枚方市議会 2021-10-11
令和3年決算特別委員会(第6日目) 本文 開催日: 2021-10-11
これまで、ひらかた病院の経営改善については様々な要望をしてきましたが、令和2年度に取り組んだ通常診療における経営改善もコロナ禍にかなわず、懸命にコロナ病床を確保したことに対する報奨的な補助金と用地の売却で黒字となっていることから、この黒字は一過性のものであり、本業の医業収支が約7億円悪化していることを踏まえると、コロナの補助金がなくなれば、あっという間にこの8億円はなくなってしまいます。
そこでお伺いしますが、ひらかた病院ではこの利益剰余金をどのように取り扱おうと考えているのか、お伺いいたします。
11 ◯小篠俊文市立ひらかた
病院経営企画課長 令和2年度の利益剰余金は、委員お示しのように、コロナ対応に対する補助金や有効活用地の売却による一時的なものと捉えており、補助金交付が今後も同様になされるか不透明であることと、新型コロナウイルス感染症の収束後における来院患者の回復が見通せないことから、当面は未処分とし、長期的な視野に立てる状況となった際に、利益剰余金の処分について検討したいと考えています。
また、この利益剰余金7億9,400万円を維持、増額できるよう、コロナ診療と通常診療の両立を図り、様々な経営改善にも引き続き取り組んでまいります。
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◯妹尾正信委員 今、答弁されたように、アフターコロナの状況は来院患者数の回復も含めて不透明であり、本来業務で計上できた黒字ではないことから、赤字に転落する要素は大いにあるわけです。そのため、当面は未処分利益として確保しておき、本来の医業収支を改善して、長期的な安定経営の見通しが立ってから利益の処分を検討するよう要望しておきます。また、これまで以上の経営改善に取り組み、この8億円が目減りしないように、さらにはもっと増額できるような病院経営に努めていただくよう重ねて要望いたします。
続きまして、下水道事業会計について、お伺いいたします。
令和2年度下水道事業会計決算書の92ページにある貸借対照表について、お伺いいたします。
私は、平成30年度の決算において、93ページにある3.固定負債(1)企業債と4.流動負債(1)企業債について、お聞きしました。当時は、固定負債では約576億円、流動負債では約51億円でしたが、令和2年度の決算では固定負債が約533億円、流動負債が約48億円となっており、この2年間で企業債残高が約46億円も減少となっていることに驚かされました。
平成30年度には下水道事業経営戦略を策定され、企業債残高の縮減の取組を進めてこられた成果とも考えられますが、まず、減少の要因をどのようにお考えなのか、お聞きいたします。また、同じく92ページでは、2.流動資産(2)未収金がありますが、その内容について、併せてお聞かせください。
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◯林 清治経営戦略室課長 企業債残高につきましては、平成初期に多くの整備事業を行った際に、企業債を借り入れたことにより増加いたしましたが、平成初期の借入れの償還終了による減少に加えて、住居系地域の概成による事業費の減少などに伴い、企業債残高も減少しているものと考えております。
また、平成30年度に策定いたしました下水道事業経営戦略に基づき、経営基盤の強化を目的とした早期の企業債の償還やその利息の縮減のため、据置期間の縮減など企業債の借入れ方法の見直しにも取り組んでいるところです。
次に、未収金につきましては、下水道使用料の3月分の納期未到来などを計上しているもので、決算時には多額となりますが、その多くは翌年度の納期到来時には収納しております。
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◯妹尾正信委員 未収金については、企業としての会計処理に基づいていることは理解しましたので、引き続き、適正な未収金管理に努めてください。また、起業債残高の減少についても理解できましたが、企業債残高減少の要因は平成初期の借入れの償還終了による減少や事業費の減少が要因であるとのことでした。既存施設の更新、改良などに既に着手しており、ストックマネジメント計画や下水道整備基本計画などに基づき事業を進めていくためには、今後、多くの費用がかかると推察いたします。特に雨水事業については、多くの浸水被害を軽減しなければならないことなど、積極的な事業費の投入が必要であると考えています。
しかし、一方で、財源面では、人口減少やそれに伴う収入の減少など、財源確保の観点から企業債は必要不可欠であると思いますので、今後、企業債を今以上、減少させることは見込みにくいと考えますが、見解をお伺いいたします。
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◯林 清治経営戦略室課長 まず、今後の事業に関しましては、委員お示しのとおり、既に令和元年度からストックマネジメント計画に基づく点検調査を開始しており、その結果に基づき、老朽化施設に対する改築事業を実施することとしております。また、令和2年度末には下水道整備基本計画を策定し、今後の既存施設の更新・改良事業などに対する基本的な考え方についてお示しをしたところでございます。
そのために必要な事業費は下水道事業経営戦略で示しており、その財源には国庫補助金のほか企業債などを見込んでおります。
人口減少などに伴い、下水道使用量の減少傾向が見込まれる中、財源確保を図るためには一定の企業債の発行が必要ではありますが、企業債充当率や据置期間など借入れ方法の見直しに取り組みながら、企業債残高の縮減に努めてまいりたいと考えております。
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◯妹尾正信委員 企業債はいわゆる借金でありますが、施設の更新や改良により、将来世代も利益を享受することを考えると、その費用を将来世代にも御負担いただくため、負担の公平性の観点から、一定の企業債の活用は必要だと考えております。しかし、その際に過度な借入れを行うと、将来世代へ必要以上の負担を先送りすることにつながります。
そこで、今後、様々な事業を実施するに当たり、負担の公平性の観点から企業債残高の見通しはどの程度にするのか、見解をお伺いいたします。
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◯林 清治経営戦略室課長 下水道施設は利用者の皆様に安全、安心で快適な生活環境を提供し続けるために必要なものであり、適切に維持しなければならないと考えております。そのためには、委員お示しのように、将来世代にも下水道施設の更新などに係る費用を御負担いただくという観点から、企業債は必要な財源として有効に活用しなければなりません。しかし、企業債を借り入れる際には将来世代へ大きな負担を残さないよう、中長期的な視点から借入れ額を慎重に判断していく必要があると考えております。
そのため、まずは経営戦略の中で、令和10年度に見込んでおります513億円を目指すこととしております。また、毎年度の企業債の償還額を減価償却費の範囲内となるように企業債を借り入れるなど、資金面での安定化を図り、持続的な経営に努めていく考えでございます。
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◯妹尾正信委員 下水道事業は市民の生活基盤を支える重要なインフラであることから、これまで、市の施策として積極的かつ集中的に事業を進めてこられたため、その事業費は多額なものとなりました。それに伴い、その財源として活用してきた企業債も多額となり、経営を圧迫する大きな要因となったものと考えております。
質問の中でも申し上げましたが、様々な取組を行い、着実に企業債を減少させてきたことに関しては評価していますが、今後は施設の老朽化に伴う更新・改良事業が本格化します。そのために各種計画を定められていることから、それらの計画に基づいて慎重に更新・改良事業を進められ、将来にわたって継続的に下水道サービスが提供できるよう、安定経営に努めていただきますよう要望をさせていただきまして、私の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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◯野村生代委員長 次に、八尾
善之委員の質疑を許可します。八尾委員。
20 ◯八尾
善之委員 おはようございます。よろしくお願いいたします。
それでは、私のほうから、水道事業会計及び下水道事業会計について、伺います。
令和2年度水道事業会計決算書の25ページと令和2年度下水道事業会計決算書の106ページの事業費に関する事項の前年度に対する増減額を見てみますと、過年度損益修正損で、水道事業では約8,400万円、それと下水道事業では約7,100万円と大きく増加していますが、水道事業と下水道事業の過年度損益修正損の内訳について、それぞれ伺います。
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◯林 清治経営戦略室課長 まず、水道事業の過年度損益修正損につきましては、令和2年7月に判明いたしました水道料金の誤請求によって返還しました約8,300万円などを計上しております。また、下水道事業の過年度損益修正損につきましては、水道と同じく、令和2年7月に判明しました下水道使用料の誤請求によって返還いたしました約7,100万円などとなっております。
22 ◯八尾
善之委員 ただいまの答弁で、水道事業、下水道事業に係る特別損失の大部分が、令和2年7月に判明いたしました水道料金等の誤請求に係るものであると確認いたしました。
今回の誤請求に関しては、令和2年8月の緊急議会にて質疑した際に、伊藤上下水道事業管理者からは、「組織としてミスを見過ごし、また、今回お客様からの御指摘を受けるまで誤りに気づくことができなかったことは、組織のチェック体制が欠如していたものと組織の長として猛省しております。今後、二度とこのような事案が発生しないよう、チェック機能の強化は元より、職員には業務の目的や課題を共有し、常に高い意識を持って業務に取り組むよう、局全体の意識改革と体制整備に取り組んでいく所存でございます。」と答弁があり、私のほうからは、同じような事案が立て続けに起こっており、「管理者には、今回も利用者様に対して多大な御迷惑をおかけしたこの事案の重大さについて、局全職員と共有していただき、三度目が来ることのないよう、再発防止に全力で当たっていただきますよう、強く申し上げておきます。」とお伝えいたしました。
このような管理者の答弁、そして私の意見を踏まえ、再発防止のため、この間、どのように徹底した取組がなされたのか、伺います。
23 ◯亀野真紀上下水道総務室課長 令和2年度に判明しました水道料金等の誤請求の対応については、約1,900件の全ての協定書の内容が正しく水道料金システムに反映されているかを確認するとともに、再度、業務フローの改善を行うなど再発防止に努めました。また、毎月、業務チェックデーを設けて、業務が正しく遂行されているかの確認を行っております。
24 ◯笠井二朗上下水道総務室課長 加えまして、上下水道局全体の取組としましては、今回の事案については担当課だけの問題ではなく、局全体の問題と受け止めまして、局内全ての事務事業514件を対象に、業務フローの確認やヒューマンエラーの事前防止の徹底、チェック体制の強化などを目的に点検を実施いたしました。現在、点検の中で整備しました事務処理フローやチェックリストなどを活用していくことで、事務処理ミスの防止に取り組んでいるところでございます。
25 ◯八尾
善之委員 ただいまの答弁で再発防止に対するこれまでの対策を確認いたしました。ただ、この作業にどれだけの人員や時間を割いて当たられたのかと考えると、通常業務に支障が出なかったのかと、非常に危惧いたします。
しかしながら、昨年度の誤請求の事案以降、上下水道局からのミス等でお客様に御迷惑をおかけするような事案は幸いにして起こったとは伺っておりませんので、昨年8月の緊急議会で伊藤上下水道事業管理者からの猛省という言葉のとおり、再発防止に向け、ただいまおっしゃっていただいたような取組について、今のところ有効に行われているのではないかと安心しております。
ただ、前にも申し上げましたが、1度あることは2度ある、2度あることは3度ある、3度あることはしょっちゅうあると私は考えております。昨年は2度の誤請求が報告されたかと記憶しておりますので、このようなことが3度、4度と繰り返し起こらないよう気を緩めることなく、引き続き取り組まれることを強く求めまして、私の質疑を終了いたします。
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◯野村生代委員長 次に、岡市栄次郎委員の質疑を許可します。岡市委員。
27 ◯岡市栄次郎委員 おはようございます。
それでは、早速、質疑のほうに入らせていただきます。
決算概要説明書の223ページに記載されております、1.人件費(1)経営戦略策定意見聴取会委員5万7,000円について、お聞きします。
令和2年度に枚方市自動車駐車場経営戦略を策定され、決算概要説明書には意見聴取会委員3名の人件費が計上されております。
そこで、その人件費5万7,000円の内訳及び委員3名はどのような方々で構成されているのか、お伺いいたします。
28 ◯佐々木麻奈交通対策課長 人件費の内訳については、意見聴取会1回につき9,500円の報償金で、7月、9月、1月の計3回開催しましたが、1名の委員が報償金を辞退されたため、2名の方に支払った額となります。
次に、委員の構成については、枚方市自動車駐車場経営戦略の策定に当たり、国の経営戦略策定・改定ガイドラインに、学識の経験を有する者等の意見を聴取し、知見の活用を推奨するとあるのを受け、学識経験者並びに専門的知見を有する3名の方々で構成いたしました。
29 ◯岡市栄次郎委員 人件費の内訳については、理解いたしました。専門家を含め、様々な視点で議論を重ねて経営戦略を策定されたということと思います。
その経営戦略では利用者の利便性の向上の観点から、利用料の支払いにキャッシュレス化の導入を検討するとあり、さきの建設環境委員協議会では、キャッシュレス化について導入する方向で検討するとお聞きしておりましたが、その進捗について、お伺いします。
30 ◯佐々木麻奈交通対策課長 今年度行っている自動車駐車場指定管理者の公募では、募集要項にキャッシュレス化を令和4年4月から導入予定と明記しており、現在、その導入に向けて手続を進めております。
31 ◯岡市栄次郎委員 私は令和2年12月定例月議会の一般質問で、市民の利便性及び指定管理費削減のためにキャッシュレス化導入を要望させていただきました。令和4年4月から自動車駐車場の新しい指定管理者が選定されるとのことで、また、指定管理者の公募では募集要項にキャッシュレス化を令和4年4月から導入予定となっており、早急な対応には感謝いたします。
今後、市民の利便性向上に努め、引き続き、策定された経営戦略に基づき、自動車駐車場の安定した施設運営に努めていただきますよう要望いたします。
続きまして、決算概要説明書216ページ、糖尿病性腎症重症化予防事業委託料485万7,380円について、お伺いいたします。
糖尿病は症状が悪化すると、合併症を引き起こし、症状が進むと失明や人工透析など生活の質が維持できなくなり、深刻な事態を招く病気です。また、人工透析に移行すると、一般的に週に3回程度の通院が必要となり、1回の通院に半日以上かかるため、生活の制限と同時に身体的、精神的な負担も大きいと聞いております。人工透析開始の原因の中で最も多いのが糖尿病性腎症で、4割を占めると言われており、糖尿病性腎症の重症化を予防することが重要と感じております。
そこで、決算概要説明書216ページ、糖尿病性腎症重症化予防事業委託料485万7,380円について、この事業の内容と利用人数について、お伺いいたします。
32 ◯栃川和宏地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当) 糖尿病性腎症重症化予防事業は、腎不全や人工透析への移行を防止することを目的に、特定健康診査の結果等から糖尿病性腎症の重症化リスクの高い人を対象に、4か月間、保健師や看護師等が主治医と連携を図り、個人面接や電話により生活習慣の改善に向けてのプログラムを実施するもので、利用勧奨も併せ、委託しております。
利用人数につきましては、対象者427人に案内を送付いたしまして、34人がプログラムに参加していただきました。
33 ◯岡市栄次郎委員 腎不全や人工透析等への移行を遅らせ、重症化を予防するために、重症化リスクのある人に対して、しっかりと生活習慣の改善につなげる事業として取り組んでいただきたいと思いますが、事業を実施した効果としてどのように分析しているのか、お伺いいたします。
34 ◯栃川和宏地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当) 令和2年度における糖尿病性腎症重症化予防事業の効果測定につきましては、大学有識者の助言などを踏まえ、ヘモグロビンA1cのコントロール状況と継続受療状況を指標としております。
当該事業対象者において、参加者と不参加者でヘモグロビンA1cの検査データの推移を比較しますと、令和元年度から令和2年度にかけまして、データの値が維持もしくは改善した人の割合は、参加者の76.5%に対し不参加者は50.2%と、参加者のほうが26.3ポイント高い結果となっております。また、悪化した人の割合は、参加者の8.8%に対し、不参加者では17.6%となっており、参加者のほうが8.8ポイント低い結果となっております。
さらに、平成29年度から令和元年度までのプログラム修了者につきましては、治療中断者はおらず、継続して受療されていることを確認しており、本事業の参加者には一定効果があったものと考えております。
35 ◯岡市栄次郎委員 糖尿病性腎症重症化予防の事業については一定の効果が現れているとのことでしたが、利用人数につきましては、令和2年度の対象者が427名に対し利用者が34人ということで、もっと多くの方に利用していただき、生活習慣の改善につなげていくことが重要ではないかとも考えますが、見解をお伺いします。
36 ◯栃川和宏地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当) 対象者につきましては、健康診査のデータのみから重症化率が高いと判定された人を抽出しております。例年、抽出しました対象者には1型糖尿病の人や、その他の病気があり、その治療を優先すべき人、また、現在主治医にて食事や運動等の指導を十分に受けておられるため、申込みの希望のない人も一定数いらっしゃる状況です。
対象者につきましては、全ての人に教室参加への案内文を送付するとともに、医師会を通じて、各医療機関から対象者に対しての利用勧奨をお願いするなど、利用についての周知を図ってまいりました。
利用者数につきましては、例年、利用者数の実績を踏まえ、利用想定人数を30名程度としていましたが、想定を少し上回る34人となりました。しかし、必要な人に1人でも多くプログラムを利用していただくことが必要であると考えており、今後も周知、啓発に努め、糖尿病性腎症の重症化予防を図ってまいります。
37 ◯岡市栄次郎委員 人工透析になられると、身体的な負担や精神的な負担にとどまらず、医療費の負担や就業等の社会参加への影響など経済的な面からも負担が大きくなります。必要な人が1人でも多く、生活習慣の改善に取り組み、重症化予防を図っていく必要があると考えます。事業実施に当たりましては、現在、委託にて実施している内容を民間の力をフルに活用してはどうかと考えております。
例えば、糖尿病性腎症の重症化予防の重要性の周知をはじめ、プログラムへの利用勧奨から実施まで一連の流れを委託し、その成果指標を利用者数や改善率などと定め、成果に応じた報酬を支払う方法を取ることで、さらに事業の効果が上がるものではないかと考えます。
今後も効果的な方法を検討するとともに、引き続き、本事業の検証を経年でしっかりと把握し、糖尿病性腎症の重症化予防を図っていただくよう要望いたしまして、私からの質疑を終わります。
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◯野村生代委員長 次に、野口光男委員の質疑を許可します。野口委員。
39 ◯野口光男委員 それではよろしくお願いいたします。
まず初めに、水道事業会計について、質疑をさせていただきます。
令和2年度の水道事業会計決算書の73ページから75ページにかけて、水道管路の更新・改良工事の決算額が記載されています。枚方市水道施設整備基本計画に基づき、漏水事故による社会的影響が大きい送水管、病院や避難所などへ給水している重要な配水管、幹線道路や軌道横断部について優先的に更新を進めておられているということですが、令和2年度の水道管路更新工事の実績延長と耐震化率及び鉛製給水管解消の件数と残存率について、お伺いいたします。
40 ◯松原秀岳上水道工務課長 令和2年度は、配水管の改良工事と移設工事等により約7キロメートルの耐震管布設を実施しました。令和2年度末現在、導水管、送水管、配水管を合わせた耐震化率は27.1%となり、令和元年度より1.0ポイント向上しています。また、鉛製給水管につきましては、令和2年度で配水管の更新に係る工事や修繕工事等を合わせて1,120件の布設替えを行い、令和2年度末現在、残存率は14.5%となっており、令和元年度より0.8ポイント改善しています。
41 ◯野口光男委員 水道管路の更新、改良を効率的に進めていただいて、1ポイントずつ改善しているということです。
令和2年度の水道事業会計決算書の65ページから66ページに、配水管施設維持管理に要する経費が記載されています。
令和2年度の漏水による修繕工事の件数と近年の推移について、お伺いします。
42 ◯安藤秀敏上水道保全課長 令和2年度の修繕工事件数ですが、配水管は63件、給水管536件の修繕を行いました。また、近年の推移は多少の増減はあるものの、毎年同じような件数の修繕工事を行っております。
43 ◯野口光男委員 計画的に水道管路の更新を進めていただいているということですが、先ほどお聞きした漏水修繕の件数は減少することはなく、毎日、市内のどこかで発生しているという状況です。今後さらに水道管路の老朽化が進むと、漏水事故が増えてくることが懸念されます。給水収益も減少が見込まれるなど、今後も厳しい経営状況が予想されますが、今後、発生が予想される大震災等の災害にも備える必要があります。
この間、10月3日の午後に、和歌山市内に流れる紀の川にかかる六十谷水管橋で上水道の管が破損し、今後約6万世帯に断水が生じるということで、枚方市水道局からも給水車1台と職員3名が、連日、応援に出動していただいたということで御苦労いただいたわけです。また、7日の地震でも東京、埼玉、千葉で、水道管の破裂など、ライフラインの被害が多数発生しました。
予想できない事故や自然災害に備えて、効率的かつ効果的に水道管路の更新事業を進め、引き続き、安定した水道水の給水に取り組んでいただくよう要望をいたします。
次に、下水道事業会計について、お伺いします。
決算の概要では令和2年度の収益的収支は、収益123億2,821万4,000円に対し、費用が108億2,801万2,000円で、収支差引き15億20万2,000円の当年度純利益を計上し、当年度未処分利益剰余金は18億9,168万円となっています。前年度との比較では、収益で2億888万1,000円の減少、費用で1億2,646万4,000円の増加となっています。
平成31年3月に策定された枚方市下水道事業経営戦略の34ページには、「経営戦略の事後検証については、その実施状況を、毎年度の決算に基づいて評価・検証を行いながら、進捗管理を実施します。」とありますが、令和2年度の状況について、お伺いします。
44
◯林 清治経営戦略室課長 令和2年度決算におきましては、まず、収益でございますが、営業収益では下水道使用料が水洗化人口の見込みほど伸びなかったことなどから、計画値を下回っております。営業外収益では、雨水施設の所管の見直しによる基準外繰入金の縮減などにより計画値を下回っております。その結果、収益合計は119億1,478万6,000円となり、計画値より約6億4,000万円下回りました。
一方、費用でございますが、営業費用では次期事業の実施時期の変更による減価償却費の減少などにより計画値を下回りました。また、
営業外費用では企業債の借入れ額の減少により支払い利息が減少し、その結果、企業合計では104億7,998万1,000円となり、計画値より約4億8,000万円下回りました。
以上のことから、当年度純利益は約15億円となり、計画値を約1億6,000万円下回ることとなりましたが、おおむね計画どおりと考えております。
45 ◯野口光男委員 経営戦略と今回の決算の比較ではおおむね計画どおりということですが、今後は老朽化施設の改築、更新が本格化していく中で、今回の決算を受けて、経営状況の見通しについて、見解をお伺いします。
46
◯林 清治経営戦略室課長 今後も人口減少などによる下水道使用量の減少が見込まれる中、老朽化施設の改築更新を計画的に行う必要があるため、下水道事業経営戦略に基づき、経営の健全化と経営基盤の強化を図りながら、下水道整備基本計画に基づく取組を着実に進め、事業と経営の両立を図っていく考えでございます。
47 ◯野口光男委員 それでは次に、下水道施設の耐震化については、下水道整備基本計画に、防災拠点である輝きプラザきららから汚水処理場の渚水みらいセンターまでの管路の耐震化が完了し、引き続き、優先度の高い重要な幹線等の耐震化に取り組むと示されています。
そこで、令和2年度下水道事業会計決算書164ページから165ページにかけて、それぞれ汚水改良事業費の委託料及び雨水改良事業費の委託料にある管路施設耐震診断調査業務委託費についてどのような内容なのか、お伺いいたします。
48 ◯田中博隆経営戦略室課長 下水道施設の耐震化事業は、枚方市下水道総合地震対策計画に基づき、被災時の影響が大きい防災拠点や避難所を受け持つ重要な管路等を対象に、優先度を定めて進めています。
令和2年度の管路施設耐震診断調査業務委託費は、令和6年度以降に耐震化に取り組む管路について優先度を評価するために実施したものです。今後はその優先度に基づき詳細耐震診断を実施し、耐震化の対策が必要と判断した管路について耐震化を進めてまいります。
49 ◯野口光男委員 下水道施設の耐震化事業については、耐震診断をしながら必要な部分の耐震化を進めるということで、全体の事業量については未知数といった状況です。しかし、本市においても、大阪北部地震以上の地震が発生する可能性はありますので、そのような状況にあっても、市民の生活を守る下水道インフラが被災しないよう、着実に耐震化事業を進めるよう要望いたします。
続いて、最後になりますが、病院事業会計について、伺います。
病院事業決算書18ページに、決算の総括事項として、市立ひらかた病院では、令和2年度は新型コロナウイルス感染症に対して感染症指定医療機関として感染の拡大状況に応じ、受入れ病床を拡大し、多くの感染患者を受け入れて適切な医療の提供に尽力したと述べられており、私どもも、病棟を閉鎖するなどの努力をして多くの患者を受け入れていただいたと感じていますけれども、コロナ対応についての主な取組内容について、改めてお伺いします。
50 ◯小篠俊文市立ひらかた
病院経営企画課長 委員お示しの病床確保のほかに行った新型コロナウイルス感染症への対応といたしましては、年度当初にマスクやガウンなどの衛生材料が枯渇したため、その確保に努め、現在は半年分以上の備蓄を行っております。感染症の診療といたしましては、国・府の補助金の活用により、PCR検査器や人工呼吸器などを整備して診療に当たり、感染拡大の際には新型コロナに専属的に対応する医師を当番で配置するなど、診療体制の強化を行ってまいりました。
また、病院玄関前で検温を行い、発熱患者の院内への動線を分けた発熱外来を設置するとともに、院内各所に手指消毒液を設置するなどにより、院内感染を防止してまいりました。
51 ◯野口光男委員 新型コロナウイルス感染症への様々な対応をされ、公立病院としての役割を果たしていただいていると思いますが、令和2年度はどの医療機関も困難な経営状況を強いられていると思います。市立ひらかた病院においても、決算書23ページには医業収益が記載されており、令和元年度と比較すると約3億3,800万円減収となっています。
その一方で、病院事業決算書18ページに記載されている患者1人当たりの診療単価が入院、外来ともに増えている状況ですが、その理由について、お伺いします。
52 ◯大西 珠市立ひらかた病院医事課長 令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、年間患者数が大幅に減少する中、入院の診療単価は循環器内科の手術を伴う症例が増加するなど、専門性の高い治療を必要とする患者の割合が増えたことです。また、外来診療単価は膠原病内科や呼吸器内科で化学療法の件数が増加したことによるものです。
53 ◯野口光男委員 次に、令和2年度の研究研修費が令和元年度よりも863万2,000円減っていますが、その利用について、お伺いします。
54 ◯奥村敏彦市立ひらかた病院総務課長 医師や看護師などの研究研修費につきましては、研修などの開催が他府県等の会場であったものが、コロナ禍においてウェブ上での開催という方式に変更されていることが大きな要因となっております。
55 ◯野口光男委員 それでは次に、市立ひらかた病院の職員体制等について、お伺いいたします。
病院事業決算書20ページに所属及び職種ごとの職員数が示されています。昨年はコロナ患者の受入れを行っていた市立ひらかた病院は大変な状況だったと思われます。そのような中で、医師や看護師など医療従事者の確保が困難だったのではないかと心配していたところではありますが、令和2年度における医療従事者の配置状況がどうなっていたのか、お伺いします。
56 ◯奥村敏彦市立ひらかた病院総務課長 本院における人員配置につきましては、従来から法令上の基準を遵守した上で運営してきたところであります。令和2年度につきましても、前年度から大きな増減は生じておりません。しかし、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大時期には最大で42床が満床となる場合もあり、また、発熱外来を設置したり、検査数の増大に対応したりといった従来にはなかった業務への対応が生じたこともあって、一部の病棟を閉鎖せざるを得ないなど、非常に厳しい状況となった時期もございました。
そうした中、派遣職員等も活用しつつ、職種の枠を超えた柔軟な応援体制を取るなど、診療業務に支障を来すことのないよう、病院一丸となって対応してまいりました。
57 ◯野口光男委員 病院の人員配置については法令上の基準が守られた上で、診療に支障を来すことのないよう大変な努力をされていたことは理解をいたしました。
それでは、24時間365日の救急医療体制を行う中で、夜間の職員配置はどのような体制になっていたのか、お伺いします。
58 ◯奥村敏彦市立ひらかた病院総務課長 本院の夜間における職員配置について、医師につきましては病棟での当直と救急外来での当直があり、病棟での当直は本院の医師が、救急につきましては、本院の医師に加えて本院以外からの応援医師にも御協力いただき診療を行っております。その上で、新型コロナウイルス感染症の拡大時期には本院の医師によるコロナ当直を別に配置し、対応してまいりました。また、医師以外の医療従事者につきましては、本院の職員により交代して勤務に当たっております。
59 ◯野口光男委員 市立ひらかた病院以外からの応援も受けるなどしながら病院が運営されているとのことですが、コロナ禍におきましても安全、安心に病院が運営されるよう、できる限り応援に頼らない職員の適正な配置に努めていただくよう要望いたしまして、私の質問を終わります。
60
◯野村生代委員長 次に、上野尚子委員の質疑を許可します。上野委員。
61 ◯上野尚子委員 ヒアリング等御協力ありがとうございました。本日もよろしくお願いいたします。
まず1点目、水道事業会計について。
令和2年度水道事業会計決算書の6ページから7ページには財務諸表の一つとして、令和2年度枚方市水道事業損益計算書が掲載されています。この中で、令和2年度の当年度純利益は7ページに記載のとおり、約12億7,000万円の黒字となっています。水道事業の主たる収入である給水収益が減少傾向にある中で、なおかつコロナ禍において黒字という良好な事業運営が図られていますが、まずは本決算の概要について、お伺いします。
62
◯林 清治経営戦略室課長 収益につきましては、新型コロナウイルス感染症対策の水道料金減免分の受入れに伴い、他会計補助金が約2億円増加しております。また、土地区画整理事業に伴い、受託工事収益が約3,500万円増加いたしました。一方で、給水収益では人口減少や新型コロナウイルス感染症による水道料金の減免などにより、約2億8,000万円減少しております。収益全体では約4,000万円の減少で65億3,415万7,000円となりました。
一方、費用では施設能力の活用による受水費が約5,000万円の減少となったほか、企業債利息が約3,000万円減少しております。また、修繕費や補助金、特別損失が増加したことにより、費用全体では約5,500万円の増加で52億6,024万1,000円となりました。
その結果、収支差引き額では12億7,391万6,000円の当年度純利益を計上しております。
63 ◯上野尚子委員 令和2年度決算の概要をお聞きし、依然、良好な経営を維持できていることは理解できましたが、今後は中宮浄水場の更新をはじめ、管路を中心に老朽化などに対応するため、本格的に改築・更新事業を推進していかなければならず、事業と経営の両立が大きな課題になるものと考えています。
経営戦略にも収支計画で今後の経営状況の悪化を見通されているため、その改善に向けた取組を定めておられますが、今後の事業運営に関して様々な課題がある中で、その改善に向けて、令和2年度ではどのような取組をされたのか、お聞きします。
64
◯林 清治経営戦略室課長 人口減少等により、今後も給水収益の減少傾向が続く中、水道施設の計画的な更新等を進めるため、経営戦略に基づき、経営の健全化と経営基盤の強化に取り組んでいるところであり、令和2年度では各種事業の財源確保や世代間負担の公平性の観点から、企業債充当率の見直しを図ったほか、費用面におきましては受水費の縮減などに取り組みました。
65 ◯上野尚子委員 令和2年度に取り組まれた内容については理解できましたが、私はそのほかの取組として、遊休地の活用が有効ではないかと考えています。水道施設の廃止後、利用目的がなくなった用地をそのままにしておいても、草刈りなどの維持費が必要となるため、立地条件などにもよりますが、処分や貸付けができるのであれば、その費用の抑制だけでなく、収益を上げるなど有効な取組ではないかと考えております。
そこで、遊休地の活用の考え方や取組について、お聞きします。
66 ◯山崎昌宏上水道管理課長 遊休地の活用につきましては、委員お示しのとおり、廃止後の施設用地を処分することや貸付けをすることは新たな収入の確保のための一つの策であると考えています。そのため、これまで検討を重ね、少しずつではありますが、遊休地の活用を実施してきたところでございます。
令和2年度におきましては、長尾家具町において府道の拡幅事業に伴い残地となりました施設用地を遊休地として民間に売却したことから、その売却代金を収入したところでございます。その他の遊休地につきましても処分等の検討を行っていますが、周辺環境などにより、条件的に困難な状況がありますけれども、引き続き、遊休地の活用について検討してまいります。
67 ◯上野尚子委員 水道事業は経営戦略などの方針に基づき、取組を進めていただいているところですが、いまだに続く新型コロナウイルス感染症の影響をはじめ、自然災害など予測しにくい事象があるなど、事業、経営両面において水道事業を取り巻く環境は厳しくなるばかりです。
さらに、先ほども野口委員からありましたが、先日の和歌山の水管橋の崩落から見える老朽化はどの地域も抱えていることであり、本市も同様、今後は老朽化施設に対して更新・改良事業を本格的に進めていかなければならない中、水道料金を含めて、その財源確保は重要な課題となりますので、市民にもそういった情報を広く発信していくことを心がけていただいて、将来にわたってサービスの維持に努めていただくよう要望しておきます。
続いて、市立ひらかた病院の経営について。
初めに、市立ひらかた病院が策定している市立ひらかた病院改革プランでは、経営改善のために様々な目標を掲げられていますが、それらの達成のため、現在、断らない医療をスローガンに掲げ、取組を進めているとお聞きしています。断らない医療とは、地域からの紹介患者や救急搬送患者などの依頼を断ることなく、可能な限り受けていこうという姿勢のことだと思われ、地域の医療機関でいえば、こうした姿勢で臨まれた結果が、令和2年度の地域医療支援病院の承認につながったと思います。
では、救急搬送患者の受入れ促進といったことでは、令和2年度にどのように取り組まれてきたのか、お聞かせ願います。
68 ◯大西 珠市立ひらかた病院医事課長 本院では救急搬送患者の受入れを促進するため、救急隊からの依頼に対して受け入れた患者の率、応需率の目標を90%と定め、これを達成すべく取り組んでまいりました。そのため、院内の救急受入れ体制を整備するとともに、やむなく断らざるを得なかった場合は、その理由を医師が記載し、院内でその事実と妥当性の有無等を共有しています。
また、救急隊との連携を高めるために、定期的に枚方寝屋川消防組合の救急隊と意見交換会を行っているほか、現在は新型コロナの影響で開催できていませんが、救急隊と本院相互が救急医療への知識、技術の向上を図るため、救急隊員との勉強会も実施してしており、こうした取組を通じ、救急隊との連携を強化し、救急患者の積極的な受入れ促進を図ってまいります。
69 ◯上野尚子委員 こうした断らない医療の取組は、市民からの信頼関係の構築といったことだけでなく、経営改善を図っていくためといった面もあるかと思われます。その経営についてですが、令和2年は約8億円もの黒字を計上したものの、その最も大きな要因はコロナ患者の受入れ病床確保による空床補償であり、医業収益の落ち込みは深刻なものとなっています。
患者さんの受診控えやコロナに対応するための一部病棟の閉鎖など、なかなか通常どおりの診療が行えず、苦労も多かったとは思いますが、経営コンサルタントにも入っていただいている中で、令和2年度はどのような経営努力をされてきたのか、また、令和2年度の市政運営方針で市長が今後のひらかた病院の経営の在り方についても検討していくと述べられましたが、検討状況について、お伺いします。
70 ◯小篠俊文市立ひらかた
病院経営企画課長 令和2年度の医業収益は新型コロナの影響で患者数が落ち込み、前年度比で3億3,797万6,000円の減収となりましたが、新型コロナに対応しつつも通常診療との両立を目標として、病院経営に取り組んでまいりました。
委員が先ほど示されました地域の医療機関との連携強化によって、地域医療支援病院の承認を得たほか、令和2年7月には下肢機能再建センターを稼働させ、これを本院の強みとして積極的にPRし、また、経営コンサルタントについては各診療科の医師やコメディカルとの面談を重ね、収益向上につながる助言をいただき、これを踏まえた様々な取組を進めることにより、経営改善につなげるよう努めてまいりました。
また、本院の経営の在り方については、アフターコロナにおける医療需要が不透明な中ではありますが、現在中断している国や大阪府における地域医療構想の議論の動向にも注視し、将来にわたって地域の中核病院として存在していくための最良の手法を検討してまいりたいと考えています。
71 ◯上野尚子委員 令和2年度には新型コロナの影響を大きく受けながらも様々な経営努力をされてきたとのことで、経営の在り方についても、アフターコロナの状況が不透明である中、国・府の議論も注視しながら最良の手法を検討していくということです。ひらかた病院は令和2年度から引き続き、コロナ対応に御尽力いただいているわけですが、今回のコロナ対応を踏まえ、ひらかた病院として地域において、どのような役割を担うべきと考えておられるのでしょうか。
まだまだコロナ対応が続く厳しい状況ではあると思いますが、令和2年度の状況を踏まえ、どのような病院を目指しておられるのか、これは病院長のお考えをお聞きいたします。
72
◯林 道廣市立ひらかた病院長 今回の新型コロナウイルス感染症に関しましては、コロナ陽性患者、疑似症患者、合わせて千数百名以上の患者様の入院を可及的速やかに受け入れ、治療を行うなど、本院が地域住民の命を守るために果たしてきた役割は決して小さくないと感じています。今後もこうした想定を超える新興感染症への対応だけでなく、本来の通常診療もおろそかにすることなく、さらには救急医療や災害医療、小児・周産期医療などの政策的医療を含めて、地域の皆様に提供していくには、地域医療支援病院として地域の医療機関や施設とのさらなる連携強化を図りながら、設備の充実や人材の確保を行いつつ、今後も引き続き急性期病院として、地域医療の中核的な役割を担っていくことが重要であると考えています。
73 ◯上野尚子委員 市立ひらかた病院は、断らない医療という姿勢、さらに新型コロナ発生以降、特に北河内唯一の市立病院で、かつ感染症指定医療機関として大きく寄与されていると実感しております。と同時に、だからこそ、経営感覚も持ち合わせながら維持していかなくてはなりません。まだ先行きが不透明な状況ですが、今後、この4月から動き出した地域医療支援病院として、地域の医療機関とさらなる連携強化の上、地域住民に適切に医療を提供できるようお願いするとともに、今後も病院長にはリーダーシップを持って病院運営のかじ取りをよろしくお願いいたしまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。
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74
◯野村生代委員長 午前11時15分まで休憩します。
(午前11時4分 休憩)
(午前11時15分 再開)
75
◯野村生代委員長 委員会を再開します。
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76
◯野村生代委員長 次に、田中優子委員の質疑を許可します。田中委員。
77 ◯田中優子委員 こんにちは。よろしくお願いいたします。
水道料金及び下水道使用料の福祉減免について、お伺いします。
水道事業会計及び下水道事業会計では決算書の62ページと150ページに、それぞれ上水1億651万6,000円、下水1億1,808万5,880円を福祉減免分として補助金を受けていますが、この福祉減免について、どのような制度でどのような方が対象なのか、お伺いします。
78 ◯亀野真紀上下水道総務室課長 福祉減免制度は、本市に居住し、本市の住民基本台帳に登録されている方で、定めた要件のいずれかに該当された場合、申請により水道料金及び下水道使用料の基本額に相当する額を免除するものです。対象の区分については、生活保護世帯、母子父子世帯、障害者手帳等を所持されている方や特別児童扶養手当等を受給されている世帯、介護保険要介護世帯、生活困窮高齢者世帯としております。
79 ◯田中優子委員 今のお答えの中で減免制度の利用については申請によりということでした。申請主義ということであれば、申請を促すための周知はどのように行われているのか、お聞かせください。
80 ◯亀野真紀上下水道総務室課長 周知方法につきましては、ホームページへの掲載はもとより、毎年6月に『広報ひらかた』へ掲載し、申請の案内を行っております。また、他の関係部局の窓口や案内文等でお知らせするなど、連携して周知に努めております。
81 ◯田中優子委員 広報やホームページへの掲載を通じ広く周知していることや関係部局とも連携して申請を促していることは直接確認させていただき、一定理解いたしました。しかし、減免対象の中でも生活困窮高齢者世帯と介護保険要介護世帯の方への周知は少ないのではないでしょうか。
先日も、私は生活を切り詰めておられる高齢者の方とお話しする中で、水道料金の減免は手続をされているのか確認しますと、できるんですかと御存じなく、説明すると、その減免があれば国民健康保険料の支払いができると喜んで帰られました。生活困窮高齢者世帯については、ほかの減免区分世帯のような周知ができていないのではないでしょうか。その点について何か方策を取られているのか、伺います。
82 ◯亀野真紀上下水道総務室課長 生活困窮高齢者世帯への周知につきましては、福祉事務所で福祉相談があった場合や料金の支払い状況などから窓口やお電話等で相談を受けた場合には、必要に応じて制度の御案内をするよう努めているところです。
83 ◯田中優子委員 生活困窮高齢者世帯への周知については、福祉相談や支払い等で相談を受けた際に対面で案内しているとのことですが、水道料金の減免についてはそのことだけで御相談に来られることは少なく、それ以外のお困り事で来られて、その中で水道料金の減免の対象になりますよとつながっていくことが多いと思います。生活の質を保つ上で水は必要です。特に周知の機会の少ない生活困窮高齢者の方や介護保険要介護世帯の対象の方が減免制度のことを知らなかったから利用ができなかったということのないように、今後も広く周知していただくことや機会があるときに制度の案内に努めていただくことをお願いしておきます。
以上で質疑を終わります。ありがとうございました。
84
◯野村生代委員長 次に、大地正広委員の質疑を許可します。大地委員。
85 ◯大地正広委員 こんにちは。では早速質疑に入らせていただきます。よろしくお願いします。
まず最初に、特別損失について、お伺いします。
令和2年度に係る水道事業会計、下水道事業会計における特別損失の状況については、先ほどの八尾委員の質疑で、令和2年7月に判明した誤請求によるものが大半であったことについて理解はいたしました。
この件について、私からは令和2年8月6日の緊急議会において、二度と同じような過ちを繰り返さないための再発防止策として、今回の事案については担当課だけではなく上下水道局全体として重く受け止めるべきであり、日々の業務全般において、今の上下水道局には組織全体としてミスを出さないために内部統制を図る観点からも、全ての日常業務に潜むリスクを洗い出し、識別、分析し、対応するルールづくりが必要ではないか、ここは本腰を入れ、局全体を点検する時期が来ているとの意見をさせていただきました。
それに対して、伊藤上下水道事業管理者からは、「上下水道局において二度と過ちを繰り返さないための仕組みづくりが必要であるとの考えから、局内の全業務を対象に、業務フローの確認、ヒューマンエラーの事前防止の徹底、チェック体制の強化などを主眼にして点検を行い、令和3年3月までには点検を終えていく」との答弁をいただきました。
そこで、実施した総点検の内容と実施したことによる効果について、お尋ねいたします。
86 ◯笠井二朗上下水道総務室課長 令和2年度に判明しました水道料金の請求誤りの事案を受けて実施しました事務事業の総点検につきましては、令和2年8月から翌3月にかけて、上下水道局内の全514事業について事務処理フローやチェックリストの作成状況を確認し、未整備の事業について新たに作成を行ったものでございます。その結果、点検実施前から事務処理フローが作成されていた事業は19.3%でしたが、総点検の実施により単純な入力業務等フローの作成が必要がないと判断したものを除き、ほぼ全ての事業に当たる80.2%の事業について、事務処理フローを整備したものでございます。
総点検を実施したことによる主な効果としましては、事務処理フローやチェックリストを活用した組織的なチェック体制の確立によるヒューマンエラーの防止や、人事異動や各業務の担当者の変更があった場合にも、スムーズかつ効率的な引継ぎや技術の継承に資するものと考えており、再発防止に活用していきたいと考えております。
87 ◯大地正広委員 これについては要望とさせていただきます。
今回、事務処理ミスによる誤請求事案により市民の皆様に多大な御迷惑をかけることとなったことは遺憾に思いますが、私からの意見も取り入れていただき、上下水道局全体として事務事業の総点検に取り組まれ、今年3月までにほぼ全ての事業に事務処理フローを整備したとのこと。マイナスだったことをプラスに変えていく素早い対応には一定評価いたします。
しかし、今回の総点検は出発にすぎません。私は先日、9月定例月議会でも内部統制制度の取組に対してお願いしましたが、今後は洗い出したリスクに対して全職員が共有し、理解を深め、ミスを犯さないために主体的に取り組む仕組みとしていくことが重要です。そのためにも、チェックリストによる組織的なチェック体制の取組などは、PDCAサイクルを回すなど間断のない努力が必要です。
今後も、組織において内部統制をしっかり進めていただき、全職員がヒューマンエラーをはじめ、全ての事業処理上のミスの再発防止に取り組んでいただくよう要望とさせていただきます。
次に、送配水管更生事業費について、お伺いします。
令和2年度の水道事業会計決算書の38ページ及び75ページに送配水管更生事業費の決算額が記載されておりますが、工事請負費については決算金額が記載されておりません。工事は現在も実施中であると思いますが、なぜ記載がないのか、お伺いします。
88 ◯松原秀岳上水道工務課長 御指摘の工事につきましては、中宮浄水場から田口山配水場間送水管更新工事(その4)で、令和2年3月15日から令和3年10月29日までの3か年工事として現在も施工中であります。当該工事につきましては、複数年契約の工事であるため、進捗に合わせて支払いができるように、年度ごとの前払い金、部分前払い金を設定しております。
令和2年度につきましては、令和2年4月15日付で前払い金の請求があり、同月28日に3,240万円を支払っております。年度後半に部分払い金を支払えるように準備していましたが、管材製作の遅れもあり受注者から部分払い金の請求がなかったために前払い金のみとなりました。公営企業会計では発生主義の考え方により、既済部分検査や完了検査などで検収確認できるまでは決算金額には計上しないため0円となっております。
なお、令和2年度の前払い金につきましては、令和3年度の決算に計上される予定です。
89 ◯大地正広委員 当事業においては、道路の占用日数や交通規制時間も考慮し、地域への負荷軽減を念頭において工法選定をされているとお聞きしておりますが、更新工事(その4)の工法という進捗について、お伺いします。
90 ◯松原秀岳上水道工務課長 更新工事(その4)においては、山田池公園前の府道杉田口禁野線での施工であることから、長時間連続の交通規制ができず夜間工事となるため、パイプインパイプ工法を採用しているものです。パイプインパイプ工法では既設管内に鋼管を挿入して溶接接合をするため、既設管をクリーニングして詳細測量を行った後、鋼管の製作を開始することになります。
今回の工事区間では、既設管の変形などが確認されたため、鋼管の製作開始に遅れを生じましたが、その後の進捗管理により、当初の契約工期内で完了できる見込みとなっております。
91 ◯大地正広委員 決算書の記載及び更新工事(その4)については、理解できました。
それでは、送配水管更生事業全体としての進捗状況をお聞きします。
92 ◯松原秀岳上水道工務課長 事業全体の進捗状況につきましては、令和2年度末は令和元年度末と変わらず、総延長約3,000メートルのうち施工済み延長は1,450メートルで48%でありますが、更新工事(その4)の延長約270メートルを加えると、施工済み延長は1,720メートルで57%となります。今後も引き続き工事を行い、令和6年度の完成を目指すものであります。
93 ◯大地正広委員 田口山配水場は北山配水場及び楠葉配水場へと送水し、市北部地域の基幹的な配水場となっております。もし、大規模災害等で送水管が破損し、長期間の断水になれば、市民生活に重大な影響を及ぼすことになります。
先日、和歌山市で発生した水管橋崩落事故においても、断水が6万世帯に及ぶ大事故となり、現在も給水活動が続けられている状況です。他市においては更新のスピードアップを図ろうと、官民連携によるPFI手法や設計から施工までを一括発注するDB手法などを進められているところもあります。そのような意味からも、影響エリアが大きい基幹的な送配水管路の更新は大変重要であり、枚方市においても老朽管更新を早期に完成するため、従来手法以外の検討も積極的にされるように要望とさせていただきます。
次に、下水道事業における一般会計繰入金について、お聞きします。
令和2年度下水道事業会計の168ページから169ページには、他会計繰入金明細書が掲載されております。下水道事業は汚水私費、雨水公費の原則に基づき、公営企業として独立採算で事業経営を行うこととなっておりますが、一方で、経営によって得られる収入で賄うべきでない経費は、一般会計からの繰入金をもって、それに充てることとなっております。その範囲は、毎年度、総務省から通知されるとお聞きしております。
しかし、本市ではこれまで多くの費用を投じて汚水施設を整備してきたため、その財源として多くの企業債を発行してきた結果、償還金や利息が下水道使用料では賄い切れず、総務省通知の範囲を超えて税負担を行ってきたとのことです。
現在、経営戦略を策定され、その改善に取り組まれておりますが、総務省通知に基づく基準内繰入金と基準外繰入金の内容について、まずお聞きします。
94
◯林 清治経営戦略室課長 まず、基準内繰入金につきましては、主に雨水処理に要する経費分として、雨水事業に係る資本費や維持管理費などとなっております。また、そのほかにも汚水整備の財源として発行してきました企業債の中で、制度上、繰入金の充当が認められている元利償還金なども基準内繰入金となります。
一方、基準外繰入金につきましては、下水道使用料の福祉減免分や汚水事業に係る減価償却費など、繰り出し基準に定めがないものとなっております。
95 ◯大地正広委員 受益が広く市民に行きわたる雨水事業分などが基準内繰入金となっている一方で、汚水事業の減価償却費など下水道使用料では賄い切れないものを、いわゆる基準外繰入金として繰り入れているとのことです。
では、具体的に金額はどうなっているのか、繰入金の合計と基準内外の内訳について、お聞きします。
96
◯林 清治経営戦略室課長 まず、一般会計からの繰入金合計は39億655万1,000円となっております。また、基準内と基準外の内訳でございますが、基準内繰入金の合計といたしまして28億4,601万4,000円、また基準外繰入金の合計といたしましては10億6,053万7,000円となっております。
97 ◯大地正広委員 平成30年度に策定された下水道事業経営戦略では、一般会計繰入金の適正化として、使用料と税の負担区分を明確化し、適正なものとなるようにするとのことです。
さらに、令和4年度から基準外繰入金の受入れを福祉減免分を除いてゼロとし、新たに分流式下水道等に要する経費分を基準内繰入金として計上するとのことですが、現在の繰入れ状況を踏まえて、今後の取組についてのお考えをお聞きします。
98
◯林 清治経営戦略室課長 経営戦略におきましては、下水道事業の課題であった基準外繰入金の適正化に取り組むこととしており、令和2年度においても、行財政改革プランの取組も含めて縮減に努めてきたところでございます。今年度におきましても、引き続き基準外繰入金の縮減には取り組んでおり、令和4年度からは、福祉減免分などを除き基準外繰入金の受入れをゼロとしてまいりたいと考えております。
99 ◯大地正広委員 最後は要望とさせていただきます。
今回の質問に対する御答弁で、平成31年度に策定した枚方市下水道事業経営戦略に示されていたように、一般会計繰入金の基準外、基準内の考え方が整理され、令和4年度においての基準外繰入金の受入れを福祉減免分等を除きゼロにするとのことです。経営戦略にお示しいただいたことがおおむね計画どおりに進んでいるとのことで、一定安心はいたしました。
しかしながら、今後は施設の老朽化に伴い、更新需要の増加が見込まれます。企業債発行の適正化や採算性を重視した事業実施など、将来負担を意識した財政運営に取り組んでいただくように要望とさせていただきます。
令和5年には中期見直しをされる予定とのことです。経営戦略策定の際にお願いしました下水道事業実施計画との整合性に留意しながら、適切な維持管理や整備に努めていただくことなど確認していただき、市民サービスが低下しないように計画的な事業の推進を重ねて要望とさせていただきまして、私からの質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
100
◯野村生代委員長 次に、広瀬ひとみ委員の質疑を許可します。広瀬委員。
101 ◯広瀬ひとみ委員 それでは、私のほうからは、介護保険特別会計と、そして水道事業会計についてお伺いしたいと思いますので、まず介護保険特別会計のほうからよろしくお願いいたします。
介護保険特別会計の決算概要説明書237ページに介護認定費の項目がありますが、この介護認定については、令和元年の
決算特別委員会で平成30年度の状況をお伺いいたしました。
その際に、法令で定められた30日以内の期限を越えることが常態化し、40日を越えるケースもあるとのことで、改善を求めましたが、令和元年度と令和2年度の状況について、お伺いいたします。
102 ◯吉田章伸地域健康福祉室課長(長寿・介護保険担当) 令和元年度は、申請件数1万8,122件のうち期限内に認定を行うことができた割合が29.0%、令和2年度は、同じく1万1,919件のうち45.5%となっております。
申請件数が前年度比28.3%減少したこともありまして、16.5ポイントの改善となっております。
103 ◯広瀬ひとみ委員 改善はしているということでありますが、申請件数が3割近く減っても、期限内に認定できたのは半分以下とのことです。
こうした中にあって、認定調査の実施状況はどうなっているのでしょうか。また、平成30年度は、市の調査員14人で6,100件の調査を行い、1人当たりの担当件数が436件とのことでしたが、令和元年度、令和2年度の状況について、お聞きをいたします。
104 ◯吉田章伸地域健康福祉室課長(長寿・介護保険担当) 認定調査については、介護支援専門員の資格を有する本市職員が調査員として、主に新規申請の調査を行っております。
令和元年度は調査員14人で6,005件の調査を行い、1人当たりの担当件数が429件、令和2年度は調査員15人で6,171件の調査を行い、1人当たりの担当件数が411件となっております。
105 ◯広瀬ひとみ委員 調査員を1人増員され、1人当たりの担当件数も減少していますが、それでもなお、先ほども言いましたが、半分以上が期限を超過している状況です。法令遵守のためにどのような手だてが必要と考えられているのか、見解をお伺いいたします。
106 ◯吉田章伸地域健康福祉室課長(長寿・介護保険担当) 認定調査においては、調査対象者が入院後間もなくで心身の状態が安定しないケースなど、直ちに調査を開始できない場合もある中、これまでも調査員だけでなく一般事務職員も一部調査を行うなど、組織的に調査を進めております。また、主治医意見書の取得に日数を要するケースなどもございまして、令和2年度は、申請受付から認定結果を出すまでにかかった平均日数が31.4日となりました。
中核市の平均日数が34.9日となっておりまして、全国的な課題ではございますが、介護認定においては、認定調査以外の事務処理にも一定の日数を要するため、今後も引き続き、認定事務全体を通して効率的な事務執行に努めてまいりたいと考えております。
107 ◯広瀬ひとみ委員 更新申請については期限延長の対応が取られているようですが、新規申請は今後も増加をすると思います。また、今後の新規認定者数の見込みについては、計画上もある程度見通しを持っておられるはずです。事務事業実績測定調書では、インプットとして今後の見込みが書かれておりませんが、今後の業務量の見込みに応じて適切に体制を強化し、基本的に30日を越えず対応できるように取り組んでいただきたいと思います。
市民の皆さんは高い保険料を払っているのですから、速やかなサービス利用、支援の開始につながるようにお願いをしておきたいと思います。
次に、水道事業会計について、お伺いします。
令和2年度の部の取り組みでは、「水道・下水道事業が、お客さまの信頼の上に成り立っており、24時間365日公務員であることを全職員が認識し、服務規律の確保を徹底していくため、人権尊重を含めたコンプライアンスの浸透・定着に向けた取り組みを継続的に行っていきます。」と書かれています。
しかし、部の取り組み実績のほうでの紹介では、こうした中身が記載をされていないように思いますが、どのような観点でどう取組を進めたのか。結果として、全職員が24時間365日、公務員という高い倫理感を持って職務に当たられたのか、お伺いをいたします。
108 ◯笠井二朗上下水道総務室課長 職員の人材育成、特に人権意識やコンプライアンスの浸透を図っていくには、日頃からの粘り強い取組が重要と考えております。
そういった視点に立ちまして、毎年度、節目となる時期に合わせまして、服務規律の確保について、全職員に向けて通達を行っております。
また、所属長に対し、職員への丁寧な気配りや目配りを行うことや、職員が常に公務員であることを自覚した行動を取るよう、様々な機会を捉え周知しているところであり、部の運営方針についてもそのような視点から記載をしたものであり、今後も引き続き、全職員に公務員としての自覚を促すための取組を行ってまいります。
109 ◯広瀬ひとみ委員 人権尊重を含めたコンプライアンスの浸透、定着に向けた取組は、通達と、そして日常業務の中での気配り、目配りとのことでした。
果たして十分だったのか、結果がどうだったのか、この点での明確なお答えはありませんでしたが、24時間どころか勤務中の時間でさえ守られていない幹部職員の勤務実態も明らかとなりました。今後も引き続き、通達と目配り、気配りを求めるだけで、人権意識、コンプライアンスの徹底が図られるのか疑問です。
上下水道局では、現在、300億円という巨額の予算額で中宮浄水場更新事業が進められており、市民の皆さんからも高い注目と関心が寄せられています。届けられる水の先には市民の暮らしと命があります。公務労働者としての人権を守る幅広い知識と意識、倫理感を醸成し、今後の業務に当たられるよう、より一層の取組の強化、推進を求めておきます。
次に、水道料金の請求誤りについて、八尾委員さんと大地委員さんからも御質問がありましたが、重ねて私のほうからもお伺いさせていただきます。
令和2年7月に、市内事業者様に対し数年にわたって請求誤りがあることが判明いたしました。水道使用料を戸や店舗の数で均等割とする制度の協定書を交わしていたにもかかわらず、これができていなかったということで、数年にわたり本来納めていただく金額よりも高い金額を請求していたことが5施設で判明したということでありました。
改めて、原因と、その後の対応状況をお伺いします。
110 ◯亀野真紀上下水道総務室課長 令和2年度に判明しました水道料金等の請求誤りは、協定の内容を料金システムに反映できていなかったことにあり、適切にチェックする仕組みが欠けていたことが原因と考えております。
今回の事例を受け、ミスの原因となった業務では全ての協定書を確認するとともに、再発防止に向けて業務フローの見直しを行い、毎月、業務チェックデーを設けて、業務が正しく遂行されているかの確認を行っております。
111 ◯広瀬ひとみ委員 返還金総額約1億9,040万円、うち利息相当分だけでも1,600万円ということで補正予算として計上され、返還はやむを得ないということで賛成はいたしましたが、返還金、また利息相当額はどこから支出したことになっているのか、お聞きをいたします。
112 ◯亀野真紀上下水道総務室課長 返還金の支出につきましては、現年度分は調定減額で対応し、過年度分につきましては特別損失の過年度損益修正損から、利息相当額等は
営業外費用の雑支出から支出しております。
113 ◯広瀬ひとみ委員 それでは、そもそもこの均等割制度というのはどういう制度なのか、制度創設の経緯とその必要性について、お聞きをいたします。
また、この制度の対象要件と、令和2年度と令和3年度の対象件数、一般料金との差額は令和2年度で幾らになるのか、また、1件当たりの最大の軽減額は幾らとなるのか、お聞きをいたします。
114 ◯亀野真紀上下水道総務室課長 均等割制度は、親メーターのみを検針し、申出があった入居戸数で均等に使用したものとみなして算定した水道料金及び下水道使用料を一括して請求する制度です。申出の入居戸数については、入居数分の分担金を徴収していることが条件となります。
制度創設の経緯ですが、水道料金は逓増制を採用しており、親メーターで検針した水量をそのまま計算しますと水道料金が高くなることから、緩和策として均等割の制度を導入しているものです。制度の対象件数は、令和2年度、令和3年度とともに約1,000件です。
1件当たりの入居戸数や使用水量は個別で変動するため、一例を挙げますと、部屋数6戸の集合住宅で、親メーターの口径が25ミリメートル以下で、使用水量が300立方メートルとしたとき、均等割りした水道料金では税込み4万6,675円、親メーターのみを検針した場合では税込み8万1,974円なので、差額は3万5,299円となります。
115 ◯広瀬ひとみ委員 逓増制のままでは大きな負担となることから軽減をされてきたことは理解をいたしました。
協定を結びながら軽減がされていなかったということで、取り過ぎた水道料金だけではなくて、利子分として1,600万円もの負担が生じたことは大きな損失です。また、この制度は事業者様との契約となっておりますが、制度の趣旨が個々の負担の軽減にあったのだとすれば、その目的は果たされているのか返還により果たされたのかは、これは不明です。
業務フローを見直し、毎月チェックデーを設けられたとのことですが、こうした失態を繰り返すことのないように、引き続きしっかり取り組んでいただきたいと思います。
次に、新たな水道料金制度の施行に向けた取組について、お伺いいたします。
令和2年度は、新たな水道料金制度の実施に向けた準備が進められた年でした。令和2年3月に枚方市水道事業給水条例の一部改正が提案され、その際に、私のほうからは、口径別の水道料金となりますが、小規模事業者への影響について、お伺いをいたしました。
当時の上下水道経営部長からは、「口径40ミリメートル以上の大口径は、大規模な事業者が多いことを確認しているため、小規模事業者のほとんどが25ミリメートル以下の小口径を使用しているものと捉えており、小規模事業者への影響は少ないものと考えております。」、このような答弁をいただき、みなし口径制度の導入も含め、市民負担にはならないと判断をいたしまして、条例にも賛成をしてまいりました。
しかし、今になって、自治会館の口径が大口径となっており、水道料金が大幅に引き上がったとの御相談が当議員団にも寄せられております。口径別水道料金の導入により大きな影響はないはずではなかったのか。なぜこうした事態が生じたのか、また、どのように対応されてきたのか、お聞きをいたします。
116 ◯亀野真紀上下水道総務室課長 新たな水道料金制度では、口径40ミリメートル以上の水道料金については大幅な増額になることが見込まれることから、対象者については、令和2年12月に、個別に封書にて水道料金制度の見直しの御案内を送付しております。また、元店舗兼住宅など住居用の建物で要件を満たす場合には、みなし口径の制度により大幅な増額とならないよう配慮いたしました。その際に、自治会館等は住居用の建物に該当しないものとの判断を行ったものです。
しかしながら、住居以外の建物についても御相談いただく中で、現状の使用水量や水栓の数などが実口径の大きさと乖離がある場合は、使用者側で水道管の口径を減径する工事を行うことにより水道料金の軽減が見込めることについて、御案内しております。
117 ◯広瀬ひとみ委員 検討の際から、大口径を利用されている自治会館があることを掌握されていたとのことですが、そうした自治会館は何件あると把握されていたのでしょうか。そうした事案があることを当時にお聞きをいたしませんでしたが、なぜ説明がなかったのでしょうか。
また、口径別料金制度で大幅な増額になることによる自治会からの相談はこれまでに何件あったのか。令和2年度に併せて、令和3年度分もお聞かせください。その際、口径の変更ができないとの相談は何件あり、どのような事案だったのかも、併せてお伺いいたします。
118 ◯亀野真紀上下水道総務室課長 口径別料金制度で影響を受ける利用者の把握として、口径40ミリメートル以上の利用者を抽出する中で、自治会館などがあることは認知しておりましたが、その件数までは把握しておりません。制度の影響を考慮する際には、生活の場である住居用の建物について、水道料金が高額にならないよう配慮する考えを御説明してきたものです。
また、自治会からの相談件数は、令和2年度に6件、令和3年度に4件で、口径変更ができないといった相談は3件あり、内容としましては、減径をしたくない、あるいは減径する工事費がかかるなどの理由で難しいといったものです。
119 ◯広瀬ひとみ委員 上下水道局では、先ほども御説明ありましたが、これまでにも均等割制度を設けたり、今回の新制度に向けては、元店舗兼住宅など住居用の建物で要件を満たす場合にはみなし口径制度を導入したりするなどして、料金が高くなることについての緩和策を取られてきています。
しかし、自治会館については、居住用の建物ではないという理由で該当しないと判断されたようですが、自治会館は市民生活に必要不可欠な施設です。自治会館もみなし口径制度の対象にすべきだったのではないでしょうか。
また、先ほどの御答弁に御相談の中身がありましたけれども、相談の自治会の中には府営住宅なども含まれており、工事をしたくても工事ができないというところもあったのではないでしょうか。この点について、お聞かせください。
120 ◯亀野真紀上下水道総務室課長 口径別料金制度につきましては、口径が大きいほど一度に多くの水を使うことができ、それを支える水道施設への負担も大きくなるため、公平性の観点から、施設の維持管理費において口径の大きさに応じた料金を御負担いただくものです。
みなし口径の制度は、住居用の建物のみを対象としており、住居用の建物で御利用いただく水道料金が高額にならないよう配慮した制度としております。
121 ◯広瀬ひとみ委員 住居用の建物のみを対象ということでありますが、その線引きは一体誰が決めたのかと思うわけです。
この制度変更については、審議会からも、様々な事情が想定されることから丁寧な説明を行うようにと求められておりました。令和2年度の検討経過の中で、自治会館への影響を認識されていたのであれば、そうした状況となることを当時の建設常任委員会に報告すべきだったのではないでしょうか。市民生活に影響を及ぼすものについては包み隠さず説明をし、議会での議論を踏まえ対応を検討すべきで、これは議会軽視ではなかったのではないでしょうか。公平性と言うなら、説明責任もしっかり果たし、制度設計をすべきです。利用者、市民の目線で対応していただきたいと思います。
ある自治会では、これまで基本料金程度の水道料金だったのに、1万円も上がったと困られていました。確かに住宅ではありませんが、結果として、ほかの予算を削ったり、市民の皆さんの負担となってまいります。こうした相談が寄せられているわけですから、今からでも対象を拡大し、対応すべきだと申し上げまして、質問を終わります。
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122
◯野村生代委員長 午後1時まで休憩します。
(午前11時55分 休憩)
(午後1時 再開)
123
◯野村生代委員長 委員会を再開します。
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124
◯野村生代委員長 次に、小池晶子委員の質疑を許可します。小池委員。
125 ◯小池晶子委員 皆様、こんにちは。今日に至るまで打合せに御協力いただきまして、ありがとうございました。それでは、早速、質問に入らせていただきます。
私のほうからは、一般被保険者第三者納付金及び被保険者返納金について、お伺いいたします。
決算概要説明書209ページ、国民健康保険特別会計の2.雑入のうち、1.一般被保険者第三者納付金の収入済額5,715万6,573円とありますが、この内容について、お聞かせください。
126 ◯松岡博己国民健康保険室課長 国保加入者が交通事故や他人からの暴力を受けた場合など、第三者の行為によってけがや病気をしたときに、国保を使って医療機関にかかることができます。ただし、第三者行為による傷病に対する医療費は、加害者が負担することが原則です。そのため、加害者との交渉の問題などで時間を要する場合も考慮し、一時的に国保が窓口負担分を除く医療費を立て替えて後日加害者に請求することで、被害者の負担軽減を図るものです。
決算額につきましては、加害者の自賠責保険や任意保険等から収入したものです。
なお、当該事務については、大阪府国保連合会に第三者行為求償事務の委託を行っております。
127 ◯小池晶子委員 第三者行為によって傷病を受けた場合でも、国保が医療費を一時的に立て替えることで、安心して医療を受けられることは理解いたしました。
実際に、自分は気をつけていてもけがをさせられてしまうことは、誰にでもあることだと思います。第三者行為により国保を使用する場合に被保険者がしなければならないことについて、お聞きいたします。
128 ◯松岡博己国民健康保険室課長 国保で医療を受けるときには、第三者行為による傷病届の提出が必要です。また、加害者から治療費を受け取ったり示談を済ませたりすると、その内容によっては国保が立て替えた医療費を加害者に請求できなくなることがありますので、示談をする前に必ず国民健康保険室に相談していただくようお願いしているところです。
129 ◯小池晶子委員 それでは、第三者行為求償事務においての課題について、お聞きいたします。
130 ◯松岡博己国民健康保険室課長 傷病届の提出がないと、本来加害者が負担する分を国保が負担することになります。提出が遅れた場合も、国保から加害者への請求が遅れ、国保が医療費を回収できない可能性が高まります。ひいては国保の負担が増加し、国保加入者の保険料の負担増につながります。
現在、傷病届やそれに付随する書類が複雑なことから、被害者が国保を使用する際の傷病届の届出作成支援とともに、早期届出の対応について、損保団体との覚書を交わしており、円滑な運用を進めるため、引き続き、関係者間の連携・協力体制の構築に努めてまいります。
131 ◯小池晶子委員 医療費の適正化といった意味では大変重要な制度であることは理解いたしました。
では、続いて同じく2.雑入の3と4の不当利得等による療養給付費等返納金についての内容をお聞かせください。
132 ◯松岡博己国民健康保険室課長 不当利得等による療養給付費等返納金とは、社会保険に加入するなど国保の資格喪失後に国保の保険証を使って医療機関に受診した場合に、保険者が負担した医療費について、診療を受けた方から返還してもらう必要があります。
決算額については、令和2年度に資格喪失後、受診が判明し、返納を求め収納したもの、または過年度の債権について督促、催告を行って収納したものです。
133 ◯小池晶子委員 それでは、返納金について、過去3年分の金額と収納率の推移について、お聞きいたします。
134 ◯松岡博己国民健康保険室課長 平成30年度の収納額は1,630万849円で収納率は60.02%。令和元年度の収納額は2,086万2,225円で収納率は74.01%。令和2年度の収納額は1,667万9,372円で収納率は76.08%と、上昇傾向にあります。
135 ◯小池晶子委員 それでは、返納金の収納率向上に、どのような取組を行い、また課題について、お聞きいたします。
136 ◯松岡博己国民健康保険室課長 社会保険等への切り替わり、国保の脱退手続時において、資格喪失後、受診がある場合には、速やかに医療機関へ新しい保険証の提示を勧めるほか、医療機関に協力を依頼し、資格喪失後に国保に請求されたレセプトを新しい社会保険等に請求し直してもらえるよう協力を求めるなどして、返納金の発生を未然に防ぐよう努めています。
また、督促や催告の徹底、社会保険や他市国保との保険者間調整の活用により、収納率の向上につなげています。
最後に、課題としては、返納金については非強制徴収公債権であることから、督促や催告により返納の督励を行っていますが、返納に応じないケースがあるため、債権回収課所属の弁護士職員と連携し、裁判所を通じた支払い督促を実施しています。こういった手続に必要な調査等に時間を要することも課題となっています。
137 ◯小池晶子委員 第三者行為求償事務及び不当利得等による療養給付費等返納金について、国保の医療費の適正化の観点から、レセプト点検業務やジェネリック医薬品推奨業務と同様に、重要な取組であると認識いたしました。
現在のコロナ禍において医療費の動向を見極めることは困難であると思われますが、引き続き、医療費の適正化を進めていただきたいと意見を申し上げ、質問を終わります。ありがとうございました。
138
◯野村生代委員長 次に、一原明美委員の質疑を許可します。一原委員。
139 ◯一原明美委員 こんにちは。それではよろしくお願いいたします。
下水道事業会計の雨水排水ポンプ場の整備について、お聞きいたします。
これまで幾度となく浸水被害が発生し、特に近年では線状降水帯発生による豪雨が長時間にわたり、本年も九州地方をはじめとして全国各地にて浸水被害が発生しています。枚方市におきましても、近年は大きな被害には至ってはいませんが、道路冠水や床下浸水などの浸水被害が発生しており、浸水対策として、貯留管整備や、雨水排水の根幹施設である雨水排水ポンプ場整備に取り組んでいただいているところです。会派としても、議会や予算要望の中に項目を入れる等、これまでもポンプ場整備についての対策の申入れを行ってまいりました。
そこでまず、下水道事業会計決算書163ページ、雨水公共下水道整備事業費の工事請負費にあります公共下水道第65工区溝谷川ポンプ場整備工事(場内整備その2)並びに新安居川ポンプ場整備事業費の工事請負費にあります公共下水道第61工区新安居川ポンプ場整備工事(その2)のそれぞれの内容について、お聞きいたします。
140 ◯岡崎直己雨水整備課長 まず、公共下水道第65工区溝谷川ポンプ場整備工事(場内整備その2)の内容でございますが、ポンプ場の適正な維持管理のための場内管理通路・外構工事、そして、照明施設を整備するための工事を実施したものです。
次に、公共下水道第61工区新安居川ポンプ場整備工事(その2)の内容でございますが、ポンプ設備の故障の原因となる土砂の流入を防止するための沈砂池を整備するとともに、溝谷川ポンプ場と同様に、維持管理のための場内管理通路・外構工事、そして照明施設を整備するための工事を実施したものです。
用地の買収から着手しましたこの2つのポンプ場整備につきまして、ポンプ場の拡張や各設備の整備などによって排水能力の向上が図れたものとして、令和2年度に完了を迎えました。
141 ◯一原明美委員 それぞれの工事の内容については、一定理解いたしました。
その中で、溝谷川ポンプ場、新安居川ポンプ場の整備事業は完了を迎えたとのことでありますので、今後は、整備された施設をどのように運用し、効果を発揮させるのかが重要であると考えます。また、先ほど申し上げたように、全国のどの地域で大きな浸水被害が発生するか、年々そのリスクが増しております。
そこで、本市において完成した各ポンプ場の運用とその効果について、お聞きをいたします。
142 ◯岡崎直己雨水整備課長 各ポンプ場の運用につきましては、今回整備いたしましたポンプ施設への土砂流入を防止するための沈砂池や、ポンプ場に流れ着くごみを取り除く除塵機設備などを適正に管理運用してポンプ場の運転を行うことで、河川への効率的な雨水排水を行い、各流域の浸水被害の軽減に寄与するものです。
各ポンプ場の整備前と比較いたしますと、令和3年度、雨期におけます溝谷川並びに新安居川の水位上昇の頻度が減少していることから、効果的なポンプ排水ができているものと考えております。今後も引き続き、適正な維持管理を行うとともに、より効果的な運用に努めてまいります。
143 ◯一原明美委員 各ポンプ場の整備前と比較しますと、それぞれの河川の水位上昇の頻度が減少していることから、効果的なポンプ排水ができていると考えますとのことです。
溝谷川ポンプ場並びに新安居川ポンプ場の能力向上に向けた整備が完了したことは、これまで浸水被害を受けてきた流域の市民にとっては安心につながります。既に水位上昇の頻度は減少しているとのことですが、今後も適切な維持管理を行うとともに、本市においても、いつ何時に豪雨災害が発生するとも限りません。より効果的な雨水排水を行えるように、緊張感を持ってポンプ場の運用に努めていただきますよう、よろしくお願いいたします。
続きまして、病院事業会計について、お聞きいたします。
市立ひらかた病院の経営状況については、病院事業会計決算書19ページの経営状況に「入院・外来収益ともに減少したことから、医業収益が昨年度から3億3,797万6千円減少しました」と記載されておりますが、令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響が大きかったと考えます。
それでは、どういった診療科でどの程度医業収益が減少したのか、お聞きいたします。
144 ◯小篠俊文市立ひらかた
病院経営企画課長 令和2年度は、患者の受診控えのほか、新型コロナウイルス以外の感染症患者の減少や手術の延期などにより患者数が大きく減少し、入院患者で延べ1万841人、外来患者で延べ2万8,735人減少いたしました。その患者数の減少に伴い、多くの診療科で減収となっており、特に小児科の減収が大きく、前年度に比べ入院収益が半減し、入院、外来合わせて3億7,924万円減少いたしました。
そのほかの減少している主な診療科といたしましては、産婦人科で7,292万円、耳鼻咽喉科で4,118万円、歯科口腔外科で5,742万円の減収となっております。
145 ◯一原明美委員 それぞれの診療科と収益の減少の状況は分かりました。その中でも、小児科は3億7,924万円も減少したということです。
ところで、決算書18ページの概況には、令和2年7月に下肢機能再建センターを新たに設置したことが記載されており、このコロナ禍の中で開設をされたわけですが、改めてどのような趣旨で開設し、どういった医療を提供しているのか、お聞きいたします。
146 ◯大西 珠市立ひらかた病院医事課長 超高齢社会を迎えた現在、健康寿命の延伸が課題となっている中、介護が必要となる最も大きな要因とされている関節疾患について、専門的な関節治療に特化したセンターを設けたものです。
下肢機能再建センターでは、関節などの痛みなどによって仕事や日常生活に支障を来す方が、生き生きとした暮らしを取り戻すことで健康寿命の延伸が図られるよう、下肢機能の回復、再建を行う股関節、膝、足などの関節再建手術を主軸とした医療を提供しています。
147 ◯一原明美委員 関節疾患について専門的な関節治療に特化したセンターとして開設され、股関節、膝、足などの関節再建手術を主軸とした医療を提供しているということです。
先ほど申し上げましたが、コロナ禍の中での開設ということですが、それでは、この令和2年度の下肢機能再建センターの診療実績はどうだったのか、お聞きをいたします。
148 ◯小篠俊文市立ひらかた
病院経営企画課長 下肢機能再建センターについては、令和2年4月から稼働すべく、医療体制を整えて準備してまいりましたが、3月中頃からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴って緊急事態宣言が発出されるとともに、世界的に衛生材料が枯渇し、手術を延期せざるを得ないなどの事情により、やむなくセンターの稼働を7月に延期いたしました。
コロナ禍で手術を抑制する状況もございましたが、令和2年度の診療実績は、病院全体がコロナの影響により患者数や収益が減少する中にあって、整形外科では、入院収益で約9,223万3,000円、外来収益で12万2,000円増加し、入院、外来合わせて約9,300万円増の8億8,583万1,000円となりました。
149 ◯一原明美委員 コロナ禍の中でも、この下肢機能再建センターにより、整形外科で約9,300万円の増収だったということですが、改めて、この下肢機能再建センターの集患につながる周知は、これまでどのようにされたのか、改めてお聞きいたします。
150 ◯竹内千冬市立ひらかた病院医療相談・連携室課長 下肢機能再建センターの開設に当たりまして、本院のホームページに掲載するとともに、広報紙『かわせみ』夏号で特集をし、地域の医療機関にPRをいたしました。市民向けにチラシも作成し、下肢機能再建センターの周知に努めました。
また、コロナの感染状況を見ながら、地域の整形外科などの医療機関に下肢機能再建センターの医師自らが直接訪問し、本院の医療を説明し、集患につなげてまいりました。
151 ◯一原明美委員 最後、要望です。
下肢機能再建センターについては、ホームページや広報紙で特集し、また、地域の医療機関へのPRをする中、結果として9,300万円の増収につながったことだと思います。
先ほどの御答弁にありました減収した4つの診療科を合計しますと、約5億5,000万円減少している状況ですが、医業収益が約3億4,000万円の減収にとどまっているのは、こうした一般診療にも注力された結果だと考えます。
この下肢機能再建センターにおいては、先ほどの上野委員の質疑にも、今後のひらかた病院の強みとして積極的にPRをしていくとの御答弁もありましたが、今後もしっかり力を入れていただき、この強みがさらなる収益増につながるような病院運営に取り組んでいただきますよう要望いたします。
また、令和2年度は地域医療支援病院の承認を受けられたわけですから、かかりつけ医の関わりも深まり、二次救急医療の役割も明確にするためにも、より一層の地域の医療機関との連携を行っていただきますよう併せて要望させていただきまして、私の質疑とさせていただきます。ありがとうございました。
152
◯野村生代委員長 次に、加藤 治委員の質疑を許可いたします。加藤委員。
153 ◯加藤 治委員 こんにちは。皆様におかれましては、今日に至るまで多大なる御協力をいただきましたこと、心より感謝、御礼を申し上げます。ありがとうございました。
それでは、質問に入らせていただきます。
決算概要説明書241ページ、認知症総合支援事業費683万7,775円について、お伺いをいたします。
枚方市では高齢化率が28.7%となり、厚生労働省の資料では、2025年には高齢者の約5人に1人が認知症になるとの推計があります。認知症への不安や相談は、今後ますます増加していくものと思われ、本市においても課題であると考えます。
そこで、まずは認知症総合支援事業費の内訳並びに令和元年度と比較した決算額との差異について、お伺いをいたします。
154 ◯辻本裕香福祉事務所課長(健康福祉総合相談担当) 認知症総合支援事業費の内訳につきましては、認知症初期集中支援事業委託料が100万9,800円、認知症地域支援推進員初任者研修・現任者研修受講料の負担金が4万円、認知症地域支援推進員包括事業委託料が578万7,975円となります。
なお、令和元年度と比べて決算額が約80万円減少しておりますが、認知症の症状に応じた適切なサービス提供の流れを示したガイドブックである認知症ケアパスの作成がなかったことが主な原因です。
155 ◯加藤 治委員 事業費の内訳と令和元年度の差異について、理解をいたしました。
身内に認知症と疑われる症状が発生した場合に、医療や介護サービスはどのような支援を受けられるのか、御家族の方が早い段階で知ることにより、その後の対策がスムーズに行え、安心感へとつながります。本市では、認知症ケアパスが、認知症の症状に応じた適切なサービス提供の流れを示してきたガイドブックだと認識をしております。
そこで、令和2年度の事務概要によると、認知症ケアパスの普及、啓発としての配布部数は7,840部であるとのことですが、配布先について、お伺いをいたします。
156 ◯辻本裕香福祉事務所課長(健康福祉総合相談担当) 認知症ケアパスは、市役所及び各支所や各地域包括支援センター、市民サービスセンターや各生涯学習市民センター、保健所、図書館などの窓口に設置しており、医師会、歯科医師会、薬剤師会、地域の認知症カフェ運営団体などにも配布依頼をしております。
また、コロナ禍の影響により開催が困難な状況でもありますが、認知症サポーター養成講座でも配布をしております。
157 ◯加藤 治委員 これまでに、認知症ケアパスを活用することで市民の方に認知症に対する理解を得るため、様々なところで配布するなど取組を行ってきたとのことです。
認知症高齢者やその家族が住み慣れた地域で暮らすことができるよう、認知症の正しい理解の普及と地域の見守り体制を構築していくためには、認知症サポーターの養成と継続した周知活動が必要と考えます。
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、認知症ケアパスを配布する講座などを開催することが厳しい状況だったのは承知しておりますが、高齢化が進むとともに認知症は増加の一途をたどっておりますし、あらゆる状況下でも理解を広めていく活動を行っていけるよう考えていく必要があります。
例えば、感染するリスクを下げるためにICTの活用を行い、認知症サポーターの養成を継続して行っていくことが必要だと思いますし、インフラ環境も進んだ小・中学校において、従来の資料とともに認知症ケアパスも活用し、現在では認知症サポーター養成を行っているとは伺ってはおりますが、全生徒へと広めてはいかがでしょうか。また、これまでに講座に参加された方々にも何かしら啓発を行っていく必要があると考えておりますので、検討していただきますようお願いを申し上げます。
認知症は、周囲の方々に理解していただくことがとても重要であり、間違えた対処を行うと病状が進行することもあり、患者への対応がとても難しい疾患です。理解を深めなければならないのに、市のホームページで認知症ケアパスを
検索すると65件の
ヒットがあり、認知症ケアパスの配布先などは出てきましたが、具体的な中身が分からない状況でした。
これまでの施設や講座などでの配布は継続した上で、急遽知りたい方々のため、ホームページに認知症ケアパスのデータなどを添付していただき、必要なときにいつでもダウンロードできるよう対策をお願いいたします。
家族が身内の認知症を受け入れたときには、思った以上に症状が進んでいることが多く、そういった状況も踏まえて、本市での広報における認知症に関する周知の取組について、さらなる徹底を進めていただきますよう要望いたします。
続きまして、決算概要説明書240ページ、介護予防普及啓発事業3,479万6,589円について、お伺いいたします。
介護予防普及啓発事業については、どのような事業を実施しておられるのか、事業の概要について、お伺いをいたします。
158 ◯栃川和宏地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当) 介護予防普及啓発事業は、介護予防に関する基本的な知識の普及、啓発を図るための講演会等の開催やパンフレットの配布、また、介護予防の体験を通じ、継続した取組となるよう、運動機能向上や栄養改善、口腔機能の向上といった教室を開催し、自主的な活動へつなげるための支援を行っております。
当該決算額につきましては、講座や教室を実施するための委託料や、パンフレット購入などの啓発等のための事務経費となっております。
159 ◯加藤 治委員 高齢者が健康で自立した生活を送るためには、高齢者自身が健康増進や介護予防についての意識を持ち、取組を実践することが重要です。
しかし、令和2年度はコロナ禍であったことから、人を集めての講座や体験教室の開催は難しい状況だったと想像できますが、介護予防普及啓発事業を実施するためにどのような工夫をされたのでしょうか、お伺いをいたします。
160 ◯栃川和宏地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当) 新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、人を集めての介護予防講座や各種教室の開催につきましては中止せざるを得ない状況が多く発生しましたが、感染症対策を図り実施できるICTを活用したオンライン教室を新たに開催し、対応いたしました。
また、感染症対策が取りやすい屋外での活動として、無償貸与していますノルディックポールを使いウオーキングの実践を個々に進めるなど、活動の場の提供に努めてまいりました。
さらに、商業連盟様の協力を得て、市内3か所の商業施設のスペースに1週間モニターを設置させていただき、介護予防に関する動画を放映するイベントを実施し、広く知識の普及、啓発を図るなど、健康への影響を最小限に抑えられるよう、介護予防の取組に努めてまいりました。
161 ◯加藤 治委員 介護予防の普及、啓発については、介護予防活動の実践につながる非常に重要な事業であります。コロナ禍だからできないのではなく、創意工夫をしながらも進めていかなくてはならない事業であると考えています。この間、ICTを活用した教室の開催や屋外での活動など、コロナ禍での感染リスクを軽減しながら、できる内容に取り組まれてきたとのことです。
しかしながら、スマホ等で情報を収集し、またコミュニケーション
ツールとしてICTを使いこなすことができる高齢者はまだまだ少数派ではないかと感じております。今回のコロナ禍で、認知症や要介護の適用となられる方がかなり増加しておられます。症状の進行については、高齢化とともに止められることはなく、進行を遅らせるためには具体的な対策が必要であるとも考えます。市民の健康を守るためにも専門的な対策が必要だと思われますし、ICTの活用に関する支援も含め、寝たきりゼロを目指して創意工夫を行い、さらなる介護予防の推進を図っていただきますよう要望いたします。
続きまして、特定保健指導動機付け支援委託料について、お伺いをいたします。
新型コロナウイルス感染症が蔓延する中で、ライフスタイルの変化による生活習慣病リスクが高まっていると言われております。生活習慣病を放置すると、例えば動脈硬化などが進行し、脳卒中や心筋梗塞に進展するリスクが高まるなど、結果として将来寝たきり状態になる可能性が高くなると言われており、それらを予防するためには、早い段階において生活習慣を改善していくことが重要とされています。
そこで、決算概要説明書216ページ、特定保健指導動機付け支援委託料332万2,804円と記載をされていますが、この事業の内容について、お伺いをいたします。
162 ◯栃川和宏地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当) 特定保健指導は、40歳以上の国民健康保険加入者を対象に実施しております特定健康診査の結果から、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善が病気の予防につながると判定された方を対象に、生活習慣を見直すサポートを実施するものとなっております。
サポート内容につきましては、肥満に加え、高血圧、高血糖、脂質異常のうち1項目が該当した方へ実施する動機付け支援と、喫煙を含めた2項目以上が該当する、よりリスクの高い方へ実施する積極的支援があります。いずれも一定期間、保健師や管理栄養士などの専門職による面接や指導を行い、個人に合った生活改善プログラムを提供するものです。
積極的支援につきましては、市の専門職による直営で実施しておりますが、動機付け支援につきましては、利用者数の関係から業者委託を行い実施しており、その費用となっております。
163 ◯加藤 治委員 動機付け支援について、業者委託にて実施をされているとのことですが、具体的な内容と利用者数について、再度お伺いいたします。
164 ◯栃川和宏地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当) 動機付け支援につきましては、専門職による初回面接を行い、健診結果や生活状況を基に、個々に応じた生活習慣改善に向けた実践へのアドバイスを行うとともに、行動目標を立てるためのサポートを行います。その後、約3か月間、電話やファクス、メール等で健康づくりのフォローを行い、終了時にはアンケートを実施し、評価を行うものとなっております。
令和2年度の利用者数に関しましては、令和3年9月末現在の暫定値にはなりますが、初回面接が終了した人は218人で、実施率といたしましては14.3%となっております。
165 ◯加藤 治委員 生活習慣を改善するに当たり、専門職は個々に応じたアドバイスを行い、自ら立てた行動目標に対してフォローを行っていただいているとお伺いしました。
生活習慣の改善をする、言葉に表すと簡単ではありますが、なかなか実践に結びつけることは大変だと感じています。約3か月間のフォローは生活習慣の改善に向けての励みにもなり、継続性を育むための重要な取組だと感じております。
しかし、実施率が14.3%とのことで、まだまだ低い状況にあります。生活習慣病の重症化を予防するためにも、一人でも多くの人に参加していただく必要があると思いますが、参加者を増やすためにどのような取組をされたのか、お伺いをいたします。
166 ◯栃川和宏地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当) 保健指導の実施に当たりましては、コロナ禍において感染症予防の観点から参加を見合わすことがないよう、LINEやZoom等を用いた遠隔面接の機会を取り入れるとともに、土曜日や18時以降の面接時間を設定するなど、働く世代の人にとってもより利用しやすい環境を整えてまいりました。
167 ◯加藤 治委員 特定保健指導では、積極的支援と動機付け支援に分かれており、今回は動機付け支援について、お伺いをさせていただきました。
積極的支援に当たる方は、状況によっては既に何らかの症状が発症しているなどもあり、危機管理意識も高いと思われるのですが、動機付け支援に当たる方は基本的には無症状が多く、意識的にはかなり薄いということが大きな課題ではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症が蔓延する中、特定保健指導等の生活習慣病対策はとても重要な取組の一つと考えます。いま一度原点に立ち戻り、病気に対しての危機感を持たせることも大切ですが、健康であることのありがたさを追求して意識づけるとともに、楽しさや喜びにも重点に置いた上で、生活改善プログラムに沿った事業を行ってくださいますようお願いいたします。
また、実施率が、先ほども伺いました14.3%ということで、特定健康診査の結果により支援が必要な方で初回面接が終了した人数は218名とのことでしたが、本市の総人口数を考えますと、これまでに行ってきた状況を踏まえ、本市が求めている、結果に結びつく、いわゆる介護予防に結びつくということは極めて考えにくいですし、本事業の重要性を再認識し、利用者にとって利便性の確保や本事業についての周知啓発についていま一度具体的な検証を行い、より多くの市民が利用して喜ばれる取組を速やかに行ってくださいますよう要望いたします。
以上で、私からの質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
168
◯野村生代委員長 次に、木村亮太委員の質疑を許可します。木村委員。
169 ◯木村亮太委員 こんにちは。私で最後になります。この間、御協力をいただきましてありがとうございます。最後ということで、若干ほかの方の質疑と重なる部分もありますが、私なりの視点で質疑をしていきますので、どうぞよろしくお願いします。
それでは、まず、事務事業実績測定調書の中の介護認定事務について、お伺いいたします。
本日、広瀬委員からもありましたとおり、介護保険法には、原則として要介護認定申請から認定結果の通知までを30日以内に行わなければならないと定められております。しかし、令和2年度の実績では、申請受付件数のうち期限内に認定を行うことができた件数の割合は44.5%となっております。
そこでまず、申請件数の実績や、認定調査をはじめとした要介護認定の実施方法等について、伺います。
170 ◯吉田章伸地域健康福祉室課長(長寿・介護保険担当) 令和2年度は、新規申請6,608件、更新申請3,903件、区分変更申請1,408件となっており、介護支援専門員の資格を有する本市職員が主に新規申請の調査を行い、認定調査の受託事業者が主に更新申請及び区分変更申請の調査を行いました。
この調査結果とかかりつけ医が作成する主治医意見書を基に、医療職や保健・福祉職の委員で構成される介護認定審査会が、認定結果の判定を行っております。
なお、本市では、令和2年度において申請受付から認定結果の通知を行うまでにかかった平均日数は31.4日で、中核市の平均は34.9日となっております。
171 ◯木村亮太委員 枚方市は31.4日で、中核市の平均が34.9日ということなので、中核市の平均よりは早いようですが、申請者の半数以上が、法で定める期限内に要介護認定を受けることができていないというのが実情です。その主な原因についてはどのように考えているのか、伺います。
172 ◯吉田章伸地域健康福祉室課長(長寿・介護保険担当) 期限内に認定を行うことができない原因としましては、入院後間もないなど、調査対象者の心身の状態が安定しないため、一定期間認定調査が行えないケースや、主治医意見書の取得に日数を要するケースなどがございます。
また、通常の事務処理で日数を要しているのは、主に受託事業者による手書きの調査票の内容確認作業と、電子カルテから出力された光学読み取りができない定型外の主治医意見書の手入力作業によるものとなっております。
173 ◯木村亮太委員 申請者の事情で調査が遅れるケースなどは仕方がありませんが、手作業により事務処理に時間を要するものがあれば、ICTを用いた効率化を検討してみてはいかがでしょうか。
例えば、受託事業者に調査票のデータを渡して調査結果を入力してもらうといったことや、定型外の主治医意見書をAI-OCRで読み取るといったことが考えられると思いますが、見解を伺います。
174 ◯吉田章伸地域健康福祉室課長(長寿・介護保険担当) 受託事業者の作成する調査票につきましては、これまでもデジタル化を含め読みやすいものになるよう協力を求めてまいりましたが、今後、本市主催の認定調査研修などの場を活用しまして、本市の調査員が調査票の作成時に使用しているデータ入力フォームを希望者に提供するなど、より一層デジタル化が進むよう取り組んでまいります。
また、現在、介護保険事務システムについては、国が標準化に向けて取組を進めておりまして、電子カルテから出力される主治医意見書につきましても標準化が進むと考えられますが、それまでの間、件数の多い定型外の主治医意見書をAI-OCRで読み取ることで事務の効率化につながるかどうかなどについて、調査、研究を行ってまいります。
175 ◯木村亮太委員 介護保険の事務システムについては国が標準化を進めているということで、この標準化が進めば、かなりの部分で事務の効率化が図られるということは考えられますが、それにはまだ一定の年数がかかると思われます。市として今からできることは取り組んでいただき、認定結果を少しでも早く申請者に届けられるよう努めていただきたいと思います。
また、委託事業者にとっても、認定結果が早く決まることでサービスを決定することができるなどのメリットもあると思いますので、事業者に対してもデジタル化を引き続き働きかけていただきたいと要望いたします。
次に、決算概要説明書239ページ及び決算審査意見書70ページの地域支援事業費のうち、介護予防・生活支援サービス事業費、一般介護予防事業費について、伺います。
この決算概要説明書239ページの介護予防・生活支援サービス事業費8億4,287万499円については、主に要支援認定者等が利用する訪問ヘルパー等の訪問型サービスと、デイサービス等の通所型サービスなどの生活支援サービスに係る総合事業に要した経費及びケアプラン作成等に係る介護予防ケアマネジメント事業に要した経費であると伺っております。
この費用については、決算審査意見書70ページによりますと、予算額は14億2,587万円で、決算額は8億4,287万円、執行率は59.1%となっており、また、令和元年度の決算額からは1億374万円減少しております。
減少している主なサービス費はどのようなものなのか、お伺いします。
176 ◯栃川和宏地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当) 減少しています主なサービス費につきましては、通所型サービス事業費が7,038万2,668円、訪問型サービス事業費が1,999万7,054円、介護予防ケアマネジメント事業費が1,188万2,274円、それぞれ減少となっております。
特に通所型サービスにつきましては、令和2年4月から5月及び令和3年1月から3月の利用件数が大きく減少しており、新型コロナウイルス感染拡大や緊急事態宣言の発令により、短期間の利用自粛であれば生活機能の低下は最小で済むのではないかという考えも含め、利用者が感染症予防を優先し、他者との接触を避けるため自粛したものと想定しております。それに伴い、事業費も減少している状況でございます。
177 ◯木村亮太委員 コロナ禍における利用自粛で、通所型サービスの利用が大きく減少したということですが、必要な人がサービス利用を控えることで身体機能が低下するなど、重度化を促進することにつながっていないのか心配しますが、令和元年度と令和2年度の要支援認定及び要介護認定者数の推移はどのような状況であったのか、伺います。
178 ◯栃川和宏地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当) 令和元年度末時点の要支援認定者数は6,886人、要介護認定者数は1万3,992人。令和2年度末時点の要支援認定者数は7,223人、要介護認定者数は1万4,373人となっております。
179 ◯木村亮太委員 介護予防・生活支援サービスの事業費の減少額に比べて認定者数は増えてはいますが、自然増の部分もあると思いますので、大きな変化、大きな影響は見られないと思います。コロナ禍による高齢者の健康状態への影響は、単年度で比較しても表面化しづらいというところはあるかもしれません。逆に利用を控えていても、仮に健康状況に影響がないというのであれば、それはそれで事業が過度になっていたとも言えますので、引き続き、ある程度の期間で検証していただきたいと思っております。
しかし、一般的には、外出自粛や巣籠もりによる運動や活動の低下から肥満や身体機能が低下したというのはよく聞く話であり、特に高齢者には顕著に現れてくるものと推察しますので、コロナ禍における介護予防の取組というのは、やはり重要な役割を担っていると考えております。
そこで、決算概要説明書239ページの一般介護予防事業費のうち、介護予防普及啓発事業についても確認させていただきます。
この事業は、介護予防に資する講座や教室等の実施に係る経費と伺っておりますが、令和元年度と令和2年度の参加者数を比較すると、コロナ禍の影響で減少しているのでしょうか、お伺いをいたします。
180 ◯栃川和宏地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当) 介護予防に関する講座や教室等の延べ参加者数は、令和元年度は1万4,276人で、令和2年度は5,074人となっております。
緊急事態宣言が発令されるなどにより、人を集めての教室等の開催については中止せざるを得ない状況が多くありましたが、感染症対策が取りやすい屋外での活動として、ノルディック・ウオーキング講座の開催や、ICTを活用したオンライン教室を新たに実施するなど、活動の場の提供に努めてまいりました。
181 ◯木村亮太委員 ICTを活用したオンライン教室を開催されたということですが、新しい生活様式においては、電子決済、オンラインの活用などが推奨されております。
昨年度の高齢者を対象とした通信機器の利用に関するアンケート調査のインターネットの利用率を見ると、インターネットを利用している高齢者の割合は56%となっております。約半数の高齢者がインターネットを利用していない状況となっており、このような状況を踏まえると、高齢者がオンライン教室に参加することについてハードルになるのではないかと推測しますが、オンライン教室の参加者を増やすために何か工夫されていることはあるのでしょうか、伺います。
182 ◯栃川和宏地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当) オンライン教室の一つであるポールを使用した運動機能向上、エクサルク教室につきましては、参加希望者には受託業者が居宅を訪問し、スマートフォン等の操作方法や通信料等の説明を行うとともに、リスクマネジメントとして、リハビリテーション専門職が身体能力を確認してから、参加者に合わせた運動強度で当日の教室の運営を行うなど、個々の状況に合った対応を行いながら、介護予防の取組を進めてまいりました。
183 ◯木村亮太委員 オンライン教室といっても、参加するための操作方法が分からない、難しそう、スマホは苦手、そういった方も多くいるかと思いますが、訪問して操作方法を教えてもらうというのは、高齢者にとって参加しやすい工夫をされていたのではないかと思います。外出したくないけど体を動かしたいと感じている人にとっては、自宅から参加できるオンライン教室があることは、
選択肢が1つ増えることになります。
今は新型コロナウイルスの感染拡大が少し落ち着いているものの、この先いつ第6波がやってきてもおかしくない状況です。オンライン教室は、感染症予防対策として開催できるだけではなく、外出することに不安がある方や、大勢の中に参加するのは苦手といった多様なニーズにも対応できるものであると考えます。
また、細かい数字をお聞きしておりますと、屋外でできるノルディック・ウオークの参加者というのは、比較的減っていなかったということもお聞きしております。このノルディック・ウオークについては、場所がニッペパーク岡東中央がスタート地点で、その1か所だけになっているんですけれども、これについては屋外でできるというのもありますので、ぜひ実施できる場所を全庁的に協力して増やしていただきたいということも要望しておきます。
引き続き、多様なニーズに応えつつ介護予防を進めていただきますよう要望いたしまして、私の質疑を終わりにします。ありがとうございます。
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184
◯野村生代委員長 約20分間休憩します。
(午後1時48分 休憩)
(午後2時10分 再開)
185
◯野村生代委員長 委員会を再開します。
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186
◯野村生代委員長 他に質疑はありませんか。(なしと呼ぶ者あり)これをもって質疑を終結します。
187
◯野村生代委員長 この際、認定第1号 令和2年度大阪府枚方市一般会計歳入歳出決算の認定についてを併せて議題とします。
188
◯野村生代委員長 これから、討論に入ります。
まず、野口光男委員の討論を許可します。野口委員。
189 ◯野口光男委員 日本共産党議員団を代表し、令和2年度の決算認定に対し討論を行います。
令和2年度は新型コロナウイルスに本市でも1,759人が感染し、53人がお亡くなりになられました。今も厳しい闘病生活を送っておられる方々も含め、改めてお悔やみとお見舞いを申し上げます。
そして、新型コロナウイルス感染症対策に対応し、御奮闘いただいた全ての職員の皆様に感謝申し上げます。とりわけ保健所と市立ひらかた病院は、昼夜を分かたず奮闘し、市民の命を守るとりでとしての役割を発揮していただきました。市民の皆さんからも感謝の言葉が寄せられるとともに、その役割、存在意義が再認識されております。体制強化を図り、引き続き御奮闘をお願いいたします。
さて、令和2年度の普通会計決算は、収入が1,931億100万円、支出が1,896億500万円と、いずれも対前年度比で550億9,100万円、541億1,200万円増のかつてない大規模なものとなりました。
実質収支は16億9,400万円、単年度収支も3,900万円と、実質収支、単年度収支ともに黒字で、経常収支比率は95.7%で、前年度比0.4ポイントの改善となっています。
また、令和2年度は14回に及ぶ補正予算を組み新型コロナウイルス感染症対策を実施し、その総額は459億2,900万円に上りますが、市負担額は3億6,800万円と、僅か1%に満たない負担となりました。
とは言え、その中でも水道料金の基本料金2か月間免除、ひとり親等のための休業手当金の創設、就学援助認定世帯への特別給付金の支給、就学援助特別基準の実施、コロナ対策実施店応援クーポン券事業の実施などにより市民の暮らしや営業を支援したことは評価します。
また、学校教育では、安倍首相のトップダウンで4月に実施された一斉休校で、学校現場も家庭も大混乱し、子どもたちにも大きな負担を与えました。こうした中、LTE回線によるタブレットの導入が前倒しで進められてきたことは評価しますが、新入学、進級による新学期を迎えた子どもたちへの対応には不十分な点もありました。
不登校、いじめ、児童虐待が増加しており、より一層の子どもたちへのケアの充実、教育現場の声を踏まえた支援の充実を求めておきます。
しかし、以下の問題があります。
第1に、今後の公債費負担や市民負担の増加が懸念される中で、市民への説明会も開催せずに、市負担額314億円以上となる枚方市駅周辺再整備事業を推進したこと。
第2に、住民が存続を要望した身近な図書館東香里分室をはじめ、釈尊寺分室、茄子作分室を廃止したこと。
第3に、市立さだ西幼稚園の廃園、渚・渚西保育所の民営化を、コロナ禍で保育も子育ても大変なときにもかかわらず推し進めてきたこと。加えて、就学前の教育・保育施設に係るひらかたプランにも示されていない阪保育所、桜丘北保育所の民営化を決定、推進したこと。
第4に、学校規模適正化事業では、コロナ禍で保護者に十分説明できないにもかかわらず、中宮北小学校と高陵小学校の学校統合を進めたこと。
第5に、大規模過密校対策こそ急ぐべきにもかかわらず、令和2年度に70名の児童が増加した菅原東小学校に対する教室や児童会専用室の確保に向けた準備が進められなかったこと。
第6に、支援学級では、19校がパーティションで区切った支援学級を設置し、障害のある児童への適切な環境が整備されていないこと。
第7に、留守家庭児童会室では、最大55人の職員が不足する中、最大65人の待機児童数が生じたこと。留守家庭児童会室整備事業を休止し、タイムシェアリングにより教室確保を行うなど、無責任極まりない状態となっていること。
第8に、枚方市奨学金事業は、コロナ禍にもかかわらず実態に即した特別基準をつくらず不用額を生み、予算総額を5年間で約1,000万円も減額していること。
第9に、市内の大学生がコロナ禍でアルバイトがなくなり生活困窮する中で、市として直接的な支援を実施してこなかったこと。
10点目に、市有施設の利用制限を市独自の判断で基準も示さず実施し、市民の暮らしや市民活動、市政運営に大きな影響を与えた点です。生涯学習市民センター全体で、自主事業54と活動委員会事業108、合計で162事業が中止され、子ども食堂は、実施団体が20団体、実施箇所が22か所となりました。
また、地域子育て支援拠点事業では、1年間を通して約38%が休室となりました。認定こども園3施設、幼稚園2施設、保育所7施設が合計44日、臨時休園となりました。これら就学前児童施設について、市として、子育てされている方が孤立しないようにしっかりとその声を拾う取組がされませんでした。
11点目に、新型コロナウイルス感染症の影響で取りやめたオリンピック・パラリンピック関連約2,600万円など、100万円以上のイベント総計45事業、1億5,781万円の不用額が生じる一方で、経常経費の削減で廃止された中央図書館の新聞7紙、雑誌23誌などを復活させるなど、コロナ禍で市民が求める必要な施策に活用されなかったこと。
12点目に、事務事業実績測定調書が全く機能せず、行財政改革と言いながら事務事業の進捗管理さえできない場当たり的な行政運営がされていることが明らかになりました。
13点目に、職員の労働実態についてです。毎月約46人が80時間を超える時間外勤務をするなど、職員の過酷な勤務実態が明らかになりました。特に管理職員の状況は深刻であり、早急な改善が必要です。
14点目に、職員の人権意識、倫理意識の低下についてです。納税課カウンターほか庁内各所に、滞納で差し押さえた物件が公売物件として見せしめのように貼り出されています。収納率を第一義的にして、市民の痛みや人権を二の次にしています。また、生活保護職場では、元警察官が調査と称して犯罪者への捜査まがいの行為をしています。
以上の理由から、認定第1号 令和2年度大阪府枚方市一般会計歳入歳出決算の認定については反対します。
認定第2号 令和2年度大阪府枚方市国民健康保険特別会計歳入歳出決算の認定については、深刻なコロナ禍にもかかわらず、大阪府の広域化方針に沿って保険料を引き上げたことから反対します。
認定第6号 令和2年度大阪府枚方市後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算の認定については、保険料が引き上げられ、加えて保険料軽減措置が改悪され、その影響で、低所得者層でも大幅に保険料が引き上げられたことは問題であり、反対します。
認定第9号 令和2年度大阪府枚方市水道事業会計決算の認定については、まず効率的かつ効果的に水道管路の更新事業を進め、災害時も含め安定した水道水の供給に向け取り組んでいただくよう要望します。口径別料金制度の導入については、自治会館の水道使用料の大幅な引上げをもたらしています。明らかに事前の説明不足で、水道局の責任で早急な対処を求めます。また、人権意識やコンプライアンスについては、特に猛省と改善を強く求めて賛成します。
認定第10号 令和2年度大阪府枚方市病院事業会計決算の認定については、コロナ禍においても安全、安心に病院が運営されるよう、できる限り応援に頼らない職員の確保と適正な配置に努めていただくよう要望し賛成します。
その他についても賛成であることを表明し、討論とします。
190
◯野村生代委員長 次に、木村亮太委員の討論を許可します。木村委員。
191 ◯木村亮太委員 本委員会に付託された認定第1号 令和2年度大阪府枚方市一般会計歳入歳出決算の認定について外6特別会計・3企業会計決算の認定等についての採決に当たり、全会計決算等を認定すべき、また原案可決とすべきとの立場から討論させていただきます。
まず、一般会計については、令和元年度に引き続き、実質収支で約16億8,100万円の黒字を計上し、単年度収支も約2,800万円の黒字となりました。
次に、特別会計については、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療、母子父子寡婦福祉資金貸付金の4特別会計は実質収支が黒字、財産区特別会計は収支均衡となっており、自動車駐車場特別会計は、実質収支は赤字ですが、単年度収支は7年連続で黒字を計上しています。
一方、企業会計については、水道事業及び下水道事業の2会計は前年に引き続き、病院事業会計は7年ぶりに黒字となりました。
以上の状況から、令和2年度に関しては、コロナ禍の厳しい状況の中にあっても収支に大きな影響は現れておらず、一定安定した財政基盤を確立できていることがうかがえることから、総合的に判断して全会計の認定等に賛成したいと思います。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により個人市民税が令和3年度に大きく減収する見通しであり、加えて今後の景気や雇用情勢の先行きについても、依然として不透明であることなどから、引き続き厳しい状況が続くことが予想されます。
歳出については、今後も高齢化の進展により扶助費など社会保障関連経費の増加が見込まれるほか、京阪本線連続立体交差事業、枚方市駅周辺再整備事業及び枚方京田辺環境施設組合による可燃ごみ広域処理施設の整備などの大規模な投資的事業に伴う大きな財政負担が見込まれています。
こうした背景を踏まえ、今後もさらなる収支均衡及び長期財政需要を意識した財政運営が求められますが、現実には、財政運営の自由度や安定度を示す自主財源比率は、普通会計決算で平成29年度から4年連続で50%を割り込み、令和2年度は国の新型コロナウイルス対策事業に係る一時的な面もありますが、34.5%となっています。
さらに、財政の弾力性を示す経常収支比率は95.7%と、前年度から0.4ポイント改善したものの、平成28年度から5年連続で90%を超える高い数値となっており、これらの状況から、本市の財政運営は自由度が低下し、硬直化しつつあると言えます。また、市債残高も約1,110億円と、前年度から約53億円増加しており、将来負担が大変懸念されます。
以上のことを分析すると、本市の財政は非常に厳しい状況にあると言わざるを得ません。
そこで、こうした厳しい状況にあっても、将来にわたって安定した財政運営を維持していくための取組について、意見を申し上げます。
まず、行政運営全般について、申し上げます。
新型コロナウイルス感染症の影響により社会経済活動が大きな打撃を受け、いまだに混迷が続いています。これを打開するためにも、引き続き有効かつ迅速な感染防止策を講じつつ、市民、事業者が一刻も早くかつての日常生活を取り戻せるよう、希望される方へのワクチン接種を積極的に進めるとともに、国だけに頼らず、市としての独自の効果的な対策を行うなど、経済活性化に向けた取組を進めるよう求めます。
投資的事業については、市債残高が高水準で推移していることから、将来負担に十分留意し、優先順位を考えて段階的に実施するべきだと意見しておきます。
また、議会から常に指摘しているところですが、臨時財政対策債については後年度において国により措置されることとなっていますが、年々その残高が増加しており、また借入額が返済額を上回る状況です。危機感を持って抑制を図るよう要望しておきます。
また、経済情勢の急激な変化、災害への対応及び将来の財政需要に備え、基金残高を維持することは大変重要です。引き続き財政調整基金や特定目的基金等への適切かつ計画的な積立てを行うことを求めます。
行政運営に当たっては、行財政改革プラン2020に掲げる財源確保などに向けた取組を引き続き進めていただくよう求めます。とりわけ、令和2年度の事務事業実績測定から、新たにロジックモデルとそれによる指標設定が行われています。効果の得られない事務事業の見極めや再構築等に資する
ツールとして有効に機能するよう、適切な指標設定とそれを踏まえた効果検証に向け、熟度を上げていただくよう申し上げます。
一方で、自主財源の確保も重要です。特に、定住促進に関して様々な工夫を凝らし、自主財源の根幹である市税収入の増収に向け取り組んでいただくよう求めておきます。
行政運営全般に関する主な意見は以上ですが、次に、新たな課題など幾つかの施策に絞って、個別に意見を申し上げます。
まず、新型コロナウイルス感染症対策事業についてです。
本件について意見を述べるに当たって、何よりも、新型コロナウイルス感染症の広がりに対し昼夜を問わず、市民の生命を守るために懸命に取り組んでいただいている保健所、市立ひらかた病院、新型コロナワクチン接種対策室をはじめとした各部署及び応援等で携わった全ての職員の皆さんに心より感謝申し上げます。
さて、新型コロナウイルス感染症対策に関しては、令和2年度において14回にわたる補正予算の編成をされ、様々な事業に取り組まれました。コロナ対策実施店舗応援事業として、市民の消費喚起や、市内事業者の感染症対策の促進を図るため、クーポン券を発行されました。本件については個店での使用が少なく、効果が限定的なものとなった等の課題を踏まえ、今年度においてもプレミアム付き商品券事業を展開されているところですが、引き続き市民等への周知を確実に行っていただき、市民生活と経済活動の安定の確保へしっかりと取り組んでいただくよう申し上げておきます。
また、市民の外出自粛や事業者支援を目的としたデリバリー支援事業、個人向け補助とデリバリー団体への補助としての販路拡大支援事業、店舗の感染症対策と売上げが減少している店舗の支援を目的としたコロナ対策実施店舗応援事業については、コロナ感染の状況等、環境に左右されるところもあったとは存じますが、結果として少ない利用にとどまったところであり、やはり、利用を促すための検討、工夫が必要であったのではないかと思います。
今後に生かす取組の検証を行い、市民、事業者にとってより効果的な支援を実施するよう求めます。
さらに、新型コロナウイルス感染症対策に関しては、この間、ひとり親等世帯や就学援助認定世帯、また妊婦への特別給付金などにも取り組んでこられました。今後においても、コロナ禍において苦境に立たされるひとり親や不安を抱える妊産婦の方など、生活に不安を抱えられる方のリスクや不安の軽減が少しでもなされるよう、国の交付金の活用も図りながら、真に必要な方に届く支援策、今後につながる効果的な支援策を展開していただくよう申し上げておきます。
そして、ワクチン接種については、市としてワクチンの有効性について積極的にメッセージを打ち出し、利便性の高い場所に会場を設けるなど接種率を高める取組を行い、さらに、新たな変異株の出現や、これまでに接種したワクチン抗体が消失することも念頭に置いた対策を講じるよう求めます。
次に、枚方市駅周辺再整備についてです。
枚方市駅直結となり多くの方の利用が期待される3)街区において、行政サービスの再編に取り組んでいますが、市民への周知はまだまだ不十分であり、市として再開発組合と連携して積極的に情報発信をすべきです。また、事業費の観点からは、備品などさらなる追加経費が生じるため、本市の財政状況を十分に考慮し、国からの交付金など財源確保に努めるよう求めます。
また、枚方市駅周辺地区市街地再開発事業補助金は、令和元年度から令和2年度に繰り越し、増額補正予算を計上したにもかかわらず、令和2年度内に事業が完了できなかったため令和3年度にさらに繰越しをされていますが、計画より遅れが生じているならば、議会に適切に説明をすべきだと指摘しておきます。
次に、学校教育と子どもについてです。
小・中学校においては、コロナ禍における登校や授業に係る情報の提供を適切に行い、子どもたちと保護者の不安を払拭するべきです。また、1人に1台のタブレット端末が配備され、GIGAスクール構想の実現に向けた取組が進んでいますが、さらに、学びを止めない、つながりを止めないとするこれまでの取組の効果を検証しつつ活用を推進し、学びの質の向上、業務改善による教員の負担軽減につなげるべきと意見します。
また、コロナ禍のストレスなどにより、子どもの不登校、虐待、いじめなどの課題は一層切実になっていますが、教員は感染症対策、ハイブリッド型授業等への対応も相まって多忙化がさらに進み、子どもと向き合う時間の確保がますます難しくなっています。スクールソーシャルワーカーやスクールロイヤー、また児童、生徒の心のケアを行うスクールカウンセラーなどの専門家が学校に入ること、また、適応指導教室ルポでの取組や教育相談など様々な方途により一人一人の子どもに寄り添い、最適な支援を届けられるよう求めます。
一方で、ヤングケアラーの実態も明らかになってきており、支援に取り組むよう求めておきます。
あわせて、子どもの見守りや家事等の生活援助を行うひとり親家庭等日常生活支援事業の効果的周知を図るなど、ひとり親家庭等へのさらなる支援に取り組むことについても、申し上げておきます。
次に、ひらかたポイント事業についてです。
ひらかたポイント事業については、いまなお事業の目的や役割がはっきりしない中、利用登録されている年代にも偏りがあり、事業効果が上がっているようにも思えません。今年度末をもって現在の委託事業者との契約期間を終えることも踏まえ、この間の取組をしっかり評価、検証し、コストに見合った成果が発揮される事業への見直しを検討していただくよう申し上げておきます。
次に、道路、公園の維持管理についてです。
市が管理する道路は、主要道路から生活道路まで幅広くあります。財源には限りがあるところですが、市民が安全に、安心して快適に利用できるよう、今後も国庫補助の積極的な活用による主要道路の整備、リフレッシュ事業の推進、また維持補修に係る予算配分を増やすなどによる地域要望への対応等を図っていただくとともに、日常的な維持管理についても計画的かつ適切に行っていただくことを求めておきます。また、公園の維持管理についても、利用される方のために大切なことですが、一方で、少しでも維持管理費を低減させることも必要です。公園の活用と維持管理費の低減に向け、公民連携による管理運営の在り方など、さらに検討を深めていただくよう申し上げておきます。
次に、市立ひらかた病院の経営についてです。
市立ひらかた病院では、新型コロナウイルス感染症関連の国や府からの特例的な補助金等により医業外収益が増加し、約8億3,700万円の純利益を計上しているものの、コロナ病床を確保したことによる空床補償補助金12億6,000万円の交付がなければ赤字となっているところです。今後、補助金の動向は不透明であり、令和3年度は厳しい経営環境に置かれることが想定されます。
こうした中においても、地域医療支援病院の承認を契機とした病床利用率の改善や地域連携の強化により医業収支の赤字解消を図るとともに、経営課題に係る危機意識を病院職員で共有し、経営の効率化を着実に推進するとともに、北河内二次医療圏における唯一の感染症指定医療機関として、市民の命を守り抜くという使命を果たせるよう、院内感染等の防止を徹底し、職員一丸となって万全の体制を整えるよう要望します。
以上、まだまだ申し上げたいことはございますが、新型コロナウイルス感染症の影響により社会情勢の混迷が続いている中、今後、数々の行政課題に対し、市長がどのように対応していかれるのか、また、今回の決算審査を踏まえて、次の令和4年度予算が適切に編成されるのか、二元代表制の一翼を担う議会として、そうした点について詳細にチェックし、監視機能を全うする所存であるということを最後に申し上げまして、令和2年度大阪府枚方市一般会計歳入歳出決算外6特別会計・3企業会計決算等に対する討論といたします。
192
◯野村生代委員長 これをもって討論を終結します。
193
◯野村生代委員長 これから、認定第1号から認定第7号まで及び認定第9号から認定第11号まで並びに議案第49号及び議案第50号の12件を分割して採決します。
194
◯野村生代委員長 まず、認定第1号、認定第2号及び認定第6号の3件を一括して起立により採決します。
本3件は、認定すべきものと決することに賛成の委員の起立を求めます。
(賛成者起立)
195
◯野村生代委員長 起立多数です。
よって本3件は、認定すべきものと決しました。
196
◯野村生代委員長 次に、認定第3号から認定第5号まで及び認定第7号並びに認定第9号から認定第11号までの7件を一括して採決します。
本7件は、認定すべきものと決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
197
◯野村生代委員長 御異議なしと認めます。
よって本7件は、認定すべきものと決しました。
198
◯野村生代委員長 次に、議案第49号及び議案第50号の2件を一括して採決します。
本2件は、原案可決とすべきものと決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
199
◯野村生代委員長 御異議なしと認めます。
よって本2件は、原案可決とすべきものと決しました。
200
◯野村生代委員長 以上で、本特別委員会に付託されました諸事件の審査は全て終了しました。
201
◯野村生代委員長 決算特別委員会の閉会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
令和2年度決算を審査する本委員会も、本日をもって無事全日程を終了することができました。委員の皆さんにおかれましては、延べ5日間にわたり、それぞれの立場から熱心な質疑と多くの有意義な御提言をされました。委員長として深く敬意を表する次第でございます。加えて、質疑方法や質疑時間など、委員会運営につきましても多大な御協力をいただきまして、深く感謝を申し上げます。
また、理事者の皆さんにおかれましては、委員からの質疑に対し、誠意を持って答弁に臨んでいただき、ありがとうございました。
本委員会で各委員から出された数々の意見や提言を踏まえられるとともに、コロナ禍での市政運営という厳しい状況の中ではありますが、今後も安定した財政基盤の確立に向け取り組んでいただくことを深くお願いいたしまして、大変簡単ではございますが、私の閉会の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。
202
◯野村生代委員長 以上で、
決算特別委員会を散会します。
(午後2時37分 散会)
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