3.香里ケ丘図書館と東香里分室について。
新しく香里ケ丘図書館が完成しても東香里地区の住民には利用しにくく、日常的に利用するのは困難です。歴史的には、昭和49年に香里ケ丘図書館が完成し、続いて東香里分室が開室しました。必要ということで東香里分室の建設に至ったわけですから、3)の香里ケ丘図書館の圏域内にあるので閉室というのは無理があります。資料として、東香里分室から香里ケ丘図書館への地図というものを載せております。
最後に、地域住民にとって閉室という大きな変化を生じさせる問題ですから、申しわけないが閉室させてくださいという姿勢があって当然にもかかわらず、中央図書館側は説明責任を果たさず、協議拒否という態度に憤りを感じます。これで公述を終わります。
7 ◯・・・・
請願者 東香里分室の存続を願う会の・・です。公述の機会を与えていただき、感謝しております。
今回、私たちは、図書館東香里分室の存続を願う8,833人分の署名とともに、議会に請願書を提出いたしました。私たちの請願の趣旨をお伝えします。
その前に分室とは何かについて、説明させていただきます。
分室とは、地域の中にある小さな図書館です。地域にある郵便局のようなものです。誰もが気軽に歩いて行ける距離にあり、そこでは、お母さんが子どもに絵本を読み聞かせたり、司書の方のおはなし会や工作教室のようなお楽しみもあります。高齢者が歩いて散歩のついでに本を借りたり、予約すれば枚方市内の図書館はもちろん、深く知りたいという要求に応えるために、国会図書館や遠くの図書館からも、インターネットを駆使して貴重な本を届けてくれたりもします。それは、まさに知の宝庫のようなものであります。
そんな大事な私たちの分室が、今、香里ケ丘図書館の完成後、廃止の方向で進んでいます。枚方市の廃止理由の説明では、1)東香里分室は香里ケ丘図書館の1.5キロメートル圏域内に入っている、2)利用者の数が少ない、3)分室存続に経費がかかり過ぎるという3点でした。
残念ながら、その説明は納得できるものではありません。この説明の問題点を述べます。
まず、距離の問題です。
東香里地区は、枚方市の中で5番目に高齢者の多い地区です。高齢者の足で、地図上では直線距離1.5キロメートル、実質は2.4キロメートルの坂道だらけの道のりを歩いていくことは不可能です。また、子どもたちは校区外になるため、当然行けません。小さなお子さんのいるお母さんも気軽に行くことはできません。自家用車のない人は、図書館の利用が実質できなくなります。そして、バスに乗って行けば途中で乗りかえなければならず、弱者を無視した決定と言わざるを得ません。
次に、利用者が少ないから廃止という点です。
東香里分室の利用者は本当に少ないのでしょうか。中央図書館から出された延べ利用者数によると、平成28年度は9,586人、平成29年度は1万1,156人と、なんと16%の伸びを示しています。中央図書館はこの伸びを香里ケ丘図書館建てかえのため近くの分室に利用者が分散したからと説明していますが、その影響はわずか1カ月のみです。東香里分室の利用者が少ないというのは明らかに間違いです。
このようにしてつくられたデータで廃止というのは無謀です。初めから廃止ありきのデータではないでしょうか。しかも、これは、東香里分室の大きな特徴でもあるのですが、7歳から12歳の学童期の子どもが全体の15.5%、60歳から69歳のシニアが20.5%を占めています。利用者は子どもとシニアが多いのです。分室が絶対に必要なまちであることは言うまでもありません。
次に、分室存続に経費がかかり過ぎるという問題点です。
中央図書館は当初、約1,000万円かかると言われていました。ところが実際は約674万円でした。
私たち存続を願う会は、かなり前から、分室を存続していただけるのなら、この費用を少しでも浮かす工夫を提案しております。それは、ボランティアがカバーすることで人件費を減らす、このボランティアは個人情報とかの研修を受けた者とする、開室日を減らすなどです。しかし、閉室は決まっているの一点張りで、話し合いに頑として応じてくれません。住民の声が全く届かないのはなぜでしょうか。私たちは無理難題を言っているのではありません。今ある地域の小さな図書館を残してほしいと訴えているだけなのです。
AIが活躍する世の中です。子どもたちに今、本当に必要な力は、考える力と読解力だと言われています。まちの小さな図書館が大きな力を発揮すると思うのです。
最後に、私たちのこの願いを市長にお届けしたいと思っております。少しでも思いを聞いていただきたいと努力を重ねました。現に、なぜ市長に直接会って真意を聞かないのかという声が内部で上がっております。住民の声に耳を傾けるのが市長の仕事ではないかという声です。市長は市民の声を聞いて市政を進めるのが原則なのではないでしょうか。
遠くにある立派な図書館よりも近くの分室が私たちにとって必要なのです。分室は将来の子どもに知的財産を残し、たくさんのシニアに健康寿命を保証するものです。何とぞ、分室存続の方向で論議をよろしくお願いいたします。
8
◯丹生真人委員長 これをもって
請願者の意見陳述を終結します。
9
◯丹生真人委員長 次に、
請願者及び紹介議員に対する質疑を行います。質疑はありませんか。野村委員。
10
◯野村生代委員 どうもありがとうございます。
1点だけお聞きしたいのですが、先ほども・・さんのほうからありましたように、(4)のところ、「東香里分室は、平成29年度の利用者は確実に増加しております。伸び率は10%強です。(これは、香里ケ丘図書館リニューアルの建てかえに伴う休館による分散の影響での増加分を除いた数字です。)」と書いてあります。
堤委員が取り寄せられた全体資料の中に参考資料1が入っているんですけれども、統計資料の延べ利用者数のところを見せていただきますと、確実に利用者は、平成29年度、平成30年度は伸びていると思います。ただし、そこにはト書きがありまして、ここは貸出冊数のことになっているんですけれども、「平成29年度~30年度にかけて、貸出冊数が大きく増加している分室は、香里ケ丘図書館の建て替えに伴う休館により、利用が分散したためと考えられます。」ということです。
伸び率が10%強で、「リニューアルの建てかえに伴う休館による分散の影響での増加分を除いた数字です。」と書いていらっしゃいますので、具体的に教えていただきたいと思います。
11 ◯・・・・
請願者 令和元年7月にいただいた資料で、やっと延べ利用者数というのを出していただきました。それまでは実利用者数だったんです。
私はびっくりしたんですが、それによりますと、平成28年度から平成29年度にぐっと伸びております。パーセントでいうと16%。きのう調べました資料によりますと、平成30年度はもう一つ伸びがあります。1万2,530人に増えております。そして、このときにいただいた資料の下に、「平成30年3月から香里ケ丘図書館は建替えのため休館」と書いてあります。予約図書の受け渡しは3月25日まで実施している。
これでいきますと、皆さん、平成29年度というのは、平成29年4月から平成30年3月までですね。この説明によりますと、平成30年3月から香里ケ丘図書館は建てかえのための休館。しかも、予約図書の受け渡しは3月25日までやっていたということは、ここに入っている数字は、ほとんど香里ケ丘図書館の建てかえとは関係のない数字だと思うのです。つまり、1カ月もしくは5日間ぐらいは、香里ケ丘図書館を使っていた、行くところがなくなった人が東香里に来たかもしれません。だから、これは、1万1,156人というのは実質的な伸びです。
でも、私が本当に納得いかないのは、中央図書館が出した資料は後からよく見れば関係ないのに、これは香里ケ丘図書館の建てかえのための休館で増えたんだとか。それは違うということに気がつきました。もうちょっと言わせてもらってもいいでしょうか。
12
◯丹生真人委員長 請願者の方、質問に対しての答えだけであります。
13 ◯・・・・
請願者 質問に対してはこれだけです。以上です。
14
◯堤 幸子委員 請願要旨の中に、地元との協議の話が(2)で入っているんですけれども。この協議が今までされていないということだったんですが、昨年、請願を出されていると思うんですけれども、その後も説明会や図書館からの説明とか協議はなかったのか、お伺いしたいと思います。
15 ◯・・・・
請願者 これが私の一番言いたいところです。地元への説明は全くありません。その経過をまとめてきました。
昨年の3月、つまり2019年3月の請願審査の際に中央図書館から出された資料によると、実利用者数として驚くような数字が出てきました。平成27年度は706人、平成28年度はコンピューターの入れかえのために資料はない、平成29年度はたったの236人。私は1週間に4回開いている図書館に2回は行っています。年間で言うたら、いわば80回は行っています。なんで236人という数字になるのだろう。驚きました。
それともう一つ、予算は1分室約1,000万円で、これも規模の違う分室でもおしなべて同じ額が示されていました。
16
◯丹生真人委員長 済みません、
請願者の方。説明会等はあったのかどうかという質問ですので、そのことに関するお答えをお願いします。
17 ◯・・・・
請願者 申しわけないです。言いたいことが山ほどありまして、ついでに言ってしまいました。
最初に言いましたように、地元への説明は全くありません。私たちが聞いただけです。そして聞いただけで何かそれで終わりという形で、地元への説明は全くないということです。正しい利用者数も知らせないで閉室を決めるのはおかしいと思います。
18 ◯・ ・・
請願者 堤委員の資料、東香里分室の見直しに向けた地域との協議の状況についてを見ているんですが、ナンバー1から8までの1の平成29年11月29日。結論から申し上げて、昨年3月7日の
文教常任委員会で、住民ともっと話し合いをしなさい、説明をちゃんとしなさいという御指示があった。その後は全体の住民に対する説明会というのはありません。
それで、協議はこの中の6、令和元年5月7日、東香里校区コミュニティ協議会役員、それから11月12日に同役員。これはこう書いてありますが、これに出席した会長からは特段のこういうことがあったというトピックスというのは聞いておりません。それから、平成30年3月25日、平成30年6月24日、平成30年8月22日、平成30年11月6日。この辺は全部、私は出ておりますが、これは説明会であって地元の協議というのはありません。それから先ほど申し上げたように、昨年3月7日の請願審査の後、全体に対する説明会というのは行われておりません。
ですから、約1,000万円が約674万円になったと。そういうことはわれわれがニュースで住民に、また、各自治会のほうで回覧を回してくれて、あるいは掲示板で知らすということが実情かと思います。以上です。
19
◯丹生真人委員長 他に質疑はございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)これをもって
請願者及び紹介議員に対する質疑を終結します。
20
◯丹生真人委員長 暫時休憩します。
(午前10時23分 休憩)
〔
請願者及び請願紹介議員傍聴席へ〕
(午前10時25分 再開)
21
◯丹生真人委員長 委員会を再開します。
22
◯丹生真人委員長 次に、理事者に対する質疑を行います。質疑はありませんか。長友委員。
23 ◯長友克由委員 それでは、請願
文書表を読ませていただいたところで幾つか疑問点がありますのでお聞きしたいと思います。
今、
請願者もおっしゃられたんですけれども、この請願要旨の(1)では、説明会等への参加者に対する市からの回答がなかったと。また、(2)の記述では、市は協議をしなかったり拒絶したりしたとのことです。
これについては、どのような状況であるのか、お聞きします。
24 ◯辻本雅一社会教育部次長兼中央図書館長 香里ケ丘図書館周辺3分室の見直しにつきましては、校区コミュニティ協議会役員や自治会役員、周辺住民の方々等に対しまして、説明や御意見を伺ってきました。各地域ごとに4回から8回程度行っております。このほかに、地域の方が中央図書館に来館や電話などをしていただくこともございましたが、その都度、時間をとってお話し合いに応じてきたところでございます。
また、説明会において回答するととともに、要望書に対しても書面にて回答しております。
25 ◯長友克由委員 次に、請願要旨(5)の記述では、1名で分室の運営をしている市があるとのことです。これについて、枚方市との違いなどについて、お聞きします。
26 ◯辻本雅一社会教育部次長兼中央図書館長 1名の職員で運営されている市にお聞きしているところでは、何かのときには中央からの応援などで運営されているとのことでございます。また、休憩時間の利用者対応がなかったり、おはなし会や読書会などの読書支援に係るサービスがないという状況でございます。
情報セキュリティーを含む防犯上やサービスの質、公平性の観点から、本市としましては採用できないと考えております。
27 ◯長友克由委員 要望に対しての回答や話し合いもされているとのことです。また、分室の運営については、防犯上やサービスの質の問題について理解いたしました。図書館分室についても、今回の市の判断は一定いたし方ないところもあるかとは思います。
しかし、今後、枚方市の魅力向上につながるよう、香里ケ丘図書館の運営など検討を進めていただきますよう要望して終わりたいと思います。
28
◯野村生代委員 2月18日の文教委員協議会での理事者からの説明では、香里ケ丘図書館が8月に開館してから6カ月後の2月に、3分室とも閉室するとのことでした。猶予期間を設けたとはいえ、分室を御利用されている市民の皆さんにとっては、本当にショックなことだと思います。
文教委員協議会の説明では、3分室とも一定理解をしていただいているということでしたが、今回の請願では、東香里分室の存続を求められています。他2分室と分けて、東香里分室の見直しを猶予期間後に決定されてもいいのではないかと思うのですが、元々、香里ケ丘図書館建てかえによる分室の閉室なので基準に沿って行われるということで、3分室の閉室になっているということです。ですので、分けて考えることはできないということでした。
さて、これまで東香里分室について説明や協議を行ってこられたということですが、先ほど長友委員からも質問がありましたが、
請願者の方からは、そういうことは全然協議していないということです。とりあえず、どういう協議をいつから始め、どのような内容を話されたのか、伺います。
29 ◯中道直岐中央図書館副館長 香里ケ丘図書館周辺3分室の見直し等の地元への説明につきましては、平成29年6月から各地域ごとに4回から8回程度行っております。東香里につきましては、8回でございます。
いただいた御意見につきましては、本のある新たな居場所づくりの支援は図書館サービスが期待できない、地域でやるには負担が大きいという御意見や、香里ケ丘図書館は遠くて利用できないという御意見、予約図書を受け取りたい、自動車文庫に来てほしい、将来世代に負担を強いないという行政の考え方に賛同する、地域も本のある新たな居場所づくり支援に協力すべきという御意見もございました。どの地域にも共通して、自動車文庫の運行や予約の本の受け取り希望がありました。地域などとは自動車文庫の駐車場所の確保についても御相談、協議させていただいてきたところでございます。
30
◯野村生代委員 ただいまの答弁では、各地域と説明会や協議を行ってこられたということでしたが、東香里を利用される存続を願う会の皆さんも、今、
請願者からお話しがありましたように、自治会としての協議は拒否されたとか具体的な協議はなかったとおっしゃっていました。これは、幾ら市側が協議したということであっても、やはりその誠意が見られなかったのではないかと、今、強く感じているところです。
一応、前回の2月18日の文教委員協議会で示されたところでは、東香里分室に関しては活用に関して協議を継続していくということですが、今後、市は各地域の誰とどんな協議をしていこうと考えておられるのか、お伺いします。
31 ◯中道直岐中央図書館副館長 協議につきましては、校区コミュニティ協議会や自治会と、今後の自動車文庫の停車場所や日時を協議するとともに、東香里分室につきましては、分室のスペースは市の所有物となりますので、活用方法について協議させていただきたいと考えております。
32
◯野村生代委員 さて、自動車文庫のことですけれども、市民からの意見を取り入れて、閉室後の代替サービスを予約図書を受け取ることができる自動車文庫で行うとのことです。自動車文庫がどのようなものであるのか、ふだん利用されていない市民にはよくわからないということもありますので、自動車文庫に積載している図書にはどのようなものがあり、どのくらいの冊数があるのか、お伺いします。
また、先日の文教委員協議会の場では、自動車文庫は2週間に一度の巡回で、停車時間も他の自動車文庫ステーションと同じ停車時間で行うとのことでしたが、平均滞在時間としては50分から1時間との答弁だったと思います。
自動車文庫については、利用者も何かの用事で行けないときが出てくると思います。1回行けないと、2週間ごとの巡回が1カ月になってしまいます。利用できない人も一定いるということです。やはり、毎週巡回するとか、停車時間を延ばすなど、地域の利用者に寄り添った運用をすべきだと思いますが、その点についてのお考えを伺います。
33 ◯中道直岐中央図書館副館長 自動車文庫ひなぎく号に積載している図書は約3,000冊ございます。1BOX貨物車カワセミ号は約600冊ということになります。これらの図書につきましては、子ども向けの絵本や図鑑、大人向けの料理や趣味、小説など、さまざまな図書を積載しております。その積載内容につきましては、季節や行く場所に応じて積みかえ作業も行っております。また、自動車文庫では、図書館司書が乗車しており、予約された図書の受け渡しやレファレンスサービスなども行っております。
次に、巡回回数や滞在時間などにつきましては、他の巡回ステーションに影響がない範囲で、議員からの御指摘や地域の要望も踏まえまして、閉室する分室周辺の方が利用しやすい方法について検討してまいります。
34
◯野村生代委員 次に、交通手段についてですが、東香里分室や他の2分室からは、バスを乗り継がないと香里ケ丘図書館には行けません。示された地図でもなかなか遠いということですが、これは、本を借りるのに、費用面でも移動面でも市民に負担を強いることになります。
東香里分室等を利用されている利用者がもう少し簡単な方法で香里ケ丘図書館まで行く方法はないのか、お伺いします。
35 ◯中道直岐中央図書館副館長 香里ケ丘図書館への来館手段につきましては、今までの香里ケ丘図書館にはなかった駐車場が11台分、自転車置き場は約50台分を新たに設置いたします。また、近隣商業施設の送迎サービスを紹介するとともに、公共交通機関であるバス事業者にもルート変更などの要望をしていきたいと考えております。
36
◯野村生代委員 自動車文庫には司書が乗車しており、レファレンスにも応え、季節や地域に応じて図書を積みかえるとのことです。自動車文庫の巡回の頻度や停車時間など、地域の希望に沿えるような検討をぜひお願いしたいと思います。
また、12月定例月議会の番匠議員への答弁で、市側は「閉室後につきましては、地域の
集会所等に図書館から図書を配本する本のある居場所づくりについて、提案を行っています。」と答えられています。閉室後の場所を地域で居場所として利用したいということになれば、図書館としても確実に支援をしていくようにお願いいたします。
私としましては、新しい香里ケ丘図書館には大きな期待を寄せているところです。孫を連れて行っても、中でゆっくりするほどの場所も今まではなかったので、中央公園みどりの広場と一体的に利用できることなど、新しい香里ケ丘図書館を楽しみにしているところです。
だからといって今まで近くにあった分室が閉室となると、途端に困る地域の人がおられるわけです。市民サービス向上ということで香里ケ丘図書館が建てかえられると思いますが、片や閉室によって市民に負担を強いていることになっています。今後行われる協議については、これまでのような形ではなく、堤委員の全体資料に示されているものはコミュニティ協議会役員の方とかが非常に多いと思うんですが、自治会という答弁も先ほどありましたので、やはり各自治会との話し合い、協議を、誠意を持って行っていただくことを強く要望といたします。
また、新しい香里ケ丘図書館については、地域の皆さんに親しんでいただけるような運営をしていただくとともに、誰もが行きやすい交通手段の確保、先ほど要望もしていくということでしたので、しっかりと検討していただきますよう要望して私の質問を終わります。
37
◯堤 幸子委員 今、さまざま説明会のことなどを言われていたんですけれども、私からは分室について、全体資料に基づいて聞きたいことがあります。
いただいた資料の中で、左側に平成31年3月7日実施
文教常任委員会資料と右側に統計資料、参考資料1というのがあるんですが、ここで左側の資料の下のところが実利用者数、右側は延べ利用者数になっています。
これは先ほどから言われているとおり、平成28年度にこの実利用者数が出なくなったから延べ利用者数に変えて出された資料だと思うんですけれども、そもそも平成29年に策定された枚方市立図書館分室等の見直しに関する基本的な考え方は、この実利用者数に基づいて1,000人を割っているので見直しを検討するとなっています。この実利用者数というのはそもそもどのようなもので、それによって何がわかるのか、お伺いしたいと思います。
先ほどから出ていますけれども、こうした資料の変更があったということで、資料の変更に基づいて地元への説明会を行ってきたのか、この点について、お伺いします。
38 ◯中道直岐中央図書館副館長 実利用者数とは、年に一度でも本を借りたことがある人数をカウントした数字となります。市立図書館の利用状況を把握するためのものとなります。コンピューターリプレースに伴いまして、これまでと同じ数字がとれなくなったことから、延べ利用者数での表を作成しております。また、この延べ利用者数に関しましては、これまでから公表してきている数字でもあり、改めて説明会を開く考えはございません。
39
◯堤 幸子委員 延べ利用者数はこれまで公表していたから説明はしないということですが、そもそも見直し計画を出すときの数字と変わったんだから、先ほど、地元の人が掲示板に張ってお知らせしたと言っていましたけれども、やはり本来、それは図書館がする仕事ではないですか。見直し計画を出して閉室するという方向と言っているんだから、そこは資料が変わったのであれば、今、野村委員もおっしゃられましたけれども、もう少し丁寧に進めていかないと地元の住民の人は本当に不信感が募るばかりだと思います。だから、こうした請願という形で出てきたんだと思います。
この実利用者数は、委員会の前に忙しくてヒアリングができなかったのでお伺いしたんですけれども、年に一度でも本を借りたことのある人数をカウントした数字ということなんですが、先ほどの週に2回行くというように、同じ人が何回も図書館を利用して本を借りた場合はどのようになるのか、お伺いします。
40 ◯中道直岐中央図書館副館長 同じ人が何回も、週に1回であったり2回であったり来られたものが積み上がった数字というものが、延べ利用者数ということになります。
41
◯堤 幸子委員 そもそも実利用者数は同じ人が何回も図書館を利用してもカウントされなかった数字で、本来、図書の貸し出しカードを登録した人が枚方市で全体で何人あるか。そのカードを1回でも利用した人にどう使ってもらっているかというのを見きわめる、実利用者数というのはそういう数字であって、本来、分室や分館のそれぞれの実際の利用状況ではないということがわかっていながら、最初の資料に延べ利用者数を出さずに実利用者数で1,000人以下としたところが、やはりこれは検証の仕方がおかしいと思いますので、この見直しそのものが間違っていたと意見させていただきます。
あと、香里ケ丘図書館がリニューアルした後の利用圏域を1.5キロメートルとされて、利用圏域が重なっているということで3分室の閉室を決められたということですけれども、この利用圏域を1.5キロメートルにした根拠と、どこでどのように議論をされたのか、お伺いいたします。
42 ◯中道直岐中央図書館副館長 図書館の圏域につきましては、徒歩や自転車で行ける範囲との考えから、半径1から1.5キロメートルと想定してサービス展開をしてまいりました。今回は建てかわる香里ケ丘図書館の閲覧室が約2倍になることなどから1.5キロメートルとしております。このことにつきましては、庁内のみならず、社会教育委員会議、教育委員会協議会でもお示ししながら進めてきたものでございます。
43
◯堤 幸子委員 ここで、今、答弁を聞きながら、やはりおかしいと思うのが、徒歩や自転車で行ける範囲。自転車で行けない人には、この1から1.5キロメートルは厳しいということになると思います。また、なぜ、香里ケ丘図書館の閲覧室が2倍になると利用圏域が広がるのか。この説明も全く意味不明なんですけれども、ここを御答弁いただきたいと思います。
あと、庁内だけではなくて社会教育委員会議とか教育委員会協議会で示してきたとおっしゃられましたけれども、そこで利用圏域についての議論をしてきたわけではないのでしょうか。利用圏域というのは、近隣の分室の閉室ありきで決められたとしか思えませんが、地域の実情に合わせて、社会教育委員会議なり教育委員会協議会で議論をされて決定するべきではなかったのか。以上、お伺いいたします。
44 ◯中道直岐中央図書館副館長 香里ケ丘図書館につきましては、閲覧室が2倍に広がる、また開館時間も1.5倍に延びるということもありまして、利用の範囲が広範囲に広がると、そのように考えております。また、その議論というところにつきましては、圏域だけではなくさまざまな観点の議論をしておりまして、地域からいただいた御意見にはどんなものがあったのかという、そういった御指摘であるとか、御意見はいろんなものをいただいております。
45
◯堤 幸子委員 利用圏域そのものの議論はされていないということですよね。それについて、地域の実情に合わせて、先ほども地図を出されましたけれども、これを見たらとても歩いてなんて行けないんですよ。歩いて1.5キロメートルで、歩くことも大変な方もおられますけれども、坂もあって、本当に歩いてはなかなか行けないし、行こうと思わないと思います。歩く方法しかない方はですけれども。
そうしたところの議論が、そもそも枚方には図書館協議会などがありませんので、しっかりとした議論が行われていないまま見直し計画が策定され、この枚方の宝物であった分室が閉室されるというところは本当に納得できません。この利用圏域というのは、新しい図書館が大きくなったからとか、閲覧室が広がったからとか、そこにたくさん来てもらえるから広がるというものでは本来ないと思います。そこももう一度検討し直すべきだと、この点も言わせていただきます。
あと、資料の3となっているところです。後ろのほうに年齢構成があるんですけれども、先ほど
請願者の方からもありましたけれども、分室年齢別利用状況を見ますと、今回、東香里分室の7歳から12歳までの利用というものが17%を超えて、ここで60歳以上の人と合わせると5割を超えるんです。これは、利用していた子どもたちや車などを利用できない高齢者の方はどこに本を借りに行けばいいと考えているのか、お伺いします。
46 ◯中道直岐中央図書館副館長 代替サービスとして巡回いたします自動車文庫の利用やその他近隣の図書館施設の利用、宅配サービスなどの利用、インターネットの活用などについて、お勧めする考えでございます。
47
◯堤 幸子委員 分室の役割を全く考えていない御答弁なんですけれども、分室というのはただ本を借りたり貸したりするところではなくて、子どもたちが行く理由の中には、本の読み聞かせとか司書の方との触れ合い、また、高齢者の方にとっては、そこでいろんなお話ができる、そうした居場所としての役割もすごくあるわけなんです。だから、利用できなくなった人たちの市民生活は本当に低下してしまうと思います。結局、香里ケ丘図書館に行けないのですから、先ほど言っていました実利用者数、これも低下していきます。そうすると、枚方の市立図書館全体の利用が減っていくと全国から見られる、こうしたことになるんですね。
本来は、この実利用者数、行っていただく方を増やす、借りていただく方を増やしていくという方向で図書館行政を進めていくのが本当だと意見をさせていただきます。
次に、協議の問題ですけれども、先ほどからも各委員さんから言われていて、私も資料を出していただいてびっくりしましたけれども、平成31年3月に前回の請願が出て以降、役員さんとのみ、しかもコミュニティ協議会の役員会でもなく役員のみ、自治会役員さんのみで、全く地域住民との協議がされていないということ。これは説明会をしてほしいと請願の中にもあったと思うんです。それを実行していない。これは本当に不親切、もう本当に丁寧さを欠いた対応だと思います。
請願要旨の中に気になったところがあるんですけれども、話し合いをしたいと地元の人が言ったときに拒絶をされたと書いてあったんですけれども、これは地元の方が中央図書館まで来られて話をしようとしたときに、どうして話し合いに応じなかったのか。普通のどこの窓口でもそうだと思うんですけれども、市役所はどんな人が来ても応対するんですよね。それは市の窓口、公務員として当然だと思うんですが、なぜ話し合いに応じなかったのか、お伺いします。
48 ◯中道直岐中央図書館副館長 中央図書館に会長とか役員だけで来られることや団体で来られることもございましたが、それにつきましてはそれぞれ時間をとりまして、別部屋も設けたりしながらお話は伺ってきたところでございます。
49
◯堤 幸子委員 拒絶する姿勢を見せたと書いてあるんですけれども、ここの説明をしてほしい。
(傍聴席で述ぶ者あり)
50
◯丹生真人委員長 傍聴人の方、静粛にお願いたします。
51 ◯中道直岐中央図書館副館長 御来館いただいたときには、会長を含めいろいろな方の御意見につきましてはお聞かせいただき、また、こちらからの意見も言わせていただき、そのあたりでいろんな話し合いができた。それで思いもいろいろと真摯に受けとめさせていただけたと、そう考えております。
52
◯堤 幸子委員 請願の中身と全く平行線で、中身と全然違っていると思いますけれども、これは本当にゆゆしき問題だと思います。ちゃんと答えられないし、請願にまで書いておられるんです。請願にまで書いておられるということは、私は事実だと思います。これも公表されるわけですから、ここにうそは書けませんから。それで拒絶する姿勢を見せたということは、本当にこの計画を最初からやり直すべきではないかと思います。分室の閉室に反対する人の声も全然聞かない、聞く姿勢も持たない。また、今まで使ってきた資料が違っていても説明にも行かない。ないないづくしなんですよ。
これで今まで枚方が大事にしてきた図書館行政を後退させるなんていうことが本当にあってはならないと思います。これまでも、私たちも何回も指摘させていただいていますけれども、地域のコミュニティ協議会の役員さん、ここは地元の決定権があるわけではなくて、報告、連絡とかを地元の方にしていただいている。枚方市と連携して進めていただいているところなんです。そこをこの説明会のアリバイづくりに使って、各団体の住民の総意ですというやり方は、私たちはこれまでもおかしいと言ってきました。
先日も、市長の言葉ですけれども、前例を踏襲しない、事なかれ主義を打破すると言っていましたけれども、これはまさに前例なんです。美術館のときもそうでしたけれども、コミュニティ協議会の役員さんと話したから住民総意だという、この体制づくりをつくってこられたんですが、こういう考え方はやはりおかしいと思いますし、考え直すべきだと思いますが、この点は、ぜひ副市長にお伺いいたします。
53 ◯長沢秀光副市長 先ほど野村委員からもありましたし、堤委員のほうからもありました。いわゆる利用する皆様に市が思っている意図が十分伝わっていない、この要因の一つとして誠意が伝わっていないと、こういう姿勢で協議も含めて行っているんじゃないかという御指摘があったと理解しております。そういったことにつきましては真摯に受けとめていきたいと考えております。
ただ、もう一度改めて、こういう市の方針についても十分御理解もしていただきたいし、先ほど野村委員もおっしゃっていただいたように、これからは自動車文庫をどのように活用していくかということで、何とか今の状況に近づける努力は市としてしていきたいと考えております。
54
◯堤 幸子委員 今の市の方針を理解していただきたいということですが、これまで地元の人もさまざまなアイデアを出されてきているわけなんです。ボランティアでお手伝いしますとか、地元からの提案もさまざま出されていると伺っていますが、それを全く聞かないで、このまま閉室という形になるのか、お伺いしたいと思います。
55 ◯中道直岐中央図書館副館長 これまでから請願にもありましたように、1人でもできるのではないかとか、ボランティアの方を入れてやってはどうかという御提案をいただきました。以前、書面でいただいたものにも入っておりました。それは書面で回答させていただいているんですけれども、やはり先ほど館長が答弁させていただいたように、防犯上であるとか、情報セキュリティーのことであるとか、あと、市としての図書館サービスのことであるとか、さまざまな観点からそれはできないと考えております。
56
◯堤 幸子委員 基本的な考え方のところには、地域と協議して居場所として進めていくということで、提案をし合いながら進めていく方向で書かれていたんですけれども、地元の人のアイデア、司書の人が1人でするときにセキュリティーの問題とかと言われましたけれども、それを補うために絵本の読み聞かせとかをボランティアでしていくという提案があったと思うんです。
やはり図書館の分室というのは元々地元の人の声でつくられてきて、香里ケ丘図書館のほうが先にできているんです。ということは、香里ケ丘図書館では覆い切れない、その周りにいる方たちのために結局その分室が必要で、遠くて行けないからつくってきた分室だと思うんです。
それを今回、こうして間違ったデータにも基づいているし、元々のその延べ利用者数と実利用者数の関係も、最初のところからおかしいということも明らかになったわけです。地元の人がつくってきた分室です。これまで協議をしていく中でも、一緒に残していこうという考えがなかったのか。もう最初から閉室ありきで進めてきて、地元にも閉室するんだからという説明をしてきたのではないか。ここは本当に大きな疑問なんですけれども、これは最後に副市長にお伺いしたいと思います。
57 ◯長沢秀光副市長 いろいろ考え方をお示しさせてもらった。そのときにはいろいろと役所の中でも議論しましたし、議会のほうにお示しもさせていただきました。こういった考え方に至るに当たっては、当然、今、堤委員がおっしゃっていただいたようないろんな角度からの議論、検討をした上で考え方に到達したものと考えておりますので、それ以降につきましては、基本的にはその考え方に基づく対応を進めてきたということで理解しております。
58
◯堤 幸子委員 そもそもその考え方を出したデータが違っていたということで、平成29年5月のときの最初の考え方そのものをもう一回やり直して、もう一度しっかりとしたものに基づいて、利用圏域も利用状況も住民の立場に立ってしっかりとやり直すべきだし、また、こうした地元の方の図書館としての役割は、自動車文庫でとても補い切れないと思うんです。そこを今、答弁の中では何とか補っていきますと。
加えて、交通の利便性についても、なんとかいろんなところに声をかけていきますとおっしゃられますけれども、実際に住んでいる方たちにとって、目の前にあった分室が閉室になるなんていうことは思いもよらないことで、市民サービスは本当に低下していくし、枚方の図書館行政にとって、この3分室の廃止はマイナスになると思います。
社会教育としては部がなくなって中央図書館もまた違うところに、教育委員会の中ではありますけれども、機能が低下していくとしか思えないんです。
私はこの間、この請願をいろいろ審議しようと思って昔からの資料をずっと調べていたら、本当に昔はいろんなことを話し合っていて、枚方の子どもたちにどうして本を届けたらいいのか、枚方市民にどういうふうに本を読んでもらおう、どんなふうに本のあるまちにしていこう、社会教育のまちとして恥ずかしくないようにしていこう、そういう思いにあふれているんです。
最近の社会教育委員会議、年に何回やられていますか。これは本当に後退しているとしか思えません。この請願については賛成の立場ですし、分室の閉室はもう一度最初に戻ってやり直すべきだと最後に申し上げまして、私からの質問を終わります。
(傍聴席で拍手する者あり)
59
◯丹生真人委員長 傍聴人の方は静粛にお願いいたします。繰り返しになりますけれども、よろしくお願いします。
60 ◯大地正広委員 ただいま、さまざまな質疑がありましたので、改めて確認の意味からもお伺いさせていただきます。
そもそも枚方市立図書館というのは、どのような経過をたどって整備してこられたのか。また、枚方市立図書館の施設の配置状況は他市と比較してどのような状況なのか、お伺いします。
61 ◯辻本雅一社会教育部次長兼中央図書館長 本市における図書館活動は、昭和27年の大阪府立枚方ブックステーションの設置に始まり、昭和48年の枚方市立図書館条例の施行により、枚方図書館が発足し、図書館分室の設置を進め、昭和50年代には最大16分室を運営していました。その後、楠葉・菅原・さだ・御殿山・牧野・津田図書館、そして平成17年度には中央図書館と、図書館整備が進み、その利用圏域内となった近隣の分室につきましては、分館や中央図書館がその役割を引き継ぐ形で閉室してきたところでございます。
施設配置状況につきましては、市内の京阪・JR沿線の駅ごとに図書館施設を設置しており、他市と比較しましてもきめ細かな図書館網を構築しているところでございます。
62 ◯大地正広委員 これまで掘り起こし的役割を担ってきた分室の役割を、中央図書館を初めとする各分館が引き継ぐ形で、現在の図書館網が形成されてきたことがわかりました。また、京阪沿線、JR沿線の各駅ごとに図書館施設を整備し、他市と比較しても数多くの図書館施設を保有しており、市民サービスに取り組んでいるということもわかりました。
新しくできる香里ケ丘図書館が皆さんに喜んで利用していただけるように、しっかりと取り組んでいただきますようお願いいたします。
63 ◯鍜治谷知宏委員 それでは確認させていただきたいんですけれども、請願
文書表に書かれている(4)です。先ほどから話もあったんですけれども、東香里分室の平成29年度の利用者が10%強増加したとのことです。この利用者増の要因はどのように考えているのか、お聞きいたします。
64 ◯中道直岐中央図書館副館長 香里ケ丘図書館建てかえに係る香里ケ丘図書館の休館ですけれども、開館時間中から閉館するというアナウンスをしてまいりました。ということで、毎月の貸し出しが下降状況にあったことが一因。それから、香里ケ丘図書館は平成30年3月から休館に入っておりまして、東香里分室の利用状況として、3月の利用が前年と比較すると増加しております。そのことも東香里分室の利用が増加した要因の一つではないかと考えております。
65 ◯鍜治谷知宏委員 では、香里ケ丘図書館が開館することによって、この利用状況がどのようになる予想なのか、お伺いいたします。
66 ◯中道直岐中央図書館副館長 周辺3分室の利用状況につきましては、香里ケ丘図書館休館に伴いまして一定数利用が増加しておりますが、リニューアルオープン後は、香里ケ丘図書館の利用がこれまでより拡大し、周辺3分室の利用は相当数減少するものと考えております。
67 ◯鍜治谷知宏委員 次は、請願
文書表の(5)についてですけれども、分室維持費が当初は約1,000万円との説明だったのが、約674万円という数字が提出されたとのことです。これらの数字の理由について、お聞きします。
68 ◯中道直岐中央図書館副館長 本市における図書館分室の運営につきましては、配置された職員を中心として行うことを基本としつつ、実際には当該分室のみならず、他の分室からの応援など分室全体による柔軟な執行体制で運営しております。人件費の総額を分室数で割った値と諸経費等を合わせた約1,000万円を1分室の経費としてこれまでお示ししていたものでございます。一方、約674万円につきましては、当該分室に実際に配置している職員に係る人件費と諸経費等を合わせたものとなっております。
69
◯丹生真人委員長 他に質疑はございませんか。(「なし」と呼ぶ者あり)これをもって理事者に対する質疑を終結します。
70
◯丹生真人委員長 ここで委員会討議の御希望をお伺いします。いかがでしょうか。(「なし」と呼ぶ者あり)委員間討議の御希望もないようですので、これを省略します。
71
◯丹生真人委員長 暫時休憩します。
(午前11時5分 休憩)
(午前11時9分 再開)
72
◯丹生真人委員長 委員会を再開します。
73
◯丹生真人委員長 これから討論に入ります。
まず、鍜治谷知宏委員の討論を許可します。鍜治谷委員。
74 ◯鍜治谷知宏委員 本委員会における請願第2号の採決に当たり、反対の立場から討論を行います。
市立図書館分室については、昭和48年の市立枚方図書館の開館とあわせて5分室が開室され、昭和50年代には最大16分室が運営されるなど、自動車文庫とともに地域の図書館利用を掘り起こす点で大きな役割を果たしてきたと考えられます。
しかし、一方、本市では、この役割を引き継ぎ、さらに拡大していく形で市立図書館分館が各所に整備されており、現在では7分館が運営されています。また、平成17年度には中央図書館が開館されており、これらの図書館が整備される際、利用圏域が重なる分室等の見直しもあわせて進められた結果、現在では10分室が運営されている状況です。
こうした状況の中、平成29年5月、教育委員会から、「枚方市立図書館分室等の見直しに関する基本的な考え方」が示されました。これは、施設状況、利用圏域、利用状況等について総合的に検討された結果、4分室について、閉室の方向性を示すものです。中でも、東香里分室を含む3分室については、令和2年8月にリニューアルオープンされる香里ケ丘図書館と利用圏域が重なると考えられており、令和3年2月に閉室される予定であることが先日の文教委員協議会で示されました。
このリニューアル後の香里ケ丘図書館では、閲覧室の面積は以前の約2倍、開館時間は約1.5倍になり、駐車場や駐輪場も以前より拡大されるということです。また、隣接する香里ケ丘中央公園みどりの広場と一体的に指定管理者による管理運営が行われ、近隣の商業施設や地域とも連携しながら、まちの魅力向上につながる南部地域の拠点として、以前より広範囲から利用される施設となることが想定されています。
このように南部地域において施設の充実が図られることは、当該地域にとっては喜ばしいことかと思いますが、一方で、他の地域における施設配置状況はどうなっているのかといった観点からの検討も必要です。今後は、既存施設ありきという前提ではなく、市域全体を見据えた全市的な図書館サービスの充実を図っていくことに重点が置かれなければなりません。
こうした点を踏まえ、現状を見ると、市立図書館では、インターネットによる図書の
検索や予約が可能であり、最近では、自宅に本を届ける宅配サービスなども実施され、こうしたサービスは市内のどこでも利用することができます。また、香里ケ丘図書館以外の図書館分館では、既に指定管理者制度が導入され、開館時間が延長されるなど、全市的に見て図書館サービスの充実が図られていると考えられます。
さらに、地域に対しては、校区コミュニティ協議会や自治会等の地域団体と、市民説明会を含め8回の協議を重ねたということであり、その中で出された要望を踏まえ、東香里分室の閉室後も、自動車文庫の巡回により図書の貸し出しや予約図書の受け渡しといった図書館サービスが地域に提供されるなど、一定の代替措置が行われるということです。
なお、1分室当たりの経費については、どのように見るかという点はありますが、分室運営に一定の経費がかかることに変わりはなく、かといって、経費を抑えるため人員配置を極端に少なくすることは、市立図書館分室のあり方としてかえって問題が大きいと考えられます。
以上のことから、全市的な視点で見れば、香里ケ丘図書館のリニューアルに伴って東香里分室が閉室されることは一定やむを得ないと考えられるため、請願第2号については採択すべきでないと申し上げます。
ただし、東香里分室の周辺地域から香里ケ丘図書館への交通手段については課題もあることから、バス路線の開設を事業者へ働きかけるなど、今後も引き続きアクセス性の向上に向けて努力を続けるよう要望します。また、閉室後における自動車文庫の停車場所や巡回頻度等についても、さらに地域と協議を重ねながら、適切に検討していただきたいと思います。
そして、閉室後の東香里分室を地域の居場所として活用したいという要望があれば、こうした要望を市立図書館として確実に支援していただくよう最後に申し添え、討論といたします。
75
◯丹生真人委員長 次に、堤
幸子委員の討論を許可します。堤委員。
76
◯堤 幸子委員 請願第2号 図書館東香里分室の存続に関する請願について、賛成の立場で討論させていただきます。
今回の請願は、昨年3月に提出され継続審査となった請願と同じく、地元にある東香里分室を住民のために残してほしいというものです。
枚方市では、昭和40年代に自前で読書活動を進める家庭文庫、地域文庫が生まれ、昭和44年5月に香里団地に「わかば文庫」が誕生し、昭和47年には17文庫まで広がり、そこから市に図書館行政の充実を求め、昭和48年に市立図書館が誕生し、当時、大変高価だった本を子どもたちに気軽に読ませてあげたいという母親の思いから図書館分室の建設を望む運動が広がり、身近な地域に図書館分室がつくられていきました。
昭和48年、香里ケ丘など5つの分室の開室に始まり、その後も枚方市の発展とともに、香里ケ丘図書館などの分館と、そして、その地域を補うように分室がつくられ、社会教育のまち枚方を象徴するように、図書館分室・分館が市内に開設されていきました。
図書館の分室は、地元からの要望で建設され、住民から愛され、利用されてきた施設です。子どもたちから高齢者まで、幅広く利用されています。高齢化が進む中で、これからの役割がさらに広がっていく施設であり、請願にあるように存続するべきです。
以下、その理由を述べます。
1.昨年の3月に開催された
文教常任委員会で、委員の方から「大半の意見が、まだ十分時間もあり、行政と住民さんとで話し合ってくださいということだった」との御意見があり、継続審査となったものです。
しかし、その後、住民との話し合いは十分に行われたとは言えず、委員会で指摘された資料をもとに説明や話し合いも行われていません。それどころか、市民の方が中央図書館に出向き説明を求めた際に、「閉館の方向なので、閉館はしないでほしいという方とは話はできない」と協議を拒否されています。
これでは、中央図書館の真摯な姿勢が見られず、委員会で継続審査となった意見も無視していると言わざるを得ず、全く納得しがたい対応です。
2.平成29年5月に示された「枚方市立図書館分室等の見直しに関する基本的な考え方」で、見直し検討の観点として利用状況が挙げられ、実利用者数が1,000人以下だった分室が検討対象とされています。
しかし、実利用者数は、その分室の実際の利用状況が把握できるわけではなく、作成されている図書貸し出しカードがどのくらい利用されているかが把握できるだけです。それがわかっていながら、こうした資料で検討したことは許されません。やり直すべきです。
3.利用圏域についても、これまで1.2キロメートルとしてきた利用圏域をなぜ1.5キロメートルにしたのか、また、どこで議論されたのかも不明確で、市民への説明責任が果たされているとは思えません。
そもそも図書館分室については、1985年の「枚方市における社会教育施設の配置計画のあり方について」に地域レベルの施設の配置は「利用半径1.0Kmを考えることが妥当である」と記載されているように望ましい配置であり、地域の子どもから高齢者まで利用されてきたわけです。
そのことは、図書館情報学用語辞典にも「地域施設の利用者が最も多く含まれる圏域.これは公共図書館の場合,各種の調査から,図書館を中心として半径1km前後の円を描いた圏内と考えられている.図書館からの直線距離が1kmを超えると,利用者は急速に減少していくが,その原因としては,徒歩または自転車で来館できるかどうかがあげられる.公共図書館のサービス計画や分館網を立案する場合は,適正利用圏を考慮する必要がある」となっています。ただ単に利用圏域は1.5キロメートルと地図の上で円を書くのではなく、利用している方たちが来館できるかどうかに視点を置くべきです。
香里ケ丘図書館のリニューアルで、それまで図書館を利用していなかった人にも利用する人が増えて、本を読む人も増えると思います。しかし、一方で、香里ケ丘図書館を利用したくてもできない人を、近くにあった分室もなくなって図書館を利用したくてもできなくなったという人を増やしてしまいます。これでは、本末転倒です。
香里ケ丘図書館ができ、本を読むという機運が高まり、近くの分室も利用者が増えるといった施策を考えるのが行政の役割ではないでしょうか。最初から、議論をやり直すべきです。
また、こうした議論をする図書館協議会のような場がないのが大きな問題だと指摘させていただきます。
以上の理由で本請願には賛成と申し上げ、討論を終わります。
77
◯丹生真人委員長 これをもって討論を終結します。
78
◯丹生真人委員長 これから、請願第2号 図書館東香里分室の存続に関する請願を採決します。
本請願は、採択すべきものと決することに賛成の委員の起立を求めます。
(賛成者起立)
79
◯丹生真人委員長 起立少数です。
よって本請願は、不採択とすべきものと決しました。
80
◯丹生真人委員長 以上で、本委員会に付託された事件の審査は全て終了しました。
よって、
文教常任委員会はこれをもって散会します。
(午前11時20分 散会)
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