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  1. 泉南市議会 2010-06-11
    平成22年第2回定例会(第1号) 本文 開催日: 2010-06-11


    取得元: 泉南市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-06-28
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1        午前10時 開会 ◯議長(堀口武視君) おはようございます。ただいまから平成22年第2回泉南市議会定例会を開会いたします。  直ちに本日の会議を開きます。出席議員が定足数に達しておりますので、会議は適法に成立いたしました。  本定例会には、議案等の説明のため、市長以下関係職員の出席を求めております。  これより日程に入ります。  日程第1 議席の指定を議題といたします。このたび、市議会議員補欠選挙において新たに当選されました小山広明議員の議席につきましては、会議規則第4条第2項の規定により、議長において10番に指定いたします。  ただいま議席の指定をいたしました小山広明議員よりあいさつのため発言を求めておりますので、許可いたしますが、簡潔にお願いいたします。小山議員。 2 ◯10番(小山広明君) 貴重な時間をとっていただきまして、本当にありがとうございます。12回の落選に回を重ねることにならず、7回の当選はこれまでになかった勇気の要った決断をしての選挙でありました。  私は、これまでの市長選での流れの中で、新しい市民の市長の誕生を市民が熱望し、確信しての取り組みでありました。結果は、勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなしの野村克也さんの言葉がなるほどとうなずける結果でもありました。田畑 仁さんのこの貴重な体験を生かしたさらなる努力を願うところであります。  新しい命をいただいて、きのうとは違うきょうの命の厳粛な事実に真正面から向き合い、市民のために皆様と一緒に職責を果たしてまいりたく存じます。  今回の私のとった行為は、この場での辞任理由でも述べましたが、議会人の責任として、市民の立場を実行する権利を封じることはできないと思って、本来、市議から市長に出た方が市民からいただいた議席を市民に当然にしてお返しするための選挙を行うための準備期間である告示の10日前に欠員になっておく必要からの期間を確保しない状況で、私はかわって議員を辞職したのであります。  このような辞職は例がないと聞いて、私はむしろ驚きました。それだけになった議員の議席を守ることが一番のことになってしまっている現実があります。ある意味で私にもこのことは重要なこととして存在していただけに、嫌というほどわかるわけであります。それだけに迷いの中身の1つであったわけであります。しかし、またそういうことが恥ずかしいともいいますか、情けないといいますか、胸を張って振る舞えることではないのですが、人間の行動を規制してくることは残念ながら現実でもあります。  そういうことが3月議会の最終本会議の3月26日の議員定数議案の審議が刻々と進行する中、孤独の中で迷い続けました。すべての審議が終わって、議長の閉会の言葉を言う寸前に、頭が真っ白になった中で議員を辞職しますと言ったのであります。  その後の展開がどうなっていくのかすべて未知の中で告示日の18日を迎え、25日の投票日を迎え、開票では初めに古谷さんが4,200、私は3,300で、やっぱり予測どおり落選やなあと案外平穏に受けとめている自分を見ることができました。  しかし、その前にわかった、当選は間違いないと思っていた田畑 仁さんの落選は、非常にショックでありました。その後、さらに2,500票の差があいて完全に落選で、何の当選の希望もかけらも抱けない状態になりました。それでもやっぱり最後の数字は確認してホームページのこの完璧な敗北を心地いいまでに発信しようと体が感じたのか、開票場の体育館に自転車で駆けつけました。  そこで見た数字は、9,500票が並んでいたのであります。何これ、間違いではないの、と見た数字を何度見ても並んでいる。どうなるのと、最後の票が出るまでは体はふわふわ状態でありました。気持ちにそない高ぶりはない。不安も自信もない全くの自然体でおれる自分に、今思うと驚きます。そして、6票差の1万104票での当選であります。いや、市民はやってくれます。こんな理解されにくい私の辞職で出ることができた陣営からの機関紙で、全戸配布でわけのわからないやめ方をして600万を使ってと批判を受け、それはないでしょう、感謝こそしていただいてもよいはずなのにと思うのに、勝つためだったら何でもやるということなのか。それでは政治の信頼はおぼつかないだろうと思います。  そして、さらに選挙公報の1番目の主張が議員の定年制をやるというものでありました。私への攻撃である。これは、勝つためにはなりふり構わない意欲のあらわれと受けとめました。  一方、田畑陣営からは、会派の機関紙として失う議席を市民に返すべきか、それとも私が抜けた会派の主張である議員定数削減の先取りかで苦渋の選択をしたと言って、残期間の議員1人おらない場合の経費を掲げ、他市に比べていかに泉南市議会の議員定数が多いかというデータを書いたものの全戸配布を告示直前に行いました。  それまで田畑さんは最終的にやめると聞いていた私は、そのことを問うと、あれは会派としての見解でと、まだ直前に辞職するという可能性がありました。そうなれば私の例のない辞職への理解が深まらない形で、しかも市長には田畑という私の一番のやりたいことができなくなることが予測され、告示日に1,600カ所余りの掲示板にポスターを張り終え、公選はがき2,000枚の告示日投函を終えなければならないということで、これまでのいえば応じてくれる人たちに緊急要請をしました。しかし、田畑さんは、最後まで辞職をせず、届け出自動失職の道を選んだのであります。  選挙戦は、選挙事務所もつくらず、看板1つ出さず、1人選挙で行った。選挙カーは、ちょうど仕事を探している人が偶然あって、その方1人が私の録音したICレコーダーを使っての、現職が通れば地域の幼稚園はなくなります、田畑さんが通れば守ります、とひたすら訴えて回りました。事務所では、1人が電話で地域の幼稚園を守っていくために、市長には田畑さんを、市会には小山をお願いします、とかけていただいた。4月21日からは連日個人演説会を行い、多いときで4人、ゼロはなかったが、1人のところもありました。19回目の選挙だったからできた作品でもあります。
     民主主義を守るためにやった身がわり辞職での再立候補という私にとっては当然のことも…… 3 ◯議長(堀口武視君) 小山議員、簡潔にお願いします。 4 ◯10番(小山広明君) もうこれで終わりですから。何しろ初めてのことであって、市民にはわかりづらいということではあった。しかし、出た結果はやはりそのことを反映しているが、6票差での当選は、人知を超えた根本の道理が醸し出した絶妙な社会的、歴史的なものであったと思っています。  この結果を広く受けとめながら、市民の底に流れるつながる命を見据えて、真の市民社会の実現のために、微力ながら、微力であるがゆえに、そこにつながり願われた全体を実現してまいりたい。長い19回目にして12敗の上にある7回目の当選による就任のあいさつとさしていただきます。長い間、すみませんでした。 5 ◯議長(堀口武視君) 次に、日程第2 会議録署名議員の指名を行います。本日の会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において3番 和気信子議員、4番 梶本茂躾議員の両議員を指名いたします。  次に、日程第3 会期の決定を議題といたします。  お諮りいたします。今定例会の会期は、本日から6月29までの19日間といたしたいと思います。  これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」の声あり〕 6 ◯議長(堀口武視君) 御異議なしと認めます。よって会期は、本日から6月29日までの19日間と決定いたしました。  次に、日程第4 諸般の報告をいたします。  まず初めに、産業建設常任委員及び行財政問題対策特別委員に10番 小山広明議員を委員会条例第8条第1項の規定により議長において選任いたしましたので、御報告をいたします。  次に、常任委員の所属変更につきまして、厚生消防常任委員の河部 優議員から、総務文教常任委員に所属を変更されたいとの申し出がありましたので、委員会条例第8条第2項の規定により、申し出のとおり常任委員の所属を変更いたしましたので、御報告いたします。  次に、議会運営委員の辞任及び選任につきましては、4月30日付にて、北出寧啓議員から議会運営委員を辞任したいとの申し出がありましたので、同日、辞任を許可いたしました。  なお、後任の議会運営委員につきましては、委員会条例第8条第1項の規定により、4番 梶本茂躾議員を選任いたしましたので、御報告いたします。  以上で諸般の報告を終わります。  次に、日程第5 市長の市政運営方針についてを議題といたします。  市長から市政運営方針について発言を求めておりますので、許可いたします。向井通彦市長。 7 ◯市長(向井通彦君) おはようございます。平成22年第2回泉南市議会定例会の開会に当たり、市政運営に関する基本的な考え方と主要施策の概要につきまして、私の所信の一端を申し上げ、議員各位並びに市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。  去る4月25日に市長選挙が執行され、私の過去16年間の市政についての審判を受け、結果として、再び市民の皆様の信託を受け、市長として5期目の市政を運営させていただくこととなりました。私のマニフェストにお示ししたとおり、泉南市の飛躍と発展のため、「安心・安全なまちづくり」、「すべての人権が尊重されるまちづくり」、「便利で快適なまちづくり」、「子育て支援、教育の充実したまちづくり」、「商工農林水産業が栄えるまちづくり」を政策の柱に位置づけるとともに、市政を取り巻くさまざまな課題に真摯に取り組み、気持ちを新たに全力で職務に邁進したいと存じます。  さて、近年の社会情勢は、一昨年後半からの世界同時不況による景気の後退、円高やデフレ経済の長期化、企業収益の大幅な減少や物価の下落、高い失業率など、依然として大変厳しい状況が続いています。国においてもさまざまな経済対策が講じられ、日本経済も景気の持ち直し傾向があるものの、明るい展望が開けない先行き不透明な状況にあります。  国政におきましては、その枠組みが大きく変わることとなる政権交代がなされ、地域主権の確立を最重要課題とした政府が誕生しました。この新政府は、「地域主権国家」を掲げ、「中央集権から地域主権」へと地方の権限改革に取り組んでおり、また大阪府では、大阪発地方分権改革ビジョンに基づき、平成22年度から国に先駆けて府内市町村に特例市並みの事務権限の移譲を目指すこととされております。  このような激動の時代ではありますが、地域がみずから考え主体的に行動し、その選択と行動に責任を負えるよう、自己決定・自己責任のもと、選択と集中を徹底することで、将来にわたって自立可能な行財政運営を行っていくことが不可欠であると考えています。  関西国際空港は、2本の長距離滑走路を備え、かつ日本で唯一の完全24時間運用可能な国際ハブ空港としての機能を有しており、地域の活性化のみならず、我が国の経済発展の面からも重要な役割を担っています。  国際拠点空港としての高いポテンシャルを有した関西国際空港をフルに活用すべきであり、その機能を十分に発揮し得るよう2期事業の完全供用を実現し、国際競争力の向上を図るため、国の責任において抜本的な財務構造の改善が不可欠です。また、関西国際空港建設に至るまでの経緯等を踏まえ、伊丹空港の廃港をも視野に入れた関西3空港問題の早期の解決が必要です。そのため、「泉州市・町関西国際空港対策協議会」及び地元2市1町の連携をより密にしながら、関西国際空港の活性化に向けた取り組みを行ってまいります。  りんくうタウンの土地利用に関しましては、一部の区画を除いて企業の進出が着実にふえ、目標である企業誘致率は100%に近づいているところです。市内陸部とりんくうタウンを連絡する都市計画道路信達樽井線も、今秋には供用開始できる運びとなり、りんくうタウンへの利便性が一層高くなります。  また、指定管理者制度を活用して運営しています泉南市総合交流拠点施設「せんなんわくわく広場」は、開設当初から現在まで大いににぎわいを見せているところです。民間活力を導入した結果、産業・文化・観光の泉南ブランドのPRを目的とする拠点施設としての役割を十分に発揮しており、りんくうタウンの活性化にも大きな効果があらわれていると感じています。  本年度は、市にとりまして、幼児教育の転換点となります公立幼稚園の2園化への第一歩を踏み出す年度でもあります。当初予算にも計上させていたただいたように、幼稚園を1園新設し、一丘幼稚園を大規模改修することにより、合計2園の幼稚園による効果的かつ効率的で質の高い保育教育を進めてまいります。3歳児保育や預かり保育などの保育内容を拡充することで、市民の皆様からのニーズにこたえ、また1園当たりの園児数がふえることにより、幅の広い多種多様な就学前教育が可能になるものと確信しています。  地域主権の進展とともに都市間競争がますます激化する今後の状況を踏まえれば、健全な行財政基盤の確立が不可欠です。しかしながら、平成20年度の経常収支比率が100.6%となるなど、少子・高齢化社会への対応など新たな行政需要に対応するためにも、硬直化した財務体質の解消が大きな課題となっており、持続可能な行財政運営のための抜本的な財政構造改革を強力に推進しなければなりません。そのため、激しい時代変化にも柔軟に対応し得る行財政運営の確立のため、さらに厳しい行財政改革を断行してまいる所存です。  平成22年度の市政運営に当たりましては、厳しい財政状況下ではありますが、効果的・効率的な予算執行の徹底により、第4次泉南市総合計画の将来像「水・緑・夢あふれる生活創造都市 泉南」の実現に向けて邁進してまいりたいと考えています。  また、本市にとって今年度は、昭和45年に市制を施行して以来40周年を迎えます。市民の皆様の行政運営に対する御理解と御協力のたまものと大いに感謝申し上げるところであり、これを契機に、さらに市民の参画、市民との協働を推進しながら、すべての市民が安全に安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。  それでは、本年度の主要施策・事業につきまして、第4次泉南市総合計画の施策体系に基づき、順次御説明申し上げます。  第1章の「ふれあいのあるまち、いきがいのあるまち」について申し上げます。  1点目のすべての人が共同参画できる共生の地域づくりについてであります。基本的人権の尊重は、人類全体の願いであり、人類普遍の原則です。人間の尊厳に基づく固有の権利である人権や平和の大切さについて市民とともに考え、そして粘り強く啓発を継続していくことが重要です。  しかしながら、国際社会に目を向けてみますと、宗教や民族の違いなどに起因した紛争やテロ行為が後を絶たず、罪なき多くのとうとい人命が失われるなど、許しがたい人権侵害が世界の至るところで生起している現実に、悲しみと怒りを禁じ得ることはできません。  本市では、まことに遺憾ではありますが、ここ数年の間に山間部にあるハイキングコースでの連続差別落書きや小学校区再編に伴う重大な差別事象が発生しました。このような人権侵害を断じて許すことなく、再発の防止に向けて全市的に取り組むとともに、市民一人一人の人権が尊重され、だれもが平等に社会に参画し、能力を発揮できるまちづくりを強力に推し進めてまいります。  本年度は、市民の人権意識の高揚を図ることを目的として、憲法週間及び人権週間の「市民の集い」や「人権フォーラム」の内容をさらに充実させ、引き続き開催してまいります。  個別の人権課題をテーマにした「人権入門講座」を初めとする各種人権啓発講座を開催し、人権に対する正しい理解と認識を深めることで、「すべての人の人権が尊重される明るく豊かな地域社会」の実現を目指してまいります。  また、「性による差別のない男女共同参画社会の実現」という基本理念に基づき、「せんなん男女共同参画プラン」を着実に実行するとともに、「(仮称)泉南市男女共同参画推進条例」の制定に向けて取り組むなど、男女がともに家庭と仕事の両立が図れるよう支援体制の整備を進めてまいります。  2点目の子どもがいきいきと学べる学校づくりについてであります。  都市化や少子化の進展など、子どもたちを取り巻く社会環境の変化により、将来に対する不透明感が増す中、子どもたちは現実と向き合い、さまざまな困難を乗り越えながら、社会に貢献する力を備えた大人へと成長しなければなりません。そのためには、社会の一員として生きていくための規律・規範を身につけ、知・徳・体のバランスある力をはぐくむことが不可欠です。  教育基本法の改正で明確となった義務教育の目的を踏まえ、確かな学力の確立と豊かな心の育成を基盤としながら、子どもたちに「生きる力」を身につけてもらえるよう全力で取り組んでまいります。  また、児童・生徒の学習意欲の二極化に歯どめをかけ、基礎学力の定着や応用力の育成、学習規律と学習習慣の確立、及び自己肯定感の醸成を目的として「泉南市学力向上方策」を策定してまいります。  本年度は、泉南市ICT活用事業において、全小・中学校に学習課題のデータベース、シミュレーション教材などの多様な学習コンテンツを提供し、各学校のホームページの充実を図るとともに、学校緊急メール配信サービスの提供及びICT支援員の配置を進めてまいります。  また、泉南市「学びの約束」推進プロジェクトを推進し、児童・生徒の発達段階を考慮しながら、小学校と中学校が密接に連携することにより、統一かつ一貫した学習規律の確立に努めてまいります。  就学前教育につきましては、「泉南市教育改革プラン」に基づき、「人権保育教育の重要性」、「幼稚園教育活動の発展」、「子育て・子育ち支援の充実」及び「保育教育環境の整備」を柱にして、確かな幼児・保育教育を将来へつないでいくため、新たな施設機能を備えた幼稚園を建設し、教育環境の向上に努めてまいります。  また、鳴滝第一小学校と鳴滝第二小学校の統廃合を行うことで、学校規模の適正化、学校運営の効率化を図ってまいります。さらなる小学校の規模の適正化に向け、新たな調整区を設けることとします。  なお、統廃合及び調整区の設置に当たっては、最大限に児童への配慮を行うとともに、利益実現の視点に立って、新たな教育コミュニティの構築に向けて取り組んでまいります。  また、教育環境の安全対策につきましては、引き続き施設の耐震化・整備を行ってまいります。まず、中学校校舎の耐震診断を実施するとともに、耐震診断が完了した小学校校舎及び体育館、並びに中学校校舎及び体育館につきまして、順次耐震補強工事を実施してまいります。また、公立幼稚園の2園化に伴い、一丘幼稚園につきましても耐震補強工事及び施設の大規模改修を実施してまいります。  3点目のだれでも、いつでも、どこでも学べる社会づくりについてであります。  生涯学習とは、市民一人一人がみずからの意志に基づいて興味や関心のあるテーマを選び、自分に合った手段や方法によって、生涯の各期に必要に応じて行う学習であり、文化創造活動やスポーツ・レクリエーション活動ボランティア活動など実に幅広くとらえることができます。  学ぶ主体は一人一人の市民である、という基本的な視点に立ち、市民の学習意欲をはぐくむとともに、学習情報の提供や学習機会の充実、学習活動を支える人材の育成などに努めてまいります。また、市民が、個人であるいは仲間とともに楽しく学び合いながら、自分の考え方や生き方を変えるきっかけをつかみ、自己の充実や心豊かな生活が実現できるよう、自主的な学習活動に対する支援を行ってまいります。  4点目の文化・歴史を活かした豊かな心づくりについてであります。  人々の価値観が多様化する中、大切に受け継がれてきた郷土の文化財や地域に伝わる伝統芸能など、有形無形の歴史的資産に求められる役割は、年々大きくなってきています。  本市には、国史跡「海会寺跡」や「熊野街道」を初めとして、特色ある歴史的資産が豊富に存在しており、それらを積極的に活用することによって、市民の豊かな心づくりに取り組むとともに、ふるさと泉南を愛する郷土意識の醸成に努めてまいります。  そのため、市民の文化活動の向上に寄与することを目的として、多くの歴史的資産やさまざまな資料を改めて見詰め直し、次世代へ引き継ぐための調査・収集を進め、その保護と保存に努めてまいります。さらに、市民とともに新たな歴史的資産の発掘にも積極的に力を注いでまいります。  また、埋蔵文化財センター史跡海会寺跡広場につきましては、歴史・文化情報の発信基地としての環境を整え、郷土の歴史文化に親しむ場、緑豊かないやしの空間として広く市民に親しんでいただけるよう、一層の有効活用に努めてまいります。  5点目の地球市民としての意識づくりについてであります。  交通網の拡充や通信ネットワークの急速な発展などを背景にして、人・物・情報の交流が地球規模で急速に拡大しています。経済活動はもとより、市民生活の身近な分野に至るまで、世界的な相互依存関係が深まった結果、地球全体がより身近となり、あらゆる分野において1つの圏域となりつつあります。  本市では、関西国際空港の玄関都市という絶好のロケーションを生かして、市民レベルの国際交流活動が定着しつつあり、多文化共生の観点から、着実に地域の国際化を進めてまいりました。  今後とも、本市在住の外国人の方々や本市を訪れた外国人の方々との交流の機会を提供するとともに、ホームステイや国際理解講座などの市民が主体となった国際交流活動を側面からサポートしてまいります。また、言語や生活習慣、価値観の違いを互いに理解し認め合うことができる、国際的な視野を持った人材の育成と地球市民としての意識づくりに取り組んでまいります。  続きまして、第2章の「げんきなまち、やさしさのあるまち」について申し上げます。  1点目の市民の健康づくりについてであります。  人々が安心して豊かな生活を営むためには、心身の健康は最も大切な基盤です。しかしながら、少子・高齢化の急速な進行、ライフスタイルの多様化、そして雇用環境や家庭環境などの社会環境の変化は、あらゆる面において市民生活へ多大な影響を与えています。  また、近年、生活習慣病が増加するなど、疾病構造も変化しており、市民の健康や医療に対する不安や関心は、ますます高まっています。  本市では、「健康せんなん21後期計画」に基づき、すべての市民が健康で長生きし、生きがいのある豊かな人生を送ることができる社会の実現を目指し、市民が安心して健康づくりへ取り組むことができるよう、具体的でタイムリーな情報を積極的に提供するなど、市民の健康づくりを側面から支援してまいります。  そのためには、まず安心・安全な妊娠経過と出産を支援するため、1回2,500円、合計14回の公費補助を引き続き実施してまいります。また、生後4カ月までのすべての赤ちゃんのいる家庭を訪問する「こんにちは赤ちゃん事業」を新たに開始し、すべての親子が地域で孤立せず、必要なサービスを受けることができるよう情報提供することにより、育児の不安や悩みなどの解消を図ってまいります。また、泉州地域の産婦人科医療を担う泉州広域母子医療センターの運営に参画し、市民が安心して出産を迎えることができるよう支援を続けてまいります。  次に、国民健康保険につきましては、「泉南市特定健康診査等実施計画」に基づき、市民の健康的な生活習慣の定着に向けた特定健康診査を実施して、健康課題の把握を行うとともに、生活習慣の改善や疾病予防の必要性に応じて「情報提供」、「動機づけ支援」、「積極的支援」に階層化し、段階に応じた保健指導を引き続き実施してまいります。  保険財政につきましては、景気の悪化による保険税の減少や、生活習慣病の増加などによる医療費の高騰のため、非常に厳しい状況が続いていますが、将来の医療費負担の抑制のためにも保険事業を継続するとともに、保険税の口座振替やコンビニ収納、個別訪問による収納率の向上や滞納の整理に努め、事業運営の健全化に取り組んでまいります。  2点目のともに生きる社会づくりについてであります。  だれもが安心して自立した日常生活を送ることができる環境をつくるためには、地域全体でともに支え合い、助け合う地域づくりが必要です。  こうした状況を踏まえ「泉南市地域福祉計画」に基づき、だれもが自分らしく、よりよく生き、住みよいまちをつくり上げることができるよう、行政・市民・地域団体の「つながり」を強めるとともに、解決すべき生活課題や支援を必要とする人を把握し、課題の発生の予防や解決をしていくための地域の仕組みづくりを推進してまいります。  そのためには、まず、高齢者が幾つになっても住みなれた地域の中で、安心して生き生きと生活できるように、高齢者が抱える問題を早期に発見する実態把握調査を本年度も実施してまいります。また、地域住民による高齢者の見守り活動である見守り支援ネットワーク事業、そして高齢者擁護や虐待防止のための高齢者虐待防止緊急一時保護事業を引き続き実施してまいります。  次に、介護保険につきましては、「泉南市第4期高齢者保健福祉計画」に基づき、定年を迎えた方が元気に生活できるよう、高齢者関連施策全般の体制を強化するとともに、地域の理解と協力による地域ぐるみのケア体制づくりを継続して行ってまいります。また、認知症対策として、老老介護や認認介護、認知症高齢者の徘回や行方不明者への対応を行い、さらに高齢者虐待等の防止にも対応できるよう、地域社会に根差した認知症ケア推進事業を新たに実施してまいります。  また、地域包括支援センターにつきましては、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のため、保健・医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援し、介護予防のさらなる推進を目指します。要支援・要介護につながるおそれの高い特定高齢者を早期に発見し、介護予防ケアマネジメントを初めとした包括的・継続的ケアマネジメント支援事業など、引き続き地域に密着した適切なサービスを実施してまいります。  障がい者(児)福祉につきましては、「第2次泉南市障害者計画」及び「第2期泉南市障害福祉計画」に基づき、障がいを持つ方々が障がいの種別にかかわりなく、身近な地域で必要な福祉サービスやその他の支援を適切に受け、自立し社会参加ができるよう支援を進めていまいります。  児童福祉につきましては、「泉南市次世代育成支援対策地域行動計画」に基づき、「子どもとおとなが、ともに夢や希望を語り、育むまち・泉南」を基本理念に掲げ、未来を担う子どもたちが心豊かに育つよう、子育て支援、健康の確保と増進、子どもの安全の確保、要保護児童への対応などの施策を充実させてまいります。また、現在行っている保育事業や放課後児童健全育成事業、地域子育て支援センター事業、療育支援推進保育士事業及び子育てサポーターリーダー制度などの事業に加え、養育支援が特に必要であると判断した家庭に対し、指導・助言等を行う養育支援訪問事業を新たに展開し、事業全体の拡充を図ってまいります。  さらに、乳幼児医療助成事業につきましては、本年10月をめどに通院医療費の一部助成の対象年齢を5歳誕生日の月末までとし、対象範囲を拡大してまいります。  保育所運営につきましては、さまざまな保育ニーズにこたえることができるよう、保育水準の向上を目指して、本年度から信達保育所の民営化を実施しています。また、平成23年度に民営化を予定している樽井保育所につきましては、施設の耐震化・施設の改修を図るなど、引き続き民営化に向けた準備作業を進めてまいります。  ひとり親家庭につきましては、経済的な自立と生活の安定・向上を図るため、子育てや生活面でのさまざまな福祉サービスを引き続き実施してまいります。  低所得者福祉につきましては、すべての市民が健康で文化的な生活を確保できるよう、生活相談時から一貫した援助活動を実施し、生活基盤の安定、経済的自立と生活意欲の高揚を図るための支援を展開してまいります。  また、民生委員・児童委員や関係機関との連携を密にすることにより、問題の原因を的確に見きわめ、ケースワーカーによる実情に即した相談・指導体制を充実させることで、総合的な相談・指導・保護・援護を実施してまいります。さらに、離職により住宅を喪失または喪失するおそれのある世帯に対し、専任の住宅確保就労支援員を配置し、常用就労に向けた自立支援に取り組んでまいります。  続きまして、第3章の「安全なまち、活力のあるまち」について申し上げます。  1点目の環境にやさしいまちの基盤づくりについてであります。  昨年12月、デンマークのコペンハーゲンで気候変動枠組条約第15回締結国会議「COP15」が開催され、各国の温室効果ガスの削減目標が示されるなど、環境問題は地球規模で深刻化しており、とりわけ温暖化防止に向けた具体的な対策は、各国政府間の最重要課題となっています。また、地域的にも行政、企業、市民が一体となり、将来を見据えて環境問題に計画的に取り組むことが喫緊の課題となっています。  本市では「エコシティー」を目指し、既に可燃ごみの減量化と分別収集による再資源化に取り組むとともに、公共施設への太陽光発電システムの設置、公用車への天然ガス車の導入、そして市役所庁舎へのコ・ジェネレーションシステムの設置などを計画的に実施してまいりました。  本年度は、自然との共生を重点施策に掲げ、生ごみ処理機から生じた堆肥の有効利用を促進するための支援制度の創設に向け着手するとともに、さらなるごみの減量、再資源化の徹底を図ってまいります。  また、クリーンエネルギーの活用を目的として、一般家庭の太陽光発電設備設置に対する報奨制度の創設に向けた取り組み及び風力発電等自然エネルギーの調査研究を行うとともに、日本版グリーンニューディール補助制度を活用した公共施設への太陽光発電設備の設置促進に取り組んでまいります。  次に、泉南地域の歴史的な課題であるアスベスト問題につきましては、被害者全員が平等で手厚い救済が受けられるよう、国や関係機関との連携を図り、関連企業に対しても協力を求めるなど、問題解決に向け積極的に取り組んでまいります。  2点目の安全で災害に強い防災都市づくりについてであります。  近年、世界各地で大規模地震が頻発しており、とりわけことし2月、南米チリ沿岸で発生した地震による津波が日本各地へ与えた影響は衝撃的であり、記憶に新しいところです。また、昨年10月に発生した台風18号が各地で多大な被害をもたらし、国から激甚災害に指定されるなど、改めて自然災害の恐ろしさと安全・安心のまちづくりを目指す防災行政への取り組みの大切さを再認識いたしました。被災された皆様へ心からお見舞いを申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧と復興をお祈り申し上げます。  本市では、平成18年度から整備を進めてまいりました泉南市防災用広報システムは、昨年度をもって全60局の子局整備が完了し、安心・安全のまちづくりの礎となる防災基盤が確立されました。  本年度は、国からの防災緊急情報を迅速かつ効果的に伝達するため、全国瞬時警報システム「J-ALERT」の整備を行い、災害による被害減少に資する取り組みを推し進めてまいります。  また、地震防災マップを新たに作成し、全戸配布することにより、地震に関する知識の普及と災害時における自助、共助への取り組みに関する啓発を進めてまいります。  災害時における安定した消防・救急体制の確保のため、消防水利の充実や資機材搬送活動の強化を図り、本市の総合防災力の向上に努めてまいります。  3点目の安全で便利な地域づくりについてであります。  近年、発生する犯罪は、加害者も被害者も低年齢化するとともに、その性質、手口も凶悪化・巧妙化しており、ニュースや新聞を通じて心を痛めるような悲惨な事件が絶え間なく報道されています。  そのため、最近の犯罪情勢悪化への対策として、地域が一体となった能動的防犯活動を積極的に行い、地域の安全・安心の確保への取り組みを進めてまいります。  本年度は、子ども安全パトロール員と連携して登下校時の巡回パトロールを実施することとあわせて、市内の駐輪場に設置した防犯カメラを活用するなど、街頭犯罪の抑止を図り、犯罪が生じにくい社会環境の整備を推進してまいります。  また、エレベーター設置やトイレ改修による鉄道駅のバリアフリー化を推進し、さらなる利便性の向上を図るとともに、高齢者や障がいを持つ方々の安全な生活の確保及び必要な体制の整備に努めてまいります。
     4点目の都市、自然と調和したものづくりについてであります。  近年の農業を取り巻く環境につきましては、農業従事者が減少、高齢化し、農業所得も減少するなど、大変厳しい状況にあります。  本市では、大都市近郊の優位性を生かして、消費者のニーズを的確に把握して農業の高収益化を促進し、都市と共存できる農業の確立と農家の経営安定を目指して、積極的な農業振興に努めてまいります。また、農業の生産性を高め、農業経営の安定化を図るため、農業用道路・圃場・ため池など農業生産基盤の整備に努めてまいります。  市民が土や植物と触れ合うことによって農空間に親しみ、農業への理解を深めてもらうため、泉南市農業公園「花咲きファーム」の積極的な活用と適切な管理運営に努めてまいります。  5点目の泉南ブランドづくりについてであります。  新たな政権により地域主権が進められる中、厳しさを増す都市間競争を勝ち抜くためには、他の地域との差別化を図り、独自性を持つ地域ブランドを創出して、地域経済の活性化、地域イメージの向上を図っていく必要があります。  本市では、商工会との連携のもと、農商工連携型ビジネス創出支援事業として、マーブルビーチへ観光サインを設置するとともに、地元特産物を使用した創作料理の試食会を開催したところです。本年度は、その商品化に向けた取り組みを進めてまいります。また、オープン以来、新たなにぎわいを生んでいる「せんなんわくわく広場」を拠点とした「泉南ブランド」の確立に対する期待がますます高まってきています。引き続き、商工会や事業者など関係機関と連携・協力し、引き続き市場動向の把握と商工業の振興に取り組んでまいります。  次に、大阪府が推進している大阪ミュージアムにも多数登録されている泉南の資源を生かし、大阪府や市民・事業者と協働しながら観光産業の拡充を図り、地域の再生とより一層の活性化を目指してまいります。  6点目の充実した労働・消費生活づくりについてであります。  緩やかな景気回復の兆しが見られるにもかかわらず、失業率は依然として高水準で推移しているため、労働者を取り巻く環境は非常に厳しいものとなっています。労働は地域存立の基盤であり、すべての労働者が安心して働くことができる環境づくりこそが地域再生のかぎとなってきます。  本市では、労働者福祉の増進に寄与するため、国や大阪府などの関係機関と連携し、緊急雇用対策事業や労働相談を行い、雇用の安定と促進を図ってまいります。  また、消費生活につきましては、全国消費生活情報ネットワーク「PIO-NET」を活用した迅速な情報収集、それに伴う相談業務の充実を図り、市民が安心して豊かな生活を送れるよう努めてまいります。  7点目の利便性を向上する情報ネットワークづくりについてであります。  国において約10年間にわたり、e-JAPAN構想が推進された結果、携帯電話やインターネットなどのICTツールは進化し、私たちの生活へ急速に普及、浸透しました。このような成熟した高度情報化社会におきましては、多量にあふれる情報に埋もれることのない、精錬された総合的な情報サービスの享受が求められます。  そのため、市民ニーズに対応した情報を迅速に提供できる「電子市役所」の実現に向け、行政事務の効率的な運用を図りつつ、情報ネットワーク基盤の整備を推進してまいります。  また、市ウェブサイトにつきましては、独自財源確保の観点から、有料広告の掲載を継続して実施していくとともに、積極的に地域情報の配信を行い、情報発信力の向上と行政の透明化に努めてまいります。  続きまして、第4章の「快適なまち、個性のあるまち」について申し上げます。  1点目の水・緑の環境づくりについてであります。  生活環境をより高度なものへと整えていく上で最も基本となるのは、生命に潤いを与える水辺の空間と土の香りを感じさせる緑の空間です。また、環境問題への関心の高まりとともに、心のゆとりやいやしを求めて、水や緑に対する市民のニーズも高まってきているため、私たちは、次世代の人々に恵み豊かな自然環境を引き継いでいかなければなりません。  そのため、憩いと潤いのあるまちづくりを目指し、山間部から海岸部までに点在する緑の空間、親水空間の整備を進め、豊かな自然を生かした、花と緑と水のネットワーク形成に努めてまいります。  本年度は、市民が花や緑と触れ合える環境づくりと緑の振興を図るため、緑のレクリエーションの場の提供に努めるとともに、公園や緑地の健全な利用を促進するため、施設の整備と適切な維持管理を行い、緑環境の保全に傾注してまいります。  また、水辺のレクリエーション空間を創出するため、マーブルビーチとサザンビーチを中核としたサンセットゾーンの充実に努めるとともに、積極的な活用方法を検討してまいります。  2点目の住みたい生活環境づくりについてであります。  近年、全国的な少子・高齢化社会の到来と家族構成の変化に合わせて、ライフスタイルも多様化し、だれもが安心して快適に生活できる環境の整備とともに、市民の定住意向を高めるための都市魅力の向上が求められています。  本市では、良好な住環境と安全で快適な都市生活を保障するため、市民生活や産業活動に欠かせない基盤である排水路や道路の確実な整備と修繕を順次進めてまいります。  本年度は、快適で安心して生活することができる生活環境の整備を目指し、市営住宅の適切な維持管理に努めるとともに、市民生活に密着した未改修、狭小道路の改良及び舗装工事を実施してまいります。  また、紺谷川を初めとして、計画的に河川や排水路の維持改修を行うことにより、継続して市街地の浸水防止に取り組んでまいります。そして、快適で使いやすい施設を目指して、図書館及び文化ホール等、公共施設の下水道への接続事業を積極的に推進してまいります。  3点目の交流ネットワークづくりについてであります。  道路は、市民生活や生産活動など地域のさまざまな活動の根幹的な役割を担う都市施設であり、地域の特色や個性、魅力を創造するための主要な要素となります。  そのため、市内の拠点と暮らしの場をつなぐ地域内のネットワークの整備・充実を目指すとともに、地域外とのつながりを確保する主要な道路を交流軸と位置づけ、さまざまな拠点で構成されるゾーンの基盤整備と広域交流軸の形成を具体的に実践してまいります。  本年度は、都市内交通の円滑化を図るとともに、シンボルロードとして魅力ある道路空間づくりを行うため、本市の交通ネットワークの基幹となる都市計画道路信達樽井線の整備を継続して進めてまいります。また、市民の利便性と快適性を向上させるため、砂川樫井線新設事業を引き続き推進してまいります。  また、泉州地域の国際化と交流軸の充実を目指し、関西国際空港りんくうタウンを核としたまちづくりを推進するため、関西国際空港連絡南ルートの早期実現に向けた取り組みを引き続き進めてまいります。  4点目の個性あるまちの顔づくりについてであります。  近年では、地域の自然、歴史、文化などの特色を生かした個性的で快適な都市空間の形成が求められており、美しく魅力のある都市景観は、私たちに心の豊かさや精神的な充実感を与え、ふるさととしての愛着と誇りを感じさせてくれます。  そのため、歴史的資産などの景観資源と都市施設との調和やつながりを重視しながら、美しい自然を有する本市の特性に配慮した個性豊かなまちづくりに努めてまいります。  本年度は、大阪府知事が推進する大阪ミュージアム構想「泉州特別展」において、本市が登録した75の登録物、とりわけ大阪府のベストセレクションに選ばれました3つの登録物について積極的な情報発信を行い、ふるさとへの愛着心と誇りの醸成に努めてまいります。  また、平成20年度から実施しています「ふるさと泉南応援寄附制度」につきましては、本市を応援してくれる寄附者の思いにこたえるため、基金の活用方法等の庁内検討組織を設置し、基金を活用したふるさとづくりに資する事業を検討してまいります。  以上、平成22年度の市政運営の基本方針につきまして、今議会に提案いたしております予算の内容を踏まえ、第4次総合計画の施策体系に基づき御説明をいたしました。  平成22年4月の内閣府の月例経済報告によると、「景気は着実に持ち直してきているが、なお自立性は弱く、失業率が高水準にあるなど厳しい状況にある。」との報告がなされております。  本市におきましても、市民生活を取り巻く社会環境はもとより、本市の財政も大変厳しい状況が続いています。  そのため、多様化する市民の行政ニーズに的確に対応し得る市政運営を行うため、「泉南市行財政改革集中改革プラン」に基づき、着実に改革を断行してまいりましたが、今後とも、新たな視点からの改革プランの策定により、さらなる改革を進めてまいります。  国においては、新政権のもと、地域のことはみずからの判断と責任で決定する「地域主権」の実現に向けた動きを加速しており、地方自治体への権限移譲を初めとして、自治体の自主性を強化し、自由度の拡大を図るため、法律の一括改正による義務づけ・枠づけの見直しなど、地域主権に向けた国の動きは、平成22年度以降さらに加速するものと考えます。  これらの地域主権に向けた取り組みが今後さらに進展することで、まちづくりにおける地方自治体の力がますます重要になってまいります。  ここ数年が本市の将来を決める重要な時期であるとの認識のもと、私も新たな決意と大きな希望を持って、御支援をいただいた市民の皆さまの信託にこたえるため、市民生活の向上に向けた市政運営に全力を傾注してまいります。  終わりに当たりまして、激動する社会の中で引き続き清潔、公正、公平をモットーに、確固たる信念のもと、市民の皆さまとの協働により、職員ともども気を引き締め、全職員と一丸となって不退転の決意で市政運営に取り組んでまいる所存でございます。  ここに改めまして、議員各位を初め、市民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げまして、平成22年度の市政運営方針とさせていただきます。ありがとうございました。 8 ◯議長(堀口武視君) 次に、日程第6、代表質問を議題といたします。  本定例会には、市長の市政運営方針に対し、公明党、日本共産党、地方民会、拓進クラブ、市政研究会、心政クラブの6会派から質問通告があります。  代表質問の発言時間につきましては、市長の答弁も含め、公明党、日本共産党は80分、地方民会、拓進クラブは70分、市政研究会、心政クラブは60分とし、代表質問に限り同一会派の所属議員の関連質問を持ち時間の範囲内で認めます。  なお、今定例会の代表質問における関連質問の通告はありませんので、御報告いたします。  また、質問者におかれましては、最初の質問については発言席または壇上から質問をお願いし、質問後は自席に戻らず、控え席にて理事者の答弁を聞き、再質問につきましては、すべて発言席から行うことになりますので、よろしくお願いをいたします。  それでは、順次代表質問を許可いたします。  まず初めに、公明党の代表質問を許可いたします。6番 中尾広城議員。 9 ◯6番(中尾広城君) おはようございます。公明党の中尾でございます。ただいま議長よりお許しをいただきましたので、平成22年第2回泉南市定例会におきまして会派公明党を代表いたしまして代表質問をさせていただきます。  まず、去る4月25日行われました泉南市長選挙におきまして、市民の皆様により圧倒的な信託を受けられて見事5期目の市長就任、まことにおめでとうございます。我が公明党も御推薦し、応援もさせていただいただけに、これからの市政運営に今まで以上の責任感を意識しながら一生懸命頑張っていく決意を4人で確認し合ったところでございます。  さて、市長の所信として市政運営方針が示されました。冒頭で市長選を戦われたマニフェストについてお話がありましたが、私は、マニフェストは6つの大綱によって構成されていたのではなかったかと記憶しております。市政運営方針の中でマニフェストの5つの大綱を政策の柱に位置づけ、気持ちを新たに全力で職務に邁進するとのお考えでしたが、6つ目のマニフェスト、行財政の改革を進めるとの大綱への所信はいかがでしょうか。  私は、本会議場におきましても委員長を務めさせていただいた行財政問題特別委員会におきましても、本市のすべての施策、事業を支える財政的基盤の充実、行財政改革の重要性をたびたびお話ししてまいりました。新しい市政の門出に当たり、行財政問題にかかわる市長の所信とこれまでの実績について、まずお聞かせ願いたいと思います。  なお、一問一答方式でさせていただきますので、よろしくお願いいたします。 10 ◯議長(堀口武視君) ただいまの中尾議員の質問に対し、市長の答弁を求めます。向井市長。 11 ◯市長(向井通彦君) まず、行財政改革に対する取り組みをどのように考えてるんかということでございますが、御承知のとおり、泉南市は平成9年に行財政改革大綱を制定して以来、他市に先駆けまして行革に取り組んでまいりまして、平成21年度末までで総額で約50数億円の効果を生み出してきたところでございます。  しかしながら、この間、国のほうでは、三位一体改革を初めとしたさまざまな制度改正、あるいは地方交付税削減等が行われまして、全国の自治体が厳しい行革をやれどもやれども、それが要するに余裕となっていろんな施策事業を行う、そういう状況にはなかなか至っていないというのが現状でございます。  したがいまして、行財政改革集中プランは一応の終了ということになるわけでございますが、当然引き続いてこの22年度から新たに改革プランを策定しまして、そして中長期的な財政見通しのもとに、しっかりとした行財政基盤をつくっていくための改革プランを早急に制定したいというふうに考えております。  当然、その過程なり、あるいは改革プランにつきましては、議会の皆様の御意見もちょうだいもいたしたいというふうに思いますし、特別委員会もございますんで、そういうところでも御議論をいただいて、そして私ども、それから議会、もちろん市民の皆様の御理解もいただく中で、安定した自立できる行財政基盤をつくるための改革を進めてまいりたいというふうに考えております。 12 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 13 ◯6番(中尾広城君) 集中改革プランが今年度で終わられるということで、また新たな行革プランを策定されるということでありますけども、具体的には大体いつごろをめどに策定されるおつもりでしょうか。 14 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 15 ◯市長(向井通彦君) 22年度決算が、今回ちょっと速報値で出さしていただきましたけども、確定するのはやっぱりもう少し先になりますので、それを踏まえて策定していきたいというふうに考えておりますので、秋ぐらいをめどに改革プランを整備してまいりたいと考えております。 16 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 17 ◯6番(中尾広城君) ありがとうございます。そういう行革のことにつきましては、またどんどん議論もしてまいりたいというふうに思います。  それでは、各大綱、施策についてお聞きをしたいと思います。  まず、「ふれあいのあるまち、いきがいのあるまち」より、「すべてのひとが共同参画できる共生の地域づくり」についてでありますが、男女が社会の対等な構成員として、みずからの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保され、そして男女が均等に経済的、政治的、また社会的及び文化的利益を享受することができ、かつともに責任を担うべき社会、男女共同参画社会の実現が重要な課題とされておりますし、国におきましては、男女共同参画基本法を制定し、男女共同参画社会の実現に向けたさまざまな施策が展開されております。  泉南市におきましても、男女平等参画プランの策定やせんなん男女共同参画ルームの開設、また女性のための電話相談の実施などさまざまな施策を展開されておりまして、男女共同参画社会の実現に向けて、少しずつでも成果を得られていることは理解いたしております。  しかし、現状ではいまだ女性に対する暴力の問題など克服しなければならない課題が多く残っているものと感じております。そこで、先ほど市政運営方針の中でも申されておりました仮称泉南市男女共同参画推進条例の制定に向けた取り組みや制定時期などについてお聞かせいただきたいと思います。 18 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 19 ◯市長(向井通彦君) 男女共同参画社会の実現につきましては、泉南市では平成11年に男女共同参画基本法に基づいてこれらの検討をいたしまして、平成14年に泉南市の男女平等参画プランを策定いたしました。そして、以後毎年その進捗について確認しながら、着実に施策を推進してきたところでございます。現行のプランにつきましては、実施期間を平成23年度までの10年間としておりますので、最終年度までには次の新しいプランをまず策定したいというふうに考えております。  その中で、先ほど御質問のありました男女共同参画推進条例、これについても制定をしてまいりたいと考えておりまして、今年度につきましては、いろんな基礎データを収集するために、泉南市女性の就労実態調査事業というものを行いたいというふうに考えております。  その一方では、条例制定に向けた準備を進めてまいりまして、最近の条例はいろんなプロセスを大切にしますので、そういうプロセスを踏み、また市民からのいろんな御意見もちょうだいした中で、平成23年度に制定をしたいという目標で今準備をいたしてるところでございますので、22年度、23年度で制定をしてまいりたいと考えております。 20 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 21 ◯6番(中尾広城君) わかりました。ぜひとも積極的に進めていただきたいと思います。  次に、「子どもがいきいきと学べる学校づくり」についてでありますが、子どもたちを取り巻く社会環境の変化により、文科省が2002年より実施いたしましたゆとり教育が、2005年の調査で子どもの学力低下が指摘されるようになりまして、2007年には当時の安倍総理のもと、教育再生と称してゆとり教育の見直しが着手されるようになりまして、2008年には新学習指導要領(案)が告示され、2011年には本格実施し、いわゆるゆとり教育からの脱却とまで言われているようであります。  そこで、本年、本市では泉南ICT活用事業なるものを導入されるとのことでありますけれども、どのような内容なのか、お示しいただきたいと思います。 22 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 23 ◯市長(向井通彦君) ICT活用事業の内容について御答弁申し上げます。  泉南市におきましては、昨年にICT環境整備事業を活用いたしまして、小・中学校に各40台のコンピューターの整備及び校内LANによる教室でもインターネットができる環境が整備されるなど、ハード面の整備ができました。泉南市ICT活用事業につきましては、ソフト面における整備を図るとともに、その有効活用を促進するための事業でございます。  ソフト面につきましては、市内全小・中学校に学習コンテンツ、すなわち学習プリント問題データベース、シミュレーション教材、デジタル掛け図の配信システムを導入いたしました。これにより各学校では、個に応じた授業、楽しくわかる授業、そして家庭学習や放課後学習への支援が容易になるなどの効果を期待いたしております。  また、学校と保護者・地域との連携促進を図るために、緊急メール配信システムや手軽なホームページ作成システム導入も進めております。さらに、これらのICT機器の効果的な活用を支援するために、ICT支援員の配置も予定しております。  今後、泉南市ICT活用事業を通して、学力向上や家庭学習習慣の確立に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 24 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 25 ◯6番(中尾広城君) ありがとうございます。ちょっとだけ具体的にお聞きしたいんですけども、予算的にはどれぐらいの金額で、あと国・府・市のその割合は幾らぐらいの予算でされるんでしょうか。 26 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 27 ◯市長(向井通彦君) ちょっと細かい数字はまた後ほどお答えさしていただくというふうに思います。緊急雇用とか府の支援事業ということでございます。 28 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 29 ◯6番(中尾広城君) すいません、細かいことを聞いてしまいまして、また教育委員会のほうにもお聞きいたします。  それでは、次に、「だれでも、いつでも、どこでも学べる社会づくり」についてお聞きしたいと思います。  ここでは生涯学習のことについて述べられておりますけれども、本市では市民の方々との協働により「泉南“楽”会」を毎年開催していただいております。本来のあり方と今年度の事業予定についてお聞かせいただきたいと思います。 30 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 31 ◯市長(向井通彦君) 生涯学習、いわゆる社会教育の一環でございますけれども、泉南市では以前、文部科学省の生涯学習まちづくりモデル支援事業を採択いただきまして、2年間国の補助をいただいて、「世界に拓く自然と歴史街道のまち泉南の創造をめざす」ということをテーマに、高等教育機関あるいは市民団体、また行政の三者の協働によりまして、先ほど紹介のありました「泉南“楽”会」というものを立ち上げて、毎回開催をいたしております。国の補助はなくなってからも、市民の皆様の熱意でこの「泉南“楽”会」を今後もやっていこうということを決めていただきまして、回を重ねまして今年度では第8回目を迎えるということになっております。  この間に、観光とか交流、環境、自然、健康、食文化等をキーワードとして、市民を主体とした市民提案型の形式で実施しているところでございます。  また、この「泉南“楽”会」を通じまして多くのボランティアが育成されました。例えば、泉南案内人の会とか、こういう活動をしていただいている会もできました。特に、団塊世代の方々の地域における活躍の場を提供することにもつながっているところでございます。  今年度の「泉南“楽”会」につきましては、市内において、さまざまなまちづくり活動に活躍されておられる方々の意見を聞きながら、過去に実施したシンポジウムや学習講座、演劇とは異なるジャンルの開催を検討しております。まだ具体の最終的な中身までは至っておりませんけども、今までやってきたものとは少し違ったジャンルでの開催ということを計画いたしております。
    32 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 33 ◯6番(中尾広城君) ありがとうございます。これも毎回のように聞かしていただいておりまして、これはささやかながらまた応援もさしていただきたいなというふうに思っております。  ことしは市制施行40周年という記念の年でもありますので、予算規模を見さしていただきましたけども、10万に満たないような少ない金額の中で、市民の方々は本当に御努力されて工夫されてここまでやってこられたということを考えますと、大変ありがたく思いますし、また泉南市のいい伝統として残っていってるんではないかなというふうに思います。そういった意味で、先ほど申しましたこの40周年の記念に何か飾れるような、そういうふうなものにしていっていただければと思いますが、いかがお考えでしょうか。 34 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 35 ◯市長(向井通彦君) ことしが市制施行40周年ということでございます。本来ですと7月に市制施行したんですけれども、ことしはいろいろ選挙もあったりと、骨格予算というようなこともありまして、記念式典はちょっとずれますけれども、秋ごろに開催をしたいというふうに思っております。  それから、40周年記念としてどういうものがふさわしいのかということについては、今、庁内で検討をさしております。そして、いろんな市民団体を含めた、あるいは商工団体を含めた催しをするときに、市制40周年記念という冠をつけていただくようにお願いもしているところでございます。  また、いろんな多くの集客が予定される、6月にはTUBEも参りますけども、そういうような、これは市の予算は使いませんけれども、そういう方々との連携をとりながら、市の物産を広く全国に発信できるようなものもやっていきたいというふうに考えておりますし、また新たな集客の催しも今御相談をさしていただいてるところでございますんで、それらを踏まえて、トータルとして40周年記念事業の一環として取り組んでいただくようにしたいと。当然、この「泉南“楽”会」も、これは市民の皆さんの知恵と工夫によって得られるわけでございますんで、市制40周年記念ということを冠にいただいて実施できるように協働をしてまいりたいと考えております。 36 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 37 ◯6番(中尾広城君) それと、どこかの会で何かサーカスが招致されるというふうなお話もあったかなと思うんですけども、その辺のことについてちょっとお話ししていただけませんでしょうか。 38 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 39 ◯市長(向井通彦君) サーカスについては、話は進んでおります。サーカスといっても、動物を使ってということじゃなくて、中国の雑技団だと思います。りんくうタウンの一角でというお話でございますんで、それは今のところ順調に計画が進んでるというふうに聞いておりまして、夏休みごろじゃないかなというふうに思っております。また、はっきり確定すれば議会の皆さんにもお知らせをさしていただきたいというふうに思います。 40 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 41 ◯6番(中尾広城君) ありがとうございます。また詳しく教えてください。  続きまして、次に「文化・歴史を活かした豊かな心づくり」についてであります。  ここでは本市の歴史的資産であります国史跡「海会寺跡」や熊野街道等を述べられております。また、これは大いに他市、他府県に誇れるものだというふうに思いますし、またこれからの子どもたちにも伝え残していくべきものであると思います。  そこで、かねてより申しております埋蔵文化財センターの現状についてお示しください。 42 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 43 ◯市長(向井通彦君) 「文化・歴史を活かした豊かな心づくり」のうちの埋蔵文化財センターについての御質問でございますが、埋蔵文化財センターの業務というのは大きく3つございます。1つは、国の重要文化財に指定されております海会寺跡出土品を初めとする発掘調査により得られた出土遺物やその他資料を整理し収蔵する業務、これが1つでございます。  2つ目といたしまして、隣接します史跡海会寺跡広場の見学者の方々に、より深く海会寺跡を知っていただくためのガイダンス施設としての業務でございます。  3つ目といたしましては、発掘調査等で得られた多くの歴史、文化の情報を市民の皆様に還元するために、さまざまな文化の普及啓発の業務であります。この3つを業務といたしております。  また、開館の状況についてでございますが、市民の皆様の利便性を考慮して、毎月第2・4土曜日については、職員の交代による臨時開館を行っております。  なお、今年度の開催事業でございますが、平成17年度から開始しました、市民の皆様が所有し、大切にしたいと思うものを直接募集して登録、活用することで、より郷土への愛着を深めていただく「泉南のたからもの展」を初め、現在「思い出のせんなん写真展」をやっております。こういうような事業を現在行っているところでございます。  今後につきましても、生涯学習センター的な活動場所の拠点として運営を図り、さまざまな文化活動を行うと同時に、他の部署あるいは施設とも連携をとる中で、より多くの市民の方々に御利用をいただけるようにしてまいりたいと考えております。 44 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 45 ◯6番(中尾広城君) ありがとうございます。いつごろからか努力していただきまして、この第2・第4土曜日に開館していただいておることに関しましては、本当にありがたいなというふうに思っております。また、聞くところによりますと、開館当初は9名職員さんも配置されていたそうでありますけども、現在は4名で運営されてると聞いておりますし、またやはり来館者数も年々増加し、先ほど申されましたように、生涯学習の重要性も御理解いただいてる市長でありますので、何とかもう少し休日に開館するための人員配置を考えていただきたいと思いますが、その辺のことについてのお考えはいかがでしょうか。 46 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 47 ◯市長(向井通彦君) たくさん職員のいたころというのは、関空開港前後とか、市内の埋蔵文化財の発掘調査等が非常に多い時期だったかなというふうに思います。今はそういう開発もほとんどございませんし、できるだけ市全体で見た場合に効率的な人員配置をしないといけないということがございますんで、減ってきているということでございます。  その中で知恵を出して、その人員の中で交代も含めて、職員の皆さんの努力によって、できるだけ土曜もあけるというような工夫をしていただいてるわけでございまして、これからもやっぱりまだまだ厳しい時代を迎えるということになろうかというふうに思いますので、なかなかその部署だけに人員増というのは難しいかというふうに思いますが、知恵を出しながら、今後はまた教育委員会のほうでも議論をしていただきたいというふうに思っております。 48 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 49 ◯6番(中尾広城君) また、御検討のほうもよろしくお願いします。  それから、これ以外の公民館、体育館、また図書館等、いわゆる公共施設が条例によりますと祝日はすべて休館になっているというふうな現状があります。昨今、なかなか仕事面でも厳しい、なかなか休みをとれない中で、唯一そういう祝日に当たる日にお休みになった方がそういう市の公共施設を使おうというふうに図書館へ行かれた、また体育館へ行かれて、公民館へ行かれても休みやったということをお聞きしたりすることもありますし、私自身も祝日の日に図書館に行って休みやったというふうなこともありますので、やはりこれは今の市民さんのニーズから考えても、祝日には何とかあけていただけるようなことを考えていただいてもいいのではないかというふうに思いますが、その辺に関してはいかがでしょうか。 50 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 51 ◯市長(向井通彦君) 定休日といいますか、休みの日というのは、一応条例で決めておるわけでございます。ただ、先ほどの埋蔵文化財と同じように、いろいろ知恵を出しながら、できるだけ市民サービスの向上につながるような取り組みということはやっておりまして、例えば図書館等の場合を見ますと、平成19年度から3月の資料整理期間を2週間から1週間に減らしまして、平成20年度には毎月月末に設けています整理のための休館日を土曜、日曜日に当たる場合には開館もしております。  また、本年4月より、土曜、日曜にかかわらずすべての月末整理日を開館いたしておりまして、以前に比べますとかなりそういうことで開館できる状況になっているというふうに考えておりますんで、先ほどの埋蔵文化財センターとも関連いたしますけれども、今の段階では、こういういわゆる運用の中でできるだけ効率的な運用をして、そして閉館日になっておる日も開館できるというような日をふやしていくというような形で今後とも運営をしてまいりたいと考えております。 52 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 53 ◯6番(中尾広城君) ぜひとも、また御検討のほうをよろしくお願いします。やはり時代とともにそういうニーズというのも変わってくると思いますし、そういう意味でこれは本当に前向きに検討していただきたいなと思います。  続きまして、第2章の「げんきなまち、やさしさのあるまち」の「市民の健康づくり」についてであります。本市では平成15年3月に策定されました健康せんなん21も昨年5月に後期計画が示されたところでありますけれども、どのようなところをポイントにされているのかをお示しいただきたいと思います。 54 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 55 ◯市長(向井通彦君) 健康せんなん21の後期計画について御答弁申し上げます。  健康せんなん21は、健康増進法に基づく健康づくり計画として平成15年3月に策定し、すべての市民が健康で長生きし、生きがいのある豊かな人生を送ることのできる社会の実現を目指しまして、生活習慣病予防と地域交流を重点項目として取り組んでまいりました。  その中で、平成20年度からは、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、従来の市町村が実施する基本健康診査から、国保等の医療保険者が実施する特定健診・特定保健指導に移行いたしました。  このような状況の中で、国におきましても、健康日本21の目標年度を平成24年度までに延長しましたので、泉南市におきましても、後期計画として平成24年度までの計画として取り組んでいくことといたしております。  本市の健康指標で見ますと、食事に注意し、運動習慣のある人は増加傾向ですが、男性の肥満は増加傾向で、医療費分析からは糖尿病等の増加が見られます。このことから、後期計画でも引き続き、生活習慣病の予防と心の触れ合い、交流のある、ともに支え合うまちづくりを重点課題として、健康づくりボランティアの育成を図り活動を支援してまいりたいと考えております。 56 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 57 ◯6番(中尾広城君) わかりました、ありがとうございます。  次に、妊婦健診のことについてなんですけども、本市としまして公費補助を3回から14回に改正していただきましたけれども、金額的には全国平均のみならず大阪府平均にも至ってない現状であります。また、近隣市におきましては、本市、阪南市、泉佐野市以外、この6月議会である一定の金額の引き上げをされることも聞いております。  選挙があったからという理由なのであれば、ぜひ次の9月議会には金額的な引き上げ、せめて大阪府平均ぐらいの額にしていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。それとまた、「こんにちは赤ちゃん事業」についてもお示しいただきたいと思います。 58 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 59 ◯市長(向井通彦君) 妊婦健診の助成制度につきましては、泉南市では14回、全体で3万5,000円の助成を行っております。平成22年度の妊婦健診公費負担の状況では、大阪府の平均は昨年度の3万9,813円から4万6,086円とふえております。泉州地域でも1回当たり500円から1,000円の増額を図ったところもございます。妊婦健診につきましては、平均して1回当たり3,000円から5,000円程度の費用が必要と言われておりますので、毎回自己負担が生じるということになっております。  国の妊婦健診臨時特例交付金は平成22年度限りで、その後につきましては、今のところ国の方向性も示されていない状況でございます。今後につきましては、国や大阪府の動向を見ながら、近隣市町の状況も踏まえまして、健診内容や助成額について検討してまいりたいというふうに考えておりますが、泉南市ではこの10月から通院の医療助成ということ、これを最重要課題として今議会に条例改正を提案しておりまして、この妊婦健診につきましても、必要性は当然認めるわけでございますけども、やはりなかなか厳しい財政状況の中で、どういう形でできるかということについては、いましばらく検討をする必要があろうかというふうに考えております。  それから、「こんにちは赤ちゃん訪問事業」ということでございますけども、この事業は、平成21年4月の児童福祉法の一部改正によって位置づけられた事業で、すべての乳児のいる家庭を訪問することにより、子育てに関する情報提供、養育環境等の把握を行うほか、養育についての相談に応じ、助言等の援助を行うこととされております。  最近の児童虐待の痛ましいニュースを聞くにつけ、ここまで至る前に何らかの支援ができなかったのかと思うところでございます。本市におきましては、本年4月生まれのお子さんから、地域の民生委員・児童委員の協力をいただいて、生後4カ月までの赤ちゃんを訪問し、出生早期から地域のつながりや各種サービスを提供するというものございます。第1子及び第2子以降でも必要な家庭については、保健師または助産師が訪問し、育児や健康に関する相談に応じることとしております。今後、事業を実施する中で必要な支援の整備も進めてまいりたいと考えております。 60 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 61 ◯6番(中尾広城君) ありがとうございます。その「こんにちは赤ちゃん事業」の実施につきましては、決して本市は早い実施ではありませんし、どっちかいうと遅いのかなというふうに思います。  また、貝塚以南で周産期センターというふうな位置づけでも、貝塚病院、泉佐野病院等も連携はとりあえずもうされておりますし、泉州広域母子医療センターの運営にも参画しておられる本市でありますので、これは乳幼児の医療費の引き上げ等もある、それは重々よくわかるんですけれども、やはり昨今なかなか妊婦をきちっと受け入れられる方が本当にまだまだ少ないというふうな中で、市としてもこれは他市をいろいろ検討するということではなくて、積極的に緊急にもっと考えていただきたいなというふうに思います。再度、御答弁を求めたいと思います。 62 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 63 ◯市長(向井通彦君) こういう制度、医療費助成もそうですけども、本来は国の施策として基本的にはやるべきものだというふうに私は思っております。だから、地方は個人給付から施策へ転換していってるわけでありますが、国のほうは今回の子ども手当という非常に大きな額のものを個人給付するということでございます。  私はむしろ、それも大事かもしれませんけれども、保育所の整備とか、あるいは待機児童をなくすためのいろんな施策とか、あるいはこういう子育て支援の施策にそういうお金を使うほうがより有効じゃないかなという考えはずっと一貫して持っているところでございます。  今回、子ども手当が支給されるということもありますんで、それぞれの家庭におかれましても、ぜひとも子育てのために使っていただくように、我々としては期待もいたしてるところでございます。  行政のほうは、先ほど言いましたように施策展開をしておりますが、国のいろんな交付金制度もなくなるとか、厳しい状況が一方でございますんで、すべて一般財源でやらなきゃいけないということになりますんで、なかなかそうすべて上げていくというのは難しい状況にあろうかというふうに思います。  ただ、方向としてはそういう低いというのは認識をいたしておりますから、レベルアップしていかなければいけないというのは確実に思っております。ただ、時期については、今度のいろんな改革プランの全体像の中でも考えないといけないことでございますんで、いましばらく時間をいただきたいというふうに思っております。 64 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 65 ◯6番(中尾広城君) 本市は他市に比べまして、恐らく出生率は高いんではないかというふうに思いますから、そういう意味では、出産にかかわる妊婦の助成制度というのは、他市に比べてもニーズは高いんではないかというふうにも思いますので、そのことももう一度考えていただきまして、前向きな御検討をお願いしたいというふうに思います。これは意見にさしていただきます。  続きまして、子育て支援の観点から何点か御質問をさしていただきたいと思います。  我が国では、かねてより深刻な少子化が進むことから、その対策のために平成15年に次世代育成支援対策推進法が制定されております。その趣旨に沿い、本市でも平成17年度からの5年間の計画として、次世代育成支援対策地域行動計画を策定し、さまざまな取り組みを進めてこられたということです。  私も、本年の第1回定例会におきまして、これまで5年間の取り組みの成果などについて質問さしていただきました。その際には、次の5カ年間の行動計画は作成しているところだというふうな御答弁をいただいたところであります。  そして、ついこの間でありますけども、この第2回定例会が始まる直前やったと思います。新たに策定された次世代育成支援対策地域行動計画の冊子が手元に届けられました。これから今後5年間の計画となるものということですので、これに関して何点か質問させていただきます。  まず、1点目といたしまして、この新しい次世代行動計画について、おおむねどのような内容となっているのか、またポイントはどのようなところにあるのかをお示しください。 66 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 67 ◯市長(向井通彦君) 今回策定しました行動計画は、平成22年度から5カ年を計画期間としております。その基本理念といたしましては、「子どもとおとなが、ともに夢や希望を語り、育むまち・泉南」を掲げておりまして、1つはすべての子どもの人権を保障すること、2つ目はすべての子育て家庭を支援すること、3つ目といたしまして当事者が主体的に参加すること、4番目といたしまして行政、民間、市民がそれぞれの役割と責任を分かち合って協働すること。この4つを大切な視点として取り組みを進めていくことといたしております。こういった基本理念や骨格は、従来の行動計画を踏襲しておりまして、前半、後半合わせて10年間の長期計画となっているものでございます。  今後の計画のポイントといたしましては、子どもを守る取り組みということが1つ挙げられます。これまで5年間の取り組みにより、子育て支援施策事業の内容としては、多くが府内設定目標に到達するという水準にございます。よって、今後はさらに今回の計画を実行することにより、その取り組みの質、量を維持し発展させることが肝要かと存じております。  私もこれまで市民とお会いし触れ合う中で、子育て支援の重要性、大切さを訴える声を幾度となく聞いてまいりました。今後も子育て支援に関して、市民や地域、そして行政とが次世代育成支援という目標に向けて、協働していく形を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 68 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 69 ◯6番(中尾広城君) ありがとうございます。続きまして、先般の市長選挙におけるマニフェストの内容に、「子どもの権利に関する条例を策定します(平成23年度)」と記されております。もちろんこれまでにも取り組みを進めてこられたと思いますけれども、そこでお伺いいたします。マニフェストに制定の予定年度を記されている以上、ある程度の取り組みを考えておられると思いますが、今後どのように進めていかれるのか、その方向、内容等を具体的にお聞かせください。 70 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 71 ◯市長(向井通彦君) 今回の市長選挙のマニフェストに泉南市子どもの権利に関する条例、そういうものを制定するというふうに書かしていただきました。制定年度は平成23年度と明記をさせていただきました。  これについては、先ほどありました次世代の行動計画にも明記されておるものでございます。これまでも教育委員会、それから人権推進部、健康福祉部など関係する部局がたくさんにまたがりまして研究を進めてまいりました。  このような条例に関しましては、立案に際しましても、当事者である子どもや家庭、地域の発言をもとにすべく、市民参加の上で外部有識者の参加、協力を得ながら策定していくべきものと考えております。  したがいまして、今年度は有識者や市民ボランティアのお力をかりながら、策定委員会、こういうものを設置いたしまして、仮称泉南市子どもの権利に関する条例の制定に向けた準備を進めてまいりたい。そして、諸手続を経て、また市民の皆さんの意見を聞いた中で、いわゆるパブリックコメントもいただいた中で、23年度に議会の御同意をいただけるように準備をしていきたいというふうに考えております。 72 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 73 ◯6番(中尾広城君) わかりました。策定委員会を設置されるということでありますので、先ほど言われました学識ですとか、また多分恐らく教育委員会の方々も入られるとは思いますけども、いつもよく言われることですけども、やっぱり一般市民の親御さんの立場の保護者の方等も入れていただいて、直の声も聞いていただけるようなそういう策定委員会もしていただきたいなというふうに思います。これは意見にさしていただきます。  子育て支援関係の御答弁をいただきまして、次世代育成行動計画関連に関しましては、全般的に今までの前期計画の取り組みをさらに充実させる方向であることがよくわかりました。また、子どもの権利に関する条例につきましても、委員会を立ち上げて検討していかれるということなどがわかりました。  さて、児童に関する事柄につきましては、明るく楽しいことばかりであってほしいものでありますけれども、しかし児童を取り巻く環境を見てみると、残念ながら実際には明るい話題ばかりではなく、日々大変懸念される問題が生じております。  その一つが、最近連日のように報道されている児童虐待問題であります。大阪府内でも虐待による死亡事例が続くなど、大変な状況であることが知られておりますけれども、やはり市民としても、人としても大変心配であり、憂慮すべき問題の一つであります。ついては、本市における児童虐待の現状と対応、状況について、また市長の今後の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。 74 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 75 ◯市長(向井通彦君) 泉南市では積極的にその問題に取り組んでおりまして、泉南市では幸いといいますか、そういう大きな事案というものは発生しておりません。  ただ、全国的には児童の虐待と、もう1つは高齢者虐待というのも最近出てきておりますんで、そういうことのないように、先ほども市政運営方針の中で申し上げましたように、やっぱり早期にそういう情報をキャッチして、それを的確に我々のほうでフォローしていくと、あるいは府の機関でありますとか、そういうところと連携して未然に防いでいくということが何よりだというふうに思っております。  したがって、我々としては、そういうネットワークを組んでやっておりますんで、非常に充実してるかなとは思っておりますが、しかししっかりと警戒をしながら、そういう細かい情報であっても早期にキャッチできるようなシステムというものをとっておりますんで、今後ともそれを生かしながら、未然にそういう不幸なことにつながらないように対策を十分に講じてまいりたいと考えております。 76 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 77 ◯6番(中尾広城君) ありがとうございます。昔のように向こう三軒両隣といいますか、そういう近所づき合いさえもなかなか希薄になってきてる時代やというふうに思いますから、やはりいろんな形のイベントを市が中心になってしていただくとか、またおせっかいなおばちゃんがいてはった時代があったように、そういうもっと人と人とのいわゆるコミュニティの大切さというものを市の中でもまた検討していただいて、いろんな工夫もしながら、そういうことを未然に防ぐような努力をしていただきたいというふうに思います。  それでは、3章目の「安全なまち、活力のあるまち」から、「環境にやさしいまちの基盤づくり」の中でアスベスト問題について述べられました。このことは、泉南市が抱える歴史的な負の遺産として、問題全面解決に至るまで党派を超えて取り組まねばならない問題であると思っております。  また、先日、国の責任を認めた大阪地裁判決を不服として国が控訴したことは、大変遺憾なことであると認識するのでありますが、市長のお考えをお聞かせください。 78 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 79 ◯市長(向井通彦君) アスベスト問題は、この泉南地域に歴史的に深く根差した問題でありまして、将来に向かって早期の解決が求められる最重要課題であると認識をいたしております。  本市では、平成17年に現在のアスベスト問題対策委員会を立ち上げまして、アスベストに関する諸問題の検討や現状認識を共有することを初めとして、環境面、健康福祉面の施策において全庁的に取り組んでまいりました。  そのような中、先般、大阪地方裁判所において泉南石綿訴訟の判決が下され、その判決要旨は、アスベスト被害に対する国の不作為を認める画期的なものとなりました。この判決を真摯に受けとめ、早期解決を図るべく、私と議長連名で直ちに長妻厚生労働大臣、小沢環境大臣あてに控訴断念を求める要請をいたしたところでございます。  途中の情報では、主管大臣である長妻厚生労働大臣並びに小沢環境大臣は、控訴をしない方向だと、そういう考えであるという情報が伝わってまいりまして、大変うれしく思っていたわけでございますが、最終の国家戦略会議等だとは思うんですが、残念ながら、6月1日に国が大阪高等裁判所に控訴手続を行ったとの報に接しまして、今後被害者がさらなる負担を強いられることに心を痛めております。  被害者は既に高齢となり、さらにこれからも被害者が増加するであろうことが十分予測されます。ことしの夏、アスベスト新法の指定疾患の見直しがなされるとのことでございますが、対象が、従来は肺がん、それから中皮腫等でございましたけども、今回、重症の石綿肺とびまん性胸膜肥厚が追加されるということでございますけども、これも重症のという部分がございまして限られております。さらなる手厚い救済が必要というふうに思っております。  私どもと議会の正副議長さんとは、平成18年から毎年国・府に対しまして要望を行っているところでございまして、その結果、アスベスト新法あるいはそれの適用の拡大、そして今回検討されております補償対象が拡大されるということにつながっていってるというふうに思いますので、一定の成果は当然あったというふうに思っておりますが、今後さらにあらゆる機会を通じまして、早い時期でのこの裁判の訴訟問題も含めて、早期解決を求めてまいりたいというふうに考えております。これは私どもと議会と全く意見が一緒でございますんで、連携をする中でさらに国・府に対して強く求めてまいりたいと考えております。
    80 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 81 ◯6番(中尾広城君) ありがとうございます。力強いお声をいただきましたので、また議会のほうも市長等と一致団結いたしまして頑張っていきたいというふうに思っております。  続きまして、「安全で災害に強い防災都市づくり」についてであります。  近年、日本はもとより世界各国で甚大な被害を及ぼす自然災害が多発する中、万全な防災対策は国・府、市を挙げて対策していくべき施策であると思います。そこで、全国瞬時警報システム(J-ALERT)の整備を行われるとのことでありますが、事業内容をお示しください。また、地震防災マップのことについても重ねてお示しください。 82 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 83 ◯市長(向井通彦君) 全国瞬時警報システムは、通信衛星を活用しまして、国民保護のために、国から市町村に送信される緊急地震速報、津波警報等の即時に対応が必要な情報を瞬時に住民に伝達するため、人の手を介さずに自動的に防災無線を起動し、サイレン音や音声放送を行うシステムのことでございます。  この放送は、ラジオやテレビでも一斉に放送されますが、それを補完するため、本市では、平成21年度の国補正予算を活用いたしまして、平成22年度への繰り越し事業として、平成21年度に60局の子局整備が完了した防災用広報システムに、受信装置、自動起動装置、制御システムの設置等の整備事業を行うものでございます。  この整備により、防災用広報システムを活用した一斉放送等で、緊急事態等を瞬時に市民に伝達することが可能となり、本市の防災力の向上に役立つものと考えております。  次に、地震防災マップでございますが、阪神淡路大震災では犠牲者の8割以上が住宅等の倒壊や家具の転倒により死亡しており、大きな被害をもたらす大地震から人命・財産を守ることは、大変重要なことでございます。  地震防災マップは、想定される東南海・南海地震の震度予測及び泉南市の各地域の地形・地盤の状況から、地域における揺れの強さを図示した揺れやすさマップ及び揺れやすさマップの震度分布に建築物の構造・建築年次を考慮して建物の被害を想定し、それを地図上に示す地域の危険度マップから成ります。  作成した地震防災マップを全戸配布することによりまして、地震による危険度等を市民に周知することで、住宅等の耐震対策等が促進されるものというふうに期待をいたしているところでございます。 84 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 85 ◯6番(中尾広城君) 本当に備えあれば憂いなしという言葉もありますし、ぜひともそれも早い時点でまた作成もしていただきたいなというふうに思います。  次に、「安全で便利な地域づくり」についてでありますけれども、子どもの安心・安全のみならず、地域の安心・安全面でも各地域に根づいたと思われます青パト事業について、現状と今後の支援体制についてお尋ねしたいと思います。 86 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 87 ◯市長(向井通彦君) 青パトについて御答弁を申し上げます。  本市におきましては、平成19年1月より安全・安心のまちづくりを目指した取り組みの一環として、泉南市独自の泉南市青パト支援事業がスタートして4年目を迎えております。この泉南市独自の事業ということで全国的にも注目をされまして、多くの報道あるいは議会の視察もお越しになられたことがございます。  本事業は、5年間の事業としてスタートしたものでございますが、4年目に地域の状況により補助事業について検討することとなっております。  現在の青パトの状況につきましては、会員数も現在約800名となり、全小学校区で巡回パトロールを実施していただいており、子どもの安全確保及び地域防犯において大変大きな成果を上げていただいております。  一方、運営費につきましては、区や自治会等の負担金も活用しているものの、車検代、燃料代の高騰により運営に苦労されている地域も多いとお聞きをいたしております。  このような状況を踏まえ、泉南市といたしまして、今後とも維持管理経費については引き続き支援をしていく方向で検討をいたしてるところでございます。 88 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 89 ◯6番(中尾広城君) ありがとうございます。4年目でありますので、もう今年度でというふうなことやったんですけども、引き続きまた数年続けていただけるということでよろしいですか。  それと、やはりお金に係ることでありますので、不正流用されることはまあないとは思いますけれども、その辺のことについてもきちっとそういう報告なりも受けられたほうがええのではないかというふうに思います。  その2点についてもう一度お願いいたします。 90 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 91 ◯市長(向井通彦君) この青パトが子どもの安全、さらには地域防犯、大変大きな役割を果たしていただいております。このことは市民の皆さん、我々行政も含めてすべて認識をしていただいております。したがって、これについて、運営経費のすべてではないですが、一部について今後も継続して補助できるような体制をとってまいりたいと。補助金でございますから、その辺の使途の確認ということは当然でございます。 92 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 93 ◯6番(中尾広城君) ありがとうございます。次に、和泉砂川駅のバリアフリーについてお尋ねいたします。  市民の皆様待望の和泉砂川駅のエレベーター設置と海側トイレの改修でありますけれども、やはり市民の要望として、山側のエレベーターの設置と山側トイレの改修の件も重ねて要望があると聞いておりますが、その後のJRとの交渉はいかがなものでしょうか。  また、来年度に和泉砂川駅が整備されますと、当然のように次は樽井駅の整備というのが市民ニーズと思うのでありますが、どのようにお考えでしょうか。 94 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 95 ◯市長(向井通彦君) 和泉砂川駅舎のバリアフリー化につきましては、議会でも請願採択をされまして、昨年度予算化をいたしまして、繰り越しにはなっておりますが、この7月ごろから着工して、年内か年明けには完成できる見込みとなっております。  ただ、我々最初要望しておりました4基ということについては、残念ながら当面3基ということになりましたのと、それから駅の山手、海手にありますトイレについては、当面海側のトイレのバリアフリー化と水洗化改修ということになったところでございます。  引き続いてJRに対しては要望もさしていただいておりますし、それから今後大阪府のほうで整備されるであろう支援学校、これに関連いたしまして、山側のエレベーター、そしてトイレの改修ということも含めて、これは大阪府にも既に話をいたしております。したがって、やっぱり4基というのが必要でございますんで、今後とも引き続いてその要望を強くしていきたいと考えております。  それから、南海樽井駅のバリアフリー化でございますけども、次に乗降客が多いというのは南海樽井駅と、こういうことになるわけでございますんで、こちらについても南海とは接触をいたしております。  ただ、バリアフリー化をするにつけて、より有利な補助というか、助成を獲得していこうというふうにすれば、和泉砂川駅のように地区周辺も含めたバリアフリー調査というものをやっておかないといけないという部分がございますんで、我々としては、樽井駅についてはバリアフリー法に基づく基本構想策定ということに着手をしてまいるようにしていきたいというふうに考えておりまして、一方では南海電鉄とエレベーター設置についての話し合いを進めてまいりたいと。樽井駅の場合は2カ所でいけるんかなというふうに思っておりますんで、南海とは引き続き話し合いを進めてまいります。 96 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 97 ◯6番(中尾広城君) 市長も申されますように、エレベーターもそうですし、トイレもそうなんですけども、やはり生理的なものはどうしても、例えば今は海側のトイレだけというふうな形でいきますと、わざわざ障がい者の方が海側のトイレまで行ってしないといけないということにもなりかねませんので、やはりできるだけトイレのほうだけでも何とか先行させて話が行くような形でお願いしたいと思います。  それから、樽井駅の件なんですけども、次に乗降客が多い、エレベーターも2基でいけるというようなことでございます。それから、そのバリアフリー法がまだ策定されてないというふうなお話もございました。バリアフリー法が策定され、また具体的に設置できるのは、大体おおよそで結構でありますから、何年後ぐらいになるのかということをちょっと。 98 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 99 ◯市長(向井通彦君) 私のマニフェストでその辺も書き込んでおりますので、当然任期中にはやらなきゃいけないと、こういうふうに感じております。 100 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 101 ◯6番(中尾広城君) ありがとうございます。任期中ということですので、4年以内にしていただけるというふうな認識を持たしていただきます。  次に、泉南ブランドについてお聞きしたいと思います。  一昨年オープンいたしましたせんなんわくわく広場につきましては、市長の思惑どおり順調な集客数、大変にぎわっていると聞いております。また、施設の充実、整備等の声もよく耳にするところであります。中でもブランドづくりにおきましては、言うまでもなく地域の特産品の開発や、また象徴するモニュメント、キャラクターづくりも必要不可欠であると考えます。  つい先日、シンボル・モニュメントが設置されたとお聞きいたしましたので、拝見させていただきましたけれども、私から言えばただの表示看板にしか見えなかったのですが、モニュメントといえば最近では神戸市の鉄人28号、キャラクターでは奈良県のせんとくん等、もっとインパクトのあるものでそのものこそを商品化し、売れるものがまさに泉南ブランドを象徴づけるものになると思うのでありますが、いかがお考えでしょうか。 102 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 103 ◯市長(向井通彦君) 本市の観光振興につきまして、泉南にしかない、あるいは泉南に行かないと体験できない、あるいは味わえない、いわゆる泉南ブランドづくりというのは、情報発信、集客性の面で非常に重要であると認識をいたしております。  モニュメントにつきましては、わくわく広場のマーブルビーチに夕日の百選と恋人の聖地のシンボル・モニュメントを設置したところでございます。これは、どっちかというと案内板的な要素があったんじゃないかなというふうに思っております。ですから、また違ったシンボル・モニュメントというものも必要じゃないかなというふうには思っております。  また、いわゆるゆるキャラにつきましては、岸和田以南の自治体で組織しております華やいで大阪・南泉州観光キャンペーン推進協議会におきまして、南泉州の特産品でございますミズナスをイメージしたなすびんをイメージキャラクターとして、各種のイベント等で活躍をしていただいております。  モニュメントやゆるキャラは、地域の情報発信、イメージの向上、子どもから大人まで愛されるいやし・親しみやすさなどの点で大きな効果が期待できるものと認識をいたしております。実際、モニュメントやゆるキャラがマスメディア等で大きく取り上げられ、大きな話題になり、また、相当な経済効果をもたらしている事例もございます。泉南市の情報を全国に発信する上で、モニュメントやゆるキャラは極めて効果的な手法であり、十分検討することが必要だというふうに考えております。  1つは、この間はサイン的なモニュメントということでございます。また、今後あそこを運営していただいております輝光さんとも、あるいは商工会とも十分協議しながら、また違う形のモニュメントなり、そういうものの企画について検討をしてまいりたいと考えております。 104 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 105 ◯6番(中尾広城君) また、ぜひ積極的なそういう取り組みをお願いしたいと思います。また、夕日の百選ということはかねてからも言われておりますので、例えば小学生、中学生が写生会等をするようなことも、もう既にされておるんかどうかわからないですけども、ぜひともそういう取り組みもしていただいて、またわくわく広場に飾っていただくとか、役所、庁舎内にも展示していただくということも、子どもたちにとっては楽しみになるのかなというように思いますので、またこれも御参考にしていただければというふうに思います。  次に、「充実した労働・消費生活づくり」についてであります。  現在、総合相談事業の一環として実施されております就労支援事業についてお聞きいたします。  このことにつきましては、前回3月議会でも取り上げさせていただきましたが、就職難民と言われる方々の一人でも多くの方を救済していただきたい願いを込めまして引き続き行わせていただきます。  就労支援事業につきましては、働く意欲を持っているのにさまざまな就労を妨げる要因をお持ちの方に対し、就労の実現に向けたさまざまな支援を実施し、一定の成果を得られていることは理解いたしております。  社会経済情勢の悪化や雇用形態の変化などにより、若年層においてもその雇用状況が悪化しており、その対策については国においても、ニート対策などさまざまな施策を展開しているところであります。  そのような点からも、泉南市においても就労支援事業の多面的な展開として、働く意欲を持ちつつ就労に至らない若年層の方たちに、就労活動に役立つ支援や就労雇用などのアドバイスなどを行うJOBカフェ的な機能が必要ではないかと改めて思いますが、その点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。 106 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 107 ◯市長(向井通彦君) 総合相談事業の一環といたしまして、さまざまな雇用や就労を妨げる要因を抱えるため、就労・雇用を実現できない就労困難者に対しまして、それぞれに応じた支援を行うことにより、みずからの意思・選択に基づき、基本的な人権の要素である雇用・就労の実現に向けた支援を行う地域就労支援事業につきましては、就労困難者の就労阻害要因を取り除くための支援を実施して就労に結びつけるなど、一定の成果を得てきたものと認識をいたしております。  しかし、急激に変化する社会経済情勢の中、若者の雇用情勢も急激に悪化しておりまして、若者に対する就労支援の必要性に関しましても認識をいたしております。  そのため、総合相談事業の一環である就労支援事業につきましても、若者の就労活動の支援を行う、いつも中尾議員言われておりますJOBカフェ──なかなかこういう我々のまちでJOBカフェというのは難しい面もございますが、JOBカフェ的な機能を地域就労支援事業として組み込んでいくというようなことができないかということも含めて検討をいたしておりますので、御理解をいただきたいと思います。 108 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 109 ◯6番(中尾広城君) ぜひとも前向きに御検討いただきたいというふうに思います。  続きまして、全国消費生活情報ネットワーク・PIO-NETのことについてをちょっとお聞きしたいと思います。 110 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 111 ◯市長(向井通彦君) PIO-NETは、国民生活センターが運営する情報ネットワークの名称でございまして、このシステムは、国民生活センターと全国の消費生活センターをオンラインネットワークで結び、消費生活に関する情報を蓄積・活用するシステムでございます。  消費生活に関する苦情・相談は、年々複雑化、高度化、多様化してきている状況でございます。これらに関する情報を関係機関がセキュリティーを確保しつつ共有することにより、被害情報の公開やマスメディアへの情報提供が行われたり、全国の消費生活センターからのアクセスにより情報が検索できることから、消費者相談に迅速かつ的確に対応することができ、被害の未然防止や拡大防止に役立てるものでございます。泉南市ではことしの4月から設置、運用を開始しております。 112 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 113 ◯6番(中尾広城君) もう最後にしたいと思うんですけども、大阪府知事が推進する大阪ミュージアム構想の中において、本市は75の登録物があると。まして、その中でベストセレクションに選ばれた3つの登録物というふうに聞いておりますが、この内容をちょっと教えていただきたい。 114 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 115 ◯市長(向井通彦君) 泉南市では75件の登録をしておりまして、大阪府下、大阪市は別にしましたら最も多い登録数ということになっております。そのうちの3つがいわゆるベストコレクションということに選定されております。  この3つとは何かということでございますけども、1つは信達宿の野田藤、いわゆる梶本家のフジですね。あれが1つ。それから、鳴滝の浄光寺の鐘楼──鐘つき堂ですね──とショウブ、これが2つ目。3つ目は岡田の岡田浦漁港のおさかな市場。この3つがベストセレクションというふうに選ばれております。 116 ◯議長(堀口武視君) 中尾議員。 117 ◯6番(中尾広城君) ありがとうございました。本当にたくさんの登録物をしていただいて、本当に遺産的な歴史的なものもたくさんあると。市長が常々よく言われておりますように、日本全国の中でも住みやすさランキングが年々上がってきているということを考えますと、僕も生まれ育った土地でありますので愛着もありますし、もっともっと泉南市をアピールしていただきたいなというふうに思います。  そういった意味で、後は先ほども言いました雇用の問題さえ何とか、やはり泉南に行けばまた仕事も見つかるでみたいなところがありますと、もっともっといろんな人がまたあえて居住しに来ていただけるというか、また住んでいただける住みよいまちになっていくのかなというふうにも思います。  いいことばかりではなくて、いろんな犯罪めいたことも日ごろ世間では言われたりしておりますし、特に今の国政におきましては、大変不安定な状況なことも間違いございませんけれども、それはそれといたしまして、泉南市これからの4年間、またしっかりと向井市長とともに頑張っていきたいなというふうに思っておりますので、是々非々の議論をまたさしていただきまして、今後ともよろしくお願いしたいと思います。  以上で終わらしていただきます。ありがとうございました。 118 ◯議長(堀口武視君) 以上で中尾議員の質問を終結いたします。  午後1時30分まで休憩いたします。       午後0時 8分 休憩       午後1時30分 再開 119 ◯議長(堀口武視君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、日本共産党の代表質問を許可いたします。9番 大森和夫議員。 120 ◯9番(大森和夫君) 鳩山前首相が平和の問題、暮らしの問題、政治と金の問題、こういう問題で国民の期待を裏切り、公約を裏切ってきて、そういう国民の怒りの中で辞任という結果が出ました。沖縄・普天間基地の問題でも、国外、最低でも県外という公約を踏みにじって、結局、名護市辺野古の美しい海を埋め立てて新基地をつくるという方針を押しつけました。また、この方針では鹿児島県徳之島と本土にも訓練を分散するというもので、前の方針よりもさらに悪いものになっています。  また、政治と金の問題でも、鳩山氏や小沢氏に数々の疑惑が噴き出ましたが、一切ほおかむりし、国民への説明責任も果たしておりません。人の命を大切にする政治と言いながら、後期高齢者医療制度の撤廃という公約を投げ捨てました。この差別制度の撤廃を4年後まで先送りにした上、うば捨て山をさらに拡大するというものを考えています。  労働者派遣法の問題でも、政府提出の法案は、改正と言いながら抜け穴だらけで、使い捨て労働の温存の法案となっています。  貧困と格差の広がり、雇用、それから大変な暮らしを応援してほしいという国民の願いから、新内閣に対する期待は当然大きなものがありますが、期待の大きさは国民の生活の苦しさの反映だというふうに思います。私もいろんな市民の方とお話しするんですけども、今聞かれる声というのは、一番多いのはやっぱり年金が大変、それから雇用などで暮らしが大変という声です。  子どもの援助で何とか生活しているんだという方もいらっしゃいました。そのお子さんは40歳の独身で、ひとり暮らしの方なんですけども、これが家族持ちやったら援助してもらえないんじゃないかと、逆に少ない年金から援助しなければならないんじゃないかというふうなお話もありました。  それから、持病が悪化して病院に行きました。医者は大分悪いから入院したらどうかというふうに勧められたそうですけども、入院すると費用が心配やということで、点滴だけして帰ってきたんやと。これから医療のこと、それから病気のことが本当に心配だというふうなことも聞いてます。  それから、リストラになって会社がつぶれたと、どうやって子どもの大学の授業料を払おうかと。何とかその方は仕事が見つかったんですけども、働いてる仕事の給料というのは娘さんの給料よりも少ないそうです。これでは生活できないし、50過ぎた方ですけども、今までの経験があるのにもらえる給料というのは娘さんより少ないと。本当に生活だけのことじゃなくて、何でこんなにひどい目に遭わされるんやということを嘆いておられました。  それから、固定資産税や市民税が高いと、何とか払うのは大変だという声もたくさん聞きます。こういう大変な状況の中、市長も市政方針の中で、市民生活を取り巻く状況は本当に大変やというふうに書かれていますけども、市長は今のこのような市民の暮らし、厳しい環境をどのように認識されておられるのか、またどのような形で市民生活を守っていこうと考えておられるのか、お答えください。 121 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 122 ◯市長(向井通彦君) 今の経済状況というのは非常に厳しいというふうに認識をいたしております。特に、やはり都会といいますか、東京一極集中に日本はなり過ぎているというふうに思っております。大阪も大都市ではございますけども、かつての東京、大阪という状況からしますと、もう完全に東京が他のまちを引き離して独走しているというふうな状況でございまして、日本の場合は東京に一極集中がし過ぎているというふうに思っております。  ですから、地方といいますか、その他のまち、地域というのは、非常に格差ができ上がってしまっているというふうに認識をいたしております。まだ大阪は大都市圏でございますからそうでもないかもわかりませんが、もっともっと地方へ行きますと、さらにそれが拡大しているという現状になるのではないかというふうに思っております。  あと、市民生活ということにつきましては、特に今雇用の面が非常に悪化をしておりまして、この泉州地域でも非常に有効求人倍率が低いというようなことがございまして、なかなかそれを脱却できていないというのが現状だというふうに思います。特に、若年層の就職困難層というものも非常に多いということでございますんで、やはり働く場、働ける場所、こういうものはしっかりとしていないといけないというのがまず基本だというふうに思っております。  また、それぞれの所得そのものですね。これが、全体的に給料の減額とか、あるいは超過勤務の廃止とか、そういうことによって非常に少なくなってきているというのがあるというふうに思っております。したがって、所得全般としてやはり少なくなってきている。
     ということになりますと、可処分所得も減ってくるわけでございまして、必要経費、食費を初めとした居住費、その他、こういうものに差し引かれる額というのは非常に大きくなってきて、可処分所得が減ると。それがまた消費の減少につながっているということで、いわゆるデフレ傾向が続いているということがあるというふうに思います。  一方では、年金生活の方々におかれましても大変厳しい状況にあるというのも事実でございますし、またそれぞれの御家庭におかれましても、少子・高齢化というのが本当に進んでまいりまして、この泉南市においても65歳以上が5人に1人と、いわゆる20%を超えてきているという現状がございます。そういう中でございますから、生活そのものが大変厳しいということがあるわけでございます。  また、一方、離職とか職を失うという方々によって、生活が立ち行かないという方々につきましての生活保護率も上昇してきているというのも事実でございまして、なおそれがさまざまな形で我々行政のほうにもその負担というものがかぶさってきているという現状でございまして、なかなか明るい兆しがまだ見えないということでございます。  ただ、経済指標そのものを見ますと、先ほども申し上げましたように、月例報告では景気回復の兆しというものができつつあるということでございますけども、しかしそれは必ずしも将来的に安定的なものではないと、懸念材料としてまだまだありますという報告もあるわけでございますんで、やはり市民生活そのものが非常に厳しい環境の中で生活をされておられる方がたくさんいらっしゃるということについては、十分認識をいたしているところでございます。 123 ◯議長(堀口武視君) 大森議員。 124 ◯9番(大森和夫君) 世界経済を見た場合、リーマンショック以来、先進国と言われる国は、ある程度景気回復状況にあるそうです。その中で日本だけがおくれてるというか、ほとんど実質経済率が伸びてないという状況があります。その理由は何かと。ヨーロッパとかアメリカとか何で経済が発展してるかというと、そういう雇用とか所得がふえてるそうですね。2倍近くふえていってると。  日本の場合はこの所得というか、雇用ですね。各個人の所得が減っていってると。これが市長がおっしゃったように景気悪化の原因になっていると。共産党はこの庶民の懐をほんまに温めること、これを第一にすべきやというふうに考えてます。その予算はどこから持っていくかというと、消費税を増税するとますますデフレ傾向が強まる、物を買わない人が出てくる。  それから、離職や生活保護のお話ありましたけども、そういう生活が大変なほど消費税というのは厳しいものであって、私たちはそういうところで求めるものではないと。ヨーロッパとかアメリカなんかは、食料品とか衣料品とか教育費とか、生活にかかわるもんは非課税ですよね。そういうことも含めて考えていかなあかんだろうし、消費税増税でなくて、景気がよくなったというところの大企業ですよね。そこの内部留保、貯金という部分のほんの1%程度の法人税を下げた分をもとに戻して、その部分、この10年間で2倍ほどにふえた内部留保を国民生活に回していけば景気はよくなるというふうに考えてます。そういう方向で訴えていきたいというふうに思います。  あと、どのようにして市民生活を救っていくかということについては、今から質問する中で1つ1つお聞きしていきますので、よろしくお願いいたします。  まず最初に、アスベストの被害者のこの今の苦しみをどうやって救うかということを聞きたいんですけども、先ほど一番初めに言いましたように、鳩山内閣というか、民主党政権に期待を裏切られた、暮らしを守る、命を守ると言いながら裏切られたその1つがこのアスベストの国の控訴だというふうに思うんですけども、市長は市政方針の中で、泉南地域の歴史的な課題であるアスベスト問題につきまして、被害者全員が平等で手厚い救済を受けられるように、国や関係機関との連携を図り、関連企業に対しても協力を求めるなど問題の解決に向けて積極的に取り組んでまいりますと簡潔に書かれていると。  そういう被害者の声に心寄せるような形で書いていただいてるんですけども、具体的に市長は、国と連携する上で国に対してどのような責任があるというふうに考えておられるのか。それは5月19日に出ました国賠訴訟の判決です。初めて国の責任を認める画期的な判決だと私たちは評価してますけども、市長はどのように考えておられるのか、お答えください。 125 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 126 ◯市長(向井通彦君) 今回の5月19日に出ました大阪地方裁判所で示された泉南石綿訴訟判決というのは、国のいわゆる不作為を認めて、今後の国の環境行政あるいは健康福祉行政のあり方に一石を投じる画期的なものだというふうに私も思っております。現在、泉南地域で生活する我々のみならず、かつて泉南で働き生計をともにしていた人々に投じられたこの判決の波紋は、やがて早期に手厚い救済を求める大きなうねりとなって返ってくるものというふうに思っております。  この重い判決を真摯に受けとめ、そしてアスベスト被害の早期解決に向けて、私も、それから市議会も一緒になって、私と議長連名で、早速長妻厚生労働大臣、そして小沢環境大臣に控訴断念の申し入れをしたところでございます。先ほど前任者の質問にもお答えしましたように、途中段階での情報では、両いわゆる主管大臣は控訴断念の方向になっていたというふうにも聞いておりました。  にもかかわらず、6月1日に国が当判決を不服として控訴手続に入るということを決定されました。これは担当の主管大臣ではなくて、例えば国家戦略室とか、違うそういう内閣の組織の中で、控訴をすべきだという意見があったのではないかというふうに考えてるところでございます。  しかしながら、そういう中において、主管大臣あるいは総理大臣は、やっぱり勇気を持ってこれを受け入れるという方針を示していただきたかったというふうに思っております。非常に残念に思っている次第でございます。  それから、我々アスベスト問題に取り組んできた成果といいますか、過程においては、御承知のとおり、泉南市の場合は、私とそれから正副議長さんで毎年国に対しまして、あるいは大阪府に対しまして、要望活動を行っております。その中で、アスベスト問題について積極的な対応をしておるわけでございまして、特にアスベスト新法ができましたけれども、このアスベスト新法だけでは不十分であるということを常々申し上げてまいりました。  特に、救済対象が肺がんと中皮腫ということになっておりまして、私たちのまちの被害を受けられた方々が患っておられるいわゆる石綿肺と言われるものが、その救済対象に入っていないということがございまして、一貫してそれを加えていただくようにということを強く申し上げてまいりました。  やっとこのたびそういう方向にはなりつつございますけども、しかしその対象というのは、またその中でも限られた重症の石綿肺とかびまん性胸膜肥厚とか、そういうものに限られるというようなことになっております。  もっと広く石綿肺なら石綿肺全般というふうに拡大をしていただかなければいけないというふうに思っておりまして、そういう意味では、今後とも積極的に活動、運動して、この問題の早期解決に向けて、国あるいは大阪府に対して、私も含めて議会と一緒になって強く要望、要請をしてまいりたいというふうに考えております。 127 ◯議長(堀口武視君) 大森議員。 128 ◯9番(大森和夫君) 5月19日に大阪地裁で、市長も言っていただきましたような画期的な勝利判決が言い渡されました。その日は大阪で500人を超える判決報告集会が開かれました。多くの原告はその後、4時過ぎですけども、そのまま上京して、国の環境省や厚労省に控訴をするなという訴えに行きました。  判決のあった日というのは、前日というのは、僕もそうやったんですけども、やっぱり興奮して、どんな判決が出るかわからないと寝られない状況なんですよね。僕でも寝られないぐらいやったから、原告の人らは本当に大変で、聞きますとみんな2時間、3時間の睡眠時間、寝てたけども、寝てたんやろか、うとうとしていてわからなかったというふうな方がほとんどでした。そういう方が東京まで行かれると。判決聞いて500人を超える集会であいさつをして行かれるというのは、大変しんどかったことだと思います。  翌日は東京で1,000人の支援者の方が集まって、この人数で厚労省を包囲しました。国会議員などにも議員会館を回ったりして何度も控訴を断念してください、そのために力をかしてくださいと回られました。民主党のアスベスト議員連盟の方とか、共産党の方なんかも親切にしてくれましたと聞いてます。公明党の委員長さんと一緒に写真撮ったというふうな話も聞いてます。社民党の皆さんも頑張っていただいて、本当に超党派の議員の皆さんに大変励まされたというふうに聞いてます。  このような原告同士の頑張りの中で、控訴までの期限、2週間に3回上京団を組織して、原告はもちろん、弁護士、市民の会の皆さんが行かれました。初めは到底僕らも無理だったなと思ってたような80歳の原告の方も上京されました。この方は、私が行くことで足手まといになるんじゃないかというふうに思ってたらしく、年齢から見ればそう思われても当然だと思いますけども、そう思われてたけども、みんなが行くので私も何とか最後の頑張りで行きたいということで行っていただきました。  この方というのは、石綿工場で働く中で、同僚がたくさん死んでいく姿を見ておられるんですよね。息をするという、生きていく上で基本的なことをするのが苦しい。普通しんどくなったら大きく息をしてとか言いますけども、それがしんどい。どんどん、どんどんやせて亡くなっていくという、そういう悲惨な同僚の死を見てて、これは何とかせなあかん、何とか国に謝ってほしいと、そういうことを訴えるんだということで行かれました。原告の家族の方も行かれました。子育てがあったり仕事があったり、それから原告の家族の方というのは、病気の原告を、アスベストで病んだような方を、ふだんはその方を介護しておられるんですけども、その介護のことも心配だけども、とりあえず今は控訴を断念させるためにも全力を尽くそうということで行っていただきました。  この判決も、原告の29人のうち3人には、アスベスト被害というのはあるけども、国の責任はないという結論が出ました。この部分では原告、弁護団、支援者、だれも納得はしていませんけども、例えば三好石綿工場の周辺で農業をしててアスベスト暴露に遭ってお父さんを亡くされた南さんとか、それから石綿工場の隣接する社宅に住んでて、赤ちゃんのころからお母さんと一緒に工場に行って、工場の中でおとなしい優しい子だからというて寝かされて、そこでアスベストに暴露して、結局この方はアスベスト工場で働いた職歴が一度もないのに、今は酸素ボンベを持って暮らさなければならない、労災とかの認定も一切受けれないというような岡田さん、こういう方は国の責任が認められなかったんですよ。  工場の内と外で判断の基準が変わるという、責任のあるなしが変わるという、到底十分納得できないものでありますけども、そういう判決でも国が責任を認めたということでは、これを何とか生かして、国の政治的な判断で解決のために頑張っていくということで、控訴断念の運動にこの方たちも立ち上がりました。  この方たち、南さん、岡田さんというのは、国賠訴訟の最初から中心で頑張っておられた方です。その方たちは、国の責任を認められませんでしたけども、今でもずうっと控訴断念とか運動の先頭にも立ってきましたし、今も原告の中で中心として頑張ってきて、原告の中心の源として頑張ってます。  大阪に残ってきた人たちも、大阪府知事や長安さんの事務所に行くとか、もちろん市長や議長にも、今までのお礼とか控訴断念の要請活動をしていくためにお願いに参りました。  実は、私も判決の日、原告2人と弁護士さんと大阪府知事に要請に行ったんです。知事にも国に対して控訴しないように訴えてくださいということで会いに行きましたけども、知事はちょっとまだ急に来られて会えないということで、要請文書だけを担当の方に渡して、橋下知事がどう動いてくれるかというのは本当に心配だったんですけども、後日新聞を見ますと、控訴を断念する趣旨のことを国に送っていただき、国が控訴をしたと知ったときには残念だというコメントを寄せてくれた。大変うれしく思いました。  東京のほうですが、上京組は本当に大変だったようで、弁護士は連日泊まり込み、若手の弁護士も厚労省前にテントを張って、厚労省のビルに向かって控訴を断念してくださいという訴えをずうっとしていたそうです。この時期は冬に戻ったようなときで、温度も下がるし、雨の日があって風の日もありました。原告は薄着で行ってるもんですから、かっぱを着て手袋して座り込みや訴えをしました。かっぱを着ても寒くて、雨の日は下着までびしょびしょになった日もあったそうです。元気な弁護士ももう声をからして、寝不足で体調を壊すような人もいたようです。  みんな必死で訴えました。それはなぜかというと、少しでも気を抜くと国が控訴すると、気を抜かずに世論に訴えようと、アスベストでむしばまれた体にむち打って頑張ってきました。市長も今お話ししていただいたように、控訴断念という報道が流れたときも、ここまで国を追い込んだんだと、さらに頑張ろうと、気を抜くことなく原告団総会も開いて意思統一をしてさらに頑張ろうというふうに言いました。それにもかかわらず本当に国が控訴をすると。一度も原告に会ってないんですよ。こんなんで控訴するというふうなことは、どういう気でいるのかと、本当に悔しくてたまりません。原告は1人も気を抜かずに頑張っておられました。  原告の皆さんが向井市長にも堀口議長にも大阪府の職員にも長安さんの秘書にも会ったとき、皆さん何て言うてくれたかというと、まず原告に会って御苦労さまとねぎらってくれました。本当にうれしかったです。それと、面接が終わると、健康に気をつけてください、頑張ってくださいというて声をかけてくれました。市長も議長も同じように声かけてくれました。  短い時間でも座ってるだけで原告の皆さんは息切れするような方もいらっしゃいますから、自然とそういう声が出たんだと思いますけどもね。立っててもいいから、国の大臣らは何で会わなかったのか、本当に怒りでいっぱいです。市長も今ちょっと控訴断念、許しがたかったと言いましたけども、本当にこういう地方の声が、泉南市を代表して上げている声が通じない国の今の政治のあり方について、どのように考えておられるのか。同じような質問になりますけども、ぜひお答えください。 129 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 130 ◯市長(向井通彦君) るるこの間のお話といいますか、経過、説明をいただきました。私のほうからも若干その経過についてお話をさしていただきたいというふうに思います。  判決が出まして、そして原告団の皆さんとお会いをさしていただいて、先ほど言われましたように、周辺の方々については残念ながら、要するに補償の対象にはならないというようなお話でございました。そういう判決ではあるけれども、原告団としては受け入れるというお話を聞きまして、それでは我々も国に対して控訴断念という話をすべきであるというふうに私は認識をいたしました。  議会と一緒になって、あるいは阪南市長、阪南市議会と一緒になって両大臣に文書を送付いたしましたけれども、それだけではございませんで、地元選出の国会議員にも、こういう形で国に出します、しっかりとフォローしてほしいというお話をさしていただきました。  そして、選出議員も、主管の長妻大臣、それから小沢大臣とも会って、控訴を断念してほしいという地元の意向も含めて伝えていただいたというふうに聞いております。その過程で両大臣とも控訴は断念する方向だというお話を聞きまして、それを私ども情報としていただいてたわけでございまして、それは土曜日──だったと思います、ですから29日だと思います──の段階ではそういう情報を得ていたわけでございます。ところが、すぐに週が変わってああいう結果になったというのは、極めて残念でございます。  それと、もう1つ、知事の名前も出ましたけれども、5月27日に橋下知事と市町村長との意見交換会が府庁でありまして、その前に知事と市長会の役員、会長、それから副会長ですね、私、今副会長をやっておりますので、そのときに知事との若干の時間ですが、意見交換をする場がございました。そのときにこのアスベスト問題の第1次判決が出たということをお伝えして、そして知事からもぜひ国に対して控訴を断念するように話をしてほしいということを申し上げました。  このちょうど後ぐらいでしたかね、東京へ行くというふうにおっしゃっておられましたので──全国知事会が午後からあった日だと思いますが、上京するというお話もございましたので、ぜひそういうことを伝えてほしいということを申し上げたわけでございまして、そういう意味では、非常に結果として残念な結果になったというふうに思います。  ただ、新聞報道等で見ますと、小沢環境大臣あたりは、控訴はするけれども、途中で取り下げということもあり得るような発言もあったように記事としてありました。要は、国としては、救済の方法をまずしっかりとまとめたいという御意向があったようでございますが、その進捗によっては取り下げもあり得る的な発言があったようにも聞いておりますので、まあまあそういうことが事実とすれば、せめてもの救いかなというふうには思っております。  いずれにいたしましても、結果としてもう控訴ということになりましたので、これからまた苦しい闘いが続かれるというふうに思いますけれども、我々地元といたしましては、また地元の議会とも手を携えて、できる限りのことは考えていきたいというふうに思います。  また、一方、任意で話されている民間企業との話し合いでございますけども、その情報についても先般被害者の方々からお受けをいたしました。第1次のほうは和解が成立しておるわけでございまして、今回は2次ということで聞いておりますが、その話の過程で相手側は昨今の企業業績の悪化によって、第1次のような対応はできない的な話があったというふうもお聞きをいたしております。  しかし、1次でそういうふうに和解をしているわけでございますから、やはり1次と同じように和解に向けた話し合い、テーブルでしっかりと議論をしていただいて、そして双方が和解できるような案を見出していただきたいというふうに強く思っている次第でございます。  これについては、その交渉経過等については、またいろんな動きがあればお知らせしてくださいというふうに申し上げておりますので、またその過程において、行政として何らかの役割ができるということであれば、我々のほうも努力をしてまいりたいと考えております。 131 ◯議長(堀口武視君) 大森議員。 132 ◯9番(大森和夫君) ありがとうございました。運営方針の中では、被害者全員が平等で手厚い救済というふうに書かれています。判決の中では、今も紹介しましたけども、工場の外と中で、アスベスト被害は認めるけども、国の責任のある、なしが違ってきました。あと、労働者と経営者の区別とか、喫煙のある、なし、そういう区別がありましたけども、市長が考えておられる被害者全員が平等ということ、その手厚い中身というのは、具体的にどのようなことを考えておられるのか、お示しください。 133 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 134 ◯市長(向井通彦君) まず、平等というのは、働いておられた方だけではなくて、やはり周辺の方も含めて、同じような被害を受けておられる方については、当然同じような対応ということが必要だというふうに考えております。  それから、手厚いというのは、先ほど言いましたような、まず救済に対して一定の枠を、厳しい枠をはめるんじゃなくて、もっと素直にといいますか、被害を認めて、そして救済できるようなそういう対応ですね。こういうことをやっぱりしっかりとやっていただきたいと、こういう意味でございます。 135 ◯議長(堀口武視君) 大森議員。 136 ◯9番(大森和夫君) 工場の中と外で差を設けるのはおかしいということも言うていただきまました。泉南の場合、特徴としてあるのは、市長が今関連企業のところで名前を出してもらいました三好石綿、今の三菱マテリアル建材以外の会社については、ほとんど零細企業であって、経営者というても実際は労働者と同じように救済すべきだというふうに思うんです。実際、経営者というても、家族全員が暴露してアスベストを浴びて病気になった方がたくさんいらっしゃるんですよね。この方たちも国からアスベストの危険性などは知らされないまま働いておられました。  岡田さんという方のお話をしましたけども、赤ちゃんである岡田さんが石綿工場に連れていかれる。かわいい子どもだったんで、社長さんも、おとなしい子やったんで、工場の中を走ったりせえへんので、ここで寝かしといたらええというて寝かしてくれた。ただ、石綿がいっぱい雪のように舞ってるもんで顔にかかったりする。お母さんは帽子をかぶって、できるだけ帽子をかぶらして石綿がかからないようにしたときに、ここの社長さんは石綿を食べて見せたというんですよね。これは別に悪いもんと違うから心配要らんよと、食べても何ともないもんやからということで食べて見せたというふうに言うんですよね。  実際、幾つかの経験上、石綿が全く体に悪いもんではないというふうな認識はあったようでしたけども、国はそんなようなことも言わないし、吸うても出てくるのが30年、40年ということですからね、平均が。そらなかなかアスベストに結びつかないようなことがあると。私たちは、泉南市における三好、三菱以外は、ここの経営者も含めて被害者だというふうに考えて、労災並みのそういう支援をすべきだというふうに考えてて、市長もそういう意味のことをおっしゃっておられるのかなと思ったんですけども、その点についてはどのようにお考えでしょうか、お答えください。 137 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 138 ◯市長(向井通彦君) 三好さんは泉南市でも大きい工場だったというふうに思いますが、その他たくさんありました。石綿工場におかれましては、ほとんど家族経営的な、あるいは小規模な企業だったというふうに思います。そういう意味では、経営者でもあり、また一方では被害者でもあるということだというふうに思います。ですから、そういう方も含めてどういう救済ができるのかということも含めて、やはり国は考えるべきだというふうに思っております。  毎年私と正副議長さんは行っておりますし、ことしももちろん行くわけでございますけれども、今回の判決も踏まえて、いろんな今度のアスベスト法の一部政令改正、こういうことも踏まえて、もう一度また国に対してしっかりと物を言っていかなければいけないというふうに考えておりますので、また従前の要望とは、またこの経過を踏まえた要望の仕方というものも改めて議会とも御相談をして、そして要望文書あるいは国に対してしっかりと物を言うということの中身を精査してやっていきたいというふうに思っております。 139 ◯議長(堀口武視君) 大森議員。 140 ◯9番(大森和夫君) それと、この市政運営方針の中では、被害者全員の救済ということを書いていただいてます。今も言うたように経営者も被害者であると。国の責任として認めてもらうことが大事だと思いますし、経営者の方は、自分たちも被害にたくさん遭うて、一族が本当に亡くなったという方もいらっしゃるんですけども、やっぱり働いている人にも被害を与えたんじゃないかと。  それから、工場周辺に石綿をまき散らして被害が起こった場合、自分たちの責任が問われたらどうしようと、こういう心配もされてるわけなんですよね。こういう方たちに、市長なりが、あなた方も加害者じゃないんだと、被害者なんだというふうなことをぜひ訴えていただきたいというふうに思います。  それと、全員を救済する上では、今言うた加害者みたいな人も含めて、被害を訴えていただくような環境づくりというのが大事だと思います。加害者の人に訴え出てもらうこと、経営者の人にも訴え出てもらう、それから周辺の住民にも訴えていただく。  それと、国賠訴訟の判決が出てからちょっと雲行き変わったなというのは、胸の調子が悪いんやと、アスベストじゃないんか心配してるということなんか僕も聞いたりとか、それから今の50過ぎぐらいの方ですかね、子どものころ泉南市の石綿工場で遊んだと、楽しくてたまらんかったというて、白いあれをさわるともうもうと出てくるので遊んだと。そういう子どもたちに被害が出てこないかという心配とか、そういう相談なんかも──相談というか、そういう話を聞くようになってるんですけども、自分が知らん間にアスベストにかかってる、医者も見落とした例とかがたくさんあると思うんですよね。  そういう被害者の方を救済する。ここに市長が書かれてるように、すべての被害者を救済するということについては、掘り起こし、それから疫学調査というのが欠かせないというふうに思いますけども、その点はどのように考えておられますか、お答えください。 141 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 142 ◯市長(向井通彦君) 今までも掘り起こしといいますか、できるだけ我々に対して情報をいただきたいということも言ってきたわけですが、さっき言われましたように、疾患が発病するまで非常に長い年月がかかるというような問題もあって、また高齢化もあって、なかなかそれがすべての把握に至っていないというのも事実でございます。  今回、ああいうふうに国賠訴訟で新聞1面あるいはテレビ等で大きく報道されたことによって、先ほど大森議員言われましたように、そういうことに思い当たる節がある方について、そういうお話があるということも出てくるというふうに思います。  我々としても、できるだけそういう情報をまず把握して、そして正確な中身というんですか、情報をしっかりと把握をしたいと。疫学調査については、国のほうも継続してしっかりとやりますと、こういうふうに言っておりますんで、そういう調査をしていただく、そしてなかなかわかりにくい全体像というんですかね、そういうものがわかるように、今後とも努力をしていかなければいけないというふうに考えております。これはもちろん、市町村レベルでもそうですが、府なり国なりという全体で対応していかなければいけない問題だというふうに思っております。 143 ◯議長(堀口武視君) 大森議員。 144 ◯9番(大森和夫君) 国の考えてるリスク調査なり疫学調査というのは、まだまだやっぱり規模が少なくて、本当に市長がおっしゃっていただいてるような全員救済という点では不十分だというふうに思います。ぜひその点も含めて国に要請していただきたいというふうに思います。  それと、市長、早期の解決も言うていただきました。1つ今弁護団の人らが強調してるのは、水俣病の関係なんですよね。水俣病も1987年と1993年に熊本と京都でそれぞれ国の責任を認める判決を出しました。しかし、その後、国が控訴する中で、2004年まで最高裁の判決が延ばされると。  ことし5月1日、当時の鳩山首相が追悼式に出席して、やっと国の責任を認めて被害者を救済すると。この間、どんどん、どんどん被害者が救済されずに苦しんで放置されてきたということがあるわけです。こういうことを泉南の地でほんまに繰り返さないように、市長も本当に全力で頑張っていって、被害者を一日でも早く救済し、これ以上被害の拡大を許さない規制を強めていくようなことも国に訴えていただきたいというふうに思います。  それと、6月4日に朝日新聞で政策ウォッチという記事がありまして、泉南石綿訴訟控訴期待外れの厚労省という記事がありました。市長もお話ししていただいたように、控訴しない、しないというふうなことでいきながら、結局控訴をした国、厚労省の大臣は情けないじゃないかということを記事に書いてました。ミニ普天間問題と一緒やと、原告に期待を高めるだけ高めて、最後には控訴を決め、結果的には大きく落胆させたと、そんな記事が載ってました。  ここで、正確にしたいと思うんですけども、原告はだれ1人落胆してません、原告も支援者も弁護士もますます元気が出て頑張ろうというふうに思ってます。原告の1人の松島さんが控訴後このようにおっしゃってるんです。  控訴になりましたが、4年間アスベストにかかわってくださった関係者一同様、今回の闘いで原告は闘う勇気と力をいただきました。今、国は不安定な状態で控訴はまんが悪かったと思っています。真実は必ず勝つ、早期に解決できると信じています。4年間の経験を生かして頑張っていきます。いま一度関係者一同、皆様方に改めて御支援をよろしくお願いします。一人一人の名前を挙げて本当に御苦労様と申し上げたいところですが、みんなで喜び合える日が近いことを確信しています、と話されています。  このような形で、東京へ行った後、体が疲れて体調を壊してる原告もいないことはありませんが、原告だけの問題じゃなくて、被害者全員が救済されるように頑張っていきますので、引き続き市長や議長、議会の御支援もまたよろしくお願いしたいというふうに思います。  続きまして、同和行政の問題について、ころっと変わって申しわけないんですけども、質問さしていただきます。  人権問題ということで同和問題を中心に取り上げられていますけども、きょうの市長のお話でもありましたけども、人権といえば年間3万人の方が自殺していると、多くの方が雇用で苦しんでおられるというふうなことで、市長もこの泉南でも働くようなところをたくさんつくっていく必要があるというふうにおっしゃられました。  そういう雇用の対策などをとっていただきたい、強めていただきたいというふうに思うんですけども、一方そういう人権にかかわる問題でいえば、同和問題に、同和行政に偏重してるんじゃないかというふうに思います。人権総合相談というのがありますけども、昨年度この相談が13件寄せられたそうですけども、同和問題にかかわる相談は1件もなかったそうです。  私は、今こういう人権というのならば、今自殺者の話もありましたけども、雇用の問題、それから今少子・高齢化の話が出ましたけども、もっと女性の出産をふやすために、男女が平等になるような人権問題、そういうことに力を入れていくべきだと。同和政策課なるものはもう廃止をして、本当に一般施策に移して、そういう人権という相談の中身も、雇用問題とか男女差別の問題とか、そういうことにも力を入れるように、そういうふうなシフトにしていただきたいというふうに思うんですけども、その点どうお考えでしょうか。 145 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 146 ◯市長(向井通彦君) 人権問題は、御指摘いただいたように、同和問題を初めとして女性問題、それから外国人の問題、それとかそのほかさまざまございますけれども、我々が行ってるのは、人権というのは全体をやっぱりとらえてるということを御理解いただきたいというふうに思います。同和政策・対策に偏重しているのではないかということでございますが、そうではございません。それ以外の分野でもしっかりと取り組みを行っております。  ただ、同和問題については、長い歴史の中でいろんな差別事象も生んでまいりました。それから、生活環境の格差があったのも事実でございます。そういうものを改善しながら、やっと国の施策そのものは終了ということになったわけでございますけれども、しかしながらそのときに大阪府におかれましても、同和対策審議会答申として特別措置を終了し、一般施策による人権尊重の視点に立った取り組みを展開することは、同和問題の早期解決を目指す取り組みの終了を意味するものではないというふうに示されております。  また、平成20年2月に提言されました大阪府における今後の同和問題に向けた取り組みにつきましても、依然として差別意識が解消される状況には至っていないことから、今後とも答申の理念に基づき施策を推進するとされております。  泉南市におきましても、泉南市部落差別などあらゆる差別の撤廃と人権擁護に関する条例の目的に沿って、学校や家庭、地域、職場などのいろいろな場や機会を通じて、市民の人権尊重意識の高揚を図るための施策を推進しているところでございます。  しかしながら、いまだ市内においても部落差別にかかわる差別発言や差別落書き事象が発生している現状でございますし、また最近では土地差別調査事件や戸籍謄本等の不正入手事件など、社会問題として取り上げられている今日の現状を踏まえなければいけないというふうに考えております。したがって、今後とも同和問題に関する担当部署というものは必要であるというふうに認識をいたしております。  それから、女性問題等についてございましたけども、これは男女共同参画推進条例──仮称でございますが、それの制定も目指してまいることにいたしておりますし、また子どもの虐待等についても、泉南市子どもの権利に関する条例──仮称でございますが、これも制定をしていくということをマニフェストに書かしていただいております。  人権全般について、泉南市としてはこれからも施策を推進して、本当にお互いの人権が尊重されるような社会の実現、真に実現できる社会の実現を目指してまいりたいと考えております。 147 ◯議長(堀口武視君) 大森議員。 148 ◯9番(大森和夫君) 人権と言うた場合に、今の状況を考えれば、何に力を入れるのが大事かということだと思うんですよね。昔のように長年の運動の成果として、結婚や就職の問題で青春が、人生が奪われてきた、そういう時代から見れば、今も言いましたように、昨年には同和に関する相談はなかったと。  なるほど、同和差別が全くなくなったということではないと思います。ただ、今の時代でいえば、差別落書きがあった場合には、その人がどんな趣旨で書いたのか、それが部落差別のものにかかわってくるかどうか、きっちり調べてから対応するとかね。  というのは、自作自演のことも何度かあったわけですよ。全くの無知からしてる場合もありますし、それからそういう差別意識を持ってる人に対して、そんな時代じゃないでしょうと、そんなことを言うこと自体、言うてるあなた自身の人格が疑われますよということでも話がつくような時代なんですよね。  でも、それをそういう落書きがあった、どういう趣旨で書いたかわからないけども、ともかく市の全職員を集めて会議を行う、研修をする、そういう費用は本当に必要なのか。年間13件しかない人権総合相談にたくさんのお金を入れるよりも、もっと雇用などの政策をするように、雇用などの相談に乗れるような窓口をふやすとか、そういう研修を行っていくとか、そういうことが本当に今求められているんじゃないかというふうに思うんですよ。  何も人権をしたらあかんとかということやないんです、そういうふうなことのね。同和政策課というのをなくしてるとこもたくさん今出てきてますよね。今のことを聞きますと、国のそういう法律がなくなって、上位法がなくなったからなくすんだというところもありました、聞いていくとね。  それから、上位法がなくなって、今でも同和政策課というのを置くのは上位法違反になってるからやめるんだというふうな、そういうところもありましたわ。やっぱり流れ流れでいえば、解消の方向に確実に進んでいってるし、社会問題としては、今は人権といえば雇用などの問題にも変えていく必要があるんじゃないかというふうに本当に真から思うんですよ。  もっと雇用の問題などに力を入れて、自殺者をなくしていくとか、景気のことを考えたって、福祉のことを考えたって、そういうふうなことに軸足を移していくことが本当に大事だと思うんですけどもね。どうでしょうか、その雇用の問題にもかかわって、雇用のそういう体制が必要だということを市長もおっしゃったばかりですけども、そういうふうに変えていく必要……。  同和政策課で何してるかと聞きました。今、予算にかかわることでいえば、市営のおふろですよね。それと、市営の駐車場の管理なんですよね。それと、いろんな府なんかにある同和関連の団体に対する支出、会費などを払う仕事やと言うてましたわ。何でおふろや駐車場の管理が同和政策課でせなあかんことなのか、これも理解できません。人権政策の中で、一般施策の中でまとめてすれば十分できることだというふうに思うんですけども、その点について最後にもう一度お答えください。 149 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 150 ◯市長(向井通彦君) 何事も基本的人権をお互いに尊重するというところから出発しないといけないというふうに思っております。その分野と雇用の問題というのは、またちょっと視点が違うんじゃないかというふうに思います。雇用は雇用として創出、あるいは就労機会の創出という、そういう施策というのはやっていかなければいけませんけども、やはり市民生活を営む上での基本的なそういう人権問題というのは、非常に大きな問題であるというふうにとらまえております。これは考え方が違うかもわかりません。
     したがって、私は、御指摘いただきましたけれども、部落差別を初め女性差別あるいは外国人差別、障がい者差別、その他いろいろありますけれども、そういうことのないような社会づくりのために、必要な施策を打っていくというのが、私ども行政に課せられた課題であるというふうに考えておりますから、今後ともそういう姿勢で臨んでまいります。 151 ◯議長(堀口武視君) 大森議員。 152 ◯9番(大森和夫君) 雇用と人権、それは別問題という市長のおっしゃることも理解できるんです。もちろん理解した上で言うてるんですけどもね。雇用がなくて──昔はそんなことなかったですけどね。今は雇用がないことによって最低生活水準というか、そんなんが保たれなくなっていって自殺に追い込まれる人が何万人と出てきてると。生きることができない、まさに人権にかかわるようなことになってるんですよ。  単なる仕事探しの問題じゃないというふうに思うんですよ。何よりも命を守ることの、今の日本でそのために何が一番大事かというと雇用対策というとこに行き着くのでね。お金の使い方も、同和施策にいろいろお金を使うことよりも、そういう人権という立場も考えて、雇用対策に回すべきだというふうに思って質問さしてもらいました。  それと、次にコミュニティバスについて質問さしてもらいます。  この運営方針の中には特にコミュニティバスについて書かれてる部分はありませんでしたけども、りんくうタウンのほうには便利になったというふうにお書きになっておられました。一方、山の手地域はどうなのかということで、この3月議会以来から質問さしていただいてるんですけども、マニフェストの中では1便ふやすというふうに書かれています。3月議会でも質問さしてもらいました。3月議会のときには市長、1便ふやすという話がなかったんで、全く議論がかみ合わなかって困ったんですけどもね。  これが20年度の利用者数です。見てもらったらわかりますように、山の手地域、本当に利用者が岡田地域とか海側に比べて倍ほど多いわけですよね。便数についても大変込むときがあるわけです。新家コースなんかは1周回るのに1時間以上時間がかかるんですね。岡田コースは40分、50分で、岡田コースなんかは非常に利用しやすいと。  3月議会でなかなか議論がかみ合わなかったというのは、何か僕は、一言も言うてませんよ。海側のコースを減らせみたいなことを言うてるんじゃないかみたいなことの答弁もあったんですけども、そんなことは一切言うてないわけで、山の手地域の利用者の利便が図れるように、コミュニティバスの増便について考えていただきたいというふうに思うんですけども、その点はどう考えておられますか。 153 ◯副議長(木下豊和君) 向井市長。 154 ◯市長(向井通彦君) 今回の選挙のマニフェストでいわゆる次の契約更改時ですね。5年ごとの契約を結んでおりますんで、そのときには1台増車しますということを掲げております。本市のさわやかバスは平成19年の2月1日に現在の3台にいたしまして、6ルート体制に導入して以来、市民の要望に応じて微調整を繰り返しながら運行してまいりました。平成21年度の乗車人員については約12万人で、前年度、20年度とほぼ同様の利用者数となっております。  現在の運行契約は、平成24年1月31日までとなっておりまして、私が今回のマニフェストでお示ししましたように、23年度内に増車、そしてルートの見直し等を行いたいと考えております。  なお、増車をした場合の具体的あるいは細部にわたる運用方法については、今後市民の皆様の御要望も踏まえまして、十分に検討を加えて、そして準備を進めてまいりたいというふうに考えております。したがいまして、24年の2月からは4台ということで計画をいたしております。 155 ◯副議長(木下豊和君) 大森議員。 156 ◯9番(大森和夫君) 今、利用者数を市長に見ていただいたんですけども、やっぱり山の手が多いというのは見ていただいたらわかると思うんですよ。位置とコースの時間の話も今しましたけども、どうなんですかね、山の手地域のほうが利用の要望は高いと。それから、コースの1時間に回る時間も短くしてほしい。それから、地元の議員さんと一緒に話ししてたんですけども、例えば新家の駅を中心にするような回り方とかね。新家の駅、砂川の駅などを回るような、福祉バスという理念はありますけども、そういう形の利用ができないかとか、通勤、通学のときにも新家の駅前は大変混雑しますし、そういう利用方法ができないかという要望があります。これらの要望について市長はどんなふうに考えておられるか、簡単にお答えしていただけますか。 157 ◯副議長(木下豊和君) 向井市長。 158 ◯市長(向井通彦君) 導入した目的ですね。市内の各公共公益施設を回るということをベースにルートを設定しておりました。今度4台目の導入ということになりましたら、いろんな角度から検討しないといけないと思います。先ほど言われましたけども、いろんな御要望もあります。そして、時間帯によっては、通勤・通学的な要素の非常に強いといいますか、高い乗車のところもありますし、その時間帯では現実的にはそういう公共公益施設がまだオープンしてない時間帯とか、ちょっとその理念と実際の運行とギャップが生じてるのも事実だというふうに思いますから、そういうことも踏まえて、いろんな角度から検討をすべきだというふうに考えておりますので、またいろんな御意見があれば参考にお聞かせいただいて、また多くの皆さんのそういう御要望とか、あるいは御意見を参考にしながら、せっかく1台ふやすわけですから、より効率的、また使いやすい便利なコミュニティバスになりますように、そういうダイヤとかルート、こういうものを設定してまいりたいと考えております。 159 ◯副議長(木下豊和君) 大森議員。 160 ◯9番(大森和夫君) 次に、空港のことについてお聞きしたいんですけども、市政運営方針の中には、伊丹空港の廃港も視野に入れてというふうに書かれています。今、橋下知事が伊丹空港廃港というのを言いまして、知事のああいう声高な意向がマスコミにも何度も報道されて、それに呼応するような動きもありますけども、いま一度冷静に考えていきたいというふうに思います。  伊丹空港というのは、ちょっと表にしてきたんですけども、今利用者というのは関西空港の3倍あるんですよね。大阪空港と書かれてるのが伊丹空港1,538万人、関空は522万人ですよね。3倍以上の利用者があると。関空は大変な財政難の状況ですけども、伊丹空港というのは利益が一番上がってる空港ですよね。この右側の表を見てもらったらいいと思うんですけども、2006年度の利益は43億円です。2番目に高い利益を上げている空港ですよね。  こういう空港を本当につぶすことを視野に入れていけるのかどうか、大阪全体の財政を考えた場合にいけるんだろうかということが1つあります。  それから、市長もおっしゃったように基本的に泉南市の経済をよくしていく、財政をよくしていくということでいえば、やっぱり地元での雇用をふやすとか、そういうことが大事だと思うんです。やっぱり空港頼みのやり方というのは、どうかというふうに思うわけです。  もともと何で関西空港がこんなに赤字になるのかというと、やっぱり民活方式ということで国の責任をあいまいにしたままつくったこと、それから利用者の予測の見誤りですわね。過剰な予測をして2期事業などをどんどん、どんどん進めていくという、結局そういうところで赤字の問題が起こってきたわけで、こういう問題を解決せんまま伊丹空港を廃港にすると。  これも例えば、リニアモーターカーを持ってくるというふうに言うてますけども、これも35年先の話なんですよね。こういう長い将来にわたってそんなことがあるかもしれんというふうなことを豊中市の市長はおっしゃってたようですけども、こういう長い長い先の話のことでどうなるかわからないことを、これがいかにも大阪を救うような、泉南市を救うようなことであるということで議論を進めていくやり方というのは、どうなのかというふうに思うんですけども、その点についてどうお考えでしょうか。 161 ◯副議長(木下豊和君) 向井市長。 162 ◯市長(向井通彦君) 関西国際空港を建設するときの基本的な考え方というのは、危険で騒音の激しい伊丹空港を廃止するというのが前提でございました。そういう中で関空ができてきた経過があります。  ただ、残念ながら伊丹が残ってしまったということでございまして、本来ですと関空が開港した時点で伊丹を廃港にすべきであったというふうには思っておりますが、結果として残ってしまったと。伊丹周辺のいわゆる11市協というのも、もともと伊丹廃止のための組織だったわけでありますけども、実際廃止が目前になると、今度は逆に存続、残してくれと、こういうような方向になってきたわけでございます。  知事が言われてるのは、例えばリニアモーターカーができるころには廃止したらいいんじゃないかというようなことをおっしゃっておられますが、私はそうではなくて、リニアに関係なくやはりその廃止の時期を明記すべきだという考えを持っております。リニアというのは東京、それから名古屋についてはほぼルート的な検討もされておりますが、名古屋から大阪というのはまだないわけでありますから、これは相当先の話になるというふうに思っております。  むしろアクセス強化ということであれば、今JRははるか、南海はラピートでございますけども、南海は難波でとまってると。それから、はるかは新大阪とは環状線を通っての遠回りで結んでおりますが、大阪駅とは結ばれていないわけでありますから、私が申し上げておるのは、梅田北ヤード開発とあわせて、地下になると思いますが、なにわ筋になにわ筋新線をつくると。これのほうがはるかに実現性が高いし早い。  新大阪、それから大阪駅を通って難波経由。難波というても昔の湊町ですが、そこを通ればJRともアクセスできますし、それから南海電鉄とも、レールとレールの間──軌間といいますが、1,067ミリで一緒ですから相互乗り入れできるわけでありますんで、そういうことをやったほうが現実的だということを申し上げておるわけでございます。いずれにしても、伊丹はやっぱり廃港、廃止にしてもらわないといけないというふうに思っております。  伊丹の跡地は、非常に広大な土地があるわけでございますから、それを有効活用することによって、地元の豊中市でありますとか伊丹市でありますとか池田でありますとか、その辺の活性化には代替として使えるというふうに思っておりますので、今後とも、もちろん泉南はそうですが、泉州地域一帯一丸となって、伊丹廃止ということを声高に申し上げていきたい。幸い泉南市議会もいち早く伊丹廃止を訴えていただいておりますんで、これも我々行政と議会と一緒になって、さらに活動の輪を広げていきたいというふうに考えております。 163 ◯副議長(木下豊和君) 大森議員。 164 ◯9番(大森和夫君) 空港とか地下鉄ですか、なにわ筋とか道路とかという話になると、ごっつい市長の答弁も雄弁になるような気がするんですけども、そういう大型開発で経済がよくなるという見方は、やっぱりもう見直す時期に来てると思うんですよ。  一番初めに市民の暮らしについても聞きましたけど、本当に庶民の懐がどうやって温まるか、所得をふやすことをどうするんかというときに、今考えなあかんのは、今までの自民党や民主党というのは、結局、大企業がもうかればそれが行く行く庶民の懐を温めますよというふうに言うてきたんです。  しかし、ヨーロッパに比べてもアメリカに比べてもそういうことが全くなされずに、庶民の所得はふえないどころか減っていってるんですよ。そういう中で、自殺が起こったり景気の回復がされてないわけですよ。今、大事なんは、そうじゃなくて地元の身近な企業が発展していって、そこで泉南市民が身近なとこで働いて、景気を庶民の懐から温めると、そういう形で考えていただきたいというふうに思うんです。  空港については、市長はなにわ筋のこともおっしゃられましたけども、それでアクセスがよくなるというのは6分か7分というふうに言われてますわね。3,000億から3,500億円という費用をこの財政難の中、どんな形でしていくかというと、本当に冷静にもう一遍考え直す、見直す必要があるというふうに思います。その点についてはもう議論しませんけども、私はそのように思います。  地元の雇用の問題、地場産業の発展の問題でもう1つお聞きしたいんですけども、農業の発展なんですよね。近郊農業、都市農業というのが今人気になってます。ここでも書かれていますけども、わくわく広場は地元の地場産の農産物が大変売れていって、今度増築もするという話なんですけども、その一方で、農業経営がうまいこといかない、税金が高いとか、それから農業だけでは食べていけないから、後継者が育たないという問題があります。  市長も農業経営については応援していきたいというふうに答えておられますけども、具体的中身について、例えば泉南の地場の農産物については、扱ってる八百屋さんがあれば、そこには泉南市認定の地場産を扱ってるとこですよというふうなシールを張るとか、それから学校給食、それから病院の給食なんかには、地場産をどんどん、どんどん取り入れてもらうように取り組んでいく。  それから、ごみの再利用ですね。そうしたものを農家に引き取ってもらうときに補助金を出すとか、そんな形で、地元の消費者と近郊農業とセットで農業の経営を応援していく方法などもぜひ検討していただきたいというふうに思うんですけども、その点について市長の考えをお聞かせください。 165 ◯副議長(木下豊和君) 向井市長。 166 ◯市長(向井通彦君) 一次産業である農業、林業、あるいは漁業、こういうものは極めて大切だというふうに思います。特に、農業については、この泉州地域は非常に盛んなところでございまして、新鮮な野菜類を中心に大変な供給地であるというふうに思っております。  ただ、これは泉南市だけではございませんが、最近の府下の農業の実態というのは、高齢化と担い手不足ということが非常に大きな課題となっております。それが遊休農地増加等の問題に影を落としているわけでございます。  こうした中におきまして、本市においても従来から農業の生産性を高め、農業経営の農業経営の安定化を図るための、いわゆる行政でやれるべきもの、すなわち基盤整備ですね。農業用の道路、圃場、ため池改修等の農業生産基盤整備を初めとして、その他さまざまな農業振興策を展開して農業支援に努めているところでございます。  また、大阪府においても、課題対策として地産地消推進や担い手対策としての大阪版の認定農業者制度、遊休農地対策としての農空間保全地域制度、そして農産物の安心・安全確保体制の3本柱で構成する大阪府都市農業の推進及び農空間の保全と活用に関する条例が平成20年4月1日付で施行されまして、大阪府・泉南市連携のもと、施策の展開に取り組んでいるところでございます。  今後、条例のさらなる運用を図ることによりまして、農家の営農意欲向上に努めますとともに、条例に基づく補助制度などを積極的に活用し、営農環境の改善を進めてまいりたいと考えております。  また、泉南市においては、都市型農業として砂栽培事業を早期に取り入れまして、これは大成功しているわけでございます。そして、全国にその講師として派遣される農家も生まれてきておりますし、それから新しい農地開発のいわゆるかるがもの里を中心としたような、ああいう水耕栽培、無農薬栽培も定着もしてきております。したがって、今後とも、大阪府の先ほどの条例と関連いたしますけども、府と市と一緒になって営農意欲の向上、それから施策を展開してまいりたいと思っております。  ただ、国においては農家の戸別補償制度とか新たな施策が出てきておりまして、それがいいのかどうかというのは、ちょっと中長期的に見ないとなかなかわかりませんけれども、そういう新しい動きもございますので、それらも加味した中で、泉南市農業のさらなる活性化に向けて我々としても、農業委員会あるいはその他の農業団体と連携を図りながら進めていきたいと考えております。 167 ◯副議長(木下豊和君) 大森議員。 168 ◯9番(大森和夫君) 所得補償ですよね、ぜひ考えていただきたいと。地場産を扱うところについては、市が応援するようなこともぜひ考えていただきたいというふうに思います。  以上で終わります。 169 ◯副議長(木下豊和君) 以上で大森議員の質問を終結いたします。  午後3時10分まで休憩いたします。       午後2時50分 休憩       午後3時10分 再開 170 ◯議長(堀口武視君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、地方民会の代表質問を許可いたします。18番 北出寧啓議員。 171 ◯18番(北出寧啓君) うちの幹事長が演壇に立てと言うもんでございますから、指示に従っております。じゃ、地方民会を代表いたしまして代表質問に入らせていただきたいと思います。  代表質問に入る前に、市長、5期目の当選おめでとうございます。二元代表制として切磋琢磨していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  乖離性動脈瘤がちょっと悪化して4月はふにゃふにゃとしておりましたが、手術もしないで当分いこうということで……。人間てよくわからないもので、さっき大森さんも申しましたけど、僕も子どものとき青石綿の工場の上で遊んでたんですよね。そんなこともあるし、動脈瘤で倒れてわかったんですけど、左の動脈がないんですよね、退化して。退化してなかったらもうちょっと賢くなったかなと残念に思ってる次第でございます。じゃ、代表質問に入りたいと思います。  21世紀は、人類の存続をかけて地域-市民社会-国家-地球の新たな枠組みをつくる時代であり、そのキーコンセプトは環境とケアになるだろうと思います。20世紀は、資本主義が開花し、その負の面はソ連、東欧、中国等に社会主義国家の成立となり、それを受けた資本主義国家では、人間の自由と平等を保障する福祉国家が成立し、広がりました。しかし、20世紀末に人間の自由を奪ったソ連や東欧の社会主義国家が崩壊し、同時に先進資本主義国家も、アメリカ、イギリス、日本などに見られるように、巨額の負債にまみれ、衰退し、福祉国家の見直しを迫られています。  他方、インド、ロシア、ブラジル等の新興資本主義諸国、及び市場経済を導入した社会主義国・中国は、破竹の勢いで経済成長を続け、地球環境破壊の新たな脅威となっています。  巨額の負債を抱え、世界でも類を見ない速さで少子・高齢化社会に突入しつつある日本では、環境に加えて子育て支援や高齢者介護など、ケアすることの重要さが見直されてきております。環境とケア、それは国と社会の変革の原点であり、従来の近代国家-市民社会に根本的な枠組みの変更を迫るものであります。  本市にしても、日本の市民社会、福祉国家の見直しを見定めつつ、次世代の転換点を見定め、地球環境危機、少子・高齢化社会、国・地方の財政崩壊の中で、地方自治体としては、コミュニティをベースに、環境、ケアあるいは地域福祉を機軸とした諸政策を展開しなければなりません。無論、財政の自立は当然でありますし、それらの諸政策の展開のベースであります。  第1に、所信表明されている自立可能な行財政運営ということに関してお聞きいたします。  自立ということには二重の意味があります。第1に、これまでの行財政運営の結果としての多額の負債とその返済の問題、第2に、現在のプライマリーバランスにかかわる行財政運営。自立可能なという観点から、市債等にかかわる公債費並びに現行の収支状況で、自立可能とは具体的に何を目指しているのか、お尋ねいたします。  21年度普通会計決算は、実質収支が1,251万円の赤字となり、単年度収支も1,647万円の赤字となっています。昨年の予算委員会で、退職手当債は3億円を限度とすると、基金からの繰り入れは行わないとの言質を守り通してくれたことには敬意を表するものでありますが、これがあからさまな市の実態であり、また市債は減少するどころか微増しているという事実にかんがみて、自立可能な行財政運営とはほど遠いものを感じますが、さて、自立可能な行財政運営の展望と戦略及び細部にわたる行財政施策を示していただきたいと思います。  第2に、主権は国民にあって決して地域にはないと思いますが、これを分権と解釈するとして、地域主権にどのような権限の移譲を考えているのか、あるいは主権という場合、当然主権者は住民であるわけで、このことを自覚的に考えて、地域主権を提案しているのかをまず伺いたいと思います。  今は、ガバメントからガバナンスの時代になりつつあるとはいえ、100年以上の官僚統治の歴史、高度成長に伴う大量生産・大量消費の時代を経て、近年ではグローバリズムの全世界的浸透を受けて、コミュニティは衰退し、市民のコミュニティや行政への参加は減退してきているのが率直な現状であります。  しかし、コミュニティの活性化を抜きに市民参加型政治は羊頭狗肉であろうし、この難題を解くには政治家の力量に負うところが大きいと思われます。今後、どのように展開されるつもりなのか、お示し願いたいと思います。  続いて、地域間競争という場合、どのエリアでどういう競争を考えているのか。例えば、臨空都市ということで泉佐野、泉南、田尻を想定しているのか、あるいは阪南、岬も範囲に考えているのか、あるいは泉州全体をエリアとしているのか、その場合、競争とは具体的にどういうことを目指しているのか、お答え願いたいと思います。  第3点、幼稚園の2園化にかかわって、現行の保護者の評価はどのようなものか、わかる範囲でお答え願いたい。難しい案件ですが、幼保一元化はどのような位置づけに今なっているのか。保護者の要求、幼稚園と保育所の待遇の差等、また幼稚園の建設の大半は市債の発行で賄えるわけですが、鳴滝一・二小の合併も含めて、大型公共事業では大半が市債で賄わざるを得ない現状で、自立可能な行財政運営という観点からの位置づけということからも改めて説明を求めたいと思います。  第4点として、指定管理者制度、民営化後の評価は今どうなってるのか。公営から民営に変わった後の実際の長所、短所をどのように評価されているのか。今後のあり方を展望するに当たっての総括を求めたいと思います。  第5点目で、自由主義国家に暮らす私たちの社会では、国民は、勤労や納税の義務を果たしさえすれば、その基本的諸権利は保障され、法を逸脱し他人や社会に被害を及ぼさない限り、他者や社会にかかわらないで生きていくことができます。  しかし、それゆえに、自由主義国家では、日本では敗戦後の戦後復興、民主化の中で、基本的人権の名のもとに権利要求だけが優位に立ち、公共性の展開、自治や政治への参加は一層閉塞してきております。加えて、福祉国家が従来、家族や地域にかわって福祉を実施してきた結果、国民の福祉国家への依存体質は強まるばかりであります。  しかし、国-地方の財政崩壊の時代に福祉国家は見直しを迫られ、人は自分の権利だけを主張するだけの正当性は陰りを見せ始め、他人や地域社会への献身を始めざるを得なくなってきているように思います。  さらには、少子・高齢化が進むにつれて、高齢者問題は、地球環境問題と同じようにもはや他人事ではなく、介護者も被介護者も、それ以外の人たちも、自分の問題として考えなければならない時代に突入してきていると考えます。  ケアとは、他人の心と体の領域に入り、介護する者が、個というものの限界を脱し、介護される者の心身の介護に当たるもので、そこでは、私たちが知らないうちに当たり前としてきたもの、つまり、他者にかかわらないで生きる、が崩れ、他者と共生することが人として不可欠なのだということが知られてくるわけであります。  こうした21世紀のあるべき形を考えるとき、高齢者の生きがいにかかわって、現行の地域ケア体制とはどのようなものか、どのように作動しているのか、介護にかかわって市民の協力のあり方はどのようなものなのか、御説明いただきたいと思います。  私たちが生きている社会は、繰り返しますが、個人の人権は語られても、市民が公共的なるものにかかわって個々のテーマを議論し、参加するということは問われもせず、なおざりにされてきました。こうした自由主義国家特有の限界を超えるのは、政治的には、自由主義から共和主義的なるもの、つまり市民の政治への参加及び社会への貢献等への転換が必要でありましょうが、コミュニティベースで考えると、生物多様性を破壊する地球環境危機に対するグローカリズムの具体的な取り組み、自立と男性の正義の論理に対抗する、他者への注意・配慮・世話を中心とする女性のケアの論理を背景とした地域ケアの推進となるでしょう。  そう考えていくと、地域ケア体制の重要性は、地球環境危機と同じレベルであり、地域社会の公共の中心である行政当局が全力を挙げて取り組まなければならない課題であると思います。そうした観点から、地域ケア体制への取り組みの現状をお示しいただきたいと思います。  最後に、自然との共生ということで、当局は何をイメージし、どのような政策を検討、実施しているのか。10年ほど前に、自然との共生に踏み出す前提として泉南市の生態系の調査を提案し、実行にこぎつけ、一冊の冊子となりましたが、それ以降の展開がありません。もちろん、間接的にごみの減量化等、太陽光発電等さまざまな展開があります。  しかし、本市の場合、自然との共生という場合、自然ということに含まれる意味されるものは何か、それが政策とどのようにつながっていくのか、あるいは具体的な施策の展開、その道筋をお示しいただきたいと思います。  壇上での概括質問はこの程度で終わって、市長の熱意ある答弁をお聞きいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。 172 ◯議長(堀口武視君) ただいまの北出議員の質問に対し、市長の答弁を求めます。向井市長。 173 ◯市長(向井通彦君) まず、北出議員から初めておめでとうということを言っていただきまして、ありがとうございました。感謝を申し上げたいと思います。それでは、答弁に入らしていただきます。  まず、自立可能な行財政運営ということでございます。  この市政運営方針において自立可能な行財政運営を行っていくことの重要性を申し述べましたのは、昨今の地方分権、地域主権の大きな流れがある中で、地域のことは地域で決めるという方向性そのものは、我々自治体にとって喜ばしいことであるものの、その反面、次の2点を兼ね備えていなければ、真の地方分権、地域主権とは言えないと考えているからでございます。  その1点目は、市として行う施策・事業につきまして、国や府の補助メニューからチョイスするやり方ではなくて、本市の市民ニーズを踏まえ、主体性をもってみずから考え、実行していく自立性と、その結果責任が問われるということを今まで以上に自覚をしなければならないということでございます。  2点目といたしまして、みずから選択した施策・事業について、その実施を確実に支え得る健全で持続可能な財政基盤の確立が求められていることでございます。  この2つの要件を兼ね備えて、初めて真の地方分権、地域主権が実現できるものであると考えております。  また、これまでの負債等についての御質問もございました。これまでの負債とその返済の観点から、自立は可能か、あるいは現在の収支状況で自立は可能かということでございますが、本市の負債の最大の要素は、平成21年度末で普通会計ベースで約230億円の地方債残高と約90億円の土地開発公社の先行保有土地でございます。地方債残高につきましては、普通交付税から振りかえられる臨時財政対策債の振りかえ額の増嵩等によりまして、平成21年度末では前年度に比較して約3,700万円の増加となっております。  平成21年度末の地方債残高230億円のうち、臨時財政対策債、減税補てん債等の100%交付税措置される特例債の残高は約71億円で、全体の3分の1に上っておりますが、これらの償還財源については、制度上、普通交付税で担保されているものと考えております。  しかし、普通建設事業の財源として発行した普通債の残高につきましては、前年度より6億8,000万円強の減額で、平成9年度から12年連続での減少でございます。  また、土地開発公社の保有地につきましては、平成20年度から経営健全化計画を進めているところであり、平成18年度末で約102億円あった保有額は、21年度末では約90億5,000万に縮減をしております。健全化計画に基づき、平成24年度末には約67億円に縮減の予定でございます。  いずれの課題もその解消には時間を要し、短期間で解決できるものではないと考えておりますが、計画性を持って着実に改善に向け努力をしていく所存でございます。具体の目標なり方策につきましては、この秋までに策定を進めております新たな行財政改革の計画の中でお示しをしてまいりたいと考えております。  なお、プライマリーバランス──基礎的財政収支の観点からもお尋ねでございますけれども、平成21年度決算のプライマリーバランスは約5億円の黒字であり、公債費以外の歳出を市債以外の歳入で賄ったことになっております。  次に、地域主権とはということでございますが、政府は、昨年の11月、内閣府に地域主権戦略会議を設置して、地域主権の具体的な取り組みをスタートさせました。また、地方分権改革推進計画、これは平成21年12月15日に閣議決定されておりますが、この計画には、国と地方自治体の関係を、国が地方に優越する上下の関係から対等の立場で対話のできる新たなパートナーシップへの関係へと根本的に転換し、地域のことは地域の住民が責任を持って決めることのできる活気に満ちた地域社会をつくることが必要としております。  そして、今国会には、地域主権改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(地域主権改革推進一括法案)が提出され、自治体の自主性を強化して、自由度の拡大を図るため、国の義務づけ・枠づけの見直しのための関係法律(41法律)の一括改正が行われる予定でございます。  地域主権の進展に伴いまして、地方自治体は自主的なまちづくりが可能となる一方で、みずからが決定し、みずからが責任を持つことが求められてきます。さまざまな地域課題に対して、地域ニーズに的確に対応した施策を展開していくためには、従来型の行政主導では十分な成果は期待できないところでございます。  地域にどのような権限を与えているのか、主権者である住民をどのようにとらえているのかという質問でございますが、主権者としての住民が主体的に自治を担うのが本来の姿であるとすれば、何もかもを行政が行うのではなく、市民との協働や市民参画による行政運営が必要になってまいります。  特に、福祉・介護、教育、環境、防犯、防災など、市民の日常生活に身近で、かつ広範囲での解決が求められる課題については、現場に一番近いところで議論し、提案から実施につなげていくことが必要で、区や自治会、各種市民団体などの組織に改めて注目することは、意義のあることと考えております。
     住民参加型のまちづくりを実現していくため、今後自治基本条例の策定に向けた準備を進めてまいりますが、その中で、市民の参画や協働によるまちづくり、新しい公共の時代における各主体の役割分担や市民のまちづくりに参加する権利などについても条例でしっかりと規定し、コミュニティの活性化を支援してまいります。  また、都市間競争についての御質問もいただきました。国の義務づけ・枠づけの見直しに見られるように、地域主権が今後さらに進展してくると、権限や財源の移譲とともに、地方自治体には地域の特色を生かした個性的なまちづくりがますます可能となってきます。その意味で、地域主権の推進は自治体独自の施策展開が可能となるため、自治体間競争の視点が必ず伴うものと認識をいたしております。  今後は、人口の減少傾向、少子・高齢化の流れの中での人口構成のゆがみ、勤労者世帯の減少や高齢者福祉サービスの増大など、時代の変化を敏感に受けとめなければなりません。民間企業も、いかにして他社との差別化を図れるかが問われるように、人口減少時代においては、地方自治体がいかに他市町にない住民を引きつける特色のある魅力的なまちをつくれるかが、市の命運を握る大きなかぎとなってまいります。  本市は、関西国際空港の地元市として、農業地域等、緑・水あふれるまちとして、空港開港を契機とした都市基盤整備や農業公園等の緑とのふれあいゾーンの整備、総合交流拠点施設、総合福祉センターの整備など、人と人がふれあい、市民が安全に安心して暮らせるまちづくりを目指して施策に取り組んでまいりました。  そして、地元2市1町がりんくう都市圏として相互に協力しながら、それぞれが特色ある施策の実施を競い合うことが、結果として、泉南市を含む2市1町の発展、ひいては泉州地域全体の発展につながっていくものと考えておりまして、相互発展が地域主権、都市間競争の目指すところでもあるとの認識をいたしております。  次に、幼稚園の統廃合あるいは鳴滝第一・第二小学校の統合等の公共事業に係る市債発行と行財政運営についてのお尋ねでございます。  地方債の発行につきましては、後年度における償還を勘案すれば、長期的な財政運営から見て、財源をみだりに地方債に求めることは適当ではなく、十分な配慮が必要であるということはもちろんのことでございます。  公共事業の財源として発行する地方債につきましては、当然のことながら、その償還をも含めて、中・長期の財政運営計画に位置づけられるものであり、毎年度の予算編成時には、プライマリーバランスを崩すことのないよう留意をしてまいりたいと考えております。  ただ、地方債の機能は、財源の調達、年度間における支出の平準化だけではなく、施設建設等の必要財源を建設年度の住民だけに求めるのではなく、その施設を使用することとなる10年、20年後の住民まで満遍なく負担するほうが公平であるとする世代間の負担の公平の意味からも発行しております側面もございます。  普通建設事業に係る市債の発行額がここ12年間続けて償還額を下回り、その結果として、市債残高が減少していることは、さきに御答弁したとおりでございます。平成9年度末では226億9,200万円あったものが21年度末では152億4,300万円、74億4,900万円、率にいたしまして33%の減少でございます。  加えて、御質問の中で御指摘のありました幼稚園の統廃合については、就学前教育の拡充を目的とするものであるが、副次的効果として、事業年度の平成21年度、22年度においては、投資的経費の臨時的支出が必要となるものの、23年度の統廃合以降においては、運営、維持管理面での経常的な経費に一定の財政的効果額もあるものと考えております。  次に、幼稚園問題に関連して幼保一元化についての御質問でございますが、本市におきましては、多様な保護者ニーズにこたえ、保育の機会均等、安定した保育環境を提供するため、これまでの幼稚園と保育所の充実を図るとともに、新たな選択肢としての幼保一元化を推進していきたいと考え、昨年幼保一元化基本方針(素案)を策定いたしました。  幼保一元化の推進に当たり、これまで全国的には幼稚園、保育所という2元化の中で、所管、法令、保育時間などさまざまな違いがある中で、より有効に機能させるために、国においては幼保連携推進室を設置し、認定こども園制度の普及に努めているところでございます。また、本年4月、政府の子ども・子育て新システム検討会議が開催され、幼保を子ども園として、所管、財源、保育内容などを一本化する基本方針が合意されたと伺っております。  今後、平成23年に関連法案等を国会へ提出し、平成25年度本格実施を目指すこととなっております。今後、国の動向にも注視し、制度設計を図ってまいりたいと考えております。  幼保一元化では、幼稚園と保育所の相互理解が最も重要であるところでございますが、本市では、幼稚園と保育所が泉南市人権教育研究協議会など同じ研究団体に属し、協働で保育教育の推進に努めてきた実践もございます。また、幼稚園、保育所と小学校との遊びから学びへの研究が進められてきた経緯もございます。これらの先行事例を有効に活用するとともに、待遇面等の課題の検討を十分行ってまいりたいと考えております。  それから、幼稚園が新たにできるわけでございますけれども、この保育内容の構築ということについて御答弁申し上げます。  幼稚園は、議員御指摘のように、これまで9園が培ってきた保育と新たに求められている機能を持ち合わせた幼稚園として生まれ変わるわけでございますが、新しい幼稚園の保育内容は大変重要だと考えております。  これまでの公立幼稚園の保育の理念及び内容につきましては、サン愛プランにまとめており、このプランに基づき実施されております。また、2年間、3年間に習得する内容は、泉南市公立幼稚園・教育課程としてまとめられております。地域の実情に応じて、各園の特長はありますが、基本的なことは同じであり、それぞれの園の取り組みにつきましては、常に研究会を通じて交流しており、全職員で共通認識をしております。  これらの積み重ねがありますので、新幼稚園での保育につきましては、これまでのものを基本に継続していくことができます。新しい機能につきましては、3歳児保育の試行や預かり保育の試行をもとに詳細を検討しているところでございまして、先行的に実施している市町村からも話を聞き研究をいたしております。4月開園までに今後も引き続き、子どもや保護者の実情を考えながら、より保育内容を充実させていきたいと思っております。  それから、保育所の運営で指定管理者制度から民営化をいたしましたけれども、その評価についてはどうか、あるいは長所、短所はどうかという御質問でございます。  指定管理者による運営を続けてきた信達保育所では、今春、完全民営化に移行させていただきました。その後、変化があったか、長所・短所はいかがかという御質問ですが、現在までに大きな短所は感じておりません。といいますのも、民営化移行前にも幾つか変更のある事項、具体には手続の変更内容などについて保護者説明会を行いましたが、その際にも特に反対される意見もなかったと聞いておりますし、以降現在においても、そういったお話は聞いておりません。これも指定管理者制度を導入することで、児童や保護者皆様に安心していただくことができたものと考えております。  一方長所としては、やはりこれまでの泉南市だけのカラーとは異なる、私立ならではの独自色ある保育が行える点にあろうかと思います。もちろん既に指定管理中からも随分そういった特色は出していただけたものと思っておりますが、さらにそれらが生かされてくるのではないかと期待をいたしております。  具体的には、信達保育所を運営している恵由福祉会では、以前から児童の身体の育ちやバランスに留意されてきたと聞いておりまして、現在、信達保育所では、毎日の柔軟体操を取り入れたり、ミニマラソンのような運動の時間も通年設けられたりと、その方針・理念に基づいて保育をしていただいていると聞いております。また、保護者からの御要望が高く、それにこたえる形としまして、児童がいすに座った上で、鉛筆を使って絵をかいたりして遊ぶ時間を取り入れていることも伺っております。このような保護者ニーズに敏感に対応できるのも、やはり民営化により運営の柔軟性が高くなったゆえかと考えております。  また他の長所としては、コストメリットが挙げられます。既にさきの議会でも御案内してまいりましたが、民営化することにより国・府の負担金もちょうだいすることができますので、保育所1園当たりおおむね1億円以上のメリットが生じてまいるものでございます。  以上のように、これまで保育所の民営化を進めてまいりましたが、その効果・成果は明確であり、特に激変緩和のために、指定管理者による運営を介在させた手法も相当な効果があったものと考えております。  次に、地域ケアについての御質問でございます。  現行の地域ケア体制についてでございますが、泉南市第4期高齢者保健福祉計画の基本目標に位置づけておりますとおり、要介護状態になっても、可能な限り住みなれた地域や自宅で生活し続け、人生最後のときまで自分らしく生きるため、生活上の安全・安心・健康を確保し、医療や介護のみならず福祉サービスを含めたさまざまな生活支援サービスが日常生活の場で適切に提供できるような、地域での体制の構築を進めてまいります。  具体的取り組みにつきましては、平成18年度より地域包括支援センターを市内に2カ所設置し、主任介護支援専門員、保健師もしくは看護師、社会福祉士の専門職種を配置し、多職種協働により、その専門知識や技能を互いに生かしながら、地域での各種のサービスや住民活動を結びつけ、地域のネットワークの構築を第一としながら、個別サービスのコーディネート等の活動を進めているところでございます。  ケアの市民参加につきましては、市内の6地域で見守りネットワークが立ち上がっており、民生委員・児童委員や地区福祉委員を初め、各区・各自治会の住民参加による地域の見守り活動が推進されております。  また、市内4つの中学校区を基本としながら、整理統合した日常生活圏域である4圏域においてコミュニティソーシャルワーカーを配置し、そのコミュニティソーシャルワーカーが各地域から協力相談員を発掘し、各日常生活圏域で毎月地区ケア会議を開催し、地域の要援護者へのケアを行っているところでございます。  さらに、認知症ケア推進事業におきましても、地域で認知症の方をサポートできる認知症サポーターを養成する講座の講師役を務めていただくために、認知症キャラバン・メイトの養成研修を実施し、約80名の皆様に受講をいただきました。今後は、認知症キャラバン・メイトによる認知症サポーター養成講座が、市内各箇所において開催されることになっております。  健やかに自立して暮らし続けるための基盤となる地域ケア体制を確立するため、地域医療関係者の皆様を初め、地域住民のサポーターの皆様とともに、協働で地域ぐるみの支援体制をさらに推進してまいりたいと考えているところでございます。  最後の御質問の自然との共生ということでございます。  泉南市は、大都市近郊にありながら、海、山、里の自然環境に恵まれ、日常生活を送るとき、四季の移ろいや季節の恵みを絶えず五感で感じることができます。我々市民は、この環境に感謝すると同時に、これを保全し、後世に伝えるべき重大な責務を負っております。  自然との共生については、ハード面でのエコシティー構想というものがあり、日本において約20の自治体がそれぞれの地域特性を生かした取り組みを行っております。自然との共生に向け、我々が取り組むべき活動としては、グローバル目線に立てば、公共、民間を問わず、省エネルギー、省資源化、再資源化の徹底を図ること等が挙げられ、本市では公共施設の一部に太陽光発電システムを導入しているところでございます。一方、生活目線に立った場合の身近な活動としては、地域美化活動への参加や、河川の保護活動、不法投棄の防止等が挙げられます。  いずれにしても、我々一人一人が十分自覚し、不断の努力を積み重ねてこそ、この美しい環境を守ることができるものと考えており、市民に向け適時情報を発信してまいりたいと考えております。  また、本市では、平成16年度において、御指摘ありました大阪自然環境保全協会や、各方面の専門家の方々等の協力を得、生態系調査を実施し、冊子「泉南市の自然」を発行しました。泉南市内の森林、里山、ため池、川、海等の植物、鳥、昆虫、魚等の植生や生態を調査したものとなっております。この冊子は学習資料として市内全小学校の高学年へ配布を行い、以降希望者へも随時配布を行うことにより、一定の効果が見込まれているものと考えております。  また、自然との共生において、人による維持管理とともに、生活領域に存在する身近な自然の重要性を考慮し、地域の人々の関心が寄せられる自然と人との触れ合いの場として、豊かな交流を確保できるよう、市民との協働のもと、今後行政として可能な方策の検討をしてまいりたいと考えております。  また、我々公共事業を行う者といたしましても、自然との調和といいますか、共生ということを十分念頭において事業を行っていかなければならないというふうに考えております。この豊かな泉南市の自然を大切にし、そして後世の皆様に守り伝えていくということが大切だというふうに考えております。 174 ◯議長(堀口武視君) 北出議員。 175 ◯18番(北出寧啓君) 自立した行財政運営という観点から、ちょっと質問さしていただきたいと思います。  従来の指標といろいろ勘案して申し上げますと、これは泉南市がおつくりになった資料でございますが、例えば地方債現在高というのは、平成10年度が246億円ですか、11年度が243億円で19年度が233億円ぐらいですね。だから、10億円ぐらいしか減ってないわけですね。  ただ、もちろん国の施策があって、臨時財政対策債とか、そういうことでかぶせてくるんで、その辺の地方・中央関係があると思う。それはもうわかるんですけれども、ただ単純に数字だけを見ますと、10億円ぐらいしか減ってないというふうなことで、実質的に普通建設債等はかなり減ってきてるということは評価できるわけでございます。  それと、単純な数値からいいますと、積立金の現在高が、11年度が34億円あって、現在で18億円ぐらいですかね。だから、その分はもちろん目的的使用であれば全く構わないんで問題ないんですけども、数字だけ見ると、地方債が10年間で10億円ぐらいしか減ってないと、積立金も一応15億円ぐらい使っているということであれば、数字だけ見れば何もしてないという結果になるわけですね。ただ、今申し上げたように、臨時財政対策債の問題とか、基金の目的的使用とか、それを当然考慮したらまた結果は全く違うんで、その辺の御説明をできたらしていただきたいと。  それと、問題は、我々経常収支比率がやっぱりずっと下げて九十五、六まで下げるということが、104ぐらいからまた上がって100を超えてきてるわけですよね。だから、これで経常収支比率を見ますと、平成10年度で104.4ですね。11年度が100.8なんです。ずっと一応下げると、九十五、六を目指すということであったんですけれども、もう100を超えてきて、その目的側からちょっと余りこれが目的とされなくて、ほかの指標が国の指標に変わってきてるんで、それはちょっともう一回基準に戻して、真摯に受けとめて考えるべきだろうというふうに考えます。その点もお聞きしたい。  冒頭でも申し上げましたように、退職手当債は3億を超えないということと、基金からの繰り入れは流用しないということで、これでは詰まるだろうなと思って、やっぱりこれは詰まってくるわけですよね。そこを詰まるということが想定したんで、この赤字はまあまあある程度想定の範囲だと思うんですけども、そうだとすれば今後どういうふうに展開していくのかですね。  これ黒字化が三、四年続きました。ただ、それはあくまで繰入金とか流用とか退職手当債等で黒字になっただけで、それをある程度限界をみずから示していただいて、赤字になったと。ただ、今後これをどうするのかということですね。それをお答え願いたいと思います。  もちろん、今は国レベルでは44兆円か、税収が37兆円ぐらいで、国債の発行が上回ってるという構造で、これはもう本当に1年、2年しかもたないんじゃないかと。消費税の問題がやっぱり当然議論されてくる。ただ、消費税を上げちゃうと当該政権は崩壊するということが日本の歴史なんで、なかなか踏み込めないという、それこそダブルバインドで両挟みの状況になってると思うんです。  こういうことが起こってくると、本当に臨財債の地方交付税の補てんもかなり難しいと。難題がもう山のようにあるんで、この状況で首長をするというのは大変なことだと思うんですけれども、一括して答弁をお願いいたします。 176 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 177 ◯市長(向井通彦君) 確かに、地方債残高の数字だけを見ますと、ほとんど変わっていないじゃないかと、こういうことになるんだというふうに思いますが、ただ中身が当時とは相当違っていると。当時はその大部分が普通建設債であったわけなんですけども、それはさっき言いましたように七十数億ですか、減らしてまいりました。ですから、そういう面では我々としても事業に投資する額を非常に絞り込んできているというのは、一定評価いただきたいというふうに思います。  そのかわり、これは国の施策になるわけでございますけども、減税補てん債とか、あるいは臨時財政対策債というような、本来は税収でカウントされなきゃいけない、あるいは地方交付税でカウントしてもらわなければいけない部分が、国もお金がないということでこういう起債発行にして、その償還については国が保証しますよと、こういう方向になっておるわけでございまして、これが逆にどんどんふえてきたということで、合わせますと本当に横ばいか少し減った程度だということにはなっております。  ただ、それは国の施策でございますんで、これは泉南市に限ったことではなくて、全国の自治体が同じような傾向にあるわけでございますんで、我々が注視しなければいけないのは、本来の目的で発行している普通建設事業債、こういうものを確実に減らしていくということが最も大事だというふうに考えておりますので、それがずっと長きにわたって減少、10年にわたって減少さしてきたということについては、一定私たち自身も評価をしているところでございます。  ただ、御指摘いただいた経常収支比率でございますが、これはなかなかドラスチックに下がるというもんでもございませんで、少しずつ下げていくように最大の努力をしているわけでございますけれども、いろんな国のそのカウントの仕方が変わったりとかいろんな外部要因もございましたので、一概には言えないわけでございますけども、ただ20年度では100.何ぼということで非常に高い数字になっておるのも事実でございます。  21年度末はまだ結果がもう少し先にならないと出ませんけれども、着実に減らしていくように、我々としては毎年神経をとがらせながら財政運営を行ってるというのが現状でございまして、少なくとも大阪府平均並みまで下げたいということをもとに、全力を挙げているところでございます。  それから、今後ということでございますけれども、今年度といいますか、21年度決算速報値をこの前お示しさしていただきましたけども、普通会計ベースで若干の赤字ということでございます。ただ、中身的には新たな繰りかえ運用はしておりませんし、一応退職債も3億円を超えて発行はしていないということは守って行ったところでございます。  財政健全化プランの中との比較になりますと、そこで示しているいわゆる21年度決算の数値と比べますと、若干好転といいますか、いいほうの数字になってるということでございます。  ただ、これからもさらに非常に厳しい状況は続くというふうに考えておりますので、先ほども申し上げましたように、この秋までをめどに新たな健全化計画をつくってまいりたいというふうに考えておりまして、その中で私の今度の選挙でマニフェストに載せたような内容も盛り込みながら試算をし、そして財政のこれからの見通しを作成していきたいと。  そのためには、なお一層の切り込みというものが必要になってこようかというふうに思っております。特に、人件費を中心とした固定経費の削減ということについては、さらなる努力が必要であるというふうに考えているところでございます。  いずれにいたしましても、プライマリーバランスをしっかりと守って、行財政運営を行っていくということが基本でございますんで、そういうことを十分心に念じながら、今後の行財政運営に取り組んでまいりたいと考えております。 178 ◯議長(堀口武視君) 北出議員。 179 ◯18番(北出寧啓君) 市長は難しい立場にあって、長期政権であられますから、基盤整備もいろいろやられて、その中で財政危機も伴って、今は財政再建の任を担ってると思ってますので、しっかりやっていただきたいと思います。  次に、鳴一・鳴二でちょっとお聞きしたいんですけれども、統廃合はもちろん1つの区で2つの小学校があるというのは不自然なんで、当然1つであるべきだと思うんです。  ただ、モデル校等の枠組みで主張されてるところは、戦略的に泉南市全域にモデル校であればそれは規範的な小学校だということで、以前もモデル校と言いながらほかへ波及していかないという問題があったんで、その辺の戦略ですね。枠組みをきちっと提示していただかなければ、なかなか賛成しがたいなと我が会派は考えておるわけでございます。その辺をちょっと説明していただきたいと思いますが。 180 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 181 ◯市長(向井通彦君) 2つの学校を統合するわけでございますんで、ただ単に統合するということだけではなくて、やはりスキルアップをしていかなければいけないというふうに考えております。言い方としてモデル校という形を申し上げております。これは、これからの時代の教育に対応していけるような、特にハード面の整備ということになろうかというふうに思います。  1つはバリアフリー化でございまして、特に障がいをお持ちのお子様が通われるということもございますし、これからの時代でございますから、改造するときには大阪府の福祉のまちづくり条例に見合ったような整備をしないといけないということもございますから、そういう面での一定のレベルアップを図っていきたいというふうに考えております。  それから、教育のあり方そのものについても、これはソフトの面になろうかというふうに思いますが、これもやはり2つの学校が1つになるということを契機に、しっかりとした教育内容というふうにしていかなければいけないと考えております。もちろん、モデル校ということについては、他校に将来同様にそういう改修なり整備をしていくということが前提になっていなければいけないというふうに考えております。  そういう意味では、今回鳴滝第一・第二小学校が統合されるというのを契機に、1つのそういうモデル的に改修をして、そしてそれを1つのスタンダードにして、今後は他校についても順次そういう方向で整備をしていくというふうにしてまいりたいと考えております。  これについては、教育委員会でも今後のそういう整備方針というものをつくっていくということになっておりますんで、教育委員会とも十分連携を図りながら、全体としてのかさ上げができるように努めていく必要があるというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。 182 ◯議長(堀口武視君) 北出議員。 183 ◯18番(北出寧啓君) 代表質問は教育長にも向けられたらいいんじゃないかと思うんですけれども、市長ということでございますので、その辺の限界もあると思います。  ただ、バリアフリーは私も障がい者なんで本当にエレベーターがないとなかなかきついなというのはわかりますし、障がい者の方というのは当然必要とされてますので、ハード面でのおっしゃったことはよくわかるんです。  ただ、教育は本当はソフト面がどうかということになるんで、その辺がなかなか見えてこないんで、それは難しいと思いますよ、じゃモデル校のソフト面はどうするんかと。でも、それもきちっと議論していただきたいなというふうに……。政治家ですから、モデル校を一般化するためにどれぐらいの期限までかお聞きしたいんですけども、代表質問なんでこの程度でおさめて、また後の議論で答弁を細かくしていただけたらと思います。  次に、これは市長も政治家としてどうかな、我々も当然そうなんですけれども、やっぱり自由主義国家というのは、弊害というのが個人の人権、自由がやっぱり基本であって、他者へなかなかいかないという、公共的なものがどうしてもうまくいって来なかった、戦後日本はということでですね。  なおかつ、福祉国家というのは、本来、地域社会が、あるいは家が、家族が、地域がやってきたことを全部自治体なり中央政府が代行していくんで、依存体質になってるんで、その枠組みは、我々が政治、行政を担っていく場合に、住民参加をどう求めるかというのは非常に難しい。  これは議論したって一言で解決もなかなかないということは、あくまでわかることなんですけれども、ただ、だから基本的にその制度的なものをどう積み上げていくかということが重要で、市長がさっきおっしゃられた、我々もずっと森議員あたりから自治基本条例をどうするかと。  今回、市長の表明のあれでは男女平等というのが出たんですが、自治基本条例に触れなかったんで、今ちょっとおっしゃられたんで、どうかなと思ってたんですけれども、自治基本条例、制度があればそれですべてがうまくいくというわけでもないんですけども、でも一定の制度的な補完をしなければ、やっぱりコミュニティの活性化も難しいだろうし、今ちょっとお聞きしたいのは、自由主義国家の限界を市長なりに、その市民社会で市民との協働とか自然との共生とか、どう求めていくか。社会への貢献ということも触れられてましたし、その辺をどう組み立てていくか。  しかも、それはなかなか個人が一人一人自分の権利だけ主張して生きていく社会だったら、どこで社会貢献するのかというのは非常に難しいんですけれども、それが少子・高齢化社会のケアの部分であるし、私は、地球環境危機で人の存続もかかわって、それが1つの結節点となって社会貢献へ、あるいは個人の限界を超え他者へ、心と体へというケアの枠組みで、1つの統合が得られるんじゃないかというふうに私は考えておるわけでございますが、その辺含めてちょっと市長のお考えをおっしゃっていただけますか。 184 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 185 ◯市長(向井通彦君) 日本は戦後、自由主義国家ということで成長をしてまいりました。それだけ個人の自由なり人権、それから基本的な行動も含めて、言論も含めて比較的自由な社会で育ってまいりました。  ただ、我々が子どものころは、今とはやっぱりかなり違いまして、とにかく自分たち、あるいは隣近所、向こう三軒両隣、こういう方々と一緒になって、いろんなこと、自分たちでできることはできるだけ自分たちでやってきたという時代でありました。それが高度経済成長とともに、だんだん、だんだん自己主張が大きくなってまいりまして、自分たちが本来やらなければいけない身近なこと、やれることもなおざりになって、そして何でも行政、行政という時代になってきたのも事実だというふうに思います。  ただ、ここに来まして最近は特に、先ほど来から話ありました協働という言葉が飛び交うようになりまして、できるだけまた自分たちでやれること、あるいは自分たちと行政あるいは地域と一緒になってやれることを分かち合いながらやっていこうと、そういう風潮が醸成されてきたというふうにも思っております。  また一方、企業は、今までみたいに利益追求だけではなくて、企業としての社会貢献、地域貢献というものが求められるようになってまいりまして、それが企業がまた地域なり社会に還元すると、そういう時代に入ってきてるというふうに思いますので、ややいい方向に向かっているんではないかというふうに思っております。  そして、特に今の時代は、国も、それから都道府県も市町村もお金がない時代でございますから、泉南市であれば市民の皆様、あるいは各種団体の皆様と力を合わせて、お互いに知恵を出しながら、必要最小限の経費でいろんなことができるような協働ができる、そういう社会が醸成されてきたというふうに思っております。  泉南市でもいろんな市民の皆さんが自主的に活動されておられる団体、NPO含めてたくさんございますんで、そういう方々とやはり十分連携をして、そしてこれからの厳しい時代にそれらで乗り越えていくという自覚と、それから協調、連帯、こういうものをつくっていかなければいけないというふうに考えている次第でございます。  また、自治基本条例については、私のマニフェストにも書かしていただいておりまして、一応目標としては、平成23年度制定目標で準備を進めるということにいたしております。  ただ、これも非常にプロセスを大切にするということでございますので、やはり一定の時間をかけて十分議論をした上で条例化しないといけないというふうに考えておりまして、私どもとしては今年度からその準備に入りたいというふうに考えておりまして、23年度で条例案を策定し、そして議会の御審議をいただきたいというふうに考えているところでございます。 186 ◯議長(堀口武視君) 北出議員。 187 ◯18番(北出寧啓君) 我々は議会基本条例をつくろうということを提案さしていただいて、市長のほうも並行してやっていただくということで、基本的にはそれは自治基本条例にしても議会基本条例にしても、その議員なり市民なり行政の責務ですよね。今まで権利ばっかりじゃなくて、協働としてその責務をどう果たすかという観点でございます。  四、五年前に亡くなったジョン・ロールズというアメリカの政治哲学者が、無知のベールと言って、何もないとき、自分が意識が全くなかったら、社会保障とか何かがあれば必要とされるから、どうしても平等のほうへいくだろうと想定してるわけです。最近、僕は見てないんですけど、NHKでマイケル・サンデルという、ハーバード大学で一番有名でコミュニタリアンと言われてる人ですけれども、そのロールズの言うような白紙の状態なんてなくて、みんなやっぱり地域社会、共同体の中で生きてて、いろんな責務を負ってるんだと、それを果たさない自由主義というのは、それはもう問題外だというふうなことをマイケル・サンデルは、僕は本しか読んでないんですけども、言ってるわけです。  そういう共同体の今までの自由主義国家が自分の権利だけという時代から、やっぱり市長おっしゃった共同体の自覚というか、協働で皆営んでいくと、それが社会の一員としてある、単純なことなんですけども、だんだんその流れができつつあるんで、それを制度的に補てんして促進するためには、やっぱり自治基本条例等の制度的枠組みは必要であろうというふうに考えますので、よろしくお願いいたします。  自然との共生ということで、ここの方針に書かれてることが、太陽光発電とか電気自動車とか、今言われてるのは低炭素社会というのが今ちょっと流行語になってきて、支配的になってくるのじゃないかなと思いますけれども、ただそれはあくまで人間が、経済が持続する繁栄ということで、それをやらざるを得ないということなんでしょうけれども、ただ生物多様性からいうと、その辺をどうするのかということをもうちょっと目配りをしていただきたいなと。  その辺の枠組みがなかなかちょっと余り出されてない。ただ、さっきおっしゃられた河川の保全とか、樫井川もやられてますし、今男里川のほうも阪南市、泉南市でやろうかというふうなこともあって、市長もぜひそういうとこに参画していただいて旗を振っていただければありがたいかなと思ってますので、よろしくお願いいたします。  それで、もう1つ、ケアの問題をもうちょっと議論したいんですけれども、どうしても近代社会、市民社会というのは、勝手な個人で動いてくるという枠組みだったんで、それを突破するのはやっぱり他者に入るということなんですよね。ケア体制はいろいろお聞きします。それはあくまで政治、行政の範囲なんで、制度論的な話だと思うんですけれども、ただ哲学的にといいますか、人間個人の限界を超える枠組みを今の我々地域社会、市民社会はつくっていかなければ、持続的な存続はもうあり得ないなというとこで、その突破口がやっぱりケアなんだなというふうに僕は考えてるわけですね、それが環境問題とですね。  社会に貢献する、それから他者に献身する、これが根本的な市民社会の構造を変えていく新しい市民社会づくりの原点かなと思うんですけれども、もしお答え、何らの言及があればちょっとおっしゃっていただきたい。 188 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 189 ◯市長(向井通彦君) 今、福祉社会といいますか、そういう時代を迎えているわけでございまして、特におっしゃったケアの問題ですね。さまざまな形態があろうかというふうに思いますけれども、基本は、在宅といいますか、そういう地域でケアをしていくというのが一番望ましいんだというふうに思っております。  しかし、実態としてはなかなか核家族化が進んでそういうケアができない、あるいは環境的に住環境も含めて、そういうシステムにはなり得ないというふうなこともあろうかというふうに思います。そういう場合は、どうしてもそういう施設介護なり福祉の専門家の皆さんの手によってケアをしていかなければいけないという問題もあろうかというふうに思います。  大変複雑な社会情勢の中で、やっぱり一番は、昔我々の社会では、子が親を見るというのはもう当たり前の時代であったわけなんですが、最近はなかなかそれが崩れてしまって、親は親、子は子というような社会になってきているのも事実でございますから、なかなか本来の人間のあるべきその1つの家族体、家族構成あるいはケア体制というものが十分に機能していないという実情にあろうかというふうに思います。したがって、それをじゃかわってどういう形でそれを支えていくかということになろうかというふうに思います。
     我々行政としてできることは、できるだけ非常にお困りの方々に対しての、主には施設介護的にならざるを得ないんですけれども、そういう形のハード、それからソフト面の整備、そしていろんな援助、こういうものになってくるかというふうに思っております。ただ、行政のほうも、福祉の予算というものが絶対に今後とも減っていかないだろうというふうに思われてる中で、だんだん、だんだん膨らんできてるというのも事実でございますから、大変難しい、悩ましい問題であろうかというふうに思います。  安心して住めるような安心度の高いまち、泉南市は全国的に見ても結構高い位置にあるんですけれども、そういう1つの客観的な評価、数字も含めて、泉南市がより安心して住めるまちというふうにしていかなければならないというふうに考えているところでございます。 190 ◯議長(堀口武視君) 北出議員。 191 ◯18番(北出寧啓君) もう時間ございませんので最後の質問ということで、市民社会、地域社会で自治コミュニティを活性化していって、基本条例をつくりながら新しい体制をつくっていくということで、政治的には若干レベルが違うんですけども、旧来の自由主義、それはあくまでジェファーソンなんかが言った自由と平等と個人の幸福の追求みたいなことであったんですけれども、ある人なんか公的幸福の追求、いわゆる社会参加、自治への参加というのがなくなったのがアメリカの崩壊の原因だと言ってる人もいるんですけれども、そうするためには、例えば自由主義国家では選挙に行かなくて家族旅行してもいいわけですから、そういう選択肢があるわけですね。公共的なものに余りかかわらなくても、別に人権として自分が保障されるみたいなとこがあるんですね。そこはやっぱりどうしても一定の転換を図らなければ、新しい社会は来ないと思うんですよね。  そういう意味で、共和主義的なレベルが今ちょっと問題になってて、政治はやっぱり皆参加して、そこで言論表明して議論することが人間らしいあり方だというふうに、そういう展開もありまして、片一方でヨーロッパみたいに社会民主主義があるんですけれども。ちょっと一言、市長はどういうあり方を望むか。 192 ◯議長(堀口武視君) 向井市長。 193 ◯市長(向井通彦君) 日本は資本主義、自由主義ということで成長してまいりました。ただ、市場原理主義に走り過ぎた面があって、そのひずみが出てきたというのも事実だというふうに思います。  じゃ、これからの社会はどういう社会を目指すのかと。いわゆる資本主義、自由主義のちょっとやわらかいような状態なのか。今は社会主義国家だと言う人もおられますから、いろんな見方があるというふうに思うんですね。やはり競争原理というのは求めていかなければいけないというふうに思いますから、資本主義、自由主義の中で、余り原理主義を求めない、比較的ソフトな自由主義といいますか、そういうものが望ましいんじゃないかなというふうに思っております。 194 ◯議長(堀口武視君) 以上で北出議員の質問を終結いたします。  お諮りいたします。本日の日程は全部終了いたしておりませんが、本日の会議はこの程度にとどめ延会とし、来る14日から本会議を継続開議したいと思います。  これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」の声あり〕 195 ◯議長(堀口武視君) 御異議なしと認めます。よって本日の会議はこの程度にとどめ延会とし、来る14日から本会議を継続開議することに決定いたしました。  本日はこれをもちまして延会といたします。どうもお疲れさまでございました。       午後4時22分 延会                   (了) 署 名 議 員  大阪府泉南市議会議長   堀 口 武 視  大阪府泉南市議会議員   和 気 信 子  大阪府泉南市議会議員   梶 本 茂 躾 © Sennan City, All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...