枚方市議会 2021-03-23
令和3年予算特別委員会(第5日目) 本文 開催日: 2021-03-23
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◯森 清太郎道路河川整備課長 牧野長尾線と長尾杉線の杉工区それぞれの整備の進捗につきまして、まず、牧野長尾線は、府道交野久御山線から市道長尾京田辺線までの6工区の全延長約500メートルを整備する予定です。また、長尾杉線の杉工区につきましては、令和2年度から工事着手した国道307号側からの整備工事約60メートルに引き続き、令和3年度は約740メートルの整備工事を実施することで、杉工区の全体延長約1,240メートルのうち約800メートルを整備する予定です。
次に、長尾杉線長尾工区の用地取得の進捗状況につきまして、枚方市土地開発公社の先行取得による用地取得率は、長尾大池部分を含め取得予定面積の約80%となります。なお、この事業用地の買戻しにつきましては、令和3年度より順次実施していく予定です。
長尾杉線の今後の事業スケジュールにつきましては、事業認可の計画内容に基づき、令和5年度の完成を目指し進めていく予定です。
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◯長友克由委員 現在のそれぞれの進捗状況と今後のスケジュールについて、理解しました。
それでは要望とさせていただきますが、長尾杉線は、本市東部地域の渋滞対策や利便性の向上、また地域の発展に大きく寄与する重要な道路です。また、これらの都市計画道路が整備されることで、東部地域のまちづくりの発展にもつながります。加えて、可燃ごみ広域処理施設の稼働後における塵芥収集車などの交通処理の観点からも、この2路線の整備を着実に進めていただきますよう強く要望しておきます。
次に、当初予算の概要5ページに記載されている長尾駅周辺のまちづくり支援について、お尋ねします。
長尾駅周辺のまちづくりについては、先日の代表質問においても、この地域の将来像についての市の考え方、そしてその将来像の実現化に向けた市の関わり方について質問し、市長より、この地域のまちづくり構想を策定し、その実現に向けて継続的に技術的支援を行っていくとの答弁をお聞きし、地元の盛り上がりに市の積極的な姿勢が加わって、このポテンシャルの高い長尾地域のまちづくりが今後ますます加速していく、そのように改めて大きな期待をしているところです。
そこで、予算850万円は、令和3年度のまちづくり支援において、具体的にどのように使われる予定なのか、お尋ねします。
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◯北尾直治都市計画課長 まちづくり構想の具体的な内容としましては、地域の人口や産業、インフラの整備状況や地形などの基礎調査を実施し、地権者と企業などの意向を確認した上で土地利用のゾーニングの検討などを行い、まちづくりの目標や整備の方針及び手法などを、まちづくり構想として取りまとめる予定でございます。
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◯長友克由委員 令和3年度の活動については、委託業務の中で基礎調査や意向確認を実施し、まちづくりの目標、整備方針、ゾーニングなどを行って構想を取りまとめるとの御答弁でしたが、今お聞きした内容の作業ボリュームに対して、計上されている予算額で確実に実施できるのでしょうか。
検討対象エリアの面積はかなり大きいですし、地権者数も正確にはこれからでしょうけれども、かなりたくさんの数だと思います。勉強会の開催やアンケート調査なども恐らく必要となるでしょうから、計上されている予算で十分な調査、検討ができるのか、少し心配に思うのですが、この点について、市の見解をお尋ねします。
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◯北尾直治都市計画課長 まちづくり構想を策定するには、多くの調査や確認、検討などの作業が必要であり、その全てを委託業務で行うには多額の予算が必要となります。
市としましては、地域の多様な主体とまちづくりの目的や課題などを共有し、公民連携をしっかりと図りながら進めていく考えであることから、主に専門的な知見や技術が必要な業務については委託業務を行い、その他職員で行えることは積極的に市が直営で関わり、地元のまちづくり組織と協力しながら取り組んでいく予定としております。
以上の考えの下に、今回の予算額を計上しております。
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◯長友克由委員 まちづくり構想の策定に際しては、すべてを委託業務に任せるのではなく、市自らもできる限りのことをやっていくとのことですので、そこはぜひスピード感を持って取り組んでいただきたいと思います。
長尾駅周辺の地権者及び農業従事者は、高齢化や後継者不足といった課題を抱えており、また、基盤整備が進むにつれて乱開発のおそれが高まる中においては、計画的で良好なまちづくりに向け、公民連携をしっかりと図りながら着実に前進させていただきますよう要望いたします。
次に、予算説明書323ページの地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムモデル事業経費について、お尋ねします。
前日の
予算特別委員会においては、同事業経費がボランティア輸送への補助費用であるとの御答弁がありました。氷室台自治会からは、氷室台バス停から北側の急な坂道においてボランティアによる送迎を試みたいとの話があり、私も勉強会や意見交換会にできる限り参加し、地域に合った交通の実現に向けて取り組んでまいりました。
そこでお聞きしますが、同事業経費を計上し、ボランティア輸送に補助することになった経緯について、お尋ねします。
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◯佐々木麻奈土木政策課長 移動や外出の促進のため、公共交通不便地域における交通手段の確保が求められる中、氷室台自治会をはじめとした地域との交通に関する勉強会や他市の事例などにおいて、その課題を共有し、課題解決に向けた地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムの一つのモデルとして、既存の公共交通を補完することを目的としたボランティアによる輸送を安全・安心面から支援することとしました。
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◯長友克由委員 氷室台自治会では、氷室台バス停からの急な坂道において高齢者が歩行できなくなってきていることが課題となっており、その対応策として、助け合いによる自家用車での運行を考えられています。このことから、今回創設を予定されているボランティア輸送の補助制度にマッチングしていくものと認識しています。しかしながら、ボランティア輸送においては、運転手の継続した担い手の確保など、今後の継続性の面で課題があるとも認識しています。
そこで、2回目の質問として、地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムモデル事業として、ボランティア輸送をどのように進めていくのか。また、同システムとしてボランティア輸送以外の手法も考えられているのか、お尋ねします。
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◯佐々木麻奈土木政策課長 今回のボランティア輸送は、道路運送法の許可または登録を要さない範囲で共助によるものとなり、取り組まれようとされる地域において比較的短期間でスタートが切れるものです。こうしたことから、効果検証も十分に行いながら継続、発展できるよう取り組みます。
一方、地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムの検討支援を進める中で、地域の特性やニーズにより、ボランティア輸送以外の支援の検討も必要となると考えられるため、今後も他市事例などの情報収集を行いながら、地域協働で検討していきます。
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◯長友克由委員 今回、地域の思いに寄り添った形で市の支援策が検討され、ボランティア輸送が実現されるということは、一定評価できると考えます。しかし、先ほど地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムの検討支援を進める上で、ボランティア輸送以外の交通手段も地域と共に考えるとの御答弁をいただきましたが、地域と一緒に考える時間、さらに道路運送法の手続までもが必要となる場合には、非常に時間がかかるのではないのかと感じています。
私の地元の氷室小学校区では、市内45小学校区で2番目に高い65歳以上の高齢化率となっており、こうした氷室小学校区をはじめとした東部地域での高齢化の進展を考えると、ボランティア輸送の運転手の継続した確保など、移動支援策の継続性の課題は残ります。
私としては、地域の特性やニーズを市がしっかりと把握した中、以前に私の方から例示したお隣の寝屋川市や滋賀県草津市のデマンド型タクシーも参考に、その地域に合った移動支援を市から地域に提案していかないと、ボランティア輸送以外の地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムは進んでいかないと認識しています。こうした視点も取り入れていただくことを要望します。
次に、予算説明書の197ページに、新型コロナウイルス感染症対策経費が計上されていますが、そのうち、介護サービス事業所等のサービス提供体制確保事業補助金とはどのようなものか、お尋ねします。
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◯吉田章伸地域健康福祉室課長(
長寿・
介護保険担当) 国や府からは詳細な内容がまだ示されておりませんけれども、新型コロナウイルス感染者が発生した介護サービス事業所や施設等を対象として、今年度に行っております介護サービス事業所等に対するサービス継続支援事業の内容を引き継ぐものとなる予定でございます。
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◯長友克由委員 今年度の事業を引き継ぐ内容ということですので、現在の状況をお尋ねしますが、具体的にどのような経費に対する補助が行われているのでしょうか。
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◯吉田章伸地域健康福祉室課長(
長寿・
介護保険担当) 現在の事業では、通常の介護サービスの提供では想定されないかかり増し経費、具体的には事業所、施設等の消毒、清掃費用や手袋、ガウン等の衛生用品の購入費用、割増し賃金や手当のほか、通所系サービスの事業所が代替の訪問サービスを実施する場合の費用等に対する補助となっております。
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◯長友克由委員 感染者が発生した介護サービス事業所・施設等に対して一定の補助があることは分かりましたが、特に通所系サービスでは、一旦感染者が出れば、現実問題として利用者が激減し、経営的に立ち行かなくなることが容易に想定されています。こうしたリスクを抱えながら日々高齢者の介護に頑張っている介護従事者に報いるためにも、枚方市として、現在のかかり増し経費の助成にとどまらない支援を検討していただくよう要望いたします。
次に、空き家等の利活用に向けた専門家団体との連携について、お尋ねします。
空き家を取り巻く社会情勢は厳しく、その数は増加の一途をたどっています。これらの空き家については、適正管理に向けた意識啓発や指導に加え利活用の促進が重要であり、そのためには不動産に係る専門家団体との連携が必要不可欠と考えますが、予算説明書143ページ、1.人件費のうち(6)空家等対策協議会委員61万8,000円並びに335ページ、11.まちづくり事業経費、(2)の諸経費のうち報償費10万円のそれぞれの内容について、お尋ねします。
23 ◯堀井博信住宅まちづくり課長 予算説明書143ページ、1.人件費のうち(6)空家等対策協議会委員につきましては、空家等対策の推進に関する特別措置法第7条に基づく協議会の開催に当たり、構成員の方々への委員報酬費として計上しております。
また、335ページ、11.まちづくり事業経費の(2)諸経費のうち報償費につきましては、空き家に関する情報や相談などを紹介するセミナーを開催するに当たり、講師をしていただいた専門家の方々への報償費として計上しております。
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◯長友克由委員 委員報酬費や講師の報償費については理解しましたが、市が連携協定を締結している不動産に係る専門家団体との具体的な連携内容や取組について、お尋ねします。
25 ◯堀井博信住宅まちづくり課長 不動産に係る専門家団体との連携につきましては、空き家に関する様々な相談に対して、民間事業者のノウハウを活用するため、毎月1回、不動産に関する無料相談会を開催いただいていることや、空き家所有者から売買や賃貸に係る相談や問合せをいただいた際に専門家団体を紹介させていただき、空き家を不動産として活用し市場に流通させること、管理不良な空き家にならないための予防や解消に向けた様々なアドバイスをいただくなど、管理不良な空き家の発生抑制に向けた取組を進めております。
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◯長友克由委員 専門家団体と連携したセミナーの開催や不動産流通に向けた仕組みは、空き家の発生を抑制する重要な取組ですので、引き続き行っていただきたいと思いますが、その効果を検証できるようにすることも重要と考えますので、効果の見える化についても検討するよう要望します。
また、私が住む東部地域では、高度経済成長期に開発された住宅地が数多くあり、それらが空き家になっていくという不安の声もお聞きしますので、地域ごとの独自性なども考慮した空き家対策を講じていただくよう要望しておきます。
次に、予算説明書145ページの地球温暖化対策実行計画策定事業経費について、お尋ねします。
予算では、委託料816万2,000円が計上されています。まず初めに、計画策定に当たってどのような内容を委託するのか、お尋ねします。
27 ◯柳谷武志環境政策室課長 地球温暖化対策実行計画は、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき、市域における温室効果ガスの排出抑制のための施策や温室効果ガスの削減目標などを定める法定計画で、現計画の計画期間が令和4年度末で満了となることから、次期地球温暖化対策実行計画の策定に向けた取組を進めるものです。
地球温暖化対策実行計画策定事業経費の内容としましては、次期計画の策定に向けて、市域の温室効果ガス排出量の将来推計や、2050年二酸化炭素排出量実質ゼロの実現を見据え必要となる施策に関する検討資料の作成とともに、アンケートやワークショップなどの市民、事業者からの意見聴取に係る支援などの委託を予定しております。
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◯長友克由委員 計画を策定するに当たっては、市域の温室効果ガス排出量の将来推計や市民意見の聴取についての支援など委託していくとのことですが、2050年二酸化炭素排出量実質ゼロの実現を見据え、市では次期地球温暖化対策実行計画にどのような施策を位置づけていこうと考えておられるのか、お尋ねします。
29 ◯柳谷武志環境政策室課長 2050年二酸化炭素排出量実質ゼロの実現を見据えた地球温暖化対策を推進するためには、これまで以上に創意工夫が必要であり、そのためには、市民、市民団体、事業者と市が連携、協力し、効率的なエネルギー利用を図るとともに、再生可能エネルギーの利用拡大に向けて取り組む必要があると考えております。
次期地球温暖化対策実行計画に位置づける具体的な施策につきましては、今後示される国や大阪府の新たな計画に位置づけられる取組や、市の役割分担を踏まえるとともに、環境審議会や市民、事業者など幅広い方々からの御意見を伺いながら検討を進めていきたいと考えております。
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◯長友克由委員 最後は、要望とさせていただきます。
実行計画に位置づける施策については、今後示される国や大阪府の計画を踏まえるとともに、環境審議会の意見や市民、事業者の意見も踏まえながら、省エネルギーや再生可能エネルギーの利用拡大に向けた取組の検討を進めるということですが、市では、脱炭素社会の実現に向けて、府内の市町村で最も早く、2050年二酸化炭素排出量実質ゼロを目指すと宣言されておりますし、全国一の地球温暖化対策の先進都市を目指し、今すぐにでも具体的な取組を進めていく必要があると考えています。
脱炭素社会の実現に向けては、特に再生可能エネルギーの普及、拡大が重要です。先進事例の研究なども行い、例えば市民や民間事業者の力も借りながら、枚方市域で太陽光発電やごみ発電、バイオマス発電といった地域のエネルギー資源を創出し、エネルギーの地産地消の取組を推進するなど、ぜひ全国に先駆けた先進的な取組を進めていただきますよう強く要望しまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。
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◯岩本優祐委員長 次に、松岡ちひろ委員の質疑を許可します。松岡委員。
32 ◯松岡ちひろ委員 A日程に続きまして、B日程でも本当にお忙しい中、職員の皆さんにヒアリングや資料作成など御協力いただきました。ありがとうございます。
それでは早速ですが、質問に入りたいと思います。
一般会計予算説明書363ページの18.災害時保健医療活動機器等備蓄経費について、お聞きいたします。
今年は東日本大震災が発生してから10年を迎えるということで、例年に比べて当時の様子がひときわ大きく報道で取り上げられておりました。これを見て、災害への備えの必要性を改めて強く感じております。
そこで、お聞きいたします。
災害時保健医療活動機器等備蓄経費679万6,000円が計上されていますが、この経費はどのような内容なのでしょうか。また、大規模な災害が発生した際の枚方市における医療救護活動の体制はどのようになっているのでしょうか、お聞きいたします。
33 ◯河田典子健康福祉総務課長 本経費の内訳につきましては、医薬品備蓄委託料として24万円、拠点応急救護所備蓄用品購入費として655万6,000円を計上しております。医薬品備蓄委託料は、薬剤師会の協力を得て医薬品等を備蓄するもので、管理費と、有効期限を迎えた薬品について入れ替えるための経費でございます。また、備品購入費として、大規模災害時に市内5か所の病院前に拠点応急救護所を設置する体制を取っておりますが、こちらの設営及び運営に係る資機材などを購入する費用としております。
なお、大規模災害が発生した際は、最大5か所の病院前に拠点応急救護所を立ち上げ、医師会等の協力を得て医療班を編成し、主に軽症者、重症者を振り分けるトリアージや軽症者の手当て等を行い、各病院におけるスムーズな医療救護活動のサポートを行う体制を取ることとしております。
34 ◯松岡ちひろ委員 大規模災害に備え、5つの病院前に拠点応急救護所を設置する体制を取っておられるということです。
その一つに、災害時に枚方市災害医療センターとなる市立ひらかた病院があります。ちょうど令和3年度は、病院の隣に新医師会館が完成し、初期救急医療が集約されるとともに、大規模災害時における連携も行っていくと聞いておりますが、災害時の連携についてはどのようなことを考えておられるのか、お聞きいたします。
35 ◯河田典子健康福祉総務課長 新医師会館が市立ひらかた病院の隣接地に設置されて三師会の事務所がそろうため、大規模災害時には連携して医療救護活動が行えると考えております。
災害医療センターとなる市立ひらかた病院が機能を維持できるよう、トリアージや軽症者の救護を担い、また、DMAT(災害派遣医療チーム)など外部支援者の活動拠点として御協力いただくなど、連携した取組を進めていきたいと考えております。
36 ◯松岡ちひろ委員 大規模災害時の外部支援者の活動拠点として想定している新医師会館は、心強く感じております。会館の中には講堂や会議室や倉庫なども幾つか予定されており、外部支援者の活動拠点にふさわしい必要な備蓄品を医師会の協力もいただきながら備えていただきたいと思います。
また、5か所の拠点応急救護所用の備品や医療品の備蓄をしているということですが、5か所の救護所の備品をそろえるのはかなり大変だと思います。ましてこのコロナ禍においては、これまで想定していた以上の配慮と準備が必要になってくると思います。予算をしっかりと確保して、いつ来るか分からない災害に備え、早期の備蓄完了を要望しておきたいと思います。
次に、保健所の職員配置の問題ですが、昨年は、新たなウイルスの対応策に追われた1年となりました。しかも、まだウイルスは消滅したわけではなく、枚方市においても新規陽性者の報告がない日はほとんどありません。また、感染しやすいとされている変異株が大阪でも確認されており、新たな対応が求められていると聞いております。こうした環境下で、保健所業務の重要性はますます高まってきているのではないでしょうか。
そこで、保健所の職員配置について、お聞きしたいと思います。
一般会計予算説明書255ページでは、保健所人件費が計上されていますが、枚方市保健所の正職員の保健師は現在何名となっているのか、お聞きいたします。
37 ◯橋本美弥子保健医療課長 保健師は、副所長1名、保健医療課5名、保健予防課12名となっており、合計18名でございます。
38 ◯松岡ちひろ委員 保健所の業務は、特に新型コロナウイルス感染症に関する業務でかなり増大しているとお伺いしています。この体制で十分とお考えなのか、また、来年度はどうするおつもりなのか、お聞きいたします。
39 ◯橋本美弥子保健医療課長 保健所では、新型コロナウイルス感染症対応だけでなく、公衆衛生に関する様々な業務について、医師や薬剤師、獣医師などの多くの職種で対応しているため、保健師のみの人数をもって判断することは難しいと考えております。
特に、現在業務が増大している感染症対応については、保健所内の保健師以外の職種による対応、庁内からの応援のほか、人材派遣会社の活用、相談業務や検体の搬送など、一部の業務を外部委託するなど様々な手法で対応しておりますが、今後も保健所機能全般を強化する体制を検討してまいります。
40 ◯松岡ちひろ委員 まず、この間、委託業務の中では市民の皆さんから多く苦情などもいただいているものもあります。さらに、今の答弁でもありましたが、保健所の業務自体はコロナ対応だけではないわけです。ほかにも課題が山積していると思います。
昨年6月の議会答弁では、職員数は19名とされ、うち時間外労働が最長185時間の方がおられました。大変驚いたわけなのですけれども、そうした中で現状18名というのは、現場の環境改善が進んでいないのではないかと思います。
大阪府の保健所職員さんがオンラインで集めた保健師増員を求める署名は、昨年10月から始め、1月15日に提出され、6万筆を集めたと報道がありました。先日、府の管轄の保健所では来年度から保健師1名の定数増という報道もされておりました。国は、来年度の地方交付税の積算については、保健所の保健師について感染症対応以外も増やしていくことを明らかにしており、今年度は標準団体で88人の算定を、来年度は102人で算定されるようです。内訳としては、感染症対応保健師6人増、その他保健師8人増とされておりますので、スキルが積み上がらないような人材派遣を常時活用するのではなく最小限にしてもらって、こうした国の考え方も受けて、枚方市でもしっかりと体制強化を行うよう要望しておきたいと思います。
次に、一般会計予算説明書247ページには、生活保護法施行事務に要する経費が計上されています。
日々、枚方市でも、市民の命や暮らしを守るために御尽力いただいておりますが、初めに、ケースワーカーの配置について、お聞きいたします。
作っていただいた資料によれば、ケースワーカーは54名となっていますが、平成24年の決算特別委員会では、ケースワーカーの24%が非正規となっていることに対して、改善を求めておりました。令和3年度、ケースワーカーで非正規職員が占める割合はどのようになっているのか、お伺いいたします。
41 ◯高木 稔地域健康福祉室課長(生活福祉担当) 令和3年度の予算計上では、ケースワーカー全体が52人で、そのうち任期付ケースワーカーは12人で、その割合は23%の見込みとなっております。
42 ◯松岡ちひろ委員 以前の24%から現在23%では、とても改善されたとは言えない状況だと思いますが、全国的にコロナ禍の中、生活保護の申請件数が増えていると報道もされ、枚方市でも、令和2年度はコロナの影響で申請は増加しているとお聞きしています。
平成28年
予算特別委員会では、1人が担当するケース数が法定の80ケースを大きく上回る平均107世帯となっており、改善を求めていましたが、非正規職員の改善を含め、ケースワーカー1人当たりのケース数の改善について、来年度の考えをお聞かせください。
43 ◯高木 稔地域健康福祉室課長(生活福祉担当) 任期付ケースワーカーにつきましては、一時的な生活保護世帯の増加に対応するための配置でありますが、現状においては、一定数の配置はやむを得ないものと考えております。
職員1人当たりの担当件数の改善につきましては、今後の生活保護世帯数の状況も見極めながら、より適正な職員配置となるよう取り組んでまいりたいと考えております。
44 ◯松岡ちひろ委員 任期付ケースワーカーですけれども、もともとは平成22年に緊急対応として始まりましたが、そのまま今でも続いております。しかも、1人当たりのケース数についても平成28年から改善ができておりませんので、問題ではないでしょうか。
市民の方からは、担当が替わったと挨拶に来てくれるだけの状況が何年も続いているという声や、教えてほしいことがあっても担当のケースワーカーとなかなか話ができないという声も届きます。こうした積み重ねがどういった結果を招くのかは、担当課も十分承知しておられるのではないでしょうか。目標を持って改善を進めていただきたいと要望いたします。
枚方市の扶養照会の状況を資料でいただきました。2020年6月に当時の自民党首相が、生活保護は権利、申請はためらわないでと質問に答えたことに続いて、2021年1月には厚生労働大臣が、生活保護申請をためらわせる扶養照会は義務ではないと明言されました。その後、2021年2月26日付、保護の実施要領の取扱いの一部改正により、扶養義務履行が期待できない者の判断基準が明確化したとお聞きしました。これはどういった内容となっているのか、お聞かせください。
45 ◯田中佐恵地域健康福祉室課長(生活福祉担当) 国が示す通知等において、扶養義務履行が期待できない者への該当に係る判断基準が明確化され、具体的には、当該扶養義務者がおおむね70歳以上の高齢者や10年以上音信不通である場合、相続をめぐり対立している、縁を切られているなどの場合は、著しい関係不良とみなし、扶養義務の履行が期待できない者と判断され、扶養照会を行わないこととして差し支えないものと見直しされました。
46 ◯松岡ちひろ委員 最後に、1月の厚生労働大臣の扶養照会は義務ではないの
発言後、2月に博多区で元市議の方が同行申請を行った際、扶養照会の話がなかったという情報を得ているところです。つまり、厚労大臣の
発言後には、申請時に扶養照会の話をせずに申請を受け付けている福祉事務所もあるということになります。枚方市でも同様の対応は可能ではないでしょうか、お聞きいたします。
また、扶養照会を断ったことが申請を妨げるものではないことを確認させていただきたいのですが、来年度方針としてどのように考えておられるのか、お聞きいたします。
47 ◯田中佐恵地域健康福祉室課長(生活福祉担当) 生活歴などを聞き取りする中で、扶養を求めることにより親族関係に悪影響を及ぼすなど、明らかに要保護者の不利益に働くと認められる場合は、扶養照会の話に言及しないこともあり得ます。個別に慎重な検討を行った上で、扶養照会の必要性を判断しています。
生活保護制度においても、市民に寄り添った対応として、扶養義務者の照会を行う際には、困窮者、保護受給者の方が複雑な家族事情を抱えていることが多いということを踏まえ、補足性の原則は踏まえつつ、保護申請者御本人からの聞き取りを丁寧に行い、個々の要保護者に寄り添った対応をしてまいります。
48 ◯松岡ちひろ委員 ケースワーカーが扶養照会の必要がないことを聞き取りする中で判断できれば、扶養照会に言及しないこともあり得ると答弁いただいております。適正に対応するよう求めます。
ただ、今回の通知は極めて例外的な対象者となっており、扶養照会は義務ではないという、そもそもの厚生労働大臣の答弁趣旨とは異なっているのではないでしょうか。厚生労働大臣の答弁趣旨に沿い、生活保護をちゅうちょせずに申請できるよう、市として対応していただくように求めます。
次に、一般会計予算説明書279ページの4.大気汚染測定局管理経費のうち、(3)第二京阪道路環境監視局管理経費1,273万5,000円について、お伺いいたします。
この内容について、お聞かせください。
49 ◯中尾謙一環境指導課長 第二京阪道路環境監視局管理経費は、第二京阪道路による周辺環境への影響を監視するため、第二京阪道路(大阪府域)環境監視の在り方に関する検討会で協議し設置した監視局の維持管理に係る経費となります。
主な内訳といたしましては、監視局の保守管理などの委託に係る経費として736万円、観測機器類の更新経費として445万5,000円、修繕経費として62万円、このほか光熱費や通信運搬費などとなっております。
50 ◯松岡ちひろ委員 第二京阪道路の影響を監視するための経費であり、機器の更新なども予定され、引き続き監視が継続されると理解いたしました。
道路周辺にお住まいの方にとっては、大気の汚染状況はとても心配なことだと思います。道路の公害監視については適切に続けてもらいたいと思っております。
間もなく全線開通から11年が経過しますが、これまで監視されてきた中で、測定結果はどのような状況なのか、お聞かせください。
51 ◯中尾謙一環境指導課長 第二京阪道路の全線開通に合わせて本市におきましても環境監視を継続する中、これまでの測定において第二京阪道路による基準の超過はなく、環境基準を満足する値で推移しております。
52 ◯松岡ちひろ委員 第二京阪道路による環境基準の超過はないということで、まずは一安心したところです。
しかし、建設が今進められている新名神高速道路は、車線数を6車線に増やしながらも換気塔は2か所で、4車線のときのままであります。現状でいけば、換気塔がある地域に排気が集中することにもなります。しかも、この換気塔、阪神高速左岸線では40メートルで上空100メートルの吹き上げ拡散となっているものの、新名神では26メートルで100メートルの吹き上げとされており、新名神が地域環境に今後どういった影響を及ぼすのかが分からないままです。
第二京阪道路の環境監視とともに、広域的に環境監視するべきです。新名神でも同様の環境監視を行うよう強く求めておきたいと思います。
次に、一般会計予算説明書219ページの11.児童手当法等の施行経費について、お尋ねいたします。
(1)扶助費、ア.児童手当等として60億564万円が計上されていますが、この児童手当の申請手続について、お聞きいたします。
この手続は、出生や転入など児童手当の支給事由が発生した場合、発生日から原則15日以内に行うことが定められています。しかし、令和2年度は、コロナ禍によって政府より不要不急の外出自粛が呼びかけられておりました。これによって、転入・転出届出期限については、定めのある手続期限に限らない手続が認められておりました。通常であれば、転入されてきた方は、転入手続と同時に児童手当の手続をされるのではないでしょうか。
そこでお聞きしたいのですが、児童手当については、令和2年度は、この申請期間はどうなっていたのか。また、来年度はどのようになるのか、お尋ねいたします。
53 ◯池田芳敬年金児童手当課長 受給資格者が児童手当の支給を受けようとする場合、児童手当・特例給付認定請求書を住所地の市区町村長に提出し、受給資格及び児童手当の額について認定を受けなければならないとされています。
令和2年度の緊急事態宣言中につきましては、感染症の拡大防止を図るため、やむを得ない理由により認定請求することができなかった場合においては、個別の事情を考慮して弾力的な対応を行うこととの内閣府からの通知に基づく取扱いを行うとともに、緊急事態宣言が解除となった日から15日を経過した後の取扱いについては、個々の事情に応じた取扱いを行ってまいりました。引き続き、令和3年度においても同様の取扱いを行ってまいります。
54 ◯松岡ちひろ委員 令和3年度も同様の取扱いということですので、お聞きしたいのですが、今の答弁にある内閣府の事務連絡には、コロナ禍におけるやむを得ない理由については、緊急事態宣言中だとは一言も書いておりません。
ところで、住民異動届については、緊急事態宣言中でなくても、感染対策のために期限の延長が認められています。住民異動届は、期間延長が緊急事態宣言中でなくても認められているのに、なぜ児童手当は緊急事態宣言中でなければならないとされたのか、お聞かせください。
また、昨年8月に、感染拡大によって会社から自宅勤務が命じられたことで動きづらくなり、転入届や児童手当の手続が遅れてしまったものの、転入届は期限が過ぎても通常どおり手続が行われ、児童手当は一旦受付はしたものの、後に期間外となって1か月分が不支給となった方がおられます。
この方のほかにも、4月の緊急事態宣言以降に申請期限を超えたことにより不支給期間が生じた受給者についてはあったのか、お伺いいたします。件数でお答えください。
55 ◯池田芳敬年金児童手当課長 児童手当につきましては、受給資格者が「やむを得ない理由により認定請求ができなかった場合において、その理由がやんだ後15日以内にその請求をしたときは、児童手当法第8条第3項の規定により、手当の支給は、認定請求をすることができなくなった日の属する月の翌月から始めること」としており、受給資格者が新型コロナウイルス感染拡大の影響をはじめ傷病その他の事情により認定請求をすることができない場合には、個別の事情を十分に伺った上で、やむを得ない理由と判断できる場合においては、認定請求をすることができなくなった日の属する月の翌月から支給を行ってまいりました。
緊急事態宣言後に手続の遅延により不支給期間の生じた件数につきましては、不明となっております。
56 ◯松岡ちひろ委員 不支給となった件数は不明だということですが、つまりコロナ禍でやむを得ない理由を緊急事態宣言中だけと解釈したために、それ以外のときは通常の手続で対応されています。
もともと第8条第3項の規定の適用については、コロナに感染しただとか濃厚接触者になっただとかについては適用を受けることができるのではないでしょうか。しかし、わざわざ弾力的な対応をと国が事務連絡を出すに至ったのは、感染対策を重視したからではないでしょうか。
全て調べることはできていませんが、大阪府下でも、お隣の寝屋川市、高槻市、豊中市、吹田市、四條畷市、また宇部市、坂戸市ほか複数の自治体で、住民異動届と同様の期限の特例の扱いや、郵送の取扱いもコロナ禍で可能としていますが、枚方市では、郵送ですら緊急事態宣言中でなければならないとされております。国が重ねて呼びかけている感染対策をどう理解されているのか、全くもって疑問であります。
府下中核市で、なぜ枚方市だけがこれだけ対応が違うのでしょうか。改善が必要ではないのか、見解をお聞きいたします。
また、昨年以降に手続が遅れたことで児童手当を不支給とした事案については、遡って支給することが必要ではないでしょうか、お聞きいたします。
57 ◯池田芳敬年金児童手当課長 内閣府通知の「やむを得ない理由により認定請求することができなかった場合において」は「個別の事情を考慮して、弾力的な対応」を行うこととしているのは、一律に延長を認めるものではなく、児童手当の認定請求が遅延した理由については、受給者の感染状況や感染防止策など個々によって事情が異なるため、期限内に申請できなかった理由を個別に詳細を伺った上で判断していく必要があります。
本市では、これまで以上に個別の事情を十分伺うとともに、弾力的な対応を行い、引き続き適正支給に向け取り組んでまいります。
58 ◯松岡ちひろ委員 政府は、広く自治体に対して、感染拡大防止を優先してください、そのために対応してくださいと求めておられます。しかも、個別に詳細を伺った上でとおっしゃいました。前述の方は、私がいろいろと聞き取りをし、なぜ手続ができなかったのかを丁寧に尋ねたところ、会社から在宅ワークの指示で動けなくなったということが分かりました。この声を枚方市は最初から言わなかったからだと切り捨てたのですから、本当にひどいと思います。職員の方も、コロナで多忙だったのかと思いますが、しっかり聞き取りができていないのではないでしょうか。
副市長にお聞きしたいと思います。
国の制度である児童手当と住民登録の業務によって取扱いが異なることについてはどのようにお考えですか、見解をお聞きいたします。
住民基本台帳事務については、令和2年3月6日に総務省より、感染症の拡大防止等の観点から当分の間、届出期間を経過しても、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に鑑み、当面の間、期間を超えても正当な理由とみなすと丁寧に記載がされています。この総務省の通知に基づき住民異動届は柔軟に対応している一方で、児童手当業務については、やむを得ない理由を緊急事態宣言中と解釈したことで、現在の対応となってしまっております。同じ国の制度でなぜ統一されないのか。統一するべきです。見解をお伺いいたします。
59 ◯長沢秀光副市長 国におきましては、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図る観点から、それぞれの取扱いを示されているところでございます。市において実務を進めていく上で、制度間の解釈等に疑問が生じた場合には、その都度、それぞれに問合せを行っております。
今後とも、先ほど申しましたように、個別の事情を考慮した弾力的な対応をしていく考えでございます。
60 ◯松岡ちひろ委員 ぜひ適切に対応していただきたいと思います。私のところに相談に来られた方は、いろいろと子どもに関する制度で枚方市を選んで転居してきた。それなのに、子育て世帯は来るなと言っておられるみたいで本当に気分が悪いと言われておりました。国の通知に基づき早急に改善を行うこと、また、不支給とした方に対しては遡って支給するように強く求めます。
ちなみに、昨日は、児童扶養手当の質疑もほかの委員によって行われました。児童扶養手当も同様の対応をされておりますが、国は、コロナ感染拡大防止を図ることが極めて重要、受給者が感染者等と接触を避け外出を控えたことで書類が遅れた場合は、特段の配慮をお願いすると記載があり、緊急事態宣言中に限るとは一言も書いていないと申し添えて、私からの質問を終わります。
61
◯岩本優祐委員長 松岡委員、ただいまの質疑において、予算審査の範囲を超えた部分が認められましたので、御注意をお願いします。
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62
◯岩本優祐委員長 午前11時まで休憩します。
(午前10時52分 休憩)
(午前11時 再開)
63
◯岩本優祐委員長 委員会を再開します。
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64
◯岩本優祐委員長 次に、奥野美佳委員の質疑を許可します。奥野委員。
65 ◯奥野美佳委員 おはようございます。会派の時間をいただき、少し長くなりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
A日程では、歳入、自主財源のうち、基金繰入金をテーマに、各基金の設置目的、令和3年度における積立てや充当事業などについて質問しました。本日、B日程では、本市にとって最も重要な歳入で、歳入予算の44.2%となる自主財源約625億円の85%を占める市税収入約531億円、歳入全体から見れば37.6%になりますが、その市税収入をテーマに質問をさせていただきます。
まず、固定資産税、都市計画税について、伺います。
固定資産税、都市計画税の収入見通しについては、前提となる土地利用等に変化がなければ容易であり、令和3年度の固定資産税及び都市計画税に対する特例措置や評価替えに伴う減額が大きく現れた後は、令和4年度で一旦回復して、その後は緩やかな減収傾向という見通しではないかと考えますが、見解を伺います。また、令和4年度の見込みについてもお答えください。
66 ◯平田益久資産税課長 令和3年度当初予算では、国の新型コロナウイルス感染症に伴う経済対策として、事業収入が30%以上減少した中小事業者等の償却資産及び事業用家屋に対する固定資産税等の課税標準額を2分の1またはゼロにする特例措置により、固定資産税が約10億500万円、率にして約4.7%、都市計画税が約1億6,900万円、率にして約3.7%、また、評価替え等により固定資産税が約2億円、率にして約0.9%、都市計画税が約1,800万円、率にして約0.4%の減額をそれぞれ見込んでおります。
なお、新型コロナウイルスに係る特別な措置は令和3年度限りのため、令和4年度は通常どおり課税する予定ですが、ウイルスの感染状況によっては国の追加対策も予想されますので、今後も情報収集に努めてまいります。
67 ◯奥野美佳委員 固定資産税、都市計画税について、令和3年度は、国の新型コロナウイルス感染症に係る特例措置や3年に一度の評価替えの年に当たることから減収が見込まれているけれども、令和4年度以降、国の追加対策がなければ、通常の課税になるとのことです。
次に、法人市民税について、伺います。
法人市民税現年課税分の令和3年度予算は、令和2年度当初予算に比べ約9億2,000万円の減額となっていますが、その算定根拠について、伺います。また、令和4年度の見込みについてもお答えください。
68 ◯吉岡潔朗市民税課長 令和元年10月以降に開始する事業年度より、法人税割の税率が12.1%から8.4%に引き下げられたことや、消費税増税等の影響により約2億7,000万円、率にして約10%の減額となるほか、新型コロナウイルス感染症拡大による影響も加わり、9億2,000万円、率にして約31%の減額を見込んでおります。
また、令和4年度の見込みにつきましては、新型コロナウイルス感染症の感染収束が見通せないため、具体的に数値を算出することが困難です。
69 ◯奥野美佳委員 法人市民税については、実効税率の段階的引下げの影響とともに、新型コロナウイルス感染症の影響も加わり、令和3年度は約9億円台の減収となるとのことです。
次に、個人市民税について、伺います。
個人市民税現年課税分の令和3年度予算は、3月の補正後予算額に比べ約9億2,000万円減少しています。その算定根拠について、伺います。また、令和4年度の見込みについてもお答えください。
70 ◯吉岡潔朗市民税課長 所得割額のうち給与所得については、大阪府の事業規模5人以上の主要労働経済指標の中の名目賃金の前年比と常用労働者数の前年比から、マイナス3%、約5億3,000万円の減額を見込んでおります。
営業所得については、大阪府景気観測調査結果における大阪府中小企業の四半期ごとのDI値(景気動向の方向性を示す指数)の対前年比から、マイナス30%、約2億6,000万円の減額。
譲渡所得については、国土交通省が公表している不動産取引件数・面積の前年比から、マイナス20%、約1億円の減額を見込んでおります。
なお、令和4年度の見込みについては、法人市民税と同様に、新型コロナウイルス感染症の感染収束が見通せないため、具体的に数値を算出することは困難です。
71 ◯奥野美佳委員 個人市民税の翌年度の調定の際には、現年度データを基礎に、その時々の経済状況、雇用状況、納税者人数などを考慮し、積算しているとのことです。
市税収入の中でも、特に個人市民税の収入について、できる限り正確に収入見通しを立てることが必要であると考えますが、新型コロナウイルス感染症の感染収束の見通しが立っていない中、令和4年度の見込みについて具体的に数値を算出することは困難であるというのはそのとおりだと思います。
しかし、令和3年2月の長期財政の見通しには、「個人市民税は、新型コロナウイルス感染症の影響により令和3年度に大きく減少するものの、令和4年度には一定の水準まで回復し、その後は、高齢化の進展などによる納税義務者数の減少により、緩やかに減少すると見込んでいます。」と示されています。
令和4年度には一定の水準まで回復するとの記載ですが、その見込みの算出方法について、伺います。
72 ◯中川一郎財政課長 長期財政の見通しにおける令和4年度の個人市民税の見込みでございますけれども、大きく減収となります令和3年度予算をベースに、今後の経済動向などを勘案して算定を行っておりまして、令和2年度の決算見込額までは及ばないものの、一定の水準まで回復すると見込んでおります。
73 ◯奥野美佳委員 新型コロナウイルス感染症の収束はなかなか見通せない中、令和3年度の所得に応じて賦課される令和4年度の個人市民税は、今後の経済動向などを勘案して算定すると、令和元年度の所得に応じて賦課される令和2年度の個人市民税の決算見込額までは及ばないものの、一定の水準まで回復する見込みとの御答弁です。非常に楽観的な見込みに驚いていますが、もちろん、令和3年度の所得がそのように回復すればいいとは思います。
振り返りますと、12月の全員協議会で示された財政シミュレーションは、リーマンショック時を参考にしてとのことでしたが、2月の全員協議会で示された長期財政の見通しにおいては、市税収入は国の示す経済成長率4%を参考にとの説明もありました。
仮に経済成長するとして、経済成長がどのように個人市民税の増収につながるのか、説明をお願いします。
74 ◯中川一郎財政課長 経済成長率につきましては、法人市民税を中心に、市税収入全体を見込む中で反映させているものでございます。
75 ◯奥野美佳委員 経済成長率は必ずしも勤労者所得の増収とリンクせず、コロナショックの社会経済への打撃は
選択的であり、高所得ではない市民、特に非正規労働の割合が高い女性に、その影響は大きく現れてくるのではないかと思われます。
そこで、所得階層ごとの個人市民税の課税状況を把握されているのかどうか。また、コロナショックは働く女性に対する打撃が大きいと考えられますが、男女別の課税状況を把握されているのかどうか、確認させていただきます。
まず、令和2年度において、本市の所得割の個人市民税の納税義務者のうち、課税標準額が300万円以下の納税者の納める個人市民税は全体の何%程度なのか、伺います。納税者数の割合や課税額の割合について、お答えください。
76 ◯吉岡潔朗市民税課長 所得割の納税義務者のうち課税標準額が300万円以下の納税者が占める割合は、79.3%です。なお、所得区分ごとの課税額のデータはありませんが、全体の総所得金額のうち課税標準額が300万円以下の納税者が占める割合は、53.2%となっております。
77 ◯奥野美佳委員 所得階層ごとの課税額のデータがないということで、そのことは驚きですが、御答弁をざくっとまとめますと、本市の個人市民税について、所得の低いほうから約8割の納税者市民がおおむね半分の税額を払っているという御説明かと思います。
では、課税標準額が300万円以下の納税者のうち、女性の占める割合はどの程度でしょうか。近年の動向は把握されていますか、伺います。
また、個人市民税の見込みに当たっては、納税者市民の課税額を階層化し、それぞれ所得階層ごとの納税者数、課税総額、構成比を男女別の区分を含めて整理したデータを基に算定すれば、現状を反映したより正確な積算ができるのではないかと思います。改めて確認しますが、こうしたデータはあるのか、伺います。
78 ◯吉岡潔朗市民税課長 確定申告書や市・府民税申告書、給与支払報告書等の課税資料には性別の記載がなく、税のデータには基本、性別情報は保有しておりません。なお、課税データを基に所得階層ごとや所得の種類ごとの状況などをまとめた市税概要は、毎年度作成しております。
79 ◯奥野美佳委員 納税者市民の所得階層別や所得の種類別の課税状況をまとめた資料は作成しているけれども、男女別の区分を含めて、納税者市民を階層化した課税額のデータはないとの御答弁です。
では今後、ジェンダー格差を踏まえたよりきめ細やかな課税資料を作成する考えはないのか、伺います。
80 ◯吉岡潔朗市民税課長 繰り返しになりますが、税のデータでは基本、性別情報は保有していないため、男女別の課税資料の作成は予定しておりません。
81 ◯奥野美佳委員 税のデータは、基本、性別情報を保有しておらず、男女別の課税資料の作成も予定していないとのことです。
所得割の納税義務者のうち課税標準額が300万円以下の納税者が占める割合は、約8割との御答弁でしたが、ヒアリングの際、参考に見せていただいた資料では、女性に限ると、課税標準額が300万円以下の納税者は約9割になるようです。
繰り返しになりますが、コロナショックの社会経済への打撃は
選択的です。一律の不況、一律の所得減少ではないコロナショックの
選択的な打撃は、業種、業態によっても全く異なりますし、個人のレベルでも、正規、非正規によっても全く異なるわけです。特に非正規労働の割合が高い女性労働者を直撃し、立場の弱い女性の雇用環境をさらに悪化させたことから女性不況とも言われ、それはジェンダー格差として国際社会の共通課題にもなっています。
3月2日公表の労働力調査によると、1月の女性就業者数は前年同月比20万人減の2,950万人。非正規労働者の雇い止めに加え、育児や介護で退職を余儀なくされる事情も目立つと報告されています。個人市民税の見通しに当たっては、こうしたジェンダー格差への着目も必要であると思いますが、こうした観点は、長期財政の見通しではどのように評価されていますか、伺います。
82 ◯中川一郎財政課長 委員お示しの視点によります市税収入の試算につきましては行っておりませんけれども、新型コロナウイルス感染症による影響など社会経済情勢を踏まえながら、長期財政の見通しの作成を行っているところでございます。
83 ◯奥野美佳委員 財政の推移を見通すという作業は、最も事実に基づいて行わなければいけない領域であると思います。証拠に基づく政策立案・評価、EBPMの必要性が指摘されていますが、この前提となるのは事実認識をきちんと行うということです。
歳入の根幹となる市税収入の、特に個人市民税の見込みに当たっては、誰がどのような形で支えているのか、本市の納税者市民の実情を正しく把握することが事実認識であると思います。枚方市の税収が、どういう属性の納税者から幾ら納めていただいた税収によって成り立っているのかという観点からの分析を行っていないというのは、民間企業でいうと、自社の経営を支えてもらっている顧客のことを分析せずに、あるいは無頓着なまま経営するようなものではないでしょうか。
法人市民税を中心に市税収入全体を見込む中ではという御答弁ではありましたが、国の示す4%の経済成長見通しにより、市税収入全体では令和4年度にはV字回復する、こういった楽観的な財政見通しを示されるのは非常に問題であると指摘しておきます。
そして、課税枠を階層化し、男女別の区分、ジェンダーの視点を含め、それぞれの層の納税者数、課税総額、構成比など、今後の適切な税収見込みに必要な事実認識のデータを早急に作成するとともに、納税者市民の実情に応じて見込んでいることの説明責任を果たすためにも、税情報に関するデータを可能な限り公表すべきであると意見しておきます。
さらに、住民税課税台帳という詳細データを市は保有しているわけです。このデータは市民の財産、宝物でもあるわけですから、証拠に基づく政策立案・評価、EBPMを掲げるのであれば、課税情報という最も明確でシビアなエビデンス、データに着目することから始めるべきです。納税者市民の実情の正しい事実認識は、市として必要な施策展開にも有効であると、ここでは意見しておきます。
次に、A日程で、各基金の設置目的や運用に係る考え方を確認してきましたが、ここで、施設保全整備基金の充当事業について、内容をお聞きします。
予算説明書197ページ、指定管理施設改修経費8,572万5,000円として2件の工事請負費が計上されていますが、それぞれの工事内容について、伺います。
また、これらは施設保全整備基金の充当工事ですが、これらは市有建築物保全計画の対象工事であるのか、伺います。
84
◯吉田章伸地域健康福祉室課長(
長寿・
介護保険担当) まず、市立特別養護老人ホーム・デイサービスセンター施設改修費の内容につきましては、受変電設備の更新及び消火設備の改修工事でございます。
また、市立くずは北デイサービスセンター施設改修費の内容につきましては、給湯設備の更新工事でございます。いずれの工事も、市有建築物保全計画の対象工事となっております。
85 ◯奥野美佳委員 お伺いした工事は、いずれも市有建築物保全計画の対象工事ということですが、市有建築物保全計画は、次期5か年計画として、令和3年度から令和7年度までを計画期間とする第III期実施計画が策定され、今後、この計画に基づき各施設の保全、改修が行われると伺っています。
そこで、第III期実施計画の初年度となる令和3年度の計画上の保全費用に対して、令和3年度予算においてはどの程度の実施を予定されているのか、伺います。
86 ◯芝 昌和施設整備室課長 市有建築物保全計画第III期実施計画における令和3年度の保全費用は、5億8,400万円でございます。これに対して、実施につきましては、対象施設の劣化状況や安全性等の調査を行い精査した結果、当初予算ベースで3億7,660万円を予定しており、率にしますと約64.5%となります。
87 ◯奥野美佳委員 「平成30年度に発生した災害により、第II期実施計画期間中に未実施である工事」については、「第III期実施計画期間内の費用平準化にも考慮しながら、時機を逸することなく、実施計画期間の上半期である令和3年度~令和5年度の計画としています」と第III期実施計画には記載されています。
そして、第III期実施計画期間の保全費用は、令和3年度に5億8,400万円、令和4年度に7億1,000万円、令和5年度に11億1,400万円、令和6年度に8億9,500万円、令和7年度に10億2,600万円、計画全期間で43億2,900万円と見込まれています。令和3年度は計画初年度になりますが、様々な調査による精査の結果、計画上の保全費用の約65%を予定しているとの御答弁ですが、残りの35%分は大丈夫なのか心配です。
コロナ禍において財政面の厳しさが予想される中、市有施設を適切に維持していくためには、施設保全整備基金を有効に活用することにより、保全費用の財源をしっかりと確保していただきたいと思います。
そして、A日程でも意見させていただきましたが、今年度を始期とする市有建築物保全計画の第III期実施計画の計画全期間の保全費用、約43億3,000万円の実効性を確保するためにも、老朽化する公共施設の更新など計画的な公共施設整備への引き当て財源となる施設保全整備基金への計画的な積立てが必要であり、そのための方針を定めておくべきであるということを重ねて意見しておきます。
また、A日程では、公共施設の廃止について、跡地活用の明確化もしくは解体まで実施して事業の完了とする仕組みの導入を要望しました。そして、移転建て替えは旧施設の解体まで行って事業完了とすべきで、それが整備の意味ではないかと意見もしました。そのことは、市の公共施設マネジメント推進計画に基づく施設総量の最適化にもつながるのではないでしょうか。公共施設等総合管理計画の策定要請と併せて、国が公共施設の解体撤去に係る地方債の特例措置を講じていることからも、公共施設の解体は共通認識の課題であると思います。
施設保全整備基金については、施設の保全面での活用だけではなく、整備という観点からは、不用となった市有建築物の解体工事にも活用ができるよう基金の使途を整理していただくことを要望して、私のB日程の質問を終わります。
88
◯岩本優祐委員長 次に、漆原周義委員の質疑を許可します。漆原委員。
89 ◯漆原周義委員 一般会計予算説明書349ページの都市計画道路整備事業に要する経費のうち、北山通線整備事業費について、お聞きいたします。
現在、令和5年度末に完成予定の新名神高速道路の建設工事が急ピッチで進められております。そのアクセス道路となる都市計画道路内里高野道線についても、大阪府により整備が進められています。
この内里高野道線に接続する北山通線については、交差点がいびつな形状になっているため、これまでも交差点内で立ち往生している何台もの車を私自身が見かけております。このことから、長尾校区コミュニティ協議会をはじめ、地元のポエムノール北山自治会など多くの自治会からも、この交差点の改善に向けた強い要望や働きかけがあり、平成27年に内里高野道線の計画変更と併せて、この北山通線についても交差点の改善に向けた都市計画変更がなされた経過があります。
また、昨年の代表質問でもお聞きしましたけれども、この北山通線に隣接する大阪工業大学については、整備後も現状の出入口の機能を確保することを前提に協議、調整をするとの答弁をお聞きしたところです。
そこで、北山通線整備事業費として1億円が計上されていますが、現在の進捗状況と令和3年度の実施内容について、お聞きいたします。
90
◯森 清太郎道路河川整備課長 まず、進捗状況ですが、現在、交差点の改良工事に向けた詳細設計を実施しており、道路線形や道路構造物などの設計検討を行っています。あわせて、交通管理者である警察、接続する内里高野道線の管理者である大阪府、大阪工業大学を含め隣接する施設の管理者及び地域関係者との協議、調整を行っているところです。
次に、令和3年度の実施内容ですが、工事請負費として、本路線と車谷川との交差部付近において、ボックスカルバートによる河川横断構造物の築造工事及び道路整備工事を実施するものです。
91 ◯漆原周義委員 令和3年度から整備工事に着手するとのことです。今後の事業スケジュールについて、お伺いいたします。
92
◯森 清太郎道路河川整備課長 事業スケジュールにつきましては、新名神高速道路及びそのアクセス道路となる内里高野道線の開通予定と合わせた令和5年度末の完成を目指して整備を進めていく予定です。
93 ◯漆原周義委員 ここの整備に当たりましては、現況使われている道路が、ある意味、残地という形になって残ると思います。この点につきましては、地元地域の声を聞いていただきまして、ぜひとも有効活用されるようお願い申し上げます。
続きまして、令和3年度当初予算の概要72ページに記載されている都市計画マスタープラン及び立地適正化計画推進事業について、お伺いいたします。
事業概要等の欄において、「都市計画マスタープラン及び立地適正化計画と整合を図りながら、計画的なまちづくりを検討する。」とあります。「JR長尾駅周辺に対して「まちづくり構想」を策定」、事業費850万円と記載されていますけれども、このJR長尾駅周辺というのは、具体的にどのエリアで、どのような検討を行うのか、改めてお伺いいたします。
94
◯北尾直治都市計画課長 都市計画マスタープラン及び立地適正化計画推進事業として計画的なまちづくりを進めるために、鉄道駅などの周辺地域においては、地域資源を活用しながら居住及び都市機能を集積し、都市拠点の形成を促進します。また、幹線道路沿道地域では、道路の交通利便性を生かした流通業務等の産業集積により、社会経済活動を推進します。
このような考えの基に、JR長尾駅周辺及びその北側に広がっている市街化調整区域において、新たな市街地の形成を検討していくものでございます。
95 ◯漆原周義委員 長尾駅周辺から都市計画道路長尾家具町線及び牧野長尾線の周辺に広がる市街化調整区域において、まちづくりの検討を進めていくとお聞きいたしました。
もう少し具体的に言えば、例えば長尾小学校から西に続く市街化調整区域についてはどうなるのかなど、そういった対象エリアを検討する際には、市街化区域に囲まれた穴抜き状に残された市街化調整区域、いわゆる穴抜き調区を生じさせないよう、地域の声をしっかりと聞いて、まちづくりの対象エリアを検討するように、改めてここで要請しておきます。
それでは、令和3年度に適切なエリアを対象にまちづくり構想を策定した後、どのようなスケジュールでまちづくりが進んでいくことになるのか、お聞きいたします。
96
◯北尾直治都市計画課長 まちづくり構想の策定後は、この構想を実現化していくために、基本的には土地区画整理事業に基づき進めていくものと考えております。
スケジュールとしては、これまでおおむね5年ごとに実施されてきた大阪府による区域区分の都市計画見直しが、通例ですと次回は令和7年度に実施される見通しであることから、この時点で一定の基準を満たすことが確認できた段階で、随時、市街化調整区域から市街化区域へ編入できるようになる区域、いわゆる保留フレームに設定されることを一つの
選択肢として進めていくことになると考えております。
これを実現するためには、地権者全員によって構成される協議会の設立、地権者の合意、事業協力者の選定、土地利用計画や概算事業費などの基本計画の検討など、地域のまちづくり組織が数々の段階を着実に進める必要があり、市としても、公民連携を図り、継続的に技術的支援を行ってまいります。
97 ◯漆原周義委員 ただいま、市としても公民連携を図りという御答弁がありました。実は、このエリアは、これまでも民間事業者による開発が2度、3度と計画されて頓挫した場所なんです。ですから、民間事業者だけでは本当にどうなるのかという不安を地権者の方も多分持っておられると思いますので、市が積極的に関与して、計画的なまちづくりを進めていただきたいと思っております。
しかし、そこにはいろんな課題があると思います。このまちづくりを進める上で、今整備が進められております牧野長尾線、長尾杉線、これらの供用開始はもう最低条件であります。これらの交通量はどのような形で増えていくのか、分散されていくのか。さらには、まちづくりを進める上でいろんなゾーニングがされると思います。そこに何台の交通量が増えてくるのか、こういったこともやっぱり計算していかなければいけないと思っておりますので、その辺のことをよろしくお願い申し上げます。
さらに言いますと、この接道となります交野久御山線は、現在、土日は大変渋滞しております。近くの京都府域になりますけれども、そちらの商業施設のほうに赴く車で、渋滞が常時慢性的にあるという状態です。この長尾地域のまちづくりを進める上では、交野久御山線を都市計画道路として定めて渋滞解消を含めた整備を行うといった手法について、市はどのように考えているのか、お伺いいたします。
98
◯北尾直治都市計画課長 まちづくり構想を検討する上で、現状把握と課題抽出、解決に向けた検討は重要なプロセスであると認識しており、地域の多様な主体としっかり連携を図り、取り組んでまいります。
また、委員御指摘の府道交野久御山線については、具体的には来年度以降の検討となりますが、その他の幹線道路や区画道路なども含め、まちづくりに必要な施設については、都市計画で定めて整備していくなど、様々な手法について幅広く検討してまいります。
99 ◯漆原周義委員 ぜひともよろしくお願いいたします。
続きまして、令和3年度当初予算の概要の13ページ、市税収入の内訳として、下段に平成28年度から令和3年度までの6年間の市税予算額の推移が記載されています。各区分のうち、固定資産税についてお尋ねいたしますけれども、この表から、予算額は一定ではなく、増加している年もあれば減少している年もあることが分かります。固定資産税は、安定している財源の一つだと思いますけれども、毎年予算額が増減する理由としては、どのような原因があるのでしょうか、お聞かせください。
100 ◯平田益久資産税課長 固定資産税は、総務大臣が定める固定資産評価基準に基づき評価額を決定し、税額を算定するものでございます。そのうち土地、家屋の固定資産税につきましては、適正な時価とするために3年ごとに評価替えを行い、評価を見直しますので、予算が増減する大きな原因となります。このほかに、税制改正や大規模な開発などにより、予算額は増減いたします。
なお、令和3年度の予算額につきましては、評価替え及び国の新型コロナウイルス感染症に伴う経済対策により、前年度より減少しております。
101 ◯漆原周義委員 土地、家屋の固定資産については、適正な時価にするために3年ごとに評価替えを行うということでありますけれども、特に家屋については、建築年数が経過するほど損耗度が増すため、資産価値は下がる一方です。また、取壊しの際には解体費用が発生するため、取引の際には減価要因となります。それにもかかわらず、評価の見直しは3年ごとということであり、建築後何年経過しても、家屋が現存している限り評価額はゼロにはならないということです。
適正な時価にするための制度であれば、3年ごとと言わず、毎年評価を見直す必要があるのではないでしょうか、お伺いいたします。
102 ◯平田益久資産税課長 固定資産税は、当該資産が有する価値に着目して課税するとされていますので、評価を毎年見直すことが理想的だとされています。しかしながら、全国各地の膨大な土地、家屋の評価を毎年見直すことは現実的に不可能なため、国の制度といたしまして、3年ごとに評価を見直すことになっております。
なお、土地の評価につきましては、地価に下落傾向が見られる場合は毎年評価を見直しており、令和3年度においてもこの措置を継続し、予算化しております。
103 ◯漆原周義委員 令和3年度は評価替えの年ということで、新たな基準により評価を見直し、適正に予算計上されていると思います。しかしながら、3年ごとに見直しをしていくことは、3年間評価が変わらないと。しかしながら、自分が住んでいる家は年々値打ちが落ちていっていると、古くなっていっていると、資産が落ちているはずだと。にもかかわらず、3年前の高い評価のまま税金を払わなければいけないことに納得できないと思われる方もいらっしゃると思います。
評価額に対しての異議申立て等ができるのか、お伺いいたします。
104 ◯平田益久資産税課長 固定資産税の評価額に不服がある納税者の方は、市の固定資産評価審査委員会に審査を申し出ることができます。審査委員会が固定資産評価基準に照らして審査し、決定しますが、審査委員会で申出が認められなかった場合、納税者の方は裁判所に決定の取消しの訴えを提起することができます。
105 ◯漆原周義委員 はい、手続については分かりました。
それでは、続きまして、予算説明書259ページ、特定不妊治療費助成事業経費2億995万円について、お伺いいたします。
これは、今回、所得制限を撤廃することになっておりますけれども、その理由を教えていただけますでしょうか。
106 ◯上田智子保健予防課長 所得制限を撤廃いたしますのは、国は出産を希望する世帯を広く支援するため、令和4年4月から不妊治療の保険適用を検討しており、それまでの期間は、高額な費用がかかる特定不妊治療の経済的負担の軽減を図ることを目的としており、本市におきましても、国制度にのっとり事業を運営してまいります。
107 ◯漆原周義委員 20年ほど前、当時、不妊治療を受けておられた方からいろいろと相談があり、そのときの状況をよくお聞かせいただきました。不妊治療を受けている世代、年代というのは、そんなに多く、ゆとりのある、給与が高いというわけではありません。その中からでも、自己負担で捻出しながら不妊治療を受けているということであります。
当時、府議会の場で当時の知事に、大阪府としてやっぱり対応すべきではないかと、このような問題提起をさせていただきました。当時の知事は、本来は保険適用されるべき事案であると、国に対して働きかけていくとおっしゃっていました。
その後、都道府県で初めて、府の単独事業としてこの事業がスタートしたわけであります。当然、いろいろな課題がありました。所得制限をどうするのか、補助する金額をどこまで設定するのか、こういったことを検討しながら、都道府県では初めて大阪府が助成事業としてスタートさせたわけであります。それが、国の助成事業化によって、各都道府県においてこの不妊治療の助成事業がスタートしたという経過があります。あわせて、そのときに、やはり精神的な負担軽減についても何らかの対応をすべきではないか、このように申し上げました。その後、大阪府のドーンセンターにおいて、不妊治療における相談窓口が設置されました。
今、枚方市では、不妊治療に関わる助成事業を行っておられますけれども、枚方市におきましても、こころの健康相談というものを実施されております。不妊治療に関する専門相談は、様々な不妊治療の
選択や人権的問題、里親、養子などの具体的支援につながる役割を有するため、大阪府において人生をトータルに捉えた専門相談を行っているドーンセンターを紹介することも一つの方法であると考えられますけれども、枚方市としても、やはり中核市である以上、こういった相談があった場合に対応すべきではないかと思います。しかしながら、その相談内容については、ドーンセンターでの研修を受けて整備しなければならないと考えておりますけれども、どのようにお考えなのか、お聞かせください。
108 ◯橋本美弥子保健医療課長 保健医療課にて実施しておりますこころの健康相談においては、統合失調症やうつ病をはじめとして、それ以外の精神的な悩み全般についての相談を医師や精神保健福祉士、保健師等で行っております。相談内容は多岐にわたりますが、中には健康問題による心の不調についての相談希望の方もおられます。
不妊治療を受けておられる方のこころの相談については、現在までも対応しており、今後も継続いたします。また、不妊治療に関する専門相談は、委員お示しのとおり多岐にわたる役割を有するため、保健所のこころの相談は、必要時に専門相談につないでいく窓口であることを十分に認識した上で取り組んでまいります。そのため、ドーンセンターでの研修受講も検討してまいります。
109 ◯漆原周義委員 ぜひ、よろしくお願い申し上げます。
続きまして、予算説明書265ページ、犬登録・注射済票交付事業等経費835万9,000円について、お伺いいたします。
この予算の内訳を教えてください。
110 ◯松本治子保健衛生課長 主な内訳は、飼い主への狂犬病予防法の啓発に係る物品の消耗品費が234万円、狂犬病予防注射接種案内通知等の通信運搬費が180万4,000円、犬の登録や注射済票交付事務の獣医師への委託料及び通知等の封入封緘委託等が合わせて361万1,000円です。
111 ◯漆原周義委員 狂犬病予防注射について、伺います。
飼い主が高齢で、動物病院への移動手段がなく、注射を受けることが難しい場合があります。地域からの要望があれば、新型コロナウイルス感染症の動向に配慮しつつ、自治会などの地域ごとでの接種を考えてはいかがでしょうか、お伺いいたします。
112 ◯松本治子保健衛生課長 狂犬病予防注射については、新型コロナウイルス感染症の流行を受け、拡大防止の観点から、令和2年度と令和3年度は集合注射を中止しております。また、狂犬病予防法では、犬の飼い主は毎年4月から6月の間に注射を受けさせることが定められていますが、令和2年度及び令和3年度は、新型コロナウイルス感染症の蔓延による影響を鑑みて、12月までに受けさせればよいことに変更されました。
このように、新型コロナウイルスの流行状況並びに感染予防対策の効果を勘案して、注射が受けられる手法を引き続き研究してまいります。
113 ◯漆原周義委員 ぜひ、よろしくお願いいたします。
最後に、予算説明書265ページ、猫不妊手術費について、お伺いいたします。
この事業の内容と併せて、予算の内訳と実績をお聞かせください。
114 ◯松本治子保健衛生課長 この事業は、動物愛護の精神及び動物の適正な飼養の啓発と生活環境の保全を目的として、猫に不妊手術を受けさせた市民等に補助金を交付するものです。飼い主のいない猫を減らしていくために、地域住民に共同で管理されている地域猫に対しては、雄1匹につき1万円、雌1匹につき1万5,000円を交付しており、地域猫以外の猫に対しては、1匹につき3,500円を交付しています。
予算の内訳は、地域猫分が65万円、地域猫以外の猫が900匹分、315万円です。令和元年度における実績は、地域猫が54匹、56万1,670円、地域猫以外の猫が315万円でした。
115 ◯漆原周義委員 多くの補助金申請があり、予算が不足した場合はどうなるのでしょうか。同じように補助金の交付を希望し、受けられる人と受けられない人、こういう差がもし出たとしたら、事業の趣旨としてはいかがなんでしょうか。不足分については予算を増額することも考えるべきではないかと思いますが、考えをお聞かせください。
116 ◯松本治子保健衛生課長 対象を猫のみとした平成28年度から令和元年度まで、地域猫については予算を超える交付希望はありませんでした。地域猫以外の猫については、年度末に予算分の交付を終えた後、数件の問合せがありました。令和2年度は、地域猫、地域猫以外の猫とも予算額内となる見込みです。令和3年度についても、令和2年度と同額を計上しており、今後も、交付希望数の推移を踏まえて、適切に対応してまいります。
117 ◯漆原周義委員 これまで交付額を超える申請がなかったということですけれども、たまたまということも考えられます。今後、もし予算をオーバーするような申請があった場合は、やはり事業の趣旨として、受けられる人と受けられない人の差が出ないように、予算の増額についても手法を検討していただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
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118
◯岩本優祐委員長 午後1時30分まで休憩します。
(午前11時46分 休憩)
(午後1時30分 再開)
119
◯岩本優祐委員長 委員会を再開します。
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120
◯岩本優祐委員長 次に、田中優子委員の質疑を許可します。田中委員。
121 ◯田中優子委員 11番目ということもあり、重なる質問もありますが、私どもの視点で質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
予算説明書の197ページに、「新しい生活様式」に係る高齢者のICT利用促進事業経費として、約1,500万円が計上されています。
この事業を進めるに当たっては、昨年、65歳以上の高齢者約11万2,000人を対象に通信機器の利用に関するアンケート調査を行い、約5万2,000人から回答を得たということです。2月の市民福祉委員協議会では、その結果を基に、スマホを購入する際に一定のアプリのダウンロード等を行うモニター制度を実施するとともに、広く高齢者を対象としたサポート体制を構築すると、この事業についての説明がありました。会派としても要望しておりました。
そこで、アンケート調査の結果がこの事業にどのように生かされているのか、お伺いします。
122
◯吉田章伸地域健康福祉室課長(
長寿・
介護保険担当) アンケートでは、通信機器を持っていないという回答が全体の1割強で約5,800人。いわゆるガラケーのみを持っているという回答が2割強で約1万1,600人となっておりました。そのうちスマホの購入意向がないと回答した方については理由をお聞きしておりまして、「必要性を感じない」が約6割、「使い方がわからない」が約4割でした。
そこで、通信事業者の協力の下、いわゆるスマホデビューの際、ひらかたポイントアプリのダウンロード等を行いまして、ポイントをためたり使ったりしながらスマホに慣れ親しむことで、利便性を実感していただきたいと考えております。
さらに、スマホを保有していても十分に利用できていない高齢者を含め広くサポート体制を構築することで、使い方が分からない方をフォローしながら、新しい生活様式の実現につなげていきたいと考えております。
123 ◯田中優子委員 この事業については、アンケート調査の結果から見て、スマホの必要性を感じないと回答した高齢者の方にどれだけ必要性を感じていただけるかが鍵になると思いますが、今後の事業展開について、どのように進めていこうと考えているのか、お伺いします。
124
◯吉田章伸地域健康福祉室課長(
長寿・
介護保険担当) 複数の通信事業者にサウンディングを行った結果、店舗でのアプリのダウンロード等については無償での協力が可能との回答を得ておりますが、こうした取組に加えまして、スマホの必要性を感じない高齢者に少しでも興味を持っていただけるよう、モニター制度の実施に合わせて通信事業者から講師の派遣を受けまして、高齢者にとって身近な老人福祉センター等でスマホ体験教室を集中的に開催したいと考えております。
今後も、スマホの無償貸出しなど、通信事業者からさらなる協力が得られるよう、引き続き取り組んでまいります。
125 ◯田中優子委員 今回の事業については、できるだけ多くの高齢者が日常生活の中でスマホをはじめとしたICT機器を利用できるようにするためのものです。市が進めようとしているICT化や、ほかにも医療や教育などあらゆる分野でデジタル化が進み、デジタル機器やサービスをうまく活用できないと、今後の日常生活に影響が及びます。また、税の公平性でも問われることになってしまいます。
そんな中、ICT機器に不慣れな高齢者に対し、会派より要望していたことがこのように反映されたことは一定評価いたします。手だてをすることは必要不可欠です。しっかりと取り組んでいただくよう要望します。
次に、当初予算の概要の新規事業及び改善・充実事業の内容の67ページの聴覚障害児における人工内耳音声信号装置等購入費助成事業について、その概要をお伺いします。
126 ◯藤本久美子地域健康福祉室課長(障害福祉担当) 人工内耳は、補聴器の装用効果の少ない場合、聞こえの神経を音の代わりに電気で刺激し、脳で音や言葉の感覚を得ることができる装置であり、高度難聴児の聴覚獲得のため普及している方法です。また、早い時期に装用すればより効果が期待できるとされていることから、18歳到達年度末までの聴覚障害児の
発達保障と教育的配慮及び福祉の向上のため、人工内耳装置等の買換え購入に係る費用を助成するものでございます。
助成内容としましては、当初の装着及び手術費用については育成医療等の補助がございますが、買替え購入費に対しては、その保護者が属する世帯の市民税所得割額が46万円未満を対象に30万円を上限として助成するもので、市の単費事業となります。
127 ◯田中優子委員 聴覚障害児の
発達保障と教育的配慮、そして福祉の向上のためこの助成事業を実施されるとのことです。このことは、保護者の方の思いを受け止め、我が会派として要望してきたところであり、府下では高槻市で既に子ども未来部で助成を行っていますが、障害福祉部局として初めて助成を実施するものであるとのことで、実施については評価いたします。今後も、必要な方に必要なサービスが届くよう、寄り添った取組を実施してください。
次に、同じく当初予算の概要68ページの意思疎通支援事業について、伺います。
また、そのうち新規事業について、御説明ください。
128 ◯藤本久美子地域健康福祉室課長(障害福祉担当) 意思疎通支援事業とは、法に基づき市町村が実施する地域生活支援事業のうちの必須事業であり、本市では、従来より手話通訳者窓口業務委託、手話通訳者派遣事業、要約筆記者派遣事業、重度障害入院時コミュニケーション支援事業を実施しておりますが、令和3年4月からは、新たに遠隔手話通訳を実施いたします。
この遠隔手話通訳とは、例えばろう者が医療機関で診察を受ける際、従来のとおりに手話通訳者を派遣する代わりに、ICTを活用し、委託先の事業所が持つタブレットと聾者の持つスマートフォンなどの画面越しでの手話通訳を行い、非接触によるろう者と医師などとの意思疎通を仲介するものでございます。
事前予約を基本といたしますが、緊急時には、依頼したその場で手話通訳を利用することが可能となることや、今まで課題であった土日、祝日の手話通訳派遣の依頼受付についても対応が可能となるよう考えており、利便性の向上が図られるものと考えております。
129 ◯田中優子委員 緊急時の対応や土日、祝日にも対応可能となるなど、聴覚障害者の方の生活の利便性の向上のため、この事業をきちんと進めていただきたいと思います。そのためにも、この事業について広く市民の方に知ってもらうよう、よろしくお願いいたします。
以前、私は、国が実施する電話リレーサービスについての周知を要望しましたが、新たなこの意思疎通支援事業と混同され、制度の混乱がないよう、丁寧な説明をお願いいたします。適切な利用ができないと、せっかくの
ツールも利用されないことになりかねず、条例制定に伴い、手話の普及、啓発とともに、遠隔手話についても周知、啓発を行っていただくよう要望します。
次に、予算説明書269ページにある3.母子保健事業経費の(1)妊婦健康診査事業費2億7,880万6,000円について、お伺いします。
妊婦健康診査事業につきましては、昨年6月の定例月議会ほか、我が会派が要望しておりましたが、多胎妊婦の方への拡充が行われるとお聞きしております。令和3年度に拡充される多胎妊婦の方への妊婦健康診査事業に係る事業費とその内訳について、お伺いします。
130 ◯村上朋子地域健康福祉室課長(母子保健担当) 令和3年度に拡充いたします多胎妊婦の方への妊婦健康診査事業費は、132万5,000円です。
支出の内訳といたしましては、妊婦健康診査委託料122万6,000円、里帰りなどにより他府県で受診した際の償還のための補助金5万9,000円、多胎妊婦の方への追加の受診券に関わる印刷製本費4万円となっております。
131 ◯田中優子委員 それでは、今回、多胎妊婦の方を対象に拡充する妊婦健康診査事業の内容について、お聞かせください。
132 ◯村上朋子地域健康福祉室課長(母子保健担当) 多胎妊娠では、妊婦健康診査の回数や超音波検査などの検査が追加で必要な場合があることから、現在、妊娠届出時に配付しております妊婦健康診査受診券14枚、11万6,840円分に加えまして、基本の妊婦健康診査に超音波検査費用を加えた9,820円の受診券を5枚、合計4万9,100円分を追加で配付するものです。
追加の受診券につきましては、14回を超えて実施する妊婦健康診査の助成に限定するのではなく、検査などで追加費用が必要となった際に優先的に使用していただくことで、費用負担を軽減し、多胎妊娠の方が安全、安心に出産できるよう支援するものです。
133 ◯田中優子委員 国が示す多胎妊婦の妊婦健康診査支援事業の内容を見ますと、14回を超える妊婦健康診査に対し5,000円を上限に助成するとなっていますが、本市ではさらに手厚く、先ほどの御答弁にあったように、14回を超えての妊婦健康診査に限定せず、検査等で追加費用が必要となった際に使用可能で、確実に多胎の妊婦さんの費用負担を軽減し、安全、安心に出産できるよう支援するものです。
今回、妊婦健康診査受診券が追加で交付されるということで、妊婦さんの中には14回を超える妊婦健康診査の受診券と勘違いされることも危惧されます、多胎の妊婦さんに受診券を交付される際には、活用方法を丁寧に説明していただくことをお願いしておきます。
また、今までも我が会派から様々指摘、要望させていただいていますが、多胎妊婦の方は出産してからも大変です。人によりますけれども、出産直後の母親の睡眠時間は2時間と言われており、それが数か月続くわけです。多胎児家庭育児支援事業についても、こんにちは赤ちゃん訪問時などに一緒に申込書を記入したりするなど寄り添っていただいたり、利用条件の緩和、拡充も進めていただきますよう要望します。
次に、予算説明書259ページ、特定不妊治療費助成事業経費2億995万円について、伺います。
国政において、我が党は、20年以上にわたり不妊治療の保険適用について取り組み、ようやく国は令和4年4月から医療保険の適用を実施し、保険適用までの間は、その経済的負担の軽減のため、現行の体外受精や顕微授精に対する助成制度を大幅に拡充することになりました。
改めて、拡充される内容について、伺います。
134 ◯上田智子保健予防課長 拡充内容につきましては、所得制限を撤廃、助成対象に事実婚も含まれました。また、治療の状況によりますが、1回の助成額が30万円までと増額され、妻の年齢が40歳未満であれば、1子ごとに6回まで利用することが可能となりました。あわせて、男性不妊におきましても、拡充後はすべて30万円までになりました。
135 ◯田中優子委員 今回の拡充では、所得制限の撤廃や、助成対象に事実婚も含まれることから、対象者数、所要経費は増大すると考えます。
どの程度増大すると想定していますか、お聞かせください。
136 ◯上田智子保健予防課長 所要額、申請件数ともに国の試算を参考にし、所要額は約2.2倍の2億956万円、申請件数は約1.8倍の930件を見込んでおります。
137 ◯田中優子委員 拡充内容について、市民の方により丁寧な周知が必要だと思います。
また、国は、少子化対策として、今回の不妊治療の保険適用と助成の拡充だけでなく、がん治療に伴う不妊についても新たな支援を行うとしています。その内容は、卵子、精子、受精卵、卵巣組織の凍結保存への助成で、対象年齢は男女とも凍結保存時43歳未満とのことであります。がん治療を受ける当事者の方にとって、将来、子どもを持てる可能性が高まります。
実施主体は大阪府と伺いましたが、今回新たに加わるがん治療に伴う不妊についての制度についても、必要な方が漏れなく利用できるように周知が必要です。市としてどのように周知していかれるのか、伺います。
138 ◯上田智子保健予防課長 特定不妊治療費助成事業の市民周知につきましては、市ホームページ、『広報ひらかた』、FMひらかたなどを利用してお知らせしているところですが、今後はSNSも活用する予定です。
また、がん治療に伴う不妊治療につきましては、実施主体である大阪府と連携し、周知に努めてまいります。
139 ◯田中優子委員 次年度、この事業を進める中で、支援の対象から漏れる方に対して、枚方市として独自の制度などを検討していただくことも併せて要望いたします。
次に、予算説明書259ページ、不育症治療費助成事業経費230万円について、伺います。
妊娠はするけれども、流産、死産を繰り返し、結果的に子どもを持てない場合を不育症といい、そのほとんどが原因不明と言われ、一般的には、2回連続した流産、死産があれば不育症と診断されます。正しい検査と治療をすれば、85%の方が出産できることが分かっていますが、検査で約10万円、総額100万円を超える高額な医療費がかかることもあります。
改めて、本市の不育症治療費助成事業の内容について、お聞かせください。
140 ◯上田智子保健予防課長 不育症治療費助成事業の内容は、不育症の治療を受けている市民に対し、経済的負担の軽減を目的に、医療機関で受けた不育症の治療及びその検査に要した医療保険適用外の費用について、1回の申請につき上限30万円までの補助を行っております。
なお、本事業は、令和2年度までは市単独事業でしたが、令和3年度からは、新たに事業の一部が国の補助金事業となる予定です。
141 ◯田中優子委員 令和3年度からは、国の補助金事業となる予定とのことです。
不育症については、国政において、我が党が早くから支援が充実するよう取組を継続させ、本市においても助成事業を推進してきました。今回、国は、不育症について医療保険の適用を目指し新たな助成制度を創設、不育症患者の自己負担軽減を図ることを目的と伺っています。
では、予定されている補助金事業の内容と、これまで行ってきた市の事業に変更があるのか、お伺いします。
142 ◯上田智子保健予防課長 新たな補助金事業の内容は、現在研究段階にある不育症検査のうち、医療保険適用を見据え、先進医療として承認された流産検体を用いた染色体検査のみを助成対象としています。助成額は、1回の検査で上限5万円、国の補助率は2分の1となります。
本市におきましては、これまで助成してきました検査に流産検体を用いた染色体検査も含んでいたことから、事業内容に大きな変更はございません。
143 ◯田中優子委員 不育症患者への支援策については、検査費助成や保険適用の拡大といった経済的負担の軽減が必要であることはもちろんのこと、その症状から、患者の身体への負担は当然のこと、その苦しみは計り知れません。今後、市としてそれをサポートできる体制づくりをお願いしておきます。
以上で、私の質疑を終わります。ありがとうございました。
144
◯岩本優祐委員長 次に、藤田幸久委員の質疑を許可します。藤田委員。
145 ◯藤田幸久委員 皆さん、お疲れさまでございます。それでは、早速、所管分野の4項目について質疑をさせていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。
予算説明書275ページ、13.AED(自動体外式除細動器)普及・啓発事業について、お伺いいたします。
本市は、これまでAEDの普及、啓発に取り組み、市が設置する公共施設をはじめコンビニエンスストアにもAEDを設置されています。令和3年度予算として、(1)AEDコンビニ設置事業費に216万円が、また(2)AED公共施設設置分管理費に126万2,000円が計上されていますが、それぞれの事業内容の取組と成果について、お聞かせください。
146 ◯河田典子健康福祉総務課長 公共施設に設置しているAEDは、夜間や休日は施設が閉館していることから使用できないため、平成27年4月から、24時間営業の市内コンビニエンスストアの協力を得て、常時AEDを設置できる環境整備に努めております。
令和3年2月1日時点において、市内コンビニエンスストア122店舗のうち、病院内に設置され、また既にAEDを独自で設置している店舗等を除いて96店舗に設置し、設置率は87.3%となっております。事業費の216万円は、AED本体機器の賃借料となっております。
また、AED公共施設設置分の管理費につきましては、学校、生涯学習市民センターなど各所管課が負担しているもの以外の市内15か所の公共施設に設置しているAED本体機器の賃借料や、AEDボックス用の電池などの消耗品費を計上しております。
これまでの成果につきましては、平成28年に、光善寺駅で意識不明の方に対し、コンビニエンスストア設置のAEDの活用で意識が回復した事例や、平成29年には、コンビニエンスストアの駐車場で倒れた方に使用し、一命を取り留めた事例がございます。
147 ◯藤田幸久委員 平成28年と平成29年にAEDを活用して2名の方が救助されたことは、事業の効果が発揮されたことであり、高く評価するとともに、何よりも貴い命が守られたことが幸いです。
設置から間もなく6年が経過しますが、今後、AEDの普及、啓発についてどのように取り組まれようとお考えなのでしょうか、お聞かせください。
148 ◯河田典子健康福祉総務課長 AEDの普及、啓発の取組として、これまでから枚方寝屋川消防組合が実施するAEDの使い方を含む救命講習の案内を市としてもホームページ等で広報するほか、AEDについての普及や啓発を行っております。
また、令和元年度には、健康・医療・福祉フェスティバルにおいてメディカルプロレスを開催し、プロレスを通じたAEDの実演会や心肺蘇生講習を行い、新たなAEDの普及・啓発活動にも取り組んでまいりました。
今後も、市民の安全、安心の取組として、新規オープンするコンビニエンスストアへのAED設置など、継続して事業に取り組んでまいります。
149 ◯藤田幸久委員 本市の教育現場では、枚方寝屋川消防本部とも連携をしながら「PUSH~いのちの授業」を実施しています。AEDを設置されているだけで、実際に操作できなければ意味がありません。AEDに対する意識の向上、また、ちゅうちょせず反射的に操作できることが求められます。日常生活において、突然、路上などで倒れている人を発見し、AEDが必要な事態に遭遇した場合、コンビニに駆け込めばAEDがあるという認識と環境が重要です。今後も、引き続き市民の命を守るAEDの普及・啓発事業に取り組んでいただきますよう要望いたします。
次に、たばこ対策事業について、お伺いいたします。
市役所本庁の来庁者喫煙スペースが昨年4月24日から閉鎖、廃止され、新たに市民会館周辺に屋外分煙所が昨年末に設置されました。その後、2月28日の緊急事態宣言解除を受けて、今月1日から運用が開始されました。分煙所の前を通ると、利用されている数人の喫煙者の姿を見受けます。
そこで、予算説明書261ページの12.地域保健対策推進事業費のうちの(1)たばこ対策推進事業15万9,000円と(5)禁煙支援事業費184万4,000円について、お伺いいたします。
それぞれどのような事業内容なのでしょうか、取組について、お聞かせください。
150 ◯栃川和宏地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当) たばこ対策事業経費につきましては、喫煙がもたらす直接的な身体への影響や受動喫煙による影響及び受動喫煙防止に係る啓発など、たばこに関するリーフレット等を作成し、広く市民に啓発を行うものです。
また、禁煙支援事業費は、禁煙の促進を図るため、禁煙を希望する市民が禁煙外来で治療を受け、治療が成功した人に対し治療費の自己負担分2万円を上限とした補助を行うものです。禁煙を促進することは、受動喫煙防止の根本的な解決策につながるものと考えております。
151 ◯藤田幸久委員 昨年9月から禁煙支援事業が開始されましたが、これまで何人の方が禁煙に成功されたのでしょうか。また、令和3年度の取組についても併せてお聞かせください。
152 ◯栃川和宏地域健康福祉室課長(健康増進・介護予防担当) 禁煙支援事業の実績につきましては、開始当初予定しておりました100人に達する見込みで、2月末現在の禁煙治療終了者は94名となっております。また、次年度の治療終了者につきましては、今年度同様、100人を見込んでおります。
取組の工夫としましては、本市の補助額は上限2万円までの補助としており、同様の取組をしています他市に比べると上限額が高く、ほぼ自己負担額の全額が賄えるものとなっております。また、治療中断者が増えないよう、治療期間中に専門職による電話等でのサポートを行うとともに、治療終了後、禁煙が継続している方にひらかたポイントを付与するなど、禁煙継続への支援も行っております。
153 ◯藤田幸久委員 同様の事業を実施している他市と比べて補助上限額が高額であり、事業開始から約半年間の期間で目標の100名に迫る市民喫煙者が禁煙に成功しているという効果を出していることは、高く評価いたします。
また、明後日、3月25日から「煙のない枚方市を目指して」をテーマに、ひらかた健康の集いが始まり、大阪国際がんセンターの田淵貴大医師の講演会動画が市公式ユーチューブにて配信されるのをはじめ、たばこをテーマに市、市民、市内事業者が禁煙、受動喫煙防止などのたばこ対策に取り組んだ内容を紹介した展示会「こんな取り組みしまし展示会」、さりげなく駄じゃれを少しブレンドしたユニークなタイトルの「こんな取り組みしまし展示会」が、4月7日まで本庁別館受付前にて開催されています。ぜひ、御覧ください。
喫煙者の禁煙を推進する施策は、確実に受動喫煙防止につながる施策であり、健康医療都市ひらかたにふさわしい、煙のない枚方を目指して取り組んでいただきますよう要望いたします。
次に、当初予算の概要80ページの牧野長尾線整備事業について、お伺いいたします。
この整備事業は、府道の長尾口交差点、新宇治橋交差点、またJR長尾道踏切周辺の交通渋滞緩和をはじめ、安全、安心な歩行空間の確保、さらに防災機能強化に向けた、地域住民にとって完成を待ち望んでおられる重要な整備事業です。令和3年度の予算額として2億8,433万1,000円が計上されていますが、この予算の内訳について、お聞かせください。
154
◯森 清太郎道路河川整備課長 予算内訳につきましては、工事請負費として、府道交野久御山線から市道長尾京田辺線までの道路整備工事に要する経費、土地購入費として、事業用地の買戻しに要する経費、工事負担金としては、整備工事に係る電柱移設に要する経費です。
155 ◯藤田幸久委員 令和3年度の予算内訳については、一定理解いたしました。
本事業は、平成27年に令和3年3月までの事業認可を取得し、事業を進めてこられたわけですから、順調に進んでいるのなら既に完成は目前のはずですが、現実は遅れている状況です。
そこで、お伺いいたしますが、どのような原因で事業が大きく遅れているのでしょうか。また、今後の取組について、お聞かせください。
156
◯森 清太郎道路河川整備課長 整備スケジュールの進捗につきましては、平成27年3月に事業認可を取得して以降、順次、用地取得や道路整備工事、また関係機関や地域の皆様との協議、調整を進めているところですが、用地取得に係る地権者との協議、調整などに時間を要しているため、当初スケジュールの進捗に遅れが生じています。そのため、今年度、事業変更認可において、令和8年3月までの期間延伸の手続を行いました。
今後も、引き続き国庫補助金など効果的な財源の確保を図るとともに、事業スケジュールの工夫等により、早期の事業効果の発現の観点も踏まえながら、計画的に進めていく考えです。
157 ◯藤田幸久委員 5年間の期間延伸により事業が停滞している間、周辺の交通環境も刻々と変化し、新たな渋滞などの問題が発生することも考えられます。用地取得に係る地権者との交渉や効果的な財源確保など、担当部署の職員の皆さんには並々ならぬ御苦労があると察しますが、当該地域の交通渋滞緩和、安全確保のためにも、一日も早い完成に向けて全力を挙げて取り組んでいただきますよう要望いたします。
最後に、地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムモデルへの支援について、お伺いいたします。
予算説明書323ページに、12.地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムモデル事業経費として86万円が計上されています。この経費は、ボランティア輸送を支援するための事業であるようですが、近年、国においてもルール整備をするなどして、ボランティア輸送の促進に向けた全国的な動きもあるようです。
そこで、お伺いいたしますが、令和3年度予算で同事業経費を計上し、地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムの検討をしている支援の一つとして、ボランティア輸送を支援することになった経緯をお聞かせください。
158
◯佐々木麻奈土木政策課長 地域からの声や他市の事例も検討したところ、自家用車を使用したボランティア輸送については、安全、安心な輸送形態と継続的なドライバー確保が近年、全国的な課題となっておりました。
このことから、本市では、専用自動車保険の加入や国が認定する運転者講習会の受講費用を市が負担することなどにより、地域共助の移動支援サービスを支援するものです。
159 ◯藤田幸久委員 ボランティア輸送に関する全国的な状況を踏まえ、本市の支援策を検討されていることについては理解いたしました。
ボランティア輸送においては、ボランティアの方がいる地域などでは、本市が作成する補助メニューに合致していきますが、その一方、ボランティアの活動家がおられない公共交通不便地域などでは、補助メニューを活用することは難しく、高齢者などの移動手段の確保につながっていかないと考えます。
そこで、お伺いいたしますが、高齢者などの移動支援策として、今後、ボランティア輸送も含め、地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムの検討支援をどのように進めようとされているのでしょうか、お聞かせください。
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◯佐々木麻奈土木政策課長 ボランティア輸送においては、運行している地域の特性や、ニーズに合っているのかなど効果検証を行いながら、継続、発展できるように取り組みます。また、ボランティア輸送は地域支援・自主運行型コミュニティ交通システムの一つであり、ボランティア輸送以外の支援策についても、他市事例などの情報収集を行いながら、地域協働で検討していきます。
161 ◯藤田幸久委員 来年度にボランティア輸送の支援を試行的に実施されますが、今後も、様々な視点を持って、持続可能な地域主体型の公共交通不便地域の移動支援に取り組んでいただきますよう要望いたします。
以上で、B日程の質疑を終了します。ありがとうございました。
162
◯岩本優祐委員長 これをもって質疑を終結します。
163
◯岩本優祐委員長 以上で、
予算特別委員会を散会します。
(午後2時5分 散会)
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