高槻市議会 1998-03-10
平成10年第1回定例会(第2日 3月10日)
平成10年第1回定例会(第2日 3月10日) 平成10年第1回
高槻市議会定例会会議録
平成10年3月10日(火曜日)
日程第 1
会議録署名議員の指名について
日程第 2 代表質問について
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本日の会議に付した事件
日程第1及び日程第2
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出席議員(39名)
1番 角 芳 春 君 2番 三 本 登 君
3番 脇 田 憲 一 君 4番 林 啓 二 君
5番 岡 本 茂 君 7番 松 雪 芳 信 君
8番 久 保 隆 君 9番 勝 原 和 久 君
10番 安 好 一 弘 君 11番 中 村 玲 子 君
12番 橋 本 恵美子 君 13番 市 田 忠 夫 君
14番 岩 為 俊 君 15番 藤 田 頼 夫 君
16番 稲 垣 芳 広 君 17番 筒 井 俊 雄 君
18番 福 井 浩 二 君 19番 堀 田 和 喜 君
20番 生 田 靖 彦 君 21番 久 保 杏 慈 君
22番 宮 下 彰 君 23番 森 清 君
24番 二 木 洋 子 君 25番 小 野 貞 雄 君
26番 池 下 節 夫 君 27番 須 磨 章 君
28番 川 口 雅 夫 君 29番 源 久 忠 仁 君
30番 高須賀 嘉 章 君 31番 石 橋 守 君
32番 段 野 啓 三 君 33番 山 本 五 一 君
34番 根 来 勝 利 君 35番 大 川 肇 君
36番 岡 本 嗣 郎 君 37番 村 田 君 江 君
38番 新 家 末 吉 君 39番 久 保 隆 夫 君
40番 鳥 本 高 男 君
欠席議員(1名)
6番 福 岡 恭 雄 君
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説明のため出席した者の職氏名
市 長 江村 利雄 君 助 役 奥本 務 君
助 役 谷知 昭典 君 収入役 小林 宏 君
教育委員会委員長 松下 邦夫 君 教育長 奥田 晴基 君
自動車運送事業管理者 前田 忠次 君
水道事業管理者 山本 宏道 君
市長公室長 溝口 重雄 君 総務部長 吉村 務 君
財務部長 西谷 昌昭 君 人権推進部長 木村 治夫 君
市民文化部長 井出 正夫 君 民生部長 安満 二千六君
保健医療監 寺本 武史 君 環境衛生部長 安塲 信夫 君
産業経済次長 畑中 喜代司君 産業経済次長 岩本 輝雄 君
建設部長 近藤 富彦 君 都市整備部長 西川 育男 君
下水道部長 平 直記 君 管理部長 永坂 邦輝 君
学校教育部長 片本 彰 君 社会教育部長 南 博俊 君
消防長 橋本 輝男 君
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議会事務局出席職員氏名
事務局長 高田 達夫 事務局次長兼議事課長 大平 庸次
庶務課長 岡本 規男 庶務課長補佐兼調査係長 阪口 和義
議事課長補佐 舟木 正志 議事係長 山田 清好
議事課主任 小島 良英
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会議録署名議員
33番 山 本 五 一 君 34番 根 来 勝 利 君
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〔午前10時 0分 開議〕
○議長(須磨 章) ただいまから平成10年第1回
高槻市議会定例会の本日の会議を開きます。 ただいまの出席議員数は37名であります。福岡恭雄君より欠席届を受理いたしております。
よって、会議は成立いたします。
日程第1、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において山本五一君及び根来勝利君を指名いたします。
日程第2、平成10年度施政方針についての代表質問を行います。
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議案・
議事関係書類綴209ページ参照
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○議長(須磨 章) これより、順次各会派の質問を許します。
まず、
市民連合議員団代表 堀田和喜君。
〔堀田和喜君登壇〕
○(堀田和喜議員) それでは、私の方から
市民連合議員団を代表し、江村市長の施政方針に対する質問をいたします。
今日的な社会・経済状況、また地球規模での厳しい環境問題を含め、21世紀を目指した本市の将来をどう展望するのか、責任ある与党会派の立場を認識し、36万都市・高槻のまちづくりを確立するため、問題点と政策提言などを含めて質問をいたします。
まず、市政運営の基本方針と、今日我が国が置かれている社会環境についてであります。
江村市長は就任4期目、また任期の折り返しの年に、市政55周年という節目を迎え、みずからの決意を含め、一定の基本方針を提起されておりますが、その内容は余りにも抽象的であります。
今年は、市長就任以来の14年間の真価が問われる最も重要な年であり、今日の我が国の危機的な状況を考えるとき、まさに勝負をかけた歴史的な年であると認識しております。市長の14年間の経験と実績の中で、その責任と重要性を厳しく認識していただきたいと存じます。
我が国は、自由にして平和、安全、健康な社会を目指し、戦後の復興と再建をなし遂げ、高度経済成長から安定低成長へとその時代を移しました。この社会と経済の急激な発展は、教育や福祉、また文化の領域で国民生活を大きく向上させ、世界的にも例を見ないものとなりました。しかし、バブルという架空経済が生まれ、社会秩序が崩壊、我が国全体も破綻の一途をたどる結果となりました。今日我が国は、政治、行政、財政、加えて経済構造までもが、不安定で危機的状況下にあると言わざるを得ません。
また、ここ数年の異常気象に象徴されますように、地球規模での環境問題は、世界の国々の政治課題として避けられないテーマとなり、環境負荷のより少ない持続的発展の可能な経済や社会への構造転換をどう進めていくのか、その視点も踏まえた基本施策が求められております。
戦後52年、憲法施行50周年を迎えた今、多額の債務を抱え、高齢化と少子化社会というまことに複雑な社会を迎えております。過去の歴史の認識、また我が国が置かれている現状と課題を、市長はどのように認識されておられるのか。多年にわたる肥大化した無機能なシステムと構造をさらに改革し、強力なリーダーシップのもとに、21世紀に向け市民が安心して希望の持てる社会、高槻市の再構築が強く望まれています。そのことは、まさしく市長が言われておりますように、新たな時代への転換のための幅広い意識改革であり、行政体質の総合的な見直しであります。
江村市長のさらなる決意をお聞かせください。
私たちも36万市民に対し責任ある議会の確立を目指し、既に4名の議員定数の削減を決定し、議会に与えられた責任と機能を高め、市民の期待にこたえる決意をしております。今年こそ、市長としての長年の経験と実績、またその手腕が大きく期待されているときであります。同時に解決すべき課題の困難さを考えれば、市長就任以来、最も厳しい年になろうかと判断しております。市長が、これらの課題を真剣に受けとめ、これからの高槻市政100年を展望しながら、心新たに勇気と決断の基本姿勢で、この1年を担当されるなら ば、私
たち市民連合議員団は、市民生活の幸せと豊かさの実現のため、市長とともにあらゆる努力を惜しむものではないことを表明しておきます。
次に、行財政運営の基本的な考え方について伺います。
私たちは、市長が示されている3つの重点施策と留意事項については、おおむね肯定する立場であります。21世紀を目前にし、今日までに経験したことのない厳しい環境下にあっては、従来の延長線上の発想では問題解決は図れず、抜本的な改革と施策展開が求められており、この提起については、私たちとしても一定の評価をしております。しかし、幾つかの指摘と質問をいたします。
まず、予算編成に当たっての枠配分方式であります。基本的には適切な手法と考えますが、画一的な
枠配分固定化方式は、政策の硬直化を助長させます。より効率的な政策を具体化するためには、適切な人材構成と人員数、業務の具体的な合理化と効率化などを実証し、その資料に裏づけられた判断が必要条件と考えますが、見解をお聞きいたします。
次に、弾力的な財政構造を目指した取り組みであります。
活力ある市政運営には、弾力的な財政構造が不可欠であり、そのためには、義務的経費を極力抑え、投資的経費を生み出す努力が欠かせません。急速に進展する情報化社会、また少子・高齢化や環境問題など、新しい課題の到来で、市民ニーズにも大きな変化が見られます。それに的確に対応することと、扶助費を中心とした民生費や施設管理費がふえるという二律背反のテーマを、どうクリアするかという大変難しい問題がありますが、従来のスクラップ・アンド・ビルドの発想や、また過去の構成比率にとらわれることなく、思い切った組織構成と予算編成が必要な時代です。古いシステムの見直しと、新しいシステムの構築が必要であります。見解をお尋ねいたします。
次に、地方分権についてであります。
地方分権は今、国の政治の大きな流れであり、
地方分権推進委員会の勧告においても、機関委任事務の廃止や、必置規則の見直しなど、多領域にわたる勧告をしております。地方自治体は、地方分権に消極的だと推進委員からも指摘されていますが、4次勧告まで出された今日の段階で、この勧告に対する見解と評価をお尋ねします。また、地方分権に対する市職員の意識は全庁的に低く、自己意識改革の動きも弱い中、地方分権に向けた自治体改革のあり方についての基本方針と課題を整理し、全庁的な討議が必要と考えますが、見解をお聞きいたします。
次に、みどり豊かな機能的なまちづくりの課題であります。
21世紀を間近に控え、本市の立地を生かした、機能的で安全な都市基盤整備をさらに進め、さらなる町の発展が望まれます。
特に、本市の生命線である国道171号と170号は常に渋滞し、その対策として、さまざまな緩和策が手がけられてきましたが、昨年完成した十三高槻線は、予想以上の効果で、南部地域の交通形態の活性化に役立っており、大きな評価を得ています。さらに以東への推進が期待されます。また、インターチェンジを有する第二名神自動車道が、国幹審で整備計画路線へと昇格し、施行命令を待つのみとなりました。この実現は、本市への経済効果も大きく、市民からも大変期待されるところです。付随するアクセス道路のプラン化を明確にするなど、本市も総合的な交通体系を、現実的な政策に移すことが重要になってきました。
その立場から道路網整備についてお尋ねいたします。
市長の方針の中でも触れておられる第二名神自動車道は、その早期実現を求めた国や府への積極的な要請活動が必要と考えますが、具体的な活動をどう進めるか、考えをお聞かせください。
また、アクセス道路となる牧野高槻線の整備については、昨年は、地下構造への土質調査を行っているとの答弁でした。その後の大阪府との協議内容をお聞かせください。また、昨年は十三高槻線が170号まで開通し、第二名神自動車道と同様に重要な路線と認識していますが、さらなる以 東への延伸が積極的に進められるべきと考えますが、市長の考えをお聞かせください。
また、交通渋滞の緩和策としての右折レーンの設置であります。市街地の中心を走る171号の
八丁松原交差点の東向き車線を、3車線に拡幅されたことにより、渋滞頻度が大幅に減少し、多くの市民から高い評価を受けております。現在の
市内主要幹線道路における右折ラインは、その幅が狭く、さらなる効率化が求められています。そこで、八丁松原と同様の発想で、一部車道を拡幅しての交差点改良を行い、交通渋滞対策を提案いたしますが、いかがでしょうか。
次に、道路施策についてであります。
子どもや高齢者、障害者に優しいまちづくりと言われる中で、市民生活に直接かかわる道路整備の基本要素は、安全性、快適性、利便性であり、その内容としては、歩車道の分離、段差の解消、植樹帯、表面舗装の高度化等を進め、
バリアフリー化のさらなる強化であります。第6次
交通安全施設整備事業5か年計画と
バリアフリー化についての取り組みの現況をお聞かせください。
次に、市街地整備についてお尋ねいたします。
都市機能の充実と、都市景観の形成をつなぐ施策として、駅前を中心とする
市街地整備事業は、我が町の発展に不可欠な施策であります。
まず、JR高槻駅北地区再開発についてですが、準備組合から本組合への昇格が実現されようとしている中、着工計画等の総合的な時期をお聞かせください。また、このタイミングに合わせ、以前からの課題であるJR高槻駅の
プラットホーム対策についても具体的に検討すべきと考えますが、JR西日本への、これまでの取り組み経過と今後の対応策についてお聞かせください。
また、JR駅前再開発に関連し、本市が購入予定をしている8,000平米床の活用ですが、現段階での公共施設導入については、図書館と
勤労文化センターとの考えが示されています。そのことを評価するとともに、図書館については、既存の図書館との機能と役割分担の明確化、あわせてターミナルとしての立地条件を生かした、市民ニーズにこたえる新たな情報発進施設として、新鮮な計画が求められております。市長の基本的な考えをお聞かせください。また、勤労者の念願であり、総合計画28事業の残事業でもある
勤労文化センターですが、より多くの市民の意見を反映しながら、勤労者や市民が憩えるような施設になるよう強く要望しておきます。
次に、西の玄関口である富田地区の開発についてであります。
市北西部は、学園都市に調和した住地帯が形成され、JR・阪急の富田駅には、それに呼応した高い機能が求められています。特に阪急富田駅周辺、JR摂津富田駅南側においては、
都市計画道路富田奈佐原線、とりわけ
阪急富田駅西踏切拡幅の課題があり、これらの道路整備には、阪急富田駅の高架事業が不可欠であり、富田のまちづくりに対する非常に重要なかぎを握っております。この課題が解決されてこそ、富田が高槻の副都心と言えるのではないでしょうか。
阪急富田駅の高架問題も含めて、関連する都市計画道路の整備問題等、富田のまちづくりについて、昨年の答弁を踏まえ、その手法も含めて、どのようにお考えでしょうか。また、本市の重要な南北道路として、富田奈佐原線の早期実現が不可欠と考えますが、いかがでしょうか。
次に、市街化区域と調整区域の見直しについてであります。
都市基盤整備の基本ともいえる見直しが、準備段階に入ると認識しています。市民の意見をより多く聞き、反映することが重要であり、21世紀をしっかりと見据えた内容にしていただきたいと考えます。その手法と
根幹的都市施設と言われましたが、その内容をお聞かせください。
次に、公園施設についてお尋ねいたします。
萩谷総合公園については、スポーツとともに、自然を満喫できる公園として、市民が大きな希望を持っていることは言うまでもありません。積極的推進の立場から、今年度は、野球場とテニスコートの実施設計に着手するとのことですが、体育館を含めた以前の第2期工事との整合性について、 どのように考えておられるのか、全体構想も含めてお聞かせください。また、体育館の総合的機能を高める観点と、地理的条件を勘案すると、宿泊可能な多目的施設を視野に入れた施設整備が必要と考えますが、いかがでしょうか。
次に、摂津峡を中心とする公園施設についてお尋ねいたします。
待望の
レジャープールが昨年夏にオープンしました。子どもたちや家族連れでにぎわい、高い評価を受けていますが、従前から、摂津峡を中心とする夏場の違法駐車問題は、多くの市民から指摘があります。今回の
レジャープールの開園に伴い、心配しておりました休日を中心とする周辺道路や、摂津峡周辺の
違法駐車問題等、駐車場が不足していると考えますが、その対策についていかがお考えでしょうか。
次に、総合的な
生活排水処理計画についてお尋ねいたします。
大阪府の計画では、2001年を目指し、100%の適正処理の達成に向け、事業が展開されています。本市においても、平成12年度目標普及率80%とする第5次
公共下水道整備5か年計画が策定され、
特定環境保全公共下水道事業による整備とあわせ、計画的に推進されています。しかし、計画どおり達成できたとしても、山間部を中心とした計画地域外には、その恩恵を享受できないことになります。財政支出の公平性、都市中心部と比較して社会資本投資の立ちおくれが現存している中にあって、全市民的合意を得るためには、総合的な
生活排水処理計画の立案が望まれます。昨年の我が会派に対する回答の早期実現を願うものでありますが、市長のご見解をお伺いいたします。
また、
公共下水道計画区域に含まれていない地域については、その一つの手法である
農業集落排水事業による処理施設が検討されていると仄聞しております。その前提となる生産基盤整備の完了年次を考えた場合、事業計画の検討を始めるべき時期に来ていると思いますが、お考えをお聞かせください。
次に、水道事業についてですが、方針の中にある高槻市
水道サービス公社の設立問題です。より市民サービスの向上と業務の効率化を目的に設立をするとのことですが、市民にとってプラスになることを切にお願いいたします。また、役員組織体制では、昨今の世情を勘案しながら、市民の誤解を招かないよう配慮を求めます。また、公社設立における経営効果、さらには受託事業の拡大と、収益事業に取り組むとありますが、具体的にどのようなことを考えておられるのか、お聞かせください。
次に、安全で快適なまちづくりについてお尋ねいたします。
初めに、防災についてでありますが、あの阪神・淡路大震災から3年が経過しました。府ではこの震災を機に、大規模な地震を想定した大阪府地域防災計画が、また高槻においても
市地域防災計画が策定されました。これらの計画は、市民の生命と財産を守り、安心して暮らせるまちづくりの実現のためにはなくてはならないものと考えています。
この高槻
市地域防災計画に基づく
防災都市づくり計画は、どのような方法で、いつごろを目標にされておられるのか、また地域の自主防災組織の育成については、さらなる支援策の強化が不可欠ですが、具体的にどのような内容を考えておられるのか、お聞かせください。
また、昨年の防災訓練では、枚方市との共同訓練や、自衛隊による橋づくり等が行われ、近隣地域との連動が大変重要との認識が高まり、また多くの市民の参加で、防災体制の強化意識も着実に上がりました。しかし、これからが住民の防災意識の維持と強化が重要な課題になります。今年度は、どのような内容で、市民との共同防災訓練を検討されておられるのか、お聞かせください。
次に、環境問題とごみ減量についてお尋ねいたします。
昨年実施された、
容器包装リサイクル法への対応では、本市は一定の分別収集を実施されていますが、まだ十分とは言えません。ダイオキシン問 題と深く関係する
廃棄プラスチックや
塩化ビニール系のごみが、分別対象に入っていません。地球環境問題とリサイクルの観点から、プラスチック類の分別収集を、早期に実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。また、最近のニュース報道でも明らかなように、焼却灰の中にも多くのダイオキシンが残留しています。本市はプラスチック、ビニール系ともに焼却しているため、大変懸念をされます。そこで、大気調査のみならず、焼却灰調査も同時に実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。既に調査済みならば、その内容をお示しください。
次に、ごみ減量についてお尋ねいたします。
大都市圏におけるごみ処理能力の限界や、これまでの規制方法では減量は難しいこと、また処理コストの増大などから、都市部を中心に、
ごみ処理有料化への兆しがあります。高槻市も同じ課題を抱えており、昨年の質問では、他都市の動向を踏まえると回答されましたが、
一般家庭ごみ有料化の実施についての見解をお尋ねいたします。
次に、斎場及び
公園墓地整備計画についてですが、ふるさと感の高まりの中、大変重要な施設として認識しています。公園墓地の地質調査や、斎場の建設計画推進についての施策展開に取り組むとのことですが、どれぐらいの規模で、いつごろまでにまとめようとされているのか、お聞かせください。
次に、市営川西住宅の建てかえについてですが、築後47年を経過しようとしている市営住宅であり、28事業の一つでもあります。老朽化により大変危険な状態にあり、現在の住宅政策とは大きくかけ離れていると言えます。これからの少子・高齢化社会を勘案する中で、従来にない新しい発想での整備計画が必要です。建てかえも含めた今後の展開をお聞かせください。
次に、交通安全対策についてお尋ねいたします。
平成8年より実施された、高槻市違法駐車等の防止に関する条例は、当初は期待どおりの効果がありましたが、重点4路線の最近の状況は、休日を中心に大変厳しい状況です。特に阪急みずき通りは、歩行者への危険度や、バスの運行等に大きな影響を与えています。4月稼動予定の
駐車場案内システムに大きな期待はあるものの、さらなる取り組みの強化が必要です。場合によっては、警察と指導員との共同取り締まりも必要と考えますが、いかがでしょうか。
次に、生活を支える活力あるまちづくりの課題であります。
まず、都市農業における農業振興策についてお尋ねいたします。
農業従事者の高齢化と
後継者テーマは、今なお高槻の農業が抱える根本問題であり、なかなか解決できない難しい課題であります。
国の
農業構造改善事業としての
総合営農センターは、2年後に完成が予定されていますが、担い手問題や、農作業の省力化などの課題解決に大きな期待が寄せられております。しかし、国の農業改善事業は、その効率的活用に多くの問題点が指摘されており、この営農センターも、高槻の農業振興政策に、的確にマッチした活用と運用が求められております。農業振興策の中で、この営農センターを、市としてはどう位置づけされているのか、また本来の機能を発揮するため、市として今後どのような責任ある方針で臨まれるのか、お尋ねいたします。
あわせて、減反制度の問題をお尋ねいたします。
平成10年度から2年間の予定で、国の
緊急生産調整推進対策が始まると聞いております。生産調整の転作目標面積は、35%から42%へと、相当な拡大が予想されております。
市長は、花と緑への転作拡大や、教育実習田などの推進を提起されておりますが、地域の農業と学校とを結びつけ、教育内容や学校給食との連携を視野に入れた、深いつき合いのあり方を検討していただきたい。食べ物についての総合学習を、地域の農家と協力して考えたり、地場作物を給食に継続的に供給すること、また自分たちが植えた米から、もちやおにぎりを食べる体験をするなど、教育に農業を生かす多くの選択肢があると考えます。そのことが生きる力の教育にも広がる発想で はないかと考えます。産業経済部と教育委員会が協力する課題でありますが、今後の発展策として、ぜひ検討をしていただきたい。ご見解をお聞かせください。
次に、商工業振興対策ですが、長引く景気低迷の中、中小企業者への融資枠の拡大や特別融資制度など、新規施策は評価いたします。実効ある展開になるよう、丁寧な取り組みを求めます。
商工会議所の建設についても、当事者との協議を積極的に進め、充実した会館実現に向けた行政努力が必要であります。今後どのような行政的支援を考えておられるのか、お尋ねいたします。
次に、健康で心ふれあうまちづくりの課題であります。
まず、高齢者福祉施策についてお尋ねいたします。
高齢者のための施策として、シャトルバスの運行が提起されています。積極的な施策だけに円滑な導入が望まれます。高齢者の定義、介護者の取り扱い、運転従事者の指導、バス利用者とマイカー利用者との公平性など、実施前の検討課題が多く、その整理が必要と考えますが、ご見解をお伺いいたします。また、グループホームの今後の計画、財産管理等の支援システムに対する構想についても、ご見解をお伺いいたします。
次に、公的介護保険制度の導入に関連してお伺いいたします。
21世紀を間近にして、日本の社会保障の仕組みが大きく変わろうとしています。本格的な少子・高齢社会が進展する中、要介護者の増大に加え、高齢者世帯、高齢者夫婦世帯が急速にふえつつあり、女性の社会進出とも相まって、高齢者を取り巻く環境は大きく変化しています。その変化に対応するため、介護の負担を社会全体で連帯し、支え合う公的介護保険制度がスタートいたします。
この制度は、市民福祉政策への大転換を意味するとともに、市町村が果たす役割は、これまで以上に重要となります。そこで制度の円滑な導入を図るため、具体的課題についてお尋ねいたします。
制度スタートに向け、要介護高齢者等の現状把握を初め、短期間のうちに膨大な準備作業を行わねばなりません。事業計画を円滑に推進するためには、全庁的な支援体制が必要と考えますが、その組織体制について、どのように考えておられるのか、ご見解をお伺いいたします。
次に、策定委員会の設置についてであります。
市町村は、要介護高齢者の現状や必要なサービス量を把握し、介護サービス基盤の整備を計画的に進めながら、介護保険事業計画を作成することになっています。介護の問題は、住民自身の問題であり、被保険者本位に策定されることが重要であります。そのため事業計画策定に当たっては、被保険者の意見反映が明文規定されています。したがって、策定委員会の構成については、行政機関だけではなく、学識経験者や保健・医療・福祉関係者、また被保険者は当然として、将来被保険者となる住民の代表者も加える必要があると考えますが、お考えをお聞きいたします。
同時に、高齢者福祉に関する総合条例を制定し、その条例の中で、計画策定委員会を実質的な介護保険の運営協議会として位置づけることが重要と考えますが、いかがでしょうか。
次に、独自給付についてお尋ねいたします。
保険給付については、条例制定により特別給付が可能となっています。また、すべての被保険者を対象とした保健福祉事業を実施することも可能となっています。まず、この制度に対する基本的なご見解をお聞かせください。
とりわけこの制度の基本的理念である在宅介護の重視を考えた場合、給食サービスを初めとした特別給付の実施は必要不可欠であり、また保健福祉事業の実施も、要介護者の抑制という視点から重要と考えますが、ご所見をお尋ねいたします。
次に、介護認定審査会の設置についてお伺いいたします。
この制度では、審査会の設置方法については、単独設置、他市町村との共同設置、及び都道府県に委託する方法がありますが、どの方法を選択されようとお考えなのかお尋ねいたします。また、認定調査委員は市町村の職員、ケアマネジャーと されています。養成を含めた体制について、どのようにお考えなのか、また介護認定に対する不服審査請求がスムーズにできるよう市に窓口を設置し、同時に非営利団体による代理、後見サービスなどの整備が必要と考えますが、いかがでしょうか。見解をお尋ねいたします。
次に、財源確保の課題についてお尋ねいたします。
今回の制度で一番危惧されるのが保険料の徴収問題であります。収納率の低下は、一般会計からの繰り出しを大幅に増大させ、即、市町村の負担増となってきます。とりわけ第1号被保険者のうちの普通徴収対象者に対する対策が必要と考えます。今後、徴収員の増員も含めた徴収体制についてのお考えをお聞かせください。
次に、国、府及び関係機関に対する対応についてお尋ねいたします。
今回の制度は、法律施行後5年をめどに介護保険制度全般について検討を行い、見直しを図るとしています。制度導入に伴う国庫負担減少分、市町村における負担軽減分の財源を、介護基盤整備の財源として前倒しすること、第2号被保険者に対する給付制限の見直しなど、制度導入に係る施策、制度上の見直しについて国、及び関係機関に対する働きかけが必要と考えますが、問題点の指摘も含めて、市長のご見解をお伺いいたします。
次に、高齢者の雇用問題についてお尋ねいたします。
我が国の高齢社会は少子化の進行と相まって、急速に進行しています。高齢者が健康で生きがいを持ち、生活を楽しみながら豊かで安定した高齢期を送るためには、60歳代層の雇用保障による、労働から引退への緩やかな移行への取り組みが重要となっています。我が国の高齢者は就業意欲が高く、就業の理由も健康の維持、生きがいの実現から生活の充実や、これを支えるための経済的必要性へと変化しています。今後、年金の支給開始年齢の引き上げが開始されれば、その傾向に、一層の拍車がかかることが予想されます。高齢者が充実した人生を送るためには、高齢者の働く意欲と能力、体力や適正に応じた雇用、就労の機会確保、高齢者の経験と能力が活用できる雇用の創出と拡大が重要な課題となっています。従来の雇用、就業問題は、各種給付制度を活用した民間企業への誘導に重点が置かれていますが、既に限界に来ています。今後、法改正に向けての提言を含め、例えば、現在の労働者派遣事業法を活用した第三セクターによる事業が展開できないのかなど、行政主導の施策が必要と考えますが、市長のご見解をお伺いいたします。
また、高齢者の市営バス運賃無料乗車証については、今後の高齢者人口の増加に伴い大幅にふえることは確実で、一般会計にとって大きな負担になり、他の施策との整合性の観点からも、何らかの対策が必要であります。しかし、無料乗車証については、高齢者の社会参加や、足の利便性を確保するという積極的な意義があり、また他市には、まねのできない高槻市の特徴的な施策であり、一部見直しに当たっては、慎重な検討が必要と考えますが、見解をお伺いいたします。
障害者問題についてお聞きいたします。
第2次障害者長期行動計画に基づく諸施策の積極的展開、とりわけ知的障害者雇用制度の拡充、重度障害者多数雇用事業所誘致、障害者作業所の授産事業の安定的拡大についての考え方をお聞かせください。また、知的・車いす障害者ガイドヘルプ利用に当たっての時間制限について、医療機関等の利用等は、一定配慮をするとの考えを示されましたが、時間制限そのものを撤廃する考えはないのか。財産管理システムの早期制度化とあわせてお尋ねいたします。
次に、保健・医療施策について、城東町及び西部地域保健センターを核とし、母子保健事業の拡充はもとより、医療、保健、福祉の連携、具体的には訪問看護サービス、OT・PTの確保、保健婦を含むマンパワーの充実が求められていますが、具体策をお示しください。
また、難病患者、重度障害者など生活困窮家庭への融資制度、支援策を検討するとともに、大阪府老人医療費助成制度見直しにかかわって、高齢 者の保健、医療が後退することのないよう、あわせて乳幼児医療費助成制度の拡充に向けて、大阪府への申し入れをさらに強められるよう、市の見解をお尋ねいたします。
次に、男女共同参画社会の推進について、市政全般の政策決定に女性市民並びに職員の声を反映する手法について、とりわけ、さきの女性議会での提言の具体化を、どう図られるのかお尋ねいたします。また、たかつき女性プラン中間見直しに当たっては、懇話会設置等市民の声が反映できるシステムづくりを行われるよう重ねて要望しておきます。
次に、少子化対策・子育て支援について、施政方針で子育てを社会全体で支援するシステムの構築を目指し、庁内にプロジェクトを設置するとの表明は、一歩前進と評価するものであります。そこで、本プロジェクトの構成及びビジョン策定の今後の見通しについて、まずお聞かせください。さらに、一時保育や子育て支援センターの拡大、病後児保育の制度化、駅前保育の整備等、多様な保育制度の充実と、子育てサークル等への支援策についてお聞かせください。
次に、平和、人権行政の推進について、人権教育のための国連10年の、国並びに府行動計画を踏まえた人権啓発計画・指針策定と、世界人権宣言50年の取り組みについてのお考えをお聞かせください。また、同和問題の解決に向けては、広く人権問題としての観点から、今後の方策をとりまとめていく必要があると思いますが、所見をお聞かせください。
次に、国際化施策について、市長は、情報化、国際化への対応を上げられていますが、その具体的施策は都市交流の域を出ていません。今後、その総合的な方向性を示す国際化施策基本指針策定、並びに外国人有識者会議の設置の意思はおありかどうか、お伺いいたします。
次に、人間性をはぐぐむ生きがいあるまちづくりについてであります。
政治を動かす価値観が、経済的豊かさから心の豊かさへと、その軸足を移す時代になりました。その課題は教育の世界にも当てはまり、今、学校教育の質的転換と大胆な教育改革の推進が、地方教育行政にとって切実な課題になっています。
その観点から、まず最初に教育改革の課題について質問いたします。
市長は、第1期目から教育改革を重要な政策に位置づけてこられました。当初は運動論をめぐっての論議が中心でしたが、今は制度論や教育の存在論へと、その論点は広がってきています。市長は相次ぐ青少年の殺傷事件に触れながら、生きる力や心の教育が大切との認識を示されております。日本の教育は、今、大きな曲がり角を迎えているとの認識は広がっており、国においても、教育改革プログラムに基づき、広範な領域での改革が展開されております。
地方分権と構造改革が進む中、高槻における教育改革を、どう具体的に進めるのか、という極めて重要な課題に対し、どう認識され、どのようにこたえようとされているのか、まず、その基本姿勢をお聞きいたします。また、この教育改革にどう取り組むのか、という私たちの再三の質問に対し、今日までの対応は、一歩踏み込んで事に当たるという姿勢に欠けており、当事者責任を果たしていたかどうか疑問に感じます。教育改革の真の重要性を深く受けとめ、教育政策担当チームを設置し、高槻での教育改革のあり方について、根本的な方針や政策を提案するなど、積極的な対応を求めます。それに対しても見解をお聞きいたします。
また、今日、子どもたちを取り巻く状況は極めて憂慮すべきものがあり、その中で、子どもたちに豊かな人間性を育てることが重要な課題になっています。今、全国の学校で子どもたちが学びから背を向けるという、深刻な現象が静かに進行しております。高槻でも、幾つかの学校で、教室での学習活動が成立しなかったり、対教師暴力の事例がふえております。当事者の主体的な努力による解決が望まれますが、どの事例も原因が特定できない複雑な様相を持っており、また、その実態も極めて深刻であります。
今、学校という学びの社会から背を向ける子どもたちの実相は、想像を超えて大きく広がっており、その裾野は広くて深いと考えられます。
学校や教育の存在価値が改めて問われる現況にあって、学校の枠を超え、早急に学校と地域、家庭、また専門機関とのネットワークづくりの中で、問題解決を図ることが必要であります。また、家庭の教育力を、どう再生するのかも大きなテーマになってきております。教育行政としての現状認識と、この課題に対しどのように指導性を発揮されようとしておられるのか、その方針をお聞きいたします。
次に、地方分権時代における教育のあり方についてお聞きいたします。
文部省の、21世紀に向けた地方教育行政のあり方に関する調査研究協力者会議の論点整理には、校長の権限拡大や、学校予算編成のあり方が検討課題に入っています。今、規制緩和を進めることで、学校の閉塞状況を切り開くべきとの主張が、国民的にも支持が広がっています。学校を管理しがちな行政が、これからは支援、助長へとその姿勢を変え、個性的な学校づくりの促進を図るべきとの考えであります。学校長の権限のあり方を、今後どうするのか、予算執行上の権限拡大も含め、考えをお聞かせください。
あわせて、教育センターの機能充実についてお聞きいたします。
教育研究所が、教育センターとして発足して1年たちました。私は、教育改革の課題と深く関係する機関として、このセンターを位置づけておりますが、教育改革との関連で、この1年間のセンターの活動の総括をお聞かせください。
次に、学校図書館と読書教育の充実の問題であります。
子どもたちの知的関心の衰退が言われて久しいものがあります。毎日新聞の調査によると、中高生のほぼ3人に2人は、月に1冊の本も読んでいないという現状が明らかになっております。しかも、この現象は今も進行しており、毎年5ポイント近い率での読書離れの実態が明らかになっています。
佐藤 学氏が指摘している次の言葉は、学校図書館の充実という課題は、教育改革と深い次元で関連することを思わせます。「リテラシーという書字文化の教養の衰退は身体の暴力を誘発する。文字で世界を読み解き、世界に自己を記すことを奪われた人間は、暴力で自己の存在を証明しようとする」。
地域や学校、また家庭で荒れる子どもたちを見るとき、この佐藤氏の指摘は、妙に心に響くものがあります。市長と教育委員会の政策的な判断で発足した、学校への司書職員の配置は、今年度もさらなる加配が決定されました。高槻における独自施策として、私たちは、その実績を大きく評価をしております。実験的という位置づけですから、2校への司書職員配置の実績評価が必要であり、そこからの出発が、次の確実な成果を約束いたします。今日的な段階で、どのように総括されているのか、お尋ねいたします。また、これからの学校図書館の活動を保障するための条件整備をどう進めるのか、その方針もあわせてお聞かせください。
次に、情報教育の問題です。
旧式化した中学校のコンピューターが更新されます。情報化社会を視野に入れた教育がさらに深まろうとしています。この機会に、学校にコンピューターを導入することの意味を、いま一度明確にすることが必要であります。教育の場でのコンピューター導入の目的は、操作技術を会得するだけではないはずであります。また、各学校ごとの情報教育の実践に、大きな差異があることが指摘されてきました。すべての学校の教育過程の中で、きちんとした情報教育が位置づけされるべきと考えますが、見解をお尋ねいたします。
また、中学校のコンピューター更新により、旧来の大量の機器は現役を離れるわけですが、以後の活用をどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。廃棄はもったいないとの声が聞こえてきます。学校や社会教育施設での再活用のあり方について、考えをお聞かせください。
次に、いわゆる余裕教室の活用問題であります。
余裕教室の活用策の集約を行うと述べられております。余裕教室を他の施設に転用する場合は、文部大臣の承認が必要でしたが、最近は自治体の積極的な活用を促進するため、報告だけで済ませるようになってきました。社会教育施設のみならず、老人デイサービスセンターや備蓄倉庫に転用する場合にも、報告のみでよく、全国的にも余裕教室の活用が進展しています。具体的な施策を、どう展開されるのかお尋ねいたします。
最後に、文化財行政についてであります。
市長は、本市に点在する古墳群や、歴史資源を生かしたまちづくりに積極的に取り組む意欲を示されていますが、大賛成であります。
行政が深みのある文化を育て、それを保護し、市民の歴史への思いをつなぐ役割を、さらに果たすことが大切だと考えております。このテーマは、私たちが再三取り上げてきた課題であり、今までにも議会答弁では、一定の前向きな姿勢が示されております。
安満宮山古墳で発掘された青龍三年の銘を持つ青銅鏡は、邪馬台国近畿説にも影響を与えるものとして、全国的にも大きな反響と関心を呼びました。高槻は、古代史に関係する貴重な史跡が比較的限られた地域に集中しているのが特徴であり、それは、我が町の貴重な資源であります。
今日まで、その保存と展示、また点的な整備が重点になっておりましたが、高槻市が古代史跡の宝庫として、全国的に認知されてきた今こそ、ひとつ次のステージへと、展開をレベルアップし、面的な整備を、個性的なまちづくりに生かすという視点からの取り組みが必要な時期に来たと考えます。高槻のまちづくり構想の中に、史跡を位置づけた総合計画の具体化が、今こそ求められていると考えますが、市長の見解をお聞かせください。
また、私たちは遺跡、史跡、古墳群などの資源を生かした、仮称風土記の丘構想を、史跡整備計画として提案してきたところですが、さらに広く市民の声も反映させながら、史跡の長期的計画的整備を具体化するため、議会内に、史跡のまちづくり特別委員会を設置されてはいかがかと提言いたします。市制55周年を記念する企画として、多くの市民の賛同が得られるものと考えます。市長の前向きな見解をお伺いいたします。
以上で、私たち市民連合の代表質問を終わります。
政治における政策決定は、そのすべてが選択の問題であり、バランスをとるための苦渋の判断を、常に伴うことは十分に承知をしております。しかし、その根底に、37万市民の幸せを真に願う思想が強く流れていれば、多くの市民に、その判断は肯定され、支持もされるのであります。
最後になりますが、何分にも市長さんは高齢でありますから、健康には十分気を使われ、今後とも市民本位の市政展開に努力されることを願って、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(須磨 章) 江村市長の答弁を求めます。
〔市長 江村利雄君登壇〕
○市長(江村利雄) ご答弁申し上げます前に、一言お断りを申し上げます。
教育に関するご質問につきましては、教育委員会と調整の上、私よりご答弁いたしますので、その点よろしくお願い申し上げます。
それでは、
市民連合議員団代表 堀田和喜議員の代表質問につきまして、ご答弁を申し上げます。
まず、新たな時代への転換のための、さらなる決意についてでございます。
基本的には、ご質問にございますような認識に立ちまして、市民が安心して希望に満ちたふるさと高槻の再構築に取り組んでまいりたく存じております。今後とも、さまざまな変化に的確に対応しつつ、施政方針でも申し上げましたように、職員一人一人が社会の実態や、市民ニーズの実情をより的確に把握し、市民の目線に立って、本市の行財政状況を十分に認識した上で、従来の縦割り的発想を克服し、創意工夫と政策能力を高めながら、全力で取り組んでまいる所存でございます。
次に、より効率的な予算編成の枠配分方式についてのお尋ねでございますが、これは行財政改革 の1項目として、平成9年度の予算から本格実施いたしておるものでございますが、ご指摘の点につきましては、予算査定により、各部局の見直し結果を聴取いたしますとともに、業務量、人員等を所管する関係部局との連携も含めまして、弾力的で適切な予算編成をいたしており、これらを通じまして、効率的・効果的な施策の推進ができるよう努めておるところでございます。
また、古いシステムの見直しと新しいシステム構築の問題でございますが、限られた財源を有効に活用するために、絶えざる事務事業の見直しが必要であり、鋭意、行財政改革に取り組んでまいります。今後とも、これまでの施策のうち、既に役割を終えたもの、あるいは時代の要請に合わなくなったものにつきましてはスクラップいたし、新しい課題やニーズに的確に対応してまいる所存でございます。また、組織・機構の見直しに当たりましては、簡素で効率的な組織・機構としてまいります。
次に、
地方分権推進委員会の勧告についての見解でございますが、4次にわたります勧告を尊重し、現在、政府におかれましては、地方分権推進計画の策定に取り組まれておりますが、一連の勧告におきまして、機関委任事務制度の廃止等により、分権への道筋をつけ得たことは、おおむね評価できるものと考えております。しかし、分権推進の両輪となる権限と財源、とりわけ財源問題につきましては、中長期的に検討し、地方税の充実確保を図ることとされており、今後、全国市長会等のあらゆる場を通じまして、この問題について、粘り強く要望等を行ってまいりたく存じております。
また、地方分権に向けた全庁的な取り組みでございますが、新たな地方分権システムの確立のために、本市といたしましては、昨年3月、庁内23課長を中心として構成する、高槻市地方分権推進検討会を設置いたし、地方分権の推進に関する諸課題を全庁的視点で研究、検討しております。そして今月末には、一定の中間報告もする予定でございます。また、昨年11月に開催いたしました地方分権シンポジウムでは、職員研修の位置づけもいたしまして、さらに10年度からは、職員参加による目標設定と進行管理制度を徹底いたし、他の人事施策や研修等とあわせて、職員の意識改革を促したく存じております。
次に、第二名神についてでございますが、平成8年12月の国幹審で整備計画が決定され、過去の例からいたしますと、おおむね2年の後に、日本道路公団に対し施行命令が出されております。本第二名神につきましては、昨年12月に京都区間の城陽─八幡間について、施行命令が出されました。大阪府域の八幡─高槻間につきましても、早期に施行命令が出されるよう、今月2日には、大阪府ともども国に要望いたしたところでございます。
牧野高槻線の整備について、大阪府との協議内容でございますが、本道路につきましては、大阪府施行の都市計画道路でございまして、本市といたしましては、地域環境への配慮等、まちづくりの観点から、地下構造を中心とした道路構造の検討を要望してきたところでございます。大阪府におかれましては、地下構造とすることを前提にして行った土質調査結果を分析、検討をいたし、現在、具体的な工法等を検討されていると聞き及んでいるところでございます。
また、十高線の東進でございますが、今日の都市間交流の時代において、大阪府施行の十三高槻線の摂津・茨木市を経て、本市の国道170号までの開通により、市民生活における交通の円滑化が図られ、市営バスの定時運行が確保されるなど、本市の産業、経済の発展に、まことに意義深いものと存じております。さらなる東進につきましては、本市の要望を受け、大阪府では市道須賀前島線までの事業に着手いただいたところでございます。さらに国道171号までの延伸につきましても、本市も一定の役割を果たしながら、促進について要望してまいる所存でございます。
次に、
市内主要幹線道路における右折ライン等の交差点改良についてでございますが。本市の
市内主要幹線道路の交通渋滞対策につきましては、 議員仰せのとおり、右折レーン等の交差点改良は重要な解決策であり、大きな効果を上げておりますことから、公共事業抑制のときではありますが、今後とも交差点改良に向けまして、可能な限り取り組んでまいります。
次に、第6次交通安全施設整備5か年事業と
バリアフリー化のお尋ねでございますが、子ども、高齢者、障害者に優しいまちづくりの基本は、安全性、快適性、利便性であり、本年は6次5計の中間年として、残された3か年の中間総括をする年であります。そこで、改めて歩行者空間の確保を初めとする安全対策につきましても再度チェックを行い、不足する分を補わなければならないと考えております。特に歩道の整備につきましては、市道八丁畷南線等、路線の整備に手がけ、現在、おおむね40%の進捗を見ております。また、段差解消につきましても、大阪府の福祉のまちづくり条例を受けまして、具体に取り組んでおるところでございます。今後も歩道整備、段差解消等、6次5計の趣旨を十分生かしまして、引き続き、その取り組みに努めてまいりたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。
次に、JR高槻駅北地区再開発の着工についてでございますが、昨年末、準備組合におかれましては、組合設立の認可申請をされ、現在、大阪府において審査されております。これが、認可されましたならば、この事業の最も重要な権利変換の手続に入ってまいるわけでございます。この権利変換に要する期間によりまして、事業の完成時期も変わってまいるものでございますが、組合では、平成10年度中の権利変換計画の認可、11年度着工を目指し取り組んでおられ、市も組合の努力による権利変換がスムーズに行われ、早期に完成するよう、引き続き、積極的に支援してまいりたく存じます。
また、JR高槻駅プラットホームの件でございますが、この問題につきましては、以前より機会あるごとに、JRに対し改良の要請をしておるところでございますが、構造的な面など、いろいろな難しい問題があるようでございます。今後におきましても、あらゆる機会をとらえまして、プラットホームの対策について、要望をしてまいりたく考えております。
次に、JR高槻駅北地区再開発の公共施設整備についてのお尋ねでございますが、導入予定として、お示ししております新図書館につきましては、天神山図書館の移設と位置づけ、21世紀の市民ニーズにふさわしい内容で、駅前という好条件を生かした情報発信基地として考えており、基礎的図書館機能の充実はもちろん、魅力ある情報館として、ニューメディア中心の視聴覚専門館、児童が楽しく本と親しめる児童書専門館、くつろぎを提供する軽読書専門館という3大特色を持ったものとし、既存の図書館との役割分担につきましては、それぞれに特徴を備えるとともに、有機的なネットワークによって、相互発展が図れるよう、全庁的に検討を進めておるところでございます。
次に、都市計画道路を中心とした富田のまちづくりと、富田奈佐原線についてでございますが、富田のまちづくりにつきましては、
都市計画道路富田奈佐原線及び富田芝生線の整備は不可欠なものであります。かつ、道路整備と阪急京都線富田駅周辺の高架化事業とは相関連するものでございまして、現在、大阪府とともに単独立体交差事業と、これに関連する沿道周辺の面整備手法につきまして、検討を進めておるところでございます。昨今の公共事業抑制問題、さらには大阪府の財政事情等、大変厳しい状況にあるため、府に対しまして、本体の高架化事業の検討が進みますよう、要請しながら対応してまいりたいと考えております。
次に、都市計画区域の見直しでございますが、市街化区域及び市街化調整区域の区域区分、いわゆる線引きの変更につきましては、社会情勢の変化等に対応して、おおむね5年ごとに、大阪府下一斉の定期的な見直しが実施されておりまして、今回は第4回の定期見直しでございます。今回の見直し作業は、平成11年から平成12年ごろを目途に、府下で順次実施すべく作業を進めるものでございます。本市におきましても、このスケジ ュールに基づき作業に着手いたし、今後、根幹的な都市施設として重要な第二名神、十三高槻線等都市計画道路の整備が見込まれ、あるいは、完工した沿道地区等において、府の方針や地元意向をも十分に考慮しながら、検討を加えてまいりたいと存じます。
次に、萩谷総合公園の全体構想と今後の施設整備でございますが、萩谷総合公園につきましては、自然と触れ合いながらスポーツ、レクリエーションや自然体験学習のできる多目的な公園として、平成7年9月に工事着手いたし、おかげをもちまして、本年4月1日に開設できることとなりました。平成10年度におきましては、野球場及びテニスコートの実施設計に着手いたしますが、盛り土部の沈下や、本市の財政状況をも考慮し、基本計画に基づき順次進めてまいりたいと考えております。また、宿泊可能な施設整備につきましては、より多くの人々が、より幅広いご利用をいただくためにも、今後、検討が必要であろうかと考えております。
次に、芥川緑地プールの周辺駐車場問題でございますが、芥川緑地プールにつきましては、昨年の夏にオープンいたし、駐車場対策として、ピーク時には臨時駐車場の設置をする等の対応を行ってまいったところでございます。今後とも、ピーク時における恒久的対策についても、検討を加えてまいりたいと考えております。また、摂津峡周辺につきましても、駐車場対策は重要な課題と認識いたしており、今後とも具体的な手法等について、引き続き検討してまいりたいと考えております。
次に、総合的な
生活排水処理計画でございますが、現在、本市では、ご案内のとおり第5次5か年計画に基づき、公共下水道の整備を進めております。しかし、山間部を含めた市域全域での快適な生活環境の確保に加え、河川への汚濁負荷の大きい生活雑排水の処理も今日的な課題であります。今後、公共下水道の整備を基本とし、総合的な視点で農業集落排水や、合併処理浄化槽等も視野に入れながら、生活排水処理のあり方について新総合計画並びに次期の下水道整備計画の策定に合わせまして、庁内での検討を深めてまいりたく存じます。
また、
農業集落排水事業についてでございますが、本市の生活排水の処理につきましては、
公共下水道計画区域外の北部山間地域における生活環境基盤整備の一つの手法として、
農業集落排水事業が考えられております。そのため、平成5年度には、樫田地区における農業集落排水に関する基本計画の策定を行い、補助事業としての採択要件等の調査を実施いたしておるところでございます。したがいまして、事業計画につきましては、基本計画に基づく事業手法の検討並びに庁内的な調整を進めてまいりたいと考えております。
次に、
水道サービス公社についてでございますが、経営の効果につきましては、水道事業本体の効率的経営、特に人件費について、従来、職員で実施しておりました検針業務などを公社へ委託することにより、経費の節減が図られるものと考えております。また、受託事業の拡大についてでございますが、料金徴収業務、宿日直業務及び水道施設の巡回、点検管理業務などに取り組んでまいりたいと存じます。また、収益事業といたしましては、公社の経営基盤の安定化を図っていくために、資産を有効活用した多角的経営を目指し、検討してまいります。
次に、防災についてでございますが、防災都市づくりの計画は、都市計画マスタープランともリンクするとともに、特に密集市街地の整備に関するマスタープランであります。したがいまして、関連部によるプロジェクトにより、平成10年度において、策定いたしてまいりたいと考えております。自主防災組織の育成は、本市におきましても急がれることから、組織結成に向けての啓発と、当面必要な備蓄資機材につきまして、大阪府市町村振興協会の助成金をも利用して購入し、結成組織へ配備してまいりたいと存じます。
また、市民との共同防災訓練についてでございますが、阪神・淡路大震災以降3年にわたって、地震を想定した大規模訓練を実施してまいりまし たことから、本年度は水防訓練と位置づけまして、できるだけ多くの地域自治会に参加を呼びかけ、日曜日に実施してまいりたいと考えております。
次に、プラスチック類の分別収集についてでございますが、
容器包装リサイクル法では、ペットボトル及びその他のプラスチック類が対象となっております。ペットボトルは、平成11年度末までに実施することとされておりますが、その他のプラスチック類につきましては、具体的な内容がいまだ不明でございます。現在、ペットボトルの効率的な回収方法とあわせて、その他のプラスチック類も視野に入れながら、11年度中の実施に向けまして、検討しておるところでございます。しかしながら、リサイクルの重要性も認識いたす中におきましても、まずは、ごみの総量減量という観点から、プラスチック類も含めた減量啓発を、引き続き積極的に進めてまいりたいと考えております。
また、ダイオキシン焼却灰調査の実施についてでございますが、平成10年度におきましては、排ガスはもとより、焼却灰、飛灰、土壌、水質について、測定を実施する所存でございます。なお、焼却灰につきましては、既に平成5年5月の建設環境委員会協議会でご報告いたしましたとおり、平成4年度に第一工場におきまして、2回測定を実施いたしており、測定値は焼却灰1グラム当たり、1.1ナノグラム並びに定量下限値未満となっております。
一般家庭ごみの有料化でございますが、有料化の検討には、ごみの抑制効果と財政的効果の2つの論議があると存じます。ごみの抑制効果としては、指定袋制やシール制がありますが、実施時の一時的効果はあっても、長期的には、ごみがふえるという結果や、ごみ収集ステーションやその他の不法投棄が増加することが明らかになってきておること、また、財政的な面では、手数料の徴収やごみ袋等の配付に伴う諸経費が増大し、財政的効果が期待できないとも指摘されております。したがいまして、今後とも、これらの実態や近隣都市の動向等を見きわめながら、さらに検討してまいりたいと存じます。
次に、公園墓地、斎場の問題でございますが、公園墓地の整備につきましては、平成10年度で、地質調査並びに整備予定区域内の国有林の用地取得を予定いたしております。その後、実施設計を経て整備工事に着手し、平成15年度以降に約2,300区画の墓地貸付を計画いたしておるところでございます。また、斎場整備につきましては、庁内にプロジェクトチームを設置いたし、議会の協力もいただく中で、その立地選定や施設規模を初め、本市の葬祭事業全般にわたる内容も含めた基本構想を打ち出せるよう努め、本年度中に出してまいりたいと考えております。
次に、川西住宅の建てかえでございますが、市営川西住宅の建てかえにつきましては、平成10年度から事業手法の検討、住民の意識調査、土地利用の研究等、基本的な調査に取り組んでまいります。整備計画の策定に当たりましては、世帯構成の変化に対応した住まいづくりや、高齢者、障害者等に配慮した住宅の
バリアフリー化などの課題についても十分な検討を行い、また新公営住宅法の建てかえ要件緩和を活用し、多様な住宅ニーズに対応した住宅供給や、潤いのある居住空間の創出等に努めてまいりたいと考えております。
次に、違法駐車対策でございますが、違法駐車等防止活動は、全市民的な規模で違法駐車をしない、させないという意識の高揚を図るため、取り組んでいるところでございます。重点4路線における瞬間駐車台数は、実施前と比較いたしますと平日63%、休日54%、平均61%の減少であり、市営駐車場の利用台数は増加しておるところでございます。今後とも高槻警察署と連携を密にするとともに、
駐車場案内システムを新年度早々に稼働させ、違法駐車や駐車場探しのうろつき交通の防止効果を上げてまいりたく存じます。
次に、農業振興策における
総合営農センターにについてでございますが、大都市近郊の農業の振興を図るためには、生産基盤の整備や担い手問題等解決しなければならない課題が多くございます。その方策の一つとして、
総合営農センターの整備 に当たり、国の補助事業を導入し、支援を進めてまいったところでございます。これらの運営に対しましては、効率よく運営されるよう各地区の農業関係者団体に対し、地域連携支援推進活動を推し進め、効率よく運用されるための支援もあわせて行ってまいりたく存じます。
次に、地域の農業と学校教育との連携でございますが、国におきましては、平成10年度からの2か年で、新たに
緊急生産調整推進対策を実施することになり、全国的に、昨年度目標を大幅に超過する転作目標面積の割り当てがなされたところでございます。したがいまして、農業振興を図りつつ、目標面積達成に向け、新たな転作作物の奨励とともに、地域の農業に理解を深める学校教育田の推進等の施策を考えており、これらの教育的効果を十分勘案する中で、各地区の農家と農業関係団体並びに教育委員会、小、中学校の理解と協力を得て、取り組んでまいりたいと考えております。
次に、商工会議所の建設についてでございますが、商工会議所会館建設につきましては、本年6月の着工と、お聞きをいたしておりますが、商工会議所が、地域経済の発展を担う拠点施設であるとの認識から、商工業者の活動拠点、及び交流の場にふさわしい施設として、その活用に期待をしており、市といたしましても、積極的に支援を行ってまいりたいと考えおります。
次に、高齢者のためのシャトルバス運行についてでございますが、ご指摘いただいておりますように、本事業の実施に際しましては、幾つかの課題も予測されるところでございます。本事業が、高齢者を対象とする事業であることを十分に踏まえ、利用者に喜んでいただける施策として、実施しようとするものでございます。なお、具体的な実施に当たりましては、適切な対応をしてまいりたく存じます。
次に、グループホーム並びに財産管理等の支援システムについてでございますが、おおむね65歳以上の中程度以下の痴呆性高齢者を対象とするグループホームにつきましては、本市におきましても、平成10年度に1か所開設してまいります。
今後の計画につきましては、平成12年度から施行されます公的介護保険制度の中に、事業として組み入れられておりますので、ニーズ等の把握に努め、適切な対応をしてまいりたく存じております。また、痴呆性高齢者及び障害者財産管理の支援システムについてのお尋ねでございますが、高齢者、とりわけ痴呆性高齢者、知的障害者、精神障害者などの方々の権利と財産を守るため、大阪府におきましては、大阪市及び堺市と共同で、昨年10月1日に、大阪後見支援センターを開設されたところでございます。本市といたしましても、府や他市の利用状況や運営実態の把握に努め、本制度についての研究をしてまいりたいと存じます。
次に、公的介護保険制度の導入に向けての組織体制等でございますが、介護保険制度は、ご案内のとおり平成12年4月から施行されますが、具体には、11年度の下半期から業務に取りかかることになります。準備作業といたしましては、介護保険事業計画の策定、システムの開発、またモデル事業等の多くの作業が予定されているところでございます。組織体制につきましては、円滑な制度導入のために、ご指摘のように、全庁的な支援体制をとりますとともに、平成10年度当初から遺漏なきよう体制を整備いたし、取り組んでまいる所存でございます。
次に、事業計画の策定委員会の構成及び位置づけでございますが、介護保険事業計画を定める場合には、学識経験者や被保険者を交えた計画策定委員会等を設置することになろうかと考えておりますが、具体的には、厚生省より介護保険事業計画策定のための基本指針が示された段階で、その選任方法等を含めて検討してまいりたく存じます。また、運営協議会の問題につきましては、介護保険法成立に伴う政省令が制定されました段階で、議員ご指摘の点も含めまして、慎重に検討してまいりますので、よろしくお願いを申し上げます。
次に、特別給付のお尋ねでございますが、介護保険制度の目的は要介護者等に対して、必要な介護サービスが適切に提供されることにあり、その ために介護事業計画策定におきましては、要介護者等の実態の把握、また需要調査の実施が義務づけられております。市町村特別給付、保健福祉事業につきましては、第1号被保険者の保険料との関係も生じてまいりますので、要介護者の需要実態を十分把握した上で、今後、介護事業計画策定の中で、慎重に検討してまいることになろうかと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、介護認定審査会についてのお尋ねでございますが、まず介護認定審査会につきましては、市町村間のばらつきが生じないよう、大阪府への委託を検討しておりますが、市単独設置も視野に入れ、検討を加えておるところでございます。認定調査員につきましては、在宅介護支援センターや老人保健施設等において、ケアマネジャーの養成をお願いいたしますとともに、市職員の養成も図ってまいりたく存じます。
なお、不服審査請求につきましては、市に窓口を設けることとなりますが、仰せの件につきましては、制度の詳細が示された段階で検討いたしたいと考えます。
さらに、保険料の徴収体制でございますが、現在、国においては国民健康保険料との一体的な徴収を検討されており、今後、国の動向を見きわめながら徴収体制のあり方を考え、その整備を図ってまいりたいと考えております。
制度導入についての問題点等でございますが、介護保険制度が導入されますと、約5,000億円の国庫負担分が減少すると見込まれておりますので、これにつきましては、全国市長会を通じまして、新ゴールドプランの基盤整備達成のための財源とされるよう、国に要望いたしておるところでございます。
続きまして、制度の見直しに関するご質問でございますが、国によりますと、法施行後5年が経過した際に、各市町村の意見を十分聞いて、制度全般に関する見直しを行うとされております。しかしながら、現在予想されます基本的な課題につきましては、引き続き国に要望してまいりたく存じます。また、制度の運営を図る中で、議員ご指摘のような問題が生じましたら、国に対して要望をしてまいる所存でございますので、よろしくお願いを申し上げます。
次に、高齢者の雇用問題でございますが、議員ご指摘のとおり、21世紀初頭には超高齢社会が到来することが見込まれており、高齢者が生きがいを持って暮らすことができる社会を築くために、65歳現役社会を目指すシナリオが考えられております。その中で、労働者派遣法の特例も設けられておりますが、第三セクター方式で事業展開ができるかは、今後の研究課題であろうかと思います。当面は高齢者ニーズに対応できるよう、法の啓発や職業相談の充実、能力開発を推進するとともに、国、府等の雇用就業促進事業などをより活用し、高齢者の生きがいとしての就労を促進させてまいりたいと考えております。
次に、高齢者の市営バス無料乗車証の一部見直しについてでございますが、本制度につきましては、全庁的に行財政改革に取り組む中、関係課において慎重に検討を重ねてきたところでございます。ご指摘いただきましたように、高齢者の皆様の社会参加を推進し、一定額以上の所得を得られておる方につきましては、行財政改革の趣旨を十二分にご理解いただき、自主返納によるご協力を、お願いしたいと存ずる次第でございます。
次に、第2次障害者長期行動計画に基づく、数点についてのご質問でございます。
本計画を円滑に推進するため、庁内関係課による推進会議と、障害当事者等との調整機関として推進連絡会議を設置いたし、取り組んでおるところでございますが、仰せの知的障害者雇用制度の拡充並びに重度障害者多数雇用事業所の誘致につきましては、クリアすべき課題が多くございますので、本計画の中で十分に研究してまいりたく存じます。また、障害者作業所の授産事業の販路の拡大と受託事業の安定につきましては、作業所関係者も含めて検討してまいりたく存じます。
知的・車いす障害者ガイドヘルプ利用の時間等についてでございますが、本制度におきます利用率や利用者の実態等を踏まえまして、当面は利用 者の拡大と、より一層利用しやすい条件整備に努めてまいろうとするものでございます。平成10年度におきましては、特に要望の強い医療機関等への利用につきまして、利用時間制限に一定弾力的な運用を図ってまいります。今後におきましては長期行動計画を推進する中で、利用実態等を見定めながら検討してまいりたく存じます。
また、障害者の財産管理等のシステムについてでございますが、先ほど、高齢者施策のご質問でお答えいたしましたとおり、平成10年度に高齢者、障害者の財産管理等の支援システムにつきまして、十分研究してまいる所存でございますので、よろしくお願いを申し上げます。
次に、医療、保健、福祉の連携についての諸施策についてでございますが、医療、保健、福祉のかかわりにつきましては、新たな構築のもとで、さらに連携を深めていく必要があると認識をいたしております。具体的には、職員配置とあわせて民間活力の導入及び在野のマンパワーも活用しながら、両センターでの事業に支障のないよう努めてまいる所存でございます。
次に、難病患者、重度障害者等の生活困窮家庭への融資制度についてでございますが、難病患者、重度障害者の方々の生活の安定と経済的自立並びにそのための具体的な支援策の確立等につきましては、大きな課題であると認識をいたしております。しかしながら、本市独自で新たな融資制度を初めとした支援策を具体化することは、現在の行財政の厳しい状況から、極めて困難であろうかと考えておるところでございます。ご質問の件につきましては、国、大阪府に対しまして、現行の支援制度充実を要望してまいりますとともに、その動向を見きわめながら、今後の研究課題としてまいりたく存じます。
次に、老人医療助成制度や乳幼児医療助成制度についてでございますが、本制度の見直しに際し、大阪府市長会に設けられました老人医療費のあり方検討会を通じ、大阪府に対して新しい時代に即した保健・福祉・医療施策の構築を強く要望したところでございます。乳幼児医療費助成制度の拡充につきましても、これまで以上に強く要望してまいりたいと存じます。
次に、女性議会での提言についてでございますが、男女共同参画社会の実現のためには、政治、経済、社会等のあらゆる分野に男女が平等に参画し、それぞれの意見を反映させていくことが必要であります。本市におきましては、市政への参画として、審議会等への委員の登用や各種公聴制度の活用、並びに各種団体など、さまざまな機会を通じて、ご意見を伺ってまいっております。お尋ねの女性議会開催も、広義にはその一環ととらえ、女性の視点から、市政への各般にわたりご意見、ご提言をいただいたところでございますので、これらの内容を踏まえまして、慎重に検討してまいりたく存じます。
次に、少子化対策・子育て支援についてでございますが、国におきましては、エンゼルプラン作成に当たりまして厚生省、文部省、建設省、労働省が共同で検討、作成されたところでございます。本市におきましても、現在、民生部及び市長公室で、プロジェクト設置についての調整を行っております。ビジョン策定等につきましては、全庁的な取り組みが必要であろうと存じますので、今後、各般の課題を含めて、研究をしてまいりたく存じます。
さらに、多様な保育制度や子育てサークル等への支援についてでございますが、障害児保育、延長保育等を既に実施いたし、さらに昨年からは、午後7時までの延長保育、一時的保育、地域子育て支援センター事業を始めたところでございます。病後児保育につきましては、一定の条件整備が必要であり、さらに検討し、駅型保育につきましては、補助制度が難しいことから必要性を含め、今後の課題であると考えております。今後も、子育てサークル等への支援策を含め、子育て支援事業について研究してまいりたく存じます。
次に、人権啓発計画と世界人権宣言50周年の取り組みでございますが、まず第三次の人権啓発計画につきましては、人権教育のための国連10年の趣旨を組み込んだものとすることにいたして おり、現在策定作業を進めておりますが、今秋には、行政計画として完了する予定でございます。また、世界人権宣言50周年の取り組みの件でございますが、平成10年度に実施いたします各種啓発事業の中で、その趣旨を訴えますとともに、全戸に配布しております人権啓発リーフレットでも特集し、広く市民にお知らせしてまいる所存でございます。
また、同和問題の解決に向けた今後の方策についてでございますが、平成8年になされました地域改善対策協議会の意見具申では、同和問題は人権問題という本質からとらえ、同和問題の解決に向けた今後の取り組みを、人権にかかわるあらゆる問題の解決につなげていくという広がりを持った課題である、と指摘されております。本市といたしましても、この精神を踏まえ、現在開催しております、本市同和対策協議会での答申をいただいた上で、一日も早い同和問題の解決に向け、施策のあり方について、検討してまいる所存でございます。
今後の国際化についてでございますが、本市におきましては、本総合計画にのっとり、姉妹都市、友好都市との交流を基本に置きまして、国際交流活動の促進を図っているものでございます。こうした事業展開の中で、さまざまな分野での交流実績を積み上げ、お互いに友好関係を結び、国際平和と地域文化の向上に貢献してまいったところでございます。今後とも、この目標のもとで、一層充実した事業の展開を図ってまいりたく存じます。
そして、後段のご質問でございますが、各市の動向を踏まえながら、さらに検討してまいる所存でございます。
次に、教育改革の基本姿勢でございますが、児童生徒の生きる力の育成を目標とするとともに、一人一人の個性を尊重し、自主性、主体性を育てる授業や、教科の枠を超えた総合的な学習の創造など、指導方法の工夫、改善を初め、今日の子どもの実態を踏まえた教育の研究、実践を行っていくことが大切であると、認識をいたしておるところでございます。本市におきましては、既に授業改革、開かれた学校等の取り組みを行っているところでございますが、今後とも国や府の動向を勘案しながら、教育改革の具体化と、その促進に努めてまいります。
また、教育政策担当チームについてでございますが、地方分権時代におきます教育改革のあり方の対応といたしまして、将来的な展望とともに、総合的施策の企画立案に当たっては、ご質問のような教育政策担当チームの設置は理想であると考えるところでございます。しかしながら、現状において機構改革を伴う教育政策担当チームの設置につきましては、少し困難ではなかろうかと存じます。また、教育改革を進めるに当たっては、組織的な企画立案は当然必要でございまして、そのように認識をいたしており、より柔軟に対応し得る方策を、検討してまいりたいと考えております。
次に、教育行政の現状認識と、さまざまな課題への指導についてでございますが、報道による今日の子どもたちの状況は、大人社会そのものを反映しており、本市の学校でも指導上困難な状況や、まれでございますが対教師暴力が生じております。これを打開するには、従来の価値観にこだわることなく、子どもの変化を受けとめる学校や親の姿勢が必要であり、特に家庭の果たす役割に期待いたすところでございます。今後は、学校の枠を超えたネットワークづくりの必要性を認識いたし、より一層地域、保護者のみならず関係諸機関との連携に努めるよう、学校・園を指導してまいる所存でございます。
次に、学校長の権限についてでございますが、現在、文部省及び中教審等において学校の経営責任の明確化、自立性の確立を図るため、学校長の裁量権の見直し等について検討がされているところでございます。本市におきましても、21世紀を担う子どもたちをはぐくむ学校が、個性を生かし、生きる力を育てる教育を行うため、また、特色ある開かれた学校づくりに取り組むため、学校長の権限の拡大は、重要な課題であると認識をいたしております。今後、国や中教審答申等の推移を見定めつつ、検討していく必要があると考えて おるところでございます。
また、教育センターの活動についてでございますが、これまでの教職員研修を抜本的に見直し、今日的教育課題に対応するとともに、体系的、効率的に実施したところでございます。
次に、調査研究については、9校を委嘱指定いたしておりますが、先進校視察研究や学習発表会の開催など、創意工夫した取り組みを全市的に紹介してまいりました。
さらに、適応指導教室につきましても、入室者の学校復帰も含めまして一定の成果を得ており、教育改革を進めるに当たりまして、センターが果たす役割はますます重大になるものと認識をいたし、より充実した取り組みを進めてまいる所存でございます。
次に、学校図書館についてでございますが、今年度の嘱託職員の配置を通しまして、子どもたちの読書環境が大幅に改善され、図書館の開館時間増により、本を手にする子どもがふえたとの報告を受けております。また、読みたい本が手に入るようになり、心のオアシスとしての学校図書館が実現しつつあると考えております。来年度も学校図書館運営検討委員会よりの提言をもとに、関係機関のご意見をも聞きながら、子どもの読書意欲を高める読書活動のあり方など、魅力ある学校図書館づくりを進めてまいる所存でございます。
次に、情報教育についてでございますが、現在の情報社会の進展の中で、子どもたちに、多くの情報から課題解決のための情報を選び出し、的確に処理するという力の育成が必要とされ、学校におきまして情報教育として位置づけられるものでございます。したがって、学校において、単に1教科領域のみならず、各教科や領域での創意工夫ある授業や、子どもたちの創造性を高めるという教育的な意義が、情報教育には含まれております。今後は、情報教育の系統化を図り、小、中学校での一貫した教育の推進について研究をいたし、教職員研修とあわせて取り組んでまいりたいと考えております。
次に、中学校のコンピューターについてでございますが、従来の機種は、一部ソフトウェアが利用できないなど、その活用には一定制約がございますが、有効活用を図ってまいるべく、旧来の機器の機能を整理しつつ、学校・園での教科外での活用のみならず、庁内外での幅広い活用を視野に入れ、検討してまいっておるところでございます。
次に、余裕教室問題でございますが、現在、全庁的な職員によります余裕教室活用計画小委員会を設置いたし、余裕教室の利活用について、検討を進めてまいったところでございます。今後の展開といたしましては、適正な学校教育の維持と施策の効率的な運用を勘案しつつ、小委員会での検討結果を踏まえまして、利活用についてのまとめを、早期作成に努めておりますとともに、市民のご意見をもいただく中で、学校長の意見をも反映し、余裕教室の有効な利活用を図ってまいりたく存じます。
次に、史跡についてでございますが、本市の豊富な歴史遺産をまちづくりに生かすことは、都市の風格を高め、ふるさと高槻の誇りある歴史の息づくまちづくり構想につながるものと考えております。具体的には、昨年の夏発見されました、青龍三年鏡を初めとした歴史資源を生かし、安満宮山古墳の公開や、史跡今城塚古墳整備に向けた取り組みを進める中で、これらをネットワーク化し、多くの人が訪れたくなるような高槻らしさを、一層高めることが必要であると、認識をいたしておるところでございます。
さらに、議会内での特別委員会設置でございますが、史跡今城塚古墳を初め、安満宮山古墳など、本市に点在する歴史資源を生かしたまちづくりは、成熟した都市機能を完成させる上で、必要とする機能の一つと考えております。これまで進めてまいりましたまちづくりを、より完成度の高いものとするためにも、幅広いご意見、ご示唆を賜ることが重要であると考えておりますので、ご提言の趣旨を十分に踏まえまして、対応いたしてまいりたく存じます。
以上で
市民連合議員団代表 堀田和喜議員の代表質問に対する答弁を終わらせていただきます。
○議長(須磨 章)
市民連合議員団代表 堀田和喜君の代表質問は終わりました。
次に、公明高槻市議会議員団代表 川口雅夫君。
〔川口雅夫君登壇〕
○(川口雅夫議員) 公明高槻市議会議員団を代表して、市長の平成10年度施政方針大綱について、ご質問をいたします。
20世紀は、戦争や革命によって血が流された世紀でもありました。それは突き詰めて言えば人間主義を踏みにじった世紀でもあります。その反省の上に立って、21世紀は人間主義を掲げ、それをすべての中心に置いた世紀にしなければなりません。
公明は、浜四津新代表のもと、政治にヒューマニズムを掲げてスタートし、平和、福祉、環境、人権、教育を柱にした政治を目指しております。こうした視点を中心に質問をさせていただきます。
まず、市政運営の基本的な考え方についてお尋ねいたします。
第1点は、新総合計画についてであります。
そこで、新総合計画のまちづくりの理念ですが、今回の主要施策にもJR北の再開発、阪急高槻市駅南、阪急上牧駅北といった都市整備が上げられております。古来から、町は、駅を中心に発展してきており、それなりに大切と考えます。しかし、今回、高槻市が受賞した「毎日地方自治大賞」は、芥川を基軸にしたまちづくりを対象にしており、こいのぼりフェスタなど市民参加、愛着を実感できる町が高く評価されています。21世紀の新たなまちづくりの基本指針として、新総合計画をお考えのようですが、何を基軸にまちづくりをしていくのか、その理念についてお伺いします。
次に、地方分権の推進についてであります。
施政方針では、第4次の勧告を受けて、地方分権推進計画の策定が取り上げられています。
地方分権推進法による地方分権の動きが広報紙で、新しい時代へということで、2回に分けて掲載をしております。市バス路線やバス停の新設・変更をしようとするときは、その都度、国の免許や認可を受けなければなりません。地域の実情を一番知っている地方自治体で決めることが必要です。中央集権社会から地方自治を目指す地方分権は、時代の潮流であります。地方分権が進まない理由は、財源の問題もありますが、自治体の意識改革も必要であります。
地方分権推進計画の策定は、本年6月ごろとも言われています。議会にも、地方分権と市議会の活性化に関する調査研究報告書が、全国市議会議長会より配付されております。地方分権待ったなしのところまで来ています。推進体制等どうするのかお答えください。
次に、効率的な財政運営についてであります。
公費の効果的な運用が求められています。三重県がつくった下水道工事マニュアルが建設省に認められ、工事費削減のモデル資料となっております。計画段階から工事まで、徹底してむだを省く方法をまとめたもので、試算では7%のコスト削減が可能となります。また、公共工事の国際的標準規格を取得する会社がふえているとの報道がありました。一般競争入札の導入により、品質の標準を知る目安となり、平成7年度は2件から、9年度は113件に大幅にふえています。この国際規格を取得している会社は、手抜き工事ができないなどの信頼性の向上にもなっております。効率的な財政運営の一例でありますが、ご見解をお聞かせください。
次に、まちづくりについてお尋ねいたします。
まず、地域振興施策としての道の駅についてであります。
樫田に、道路利用者のための休憩施設と地域振興施設を一体的に整備するための、道の駅構想が発表されています。既に大阪府下では、往来車両の多い国道で、千早赤阪村、太子町が施策化されています。この施策の条件に当てはまるかどうか、お伺いします。また、今ある森林観光センター施設を中心に、道の駅を位置づけることにより、森林観光センターへの集客増となるように、接続路の拡幅や温泉の湯量アップなど、研修宿泊施設の改善や花しょうぶ園への大型車両が対応できるアクセスの整備があります。単発的な施策構想では なく、往来者と山村の交流施設駅として、週末レクリエーションの場になるよう活性化する整備が大事であります。ご見解をお聞かせください。
次に、水道事業についてであります。
仮称財団法人高槻市
水道サービス公社の設立が、施政方針では取り上げられています。各地で外郭団体が廃止される中で、新たな公社設立を懸念するものであります。当初の事業として上げておられる公益事業、受託事業としている水道メーター検針業務など、事業の執行体制について、その基本的な考え方をお聞かせください。
検針業務について言えば、例えば、摂津市では、非常勤職員という名称を用いていますが、実質は、一軒当たりの単価を決め、一定のエリアを設定して、検針を委託する形式で業務を実施しております。本市でも、検討の中に入っていると思われますが、いかがでしょうか。安易に退職後の第2職場となり、いわゆる、お役所仕事で運営されることになれば、水道料金についての市民の理解は、決して得られるものではありません。ご見解をお示しください。公社設立による財政効果についても、平年度ベースの数字をお示しいただきたいと思います。
次に、防災対策の取り組みについてであります。
阪神・淡路大震災の教訓を生かした高槻
市地域防災計画の改定が、本年3月に行われます。防災の先進都市であり、地震の多発地帯にある横須賀市は、消防本部に防災計画室を設け、地域防災計画の見直しを行っています。また、本部には防災課を設置し、設置場所は市長部局の中となっています。防災体制の窓口を一元化し、消防の危機管理を生かした体制となり、総合防災訓練や自主防災組織などを担当し、緊急有事の対応が効果的に実施されています。消防力を活用した防災課の設置についてのご見解をお聞かせください。
また、消防団の活用であります。消防団は少子・高齢化の進展やサラリーマン化による団員の減少が悩みでもあります。横須賀市は、消防団を維持発展させ、新しい時代へと継承するために、学識経験者による消防委員会と、広く市民の意見を聞くシンポジウムを開いて、21世紀を展望した消防団づくりが進んでいます。消防団活性化総合計画を策定し、消防力の強化となっています。消防団だよりを発行して啓発を行い、女性消防団による音楽隊の編成や災害対応力のある組織の確立、地域との連携など基本計画を作成して、活気ある消防団に生まれ変わりました。団員の減少にも歯どめがかかっています。ご見解をお聞かせください。
商工会議所会館の建設支援についてであります。
商工会議所会館の問題が、施政方針で取り上げられています。本市は、商工業の振興対策として運営補助を行っていますが、中小企業の経営相談や企業研修、異業種交流会、商店主セミナーなどが行われており、融資面では、国民金融公庫を活用した小企業経営者の融資制度など、最近の厳しい経済状況の中で重要な役割を果たしております。
一方、中小企業は、最近の経済状況から、下請け中心の活動からベンチャー企業などへの技術革新も要求され、商業関係では、近く大店法改正が予定されており、中小小売店の保護から地域の住環境の保全など、消費者利益の確保に転換しております。したがって、今回の商工会議所会館の建設に当たっては、積極的な対応を求めるとともに、商工業振興対策など、市も一体となって支援体制づくりを進めてはいかがでしょうか。ご見解をお聞かせください。
人権問題についてお尋ねいたします。
人類は、障害や疾病を抱えた人々が差別され、社会から排除された歴史を、繰り返し経験してきました。特にそれが強まったのは、侵略戦争によって生き残りを図ろうとした時代でもありました。そして、ファシズムによって引き起こされた第二次世界大戦は、どんなハンディを背負った人々であろうと平等に尊重され、社会に参加して皆と一緒に普通の生活を営むことができるような、弾力的な社会のシステムが、唯一平和と発展の礎であるという、貴重な教訓を人類に残したのです。これが、戦後、人権としての社会保障を、国際社会の中ではぐくんできた基礎であり、1948年に 採択された世界人権宣言は、そうした趣旨に基づき宣言されたのであります。そして、この宣言が、各国で実際に差別を受け、苦しんでいる人にとって、大きなよりどころとなり、人権の国際化の潮流の中で、さらに具体的に実効性あるものにするために、世界人権宣言が、1966年に国連総会で採択され、この宣言を批准した国々は、人権実現の立法や政策を通して、努力する責任を負うことになったのです。
本市においても、宣言から50年目に当たるところから、各種の啓発事業を通して、その普及に取り組みをされるとのことですが、我が党も人権を大切にする党として、積極的に推進してまいります。今までも、人権にかかわる研修や講座等が各部で開催されていますが、より効果的で効率的な事業に発展させるために、1つには調整機能が発揮できる庁内体制のありようについて。2つには人権文化の醸成を図るために、世界人権宣言に照らしての、研修等を企画する必要があるのではないでしょうか、あわせてご見解をお伺いします。
次に、障害者の人権についてであります。
障害を抱える人々が人間らしく生きるために、魂の手をつなぎ、人権への道を切り開いてきたのです。国連総会は、今まで精神薄弱者の勝利宣言や障害者の勝利宣言を採択しました。そして、1981年を国際障害者年として、続けて障害者に関する世界行動計画を採択。1983年から1992年までを国連障害者の10年とすることに決定したのです。10年の期間は一応終了しましたが、1993年から国連アジア太平洋地域の障害者の人権と福祉の課題への取り組みが始まっています。本市の現状と課題についてお伺いします。
私たちは、人間らしく生きる権利、幸せに生きる権利をはぐくんでいかなければばなりません。本市の障害者人数は、平成10年1月末で8,943名です。障害の状況が異なっても、障害を持つ人が、人格を持った一人として社会から隔離されることなく、共生できるシステムを構築しなければなりません。社会を構成する一員として、あらゆる分野の活動に参加する権利を保障するための取り組み方についてお伺いいたします。
次に、子どもの権利についてであります。
1994年3月、子どもの権利条約が日本でも批准されて、はや4年が経過しました。その間、自治体や学校、地域においても子どもの権利の実現に、どのような前進があったのかを検証する時期にきています。そのために、子どもの実態調査から始めなければなりません。なお、この種の実態調査は、定期的に行う必要があります。今までの取り組みについてお伺いします。
また、意見表明の場として、子ども議会を126市で開催、現在も43市が継続されています。本市においても市政の記念事業の一環として、子ども議会の開催を提案いたします。なお、一過性にすることなく、市政の節目ごとの開催も検討されてはいかがでしょうか。ご理解ある答弁をお願いします。さらに、教職員研修講座で子どもの権利についての具体的な研修等の実施や、市民の理解と意識を高めるためのシンポジウムの開催をされてはいかがでしょうか、お伺いいたします。
21世紀を目前にした今、我が国は先進国の中で最も速いスピードで少子・高齢社会を迎えています。将来を担う子どもたちの課題に、今こそ真剣に取り組むときです。しかし、施策として実施する場合、課題解決のための総合窓口がありません。企画調整室等にそのセクションを設置すべきではないのか、ご所見をお伺いいたします。
次に、女性施策についてであります。
平成7年12月、国が女性政策を見直し、男女共同参画2000年プランが策定されたことにより、本市においても行動計画を見直し、事業を推進されることは大変喜ばしいことであります。講習会、講演会等がさらに充実されることが予想される中、人権問題の重要な課題の一つでもある女性問題を、市民共有の思いとして発展させるために、男女共同参画都市宣言を制定すべきと考えますが、女性問題を市政の重要課題としておられる、江村市長のご所見をお伺いいたします。
次に、福祉問題についてお尋ねします。
公明は、1976年に日本の政党として、初の総合的な福祉計画を示した福祉トータルプランを発表、国の福祉政策を大きくリードしました。以来、公明は福祉の党と自負しています。今再び公明は、今後の福祉社会のビジョンとなる新福祉トータルプランの策定に全力を挙げています。
まず、高齢者福祉についてであります。
介護保険が、2000年にはスタートする中で、高槻市老人保健福祉計画もいよいよ最終章を迎えています。これらの進捗については、市としてはどんな認識に立っているのでしょうか。また、こうした計画が進む一方で、今日まで、大阪の誇れる施策であった、老人医療費の助成施策の見直しが俎上に上っており、福祉の後退が見えるのは大変残念です。我が市においても、この3月議会を前に、市バスの敬老パスを見直さないで、との動きがあり、老人会からも心配の声が寄せられました。先ほども質問がありましたが、実質的な現行制度の維持ととらえていいのか、この点を明確にお答えください。
2000年度からスタートする介護保険制度については、プロジェクトを組んで準備に当たるとのことですが、多くの指摘がなされていることであり、制度の基盤となるホームヘルパーなどの人材や、施設整備を早急に整えるようお願いします。ただ、ケアの不平等は否定できませんので、1日も早い福祉オンブズマン制度の導入を求めますが、見解をお示しください。介護保険の導入に当たり、マンパワーも課題です。高知県中芸地域の5町村は、いずれも社会福祉協議会が在宅福祉サービスを受け持っています。しかし、ニーズにこたえるホームヘルパーの派遣ができないことから、各町村のホームヘルプサービスを切り離し、介護公社を設立して一元化、パソコンを活用した介護支援システムを導入、綿密なケアプランに基づいた的確な介護ができるようになり、目を見張る成果を上げています。こうした、いち早い攻めの取り組みこそ大切と考えますが、市長、介護公社の仕組みを、我が市も積極的に取り入れてはいかがでしょうか。
施政方針に、痴呆性老人のグループホームの助成が掲げられています。ひとり暮らしや、痴呆性のお年寄りをサポートするシステムづくりの重要性は、だれもが認識するところです。今、高槻のあちこちで、こうしたお年寄りをサポートする小ネットワークが、自治会や社協の地区委員会で生まれています。こうした芽生えを大切に育てていくために、市としても、仮称要援護支援関係ネットワーク・連絡会づくりに取り組まれたらいかがでしょうか。社会福祉協議会や警察、消防、行政、郵便局、自治会、民間企業など、各機関が独自に持っている援護関係の情報を一元化することにより、より効果的な援護が行われるのではないでしょうか。見解をお示しください。
次に、少子化対策についてであります。
少子化に悩んだ先進国は、これまでさまざまな子育て支援策を講じています。スウェーデンでは、1983年の合計特殊出生率が1.61と、今日の我が国のように低い水準でした。しかし、徹底した育児休業制度を実施した結果、1990年には2.14まで上昇しています。また、フランスでは、第3子以降を対象にさまざまな手当てを講じています。国においては、少子化社会に対応するために、平成6年12月に、今後の子育て支援のための施策の基本方向について、いわゆるエンゼルプランを策定しました。さらに、その具体的な取り組みとして、平成7年度からの緊急保育対策5か年事業を示し、市町村の対応を求めています。さて、市長には、これまで摂津や東大阪が、この取り組みをされていることを踏まえ、本市もエンゼルプラン高槻版に、早急に取り組まれてはいかがでしょうか。
また、緊急保育対策5か年事業としての子育て支援事業や一時的保育については、阿武山に保育園が昨年建設される中で、かろうじて面目を保ちました。これらの事業の拡充について、おおむね10万に1か所の数値が示されており、本市としては今後、どのように設置していくのか、手法も含め考え方をお示しください。
市長は、措置制度の変更など、児童福祉法につ いても触れられております。50年ぶりに改正された児童福祉法の改正点は、大きく3点あります。1つ目には保護者の選択が優先される中で、園の運営に支障を来すところが出るのではないでしょうか。また、待機児童が多い地域にあっては、新たな保育所の建設が必要とも考えますが、いかがでしょうか。情報の提供の実施が、市に義務づけられるが、情報内容や手法はどうなるのでしょうか。保育料が応益になれば、低所得者の負担は大変です。配慮をどのように考えていくのでしょうか。保育料の階層が縮小され、13年には一律にしようとする動きの中で、大きな打撃を受けることになります。明確な答弁をお願いします。
また、少子化時代の到来から、安心して出産、子育てができる環境づくりが求められています。母と子の生命を守るために、現行2回行われている妊産婦の無料健診のさらなる拡充と、分娩費の自己負担の無料化、乳幼児医療費の小学校入学前の無料化については、いかがお考えでしょうか。
次に、障害者福祉施策についてであります。
昨年3月、高槻市第2次障害者長期行動計画が策定され、21世紀を展望した障害者施策を総合的、計画的に推進することになりました。長期行動計画推進連絡会議と、当事者の関係団体を含めた推進連絡会議が定期的に行なわれ、この推進に当たっているとのことですが、具体的な実施計画が、どう展開されていくのでしょうか。お示しください。
また、障害者の就労とグループホームの連携は、大変重要な課題です。昨年度、府営住宅がこうしたグループホームの対象となり、高槻がモデルとして指定され、その実現に向けた取り組みがなされたと聞いております。実現に向けての進捗状況をお聞かせください。
環境問題についてお尋ねいたします。
まず、ダイオキシン対策とごみ減量についてであります。
今、ごみ焼却場から排出されるダイオキシンは、発がん性が強い猛毒物質で、最も深刻な社会問題となっています。特に、母乳のダイオキシン汚染と、それによる母子感染の不安と恐怖が、多くの母親の間に広がっています。
昨年3月、全国に先駆けてダイオキシンを規制する条例を制定した所沢市では、新生児の健康状況や流産、死産の調査、小、中学校のアトピー性皮膚炎やぜんそくの実態調査をし、奇形を持つ赤ちゃんの出生率が目立っているとの情報もあり、調査が行われています。ダイオキシンは遺伝子を傷つけるために、放射能汚染と同様、何代にもわたり、一過性でないことも非常に恐ろしく、人類の生存にかかわる深刻な問題であります。
ごみ焼却炉から発生するダイオキシンを防止する抜本的な対策は、ごみの焼却をやめることです。仙台市では、焼却によるエネルギー回収をメインとして、家庭系ごみ・事業系ごみ両方を対象に、実際に排出されるごみを抽出して、その組成を分析調査した結果、机上論ですが、検討すると燃やすものがなくなる、とのことでした。本市においても、こうしたごみ排出、廃棄物処理の実態を調査し、その上で市民、事業者等への具体的な取り組みの検討ができ、また協力が得られるのではないでしょうか、お伺いします。
次代に負の遺産を残さないためにも、本市にダイオキシンを規制する条例の制定と、ダイオキシン問題対策本部を設置し、ダイオキシンによる大気、水質、土壌、焼却灰の汚染状況や健康被害の実態調査をし、具体的な対策に取り組むことを提案しますが、ご見解をお聞かせください。
資源循環型都市を目指す本市は、ごみ減量にサンプランの実施、高槻市廃棄物の減量及び適正処理の推進に関する条例を施行し、さまざまな取り組みをしています。サンプランの中間年であります平成9年までの取り組み成果と、その分析最終目標に向けての展開について、具体的にお聞かせください。
次に、地球温暖化問題についてであります。
地球温暖化を防止するために、何よりもCO2 を垂れ流す大量消費、大量廃棄型のライフスタイルを見直す必要があります。消費者意識が変われば、企業の生産をCO2 発生抑制型に転換するこ とから、消費者の日常生活における取り組みが重要であります。使わない電気は消す、ガス、水道など家庭での取り組みがたくさんあります。昨年12月に開かれた地球温暖化防止京都会議、市民の盛り上がりに水を差さないためにも、環境家計簿を活用して、CO2 削減に取り組む自治会等のモデル地域を提案しますが、見解をお示しください。
施政方針では、天然ガス自動車の購入、コピー用紙に古紙配合率100%の再生紙の採用を上げています。現在がどのような状況で、行動計画はあるのか、CO2 の削減数値目標はあるのか、達成度のチェックはだれがどのようにするのか、具体的に明確にするべきと考えますが、お答えください。省エネや新エネルギーの導入促進、二酸化炭素等の温室効果ガスの排出抑制に向けて、地球温暖化対策推進計画の策定を提案します。ご見解をお聞かせください。
次に、国際規格ISO14001の取得についてであります。
環境問題を積極的に進めている国際規格に、ISO14001があります。行政みずからが、環境対策の見本を示すべきであるとの観点から、多くの自治体が、その認証の取得を目指して取り組みを始めています。本市においても、環境対策に対する明確な姿勢を打ち出し、認証取得を目指してはどうかと考えますが、ご見解をお聞かせください。
教育問題についてお尋ねいたします。
最初に、心の教育を基盤とした教育活動の推進についてであります。
神戸の児童殺傷事件や中学生によるナイフでの女性教師殺害事件、現職警察官に対するナイフによる襲撃事件など、大変ショッキングな痛ましい事件が続出しております。また、陰湿ないじめの事件や、子どもたちがみずからの命を絶つケースも後を絶ちません。これらの事件は、特定の地域でのごく限られた子どもの事象ではなく、普通の子どもも引き起こす可能性のあることとして受けとめられております。このことは、妥当な認識でありますが、そのことのゆえに、戦後教育のあり方が、抜本的に問い直されています。経済大国を目指しての、金と物優先の競争社会を勝ち抜くための有効な手段とされる学歴偏重の教育は、厳しい受験競争教育でもあります。この競争の勝利者でもある腐敗、堕落した一部エリート官僚や財界、政界の指導者層の姿が日本の教育であるならば、これほどの悲劇はありません。高い教育を受ければ受けるほど、エリートになればなるほど、社会に貢献する義務や責任が大きくなる。そのような、高い精神性をはぐくむ教育のあり方が、追求されねばなりません。
そのためにも、子どもの持つ多様な個性や能力を伸ばし、人間として、よりよき生き方を教える人間教育が要請されています。そして、子どもたちが真っすぐに、強く、たくましく生き抜くために、強靱で豊かな心を培う訓練と、他人の痛みをも分かち合える心や、命を大切にする教育環境を実現することが肝要となります。
文部省においては、神戸の事件をきっかけに、中央教育審議会の小委員会で、心の教育について検討し、一定の方向性が示されようとしております。家庭のあり方を見直すことも当然必要なことでありますが、学校においても、子どもの心を鍛える教育を、具体的に進めることが重要となります。そのために、小、中学校の児童生徒に対してボランティア活動を初め、実体験活動に根ざした教育を明確に位置づけることです。また、学校農園も貴重な体験学習の場になり、その拡大と充実が望まれます。学校給食の残飯をコンポストで堆肥化し、学校農園や花壇での活用を図ることになれば、環境教育の観点からも大いに期待されるところです。これらの具体の提案を含め、文部省の方向づけをも踏まえ、教育委員会での心の教育の展開について、具体的にお示しください。
次に、学校図書館活性化事業についてであります。
児童生徒の活字離れは、単に、国語力の低下といった一教科の学習を超え、教育のあり方に深くかかわっていることが認識されるようになりました。 すなわち、単に知識の詰め込みになりがちな授業から、児童生徒が、みずから学ぶ力を養う授業への質的変革が求められています。そのような中、学校図書館の位置づけと、その果たすべき役割の大きさが、強く指摘されるようになりました。平成9年度には、学校図書館活性化調査研究協力校として小学校2校を指定、調査研究という形ではあるものの、その具体化の第一歩が踏み出されました。
我が党は、本年2月23日、学校と教育委員会の理解と協力をいただき、安岡寺小学校を見学する機会をいただきました。生まれ変わった学校図書館と、そこで学ぶ子どもたちの活気あふれる様子をつぶさに拝見してきました。この1年間の成果を踏まえ、市長は、平成10年度も調査研究協力校として、さらに小学校2校に専任職員を配置するとしております。このことに対して、一定評価をするものでありますが、以下についてお聞かせください。
最初に、学校図書館運営検討委員会の提言についての位置づけと評価、及び小学校2校の調査研究協力校の今日までの成果について、教育委員会と市長のご見解をお聞かせください。
次に、全校での実施に向けての今後の取り組み方についてお聞かせください。特に箕面市では、平成10年度には、全小、中学校での実施となるようにお聞きしております。このことからも、学校図書館の活性化が、学校の活性化を図る上で、いかに重要な役割を果たしているかが、伺われるところであります。
次に、余裕教室の利活用についてであります。
少子化で児童生徒が減少する中、空き教室の利活用や、学校の統廃合による校舎の再利用が、各地で進められております。本市においても、大きな課題となっていることは、ご案内のとおりであります。平成9年度の施政方針で、市民参加の委員会を設置するとしていましたが、余裕教室活用計画小委員会は、教育委員会と市長部局の職員のみの構成となっています。また、余裕教室を確定する上で、学校現場の意見が不可欠となりますが、その代表としての学校長も入っておりません。検討組織である小委員会の構成に関する疑問について、まず、お答えください。具体の課題に入る前に、余裕教室利活用の基本方針の策定がぜひ必要と考えますが、この点についてもお示しください。
余裕教室の利活用について、先進都市では社会教育の分野を超え、福祉やコミュニティ、防災等の多様な目的で利活用されております。デイサービスセンターや特別養護老人ホーム等は、心の教育を進める上で、有意義な体験学習の場ともなっています。本市でも、福祉や社会教育等の部門計画を十分に踏まえ、速やかに計画策定を進め、事業に着手していただきたく、強く要請したいと思いますが、ご所見をお聞かせください。
終わりに、市制施行55周年事業として、スポーツのイベントや記念式典など予定されています。先日、特定非営利活動促進法案(NPO法案)が国会で可決しました。阪神・淡路大震災をきっかけに、ボランティア団体が注目され、立法化の機運が高まった結果であります。ボランティア活動に弾みがつくのではないでしょうか。最近、本市でも高齢者、スポーツ関係者など多くの人たちが、ボランティア活動に参加されています。記念式典などで、そのような人々を表彰する枠を広げることなども、その人々に励みとなります。いかがでしょうか。
世の中が経済的にも厳しく、また暗いニュースが多い中で、55周年記念事業を市民の参加により、明日への活力となり、21世紀への助走ともなるような創意とエネルギーを結集した、アイデアあふれる記念事業にしてはいかがでしょうか。
最後に、お金の使い方を見れば、その人の価値観や人となりがわかると言います。市も同じ原理です。税金の使い道である予算を見れば、その市が何を優先させ、何を大事にしているかがよくわかります。市長は、これまで以上に行財政改革に努め、計画行政にのっとり、施策の推進に当たり、次の世代に誇れるまちづくりを進められることを強く要望して、質問を終わります。
○議長(須磨 章) ここで昼食のため午後1時 10分まで休憩をいたします。
〔午後 0時 9分 休憩〕
〔午後 1時10分 再開〕
○議長(須磨 章) 休憩前に引き続き会議を開きます。
公明高槻市議会議員団の代表質問に対する江村市長の答弁を求めます。
〔市長 江村利雄君登壇〕
○市長(江村利雄) 公明高槻市議会議員団代表 川口雅夫議員の代表質問につきまして、ご答弁を申し上げます。
まず初めに、新総合計画についての考え方でございますが、これからの社会経済環境は、ソフト化の方向にあり、内外情勢が大きく変化するであろうと予測される中、新たなまちづくりの基軸として、ソフトを中心とした成熟化へのまちづくりであろうかと存じます。具体的には、多様な人、物、情報の交流と連携を重視いたしまして、駅前や中心市街地の再生と、地域の持つ歴史文化や豊な自然等の各種資源や人的資源を生かしながら、より高槻らしさをはぐくむことが大切であろうかと存じます。
また、第二名神自動車道や地域幹線道路等の道路ネットワーク化による総合交通体系の整備を図り、広域的視点でのまちづくりを推進いたしてまいりたく存じております。それらのことによりまして、世代を超えた、にぎわいと魅力があり、安全、安心な機能的で快適なまちづくりに邁進してまいりたいと存じます。
次に、地方分権の推進についてでございますが、地方分権は、今や計画から実施段階に入っておりますが、その全容は、いまだ不透明な状況にあります。国の
地方分権推進委員会から4次にわたる勧告がなされ、今後、地方分権推進計画が策定されるところでございます。そこで、地方自治体として、機関委任事務制度の廃止に伴う事務移譲の増加や、国の関与の縮小により、自己の責任が拡大すると考えられ、地方自治体職員の政策能力が問われるところであります。現在、23名の課長クラス等で構成いたしております庁内検討会を中心に、具体的な課題の研究、検討を行い、意識改革に取り組んでいるところでございます。また、地域課題への適切な対応力、調整能力も要請されるところであり、職員参加による目標設定と進行管理を徹底させるとともに、職員研修等の充実とあわせて、職員の資質向上と意識改革を促すなど、行政組織全体の強化を図ってまいりたいと存じます。
次に、公共事業のコスト削減についてでございますが、下水道部を例に説明いたしますと、部内に技術委員会を設置いたし、計画、設計、積算、メンテナンスも含めて縮減に向け検討をいたしており、一部につきましては平成10年度から取り入れ、事業を進めてまいりたく存じます。縮減策といたしましては、市道の交通量の少ない生活道路で、よりコストを意識した工法で実施してまいりたく存じます。府道、国道におきましては、埋設の深さについて、道路法施行令との関係を、現在建設省において実験及び研究中でございまして、その結果を見て、工事に反映させていきたいと考えております。今後とも、公共事業の使命と公共工事を取り巻く、昨今の指摘や課題を十分認識いたし、全庁的に、より一層コスト縮減に向けまして努力をしてまいりたく存じます。
次に、国際規格取得会社への入札についてでございますが、申すまでもなく、公共工事の発注に当たりましては、それぞれの工事に対する施工業者の技術力を含めた、経営の信頼性が期待されるところであり、また、課題でもございます。したがいまして、今後につきましては、企業の国際規格の取得状況なども把握する中で、入札への反映のあり方を研究してまいりたいと存じます。
次に、地域振興策としての道の駅についてでございますが、道の駅構想は、長距離交通やレジャー交通が増大いたし、女性や高齢者ドライバーが増加する中で、安全で快適な交通環境を確保するために、日交通量5,000台以上の一般国道及び府県道に設置されております。本計画の主要地方道枚方亀岡線の日交通量は、約6,200台でございまして、大阪府において設置可能との判断をい ただいたところでございます。道の駅及びその周辺施設につきましては、仰せのように樫田地区の活性化に資するもので、枚方亀岡線利用者と、地区の交流施設として重要であると認識をいたしております。
道の駅は、利用者に快適な空間を提供するとともに、地域の文化、特産物などを紹介する施設として活用いたし、地域の活性化が図られると考えております。そこで、この道の駅の設置に当たりましては、森林観光センターなどへの事業効果を念頭に置きまして、大阪府を初め、関係者との協議を進めてまいりたく存じます。
次に、水道事業についてでございますが、まず、公社事業の執行体制の基本的な考え方でございますが、公社の事業といたしましては、公益事業と受託事業があり、原則的には、非常勤職員の公募採用を考えておりますが、水道事業の知識・経験が必要な業務もあり、退職職員の雇用も予定いたしております。検針業務につきましては、ご提案の方法も含めて種々検討いたしており、合理的、かつ効果性を追求した執行となるよう努めてまいりたく存じます。
また、財政効果でございますが、人件費では、初年度には約3,000万円、次年度以降におきましては、約1億円程度の経費節減を見込んでおるところでございます。
次に、防災にかかわる組織体制についてでございますが、阪神・淡路大震災後の緊急的な防災対策と地域防災計画の見直しのために、総務部に防災担当スタッフを配置いたしてまいりました。防災は、幅広い機関との連携と弾力的な対応が必要であり、さらに、災害に強いまちづくりを推進するために、引き続き、現行のスタッフ制で、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
今後の消防団についての基本的な考え方でございますが、消防団は、ご案内のとおり消防組織法に基づく組織でございます。本市の消防団は、伝統的に市民の皆さんの身近な防災組織として、ご活躍をいただいております。今後も地域の防災リーダーとして、活躍を期待しておるところでございます。このような真の意味での自治消防組織を今後とも継続して、さらに強化育成していくことは、本市の責務であると十分認識をいたしております。
次に、商工会議所会館の建設についてでございますが、議員ご指摘のように、商工会議所は、本市商工業の総合的な改善発達を図る中で、中小企業に対する経営相談を初め、さまざまな事業を実施し、最近の厳しい経済状況下での各種改革に対する対応など、地域経済の発展に大きく寄与されてまいりました。今回の商工会議所会館建設につきましては、このような商工会議所の地域経済に果たす役割の重要性を認識する中で、会議所会館が商工業者の活動拠点、及び交流の場にふさわしい施設として活用すべく、決定されたものでありますので、市といたしましても、積極的な支援を行ってまいりたいと考えております。また、商工業振興につきましても互いに協力し、各般の調整を図りながら、地域経済の発展に努めてまいりたいと考えております。
次に、人権にかかわる庁内体制でございますが、現在、本市の人権啓発事業は、人権推進室を中心に各関係部局において実施しておりますが、それらの総合的な調整と、より一層の推進を図るために、庁内の人権擁護推進本部の中に幹事会を設け、事業の企画、立案、及び検討等、連絡・調整を行っているところでございます。今後とも、より効果的で効率的な事業として展開できるよう、その機能を充実させてまいりたいと存じます。
また、国際人権規約についてのことでございますが、平成10年は、国連で世界人権宣言が採択されて50年になりますので、これにちなんで、各種の人権に関する講座及び研修会におきまして、世界人権宣言の紹介を行い、その普及に努めてまいりたいと存じます。
次に、障害者と人権についてでございますが、本市におきましては、昭和59年3月に障害者福祉に関する高槻市長期行動計画を策定いたし、ともに生きる社会の実現を目指し、障害者施策を積極的に推進してきたところでございます。しかし ながら、いまだ十分に目標を達成していない課題や障害の重度重複化、障害者やその介護者の高齢化、障害者ニーズの多様化といった問題も生じております。このような状況を踏まえまして、平成9年3月に高槻市第2次障害者長期行動計画を策定し、障害者の完全参加と平等の実現に向けて取り組んでいるところでございます。また、社会参加の促進につきましては、障害者福祉センターの相談機能の充実やホームヘルプサービス、デイサービス等の地域生活支援施策の充実、権利擁護システムの検討など、今後とも計画を推進してまいりたく存じております。
次に、子どもの権利条約にかかわる取り組みでございますが、教育努力目標の中に、学校におきましては、同条約の趣旨、内容を理解し、適切な指導を行うことや、市民の理解を得るよう啓発に努めることを明記しているところでございます。昨年11月には、子どもの主張大会を開催いたし、子どもの意見表明の場を設け、また保護者啓発冊子の配付、PTAとの共催による研修や教職員研修を実施いたしております。今後も、子どもの人権や権利に関する意識や実態を把握し、権利条約の趣旨や内容について、学校や家庭、地域に定着を図ってまいりたく存じます。
次に、子ども議会の開催についてでございますが、従来より高槻市こども会連合会において、子ども会議の年4回開催や、先ほどの子どもの主張大会など、広く子どもたちの意見表明の場づくりに努めているところでございます。今後は、これらの取り組みもあわせまして、関係部局と調整する中で、研究してまいりたいと存じます。
次に、教職員の研修等についてでございますが、平成9年度の教職員研修におきまして、地域に開かれた学校と、人権教育や児童虐待防止プログラムなどのテーマで、子どもの権利に焦点を当てた研修を実施してまいりました。また、子どもの権利に関する市民の理解を高める取り組みといたしましては、保護者啓発冊子の活用や、PTAとの人権研修会などを実施してまいったところでございます。今後もシンポジウムなど多様な手法を研究し、子どもの権利条約の趣旨を踏まえた、取り組みを進めてまいりたいと存じます。
次に、次代を担う子どもたちの課題解決のための総合窓口の設置についてでございますが、青少年が健やかに成長することを願い、高槻市青少年健全育成条例を制定いたし、健全育成に努めてまいったところでございます。ところで、今日、子どもを取り巻く環境は大きく変化いたし、少子化進行や核家族化は、子ども同士の交流が少なくなり、我慢することを学ぶ機会が減少し、社会性に欠けるなど、大きな影響を及ぼしているものと考えております。現在、市長部局では青少年対策室が、教育委員会では主として青少年課が担当いたし、事業展開の施設として青少年センターがございます。それぞれの特性を生かして、整合を図っているものでございます。今後におきましては、ご提案の点も考慮に入れながら、総合的な調整を図ってまいりたく存じます。
次に、男女共同参画都市宣言を制定しては、とのご提言でございますが、都市宣言につきましては、女性プランのさまざまな施策を展開していく上で、市民参加の一つの手法と認識いたしております。しかし、議会等の一定の手続を得て都市宣言をしているところは、塩尻市を初め、数市との情報を得ており、今後の取り組みにつきましては、次のプランの策定時や他市の動向、市民のご意向等を踏まえつつ、さらに、調査・研究を重ねてまいりたく存じます。
次に、老人保健福祉計画についてでございますが、ご案内のとおり、介護保険制度の導入につきましては、老人保健福祉計画における基盤整備の達成が前提となっております。本市の老人保健福祉計画の進捗状況につきましては、ハード面といたしましては、平成11年度末に、ほぼ目標達成できる見込みとなっております。また、ソフト面といたしましては、2級、3級のホームヘルパーの養成研修を行い、マンパワーの確保に努めるなどして、一定の需要を満たしている部分もございます。今後におきましても、国、府には財政措置を講ずるよう要望いたしますとともに、民間活力 の導入を含め、供給不足が生じないよう努めてまいりたく存じております。
次に、高齢者の市バス無料乗車証についてでございますが、本制度につきましては、昭和47年に制度化して以来、多くの皆様に喜んでいただける施策として、広く定着しているところでございます。高齢者の社会参加を推進し、生きがい及び健康づくりに大きな役割を果たしております本制度は、従前と同様に70歳以上の方に、無料乗車証の交付を行ってまいりますので、お説のとおり、実質的な現行制度の維持と考えております。なお、一定額以上の所得を得ていらっしゃる方につきましては、社会状況の変化や行財政改革の趣旨を十二分にご理解いただき、自主返納によるご協力をお願いするものでございます。
福祉オンブズマン制度の導入についてのご提案でございますが、介護保険法におきましては、要介護、要支援認定並びに保険料についての不服がある場合は、都道府県に対する審査請求制度が設けられております。また、介護サービスについての苦情処理機関として、国民健康保険団体連合会が当たり、法律上、事業者に対する調査、指導、助言の権限が付与されております。ご質問の福祉オンブズマンについてでございますが、介護保険制度での介護サービスでは、現行の措置制度から被保険者と事業者との私的契約という形をとることになります。地方自治体の設置いたします行政オンブズマンといたしましては、その性格上から、私的契約を前提とした事業者への関与は、非常に難しいものがあるのではなかろうかと考えます。
また、介護公社についてのご質問でございますが、本市におきましては、健康づくり事業の推進及び福祉施策の積極的な展開を図るために、平成2年に設立いたしました高槻市保健福祉振興協会を中心に、ホームヘルパーの派遣事業を行っております。また、介護保険制度導入の目的の一つには、民間活力の活用があり、市内の社会福祉法人等にも、ホームヘルパーの派遣を一部委託しておりまして、ニーズは一定満たしているものと考えております。今後は、いわゆるシルバー産業の参入も予想されますので、各事業者間の緊密な連携を図りつつ、高槻市保健福祉振興協会の積極的な事業展開を図る中で、推進してまいりたく考えております。ご提案の介護公社におけるシステム等の取り組みにつきましては、今後研究してまいりたく存じております。
次に、要援護にかかわったネットワークづくりでありますが、小地域ネットワークにつきましては、本市の社会福祉協議会におきまして実施されているところでございます。この事業は、小地域において独居老人や寝たきりの老人世帯等が安心して生活できるよう、地域住民による支え合い、助け合いの個別支援の組織活動で、平成8年度から実施され、今後も事業の拡大を予定されているところでございます。
なお、ご提案の要援護支援関係ネットワーク連絡会につきましては、議員も仰せのように、各機関が独自に持っている援護活動の情報を一元化することで、より効果的な援護が行われる面もあると思われますので、今後とも、社会福祉協議会を初め、各関係機関の協力体制等、関係者を支援する仕組みにつきまして、研究してまいりたいと考えております。
次に、エンゼルプランについてでございますが、国におきましては、エンゼルプラン作成に当たりましては厚生省、文部省、建設省、労働省が共同で検討、作成されたところでございます。本市におきましては、全庁的な取り組みが必要であろうと存じますので、現在民生部及び市長公室で、プロジェクトの設置についての調整を行っているところでございます。今後、他市での取り組みも参考にしながら、研究してまいりたいと考えております。
次に、緊急保育対策5か年事業についてでございますが、地域子育て支援事業及び一時的保育事業につきましては、昨年4月に新設いたしました民間保育所において、新たに取り組んでいるところでございます。地域子育て支援事業についての国、府の考え方といたしましては、ご質問にありましたように、府下的な実施状況を見ましても、 未実施の市町村も多いところから、今後、府とも十分協議しながら対応してまいりたいと考えております。
次に、児童福祉法の改正に伴うお尋ねでございます。
まず、園運営に関してでございます。
市では、保護者の選択に必要な情報を提供するとともに、各民間保育園においても、利用者に選ばれるよう創意工夫を凝らして、ニーズに沿った保育サービス提供をしていただくよう期待をいたしております。新たな保育所につきましては、北部地域に用地を確保いたしており、今後、待機児の状況や補助要件等を勘案しながら対処してまいりたく存じます。次に、情報提供といたしましては、各保育所の名称、位置、定員や入所申込状況等を一覧簿として作成し、閲覧できるようにしてまいりたいと考えております。
次に、保育料の負担についてでございますが、国では、平成13年度を目途に激変緩和策を講じることとされており、本市におきましても、国の動向を見守りつつ、法改正の趣旨にも沿って、対応策を講じてまいりたいと考えます。
次に、健診制度の拡充、医療費等についてでございますが、本市の財政状況と諸般の事情から、本市単独での制度化は、きわめて困難な状況にございます。したがいまして、国に対しまして助成制度の拡充、創設や、現行医療保険制度の出産育児一時金の増額を要望してまいりたく存じます。また、乳幼児医療助成制度の拡大につきましては、多額の財源を必要とするため、今後の大きな検討課題とさせていただきますとともに、国、府に対しましても制度の創設、拡充を、これまで以上に強く要望してまいりたく存じます。
次に、第2次障害者長期行動計画についてでございますが、計画が策定された施設目標は、そのほとんどがソフト事業でもありますので、特に実施計画の策定は予定しておりませんが、計画を着実に実施するため、庁内関係課による推進会議並びに障害当事者等の参加によります推進連絡会を設置いたし、事業の推進に当たっているところでございます。また、具体的な施策の推進につきましては、課題ごとに小委員会的なものを設け、検討してまいりたいと考えております。
次に、グループホームの府営住宅における進捗状況でございますが、議員ご指摘のように、グループホームは、障害者が地域で自立していくための大切な事業の一つでございます。平成8年度公営住宅法の改正によりまして、公営住宅の福祉事業への利用につきまして、初めて門戸が開かれ、大阪府も、これを受けられまして、平成9年度から積極的に府営住宅における、グループホームの活用を図ってこられたところでございます。今年度、本市の2か所の府営住宅で、府下初めての取り組みがされたわけでございますが、地元関係者等との協議が継続しておりますので、現時点ではオープンするに至っていない状況下でございます。今後とも大阪府と連携しながら、本事業の推進に努めてまいりたく存じます。
次に、ダイオキシン対策でございますが、ごみ処理体系におきますダイオキシン類の削減対策の基本は、発生したダイオキシン類の除去だけではなく、発生を抑制することも重要であり、そのためには、ごみの排出抑制やリサイクルによる焼却量の削減が必要と認識をいたしており、従来から、ごみの発生回避を基本として減量対策を進めてまいったところでございます。今後は、プラスチック類も念頭に置き、さらに減量対策を進めてまいります。ダイオキシンの規制につきましては、大気汚染防止法施行令の改正や、大阪府指導方針策定により、有効な対策が期待でき、現時点では、市単独の制度は考えておりません。また、対策本部設置のご提案につきましては、本件は個別・専門的分野での対応が肝要と考えております。
次に、ダイオキシン類の調査は、来年度は大気、水質の環境調査や、前島クリーンセンターの排ガス、排水、土壌等の調査を予定いたしておるところでございます。また、健康調査につきましては、環境状況の把握が、まず第一でございまして、その結果や国、府の調査結果を踏まえまして、必要性を検討してまいりたく存じます。
次に、ごみ減量サンプランの取り組みでございますが、計画的な減量対策を推進してまいりました結果、中間目標年であります9年度では、家庭系ごみにつきましては、減量目標値を大幅にクリアしており、また事業系ごみにつきましても、おおむね達成されてきておる状況下にございます。これは、空き瓶や空き缶などのリサイクルごみの回収や、生ごみの減量化など種々の取り組みに対し、市民の皆様方の積極的なご協力により、この目標が達成できたものと考えております。今後も、ごみになるものはつくらない、売らない、買わないことを基本に、ごみの総量減量、ごみの回避を重点に、総合的な減量対策を推進してまいりたいと考えております。
次に、環境家計簿についてでございますが、地球温暖化防止京都会議では、二酸化炭素等の温室効果ガスについて、先進国全体で5%削減することが決まり、我が国は6%の削減と決まったところでございます。この目標を達成するには、産業界のみではなく、一般家庭での削減も不可欠であり、国では、環境保全に配慮した環境家計簿の普及を図っております。本市では、環境学習事業を通じて、ご指摘の趣旨を踏まえ、効果的な対策を検討してまいりたいと考えております。
次に、地球温暖化対策にかかわる取り組みのお尋ねでございますが、本市におきましては、事業者として天然ガス自動車の導入や、節電運動等の温室効果ガスの削減のための方策を実施するとともに、工場、事業所に対しましては、省エネや良質燃料への転換等の温暖化防止のための啓発等も行っているところでございます。折しも、国では削減率6%の達成を図るべく、温暖化防止法案等を検討しており、二酸化炭素排出量の多い企業に対し、削減計画を提出させる等の方策を検討しておると聞いております。本市におきましても、ご指摘の趣旨を十分に踏まえ、国、府の動向を見きわめながら、実効が図られるよう取り組んでまいりたく存じます。
次に、国際規格ISO14001の取得についてのお尋ねでございますが、今日の地球環境問題は、世界的規模で取り組まなければならない課題であり、とりわけ、企業における環境対策がまとめられており、これを受けてつくられました、ご指摘のISO14000シリーズでございます。これは、従来の環境管理と異なり、あらゆる業種にも適応できる内容となっております。本市におきましては、省エネ対策等の推進や、資料収集等行っておりますが、今回のご提言をもとに、さらに環境に十分配慮した市役所にと、考えておるところでございます。
次に、教育につきましてのご質問でございますが、1つには、子どもの価値観の変化を受けとめていく学校や、親の姿勢の醸成が重要であると考えます。2つには、学校教育活動における教科の枠を超えた総合学習の一環としてのボランティア活動等の体験学習を通じまして、自分を律しつつ他人と協調し、他人を思いやる心や、豊かな人間性の育成が求められているものと考えております。3つには、一人一人の生き方として環境教育への取り組み及び男女平等教育、国際理解教育などの充実が必要であると存じます。これらの認識を踏まえまして、学校・園におきます取り組みを、より一層推進するよう指導してまいりたく存じます。あわせまして、総合学習の取り組みに対する支援や指導の手引きの作成、あるいは保護者等への啓発を通じて、心の教育を展開してまいりたいと考えております。
次に、学校図書館についてでございますが、この提言は画期的なことでもあり、今求められております教育改革を推進する礎になるものと存じております。これまでの成果でございますが、開館時間の増加や貸出手法の工夫など読書環境が改善され、心のオアシスとしての図書館が実現しつつございます。このような取り組みが教育改革の一端を担い、読書を通じまして、情操豊かな子どもの育成を図ってまいりたいと考えております。さらに、今後の取り組みについてでございますが、平成10年度は、調査研究協力校をさらに2校ふやし、充実に努めてまいります。また、前年度からの実績に加えて、司書教諭と嘱託職員の有機的 連携のもとに、専門性を高めながら調査研究を重ねてまいりたく存じます。これらの成果と、学校図書館運営協議会のご意見を参考にいたしまして、今後も検討を加えてまいりたいと考えておるところでございます。
次に、余裕教室についてでございますが、検討組織の構築、構成につきましては、余裕教室の有効利用を全庁的に図ることを目的に、余裕教室活用計画小委員会を設置をいたし、検討協議を進めてまいりましたが、学校長の参加については、別途小、中学校長会7名で構成する余裕教室検討プロジェクトを設置いたしまして、その中で、小委員会での検討事項のうち、学校運営上の必要な内容につきましては、協議、調整をしているところでございます。
次に、余裕教室利活用の基本方針でございますが、平成5年4月に、文部省において策定されました余裕教室活用指針は、各自治体が余裕教室の活用を図る際の計画策定及び実施についての基本的な考え方、留意点等を取りまとめたものでございます。本市におきましても、余裕教室の利活用につきましては、この文部省の余裕教室活用指針を基本としつつ、本市の置かれている状況等を総合的に勘案する中で、余裕教室の利活用に向けた取り組みを進めてまいる所存でございます。また、今後の計画策定といたしましては、余裕教室の転用施設として、既に多目的ランチルーム、コンピュータールーム等の学校施設のほか、学童保育室、災害用備蓄倉庫等への利活用を積極的に進めてまいったところでございます。
なお、その他の施設の有効利用につきましては、現在検討を進めております余裕教室活用計画小委員会における論議を踏まえまして、市民のご意見を拝聴させていただくとともに、学校長の意見反映をも図ってまいりたいと存じます。そしてまた、早期に計画を策定いたし、具体的な余裕教室の利活用に向け、取り組んでまいりたいと存じます。
次に、市制施行55周年事業についてでありますが、表彰の枠の拡大につきましては、今までの記念式典におきましても、幅広い視点で感謝状を贈呈してまいったところでございますが、ご提言いただいております趣旨も十分踏まえまして、検討してまいりたく存じます。
また、記念行事につきましては、市民の創意とエネルギーを結集し、市民の皆さんがともに楽しみ、喜びを分かち合うとともに、さらなる飛躍の礎とするため、簡素な中にも厳粛な、そして高槻の未来を感じ取れることを基本趣旨として、各般の事業を実施してまいりたいと考えております。
以上で、公明高槻市議会議員団代表 川口雅夫議員の代表質問に対する答弁とさせていただきます。
○議長(須磨 章) 公明高槻市議会議員団代表 川口雅夫君の代表質問は終わりました。
次に、自民クラブ代表 小野貞雄君。
〔小野貞雄君登壇〕
○(小野貞雄議員) 自民クラブ議員団を代表いたしまして、平成10年度施政方針に対する質問をさせていただきます。
戦後半世紀有余、我が国は、国民生活の向上を目指し、種々の法制度と社会経済システムのもと、たゆまぬ努力を積み重ね、現在の日本の姿を築き上げてまいりました。ところが、経済景気・個人消費の低迷に加え、金融不安など、先行き経済の不透明感はぬぐうべくもない現状であります。このような状況の中で、終身雇用や年功序列等、いわゆる日本型社会経済システムを全面否定しかねない悲観論すら飛び出す始末であります。しかしながら、21世紀を目前に臨み、アジアの発展と世界規模での競争に、主体的にどう対応するかという現実的課題は依然として重く、いたずらに悲観と停滞に時を費やすことは断じて許されるものではありません。
GDP(国内総生産高)や個人金融資産のデータが示す通り、日本国民は、かれることのない強大な活力に加え、挫折と逆境に屈しない、歴史的、伝統的エネルギーを持っております。私たちは、この誇りを堅持しながら、グローバルな課題にもこたえる成熟した社会の豊かさを求め、英知と総力を結集しなければなりません。
我が会派といたしましては、江村市政に全幅の支援と協力を惜しまない立場から、率直に質問させていただきますので、端的、明快なご答弁をお願いしたいと思います。
第1点、行財政改革についてであります。
今日、地方分権の動向は、大きなうねりとなって本市にも押し寄せ、既に、地方分権法に基づく
地方分権推進委員会から、国の機関委任事務の廃止等、4次にわたる勧告が出されているところであります。
この勧告を受け、都市計画決定の権限委譲などの制度的改変が、当面の重要課題となるわけでありますが、みずから律する自律性の強い行財政システムを初め、柔軟かつ横断的な組織体制の構築、また、それを支える新しい戦力としての職員像、すなわち、スペシャリストであるとともに、広い視野で考察し行動できるゼネラリストの力量をも兼ね備えた人材の養成と確保が、急務であると考えますが、まずこの点につきまして、市長のご所見をお伺いしたいのであります。
なお、国の予算案を見ますと、平成10年度GDP実質成長率1.9%見込みのもとに、一般歳出で、1.3%減という予算編成がなされております。大阪府では大きな財源不足が見込まれる中、一般歳出で、前年度当初予算比3.4%減という、3年連続の緊縮予算案が報じられています。
本市では、一般会計において、法人税の落ち込み等、税収の伸びが見込めない中、5年ぶりの対前年比での増、公債費比率の抑制など、着実な予算編成がなされており、これは本市が、早くから行財政改革に真剣に取り組まれてきた成果にほかならないと評価するところであります。
しかしながら、今後も厳しい社会経済環境の継続は必至であります。公的介護保険制度、JR高槻駅北市街地再開発事業、市民プール整備、上牧土地区画整理事業等、今こそ軌道に乗せ終えねばならない大事業が、積年にわたる市民願望の重圧をもって押し迫っております。
そのためには、さらなる徹底を期し、行財政改革大綱実施計画の前倒しによる達成や追加措置、また、地方分権の進展に見合う自主財源の確保、並びに財政構造の健全化を図ることが絶対条件と申せましょう。安直に市民に負担を求めるのではなく、議会はもとより、行政みずからが率先して痛みを分かつ姿勢が、今こそ求められているところであります。
第2点、都市施設基盤づくりについて、数点にわたりお尋ねいたします。
昨年12月の一般質問において、我が会派の議員が、都市の基本的要素としての産業のあり方、企業の立地条件を真剣に考え直す時代が来た、と強く指摘いたしました。都市における産業立地条件は、生産、流通を支える、まさに都市基盤整備そのものであることは申すまでもありません。
そこでまず、将来の町の発展に不可欠な第二名神自動車道についてお伺いいたします。
昨年12月、城陽市と八幡市の間に施行命令が出され、残る八幡市と本市間の施行命令も、間近かに迫っていると仄聞いたしております。この第二名神自動車道のポテンシャルを十分に引き出すには、周辺地域の環境を守ることはもちろん、北部地域のまちづくり、アクセス道路を含めて体系的な道路整備が肝要であります。さらに、インターチェンジやジャンクションが設置される成合地域、アクセス道路牧野高槻線で町が分断される安満、山手、高垣、これらの地域では、町に残る人、移転を余儀なくされる人が出るなど、住民にとっては多大の痛みを伴うわけであります。変貌する町の姿と新しいコミュニティをリアルに想定しながら、住民と行政が心を寄せ合い、ぬくもりのこもった取り組みを展開することが、今、差し迫って重要だと考えます。
関連道路の整備、並びに周辺地域での新しいまちづくりのあり方について、都市計画、線引きの見直し等も含め、行政として、どう考えどう対処されるのか、ご所見をお示しいただきたいのであります。
次に都市計画道路についてお尋ねします。
道路整備に当たっては、近隣都市との広域道路網の体系的な整備が大切であることは申すまでも ありません。府施行の都市計画道路十三高槻線を例に挙げれば、国道170号までの開通により、大阪方面への利便性は高まったものの、従来とやや異なり、辻子付近等で交通渋滞が発生しているのが現状であります。この十三高槻線は、淀川新橋とも結び、京都府域や枚方市との広域交通網を形成する大切な道路であります。これに、第二名神自動車道をも勘案した場合、通過地点である前島地域のまちづくりとあわせて、さらなる東進、及び淀川新橋の整備を、今、急がねばならないと考えるものであります。このような今日的状況を踏まえ、市として、いかに対応されるのか、ご見解を承りたいのであります。
次に36万都市の顔と風格になるJR高槻駅北地区の市街地再開発事業についてお伺いいたします。
この事業は、地元の皆さんの絶大なご尽力により、組合設立に向けた最終段階という大きな節目を迎えております。市が公共・公益施設床取得の方針を示されたことが、再開発事業の展開に大きな支援となったところであります。組合の設立が認可されるということは、換言すれば、市にとって、本腰を入れた取り組みが求められるということにほかなりません。今年度には、権利変換手続とともに、実施設計に向けた作業が進められると思います。完成へ向け、市の玄関口にふさわしく、市民の期待に十分こたえ得るものとして、軌道に乗るか否かは、関連する上田辺芥川線、高槻北駅南芥川線、及び高槻駅前線等の都市計画道路の整備そのものにかかっていると申しても過言ではありません。これらの道路整備に対し、どう優先順位をつけ、いつまでに、いかなる手法をもって実施されるのか。この点については、昨年の代表質問でも同じことをお伺いいたしましたが、いまだにあいまいな印象をぬぐい切れません。南駅前の失敗を北で再び、絶対繰り返してはなりません。JR北駅前再開発事業そのものは、直面する大きな課題であるだけに、重ねて明確なるご答弁を求める次第であります。
そして、この際あわせてJR線南北を貫通する幹線道路の整備について、お伺いをしておきたいと思います。
JR線によって中心市街地を南北に分断された我が町は、南北両地域の調和のとれた発展を著しく阻害されているのが現実であります。JR西口地下道の拡幅、弁天踏切の立体化、JR駅舎下を南北に貫通する道路整備こそが、この再開発事業を名実ともに、市民が望む形になし得る決め手と言えましょう。これをなし得ずして、36万都市高槻の顔と風格はあり得ません。これは多くの市民、積年の悲願であるだけに、いかなる障害があろうとも、それを乗り越えなければならないのであります。
江村市長、あなたみずからの政治力を駆使して、これが実現の道を何としてでも切り開いていただきたいと、切に望むところであります。市長のご決意をお聞かせいただきたいと思います。
なお、阪急高槻市駅南地区の再開発事業についても、これまで行政が蓄えられたノウハウを存分に活用していただき、十分地元の了解と支援を得ることはもちろんですが、財政状況の厳しい折だけに、いつごろをめどに、いかなる戦略をもって臨まれるのか、市長のお考えをお示しいただきたいと思います。
次は、富田地域の道路整備についてであります。
総合計画において副都心とうたわれている富田地域は、歴史資源初め、まちづくりのための旧清算事業団跡地があり、また、阪急高架化事業が既に計画されております。これらに関連して、まちづくりの骨格となる街路の整備が肝要と考えます。
まず、富田芝生線について、現事業区間の進捗状況、今後の見通し、さらに清蓮寺以北、JR摂津富田駅までの整備の取り組みについてお尋ねいたします。なお、府施行の富田奈佐原線は、富田中心部から北部に通ずる道路として、阪急踏み切り以北の整備が特に求められており、また、富田北駅宮田線は、一部未整備区間の整備が急がれます。これらの整備について、何がネックになっているのか、どう進んでいるのか、今後の見通しはいかがなものか、具体的にお答え願いたいのであ ります。
続いて五領・上牧地域のまちづくりについてお尋ねいたします。この地域には、公共施設といえば、五領公民館及び上牧駅前自転車駐輪場のみであり、市民生活向上のための地域対策のおくれが浮き彫りになっております。阪急上牧駅北地区の土地区画整理事業にあわせ、図書分館等の公共施設、駅舎、駅前の整備等も含んでの取り組みは、現在進められているのかどうか。さらに、国道171号の渋滞、狭隘な西国街道、バイパスがわりに使われている現名神北側側道の問題等々、多くの課題があります。これらを含めた市長のご見解をお示しいただきたい。以上、数点にわたって都市施設、基盤づくりについてお尋ねしてまいりましたが、JR高槻駅北地区、阪急高槻市駅南地区、阪急上牧駅北地区等において、民間施行で進められている町の顔と風格づくりは、今後の第二名神自動車道の整備を含め、国土軸上にある本市にとって、極めて重大な意味を持つだけに、今後とも民間の支援はもとより、市財政状況との整合性など、万全を期して推進されますよう、強く求める次第であります。ご決意のほど、お伺いいたします。
第3点、都市環境についてお尋ねします。
まず、
公共下水道整備についてであります。
江村市長第1期目から重点政策に上げられ、就任当初の普及率約17%が、平成10年度末で75.4%見込みと伺い、大変な成果として評価したいと思います。さらに、第5次
公共下水道整備5か年計画の目標である、平成12年度末での普及率80%に向け、鋭意取り組まれることを期待するものであります。
ところで、下水道資源の利用方法として、熱利用による温水プール、また、処理場内で処理水を親水水路等で使われていることは、十分認識しております。この処理水を、市街地で整備が進んでいる親水水路の補給水、そしてまた、現在深刻な課題となっている桧尾川水系の成合、古曽部、安満、山手、別所等、磐手地区での農業用水の枯渇対策として、活用できるものかできないものか、市長のご所見をお示しいただきたい。
続いて防災対策についてお尋ねいたします。
あの阪神・淡路大震災から、はや3年有余が経過し、本市においても、その教訓をもとに、近く新しい地域防災計画が公表されるものと期待しております。施政方針では、
防災都市づくり計画の策定に向けた調査等の実施を上げられております。過去に幾度となく質問してまいりました旧村、旧集落での消防車も通れない道路の改良、防災緩衝地帯、避難道路の整備等は、防災対策上早急に取り組むべき重要課題であります。防災まちづくり計画の中で、これらの課題に対し、果敢な取り組みを示されるべきものと考えますが、具体的なご見解をお伺いいたします。
4点目は、スポーツの振興であります。
20世紀最後の冬季オリンピック第18回長野大会における日本選手の目覚ましい活躍は、国民すべてに、熱い感動と勇気を与えてくれました。まさにそれは、人間的かつ国民的な感激でありました。子どもたちに健全な夢と希望を与えてくれるもの──それはスポーツであります。スポーツを通して心を磨き、おのれに打ちかつことの大切さを学びとるのであります。
次の時代を支える青少年に、スポーツ施設の拡充を図る中で、市民プールの整備は重大な意義があります。総合計画の骨格事業に位置づけられている、市民待望の本格的競技用プールが、いまだに実現を見ないのはまことに残念であります。
36万都市にふさわしい市民プール、そして、子どもたちに大きな夢と希望を開く公式競技プール、その必要性を強く認識し、かつ、市民の積年の熱望を受けつつも、用地選定等の問題が絡み、後回し、後回しにされてきた経過は、否めない事実であります。一刻も早い実現を強く求めます。最終的に市民プール建設用地に決定を見た市営バス芝生車庫は、市南部の貴重な公共用地として、これまでに地元から図書館等の公共施設の整備が、強く要望として出されております。しかしながら、これが市民プールに優先するということになっては、まさに本末転倒であります。あくまで本格的 競技用プールを第一義とした市民プールの建設へ向けて、一層積極的な姿勢で取り組んでいただきたい。この点につき明確なるご答弁をお願いいたします。
続いて、萩谷総合公園についてお尋ねします。
いよいよ、この4月開園の運びとなった萩谷総合公園は、緑豊かな環境の中で、青少年を初め多くの方々が、スポーツや自然に親しめる場でもあります。平成10年度予算案では、第1期工事に引き続き、野球場、テニスコートの実施設計予算が計上されておりますが、体育館を含め、また、摂津峡等周辺の水と緑の環境や、スポーツを楽しむための宿泊施設の整備など、今後の事業実施計画について、ご見解をお示し下さい。なお、この萩谷総合公園の管理運営を摂津峡公園とあわせ、高槻市緑化森林公社に委託される計画と聞き及びますが、市全域にわたる公園管理の将来的展望とあわせて、ご所見を賜りたいのであります。
第5点目として、商工業対策についてお伺いします。
今日の個人消費の低迷など商業を取り巻く環境は、まことに厳しいものがございます。地方の時代を迎えた今、自治能力を高めるため、地元財界の協力は不可欠な要件であります。市の行政は、市場経済の動向と密接にかかわるものであり、経済界との健全な提携の重要性については、言を待たないところであります。未来の新しいまちづくりには、地元事業者、商工会議所並びに行政が、文字どおり一体となって、町おこしを推し進めねばなりません。このためにも、商工会議所会館の建設は急務であり、市として会館建設への強力な支援が必要ではないかと思いますが、市長の具体的で、率直なるご所見をお伺いします。
第6点、人権と福祉についてお尋ねします。
まず、同和対策事業について。
同和地区における、生活改善を初めとする基盤整備がおおむね完了するなど、同和対策事業は着実にその成果を上げ、さまざまな面で存在した差別的格差は、大きく改善されたことは周知のとおりであります。国、府の段階では、今後の施策のあり方、一般施策への移行等について検討がなされており、本市でも同和対策協議会の答申をいただいた上で、施策のあり方を検討するとの説明がありました。ところで、市の任意補助金の一律見直しの中で、個人給付並びに植木団地の問題は、一体いつになれば改善されるのか。昨年の代表質問においても同じ指摘をいたしましたが、公平な市民的理解を得る上でも、前回とは異なる、さらに踏みこんだ明快なご答弁を求めます。
次に、少子・女性・高齢社会についてお尋ねいたします。
国では、平成6年厚生省等4省の大臣合意による、エンゼルプランの施策展開が進んでおります。市長は、少子化に関して、子どもの健全な成長や家庭での子育てを、社会全体で支援するシステムの構築を目指し、庁内にプロジェクトチームを設置、研究すると述べております。これは重要課題であるだけに、福祉部門のみならず、より幅広い視点に立って取り組んでいただきたいということを特に、お願いしたいのであります。
続いて、女性の働きやすい環境づくりに関連し、保育行政について伺います。
児童福祉法が50年ぶりに改正され、保育所を選べる選択制が導入されましたが、子どもを預ける側にとっての戸惑いや、運用の中での入所をめぐる混乱等が懸念されます。また、共働き家庭がふえるに伴い、低年齢児保育や保育時間の延長等保護者側のニーズが多様化する傾向にあります。これらの課題について、どのように対応されるのか、市長のお考えをお示しいただきたい。
続いて、高齢社会について伺います。
昨年12月、公的介護保険制度が成立し、平成12年4月から施行されますが、その制度化に当たり、市町村等関係方面から財政負担の問題等種々懸念が表明されております。制度の導入に当たっては、周到な準備と予想される諸課題の精査、並びに対応策が肝要と考えます。一方、モラルハザード現象を生みやすい体質を構造的に抱えている、と指摘されているところであります。
介護保険制度が期待通りの機能を果たすために は、安易に制度に寄りかかるのではなく、高齢者の自立を促すことによって、より健康で長寿な高齢社会を築き上げねばなりません。また、家族及び地域の介護に対し、一定の支援施策の展開を図るべきではないのか、と考えるものでありますが、市長の基本的なお考えをお示しいただきたい。
第7点は教育の問題であります。
今日の青少年を取り巻く状況、並びに子どもたちが犯した衝撃的な事件の数々は、私たちに対し、一体どのようなシグナルを投げかけているのでありましょうか。私は、次の3点を考えております。
1 学校教育は、真に心を育てる場になっているか。
1 家庭教育は本来の姿を保っているか。
1 地域社会の教育力が生きているか。いずれも、学校を含む大人社会の一層の反省を厳しく促すものであります。この3点について、ご見解と具体的な新施策をお示しいただきたいのであります。
関連して地域社会の教育力に触れたいと思います。我々が子どものころは、よい意味でも悪い意味でも、「がき大将」を中心に年齢の異なる子どもたちが集まり、さまざまな遊びを通して社会的ルールや、弱い者へのいたわりや、けんか、いじめの、ここまでという手加減など、人の和の原点を学んだ体験があります。なおその背景には、家族や地域の大人たちの温かいまなざしと、指導力があったことは申すまでもありません。温かい地域教育力の醸成と高揚──これが今、特に求められているのではないか、と考えるのであります。そのために、例えば、公民館での「がき大将育成講座」などの試みは、いかがなものでしょうか。まことに端的な質問ではありますが、あわせて実践的施策につながるご所見を伺いたいのであります。
関連して、高齢者の生きがいにつながる教育対策についてお尋ねします。さきの中央教育審議会答申において、学校教育への高齢者の積極的活用や、地域社会における子どもたちと高齢者が触れ合う機会の積極的な設定など、実践課題が掲げられておりますが、この点についての考え方、及び今後の対応策について、お答えいただきたい。
次に、余裕教室の利活用についてお尋ねいたします。
中央教育審議会答申の中で、学校施設と高齢者福祉施設の連携、例えば、余裕教室の転用などが提起されており、既に、それに準ずる実践を行っている市もあるやに伺っております。本市における余裕教室の利活用の検討の進捗状況は、いかがでありましょうか。いつまでに検討結果を出して実現されるのか。また、既に期限つきで即決和解となっている社団法人高槻医師会、看護専門学校の移転先として、この余裕教室を考えることはできないものかどうか。これには立地条件や空き教室の構成状況、さらには負担金、補助金等の課題はありますが、文部省と協議の上、同じ教育機関である専門学校に転用する道は開けないものかどうか、具体的検討対象として取り上げてはいかがなものか、ご所見をお伺いいたします。
第8点目、歴史・文化を生かしたまちづくりについてであります。
今年度、市制施行55周年記念の一環として、安満宮山古墳の遺構保存や、出土した三角縁神獣鏡のレプリカの公開展示、及び歴史シンポジウムの開催が計画されております。私は、これに加えて、埋蔵文化財調査センターが所蔵する貴重な文化財を、積極的に公開すべきではないかと考えます。また、今城塚古墳を初め能因法師塚、伊勢寺、不老水等の歴史資源を有する古曽部地域等、歴史遺跡の、さらなる整備が望まれるところであります。さらに遺跡保存整備にあわせ、歴史街道構想等を生かした歴史資源ネットワークの形成が、悠久の歴史息づく我が町高槻のまちづくりの上で、大変重要な課題ではないかと考えます。あわせてご所見をお伺いいたします。
以上をもって代表質問を終わるに際し、一言申し添えたいと思います。
政治の要諦は何か。それは大切な心であります。その心とは、1 疎外された人々の涙をそっとふいてあげ、1 ため息をつく人々に勇気を奮い立たせ、1 子どもたちに夢と希望を呼び起こす、この3つの要諦が、まさに政治の最も大切な心で あります。21世紀高槻のまちづくりビジョンの座標軸に、これらをきちんと据えていただきたい。希代の名市長 江村利雄氏の市政第4期のまさに仕上げのとき、特にこのことを強く要望いたします。
我が自民クラブ議員団は、今後とも江村市政を支え、市民生活の向上、安定のため惜しみない支援を送る決意であることを申し添えまして、平成10年度施政方針に対する代表質問を終えたいと思います。
○議長(須磨 章) 江村市長の答弁を求めます。
〔市長 江村利雄君登壇〕
○市長(江村利雄) 自民クラブ代表 小野貞雄議員の代表質問につきまして、ご答弁を申し上げます。
地方分権に関連しての職員の養成でございますが、地方分権が推進されることに伴い、地方の自主性、自立性を強化せねばならない立場から、現在、一般職、管理職の研修を通じ、政策形成能力を開発すべく、研修の充実を図っておるところでございます。特に、一般職研修におきましては、職場や職種の違いを乗り越えて、研修生を組織横断的な小グループに分け、それぞれが、その特性の違いを生かしながら、一定の目標を達成することに挑戦する研修も実施しておるところでございます。21世紀の到来を間近にして、社会を取り巻く状況も変化し、行政の果たす役割も増大してきておるところから、今後とも必要な人材の養成につきましては、引き続き努力してまいる所存でございます。
次に、自主財源についてでございますが、新たな財源の確保につきましては、さきの
地方分権推進委員会の勧告におきまして、その設定を緩和する方向性が打ち出されたところでございますが、実際の導入となりますと、本市の市民意識調査でも約8割の反対意見があるなど、非常に困難な面もございます。しかしながら、全国的な動向、税配分等に対する国の対応等を踏まえつつ、可能な限り自主財源の確保に努めねばならないと考えております。
また、財政構造の健全化につきましては、行財政改革大綱実施計画に基づきまして、人件費の抑制や経常的経費の見直し等によって、経常収支比率の改善を図るとともに、起債発行額につきましては、公債費比率の動向を踏まえて、極力抑制することといたし、その結果、10年度末の発行残高は、前年度比で約40億円の減額となるなど、一定の成果を上げつつあるのではないかと考えております。しかしながら、今日の経済動向や国、府の財政赤字など、本市を取り巻く財政環境は極めて悪化いたしており、中長期的観点に立って、これに対処する必要があるものと考えておりますので、引き続き財政の健全性の維持に努めてまいりたく考えております。
次に、第二名神自動車道に関してでございますが、既にご案内のとおり、第二名神自動車道につきましては、昨年12月に京都区間の城陽─八幡間におきまして、施行命令が出されました。大阪府域の八幡─高槻間につきましても、早期に施行命令が出されるよう、今月2日には、大阪府ともども国に要望してきたところでございます。第二名神の整備につきましては、本市の発展に大きく寄与するとともに、周辺の地域環境も念頭におきながら、取り組まれるものと考えられます。本市といたしましては、整備に伴う諸課題や21世紀のまちづくりに向けて、関係部局で構成する検討会議を設置いたし、検討をしておるところでございます。ご指摘のように、本市における中長期のまちづくりの根幹をなす都市施設でありますので、総合計画の改定による21世紀の新しいまちづくりの方向性の中で、この道路を最大限に寄与させていくことが、大切であると考えております。
次に、十高線でございますが、高槻市域におきましては、昨年3月に国道170号以西の延長約4.4キロメートルが全面供用開始され、大いに効果を発揮しておるところでございます。その東進につきましては、本市の要望を受けて、大阪府におかれては、積極的な取り組みをいただき、引き続き、市道須賀前島線までの事業に着手されております。淀川新橋の架橋問題につきましては、大 阪府主導のもとに、平成8年11月に府、枚方市、そして本市で構成いたします検討会議を設定し、広域的な取り組みを行っております。十三高槻線の国道171号までの延伸につきましては、中長期の目標として、淀川架橋や第二名神アクセスに関連する、いろいろな動向を適切にとらえ、大阪府と連携を図りながら、促進に努めているところでございます。
JR高槻駅北地区市街地再開発でございますが、市街地再開発事業を契機に、都心としての機能整備を図るため、都市計画道路の整備を促進し、北の玄関口としての、交通ターミナル機能を高めることが肝要であると認識をいたしております。具体的には、南北道路として重要でございます上田辺芥川線、高槻駅原線は、既に国の事業採択をいただき、一部用地買収に取り組んでいるところでございます。また、高槻駅前線や高槻北駅南芥川線の西口バスターミナル付近の事業につきましては、できるだけ早期に、事業認可や国の補助採択等を受け、再開発事業との整合を図りながら、これらの整備に向けて計画的に、鋭意取り組んでまいりたく存じます。
次に、JR高槻駅を南北に貫通する幹線道路の整備についてでございますが、これまでに、一般質問でもお答えいたしておりますように、駅舎やホーム、線路下並びに駅前広場下の構造物を避けなければならないという問題があります。駅舎等の工事では、相当の深さまでくいを打ち込まれたと聞いておりますので、その下に道路を設けるということになりますと、道路構造令の勾配を確保すると、現道との取りつけ位置、並びに側道の処理、ひいては既存の町を逆に東西に分断するのではないかという危惧、さらに多額に上る事業費等々の課題も想定されますことから、すぐに計画着手することは、困難ではなかろうかと存じております。
次に、阪急高槻市駅南地区の再開発事業でございますが、当地区における取り組みにつきましては、平成8年に城北地区市街地再開発準備組合を結成されて、さらに昨年11月には、事業協力者の選定をされ、現在、事業に対する合意形成に、鋭意取り組まれているところでございます。組合施行は、地権者と関係者の事業に取り組む強い結束力や合意形成が絶対的な条件となりますので、市といたしましては、こうした準備組合の活動に対して助成するとともに、地元の熟度に応じて、行政としての役割を果たしてまいる所存でございます。
また、富田芝生線についてでございますが、府道高槻茨木線から清蓮寺までの間、約420メートルの事業区間のうち、約51%の用地買収を終えており、昨年から筒井池付近において、整備工事に着手をいたしておるところでございます。ご質問にありますように、富田のまちづくりのためには、この道路の整備は大変重要でありますので、この着工を機に、地元権利者の皆さんのご理解が深まりますことを、期待しておるところでございます。さらに、清蓮寺以北JR摂津富田駅までにつきましては、大阪府とともに、阪急京都線富田駅周辺の高架化に向けての取り組みを進めておりますので、これとの整合性を図りつつ、地域住民や関係団体とも協議しながら、その整備手法について、検討を深めてまいりたく存じます。
次に、阪急富田駅周辺の街路事業についてでございますが、富田奈佐原線につきましては、事業主体の大阪府において、阪急京都線から国道171号までの間の事業認可を取得するため、阪急京都線の高架化を含めて、調査検討を行っておられますが、この間にあっても、可能な限り用地買収を進めていただいております。また、富田北駅宮田線の一部未整備区間につきましては、昭和48年ごろからの長い年月を経た交渉経過がございまして、難航いたしておりますが、国道以南が供用できましたことから、なお一層、府の協力を得て、できるだけ早期に、結論が得られますよう、努力してまいりたく存じております。
次に、五領・上牧地区のことについてでございますが、五領地区におきましては、組合施行による上牧駅北土地区画整理事業が進められております。この区画整理事業計画区域内には、市も現在、 自転車駐車場として平面利用しております用地、約1,500平方メートルを有しております。当該区画整理事業の進捗に伴う換地処分により、市が最終的に所有しようとする用地の位置、面積が確定いたしますが、この用地の利用に関しましては、現在の自転車駐車場としての利用を基本に、議員仰せの件も参考にしながら、今後、複合的な活用も検討してまいりたく存じております。また、都市施設の面では、都市計画道路上牧島本線の道路整備や駅前広場の新設、街区公園等の整備を行い、区域内に含まれる部分の上牧駅舎の改築も行われる予定でございます。
ご質問の西国街道等の整備につきましては、過去におきまして、地元3自治会より要望をちょうだいし、大阪府を初めとし、その取り組みを行ったところ、地元の総意がまとまらず、取り下げられた経緯がございますが、今後のまちづくりの課題と認識いたしておりますので、地元の意見もお聞きしながら、対応してまいりたく存じます。
次に、まちづくりの民間支援についてでございますが、私は、市民や事業者の民間エネルギーをまちづくりに積極的に導入し、官、民が、お互いに垣根を越えて、まちづくりを進めていくことが大切であろうかと考えております。また、このような都市ほど穏やかに、豊かに発展していくことを見聞いたしております。とりわけ本来、行政が行うべき都市整備を伴いますが、ご指摘の市街地再開発や土地区画整理事業にありましては、その成功は官、民ともに歓迎されるものでありますので、行政の役割を踏まえながら、できる限りの支援を行ってまいる所存でございます。
次に、公共下水道についてでございますが、平成12年度末、目標普及率を80%とする高槻市第5次
公共下水道整備5か年計画を策定いたし、
公共下水道整備に努め、平成10年度当初予算におきましては、普及率75.4%になるよう提案いたしたところでございます。国や府においても、財政状況の厳しい折ではありますが、より効率的な
公共下水道整備を目指し、この計画に支障のないよう、目標達成に向けて、さらに努力をしてまいる所存でございます。
次に、下水の処理水の活用についてでございますが、現在、高槻処理場では、処理水を砂ろ過し、場内修景工事の一環として整備した、せせらぎ水路へ放流し、市民の憩いの場に活用をしたり、夏場の渇水対策として、処理水を街路樹への散水に利用しております。議員仰せのように、貴重な資源である処理水の有効活用につきましては、水質も念頭におきながら、水路の維持用水を含め、市内全般にわたり、どのような利用が考えられるか、検討してまいりたく存じております。
次に、地域防災計画についてでございますが、高槻
市地域防災計画の修正につきましては、現在大阪府知事と災害対策基本法に基づいて協議中でございますが、さらに災害予防の観点から、災害に強いまちづくりを推進するため、避難施設や避難路の整備、密集市街地の再整備等の方針を定める都市防災マスタープラン・
防災都市づくり計画を策定してまいります。なお、旧村落での、ご指摘の課題につきましては、国、府の特定財源の確保を図りながら、順次解消に努めてまいります。
次に、市民プールについてでございますが、現市民プールの老朽化対策として、総合計画では、市民プールの新設移転を図ることとしており、その実現に向けて、用地選定等、努力を重ねてまいったところでございます。平成7年には、市議会にも市民プール整備促進特別委員会の設置をお願いいたし、市も、これまでに市営バス芝生車庫新設移転の候補地として、50メートルの公認の競技用プールを基本とする施設計画の概要、並びに整備に向けたスケジュールをお示ししたところでございます。今後、当該スケジュールに沿って、今年度には、基本構想の取りまとめを行うなど、早期実現に向けて、努力してまいりたく存じます。
次に、複合施設としての考え方でございますが、当該敷地は、市域南部の貴重な公共用地であり、地元からも各種公共施設の要望をちょうだいいたしております。さきの特別委員会の中でも、市民プールの整備を前提として、それと相入れないものではなく、むしろプールと利用面での相乗効果 を得られるもの、との基本的な方向性もご説明いたしたところであり、今後、特別委員会並びに所管の常任委員会でのご審査もいただきながら、具体的な計画に入っていきたい、と存ずる次第でございます。
次に、萩谷総合公園の今後の整備についてのお尋ねでございますが、平成7年9月に第1期工事の請負契約締結のご議決を賜り、3年間の継続事業として施工してまいりました萩谷総合公園も、いよいよ本年4月1日をもちまして、開設の運びとなってまいりました。この間、議会を初め関係諸機関には、ご理解とご支援を賜り、まことにありがたく、この場をおかりいたしまして、感謝の意を表するものでございます。
さて、お尋ねの件でございますが、先ほどの市民連合の代表質問にもお答えいたしましたように、平成10年度につきましては、野球場とテニスコートの実施設計に着手いたしますが、盛り土部の沈下、並びに本市の財政状況をも考慮し、基本計画に基づき、順次進めてまいりたいと考えております。また、宿泊のできる施設の整備につきましては、萩谷と摂津峡の両公園の自然を満喫し、より多くの方々にご利用していただくため、今後検討の必要があろうかと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。
次に、公園管理のあり方についてでありますが、本市におきます公園緑地等は、平成8年度末現在で557か所、約139ヘクタールにも上り、この数量は、今後も増加してまいる見込みでございます。これらの公園緑地等の維持管理につきましては、小規模な児童遊園等を除き、主として摂津峡公園と城跡公園に設置した2つの管理事務所で対応しておるところでございます。そのような中で、4月の萩谷総合公園の開園を機に、平成10年度から萩谷総合公園、摂津峡公園、芥川緑地、並びに城跡公園の維持管理業務を緑化森林公社へ委託することといたしたものでございます。今後、都市公園クラスの比較的大きな公園につきましては、順次委託化を進めてまいる考えでございます。
一方、児童遊園等の小規模なものにつきましては、地域とのつながりが密接であり、これまでの清掃、除草等の簡易な日常管理につきましては、地元自治会にボランティアとしてご協力をお願いしてまいりました。今後も定住化がますます進む中で、地域の公園として、地元の皆さんにかわいがっていただく意味からも、地元の協力を得て、管理をしてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、生活に身近な公園が、市民に気持ちよく利用され喜ばれるよう、効率的で機動的な維持管理手法の構築に向けまして、取り組んでまいる所存でございます。
次に、商工会議所会館の建設についてでありますが、昨年11月の商工会議所臨時議員総会におきまして、建設計画を決定されたとお聞きいたしておりますが、議員ご指摘のように、経済状況が大変厳しい中での今回の建てかえ計画につきましては、商工会議所の地域経済発展にかける意気込みが感じられるところでもあり、高槻市といたしましても、これに積極的に協力してまいらなければならないと考えております。現在、関係部局におきまして、商工会議所と調整を行っているところであり、その推移を見ながら、商工業者の活動拠点及び交流の場にふさわしい施設として、地域の経済発展を担う拠点施設の整備が重要であるとの認識のもとに、相応の支援を行ってまいりたいと考えております。
次に、同和対策事業についてでございますが、本市におきましては、今日までの同和対策事業の成果の上に立って、個人給付的事業を中心に、平成6年から見直しに着手してきたところでございます。今後におきましても、本市同和対策協議会の審議経過を十分に踏まえまして、今日的な状況に合った事業内容に向けて、引き続き見直しを行ってまいりたいと考えております。
次に、少子化に関してのお尋ねでございますが、プロジェクトにつきましては、国におきましても、厚生省のみならず文部省、建設省、労働省の4省で検討されました。本市におきましても、全庁的な取り組みが必要であろうと考えております。また、課題につきましては、プロジェクトにおいて 研究、整理するものであろうと存じます。
晩婚化の問題でございますが、女性の社会進出に伴い、経済力が向上し、生き方の多様化による結婚に対する価値観の変化などが原因ではないかと言われております。いずれにいたしましても、この問題につきましては、高槻市のみで対応することは非常に難しいと考えております。今後、国、府の動向をも十分に見きわめながら、対応してまいりたいと存じます。
次に、保育行政についてでございますが、今回の法改正により、保育所入所は、本年4月から保護者の選択を優先する利用契約方式になります。この選択の判断材料として、保育所の状況についての情報提供が義務づけられるところでもあります。この中には、保育所ごとの入所の状況、申し込みの状況等も含まれており、的確な情報提供を行うことにより、不安感を持たれたり、混乱が生じないようにしてまいりたいと考えております。また、多様化する保育ニーズへの対応といたしましては、昨年より保育時間を30分間延長いたし、午後7時までの保育を行うとともに、新設いたしました民間保育所におきまして、子育て支援センター事業、一時的保育事業にも、新たに取り組んでいるところでございます。今後とも多様化する保育ニーズを把握するとともに、今後の保育行政に生かせるよう、努めてまいりたく存じます。
次に、公的介護保険制度についてでございますが、この制度は、介護を社会全体で支え、利用者の希望を尊重した総合的なサービスが、安心して受けられる仕組みをつくろうとするもので、本市におきましても、平成12年4月施行に向けて、必要な準備と体制を整えて、制度の円滑なる運営を図ってまいりたいと存じます。また、公的介護保険制度とともに、家族や地域における介護も重要な役割があると存じますので、本市といたしましても、家族介護者教室の開催や、市社会福祉協議会が進めております小地域ネットワーク推進事業等も支援してまいりたいと存じます。一方、社会の高齢化が進む中にあって、高齢者みずからが生きがいづくりや、社会参加を積極的に行えるよう、従来からある市バス無料乗車証交付や老人クラブ活動への補助、シルバー人材センターによる就業機会の提供等を進めるとともに、新たにシャトルバスの運行や高齢者健康スイミング教室の開催等を積極的に推進して、高齢者が健康で生き生きとした生活が送れるよう、施策の展開をしてまいりたく存じます。
次に、心の教育についてでございますが、心の教育とは、子ども自身の心の成長を促すことであり、人間としてのあり方、生き方についての自覚を深める教育と考えているところでございます。今日的に発生しております子どもにかかわる諸課題は、豊かな社会に生まれ育った子どもたちの心が、必ずしも豊かに育成されていないことを象徴すると認識をいたし、その解決には、学校教育のあり方と家庭が果たすべき役割の見直しが、急務と考えているところでございます。教育委員会といたしましても、学校における道徳教育や生徒指導の充実、一人一人の個性を尊重し、互いの違いを認め会う人権教育のより一層の推進、さらには、これらの教育を推進していくための校長のリーダーシップ性がより発揮し得る、学校運営組織の充実等を図っていく中で、学校が子どもたちの全人格の発達の場であるという役割を、再認識することが肝要かと存じます。
また、あわせまして、乳児期からの大半を過ごす家庭におきましても、親の果たす役割、家庭の教育機能など、今後の家庭教育の果たす役割に大いに期待をいたし、学校と家庭、地域、3者が一体となって、心豊かな子どもを育てていくことが大切であると認識いたしております。そのためにも、今後とも学校が地域の情報、文化、伝達の拠点となり、21世紀を担う子どもたちの健全な育成を目指し、関係機関とも有機的な連携を、より一層進めてまいる所存でございます。
次に、公民館活動などを通じての件でございますが、子どもの豊かな人間としての育成のためには、多様な異年齢の仲間たちと、地域の大人たちとの人間関係が必要であると考えております。これまでも、こうした考えのもとで、子どもを取り 巻く生活環境に多くの問題を抱える現代社会で、子どもの自主的、創造的な活動を伸ばし、その健全な育成を図るため、事業を展開してきております。異年齢の青少年の触れ合いができ、社会のルールや人へのいたわり等が感じとれ、また学び合うような手話講座や工作教室等の青少年講座などでございます。今後におきましても、異年齢間の交流や親子で参加でき、また地域の方々の協力を得て開催できるような事業の企画に、努力してまいる所存でございます。
次に、高齢者と子どもの交流についてでございますが、超高齢社会を目前に控えた今日、人々が高齢期に生きがいを持ち、心豊かに過ごせるかどうかが大きな問題となってきております。高齢者の方々が、これまでの社会生活で得た豊かな知識や経験を、社会に生かせていただけるような場の設定が、大切であると考えております。公民館では、伝承遊びや囲碁教室等の青少年講座の中で、高齢者の方々を講師として招き、子どもたちと触れ合えるような事業も開催しております。また、市内の小、中学校において、ボランティア活動の一環として、高齢者の方々をお招きしての交流を深めているところでもございます。今後、その成果を踏まえ、高齢者の方々の経験などを生かせるような事業の取り組みに、努力してまいりたく存じます。
次に、余裕教室の問題でございますが、本市の進捗状況といたしましては、これまで学童保育室、災害備蓄倉庫並びに多目的ランチルーム等、余裕教室の転用については、積極的に進めてまいったところでございます。さらに、現在全庁的な職員で構成する余裕教室活用計画小委員会を設置いたし、検討を進めてまいっておりますが、小委員会としては、適正な学校教育の維持と施策の効果的な運用を勘案しつつ、検討結果のまとめを、本年の早期に作成予定でございます。なお、事業の実施につきましては、小委員会での検討結果を基本に、市民のご意見等もいただきながら、平成10年度内において、利活用の具体的計画を確立すべく、努力してまいりたいと存じております。
また、ご提案いただいております施設につきましては、文部省が進めている余裕教室として活用可能な対象施設としては、現在のところ難しいとは思われますが、関係部局とも協議し、可能性を追及してまいりたく存じます。また、具体的に検討すべき時期ではないかとのご提案につきましては、効率的な教育施設の有効利用について、今後ともあらゆる角度から研究、検討していく必要があると考えております。
次に、歴史、文化を生かしたまちづくりについてでございますが、本市は、青龍三年鏡が出土した安満宮山古墳や、真の継体天皇陵とされている史跡今城塚古墳など、かけがえのない貴重な歴史資産が数多く残された歴史ある町として、全国に広く知られております。これらの歴史遺産をまちづくりに生かすべく、新池ハニワ工場公園の開設や今城塚古墳の整備に向け、取り組んでいるところでございます。また、歴史・文化の貴重な文化財を、積極的に展覧することの必要性も十分認識いたしており、今後は、これらのネットワーク化に努めるとともに、歴史街道計画にも反映させつつ、幅広いご意見、ご示唆を賜りながら、歴史の息づくまちづくり構想の実現に、努めてまいりたく存じます。
以上で、自民クラブ代表 小野貞雄議員の代表質問に対する答弁を終わらせていだたきます。
○議長(須磨 章) 自民クラブ代表 小野貞雄君の代表質問は終わりました。
ここで3時まで休憩いたします。
〔午後 2時49分 休憩〕
〔午後 3時 0分 再開〕
○議長(須磨 章) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、日本共産党高槻市会議員団代表 安好一弘君。
〔安好一弘君登壇〕
○(安好一弘議員) 日本共産党の安好一弘でございます。
私は日本共産党高槻市会議員団を代表して、市長の'98年度施政方針並びに予算案に対して質問いたします。
質問の第1の柱は、市長の政治認識と政治姿勢についてです。
市長は、市政運営の基本方針で、国際的課題、日本の社会経済や景気動向、国民生活などを分析し、重要課題と心構えを説いています。安らぎと潤い、楽しさと生きがいが感じられるように、行革をさらに進めるとしています。
今、高槻市政が問われているのは、市民と地方自治体にとって、悪い国や府の政治から、少しでも被害を少なくし、市民の暮らしと地方自治を守ることではないでしょうか。また、市長自身、市民いじめの行革をやめることです。
自民党橋本内閣は、昨年の消費税増税、医療保険改悪などで9兆円負担の押しつけに続き、今年度も体力のある大銀行への30兆円の支援をする一方で、福祉や中小企業、農業関連などの予算を削減しようとしています。自治体に対する補助も、一般財源化という名の地方自治体への負担転嫁で、高槻市でも8項目約1億2,500万円の影響を受けます。国、地方合わせて100兆円近い税収の中で、ゼネコン中心の公共事業に約50兆円、社会保障に約20兆円という浪費型公共事業の偏重や、社会保障や暮らし、生活に密着した公共事業の軽視こそ改革すべきです。今、将来に対する不安から'90年代不況に、さらに拍車がかかっています。緊急に、消費税をもとの3%に戻し、食料品などの生活必需品の非課税化、人的控除を引き上げる所得税の恒久減税などで、国内総生産の6割を占める国民の消費購買力を豊かにし、景気の回復を図ることが必要です。市長は、国に直接、または市長会を通じ、それらのことを求めるべきです。その気があるのか、答弁を求めます。
また、大阪府は、今開かれている2月議会に、多くの府民の反対を押し切って、財政危機を理由に、65歳からの医療費助成制度の大幅削減計画を提案しています。府内44市町村中、我が高槻市議会を含め人口にして96%の39議会で、存続、堅持の意見書が採択され、市長会としての意見集約も行われないままです。財政危機というのであれば、改革すべきはほかにあります。実施主体は市町村です。もっとその意見を聞かなければならないはずです。提案を撤回すべき、ということを知事に求める必要があると考えますが、いかがでしょうか。お答えください。
さらに、今、市民が市長に期待していることは、'95年に市自身が実施した市民アンケートで、行政サービスの力点として、高齢者福祉、ごみのリサイクルや減量、道路整備、自然保護、環境対策という順位で、その実施を求めています。これらを進める上で大切なことは、憲法の精神を大切にし、地方自治法が定める住民の安全、健康、福祉の保持に全力を尽くすことです。ところが、市長のやってきたことは、敬老祝い金や障害者福祉金の廃止、三箇牧保育所の廃園などでした。そしてことしは、市バス敬老パスの所得制限の導入、民間委託の推進、うの花養護幼稚園廃園の計画推進などです。これらは、市民に直接我慢や犠牲を求めるものです。行財政改革というのであれば、市民の福祉や暮らしなどの充実を進めるため、本当のむだ遣いを改めることが必要です。
改革すべき第1は何か。むだな公共事業優先を改め、住宅、下水、生活道路など生活に密着した公共事業への転換と、同和事業を終わることです。今年度凍結するとしていた萩谷総合公園第2期工事の一部着工への実施設計、財政計画の議論などが不十分なままでJR高槻駅北地区再開発事業への10億円基金の積み立て、グレードの高い街路整備などを進めています。また、同和事業を終われば、5億円以上の財源と100人以上の職員を、福祉分野の充実に充てることが可能です。
改革の第2は、健全で柔軟な財政運用を進めることです。超低金利の中で、基金金利分の事業を総点検し、全額取り崩しも含め事業の見直しをすること。また、元利繰り上げ償還を行った自治体は、府内44市町村中15市町村あります。高金利時代の借金を低利のものに借りかえるなら、1%引き下げても約2億円の節減になります。住民本位の行財政運営への転換を求めますが、見解をお聞かせください。
質問の第2の柱は、福祉、医療、暮らしの充実についてです。
まず第1は、高齢者福祉についてです。介護保険法が成立し、2000年4月からスタートします。しかし、老人保健福祉計画の1996年度在宅3本柱の進捗率は、ホームヘルプサービス38.1%、デイサービス44.6%、ショートステイ31.7%であり、いずれも目標の2分の1にも到達しておりません。目標を達成したとしても、保険あって介護なしという状況になるのは必至であります。もともと高槻市の目標は低く設定されております。低い目標を引き上げないで、それを達成しても、介護保険制度でサービス低下にならない根拠は何か。答弁を求めます。
次に、市バス敬老パス問題です。所得制限を導入し、返せと自主返納を求めるとしています。しかし、長年社会に貢献してきた高齢者に、敬老と感謝の意を表し、いつまでも元気で社会活動ができるよう、支援するという精神で交付されてきたものです。経済的支援を目的に創設されたものではありません。だからこそ、所得に関係なく該当者全員に交付されてきたものです。所得制限が導入されることになれば、差別を持ち込むことにもなります。また、いつ私たちも返せと言われるだろうと不安も広がり、敬老パスの目的からすれば所得制限はなじみません。また、自動車事業への補助は、敬老パス交付とは別の性質のものであり、リンクさせるものではありません。所得制限の撤回を求めますが、お答えください。
さらに高齢者福祉施策で、家賃補助、緊急通報ペンダント、水道代補助、愛の訪問事業などは単身高齢者に限定しています。高齢者世帯への拡充を検討し実施すべきと考えますが、基本的な考えを示してください。
第2は障害者福祉についてです。
'97年度に第2次障害者長期行動計画が策定されましたが、障害者の社会参加と親亡き後の生活をどう保障していくかが大きな課題です。一昨年から導入されたスロープ付きバスは、昨年末より、予約制で市の職員が介助していたものを、事前の相談もなく一方的に介助をやめてしまいました。その結果、単独での乗車が事実上不可能となっています。これでは、絵にかいたもちではありませんか。早急に改善を求めます。お答えください。また、車いす・知的障害者ガイドヘルパー派遣について、今回、通院の利用については、利用時間制限の運用に一定の配慮をする、としていますが、利用時間制限は月16時間と、北摂7市では一番厳しいものになっています。利用者拡大と時間延長を、二者択一で対立させてはなりません。あまりにも冷たいのではありませんか。他市にない制限を加えることをどう認識しているのか、お答えをください。
次に、親亡き後の生活保障についてです。グループホームの取り組みが高槻市でも、現在3か所で始まっていますが、バックアップ施設や世話人が、昼夜を分かたぬ努力で、運営やケアを行っています。国、府の現行施策では、人件費として年額500万円があるのみで、開所にかかわる費用や家賃などの維持経費は、独自で捻出しなくてはなりません。箕面市では、長期計画にも盛り込まれていますが、市の計画では触れられていません。市独自の助成を行う検討もしないのですか。お答えをください。
第3は子どもや女性に関する問題です。
まず、保育問題です。
児童福祉法が50年ぶりに改悪されました。保育に対する公的責任を後退させ、保育料も数年後には均一料金化する改悪などというものです。しかし、保育の措置を保育の実施と変更したものの、市町村の責任は変わっていません。また、保育費用についても、従来どおり市町村と国の基本的な公的責任は変わっていないと考えますが、見解を求めます。また、高槻市では市内南部地域の定員割れと、北部地域の入所待機児の解消の手だてや、簡易保育施設の経営の安定策が求められており、自由に選択できる状況ではありません。だからこそ、認可、無認可の連携も必要になります。簡易保育施設への委託費を措置費扱いにし、定員の8割まで保障しなければ存続は難しくなっています。今現実に起こっている問題にどう対処するか、答 弁を求めます。
次に、女性相談についてです。悩みは、夫の暴力、子どもの非行や家庭内暴力、サラ金問題など多岐にわたるもので、相談は、駆け込み寺的な性格も多分に持つものです。困ったときに、いつでも相談に乗ってもらえる窓口が常設されていることは、問題の深刻化を防ぐことにもなります。ところが、現状は、面接相談は週1回、夜間の電話相談は週2回となっており、困ったときにいつでもとはなっていません。既に、枚方市などでは常設しています。常設できない障害は何か、明らかにしてください。
第4は保健事業の推進についてです。
まず、基本健康診査の国の受診目標は50%ですが、高槻市の受診目標は何と30%です。1997年度受診率は、ようやく20%を超えました。しかし、この数値は依然として府下44市町村中、低い方から二、三番目という状況です。市の目標をいつまでに達成しようと考えておられるのでしょうか。お答えください。また、市民の健康保持に中心的な役割を果たす、保健婦の確保については一歩前進し、新年度5人が採用されることになりました。しかし、昨年4月からの母子保健事業の市への移管も含め、必要な人員が確保されていません。計画では老人保健事業に20人、母子保健事業のうち乳幼児健診のみでも4人の保健婦が必要となっています。少なめに見積もっても、残る約10人を、いつまでに確保するのか、答えてください。
次に、乳幼児医療費助成制度の年齢拡大と、所得基準緩和の問題です。過去1年間に、北摂7市の中でも茨木市と摂津市が、対象年齢を3歳未満児まで拡大し、制度改善に努力をしており、今もって2歳未満児は高槻市だけです。約6,000万円あれば3歳未満児まで引き上げることができます。他市が制度拡充に努力していることを、どのように受けとめているのか、答えてください。また、所得基準でも府下32市中、所得基準なしは20市です。高槻市では、他市に例のない父母合算の厳しい基準のため、最初から半分しか受けることができません。せめて大阪府が補助する所得基準にすべきと考えます。緩和の考えはないのかお答えください。
第5に国民健康保険制度の問題です。
4年ぶりの国保料の据え置きが提案されています。しかし、所得に関係のない基本料が北摂7市で最高です。さらに、一般会計からの繰入金を約1,200万円削減する案ですが、昨年並みの補助金を繰り入れるならば、せめて1円でも値下げをということも可能です。また、国保加入者の健診や、人間ドックへの補助などを進めることで、加入者の暮らしを守り、健康増進施策を充実させる立場になぜ立たないのですか。また、滞納を理由にした短期保険証交付の中止を求めますが、それぞれについて答弁を求めます。
質問の第3の柱は、環境保全やまちづくり、農林業や商工業の振興についてです。
まず、世界一の猛毒、ダイオキシン対策についてです。
厚生省は既存焼却施設について、5年間は排気ガス1立方メートル当たり80ナノグラム以下の濃度に抑える、という基準を定めました。しかし、その数値は、ドイツの基準の800倍です。'96年の環境庁の大気調査では大阪が日本一、ダイオキシンに汚染されている結果が出ました。大阪では近くに発生源がなくても大気中の濃度が高く、土壌も河川もダイオキシンで汚染されていると言えます。大阪のお母さんの母乳中のダイオキシン濃度が、世界的に高いという専門家による調査結果も出ています。市は母乳中のダイオキシン検査の実施を府に要請し、市独自でも考えるべきです。測定箇所と回数をふやすとしていますが、大気、土壌、水質、食物などの調査が必要です。また野焼きや法の網にかからない焼却炉について、大阪府とともに行政指導することも大切です。同時に、府の指導基準以外の炉や業者への対策、さらに、ダイオキシンは、排出ガスだけでなく灰の処理対策も重要です。それぞれについての対策をお聞かせください。
次に、第二名神自動車道は、6車線計画であっ たものが、整備計画では八幡─高槻間は暫定2車線です。本来、環境影響評価も不十分で、住民合意のない道路建設は許されるものではありません。道路建設自体や、6車線の説明に、もともと根拠が不十分なのに、暫定2車線の計画で、さらに根拠を失っています。住民の声を無視して、無理につくる必要はないと考えます。国の道路審議会は、昨年6月の中間答申で、住民の環境情報や意見を計画に反映できるよう、計画の構想段階から公表するとしています。再度、道路建設について住民に是非を問い、環境影響評価をやり直すべきです。また、29年前に計画決定された都市計画道路は、一度も環境影響評価がされていません。市の環境影響評価要綱では、市長の判断で、一定年数を経過したものについては、もう一度評価をすることができるとしていますが、そのつもりはありませんか。道路審議会の中間答申について、どのように認識しているのかも含め、見解を求めます。
第3は、新幹線の騒音や振動の被害についてお聞きします。
JR東海は、騒音や振動が基準を守れてないにもかかわらず、ダイヤ改正で増便やスピードアップを行っています。さらに、3年前の震災以後、沿線住民の苦情、心配は以前にも増して深刻であり、増加しています。沿線の皆さんの声は、住宅の壁にひびが入った、夜勤者は十分な休養がとれない、赤ちゃんは落ちつかないなどとなっています。沿線自治会でもアンケート調査をもとに、JR東海や行政に対する要望項目をまとめるなど、超党派で取り組みをしておられます。この問題は、住民と行政と議会とが力を合わせ、住民のために解決すべきものだと考えます。市は、住民の立場でJR東海に改善するように働きかけるとともに、国に対し騒音・振動基準の引き上げなどを求めるべきと考えます。また、住宅内の騒音、振動を測定してほしいなどという住民の要望に、どう対応するつもりなのか、それぞれにお答えください。
第4は、まちづくりの問題です。
まず、再開発事業についてです。
JR高槻駅北地区再開発は組合認可がされるかどうかという時点になっています。しかし、いまだに財政計画や8,000平方メートルの公的施設の計画、必要な財政負担の全体像も示されていません。市全体の財政計画とともに、この事業と、それに関連する事業全体の年度別の財政計画や、施設計画を明らかにしながら、議論することが求められています。一体、いつ明らかにするのか答えてください。次に、組合認可が行われると、本組合設立や権利変換に移っていきます。そのときに、権利がどう公平にかつ客観的に判断されるかという問題とともに、借地・借家権者へは、十分な権利が保障されない問題が発生します。市として、どう対応されるのかも含め、答弁してください。
次に、市街化区域及び市街化調整区域の、線引き見直しについてお聞きします。
市は、'99年から2000年の線引き見直しに向けて、調査していくとしています。基本的なまちづくりの方向性が前提として問われていると考えます。昨年3月に決定された都市計画マスタープランにおいて、市街化調整区域を計画的に市街化区域に編入するとしています。そのための見直しなのか、自然や農業を守る立場での見直しなのか、基本的な考え方をお聞きします。
第5は、農林業政策についてです。
日本の穀物自給率は26%でFAO(国連食糧農業機関)加盟126か国中113番目です。これは、砂漠や北極圏の国並みという実態です。輸入しながらの減反は一刻も早くやめるべきです。日本が米の完全輸入化を受け入れるか、それとも拒否かを決めるWTO協定の再交渉が来年から行われます。市としても、政府に米の輸入拒否を求めるべきですが、どうお考えですか。答弁を求めます。また、高槻市の減反面積は38ヘクタールふえ、減反率は全体で42%に及びます。自分の家で食べる米が中心の高槻の農家では、減反をすれば米を買わなくてはなりません。こんな矛盾はありません。さらに、生産緑地は、都市緑地として位置づけていますが、営農を保障する支援策は皆無です。新たな追加指定を初め、日照や緑地、 進入路の確保のため、土地の交換あっせんなど農地保全策を実施すべきです。答弁を求めます。
次に、林業についてです。
半分が森林に覆われる高槻市は、それ自身が市民の宝であり魅力でもあります。その維持は、権利者だけの努力に任されるものではありません。しかし、市の林業振興の補助は、10年前には約1億500万円、一般会計全体に対する比率0.16%から、新年度予算では約7,100万円、比率も0.07%へと低下しています。経営と自然の保全という2つの視点が必要であり、今の補助で適切と判断する基準は何か、お答えください。
第6は、商工政策についてお聞きします。
政府が、今国会で成立をねらう大規模小売店舗立地法は、周辺の中小小売業者への影響を考えず、住民や商業関係者の意見も反映されないものです。高槻市では3年前の大型店比率は67%に及び、府内でも有数の高率になっています。大型店の出店ではなく、現在の商業活性化対策を強化することが必要です。活気ある市場、商店街の存在は、住みよいまちづくりとして欠かせません。そこで、既存の中小商店などへのチラシや、駐車場、駐輪場への補助などが必要と思います。市の考えをお聞きします。また、空き店舗対策として、全国では、コミュニティスペース等や、商店街、組合などが休憩所、イベント会場に利用する場合などに、支援策を講じています。市としても実施する考えはないのか、答弁を求めます。
質問の第4の柱は、住民の安全を守る施策についてです。
第1は防災についてです。阪神・淡路大震災から3年経過しましたが、いまだに生活の再建は果たされていません。市民に正確な情報を提供し、災害の未然防止に役立つハンドブックが必要です。ところが一昨年、市が配布したハンドブックは、全国共通のもので、高槻で地震のときにどうなるのか、水害が起こったときにどうすればいいのか、全くわからないのもでした。日本共産党は活断層の位置、震災によって液状化現象を起こす地域の明示や、簡易な家屋の自己診断方法など、一目見てわかるハンドブックにすることを要望してきました。今回のハンドブックは、そういうものが示されているのか、どういう視点で作成するのか、お答えください。
第2は消防についてです。先ごろ他市において、119番通報がつながらなかったという事件が発生しました。同時に何か所もの事故や災害が起きることや、1つの現場から同時に複数の通報が行われるケースも多くあります。それぞれの通報に、迅速に対応できる体制が必要です。本市の現状では、午前9時から午後9時までの間が5人体制です。この時間帯には、'96年には救急で、年間平均500件近い出動があります。1日の時間当たりにすれば1.3回になります。しかし、午後9時から翌朝6時までの間には、昼間と同じくらいの出動件数の時間帯もあるのに2人体制です。携帯電話からの通報も入るようになり、電話が8本にふえています。夜間の職員配置も昼間と同じ程度に強化すべきと考えますが、お答えください。
質問の第5の柱は、教育に関する問題です。
まず、子どもたちを取り巻く環境は今日、極めて深刻な事態に直面しています。昨年の神戸での児童殺傷事件を初め、今年に入っての教員刺殺事件など、衝撃的な事件が次々と発生しています。同時に学校の荒れは低年齢化しています。高槻市でも報告されているものだけで、不登校は、昨年半年間に中学校で99名、小学校で33名。校内暴力などは、中学校で54件で、延べ人数は83人です。いじめは中学校5校で6件に及んでいます。これは氷山の一角だと思います。市内のある学校では、突然子どもが窓から物を投げたり、机を倒したりということがあったと聞き及んでいます。これらの実態に、教師を初め保護者など関係者が、命を削る思いで、子どもの視線でどう教育を進めるのか、と新たな努力が行われています。しかし、それらの人たちの努力だけで済まされるものではなく、教育条件の整備は市の責任でもあります。
その立場から以下数点について質問します。
第1は、大阪府に一刻も早く35人以下学級実 施や、世界的な流れとなっている30人以下学級への移行を求めることです。また、単独加配の撤廃などをやめることです。アメリカは、20人学級を18人学級にする計画を発表しています。イギリスでも主に30人以下学級です。教育の荒廃を食いとめ、ゆとりを持って多様化している児童生徒への対応として不可欠です。それらのことを大阪府に求める考えがあるのか、答えてください。
第2は、教育施設の整備にどう努力するのかです。毎年消防署からの改善箇所の指摘を受けています。また、雨漏りや臭いトイレの改修は、応急修理もされないままのところもあります。さらに、主な整備の年次計画は、達成年度の目標すらありません。施設整備の年次計画を示してください。
第3は、学校図書館充実についてです。今年度、新たに2校に司書職員が配置されますが、全校配置への努力を行うとともに、学校図書数の整備年次計画を、早期に達成することが求められています。小学校では'96年度から8年間で、中学校では'95年度から7年間で、児童生徒1人当たり平均15冊にするとしています。そして、年度ごとの予算化を行っているとしています。しかし、'95年末の冊数から、図書購入費を1年間で小、中学校合わせて約1,000万円かけて、'96年末では小学校全体ではマイナス463冊です。その後、予算を約2,600万円にふやしているものの、その計算には数字上のマジックがあります。第1は、廃棄処分数を少なく見積もっていること。第2には、計画スタート時に、既に15冊以上の学校もあり、各学校の合計冊数で考えているということです。第3は、現実には1冊平均1,200円〜1,300円なのに、1,000円で計算していること。本当は1,500円ぐらいが必要だということです。予算化の計算方式を見直す必要があります。また、ほとんどの学校で、普通教室2つ分を学校図書館にしていますが、将来を展望すれば2つ分のスペースでは足りません。別に隣接するスペースが必要です。あわせて答弁を求めます。
次に、中央図書館の無断持ち出し防止装置の設置について、再検討を求めます。もちろん無断で持ち出しが許されないことは明らかです。しかし、府下で設置されているのは府立中央図書館、大阪市立中央図書館の2館だけです。設置の前にすべき努力があるのではないでしょうか。慎重な対応をするべきだと考えますが、見解を求めます。
質問の第6の柱は、同和事業と同和教育の終結についてです。
同和対策特別措置法制定以後、28年間にわたる同和事業に、842億円もの財政投入が行われ、同和地区と一般地区の格差は基本的に解消しています。今や同和事業、同和教育を続けることが、差別解消に役立つどころか、むしろ逆差別とも言える状況をつくり出し、問題解決をおくらせています。ところが、市は新年度も、昨年と同等の同和予算を組んでいます。同和地域だ、同和団体だ、同和地区の子どもだといって垣根をつくり、特別扱いする事業を終わる考えはないのか。答弁を求めます。
次に、市長は、第三次人権啓発計画を策定するとしています。これまで高槻市は、同和啓発を人権啓発にすりかえ、一人一人が差別意識を持っているという前提で、啓発事業を行っています。市民の内心にまで、行政が立ち入ることは許されるものではありません。高槻市みずからが、命の綱を切る国民健康保険の短期保険証の発行や、車いす障害者への市バス乗車に関するサービスの低下の問題など、人権をないがしろにしていることを、まず改めなければなりません。今なお同和問題、女性、障害者、在日外国人、子どもなどの人権にかかわる諸問題が存在していると、同和問題を真っ先に挙げています。同和問題は、女性差別や障害者差別とは解決の道筋も違い、同和行政の到達点などから見ても、永続的に取り組むべき課題ではありません。同和特権擁護法ともいうべき人権擁護施策推進法を前提にした人権啓発はやめるべきです。答弁を求めます。
質問の最後の柱は、住民参加、職員参加の民主的市政運営への改革の問題です。
第1は、新総合計画についてお聞きします。
2000年までの現在の総合計画は、バックグ ラウンドとして第4次全国総合開発計画や近畿の創生計画(すばるプラン)、大阪府の総合計画など、開発至上主義ともいうべき上位計画と連動して策定されたものです。今年度から新しい総合計画策定に着手することになりますが、現在の計画の評価が問われます。また、検討段階からどのように市民参加を貫くかも大切です。さらに、今の総合計画の9年間の集計と旧総合計画10年間を財政上の構成比で比較すると人件費、扶助費、公債費の小計はマイナス5.9ポイント。しかし、投資的経費はプラス2.4ポイント、物件費がプラス3.5ポイントとなっています。結局、ハードばかりでソフト面が軽視されてきました。現在の計画の、現時点での評価、市民参加の手法、ソフト優先への転換の考えについて、それぞれ答弁を求めます。
第2は、情報公開制度についてです。
発足して新年度で12年目を迎えます。しかし、いまだに市の態度と、請求者の願いや情報公開審査会の判断が違う事態が続き、その改善が求められています。あわせて、情報をどう市民に知らせるのかも重要な課題です。ところが、情報公開制度を実施している府下14市中、高槻市も含めた2市には、運営全体の改善や拡充について、意見を求める場所すらありません。新たに運営審査会設置や情報公開審査会の役割拡充の考えはないのか、答弁を求めます。
第3に附属機関に関する条例で定める都市計画審議会、国民健康保険運営協議会などの各種審議会や協議会の公開や、委員の公募枠を設けることを求めます。同一人物が幾つもの審議会、協議会委員を兼ねることも、避けるべきです。女性の市政への参加を進めるため、要綱策定に取り組むとしていますが、各種審議会などへの女性委員の比率を、一層高める必要があります。あわせてお聞かせください。
第4は、公共工事の入札、契約の公正性と透明性を確保する問題です。建設大臣の諮問機関である中央建設業審議会は、2月4日、予定価格の入札後の公表を求め、事前公表についても検討課題とするよう建議しました。国はこれを受けて4月以降、予定価格を入札後に公表する方針を固めています。これに先立ち、高知県では、設計金額の事前公表を試験的に実施、埼玉県でも入札後に予定価格を公表すると発表しています。高槻市として公表する考えはないのか、お答えください。
第5は、職員の人事施策についてです。
○議長(須磨 章) 発言中でございますが、まとめていただきますようお願いいたします。
○(安好一弘議員) 市長は、市民のための行政マンなどと言いながら、この間、効率的行政運営を大義名分に、勤務評定の導入、一時金への反映、職員定数の1割削減、職員管理の強化などが行われました。その結果、職員間に差をつけて、本当によい職場になるのか。
○議長(須磨 章) 質問をご遠慮いただきますようお願いいたします。制限時間がまいりましたのでよろしくお願いいたします。
○(安好一弘議員) 人事政策を根本的に改めるべきだと考えますが、明確な答弁を求めます。
以上、答弁をよろしくお願いいたします。(拍手)
○議長(須磨 章) 江村市長の答弁を求めます。
〔市長 江村利雄君登壇〕
○市長(江村利雄) 日本共産党高槻市会議員団代表 安好一弘議員の代表質問につきまして、ご答弁を申し上げます。
国、府施策に関してのお尋ねでございますが、国におかれては、国会での論議を踏まえ、さまざまな改革と施策に取り組んでおられるところでございます。また、府におかれましても、非常に厳しい財政状況の中、府民生活の維持、向上のために、一層の努力がなされております。このような行財政環境を見定めつつ、地方行政に責任を持つ地方自治体として、言うべきことは言う、という立場で対応してまいりたく存じます。また、大阪府医療費助成制度につきましては、現在、府議会において審議が続けられており、その動向を見守ってまいりたいと存じます。
次に、財政運営についてでございますが、施政 方針でも述べましたように、今日の国及び大阪府の厳しい財政状況を見据えながら、市民福祉の向上とともに、本市の新総合計画への備えと、今後の財政構造の健全性を維持することといたしております。このためには、引き続き行財政改革についても、積極的に取り組んでまいります。また、事業の選択に当たっては、将来計画等を念頭に置きつつ、よりソフト面を重視するといたしており、高齢化等の福祉施策に適切に対応するため、扶助費につきましては、10.3%の高い伸びとしたものでございます。
基金の問題につきましては、現在は低金利により、果実が少ない状況ではありますが、それぞれの基金の趣旨を踏まえて、中長期的視点に立って活用してまいります。また、起債の繰り上げ償還につきましては、本市におきましても、過去に一部実施してまいりましたが、今後とも関係機関との折衝を重ねて、可能な限り努力をしてまいる所存でございます。
次に、介護保険制度に関してでございますが、介護保険制度はご案内のとおり、平成12年4月から施行されますが、介護サービスの基盤整備につきましては、老人保健福祉計画の達成をベースにいたしております。本市の老人保健福祉計画の進捗状況につきましては、ハード面におきましては、11年度末にはほぼ目標達成の見込みとなっております。ソフト面につきましても、ホームヘルプサービス等、一定需要を満たしている部分もございますが、目標達成に向け推進してまいりたく存じます。
次に、計画目標の見直しについてでございますが、老人保健福祉計画は介護保険事業計画とあわせて、平成12年度を初年度として見直すことになっております。計画の見直しにおきましては、要介護者の実態調査、需要調査を十分に踏まえる中で、慎重に策定してまいりたく考えております。また、先ほど公明高槻市議会議員団でお答えいたしましたように、国、府に対して、基盤整備に係る財政措置を講ずるよう、要望してまいりますとともに、民間活力の導入を含め、供給不足が生じないように努力してまいります。
次に、高齢者の市バス無料乗車証の件でございますが、さきにお答えいたしましたように、本制度につきましては、生きがいや健康づくりの一助として、大きな役割を果たしているところでありますので、従前同様70歳以上の皆様すべてに、無料乗車証の交付を行ってまいります。しかしながら、一定額以上の所得を得ておられる方につきましては、社会状況の変化並びに市行財政改革の趣旨を十二分にご理解いただき、自主返納による協力をお願いするものでございます。
次に、家賃補助でございますが、社会の高齢化が進む中にあって、単身高齢者も年々増加してきており、本市におきましては、単身高齢者が住み慣れた地域で、健やかに暮らせるよう、家賃補助や愛の訪問運動等、さまざまな施策を展開しておるところでございます。これらの施策を高齢者世帯にも拡充を、とのことでございますが、今後の高齢社会を迎えるに当たっては、多様な市民ニーズにこたえていく必要があり、行政、家庭、地域、職場等、社会を構成するすべての主体が、それぞれの立場で役割を担い、相互に連携、連帯を保つことが重要であり、これを踏まえたとき、高齢者世帯への拡充は困難であると考えます。
次に、スロープ付低床バスについてでございますが、平成8年12月の運行開始時から、職員による車いす使用者の乗降介助を行ってきておりましたが、利用される回数も増加の傾向を来してまいりましたことに伴い、交通部としての人的制約も考慮しながら、より安定的な輸送と安全な運行を確保するために、関係団体及び利用者の方々とも協議をさせていただき、その結果、平成9年12月から約1か月間の移行期間を設けて、現在の乗務員による対応に変更いたしたものでございます。
車いす・知的障害者ガイドヘルパー派遣についてでございますが、本制度におきます利用率や利用者の実態等を踏まえまして、当面は利用者の拡大と、より一層利用しやすい条件整備に努めてまいろうとするものでございます。また、他市と比 較してのお尋ねでございますが、本市における利用実態、ニーズ、供給体制等を検討する中で、本市として実施しているものでございます。具体的には、利用者の80%以上の方が要望されており、他市の多くが実施していない土、日及び祝日や早朝、夜間の派遣拡大に、平成9年度から取り組んできたところでございます。
次に、グループホームについてでございますが、障害者長期行動計画の中で述べておりますように、国、府と連携しながら、市内におけるグループホームの整備につきましては、引き続き努力してまいります。グループホームの事業につきましては、ご承知のように、国、府において事業認定がなされているところでありまして、本市独自の助成についての考えはございませんが、国、府に対し、継続して要望してまいりたく存じます。
次に、児童福祉法の改正に伴う件でございますが、児童福祉法の改正により、保育に欠ける児童については、保護者からの申し込みがあったときには、それらの児童を保育しなければならないと、措置から保育の実施へと変更されたところでございます。法案採択に当たり、衆参両院におかれましては、保育費用に対する公的責任を後退させないと決議がされております。措置費が運営費に変わりますが、その負担割合に変更はなく、公的責任については、変わらないものと考えております。
次に、保育施設についてでございますが、簡易保育施設が、特に年度途中の待機児解消に寄与していることは十分承知しております。簡易保育施設に入所している保護者負担の軽減等を図ることを目的として、保育委託料、維持管理委託料など各種の助成を行っているところでございます。既に大阪府において打ち切られている、幼児に対する保育委託料についても、本市単独で継続しており、一定単価アップも図ってきているところでございます。
次に、女性相談についてでございますか、本市では、一般相談と法律相談を実施しており、日常生活で直面するさまざまな問題について、女性の自立を目指した視点からの助言という立場で行っております。相談内容は、複雑多岐にわたっておりますが、現在の相談員の体制で対応できるものと考えております。一般相談は週1回、法律相談は月2回のほか、緊急の場合といたしまして、夜間も週2回実施しております。さらに、女性センターや女性政策課において一定の対応を図っております。また、必要に応じて他の相談機関のご紹介もしておるところでございます。したがいまして、現在の相談の取り組み状況や形態からいたしまして、市民ニーズに対応いたしておりますので、女性相談の常設は考えておりません。
基本健康診査についてでございますが、受診率につきましては、ここ数年2ポイントづつ上昇を見ているところでございます。そして、新たに40歳等を迎えられる方々を対象に、受診勧奨を行い、今後とも創意工夫し、受診率の向上に努めてまいりたく存じます。
次に、保健婦確保についてでございますが、保健事業の遂行に当たりましては、現体制で身近な市民サービスの提供に努めるところでございます。平成9年度から移管されました母子保健事業におきましても、大阪府の人的支援体制を受ける中、平成10年度には新規保健婦職員を配置し、在野のマンパワー等を最大限に活用しながら、今後とも支障のないよう対応してまいる所存でございます。
次に、乳幼児医療についてでございますが、通院の対象年齢拡大につきましては、多額の財源を必要とするため、本市の諸般の事情から極めて困難であり、これまでも国、府に対しまして、制度の拡充、創設を強く要望しておるところでございます。また、ご指摘の所得基準につきましては、男女共生、公平の観点から現行制度を維持してまいりたいと考えております。
次に、国民健康保険についてでございますが、老人医療費増額影響分の繰入金の増額などにより、保険料を据え置くとしてご提案申し上げているところでございます。なお、一般会計繰入金につきましては、今後も一定のルールに基づき、繰り入れを行ってまいりたいと考えているものでござい ます。
次に、健康増進施策の充実についてでございますが、厳しい財政状況の中で、高齢者の健康維持、増進を図る観点から、新たに高齢者健康スイミング教室を国保特別会計の予算で実施するなど、市全体として種々の施策を展開しているところでございます。また、短期保険証の発行につきましては、保険料負担の公平を図る観点などから継続するものでございます。
次に、ダイオキシン対策でございますが、まず、ダイオキシン類の調査といたしましては、平成10年度は大気、水質の環境調査に加えまして、前島クリーンセンターの排ガス、排水、飛灰、焼却灰、土壌の調査を実施する予定でございます。次に、食物や母乳中のダイオキシン検査についてのお尋ねでございますが、環境状況の把握が第一であり、その結果や、厚生省、大阪府等の調査結果を踏まえて、これの必要性を検討してまいりたく考えております。
一方、野焼き行為や小型焼却炉につきましては、大阪府と連携を深め、啓発指導を行ってまいりたいと考えております。また、前島クリーンセンターの灰の処理につきましては、今回予定しております燃焼設備の改善や、排ガスの高度処理等により削減を図り、国や府の指導を受けながら、処理方法の検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、道路環境についてでございますが、第二名神につきましては、高槻市環境影響評価指導要綱による所定の手続を完了し、続いて都市計画法による手続を経て、平成7年7月に、知事による都市計画決定の告示がなされたものでありまして、手続をやり直せとのご意見とは、見解を異にいたしておるところでございます。また、既決定の都市計画道路については、環境影響評価要綱の規定の適用外にあり、都市計画段階として、当該要綱を適用することの必要性を認めるものではございません。
新幹線騒音、振動についてでございますが、ご指摘のように阪神・淡路大震災以後、苦情が増加しておりますが、調査結果によりますと、震災前後ともほぼ同様の騒音、振動の状況でございます。また、環境基準や勧告指針値と比較いたしますと、基準を達成できない地域が残っていることから、環境基準等の早期達成を、JR東海に働きかけておるところでございます。次に、環境基準等の見直しについての提案でございますが、基準を確保することが第一義であるとの観点から、毎年、大阪府市長会より国に対し、新幹線対策を強く要望しておるところでございます。また、住宅内の騒音、振動の測定などの沿線自治会からのご要望については、JR東海に対しまして、適切な対応を要請しているものでございます。
また、JR高槻駅北地区市街地再開発事業についてでございますが、まず、年度別財政計画等につきましては、これまで特別委員会等におきまして、ご答弁申し上げておりますように、現時点でお示しすることは、今後の権利変換作業等に支障を来すおそれがあると判断いたしておりまして、今後、権利変換計画の熟度が高まる適切な時期に、お示ししたいと考えております。この事業は、都市再開発法の定めに基づき、実施されるものでございまして、法の趣旨も、各権利者の権利を公平かつ客観的に判断するように求められており、組合としても、各種権利者の方々の意向が十分反映されるよう組合運営をしたい、とされております。したがいまして、今後、市としても、法の趣旨を踏まえ、適切な指導を行ってまいるものでございます。
次に、線引きの見直しでございますが、市街化調整区域の土地利用は、原則として市街化を抑制することにいたしておりますが、幹線道路の沿道の地域等、無秩序な開発を防止し、計画的な市街地整備が望まれる区域や、面的な基盤整備が見込まれるところにつきましては、線引き変更を検討する必要があると考えております。
次に、農業振興についてのご質問でございますが、第1点目の、米を輸入しながらの減反はやめるべきであり、WTO協定の再交渉に際しては、政府に対し、米の輸入拒否を求めるべきであるとのことでございますが、これらは外交的配慮も含 めた国の食糧政策と認識をいたしており、この枠の中で、対応せざるを得ないものであると考えております。2点目の、生産緑地指定農地の営農上の支援策についてでありますが、コミュニティ農園や朝市、ふれあい農園等に対しまして、これまでも支援をいたしております。これからも営農支援や農地の保全に努めてまいりたいと考えております。
次に、林業振興でございますが、都市近郊林の保全につきましては、森林の持つ公益的な役割を重視し、保全の主体となる森林組合に対し、種々の助成を進めてきたところでございます。しかしながら、近年の森林所有者の森林保全に対する意識の変革もあり、施業面積が減少傾向にあることも事実でございます。このような中、森林の持つ公益的な機能を重視し、今後とも保全に努めてまいりたいと考えております。
次に、商業振興でございますが、まず、商業活性化対策としての駐車・駐輪場等、消費者利便に対応する施設の設置につきましては、既に助成を行っているところであり、チラシ作成等、販売促進部分及び施設運営につきましては、それぞれの商業活動の中で、自助努力をお願いしているところでございます。また、空き店舗の利用につきましても、商業団体からの相談に応じているところであり、現在ある助成制度を活用しながら、対応してまいりたいと考えております。
次に、防災マップの作成に関してでございますが、基本的には、地震災害を中心とした内容で、地震が起こる仕組み、活断層の位置などとともに、避難所や広域避難地、備蓄資機材の保管場所、さらに災害に対する心構え等、発生時における市民がとるべき初動態勢について、示す内容としたものでございます。
次に、消防司令室の人員配置についてでございますが、119番通報の受信に支障があってはならないことは言うまでもございません。本市の消防司令室の勤務体制は、深夜帯においても、常に指令要員2名と他部署からの補助員1名の3名が従事いたしております。なお、通信ふくそう時には、適宜休憩職員が当たり、遺憾なきを期しておるところでございますので、司令室の体制につきましては、現人員におきまして、特に問題はないと考えております。
次に、35人学級の点でございますが、従前より、その早期実現につきましては、大阪府に対し要望いたしております。また、単独加配についても、その存続及び充実につきまして、引き続き大阪府に対して、要望してまいる所存でございます。
次に、学校施設の改修でございますが、従前より校舎、グラウンド、プール等の諸設備の改善、改修には積極的に取り組んでいるところでございます。ご質問の消防署からの指摘についてでございますが、その内容は法的な不備ではなく、部品等の更新への指摘であり、これにつきましても、迅速に改修、対応いたしておるところでございます。また、雨漏り及びトイレの改修につきましても、毎年計画的に数校ずつ、校舎改修にあわせて改善に努めておるところであり、今後とも教育環境の改善整備につきましては、鋭意努力してまいりたいと考えます。
次に、学校図書館の専門職員の配置についてでございますが、昨年度に引き続き、司書職員の職務の確立、学校教育推進における学校図書館の果たす役割などを調査研究するため、新たに調査研究協力校の2校増、並びに司書職員を2名増員いたします。今後はこれらの研究活動の成果を勘案し、検討してまいりたく存じます。次に、蔵書の充実についてでございますが、1人15冊を目標に、年次計画に基づき予算化をしております。予算配当につきましては、全体として蔵書数の少ない学校に厚くするため、傾斜配分を行うなど、配慮しながら努力しておるところでございます。なお、ここ二、三年学校図書館の果たす役割を再認識する中で、蔵書のあり方も検討し、新刊書等との入れかえが行われております。いずれにいたしましても、今後も引き続き、目標達成に努めてまいりたく存じます。
次に、図書館の図書無断持ち出し防止装置に関するご質問でございますが、この装置は、中央図 書館の3階部分に限定し、設置してまいるものでございます。この対象部分は、参考室として行政資料、郷土資料等の貴重な資料で構成されており、現在でも、原則として館内閲覧に限定して、ご利用いただいておる現状でございます。これまでの資料紛失防止を目的とした図書館員や警備員の巡回も効果が上がらない中で、本装置を設置しようとするもので、利用者に特段のご不便をおかけすることはないと考えております。これによりまして、貴重な資料の紛失を防ぎ、利用者サービスの安定化を図ってまいりたく存じます。残る2階部分の児童書、一般書コーナーは、従前どおりのシステムでご利用いただきます。これらのことにつきましては、図書館協議会にご報告し、一定のご理解を賜ったところでございます。
次に、同和事業に関する点でございますが、今後の同和行政につきましては、同和地区の実態や市民の人権意識の状況などを踏まえ、今日までの同和対策事業の成果と課題を明らかにした上で、進めていく必要があるとの考えから、昨年2月に、本市同和対策協議会を開催いたし、現在総合的な観点から、検討いただいているところでございます。今後におきましては、同和対策協議会の答申をいただいた上で、一日も早い同和問題の解決に向け、取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
また、人権啓発についてでございますが、本市におきましては、従来、人権啓発計画に基づいて、各種の人権啓発事業を実施いたしておりますが、常々、基本的人権の問題は、狭く限定的なものととらえられるのではなく、広く多面的な内容であるべきと考えており、今後とも人権が、市民の日常的な生活の中で考え、行動していただけるためのものとなるよう、心がけてまいりたいと存じます。
次に、新総合計画策定についてでございますが、本市はご案内のとおり、人口急増期での行政需要と、その後の変化に対応しながら、平成2年に現総合計画を策定いたし、定住化傾向の中で、総合計画に基づく3か年ローリングの実施計画等により、他市と比較しておくれていた下水道、都市公園整備などの都市生活基盤整備や文化芸術などの生涯学習活動等の公共施設の整備等、財政状況も勘案しながら、府内北摂レベルでも、一定の行政水準の維持向上に努めてまいったところでございます。また、市民参加の手法でございますが、今後の取り組みの過程で、幅広く市民の参画やご意見を十分に反映できるよう、創意工夫に努めてまいりたいと存じます。さらに、計画内容につきましては、社会経済環境のソフト化の方向の中で、広く市民各界各層のご意見を踏まえ、時代の潮流や市民の多様化と価値観の変化等を十分に配慮しつつ、的確に対応してまいる所存でございます。
次に、情報公開制度の運用についてでございますが、過去11年間の実施機関の決定に対する不服申し立ては46件で、そのうち取り下げがあったものなどを除く33件について、情報公開審査会から答申をいただいております。これらの中で、運用面での改善について、ご意見をいただいておりますので、本市におきましても、実質的には情報公開審査会と運用面でも協議し、進めているものと考えております。また、平成9年度では公開請求955件に対し、不服申し立てが1件と、制度の趣旨が十分生かされている内容であると考えております。
次に、審議会の公開等についてでございますが、審議会の内容によりましては、公開により個人情報が保護できないとか、自由濶達な意見が交換できないという面も現実にございます。これらの否定的な面と、公開する利益との整合性を図るには、審議会において、主体的にご判断いただくのが、基本であると考えております。また、委員の公募等についてでございますが、市民の中には、さまざまな専門知識、経験をお持ちの方が、多くおられることと存じております。今後、地方分権が推進し、具体化する中で、審議会等の設置趣旨等を踏まえ、引き続き、調査、研究を進めてまいりたく存じております。
次に、各種審議会への女性委員の参加についてでございますが、たかつき女性プランにおいて、 審議会等における女性委員の構成比率を30%に引き上げるとしており、この目標に向け、努力しているところでございます。平成9年度には、庁内推進体制の一層の整備を図るため、男女共同参画推進本部を設置いたしました。具体の取り組みといたしましては、一定の課題整備をする中で、ヒアリング等を実施するとともに、積極的な登用についての工夫も求めているところでございます。いずれにいたしましても、市の施策に女性の視点が反映されることは極めて大切であり、今後とも、女性委員の積極的登用に努めてまいります。さらに、平成10年度は、ご質問にありますように、女性委員登用促進のための要綱策定もいたしてまいりたく存じております。
次に、工事予定価格の公表についてでございますが、先に出されました中央建設審議会の建議の中で、入札後の予定価格の公表が求められていることは承知いたしておりますが、従来、予定価格について、入札後といえども、公表することによって、将来の同種の工事の予定価格を類推させ、入札参加者の見積もり努力を損なうこと、あるいは談合を誘発するおそれがあるなどの理由に基づきまして、公開しなかったという方針でまいったところでございます。しかし、最近の情報公開の流れや、公共事業の透明性を高めることが求められております中で、さきの建議も踏まえまして、今後、国等の動向も見据えながら、適切な対応をしてまいりたいと考えております。
次に、人事施策についてでございますが、途中で切れましたので、答弁は控えさせていただきますが、現制度の見直しは考えておりません。
○議長(須磨 章) 日本共産党高槻市会議員団代表 安好一弘君の代表質問は終わりました。
以上で、各会派の代表質問は終わりました。
これにて、平成10年度施政方針に対する代表質問を終結いたします。
この際お諮りいたします。
本日の会議は以上にとどめ、明3月11日午前10時から本会議を開会いたしたいと思います。これに異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(須磨 章) 異議なしと認めます。
よって、本日の会議はこれにて散会いたします。
〔午後 4時 7分 散会〕
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地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。
議 長 須 磨 章
署名議員 山 本 五 一
署名議員 根 来 勝 利
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