高槻市議会 1993-03-30
平成 5年第2回定例会(第6日 3月30日)
平成 5年第2回定例会(第6日 3月30日) 平成5年第2回
高槻市議会定例会会議録
平成5年3月30日(火曜日)
日程第1
会議録署名議員の指名について
日程第2 一般質問について
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本日の会議に付した事件
日程第1及び日程第2
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出席議員(40名)
1番 角 芳 春 君 2番 市 田 忠 夫 君
3番 藤 田 頼 夫 君 4番 稲 垣 芳 広 君
5番 筒 井 俊 雄 君 6番 福 井 浩 二 君
7番 松 雪 芳 信 君 8番 堀 田 和 喜 君
9番 宮 下 彰 君 10番 生 田 靖 彦 君
11番 二 木 洋 子 君 12番 森 清 君
13番 三反田 次 男 君 14番 小 野 貞 雄 君
15番 池 下 節 夫 君 16番 川 口 雅 夫 君
17番 源 久 忠 仁 君 18番 石 橋 守 君
19番 久 保 杏 慈 君 20番 尾 崎 勉 君
21番 根 来 勝 利 君 22番 岡 本 嗣 郎 君
23番 大 川 肇 君 24番 丸 野 達 志 君
25番 須 磨 章 君 26番 高須賀 嘉 章 君
27番 新 家 末 吉 君 28番 渡 辺 峯 子 君
29番 竹 本 寿 雄 君 30番 円 実 義 雄 君
31番 川 上 忠 男 君 32番 段 野 啓 三 君
33番 山 本 五 一 君 34番 久 保 隆 夫 君
35番 伊 川 二 郎 君 36番 山 口 義 一 君
37番 村 田 君 江 君 38番 藤 川 和 夫 君
39番 鳥 本 高 男 君 40番 竹 沢 玲 子 君
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説明のため出席した者の職氏名
市 長 江 村 利 雄 君 助 役 奥 本 務 君
助 役 宮 川 幸 三 君 収入役 奥 田 晴 基 君
教育委員会委員長 東 富美雄 君 教育長 薮 重 彦 君
自動車運送事業管理者 片 倉 保 蔵 君
水道事業管理者 鶴 谷 岳 弘 君
市長公室長 溝 口 重 雄 君 総務部長 高 田 達 夫 君
財務部長 小 林 宏 君
同和対策部長 湯 浅 貢 君
市民文化部長 中 村 圭 作 君 民生部長 橋 長 勉 君
保健医療監 山 本 香 憲 君
環境衛生部長 前 田 忠 次 君
産業経済部長 山 本 宏 道 君 建設部長 近 藤 富 彦 君
都市整備部長 谷 知 昭 典 君 下水道部長 平 直 記 君
管理部長 安 満 二千六 君
学校教育部長 広 瀬 伝之助 君
社会教育部長 内 本 隆 譲 君 消防長 奥 田 稔 君
土地開発公社専務理事 長 束 治 夫 君
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議会事務局出席職員氏名
事務局長 栗 田 正 信 事務局次長兼庶務課長 若 井 亨
調査係長 三 牧 勉 議事課長 大 平 庸 次
議事課長補佐 小 島 善 則 議事係長 潮 平 義 行
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会議録署名議員
24番 丸 野 達 志 君 25番 須 磨 章 君
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〔午前10時 1分 開議〕
○議長(伊川二郎) ただいまから平成5年第2回
高槻市議会定例会の本日の会議を開きます。
ただいまの出席議員数は39名であります。大川 肇君から遅参届を受理いたしております。
よって、会議は成立いたします。
日程第1、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において丸野達志君及び須磨 章君を指名いたします。
日程第2、一般質問を行います。
本日は、前会に引き続き、一般質問の通告により順次発言を許します。
段野啓三君。
〔段野啓三君登壇〕
○(段野啓三議員) それでは、私の方から
土地開発公社について、何点かお尋ねをいたします。
私も議員になる前に、開発公社の方にお世話になっておりましたので、開発公社のことについてお尋ねするのは心苦しい点もなきにしもあらずでありますけれども、これからの町づくりを考える場合に、開発公社の果たす役割というのは、大変大きなウエートを占めてまいるわけであります。
本市においても、今後いろんな施策を進めていく中で、用地の先行取得は、最も重要な課題の1つでもあるわけであります。計画的かつ効率的な社会資本の整備を進めるために不可欠な、中長期的な観点に立った計画的、効率的な用地の確保を進めるために、必要不可欠なものであるわけであります。これからの21世紀に向けて人々の価値観が高度化、多様化してきており、快適で潤いのある都市において、心豊かで文化性に富む質の高い生活を営むことが望まれておるわけであります。また、近年特に、定住化志向が顕著になってきておりますし、快適で個性的な町づくりを進めていくためにも、市長がつくられました新総合計画の策定に向けて、我々も積極的に取り組みをしていかなければならないことは申すまでもございません。こうした事業を進めていく上においても土地取得は不可欠であります。
先般、ことしの
地価公示価格が発表されましたが、一定の下落は示したものの、まだまだ高価な土地であり、近年特に土地の取得については大変複雑化、多様化してきております。こうした中で、公社の職員の方々は、用地の取得難にもかかわらず、原課から出てまいります事業の進捗に支障のなきよう、公拡法の精神にのっとりまして、日夜大変努力をなさっておられますことについて、心から敬意と感謝を申し上げる次第であります。私も公社におりましたので、その点につきましては十二分に理解をいたしておるところでございます。
これからの町づくりを進める中で、用地買収ができれば、その事業の90%までが完成を見たと言っても過言でないわけであります。そういう意味では、ますますこれからの公社の存在を問 われると同時に、大きな役割を担っているわけであります。公拡法の改正の中でも、
土地開発公社の組織の活性化、業務運営の適正確保の観点から複数の
地方公共団体による共同設立の推進、利益処分のルールの明確化、監督・規制の整備等、各種団体における
土地開発公社のさらなる積極的な活用が提言をされているわけであります。
それでは、質問の1番目といたしまして、公社の定款の第25条 財務諸表に、公社は毎事業年度、前事業年度の決算完結後、速やかに財産目録なり貸借対照表、損益計算書及び事業計画書を作成し、監事の監査を経て、高槻市長に提出するとありますが、この監事とは、収入役を指すものであります。収入役がこの監査を、事業報告等のチェックをされるわけでありますけれども、どこまでの範囲のチェックをされておられるのか。例えば街路で言いますと、それらの用地の中身についても、本当にこれが正当に買収をされているのか否かというふうなところまでのチェックをされているのかどうか。その中身について、まず1点は、お伺いをいたしたいと思います。
2点目でございますけれども、街路事業、補助金の関係で何年にもわたって買収をしなきゃならない場合が多々あるわけでありますけれども、その場合の単価設定につきましては、どういう形で設定をなさっておられるのか。年次ごとに設定をされておられるというふうにお聞きをするわけでありますけれども、この辺のところ、再度確認をいたしておきたいと思います。
あわせて、一番肝心なのは、単価設定の方法でありますけれども、このことについてお聞かせをいただきたいわけであります。本来は、
公共用地取得に伴う
損失補償基準要綱に基づく近傍類地とか、あるいは市場価格、鑑定評価等、あるいは地価価格の形成上の諸要因を総合的に判断して単価を設定されるというふうに私は理解をするわけでありますけれども、そのような理解でよいのかどうか。実態、ことしの公社のいろんな事業計画を見てみましても、数たくさんの街路事業、あるいは先行取得等が盛り込まれておりますけれども、これらについてもどのような単価の設定の仕方をされているのかをお尋ねをいたしたいと思います。
3番目でございますけれども、今日的に土地価格の下落が著しく、公示価格が発表されましたが、全国平均で1992年には、5.6%に引き続き8.7%の下落をいたしております。とりわけ大阪では、1992年は24.5%、1993年は16%と下落をし、高槻においても、住宅地で前年に比べて8.9%、商業地では何と22.5%の下落を示しているわけでありますけれども、こうした土地の状況の大きな変化の中で、年度途中の単価の見直しというのが必要に迫られるだろうというふうに思うわけでありますけれども、公社の方では、年度途中のこうした土地の状況の大きな変動の中で単価の見直しをされているのかどうか。また、されているとしたら、何年度からこういう形で見直しをされておるのかをお聞きをいたしたいと思います。
次に、4番目の質問でございます。これは3番目と相関連をするわけでありますけれども、公 共用地の取得に伴う
損失補償基準要綱第3条には、補償額の算定の時期ということで、土地等の取得または土地の使用に係る補償額は契約締結のときの価格によって算定をするものとする。その後の価格の変動によって差金については追加払いをしないものとするということでうたわれておるわけであります。これは今日的に大きな土地の変動──ここ数年来、大変土地が下落をいたしておるわけでありますけれども、この文章の私の解釈では、契約を締結されるときに、その近い時期に単価設定をし買収をするというふうに理解をするわけでありますけれども、このような解釈でいいのか。このことについては、私はこのような読み取り方をするわけでありますけれども、この点についてもお尋ねを申し上げておきたいと思います。
5番目でございますけれども、高槻駅柱本線、皆さん方もご承知のとおり今年度で工事も完了するということで、大変すばらしい道路が完成を目の当たりにいたしております。これはもちろん言うまでもなくJRにつながる道路、あるいは今回、阪急北側線が買収をされて、それとの接続線という大変大きな意義を持つ道路であります。この道路については、神社の移転を含めて数多くのいろんな問題が山積をいたしておりましたけれども、開発公社の大変なる努力によりまして工事の完成をもう間近に見るということで、公社の方々のご苦労もひとしおだったなあというふうに思うわけであります。
この柱本線について、何点か具体的にお尋ねを申し上げますので、開発公社の方で大変答えにくい部分があるというふうにお聞きをいたしておりますけれども、これまた大事な部分でもございますので、私の具体的な事例に対してはっきりとご回答をいただきたいと、かように思います。
まず、平成3年、4年度の柱本線の買収の件数、そしてその契約年月日、金額をお示しをいただきたいわけであります。それと、同じ時期に契約締結をしたと聞き及んでおります高槻市
総合センター建設事業についても、同じくお示しをいただきたいわけであります。
できましたら、2問目、3問目の質問をできるだけ短縮をする意味で、実は私、このようなすばらしい図面を書いてまいりました。これ、市長も篤と見ておいていただきたいんですけれども。
この中で、まず、阪急から北側をAとしましょうか。で、市役所のちょうど東側をBというような形にさせていただいて、それから総合庁舎、これは上野ビルでございますけれども、これをCと例えまして、単価の大変大きなばらつきがあるわけであります。ばらつきでは済まされん問題であります。
ちなみに私の調べるところによりますと、平成4年2月に同じ柱本線で、市役所の東側のところが平米単価210万、坪単価に直しますと694万2,138円であります。これは、この並びは相等しい金額であります。がしかし、同じ柱本線で、阪急からこの北側の部分につきましては平成3年10月、言いかえれば4か月前にこれを取得をなさっておられるわけでありますけれど も、何と1,157万230円という金額であります。それと、上野ビルでありますけれども、これはちょうど柱本線の市役所の東側と同じ時期、平成4年4月に826万5,516円で購入をされておられるわけであります。これは金額的に余りにも大きな格差がつき過ぎであります。
ちなみに、BとAとの差は462万8,902円という、坪単価でこのような大きな差がついておるわけであります。そして、真向かいの
総合センターにおきましても132万3,000円という大きな差があるわけであります。
このことにつきましては、どう考えても理解できないし、納得もしがたいわけであります。開発公社の方で、なぜこのような金額を算定をされたのか。土地取得のこうした基準要綱にのっとってということで、本来はそのような形で買収をされるのが公社の単価設定のあり方でありますけれども、どうそれを置きかえても、この金額の差にはなり得ないわけであります。この辺のところ、開発公社のみならず、市長部局の大きな責任でもあろうかと私は思うわけでありますので、私の理解のする、私だけでなしに皆さん方が納得のするご答弁をちょうだいをいたしたいと思います。
なお、最後につけ加えておきますけれども、これらは個人のプライバシーとか、あるいは財産権であるので、そのことについては差し控えたいということのないようにお願いを申し上げまして、私の1問目の質問にかえさせていただきます。
〔
土地開発公社専務理事 長束治夫君登壇〕
○
土地開発公社専務理事(長束治夫) 段野議員の一般質問、高槻市
土地開発公社についての質問に対しまして、お答えを申し上げます。
土地開発公社につきましては、議員のお説のとおり、時代とともに公社の存在を問われると同時に、大きな役割となっているのは事実でございます。また、公社の独自性、特殊性を強調し、資金の融資措置等、各種の助成措置を講ずることができるようにすること、あるいはその他の各種の恩典を与えることができるようにすることによって公益性、責任性、信用力を明確にし、さらには、本来の目的である公有地の拡大の計画的な推進、これを円滑にならしめるための特別法人として定められましたことは、議員のご案内のとおりでございます。
そこで、第1問でございますけれども、財務諸表についてどう考えておるかということでございます。議員お説のとおり、公拡法第18条第3項及び公社定款第25条の規定によりまして、前事業年度の決算終了後2か月以内に財産目録、貸借対照表、損益計算書及び事業報告書を作成し、監事の監査を経て、その意見を付して高槻市長に提出いたすことになっております。
それの担当としてどういうふうに考えておるかということでございますが、担当部門のお尋ねに対しましては、これは公社の事務局が行っているところでございます。それから、どのように チェックをしているかということでございます。監事さんは、監事としてのチェックをなさっておられるわけでございまして、財務諸表の作成につきましては、
公社事務局において事業名、数量、金額等を中心として、数回にわたってチェックをしているところでございますのでよろしくお願いを申し上げます。
それから2番目の、補助金の関係等の単価設定についてどうしているかということでございます。議員も既に経験上ご承知のとおり、原則的には、毎
事業年度ごとに買収計画を立てまして、各年度ごとに単価設定を行って買収交渉に入っておるところでございます。また、単価設定の方法といたしましては、
損失補償基準要綱の趣旨に基づきまして、標準地比準評価法を採用して決定いたしておるところでございます。なお、価格決定等に当たりましては、会計検査院の検査を前提として、上部官庁からも常に指導を受けているところでございますので、よろしくお願いを申し上げます。
次に、3番目にご質問がございました、年度途中での買収単価の見直しをどういうふうに行っておるかということでございます。
私どもといたしましては、原則としては、例えば、ごね得などと言われないように年度途中での見直しはいたしておりません。しかしながら、昨今の地価状況のように乱高下、いわゆる上がったり下がったりという非常に大きな変動がございました。このような場合では、時価での買収対応という観点から、また、用地交渉は説得業務という観点から一定の年度途中での見直しが必要となってまいります。したがいまして、ご質問の、いつごろからかということでございますけれども、本市の場合は、平成2年の半ばごろから慎重に対応しながら、具体的には平成3年度において交渉が不成立であったものに対しては、随時、提示単価の見直しをさせていただいたところでございます。
それから、4番目の質問でございます。公共用地の取得に伴う
損失補償基準要綱の第3条の解釈についてでございますけれども、これは議員がご指摘になりましたとおりでございまして、お見込みのとおりでございます。契約締結のときの時価、いわゆる価格によって算定するものでございます。
それから、非常に詳細にわたりご質問をいただきまして恐縮に存じますけれども、
都市計画道路高槻駅柱本線の、平成3年度及び平成4年度の買収の完了した件数等について示せということでございます。一応、議員の方で最後に締めくくられたわけでございますけれども、議員のお説のとおり、これは非常に──場所、金額等につきましては個人の秘密に及びますので資料の持ち出しをいたしておりませんので、概要で説明したいと思います。
平成3年度におきましては、紺屋町で1件買収をいたしまして──平成3年10月でございま す。それから同じく平成3年度に、城北町一丁目で3件買収をいたしておりまして、いずれも平成4年3月に契約をいたしました。同じ時期に3件処理をしておるというところでございます。それから4年度におきましては、城西町の国道部分でございますけれども2件を、平成5年1月に契約をいたしております。
そこで……(段野啓三君「簡単にやってな。時間がない」と呼ぶ)契約の単価につきましては、鑑定評価を参考にしながら適正に判断をされた。その結果、出た金額というふうに考えますので、よろしくお願いいたします。
○(段野啓三議員) これ、専務理事ね、今、僕の1問目の質問に全然答えておられないんですよ。
最後から申し上げますと、阪急北側線から北側で1件買収をされた。これは平成3年10月ですね。それと、城北町で平成4年3月に3件を買収されているということと、それから総合庁舎の買収の事例──僕は詳しく事例を、僕の調べるところで値段まで提示をして申し上げておりますので、その値段の格差については余りにも大き過ぎる。これは鑑定の評価で、鑑定に基づいてやっておりますということだけでは、だれがこれ納得をします。だれが、これが理解をできます。これは大変大きな金額の開きでありますから、もう少し具体的に、皆さんが納得のできるような説明をしていただかなければ、鑑定だけで、そういう形で評価をいたしておりますからということで、私は到底、理解のできるものではありません。
そして、2番目の財務諸表の問題ですけれども、監事というのは収入役さんでしょう。収入役さんが、その年度、あるいはその前年度の事業報告書を作成して、それらのチェックをしながら最終的には高槻市長に提出をするということでありますけれども、その
チェック機関の中で、民法の第59条に基づいてとあるわけです。
これ収入役、民法の第59条の解釈を私の方に説明をしてください。どういう形でこれがチェックをされて、どの中身をどういうふうに具体的に確認をしながら、最終的に市長にこれを報告なさっておられるんですか。
今、
長束専務理事、そんなね、鑑定評価だけでもってこういう形で買収をしました。こんなことで皆さん方が、聞いておられる方が、そうでございますかということで理解のできる金額ですか、これは。もう少しその辺のところ、補償基準にのっとって、補償要綱に基づくということを申し上げておりますし、今、
長束専務理事も、こうした下落のときには、平成2年から状況を見ながら平成3年度には単価の見直しを迫られておりますし、やっておりますということをお答えになったわけでしょう。
同じ柱本線で、なぜ460万の差があるわけですか。城北町の真向かい側の
総合センターで、なぜ130万の差があるわけですか。それならば鑑定のとり方、鑑定の
資料そのものが、疑義が あると言わざるを得ないわけです。そうでしょうがな。この辺のところもう少し、理解ができるようなご答弁をちょうだいをいたしたい。収入役を含めて、その辺のところの答弁をお願い申し上げます。
○
土地開発公社専務理事(長束治夫) お答えをいたします。
総合センターの建設用地が柱本線と同時期に行われたのではないかというご質問でございます。そのとおりでございまして、
総合センター建設用地につきましては、平成3年度に2件の契約をさせていただきまして、場所は桃園町地内でございまして、契約時期は平成3年10月と平成4年3月でございます。
それからまた、2番目の単価設定に関連してでございますけれども、価格設定の時期とか方法につきましては、もちろんご指摘のとおり、原則や基準を遵守しながら厳格な対応を行っておるところでございます。また具体的には、用地交渉の流れの中で、当該地の権利等の特別事情を加味しながら、詳細について判断を行っておるところでございます。
そこで、私どもの職務といたしましては、交渉はなるほどプロでございますけれども、用地のこれが幾らになるかということについての鑑定の価格につきましては、これはやはりその部門の専門家がおりますので、その専門家にお任せをしておるということで、鑑定士と相談しながら、詳細にわたって決定をいたしておるところでございます。
それから、監事の職務につきましては、公拡法第23条及び公社定款第7条第5項の規定によりまして、民法第59条に規定する職務を行うわけでございますので……(段野啓三君「議長、それは収入役に答えてもらってください」と呼ぶ)監事の監査のための資料等の用意は
公社事務局が行っておりますので、お答えをさせていただいたというところでございます。よろしくお願いいたします。
○議長(伊川二郎) 暫時休憩いたします。
〔午前10時29分 休憩〕
〔午前11時51分 再開〕
○議長(伊川二郎) 休憩前に引き続き会議を開きます。
○助役(奥本 務) 長時間休憩をいただき、まことに申しわけございません。それぞれ担当より答弁いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
○収入役(奥田晴基) 収入役にお尋ねのことにつきましては、別法人の業務に係ることでございますので、ここで直接発言することは適当でないというふうに考えます。また、当該法人の監事は2人制でございまして、私1人での見解を出すことはできないというふうに考えております。したがいまして、公社監事としての答弁はできないところでございますが、専務理事の答弁を補 足する形で発言させていただくということで、本件につきましては、平成4年度の決算監査時に適正に対応してまいりますので、よろしくお願いいたします。
○
土地開発公社専務理事(長束治夫) お答えを申し上げます。
事業用地の単価設定に当たりましては、基本的には公社といたしましては、買収地の特定や基礎調査を行いまして、鑑定士に依頼していくわけでございますが、その際、具体的に実務を進めていく場合に、補償基準要綱や、それに伴う細則等がございまして、また特に補助金事業等につきましては、国や府の会計検査も念頭に入れた厳格な指導があるわけでございます。
さて、ただいまご指摘いただきましたところの1つには、高槻駅柱本線の価格設定でございますが、議員ご承知のとおり長い道路ということで、いわゆる線的な買収になりますので、鑑定依頼の件につきましては、鑑定士の意見を聞いて一定の区間を区切りまして、標準地比準評価法によって価格評価をいたします。その際、用途的地域として、商業地域なり住宅地域なりの地域区分がありまして、その地域的要因によって単価の相違が出てまいります。
いま1点の、
総合センターの価格につきましては、面的買収ということで、直接的に全体の鑑定をとっております。
以上2点が、鑑定上の考え方の相違点でございます。
いずれにいたしましても、専門的資格を持った鑑定士に、土地の形状等の個別事情を加味した中で鑑定をいただいているところでございますので、今後十分適正に対応してまいるものでございます。この点、よろしくお願い申し上げます。
以上、説明を終わります。
○(段野啓三議員) 私の方からも、大変長時間いただきましたことを、議員の方々に深くおわびを申し上げておきます。
今、収入役の方からも、開発公社の定款で監事ということでございますし、この場で答えるのは合議制でもございますので、ふさわしくないということでありますけれども、いずれにいたしましても、監事の役目として、民法第59条の第3号に、財産の状況または業務の執行につき不整の廉あることを発見したときにはこれを総会または主務官庁に報告をするとあるわけであります。これはとりもなおさず、監査をされる上において、事業計画等の中身をどこまでチェックをされるかということでありますけれども、今後この辺のところにつきましては、今お話がありましたように、十分チェック体制を整えて取り組んでいくということでございますので、その辺のところはよろしくお願いを申し上げておきたいと思います。
そして、単価の設定のあり方でありますけれども、柱本線だけでなしに、これから高槻市の新総合計画に基づきますところの、いろんな施策を数多く取り組んでいかなきゃならない。まして や近年、用地の取得につきましては、いろんな複雑な要因がございますので、大変難しい状況にあるわけであります。開発公社の職員の方々につきましても、公有地拡大推進法の目的の精神にのっとって、日夜大変努力はなさっておられるわけでありますけれども、特に、各権利者に納得のいくと言いましょうか、理解のいく形の中で話を進めていかなければ、より困難な状況の中にも、この用地の取得ということについては、大変難しい状況になるんではないかなというふうに思うわけであります。
専務理事の方から、鑑定そのものを、あるいは近傍類地、市場価格、土地価格の形成の諸要因を総合的に勘案した中で、単価については設定をしていくという説明がありました。あえて最後にお願いを申し上げておきたいのは、鑑定なり市場価格なり、あるいは近傍類地を比較されるわけでありますけれども、ただ鑑定につきましてもマンネリになると言うか、鑑定そのものも、できればあらゆる鑑定の方に──年次で交代するのがいいのか、あるいはどういう形でやるのがいいのかということについては、公社でさらなるご検討をお願いするといたしまして、少なからずとも、第三者にその提示をされ、完結をされた単価については、どこへ持っていっても、どういう形で公表しても、こういう形で正しい一定評価をいただいておるということの鑑定でなければならないし、あるいは単価設定でなければならないというふうにも思います。
これからの開発公社の果たす役割というのは、大変大きなウエートを占めておりますし、21世紀に向けての、さらなる高槻の発展のためには、公社のさらなる懸命なるご努力をお願いしていかなければならないわけでございますので、あえて私はそういう意味で、柱本線を例に挙げて、私には感ずるところの値段の格差についてお尋ねを申し上げたわけであります。
答弁については、それ以上の答弁は大変難しいだろうなということで理解をいたしますので、その辺につきましては、これで質問は打ち切らせていただくわけでありますけれども、今後、私が述べたような趣旨を十分踏まえながら、開発公社のより健全な運営、組織のあり方を含めて、理事者側の方にも──当然、法人そのものは
地方公共団体が設立をされたわけでありますから、監督指導をしていただき、我々もそのことについては、公社のこれからの行く末というものを、そういう意味では、協力をしながらやっていかなきゃならんなというふうには思っておるわけでありますので、最後に理事者側に、総括として何かご意見がございましたら承りまして、3問目の質問でございますので、これで終えさせていただきます。
○助役(奥本 務) 常々厳格にして円滑な業務遂行をいたすよう指示いたしておりますが、今後もそのように指導いたしてまいりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○議長(伊川二郎) 段野啓三君の一般質問は終わりました。
ここで昼食のため午後1時まで休憩いたします。
〔午後 0時 0分 休憩〕
〔午後 1時 1分 再開〕
○議長(伊川二郎) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、川口雅夫君。
〔川口雅夫君登壇〕
○(川口雅夫議員) 安全で安価なおいしい水の確保についてお尋ねいたします。
水は私たちの生命と生活の基盤であります。そのため、水はあらゆる学問のテーマとなり、日常生活の中でも無限の話題を提供しています。ある地方で、水道水に関するアンケート調査を行っております。それによると、92%の人々が水道水に何らかの不安を持っていると答え、また東京では半数の人々が、大阪では70%の人々が不安だと答えております。
本市においては、平成2年に水道事業の市民意識調査を実施し、8割強の人々が水道水で嫌なにおいや味を感じております。したがって、水道水の安全性について、不安と不満を持っている人々が多いことがわかります。高価な家庭用の浄水器や各地の名水入りボトルの販売が注目されるのは、豊かさの中で生活に忍び寄る水道水に対する警鐘でもあり、人々は自己防衛を始めているあらわれでもあります。本市の水道事業は、平成3年度では4,530万トンが市民に供給されています。そのうち府営水は3,140万トン、自己水は1,370万トン、簡易水道は11万トンであり、府営水と自己水の割合は7対3となっております。
また、本市の給水区域は、五領、大冠、清水、萩谷、奈佐原、芥川、簡易水道に分かれており、その中で五領区域は自己水が100%、大冠区域では府営水と自己水がブレンドされております。清水、萩谷、奈佐原、芥川は府営水の直系となっています。樫田地区は簡易水道となっております。
府営水については、淀川の水を浄化しているためにカビのにおいの発生や原水に含まれる有機物質と殺菌用の塩素が反応して、発がん性物質と言われるトリハロメタンが生成されて、健康に不安を与えております。一方、自己水について五領区域では汚染の心配はありませんが、大冠区域では地下水の汚染から、自己水に対する不安があります。
そこで、水道水は安心して生活する上での基盤ですから、空気と同様に、安全な水が使えなければなりません。それを提供するのが行政の使命でもあります。府営水と自己水についての安全性についてご見解をお聞かせください。
次に、水道水の安全を確保するためには、浄水場から各家庭へ配水される中で配水管やマンション、府営住宅等の給水タンクの点検が大事であります。特に老朽化した石綿管は人体への影響が考えられますが、これらの点検と整備についてお答えください。
山奥の谷川の水はそのまま飲んでもおいしいものです。夏の暑い日に飲む水やスポーツで汗を流した後に飲む水はおいしく感じます。水をおいしくする要件は、ミネラル分やカルシウムなどの硬度と炭酸ガスの量等が影響を与えると言われております。水道水においしさを求めることは無理があるのでしょうか。府営水と自己水について、おいしさの比較と今後の改善策などがあればお答えください。
大冠浄水場では、14本の取水井戸がありますが、半数は汚染をされています。地下水の汚染物質トリクロロエチレン、1.2 ─ジクロロエタン、シス─1.2 ─ジクロロエチレンは、発がん性物質のために、平成2年よりこれら有機塩素化合物の除去を行うエアレーション設備を完成させています。本市の高度浄水処理技術は厚生省の国庫補助対象の第1号に認定され、汚染物質除去率は98%を達成しております。エアレーション設備は技術的にも評価が高いようでありますが、他市の浄水処理にも貢献していると聞いております。特許の取得なども検討されたのか、他市での活動状況など、わかればお聞かせください。
また、地下水の汚染はよく知られていますが、市民の水道水に対する不安感が強く、水道水の安全性についての今後の広報活動についてお答えください。
次に、大冠浄水場における地下水の汚染物質除去量は年間で約1トン程度あると聞いております。相当な量でありますが、これら発生源の有機塩素化合物を使用しているところは、ハイテク産業や精密工場、そしてクリーニング店などがあると聞いております。これらの発生源対策はどうなっているのか、お答えください。
また、地下水汚染の浄化対策は、平成元年度より地下水汚染機構解明調査を実施してきました。昨年は土壌ガス浄化システムにより約60キログラムのトリクロロエチレンの改善対策が実施されました。本市には3地域に汚染分布のあることがわかっています。地下水の汚染を改善するには、この浄化対策の推進が急務であります。今後の地下水汚染の浄化計画をお答えください。
また、水道水源となる淀川へ注ぐ、芥川、桧尾川、女瀬川への工場排水や生活排水対策、そして農薬の使用等の規制はどのようにしておられるのか、お答えください。
一方、府営水に対しては、先ほど述べましたとおり、トリハロメタンの生成があります。トリハロメタンの低減策と府営水の高度処理など今後の見通しをお聞かせください。
次に、新しい水質基準についてお尋ねいたします。
本年12月には、大幅に強化された厚生省の新しい水質基準が施行されます。今の水道に対する不安は、従来の水質基準が甘かったことも考えられます。従来の26項目から85項目の新しい水質基準が設定されたと聞きますが、安全でおいしい水を確保するために、水質基準はどのような内容で改正されたのか、検査体制と水質の確保はできるのか、お答えください。
次に、水道事業の財政見通しについてお尋ねいたします。
平成3年度では1億3,200万の赤字を計上しており、4年度も相当な赤字が予想されています。今後、琵琶湖の整備費用や府営水の高度処理費用の増加などがあり、水道事業に対する経営は厳しいものがあります。水道に豊富な、安全な、安価な水道水を提供するという3原則があります。平成3年度の赤字要因は、今後に予定される退職者のために、退職引当金1億6,000万円を積み立てたためでもあります。公営企業として受益者に負担を求める以上、健全財政であることが大事であります。
これまで浄水場の集中管理等の省力化の実施により、安定した経営を行ってきました。今後ともに水道事業の行政改革などを実施して、さらに体質の改善を図る必要があります。経営改善のために給水原価低減対策と行政改革の目標などがあればお答えください。
〔
水道事業管理者 鶴谷岳弘君登壇〕
○
水道事業管理者(鶴谷岳弘) 川口議員のご質問の水道に関する部分についてお答え申し上げます。
安全で安くておいしくて、さらに豊富な水となれば、全国の自治体の水道事業を担当している者にとっては、永遠のテーマであり、最大の願望であります。常にこのことを念頭に置きながら事業に取り組んでおりますが、安全と安価とは相反する命題であり、これを同時に達成するには、国レベルでの水道水の水源の水質を守ることが必要であると考えております。
水質基準の改正については、淀川や利根川から取水している水道水に、春から秋にかけて異臭味が発生し、全国で1,900万人の被害人口があることや、ゴルフ場で使用する農薬等の問題が発生し、水道に対する信頼が薄れていること、またWHO等でも多くの物質について飲料水の基準を検討する動き等を背景とし、生活環境審議会の答申をもとに厚生省は、水道水の一層の安全性、国民の信頼性の確保を図る観点から、微量の化学物質を中心に、昨年の12月に水質基準を大幅に改正されました。
改正の要点は、水道水の安全、信頼性の確保から現行の水質基準26項目を46項目にし、そのうち29項目を健康に関連する項目とし、また、水道水の基礎的、機能的条件を確保するため17項目が水道の有すべき性状に関する項目となりました。さらに、水道環境部長は、水質基準を補完するものとして、おいしい水などより質の高い水道水を供給するため、水道事業者の目標値として13項目を快適水質項目に、また農薬等の微量化学物質から水道水源を守るための指針値として26項目を監視項目とすることを通知しました。したがって、水道水質に関する基準としては延べ85項目となりました。なお、施行日は、検査体制等の準備期間を考慮し、本年の12月1日から実施することになっています。本市の水道水の水質は、今回改正された水質基準 46項目はほぼ満足しております。今後とも水道水質の安全性、信頼性の確保、快適な水道水を目指すために自己検査を基本にしながら、大阪府と市町村で協議しております水質共同検査センター等に参加して、水質管理の充実を図りたいと考えております。
府営水と自己水の安全性については、水道水の安全性を確保するための基準として、原水を含む市内39地点で、厚生省令の26項目の水質基準と厚生省通知に基づくトリハロメタンなどの定期検査を毎月と、年1回全項目検査を実施しておりますが、水質基準等で定められている項目はすべて基準内であるため、府営水、自己水とも安全性は確保されております。
おいしい水については、厚生省は、おいしい水の要件を昭和60年に発表しました。その中身は、水をおいしくする要素として、蒸発残留物、硬度、遊離炭酸の3つで、逆に水の味を損なう要素は、過マンガン酸カリウム消費量、臭気度、残留塩素、水温となっております。水の味を損なうのは、水道水源の汚染がひどいほど除去に使用する薬品の量が多くなりますので、水の味は悪くなります。本市の自己水──地下水は、おいしい水の条件をほぼ満足しておりますが、府営水道の水は、水の味を損なう主な要素としては、臭気度が当てはまります。高度処理施設が完成すれば、これが解消され、府営水もおいしい水の条件を満足すると考えております。
トリハロメタン低減対策と府営水道の高度処理の見通しについては、府営水道の水源は淀川水系に依存しておりますが、以前と比較すれば、BODはかなり改善されましたが、下水処理で困難なアンモニア性窒素は増加しています。また、琵琶湖では富栄養化が進み、毎年春から秋にかけて水道水がカビ臭くなります。さらに、塩素の使用によるトリハロメタンが生成するという問題もございます。こうした状況のもとで、府営水道は現在の浄水処理方法での対応が困難なため、生物処理やオゾン処理、粒状活性炭を用いた高度処理施設の建設を進めております。完成は平成9年ごろとなっております。この施設が完成いたしますと、トリハロメタンは現状の3分の1以下に、またカビ臭は完全に除去できます。
エアレーション設備の特許の取得と他市での活用状況でございますが、昭和56年に大冠浄水場の取水井が微量有機塩素化合物であるトリクロロエチレンに汚染されていることが判明して以来、いち早くトリクロロエチレンを除去する設備を開発すべく、調査研究、実験に取り組み、全国に先駆けエアレーション設備を開発し、設置いたしました。トリクロロエチレンの除去率は98%以上の効果を上げ、その後、平成元年度では国庫補助を受けて、改良型エアレーションを完成させ、トリクロロエチレンの除去率は99%以上の効果を上げております。
特許については当時検討いたしましたが、曝気処理方法が浄水処理の中で遊離炭酸の除去施設としてあったのと、特許そのものが技術的原理を基本としているため取得が困難であると判断し、特許の取得はいたしておりません。我々のエアレーション設備の開発は、厚生省、環境庁を初め、 地下水汚染を抱える水道事業体から注目を受け、北は北海道、南は沖縄までの事業体から見学に見え、またNHKスペシャルにも取り上げられるなど、地下水汚染に取り組んでいる水道事業体へ大きく貢献をいたしました。平成3年度では、全国で43事業体が使用しております。
マンション、府営住宅等の給水タンク、いわゆる受水槽の点検につきましては、法的には水道事業者の責務ではございませんが、市民サービスの一環として他市に先駆け、昭和58年10月より、受水槽以下の設備の施工並びに管理指導基準を設け、受水槽設置者と管理運営についての覚書を結び、職員2名のパトロールをもとに指導点検をしております。
石綿管の人体への影響と対策について、水道水中のアスベストの水質基準については諸外国を含めてございません。昭和62年9月から10月に、東京都水道局と都立衛生研究所で実態調査をした結果、水質の安全性については全く問題なしとの見解が示されております。石綿管の布設がえの状況でありますが、管の強度面から破損事故等も考慮し、老朽管対策として、他の管種への布設がえを精力的に行ってまいっております。本年度で残延長が約7,400メートルとなる予定でございます。今後も積極的に取りかえを進め、平成6年度末には、下水道整備計画区域を除きすべて布設がえの予定でございます。なお、下水道整備計画区域につきましては、下水道工事とあわせて布設がえの予定でございます。
今後の広報活動については、市民に安心して使っていただけるよう水道水の安全性についての広報活動は大変重要な取り組みでございます。水道部におきます広報活動につきましては、従来より水道独自で発行しております水道広報紙、PRビデオの制作、水道モニター制度の設置、街頭での移動相談や、水道PR施設──ウォータープラザで広報活動に努めております。
また、情報化社会と言われる現代にあっては、市民に親しまれ、信頼される水道づくりを進めていくためには、より一層きめの細かい広報活動に取り組んでいくことが大切ではないかと考えております。今後は、市民1人1人の声が水道事業に反映されるよう、創意工夫し、より一層積極的な広報活動に努めてまいりたいと考えております。
今後の経営改善については、ご指摘のように、本市水道事業におきましても、本年4月に実施されます府営水道の料金値上げや消費税の負担、人件費の増大といった諸種の要因から、水道経費にとって大変厳しい状況に直面しているところでございます。平成3年度は約1億3,000万円の単年度赤字を計上いたしましたが、前回、57年、58年の2段階で料金改定以降、効率的事業運営を図るため、集中監視システムの導入による施設の省力化、業務の電算化、また遊休資産の処分等の企業努力に努めてまいったところでございます。
また、健全財政を圧迫する要因の1つでございます退職金問題につきましては、将来予想される多額の退職金の拠出に対応するため、長期的な見通しのもとに、平成3年度に退職給与引当金 制度を創設したものでございます。今後は、健全財政を確立するため、従来よりの企業努力に増して、業務の電算化の推進、また適切な遊休資産の処分等、効果的な事業運営に取り組んでまいりたいと考えております。このため、水道部におきましては、現在、公営企業審議会を設置し、水道事業の経営のあり方についてご審議をいただいておるところでございますが、近々いただける答申を尊重し、健全経営に向けた水道事業の長期的な計画策定に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
〔
環境衛生部長 前田忠次君登壇〕
○
環境衛生部長(前田忠次) 川口議員の3点目、地下水汚染対策についてお答えをいたします。
本市では、昭和58年にトリクロロエチレン等の有機塩素化合物による地下水汚染の調査に着手いたしまして、公共用水域や地下水の調査に着手いたしました。工場等の発生源における使用実態調査を行ってきたところでございます。その結果、地下水の汚染の存在が推定される地域が市内に4か所、汚染井戸が15井戸、指導対象工場が3工場判明いたしました。発生源対策といたしましては、トリクロロエチレン等の溶剤の転換や、原料の適正使用、排水処理装置の導入などを指導いたしました。その結果、発生源対策を完了いたしまして、引き続き監視を行っておるところでございます。
一方、昭和60年から公共用水域の地下水の水質監視も継続して実施しております。そのような中で、62年度に環境庁などの指導のもとに、水道水源が存在する緊急性が高い中央部におきまして、地下水汚染機構解明調査を継続的に行いまして、平成3年度からは、A地域で土壌ガス浄化システムによる土壌対策に着手いたしました。平成3年度の土壌浄化対策の結果といたしましては、現在推定量の90%に相当する60キログラムのトリクロロエチレンなどが効率よく地下から除去され、このことについては平成4年度9月の建設環境委員会協議会におきまして、ご報告をさせていただいたところでございます。平成4年度は引き続きA地域で同じシステムによる土壌浄化を実施するとともに、C地域におきましても、土壌浄化に取り組んでおるところでございます。
次に、工場排水の対策についてでございますが、本市では、水質汚濁防止法や瀬戸内海環境保全特別措置法などに基づきまして、特定施設設置の届け出にかかわる審査や工場の立入検査、並びに排水の監視などを定期的に実施をいたしておりまして、基準違反工場に対しましては、施設改善や維持管理改善などの指導を行っておるところでございます。
最後に、生活排水対策でございますが、本市では、川の汚れの原因は生活排水が約90%を占めておると言われております。生活排水対策が重要な課題となっております。このため、下水道整備を推進するとともに、市民が家庭で簡単にできる生活排水対策の実践の啓発などを目的とい たしまして、水質環境モニタリングの観察会や、環境問題の講演会などを行い、市民の皆様により理解を深めていただくよう努力をいたしておるところでございます。よろしくお願いいたします。
〔
産業経済部長 山本宏道君登壇〕
○
産業経済部長(山本宏道) 農薬の問題につきましてご答弁を申し上げます。
農薬につきましては、農薬取締法によりまして登録制となっておりまして、販売及び使用の規制を行っておるところでございます。農薬の品質の適正化とその安全かつ適正な使用の確保を図るという農薬取締法に基づいたものでございます。その中で第12条の4には、水質汚濁性農薬の使用規制がございます。また、12条の6には、農薬の安全使用基準がございまして、これらを要約をいたしましてQ&Aといたしまして、社団法人大阪府食物防疫協会の冊子を発行するなど、また全国農業会議所によります新聞の発行、また大阪府におきましては、農業改良普及所、それからもちろん高槻市、JA高槻等を通じまして農薬の使用に、PRを含めまして指導に努めておるところでございます。よろしくお願いをいたします。
○(川口雅夫議員) 答弁がちょっと一般質問の項目と前後しておりますので、一般質問の項目に従って第2問をお尋ねしたいと思います。
府営水と自己水の安全性につきましては、先ほど水質基準を満足していると、このような答弁をいただきました。平成4年版の水道事業年報によりますと、総トリハロメタンは、自己水では0.012ppm、府営水では0.022ppm、厚生省の定める基準では0.1ppmだから基準内にあると。だから、新しい水質基準もこのようになっておるようですから安全やと、こういう解釈ですね。トリクロロエチレンにつきましては、自己水では0.001ppm、府営水でも同様に0.001ppmになっておる。基準値は0.03ということで、これも基準値内と。新しい水質基準もこのようになっておるから安全だと。先ほどこのような答弁をいただいたのですけれども、結局、水道水の安全につきましては、いろんな角度から論議がありますけれども、これはある新聞で水道水のことにつきまして、おいしい水を飲むためにということで、昨年、東京の水を考える会の嶋津さんという方が、このことについて新聞等で書いておりますので、その件につきまして若干意見を述べたいと思います。
河川水を水源としている水道水には、発がん性の物質であるトリハロメタンが含まれている。厚生省の基準は、アメリカの基準そのままで0.1である。日本の水道水はこの基準を下回っているから安全だというのが全国的な考えだと。しかし、発がん性物質は、この濃度以下なら安全という無作用の量というものではない。放射能と同じく、濃度が低くても細胞を傷つけ、がん化させる可能性がある。その確率はほぼ濃度に比例するということであって、濃度が低ければそれだ け確率は小さくなるが、発がんの危険性が皆無になるわけではない。世界保健機関では、10万分の1の発がん確率で各種の発がん性物質の基準値を定めている。10万分の1とは、その濃度の水を一生飲み続けた場合に、10万人に1人ががんになる可能性があることを意味する。それによると、トリハロメタンの大半を占めるクロロホルムという物質、これがその中にあるんですけれども、その基準値は0.03に当たる──世界保健機関でも0.03だから、本市の場合は0.012、府営水は0.022になっていますので、この点でも安全だということになっています。
しかし、水道水の発がん性物質はトリハロメタンだけではない。浄水場での塩素処理でトリハロメタンと同様の有機ハロゲン物質が何十種類も生成されている。それらの濃度を合わせてトリハロメタンの4、5倍にもなる。発がん性が心配される同じような有機ハロゲン物質ではあるが、それらについての基準はない。それらの多くは、化学物質の構造もよくわからず、また発がん性の有無が動物実験で確認されていないために基準値が定められていないだけであって、基準がないから安全ということではない。
やはり水道水につきましては、発がんのおそれのあるトリハロメタンにつきましては非常に怖い物質であるということで、私はそういうことは専門ではございませんので、このような指摘があるという意見を述べまして、今後さらにそれの低減に努力してもらいたいと、こういうように思います。
それから、給水タンクと石綿管につきましては、いろいろ点検しておられるということで、さらにマンション等で水が濁るとか、そういう話がありますので、十分な点検実施をよろしくお願いしたい。石綿管につきましても、第4次の下水道整備計画の中で撤去できるような、そういう活動、整備の進め方をお願いしたい。
それから、結局、水道水の安全性とおいしさを確保するためには、水源対策が非常に重要であるということなんですけども、先ほど、府営水ではカビ臭の話やトリハロメタンの問題があると。大阪府が発行しております「21世紀に向けての水道」というQ&Aの中に、このトリハロメタンのもとになる物質は前駆物質といいまして、これと塩素が反応してトリハロメタンができる。その前駆物質には、動植物の腐敗物であるフミン質と産業排水・都市下水などに含まれる有機物質がある。そういうものが淀川の中に流れてきておって、要するに、淀川全体では370トンぐらいのトリハロメタンの前駆物質が流れておる。特に淀川の場合は、宇治川と桂川と木津川が合流しますので、宇治川が50%、桂川が30%、木津川が20%と、こういう状態である。特にその発生源が、山林や田畑からが5割で、あと生活雑排水、し尿処理水が、また下水処理水を含めたものが約4割ぐらいあると。これで90%ぐらい。こういう汚染のもとになっておるという ような指摘があります。
こういうことで、この水源対策というのが非常に重要になってくるんですけれども、結局、水が濁っておれば、その汚濁を除去するための薬品の量が多くなる。したがって、水の味は悪くなると、このような答弁が先ほどあったわけです。厚生省ではこの問題につきまして、水道水の水質保全に関する有識者懇談会というのを2月に行いまして、河川や湖とか、そういうところの水質防止の報告書というものを提出しております。その報告書によりますと、水源の水質確保のための水質保全の対策が急務である、こういうことで有機溶剤の化学物質、農薬、肥料、生活雑排水、上流における開発による汚染が進行しておるというようなことを指摘しておりまして、このような現状を踏まえて、排水が水道水源を汚染する可能性がある場合は、地域を指定して、都道府県や市町村が排水基準に上乗せする形で規制値を設定するとか、あるいは農薬等の散布の場合は、使用量を届け出さすとか、それから宅地開発等については、具体的に開発の規制をするなど、具体的な法案をつくるとか、また事業所等につきまして、排水をした場合は罰金を科すなどの企業責任を明確にすると、こういうような報告書の内容が、2月に出されております。
水道水源には、いろんな行政の壁があるようですけれども、特に水道水源の場合は厚生省の管轄、河川の管理は建設省、それから工場、生産活動は通産省、農薬関係は農水省、また工場排水は環境庁というようなことがありますけれども、そういうところの合意が必要だと、そういう点で水道水源対策は本市においても大事な問題でありますので、水道管理者のこういうような報告書につきましても、ご見解と関係省庁への働きかけ等についてすべきじゃないかと思いますし、その辺のご見解をお願いしたいと思います。
それから、エアレーションにつきましては、特許が無理であれば、実用新案でも取ればいいんじゃないかと思いますけれども、これは提案にかえさせていただきたいと思います。
それから、地下水汚染の浄化対策につきましては、先ほどいろんなご説明をいただきました。しかし、心情的には一刻も早く汚染物質の除去を実施して、安心した地下水の活用ができるように望むのは当然であろうと思います。そういう点で、今後の浄化対策についてお答えをお願いしたいと思います。
それから、新しい水質基準につきましては、おいしさという水の要件につきましていろんなことが述べられておりますけれども、先ほどでは、この新しい水質基準は満足できる、検査体制とか水質基準も確保できるというような話でありましたし、大変ですけれども、この新しい水質基準で対応できるようないろんな、大阪府もこれにつきましてはいろいろ考えているようですので、十分連携をとって、そういう体制ができるように今後とも頑張っていただきたい。特に農薬につきましては、これは大阪府が管理しておりますので、大阪府の方での考え方など、そちらと対応 すべきじゃないかと思いますが、そちらの方のお考えが何かあればお聞かせ願いたいと思います。
それから、経営の問題と高度浄水処理につきましては、やはり水道のこれからの大事な問題でございますので、早期に長期計画を立てるというふうなお話がありましたけれども、早期に立てていただいて、いつごろまでにそういう計画ができるのか、お答えをお願いしたいと思います。
それから、特にこういう民間でも厳しい経済活動の中で減量経営を営んでおりますので、そういう減量経営を行って受益者の負担を軽減すると、こういう方向でよろしくお願いしたいと思います。
それから、私も村野の府営水の施設を見てきましたけれども、従来は平面の流れの中で浄水処理がやられておりますけれども、今度の高度処理水は大きな処理プラントといいますか、配管等がいっぱいあって、かなり施設も大がかりですし、相当な費用がかかるんじゃないかと、こういうような思いがしますし、今後の財政負担なんかどのようになるのか、その辺だけをお聞かせ願いたいと思います。
以上です。
○
水道事業管理者(鶴谷岳弘) マンション等の受水槽の件でございますけれども、10立方以下について協定のあるものについてはすべて点検しております。
それから、石綿管の布設がえでございますけれども、下水道計画に合わせて布設がえをしていきたいと考えております。
それと、水質汚濁の面については、日本水道協会でも取り上げられ、従来から水道水源の汚濁について国に要望してきておりますが、今後とも、日本水道協会を初めとする関係諸団体とともに、国に対して働きかけていきたいと考えております。
それから、農薬の件でございますが、農薬については各都道府県の水質管理計画に基づいて、大規模水道事業体を中心として、水系あるいは地域単位で加入することになっておりますので、淀川の水は府営水がやられるというふうに考えております。
それと、健全計画の作成時期については、第1問でもお答えしましたように、公営企業審議会の答申が5月にあります。その答申に基づきまして長期計画を立てていきたいと考えております。
○
環境衛生部長(前田忠次) 今後の対策でございます。先ほども申し上げましたように、平成4年度につきましては、引き続き、現在、対応をいたしておるところでございまして、本年度は地下7メートル付近を1つの基準として、その対策を実施する方向でございます。また、それぞれの地域におきましても、今後とも十分に監視を強め、また対策につきましても順次対応してまいりたい、このように考えておりますのでよろしくお願いいたします。
○
水道事業管理者(鶴谷岳弘) おいしい水が今市販されておりますけれども、あれは水道水に 比べると大体1,000倍ぐらいの値段になっておりますので、そのことだけはつけ加えさせていただきたいと思います。
○(川口雅夫議員) 安くておいしい水を提供するのが公営企業の使命でございますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
いろいろな面で話をしましたけども、要するに安全で安価なおいしい水をつくるということが私の趣旨でございますので、安全でおいしい水をつくるということにつきまして、先ほどいろいろな水源対策を申し上げましたけれども、私どもの党でもこの3月16日に、安全でおいしい水の水道水を確保するためにということで、環境庁長官に、私どもの環境部会または厚生部会からこの水源対策と、それからいろんな安全水の確保については申し入れを行っております。先ほどの答弁では、そういう関係省庁にも働きかけをできるということで、ぜひ地方からもこういう水道水に対しては、私たちの生活を維持する大事な水でございますので、この実態を十分とらえていただいて、その辺の要望を働きかけてもらいたいと思います。
また、市長は水の専門家でございますので、水道水の安全性ということにつきましては、今申しましたような問題、また地下水の汚染の問題、それから高度処理の問題、費用負担の問題等ありますが、これらについてのご見解を最後にお聞きしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○市長(江村利雄) 先ほど来、水道の水質の問題、また価額の問題等のご議論がございましたけれども、やはり水道というのは欠くことのできないものでございまして、国においても消費税から外そうかというぐらいに大事なものでございます。そのようなことで、やはりおいしい、そして害のない水でないといけない、このように考えておりまして、府営水道はもちろんでございますけれども、高槻市の水道におきましても、そのような取り組みをいたしております。
せっかく村野の話が出たわけでございますけれども、あそこには、将来このような論議が起きるであろうということで、20年ぐらい前に、おいしい水をつくる施設が組み込んでございます。したがいまして、新しい施設をつくりますよりも、おいしい水をつくるのには安くつくというようなプラントができておりますので、やはり当時からそのようなことを考えておったと。今まさにご指摘のようなことを20年前から着々と準備しておって、それで今日、対応できるようになっておるということで、水道水源につきましては、安心して飲んでいただけるように、やはり大阪府もまた市も取り組んでいかなければならないと思います。
ただ、現在では、計測機器が非常に進んでまいりました。先ほどもお説のようなトリハロメタンあるいはエチレンにしましても、当時はppmで言っておりましたけど、今ppbになっております。そのようなことで計測器が進歩しますとともに、発がん物質というのは大変大きい種類になってまいっております。
いずれにいたしましても健康が第一でございます。おいしい水ということで、厚生省におきましても、「ふれっしゅ水道」ということで1つの方向性が出ておりますので、これを念頭に置きながら市民の方々に安心して、しかもまた低廉で供給できるように取り組んでいきたいと、このように考えておりますのでよろしくお願いしたいと思います。
○議長(伊川二郎) 川口雅夫君の一般質問は終わりました。
次に、角 芳春君。
〔角 芳春君登壇〕
○(角 芳春議員) それでは、質問させていただきます。
初めに、我が郷土高槻市は、これまで多くの先人の英知と汗の結集をもちまして、ことし、ここに市制50周年を迎えましたことは、まことに慶賀に存ずる次第でございます。
そこで、3期目を迎えられました江村市長は、1期目の就任当初から、この伝統と先人の心を自分の心として受け継ぎ、さらに21世紀に向けてみずからが策定された新総合計画によって、勇気を持って力強く町づくりに取り組んでおられることを、多くの皆様方と同様に高く評価しておりますとともに、本市の将来に大きな期待を寄せる者の1人でございます。
しかし、ともすれば行政の目が人口の多い市街化地域部分に注がれがちな傾向がないでもございません。そういった中で、これまでの高槻市をじっと見守り、地域の特性を生かして支えてきた旧村落、いわゆる市街化調整区域の将来展望につきまして、最も農地面積が多いとされております三箇牧地域を1つの例といたしまして、ここに取り上げてお尋ねしたいと存じます。
この地域は、つまり旧三箇牧村が本市に合併いたしましたのは、ご存じのとおり、昭和30年4月3日でございます。当時の高槻市の人口は5万4,028人、現在の高槻市歌にもありますように、当時はまさに「東真澄める淀の水 西ははるかに妙見の 眺めすがしき北摂に 誇る緑の健康地 沃野の幸の満つところ おお田園の高槻市」でございましたが、それが周知のとおり、あれよあれよという間に、人口36万の中核都市に急成長したわけでございます。
しかし、当然のことながらその人口に比例して、高槻市の面積はふえたわけではございません。同様に、学校を初めとする諸施設も、人口増に比例して自動的に整備増設されてきたわけでもございません。今日なる高槻の発展を見たのは、これまでの住民、行政、あるいは企業らの先人による血のにじむほどの努力があってこそ、ここに高槻があるわけでございまして、改めて感謝し、心して現状を認識し、個人の人生と全く同じ気持ちで21世紀の高槻を考えていかねばならないと、痛切に感じておるところでございます。
そういう次第で、高槻市の各地域は、各様にその地域、特性に応じまして、その地域住民の支えによって今日の高槻を築いてきたわけでありますので、だからこそ、市長がかねがね申してお られますように、これからはその地域特性に合った都市基盤の整備を図っていかねばならないのでございます。
そこで、三箇牧地域でございますけれども、本市に合併以来、いかにその特性を生かして市政に貢献してきたか、もちろんさっき申しましたように、各地域は優劣なくそれぞれ市政に貢献してきたわけでございますけれども、今回はまず、三箇牧地域に絞って質問させていただいておりますので、その点、誤解のないようによろしくお願いいたします。
年代は相前後いたしますけれども、三箇牧地域におきまして、例えば土地の面におきまして、柱本、玉川橋団地のおよそ1万数千人の方々のために、三箇牧地域は先祖伝来の農地、つまり土地でございますけれども、それを提供させていただきました。実のところ、その話があったとき、その周辺の方々は、このような交通の便の悪いところに来ていただいて、果たしてどうなるものかといった声もあったわけでございますが、そのときに十三高槻線がつくのだということを聞きまして、唐崎、西面、そのあたりの方々は、それがつくのなら大変便利である、ありがたいことだということで、その土地を提供させていただいたわけでございます。そういう経過もございまして今はありがたく、芥川のところまでつく見込みが立ったわけでございますが、その土地の所有者にいたしますれば、土地を売却してから20年以上も、先ほどの土地の売却問題ではございませんが、その当時せいぜい何百万というお金で手放した土地が、その隣は何億という値段になっておる。果たしてそれは、環境問題とか、いろいろな諸問題は理解できます。しかし、詰まるところ、なぜそこまでかかったかということは、行政の怠慢だということに結果的になってしまうわけでございます。
そういったことでございますが、過去のことはさておきまして、例えば玉川という話を出しましたが、その玉川の里も、実のところ、昔の玉川の里は青い麦畑と黄色い菜種のじゅうたんのもとに、生き生きとして息づいていたわけでございます。それをしかし、皆々様の将来のために、その地域を開発されたわけでございまして、そのとき既に、本来の玉川の里は死んでおるわけでございますが、まださらにその玉川の里の横に、今度はし尿処理場が建設されました。それも唐崎の玄関口でございますが、結局どこにも持っていきどころがない、しかしこれは高槻市全体にとって絶対に必要なものであるという地域の理解によりまして、公のために供させていただいた次第でございます。
最近、し尿処理場ということでなく唐崎クリーンセンターということでございますけれども、し尿処理場といった方が端的でわかりやすいと思いますので、そのようにさせていただきます。なるほど、いろいろな技術の進歩によりまして、最近では、そこに魚を泳がすとかありますけれども、過去これまでに至る間、確かにクリーンセンターは、においも何もほとんどいたしません。 しかし、これまで全高槻のバキュームカーが唐崎の玄関口に集中したわけでございます。そういったこともとどのつまりは、市民全体のために、特に唐崎の人たちがそれを認容してきたわけでございます。
また、一方、番田の下水処理場におきましては、これは厳密には三箇牧地域ではございませんけれども、そこに唐崎の耕作者が24名、実に面積にして3町歩にわたる土地を、これも同じ気持ちで手放したわけでございます。もう再度にわたるということで、かなり抵抗もあったわけでございますが、そのときには、この表現がまことに難しいのでございますけれども、三箇牧・唐崎地区は、そのように協力していただけるのであるから優先的に配慮するとの期待される条件があって──ここの表現はものすごく苦しいところでございますが、文書がございませんので──というようなことで、高槻市全体のために全面的に協力したわけでございます。現在の下水道整備の進捗は、江村市長の卓越した行政手腕によることは確かでございますけれども、この処理場の土地をだれも手放さなかったら、その進捗もあり得ないわけでございます。
土地買収に関しましては、もう1つ新幹線もそうでございます。その問題点は今回はさておきまして、これも国全体の事業であるというところから、唐崎地域は高槻市の先鞭を切って協力させていただいたわけでございます。その他いろいろな地域特性に応じて協力したことがございますが、大ざっぱに申して土地にまつわることは以上のとおりでございますが、その特徴といたしましては、公共のために尽くし続けてきたということ。しかし、かなりの部分──言葉の表現は悪いかもしれませんが、当然期待してよい条件がほごに近い形となって現在に至っておるということでございます。
このような歴史的な背景を踏まえまして、総合的な長期的な観点から地域づくりについて質問いたしますので、まずもって、これまで申し述べましたことを理事者の皆様方はよくご理解いただきながら、質問に答えていただきたいと存じます。そしてまた、これを機会に理事者の皆さん方も、この三箇牧地域の知られざる歴史をよろしくご理解願えれば、この上なく幸甚に存ずる次第でございます。
新総合計画では、三箇牧地区の整備方向といたしまして、これはこのまま読みますのでちょっと早口になりますが、「農地は、農業生産の場であると同時に生活環境、自然環境に重要な役割を果たすことから、その保全と利用を進める。また、都市間幹線道路の整備や鉄軌道新線構想の進展との整合に留意して都市施設の整備を進める」とございます。この意味は、今は多くの農地があるが、都市間道路や地下鉄計画の進展に合わせて都市化の整備計画を進めていこうという趣旨でございます。
そういう意味におきまして、三箇牧地区は町づくりのための有効な素材を多く持ち、そして可 能性の高い地域であると考えております。その有効な素材として列挙いたしますと、例えば、十高線、地下鉄等で他都市と結ぶ広域交通の要衝となり得ることでございます。また1つに、都市近郊の淀川における自然を活用し、そしてレクリエーション施設が可能であるということでございます。そしてまた、100ヘクタールを超える広大な農地によって、残された豊富な緑地への整合性ある都市的活用でございます。また、公共施設用地や住宅用地の豊富な供給能力もあるわけでございます。
そこで、大局的な見地から、十三高槻線が供用されて現実の問題となってきました今日、三箇牧地区の総合的な整備構想を描くことは、だれが見ても必要であり、そしてまた可能であるということでございます。交通要衝地を生かした南部副都心の建設、大規模な土地区画整理事業、これは聞くところによりますと、36万都市であっても、高槻市といたしまして、これまで土地区画整理事業の経験はないようでございます。緑豊かで良質の住宅地形成、大阪、京都から人を呼ぶレクリエーション施設等々、これから住民の抱負や希望をお聞きいただきまして、夢とロマンのある構想を策定していただきたいと存じます。あえて夢とロマンということは、我が会派はよく申しますけれども、これはスペースシャトルにいたしましても、月世界に行くことにいたしましても、もとは夢とロマンが始まりでございます。やわらかな言葉でございますが、これがないところに未来はございません。その上で、時代の変化に合わせまして、国や府の諸制度、諸施策とも整合を図って行政計画を練り上げていただきたいと存ずる次第でございます。
次の新総合計画、恐らく今世紀8年の間には策定の準備に入られると思いますが、その総合計画にぜひ生かしていただきたいと思うわけでございます。
以上のことにつきまして、理事者にご所見をお伺いいたしまして、1問目の質問を終わらせていただきます。
〔市長公室長 溝口重雄君登壇〕
○市長公室長(溝口重雄) ただいまの角議員の一般質問に対しましてご答弁を申し上げます。
市街化調整区域の地域特性を生かした都市基盤整備に関しまして、とりわけご当地の三箇牧地域の21世紀計画についてのお尋ねでございます。
ご質問にもございましたように、早いもので昭和30年に合併されまして、その後といえどもご当地は、自然環境、農地もきっちり保全されまして、いわゆる緑地空間スペースとして、また都市近郊型の農振地域として、重要な役割と期待を担っておるゾーンとして、平成2年の新総合計画におきましても、そういった地域としての位置づけをいたしておるところでございます。ただいまもございましたように、十高線あるいは新幹線、あるいはし尿処理場等々幾多の公共事業に対しまして、土地提供者としても、あるいは地域住民としても、こういった公共事業に対して ご協力をいただいておるわけでございます。もちろん、他地域、それぞれの地域にあって、それぞれの公共事業に対してご協力の結果、今日、50周年を迎えておるわけでございます。
さて、具体の質問でございますけれども、基本的に土地の有効利用というものは、市民生活と地域経済の発展に大きなかかわりを持つものであろう、こう認識をいたしてございます。また、現代社会における土地というのは、私的所有権、財産権、並びに生産手段の問題ともかかわる重要な課題でもあろうかと、こう考えてございます。そのために、都市計画、都市基盤整備等を考える場合、議員仰せのように、その置かれておる地域特性あるいはその課題というものを十分に踏まえながら、総合的、長期的な視点に立ちまして、将来に向けてのよりよき方向を十分に時間をかけて、いろいろな諸要件を整備しながら、多様な角度から検討研究をすることが大切であろう、こう考えてございます。
特にご質問の三箇牧地域についての将来の町づくり、都市基盤整備等の問題でございますが、まず、ご指摘のような歴史的な経緯が存在する地域でもあり、高槻市への合併以降それぞれの時期におきまして、行政的に地元の温かいご協力、ご理解もいただいてきたことと、こう認識をしてございます。そして、そのような経過の中で、公共施設の1つとしての唐崎クリーンセンターの問題でございますけれども、一般的には、いわゆる嫌悪施設というようなイメージがある中で、従来から可能な限り地域への還元諸施策を図ってまいっておるところでございますけれども、議員仰せのように、今後の市域の公共下水道の進捗とも関連するものであり、将来的には施設規模のあり方については、あるいは検討を加えねばならない時期を迎えることも予想される、このように考えてございまして、この問題につきましてはご意見等を十分踏まえまして、将来的課題としてとらえてまいりたい、このように考えてございます。
現在の三箇牧地域の特性といたしましては、過般の代表質問でもお答えいたしておりますが、本市の総合計画等の基本方向にもうたわれておりますように、市域の南部に位置し、淀川右岸、沿岸地域であり、自然環境、農地が保全され、都市における緑地空間スペースと都市型近郊農業地域としても重要な役割を果たしておる地域であろうかと存じます。また、市域南西部の1つの地区生活圏としての位置づけもされておるものでございます。このような地域状況の中で、ご指摘の地下鉄延伸の将来構想の問題、あるいは幹線道路網の整備としての十三高槻線、既存幹線道路の大阪高槻線等も視野に入れた副都心構想等につきましては、21世紀の将来に向けた都市計画、町づくり計画における1つの貴重な問題提起、ご意見として受けとめさせていただきたい、こう考えます。
そして、今後、三箇牧地域の21世紀の計画課題としての都市基盤整備等につきましては、本市の総合計画の基本方向を踏まえまして、本市全体の今後の地域動向も勘案しながら、議員ご指 摘のようなそれぞれの地域特性と諸条件を十分に生かし、長期的な展望に立ちまして、次期の総合計画等への1つのステップとして、広く国、府等関係機関とも連携を図り、将来の町づくりのあり方とも連動させながら研究課題として検討してまいりたい、このように存じております。
なお、当面対応すべき諸課題につきましては、関係部局とも十分連携を図りながら、また関係機関とも積極的に協議を進めながら、適切かつ真摯に対応をしてまいりたいと存じます。
○(角 芳春議員) ただいまは溝口市長公室長さんから、三箇牧地域の総合的な整備計画につきまして、長期的な展望に立って、次の総合計画のステップとして、国、府との連携を図りながら検討をしていくとの、まことに意欲ある答弁をいただきましてありがとうございます。
最後に、適切かつ真摯に取り組んでまいるという言葉が、まことに感動的でございます。ただし、蛇足かもしれませんけれども、それに加えまして、去年の一般質問でも申させていただきましたけれども、行政の誠意とは、迅速ということでございます。その点もあえてご理解願いましてよろしくお願い申し上げます。
それでは、ただいまの公室長の意欲ある答弁を受けまして、次に、少し今日的な、具体的な問題についてご質問させていただきたいと思います。そしてなお、通告に予定しておりました摂津峡塚脇地域の21世紀計画につきましては、時間の都合もございますので次回に延ばすことにさせていただきます。これもいわば、三箇牧地域と地域の特性は異なりますけれども同じような要因、また摂津峡を初めいろいろなところで、三箇牧地域とは違った形で、高槻市あるいはそれ以外の地域の方々に貢献してまいったわけでございます。旧村地域におきましては、三箇牧地域と同様に行政の目を向けていただきたいと、そういう趣旨でございますが、既に青写真も、地元の方々が描いておられるようでございまして、そしてまた地元合意につきましても、時代の進展によりまして変化しつつあるようでございます。そういったことをもう少しこちらも勉強させていただきまして、次回の予告編ということで申し上げます。
それでは、早速、具体的な問題でございますが、時間の関係もございますので端的な答弁をちょうだいいたしたいと存じます。
三箇牧、とりわけ先ほども申しました土地買収時に優先的に配慮すると期待を持たせられた唐崎地域の下水道整備の時期の見通しについて、これまで3代にわたる自治会長さんがいろいろと問い合わせなどを行ったのですが、はっきりとした期間的な話が全然出てこなかったと。さらに、いろいろ資料もございますが、今回はその資料は横におきまして、とりあえず時期、そういったことをまずお尋ねしたいと思います。
それから、2点目におきまして、これは下水処理場につきましては、今市長公室長の方から答弁をいただきましたので、これは地元の意見を十分に聞いた上で適正な転用を図っていただきた い。ただ、これは誤解のないように、地元と申しますのは唐崎とか西面だけじゃなくて、要するに玉川橋団地の皆々様方、それは今や完全なる地元として当然のことながら受けとめてございますので、その方々と十分に、旧村も含めまして意見をお聞きしていただいた上で、そして何も全く地元のためじゃなくてもそういう意見を聞く中で、真に高槻市にとって最も有効だというふうなことを、住民と行政が一体となって考えていただく姿勢を示していただきたいと思う次第でございます。これは、だから答弁は必要ございません。
そしてまた、さきの自民党の代表質問でもございましたように、三箇牧地域に関して生活基盤整備を前向きの方針で取り組んでいくというようなことを、市長の答弁をいただいたわけでございますが、その中で予算要求もしておったようなところがございましたが、特に将来に向けて、これは絶対必要だという唐崎三島江線の拡幅問題については、少々この前の答弁が抽象的でございましたので、それが含まれているかどうかについてお尋ねしたいと思います。
それから、建設省によりますと、先ほどの大局的なところでも申しておりましたけれども、淀川河川公園の基本計画で、自然、文化、歴史が結びついたレクリエーションプランを公表実施されつつあるわけでございますが、すなわち自然地区とか、野草広場地区とか、施設広場地区、また景観保全地区とか、そのようなゾーンに分けて整備を進めていこうというプランでございますけれども、ちょうど唐崎の要するに芥川と淀川の接点のところが、調べていただきましたところ自然地区として区分されていると。そしてまた、ある人が建設省の方へ内々打診をしていただきましたところ、地元の要望を生かせる形で整備していくのがベターであるということのようでございます。
そこで、三箇牧地域といたしましては、その地域の特にアシ原が多いわけでございますが、その自然を生かしながら、また淀川水系の魚の育成が図れるような意味での釣り公園を中心とした整備をしてほしいという要望がございます。つまり、単なる釣り公園ということではなくて、淀川本流から引き込みまして、今ちょうど小さな池がありますから、そこへ釣り公園としての自然散策路もしながら、そうしますと、これまで懐かしかったエビとかモロコとか、何とか全部そこへすみついてくると。ちょっとした水族館以上に、自然を生かした淀川水系の魚が全部そこで生息している雰囲気が見られるというようなことで、まことに結構なことであると思うんです。
そこで高槻市といたしましては、直接高槻市の予算でするわけじゃないと思いますので、ぜひとも建設省に、こういった要望を積極的に実現に向けて働きかけていただきたいと、その点についてお答え願いたいと思います。
また、三箇牧旧村地区の既存道路でございますが、これは唐崎、三島江、柱本、西面、それぞれでございますけれども、だんだんに最近、道路の補修整備をしていただいております。これは 自治会の皆さん方のことを代弁してなんですが、非常に前向きな道路行政に対して感謝をされているということを、これを機会に申し添えておきますけれども、ただし、そういうふうに喜びの反面、かなり前より市街地とはまた別の意味での大変困った不法駐車に悩んでおる。その抜本的な対策はあるのかどうか、それをお聞きしたいと思います。
もう1つ、生産緑地がかなり確保されてありがたいことでございますが、これは大変難しいことでございますけれども、米作以外の農業生産維持のための調査研究というのは、果たしてやっておられるのかどうか。山間部のそれにつきましてはリンゴとかいろいろな形で表面的によく聞いておりますけれども、農業の米作にかわる何かいいアイデアはないということで、農業振興対策としましては、農作業の受託事業とか、共同育苗施設の調査研究とか、そういうことだけが挙がっているようでございますが、さらに前向きに、これは農水省へ日参するなり、全国各地を、これは冗談やなくて市職員の方みずからが出張、あるいは行政視察していただきまして、どんどんと新しいことを吸収して、その100のうち1つ当たればいいわけでございます。そういう前向きな姿勢をしていただきたいなと。それに対してご所見をお願いしたいと思います。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
○下水道部長(平 直記) 角議員の1点目の公共下水道の整備についてのご質問でございます。
三箇牧地域とりわけ唐崎地域での下水道整備についてでございますけども、当地域につきましては、私ども流域下水道の中で安威川流域下水道計画の中に含まれております地域でございます。安威川流域下水道といいますのは、高槻の南の方を高槻・摂津雨水汚水幹線を経て、茨木市にあります中央処理場で最終処理をしているという地域に含まれてございます。
この地域につきましては、基本的には、流域下水道の幹線を整備しなければならない地域でございまして、この関係につきましては、4メートル25センチから3メートル50センチの管渠を約3,000メーターほど布設しなければならないという部分でございます。この3,000メーター入れることによりまして、唐崎地域、三箇牧地域、府道大阪高槻線が全部入ってくるという状態の中でございます。
こういう事業を抱えていますので我々としましては、事業主体でございます大阪府の下水道課との協議をさせていただいておるわけでございますけども、事業そのものが5年から6年の期間を要する工事でございますので、7年後をめどに、7年後に完了するように、大阪府と現在調整をさせていただいておるものでございますのでよろしくご理解をちょうだいしたいというふうに思います。この幹線整備ができましてから、いろいろな手法で下水道整備に面的な部分については入らせていただきますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
○建設部長(近藤富彦) 角議員の市道の拡幅問題及び不法駐車についてお答えさせていただきます。
市道唐崎三島江線の拡幅整備につきましてでございますけども、さきの代表質問に市長がお答えされましたように、将来の三箇牧地域の町づくりを視野に入れた道路づくりにつきましては、地下鉄延伸問題、十三高槻線等々相関連いたしますので、それと連動させながら、国等の補助金を確保すべく、今後十分研究課題とさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
次に、不法駐車の件でございますが、ご指摘が三箇牧地域であることから、その原因が大きく分けて2種類あろうかと考えております。1つは、住居地域であることから、基本的には駐車場確保は自動車の所有者がする義務があると考えております。2つ目は、駐車場を持たない企業の社員用の通勤用車両が道路に違法駐車しているものと思われます。
これらについての対応策でございますが、住居地域の問題につきましては付近住民の車両が大半を占めていることから、地域住民の協力を得ながら、不法駐車に対する啓発活動を展開してまいりたいと考えております。また、企業の社員用車両につきましては、警察の力をかりながら企業に対しまして、駐車場を確保すべく、強く行政指導してまいりたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
○
都市整備部長(谷知昭典) 淀川河川公園関係につきましてご答弁申し上げます。
淀川河川公園につきましては、本市の区域内におきましては、昭和51年に建設省におかれまして、国営公園として都市計画決定をされております。この整備につきましては、仰せのとおり、施設広場、野草広場、自然及び景観保全の4つの区域に分類をいたしまして、近畿地建の淀川工事事務所におきまして計画的に進められているところでございます。
そこで、ご質問の芥川と淀川の合流点、すなわち唐崎地区につきましての整備関係でございますが、これにつきましては、お説のように自然区域ということで設定をされておりまして、淀川の自然を維持保全をしようとする区域でございます。こうしたところから、この整備につきましては、この地区になじむ整備の方法、あるいは河川の堤外地ということもございまして、低水護岸等の治水対策上の工事も、計画的に進捗をされておるという状況下にもございますので、こういったことをも十分勘案をしながら、ご要請のありましたものを踏まえまして要請をしてまいりたい、このように考えております。
○
産業経済部長(山本宏道) 農業問題についてのお尋ねでございますけれども、ご案内のとおり、三箇牧地区につきましては、レンゲを初めとするコスモスを植えていただいて、農家と都市住民との融和を図っていただき、また農業に対する都市住民の理解を得ることによりまして、農業生産性の向上に努めていただいておるところでございます。
また、唐崎におきましては、日本の農家にも名を知られましたトマト栽培の権威者もおられるなど、三箇牧地区につきましては米作をも含めた多角的な農業に取り組んでいただいておると考えるところでございます。そうした方々のご意見をもとにいたしまして、農業の継続性を確保するために、農協を中心に育苗施設を含めた農作業の受託事業を発足されまして、今まで高槻市全域に広がっているところでございます。
最近、施設が手狭となってまいりましたことによりまして、新たなる施設の建設に向けまして、平成5年度は調査研究を進めていこうとするものでございます。また、あわせて今後の後継者の育成が必要でございます。そういったことも今後進めてまいりたい。
本来、農業施策は、農家の意向を十分酌み取りながら協議を図る中で施策を決定するものでございまして、農家との遊離した施策となってはならないというふうに考えておるところでございまして、今後も引き続き農家と協議をしつつ、農業施策の展開を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
○(角 芳春議員) 時間の関係等もございまして、再質問は極力控えさせていただきたいと思いますけれども、まず初めに、下水道計画につきまして、本来いろいろな地域の要望もございまして、全然違う角度から極端なことを申しますと、今、下水処理場が真横にあるんやないか、すぐにぽーんとつないだらいけるんやないかと。過去のいろいろな経過、そういうこともございまして、そういったまたいろいろな資料もございますが、今回初めて部長によりまして、期間的な意味ではっきりと7年をめどにということを申されたわけでございます。
本来的には、いろいろ過去の経緯もございますけれども、安威川流域下水道に現在属しておるわけでございますから、それをまた配置がえとか何とかいうことは、とりあえずこの際横におきまして、今申されております7年をめどに本管をこちらへつなぐと。それから、いろいろ面整備とか何かございますけれども、本来、私もいろいろ小耳に挟んだところによりますと、本当は8年ぐらいかかるところを何とかというところで、市のご努力によりまして府などとの折衝の末、7年ということを引き出したというふうにも、横から何か風の便りで聞こえておりますが、その努力に対しまして、大変難しい問題でございますので、初めてはっきりと期間を限定していただいたことにつきまして、敬意を表していきたいと思います。
ただ、その7年でございますけれども、これは唐崎・三箇牧地域の現状を認識していただきました上で、ぜひともこれをさらに一歩進めてやっていただきますように、強く要望しておきたいと思います。それが早くなるということは、当然、高槻市全体の60%、70%ということも早くなるわけでございまして、そこまで待とうというような気持ちもございますので、ぜひともその数字を一歩でも小さくなるように重ねて努力していただけますように、ともかく、今回はそう いったことについてとどまらせていただきたいと思います。
それから、道路整備、唐崎三島江線の拡幅につきましては、今、唐崎三島江線の整備につきましては研究課題とさせていただきますというようなことで申されておりますので、さきの市長答弁の中には、これでその中にも含まれているということは理解できたわけでございますが、いろいろ整合性を図る中で考えていくということでございますけれども、これは現状といたしまして、旧村を結ぶ唐崎三島江線が一部一方通行で、結局バスも通行できないというような現状でございます。これはもともと三箇牧地域そのものが鈴木市長さんのなられるちょっと前だと思うんですけれども、実際村が二分いたしまして、茨木へ合併するか高槻へ合併するか、そのときに鈴木さんとのいろいろのあれによりまして、結局、旧村地域にバスを含む交通体系をきちっとするという条件のもとに、三箇牧地域は高槻市に合併したわけでございます。
しかるに、ほかの問題と同様に、これまで通っておった所が全く唐崎から三島江までがバスがない。すると、すばらしい公民館を三島江に建設していただきましたけれども、それだけのせいかどうかわかりませんが、例えば、和室の年間使用率が10%切れておる。そこにおる人も恥ずかしくて仕方がないと。しかし、三箇牧地域は、例のごとく自治会が協力的でございますので、公民館の行事そのものを各町会に全部知らせに回っているわけです。それでいて、なおかつそのような利用率である。それはまた、先ほど行われました独居老人の食事提供の、あれも結局、三島江へ変わりましてから唐崎の大きなところからたった2人しか行ってない。これは一に自動車のゼネレーションと申しましても、家に何台自動車があっても、お年寄りのために送っていくということはなかなかできないわけでございます。とどのつまりは、今のところ自転車でどんどん走っておられるお年寄り方も、これはもう数年を経ずしてそういうこともできなくなるだろう。やはり公共の、あるいは普通の通勤とかということでなしに、福祉バス的な性格も帯びながら、そういった意味からも拡幅を今だったらできるわけです。今だったらほとんど家が立て込んでおりません。これを検討、検討ということで数年たちますと絶対にできなくなります。今だったらできるわけです。だから、その点を十分心していただきましてよろしく、せめて誠意ある形として、調査費をつけていただくなど考えていただきたいと思います。
そういうことで、車も人も、要するにコミュニティ道路としても、淀川の堤防と並行してそれを生かしながら1つの帯状のゾーンとしまして、これは高槻の財産にもなると思いますので、ぜひともすばらしいプランを立てていただきたいと思います。
釣り公園につきましては、その答弁でよくわかるわけでございますが、これは圧力的な要望でなくして自然に沸き上がった、本当に皆さんにとってはいいことでございますので、少々障害もあると存じますが、極力よろしくお願い申し上げます。
それから農業対策につきましては、ご承知のように特に三箇牧地域は、まことに熱心にいろいろなことをやっていただいております。それで、さらに先ほど言いました質問の趣旨をまた理解していただきましてよろしくお願い申し上げます。
ほぼ、いろいろな理事者の方々が言われましたが、それはそのまま整然として市長のご答弁であると解しておりまして、本来、市長にはご答弁いただくあれはございませんけれども、初めての三箇牧地域の大局的な質問でございますので、ちょっと締めの意味で所見を述べていただきたいと思います。
○市長(江村利雄) 三箇牧村につきましての、合併あるいは村の状況等をお聞かせ願いまして、私も50年前を思い出しております。田園の本当にすばらしい村であったと。今日的に、先ほどもお話がございましたように、100ヘクタールのまだ農地が残っておる。そのような中での町づくりということでございますので、それぞれの担当がご答弁申し上げましたようなことを念頭におきまして、そして、整然とした地域になるようにしていきたいと、このように考えております。
そのようなことで、これからもひとつよろしくご指導またご協力をお願いしたい。道路につきましても用地買収に入ると思いますが、こぞってご賛成していただきますように、お願いをいたしたいと思います。
○議長(伊川二郎) 角 芳春君の一般質問は終わりました。
次に、稲垣芳広君。
〔稲垣芳広君登壇〕
○(稲垣芳広議員) 私は2点にわたってお尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。
まず1点目に、学校図書館についてお伺いします。
青少年をどう育成していくかが日本の将来を決定づけます。本来、教育の目的は、個々の人間の尊重、独立人格の形成というところに置かれねばなりません。しかし、現実には、国家や企業にとって価値ある人間、つまりそういう機構、組織の中で効率よく効果を発揮する人間の育成というところに教育が手段として用いられてきたという傾向性は見過ごし得ない事実であります。今の子供たち、これからの子供たちが20年後、30年後の日本を支えていきます。子供たちは経済大国日本と言われる、かつて大人が経験し得なかった豊かな社会の中で、生まれたときからあり余る物の中で生活し、工夫して遊ぶよりも与えられた物で遊びをする。物ばかりでなく、膨大な情報、ラジオ、テレビなど電波媒体や、雑誌、書籍、映画、レコード、ビデオなど多様な媒体に取り巻かれている。中でも映像文化への指向性が強いため、形象的、感覚的思考は発達しますが、抽象的、論理的な思考の発達は不十分であり、また一時的、流動的な情報との接触が多く、 接続的、固定的な情報との接触が少ないため、粘り強い思考力の形成が妨げられ、さらに各種の媒体との接触時間が多くなった分だけ実際の体験時間が少なくなり、自然や社会や人間に対する知識は豊富になりますが、精神構造は人間の豊かさや潤いのない、浅薄で偏った人間に育ってしまいます。知識は幾らでも外部から注入することはできますが、創造性や創造力は何かが触発となって内より発していく以外にありません。こうした創造性の開発、すなわち人間の陶冶こそ、今最も大事であると考えます。
高齢化社会を迎えます。私は、ある特別養護老人ホームの施設長さんから、何点かの体験を聞かせていただく機会を得ました。子供たちと離れて生活している病弱な老人を訪問されたときのこと、お盆やお正月には、都会からお孫さんが帰ってきてうれしいでしょうね、と問いかけますと、かわいい孫が帰ってきたら喜ぶだろうと、大事にためておいた年金をポチ袋に入れ差し出すと、待ってましたと言わんばかりに飛ぶように私の病室に入ってきましたが、おばあちゃん臭いと言って、鼻をつまみ、顔を背け、手だけを出してポチ袋を受け取り、足早に出て行きました。それから3日おりましたが、一度も私の部屋に入ってきませんでしたと、寂しそうに話しました。そのとき親たちはどうしていましたかと、尋ねると、隣室で寝転びながら我が子に向かって、お金幾ら入っていたの、ちゃんとしまっておきなさいと注意したとのこと。
また、老人ホームでのある朝、入所間もない痴呆性老人が、腰から下、丸裸で歩いていた。便所がわからずうろうろしている間に大便が出たと、汚れた衣服を脱ぎ捨ててあった。冬の冷たい朝さぞ寒かろうと、急いで寮母とともに熱い蒸しタオルで下半身をきれいに拭くと、あんたには銭金にかえられんことをしてもらって、気の毒なこっちゃ。済まん済まんと鼻水をすすり、涙を拭いていた。施設長さんと寮母さんは、うんこの色、形、においを確かめ、いいの、いいの、うんこが出なかったらまた熱が出ないだろうか、食欲が出ないのではないかと心配します。どこででもうんこが出てくれてよかったと、老人の負担を軽くする返事をされたそうです。
決して、高槻のホームでこのようなことがされていないというのではありません。また、子供たちが字が読める、このことと、本が読めるというのとは別のことです。本が読めるというのは、字が読めて、その音が意味のある言葉になって、その言葉の持つイメージが自分の頭の中に伝わることであります。例えば「鬼」という字を見て、言葉としての鬼を教えられて知っている子供には、赤色や青色の角の生えた鬼になって登場します。しかし、鬼を知らない子には、振り仮名でオニと読めても、そのイメージは伝わりません。恐ろしい鬼の物語は始まらないのです。読むことができるというのは、そういう空想ができるということです。
カナダから日本への留学生が、今、アメリカでは、生活や仕事で基本的な必要を満たすだけの読み書きがうまくできない成人は2,700万人、ほぼ5人に1人という勘定になると伝えたと報 じています。軍隊では、武器の扱い方を示す手引書が読めず、工場では手引書が漫画でわかりやすく仕立ててあると言います。約75万人の高校生が中退し、しかも、読む能力の低下は失業や貧困や犯罪を生む。情報化社会というのは、そのような社会と言われています。子供を大事にし、だれでもが読書を楽しめる国、図書館王国と言われるアメリカに何かが起こっている。
また、スウェーデンでも、本を読めない子の特別教育をどうするか、最近、問題になっています。識字率の高さを誇る日本でも、最近の読書離れの状況を考えますと、人ごとではありません。昨年12月議会においても質問させていただきました。
学校教育部長は、学校図書館の果たす役割は非常に大きい。教育委員会として、学校図書館整備充実を図り、読書指導を充実していく必要がある。司書教諭、蔵書についても努力していくと答えていただきました。しかし、まず最初にやらなければならないことは、児童生徒が学校にいる間は、学校図書館を開館することが最初ではないでしょうか。お聞かせください。
次に、通学路についてお伺いします。
今、新1年生は、夢を胸いっぱいにして、入学を前に毎日を追われております。通学路は、児童がお父さん、お母さんに、またおじいちゃん、おばあちゃんに、ランドセルやかばん、文具、机等を買っていただき、ピッカピッカの1年生として夢を抱き小学校に入学してから卒業するまで、毎日毎日雨の日も風の日も、また夏の日にも、時には道草をしながら、遊びながら、悪さもし、カエルやヘビと出会い、けんかもし、初恋もし、すばらしい発見あり、出会いあり、四季を通じてさまざまな体験をする貴重な時間であり、空間であると思ってきました。
しかしながら、近年の急激なモータリゼーションの発達は、交通運輸の利便性を大きく向上させましたが、一方では、交通事故や停滞の増加、それに伴い時間規制してある通学路への進入、通学児童の中をクラクションを鳴らしながら、縫うようにして走り抜けていく車、また停滞する車の間を横にして通り抜ける児童、駐車場の数以上にあふれ、通学路上に駐停車された車、雨の日には傘を車道側に向けなければならない所、道路が狭くて車との間で傘も差せない所、暗くなると階段が見にくく危険な歩道橋、安全さくが道路側にあるけれども水路側にはない所、水がとまり、ごみがたまり、悪臭を放つ水路、渡ろうとしても左折車が多くてなかなか渡れない交差点、新幹線高架下から新幹線側道の危険な横断、のんびり、体験などと言ってはおれません。雨の日にはどうなのでしょうか。また、暗くなったときにはどうなのでしょうか。大人の立場からだけではなしに、子供の目の高さから、また子供の立場からではどうなのでしょうか。
そこで、お伺いします。
1つには、通学路についての定義は明確なのでしょうか。
2つには、通学路の安全チェックの方法について。
3つには、通学路の安全チェックの項目について。
4つには、児童にとっても、また大人たちにとっても安全で楽しく、親しみのあるやさしい通学路として、通学路に愛称をつけてはいかがでしょうか。見解をお聞かせください。
以上で質問を終わります。よろしくお願いいたします。
〔
学校教育部長 広瀬伝之助君登壇〕
○
学校教育部長(広瀬伝之助) 稲垣議員の1問目の質問にお答えいたします。
議員のご指摘のとおり、児童生徒の人間形成にとって読書の果たす役割は大きなものがあり、学校図書館の有効活用が期待されるゆえんであると考えております。そのためには、図書冊数、読書環境等の整備充実、読書指導の充実が必要でございます。本市におきましては、平成3年度より小、中学校とも1人当たり10冊の蔵書を当面の目標といたしまして、小学校では5年計画、中学校では4年計画で特別予算を組みまして、また図書館にクーラーの設置をするなど、ソフト面、ハード面の読書環境の整備に努めてまいったところでございます。
一方、読書指導につきましては、小学校では国語の授業時間を活用し、週1時間の図書の時間を設定して、担任が指導に当たっております。また、授業時間や昼休み、放課後等に図書館を開館し、図書委員の子供たちが閲覧、貸し出し等の世話をしている実態がございます。中学校におきましても、昼休み、放課後等の開館が中心となっておるところでございます。さて、児童生徒が学校にいる間は、図書館を開館してはとの議員のご指摘でございますが、自由に図書に親しむ機会を少しでも保障するという視点に立ちますと、おっしゃるとおりでございます。
したがいまして、私どもといたしましては、児童生徒が校内で読書に親しむ時間ができるだけ多くなるよう、開館時間を学校の実情を踏まえまして、可能な限り伸ばす方向で対処してまいりたいと考えておりますのでよろしくお願いいたしたいと存じます。
〔管理部長 安満二千六君登壇〕
○管理部長(安満二千六) 通学路についてのお尋ねでございますが、1点目の定義でございます。
第1次交通戦争と言われるほど交通事故による死傷者が急増いたしました昭和40年前半、すなわち41年に、交通弱者と言われる人たちを守るため、国において交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法が制定され、その施行令第4条で、通学路とは次に掲げるものとするとされております。
その1つ、要点でございますが、児童または幼児がおおむね40名以上通行する道路とし、2つ目に、小学校等の出入り口から1キロメーター以内に存し、児童等の安全を特に確保する必要があるものと規定をされておるところでございます。
本市も、これを受けまして通学路指定基準内規を設け、学校長、教育委員会並びに市長部局、交通安全対策課の3者が協議をし、1 指定に当たっては、交通状況及び児童の分布状況等を勘案すること、2 児童が小学校等に通うため、おおむね40名以上通行する道路の区間とする。3 できるだけ歩車道の区別のある現有道路とし、車両の交通量が比較的少ないこと、道路が児童の通行を安全確保できる状態にあることという内規を設けて、安全確保のための整備に努めてまいったところでございます。
2点目の安全チェックの点でございますが、これにつきましては、毎年度、年度当初に各学校長あてに通学路の危険箇所調査を実施し、学校からの要望を受け、地域関係者の理解、合意を得る中で、関係機関に対して整備要望を行い、その実現に向けて努力しているところでございます。
3点目の安全チェックの項目につきましては、特に規定は設けておりませんが、具体的には緊急度、重要度の観点を含めて総括的に点検し、なおかつ、各小学校区のPTAを初め交通指導員組織にも相談するよう依頼をいたしておるところでございます。
参考例として、例えば、横断歩道を初めカーブミラー、ガードレール、安全さくなどの補修、新設、さらには歩道の整備の要望等がチェック項目となっております。
4点目の通学路に愛称をつける件でございますが、本市の小学校、幼稚園は、議員のご質問の中にもございますように、いろんなところで田園部分、あるいは都市部というふうに点在をいたしております。これらの通学路は、基本的には生活道路を利用し、できる限り安全性の高い所を選び指定をしており、その数は約300路線に及ぼうといたしております。そういうところから、単に学校や子供たちだけで取り組むことにつきましては、若干問題もあろうかと考えております。すなわち通学路は地域の生活道路でございますので、大人やお年寄りまでもが夢があり、親しめることが肝要であろうと考えております。
したがいまして、この問題につきましては、今後、関係者とも十分協議をする必要があり、今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。
○(稲垣芳広議員) 1点目の図書館の開放の件ですけれども、先ほど部長の方からは、できるだけ開放していくということで、いいんですけれども、ただ、図書館の入り口に、使用されないときに施錠されているということが──これは児童を1人の人間として尊重して、また独立した人格として認めることが大事であると考えるわけです。そうしますと、学校に子供たちがおる間というのは施錠をしない、これが一番ではないかなと、このように思います。だから、その点について、もう一度答弁をお願いしたいと思います。
それから、通学路の問題ですが、まずチェックの方法というのを先ほどご答弁をいただいたのですけれども、具体的に、例えばどういう形でどのようにしてやるということが聞かせていただ けなかったんです。ただ、チェックをされた方法というのは、大人サイド、また地域の地区委員さん等のチェックがなされたのではないかなと思います。チェックの項目にしても、交通安全対策という面のみでのそういう対策がなされていると。そこを通学していくのは当然児童でありますし、児童の通学の時間帯、また児童の目の高さで、また立場でチェックしていくべきじゃないかと、このように考えますし、また、先ほどの愛称の件もひっくるめてですけれども、やさしい人間愛を充実していくという観点からでも、人間性を取り戻す仕掛けをしていかなければいけないんじゃないかなと、このように考えるわけですけれども、これについてももう一度お願いしたいと思います。
通学路の総点検を、国の方でも平成5年度からは通学路の見直しを実施すると、このように伺っております。本市においても、その先駆けとして、そういう早期の対策をしていってはどうかと考えますけれども、もう一度答弁をお願いいたします。
○
学校教育部長(広瀬伝之助) 2問目のご質問にお答えさせていただきます。
高槻市の小、中学校におきます授業で図書館を活用する、その時間帯を除きまして、1日の開館時間というのを調べてみますと、小学校では昼休み、それから業間休み、放課後合わせまして、その開館時間がおよそ2時間前後というふうになっております。中学校では、昼休み、放課後で約1時間半前後というのが今日の実態でございます。また、開館日に至りましては、その実態は週5日から6日というのが小学校で70.4%、中学校では42.1%という状況にあります。私どもは、先ほどもお答えさせていただきましたように、一定、子供たちがみずから世話をしながら閲覧し、貸し出していく、これも1つの教育としての取り組みでございますので、先ほど施錠の件での話がございましたが、現実には、司書教諭の配置もいまだ実現していないという段階でもあり、また読書指導、図書の管理、生徒指導上の課題等からいたしまして、これについては検討課題とさせていただきたいと存じますのでよろしくお願いいたします。
○管理部長(安満二千六) 通学路のお尋ねでございます。
チェックの方法でございますが、確かに議員ご指摘のとおり、現行におきましては地区のPTAの代表者の方なり、先ほどご答弁申し上げております交通指導員さん等、大人が主として点検をしていただいております。ただ、時間帯等につきましては、子供の通学指導あるいは下校時に一定の配慮がなされておるというふうに思っております。仰せのとおり、今後は子供の目の高さで視点を低くしながらこれらの点検をされるよう、今後、学校に対して指導をしてまいりたいと、かように考えております。
それから、愛称の問題でございますが、これにつきましても先ほど申し上げました膨大な数がございます。本市におきましても、市役所前通りをけやき大通りというような形で愛称募集をし たところでございますが、これにつきましては、地域一体となった合意が必要だろうというふうに考えまして、それぞれの学校で勝手に名前をつけたとしますと、同じ名称が2つ3つ出てくるということも考えられます。これらについては、先ほど来ご答弁申し上げておりますように、今後、関係者と十分協議をする必要があろうというふうに考えておりますので、ぜひご理解を賜りたいと思います。
それから、国における安全の総点検でございますが、私の方もそういうふうに建設省の見解として、今後、全国で幾つかの小学校を選んで、モデル的に点検をしていこうというようなことが考えとして出されたというふうに仄聞をいたしております。具体にまだ大阪府を通じてそういう指示がおりておりませんので、これらの部分につきましては、全国的な統一の視点の中で、今後これらの指示が参り次第、早急に取り組んでまいりたいと考えておりますのでご理解をいただきたいと思います。
○(稲垣芳広議員) 先ほどの図書館の開放に関しては、確かに難しい面があると思います。ただ、それだからこそ司書教諭等も早期に配置ということを考えていただいて、開放されれば児童は、初めは遊びに来るかもわかりませんけれども、その中で何かを調べるおもしろさとか、また考える楽しさ、美しいものに接する喜び等を学んでいきます。そうした観点から通学路に関しましても、交通安全という対策の面からだけじゃなくして、いろんなそういう横の環境の問題とか、そういうことからも連携をとり合っていただいて、やさしい人間をつくると、そういう基盤整備をぜひ実施していただきたく、このように要望して終わりたいと思います。
○議長(伊川二郎) 稲垣芳広君の一般質問は終わりました。
ここで3時15分まで休憩いたします。
〔午後 2時55分 休憩〕
〔午後 3時15分 再開〕
○議長(伊川二郎) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、竹沢玲子君。
〔竹沢玲子君登壇〕
○(竹沢玲子議員) 無認可保育所の役割についてお伺いいたします。
昨年から今年にかけて、無認可保育所などが閉鎖や休止のやむなきに至っております。思えば、1960年代後半からの高度経済成長時代を背景に、高槻でもポストの数ほど保育所をの運動はどんどん広がり、高槻市の労組を中心に、高槻保育要求市民共闘会議が結成されるなど、現在の保育行政を確立される基盤が成熟いたしました。当初、保育所建設は、増大する保育要求に追いつかず、1969年から市は、父母の手で開設される無認可の保育室に対して、暫定措置として の保育室利用制度を提供され、公私の認可保育施設の建設計画を進めてこられました。30年を経過する今日までに33か所、3,150名の定員を持つ保育所が、今働く父母を支え、21世紀を担う子育ての支援をするに至っていることは、感慨深いものです。しかし一方で、いまだに10か所を超える無認可保育室が、市との委託契約で存続し、さらに、企業内保育所や産業としてのベビーホテルなどが、子供の育つ権利を守るには、首をかしげなければならない状態で行われていることも見逃せません。
さらに、今日的課題となっている都市化の進行の中で、共同体的人間関係から孤立した核家族や、ちょっとした危機にも対処能力を失いがちな家庭の増大、また、競争社会の中で働き続ける女性の子育てを放棄する傾向などへの対応を含めて、今、新たな子育て支援体制の確立が求められています。1.57ショック、1.53ショックと言われる出生率の低下傾向にどう対応していくかは、私たち高槻市民にとっても、21世紀に向かう課題の1つであります。好むと好まざるにかかわらず社会的必然性として、21世紀は共働きの世紀、「子育ては共同と連帯の場である保育所で」の合い言葉が、かつての「ポストの数ほど保育所を」にかわる時代に突入しています。こう申しますと、誤解があるかもしれませんので、本日の質問の目的ではないわけですが、少しお断りをいたしましょう。私は、親が子育ての責任を軽視したり、放棄したりしても仕方がないと言うのではありません。1989年、国連で採択された子供の権利条約でも、育児について、親は、養育の第1次的責任を担うものと位置づけられ、国や社会は、親の養育を援助する責任と義務があると明記されている。私はそういう立場で申しております。児童福祉法の第2条で、国及び
地方公共団体は、児童を心身ともに健やかに育成する責任を負うという、この責任も親の子育てを支援する責任。親のない者には、親にかわる親権者としての責任と理解しています。当然、健やかな子育ての可能な家庭を営むに足る労働行政や住環境の整備なども、期待するところです。
さて、本題に戻りますが、現在の保育行政を進め、21世紀に向かう子育て支援体制確立を目指す今日の保育運動の原点である共同保育所の役割について、質問させていただきます。
私は、この場をおかりいたしまして、昨年の末、24年間にわたって困難な運営を続けて、遂に閉鎖に至った富田共同保育所の歴史の1こまをご紹介して、共同保育所の今日的役割について考えていただきたいと思います。そして、この閉鎖せざるを得なかった富田共同保育所に、高槻市の保育行政が一輪の花を添えてくださることを願ってやみません。富田に保育所をつくる会ができて、乳児保育室を既設の富田保育所に設けていただいた1964年、私たちは松下労組や部落解放同盟富田支部の皆さんとともに、大いに勇気づけられ、子育ての共同の場である保育所を支えるために保護者会もつくりました。部落差別がすべての子供の成長にとって許されないものであることも、事あるごとに学び合い、ともに、この子供たちが大きくなるころには差別をなく していこうと誓い合ったものです。
ところが、不思議なことに1965年になると、空席があっても、同和地区以外の子供は富田保育所には措置されず、遂に、如是保育所の開設を機に、富田保育所に在籍する地区外のすべての子供に転所措置がとられました。富田に保育所をつくる会は、どの子もともに育てたいという父母の願いが分断させられる中で、富田五丁目の関医院の診察室の跡に誕生しました。父母の居室を1週間ずつ移動する保育所でした。この状態から脱出できたのは、市が保育室利用制度で新設費20万円、1か月1万円の家賃補助、子供1人当たり5,000円の運営経費補助の制度化を打ち出し、故吉田利明市議のご好意で、富田二丁目の借家を提供していただくことができたときです。記録に残るだけでも354名の子供が巣立ち、92名の保母さんに支えられての24年間でした。最後にお世話になった富田六丁目の藤中ツネカさんは、同和地区の改良事業で、保育所が二丁目から立ち退かなければならなかったとき、どうせひとり暮らしだからと、みずからは文化住宅に移って自宅を提供してくださいました。現在は特別養護老人ホームで暮らしておられます。保育所閉鎖後は、地主さんのご好意で空き家を片づけていただくことになりました。地域の方々のご理解とご援助に頼ることの多かった共同保育所でしたが、月に1度の委託医の訪問時には、地域の赤ちゃん相談室となり、日常的な子育て相談や遊びの提供の場として、地域にお返しできたことも少なくありません。何よりも共同保育所を巣立った父母が、保育所づくりの原点で学んだ、ともに育ち合う子育てを生かして、延長保育の担い手となり、給食の改善や地域の子供たちに保育園を開いていく。大阪教育大学の秋葉先生のお言葉をかりるなら、育ち合う、「だちだちの子育て」を進めている。これは何とすばらしいことでしょうか。
前置きが随分長くなりましたが、今日的課題である子育て支援体制確立に向けて、今、共同保育所の歴史に学ぶ必要があるのではないでしょうか。そのためにも、現在の無認可保育施設への支援が求められます。
当面、1つ、無認可施設の発展解消策を強く打ち出してください。
2つ、無認可にも、改築、増築に伴う補助をしてください。
3つ、無認可に在籍する子供を措置児と同格に認め、保育料の2子、3子減免の対象にしてください。
4つ、無認可保育所で、有資格者が働けるよう子供の減る4月、5月、6月を切り抜けるに足る一定額の運営補助をしてください。
5つ、母子家庭など、低所得者に保育料に見合う助成をしてください。
以上、お願いの形ではありますが、質問といたします。
次は、市立老人ホーム跡地の活用についてお伺いいたします。
のどかな田園風景のたたずまいを今にとどめる老人ホーム跡地の活用については、多くの市民が納得でき、地元の皆様にも温かく支えていただけるものでありたいと願っております。私はそうしたものとして、最も必要であり、納得のいく施設として、障害者センターの建設を期待するものです。
城内町のゆう・あいセンターも、既に多様な活動が展開され、障害者団体などの活動の拠点となっています。しかし、聴力障害者団体などから、ビデオづくりの独立した部屋さえ確保してもらえないなどとの声も聞き、手狭になっていることも考えられます。障害者問題協議会で、センター建設が課題とされたときも、宿泊施設を併設したり、重度障害者への入浴介護が可能な施設を備える必要性の声も出ていました。国連の障害者10年の行動計画も昨年で終わり、今、庁内で今後の計画策定のための作業を進めておられると聞きます。高槻の10年行動計画の中にも、障害者センターは2つ目が達成されていなければならない時期でもあります。今年から、障害者の入浴介護事業も始めていただくことにはなりましたが、実情は、高齢者介護との抱き合わせで質・量ともに不十分です。また、年々、数々の障害者ミニ授産所の増設が進んでいます。こうしたミニ作業所が共同で交流したり、ともに事業を展開するような場所も一層必要になってくると思います。肢体障害者などに適していると言われるプールの設置など、センターに来ればこうしたものがあり、ともに生活体験が広がっていく、このような場が一層求められるのではないでしょうか。また、障害者センターが地域の方々の交流の場になることも、ノーマライゼーションの第一歩ではないかと考えます。第2の障害者センター建設を老人ホーム跡地にすることを、ぜひ検討課題としていただくよう願って質問といたします。
〔民生部長 橋長 勉君登壇〕
○民生部長(橋長 勉) 竹沢議員の1点目の無認可保育所の役割について、お答えを申し上げたいと思います。
まず、1点目の無認可の発展的解消を強く打ち出すことについてでございますが、認可保育所に発展的解消をしていくためには、種々の条件が必要となってまいります。既設認可保育所との距離の問題、あるいは建設予定地周辺の待機児童数等の問題、そして、それとともに今後10年以上にわたって安定した保育需要があること。さらに、用地の確保、建設資金、社会福祉法人の設立などのことで、国、府とも十分協議していく必要がございます。
一方、簡易保育施設の廃園の方向での解消策でございますが、希望される認可保育所に欠員がない場合は、簡易保育施設に入所していただくことになる現状がございます。したがいまして、現在においても、簡易保育所施設は保育行政にとって必要な施設と考えており、助成をしているところでございます。
次に、2点目でございますが、改築、増築などの補助についてでございますが、改築移転の委託料として20万円を助成いたしております。委託料のあり方等につきましては、今後の検討課題といたしたいと考えております。
次に、無認可の第2子、第3子にも保育料減免を適用することについてでございますが、本市の簡易保育施設の保育料は各施設で徴収されており、保育料の多子減免を簡易保育施設に入所している乳幼児にも対象にすることは、現状では困難でございます。
次に、子供の少ない時期への対応についてでございますが、年度当初において、入所する乳幼児が、各園とも少ない傾向が見られますが、その間、保育委託料を配慮することは、民間認可保育所の欠員補償の助成もしていない現状では困難でございます。
最後に、母子家庭などへの保育料補助についてでございますが、母子家庭への保育料助成は検討すべき内容でございますが、母子家庭の方々につきましては、認可保育所への入所も検討していただく方法もございますのでよろしくご理解いただきたいと存じます。
〔市長公室長 溝口重雄君登壇〕
○市長公室長(溝口重雄) 2点目の養護老人ホームの跡地利用についてのご提言でございますが、第2の障害者福祉センター、こういったご要望でございます。本件につきましては、過般の総務委員会でも大川議員から取り上げられまして、私どもご回答申し上げたわけでございますが、その域を出ないということを、まずもってお答えしたいと思います。
お尋ねの養護老人ホームの跡地でございますけれども、本件この土地は、広い面積と整った形状を有しておりまして、総合計画に基づく事業なり、昨年6月に明らかにいたしました実施計画、いわゆる40事業の候補地として貴重なものでございます。しかしながら、例えば郡家茨木線からのアクセスでありますとか、あるいは遺跡の問題、さらには養護老人ホームを建設いたしますときに、地元からいろいろな問題提起がなされておるといった経過もございますので、跡地の利用を考えるに当たりましても、そういったことも含め種々の面での検討が必要であろうと考えております。
現在、老人ホーム跡地を含めました遊休地の活用並びに施設配置につきましては、全市的に鋭意検討を進めておりますが、養護老人ホームの跡地に限らず、そもそも土地というのは、本来的には代替えのきかないものであり、それぞれの利用に当たっての条件であるとか制約をもってございますので、真の市民ニーズや施設の優先順位等々も十分考え合わせまして検討する中で、総合的に判断をしていかなければならないと存じております。また、利用計画ができ上がりました段階におきましても、これを対外的に表明した場合、土地を取得しにくくなったとか、公共事業が土地の価格をつり上げたと、こういったような結果になっても困りますし、地元対応といった こともございますので、今後そういったことを総合的に十分考え合わせまして、適切な対応をしてまいりたいと、かように考えております。
○(竹沢玲子議員) 富田共同保育所を例にとって、長々とご紹介申し上げましたのは、共同保育所というのは、今、認可や公立などで、いろいろな保育を行っていらっしゃいます。そういうものが発展していく、その原点となるような活動をしてきて、そして、高槻のほとんどの保育園を建てていくのに一定のかかわり方をしてきたという点で、今この中でもっと学んでほしいことがあると、そういう願いを込めてご紹介したわけです。今、家庭崩壊などが叫ばれ、子育てをする親自体の力も弱体化している。そこへもってきて、地域も都市化が進んで、共同体的要素がなくなってくる。さらに、経済的にも、また競争社会という側面からも、本当に子育てというのをゆっくり考えて、そこでともに育っていくということが大変少なくなっている。そんなときに、今、国も大変だということでいろんな施策を打ち出しています。高槻もしていただいている保育相談だとか、長時間保育だとか、それから緊急一時保育などの拡大を厚生省が求めているのも、そういう時代背景があるということからだと思います。多様なニーズの保育要求をどうやって実現させていくか、そして、その中で既設の保育所なんかもどういうふうに活用するかというのが、今、大きな課題になっています。そういうときに、じゃどうしたらいいかと、そのときに共同保育所の運営をもっと十分検討していただく、このことが大切なんじゃないかと思います。
例えば、こんな話もあります。共同保育所で頑張っているお母さんというのは、いつも保育所のために頑張っているので、先生に対して甘えも出ます。時間までにお迎えに行けなくても、ごめんなさい、何とかがなんて言って電話をして、つい遅くなることもあるかもしれません。若い先生だったら、デートの時間にもおくれるかもしれない。だんだん機嫌が悪くなってきます。お母さん、遅いわねえ。どうせ、あんたのお母さんは組合活動なんかしてるのよ。だれだれちゃん、折り紙上げる。青と赤とどっちがいい。そうやろ。あんたのお母さん赤だしねえなんて、子供はどんどん悲しくなります。遅くなって入り込んできたお母さんと先生の前で、子供は言いました、私、大きくなったらやさしい保母さんになるの。お母さんは、反省して、延長保育制度の実現のために頑張りますし、先生は赤って本当にきれいな色だと言いました。この子は今、高槻市の保母さんになっています。困難な条件の中でお互いに育ち合う、こうしたエピソードを共同保育所は数多く持っています。
厚生省が今、子育ての力、家庭や地域が持っている本来の子育ての力が弱体化して、そこにも手を入れて支援体制をつくっていかなければならない。そんなときに、こうした共同保育所の経験、育ち合うといいますか、お互いに大人も子供も関係を深めながら生きていく。これは本当に大切なことだと思います。私たちもいただいている市政概要というのがありますけど、その市政 概要の簡易保育施設というところには、十年一律に、簡易保育施設は現在何か所あり、自主的運営がなされているが、設備が不十分なこと、保母資格を有する者が少ないこと、保育委託者の負担が大きいことなど、多くの改善を要する問題を抱えています、と書き続けておられます。10年どころか、数えてみたら18年間、全く同じ言葉で書かれているわけです。18年間、多くの改善を要すると書き続けるんだったら、なぜ、今まで、そんなにたくさんの矛盾点を残したまま放っておいたのかと言いたくなります。けちをつけるつもりで申し上げているのではないんですが、この市政概要の簡易保育施設のところを見ましても、事実と違うこともいっぱい書いてあるんですね、今、ご紹介した中で。例えばどんなとこかと言うと、簡易保育施設は委託者の負担が大きいこと。これは今、認可保育所でも、公立保育所でも、最高額が5万7,200円ですから、共同保育所は場所によって多少は違っても、昨年末までは4万5,000円だった。別に共同保育所の方が負担が大きいというわけではないんですね。これも時代の中で変わってきています。それは、そういうこともきちっと見ておられませんし、資格のある保母さんが少ないことと書いてありますけど、やまびこ共同保育所なんかは1人を除いて、全部有資格者なんです。大変力量のある保母さんなんかもいらっしゃいます。これなんかも一律に書いてあります。先ほども申しましたように、けちを言うつもりで市政概要のことを取り上げているわけではないんですが、ほんの一例です。きめ細かい目で、無認可保育所が困っているという声は既に聞いてくださっていると思います。その中で無認可保育所のことを、例えば市政概要に書くにしても、ほかの書類に書くにしても、18年間同じ言葉で書き続ける。このぐらいの見方しかしておられないということを、私は問題にしたいわけです。ぜひ、今日的な意味から無認可保育所の役割について、そして、公的な文書などにされるときも、そのたびに1つ1つ、無認可保育所が今どういう問題を抱えて、どうしなければならないかという対応を保育課が今してくださることによって、これから私たちが築いていかなければならない大切な子育ての課題が、その中に秘められているのではないかと思います。そういう意味で、今いろんなことをやってくださいとお願いしましたら、私が聞いた限りでは、また、あんなこと言うてはるわというようなご回答なんです。だけど、どれもゆっくり、何か方法がないかという立場で考えてみると、全部発展の方向はあるわけです。全部は申し上げません。例えば、無認可保育所に在籍する子供も措置児と同じように認めて、保育料の2子、3子減免を検討してください。こんなことは、無認可保育所にいる方の子供を見なくたっていいわけです。認可保育所にいる子供を見て、その子に弟がいて、妹がいて、その子が共同保育所などに行っているということだったら、その上の人のを減らしてはるわけですから、下の人の扱いは、措置児という扱いでなくても、その子がそういう生活をしてるということを認めたら、上の人の保育料を減免の対象にすればいいわけですから、ちっとも難しくないわけです。こういうふ うに考えていくと、しないためにできないとおっしゃっているように聞こえてならないわけです。
今、5つ、お願いという形で質問を申し上げましたことは、きめ細かくできることはないかという立場でしていただくということを要望したいと思います。そして、今、厚生省などが、どんどん新しい事業を打ち出しています。子育て相談もそうですし、長時間保育だとか、それから、地域の子供たちへの交流の場としての遊びや子育ての相談業務などですね。こういうのは、ぜひ無認可保育施設にさせてくださったらいいと思うんです。どうせ今、厚生省はふろしきは広げますけれども、措置費の中に組み込んで、こういう事業をしなさいというふうには言っていません。単発の補助事業として、やりなさい、やりなさいと言っている状態です。そういう意味では、高槻市が今、無認可保育所の子供に対しては、措置費の扱いをしてないわけですから、そういう厚生省の財政的には気まぐれな仕事を、無認可保育所にしていただいたらいいんですね。ですから、やり方はたくさんあると思います。そういうことなんかも、今後検討していただけるのかどうか、1問目の項目についてのきめ細かいご検討と、新しい事業を無認可保育所などのこれまでの運動やそこで備えてきた力で、こたえられる部分をどんどんさせて、そして無認可保育所を育てるということで支援していただきたいと思います。
それから、障害者センターを老人ホームの跡地にどうだろうかという願いでありますけれども、私は高槻市の障害者行政というのを見てきて、一定随分前進しているという面があるんですね。それなのにどうして基本計画の40事業の中に入っていないかと不思議でたまらないんです。行動計画の10年間の中には、ちゃんと2つ、東と西に障害者センターが要ると書いてあるんです。当然、今のミニ授産施設などがどんどん活躍をしている時代には、もっといろんな機能を持つセンターがどうしても必要だし、そういうものがどうして40事業に入らなかったのか、その辺も含めてひとつ考えてみていただきたいと思います。また、あそこの郡家茨木線に沿いましては、老人施設とか、障害者施設とか福祉施設を、市も大変たくさん誘致してくださっています。そういう点からもあそこの場所というのは、いろんなご要望があるでしょうし、いろんな課題はあるでしょうが、一番だれにでも納得されるふさわしい場所ではないかというふうに考えております。今、先ほどいただいた以上のお答えというのはしていただけないかもしれませんけれども、障害者センターが、今、1つでは高槻市の水準としてはいけないんだ、そういう認識をしていただきたいと思います。
○民生部長(橋長 勉) 無認可施設に対してのご質問の中で、国が、無認可施設として認めればいいと、こういうようなお話もあったわけですが、その話は、非常に難しい話だというふうに私は思います。そしてまた、お話の中に、高槻市が改善をしてきていないようなご発言もあったわけでございますが、実際はそうではございません。議員もご承知のように、昭和44年にこの 制度ができまして、当初は児童1人当たり1,500円ぐらいの補助制度がございました。それからずっと経過していく中で、現在では2万1,000円の補助をさせていただいている。もちろんこれは府の補助も含めてでございますが。府の方は61年度に5,000円でございました。それを62年度に5,500円に上げられたときに、3歳以上の幼児については打ち切りをされました。そういった府としても打ち切りの状況があるわけですけれども、市としては、それでもなおかつ続けて、現在、助成をさせていただいているという実態でございますし、今まで1,500円から2万1,000円までには徐々に改善をしてきているという事実がございますので、その辺はひとつご理解をいただきたいというふうに思います。
そして、これらの問題につきましては、過日の所管の委員会で、詳しくお答えも申し上げておりますので、そういったことで、ひとつご理解を賜りたいというふうに思います。
以上でございます。
○市長公室長(溝口重雄) 障害者センターの位置づけをしろと、こういったご提言でございます。先ほども申し上げましたように、数ある事業の中で、どういった優先順位を与えていくかということは、非常に難しい課題でございますけれども、私ども高槻市が、あえて自慢できる行政分野を2つ上げるとすればどうなんだと、こういったご質問を、過般モニターとの市民会議の中で受けてございますけれども、その1つに、政令指定都市である大阪市を除きまして府下で唯一市バスの事業をやっておりますけれども、こういったことが幸いいたしまして、交通の利便性、このことが1つ挙げられようかと思っております。そして、いま1つ福祉の分野の中でも、障害者、こういった問題につきましては、かなり私どもとしてはやってきたのではないか。議員も、一定前進してきたと、こういうふうにお認めのように、そういった認識を持ってございまして、それを除く分野については、冒頭申し上げましたように、本当に厳しいメジロ押しのような状況でございます。そういった事情を十分ご理解をいただきたいと思います。
○(竹沢玲子議員) 無認可保育所のことで、補助が幾ら上がったとか、そういうことをおっしゃると、この制度ができたときの1,500円とおっしゃっているけども、そのときはすぐ5,000円になったわけです。その5,000円になったときの公立や民間での保育料の最高額が3,500円程度なんです。ですから、その助成の額が、今と比べものにならないでしょう。今は、措置費自体が0歳児で90名定員の保育園なら、7万5,000円になってますでしょう。そういう中での2万1,000円ですから、20年間の推移をいろいろなものと比べてみると、簡易保育施設への助成というのは、非常に低いのが現状なんです。
それから、これも何回も繰り返しになりますが、吹田や枚方などでは、措置費並みの対応をしているわけです。30万都市ぐらいで、無認可保育所に対して一定の役割を果たしてもらってい るというときには、それなりの保育行政の今の水準並みの助成をするというのが常識なわけで、そういう意味から言ったら、全然努力をしてくださってないのではないかもしれないけど、ほかのレベルと比べたら、比べものにならないほど低い助成額だということなんです。民間保育所なんかでも増改築のための予算を、このごろ出してくださるようになりました。無認可だったら、そういうことがよけい必要なんですね。そういうことなんかも検討していただく。たくさんのお金がいるわけじゃないんです。本当に少しのお金で生きて、それが使われる。そういうことでも、厚生省が提起している事業も措置費という形で組み込まれてないから、もし市が、今の既設の保育所の中でやろうとすれば、莫大な経費がかかるわけです。けれども、無認可にお願いすれば、相談業務でも、子育て支援事業なんかでも、かなりの部分、国のくれる補助金の範囲内ぐらいでやっていけると思うんです。ですから、そういうことも、市が責任を持って工夫できるような体制をとっていただければ、無認可保育所も生き延びていく方向が出てくると思います。内容的には、これまでもご質問申し上げてきたことですので、いろんな機会を生かして無認可保育所へ行政の光をもっと当て、そして、ここでもっと学んでいただきたい。それが今、どんどんつぶれていっている、苦労された共同保育所を支えてこられた人や地域の方へのお返しになるのではないかと思って、きょう、あえて質問をさせていただきました。お答えは結構ですので、ぜひ努力を重ねてくださるようにお願いして、終わりといたします。
○議長(伊川二郎) 竹沢玲子君の一般質問は終わりました。
次に、根来勝利君。
〔根来勝利君登壇〕
○(根来勝利議員) 私は、施政方針に関連して質問させていただきたいと思います。
本市を取り巻く財政事情、あるいは市民の行政に対する要求、これは複雑多岐にわたっております。そういう中で、行政が市民にいかようなサービスを提供できるかということは、とりもなおさず、まず行政においては、その基本は人と金でございます。それは、私が常々申し上げておりますし、行政においても、そのことは重々ご存じだと思います。
そこで、今、本市の財政事情は非常に厳しいものがあります。そしてまた、法人市民税の落ち込みや、あるいは景気の鈍化などで、非常に税収そのものが見通しの暗さの中で、財政計画を立てなければならないという状況にあります。そういうときにあって、より求められるのは、行政は、今までサービスしてきたそれらについての、そのサービスの低下は許されないわけであります。より以上のサービスを市民は求めてくるわけであります。となれば、入る金が少なくて、出る金が多いということは、どこかで無理がくるわけであります。そういうところから少なくとも、これは経済の基本だと思いますけれど、出を厳しくチェックし、そして、入りをでき得る限りこ れも厳しくチェックをかけていく、これは基本だと思います。私は、今コンピューター時代と言われておりますけれど、むしろ昔の大福帳が、その基本であると考えるものであります。そこから、私は、具体的に質問したいわけでありますけれど、本市がいろいろな新しい施策、そしてまた、新しい建物を建てるときに、どのような財政の中でその計画をチェックされ、そして、それに対して財政として、その予算をつけておられるのかをお聞きしたいと思います。このことは、前にも私が厳しく指摘いたしましたし、そういう意味では、計画性を持ったその施策のチェックポイントは、厳しくチェックされるべきだと前にも申し上げましたので、もう一度その点についてお聞かせ願いたいと思います。
そしてまた、財政よりも最も大事な人の問題です。これについてはいろいろな形で、本市も職員研修、そして、その中で海外研修も含めて、いろいろな施策をとっておられますが、私は、この4週8休制に見られる今回のこのことについても、基本的にはまだまだ職員の意識、あるいは、市長が市長会でお約束なさったと表明いたしておりましたが、市長のその意識をも疑うものであります。そういうところから、今後の職員研修についても、私はお聞かせ願いたいと思います。
次に、北部スポーツグランドについてお伺いいたします。
これは、我が市民連合議員団として、去年そして今年と質問させていただいたところであります。とりわけ、この総合スポーツセンターにおいては、本市の持つ緑の総合条例との整合性については、大きな疑義があると訴えております。これに対しての答弁は、ただ、緑との調和を図っていくという答弁にすぎません。本市が誇るべき動植物の保護を条例で定めておきながら、第1回の調査で、本市の保護しなければならない動植物の生息が確認されたにもかかわらず、またぞろ、いろいろな形でその建設を推し進められようとしている点については、いささか残念でなりません。そういう点について、私は、今、我々人間が自然を破壊とかそういうことではなしに──我々人間が生きていくためには多少の自然の破壊もいたし方ないと思います。しかし、翻って動物から人間を見たときに、我々のこの傲慢さは、いささか我々自身、今、反省しなければならない時代だと思いますし、今回のこのスポーツセンター、余りにも私は、強引過ぎると思うわけであります。そういう点について、再度、本市の緑の総合条例との関係についてお伺いいたしたいと思います。
3点目は、図書館の問題です。我が代表質問の中でも、図書館についていろいろなことをお伺いいたしました。今回、私は、策定委員会についてお伺いいたしたいと思います。それは、去年の9月に私が質問いたしまして、
社会教育部長の答弁で策定委員会をつくって、そして今後、図書館行政を進めていくとありました。まさに、本市の図書館行政に最も欠けているのは、マスタープランがないというところであります。行き当たりばったりに図書館を建てるんではなしに、 トータル的に、本市の図書館のマスタープランをつくる中で、図書館行政を進めて行かなくてはならないと思うからであります。そういうところから、策定委員会を設置するお約束をいただいたわけでありますけれども、12月の我が市民連合議員団の伊川議員の質問に対しても、堀参事が、来年度早々に向けて鋭意努力すると答弁があったところであります。今回の予算書を見ても、報償費の中で、その委員の予算は組んでおられると思いますが、策定委員会の設置あるいは、それにかかわる構成メンバー、人数等、そしてそれが、いつスタートできるのかをお伺いいたしたいと思います。
次は、建設部に関連してお伺いいたします。
去年の12月議会で、私は、芝谷町の住宅展示場の問題について質問いたしました。つまり、市の職員が、水利組合の排水同意をもらいに行ったということを指摘したところであります。ところが、部長の答弁は、説得しに行ったとの答弁であったわけです。私は再度確認いたしましたが、やはり同意するのに判を押してほしい、さもなければ、この地域のいろいろな行政の施策が後回しになるやもしれないというような言葉を吐いてまでも、同意に印鑑を押させたという事実が明らかになったわけであります。まさに私は、行政権力をもって弱い市民に行政が無理に判を押させたと確認するところであります。また、この土地は、調べてみますと、実際には6,000坪であります。しかし、税金は3坪しか渡しておりません。3坪、私の推定するところでは約1万円です。これが6,000坪とするならば約2,000万の税金を納めなくてはならないはずです。本市に、この会社がその開発の申請をしたときに、私はその辺のことを、資産税課と横の連絡をとるならば、もっともっと速やかにこれらの事柄についてもチェックできたであろうと思われるわけであります。この点については、今後、この固定資産税についてどのようにされようとしておるのか、むしろこの際きっちりしておくべきだと考えます。あわせて、この住宅展示場が実際には建設不可能となりました。となると、実際には、宅地並みにきれいに造成された土地が残ってしまうわけであります。ここに将来、マンション、あるいはそのようなものが建てられるのかどうかを、まず、お伺いいたしたいと思います。
1点目の質問は以上です。
〔財務部長 小林 宏君登壇〕
○財務部長(小林 宏) 根来議員の一般質問にお答えをいたしたいと思います。私の方からは、1点目の予算のときの査定段階でのお話だろうというふうに理解をいたします。当初予算の査定につきましては、経常経費にかかる予算、それから政策経費にかかる予算を分けまして査定をいたしておるわけでございます。ご質問は、政策予算の査定についてのお尋ねであろうというふうに思います。政策予算の査定につきましては、財務部、それから市長公室とともに当たっておる わけでございます。まず、総合計画との整合性、それが1つございます。それから、その事業に対する国、府の補助制度や起債の許可見込み、そういったことについて精査をいたしております。同時に、事業の目的や効果、それからできるだけ将来の管理、運営方法などにつきましても、一定見通す中で精査をいたしておるわけでございますけれども、なお、事業計画案の精査につきましては、この予算査定の前段階で、市長公室で取り組まれておるところでございます。こういったことから、あと組織関係、これは総務部との連携、そういったことを図りながら、最終的には理事者の判断をいただく中で決定しておるということでございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
それから、4点目の芝谷町における課税の問題でございます。
現況地積が、登記地積よりも著しく大きいじゃないかというご質問であろうというふうに解釈いたします。ご質問の現況地積が、登記地積よりも著しく大きい場合の課税の問題でございますけれども、土地登記簿に登記されている土地についての課税地積につきましては、ご案内のとおり、固定資産税の課税原則でございます台帳課税式という考え方に基づいて、賦課期日、すなわち1月1日時点での登記地積によることとされておるところでございます。したがいまして、まずは、登記簿記載の地積を更正していただくことが必要となってまいるわけでございます。一般的には、このような開発に伴うものにつきましては、分譲等によりまして地積更正をされることによって、登記と現況の地積が一致するものでございますけれども、所有権移転を伴わない開発であり、しかも、その地積が著しく異なるような非常にまれなケースである今回の事件につきましては、本年1月現在の航空写真等によりまして把握をいたしておりまして、現認確認を済ませ、当事者との接触上、地積更正をしていただくという結論に至っておるところでございます。なお、今回のようなケースを把握するために、今後の問題といたしましては、開発担当課との連絡調整等を密にする中で、今後とも協議をいたしまして、こういうようなことのないようにしてまいりたいと、このように考えておりますのでよろしくお願い申し上げます。
〔市長公室長 溝口重雄君登壇〕
○市長公室長(溝口重雄) 根来議員の2点目の一般質問に対しましてご答弁を申し上げます。
行政を進めていく場合におきまして、1点目の財政の問題に次いで人の問題は、非常に重要なことでございます。この間、根来議員、こういった人の問題とか、あるいは行政経営の問題等々一貫して取り上げられておるというのも、本当に我慢ならない部分があるんだろうと、こういうふうに思っております。過般の4週8休制問題におきましても、先ほどの表現をかりれば、職員の意識に、まだまだ低い、我慢ならないものがあると、こういうような趣旨でのご質問でございます。真摯に受けとめてまいりたいと、かように考えております。
ところで、いわゆる人づくりといいますか、職員研修についてどのように考えておるのかということでございます。基本は地公法にもうたわれておりますように、こういった公務の分野においても、勤務条件を初めとして行政サービスに当たっても、民間準拠というのが幾つかある中での1つの大きな原則でございます。こういったことを踏まえまして、私は民間に学びたいと、こういうふうに思っております。そういった趣旨で、数年前から民間への派遣研修もやっておるわけでございますけれども、まだまだ不十分な部分がございます。今期にありましても施政方針で申し上げておりますように、試験制度の導入に次いで勤務評定を導入していく、こういった制度を入れていくということによって、かなり民間に近づいた、いわゆる職場風土として、ぴりっとしたものが出てくるのではないかなというふうに思っておりまして、その追求に全力を傾注してまいりたいと、かように考えてございますので、ご理解を賜りたいと思います。
〔
都市整備部長 谷知昭典君登壇〕
○
都市整備部長(谷知昭典) 根来議員の3点目の北部スポーツセンターに関しまして、緑の総合条例との整合性というお尋ねでございます。
こういった開発を行う場合におきまして、関係法令、法律、あるいは条例、そういったものに抵触する場合におきまして、これを遵守しなければならないということにつきましては、お説のとおりでございまして、我々もそういった認識の中で対応をしてまいりたいと、このように存じております。
いわゆる総合条例というものにつきましては、ご案内のとおり、自然的環境の保全あるいは緑の創出、こういったものが良好で快適な都市環境の形成を図る上で不可欠な条件であるとの認識のもとに、必要な施策を緑地環境の保全と緑化の推進、こういったことに基づきまして制度化されたものでございます。この制度化に当たりましては、議会におきまして、昭和58年に都市緑美促進特別委員会、これが設置をされまして、ご論議もちょうだいをいたしたところでございます。
ところで、この北部の総合スポーツセンターを実施するに当たりましては、予想される緑地環境に及ぼす影響についての条例におきます規定がございます。すなわち、第7条におきまして、地域開発施策等における配慮といたしまして、市は地域の開発及び整備その他の緑地環境に影響を及ぼすと認められる施策の実施に当たっては、緑地環境の適正な保全について配慮をしなければならない、こういった条項でございます。これは、当該施設の実施に当たりましては、緑地環境への影響を最小限度に抑えられるよう、設計及び施工方法等にも十分に留意をすることが必要であるという配慮規定でございます。したがいまして、これから種々の課題を解決をするに当たりましては、この条項というものも十分に尊重いたしまして、緑との整合のとれた開発計画を樹 立をしてまいりたいと、このように考えております。
〔
社会教育部長 内本隆譲君登壇〕
○
社会教育部長(内本隆譲) 3点目の図書館に関する策定組織の件でございますが、新年度できるだけ早く発足できるよう努力いたしてまいりたいと考えております。なお、構成メンバーにつきましては、専門家や利用者、市職員、それに関係機関の方々等を考えておるところでございますのでよろしくお願いいたします。
〔建設部長 近藤富彦君登壇〕
○建設部長(近藤富彦) 根来議員の5問目、6問目に対してお答えさせていただきます。
12月議会におきましても、この住宅展示場につきましてご質問を受けたわけでございますけども、そのときにもお答えさせていただきましたように、水利組合に対しましては、あくまでも事情を聞きに行き、今後の円滑化を図るために行ったということでございまして、先ほどおっしゃるような事業云々というようなことについては、私はないものと信じております。
それから、2点目の仮にあと土地利用の関係でマンションが来た場合どうかということでございますけれども、当該地につきましては、第1種住居専用地域でございます。したがいまして、そのような法の範囲内であれば、マンションも可能でございます。ちなみに、私の方といたしまして、その後、事業主に対しまして、次の新たな用途が発生するまでの間、山そのものを現状に復するということにつきましては物理的には不可能でございますので、植樹をして、緑の保全をするようにということを行政指導しておりますのでよろしくお願いいたします。
○(根来勝利議員) 1点目の査定の件なんですけど、答弁では事業計画については、かなり前の段階でチェックしているというお話なんですが、例えば、芥川の資料館も言わせていただいたことがあるんですけれど、そういうチェックそのものがマニュアル的に役所にはないんじゃないんかなという気するんですよ。1つの新しい事業をするにしたって、何をするにしたって。ポイント、ポイントをチェックするノーハウを、高槻市役所はお持ちじゃないんじゃないかなという気がしてるんですよ。例えば、芥川資料館一つとってみても、僕は簡単に聞いた話なんですけれど、入場者数もわからない。入場者数というものは、その会館の運営、当然人の問題も入ってくる、経費も含めていろんな問題が絡んでくる。そういうものがわからない中で、とりあえず建物は建てると。これは常々言っている計画行政とは、私は認めがたい。もっと、事業計画なり、そういうものを立てるとするならば、例えば、民間ですと新しい店舗をつくる。当然、売上は見込む、それに要する固定経費は、当然それもはじき出す。こういうものがあって初めて、事業展開はしていくと思うんです。これについては、僕は、高槻市役所で常々欠落している部分が、まず経営者として職員に希望を与えるものがないと思っているんですよ。だから、希望の欠落です。それと、 目標がないです。そして、目的がないですね。この希望と目的と目標がないから、どこでどうなっているのかはっきりわからない。例えば目標があれば、目標を設定しておけば、今この段階で、どの部分で計画に無理があったのか、あるいはもっと、ここをこうすれば、この目標を達成できるのではないか。こういうものをやるべきだと思うんです。目標も目的もないから、のんべんだらりとなってしまうわけです。失礼な言い方になるけれど。とにかく建物さえ建てればいいというような、こんなばかなことは恥ずかしいですよ、実際。聞いている方が恥ずかしいですよ。言う方は、いいかげんに言っているかどうか知らんけれどね。聞いている方は本当に恥ずかしいですよ。だから、こういうのは議事録に載るんですから、恥ずかしい答弁はしないでくださいよ。議事録は市民の多くの方が見るんですから、市役所のレベルを疑われますよ。
それと、職員研修なんですけれど、海外研修も結構ですし、いろんなところで研修されているんですが、僕は、高槻の市役所の職員の一番の研修の早道は、酒屋さんでも米屋さんでも行って、ビールを5ケースでも10ケースでも積んで、はい、きょう1日、これを売ってきなさい。これの方がよほど私は職員研修になると思うんです。自分が勝手に考えて、いろんなことを考えて営業活動をします。とならば、人とどのようにつき合わなきゃならんか、あるいは、その人に対してどのようなサービスをしなければならないか。僕は、やっぱり、ややこしいことを言うよりもむしろ、そちらの方が本当に研修になると思います。これは、私の提言です。
次の北部スポーツグラウンドですが、僕は前も言いましたが、緑の総合条例というものは、基本的には、木1本切るなとは言いませんけれど、それほど、厳しいものですよと。緑を守り、育て創出していくと。私もあの当時議員でしたが、そういうような意味で手を挙げたつもりです。そして、特別委員会までつくって、この条例ができたわけです。ましてや、その中で保護されるべき動植物の存在が、生息が確認された以上は、私は手を加えるべきでない、開発すべきでないと。その法の精神からしてそうあるべきだと思うわけです。今、人間自身、もう少し謙虚にならなきゃならんと私自身は思うんですよ。みずからがつくった本市のすばらしい憲法を、みずからの手で汚すことになると私は思うからであります。だから、緑のその法の精神と谷知さんが調和のとれた開発とおっしゃるけれど、こんなものは調和のとれた開発とか、そのような次元の問題ではないはずです。私はそう思います。反論があれば言ってください。
次に、図書館ですが、策定委員会も平成5年度ですか、ですから4月がスタートになるわけですが、できるだけ早い時期にとおっしゃるわけですが、今の構成メンバーの中でも、私の聞き間違いかどうかわからんですが、以前は専門家や学者や関係職員、そして市民の団体と、いろんなことをおっしゃっていたわけですが、それに対して、市民の方々の言葉がなかったように思うわけですが、その点について確認──利用者が入っていた。どうも失礼しました。結構です。
次に、建設部ですが、今、部長はそのように信じていると。あなたが職員を信じているのは、私はすばらしいことだと思います。それでなきゃ部長は勤まらんと思います。それは結構です。しかし、信じているのと事実とは別の問題です。私は事実を確認しておるんですから。あえて、これ以上のことは申し上げませんけど、余りに言い張るのはよくないと私は思いますね。そういう点においては、謙虚な反省を求めたいと思います。
それと今の答弁では、マンションが法に許容される範囲内のものなら建てられるということなんですが、実際には、僕は専門家でないのではっきりわからないんですが、例えば、通常のマンションですと、大体何階建てで、何戸の戸数ぐらいのものが建てられるのか、できれば教えていただきたいと思うわけです。というのは、私は、これはある意味では巧妙だなと思っているんですけれども、悪く見ればね。今、税金の話も出たんですが、今まで1万円であったものが、極端に言えば恐らく2,000万、土地保有税が加われば、かなりなものになると思うんです。持っているだけでも2,000万円かかるわけですから、幾ら奇特家であろうと、そうはできないと思うんです。私が仮に地主になっても、何らかのものを考えて当たり前と思うんです。だけど、本来ここは、そういう意味では建物は建てられなかった。建てられないと言ったらちよっと語弊があるんですけれど、非常に難しい部分があったんです。それが一気に、住宅展示場を建てるという目的で造成されてしまった。
ところが、実際には住宅展示場は建てられない。実際には、造成された土地が残ってしまった。税金ははね上がる。今まで3坪であったものが、6,000坪になってしまったんですから。だから、そういう意味では、第1種住専という良好な住環境も含めて考えるならば、非常に危惧しますので、ぜひとも、今許容されている範囲内で建てられるものがどういうものであるか、素人の我々にわかるように、わかれば教えていただきたいと、このように思います。
○市長公室長(溝口重雄) まず、1点目の計画行政についての厳しいご批判でございます。本市にはマニュアルがないのではないか、どのようなチェックをやっておるのか、原価計算はどうなのか、こういうような具体のご指摘でございます。
総合計画のもとで、さらに具体の実施計画を組んで、さらに単年度単位での実行予算を議会にも上程し、ご審議をいただきながら執行してまいっておるわけでございますけれども、そういった手続過程の中で、情報が十分開示できていない部分とか、あるいは、今ご指摘のチェックの部分で、なお研さんを積んでいかなければならない部分については、真摯にこれを受けとめまして、さらに、よりよき計画行政を進めてまいりたいと、このように考えてございますので、ひとつよろしくお願いいたします。
○
都市整備部長(谷知昭典) 緑の総合条例に関しまして、議員のお言葉では、市の憲法を犯す のではないかと、こういうふうな形でのご指摘でございます。先ほどのご答弁でも申し上げましたように、こういった事業を行う場合において、法令に従って、これを遵守していくということは当然でありますが、議員お説のように、法令等には、条項以外に目的、理念、こういったものがございます。こういったものの配慮をせよといったことだと思います。山間部における開発問題についての根本的なお問いかけというふうに受けとめをさせていただきたいと思います。
ただ、具体的に事業を実施する場合におきましては、目的、理念、こういったものも踏まえつつも、具体的には、各条項にどのように適合されるかというふうな内容だと理解をいたしておりますので、先ほど申し上げましたように、過去に自然環境調査、そして希少種の調査、そういったものも行いつつ、これと整合のとれた開発計画というものについて、十分に今検討を加えておりますので、整合のとれた開発計画というものをお示しを申し上げてまいりたいと、このように考えておりますのでご理解をいただきたいと思います。
○建設部長(近藤富彦) 住宅展示場に仮にマンションが出てきた場合に、どのような階数と戸数がいけるのかというご質問でございますけども、この件につきましては、現時点では、我々お答えできるのは、第1種住居専用地域という範囲内ではいけるということだけでございまして、現実の問題として、階数であれば3階建てぐらいまでだろうと思いますし、戸数につきましては、開発面積との絡みで公共施設とか、道路の関係とか、いろいろその中でとっていかなければいかんと思いますので、戸数については、現時点では、私の方でも想像はつきません。また、こういう建築基準法以外に、国の制度でございます地区計画とかそういうものを適用すれば、もう少し高いものも建とうかと思いますけれども、これから第1種住居専用地域ということを踏まえまして、仮に出てきた場合には、各種法令に照らし合わせて、良好な住居環境を守るように指導していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
○(根来勝利議員) 1番の事業計画といいますかチェック、これは今、市長公室長、研さんという言葉を使われたんですが、これは研さんしてするものではなしに、こんなものは方程式なんですよ。経営する以上これは当然わかっておらなければならない事柄なんですね。市長、よく聞いてくださいよ。市長は社長ですから、こんなものは当然知っておいて当たり前なんです。それを、今から勉強するというのならば、これは問題なんです。私はそう思うんです。市長というのは都市経営のトップなんですから、そのトップがこんな細かなことまでチェックしなくてもいいと思っているんですよ、基本的には。もっとグローバルな形でのチェックが市長の役目だと私は思います。
ならば、だれがチェックするのかということになってくると思いますが、それは皆さんが今後お考えいただければいいと思います。私は、こういうものが堂々とまかり通っている役所の体質そのものが問題だと言っているんです。こんなもの、事業展開するに際しては、イロハのイです よ。当然それらのものがきっちりと精査されて、それでゴーのサインが本来は出るべきです。
事業には成功も失敗もあります。成功はいいとしても、仮に失敗したときに、今度は失敗の一つ一つの問題点が明らかになりにくいんです。きっちり計画を立てておかないと、どこで失敗したかもわからんわけですよ。つまり、総括ができないんですよ。ということは、次の事業に飛躍、展開できないということなんです。事業だから、失敗はつきまとって当たり前だと思うんです。しかし、失敗したって、失敗したと言っているだけでは、これこそ元も子もないんでね。むしろ、その失敗を生かすがためには、きっちりとした事業計画を立てなさいと、こういうことを言っているんです。
だから、私はあえて市長公室長に答弁は求めませんけれど、今後、私は私自身も、今の役所がされているいろんなチェック体制、事業計画のポイントをどのような形で見ておられるのかわかりませんけれど、勉強させていただきたいと思います。そういうことで、今後ともこういうことのないようにお願いしたいと思います。
次に、北部のスポーツセンターですけれど、私は、谷知さんなんか、とにかく建てる、建てると言って、とにかく建てるのが好きな方だけど、芥川資料館はそういうことで指摘しておきます。北部のスポーツセンター、これも何も建てりゃいいというものと違うんです。私が言っているのは、保護すべき動植物の存在、生息が確認された。私は、12月議会にも、アメリカのチョウの話を例に引き合いに出して説明させていただいた。つまり、動植物というものは動くんですよ。じっとしとらんのですよ。だから、あなた方、調和、調和と言うけれど、木1本切ったがために、そこへ集まって来たチョウが集まらなくなってきたというのを引き合いに出したと思う。自然の生態系というのは、僕はそんなものだと思うんですよ。
ましてや、本市が保護すべき動植物の存在が明らかになっているにもかかわらず、なおかつ調和のとれた開発、私はその意味がわからんのですよ。だから、次元の違う話ですよということを言っているんです。万が一、仮に市民の側から行政訴訟が起きて、その費用を返還しなさいというような判決でも下ったらどうするのですか。市長はお金持ちだから、私はようわかっておりますけれど、しかし、これは大変な額ですよ。よくよく慎重にやっていただきたいし、ここの事柄については、私は絶対に反対したいと思う。私が緑の総合条例に対して手を挙げた責任があるからです。そういう意味で、はっきり言明しておきます。
以上です。
○
都市整備部長(谷知昭典) 何度もお答えするようですが、今までもご答弁申し上げておりますように法令の遵守、これは基礎的な大原則でございます。したがいまして、この条例の遵守をするということも、当然の作業でございます。その中で今ご質問にありましたように、緑の総合 条例の中で、具体的条項でどの部分に抵触するか、こういったことにつきましても、我々といたしましては今後のいろんな展開の中で、今現在も当然調査も行っており、また、クリアできるというふうな内容での確信を持っておりますが、今後の調整の中でも、こういったことについては十分に検討を加えてまいりたい。
それともう1つは、先ほど申し上げましたように、行政のいろんな所作を行っていくに当たりましては、緑といいますか、山間部の利活用というものが不可欠な状況になってまいります。そういったことで、今後の山間部の利活用の根本的な命題というふうな問題ともとらまえますので、今、申し上げましたように、これの遵守というものについては徹底して検討も加え、クリアしてまいりたいと、このように考えております。
○市長(江村利雄) 北部総合スポーツセンターの件でございますけれども、ご案内のとおり、平成3年の6月議会で、請願が出てまいりまして、その請願審査の中で、長期にわたりましていろいろと論議をちょうだいいたしております。そのときに、可決か継続かというような中で、お説のような点につきましても、検討またご議論をちょうだいいたしておりまして、そのときに、行政の方でも一定の答弁もいたしておりますけども、その答弁の範囲内で、それを十分踏まえながら対応していきたいというのが私の気持ちでございまして、そのようなことでございますので、緑の問題、そして生態系の問題等々についても、ご論議をちょうだいいたしております。そのようなことから、現在調査をいたしておりますので、その結果を見て明らかにしていきたいと、このように考えております。
そして、1点目の計画行政の点でございますけども、ご指摘の点につきましても、よくわかるわけでございますけれども、行政からしますと、行政の立場から還元していくと。大きく還元するのが市民にとって一番いいことでございまして、行政も、またそうしないといけない。しかし、その中で、行政自身がやるべきエリアといいますか、比重といいますか、そういうものを兼ね備えないといけないという、一方でまた問題がございます。例えば、デイサービスをつくる、それについて原価計算しますと、1人幾らというのが出てくるわけでございますけども、それではできない。行政がどれだけ持つかという点がございます。そのようなことがありますから、行政の職員としてマニュアルがどうなるかというようなことで、ふらふらしていることもあるんじゃないかと、こう思っておりまして、いろんなご指摘がございますので、新年度に入りましたら基本計画そして実施設計をした場合には、その辺を明らかにしていきたい。これだけかかるんですよ、しかし、こうしますよと、これだけ還元してますよということを明らかにしておかないと、市民の方もおわかりにくいんではないかと、今反省をいたしております。ですから、平成5年につきましては、そのような点も広報等でよく活動いたしまして、ご理解の中で行政需要について対応 していかないとお説のように、いつかパンクしてしまうというように思いますので、ですから、そういう点について、(根来勝利君「経営って、そんなものじゃないよ」と呼ぶ)いや、私はそのように思っておりますので、したがって、そのご意見について、行政経営という理念に立ってのお話でございますから、行政としての中の経営というふうに私は考えておりまして、一般企業の経営ではないと、私はそう思っておりますので、その辺のパイの中の比重をどうしていくかということを、これから私自身も明らかにしていかないと、市民の方々にご理解をちょうだいできないんではないかと、このように思っておりますので、行政経営については十分これから対応していきたい、また勉強もしていきたい、こう思っております。
○議長(伊川二郎) 根来勝利君の一般質問は終わりました。
この際お諮りいたします。
本日の会議時間は、議事の都合により、午後12時までこれを延長したいと思います。これに異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊川二郎) 異議なしと認めます。
よって、本日の会議時間は午後12時まで延長することに決しました。
次に、渡辺峯子君。
〔渡辺峯子君登壇〕
○(渡辺峯子議員) 「たかつき女性プラン」の推進について、ご質問申し上げます。
国際婦人年、国連婦人の10年以来十余年の歳月は、女性の意識、生き方とそれを囲む状況を大きく変えてきました。その背景は、国際化、高齢化、高度情報化、高度技術化などの国内外の社会的、経済的変化がありますが、最大の要因は、国連婦人の10年のキャンペーンが世界的規模で展開され、我が国においても、性差別をなくすことが文明社会のあかしであり、人口の半分を占める女性の参加、参画なしにはバランスのとれた社会ではあり得ないという考え方が徐々に浸透してきたことによるものと言えます。
10年前に比べて女性の地位向上を目指して全国でさまざまな取り組みがなされた結果、女性は家庭を守るのが仕事といった考え方は大幅に減少し、女性の社会進出は飛躍的に進展しつつあり、その成果も随分上がっております。今後は、政策・方針決定の場への女性参画と家庭、地域社会への男性の参加が大きな課題となっています。21世紀に向けてあらゆる分野に、男女がともに参画する、真の男女共同参画型社会の実現を目指して前進しなければなりません。
本市においても、昭和58年に女性政策の基本的な考え方と施策の方向を明らかにするため、高槻市婦人行動計画を策定し、以来10年間、あらゆる角度から取り組み、平成4年度をもって 満期を迎えるに至りました。これからの事業は、第1次婦人行動計画の基本理念を踏まえ、さらに拡充発展させていかなければなりません。そのために、あらゆる分野への男女共同参画を目指す「たかつき女性プラン」の策定に向けての提言が、このたびなされたところであります。この提言の内容を見ますと、教育、就労、社会参加、福祉、健康の5つの分野における目標別施策の方向が示され、即ち、1 男女平等を実現するための意識づくりの推進、2 女性の経済的自立と男性の生活自立の推進、3 市民活動への男女共同参画の推進、4 女性の自立を支える福祉の充実、5 母性の尊重と健康保持増進の5本の柱となっています。
女性の、女性による、女性のためのという段階は終わり、即ち、この女性の論理を大切にすることは、とりもなおさず、男性を含めた人間の論理を大切にすることにつながり、個人の尊厳と男女平等を基本とし、あらゆる分野への男女の共同参画を目指すことにより、ひいては平和な社会の実現を願ったものとなっています。男女がともに生きる存在として、新しい文化をつくり出す、このすばらしい呼びかけは、まさにそのとおりであると意を強くするものであります。
そこで、具体的に3点についてお尋ねいたします。
まず、1つには、男女平等の達成を目指した第1次高槻市婦人行動計画が終了するに当たり、女性問題については、市民の関心の高まりとともに、数多くの施策に進展と成果を見たことは、率直に評価するものであります。しかしながら、反面、諸般の事情があったとはいえ、女性問題解決の拠点とも言うべき肝心な女性センターの建設を初め、いまなお到達し得ていない施策を含め、過去10年間の結果について、どう総括されているのでしょうか、お聞かせください。
2つには、第2期女性行動計画についてであります。
高槻市婦人行動計画10年の終わりは、次の新女性プランの10年のスタートでもあります。女性施策は、単に女性差別をなくするためのものだけではなく、女性問題の視点から出発して、男女の関係構造を変え、ライフスタイルを変え、社会システム全体の変革を目指すものであり、この変革を進めることによって、日本も国際社会に生き残ることができると言われています。女性施策の本質を以上のように考えるならば、これは市政の最重要課題であり、総合計画の中心に据えるべきものではないでしょうか。ハードな都市基盤整備を進めるに当たっても、女性施策は町づくりのソフトであることを認識し、総合計画と整合性を保ち、実施時期をもそろえる必要があると提言されています。国が策定した国内行動計画や大阪府の「女と男のジャンプ・プラン」等と整合性を図りながら、21世紀の高槻の町づくりのために、第2期女性行動計画の策定を早期に行い、実効性を上げる必要があると考えますが、具体的な取り組みについてお示しください。
3つには、女性センターの新設についてであります。
女性が自分らしい生き方を探し、問題や悩みを解決するための女性センターの新設は、大きな 課題であり、女性の
総合センターとして、その拠点となるよう機能の多角化が望まれています。平成3年7月に実施されました女性問題に関する高槻市市民意識調査の結果を、今後の施策に生かしていかなければなりませんが、特に主なものを挙げてみますと、女性センターに望むことについては、生活上の問題を気軽に相談したり、困ったとき手助けが得られることが56.4%、結婚、育児、教育、就職などの身近な情報が手に入ることが32.1%、学習活動や就職活動など自立促進に役立つことが24.8%、健康増進に役立つこと18.6%、自由な交流ができること18.1%、他の施設や機関の情報がわかり手続ができること12.8%となっています。次に、利用したい部屋については、各種相談室41.8%、多目的ホール40.9%、図書・情報資料室38.5%、軽運動室が29.3%、料理実習室18.9%、託児室15.8%となっています。
提言の中には、女性問題の総合調査研究と情報の収集提供、啓発普及事業の実施を初め、国内、国外を問わず交流活動の推進、社会参加への支援、職業能力の開発と就業機会を拡大するための研修、消費生活に係る科学的知識や技術の習得等に加え、特に総合的相談体制の整備などが急務である。つまり、市民の生活のすべての領域にわたって、その役割の実効性を高めることが必要であると明言されております。
第1次婦人行動計画が府下でトップを切って我が市で策定され、その内容は他市より羨望の的とされてまいりました。しかしながら、既に完成している近隣都市に比べても、女性センター設置に関しては、大きなおくれをとっており、市民にとって極めて遺憾と言わざるを得ません。女性センターの構想は、男性とともに利用できる施設としての内容、規模、建設時期等を含め、今後の具体的な取り組みについてお尋ねをいたします。
以上、明確なるご答弁をよろしくお願いいたします。
〔
市民文化部長 中村圭作君登壇〕
○
市民文化部長(中村圭作) ただいまの渡辺議員のご質問にご答弁申し上げます。
1点目の高槻市婦人行動計画10年の総括についてでございます。
昭和50年の国連婦人年を契機といたしまして、女性問題がクローズアップされたところでございます。昭和51年から国連婦人の10年として、平等、開発、平和を目標に国際的にも女性問題の解決が図られてまいったところでございます。本市では、これらの動きを踏まえまして、昭和58年、男女平等達成のための高槻市婦人行動計画を策定いたしたところでございます。
この計画では主要課題として、ご案内のとおり、5本の柱をもとに数多くの施策を進めてまいったところでございます。その結果、障害者福祉センターの建設など、かなりの部分で一定の成果を見ておりまして、女性問題懇話会等におきましても一定の評価をいただいておるところでございます。しかしながら、反省点といたしまして、今なお到達していない事業や、またその後の 社会状況の変化により新たに台頭してきている問題など、まだ多くの課題がございます。例えば、ようやく今回具体的な目途が立ったわけでございますけれども、女性の皆様方の大きな期待をされておりました女性センターのおくれで、皆さんに大変ご心配をかけておるところでございます。
また、女性問題の相談業務といたしましても、ご希望は必ずあるわけでございますけれども、相談場所の手狭や不十分なところで大変ご不自由な思いをさせておるなど、あるいはまた社会活動への女性の参加が増加しているものの、政策・方針決定の場である審議会等への女性の参画も、平成4年6月現在11.1%と目標の30%に到達するに至っておりません。こういった男女の固定的な性別役割分担の意識も払拭されておりませんし、男女がともにトータルな生き方ができているとは、言い切れないところが現状でございます。これらは今後の反省点として認識いたしておるところでございます。
次に、第2期女性行動計画策定の取り組みにつきまして、1点目の計画の目的でございますが、情報化、国際化、高齢化の進展と産業構造のサービス化、ソフト化等による社会経済状況の急激な変化に伴いまして、女性を取り巻く新たな課題が生じておりまして、今回、行動計画の理念を継続し、さらに充実発展させ、男女が家庭、地域、職場のあらゆる分野にともに参加する男女平等社会の実現に向けての女性施策を推進する指針として策定するものでございます。
計画の基本理念でございますけれども、1つは、男女平等を実現するために、人間の尊厳と基本的人権を保障している日本国憲法、女性差別撤廃条約の理念や規定に基づく。2つ目に、男女の固定的な役割分担意識の変革。3つ目に、男女が職場、家庭、地域などあらゆる場で協力し合い、家庭責任も社会責任も平等に分かち合う新しい社会システムづくり。4つ目に、男女がともにあらゆる文化に参画できる機会の確保。5つ目に、社会的に不利な状況に置かれております女性の基本的人権の保障を図るなどを基本理念としております。
計画の性格でございますけれども、1つに、第1次行動計画の基本的な考え方と成果を引き継いでまいりたいと考えております。2点目に、高槻市女性問題懇話会の提言の趣旨を尊重いたしたい。3点目に、意見募集や女性問題に関する意識調査など、多くの市民を踏まえて策定してまいりたい。さらに、高槻市総合計画との整合性を図ってまいりたい。それから、女性問題を解決するための直接的な施策にとどまらず、かかわりの深いものについて取り上げております。国の行動計画や、大阪府の「女と男のジャンプ・プラン」などの整合性をも図っているといった性格を持たせておるところでございます。
なお、女性を取り巻く近年の社会情勢の変化は急速であることから、おおむね5年を経た時点で、必要に応じて内容の見直しを行うものといたしております。
また、今回のプランの名称は、あらゆる分野への男女共同参画を目指す「たかつき女性プラン」 といたしておりまして、平成5年から14年度、すなわち2002年度までの10か年の計画といたしておるところでございます。
プランの具体化につきましては、高槻市女性問題懇話会の設置とともに、庁内の行動計画推進会議のメンバーの中から10名が幹事といたしまして参画する傍ら、プラン策定に向けて研究を重ね、昨年12月24日の提言の趣旨を尊重いたしまして、さらに検討を加え、原案の策定を終えております。年度内に所定の手続を経まして、5月ごろには製本を終え、皆様方にお示しできるものと考えておる予定でございます。
今後は、それぞれの所管の各部で、これらをもとに鋭意これが実現に向けて取り組んでまいるものでございます。平成5年度からは、プランの関連事業を実施する傍ら、広報の掲載やダイジェスト版などを含め、冊子の発行などによりこれらを市民に周知徹底をいたしたい、このように考えておるところでございます。
それから最後に、女性センターの今後の具体的な取り組みについてでございますが、女性の大きな期待の中で諸般の状況から、暫時、計画の実現がおくれましたことは大変申しわけなく思っております。いよいよ実現の日が近づいてまいったわけでございますけれども、皆さんのご期待にこたえるよう、高槻市女性問題を考える会、あるいは市民の意識調査の結果を踏まえながら、具体的な内容として早期にまとめてまいりたいと考えております。
すなわち目標を、1つ、自立を目指して、2つには、触れ合いを目指して、3つには、能力開発を目指して、4つには、体力づくりを目指して、といったものを目標の中心に置いております。機能といたしましては、1つは、交流機能、2つ目に、自立促進機能、3つ目に、情報相談機能、4つ目に管理機能、5つ目に機能のネットワークといった各種の機能を持たせたいと、このように考えております。これらの機能を十分果たしまして、女性問題解決と女性の自立の拠点となるような施設整備に努めてまいりたいと考えております。
今後の具体的なスケジュールといたしましては、平成5年度に実施設計を完了させまして、平成6年度に建設工事着工、平成7年度末には建設工事が完了いたすと、このような予定でございますのでよろしくお願い申し上げます。
○(渡辺峯子議員) 男性の意識変革は女性ほど進んでおりませんで、男女の意識のギャップが職場や社会通念の中で、女性の不平、不平等感を募らせているのが現状でございます。総理府が昨年11月実施しましてその調査をまとめられ、先日発表されましたが、この調査を見ましても、男女平等に関する世論調査の結果は、まず、政治の場、社会通念、慣習・しきたり、家庭生活、職場、法律や制度の問題となっておりますが、各分野とも、20歳から40歳代の女性の不満度が非常に高く、回答全体を見ましても、6分野ともに、女性の回答とそれから男性の回答の意識の中で は10ポイントほどすべて男性が低く、この不平等感については性差が厳然とあらわれております。
また、昨日、ある新聞の記事を見ますと、河野婦人問題担当大臣は、女性の地位向上や社会参加など女性施策の推進を図る中で、現在の審議会委員のうち女性は約1割、何とかこれを1割5分にしようと努めている。でも、リーダー役の女性があちらこちらで出てくるようでないと急にはふえていかない。男女の比率を変えるにはそうした下地が大切である。また、男性も親の介護のために休みをとることが当たり前の時代が来るであろう、このように述べておられます。
本市においては、市民の意識調査の結果を生かして、今後、施策を進めなければなりませんが、その中で特に3点についてお聞きいたします。
まず、1つは、政策・方針決定の過程への女性の参画の促進についてでございます。先ほど部長のご答弁もございましたが、今日まで取り組んだ10年間の結果を見ましても、11.1%と、このように努力の結果はあらわれておりますけれども、目標の30%にはまだまだ3分の1強ということでございます。これは全く国レベルと同数を示しておりまして、今後、取り組まなければならない大きな課題でございます。新プランの中でも、向こう10年間で30%を目標にということではございますが、第1次に策定いたしました婦人行動計画は、10年間を前期、中期、後期というふうに分けて、それぞれ目標年度を定めながら努力してまいりました。新プランにおきましては、どのような観点からなさるのでしょうか。そういう期限を切らずに漠然と行われるものなのかどうか。それでは余りにも10年間ということについての──いつかはできるであろうということになってまいりまして、気がつけば10年が終わったでは困ります。そういう点では、中間年でも押さえて、そこまでには何%到達を目指して努力するという努力目標を明らかにする必要があろうかと思います。
一方、女性の側からいたしましても、参画できるだけのリーダーをいかに育てるかということが課題でございます。ただ、数が少ないではないか、なぜなどと言うべきではございませんで、女性の方も、それだけ参加して自分の意見を述べられるという自立と力をつけてまいらなければなりません。そういう観点についての今後の課題を評価するに当たってのお考えを伺いたいと思います。
2点目ですが、男性より長生きする女性の老後の問題が、老人介護の問題と重なり、高齢化問題は女性問題であるとも言われています。過日、私は、高槻ウエル・エージング10周年記念として、長野県における在宅介護の実例の映画を見る機会を得まして、身につまされる思いがいたしたところでございますが、今回の提言にも、男性についても、女性と同じ視座で自分自身の生き方を問い直し、ともに生きる存在として、新しい文化をつくり出していこうという呼びかけで あります。男性の家庭、地域、社会への参加の促進は、今後、大切な課題であります。どのように取り組まれるのでしょうか、お尋ねをいたします。
最近、定年を迎えられたご主人の相談を受けましたが、奥さんが病で倒れられ、脳障害として不自由な体で入院中である。ただ2人世帯だったので家事一切、すなわち食事に洗濯、掃除、それに加えて奥さんの洗濯物もしなければならない。悪戦苦闘の毎日ですよ、こういうことでした。定年退職になるまでに、もう少し家内のやっていることを見て覚えて、自分もやっておけばよかった。簡単なことであるけれども、生活の一切を家内に任せていてただ働く一方であったので、突然その日が来ましたものですから、全くこの問題について自分に予備知識がなかったので、大変な思いをしています。悔やまれますというお声を聞きました。これこそ、男性に対して今後の家庭参加を促す課題ではなかろうかなと、こう思うわけでございます。
どちらが倒れても困るわけでございますけれども、特に一切合財を家庭の主婦に任されていると、さて、そのことが何もできないでは困るわけでございますね。この切実な声を聞くにつけ、そういう点においても、女性問題は男性問題であると、ここでも言えるのではなかろうかと思いますが、今後、これらの声が次々と出てまいりますが、こういう重大な課題につきましてどのように取り組まれるのか、お伺いいたします。
例えば、1つの例を挙げまして、料理教室等が行われてございますが、これとて、高齢者になってから慌てて、そういうことがあったときに準備をしようというのではなくて、若いときからいろんなことに参加をしていただかないと、なかなかそううまいことはいかんわけでございます。そういう点から、ヤングの男女、独身者の男女の方々にも──女性は家庭を持つ前には大概料理教室等によく行きますが、男性はなかなかそういうことがありません。今後、女性センター等を建設の後、そういう機会がございますれば、ヤングの男女を募集して一緒に料理を覚えるということから始めたらいかがでしょうか。また、シルバーの男女に対しましても、一緒に料理を覚えていく。味つけ等も若い人とは多少塩分の取り方も違います。そういう点について、生きた実践の場をつくるということも大切ではなかろうかと思います。
また、若い層の方々も、いずれ全部高齢化で最後は終わりを迎えるわけでございますので、早いうちから多くの市民を対象に、長野県で取り組まれているような在宅介護の実例を、この目で見る、耳で聞くということが、我が家にそういう対象が出たときに、対応するのにいかに参考になるかということを思いますにつけ、ぜひこういうことも今後の課題として取り組んでいただきたいなと思います。お答えをいただきたいと思います。
3点目でございますが、あらゆる学習参加を促進するに当たりまして、子育ての若い女性の方の参加には、やはり託児所が必要でございます。公共施設のほとんどは、乳幼児を連れていって の利用はしにくい状態になります。そのため子供が乳幼児の間は、親子の社会参加が非常に制約され、阻害されている現状でありますけれども、今後、公共施設におきましての、こういうときにはベビールームの設置、託児所、こういうことを考えていただきたいと思います。提言の中にもこのことは大きく上げられておりますので、今後の取り組みについてお答えいただきたい。
以上3点よろしくお願いいたします。
○
市民文化部長(中村圭作) 1点目の女性の参画の問題でございます。これにつきましては、第1次の行動計画でも30%と掲げておりましたが、残念ながらまだ達成ができていないというのが現状でございますけれども、少なくとも先ほど市長の施政方針でも述べておりますように、まずは女性委員のいない委員会の解消を目指したいと、このように考えております。さらに、現在、女性委員のおられないところ、あるいは少ないところにつきましては、次期改選にはぜひ増員をしていただくように働きかけてまいりたい、このように考えております。
それから、充て職等によりまして困難な場合もあるのでございますけれども、団体の長に限らず女性の委員をできるだけ登用するように働きかけてまいりたい、このように考えております。それから、団体の長等に積極的に参画できるような意識啓発も行いたい。さらに、女性の人材の発掘、それから育成を目指してまいりたい。このためには、この女性センターがかなり大きな役割を果たしていくと期待できるのではないかというふうに考えております。
それから、1つの期限でございますが、先ほど申し上げておりますように、5年、いわゆる中間点をまず目標年次におきまして、そこで再度1つの区切りから新たな考え方も持ってまいりたいと、このように考えております。
それから、2点目の高齢者の問題につきましては、仰せのように、今後、高齢化する日本の現状の中で非常に重要な問題であるというふうに認識いたしております。平均寿命の男女差によりまして高齢者に占める女性の割合はかなり高うございます。女性は、親、夫、そして自分と、三度の老いを迎えるというふうに言われておるわけでございますけれども、これらの高齢者の問題につきましては、女性が大きくかかわっておるわけでございます。
現在、庁内におきましても、助役を頂点といたしました老人福祉計画の策定に取り組まれております。今後これらをもとに、高齢者対策につきましては進んでまいるものというふうに考えておるわけでございますけれども、先ほどちょっと仰せのように、男性も、例えば奥さんが倒れられたときに即応できるようにということでございます。先ほどお話にもございましたように、例えば、コミュニティセンターなどにおきましても、料理教室などをやっておられますと、かなり盛況でございます。当然、総合交流センターにおきましても、これは男性の方も参画できるように考えておりますし、そういった機会を十分持ってまいりたい。料理の関係につきましても、食 の工房といったような考え方で、一定のそれらの利用ができるように、また、男性も女性と同じ立場でそれぞれが研修ができるようにというふうに考えてまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
それから、女性が社会活動をするための託児についてでございます。これは新しい総合交流センターにつきましては、当然そういった施設を設けるべく考えております。さらに、学習の場あるいは交流の機会の提供が、いろいろ各部局において行われておるわけでございますけれども、それぞれ場合によって預かるような対応もしてまいっておるわけでございますけれども、全部に設けられるかということはなかなか難しかろうと思います。少なくとも今回の女性センターにつきましては、そういった施設を配置していきたい、このように考えておりますのでよろしくお願いを申し上げます。
○(渡辺峯子議員) 女性施策を本市で推し進めるに当たりまして、女性問題を考える会のご意見や要望は、今までも取り上げられて実行に移されているということはございますけれども、加えて、今後はもっと広い、高槻市内にお住まいの女性の多くの皆さんのお声を吸い上げるような方法を考えて、意識調査等も行われた上で、また施策に生かしていただきますようにお願いをしたいなと、こう思います。
今日までの取り組みの問題の中、それから、これからどうであろうかということの中で、婦人相談については大変大きな課題を含んでおります。本市10年間におきましても、過去取り組んでまいっておりますけれども、あなたの不安や悩みをお聞きし相談に応じますということで、毎週火曜日9時から4時まで相談業務が行われてございます。意識調査の中を見ましても、女性センターに対して望まれることのトップに、生活上の問題を気軽に相談したり、困ったとき手助けが得られることが56.4%、これも相談業務でございます。その内訳を見ますと、男52.6%、女59.6%と、男女とも多くの年代で期待が高まっております。もちろん、今後、建設予定の女性センターでは、十分に相談業務の対応がなされるであろう、このようには思いますけれども、現在の状況についてどのように把握されているのでしょうか、お伺いをいたします。
過去10年間の取り組みの中で、最初数年は、婦人政策課で実施されておりました。ですけれども、その後、現在、市民相談の通路の南側に、すなわちアコーディオンカーテンで仕切った小さな場所に、絶えず周辺のザワザワとする騒音、隣のカチャカチャという音、電話の声、いろいろな声がそこにストレートで入ってくるというような場所で、電話1本という状態の取り組みでございます。相談する人の立場に立ってみるならば、先ほども申し上げましたように、女性の自立がおくれている、離婚すべきかどうなのか、子供を抱えてどうなのか、老人の介護と自分の仕事をしている立場と、そのはざまに入って、どちらを選択すべきなのかと非常に深刻な内容を持 っての相談でございます。この婦人相談室というところには、楽しい、明るい相談は恐らく参っておりません。そういう立場から見まして、このような状態で個人のプライバシーが守られ、十分な相談に応じられるのかどうか、甚だ疑問を感じますが、いかがでしょうか。
もう少し相談内容から見て適切な場所はないものかどうか。センター建設までと申しましても、平成7年の末完工の予定となれば、あと約3年はかかります。10年プラス3年、13年間あのようなところで、そのような大変な人の思いの相談を受ける場所としては、不適切と言わざるを得ませんが、それについて理事者側のご答弁と、もしそうでないとするならば、ほかにもっと静かなところで、懇切丁寧にしっかり受けとめてお返事ができるという体制を整えていけるものかどうか、お聞かせください。
恐らく、10年間取り組んで相談業務をなさってくださった方も、大きな声で電話をなさることなくして、悲痛な思いですから小さな声で相談をなさる人が多いはずです。そうすると、あの場では十分聞き取れないんじゃないか。なぜですか、どうですかといったら、自然に声が大きくなります。プライバシーは守れません。
以上の5点によろしくお答えいただきたいと思います。
また、2点目は、新女性プランのダイジェスト版をぜひとも発行していただきたいと思いますが、過去10か年間の取り組みを、国際側もわかる、国内側もわかる、その横を見れば、高槻の過去10年間が一目でわかるというような年表をぜひともつけていただきたい。それから、これから先10年へ向かって進むわけでございますので、そのことについてもぜひお願いしたいと思います。
最後に、これは大きな課題でございますので、先ほども申し上げましたように、女性問題は男性問題であるというぐらい男女共同参画社会を創設しなければなりません。そういう観点から、ぜひとも江村市長さんのかたいご決意をお伺いいたします。最後によろしくお願いいたします。
○
市民文化部長(中村圭作) 1点目の相談室の問題でございますが、仰せのように、周りの音が全部集中して入ってくるような感じでございまして、確かに仰せのように適当でないと、先ほどもちょっと申しておったわけでございますが、現在、火曜日にお2人の専門相談員がおられるわけなんですけれども、かなり大きな声を出さなければならないということもございます。現在、新しい
総合センターの建設が行われております中で、これらの市民相談の改善ということも聞いておりまして、それらの中でこれらの問題も改善をしてまいりたい。交流センターができるまでというのではなく、
総合センターができた時点で──あと1年弱でございますけれども、その中で改善ができるものというふうに考えております。
それから、ダイジェスト版でございますけれども、これには仰せのように、今後の10年につ きましても年表をつけたダイジェスト版をつくってまいりたい、このように存じておりますのでよろしくお願い申し上げます。
○市長(江村利雄) 女性問題についてでございますが、女性問題は男性問題だというお話でございますが、私もそのとおりだと思っております。私の年になりますと、まだ皆さんなっていらっしゃいませんけども、特に女性の大切さということがよくわかってまいります。そのようなことから、若いときにはいろいろ、それぞれ女性、男性という中で男女共生社会と言いながら、何かそこに開きがあるというようなことでございますけれども、年輪を積むとともにこれがだんだん狭まってまいりまして、いよいよ、私たちが考えますと、男、女というわけでなしに女、男ということになってくるんじゃないか。そういう社会がもうやがて来ると、私はそう思っております。したがって、今は女性問題ということでいろいろ行政も取り組んでおりますけども、このような経過をいたしますと、これから何年か後には、また男性問題ということも検討しなきゃならない時代が必ず来ると、私はそう思っております。
そのようなことで、人生80年代ということになりますと、いよいよそれが加速的に来るんじゃないかというように考えております。女性の大切さ、女性の活動、そして女性の方々に活躍していただくということが、円満な社会、円満な家庭ができることであろうというように考えておりまして、るるご指摘がございましたけども、私も身につまされて、今、若いときを思い出しながら、これから取り組まなければならないという決意をいたしておりますのでよろしくお願いしたいと思います。
○議長(伊川二郎) 渡辺峯子君の一般質問は終わりました。
ここで夕食のため6時10分まで休憩いたします。
〔午後 5時24分 休憩〕
〔午後 6時10分 再開〕
○議長(伊川二郎) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、竹本寿雄君。
〔竹本寿雄君登壇〕
○(竹本寿雄議員) かなり時間が遅くなりそうでございますので、私、2つ質問をするという予定になっておりましたが、1番の質問につきましては、今回は取り下げたいと思いますのでよろしくお願いします。
それでは、銀行の金融自由化に伴う自治体の財政運営についてということで質問をさせていただきたいと思います。
最近、高槻の町を自転車で走っていますと、市内のあちこちで工事現場に出くわします。市役 所の隣では、仮称
総合センターが本年12月の完成を目指して急ピッチで工事が進んでいます。また、約15年の歳月を要した阪急高架化事業も最終段階に差しかかっています。城内町では、先日、教育研究所が完成し、オープンしました。また、城東町では、府営住宅の建てかえと同時に高槻市立の総合保健福祉センターも、5月の完成を目指して最後の仕上げに取りかかっています。阿武山の養護老人ホームも間もなくオープンします。その他、道路の整備、水路の改修等、市制50周年を迎えて町全体が活気にあふれています。言いかえれば、町が燃えているとでも表現できるのではないでしょうか。財政状況が決してよいとは言えない高槻市がこれほどの事業ができるのは、計画的な財政運営を心がけてきたことの証左であると思います。お金がなければ事業ができないというのが率直な思いで、まさしく、財政は都市の顔と言われるゆえんもここにあると思います。
そこで、今日までの高槻市の財政運営に関する質疑も含め、1991年の全国都市財政年報──日本経済新聞社発行のものですが、これをもとに、全国の地方都市655市の財政運営のあり方等を比較しながら質問をさせていただきたいと思います。
まず、歳入の基本である個人市民税でありますが、平成3年度におきましては、市民1人当たりの個人市民税の額は6万8,250円で、これは全国655市の中で第87位とかなり高位を占めており、さらに歳入に占める地方税の比率は、全国の第93位に位置しています。これらをもとに余裕財源の保有率、すなわち通常の行政活動の水準を示す財政力指数は1.015で、これも全国順位は109位であります。また、地方自治体が自由に使用できる財源として自主財源がありますが、これが歳入に占める比率、すなわち自主財源比率は74.93%で全国の順位は119位となっております。これらを総合すると、高槻市の歳入状況は他市に比較して決して見劣りはしません。したがって、歳出の財政運営をより効率的に行えば、将来にわたって安定した財政運営は可能であると判断しますが、この点に対するお考えをまずお聞かせください。
次に、自主財源のより確保を行うための手段として、徴収率のアップが1つの課題であると考えます。徴収率アップのための特段の努力が必要であると思いますが、高槻市としての具体的な手だての方法についてお尋ねします。
次に、財政運営の中で歳出と歳入にずれがあるため、これを埋める手段として一時借り入れの方法があり、これは予算書に限度額を明記し、議会の議決を受けなければならないことになっています。しかし、歳出と歳入のずれによって金融機関からの一時借り入れをし、一方、余裕財源については基金として積み立てを行っております。預ける金利より借りる金利が高いのはごく当然であります。一時借り入れを金融機関から借りずに、積み立てしている基金を一時的に充当すれば、わざわざ高い金利のお金を借りる必要がないと思いますが、何ゆえそのような運営ができ ないのか、まずお尋ねをします。
次に、地方自治体の財テク実態について質問します。
預金利子から借入金利子を差し引いた額を歳入総額で割った値で、自治体の財テク度を示す指標として金融収支比率があります。この比率が高いほど余裕資金をうまく運用していることになります。高槻市の金融収支比率の全国順位は、655市のうち520位に位置しています。一層の努力が必要と考えていますが、いかがでしょうか。さらに、より有効的な財テクを目指す意味からお尋ねします。
自治体には、指定金融機関があります。このため指定金融機関に遠慮して、他の金融機関との浮気を避けるのが一般的と言われていますが、金融の自由化に伴い、大口定期、CD、外貨預金、MMC、中期国債ファンド、公社債など自由金利商品を抜きに運用するのはおかしな話だと思いますが、高槻市の余裕財源の活用方法の実態についてお尋ねします。
経常収支比率は低いほど新たな行政需要に弾力的に対応し、経済変動にも的確に対処することが容易になります。都市で80%を超える場合には、財政構造の弾力性が失われつつあると言われています。一般的に少なくとも70〜80%の範囲におさまることが妥当と考えられます。これは20〜30%は、臨時的経費の充当可能額として確保することが望ましいとの考えに基づいています。高槻市の経常収支比率は平成3年度では81.49%で、全国順位では655市のうち577位であります。今後の総合計画に基づく40事業の推進に伴い、公債費の上昇が予測される中で、人件費比率は26.35%であり、比率は下位に位置し、全国570位であります。これらを総合すると、今後の経常収支比率を下げることは容易なことではないと予測されます。高槻市の財政の弾力性を回復する方法についてどのように考えているのかお聞かせをください。
以上で1問目の質問を終わりたいと思います。
〔財務部長 小林 宏君登壇〕
○財務部長(小林 宏) 竹本議員のご質問にご答弁申し上げたいと存じます。
銀行の金融自由化に伴う自治体の財政運営についてということでございますけれども、このご質問の中で、収入役室にかかわるご質問もございますが、私の方から一括してご答弁をさせていただきますのでよろしくお願い申し上げます。
まず、1点目の自主財源比率から見て、歳出の財政運営をより効率的に行えば、将来にわたり安定した財政運営が可能ではないかということでございます。議員ご指摘のとおり、自主財源が歳入決算に占める比率としての自主財源比率を見た場合、平成3年度決算では約75%となっております。本市の場合、このうち基金繰入金や貸付金元利収入などをあわせた割合が約4分の1と大きなものになっております。また、景気の好況時における結果として、税収が約4分の3を 占めておりますが、景気が低迷いたしております現状におきましては、決して楽観を許さない状況にあるというふうに考えておるところでございます。そのため常に、行財政改革基本方針に基づき事務事業の見直し等により、経費の効率的な執行配分に心がけるとともに、自主財源の確保に努力し、経費の負担区分の明確化についても留意をいたしておるところでございます。今後とも、第3次行財政改革基本方針に沿って努力をしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
2点目に、徴収率アップの具体的手だてについてのご質問でございます。
本市の税を取り巻く環境につきましても、昨今の景気の低迷の影響はあらわれておりまして、極めて厳しい状況にあります。こうした厳しい状況に特段の手だてとしてどうかというご質問でございます。
まず、4年度の徴収方針といたしましては、現年課税分の未納者に対し、例年よりも一層早く着手し、納税督励に努めてまいったところでございます。次に、昼間連絡のとれない未納者に対しましても、特別滞納整理期間を設定いたしまして、夜間及び休日の電話催告を実施し、自主納付を促してまいったところでございます。今後も引き続き実施をいたしまして、徴収率のアップに努めてまいりたく考えておりますのでよろしくお願いを申し上げます。
3点目の一時借入金の手法についてでございますが、基金につきましては、地方自治法第241条に基づき、条例の定めにより設置をいたしております。本市におきましても、財政運営上、有効に活用する1つの方法といたしまして、繰りかえて運用ができることを基金条例に規定いたしておるものがございます。この繰りかえ運用に基づきまして、先ほどご質問にありましたように、一時借り入れ時には、基金における一定の利子収入を考慮する中で、財政調整基金等の繰りかえ運用を行うよう準備をいたしておるところでございますのでよろしくお願い申し上げます。
したがいまして、一時借入金に対しまして、基金充当額が不足する分につきましては、金融機関からの借り入れを計画いたしておるところでございます。今後とも、金融自由化の時代にあって、かつ低金利の状況におきましては、自己資金の短期的な利用を含めまして十分研究する中で、その有効的な運用を図ってまいりたく考えております。
次に、4点目の金融収支比率についてのご質問でございます。
議員仰せのように、高槻市の金融収支比率につきましては、全国的に見て低い位置にあることは、そのとおりでございます。しかしながら、他市に比べますと本市は、過去の人口急増に伴う後遺症とも言うべき都市の基盤整備のおくれ等により、現在、多数の大型プロジェクト事業が進行中でございます。そのため、一時的に資金の不足することにより、一時借り入れを行っておる状況でございますので、これらのことが金融収支比率に影響をしているものというふうに考えて おります。
次、5点目の余裕財源の活用方法の実態についてのご質問でございますが、本市におきましては、過去から大口定期、CD、外貨預金等の自由金利商品で運用をいたしており、今後につきましても、そのような運用をしてまいりたいというふうに存じておりますのでよろしくお願いいたします。
最後に、6点目の財源の弾力性の回復についてのご質問でございます。
ご指摘のとおり、平成2年度決算では、経常収支比率が79.6%となりました。80%を切ったわけでございますけれども、平成3年度決算におきましては81.5%となりました。再び80台に戻ったところであります。税収等の動向により、その数値が変動いたしておりまして、本市の財政運営の困難さをあらわしておるところでございます。議員仰せのように、比率そのものをすぐに引き下げることは容易なことではございません。中長期的な見通しを視野に入れて、先ほどお答えいたしましたように、行財政改革基本方針に基づき、歳入の確保と財源の効率的な配分に努める中で、収支の健全化の維持と財政運営の弾力性の回復を図るべく、努力をしてまいる所存でございますのでよろしくお願いを申し上げます。
以上、答弁とさせていただきます。
○(竹本寿雄議員) それじゃまず、自主財源の問題についてでありますが、先ほど平成3年度の全国の資料をもとに、ご質問を実はさせていただきました。こういう不況の時代でございますから、特に高槻のように、個人市民税の占める比率が非常に高いという都市においては、全国的には厳しい状態でありますけれど、むしろそのことは被害が非常に少ないということが言えるのではないかというふうに思うんです。そういう意味では、自主財源そのものの比率と同時に、その中身、個人市民税の占める割合の高さというのか、そういうものを考えますと、決して高槻市はほかの都市に比べて、それほど極端に厳しい状況ではないということの認識をまず持ちながら、その財源を今後いかに自由に、より効率的に使っていくかというところへ発想を転換していかなければならないのではないかというふうに思うわけであります。
特に、税の公平性の部分でいうと、徴収率のアップの問題でありますが、これは現状を調査しますと、高槻市が平成3年度で徴収率が98.05ということで、大阪府下では2番目の高徴収率であるということについては一定評価をするわけでございますが、それでよしとせずに、さらに残りの2%弱の徴収率をどう上げていくかということに努力をする必要があると思うんです。そういう考えでは、今も努力はしていただいているんですが、例えばボーナス時期、7月と12月に特別徴収月間というようなものを設けまして、そして、より徴収率をアップするために頑張っているというような都市も中にはあるわけです。したがって、1年を通してだらだらと集めるん じゃなくて、ポイントポイントにおいて、基本的には、お金が入ってきたときに納めてもらおうと、いかにそこに力を集中していく、そういうふうなインパクトを与えるような、一つの特別徴収月間というようなものを設けて、市民はもとより市の職員もさらに徴収率アップに努力するという意識の啓発をぜひやるような方法を考えてはどうかというように思っておりますが、その点についてひとつお聞きをしたいと、こう思います。
それから、私が提供しました、一時借り入れを金融機関からする、一方、高槻の余裕のお金、基金関係は銀行へ預金をすると。一般論でいえば、預けるお金の金利よりも借りるための金利の方が当然高いわけであります。したがって、片一方で余っていて、借りるよりも安い金利でお金を預ける。片一方は借りるというやり方をせずに、その条例によって、基金の中身によっては繰りかえ運用が可能な基金もあるわけですから、そういうものをできるだけ使う方がより効率的な財政運営ができるんではないかと、こういうことであります。今、部長の方からは、そういうことをこれからやっていくということでございますけど、例えば、ことしの予算を見ますと、一時借り入れの最高限度額が90億という金額でありますが、大体計算しますと7、80億ぐらいが実際に借りている金だろうと思うんです。それを、極端に言えば全部財政調整基金で仮に調整をしますと、借りる場合とどれぐらいお金の部分で得するのか、大ざっぱで結構ですから、できたら教えていただきたい、こういうように思います。
それから財テクの問題でありますが、これは理事者の方が最近金融の自由化の中で、むしろ今までは金融機関というのは絶対つぶれないと、こういう状況があったんですけども、最近はどうも金融機関でもつぶれると、こういう可能性があるというわけです。例えば、ある資料を調べますと、公表資料をもとに金融機関の危険度を調べた場合に、全国の銀行の約2割強、それから信用金庫の2割弱は問題ありということで、専門家がこういう指摘をしているわけです。それはそれでよくわかるんですが、だからといって財政運営について、余りにも厳格に守りの姿勢ばかりではいけないと、僕は思うんです。
ある市におきましては、例えば3億のお金が3か月間、市役所にとりあえず金が集まったと。その3億を幾らの金利で3か月間預かってくれるかということを、収入役室から各金融機関へ電話して、全部金利を聞いて、その午後には決裁をするというような極端な財政運営のやり方をやっている市もあるんです。それは要するに、中には、こういう危険度がありますから、単に利息が高いということだけでその銀行に預けるということになった場合に、倒れた場合に大変ということがあると思いますけれども、そういう点については高槻の金融機関について、その金融機関は一体どういう財政状況なのか、金融機関自身がどの程度の安定度を持っているのかという情報を集めながら、より確実に、さらに積極的に、資金の活用というものをやっていかないかんのじ ゃないかと。僕らが今まで高槻市の財政運営を見ていたら、余りにも堅実に守りの姿勢が強過ぎるのではないかという感じがするわけでありますけれども、その点についてのご意見をひとつお聞かせを願いたい、このように思います。
最後に、経常収支比率、これは、先ほど申し上げた総合計画に基づく40事業の残りの事業、こういうものをこれから積極的に推進をしていくという意味でいうと、かなり厳しいのではないかという感じがするんです。ちなみに、人件費比率が26.35と平成3年度ではあるんですけれども、例えばある市におきますと、これはかなり財政の規模も違うし町の大きさも違うので一概に比較はできないと思うんですけども、例えば福岡市、ここでは人件費比率が13.5%なんです。ということは、高槻の半分なんですね。ただ、ここで一つ考えなきゃならないのは、市で直営で運営をすると、それは人件費に入る。しかし、民間委託だとか外郭団体にそれを委託すると、これは物件費に入るという問題がありますから、単に人件費だけでの比較では、要するに比較はできませんけれども、そういう委託度も含めて、こういう形で市政の運営をしている町は一体どうなっているのかということの綿密な調査を、行政としても一遍やる必要があるのではないかというふうに私は思いますので、ぜひ視察に行って、調べてほしいということを要望しておきたいと思います。
それから、もう1つは、今、高槻市の
総合センターなんかもつくっています。それから、ごみの焼却場というような大型のプロジェクトがあるんですが、できましたら、基金の積み立てについても一定の目安を持つべきじゃないか。何でもかんでも、要するに基金の積み立てをとりあえず余ったらするんやというんじゃなくて、一定、例えば100億以上の事業については、その2割については、基金を事前に積み立てるとか、そういうような目標を持っていかないと、なかなかその事業の達成が難しいのではないかという感じがするんですが、その点についてもひとつお答えをいただきたい、こう思います。
以上、2点目の質問を終わりたいと思います。
○財務部長(小林 宏) まず、1点目の自主財源の関係でございますけれども、確かに仰せのとおり、個人市民税と法人市民税の割合が、本市の場合はほとんどが個人市民税となっておりますので、その点では景気の変動は少ないとは言えるわけですけれども、現実に法人市民税も相当落ち込んでおるのも実態でございます。また、個人市民税におきましても、給与、譲渡資産の低下とか、いろいろございまして、かなりこれも今までのような伸びを望めない。横ばい的な感じで推移しておるというのが今日的な実態でございます。そういった中で徴収率のアップにつきましても努力をいたしておるわけでございますけれども、やはり景気が悪くなりますと、徴収率が低下してまいります。そういうことで、我々、職員と一体となりまして、先ほど申し上げました ような、仰せのことも含めまして月間を設けて、電話作戦なり、いろいろとっているわけでございます。できるだけ徴収率を落とさないように努力もいたしておるところでございます。
ご提言いただきましたそういった特別徴収月間的なものも、今後、小口の催促、いわゆる3万円未満の未納者の分については、ある一定時期に合わせて文書で催告、あるいは電話でやるとか、そういったことを含めまして、今後とも、ご提言を含めまして十分検討し、徴収率のアップにつなげてまいりたい、このように考えておりますのでよろしくお願い申し上げます。
それから、2点目の一時借入金を基金運用に切りかえた場合にどうかというご質問でございます。これは本当にアバウトな計算で、かえってご数字申し上げることによってあれかもわかりませんけれども、一つの仮定といたしまして、一応100億程度の形の中で概数を出しますと、約1,400万というようなことになるのではないかというふうに、これは極めてアバウトな数字でございますので、その点ご了解を賜りたいと存じます。
それから、3点目の財テクの問題につきましては、後ほど収入役の方からお答えをさせていただくというふうに思います。
それから、人件費関係につきまして、特に比率の関係で、その実態調査をしてはどうかというご指摘でございますけれども、これにつきましては、関係部と十分協議いたしましてさせていただきたい、検討してまいりたいというふうに考えますのでよろしくお願い申し上げます。
○収入役(奥田晴基) 余裕資金の活用の関係におきまして、守りの姿勢に過ぎることなく積極的にというご指摘でございます。自治体の資金管理につきましては、近年、金利の自由化、そういった中で、特に効率的管理といった要請が高まっておりまして、おっしゃるように予算執行に必要な資金を単に調整し、準備すると。また、資金の不足を避けるための消極的な対応ではなくて、もっと積極的にということにつきましては、議員のご指摘のとおりでございまして、私どももそのように認識いたしておりまして、一定の努力もしておるところでございます。
ただ、歳計現金の保管につきましては、地方自治法及び同法の施行令の中におきまして、確実な金融機関への預金その他、最も確実かつ有利な方法で行うこととなっておるわけですが、さらに加えまして「
地方公共団体における公金の取り扱いについて」と題しての事務次官の通達が出ておりまして、指定金融機関の制度を採用している
地方公共団体にありましては、指定金融機関への預金等を第一義と考えるということになっておりまして、行政実例におきましても、指定金融機関以外の金融機関へ預金等をいたしますに際しましては、収入役は長との協議をする等の運用をするのが適当と、そういうふうな見解が示されているところでございます。
それで、実際に3年度の普通会計の歳計現金及び歳入歳出外現金につきましての保管状況につきまして、もう少し申し上げますと、普通預金以外の保管として取り扱いましたものは、3年度 で108件でございました。ご指摘のように大口預金につきましては、そのうち65件、NCDにつきましては30件、そのほか外貨預金、定期預金、現先、MMCなど、いろいろな活用を図っておるところであります。ただ、この場合の活用先といたしましては、指定金融機関以外に対して預け入れしたものは23件でございます。この預け入れ方法等につきましては、運用可能な額とか期間、それから調査いたしました利率等を考慮しながら選別をしておるところでございます。
今回、効率的な資金管理を示すといいますか、知る一つの手法といたしまして、金融収支比率というものをお示しいただいたわけでございますけれども、これは確かにそういった意味で意義ある指標であることは間違いございませんけれども、先ほど財務部長のお答えにもありましたように、その市の財政状況というのが、一つ大きく指数を変える状況にあるというような特徴もあわせて持っているわけです。したがいまして、例えば、周辺市等と対比をいたしましても、本市の場合は一時借入金、先ほどお示しのように本市は90億までいける。実績では、3年度の場合58億ぐらいを使っておるわけですけど、こういった状況。他市ではそういったことをしていない、しなくていいという財政状況にあったり、それから先ほども出ていたと思いますが、起債の依存率とか基金取り崩し、これはいずれも70億程度ずつですから、両方合わせて140億余り、これは余裕資金となる時期がない。分母に該当します歳入総額ではありますけども、余裕資金となる時期がない。したがって、起債の少ないところは、実質うちと相当違うという状況にございます。それから、義務的経費が多いというような場合は、運用期間が短い、そういったことが考えられます。それから、会計間の繰りかえ使用の必要度合いだとか、市税の前納額の大きさ、こういったものも、この数値に明らかに影響を及ぼすものでございます。そういったことから、本市の場合は、おっしゃる本来の資金運用の努力とともに、根本的に財政構造のさらなる健全化の努力が必要ということが、この計算式とうちの予算とを対比する中でわかるという感じでございます。
それで、先ほど、指定金融機関を中心とする枠をもう少し積極的に外してはどうかというご指摘でございます。収入役の仕事というのは、地方自治法の170条に定めておるところでございますけども、そのうち出納事務につきましては、そういったことに熟達しておる金融機関に取り扱わせる。収入役は支出命令の審査事務の方を重点にということになっているのが指定金融機関制度。この場合、指定金融機関は、みずからの負担で事務代行機能を請け負っているといった状況にございます。そのほか、市の資金調達、それから制度融資等に際しまして中心的な役割を担っている。そのほか、公社等外郭団体についても、その資金調達に協力をしてくれておるところでございますが、こういったことについて、法的指導の変更もまだございませんで、それからな お現在の市の状況を考えます中で、指定金融機関を中心として、ただ運用につきましては自由金利をフルに活用すると、そういったところで努めておるところでございます。
金利の自由化がさらに進んでいます。そういった中で指定金融機関のこういった負担との適正な調整というのが、今後、指定金融機関制度における重大な課題となってこようというふうに考えますけれども、現時点においては、一般の金融機関とすべて一律に取り扱うという点については、ちょっと難しい面があるというふうに考えておるわけでございます。
ご指摘全体を踏まえまして、今後、では収入役としてはどのように努力していくかということでございますけれども、まず資金計画の精度を一層高める必要がある。それで入ってくるお金と出ていく額、時期をできるだけ正確に把握したい。それから、先ほども申し上げましたように、財政構造の健全化につきまして、一層の努力が必要でございます。それから、指定金融機関を中心ではございますけれども、金利設定に際しましては適切な協議を強めていく、そういった努力をしてまいりたいと思います。ただ、あわせて申し上げますと、これは歳計現金についてでございまして、基金類の運用につきましては、先ほどご提案がございましたように、信用度に合わせてといいますか、信用のある金融機関にできるだけ競争性に努める中で運用してまいりたい、そういうふうに考えておりますのでよろしくお願いします。
○(竹本寿雄議員) 要望も含めて最後終わりたいと思いますが、指定金融機関の問題について、通達等もあって、その辺の位置づけというものを当然重要視していかなきゃならんと。ただ、僕は、例えば、銀行側のお金の負担でもって事務の代行をしていただいているとか、お金を借りる場合に中心的な役割をしているとか、もちろんそれは相手の金融機関に協力してもらっている点でございますけれども、ただ、指定金融機関に指定されているということ自身が、社会的信用という意味では、非常にその銀行にとって大きなプラスなんですよ。そうでしょう。高槻市が年間ことしだったら、1,700億の予算のお金が少なくとも入ったり出たりする、そういう意味では莫大なお金だし、それを高槻市がそこへ預けているという意味での社会的信用というのは、そういう事務執行をかわりにやっているとかいうような、利益以上の大きな目に見えない利益があるというように思うんですよ。だから、収入役、そこは、こっち側がそういうことになってまんねんというようなことを余り考えずに、堂々と胸を張ってやっていただいたら結構だと思いますよ。あくまでも向こうは会社ですから、そんな損するようなことはしません。そうでしょう。それはいろいろな角度から考えてトータルで計算してやっているわけですので、特にこの通達の問題なんかについては、いつ通達が来たのかわからないけれども、今、金融の自由化という新しい局面を迎えているわけですから、お金を預ける側の発想も、大きく転換して変えていかなければ、従来の延長ではいかんというように思っております。
最後に、1つだけ。先ほど福岡の例を挙げましたが、これもぜひ一遍勉強していただきたい。というのは、僕もこれを見て初めて、びっくりしたんですけれども、例えば、全国でいろんな話題になっている神戸市ですね。この神戸市の財政を見たときに、先ほどのいろんな判断基準といいますか、そういうものの数値を見ますと、例えば神戸が交付税をもらっている。あれだけの豊かな町が、へえ、交付税をもらってるんですか、というのが僕らの感覚なんです。現実に交付税をもらっているんですよ。それから、財政力指数においても、46道府県庁所在都市の中では29番目、経常収支比率では41番目なんです。公債費比率に至っては46位で最下位なんです。そういうような財政でありながら、あれだけの町づくりが一方で進んでいる。こういうことも一遍冷静に、今後の高槻の財政運営について分析をし、勉強してみる価値があるのではないかという感じがしますので、先ほどの福岡も含めて、ぜひひとつ内容の分析をお願いしたい。
今回はこれで終わりたいと思います。
○議長(伊川二郎) 竹本寿雄君の一般質問は終わりました。
次に、高須賀嘉章君。
〔高須賀嘉章君登壇〕
○(高須賀嘉章議員) まず、エイズ対策についてお尋ねをいたします。
昨年12月末、東京都内の33歳の元会社員が、エイズウイルスの感染を理由に会社を解雇されたとして、勤務先だった会社などを相手に訴訟を起こしました。日本では、これが初の提訴ですが、エイズ関係のボランティア団体には、エイズのために会社を解雇されたとの訴えは多く寄せられており、今後、この種の裁判がふえることも予想されています。
企業が、エイズを理由に雇用差別してはならないことはもちろんのことであり、世界保健機関(WHO)や、国際労働機関(ILO)の声明にも盛られています。しかし、現実にこのことを達成するためには、企業の取り組みとともに、エイズの社会全体の理解の深まりが不可欠であり、国や自治体のより積極的な施策等が必要となってくるのであります。
企業においては、外国に駐在員を置いたり、海外出張の多い会社を初めとして、多くがエイズの対策に乗り出しています。しかし実際に、社内に感染者が出た場合の対応は、各社とも頭を痛めており、明確な方針を打ち出している企業は、ごくわずかにすぎません。ある大手商社の広報担当者からは、うちの会社だけが早々と方針を発表したら、あの会社にはエイズ感染者が多いのではと誤解されかねないという声も聞かれるほどです。会社のマイナスイメージを持たれたくないという企業意識も、対策のネックになっているようであります。
エイズ治療を行っている病院では、薬品名で会社の健保組合に病気が知られてしまうので、保険を使わないでほしいと求める患者が多くいるということです。企業内のカウンセリングも発達 しているアメリカと違い、日本では、エイズが会社に知られたら不利益をこうむる危機感が、患者、感染者を一層苦しめているのが現状であります。
世界保健機関の推計によりますと、エイズウイルス(HIV)に感染した成人は、1992年7月時点で1,200万人に達し、これは世界の成人人口の約0.4%に当たります。およそ成人の250人に1人が感染したことになります。
一方、我が国では、昨年末現在、報告されている患者、感染者は、血液凝固因子製剤による感染者を除くと1,046人で、特に'90年以降3年間の報告数は、'90年97人、'91年238人、'92年493人と、毎年増加をしています。厚生省の研究班では、実際の感染者数の推計値は報告の約10倍で、1万人以上が感染しているのではないかと推計しております。
エイズの一層深刻な感染爆発が懸念される中、国は、対前年度に比べ約5倍の101億円の予算を計上し、本格的な感染防止対策(エイズストップ作戦)にようやく腰を上げようとしています。政府予算案でも、これまで認めてこなかった都道府県のエイズ対策促進事業への助成──2分の1ですが──制度を新規に創設、これを受けて自治体でもさまざまなエイズ感染防止対策が計画されています。まさにエイズストップ作戦は、その緒につこうとしているのであります。
助成制度を通じて国が地方に求めるエイズ対策は、大きく分け、1 エイズ対策推進協議会、2 検査、相談、医療従事者研修、3 各種広報活動、4 休日、夜間の出張における検査体制の整備、5 地域組織等活動促進事業などであります。これらの対策は、本市ではどのように展開されていくのでしょうか。
もとより、大阪府とのかかわりの中で、本市としても一定の取り組みがなされていると確信しますが、まず、検査体制の充実や相談、検診の充実についてはどうなっているのでしょうか。
また、いざエイズ患者、あるいは感染者と判明したとき、病院の診療拒否やたらい回しが指摘されています。本市にかかわる医療機関の確保はどのようになっているのでしょうか。
次に、啓発活動の強化という点です。本市が責任を持って担わなければならないのが、エイズに対する正しい教育と啓発であると考えます。エイズの流行は、医学の問題であると同時に、大きな社会問題でもあります。とりわけ懸念されるのは、エイズに対する正しい知識と理解がないことによって、エイズに対する恐怖心から差別や偏見が起き、患者や感染者の潜在化を招き、感染拡大の危険性が増大することであります。こうした知識は、できるだけ早い機会に正しく理解させることが大切です。次代を担う児童生徒に対しては、学校教育のカリキュラムの中で正しい知識を与えるとともに、社会教育の分野においても、啓発を積極的に推進する必要があろうと考えます。現在の取り組みと今後の方向についてお示しください。
また、小学校高学年や中学生に対して正しい知識を与えるための副読本をつくってはどうかと 考えますが、この点についてもお聞かせください。
最後に、調査研究に取り組む自治体はほとんど見受けられない状態でありますが、大阪府としては、エイズ予防基金を活用した治療研究者への助成を行っています。本市における研究についても、助成等の施策が展開できるよう基金制度の創設を考えてはいかがでしょうか。以上、答弁をよろしくお願いいたします。
第2に、都市整備についてお尋ねします。
本市における都市整備も、人口急増の学校建設に追われた時期を乗り越え、市民の期待にこたえ、急速に進みつつあります。うるおい・街角整備構想を初め、今議会でも取り上げられた都市景観や街なみ整備事業もようやくその実を上げようとしています。
今回は、道路と公園に絞り、今日までの質疑を踏まえる中で、お聞きをしてまいりたいと考えます。
まず、都市計画道路ですが、41路線、延長104.75キロが都市計画決定されています。このうち市街化区域では、全体の67%、延長70キロが計画決定され、40%の約42キロが改良済みと聞いています。本市の都市計画道路の整備率は、全国的に見て、まだおくれているとのことでありますが、現状と今後の整備計画についてお示しください。
次に、町並みは、道並みとも言えます。うるおい・街角整備構想をもとに、中心市街地の一般市道の整備が注目されています。しかし、行政の意気込みに対し、市民の反応は必ずしも全面的に歓迎とは言えない状況です。その状況把握と今後の取り組みをお聞かせください。と同時に、大阪府の福祉のまちづくり条例がスタートしましたが、先日も、視覚障害者の方々が歩道を点検して歩いているのを見受けました。道路に対する評価はどうだったのでしょうか。また今後は、こうした大阪府の条例を踏まえての道路整備に切りかえていかねばならないと考えますが、この点についてもお答え願いたいと思います。
次に、こうした道路整備の中で、本市の中でその名を全国に知られる西国街道についての計画と取り組みはどうなっているのでしょうか。本市のうるおい・街角整備の視点は、水と緑と歴史であったはずです。文化的、歴史的価値からしても、この西国街道をこのままにしておく手はないと考えます。早急に整備の取り組みを開始してはいかがでしょうか。
50周年を記念して、この20日に行われた国際ハーフマラソンは、スポーツ紙にも大々的に紹介され、成功裏に終わりました。走ることは、年齢を問わず健康増進に役立つものであります。この際、市のふさわしい道を選んで、ジョギングロード整備をされたらいかがでしょうか。答弁をお願いいたします。
公園についてもお尋ねします。高槻市における公園については、かつて大綱的に質問させてい ただきました。その後、公園の整備についても一定の進捗が見られ、敬意を表するものでありますが、今後とも計画的な取り組みをお願いします。その質問の際に、特に高齢化社会を踏まえた異世代の交流の場としての公園の位置づけから、子供とお年寄りが共有できる公園を提唱させていただいたことがございます。その後の取り組みはいかがでしょうか。国の考えの中にも、ふれあい公園構想が出てきており、高齢化社会に対応した都市公園整備の一環として、日常生活に最も身近な児童公園を対象に、高齢者と子供がともに楽しめるような施設の種類、規模に配慮した都市公園としての整備をするとしています。本市の考えをお聞かせください。
また、茨木市とのスポーツ施設の比較の中で、テニスコート、プールのおくれを指摘させていただいたことがあります。そのとき、茨木市が進めてきた運動公園が最大関心事の1つとして残っております。本市は現在、北部の総合スポーツセンターに力を注いでいますが、国、府のかかわりの中で、こうしたスポーツを加味した運動公園の整備はどうなっているのでしょうか。お答え願いたいと思います。
最後に、今回、阪急高架下の公園整備が予定されています。3か所とのことです。かつて高架下公園として、本市は、新幹線の高架下を利用して10か所ばかり整備した経緯があります。しかしその利用実態は、当初の期待に反する地域も見られます。その要因は、子供が少なくなったこともありますが、緑がない点と、日が当たらない点を指摘する声があります。今後、現在の高架下の公園の改良をお願いするとともに、今回予定されている公園については、こうした声に耳を傾け、格段の配慮をお願いするところですが、考えをお聞かせ願いたいと思います。
以上で、1問目を終わらせていただきます。
〔保健医療監 山本香憲君登壇〕
○保健医療監(山本香憲) エイズ対策についてのご質問のうち、民生部関係につきましてお答え申し上げます。
エイズ、すなわち後天性免疫不全症候群は、今世紀最大の人類の共通の敵と呼ばれております。議員も述べられていますように、WHO(世界保健機関)の報告によりますと、平成4年12月末現在、世界では61万1,589人のエイズ患者が報告され、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)、すなわちエイズウイルスによる感染者は1,100万人から1,300万人と推計されており、感染者の75%が異性間の性交渉によるもので、毎日約5,000人が新たに感染していると言われております。
これに対し、日本におけるエイズ患者、HIV感染者は、厚生省のエイズサーベランス委員会の報告によりますと、平成5年2月末現在の累計で3,155人であり、血液製剤によって発病、感染した人を除きますと1,107人に達しており、このうち大阪府は、平成4年12月末現在で 凝固因子製剤を除きまして49人となっております。その感染原因は、主に性行為感染、血液媒介感染、母子感染となっており、特に異性間性的接触により増加する傾向を示し、その予防対策が重要な局面を迎えております。
このエイズ予防の対策につき、国におきましては、平成元年1月17日、法律第2号で、後天性免疫不全症候群の予防に関する法律、いわゆるエイズ予防法を制定し、同年2月17日より施行されました。この法律は、エイズの予防に関し必要な措置を定めることにより、エイズの蔓延の防止を図り、公衆衛生の向上及び増進に寄与することを目的としております。したがいまして厚生省では、エイズ関係予算を大幅に増額し、エイズストップ作戦本部を組織し、国及び都道府県と政令指定都市で推進を図っていこうとするものでございます。
一方、大阪府におきましては、1 正しい知識の普及、啓発、2 相談、指導体制の整備、3 検査体制の整備、4 医療体制の整備、5 治療研究の促進の5つの指針でエイズ対策が行われております。
そこで、本市での対策につきましてのお尋ねでございますが、エイズは、特定な人の病気ではなく、だれもが感染の可能性がある病気でございます。一般には、エイズは自分には全く関係のない病気であるという意識があるなど、エイズに対する認識はまだまだ高いとは言えないものがあります。したがいまして、今でき得ることは、正しい知識の普及、啓発であるとの認識のもとに、高槻保健所と連携を深めながら、本市広報紙で正しい知識の普及、啓発をPRしていきたいと思っております。また、大阪府から提供されているリーフレットを窓口に備えつけ、市民に配布しているとともに、健康相談で希望者にパンフレットの説明を行っております。その他のエイズ対策につきましては、大阪府と協調し、連携を密にとりながら推進を図ってまいります。また検査体制の充実や相談等につきましては、プライバシー保護の立場から、高槻保健所、大阪府立万代診療所、及び公的医療機関等において、希望者にエイズ抗体検査や相談が行われております。
次に、医療体制の確保でありますが、入院が必要な場合、医療機関の協力が不可欠であります。原則では、感染症を扱う病院がすべて対象でありますが、大阪府は医療機関と連絡を図りつつ、患者及び感染者が安心して医療が受けられるような体制づくりに向け、一層の推進に努められているところでございます。
最後のご質問の、基金制度の創設でありますが、基本的には、国、府が対応すべきであると考えており、その展開に関心を持っておりますので、よろしくお願いをいたします。
いずれにいたしましても、エイズは、感染症であっても伝染病ではなく、エイズ対策はまさに正念場であり、今こそ大流行を防げるかどうかの瀬戸際との危機意識を持って対策に当たるとともに、エイズを正しく理解し、患者に対しましては温かい手を差し伸べ、差別をなくすことが、 エイズ対策の前提であると考えております。そして、1人1人がエイズに対する理解を深め、身を守ることが大切ではなかろうかと思います。どうぞよろしくお願いします。
〔
学校教育部長 広瀬伝之助君登壇〕
○
学校教育部長(広瀬伝之助) 高須賀議員の1問目のうち、学校教育にかかわる部分につきまして答弁を申し上げます。
我が国におけるエイズの蔓延を防ぐためには、学校教育の中で、エイズに関する正しい理解と認識を深めることが重要であると考えております。エイズに関する指導は、新学習指導要領の中では直接的に示されていませんが、エイズが単に感染症という健康問題にとどまらず、性に関する指導や、偏見、差別等の問題にかかわる広範な内容を含んでおりますため、児童生徒の発達段階にあわせ、教育活動全体の中で総合的に取り組む必要があると考えています。そのため、学校教育におきましては、エイズに関する適切な指導の推進が、緊急の課題であると受けとめております。
本市教育委員会といたしましては、小中高等学校教師用指導資料として文部省から発行されました「エイズに関する指導の手引」や、日本学校保健会発行の「エイズ 正しい理解のために」という冊子を既に配布し、性教育の充実を図る中で、エイズに対する正しい認識を児童生徒の発達段階にあわせて高めていくよう対処してきたところでございます。例えば、今年度も学校保健会等におきまして、性教育の中でエイズに関する指導をどのように展開していくかにつきまして教職員研修会を実施してきたところであり、今後も教職員の研修の充実、さらに各学校の指導計画の樹立に向けて、積極的に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
次に、副読本についてでございますが、平成5年度、文部省より、全小中学校児童生徒に「エイズ 正しい理解のために」という小冊子が配布される予定でありますので、これを活用して、エイズに関する指導が推進されるよう取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
〔
都市整備部長 谷知昭典君登壇〕
○
都市整備部長(谷知昭典) 高須賀議員のご質問の、都市整備に関する問題のうち、道路関係の前段部分と公園関係につきましてご答弁を申し上げたいと思います。
都市計画道路は、良好で活力ある町づくりに不可欠な、まさに根幹的な都市施設であり、物や人の移動のみならず、数多くの機能を果たす市民生活に密着した公共施設でもございます。こうしたところから本市では、長期的な都市整備の観点から、現在41路線、104.75キロメートルを都市計画決定し、これに基づきまして事業を実施いたしているところでございます。その整備に当たりましては、交通環境の改善、交通安全の向上、市営バス等の定期運行の確保、そして 良好な住環境の形成を重点に、これらの計画道路の早期完成を目指し、街路整備の施策を計画的に展開しているところでございます。
平成5年度におきましては、過年度から引き続き、府、市協調いたしまして15路線22か所の整備事業に取り組み、ご質問にありました現在整備率40.3%を、約42%に向上させるべく鋭意努力いたしてまいる所存でございます。
さらに、21世紀初頭を目標年次とする今後の街路整備の中期計画につきましては、本市の総合計画や、平成5年度からスタートいたします国の第11次道路整備5か年計画に沿いまして、本議会におきましてご決議いただきました第二名神高速道路、京阪連絡道路等の広域幹線道路、とりわけ、この計画におきますインターチェンジ、ジャンクションの立地、及び十三高槻線の整備、並びに市街地再開発事業等の大型プロジェクトの進展とも連動いたしまして、町づくりの根幹は道づくりであるとの認識に立ちまして、都市内道路網の体系的整備の確立を目指してまいりたいと存じております。
またさらには、国、府の支援を受け、地域の個性と創意工夫を生かした道づくりとして、人にやさしい道、人に美しい道、そして人にゆとりを与える道づくりにも配意しつつ、効果的で実現性の高い整備に心がけてまいりたく存じております。
次に、公園の整備関係についてでございます。都市公園の整備につきましては、国におきましては、災害に対する安全の確保、ゆとりと潤いのある長寿社会の形成、都市住民の自然との触れ合い等々の、種々のこの要因への対応策といたしまして、都市公園の緊急かつ計画的な整備を図るため、平成3年度より第5次5か年計画を立て、整備が進められているところでございます。
とりわけ、ご質問の、高齢化社会に対応した公園整備につきましては、今日のニーズに対応した都市公園整備の一環として、日常生活に最も身近な児童公園を対象に、高齢者と子供がともに楽しめる児童公園、いわゆるふれあい公園として、標準面積をおおむね0.5ヘクタールとして、建設省としても積極的に取り組まれているところでございます。
本市におきましても、これらの動向を踏まえまして、市街地における用地確保の困難性、財源等の問題の解決を図りながら、地域のニーズや、規模、誘致距離等を考慮しつつ整備促進に向け取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、運動公園の取り組みについてのご質問でございますが、1つは、議会での種々のご論議をちょうだいしながら取り組みを進めております仮称北部総合スポーツセンターがございます。本件につきましては、お認めをいただいた立地環境調査を実施するなど、鋭意取り組みを強めつつ、種々の提起をいただいております諸課題を解決いたしまして、早期完成を行い、多くの市民の期待にこたえてまいりたく存じております。
次に、これもご案内と存じますが、総合計画の基本方針でも述べておりますように、本市の南部地域にあります淀川右岸流域下水道の高槻処理場の整備にあわせまして、公園化を図ってまいる計画がございます。本件につきましては、関係部局との連携のもとに、継続的に大阪府に対し配置計画等につきまして要望をしてまいりたいと存じております。
なお、平成5年度におきましては、大阪府のご協力を得まして、西大樋町の処理場の屋上にテニスコート等の整備を行う予定でございます。
また、既に都市計画決定されております淀川の河川公園の整備につきましても、逐次、建設省において進めていただいております整備でございますが、本年度におきましては大塚地区の地先の河川敷におきまして、約3ヘクタールにつきまして多目的広場、ゲートボール場、炊飯施設、児童コーナー、及び全体を取り巻く沿路の整備を進めていただいておりまして、本年秋ごろには完了する予定と聞いております。
なお、このうち屋外炊飯コーナーにつきましては、これまでの河川公園にない施設であり、この公園の活用がより深く、より広く利用できるものと期待をいたすところであります。今後におきましても、施設整備拡大に向け、要望してまいりたいと存じておりますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、高架下の公園でございます。新幹線高架下児童公園につきましては、現在時点におきましても、JR東海関西開発株式会社より10か所の占用許可を受けまして、主に周辺の住民の方々にご利用いただいているところでございます。
ご質問の植栽につきましては、許可権者の意向といたしましては、事例もなく、また構造上、地中ばり、地下ケーブルの埋設、及び樹木の命でもあります日当たり、灌水条件も悪く、基本的には植栽になじまない場所であると考えておるところでございます。しかしながら、本施設につきましては、今日における児童の遊び場、及び地域住民のコミュニティ活動の場として重要な機能を有しておりますので、施設の改善につきましては実態に即しまして、今後取り組んでまいりたいと考えております。
また、本年度予定いたしております阪急高架下児童公園整備につきましては、中心市街地での土地利用要望の非常に高い部分でありますが、3か所の公園用地を確保し、都心におけます都市空間の確保という市民要望にこたえようとするものであります。
施設の整備内容についてでございますが、先ほどご答弁申し上げました新幹線高架下利用とは構造及び灌水条件の違いもあり、また、中心市街地の数少ないオープンスペースとして植栽を初め、照明灯、ベンチ、遊具等を設置し、地域住民のやすらぎとくつろぎの場として整備する考えでございますので、よろしくお願い申し上げます。
〔
社会教育部長 内本隆譲君登壇〕
○
社会教育部長(内本隆譲) エイズ問題につきまして、社会教育行政面におきましては、今日までPTAあるいは有志の市民の方々が、公民館などで自主的に講座等を実施された事例を把握しておりますが、市教委主催の事業といたしましては、いまだ実施していないところでございます。ただ、近年のエイズ患者あるいは感染者の急増は、ご指摘のとおり、その及ぼす影響からいたしまして、まことに深刻な問題でございまして、先日の府下の社会教育課長会議におきましても、府教委より、各市の社会教育面でもその啓蒙等について実施方を要請されております。そういうところから、今後におきましては、関係機関と十分連携をとりながら、社会教育活動のいろいろな機会をとらえ、その予防及び人権の両面にわたり市民の方々に啓発をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
〔建設部長 近藤富彦君登壇〕
○建設部長(近藤富彦) 高須賀議員の道路関係4点にわたるご質問にお答えいたします。
まず、うるおい・街角整備構想の状況把握と今後の取り組みについてでありますが、中心市街地を水、緑、歴史の3つのテーマを持ちまして、平成3年度につきましては、城北町一丁目の3路線と城内町の1路線、また4年度につきましても、野見町の1路線の施行をいたしました。5年度につきましても、大手町、野見町の整備を予定しております。また、実施後の反応につきましては、種々意見を聞かせていただく中では、おおむね歓迎していただいておりますが、なお一層研究を重ね、より多く市民の皆様に喜び、親しんでいただくよう努力してまいります。
また、大阪府の福祉のまちづくり条例を受けての道路整備でありますが、この条例の目的であります都市施設を安全かつ円滑に活用することができるよう整備し、もって豊かな福祉社会の実現に資することとあります。道路に対しての要件は歩道についてであり、委員会でも種々ご指摘いただいております段差の解消もその1つで、国の補助金を活用しての路線整備、また部分的な整備に順次努めているところでありますが、引き続き本条例の趣旨を十分踏まえ、その整備に努めてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
続きまして、西国街道の景観整備についてでありますが、仰せのとおり西国街道沿線には、往時をしのばせる家並みが点在し、高槻の文化的、歴史的財産の1つでありますことは十分認識しているところでございますので、上位計画であります総合計画による構想が実現可能な地域におきまして、水、緑、歴史の3つのテーマを基本に景観整備を行い、魅力あふれる市街地形成の実現に向け、今後、庁内的に十分研究してまいります。
4点目のジョギングロード整備ということでありますが、歩行者、自転車道という観点からお答えさせていただきます。
ゆとり社会、健康増進等々からスポーツ熱の高まりは大きく、朝夕には、老若男女を問わず多くの方々がジョギングをされている姿をよく見かけますが、このような中で歩行者、自転車の安全対策につきましては、道路幅員構成の見直し及び新設とあわせて公有地の活用が常に望まれているところであります。今後、ルート、またそれぞれの管理者との協議を含めまして、研究課題とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
○(高須賀嘉章議員) 丁寧な説明をいただきまして、ちょっと時間が短くなりました。
エイズに関するニュースが、特別番組の形で毎日のように現在、報道されています。中でも、世界的に有名なバスケット選手のマジック・ジョンソン氏が日本での講演を行った、その話が報道されておりました。みずからの体験を通して最後に、普通の人としてつき合ってほしい、こういう語りが非常に印象的だったんです。また、一昨日はアメリカでの、エイズと共生している社会実態を取り上げていました。そのようにアメリカの場合は、いわゆる顔を隠さないでエイズと取り組んできた結果、薬剤にもよるんですが、非常に寿命を延ばしていると。2年と言われた方が8年なり生きているという、こういう実態の社会に変わりつつあるということです。そういう面では、本市においても啓蒙に積極的な力を注いでいただきたいなと思います。
7月ごろに広報紙を特集するということですが、決して一過性に終わってはならないというふうに考えます。1つは、継続して取り組んでいかなければならない。この点をどう考えているかをお聞かせ願いたい。それと同時に、啓蒙に当たっては、現在は映像の社会でもありますし、ビデオの作製も本市独自で考えてはどうかと、このように考える次第ですが、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
それから、東京商工会議所などにおきましては「職場とエイズ」という形で小冊子を出しているんですが、そういう中を見ますと、感染した従業員を雇用上差別しないとか、新規採用や定期健診の際にはエイズ検査を行わないとか、プライバシー保護に万全の体制を整えるとか、こういった内容が書かれた小冊子があるわけでございます。こういう形の中でも、なおかつ解雇するという問題が出てきているわけでありまして、そういうことを考えると、企業の実態把握等、企業での研修等についても、具体的な支援を行政として行えないかということを考えていただいてはいかがでしょうかと、このように思う次第です。そのためにも、本庁の職員への、このエイズの問題対策についてもプログラムをつくって、研修も重ねていってはどうかというふうに考える次第ですが、この点、よろしくお願いしたいと思います。
それと、学校での取り組みなんですが、過日も五領地区の青少年健全協議会で会報の検討をした際に──ここには小中学校の校長先生も出ていただいているんですが、エイズを取り上げたらという意見が出てまいりました。その際、高校の現場で使っているという内容を、金光高校の先 生がおっしゃったんですが、保健所等が出しているものよりもやっぱり独自のものをつくったほうがいいなという、そういう意見が非常に多かったんです。そういうふうな現場の意見も十分に踏まえていただきたいなというふうに考えます。
それから基金につきましては、厚生省が昨日も基金の創設を発表しています。そういうふうに厚生省のエイズストップ作戦はかなり急激に──7月のサミットでは恐らくエイズが1つの課題になりますので、そういったことも踏まえているのかしれませんが、かなり急激に進みつつある。そういう実態を把握する中で、本市もおくれのないような取り組みをよろしくお願いしたいと思います。
それから道路の問題でございますが、町づくりは道づくりと、こういう認識に立っているという、こういうことでございますが、現在、中心市街地の都市計画道路の取り組みについて、こういった景観も含めてどう展開されていくのかという点と、それから一般市道の中で、野見町とか大手町の整備が上げられているんですね。そういうようなことが現実化してくると、文化ホール前の古曽部西冠線の都市計画道路の進捗が、非常に関心事になってくるわけです。そういうことから、この進捗と今後の取り組み方、方針をぜひお聞かせ願いたいと思います。
それから西国街道でございますが、先日の記念式典でも冊子が配られた中に西国街道が紹介されていました。その中で、芥川宿が載っておりましたんで、このあたりが最大のポイントになるとも考えています。こういうようなことを自分の思いとして申し上げたいと思います。
それからジョギングロードですが、河川敷を利用するとか、東部排水路の管理用道路を使うとか、例えば五領変電所の周辺道路、こういったところが、ザーッと東西南北見渡すと候補地として上がってくるわけです。こういう候補地について、どんな認識を持っているかをお聞かせ願いたいと思います。
最後の問題で、ふれあい公園ですが、おおむね0.5ヘクタールということになりますと10数か所はあろうかと思います。これらの整備を順次考えていってほしいという点と、それから国もこういうふうに力を注いでくれていますし、府も力を注いでくれているわけですが、例えば前島の施設についても、温水プールだけではなくて、将来においては周りをも、ほかの運動もできるような整備も一体化して考えるべきじゃないかなと思うんです。東京の江東区の清掃工場周辺には、温水プールのついた体育館、それから総合運動場、多目的広場、それから老人憩いの家といったような形で1つのゾーンができ上がっているわけです。そういうゾーンの中でこそ、1つの運動が可能になってくるというふうな考え方を私は持っています。ただお年寄りがおふろに入るだけではなくて、ゲートボール場もあっておふろがある。こういう形のほうが、よりすばらしいんじゃないかと考えますので、この辺もよろしくご検討のほど、お願いしたいと思います。
以上です。
○保健医療監(山本香憲) エイズに対します正しい認識、あるいは知識を深めていくために、やはり普及と啓発というものが非常に大事でございます。このためには、一過性のPRだけではなく、継続的に行わなければならないということも十分認識をいたしております。そのためには議員さんもおっしゃっておりますように、目で訴えて普及を図るというのが非常に効果があると思います。このため現在、保健所ではビデオテープも用意をしております。と同時に、今後、本市といたしましても計画的にこれらを整備していって、各地域でのコミュニティ組織を通じてのエイズに対する研修、あるいはまた健康教育の場でもってエイズに対する勉強をしていただく、こういうことを継続的にやっていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○
学校教育部長(広瀬伝之助) 現場実態、現場の意見を踏まえた副読本の作製というご意見でございますが、まずは私どもといたしましては、文部省が配布を予定しております小冊子の活用実態を見た上で判断をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○
都市整備部長(谷知昭典) 本市の中心市街地における都市計画道路といいますと、柱本線、それから阪急北側線、これが目につくというふうに存じます。この2路線につきましては、市民公募によりまして、既にネーミングもつけております。すなわち「市役所前けやき大通り」、そしてまた「阪急みずき通り」、こういったネーミングをつけまして、両線とも大阪府の深いご理解をいただきながら電柱の地中化を行い、そしてまたグレードの高い乱横断防止さく、あるいは歩道の舗版の整備、こういった内容での整備に努めておるところでございます。
今後、築造してまいります上田辺芥川線、こういったものにつきましても、同様な整備に心がけてまいりたいと、このように考えております。
そして、もう1路線、お尋ねの古曽部西冠線でございます。この路線につきましては、文化会館あるいは城跡公園へ通ずる道路でございますので、周辺のイメージに合致した、整合した道路整備、こういったものに努めてまいりたい、このように考えております。具体的には、城郭をイメージした歩道の舗装面の仕上げ、あるいは防護さく、こういったものにも工夫を加えてまいりたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。
○建設部長(近藤富彦) ジョギングロードにつきましては、2つの具体例を挙げてのご質問でございますけれども、まず、関西電力五領変電所の外周道路についてでございますけれども、付近には小学校2校、及び中学校1校がございまして、児童生徒の基礎体力づくりには適した場所であると認識しております。今後につきましては、地元関係者及び関西電力と調整が必要でございますので、歩車道分離を基本に十分検討させていただきます。
また、東部排水路及び北大冠水路にかかわります部分につきましても、1周すれば約4キロ程 度ございます。大部分は一定道路形態をなしておりますが、一部未整備部分がありますのと、あわせて公有地が不明確なところもございますので、十分調査を行い、ご質問の趣旨に沿うよう関係者と調整を図ってまいりますので、よろしくお願いいたします。
○(高須賀嘉章議員) エイズの問題でございますが、アメリカの例を盛んに聞かせていただきました。患者のうち17万人が死亡したと言われています。しかし、新薬も開発される中で、生存率が非常に上昇している。先ほども申し上げたとおりでございます。アメリカでは、エイズとともに生きるという考えが定着しつつありまして、堂々と顔を隠さずに今ここまできたと、先ほども触れたとおりでございまして、日本の実態では、いまだに病院のたらい回しというふうなことが言われておりますが、病院のたらい回しもなくなってきたと、ここまで進んでいるわけでございまして、こういう社会を一につくり上げていかなければエイズを根絶することはできないと、私はこういう考えでありますので、まず初めて今回取り上げましたので、今後においても展開をお互いに見守っていかなければならないと、このように考えております。
それから道路の問題でございますが、文化的、歴史的な道路として、この西国街道を取り上げさせていただきました。数年前、楊梅山を尋ねましたときに、木漏れ日の中で一筋の道があるんですが、この道がちょうど原から前島へと抜ける「寒天道路」と呼ばれている道でございまして、この道がいまだに非常に印象に残っております。大名行列なんていうことをよく各市でやっていますが、例えば、寒天行列みたいなのが、昔の名残でできないかなあなんてことを考えたりしたんですが、こういうようなことも一度ロマンの中で、市長、考えられてはどうかと提案をしておきたいと思います。
時間がございませんので最後に、中心市街地は確かに町並みになってきているんですが、道路の分も含めて市街地以外についても考慮をしてほしいことを要望して、質問を終わります。
○議長(伊川二郎) 高須賀嘉章君の一般質問は終わりました。
次に、岡本嗣郎君。
〔岡本嗣郎君登壇〕
○(岡本嗣郎議員) まず、本年度の市長の施政方針を概括的に質問させていただきたいと思うんですが、新聞には、本年度の予算は積極型であるという形容をされていたわけなんですが、実際に中身を見てみますと、先ほど指摘がありましたけど、個人市民税そのものは伸びがあるものの法人市民税そのものが下がってきている。あと大きいのは利子割交付金が前年度から見てどうも取れないだろうと。だけど、予算総体として、昨年6月に比べて若干の伸びを示しているのは基金の取り崩しと、そしてまた、さまざまな事業に対する起債という中で、形の上では積極型ということになっているわけです。これは、あえて積極型というのではなくて、今までのごみ焼却場の建設と か、あるいは
総合センターその他もろもろが継続の中で、基金を取り崩したり、市債を起こしたりしなければならなかったということじゃないだろうかという気がします。
今年度で
総合センターが終わるわけなんですが、今まで非常に気になっていたのは、芥川の再開発というのがいつ決定されるだろうかということです。つまり、市長が30とか40というプロジェクトを提起されていますけれども、芥川の再開発が決定された場合には、他の施策を大きく規制していくだろう。ですから、ああいうふうにたくさん並べられているけれども、あれが中途半端のままに置かれていたならば、新しい施策を実行しなければならないという状態に置かれるわけであるし、逆に、いつ再開発計画が決定されるかという不安感の中で施策を実行していかなければならないという状態であったわけです。そういった意味では、本年度で
総合センターその他が終わるという中で、新たに芥川の再開発が決定されていったというのは、ある意味では非常にすっきりした状態になるわけです。
財政的にも、この間、不況不況と言われているんですが、果たして不況なんだろうかということは、この前、本会議の意見書の中で言わせていただいたのですが、つまり、バブルがはじけて、逆に言えば、正常の状態に戻ったのではないかという指摘もあるわけです。高槻市で言えば、私が議員になって以来、ほとんど毎年増額補正というのが行われながら、その余った分というのは基金に積み込まれてきた。一体幾ら基金に積み込めば気が済むのかというような質問もしてきました。だけど、逆に言えば、非常に変動の多い部分が削られ、先ほど指摘されたように、市民税をベースにしながら物を考えていける時代になったのではないだろうかという気がします。
そういった意味では、今年度でほとんど終わり、来年度から再開発を中心に政策を新たに組み直していく時期に来たときに、今年度は一体じゃ何をしていけばいいのだろうかという考えにとらわれるわけです。そういった意味では、市長が市長になられてから、あらゆる箱物が非常に駆け足的に今まできた。物を考えている暇がなかった。私が質問したときには、既にあることが決まっていて、やらざるを得ない状況で物事が進んできた。そういった意味では、来年度に向けて、ことしはじっくり物事を考えてみる時期なんじゃないだろうか。高槻市の課題というものは一体何かということを、一遍市長はじっくり考えてみられたらどうなんだろうか。
高槻市は今人口36万で、その人口構成を見るならば、この10数年間に流入してきた人が多い。そういう意味で、高槻市として、一体どこへ行けば市民がいるんだろうか、あるいは市民が集中的に集まってくる場所はどこにあるんだろうかということを考えるわけです。私は、隣の
総合センターが建設されるときに、値段の面では非常に問題があったんだけども、2階3階を図書館にし、その上を国際交流センターであるとか、あるいは生涯学習センターにしていくという物の考え方には賛成してきました。つまり、高槻市に市民が集まれる場所ができたという判断をし たからです。そういった意味では、今後のソフトの展開によっては、おもしろい存在になるんだろうという気がします。
ただ、その生涯学習ということに絡んで、市長がおっしゃっている生涯学習というのは意味が余りよくわからなかったわけです。この間、あちらこちら見てきましたときに、例えば掛川市で、掛川市長は、新幹線の駅を掛川市につくることを生涯学習というふうに位置づけられておるわけです。これは私の物の考え方からすると、非常に理解しがたいことであります。ところが、よく話を聞いたり調べていきますと、結局、生涯学習という施策を市の進むべき方向の中へ組み込んでいっているわけです。つまり、アドバルーン的に掛川駅というものをつくりながら、市民の注意を行政に向けさせている。その中から、例えば山林の保全であるとか、あるいは土地利用条例とかというような形で、市民を巻き込んだ形の施策の展開をやっておられる。あるいは滝川市なんかは、事業団をつくりながらやっておられるんだけど、その主要な目標は、人口5万の町で、夢としては、その1割の市民を1か所に集めたい。そのために、イベントあるいは催し物のネットワークをどうつくっていくか。つまり、そこへ市民の注意をどう引きつけていくかということを目標にされているわけです。ですから、文部省の言う生涯学習教育という非常に抽象的なものを、その町、町の政策のウィークポイント、あるいはやらなければならないところへどう組み込むかという形で組み立てられているわけです。
そういった意味で、今、高槻市はポイントがない中で、政策的課題の中へ、例えば生涯学習をどう組み込まれようとしているかというような点についてどうお考えか、お答え願いたいと思います。
次に、いよいよことしでき上がるというJTの新医薬研究所なんですが、これはいろいろもめてきました。今のバイオテクノロジーの状況というのは、ヨーロッパやアメリカと比べて日本は非常に立ちおくれているというのが、政府であり、あるいは業界の認識であるわけです。そこで、一体日本は何をしてきたかと言えば、本来、技術指針というのは、大腸菌を使おうとしたときに、これが人間の体内に容易に入り込む、そういった意味では、技術指針をつくらない限りこの実験はできないということで、アメリカで一時実験を停止しながら考えられてきたことです。その技術指針がそのまま日本に取り入れられるわけなんですが、日本は非常に立ちおくれているがゆえに、大腸菌を使っていては、アメリカあるいはヨーロッパに追いつくことはできない。したがって、じゃほかの菌でやったらどうなんだろう、ゾウリムシでやってみたらどうだろうということで、ゾウリムシの実験というのを開始するわけです。ところが、技術指針というのは大腸菌に対する技術指針であって、ゾウリムシを使うということは前提とされていないわけです。そういうことを平気でやってきた今の日本政府であるし、また企業の体質であるわけです。そういった中 へJTが新医薬研究所を高槻でつくりたいと、こういうバックグラウンドがある中で、高槻市は対応されてきたということをまず認識していただきたい。
この間の経緯を見てみますと、本来、高槻市は、もし開発許可というものを出すならば、その安全性について、行政なりの一定の責任というものを明確にしてこなければならなかっただろう。私から言わせれば、本来、安全については高槻市が責任を持たなければならないし、今ブリッジ協定と言われているけど、私は、安全面においては、高槻市がJTと協定を結んで本来やるべきだったろうと思います。しかし、ブリッジ協定ということでやられてくる中で、じゃ今までどうだったのかと言えば、地元では、開発許可をおろす前にブリッジ協定を結ぶべきだということが原則とされていました。それは何か地元で原則とされているように思っていたのですが、実は、開発許可をおろしたのは市です。その暗黙の了解として、市とJTあるいは地元とJTがブリッジ協定を結んだ後開発許可をおろそうというのが、どうもあの論議を聞いていて本当のような気がしています。そしてまた、それが1つ崩れた中で、摂津峡公園でもそうだし、資料館でもそうなんだけど、高槻市は積み残した作業をそのままにしながら、その目的に向かって突っ走る。したがって、ブリッジ協定が結ばれてない中で開発許可をおろし、そして、安全問題については高槻市は素人だから専門家に任せました。ところが国の施策というのは、そのバイオテクノロジーというのはおくれているから、緩和に向かっているわけです。
そういったことに対して住民が不安を感じているにもかかわらず、かたくなに専門家が安全だと言っているが、確かに我々の知識としては、専門家が安全だと言えばそれを信じるしか手がないんだけども、だけど発展する方で安全ということを言っているわけであるから、住民にとっては非常に不安なわけです。その辺を酌み取らずに、ただやみくもにこの開発許可をおろしたという中で物事を展開し、私が非常に腹が立ったのは、建築許可を高槻市がおろしたときに、地元では何が行われていたかと言えば、JTと地元住民が人権問題について話し合う最終日に、建築許可をおろすというようなことをやってくれるわけです。そういった意味では、住民の市に対する不信感というのは、いまだに解消されてないということを、まず認識しておいていただきたい。
今回、JTと行政が安全協定を結んだんですけれども、一番最初のコメントが、地元から要請があったので協定を結びましたと、こういうことだったわけです。ところが、その後、9月オープンということで逆算していけば、今、結ばなければならないので結びましたというふうに、若干訂正はされているけど。ましてや、近々結びますということを地元には通達を出したけれども、いつ結ぶということは一言も言わなかった。本来、開発を許可した市がJTと安全協定を結ぶならば、責任をもってやっていただきたいし、そうであるならば、なぜ地元にその結ぶ日程までこっそりと隠さなければならなかったのか、この辺についての見解をお願いします。
3番目に、指導要録の開示請求についてお伺いしていきたいと思います。
高槻市は、内申書の開示請求というのがあって1件は今裁判中ですし、1つは教育委員会で今審査されています。内申書については、審査会は開示するようにという判断をしていますけれども、教育委員会はその判断をしていない。その大きな理由は、余りはっきり言われてないけれども、試験制度を壊すということをおっしゃっている。それはさておいて、指導要録については、この間の私の質問に対して、これは開示請求対象になる文書であるということは、12月議会で教育委員会が確認されております。したがって、本来ならば、指導要録というのは、開示請求があれば開示しなければならない、こういう文書であるわけです。
全国的には、もう既に新聞等で教育委員会はご存じのように、箕面は全面開示であるし、豊中は部分開示、川崎はある一定の条件の中で開示されている。これは薮教育長も認知されているように、教育という一つの世界の中で、一気に開示するというのは非常に無理があるという中で、若干年齢的段階制を敷いておられる。このような状況の中で、今、高槻市は、4月2日の開示に対して作業を進められていると思うんですが、開示されるかされないかは一応教育委員会の判断になりますが、現在、する、しないという一つの基準の中で、一体どういうことを議論されているのかということについて明らかにしていただきたい。
1問目、市長の施政方針の昨年度と今年度の違いというものについて、質問をちょっと忘れました。2問目に回しますのでよろしくお願いします。
〔市長公室長 溝口重雄君登壇〕
○市長公室長(溝口重雄) まず、1点目の、今日的な高槻市における政策課題はどうなのかと。一定、行財政的に落ちつきが出てきて、今後は滝川市の事例も引かれながら、高槻市としてはどうなのかというようなご趣旨のご質問でございます。
行政がその責任と権限において必ず実施しなければならない事業の代表例として、道路、下水道、公園、廃棄物処理施設を初めといたしました都市の基盤施設の整備が挙げられますが、本市においては、昭和40年代の人口急増の影響によりまして、それらの事業に着手するのがおくれたため今日に至ってもまだ十分であるとは言えない、そういった部分が残っております。したがいまして、今後とも行政の責務として、まずもってそれらの充足に努めてまいりたいと考えておりますが、仰せの生涯学習関係、すなわち、同時に高齢化とか国際化とか、そういった生涯学習の問題、こういった今日的な時代の要請にもこたえてまいりたいと、こういうふうに考えておりますが、何分限りある財源と人員にかかってございますので、それらの事業をできるだけ効率的に展開してまいらなければならないと、こういうふうに考えてございます。
また、個性的で魅力的な地域社会を形成していくために、総合的かつ計画的に諸事業を進めて まいることが必要であり、より一層の計画行政に努めてまいりたいと、こういうふうに考えてございます。
それから、JTの関係でございますけれども、住民と行政間において、いかにも不信感が払拭されてないというようなこととか、あるいは安全協定の締結をめぐってのいろんなご指摘をいただいておりますけれども、それらの問題につきまして経過的に、若干長くなりますけれども、はしょって申し上げたいと思います。
この問題につきましては、極めて重要な問題ということで、この議会の冒頭にも市長の方から行政報告を申し上げ、また別途総務委員会でも、協議会の中でご報告をさせていただいたわけでございますけれども、岡本議員もご案内のとおり、今月の3日付で日本たばこ、いわゆるJTが、現在建設中の医薬研究所において行うことを予定しております研究活動のうち2つの実験、すなわち、1つは組みかえDNA実験と、もう1つは病原体を取り扱う実験につきまして、市とJT間におきまして、組みかえDNA実験等に係る環境保全に関する協定、いわゆる市協定と申しておるものでございますけれども、これを締結し、あわせて学識専門者等により組織いたしております専門者会議につきまして、その細目を定める確認書を取り交わしたものでございます。また、これらの取り決めに基づきまして、総務委員会協議会でご報告いたしましたように、18日付で市及びJTそれぞれから専門者会議の委員の指名が行われまして、同日、専門者会議がJTに設置されたところでございます。今後、開所前の安全面のチェック等を行っていくため、専門者会議の開催に向け、取り組みを進めてまいる所存でございます。
なお、経過でございますが、本締結に至るこれまでの若干の経過等を申し上げますと、平成2年の5月に、地元対策協の基本方針として、住民の不安解消に向け安全を確保するため、JTとの間で安全協定を結ぶことを決定された経過がございます。そして、対策協とJTとの協議折衝を経まして、同年10月には、地元、JT間において、医薬研究所の安全の確保等に関する協定案、いわゆる地元協定が成案として取りまとめられたところでございますが、地元事情により、平成3年1月の開発許可、また同年6月の建築確認時においても、地元協定の締結がなされず、同9月の本工事着工後今日まで、いまだ未締結の状況にあることは、ご案内のとおりでございます。
市といたしましては、ブリッジ方式により、平成2年10月に取りまとめられた地元協定案に市協定案を連動させ、地元協定案を補完支援する位置づけのもとに、基本的には地元協定案と同日付で市協定を締結すべく、これまで適切な時期を見きわめてきたところでございます。この間、JTに対しましては地元協定の締結に向け、さらに努力するよう日常的に指導するとともに、対策協との間におきましても役員と何度も意見交換を行うほか、今年1月の安全部会及び先月9日 の委員会には、本市より職員が出席いたしまして、専門家による
チェック機関の設置や、これによる医薬研究所への立入調査等については、JTとの協定が不可欠前提のものであること、また建物が完工しつつある中で、対策協として地元協定の取り扱いを今後どうするのか、こういったことをその主体的な判断を求めて、詰めた話し合いを十分に行ってきたところでございます。
その結果、先月20日付で対策協から市に対しまして、委員会の決議として安全問題に関する要望書が提出され、住民の不安解消のため市が積極的に安全問題に先行して対応し、そのためには、市を初め専門家等による機構の組織運営を早急に実現してほしい旨、特段の尽力を要望されるとともに、JTと地元協定を締結するための作業を再開することを同委員会で確認した旨、併記をされてまいりました。しかし、この地元協定の件につきましては、直ちにこれが締結される可能性が少なく、なお未締結の状態がこのまま続くことが予想され、市協定との同時締結は、当面期待できないと判断いたしたものであります。
一方、医薬研究所の建設工事につきましては、本年9月の全体開所等に向けて、前年末には建物の外観ができ上がり、先月下旬には、建築工事の進捗率は63%に達しております。こうした建設工事の進捗状況を見定めまして、今後の複数の専門家の選出及びこれによります開所前の立ち入りチェックや調査検討に要する日数等を勘案いたしますと、協定の締結時期といたしましては、物理的には限度に来ていると判断いたしたものでございます。そこで、これらの状況を勘案し、対策協からの要望をも踏まえまして、地域住民の不安解消を図るため、今月1日付で対策協に対し、早急にJTとの間で市協定を締結していく旨の文書回答を行い、冒頭申し上げましたように、3日付でこれらの実験に係る環境安全を確保し、地域住民の健康の保護と生活環境の保全を図る観点から地元協定に先行して市協定及び、これに基づく専門者会議の確認書を締結したものでございまして、十分なる時間的経過と地元要望も踏まえました総合的な判断で対処したもので、その手続等におきまして信頼関係を損なうものであるとは考えてございません。
なお、本協定をより実効あるものにするため、今後とも対策協と信頼関係を保ちながら、引き続き地元協定締結に向け関係者の努力を促してまいりたい、このように考えてございます。
以上でございます。
〔
学校教育部長 広瀬伝之助君登壇〕
○
学校教育部長(広瀬伝之助) 岡本議員の3点目のご質問にお答えさせていただきます。
既に議員もご案内のとおり、去る3月19日、高槻市立小、中学校を卒業された20歳の女性から、本人の小、中学校在籍時の指導要録の開示請求を受理いたしました。私どもといたしましては、本市個人情報保護条例第18条の規定に基づき、請求を受理した日から15日以内に開示の可否の決定を行う必要があるため、教育委員会事務局では目下のところ、鋭意検討している段 階でございます。
既に十分ご案内のとおり、指導要録は今日まで、全般的に教育上の必要性から指導及び証明の機能を持つ文書として、本人に見せることを前提としないで作成されているという実態や経過がございます。これらの実態や経過を踏まえながら、また、本市個人情報保護条例の趣旨や要録の開示請求をめぐる他都市の状況も勘案しながら、私どもといたしましては、4月2日までには可否の決定をしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○(岡本嗣郎議員) ことしの施政方針の「計画的な施策の実施」というのと、昨年度の同じ項目を比べてみますと、昨年は、財源との整合性、政策の優先順位の選択、これを読ませてもらっても、やっていらっしゃることと言葉というのは、全く一致しなかったんです、何をイメージしているのか。本年度は施策の企画立案段階から、つまり何をするかという段階から、投資的効果や、あるいは関連する施策との連携、あるいは財源措置及び後年度の負担等について、その全容を明らかにした上で予算化する、これを計画的行政と言う──これ、非常にわかりやすくなっています。
僕が今まで言ってきたことは、この言葉を読めば大体浮かぶわけです。昨年度と比べれば非常にわかりやすくなっている。これは、昨年度と今年度の、先ほど申し上げた計画の進行性とか、あるいは予算の状況というものと一致してきているわけです。その辺の見解は、どういう認識の違いでここまでわかりやすくなったのかということについて、お答え願いたい。
都市基盤の整備がおくれているというのは、もう常にだれが見てもはっきりしているわけです。残念なことに都市基盤の整備がおくれているときに、去年は優先順位をはっきりすると言いながら、今までもなぜこれが先にこないかんのかということがわからなかったんです。僕がしょっちゅう言ってきたのは、ソフト面、つまり何をしたいかということを明らかにする中で、こういう施設が要るじゃないかということが必要だというふうに言ってきたのだけれども、そのソフトという実態をつかんで、ソフトを組み上げるという作業がなかなかなされてない。ましてや、実施計画なんていうのは、箱物をどうやってつくるかしかほとんど書いてなくて、いわゆる運営面をどう組み立てるかというような計画は、全く入ってないわけです。そういったところに、高槻市の手法としての課題がある。じゃ一体、高槻市は何をしたいのか。
僕はよく思っているのだけども、一遍ここで言ったことがあるけれども、JR高槻駅と松坂屋の陸橋のところに、毎月決まった日曜日に市というのかな、やったらどうなのか。そしたら、ああ第何日曜日はあそこで毎月やっているということで、市民の目がいくということがあるじゃないか。あるいは、JR高槻、阪急高槻、
総合センターという人の集まる3拠点ができれば、その中を人が歩いて回るじゃないか。人が歩くという三角地帯のゾーンができる。ゾーンができる中で、じゃ何をここにつくればもっと効果的に、市民の行政に対する見方なり注意力を引きつける ことができるか。こういう組み立て方をしていかないと、先ほどいかに金を大事に使うかという質問があったけれども、効果的に都市基盤というものを整備していくためには、やはり市民の動きを組み立てる中で、何が必要かということが必要なんじゃないか。そういった意味で、僕は一つの例として、生涯学習をうまく組み込む方法というのを提案したわけです。
ですから、今後、施設をつくったときには、絶対ソフトというものをしっかりしていかないと、建てたって何にもならん。資料館でも言いましたけれども、あのソフト面というのは全く考えられてない。この秋ぐらいまでに何とか考えますというようなこと。本来は、建てるときには何のために要るか、どうしたら人が来るのか、あるいはこれを建てれば、どういう目的を持った人たちが来るのかということが明確でないといかんわけです。ところが、残念なことに、建てれば何とかなるだろうと。だけど、そこに、情報を発信する機能を有効に使う人を配しない限りは、絶対市民は寄りついてこない。そういった意味では、1つのハードをつくったときに、人を張りつけてどう運営していくかということが、今後、主眼になると思うんですね。
それは、じゃどういった目的につながっていくかと言えば、市民の関心なり注意というものがどんどん行政へ向いてくる。あるいは、行政がやっていることに向いてくる。だから、生涯学習というのはある意味では、あらゆる催し物のネットワーク化、あるいは施設のネットワーク化の中で、市民が常に行政とのコンタクトをとっていくということに使おうじゃないかという視点を持っている市長もいらっしゃいますね。
そういった意味で、確かにハードは足りないけども、今後、財政的な理由で今までみたいになかなかできないときに、ばらばらつくっていても仕方がない。ソフトをしっかりつかんだ中で、やるんならば1点豪華というのかな、やっぱり市民がなるほどというようなものをつくった方がいいんじないか、予算が限られているんですから。例えば、体育館ができたときに僕は感じたことですが、あのとき、ユニチカとどこかがバレーの試合をしました。実物を見たときに、ああ体育館というのは、市民が利用するということ以外に、実物を見るというチャンスの場でもあるんだな、そういう意味では、もっと観客席を大きくした方がよかったんじゃないかなという気も、あのとき実はしたんですね。
そういった意味で、今後の施策の展開の仕方としては財政的な問題もあるだろうし、ソフトから考えてきちっとしたものをつくっていくということが必要なんじゃないかというふうに考えますけど、いかがか。
その次、JTの問題ですが、事実経過は大体知っています。中身も知っています。僕が言っているのは、あなた方がすっ飛ばしてきたことを今まだ荷物として背負っていますよと。その中で、あなた方が責任持ってやるならば、堂々と何月何日提携しますとやればいいものを、何か初めは 地元から要請があったからというようなことだけでやられた。市が責任を持ってやるなら、きっちりやられたらいいじゃないか。逆算されて、もう時間がありませんということで。今回のことは、住民に対してますます不信感を与えているんじゃないか、払拭するような方向で来てないんじゃないかということなんですね。
そこで非常に気になるのは、専門者会議というものを設置されたんだけど、1つ明らかにしてほしいのは、実は、以前も専門者会議という中で検討されたけれども、その費用はどこから出ているのだと聞いたときに、行政はお答えにならなかった。行政が払ってないということだけはお答えになりました。じゃ、その金はどこから出ているんだ。とうとう答えずに今まで来ています。今回、この専門者会議、この費用は一体どうやって賄っていかれるのか。もう1つは、専門者会議に、市の職員は、前回と同じ人が出ているあれもありますけれども、鞍谷課長はそうですけど。前回は企画室長とか、ある意味で全くわからなかった人たち。今回は下水と消防から出ています。これはある意味での専門家ですけど、バイオとの関係で言うと非常に遠くなる専門家じゃないか。そういう意味では、高槻市は開発許可をしたんだから、今後やはり一定バイオについて判断のきく職員が要るんじゃないか。そういった中で初めて専門者会議というものが機能するんではないかという気がしますけれども、その辺の見解をお伺いしたい。
それと開示の問題ですけども、検討しているのはわかっている。本来、開示しなければならないということもそうなんや。内申書については、受験制度の問題があってということをあなた方がはっきりおっしゃって、今検討している。あちこちで指導要録が開示されているんだから、それは開示する、しないはあなた方の判断だけど、一体どういう点を検討されているのか。だから、何のためにあなた方、打ち合わせしているのや。ええ加減なことを言うてくれるなよ。どういう機軸を今検討しているのかということを明らかにしてほしい。4月2日に明らかにするのは知っているのだから、ええ加減な答弁せんといてくれよ。
以上です。
○市長(江村利雄) 施政方針の問題でございますので私からお答えしたいと思いますが、昨年は少しわかりにくかった、ことしは非常にわかると、こういうことでございますけど、私も3期目でございまして、市長は市民のため、また環境整備等々からいきまして、着地点が4年ごとにあると。その4年が、将来は歴史としていろいろと批判をされ、また歴史の物語につながっていくと、このようなことでございまして、4年4年は真剣に取り組んでおります。
昨年は、市長になりましてすぐでございましたので、6月には、わかりにくいようなことをつくったかもしれませんけど、ことしは2年目になりまして、いろんなご議論もちょうだいし、市民の方々とも触れ合う中で、いよいよ3期目の2年ということで、少しわかりやすくなってきた のではないかと、このように思っております。
そのようなことでございますけれども、町づくりというのはどうするかと、基本理念でございますけども、これはやはり、多くの市民がふるさとと愛され、そして住んでよかった高槻の町と言われるような町をつくらなきゃならない。せっかく基本計画の中で「水とみどりの 生活・文化都市」というテーマをいただいておりますので、これをモットーにしながら行政をしていきたいと、こう考えております。おかげで80%ぐらいの方から高槻に住んでやろうというようなアンケートが出てまいっておりますので、これを大切にしながら、これに重きを置かなきゃならないと、このように考えております。
そして、一方で、生涯学習あるいはソフト面のお話でございますけれども、掛川市とおっしゃいましたけれども、恐らくこの市長さんは、森林組合長からなられた、出雲市長さんと同じように、日本では非常にユニークな市長さんと言われる方であろうと思いますが、岡本議員も行政視察に行かれたわけでございます。私も、実は参りました。そのような中でユニークな市長さんとお話をしました。ご承知のように、あそこは、新幹線の駅ができまして、庁舎は非常に貧弱でございます。市長室でいろいろとユニークな市長さんにご高見をお聞きしたわけでございますけれども、やはり町をすばらしい町にするには、いろんな考え方がユニークでないといけない、それができないといけないということもおっしゃいました。そしてまた、森林組合長でございますので、山間部、やっぱり税収も考えんといかんと、大きい工業団地を山の中につくっていらっしゃいます。そのようなことを考えながら、財政と環境とそのようなことを考えてされておる中で、おっしゃるようにソフト面について非常に真剣に取り組んでいらっしゃるということで、私自身も大変勉強させていただいて、そして今おっしゃるようなことも大切であろうと、このように考えておりますので、平成5年につきましてはなお一層努力していきたいと、このように考えております。
○市長公室長(溝口重雄) 専門者会議の費用負担の関係でございますけれども、専門者の指名につきましては、ご報告いたしましたように、高槻市においてこれを指名いたしておりますけれども、あくまでも専門者会議を設置するのは、事務局は当然でございますけれども、原因者負担といいますか、企業の方で、いわゆるJTの方でその会議を持ち、また必要費用負担においても負担をされるということでございます。
それから、下水、消防、あるいは環境衛生から各専門家課長が3人、私ども委員として指名しておるわけでございますけれども、今後さらにこういった事項についての専門者を派遣する必要があるのではないかと、こういうご意見でございます。もとより、この専門者会議は11名を予定いたしておりまして、そのうち市が3名、JTから3名、そして専門家、学者が5名おられる わけでございます。したがって、あくまでも行政の専門家という立場で私どもは派遣いたしておるわけでございまして、この種のことについての専門家というのは、学者先生方にお願いをするという構成でございます。
○
学校教育部長(広瀬伝之助) 現在、教育委員会でどういうことを検討しているのか教えよというご質問でございますが、実は、今回の請求者につきましては、名前や中学校名を明らかにすることすら、現段階では了承がとれていないところでございます。したがいまして、請求者に決定通知をしない中で、請求内容についての検討経過や、あるいは検討内容について、現段階で第三者に明らかにすることにつきましては、条例の規定上そういった規定もございませんし、また誤解を与えるおそれもございますので、先ほどご答弁させていただいた内容にとどめさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
○(岡本嗣郎議員) ことしは僕にとっては非常にわかやすい──市長も、去年は選挙の後でわかりにくかったんやろうけど、ことしは落ちついたからわかりやすくした、できたということですね。それはいいです。
基本方針というのは、やっていることを見ながら、言葉として読めるということが大事であって、そういう意味では、ことしは、ある意味で施策の流れと言葉が一致しているということについては、理解しています。
掛川市の話は、逆に言うと、生涯学習を一生懸命やっている掛川の職員の人が褒めていて、何であんな新幹線の駅をつくったんだろうという中で、いろいろ会話する中で僕は聞かせてもらって、まだ行ってないんですが、そこで関心したのは、ソフト面というものを、いかに自分とこのハードを含めた課題のテーマの中へ入れていくかという発想があるということで、間接的ながら感心させてもらったわけです。
そういった意味で、2問目で申し上げたように、いろんな情報を発信していくというのは、単にハードをつくるだけではだめなんだよということなんです。だから、つくった限りはしっかりやらなければ。逆に言えば、しっかりやって市民がこっちを向くことによって、次のハードというものが一つの必然性を持ってあらわれるだろう。そうなれば、市長が、ことしの施政方針に書かれているような流れの中で、次のハードが見えるし、そのハードから発生していく今度はソフトというものが見えていくだろう。そういう意味では、我々が余りがたがた言わなくても、政策の流れが見えるんじゃないかという意味で指摘したんですが、まあまあ市長でなくてもいいですわ。今後、ソフト面というのは、やっぱり人をかけなきゃだめなんだよということについての見解をお願いしたい。
それと、JTは、費用はあっちが持つというのは開発許可の関係のことだろうし、それはそれ で向こうに持ってもらえばいいんだけども、非常に不安なのは、専門家がおっしゃっていることを翻訳できる人が行政の中にいるかどうかなんです。そこが不安なんです。もう1つは、これは公的な研究所じゃない、医薬の開発のための研究所ですね。企業秘密というのが出てくるわけですね。国立予防衛生研究所あたりだったら、公的なものだから、もっと情報を出せということは言えるんだろうけども、民間であるという中で、変にこれは出せないんだと言ったときに、住民サイドからしたら、また隠しているということになりかねないかという、その辺についての見解をお願いしたいと思います。
それと、機軸を明らかにしろと。入試制度にひっかかるとか、そういうことであっていいわけですよ。そんなもん書いてないから出しまへんじゃない。つまり、本来ならば出すべきなんですよ、これ。だけど、あなた方に事情があるかもしれないから、事情のラインというのはどの辺なんだということなんや。それを言ってくれと言っているんだ。
○市長公室長(溝口重雄) 政策過程でのいわゆるソフト、ハードの問題でございます。
私どもは、原則として、まずソフトありきと、こういうふうに考えてございます。施設すなわちハードはソフトを実現するための装置であると、こう言われておりまして、ソフトの完成度がハードのできばえを大きく左右するということでございます。しかし、反面、ハードはソフトを補完することも少なからずあるようでございます。両者の間は綿密な連係が肝要かと、こういうふうに考えてございます。
それから、JTの関係でございますけれども、専門家の翻訳できる人がおらないではないかということでありますけれども、バイオテクノロジーのこういった先端分野、なかなか難しゅうございます。しかし、私どもが送る3人のうちの1人というのは、化学の専門家でございます。十分通用するであろうと、こういうふうに思っております。
○
学校教育部長(広瀬伝之助) 種々の事情をわきまえましても、現段階では、これ以上のご答弁はできませんのでよろしくお願いいたします。
○議長(伊川二郎) 岡本嗣郎君の一般質問は終わりました。
ここで8時30分まで休憩いたします。
〔午後 8時20分 休憩〕
〔午後 8時31分 再開〕
○議長(伊川二郎) 休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、生田靖彦君。
〔生田靖彦君登壇〕
○(生田靖彦議員) まず最初に、「森林交付税フォーラムin本宮」に参加してと題し、高槻の森林行 政についてお伺いいたします。
去る2月16日、和歌山県本宮町で森林交付税フォーラムが実施され、昨日、一般質問されました久保杏慈議員と2人で参加してまいりました。何しろ、15日朝のテレビニュースで開催を知り、参加確認がとれたのが午後2時ごろで、既に宿泊所も満員で、車でしか行けないという状況下で、どうしようかと迷っておりましたが、これは行政視察ではなく、自己研修ということで、16日午前4時、高槻を出発、本宮町に着いたのが午前10時7分でございました。会場に入ると、既に開会セレモニーが始まっており、会場は立錐の余地もなく、寒い会場も、北は北海道、南は九州から、全国各地から集まった600人余りの熱気に我々は圧倒されたわけであります。
午前中は、国際日本文化センター所長の梅原 猛先生が、記念講演として、「森と日本文化」というテーマでお話がありました。先生は、森は一体人類にとって何であったのかと、静かな口調で話し始められました。森は人類のふるさと、人は豊かな森の幸を食べ、森の近くで生活し、そこに文明が生まれ、栄えた。しかし、その文明がやがて森を食い尽くし、そして滅びていった。エジプトやメソポタミアがそうであり、ギリシャがまたそうであるように、歴史が我々に物語ってくれている。ギリシャは森がない。山には木がない。川にも水がない。エーゲ海では、今はほとんど魚がとれない。そして、その後ローマが栄え、文化は北へ北へと広がっていき、近代文明を生み、18世紀後半の産業革命以来、近代工業文明をつくったのであります。そして、第2次大戦以後急速な近代科学技術の発達は、短期間で熱帯雨林を初めとし、世界の森林を食いつぶそうとしているのであります。日本もその先頭に立っていることはまぎれもない事実であります。酸性雨、オゾン層の破壊、砂漠化、温暖化など、今起こっている地球のさまざまな変化に、やっと人類が気づいたわけであります。今こそ1万年の歴史を振り返り、全人類が地球環境問題に取り組まねばならないときであります。21世紀のことを考え、さらに、未来永遠に人類が栄えるためには、今、お金をかけてでも森林を保全していかなければならない。それは現代に生きる我々人類の義務でありますと、1時間半にわたる身振り手振りの熱弁で、森林保全の重要性を訴えられました。
午後からは、本宮町の中山町長の「今、なぜ森林交付税なのか」と、その趣旨説明があり、今や森林は水資源涵養、土砂流出防止、酸素供給、大気浄化、保健休養など公益性の高いものとして評価を受け、昭和60年の林野庁の試算でも、年間31兆5,900億円にも上ると言われている。こうした森林の持つ公益的機能、つまり、環境を守るためには、国として総合的な施策が必要であり、森林を有する自治体に財政能力のない現在、交付税の枠外での財源処置として、森林交付税で還元してほしいと、その趣旨を述べられたわけであります。
続いて、「町村財政と森林」と題しパネルディスカッションが、関西大学矢野教授、宮崎県諸 塚村甲斐村長ら5名のパネラーにより行われ、山村の抱えている問題点、窮状、森林保全に対する取り組み、森林交付税に対する期待、これらの取り組みに対する決意等々を述べられました。その後、質問に対する答弁の後、コーディネーターの明海大学森教授が、今後、21世紀、30世紀、50世紀に日本の歴史を振り返るとき、20世紀後半の日本をどう総括するか。新幹線が通ったとか、四国と本州に橋がかかったとかいうことは、そんなこともあったんだなという遠い遠い昔の陳腐化した出来事になってしまうでしょう。しかし、間違いなく1,000万ヘクタールの造林地をつくったという事実は、歴史上誇るべき大変な事実として残るでしょう。しかし、現状でいけば、これまで営々としてつくり上げてきた全森林面積の40%に当たる1,000万ヘクタールの森林が、所期の目的が達成できなくなり、このままではだめになってしまう。そこで何とか国にお金を出してほしいというのが森林交付税の趣旨であり、これは日本の歴史にとって大きな転換であり、人類の新しい門出になるでしょうと結ばれ、最後に、交付税実現に向け、中山町長が宣言文を朗読し、盛会裏に閉会したわけであります。
これが「森林交付税フォーラムin本宮」のあらましでありますが、この森林交付税の創設を実現するためには、今後の取り組み上3つの課題があると考えます。まず、1 その財源の原資をどうするのか、2 人材の育成を含め人材確保をどうするか、3 森林の公益性、公共性をどう啓蒙していくかということで、中央官庁への取り組みも含め、その対策を研究、努力していかねばと思っております。
さて、前置きが長くなりましたが、そこでお尋ねいたします。本市の森林保全行政における現状の問題点、満足度について、また将来計画及び森林交付税の趣旨について、お考えをお聞かせください。
次に、4週8休制に向けて質問させていただきます。本件もいよいよ4月1日から実施ということで、いろいろと課題を抱えながらではありますが、1,800時間達成への船出ができたことは,まことに喜ばしいことであります。
さて、本件は、12月の本会議及び総務委員会などでいろいろと論議があったところでございますが、その主な争点は、前置き休息時間の問題ではなかったかと思います。私も民間企業の例を挙げ、社会通念的に市民に理解できるものでなければならないという観点から、いろいろと指摘、提案をしてまいりましたが、私なりに次のようにまとめさしていただきました。本件は3つの問題点があるのではないかと思います。1 社会通念的に市民の理解が得られるのか、2 条例との整合性はどうか、3 業務遂行上問題はないのかということであります。
1についていろいろと論議があったことですので、ここで繰り返すことは避けたいと思います。
まず、2の条例との整合性でありますが、一般職の職員の給与に関する条例の第2条に、「給 料は、正規の勤務時間による勤務に対する報酬であつて」云々というのがあります。また、第15条に、「職員が勤務しないときは、その勤務しないことにつき、任命権者の承認があつた場合を除く外、その勤務しない1時間につき、第19条に規定する勤務1時間当りの給与額を減額して給与を支給する。」とあります。さらに、高槻市職員の勤務時間、休日等に関する条例施行規則第3条の第2項には、「条例第2条第3項本文に規定する勤務時間の割振りについては、月曜日から金曜日までは、午前8時45分から午後5時15分までとし」云々と勤務時間が明記されています。
この3つの条文から考察すればこういうことになるのではないでしょうか。給料は、午前8時45分から午後5時15分までの勤務に対する報酬である。職員が勤務しないときは、その勤務しないことにつき、任命権者の承認があった場合を除くほか、この勤務しない1時間につき、第19条に規定する勤務1時間当たりの給与額を減額して給与を支給する。現状はどうなっているのでしょうか。8時45分を過ぎて出勤している人について、減額支給されているのかどうかということです。もし、されていないとすれば、昨年まで遅刻していた56%の職員全員が、特例として除外されている任命権者の承認があった場合に該当すると解釈ざるを得ないわけでありますが、どうでしょうか。本来、特例というものは、不可抗力的な要因に対しての救済処置として設定されるもので、すべて特例で処置するということは、どう考えても理解できないわけであります。納得いくご答弁をお願いいたします。
次に、3の業務遂行上問題はないのかという点でありますが、今回の4週8休制は、週1.5時間の時短で、52週として年間78時間の時短ということになります。言いかえれば、各自78時間の業務が現状の業務能力のままであれば、処理できずに残っていくということであります。78時間の仕事と言われても、なかなかどれくらいの仕事量かぴんとまいりませんが、わかりやすくするためにこの仕事量を増員という手段で処理しようとすれば、何人ぐらいの増員が必要なのでしょうか。
単純に計算すれば、25人に1人の増員が必要になります。本庁だけを考えても41名の増員が必要となるわけであります。全体ではこの3倍近い増員が必要ということでありますから、すなわち120名以上の仕事が残されていくということであります。これは120名以上の人員削減と同じことで、まことに大変なことであります。しかるに、この残された仕事をどういうふうに処理していくのかという方策が何ら聞こえてまいりません。見えてもまいりません。このままいけば残業で処理することにならざるを得ませんが、これでは何のための時短か、何のための1,800時間か、その目的すら怪しくなってまいります。これを解決するのは、やはり業務の効率化、合理化以外方策はないのではと思いますが、その具体策をお示しください。
次に、係長級昇任資格試験についてお伺いします。2月15日、16、17日にわたって昇任資格試験が実施されたわけですが、再三の労使間の話し合いにもかかわらず、交渉決裂のまま実施され、対象者170名中90名が受験、率にして54.7%の受験率であったと聞いております。労使間のことにとやかく言う立場ではありませんが、事都市経営の根幹ともいうべき労務管理にかかわる重要なことゆえ、あえて本件を取り上げさせていただいたわけであります。
このように事態になったことはまことに残念なことであり、かつ重大なことであると受けとめております。私の立場として、市当局、組合どちらの肩を持つわけでもありませんが、また責任を追及するものでもありませんが、一日も早く従来の正常な労使関係に返り、労使協調、労使一体となって、来るべき21世紀に向け、市政の礎をつくっていただきたい。この一念であります。
さて、本題に戻しますが、できるだけ客観的に本件を分析し、考えていきたいと思います。まず最初に、今回の昇任資格試験実施に関し、市当局としてどう評価しておられるのか、自己評価をお聞かせください。
次に、本件実施の目的についてお聞かせください。私も過去40年余り、企業でいろいろな仕事をやってきたわけですが、その経験から言えることは、仕事を進める上において、特に新しいことを創造していくとき、最も大切なことはその目的ではないかと思っております。正しい目的が的確に把握できれば、物事は半分達成できたと言えます。次に大切なことは、その目的をしっかりと把握し、常に念頭に置いて行動していくということでございます。ここが本件解明のキーポイントであると思います。的確なご答弁をお願いいたします。
最後に、本件に当たっては、昭和63年に、人事問題プロジェクト委員会より検討報告書が提出されております。私も今回読ましていただきました。委員会委員各位の苦労の跡がうかがえ、実によくまとめておられます。この場をかりてその労苦に対し敬意を表したく思います。この報告書には、いろいろな面からの情報収集と分析により、数多くの指摘と洞察がなされております。現在のような最悪の状況も予測し、指摘もされているわけでありますが、当局としては、この報告書をどのように位置づけ、どのように取り扱ってこられたのかお伺いいたします。
以上3点、よろしくお願いしたいと思います。
これで1回目の質問を終わらせていただきます。
〔
産業経済部長 山本宏道君登壇〕
○
産業経済部長(山本宏道) 森林保全における現状の問題点と満足度についてのお尋ねでございますが、森林の保全につきましては、総合的に対処する必要があると考えております。本市におきましては、森林組合の林業活動を通じまして森林保全に努めるのはもとより、全国に先駆け森林銀行制度を創設し、その運用によりまして、波及効果の高い森林を対象として森林保全協定 を推進しているところでございます。
なお、今後におきましても、市緑化森林公社、森林組合と協調し、保全に努めてまいりたく存じます。
また、将来の森林利活用の構想についてでございますが、森林空間を健全に利活用し、安らぎ、文化等、市民の緑に対するさまざまな要望を実現するために、幅広く計画検討し、森林健康文化圏構想の実現に向けて推進してまいりたく存じます。
まず、森林交付税の趣旨についてでございますが、昨日の久保議員のご質問にもお答えいたしましたとおり、本市の貴重な森林を良好に保全、管理するには望ましいものと考えております。本市におきましては、従前より、国、府の補助事業の導入によりまして、森林の維持管理に努めているところでございます。今後におきましても、国、府の補助事業を積極的に取り入れ、その財源確保になお一層努めてまいります。
次に、人材の育成を含めた人材確保のお尋ねでございます。本市の森林は、都市近郊に位置することから、木材生産はもとより、水源涵養、土砂流出防備、保健休養等の公益的機能を有する重要な緑として、林家のみならず市民の生活と深く結びついているところでございます。しかしながら、林業生活活動は、木材価格の低迷、経済規模の零細性等によりまして、林業を取り巻く環境は厳しいところでございます。このようなことから、本市における森林の整備、管理の中核的担い手として、下刈り、間伐から木材加工に至るまでの幅広い林業活動を行う一方、林業構造改善事業を導入するなど、積極的に林業施策を提供しているところでございます。しかしながら、労働者の高齢化が進む中、このままでは本市の森林を守るべき担い手不足の恐れがございます。このような状況に対応するため、森林組合では森林林業士を受け入れる体制の整備に着手し、林業労働者向け宿泊施設の建設等、労働条件及び環境整備を行いまして、142名の応募者から、今回、7名の森林林業士を中核的担い手として採用したところでございます。問題といたしましては、この林業士はすべて素人さんでございますので、間伐等厳しい作業に慣れるまでには2、3年はかかろうかと存じます。
次に、森林の持つ公益性、公共性についての啓発でございますが、森林の持つ公益性機能の重要性については積極的にPRしてまいりたいと考えております。また、公共性につきましても、林家の育成と、多くの市民に、高槻材を多目的に広く有効利用し、PRに努めていきたいと考えております。
〔市長公室長 溝口重雄君登壇〕
○市長公室長(溝口重雄) 生田議員の一般質問についてお答え申し上げます。
労働時間の短縮は、豊かさの実感できる生活の実現や、国際協調の推進等の観点から不可欠と なっており、とりわけ完全週休2日制の推進が重要な課題となってございます。こういったところから、府下各市町村におきましても、またこれに先んじて国におきましても、あるいは大阪府におきましても、既に実施をされておるところでございますが、本市におきましても、昨年12月の議会におきまして、高槻市職員の勤務時間、休日等に関する条例の一部改正につきましてご提案申し上げ、総務委員会のご審査を経まして、2月の臨時議会でご承認をいただいたところでございます。
今回のご審議を通じまして、特にご指摘がございましたのは休息時間の取り扱いについてでございます。休息時間につきましては、4週6休制の実施の時点におきましても、その定義、解釈、前置きの是非をめぐりまして種々ご議論をいただいたところでございますが、今回は、さらにその後の改善の努力についてもご指摘がございました。私の方といたしましては、この休息時間は始業前の準備行為の時間帯であると、こういった位置づけのもとで職員に対しまして8時45分までの入庁を指導、督励するとともに、その時間帯の有効活用を図ってまいったところでございます。
お尋ねの8時45分を過ぎて出勤した者の給与上の取り扱いについてでございますが、休息時間は勤務時間に含まれ、給与の支給対象となる時間帯でございます。しかし、同時に休息時間は職務専念義務を免除しておりますので、勤務時間についていないことをもって直ちに給与を減額するという措置はとってございません。要は8時45分までの入庁が原則でございます。このことにつきましては、今後とも改善努力を続けてまいりますので、よろしくご理解を願いたいと存じます。
次に、業務遂行上の点についてでございますが、仰せのように、総労働時間の短縮は、週休2日制の実施と超勤時間の削減が相まって達成されなければなりません。完全週休2日制の導入に際しましては、予算、人員の増、行政サービスの低下を来さないことを基本に実施してまいりました。こうしたことから、時短分が安易に超過勤務に置きかえられることのないよう、さらに努力をしてまいります。また、事務執行方法の効率化や集約など、一定の創意工夫をこらすことにより、これまでの業務量を消化し、本来の時短を実現できると考えてございます。
なお、私どもの業務には数字に置きかえ難い面もございますが、職員各自がコスト意識を持つことにより、めり張りのある業務遂行に努めてまいりたいと、かように考えてございます。
次に、今回導入いたしました係長昇任資格試験についてでございますが、ご存じのとおり、本市の職員の年齢構成上、いわゆる団塊の世代対策が大きな課題となってございます。これは、昭和40年代後半に、人口急増の行政需要の増大に対応するために、一時期に大量の職員が必要とされました。今、これらの職員が中堅クラスに位置し、行政の運営あるいは組織の活性化のため に、その働きは必要不可欠なものと考えてございます。そこで、より公平で客観的な能力の実証を行い、勤労意欲の高揚と人事管理への信頼性を確保するため、平成3年2月に、高槻市職員労働組合に対し、人事管理制度の実施に係る要請を行い、協力を求めてまいったところでございます。
導入する人事管理制度といたしましては、主任制度、勤務評定制度及び昇任資格試験制度を内容とするものでございまして、主任制度につきましては、平成3年10月から本格的に導入し、今日では職場において一定定着しておりますが、昇任資格試験制度につきましては協議を継続してまいりました。組合とは、再三、交渉を続ける中で、主任の位置づけ、受験資格等が論点として浮き彫りになり、合意形成へ向けてぎりぎりまで努力を続けましたが、一定、判断すべき時期を迎え、試験の実施に踏み切ったところでございます。
今回実施の自己評価についてでございますが、当然ながらこのような人事制度につきましては、できる限り労使合意のもとに実施することが望ましいわけでございますので、次回実施に向けては、さらに協議を続けてまいりたいと、かように考えてございます。
また、昇任資格試験実施の目的についてでございますが、係長級への昇任に際しまして、その職務に対する遂行能力の実証をより客観的かつ公平な手法として実施し、昇任基準の客観性並びに信頼性を確立し、職員の仕事への意欲及び意識の高揚、並びに組織の活性化を図り、行政能率の向上に資することを目的とするものでございます。
次に、人事問題プロジェクト検討報告書の評価及び取り扱いについての質問でございますが、このプロジェクトは組織の活性化、団塊の世代対策等について、人事管理制度整備の必要性から検討したものであり、人事諸制度の基本的考えについて包括的に検討報告されたもので、この考え方について、自己申告制度、主任制、昇任試験制度、勤務評定制度を一体的なものとして提起してまいりましたが、労使協議の中で順次導入実施していく結果となっております。したがって、この報告書の基本的状況認識と大きく異なった制度になっているとは考えておりません。また、報告書の中にもありますように、これまでの人事諸制度の閉塞性を打破するためには、何らかの痛みを伴うことも不可避と思われますので、今後さらに諸制度について改善検討を加え、実施をしてまいりたいと、かように考えてございますのでよろしくお願いいたします。
○(生田靖彦議員) まず、森林交付税についてでありますが、高槻における森林保全ということで、数年来、余りお金のない中で、いろいろと知恵を絞ってやっておられるということは、私もつぶさに目で見、体験しておるわけでございます。そういう一定の努力については、非常に私も評価しておるわけでございます。今度、そういう形として山林あるいは森林というものについての考え方、従来、我々が漠然と考えていた山の公益性というものと、こうしてはっきりといろいろな形 で勉強していく、また教えられていくという中で、今、世界が大きく環境という問題をとらまえているそういう中にあって、非常に努力されていることに私も敬意を表しておるわけです。2月だったですか、植樹祭にも私も参加させていただきました。たくさんの市民の方が来られて、寒い中を植樹している。子供たちもたくさん来ている。非常にいい一つの施策であると、私も心から賛同したわけでございます。そういうことでありますが、やはり、ここで森林交付税という新しい発想のもとに、公益性、公共性を訴え、要するに受益者負担という、今、いろんな市の施策の中でそういうことが求められていかざるを得ないという状況下にあるわけでございますが、また、ことしの施政方針の中でも市長が地方分権ということで、権限だけもらってもお金がなかったらあかんのやという形で、三割自治ですか、というふうな形を打破していかないかん、そういう波に乗りたいんだという思いを述べておられたと思うんですが、まさにそういう世の中──日本の環境が整いつつあるわけです。こういう新しい発想、それにすぐ飛びつくということではないんですが、そういう皆の考え──山の公益性、公共性と、これをやっていかなければ本当に環境はだめになってしまいますということをPRするとともに、今後、やっていかないかんと私も念じておるわけでございます。
それで、現在の高槻市におきましても、問題点ということでお聞きしたわけですが、非常にそういうのを表に出しにくいと思います。ですから、私の方から言いますが、やはり財政的には、いろんなことをやっていきたいという中で、お金がないと思います。1,000億円を超す一般予算の中の5億円余りということで0.5%なんですよ。山がこれだけ大事だという皆の認識の中でも0.5%の予算しか組めない状態であるわけです、今現在。ですから、やはりそこに政府から、いろんな形で使えるようなお金が出てきやすい状態にするためにも、この森林交付税というものを、皆と──我々の高槻でどうするかということもありますし、日本全体という形での取り組みもやっていかなければならないんじゃないかと思います。
それで、特に人材の確保という点で私も上げさしていただいておるわけですけれども、今後、その点が非常に課題になってこようかと思います。7名の林業士が誕生したということでありますが、先ほども言われていたように、すぐに役に立つわけでもございませんし、また私は、高槻の山を、ほかの方がおられるとしても、後継者として7名で足りるとは思いません。今後も計画的な人材育成ということを考えながら施策は進めていっていただきたいと思います。そういうようなことで、今後の取り組みについても、もう少し具体的な形でお聞かせ願いたいと思います。
それから、次は4週8休制でありますが、8時45分から9時までは給与の対象時間帯であるということと、それから8時45分を過ぎて入庁した者に給与減額はやっていないということを聞かしていただいたわけですが、私の質問は、そういうこともありますが、条例との整合性はど うなんですかという問いでございますので、整合性があるのかないのか、あるとすればどの条文のどのところをもって整合性があると解釈しているのかということもお聞かせ願いたいと思います。
それから、昇任試験の実施についてでありますが、この目的ですけれども、職員の仕事への意欲及び士気の高揚並びに組織の活性化を図り、行政能力の向上に資するとあるわけでございます。
まず、私はこの目的についてはまあまあだと思うんですが、点で表現するとすれば55点から60点ではなかろうかというふうに評価いたします。またその導入実施についての自己評価をお願いしたわけでございますが、所期の目的は達成されたとおっしゃっておるわけですが、先ほどの目的と照らし合わして本当に達成されているのかと疑問を感じるわけです。例えば労使の合意形成がなされてない現状において、組織の活性化が本当に得られるのだろうかということですね。また、本来、仕事に意欲を燃やしてもらわないかんのに、このことによって逆に意欲がなくなっているような状態も心配されるわけです。ですから、本来、仕事に意欲を燃やしてもらって組織の活性化を図りたいというのが目的であるとすれば、なぜそういうふうなことにならなかったのであろうかという原因を、やはりここで考えていかなければならないんじゃないかというふうに思うわけです。
それから、検討報告書の位置づけということでありますが、私は本当にこの報告書は非常によくできていると思うんです。私もこういう仕事に10数年携わってきておるわけでございますが、本当によく勉強されておりますし、よくまとめておられます。これを見ていったら、こんな結果にはなるはずがないんですけども、なぜかそうなって、逆の方向に出ているわけですね。ですから、私はこの位置づけと取り扱いについて、どう考えて実施されてきたんかということをお尋ねしたわけで、もう、こういうふうな結果になりますよということまで書いてあるわけですよ。単独で、1つのことだけでやっていくと合意形成が得られませんよとか、そういうふうになったときに士気が高揚しませんよというふうなことも全部書いてあるわけです。そういう洞察までされているのに、なぜ──それをそのまま素直に、このとおりにやっていけば問題なかったんじゃなかろうかと思います。ですから、そこらの点についてもご見解をお願いしたいと思います。
以上。
○市長(江村利雄) 森林についての交付税のご質問でございますけども、せんだってもお答え申し上げておりますように、この交付税の論議というのは非常に結構なことであろうと、こう考えております。しかし、過般、森林を保全していこうということで、税制上で水源税ということが大きく議題になりまして、この水源税をもって森林を保全していこうというようなことがございましたけれども、残念ながら、半島法のように通らなかったというようなことで今日を迎えて いるわけです。そのような中で私自身、森林の保全ということについては積極的に取り組まなければならないと、こう考えております。したがって、数年前に森林フォーラムの中で、全国でも初めて森林銀行というのを創設いたしました。ご承知のように、今日的には430ヘクタールぐらいであったと思いますが、それだけの方と協定ができた。そのようなことでこれからも、交付税はもちろんでございますけれども、そういうふうな取り組みをしていかなければならないと、こう思っております。
そして、一方で林業士の話ですけれども、これも先般もお答えいたしてますように、これについての取り組みも行っていこうということで取り組んでおります。いずれにいたしましても、これから森林保全という点については、十分配慮していかなければならないと、このように考えております。
○市長公室長(溝口重雄) 休息時間の問題、あるいは8時45分入庁を果たしてない取り扱いの問題、これらが本市が定めております給与条例の中で、いわゆるノーワーク・ノーペイの原則があるわけでございますけれども、そういった条例との整合性をどう考えるのかというご質問でございます。
なるほど、表面的に読めばそういうことになるわけでございますけれども、ノーワーク・ノーペイの原則というのは、あくまでも休息については、これは勤務時間として職務免除をいたしておりますので、したがって、そのことをもってノーワークというふうには、任命権者はこれを理解してないわけでございます。ただ、問題は、いわゆる8時45分まで入らないことが、これだけ言われながら、また任命権者としても入ることを督励し、また管理職にあっては率先をし、そして全庁的にも80%以上の入庁状況になっておるにもかかわらず、入庁されていない人たちが常態化する、あるいは常習化しておる。そういう職員をどう取り扱うかという問題でございます。これらの入庁できてない職員、とりわけそれが常態化、常習化しておると、こういった職員については、厳しい指導をしてまいりたいと、こういうふうに考えております。
それから、2点目の昇任試験制度の問題でございます。本来的には組合との間で合意形成が望まれるわけでございますけれども、そういった協議を重ねながらもなおできなかったということ。これについては、我々の判断としては、一つには甘えの体質というものを一掃していかなければならんと、こういうふうに考えてございます。こういった問題については、民間ではもう本当に常識としてなされておるわけでございますし、そういったことからして公務労働の民間準拠主義と、こういった立場からしても当然一定の判断であったというふうに考えております。
○(生田靖彦議員) 森林交付税の方は、市長からもいろいろお話もいただきましたんですけども、1つだけ。
水源税というのは交付税ではないんです。それで、あれが消えた一番の原因は、1立方当たり1円とか、そういう企業負担という形での指向であったんで、企業の反対があってつぶれたということと、今の時期と違って、これは数年前の話です。そういう環境問題、あるいは森林というものの皆さん方の考え方、国民一般の考え方もそこまでいってなかったということであります。
ちなみに、ことしの1月1日の新聞に出ていた世論調査があるわけです。この中で、日本は非常に豊かになったけども、自然環境を守るために生活が少しぐらい不便になってもよいと考えている人はという問いに対して、73%の方がそれでもいい、多少不便になっても環境を守るべきだと言う方が73%になっておるんです。同じアンケートというか、世論調査が、今から5、6年前に同じあれでなされておるんです。そのときには40%ぐらいだったんです。それが約倍になってるわけです。また、同じような問いなんですが、これからの世の中を考えるときに、生活を見直した方がよいと考えておられる方という問いに対して、87%の方が今のままではぐあい悪いでという形で、やはり環境というものに対して、それだけ世の中の考え方が変わってきておるわけです。ですから、そういう環境という──環境の問題で環境言ったらおかしいですけども、要するにバックグラウンドが全然変わってきておるということも、一つは非常にいい状態だと私は思っております。それを1つつけ加えておきます。お答えは結構です。
それから、4・8の件でございますけども、やはり、今のというか、条例に対して私の考えとしましては、無理な形での特例として扱おうということについてはぐあい悪いと思うんで、明確に休息あるいは休憩も含めて条例の中に定義をすればいいんじゃなかろうかと思います。また、それに代わる下位の規則とか附則というふうな形で、この分についてはこうなんだということをはっきりと明記した方が、オープンになって、また明確になっていいんじゃないかと。今ある条例に対して非常にもう無理をしながら、この部分でこうやという、結局は言いわけでしかないわけで、そういうことをいつまでもやってたら市民合意は得られないと私は思います。
それから、係長の資格試験の方です。これは、やはり人事制度という大きな総括的な中でのことがシステム化されなかったら、個々に係長あるいは主任というふうなことで小出しにしていくからこうなるんです。例えば古い旅館で部屋を1つ1つ建て増ししていくような、迷路になってしまうんです。そういうことではだめで、全体的なことを構想した中で、実施導入についてはこの部分からやっていきますという形をとらんと。小出ししていくと──いや、先に全体を考えてから小出しするのはいいんですよ。それを考えておられませんね。ですから、まず主任制度をやってしもうた。だから、この問題で一番大事なことは、いかに対象者に理解してもらえるか、納得してもらえるかということであって、それを無理やりやってしまったんでは、これは士気高揚どころか士気をダウンさせてしまうわけです。ですから、まず一番大事なのは公平性ということ ですね。そういう点を十分これから考慮していただいてやっていっていただきたいわけでございます。
それからもう1つ。この問題は客観性があるということと、先ほど言うた公平性、特に機会均等ということをベースにしなかったらやはりだめだと思います。これは例えば競技のハードルと一緒なんです。スタートラインには、最初は全員が並ばなければならないんです。それから50メーター先にハードルがある、100メーター先にハードルがあるということです。その間にハードルを越える能力のない方は、そこでとまってしまうわけです。だけども、もう1度後ろへ回って跳び越えることができる人、要するに敗者復活ということも考えていかないかん。いろんな点が指摘されるわけですけど、やはりこの際、抜本的に総合的な人事制度を確立することがまず急務である。そして、労使協調という納得した中で物事を進めていかんと、時間が来たから見切り発車では、お客さんなしに貨車が走ったってしゃあないんです、はっきりね。ですから、やっぱり納得して、お客さんが客席に座ってからスタートするという形が本来の形ではなかろうかと思います。
時間がありませんので、ご答弁については、非常に苦しい部分もあろうかと思いますので、武士の情けをもちまして終わらしていただきます。
以上です。
○議長(伊川二郎) 生田靖彦君の一般質問は終わりました。
次に、山本五一君。
〔山本五一君登壇〕
○(山本五一議員) ただいまより、提案意見を申し上げながら数点について質問をいたします。
総合スポーツセンターと小、中学校に相撲の土俵場をつくる考えについてお伺いいたします。
近年、プロ野球を凌駕するぐらいの勢いで日本国技の大相撲が未曾有の人気を盛り上げ、最近の盛況は、その勢いの衰えることのない様相を呈しているのであります。過去には余り相撲に興味を持たなかった人たちも、青少年や、特に若い女性のファンの増大には、目を見張るものがあります。有名なきんさん、ぎんさんも大ファンのようであります。加えて老人の多くも、大相撲の場所があるときは、テレビにかじりついて、大変慰められております。相撲ブームにより、大相撲志願者の青少年が年々増加の一途をたどっているのであります。私も、昔、少年相撲や草相撲をとった経験がありますが、相撲は体力増強や運動神経の発達とともに、精神面においても他のスポーツにまさっても劣らないと思うのであります。土俵上では礼から始まり礼に終わり、特に裸のつき合いでありますので、互いに親密度が増し、自然に人間形成にも大変よい運動であると思うのであります。相撲愛好者の青少年には、余り非行は見られないのであります。
このような人間づくりのために、各地の学校その他においても、盛んに相撲を奨励し、土俵をつくり、体力・精神力づくりと礼儀礼節を養うために力を入れているところも少なくないと思うのであります。お隣の茨木市においても、ちびっ子相撲大会が、毎年、市庁舎前広場において開催され、毎回盛況を呈しているのであります。高槻の体協においても、相撲部がないのでぜひほしいとの強い声も上がっております。最近の子供は昔と違い、豊富な食事情によって身長、体重ともに大きくなっておりますが、過食と運動不足により、昔は見られなかったような肥満児や、背ばかり高く、ひょろ長い子供、また骨細で弱々しい子供が多いのではないかと思うのであります。
本市は、小、中学校ともにサッカーは盛んでありますが、野球、サッカーは不得手でも、土俵場があれば、相撲ならやるという子供もかなりいるのではないかと思うのであります。私の子供のとき、上級生が相撲をとっていると、よし、おれもやってやろうと土俵に上がり、何回もやっているうちに面白くなって、続けていると体も丈夫になり、なにくそ根性も自然に養われてくるものであると、私の体験から申し上げることができるのであります。土俵があれば、子供は自然に相撲をとる気になるものであります。相撲の持つ有意義な事柄を了とし、小、中学校の校庭の隅や、これからつくられようとする総合スポーツセンターなどに、ぜひ土俵場をつくられたいと思うのでありますが、そのお考えはいかがなものかお伺いいたします。
次に、三島救命救急センター入り口道路の改善についてお尋ねいたします。
三島救命救急センターに運び込まれる重患の生存率は、他病院に比して高率であると言われております。したがって、高槻市民、島本町民その他からも絶大の信頼を得ていることはご案内のとおりであります。しかしながら、当センターは開設以来、たくさんの重患が当初の予想より以上に運び込まれておりますが、処置の遅い、早いで生死いずれになるかわからないのであります。これらの処置、手当ては1分1秒を争うのであります。したがって、1秒でも早く手術室に運び込まなければなりません。急患の連絡を受けた消防署の救急車は、直ちに出動し、人命救助のために、搬送途中、患者の容体と交通に気づかいながらセンターに運び込まれますが、三島救命救急センターは、他の病院には見られない入り口道路は悪形態であり、救命救急センターにふさわしくないのではないかと思うのであります。北から入る救急車も一般車も、まことに通行困難な、極端な鋭角の道路形態で、急患搬入に支障を来しているようであります。したがって、これを解消するために、鋭角先端部分の土地をできるものなら早急に買収して、容易に搬入可能な道路形態にすべきであると思うのであります。救命救急センター本来の目的達成を容易ならしめるために、これが解消に努めるべきであると考えますが、入り口道路改善についての考えはいかがかお尋ねいたします。
続いて、戦争記念館設置についてお尋ねいたします。
人間を初めあらゆる動植物も、この世に生あるすべてのものは、生まれながらにして死刑の宣告を受けているようなものであると思うのであります。執行猶予つきのような形で人間も、今、生活し、生かされておりますが、生きるものすべては順番もなく、遅いか早いか、この世を去らなければならないことは、だれも否定することはできない現実であります。それがために人間も生ある限り有意義な人生を送ることこそ人間に与えられた権利であると思うのであります。ともにこの世に生きる世界人類すべてが相互に助け合い、平和で幸せな人生を送りたいものであります。しかしながら、他を思いやらず、冷酷な人間ほど人為的に問題を起こし、今も世界の各地で紛争があり、戦闘員はもちろん非戦闘員まで戦争に巻き込まれ、家を失い、食糧もなく、飢えと寒さや病気に見舞われ、何万何十万の尊い生命が失われているのであります。実に悲しむべきことであり、戦争こそ人類最大の敵であります。
我が国は、戦後50年近い間、かつてない平和を保ってまいりましたが、このままの平和がいつまでも続く保証はどこにもないのであります。戦争が起こる原因は、人間1人1人が、互いに相手の立場を理解せず、自分たちだけのことを押し通そうとするところから起こるものであると思うのであります。一回限りの貴重な人生を人為的な戦争によって命を奪われるようなことのないよう、それぞれが戦争のむごさ、悲惨さを思い起こし、平和の大切さを常々心し、戦争の起こらない努力を個々がしなければならないと思うのであります。市長も、先日の本会議の答弁の中で、自分も参戦者であり、戦争の悲惨さは身にしみている。戦争があってはならないと言っておられましたが、私も大東亜戦争の参戦者の生き残りの1人として、戦争を体験した生き証人でありますので、非体験者のだれよりも、戦争をしてはならないことは身にしみているものであります。戦争の悲惨きわまりないことと平和の大切なことを子々孫々に語り伝え、見せ伝え、常に胸に刻み込むことを後に続く者たちに教え導くことこそ、特に先人である我々戦争体験者の責務であると思うのであります。
本市は非核宣言都市でもあり、特に次代を担う青少年に平和のとうとさ、大切さを心に植つけさせるためにも、戦争記念館をつくることは大変意義あることと思うのであります。先の12月議会でも申し上げましたが、戦没者追悼平和の塔とともに、終戦50周年に向け、記念事業の1つとして、同時建設を計画実施されれば、より一層意義あるものと思うのでありますが、これが建設の考えありや否やお尋ねいたします。ご明快なご答弁を求める次第であります。
最後に、森林保全と杉花粉についてお尋ねいたします。
今から4、50年前までは、本市も北を望めば、松を主体とした緑豊かな美しい山並みが、東から西に連なっておりました。近くの山に一歩足を踏み入れば、雑木林の中に飛び交うウグイス、 メジロ、モズ、ホオジロなど各種の小鳥や、夏ともなればクワガタムシやカブトムシなどの昆虫類とともにトンボ、チョウチョウが無数に生息していたのであります。また、私の小学生のころ、阿武山などで冬には、上級生たちが竹棒などを持ってウサギ狩りをよくやったものであります。毎年5、6匹のウサギをとり、時にはキツネが網に引っかかったこともあって、よき環境であった情景が、今も鮮明に走馬灯のごとく私の脳裏をかすめ、まるで今から思えば夢のようであります。そのころは阿武山の頂上付近に、昭和の初期ごろに建てられた京大の地震研究所がぽつんと白くそびえ立っていたぐらいでありましたが、30数年前から南平台を皮切りに、大和団地、日赤病院下の開発や、天神、奥天神、安岡寺、松が丘、日吉台、弥生が丘、近年に入ってからは寺谷町、芝谷町、聖が丘、最近では阿武山団地などの大開発により、昔の美しい緑の面影がほとんど見られないのであります。今申し上げた光景を知る人は古い先住民ぐらいで、当時を知る人は数少ないと思うのであります。
大開発により小鳥も激減し、昆虫類、トンボ、チョウチョウもほとんど見かけないのであります。今も緑破壊が次々と進んでおりますが、今後の開発は公共物に限り、綿密な調査をされた結果、可否の判断をされ、可とすれば、地元の合意や要望と、多数の賛同に基づいてなされることは、一部の緑減少もやむを得ないと思うのでありますが、住宅などのための開発は、これ以上今後はやめてもらいたいものであります。現在、残されている山々は、ところどころ松の枯れ木がたくさん見られるのであります。昔は枯れ松を探してもなかなか見つからなかったのでありますが、これら枯れ木は今に十分な手を打たなければ大変なことになるのではないかと、悪い予感がするのであります。
JR新幹線に乗り、岡山や郡山に差しかかりますと、車窓から見える間近の山々全体が、白く枯れ木になった木々がさみしく林立して、緑がなく、山は死の山と化しているのであります。恐らくそれらの山々も、枯れ始めのころは本市の山のような状態ではなかったかと思うのであります。初期の手当てをなおざりにされたために、これは短い期間に一挙に枯れ果てたのではないかと推測されるのであります。本市の山々も少々の手当てでは、近い将来、同じ道を踏むのではないかと思いますと、まことに肌寒い思いがするのであります。本市の山の立ち枯れ松は何の原因によるものか、またその対策はどのようになされているのかお尋ねいたします。
次に、杉花粉の問題でありますが、花粉症が近年ほぼ全国的に広がって問題になっておりますが、戦争中、松などの多量の伐採によるはげ山に、戦後、各地の山々に次々と杉の植林をなされ、今は成木になっておりますが、枝打ち手入れの人手不足により、それらの杉は枝が伸び放題、花粉は空中に舞い放題、それに伴い、3、4月になると花粉症がふえ放題でありますが、本市の山には杉は少ないとはいえ、皆無ではないと思うのであります。緑と杉花粉の功罪と、これらの対策はどのように考えておられるのかお尋ねいたします。
以上、第1問を終わります。
〔
学校教育部長 広瀬伝之助君登壇〕
○
学校教育部長(広瀬伝之助) 山本議員ご質問の、市内の市立小、中学校と仮称総合スポーツセンターなどに相撲の土俵をつくるようにということにつきまして、関係部長のご了解を得まして、学校教育の観点からご答弁申し上げます。
既に議員も十分ご案内のとおり、新学習指導要領におきましては、中学校における体育の教科内容の分類において、武道として相撲が位置づいておるところでございますが、これは必須としてではなく、選択内容の1つとなっているところであります。したがいまして、相撲を体育の教科内容として指導するか否かは、生徒の希望、指導者などの実態を踏まえ、学校が最終的に判断するのが一般的でございます。しかし、高槻の中学校の現状におきましては、柔道が主として選択される実態が続いており、今直ちに相撲を体育の教科として実施することは、実態的に困難な現状にございます。したがいまして、教科としてではなく、教育課程外の取り組みとして考えられますことは、例えば学校週5日制の取り組みの1つとして、地域実行委員会などから相撲を実施したいという要請等が出てきた場合には、その時点で学校敷地内における土俵の設置についても検討をしていく課題であると受けとめておりますので、よろしくご理解をお願いいたします。
さらに、例えば仮称北部総合スポーツセンターなどにおいて土俵を設置することにつきましては、学校教育の立場からしまして、学校週5日制の取り組みの1つとして、地域で相撲を盛んにしていくことが積極的に要請される場合には、その要請を踏まえまして担当部局にお願いをしてまいる所存でございますので、よろしくお願いいたします。
〔保健医療監 山本香憲君登壇〕
○保健医療監(山本香憲) 大阪府三島救命救急センターの入り口道路に関するご質問に対しましてご答弁申し上げます。
議員のご指摘のとおり、救命救急センターの性格からいたしまして、まさしく一刻を争う重篤な状態の人が大多数でございます。おかげをもちまして高度な医療技術と医療機器等によりまして、数多くの尊い人命が救われており、市民の期待にこたえているところでございます。
さて、ご質問の当センターへの進入路の現状につきましては、国道171号線南側からの進入は別段運転が困難とは感じておりませんが、特に国道171号線の北側方面からの左折進入につきましては、やや狭隘で、しかも鋭角であるため、徐行運転を余儀なくされている現状でございます。現場の実態ですが、鋭角部分につきましては民間の方の店舗があり、営業活動をされており、市道をはさんで対側地は国道171号線に面して、ブロック塀に囲まれた空地となっております。このような複雑な道路形態ではありますが、消防署の救急隊員の慎重かつ的確な判断と、 すぐれた運転技術によって、迅速に患者の搬入を行っております。
いずれにいたしましても、現状での土地の確保を前提とした解決は非常に困難であろうと思います。今後の課題といたしまして、現状での改善策につきましては、国道171号線を管理しております建設省大阪国道工事事務所、市建設部道路課、鋭角部分の土地所有者等関係者に協力を要請しつつ、打開策につき取り組んでまいる所存でございますので、よろしくお願いをいたします。
〔
市民文化部長 中村圭作君登壇〕
○
市民文化部長(中村圭作) 山本議員の3点目の、戦争記念館の設置についてご答弁を申し上げます。
我が国におきましては、過去に悲惨な戦争を行いまして、国内外で多数の戦闘員あるいは非戦闘員の方々が亡くなったわけでございます。第2次世界大戦では、全世界において2,200万人が犠牲となり、亡くなられたと言われております。本市は、非核平和宣言都市として、戦争は最大の人権侵害であるという認識に立ちまして、平和のとうとさ、大切さについてあらゆる機会に訴えてまいったところでございます。具体的には8月に平和教育展、10月に反核平和フェスティバル、3月には平和と人権の集い、平成4年度より2回、平和バスツアーで多数の市民の方々の参加を得ているところでございます。しかしながら、平成7年には戦争から50年を経過いたします。この長い年月が、悲惨な戦争を風化させていることも事実でございます。この状況の中で、昨年の12月議会で山本議員の質問を踏まえまして、終戦50周年の平成7年に、平和記念塔の設置に向けて考えたらどうかということで検討を行っているところでございます。
戦争記念館の設置につきましては、現状では、経費の問題、場所の問題もさることながら、展示物の問題等から、いささか困難であると考えておるところでございます。現在、市民の方々から戦争当時の遺品、生活物品等の寄贈がございまして、8月の平和教育展の場で、各パネルと同時に展示を行っておるところでございます。これにつきましては、戦争の悲惨さ、戦時下の市民生活の実態を伝える貴重なものでございまして、人権あるいは平和に関するパネル等々、同時に展示が行えるような場所の確保につきまして、今後検討してまいりたいと存じておりますので、よろしくご了承のほどをお願い申し上げます。
〔
産業経済部長 山本宏道君登壇〕
○
産業経済部長(山本宏道) 松枯れの原因と、その対策についてのお尋ねでございますが、議員ご指摘のとおり、市民に憩いと安らぎを与える山々の緑の中に松枯れが目立ち、一時期被害の衰退傾向が見られたものの、近年またその被害が増加しつつあるのが現状でございます。その松枯れの原因につきましては、各種の病原菌によるもの、あるいは十分な手入れができないために 起こる生理的衰弱、また今日の大気汚染等の複合的な要素によるものなど、さまざまな原因が考えられておりますが、近年の激甚な被害をもたらしている松枯れの原因が、マツノマダラカミキリにより媒介されますマツノザイセンチュウという、体長1ミリにも満たない小さなセンチュウによって引き起こされるということが、国立林業試験場によって解明されたのは昭和46年のことでございます。
また、松枯れの被害対策につきましては、森林病害虫等防除法並びに松くい虫被害対策特別措置法に基づきまして、大阪府からの委託による防除と、森林所有者が自発的に防除を行う場合に補助を行うことにより、その防除に努めてきたところでございますが、被害の拡大を少しでも抑えるべく、平成5年度からは、従前の事業とあわせまして高槻市の単独事業といたしまして、森林を駆除、修景し、市民の財産である山の緑を積極的に守るために事業を展開してまいろうとしておるところでございます。
なお、防除方法につきましては、特別防除、地上散布、伐倒駆除、特別伐倒駆除などがございますが、高槻市におきましては、他の動植物に影響の少なく、自然にやさしい伐倒駆除と資源の活用を考えた特別伐倒駆除を行っております。今後も国を初め大阪府に対し、防除事業の拡大を要望し、また引き続き、機会あるごとに森林所有者に対し、自主防除の普及啓発に努めてまいりますので、よろしくお願いを申し上げます。
引き続きまして、杉花粉症につきましてお答えをいたします。
我が国の森林の造成の経過を振り返りますならば、戦後の荒廃した森林の回復や、国土の保全等の観点から、経済性を重視した積極的な造林事業が進められ、その結果、杉やヒノキが積極的に植林されてきたところでございます。本市におきましても、森林のうち人工林の占める割合といたしまして、森林面積約4,700ヘクタールのうち約半分の52%となっておりまして、造林されております樹種の大半は、先ほどにも述べましたように杉やヒノキでございます。これら人工林のうち現在問題となっております杉花粉症の原因の杉につきましては、約半分が30年生程度の弱齢林であります。花粉の着生が盛んになると考えられる時期に当たっているのが実情でございます。
杉花粉症が我が国で初めて報告されましたのは昭和39年であると言われており、現在、全国の花粉症患者は、全人口の10%を上回り、さらに増加傾向にあると言われております。このため最近では、医療、気象、林業などの関係分野の相互協力と総合的な研究が続けられておりますが、いまだ未解明の点も多く、杉花粉のほかに大気汚染の影響や、食生活の変化などに伴うアレルギー要因の増加などが、花粉症の促進要因として考えられているところでございます。
このように、いまだ未解明な点も多い中、本市といたしましては、都市近郊の貴重な森林とし て、保健、休養などの公益的な機能の視点からのみならず、停滞する林業生産活動を幅広く支援することが、これらの森林を守り、育て、保全することであると考えます。しかしながら、杉花粉症対策といたしまして、間伐による雄花多産木の除去、枝打ちによります種子着生子葉の取り除き等も合わせて進めてまいりたいと考えております。したがいまして、市といたしましても、これらの事業につきましては、国、府の補助を受け、森林所有者及び森林組合、緑化森林公社と調整を図り、積極的に実施されるよう指導に努めるとともに、必要な援助を行ってまいりたいと考えております。
○(山本五一議員) 時間も相当経過いたしておりますし、またこうして見ていると、皆さん相当お疲れでございますので、あとは全部要望にとどめておきたいと、こういうふうに思っておりますが、先ほどの答弁の中で、若干私の思いと違う答弁をなされておりました。これはやりとりしたいんですが、今申しましたように、ちょっと意見を述べまして要望にいたします。
相撲の土俵場については、やってみたいという積極的な小、中学校があれば、土俵をつくられたいと思うのであります。なお、スポーツセンターに限らず、市民グラウンドの隅でもこれはいいのであります。小中学校の生徒にアンケートでもとってもらって、多くの希望者があればつくるべきであると思いますので、そのような努力をされるように要望をしておきます。
それから、救命救急センターの入り口の道路の問題についてのご答弁の中で、私の申し上げた理由をよく理解されたと思いますが、現状では、鋭角部分は店舗があったり、ブロックに囲まれた空地になっているので、土地の確保を前提とした解決は非常に困難であると答えられ、また複雑な道路形態ではあるが、消防署の救急隊員の慎重かつ的確な判断と、すぐれた運転技術によって患者の搬入をされていると言っておられますが、それらは私も十分認めているのであります。私は、1秒でも早く安全に手術室に患者を運び込むことができるよう改善されたいと言っているのであります。
再度申し上げますが、現在の状態では、だれが見ても、当然改善すべきであると考えるのであります。早急に府土木と建設部、土地所有者に精力的に協力要請をなされ、改善を図られますように、これは強く要望しておきます。先ほど医療監が答弁されましたんですけども、家があるから、店があるからできないということやったら、向こうの道路もできないはずですわ。もっと私言いたかったんですわ。びっくりするほど金払うて、買収してやっとる。こんなんできんことないじゃないか、命の問題やでと、こう言いたかったんですけれども、それは言うてないわけです。これはひとつそういうことを申し上げておきます。それから、念のために申し上げておきますが、どれだけ努力されたか、次期本会議またはあらゆる機会を通じましてお尋ねいたしますので、よろしくお願いをいたします。
それから、戦争記念館設置についての私の質問に対するご答弁は、よく私の意図するところをご理解いただいた中で、現状では経費の問題、場所の問題、展示の問題から難しいと考えていると、前向きの答弁はいただけなかったと思うのであります。難しいということは、これの設置を否定されるような、体裁のよいご答弁であると思うのであります。戦争のむごさ、悲惨さが風化されてきている中で、私のような参戦者の生き残りの者が、戦争を憎み、平和を守り、後に続く人たちに伝えるための切実な願いでありますことを再認識されて、現状では無理なら、見通しがつけば、平和を願うためにぜひ前向きに検討されんことを心の底より願うものであります。近い将来、戦争体験者直々の平和の訴えをすることがなくなってくること必定であります。今直ちに記念館建設は、諸般の事情によって難しいことはおおむね理解するところでありますが、私の意のあるところをお察しくださいますならば、多くの市民に戦争の悲惨なことを浸透する努力を図られたいものであります。口先だけの平和を唱えただけでは何の効果もありません。
今、国際的な問題として避けることのできないPKOなど、地方議会の議員としても、学ぶことが要求されているのであります。そうした中で戦争について、その歴史を知ることも大切であると思うのであります。日本国民としてだれ一人戦争をしたいなどと考えている人はいないと思うのであります。まして議員は、自由と平和を守ることが大きな責務であります。戦中の特攻基地、例えば鹿児島の知覧の記念館は、痛ましい、若い特攻隊員の遺書など、涙なくしては見ることができず、戦争の悲惨さ、そして平和のとうとさを改めて痛感され、参戦した私などは、特に身につまされるのであります。生きておられたら私と同年配で、当時21、2歳の青年ばかりでありました。当時を思い起こすとき、平和を守ることこそ、これが犠牲者の死をむだにしないことであると思うのであります。理事者の方も戦争を知られない議員の方も、ぜひ一度視察に行かれて、あの立派な戦争記念館について学んでいただき、記念館をつくられる努力をされることを要望いたしておきます。
続いて、松枯れ対策について。ご答弁によりますと、現在、種々の防除方法により、松枯れ防除のためにご努力されていることは敬意を表する次第であります。なお、今後の防除についても、国、府に対しても防除事業費の拡大を要望、その他に力を注ぐ努力をなされる決意のほどをお聞かせいただき力強く思いました。より一層緑を守られるご努力を期待いたします。防除の効果についての結果調査をする一つの手法として、年1回程度、同時期、同時間ぐらいに同じ山の立ち枯れ状態を数か所において写真におさめ、比較すれば、松枯れ被害が衰退傾向にあるのか、枯れ松が増加しているのかわかるのではないかと思うのであります。いずれにいたしましても、種々の防除研究をされ、残された緑を守られるよう、これまた強く要望しておきます。
杉花粉症につきましても、ご明快なご答弁をいただき、おおむね理解いたしましたが、緑保全 に正比例する杉花粉の増加となるため、まことに皮肉なことでありますが、今後も他市の例や、種々の研究をなされ、杉花粉の減少に努められたいと思います。私の知人が、花粉症で3、4月は1年で一番苦になる期間であると言っております。毎日、ティッシュ1箱半ぐらいを使い、はなばかりかんでいる憂うつな日々で、早く春が過ぎてほしいとも言っております。気の毒にその人はひっきりなしにはなをかんでおりますので、鼻の頭がピエロのように赤くなっております。私もこの質問のために、原、樫田、箕面の山々を回ってまいりましたが、最近鼻がむずがゆく、水ばなが出るようになり、花粉症にかかったのではないかと思っておるのでありますが、箕面の杉山では、ところどころにガラスコップのようなものを置き、調査研究をされております。本市においても種々の努力をなされるよう要望しておきます。
私の70年に近い人生から申しますと、何事も一生懸命の失敗も時にはあります。一生懸命の失敗は、これは勇気ある男の勲章であると思います。失敗をしない者は、寝ている者か何もしない者であります。行動を起こせば必ずまたつまずくときもあります。つまずいた石を踏み石にして、だんだんと成長したり、目的を達していくんではないかと、このように思いますので、ひとつ理事者の方も一生懸命頑張って、勇気を出してやっていただきたいと思うことを申し添えまして私の一般質問を終わります。
○議長(伊川二郎) 山本五一君の一般質問は終わりました。
次に、二木洋子君。
〔二木洋子君登壇〕
○(二木洋子議員) 最後です。お疲れのことだと思いますが、ご協力のほどお願いいたします。
私は、JT新医薬研究所建設問題についてお伺いいたしたいと思います。このJT新医薬研究所建設問題も、'91年9月、JT側の一方的な強行着工以来1年半が過ぎ、去る3月18日の総務委員会協議会の席上、市長公室長より、現在、工事の進捗率63%という報告がありました。既に灰色の巨大な建物が姿をあらわし、特にユーティリティ棟と言われる建物は、窓が全くなく、しかも、屋上には大きな排気塔があるという特殊な形状で、周辺の住宅環境とはおよそなじまないものになっております。周辺住民にとっては異様な建物を目のあたりにしまして、今新たに施設に対する不安が広がっております。また、工事に関しましても、開所を急ぐ余りか、休日も返上、平日の夜間も8時以降もこうこうと明かりがついており、まさに突貫工事という様相を呈しております。周辺の道路は至るところを掘り返し、交通安全上極めて危険な状態が続いております。
このような状況の中で、去る3月3日、市とJTの協定──「組換えDNA実験等に係る環境安全に関する協定」──以下、市協定と申しますが、これがまさに抜き打ち的に締結されました。 協定締結が明らかになったのは、3月4日の本会議での市長の諸般の報告によってであり、一般の住民は、5日の各紙の朝刊で初めて知らされるという状況でした。住民を無視した市協定締結という新たな局面を迎え、現在の高槻市の姿勢について4点ほどお伺いいたします。
さて、私は昨年、'92年6月議会の一般質問で、自治体のバイオハザード対策はどうあるべきかというテーマで質問をいたしました。バイオテクノロジーによる環境汚染、感染事故など、いわゆる生物災害──バイオハザードに対して、国際的にはWHOの指針、アメリカ、EC諸国の規制の法制化の動きを紹介させていただきました。また、国内的には法や条例の制定には至らないものの、地方自治体の中には、積極的に指針等を作成し、実施している例を紹介いたしました。こうした先進的な自治体の施策を見ますと、単に現行の法令や国の指針に頼るだけでなく、自治体独自の上乗せ基準を設けることにより、バイオ施設の環境保全を自治体の主体性のもとに確立していこうという姿勢が共通しております。
しかしながら、本市におきましては、このJT新医薬研究所の場合、市協定と地元協定とのブリッジ協定で、しかも市協定は地元協定を補完支援するという位置づけでした。従来の典型7公害──大気汚染、水質汚濁や騒音、振動、悪臭などに対しては、公害対策基本法や、それに基づく公害防止条例等があります。しかし、それに対して今新たに問題となっている先端技術産業、これには当然バイオテクノロジーも含まれますが、この先端技術産業による環境汚染は、汚染の始まりを知覚するのが難しく、一たん引き起こされると現状回復が極めて困難であるとか、地球規模の環境汚染につながることから、従前の法令だけで対応できるものではありません。だからこそ、ここ数年、諸外国においても、また各自治体においても、積極的に新たな環境保全対策が取り組まれてきているのです。
当市議会におきましても、昨年9月に、全会一致で先端技術開発や残留農薬など、多岐にわたる環境問題への影響を考慮し、公害対策基本法を全面的に見直し、環境基本法、環境アセスメント法の制定をも含めた、環境保全対策の拡充を求める意見書を出しました。JT新医薬研究所だけでなく、今後、大阪薬科大学の移転進出も決定しております。また、既設の大学や事業所内でのバイオ施設の建設も十分に予想されるところであります。いや、既にもうあるやもしれません。
そこで、1点目として、バイオ施設も含めた先端技術産業施設の立地に対して、市として主体的にどのような環境保全対策をとろうとされているのか、まず、基本的なお考えをお示しください。
次に、2点目は、今回の市協定の内容についてお尋ねいたしたく思います。市協定を見てみますと、第1条で協定の対象を、1 組みかえDNA実験、2 病原体を取り扱う実験の2点のみに限定しています。このように、2つに限定した協定は、他市では例のないことであります。私 が議員になりまして、初めての一般質問、'91年6月議会でいたしましたが、住民の不安がどういうところにあるのか、5点にまとめて申し上げました。すなわち、遺伝子操作のためのP3施設があるということ、病原体を取り扱うということ、化学物質を多種多様に取り扱うということ、放射性同位元素を取り扱う、そして動物実験施設があるということの5点でした。この施設の際立った特質は、日常的にこの5点が複合して行われているという点であります。しかし、市協定では、組みかえDNA実験と病原体を取り扱う実験しか念頭になく、私が'91年の6月議会で指摘したにもかかわらず、いまだに研究所総体として持つ危険性を認識していらっしゃらないのではないかと思わざるを得ません。例えばバイオ施設では、今までに規制対象になっていないような化学物質を使用いたしますが、このような化学物質の規制について、市協定の中になぜ盛り込まなかったのかお答えください。
また、動物実験につきましても、市協定では何一つ記載がありません。この1月、京都大学医学部の動物実験施設で飼育していた実験用ネズミ、ラットが、腎症候性出血熱のウイルスに感染してることが明らかになり、約2,300匹のラットすべてを焼却処分するというショッキングな事件がありました。目の前に同様の施設がそそり立つ周辺住民にとっては、この事件の報道に、ただただ震撼するばかりでした。マウス、ラット、モルモット、ウサギ、犬、豚など、大量に飼育するこの施設では、実験動物それぞれに人畜共通に感染する病原体があり、安全対策が重要です。しかも、今回の京大の事件のように、動物それ自身には病原性を発揮せずに潜在していることもあり、特に注意が必要であると指摘されています。このような施設が住宅とわずか道1本隔てたところに建設されるにもかかわらず、市協定の中で動物実験施設について、なぜ何一つ触れていないのかお答えください。
次に、3点目でありますが、市協定第3条で、「日本たばこ組換えDNA実験等安全対策調査検討専門者会議」の設置が定められています。この専門者会議についてお伺いいたします。市協定締結とともに取り交わされた専門者会議に関する確認書では、専門者会議構成メンバーとして、市職員、日本たばこの社員以外に市が指名する大学教授及びこれに準ずる者として、5人以内の専門委員が上げられております。3月18日付で、今回、市として5人の大学の先生を指名されましたが、この指名基準をお示しください。
最後に、市協定締結に至る手続についてお尋ねいたします。本来、環境保全は市民、住民のためのものであり、したがって、環境保全対策には市民の参加、住民の参加が必要不可欠です。環境アセスメントでも、市民への情報公開と市民の参加を保障しているのもその1つであり、また先端技術産業施設の立地に際して各市の自治体が3者協定を結ぶのもそのあらわれです。今回の市協定は、全国でも、また過去にも例のないブリッジ協定方式ですが、少なくとも3月3日の締 結段階で、片方の協定案、地元協定案しか知らされていなかったのは住民だけで、市は2つの協定内容を把握しており、当事者のJTも当然熟知していたわけです。ところが、ブリッジと言いながら、2つの協定の間に何か所か整合しない事項があるのはどういうことでしょうか。
時間の都合上ここでは具体的に2点について指摘いたします。1つは、先ほど述べた専門者会議を構成する大学教授等は、地元協定案では住民が推薦する複数の大学教授等という条文になっているのに対し、市協定の確認書では市が指名する大学教授及びこれに準ずる者とあります。次に、研究所で取り扱う病原体は住民にとって最も気になることの1つですが、地元協定案では生菌クラス2b以下となっていますが、市協定ではレベル2以下となっています。これは同じものなのでしょうか。整合しない点はほかにもあるのですが、とりあえずこの2か所について具体的にお答えいただけたらと思います。
以上、4点についてよろしくご答弁をお願いいたします。
〔市長公室長 溝口重雄君登壇〕
○市長公室長(溝口重雄) 二木議員の一般質問に対してお答え申し上げます。
まず、1点目の高槻市の先端産業施設を受け入れるに当たっての基本方針、並びに今後の市としての対応についてのご質問でございます。
今日の科学技術の発展は、従来の産業分野からより新しい分野へと進行し、人間の社会生活に大きな役割を果たしてございます。特に最新の生物科学や医療科学での技術の発展は、目覚ましいものがございます。特に組みかえDNA技術を軸とする生物科学分野での国際間競争は、ますます広がり、国内的にも医薬産業、食品産業、化学産業、農林畜水産業等での基礎的研究や、その応用が進められ、新しい医薬品への開発等による人間の生命への貢献、あるいは農業、畜産への応用、実用化による品種改良等を通しての食糧問題への国際的な貢献をも果たそうと努力がなされております。
このように、バイオ産業は今後も一層発展し、さまざまな産業分野においてその応用が進展するものと予測されます。本来、このような最先端技術は、正当に社会に受け入れられながら進展することが最も望ましいものでありますが、このような新しい科学分野での未知の先端技術は、その技術の内容がより高度化、専門化されるに伴いまして、一般社会によりわかりやすい説明がし切れないというジレンマと困難性があり、環境問題や安全問題等について、従来と異なった新しい不安感が生まれてきておることは十分理解できることでもございます。バイオ技術は、まさにこのような現状に置かれている分野であり、今後の不安感の解消と環境安全の確保について、その理解や合意を得る努力は重要な課題であろうと、こう認識するものでございます。
そうして、今日的には、地球環境問題への意識の高まりと相まって、今後、関連産業界におい て、好むと好まざるにかかわらず、多岐にわたる環境保全の問題については避けて通れない課題でもあろうかと考えてございます。また、現実的にその企業者の役割と社会的責任の範囲は一段と拡大しており、みずからの研究活動、事業活動と環境とのかかわりを正しく認識し、環境保全に取り組むことが求められるものであると認識しております。
このような基本的立場に立ち、地域の実情を踏まえ、環境安全の確保のために、その原因者責任、社会的責任の明確化を図り、現行法規制に基づく環境安全対策はもちろんのこと、現在、特別な法規制のない実験等について、国の定める実験指針等の遵守等、地域住民の不安解消と、環境安全の確保を図るという観点から、立入調査、専門家によるチェック体制の整備等を明確にした、いわゆる安全協定を締結することによりまして、その実効性がより高められるものと、こう認識をするものでございます。
環境保全問題についての今後の対応等についてでございますが、本市におきましては、議員仰せのように、去る平成4年7月に、市議会におかれまして環境保全対策の拡充を求める意見書が全員賛成で採択され、バイオだけではなく、広い意味での最先端技術開発に伴う環境問題が大きくクローズアップされ、また未規制物質や二酸化窒素、炭酸ガスの問題による地球温暖化等、従来の枠を超えた環境問題への対応等について、従来の公害問題対策から、より多岐にわたる環境保全対策への法制定等が請われているものと認識するものでございます。
そして、現在、国におきましては、平成5年3月に、従来の公害対策基本法の抜本的見直しをも含めた、いわゆる環境基本法案が閣議決定され、審議が展開され、その制定へ向けての取り組みがなされてございます。今後このような国の動向及び府や他の自治体の取り組みの状況を注視したいと、こういうふうに考えてございます。
2点目の協定の内容について、化学物質の取り扱い、動物実験施設の取り扱いについての、規定されていないこの関係でございますが、これにつきましては、今回締結いたしました市協定の趣旨は、現行法規制のない、いわゆる組みかえDNA実験と病原体を取り扱う実験とに係る環境安全に関する協定でございます。したがいまして、動物実験施設の問題につきましては、あえて協定の中に規定するまでもなく、現行法令として動物の保護及び管理に関する法律があり、その法律の規定を受けて、実験動物の使用及び保管等に関する基準が定められておりますので、当然のこととして事業者はその法令等を守り、実行する責務がございますので、安全協定の中には規定しておりませんので、理解をいただきたいと思います。
次に、化学物質の取り扱いについての関係でございます。その規定がないということでございますけれど、研究所で使用する化学物質は、危険物であれば消防法で取り扱い、取り扱い上の注意事項や立入調査等が定められてございます。また、劇物、例えばアンモニア、塩化水素、過酸 化水素等、あるいはまた毒物、水銀、シアン化ナトリウムなどでございますけれども、こういったたぐいのものは、毒物及び劇物取締法で取り扱い、事故等の措置、廃棄の方法、立入検査等が定められておるわけでございます。地域に対しては悪臭防止法や市下水道条例などを定めておりまして、そういった指導はできると、こういうふうに考えましての協定からの除外扱いでございます。
それから、3点目の専門者会議の学識経験者の指名基準についてでございます。「組換えDNA実験等に係る環境安全に関する協定」第3条第3項の規定に基づきまして、専門者会議を設置するものでございます。そして、その専門者会議に関する確認書の中で、組織構成に市が指名する大学教授及びこれに準ずる者、いわゆる専門委員でございますけれども、これらの方々を5人以内としております。この5人の先生方につきましては、既に市から指名し、ご理解をいただいておるところでございます。その5名の指名基準でございますが、専門者会議の目的として、地域住民の不安解消、こういった視点から、地域住民としての立場で審議をしていただくことが大切であり、また会議開催について、定期と随時開催が考えられ、勤務地、住居が高槻市近く、即対応の可能な人、また対象とする実験の権威であり、その専門的知識を持った人という考え方でございまして、3名の先生は大阪医科大学の先生で、懇話会で地元が推薦した先生でございまして、懇話会時代に参加をし、JTの施設、管理体制についての認識が深いことと存じます。他の2名の先生でございますが、お1人は、お住まいが高槻市でございまして、京都大学薬学部教授で、専攻分野は生物系薬学でございます。もう1人の先生は、大阪大学の教授で微生物研究所所長で、専攻分野は感染病理学でございまして、組みかえDNA実験等の権威で、かつ高槻市近辺の茨木市にお住まいの先生でございます。
あと、もう1点でございますけれども、市協定と地元協定の整合性の問題でございます。これは本会議等でも従前申し上げておりましたように、もともと地元協定が先行して、その足らざる部分を補完支援すると、こういった位置づけのもとで市協定を考えておったわけでございますけれども、先ほど来の説明でご理解願えますように、それが逆転したということで、我々、平成2年当時にまとめられております協定については、目にしたことがございますけれども、今後、市協定の足らざる部分を地元協定ということでございますので、今日的にどういうようなまとめ方、まとまったものが、いわゆる地元協定としてあるのか、私ども承知をいたしておりません。したがって、専門家云々とか、あるいはレベル2云々と、こういったたぐいの質問については、承知をしておりませんので避けたいと思います。
以上です。
○(二木洋子議員) ご答弁いただきました内容をお聞きしまして、正直な感想、愕然といたしました。 これが世界に誇るあのJTの新医薬研究所を受け入れる、36万人高槻市のバイオ施設に対する環境保全対策のあり方なんですか。
具体的に申し上げさせていただきたいと思います。私が昨年の6月議会で、世界あるいは今、自治体で取り組まれております環境保全対策の現状を質問させていただきました。それを市長公室長、いろいろお調べいただきましたですか。各自治体、恐らく公害防止行政の中でも神奈川県というのは全国でも一番立派な条例をおつくりになったとこやと思います。神奈川県あるいは川崎市は、そこに立地する企業にアンケートを出され、今このような施設でどのような薬品が使われているのか、どんなことがなされているのか、まず実態調査をして把握されましたよ。その中で、今までにあるような法令では規制されてない化学物質あるいは生物がかなりあるというような実態把握の上で、新しい指針をおつくりになっているんです。既にそういう自治体があるんでしたら、どうしてそういうものを見習った上で、今、高槻市は腰を上げられないんですか。国とか、そういうものを見ながら、今後注視していきたい──それでは、あの医薬研究所の実験が始まったときに、私たちの生命の安全はどう保障されるんですか。後からそういう指針ができたって意味がないんですよ。化学物質に対して、今おっしゃいましたね、消防法、劇物法、下水道条例、そういうもので本当に取り締まれるとお思いなんですか。そこをもう1度お伺いしたいと思います。
それから、これまた非常に重要なことを言われました。動物実験施設に対して、これ、動物の保護及び管理に関する法律──これ、お読みになりましたか。お読みになってご答弁いただいているんですか。これは何のためか申し上げますよ。「この法律は、動物の虐待の防止、動物の適正な取扱いその他動物の保護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し」──これ、動物愛護のための法律なんですよ。これでもって動物実験施設の環境保全対策を行うというのは、これはどういうことなんですか。動物保護──この中に動物愛護週間を設けましょう、こういうことが書いてある法律なんですよ。本当に高槻市は、このような動物の保護及び管理に関する法律で、あの動物実験施設の環境保全対策が図られるとお考えなのか、もう1回お伺いします。
それから、専門者会議についてですけれども、これは地域にお住まいの方とか、京都大学の生物系薬学専門の方、それから阪大の先生──早く言われたから、私、ちょっとメモできなかったんですけれども、選ばれたということです。5名の研究者の方ですけれども、3名の方は既に懇話会に出ておられた。懇話会の先生方が、今、住民の間でどのような評価を受けておられるか、それはご存じのことだと思います。しかも、新たにお2人選ばれております。これは私、名前を伺っておりましたから、いろいろ私なりに調べさせていただきました。それで、日本科学技術情 報センターという、国が科学技術振興のために設置している機関があるんですけれども、そこへ参りまして、今回選任された京大の先生あるいは阪大の先生の論文を読ませていただきました。確かに京大の先生は、非常に最近注目されておりますプロスタグランジンという物質の研究の権威でおありですし、阪大の先生も、それはもうガン、ウイルス等の大きな権威の方でいらっしゃるいうことは、私、百も承知でございます。しかし、この専門者会議は、研究を進める機関ではないんですよ。周辺の環境保全を図るために、安全性をチェックするための機関なんです。だとすれば、どうして公害問題あるいは環境保全、バイオハザードのことを研究なさっている研究家をお入れにならなかったんですか。そういうことを検討されたのかどうかをお答えください。
それから、最後の問題、住民協定との整合性のことについて、これまた非常に問題ある発言をされております。承知いたしておりません──どういうことですか、これは。今まで市協定は住民協定を補完するものという形で位置づけされて案を考えておいでになったわけでしょう。当然のことながら、住民の協定を十分把握した上で補完の内容を考えてこられたんですよ。で、片方が先行するんなら先行するで、少なくとも2つ──地元協定はもうだめだとおっしゃってるわけではないんでしょう。今、地元では、地元協定を結ぶための努力をしておりますよ。そしたら、2つの橋が矛盾ないように、少なくとも市が先行する前に、住民協定との整合性を十分図られるのが筋じゃないですか。そんな矛盾した協定をJTは2つ結ぶんですか。そのような、承知いたしておりませんという答弁でもって、住民納得できませんよ。(「長引かしたんだれや」と呼ぶ者あり)長引かしたんは市とJTじゃないですか。おたくに言われることないですよ。ここは須磨さんとやりとりする場所じゃありませんからね、市とやりとりする場所ですから、また、場所改めてやらしていただきますよ。住民協定と市協定との整合性という問題について、承知いたしませんじゃないです。ブリッジとして今後成立するならば、その整合性が必要なんじゃないですか。ご答弁ください。
○市長公室長(溝口重雄) 環境保全対策の先進都市といいますか、そういった事例として神奈川県のご紹介がございましたけれども、神奈川県のこういった安全協定については、市販されておりまして、私も勉強いたしております。これらの内容と何ら遜色はないと、こういうふうに考えてございます。
それから2点目の、動物に関する法令の関係でございますが、これも法律の趣旨とするところから、これで十分我々のねらいとするものをカバーしておるというふうに考えてございます。
それから3点目の、5名の先生方の中で懇話会の先生方の評価云々ということについては、議員としてどうかなというような発言として私は受けとめました。非常に失礼なお話ではないだろうか、こういうふうに考えてございます。
それから4点目の、住民協定の問題でございますが、私が申し上げてるのは、正確にお聞きいただきたいんですが、平成2年10月当時におまとめになった住民協定、地元協定、これでは今日的にはどうかなと、このことを言っているわけでございまして、当然、当時の協定については私は承知しておりますが、そのまま協定を結ばれるはずはなかろう。我々の協定とその位置づけが逆転したわけでございますので、当初来申し上げているのは、地元協定が先行して、その足らざる部分を補完支援すると、こういった位置づけであったわけでございますが、3月3日にこれが先行されておりますので、したがって、それを補完するといいますか、不十分だといいますか、地元として協議の上で結ばれるわけでございますから、恐らくは今日アイ・エヌ・ジーの状況にあるのではないか。そういう意味で、現在検討されているそれらの協定については承知をしないと、こういうふうに申し上げておるわけでございます。
○(二木洋子議員) 神奈川県のは既に市販をされているということですから、恐らくこのような「ハイテク産業と化学物質環境対策」の本のことをおっしゃっているのだと思います。本当にこれと今おっしゃった既成の法律、条例でこれで合致しているんですか。
そしたら、具体的に私、申し上げさせていただきます。神奈川県でいろんな実態調査をされて、これ、きっちりとした本──「ハイテク産業と化学物質環境対策」にされております。この中では、バイオテクノロジーの施設に関しては、生物と化学物質の管理が特に大事だと。研究機関では製造企業に比べて、少量で、かついろんな、多種多様なものを扱うということを指摘されているんです。神奈川県ではあらゆる法令、条例、いろんな調査なさいました。全部リストアップされました。その中で、環境安全上注意を要する物質を5,000種、それからその中でも特に注意を要する特定管理物質200種というのを定められているんですよ。しかも、事業者がこれらに対して、自分たちはどのような化学物質を使っているか、種類、形状、それからマニフェスト方式という形で、物質収支、そういうものも全部行政に届け出るような規定がされているんですよ。これと矛盾しませんとおっしゃるんですか。高槻の中にそのような規定、どこにあるんですか。住民協定でそれをせえとおっしゃるんですか。一体、地方自治体の地方自治法あるいは公害対策基本法に載っている責務は何なんですか。そんな現状で、ここに書かれてあることと矛盾することをおっしゃらないでくださいよ。はっきり、読まれたなら読まれた、これに矛盾しないと言うんだったら、高槻市もこのような指針をきっちりつくってやってください。
それから、私、本当にこれ、本会議場のご答弁としてこれを置いとかれるんだったら、これ、ぜひ皆さん、今の答弁のままで置いとかれるんだったらお読みいただきたいと思います。これは本当に大変なご答弁なんですよ。動物愛護のための法律なんです。今、本当にたくさんの化学物質が出てきました。その安全性を証明するために、動物実験がすごく行われているんです。それ に対して動物愛護団体が、今、警鐘を鳴らしておられます。学界の中でも、余りの動物実験のすさまじさに、安全性を確かめるものは、動物実験じゃなくって、代替のものはないかということを言っておられるんです。そのような方たちが、これに対して動物の愛護のためにこの法律を出してこられるのならわかりますよ。私はそのような施設を──これ、建築基準法でも第2種住専だったら15平米以上の畜舎はできないことになっているんですよ。動物を多量に飼う施設は、そうそこらではできないんですよ。それはやっぱり、環境保全が非常に大きなウエートを占めているからなんですよ。それを本当にこの法律でできるんですか。私、もう一遍確認いたしますよ、これはほんと、大変なことですからね。
それから、専門者会議の件に関しましては、失礼だとか何とかおっしゃいましたですけれども、環境保全に対する専門家が入ってないということに関してはどういうお考えなんですか。それ、ご答弁なかったですよ。そういう方を入れない限り、本当にチェックするという──。今の環境保全のいろんな流れの中では、そういう専門の方を専門者会議の中に入れなければ、どう見たって公正中立な専門者会議ではないですよ。
それから、最後の地域住民協定に関してです。'90年10月現在の状況は承知しておりますが、今どうあるべきかは承知しておりませんと。しかし、ブリッジ協定というのは2つの橋ですよ。それならば、さっき岡本議員の答弁の中でとうとうとこの間の経過を述べられましたから、それなら私も申し上げさせていただきますよ、そういうことをおっしゃるんでしたら。
確かに2月の9日、市の方が住民の中へおいでになりましたよ。いろいろご説明もございました。その後の対策協議会の席では、市協定先行ということは否決されているんですよ。これはその場においでになった議員の方もいらっしゃるからご存じだと思いますよ。否決されているんです。しかし、20日に、確かにおっしゃる要望書は出ました。しかし、その要望書がどういう形で出されたか。これは私が一からここで申すまでもなく担当者の方はご存じでしょう。非常に問題のある出し方ですよ。それを受けて確かに3月1日、文書回答が参りました。2日の日に対策協議会の委員会が開かれました。そこで皆見ました。そのあたり、これで進めてくださいと、どなたもおっしゃいませんよ。皆さんはこれは困るということだったわけです。でも、どなたも3日の日、まさか締結されるとは思っておられませんでしたよ。市に対して正式な文書を持っていこう、そのために安全部会に諮ろうということで2日の夜は終わったんです。そしたら3日のあれじゃないですか。信頼を損なうような状態になってはいないとおっしゃいます。だけど、住民の対策協議会は、皆さんと同じ8時間働いているんじゃないんです。みんな仕事を持った後、夜、ボランティアで集まってやっているわけですよ。JTさんや市の方と同じようなペースで何もかも会議を持って決めるわけにはいかないんです。1週間に1遍集まって、しかもそれ、夜の疲れ た時間、数時間ですよ、議論できる時間。1日、2日の夜にいただいた文書を見て、一つの文書をつくるのにも何日か余裕が要るんです。どうしてその間を置いて、住民協定は今どこまでいっていますか、市協定はこんな形でやりますよと公開されて、整合性を図った上でこういうことをされないんですか。これは本当に住民無視そのものだと思いますよ。改めてお答えください。
○市長公室長(溝口重雄) 最後に言われたところから答弁したいと思います。
対策協からは、私ども、感謝を受けこそ、二木議員が言っておられるような、そういった不満というようなことは一切聞いておりません。私ども、行政の一定のいろんなのりがある中で努力をさせていただいたつもりでございますので、非常に心外であると、こういうふうに考えてございます。
それから、1点目のこういった安全協定の中身の問題でございますけれども、私どもは、神奈川県がなるほどそういった先進都市であるとはいえ、高槻は高槻市としての主体的な判断に基づきましてこういった協定を交わしておるわけでございまして、そういうことについても変更するつもりはないということでございます。
その他の関係については、既に答弁をいたしておりますので、そのとおりでございます。
○議長(伊川二郎) 二木洋子君の一般質問は終わりました。
これにて一般質問を終結いたします。
以上をもって本定例会に付議されました事件及び議案の審議はすべて終了いたしました。
よって、本定例会はこれにて閉会いたしたいと思います。これに異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊川二郎) 異議なしと認めます。
よって、本定例会は本日をもって閉会することに決しました。
閉会に先立ち、市長からあいさつの発言を求められておりますので、これを許します。
〔市長 江村利雄君登壇〕
○市長(江村利雄) 閉会に当たりまして一言ごあいさつを申し上げます。
議員各位におかれましては、去る3月4日に開会以来、本日に至る27日間の長きにわたり、提案申し上げました多くの議案に対しまして、慎重かつ熱心なるご審議の上、それぞれに適切なご決定をいただき、まことにありがとうございました。
今議会の審議過程におきまして、議員各位からいただきました数々のご意見、ご指摘等につきましては、今後の行政執行に際しまして十分に留意し、より効果的な行政運営に努めてまいりたく存じております。特に今議会では、平成5年度の市政運営に臨むに当たっての私の施政方針に対しましても、意義ある多くのご意見、ご提言をちょうだいいたしたところでございますが、こ れらにつきましても、今後の町づくりを進めるに当たって、その意図するところを十分に生かしてまいりたく存じておりますので、議員各位におかれましても引き続きご指導、ご支援のほどをよろしくお願い申し上げる次第でございます。
また、これまで種々のご審議を賜ってまいりました高槻市社会福祉事業団の設立でございますが、去る3月15日付で大阪府知事の認可が得られ、同17日付で法人登記も完了いたしたところでございます。これをもちまして一切の設立手続が完了いたしましたので、予定どおり、来る4月1日より、順次、事業を開始してまいりたく存じております。今後の事業展開に当たりましては、議員各位からのご意見等も十分に勘案して、地域に根差した総合的な福祉サービスを提供し、当初の設立目的を達成するよう、市といたしましても十二分に連携をとってまいりたく存じておりますので、議員各位の引き続いてのご指導をお願い申し上げる次第でございます。
次に、一昨日挙行いたしました市政施行50周年式典でございますが、議員各位を初め多くの来賓、市民の方々のご臨席を賜りまして、おかげをもちまして、半世紀という記念すべき節目にふさわしく、厳粛かつ盛大にとり行うことができました。この場をおかりいたしまして厚くお礼を申し上げます。この記念式典を契機といたしまして、今後、年内に予定されております各種の記念事業を市民の方々とともにさらに盛り上げ、それぞれの事業が、本市の豊かな未来への飛躍の場となるよう、より一層努めてまいる所存でございますので、議会を初め市民各位の引き続いてのご支援をお願い申し上げる次第でございます。
さて、ここにまいりまして摂津峡の桜も日増しにつぼみを膨らませてきております。間もなく3,000本の桜が咲き誇るよき季節を迎えるところでございます。議員各位におかれましても、いろいろとご多忙とは存じますが、このよき季節をご家族ともども満喫していただきまして、引き続き市政発展のためご活躍を賜りますようお願いを申し上げまして、まことに簡単でございますが、閉会に当たりましてのごあいさつとさせていただきます。
どうもありがとうございました。
○議長(伊川二郎) 市長のあいさつは終わりました。
議長から一言ごあいさつを申し上げます。
本定例会は、去る3月4日開会以来、本日まで、議員各位には27日間にわたり、平成5年度当初予算を初め提案されました多数の重要議案について終始極めて真剣なご審議を賜り、それぞれ適切な結論を得たのでありまして、各位のご精励に対し深く敬意を表しますとともに、衷心より厚く御礼申し上げます。
さて、理事者各位におかれては、成立いたしました諸議案の執行に当たり、本会議あるいは委員会における各議員からの指摘及び意見を十分尊重しつつ、さらに市政発展のため一層の努力 を払われるよう希望するものであります。
なお、議員各位には、閉会中におきましても、特別委員会などが予定されているところでありますので、健康にはくれぐれもご留意の上、今後とも議会活動にご精励を賜りますようお願い申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。長い間本当にご苦労さまでございました。
これにて平成5年第2回
高槻市議会定例会を閉会いたします。
〔午後10時37分 閉会〕
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地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。
議 長 伊 川 二 郎
署名議員 丸 野 達 志
署名議員 須 磨 章...