中ではありますが、エスプラッツ南の道路については20億円以上の予算が必要ですが、他の事業を後回しにしてでも優先して現在整備をしておるところでございます。  観光振興により市内に人を呼ぶことも大切だと考え、佐賀城下ひなまつりを4年前から始めていますが、昨年からは佐賀城下骨董市も始めたところでございます。引き続き、集客力のあるイベントの実施に努力していきたいと思っております。住民の中からは、恵比須さんを活用した取り組みなども出てきておりまして、このような取り組みは積極的に応援をしていきたいと思っております。  地元業者の育成に熱心でないとの意見でございますが、これも誤解だと思っております。佐賀市以外でも事業展開を図る、また製品を佐賀市以外に売って外貨を稼いでくる企業をいかに応援していくか、また、佐賀市で買い物や飲食をしてもらえるような魅力的な店をどう支援していくかということは、今後の佐賀市の発展を大きく左右する重要な課題だと考えております。  お菓子産業を支援することは、今年度予算にも計上しておりますが、ひなまつりの時期には恵比須ギャラリーにおいて佐賀のお菓子の展示即売を行っており、好評を博しております。また、鍋島緞通や佐賀錦などの伝統工芸品の支援も積極的に行っているところでございます。  iスクエアビル5階の新産業支援プラザを平成14年4月から開設しており、ベンチャー企業の育成を行っております。また、この新産業支援プラザには佐賀大学の方も常駐され、ベンチャー企業の支援に当たられております。市内企業が見本市に出品される際には助成を行っておりますが、製造業者等を中心に売り込める企業へは市が積極的に売り込みの支援を行っているところでございます。  このような取り組みを行っておりますが、御質問にありました市民ホールの改装についてはデザインプロポーザルを実施するに当たり、第1次審査時に地元デザイン事務所を含めた、ですから、地元を排除しているわけではございませんが、地元デザイン事務所を含めた8社が参加をいたしまして、その結果、外国在住ではなく東京のデザイナーが設計を担当いたしました。その際、工事業者は地元業者とするというJVを条件としております。  これは、昨日のひなまつりのポスターのデザインの話とも関連をいたしますが、特にデザインのよしあしやノウハウのよしあしが結果に大きく左右するものにつきましては、対象を地元業者に限定をせずに広くよい知恵を求めることがございます。北九州市の門司港レトロ、これは大変に好評を博しておる観光開発でございますが、この門司港レトロの基本コンセプトはアメリカ人の方が行っておられます。佐賀市はデザインの世界でそこまでのことは考えておりませんが、アイデアのよしあしがその事業の結果を大きく左右するものにつきましては、広く門戸を広げた方が結果的に佐賀市のためになると考えております。  なお、市民ホールのデザインにつきましては、視察にお見えになった方は一様にそのできのすばらしさに高い評価をされておりまして、また市民の方々にとってもとても使いやすいものになっていると思っております。また、50万円以下の少額の修繕工事等については、逆に入札ではなく、地元業者に登録をしていただき、その中で選定をしておるところでございます。  それから、最後の御質問の効率主義でございますが、私が進めております行政改革につきまして誤解があるのではないかと思っております。  私が今進めております行政改革の主なものは、役所がやる必要がないものは事業をやめる、役所がみずからやる必要のないものは民間に仕事を任せるというものでございます。役所がやる必要がないものはやめるということの代表例としては、市営ガス事業の売却でございまして、財政難の厳しい中に30億円以上のプラスとなっております。また、市長公用車も4年前に売却をいたしましたが、年間 800万円程度の節約となっております。  役所が直接やる必要のないものは民間に仕事を任せるということの例としては、学校の給食の民間委託やごみ収集の民間委託などでありますが、学校給食のようにサービスの質は今と維持をするということが大前提で進めております。山下議員御指摘の、自治体職員には、もっと自発的に自分たちの能力を十分に発揮して住民サービスを提供する必要があるということにつきましては大賛成でありますが、現実はそう簡単なものではございません。  例えば、ごみの収集車に乗車しておるのは、現在3人が乗車をしておりますが、それを2人乗車にしてくれないかということについても賛成がなかなか得られなかったというのが現状でございます。このごみの収集につきましては、朝同じ時間に出発して、できるだけ同じ時間に帰ってくるというような非効率な方式なども影響しておりまして、内部の調査によりますと平均労働時間が5時間未満でございます。また、国の現業職員と比べるとラスパイレス指数が約 130、つまり3割も国の職員より給料が高いという状態でありまして、さらなる効率化が必要なことは言うまでもございません。  このような点を徹底的に改革することで行政としての責任が果たせなくなることはありませんので、御安心をいただきたいと思います。財政状況は今後もますます厳しくなってまいりますが、行政改革を進めて必要な財源を確保し、福祉や環境、教育などの重点分野を進めていきたいと思っております。  それから、最後に人事の質問でございますが、これは総務部長が先ほどお答えしたとおりでありますが、朝日新聞の記事をよく読んでいただきたいと思います。問答無用のやり方ではなく、あの場合には鳥インフルエンザというふうな重要な問題につきまして、何度知事が指示をされてもホームページにアップされない、そういった場合にどうするかという条件で議論をしております。ですから、何回やっても言うことをきかない職員をそのままにしておいては組織の統制などはありようがないと思いますので、今後も厳しく対応していきたいと思っております。先ほどの答弁で申し上げたとおり、勤務評定制度を導入しておりますので、それに基づいて信賞必罰を厳しく、能力主義を徹底して行っていきたいと思います。  以上でございます。 ◎金子栄一 保健福祉部長   市営バスの無料敬老パス券廃止についての御質問、1回1回 100円をやめられないかということ、それから、低所得者対策を導入できないかということ、それともう一つは、対象年齢を引き下げられないか、これについてお答えいたしますけれども、パス券のその後の購入状況でございますけれども、5月末までにもう既に 5,000枚以上のパス券を対象者の方々に御購入いただいております。当初予算には、75歳以上の5割の約 7,800人が年間御購入いただく計算で計上いたしておりましたけれども、予定の7割以上の方々が既に購入されております。大変順調な売れ行きではないかというふうに思っております。  また、対象者からの問い合わせや意見等でございますけれども、3月以降5月末までに約 500件の電話での問い合わせ等があっております。負担がふえた等の苦情も一部ございますけれども、これはわずかでございました。内容としましては、販売窓口や購入方法に関する問い合わせが最も多く、約6割でございました。次に多かったのが制度に関する問い合わせで、約2割でございました。ちなみに、問い合わせの中で、無料でなくなったので、気兼ねなく利用できるようになったという声も実はございました。  次に、乗車のたびの 100円の負担をとめられないかということですけれども、あと今回、先ほど見直しについて議員おっしゃいましたけれども、交通局が65歳以上の人を対象に販売しているワンコイン・シルバーパス券を活用するということとして、パス券の購入費に対しその一部を市が負担するという方法を採用いたしております。乗車ごとの 100円の負担を廃止したらどうかということですけれども、まず、ワンコイン・シルバーパス券が乗車ごとに 100円を負担いただくことを前提として認可を受けている商品でございますので、恐らく廃止は困難ではなかろうかというふうに思っております。仮にできたとして、その分、運賃が交通局の運賃収入として入らなくなりますので、交通局の財政状況も大変厳しいものでございますので、その意味からも負担の廃止というのは困難だろうというふうに思っております。  それから、低所得者対策でございますけれども、例えば、生活保護の方々を考えてみましても、生活保護費の中に日常生活に必要な経費として交通費も当然算定されておりますので、さらに負担軽減をする必要はないんではないかというふうに考えております。  また、一定の所得基準を設けて低所得者の負担を軽減するとすれば、所得調査等が必要になりまして、申請と同時にパス券を交付することができなくなる、そういった不都合もありますので、今のところ、こういった対策については考えていないところでございます。  それから、年齢の引き下げでございますけれども、平成14年度に実施いたしました市営バスの優待券に関するアンケートの結果から、回答者の75%の方が、交付対象は75歳からでよいと答えられたこと、それから、平成13年度の高齢者予防実態調査で、75歳以上からがバス利用者が増加するという調査結果であったことから、今のところ、75歳が妥当ではないかと考えておるところでございます。また、対象年齢を引き下げれば新たな財政負担が生じますので、その点からも今のところは考えられないんじゃないかというふうに思っております。  それから、国保税の減免のことでございます。まず、独自の制度として減免をしたらどうかということでございまして、これは前回にも御質問をいただいたものでございますけれども、減免につきましては、リストラ等によりまして所得が著しく減少した場合の減免規定を設けている全国19の保険者の調査を実施しました。減免を実施する場合の問題点をいろいろ整理してみますと、一つは、所得の減少率をどの程度で激減とみなすかとか、減免申請時点での世帯の所得の把握方法、それから資産調査等の担税力の有無を判断する根拠、それともう一つ、減免した場合の財源補てんの問題、こういったものがございました。調査しました19保険者の減免実施状況は、年間1件程度のところから数千件あるというところまで、まちまちでございました。  佐賀市で実施する場合は、減免した国保税の補てんをどうするかということが大きな問題ですけれども、その財源を一般会計から繰り入れた場合、国保加入者でない市民のコンセンサスを得られるのかという問題がございます。また、一般会計も非常に厳しい財政状況でございまして、繰り入れが困難であれば国保会計だけで賄うことになります。中間所得者層には、また税率改定に負担増とあわせて減免分の負担を強いることにもつながるんじゃないかというふうに思っております。この場合、減免に該当しなかった人の納税意欲が低下しないかという懸念が非常にございます。厳しい財政情勢の中で、一生懸命に頑張って納税されている方がほとんどでございます。そういったことも考えるところでございます。  このように、所得の激減による減免のネックになっている財源補てんの問題を解決するため、昨年7月に、九州の全市で構成する九州都市国民健康保険研究協議会というところで、厚生労働省に対し国保税の減免に対する財政措置を講じるよう要望をしたところでございます。  また、合併の業務がある中で、佐賀市が先行して国保税の減免を行うことについて、他の市町村への影響があるものですから、今後、合併協議の中でも減免の是非を含めて議論をしてまいりたいというふうに考えております。  それから、災害について、店舗ですね、営業資産の火災による損害を減免しないのはおかしいのじゃないかということで、佐賀市国民健康保険税減免取扱要領の中で、そういったものも加えるべきじゃないかという意見でございますけれども、火災につきましては、納税義務者またはその世帯に属する被保険者の所有する住宅または家財に10分の3を超える損害を受け、かつ、当該世帯の総所得金額が 600万円以下であり、国保税の納税が困難であると認められるときは、損害の程度の区分に応じて減免することができるということで段階的な減免の措置を規定し、そして、その中で自己の所有する住宅であることとはっきり規定をしております。  佐賀市の国保税減免取扱要領は国が示す災害による国民健康保険税の減免に伴う特別調整交付金の算定基準に準拠して定めております。店舗、事務所等はこの基準には含まれていないため、佐賀市として被保険者の所有する住宅または家財以外を対象とすることは今のところ考えておりません。  それから、被保険者が保険医療機関に支払う医療費の本人負担分について減免制度を創設すべきという御質問です。創設すべきというよりも、現に44条という規定があるということでございます。これにつきましては、特別の理由がある被保険者で、一部負担金の支払いが困難と認められる場合にのみ行うことができるとされております。現行の国保財政運営においては一部負担金を徴収しなかった場合、医療費に係る保険者負担額が増加し、結果として被保険者が納付する国民健康保険税に転嫁することになります。  このことは、被保険者間における負担の公平に問題が生じ、制度運営の健全性が損なわれることになりかねません。国保財政運営が非常に厳しく、税率改正により被保険者に負担増をお願いしている折、さらなる負担を強いることにつながるおそれがございます。ただ、これは制度を研究した上で対応を考えていかなければならない問題だと思っております。  以上でございます。 ◎吉富康仁 交通局長   市バスの無料敬老パスのその後についての質問のうち、乗り継ぎ対策の改善と、公共施設や病院へのアクセスの保障ということでの質問に、交通局の方からお答えいたします。
     まず初めに、乗り継ぎ対策の改善についてでございますが、乗り継ぎ制度につきましては、これまでも交通局としまして、特に高齢者だけを対象ということでなく、運賃制度の見直しの中で、利用者の利便性を図るという観点から検討をしてきたところでございます。しかしながら、現時点では乗り継ぎ制度を導入する場合、収支の面から減収になるおそれがあること。また、乗り継ぎ乗車と通常の乗車のお客様の見分けが難しく、不正防止の点で、まだ十分な対応ができないという技術的な問題がございます。また、75歳以上のワンコイン・シルバーパス券だけを対象としまして乗り継ぎ制度を導入することは、このパス券が高齢者定期券として九州運輸局に認可を受けていることから、制度上の変更が必要になります。乗り継ぎ制度の導入に関しましては、運賃制度の均衡を図り不公平感をなくすという点からも、全路線及び利用者全体を対象として制度の検討を行う必要があると考えているところでございます。  以上のことから、現時点でワンコイン・シルバーパス券を対象とした乗り継ぎ制度の導入に関しましては、困難であると判断いたしております。  次に、公共施設や病院へのアクセスの保障についてでございますが、循環路線につきましては、これも以前から検討しているところでございます。現在、1路線循環路線がございますが、以前に設定いたしておりましたその他幾つかの循環路線につきましては、遠回り感があることなどから利用者が少なく、採算の面で廃止をした経緯がございます。御指摘のように、病院や公共施設につきましては、ある程度施設が集約しておりますと循環路線として設定しやすくなりますが、分散しているという地理的な問題で循環路線の設定が困難なケースもございます。現状では採算の点から、そのような循環路線を設定することが困難な状況にございます。しかしながら、住民の方からの御意見や要望等、さらにはバスの運行状況の把握を行いながら、大幅なダイヤ改正を行うときには循環路線の問題に関しましても課題の一つとして検討はしてみたいというふうに考えます。  いずれにしましても、現時点、交通局といたしまして、今回のワンコイン・シルバーパスの利用者の方々を初め一人でも多くの方に利用していただけるよう利便性の向上に努めるとともに、経営改善に強く取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 ◎飯盛克己 産業部長   長崎街道沿いの白山地区に風俗店が進出したことについて、お答えいたします。  昨年の5月に、白山名店街のカメラ店跡に議員御指摘の風俗店、正式には店舗型性風俗特殊営業の第4号に該当するレンタルルームが開店いたしました。地元としましても、長崎街道沿いの商店通りに面した場所に風俗店があることについてはゆゆしき問題として、その対策に苦慮されております。そこに今年の3月、道を挟んで隣接するまんじゅう屋の跡に2店目の出店計画があることを地元が知り、3月29日付で白山名店街代表及び白山の自治会長の連名で佐賀市長あてに、2店目の進出についてはぜひ阻止してほしい旨の要望書が提出されたわけであります。  本市といたしましても、地元からの要望書の提出を受け、その対応策を検討するために早速実態調査に入ったわけですが、その調査の結果、実は当地区はレンタルルーム等の営業はできない地域、具体的に申し上げますと、風営法に基づく政令を受け、県の条例で近隣 200メートル以内に病院、診療所が存在すると建てられない禁止区域に該当しておるということが判明し、佐賀県警察本部及び所管の佐賀警察署と協議に入ったわけであります。その後の経緯につきましては、佐賀警察署の捜査の内容にも抵触しますので明言は避けますが、さらにその対応に苦慮しているところであります。その後も引き続き佐賀警察署に対して早急な捜査をお願いしているところであり、1店目の廃業及び2店目の進出を阻止したいと考えるところであります。  こうした事例のように、中心市街地の空洞化は全国的な問題であり、空洞化による地価の下落により風俗店などの進出が目立ち、またそのことで周囲の空き店舗への入居が避けられてしまうという悪循環を起こしている例が数多く見受けられ、各自治体にとって頭の痛い問題になっております。本市では現在、新しい中心市街地活性化基本計画の策定を急いでいるところでありますが、その中でも長崎街道沿いを中心とした市街地は特に重要な地域であるという認識を持って取り組んでおり、今後とも引き続き地元を中心としたまちづくりを進めていく必要があると考えております。  現状のまちの人の流れから見てみますと、どちらかといえば夜のまちが徐々に南下しているような感じさえ受けます。今後は地元商店街にも組織強化による自衛という意識が重要であり、その中で生活される住民の方々も地域の商店街が必要であるという認識のもとに、地元によるまちづくり協定や建築協定などについても検討が必要であると考えております。 ◆山下明子議員   市長の政治姿勢の問題については、もうすれ違いもあると思いますから、これ以上は言いませんが、ただ、いろいろ政策的に述べられた部分で全面否定しているわけではなく、最初に私は評価する部分を評価したわけですから。ただ、どんなに宣伝されようと、続く国保だとか敬老パスの問題での答弁を聞いていれば、本当に温かいのかどうかというのははっきりするんじゃないでしょうか。私は、そのことを最初から言っておりました。経済的弱者に対して冷たいということを言っていたのであって、そこに対して答えてくださればよかったわけですが、これについてはもうコメントは求めません。  それで、敬老パスの問題については、いずれにしろ、まだ始まったばかりとは言えますが、一定の時期にやはり利用者のアンケートをぜひとっていただきたいと思います。それで、利用者とか、それから老人クラブなどを通じて、パスを買わなかった方たちにも、なぜ買わなかったかというような理由も聞けるような形でアンケートをとっていただきながら、必要な改善策は直ちにとるという立場でぜひ臨んでいただきたいと思いますので、その点でのお答えをひとついただきたいと思います。  それから、国保の問題ですけれども、医療費の関係で言えば、先ほど私は沖縄と秋田の例を申し上げましたけれども、法律そのものが自治体が減免をするということを前提にしていると、だから、それをしないということは違法であるという裁決が出ているんだということを言ったわけですから、そこをしっかり踏まえた対応をなさるべきだと思います。秋田の場合は、要領を定める前に秋田市では既に減免をされていたわけですが、これを統一するために、県に見解を求めたところ、県としての通知が出たという経緯があるそうです。  私は、先ほどの答弁聞いていまして、補てんする財源がないからということをおっしゃいますけれども、払う医療費がない、払う国保税がないという人たちに対してどうするのかということを法律や条例で規定をしております。国保税についても、佐賀市自身が条例の14条でみずから減免規定を定めているわけですから、そこをきちんと運用するという立場に立たなくて、どうして行政がやれるんでしょうか。私は、その点についてもう一度見解を伺いたいと思いますが、この点と、それから先ほどのまちづくりの問題については市長に最後にお聞きしたいと思います。  まちづくりの問題では、積極的な姿勢が示されました。特に、背景にもしも暴力団などが絡んでいたら、本当にこの先どうなっていくのかというまちづくりに対する不安もありますし、それに対しては商店街や地域任せにするのでなく、特にそれを世論として支えていくということがどうしても必要だと思います。ですから、いわゆる行政の関係機関だけでなく、例えば、ゆっつらーと館に集うまちづくりの団体ですとか、長崎街道などを保存するそういう団体だとか、いろんなところがございますから、あらゆる方面に関心を呼び寄せるような働きかけもあわせてしていただきたいと思います。その点も含めて、決意という点ではお聞きしたいと思います。ですから、国保税の問題とまちづくりのことで最後にお伺いいたします。  交通局、敬老パスのことはアンケートのことでお答えください。 ◎金子栄一 保健福祉部長   敬老パスに関してアンケートを実施すべきではないかということでございますけれども、私どもも利用者や対象者、こういった方々の声を聞くことは事実上、大変重要であるというふうに考えております。アンケートを実施することについては、やぶさかではございません。しかし、今新しい制度をスタートして、まだ動きかけたばかりでございますので、これがある程度根づいて安定した時点で実施をいたしたいと思っておりますので、よろしくお願いします。  それから、減免の規定のうち条例14条に関する部分につきましては、先ほどお答えいたしましたとおり、ある程度いろいろな問題点もありますので、合併協議、そういったところの中で最終的に我々どうするかということを、導入の是非も含めて考えていきたいというふうに考えております。  それから、44条に関しましては、先ほど札幌ですとか、秋田ですとか、そういったことが言われております。私どもも沖縄の件について事情をちょっと調べておりますけれども、これにつきましては、やっぱりその発端となった豊見城市における、こういった経緯等も研究しながら、当然やっていかなきゃならん問題だと思っていまして、決してこれを放置していいとは考えておりません。実際そういったものを調べた上で県の助言等も受けてやっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。  以上でございます。 ◎木下敏之 市長   国保の減免の件につきましては、先ほど金子部長が答えたとおりでございまして、沖縄の事例なども勉強させていただきながら、今後どうしていくかを考えていきたいと思います。  それから、最後のまちづくり、特に風俗店の進出の件でございますが、1店目の廃業、それから2店目の進出を阻止していきたいと考えております。ただ、これは非常に法律上、また実態上、なかなか簡単にはいかない問題が多々ございまして、これは佐賀市だけというよりも、やはり地元商店街、自治会、そういった広い力を結集して対応していく必要があると思っております。  以上でございます。 ○福井久男 議長   しばらく休憩いたします。           午前11時59分 休憩      平成16年6月16日(水)   午後1時04分   再開                出席議員 ┌───────┬───────┬───────┐ │1.堤 正之 │2.藤野靖裕 │3.川原田裕明│ │4.前田邦彰 │5.中本正一 │6.池田正弘 │ │7.広瀬泰則 │8.福島龍一 │9.松尾和男 │ │10.持永安之 │11.亀井雄治 │12.永渕利己 │ │13.傍示暢昭 │14.千綿正明 │15.本田耕一郎│ │16.西村嘉宣 │17.井上雅子 │18.田中喜久子│ │19.瀬井一成 │20.福井章司 │21.南里 繁 │ │22.永渕義久 │23.嘉村弘和 │24.岩尾幸代 │ │25.中山重俊 │26.山下明子 │27.森 裕一 │ │28.野中久三 │29.黒田利人 │30.片渕時汎 │ │31.西岡義広 │32.豆田繁治 │33.山田 明 │ │34.福井久男 │       │       │ └───────┴───────┴───────┘           地方自治法第 121条による出席者  佐賀市長    木下敏之      助役      高取義治  収入役     上野信好      総務部長    志津田 憲  産業部長    飯盛克己      建設部長    田中敬明  環境下水道部長 足立晃一      市民生活部長  青木善四郎  保健福祉部長  金子栄一      交通局長    吉富康仁  水道局長    福田忠利      教育長     迎  巌  教育部長    白木紀好      監査委員    中村耕三  農業委員会             選挙管理委員会          野本正彦              杉坂久穂  事務局長              事務局長 ○福井久男 議長   休憩前に引き続き会議を開きます。  市政一般に対する質問を続行いたします。 ◆藤野靖裕議員   それでは、通告に従いまして質問をさせていただきます。  現在、佐賀市が積極的に取り組んでいる循環型社会の実現、その中で私が心待ちにしていたものが環境センターに完成いたしました。それは、廃食油をディーゼル車の燃料に変えるためのプラントです。各家庭で料理に使われた油で車を走らせるというすばらしいものです。詳しい内容については以前に本田議員、亀井議員、中村議員などが質問されていますので、ここでは差し控えさせていただきますが、皆様御存じのように、化石燃料の在庫は約40年と限られていますし、でき上がるまで数億年かかります。これに対しバイオディーゼル燃料は、自然環境さえ整っていれば1年間で幾らでもできるのです。  そこで、早速そのプラントを見学に行きましたところ、簡易型の設備ではなく、大きなタンクが幾つも並んだすばらしいものができ上がっておりました。  以前のこの事業に対する質問に環境下水道部長の答弁では、予定している廃食油の回収量は1日当たり 1,600リットルを予定している。その廃食油を集めるのに車を走らせる。この走らせる車にも廃食油の燃料を利用するということになると年間 1,057トンの炭酸ガス排出削減になる。ただ、廃食油燃料をつくるに当たって副産物としてグリセリンという物質が発生する。このグリセリンは燃えるので、焼却炉で処理をして電気エネルギーを回収するけれども、この際に 177トンのCO2 が発生するので、差し引きするとトータルで 880トンのCO2 が削減されるという計算になる。  次に、コスト面から検討すると、年間駆動日数を 250日として、廃食油燃料が約40万リットル精製される。これを軽油代に換算すると年間 3,160万円に相当。収集及び処理コストについては現時点での試算で約 2,860万円が見込まれていて、差し引き約 300万円が浮く勘定になる。ただし、まだ軽油取引税の問題も残っているので、その辺も今後考慮していく必要があるかと思う。そして、廃食油プラントの建設費として約1億円、廃食油燃料についてはパッカー車や市営バスでの燃料ということを考えている。また、収集した廃食油を新しい焼却炉で燃やした場合、年間の焼却コストが 432万円となり、カロリー上昇分による発電71万 7,000キロワットを売電する収益が約 570万円ということで、結果として 138万円のプラス。そして、発電によるCO2 排出削減効果は 275トンほどになる。  以上のことから、この廃食油リサイクルを推進していくことはCO2 削減、あるいはコスト面、その双方について非常に有効な手段であるというふうに考えていると答えられています。  このように、現在、設備費に約1億円、運営費に約 1,700万円かかっている状況で、廃食油が集まる量は1日当たり 1,600リットルを想定し、精製される予定量は40万リットルということでした。まだ、確かに始まって2カ月半ですが、残念なことに現在の状況は廃食油の回収量については1日約 100から 150リットル、4月の1カ月間で約 4,800リットルで、いざふたをあけてみると約10分の1という状況です。確かに、核家族で共働きの家庭がふえ、揚げ物でさえ電子レンジでチンとする時代ですので、油の使用料も少ないのかもしれません。もちろん、この事業の目的、環境に対する効果などを考えると、10分の1という数値だけではあらわせませんし、当局では公民館、スーパーなどの協力を得て回収箇所をこれからもふやしていかれるようなので、まだまだこの回収量についてはふえると思います。しかし、さまざまな回収のための広報活動をされている割には、少し寂しいような気がします。  そこで当局に質問ですが、この事業の目的と環境に対する効果について、加えて、ことし4月から始まった廃食油の具体的な回収状況及びバイオディーゼル燃料の現在の利用状況について伺います。  また、プラントの最大処理能力に対して、現在の処理量はまだまだ余裕があるようですが、今回回収量をふやしていくための具体的な方法について伺います。 ◎足立晃一 環境下水道部長   今の藤野議員の廃食油関係のリサイクルについての御質問についてお答えします。  本年4月から開始しております廃食用油のリサイクル事業につきましては、循環型社会の実現に向けまして市民、スーパーストアなどの事業所及び市を含みまして三者が共同して取り組んでる事業でございます。この事業につきましては、従来廃棄物として捨てられていた使用済みの食用油を再生利用するということによりまして廃棄物の減量化という大きな目的を図ること、また、廃棄物で焼却処分されていた使用済みの食用油を再生使用することによりリサイクルに対する市民の意識の高揚を図ると、また、循環型社会実現という非常に大きな目標を目指すことを目的にしたものでございます。  次に、回収の方法と再生の方法でございますが、既に何回か御答弁させていただいたということでもございますけれども、一般家庭で使用されました油につきまして、市内のスーパーストア及び公民館等の市の施設に出されました植物性の食用油を回収いたしまして、環境センター内の再生プラントで軽油の代替燃料に再生しております。そして、この再生燃料を市のごみ収集車に再利用いたしまして、将来的には市営バスの燃料として利用する予定でございます。  この再生燃料につきましては、排気ガス中の黒煙が大幅に減少しまして、また酸性雨の原因となります有害物質の硫黄の酸化物もほとんど発生しないなど、ディーゼル車の排気ガスのクリーン化につながりますし、さらには燃焼した場合にも、そもそもが植物が大気中から吸着した炭素を二酸化炭素として再排出するだけでございますので、地球温暖化の原因物質と言われております二酸化炭素の新たな排出を抑制できるというものでございます。  このように、廃棄物の排出抑制と地球環境の保全を図るということであり、また本当に限りあります化石燃料を代用するエネルギーとして注目されておりまして、環境先進都市ということを目指す本市におきましても、循環型社会を構築する活動の一環として率先的に取り組んでいるものでございます。  さて、回収状況、利用状況というものでございますが、現在、佐賀市内の民間のスーパーマーケット等の回収協力店及び公共施設40カ所に回収拠点を設けておりまして、そこで一般家庭から持ち込まれた使用済みの食用油を回収しております。それに市立の小学校の給食から出ました廃食用油も加えますと、4月分の回収量が約 4,800リットル、5月分の回収量が約 5,300リットルとなっております。その集まりました廃食用油を再生しまして、佐賀市のごみの収集車26台のうち13台分、及び10トンダンプ1台分の燃料として現在利用しているところでございます。  今後、回収量をふやしていくための方策でございますが、確かに最大処理能力は年間40万リットルでございますけれども、今年度は初年度でもあるということでありまして、回収の目標につきましては年間で約15万リットル、月間では1万 2,500リットルを設定しております。現在につきましては、確かに事業を始めたばかりでございまして、余り集まっていない状況でございますが、将来的には処理能力に近い量を回収できるよう努力してまいりたいと考えております。ただ、市民からの回収量ということを見ますと、4月は約 2,000リットル、5月は 2,700リットルと、少しずつではございますが着実に増加しておりまして、少しずつ市民には浸透してきているというふうに考えております。  また、この事業を始めるに当たりましては、市報、ホームページ、新聞などによるPR、また自治会による各世帯への回覧とか、ポスター掲示や各種マスメディアを通じてさまざまな広報活動を行ってまいりました。また、今、実際に事業を開始した後ということでございますけれども、より多くの市民の方にこの事業を知っていただくことができるように、婦人会とか校区ごとの自治会の会合などに職員が出向きまして、廃食油の回収に御協力いただきたいと、この意義を伝えまして、直接市民に御説明するように現在も周知のための広報活動を行っているところでございます。  しかし、まだまだ本事業の趣旨は市民全体には届いていないというのは事実でございますので、そこで、まずは回収容器の設置場所を明示するために、のぼり旗などの設置や、ごみ収集車にステッカーを張るなど、これ以上に普及啓発を努めるとともに、利便性を上げるために回収拠点の増設を図れるように、市内の店舗等に働きかけを進めていく所存でございます。また、市役所の東玄関にも回収容器を設置しておりますので、市の職員にはもう既に4月に広報いたしておりますし、また、今後もまたたびたび広報していきますが、廃食油の回収につきまして、ぜひ御協力いただけるようお願いいたします。  以上でございます。 ◆藤野靖裕議員   とても丁寧な御答弁ありがとうございます。  さて、この廃食油燃料、つまりバイオディーゼル燃料は、軽油と比べると本当に環境に優しいということがわかります。当局としては、使用済みのてんぷら油を流しに捨てるのはもちろんのこと、固めたり紙にしみ込ませたりしてごみに出すのをやめてもらい、できるだけ少なくしてもらい、廃食油をたくさん集めなければなりません。そこで、回収量をふやすために必要なことは、各家庭の環境に対する意識を高めることだと思います。  そこで提案ですが、今、全国の数多くの自治体がさまざまな形で取り組んでいる菜の花プロジェクト、これを佐賀市でも取り入れることができないかということです。もう御存じの方も多いと思いますが、この菜の花プロジェクトの始まりはドイツでございます。ドイツでは、70年代に世界を襲った石油危機を教訓として、化石燃料に頼らない、しかも温室効果の高いCO2 を抑える化石燃料にかわるエネルギーとして菜種油の燃料化計画を強力に進めています。98年には菜種の作付面積は 100万ヘクタールにも及び、菜種油から精製した燃料を置くガソリンスタンドが全国に 800カ所も設置されています。休耕田などに菜の花を植え、間引きのときに花や茎を食べ、大きくなって育った菜種を収穫し、そして油を絞って菜種油に、その菜種油は料理や学校給食に使い、油を絞るときに出た油かすは肥料や飼料として使う、廃食油は回収し、せっけんやバイオディーゼル燃料にリサイクルするという一連の循環サイクルが定着しております。さらに、養蜂との連携、これはハチみつですね、菜の花の観光利用など、地域内のより広く深い資源循環社会の展望が開かれています。  佐賀市も、いきなり農業まで取り込んで始めるのはまだまだ無理があると思いますので、まずはミニ菜の花プロジェクトとして環境教育の視点から取り組むのは難しいことではないと思います。子供たちが地域の大人、学校の先生、もちろん保護者も一緒になって菜の花を育て、食べたり、油かすを肥料や飼料にしたり余すところなく利用し、廃食油燃料でCO2 の排出の少ない車を走らせ、油かすの肥料でまた菜の花を育てる。まさしく循環型社会の実現に大きく近づくではありませんか。  そこで質問ですが、E-Sagaプロジェクトにもありますように、環境と教育を結びつけ、学校で子供たちに体験学習としてミニ菜の花プロジェクトを体験してもらい、その体験を通して子供たちがスピーカーとなり家庭、または地域への省エネ意識の浸透を図り、同時に回収率も上げることができると思いますが、お尋ねいたします。  また、金立公園のコスモス園は、秋はコスモス、春は菜の花が咲き誇り、すばらしい景観を利用者が楽しんでいるということですが、この菜の花は食用なのか、また面積はどれぐらいなのか、加えて、金立公園などを利用し菜の花プロジェクトと連動し環境教育の一翼を担うことができるのか、この点についてお伺いいたします。 ◎足立晃一 環境下水道部長   2回目の御質問にお答えさせていただきます。
     議員御指摘の菜の花プロジェクトでございますが、菜の花を活用しまして菜種油を製造、そしてそれをいろんな形で利用しまして、その廃食油につきましても、いろんな形で利用することを通じまして循環型社会を構築する、また、それとともに地域の活性化を図るものと聞いております。  ミニ版の菜の花エコプロジェクトというのを実施して、廃食用油のリサイクルの周知を行ったらどうかということでございますけれども、議員御指摘のように、実際に菜の花を栽培して食用油といたしまして、最終的には再生燃料として再利用するような事業につきましては、確かに循環型社会の構築に非常に資するものでございますし、廃食用油のリサイクルの周知にも役立つものと考えられますことから、関係各課と協議しながら、その事業の中で廃食用油の再生部分につきまして支援できないか、検討してまいりたいと思っております。  例えば、循環型社会を実現するための取り組み等を学習するために、学校には学校内の敷地で菜種とかヒマワリなどを育てまして、学校給食に使用し、最後は再生燃料とするようなことをやってみたいというような学校があるのであれば、E-Sagaプロジェクトの学校教育の一環としまして支援してまいりたいと思っております。  また、金立公園におきまして、菜の花エコプロジェクトのような取り組みを計画するのであれば、これにつきましても関係各課と連携いたしまして、廃食油の再生の部分につきまして協力していけるのではないかと考えております。  なお、E-Sagaプロジェクトの中で、既に環境センター内の廃食用油の再生プラントで再処理している工程につきまして、子供たちにじかに見てもらいましてリサイクルの重要性を具体的に示しまして、また循環型社会の構築、また廃食用油のリサイクルの推進に役立つというような体験的学習になるものも今やっております。  以上でございます。 ◎田中敬明 建設部長   金立公園の菜の花畑に菜の花エコプロジェクトのミニ版といった考え方ができないかという御質問にお答えいたします。  金立公園の利活用を図るため、公園内に 1.2ヘクタールの畑を整備しております。毎年秋には33万本のコスモスが咲き乱れ、春には 5,000本の桜をバックに、黄色い菜の花のじゅうたんが一面に広がっております。この美しい公園の風景を一目見ようと、市民はもちろん、市外からもたくさんの方々が来園されております。開花の時期には、金立憩いの広場や徐福長寿館、葉隠発祥の地、金立サービスエリアなど金立公園周辺一帯を会場としたイベントを開催しております。今年度は新たに、菜の花の咲きそろう4月の第1日曜日にウォーキングイベント金立公園花・はなウォークを開催しましたところ、約1万人の方が市内外よりお越しになっておりました。また、毎年秋に開催しているコスモス祭でも1万人を超える皆さんに来園していただいており、大変にぎわっております。  さて、金立公園一帯の利活用をさらに推進するためですけれども、昨年度より庁内会議をスタートさせ、ことし4月には、今後推進協議会を立ち上げるために地元関係者を交えた準備会を開催しております。会議では、金立公園一帯の利活用について地元も大いに協力したいとの御意見もいただいておりますので、公園の利活用推進につながるものとして菜の花エコプロジェクトのような取り組みが金立公園において計画できないものか、検討したいと思っております。  現在は菜の花の観賞だけにとどまっております。それから、菜の花の品種としては、観賞用と菜種油をとれるもの、大体半々ぐらいでございます。枯れたものは、今焼却処分をしております。公園の利活用の推進、それから児童に緑への関心を持ってもらう、あるいは環境教育、それから再生燃料の原料というような、そういうような目的で取り組めないかというふうに思っております。検討に当たりましては、教育委員会、それから農業水産振興課、環境課等、関係各課と連携して行いたいと思っております。  以上でございます。 ◎迎巌 教育長   廃油のリサイクルという環境問題と総合的な学習についてお答えいたします。  まず、議員が御指摘のように、各家庭で廃油収集が積極的に行われるためには、その意欲づけとしての総合的な学習の時間、この時間が果たす役割は、小さくはないと思います。菜の花から菜種油をつくり、使った後はそれをリサイクルするという体験的な活動をすることで子供たちが廃油リサイクルを学び、それが各家庭の廃油収集にもつながっていくことでしょう。しかし、総合的な学習の時間は、各学校での児童・生徒の実態、学校や家庭の実態に応じて主体的に年間計画を立てておりまして、この活動をすぐに各学校で取り入れていくというのは難しいと思います。ただ、菜の花を活用した活動が授業として行われれば、それに取り組みたいと希望する学校があるときは、学校教育課等も情報の供給や連絡調整などを積極的に行っていきたいと思っております。また、PTAや地域などと協力して学校で菜の花を植えたり廃油リサイクルを行ったりしたいという学校が出てくれば、私どもも支援をしていきたいと思っているところでございます。  以上です。 ◆藤野靖裕議員   本当に皆様、前向きな御答弁ありがとうございます。このように、どれをとっても環境にはいいことだらけの菜の花プロジェクトだと私は思っております。  佐賀市がことし2月に発行した佐賀市地域省エネルギービジョンには、個別の施策は一つ一つが独立したものではなく、それぞれが相互に絡み合ってこそ、その効果を最大限発揮するものですと書いてあります。縦割りの行政ではなく横の連携のできる行政、さらに市民と連携のとれる行政こそ必要なのではないでしょうか。いずれは農業、観光なども参加し、関係部署はもちろんのこと、市民も一体となった循環型社会の実現に向けて、さらに力を注いでいただきたいと思います。  そこで、最後に市長に伺ってもよろしいでしょうか。市長は、御自宅の方で奥様に、てんぷら油出されたことがあるのか、また、循環型社会の実現に向けて、この菜の花プロジェクトに対する考え方、これをお尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ◎木下敏之 市長   では、お答えいたします。  我が家は余りてんぷらを今やらないんですが、てんぷら油をどう処理していたかは確認をしておりませんので、きょう家に帰りましたら、必ず廃油のリサイクルに出すようにきちっと伝えたいと思います。  菜の花プロジェクトについては、いろんないい面がたくさんございますが、しかし、これは生産から、そして搾油、また廃棄物を再利用するといったような非常に多方面にわたりまして、連携が必要になってまいります。ということは、逆にだれかキーになる方が引っ張っていかないとうまく進まないということでもありまして、このプロジェクトを本当にいいと信じている人が必要になってくるだろうと思います。ですから、まず、学校でどう取り組むかというようなことをいろいろ各担当者答弁をしておりましたが、このプロジェクトがどういったものであるかということをしっかり伝えていくことが大事ではないかと思っております。  以上でございます。 ◆池田正弘議員   それでは、通告に従いまして順次質問をいたします。  まず初めに、高齢者虐待問題についてであります。これは昨年6月議会におきまして私が取り上げさせていただいたことでありますが、その後どう取り組まれたのか、お尋ねしたいと思います。  ここ数年、児童虐待やDV--ドメスティックバイオレンスは大きな社会問題としてメディアでも取り上げられていますが、高齢者に対する虐待については加害者の多くが家族で、その実態調査が難しいという点で、共通した問題を抱えているにもかかわらず、社会的な認識や法的整備も立ちおくれているのが現状であります。  定義につきましては前回も触れましたが、日本高齢者虐待防止センターによると、虐待とは、親族など主として高齢者と何らかの人間関係のある者によって加えられる行為で、高齢者の心身に深い傷を負わせ、高齢者の基本的人権を侵害し、時に犯罪上の行為を言うと定義しています。  また、虐待の種類といたしましては、一般的には身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、経済的虐待、そして介護・世話の放棄、放任の5種類に分類されておりますが、最近では、これに差別も虐待に加えるべきとの主張が見られます。このほかにも、高齢者本人が自分を虐待する自虐や、人間らしからぬ生活環境に追いやる自己放任の虐待があるとされています。近年、大学の研究者を中心に虐待調査が実施されるようになり、ようやく虐待を受ける高齢者や虐待者の状況が明らかになってまいりました。  昨年、厚生労働省が実施した全国調査の結果がこのほど公表されました。虐待を受けている高齢者の状況については、過去1年間に虐待を受けた経験のある高齢者の性別では女性が76%、男性が24%と、女性高齢者が4分の3を占めています。また、年齢階級別では75歳から85歳未満が全体の43%で最も多く、次いで85歳から95歳未満が34%と、全体の77%を後期老年層が占めています。  虐待の種類では、重複回答が入りますが、心理的虐待が64%、介護・世話の放棄、放任が52%、身体的虐待が50%の順となっております。1人に幾つもの虐待が繰り返されているものと思われます。また、虐待の深刻度では、命にかかわる危険な状況だった割合が11%もあったことが注目されています。  逆に、主な虐待者の状況を見てみますと、性別では男女とも50%となっており、年齢別では40歳から64歳未満程度の者が全体の64%と最も多く、65歳以上でも28%となっています。続柄別で見ると息子が32%で最も多く、次いで配偶者20%、娘16%の順となっています。また、虐待発生の原因については、虐待者の性格、人格や介護疲れ、あるいはストレス、高齢者と虐待者のこれまでの人間関係などが挙げられています。  今回のこの全国調査は、介護保険制度の利用者を対象としたもので、心身上健康な高齢者も虐待を受けている状況を考えると、必ずしも実態が明らかになったわけではありませんが、佐賀市も当然この調査対象となっているわけで、今後の対応について参考になるものと思います。その上で質問をいたします。  1点目に、今回行われた全国調査の結果について、市当局の考えをお示しください。2点目、昨年6月議会で実態調査、市民への啓発について先進的に取り組んでおられる自治体を参考としながら考えたいとの答弁があったわけですが、その後どのような進展があったのか、お伺いします。  次に、市営住宅について質問します。  この件につきましても、昨年9月議会で取り上げさせていただきました。市営住宅の防犯対策や修繕について質問をいたしましたが、市としては建てかえやストック計画の中で検討をしていく旨の答弁がありました。  そんな中、ことしの2月1日付の佐賀新聞に、「県内公営住宅の入居者交代時、玄関の鍵交換せず」というタイトルの記事が掲載されました。県営・市営住宅の入居者が交代する際、県と鹿島市、多久市の2市は玄関のかぎを交換し、佐賀や唐津など5市が交換していないというものです。この記事を読んだという市民の方から、かぎは交換しているものと思っていたのに、そうではなかったので驚いたとか、だれかが合いかぎを持っているかもしれないと思うと怖い気がするといった不安の声が寄せられました。このところの凶悪犯罪の続発に伴い防犯への関心の高まりを考えると、何らかの対策が必要ではないかと思います。このことからお尋ねします。  1点目、市営住宅の空き部屋への入居者はどれくらいなのか。2点目、これまでかぎの交換がなされなかったその理由と、これまで交換の要望とか、あるいはトラブル等がなかったのか、お伺いします。  それから、市営住宅の今度は申し込みについてですが、1点お伺いします。現在、公営住宅として県営と市営住宅があるわけですが、どちらも申し込みが多く、なかなか入居できないで、毎年のように申し込みをされている方もいらっしゃいます。同じような書類を県と市とに日程もまちまちで提出をするのは大変に面倒なことだと思いますが、この点、窓口や日程の一本化など図れないものか、お伺いします。  続きまして、農村部における野焼きについてお尋ねします。  佐賀平野の風物詩としてなじみの麦の収穫後、麦わらを燃やすわら焼きのことですが、つい先日もこのことが朝日新聞で紹介されておりました。近年、この野焼きに苦情が相次いでいるとのことで、実は私のところにもそういった声が寄せられます。立ち上がる煙によって視界が遮られ、車の運転に支障を来すとか、目やのどが痛くなる、洗濯物や布団が汚れる、あるいはにおいがつくなどさまざまです。また、気管支などの弱い方やアレルギーの方は、この時期大変つらい思いをされているようです。特に、よその土地から移り住まれている方や農地と隣接している住宅地にお住まいの方にとっては、深刻な状況ではないでしょうか。  法律では野焼きは禁止されているわけですが、例外として農林漁業者が行うやむを得ないものとしての廃棄物の焼却が認められており、この野焼きもその一つとして容認されているわけで、その対策も大変難しいものとは思いますが、次の2点についてお伺いします。  1点目、野焼きに関しての苦情など、件数はどうなっているのか。2点目に、野焼きに対しての市当局のこれまでの対応についてお伺いして、1回目の質問を終わります。 ◎金子栄一 保健福祉部長   まず初めに、高齢者虐待問題についての御質問でございました。  国が実施しました家庭内における高齢者虐待に関する調査につきましては、これは財団法人医療経済研究機構が厚生労働省より補助を受けまして、在宅介護サービス事業所等の関係機関、それから全国の市町村、そういったそれぞれの機関に対して実施したものでございます。  調査機関及び調査対象でございますけれども、介護サービス事業所等につきましては平成15年11月25日から平成16年1月7日まで約1万 6,000カ所について、それから全国の市町村につきましては平成15年11月14日から平成16年2月20日まで約 3,200カ所でございます。調査の内容につきましては、先ほどいろいろおっしゃいましたけれども、虐待を受けている高齢者本人の状況、それから虐待者の状況、それから虐待の内容、そういった幅広く、かつ詳細なものとなっております。  市として、この調査をどのように思っているかということでございますけれども、今後、高齢者虐待問題を考えていく上で大変参考になる調査であるというふうに考えております。また、この調査結果を在宅介護支援センターとの会議の中でも大いに活用していきたいというふうに考えております。  それから、昨年の質問のその後のことでございますけれども、児童虐待や夫婦間の暴力、いわゆるドメスティックバイオレンスにつきましては法整備がなされております。しかし、高齢者虐待につきましてはまだまだ法整備がされていないので、その虐待の疑いがあってもなかなかその家庭内へ介入できずに、実態を把握するのが困難であるというのが現状でございます。在宅介護支援センターですとか民生委員さんへ聞き取りをしたところでは、平成15年度で約5件程度、高齢者虐待に該当すると思われる報告を受けております。また、佐賀県シルバー情報相談センターに問い合わせましたところ、年間に約 1,000件ほどの電話相談があるそうでございますけれども、その中で15年度は1件が高齢者の虐待に該当すると思われる報告があっているということでございました。  このように、高齢者虐待の数につきましては非常に少ない報告となっておりますけれども、このことは高齢者虐待についての知識の啓蒙、啓発不足が原因ではないかというふうに考えられますので、やはり今後啓蒙、啓発に十分努めていく必要があるんじゃないかというふうに考えております。  それから、市営住宅のかぎの交換のことについてでございますけれども、入退去の際にかぎを交換すべきじゃないかという話でございます。ことしの2月1日付の新聞では、佐賀市など5市が交換をせずというふうな記載がされておったところでございます。その後、県と佐賀市以外の県内6市のかぎの交換の現状について聞き取り調査をいたしております。調査の結果ですけれども、交換または交換予定を含めますと、県とそれから5市で既に実施、または実施予定であると、残り1市については交換をしていないということでございました。  佐賀市における現在のかぎの対応でございますけれども、緊急時の対応のために、木造と簡易耐火構造、いわゆる簡平の住宅を除く中層耐火の部分につきましては、入居者が持つかぎとは別に市の方で棟ごとのマスターキーというのを管理しております。そのため、それぞれの入居者には入居時点でかぎを渡して、退去時にかぎを返してもらい、市でオリジナルのかぎかどうかの確認をして、問題がなければそのまま次の入居者にかぎを渡すというのが現状でございます。  市営住宅における入退去者の数でございますけれども、どの程度かということでございましたが、過去3年間で実績を見ますと、平成13年度で76戸、それから14年度、これが61戸、15年度は64戸となっており、3年間で約 200戸の入退去となっております。ただ、今までこの 200戸についてスペアキーを使った犯罪等もあっておりませんし、また、入居者からかぎを交換してくれというような要望もあっていません。このような状況でございますので、今までは入居者交代時におけるかぎの交換については、一部を除いては行っていないというのが現状でございました。  それから、2点目で、市営住宅と県営住宅の業務の、申し込みを一本化できないかという御質問でございますけれども、県営住宅と市営住宅では入居要件の違い、それぞれの入居条件等の判断について、それぞれ管理者が行う審査項目等がありまして、現段階で一本化するのは非常に難しいんではないかというふうに考えております。ただ、現在、市営住宅の申し込みの問い合わせがあったときには、市営住宅の説明だけでなくて、あわせて県営住宅の申し込み情報、そういったものも提供して、資料も実際に配布してやっておりますので、その程度のところはやれるのではないかというふうに思っておりますけれども、今後も情報提供等については十分進めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◎飯盛克己 産業部長   麦刈り後の野焼きにつきまして、答弁をいたします。  御質問の苦情等についてでございますが、現在のところ産業部には1件だけで、環境課を中心に例年は五、六件来ておるようですが、ことしは3件程度でございます。一般的に野焼きにつきましては、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」、一般的に廃掃法と呼ばれる法律により禁止されておりますが、議員おっしゃいましたとおり、農業を営むためのやむを得ないものとして行われる稲刈りや麦刈り後の野焼きについては、焼却禁止の例外になっているところでございます。  資源の有効活用という観点から、佐賀市におきてましてもJA等と協力いたしまして、麦わら、稲わらの焼却をやめ、有効に活用しましょうというパンフレットを全農家に配布いたしておりまして、農協広報紙、ホームページへの掲載による啓発等も行っているところであります。  しかし、稲わらはこの趣旨に沿った形で、大半すき込みをしていただいているところでありますが、麦わらの方は、麦の収穫から水稲の作付、田植えまでの期間がどうしても短く、仮にすき込みを行いましても、田植え等のために水を引きますと麦わらが上に浮かび上がってしまうということもございまして、処分することになりますと、産業廃棄物という形での処分が必要になります。そういうことから、どうしても相当量が焼却処分されているのが実情のようであります。今後も引き続き有効活用について啓発していきたいと考えております。 ◆池田正弘議員   それでは、2回目の質問に移ります。  今それぞれ御答弁をいただいたわけですが、高齢者の虐待につきましては、実態の把握、市民への啓発など、これからということのようでありますが、在宅支援センターや民生委員さん等の連携強化に努めると、昨年答弁をされた、その具体的なものが何もないように思われます。  全国的には、昨年の全国調査によって高齢者虐待への認識が高まり、金沢市や横須賀市の高齢者虐待対応モデル事業、具体的には行政や医療機関、ケアマネジャー、警察等から成る虐待対応チームを設置する等の即応体制の整備や関係者向けの初期対応マニュアルの作成、ケアマネジャー等の研修テキストの作成、あるいは電話相談の実施や市民向けのパンフレットの作成など、取り組みにおける成果のノウハウを広く全国に発信し、現在71の市町村に虐待対応のための専門チームが発足されていると言われています。  ここに、去年の3月に群馬県で発行された高齢者の虐待事例集「いつまでも安心して暮らしたい」という小冊子があるわけですが、この中に20の虐待の事例が紹介されており、その支援の内容とか検討などについて細かく掲載されています。  この中の一つの事例を御紹介したいと思いますが、虐待をされた女性ですが、年齢は不明です。要介護5、寝たきり状態で軽度の痴呆あり、夫と長男の3人暮らしということであります。寝たきり状態の本人は、布団ではなくこたつに横になっている。いつも身体及び着衣が汚れ、尿臭が強い状態である。夫は全く自分の意思でふろに入らず、寝たきりの妻に対しても入浴の必要はないと思っている。長男も自分は入浴するが、母親の入浴の介助はしない。尿は垂れ流し状態で、汚れるからと数年前から布団ではなくこたつの下にビニールを敷き寝かせている。食事の介助も行わず、食べなければそのままほうっておく状態であるため、食事の未摂取状態が続いていた。夫と長男は自分たちなりに介護をやっていると思っていると、こういう状況であります。  これに対しての支援の内容については、介護支援専門員が毎月1回、約1年間訪問して説得し、ようやく介護保険申請となった。その後、寝たきりになってからは訪問介護を毎日利用しているが、おむつ交換は訪問介護員が交換するのみ。本人を医療機関に受診させることや今後の介護方針等について、夫、長男、民生委員で集まって相談、その後、本人を医師に見せたところ栄養失調等の診断がなされ、結局26カ月間入院していたと。本人の状態がよくなり、退院後の対応を家族と相談するが、夫は前のままでよい、長男はみんなに任せると、本人にとって在宅の状況が改善される様子がない。退院後は在宅生活に戻る予定だが、今まで以上に見守りが必要になると思われると、このようにあります。  検討の結果、介護知識の低さ、介護に対する意識の低さが介護放棄を招いているものと思われる。この事例では、退院後、在宅生活に戻っても入院前の生活状態が繰り返されることが想定されることから、本人の状態に常に目を向けていることが必要と思われる。入院中の本人が落ちついた時期に、本人に対して希望する生活環境等を確認し、施設入所を含め退院先を十分検討する必要がある。また、市町村担当課等関係機関とも事例の検討を行い、見守り体制の構築、緊急時の対応方法、入所措置の必要性等について関係者間で話し合っておき、いつでも緊急避難できる体制が確保できるようにしておく必要があると、このように結ばれておるわけです。  このような事例が20、一応ここでは紹介をされておるわけですが、非常に悲惨な事例であるわけです。このようなことが起こる前に、あらゆる機関の連携のもと、しっかりとした対応策を考えておく必要があると思います。この小冊子のまとめの中で高齢者虐待の対応として、地域での支援体制や専門的な窓口を設けることの必要性などが書かれています。  このように、全国にはこの問題についていち早く対策に取り組んでおられる自治体も数多くあります。このようなことから、佐賀市におきましてもそういった情報収集を速やかに実行され、対応策の検討を行っていただきたいものであります。少々前置きが長くなりましたけれども、このような状況を踏まえた上でお伺いします。  1点目、まずは実態の把握についてですが、在宅介護支援センターや保健所などの家庭訪問や幾つかの相談窓口での数の統計はあるものの、その具体的な内容での把握がなされていません。こういった在宅介護支援センター、保健所などの協力を得て調査を行い、実態把握はできないでしょうか。  2点目、高齢者虐待の早期発見、予防のためには、日ごろから高齢者の方と接することの多いケアマネジャーや民生委員の方々に高齢者虐待に関する認識を深めていただくことが大切だと思いますが、この点いかがでしょうか。  3点目、市民向けの啓発としてパンフレットなど作成し関心を持っていただくとともに、相談窓口の整備も必要ではないかと思いますが、この点お伺いします。  4点目、虐待を受けるのは介護保険利用者ばかりとは限りません。健康な高齢者への日常的な虐待に関し、緊急的な避難についてお考えをお示しください。  次に、市営住宅の件ですが、かぎの交換には、やはり費用の面も大変大きいと思いますが、今の御時世、防犯面について特に関心が高いわけで、市営住宅のかぎが交換されていないことが新聞に公表された以上、その不安はなお一層大きくなったものと思います。県営住宅では公費でシリンダーを交換しているとのことでありますし、鹿島や多久などでは予備のシリンダーと取りかえるなどして、前の居住者と同一のかぎは使わないようにしているとあります。私は、どうも昨年の質問以来、県と市との対応の差が大きいような気がしてなりません。同じ公営住宅でありながら、軒数の違いはあるものの、住む人は県も市も関係なく、同じような条件で住んでいただくべきだと思います。今まで被害の届けはないといっても、今後被害が出ないという保証はないわけですし、ぜひかぎの交換を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  また、市営住宅の申し込み窓口の一本化については、県と市のそれぞれ仕組みややり方の違いはあると思いますが、今後は管理業務の委託も検討されているようでありますし、そういった一本化に向けた今後の展望についてお伺いします。  続いて、野焼きについてですが、農家に対して野焼きはやめてほしいとのことで、いろいろ麦わらのすき込みや敷きわらなどの有効活用を進めていらっしゃるようでありますが、逆に農家の方にとっては野焼きはやむにやまれぬ作業であるわけで、お互いに平行線をたどる状況ではないかと思います。近隣の方にとってみれば、そうはいっても耐え切れないという方もいらっしゃるわけで、いつ野焼きが行われるのかがわかれば、洗濯物を干さないなど、少しは心構えができるということのようであります。野焼きの日取りを限定するのは、天候や風向き、作業の進みぐあいなど、非常に難しい面もあることでしょうが、近隣の住民に対して広報、周知ができないものかお尋ねして、2回目の質問を終わります。 ◎金子栄一 保健福祉部長   高齢者の虐待の実態把握についてでございますけれども、高齢者虐待の実態調査につきましては、先ほど申し上げましたとおり、児童虐待ですとか夫婦間の暴力のような、そういった法整備がなされていないので、なかなか困難な状況にございます。  先ほど、5件程度実際報告がされたということでございますけれども、それにつきましても、実はケアマネジャーの方から2件、それから中部広域連合から1件、あとは民生委員さんから1件と、一緒に住んでいる息子さんから1件というふうに、そういう報告があっておりまして、その都度ケース会議を開いて善後策を協議し、それぞれ介護の方に行くとか、それからヘルパーを派遣するとか、そういう対処をいたしたところでございます。しかし、今後、先進地の状況をいろいろ参考にしながら、在宅介護支援センターや居宅介護支援事業所、それから佐賀県シルバー情報相談センター、また各校区の民生委員さんに依頼をしながら、今後とも実態把握に努めてまいりたいと考えております。  それから、研修会の開催につきましてでございますけれども、研修会の内容につきましては、内容、それからどういった方を対象にするかとか、そういった問題ですけれども、先ほどおっしゃいました金沢ですとか横須賀ですとか、そういったところの事例、それから群馬ですね、先ほど群馬もおっしゃいましたけれども、そういったところの事例を参考にしながら、私どもの方で十分協議をして検討してまいりたいというふうに考えております。  それから、高齢者虐待問題の市民への啓蒙、啓発についてでございますけれども、現在、高齢者への広報といたしましては、市の広報紙の中で「おたっしゃ倶楽部通信」というコーナーがございます。そのようなものを活用したり、また先進地で作成されておりますようなパンフレット等が一定の効果を出しておるようでございますので、今後そういったものを十分検討していきたいというふうに考えております。  それから、高齢者相談の窓口を本庁の1階に、現在2名を配置しております。そこでは高齢者全般の相談等を受け付けておりますし、その中で高齢者の虐待だけということではございませんけれども、そこでは介護保険ですとか、高齢者のもろもろの相談を総合的な窓口として準備をしておりますので、そこの方でいろいろ相談に乗っていただけるんじゃないかというふうに思っております。そのほか各校区の民生委員の方々や市が委託しております在宅介護支援センターも高齢者の相談窓口として機能しているところでございますので、ぜひ御利用いただきたいと思いますし、また中部広域連合におきましても、高齢者介護相談員を置いて介護に関する訪問相談を受けておりますので、これらの機関を引き続き活用してまいりたいというふうに考えております。  それからもう一つ、虐待があったときの緊急避難をどういうふうに考えるかということでございますけれども、現在のところ、市の福祉サービスとして社会適応困難になった方や家庭の短期不在による、一時的に家庭で困難になった方をお世話する短期宿泊型の生活支援サービス、いわゆるショートステイというのがございます。こういったものを利用するということが考えられるんではないかというふうに思っております。  それから、市営住宅のかぎの交換でございますけれども、市営住宅の防犯対策については従来より取り組んでいるところではございますけれども、特に最近のピッキング犯罪に対応するため、平成5年以前に建てられた古い中層耐火構造の住宅からは順次、空き家修理にあわせてピッキング対応のかぎに交換しているところでございます。したがいまして、これらの住宅につきましては、従前の入居者がスペアキーを持っていたとしても、その後使えない状況となっております。ただ、御質問のかぎの交換につきましては、市営住宅の入居者の安全、安心を第一に確保する観点から、入退去時におけるかぎの交換について、速やかに実施していきたいというふうに考えております。  それから、2点目の市営住宅と県営住宅の申し込み業務の一本化については、将来の展望でございますけれども、ある程度必要であるとは考えておりますけれども、先ほど答弁いたしましたように、管理者が決定すべき事項などクリアすべき問題点が多々ございますので、さらに研究をしてまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◎飯盛克己 産業部長 
     野焼きの事前通報ができないかという御質問についてでございますが、野焼きにつきましては大体、大麦の刈り取りが始まる5月の中旬から、田植えの準備が始まる6月上旬までの間に行われておるようでございます。事前通知ができないかということにつきましては、野焼きが天候に左右される作業であることや、風向き、風の強さにより影響を及ぼす範囲が広範囲にわたり、具体的な日付や時間について事前に通知することは非常に難しいと思われますが、生産者やJAとその方法がないものか検討をしてみます。 ◆池田正弘議員   3回目はちょっと予定はしていなかったんですが、いろいろこれまで御答弁いただきまして、2点について一言つけ加えさせていただきたいと思っています。  まずは高齢者虐待についてですが、全国で今至るところで独自の実態調査や市民への啓発などに取り組んでおられるわけです。新聞などでも最近、あちこちの模様が紹介をされておりますし、ぜひそういった先進的な取り組みをされている地域の情報収集をしていただきたいと、このように思っています。できるところからで結構ですので、早速実行に移していただきたいと思っています。  それから、市営住宅の玄関のかぎの件ですが、取りかえる方向で検討していただくということで理解していいんでしょうか。実際、これはヒアリングのときに聞いたことなんですが、シリンダー1個を取りええるのに大体1万 5,000円から1万 7,000円ぐらいかかると。年間60から70世帯の入れかえがあるわけで、1年間に約 100万円ぐらいの予算が要るわけで、これを高いと見るか、安いと見るかというのは、それぞれ意見が分かれることだと思いますけれども、鹿島とか多久では予備のシリンダーを幾つか用意しておって、それを取りかえてローリングという方法で回すようにして、前の入居者とかぎが一緒にならないように工夫をしているということであります。こういった方法を使うとコスト的には随分安く上がるわけでございますので、ぜひそういった方法も含めて今後検討していただきたいというふうに思っています。これは要望でございます。  以上で質問を終わります。 ◆亀井雄治議員   それでは、通告しております順で質問を行っていきます。  まず1点目の党派名誤記の問題でございますけれども、これは月曜日の永渕義久議員の質問と幾分同様の趣旨の部分があろうかと思いますけれども、できるだけ重複を避けて質問をしていきたいと思います。  まず1点目として、再選挙の費用が幾らかかったのかということをお尋ねしたいと思います。専決で 6,500万円ほどの補正予算を組まれておったと思いますが、実際幾らぐらいかかったのかですね。それから2点目に、選挙管理委員会の事務局職員についてですが、事務局長以下の職員、この人たちの人選はどういうふうにしているのか。その人選にはだれがかかわっていて、最終的な判断はだれが下すのかということをお尋ねします。それから3点目に、選挙長ですが、この選挙長の人選はだれが行っているのか。これは任命権者ということじゃなくてお尋ねしたいと思いますけど。そして、この選挙長は何をするのか、その職務ですね。その上で選挙長に責任はなかったのかということを尋ねたいと思います。それから4点目として、今度の再選挙で、残念ながらといいましょうか、4名の方が勇退をされたわけですが、この4名の方を含む、いわゆる失職をした34名に対する選管からの何らかのアクション、どういうものがあったのかですね。この34名は本来であればあと3年ちょっと任期があったわけでございますので、選管としてどのような対応をされたのか、お尋ねをします。  次に、大きな2点目ですが、行財政改革関連で、1点目、4月だったですか、5月だったですかね、市報で市職員の平均年収が公表されておりましたけれども、全職員の平均年収でございますので、どの辺の人がどのぐらいもらっておるのかがなかなかわからんわけですが、これについて階層別、階級別と申しましょうか、課長が幾らとか、部長級だったら幾らとかというふうな、そういう平均年収で公表したらいかがかと思いますが、どうでしょうか。東京都の千代田区は、これをやっております。部長級幾ら、局長級幾ら、課長級幾ら、係長級幾ら、あるいは保育所の職員幾らというふうに、本庁舎以外の職員についても平均年収を公表しておるわけですが、そうすることによって市民がより判断をしやすい情報になるんじゃないかなと思うわけですね。このことについては退職金についても同様な方法が用いられないのか、見解を伺いたいと思います。  それから、行革関連の2点目ですが、15年3月議会で質問したことに関連しますが、その年、つまり15年度の4月から実施をされました市報の紙質変更、1段階薄くして発行されたわけですが、これによる経費と資源の削減効果というのがどのぐらいだったのか、このことについてお知らせください。そして、削減効果があったはずでありますので、そのことをほかのことにも広げて実施できないのかということをお尋ねしたいと思います。  3点目として、合併処理浄化槽設置促進と、この維持管理費にかかわる不公平の解消についてお尋ねをします。なお、この合併処理浄化槽設置については、今議会でも前田議員が質問をされております。ですから、その部分についてはできるだけ削除した形で質問をさせていただきます。  昨年度見直しのあったエリアマップ、これを見る限りですと、農業集落排水で整備をする区域があるわけですけれども、そのマップを見ます限り、公共下水道整備地域と隣接しているところが多数あるわけですね。ですから、こういう地域については農集でやって処理場をつくるよりも、公共下水道に直接接続した方が早くて安く整備できるのではないかと思うのですが、そのことについてお尋ねをします。  それと、そのマップから外れている、合併処理浄化槽で整備を進める地域については、千綿議員や前田議員が質問されたような市町村設置型を用いて、やはり整備完了年度の前倒しを図るべきではないかと思いますが、お答えください。  それから2点目として、これも昨年の3月議会で質問したことでありますが、既設の合併処理浄化槽の使用世帯についてですけれども、集合処理の公共下水道とか農集の維持管理費、使用料と比べると、この合併処理浄化槽の維持管理費は非常に高いわけです。同じ税金を払っている市民でありながら、こういうふうに格差があるというのは納得のできないことでありまして、実際その合併処理浄化槽を使っておられるところからも、そういう不公平を訴えておられます。そのことについて、昨年の3月議会にその解消策について質問をしたところですが、その後どのような検討がなされ、いつごろから実施できる見込みなのか、お尋ねしたいと思います。  合併処理浄化槽の耐用年数は約30年と言われておりまして、ですから、この浄化槽を使っている世帯の中には、流す水にも非常に気を使って、洗剤を少なく使ったりとか、油を極力流さないようにしたりとか、自分の家の浄化槽の寿命を1年でも長くするために、それこそ涙ぐましい努力をされているところもあるわけです。ですから、こういう方々のためにも一日も早い格差の解消が求められるわけですけれども、公共下水道には汚水の処理分は使用料で賄われているということですけれども、施設整備には一般会計から持ち出しの毎年10何億円というようなお金が使われているわけですから、これは将来的に下水道の来ないところの方も負担をしているわけですね。こういうこともやはり大きな不公平の一つだと思いますので、これらのことについて当局の見解を求めたいと思います。 ◎杉坂久穂 選挙管理委員会事務局長   昨年4月の市議会議員選挙におきます党派名誤記につきましては、管理執行上の初歩的なミスであり、また、管理体制が十分に機能していなかったことによるものでありますことを深くおわび申し上げます。  それでは、御質問の項目に順次お答えをいたします。  まず、5月16日執行の市議会議員選挙に要した費用でございます。無投票ということもありまして、予算額 6,582万円に対しまして、現時点でまだすべての支出が済んでおりませんが、最終的に 2,400万円から 2,500万円の範囲内の支出額になると見込んでいるところでございます。なお、財源につきましては、財政調整基金繰入金から予算措置をしていただいております。  次に、選挙管理委員会事務局職員の人選等についてですが、地方公務員法第6条において、選挙管理委員会は職員の任命等を行う権限を有するとの規定がございます。また、佐賀市選挙管理委員会規定第14条において、選挙管理委員長の担任事務として職員の任免が規定をされております。選挙管理委員会事務局と市長部局等との人事交流は、選挙管理委員会は事務局長、市長部局の場合は人事課長とで事前の打ち合わせ等を行い、最終的な判断を選挙管理委員長が行った上で人事異動を実施しているところでございます。  次に、選挙長についてですが、選挙長は公職選挙法に基づき選挙管理委員会が選任をしております。選挙長の主要な職務は、大きく分けて二つございます。一つは立候補手続関係事務、具体的に言いますと、立候補届出等の受理及び却下、候補者に関する告示、候補者を委員会に報告すること、候補者の通称使用の認定等でございます。もう一つは選挙会に関する事務ですが、選挙会における開票事務、選挙会における当選人の決定、選挙録の作成、当選人決定の委員会への報告等となっております。  なお、投票記載所の氏名掲示につきましては、公職選挙法第 175条に、市町村の選挙管理委員会は各選挙につき公職の候補者の氏名及び党派別の掲示をしなければならないと規定をされております。また、掲載の順序は、選挙管理委員会がくじで定めることとなっております。このことからも、氏名掲示作成につきましては選挙管理委員会の事務となりますので、今回の党派誤記につきましては選挙長の責任は生じないものでございます。  再選挙において勇退をされました4名の前議員を含めた34名の全議員への直接の謝罪は行っておりません。議員言われましたように、ミスがなければあと3年間という任期があるところでしたが、私どものミスで非常に申しわけないという気持ちでいっぱいでございます。選挙管理委員会事務局のミスが重大な結果を招いた責任は重く、多くの人に御迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げますとともに、今後は失った信頼の回復に努めていく所存でございます。  以上でございます。 ◎志津田憲 総務部長   亀井議員の御質問の第1点目の党派名誤記の責任の所在ととり方についてということに関して、お答えをいたします。  選挙管理委員会事務局職員へ異動する職員の人選はどのようにして行っているのかと、そういった趣旨の御質問でございましたが、佐賀市には市長部局、教育委員会選挙管理委員会等の執行機関がございます。そして、それぞれの執行機関が人事権を有しております。選挙管理委員会事務局職員の人事につきましても、先ほど選挙管理委員会事務局長が申しましたとおり、地方公務員法第6条において、選挙管理委員会は職員の任命、休職、免職及び懲戒等を行う権限を有すると規定をされ、また、佐賀市選挙管理委員会規定第14条においても、選挙管理委員長の担任事務として職員の任免が規定をされております。このような法令等の規定に基づき、選挙管理委員会事務局の職員の人事異動、懲戒処分等の人事上の措置は選挙管理委員長が行っているものであります。  また、選挙管理委員会事務局と市長部局等との人事の交流は、事前に他の執行機関と協議を行い、協議が調ったら人事異動を実施をしているところであります。なお、この協議は人事担当部局と選挙管理委員会事務局とのヒアリングを通して情報交換等を行っているものでございます。  次に、御質問第2点目、行革関連であります。  まず、職員年収等の公表は階層別に行うべきという御質問でございましたが、佐賀市職員の給与の公表につきましては、昭和56年の自治事務次官通知に基づき、毎年度、市報さがの3月1日号に掲載し、また同時に佐賀市のホームページ上でも公表をいたしております。現在の職員給与の公表内容といたしましては、全職員の総人件費や平均給料、初任給や経験年数別の平均給料、そして退職手当の平均支給額等を公表いたしております。しかし、平均給料につきましては、全職員と一般行政職の給料を公表しているだけで、部長級や課長級ごとの補職別平均給料や保育士、保健師等の職務別平均給料は公表いたしておりません。県内の他の6市や佐賀県におきましても、補職別や職務別での平均給料等は、佐賀市と同様に現在公表いたしておりません。  ただ、議員おっしゃいますように、職員給料の公表において補職別平均給料や職務別平均給料を公表している自治体があることは承知をいたしております。次第にふえる傾向にあるというようなことを聞いております。給与の公表は、給与の管理状況を広く市民に公表し、市民の納得と理解を得ながら、より一層の適正化を推進するためのものでありますので、今後は給与支給の実態をより理解しやすいものとするためにも、他都市の状況を参考としながら、よりわかりやすい職員給与の公表に取り組みたいと考えております。  次に、行革関連のもう一つの御質問の市報の紙質変更による経費と資源の削減効果についてという御質問でございましたが、これは昨年3月の定例会における亀井議員の一般質問において、市報の紙質を1段階落とすことにより、経費と資源の削減を図ることができ、ひいては環境負荷の軽減にもつながると、そういった御指摘を受けていたところでありますが、早速、平成15年、昨年ですが、4月の15日号から実施をいたしたところであります。それまでの市報に使用しておりました紙は1ロール当たりの重量が44.5キログラムの用紙でありましたが、平成15年4月15日号から紙の質を1段階落としまして、1ロール当たりの重量が35キログラムの紙を使用することといたしました。  そこで、どれだけの経費と資源の削減になったのかという御質問でしたが、平成15年度におきましては市報の年間総ページ数は 720ページとなりました。また、紙の1キログラム当たりの価格が御質問の際には 130円だったわけですが、15年度は価格が上昇いたしまして、1キログラム当たり 135円での計算になっております。これらを踏まえたところでの、あくまでも計算上でございますが、結果としましては、平成15年度で紙の経費が約 427万円の縮減、また紙の使用量といたしましては約32トンの削減となっているものと思われます。このことは環境負荷の軽減にも寄与したものと思っております。なお、こういったやり方につきましては、市報以外についてもできるところがあれば実施をしてまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◎足立晃一 環境下水道部長   まず第1点目の市町村設置型の合併処理浄化槽の整備とあわせまして、農業集落排水の地区でも公共下水道の地区に接続することによる整備促進についてお答えさせていただきます。  下水道等エリアマップの基本構想でございますが、生活排水処理を公共下水道、農業集落排水、合併処理浄化槽により整備することといたしております。このエリアの策定に当たりましては、生活排水処理を集合処理、あるいは個別処理、いずれが適切なのか、経済的な比較に基づきまして、また、地域特性なども考慮いたしまして、集合処理区と個別処理区に分けて設定しております。このため、集合処理区は公共下水道と農業集落排水事業により整備を行いまして、個別処理区につきましては合併処理浄化槽の個人設置によるものといたしております。  この集合処理区の整備手法としまして周辺地区で農業集落排水事業を導入した背景といたしましては、周辺地区におきまして事業の促進を図るため、市街化区域から周辺部に延ばすという形式をとっていきます公共下水道と並行して整備が可能であることや、市として財政的に有利なものもあることなど、さまざまな理由によるものでございます。ただ、下水道等エリアマップの見直しにつきましては、社会状況の変化とか、上位計画の見直しや各種事業の採択要件の変更があった場合には、必要に応じ見直すことにしているというものでございます。  今後、市町村合併などにおきまして、下水道等エリアマップにつきましては見直しの必要が出てくると考えられますので、効率性、経済性を考慮し、また今現在、国の方におきましても、この汚水の整備というものに関する補助につきましては見直しが行われていますので、その補助制度の動向を見守りまして、浄化槽の市町村整備の促進事業の導入の検討や、公共下水道と農業集落排水の区分も含めまして見直すこととなると考えております。  第2に、不公平感の解消というような話でございますけれども、佐賀市としまして平成4年から合併処理浄化槽の補助金制度を行っているものでございますが、設置費や維持管理費の負担におきまして、公共下水道と維持管理費の本当に違いがあるというのは事実でございますし、公共下水道の特別会計に一般会計から繰り入れるということもございます。ただ、そのようなことになりますけれども、合併処理浄化槽の市町村設置の導入や整備の補助の上乗せなど、合併処理浄化槽を推進する新たな制度の方向性を現在調査検討している状況でございます。  例えば、個人設置の合併浄化槽に関しましては、ほかの都市で上乗せ補助をやっている場合とか、あと、市町村設置型の合併処理浄化槽を採用されるところなどの調査も行っているところでもございますし、また、国に職員を派遣しまして情報を収集しているというようなところでもございます。非常に限られて、またきつい市の財政状況の中、国の補助金制度自体も今見直されているという動向がございますので、その動向や、また各地でもどのような取り組みをしているかという状況を見きわめつつ、総合的に検討いたしまして、新たな制度の方向性を打ち出していきたいと考えているところでございます。  以上でございます。 ◆亀井雄治議員   それでは、2回目の質問を行います。  まず、党派名誤記の問題ですが、再選挙の費用は二千四、五百万円ぐらいというような答弁でありましたが、これはある意味うがった見方かもわかりませんけど、ある方のホームページに、この選挙費用は失職した34人の議員の1カ月半の報酬で賄われたということが実は書いてあったわけです。1カ月半の34名の議員の報酬、合計すると 2,800万円ぐらい、これに期末手当分まで加えますと 3,500万円ぐらいになるわけですけど、そうなると、なお 1,000万円ぐらいおつりが来るというような格好になるわけですけれども、これは正確かどうかはちょっとわからないところではありますが、この二千四、五百万円かかったという、この選挙費用ですね、本来なら要らなかった費用ですが、仮に選管に対して損害賠償請求等の訴訟などが起こされた場合、どのように対処して、この費用をだれが負担するのか、お答えいただきたいと思います。  それから、これは月曜日の永渕議員の質問への答弁を受けてのことですが、その党派名誤記という重大ミスを犯して、選管の局長以下が責任をとられたわけですけれども、多くの市民がこの責任のとり方が甘いと言われているわけですね。そのことについて、どういうふうに感じておられるのか。この時期といいましょうか、統一地方選挙を控えた4月に、直前に人事異動が行われているわけですね、選管の職員について。これも実はそういう時期に人事異動を行うということは、極めて不適切なことだったと言わざるを得ないわけですけれども、そのことについてもお答えをいただきたいと思います。  それから、これもそうですが、市長の責任ということですけれども、法的には責任はないというお答えだったですね、月曜日。ですが、一般論といいましょうか、市民感情として、これもやはり一般の市民の中には市長も責任をとるべきだという声が実際あるわけですね。これは比較ができることではないかもしれませんが、古川県知事は全く自分が関与していなかった商工共済問題で大変な責任を負っておられますね。そのことについて、どう思われるのか。  それから、先ほどの答弁にありましたように、選管事務局職員は選管の委員長が任命するということでありますけれども、その人選に当たっては、やっぱり市長部局の人事課が大いにかかわっているわけですね。ですから、そういう意味では全く市長に責任がないということは言えないのではないかなという気がするわけですけれども、以上のことについてお答えをいただきたいと思います。  2点目の行革関連に関しましては、おおむねいい答弁をいただきましたので、前向きに進めていただきたいと思いますし、とにかくわかりやすい情報を提供していただきたいということを要望しておきたいと思います。  それから、合併処理浄化槽整備促進、あるいは不公平の解消については、国の補助制度等もいろいろ変わってきている、あるいは合併の問題等も控えておるというようなところで、いろいろこれから一、二年のうちに大きな動きがあるのかなというような期待感のある答弁でもあったような気がします。しばらくはちょっと静観をせざるを得ないのかなというふうに思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。  誤記の問題についてのみ答弁を求めたいと思います。 ◎杉坂久穂 選挙管理委員会事務局長   それでは、亀井議員の2回目の御質問にお答えをいたします。  まず1点目ですけど、損害賠償請求があった場合はどのように対処するかというお尋ねでした。この損害賠償請求につきましては、仮にあった場合は、その請求の内容等をよく見た上で対応を検討してまいりたいというふうに思っております。  2点目の処分が甘いという御質問です。事務局職員の処分につきましては、一昨日の永渕義久議員の御質問でお答えをした分でございます。その中でも、処分の基準といたしましては、佐賀市懲戒処分基準及び他の地方公共団体の同種の事由による処分例を参考として、あの処分を行ったものでございます。  それともう一点、昨年の4月、統一地方選挙の年に人事異動選挙管理委員会事務局で行われたのは不適切ではないかというお尋ねでございます。本来ですと、統一地方選挙の年に人事異動をすること自体はおかしいことですけど、昨年の場合はやむを得ぬ事情があって人事異動を行ったものでございます。  以上でございます。 ◎志津田憲 総務部長   選挙管理委員会事務局と市長部局の人事交流につきましては、先ほど申しましたとおり、事前に協議を行ってやっておるところであります。特に、昨年の異動につきましては、今選挙管理委員会事務局長が申しましたとおり、特に選挙管理委員会事務局の方からの強い要望もありまして、昨年のあの形での異動ということになったわけであります。 ◎木下敏之 市長   それでは、お答えいたします。  まず、古川知事が商工共済問題に絡んで減給された理由の詳細、私は存じておりませんが、恐らく県の職員が商工共済組合に隠された含み損があるということを承知をしていたことが影響していているのではないかと思っております。  それで、多くの人から市長の責任をという声があるということでございますが、私に対しても直接、責任があるのではないかということを言ってこられた方もいらっしゃいました。しかし、何人か言ってこられた方たちの多くは、選挙管理委員会が市長の任命であって、また事務局も市長が任命しているのではないかというようなことを誤解をされている方がたくさんいらっしゃいました。月曜日の永渕義久議員の御質問にもお答えしたとおり、選挙管理委員会事務局職員の人事権は私にはありません。人事権は選挙管理委員会にございまして、また、選挙管理委員会委員の任命についても、教育委員会と違いまして、私にはその権限はなく、市議会で選挙をされ、選出をされているわけでございます。  また、選挙に関する事務の執行権も私にはないわけでありますが、これらのことは選挙というものが公正、公平、中立に行われることを法律上担保しているから、市長が関与できない仕組みとなっております。私には法律上の責任はないと考えておりますが、しかし、選挙管理委員会も佐賀市という地方自治体の執行機関の一つでございます。そういった意味で、今回再選挙となったことで、執行機関を束ねる長として市民に対し御迷惑をおかけし申しわけなかったという気持ちを持っております。  以上でございます。 ◆亀井雄治議員   それでは、3回目ですが、この党派名誤記の問題ですね。  この問題は、結局、裁判によって重大な過失だから選挙違反だという判断を下されたわけです。候補者とか政治家がやる選挙違反ということは物すごく厳しく追及されますけど、執行者の違反については何ら追及がされないわけですね。罰則もないような状況ですよね。そういう意味で、非常に法律の矛盾を感じるわけです。  先ほど2回目のときに、再選挙の費用は失職した議員34名の1カ月半分の報酬で賄われたという、うがった見方、そういう見方もあるというようなことを言いましたものの、実際には税金で賄われたということでありまして、先ほども言いましたように、本来は支出する必要のなかったお金であったわけです。ということは、この 2,400万円ないし 500万円については、佐賀市が、あるいは佐賀市民が損害をこうむったということになるわけですから、そこで質問になるわけですけれども、国家賠償法の第1条2項には、「公務員に故意又は重大な過失があったときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する」、要するに、償いを求める権利を有すると、こういうふうに規定されているわけです。  市長は、市政運営の最高責任者であります。佐賀市の最高責任者として、佐賀市に損害を与えた選管職員等に対し賠償を求めるべきではないかと思いますが、見解をお示しください。 ◎木下敏之 市長   それでは、お答えいたします。  今、ちょっとお聞きいたしましたので、国家賠償法の求償権がどこまで及ぶのか、私もわかりません。独立した行政機関、執行機関であります選挙管理委員会の職員に対して、選挙管理委員を飛び越してそういったことができるのかどうか、今はわかりませんので、それについては研究をした上で今後考えていきたいと思います。  以上でございます。 △散会 ○福井久男 議長   本日はこれをもって散会いたします。  明日は午前10時に再会いたします。           午後2時44分 散会...