枚方市議会 2019-12-05
令和元年全員協議会(12/5) 本文 開催日: 2019-12-05
次に、それぞれの検討内容につきましては、別紙により御説明させていただきます。
恐れ入りますが、別紙1-1をお開き願います。
別紙1-1では、再整備基本計画(素案)をよりよい計画にしていくため、以下の考えを加えて検討してまいります。
さらなる検討の視点としまして、コンセプト、機能の観点からは、「ウォーカブルの推進」や「人々が集い、憩い、多様な活動を繰り広げられるひと中心の空間を創出」など5項目を、また、事業手法の観点からは、民間ノウハウの活用などによるさらなるまちの魅力の向上や、財政見通しや街区の特性などを踏まえた最適な事業手法などの2項目でございます。
新たなまちづくりのイメージ例については、これら検討の視点を踏まえまして、再整備基本計画(素案)でお示ししました土地利用計画・施設配置計画図にかわる新たなまちづくりのイメージ図として、現時点の考えを整理したものでございます。
概要といたしましては、民間ノウハウ等を活用し、公民連携で職・学・住・楽近接のライフスタイルを創造していくエリアとしまして、オレンジ色で塗られた箇所を民間活力導入エリアとし、また、緑色で塗られた箇所は、現行のニッペパーク岡東中央を中心とした空間を拡充し、「みどり・憩い・賑わいの公園・広場」としていくこと、さらに右下の水色で塗られた箇所は、安全、安心を高める拠点として、防災や防犯、生活サポートなどの機能を集約するエリアとして御提案するものでございます。
次に、別紙1-2をお開き願います。
別紙1-2では、事業手法の比較(案)といたしまして、先ほどの検討の視点に基づき整理したものでございます。
表の左から順に、現在の再整備基本計画(素案)でお示ししました2)・4)・5)街区の全体を市街地再開発事業で整備する場合、次に、検討案1といたしまして、2)・4)・5)街区を土地区画整理事業で整備する場合、最後に、検討案2といたしまして、4)街区の一部と5)街区を土地区画整理事業で、また、2)街区と4)街区のニッペパーク岡東中央の一部を市街地再開発事業で整備する場合でございます。
それぞれ街区の特性や本市の財政状況、大阪府を初めとするこの間における関係者の事情等を踏まえ、メリットと課題、全体の整備期間、市負担額、まちづくりの課題の観点から総合的に比較しますと、全体の整備期間は素案より延びるなどの課題はありますが、検討案2を基本に検討を進めていくことが実現性を高める効果的な事業手法であると考えております。
次に、別紙1-3をお開き願います。
別紙1-3では、事業手法の検討案2で実施した場合の想定スケジュールをお示しするものでございます。
4)・5)街区と2)街区について、それぞれの街区の特徴や事情により区分けし、短期的には、2)街区につきましては、事業実施に向けた地権者の機運醸成や、よりよいプランづくりの検討などの期間に努めながら、4)・5)街区における土地区画整理事業に向けた準備を進め、令和5年度からの整備期間を目指すものでございます。また、3)街区を含む各街区における主な施設の完成時期や、民間活力導入エリアの設計・工事関係の期間などにつきまして、現時点における想定スケジュールとしてお示しするものでございます。
恐れ入りますが、案件資料の3ページにお戻りいただきまして、(2)3)街区のまちづくりについてをごらんください。
3)街区のまちづくりにつきましては、昨年12月に準備組合が設立され、本年10月には都市計画決定などを行い、現在、本年度中の組合設立及び事業認可の取得に向け、取り組まれております。
今後の予定としましては、現在、準備組合で調整されておられますが、記載のとおりでございます。
本市といたしましては、引き続き技術的支援などを行っていく考えでございます。
また、現時点における事業計画書(案)の概要といたしまして、イメージパースや施設建築物の設計概要などを別紙2にお示ししておりますので、御参照いただきますようお願いいたします。
案件資料4ページの(3)新庁舎基本構想については、別紙3により御説明させていただきます。
別紙3をお開き願います。
新庁舎基本構想の中で検討しております市駅前行政サービス再編の取り組みにつきましては、3)街区のまちづくりや再整備基本計画の検討と連携を図りながら、整備に向けた考え方の案としてお示しするものでございます。
1.目的及び効果につきましては、枚方市駅前の利便性を生かし、現在実施している行政サービスを今後も継続するとともに、各種施設が抱える課題解決や、高齢者を初め幅広い年代を対象とする行政サービスを一体となって提供する拠点を整備することで、市駅周辺の魅力や市民の安全性、利便性の向上を図るものでございます。
次に、2.具体化に向けた考え方につきましては、2つ目の黒丸では、図書館と生涯学習市民センターの機能連携に加え、市民窓口の機能を拡充するとともに、子ども、子育て、高齢者への支援や相談などの各種機能や検討されている民間施設もあわせて効果的に連携することで、行政サービスの質の向上を図っていきたいと考えております。
また、下段の枠内に諸室の効率配置と機能連携を初め、図書館と生涯学習市民センターの連携や手続の利便性向上、情報発信の強化及び公民連携の具体例をお示ししております。
恐れ入りますが、案件資料の4ページへお戻りください。
次に、(4)都市再生緊急整備地域の政令指定に向けた取り組みについてでございますが、この取り組みにつきましては、5ページをごらんください。
上段に表示しております、これまでの取り組みと今後の予定につきまして、これまでの経過をお示しするものでございます。今後の予定につきましては、今年度の冬ごろに都市再生本部会議と閣議決定を経て、政令指定される予定であると内閣府よりお聞きしております。
また、国に申し出を行いました緊急整備地域の区域や整備方針の素案につきましては、別紙4のとおりでございますので、それぞれ御参照いただきますようお願いいたします。
次に、(5)総概算事業費及び市負担額等についてでございますが、2)街区から5)街区までの各街区の事業費と市負担額につきまして、検討案2に基づく現時点での目安としてお示しするものでございます。
市負担額は合計で324億円となり、主な経費の内容としましては、公共施設管理者負担金や再開発事業と区画整理事業に対する補助金、新庁舎整備及び市駅前行政サービス再編に係る経費などでございます。
また、表下の市負担額の財源としましては、基金、土地の売却益等による市有財産有効活用、起債、一般財源を予定しております。
6ページをお開き願います。
3)街区を除いた街区に係る必要財源につきましては、新庁舎の基金と市有財産の有効活用以外で125億円が必要になると見込んでおります。なお、125億円の財源確保につきましては、令和2年度から毎年5億円を25年間、基金として積み立てていきたいと考えております。
なお、参考資料といたしまして、昨年12月の全員協議会で報告しました再整備基本計画と新庁舎基本構想の素案の概要版及び市街地再開発事業と土地区画整理事業の制度比較を添付しておりますので、それぞれ御参照いただきますようお願いいたします。
次に、3.総合計画等における根拠・位置付け及び4.事業費・財源及びコストにつきましては、記載のとおりでございます。
以上、I 枚方市駅周辺再整備の取り組みについての説明とさせていただきます。
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◯前田富枝議長 次に、田中総合政策部長。
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◯田中哲夫総合政策部長 続きまして、II 行革効果額等を踏まえた財政シミュレーションについて、御説明申し上げます。
案件資料の7ページをごらんください。
1.政策等の背景・目的及び効果でございますが、枚方市駅周辺再整備の具体化に向けた検討を行うに当たりまして、現在策定に向けて取り組みを進めております(仮称)行財政改革プラン2020(案)に基づく行革効果額等を踏まえた財政シミュレーションをもとに、枚方市駅周辺再整備を初め、今後実施が見込まれる施策につきまして、財政面からの実現性を明らかにするものでございます。
2.内容につきましては、後ほど別添資料により、財政シミュレーションについて、御説明させていただきます。
参考資料といたしましては、今後見込まれる事業経費(一般財源ベース)及び(仮称)行財政改革プラン2020別冊効果額一覧を添付しております。
3.総合計画等における根拠・位置付けにつきましては、記載のとおりでございます。
それでは、財政シミュレーションについて、御説明申し上げます。
青色のインデックス、別紙5をお開き願います。
資料の見方でございますが、表の中央より上段には、今回シミュレーションを行った結果を掲載しております。また、下段には、参考といたしまして、本年2月に策定いたしました長期財政の見通しの状況を掲載しております。
まず、資料上段1行目の長期財政の見通し(時点修正後)における実質収支につきましては、本年2月に策定いたしました長期財政の見通しをもとに、平成30年度の決算数値への置きかえなどの時点修正を行った収支額を記載しております。
2行目の今後見込まれる事業経費と3行目の行革効果額等につきましては、ピークとなる令和6年度以降で、それぞれ18億円程度を見込んでおります。
それでは、それぞれ見込んでおります内容につきまして、参考資料に基づき説明させていただきます。
赤色のインデックス、参考資料4をお開き願います。
まず、今後見込まれる事業経費(一般財源ベース)についてでございます。
資料の上段部分となりますが、先ほど市駅周辺等活性化推進部からの説明にもございました3)街区を除いた街区に係る必要財源125億円の確保を図るため、行革効果額より3億円の積み立てと、括弧書きをしておりますが財政調整基金からの積みかえを2億円、合わせまして毎年5億円の積立金を見込んでおります。
また、資料の下段部分となりますが、その他の施策につきましては、ピークとなる令和6年度以降で約15億円程度を見込んでおります。
次に、参考資料5をお開き願います。
こちらの資料は、(仮称)行財政改革プラン2020(案)に基づく効果額を会計別に掲載した一覧となっておりまして、右上に記載していますとおり、先日開催されました総務委員協議会資料より抜粋した資料となります。
今回の財政シミュレーションでは、次のページにまいりまして、中段の一般会計に係る効果額の総計欄となりますが、ピークとなる令和5年度の約11億8,000万円と、次のページにまいりまして行財政改革プラン2020の取り組み以外による効果額として、令和5年度の約6億6,000万円を合わせました約18億円の効果額を見込んでおります。
恐れ入りますが、再度、青色のインデックス、別紙5をお開き願います。
ただいま参考資料に基づき御説明いたしました、今後見込まれる事業経費と行革効果額等を反映いたしました収支の状況を表の4行目、5行目にございます太枠内に掲載しております。
実質収支につきましては、期間を通じて黒字を維持できる見通しとなっております。収支の額といたしましては、しばらくは10億円前後で推移し、令和10年度以降は3億円台で推移する見通しとなっております。
次に、中段の太枠内にございます財政調整基金の残高につきましては、新庁舎等の基金への積みかえを見込んではおりますが、令和25年時点におきましても、35億円程度を確保できる見込みでございます。
また、新庁舎及び総合文化施設整備事業基金では、新庁舎を初め、枚方市駅周辺再整備事業の全般に活用できる基金へと見直しを行った上で、毎年5億円の積み増しや土地の売却益の積み立て等を見込んでいるほか、枚方市駅周辺再整備に要する財源として取り崩しを見込んでおり、令和25年度では33億円の残高となっております。
次に、市債残高についてでございます。
本年2月の長期財政の見通しでは、3)街区に係る市債を見込んでおりましたが、今回の財政シミュレーションでは、2)街区及び4)・5)街区に係る市債につきましても見込んでおります。市債残高の時点修正を行った結果、2月の長期財政の見通しにおける市債残高と比べまして、減少する見通しとなっております。また、今回のシミュレーションにおける市債残高の推移といたしましては、令和7年度をピークに、その後は減少傾向が続くと見込んでおります。
なお、お手元の表では令和25年度までとなっておりますが、枚方市駅周辺再整備に係る市債の償還につきましては、令和31年度まで続く見通しとなっておりまして、その間、新庁舎等の基金の活用を図り、令和31年度末には当該基金残高はゼロとなり、基金の役割を終えていくこととなります。また、実質収支につきましては、令和25年度以降におきましても3億円台で、ほぼ横ばいで推移する見通しでございます。
以上が財政シミュレーションの内容となりますが、今後、本シミュレーションの前提となります(仮称)行財政改革プラン2020(案)の内容をさらに精査し、プランを策定した上で、取り組みを着実に推進することなどにより、財政収支の安定化を図ってまいります。
以上、枚方市駅周辺再整備の具体化に向けた検討についての説明とさせていただきます。
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◯前田富枝議長 これから本件に対する御質問をお受けします。
質問は全て自席で行うこととし、理事者の答弁も全て自席で行っていただきますよう、よろしくお願いいたします。
また、質問方式は一問一答方式とし、その質問時間については、1議員当たり答弁時間を含め30分とします。
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◯前田富枝議長 ただいまから、順次質問を許可します。
まず、長友克由議員の質問を許可します。長友議員。
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◯長友克由議員 質問の機会をいただき、ありがとうございます。
自由民主党議員団を代表して、早速質問に入らせていただきます。
初めに、総概算事業費及び市負担額等について、お伺いします。
今回お示しいただいた事業手法の比較(案)において、市街地再開発事業と土地区画整理事業のそれぞれのメリットを加味した検討案2が示されました。また、その場合においての総概算事業費及び市負担額としては、総事業費で774億円、市負担額として324億円とあります。
ここで確認の意味でお聞きしますが、新庁舎整備なども含めたこの積算は、現時点での試算であるとお聞きしております。現在においても、建設工事に係る資材や人件費の高騰が継続している状況であります。このような状況に対し、市としてはどのように考えているのか、お伺いします。
12 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 資材価格等につきましては、先行き不透明な状況にあり、その動向につきましては注視してまいります。各街区の具体化に際しまして、基本計画の内容と異なる場合は、改めて、直近の状況を加味して算出した事業費や財政見通しなどを議会にお示ししていきたいと考えております。
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◯長友克由議員 ありがとうございます。
次に、市有財産有効活用として、土地の売却益や移転補償費などで88億円を想定されているそうですが、その主な内容とスケジュールはどのようなものなのか、お伺いします。
14 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 主な内容といたしましては、4)・5)街区における民間活力導入エリアに含まれる市民会館大ホール跡地などの市有地の売却益や都市再生土地区画整理事業を活用した移転補償費をもとに試算したものでございます。
また、そのスケジュールにつきましては、同エリアの工事着手前に順次行っていきたいと考えております。
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◯長友克由議員 近年は、東京オリンピックの建設整備や、日本全国で毎年のように発生する大きな台風や地震被害などの影響もあり、生コン価格は2年前の倍になっていますし、品薄状態が続いている高力ボルトなどの資材や人件費は顕著に高騰しています。継続的に動向を注視し、しっかりとした予算編成をしていただきたいと考えます。
また、市有財産有効活用は、主に4)・5)街区における民間活力導入エリアに含まれる市民会館大ホール跡地などの市有地の売却益などとなっていますが、使用できない市民会館大ホールをあと5年も6年もそのままにしておくのはもったいないと考えます。都市計画決定後に大ホールの解体費を使ってとのことですが、早期の解体を行い、市民の憩いの場やコインパーキングなど有効に活用できるよう要望させていただきたいと思います。
次に、省庁事前協議について、お伺いします。
財源確保に努めるとのことですが、現在、市駅周辺再整備を進める上で、さまざまな関係者と協議、調整をされているかと思われます。その中でも、都市再生緊急整備地域の政令指定を初め、特に国の施策などについては、さまざまな支援内容が示されているかと思われます。国庫補助の活用について、お伺いします。
16 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 議員お示しのとおり、引き続き国などの施策や制度を注視しながら、国庫補助などによる財源確保に努め、可能な限り市民負担の増大につながらないよう努力してまいりたいと考えております。
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◯長友克由議員 今回、府費を見込まないで概算事業費の試算をされておられますが、市の負担を極力減らすためにも、ぜひとも幅広い視点で国などの施策内容を注視し、活用できるところはその中身を把握した上、実施するとともに、大阪府に対して、ぜひとも補助金の要請を行っていただきたいと考えます。これまで本市は大阪府に対してどのような働きかけを行ってきたのか、お伺いします。
18 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 単年度ごとの予算確保に向けた働きかけにつきましては、3)街区での円滑な事業推進のため、大阪府に対する当初予算要望等の機会を通じ働きかけており、今後も事業の進捗に合わせ、実施してまいります。
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◯長友克由議員 もうすぐ都市再生緊急整備地域の重点地域に指定されるとのことですが、引き続き、幅広い視点で国庫補助の財源確保に努めていただきたいと思います。また、市長の人脈で、ぜひとも府費の獲得に動いていただきたいと要望させていただきます。
次に、地権者との協議について、お伺いします。
市駅周辺再整備基本計画では、その対象事業区域内に多くの地権者がおられ、それぞれの街区にかかわる多くの関係者との調整が必要であると認識しています。
そこで、市が思い描くまちづくりを達成するために、特にサンプラザ1号館を含む2)街区のまちづくりを進めるに際し、現時点で地権者との協議などにおいてどのような課題があり、また、その課題をどのように解決しようとされているのか、お伺いします。
20 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 2)街区につきましては、市駅南口駅前広場の拡充などの実現に向け、移転建てかえが必要となるサンプラザ1号館などの地権者の生活再建に必要となる再開発ビルの場所や規模の検討、あわせまして、南口駅前広場とニッペパーク岡東中央との連続性や大空間の確保といった課題がございます。その解決に向け、駅前広場の配置や形状などの検討を行うとともに、地権者に対しまして理解、協力を継続して求めていくなど、協議を重ねることで、まちづくりの機運を高めていきたいと考えております。
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◯長友克由議員 地権者との協議の内容、課題に対しての動きは理解いたしました。
次に、サンプラザ1号館が市街地再開発事業により移転建てかえになった場合の費用はどのようになるのか、お伺いします。
22 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 検討案2では、2)街区における地権者の生活を再建するために必要となる建物をニッペパーク岡東中央の一部を活用して整備する案でございます。この建物費用につきましては、市街地再開発補助金や南口駅前広場整備に伴う公共施設管理者負担金のほか、建物の高度化により生み出された床の売却益で賄うことを想定しております。
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◯長友克由議員 南口駅前広場とニッペパーク岡東中央との連続性や大空間の確保といった課題がありますが、人々が集い、憩い、多様な活動を繰り広げられる人中心の空間の創出、居心地がよく、歩きたくなる町なかの推進を実現するため、地権者の理解、協力に向けた意識の醸成を粘り強く行っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、3)街区の宿泊施設建設について、お伺いします。
3)街区のまちづくりについては、現在、準備組合において組合設立及び事業認可に向けた取り組みが進められているとの御報告があり、資料として現時点の施設の概要が示され、その中に主要用途として宿泊施設も記載されています。これらの施設は、完成予定が令和5年以降順次完成とされておりますが、2025年、令和7年には大阪・関西万博の予定がございます。インバウンド需要も予測されますので、ぜひともこの機を逃すことのないよう進めていただきたいと思います。見解をお伺いします。
24 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 3)街区のまちづくりにつきましては、現在、本年度中の組合設立及び事業認可に向けた取り組みが進められており、大阪万博のインバウンド効果を逃さぬよう、本市といたしましても、引き続き事業が着実に遂行するための技術支援や市街地再開発事業補助金などの財政支援を行ってまいります。
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◯長友克由議員 年々爆発的に増えている外国人観光客、関西に来られた外国人は必ず立ち寄る大阪と京都の中間という恵まれた環境にある本市において、インバウンドを取り込む絶好の機会であると考えます。ぜひとも大阪・関西万博に間に合うよう、よろしくお願いいたします。
次に、再整備後の駅前周辺の回遊性と既存店舗への影響について、お伺いします。
再整備後に、たくさんの外国人観光客を含む駅周辺の交流人口が増えると思いますが、駅前周辺の回遊性と駅前周辺以外の既存店舗への影響をどのように考えているか、お伺いします。
26 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 都市機能の更新、強化を図るとともに、ゆとりのある空間の形成や交通環境の改善などを図ることで回遊性を高め、にぎわいを創出することによる波及効果により、周辺の既存店舗との相乗効果が図れるものと考えております。
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◯長友克由議員 再整備後、一部の地域や店舗だけがにぎわっていたのでは意味がありません。駅前周辺以外の既存店舗へ回遊していく流れにも注力していただきたいと要望します。
次に、行革効果額等を踏まえた財政シミュレーションについて、お伺いします。
今回お示しいただいた行革効果額等を踏まえた財政シミュレーションを拝見し、率直な感想を申しますと、水道料金・下水道使用料の福祉減免制度の見直し、総人件費の削減や病院事業会計の繰入金の抑制など、さまざまな項目が効果額一覧として上げられています。
しかし、そもそもそこに手をつけていいのかと内容的にも大変疑問を抱きますし、財源確保としても現実的ではないのではないかと思います。超少子・高齢化で人口が減少していく中で、本当にこの内容が実行できるのかと不安を感じるわけでございます。
また、せっかくこれらの財源を確保したとしても、その使い道の一つとして市駅周辺再整備があるわけですが、今回お示ししていただいている資料の中身を拝見しても、わくわくドキドキするような明るい材料が少なく、これで本当に明るい豊かな枚方の未来が描けるのか疑問であり、希望の光が見えないと感じたところでございます。
市は今後どのようなまちづくりを目指していくのか、その内容をどのように決めていくのか、お伺いします。
28 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 本市といたしましては、枚方市駅周辺再整備基本計画(素案)においてお示ししました、「人が主役のゆとりと賑わいのまち」に向け、職・学・住・楽近接のライフスタイルの実現などをコンセプトに、新たに「ウォーカブルの推進」や「人々が集い、憩い、多様な活動を繰り広げられるひと中心の空間」の創出、安全、安心を高める拠点の整備などを加え、本市の広域中心拠点としての魅力向上を目指していきたいと考えております。まずは、そうした内容等につきましては、議会と十分に意見交換を行うなど検討を深めた上で、基本計画等を策定していきたいと考えております。
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◯長友克由議員 内容については、議会と十分に意見交換を行っていくということなので、枚方市駅周辺再整備研究チームも設置されることですし、しっかりと議論を深めていただきたいと考えます。
次に、行財政改革プランの実現性について、お伺いします。
(仮称)行財政改革プラン2020別冊効果額一覧には、大変大きな行革効果額が記載されています。また、その内容も、先ほども申しましたが、これまで長年にわたり実施してきた福祉施策を切ったりとか、人件費を大幅に削減したりとかがメーンメニューとなっており、この行革プランはかなり無理があるように感じられます。枚方市駅周辺再整備の実現性を明らかにする上で、今回の財政シミュレーションに反映している以上、実現するつもりでつくったと思いますが、本当にこれら全てをやり切るつもりなのか、まずお伺いします。
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◯田中哲夫総合政策部長 本市の将来のまちづくりを考える上で、社会的背景を踏まえますと、今後の労働力人口の減少やICTの進展など、社会全体が迎える大きな変わり目をしっかりと見定め、現在より少ない職員体制でも、自治体として本来担うべき機能が発揮できる自治体へと展開していく必要がございます。そういった認識のもとで、(仮称)行財政改革プラン2020の策定に当たりましては、これまでの改革の取り組みを充実、発展することに加え、新たな取り組みにも果敢にチャレンジすることとし、具体的な取り組み項目を設定しております。
今後、第5次枚方市総合計画の実現を図るためにも、具体的な項目ごとに課題整理や検証を十分に行った上で取り組みを進め、着実に効果を上げられるよう努めてまいります。
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◯長友克由議員 ありがとうございます。
自治体を取り巻く社会的な背景が大きく変わろうとしていることは理解しますが、本市がこれまで取り組んできた福祉施策を切り捨て、市民負担を新たに求めるということです。財源に色の違いはありませんが、その財源が市駅前の再整備に充てられるといった見方もできるわけです。市駅前の再整備は、それが実現できれば確かに多くの人が喜ぶかもしれません。ただし、それは市駅前がきれいになったということだけでなく、例えば、高齢者に優しいまち、万が一の災害に強いまちなど、さまざまな要素を高いレベルで同時に実現してこそのものだと思います。そういう視点で見て、市長がおっしゃっておられる未来に輝く枚方のための行革と本当に考えておられるのか、市長のお考えをお聞きしたいと思います。
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◯伏見 隆市長 本市を選んでいただくために、また住み続けてもらうためにも、子育て支援や健康・福祉施策、学校教育の充実のほか、市駅周辺再整備を初めとする都市基盤整備など、さまざまな未来への投資が必要と考えています。それに当たりましては、単に市民負担をお願いするといったことだけではなく、新たな技術の活用や民間事業者との連携など、既成の枠にとらわれない業務のさらなる効率化等を進め、議員お示しのような福祉施策の切り捨てということではなく、視点を変えて、その時々の時代の要請に沿った施策を進めていかなければならないと考えており、そのためにも、これまで以上に財源を生み出す努力をしていく必要があると考えています。
本年度に策定する新たな行革プランは、そのような将来を見通した持続可能なまちづくりを進めていく上で、必要となる具体的な取り組みを網羅したものと考えており、市民の皆さんへもしっかりと説明し、御理解をいただきながら、実現に向けて取り組みを進めていきます。
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◯長友克由議員 御答弁ありがとうございます。
行財政改革は必要だと思いますし、大胆にメスを入れようとする姿勢には一定評価をします。しかし、福祉施策の切り捨てではなく、視点を変えて、その時々の時代の要請に沿った施策を進めていくと言われるのであれば、それをしっかりお示ししていただきたいと思います。
また、新たな技術の活用や民間事業者の連携による業務の効率化も大事ですが、近年、大きな被害をもたらしている大型台風や今後30年に高い確率で起きると言われている南海トラフ地震など、近い将来、大きな被害に遭うことも想定できます。そんなときに頼りになるのが職員であると考えます。行財政改革はぜひ慎重に検討していただくよう強く要望します。
最後に、市域全体の波及効果について、お伺いします。
3)街区の着実な執行を期待したいと思いますが、そのほかの街区については、このまま市駅周辺の再整備が順調に進んだ場合、先ほども申しましたが、投資したエリアだけが活性化され、その挙句に周辺の商店街や店舗などの既存の商業施設が衰退するのでは意味がないと考えております。
また、市内にはすばらしい観光資源が点在するわけで、莫大な資金をこの市駅周辺地区に投入するわけですから、エリア内だけの投資と捉えず、市域全体への観光など、その投資効果、波及効果が行き渡っていると市民や事業者が実感できるような仕掛けづくりや方策が必要と考えますが、市の見解をお伺いします。
また、再整備による経済波及効果はどの程度を見込んでいるか、お伺いいたします。
34 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 本市の広域中心拠点である市駅周辺の都市機能を地域資源を活用して更新、強化するとともに、交通環境の改善やにぎわいとゆとりのある空間の形成等を図ることで、定住人口や交流人口の増加が図れるものと考えております。そうした取り組みを通じて創出した効果が、市駅周辺のみならず、市域全体につながるよう、さらに検討を深めていきたいと考えております。
再整備による経済波及効果は、昨年度にお示ししました再整備基本計画(草案)の土地利用計画・施設配置計画図の施設建築物を想定した試算ではございますが、約1,600億円を見込んでおります。
35
◯長友克由議員 ありがとうございます。
今回お示しいただいた資料を拝見した率直な感想は、超少子・高齢化社会、人口減少社会の中で、行財政改革だけで無理な財源確保をしているのではないかという印象でございます。売り上げ、利益が減少している会社に例えると、経費だけ削減しても生き残れません。経費削減と同時に、売り上げ拡大しなければ、明るい豊かな未来は待っていません。枚方市駅周辺再整備事業は、莫大な投資をする、市政始まって以来の大きな転換点です。将来世代にも大きな負担を強いるものです。
再整備による経済波及効果は、再整備基本計画(草案)の土地利用計画・施設配置計画図の施設建築物を想定した試算、約1,600億円を見込んでいると御答弁がありましたが、それだけではなく、インバウンドの取り組みや定住人口、交流人口の増加、また企業の誘致など、枚方市の税収アップにつながる魅力ある施策を民間事業者と連携しながら、さらに経済波及効果を駅前周辺だけでなく、市域全体に波及する大きな仕掛け、方策を考えなければならないと思います。
せっかくの大事業です。市長がおっしゃっている未来輝く枚方の実現のため、また、市民がわくわくドキドキしながら完成を待ち望む枚方市駅周辺再整備事業となることを強く要望しながら、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
36
◯前田富枝議長 これにて、長友克由議員の質問を終結します。
37
◯前田富枝議長 次に、漆原周義議員の質問を許可します。漆原議員。
38 ◯漆原周義議員 それでは、枚方市駅周辺再整備の具体化に向けた検討について、幾つか御質問させていただきます。
初めに、合同庁舎建設に向けた国との協議状況についてお伺いさせていただきますが、昨年示されました枚方市新庁舎整備基本構想(素案)では、国・府・市有財産の最適利用や効率的なまちづくりを進める観点から、新庁舎は国の枚方税務署との合同庁舎化に向けて検討が進められていると報告を受けましたが、現時点での税務署との合築に向けた検討状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。
39 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 平成29年8月に開催いたしました枚方市における国・府・市有財産の最適利用推進連絡会議におきまして、北河内府民センターが3)街区に移転し、その跡地に国・市の合同庁舎を整備する方向で検討を進めていくことが、国・府・市有財産の最適利用、効率的なまちづくりの観点から有効であると、基本的な考え方の整理を行いました。
それ以降も、近畿財務局や大阪国税局と連携し、土地区画整理事業の制度や事業スケジュール、施設規模など、事業化に向けた意見交換を行うなど検討を重ねております。また、先月には同連絡会議を開催し、今回の全員協議会資料の検討を行ったところでございます。
40 ◯漆原周義議員 では、今後、国との協議の中で合意に至らず、税務署との合同庁舎が実現しない場合でも、市は5)街区で単独の新庁舎を整備するお考えなのか、重要なことですので、市長にお伺いいたします。
41
◯伏見 隆市長 この間、国・府とは、それぞれが有する財産の最適利用の観点から、また、本市が進めるまちづくりに十分な理解を示していただいており、議員お示しの状況にはならないものと確信しております。引き続き、国と連携して合同庁舎の整備に向けた検討を進めていく考えであります。
42 ◯漆原周義議員 ぜひ市長も御自身にプレッシャーをかけていただいて、合意に至らないということのないように働きかけていただきたいと思います。
それでは、次に、枚方消防署の建てかえ問題について、お伺いいたします。
資料では、枚方市駅周辺再整備基本計画策定に向けての新たなまちづくりイメージ例では、5)街区周辺において、新庁舎整備とあわせて、安全・安心の拠点を目指す内容が示されていますが、この中には、課題としている枚方消防署の老朽化対策として、消防署の建てかえや耐震化について市長はどのように考えておられるのか、お聞きします。
43
◯伏見 隆市長 枚方消防署の老朽化対策につきましては、枚方寝屋川消防組合の第4次将来構想計画の中において、枚方市駅周辺再整備ビジョンと連携しながら、移転を含めた整備の検討を行うこととしております。こういう考えのもと、5)街区において防災や防犯、生活サポートなど、安全、安心を高める拠点の実現を目指していきたいと考えています。
44 ◯漆原周義議員 ただいま市長から移転を含めた整備の検討を行うという答弁をいただきました。
当然、今回の財政シミュレーションの中には、この消防署の建てかえ費用については含まれていないと思います。当然、今後建てかえが必要だということになれば、財政シミュレーションもまた大きく変わってくると思いますので、そのときには速やかに新たな財政シミュレーションを提示していただきたいと思います。
それと、新庁舎整備費用の中に、現在の府民センターの跡地に新庁舎を整備するとして、そのときには府有地を購入するのか、借り受けるのかは、この中ではちょっとわかりづらい。このことについても明記していただきたい、考え方を示していただきたいと思います。
次に、位置条例の上程時期について、お伺いいたします。
ただいま御答弁いただきました税務署との合意や枚方消防署の建てかえに係る2つの内容につきましては、新庁舎の位置を決めるのに重要な条件になります。これらの条件整理をした上で、最適な庁舎位置を決めていくことになりますけれども、市は位置条例改正の上程時期をいつのタイミングで考えているのか、お伺いいたします。
45 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 市役所本庁舎の位置条例の改正につきましては、枚方市駅周辺再整備基本計画及び枚方市新庁舎整備基本構想を策定していく経過の中で、市議会や市民への説明をしっかり行った上で、必要な手続を進めていきたいと考えております。
46 ◯漆原周義議員 別紙1-3で示す実施に向けた想定スケジュールでは、令和5年に府民センター移転とありますが、府民センターが移転するということは、市庁舎が現在の府民センターの場所で位置条例を改正するという根拠がなければ、府民センターが移転するという根拠になり得ないと思います。したがいまして、それまでに庁舎の位置条例の改正手続を終えていかなければいけない。5)街区で新庁舎を整備する場合、一体いつまでに位置条例を改正しようと考えておられるのか、市長にお伺いいたします。
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◯伏見 隆市長 私といたしましては、お示ししている想定スケジュールに基づき、5)街区の整備が始まる前の準備期間中に手続を行う必要があると考えています。
48 ◯漆原周義議員 すなわち、令和5年に府民センターが移転という計画になっていますので、遅くとも想定スケジュールでは令和5年まで、都市計画決定の最終までには位置条例を出していただかなければいけないということになろうかと思います。したがいまして、ただいま、枚方消防署の問題を含めて整理しなければならない条件があり、そんなに猶予はないと思います。速やかに行動に移していただいて、方針を決めていただきたいと考えます。
最後に、サンプラザ3号館の状況について、お伺いいたします。
枚方市駅周辺再整備基本計画が示す街区の設定には、サンプラザ3号館が含まれておりません。再整備基本計画が示す市駅周辺再整備を実現するためにも、まちづくり全体が目指すコンセプトや機能は行き届かず、現在の地権者が将来的には売却等によって新たな地権者に変わることで、市が目指すまちづくりと異なる開発が枚方市駅の目の前の土地で行われる懸念があります。
例えば、現在、3)街区、それから2)街区、1)街区と、具体的に言いますと、いろいろな用途を制限している、風営法にかかわる建物の制限をしているという状況の中で、サンプラザ3号館には、その制限が現在設定されていない。これが第三者に転売することによって、その制限がかかっていない建物が建築されると。そうなりますと、市の目指しているコンセプトが根底から覆ることにもなりかねません。この点について、市は対策をどのように考えているのか、お伺いいたします。
49 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 サンプラザ3号館は、枚方市駅や駅前広場に面した位置にあり、議員御指摘の懸念につきましては課題として認識しております。まちづくりの方向性や主な地権者の状況を踏まえた実現性などの観点から、枚方市駅周辺再整備基本計画の対象に含めておりませんが、これまでからも地権者への情報提供や意見交換を適宜行っており、今後も継続して行っていきたいと考えております。
50 ◯漆原周義議員 繰り返しになりますけれども、このまま市が放っておくと、民間の売却等によって、市が目指すまちづくりのコンセプトからかけ離れていくのではないかと懸念しています。民間の不動産取引に対して市が規制をかけることは難しいわけですから、例えば、サンプラザ3号館の地権者の皆さんが売却等を考えられるときには、一旦、市は土地を買収して、市のまちづくりのコンセプトに沿った条件を付して民間へ売り払うといった対策を講じるなど、まちづくりに向けた最善の対策をとっていただきたい、このように意見を申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
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◯前田富枝議長 これにて、漆原周義議員の質問を終結します。
52
◯前田富枝議長 次に、堤 幸子議員の質問を許可します。堤議員。
53 ◯堤 幸子議員 それでは、私のほうからも何点か質問させていただきます。
今回、事業手法の比較(案)として出された検討案では、検討案1は、2)・4)・5)街区全てを土地区画整理事業とし、検討案2では、2)街区を市街地再開発事業、4)・5)街区は土地区画整理事業とすると提案されました。
なぜ市街地再開発事業から土地区画整理事業に変更されたのか、また、どこでどのように議論されたのか、お伺いいたします。
54 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 昨年12月にお示ししました枚方市駅周辺再整備基本計画(素案)では、市街地再開発事業の場合、事業に係る負担額を抑制できることや短期間でのまちづくりが可能となるメリットがありますが、地権者との合意形成が図れない場合、全体事業がおくれるという事業リスクなどの課題があります。
また、市の負担額につきましては、これまでの大阪府との協議を踏まえ、府補助が充当されない場合を想定するとともに、2)街区における地権者の意向を踏まえる必要があります。そのため、事業手法につきましては、2)街区における地権者の生活再建の提案が可能となる市街地再開発事業を、4)・5)街区では、財政状況を踏まえ、事業の検討段階から民間の創意工夫を生かし、街区ごとに順次実施することが可能となる土地区画整理事業にすることで、それぞれの事業手法の特性を生かしたまちづくりが可能となることから、庁内委員会等での議論を踏まえ、改めて今回お示しさせていただいたところでございます。
55 ◯堤 幸子議員 この検討案1と検討案2を比べると、検討案2では、市街地再開発事業に4)街区の公園の一部が含まれているということで、2)街区の範囲が変わっています。その理由と、検討案2のほうにある再開発施設の御説明もお願いいたします。
56 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 駅前広場の拡充とあわせまして、2)街区における地権者の意向を踏まえた生活再建に必要となる再開発施設をニッペパーク岡東中央の一部を活用して整備するためでございます。
57 ◯堤 幸子議員 つまり検討案2では、市街地再開発事業の2)街区の範囲に、現在のサンプラザ1号館のための再開発施設をニッペパークの一部に整備するためということですが、サンプラザ1号館については、これまでも地権者の方から現状と同様の立地条件を要望されていたということです。ことし8月に、改めてサンプラザ1号館みどり会からの要望が出されたということですが、どのような内容だったのでしょうか。
また、枚方市駅前の再整備については、この間検討がずっと進められてきたわけですけれども、平成25年に策定した枚方市駅周辺再整備ビジョンでは、枚方市駅から真っすぐ公園があり、ゆとりの空間、回遊性の向上を図るとありました。サンプラザ1号館の立地によってはこのビジョンの内容が全くなくなってしまうことになりますが、お考えを伺います。
58 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 サンプラザ1号館の地権者からは、枚方市駅南口駅前広場の拡充や、現状と同様の立地条件として駅前広場に面した位置での建てかえ等について要望されております。
本市といたしましては、駅前広場とニッペパーク岡東中央との連続した空間の確保に向けて、駅前広場の配置等の検討や地権者の理解、協力に向けた意識の醸成を図ってまいります。
59 ◯堤 幸子議員 結局、御要望では現状と同様の立地条件を望まれていて、検討案2では、公園に再開発施設を建てるということが前提となっていて、その御要望に応えている形となっているというわけです。検討案2の2)街区は、市街地再開発事業として行うので、仮に再開発施設を建てることになると、床の売却によって資金をつくることになります。つまり、今のサンプラザ1号館より、かなり高層の施設を建てないといけなくなり、それが公園側に移動してくるという計画の案に今現在なっているというわけです。これでは、かなり大きな壁が駅前にどんとできることになってしまいます。これは私としては大反対です。
枚方市では、これからも広場と公園の連続した空間の確保に向けて御理解いただくために頑張っていくということですけれども、検討案2に示されてもないのにどう説明していくのか、今回のこの提案は理解できません。また、これまでも話がまとまっていないのに、御理解をいただいていくことができるのかも不明確です。駅前広場と公園の連続した空間の確保は、枚方市駅前の特徴でもあると思います。駅前に大きな壁は必要ないと改めて言っておきます。
そこで質問ですけれども、今回の提案で土地区画整理事業とされているところでも、土地所有者等による組合を設立していくことになりますが、現在どのぐらいの土地所有者の方がおられるのか、土地区画整理事業の場合、組合解散時の清算の際に組合員の方に負担が伴うと聞いていますが、その際はどのように対応されるのか、お伺いします。
60 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 現時点で把握しています4)街区と5)街区の土地所有者数は14名でございます。また、土地区画整理事業におきましては、保留地処分金が造成等の事業費を下回る場合には、構成する組合員が負担することになります。
61 ◯堤 幸子議員 法律にのっとって、粛々とということだと思います。
市街地再開発事業では、市駅前にマンションや商業施設など、どこにどのようなものを必要とするのかをこれまで示されてきたわけですけれども、土地区画整理事業では、土地を購入した事業者が駅前のコンセプトなどをあくまでも考慮した上で何を建ててもいいわけです。どのようなものが建つのか、どう利用されるのかが民間事業者の裁量に任される形となっています。枚方市駅を利用する市民や利用者の意見を今後どのように聞いていくのか、お伺いします。
62 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 市民の御意見につきましては、再整備基本計画の策定などに際しまして、市民説明会やパブリックコメントなどを行っていきたいと考えております。
63 ◯堤 幸子議員 市民の意見とか、パブリックコメントで聞いていくということですけれども、これまで枚方市駅周辺再整備ビジョンの策定の際には、まちづくり懇談会、市民との意見交換会も行われて、枚方市駅周辺をどんなまちにしていくのかがしっかり検討されて、ビジョンがつくられたわけです。当時は、駅前から大型商業施設の閉店もあって、商業施設全体の販売価格が下がっていたということもあって、市民の皆さんからも駅前ににぎわいが欲しいという切実な声が上がっていたということもありました。
しかし、その後6年が経過していますが、市駅前に求められる市民の意見は、今はもうそれだけではないと思うのです。特に災害に対する備えや防災拠点としての役割も強く求められる枚方市役所の建てかえ、これは本当に待ったなしの状況で、市民の皆さんからも多くの声が上がっています。これまで示された素案と今回の検討案については、こうした市民の皆さんの声は全く反映されていません。
今後、再整備基本計画策定に当たっては、市民説明会やパブリックコメントを行っていくということですけれども、土地を購入した民間事業者へ、例えば、幾ら市民が「タワーマンションをやめてほしい」と言っても全然聞いてもらえないのではないかと懸念されます。
ビジョン策定の目的には、再整備に当たっては、「地域に関わる人々が魅力あふれる賑わいのあるまちの構築をめざし、実現化を図る」と目的がしっかり書かれています。地域にかかわる人々、つまり駅前を利用する人、そこに住む人、商売をする人、そこにかかわる人々全てが一緒に考えてこそ、自慢できる駅前のまちづくりができると思います。変わってほしいとの市民の思いはありますが、どう変えていくのか、そこが問題なのです。今、何が求められているのか、市民の皆さんなどの声もしっかり聞いていくべきで、民間主導の開発となることは納得できないと意見を申し上げて、質問を終わります。以上です。
64
◯前田富枝議長 これにて、堤 幸子議員の質問を終結します。
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◯前田富枝議長 次に、広瀬ひとみ議員の質問を許可します。広瀬議員。
66 ◯広瀬ひとみ議員 私のほうからも質問させていただきたいと思いますけれども、さまざまな意見を受けて、基本計画(素案)として示されてきた内容を見直して、今回2つのプランを検討し、検討案1・2ということで示していただきました。
昨年12月の全員協議会で、今後、他の事業の見直しを進めながら財源を確保していくとの説明に対して、私はこのように意見を述べさせていただきました。よりコンパクトに庁舎整備を最優先にできる案はないのか。少なくとも市民会館跡地を活用したシンプルな建てかえ案との比較検討も示されなければ、市民の皆さんの理解は得られないのではないか。消費税増税、そして生活保護費の削減や年金の削減、こうした厳しい暮らしを余儀なくされる市民の皆さんが、魅力にあふれ、にぎわいのある広域中心拠点の形成のためにと、さらなる市民負担増に果たして耐えられるのか。サービスの切り捨てが受け入れられるのか。こうした点も十分踏まえて御検討をと求めましたが、覚えていただいているでしょうか。
ところが、出されてきたのは、最も厳しい生活を余儀なくされている皆さんの水道や下水道の基本料金減免の廃止、約2億2,000万円の削減を含む行財政改革プラン案です。この点は、また後でもお聞きしますが、この中身では到底受け入れられません。
そこでまず、お聞きいたしますが、シンプルに庁舎を建てかえるとした場合に必要事業費はどの程度見込まれるのかも含め、この点は御検討いただけたのか、お聞きいたします。
67 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 枚方市新庁舎整備基本構想(素案)におきまして、新庁舎の概算事業費は庁舎規模2万5,000平方メートルを想定した場合、設計費と建設費で約116億円を見込んでおります。
68 ◯広瀬ひとみ議員 資料の別紙1-2には、前回示された基本計画(素案)と、そして新たに検討された案1・2が示されています。私が今求めているのは、こうした比較検討材料としてシンプルな庁舎建てかえ案をここに並べて真剣に検討すべきではないのかということです。なぜなら、示された長期財政の見通しを見る限り、枚方市駅周辺再整備に手を出すのは、現状の財政プランではやっぱり無謀だと感じるからです。
前回の協議会では、216億円の財源確保策を前提に議論をしたと思いますが、今回大きく違ってきているのが、どの案についても府費なしの場合と記載がされています。この点は、参考資料3に、市街地再開発事業と土地区画整理事業の費用負担割合が記載されています。補助率のところに、国、地方とあります。この地方の中に大阪府が入るという前提で、前回は216億円という数字で議論をしてきたわけです。以前のプランは入らなければ約290億円ということで、74億円の増加となります。
今回、検討案1・2は、もう初めから府費なしの場合として市負担額を示していただいておりますが、府費なしとの状況判断をされた経緯と確保できる可能性はもう全くないのか、仮に確保できた場合はどの程度の金額となるのか、お聞かせください。
69 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 大阪府とは、これまで協議を進める中で、府費につきましては限られた予算の中で現在継続している事業に充当していることから、現状では市駅周辺再整備費に充当することは大変厳しいとされております。このことから、事業手法の比較検討に際しましては、府費なしの場合を想定して、市負担額をお示ししております。
70 ◯広瀬ひとみ議員 大阪府は、今、湾岸開発にまっしぐらで、衛星都市切り捨てだと感じるところですが、議会の意見も十分に踏まえて議論、検討するのだということで市長はおっしゃいましたが、当初計画の内容では290億円に上るわけですから、これはもう手の出しようがない計画となって見直さざるを得なくなったというのが今回の見直しの実情ではないかと思います。市が検討されている案2でも216億円から236億円に、市費負担は20億円さらに増額、膨らむ中身となっております。話にならないと思いますが、財政の裏づけについて、お聞きします。
今回の提案では、財源確保策として新たに行革プラン2020、これはまだ案の段階ですので市民の皆さんの御意見も十分に踏まえていただきたいと思っておりますが、これを参考資料5に財源として示すと同時に、参考資料4で今後見込まれる経費として一般財源ベースですが示されています。3)街区の75億円は、既に策定されている長期財政の見通しに反映済みということであります。この反映そのものも私たちは異論がありますけれども、反映済みなので、未反映の部分を枚方市駅周辺再整備分としてトータルで125億円、基金に毎年5億円を25年間積み増ししていく方針だと。
そして、加えて新たな公約施策の実施に必要な財源を示していただきました。今後見込まれる事業経費として、枚方市駅周辺再整備に係る125億円とは別に、令和2年で5億5,900万円、令和3年で9億4,800万円、令和4年で9億3,300万円、令和5年で12億5,800万円、令和6年以降は15億2,200万円が新たな事業費として公約実現事業で必要となるということでありますが、この積み上げている具体の事業の中身とは一体何なのか、それぞれの金額をお聞きいたします。
71
◯田中哲夫総合政策部長 今後見込まれる事業経費につきましては、第2子以降の幼児教育・保育の無償化や全中学校へのタブレットPCの導入費用など、所信表明に掲げております施策について、現状で見込まれる事業費を算定したものでございます。
72 ◯広瀬ひとみ議員 今後見込まれる事業経費とは、何をどのように見込んだのか、具体の数字はお答えになりませんでしたが、市駅周辺再整備を実施すれば、枚方市の魅力を高める、また、その時代の要請に応じた必要な事業が実施できなくならないのかと、この疑問に答えていただかなければなりません。少なくとも、この数字を示していただいたわけでありますから、その根拠となる内訳が示せないのは、おかしな話ではないでしょうか。資料の提出をぜひお願いしたいと思います。
実質収支については、黒字を維持できる結果ですと言われましたが、行革などによる財源確保ができればという話であります。長期財政の見通しを全体として見直して、今回示されるのかと思いましたけれども、今回の資料は一部にとどまっています。投資的経費の推移はどうなるのかなど、手元では資料があるのだろうと思いましたが、これはなぜ示されないのか、お聞きいたします。
73
◯田中哲夫総合政策部長 今回の財政シミュレーションは、本年2月に策定しました長期財政の見通しに、平成30年度決算数値への置きかえなどの時点修正を行った収支をベースとし、そこに今後事業実施に必要となる一般財源での負担額を反映することで、収支の算定を行っております。そのため、投資的経費等の各費目の詳細な置きかえは行っておりませんが、収支の算定に当たっては、市駅周辺再整備事業を実施する際に、財政運営上留意しなければならない市債発行や、それに係る公債費については見込んだものとなっております。
74 ◯広瀬ひとみ議員 今回のシミュレーションは、収支状況の把握に重きを置いているために各費目の置きかえを行っていないということでありましたが、結果だけを示されて、財政状況は大丈夫ですと言われても、そう簡単に判断することは難しいと感じます。
では、来年2月に策定するであろう長期財政の見通しは、今回の財政シミュレーションを踏まえた内容で作成されるということになるのか、お伺いいたします。
75
◯田中哲夫総合政策部長 来年2月に作成いたします長期財政の見通しでは、令和2年度の当初予算編成における財政状況などを踏まえるとともに、今回の財政シミュレーションに反映しております枚方市駅周辺再整備等を見込んだ上で、歳入歳出の内訳など、例年お示ししている形で作成してまいります。
76 ◯広瀬ひとみ議員 行革効果額等を踏まえた財政シミュレーションが別紙5として示されておりますが、長期財政の見通しでは、実質収支が令和9年度から約5億円の赤字となって、令和12年度から約10億円のマイナスで、この表で示されてる令和25年度までずっと続くということになっています。そして、70億円は確保が必要とされてきた財政調整基金は、35億円と必要確保額の半分まで減少していくというシミュレーションです。さらには、市債残高も延々と1,000億円を超える状況が続いていく。少子・高齢化が進展し、人口も減少していく、日本は今や先進諸国とは言えない、経済情勢も先行きも心配され、財政需要はますます増大する、とてもできる状況ではないのではないかと感じますが、改めてお伺いいたします。
77
◯田中哲夫総合政策部長 施策の具体化を図っていくに当たりましては、今回の財政シミュレーションのみならず、その時々の財政状況を見きわめていく必要がございます。現時点での財政シミュレーションでは、行革効果を見込まない場合には実質収支は赤字になる状況でございますので、今後、財政の健全性を維持しながら施策を推進し、第5次枚方市総合計画の実現を図るためにも、行財政改革の取り組みを着実に進めてまいります。
78 ◯広瀬ひとみ議員 行革が進めば大丈夫ということでありますが、先ほども述べましたが、その行革の中に2億2,000万円、水道、下水道の福祉減免廃止や駐車場有料化の推進など、市民負担増が盛り込まれている点が問題です。財源を裏づける資料として行革プラン2020の効果額とともに、参考資料として行革プラン2020の取り組み以外による効果額として、経常経費の配分見直しにより、令和2年・3年でそれぞれ3億円、令和4年度以降は5億円と示されています。繰出金の見直しによる1億1,757万円などもありますが、これも財源に含められているということでありましたけれども、この内容について説明をいただきたいと思います。
79
◯田中哲夫総合政策部長 参考資料の(仮称)行財政改革プラン2020の取り組み以外による効果額一覧につきましては、火葬場使用料の見直しなど現行のプランの位置づけの取り組みのほか、直接的には行革課題としてなじみにくいものの、財源確保につながる取り組みとしてお示ししており、これらの効果額につきましては、今回の財政シミュレーションに反映しております。
80 ◯広瀬ひとみ議員 行革プランの効果額に加えて、この参考資料では、財源確保策として経常経費、現行の行政サービスや行政水準を維持していくために経常的に必要となる経費をカットする。それを3億円、5億円と、ここで確保するという見込みであります。一般会計からの繰出金の見直しでは、1億1,175万円の効果額を見込まれておりますが、これは国保会計の基準内の繰り出しまで削減するという中身になっています。とらぬタヌキの皮算用といった感もありますが、実施されれば、逆にそのことでもって、結局、一体どこにしわ寄せが行くのだということも心配されるところです。弱者に負担を求める財源プランは認められませんし、やはり庁舎整備に絞って早期の実現を図るべきだということを改めて意見として述べさせていただきまして、質問を終わります。
81
◯前田富枝議長 これにて、広瀬ひとみ議員の質問を終結します。
82
◯前田富枝議長 次に、野口光男議員の質問を許可します。野口議員。
83 ◯野口光男議員 質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
私からも質問させていただきたいと思いますけれども、まず、これまでの堤議員の質問では、4)街区がどのようになるのか全く不透明であることと、そして民間任せになってしまうということが明らかになりましたし、今の広瀬議員の質問でも、財政が大変厳しく、この計画自身が大変無謀な計画だということがわかってきたと思いますけれども、このような中で、今回も3)街区だけどんどん進めていくという計画となっています。
市長は、先日の私の代表質問に対して、議会との議論を深めながら、まちの将来像を示していく考えであると答えていますけれども、議会の意見を尊重していくという答弁だったわけですが、そのことは庁舎の位置をどこにするのか、4)街区にするのか、また5)街区にするのか、そのことを含めて3)街区の行政サービスを考えていくと理解してよろしいのか、伺いたいと思います。
84 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 新庁舎の位置につきましては、これまでから国・府・市有財産の最適利用によるまちづくりや大規模災害時における対応などの観点から、5)街区での実現を目指しているところでございます。
その上で市駅前での行政サービス再編につきましては、現在、駅周辺で実施しています行政サービスを継続するとともに、新庁舎整備と連携し、各種施設が抱える課題を解決していきたいと考えております。
85 ◯野口光男議員 財源的な問題が決まらない中で3)街区に先行して75億円を支出していくというのは、これはどうしても理解できないわけですけれども、この支出について保留すべきではないかと思いますが、見解を伺います。
86 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 地権者による検討が進んでいます3)街区のまちづくりにつきましては、将来の財政状況を踏まえた上で、他の街区に先駆け、引き続き、事業着手に向け取り組みを進めてまいります。
87 ◯野口光男議員 3)街区については、事業を計画どおり進めていくという答弁だったわけです。今回、2)・4)・5)街区の整備手法として検討案2が示されたわけですけれども、先ほど堤議員も言いましたが、サンプラザ1号館には市が所有する床があり、例えば2)街区において市街地再開発事業を行った場合、つくった床が売却できずに、その負担を市がかぶる事例が全国には多く起きています。この枚方でも、サンプラザ3号館も同様の状況になっています。そうなった場合、枚方市の負担は、さらなる支出が予想されます。こうした問題がある中で3)街区に75億円を支出していくという計画は見直し、保留すべきだと改めて思いますけれども、見解を伺います。
88 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 繰り返しにはなりますが、地権者による検討が進んでいます3)街区のまちづくりにつきましては、枚方市駅周辺再整備ビジョンを実現していくため、引き続き、事業着手に向け、取り組みを進めてまいります。
89 ◯野口光男議員 再整備基本計画(素案)における市議会からの主な意見として、今回も4つが示されたわけですけれども、しかし、どのようにこれまでの意見を把握しているのか。例えば、多くの意見があった庁舎の位置について、また現在の大ホール跡地活用について、民間に売却するのではなく市有地として活用すべきという意見も、これまでもたくさん出されてきたと思うわけですけれども、これらについてどのように認識しているのか、伺います。
90 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 本市といたしましては、これまでから国・府・市有財産の最適利用によるまちづくりや大規模災害時における対応などの観点から、5)街区での実現を目指しているところでございます。今般、新たなまちづくりのイメージ例におきまして、5)街区周辺を新庁舎のほかに、防災や防犯機能を加えた安全・安心の拠点とした考え方を提案したものでございます。
また、市民会館大ホール跡地につきましては、土地区画整理事業後、所有権を民間に売却し、魅力を高めるため、民間活力導入エリアとして、民間ノウハウによるまちづくりを推進していく考えでございます。
91 ◯野口光男議員 民間活力という名のもとに、民間の営利のために市民の財産である市有地を売却するということは、到底、市民の理解は得られないと思います。やめるべきだと思いますし、そもそも枚方市駅周辺再整備ビジョンは、平成25年3月に策定されたものです。その後発生した自然災害は、これまでの想定を大きく上回っているもとで、もともとの計画から、市駅周辺の人口誘導についても見直すべきではないかと思いますけれども、見解を伺います。
92 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 市駅周辺再整備による定住人口や交流人口を増加していくため、枚方市駅周辺再整備基本計画等を策定していきたいと考えております。
93 ◯野口光男議員 ことしの台風19号の被災地のうち、自治体が設定した居住誘導区域の浸水被害が7県14市町で発生しています。誘導区域を定めている全国269市町のうち9割、239市町は区域内浸水を想定しており、国土交通省は区域設定が妥当かどうか検証するよう要請するとあります。今回の計画誘導区域で区域内浸水を想定しているのか、どう対応していくのか、見解を伺います。
94 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 当該箇所につきましては、現在、新安居川ポンプ場の機能強化に取り組んでいるところでございます。また、今後、各街区の具体化に際しましては、大規模災害も想定した対応が必要であると考えております。
95 ◯野口光男議員 今回、安全、防災の拠点が5)街区に設けられていますが、具体的にはどのようなものを考えているのか、今回も枚方消防署が計画区域から外れていますけれども、どのように考えているのか、見解を伺います。
96 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 大規模災害時の対応などを含めた新庁舎の整備を初め、5)街区周辺の既存施設の特性を生かし、消防署などの機能を想定しております。
97 ◯野口光男議員 5)街区、現在の税務署から府民センターは、ハザードマップでは浸水地域となっています。このようなところで安全・防災拠点がつくっていけるのか、どのように対応していくのか、見解をお伺いします。
98 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 ハザードマップにおきましては、5)街区につきまして0.5メートルから3メートル未満の地域でございますので、今後、浸水対策につきましては慎重に検討してまいります。
99 ◯野口光男議員 この場所につきましては天野川にも面しており、現在のハザードマップは、水防法に基づき、淀川の洪水予報は24時間雨量360ミリメートルです。天野川など支川は267ミリメートルですが、今回の台風19号では、相模原市緑区では595ミリメートルなど、観測史上最大となっています。慎重に検討すべきだと意見を申し上げておきたいと思います。
『広報ひらかた』12月号では、伏見市長の情熱日記には、市駅周辺の事業計画について、玄関口にふさわしい魅力ある空間を目指す市駅周辺再整備、民間事業者が意欲的にビジネスを展開したいと思える将来像を示せるかが問われていると書かれております。市長の考えは、民間ビジネスしか考えていないと受けとめられそうなこの文章に示されていると思います。
第4次枚方市総合計画の施策目標では、市民によるにぎわいづくりを支援しますとあります。しかし、今の計画では、市民によるにぎわいづくりを支援するという観点が後回しになっている状況になっています。この市民によるにぎわいづくりをどのように考えているのか、伺います。
また、枚方市駅周辺に必要な施設については、市有地の有効活用については市民の財産であり、市民の意見を聞いて進めるべきだと考えますけれども、見解を伺います。
100 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 にぎわいの創出などを図るため、4)・5)街区につきましては、土地区画整理事業により民間活力導入エリアを設け、民間ノウハウの活用や民間投資を促進し、まちの魅力を高めていきたいと考えております。
今後、そうした考えを再整備基本計画(案)として取りまとめた上で、市民説明会やパブリックコメントなどにより、市民の意見を伺ってまいりたいと考えております。
101 ◯野口光男議員 今の答弁でも、市民によるにぎわいづくりを支援するという考えが示されていないということで非常に残念に思いますけれども、この点について、再度伺いたいと思います。
102 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 公民連携により、にぎわいを創出し、まちの魅力を高めていきたいと考えております。
103 ◯野口光男議員 あくまでも民間中心の開発を考えているということですけれども、私ども議員団は、新潟県長岡市駅前の市街地再開発事業、そしてシティホール、アオーレ長岡を視察してきました。そこでは商業施設の配置だけではなく、市民活動の場を中心に考えて、そして、その場を多数設けて、にぎわいを創出していました。参考にすべきだと意見を申し上げておきたいと思います。
今回の計画について議論を深めていくとしながら、3)街区だけ先行して75億円の財源を投入するのは到底理解できません。
一方で、先ほど広瀬議員からも言いましたけれども、水道料金、下水道使用料の福祉減免の廃止や公共施設使用料の引き上げなどを初めとする(仮称)行財政改革プラン2020(案)について、まさにきょうからパブリックコメントが実施されています。その効果額をこの市駅周辺再整備事業の財源とすることが今回計画で示されています。市民の皆さんが、この行革プランに対してノーの声を大きく上げた場合、この市駅周辺にかかわる計画は進められないと理解してよろしいのか、見解を伺います。
104 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 再整備基本計画等につきましては、財政見通しを踏まえながら、議会の御意見を聞くなど議論を深めた上で、策定してまいりたいと考えております。
105 ◯野口光男議員 財政の見通しが立たないわけですから、計画を抜本的に見直すことを改めて求めておきたいと思います。議会との議論を深めるだけでなく、市民の理解を得ることがその前提だと思います。
私どもは、市民の皆さんの暮らしが大変厳しい中で、その暮らしをさらに削っていく、そして犠牲にしての市駅前再開発事業はやめるべきだと考えています。枚方消防署の建てかえ、そして市民の安全、安心を守る機能を果たす防災拠点施設、そして子育て支援センターや各種市民活動を支え、活性化する図書館機能を備えた庁舎の整備を進めるべきと意見を申し上げて、私の発言を終わります。ありがとうございました。
106
◯前田富枝議長 これにて、野口光男議員の質問を終結します。
107
◯前田富枝議長 次に、門川紘幸議員の質問を許可します。門川議員。
108 ◯門川紘幸議員 質問の機会をいただき、ありがとうございます。6番目の質問ということで、幾つか内容の重なる部分もあると思いますが、何とぞよろしくお願いいたします。
それでは、質問をさせていただきます。
まず、事業手法の比較について、今回、別紙1-2において、新たに2つの事業手法の説明がございました。これまで全ての街区において市街地再開発事業で検討してきたものを、新たに土地区画整理事業の手法を用いた検討案と、また、その併用案が出てきたわけですが、課題として、どちらの案もスケジュール的には13年から17年と、これまでに比べ大幅に延長されております。今までもなかなか進んでいかないと言われ続けてきた市駅周辺の再開発において、スピード感を持った計画が期待されているところですが、このタイミングで事業手法を見直し、今後検討を進める事業手法として検討案2とされた、その理由は一体どういったものなのか、お尋ねいたします。
109 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 昨年12月にお示ししました再整備基本計画(素案)では、2)・4)・5)街区整備のモデルケースとして市街地再開発事業の検討内容をお示ししました。このモデルケースは、市街地再開発を一体的に進めた場合、事業に係る負担額を抑制できることや短期間でのまちづくりが可能となるメリットがございます。一方で、検討段階から整備する施設の規模等を定めていくことや地権者との合意形成が図れない場合、全体事業がおくれるという事業リスクなどの課題がございます。
また、市の負担額としまして、再整備基本計画(素案)でお示ししました市街地再開発事業では216億円としておりましたが、これまでの大阪府との協議の中で、府補助金につきましては非常に厳しいとのことから、改めて府補助が充当されなかった場合の試算額は290億円になると見込んでおります。あわせまして、2)街区の地権者から移転に関する要望書を8月に受けております。
こうした状況を踏まえまして、今回お示ししております検討案2では、2)街区における地権者の生活再建の提案が可能となる市街地再開発事業を、4)・5)街区では、財政状況を踏まえ、事業の検討段階から民間の創意工夫を生かし、街区ごとに順次実施することが可能となる土地区画整理事業にすることで、それぞれの事業手法の特性を生かしたまちづくりが可能となり、また、市負担額につきましては、府費の充当をしない場合において約236億円となりますが、今後、都市再生緊急整備地域の政令指定を受けることで、土地区画整理事業における補助率の増加が見込めることや、行革を推進することで財源確保の見通しが立ったことなどを踏まえ、総合的に比較しますと、検討案2を基本に検討を進めていくことが市駅周辺再整備全体の実現性を高める上で効果的な事業手法であると考えております。
110 ◯門川紘幸議員 新たな検討案が出てきた背景には、府費の充当が難しくなったということや2)街区からの要望書があったということもあるようで、検討案2において2)街区を切り離して考えるというのは、地権者たちとの調整という面もあるとは思いますけれども、そうなると市駅前の広場から5)街区までの大空間の形成というのは可能なのでしょうか。ここは重要な要素と思うのですが、これについてはどのように進めようと考えていらっしゃるのでしょうか。
111 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 2)街区のまちづくりを具体化していくには、地権者の生活再建の意向などを踏まえた合意形成を図る必要があると考えております。そのためには、土地の高度利用などによる建物の提案が可能となる市街地再開発事業が最適という考えのもと、引き続き、本市が目指す南口駅前広場とニッペパーク岡東中央との連続性や、大空間の確保といった将来の目指すまちの姿の実現並びに地権者の生活再建の両立が図れるよう、駅前広場の配置等を検討するとともに、地権者と協議を重ね、まちづくりの機運を高めてまいりたいと考えております。
112 ◯門川紘幸議員 地権者の方々の要望に沿った形をとれるように協議をしていくということですが、駅前から5)街区までの連続性や、大空間の確保については引き続き検討いただけるということで、これについてはうまく両立できる形でまとめていただきたいと思います。
また、今回さらなる検討の視点を加えた新たなまちづくりのイメージ例では、昨年の基本計画(素案)において、高層マンションの整備となっていた4)街区のエリアが民間活力導入エリアとなっております。従前の高層マンションを建築することを前提にした案には否定的な意見もあったようですが、このエリアについてはどのように考えているのか、見解をお尋ねいたします。
113 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 再整備基本計画(素案)の作成に当たりましては、民間アドバイザーからの意見を踏まえ、駅至便の住宅ニーズが高いことや財源確保を含めた事業の実現性、定住促進の観点から、多様な世代が快適に暮らせるまちづくりを行う上で居住機能は必要と考えております。
しかしながら、今回4)・5)街区におきましては、土地区画整理事業への事業手法の変更とあわせて、基本計画におきましては、土地利用計画・施設配置計画図の見直しを行い、建物の配置及び規模などを表記せず、想定する導入機能のみを記載する予定でございます。
114 ◯門川紘幸議員 同じ居住機能として利用するとしても、より自由度の増す方法に変更されたということで一定理解いたしました。
ただ、自由度を増したとしても、高層マンションを前提とした計画には、議会でもさまざま意見があったことを認識いただき、なぜ高層マンションが問題なのか、改めて考えていただきたいと思います。また、今後の計画推進でも、こういったことに留意していただきたいと考えます。
また、さらなる検討の視点の中には、「ウォーカブルの推進」という項目も追加されておりますが、この項目を追加した経緯や市の考えについて、お尋ねいたします。
115 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 本年6月に、国におきまして産学官のまちづくり関係者からなる都市の多様性とイノベーションの創造に関する懇談会から国土交通大臣に対し、新たな時代のまちづくりの方向性として、居心地がよく、歩きたくなる町なかの創出により、イノベーションと人中心の豊かな生活を実現するべきとの提言がなされました。これを受けまして、国土交通大臣からウォーカブル推進都市を募集するなど、今後の進め方が示されたところでございます。
本市におきましても、市駅周辺再整備ビジョンで示す基本方針がこれらの方向性と合致していることから、本年8月に同推進都市として賛同したところであり、今回さらなる検討の視点に加えたところでございます。
116 ◯門川紘幸議員 ありがとうございます。
1つ話が戻りますが、民間活力導入エリアの整備はどのように行われるのか。その方法についても、お尋ねいたします。
117 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 よりよいまちづくりをするためには、積極的に民間投資を促し、民間ノウハウを活用する環境づくりが必要と考えており、その実現に向けては、基本計画におきまして目指すまちの方向性等をお示しした上で、土地区画整理事業で生み出された保留地や市所有地の活用について、売却を視野に入れた民間活力の導入を検討しているところでございます。
118 ◯門川紘幸議員 ありがとうございます。
次に、新たなまちづくりのイメージ例において、先行している3)街区を除く、2)・4)・5)街区の民間活力導入エリアにおいて、連鎖型のまちづくりで順次進めていくということですが、市駅周辺における一帯としての統一感や、市が目指すまちづくりに合致しているかどうかも重要と思います。そのために、全体事業を総合調整していくコーディネーターのような役割の担い手が必要になるのではと考えますが、市の見解をお尋ねいたします。
119 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 連鎖型のまちづくりを民間活力を導入して取り込むに際しましては、常に全体のまちづくりの姿をイメージしながら進めていく必要があると認識しております。議員御指摘のコーディネーター役につきましては、より効率的な手法により実施できるよう、先進事例などを参考に調査、研究を行ってまいります。
事業全体の調整等につきましては、議会の御意見をお聞きしながら、市がイニシアチブをとりながら進めていく必要があると考えております。
120 ◯門川紘幸議員 計画がかなり長期にわたりますので、そういったトータルのところの目線がとても重要と思います。ぜひともよろしくお願いいたします。
次に、費用の話に移るのですが、市の費用負担について、これまで市街地再開発に係る費用として216億円と示されていたものが、今回新たに示された検討案2では約236億円と提示されました。検討案1では約215億円と試算されておりますが、検討案1と2で20億円の違いが生じた主な要因について、お尋ねいたします。
121 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 主な事業費の差額といたしましては、検討案2では、2)街区の市街地再開発事業におきましてサンプラザ1号館の生活再建を図る観点から、拡張した駅前広場に隣接する形で現ニッペパーク岡東中央内に再開発施設の整備を想定しており、その施設と駅舎等を結ぶ歩行者デッキの整備費を計上しておりますが、検討案1の土地区画整理事業では、道路などの基盤整備を主たる事業費としており、デッキを含めていないことや事業手法の違いにより、補助金及び調査・設計経費などの要因により差額が生じたものでございます。
122 ◯門川紘幸議員 費用については、全体の計画がまだ定まっていないということもあり、これからも変動していく可能性が大きいと思います。こうした点も踏まえ、極力、市負担額を下げる努力を今後もするべきと考えますが、市の見解を伺います。
123 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 事業費及び市負担額につきましては、今後さらに検討を進めていく中で、新庁舎整備や2)・4)・5)街区のまちづくりに際しまして、必要とする機能や規模等を精査していくとともに、補助事業の確保などに努めてまいりたいと考えております。
124 ◯門川紘幸議員 市駅周辺整備は、市民の期待も非常に大きいものです。これ以上の計画のおくれのないように、市長の手腕が問われるところと思います。活用についても、今の時代の流れを捉えつつ、教育や産業振興、にぎわいづくりを初め、市の発展にも寄与するような駅前利用を考えていただき、また、費用面におきましても、引き続き検討を進めていただきますよう要望いたしまして、私からの質問を終わります。
125
◯前田富枝議長 これにて、門川紘幸議員の質問を終結します。
126
◯前田富枝議長 午後1時まで休憩します。
(午前11時46分 休憩)
(午後1時 再開)
127
◯前田富枝議長 協議会を再開します。
128
◯前田富枝議長 次に、八尾善之議員の質問を許可します。八尾議員。
129 ◯八尾善之議員 昼一番で質問をさせていただきます。私は、交通のほうからの質問をさせていただきたいと思います。
それでは、市駅周辺再整備の事業手法について、これまで市街地再開発事業を想定されたものから、土地区画整理事業に変更する案が示されたところでございます。ほかにも、基本計画策定に向けて、さらなる検討の視点として新たなまちづくりのイメージ例なども示されました。
しかし、事業手法を土地区画整理事業に変更する案が示されたことで、昨年度実施された民間アドバイザーからの意見などはことごとくなくなっているように見えますし、今回も都市基盤整備の根幹を担う道路などの公共施設の内容について、全く説明がありません。今後、高齢社会がますます進展して、介護や送迎の車の増加が想定できる中で、これまで同様、2)街区を初め、交通の観点が置き去りになり、建物ありきで検討を進めているのではないかと感じているところです。
例えば、もともと市から示されている3つの駅前広場などは、枚方市民はもとより、他市からお越しいただく方にとって非常にわかりにくい形状となっています。また、この3つの駅前広場は、通過交通を抑制するためとのことですが、通過交通として利用されている方のほとんどが市民ということを認識された上で排除されようとしているのか、また、なぜこの駅前広場を通過せざるを得ないかというところをわかって排除されようとしているのか、この点についてヒアリングはやっていないのですけれども、担当部長にお聞かせいただきたいなと思います。
それで、今、周辺道路が渋滞しているというところで、駅前に集中していると私は思っているのです。それから、府道京都守口線に左折しかできない、しかも、いびつな外周道路や区画道路の整備だけでは、本当に現状の課題の解決につながるのか、甚だ疑問であります。
そして、仮に南口駅前広場の機能を拡充していくに際し、さらなる利便性向上を積極的に推進していくという思いがあるならば、京阪の枚方市駅の上空を京橋のように利用するとか、バスタ新宿のように立体的なバスターミナルにするなどの工夫で、もっとよりよい交通環境の検討ができていたのではないかと感じます。
これまでにも、市駅周辺整備に係る交通基盤の充実については、幾度となく意見してまいりましたが、この点について全く触れておられません。市は、この間、私からの提案の中で一体どのような検討をされてきたのか、まずお伺いしたいと思います。
130 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 市駅周辺における交通基盤の検討につきましては、公共交通の乗りかえなどの利便性の向上や通過交通の抑制、にぎわいとゆとり空間の創出など、枚方市駅周辺再整備ビジョンの実現に向けて検討を進めているところでございます。
南口駅前広場につきましては、交通事業者、交通管理者など関係者と連携して、ニッペパーク岡東中央との連続性や大空間の確保といった将来目指すべきまちの姿の実現並びに地権者の生活再建の両立が図れる最適な形状や配置などの検討を進めていきたいと考えております。
131 ◯八尾善之議員 今の御答弁で、市民の通過交通という部分も、この中に包含されているというように一応解釈しておきます。
ただ、今の部長の答弁からも、交通基盤について、公共交通の乗りかえなどの利便性の向上などの検討を進めていると答弁をいただきましたが、率直に申し上げて、残念ながら具体的な内容がないと思います。枚方市駅周辺再整備ビジョンが策定されてから、もう既に6年という時間をかけて検討されてきた結果が、今までと同じような枚方市駅前に駅前広場を北口に1つ、南口に2つの、3つも整備しようとする計画案のままであります。
こうした、駅前広場を3つも整備することは、先ほども申し上げましたが、他市からお越しいただく方を初めとする利用者にとって、本当にわかりにくいものであり、これから整備する中で、利便性の向上につながるとは到底思えません。これだけの時間をかけてきて、一体何を検討されてきたのかと腹立たしく感じます。先ほどの質問の中に私なりの提案もいたしましたが、それについてはスルーでありましたし、おまえの言うことなんか聞きたくないわと言っているような感じがして、非常にむかついてなりません。
今後、南口駅前広場については、交通事業者など関係者と連携して最適な形状や配置などの検討をされるということですが、具体的にどのような検討をされるのか、もう少し踏み込んだ内容の御答弁をいただけますか。
132
◯前田富枝議長 八尾議員、品位を保って発言をしてください。
133 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 2)街区のまちづくりにつきましては、繰り返しになりますが、ニッペパーク岡東中央との連続性や大空間の確保といった将来目指すべきまちの姿の実現並びに地権者の生活再建の両立が図れるよう、駅前広場の最適な形状や配置などの検討を進めていきたいと考えております。
134 ◯八尾善之議員 今の御答弁でニッペパーク岡東中央との連続性や大空間の確保といった云々の検討を進めていきたいと言われましたけれども、いろいろな方が言われている資料別紙1-2の右下に、ことしの8月1日、ひらかたサンプラザ1号館みどり会より、現状と同様の立地条件などについての要望書を収受と記載があります。私といたしましては、急に降って湧いたようなもので驚きを隠せません。
ただ、何度も同じような答弁をされているということは、この要望書について、市が当初より議会へ御説明いただいている大空間の確保といったようなことを地権者の方が一定理解したということだから、先ほどの答弁で検討を進めていきたいとなったと理解すればいいのか、はっきりとお答えいただけますでしょうか。
135 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 本市といたしましては、将来目指すべきまちの姿の実現並びに地権者の生活再建の両立が図れるよう、地権者と協議を重ね、まちづくりの機運を高めてまいりたいと考えております。
136 ◯八尾善之議員 はっきりと答えてくれというのはイエスかノーかということなのですけれども、今答えられないということなのでしょうから、これ以上は突っ込みません。
それでは、今回、事業手法を土地区画整理事業に変更していく中で、交通にかかわる基盤整備に関しても、しっかり検討を行うべきと考えていますが、総合交通計画を策定されたところでもあり、交通政策を担う土木部には、枚方市の玄関口にふさわしい道路整備に特化しての考え方並びに交通環境の充実からのあるべき町並みについての観点から、交通基盤の整備の検討もすべきと考えておりますが、市の見解をお伺いいたします。
137 ◯山下 功土木部長 枚方市駅周辺再整備ビジョンの実現に向けての検討に際しましては、「持続可能な公共交通の実現」、「賑わいあふれる駅前空間の構築」、また「快適な生活道路環境の実現」など、枚方市総合交通計画の基本方針を踏まえた上で、交通基盤整備の検討を進めてまいります。
138 ◯八尾善之議員 済みません、ちょっと残念かなと、もう少し具体的な部分があってもよかったのかなとは思うのですけれども、了解です。
それでは、事業手法の比較(案)のところで示されている検討案2では、サンプラザ1号館の地権者の皆様からの要望を受けたことによって、市はそのまま検討案として議会に報告されています。前々から、市は駅前の交通広場とニッペパーク岡東中央を一体的につないで大きな空間をつくることを目指していたはずですので、もっとサンプラザ1号館の地権者の方々に、市の目指すまちづくりについて理解が得られるよう、とりあえずしっかりと説明を行っていただくべきと考えています。
市駅周辺再整備については、これまでにも、かなりの時間をかけて検討や議論をされてきましたが、新庁舎の位置を含め、まちづくり全体の方向性がこの時点に及んでもまだ想定であり、終わりをいつにするのか先に決めて議論していかないと、いつまでも答えが出ずに先延ばしになるのではないかと非常に懸念いたします。
これまで、ビジョン策定から6年、市駅周辺に特化した部署ができてからもう既に3年目となっていますし、この間、おおよその経費として担当部署に算出いただいたところ、人件費を除いて約1億円、それに今年度だけでも10人の職員が市駅周辺等活性化推進部に所属している現状、また、過去2年間の人件費を合わせ、実際の附帯人件費等を考えたら、とてつもない血税がこの間使われている中で、市駅周辺等活性化推進部はこれまで何を検討していたのか、改めてお伺いしたいと思います。
139 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 枚方市駅周辺再整備ビジョンの具体化に向けて、昨年12月の全員協議会で再整備基本計画等の素案をお示しし、議会からの御意見を踏まえ、再整備基本計画につきましては、最適な事業手法や事業費、全体スケジュール、財源確保策に加え、より魅力的なまちづくりを目指し、事業の実現性や、さらなる民間ノウハウや投資を促す環境づくりなどの検討を行ってまいりました。
140 ◯八尾善之議員 ビジョン策定から、そして、特化した部署ができてからも、とてつもない血税を使って今の答弁程度の検討しかできていないのであれば、平成29年度でしたか、わざわざ機構改革によって特別なプロジェクトを推進する部を設置しなくても、都市整備部で十分できたのではないかと思いますが、市の見解をお伺いいたしたいと思います。
141
◯田中哲夫総合政策部長 都市整備部におきましても当該事務を一定担えると考えますが、市駅周辺等活性化推進部につきましては、枚方市駅周辺の再整備や香里ケ丘地区の整備に関する事務をより総合的かつ効果的に執行する組織として設置したものでございます。
枚方市駅周辺の再整備については、現段階では施策の具体化には至っておりませんが、先ほど市駅
周辺等活性化推進部長がお答えいたしましたとおり、これまでの間、具体化に向けた検討を行ってきたところでございます。また、香里ケ丘地区の再整備につきましては、香里ケ丘図書館と香里ケ丘中央公園の一体整備など、施策の具体化を図ってきたところでございます。
142 ◯八尾善之議員 確かに市駅周辺等活性化推進部は、今、部長が言われたように、香里ケ丘のほうは具体化を図ってこられたという部分があったのかなとは思うのですけれども、ただ市駅周辺再整備の部分については、言ったように6年経過して、特化した部署でもう既に3年目を迎えているというような中で、本当に今、これから先も含めて必要と考えているのか、再度お伺いしたいと思います。
143
◯田中哲夫総合政策部長 ただいま議員から御指摘がありましたとおり、実際、都市整備部で一定担うことは可能と考えますけれども、今後におきましても、枚方市駅周辺再整備のより早期の具体化に向けた検討を総合的、効果的に行う観点から、市駅周辺等活性化推進部が中心となって担っていく必要があると考えております。
144 ◯八尾善之議員 そうしたら、市長にお伺いしたいと思います。
先ほど申し上げましたが、再整備ビジョンを策定してから早6年もの時間が経過しているにもかかわらず、担当の各部長の御答弁をお聞かせいただくと、まだこの程度の検討しかできていないとしか受けとめることができません。申しわけないですけれども、本気度が全く伝わってきません。
もともと市は再整備基本計画等を今年度中に策定する予定であったものを、検討期間を1年延長されました。そして、また今回も、さらに期限の先延ばしを行うということであります。しかも、今回は策定時期について明確に示されていません。このような曖昧な中、一向に基本計画を策定する本気度を示すことができないのであれば、この市駅周辺再整備については一度立ちどまって、このまま進めるのではなく、むしろ白紙に戻すべきではないかとも考えます。
市では、市駅周辺再整備を初めとする市長の公約施策実現のために、さらなる行財政改革を進めることで絞り出す財源を、具体案を一向に議会に対して示すことができない、この程度の検討をしている市駅周辺再整備の部署に費やすことが本当に市民のためになるのかと、改めて今感じているところであります。今のままでは、これから先も時間とお金の浪費だけで、結局のところ現状と何ら変わらずに進んでいくのではないかと私は思ってしまいます。
市長は、この市駅周辺再整備に対する本気度を、やはりここでびしっとわかりやすくお答えいただきたいと思っているのですけれども、いかがでしょうか。
145
◯伏見 隆市長 枚方市駅周辺再整備につきましては、現在3)街区の取り組みを先行して行っているところですが、再整備基本計画等の策定に向けて議会との議論を深めるとともに、財政見通しを示し、着実に具体化していきたいと考えています。
146 ◯八尾善之議員 市長、済みません、今の部分では、やはり本気度という部分は残念ながら感じることができないです。というのも、基本計画がいつできるとか、そういうことがなぜ今回は示されなかったのかわからないというところが、本気度にあらわれているのかなと思うのです。前は何年度に策定としっかりと明記されていたのが、今回の案件名でも枚方市駅周辺再整備の具体化に向けた検討と、もうビジョンができてから6年、特化した部署ができてから3年目で、こういう案件名になること自身が、その本気度を疑わざるを得ないと思うのです。
それを解消するためにも、この基本計画なるものをいつまでに策定し、いつから事業を進めるというようなところをはっきり言うことができない理由を、もしくは言えるのであれば、理由をお話しいただきたいと思います。
147 ◯長沢秀光副市長 市駅周辺再整備の関係で、当部につきましては、特別なミッションを受けて部として組織したものでございます。この間、3年間の中で時間がかかっているということでございますけれども、それだけ大きなビジョンに取りかかっているということでございます。
この間、議会からのいろいろな御意見を受ける中で、やはりしっかりと時間をかけて、やるべきところはやっていかなければならない。今回もスケジュールにつきましては、別紙1-3のほうに一定の流れについてはお示しもさせていただいておりますけれども、ただ、これからしっかりと議会と議論を交わしながら、こういった形になるものにしていくために時間を費やしていきたいと、このような考えでございます。
148 ◯八尾善之議員 ビジョンを策定して6年経過して、まだ具体的な部分が出てこない。民間で考えると、役員会でプレゼンをして、さあ、やりましょうかとなって、こういう時点で、これは行政だから曖昧になっていると思われても仕方がないのではないかと僕は思うので、今お話を聞いているのですけれども。
基本計画だけでもいつにするとかいうお話ができないということはなぜか、もう少しわかりやすく御説明いただけますでしょうか。
149 ◯長沢秀光副市長 繰り返しになりますけれども、今回全協を開かせていただいたのも、計画をいついつにありきといったことを覆すために、しっかりと議論を交わしながらやっていくと。ですから、まず日程ありきといったことについては差し控えたいと、このように考えております。
150 ◯八尾善之議員 何回やっても一緒なので、これぐらいにしておきますけれども。
ただ普通に考えたら、お尻を決めて、そこに向かって進める、それが普通の考え方であると思うのですよね。今のお話で、先ほど言ったように経費がこれからまだどんどんかかってくるわけです。行財政改革という名のもとに、市民からちょこまかかすめ取っているという言い方がいいのかどうかわかりませんけれども。
151
◯前田富枝議長 八尾議員、もう少し品位を保ってください。
152 ◯八尾善之議員 でも、そう私は思うのです。ここで湯水のごとく無駄遣いをしている、そして何も具体的な部分が出てこない、そういう部分で許されているというのは生ぬるいと思いますので、それはちょっとお話だけしておきます。
最後に、もう少し意見だけ述べさせていただきます。
まず、この協議会についてですけれども、何ら進展がないことを何よりも先に反省して、市民に対しての謝罪から、全員協議会を始めるべきではないかと思っているのです。先ほどの質問の中でも申しましたけれども、市駅周辺再整備については、これまでにかなりの時間ととてつもない経費をかけて検討されてきましたが、再整備基本計画や新庁舎整備については、いまだ何一つ決まっていない状況であり、むしろ議論が振り出しに戻っているような感も否めません。一体これまでの議論は何であったのか、素朴に疑問に感じます。もっと民間企業のように、計画策定に要するコスト意識を持つべきであります。
また、今後、枚方市駅周辺再整備の具体化に向けて検討を行っていくといっても、今もお話を聞きましたが、いつまでに具体的な検討をするかといったスケジュール感すら明確になっていないわけであります。この事業に対しての市長答弁をお聞きしても、残念ながら本気度は全く伝わってきませんでした。
このような状況の中で、先ほど総合政策部長から答弁がありましたが、今後の検討において市駅周辺等活性化推進部といった特別なプロジェクトを推進する部が本当に必要なのか、甚だ疑問であります。というのも、市駅周辺等活性化推進部の立ち上げ当初より次長として手腕を発揮していただいた方が、今年度より都市整備部長に就任されています。そのことからも、十分に行政の継続性が担保されると考えます。まして、今回の質問でも、明確な具体策などの答弁ができないふがいなさが如実にあらわれた私の質問内容を考えますと、まず都市整備部である程度の骨格策定をコスト意識を持ってつくり上げて、次のステップに進むべきであると思います。もうこれ以上の無駄な経費を何としてでも抑えるべきと考えます。
また、今回、市から御提示のありました5)街区の安全・安心の拠点に関連して、枚方消防署の建てかえについても議会から質問が出ていますが、この消防署の課題も含め、市だけでは決め切れない課題が山積している状況でもあります。そうした新たな課題が出てくるたびに、これまでからたびたび申し上げていることですが、私たち議員が振り回されている、これからも議会軽視が如実にあらわれていると感じます。
一番重要なことは、市駅周辺再整備に向けた検討がいつまでも先延ばしにならないことであり、そのためにも、私たち議会も、これだけの大事業を行政が行おうとしていることに対し、行政と議会とがしっかりと対峙して互いに意見等を出し合い、この枚方市の発展にとって本当に必要な取り組みを生み出していける、そういう組織体の設置が必要であるということ、そして、いつ終わりにするのかも先に決めてから議論をしていくべきであると申し上げておきたいと思います。
まだ少し時間があるので、ヒアリングはしていないのですけれども、答えにくいかもしれませんけれども、お伺いしたいと思います。
先ほど来、サンプラザ1号館の地権者について、いろいろとお話があったと思うのです。現状と同様の土地条件をというような部分でのお話があったかと思うのですけれども、現状は、バスロータリーの乗り場に面している形になっています。そこまでのことをおっしゃっておられるのか、お伺いしてよろしいでしょうか。
153 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 繰り返しになりますが、本市が目指しますまちの姿の実現並びに地権者の生活再建の両立が図れるよう、駅前広場の配置等を検討するとともに、地権者と協議を重ね、まちづくりの機運を高めてまいりたいと考えております。
154 ◯八尾善之議員 いやいや、聞いているのは、乗り場に面しているかどうかだけなのですよ。要望書の中に、そういうところが入っているかどうかをお聞きしているだけなのですけれども、そのお答えにはなっていない。
155 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 乗り場に面しているという、そういった特化したものに関しましては、今後、議会との議論の中で検討してまいりたいと考えております。
156 ◯八尾善之議員 僕は今後の検討ということは聞いていないです。向こうの要望書の中に、そういうところまで含まれて入っているのかを聞いているだけで、行政の検討というのを聞いているわけではないのです。時間ばかり過ぎますので、済みません。
157 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 今、指摘いただいている内容につきましては、サンプラザ1号館のほうからの要望書にも一応内容として入ってきてございますので、そういった点も含めまして、今後検討してまいりたいと考えております。
158 ◯八尾善之議員 そうしたら、今、検討案2でやろうとされているのですけれども、検討案2のほうは、2)街区が市街地再開発事業そのままになっているのです。そうですと、検討案1のように、2)街区も確かに課題のところでは地権者との云々とかというのはあるのでしょうけれども、行政が言われているニッペパーク岡東中央のほうに大規模な空間をという部分で考えたときに、2)街区も土地区画整理事業でして、乗り場がどういうような形になるのかは僕自身、今すぐには答えはできないのですけれども、それをやることによって、昔の三越側にもう少し移動させたりとかということができるのではないかと思うのですけれども、そういう検討はこれからされるということで、よろしいですか。
159 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 地権者の生活再建との両立を図るためには、駅前広場の形状、配置に対してもやはり検討すべきだと考えますので、今、御指摘いただいた部分も含めまして、今後検討してまいりたいと考えております。
160 ◯八尾善之議員 多分もう時間がないと思いますので。
そうしたら、検討案2だけではなしに、1についても、最初に言われているようにニッペパーク岡東中央のほうに大規模な空間ができるような体制でいけるよう検討というか、それで進めていただきたいと申し上げ、私の質問を終わります。ありがとうございました。
161
◯前田富枝議長 これにて、八尾善之議員の質問を終結します。
162
◯前田富枝議長 次に、岩本優祐議員の質問を許可します。岩本議員。
163 ◯岩本優祐議員 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
それでは、早速質疑に入らせていただきます。
まず、全員協議会の位置づけについて、確認させていただきます。
初めに、この全員協議会は何を目的に開催され、また、この全員協議会での議論を踏まえ、今後どのように市駅周辺再整備の具体化に向けて取り組もうと考えておられるのか、お尋ねいたします。
164 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 枚方市駅周辺再整備の具体化に向けまして、枚方市駅周辺再整備基本計画や枚方市新庁舎整備基本構想の策定スケジュールを延長し、より魅力的な計画となるよう検討を進めていきたいと考えております。
今回の全員協議会におきましては、再整備基本計画等の策定に向けてのさらなる検討の視点や事業手法の比較(案)のほか、市駅周辺再整備を初めとする今後実施を予定しています主な施策を踏まえた財政見通しや財源の確保策など、現在検討しております内容をお示しし、今後も議会の御意見をしっかりとお聞きしながら検討を進めてまいります。
165 ◯岩本優祐議員 引き続き、枚方市駅周辺再整備の具体化に向けては、今回の全員協議会の内容を踏まえた計画の推進としていただきますよう要望します。
続きまして、市長の考え方について、お聞きします。
枚方市駅周辺再整備については、その具体化について期待しているところです。現在検討を進められている再整備基本計画等の策定について、当初のスケジュールを延長するとのことですが、市長再選を果たし、改めて、この再整備における市長の思い、考え方をお聞きします。
166
◯伏見 隆市長 私といたしましては、枚方市駅周辺再整備については、人口減少、少子・高齢化など厳しい時代にあっても、民間ノウハウ等を活用し、公民連携で職・学・住・楽近接のライフスタイルを創造し、他市にはない魅力と可能性を秘めた未来輝く枚方の実現に向けて、大変重要な施策であると考えています。
現在、3)街区のまちづくりを先行しているところですが、この全員協議会を大きな節目として、市議会とも十分に議論を行い、再整備の全体像を明らかにするとともに、実現の根拠たる財政見通しをしっかりとお示しし、着実に具体化していきたいと考えています。
167 ◯岩本優祐議員 次に、今回、2)・4)・5)街区についての事業手法を従前の市街地再開発事業から、検討案2として、2)街区は市街地再開発事業、4)・5)街区は土地区画整理事業に変更されるとの説明でございましたが、各街区の役割としてどのようなものをイメージされているのか、お聞きします。
168 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 各街区につきましては、枚方市駅周辺再整備ビジョンをもとに、立地や現状の特性などから目指すまちの姿を整理しております。
2)街区につきましては、広域駅前拠点として交通アクセスの結節点としての役割に加え、4)街区のニッペパーク岡東中央や新たな広場空間と連携して、にぎわいの創出をイメージしております。
4)街区は、広場空間を生かした職・学・住・楽近接のライフスタイルを創出する中心的な役割を、5)街区は、安全・安心の拠点として行政機能の集積などをイメージしております。
169 ◯岩本優祐議員 まちの活性化には、スピード感はとても重要と考えています。これまでからも市においてはスピード感を持って取り組むと言われてきた中で、今回示されたスケジュールでは、最短でも17年かかるものと想定されています。
一体何をもってスピード感と言われているのか、お伺いします。
170 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 市駅周辺再整備を実現するためには、各街区固有の特性や目指すまちの機能、財政見通し等を踏まえ、スピード感を持って整備していく必要がございます。そうした中で全街区のまちづくりを実施し、よりよい市駅周辺にしていくためには、検討案2を基本に、まずは4)・5)街区の事業に着手し、連鎖型まちづくりにより、効率的、効果的に進めるとともに、まちづくりの観点から課題のある2)街区のまちづくりにつきましては、駅前広場の配置などの検討や地権者の理解、協力など意識の醸成を進めていくことが必要であると考えております。
171 ◯岩本優祐議員 今の御答弁では、スピード感を持って整備していく必要があると言うものの、想定スケジュールが17年ということに対して、スピード感が余り感じられない御答弁でした。
一方で、全員協議会を経るたびにスケジュールが後ろ倒しになっている印象も受けます。着実に取り組みを進めていく思いを持っていただきたいと思います。
また、今回の想定スケジュールについては、あくまで最短であるとのことです。それでもスケジュールどおり事業を進めていくに際しては、さまざまなトラブルや予期せぬ出来事がつきものだと思います。
現時点において想定している変動要因やリスクについて、どのようなものを想定しているか、また、そうした課題に対しどのように対応する考えなのか、お伺いします。
172 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 今後考え得る変動要因やリスクといたしましては、スマートシティに向けてIoT、AIなどを活用した近未来技術の発展や資材、人件費の高騰の可能性、新たな行政課題、財源確保など、さまざまな要因が予測されます。
こうした点につきましては、先行き不透明な状況にはありますが、市としましては、今後も社会経済状況の動向を注視し、具体化に際しましては、可能な限り最新の状況を把握し、柔軟に対応するなど最適な取り組みを目指すとともに、国・府への財源確保に向けた働きかけや地権者等への丁寧な対応などに努めてまいります。
173 ◯岩本優祐議員 御答弁のとおり、リスクや変動要因は想定できないものも出てきますが、それでも後手に回ることのないよう情報収集を行い、可能な限り事前に想定、また対応していくことを要望しておきます。
次に、都市再生緊急整備地域の指定の予定が冬ごろと国から聞いているとのことですが、市立ひらかた病院での地域医療支援病院の承認の案件では、もう間もなく承認を受けると聞かされていたにもかかわらず、いまだに受けていないというケースもありますので、確認の意味でお聞きしますが、本当にもう間もなくとの認識でよろしいのか、お伺いします。
また、この名称からも、都市再生を緊急に整備する地域であるということがはっきりと示されているので、やはりもっと早く進めるべきだと思います。指定を受けた後、市はどのようにこの制度を活用していくのか、お伺いします。
174 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 都市再生緊急整備地域の指定に関する手続につきましては、国による有識者ボードの開催やパブリックコメントの取り組み状況などを他市の先行事例に照らし合わせるとともに、国とのやりとりの中で間もなくという認識に至った次第でございます。
また、今後の制度活用につきましては、案件資料別紙4における地域整備方針案などに合致したまちづくりを行うことで、本制度のメリットである税制の特例や金融支援の活用などをインセンティブとして、民間活力の促進が図れることが最大限活用できるものと考えており、本市といたしましては、指定後、積極的に情報発信を行ってまいります。
175 ◯岩本優祐議員 御答弁から間もなく指定を受けられるということのようですので、確実に制度の活用につなげていけるよう、取り組みの推進を要望します。
次に、市負担額についてですが、我が会派の門川議員の御答弁で、引き続き抑制に向けて努力していくとのことですが、現時点では4)街区の市有地をおおむね売却する方針をもとに事業費を試算されているとのことです。
それでは、検討案2をもとに再整備を実施することにより、2)・4)・5)街区が完成した後に市所有地がどれぐらい変化するのか、主な用途と面積をお聞きします。
176 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 2)・4)・5)街区におけます市所有地の変化につきましては、従前面積といたしまして、道路や公園の面積を含め約4万3,000平方メートルであり、検討案2の場合の従後の面積は約3万8,000平方メートルになると試算しております。
縮小する面積の主な用途といたしましては、商業、業務、居住などの複合的なものと考えておりますが、今後、民間活力の導入も含め、さらに検討を進めてまいります。
177 ◯岩本優祐議員 財源として市の所有地の売却も一定必要ではあると思いますが、長期的な展望を見据えると、市の所有地は可能な限り残しておくべきかと思います。民間活力の導入も重要ではありますが、長期的な視点を持っての検討を要望します。
また、今の財源確保の考え方については、新たな行政改革による効果額が見込まれています。この行革の実施に際して、本来、まずは行政内部で努力し、その次に公民連携のさらなる推進、最後に市民への負担を求める、このような順番になるべきだと考えるのですが、示された資料では、まず実施予定時期も含めて市民への負担の項目から始まっており、このような考え方でよいのか、大いに疑問を感じます。市の考えについて、見解をお聞きします。
178
◯田中哲夫総合政策部長 行政改革につきましては、時代に即した行政需要に的確に対応するため、組織や制度、行政運営のあり方を見直し、行財政運営の適正化、効率化を図っていくものと考えております。
そうした考えのもと、次期行財政改革プラン案としてお示ししている課題につきましては、労働生産性向上に係る取り組みや市有財産の有効活用など、行政内部の取り組みに加え、既存事業の見直しや受益者負担の適正化など、市民に影響のある取り組みもございますが、こうした取り組みは、その取り組みの順序に差を設けることなく、十分な検証を行いながら、計画的に進めていくべきものと考えております。
しかしながら、市民に影響のある課題につきましては、市民の理解を得るためにも、まずは、なぜ事業の見直しを行うのか、なぜ受益者負担を求める必要があるのかなど、見直しの背景につきましても、市民と共有を図ることが重要と考えております。その上で、行政みずからの内部努力も含めて、次期行革プランによる取り組みの実績についても見える化を図り、市民の理解につなげてまいりたいと考えております。
179 ◯岩本優祐議員 市民の理解が得られるよう、今の御答弁にあったような取り組みを展開いただきますよう要望します。
そして、財源確保については、さきの長友議員の質疑では府からの助成の話もありましたが、これについても働きかけを行っていただきますよう、あらゆる手段で財源確保に取り組んでいただきますよう要望しておきます。
次に、別紙1-1による新たなまちづくりのイメージ例において、市が必要と考える都市機能は、これまでと比較して何か変化があったのか、また、その一環で南側駅前広場の整備においては、ひらかたサンプラザ1号館から要望を受けたとありますが、改めてその主な内容について、お尋ねします。
また、現市民会館大ホールについては、本市におけるにぎわいや文化芸術の振興の中心としての役目を大いに担ってきました。しかしながら、次の活用に向けて取り組むに際しても、令和5年までは今のままの状態が続くとのことです。
令和3年度に総合文化芸術センターが開館した後、その機能が順次廃止となる予定とのことですが、廃止後の跡地の暫定活用については重要と考えますので、暫定活用の考え方と本格活用によるにぎわいの創出について、現時点における市の見解をお伺いします。
次に、にぎわいの創出に際しては、ホテルの誘致は重要であります。そうした観点から、3)街区での宿泊施設の検討の状況についても、あわせてお尋ねします。
180 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 ひらかたサンプラザ1号館からの主な要望内容といたしましては、枚方市駅南口駅前広場の拡充を急ぐこと、サンプラザ1号館の移転建てかえ場所は、現在の経営環境と同等以上への敷地への移転を前提に、ニッペパーク岡東中央で検討することなどでございます。
また、市民会館廃止後の暫定活用の考え方等につきましては、検討案2における想定スケジュールでは、市民会館大ホールを含む区域につきましては、土地区画整理事業を想定しており、早ければ令和3年ごろの都市計画決定を行った後、令和4年度に事業認可、令和5年度に施設の撤去工事、令和6年度から設計、工事と順次取り組みが進むよう検討しております。そのため、施設機能の廃止から撤去工事が行われるまでの暫定活用につきましては、施設状況や利用期間などを踏まえ、関係部署と検討していきたいと考えております。
次に、3)街区における宿泊施設につきましては、現在準備組合におきまして、まちなか交流拠点及び広域駅前拠点の形成に向けた取り組みを行う中で、宿泊機能を含む多様な都市機能について検討されております。
181 ◯岩本優祐議員 都市機能について御答弁をいただきましたが、必要な都市機能は時代や社会で変わっていくものです。変わっていくことを前提としながら、都市機能の充実について、これからの枚方市駅前を考えたときに、枚方市もまだまだできることはあると思います。
例えば、民間の投資を呼び込むに当たり、活用に当たりハードルがあるのであれば、規制の緩和を行うなどして、民間事業者が枚方に来たくなる環境整備をしていくことも枚方市ができることだと思います。ゆとりを生み出し、回遊性の向上、にぎわいの創出につながる都市機能の充実に向け、これから各部署と連携しながら取り組みを進めていただきたいと要望します。
ただ、高層マンション整備については、これまでの議会とのやりとりの経緯も踏まえ、慎重に検討いただきますよう要望しておきます。
また、特に市民会館大ホールを含む区域については、可能性あふれる広大な土地であります。廃止後の暫定活用とは申しましたが、それよりスケジュールを前倒ししての廃止、撤去、暫定活用も含めて、これまで市長が常々おっしゃっている既成の概念にとらわれない発想で取り組みを検討いただきますよう要望しておきます。
次に、新庁舎整備についてですが、昨年度に本市においても大きな地震を経験し、今年度も全国に目を向けると、大型台風における大規模な災害が生じるなど、災害対策やその復旧対策の重要性が増していると思います。
安全、安心の観点から、その中心拠点となる新庁舎については、かなり先の完成になると思いますが、時期を延ばされた点について、市の考えをお尋ねします。
182 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 災害時の中心拠点となる本庁舎の重要性は、十分認識しております。将来のまちづくりに向けて事業手法の見直しを検討している中で、土地区画整理事業による連鎖型まちづくりにおきまして、できる限り仮設庁舎等が生じないよう効率的に実施するとともに、市の財政負担なども考慮した最短スケジュールとしまして、プレオープンの時期は令和11年度を想定したものでございます。
183 ◯岩本優祐議員 重要性を十分認識していると言いながら、最短スケジュールで、プレオープンが令和11年度とのことです。
去年の全員協議会で新庁舎の整備を確認したところ、最短で2025年という御答弁でした。繰り返しになりますが、新庁舎の重要性、必要性は増していくものと思います。工期を分けての分割整備など、前倒しを含めて検討いただきますよう要望します。
現在、新庁舎整備については、今後もICTなど技術革新が進むなど、行政サービスを取り巻く環境が変化していくと考えます。また、新庁舎に求められる機能の中でも、めり張りをつけるという観点から、必ず本庁舎に配置しないといけない機能、他の市有財産を有効活用して分散させることが可能な機能もあるのではないかと思います。そうしたことも踏まえ、今回の説明においては新庁舎の規模について何も触れられていませんが、市の考えをお尋ねします。
184 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 現在、枚方市新庁舎整備基本構想(素案)におきましては、新庁舎規模の考え方といたしまして、多様化、複雑化する市民ニーズに迅速に対応していくため、分散している庁舎機能を集約する考えですが、将来の人口減少の推移を見据え、公共施設のマネジメントの観点や本市の財政状況等を踏まえながら、輝きプラザきららなどの既存施設を引き続き有効活用することや今後さらに進展が予測されるICTを最大限活用することなどで規模の縮減を図ることから、庁舎の想定規模を約2万5,000平方メートルから約2万6,000平方メートルとしておりますが、現在、事業費の算出などにおきましては、約2万5,000平方メートルで検討しております。
185 ◯岩本優祐議員 今後、技術の進展や法改正に伴い、行政サービスの提供のあり方も変化していくものと思いますし、庁舎に求められる機能も変わっていくと思います。そうした観点から、必要に応じダウンサイジングをしていくべきと意見しておきます。
また、新庁舎の位置については、今後のまちづくりや安全、安心の観点から大変重要な事項になると認識しています。現時点において市はどのように考えているのか、お尋ねします。
186 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 本市といたしましては、これまでから国・府・市有財産の最適利用によるまちづくりや大規模災害時における対応などの観点から、5)街区での実現を目指しているところでございます。
今般、新たなまちづくりのイメージ例におきまして、5)街区周辺を新庁舎のほかに、防災や防犯機能を加えた安全・安心の拠点とした考え方を提案したものでございます。
今後も議会の御意見をしっかりとお聞きしながら、検討を深めてまいります。
187 ◯岩本優祐議員 次に、市駅周辺再整備事業の進め方について、お伺いします。
各街区に分けて、その街区の事情や特色に応じて進めるということを従前から市は説明されてきました。だからこそ、実現に向けてさまざまな関係者から貴重な意見等を聞きながら、再整備基本計画の検討に取り組んでこられたと思うのですが、その取り組みについては、今年度に入って、昨年度との違いやどのような状況なのか、現状をお尋ねします。
188 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 各関係者との対応につきましては、枚方市における国・府・市有財産の最適利用推進連絡会議を前月に開催したほか、各街区の状況に応じまして、主な地権者との意見交換などを行っており、今後も引き続き、状況に応じて実施してまいります。
189 ◯岩本優祐議員 最後に、要望させていただきます。
これだけ大型プロジェクトを進めていこうとするには、やはり関係者だけでなく市民の理解や参画が重要になってくると常々意見を述べさせていただいております。
市駅周辺再整備は、単にハード整備をするだけでなく、使う側、利用する側に立って、ともににぎわいや魅力の向上に取り組むことが重要であり、検討の段階から、そうしたプロセスを踏むことが、20年・30年先を見据えたまちの活性化につながるものと考えます。
今回、民間活力導入エリアの整備スケジュールなどをお示しされましたが、例えば、一番初めに予定されている現大ホール跡地エリアについては、本市の歴史、文化芸術など地域資源の活用やゆかりのあるコンテンツをもとに、ワークショップなどを導入し、求めていくコンテンツの内容を深化させることで、さらなるにぎわいの創出につながるとともに、工事着手までの停滞時期の有効活用といった効果があると考えます。
そうした効果が期待できる市民参画の導入については、代表質問でも触れましたが、ぜひ実施していただきたいと思いますので、この点を要望して、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
190
◯前田富枝議長 これにて、岩本優祐議員の質問を終結します。
191
◯前田富枝議長 次に、山口 勤議員の質問を許可します。山口議員。
192 ◯山口 勤議員 それでは、何点か質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。
今回、2)・4)・5)街区を今後どのように進めていくのか検討している中で、その考え方とあわせて、先行してまちづくりを進められている3)街区の進捗状況、市駅前行政サービスの再編についての考え方などについて、御説明がありました。
市駅前行政サービスの再編については、この間、我が会派からは、駅近という利便性を十分に理解し、新庁舎の位置やあり方、まちづくりなどを総合的に検討していく必要がある旨、意見を述べてまいりました。特に高齢者の視点や、さらなるICTの活用などについて求めてきたところです。
まず、市駅前行政サービスの再編に向けて、これまでから見直しされた箇所について、お尋ねいたします。
193 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 市駅前行政サービスの再編の考え方における見直した主な箇所につきましては、高齢者対策の視点を加えるとともに、今後さらに技術発展が見込まれるICTの活用や3)街区のまちづくりを踏まえた公民連携による効率的、効果的な行政サービスを実現していく考えでございます。
194 ◯山口 勤議員 それでは、見直しを行うことで、3)街区は駅近という利便性に重きを置き、あらゆる世代を対象とした市民サービス機能の充実を図っていくことが重要となってまいります。そのための対応として、具体的にどのようなサービスを想定されているのか、お聞きいたします。
195 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 例えば、(仮称)市民窓口により、転入出に関する複数の手続や、すこやか健康相談室での妊娠期から高齢期まで切れ目のない健康相談を初めとする各種相談、さらに図書館と生涯学習市民センターの機能連携による施設利用などを駅近という場所で享受していただくことが可能となり、高齢者を初め、さまざまな方への利便性の向上が図れるものと考えております。
196 ◯山口 勤議員 仮に、現在まちづくりが先行している3)街区に行政サービス機能を充実させながら再編する施設を配置する場合、多くの市民の利用が見込まれる(仮称)市民窓口については、ICTの活用を積極的に展開していくことが、市民サービスの向上につながると思います。特にワンストップ化を実現していくことが重要であると考えます。
その点を踏まえ、どのような市民窓口を目指そうとされているのか、市の考えをお尋ねいたします。
197 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 ただいま議員から御指摘いただきました点を踏まえ、(仮称)市民窓口につきましては、転入出に関する主要な手続がワンストップでできる総合窓口とし、手続の受け付けから終了までにかかる時間の短縮も目指してまいります。
その具体化に向けましては、現庁舎の状況や5)街区への新庁舎整備の検討、3)街区におけるまちづくりの進捗を踏まえるとともに、ICT技術の進展を見きわめながら、より市民の利便性が向上するよう、効率的、効果的な市民窓口サービスの提供を検討してまいります。
198 ◯山口 勤議員 ICTの活用については、仮に市駅前市民窓口強化を図るのであれば、単に(仮称)市民窓口を前提にした検討を行うのではなく、北部、東部、南部における支所などの機能において先行導入を目指すなど、市民サービスの向上を全市域を対象として、面的に拡充させていく観点で実現していくという視点が必要となります。これは、指摘、要望とします。
また、市駅前行政サービスの再編において、新たに整備する施設規模については、我が会派からさきの代表質問で御指摘させていただきましたが、財政状況を踏まえ、過大な施設とするのではなく、既存の施設や新技術の活用などによるコンパクト化を目指すとともに、民間活力を導入し、効率的、効果的な運営を視野に入れ、検討していく必要があると意見させていただきます。
次に、市駅周辺再整備基本計画について、お尋ねいたします。
枚方消防署につきましては、これもさきの代表質問で私どもが指摘させていただいた件になりますが、老朽化している中で、今回5)街区での安全・安心の拠点を目指すとのことですが、具体的にどのような考えを持って御説明されてきたのか、また、その具体化に向けて、どのように進めていこうと考えているのか、できるだけ具体的にお聞きしたいと思います。
199 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 枚方消防署の老朽化対策の必要性につきましては、認識しているところでございます。5)街区に、大規模災害時にも十分に対応できるよう、新庁舎の整備とともに、枚方消防署の移転を想定したものであります。
今後につきましては、議会の御意見をお聞きするとともに、枚方寝屋川消防組合と連携しながら、検討していきたいと考えております。
200 ◯山口 勤議員 仮に、5)街区に安全・安心の拠点を整備していく場合、新庁舎の整備については多額の費用がかかることもあり、整備や運営については、民間活力導入の検討が大変重要になると考えます。
また、5)街区の面積も限られており、土地の有効活用という視点で、新庁舎と枚方消防署の検討を行う必要があると考えますが、市の見解をお伺いいたします。
201 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 現在、新庁舎整備基本構想の検討を行っている中で、建設、維持管理、運営を民間資金やノウハウを活用して実現するPFI方式や設計、維持管理を一括で発注するDBO方式の検討を行っており、従来方式に比べて効果があると評価しているところでございます。
今後も財政状況を踏まえながら、本市にとって最適な手法の検討を行ってまいります。
また、枚方消防署の移転建設につきましては、財政状況を踏まえながら、さまざまな視点で検討を行っていきたいと考えております。
202 ◯山口 勤議員 本市では、従来から人の回遊性を広げ、まちのにぎわいを高めることを目的にされていると認識しております。市駅周辺再整備を具体化していくことで、市駅周辺のにぎわいを高めることはもちろん、その効果を対象区域だけではなく、以前に土地区画整理事業を実施した大垣内町3丁目や川原町・宮之阪方面など、市駅周辺をより広げて波及していくことを想定して、市駅周辺の面整備を広げていく必要があります。
そうした取り組みを行政としてしっかりと民に情報発信し、民間誘導を推進するといったまちづくりを検討していくことが重要であると考えます。
この点について、市の見解を戦略的な視点でのお考えを、これは長沢副市長にお伺いいたします。
203 ◯長沢秀光副市長 ただいま議員御指摘のとおり、また、お示しのとおり、市駅周辺再整備の検討に際しましては、単に対象区域だけのことと考えるのではなく、実現していくまちの姿によりまして、その効果が周辺部にも波及していくよう、建物施設の配置や駅前の広場、区画道路の形状などの検討を行うとともに、適宜、最新情報を発信しながら、エリアマネジメントを活用して、持続的にまちの魅力が高まるよう、ハード、ソフトの両面から検討を行ってまいりたいと考えております。
204 ◯山口 勤議員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
周辺再整備の検討に際して、まちの魅力を高め、当該区域だけではなく、周辺に広く効果を波及していくためにも、私どもが主張してきた行政がエリアマネジメントの視点をしっかりと持って取り組むことが重要であります。この視点は、今からでもできることですので、できるところから実践していただけるよう要望とさせていただきます。
次に、財政シミュレーションについて、確認したいと思います。
今回の財政シミュレーションでは、今後見込まれる事業経費に対する財政負担と、それに対応していくための行革効果額等で約18億円を反映し、その結果、実質収支は縮小するものの、3億円台の黒字を維持できる見込みとのことです。
しかし、今後は少子・高齢化の進展や人口減少などがさらに進み、歳入では市税収入は減少傾向にあるかと思います。その反面、歳出では、社会保障関連経費の増加なども予測され、財政運営に大きな影響を与える懸念材料だと思います。
このシミュレーションをもとに、十分に安定した財政運営が維持できている状況にあると考えているのか、また、行革効果額等で約18億円を見込んでおられますが、それで十分と言えるのか、今回の財政シミュレーションに対する考えをお伺いいたします。
205
◯田中哲夫総合政策部長 今回の財政シミュレーションでは、財政運営の根幹となる実質収支の状況は、しばらくは10億円前後で推移するものの、令和10年以降は3億円台で推移する見通しとなっており、これまでの収支状況や本市の予算規模等を踏まえますと、収支的には不安定な状況であり、少なくとも10億円前後の黒字額を確保していく必要があると考えております。
また、行革等の効果額につきましては、今回のシミュレーションにおける収支状況を踏まえますと、25億円程度の効果額を確保していく必要があると考えております。
206 ◯山口 勤議員 今の御答弁をお受けしますと、今回示された財政シミュレーションには、根幹から疑問符がつくわけであります。
今回のシミュレーションでは、行革効果が出ることが前提となっており、その結果次第では、そもそも市駅周辺再整備の実現性が根底から揺らぐことになると思います。そもそも前提にしている(仮称)行財政改革プラン2020は案の段階であり、取り組みの中には、予算審議が必要になるものも含まれているわけです。そういう意味では、18億円の効果額ですら、さきの質疑にもありましたが、何ら担保されたものではありません。
今回のシミュレーションで見込んでいる行革効果、約18億円すら実現できないことも想定されますが、その場合、市としてどのように対応するつもりなのか、見解をお伺いいたします。
207
◯田中哲夫総合政策部長 施策の具体化を図っていくに当たりましては、行革等による財源確保の状況のほか、毎年度の当初予算編成における歳入歳出の状況や、それをもとにした収支見通し等を踏まえた中で、施策の優先順位づけを行い、計画的に推進していくことで、財政収支の安定化を図ってまいります。
208 ◯山口 勤議員 御答弁の今後の曖昧な財政計画の方向性に、大きな不安を覚えます。
次に、財政調整基金について、確認いたします。
今回のシミュレーションでは、令和2年で106億円の財政調整基金の残高が、スケジュール案の新庁舎がオープンする令和13年には約半分の50億円程度まで減少し、令和25年にはさらに減少し、35億円となる見込みです。
財政調整基金は不測の事態に対応するための財源として確保しておくべきものですが、今回のシミュレーションのような残高の状況では、社会経済情勢の変化による税収の急激な落ち込みや災害時への対応などに柔軟に対応できなくなるなど、財政運営に支障を来すことが危惧されます。
そこで、財政調整基金の確保についてはどのような考えをお持ちなのか、見解をお伺いします。
209
◯田中哲夫総合政策部長 財政調整基金につきましては、健全化判断比率をもとに考えますと、70億円程度の残高を維持していく必要があると考えております。
今回の財政シミュレーションでは、それを下回る見込みとなっておりますが、より安定した財政運営を行っていくためにも、さらなる基金残高の確保が必要であり、基金への積み増しが適切にできるよう、毎年度の実質収支については10億円程度の黒字を確保していく必要があると考えております。
加えまして、基金をより効果的に活用していく観点から、国の動向も踏まえまして、その時々の残高の状況を踏まえながら、適宜、財政調整基金から新庁舎等の基金など、他の特定目的基金への積みかえにも取り組んでまいりたいと考えております。
210 ◯山口 勤議員 最後は、要望させていただきます。
先ほども指摘させていただきましたが、行財政改革プランの財政シミュレーション行革効果においては、大変懸念するところでございます。
毎年18億円の効果額を見込んでおられますが、果たして実現できるのか、予算審議も行わなければならないプランや、社会経済情勢次第では実現不可能なプランもあると思います。人口減少・超高齢化社会の中、社会保障費のあり方が議論されている社会情勢の中、税収も年々減少しています。そのような状況を考えますと、極めて安易なプランと言わざるを得ません。もっと市民目線に立ち、もう一度財政シミュレーションの見直しを考えていただきたいと指摘いたします。
その精度の高い財政シミュレーションを示した上で、次のステップへの形としていただき、議会の意見、市民の理解を深めながら、少し時間を要しながら、今後の各計画策定へと結びつけていただくよう要望し、質問とさせていただきます。ありがとうございました。
211
◯前田富枝議長 これにて、山口 勤議員の質問を終結します。
212
◯前田富枝議長 次に、木村亮太議員の質問を許可します。木村議員。
213 ◯木村亮太議員 それでは、よろしくお願いいたします。10番目ということで、重複する部分も出てくるとは思いますが、私なりの視点で質疑をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。
今回の資料を見ておりますと、スケジュールが変わったことや財政シミュレーションが出たこと、再開発事業から土地区画整理事業に一部変わったこと、府の補助金が大変厳しい状況だというようなことは理解しているのですが、余り進展は感じられない印象を持っております。なかなか時間のかかる事業だとは思いますが、少しずつでも関係者を巻き込める部分は巻き込んで、進めるべき部分は進めていっていただきたいと思っております。
今回は、今後の社会状況の変化を見据えながら、庁舎のあり方やまちづくりのあり方、財政シミュレーションのあり方、にぎわいの創出について、将来にわたるにぎわいの創出と今からでもできるにぎわいの創出、そういった部分について確認していこうと思いますので、よろしくお願いします。
まずは、1つ目の庁舎のあり方についてですが、新庁舎整備における延べ床面積の考え方について、お聞きいたします。
昨年12月の全員協議会でも示された新庁舎整備基本構想(素案)では、新庁舎の規模は国土交通省の基準に基づいて算定されておりますが、具体的にどのように算出されているのか、お聞きいたします。
214 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 新庁舎整備に際しましては、執務室の面積について、国土交通省の新営一般庁舎面積積算基準、総務省の地方債同意等基準及び他市の庁舎建設事例の平均による3つの算定方法の検討を行い、枚方市新庁舎整備基本構想意見聴取会からの意見をもとに、庁舎規模を最も縮小できる国土交通省の新営基準を採用し、想定する部署と職員数により算出しております。
また、現庁舎が課題を抱えております多目的スペースや市民の待合スペースなど市民の利便性の向上や、災害対策関係、議会関係など、新営基準では示されていない面積につきましては、他市の先進事例を参考に算出しております。
215 ◯木村亮太議員 この国土交通省の新営基準は、平成14年度に国において策定されたものとお聞きしておりますが、仮に、今回、市から示された新庁舎を5)街区で整備する場合の最短のスケジュールであっても、この平成14年度に策定された基準から新庁舎が完成する令和11年でいうと、既に27年が経過するということで、四半世紀以上前の基準でつくる形になると思います。
昨今、市では、行財政改革の中でも業務の効率化や働き方改革にも取り組んでおられますし、ICTの目まぐるしい進展が予測される中で、近い将来にはテレワークやテレビ会議などにより、職員の働く環境も大きく変わってくると思います。また、市民においても、市役所に来なくてもICTを活用することで、インターネットで手続や相談ができる時代へと変わっていく可能性が大いにあると感じております。
そのような状況の中で、この古い基準に基づいて庁舎の規模を算定するのではなく、将来の市庁舎が本当に必要とする最小限の床面積を見据えて、よりコンパクト化を図っていく必要があるのではないかと思いますが、市の見解を伺います。
216 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 新営基準並びに本市独自の調整事項を加えた上で算出しました計画面積を、現状の庁舎面積とほぼ同等の約2万8,000平方メートルとしておりますが、将来の人口減少の推移を見据え、公共施設のマネジメントの観点や本市の財政状況等を踏まえながら、輝きプラザきららなどの既存施設を引き続き有効活用することや、今後さらに進展が予想されるICTの最大限活用などによる規模縮減に向け、現在、事業費の算出などにおきましては、約2万5,000平方メートルで検討しております。
217 ◯木村亮太議員 現時点では2万8,000平米が必要なところを2万5,000平米に縮小するということで、約1割減らした計画になっているのは承知しております。
しかし、私としては、もっとコンパクト化を考えていけるのではないかと思っております。現段階では2万5,000平米以下は考えられないと思いますが、そうであったとしても、将来的に庁舎の一部が不要になってくる、使わなくなってくるというような場合には、1フロア単位で民間に貸して賃料を得ることの想定も含めて、柔軟な対応ができる庁舎のつくりを検討していく必要があるのではないかと考えておりますが、市の見解を伺います。
218 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 将来人口や社会情勢の変化等に伴い、新庁舎の執務室の一部があいてくる場合につきましては、新庁舎以外に分散している庁舎機能をさらに集約していくことや市民の利便性の向上につながるスペースへの転用など、公共施設のマネジメントの観点から必要な検討を行っていきたいと考えております。
219 ◯木村亮太議員 庁舎の件はこれで終わりにいたしますので、要望といたします。
最初の答弁では、庁舎の規模は他市の先進事例を参考にしてと言われましたけれども、他市の事例も、今できている庁舎は5年
前、10年前に計画したことになるので、5年
前、10年前の基準になってしまう。それで本当にいいのかを考えていただきたいですし、他市にはない駅前にしていくのであれば、庁舎も他市にはないあり方をぜひ検討していただきたいと思っておりますので、他の自治体の事例だけではなく、もう少し広い視野で検討していただきたい。
具体的に言うと、革新的なオフィスレイアウトにしている民間の企業のオフィスはどうなっているのかとか、電子化が極めて進んでいる海外の都市の事例などで、そういうところがどれくらいの庁舎の面積でやっているのか、そういうこともぜひ積極的に研究していただきたいと要望しておきます。
市としても、(仮称)行財政改革プラン2020(案)の中で、市の職員の働き方や市民手続のあり方も示されていますよね。もっと柔軟にしていって、テレワークを導入していく流れもありますし、市民手続に関しては、行財政改革プランの案の中では、マイナンバー制度の活用や電子申請の促進、拡充といった、市役所に来なくても済むような取り組みを進めていくということですし、仮に来たとしても、書かない、迷わない、待たない窓口サービスを目指していくということで、いわゆる待合スペースがどれくらい要るのかという話になってくると思います。
そして、また、3)街区の中に市役所の窓口コーナーもつくっていくので、そういった中で従来の庁舎の考え方で行くべきなのかどうか、そういったことも今後さらに検討していただきたいと要望しておきます。
次に、魅力あるまちづくりという観点から、お伺いしていきます。
まちづくりを進めていく中で、魅力ある景観を形成していくことが、将来にわたり、まちの価値を維持、向上させていくためには重要な要素であると考えております。再整備に当たり、枚方市駅周辺を魅力あるまちにしていくためには、例えば、景観として統一感のあるまちにしていくなどの規制も考えられますが、市の見解を伺います。
220 ◯山中信之都市整備部長 議員お示しのとおり、まちの魅力づくりには、良好な都市景観の形成に取り組むことが重要であると考えております。本市におきましては、平成25年に枚方市屋外広告物条例を、平成26年には枚方市景観計画と枚方市景観条例をあわせて定めているところであり、市全域を対象として実効性等を持った規制等を図っているところでございます。
今後、枚方市駅周辺のまちづくりの具体化に合わせて、必要となる景観制度の活用などを検討してまいりたいと考えております。
221 ◯木村亮太議員 景観制度の活用を検討していくということですが、枚方市駅をおりた際に見える景色は、このまちに来る人たちにとってのまちの第一印象になってくると思います。その中で、別紙1-1のイメージ例に示す駅前広場とニッペパーク岡東中央の連続した緑の大きな空間は、非常に魅力的であると思います。
別紙1-2の検討案2の中では、サンプラザ1号館からの現状と同様の立地条件を踏まえ、駅前広場に面した再開発ビルの建築を想定しているように見えますが、これでは、そのような緑の大空間ができないのではないかと思いますが、この点についてどのように考えているのか、市の見解を伺います。
222 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 検討案2におきましては、2)街区の市街地再開発ビルの予定地を地権者の意向に沿ってニッペパーク岡東中央としておりますが、本市が目指すまちづくりの観点からは、課題として認識しております。そのため、南口駅前広場とニッペパーク岡東中央との連続性や大空間の確保といった将来目指すべきまちの姿の実現並びに地権者の生活再建の両立が図れるよう、駅前広場の配置や形状を検討するとともに、地権者と協議を重ね、まちづくりの機運を高めていきたいと考えております。
223 ◯木村亮太議員 この緑の大空間なのですけれども、東京都の中野駅の近くに、中野セントラルパークといって、周りにオープンカフェみたいなものが並んでいる緑の広場があり、それもとてもいい空間なのですけれども、残念なことに駅前から少しだけ歩く、さらに駅からは建物があって見えないのです。ちょっと歩いていったらわかるようになっていて、やはりそれが駅をおりた瞬間から見える見えないというのは、すごく重要になってくると思いますので、ぜひそこは考えていただきたいと思います。
もちろん地権者の意向もあると思いますが、駅をおりたときに初見で緑の空間が見えるか見えないか、これはまちのイメージとか、まちの価値にもつながってくる、大分変わってくると思いますので、ほかのまちでは味わえない魅力的な景観づくりのために、こういう景観がすごくうまいこといっているようなまちの事例とか、駅前の広場の事例も、ぜひ一緒に研究して、地権者の方とも機運を高めていくとか、理解、協力を得られるように努力していただきたいと思います。また、市としても課題と感じているのであれば、職員の方々としてもどのように配置していくのが枚方市全体にとっていいのか、ぜひ知恵を絞っていただきたいと要望しておきます。
次に、財政シミュレーションの部分について、質問してまいりたいと思います。
財政シミュレーションの中で、今後見込まれる経費で、駅前の話とその他事業のほうとありますけれども、枚方市駅周辺再整備のほうでは5億円が必要とされておりまして、それ以外の部分で約15億円となっておりますが、それ以外の15億円というのはどのような事業を見込んでいるのか、お伺いいたします。
224
◯田中哲夫総合政策部長 今後見込まれる事業経費の15億円の中では、第2子以降の幼児教育・保育の無償化や全中学校へのタブレットPCの導入費用など、所信表明に掲げております事業を見込んでおります。
225 ◯木村亮太議員 駅前再整備の話から少しずれるので、これ以上15億円の中身であるとか、行財政改革プラン2020(案)の中で示している効果額については再質問、深掘りはしませんが、まずは財政のシミュレーションをしていかないといけないというのはもちろん理解するのですけれども、ひとまず何とか数字合わせをしたような印象を受けます。先ほどの答弁にもありましたとおり、経済状況によっては悪化するというか、足りなくなることもありますし、さらに精査していただきたいと考えております。
逆に、行財政改革の効果や事業のところで、例えば中学校給食は市長が公約に掲げておられると思いますけれども、議会でも慎重論が多い。ほかにも、先ほど答弁であったタブレットPCの配布についても、まだ詳細はわかりませんが、現在政府で小・中学生に1人1台のタブレットパソコンを整備する方針が最近出たところですけれども、そういうものも示されています。
また、行財政改革プラン2020(案)の中では、項目としては事業系ごみの手数料の改定もあるのですけれども、この効果額の中にはまだ入っていないと思います。タブレットについては、今実施している中学校1校で約5,000万円の購入費用がかかっていますけれども、これを仮に残りの18校全部が導入したら、9億円ぐらいかかります。中学校給食については、初期費用がこれまでの資料によると約3億円で、ランニングコストが毎年約5億円、事業系ごみの手数料については以前の答弁から年間約2億円とされていますけれども、ここら辺のタブレット整備の市負担が減るとか、なくなるとか、国が整備するという意味であるとか、中学校給食について実施しないとか、事業系ごみの手数料を改定したとかになってくると、ざっくりした計算になりますけれども、10年で80億円ほどの財源が出てきます。
これは何が言いたいかといいますと、市有地の売却についてなのです。基本的には、市有地を有効活用するという意味で、売却していくことも一つの選択肢だと思うのですけれども、この駅前の土地については貴重な場所なので、慎重に考えていただきたいと思っています。
市負担額の財源の中で、市有財産有効活用という項目で、土地の売却益88億円が載っていますけれども、先ほどの条件も設定していくと、売却よりは恐らく安い金額になると思うのです。土地を売却せずに定期借地権で貸していくというようなことも視野に入ってくるのではないかとも思います。あくまでも、こちらの話もシミュレーション上のことなので、ほかにも行政ニーズに応じた新しい取り組みをしていくことで、別のところで必要になるとか、災害が起きて災害復旧とかで必要になることもありますけれども、駅前の一等地である4)街区の市の土地を売るべきなのかどうかということについては、そのタイミングの経済状況とかも含めて、慎重に、売却ありきではなく、この財政シミュレーションを精査していく中で、柔軟に考えていただきたいと要望しておきます。
一方で、財政の観点からいいますと、再整備に伴って支出があるのは仕方がない部分ですけれども、プラスの効果について、お聞きします。
今回提案された検討案2では、再整備基本計画(素案)で示された市費負担が216億円から上回って236億円となっております。これはやはり市民の理解を得ながら再整備を進めていくためには、これだけ市の費用を投入していくのに対して、これだけの税収アップが見込めるとか、経済波及効果があることなどを示していく必要があると思いますが、それについて、市の見解を伺います。
226 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 昨年度にお示ししました再整備基本計画(草案)の土地利用計画・施設配置計画図の施設建築物を想定した試算ではございますが、市民税や固定資産税、都市計画税による新たな税収としまして、20年間で約60億円、経済波及効果は約1,600億円を見込んでおります。
227 ◯木村亮太議員 経済波及効果のほうは、経済波及効果の推計
ツール計算式に当てはめて出しているもので、結局これは整備事業に係る効果というか、工事費にちょっと乗数は掛けているものであり、整備が終わった後にどれだけにぎわいが出てというほうではないと思います。大事なことは再整備をして、それで住む人がどれだけ増えてとか、訪れる人が増えるとか、消費額が増えるというところですので、そこをしっかりと意識して、そこの部分もしっかりと説明していけるようにしていただきたいと思っております。
逆に、この60億円という部分については、プラスで入ってくるという見込みですけれども、一般財源ベースでこれがどれだけになるのかとか、こういうプラスの部分も財政シミュレーションの中に入れて、精査していっていただきたいと思っております。
今申しましたとおり、再整備後のにぎわいという部分がどれだけあるのかが重要になってきますので、にぎわい創出の観点から質疑をしてまいりたいと思います。
にぎわいの創出については、ハードとソフトの公民連携の取り組みが必要であり、ハード面では、再整備により、どのようなコンテンツを導入していくのかが重要になってきます。実現に向けた想定スケジュールでは、4)・5)街区について令和6年度から令和15年度にかけて民間活力導入の整備期間が示されておりまして、まちの価値を維持、向上させるためには、その時代のニーズに合ったコンテンツを導入していく必要があると考えておりますが、市の見解を伺います。
228 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 市民ニーズが多様化しているなど、社会環境の変化に対応しながら持続したにぎわいを創出していくためには、民間ノウハウを活用するなど、魅力あるコンテンツを導入していく必要があります。また、事業の実施におきまして、土地利用における民間提案を公募する際には、ニーズに合致したコンテンツや持続可能なにぎわい創出に関する提案を求めるなどの検討を行っていきたいと考えております。
229 ◯木村亮太議員 整備期間においても、柔軟にその時々のニーズに合った整備をしていくことは必要だと思いますが、再整備が完了した後に、建築物を初め、まちが陳腐化しないように常にまちの変化を感じとれるようにしておくのも重要ではないかと考えております。常に何かが変わっていくとか、新しいものが生まれていくということが出せるかどうかということなのですけれども。
建物の耐用年数は物理的には50年、60年、躯体としてはもつと思うのですけれども、バリアフリーなどの社会的要請に対応しているかとか、商業施設の建物として魅力的な建物であるかとか、テナントが入るかという社会的、経済的な観点からの耐用年数は、実際はもっと短いと思います。そのために、例えば、商業施設等を4)街区でつくっていく中で、施設の更新時期を当初から短期に設定し、一度、全体のまちづくりが完成して、そこからでも常に更新し続けるというような観点の検討も必要ではないかと意見を申し上げておきます。
最後に、今からでもできるにぎわいの創出について、伺います。
7月のUR都市機構による基調講演では、まちづくりを進めていくに当たっては、まず小さな社会実験や暫定利用を行うことも重要であるとありましたが、現市民会館大ホールの前の広場でも、すぐにでもオープンカフェなどの暫定利用を行っていくことも考えていくべきではないかと思いますが、市の見解をお伺いします。
230 ◯松宮祥久産業文化部長 市民会館大ホール前の広場につきましては、一定の制限はあるものの、これまでイベント開催時に主催者において飲食ブースなど出店の実績もあり、期間限定のブース出店は可能であると考えております。
なお、市民会館大ホール前の広場を含む市民会館廃止後の取り扱いにつきましては、市駅周辺再整備基本計画の検討とあわせて、庁内で検討を進めてまいります。
231 ◯木村亮太議員 広場については、まだまだ活用の余地があると思います。更地にしてからやるというやり方もあるとは思うのですが、京都市で京都市立芸術大学が京都駅の東エリアに移転開設されるという話は御存じの方もいらっしゃると思いますけれども、大学の移転工事が始まるまでの期間を限定して、移転の予定地の一部を活用して、崇仁新町という屋台村をつくって、そこでイベントとかも開催して、にぎわいを創出している事例もあります。京都駅から徒歩5分ぐらいなので、京都駅に行った際には、ぜひちょっと寄って、見ていただきたいと思います。そういうやり方もあると思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
最後になりますが、駅前の再整備はどうしても時間のかかる事業です。事業を実施していく中でも人口が減っていきますし、社会状況や経済状況の変化も発生する可能性があります。庁舎のあり方や市民の手続はどうなっていくのか、変わっていく、また職員の働き方も変わっていく、財政状況も変化していく、そういったことが想定されますので、そういう中で将来を見据えて柔軟な対応ができるように、さまざまな状況を想定しながら、まちづくり、駅前再整備をしていただきたいと要望いたしまして、終わりとさせていただきます。
232
◯前田富枝議長 これにて、木村亮太議員の質問を終結します。
233
◯前田富枝議長 次に、中武貞勝議員の質問を許可します。中武議員。
234 ◯中武貞勝議員 最後になりました。よろしくお願いしたいと思います。
1点目は、枚方市駅前行政サービス再編に向けた考え方について、お聞きしたいと思います。
今回提示された枚方市駅前行政サービス再編に向けた考え方の案では、高齢者や子育て世帯にとって魅力的な行政サービスを提供するものでありますが、5)街区での新庁舎整備を見据えて駅前で再編されるということは、駅から新庁舎までの移動距離が遠くなるということが想定されたものであれば、高齢者や子育て世帯とあわせて、身体障害者にとっての利便性も向上させるという視点が抜け落ちているのではないかと思うわけであります。市の見解をお伺いします。
235 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 市駅前での行政サービス再編は、駅前の利便性を生かして、現在、駅周辺で実施しております行政サービスを継続するとともに、新庁舎整備と連携し、各種施設が抱える課題を解決する考えでございます。その実現に際しましては、御利用される方が気持ちよく行政サービスを受けられるよう、身体に障害を持たれた方々の視点も含めまして、ハードとソフトの両面から検討を行ってまいります。
236 ◯中武貞勝議員 よろしくお願いしたいと思います。
2点目は、今回お示しいただいた財政シミュレーションでは、今後見込まれる事業経費等を踏まえた結果、実質収支の黒字は維持されているものの、その額は令和10年度以降で約3億円程度に減少しており、いささか不安を感じるところであります。
実質収支以外の詳細な内訳はわかりませんが、財政構造上の弾力性を示すとされている経常収支比率などの数値が悪化することで、市民サービスの低下を招くようなことはないのでしょうか。経常収支比率の今後の見込みとその考え方について、お伺いします。
237
◯田中哲夫総合政策部長 今回の財政シミュレーションにおきまして、経常収支比率を算出することは困難でございますが、今後の見通しといたしましては、扶助費などの社会保障関連経費や公債費の増加などによる比率の上昇が懸念されます。このため、経常収支比率の推移に留意しつつ、市税収入などの経常的収入の確保や公債費負担の軽減、さらには、現在策定を進めております(仮称)行財政改革プラン2020に掲げる課題への取り組みを着実に進めていくことが必要だと考えております。
238 ◯中武貞勝議員 経常収支比率については一定理解いたしました。
では次に、市債残高についてであります。
今回の財政シミュレーションでは、本年2月の長期財政の見通しより若干の改善が見られますが、依然として令和7年度の1,182億円をピークに1,000億円を超える残高が見込まれるなど、将来世代への負担が懸念されるところであります。
長期財政の見通しでは、市債残高についてはおおむね1,000億円程度を目標にするとのことでしたが、改めて市債残高に対する市の見解をお伺いしたいと思います。
239
◯田中哲夫総合政策部長 市債残高につきましては、1,000億円を超える水準で推移するものの、令和7年度をピークに、その後は減少していく見込みとなっております。
これまで市債残高の抑制に当たっては、市債の繰り上げ償還や発行抑制などを行ってまいりましたが、今後におきましても、そうした取り組みを実施していくとともに、公債費負担の状況にも留意しつつ、計画的に投資的事業を実施してまいります。
240 ◯中武貞勝議員 よろしくお願いしたいと思います。
3点目は枚方警察署庁舎の建てかえについてでありますが、今回示されました全員協議会資料の3ページに、再整備基本計画(素案)に対する市議会からの主な意見と対応という表が記載されております。その中には、「枚方消防署の老朽化対策の観点が欠けている」と記載があり、対応として、「今後、新庁舎整備とあわせて、防災や防犯など安全、安心を高める拠点の整備に向けて検討を行う」とされています。
私ども連合市民の会の議員がこれまで幾度となく指摘してきたことには、枚方消防署のことだけではなくて、枚方警察署の建てかえについても極めて重要な課題で、枚方市駅周辺再整備の中でどう位置づけていくのかということがありました。計画区域外とか、建てかえの予定がないと聞いているという答弁を繰り返され、さきの9月議会の代表質問における我が連合市民の会の野村議員の質疑においても、同じ答弁で済まされております。
そこで、まず初めに再度確認しますが、今回5)街区でイメージされている防災や防犯など、安全、安心を高める拠点を形づくる具体的な施設整備課題に枚方警察署が含まれているのか、お尋ねいたします。
241 ◯兼瀬和海市駅
周辺等活性化推進部長 安全、安心を高める拠点の範囲につきましては、5)街区及び枚方警察署を含む周辺部を想定しております。
242 ◯中武貞勝議員 枚方警察署においては、市民生活に最も身近な生活安全課が庁舎外のプレハブに入っております。本庁舎はバリアフリーではないので、とても不便でありますが、今後建てかえる場合に現地建てかえが可能なのか、移転建てかえが必要なのかなどについて、枚方警察署や大阪府警本部と意見交換や協議をして確認された経過があるのか、お尋ねします。
243 ◯石田智則市民安全部長 大阪府内の警察署は、大阪府警察施設類型別計画に基づき建てかえを進めているとのことですが、枚方警察署につきましては、昨年9月に大阪府において建てかえ計画がないことを確認し、現在においても計画に変更がないことから、これまで意見交換や協議をした経過はございません。大阪府に対しましては、適宜、枚方市駅周辺再整備に係る情報について、提供してまいります。
244 ◯中武貞勝議員 近い将来、枚方警察署の建てかえが必要となったときに、現地建てかえが困難で、どこかに新しい土地を見つけないといけないとなったら大変であります。今なら大阪府の土地が目の前にあるわけでありますが、北河内府民センターが移転するのなら、枚方警察署はその跡地に移転すれば何の問題もないし、さらに今の建物を改修して使用するとすれば、コストも大幅に削減でき、実現の時期も早まると思うわけでございます。
北河内府民センター跡地となる5)街区に市役所の新庁舎などを建設する計画をつくるなら、このことが枚方警察署の早期建てかえの可能性を奪い、将来に禍根を残すことがないということを大阪府と大阪府警本部からしっかりと確認をとる必要があると思いますが、警察行政に対する認識を含め、市長の見解をお尋ねします。
245
◯伏見 隆市長 5)街区及びその周辺において、安全・安心の拠点の形成に向け検討していく考えであり、そのために必要な情報については、適宜、大阪府に対して提供する考えであります。
246 ◯中武貞勝議員 最後は要望でありますが、市長は吉村府政との連携を掲げておられるわけでありますから、将来、なぜこんな事業の進め方をしたのかと批判されるようなことがないように、しっかりと大阪府と協議をされるように求めて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
247
◯前田富枝議長 これにて、中武貞勝議員の質問を終結します。
248
◯前田富枝議長 以上で、本件についての協議は終了しました。
よって、全員協議会はこれをもって散会します。
(午後2時38分 散会)
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